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2019-11-28 第200回国会 参議院 経済産業委員会 5号 公式Web版

  1. 令和元年十一月二十八日(木曜日)    午後一時四分開会     ─────────────    委員の異動  十一月二十六日     辞任         補欠選任      三木  亨君     橋本 聖子君      岸 真紀子君     小沼  巧君  十一月二十七日     辞任         補欠選任      橋本 聖子君     三木  亨君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         礒崎 哲史君     理 事                 阿達 雅志君                 大野 泰正君                 太田 房江君                 浜野 喜史君                 石井  章君     委 員                 青山 繁晴君                 加田 裕之君                 高橋はるみ君                 牧野たかお君                 三木  亨君                 宮本 周司君                 小沼  巧君                 斎藤 嘉隆君                 須藤 元気君                 竹内 真二君                 新妻 秀規君                 三浦 信祐君                 岩渕  友君                 ながえ孝子君                 安達  澄君    国務大臣        経済産業大臣   梶山 弘志君    大臣政務官        内閣府大臣政務        官        今井絵理子君        経済産業大臣政        務官       宮本 周司君    政府特別補佐人        公正取引委員会        委員長      杉本 和行君    事務局側        常任委員会専門        員        山口 秀樹君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官       二宮 清治君        総務省総合通信        基盤局電気通信        事業部長     竹村 晃一君        経済産業省商務        情報政策局長   西山 圭太君        資源エネルギー        庁電力・ガス事        業部長      村瀬 佳史君        中小企業庁経営        支援部長     渡邉 政嘉君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○情報処理の促進に関する法律の一部を改正する  法律案(内閣提出、衆議院送付)     ─────────────
  2. 礒崎哲史

    ○委員長(礒崎哲史君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る二十六日、岸真紀子君が委員を辞任され、その補欠として小沼巧君が選任されました。     ─────────────
  3. 礒崎哲史

    ○委員長(礒崎哲史君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官二宮清治君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 礒崎哲史

    ○委員長(礒崎哲史君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 礒崎哲史

    ○委員長(礒崎哲史君) 情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 高橋はるみ

    ○高橋はるみ君 自由民主党の高橋はるみでございます。よろしくお願いをいたします。  さて、デジタル技術の急激な発展が続いている中で、私たち国民の生活を取り巻く環境は急激に変化をしておりますし、また国際的な企業の競争環境も激変していると認識をいたします。大変個人的な経験で恐縮でありますが、私が初めて携帯電話を購入したのはたしか一九九〇年代の後半だったと記憶をいたしております。移動しながら電話することができる便利なツールだなくらいの認識しかなかったように記憶をいたしているところであります。それが、今やスマートフォン一台あれば、電話、メールは当然でありまして、カメラ、映画鑑賞、買物、テレビ会議などなど、あらゆることができるようになってきているところであります。  こうしたこれまでの短期間における急激な技術進歩だけでもすごいなと率直に思うわけでありますが、時代は更に進んでいるところであります。すなわち、4Gから5Gへの移行、こうした流れであります。  こうした中、ソサエティー五・〇社会とは、急激に進むデジタル技術を最大限に活用して、私たちを取り巻く国内外の社会的課題の解決を進めていくということ、それとともに、GAFAやBATといった海外の巨大企業が活動の幅を広げていく中で、いかに日本企業の、そして日本経済全体の競争力を高めていくかということを模索をする壮大な国家ビジョンであると私自身は捉えるものであります。そうしたソサエティー五・〇社会の実現に向けて、今般、情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律案が提出されたと理解をいたしているところでありますが、以下、その内容などについて質問をさせていただきます。  まず、具体的な内容に入る前に、本改正案をどのような考え方、また理念の下、提出をされたのか、梶山大臣にお伺いをいたしたいと思います。
  7. 梶山弘志

    国務大臣(梶山弘志君) 高橋委員から本法案の提出した考え方や理念についてのお尋ねがございました。  現在、世界ではあらゆる分野においてIoT、ビッグデータ、AI等の新たなデジタル技術の活用が進んでおります。こうした中、日本デジタル技術データを活用して経済発展社会的課題の解決を両立するソサエティー五・〇の実現を目指しております。  これまで情報処理の促進に関する法律情報化社会の実現を目的としてきましたが、こうした課題に対応すべく、今回の改正に伴って法律の目的規定を改め、より高度なソサエティー五・〇の実現を図ることを明確にいたしました。  その上で、ソサエティー五・〇の実現に必要な社会横断的な基盤整備として、デジタル技術データの活用を前提とした企業のデジタル経営改革の実現による我が国の企業の競争力の強化、二番目として、今後新たな産業やサービスの創出の前提となる異なる事業者間や社会全体でのデータの連携、共有を容易にするために必要な共通の技術仕様でありますアーキテクチャーの策定、三つ目として、官民におけるクラウドサービス等の新たな技術サービスの活用を促すための必要なセキュリティーの確保等に必要な措置を講ずることとしております。  これらの措置を着実に実行することでソサエティー五・〇の実現を加速化し、デジタル技術を活用した日本の持続的な成長を促していきたいと思っております。
  8. 高橋はるみ

    ○高橋はるみ君 ありがとうございました。  それでは次に、具体的な内容について質問をさせていただきます。  まず、企業のデジタル経営改革の推進についてであります。  先ほどから議論をさせていただいておりますとおり、今、日本企業あるいは産業の国際競争力を高めていかなければならない、こういう状況にあるにもかかわらず、現実は大変厳しいものと認識をいたします。  昨年九月、経産省研究会がまとめられたレポートによれば、大企業を含め八割もの企業に老朽化あるいは陳腐化したITシステムが存在をし、このまま放置すれば大変なコスト増となり、企業、産業の競争力低下につながりかねないとのことでありまして、私自身、深刻に受け止めているところであります。システム刷新のための投資額は大変大きく、経営者の判断を促すための後押しが必要と考えるところであります。  本改正案におきましては、経産大臣が情報処理システムの運用及び管理に関する指針を定めるとありますが、国が指針の策定及びその指針を踏まえ優良な取組をする企業の認定を行う意図、また、それにより期待される効果はどのようなものなのか、お伺いをいたします。
  9. 西山圭太

    ○政府参考人(西山圭太君) お答えを申し上げます。  先ほど大臣からも御答弁がありましたとおり、我々ソサエティー五・〇と呼んでおりますけれども、そうした社会の下では、IoT、ビッグデータ、あるいはAIなど、いろいろな言葉はございますけれども、デジタル面で急速な技術革新が進んできております。そうした中で、我が国全体としても、各企業においても、成長をしっかり果たすためには、こうしたデジタル技術の活用を前提として経営の在り方そのものを大きく変える、デジタルトランスフォーメーションと呼んでおりますけれども、経営改革を進めることが不可欠でございます。このことについては特定の業種で必要であるとかそういうことではございませんで、あらゆる業種でこうした改革、デジタルトランスフォーメーションに取り組むことが求められております。  そうした中で、今委員が経済産業省の研究会のレポートに言及をされましたけれども、そのレポートにございますとおり、我が国の多くの企業では、我が国のある意味で特有の事情と言わざるを得ない面がございますけれども、ITシステムが過度に部門ごとあるいは企業ごとにカスタマイズされてきたという背景、歴史がございます。そういうことがございますと、今の時代、IoTもビッグデータもまさに部門を超えて、企業を超えてデータを連携するということが大前提になりますので、こうした、私どもレガシーシステムと呼んでおりますけれども、そうしたものをきちんと処理した上で経営改革を進めないとデジタルトランスフォーメーションの実現が難しいと、その障害になるという事情がございます。  他方におきまして、こうしたレガシーシステムの刷新とデジタルトランスフォーメーションに取り組むという場合には、当然、ある意味でのリスクを伴います。一つは、当然、それだけのデジタルトランスフォーメーションを実現するには一定の投資を行うことが必要であるということであります。また、これまでのレガシーシステムを刷新するということは、これまで稼働してきたシステムを一旦入れ替えて新しいシステムに移行するということになりますので、そういう点も含めて会社としての、企業としてのリスクを伴いますので、これはもう各部門の問題ではなく、経営者自身の大きな決断が必要となりますけれども、残念ながら、日本の実態を見ますと、なかなかそういう決断に踏み込まれることが十分だと言うには言い難いといったような調査結果もございまして、こうした経営者の大きな決断を後押しする措置が必要であるというふうに考えております。  こうした状況を踏まえまして、委員から御質問のございましたこの改正法案に基づきます指針は、企業がデジタルトランスフォーメーションを進める上で望ましいと考えられる取組を示すことで経営者が言わば自己診断をし、さらに、自らの判断を積極的に後押しするような効果を狙っております。さらに、企業からの申請に基づいて、この申請を踏まえて認定を行うことで優良な取組を行っている企業を見える化するということについても効果として狙っております。  以上でございます。
  10. 高橋はるみ

    ○高橋はるみ君 ありがとうございました。  御答弁のございました認定は、指針を踏まえ、優良な取組を行っている企業に対して行うとのことでありますが、認定の前提ともなる指針の内容は具体的にどのようなものを想定しておられるのでしょうか、お伺いをいたします。
  11. 西山圭太

    ○政府参考人(西山圭太君) お答えを申し上げます。  今委員御質問の指針の具体的な内容でございますけれども、これは、先ほど申し上げましたとおり、特に企業経営者の判断を後押しするということを目的としておりますので、企業経営者が自己診断ができると、それを投資家を含めたステークホルダーに説明できるような内容であるということが大前提となるというふうに考えております。  具体的に申し上げますと、今後、有識者の御意見も伺いながら策定していくことにはなりますけれども、例えば、デジタルトランスフォーメーションに向けました具体的な取組がきちんと経営戦略あるいは経営目標とひも付いていて戦略と一体化しているかですとか、先ほど申しましたように、我が国の場合、部門別にカスタマイズされたシステムを持っているということが問題でございますので、そうした部門ごとの取組にとどまらず、企業全体としてのITシステムの現状及び刷新の計画を全体像を把握した上で持っているかどうか、あるいは、こうしたデジタルトランスフォーメーションの推進に必要な体制は、これまでのようにIT部門だけに限られたものではございませんので、そうした全社的な体制が整備されているかですとか、こうしたことを浸透させる上で、デジタルトランスフォーメーションに向けました経営戦略や、先ほど御説明しましたような体制について、ステークホルダー、投資家を含めて、きちんと説明、共有を行っているかといったような内容とすることを想定しております。
  12. 高橋はるみ

    ○高橋はるみ君 ありがとうございました。  次に、対象となる企業に関し、伺ってまいります。  地域経済の担い手は多様な中小企業であります。私も、地元北海道におきまして、中小企業経営者の方々とも多くお付き合いをし、意見交換なども重ねさせていただいているところでありますが、そういった中には、先進的分野で世界のマーケットを目指す企業もたくさんあるところであります。創業者であるとか、またその後継者といったケースも多いです。こうした企業の場合には、デジタル経営改革の必要性をトップが認識をすれば、やろうという決断、判断は早いのではないかなと、このように推察するところであります。ですので、こういった中小企業に対しては、資金面を中心とする支援措置を充実することがDXの推進への後押しになると、このように考えるところであります。  他方、中小企業の中には、小規模零細企業など、本当に多様な企業があるのも事実でありまして、一昨日も参考人の方々からのお話でもあったわけでありますが、実のところ何をしたらいいのか分からないと考える方々が多いのも事実であります。こうした中小企業のデジタル経営改革を進めるためには、まずトップの認識を高めるための経営アドバイスなども重要と考えるところであります。  そこで、質問であります。デジタル経営改革を進めるため、中小企業にどのような支援措置を検討しておられるのでしょうか。
  13. 渡邉政嘉

    ○政府参考人(渡邉政嘉君) お答え申し上げます。  デジタル経営改革を進めるためには、幅広い中小企業のIT活用を支援していくことは極めて重要でございます。  これまでに、中小企業のIT活用を進めるため、ITツール導入に係る費用の最大四百五十万円補助するIT導入補助金による支援、情報処理支援機関を認定してITツールを見える化する制度の創設、全都道府県に設置しておりますよろず支援拠点や専門家派遣制度を通じたIT活用に関する相談に対応できる体制の整備、産学官が連携してIoTによる地域課題を解決する地方版IoT推進ラボの選定等の取組を実施してきたところでございます。  引き続き、IT活用に取り組もうとする地域の中小企業に対して万全の支援をしてまいります。
  14. 高橋はるみ

    ○高橋はるみ君 ありがとうございました。  次に、大企業の場合についてでありますが、大企業の場合は投資規模が更に大きくなるところであります。主要国に比べ内部留保は多いとの統計、指摘もあるところではありますが、大企業の場合、トップも数年で交代する場合が多い中で、トップの経営者の方が在任中にリスクを含む大きな投資判断、決断をするのはなかなか難しいかもしれません。こうした点を考慮しますと、資金面、税制面ばかりではなく、制度的な後押しも必要だと考えるところであります。  そこで、質問であります。大企業に対してはどのような更なる措置を検討しておられるのか、お伺いをいたします。
  15. 西山圭太

    ○政府参考人(西山圭太君) お答えを申し上げます。  まず、先ほどのと一部繰り返しを含みますけれども、今委員御指摘のとおり、大企業の場合、そのデジタルトランスフォーメーションに投資を行っても、そのコストは直ちに発生するわけでありますが、その効果は長期的に出現するということになりますので、これに対応する措置が必要になってまいります。  大きく分けまして、二つの措置が必要であると思っております。  一つは、まさにそういう経営者が判断を行うときに、その経営者自身の判断についてある程度客観的に評価できるような枠組み、仕組みがあるということが必要であるというふうに考えております。これにつきましては、先ほど御答弁を申し上げました、まさに指針を定め、企業が申請する場合には認定を行うことで、その経営者の判断がある程度客観的に見て前向きな取組と評価できるかということをまずは大前提として、この改正法案において制度を整備したいというふうに考えております。  もう一つは、その上で、こうした経営者の判断を評価する仕組みの広がりを確保することが必要であるというふうに考えております。具体的に申し上げますと、この法案の中では、指針を踏まえまして、申請があれば優良な取組を行っている企業については認定が行われ、見える化をすることが可能となります。  それを踏まえまして、これは政府が直接行うことではございませんけれども、そうした指針に基づく優良な取組を行っている企業の評価、見える化を行うことを通じて、それをベースとしながら、例えば資本市場においても、デジタルトランスフォーメーションの取組を積極的に行う企業に対する評価を促すことで、言わば企業の間で資本市場からの評価を含めて切磋琢磨する、競争するという環境を醸成することが重要であるというふうに考えております。  そうした経営者の判断の客観的な評価と、その評価についての資本市場の中での広がりということを確保することを通じまして、今委員から御質問のございました、我が国企業、特に大企業の経営者の変革、デジタルトランスフォーメーションの実現に向けた決断を促進したいというふうに考えております。
  16. 高橋はるみ

    ○高橋はるみ君 ありがとうございました。  日本企業のデジタル経営改革を進めることが日本国全体の競争力強化にもつながってまいるわけでありますから、このことをしっかり進めていかなければならないと思います。  さて、本改正案の第二のポイントは、企業間、産業間あるいは自治体間など、社会の様々な主体相互間の連携を促進していく上で必要なアーキテクチャーの設計をIPAの業務に追加するということであります。  そこで、まずお伺いしたいのは、アーキテクチャーとはどういったものなのでしょうか。また、アーキテクチャーの設計をIPAの業務に追加する効果はいかがお考えでしょうか、お伺いをいたします。
  17. 西山圭太

    ○政府参考人(西山圭太君) お答えを申し上げます。  アーキテクチャーが必要になります大前提として一言触れさせていただきますと、これからの多くのビジネスがこれまでのように単独の製品あるいは単独のサービスに限らず、それを組み合わせる、なおかつ、その組合せをデータの連携を通じて実施するということが急激に増えてきているという背景がございます。  そうしたデジタル化、そして複合的なシステムが急激に広がる、進展をいたしますと、例えば、具体的な例で申し上げれば、スマートグリッドですとか、片仮名ばかりで恐縮でございますけれども、モビリティー・アズ・ア・サービス、MaaSと言われますけれども、複数の交通移動手段を組み合わせてサービスとして提供する仕組みでございますけれども、そうしたものですとか、あるいはスマートシティー、スマートホームといったようなサービスが次々に実現する、あるいはその実現に向けてチャレンジをするということが世界的に行ってきております。そうなりますと、当然このシステムは、必ず複数の事業者がデータを連携するということがこのいずれのシステムについても実現の大前提となってまいります。  お尋ねのアーキテクチャーとは、こうした複合的なサービスを実現する上で、複数の事業者がまさに共通で利用し、データを連携する大前提としての技術の仕様や見取図のことをアーキテクチャーというふうに表現をしております。同様に、アーキテクチャーとは、そういう意味での複合的なシステムの全体の構造、あるいは幾つかのサブシステムを組み合わせるそのサブシステムごとの関係性ですとか、あるいは共有するデータの標準、フォーマットについて定めるようなものでございます。  アーキテクチャーとはこういうものでございますけれども、アーキテクチャーの今申し上げた一つの性格として、複数の事業者の方が共通で使うという性格がございます。そうしますと、複数の事業者に使っていただくためには、どうしてもアーキテクチャーそのもの、あるいはアーキテクチャーの設計が技術的に中立的な立場の担い手によって実現をされる必要がございます。そういう意味におきまして、独立行政法人情報処理推進機構、IPAと言っておりますけれども、に今回の改正法案におきまして業務追加をすることで、特定のベンダーなどに偏らず、技術的に中立的な立場から今申し上げましたアーキテクチャーの設計を、システム全体の信頼性や効率性に配慮した形で設計を行うことが可能になるものだというふうに考えております。  当面、IPAでは、こうした業務追加が実現されました暁には、先ほど御説明しましたような業種横断的なシステム連携を行いますような分野ですとか、あるいはデジタル技術の活用を前提として規制のスマート化や高度化を求められる、したがって、中立的な立場からそうした規制のスマート化をサポートすることが求められている分野ですとか、あるいは公的部門において共通のITシステムを開発すべき分野などで具体的な取組を行っていくというふうに考えております。  以上でございます。
  18. 高橋はるみ

    ○高橋はるみ君 ありがとうございました。  今答弁を伺っておりまして、難しいところもあるわけでありますが、アーキテクチャーの設計が可能になってまいりますと、世の中的には人口減少、過疎化などに苦しむ地域の活性化への効果を大いに期待するものであります。  例えば、私が住む北海道においても、人口減少の中で水道施設も老朽化が進んでおりまして、単一の基礎自治体による水道事業の運営は限界に来ている。にもかかわらず、それぞれの基礎自治体がそれぞれのシステムを有しているがゆえに、なかなか広域連携が進まない。こうした現況を打開することも可能になってくるのかなという思いを持ちました。また、北海道の基幹産業である農業、水産業などの分野においても人手不足が深刻でありますが、そうした中においても、より付加価値の高い産品作りを模索していかなければ地域間競争に勝ち残っていけないという現実の中で、そういった地域の課題解決にも役立つことだというふうに思う次第であります。  ただ、今私が期待すると申し上げたような形でアーキテクチャーの活用を全国の地域創生に結び付けていくとすれば、まあIPAの機能強化だけで十分なのかなという思いも持つところであります。更なる人材育成が必要ではないか、また、大学など各地域の関係機関との連携も必要だと思うわけでありますが、時間の都合もございますので、これは指摘とさせていただきたいと思います。  そして、本法案の第三のポイントは、政府調達におけるクラウドサービスの安全性評価を行う機能をIPAに追加をするという点であります。システムのセキュリティー確保というのは、官民ともクラウドサービスなどを進めていく上で当然必要と考えるところでありますが、こうしたセキュリティー確保を大前提とした上で、今経産省で進めておられると聞いておりますデジタルガバメントの推進について質問をさせていただきます。  経産省では、現在、法人デジタルプラットフォーム構築事業を進めていると伺っております。これは、事業者側の電子申請による負担軽減だけではなく、行政側のデータ利活用による政策評価や政策立案にも資する重要な事業と考えるところであります。  例えば、中小企業の補助金申請等の行政手続について、経産省が他省庁とも連携して率先して政府全体のデジタル化に貢献すべきと考えるところでありますが、大臣の思いをお聞かせいただきたいと思います。
  19. 梶山弘志

    ○国務大臣(梶山弘志君) 経済産業省としましても、行政のデジタル化は喫緊の課題と認識しております。事業者向けの行政手続を中心に、ユーザー目線でより簡単で便利な行政サービスを実現するために現在取組を進めているところであります。  具体的には、事業者が一つのIDとパスワードで様々な手続ができる認証システムであるGビズIDを二月に運用開始をいたしました。今年度中には産業保安に関する届出など経済産業省の行政手続で利用を予定しておりまして、来年度からは企業の社会保険手続など他省庁所管の手続でも活用していく方針であります。  さらに、事業者が情報を一度入力すれば他の補助金で再度入力しなくてもよいワンスオンリーや、いつでもどこでもウエブ申請ができるといった形で中小事業者等の利便性が高まるよう、補助金申請システムでありますJグランツの構築を進めておりまして、まずは経済産業省の補助金で今年度中に運用開始をし、来年度の補助金から他府省、自治体への導入を目指しております。  法人手続に係る行政手続のデジタル化について率先して取組を進め、他省庁にも展開することで、政府全体のデジタルガバメントの推進に貢献をしてまいりたいと考えております。
  20. 高橋はるみ

    ○高橋はるみ君 ありがとうございました。  限られた時間ではありますが、本改正案の中身などについて種々御質問をさせていただきました。  私は、ソサエティー五・〇社会の実現、このことに対し、地方創生を進めるという観点からも大いに期待する立場であります。その意味で、本改正案に盛り込まれている措置はソサエティー五・〇社会実現に向けて必要であるというふうに考えるところでありますが、これだけで十分なものとは考えないところであります。経産省として、また政府全体として、更なる政策の推進をお願いを申し上げたいと思います。  昨年二月、もうちょっと旧聞に属するかもしれませんが、平昌冬季オリンピックで銅メダルを獲得した北海道北見市の女子カーリングチームの選手の一人、吉田さんという人ですが、以下の発言をしております。「正直この町、何にもないよね」、「私もこの町にいても絶対夢はかなわないと思っていた。だけど、今はこの町にいなかったら夢はかなわなかったな、と思う」、そして、そばにいた地元の子供たちに対し、彼女は続けます。「たくさん夢はあると思うけど、大切な仲間や家族がいれば、夢はかなう。場所なんて関係ない」と彼女は発言をしました。  私は、こうした住む人たちの夢のかなう町を一つでも多くつくり上げていくことこそが地方創生の真髄だと考えるところであります。そして、そのためにも、ソサエティー五・〇社会の実現に大いに期待することを付け加えて、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  21. 須藤元気

    ○須藤元気君 元気ですか。元気がいれば何でもできる。立憲・国民.新緑風会・社民を代表して質疑をさせていただきます。たまに会うと喜ばれる男、須藤元気でございます。  今日が質疑のデビュー戦となります。僕は元格闘家だったんですけれども、デビュー戦は後楽園ホールで無事勝利することができました。今日はこの経産委員会という名のリングで、勝利までとは言いません、何とか引き分けにまで持っていければいいなと思っていますので、梶山大臣、どうぞお手柔らかにお願いいたします。  縁がありましてこの経産委員会に配属、所属させてもらうことになりました。まだまだ勉強不足でお見苦しいところ多々あると思いますが、皆様、どうぞよろしくお願いいたします。  さて、早速ですが、情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律案について、政府に対して質問させていただきます。  今回の法律改正は、日本企業のクラウドサービスなど新しいIT技術への対応が遅れているところへの整備をするものだと認識しております。しかし、こうしたデジタルの分野は用語が難しく、なかなかイメージが付きにくい分野であると感じている方も多いかと思います。そこで、本日は、今回の法改正の趣旨、デジタル技術を活用して今後どのような社会に変わっていくのか、国民の皆様にも分かりやすく伝わるよう質問をさせていただきたいと思います。  まず初めに、法律全体についてお伺いします。  今回の法律案は、デジタル技術の利用を進め、日本の持続的な成長を達成することが大きな目的と理解はしておりますが、改めて、これに対してどのような措置を講じるのか、本法案の趣旨とともに大臣にお伺いいたします。
  22. 梶山弘志

    ○国務大臣(梶山弘志君) 現在、世界ではあらゆる分野においてIoT、ビッグデータ、AIの新たなデジタル技術の活用が進んでおります。こうした中、日本は、デジタル技術とデータを活用して経済発展、例えば、異業種間の結び付き、他企業との結び付き、そして他地域との結び付きということで新たなビジネスが生まれる可能性があるということ、そして、社会的課題の解決、例えば、地方に行けば交通機関が非常に乏しい、そういった中で新たな交通機関をどう連携をしながら造っていくか、また、医師不足の中でどう医療を受けていくか、そういったことも解決の可能性があるということで、これらの経済発展と社会的課題の解決を両立するソサエティー五・〇の実現を目指してきているところであります。  これまで情報処理の促進に関する法律は情報化社会の実現を目的としてきましたが、今般の改正によりまして法律の目的規定を改めまして、より高度なソサエティー五・〇の実現を図ることを明確にいたしました。今までは普及が目的でしたけれども、今度はそれらを有効に活用していこうと、そしていろんな結び付きを考えていこうと、そのための基盤を整備していこうということを明確にしたわけであります。  その上で、ソサエティー五・〇の実現に必要な社会横断的な基盤の整備として、デジタル技術やデータの活用を前提とした企業のデジタル経営改革の実現、企業の中での業務の見直し、どういうふうにやったら効率的にできるか、それをした上で、今度はほかの企業との結び付きや新たな事業ということにも考え付くと思いますけれども、そういったことができるように我が国企業の競争力の強化を図ってまいります。  二番目として、今後、新たな産業やサービスの創出の前提となる異なる事業者間や社会全体でのデータの連携、共有を容易にするために必要な共通の技術仕様でありますアーキテクチャーの策定、多企業間でどういう設計図を描きますか、どういう見取図を描きますかというようなことを、全体像を見るようなものがアーキテクチャーと御理解をいただければよろしいかと思います。  官民におけるクラウドサービス等の新たな技術、サービスの活用を促すための必要なセキュリティーの確保等に必要な措置を講ずることとしております。セキュリティーは、クラウドを使えば今までのレガシーシステムと違って別のソフトを使うということになりますから、それらが本当に安全かどうなのか、そして情報が漏れやしないかどうかというような心配もあると思いますけれども、そういったことについてしっかりと安全を保障していく、そして認証していくということでもあります。  これらの措置を着実に実行することで、あらゆる産業や社会生活に先端的な技術の導入を加速化し、少子化や環境エネルギー制約等の課題を乗り越えた持続的な社会を構築していくために、今般この法律を提出をさせていただきました。
  23. 須藤元気

    ○須藤元気君 ありがとうございます。  本法案の趣旨をお伺いしたところで、今回の法案のポイント、三つあると思います。  一つ目、企業のデジタル面での経営改革の促進、二つ目、複数の分野や企業にまたがるシステムの連携、データの活用を推進するためのアーキテクチャーの設計、そして三つ目、新しい技術を活用する上での安全性の確保に向けた措置を講じること、この三点の各措置について順番に課題や詳細を伺いたいと思います。  まず、企業のデジタル面での経営改革の促進についてお伺いします。  確かに、近年のデジタル技術の発展は目覚ましく、我々の生活の中でもスマートフォンやタブレット、VRなどの技術が浸透し、例えば宅配便の受取サインもタブレットで行うことが可能になっています。企業においてもこうした技術の利用により人件費等のコスト削減が可能であり、政府が特段の措置を講じなくても企業が自ら取組を進めていけるのではないかなと考えております。  そこで、企業のデジタル面での経営改革を進めるためになぜ国が措置を講ずる必要があるのか、お答えください。
  24. 西山圭太

    ○政府参考人(西山圭太君) お答えを申し上げます。  今、委員から御指摘もございましたように、今これからの時代、私どもソサエティー五・〇と呼んでおりますけれども、その下では、IoTですとかビッグデータあるいはAIなど、いずれも非常に革新的な変化をもたらすような技術が出現しつつあります。そうした中で各企業がこうしたデジタル技術を活用していくことが必要になりますけれども、それには、ある意味で、企業の経営から見ますと非連続、これまでの経営の単純な延長線上にはないような変革をする必要が出てまいります。そのことを総じてデジタルトランスフォーメーションというふうに呼んでおります。このことは特定の業種や特定の分野で起こるということではなくて、どのような業種でも、どのような分野でもこうしたデジタル技術を経営戦略の中核に置くということが必要になってまいります。  同時に、我が国のやや特有の事情ではございますけれども、我が国の企業が持っておりますITシステムが、歴史的な背景から、それぞれの企業の部門ごと、例えば経理部門と人事部門がそれぞれ別々のシステムをつくるといったような形でカスタマイズをされてきたという歴史がございます。もちろん、それは、その当時におきましては、特定のベンダーが特定の顧客のITシステムの更新や保守を持続的にするという意味で合理性がなかったわけではないとは思いますけれども、結果として見れば、部門を超えて、あるいは企業を超えてデータを連携させる、システムを一体化させるというのが難しい状況になってまいりました。  そういう意味におきまして、我が国においては、技術的にもう陳腐化したシステム、それをレガシーシステムと呼んでおりますけれども、それを抱えている企業が数多くあるという実態がございます。そうしたことを処理し、レガシーシステムを刷新しながらデジタルトランスフォーメーションを推進していくということが必要になってまいります。  したがいまして、経営者からこのデジタルトランスフォーメーションということを見た場合に、まさにレガシーシステムの刷新という意味においても、経営そのものを大きく変えるという意味においても、非連続の変化を成し遂げる必要がございまして、それは当然、多額の投資を伴うことということを含めて、経営者にとっては、ある意味でリスクを背負うという、リスクを背負った判断、決断が必要になるということになってまいります。  したがいまして、私どもも、この法案を準備いたします過程で研究会等々を通じて様々な経営者の方などと議論をさせていただきましたけれども、やはりこうした非連続の経営改革に向けた決断をする上では、この経営者の決断を後押しするような措置が必要だという声をたくさん頂戴をいたしました。  そうしたことを踏まえまして、今回の改正法案におきましては、デジタル経営改革を進めるための指針という形で、デジタルトランスフォーメーションを進める上で望ましい取組がどういうものかということを経営者自身が自己評価、自己診断できるような指針を示すことで経営の変革に取り組むことを促す、あるいは申請がありました場合にはそうした指針に沿って優良な取組を行っているということを認定するということを行う、さらには、これは必ずしも国が全て直接行うことではございませんけれども、そうした取組が広がることで、資本市場において優良な取組、優良なデジタルトランスフォーメーションへの取組を行っている企業が評価されるといったような広がりのある取組を促すことを目的としております。  以上でございます。
  25. 須藤元気

    ○須藤元気君 デジタルトランスフォーメーションが必要であるので国が措置を講ずるということで理解いたしました。  では、次に、今回の法案では、国が経営における戦略的なシステムの利用の在り方を指針として提示することになっていると承知しております。  確かに、あるべき姿を示すことで、企業経営者に向けてデジタル技術の活用や負の遺産への対処の必要性についての気付きを得てもらうことはできるかもしれません。が、しかし、気付きを得て満足するのではなく、企業経営者には、より優れたデジタル活用を目指し切磋琢磨し、ライバルと競争していってもらうことが日本全体でデジタル化の底上げにつながるのではないかと個人的には思います。僕自身も、格闘家として、やはりライバルがいたからこそ技術が磨かれたと思います。  そこで、本法案における指針の策定や認定などの仕組みは企業経営者にデジタル化に向けた決断と行動を促す上で十分な措置と言えるのかどうか、お答えください。
  26. 西山圭太

    ○政府参考人(西山圭太君) お答えを申し上げます。  この法案では、今委員から御指摘のデジタル経営改革に向けた指針を示し、申請があれば優良な取組を行っているという認定を行うこととしておりますけれども、そうした措置だけでは日本全体としてデジタルトランスフォーメーションを促すということにはつながりにくいというふうには考えております。したがいまして、今委員が切磋琢磨という言葉をお使いになりましたけれども、まさに、そうしたこの法案の直接の範囲を超えた広がりをどうつくるかということが非常に重要だというふうに考えております。  したがいまして、これは必ずしも政府が直接行うということではございませんけれども、今回、改正法案の中で御提案を申し上げております指針の策定及びそれに基づく認定というベースをつくることで、例えば資本市場の中で、まさにデジタルトランスフォーメーションについて優良な取組を行っている企業について高い評価を資本市場の側から与えられるといったようなことが起こり、逆に、そうしたことを目指して企業の間あるいは経営者の間で競争、まさに切磋琢磨が起こるということを促すということも併せて必要だというふうに考えております。  さらに、もちろん、経営者が決断に至った場合でありましても、先ほど申し上げましたとおり、デジタルトランスフォーメーションには、一定の具体的な投資ですとか、それを担う人材というのが必要になってまいります。そうした投資や人材育成に関しましては、私どもとして現在用意をしておりますデジタル投資を促進するための各種の補助金制度ですとか、あるいはコネクテッドインダストリーズ税制といったような措置、さらに、こうしたデジタル経営改革を支える人材を育成するための様々な人材育成講座などの用意をしてございますので、そうした政策を組み合わせて行っていることで、デジタルトランスフォーメーションを推進していきたいというふうに考えております。  以上でございます。
  27. 須藤元気

    ○須藤元気君 このような取組は継続が重要だと思います。本法案でもおおむね二年に一度指針を見直す条項も入っておりますし、継続は力なりなので、経産省には常に最新のデジタル技術の動向に合わせた形で制度設計に努めていってほしいと思います。  次に進めさせていただきます。  今回の法案では、複数の分野や企業につながるシステムの連携、データの活用を推進すべくアーキテクチャーの策定を行うとのこと、これは、デジタル分野で日本が勝っていくためには非常に重要な取組であると考えます。  しかし、一方で、アーキテクチャーという言葉やその意味はなかなか我々にはなじみがなく、イメージが付きにくいのが現状だと思われます。今回の措置は、スポーツに例えると、様々な地域、場所で行われる試合のルールを統一的なものに整備していくようなものではないかと想像しておりますが、デジタル分野においてもまず国民に理解できるような説明が必要なのではないでしょうか。  僕は格闘家だったんですけれども、格闘分野で言うと、何かオモプラッタからスイープしてサイドポジションからの腕ひしぎ十字固めは流れ良かったねと言っても多分誰も分からないみたいな。ですから、この業界乗りにならないことというのはやはりとても大事になると思います。  そこで、いま一度説明をお願いしたいと思います。先ほど高橋先生も同じ質問をされていたんですけれども、そもそもアーキテクチャーというものはどういったものなのか、それはどのような分野で活躍が期待されているのか、お考えを教えてください。
  28. 西山圭太

    ○政府参考人(西山圭太君) お答えを申し上げます。  この分野、なかなか片仮名の言葉が非常に多いものですから、大変恐縮しております。それを申し上げました上で、まさに今後の新しいイノベーション、あるいはそういうイノベーションを伴ったビジネスにどういうものがあるかということを見ますと、個別に申し上げれば、例えばスマートグリッドですとか、複数の交通手段を組み合わせましたMaaSと呼ばれるような仕組みですとか、スマートシティー、スマートホームといったものが次々挙がってくるわけでございますけれども、これらにいずれも共通しておりますのは、単独の事業者が個別に製品やサービスを供給するというものではなくて、複数の事業者が協調しながら、なおかつ、その事業者の間でデータを連携させながら製品やサービスを様々組み合わせて、まさにシステム全体として提供するということが急激に増加をしてきております。  その上で、アーキテクチャーというのは、こうした複数の事業者がデータを連携するために必要となる基盤についての見取図や技術仕様のことを指しております。  こういう御説明が更に分かりやすいかどうかは分かりませんけれども、現実に私どもが使っておりますシステムで申し上げれば、例えばインターネットというのは、皆さん方が利用されているとは思いますけれども、インターネットがなぜ全ての機器をつなげばその機器がつながり、データのやり取りができるかといいますと、まさにそのインターネットそのものにはそうした機器をつなぐことを支えるアーキテクチャーが設計されている、組み込まれているので、インターネットに様々な違う事業者、メーカーが作った機器がつながるということが保証されているわけでございます。  そのインターネットというのがこれまでのある意味で代表的な例でございますけれども、そうしたものに見られますように、その様々なデバイス、機器やサービスを行う事業者のサービスが連携するためには、その基盤となるような技術仕様や見取図が必要になってまいりまして、そのことをアーキテクチャーというふうに呼んでおります。  私どもとしては、今回の改正法案で、独立行政法人情報処理推進機構、IPAで、こうしたアーキテクチャーの整備の支援に取り組む予定としておりますけれども、例えば幾つかの分野がございますけれども、一つは、もう既に申し述べましたような、これから将来的に実現をすると思われるスマートシティーやMaaSのような、複数の事業者が連携して初めて決済ですとか個人認証あるいは地図システムといったようなものが連携できるような分野の開発基盤として、アーキテクチャーを設計するというのが一つの例でございます。  さらに、二つ目の例として、これも今後の未来に向けてのチャレンジということでございますけれども、規制のスマート化や高度化が求められるような分野、例えばプラントの保安の規制においては、これまではまさにそのプラントの物理的な状態を技能を有する人が直接目視する、あるいは計測をするといった形で行って安全性をチェックしてきたわけでございますけれども、まさにIoT、データが多種多様に取れる時代になりますと、これをデータを使ってセンサーで代替するということが可能になってまいりますが、これもまた、複数のセンサーを統合して全体として監修を行うためには、そのベースになるアーキテクチャーが必要になる。また、規制でございますので、複数の事業者の方々が行うデータに基づくチェックが同じ効果を持つということを保証するためにもアーキテクチャーが必要になるということでございます。  また、さらには、これは既に存在しているシステムの共通化ということでございますけれども、まさに人口減少が進むような地域の水道事業のようなものにつきましては、今後、広域化や連携というのが進むことが期待されておりますけれども、そのためには、それぞれの事業者が持っているシステムを統一する、統一的に運用することが必要になってまいりますので、そうした場合にもアーキテクチャーが必要になるということになってまいります。  こうした分野について、まさにアーキテクチャーをベースにして新しいシステムが次々に生まれていくということを期待しております。  以上でございます。
  29. 須藤元気

    ○須藤元気君 ありがとうございます。  デジタル分野で共通化、標準化を進めていこうという取組はこれまでも様々な場面で進んできたものと考えています。  例えば、スポーツ観戦の試合のチケット販売では、主催者が直接販売する場合もあれば、再販業者を介して販売される場合もあります。様々なパターンが存在するため、ファンから見て複雑で分かりづらいなと感じられてしまうこともあると思います。  こうした中、アメリカでは、販売パターンや販売業者を問わず、共通のシステムを使って、チケットを購入するファンとチケットを販売する事業者の両方で利便性向上につなげていこうという動きがあります。その一方で、こうした事例は、民間、すなわち商売を行う事業者の取組であれ、本来であれば国が関与をせず、民間の取組に委ねるべきではないかなと考えております。  この点、今回の改正案では、独立行政法人情報処理推進機構に業務追加をして進めようとしていますが、なぜ国が主体的にアーキテクチャーの設計を行う必要があるのでしょうか。民間に委ねてもよいのではないかなと思いますが、いかがでしょうか。
  30. 西山圭太

    ○政府参考人(西山圭太君) お答えを申し上げます。  今委員からお話がございましたとおり、仮にアーキテクチャーを設計をいたしましても、その上に行われます個々のサービスというのは、最終的には民間事業者の方々が創意工夫をして実現をされるものだということではございます。  ただ、そうした個別のサービスを実現していく上でも、その民間事業者の方々がある部分は共通して連携をしようと、あるいはデータを共有をしようといたしますと、その部分については、特定の民間事業者の方に有利だとか不利だとかいう事態があるとその共通化、連携が進みませんので、その分野の整備については、やはり中立的な立場からアーキテクチャーの設計を行うような主体が必要になってまいります。  海外の事例を見ましても、例えば米国の例ですと、元々標準を策定する機関ということでNISTという組織がございますけれども、こうした機関がまさに中立的な立場から、スマートグリッドですとかサイバーセキュリティーとか、あるいは最近ですとプライバシーのような分野についても複数の企業が共通して使えるようなアーキテクチャーの提案という活動を行っております。  したがいまして、例えば今後の我が国の実態、実例で申し上げますと、我が国において業種横断的なシステムを、例えばまさにMaaS、複数の交通手段を連携させるような仕組みの中でそうしたサービスを実現をするですとか、あるいはスマートグリッド、スマートシティーというようなことを実現していくんだとすると、やはり複数の事業者が共有できるような開発基盤が必要になりまして、その部分につきましては中立的な立場にある人材が設計を行うと、アーキテクチャーの設計を行うということが必要になってまいります。  そうした背景から、今回の改正法案におきましては、そうした特定のベンダーなどに偏らず、技術的に中立的な立場にあるIPAのような機関にアーキテクチャーを設計するような人材を集約し、なおかつ、まだまだ数が足りない、不足しているというのが現状でございますので、併せて人材育成も行いたいというのが目的でございます。  以上でございます。
  31. 須藤元気

    ○須藤元気君 次に、新しい技術を活用する上での安全性の確保について質問させていただきます。  今回、政府などが民間のクラウドサービスを使う場合のセキュリティー確保のため、独立行政法人情報処理推進機構の業務にクラウドサービスの安全性評価を行う業務を追加されますが、政府は情報システムに係る調達について、クラウドサービスを第一候補とするクラウド・バイ・デフォルト原則を掲げ、活用を進めると聞いております。  そもそも、このクラウドサービスはどのような点で有用なのか、教えてください。
  32. 西山圭太

    ○政府参考人(西山圭太君) お答えを申し上げます。  クラウドサービスの対義語、反対語というんでしょうか、というのは一般的にはオンプレミス、自分の事業所の中でという意味でありますけど、オンプレミスというふうに呼ばれております。  その言葉に表されておりますように、これまでのITシステム、クラウドサービスを利用する前のITシステムは、基本的には、ハードウエアからソフトウエアに至るまで、利用するシステムを、利用する側がそのシステムを構築し、購入し、自ら管理するというスタイルを取ってまいりました。  ただ、そういうやり方ですと、当然にして、その自らが保有しているハードウエアであれソフトウエアであれ、そうしたもののセキュリティーの更新あるいは機能を高めていくためには自らその追加的な投資を行う、あるいは、それの更新のために人材が必要だとすれば、自らその人材を企業の中に置くということが必要になってまいります。そういう意味で、どうしても技術の進展あるいはセキュリティー対策の必要性が日進月歩な中では、個別の企業がそれぞれ自前で対応するというのが難しいというのが大きな背景にございます。  それに対しまして、委員から御質問のクラウドサービスにおきましては、クラウドサービスを提供する事業者が様々な顧客に向けてリソースを共有して活用をするために、全体として見れば大幅なコストの削減が可能でございますし、また、各種のシステムを柔軟かつ迅速に整備や変更することも可能になりますし、また、セキュリティーを含めまして技術的に最新の人材を集中的に確保することで技術面での日進月歩の変化に対応することができるといったようなメリットが期待されております。  以上でございます。
  33. 須藤元気

    ○須藤元気君 政府がクラウドサービスの活利用を率先して進めていくことで、政府のデジタル化の推進につながると思います。是非この取組を着実に進め、民間企業の手本となることを期待しております。  もう少しで時間なので、最後の質問とさせていただきます。  次に、先ほど、このアーキテクチャーやクラウドの安全性評価はいずれもこの独立行政法人、IPAでいいですかね、IPAに業務を追加することとなっていますが、いずれの業務も高い専門性が求められるものと理解します。こうした業務の担い手として、何もかももうこのIPAに任せることが適切なのか。不必要な業務の肥大化を避ける観点からも、しっかり確認することが必要かと思われます。  アーキテクチャーやクラウドの業務を担う機関としてIPAは本当に適切と言えるのか、そして、これらの業務を担うだけの能力はあるのか、御見解を伺わせてください。
  34. 西山圭太

    ○政府参考人(西山圭太君) お答えを申し上げます。  私どもが今回業務追加を予定しております独立行政法人情報処理推進機構、通称IPAというふうに言っておりますけれども、これについての考え方についてお答えを申し上げます。  まず、このIPAに業務追加をさせていただきます大きな背景は、情報処理の分野で長年活動してきた中立的な機関ということが背景になっております。  その上で、今委員から御質問のアーキテクチャーとそれからクラウドサービスの安全性評価については、若干IPAの位置付けが異なるというふうに考えております。  アーキテクチャーの分野につきましては、中立的な、なおかつアーキテクチャーの設計の経験をしたことのある人材が必要になってまいりますけれども、これは日本全体で見ましても非常に数が少なく、不足しているというのが実態でございます。したがいまして、この分野につきましては、IPAの内部の人材のみならず、どちらかというと、むしろと申し上げた方がよろしいかと思いますけれども、外部のそうした経験のある人材を糾合して取組を行っていきたいというふうに考えております。  他方、クラウドサービスの安全性評価につきましては、IPA自身がこれまでもサイバーセキュリティーの分野で様々な取組を既に行ってきておりますので、セキュリティー人材については一定の蓄積がIPAの中にあるものと考えておりますので、こうした人材を活用しながら、この改正法案がお認めいただければ、追加された業務にしっかり取り組んでまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。
  35. 須藤元気

    ○須藤元気君 ありがとうございます。  今回の法案は、専門的、技術的なものも多く、国民に理解しにくい部分がどうしても出てきてしまうと思われます。だからこそ、経産省には、本法案が有意義なものであることを国民にも理解していただけるようしっかりと普及啓発や取組の着実な実行をお願いし、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  36. 小沼巧

    ○小沼巧君 立憲・国民新緑風会・社民の小沼でございます。引き続き、茨城の先輩政治家、大臣に胸を借りるつもりで頑張ってまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。  今日、テーマは三つあります。一つが、先々週、私初めて質疑させていただきましたが、そのフォローアップを簡単に短時間で。もう二つが、どちらも今回の法律案なんですけれども、民間企業に与えるインパクトが一つ。もう一つは、内部といいますか、民間ではなく公共部門におけるインパクト及びガバナンスについてお伺いしていきたいと思っております。  一点目、その先々週の話の続きなんですけれども、原発の話と中小企業台風対策の話、させていただきました。  最初に原発の話なんですけれども、ちょうど昨日なんですね、日本原電の本店さんが昨日の午後、約六万三千筆だったと思います、東海第二原発の再稼働を反対すると、こういう署名を受け取りました。これ、初めてのことなんだそうであります。去年は提出したんだけれども受取すらしない、郵送で送り付けてもそのまま返ってきちゃったと、コミュニケーションすら全くないという状態だったそうであります。ただ、今年に関して、昨日に関しては、そういったことを乗り越えて受け取ることをしたということであります。  先日の質疑で、安全性の問題、避難計画の問題、住民同意の問題、三つの条件が大事だということを大臣も御答弁いただきました。今回のことについて簡単に事実関係だけお伺いしますが、この住民同意を得るプロセスの一環として署名を受け取ったということ、これは非常に有意義なことだと思いますし、今後、このような声にも耳をしっかりと傾けていく、そういうようなエネルギー政策を行っていくというような理解でよろしいのか、大臣の御見解を伺います。
  37. 梶山弘志

    国務大臣(梶山弘志君) 今、小沼委員からお話がありましたけど、日本原電からは、昨日、市民団体からの署名を受け取ったと私自身も聞いております。地元の理解を得ていくことについては、事業者自らがしっかりと地域に入りながら信頼を積み重ねていくことが最も重要、そして、今回のこともその一つであると思います。  事業者が真摯に努力を続け、地域との信頼関係を築いていくべきであり、その上で、経産省としてもエネルギー政策における原子力の意義を含め丁寧な説明を尽くしてまいりますし、政府全体として避難計画等についての支援もしてまいります。
  38. 小沼巧

    ○小沼巧君 ありがとうございます。  村瀬部長、今ので原発の話も終わりますので、お忙しかったら御退席いただいても大丈夫でございます。  次の……(発言する者あり)あっ、済みません。
  39. 礒崎哲史

    ○委員長(礒崎哲史君) 村瀬さんの方は退席いただいて結構でございます。
  40. 小沼巧

    ○小沼巧君 ありがとうございます。失礼しました。慣れないもので大変失礼いたしました。これから気を付けてまいります。  二つ目は、台風被害の対策についてであります。  先々週、具体的な数字、割り算も含めてやりながら金額不足が課題なんじゃないのかという話、させていただきました。大臣も、まずは予備費でということで、経済対策の中で一般論として補正もあるし本予算もあるしと、こういうようなお話でありました。  これ、これまた昨日の午後の時点なんですけれども、茨城の県の方に問い合わせたところ、県の方で対策の補正予算の予算が決まったということでありました。一方で、この前、話になりました自治体連携型補助金ですね、これ要綱すらまだ届いていないということだったそうであります。分かりやすく普及をしなければいけないということは、私だけではなく、皆さん、委員の皆さんがおっしゃっていたことだと思います。  また、その自治体の裏負担の問題について、ちょっとこれはグループ補助金とは違って災害関係の地方特例債がないから、結局、裏負担が物すごく増えてしまうんではないのかというような不安の声も併せて聞こえていたところであります。  そこで、改めて大臣にお伺いいたします。  二週間経過した今日ですね、金額不足の問題についてこれはどう進捗したのか、また、その自治体の裏負担に関する懸念の払拭に向けた取組、これ、いいことをやっていると、経産省頑張ったと理解しているので、それを大臣の口からおっしゃっていただけないでしょうか。
  41. 梶山弘志

    国務大臣(梶山弘志君) 先般申し上げましたように、災害ですから予備費で計上させていただきました。これじゃ、ちょっと少ないんじゃないかという御指摘もありました。それに対しまして、困っている人がいるんであればしっかり補正も組むし、いっぱい本予算も組んでいくというのが本来の考え方だというお話もさせていただきました。その考え方に基づいてしっかりとやってまいりたいと思っております。ただ、まずは使うこと、足りなくなってくるということが見えたときにしっかりと対応をするということであると思っております。  今、自治体連携型補助金について、グループ補助金と同様に、県負担軽減のための地方財政措置を講じることとしております。地方財政負担額の一定割合を交付税、特別交付税で措置をすることとしているわけでありますが、この仕組みでいうと県の負担というのは四分の一ということになりますけれども、茨城県を始めとした台風十九号の被害の大きかった県については地方負担の九五%を措置することとしております。
  42. 小沼巧

    ○小沼巧君 ありがとうございます。  そのまさに裏負担の点についてグループ補助金とは違ったんじゃないのかという声があったんですが、実際には特例債なのか交付税措置なのか違いはあるんですけれども、いずれも九五%ですよね、軽減されるということであります。  これは経産省の中企庁の取組、非常に評価したいと思っています。引き続きフォローアップしてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  二つ目のテーマでありますが、今回の法律案についてであります。  これ以降の法律案の質問について私がお伝えしたいメッセージというのは、仏作って魂入れずにはなるな、やったふりは駄目だと。ツールありき、道具ありきになるなということであります。DX、デジタルトランスフォーメーションですね、これはIT業者とかベンダーをもうけさせるのではないと思っています。あくまで企業行動が変化するか、どう変化するかということが重要であると。それは今までの審議の中でも明確化、共通認識だと思っています。  しかし、若干、その目的と今回の法律及び法律に伴う措置についての手段、これが若干ごっちゃになってしまっているのではないかなという懸念を覚えております。  簡単に言うと、今までだったら規模の経済だったものが、今回は学習の経済に変わっていくと思っています。すなわち、生産設備とか間接部門なんかの数量で勝負するということが競争だったんですが、これからはデータを活用して顧客のニーズをすくい上げる、そして、そのすくい上げたものに対して対応する商品とかサービスを再定義し、更につくり上げるというような言わば顧客提供価値、これを競い合うというような競争というものが新たな軸になっているという認識であります。  そういったところを考えると、やっぱり最初に顧客に対してどういう価値を提供するのか、この企業は何の企業なのかということが大上段にあり、その価値を提供するために必要なオペレーションだったり、組織構造だったり、ガバナンスだったり、商品、サービスだったりということがある。  さらに、それを具体にしていくためのデータとかアーキテクチャーとか人材とか、そういったことが必要になって、三つの構造、三層、三つの層についてそれぞれ考えていかなければならない。そして、何に、顧客に対しての価値なのかというところから議論を始めないと、また別のレガシーシステムつくっちゃうということになってしまうということは懸念しております。  そういう意味で、大臣にお伺いしたいのは、今私が申し上げたような視点、ツールありき、アーキテクチャーが大事だ、それは分かりますけれども、そういうものではなくて、あくまで第一層の顧客提供価値、これの再定義から、末端、第三層に至るまでのコンポーネントまで、そういう順番で議論していく、そういう戦略策定を企業に求めていくことが必要ではないかと思いますが、これに対して大臣の御見解をお願いいたします。
  43. 梶山弘志

    国務大臣(梶山弘志君) 小沼委員のおっしゃるとおりでありまして、しっかり形を作って魂入れていくことも大切、そして、そこがどこから始まるかということも非常に大切だと思っております。企業のDXを進めるに当たっては、まず経営者が企業価値の向上に向けて実現したいビジョンを定めること、そのためには必要となるデジタル化を経営戦略と一体的に進めていくことが重要であると思っております。そしてまた、委員がおっしゃったように、需要の、どういう要望があるのか、行動があるのかということもしっかりと探っていくということがデジタル経営改革の中で非常に重要なことだと思っております。  その企業の認定の前提となる指針につきましては、実現したいビジョンが明確になっているかどうかというのが第一点目。第二点目として、DXに向けた具体的な取組を経営戦略に取り込んでいるかどうかというのが二点目。三点目が、自社のITシステムの現状について、全体像を把握し適切な刷新を計画しているかどうかということであります。  先ほども議論でありましたけれども、七割近くの企業がレガシーシステムのままであります。ということは、新たなビジネスに日本の国の企業が立ち遅れている、乗り遅れているということでもありますから、こういったことをまずはやっていく。そしてさらに、DX推進のための必要な体制、仕組みを整備しているかどうか。DXを含めた経営戦略や自社の体制について投資家等の関係者に説明、共有を行っているか。新たな事業をやるには当然、資金調達も必要になる、資金調達にはその投資家の理解を得ることが必要、そういうことでの承認ということにもつながってまいります。こういったことを内容とすることを認定の前提としているということであります。  システム工学や経営学などの専門的知見を有した学者や、企業のDXに関わってきた、携わってきた経営者などの有識者の御意見も踏まえながらしっかりと指針を策定していって、委員がおっしゃるような、目的を達するような魂を入れてまいりたいと思っております。
  44. 小沼巧

    ○小沼巧君 ありがとうございます。  まさに同じ問題意識、目指すべきところは一緒だと思います。スマグリをつくるとかスマコミをつくるとかいろいろありますけれども、そもそもつくることが目的ではなくて、どういったスマコミ、スマグリだったらいいのか、それに必要なツー・ドゥーは何か、それを具体的に実現していくための仕組みは何かと、こういう順番で話をしていかないと企業も迷ってしまうと思いますので、そういった問題意識、ゴールというのは私も正しいと思っております。  その上で、じゃ、それを具体的に担保していくものとして今回の認定制度があると思うんですが、ここからはちょっと政府参考人の方にも、テクニカルな話にもなります、私も片仮名語ちょっと増えるかもしれませんので、政府参考人の方にもお答えいただければと思っておりますが。  認定をすると、そうすると投資効果が呼び込まれるとか企業の戦略が変わるとか、こういった話がるる御説明ございました。本当ですかねというのが問題意識です。  例えば、ITの話でいうと、攻めのIT経営戦略銘柄というものがありますね。あとは、ダイバーシティーの話なんですけれども、なでしこ銘柄というのもあります。これも、企業の取組について評価をして、今おっしゃったような、まさにビジョンが経営戦略に位置付けられているかとかガバナンスが利いているかとか、似たような観点で評価して銘柄認定しているんですね。  やっていると思うんですけれども、伺います。そういった、IT戦略銘柄でもいいです、なでしこ銘柄でもいいです、そういった銘柄を指定することによって、具体的な、例えば投資を呼び込んだ、例えば利益率が上がった、こういうような効果というのは過去あったんでしょうか。
  45. 西山圭太

    ○政府参考人(西山圭太君) お答えを申し上げます。  今委員からお話がございましたとおり、今回の認定制度は、この認定制度そのものの中で行われますのは、企業から申請が行われました場合に指針を踏まえて認定を行うことで、デジタルトランスフォーメーションの優良な取組を行っている企業を見える化をするということでございます。ただ、それだけですと、もちろんなかなか経営改革を促すような効果がございませんので、私どもとしては資本市場における広がりを期待しているということでございます。  その参考になる一例として、このITの分野で申し上げますと、二〇一五年以降、攻めのIT経営銘柄という取組を経済産業省と東京証券取引所と共同で行ってきております。また、これも委員からお話ございましたとおり、類似の仕組みでございますけれども、女性の活躍推進につきましてはなでしこ銘柄という類似の仕組みを、これも経済産業省と東京証券取引所で共同して行ってきております。  攻めのIT経営銘柄につきましては、これまでこうした取組を続けてきている中で、選定された企業は、統合報告書などにおいて選定されたことについて積極的に発信するということの取組が起こってきております。こうしたことを踏まえまして、投資家側の様々な情報交換の場等におきましても、攻めのIT経営銘柄の選定、あるいはどういう企業が選定されそうだといったようなことが取り上げられるようになってきておりまして、投資家の関心も高まっているというふうに考えております。  また、企業の側から見ますと、こういう攻めのIT経営銘柄、また、政策目的は異なりますけれども、なでしこ銘柄のようなことに選定をされるということは、企業から見ますと一種のブランド価値というような評価だというふうに考えられているというふうに考えております。  したがいまして、そうしたブランド価値ということを現出することに私どもは狙いを定めているわけでございますけれども、そういうことを踏まえた関心の高まりの結果としまして、この攻めのIT経営銘柄について申し上げれば、この攻めのIT経営銘柄にチャレンジをしたいというエントリー企業については、第一回、二〇一五年に始めましてから第五回に至るまでに二百十社から四百四十八社ということで倍増をしてきておりまして、このまさにIT経営について攻めのチャレンジを行っているということについて、自らのブランド価値として評価をしたい、してほしいという企業は増えてきておりますし、それに注目する投資家層も増えてきているんではないかというふうに考えております。  以上でございます。
  46. 小沼巧

    ○小沼巧君 ちょっと若干、お伺いしていることとずれていると思っています。  定性的な評価というのは、それはそうですよね。定量的な投資を呼び込むとかという話について、効果の分析というのはされているのかどうなのかということが知りたいことです。  かつ言えば、今まで、今おっしゃっているということは、これ相関関係ではあると思うんですよ。TOPIXの銘柄よりも攻めのIT銘柄とかなでしこ銘柄の方がちょっと高いというのは、それは相関関係としては分かりますよね。因果関係の分析ということが必要だと思っています、認定制度が意義があるのかどうなのかと。  こういった分析ってされていないという理解をしているんですが、それは事実関係についてはいかがでしょうか。
  47. 西山圭太

    ○政府参考人(西山圭太君) お答えを申し上げます。  この、例えば、攻めのIT経営銘柄という制度ができたことによってどれだけの投資が直接的にIT投資に向かったかということについての定量的な評価はございません。  ただ、私が御説明をさせていただきましたのは、この攻めのIT経営銘柄にチャレンジする企業が増えてきている、あるいはそこにどういうものが選ばれているかということを投資家が注目をするということは、要するに資本市場においてこうした取組をすることが評価をされるということにつながってまいりますので、資本市場においてそうした評価を訴求するということは、個々の企業から見れば、まさに資金調達の面でより有利な条件を獲得しようという効果を生みますので、そうした意味において積極的な投資につながるんではないかというふうに考えて推進をしているということでございます。
  48. 小沼巧

    ○小沼巧君 ありがとうございます。  分析というのは、まあ始めて間もないので、ただ、これからは経年変化とか因果関係の分析というのをしていった方がいいと思うんです。そうすれば、認定制度これでいいのかという議論にもつながりますと思うので。  二つ目、投資の話とか資本市場の話が出たので、中小企業の対策というのはやっぱり重要になってくると思うんですよね。中小零細企業って、やっぱりなでしことかIT戦略銘柄と違って未上場ですよね。未上場だとすれば、直接金融よりも間接金融が主体になると思うんですよ。  そういう意味で、その認定をすることによって、直接金融じゃなくても、まあどっちでも、エクイティーでもデットでも何でもいいので、どちらでもいいんですけれども、中小零細企業が認定によって資金調達の円滑化につながったというような事例というのは過去あったんでしょうか。
  49. 西山圭太

    ○政府参考人(西山圭太君) お答えを申し上げます。  今のこの御提案をさせていただいておりますこの認定制度そのものにおきましては、大企業も中小企業も対象として考えたいというふうに思っております。その中で、中小企業については、今委員から御指摘がございましたとおり、中小企業にとっては間接金融が金融的な担い手の主体でございますので、そうしたプレーヤーに対してその認定を受けたということを訴求する、そのことを通じて資金調達の円滑化を促したいというふうに考えてございます。  ただ、同時に、特に中小企業につきましては、これは、先ほど御説明を申し上げました銘柄、これはIT分野に限らない銘柄、あるいはその他の企業の認定制度についても共通だと思いますけれども、特に中小企業にとってはやはり取引先の開拓、様々な意味で、販売先だったり受注を受けるということにおいてそういう関係が非常に重要だというふうに考えておりますので、そうした新しい販路ですとか新しい受注先の開拓に当たっては、中小企業にとってこうした認定制度というのは効果があるのではないかというふうに考えておりますけれども、今後とも、こうした中小企業を直接に相手にしております金融機関ですとか、そうした取引先の候補などの御意見も踏まえながら制度を設計していきたいというふうに考えております。  以上でございます。
  50. 小沼巧

    ○小沼巧君 ありがとうございます。  中小企業への配慮、様々、今後課題だと思いますので、それはしっかりとやっていただければと思っています。そして、それを支援するような措置というのも併せてやっていかないと実効性が担保されないと思っています。  今、企業の属性と銘柄についてやりました。若干具体性が欠けていると思うので、大臣の胸を借りて、茨城の事例で何かあるのかなということを聞きたいと思うんですね。  というのも、こういう銘柄を認定して頑張っているIT、デジタルというと、やっぱり東京とかに集中してしまうんじゃないのかと。地方に対して景気の波及効果が回っていかないと、やったとしてもそれは意義が薄れてしまいますよね。  茨城の例でも、例えば地方版のIoT創生ラボで、牛久の製造業とか、取手のサービス業とか、潮来のプラスチック製品製造業とか、いろいろ頑張っている取組というのはあると思うんですけれども、例えば茨城でこの認定が得られるような企業ってどういったところがあるような見込みなんでしょうか。個社は難しいと思うので、今の企業の取組と、それをどう改善すれば認定を得られそうなのかというようなことについてお話しいただければ幸いです。
  51. 梶山弘志

    ○国務大臣(梶山弘志君) 認定については予断を持ってコメントするわけにはいかないと思っております。  今委員から御指摘ありましたような地方版のIoT推進ラボ、これ、二〇一六年から茨城県でも取り組んでおります。全国では百一地域を選定をしております。二〇一六年の開始当初から、茨城県IoT推進ラボとして選定されており、その県立の産業技術イノベーションセンターを起点に中小企業のデジタル化を展開をしているところでありまして、今委員からお話ありましたような事例が数多くございます。  IoTを活用した生産管理システムの導入、受注から出荷までのデータを一括管理することで生産工程の最適化を実現した精密機械加工会社や、熟年者の知見とAIを活用したクラウドサービスを導入し、早期技能継承を実現を支援するソフトウエア会社などの取組が存在をしているということで、こういったところも、私から申すのもなんですけれども、有力な候補であると思いますけれども、認定に対して何が必要かということは言及は避けさせていただきます。
  52. 小沼巧

    ○小沼巧君 ありがとうございます。  今まさに私も同じように有力なのではないかなと思っておりますが、私の理解する限り、これ、今までの答弁の中で、非連続な変化が必要だということには及ばないと思っております。いわゆるQCDですね、クオリティー、コスト、デリバリー、これをしっかりと改善していくことによって新しい顧客を獲得していくんだということがありましたが、その延長線上にとどまっている取組であると思っています。むしろ、どういう価値をそれこそ再定義するのかということの議論を進めないといけないと思いますので、そういったことも併せて支援できるような制度にしていっていただきたいなと思っております。  それで、今日は今井政務官にもお越しいただいております。論点の三つ目の、公共部門におけるデジタルトランスフォーメーションということであります。  個人的には、私が小学校高学年のときに「ホワイトラブ」を聞きながら縄跳び大会をやったという思い出があるので、非常に個人的には尊敬しているところですが、今日はあくまでお互い政治家という立場でございますので、そういった個人的な問題に関係なく議論させていただきたいと思っております。  国の足下の問題で、デジタルトランスフォーメーションを進めていくということにおいて、実は、ちょっと大丈夫なのかと、足下がぐらぐらしているような状況なのに対応本当にできるのかということが問題点として指摘したいと思っております。  今年の十月の二十八日に会計検査院が検査報告出しました。政府共通プラットフォーム、各府省が別々に整備、運用している情報システムの段階的な統合とか集約を図るというような情報システム基盤なんですね。これを発注したんですけれども、十八億八千七百九万円が無駄になっちゃったという事例がありました。  これ、元々は平成二十七年に、日本年金機構、あると思いますけど、サイバー攻撃を受けて、個人情報をしっかり管理していかなければならないというような問題意識で発注したんですけれども、結局ガバナンスの問題とか手続の問題で非常に問題があったと。だから、そういうニーズがあると思ってやったんだけれども、つくったんだけれども、結局使われていないというような状況になっております。  内閣官房の中には政府CIO、内閣官房の情報通信技術総合戦略室長という方がガバナンスを全体統括でやるという形でいらっしゃったにもかかわらず、こういった問題が起きてしまった、政府の中でも。民間企業に対してはデジタルトランスフォーメーションをしっかりやれと言っているにもかかわらず、公共部門の中でそういった戦略策定からガバナンス管理ができていないのではないかと思っておりますが、これについて政務官の御見解、お伺いします。
  53. 今井絵理子

    ○大臣政務官(今井絵理子君) まず初めに、「ホワイトラブ」、聞いていただいてありがとうございます。  委員御指摘のように、総務省において整備した政府共通プラットフォームのセキュアゾーンが結果として利用されずに廃止に至ったことは私自身としてもこれは遺憾に思っております。そして、総務省の事業とはいえ、事前のニーズの調査であったり、そういったことを怠っていた側面が内閣官房にはございます。全省庁的に把握すべき立場である内閣官房としても反省すべき点があると思っております。  その上で、政府共通プラットフォームを含む政府情報システムについては、本年六月のデジタル・ガバメント閣僚会議決定に基づいて、内閣官房において年間を通じたプロジェクト管理を実施することにより、ニーズの適切な把握、投資対効果の検証等を行ってまいります。  こうした取組を通じて、効率的で利便性の高いサービスが提供できるよう、政府全体のITガバナンスの強化を図ってまいりたいと思います。
  54. 小沼巧

    ○小沼巧君 御答弁ありがとうございます。  若干やっぱり聞こえてしまうのは、やっぱり価値があって、オペレーションがあって、ITとかアーキテクチャーがあってと、その部分の改善だけに集中してしまっているのではないかというふうに聞こえております。  そもそも、発注、需要のニーズの把握といったところで、あれですよね、会計検査院の指摘によると、要は、そういう体制があったんだけれども、補正予算でちゃんと精査する時間がなかったからというようなことでしたよね。体制がしっかりと整っているのかどうなのかということは定かではありません。かつ言えば、どういうサービスを提供するのかという議論がなされていたかというのもかなりの疑問符があります。  どういうシステム、政府プラットフォームの中でどういうシステム入れるのか、どこに頼むのかという議論がなされていたんですけれども、そもそも、政府の中に、第一層としてどういう顧客サービス、この場合は国民に対するサービスということになりますでしょうか、あるいは省庁間に対してのサービスということになりますでしょうか、そして第二層であるオペレーションとかガバナンスの問題、これがしっかりと今どういう状況で進捗しているのかどうなのか分からないというような印象を受けました。  そこについて改めて御答弁をいただけますか。
  55. 二宮清治

    ○政府参考人(二宮清治君) お答え申し上げます。  今先生御指摘の補正予算のチェック、補正予算で作成されたシステムのチェックがおろそかになっているという点につきましては、先ほど政務官からも御答弁を申し上げましたとおり、内閣官房におきまして、年間を通じたプロジェクト管理をしっかりと実施をしております。調達前、調達、予算要求段階、さらには執行の段階ということで、年間を通じてシームレスにしっかりとチェックをする形を取ることとしてございます。  また、情報システムの予算調達一元化という観点からも、主要なシステムにつきましては、関係の省庁から編入をいただきましてプロジェクトチームということで内閣官房、関係省庁、財務省等としっかりとチームをつくりまして、民間の方々の知恵もそこに導入をした上で整備を進めていくという形を取っているところでございます。
  56. 小沼巧

    ○小沼巧君 どう進めていくのかということが疑問であって、それを、チームも今もあったわけですよね、にもかかわらず、できていなかったんだとすれば、じゃ、導入後どうしていくのかということが問題だと思いますね。これは指摘させていただきたいと思います。  時間が参りましたので、ちょっと一問、済みません、用意していたんですが、要望だけさせてください。  今回のアーキテクチャーの設計において、自治体から不安の声が上がってございます。特に自分たちが保有している住民情報が勝手に、住民の同意とかを得られないまま企業活動に不当に利用されちゃうんじゃないのか、こういうことについて非常に自治体からも不安の声、聞いております。  そういう意味で、法律の運用に当たっては、企業活動のために不当に住民情報が共有化されちゃう、そういったことがないように、地方自治体も含めた関係者からの意見を聞いて、その意見を尊重して取り組む、このような決意で運用をやっていただきたいと思います。  終わります。ありがとうございました。
  57. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 まず、企業のデジタル面での経営改革の促進について、これは大臣に伺いたいと思います。  今回の法律案の一本目の柱がこのまさに経営改革をデジタル面で促していくということなんですけれども、参考人質疑がありまして、参考人質疑では、このレガシーシステム、古い電算システムを放置してしまったら、このおもりに掛かる、負のIT資産、このメンテナンスにばっかり人もお金も掛かって、なかなか創造的な分野にお金が回っていかないんだ、こんなような問題提起が示されまして、このまま行ったら二〇二五年の崖が待っているよ、こんな話もあったところです。  これは確かにそのとおりだなと私も思いまして、これも実は参考人質疑で私自身が申し上げたんですけれども、私、七年半まで技術者をやっておりまして、輸送機器メーカーで飛行機の設計とか品質保持の仕事をやっていたんです。この不具合品がどこにあるのかとか、あと、このものの不具合の状況どうなのかとかを確認するために、もうコマンドラインを打ち込まないとその状況が分からない、暗号表を持っているんですよ。でも、これはさすがにちょっとつらいよなとか思ったら、情報システム部が、ちゃんと見て分かるようなそういうシステムに改善してもらって、ああ、随分使いやすくなったなと。でも、この瞬間から既に陳腐化が始まるわけなんですよね。各部門ごとでこういう要望がある、こういう要望がある、やっぱりそれは対応せざるを得ないわけなんですね。  この二〇二五年の崖、これ、とっても認識しにくい問題だと思うんです。確かに、自分の周りの日々の暮らしを見ていても、グーグルで検索するし、アップルで音楽買うし、アマゾンで物買うし、フェイスブック毎日上げるしということで、これ、アメリカの創造的なIT企業の中にどっぷりつかっているわけなんですけれども。  じゃ、一体、企業の経営者というのは、自分の仕事が日々回っている中で、こういうおもりはある意味当然であるという中で、じゃ、創造的なITへの投資は一体何なんだみたいなところがなかなか気が付かない、認識しにくいという課題がこの二〇二五年の崖の話なんじゃないかなと思うんです。まさに、参考人の方もそういう御意見をおっしゃっていました。  今回、この一本目の柱では、デジタルガバナンスコード、指針を国が定めて、認定制度を設けることによって企業の背中を押しますよという、そういう仕組みが設けられるわけなんですけれども、大臣は、どのような問題意識からこの企業のデジタル面での経営改革を促さなくちゃいけないというふうに思われたのか。また、この取組がどのようにして、私が先ほど申し上げたようなコマンドライン、暗号を打ち込まないと物の所在が分からないような、こういうレガシーシステムの置き換えとか駆逐につながっていくのか、大臣の御所見をお伺いをしたいと思います。
  58. 梶山弘志

    ○国務大臣(梶山弘志君) 専門家の委員からの御質問ですけれども、日本の企業の多くは経営戦略の基盤となるITシステムが過度に部門ごとにカスタマイズされており、いわゆるレガシーシステムとなっていると。そして、レガシーシステムの弊害というのは、今委員が御指摘されたようなことで、様々な企業の行動というものを制約しているということにもつながっていると思います。  このようなITシステムが足かせになっていることを、デジタル技術の導入が困難な状況となりまして、DXの推進に必要な取組が十分に進んでいないのが現状であると思っております。言わば負の遺産への対処や社内の個別部門を超えた経営基盤の構築には経営者の決断が必要になるわけでありますが、実際に決断することができる経営者は一部にとどまっているという調査結果もありまして、経営者の決断を後押しする措置が必要であると考えております。  こうした状況を踏まえて、今般の法改正を行い、企業がDXを進める上で望ましいと考える取組を指針として示すことで、経営者が自ら社内のITシステムの現状を把握し、レガシーシステムの刷新を始めとする経営の変革に取り組むことを促してまいりたいと思っております。  どうも内向きなんですよね。やはり業務改革のプロセスをもう一回ちょっと見直していくということにもつながると思いますし、そのことによって迅速に世の中の変化に対応できるということもありますし、また、新たなビジネスの可能性というものもそういうことによって生まれてくると思っております。  企業からの申請に基づいて指針を踏まえて認定することで、優良な取組を行っている企業を資本市場に対しまして見える化して、そして企業の外側からDXというものを促してまいりたいと思っております。
  59. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 大臣、レガシーシステムの解消にどういうふうにつながるのかの御答弁ってありませんでしたが。
  60. 梶山弘志

    ○国務大臣(梶山弘志君) 経営者の気付きからそういったものを直していくことがやはり企業の発展につながる、また世の中の流れに付いていくことにつながるということで、それに、今おっしゃったレガシーシステムの転換につながってくると思っております。
  61. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 ありがとうございます。  続いて、デジタルガバナンスコード、国が示す指針なんですけれども、この指針には具体的にどのような項目が盛り込まれるのか。  また、経産省は、ちょうど一年前くらいの二〇一八年十二月にデジタル変革推進ガイドラインを公表しているんですけれども、新しくこの法案で示す指針との関係はどのように整理されるんですか。  これは参考人の方にお願いします。
  62. 西山圭太

    ○政府参考人(西山圭太君) お答えを申し上げます。  今回御提案申し上げております法改正案で定める指針、通称デジタルガバナンスコードと言っておりますけれども、これは、この性格から、企業の経営者に対して、経営者が自らシステムを適切に刷新し、まさにレガシーの処理も含めてですね、刷新をし、攻めという意味でのデジタルトランスフォーメーションを推進するために必要な事項を示すものでございます。  したがいまして、特に、繰り返しになりますけれども、企業の経営者が自ら自社の状況について評価し、なおかつ、そのことについて対外的に説明できると、その説明を促すということに重点を置いております。  また同時に、レガシーシステムそのものが部門ごとに極度にまさにカスタマイズをされた、委員の御経験のお話もそういうことではないかと理解いたしますけれども、そういうことを乗り越えられるような項目を中心に定める予定にしております。  具体的には、まさにデジタルトランスフォーメーションに向けた具体的な取組を、まさにその企業の経営目標を踏まえて経営戦略に盛り込んでいるかですとか、自社のITシステムの現状について、その個々のシステムがどうなっているかではなく、その全体像を部門を超えて把握をし、適切な刷新を計画しているかですとか、その推進のための体制が、これまでですとどうしてもIT部門の中だけでやろうとするものが、そうではなくて、まさに実際に事業を担当している部門も巻き込んで全社的に整備されているかですとか、実際にそうしたデジタルトランスフォーメーションに向けました経営戦略やその体制について、具体的にステークホルダー、投資家を含みますけれども、そうしたステークホルダーにどのように説明や共有を行っているかということを内容とすることを想定をしております。  以上でございます。
  63. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 次に、認定制度を通した継続改善についてお伺いをしたいんです。  これも参考人の方にお伺いをしたいんですけれども、参考人質疑では、この認定制度を通じた企業のデジタルトランスフォーメーション、デジタル変革の促進について、市場からいい意味での圧力、フィードバックが大事だ、こういう指摘がありました。この認定制度について、どのようにしてこの市場からのフィードバックを取り込んで、どう継続改善のPDCAのサイクルを回していくんでしょうか。
  64. 西山圭太

    ○政府参考人(西山圭太君) お答えを申し上げます。  今委員から御質問の指針につきましては、改正法案の第三十条第六項におきまして、おおむね二年ごとに検討を加え、必要と認めるときは変更するということとしております。その検討に当たりましては、大きく分ければ二つの事柄を考慮することが必要ではないかというふうに考えております。  一つは、当然でございますけれども、デジタル技術そのものがどのように変化をしているかというその技術動向、あるいはその技術の活用状況ということでございます。  もう一つは、この今回の指針の目的が、まさに日本の企業の経営行動に変化を促すということを目的としておりますので、資本市場との対話も含めて、この指針が実際に企業行動の変化につながっているのかどうかということについては、様々な資本市場の関係者を含めて御意見があると思いますので、そうしたことを踏まえて、指針あるいはその運用について見直していきたいというふうに考えております。  以上でございます。
  65. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 まさに今おっしゃっていたことは本当に重要だと思っておりまして、フォローアップをしなければ、まさに先ほど小沼先生がおっしゃっていただいた仏作って魂入れずになってしまうわけなんですよね。技術の活用状況、また資本市場との対話、これをしっかりフォローアップをして、二年ごとの見直しにしっかり生かしていただきたいというふうに思います。  次に、これ小沼先生も先ほど触れられたんですけれども、攻めのIT経営銘柄とのこの制度の違い、また、認定制度の周知広報について伺いたいと思います。  今回の認定制度、類似する制度として、先ほど小沼先生から言及があった攻めのIT経営銘柄という制度がありますけれども、この両制度の違い、今回の制度との違い、何なのか。  また、認定制度開始後も、今回の法案の、開始後も攻めのIT経営銘柄制度は存続するのか。  また、認定制度の今回の効果を高めるために投資家への周知広報をどのようにして行っていくのか、これも御答弁お願いします。
  66. 西山圭太

    ○政府参考人(西山圭太君) お答えを申し上げます。  今委員から御質問の、既にございます攻めのIT経営銘柄、あるいはそれが目指しているところと、今回私どもが改正法案に基づいて行います指針の策定あるいは認定、あるいはそれを踏まえました資本市場への働きかけの違いということでございますが、まず、大きな背景といたしましては、今ございます攻めのIT経営銘柄というのは、日本企業のIT投資が付加価値の創出のための戦略投資に向けるためということを念頭に置きまして、先ほど申し上げましたとおり、二〇一五年に設けられました枠組み、制度でございます。  今回のデジタルトランスフォーメーションといいますのは、そういう意味では、それが更に一歩といいますか、先ほどの同じ言葉を使わせていただくことをお許しいただければ、まさに非連続な変化を遂げつつあるということを背景にしております。  その内容を分けますと、二つのことになります。  一つは、まさにデジタルトランスフォーメーションといいますのは、今やサイバーとフィジカルの世界が一体化する、目に見える世界とサイバーの中の世界が一体化する中で、あらゆる業種、あらゆる分野の企業の経営戦略が非連続に転換することが求められているということを考慮するべき事態になっている。それをソサエティー五・〇と言っているわけでございますけれども、そうした状況の変化が一つでございます。  それから、もう一つは、委員からの御質問にもございましたとおり、そうしたことを実現するためには、今、日本企業がある意味で特有に持っております過度にカスタマイズされたシステムを刷新しなければいけないと。技術的負債とも我々は呼んでおりますけれども、そうしたものを見える化し、刷新していくという視点は、今までの攻めのIT経営銘柄には直接的には盛り込まれておりませんでしたので、そうした視点を盛り込むというのが差でございます。  そうした視点が変わってくる中で、攻めのIT経営銘柄をどうするかということでございますけれども、私どもとしては、今回の改正法案が成立しました暁には、認定制度を活用して資本市場への働きかけを行っていくことと併せて、攻めのIT経営銘柄とまた別のものをつくるというのは合理的ではございませんので、この攻めのIT経営銘柄を必要に応じて変更を加えながら一体的に制度的に、制度として運用させていただきまして、先ほどの御質疑でもございましたけれども、これをきちんと企業の側がまさに自らの広い意味でのブランド価値としてこういう評価を受けたいということを感じるということが非常に大事でございますので、共同で運用しております東京証券取引所を始めとする関係者とも議論をしながら、そうしたブランド価値、利用したいという価値を感じていただけるように広報をしたいというふうに考えております。  以上でございます。
  67. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 是非とも分かりやすい広報をお願いをしたいと思います。  次に、この法案の二本目の柱のアーキテクチャー、共通プラットフォームについて伺いたいと思います。  今回の改正案では、このIPA、情報処理推進機構の機能を強化して、政府とか、また事業者の団体などからの依頼に応じて、情報処理システムを利用した事業者間連携とか産業間連携の取組を支援する業務を追加をして、社会全体でのデータ共有を容易にする基盤づくりをするとしています。具体的には、このIPAの下に仮称産業アーキテクチャ・デザインセンターを設置して、アーキテクチャーの設計、専門家の集約、育成が行われることとされています。  ここで、この取組を国の機関が行う目的は何か、これは、須藤先生が先ほどもう聞かれていらっしゃったのでこれは省きまして、質問は、どのような人員規模で開設をし、具体的にどのような役割、そして機能を果たすセンターとして制度設計を行うのか。  また、経産省は、厚労省と連携して上水道における共有プラットフォームの構築に着手しようとしていると聞きます。先ほど高橋先生が言及なされたとおりです。こうした先進的な事業の知見を産業アーキテクチャ・デザインセンターにフィードバックをして他の分野での実装に生かしていくことがこれ極めて重要だと思うんです。  実は、今様々な団体と政策の要望をお伺いをするヒアリングをやっているんですけれども、その中の一つに全国測量設計業協会連合会がありまして、インフラ施設台帳図のデジタル化の促進をしてくださいという、そんな要望があったんですね。市区町村を始めとする施設の管理者が道路とか下水道とかの施設台帳を持っていますよと、これを活用するためにはこの施設台帳図をデジタル化してください、そうしないとうまくこうしたインフラは整備できませんよ、そういう御要望でありまして、似たような社会基盤としては浄化槽もそうです。  様々な事業者がいて、点検する人、あとはメンテナンスする人、また自治体、いろんな関係者が紙の台帳なんか見ていたら話がもう進まないんですよね。だから、その情報を共有できるようにしましょうね、こんな取組も話が始まっているところなんですけれども。やっぱりこういうふうに、ほかの分野でも大変求められている取組なんじゃないかなと思うわけなんです。  なので、こうした先進的な事業の知見をこの仮称産業アーキテクチャ・デザインセンターへフィードバックして他分野への実装をどのように促していくのか、大事な質問ですが、これは政府参考人の方にお伺いをしたいと思います。
  68. 西山圭太

    政府参考人(西山圭太君) お答えを申し上げます。  今委員から御指摘のございました、仮称でございますけれども産業アーキテクチャデザインセンターでございますが、私どもとしては、こうした分野について特に実践的な経験を持っておられる専門家の方数十名程度をIPAに集約する、つまり外から来ていただくということを念頭に考えております。また、これは日本では諸外国と比べて特に知見が高いというのは申し上げられない事態にございますので、中期的には様々な海外機関とも連携をしながら、その知見もうまく集めたいというふうに考えております。  その上で、今委員から御指摘のございました上水道についての取組でございますけれども、私ども、厚生労働省と連携をしながら、まさに御指摘のとおり、手前みそでございますけれども、先進的な取組として、システムの共通化と標準的なシステムの策定ということに取り組んでおります。  まさにこうした経験をこの、仮称ですが産業アーキテクチャデザインセンターに取り込むということをしながら、今御指摘ございましたとおり、複数の事業者で別々、ばらばらに持っていたシステムを共通化する、そのことを通じて、デジタルトランスフォーメーションと同じでございますけれども、まさに施設台帳についての御指摘ございましたけれども、水道でもそうでございますが、様々なデータデジタル化することで、より効果的に活用するということの双方を同時に実現をするということを目指しておりますので、そうしたこれまでの経験のフィードバックも含めて、その他の様々なインフラを含めた分野において、この産業アーキテクチャデザインセンターが取組をできるようにしてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。
  69. 新妻秀規

    新妻秀規君 ありがとうございます。  続きまして、三番目の柱の安全性ですね、このクラウド・バイ・デフォルト原則、先ほど須藤先生から御質問もありました。これを策定した経緯と効果についてお伺いをしたいと思います。  政府は、この原則を昨年の六月に定めまして、これはどういう背景で定められたのか、また、政府において、このクラウドサービスの活用を今後どのように進めて、どんなような効果を期待していらっしゃるんでしょうか。お願いします。
  70. 二宮清治

    政府参考人(二宮清治君) お答え申し上げます。  近年、クラウドサービスの利用は急速に拡大をしておりまして、民間におきましては、その利用によって経費や業務の大幅な効率化、新たなサービスの迅速な展開などを実現しているところでございます。  他方、政府におきましては、これまでの運用コストの削減の取組に加えて、更なるコスト削減余地の検討、行政課題に迅速に対応するための速やかなシステム改修の実現といった抜本的なシステム刷新が必要とされているところでございます。このような背景を踏まえまして、政府におきましても、クラウドサービスの利用によるメリットを最大限享受するため、クラウド・バイ・デフォルトを掲げたところでございます。  今後、政府におきましては、各府省の情報システムの新規整備、更改時期等を契機といたしまして、クラウドサービスの利用を第一に検討するとともに、内閣官房におきまして、当該システムのクラウドサービスの利用について検討状況を把握するとともに、特に主要なシステムにつきましてはシステム担当府省と一体となってクラウドサービスの利用に向けた検討を進めてまいります。  お尋ねの効果についてでございますけれども、政府におけるクラウドサービスの利用の増加に伴いまして、コストの効率化、安全なクラウドサービスの導入によるセキュリティー水準の確保、柔軟、迅速なシステム開発、データシステムの分散化による業務継続性の向上といったことが実現できると考えてございます。
  71. 新妻秀規

    新妻秀規君 分かりました。  二宮審議官におかれましては、以上一問ですので、委員長、御退席で結構ですので、お取り計らいをお願いします。
  72. 礒崎哲史

    ○委員長(礒崎哲史君) それでは、二宮審議官、御退席いただいて結構です。
  73. 新妻秀規

    新妻秀規君 同じくクラウドなんですけれども、安全性評価制度の作業スケジュールと見直しについてお伺いをします。  このクラウドサービスの安全性の評価制度は、二〇二〇年の秋に全政府機関で利用開始に向けて、今後どのようなスケジュールで進めていくのでしょうか。また、クラウドサービス等のIT技術の発展は日進月歩でありまして、制度の実効性を高めるために基準などの柔軟な見直しも必要だと思いますが、どのようなタイミングとかプロセスで見直しを行っていくのでしょうか。
  74. 西山圭太

    政府参考人(西山圭太君) お答えを申し上げます。  今御質問のございましたクラウドサービスの安全性評価制度については、二〇二〇年秋の利用開始を目指しているわけでございますけれども、それに向けて政府内で、私ども経済産業省と関係省庁で協力して、なおかつ、有識者会議、検討会を設けまして制度の枠組みを今検討中でございまして、年内にその枠組みを取りまとめた上で、年明け以降に詳細な基準、安全性評価基準そのものにつきまして、政府部内の調整あるいはパブリックコメント等を実施する予定としております。  さらに、この今御審議いただいています改正法案が国会で御了承いただけるようでございましたら、その基準の下に実際の制度の運用が行われるように、実際にクラウドサービスの安全性を評価する監査主体をどのように選定するのか、あるいはその監査主体にどういう手続で監査を求めるのかといったようなことにつきまして、IPAにおきまして運用体制を構築した上で、プロセスを先に進めたいというふうに考えております。  また、御指摘のとおり、この分野の技術の発展は日進月歩でございますので、IPA自身におきまして、最新の技術動向につきまして海外も含めてフォローをいたしますとともに、有識者を交えまして、そうした動向を踏まえて制度を具体的にどのように変更、反映していったらいいかということについて検討する場を設けたいというふうに考えております。  以上でございます。
  75. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 ありがとうございます。  次に、中小企業におけるデジタル変革、デジタルトランスフォーメーションの推進につきまして、これ、大臣にお伺いをしたいと思います。  この企業の経営面でのデジタルトランスフォーメーション、これは大企業だけがやっても余り、効果って半分ぐらいだと思うんですね。やっぱりサプライチェーンの広がりがある中で、やはり全体で取り組んでいくということが我が国の力を高めることになるんじゃないかなと思うんです。ただ、特にやっぱり中小企業・小規模事業者におきましては、まさに先ほど質疑でもあったように、何から手を付けていいか分からぬという、これが現実だと思うんですね。  この件、私も参考人質疑で取り上げたんですけれども、やっぱりこうした中小企業のデジタル変革を促すには、成功事例をちゃんと共有することが大事だとか、また財政支援も大事なんじゃないか、こんなような意見の開示があったところであります。  ここで大臣に伺うんですけれども、政府として、この中小企業のデジタルトランスフォーメーションの取組の現状についてはどう認識されているか、また、どういうふうにしてこの中小企業の背中を押していくのかについて御見解をお願いします。
  76. 梶山弘志

    ○国務大臣(梶山弘志君) 中小企業がデジタルトランスフォーメーションを推進するためのIT投資に踏み切れない理由として、ITを導入できる人がいない、導入効果が分からない、コストが負担できないの、この三つが挙げられるところであります。  そこで、まず経済産業省としましては、ITを導入できる人材がいないという課題に対しては、都道府県に設置していますよろず支援拠点や専門家派遣制度等を通じて、IT活用に関する相談に対応できる体制を整備をしているところであります。  導入効果が分からない、評価できないという課題については、中小機構においてITツールやIT導入事例を紹介するウエブサイトを構築をしまして、商工会、商工会議所や金融機関等の支援機関を通じて、委員おっしゃるような成功事例の共有や横展開のための普及啓蒙活動を実施をしているところであります。  最後に、コストが負担できないという課題につきましては、ITツール導入に係る費用を最大四百五十万円まで補助するIT導入補助金によって、過去三年間で約八万社を超える企業のIT導入を支援をしてきたところでございます。  今後も、中小企業のデジタルトランスフォーメーションに向けて、中小企業の背中を強く押してまいりたいと思っております。
  77. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 今大臣がおっしゃっていたこの三つのツールですよね、よろずもそうですし、あとウエブ上のそうしたツールもそうですし、あと、この補助金もそうですし。やっぱりこれ、中小企業の方々が知らなかったから使えなかった、こういうふうにならないように積極的な広報を是非ともお願いをしたいと思います。  次も、これは人材育成、大臣にお伺いをしたいんですけれども、経産省のIT人材の需給に関する調査、これ今年の四月ですけれども、その調査では、従来型IT人材からIoTとかAIを活用する先端IT人材への転換がもし低い水準、例えば年一%しか進まないとした場合には、二〇三〇年、今から十一年後、従来型のIT人材は十万人余っちゃう、その一方で、先端IT人材は五十五万人不足するという、そんな結果となっています。  参考人質疑でも人材育成について議論がありました。参考人からは、デジタルに強いデジタルネーティブと言われる若手の力をしっかり活用しようとか、あとは社内の既存の人材のスキルの転換ですね、を促していこう、こんなような意見陳述があったところです。  これ、大臣、IT人材をどのように確保、育成をしていくのか、また、従来型のIT人材のスキルアップをどういうふうに促していくのか、特に民間企業に対して先端IT人材への転換をどうやって背中を押していくのか、御見解をお願いします。
  78. 梶山弘志

    ○国務大臣(梶山弘志君) IT人材の現在、そして将来の見通しについては、委員のおっしゃるとおりであります。現状、過度に部門ごとにカスタマイズしたことなどにより新たなデジタル技術の導入が困難なシステム、いわゆるレガシーシステムですけれども、その保守、運用に従事しているIT人材、旧来の人材も多く、また、これに多くの時間が浪費されていることが日本のIT人材の不足の一因になっていると考えられます。こうした観点からも、国内のレガシーシステムの刷新を促すとともに、これらの人材を先端分野へ対応できるように促していくことが大変重要なことであると考えております。  このため、先端分野に対応した人材を育成するために、経済産業省としましては、IT・データ分野における社会人の学び直しを促進するため、第四次産業革命スキル習得講座認定制度を平成二十九年七月に創設をいたしました。これまでに計七十七講座を認定しております。今後、全国で受講の機会を確保するために、全ての授業をe―ラーニングで行う講座も認定できるよう認定要件を見直すとともに、業界団体などを通じてこれを全国に周知していくことで、制度の普及に取り組んでまいりたいと考えております。  また、情報処理に関する知識、技能が一定水準以上であることを認定する国家試験として、年間約四十万人が受験する情報処理技術者試験などを実施しているところであります。試験内容につきましては、AIやIoTなど先端IT分野に対応した試験内容に随時見直しているところであります。  経済産業省としましては、これらの取組も通じて、引き続き関係省庁や産業界とも連携しつつIT人材の不足に向けて対応してまいりたいと考えております。
  79. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 じゃ、最後、簡潔に答弁をお願いします。  情報処理安全確保支援士、この能力向上、今回更新制導入するということですけれども、どのように能力向上を促していくのか、お願いします。
  80. 西山圭太

    ○政府参考人(西山圭太君) お答えを申し上げます。  今お尋ねの情報処理安全確保支援士、いわゆるセキスペ、セキスペと、セキュリティースペシャリストと呼んでおりますけれども、これにつきましては、今回の改正によりまして資格登録に三年の有効期限を設けます更新制を導入いたします。更新制を設けますと、私ども今、三年に一回、かなり実践的な内容を含みました集合講習、講習を受講することを求めているわけですけれども、これを受講せず、つまり、スキルが更新されなかった場合には登録が失効する制度を設けることで質の向上を図りたいというふうに考えております。  以上でございます。
  81. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 終わります。
  82. 石井章

    ○石井章君 日本維新の会、石井章です。  情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律案について御質問したいと思います。  経産省が出しておりますDXレポート、いわゆる二〇二五の崖とも言われておりますけれども、それが予定どおり進まない場合には年間約十二兆円の経済損失が出るとも言われております。その背景には、我が国の企業が抱えるいろんな問題点があるということはもう御認識のとおりでありますけれども、多くの企業で、DX推進に向けて、レガシーシステムの根本的な見直しとともに、新しいデジタル技術の採用等により事業構造の改革やビジネスモデルへの転換圧力が高まっております。  その中で、DXレポートでは、レガシーシステムのモダナイゼーションに関して、二〇二五年の、ダイナミックで、SAP社の主力でありますERP製品、SAPのERPの保守期限切れというのがこれは明記されておりますけれども、SAP・ERPは、大企業向けERP製品として世界で四万社ほど使っております。そして、我が国でも二千社以上が導入しておるシェアのトップ製品でありまして、そして、この二〇一五年のリリースの、SAP・ERPが保守期限切れとなるということで、その対応として、次期主力製品SAP・S/4HANAへの移行が必要になるわけでありますが、民間の調査ではS/4HANAへの移行を進めると答えた回答者が五六%。  しかし、その再実装に向けたコストが一千万ドルから一億ドル、いわゆる十億円から百億円の範囲で費用が掛かるという見積りということでありますが、極めてこの高額な基幹システムの刷新は多くの我が国の企業にとって非常に負担が大きいということでありますが、今後、政府主導でレガシーシステムのモダナイゼーションを進めていくということでありますけれども、政府による新たなインセンティブ創出の必要性についてどのようにお考えになっているか、政府参考人の方に御答弁願います。
  83. 西山圭太

    ○政府参考人(西山圭太君) お答えを申し上げます。  今御質問がございましたとおり、私どもの研究会の表題として、レガシーシステムの刷新に関して二〇二五年の崖という表現を使わさせていただいておりますけれども、そのなぜ二〇二五年かということの一つの理由として、今委員がお挙げになられたアプリケーションソフトの更新、更新というかサポートの終了というのが一つのきっかけとして挙げられております。  今、このサポートサービスが終了することがなぜ特に日本企業にとって問題かと申しますと、元々日本企業がこうした比較的標準的なソフトウエアを使う際にも、個々の企業、あるいは場合によっては部門ごとにそれをカスタマイズして使ってきたという経緯がございます。したがいまして、そうしたカスタマイズをしたようなサポートがないと、単純に、まず額以前の問題として、新しいものに単純に入れ替えるだけでは今までのシステムの継続が非常に難しいという実態がございます。それが私どもの研究会の表現では、まさに二〇二五年を越えると、もはやそういうカスタマイズしたようなスタイルのサポートを行える事業者がいないという意味で、二〇二五年の崖というものを象徴的に用いております。  したがいまして、私どもとしては、そうした事態が来る前に、部門別のカスタマイズされたシステムを持っていることがその研究会のレポートの表現で言えば言わば技術的負債になるということ、それがリスクをはらんでいるんだということをきちんと浸透するとともに、そうしたレガシーの刷新を含めたデジタルトランスフォーメーションをきちんと経営者自身が自らの判断で行うということを促すという意味で、今回の改正法案の中で指針の策定及びそれに基づく申請があれば優良だという旨の認定、さらには、これは法律の外ではございますけれども、資本市場の中などでそうした企業の取組が積極的に評価されるような環境の整備を行いたいというふうに考えております。  以上でございます。
  84. 石井章

    ○石井章君 ありがとうございます。  そもそも、SAPというのは、これは一民間営利団体の企業でありまして、一ベンダーの保守期限切れが、すなわちベンダーが保守をしないために発生するその移行費用が、莫大なコストが発生すると。それに対して顕著なROIが見込めるはずもありませんし、二〇二五年はあくまでもベンダーが作り出したシステムの置き換えを促進するための手段とも言われております。  日本企業にとって、少子高齢化や人口減少による市場縮小、働き方改革と人手不足、取り組むべき経営の課題は多岐にわたっておりますが、確かにITの既存システムの老朽化は大きな問題でもありますが、本当に今投資すべきは何なのかという視点において、企業はレガシーシステムのモダナイゼーションを最優先とは見ていないと思います。  ERPなどの更新は、本来ユーザーが必要なときに必要なタイミングで、その要望に基づき実施されるべきだと思います。EAI業界では、限られた企業によってコントロールされているのが実情であります。政府は、DXの推進と並行して、特に外資ベンダーによる更新ビジネスから日本企業が脱却していく方策も考えるべきだと思いますけれども、政府参考人の御答弁を願います。
  85. 西山圭太

    ○政府参考人(西山圭太君) お答えを申し上げます。  今委員御指摘のとおり、率直に申し上げて、今具体名を挙げられたような製品を含む、いわゆるERPと呼ばれているものの非常に多くの、グローバルに見れば多くのものは残念ながら我が国発のものでないものが多いわけでございます。まさに、どうしてそうなったのかということの一つの背景が、繰り返しになりますけれども、企業がどうしても部門別、企業別にカスタマイズを望む、望めば、当然それを供給するベンダーもカスタマイズされたシステムを供給することがサービスの上で評価されるという歴史がございました。  今回のデジタルトランスフォーメーション、あるいはこの法案に盛り込んでおります指針は、一義的にはユーザー側の経営の改革を促すものではございますけれども、それの反射的効果というんでしょうか、それと同時に、日本のベンダー自身もそうしたカスタマイズされたシステムを供給するというビジネスを脱却することを通じて、そのベンダー自身がより標準化された、すなわち、そういう言葉を使わせていただければ、グローバルにも通用するようなシステムを開発をして供給することを通じて、先ほど先生が御指摘の、海外企業がそのシステムを更新するたびに、それを内外の関係でいえば、日本企業が一方的に負担しなければならないということを脱却する一助にもなるのではないかというふうに考えております。  以上でございます。
  86. 石井章

    ○石井章君 ありがとうございます。  この分野では日本の企業が立ち遅れているというのが実情でありますけれども、いわゆるIT市場調査会社が本年八月に発表しました二〇一八年の国内ERPの市場の売上げシェアではSAPが首位でありまして、次が富士通、三位がオービックとなっております。  IT人材が不足している中で、これまで多くの企業が他社で経験を積んだIT人材を新規に採用することに注力をしてきたのも、これまでそういったことが行われてきましたが、その結果、IT人材の採用コスト等人件費は大変高騰しておりまして、例えばアメリカのITのトップ二十のAI人材採用費だけでも年間六百五十億円を超えるという試算も発表されております。内閣府が発表した二〇一八年のAI関連の予算が大体七百七十億円であったことを見れば、その差は歴然とも言えるわけであります。  しかし、日本のソフトウエア技術やベンダーを世界に通用するレベルに引き上げるためには、IT人材の育成以外には方法がないわけであります。IT人材の確保、育成サポートについて、政府のビジョンについて、梶山大臣から御答弁願います。
  87. 梶山弘志

    ○国務大臣(梶山弘志君) 委員おっしゃるように、デジタル技術の急速な発展に伴って、今後、あらゆる産業活動、国民生活は、リアルタイムに情報やデータが活用、共有されるデジタル社会、いわゆるソサエティー五・〇社会に変貌してまいります。こうした中、日本のソフトウエアを世界に通用するレベルに引き上げるためには、ソサエティー五・〇社会に対応できる人材を育成することが大変重要でございます。  このため、AIやIoTなどの先端分野に対応した人材を育成するために、経済産業省において、IT・データ分野における社会人の学び直しを促進するための第四次産業革命スキル習得講座認定制度を平成二十九年七月に創設をいたしました。これまでに計七十七講座を認定しているところであります。  今後、全国で受講の機会を確保するために、全ての授業をe―ラーニングで行う講座も認定できるように認定要件を見直すとともに、業界団体などを通じてこれを全国に周知していくことで制度の普及に取り組んでまいりたいと考えております。  また、情報処理に関する知識、技能が一定水準以上であることを認定する国家試験として、年間約四十万人が受験する情報処理技術者試験などを実施しているところであります。試験内容については、AIやIoTなどの先端IT分野に対応した試験内容に随時見直しをしているところであります。  さらに、イノベーションを起こす突出したIT人材の育成も重要であり、平成十二年から未踏IT人材発掘・育成事業を実施をし、これまで延べ千七百人超の人材を輩出しております。そのうち二百五十名以上が起業、事業化を行うなど、国内外の企業や大学等、各方面で第一線で活躍をしております。  経済産業省としましては、これらの取組を通じて、引き続きIT人材の確保、育成に重点的に努めてまいりたいと思っております。
  88. 石井章

    ○石井章君 ありがとうございます。  ただ、せっかくIT人材が、日本でいろんな政策によって育てても、ややもすると、それが海外に、特に中国とか、かなりの高額なお金を使って日本の優秀な人材が海外に流れているというのも実態でありますけれども、今日は、そういった角度の質問は別な機会にしますけれども、二〇一七年にアメリカのリミニストリート社が世界中のSAPのライセンシーを対象に調査を行いました。その結果によると、SAP・ERPのバージョンを使い続けるという会社が約九〇%にも上っているという。その理由としては、移行によるビジネス上のメリットについての確証が得られない、どれほどのROIが見込めるのか不透明であることが最も多くその理由として挙げられております。  その投資効果を正当化するのには難しいとの意見も多いわけでありますけれども、DXについて多くの企業が投資利益率が見合わないと考えていると。政府が投資効果を見込めると考えている理由とその差がありますけれども、その辺の周知、啓蒙について政府参考人の方から御答弁願いたいと思います。
  89. 西山圭太

    ○政府参考人(西山圭太君) お答えを申し上げます。  今委員からデジタルトランスフォーメーションについて、特に多くの日本企業は、ROIが見合わない、投資に対するリターンが見合わないと考えているんではないかという御指摘がございました。その点についてでございますが、私どもとして周知、啓蒙を図ろうとしておりますのは、大きく分けて二点でございます。  一つは、いわゆる見える化ということとつながってまいりますけれども、これはまさに二〇二五年の崖という表現をさせていただいておりますけれども、まあ少しきつい言葉を使わさせていただきますけれども、もちろん、このシステムの障害というのはトラブルが発生しない限り顕在化はしないわけであります。ただ、実際問題、カスタマイズされて、二〇二五年くらいになりますと、非常に更新をしにくいシステムを持っているということは、ある意味では将来的にはそういう障害が発生するリスクをはらんでいるということでございますので、そういう意味におけるある意味での技術的な負債を抱えているということ、これを見える化をしませんと、目の前では何かが起きるわけではない場合が多うございますので、それを見える化をするというのが一つでございます。  それからもう一点は、これが今回の指針なり認定制度なり、また、それを広げることへの効果として狙っているわけでございますけれども、まさにこのデジタルトランスフォーメーションそのものは、どうしてもビジネスモデルを大きく変えることも含みますので、短期的に直接的なリターンを上げるのが非常に難しいということがございますので、にもかかわらず、まさにサイバー、フィジカルの統合の中でビジネスの環境が大きく変わっていく中で、この取組、先ほど申しましたように、非連続な取組を行うことが長期的にはペイするんだと。もちろん、企業の活動でございますので必ず成功するというわけではございませんけれども、そういうことが世界的に見て、ある意味で当然のチャレンジであるということについて、きちんと周知、啓蒙をしていきたいというふうに考えております。  以上でございます。
  90. 石井章

    ○石井章君 ありがとうございました。  これで終わります。
  91. 岩渕友

    ○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。  本法案は、政府調達におけるクラウドサービスの安全性評価を行う機能をIPAに追加するとしています。  これに関わって、大臣は、衆議院の質疑の中で我が党の笠井亮議員が、政府調達におけるクラウド導入に向けた採用基準にデータセンターを国内に設けることを条件にするべきではないかと、こういうふうに質問をしたのに対して、データセンターの国内設置が一律に求められるようなことにはならないと考えていると答弁をしています。  そこで、総務省にお聞きをします。グーグルやアマゾンのサーバーは国内に設置されているでしょうか。
  92. 竹村晃一

    ○政府参考人(竹村晃一君) お答えいたします。  グーグル及びアマゾンに関しまして、電気通信事業法の規律対象となる他人の通信を媒介するサービスについては、国外にサーバー等を設置して日本国内向けのサービスを行っているというふうに承知をしております。
  93. 岩渕友

    ○岩渕友君 これ、国外にサーバー等が設置されているということで、通信の秘密を遵守する義務を含んでいる電気通信事業法の規律が及ばないということになって、非常に重大だということです。  次に、経産省にお聞きをします。このグーグルやアマゾンのクラウドサービスのサーバーは国内に設置されているでしょうか。
  94. 西山圭太

    ○政府参考人(西山圭太君) お答えを申し上げます。  今お尋ねのAWS及びグーグル社の公表情報によりますと、クラウドサービスの利用におきましては、利用者の方が選択をすれば日本国内に設置されたサーバーを利用することができるという選択肢が用意されているというふうに承知しております。  以上です。
  95. 岩渕友

    ○岩渕友君 今の答弁でも分かるように、選択できるということなので、このクラウドサービスのサーバーは国内にも設置をされているということになります。  ところが、総務省に確認をしたところ、国内にサーバーが設置をされていても、クラウドサービスは電気通信事業法の対象にならないということでした。通信の秘密、そして安全性が守られる法の担保がないということになります。  政府調達において、先日の参考人質疑で、参考人の皆さんにこの問題をお聞きをしたわけですけれども、サーバーの設置は、原則からいえば国内の方が望ましいという回答であるとか、安全保障とデータの置き場所という観点でいえば国内にある方が安全だと、こういうようなお話がありました。  政府調達におけるクラウド導入に向けた採用基準として、サーバーの国内設置を最低限の条件にする必要があるということを改めて強く求めたいというふうに思います。  次に、デジタルプラットフォーマーについてお聞きをいたします。  インターネット通販会社の楽天は、今年の八月一日に、利用者が購入をした金額が三千九百八十円以上の場合は送料をゼロにするんだと、ゼロ円にするんだということを発表しました。これ、誰が負担をするのかということなんですけれども、この送料は出店事業者が負担をするということで、死活問題だと、こういう怒りの声が出店事業者の皆さんから上がっています。  そこで、公正取引委員長にお聞きをするんですけれども、この問題、独占禁止法の優越的地位の濫用に当たるのではないでしょうか。
  96. 杉本和行

    ○政府特別補佐人(杉本和行君) そのような報道があったことは承知しておりますが、個別の事案についてはお答えするのを差し控えたいと思います。  なお、一般論として申し上げますと、自己の取引上の地位が出店者に優越しているオンラインモール運営業者が、オンラインモール利用の拡大を図るために、取引の相手方に対して正常な商慣習に照らして不当に不利益を与えるようなやり方で取引条件を変更するような場合には、優越的地位の濫用として独占禁止法上問題となるおそれが多いと考えております。
  97. 岩渕友

    ○岩渕友君 今、委員長も報道でこういうことがあったということは承知しているというお話もありました。  それで、この問題について出店事業者の方たちからお話をお聞きしました。楽天の三木谷社長は、店舗のほとんどはこの送料無料の問題について納得をしているんだというふうに言っているんですね。なんですけれども、この楽天には、出店事業者向けの掲示板、出店事業者だけが書き込んだりできる掲示板でRON会議というものがあるんです。この中でも、この三木谷社長の発言を引いて、ほとんどと言うけれども一体誰のことを言っているんだということを楽天に問う書き込みがあったそうですけれども、これに対して楽天からの回答はないんだということです。  この問題をめぐって、RON会議の中で行われたアンケートでは、十月三十一日時点で反対が千九百四人、そして賛成は六人という結果になっていて、反対をするのが多くの事業者の声ということになっています。楽天に出店する事業者というのはもう全国にいるわけなんですよね。なので、この問題の影響というのは非常に大きいものです。  ところが、楽天が行った出店業者向けの説明会で、離島や遠隔地の注文は赤字になるじゃないかと、こういった意見が出たのに対しても、それならキャンセルすればいいじゃないかという回答を楽天が行ったということでした。  この問題、その後、送り先が沖縄や離島の場合は九千八百円以上で送料無料ということに変更をされたそうなんですけれども、沖縄、離島の場合だけ九千八百円以上にするのはおかしい、こういう声や、沖縄の業者が沖縄県内に商品を送る場合も九千八百円以上ということになるじゃないかということで、これ矛盾しているんじゃないのかという声が上がっています。  プラットフォーマー型ビジネスの台頭に対応したルール整備を進めるに当たって、公正取引委員会は、特に問題点の指摘が多いオンラインモール及びアプリストアにおける取引に係る独占禁止法、競争政策上問題となるおそれのある取引慣行等の有無を明らかにするということで、今年の一月からデジタル・プラットフォーマーの取引慣行等に関する実態調査を行っています。公正取引委員会が設置をした情報提供窓口には、九月三十日時点で九百十四件の情報提供がありました。オンラインモールとアプリストアの運営事業者、利用事業者からも聞き取りが行われています。  そして、今日、資料をお配りしているので見ていただきたいんですけれども、今年の二月から三月までにかけて行われたオンラインモールの出店事業者アンケートの結果が四月に中間報告という形で公表をされております。これを見ますと、この資料にあるように、規約を一方的に変更をされた、規約変更に不利益な内容があった、通販サイトからの説明に納得できなかったなど、いずれも楽天が九割を超えて圧倒的に多い状況ということになっているんですね。  そこで、公正取引委員長にお聞きをしたいんですけれども、楽天に出店をしている業者の方々もこの窓口に情報提供をしたというふうにお聞きをしています。送料無料問題も含めたこうした実態、問題について、委員長、当然把握をされていますよね。
  98. 杉本和行

    ○政府特別補佐人(杉本和行君) 委員の御指摘にございましたように、オンラインモール及びアプリストアにおける事業者間取引を対象にしたデジタル・プラットフォーマーの取引慣行等に関する実態調査を行いまして、本年十月三十一日に報告書を公表したところでございます。  本報告書を取りまとめるに当たりまして、情報提供窓口における情報提供の募集やアンケート調査及びヒアリング調査を行っておりまして、そこに寄せられたオンラインモールやアプリストアを利用する事業者のデジタルプラットフォーマーに対する不満や指摘は認識しているところでございます。  この報告書におきましても、運営事業者が規約を変更し、利用事業者が運営事業者に支払う手数料を引き上げる、また、新しいサービスの利用を義務化してその利用手数料を設定することなどがあり、「このような規約の変更により、自己の取引上の地位が利用事業者に優越している運営事業者が、正常な商慣習に照らして不当に、利用事業者に不利益を及ぼす場合には独占禁止法上問題(優越的地位の濫用)となるおそれがある。」と記載しているところでございます。
  99. 岩渕友

    ○岩渕友君 今の答弁でも、様々な問題について委員長も把握しているということです。  これ、楽天による出店事業者への送料無料の押し付けということになると思うんですけれども、是正させるべきではないでしょうか。委員長に聞きます。
  100. 杉本和行

    ○政府特別補佐人(杉本和行君) 個別の事案についてのお答えは差し控えたいと思いますが、公正取引委員会といたしましては、独占禁止法に違反する事実に接した場合には厳正に対処してまいりたいと考えているところでございます。
  101. 岩渕友

    ○岩渕友君 先ほどお話があったように、いろんな問題が出されているわけなんですよね。これ、やっぱり事前に是正するということが必要だということになると思うんです。  それで、出店事業者の皆さんというのは、中小事業者の方たち、そして家族でやっているような小規模な事業者の方たちが多くいらっしゃるわけなんですよね。納得がいかないなと思うようなことがあっても、生活が懸かっているのでもう言われたとおりにせざるを得ないと、泣き寝入りせざるを得ないというのが現状です。このままだと送料分を商品代金に上乗せせざるを得ないと、こういうような事態にもなりかねない、そうなれば消費者の利益も損なうということになるわけですよね。  同じことを大臣にもお聞きしたいんですけれども、この楽天による出店事業者への送料無料の押し付け、これ是正させるべきではないでしょうか。
  102. 梶山弘志

    国務大臣(梶山弘志君) 独禁法の適用につきましては、公正取引委員会で判断されることであります。  個別の案件については答弁することは差し控えたいと思っておりますが、一般論として、デジタルプラットフォーマーと中小企業等の取引先企業との間において必要な情報提供や十分な意思疎通が図られることが重要と考えております。  先ほど委員からルールの整備の必要性についても言及がありましたけれども、デジタルプラットフォーム企業と取引先企業等との取引の透明性や公平性を高めるための法案については、デジタル市場競争本部の下、関係省庁と連携をしてまいりたいと思っております。
  103. 岩渕友

    ○岩渕友君 デジタルプラットフォーマーと利用事業者との間にはやっぱり大きな格差があるわけですよね。先ほどもお話をしたように、非常に中小業者の方であるとか小さい事業者の方たちも多いと。このままだったら、もうやめざるを得ないというような方たちもいらっしゃるわけなんですよね。  楽天をめぐる問題というのは、これだけではないんです。違反点数制度というものがあって、楽天が決めた規約ガイドラインに違反をすると交通違反のように点数がどんどん累積をされていって、その点数によってランキングの掲載が制限をされるとか、検索の表示がダウンさせられると。順番がダウンさせられるとか、そういった制限が掛けられるんですよね。年間累積違反点数が七十五点以上からは違約金が課せられて、百点になると違約金は三百万円にもなると。それだけじゃなくて、最悪の場合は原則契約解除と、もう退店ということになっちゃうんですよね。  商品の背景を白抜き画像に変更しなければ罰金だと、こういうふうに言われて、やむなく二十数万円も掛けて直したとか、何千点もの商品の画像を徹夜で全部直したと、こう言っている業者の方たちもいらっしゃるんですね。このように、規約を一方的に変えられるという話もありました。あらゆることに手数料が掛かっていて、ある業者の方は年間売上げの二〇%近くが手数料だと、こういう話もありました。こうした実態がほかにもあるということなんです。  引き続き、この楽天を含めて、デジタルプラットフォーマーに関わる問題取り上げるということを述べて、質問を終わります。
  104. ながえ孝子

    ○ながえ孝子君 碧水会のながえ孝子でございます。  おとといの参考人の皆さんのお話を伺いまして、改めてデジタルトランスフォーメーションの可能性を、大企業ばかりでなく、中小企業の皆さんも活用できるようになればいいなと認識を新たにいたしまして、おとといの参考人の方々も、中小企業がIT投資、攻めのIT投資を増やしていくには、やっぱり人的支援、人材支援と財政面での支援が必要という御指摘がございました。  そこで、コネクテッドインダストリーズ税制のような財政面での支援が重要だと私も考えているんですが、このコネクテッドインダストリーズ税制、平成三十年の六月に創設されておりますので間もなく一年半がたとうとしているところだと思いますが、これまでにどれぐらいの企業が適用を受けたのか、実績を教えてください。
  105. 西山圭太

    政府参考人(西山圭太君) お答えを申し上げます。  今委員から御質問のございましたコネクテッドインダストリーズ税制でございますが、データの連携ですとか利活用によって生産性を向上させる取組を行った場合に特別償却あるいは税額控除等の措置を講じることのできる税制でございますけれども、この認定件数は、本年、令和元年十月末現在で百八件でございます。  以上です。
  106. ながえ孝子

    ○ながえ孝子君 その数字は、当初目指していたところと比べて、それを前に進めるような数字なんでしょうか、それともちょっと考えなければいけないかなという数字でしょうか。
  107. 西山圭太

    政府参考人(西山圭太君) お答えを申し上げます。  先生御指摘のとおり、この制度そのものは昨年開始をされたものでございます。そういう意味では、率直に申しまして、制度当初はなかなか制度が浸透しておりませんでしたので件数としてはなかなか伸びなかったわけでございますけれども、推移を見ますと、だんだん周知をされ、利用件数も増え、一つの区切りでございますけれども、百件を超えたということでございますので、その結果を見ますと、周知も進み、利用も進んできたんではないかというふうに評価をしております。  以上でございます。
  108. ながえ孝子

    ○ながえ孝子君 その税制も二〇二〇年度までということですから、再来年の三月いっぱいということですよね。  参考人の皆さんのお話でも、企業経営者のやっぱり背中をどおんと押すような、そういう財政支援が必要ということなんですが、この税制の代わりのもの、あるいは何か代わりの支援策というのを準備されていますか。
  109. 西山圭太

    政府参考人(西山圭太君) お答えを申し上げます。  今先生から御指摘がございましたとおり、このコネクテッドインダストリーズ税制そのものは二〇二〇年度末までの措置でございます。  これに対しまして、まずは、デジタルトランスフォーメーションを進めるためには、この税制に限らず、例えば中小企業でございますと、既に八万件以上の実績のございますIT導入補助金などの支援措置、あるいは人材育成などのソフト面での措置も講じてきております。  こうしたこの税制以外の利用状況ですとか、あるいは今御指摘のこのコネクテッドインダストリーズ税制そのものの活用状況、あるいは今般の法改正による措置の効果なども見極めながら、二〇二〇年度末以降どういった措置をとることがデジタルトランスフォーメーションの推進の上で有効であるかということについては、引き続き検討してまいりたいと存じます。  以上です。
  110. ながえ孝子

    ○ながえ孝子君 是非知恵を結集して、本当に安心して投資ができるような環境を整えていただきたいなと思っています。  それから、おとといの参考人質疑で、財政支援と並んでやっぱり人的な支援がとても重要だという話がございました。今、とにかくどの分野もどの産業も人手不足が言われています。  そんな中で、専門知識だけではなくて、経営戦略づくりにも入っていける技術者を養成していかなければならない、このハードルは高いと思います。それから、あるいはデジタルトランスフォーメーションへの理解がある経営者をつくっていかなければならないというのもあります。それから、それを取り巻く社会の理解もあってこそIT活用が進んでいく、デジタルトランスフォーメーション格付なんというのは、それがなければ本当に力を発揮しないということですから、そういうITリテラシーも高めていかなければなりません。  ということで、IT教育の重要性があるかなと思っていますが、人づくりを早く取りかかることが大事だと思っています。そういった意味で、文部科学省とこの人材教育のことで連携といいましょうか、何か話は進んでいるんでしょうか。
  111. 西山圭太

    ○政府参考人(西山圭太君) お答えを申し上げます。  今委員から御指摘のございましたとおり、デジタル技術が急速に発展しておりますので、これまで必要性が訴えられておりましたようなIT人材の数を増やすということと同時に、その人材に求められる資質もまたソサエティー五・〇を迎える中で大きく変わってきているというふうに考えております。  そういう意味で、お尋ねの文部科学省の人材育成、広い意味での教育との連携ということになりましょうか、でございますけれども、幾つかの取組を行っております。  一つは、本年の六月にAI戦略二〇一九というのが決定をされましたけれども、その中で、全ての大学、それから高等専門学校生がデジタル社会に必要となる数理、データサイエンス、AIを習得することを目指しておりますけれども、それを実現するためには、当然、今までの科目にとどまらず、実践的な内容を含んだ教育プログラムが提供されることが必要になりますので、そうしたどういった教育プログラムが必要かということについて、それを大学や高等専門学校にどういうふうに提供するかということについて、その教育プログラムの認定制度について、私ども経済産業省、文部科学省、内閣府で連携をして検討しているというのが一点目でございます。  それから二点目として、既に行っている例として、この今御審議をいただいております改正法案に根拠を持ちますIPAでございますけれども、そこでITパスポート試験というのを社会人向けに実施をしております。基本的には社会人向けのITパスポート試験でありますけれども、それを言わば援用して、一部の大学で単位認定として使っていただいているような例もございます。  さらに、同じくIPAで実施しております若年層のトップクラスのセキュリティー人材の発掘については、国立高等専門学校機構と協力して参加者募集などを実施しておりまして、こうした形で文部科学省と人材の育成について連携を進めております。  以上でございます。
  112. ながえ孝子

    ○ながえ孝子君 では、続いて、情報処理安全確保支援士についてお伺いしたいと思うんですが、二〇二〇年までに三万人超の有資格者をつくると、これを目指しているというふうに伺っているんですが、現在一万八千人の登録があると伺っています。うち百九人が所在不明ということを聞いているんですけれども、三万人達成の見込みはいかがでしょうか。  それと、あわせて、今年七月に行われたこの情報処理安全確保支援士の資格をもう既に持っていらっしゃる皆さんに対する、活動に関する実態調査というのを拝見しますと、この資格を取って何がメリットかという質問に対して、一番多い答えが、五十数%の方がスキルアップができるということなんですね。二番目が五〇%ぐらいで、サイバーセキュリティーに関する最新動向を把握できるという答えで、要は自分の中でこれをいかに力にしていくかということになっている。  外との関連ということではなかなかお答えが高いところは出てきていないんですけれども、これをどう分析して、今回更新制が導入されるとなりますと、更にハードルは上がるのかなと思っています。そのハードルを越えるインセンティブをどうつくっていこうと考えていらっしゃるのか、教えてください。
  113. 西山圭太

    ○政府参考人(西山圭太君) お答えを申し上げます。  まず、今御質問のございました情報処理安全確保支援士制度でございますけれども、二〇一七年の四月から登録を開始いたしまして、これまでに一万九千四百十七名の登録が行われたところでございます。  この制度についての評価、様々ございますけれども、本年八月に行われました民間の調査によれば、情報の分野には様々な資格がございますけれども、言わば人気ランキングの中で三位に位置付けられておりますので、そういう意味におきましては、一般の方から見て、取得することが何らかの価値を持つものだというふうに評価はしていただいているんだというふうには考えております。  同時に、先ほど御質問ございましたとおり、二〇二〇年までに登録数三万人超を目指すとされているところでございますが、これはある意味で量も質も追求するということが重要になってまいります。  すなわち、これは、いわゆるセキュリティー人材については、特に地方で、あるいは中小企業との関係で不足しているのではないかという指摘が従来からずっとございます。そういう意味では、この今御指摘の情報処理安全確保支援士というのは、もちろん三万人を目指しておりますけれども、今の足下でも二万人弱という規模から見て、そういう意味では、裾野が広く、あるいは地方や中小企業のニーズにも対応できるような資格ではないかというふうに考えております。  と同時に、この資格を取ってその方々が活用されていく上では、当然でございますけれども、その資格を持っている人が最新の技術、情報に触れ、それに必要な知見を持っているということが、信頼されるということが重要になってまいります。  したがいまして、今回の改正法案の中で三年更新制というのを御提案を申し上げておりますのは、そういうことを通じて、必ず、その資格を持ち、既に登録をされた方が一定期間の中ではきちんとした実践的な講習を受けられることを通じてそうした信頼が生まれ、そのことによって使われる方も増え、また、それを目指す方も増えるといったような好循環を生むことで、二〇二〇年までに登録者数三万人超ということを目指してまいりたいというふうに考えております。  以上です。
  114. ながえ孝子

    ○ながえ孝子君 好循環を生み出したいという意向はそのとおりだと思いまして、もっと好循環をスピーディーに生み出すためにも、この情報処理安全確保支援士を持っていたらもっと活躍の場が広がるとか、自分のもっと、何でしょう、給料が上がるとか、何かそういったところに結び付くようなところをまた知恵を出していただければなというふうに思っています。  それで、残り少ない時間をお借りしまして、これは大臣にというよりは、委員長、それから理事の先生方、委員の先生方にちょっとお願いというか、申し上げたいことがございます。  今日、私、委員会の審議で初めてホットドリンクをいただきまして、参議院の伝統はすばらしいなと、本当にほっとできたものですから、感じたところであります。でも、やっぱり変えていった方がいいのかなと思う伝統もありますよね。私、新人ですので、新人だから言えることだと思って、一石を投じるつもりで申し上げたいと思うんですが。  参議院では、委員会の審議にパソコンとか端末の持込みが認められていないと伺っております。でも、これができるようになりますと、例えばITの促進について話している場で、IT業界用語がさっきから出ているように、片仮名で本当に意味が、もうとにかく新しい言葉が生まれてくるので分からない、それをすぐにインターネットで調べられた方が議論が深まるのではないかというふうに思っています。あるいは、目の前で広げられる議論を自分なりにまとめたものを即クラウドに上げることができれば、地元とも、あるいはいろんなところともすぐ共有ができる。まさにそういうことを企業に広めていきましょうよねと審議しているところでパソコンとかIT機器が持ち込めないというのは大変皮肉だなと思いながら、ずっと、ちょっとじりじりしておりました。  ですので、せめてそのITについて進めていこうということをやっていこうとする経済産業委員会だけでもパソコンとかIT機器が持ち込めないものかと、あるいは経済産業委員会からほかのところにも呼びかけていただけないものかと、これを御討議いただければなと思って申し上げます。  よろしくお願いいたします。
  115. 礒崎哲史

    ○委員長(礒崎哲史君) 今、御意見をいただきました。  ただいまの件につきましては、また理事会で理事メンバーとも相談をしたいと思いますし、また、他の委員会とも関わるお話ですので、ハウス全体にも関わる話ですので、議院運営委員会、他の委員会とも相談をした上で、意見を賜りましたので、相談をしていきたいというふうに思います。
  116. ながえ孝子

    ○ながえ孝子君 質問は終わります。
  117. 安達澄

    ○安達澄君 無所属の安達澄です。どうぞよろしくお願いいたします。  私からは、大きく言いますと質問が二つあります。  まず一つは、DX格付制度について質問させてもらいます。  今回の法案を検討するに当たりまして、私の知人、まさに企業の中でDXを担当している、そういう部署に所属している人がいまして、その彼に今回の件についていろいろ聞いてみました。正直なところ、やや残念な結果ではあるんですけど、現場で携わっている担当者とかからすると、いまいちぴんとこないというか、それが実態のようでした。一言で言えば、このDX格付制度、認定されたからそれでどうしたというのがその知人の反応だったわけで、余りメリットとかモチベーションというものを感じておりませんでした。  とはいえ、二〇二五年の崖を前に、経営層の意識改革を促すということで今回の制度をつくるわけですね。つくった後、大事なのは本当にこれからだというふうに思います。  そこでお聞きしたいんですけれども、このDX格付制度をつくった後、先ほどの答弁とも一部ダブる部分はあるかと思いますけれども、今後の運用、その辺を具体的にどのようにしていくのか。例えば企業数の目標をつくるとか、いろいろ考え方はあるかと思いますが、その辺のところについてまずお聞きできればと思います。
  118. 宮本周司

    ○大臣政務官(宮本周司君) 安達委員にお答えをいたします。  今回の法案そのものは、これを主に企業のデジタル経営改革、そしてアーキテクチャー、そしてクラウドサービス、この主に三つの措置を講ずることによりましてソサエティー五・〇の実現に必要な社会横断的な基盤整備を行って、そして社会全体でDX、デジタルトランスフォーメーションを実現をしていく、これを目指すものであります。  その中で、今、特にDXの格付に関して言及がございましたので、その点に関してのみ御答弁いたしますが、デジタルガバナンスコードに関しましては、先ほど詳細な答弁もあったかと思いますので、あえて、割愛はいたしますが、この指針、このコードを踏まえた上で、優良な企業による取組、また、それを実現している企業を認定をしていく、これを制度化するということも今予定をしております。具体的には、今、当面百社程度の認定を目指して、これを運営をしていく予定でございます。  その上で、この法案の目標とするところに、当然そのほかにも、例えばアーキテクチャーに関しましても、これもおおむね二〇二〇年度から三年間の間で六つのテーマを設計するなど、個別にこの指標を設けた中で、全体的に相互に連携しながらこのことが社会として醸成されるものと思っておりますので、各企業におけるDX診断の指標というものもこの夏にお示しもしているところでございますので、政府による努力、また民間による努力、また官民が連携して進めていくこの社会の醸成、このことにこれからも努めていきたいと思っております。
  119. 安達澄

    ○安達澄君 つくった以上はしっかりと運用できるように、そこは是非お願いしたいと。先ほど小沼議員もおっしゃっていましたけども、魂を入れるようにしていただきたいというふうに思っております。  そして、二つ目なんですけども、これはちょっとそもそも論の話になってくるんですけども、先ほど小沼議員からもお話ありましたけども、総務省のセキュリティーシステムに関して十八億円掛けたシステムが一度も使われることがなく二年間で終了という話がありましたけれども、非常に、やはりなぜかと考えると、やはりいろいろと縦割りの弊害が出てしまっているんだろうなというふうに私は思っております。  ちょっと昨年の話で恐縮なんですけど、昨年の参議院の経済産業委員会、三十年の五月十五日なんですけども、世耕元大臣の答弁を読んで初めて知ったんですけれども、それは、情報通信分野の話をするときに使う言葉のことなんですけど、総務省はICTとしか言わなくて、経済産業省はITとしか絶対に使わないとおっしゃっていました。世耕元大臣のそのときの答弁によると、でも、そういうくだらないことはお互いにやめようと、経済産業省もICTという言葉を積極的に使おうということになったそうなんですけれども。  で、梶山大臣、大臣は今、経済産業省の中でそういう情報通信分野の話とかをするときにはICTという言葉を使っているんでしょうか、それともITという言葉を使っているんでしょうか。
  120. 梶山弘志

    ○国務大臣(梶山弘志君) 場合に応じて使い分けをしているところでありますけれども、共通の用語として政府全体でICTを使えということでもないとは思いますけれども、適切な言葉遣いというものは必要だと思いますし、また、省庁間でこういう使い方がいいということで分かれているということはおかしなことですから、それはそれでしっかりと使ってまいりたいと思っております。
  121. 安達澄

    ○安達澄君 使い分けをされているということ、今の答弁を聞きまして非常にうれしく思いましたけども。  おとといの参考人の質疑の中で参考人の方がおっしゃっていたんですけども、やはり今の国のデジタル戦略は単発的な部分的な施策が多いというふうにおっしゃっていました。私なりに解釈すると、木は見て森は見ていないということなのかなというふうに思っています。今回の法案を私は決して否定はしませんけども、本来、国は、政府には、もっと先を見据えた抜本的な施策、戦略が必要だというふうに思っています。  私、二年前に仕事で上海に行ったんですけども、もう既にそのときにはウイチャットペイとか、もうキャッシュレスというのは町じゅうで当たり前でしたし、もうICTに関して言うとはるかに日本を超えている、凌駕しているなというのが実感です。  ちょっとそのときの話すると、例えば、本当、フードコート、ショッピングセンターの中にある普通のフードコート行って、もうメニューが置いてなくて、そのテーブルの角っこにQRコードだけあって、それをかしゃっと携帯でやると、もうメニューは出るし、そこで注文もできて決済も終わるというのが、もう二年前、当たり前のような状態でした。  その中国なんですけれども、今インターネットプラス戦略とかスマートシティーもそうですし、次世代IE発展計画など、国家プロジェクトとしてもう国が旗を振ってデジタル戦略に取り組んでいます。  我々日本はどうかというと、経済産業省はIPAがあったりとか、総務省はNICTがあったりとか、そして内閣府にはIT総合戦略本部など、先ほどの話じゃないですけども、縦割りで、とても国が一体となってという状態ではありません。経団連からも要望されていますけれども、もう縦割りをやめて、経済産業省も含めてというか、もう経済産業省がリーダーシップを取って、政府一体となった横串のデジタル戦略に、行政に変えていかないと、日本は本当に取り残されていくと思います。  そこで、大臣にお聞きしたいんですけれども、今回の法案にはもちろん反対ではないんですけれども、木を見て森を見ずのデジタル行政を変えていくべきではないでしょうか。
  122. 梶山弘志

    ○国務大臣(梶山弘志君) 委員御指摘のように、日本の技術がガラパゴス化したり、またレガシーと言われるシステムがずっと存在をしている、そうしている間に海外にどんどんどんどん社会への実装面で取り残されているというのは現実だと思っております。  それぞれ個々の技術はあるんですけれども、社会への実装、そのためのまた周知徹底というものができていないということも含めて、その縦割りを排してという中で今回の取組でもあるわけでありまして、内閣が一体的に政策を主導するために設置をされましたIT本部が政府全体のデジタル行政を強力に推進をしていくという前提で今回の法案も作っているわけであります。  当然、経済界も同様でして、デジタルトランスフォーメーションに関しては経済界も一緒にやっていくということで、政府の取組を脇から見ている、ちゃんとやれよということで見ているのが現実だと思いますし、今回の機を逃すとなかなかやはりできないということで、この仕組みをつくってしっかり魂を入れていく。そして、皆さんと、言葉だけじゃなくて、言葉の意味そして思いを共通にしていく中でこういった取組を進めていくということでありますので、これまでの反省点十分に生かしながら、そういう取組をしてまいりたいと思っております。
  123. 安達澄

    ○安達澄君 西山局長も再三おっしゃっていましたけれども、企業が自己診断をするとか、部門ごとの取組にとどまらないようにするとか、ステークホルダーにきっちり説明できるか、我々国でいうと多分国民に対して説明できるかということだと思いますけれども、企業に対してそういうものを求めていくというのであれば、まさに我々こそがしっかりと縦割りを排して、国民のためのそういうデジタル行政を目指していくべきだというふうに強く思います。  以上、強いちょっと要望を申しまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
  124. 礒崎哲史

    ○委員長(礒崎哲史君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  125. 岩渕友

    ○岩渕友君 私は、日本共産党を代表し、情報処理促進法改正案に反対の討論を行います。  AI、IoTなど新たなデジタル技術は、人類の社会進歩と平和、福祉の向上を目指し、あらゆる人々の社会参加が可能な未来をつくり出すためにこそ役立てられるべきです。ところが、デジタルトランスフォーメーションを推進するとする本法案は、以下、重大な懸念と問題点があり、賛成できません。  第一に、米国基準に準拠して、情報処理推進機構、IPAが設計するアーキテクチャーは、既存の事業分野に横串を刺して規制のアップデートを図り、新しいビジネスモデルを創出するといいますが、結果として、消費者保護や安全の確保を後回しにし、個人情報を含むデータ利活用ビジネス優先となる懸念があるからです。  プライバシー権の保護、個人の尊厳の観点から個人情報の自己コントロール権を保障したEUの一般データ保護規則に比べて極めて脆弱な日本の個人情報保護制度の下で、これ以上個人情報をデータビジネスに差し出すわけにはいきません。  第二に、本法案に基づき来年秋に導入する政府調達におけるクラウドサービス事業者の採用基準として、サーバーの国内設置や通信の秘密遵守の義務を担保する保障がないからです。  海外クラウド企業の本国でシステム障害が起きた場合に、政府調達の信頼性や国民生活に重大な影響をもたらしかねません。これは、日米デジタル貿易協定にあるデータセンター等の現地化要求の禁止を先取りし、TPP協定をも超えて、公共政策を含め、例外なく個人情報の国境移転の自由を認めることになります。  第三に、サイバー攻撃に対して先制攻撃や武力攻撃も辞さないという米国の国家サイバー戦略に日本を深く組み込む懸念を払拭できないものだからです。今年四月の日米安全保障協議委員会、2プラス2でサイバー攻撃が日米安保条約でいう武力攻撃に当たり得ると確認し、当時の防衛大臣が自衛隊による武力行使があり得るとまで国会で明言していることは極めて重大です。  IPAは、既に内閣サイバーセキュリティセンター、NISCと一体的に政府機関の監視活動を行い、さらに、昨年から日米サイバー共同演習に関与するなど、米国の安全保障当局やサイバー軍との関係を深めています。今回、IPAに新たな機能を付与することは、米国のサイバー戦略に巻き込まれる危険を増幅させるものです。  以上申し述べ、反対討論とします。
  126. 礒崎哲史

    ○委員長(礒崎哲史君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  127. 礒崎哲史

    ○委員長(礒崎哲史君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、浜野君から発言を求められておりますので、これを許します。浜野喜史君。
  128. 浜野喜史

    ○浜野喜史君 私は、ただいま可決されました情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲・国民.新緑風会・社民、公明党、日本維新の会及び碧水会の各派並びに各派に属しない議員安達澄君共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。  一 企業のデジタル経営改革の推進に当たっては、個人情報の保護に万全を期するとともに、我が国の産業競争力の強化が図られるよう、外部専門家の知見を積極的に取り入れて適切な指針を策定し、デジタル技術の急速な進化等に対応しつつ適時見直しを行うこと。    また、「DX格付」に係る認定制度の導入に当たり、中小企業を含め、「二〇二五年の崖」の克服に向けてレガシーシステム刷新への集中的な取組を加速させるとともに、データ・デジタル技術を活用した新たなビジネス変革につながる取組に資するよう、更なる支援を検討すること。  二 AI等の先進的な技術を活用するためのアーキテクチャ構築に当たっては、関係者間での認識共有や合意形成を加速させるとともに、その中心的な役割を担う「産業アーキテクチャ・デザインセンター」に高度専門人材を集約し、海外の先進的な機関との連携を進める等、コネクテッド・インダストリーズの重点分野を中心に戦略的な取組を進めること。その際、個人情報の取扱いに十分配慮し、企業活動のために不当にその共有化が行われることのないよう、地方公共団体等の関係者の意見を聴取し、その意見を尊重して取り組むこと。  三 クラウドサービスの安全評価体制の構築に当たっては、個人情報の保護に特に配慮し、災害やサイバー攻撃等のあらゆるリスクに備えるものとするとともに、政府においてもクラウドサービス関連技術の利用に適した体制整備を進めること。  四 情報処理安全確保支援士の更新制度の導入に当たっては、法定講習の内容の充実を図り、質の高いセキュリティ人材を育成・確保するとともに、企業が情報処理安全確保支援士を活用するインセンティブが高まるような取組の実施に努めること。    また、高度IT人材・セキュリティ人材の育成・確保については、地方の実情も踏まえ、産学官連携による実践的な人材育成等の具体的な取組を総合的に進めること。  五 ソサエティ五・〇の実現に向け、企業におけるデジタル経営改革の必要性について、中小企業を含め、経営者、従業員及び投資家等から理解が得られるよう、具体例を分かりやすく明示する等の方法により、更なる啓発に努めること。あわせて、個人のITリテラシーを向上させるための取組を進めること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  129. 礒崎哲史

    ○委員長(礒崎哲史君) ただいま浜野君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  130. 礒崎哲史

    ○委員長(礒崎哲史君) 多数と認めます。よって、浜野君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、梶山経済産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。梶山経済産業大臣。
  131. 梶山弘志

    ○国務大臣(梶山弘志君) ただいま御決議のありました本法律案の附帯決議につきましては、その趣旨を尊重してまいりたいと考えております。
  132. 礒崎哲史

    ○委員長(礒崎哲史君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  133. 礒崎哲史

    ○委員長(礒崎哲史君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時十一分散会