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2019-11-07 第200回国会 参議院 財政金融委員会 2号 公式Web版

  1. 令和元年十一月七日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  十月三十一日     辞任         補欠選任      森 まさこ君     山下 雄平君  十一月一日     辞任         補欠選任      山下 雄平君     森 まさこ君  十一月六日     辞任         補欠選任      藤川 政人君     加田 裕之君  十一月七日     辞任         補欠選任      加田 裕之君     三浦  靖君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         中西 祐介君     理 事                 有村 治子君                 中西 健治君                 藤末 健三君                 那谷屋正義君                 熊野 正士君     委 員                 大家 敏志君                 加田 裕之君                 長峯  誠君                 西田 昌司君                 林  芳正君                 三浦  靖君                 宮沢 洋一君                 宮島 喜文君                 大塚 耕平君                 勝部 賢志君                 川合 孝典君                 熊谷 裕人君                 古賀 之士君                 杉  久武君                 音喜多 駿君                 小池  晃君                 大門実紀史君                 浜田  聡君                 渡辺 喜美君    国務大臣        財務大臣        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(金融)        )        麻生 太郎君    副大臣        内閣府副大臣   宮下 一郎君        財務副大臣    遠山 清彦君    大臣政務官        文部科学大臣政        務官       青山 周平君    事務局側        常任委員会専門        員        前山 秀夫君    政府参考人        人事院事務総局        職員福祉局次長  柴崎 澄哉君        内閣府大臣官房        審議官      小平  卓君        公正取引委員会        事務総局官房総        括審議官     粕渕  功君        公正取引委員会        事務総局審査局        長        山田  弘君        金融庁総合政策        局長       森田 宗男君        金融庁企画市場        局長       中島 淳一君        金融庁監督局長  栗田 照久君        財務省大臣官房        総括審議官    神田 眞人君        財務省主計局次        長        阪田  渉君        財務省主税局長  矢野 康治君        財務省関税局長  中江 元哉君        財務省理財局長  可部 哲生君        国税庁次長    田島 淳志君        文部科学省大臣        官房審議官    森  晃憲君        文部科学省大臣        官房審議官    梶原  将君        厚生労働省子ど        も家庭局児童虐        待防止等総合対        策室長      依田  泰君        農林水産省大臣        官房政策立案総        括審議官     岩濱 洋海君        経済産業省大臣        官房商務・サー        ビス審議官    藤木 俊光君        経済産業省大臣        官房審議官    島田 勘資君        国土交通省大臣        官房技術審議官  東川 直正君    参考人        日本銀行総裁   黒田 東彦君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○参考人の出席要求に関する件 ○財政及び金融等に関する調査  (マネー・ローンダリング対策に関する件)  (災害対策に向けた財政支出に関する件)  (教育に対する公的支出に関する件)  (コーポレートガバナンス・コードに関する件  )  (かんぽ生命保険の不適切な保険販売事案に関  する件)  (子育て・保育への助成に対する課税関係に関  する件)  (損害保険代理店委託契約に関する件)  (金融緩和の下での財政政策に関する件)     ─────────────
  2. 中西祐介

    ○委員長(中西祐介君) ただいまから財政金融委員会を開会をいたします。  委員の異動について御報告をいたします。  昨日までに、藤川政人君が委員を辞任され、その補欠として加田裕之君が選任をされました。     ─────────────
  3. 中西祐介

    ○委員長(中西祐介君) 理事の補欠選任についてお諮りをいたします。  委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 中西祐介

    ○委員長(中西祐介君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に有村治子君を指名をいたします。     ─────────────
  5. 中西祐介

    ○委員長(中西祐介君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。  財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、人事院事務総局職員福祉局次長柴崎澄哉君外十九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 中西祐介

    ○委員長(中西祐介君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。     ─────────────
  7. 中西祐介

    ○委員長(中西祐介君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。  財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に日本銀行総裁黒田東彦君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 中西祐介

    ○委員長(中西祐介君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。     ─────────────
  9. 中西祐介

    ○委員長(中西祐介君) 財政及び金融等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  10. 中西健治

    ○中西健治君 おはようございます。自由民主党の中西健治です。  これまで一年間は財政金融委員長を務めさせていただき、その前の一年間は法務委員会の理事として、民法改正、成年年齢の引下げですとか相続法の改正、こちらで質疑に何度も立たせていただきました。財金での質疑は二年以上ぶりということになりますので、どうぞ皆様よろしくお願いいたします。  ちなみに、中西祐介委員長と私、名字が同じで紛らわしいという声をいただいているわけでありますけれども、親族関係はございませんので、親族間で委員長職を引き継いでいるということはございませんので、念のため申し添えておきます。  さて、一問目の質問は賃金の引上げについてであります。  私は、経済政策の最も重要な課題は何かと聞かれたときに、いつも私は、働きたい人に活躍の場、すなわち職を提供することが一番の目的であると、このように答えております。働くことを通じて生活の糧を稼ぐこと、さらには、社会とつながっている、社会の一員として認められていること、認められていると思えること、感じられることが多くの人にとって極めて大切だと思うからであります。この雇用の創出、活躍の場の創出という意味では、アベノミクスは大きな成果を上げていると考えております。  しかし、活躍の場を提供してそれで終わりということでは当然ありません。当然のことながら、次の段階として賃金の上昇へとつなげる必要があります。  まず、金融庁にお伺いいたします。  企業から個人に支払われるもの、これは、賃金、そして直接、間接的に配当というものが支払われるということになります。  このまずは配当でありますけれども、東証一部上場企業の配当総額、まず二〇一二年三月期、アベノミクスが始まる直前でありますけれども、配当の総額は五・四兆円でありました。そして、直近の二〇一九年三月期、配当総額は十一・八兆円ということになりました。五・四兆円から十一・八兆円、この七年間で倍以上になったということであります。  この要因についてお伺いしたいと思います。
  11. 中島淳一

    ○政府参考人(中島淳一君) お答えいたします。  お尋ねの配当総額の増加については様々な要因が考えられるところではありますが、中長期的な企業価値の向上に資するべく、スチュワードシップ・コードとコーポレートガバナンス・コードが策定されて以降、投資家と企業との建設的な対話が増加しており、そうしたことも配当総額の増加をもたらした可能性があるものと考えております。
  12. 中西健治

    ○中西健治君 今局長おっしゃられるとおり、スチュワードシップ・コード、そしてコーポレートガバナンス・コード、大きな役割を果たしているんだろうというふうに思います。  この間、外国人投資家が増えて、外国人投資家からの要求も増えたということもあるんだろうというふうに思いますが、九〇年代から二〇〇五年くらいまでは配当総額というのは二兆円ぐらいだったんです。それが今は十一・八兆円ですから、六倍まで増えてきているということであります。コーポレートガバナンス・コード自体は二〇一五年六月に制定されたものです。割と直近で、割と近いときに制定されているわけでありますが、この議論はもうさんざん随分前からやってきましたので、それが経営者に対する株主からの圧力の高まりということにつながっていったんではないかというふうに考えております。  ただ、このように株主の取り分は増えたのですけれども、これは私、この委員会で度々取り上げていますけれども、世界的に見て労働分配率が元々低い、それが更に下がり続けているという問題があります。また、政府も、官製春闘などとやゆされる向きもありましたけれども、経済界に対して六年連続で賃上げを要請するだけではなく、さらに、中小企業向けに所得拡大促進税制、大企業には生産性向上のための税制など、賃上げを後押しする政策を推し進めてきております。しかしながら、なかなか著しい成果につながったとまでは言えないということではないかと思います。  私自身は、自由主義経済体制に生きる者として、政府が民間企業の賃金の上げ下げといったミクロベースの話に口を突っ込むことには抵抗を感じないわけではありません。したがって、賃上げは経営側と労働側の折衝によって決まるものという大原則に異論を唱えるつもりはありません。しかし、現状を見ると、もはや経営側と労働側の折衝に任せておいてよい段階は過ぎたのではないかというふうにも感じております。それは、就業構造がホワイトカラー中心、サービス業中心へと大きく変化したことで、かつての製造業の現業部門などを中心とした労働組合は今の労働市場とミスマッチを起こしていると感じられるからであります。よって、もう少し従業員の声が経営側に届く仕組みが必要なのではないかと思います。  株主の声はコーポレートガバナンス・コードによって経営側に強く届くようになりました。このコーポレートガバナンス・コードの中に従業員を始めとした株主以外のステークホルダーの権利などに関する記述はあるのでしょうか。
  13. 中島淳一

    ○政府参考人(中島淳一君) お答えいたします。  コーポレートガバナンス・コードの基本原則二において、上場会社は、株主以外にも、従業員、顧客、取引先、債権者、地域社会を始めとする様々なステークホルダーとの適切な協働に努めるべきである、また、取締役会、経営陣は、これらのステークホルダーの権利、立場や健全な事業活動倫理を尊重する企業文化、風土の醸成に向けてリーダーシップを発揮すべきとされているところであります。
  14. 中西健治

    ○中西健治君 今おっしゃられたこと、お配りいたしました資料の一ページ、これがコーポレートガバナンス・コードの基本原則でありますけれども、株主以外の部分については、株主以外のステークホルダーとの適切な協働に努めるべきと、ふんわりと書かれております。それに対して、基本原則の一では、株主の権利、平等性の確保ということはしっかり書き込まれているということでありますので、このコーポレートガバナンス・コードは非常に役に立っていると思いますけれども、あくまで株主の権利の保護を目的としたものであるということがお分かりいただけると思います。  従業員の声を取締役会に届かせる仕組みを考えるに当たって、まず個々の企業経営と日本経済全体との関係についてちょっと頭を整理してみたいと思います。  デフレの時代には、コストをカットして投資を極力抑えることが正しい経営戦略であります。人件費を単純にコストと考える発想には全く賛成できないものでありますけれども、そう考えてしまった経営者が人件費の削減に至ったことは、利益云々の前に、会社を存続させたい、企業を存続させたい、そして雇用を守っていきたいと、こういう観点からも合理的な部分があったということは認めるべきであろうというふうに思っています。  ただ、個々の企業として合理的な行動が、経済学で言う合成の誤謬を引き起こし、日本経済全体にとっては悪い結果、つまり、需要不足を引き起こしてデフレを更に深刻化させてしまったこともまた事実であろうと思います。  しかし、異次元と称される大規模な金融緩和政策が維持される中、機動的な財政出動が行われるなど正しいマクロ経済政策が実行され、デフレからは脱却しつつあると、こういう状況になってまいりました。こうしたデフレから脱却しつつあるという状況の中でコストカット経営をして現預金をため込んでいる、これはいかがなものかと思います。大きな疑問があります。  個々の企業が賃上げをすることによって個人消費という巨大な需要が拡大する、つまり、日本経済をデフレから確実に脱却させるためには賃上げが必要不可欠であると思います。そのためには従業員の声が経営側に届く必要があります。  そこで、今日の質疑では幾つかのポイントについて提言をしたいと思っているわけでありますが、その一つ目として、賃上げについてはコーポレートガバナンス・コードの改訂をお考えいただけないかというふうに思います。それは、コーポレートガバナンス・コードの中に、従業員との対話を担当し、他の一般の業務を執行しない取締役を置くなどといった文言を入れて、ステークホルダーとしての従業員の権利を明示してはどうかという提言でございます。  これは、他国を私はいろいろ見てみましたけれども、企業組織の在り方というのは国によって異なっていますから、そのまま他国の制度が参考になると言えるわけではありませんが、例えばドイツでは、二〇〇四年のいわゆる三分の一参加法により、労働者代表には企業の監査役会の三分の一を占める権利があると定められております。また、昨年改訂されたイギリスのコーポレートガバナンス・コードでは、従業員代表の取締役招聘が三つの選択肢内の一つとして明記をされております。  自由民主党の議員がこういう提案をするのは難があるかもしれませんけれども、是非検討を進めていただきたいと思います。麻生大臣に見解をお伺いします。
  15. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) そうですね、野党の方が長かったから今みたいな意見が出るのかなと思いながら聞いて、聞いていないわけじゃありませんけど。  最近、おっしゃるとおり、これは、財政諮問会議においても賃上げの話を経団連にしているのは自民党というのが実態ですもんね。そして、連合の立場を我々が代表しているんですけど、選挙は民主党ということになっていますので、自民党というのは人がいいんですわなと言って僕はいつもからかって、もう五、六年同じようなことを言っていると思いますが。  現実問題として、昔に比べて、労働分配率というものを使われましたけど、労働分配率は、私たち経営者している頃は七五、六%あったと思いますけど、今は七〇切りましたでしょう、六六か七ぐらいに下がっているんだと思いますから。そういった意味では明らかに、今言われたような、流れとしては間違いなくそういう傾向になっているのは確かです。  そうですね、バブルがはじけたと言われますのが、多分、三十年前の令和のあのときが三万八千九百円ですから、あの頃から株価は三万八千円行ったことないので。そういった意味から、あれからずっと日本の賃金と欧米との賃金の比較差を見ても、欧米は百五、六十%まで、もうちょっと上がっているか、七〇%ぐらい行っていると思いますが、日本は一一〇ぐらいのところでずっと低迷している。この差は何だといえば、それは間違いなく、日本の場合はいわゆる賃金を抑えて自己資本比率を上げる等々のことをやらないとやれない時代が、特に銀行等々でそういう事態になったというのが背景でこの流れができてきたんだと思いますけれども。  いずれにしても、今、現実問題として、この七年間、安倍内閣になってからを振り返りましても、少なくとも給与の伸びが五、六兆、設備投資の伸びが七、八兆に比べて、内部留保が二十兆とか二十五兆とか、一昨年ですか、その前でしたか、四十兆、去年は十八兆ぐらいでしたけれども、そういったような形になってきている背景というのは、やっぱり今までは、じっとお金を持っておきゃ、物価が下がってきますから、金の値打ちが上がったんだと思いますけど、今からそういったようなことではなくなるんじゃないんですかという感じはしますけれども、今のところ、その習慣が二十年以上続いているんだと思って。  基本的には、随分わんわん言って、少しずつ少しずつ二%台のベアなんという言葉が、絶えて久しく聞かなかったベースアップなんという言葉が出てきて、ベアって言葉が通じなかった新聞社もいっぱいいるぐらいですから、随分変わってきつつあるなとは思いますけど、今言われたように、それをコーポレートガバナンスを使ってやるのかといえば、今既にやれるように書いてはあるんですけど、基本的に経営者の基本的な哲学というか考え方の方が一番の問題なんだとは思いますけれども、どこかがやると何となくみんな上げていくという傾向がこの日本という会社というか社会にはありますので、そういった意味では、今言われたように、この、そうですね、コーポレートガバナンス、スチュワードシップ・コード、そういったものをてこにして一つずつ上げていくというようなことをやるというのは、これドイツが成功しているとも思いませんけれども、そういった意味で、一つのアイデアとしては参考になり得る御意見だと思って伺っておりました。
  16. 中西健治

    ○中西健治君 コーポレートガバナンス・コードの改訂を通じて、株主だけではなくて従業員の権利にも資するような、そして賃上げ、賃金が上がっていくと、そんなルートも一つのルートとして是非強化していただきたいと、このように思って提言をさせていただいております。お考えいただきたいと思います。  続きまして、マネーロンダリング問題を取り上げたいと思います。財政金融委員会にとっては特に重要な問題であります。二つの具体例を通じて金融庁の姿勢を聞いていきたいと思います。  先週の月曜日から、マネーロンダリングに関するFATFの第四次対日審査が始まりました。前回、二〇〇八年の審査で我が国が大変厳しい評価を受けた苦い経験を御記憶の方も多いと思います。  まず、LEIというものについてお伺いします。  リーガル・エンティティー・アイデンティファイヤーという識別ナンバーなんですが、マネロン対策のポイントというのは、何といっても金融取引の透明性の確保であります。そのために、世界的にはLEIというものの普及が急速に進んでおります。取引主体識別コードと訳されていますが、金融取引などを行う主体を識別するための二十桁の国際的な番号であります。元々は、リーマン・ショックのときに監督当局でさえ取引のリスクを正確に把握することができなかったという反省に立って、リスクの管理の高度化を意図して考案されたものでありますけれども、取引が透明化されることで、脱税やマネロン、テロ資金対策としての効果が期待されることから、二〇一一年のG20カンヌ・サミット首脳宣言により導入が合意され、世界各国でその利用が始まったものであります。  資料の二枚目、御覧いただきたいんです。  私、二年半前にこのLEIについてこの場で質問をいたしました。そのときの資料が上の資料であります。二年半前の我が国の取得状況を示したのが上の資料、そして下が現在の状況を示したものであります。  当時、私はこの委員会で、こんな状況では次回の対日審査でマネロンに甘い国という指摘を受けかねないと、こう指摘をさせていただいて、利用の促進に力を入れることを強く要望いたしました。しかし、現状は御覧いただいたとおりであります。数は増えたかもしれないけれども、相対的には順位は更に落ちていると、こういう状況になっております。  二年半前に私が指摘した時点で、アメリカの金融機関は既にLEIを取得していない主体との取引をもうやめていました。欧州の金融機関は、昨年一月にEUの金融規制であるMiFID2が施行されたことで、やはりLEIのない相手との取引を一斉にやめました。したがって、以前はアメリカだけが突出した形となっていましたが、御覧のとおり、現在はEU諸国を中心として急速に追い付きつつあります。  ところが、これが嫌なんです。いまだに我が国では、我が国の企業、金融機関が、うちはあんなものを使わなくてもいいですよ、取引しますよなどということを言って金融機関と企業の間での取引が行われ、日本の金融機関はガラパゴス化しているという指摘が多くなされているところであります。外資系の金融機関の中で、やっぱり本国からの要請で、厳しい要請によって、こうした取引番号を持っていないところとは取引ができない、やりたくてもできないという状況になっています。しかし、我が国の状況はこんな現状であります。  この現状をどう見ているのか、金融庁にお伺いします。
  17. 中島淳一

    ○政府参考人(中島淳一君) お答えいたします。  本邦法人等のLEI取得件数を見ますと、御指摘のとおり、足下、件数としては伸びているものの、欧米に比べ普及が十分に進んでいないというのはまさにそのとおりと考えております。その理由としては、金融機関を含め、本邦法人においてLEIの重要性に対する理解がいまだ十分に浸透していないこと、また、LEIの取得及び更新に費用を要することも少なからず影響しているものと考えております。  このため、金融庁といたしましては、当庁職員が講師となってLEIの普及促進を図るセミナーを開催しているほか、この十月からは、LEIの付番業務を行っております東京証券取引所において、取得、更新に係る手数料を大幅に引き下げるなどの取組を進めているところであります。
  18. 中西健治

    ○中西健治君 今お答えのあったとおりで、前進はゼロとは言いません。しかし、アメリカやEUなど主要国では、LEIを制度上必要なものとして定めて、利用を強く促しております。一方、我が国では、あくまでこれまだ推奨ベースと、あくまで取得しましょうねと呼びかけているだけで終わります。そのため、東証一部上場企業、それも相当な規模の企業でも取得しておりません。  しかも、世界は更に前に進んでおります。このLEIをベースに、金融取引の透明化とリスク管理、データの管理や利用を更に高度化することを目的として、ここでは詳しくそれぞれのことは申し上げませんが、来年からUTI、UPI、CDEといったコードなどが国際的に導入されることが予定されております。これは申し上げたとおり、全てLEIを取得していることが前提となっております。  ここで、私の提言でございます。LEIを早急に義務化すべきであると考えます。そしてまず、今の状況を早く解消するために、喫緊の問題として、取得を促す通知などを速やかに発出すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
  19. 中島淳一

    ○政府参考人(中島淳一君) 議員御指摘のとおり、欧米等においては店頭デリバティブ取引の報告制度に関し、金融機関等に取引当事者のLEIの報告義務を課していると承知しております。我が国においても、現在、金融商品取引法に基づく店頭デリバティブ取引報告の記入項目に取引当事者のLEIを追加する準備を進めているところであります。  今後とも、LEIの取得状況や国際的な動向を注視しつつ、国内でのLEIの更なる取得促進のため、ただいま御指摘のありました報告の義務化も含めて、適切に対応してまいりたいと考えております。
  20. 中西健治

    ○中西健治君 是非、速やかに行っていただきたいと思います。  麻生大臣も、二年半前に、私の質疑に対して、もし数字が伸びていないようであればそのときにはしっかり考えなきゃいけないと、こういうことをおっしゃって、答弁されていましたので、これ二年半たっていますから、私としては、もっと早く、スピード感を持って動いていただきたいと、こう思っておりますので、お願い申し上げます。  もう一つのマネーロンダリングの具体例として、外国人の銀行口座の管理の問題を取り上げたいと思います。  マネーロンダリングを始め不正な金融取引をやる人間が喉から手が出るほど欲しいのが銀行口座であります。ところが、外国人が口座を売っている、こうしたこと、銀行口座を売っている、聞いたことがある方いらっしゃるんじゃないかと思います。  私、いろんなところで聞いてまいりました。地銀だったら二万円、メガは三万円、インターネットバンキングが付いていたらその倍、さらに、大手でコルレス口座という、いろんな銀行との取引ができるものだと、これは七万円で売れると。外国人が帰国するときに、帰国する前に口座を売っていくんです、二万円、三万円、七万円。それは、帰るときですから大きなお金だと思います。あと、帰る人からすると、これ口コミやSNSで広がっているんですけれども、余り罪の意識というのが感じられないという、もう日本を去るわけですから、そういったことも起こり得るのではないか、起こっているのではないかというふうに思います。  ちょっと資料を御覧いただきたいんですけれども、預貯金通帳等の譲渡の検挙件数、これは警察から取り寄せたデータでありますけれども、五年前のほぼ二倍近くにまで増えております。ただ、この検挙の網をくぐり抜けている件数なんというのは多分相当多いだろうということが想像ができると思いますし、さらに、今後これが非常に大きなスピードで伸びていくということも想像ができてしまうのではないかというふうに思います。  この口座の売買は金融機関を舞台とした犯罪でありますけれども、金融庁としてどこまで実情を把握しているのでしょうか。
  21. 栗田照久

    ○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。  日本で口座を開設した外国人の中に帰国前に銀行口座を売却してしまうという者がいるという実態があることは我々としても十分承知をしております。件数につきましては、警察の公表されている資料ということになるわけでございますが、先生のお示しになっている資料にあるとおり、これは平成三十年に預貯金通帳の譲渡等として犯罪収益移転防止法に係る罰則を適用された件数でございますけれども、これは日本人、外国人合わせてでございますけれども、二千五百四十六件であったというふうに承知しております。
  22. 中西健治

    ○中西健治君 申し上げましたとおり、見えていない数というのは大変多いのではないかと思います。そして、これから外国人は増えるわけですから、こうしたことが広まっていけば、級数的に増えていくということになるんじゃないかと思います。  銀行、金融機関としては、正規の手続を踏んで開いた口座がその後売られて他人に悪用されても、悪事に使われていると銀行が即座に判断するのは非常に難しいということになります。要するに、今は売られてしまったらアウトということになります。  資料の下の段を御覧いただきたいと思います。これは、口座開設時に提示される在留カードであります。御覧のとおり、在留期限が明記されております。そこで、私の三つ目の提言であります。口座を作る段階であらかじめ在留期間の満了日をもって口座の有効期限とすると決めてしまえば、不正な用途に使われることが相当程度防止できるということになるかと思います。  銀行によっては、リスク意識の高い銀行によっては、在留カードの在留期限、これは記録しているところは結構あるんです。ただ、記録しているだけです。それが過ぎれば、資金移動があったらフラグが立つということになっていますけれども、銀行口座を閉めるというところまでには至っておりません。  これは、全ての銀行が、金融機関が一斉にやらなければ意味がないんです。やすきに流れますから、緩いところに流れるということになりますし、一つ一つの金融機関では口座を五年で閉めるという判断も決断もしにくいだろうというふうに思います。ですから、監督官庁が旗を振るべきだと私は思いますけれども、金融庁、いかがでしょうか。
  23. 栗田照久

    ○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。  今お話がございました期限付の口座ということに関しましては、在留期限の到来前に帰国された場合の取扱いですとか解約時の口座残高の取扱いなど、その導入については更に様々な論点について検討する必要があるというふうに現時点では認識しております。そうでございますので、現時点におきまして金融庁におきましては、金融機関に対しまして、口座開設時の本人確認の際に在留カードを利用する、それによって、帰国される際には口座解約を促すということを、促すとともに、それに伴うガイドラインですとか規定の整備に取り組むように要請をしているところでございます。  また、外国人向けに関しましては、十三言語の外国語のパンフレットを作成しております。また、受入先の企業ですとか登録支援機関などの受入先向けのパンフレットも作成しておりまして、そういうところにおきまして、帰国時には口座解約を行う必要がある旨の注意喚起を行っているところでございます。  こういうような取組を更に進めてまいりたいというふうに考えてございます。
  24. 中西健治

    ○中西健治君 それでは緩いだろうというふうに思います。  今、局長の方は、在留期限前に帰る人もいるから万全じゃないんだと、このようなことをおっしゃられましたけれども、私は、在留期限というのを最長として期限はここで切りますと、在留期限前に帰られる方の情報、これが、出入国在留管理庁もできたわけですから、そこから届くような仕組みをつくるべきだと、こういうふうに私は次の提言をしようと思っていたんです。  だから、期限はもう切る、その上で情報が、帰国情報などがちゃんと共有化できるようにする、そうしたことをしなければいけない、それを金融庁は働きかけるべきなんじゃないでしょうか。
  25. 栗田照久

    ○政府参考人(栗田照久君) 外国人の在留期間そのものにつきましては、個人情報に当たるものでございますので、これを一律に出入国在留管理庁からいただくというのはなかなか難しいのではないかというふうに考えておりますけれども、金融機関がこの在留カードを確認するということは当然できるわけでございますので、その徹底をまずは促していきたいというふうに考えてございます。
  26. 中西健治

    ○中西健治君 いや、もうちょい、あれですね、法務省や金融庁、そして法務省の外局であります出入国在留管理庁、さらには警察、ここら辺の情報の共有というのがなされなければ、これは増える一方ということになるだろうと思います。そして、どこかの番組がまたその実態を取り上げるということになるんじゃないかと思いますよ。ですから、やっぱりその前に主体的に手を打っていくということが私は求められているのではないかというふうに思います。  この問題全般について大臣にお伺いしたいと思います。  マネーロンダリング対策として、期日管理付口座を日本の全金融機関に一斉に導入できるのは監督官庁だけであります。また、サミットで合意されたLEIの取得を義務化して、業界全体としてマネーロンダリングやテロ資金対策に取り組むよう背中を押すのも監督官庁の重要な役目だと思います。金融機関の役割を超えていると思うんです、これは。こうしたマネーロンダリングに対して、我が国が全体として、全体としてマネーロンダリングを許さない、こうした犯罪を許さないということを行っていくためには、やはり申し上げたような省庁横断的な情報の共有も必要になると思います。こうした点について、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
  27. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) これは、御指摘ありましたように、これは、金融機関というものにとりましては、これはマネーロンダリングに悪用される危険性が高いという業者なんですので、その監督官庁に当たります金融庁としては、このマネロンの対策についてこれは重要な役割があると考えておりますので、今言われたようにLEIの話等々、前に比べると少しは進んでいるとはいえ、まあ二十位から二十五位というけど、新しく中国なんか入ってきていますから、いろいろあるので、まあ中国より悪くちゃ話にならぬとかいろんな御意見もあるのは知っていますけれども、確実にこれは前に進めていかないと、この間のUTIとかいろいろああいうのが入ってきますので、ユニーク何とかといういろんなあれが入ってきますので、その意味ではこれを更に進めていかねばならぬと、私どももそのように思っております。  その上で、これまでのいろいろ、何ですかね、マネロンの資金供与対策等々で、これ、ガイドラインの策定とか、それに基づいた監督とか検査とかを通じて高度化を促していくんですけれども、やっぱり分かっておられぬ方もいっぱいおられますんですな、これは、正直申し上げて。それで、外国人の、まず口座を作ることができない外国人労働者もいっぱいいますので、そういった意味では、それをまずは、なぜ作れないかというと、扱う額が小さい上に手間が掛かるから銀行としては全く利益になりませんからというので、ほとんどやりたがらないんです、これは。その上ですから、この口座というのは極めて大きな値打ちが、また逆の面で出てくることにもなっているんですけれども。  そういった意味で、マネロン対策というものに対して、このマネーロンダリングというものに、重要性の理解をまず浸透させてもらわなきゃいかぬというところからスタートさせていただいているんですが、いずれにいたしましても、これ、警察庁に限らず、いろいろそこの働いている人の場所から関係からいろんなことに他の省庁とも関係をしておりますので、職員の研修等々、そういったことなんですよという講師を派遣することも行っておるんですけれども。  いずれにいたしましても、引き続いて、このマネーロンダリングというのは、フィンテックが更に進歩してくるといろいろそういったものにいい意味で利用されればいいけど悪用する確率も上がるわけですから、そういった意味では、私どもとしては、他省庁とも緊密に連携をしていく必要があろうと思っておりますので、その場合においても金融庁の役割が一番大きいところになろうかと思いますので、今の御指摘を踏まえて、こういったものが今後更にインターナショナルになっていく世の中の中においてきちんと対応できるように、更に精査をさせていかねばならぬなと思っております。
  28. 中西健治

    ○中西健治君 金融機関で行われる犯罪である以上、やはり金融庁が旗を振っていくべきであると思いますので、どうぞよろしくお願いします。  キャッシュレス化について、経産省さんに来ていただいていますので、少しだけ質問をさせていただきたいと思います。  次のページに資料を出させていただきましたけれども、皆さん御存じのとおり、キャッシュレス決済比率というのは日本はかなり低い数字であります。二〇%ぐらいということになっております。しかしながら、資料の下の段ですけれども、カードの保有枚数というのは日本はシンガポールに次いで二番目に多いと。八億枚ぐらいカードがあるということなんですね。クレジットカード等が八億枚ぐらいは持っているということなので、キャッシュレスの手段は大いにあるということであります。  しかも、日本人がキャッシュレス嫌いかというと、皆さん、SuicaやPASMOを使っていらっしゃる方多いと思いますけど、以前鉄道のあの路線図を見ながら切符を買ったのはいつ頃だろうかと、この前買ったのはいつ頃だろうかと思い出せないという方も多いと思います。ETC、高速道路で使っていない人の後ろに付いて一般のところで待たされると、ちっと言う人も多いと思います。それだけ使い出したら普及するものだろうというふうに思うんですけれども、出だし好調のようであります。十月一日から出だし好調のようであります。  これ、一問だけ聞かせていただきます。来年の六月でこれ切れるということになっています。麻生大臣、記者会見で、それまでに予算が尽きたとしてもやると、こういうようなことをおっしゃっていただいたようでありますけれども、私がここで申し上げたいのは、こうしたものというのは、やっぱりある閾値を超えると、どっと行くということになりますから、六月までに四〇%というのはきっと無理だろうと、比率は難しいと思います。けど、四〇%、各国並みにするためには、更に延ばす、六か月延ばす、来年いっぱい、若しくは九か月延ばす、来年度いっぱい。いかがでしょうか。経産省にお伺いします。
  29. 藤木俊光

    ○政府参考人(藤木俊光君) お答えを申し上げます。  キャッシュレスに関しましては、大変、これから伸ばしていくということでございますが、今行っておりますポイント還元は、消費税率引上げに伴う需要平準化ということがございますので期限を設けてやっていくということでございまして、来年夏、オリパラのインバウンド消費ということも見込まれる中で、来年六月末までということで考えているところでございます。  一方で、おっしゃっていますように、今行っておりますことは大きなきっかけではありますが、このキャッシュレスの動きを定着、そして更に伸ばしていくためには、更なる努力が必要だというふうに思っております。カード会社、店舗、ユーザー、様々な角度から、また新しい角度で政策を推進してまいりたいと、このように考えているところでございます。
  30. 中西健治

    ○中西健治君 クレジットカードというのは装置産業でありますから、使う人が増えても別にコストは掛からないんです、増えれば増えるほど手数料は下がりますから。ですから、手数料を下げるためにも、是非ゲームチェンジャーとしてこれからの七月以降も使っていただきたい、そしてゲームを変えるということを是非やっていただきたいとお願いを申し上げまして、私の質問とさせていただきます。  ありがとうございました。
  31. 熊谷裕人

    ○熊谷裕人君 立憲・国民.新緑風会・社民の熊谷裕人でございます。  最初に、度重なる台風、そして大規模風水害でお亡くなりになられました皆様の御冥福をお祈り申し上げますとともに、御遺族の皆様方に心よりお悔やみ申し上げたいと思います。  また、被災された多くの皆様方にお見舞い申し上げますとともに、災害復旧に昼夜を問わず尽力されております行政機関の皆さん、そして市民ボランティアの皆様方に敬意を表したいと思います。  さて、私も国会へ送っていただいて今日が初質問になります。どうぞよろしくお願いいたします。  最初に、本年度の予算におけます予備費の執行状況についてお尋ねをしたいと思います。  台風十号から十九号まで、そして八月、九月の前線の停滞による集中豪雨などで、また十月二十五日にも大きな集中豪雨ございました、立て続けに大規模な災害が起きて、日本各地で大きな被害が受けているところでございます。それぞれ激甚災害指定、そして大規模災害復興法に基づく非常災害に指定をされております。  今年は、予算で例年三千五百億円だった予備費が五千億円、積み増しをされておりまして、この本年度の予算の中の予備費五千億円を使って、この災害復旧に当たられていると思います。今まで、大きな災害、立て続けに起きておりますが、予備費の執行状況について、そしてまた、明日、五日の衆議院の財政金融委員会でこの災害復旧に向けて対策パッケージを決定をするというふうに御答弁をされておりますが、この対策パッケージについて、予算規模はどのような規模になるのか、見込みをお聞かせをいただきたいと思います。
  32. 阪田渉

    ○政府参考人(阪田渉君) 予備費の執行状況についてお答え申し上げます。  令和元年度一般会計予備費予算額五千億円のうち、現時点での使用額は六百三十四億円となっておりまして、使用残額は四千三百六十六億円となってございます。  また、対策パッケージの方でございますが、今週中に取りまとめると伺っておりまして、取りまとめられ次第、その所要の財政措置を講ずる必要があるものがあれば、速やかに予備費などを活用して対応していきたいと考えております。
  33. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) パッケージの話がその次の質問だったので。  まずは、災害に、埼玉でしたっけね、一連の災害に遭われた方々、埼玉にも、一都十三府県でしたかになっておりますので、御遺族の皆様にお悔やみ申し上げると同時に、被災された皆様方に心よりお見舞いを申し上げたいと存じます。  一連の災害の対応については、これはもう、いわゆるスピード感が対策上必要だと思っておりますので、総理からの指示も受けて、緊急に対応すべき対策についてまずは被災者の生活となりわいの再建に向けた対策パッケージというのを取りまとめて、これは今日の午後発表できるんだと、最初、第一弾をしゃにむに今日の午後にというところまでやろうといたしております。  そのほかに、廃棄物の処理とか中小とか小規模零細業者、農林水産業者等々の経営再開支援というような様々な御要望があることは承知しておりますので、対策パッケージについてはこうした要望も踏まえて取りまとめられるというように私どもとしては承知をしております。  財務省としては、これは被災自治体の皆様が財政上、これは安心してやれるようにしないと、よく激甚災害、激甚災害って、余りよく内容分からぬ方が言ってこられますけど、激甚災害にした後は、本体のあれの裏保証が、負担が要りますからね、その負担を考えないで言ってこられる方が多いので、おたく、それできますかという話をよく申し上げるんですけれども、なったばっかりの首長さんで御存じない方もいらっしゃいますので。そういった意味では、私どもとしては予備費等をしっかり使って財政措置というものをこれ考えておかないと、できないことになっちゃいますので、そこらのところも併せてやらせていただきたいと思っております。
  34. 熊谷裕人

    ○熊谷裕人君 私も地方自治体議員を三期十二年やっていましたので、今大臣、御答弁いただいたことはよく分かっております。後ほどそれについては質問させていただこうかなというふうに思っていますが。  新聞に、実は地元の新聞なんですが、十一月四日の朝刊に、この対策パッケージ、約一千億円の規模だという記事が出ていたんですけれど、それについて先ほど見込みがどれくらいになるかという御質問をさせていただいたんですが、どれくらいの規模になるんでしょうか。
  35. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) ちょっとまだ足し算している真っ最中だと思いますので、今日の午後、今やっていますので、ちょっと三時間ぐらい待たれたら出ると思いますが。
  36. 熊谷裕人

    ○熊谷裕人君 それでは午後を待ちたいと思います。  次に、この大規模災害復興法に基づく非常災害に十九号は指定をされました。これ指定をされると、河川ですとか道路の大規模災害のところの復旧工事について、国が代行、自治体から要請を受けると復旧の代行ができるという規定があります。  これ、実際に対応するのは国交省だと思っているんですが、この予算については、代行した場合の予算、これ、自治体が持つのか、国が全部見てもらうのか、この辺の予算の取扱いについてはどうなるのか、お尋ねしたいと思います。
  37. 阪田渉

    ○政府参考人(阪田渉君) 済みません、ちょっと今、通告いただいていなかったものですから、ちょっと調べさせて、時間内にお答えできればお答えさせてください。済みません。
  38. 熊谷裕人

    ○熊谷裕人君 持ち時間少ないので、それでは次、調べておいていただいて、次に参りたいと思います。  予備費を十分にあるので活用してということでありますが、この予備費については、国会、今、開会中です。この予備費について、予算の中で議決をしていますので、政府に裁量が任されているわけですけれど、国会の予算審議権との関係が、私、気にしているんですけれど、できれば予備費を使うより、この予備費、次の常会に内容の報告をするということになっておりますが、早期に補正予算を編成するべきではないかなと私は思っております。それぐらいの規模の大規模災害になっているんではないかなと思っておりますが。  自治体も、先ほど大臣おっしゃったように、激甚災害指定をされました。非常災害に指定をされました。復旧をします。自治体も当然負担をしなきゃならない部分があるのは私も存じ上げておりまして、その負担をするときに、やはり予備費という、政府が支出目的に従って予算の執行をしますよという責任を持つものではない予備費と、それから、これに予算を使いますと責任をしっかり持つ補正予算では、自治体の受け取る安心感というのが違うと私は思っておりますし、また、予算に対する予見性というのは非常に自治体の方はそのときに気にすることになろうかと思っておりますが。  早期に補正予算を私は編成をして、今、国会開会中ですので、この今国会に補正予算提出するべきだと思っておりますが、いかがでしょうか。
  39. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) これは、御存じのように、これはまだ災害のいわゆる総額というのは確定しておりませんからね。確定しておらない段階で決めちゃって、後から、今要るのが、またちょっと雨が降ったから、またって、今決壊ぎりぎりのところで止まっているとか、いろいろ技術屋、土木の技術屋さんは言われますので、そこらのところも考えてやらにゃいかぬところなので、総額がまだ確定する段階の前にちょっと補正予算を決めちゃうというわけにはなかなかいかないんだと思いますので、取り急ぎ予備費で対応する以外に、迅速にやろうと思えばそういうことになろうかと存じます。
  40. 熊谷裕人

    ○熊谷裕人君 そうですね。やはり今回の災害、大変大きなものでしたので、予備費で対応していただいて、早期の復旧作業に各自治体取り組んでいるところだと思いますが、本年度で終わらない、二年も三年も掛かるというような大きな災害もあろうかと思います。  私も埼玉県内ずっと回らせていただいて、小さな自治体で起きた道路の陥没だとか崩壊だとか、そういうところはその自治体だけでも三年ぐらい掛かるんじゃないかというようなお話を聞いたりしてきています。予算も大きな予算が掛かると、自治体だけで持ちこたえられない額なんだという話も現場で聞かせていただきました。そんなこともありますので、自治体がしっかりとその復旧に当たれるようになるべく早期の補正予算をお願いをしたいというふうに思っています。  そして、来年度予算の話になって恐縮なんですが、しっかりとここは交付税で、各自治体が安心を持ってその復旧に取り組めるように交付税措置もしっかりと来年度予算で考えていただきたいなと思っているんですが、この交付税の上乗せの措置について、現時点でお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。
  41. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 今年度の予算では、先ほどお話がありましたように、災害の事態の甚大化というのに踏まえて、まあ最近の話ですけど、従来の三千五百を五千ということに予備費を確保しているんですが、必要なこの財政需要に関しましては、当初予算に加えまして予備費を活用することでまあ一応取り急ぎの対応は万全を期したいと考えております。  また、先ほど申しましたように、緊急に対応すべき施策につきましては、これは対応パッケージというのを今日の午後と申し上げておりますけれども、そういった形でさせていただきますが、この対応パッケージに沿いまして、地方自治体、被災された地方自治体が財政上安心して全力でやれるかというところですよね、言っておられるのは。復旧に当たれるように、これは財政措置というのを講じていかないかぬということなんだと思っております。  その上で、来年度の予算って、まだちょっとそこまで、補正予算の前で、来年度まで、大分、鬼が笑うよりもっと先の話をしておられるんですけれども、この話でいかせていただくと、今回の台風の被害というのを踏まえまして、ちょっとどのような対応が必要になってくるかというのは、例の三か年間の国土強靱化対策の部分もありますので、そういったものと併せて考えていかねばいかぬところだろうと私どもは思っておりまして、これは今から検討していく段階であろうと思っております。
  42. 熊谷裕人

    ○熊谷裕人君 それでは、ちょっともう時間がなくなってしまいましたので、地域の企業への支援と、その地域の企業を支えていただいています地域金融機関に対する支援についてちょっとお尋ねをしたいと思います。  衆議院の方でも議論があったようでございますが、お店だとか企業さんで導入したその物にローンが組まれていて、また再建をしていくために新たにローンを、ダブルローン、住宅でもあるんですけれど、企業再建のためのダブルローンのような形が取られて、廃業ということも考える企業さんも出てくるのではないかなと思っております。  そのようなことがないようにしっかりと地域金融機関にも応援をしていただきたいなと思っているんですが、その企業の再建のために財務省としてどのような支援ができるのか。それから、その再建をしようとしている中小企業さんをしっかりと支えるために地域金融で頑張っている小さな信金さんとか、信用金庫さんとか、そういうところに潤沢にしっかりと資金援助も金融庁としてしなければいけないのかなというふうに思っておりますが、その辺につきまして、この災害支援と復興支援というところでどのようなお考えがあるか、お聞かせをいただきたいと思います。
  43. 神田眞人

    ○政府参考人(神田眞人君) お答え申し上げます。  まず財務省の方から、政策金融を活用した災害対応について御説明申し上げます。  関係省庁と連名で、先月十三日に日本政策金融公庫の国民生活事業本部及び中小企業事業本部、並びに商工組合中央金庫に対しまして、また、十五日には日本公庫の農林水産事業本部に対しまして、それぞれ台風第十九号に伴う災害に関する当面の貸付業務についての配慮要請を行ったところでございまして、その中では、中小企業・小規模事業者、農林漁業者等の資金繰りに重大な支障が生じないよう、窓口における親身な対応、適時適切な貸出し、担保徴求の弾力化、既往債務について償還猶予等の条件変更等につきまして、個別事業者の実情に応じた十分な対応に努めていただくよう要請してございます。  現在、各政策金融機関では、被災された方たちのための特別な相談窓口の設置、当面の運転資金や被災設備の復旧等のための災害復旧貸付け等の資金繰り支援を行ってございます。  また、先生御指摘のとおり、二十九日に台風第十九号による災害が激甚指定されましたので、これに伴う特別措置といたしまして、日本政策金融公庫が行う災害融資の一部について貸付金利を〇・九%分引き下げることといたしました。  これらの措置により、被災された中小企業の資金繰りをしっかりと支えてまいりたいと存じます。
  44. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 今、事業の話含めまして申し上げさせていただきましたけれども、御指摘のありましたように、中小零細事業者が、いわゆる二重ローンとよく言われる話ですけれども、こういったもので事業を継続するのを断念せざるを得ないではないかというお話なんだと思いますけれども、こういった方々がおられるという話というのは、これは、この種の話をいただきますときに、東北大震災のときが一番大きかったと思いますが。  事業が継続できるようにするために、先ほど申し上げましたように、政府系の金融機関と民間金融機関の連携によって資金の支援に加えて、民間金融機関によります事業者の経営改善計画というものの策定支援というものを、それは銀行の仕事じゃないじゃないかと言われればそうかもしれませんけど、金が返ってくるか返ってこないかの境目だろうがと、しっかりそっちも一緒にやったらどうだというような話やら何やらさせていただいて、引き続きこの復旧復興に向けました金融機関の取組というのをこれやっていかないと。  これ一都十三都道府県にかなり広くなっておりますので、業者もこれ私ども九州から埼玉に行っていますもんね、今。だから、そういった意味で、今お父さんどこと言ったら、埼玉へ行っていますというのは、事実そういう具合になって、関東に大量に九州から人を送っているというのが実態ですから、そういった意味では、この金融機関につきましても同様な形で、その地域に人を送って各金融機関でやってもらわないと、今いる現有勢力ではその人自体も被災者の可能性がありますので、対応させていただきたいと思っています。
  45. 熊谷裕人

    ○熊谷裕人君 時間が参りました。国会での初質問、御理解をいただきました会派の先輩、同僚議員に感謝申し上げまして、私の質問、終わりにさせていただきたいと思います。  ありがとうございました。
  46. 那谷屋正義

    ○那谷屋正義君 おはようございます。立憲・国民.新緑風会・社民の那谷屋正義でございます。  麻生大臣と予算委員会以外でこのように質疑のやり取りをさせていただくのは、遠く遡りまして二〇〇五年、総務委員会で、麻生大臣が総務大臣の頃に、ちょうど人勧の時期でありまして、その給与法の改正について御質問をさせていただき、当時は小泉政権の後で大変な公務バッシングが激しい時代でありまして、公務員の賃金というのは本当に素感覚で高いのかというふうな御質問をぶしつけさせていただいたところ、非常に正直なお答えをいただき、私にとっても大変胸をなで下ろす、そんな議論をさせていただいたのを覚えております。  この財政金融委員会においても、是非、実のあるやり取りができたらなというふうに思いますので、よろしくお願いを申し上げます。  そう申し上げておいて大変恐縮なんですが、今日、私、財政支出の在り方全般についてお尋ねをしたいと思っているんですが、その前に、本来この委員会は一週間前にこのような形で行われるはずでありましたが、残念ながら、僅か一週間足らずの間に、経産大臣、法務大臣、二大臣が辞任をされたと。このことについては、国内外の影響、特に国の中で、国民の政治不信あるいは国会の大きな進行、今国会、一か月以上たっておりますが、まだ一法案も衆議院も通過をしていない、そんな状況で、言ってみれば国会を混乱を招いたと言っても過言ではない状況になっておりますけれども。  予算委員会はそのために昨日そしてあした開かれるわけでありますが、そのときにいつも任命責任ということで総理大臣に見解を聞くわけですが、今日は、副総理としてもずっとこの間頑張っていられる麻生大臣に、この間のことについて御認識を伺いたいと思いますので、よろしくお願いします。
  47. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) まず最初に、こういったような形で任命されて一月前後の話で二人の方が閣僚を辞任されるというような事態はこれ甚だ遺憾なことなんであって、これは大変残念に思っておるのが一つ。  もう一点は、今この任命の話でありますが、これは副総理内閣というか閣僚の任命権を持っているわけではありませんので、これはちょっと私に聞かれても、その点はどういう経緯等々を詳しく知っているわけではありませんのでお答えのしようがありませんが、いずれにしてもこういった形で、昨日総理からも答弁があっておりましたように、甚だ残念だということで、任命責任は自分にあるのでというお話をしておられましたんで、正直私どもとしても予想の付かない話になったんだと理解をいたしております。
  48. 那谷屋正義

    ○那谷屋正義君 今言われたように直接の任命権は総理にあるわけで、副総理でいらっしゃる麻生大臣にお尋ねをしてもそのことに直接はお答えいただけないのは重々承知をしておりますが、副総理ということになりますと、総理に何かあったときには総理の代わりを行われるわけでありますから、そういう意味において、政府、内閣全体としてやっぱり責任というものもお感じになられるんだろうというふうに思います。  その中で、こういうようなこと、特にもう安倍政権、大分長くなっておりますけれども、かなりの大臣が辞任をされているということもあります。その都度、安倍総理の答えは、任命責任は私にあるということで、いつも同じ答弁を繰り返されているわけでありますけれども、それではやっぱり国民はさすがに納得できないというふうに思います。やっぱり責任があるんならば責任も取らなきゃいけないということ、このことを指摘をしておきながら、質問に入らせていただきたいというふうに思います。  まず最初は、ちょうど一週間前の東京新聞の朝刊にございました、安倍政権推進の官民ファンド三百二十三億円赤字でも、首相、全体で黒字という答弁をされた、いわゆる予算委員会、十月十五日の参議院の予算委員会において、我が会派の蓮舫議員が官民ファンドについて質疑をしました。官民ファンドの中には、これまで投資してきた金額に見合った事業実績を残せていない、収益性の観点からすると非常に問題のあるものがあることを厳しく指摘をしたところであります。  官民ファンドには、国の一般会計や財政投融資の産業投資などから資金が投入されているわけでありますけれども、産業投資はリスクマネーを供給する役割が期待されているとはいえ、リターンを度外視することが許されないのは改めて指摘するまでもございません。公的資金が投入されている以上、収益性に問題のある官民ファンドについては経営の改善が強く求められるところでありますけれども、冒頭、麻生財務大臣の方から答弁がございましたが、若干トーンが少し薄いというか、ダウンをされたように私の印象としては残っております。蓮舫議員の質疑の中でも、経済産業大臣の所管であるとか、農林水産大臣の指導の下でなどというふうな答弁でありまして、先立っての当委員会における財務大臣の挨拶でも、収益性に問題のある官民ファンドに対してどのように臨むのかということについては特段触れられておりませんでした。  官民ファンドの収益性の確保については、確かに一義的には監督大臣に指導力の発揮が求められるということでありましょうけれども、これにとどまらず、国家財政を所管している財務大臣においても、今まで以上に前面に出た対応が望まれているのではないかというふうに思うわけでありますけれども、財務大臣が今後行う取組を具体的に説明をしていただきたいと思います。
  49. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) この官民ファンド全体の状況を見ますと、これは、いわゆる実際の投融資額の累積額は約一・九兆円ということになりますが、誘発されて、民間の投融資総額の累積総額四・四兆円ということになっていますから、間違いなく呼び水効果が現れているということは確か、まずこの一点は確かだと思っております。これがなければ民間の四・四兆は出ませんでしたから。そういった意味ではまず効果があったと思わなきゃいかぬところだと思っております。  加えて、収益性の話が出ましたけれども、これは、全体の累積損益でいきますとこれはプラスということになっておりますのは御存じのとおりなので、個別のファンドで見ますと、今言われましたように、それぞれ所管によって損失が計上されているということも事実だと思っておりますので、当然のこととして、大きな累積損失出しておりますファンドについては、改革工程表に基づいて対応してもらわにゃならぬということで、今年の四月に各官民ファンド及び監督官庁が累積損失解消のための数値目標、投資計画を策定をさせていただいたんだと記憶をいたします。  それらの進捗状況というものを今後厳しく検証していくことが重要なんだと思っておりますが、仮に改善が見られないということになれば、それは事業や組織の抜本的見直しを含めた業務運営の徹底的な見直しというものをやらなきゃならぬということになるんだと思っております。  いずれにしても、財務省としては、この各官民ファンドが監督官庁によって適切なガバナンスというものをきちんとしてもらわにゃいかぬのですが、収益性につきましても必要な対応というものを図りつつ投資案件の発掘というのを進めていってもらわなきゃいかぬところなので、その政策目的を、元々収益性がやたら高いんであれば民間が勝手にやるわけですけれども、収益性があるかないか分からぬというところに、これをやった方がいいということで、投資をやろうということを決めていくんだと思っておりますので、その意味では政策目的を実現していくことが極めて重要なんだと思っておりますので、その点につきましては、ぎりぎりのところでもうそこそこのものがと言われるのと、がたっと落ちているのでは、それはちょっと見通しがということになるのではないかというようなあれは各省庁によってそれぞれ見解が違うのだと思いますけれども、いずれにしてもきちんとした対応をしていってもらわにゃいかぬというように考えております。
  50. 那谷屋正義

    ○那谷屋正義君 トータルで黒字ということは、それは事実だろうというふうに思いますけれども、その黒字になっているファンドと大きく赤字が出ているファンドの方を見ると、どうもいわゆる新設したファンドについて赤字になっている部分が非常に多いと。これはまた、もちろん難しいんだろうと思うんですけれども、しかし、やはりその部分については、やはりこれも大事な国民からの税金を使うわけですから、そういう意味では、マイナスになる部分についてはしっかりと指導し、それでも改善が見られない場合には中止も含めた強い姿勢を私としては求めたいというふうに思います。  といいますのは、今の答弁もちょっとよく分からない部分があったんですが、収益性に乏しい官民ファンドに対して、これまで一歩引いた立場で何となく臨まれているなと。出資金が最終的に毀損される可能性が高まっているにもかかわらず、これに歯止めを掛けようとする動きは余り積極的ではなかったというふうに見えます。しかし一方、国の財政事情が厳しいことを主張して、一般会計で賄う歳出については厳しく削減を迫り、また適切とは言えないタイミングで、これは私たちの主張として、消費税率の引上げを断行しているわけでありまして、これでは国民の理解は到底得られるはずがないというふうに考えます。  官民ファンドの全てを先ほど申し上げましたように否定するものではありませんけれども、問題のある官民ファンドによって出資金が毀損される事態に陥るのであれば、もっと国民にとって有益な分野に注力すべきではないかというふうに思うわけであります。中でも、私の出身も教育分野でありますけれども、教育に対する公的支出を拡充することの必要性というのは、これは与野党を問わず論をまたないというふうに思います。  この際、財務大臣として、教育において公的支出の果たしている役割について所見をお聞かせいただきたいと思います。
  51. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) これは、もう言われるまでもなく、教育というのは未来を担うという意味での人間というか人材というものを、これを育成するものですから、子供の学力とか能力とか、まあ人間性の向上とか、いろいろなものがあろうとは存じますけれども、日本の将来にとってこれは極めて重要な課題ということはもうはっきりしておるんじゃないんでしょうか。  これまでも教育予算につきましては、少子化が進んでおりますけれども、教育予算の効率化とか重点化を図りつつ、予算というものを適切に対応させていただいていると思っております。例えば、給付型の奨学金制度の創設とか無利子の奨学金の拡充とか、厳しい財政事情の中ではありますけれども、毎年度、必要な予算をそれなりに確保させてきていただいているんだと思っております。  引き続き、この教育政策につきましては、これは、何が将来世代にとって必要なものかとかいう話は、効果的な取組という中で文部科学省とこれは連携をしながら検討を進めてまいりたいと考えておりますので、今いろんな意味で、教育の中でパソコンがとかいう話で、そろばん塾がどうなっているとかいうお話が多様にありながらも、そろばんも必要等々、これ、いろいろ教育関係の方々の御意見というのは分かれるところもありますけれども、私どもとしては、そういった意味で、時代とともにいろんなものを対応していく、それを柔軟に対応する、残さねばならぬものはきちんと残す等々、これは文科省等々とよく詰めながらやらせていただければと思っております。
  52. 那谷屋正義

    ○那谷屋正義君 教育は未来への投資というお話をいただきましたけれども、毎年、予算の確定期に近くなると、どうも財務省が他の省庁に比べてすごく偉く感じるというのは、これはどこでも財布を持っているところが、家庭でもそうかもしれませんけれども、強いというイメージがあって、本当にそれでいいのかなという感じもするんですが、ただ、今のファンドの件と比べて、毎年、教育に関しての予算が、これは国際的に見ても世界的に見ても非常に、対GDP比によく代表されるわけでありますけれども、日本の教育費が非常に劣っているという、数が少ないという、そういうふうな指摘があるわけでありまして、全く事実もそのとおりになっているというふうに思います。  特に、この六月に財政制度等審議会の建議の中で示されているように、これは建議の文教・科学技術のくだりでありますけれども、(2)の義務教育の業務等の在り方というふうなところに載っているわけであります。どういうふうに載っているかというと、例えば、「教職員数については、少子化の進展に伴う自然減や平成二十九年度の法改正に基づく基礎定数化を勘案した見通しによれば、定数改善を行わなくとも、児童生徒当たりでは増加することとなる。また、主要先進国と比べても教員一人当たりの児童生徒数は遜色がない。 したがって、更なる定数改善が必要か否かは、定量的かつ客観的なエビデンスやPDCAサイクルの確立を大前提として考えるべきである。」と、このようにうたっているわけでありますが、今日は文部科学大臣政務官の青山さんにおいでいただきましたけれども、この建議に対して文科省としてはどのような受け止め方をされているでしょうか。
  53. 青山周平

    ○大臣政務官(青山周平君) お答えいたします。  教育政策につきましても、より効果的、そして効率的な企画立案や国民への説明責任の観点から、客観的な根拠を重視した行政運営や実効性のあるPDCAサイクルの確立に取り組んでいくことは重要でございます。  一方で、教育は、子供たちの成長や可能性の伸長等を目指して行われるものであり、一人一人の様々な教育ニーズを踏まえて行われるものでございます。このため、成果は多様であり、その評価は多角的な分析に基づくべきものであることに留意する必要があります。  また、他の政策分野と比較して、成果が判明するまでに長い時間を要するものが多いこと、成果に対して家庭環境などほかの要因が強く影響している場合も多く、政策と成果との因果関係の証明が難しいものが多いことなどの特性があることにも留意をし、数値化できるデータや調査結果だけではなく、数値化が難しい側面についても可能な限り情報を収集、分析し、あるべき教育政策を総合的に判断して取り組むことが重要です。  文部科学省としましては、これらのことについて、第三期教育振興基本計画においても、今後の教育政策の遂行に当たって特に留意すべき視点の一つとして位置付けているところでございます。
  54. 那谷屋正義

    ○那谷屋正義君 今の文部科学大臣政務官の見解を踏まえて、麻生財務大臣はどのようにお考えでしょうか。
  55. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) これは御指摘の財政制度審議会の建議という部分の話なんだと思うんですが、これは文部省とか科学技術庁の予算に関して、これはよく言われる教員数とか教育機関などの公的支出額の量、質じゃなくて量の多寡を議論するのではなくて、それによって得るべき成果について議論をするべきであるという指摘をいただいたんだと、私どもはそう理解をいたしております。  その上で、日本の財政状況は先進国の中でも大変厳しい状況にありますので、毎年度の予算に当たりましては、この予算事業について無駄を徹底的に排除していくことに加えて、効率化とか集中とか、そういった選択という視点が非常に重要になってくるんだと思っております。  教育予算につきましてもこれは例外ではなくて、単なる額の拡大だけではなくて、先ほど言われましたように、未来を担う子供とか人材の育成とか、子供の学力、能力、人間性の向上等々いろいろあろうかと思いますが、質の高い政策に資源を集中させていくということが効果的かつ効率的な予算なのではないかというようなことを考えております。  いずれにいたしましても、今後の予算編成につきましては、これは引き続き文科省との間でも効果的、効率的な教育予算というものについての在り方というものの議論を重ねていかねばならぬのかなというふうに考えております。
  56. 那谷屋正義

    ○那谷屋正義君 是非そこのところは文科省と丁寧な議論をしていただいて、質の高いものへ予算をという話でしたけれども、実は、もう今、質の高いとかそういう話ではなくて、学校現場はもう人がいなくてしようがないというのが現実であります。入学式になったときに一年生の担任がまだ見付かっていないですとか、あるいは新学期にクラス編制をして新しい学級になったときにやっぱりそこに先生がいらっしゃらないとか、そういうふうな事態に今なっている。  私の地元の横浜では、千人のストックがいらっしゃいます、先生たちがいらっしゃいますけれども、それが四月いっぱいで、いわゆる臨任、非常勤等に全部はけてしまって、五月一日以降の、途中で病休に入られるとか様々な方があったとしても、それはもう教育委員会ではストックがありませんからお手上げですと、こうなるわけですよ。そうすると、学校長がそれを探せと、学校長は自分じゃ分からないから先生方に探せと、こういうふうな形で、今まさに学校の、教育の働き方改革というものが言われている中にあって、本来の業務でないことまでもう盛んにやらなきゃならないような状況というのは多々、今出てきている。  とにかく人が足りない。そういう意味では、質が高いとかなんとか云々言うよりも、やはりまずは定数改善、これが今日から本会議、衆議院の本会議で出てくるわけですけれども、給特法の改正という部分で、いわゆる学校の働き方改革の一環として、文科省も定数の改善をしっかりやっていきたいと、こう言ってるわけでありますから、是非そのことを御理解いただいて、今後、文科省との交渉というかお話合いに応じていただきたいと思うんですけれども、麻生大臣の決意をお願いいたします。
  57. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 今のお話ですけど、確かに言われたような事態になっているというのは、いろんな、これ県によって違うんですけどね、集中しているところ、過疎のところで逆に子供がいなくてというようなところもありますんで、場所によって違うことは確かなんですけれども、いずれにいたしましても、そういったのに合わせていろいろ私どもとしては、小学校のたしかあれ英語の際が一番大変でしたかね、英語の先生の。あのときはちょっといろいろ、必修化に伴う英語の教職員の絶対量が不足しているとかいろいろ話があったと、定数の改善の対応を行わさせてきていただいたんだと思いますけれども、いずれにしても、スクールカウンセラーの話等々、専門的な知識を有した先生等々の必要が、外部人材を輩出する等々で予算を付けさせていただいたり、いろいろさせていただいたんだと記憶しますけれども。  まずは、今年の中教審でしたか、あれ一月の頃だったと記憶しますけれども、教職員の勤務時間管理の徹底とか学校及び教員が担う業務の明確化、適正化などを集中して取り組んでいくというふうにされたんだと承知をいたしておりますので、いずれにいたしましても、教員の業務を見直した上で負担を軽減させていくということも重要なんで、教員探しに教員がというのは少々仕事としてはいかがなものかと言われる話はごもっともなところだと思っておりますんで、真剣に検討させていただかねばならぬところだと思っております。
  58. 那谷屋正義

    ○那谷屋正義君 時間が参りましたので、これで質問を終わります。
  59. 古賀之士

    ○古賀之士君 古賀之士でございます。当選後、三年間この財政金融委員会に在籍をさせていただきまして、この四年目も財政金融委員会になりましたので、引き続き、関係各位の皆様方、よろしくお願いをいたします。  那谷屋委員から先ほどお話がありました教員の働き方改革についても一言申し添えておきますが、それこそ麻生大臣の御地元も、それから私の地元の福岡もそうですし、北海道でもそうだと思うんですが、今、教員の採用をする際の競争倍率がもう一倍台、一・一倍ですとか中には、一・二倍ですとか、もう本当に質云々とか数云々とかという問題ではなくて、やはり先生のなり手自身が今だんだんいらっしゃらなくなってきているというこの現状を早く解決しないことには、なかなか日本の教育問題というのは解決していかないんじゃないかと思いますので、本来の文科省の関係者の方はもうお帰りになったと思いますけれども、是非申し添えさせていただきます。  そして、早速、麻生大臣に、これはあくまで個人的に残念な御発言だという意図で申し上げます。  資料一にも添付しておりますけれども、十月の二十四日、原田義昭前環境大臣のパーティーにおいて、麻生大臣の発言というのは、私は個人的には大変残念な御発言だと思うんですが、どのような意図で麻生大臣はおっしゃったのか、お伺いをさせていただきます。
  60. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 原田義昭先生のパーティーの発言という話ですか。ああ、川崎とかの例のあの話。  御存じかと思いますけれども、あっち、生まれたのが私の選挙区、生まれは。育ったのが田川。そして、それで何でしたっけね、それで選挙区は川崎。川崎って、あの田川の川崎じゃありませんよ、ローカルな話で済みませんけど。そういう話だったんで、そういったところで、炭鉱町で育ちましたんで、余り柄のいい方じゃありませんから、そういったところで育った割には原田さんは品良く育ったんじゃねえかなと褒め言葉で言ったというように記憶をしますけど、それ以上ちょっと余り正確な記憶はありません。
  61. 古賀之士

    ○古賀之士君 炭鉱の歴史についてのまた見解などの相違があるかもしれませんが、誤解が招く発言を大臣という本当に内閣の重鎮中の重鎮である麻生大臣がおっしゃるというのは、私も少々びっくりをいたしました。是非これからお気を付けいただければと大変思っております。  その原田義昭前環境大臣の地元でもあります福岡県の筑紫野市の産業廃棄物最終処分場の問題について、資料の二に添付をしておりますので御覧ください。  これは、実は、地元のそれこそ各級の議員の皆さんたちも超党派でグループを組んでお願いに上がっておりまして、私も、この福岡県議会議員の原竹県議と一緒に原田義昭当時の環境大臣にお願いに上がりました。  平成の十一年には、この処分場で発生しました硫化水素ガスによって、働いていらっしゃった三人の方が死亡するという痛ましい事故が発生しております。このとき私は、福岡、地元の局でアナウンサーをしておりましたので、この痛ましい事故を速報でお伝えしたことを記憶に残っております。さらに、これ問題が深いのは、この硫化水素ガスが発生した処分場のおよそ一・二キロ下流に、水がめであります、筑紫野市、太宰府市、小郡市、およそ二十三万人の市民の水がめであります山神ダムがあるということで、余計に市民の皆さんたちの不安が広がり、まさに党派を超えてこの問題を早急に解決してもらいたいという声が上がっているわけでございます。  そこで、麻生大臣に、財政面を含めまして、今後の地元での、あるいは全国的にもこういう最終処分場の環境問題というのはこれから先大きな問題で、地域の自治体だけではなかなか済まされないという部分もあるかと思いますが、御所見がありましたらお伺いしたいと思います。
  62. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) これは、一義的には環境省に、古賀さん、聞いていただかぬと、私らはその話を受けてどうするという立場なので。  あえて御質問なので。これは、産業廃棄物によります水質汚染という話なんだと思いますけれども、生活環境保全の上に支障が生じるという場合などに、これはいわゆる、今言ったように業者が逃げて、いないとか、また請け負う方の業者が、こういうのは大体山の中に総じてありますもので、そこにあります自治体の、対応をするにも、自治体自体が小さくてとてもそういうのがいないとか、そういったような事情で、都道府県等といろいろ事情が大分違うのは御存じのとおりなんですが。  そういった場合は、国と産業界で両方で出し合ってつくっている基金がありますので、そこのところからいわゆる都道府県等が立て替えた、まあ都道府県に限りませんけれども、そこの自治体が立て替えた分、また県から借りた分、いろいろあろうかと思います。立て替えた分に対する費用を支出するという制度がありますので、県からこれは具体的な話が上がってくれば、これは、まずは環境省などの関係機関において検討いただくということになるんだと思っておりますので。こういったような話というのは、これは硫化水素のあのときに限らず、ほかにもいろいろ小さな例があちこちにあるのは御存じのとおりなので、そういった意味では、私どもとしては具体的な相談があればと。  しかし、これは県会議員の話じゃなくて、これは県から上げないと駄目ですよ。県会議員から個別に来られた話というわけにはなかなかいきませんので、県を通してやられるというような形になるんだと思っております。
  63. 古賀之士

    ○古賀之士君 ありがとうございます。  本来の環境省にももちろん要望を出しておりますし、引き続き、これ、先ほど申し上げましたように、党派を超えて地域住民の皆様方の安全を確保するために、県にも、そして環境省にも訴えをさせていただいている現状がございますので、あとは財源ですとか、あるいは地元の、麻生大臣も含めましたそれこそ地元の皆さん方の御尽力、あるいは財政面でのサポート、こういったものも必要かと思いますので、改めてこの場でお伺いをさせていただいた次第でございます。どうぞ御了承ください。  それでは、次は、保険業法の見直しについてお尋ねをいたします。  金融庁の参考人に伺います。資料三を御覧ください。保険業法の見直しについてどう考えているかについてです。特に、平成二十二年の改正の際には、資料三の上段部分の丸のところのアンダーラインのところにありますが、当分の間としております。認可特定保険業者について、今後の方針というのがあるんでしょうか。それから、認可特定保険業者についても、契約者保護の観点から、保険業法の枠内で監督することが重要とも考えますけれども、金融庁の方針はどうなっているのか、お伺いをいたします。
  64. 中島淳一

    ○政府参考人(中島淳一君) お答えいたします。  認可特定保険業者の制度につきましては、平成十七年保険業法改正により、根拠法のない共済事業は原則として保険業法の適用を受けることとされた中で、既存の共済団体の中には保険業法の規制に直ちに適合できないものが存在したため、平成二十二年保険業法改正により、保険業法の特例として設けられたものであります。  この制度につきましては、その後の規制の実施状況等を踏まえ、現時点において金融庁として制度の変更等は考えておりません。
  65. 古賀之士

    ○古賀之士君 ありがとうございます。  じゃ、特定の保険業者に関する認可ですので、この保険業法の現在の特例というのは、これはあくまでも当分の間ということですので、それを理解してもよろしいということでいいんでしょうかね。もう一度伺いますけど、確認で。
  66. 中島淳一

    ○政府参考人(中島淳一君) 先ほども申し上げましたとおり、現在、平成二十二年保険業法の規制にのっとりまして業務が行われておりまして、現時点において金融庁として制度の変更等は考えておりません。
  67. 古賀之士

    ○古賀之士君 つまり、保険業法の枠内で引き続きやっていくということですね。  ただ、認可特定保険業者の業務についてお尋ねをいたしますが、銀行などでの窓販の事例というのはあるんでしょうか。それから、窓販を拡大することについてどのように、何か考えがあるんでしたらお尋ねをいたします。  仮に、窓販、いわゆる窓口販売ができるようになるとすれば、契約者保護の観点から問題があるのではないかと思いますが、それについての見解も併せてお聞きいたします。
  68. 中島淳一

    ○政府参考人(中島淳一君) 認可特定保険業者の制度におきましては、制度上銀行等で不特定多数の者に販売を行うことは認められておらず、また、金融庁として現在制度の変更を行うことは考えておりません。  いずれにいたしましても、特定保険業者をめぐる状況等については引き続き注視してまいりたいと考えております。
  69. 古賀之士

    ○古賀之士君 是非また、当分の間とされているこの保険業法の問題については、また何か新しい動きがありましたら、情報公開等、是非よろしくお願いします。  では、次は、独立社外取締役の存在意義と支配株主の説明責任及び役員の金品受領の開示についてお尋ねをいたします。  資料の四の二の一御覧いただきます。くしくも、先ほど中西委員が提示をされましたまさにコーポレートガバナンス・コードの基本原則でございます。この基本原則の一、少数株主の権利の確保について書かれております。これを担保していますのが、済みません、ちょっと二枚めくっていただきたいんですが、四の二の三の原則四の七でございます。四の二の三の資料の原則四の七は一番下のところに書いてございますけれども、経営陣幹部の選任、解任、それから支配株主、つまり大株主から独立した立場での取締役会での意見反映における独立社外取締役の役割について書かれてございます。  これらを踏まえてお尋ねをしますが、支配株主が株主総会において独立社外取締役の選任議案に反対することに、これコーポレートガバナンス・コード上問題はないんでしょうか。金融庁の参考人にお尋ねします。
  70. 中島淳一

    ○政府参考人(中島淳一君) 個別の事案についてコメントすることは差し控えたいと思いますけれども、ただいま御紹介のありましたとおり、独立社外取締役についてはコーポレートガバナンス・コードにおいて、その役割、責務として、会社の持続的な成長を促し、中長期的な企業価値の向上を図る観点から助言を行うこと、取締役会の重要な意思決定を通じ、経営の監督を行うことに加えまして、会社と経営陣、支配株主等との利益相反を監督すること、経営陣、支配株主から独立した立場で少数株主を始めとするステークホルダーの意見を取締役会に適切に反映させることが挙げられているところであります。
  71. 古賀之士

    ○古賀之士君 つまり、問題のポイントは、いわゆる独立という言葉、それから社外という言葉、こういった文言が付いている取締役に、きちっとした独立性を担保したり、あるいはきちっとした責任や保障を、地位を保全するという立場がないことにはなかなかこれ思い切ったことも言えないという、そういう現実的な問題があるのではないかということなんですね。  支配株主が、更に伺いますけれども、例えば独立社外取締役選任議案を否決した場合ですね、特に大株主である支配株主を除いた株主の過半数が得られないいわゆるマジョリティー・オブ・マイノリティー、少数派の多数派条件を満たさないケースでは、これ支配株主側にも、一般株主に対する、これ何でこんなふうなことするのか理由を説明する責任があるんじゃないかというふうに考えられるんですが、金融庁の参考人はどのようにお考えですか。
  72. 中島淳一

    ○政府参考人(中島淳一君) 個別の事案についてコメントすることは差し控えますが、一般論として申し上げますと、本年六月に閣議決定された成長戦略実行計画においては、支配株主たる親会社は、上場子会社の一般株主との間に構造的な利益相反リスクがあることに鑑み、上場子会社の取締役の選解任権限について上場子会社のガバナンス体制の実効性を確保できるよう行使し、その適切性について投資家に対して説明責任を果たすこととされているところであります。
  73. 古賀之士

    ○古賀之士君 つまり、そうなってくると、これ、やっぱりコーポレートガバナンス・コード自体のことについて、やはりもう一度ここを見直したり、あるいはしっかりとチェックしていく必要が出てくるんじゃないかという。  資料の四の二、コーポレートガバナンス・コードの基本原則二でございますが、取締役はステークホルダーの権利、立場や健全な企業倫理を尊重する企業文化、風土の醸成に向けてリーダーシップを発揮すべきとあります。これを受けて、資料の今度は二の二に書いてあります原則の二の二でございますが、ここには行動準則の策定や実践が定められており、さらに、おめくりいただいて、資料の四の二の三、この原則の四の五、上の部分です、原則の四の五、ここにはステークホルダーとの適切な協働の確保って書かれているんですね。  私こそ、これ一般論で申し上げたいんですが、役員が特定のステークホルダーから多額の金品を受領した場合、これコーポレートガバナンス・コードに抵触するおそれや可能性というのは、金融庁の参考人、ないですか。
  74. 中島淳一

    ○政府参考人(中島淳一君) お答えいたします。  コーポレートガバナンス・コードにおいては、ただいま御紹介のありましたステークホルダーとの適切な協働やその利益の尊重、健全な事業活動倫理等についての会社の行動準則を定めるべきとされており、また、ガバナンスに係る情報等につき、法令に基づく開示以外にも、情報提供にも主体的に取り組むべきとされているところであります。
  75. 古賀之士

    ○古賀之士君 では、ここに書いてあるその原則を踏まえたコーポレートガバナンスと、それから一般によく耳にするコンプライアンスですね、この違いというのは何なんですか。どのような関係にあるんでしょうかね、このコーポレートガバナンスとコンプライアンスというのは。是非教えてください。  例えば、コンプライアンス上で不適切な行為があればコーポレートガバナンス・コード上でも不適切だと、つまりイコールと思われる可能性が極めて高いと思うんですが、これ金融庁さんの見解はどのようになっていますでしょうか。
  76. 中島淳一

    ○政府参考人(中島淳一君) お答えいたします。  個別の事案についてお答えすることは差し控えさせていただきますが、一般論として申し上げますと、コーポレートガバナンスとは、コーポレートガバナンス・コードにおいては、会社が、株主を始め顧客、従業員、地域社会等の立場を踏まえた上で、透明、公正かつ迅速、果断な意思決定を行うための仕組みのことを意味することとされております。  一般的に、組織的な観点からコンプライアンス上不適切な行為がある場合には、企業のガバナンス体制に問題がある可能性もあると考えております。
  77. 古賀之士

    ○古賀之士君 シンプルにお聞きしますと、つまりこれ、コーポレートガバナンス・コードとコンプライアンスというのはイコールと考えてよろしいんですか。
  78. 中島淳一

    ○政府参考人(中島淳一君) いずれも統一した定義が存在するとは考えておりませんが、先ほども申し上げましたとおり、コーポレートガバナンスとは、会社が、株主を始め顧客、従業員、地域社会等の立場を踏まえた上で、透明、公正かつ迅速、果断な意思決定を行うための仕組みである一方で、コンプライアンスについては、一般的に、企業が法令や社会規範、企業倫理を守ることを意味するものと理解をいたしております。
  79. 古賀之士

    ○古賀之士君 なかなか分かりづらいんですけれども、おおむねイコールで、ですがイコールとも、これは制度上のまだ問題や文言上の問題もあってイコールとなり切れないというような意味合いにも受け取れるわけでございます。  となると、やはり修正ですとか見直しが今後必要になってくるかと思うんですが、麻生大臣、済みません、通告を直接しているわけではございませんけれども、ちょっとこの辺について御所見をいただけたらと思います。  つまり、コーポレートガバナンス・コードに加えて、経産省の場合はグループ・ガバナンス・システムに関する実務指針というのがまた別個にあるんですね。そして、その中では、親会社は、上場子会社の独立社外取締役の選任、解任権限を行使するに当たっては、上場子会社のガバナンス確保に十分配慮すべきであると、こういうことが明記されているわけです。しかし、現状では、残念ながらこれが守られておりません。ガバナンス上問題があって、これ特に海外からの投資が、これはちょっとガバナンス上問題があるから、海外からちょっと投資するのやめようかというようなことにも実はなりかねないという問題も含まれております。  それから、今国会で会社法の改正案が出されておりますが、役員報酬開示が不十分ながらも強化されているのはもう御存じのとおりでございます。ただ、この点、役員がステークホルダーから多額の金品を受領した場合、役員報酬開示に抵触する可能性もあるわけなんですけれども、いずれもコーポレートガバナンスの観点からは、これ問題があるというふうに思います。また、政府が掲げる海外からの投資の呼び込みにも先ほどから申し上げているように影響が出かねません。  親子上場における独立社外取締役の地位の強化、それから役員が一定額以上の金品を受領した場合の報告、開示義務など、これコーポレートガバナンスに関する法整備について、先ほども金融庁の参考人に申し上げたんですが、やはりこれ、ケース・バイ・ケースではありますけれども、修正や見直しや強化の必要があるのではないかというふうに考えるんですが、麻生財務大臣・金融担当大臣の御所見はいかがでしょうか。
  80. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) これは経産省のいわゆる話と重なっている話なんで、これ現実問題として。ただ、会社を運営する側の、経産省所管の会社が多いんですが、そういったところになっているんだと思いますが。  いずれにしても、今言われましたように、先ほど中西先生でしたかね、最初の午前中のうち、格調高い質問があっていましたけれども、あの質問の内容の中に見られるように、これは間違いなく、コーポレートガバナンスというものを入れるようになってから会社の経営というのは随分変わってきたことは確かですよ。これはもう功績としては極めて大きかったと思っている。いい意味でも悪い意味でも、私はいい意味でもあったと思いますから、これは。悪い意味はちょっとまた別の細かい話になりますんであれですけれども。いわゆるこういったようなものというのができるようになったのは良かったんだと思っているんですけれども。  いずれにしても、適切な、ステークホルダーというんですけど、ステークホルダーとの間の適切な協議とか等々について、これは利益がそもそも、ちょっと待てよという話になってみたりという話ですから、そういったような話というのは、これは早い話が、基本的には倫理の話なんというのは一番の基本に置かなきゃいかぬところだけど、そんな倫理観が高いやつだけが経営者やっているわけじゃないのは御存じのとおりなので、そういった意味では、会社の行動基準に準則を定めるべきなんだとされて、法律ではなっておるんですけれども、そういった意味では、ガバナンスに係る情報等々につきましては、これは法令に基づいて開示の情報というのも主体的に取り組むべきだということもきちんと書かれておるところなんで。  いずれにしても、こういったようなことがだんだんだんだん開示される方向に行っているんだとは思いますけれども、私どもとしては、それの結果、業績は上がるかという話は、会社の話はまた別の話ですよ、これは。会社経営する側から言えば、そんなことに手間掛けているからどんどん事が進まないじゃねえかという意見は必ずこれ会社側から出るんだと思っておりますので、一律の開示を義務付けるというのは、果たしてそれがうまくいくかねということは、ちょっと別の話として考えにゃいかぬなと、元経営者としてはそう思います。
  81. 古賀之士

    ○古賀之士君 全ての経営者が倫理観が高いわけではないという、非常に率直な御意見をいただきました。本当にありがとうございます。  と同時に、今、貴重なヒントやサジェスチョンもいただきました。例えば、一つ一つのその手間が必ずしも会社の利益につながるわけではないのでと。その一方で、そういう一つ一つの、特に公共性の高い企業に関しては、例えば、私もサラリーマンの経験がありますから、誰かと会社のお金を使って食事に、会食に行ったりする場合には、どこの誰と、どこで、誰と、名前を一々書いて金額も当然書いて、それで領収書を提出する。これ、もうむしろ当たり前のようにルール化されておりました。それは当然、利益という形には直接結び付くわけではないんですけれども、しかし、お互いの倫理観のチェックですとか、それぞれのお互いの予算の振り分けなどには当然必要な部分も出てくるかと思いますので、その辺も含めて、いま一度、特に公共性の高いものや、安全保障上必要な、大変な企業に関しては、やはり行政サイドからのリーダーシップも大変必要な部分じゃないかとも思っております。  したがって、今金融庁の参考人からもお話が出ましたコーポレートガバナンス・コードと、それから経産省のその指針、あるいはまた先ほどのコンプライアンスの定義、こういったものを、今、具体的に様々な企業や、あるいは働く側でも起きている問題点を、現実にできるだけ即した形で総チェックをしていきながら新しくガイドラインを想定していく。どこにでも、できるだけ想定しやすいように、あるいは合致しやすいように、矛盾点や、それから、言い方は悪いですけれども、先ほどの倫理観のというお話からすれば、法やガイダンスやガバナンス・コードの間隙を突くようなやからが出ないようにする方法というのも、これやはり行政サイドの大きな役割だと感じております。その辺については、前向きな御見解はいただけないでしょうか。
  82. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) それこそ、これは経済産業省所管の話に関係してきますので、私の一存でどうのこうのということを言える立場にはないのはまず大前提で申し上げておきますが、その上で、今言われたようなことを全部やっていくと、さらに、今より細則が更に細かくなってくるということは、企業の経営者としては、判断するのに、これが引っかかるんじゃないか、あれが引っかかるんじゃないかと全部チェックしていくというのは猛烈に時間が掛かるから、迅速対応が遅くなるというのは付いて回ってきますので、その意味では、なかなかそこのところは一律にやるというのは簡単にはできぬのじゃないかなという実感はします。
  83. 古賀之士

    ○古賀之士君 これでこの質問に関しては結ばせていただきますけれども、逆に言うと、オープンにすることよりも隠す方が結構手間が掛かったりすることもありますので、そちらの方の、隠す方の手間をできるだけ掛からないように法の網をしっかり考えていくということも、是非前向きに御検討いただければと思っております。  それでは、次は、国家公務員の夏季休暇についてお尋ねをします。  資料の六の一、人事院の参考人にお尋ねしますが、国家公務員の休暇制度について、夏季休暇の期間を見ますと、七月から九月までの期間内及び連続する三日の範囲内とありますが、この定めに合理性があるんでしょうか。  例えばクールビズの期間は、それよりも範囲の長い五月から九月というふうになっていますけれども、これは整合性を取らなくても大丈夫なんでしょうか。
  84. 柴崎澄哉

    ○政府参考人(柴崎澄哉君) お答えいたします。  国家公務員のいわゆる夏季休暇は、夏季という一定期間内における休暇が社会一般に普及、定着していることを踏まえまして、年次休暇とは別に特別休暇として導入したものでございまして、夏季における盆等の諸行事、心身の健康の維持等のため勤務しないことが相当であると認められる場合に、七月から九月までの間において原則として連続する三日の範囲内で使用することができるものでございます。  夏季休暇を使用できる期間につきまして七月から九月までの期間内としておりますのは、民間企業におきまして、夏季、特に盆等における帰省等の習慣に合わせた休暇が普及していることから、八月を中心に夏季の一定の期間内に使用できるようにしたものでございます。  また、夏季休暇の使用を原則として連続する三日の範囲内としておりますのは、こうした連続した休暇の使用が、盆等における帰省など、本休暇の目的に照らしまして効果的であると考えられるためでございます。  夏季休暇につきましては、ただいま申し上げたような趣旨、目的で導入されているものでございまして、御指摘のクールビズとはその趣旨、目的が異なるものと考えてございます。
  85. 古賀之士

    ○古賀之士君 ありがとうございました。  ただ、七月から九月までの連続する三日間というこの辺のルールというものに対して、非常に来年に向けて特に懸念をしております、心配をしております。  財務省の参考人に伺います。  資料の六の二を御覧いただきたいと思いますが、覚醒剤の押収量を見ますと、全体の九割以上が実は税関で摘発をされております。夏季休暇の取得期間が先ほどのお話のように七月から九月までというふうに限定されることで、税関業務、特に取締り業務に支障が出るおそれが、特に今後、未来においてないんでしょうか。  来年の夏はいよいよオリンピック・パラリンピック、こういったもので業務の更なる集中することが予想をされておりますけれども、果たしてこれで大丈夫なのかという懸念がございますが、財務省の参考人、お答え願います。
  86. 中江元哉

    ○政府参考人(中江元哉君) お答え申し上げます。  今委員御指摘のように、来年夏に開催されます東京オリンピック・パラリンピック大会に向けまして、税関におきましては、大会選手団、関係者、観客の円滑な通関とテロ対策等の水際取締り強化といった対応に万全を期すべく準備を進めているところでございます。  御指摘のように、不正薬物の押収状況というのも、数字を御覧いただきますと、覚醒剤については、もう数年間、一トンを超えるような状況にもなっているところでございます。  そういう準備を進めているところでございますが、その際、税関職員の健康管理等にも十分配慮する必要があると考えております。来年の夏季休暇等、休暇の取得に関しましては、関税局、税関としても問題意識を持っております。  そこで、関係機関とも相談しながら、先ほど申し上げました、来年のオリンピック・パラリンピックにおける税関の職務上の要請と職員の健康管理等を両立できるように、しっかりと対応していきたいと考えております。
  87. 古賀之士

    ○古賀之士君 テレビ局のサラリーマン時代の経験を申し上げますと、基本的には、業務上、期間が定められてはおりませんでした。今回はお盆ということで七月から九月までということだったんですけれども、とにかく取れるときに、お互いが譲り合って取れるときにやりましょうというようなことでありましたし、期間も、今はどんどん条件も良くなってきて二回取れるように古巣ではなっているという話も聞いております。  したがって、是非、定員の増というのはもちろん大原則としてお願いしたいところなんですけれども、加えて、こういう七月から九月までというようなルールをしゃくし定規にそれこそ守らなくても、一年中うまくお互いが休みが取れるようなシステムを、もう少し知恵を出し合っていただければと思っております。  夏季の休暇の七月から九月中であれば、どうしてもピーク時ですから宿泊、交通費の料金も高いと思いますし、また独身の方や、あるいは趣味が多彩な方は、七月―九月のお盆ではない時期に休みを取ってリフレッシュをしたいという方もこの多様性の時代いらっしゃるのではないかと思いますので、是非その辺も含めて前向きに御検討いただければと思います。  質問を終わります。ありがとうございました。
  88. 中西祐介

    ○委員長(中西祐介君) 午後一時に再開することとし、休憩をいたします。    午前十一時五十五分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  89. 中西祐介

    ○委員長(中西祐介君) ただいまから財政金融委員会を再開をいたします。  委員の異動について御報告をいたします。  本日、加田裕之君が委員を辞任され、その補欠として三浦靖君が選任をされました。     ─────────────
  90. 中西祐介

    ○委員長(中西祐介君) 休憩前に引き続き、財政及び金融等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  91. 熊野正士

    ○熊野正士君 公明党の熊野正士です。よろしくお願いいたします。  まず、かんぽ生命の不正販売問題について質問いたします。  九月三十日に日本郵政グループから中間報告がなされました。特定事案十八万三千件が調査対象で、意向の確認が完了したものが六万八千件、そのうち六千三百二十七件の不適正募集が行われた可能性があると報告されております。法令違反の可能性が千四百件もあります。法令違反というのはもうこれ自体でアウトということだと思いますが、それが千四百件も可能性があると。  もうただただあきれるばかりなんですが、さらに、法令には違反していないけれども、社内ルール違反が残りの約五千件もあります。この社内ルールというのは、金融庁の総合的、総合監督指針を基に生命保険協会がガイドラインを策定をして、そのガイドラインに沿って各生命保険会社で社内の規則を設けていると承知をしております。顧客保護、顧客のためのルールだというふうに認識をしていますけれども、それを、法令に触れなければ何をやってもいいんだと、そういった空気があったのではないかと。本当にゆゆしき問題だというふうに思っております。  今回のかんぽ生命の問題について金融庁としてどのように受け止めておられるのか、お聞きしたいと思います。
  92. 栗田照久

    ○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。  保険会社あるいは募集人は、保険契約者の利益を害したり、信頼を損ねることがないように、適正な募集のための体制を確立するということが重要であると考えております。  本件につきましては、こうした観点から見ましても重大な問題であると認識しておりまして、まずはかんぽ生命及び日本郵便が適切な顧客対応を講じるとともに、十分な調査を通じて根本原因を解明し、抜本的な改善を図ることが必要であるというふうに考えております。  金融庁といたしましても、現在立入検査を実施しておりまして、検査結果も踏まえまして、必要に応じ厳正に対応してまいりたいというふうに考えてございます。
  93. 熊野正士

    ○熊野正士君 今回の日本郵政グループで調査を行っている特定事案というのは主に乗換えに伴う顧客不利益事案ということですが、新聞報道によりますと、一年間で一人で十一件の保険に入らされたとか、乗換え以外にも極めて悪質な多重契約事案が報じられております。  大阪とか兵庫で関西の弁護士会が生命保険に関する無料電話相談というのをされていますけれども、その中で、幾つもの複数の保険に入らされたとか、あるいは被保険者を次々に変える、いわゆるヒホガエといった相談が寄せられたということです。さらに、定期預金から保険に切り替えさせられたとか、あるいは相続税対策になるからとか、契約時から払い済み保険制度を想定した契約など、本当にこれ顧客本位なのかと甚だ疑問となるような契約も多くあったようでございます。  現在、先ほど答弁いただきましたが、金融庁としてこのかんぽ生命の問題の調査を実施していただいているということですけれども、この乗換え以外の不適切事案についてもしっかりと調査をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  94. 栗田照久

    ○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。  かんぽ生命及び日本郵便に対する立入検査におきましては、今委員御指摘のような件、すなわち高齢者や認知症の方をターゲットにして不適切な営業活動を行っていないかどうか、乗換契約以外にも、複数契約ですとか被保険者を変えるなどによって顧客に著しく不利益を与えるような行為を行っていないかどうか、預金と誤認させるような不適切な顧客への説明を行っていないかどうかといった点も含めまして、営業現場における保険募集の実態についてしっかりと調査してまいりたいというふうに考えております。  その上で、調査を通じて、このような問題を生じさせる根本原因を解明することが抜本的な改善に向けて重要であるというふうに考えております。
  95. 熊野正士

    ○熊野正士君 今回の、今答弁にありましたけれども、今回のかんぽ生命の問題で本当にちょっと腹立たしく思っているのが、高齢者の方をターゲットにして不正販売を行っていたということであります。  日本郵政グループの改善策の中で、提示されている改善策の中で、高齢者への積極的な勧奨の停止というふうにあります。かんぽ生命では、高齢者の方を顧客としてどのように捉えていたのかなというふうに思うわけですけれども、今、まさに日本が高齢社会に突入をして人生百年時代と言われるようになりました。高齢者の方々の不安も非常に大きいわけです。そういった、本来高齢者の方にとって顧客本位の商品を提供するのが務めだというふうに思います。それを、かんぽ生命では、高齢者の方が不利になるような商品を販売したり、不安に付け込むような契約をしていたのではないかと思います。  高齢者の方や認知症の方が安心して暮らしていける社会をまさに今つくっていこうとしているときに、かんぽ生命が行ったこの不正販売というのは、高齢者や認知症の方を本当に裏切る行為で、もう断じて許せないというふうに感じております。  郵便局の人だから安心して任せていたというお年寄りも多くいらっしゃるようです。高齢者や認知症の方に対する不正販売防止について、監督官庁である金融庁の見解を求めたいと思います。
  96. 栗田照久

    ○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。  高齢者の方に対する不正販売の防止方法につきましては、金融庁といたしましては、保険会社向けの総合的な監督指針におきまして、親族等の同席や複数の保険募集人による保険募集等を行うことなど、きめ細かな取組やトラブルの未然防止等に資する取組を含めた保険募集方法を具体的に定めまして、実行する必要がある旨を定めております。  また、重度の認知症などで意思能力を有しない方につきましては、法律で義務付けられている意向確認、意向把握等を行うことができませんことから、そもそも保険募集を行ってはならないものだというふうに考えております。  金融庁といたしましては、先ほど申しました検査におきまして、こうした観点も含めて厳正に見ていきたいというふうに考えております。
  97. 熊野正士

    ○熊野正士君 是非ともよろしくお願いしたいと思います。  今回のこの不適切な乗換え事案ですけれども、かんぽ生命というのは、何かお聞きをすると、転換制度というのが制度としてあるようですけれども、かんぽ生命にはこの転換制度というのがなかったと。この転換制度というのがないがゆえに乗換えにおいて不適切な事案が発生したと、システム上そういったことも、問題も指摘をされているようであります。  確かに、営業目標、ノルマとかそういうことについてしっかり見直しをしていくということはもちろん必要なことでありますけれども、システムとしてそもそも不適切で、不正が行われるようなところは改善しなければならないと、システムとして不正ができないようにすることが大事ではないかなというふうに思うわけです。  日本郵政では転換制度や条件付解約制度の導入を検討しているということですが、この転換制度等を速やかに導入できるように金融庁としてもしっかりと後押しをしていただければなと思いますが、大臣の御見解をよろしくお願いいたします。
  98. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) これは一般的に、御存じのように、保険商品につきましては、いわゆる新しい、既存の商品より内容のいい新しい商品というものが出てきた場合は、顧客側から乗換えによっていわゆる保障内容が高度化させたいというニーズがあるということがもう当然予想、想定をされますので、そういったことをやるのは、民間のいわゆる商品、生命保険では普通、乗換えとか転換制度というのは存在しておるんですが、乗換えの転換制度というものが、保険料の二重払いとか、いわゆる話題になりました無保険期間とかいうものを発生させた事例というのが多く出てきたのは、それがなかったからだということだと思っております。  今、先生御指摘のありましたように、乗換えによる顧客の不利益というものが生じないように、契約転換をする制度などの仕組みを整えておく必要があるということなんだと思っておりますので、かんぽ生命及び日本郵便は今後の改善策の一つとして契約転換制度の導入というのを掲げておりますので、私どもといたしましても、このかんぽと、いわゆる日本郵便、郵政の両社によりますこの契約転換制度の早期導入というものについては我々としては後押しをしてまいりたいと、そのように考えております。
  99. 熊野正士

    ○熊野正士君 ありがとうございます。是非速やかに導入できますよう、よろしくお願いしたいと思います。  続きまして、先ほど熊谷委員の方からも御質問ありましたけれども、今般の台風による災害対応について質問をさせていただきたいと思いますが、質問に入る前に、亡くなられた皆様の御冥福を心からお祈りいたしますとともに、被害に遭われた皆様に心からお見舞いを申し上げる次第でございます。  この夏の一連の台風では、様々な災害、深い爪痕を残したわけでございます。農林水産業への被害も甚大でありました。そこで、農林水産省にお尋ねいたします。  この夏の一連の台風による被害額、そして被災農家に対する支援制度について答弁をお願いしたいと思います。
  100. 岩濱洋海

    ○政府参考人(岩濱洋海君) 先生御指摘のこの夏の農林水産関係の台風等の被害につきましては、十一月六日時点、昨日時点でございまして、総額約三千七億円の被害が生じている状況でございます。内訳を申しますと、強風で被害が出ました台風十五号については五百二十四億円、先般の台風十九号等では二千百四十三億円の被害が生じております。  台風十五号については、被害の大きかった農業用ハウスの再建のために強い農業・担い手づくり総合支援交付金の被災者支援型を発動したほか、農業、林業、水産業の幅広い停電対策を講じるなど、総合的な被災農林漁業者の支援を十月一日に公表し、現在対策を行っているところでございます。  台風十九号につきましては、既に台風十五号の支援策を基本とする総合的な対策を打ち出したところでございます。土砂の撤去などを今急いでいるところでございますが、今回の被害については、米や果樹の浸水、トラクター等の農業用機械、ライスセンターの乾燥機等の水没など、多くの地域で被害が、甚大な被害が生じております。  現場のニーズである被災果樹農家の未収益期間が長くなることへの対応、収穫後の農家が保管していた大量の米が冠水してしまったことへの対応、また、営農再開のための農業用機械等の修繕、再取得についての対応などについて、支援の内容につきまして最終的な詰めを行っているところでございます。  総理の御指示がございましたので、対策のパッケージにおいて、現場のニーズを踏まえました追加的な支援策について打ち出し、被災農家の営農の継続につなげていきたいというふうに考えております。
  101. 熊野正士

    ○熊野正士君 ありがとうございます。  農業被害額も三千億円を超えているということで、当初は一千億円とか一千五百億円とか、ついこの間の報道でも二千五百億円ということで、どんどんどんどんその被災の状況が明らかになるにつれて被害額も大きくなっておりますので、是非とも、先ほど支援策おっしゃっていただきましたけれども、きめの細かい支援策の方をよろしくお願いしたいと思います。  その上で、先月二十日の非常災害対策本部会議において、安倍総理の方から、精魂込めて育てた作物が泥水にまみれ、店舗や工場、機械設備が浸水によって大きな被害を受け、また自宅なども被災する中で、多くの農林漁業者、中小・小規模事業者の皆さんが事業再開への気力を失いかねない厳しい現実があるというふうに発言をされておられます。そうした中で、予備費をしっかりと活用をして、被災者の生活となりわいの再建に向けた対策パッケージを早急に取りまとめていただきたいと指示がありました。  内閣府の方にお尋ねをしたいと思います。この政策パッケージの取りまとめ状況、先ほど、朝の答弁では昼ぐらいにはということでございましたけれども、取りまとめ状況についてお教え願えますでしょうか。
  102. 小平卓

    ○政府参考人(小平卓君) お答えいたします。  今先生からお話がありましたように、十月二十日の非常災害対策本部におきまして総理から御指示がございました。現在、被災者生活再建支援チームが中心となって、生活、なりわいの再建に向けた対策パッケージ取りまとめを大詰めというところまで来ているところでございます。  地域ごとの特性も踏まえながら、被災者向けの住まいの確保、廃棄物、瓦れき、土砂の処理、農林漁業者や中小・小規模事業者の事業再開に向けて、被災地からの要望を丁寧に伺いながら、政府一丸となって支援策の具体化に取り組み、速やかにパッケージの取りまとめを行いたいと考えてございます。  昼よりももう少し時間が掛かるかと思いますが、もう少しお待ちくださいませ。
  103. 熊野正士

    ○熊野正士君 是非とも速やかによろしくお願いをしたいと思います。  強く要望を内閣府に申させていただいたその上で、財務省としても、午前中の質疑、やり取りの中でもございましたけれども、対策パッケージがしっかりと執行できるように御尽力お願いしたいと思います。総理からもございましたし、また午前中の質疑の中で麻生大臣の方からもスピード感を持ってというふうに御発言がございました。  そこで、麻生財務大臣から、是非とも被災地、それから被災者の皆さんに、生活再建、また復旧復興に向けた御決意を是非ともお聞かせ願えればと存じます。
  104. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) まず、今般の被災に遭われた方々、一都十三府県にまたがっておりますけれども、こういった方々の御冥福をお祈り申し上げると同時に御遺族の皆様に心よりお見舞いを申し上げる次第です。  その上で、これ総理の御指示もありまして、被災者の生活となりわいの再建に向けた生活パッケージを、本日夕方四時、五時近くになろうかと思いますけれども、発表するということになるんだと思っているんですけど、そこまでにまとまって、まとまれればいいんだと思っているんですけれども、少し時間が掛かっておりますけど、足し算しているので少々時間が掛かりますけれども、後から後から出てきます。どこかで切らないとできませんので、そこのところが難しいところなんですが、財務省としても関係省庁と緊密に連携をして、これは被災者の方々が一日も早く安心して生活ができるように努力をしてまいりたいと思っております。
  105. 熊野正士

    ○熊野正士君 ありがとうございます。是非ともよろしくお願いしたいと思います。  次の質問に移らせていただきたいと思います。  先日、今年ノーベル化学賞を受賞されました吉野彰先生が来られまして、御講演をお伺いする機会がございました。そのときに、吉野先生の方からいろいろお話ございましたけれども、基礎研究、基礎研究の重要性ということについて強調をしておられました。その基礎研究の重要性というのはこれまで、最近は毎年のように日本の科学者がノーベル賞を受賞されておられますけれども、皆さん口をそろえておっしゃっておられます。この基礎研究を強化するにはどうしたらいいかということですが、もちろん競争的資金、科研費であるとか、そういった競争的資金ももちろん大事だと思いますが、やはり安定した資金というのが必要不可欠だというふうに思います。  国立大学であれば運営費交付金というのがございまして、これが安定した資金ということになります。二〇一五年以降は文科省、また財務省の御努力で下げ止まった感はありますけれども、二〇〇四年からずっと毎年減額をされておられます。  そこで、ちょっと文科省の方にお伺いをしたいんですが、国立大学におけるこの運営費交付金の必要性ということについてどのように捉えていらっしゃるのか、文科省の見解を求めたいと思います。
  106. 森晃憲

    ○政府参考人(森晃憲君) お答えいたします。  基礎研究は社会のイノベーションの源泉となるシーズを生み出すとともに、新たな知的、文化的価値を創造することにより未来を切り開く役割を担う重要なものと考えております。  国立大学法人への国費による支援は、今先生からお話ありましたように、教育研究の基盤的経費である運営費交付金と教育研究活動の革新や高度化、拠点化などを図る競争的経費による、いわゆるデュアルサポートにより行ってきたところでございます。来年度概算要求においては、国立大学運営費交付金について対前年度三百三十三億円増の一兆一千三百四億円を要求するとともに、科学研究費助成事業についても対前年度百八十五億円増の二千五百五十七億円を要求しているところでございます。  文部科学省といたしましては、今後とも、国立大学が我が国の人材育成、学術研究の中核として継続的、安定的に教育研究活動を実施することができるよう、競争的経費等と併せて運営費交付金等の基盤的経費の確保に努めてまいりたいと考えております。
  107. 熊野正士

    ○熊野正士君 デュアルサポートというのは、運営費交付金と科研費などの競争的資金ということですかね。もう少し、何か文科省としてしっかりとこの運営費交付金がいかに大事なのかということをもう少し答弁していただけたらなと思っていたんですが。  この運営費交付金ですけれども、財務省の計算でも、二〇〇四年から見てみますと大体四百億円削減を、減少をしております。この運営費交付金というのは人件費に直結するようでございまして、この運営費交付金が減らされるということは、結局は研究職のポストの削減につながるということのようです。それが現状だということのようです。  吉野先生はリチウムイオン電池のお仕事でノーベル化学賞を受賞されたわけですけれども、恐らく吉野先生も三十代から四十代ぐらいのお仕事ではなかったかと思いますが、いろいろ調べてみますと、そのノーベル賞の対象となった仕事をいつしていたのかというふうに見てみると、ほとんどが二十代から三十代、四十代の若いときに研究をしていた、その若いときに研究をしていたのが評価をされてノーベル賞の受賞につながっているということでございまして、そういった若い研究者が安定したポストを得る、そして腰を据えて研究に集中できるかどうかというのが非常に大事ではないかなというふうに考えるところでございます。逆に言うと、ノーベル賞を受賞している人は若いときに安定的なポストをしっかりと得て、そこで研究をしているということでございます。  ところが、現状では、任期付き、いわゆる期限付のポストというのはあるんです、確かに、期限付、任期付きはあります。だけれども、期限のない、任期のないポストにはなかなか若手の研究者が就けられないというのが現状であります。  二〇一五年にノーベル賞を受賞をされました梶田先生は、ノーベル賞を取るような研究をするためにはやはり身分が安定している必要がある、若手研究者の安定的ポストの確保が最も重要だと、そのように述べられておられます。今のままいくと、今はたくさん日本がノーベル賞を受賞されていますけれども、このままいくと日本ではもうノーベル賞を取れる研究はできないんじゃないかと、そういった危惧の声も大きくなっているわけでございます。  こうした現状を踏まえて、文科省として、若手研究の育成のための取組を是非とも御説明いただきたいと思います。
  108. 梶原将

    ○政府参考人(梶原将君) お答え申し上げます。  我が国が成長を続け、新たな価値を生み出していくためには、科学技術イノベーションを担う創造性豊かな若手研究者の育成、確保が重要ですが、若手研究者の安定かつ自立的な研究環境の整備には課題があります。  このため、文部科学省では、例えば、優秀な若手研究者が安定かつ自立したポストに就いて研究できる環境を実現する卓越研究員事業や、国立大学における人事給与マネジメント改革の推進により若手研究者のポスト確保を図るとともに、科研費については、科研費若手支援プランの実行を通じて、研究者のキャリア形成に応じた支援の強化を図っております。  また、本年四月に取りまとめた研究力向上改革二〇一九においても、研究人材の改革の観点から、若手研究者の任期長期化と専従義務の緩和による自発的な研究機会等の創出、優れた若手研究者へのポストの重点化等を盛り込んでおります。今後、必要な制度改善等を進めることとしております。  今後とも、我が国の将来を担う若手研究者の育成、確保に努めてまいります。
  109. 熊野正士

    ○熊野正士君 ありがとうございます。是非ともよろしくお願いします。  若手研究者の育成の問題に関わってくることですけれども、今、課題となっているというか、問題視されているのが、博士課程への進学者が減少しているというのが大きな課題となっています。特に、理工系の博士課程への進学者が十五年前の半分といった分析もあるようです。  博士課程への進学者の減少の理由というのはいろいろあるようですけれども、大きな理由としては、博士課程進学者の経済的な負担が非常に大きいということが挙げられています。大学で四年間勉強をして、さらに、修士であれば二年、またその上の博士課程で、ドクターで三年ということで、その期間、経済的に非常に負担が重いということです。  アメリカと比較をしますと、アメリカでは大学院生の八割が何らかの学費免除や減免措置を受けているわけです。全体の六割近くが、六割が全額免除されているということです。それに対して日本ではどうかというと、六五%の大学院生が学費免除、免額を全く受けていない。六五%が全く受けていないということです。全額を免除されている学生さんもいらっしゃるにはいらっしゃいますが、全額免除をされている学生は僅かに一・七%。アメリカが、まあまあ六割が全額免除で、日本が一・七%。  博士課程進学者の減少の課題を克服するためにいろいろとやらなければならないんではないかなと思いますが、やっぱり博士課程進学者への経済的支援というものが必要ではないかと、そのように考えますが、文部科学省、どのようにお考えでしょうか。
  110. 森晃憲

    ○政府参考人(森晃憲君) 博士課程進学者への経済的支援についてでございますけれども、これについては、第五期科学技術基本計画におきまして、博士課程在籍者の二割程度が生活費相当額程度を受給できることを目指すといたしました第三期及び第四期基本計画が掲げた目標についての早期達成に努めるとされているところでございますが、一方で、平成二十七年度時点で、この生活相当額の経済的支援の受給者は博士課程在学者の全体の約一割という調査結果が出ているところでもございます。  文部科学省といたしましては、本年四月に取りまとめました研究力向上改革二〇一九を踏まえまして、日本学術振興会の特別研究員事業や日本学生支援機構の奨学金事業におきます業績者の返還免除、各大学における授業料免除等、優秀な人材が経済的支援を受けられるよう予算要求を行っているところでございます。  また、本年八月に、志願者等が経済的な見通しを持って進学について判断できるよう、学費や経済的支援について入学前から大学が必要な情報提供することの努力義務を定める省令改正を行ったところでもございます。  今後、文部科学省といたしましては、さらに企業から大学への寄附を活用するなど、国費だけに限らず、多様な財源を活用した経済的支援策を各大学に促していくとともに、学生の進路を確保し、社会のニーズに一層対応するための大学院教育の体質改善を進めることによりまして、優秀な人材の博士後期課程への進学を図ってまいりたいと考えております。
  111. 熊野正士

    ○熊野正士君 日本の研究力の低下というのが叫ばれています。研究時間が圧倒的に足りないというふうなことで、例えば競争的資金を獲得しようと思うと、科研費を請求をするためにいっぱい事務処理をしないといけないと、そういったところでも、何とかそういう時間を減らして、本当に腰を落ち着けて若手の研究者が研究に取り組めるように研究時間を確保していかないといけないというふうに思います。このままいくと本当に日本の科学技術、危ないんだという危機感を、文科省がまず誰よりも強く本当に危機感を持って取り組んでいただきたいということを要望したいと思います。  その上で、今年五月に当委員会で、私、質問をさせていただきました。科学技術予算の必要性ということについて質問させていただきました。そのときに財務省の方から答弁いただいたのは、科学技術への投資は、経済社会の激変がもたらす様々な課題を解決し得るイノベーションを生み出し、日本、ひいては世界の新たな未来を切り開いていく重要な未来への投資だと、重要な未来への投資であり、そうした点に血税を使わせていただくことの意義があると、そのように答弁をいただきました。  科学技術への投資はもう日本の発展に必要不可欠だということだと思います。そうした考え方の下、予算が少しずつ、財務省の御努力もあって、少しずつ科学技術に関する予算は増額しておりますけれども、財務省には更なる科学技術予算の拡充を要望させていただきたいと、そのように思うわけです。  今日は、遠山副大臣にその辺のことを是非答弁していただければと思います。
  112. 遠山清彦

    ○副大臣(遠山清彦君) 熊野委員の御質問にお答えをさせていただきますが、最初に、私事でございますけど、私も平成二十年の夏まで参議院議員七年やらせていただいておりまして、当時の先輩、同僚議員、たくさんおられまして、大変この場に立たせていただいて光栄に思っております。  それでは、質問にお答えをさせていただきます。  科学技術に対する投資につきましては、今、熊野委員が御指摘になられたとおり、私ども財務省といたしましても重要な未来への投資であるという認識を共有をしております。その下に、厳しい財政事情の下にありましても、政府予算全体の中で重点化を確保するという方針を持っております。ですから、めり張りでいうと張りの方に科学技術を置くということで今予算編成をしております。  もう先生御承知のとおり、今年度予算におきましては、まずこの科学技術振興費を内数に持っている科学技術関係予算全体で見ると、対前年度比で一〇・四%増の四兆二千三百七十七億円を付けております。その中、内数で科学技術振興費があるわけでございますが、こちらも対前年度比プラス三・二%増の一兆三千五百九十七億円を付けているところでございます。  また、これも御指摘、既にございましたが、基礎研究や若手研究者支援については財務省としてもこれを推進をしていくことは重要であるという認識を持っております。研究者の自由な発想に基づく基礎研究を支援する科学研究費助成事業、いわゆる科研費につきまして予算を増額するとともに、若手研究者への支援重点化を進めるなど十分配慮してきております。ちなみに具体的な数字申し上げますと、この科研費についての令和元年度の予算、文科省の所管でございますが、二千三百七十二億円、これは対前年度比でプラス八十六億円ということになっておりますので、私どもの方針も政府の方針も予算に表れていると思います。  こうした増額された予算を効率的、効果的に活用いただくことで、日本の研究力が向上をして、科学技術が日本の経済社会の発展につながっていくことを期待をしております。  また、これ個人的な先ほどの熊野委員のアメリカとの比較についてのコメントでございますが、先生御承知のとおり、アメリカの大学は資金調達につきまして投資の運用なども活用しておりまして、日本の高等教育機関とは全く違う幅の広いやり方で研究資金あるいは学生たちの学費を免除する財源を確保しているというところがありまして、そういった面も参考に日本の、林元文科大臣が詳しいと思いますが、いろいろと考えていく余地はあるのではないかと、こう思っております。  以上です。
  113. 熊野正士

    ○熊野正士君 ありがとうございます。是非ともしっかりと予算を、科学技術予算を確保していただいて、科研費が増えたというお話ありましたけれども、科研費ももちろん大事なんですが、もちろん大事なんですが、安定資金ということで、いわゆる大学であれば、国立大学であれば運営費交付金等も拡充も十分御検討をいただけたらなとお願いをして、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  114. 音喜多駿

    ○音喜多駿君 日本維新の会の音喜多駿です。初めての質問になります。よろしくお願いいたします。  私からは、所得税法、暗号資産、そして時間が許せば軽減税率、この三項目についてお伺いしたいと思います。  初めに、自治体が行う保育の助成制度における所得税法上の取扱いについてです。  今般、東京都のベビーシッター助成事業をきっかけとして、自治体が子育て費用について利用者に助成金を出すと、年度末にその金額が雑所得として取り扱われ、課税される場合があるということが利用者からの報告により明らかになりました。これは、子育て支援を促進していく上で見過ごせない大きな問題です。  所得税法は第九条で、例外規定として、学費の所得などについて所得税を課さないとしています。これに基づき、例えば大阪市の塾代助成事業においては、月一万円の助成金の税は課されないということになっています。一方で、東京都のベビーシッター利用支援事業ではこの規定は当然適用されず、ほかに非課税とする規定も存在しないということでありました。  そこでまず、所得税法上、所得税法第九条の非課税項目に学費がある一方で、同じく重要である保育費用が含まれていない理由について、財務省の見解をお伺いいたします。
  115. 矢野康治

    ○政府参考人(矢野康治君) 御答弁申し上げます。  学資金は、奨学金などを念頭に所得税法の第九条第一項第十五号において非課税としておりますけれども、これは学術の奨励を目的としたものでございます。これに対しまして、福祉施策一般につきまして申し上げますと、現物給付の場合もあるなど、その形態が多種多様でありますために、個別の根拠法に公租公課の禁止規定を置くことですとか、あるいは租税特別措置法において個別に非課税措置を置くといった対応を行ってきたところでございます。  保育につきましては、従前は保育所の利用などが中心でありまして、個々の利用者に対して所得として認識される形での給付が余り行われてこなかったということがございます。このために、例えば子ども・子育て支援法におきまして非課税措置を設けるなど、必要に応じて措置を講じてきたわけでございますけれども、保育に係る給付全般について一括の非課税措置は講じていないところであります。
  116. 音喜多駿

    ○音喜多駿君 詳細に御説明いただきましたけれども、歴史的に我が国は、教育については公的に平等に提供してきた一方で、保育については家庭でやってもらうという考えも根強かったことから、今まで全般にわたっては議論されてこなかったと、ゆえに控除の取扱いも現行法のようになっているのだろうと、そういった理由もあるのだと推察をします。  しかしながら、時代は変わって、今御答弁ありましたように、子育て費用についても教育費用同様に様々な政策的なサポートをする必要性が増しています。  東京都のベビーシッター事業について見れば、社会政策である保育費用が結果として雑所得になってしまうというのが都民に周知、納得されているとは到底思えません。本事業を一年間フルに使った場合、これ、簡単に試算しますと年額約三百万円助成が受けられます。これが全て雑所得として扱われた場合、年収四百万円の子供が二人いる夫婦世帯、この場合は給与収入が七百万円になってしまいます。そして、所得税と個人住民税を合わせた負担が何と年額三十五万円も増加することになります。  使えるお金が増えたわけではないのに、三十五万円いきなり税金が増えた、これはもう家庭にとっては一大事になってしまうわけですね。これは余りにも不合理であり、子育て世代に優しくない税の仕組みではないでしょうか。  こうした不合理さを解消するためにも、地方自治体が行う子育てに関するバウチャー等、子育て、保育に係る助成金は一律非課税の取扱いを検討すべきと考えますが、まず財務省の見解をお伺いいたします。
  117. 矢野康治

    ○政府参考人(矢野康治君) お答えを申し上げます。  地方自治体におきまして実施しておられる助成につきましては、自治体によってその形態も様々であると考えられます。まずは、関係省庁におきまして、東京都の行っている助成も含めまして、どの自治体でどういった支援をどのような形で行っているかなど実態把握を行っていただきまして、その実態を踏まえて、どのような対応が必要か検討をしてまいりたいと存じます。
  118. 音喜多駿

    ○音喜多駿君 状況把握にまず努められるということで、前向きな検討、議論をしていただきたいと思います。加えて、政府全体の責任として、全省庁でこうした子育て支援における税の在り方について前向きに取り組んでいただきたいと考えます。  そこで、税制改正要望において、厚労省が、子育て、保育費用を非課税とする要望をお出しになっているかと思いますが、この詳細について厚労省にお伺いいたします。
  119. 依田泰

    ○政府参考人(依田泰君) お答え申し上げます。  厚生労働省といたしましては、これまで、子育て世代の仕事と家庭の両立を支援する観点から、税制上の支援について検討して、要望してきたところでございます。  令和二年度の税制改正要望におきましては、ゼロ歳から二歳の子供を持つ一定の世帯が、認可保育所への入所の希望がかなわず、やむを得ずベビーシッターを含む認可外保育施設を利用する場合に、その費用の一部を税額控除、これは所得税また個人住民税でございますけれども、税額控除の対象とする措置を要望しているところでございます。
  120. 音喜多駿

    ○音喜多駿君 まさにこの子育て支援に要する費用に係る税制措置の創設というのは、この要望、今回の東京都のベビーシッター助成事業にも適用できるものだと思います。是非とも、財務省の方でも重く受け止めて、前向きな議論を引き続き行っていただきたいと思います。  とりわけ安倍政権は、夢を紡ぐ子育て支援、一億総活躍社会をうたい、子育て支援を積極的に行っていくことを表明しております。しかしながら、国の税制の根幹である所得税法は、今述べてまいりましたように、いまだにこの保育費用に冷たく、その政治の理念とは懸け離れたものになっています。この取扱いを残置しておくことは、今後、東京都のように地方自治体で独自に子育て支援政策をする際の足かせとなるだけではなく、国として子育て支援に消極的であるという姿勢を見せていることにもなりかねません。  所得税法九条の改正を行うなど、国として、子育て、保育助成には一切課税をしないという強く明確なメッセージが必要であると考えますが、麻生大臣の見解をお伺いいたします。
  121. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) これは、保育の負担軽減を図るという観点に関しての基本なんだと思うんですが、これは、少子化対策という、これは長期的にはこの国にとって最大の問題の一つだと思いますが、国としてもこの幼児教育とか保育の無償化というのを行うなど様々な措置をこれまでも講じてきたところなんですが、御指摘の事項につきましては、今事務方の方から説明をさせていただきましたが、これは東京都の話だね、今の話はね、言っておられるのはね。どのような助成が行われているかと。これは東京都みたいに不交付団体で金があるというところとは限りませんからね、ほかのところはほとんど交付団体ですから。そういった意味で、全然実態が違いますので、よく実態把握をした上で、これは、各関係省庁においてしっかりとした対応の在り方についてこれは検討していかにゃいかぬところだということだと思います。
  122. 音喜多駿

    ○音喜多駿君 地域事情は様々ではありますが検討をしていくべきものというコメントをいただきました。是非、特に子育て支援に関するいわゆるバウチャー制度、今東京や大阪では始まっていますけれども、利用者側への助成は市場をゆがめない、有効なものだと考えています。加えて、今回、この点について控除をしても税収減のインパクトはまだ少なく、言わばコストパフォーマンスの良い打ち出し方、政策であると考えます。  税制要望を踏まえて、是非、制度改正、法改正に向けた早急な調査、検討を動いていただきたく、お願いを申し上げます。  次に、暗号資産行政についてお伺いいたします。  今月ワシントンで開催されたG20財務相・中央銀行総裁会議は、閉幕後のプレスリリースで初めてステーブルコインについて言及しました。ステーブルコインとは、価格変動を抑えるため法定通貨と連動するものであり、暗号資産をより実用化するため、国際的にも注目されているものであります。一定の規律は必要ですが、国として円基軸でのステーブルコインの導入、これを検討を後押ししておくべき段階になっていると考えます。  そこでまず、政府における現在のステーブルコインに対する御認識と我が国におけるステーブルコインの発行、流通の現状について、金融庁にお伺いいたします。
  123. 森田宗男

    ○政府参考人(森田宗男君) お答え申し上げます。  ステーブルコインにつきましては、法定通貨等を裏付けとして価格を安定させることにより、決済手段として利用しやすくなる可能性がある一方で、インターネット上で移転するため不正流出するリスクがあり、また取引の匿名性が高い場合にはマネーロンダリング等に利用されるリスクもあるというふうに認識してございます。  また、現在、日本国内においてステーブルコインは発行、流通しているものはないというふうに承知しております。
  124. 音喜多駿

    ○音喜多駿君 リスクはあるものの、利用者の利便性が増すものとしてプラスの認識もあるという御答弁でありました。そして、現在、円基軸でのステーブルコインは発行、流通共にないということでございます。  ところが、実際、現在、ドル建てでは既にUSDT、USDCといったステーブルコインが出回っており、また一昨日、麻生大臣も衆議院の財政金融委員会で言及されていらっしゃいましたように、中国もステーブルコインを開発するという動きが出ています。また昨日、ロイター通信が、EU内でもデジタル法定通貨が発行される動きがあるということを報じています。これはステーブルコインである可能性も十分にあるのではないかと思います。  こうした流れですから、日本でも審査基準を明示する等すればステーブルコインの開発が促進されることが見込まれますが、現在、ステーブルコインを日本で登録、発行する場合、その要件は明確化されているのかお伺いいたします。  また、流通についても同様、今後ステーブルコインを日本で流通させる場合、取引業者に課される要件が明確に定められているのかどうか、お伺いいたします。
  125. 中島淳一

    ○政府参考人(中島淳一君) お答えいたします。  いわゆるステーブルコインをめぐりましては、送金、決済に使われる場合には、資金移動業における送金サービスあるいは銀行預金としての性格があるほか、預かった資金の裏付けとして他の資産で運用を行っている場合には、MMFといった投資信託に近い特性もあるなど、異なる金融サービスの特徴を兼ね備えているといった指摘もなされております。  したがいまして、ステーブルコインを発行しようとする主体や取り扱おうとする主体に課されます規制につきましては、個々のステーブルコインの具体的な内容、枠組みに応じて判断されるものと考えております。
  126. 音喜多駿

    ○音喜多駿君 発行においても流通においてもそれが暗号資産なのかそうでないのか、ステーブルコインについても個別に検討するということでございました。  こうした対応ですと、いざ国内で円建てのステーブルコイン、開発するという段階で、国の基準が不明確なためにちゅうちょしてしまうということになりかねず、審査基準の明示を早期に行う必要があると考えます。  同様に、発行されたステーブルコインを取り扱える流通の事業者についても、暗号資産交換業者では取扱いができないという制度の壁ができると、実質的にブロックチェーンのメリットを日本の利用者が享受できないという結果になりますので、是非現実的な取扱基準も早期に検討、そして示していただきたいと思います。  ここまでお話を伺いますと、ステーブルコインについてまだ現状、判断の基準が開発速度に追い付いておらず、それゆえ個別判断ということになっている印象がございます。暗号資産、そしてブロックチェーン利便性を普及させるためには、価格の変動が余りない安定したコインを発行、流通させることが不可欠です。それこそがまさに政府が最も主眼を置いている消費者保護にもかないます。今ならまだ、ドル基軸、円基軸に押されることなく、円建てのステーブルコインの発行によって円基軸の世界を切り開いていくことが可能です。  麻生大臣、まさに、一昨日の衆議院財政金融委員会で、ステーブルコインについて需要があることは間違いないと、そして中国が率先的に動いていることを危機という表現を使って言及されておりました。しかし、これは単なる危機と見るのではなくて、チャンスとしても捉えて、日本円を基軸とするステーブルコイン開発の後押しをすることで金融取引の活性化を図って世界をリードするべきではないでしょうか。  そこで、麻生大臣に、日本でのステーブルコインの発行、流通を後押しするべきと考えますが、大臣の所見をお伺いいたします。
  127. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 先般、大阪並びにワシントンDCで行われましたG20の財務大臣・中央銀行総裁会議において、いわゆるこのステーブルコインについて、これはグローバルに用いられるというのを前提に置いて、政策や規制に関します一連のリスク、これはマネーロンダリングなりなんなりに物すごい使われる可能性がありますから、そういった意味では、サービスが開始をされる前にきちんと吟味されて適切な対処をされる必要があるということで、G20がこれで一致をしております。それの共同声明も出たのも御存じのとおりで、その中に中国も入っていたということを忘れないでいていただければと思います。  その上で、ステーブルコインについては、金融分野における新しいいわゆるイノベーションになる可能性というのはあるんですが、これは、中国の国内のローカルであれ、一帯一路を使うであれ、日本の国内であれ、いわゆるグローバルに使うということでも、その性質をよく見極めた上でこれはいろいろ多角的にやっていかないと、いわゆるマネロンの抜け穴になり得る可能性というのは最も高い。技術がまだ確立されていない、いろんな意味でありますけれども、同時に、これは銀行にとりまして送金手数料が全然掛からないということになり得る可能性がありますから、そういった意味では、需要があるということは確かですが、それは必ず利用者にとってセーフ、安全なものだという保証は誰がするんです、その企業がするんですか。ということになりますと、そういった意味で、その企業が、じゃ、倒産しましたと言われると、そのままで終わりということになりかねませんから、きちんとした、いろんなものを詰めておかないかぬということだと思いますので、時々例に使われますけど、オートバイが発明されたときに、自転車の規制とエンジンの規制と両方ともクリアしたから、じゃ、オートバイは安全かというような話で、これは個々の技術的なものができ上がっても、全体としてそれを使うことになって、安全かどうか分からぬという例に時々使われるんですけれども。  今後とも、私どもとしては、これは日本銀行とも連携しながら、国際的な議論に貢献していくと同時に、いろんな意味で、我々としては、このブロックチェーン等々の技術は多分今、日本が一番進んでいると思っていますけれども、そういった意味では、この利用者保護という意味と金融商品としてのイノベーションという意味と両方をバランスしながら、あと、いろいろ更に検討を積み重ねて、国際的な連携をきちっとした上でやらぬと非常に危険なものになりかねぬなという感じはしますけど、同時に、新しいイノベーションであることも確かだと思っております。
  128. 音喜多駿

    ○音喜多駿君 ありがとうございます。大臣、この分野、非常に明るいので、詳しく御答弁いただき、ありがとうございます。  リスクについて、いろんなものがあるのはおっしゃるとおりだと思います。それゆえに、いろいろ個別の判断になっているものと思います。  時間もあれなので最後に一点なんですが、そうした中で、ステーブルコイン以外にも例えばコンテンツトークンと言われるものがありまして、ゲームやアートの、キャラクターアートといった唯一性を持つ、こういったトークンを発行する際にも、やっぱりこれがどういう基準で暗号資産とみなされるかどうかという明確な基準が示されていないと。  そうした中で、いろんな判断基準、それを個々にやっていくという中で、今の金融庁に問合せをすると、返ってくるまでにもう何週間、何か月と掛かってしまうと。一方で、シンガポールなんかでは、問合せをすればもう一週間で返ってくると。こうした中で、なかなか日本の企業は、金融庁に相談しても、シンガポールでやった方が早いですよというようなことを言われたというエピソードも仄聞しております。  ですので、こういった、フィンテック業界を活性化するためには、トークンについても発行の際のガイドライン、これ今まだ詳細にはなかなか定められていないと私は認識しているんですが、詳細化したり、あるいは回答の迅速化を図るといった金融庁の体制や体質の強化というのを是非図っていただきたいと思うんですが、この点について、最後、大臣の見解をお伺いいたします。
  129. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) コンテンツトークンは分かっている人はほとんどいないと思うから、そういうときはきちんと説明してやらぬと、あなたの一人の思い善がりにしかならぬから、その説明までこっちがさせられるのはかなわぬので、以後は、きちんとそれを説明した上で分かりやすい日本語にしてから話をしてもらわぬと、速記録の方も面倒くさいからね。よろしくお願いしますよ。  少なくとも、コンテンツトークンというのは、今いわゆるクリプトアセットと称する、ステーブルコインとは違うクリプトアセットと称する暗号資産というものを購入して、それを売却はすることが可能というようなもので、今の段階ではゲームソフトのアプリ等々に使われている種類のそういったものだというように御理解いただいた上で、この金融庁のいわゆるガイドラインによります暗号資産というものの判断基準が不明確であるとの意見や、これ、当局から回答が遅いといった話があるというのは我々も承知をしておりますが、こういったものを踏まえまして、いわゆる何だろうね、今のトークンの話ですけれども、基本的に決済手段として利用されるものではなくて、いわゆる資金決済法上の暗号資産に該当はしないというように我々としては考えるんですけれども、今年の九月のあれで事務のガイドラインを改正してその旨を明確にしております。まず第一点。  次に、フィンテックのサポートデスクなどを通じて、これは、フィンテックとはファイナンシャルテクノロジーのことですが、これのサポートデスクなどを通じて新たなサービスを行う上で必要なアドバイスを迅速に提供するんだという、先ほど言われたとおりなんですが、今、私たちの知っているのでは、対応期間は大体営業日で五営業日以内でほとんど返事ができているはずですがね、最近。今の情報は少々古いと思いますけれども、五日以内で今できているんだと思いますし。この二〇一九年の一月から六月までの間にこの種のお尋ねが二十二件あっておりますが、いずれも対応は五日以内ということになっておると思っております。  したがって、それなりの対応はできているんだと思っているんですが、これは、健全なイノベーションというものを更に進化させる、発展させるという観点から、新たな金融サービスというものをつくり出す、創出するのを目指す多様な参加者、プレーヤーというのがおりますので、そういった人たちを後押しをしていくということで、引き続き基準というものを分かりやすく明確化して、相談への迅速な対応というのは引き続きやっていかにゃいかぬと思いますが。  このブロックチェーンという技術というのはなかなかなものだと私は思いますので、こういったようなものと、安全性、信頼、そういったもの、また、いわゆるマネロン等々に使われない、そういったようなもの等々を、これ一国だけでやれるかというとなかなかそういうわけにはいかなくて、これ国際的なもので一緒にやっていかないと事はなかなか進まないんじゃないかなという感じがしますので、各国ともよく連携を取りながらきちんと進めたいと思って、我々、数年かけてここまで来ているんですけれども、それなりの形が少しずつできつつあるかなとは思ってはおります。
  130. 中西祐介

    ○委員長(中西祐介君) 音喜多君、まとめてください。
  131. 音喜多駿

    ○音喜多駿君 時間が来たので、終わります。ありがとうございました。
  132. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 大門です。  今日は、強い立場にある大手企業が弱い立場にある中小の取引先に対して一方的に不利益なことを押し付ける、いわゆる優越的地位の濫用の問題を取り上げます。  この二年ほど、この委員会で、大手損保会社の中小代理店に対する一方的なやり方を取り上げてまいりました。また、この間でいいますと、セブンイレブンとかファミリーマートなどコンビニの本部が店舗のオーナーに対して、お弁当の見切り販売、値引き販売を制限するとか二十四時間営業をもうしんどいのにやれと押し付けるとか、そういう問題がいろいろ話題になってまいりまして、我が党の辰巳孝太郎議員が繰り返し国会でも取り上げてまいりました。そういう一方的なやり方を押し付けてきたということで、いろんなところで起きている問題だということでございます。マスコミも今注目しているわけですけれども、大手損保もコンビニ本部も共通しているのが、優越的地位の濫用の疑いがあるという点でございます。  まず、損保代理店の問題ですけれども、これは本当に、麻生大臣の地域の中小代理店大事にしろという御答弁を繰り返しいただいて、金融庁も頑張っていただいて、一定改善が進んでまいりました。  資料をお配りいたしましたけれど、国会の中でも、全国からもう本当、有志で集まられて、院内集会が開かれてきております。今年も今月の二十二日に開かれる予定のようですけれども、西田さんとか大塚耕平さんが、各党の皆さんが参加をしていただいております。  ちなみに、損保代理店というのは、自民党の中に政治連盟ができておりまして、全国的に言うと自民党支持者の方がかなり多いんですよね。是非自民党の皆さんは頑張ってほしいなと、自民党の代わりに私が質問しているようなところもありますので、頑張ってほしいなと思うんですけれども、いずれにせよ、党派を超えたテーマではございます。  このときの集会でも、この裏の方にありますけれど、発言がいろいろ載っておりますけれど、要するに大手損保と代理店の間のやっぱり一方的な契約のことについておかしいという声がかなり上がっておりまして、それで去年の十二月と今年の三月にこの委員会で、ある大手損保の委託契約書が、代理店を一方的に格付をして、一方的に手数料の額を決めるというようなとんでもない契約書があったので取り上げさせていただいたら、金融庁はちゃんとそのヒアリングをやってもらって、その大手損保に対してもやっぱりちょっと違うんじゃないかというふうな意見を言ってもらって、その大手損保は見直しますと、契約書を見直しますというふうに、見直しを検討するというふうになったところでございます。  こういうこの契約書の問題では金融庁も非常に留意をしていただいておりますけれど、この後、これからどういうふうにフォローしていただけるのか、ちょっと教えてもらえますか。
  133. 栗田照久

    ○政府参考人(栗田照久君) 大手損保会社は代理店委託契約書を年一回定期的に更新しているところでございます。多くは来年の四月から新しい契約書を作るということになります。ということで、現在、それに向けて損保会社におきましては中身の見直しをしているところでございますけれども、その中には、当然、委員御指摘になられました損保会社に一方的に有利と捉えかねないような条文の見直しも当然含まれておりまして、この点については我々もそういう見直しをきちんとやってほしいということを申し上げているところでございます。  本来、損保会社と損保代理店の委託契約というのは民民間の契約でありますので、当事者間でよく話し合って解決していただくべき事項ではございますけれども、規模の大きい損保会社に対しまして規模の小さい損保代理店の立場が弱いという面もございますので、損保会社におきましては代理店の意見をよく聴取して丁寧に対応に努めていただきたいというふうに考えておりまして、今後とも引き続き、損保会社の対応については注視してまいりたいというふうに考えてございます。
  134. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 ありがとうございます。是非お願いしたいと思います。  ただ、せっかく国会で取り上げたんですけれども、その大手損保は見直すとは言っているんですけど、年度更新ですかね、年更新なんですかね、そのときに見直すということで、もう見直したのか分かりませんけど、この間、三月に国会でここで取り上げて、金融庁もわざわざそういう意見を言ってもらったにもかかわらず、それからもう半年もたつのに、次の更新のときにやりますと言うだけで、同じ契約書ですね、あのひどいやつ、あれをずっと続けておりまして、新しい新規の代理店とはあのままで契約しているんですね。  国会で取り上げるという意味、あるいは金融庁から意見をされるという重み、全然分かっていないんじゃないかと思うんですね、この大手損保ですね。一応、変えると言うから、名指しでは、名前を伏せておりますけれど、M損保と言ったら分かると思うんですけれど、名前は伏せているんですけれど、何か分かっていないんじゃないかと思うんですね。  それで、もう一つ、このM損保、資料配りましたけど、ひどい中身なので、ちょっと分かっていないみたいなのでもう一つ指摘をしておきたいと思うんですけれども、実はもっとひどい内容のことがこの委託契約書に含まれております。  これは、要するに、一から十九まである。ある場合には一方的に大手損保が代理店に対して契約を解除しますよと、文書で通知するだけでしますよというやつなんですね。もちろん、それと、契約解除されるということは、もうその日から仕事ができなくなると。顧客名簿使えなくなってということなので、もう営業できなくなる、仕事ができなくなるということで大変重い意味があるわけですね。それを一方的にやれるような契約書なんですけれど、ただ、中身はもちろん、十一番にあるように、反社会勢力と、十一番、十二番ですかね、関係、こういう場合は当然契約解除と、これは当たり前だと思うんですけど、全体として、ああしろこうしろと、そうしないと契約終了であるという中身になっております。  特に問題は、十七番目の「代理店が、本契約の基礎となる信頼関係を失わせる行為を行った場合」と。これはどういうことかといいますと、これは大手損保が代理店に対して、おたくはもう信頼しないと、信頼関係を失ったという場合に契約解除するということなんですね。  これは非常に恣意的に現場では使われておりまして、勝手な解釈で使われておりまして、このM損保の、うちに相談いっぱい来ていた中の一つなんですけど、例えばM損保の代理店がほかの損保会社と乗り合いをしたいと。ところが、M損保は乗り合いを拒否する、駄目、うちのだけでやりなさいとやると。そのときに、いや、やりたいんだということを言うと、もうおたくとは信頼関係がないということで、そういうふうにするんだったら契約解除させてもらいますという脅しで使うんですね、この項目を。  あるいは、その代理店の方は、そうはいっても乗り合いやらないともう営業がもたないということで、やっちゃうと。やっちゃった場合、まさに信頼関係は失われたということで、これを盾に取っていきなり顧客情報をシャットダウンするというようなことを実際にやってきたわけですね。そういうことに使われているのがこの信頼関係を失った場合ということで、何でも使えるというようなことがあるわけですね。  これ、もう答弁は同じだと思いますので、これも含めて、こういうことを含めて、実はこれ、ほかの大手損保もみんなあるんですよ。もっと言えば、コンビニの契約書にもあるんですよ。こういう優越的地位の契約の場合、必ず入れるんですね、何でも使えると。逆らったときに、何か不満を言う、言うことを聞かないという場合に、全てこの信頼を失ったからということで契約解除と。脅しとか実際の報復とか、そういうので使われてきているのがありますので、是非とも、これも含めて、そのヒアリングのときには、むしろこれが一番重い話かも分かりませんが、改善を進めていってほしいと、これはもう答弁同じだと思うので、指摘をさせてもらいたいというふうに思います。  それで、地域の損保代理店は、この間の災害でも被災者の支えとなって大変頑張っておられます。最初この委員会で取り上げたときは、糸魚川の大火のときに、大火災のときに頑張った話を取り上げて、麻生大臣が、ああ、そういうことか、そんなに頑張ったのかということで、この問題が改善の方向に動き始めたということなんですが、引き続き、この間の災害でも頑張っているということを御報告しておきたいと思います。  その上で、ちょっとコンビニの問題に少し入りたいと思うんですけれども、経済産業省にも来ていただいております。  こういう優越的地位の濫用は、大手損保と代理店の間だけではなくて、コンビニ本部とコンビニの店舗オーナーとの間でも同じように優越的地位の濫用が頻発しております。  先ほど申し上げました、二〇〇九年には、公取が、これはセブンイレブンですね、さっき申し上げた値引き、お弁当なんかの値引き、見切り販売をコンビニ店舗がやった場合に、それやるなということで不当に制限していたということで、公取が排除措置命令を出しました。つまり、コンビニ本部が統一的な価格を強要したということで、独禁法の優越的地位の濫用に当たるということで措置命令が出たわけですね。  この間でいいますと、コンビニの、新聞にもよく載っておりますけれども、テレビでもやっていますが、二十四時間営業、これはもうできないと、もう体制もないし、もう大変だと、もうやらないという店舗が出てきたときに、やれということのやり取りがあったんですけど、これもうちの辰巳孝太郎議員がかなり取り上げて、四月ですかね、取り上げた後に公取が見解を出してくれまして、オーナーの側が、見直しをしてほしいと、二十四時間営業を必ずやれということを見直ししてほしいということに対して一方的に拒否するということは独禁法の優越的地位の濫用に当たる可能性があるということを公取が言ってくれたので、若干これも動き始めているということになるわけでございます。こういうことは起きているわけですね。  そこで、今やコンビニは、損保の地域代理店と同じように、非常に災害のときも、また日常的にも地域で大事な生活インフラになっているわけなんですけど、それにふさわしい処遇もバックアップもないというのが現状で、むしろコンビニ本部からはああせいこうせい言われているというような立場にあるわけでございます。  そこで、経済産業省では、やはりいろいろ問題があるなということで、有識者によるコンビニのあり方検討会を設けて検討を始めていっていただいているというふうに聞きますけれど、いろいろとたくさん多岐にわたる意見があると思いますが、この中で特に、今申し上げたコンビニ本部と各店舗オーナーとのこの力関係の強弱があるわけですけれども、いわゆる一方的なやり方について、そのあり方懇談会ではどういう意見が出ているか、幾つか簡潔に紹介をしていただけますか。
  135. 島田勘資

    ○政府参考人(島田勘資君) 委員御指摘のとおり、経済産業省では、コンビニエンスストアの今日的な課題と今後の方向性を議論する新たなコンビニのあり方検討会、これを開催をするとともに、これと並行して、実態把握のため全国八都市でコンビニのオーナーへのヒアリングなどを実施をしたところでございます。  これらの場において、オーナーと本部の対等な関係を疑問視する声、あるいはコミュニケーションの少なさを指摘する声もございました。その一方、最近本部の姿勢や対応が変わりつつあるといったような声も聞こえてきているところでございます。
  136. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 そうなんですね。かなり有識者の方も問題意識を持っていただいていて、要するに、コンビニ本部と加盟店オーナーとの力の強弱があり過ぎると、あとは公正な話合いができていないと、あと、ほかのフランチャイズ契約に比べてコンビニの契約というのは、義務が、ああしろこうしろが細かくて非常に多過ぎるということとか、あるいは、本部が決めたことに発言権も拒否権もないというようなことが議事録に載っておりますね。  あと、また、経産省では、コンビニオーナーへのヒアリングももう十二回もやっていただいているということでございます。これは、こちらでもう同じ内容が多いので言いますと、要するにフランチャイズ契約の抜本的な見直しが必要だというのがオーナーから出ておりますね。あと、コンビニ本部が全て自分たちの合意も、同意もなく始めてしまうと、紙一枚で次からこういうことをやりますよということを、で、リスクを負わなきゃいけないとか、要するに優越的地位の濫用が蔓延しているようなことがコンビニオーナーのヒアリングでも出されております。  経済産業省に是非お願いをしたいのは、金融庁も、民民の契約であるということは前提としながらも、やはりこのままでいいのかと、大事な地域の代理店がという点で、大手損保にヒアリングを、あるいは時には意見を言うことをやってくれていて、一定改善が進んでいるわけですけれども、是非とも経済産業省としても、このコンビニ本部に対してヒアリング、まずどうなっているのか、何でこういう意見が多いのかとか、まず実態の把握を含めてヒアリングをやられるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
  137. 島田勘資

    ○政府参考人(島田勘資君) 先ほど申し上げました検討会、これを来週も開催をいたします。その来週の検討会の委員によるコンビニ本部へのヒアリング、こういったものも実施をする予定となってございます。ヒアリングの結果も踏まえながら、引き続き検討会における議論をしっかりと進めていきたいと思っております。
  138. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 是非、そういうヒアリングをやっていただけるということなので、金融庁も大手損保にヒアリングをやっていただく中で大手損保の姿勢が変わってきましたので、是非お願いをしたいというふうに思います。  今日は公正取引委員会にも来ていただきまして、ちょっとそもそも優越的地位濫用とは何なのかということも含めて聞いていきたいというふうに思うんですけれど。資料の一番後ろに、初歩的、そもそも論ですけど、優越的地位の濫用とは何なのかということを付けておきましたが、これを踏まえて、具体的に言いますと、公正取引委員会のガイドラインがありますね、フランチャイズシステムに関する独禁法の考え方についてというふうな、この優越的地位の濫用、フランチャイズシステムにおける考え方を出されておりますね、ガイドラインですね。  これ、ちょっと、いろいろ長いんですけど、簡潔に、何をもってフランチャイズシステムの場合、優越的地位の濫用とするのか、ちょっと簡潔に説明お願いできますか。
  139. 粕渕功

    政府参考人(粕渕功君) お答え申し上げます。  私どもの作成しておりますフランチャイズガイドラインにおきましては、加盟店に対して取引上優越した地位にある本部が、フランチャイズシステムによる営業を的確に実施する限度を超えて、正常な商慣習に照らして不当に加盟店に不利益となるように取引の条件を設定し変更する、又は取引を実施するといった行為をする場合には、独禁法第二条第九項第五号の優越的地位の濫用に該当するというようにされております。
  140. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 つまり、こういうことですね。まず第一に、コンビニ本部は各店舗に、これからこういう商品を並べてほしいとか、いろいろありますよね。それはコンビニの戦略としてありますよね。それに基づいて、ああしてほしい、こうしてほしいとか、いろいろ、義務もあれば制限を付けるとかありますよね。それは、一定、フランチャイズシステムという一つのイメージ、ローソンならローソン、セブンならセブンというような統一した店舗イメージとか統一した戦略だから、一定それに従ってやるということはあり得ると。それそのものが度を超さなければ独禁法違反とは言えないけれども、けれども、今おっしゃったように、フランチャイズ契約、あるいはその本部の具体的な行為がシステムの維持に、今言った戦略の維持に必要な限度を超えてオーナーに不当な利益を与える場合は独禁法違反に該当することもあるというふうな、まあ分かりやすく言うとそういうことですよね。  具体例で聞きますけれど、これ資料三に付けておきましたけれど、こういう場合はどうなるんでしょうかということなんですが、これ、大手コンビニB社なんですけどね。今説明もあったように、これ、ちょっと白くなっているところはここに名前が入るわけです、ファミリーマートシステムとか、何とかシステムと名前が入るわけですけれどもね。そういうコンビニのシステムを変更するときに、甲というのはコンビニ本部ですね、コンビニ本部がいろんな事業展開とか社会経済の変動とか、技術の進歩とか、消費者ニーズとか、あるいはいろんな消費者行動の変化に対応して自分たちのシステムを変更すると。これ不断に、革新を加えてやっていくわけですね、それはできると、やらせてもらいますと。そのときに、そのときに、コンビニの店舗はその変更に応じますと、本部から言われたことに応じますということですね。  さらに、ここが問題なんですけど、そのシステムの変更の費用を本部が払うのかと思ったら、コンビニ店舗に負担を求めることができるものとして、それはコンビニ、甲ですね、コンビニ本部が、負担金を現金決済勘定で支払いますと、コンビニの戦略に従いなさいと、いろいろなシステム変更に応じなさいと、各店舗一体的に合わせなさいと、そこまではあると思うんですね、さっきの話でも。そのこと自体は不当と言えないかもしれませんけれど、その費用を一方的にオーナーに求めると、これは先ほどの優越的地位の濫用に該当する、少なくとも疑いがあるんじゃないでしょうか。
  141. 粕渕功

    ○政府参考人(粕渕功君) お答え申し上げます。  個別の事案になりますのでお答えは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、一般論として申し上げますと、先ほど申しましたとおり、まず、自己の取引上の地位が相手方に優越しているのかどうか、つまり本部が取引先である加盟店に対して優越しているのかどうかという点、さらに、その正常な商慣習に照らして不当であるのかどうか、つまり、公正な競争を阻害しているのかどうか、さらに、相手方に対して不利益となるように取引の条件を設定しているのかどうか、これ個別の事案に応じて判断していくことになろうかというふうに思っております。
  142. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 具体的にはそうだと思うんです。今おっしゃったの全て該当しますね、コンビニ本部と店舗の関係も、取引ずっと続けて、優越的地位があるわけですね。中身としては、一方的に決めたことを費用を負担させられるということになるわけですね。だから、非常にこれは、具体的には申告があって、そちらで審判加えられると思いますけど、そういう優越的地位濫用の可能性、非常に高いという、そういう契約書を結んでいるということですね。これ具体的に、実物ですからね。これは申告があればきちっと精査をしてもらいたいというふうに思います。  第二に、ガイドラインによりますと、こちらで言いますけど、具体的に独禁法に違反するケースは三つあると書いていますね、三つ。一つは、先ほどからもおっしゃっているように、正常な商慣行に照らして不当に加盟店に不利益を与えるような取引の条件を設定した場合、つまり契約内容ですね、取引の条件の設定ですから契約内容、契約内容が不当に不利益を与えるようなものである場合が一つですね。もう一つは、不利益を与えるような契約に変更した場合、契約があって変更して不利益を与える場合ですね。三つ目は、そういう不利益を与えるような取引を実施した場合、具体的な行為ですね、具体的にやっておられる、この三つあるわけですね。  これは、実はフランチャイズ、まあコンビニだけではなくて、大手損保代理店、大手損保会社と代理店との関係にも共通する基本原則のようなものですよね、この関係というのは、独禁法の優越的地位濫用が該当するのかどうかという点では。  この三つについて、ちょっと法律的に分かりにくいかも分かりませんが、ちょっと聞いていきたいんですよね。  三つ目に申し上げました不利益を与えるような実際の行為というのは、これ分かりやすいですよね、行為ですからね、分かりやすいんですよね。先ほど言いました弁当の値引きをさせないという行為についてね、だから分かりやすいですよね。例えば、大手損保の乗り合い拒否も、これ行為ですよね。だから、その行為は私は独禁法上の取引妨害に当たるのではないかと思ってますけど、行為だから、分かりやすいですよね。これは、改めて乗り合い拒否について優越的地位の濫用に当たるかどうかきちっと申告してもらって、審判を加えていただきたいと思いますが、とにかく行為は分かりやすいんですよね。  問題は、分かりにくいのが、契約上、契約書の上での、上での優越的地位の濫用がどうなのかと、あるのかどうかと、これが非常にグレーゾーンなところですね。  まず、コンビニの契約にしましょうかね、コンビニの方が分かりやすいので。コンビニの契約で、不利益を与えるような、先ほどのことも含めて、それはもう契約書に書いてあると、書いてあると。それは、そうはいっても、双方でサインをして契約を結ぶわけですけど、そうはいっても中身は不利益、一方的な不利益が入っていて、優越的地位の濫用の疑いがあった場合、この契約そのものがこの三つのうちの一つ目に該当しますけど、取引の、不利益を与えるような取引の条件を設定した場合に該当するのかどうか、その契約書そのものが、これはいかがですか。
  143. 粕渕功

    ○政府参考人(粕渕功君) お答え申し上げます。  独占禁止法の優越的地位の濫用規制といいますのは、これは事業者の何らかの行為を規制するというように法律上規定されております。したがって、その場合、先ほど、ちょっと繰り返しになりますけれども、相手方に優越していることを利用して、そして正常な商慣習に照らして不当にということの前提として、さらに、取引の条件を設定、変更、あるいは取引を実施するといったその行為があれば、その場合には独占禁止法上の優越的地位の濫用に該当するおそれがあると、そういうことでございます。
  144. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 ですから、そういう不利益な条件を、取引の条件を設定したと、契約書に設定したということが、契約書そのものが設定されていれば優越的地位の濫用になるんじゃないかということを、実はこれ、うちの辰巳孝太郎議員も質問していて、よく分からないやり取りがずっとあって、グレーゾーンみたいな。  私は、公取の事務方と何回か議論したんですね。結局、整理はこういうことでありまして、契約書は仮に優越的地位濫用のような中身が含まれているとしても、最初にコンビニの仕事をやろうと思った人がコンビニのある本部と契約しようというときは、まだ優越的地位は成立していないと。なぜならば、その人はそのコンビニと契約しなくてもよかったかも分からない、あるいはほかの仕事をやる自由もあったかもしれない。だから、その時点では、契約を結ぶ時点では優越的地位というものがまず成立していないので、その契約について優越的地位の濫用にならないということと、選択肢があったでしょう、ほかにもと、民民でしょうみたいな、ちょっと公取らしくないんだけど、要するにサインしたんでしょうみたいな、いうことなんですよね。  それでいいんですか、そういうことで。
  145. 粕渕功

    ○政府参考人(粕渕功君) 優越的地位の濫用規制、繰り返しになりますけれども、行為を規制するということでございますので、その取引の相手方に不利益となるような取引条件、これを設定する場合、あるいは変更する場合、あるいはそもそもそういう取引を実施する場合、このような場合に優越的地位の濫用になる可能性があるという、そういうことでございます。  したがって、その取引の最初の段階ということになれば、一般的に考えれば、小売業者から見れば誰とでも取引が開始できるわけですから、そういう意味で優越的地位が生じる可能性は低いのではないかと、こういうふうに考えております。
  146. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 それで、私はそれを聞いて、ちょっと愕然とするんですよね。要するに、最初の契約のときは優越的地位という地位がまず成立していないからということが前提になっているんだけれども、これ、公取はよくそんなこと言うなと思うんですけれどもね。別に、例えば地域で長年営業してきた酒屋さんがあるとしますね。で、規制緩和があって酒販の自由化があって、大手の量販店がどんどんやっていって、もうそこで酒屋さんできないと。しかし、その場所で小売の仕事を続けたいと。それでコンビニを選択するしかなかったと。そのときに、コンビニいろいろあると言われたって、みんな同じような中身だと。で、契約しないと営業は続けられないというような場合があるわけですよね。何かそんな、何だってやれると、別にコンビニやらなくてもよかったんじゃないのと、おそば屋さんやればよかったんじゃないのと、そういうふうにならないでしょう。  だから、もっと実態的に、何かいかにも自由な選択肢があってコンビニの仕事を選んだとか、そういうことではないんじゃないかと。サインしたの、あんたの責任でしょうで済ませて、それだったら公取なんか要らないんじゃないかと私は思うんですよね。  損保も同じなんですよ。損保も二〇〇一年に代理店との関係で大幅な規制緩和があって、自由契約みたいになっちゃって、大手損保が優位な関係になっちゃったわけですね。それだって、長年損保の関係の仕事をやってきた人が自分で独立してやろうと思ったときに、損保の代理店が一番成功する可能性が高いから損保の代理店をやるわけですね。それを、あんた、別に損保の代理店やらなくてよかったんじゃないのと、何かほかの仕事やればよかったんじゃないのと、そういうことじゃないと思うんですよね。  だから、何といいますか、公取の姿勢として、そんな何か自己責任で、要するにそんなことを判断していいのかということを思うわけでありまして、余り、ほかに選択肢はあったとか、そんなことじゃ弱い立場の人を守れませんよね、公取というのはですね。  むしろ、公取が考えていただかなきゃいけないのは、優越的地位の濫用の疑いがあるような契約書は、そんな契約書はたとえ本人がサインしても有効ではありませんよと、無効ですよと、こういう見解を出すのが本当の公取の役割ではないかと思うんですけれども、いかがですか。
  147. 粕渕功

    ○政府参考人(粕渕功君) その辺りにつきましては、個別の状況に照らしまして個々の事実関係を見まして、その上で、それぞれ優越的地位の濫用に該当するのかどうかということを判断していくことになるかと思いますので、お答えとしては個別の事案に応じて判断していくということだと思います。
  148. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 いや、個別の事案じゃないんですよ。公取の姿勢について言っているんですね。公取は、そういうことを言いながらいろいろ考えを変えていかれることも知っておりますので、是非ちょっと検討してほしいんですよ、こういう問題というのは。そんな自由契約みたいな話で済ませられないということですよね。全てとは言いませんよ、場合によってはですよ、そういうふうな契約もあるということでございます。  もう一つは、不利益を与えるような契約に変更した場合、変更した場合。今ある契約は優越的地位の濫用とは言えないけれども、優越的地位の濫用になるような中身に契約を変更した場合というのはありますよね。このときの契約の変更の契約という意味なんですけれども、これは契約書そのもの、委託契約書とか、コンビニだったら基本契約書とか、それだけの狭いものを指すのか。あるいは、その契約に付随する別規定というのは結構あるんですよね。全体は私は契約だと思うんですけれども、その全体を契約と見て変更した場合に、不利益が生じた場合、不当な不利益が生じた場合、優越的地位濫用の可能性があるというふうな解釈でよろしいですか。
  149. 粕渕功

    ○政府参考人(粕渕功君) 優越的地位の濫用を判断するに当たりまして、私ども、その契約書のみで判断するわけではございません。繰り返しになりますけれども、どういうような行為が優越的地位の濫用に当たるかどうかということになりますので、契約も含めて、取引の実態を踏まえて判断していくことになると思います。
  150. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 要するに、じゃ、今までの取引形態、今までを契約書上だけじゃなくて変更したら、変更して不利益になったということじゃないんですか。契約書じゃなくて、何をもって、それじゃ、変更した場合ってなるんですか。契約を変えた場合という意味じゃないんですか。  だって、ほかに規定があるじゃないですか。そういう行為を実施した場合だって変更でしょう。だから、それとは別個に変更と設けているのは、当然、取引条件の設定があって、変更があって、実際に行為があるわけだから、契約の変更、契約を変更して不利益を与えるという場合だと思うんですが、違うんですか。
  151. 粕渕功

    ○政府参考人(粕渕功君) お答え申し上げます。  取引の中で変更すると、その変更することによって不当に不利益を与えるような場合、そのような場合で、先ほど、繰り返しになりますけれども、前提として優越している、あるいは正常な商慣習に照らして不当であると、そのようなことがあれば、独禁法上問題になる可能性があると、そういうことでございます。
  152. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 なぜこのことをお聞きしているかというと、まだいろんな優越的地位、力の強い方はよく分かっていないのかなと思うんですけれど、基本契約には何も、対等なようなことしか書かなくて、これこれについては別途規定を設けるというのがあって、その別途規定のところで販売手数料は自由に決めさせてもらうとかいうのがあるわけですね。  これ、非常に、何か擦り抜けようと思っているのか知りませんけれど、私は、今の解釈だと、その別規定も含めて契約全体として、契約の一部ですからね、別規定も、そういうことの変更で、全ての場合とは言いませんけれど、一方的な不利益を与える場合だったら優越的地位の濫用に今のお話だと該当するということになると思うんですが、いかがですか。
  153. 粕渕功

    ○政府参考人(粕渕功君) 一般論として申し上げれば、繰り返しになりますけれども、私ども、契約書のみで違反になるかどうかということを判断しているわけではございませんので、その契約書含めて本部と加盟店の取引の全体の実態がどうなっているか、その事実関係を見た上で優越的地位の濫用に該当するかどうかを判断するということになります。
  154. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 そうですね。具体的にはそういう契約書ありますので、別規定でやっているというのがありますから、申告をして、そちらで判断をしてもらうということになります。  実は、大手損保と代理店の委託契約書ってそうなっておりまして、委託契約書そのものに別に手数料の支払規定、明示はないんですよ、明らかにしていないんですよ。  ところが、別途代理店手数料規定を設けますとなって、その中でもう一方的に文書で通知して下げたりするということが行われておりますので、契約というのはもっと広い意味で、おっしゃったように、実態として何が変更されたかということだという点でいきますと、この今の大手損保のやり方も大変まずいなと私は思うわけでございまして、これ、具体的に、おっしゃったように、個別具体的な契約書の問題になりますので、申告をした場合、判断をしていただきたいというふうに思います。  最後に、麻生大臣に、いろいろ頑張っていただいているので、一言お願いしたいと思いますけど、コンビニの方は経産省の管轄かも分かりませんが、広く何か同じようなことがあちこちで行われていて、何といいますかね、やっぱり大きい方も小さい方も共存共栄でウイン・ウインで、本当にウイン・ウインで、両方発展してこそ業界の将来もあると思うんですよね。それをもう目先の利益でごんごん追い詰めるような、これは非常に違うと思うんですけど、損保業界は今変わりつつあると思いますけれど、是非、その点で大臣の所見を伺って、終わりたいと思います。
  155. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) これは基本的には、小さな小売店があって、昔はのれん分けという言葉だったんですけれども、のれん分けに代わってフランチャイズというものが制度として入ってきたというのは、これは少なくともアメリカの影響が大きかったんだと思いますけれども、そういった関係で、地方で大きなものが出ていく前にいろいろなものができるようになったという、制度としてはうまい制度だったと思いますが。  両方うまくいくためには、今言われたように、片っ方、優越的な方が一方的にということはいかがなものか、全くそのとおりだと思いますね。こっちは繁栄していきませんから、両方にいかにゃいかぬ。どの程度に収めるかという、これはなかなか難しいところだと思いますけれども、商売上として大きな方が強いというのはよくある話なんで、そういった意味では、きちんとそういったのもよく見ておかないかぬ、公取に限らず私どももそういった目は光らせておかないかぬところだろうと思います。
  156. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 終わります。
  157. 渡辺喜美

    ○渡辺喜美君 渡辺喜美であります。  五年ぶりでみんなの党が復活をいたしました。N国党の政調会長である浜田聡さんにも御参画をいただきまして、三十七分間時間をいただきました。委員長を始め理事の皆様に心から感謝を申し上げます。  今から十一年前、リーマン・ショックというのがありました。麻生内閣ができる直前だったと記憶をいたしております。もういきなり需要がどかんと減るわけでありますから、どの国でも財政金融一体政策というのをやって、うまくいった国はその後金利も上がって、アメリカのようにまた再び予防的に金利を下げるというところも出てきているわけでありますが、御案内のように、ヨーロッパ、ECBと日銀は相変わらずマイナス金利の世界に入っていると。金利がマイナスになるということは、これはもうマーケットが国債をもっと大量に出してくれという悲鳴みたいなものですよ。  いかがでしょうか。順不同で恐縮ですが、黒田総裁、世界的な低金利についてどう御評価をされておられるでしょうか。
  158. 黒田東彦

    ○参考人(黒田東彦君) ただいま委員がおっしゃったように、確かにグローバル金融危機、いわゆるリーマン・ショック以降、多くの先進国で金利が下がっているわけですけれども、これはいわゆる潜在成長率の低下、それから恒常的な資金余剰などによって、景気に中立的な実質金利、いわゆる自然金利そのものが趨勢的に低下してきたということがやや長い目で見た世界的な低金利の背景にあるというふうに考えております。  なお、昨年末以降、米中間の通商問題をめぐる緊張感の高まり、それから中国、欧州経済の減速の動きから、やや世界経済をめぐる不確実性が高い状況になっておりまして、そうした下で、多くの国で金融緩和、特に新興国が御承知のように次々に金利を下げていまして、そういうこともあって、足下では世界経済をめぐる不確実性の高まりと、それから多くの国での緩和的な金融政策を背景に金利水準が世界的に更に低下しているというふうに考えております。
  159. 渡辺喜美

    ○渡辺喜美君 金融市場の側面から見ますと、金利の世界、つまり債券相場、国債マーケットの世界にお金が流れ込む、そうすると国債の値段が上がって金利が下がるというわけでありますから、これは、先ほども申し上げたように、財政出動をもっとやってほしいと、そういう要請にほかならないわけですよ。  アメリカでは御案内のように右も左も財政出動を主張しているわけでありまして、一方、日本銀行は最初非常に良かったんですね。お手元に四枚目のグラフを付けておりますけれども、黒田総裁が就任されていきなりバズーカを放たれて、残念ながら、この異次元金融緩和が消費増税という緊縮財政によって腰折れしてしまったというのは大変残念なことでありましたが、その後、第二弾の量的・質的緩和の拡大、これは二〇一四年の十月におやりになったんですね。  八十兆円、年間、長期国債の買取り目標というのをおやりになって、非常にこれは増税による緊縮財政をはね返すことができるかなと思ったのでありますが、何とマイナス金利付き量的・質的緩和の導入、つまり、この頃からもう限界を感じ始めていたということかと思います。  私は、マイナス金利には反対はいたしませんでした。それは、国債買取りの八十兆円、これを継続をしてくれると思っていたがゆえに、マイナス金利もオプションの一つだろう、これは、あとはもう財政の役割だと、そう思っていたところが、財政の方は鳴かず飛ばずで、そのうちイールドカーブコントロールというのをお始めになられたんですね。一六年の九月ですよ。  これはいつも申し上げますように、マイナス零コンマ二%の長期金利をゼロまで持っていくというのは金融引締めにほかならないし、八十兆円の買取りを三十兆円、最近はもっと少ないかもしれませんけれども、そういうところまで減らしていくというのは、これまた金融引締めにほかならないわけですね。  ただ、こういう手段を取らざるを得なかった背景に、どうも私は国債の品不足ということがあるような気がしてならないんでありますが、なかなか言いにくいことかもしれませんけど、いかがでしょうか、黒田総裁。
  160. 黒田東彦

    ○参考人(黒田東彦君) これも委員が御指摘されましたように、二〇一六年の九月に、いわゆるイールドカーブコントロール、長短金利操作付き量的・質的金融緩和を導入いたしました。この下では、国債の買入れ額を目標としていた以前の枠組みに比べまして、経済、物価、金融情勢に応じた柔軟かつ効果的な対応が可能となるということで、政策の持続性が高まったことは事実だと思います。  その導入に際しまして、二〇一三年からやっておりました量的・質的金融緩和実施以降の経験から、やはり物価安定の目標の実現には実質金利の低下が有効であるというふうに判断したこと、それから、そのための手段として、イールドカーブコントロールという新しい枠組みの中でそれを実現していくことが適当というふうに考えたわけでありまして、国債の品不足というものが背景ということではないというふうに考えております。  なお、この二〇一六年九月のイールドカーブコントロールの導入以降、経済、物価、金融情勢を踏まえながら、物価安定の目標の実現のために最も適切なイールドカーブの形成というものを促しておりまして、こうした下で我が国の長期金利は海外の金利が大きく上昇するような局面でもゼロ%近傍で安定的に推移しておりますし、それから、貸出金利も二〇一六年九月以降一段と低下して、既往最低水準で推移しております。また、大企業、中小企業のいずれから見ましても、金融機関の貸出態度は引き続き積極的でありまして、貸出残高も緩やかな拡大を続けているわけであります。  したがいまして、このイールドカーブコントロールの下で極めて緩和的な金融環境をつくり出して、企業や家計の経済活動をしっかりとサポートをしながら、従来考えていたより確かに時間が掛かっていることは事実なんですけれども、二%の物価安定の目標の実現に向けて、しっかりとこの大幅な金融緩和を継続していきたいというふうに考えております。
  161. 渡辺喜美

    ○渡辺喜美君 黒田総裁が国会まで来て、麻生大臣を隣に、国債が品不足なので我々の政策手段が限られてしまいましたとは口が裂けても言えないでしょうけれども、察するに余りありますよ、正直言ってね。五百兆円近い国債を保有してもなかなか物価目標に届かないというわけでありますからね。国債の半分ぐらいはもう日銀が持っておるという状況なんですね。  私に言わせれば、マイナス金利というのは、先ほど来申し上げておりますように、国債市場にお金が流れ込む、安全への逃避、セーフティートラップなどという言葉もあるようでございますが、安全資産のわなというやつですね。  結局、こういうことは、世界的に緊縮財政、リーマン・ショックの後、借金が増え過ぎたので緊縮やろうと言ってやり始めたところでは何が起こったかというと、政治的な混乱ですよ。例えば、キャメロンが、イギリス首相、緊縮財政始めたら移民問題に火が付いちゃって、結局、EU離脱、ブレグジット問題、ボリス・ジョンソン首相の登場と、こういったメカニズムでありまして、やはり財政と金融というのは一体でなければいかぬと思うんですが、麻生大臣、いかがでしょうか、順不同で申し訳ありませんが。
  162. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 基本的に財政と金融が一体でなければならぬというのは当たり前の話なんだと思うんですが、私ども、今回のこのデフレ、正確には資産のデフレーションによる不況というのは、これは一九三〇年代以来やった人はいませんので、少なくとも私、生まれたの一九四〇年ですから、私より以前の話なので、当然デフレを知っている人は日本にはいない。そして、当然デフレがないよう対策をやった人もいないという状況になっておるので、デフレ対策を初期で間違えたということは確かだと思いますね。歴史家は多分そう書くんだと思うんですが。  ただ、基本的に金融にだけ任せておいてこのデフレーションによる不況から出られるかといえば、それはそんな簡単なものじゃないので、これは財政と一緒にならないかぬというので、三本の矢でああいった表現を使わせていただいたんですけれども、少なくとも、我々としては大胆な金融緩和と機動的な財政出動というのを言わせていただいてこれまでやらせてきていただいて、おかげさまで、少なくとも経済指標というものに関しましては、少なくとも求職難が求人難に変わっていますし、また、間違いなくデフレ対策で、円が七十九円九十五銭だったかな、あれから今百八円ぐらいまで来ておりますし、いろんな意味でそういったものに効果があったというのは事実ですし、企業収益も上がったということもいろいろありますので。  今、物価の点は渡辺先生おっしゃるとおりですけれども、一般的に今物価が上がらないからと文句言っている有権者というのはほとんどおられませんから、物価が上がらないで困ったなと思っているのは私どものように財政をやっておる人間ぐらいで、普通の方はみんな、物価が上がらないと文句言っている主婦を私は寡聞にして知らぬので、そういった意味ではなかなかそういうのは表に出てこないんですけれども、財政を担う者の立場としては、これは物価というのは極めて大きな要素でありますので、こういったものに対して日銀と一緒にきちんとした対応を今後ともやっていかにゃならぬと思っております。
  163. 渡辺喜美

    ○渡辺喜美君 物価が上がらないということは給料も上がらない、資産を持っている方々の資産も増えないと、特に預貯金で持っている方はですね。まあそういうことになるわけであって、デフレで一番得をするのは借金のない人、それから安定収入のある人ですよ。まあ、そういう時代がずっとかなり続いて、とにかく頑固な便秘みたいになっちゃったわけですね。ですから、内部留保が積み上がる一方であるということだろうと思います。  お手元に、三ページ目に、これは高橋洋一教授の作った、上の図でありますけれども、十年物国債、これは前提としてマイナス〇・二という前提で十年物国債、作ってありますけれども。クーポンがゼロ、今はゼロクーポン債ありませんけれども、今、〇・一のクーポンですが、二段目ですね、収入金が百三円、十年間〇・一を払い続けると一円になる。利払い控除後の政府収入が百二円となって、償還後の政府利得が二円になるわけですね。  ですから、これは別にクーポンなんか付けなくてもいいわけでして、その前のページをお開きいただきますと、十年債の金利と表面利率、クーポンの推移というのがあって、これ何で〇・一付けているんですか。別にゼロクーポン債にしたっていいじゃありませんか。
  164. 可部哲生

    ○政府参考人(可部哲生君) お答えいたします。  先生御指摘のとおり、現在もストリップス債という形で元本と利息の部分を分離している商品がございます。  政府といたしましては、これまで市場との対話あるいは保有者層の多様化、投資家ニーズに応じた国債発行に努めてきておりまして、これまでのところ国債は安定的に消化をされております。  その上で、ゼロクーポン債について申し上げますと、当局において投資家と意見交換を行わせていただいておりますが、その限りにおいては投資家の幅広いニーズが必ずしも見込まれていないという現状があります。  今先生御指摘ございましたように、ゼロクーポン債の発行により利払い費を抑制するということが可能でございます。他方で、同じく今先生がお示しになられた資料にございますように、ネットでの国の支払というのは変わらないという部分でございますので、発行価格は低下して発行収入が減少するためネットの支払は変わらないということで、その点での財政的なメリットが特段あるわけではないということから、現時点ではゼロクーポン債の発行を考えていないところでございます。
  165. 渡辺喜美

    ○渡辺喜美君 まあ収入が同じなんだったらやってみたって損はないと思いますよ。ストリップ債なんていうのは元本とクーポンとばらして売っているわけですからね、現に。ゼロクーポン債というのは割引債と同じことでありますから、これは是非御検討をいただきたいと思います。  この三ページの上のグラフを御覧になるとお分かりのように、マイナス金利で国債を発行すると国益につながるということですよ。国債は悪ではないということなんですよ。将来に対するツケ回しだと、国債は、そうじゃないんです。  例えば、この前首里城が焼けましたけれども、例えば八年国債、八年債を出すと、これ十一月一日現在、ちょっと古いんですけれども、マイナス〇・三%ですね、八年債はね。で、仮にゼロクーポンとすると、これを一兆円出すと、発行収入は、八年間ですから八、三、二十四、二百四十億円、一兆二百四十億円。このうち一兆円を八年間塩漬けにして八年後の償還財源とすると、首里城再建に二百四十億円の財源ができてしまうということですよ。  こういう具合に、国債発行が将来のツケにならないどころか、今現在の世代のギフトになるということがあるんですね。  先ほど来議論がありますように、台風、大雨の被害ですよ。もう本当に亡くなられた方には御冥福申し上げますし、被害に遭われた方にはお見舞い申し上げますけれども、我々がやるべきことは、自民党も言っているように国土強靱化ということなんでしょう。  私の地元で那須の大水害というのがありまして、今から二十一年前にね。あっという間に復興しましたよ。当時、公共事業費幾らだったと思います、十五兆円ですよ、十五兆円、補正後ですけどね。今七兆円でしょう。倍以上ですよ。国土強靱化、掛け声は結構ですけど、こんなマイナス金利の絶好のチャンスのときに何で国債発行しないんだと。もう早い話が国債発行なんて予算総則の第何条か変えればいいんでしょう。補正で幾らでもできるじゃないですか、こんなことは。百兆だって二百兆だって授権枠つくって、金利がゼロになるまで国債発行し続けるということはできるじゃありませんか。  金利がマイナスで銀行がもうからないといって騒いでいるわけでしょう。もう与野党のこの委員会の議論、何とかしろよ、マイナス金利、銀行の収益がこんな落ちているじゃないかと皆さんおっしゃっているわけですね。だったら、大臣、どうなんですか、誰か困る人がいるんですか、国債発行して。
  166. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 何となく西田理論みたいな話になってきましたけど。  まず、国債というものに関してですけど、話ですけれども、これは金利が低いという今の状況を生かして財源を調達して積極的に財政出動すべしという御主張、委員の、私、これ全然間違っていないと思っていますよ。事実、私どもその方向で動いておりますから。財政投融資を使い、少なくとも、民主党のときにどんと減った公共事業を、少なくとも六年、我々でスタートさせて、したときまで、ほぼ補正のところまで戻してきていますし、いろんな意味で確実にやってきているんだと思っているんですが。  少なくとも、日本の場合、考えておかないかぬというのは、今言われたように、確かに一千兆円の国の借金があるという話はよくしていますけど、あれは政府の借金ですからね、基本、政府の借金でしょうが。バランスシートよくお分かりのとおりで、貸し方、借り方でいえば間違いなく債権者は国民ですから、金融機関を通して国債というものを持っているのは国民であって、国民は債権者であって債務者じゃありませんからね。  だから、そういった意味では、私どもとしては、基本的な考え方、そこのところ分けて考えないかぬところだと思うんですが、公的債務残高というものの比率がGDPの約二倍というような形になってきている今の状況、にもかかわらず金利が上がらないという誠に幸運な時代に我々はいるんだとは思っておりますけれども、少なくとも、これがそのままずっと永久にいけるかと言われると、これは極めて疑わしいんで、そういった意味では、私どもとしてはそういったものをきちんと考えた上でやっていかないかぬ。すなわち、マーケット、市場の信頼を得るためにじゃんじゃんじゃんじゃん野方図にやった場合に、ある日突然、マーケットの信頼どんとなくなった途端に一挙にということになるのだけは避けたいと思っておりますので、私どもとしては、その程度のバランスというものは、少なくともどの程度にやっていくかというのは常に考えておかねばならぬところだと思いながら、この六年間やらせていただいたと思っております。
  167. 渡辺喜美

    ○渡辺喜美君 国債発行というのは、マーケット相手の話なんであって、それはマーケットにしっぺ返し食うようなことをやっちゃいけませんよ。しかし、明らかに悲鳴が起きているんですよ。マイナス金利というのは、もう本当にプレミアムが付いてマイナスになっちゃっているわけですから、それだけ値段が上がっちゃっているということでしょう。足りないんですよ、国債が。  国交省に聞きますけど、何でこんな御時世に、金利がマイナスなのに、BバイCの割引率は四%なんですか、教えてください。
  168. 東川直正

    ○政府参考人(東川直正君) 事業評価におきます費用便益分析につきましては、外部有識者会議での議論を踏まえまして、公共事業評価の費用便益分析に関する技術指針を平成十六年二月に国土交通省が策定しております。議員御指摘の社会的割引率の設定を含む国土交通省における統一的な取扱いを定めさせていただいているところでございます。  その指針の中におきましては、社会的割引率でございますけれども、十年物の国債の実質利回りや海外の費用便益分析における設定状況などを勘案して、全事業統一的に四%と設定したところでございます。
  169. 渡辺喜美

    ○渡辺喜美君 あのね、国交省の資料は、当然これは公開されていますから、私も見ましたよ。四%の根拠、何て書いてあるかというと、国債の実質利回りが参考値として用いられていると。国債の実質利回りというのは、十年物とすれば、名目利回りからGDPデフレーターを割り戻した後の数字ですよ。これ、いつ頃の資料だって、見たら、これ平成十四年頃、今から十五、六年前じゃないですか。今、数字はどうなるんですかって聞いているんですよ、私は。四%ってあり得ないでしょう。いかがですか。
  170. 東川直正

    ○政府参考人(東川直正君) 社会的割引率を四%と設定いたしましたのは平成十六年のマニュアルでございまして、その際には十四年から十六年の時点での議論をしたところでございます。最近、学識経験者の方からは、四%は実質金利と懸け離れているために実態と合っていないのではないかという意見もある一方で、割引率を変えると過去の事業との比較ができなくなるというような意見もあるところ、様々な意見があるところでございます。  社会的割引率の妥当性につきましては、学識経験者などで構成される公共事業評価手法研究委員会などにおきまして今後も引き続き議論してまいりたいと考えております。
  171. 渡辺喜美

    ○渡辺喜美君 あのね、過去の事業との比較ができなくなるって、前提条件が全然違っているんですよ、今。いいですか。日本という国は、千五百万年前にできた、四つのプレートがせめぎ合っている、地震の巣の上にある国なんですよ。五億年前からある大陸と違うんですよ。だから、掛け声だけじゃなくて、本当に国土強靱化というんだったら、こういうことを変えないと駄目なんですよ。いいですか。今、実質利回りが四%だ、あり得ない話じゃないですか。  主計局がこれ指導しているんですか。主計局、どうですか。国交省に圧力掛けているんですか。
  172. 阪田渉

    ○政府参考人(阪田渉君) そのような指導をしたり、圧力掛けていることはないものと承知しております。
  173. 渡辺喜美

    ○渡辺喜美君 まあ、国会で言える話ではないと思いますけどね。いずれにしても、これ、計算してみたらいいですよ。今の実質利回り、GDPデフレーター割り戻し後のその割引率がどれくらいになるか。また聞きますから計算しておいてください。  とにかく、事ほどさように、いいかげんなんですよ。もう発想が昔の発想で凝り固まっているんです。だから、パラダイムを変えないと、悪いけど、日本、成長国家になれませんよ、これ。  大臣、バランスシートよくお分かりだと思いますよ。一千兆円と言っているけれども、反対側には膨大な資産があるんですよ。しかも、金融資産ですよ。しかも、黒田総裁がいらっしゃるのであえて申し上げますけれども、統合政府でいったら、日銀が持っている国債はネットの借金から引けるわけですよ。日本の財政が危機だなんて、あり得ない話であります。  お手元の三ページ目の先ほどの十年国債の下に東京都区部の、これは十月、先月ですね、消費者物価指数の上昇率、こういうグラフが入っております。前回一四年のときのように、消費税が三%上がりましたのであのときは大体二%ぐらい上がったんですね、今回はそういう状況になっていないというわけで、麻生大臣にも通告してありますが、黒田総裁だけに聞きます。消費者行動、どういう影響があるでしょうか。
  174. 黒田東彦

    ○参考人(黒田東彦君) この十月に実施されました消費税率引上げが消費行動に与える影響につきましては、まず、九月までの個人消費に関する各種データを見ますと、今回の消費税率引上げ前の需要増というものが、いわゆる駆け込みですけれども、二〇一四年の引上げ時と比べますと小幅なものであったというふうに判断をしております。  次に、税率引上げ後の家計の支出動向につきましては、現時点ではまだ把握できるデータが限られておりまして、さらには最近の台風などの影響から実勢が見極めにくくなっております。ただ、スーパーの売上げなど、現時点で入手可能な指標を見る限り、税率引上げ後の需要減は前回の引上げ時と比べて小さいようであります。  しかしながら、この消費税率引上げの影響というものは消費者マインドやあるいは物価の動向によっても変化し得るわけでございますので、日本銀行としては引き続き注意深く点検していくという考えでございます。
  175. 渡辺喜美

    ○渡辺喜美君 安達誠司さんという方が「消費税一〇%後の日本経済」という本を書いておりまして、この方はエコノミストとして非常に予測が当たる方なんですね。いろんな学者が指摘をしていることでもありますけれども、大体、増税のたびに個人消費の回復、回復の角度がなだらかになっていくわけですね。今回ももちろんそういうことは気を付けなければいけない。  と同時に、安達さんが指摘しているのは、今回、軽減税率とかポイント還元によって価格競争が激化をしているという点なんですよ。つまり、企業の価格転嫁の抑制が起きている。自前の値下げとかポイント還元とかがもう現に起きているんですね。そうすると、これは当然自分のところの利益に食い込んでくるわけですよ。企業業績が悪化してくるとどうなるか、それはコスト削減努力が迫られてきますので、いずれこれが雇用に悪影響を及ぼし、今、設備投資も堅調だと日銀言っていますけれども、省力化投資が必要なくなる、で、設備投資にも影響が出てくるという形で、これは再デフレを警戒しないといけない、こういう指摘をしておられますが、総裁、いかがなんでしょうか。
  176. 黒田東彦

    ○参考人(黒田東彦君) 御質問の趣旨を踏まえまして、企業の価格設定スタンスの変化についてお答えしたいと思いますが、現時点でこれを確認できるデータは限られていますけれども、例えば、消費関連企業の価格設定スタンスというものを短観の販売価格DIで見ますと、上昇していると答える企業の割合が下落していると答える企業の割合を依然として上回っておりまして、その姿は税率引上げ後の先行きに関する回答でも大きく変化はしておりません。  また、スーパーの日次物価を見ますと、税率引上げの直前に駆け込み需要を更に取り込むために一時的に販売価格を引き下げる動きが見られましたけれども、その後は販売価格はおおむね元の水準まで戻ってきておりまして、こういったいわゆる企業の価格設定スタンス自体は大きく変化しているという様子はうかがわれていないというふうに判断しておりますが、御指摘のポイント還元云々の長期的な効果というものはもう少し見ていく必要があろうと思います。
  177. 渡辺喜美

    ○渡辺喜美君 来週も多分チャンスがあると思いますので、この問題は来週もやらさせていただきます。  前から申し上げておりますように、残念ながら消費税というのが呪われた税制になってしまったんですね。平成元年、改元が行われた三か月後ですよ、同時に当時の日本銀行が利上げを始めると。その年の暮れには三重野総裁が就任されて、資産価格が異常だからといって一般物価が上がっていないのに金融引締めをやってしまった。平成八年の増税のときには、私は一年生議員でしたけれども、膨大な不良債権がある、そういうことをさておいて、これまた増税やってしまった。まあ、それだけではなくて、特別減税廃止とか九兆円ぐらいの負担増をやった結果、これまた不良債権問題に火を付けてしまったというわけ。三回目の増税のときには、せっかく黒田総裁が始めた異次元緩和に水を差すと。いまだに二%が達成されていないのは、もうはっきり言って増税のせいですよ、これは。  だから、もうこれは補正予算でもって、まず国債発行枠、授権枠を広げると。あとはマーケット相手にやればいいじゃないですか。どうですか、大臣、補正予算。
  178. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 御意見として伺っておきます。
  179. 中西祐介

    ○委員長(中西祐介君) 時間が参っております。
  180. 渡辺喜美

    ○渡辺喜美君 これは御意見として聞いていただいて、是非採用していただきたいですね。  これ、主計局いるんで聞きますけど、あれでしょう、予算の総則の何条か変えればできるわけでしょう。違いますか。
  181. 中西祐介

    ○委員長(中西祐介君) 時間が参っておりますので、簡潔にお願いをいたします。
  182. 阪田渉

    ○政府参考人(阪田渉君) 必要な国債発行額を予算総則に記載させていただいて国会の議決をいただいているところでございます。
  183. 渡辺喜美

    ○渡辺喜美君 とにかく積極財政、金融緩和でお願いいたします。  終わります。
  184. 中西祐介

    ○委員長(中西祐介君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会をいたします。    午後三時十一分散会