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2019-11-14 第200回国会 参議院 厚生労働委員会 3号 公式Web版

  1. 令和元年十一月十四日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  十一月八日     辞任         補欠選任      岸 真紀子君     福島みずほ君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         そのだ修光君     理 事                 石田 昌宏君                 小川 克巳君                 足立 信也君                 石橋 通宏君                 山本 香苗君     委 員                 片山さつき君                 自見はなこ君                 島村  大君                 高階恵美子君                 羽生田 俊君                 馬場 成志君                 藤井 基之君                 古川 俊治君                 本田 顕子君                 川田 龍平君                 田島麻衣子君                 田村 まみ君                 芳賀 道也君                 福島みずほ君                 下野 六太君                 平木 大作君                 東   徹君                 梅村  聡君                 倉林 明子君    衆議院議員        厚生労働委員長  盛山 正仁君    国務大臣        厚生労働大臣   加藤 勝信君    副大臣        厚生労働副大臣  橋本  岳君    大臣政務官        厚生労働大臣政        務官       小島 敏文君    事務局側        常任委員会専門        員        吉岡 成子君    政府参考人        文部科学省大臣        官房審議官    蝦名 喜之君        厚生労働省大臣        官房生活衛生・        食品安全審議官  浅沼 一成君        厚生労働省医政        局長       吉田  学君        厚生労働省健康        局長       宮嵜 雅則君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○社会保障及び労働問題等に関する調査  (国立ハンセン病療養所の現状等に関する件)  (ハンセン病患者家族に対する補償に関する  件)  (ハンセン病問題に関する啓発に関する件)  (ハンセン病療養所における医療介護体制に  関する件) ○ハンセン病患者家族に対する補償金の支給等  に関する法律案衆議院提出) ○ハンセン病問題の解決の促進に関する法律の一  部を改正する法律案衆議院提出)     ─────────────
  2. そのだ修光

    ○委員長(そのだ修光君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告をいたします。  昨日までに、岸真紀子君が委員を辞任され、その補欠として福島みずほ君が選任されました。     ─────────────
  3. そのだ修光

    ○委員長(そのだ修光君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省健康局長宮嵜雅則君外三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. そのだ修光

    ○委員長(そのだ修光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. そのだ修光

    ○委員長(そのだ修光君) 社会保障及び労働問題等に関する調査を議題といたします。  まず、先般本委員会が行いました国立ハンセン病療養所の現状等に関する実情調査のための視察につきまして、視察委員の報告を聴取いたします。石橋通宏君。
  6. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 委員会視察について御報告申し上げます。  去る十二日、そのだ委員長、石田理事、小川理事、足立理事、山本理事、藤井委員、本田委員、川田委員、田島委員、田村委員、芳賀委員、福島委員、下野委員、平木委員、東委員、梅村委員、倉林委員及び私、石橋の十八名により、国立ハンセン病療養所の現状等に関する実情調査のため、東京都東村山市の国立療養所多磨全生園及び国立ハンセン病資料館を視察いたしました。  以下、その概要を御報告いたします。  まず、国立療養所多磨全生園を訪れ、初めに石井園長より、ハンセン病問題の歴史的経緯、国立ハンセン病療養所等の現状、厚生労働省による啓発活動の状況などについて説明を受け、続いて水谷事務部長より、多磨全生園の概況、入所者の現況、診療、介護の体制等について説明を聴取いたしました。同園は、明治四十二年に公立療養所として現在地に創立された後、昭和十六年に旧厚生省に移管され、本年で創立百十周年を迎えています。入所者一人一人が心の安らぎを得て療養できる環境を提供し、生きていることの充実感が満たせるように医療、生活の充実を図ることを理念として掲げており、本年十月一日現在、百五十一名の入所者が暮らし、その平均年齢は八十六歳、九十歳以上の方々が五十五名、最長在園者は在園八十三年になっているとのことでありました。  次に、全国ハンセン病療養所入所者協議会の藤崎事務局長との懇談を行いました。藤崎事務局長からは、当委員会委員に対する要請書を提出いただく中で、特に国家公務員の定員削減問題への対応について御要望をいただきました。入所者数が減少する一方で、高齢化の進展で要介護・看護化が進んでおり、園の介護員不足が入所者の夜間介護体制などに困難を生じさせているとの御説明でありました。  次いで、国立療養所多磨全生園入所者自治会の方々との懇談を行いました。入所者自治会の平沢会長からは、入所者が超高齢化し、百五十一名のうち約七十名が認知症を患っている実情や、御自身の約八十年に及ぶ入所経験などを踏まえ、一つとして、医師、看護師、介護員の増員を柱とした在園保障について、二つとして、人権の森構想を中心とした園の将来構想の実現について、三つとして、ハンセン病問題に関する啓発活動の必要性について、四つとして、ハンセン病元患者家族に係る裁判を受けた法整備についても要望があり、お願い書の提出をいただきました。特に若い人たちがハンセン病の問題を学ぶことで、あらゆる差別の根絶を実現してほしいとの平沢会長の訴えに、一同、胸打たれたことを付記しておきたいと思います。  その後、視察団一行は、介護を必要とする入所者が生活する第一センターの居室などを視察し、続いて地域開放の一環として園内に誘致された花さき保育園、宗教地区、望郷の丘等を概観した後、四千百柱を超える入所者等の御遺骨を安置している納骨堂で献花を行いました。  そして、視察の最後に、国立ハンセン病資料館を訪問いたしました。同館は、平成五年に高松宮記念ハンセン病資料館として国立療養所多磨全生園に隣接して開館され、平成十九年に国立ハンセン病資料館として再開館されたものであり、ハンセン病に対する正しい知識の普及啓発による偏見、差別の解消及び患者、元患者の名誉回復を図ることを目的としております。  同館では、学芸員から説明を聴取しながら、日本のハンセン病政策の歴史や療養所内での過酷な生活状況、その中にあって、なお生きる意味を求め、また生き抜いてこられた患者、回復者の姿等の展示を視察し、短時間ではございましたが、入所者の皆様が経験された苦痛と苦難を改めて認識させていただいた次第でございます。  視察先での実情調査の概要は以上であります。  最後に、この場をお借りいたしまして、今回の委員会視察に当たり特段の御高配をいただきましたことに対し、多磨全生園関係者及び入所者の皆様方に心からの御礼を申し上げます。  以上で視察の報告を終わります。ありがとうございます。
  7. そのだ修光

    ○委員長(そのだ修光君) 以上で視察委員の報告は終了いたしました。  これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言をお願いいたします。
  8. 石田昌宏

    ○石田昌宏君 自由民主党の石田昌宏です。おはようございます。  一昨日、厚生労働委員会で国立ハンセン病療養所多磨全生園と国立ハンセン病資料館の方を訪問させていただき、当事者の方々や関係者の方々からお話を聞き、また、お亡くなりになった方々に献花することができました。大変御無理を申し上げたにもかかわらず快く受けてくださいまして、貴重な機会をいただけましたこと、誠に感謝申し上げます。  ハンセン病元患者家族に対する補償金の支給等に関する法律案、そしてハンセン病問題の解決の促進に関する法律の一部を改正する法律案、この二つの法律を少しでも早く成立させたいという思いから、衆議院の方でも審議中であった法案の順番を入れ替えて審議して、そして昨日、本会議で可決していただきました。それを受けて参議院でも速やかに審議に入ることができました。また、内容も判決よりも手厚いものになっていると思います。このことにつきましては、元ハンセン病患者の皆様も、おとつい、良かったというふうに評価をしていただきました。  この法律の審議に当たっては、与野党を超えた国会議員の思いがあり、それを是非国民の皆様に伝わっていけばなというふうに考えております。それを踏まえて質問をさせていただきます。  まず、私、若い頃に精神科の病院で働いておりまして、当時、収容主義という言葉があったんですけど、二十年も三十年も入院していた患者さんを担当して、その方々が退院して地域で暮らすための支援をしていました。また、地域で訪問看護なども行い、生活のサポートもしていました。  受け持った六十代の患者さんがいまして、その方は三十年以上入院をなさっていたんですけど、何とか、本当に大変だったんですが、御本人の努力が実り、退院をすることができました。退院後も彼女の家に訪問看護をずっと繰り返して、地域での生活も順調に進められていたんですけど、私はしばらくして病院を辞めて別な仕事に就きました。  その後、五年ぐらいたったと思うんですけど、その病院の病棟に行ったら、その患者さんがまた入院をしていました。どうしたのかなと思って、話を聞こうと思って患者さんのところに行ったら、まず第一声が、私はもう二度と退院なんてしないわというふうに、そういう言葉を言われて、かなり正直、ぐさっときました。一生懸命やったんだけれども、それはかえって悪いことをしたんじゃないかという思いに駆られました。が、その後、患者さんは、もう二度と退院はしない、私はここで一生を過ごすんだというふうにおっしゃりました。それは、聞いてみると、もう年を取って独り暮らしをやっていくのがとてもしんどい、かといって、自分の病気でなかなかほかに入るところもない、病院だけが頼りであって、ここで是非一生を穏やかに終えていきたいということをおっしゃっていました。  ただ一つ、僕に言ってくれたのは、それでもね、退院したことはとても大事で、あれが私の一生の中の一番いい思い出になった、私はその思い出を胸にして、これから一生ここでゆっくりと最期を迎える人生を送るんだという話をされていました。  いろんなことがあるのかもしれませんけど、少なくとも、人生の最後で、退院して、ある意味名誉を回復し、誇りを持って暮らしたということがその方の人生の中で何か幸せにつながっていたらいいなというふうに思っています。もうお亡くなりになりましたから、そこは直接は聞いてはいませんが、きっとそんな思いで人生を終えられたんじゃないかなというふうに思っています。  一九九六年、らい予防法が廃止されました。一言に廃止と言っても、なかなか大変だった、議論や苦悩があったというふうに聞いています。予防法の中に療養生活に関連する規定もあったので、単純に廃止するか、そしてあとは自分でやりなさいという話でもないし、かといって、法律がある限りは、どんな改正、例えば差別規定の部分がざくっとなくなったとしても、法律の存在そのものがやはりどこかで差別を前提にした法律であったので、差別の呪縛からは逃れることはできない、そういった複雑な思いの中での改正の議論だったというふうに聞いています。  かなり工夫をしたそうで、工夫に工夫を重ねて、例えば法律を廃止した上で療養に関連する新法を作る、そういったやり方も取らずに、最終的にはらい予防法の廃止に関する法律という廃止法を作って、その廃止法の本則の中に処遇維持、継続のための規定を盛り込むという形で最終的にはまとまったそうです。このやり方は、まあ今もなかなかない立法の仕方だと思うんですけど、相当苦難の上で決断したことだったというふうに聞いています。これによって、当事者たちが今少なくとも人生に夢や希望や、又は安全、安心、安寧といったものを感じながら生きていて、また人生を終えていくことができるのであれば、この法改正は、やり方は苦悩したけれども、良かったんじゃないかというふうに思っています。  やはり、名誉を回復することはとても大事です。ただ、その後に、あとは自分で頑張れではなくて、当事者が穏やかに人生が送れるような環境をつくっていくということもとても大事で、この二つをしっかりと政府としても進めていくことが重要だと思っています。もちろん、それは当事者だけじゃなくて、一方で家族も同じ思いをしています。ハンセン病を出した、ハンセン病の方を出した家族だと偏った目で見られ、差別を受けてきた歴史があります。今日はこれに対する一つの解を出そうとしている日だというふうに思っています。  当事者の方々もそうだったように、この法律が御家族の皆様がこれからの人生を送る上で良かったと思えるようになるものと信じてこの議員立法を進めています。補償する政府として、御家族の方に良かったと思ってもらえるように、一つは名誉回復、そしてもう一つは穏やかな人生が送れる環境をつくるという観点から、御家族に対してメッセージをお願いしたいと思います。
  9. 加藤勝信

    ○国務大臣(加藤勝信君) 今委員がお触れになっていただいたように、元々、施設入所政策の中で、ハンセン病の元患者の方、さらには御家族の方、大変な偏見、差別、そしてその中での言い難い苦痛やまた苦難の道があったというふうに我々もしっかりそこは受け止めているわけでありまして、そうした意味において、歴代の中、私もかつて厚生労働大臣をさせていただきました、その責任をしっかり自覚をしながら、反省をし、そしてそれに対して取り組んでいかなきゃいけないというふうに思っております。  今回も、偏見、差別の解消、あるいは家族関係の回復というようなことについても、今、原告団、弁護団の方々等含めていろんな意見交換をさせていただいて、しっかりとした施策を打ち出していきたいというふうに思っております。  また、今委員の中で、穏やかな人生という意味においては、それぞれの入所をされている皆さん方がその場所において豊かな人生を最後まで穏やかに送っていける環境をどうつくっていくのかということも含まれているんだろうと思います。それに関しては、先ほどの委員の報告の中にありましたそこで働いている方々、言わば定員の問題、そして施設の整備の問題、そういったことについてもしっかりそうした皆さんの声も聞かせていただきながら対応することによって、入所されている方も今後とも安心してお過ごしをいただく、そして、あわせて、今回の補償、そして今申し上げた名誉回復、家族関係の回復、こういった措置を、それぞれの声、そしてこれまでのやはり反省に基づきながらしっかりと取り組んでいきたいと思っています。
  10. 石田昌宏

    ○石田昌宏君 メッセージありがとうございます。  らい予防法廃止のときに当事者との窓口になって交渉した官僚の一人は、もう当然その後いろんな部署に移っているんですけど、いまだ、あれから二十年以上たっても、年に一度、記念日にハンセン療養所を訪問して当事者に会い続けているという交流を続けています。優生手術を受けて子供に恵まれなかった入所者からは、その官僚は息子のようにもう親しまれていて、その官僚の子供たちは自分の孫だねと言われて、今でも会うのを楽しみにしているそうです。官僚の娘さんというか、当事者からするとお孫さんの二十歳の誕生日の写真が、そのお父さん、官僚のお父さんは見たことがない写真が、ある日行ったらば入所者の部屋に飾られていたそうで、俺は見ていないのにと、さんざん笑って愚痴っていました。これって、話聞いて、本当に家族なんだなというふうに思いました。  入所者は、官僚の家族と出会って、それを続けていることによって、ある意味家族を持てているんだと思います。人が通って、また語って、触れ合ってという、そういうことを続けることというのはとても大事で、それが人の人生を豊かにし、本当の意味で名誉を回復していくんだというふうに思っています。  ハンセン病資料館は大きな役割を果たしています。これからも果たしていくと思いますが、もちろん箱物だけでは足りません。やはり、人の暮らしの中でエピソードが語られ、そしてまた新しくつくられていくことが大事だと思っています。それができるのは今語り部として頑張っていらっしゃる当事者の皆様方ですが、いずれ、やはり時間がたつとそれも終わってしまうんだと思います。代わって語っていき、生活の中でエピソードをつくっていく人が必要だというふうに思っています。これを確保していくことも政府の役割だというふうに思います。  どうやって人と人とのつながりを続けていくのか、政府にお伺いします。
  11. 加藤勝信

    ○国務大臣(加藤勝信君) ハンセン病の問題を風化させずに、偏見、差別を解消していく、そのためにもこうした歴史があったということをしっかり残していきたい、こういう思い、これは我々ももちろん持っておりますし、特に患者さんあるいは御家族の皆さんからもそういう強い要望をいただいております。  今、語り部のお話もあったと思いますけれども、そういったものを直接やっぱりしっかり伝えていける、そういった意味において語り部というのは本当にかけがえのない存在であって、またそうした皆さんが今も活躍をいただいている、しかし年々高齢化をしていく中でその人数も減少してきているというのが今の実態だというふうに思います。  そうした中で、ハンセン病問題に関する普及啓発の在り方については、元患者の方々や弁護団等の有識者から成るハンセン病資料館等運営企画検討会が平成二十九年に提言を取りまとめていただきました。その中では、元患者の方々への聞き取りをすることによって記録をまず保存をしていく、それぞれ皆さんの記憶を保存していくということなんでしょう。それから、比較的若い年齢の元患者の皆さんにまさに語り部になっていただくべく支援をし、またそうした皆さんによる体験講話を開催をしていく。また、資料館の学芸員による学校等での元患者の体験談を交えた外部講演などを行うことによって、語り部の養成やあるいは記憶の存在、またその内容の伝承、これまでこうしたことに取り組んできたところであります。  今回の法案では元患者の御家族というところもはっきり書き込まれているわけでありますから、そうしたことも踏まえて、元患者の方々、療養所職員の方あるいはそのOB、さらには御家族の協力も得ながら、語り部や被害、差別の体験談を伝える学芸員の確保、また、若い世代にも歴史を引き継いでいくための学生ボランティアによる語り継ぐ人の育成等々を検討していきたいというふうに考えております。
  12. 石田昌宏

    ○石田昌宏君 ありがとうございます。特にまた語り継ぐ人、当事者じゃないですけれども、そういった方々の育成も是非進めていただきたいと思います。  今日の法律の審議にこれから入ると思いますけれども、それについては、本当に我々国会議員の思いでもあると思います。この思いがきちんと国民に届いて、そしてまた当事者の皆様方がこれからまた幸せに暮らしていけるような社会になることを是非祈ります。今日の審議は、ハンセン病の歴史の一つとして刻まれていくことになると思います。  以上です。
  13. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 立憲・国民.新緑風会・社民共同会派の福島みずほです。  十一月十二日に、多磨全生園、ハンセン病資料館を視察をさせていただきました。そこでの話も、本当に心に痛い、あるいは心を打つものでした。  超党派で全会一致でこの法案が提出されたこと、本当に良かったというふうに思っております。私自身も、二〇〇八年に成立したハンセン病問題の解決の促進に関する法律案の策定に関わり、今回の家族の補償法案に関してもワーキングチームで関わらさせていただきました。ですから、今日ここでこの件の質問をすることについては感無量のものがあります。  元患者の皆さん、そして歯を食いしばって裁判を提訴した原告の皆さん、弁護団の皆さん、支援者の皆さん、そしてそれを真摯に受け止めている厚生労働省、そしてこれからこの施策を更に進めようとしている厚生労働省に、本当に心から敬意を表します。また、全会一致で提出できて、各会派それぞれ様々な国会議員の皆さんが全力で頑張り、議論をいたしました。そのことも本当に良かったというふうに思っております。  まず、ハンセン病元患者家族に対する補償の手続等についてお聞きをいたします。  これまで元患者に対し賠償金、補償金を支払っておりますが、その対象となる元患者の人数等について教えてください。
  14. 宮嵜雅則

    ○政府参考人(宮嵜雅則君) お答えいたします。  平成十三年からこれまでの累計で、ハンセン病療養所入所者等に対する補償金の支給者数は約四千人、らい予防法違憲国家賠償請求訴訟の和解者数は約八千人で、合計で一万二千人に対してお支払いしております。
  15. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 これはちょっと事務所からお願いしていたんですが、退所者とそれから被収容者に対する給付金について、何人のうち何人がもらっているというふうなデータはありますか。今日まで計算するということでもあったのですが、もしできていないのならそれで結構ですが、もし分かっていたら教えてください。
  16. 宮嵜雅則

    ○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。  今申し上げました補償金四千人、それから和解者数が八千人ですけど、それぞれにつきまして、補償金の方は、入所者が約二千六百人、それに対しまして退所者が千五百人ぐらいということ、約ですけれども千五百人ぐらい、それから、和解者数の方は、入所者、退所者合わせて二千人ちょっと、それから御遺族の方が五千人ぐらい、それから非入所者は二百人弱というような内訳になってございます。
  17. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 補償法案の適用対象者は二万四千人、四百億円の補償というふうにされておりますが、この試算の根拠について教えてください。
  18. 宮嵜雅則

    ○政府参考人(宮嵜雅則君) お答えいたします。  ハンセン病元患者につきましては、かつては入所者を中心に人数の把握を行っておりましたが、元患者一人一人の家族構成やその年齢構成を把握していたわけではございませんので、現在生存されている御家族の数については一定の前提を置いた上での機械的な推計とならざるを得ない点について御理解をいただければと思います。  その上で、具体的に申し上げますと、まず元患者さんの人数につきまして、人数に平均の世帯人員、当時ですと約四人ぐらいになるんですが、四から本人の分一人を引いた分を掛けて全体数を出してございます。それに対しまして、ここもまた難しいんですが、今般の家族訴訟の原告団の方の属性、親とか配偶者とか子供とかがどのくらいの割合かと、これもそのまま当てはめていいかどうかは難しいんですが、その構成比を出して当てはめております。で、その各属性ごとに、これもまた仮定なんですけれども、どのくらい生存されているかというか、死亡されているかということを掛け合わせまして人数を出しておりまして、それに対しまして、それぞれ補償金額百八十万円あるいは百三十万円というのを掛けて人数と額を出させていただいているというところでございます。
  19. 福島みずほ

    福島みずほ君 元患者の方の御本人は、入所者、退所者、非入所者に分かれます。特に非入所者に対しては情報が行き渡らない可能性がありますが、どのような対策を考えていらっしゃるでしょうか。
  20. 宮嵜雅則

    政府参考人(宮嵜雅則君) お答えいたします。  現時点で何か今決まっているということはないんですけれども、先生からも、それから多くの方からも御指摘ありますが、とにかく多くの方にお知らせするということが大事だというふうに考えておりまして、例えば、入所者の方についてもいろいろ、元患者さんの団体とかあるいは療養所を通じてとか、そういうことも含めて入所者を通じて家族の方へもお知らせするとか、あるいは、ふれあい福祉協会というのがございますが、そういうような団体を通じてお知らせするとか、いろいろ考えられる取組はしっかり取り組んでいって、対象となる方に補償金が円滑に支給されるように取り組んでまいりたいと考えております。
  21. 福島みずほ

    福島みずほ君 非入所者は特に沖縄が多いわけですが、広報の対策はどのように考えていらっしゃいますか。
  22. 宮嵜雅則

    政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。  特に沖縄をということで御指摘いただきましたが、沖縄に所在する国立ハンセン病療養所を通じた周知のほかに、ハンセン病に関する普及啓発等を行っております公益財団法人である沖縄県ゆうな協会を通じて周知を行うことも想定しております。あわせて、沖縄の場合、自治体などもしっかり取り組んでいただいていると聞いておりますが、自治体などの関係機関の御協力もいただきながら、対象となる方に補償金が円滑に支給されるよう、しっかり周知していきたいと考えております。
  23. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 補償金の認定なんですが、これは、厚生労働大臣は、対象者であることが明らかな場合を除き、認定審査会の審査を求め認定するというふうになっております。これは優生保護法下における強制不妊手術と同じで、明確なものはもう審査会にかけない、もうそこで支給して、で、審査会というのがあるわけですが、もし書面が整っていれば、もう審査会を経なくてもいいということでよろしいですね。  それから、ハンセン病の元患者の皆さんの証明方法として、書面が不足している場合でも申請は受け付けられるということでよろしいでしょうか。医師の診断書など証明書類の事例、また、証明書類は一つでも可能なのか、柔軟な対応が必要なのではないか、代替のものがあればいいのではないかということです。  認定基準は、優生保護法下における強制不妊手術のときもそのようでしたが、今回、ワーキングチームでも、明らかに不合理ではなく、一応確からしいことという基準を設けました。それでよろしいかどうか、二点についてお聞かせください。
  24. 宮嵜雅則

    ○政府参考人(宮嵜雅則君) お答えいたします。  まず一点目、請求書類につきましては、請求者が補償金の対象者であることの確認に資するものを広く参照するなど、柔軟な取扱いを行っていきたいと考えております。  また、法案で、補償金の対象者であることが提出された書類により明らかな場合を除いては認定審査会における審査が行われるということとされておりますが、認定審査会における認定基準につきましては、議員懇談会で取りまとめられた骨子案では、認定審査会における判断に当たって、関係者の証言や供述等の内容が当時の社会状況や請求者が置かれていた状況、収集した資料等から考えて明らかに不合理ではなく、一応確からしいことを基準とするとされてございます。  法案が成立した際には、厚生労働省としても、議員懇談会での御議論を十分に踏まえ、認定審査会の適正な運用など、対象となる方に補償金が適切に支給されるように努めてまいります。
  25. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 なぜ裁判が提訴されなければならなかったのか。判決は、隔離政策が就学、就労の拒否、結婚差別などの被害を生じさせ、家族関係の形成を阻害したとし、こうした差別を人生被害と指摘をしております。  御本人も、全生園でいただいた資料でも、ハンセン病のために、破談、離婚、離職、友人が去る、診療拒否、乗車拒否、飲食、宿泊を断られる、立ち退きなどのつらい経験があるということがありましたが、家族の皆さんも物すごくやっぱり大変な思いをすると。様々な原告の皆さんに話を聞きましたが、親が強制隔離されて収容されてしまったために乳児院に預けられたと。要するに、親子なんだけれども、親子としての関係をつくれなかった、家族というものを持ち得なかった。つまり、奪われたものを回復するというのがこの裁判であり、そしてそれに対する補償だというふうに考えております。原告たちが望んでいるのは、まさにその家族関係の修復なんですね、家族関係を取り戻したい。ですから、今回、そのことがなされるように、この補償をすることによって。  弁護団からは、専門家の支援が必要だという声が上がっています。それは、なかなか言えない、この間、全生園に行っても、平沢自治会会長は、お墓参りに行けないなど切実なことを言っていました。家族との関係が今まで切れていたり、戻れない。だからこそ、今回、家族の修復ができるように、それを専門家も支援してほしい、厚生労働省も支援してほしい。この専門家の支援、厚生労働省の支援についてはどうお考えでしょうか。
  26. 加藤勝信

    ○国務大臣(加藤勝信君) まさに、これ、まずこれまでの取組全般についていろいろ検証していく必要があると思いますし、また、私も家族の方からお話を聞く中で、ちょっと今の家族の回復ではないんですけれども、差別解消の啓発教育が逆に差別を生んで大変だったと、こういう話も聞かされました。そういったことも含めて、改めて一つ一つ、まさに当事者の皆さんから声を聞きながらやっていかなきゃいけない。また、家族関係の回復についても本当に、家族関係がつくれなかった、あるいはつくろうとしたけれども、これも外部だけじゃなくて、両親との関係においてもいろいろなことがあったというお話を私も聞かせていただきました。  そういった意味において、今、原告団あるいは弁護団の方々からも、やっぱり専門家による支援とか、あるいは当事者間のエンパワーメント、お互いのいろいろな話をしていく中での活用とか、こういったお話もいただいておりますので、さらに実務者の協議において検証の在り方、またそれを踏まえて普及啓発活動などについて具体的な議論を進め、そして施策を確定していきたいと思っています。
  27. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 これは原告たち、当事者たちが望んでいることで、是非よろしくお願いいたします。  ハンセン病についての偏見、差別の解消についてお聞きいたします。  国の責任を認めた二〇〇一年の熊本地裁判決後も、元患者の皆さんたちの宿泊が拒否されるなど、差別は起き続けています。また、やっぱり無理解というものもまだまだ本当に解消されておりません。このことについて厚生労働省はどのように対応していくのか、大臣の決意をお願いいたします。
  28. 加藤勝信

    ○国務大臣(加藤勝信君) ちょっと先ほどとダブるところはありますけれども、いずれにしても、根深い差別、偏見というのがある。逆に言うと、そういうものがあるということも前提にしながら先ほど申し上げた啓発教育等も進めていかないと、やろうとしたことと結果が全く違うことになってしまった、こういった経緯を踏まえながら、やっぱりこの問題を進めていくに当たっては、やはり当事者、元患者の方々あるいは御家族の方々、そうした皆さんの声も聞かせていただきながらしっかりと進めていくことが必要だというふうに考えております。
  29. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 全生園の訪問して、改めて、すさまじい差別と人権侵害と同時に、当事者の皆さんたちの闘いに実は私は心を打たれました。みんな本当にその中で様々なことをやっぱり闘ってやってきたということに実は心を打たれました。また、平沢さん始め、人権教育をすごく一生懸命やろうとし、これが全ての人権について資するように、そして差別を根絶するようにという思いは本当に心を打たれました。厚生労働省としても、文部科学省もそうなんですが、是非差別解消のために全力を尽くしていただきたいというふうに思っております。  衆議院の議論でも、個人情報保護法、本人の同意がなければ、なかなか本人が元患者であることを言えないという答弁あり、それは理解するものではあります。ただ、元患者の方と家族の関係ですから、その手続がなかなか難しく、法律が成立してもなかなか知れ渡らないという可能性もあるので、なかなか例えば申出ができないということもあるかもしれませんので、専門家の支援、あるいはコカウンセリングも含めた様々な施策を打って、是非補償をしていただけるよう心からお願いを申し上げ、私の質問を終わります。  ありがとうございます。
  30. 山本香苗

    ○山本香苗君 公明党の山本香苗でございます。  ハンセン病元患者家族に対する補償金の支給等に関する法律案等二法案、念頭に置きつつ、質問させていただきたいと思いますが、戦前から戦後にわたって行われた無らい県運動においては、官民一体となって、ハンセン病患者が一人もいないという地域をつくり出すために、周辺住民からの通報が徹底的に奨励されて、患者及びその家族が地域から排除、迫害されました。患者が療養所に隔離された後も、残された家族は、先ほどの話もありましたように、結婚や進学、就職という人生のあらゆる局面で苦難に遭って、その原因を病気になった父親や母親あるいは兄弟姉妹に求めざるを得なかったと。その結果、家族関係がずたずたになったと。こうした悲惨な実態があったにもかかわらず、なぜ今の今まで手だてができなかったのだろうかと。本当に、元患者の方々、そして家族の皆様に心から深くおわびを申し上げたいと思います。  そこで、まず加藤大臣にお伺いしたいんですが、国の隔離政策によって患者のみならず家族の方々にもたらした先ほどの人生被害、私は物すごく重い言葉だと思いますが、これをどう受け止めておられるでしょうか。
  31. 加藤勝信

    ○国務大臣(加藤勝信君) 正直言って、なかなか、家族関係が形成できなかったというのは私の実感としてはなかなか理解できないというか、想像し得ない。私は家族の中で普通に育ってきた。そういう中で、いろんな差別、偏見ということだけではなくて、先ほど申し上げた両親との間の中においても様々な確執があり、時にはそれがある種の激しい感情になり、ぶつかり合い、もう本当に壮絶、まさに壮絶な、また想像し難い状況にあったということ、そのことを我々はしっかりと受け止めなきゃいけないし、また、この間、元患者の方が中心になって対応してきた中で、患者の家族というのが正直言って取組が十分ではなかったということ、これは、今回のこれから御議論いただく中にも入っているというふうに承知をしております。  その点の反省も含めて、もちろん元患者の方、そして患者の御家族の方、そしてさらには家族関係の回復、こういったことを含めて、やっぱりしっかりと、まさに当事者の皆さん方の声を聞かせていただきながら一つ一つ進めていくことが大事だなというふうに思っております。
  32. 山本香苗

    ○山本香苗君 家族も、元患者の方々と同様、この隔離政策の被害者なんだと、今回のこれから審議というか採決される予定の法案の中にもしっかりと位置付けをされております。この法案が成立することによって、ハンセン病問題の最終的解決には患者だけではなくて家族の被った被害を解決することも必要不可欠なんだ、こういう認識に立って対応していただける、政府として総力を挙げてやっていただける、こういうことでよろしいでしょうか。
  33. 加藤勝信

    ○国務大臣(加藤勝信君) まさに、元患者の方はもとより、患者の御家族の方も、施設入所政策、こういった中で、あるいはハンセン病に係る様々な偏見、差別の中で本当に大変な御苦労やあるいはつらい思いをされてきたわけでありますから、そういったことをしっかりと踏まえながら、これから御議論いただく法案の中身も踏まえて、まず補償についてはしっかり実施をしていく、そして、加えて偏見、差別の解消、さらには家族関係の回復、こういったことに対しても、先ほど申し上げましたけれども、当事者の皆さんのお話も聞かせていただきながら、あるいはこれまでの取組に対する反省を踏まえながら対応させていただきたいというふうに思っております。
  34. 山本香苗

    ○山本香苗君 次に、補償金につきましてお伺いしたいんですが、一昨日の多磨全生園に行かせていただいたときに、入所者自治会の方々から家族の件もよろしくということを要望書でいただきました。  この法律が成立をした後、どうこの補償の手続を進めていかれるのか、いつ頃それを開始するお考えなのか、お伺いします。
  35. 加藤勝信

    ○国務大臣(加藤勝信君) これ、法案が提出されて、そして成立したということを前提にお話をさせていただきたいというふうに思いますけれども、今回の法律の中身を見させていただきますと、一部の規定を除き、公布日即施行となっております。したがって、補償金の請求は公布日から可能になるように対応していかなきゃいけないと思っております。通常、法律の公布日というのは大体成立後一週間ということでありますから、どこで成立されるかってありますが、成立後一週間後に公布、施行、したがって請求を受けられると、こういう状況になります。  また、請求を受けてから補償金の支給の認定まで、これ書類がそろっているとかそろっていない、いろんな事情があると思いますけれども、最短であれば一か月ぐらいということであります。そして、認定がなされる。そして、認定がなされたら、その次の月の月末ぐらいを支給日にするということで今考えさせていただいておりますので、今、このペースでという言い方はどうか分かりませんが、今想定されているような状況であれば、来年の一月末には支給ができるような方向で作業は進めさせていただいています。  それからもう一つ、議員立法の議論の中で、亡くなった方に対する議論がいろいろあったと承知をしております。原告団の方について、施行日までにおいて亡くなった方については私どもの省令の方で対応させていただく。問題は、施行日以降については請求がないとその方の請求権あるいは遺族の方の請求権は発生をいたしませんので、やはり施行日において我々しっかり請求をしていただくということをしっかりお話をしていかなきゃいけないと思いますし、また、その段階で、じゃ、全部の資料が整っていることがもちろん望ましいわけではありますけれども、必ずしも十分でなくてもまず請求をしていただくということ、こういった必要性も含めて、これから補償金の支給に関してはしっかりと周知を図っていきたいというふうに思っております。
  36. 山本香苗

    ○山本香苗君 ありがとうございます。  そうしたできるだけ早く、また広く請求をしていただけるようにという話ではあるんですが、入所者自治会の平沢会長から、一昨日行った際に、今回の補償制度ができたとしても多くの家族が名のり出ないのではないかというお話をいただきました。いまだに差別を恐れて名のり出られない、秘密にしている、ばれたら家族がめちゃくちゃになる、今更言えないと、そうした家族の方々がいらっしゃいます。ないしょでもらえないだろうかと、そういうお声も頂戴いたしました。  請求手続並びに請求に当たって行われる調査等におきまして、他に知られることは絶対ないんだろうかと、安心して請求していただけるのか、具体的にどういう対応をしていただけるんでしょうか。
  37. 宮嵜雅則

    政府参考人(宮嵜雅則君) 補償金の請求に当たりましては、国が責任を持って取り組むべき問題であることに加えまして、今お話ありました御家族であることを身近で知られることを望まない方もいることを踏まえまして、厚生労働省本省を一元的に受付窓口として、自治体等の機関を介さずに請求していただくこととする予定です。  また、認定審査に関する業務も厚生労働省が行い、守秘義務を課せられた職員により対応する予定であり、審査業務により得られた個人情報が外部に漏れることがないように万全の対応を行うこととしております。  また、認定審査に当たっては、例えば請求内容等について請求者に確認が必要となる場合があり得ますが、請求者が希望する場合には御自宅以外の連絡先の登録を可能とするなど、請求に関する情報がみだりに請求者以外に知られることがないように運用する予定でございます。  いずれにいたしましても、その御家族の方々はこれまで偏見、差別の中で苦痛と苦難を強いられてきた御経験があることを十分に踏まえ、厚生労働省として、個人情報プライバシーへの配慮についてしっかり対応をしていきたいと考えております。
  38. 山本香苗

    ○山本香苗君 是非請求される方々から十分話を聞いていただいて、決してプライバシーの観点で懸念がないようにしていただきたいと思います。  そうした中で、特に今回、補償の対象者は平成八年三月三十一日までの間となっているわけです。すなわち、その中で、過去に同居していたとか過去に事実婚だったとか、そういうことをどう証明したらいいのかと、プライバシーにしっかり配慮しながらどう証明したらいいのか、この点についてはいかがでしょうか。
  39. 宮嵜雅則

    政府参考人(宮嵜雅則君) お答えいたします。  同居の証明に当たりましては、住民票の写し等の公的機関が発行した書類の提出が困難な場合には、同居の事実があったことについて記載した書面のほか、同居していたことの確認のための公共料金の領収書の写し等の参考になる書類とか、あるいは同居の事実に関する二名以上の第三者証言を記載した書面とか、その証言に虚偽がないことを誓約する書面を可能な限り提出していただいて審査を行うことを想定しております。  また、事実婚の関係等もございますが、それも、婚姻の意思を持って夫婦として共同生活を営んでいたことについて記載した書面をできる限り夫婦双方に署名していただく形で提出いただくほか、同一世帯に属していたことが確認できる住民票の写しを提出していただくこととしておりますが、住民票の写しの提出が困難な場合には、今し方申し上げました書類など過去における同居を証明する資料に加え、夫婦としての共同生活があったことを確認するための扶養証明書の写しなど扶養の事実を証明することができる書類、又は第三者証言を記載した書面と披露宴等の実施を証する書類など参考となる書類を可能な限り提出していただくことなどを想定しておりますが、いずれにしても、その法案成立した暁には、厚生労働省としては、議員懇談会での御議論も十分に踏まえ、またプライバシーにも配慮しながら、対象となる方に補償金が適切に支給されるよう、認定審査会の適正な運用なども含めて円滑な施行に努めてまいりたいと考えております。
  40. 山本香苗

    ○山本香苗君 是非、しっかりと相談しながらやっていただきたいと思います。  文部科学省にお伺いしたいと思います。  この法律が成立したからといって、すぐに偏見や差別がなくなるというわけではありません。差別解消のためには啓発活動が重要だと繰り返しこの間もいろんなところでお伺いしたわけでありますが、中でも特に学校教育の役割というのは極めて大きいと思っております。  現在、厚生労働省が作ったパンフレットというのが配布されていると伺っておりますけれども、必ずしも現場では十分活用されていません。ハンセン病についての、先ほど大臣の御答弁の中でも、当事者の方々から、家族の方々から、要するに啓発活動が逆につらい思いになったと。私も、ここがただ単なる啓発活動であってはならないと思うんです。  というのは、今のパンフレットだと、ハンセン病に対する正しい知識であったり、またハンセン病差別をつくり出した社会だとか元患者の方々、家族が過去に受けた差別の体験、そういうことを書いてあるわけでありますけれども、それだけだと、知識を植え付けるだけだと、逆になってくるケースもありますし、また、過去の経験だけを言うと、かわいそうとか同情だけで終わってしまうんですね。  そうじゃないと。先ほど福島さんもおっしゃっていましたけれども、私も、元患者、家族の方々が人間の尊厳を取り戻すためにどれだけ懸命に社会に訴え続けてこられたのかと、想像を絶するようないろんなことがあったけれども、それに負けないで頑張って今強く生きていらっしゃるとか、そういう生き抜いてきたあかしを学んでその生き方に共感するような、そういう教育をやっていただきたいと思うんです。こうしないと本当の意味での差別解消ってできないと思うんです。  多磨全生園で既にこうした取組を三十年も前から、困難な状況を踏み越えて、小中学校の社会科とか道徳の時間において実施されてきたとお伺いをいたしました。文科省において、これらの経験を踏まえた副読本を是非作っていただきたいと、そして学校教育の中でしっかりと取り組んでいただけるようにしたいんですが、いかがでしょうか。
  41. 蝦名喜之

    ○政府参考人(蝦名喜之君) お答え申し上げます。  今年十月二日に開催をされました原告団、弁護団等とのハンセン病に係る偏見、差別の解消に向けた協議の場でありますとか、あるいは今年十月十六日に私ども文部科学省の佐々木大臣政務官が国立療養所多磨全生園に訪問させていただいたわけでございますけれども、その際におきましても、根強いハンセン病に関する偏見や差別を解消するためには、議員御指摘のとおり、教育の役割が大変大きいということのお話をいただいてございまして、文部科学省としてもこれまで以上に取組を強化する必要があるというように考えているところでございます。  御指摘のとおり、ハンセン病に関する正しい知識やハンセン病と人権との関係について学ぶと、このこと自体は大変重要なことであると考えているところではございますけれども、元患者の方々が困難を抱えながらも生き抜いてきた力強い姿に触れるということは、児童生徒が共感的にハンセン病の問題について理解を深めるとともに、言わば差別の解消の担い手となるということのために極めて意義のあることだろうというように考えているところでございます。  偏見、差別解消のための今後の教育や啓発の在り方につきましては、現在、継続的に原告団、弁護団との協議を行いますとともに、省内に大臣政務官を座長とする検討チームを設けて具体的な検討を進めているところでございます。昨日もこの検討チームの会合がございましたけれども、多磨全生園の所在する東村山市の優れた実践の取組についてヒアリングを行うなどの検討を進めているところでございます。  本日いただきました御提案もしっかりと受け止めまして、関係省庁とも連携しながらしっかりと取り組んでいければというように考えているところでございます。
  42. 山本香苗

    ○山本香苗君 時間が参りましたので、まだまだ課題はございますが、しっかりと取組を進めていただきたいと思いますし、私たちもしっかりと全力で取り組んでまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。  ありがとうございました。
  43. 梅村聡

    ○梅村聡君 日本維新の会の梅村聡でございます。  本日は、先日もこの委員会で多磨全生園、そして資料館の方を見学をさせていただいて、そして、今日のこの審議の中では、今るる述べられた二法案、これを念頭に質疑が続いておりまして、我々国会議員もこの問題に関して後世に向けても責任があるものだと、この審議を通じて、今回は元患者さんの御家族への補償ということでありますので、しっかり審議をさせていただいて、我々も責任を果たしていきたいと、そういう思いを新たにしております。  それでは、早速ではありますけれども、質問の方に移らせていただきたいと思います。  私の最初の質問は、先ほどの福島委員の質問にも少し関連することだと思いますが、平成十三年に、ハンセン病療養所入所者等に対する補償金の支給等に関する法律、これが成立をいたしました。それに関して補償金の支払ということが行われてきたわけなんですけれども、今回のこの元患者家族に対する補償金の支給については、カテゴリーが随分複雑になっておるかと思います。  幾つかのカテゴリーがあるわけなんですけれども、そうすると、先ほどの周知のお話がありましたけれども、結局は、この法律ができたというニュースが流れましても、二親等であるとか三親等以内のという、こういうそれぞれのカテゴリーについて、じゃ、当事者の方が自分はそれに当たるのかどうかということを知ることが私はなかなか困難ではないかなというふうに認識をしております。  ですから、過去の平成十三年のときの補償金のときもそういう課題はあったかと思いますが、その周知徹底の方法ですね、これを具体的に今どのようなことを想定をされているのか、取組をされるおつもりなのか、これを改めてお聞きしたいと思います。
  44. 宮嵜雅則

    ○政府参考人(宮嵜雅則君) お答えいたします。  周知につきましては、今委員から御指摘ございましたように、しっかり取り組んでいかないといけないと思いますし、御相談とかそういうのも受け付けて、しっかり対応できるような形にしていかなきゃいけないと思っております。    〔委員長退席、理事石田昌宏君着席〕  具体的には、今回の法案が成立しました際には、広報用ポスター、リーフレットやホームページの活用等により申請を積極的に呼びかけますとともに、元患者の方々から御家族の方にお声掛けをいただくきっかけとなるように、例えば元患者の方々の団体、全国ハンセン病療養所入所者協議会とかそういう団体へも周知させていただいてそこからお願いするとか、あるいは国立ハンセン病療養所内へのポスターの掲示とか、あるいは療養所職員から入所者の方々への補償制度の趣旨の御説明とか、あるいはハンセン病療養所退所者給与金とかあるいはハンセン病療養所の非入所者給与金の受給者の方へのリーフレットの送付というのも行うことを考えておりまして、さらに、そのほか、国における相談受付体制を整備して書類の書き方とかあるいは手続を分かりやすく説明するなどして、対象となる方に補償金が円滑に支給されるように着実に取り組んでまいりたいと考えております。
  45. 梅村聡

    ○梅村聡君 補償金の支払状況を見ながら、この周知方法というのは適宜しっかり考えていただければと思っております。  実は、B型肝炎、C型肝炎の特措法のときは結構テレビとかCMとかで、多分弁護士さんのそういう事務所だと思いますけど、結構CMなんかが流れて、それで知名度が上がっているような面もあるんですけれども、そういう形ではないかと思いますけれども、厚生労働省としては是非、どういう形が一番周知徹底ができるのかということをまた考えていただければというふうに思っております。  そして、今回視察をさせていただいたときに、在園保障というお話が出てまいりました。やはり入所者の方も今非常に高齢化が進んでおりまして、医療や介護の必要性、これが非常に高まってきているという中で、ヒアリングの中で御懸念を示されたのは、やはり国家公務員の定数削減問題、これによって、実際の医療や介護に携わる方の人数がしっかり充足されないのではないかと。それから、現在でも、定数を見させていただきますと、医師に関してはここ数年定数は変わっておられないんですけれども、看護師に関しては療養所によってはその定数が少し削減されている状況もございます。  ですから、まずここをしっかりケアできるためにはどうやって人数を確保するかということが非常に大事なんですが、その現在の定数に対しても、看護師は満たされているところも半分ぐらいあるんですけど、医師に関してはなかなか定数が満たされているところが少ないという状況でありますけど、これ定数が満たされていない状況について、なぜ生じているのか、どう考えておられるのかをお聞きしたいと思います。
  46. 吉田学

    ○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。  まず、足下、国立ハンセン病療養所に勤務される医師の数でございますが、令和元年五月現在において、定員百四十六人に対して現員が百十一人ということで、三十五人の欠員という実態でございます。その上で、現場はいろんな努力はしておりますけれども、医師の確保が困難となっている原因というのにつきましては、これまで私どもいろいろなところから伺っている限りでは、一つには医師の方々の処遇の問題、それから二つ目には、ハンセン病療養所に勤務されるという中で、医療技術向上の機会の確保というものがなかなか困難であるという点などが理由であるというふうに伺っております。  今般、医師の勤務条件における兼業の緩和などを盛り込んでいただいておりますので、ハンセン病療養所に勤務されながら他の医療機関において診療行為を行うことが可能になるということが、今後、医師の確保につながるというふうに考えております。  また、理由として挙げられております処遇の改善につきましても、逐次私どもとしては充実に努力をしてまいりたいと考えております。
  47. 梅村聡

    ○梅村聡君 確かにこの国立ハンセン病療養所のホームページを拝見しますと、ここに医師の募集要項というのが確かに載ってあるんです。ここ、勤務条件見てみますと、一日七時間四十五分の五日勤務で週三十八時間四十五分と。ですから、まず五日間の常勤勤務がお願いをしたいということで、さらにそこに宿日直ということも入ってきますので、現実的にはほぼ常勤で、専念義務が国家公務員としてあるということだと思います。    〔理事石田昌宏君退席、委員長着席〕  今回は、その解決促進法の中では、兼業規定を緩和することでもう少しドクターの方が来られるんじゃないかというふうなことをされているかと思うんですけれども、これ少し提案になるんですけれども、もちろん兼業規制を緩和することで来てもらうということも一つだと思いますが、もう一つは、やっぱり大学病院ですとか基幹病院で勤めておられる方が逆に非常勤で働きに来てもらうと。特にそうなると若手の方が来てもらうことになると思いますので、やっぱり医療に関してこういう今課題があるんだと、そしてまた元ハンセン病の患者さんの入所者の方でこういう状況があるんだということも、これも医療従事者の方も知っていただく良い機会に私はなるんじゃないかなと思っておりますので、もちろん定数を満たすことが前提だと思いますが、そういう形での解決も考えてもいいのではないかなと思いますが、御所見をお伺いしたいと思います。
  48. 吉田学

    ○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。  まず、今委員も御指摘いただきましたように、常勤職員、この定員の欠員部分につきましては、今般の改正法案に盛り込まれております兼業規制の緩和ということが確保につながるということを先ほども申し上げさせていただいたところでございます。  更に加えてということで、非常勤職員の方々の活用というのも私ども重要な切り口だと思っております。実績として、国家公務員の医師の定年である六十五歳を超えたドクターの方を非常勤の職員として既に採用したという実績もございます。  それから、これは職員としてではございませんが、これまでも近隣の医療機関からいわゆる診療援助という形でお越しをいただいて、それに対して診療に当たっていただくという形で、令和元年度においては延べ百六十六人の近隣のお医者さんが診療援助という形でこのハンセン病療養所において医療に従事をしていただいているということもございます。  さらに、今御指摘いただきましたように、関係自治体あるいは医学部など大学に更に協力を依頼する。従来も全国的な病院説明会あるいはパンフレット、ポスター等の配布などを行っておりますが、更に工夫を重ねて、広くこの分野に関心を持っていただけるよう周知に取り組むことによりまして、引き続き非常勤の医師も含めた医師の確保、努力をしてまいりたいと思っております。
  49. 梅村聡

    ○梅村聡君 在園保障というお話がありましたので、いろんな手段を使って医療や介護を受けていただくその環境をつくっていただければなというふうに思っております。  もう一つは、先ほど山本委員からお話がございましたけれども、やっぱり次の世代、若い世代への教育ということが大事になるかと思います。  先ほどお話が出たパンフレットですよね、こういう厚生労働省さんが作られたパンフレットを基に中学生を対象に勉強してもらっているということをお聞きしておるわけですけれども、先ほど山本委員からおっしゃったように、やっぱり知識を持つだけではなくて、そのことがどういうことが背景で起こったのか、それによって今後取り組まないといけない人権問題がどういうことなのかという、その内容の大事さということを山本委員おっしゃっていただいたんですが、私はちょっと違う観点から、このパンフレットそのものは相当学年の方の人数に合わせて数を作成されていると聞いているんですけれども、実際にこれが学校現場できちっと生徒の元に行き渡っているのか、また、教職員の方がこれをきちっと使って教育が実際にされているのかどうか、その実態について少しお伺いしたいと思います。
  50. 蝦名喜之

    ○政府参考人(蝦名喜之君) お答え申し上げます。  御紹介いただきましたように、厚生労働省において、平成十四年度から中学生向けのパンフレットを作成をするとともに、特に平成二十年度からはこれを活用した指導を行う教員向けのパンフレットも作成をし、全国の中学校等に配布をしているというところでございます。  文部科学省といたしましては、このパンフレットの利用促進、活用促進を図りますために事務連絡の発出を行うとともに、全国の人権教育担当者を集めた会議でありますとか、あるいは独立行政法人教職員支援機構で実施をしている研修におきましても周知を図るなどの取組を行っているところでございます。今般の熊本地裁の判決の受入れを受けまして、今年の八月三十日付けで、改めて各都道府県教育委員会等に対してこの活用促進についての通知を発出をするということを行っております。  しかしながら、今年十月二日の原告団、弁護団等とのハンセン病に係る偏見、差別の解消に向けた協議の場におきましても、パンフレットが十分に活用されていないのではないかというような御指摘をいただいているところでございます。  まずもって、人権教育の観点から教員のハンセン病に関する認識を高め、このパンフレットが一層活用されるよう促すことというのは大変重要なことだというふうに考えてございます。学校からアンケートなども取ってございますけれども、その回答なども参考にしながら、厚生労働省と一層緊密に連携を図りながら、パンフレットの活用の一層の促進に取り組んでまいりたいと考えてございます。
  51. 梅村聡

    ○梅村聡君 せっかく予算付けて作っているものですから、確実にその学年の生徒さんに届くように、これは厚生労働省と文科省とで連携を取って取り組んでいただければと思っております。  時間が来ましたので、もう最後の質問は質問ではなくて述べさせていただくだけにしたいと思いますが、二〇〇三年に、熊本県で宿泊を予約された方がそれを一方的にホテル側からキャンセルをされたという事案がございました。もうこれは完全に誤解に基づいたホテル側の判断にはなったんですけれども、ちょっとそこのときの新聞をもう一回読んでみますと、このときの支配人の言葉として、病気が伝染しないことが必ずしも世間全てで認識されているとは限らない、ホテルのイメージダウンにつながる可能性があるという、こういうことをおっしゃっているんですね。医学的には全く間違ったことです。元患者さんが伝染の原因になるとか、そういうことも一切ありませんし。  そうすると、この話でいくと、正しい知識を持っていたとしても、結局はこういうイメージダウンという話に持ってこられてこういう事案が起こっているということですから、正しい知識の啓発は大事なことは言うまでもありませんけれども、その先更に一歩進めないと同じようなことが起こってしまうということを、十六年前のことですけれども、改めてこれをしっかり認識をして、我々も国会の立場でもこれからしっかり更に取組を進めていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。  質問を終わります。ありがとうございました。
  52. 倉林明子

    ○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。  今回、ハンセン病元患者家族に対して国会及び政府の責任を明記した法案が、原告団、そして政府の合意を踏まえて議員立法として提出される運びになったと、本当に大きな一歩だと思っております。  一方、原告団長の林力さんが、この合意の後に、百八十万であがないましたと合点する者は誰もいないと述べられているように、家族の受けてきた人生被害、これ踏まえれば、苦渋の決断があったということを立法府に身を置く者として深く受け止めたいというふうに思っております。  まず、参考人に確認したいと思います。  先ほども紹介ありましたけれども、今回の法案によって補償の対象となるハンセン病家族の人数及び補償額、確認をさせてください。
  53. 宮嵜雅則

    政府参考人(宮嵜雅則君) お答えいたします。  今般の補償の対象となる御家族の数につきましては、一定の前提を置いた上でということでございますが、約二万四千人、必要な経費としては約四百億円と試算しております。
  54. 倉林明子

    ○倉林明子君 先ほど来紹介もありましたけれども、十二日に視察させていただきました多磨全生園の視察の中で、全国ハンセン病療養所入所者協議会、全療協の事務局長から、家族は補償金が一億円あっても名のり出ないとおっしゃって、これ、大変胸にこたえました。  入所七十八年、九十二歳になるという平沢自治会長も、故郷に帰ることもお墓に入ることもできない、いまだに実家の敷居をまたぐことも墓参りもかなわないというお話もお聞きしました。入所者は本当の名前を名のれない、今も仮名だというお話も聞きました。元患者の家族だと知られることを恐れてやっぱり請求に踏み切れない人が本当に多数に上る可能性極めて高いんだということを、お話も伺って痛感したわけですね。  原告五百六十一人のうち、それでも名前を出して裁判に臨んだという方は僅か数人だったという現状です。今回、皆さんの本当に多くの努力で法が成立する見通しとなりました。しかし、これ実際の補償金を受け取ることのない元患者家族、これ多数に及ぶような結果になっては本当にならないというふうに思うわけです。  そこで、改めて大臣の認識を伺っておきたいのと、家族本人の申請待ちということではなくて、やっぱり先ほど来御紹介もあるけれども、原告団等の意見をよく踏まえて、こういう実情なんだということから、請求を促す仕組みということを是非早急に検討もしていただきたい。これ、いかがでしょうか。
  55. 加藤勝信

    国務大臣加藤勝信君) まず、こうした制度が今回の法律によってでき上がるということ、それから、先ほどちょっと御説明しましたけど、いろんな事情含めて、この請求をする立場にある元患者の御家族の皆さん方にしっかりと情報が提供されていく、そういった意味においては、広報用のポスター、リーフレット、ホームページ、あるいは国における相談受付体制の整備をしっかり進めていく、また、原告団の方々に対しては弁護団を通じた情報提供、また、国立ハンセン病療養所においてそこの職員協力を得て入所者の方にはお伝えをし、そしてその方々からそれぞれの御家族に話が行く等々のそんなことも考えていきたいと思っております。  加えて、申請書類の入手の仕方ですね。今言ったように、これまでもお話がありましたように、それをいかに簡便にするか、あるいは余り、秘匿的に取れるというんですか、そういう人にそういった自分の個人情報をさらさずに入手できる方法。あるいは書類の書き方、手続を分かりやすく周知する。  そういったことを含めて、いずれにしても幅広くこうしたことの周知を図るとともに、今まで御意見ありましたように、さはさりながらなかなか名のり出れないというそういうお立場、これ、ただ、請求していただかなきゃならないという制度でありますから、その中において、そうした方々の状況を踏まえてどういうことがやれるのかということも、引き続き弁護団等々からもお話を聞きながら、円滑にこの補償金が支給されていけるように努力をしていきたいと思っております。
  56. 倉林明子

    ○倉林明子君 手続上の問題でいかにやっぱり申請しやすくするのかというところで、とことん仕組みについては工夫と柔軟な対応を求めておきたいと思うんですが、やっぱり非入所者も含めて今も根強く残っている差別、偏見、この解消の取組と併せてやっていかないと、家族が申請できる環境というのはつくれないというふうに思うんですね。  そこで、改めて差別解消の取組についても質問をしておきたい。  一九九六年、差別と偏見の温床となっておりましたらい予防法が廃止をされる、隔離主義、この歴史がようやく終わりまして、国会ではらい予防法の廃止に関する法律、これ制定と。この附帯決議で、一般市民に対して、また学校教育の中でハンセン病の正しい知識の普及啓発に努め、ハンセン病に対する差別や偏見の解消について更に一層の努力をすることというふうに付しているんですね。これ、二〇〇二年にはさらに人権教育・啓発推進に関する基本計画が策定されて、その中にハンセン病元患者も位置付けられたと。だから、もう十数年、二十年近くたっているんですね。ところが、差別意識は今も根強く残っているという現状があるわけです。  そこで、大臣に伺いたい。  国会でのこの附帯決議、そして国が作った基本計画、これ踏まえた取組というのは十分だったというふうに言えるのか。いかがですか。
  57. 加藤勝信

    ○国務大臣(加藤勝信君) 厚労省としても、今御指摘あった附帯決議あるいは基本計画、これを踏まえて、全国の中学校などへのパンフレットの配布あるいは国立ハンセン病資料館の運営など、普及啓発を通じた差別解消には取り組んではきたところではありますけれども、今回の法案の中にも特にハンセン病元患者の御家族ということが明示をされ、この問題の重大性が認識されずに国会及び政府においてこれに対する取組がなされてこなかったと、こう明記をされておりますし、まさにそうした患者の皆さんのみならず御家族ということまで明示的に念頭に置きながら対応してきたのかということ、もちろん元患者の方々を含めた全般的な取組もこれまでどうだったのかということも含めて、今、原告団家族代表、元患者の方々と我々厚生省、法務省、文科省との協議の場を立ち上げ、この場において御家族や元患者の皆さんからもお話を聞かせていただいているところでございますので、そういった声もしっかり聞きながら、差別解消について具体的な取組、改善すべきところは何か、そういったことを明らかにしながら更に進めていきたいというふうに思っております。
  58. 倉林明子

    ○倉林明子君 らい予防法廃止以来、やっぱり差別解消の取組必要だということだったんだけれども、やっぱり現状、この間の取組ということは不十分だったと言わざるを得ないと思うんですね。  国が誤った強制隔離政策を長期にわたって続けてきたと、このために、大多数の国民が、ハンセン病の病歴者、そして、その家族に対して差別、偏見してもいいというか、そういう認識を多くが持つといういわゆる社会構造ができ上がっているという状況だとやっぱり認識すべきだと思うんですね。そして、それ変えられてこなかったという状況あるわけです。要は、その強制隔離政策を誤って長く続けてきた政府の責任というのは極めて重大で、この差別解消、本気でこの間の取組の総括も踏まえて責任を果たしていくということを強く求めておきたいというふうに思います。  そこで、先ほども指摘ありましたけれども、ハンセン病療養所入所者の療養体制の充実についても質問したいと思います。  二〇年度から実施されます新たな国家公務員の定数削減計画について見ますと、五年間で一〇%の削減と。これ、今回ハンセン療養所、ここにもそのまま当てはめられることになりますと、看護・介護職員の削減につながる、療養体制の後退になりかねないと。これは全療協の事務局長からの御指摘も、その一点に限っての御要望があったと、先ほど紹介のとおりだと思います。絶対後退になるようなことがあってはならないと思いますけれども、いかがですか。
  59. 吉田学

    ○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。  ハンセン病療養所の定員につきましては、入所者の皆様の高齢化が進んで、職員の看護、介護によらなければ日々の生活を維持することが困難となっておられる方々も増えているという実情にございますので、定員合理化の対象ではございますが、平成二十六年八月に統一交渉団と今後の定員の取扱いについて締結いたしました合意書に基づいて取り組んでおります。  この合意書では、平成二十七年度から三十年度までの間の毎年度の定員を対前年度プラス一人ずつとする。その結果、介護等の支援を必要とする入所者一人当たりの介護員、看護師数を平成二十一年度の定員一・〇人から三十年度までにおおむね一・五倍程度に拡充する。二つ目として、平成三十一年度以降は定員を継続的に減少させていくが、その際の入所者一人当たりの定員については平成三十年度時点の水準を維持するという形になってございます。  ハンセン病療養所の定員につきましては、この合意書、そして入所者の療養環境の状況等を踏まえまして、医療、介護等の質を確保していくことが重要であると認識しておりますので、引き続き療養環境の充実に努めてまいりたいと思っております。
  60. 倉林明子

    ○倉林明子君 一九年までのところでいいますと維持すると、体制維持するということだったんだけれども、今後、全体としてはハンセン療養所も含めて職員を減らす計画だと、こういうことになっているということにやっぱり重大な危機感が示されているんだと思うんですね。私は、基本法の三条、安心して豊かな生活が入所者に確保されると、これが問われると思うんですね。  そこで、入所者の平均年齢というのは九十歳を上回る、認知症も視力の低下などもあって、終末期をこれから迎えていくという段階に入っております。夜間の対応には介護職員の三交代、これ実施は欠かせないという状況になっております。夜間の介護職員の三交代制を取ると、今度は逆に昼間の方が手薄になるというような状況にもなっているというふうに伺っているんですね。  そこで、平成二十五年度の定員を定める際には、国立ハンセン療養所の定員が毎年度連続して大幅に減少している状況に歯止めを掛けるとともに、期間業務職員の配置を含め充実した介護体制を確保するという基本方針、さっきも紹介ありましたけれども、これ堅持して、私は、体制強化、今回法にも盛り込まれた整備、充実ということで取り組んでいくべきだと思いますが、これ大臣、いかがですか。
  61. 加藤勝信

    ○国務大臣(加藤勝信君) 今の平成二十五年度の定員に関しては、当時、そうした方針で定員の確保が、それまでずっと定員が減少してきたんですね、それを止めたという認識であります。その後、入所者の方々からも大変強いお話がありまして、たしか当時はハンストをするとかいう話もある中で、平成二十六年八月に統一交渉団との間で取扱いをしたと。中身についてはさっき局長から答弁をしておりますから申し上げませんが。  したがって、当然、これは二十六年八月あるいは二十七年以降の話でありますから、これはしっかり踏まえていくというのはこれは当然のこととして、加えて、今委員御指摘のように、入所者の高齢化あるいは認知症等、そうした、何といいますか、状況の変化、そうしたことを踏まえた、まさに入所者の療養環境をどうしていくのか、そうしたことも踏まえて決定していくことが必要だというふうに考えております。  引き続き、入所されている方が安心して暮らしていただける、そうした施設において暮らしていただけるよう、医療、看護体制の充実も含めて取り組んでいきたいと考えております。
  62. 倉林明子

    ○倉林明子君 今御紹介あったように、入所者がハンスト行為にまで及んで勝ち取ってきたのが今の体制なんですよね。  先ほど来、全生園、資料館での見学の状況も御紹介いただきましたけれども、当初から、軽度な、軽症な入所者については、もう御飯を作ることから始まって、療養環境を自らが担ってやってきたんですよね。その方々が今本当に高齢で最期を迎えるという事態に、やっぱり安心して最終的な終末を迎えられる体制というのはどういうものなのか、絶対後退があってはならないということを強く申し上げたいし、それを担保するためにも介護職員の手当の増額というのは本気で検討していただきたい、これは要望にとどめて、終わりたいと思います。  ありがとうございます。
  63. そのだ修光

    ○委員長(そのだ修光君) 本日の調査はこの程度にとどめます。     ─────────────
  64. そのだ修光

    ○委員長(そのだ修光君) 次に、ハンセン病元患者家族に対する補償金の支給等に関する法律案及びハンセン病問題の解決の促進に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。  まず、提出者衆議院厚生労働委員長盛山正仁君から順次趣旨説明を聴取いたします。盛山正仁君。
  65. 盛山正仁

    ○衆議院議員(盛山正仁君) ありがとうございます。  ただいま議題となりました両案について、その提案理由及び内容を御説明申し上げます。  まず、ハンセン病元患者家族に対する補償金の支給等に関する法律案について御説明申し上げます。  本案は、ハンセン病元患者家族の被った精神的苦痛を慰謝するための補償金の支給に関し必要な事項を定めるとともに、ハンセン病元患者家族等の名誉の回復等について定めようとするもので、その主な内容は次のとおりであります。  第一に、本法律案に特に前文を設け、らい予防法を中心とする国の隔離政策により、ハンセン病元患者のみならず、元患者家族等も、偏見と差別の中で、ハンセン病元患者との間で望んでいた家族関係の形成が困難になる等、長年にわたり多大の苦痛と苦難を強いられてきたにもかかわらず、その問題の重大性が認識されず、国会及び政府においてこれに対する取組がなされてこなかったことについて、国会及び政府は、その悲惨な事実を悔悟と反省の念を込めて深刻に受け止め、深くおわびするとともに、偏見と差別を国民とともに根絶する決意を新たにすることを明記しております。  さらに、前文では、国会及び政府が責任を持ってこの問題に誠実に対応していく立場にあることを深く自覚し、ハンセン病元患者家族の被った精神的苦痛を慰謝するとともに、ハンセン病元患者家族等の名誉の回復及び福祉の増進を図るため、この法律を制定することを規定しております。  第二に、国は、ハンセン病元患者家族に対し補償金を支給することとしております。ここで、ハンセン病元患者家族とは、らい予防法が廃止される平成八年三月三十一日までの間にハンセン病の発病歴のある元患者と一定の親族関係にあった者であって、この法律の施行の日に生存しているものとすることとしております。  第三に、補償金の額は、事実婚を含むハンセン病元患者の配偶者、親、子等については百八十万円とし、兄弟姉妹や元患者と同居していた孫、おい、めい等については百三十万円とすることとしております。  第四に、厚生労働大臣は、補償金の支給を受けようとする者の請求に基づき、当該支給を受ける権利の認定を行うこととするとともに、請求の期限はこの法律の施行の日から五年とすることとしております。  第五に、国は、ハンセン病元患者家族に対し補償金の支給手続等について十分かつ速やかに周知するための措置を適切に講ずるとともに、補償金の支給を受けようとする者に対する相談支援その他請求に関し利便を図るための措置を適切に講ずるものとすることとしております。  第六に、国は、ハンセン病元患者家族等について、名誉の回復及び福祉の増進を図るために必要な措置を講ずるよう努めなければならないこととしております。  第七に、この法律は、一部の規定を除き、公布の日から施行することとしております。  なお、この法律による補償金とは別に、この法律の施行前に亡くなった国家賠償請求訴訟を提訴された方について、元患者家族への差別等の問題を改めて明らかにし、その解決を促したことに鑑み、一時金を支給する措置を省令において講ずることを想定しております。  次に、ハンセン病問題の解決の促進に関する法律の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。  本案は、ハンセン病問題解決の一層の促進のため、名誉の回復、福祉の増進等の規定の対象にハンセン病の患者であった者等の家族を加えるとともに、国立ハンセン病療養所における医師等の兼業に関する国家公務員法の特例を設ける等、国立ハンセン病療養所における医療及び介護に関する体制の整備及び充実等の措置を講じようとするものであります。  なお、この法律は、公布の日から施行することとしております。  以上が、両案の提案理由及びその内容であります。  何とぞ、御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
  66. そのだ修光

    ○委員長(そのだ修光君) 以上で両案の趣旨説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。──別に御発言もないようですから、これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  まず、ハンセン病元患者家族に対する補償金の支給等に関する法律案について採決を行います。  本案に賛成の方の挙手をお願いいたします。    〔賛成者挙手〕
  67. そのだ修光

    ○委員長(そのだ修光君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、ハンセン病問題の解決の促進に関する法律の一部を改正する法律案について採決を行います。  本案に賛成の方の挙手をお願いいたします。    〔賛成者挙手〕
  68. そのだ修光

    ○委員長(そのだ修光君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  69. そのだ修光

    ○委員長(そのだ修光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時三十一分散会