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1947-08-20 第1回国会 衆議院 文教委員会 6号 公式Web版

  1. 昭和二十二年八月二十日(水曜日)     午前十時五十五分開議  出席委員    委員長代理 理事 高津 正道君       野老  誠君    永井勝次郎君       原 彪之助君    松澤 兼人君       松本 七郎君    中山 マサ君       米田 吉盛君    柏原 義則君       圓谷 光衞君    水谷  昇君       豊澤 豊雄君    松原 一彦君       黒岩 重治君  出席政府委員         文部事務次官  日高第四郎君  委員外の出席者         議     員 本藤 恒松君         文部事務官   鈴木 享弘君         文部事務官   森田  孝君     ――――――――――――― 八月十一日  新制中學校の施設對策に關する請願(神山榮一  君紹介)(第七三號)  定時制高等學校設置の請願(野本品吉君紹介)  (第七六號)  夜間高等工學校卒業生上級學校への進學の請願  (細川八十八君紹介)(第八八號)  六・三制完全實施のため全額國庫負擔の請願(  小澤佐重喜君紹介)(第八九號)  學校用品を學童に配給の請願(山本猛夫君紹  介)(第九一號)  六・三制完全實施のための全額國庫負擔の請願  外三十二件(相馬助治君紹介)(第九四號)  六・三制完全實施のため全額國庫負擔の請願外  十八件(高津正道君紹介)(第九五號)  六・三制完全實施のため全額國庫負擔の請願外  十件(外崎千代吉君紹介)(第九六號)  六・三制完全實施のための全額國庫負擔の請願  外十一件(原彪之助君紹介)(第九七號)  六・三制完全實施のため全額國庫負擔の請願(  馬場秀夫君紹介)(第九九號)  六・三制完全實施のため全額國庫負擔の請願外  一件(斎藤昇君紹介)(第一〇〇號)  六・三制完全實施のための全額國庫負擔の請願  (中村元治郎君紹介)(第一〇一號)  六・三制完全實施のため全額國庫負擔の請願(  安東善良君紹介)(第一〇二號)  六・三制完全實施のため全額國庫負擔の請願外  三十四件(門司亮吉君紹介)(第一〇三號)  六・三制完全實施のための全額國庫負擔の請願  外二十件(金野定吉君紹介)(第一〇四號)  六・三制完全實施のため全額國庫負擔の請願外  二十六件(成重光眞君紹介)(第一〇五號)  六・三制完全實施のため全額國庫負擔の請願外  十七件(大島多藏君紹介)(第一〇六號)  六・三制完全實施のため全額國庫負擔の請願外  五件(片島港君紹介)(第一〇七號)  六・三制完全實施のための全額國庫負擔の請願  外四件(田中角榮君紹介)(第一一〇號)  六・三制完全實施のため全額國庫負擔の請願外  一件(中村元治郎君紹介)(第一一一號)  六・三制完全實施のため全額國庫負擔の請願外  一件(成重光眞君紹介)(第一一三號)  六・三制完全實施のための全額國庫負擔の請願  外四件(田中健吉君紹介)(第一一四號)  六・三制完全實施のため全額國庫負擔の請願外  八件(馬場秀夫君紹介)(第一一五號)  六・三制完全實施のため全額國庫負擔の請願外  十二件(田中稔男君紹介)(第一一六號)  六・三制完全實施のための全額國庫負擔の請願  外五件(小澤專七郎君紹介)(第一一七號) の審査を本委員會に付託された。     ――――――――――――― 本日の會議に付した事件  六・三制年次計畫及び新學制實施について、当  局より説明聴取、     ―――――――――――――
  2. 高津正道

    ○高津委員長代理 會議を開きます。  本日は六・三制野年次計畫及び追加豫算三十一億二千蔓圓の都道府縣別、學校別配分の具體案についての説明を願うことにいたします。初めに森田説明員から六・三制の年次計畫の御説明を願います。森田説明員。
  3. 森田孝

    ○森田説明員 新制中學校の整備に要する年次計畫と竝びに新制中學校の教員俸給の國家負擔の増額豫定について説明申し上げます。  最初に新制中學校の不足教室の建築費、整地費、設備費等に要する経費について一應口頭で御説明申し上げまして、ただいま印刷物を刷りつつありますので、後ほど印刷物をお配りいたしたいと思います。  計數を讀んでまいります。本年度は建築費が二十六億九千二百四十四蔓二千圓。地ならし、その他のために要する整地費四千八百九十五蔓三千圓。机、腰掛等の整備費一億七千二十四蔓一千圓。校地買収費は現在の第一學年の三倍――完成年度における買収費であります。その校地を豫定いたしまして、本年度一括買収いたす豫定であります。校地買収費二億九百八十五蔓八千圓、合計三十一億二千百四十九蔓四千圓、これが二十二年度の今囘國會に要求いたします追加要求と竝びに起債として許されたわくの合計となつておるのであります。昭和二十三年度の建築費は三十六億七千四百六十蔓三千圓、整地費六千六百八十一蔓圓であります。設備費二億三千二百三十四蔓二千圓校地買収費はありません。本年度において全部買収をする豫定であります。合計三十九億七千三百七十五蔓五千圓、昭和二十四年度――これは以降でありまして、二十四年度に必ずしも全額とるという豫定にはいたしておりません。そのうち二十四年度に最小限度必要とするとわれわれが考えております額を最初に申し上げます。建築費九億五千二百十一蔓一千圓、整地費一千七百三十一蔓一千圓、設備費六千二十蔓圓、合計十億二千九百六十二蔓二千圓それから二十四年度にも、でき得る限りこの部分を計上したいと思いますけれども、それ以降にまわることを考えまして二十四年度以降において必要とする額、建築費五十八億七千四百七十七蔓八千圓、整地費一億六百八十一蔓四千圓、設備費三億七千百四十五蔓、合計六十三億五千三百四蔓二千圓全體の合計を申し上げます。建築費の總計百三十一億九千三百九十三蔓四千圓、整地費二億三千九百八十八蔓八千圓、設備費八億三千四百二十三蔓三千圓、校地買収費二億九百八十五蔓八千圓、計百四十四億七千七百九十一蔓三千圓。  この表について若干御説明申し上げておきますが、建築費の単價は全部五千五百圓で見てあります。整地費は建築の坪常り百圓に見てあります。設備費は机、腰掛一人当り二百五十圓に見てあります。校地の買収費は反当り千圓に見てあります。  次に建築の内容を申し上げますが、不足教室分として計算いたしましたのは、自然進級に伴う増加生徒を収容する教室のための建築費は昭和二十二年度及び二十五年度には、すべて自然進級に伴ひ増加生徒のための教室の建築費であります。昭和二十四年度以降として申し上げましたのは、新制中學が二部授業をしておるものの解消及び假教室の解消及び中學校が小學校の教室を使用するために、小學校が二部授業をせざるを得なくなつた部分についての、そのに部授業の解消、この三つの部分を入れまして、全体が昭和二十四年度以降におきまして財政の状態をにらみ合わせて、でき得る限り早期にこれが解消をはかるという考え方であります。ただいま申し上げました計数の内容は以上であります。なおこのほかに設備といたしまして、内容改善のための、たとえば校務、教務、あるいは實験、實習用具というようなものの充實のための補助を出したいと考えておりますけれども、今度の追加豫算には、もちろん出ておりませんし、年次的な計畫というものは、立つておらないのでありますが、来年度の豫算に要求いたしたいという考えで、目下調査を進めておるような状態であります。  その次は教員俸給の國庫負擔についての豫定でありますが、これは千二百圓基準の梳きの豫算でありますので現在の千八百圓ベースになりますと、相当多額になります。その點も御了承願いたいと思います。  昭和二十二年度、文部省の計上分と内務省の計上分と両方になつておりますが、文部省計上分は、昭和二十二年度五億九千八百八十一蔓四千六百七十八圓、昭和二十三年度九億九千百九十八蔓八千三百七十六圓、昭和二十四年度十四億九千九百九十五蔓千二百三十六圓、内務省計上分、昭和二十二年度八億一千百七十九蔓八千二百十八圓、昭和二十三年度十三億四千四百八十一蔓四千五十六圓、昭和二十四年度二十億三千三百四十四蔓六千七百十六圓であります。
  4. 高津正道

    ○高津委員長代理 ただいまの御説明について御質疑があつたらどうぞ……。
  5. 野老誠

    ○野老委員 ただいまの年次計畫は、各地方の地方廳にもすでに發表して、各市町村の末端までこれがいくようになつておりますが、どうなつておりますか。
  6. 森田孝

    ○森田説明員 年次計畫は、まだ府県にも市町村にも發表いたしておりません。
  7. 鈴木享弘

    ○鈴木説明員 それについて、今、森田説明員より御説明申し上げましたが、一應お断り申し上げておかなければならぬと思いますのは、本年度の追加豫算以後の、来年度以後の計畫につきましては、これはまつたく文部省の計数でございまして、まだ大蔵省なり、關係当局及び關係方面の了解を得た数字ではございませんので、大体の文部省といたしましての豫想数字でございます。その點はお含みいただきたいと思います。それから、この数字は、今、森田説明員より御説明いたしましたように、まつたく今の教室を、容れ物だけを一應つくるというだけの計畫でございまして、内容改善とか、そういうものは全然含まれていないのでございます。それからもう一つは、申すまでもありませんが、今年の追加豫算に計上した単價をもちまして計上いたしておりまして、単價増という面も全然考慮いたしておりません。その點御了承願いたいと思います。
  8. 野老誠

    ○野老委員 各地方の末端において、六・三制、殊に新制の中學校の建築その他が、實際進捗しない一つの理由として、当局において年次計畫をもつて、將来どのくらいの國庫補助があるかという見透しがつかないために、實際仕事が手につかないという現状にあろうと思います。そこで文部省においては、いかなる方法かをもつて、これを地方の末端に、少なくも、来年度はこの程度、再来年度はこの程度というものを、これはなかなか困難化もしれぬが、概略のところでも末端にお知らせする意思がありますか、どうですか。
  9. 鈴木享弘

    ○鈴木説明員 ごもつともだと思います。實は本月の十三日から去る十八日までの間におきまして、各府県の關係者を集めましてブロツク會議をいたしました。それは主として後に御説明申し上げます今年の追加豫算の分配の問題の事務打合せでございましたが、その際に、決定はいたしておりませんけれども、ただいまのような年次計畫を一應県当局に申し上げまして、その將来計畫を加味いたしまして、今後のさしあたつた計畫を立てる場合に、その點を考慮の中に入れて計畫していただくように十分申し上げたつもりであります。ただそれが府県まで、いわゆる文書をもつて正式にお話ができないと思いますので、末端まで行き渡るかどうかということは、今後県当局の御努力によつていくより、しかたがないと思います。
  10. 松原一彦

    ○松原(一)委員 内務省と文部省の負擔の差額の基準は、どこにあるのですか。
  11. 森田孝

    ○森田説明員 文部省で計上いたしますのは、教員俸給の國庫負擔でありまして、その他勤務地手当、家族手当、死亡賜金、旅費、暫定加給、そういうものは内務省であります。
  12. 松原一彦

    ○松原(一)委員 すると、本俸の分だけは全額國庫負擔でございますね。
  13. 森田孝

    ○森田説明員 半額國庫負擔であります。義務制に属するものが半額國庫負擔であります。從つて昭和二十四年度で義務制が完了いたしますから、二十四年度までが最高額と踏んでいただけば決行であります。
  14. 松原一彦

    ○松原(一)委員 義務制の分だけは全額國庫負擔になりますか。
  15. 森田孝

    ○森田説明員 義務制は半額國庫負擔になります。
  16. 松原一彦

    ○松原(一)委員 それは動かされない標準できめたものですね。義務制の方も全額國庫負擔にはしないところでいつておるのですか。
  17. 森田孝

    ○森田説明員 そうでございます。一學級あたり一・八人の先生の割合で計上いたしまして、その半額を國庫でもつという計算であります。
  18. 松原一彦

    ○松原(一)委員 それは全額國庫負擔には、どこまでもしないという建前でございますね。
  19. 森田孝

    ○森田説明員 現在のところでは半額負擔ということになつております。
  20. 松原一彦

    ○松原(一)委員 その文部省と内務省との――本来いうとこれは半々ですけれども、それに家族手常等が加わるということでございますね。
  21. 森田孝

    ○森田説明員 さようでございます。
  22. 野老誠

    ○野老委員 前の年次計畫でありますが一學級の生徒数はいくらと押えておるのですか。
  23. 森田孝

    ○森田説明員 これは全部五十人にして勘定してあります。こにれにつきましていろいろ實情にそぐわぬという點があることも、よくわかつておりますし、再三大蔵省とも交渉いたしましたが、不敏のためにうまくいきませんで、今囘五十人に終つたようなわけであります。
  24. 野老誠

    ○野老委員 それは全國の生徒数を五十で割つた数をもつて計算してあるのでありますか。
  25. 森田孝

    ○森田説明員 さようであります。
  26. 黒岩重治

    ○黒岩委員 二十四年度、さらにそれ以降までの建築の費用が百三十一億九千三百九十三蔓四千圓であるということでありますが、概算的に見まして、教室がわずかに七蔓しかできぬと思います。新制中學の生徒数がかりに三百蔓といたしましたときに、一學級五十人という数で収容し、その教室がずいぶん足らぬ結果になりはしないかと思いますが、その點について詳しいことを聴きたいと思います。
  27. 森田孝

    ○森田説明員 この豫算の考え方といたしましては、現在は一應假教室において授業をやつておるといたしましても、教授する場所は現在はある、こういう考え方が前提になつております。從つて問題は、昭和二十二年度及び二十三年度において自然進級に伴う増加生徒のための容れ物がないので、これをまずつくらなければならぬという考えで、二十二年度、二十三年度は自然進級に伴う増加生徒の教室の建て増しを考えております。二十四年以降におきまして、二部授業及び假教室の解消は、現在學校の教室以外のものを使つておるもの及び學校の教室を使つてはおるけれども、通常の一部の授業でなしに二部の授業をせざるを得ないような状態になつておるもの、これを解消いたした場合におきましては、學校の教室としては、全部學校の教室を使つて教育ができる状態になる、こういう考え方であります。從いまして、現實に新制中學校のその後生徒の増加なり、あるいはまた小學校に附設してありました高等小學校がなくなりましたから、その教室を現在使つておるために、報告といたしましては、その中學校の教室を使つておるという報告がきておるけれども、獨立校舎を別につくつたということのために、その高等小學校の教室を不要に歸して別につくらなければならぬというような場合、あるいはまた小學校が非常に狭隘なために、それに附設されておりましたところの新制中學の教室を、その小學校の拡充のために使つて、別の獨立の校舎をつくるというような場合におきましては、教室の不足を生ずることは明らかでありますが、これはこの計畫においては見ないことにいたしまして、各市町村において御処置を願いたいというように、現在においては考えております。
  28. 黒岩重治

    ○黒岩委員 今新制中學の生徒數を概算三百蔓と言つたのは考え違いでありまして、五百蔓以上になると思います。そうすると十蔓の教室が、普通教室として必要になる。そうすると三蔓餘りという教室は、すでに高等科を転用してできておるという御見解でありますか。
  29. 森田孝

    ○森田説明員 さようであります。
  30. 黒岩重治

    ○黒岩委員 なお特別教室が、最小限に見まして普通教室數の四割ないし五割を要すると重いますが、その教室の建築につきましては、これは市町村に建築さすという御計畫でありますか。
  31. 森田孝

    ○森田説明員 特別教室その他の問題につきましては、実は新制中學校におきましても、高等學校、大學と同じように、學校教育法において設置基準を定めることになつております。急を要した關係で、現在設置基準はできていないのでありますが、新制中學校のあり方につきまして設置基準を定める場合に、新制中學校の特別教室その他の特殊の設備につきましても、基準を決定いたしたいと思つております。從いましてその場合に、今問題になりました點について、大体どの程度のものをつくつたらいいか、あるいはまたどの程度の、どういう様式で、どういう廣さのものであるかというような點についての見透しがつきましてから、研究をいたしてみたいと思いまして、現在の段階におきましては、そういう點についてのはつきりした目標が実はありませんので、現在においてはまだそこまで手が届かないという状態であります。
  32. 黒岩重治

    ○黒岩委員 わかりましたが、その計畫を立てまして、あとの建築はやはり國が負擔をするという建前でいきますか。
  33. 鈴木享弘

    ○鈴木説明員 先ほどちよつと私も申し上げたと思いますが、今度の計畫は、とにかく容れ物だけ一應つくろうというので、いわゆる六・三制から申しますと最低線の確保という意味でありまして、内容なり、その他の設備、特別教室という問題は、一應この計畫案から省いておるのであります。しかし新制中學校はそれであつてはならないと思いますので、これは当然基準がきまりますれば、それに副つて計畫されましようし、なおまた建築そのものにつきましても、新制中學校といたしまして、いわゆる教育的な目標といたしましては、獨立校舎をもつていくということを目標といたしておりますが、さしあたりの問題としては、そういうことはとうてい望めませんので、小學校に併設するというような形をとつております。しかしこういう最低線を確保いたしました気持は、現在のわが國の財政状態から申しまして、ここは何といたしましても、それでがまんしなければならぬという程度と考えましたし、将来國力の囘復をまちましたら、もつと中學を中學らしい中學にしていくためには、國費の方も相当出していただかなければならぬと思いますし、教室の問題だけでも、まして特別教室とか、そういう内容改善につきましては、将来國力の許す限りにおきまして、相当、今申し上げました年次計畫を超えて、國費を出していただきたいというようにお願いしたいと思いまして、われわれといたしましても大いに努力していきたい、そういうふうに考えておるわけであります。  なお先ほどちよつと森田説明員が申し落としたかと思いますが、教室の不足につきましては、この計畫は六・三制実施に伴いまして生ずる原因のみから来ました教室の不足を計上したのでございまして、たとえば、戰災に遇いましたために生じた教室というのは、別途に考慮いたしまして、この計算の中には入れていないのであります。それを併せて御了承願いたいと思います。
  34. 永井勝次郎

    ○永井委員 この本年度の豫算配分の基準を伺いたいと思います。戰災復興の方にどのくらい、越冬対策としてどうというような配分關係でございますが、全國一律一体の配分計畫ではなかつたように思つております。その内容を詳しく御説明願いたい。そして本年度の実施にあたつて、この豫算を消化するための裏づけとなる物資の關係がどういう実情になつておるか、それを伺いたい。それから明年からのこの豫算の配分の基準は、どういう基準でやるのか。一律一体で五十人で割つて、畫一的に配分する計畫であるかどうか。
  35. 森田孝

    ○森田説明員 配分の問題につきましては、これは御承知の通りに、まだ國会の議決も経ておりませんし、その筋の許可も出ておらないわけでありますので、ただいま私どもの方といたしましては、今度の追加豫算で、半年の間に三十一億を消化するためには、どうしても事前に計畫を進める必要があるという意味におきまして、一應の計畫目標を各府縣に示したという意味で、先ほど剣木説明委員から説明されたように、最近各府縣にこれを内示いたしたわけであります。その場合におきましても、これは単なる計畫目標であつて、配分の原則なり、公式ということについては、さらに詳密な研究をいたして決定するから、その點を十分含んでおいてもらいたいということは、再三念を押しておいたのであります。從いまして、ただいまここで御説明申し上げますのは、その各府縣におきまして、具体的に教室建設の計畫を立てるために一應の目標をどこに置くかということを、いかにきめたかという點についての御説明と御了解を願いたいと思います。その點におきまして大体二つの原則を用いたのであります。一つは各府縣の来年度自然進級に伴う増加生徒數に、一應総額を按分比例いたしまして、そうしてその二割を削つて八割を残した。残つたに割を当初豫算におきまして――これは第二の點になりますが、当初豫算におきまして戰災復興、震災復興、南海風水害の復興、この三つの復興資金として各府縣にすでに配付いたされておりますところの豫算に按分いたしまして、これを配つたのであります。從いまして今囘示されました計畫目標は、自然進級に伴う増加生徒數が八割、戰災等による復興資金に基づく按分が二割という割合で示したのであります。これを出しました理由は先ほど永井委員から御質問がありました資材の問題があるのでありまして、三十一億に対しての資材は、物資需給計畫が本年度すでに立つておりまして、第二・四半期まですでに割当済みになつておる現状においては、資材を生み出すことが非常に困難な状態でありました結果、四十數パーセントしか資材がなかつたのであります。從つて他の部分についての資材の裏づけをいたす場合においては、文部省自身の手持の資材の操作を必要といたした結果、先ほど申しました戰災復舊等のためには、当初豫算でありました結果、その大部分が資材の裏づけがあつたのでありますが、その単位が建築費においては坪当り三千圓に見てあつたのであります。現在新物價体系から計算いたしまして大体五千五百圓になる、その價格差というものが資材の面から申しますと、戰災復興等の工事ができない部分と考えられるのであります。從つて戰災復興の建築の坪數が単位三千圓から五千五百圓に値上りをしたということを認めることによりまして、既定豫算によつて戰災復興ができるのは五千五百分の三千だけとなるわけでありまして、残つた五千五百分お二千五百というものは、資材が残つて金がないという結果がでてくるわけであります。この資材を新制中學校の建築にまわるという操作をすることによつて、三十一億の豫算の資材の裏づけをいたしたわけであります。その結果ただいま説明いたしましたように計畫目標の計算に戰災地その他の考慮を二割見当いたさなければならぬという結果となつたのであります。明年以後については全然不明でありますが、当初豫算においてこれを組むことになる結果、この資材の面については、さような考慮は必要なくなると私どもは考えております。
  36. 永井勝次郎

    ○永井委員 そうしますと、戰災復興の方とのやりくりによつて、三十一億二千蔓圓の豫算となりました計畫は、十分に完遂できる、それだけの裏づけ物資を現在手持ちしておる、こういうことですか。
  37. 森田孝

    ○森田説明員 その點については、この三十一億というのは、國庫補助が十四億數千蔓圓になつておりますが、建築費の二分の一及び設備の三分の一が補助になつておりますが、この額はいわゆる公共事業として豫算面に計上せられるのでありまして、この公共事業費は資材の裏づけのあるものなのでございます。しかし、今の戰災その他の資材を裏づけをしたといたしましても、百パーセント裏づけは困難であります。從つて現實には、この公共事業のほかに、學校建築においては特定部門というものがあります。これは二月八日に出ました臨時建築取締法と申しますが、制限法と申しましたが、正式の名前を失念いたしましたが、この取締りの法律によりまして、正当なる手持資材をもつて建築をなした場合において、戰災復興院の地方出張所長が、これを正当なる手持と認定いたしたものについては、資材の割当をその事後においてこれを認めるということになつておるのでありまして、從つて正当なる手持資材を活用することによつて、その資材面の不足を補つてもらうというような手段を講じなければならぬと思つております。正当なる手持をどの範圍に認めるかは、戰災復興院の地方出張所長がこれを認定するので、文部省においては戰災復興院と密接なる連絡をとりまして、この點についての認定を、でき得る限り新制中學校の建設については考慮を払つていただくように交渉をいたしておる状態であります。
  38. 永井勝次郎

    ○永井委員 まだ裏づけとしての物の關係が確立されないということで、前途に対して非常な心配をしておるわけでありますが、さらに今年の豫算というものは、校舎を持たない地帯に対する越冬対策というものが、この豫算を決議された趣旨であつたと思うのであります。そういうためには、それぞれの地域の實情に即して、それらの対策が立てられなければならぬと思うのでありますが、今後配分基準を確立して、それによつて異動が行われるといたしましても、大体文部省から天降りに割り当てて、ぱつとやる。こういうようなことで、地方の實情がどうなつておるかというような、實際に即した考え方というものがちつとも立つていないのです。机上で計畫を立ててこれでやると、こういうようなことではないかと思うのでありますが、こういう短かい期間に、しかもこれだけの厖大な豫算を消化しようとするためには、地方の實情を詳らかにして、豫算の配分をこれに即應させるということは困難であるとしても、大体六・三制の發足の当初から、校舎の實情はどうなつておるか。今後六・三制を完全遂行するためには、地域的にどういう實情になつておるかというような基礎調査ぐらいは、一應この豫算が成立しなくても、文部省はもつていなければならぬはずであると思うのであります。この豫算の消火については、きわめてむちやくちやではないかとわれわれは思うのでありますが、これに対する見解を伺いたい。
  39. 鈴木享弘

    ○鈴木説明員 豫算の配分については、御承知のようにいろいろ地方の實情や、あらゆる面から検討いたしまして、最も合理的に三十一億二千蔓圓を消火するように配分しなければならぬと思うのでございます。しかしながら、今囘一應先ほど森田説明員から申しました豫算の大体の配分の内示をいたしましたのは、大体の目標をこれくらいにおいて計畫していただきたい。一刻も早くそれを府県にお傳えする必要があるので、はなはだ不十分とは考えましたけれども、一應の豫定額をお示しをいたしました。なおその間におきまして、その後いろいろ地方の實情を現在もお聞きしておりますし、なお根拠になります數字的にも十分再検討を加えて、できるだけ合理的なものにやつていきたいというふうに考えておるのでございます。もちろん將来においては、できるだけこの配分の問題をもつと合理的にするように努力していきたいと考えます。
  40. 永井勝次郎

    ○永井委員 豫算配分の内示に対して、修正を加える用意があるということでありますが、具体的に、それならばどういう方法で短時間にそういうことを實行するか。それに対してただそういう用意があるということでは實行できない。どういう方法によつてこれをやる考えかということをお示し願いたい。
  41. 森田孝

    ○森田説明員 この計畫目標をさらに再検討いたしまして、最後的に配分をいたす方式といたしましては、ただいま説明いたしました二つの原則以外に、考慮すべき幾多の原則がありはしないかということを、ただいまさらに研究いたしております。たとえて言いますと、その府県の生徒の總數がどのくらいあるかというような問題、あるいはまたその他學校の分布状況がどうとかいう問題も、考えてみる必要がありはしないかと思いまして、ただいま相当の研究をいたしております。從いまして、こういう點がもしさらに考慮する必要があると考え、結論に達した場合におきましては、そういう點からさらに配分の計畫を立て直しまして、最後的に決定をいたしたいと思つております。
  42. 永井勝次郎

    ○永井委員 当然考えなければならぬ問題の條件を取上げないで、それを取上げて結論を出すために熟慮しているというような時間の空費をずいぶん文部省はやつておるわけでありますが、いつでもこういうような場合にはどうするか、六・三制の發足の当時からこういう問題は、いろいろな條件を考え、現地の資料というものをもつて、豫算の額に應じ、またその時の情勢に應じて、いろいろなことにただちに対處できるような基礎的な資料をもたないで、ぼやつとしてただ臨むから、問題にぶつかつてあわてるのではないか。從来文部省のいろいろなやり方を見ていると、ほかの官廳に比して、そういう平素の用意が不充分のように思うのでありまして、今年のように非常に押し迫つた期間において、きちきちにやれといつてもなかなか困難でありましよう。終戰後二箇年も経過しておつて、戰災状況がどうかということがわかつており、また六・三制出發の時から、非常な困難な問題だということもわかつておりますから、そういう事柄に対しては、もう少し平素において資料を用意され、いつでもすぐ利用できるように、最も實際に即して、平素から容易されることを、切望したいと思うのであります。  それからもう一つ、これは今年の三月の學校教育法を決議いたしたときの附帯決議といたしまして、學校教育法に対する施行細則等をつくる場合には、民主的な方法によつて選ばれた委員をもつて、この委員の參畫のもとにそういうものをつくれということを、決議してあると記憶するのでありますが、先ほど来承りますと、今後新制中學のいろいろな施設については、學校教育法に基づいていろいろやつていくということでありましたが、この施行細則等ができておるのかどうか。施行細則をつくる場合に、議會の決議を尊重する考えであるかどうかそれをひとつ承りたいと思います。
  43. 鈴木享弘

    ○鈴木説明員 第一に申されました文部省におきましてこれまでのいろいろな施策について、資料の調整がきわめて不十分であつたために、いろいろな急場を要するときに、それに即應するだけの対策が立たなかつた。こう申されましたことは、まつたくお説の通りでありまして、その點はわれわれとしても、今までの文部省の資料の不足であり不確實であつたことを、自認せざるを得ないのであります。この點は現在及び将来におきまして、できるだけの努力をしていくつもりでございます。その點はまつたく文部省の大きな缺陥でありまして、われわれとしては申訳なく考えております。  それから學校教育法の施行細則をつくりますときに、民主的な委員をつくるようにという御希望や御意見があつたと存じ上げておりますが、實は今施行細則は、一應の形だけは、技術的な問題だけでありますが、これを一日も早くつくらなければならないはめに陥まして、それができなければ、相当の學校が動かないという問題がありましたので、その技術的な問題につきましては、議会の御希望に副わないような措置でありますが、やむを得ず一應の施行細則をつくつたのであります。しかしながら施行細則をごらんいただければ、よく御了承いただけると思いますが、最も重要にして議会の希望条件に副わなければならぬと思う事項につきましては、ほとんど全部別にこれを定むという表現を用いて書いておるのでありまして、たとえば、その教員の資格の問題でありますとか、あるいはまた學校の設置の委員会の問題でありますとか、大學その他のいろいろな問題でありますとか、それらの問題は、まだ全部未決のままで、ただ一應學校教育法の新制度がスタートするだけの、最小限度のものをきめておりますので、その點はまた委員会をきめて、全般的な問題として取上げなければならぬということは、よく存じておつたのでありますが、事實問題として間に合わなかつたのであります。その他の實質的な問題は、十分議会の御希望に副うように、今後民主的な委員会もつくりたいと思つておりますから、その點併せて御了承願います。
  44. 水谷昇

    ○水谷(昇)委員 實くじのことについて、ちよつと希望を述べてお伺いしたいのですが、實くじは、學校に関係したものに限つて、政府への納付金は収益の一割だということにしてもらつたそうですが、父兄の方におきましても、父兄会で學校の負擔をするとか、あるいは在校生は在校生で負擔をするとかということで、非常に負擔がかきまつておりまして、ずいぶん難儀してお金を出しておるのでありますから、實くじの政府への納付金は、全然なしにしてもらうわけにはいかないか。先日大蔵当局のお話によりますと、主務大臣の考えによつては、なしにすることもできるという御意見でありましたが、文部当局はどういうお考えをもつておいてになりますか。ひとつ特に交渉していただいて、學校に関係した實くじについては、全然納付金なしにしてもらうということにしてもらいたいと、私は希望するのでありますが、御当局の御意見を伺います。
  45. 鈴木享弘

    ○鈴木説明員 實くじの発行につきましては、御承知の通り、いろいろ発行財源としてみまするに、非常に困難な點があると思うのでございます。今の納付金を一割と見ております點とか、あるいはまた先日地方のブロつク会議で、地方廳の方の意見を伺つたのですが、實くじ発行につきましての賞品の問題でありますとか、非常にむずかしいいろいろな問題がありますので、今後文部省といたしましては、大蔵省及び商工省等とも十分その點について交渉いたしまして、そこにただいま御指摘の一割の納付金の問題のことにつきましても、できるだけ御意見の通りに實現したいというふうに考えております。
  46. 高津正道

    ○高津委員長代理 その他に御質疑はございませんか。
  47. 野老誠

    ○野老委員 先ほど御説明の一學級の生徒數を五十人と押えたわけでありますが、實際に、たとえばある町村における學校において、三十人しか生徒はないとします。そうすると他の學校においてその残つた二十人を負擔しなければならないということになるので、實情に即した學級數と、それからここに形式的、抽象的に五十人の生徒によつて計算したものとの差を生ずるわけであります。その差がどのくらいの學級數に当るかという點が第一。  第二に、物資の需給計畫における資材の裏づけが約四二%である。それから戰災その他のやりくりによつてある程度の裏づけが浮んでくるわけでありますが、それを両者總合して、實際にどの程度の物資の額が裏づけできるか。この二點についてお伺いしたい。
  48. 森田孝

    ○森田説明員 第一の點について御説明申しますが、現在までの集まりました統計によりますと、新制中學校の一學級平均は、四十六人弱になつております。従いまして全國平均で四人の、何と申しますか事實上生徒のおらないのをおることにした計算になります結果、そこに教員の俸給につきましても、その他の點につきましても、非常な御迷惑を地方にかけておることは事實であります。ただわれわれの方の文部省といたしましては、でき得る限り設備の點、その他教育上から考えましても、この再通學距離あるいは人口の點から考えて、許す限りにおいて最大限に組合立の中學校を建設することによりまして、一學級の定員も五十名に近くなるようにしていただくことが、教室の増加數、あるいはまた教員の配置の點から申しましても、いいという意味で、町村組合立の設置を慫慂いたしておりまして、われわれの方といたしましても、でき得る限り五十名に近くもつていただくことを希望いたしております。  それから第二の資材の問題でありますが、戰災その他から充当いたしまして、結局三十一億の資材の裏づけがなし得るのは七九%ちよつとでありますが、約八〇%とお含み願えればよろしいと思います。従いまして残りの二〇%は、先刻申しました特定部門の活用と既設の遊休建物の利用ということによつて、これをカバーし得ると、われわれは考えております。その點につきまして、實は公共事業におきましては、遊休施設は補助の對象にならないのでありますけれども、今回に限つてこれを大目に見て補助の對象としても考える。つまり遊休施設の買収――公共事業は御承知の通りに失業救済ということが一つの目標になつておりまして、既設の建物の買収には労務を必要としない関係上、公共事業の對象にはならないのでありますが、特に今回は、この點について大目に見るということにいたしまして、公共事業の對象として、遊休施設を利用するということによつて資材の不足部分を補つていくという方途を講じたのであります。それによりまして現在のわれわれの考えといたしましては、三十一億が本年度に消火し得るという見込みを立てておりまして、ただ事務的にその準備を急ぐ必要があるという點にかかつておると考えております。
  49. 野老誠

    ○野老委員 もう一つ、私千葉縣でありますが、千葉縣においては新制中學を各町村獨立で建てることを本體とするという指示を与えて、各町村ごとに初級中學をつくつておるのであります。ところが、今お話によりますと、文部省におきましては町村組合立を勧奨しておるということでありますが、これは最近に變つたことでありますか、初めから町村組合立を奨励されておりましたか、その點についてお伺いしたいと思います。
  50. 森田孝

    ○森田説明員 その點につきましては、新學制實施準備案内にも、市町村立の中學校を設立し、組合立の中學校は設立することを得となつておりまして、その意味におきまして、その文章の解釋からいいますと、市町村の獨立中學をつくるのが原則のように受け取れるのでありますが意、口頭における各地方に對しての話合いの上におきましては、その點についてはつきりとどれが原則で、どれは例外だというようなふうには言つたことはない。ただ地方におきまして新學制實施の準備の案内を見られまして、そのように解釋して、そういう方策がとられたとわれわれは考えております。従いまして、今回ただいま申しましたような組合立の學校を〇〇するというのは、原則の變更というよりも、時勢の推移なり、あるいは教育上におきましても、小學校と中學校と同じ環境であるよりも、環境が発展した方が教育上有効だという點から申しましても、組合立をつくつた方がいいという結論に達しましたので、今囘これを慫慂しておるのでありまして原則を變更したというところまでは至つていない。ただ強調したことが遅かつたということは言えるだろうと思つております。
  51. 野老誠

    ○野老委員 ただいまの組合立を勧奨する點につきましては、各府縣にこれを示達してありますが、伺つておきます。
  52. 森田孝

    ○森田説明員 先ほど申し上げました計畫目標を今囘示達いたしました法文の中でその點をはつきり強調いたしております。
  53. 野老誠

    ○野老委員 わかりました。
  54. 高津正道

    ○高津委員長代理 この際政府委員から新學制實施について發言を求められておりますから、これを許します。
  55. 日高第四郎

    ○日高政府委員 新學制の實施につきましては、いろいろ不十分な點も、へまな點もありまして、皆さんに御心配をかけたと思いますが、今日追加豫算できめられた三十一億の配分その他のことにつきまして、新聞發表をいたしたいのでありまして、いろいろ関係方面と折衝をいたしましてひまがとれたのですが、今日了解を得ましたのでまずこちらの方に御報告を申し上げた上で、新聞發表をいたしたいと思うのであります。  ちよつとお配りいたしました書類について御説明申し上げます。   新學制の實施について  文部省においては本國會に提出する追加豫算に六・三制實施のための経費を計上してこれが實施に蔓全の努力を払つているが、なおこの際新學制の實施に関し差当り重要な方針を左の通り決定した。一、新制中學校の建設について  三十一億二千蔓円の豫算は新制中學校の建設のための最低線を確保したに過ぎないのであるから、その具體的な計畫に当つては十分現實の事態を考慮してできる限り資金及び資材を合理的に活用して欲しい。これがためには市區町村の組合をもつて學校を設けるとか、既存の建物及び施設の利用移轉模様替え等をなすとか、その他六・三制の充實のために重點を置き、あらゆる工夫と努力とが払われるように切望する。二、新制高等學校の實施について(一)新制高等學校は、高等普通教育及び専門的、職業的教育を施すものであり、原則として三年制であるが、特別の職業教育を行う場合には、三年以上とすることができる。又高等學校を卒業した者の為に、専攻科を置くことができる。なお短期の職業教育を施すために、別科を置くこともできる。(二)新制高等學校は、昭和二十三年度から實施するが、全日制高等學校については、暫定設置基準を定め、概ね從来の中等學校を無理なく新制高等學校に移行し得るよう措置する。この基準に達せざるものは新制中學校その他の教育施設に有効適切に轉用の方途を講ずる。これが認可に際しては都道府縣知事が、例えば學校の配置状況、志願者數等地方の實情を考慮して決定すべきであるが、差当り國庫補助は出さない方針であり、地方財政に負擔の増加をきたさないよう目下研究中である。(三)從来の高等専門學校が新制高等學校になる場合には、前項の暫定設置基準による。(四)新制高等學校の内容充實改善等については、國力の囘復に應じて別に方途を講ずる。(五)あまねく青年に高等學校教育を受ける機會を與えることが望ましいので、勤労青年のために夜間高等學校及び定時制高等學校を設置する。定時制高等學校は通常の高等學校又は中學校に併置する外從来の青年學校の施設を充てることができる。三、上級學校の入學試験について昭和二十三年度においても舊制の高等専門學校、大學豫科竝に教員養成諸學校の生徒の募集を行うこととし、その實施方法及び時期等は、目下協議會を設けて研究中で、詳細は追つて發表するが、官立學校においてはその入學試験には本年通り知能検査をも加えて實施する豫定である。  これだけのことを最近の機會に發表いたしたいと思いますので、御了承いただきたいと思います。これについて御質問がございましたら、お答え申し上げたいと思います。
  56. 黒岩重治

    ○黒岩委員 二ノ(二)にあります「新制高等學校は昭和二十三年度から實施する」云々のところに「暫定設置基準」という言葉が出ております。これを御説明を願いたいと思います。
  57. 日高第四郎

    ○日高政府委員 新制高等學校の認可をいたしますのは、學校法によりまして基準を設けて、それによつて決定するということになつておるのでありますが、その基準につきましては、教育刷新委員會等とも連絡いたしまして、高等學校の比較的理想的なものの基準を、實は検討中でございまして、この夏ごろにでき上つたのでありますが、これでは、もしそれを厳格に實施いたしますと、現在の中等學校の中でその基準に該当し得るものはきわめて少數になる見込みであります。そういたしますと、高等學校は義務教育でございませんから、いくらなければならないということはいえないのでありますけれども、現在生徒を擔つておりますし、それらの生徒の将来のためにも、父兄竝びに學校当局者も、ぜひ新制高等學校になりたいというような希望は十分もつておると想像できます。從つて新制の高等學校になるために相当無理が行われるだろいうということが容易に豫想されます。實際は相当高い程度のいい高等學校をつくろということは、望ましいのでありますけれども、御承知のように、新制高等學校は、從来の高等學校とは違いまして、大衆の高等普通教育を授ける所であり、同時に職業教育をも授ける所でありますので、數もそうとよけいなければなりませんし、今日の日本の財政経済状況におきましては、あまり高い基準をもつてはかりますと、數が足りなくなるばかりでなく、先ほど申しましたような無理を助長するようになります。その無理が同時に六・三制の實施等にも大きな差支えを起すおそれがありますので、大體現在までの普通の中等學校の程度を一應の暫定基準に定めまして、それによつて大多數の中等學校は一應無理なく高等學校として出發できるようにさせたい。そういう希望をもつて、刷新委員會と連絡いたしました設置基準を、文部省の責任によりましてこれを切り下げまして、そうして暫定基準というものをつくつて出發する豫定なのであります。これによつてあまりりつぱな高等學校のみはできないと思いますが、それは(四)におきますように、今後の問題に宿題として取上げていきたい、そういう考えで暫定基準というものをつくつたのであります。
  58. 松原一彦

    ○松原(一)委員 私はその御意見に賛成するものであります。實は地方によりましては、郡内における中等學校の中の、どれだけを高等學校にして、どれだけをば中學校に残すかというので、大分競争を始めております。そうしてどうかして高等學校にしてもらいたいために、いろいろ寄附を集めたり運動したりする傾向が生じておるのであります。これは今日の資材難、経済難の最中においては、どうしても避けなければならぬと思います。日本の現状では、今、御説明になつたような、現存の中等學校の中で、はなはだしく欠陥のないものは、できるかぎり高等學校に一應改編して、そうして普及することが私は必要であると思います。どうか一つ競争などによつて資材を用い、あるいはたくさんな経費をかけるということのないようなごくふうをいただきたい。但し、都市などにおきましての、特に東京などでは、私立中等學校は非常に多數でありまして、経営の上からも、實情の上からも、新制中等學校の方に改編することが必要であるものもあるように思われますが、大體の方針はこの御方針をおとりいただきたいと私は希望します。同時にここには國庫の補助もなし、府縣の力でやるのでありますから、どうかあまり高い標準をお示しにならないように、五年なり八年を期して充實、完成するように、今後もお取計らいをいただきたい、私はかように希望いたします。
  59. 松本七郎

    ○松本(七)委員 この新制高等學校については、もつと早くこの方針を明らかにしていただきたかつたのですが、福岡縣では今までの中學校の一部分しか高等學校になれないということを、文部省の方針として知事が発表して、問題を起しておるようですが、御存知ならばその経過を承りたいと思います。
  60. 日高第四郎

    ○日高政府委員 文部省の方針として、少数のものを高等學校にするということを公式に発表したことはございません。ただこういうことを私が申したことがあります。それは中等學校長會議のときに、從来の中等學校の中で、新制中學校にみずから選んで轉換するような學校がきわめて少なかつたことは、人情としては理解できるけれども、日本の教育全體のためにははなはだ遺憾であるということを私は申したことがあります。現在の日本の状況においては、新制の中學校は、ほとんど高等小學にわずかの修飾をしたものがなつておるような状況で、從来の中等學校が選んで轉換したのははなはだ少ない。これはいわゆる昇格ということに関心が向けられておつて、いかに現實にいい教育を生徒に与えるかということに對して、教育者としての関心がはなはだ薄いように思われる。これははなはだ残念である。これは私一個人の意見であつて文部省として決定したわけでも何でもないから、その点は誤解のないように願うということを繰返して申したのでありますが、私一個人の考えで言うならば、全體の中等學校の中の、せめて三割ぐらいは新制中學校になつてほしかつたのであります。そしてあとの六割ないし七割くらいのものが、かりに新制の高等學校になるならば、五年制の學校が三年制になるのであるかあら、それだけ入學者の定員を増して、從来中等學校に進んだ者は、新制の高等學校に概して収容することができると思う。そうすれば今の日本においては一年間よけい教育ができることになるのであるから、それでも一つの進歩だと考えることができる。自分は個人としてはそう言うことを考えるのであります。この点はぜひ過ちのないように、私の個人限りの意見であつて文部省の意見ではないのだということを、初めにも終りにも、途中にも申したのでありますが、おそらくそれがだんだん伝わりまして、局長がこう言つたというのが、文部省の意見というふうに誤り伝えられたのかもしれません。その点は私としては誤解のないように前触れはいたしたのでありますが、そういうことを申しましたのが誤解の種になつているかもしれません。文部省といたしましては、今日ここに発表するのが、正式に検討された方針でありまして、これ以前には、はつきりした方針を公表してございません。どうぞその邊御了解をいただきたいと思います。
  61. 松本七郎

    ○松本(七)委員 そうすると今囘決定された方針と、局長の個人的な意見と、大分食い違うようですが、その点について局長はどういうふうに考えておりますか。
  62. 日高第四郎

    ○日高政府委員 私は日本の経済事情が許すならば、新しい高等學校には、相当の基準を設けて、相当の内容の充實した學校になるのが願わしいと思うのでありますけれども、現在の日本で、それは願つてもできないことでありますから、これはなまじつか高い基準を設けますと、先ほどもお話のございましたように、無理な競争が行われたり、無理な寄附金を強要したりするような弊害の方がよけいできるということを心配いたしまして、文部省の中でも、特に社會情勢等について考慮を要するということが強調されております。私もそれはもつともだと思いますので、私の個人的な意見は修正いたしておるのであります。これは現在の日本の状態としてはこの方が適切であるというふうに今は思つております。
  63. 本藤恒松

    ○本藤恒松君 ちよつとお尋ねしますが、長野縣の須坂の問題ですが、長野縣には縣立外中等學校というのがたくさんありまして、縣立外中等學校を今度の新制高等學校に進めたいという希望を、大分もつておるのでありますが、これらの縣立外中等學校は、どういうようにすれば今度の高等學校になれるか。またどういうようにこれを處理されるか、その意見を承りたいことと、それから現在の縣立の中等學校が、かりに須坂でいうならば女學校もある、中學校もある、農學校もある、こういうのを今度いたすときには、商科というような、あるいは工科というような學校に、一つ一つの専門に進む希望があればいくのであるか、またこれをどういうようにお考えになつておるか、これをちよつとお聴きしたい。
  64. 日高第四郎

    ○日高政府委員 高等學校の設立の基準は、統一的に文部省でもつてきめるのでありますが、その認可を決定するものは、建前の上からいいますと府縣知事になつております。府縣知事がその希望している學校を審査いたしまして、適当な基準に合つたものは高等學校にすることができることになつております。これは府縣立であろうが、あるいは私立であろうが、公立であろうが同じに取扱うべきものと期待いたしております。ただ地方のの實情よりまして、學校の種別等をきめるのも、これは府縣知事の権限内にあると思いますが、そこまでは、文部省としてはいくつつくれというようなことは指示はいたさない方針であります。  それからお話のありました高等學校には、高等普通教育と同時に、専門的な職業教育を授けることもできることになつております。從つて同じ高等學校の名前の中でも、實業教育、あるいは商業とか、工業とか、あるいは農業とかいうような重さのおきどころが違いますと、まだ正式に名前が決定されておるわけではありませんけれども、大體工業高等學校とか、あるいは商業高等學校、農業高等學校というものもでき得るわけであります。それに、もし職業的教育というようなものを一層完成させるためには、専攻科を置くというようなこともできるようになつております。中には全體が四年制とか五年制とかの高等學校というものもできるようになつております。たとえば、女學校等で、從来女學校を卒業して専攻科にはいつているものの上に、そういうものに對しては、高等學校を卒業して専攻科へはいるということも、比較的自由にできるようになつております。高等學校の中の職業教育的な特徴に応じまして、特色のある高等學校は自由にできるように、制度上はなつております。
  65. 本藤恒松

    ○本藤恒松君 縣立外の中等學校を高等學校にするには、設備とか何かいろいろな規格が相当むずかしくなりますが、これはどういうことになるか。地方の関係町村民の希望を入れる上において、どういう考えをもてばいいか、ちよつと伺いたいと思います。
  66. 日高第四郎

    ○日高政府委員 それにあまりむずかしい條件をつけないというのが、今度の暫定措置の趣意なのでございます。從来ございました中等學校の中で、はなはだしく欠陥をもつておるものは別でございますが、普通程度の中等學校であるならば、新制の高等學校に切りかえるのに、大きな無理なしにやれるように、暫定基準をきめるつもりであります。
  67. 野老誠

    ○野老委員 新制中學におきましては、強調点が違つてまいりまして、組合立が勧奨せられる。そういう場合に、千葉縣においては、すでに學校長が配置せられまして、また熱心な町村は、すでに単獨なものとして、校舎の建築にもあたつておるし、いろいろそれについての準備が進捗しておるやさきに、文部省の強調点が違つたということは、地方に大きな混乱をひき起こすのではないかと思います。また新制高等學校の場合においては、局長さんが個人的な見解を発表せられたということが、すでに千葉縣においても相当混乱の原因をなしておると思うのであります。從つて文部省でこの新學制を實施せられる際には、先ほど永井委員からお話があつた通り、綿密な十分なる計画を立てられまして、そうして一度立てた方針を途中で變更を生ずることのないように、一段の御留意をもつて願わないと、地方においては相当混乱を呈するという實情にございますので、さよう思考錯誤というかつこうでなくやつていただきたいと、御希望を申し上げます。
  68. 黒岩重治

    ○黒岩委員 新學制實施についてのプリントに、大學の事柄があがつておりませんが、新制大學についての御計画が立つておられるであろうか否かということを、お尋ねしたいと思います。そしてもしまだお立ちになつておらぬということでありましたら、地方ではすでに各地で既設の高等學校とか、師範學校とか、こうしたようなものが大學昇格のために、いろいろ運動工作を起すような傾向が、漸次強化されておると思います。これがもし弊害を伴うことになりますと、おもしろくない結果になりますので、新制大學についても、國の方針を早く明示されまして、混乱の起らないように御配慮を願いたいと思います。
  69. 日高第四郎

    ○日高政府委員 ただいまの御注意は、ごもつともだと思うのであります。實は從来の高等學校及び専門學校の轉換につきましては、研究をいたしておりまして、大よその案はないでもございませんけれども、まだ検討を要する點が残つております。それらを十分検討した上で、発表したいと思つておるのでありますけれども、現在のところでは元の中學校を卒業して、いわゆる浪人をしておる學生も相当たくさんおります。それらを抱えておる父兄及び學校の先生たちも、来年高等學校及び専門學校は、一体入學試験があるのかないのか、そういうことについて非常に神経過敏になつてお問合せもたくさんあるのであります。この點はとりあえずやることだけ発表いたしまして、そうしてはいつたものがどういう條件になるかというようなことは、十分検討した上で、詳細を発表したいと思つております。それから大學の切りかえの問題等につきましては、いずれ別の機會に成案を得ましたならば、御説明申しあげて、御批判をいただきたいと思つております。
  70. 松本七郎

    ○松本(七)委員 ただいまの點は委員長にお願いするのですが、できれば打合會等でも開かれまして、成案を得る前に、いろいろな方面との交渉などもあるでしようから、それの経過をひとつ承つておきたいと思います。委員長においてお取計らいを願いたいと思います。
  71. 高津正道

    ○高津委員長代理 今のようなお話ですから、政府においてお含みを願います。  それでは次囘は公報をもつて御通知申し上げます。本日はこれにて散會いたします。   午後零時二十二分散會