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2019-12-03 第200回国会 参議院 外交防衛委員会 8号 公式Web版

  1. 令和元年十二月三日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  十一月二十九日     辞任         補欠選任      岩本 剛人君     中曽根弘文君      高野光二郎君     松川 るい君      森屋  宏君     山田  宏君      石川 大我君     福山 哲郎君  十二月二日     辞任         補欠選任      中曽根弘文君     三浦  靖君      榛葉賀津也君     舟山 康江君      山口那津男君     山本 博司君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         北村 経夫君     理 事                 宇都 隆史君                 中西  哲君                 羽田雄一郎君                 秋野 公造君                 井上 哲士君     委 員                 猪口 邦子君                 佐藤 正久君                 武見 敬三君                 松川 るい君                 三浦  靖君                 三宅 伸吾君                 山田  宏君                 小西 洋之君                 白  眞勲君                 福山 哲郎君                 舟山 康江君                 山本 博司君                 浅田  均君                 鈴木 宗男君                 伊波 洋一君    国務大臣        外務大臣     茂木 敏充君        防衛大臣     河野 太郎君    副大臣        外務副大臣    鈴木 馨祐君        外務副大臣    若宮 健嗣君    大臣政務官        外務大臣政務官  尾身 朝子君        外務大臣政務官  中谷 真一君        外務大臣政務官  中山 展宏君    事務局側        常任委員会専門        員        神田  茂君    政府参考人        内閣官房TPP        等政府対策本部        政策調整統括官  澁谷 和久君        内閣官房内閣審        議官       山内 智生君        総務省国際戦略        局次長      渡辺  健君        法務省大臣官房        審議官      竹内  努君        外務省大臣官房        審議官      宇山 秀樹君        外務省大臣官房        参事官      田村 政美君        外務省大臣官房        参事官      御巫 智洋君        外務省アジア大        洋州局長     滝崎 成樹君        外務省経済局長  山上 信吾君        外務省領事局長  水嶋 光一君        財務省主計局次        長        角田  隆君        農林水産省大臣        官房総括審議官  浅川 京子君        農林水産省大臣        官房審議官    神井 弘之君        農林水産省大臣        官房国際部長   水野 政義君        農林水産省生産        局畜産部長    渡邊  毅君        防衛装備庁長官  武田 博史君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○日本国アメリカ合衆国との間の貿易協定の締  結について承認を求めるの件(内閣提出、衆議  院送付) ○デジタル貿易に関する日本国アメリカ合衆国  との間の協定締結について承認を求めるの件  (内閣提出、衆議院送付)     ─────────────
  2. 北村経夫

    ○委員長(北村経夫君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、岩本剛人君、高野光二郎君、森屋宏君、石川大我君、榛葉賀津也君及び山口那津男君が委員を辞任され、その補欠として松川るい君、山田宏君、福山哲郎君、舟山康江君、山本博司君及び三浦靖君が選任されました。     ─────────────
  3. 北村経夫

    ○委員長(北村経夫君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  日本国とアメリカ合衆国との間の貿易協定の締結について承認を求めるの件外一件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房TPP等政府対策本部政策調整統括官澁谷和久君外十五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 北村経夫

    ○委員長(北村経夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 北村経夫

    ○委員長(北村経夫君) 日本国とアメリカ合衆国との間の貿易協定の締結について承認を求めるの件及びデジタル貿易に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件の両件を一括して議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 佐藤正久

    ○佐藤正久君 自民党の佐藤正久です。質問の機会をいただき、ありがとうございます。  私は、今般の日米協議の第一弾となります二つの協定には賛成の立場であります。また、TPP11、そして日EU・EPAを発効させ、その後、日米交渉を本格化させたその手法にも賛同いたします。  配付資料の一を御覧いただきたいと思います。  日米安保条約の第二条、締約国は、その国際経済政策における食い違いを除くことに努め、また、両国間の経済協力を推進するとあります。すなわち、TPPや今回の二つの協定は日米安保条約第二条の趣旨にも合致しております。また、日本が米国に復帰を求めるTPP、これはその生い立ちからオバマ大統領が提唱したリバランス政策とも不可分であり、資料一にありますように、リバランス政策は、アジア太平洋地域に覇権国家を誕生させないために、経済と軍事の両面から、自由で開かれた国際秩序、これを構築する総合的な関与政策と言えます。  外務大臣、ただ、近年は、日米だけではなく、ロシアも中国も、ユーラシア経済連合あるいは一帯一路に見られるように、この面的な地域的経済連携の広がりを重視する傾向があります。この地域的経済連携が経済力が強い域内の一か国の外交目的達成に恣意的に利用されないようにするためには、域内に自由で開かれた通商秩序、そしてルールを確立することが大事であることは論をまたないと思います。その意味で、TPPは高い国際スタンダードを持った面的な経済連携と言えます。今議論されている二つの協定も、高い国際的なスタンダードを持った協定だと思います。今日は、TPPや日米貿易協定やデジタル協定の持つ戦略的な意義、地政学、地形学的な観点から議論をしていきたいと思います。よろしくお願いします。  外務大臣、二重依存のジレンマという言葉を聞かれたことがあるでしょうか。例えば韓国。経済は中国、アメリカは安保と言われるように、これが時折ジレンマとなります。例えば、アメリカがTHAADミサイルを韓国に配置した際、中国は韓国向けの団体旅行、これを全部キャンセル、そしてまた、そのTHAADの配置場所がロッテのゴルフ場ということから、中国の中のロッテマート全ての営業を中止させました。さらに、文在寅大統領が就任してすぐ中国に飛んで、習近平国家主席との間で三つのノーと言われる、追加のTHAADミサイルは配備しない、アメリカが構築する弾道ミサイル防衛には入らない、日米韓の連携は同盟に発展させないという三つのノーを約束してきます。これが、半島国家と言われる韓国の地政学的な宿命と、経済が中国に依存しているという、まさに地形学、地政学的な観点からのジレンマというふうに言われてもいます。  日本も、まさに中国に三万社の会社を持っていると言われるように、経済依存もあります。例えば、尖閣諸島が国有化された際、中国はレアアースの禁輸という経済的な報復を日本に課し、日本も洗礼を受けたところであります。外交目的を経済、貿易手段を用いて達成する地形学的な発想、経済外交は安保外交と連動する側面が近年強くなってきております。  二〇一二年、日本にも大量のフィリピンのバナナが入ってきました。これは、南沙諸島、中沙諸島での、スカボロー礁、これにおける中国とフィリピンとの対立の結果として、中国が検疫を強化をしてフィリピンのバナナを一切入れないということから、三十万人を超えるフィリピンのバナナ関係者に影響が出た、結果として日本の方にいろいろ入ってきたと。  また、キリバス、ソロモン諸島が台湾との断交ということになった背景には、経済力というものを使って行ったという目的のほかに、もう一つは、オーストラリア、ニュージーランドとアメリカの縦のシーレーン、これを分断するという、そういう側面もあったというふうに言われております。  ベトナム、これは中国と南シナ海問題を抱えておりますけれども、TPPは米国との経済同盟だということも公言しております。  外務大臣、日本がアメリカにTPP復帰を促す理由、これはいろいろあると思います。その一つに、リバランス政策や安倍総理のTPPに関する国会答弁にあるように、二十一世紀にふさわしい自由で開かれた通商秩序、これをアジア太平洋に構築をして、その中で二重依存に苦しむ新興国とのパートナーシップの強化を通じて新興国に安心感を与える、それが結果として地域の安定と繁栄に資することにつながるというふうに認識しております。また、これはこれまでの日本外交の基軸とも合致すると思いますが、外務大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
  7. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) 基本的な認識は今の佐藤議員の御意見と同じだと、そのように考えております。  もちろん、日本政府として他国の外交政策について評価をする立場にありませんが、その上で申し上げますと、米国のリバランス政策の目的、これ安全保障面だけではなくて、TPP等によります枠組みの構築を通じてアジア太平洋地域において貿易、投資の促進を図ること等も含まれていたと理解しております。同盟国である米国のアジア太平洋地域へのコミットメント、これはこの地域の平和、安定、繁栄に資するものであると考えております。  米国オバマ政権が参加を決定しておりましたTPPについて、トランプ政権において離脱を表明したわけでありますが、この点については、私とライトハイザー通商代表との間で行いました昨年の四月からのマーラ・ラゴで決まりましたFFR、フリー・フェア・アンド・レシプロカルの頭文字を取ったFFRの協議、そしてまた、昨年の九月の日米共同声明に基づいて本年四月から本格化しました日米貿易交渉におきまして、米国にとってもTPPに復帰することが最善であると、こういう日本の考え方を米国に説明をしてきているところであります。  TPPのハイスタンダードでバランスの取れた二十一世紀型の新たな共通ルールを世界に広めていくことは、国際経済社会の安定と繁栄に大きな意義があると考えております。こういった観点から、我が国としては、米国も含め、できるだけ多くの国、地域がTPPに参加することを期待したいと思っております。  共通財と、こういう考え方に立ったときに、経済のルールを決めていく共通財があります。同時に、法の支配であったりとか航行の自由と、こういったことを保障していく、こういう共通財もあります。  御案内のとおり、自由で開かれたインド太平洋構想、これはまさに多くの国の参加を得ながら、アジア太平洋、インド、インド洋、そして東アフリカに通じる、世界の人口の半分の地域を占める地域において今後の発展の可能性を考えたときに、こういう価値観を共有し、具体的なルールを作っていく、そういった意味におきましても、自由で開かれた太平洋であったりTPP、こういったものは極めて重要であると、この考えに変わっておりません。
  8. 佐藤正久

    ○佐藤正久君 全くそのとおりで、やっぱり日本がリードをして、このアジア太平洋あるいはインドを含めた地域にこの法の支配、自由で開かれた通商の秩序をつくることが新興国にとっても安心感を与える。是非ともリードをしていただきたいと思いますが、ただ、トランプ政権はオバマ政権とやっぱり違います。さきのウィルソン・センターでのペンス副大統領の演説、ハドソン研究所でのポンペオ国務長官の演説にありますように、オバマ政権時代の、中国が経済発展すれば国際スタンダードに基づく責任ある立ち居振る舞いを行う、一帯一路はその具体的なツールになるだろうという幻想をトランプ政権は捨てております。  習近平主席にオバマ大統領もだまされたとして、米国の民主党もトランプ政権の対中政策には賛成の部分も多いのも事実です。そのため、トランプ政権は日本以上に中国を意識して、リバランス政策に代わって、今言及があった自由で開かれたインド太平洋構想を日本とも連携して強力に推進していきたいとしております。ただ、大事なことは、大臣も言われたように、自由で開かれた国際秩序、これをつくる、経済力を盾に新興国に外交目的を強要しない、このルール作り、これが極めて重要だと思います。  米国がTPPに復帰すれば、まさに今言われた自由で開かれたインド太平洋構想にも合致するというふうな話もありましたけれども、実はその前段階として、このTPP11のみならず、今回議論している日米貿易協定、デジタル協定もインド太平洋構想の法の支配、自由貿易の普及、定着、経済的繁栄の追求と軌を一にする部分も多いかと思います。だからこそ、第一段階といえ、今回の二つの協定の意義は私は極めて大きいと思いますが、大臣の見解をお伺いいたします。
  9. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) 国際的な自由貿易の体制、これは、WTOを中心にしながらも、様々なマルチ、そしてバイの協定がそれを補完する、さらにはそれを加速する、こういった形で重層的に組み上がって更に強固なものになっていくと、そのように考えております。  そういった意味において、日本は昨年の十二月三十日に、日本が主導してTPP11、これを発効させました。そして、今年の二月の一日には日EU・EPAを発効させました。そして今回、日米貿易協定、日米デジタル貿易協定、これが発効しますと、世界の経済の六割を占める自由な経済圏というのが達成されるわけでありまして、まさにこれは、アジア太平洋地域を中心としながら世界の成長センターの自由な経済圏をつくっていく、こういった意味でも全体的に意義のあることだと。そして、それをまた、日米の場合は世界経済のGDPの一位、三位、そして三割を占めるという国でありますから、バイの協定であっても、これがまた、TPPであったり日EU・EPAとともに世界の自由貿易体制をしっかりと補完するものだと考えております。
  10. 佐藤正久

    ○佐藤正久君 ありがとうございます。  まさに、よく我々、桜の花を見たときに花をよくめでますけれども、きれいな花が咲くためにはやっぱり枝ぶりがしっかりしないといけませんし、そのためには幹がしっかりする、また、実際には表に出ない根っこ、これがしっかりしないと駄目だというふうに言われますように、まさに、木を見て森を見ないというのと同じように、やっぱり大きな観点から今回の協定というものを議論して、その意義をもっともっと国民に知らせる必要があると思います。  先ほど二重依存ということで韓国の例を出しましたけれども、韓国もできればこのインド太平洋構想とかこういうものに巻き込まないと、どうしても大陸の方に行きやすい。今回のGSOMIAもまさにその側面が表れていると。GSOMIAの迷走も、北朝鮮だけでなくやっぱり中国を意識してしまうと、どうしてもちゅうちょしてしまう。さっき二重依存のジレンマの話をしましたけれども、それ以外にも、インド太平洋構想、これはアメリカが中国を意識すればするほど米韓同盟よりも日米同盟の方が上になってしまうという側面もあります。いろんな面で、やっぱり韓国もこの中に入れ込むという努力も併せてお願いしたいと思います。  さらに、私が一番今回懸念をしているのは、米中貿易摩擦です。今回のアメリカの貿易交渉は二階建てと言われています。単なる貿易赤字の削減だけではなく、その下に知的財産の盗用とか強制的な技術移転、産業補助金など、構造的な問題も含んでおります。中国の急成長を危惧する米国が中国の経済構造にも切り込んでおり、覇権争いの様相も呈してきております。  特に、ファーウェイとかZTEの使用制限にも見られるように、安全保障と経済を絡めた形での米中デカップリングの可能性も指摘されております。将来サプライチェーンが、アメリカを中心とするサプライチェーン、そして中国中心のサプライチェーン、こういう二つに分かれていく可能性もあり、そうなると、日本だけでなく、いろんな新興国が踏み絵を踏まされるという可能性もあり、私、深刻にこれを、このことを懸念しております。  米中対立の中で日本外交をどういう形で、この二重依存のジレンマとか、特にサプライチェーンの維持というものに関わっていくのか、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
  11. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) 中国経済、この三十年間で、三十年前、世界経済の二%を占める経済国でありましたのが、今は世界経済の一六%を占める、GDPでいいますと世界第二位の経済国になっているわけであります。そして、経済の規模が大きくなっただけではなくて、BATに代表されるような先端技術、こういったものを持つ企業も出てきておりまして、米中関係、これ、貿易摩擦と捉えるのか技術摩擦と捉えるのか、様々な側面のある問題でありまして、日本を含め国際社会にとって大きな関心事項でありまして、自分も高い関心を持って今後の動向等注視をしていきたい、このように考えておりますが。  じゃ、我が国としてどうしていくのかということでありますが、米国との強固な信頼関係の下、中国とも今、関係改善、多くの部分で進んでおります。もちろん、まだ残っている部分はたくさんありますが、そういう中で、米中両国と緊密に意思疎通を図っていく、その中で、日本として、国際ルールに基づく自由で開かれた公正な経済秩序の構築を含めて、地域及び国際社会の平和と繁栄のため、TPPで発揮したようなリーダーシップ、そういう積極的な役割を果たしていきたい。ルールを作っていくということに対して、アメリカにもコミットメントを強めてもらう、そして中国の側からも正しいコミットメントを引き出すと、こういったことがより重要になってくると考えております。
  12. 佐藤正久

    ○佐藤正久君 大臣の言われるとおりなんですけれども、今回の特性は、安全保障が絡んでくる側面がどんどん強くなってくるということなんです。特に、日本は拡大抑止の中に入っていることもあり、アメリカの関係、これは安全保障、切っても切れない。今日は澁谷統括官にもお出ましいただいておりますけれども、この安全保障を絡めたサプライチェーンの二極化という部分については、今から対応していかないと、本当に日本企業が大量倒産という憂き目にもなりかねません。特に中小零細企業は、やっぱりサプライチェーン、非常にこれはいろんな国と連携している部分ありますので、ここは今から対応をお願いしたいというふうにお願いいたします。  その中国なんですけれども、二十六日のこの委員会の方で、同僚の山田委員の方から、日本人の拘束者についていろいろ質疑がございました。その際、私の記憶では、十四人の方が拘束をされて、今までもう五人の方が帰ってきて、ただ、九人の方が有罪判決等のために向こうでまだいまだも九人が拘束されているという話があったと思います。  ただ、その以降、報道等で、湖南省の方で日本の会社員、これがまた拘束されたという報道がございます。これは事実でしょうか。事実ならば、この方はこの前答弁をされた九名の中に入っているのか、それ以外にもまだ、その外数なのか。あとは、今回報道されたその湖南省の方以外にもほかに拘束されている日本人がもういないのかどうか、これについて外務省の見解をお伺いいたします。
  13. 水嶋光一

    ○政府参考人(水嶋光一君) 今委員御指摘のとおり、十一月二十七日に新たに一名の中国での邦人拘束が報じられましたけれども、この一名を含めまして、政府としてこれまで一連の邦人拘束事案として中国側に拘束されたことを確認している邦人の数は計十五名でございます。そのうち五名は帰国済みでして、十名が帰国に至っておりません。それ以外には現時点におきまして政府として把握している案件はございません。
  14. 佐藤正久

    ○佐藤正久君 多分、私も副大臣時代に領事局を担当しておりましたので、いろんな理由があるんでしょうけれども、やっぱりこの国会における答弁って重たいですから。  やはり、質問した次の日に一名がこういう形でマスコミから報道されるというのは、やっぱりどうしても国民との関係で、信頼性という部分もあります。邦人保護の重要性と、加えてやっぱり国民との信頼性、外務省はいざとなったら守ってくれるという部分の信頼性という部分については、やはりこの国会答弁って極めて重たいので、そういう部分についてはしっかりこれからも対応してもらわないと。答弁した次の日に一名が新たにマスコミの報道で分かるということは、これはどうしても私は、国民からすると不信感を招きかねない、その辺りは慎重にうまくやっていただきたい。  大事なことは、邦人保護という観点から、これからさらに、今十名が拘束されている、判決の理由、判決文の中身もよく分からないという状況はどう考えても国際スタンダードに照らしておかしいので、習近平国家主席が国賓で来るという以上は、この前言いました四つのとげの一つにこの邦人拘束もありますので、一人でも多くの方を解放して日本に帰国する努力をお願いしたいと思います。  政府の答弁をお願いします。
  15. 水嶋光一

    ○政府参考人(水嶋光一君) 今委員御指摘のとおり、邦人保護というのは政府の最も重要な任務の一つだというふうに認識をしてございます。  この一連の邦人拘束事案につきましては、政府としまして、今後とも、邦人保護の観点から、領事面会や御家族との連絡など、できる限りの支援を続けていきたいと思っておりますし、中国側に対しましては、これまでもあらゆる機会、レベルで前向きな対応を強く求めてきております。  今後も引き続き、様々なレベル、機会を捉えまして中国側に対し前向きな対応を求めていきたいと考えております。
  16. 佐藤正久

    ○佐藤正久君 まさに今月、安倍総理が習近平国家主席とも会うと思われますので、是非ともこの点強く、非常に大事な時期ですので、強い要求をしていただきたいと思います。  私がこの前言った四つのとげのうちのほかにも、日本食品の輸入の問題、輸入規制の問題、それから尖閣諸島を含む東シナ海の問題、そしてまた香港を含む人権の問題がございました。香港情勢、私も非常に外務省と同じぐらいやっぱり憂慮し、自制と対話を求めると、同じなんですけれども、やっぱり外務省のスタンスがやっぱりどうしても弱く国民の方には映っているようです。  香港警察による弾圧を、言語道断の野蛮な暴挙、絶対に容認できない。弾圧強化が中国の最高指導部の承認と指導の下に行われていることであり、これは、今日の香港における弾圧の根本的責任は中国政府とその政権党にあることは明らかである。その対応と行動は、民主主義と人権を何よりも尊重すべき社会主義とは全く無縁のものと言わなければならない。  これは何か分かりますか。これは共産党の、日本共産党のこれは声明です。多分この声明は、多分党派を超えて共有する部分が多いと思いますよ。今の香港のあのデモに対するあの警察の対応というのはどう考えてもやはり過剰反応というふうに思えて仕方がないし、実際そうだと思います。  映像を見ても、催涙弾を平行で撃つということはあり得ませんから。通常は上に撃って拡散させるのに、平行に直接狙っているんですよ。実際に当たって、中国製の催涙弾は燃焼しますから、やけどを負っている人間もいる。こういう映像を見たりこの前の発砲事案の映像を見ても、やはり普通の国際スタンダードに基づいて考えれば、やっぱりやり過ぎという部分がある。  これについては、今回の区議会議員の選挙、あるいはアメリカの人権民主法案等の動き、そしてまた、イギリスもフランスもドイツも非難声明を出しております。そう考える中で、やっぱり、もう少しこの問題について、顔が見える、外務省の顔が見える形でもっと強く言うべきだと私は思います。でなければ、今回の習近平国家主席訪日のときに、日本もこれだけ人権については言ったんだという部分がやっぱり伝わらない。人権問題というのは国内問題ではなく、これは国際問題ですから、だからこそアメリカは内政干渉ではなく、議会もあるいはトランプ大統領も署名をした。この重みをもっと受け止めていただきたいと思います。  この香港の今の状況に対する外務省の認識、今後の対応について、政府の見解を求めたいと思います。
  17. 滝崎成樹

    ○政府参考人(滝崎成樹君) お答えいたします。  香港では、この週末にもデモが行われたというふうに承知しております。これまでもデモ隊と警察などの衝突によって多数の負傷者が出ているということは大変憂慮しているということであります。  このような、憂慮している考え方などについては、記者会見でも官房長官あるいは茂木大臣からも度々言及しておりますし、つい先般の外相会談の場でも茂木大臣の方から王毅外務大臣の方にはっきりと述べているところでありますけれども、その際に述べた内容を改めて申し上げますと、現在の、昨今の香港情勢について大変憂慮しているということ、それから自制と対話による平和的話合いを通じた解決を関係者に求めていくということ、それから事態が早期に収拾されて、香港の安定が保たれるということを強く期待しているということを伝えているところであります。  今後とも、引き続き高い関心を持って情勢を注視していきたいと、そのように考えております。
  18. 佐藤正久

    ○佐藤正久君 そのとおりなんですけれども、その今のラインというのはこの夏から変わっていないんですよ。ほとんど、この前のG20で総理が言ったラインとほぼ変わっていない。でも、この情勢の変化に基づいて、アメリカもイギリスもフランスもドイツも声明出しているんです。で、日本の外務省は声明を出していないと。  こう考えると、どうしても国民からすると、国賓というものがあるから遠慮しているんじゃないかと。これは、国賓とはまた別個の話としてこの人権問題捉えないとこれはおかしくなってしまいますので、そこはもう一歩の対応をお願いしたいと思います。  そして、これは大臣にお伺いしたいと思うんですけれども、やっぱり外務省の習近平国家主席の国賓訪問について説明が足らないのは、なぜ国賓なんだという部分なんですよ。よく、首脳外交の重要性はそのとおりです。高いレベルでいろいろ話し合って懸案を解決する、そのとおりです。だったら、これは国賓ではなくて公賓だっていいわけで、公賓で呼んで、それぞれが高いレベルで話し合ってもいいわけで、今回は天皇陛下が前面に出る国賓と。なぜ公賓ではなくて国賓なんだという部分の説明がやっぱり足らないと思うんです。だからこそ、マスコミの方でこの国賓問題というものに疑義を呈する特集がどんどん組まれていく。  その首脳外交、この重要性は誰も否定しないし、懸案を解決するのはトップ同士で話すのがいいに決まっていますよ。じゃ、なぜ国賓なんだと、胡錦濤国家主席や江沢民主席を呼んだから国賓と、これはなかなか説得力として弱いと思います。なぜ国賓かという部分もやっぱり説明しないといけないし、そのためにもやはり四つのとげという部分、これをいかに抜いていくか。  特に、来年はオリンピック、パラリンピックがあります。そういうときに、やはりこの食品の輸入規制、今、十都県掛かっていますけれども、こういうものもやっぱり緩和する外交努力をやらなければ、オリンピックに向けて、習近平国家主席がその前に来るといっても、食品規制が掛かったまま、尖閣の方では物すごく間合いが近くなって緊張が高まっている。大臣も秘密の情報をいっぱい得ているから分かっていると思いますけれども、尖閣があんなに緊迫して、食品が輸入規制されている、人権問題もある、あるいは日本人も十名も拘束されているという中では、なかなか多くの国民が本当にもろ手を挙げて賛成ということにはならないと思います。  やはりここは、外務大臣、幾らでも私とか自民党の一部の議員はバッドコップになりますから。バッドコップになります。いい形で、そういうやっぱり昔から残っているとげを抜いてもらって、いい形で、なぜ国賓かというのを含めて国民に説明して、しっかり理解してもらえるような環境を是非ともつくっていただきたい。大臣の御見解を、御所見をお願いしたいと思います。
  19. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) そのように最大限努めていきたいと考えておりますが、日中両国の間には、佐藤委員御指摘のとおり、様々な懸案、存在をしておりますが、これらをやっぱり解決していくためにも、両政府のできるだけハイレベルの、大局的な観点からの率直な議論、それによって中国側の前向きな対話を促していくことが重要だと思っております。  王岐山国家副主席、即位の礼のときに訪日をされた機会に、私も二度にわたりまして北海道大学の教授の早期解放のことにつきまして中国側の前向きな対応を求め、結果的に総理からの働きかけもありまして、これが実現するということになったわけであります。  また、先週十一月二十五日に行いました日中外相会談においても、王毅国務委員兼外交部長に対して、日本産食品の輸入の規制問題、これも御案内のとおり牛肉についてかなり前向きな対応を引き出すこともできたわけでありますが、この輸入規制問題、それから御指摘の尖閣諸島周辺海域等の東シナ海を始めとする海洋安全保障問題、そして邦人拘束事案等について中国側の前向きな対応を求める、こういったことをしっかりとやらさせていただいたつもりであります。  来春、習近平国家主席が訪日をされる。これを見据えて、ハイレベルでの意思疎通を積み重ねて、主張すべきは主張し、諸懸案に対する中国の前向きな対応を強く求めることによって訪日の環境、こういったものもしっかりと整備をしてまいりたいと考えております。
  20. 佐藤正久

    ○佐藤正久君 そのとおりなんですけれども、やはりまだ今の説明でも、じゃ、なぜ公賓ではなく国賓かという部分がやっぱりなかなかすとんとこない部分がありますので、なぜ国賓かということも併せて情報発信の方に努めていただきたいと思います。  次に、日韓問題についてお伺いします。資料二を御覧ください。  今回のやっぱり一番のネックは、この一八年十月三十日の大法院判決、これにあると思うんです。この一番の問題は、ここに書いてあるように、日韓併合は不法だったと、そしてこれは無効なんだと。不法で無効であったそういう併合時代に起きた反人道的な行為は日韓請求権の外だということがこの判決の肝なんです。  となると、徴用工、旧朝鮮半島出身者の労働者の問題だけではなく、その日韓併合下におけるいろんな裁判、これも結果も無効ということも言えますし、いろんな商売の取引、これの結果も全て、併合はこれ不法で無効なんだからそれは無効だと、いろんなことが噴き出してしまう。やっぱりこの二〇一八年十月三十日のこの判決の理由、この部分を何らかの形で上書きしない限りは、たとえこの労働者の問題が解決しても、これは氷山の一角であって、いろんなことが次から次へ出てくる可能性があると思います。  やっぱり、この判決について何らかの対応を韓国側に求めるべきだというふうに私は思いますけれども、外務大臣の見解をお伺いいたします。
  21. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) 率直に言って、こういうことをやっていたら国際約束って守れないんですよ。一言で言えばそうですよ。  そのように思いますけれど、御案内のとおり、日韓請求権協定の第二条では、両締約国及び国民の間の、両締約国だけではなくて国民の間の財産請求権に関する問題が、完全かつ最終的に解決されたことを確認して、全ての請求権についていかなる主張もすることができない、このように規定をされているわけでありまして、一連の大法院の判決は日本企業に対して損害賠償の支払を命じておりまして、今申し上げました日韓請求協定に明らかに反していると考えております。  我が国としては、韓国側に対して、この大法院判決をどうするかも含めて、引き続き国際法違反の状態の是正、これを強く求めていきたいと思っております。
  22. 佐藤正久

    ○佐藤正久君 まさにそのとおりで、今日はアジア局長も来られていますので、まさに単に労働者の問題の解決だけではなく、根本はこの判決、これが根っこだということをやっぱり肝に銘じて交渉に当たっていただきたいと思います。  この資料二のうちで、二〇一九年六月十九日、韓国政府による立場発表とあります。ここに、韓日の両国の企業が自発的な拠出金により財源を造成しとあります。これについて、日本政府は、これでは国際法違反の状態を是正することにならない、まさにこの自発的な拠出金というのは自発的な寄附と余り変わらないというふうにも受け止められます。  この自発的な拠出金であっても認められないというふうに日本政府は考えているその理由、これを端的にお答えください。
  23. 滝崎成樹

    ○政府参考人(滝崎成樹君) 先ほど茂木大臣からもお答えいたしましたとおり、日本政府としては、これまで一貫して韓国政府に対して国際法違反の状態を是正して適切な措置を講ずるようにということを強く求めてきているわけですけれども、今委員が御指摘になったような韓国のその考え方、案であっては韓国の国際法違反の状態を是正することにはならない、ひいてはこの問題の解決策にはならないということから、受け入れられないということを述べているところであります。
  24. 佐藤正久

    ○佐藤正久君 つまり、今回裁判で対象になっている企業が、例えばこれ現在の日本製鉄さんのような、あるいは三菱重工業等が自発的な拠出金という形で絡むことが駄目だということなんですよ。  だから、まさにこの関連する企業が、自発的とはいえ、寄附なりこの拠出という形で出すということを義務付けるような法律というのは、これは受け入れられないということなんです。要は、ましてや韓国はキリスト教社会ですから、寄附に対する考え方は日本と全く違います、寄附は当たり前ですから。という形で、逆に寄附をしなかったらいろんな嫌がらせが出る可能性も日本企業にありますから、この辺りも踏まえてしっかり今後この解決というものに尽力していただきたいと思います。  さらに、このGSOMIAなんですけれども、今回の韓国側の発表、今のGSOMIAの協定には条件付でGSOMIAを延長するというようなくだりはありません。彼らはいつでもこれを破棄できるというふうに言っています。でも、こんな安定性がないGSOMIAというのは、元々、日米韓の連携という観点からも、これは不適切だと思います。  このGSOMIAの安定性を確保するために、これからまさに日本の外務省が韓国の方と渡り合ってこの安定性というものを担保する、これが実際、現場で交換するいろんな情報関係、防衛当局もこれ大事だと思いますけれども、これについての外務省の今後の取組方針、これについてお伺いいたします。
  25. 滝崎成樹

    ○政府参考人(滝崎成樹君) 今委員からも御指摘のあったとおり、GSOMIAにつきましては安定的に運用されるということが安全保障上不可欠なことだというふうに考えております。  したがいまして、こうした点も含めて、GSOMIAの在り方については韓国側と引き続き意思疎通していく、突然GSOMIAが終了してしまうようなことにならないようにするということが必要であるというふうに考えておりますし、この点についてはもう既に韓国側にはしっかりと伝えているということでありますので、引き続きこういった共通の認識が持てるように韓国側と意思疎通をしていきたいというふうに考えております。
  26. 佐藤正久

    ○佐藤正久君 今回の措置というのは、まさに緊急性と安全保障の重要性、二つの観点から協定になくても日本政府が受け入れただけであって、いかに安定的に、これを運用するための基盤をつくるのはこれは外務省の仕事ですから、これはあるいは日本政府全体の仕事ですから、これからの首脳会談あるいは外相会談等でここはしっかりやっていただきたいと思いますし、GSOMIAというのは、単に北朝鮮だけではなく、中国ということを見据えた上でも極めて大事な私は協定だと思います、対象が北朝鮮に限っていませんから。しかも、韓国というスコープに転じても、ミサイル防衛だけではなく自衛隊の運用あるいは邦人保護という観点からも大事なんです。約六万人弱と言われている在韓、韓国にいる邦人、これを救う上においては、やはり韓国と自衛隊あるいは米軍の連携がなければできません。そのために平和安全法制で邦人の保護措置というものを法律でつくったわけですから。  という関係では、韓国との情報交換がなければできませんし、実際、韓国も朝鮮半島有事のときには、まさに安保条約の六条事態において、日本の了解がなければ在日米軍が自分の基地から朝鮮半島の方に動くことができないという状況、また重要影響事態、存立危機事態というものを切れ目なくいろんな情勢が流れるという観点からは、やっぱり広く考えるとGSOMIAというのは日本にとっても極めて重要なこれは協定ですから、ここはしっかり安定的な運用というものを強く強く、広い意味で、先ほど邦人の保護の話をしましたけれども、やっぱり邦人保護という観点、あるいは日本の防衛という、まさに切れ目なく、重要影響事態等から、あるいは日本有事まで大事だということも踏まえてしっかり交渉に当たっていただきたいということを強く要望いたしまして、今日の私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  27. 舟山康江

    ○舟山康江君 おはようございます。立憲・国民.新緑風会・社民の舟山康江でございます。いよいよこの条約の審議も佳境を迎えておりますので、今日は、昨日の通告の際にお願いしたとおり、全て大臣で答弁をお願いしたいと思っております。  早速ですけれども、配付資料を御覧いただきたいと思います。  これは昨年九月の日米首脳会談、そして日米共同声明が出された後の茂木大臣のぶら下がり会見の発言でありますけれども、ここにありますとおり、茂木大臣は、今回のこの協定ですね、FTAではございません、あくまで物品貿易に限定されたものと発言をされております。そういった中で、TAGと当初随分強調をされておられました。  そこで、今回合意された、また今ここで審議されているこれですね、これは、ここで言われたTAGなんでしょうか。TAGそのものなのかどうかということをお答えいただきたいと思います。
  28. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) 昨年九月の日米共同声明におきましては、工業品、そして農産品について対象にし、その他早期に結果を生じ得るものを対象とする旨合意をいたしました。その前者に当たる部分、当該共同声明に沿って交渉を行った結果合意しました協定の正式名称につきましては、日本国とアメリカ合衆国との間の貿易協定、英語では、トレード・アグリーメント・ビトウィーン・ジャパン・アンド・ジ・ユナイテッド・ステーツ・オブ・アメリカとすることにいたしました。  いずれにしても、本協定は日米の物品の関税を対象としたものでありまして、物品貿易に関する協定であります。また、その他早期に結果を生じ得るもの、これを対象にするということで、この日米貿易協定とは別途、その他早期に結果を生じ得るものとして、今回、日米デジタル貿易協定について日米間で最終合意をして署名をいたしました。  日米デジタル貿易協定は、この分野で先進的な日米の間で、円滑で信頼性の高い自由なデジタル貿易を促進するためのルールの整備、関税を下げるとかではなくて、ルールの整備、これを目的とする協定でありまして、物品関税の撤廃、削減を規定いたします日米貿易協定とは性格が異なることから、別途の協定としております。
  29. 舟山康江

    ○舟山康江君 確かに、日米共同声明では、二つですね、日米物品貿易協定と他の重要な分野、サービスを含む、そこについて、前者が今回で言うところの日米貿易協定、そして後者がデジタル貿易協定ということは分かりました。  ただ、元々アメリカ側が言っていたのは、最初から日米貿易協定だったんですよ。ただ、世論が、おかしいじゃないか、そんな、FTAをやるなんて言っていないじゃないかということの中で、物品なんです、物品貿易なんです、TAGなんですというふうに強調されていたのが、いつの間にかなし崩し的に結局日米貿易協定と名前が変わった、こういったことなのかなと思っておりますけれども、心配するのは、今後また範囲をどんどん拡大して、結局は日米FTAというものを目指すのではないかと、そんなことが考えられるわけですよね。そういった方向をこれから目指すという理解でよろしいんでしょうか。
  30. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) そのようなことではございません。FTAに対して世界的に確定した定義があるわけではございませんが、御案内のとおり、今回の九月二十五日の共同声明におきましては、今後の交渉分野をどうするか、これについては、この日米貿易協定及び日米デジタル貿易協定が発効した後にまず日米間で協議を行うと、そして、この協議の中でどの分野を対象とするかということが決められるということでありまして、当然、日米間で合意した分野、これが今後の交渉の対象になるということでありまして、全ての分野、あらゆる分野を交渉の対象にするとは全く決められていないわけであります。  日本といたしましては、今後の交渉におきましても、日米双方にとってウイン・ウインとなるような分野、こういったものについて米国との間で合意をして交渉を進めたいと考えております。そして、どの分野を交渉するにしても、日本の国益に反するような合意を行うつもりはございません。
  31. 舟山康江

    ○舟山康江君 もう一回端的にお聞きしますけれども、物品貿易協定がその物品という言葉が抜けて貿易協定に変わった、今回はそのいわゆる最初に言っていた物品貿易協定そのものなんだという理解でよろしいんでしょうか、その前者ですね、デジタルを抜いた今の貿易協定の部分です。
  32. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) 昨年の共同声明、これは九月二十六日でありますが、それを御覧いただきますと、冒頭申し上げたような形で、工業品と農産品について交渉の対象とすると、アメリカ側の関心事項はこうでありますと、そして、日本については農産品について過去の経済連携協定で約束した譲許の内容が最大限であります。具体的に工業品そして農産品を対象とするということは明らかでありまして、その共同声明に沿って交渉した結果が今回の日米貿易協定であります。  ですから、特出ししているというか、明確に書いてあるとおり物品が対象にされておりまして、しかも、協定を御覧いただければ、この日米貿易協定の方につきましては物品以外のものは対象にされていない、このことは明らかであるかと思います。
  33. 舟山康江

    ○舟山康江君 いや、ですから、だったらずっと日米物品貿易協定という名前で貫けばよかったのになという気がしてなりません。  そして、そういう中で、日本にとって、今回のいわゆる物品を対象としたこの協定の目的、目標は何だったんでしょうか。ウイン・ウインとよく大臣繰り返されていますけれども、このウイン・ウインのいわゆるこちらが取った方ですね、テークした方、まあ大体交渉はギブ・アンド・テークですから、テークした中には自動車の関税撤廃は入っているということなんでしょうか。
  34. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) まず、今回の日米貿易交渉におきまして日本が目指したものと、これは日米間の貿易、投資を互恵的な形で更に拡大し、世界経済の自由で公正かつ開かれた発展を実現する、こういう目的の下で交渉行われました。そして、このことは日米共同声明にも書かれているところでありまして、日本としては、攻めるべきは攻め、守るべきは守ると、この基本方針の下、共同声明に沿って交渉行ったわけであります。  御案内のとおり、交渉の結果につきましては、全て過去の経済連携協定で譲許した範囲に収まっております。そして、舟山先生も農業県の出身でありますからよく御案内のとおり、これまでの様々な貿易協定で常に問題になってきた、課題になってきた米につきましては、調製品も含めて完全に除外であります。林産品、水産品も完全に除外であります。そして、TPPワイドの三十三品目、これについても一切譲許いたしておりません。  また、自動車について、自動車業界が何を考えていたか、何に関心を持っていたか。先生もお聞きになっていらっしゃると思いますけれど、まずは、この米通商法二三二条に基づきます追加関税と、二五%の追加関税というのは非常に深刻な問題であります。これを回避したいと。  そして二つ目に、これはもう八〇年代の鉄鋼であったりとか様々な交渉のときからそうでしたが、数量規制、そしてまた輸出自主規制、こういったものが課されないようにしてほしいと。実際に、USMCA、新NAFTAですね、であったりとか、韓国との間のKORUSにおいては輸入規制というものが入ったと。これが入ると非常に日本として今後の輸出にも影響するということから、自動車業界としてもこの輸入、アメリカからすると輸入規制とか日本の輸出の自主規制、こういったものは入れないと。  さらには、原産地規則、これが入りますと、この原産地規則が入ることによって、日本の企業が、自動車メーカーが今、世界的にサプライチェーン、これを展開しております。このサプライチェーンの見直しが必要になってくる、こういったことは避けたいと、こういう思いを持っておりまして、これにつきましては厳しい原産地規則、これも入ってございません。
  35. 舟山康江

    ○舟山康江君 私が聞いたのは、自動車の関税撤廃も目的の一つなんですかということを聞いたわけですけれども、今のお話だと、自動車でいえばいわゆる二百三十二条に基づく追加関税を回避できたと、これが目的だったのかなということになりました。自動車関税については今のところまだ撤廃されていませんからね。  これからこの貿易協定、物品貿易から広がっていくということですけれども、今後、交渉範囲は決めるといいながら、じゃ、日本は何を目的にしているのか、どういう方針なのかという方針があるのかということ、私、これからすごく問題だと思います。  アメリカは、先日の内田参考人からも多分資料配付があったと思いますけれども、これ、日米貿易協定交渉、具体的な交渉目的の要約というものを出しております。この中に、何を取りたいのか、何を目的にしているのか、まさに入口のところで関税及び非関税障壁両方に対処しということが書いてありまして、こういう大きな、今後、日米間の交渉に当たって何を取っていきたいのかということをきちっと持っているのかどうか、そこのところ非常に大事だと思いますけれども、どのような方針、全体のですね、今後の方針はあるんでしょうか、ないんでしょうか。端的にお答えください。
  36. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) 御指摘の米国側が公表しましたUSTRの日米交渉の具体的な交渉目的の要約と、これは米国でTPA、貿易促進権限を取るに当たっての一般的な手続と、このように理解しておりまして、実際にこの四月からライトハイザー通商代表との間で八回にわたりまして相当長い時間掛けて交渉してまいりましたが、この具体的な交渉目的の要約、それはそれとして、アメリカ側の優先順位というのはありました、実際に。日本側の優先順位というのもありました。そして、今後どうしていくか、交渉において日本がどの分野を関心を持ってやっていくかと、この情報を出すこと自体は交渉にとって不利になります。  これ、交渉学の基本であります「ジ・アート・アンド・サイエンス・オブ・ネゴシエーション」でも「ゲッティング・ツー・イエス」でも、いかに自分の情報を出さずに相手の情報をたくさん取るかということが交渉の第一条件だと書いてあるわけでありまして、それは、日本として交渉の優先順位は持っておりますが、これを今明らかにすることは今後の交渉にとってプラスにはならないと考えております。
  37. 舟山康江

    ○舟山康江君 アメリカは、これ、かなり具体的に書いて、これに沿ってやっていくと、強い意思を持っているんですよ。  加えて、大臣、毎年USTRが外国貿易障壁報告書というものを出しておりまして、この中にも具体的に、日本のここが問題だ、これを変えろということで、かなりリンクしているんですよね。こういう形で、アメリカは他国と交渉するときに明確な目標を持って、何をやるんだ、何を取っていくんだということをやっている。だから、非常に私は強いと思うんですよ。  一面では、今大臣がおっしゃったとおり、手のうちを明かさない、ずっとこれ言ってきましたよ。それでなかなか情報も開示されなかった。そういう中で、じゃ、公表しないまでもきちっと持っているんですか。次のステップでは何をやるんだ、何を目的にするんだ、ここは譲らない、ここを取っていく、そういったものを持ちながらやっているということなんでしょうか。
  38. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 今後の交渉、どの分野を交渉していくかということにつきましては、この日米貿易協定、そして日米デジタル貿易協定が発効した後に両国間で協議を行うということになっております。  当然、様々な形で考えは持っております。ただ、相手の出方も当然あるわけであります。そういったものを考えながら、最終的にどの分野が日米双方にとってウイン・ウインなものになるかと、こういったことで選択をしていきたいと思っております。そして、日米でどの分野を交渉するにしても、我が国の国益に反するような合意を行うつもりは一切ございません。
  39. 舟山康江

    舟山康江君 先ほど紹介させていただきましたこの外国貿易障壁報告書、こういう、毎年日本に対して、これ日本だけではありませんけれども、他国に対して、これおかしい、あれおかしい、あれしろというようなこと、まあ内政干渉に近いものがあるなと思いつつ、やはりこういった明確な意思アメリカが示しております。日本はこういった、受け取って、代わりに日本側からもアメリカに対してここをこうしろああしろということはやっているんでしょうか。
  40. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 恐らく、委員も御案内のとおりだと思いますけれど、アメリカの具体的な交渉目的の要約であったり、また一九七四年の通商法だったと思いますけれど、それに沿って毎年行われている行政府から議会に対して提出をされます米国の貿易相手国に対する関心事項についての報告書、例えば麻薬の取引をどうするとかマネーロンダリングをどうする、こんなことも書いてあるわけですね。じゃ、日本との間で麻薬の取引の議論しているわけないじゃないですか、どう考えても。そのように考えておりまして、一般的なアメリカのTPAを取るための、また通商法に基づいた手続をアメリカとしては取られていると。  ただ、それと、日本との間で具体的な交渉を行うに当たりまして、アメリカの優先順位は必ずしもそれと同じような平面的なものではないと、このように理解をいたしております。
  41. 舟山康江

    ○舟山康江君 別に麻薬の話なんかしているわけでなく、日本関連部分として麻薬なんか出てきませんよ。  ただ、日本に対していろんな関心事項を示して、こういった、これは、私、戦略としては非常に大きいと思いますよ。アメリカとして、断固として何を求めていくのかということを毎年書いてあって、それに従って結構動いているじゃないですか。牛肉のBSE、これの月齢制限をなくしたとか、収穫後農薬を添加物に変えるとか、要求に対して結構応えているんですよね。  ですから、やはりこういったものをきちんと日本側も提示しないと、まさにウイン・ウインの交渉という意味で一方的に譲歩することだけになってしまう懸念があるんじゃないかと、そういったことを思っているわけですけれども、日本としてはこのようなものをこれから出すつもりはないという理解でよろしいというふうに受け止めさせていただきました。  それでは、ウイン・ウインと何度も何度も繰り返されておりますけれども、確かに、今も大臣御答弁いただきましたとおり、米は除外をされました。ただ、それ以外の農産品についてはおおむね関税引下げを受け入れたと。まあ、こういった意味では日本の、与えた方ですよね、日本が譲歩した方。じゃ、テーク、ウイン・ウインの、ギブ・アンド・テークのテークの部分が何なのかといった場合に、自動車及び自動車部品に関しては勝ち取ったというふうに捉えているのか、ウイン・ウインという中のそのウインですね、さっきも言いましたけれども、勝ち取ったものに入っているんでしょうか。  更なる交渉による関税撤廃、もうこれ大臣得意の英語の部分ですけれども、ウイズ・リスペクト・ツーというところで、まあ、何か答弁の中では関税撤廃を前提にというようなお答えがありますけれども、これ前提にという表現、言葉の意味合いがここに入っているとは全く思えないんですよ。更なる交渉による関税撤廃と、交渉の継続を約束しただけですけれども、まさにこのテーク、日本のテーク分に自動車及び自動車部品の関税撤廃というものは現段階で入っているのか入っていないのか、これちょっと時間がありませんので、明確に、端的にお答えください。
  42. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) 明確にお答えしたいと思いますので。  先生の質問は二つに分かれておりまして、今回の協定がウイン・ウインなものになっているかという御質問と自動車についてはどうなったかという質問でありまして、両方についてお答えすればいいのか、それともどちらかについてお答えすればいいのか、それもう一度おっしゃっていただきましたら簡潔にお答えさせていただきます。
  43. 舟山康江

    ○舟山康江君 自動車は、ウイン、取った方に入っているのか、ここだけ端的にお答えください。
  44. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) 自動車そして自動車部品の関税につきましては、協定本文及び附属書のⅡによってその扱いを規定をいたしております。  そして、それは、今のままでいいという規定ではなくて、きちんと変えていくということでありまして、まず、協定本文の第五条の一におきまして、各締約国、ここでは日本とアメリカがそれに当たるわけでありますが、各締約国は、附属書Ⅰ又は附属書Ⅱの規定に従って、市場アクセスを改善すると両締約国の義務を規定した上で、それぞれの締約国の附属書におきまして市場アクセスの具体的な改善の仕方を記載しております。  そして、自動車の方は当然米国の附属書に書いてあるわけでありまして、自動車、自動車部品について、関税の撤廃に関して更に交渉をすると書かれておりまして、これが米国が第五条の一の規定に基づいて市場アクセスの改善を行う具体的なやり方となるわけであります。  ウイズ・リスペクト・ツーとおっしゃいましたけれど、重要なのは、ウイズ・リスペクト・ツーの後にジ・エリミネーション、撤廃という言葉がきちんと入っているということが重要なんです。
  45. 舟山康江

    ○舟山康江君 ですから、関税撤廃に向けて交渉継続はしますよという約束だけなんですよ。関税撤廃を前提になんか全くしていません。  では、ちょっと質問、角度変えますけれども、では、今後の交渉で関税撤廃を勝ち取るときに、日本からはその見返りとして何か差し出すんですか。もう約束しているとすれば、こちらからのいわゆる差し出し分がなくても、自動車及び自動車部品の関税撤廃は約束される、そこはギブするものはないという理解でよろしいんでしょうか。
  46. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) 関税撤廃の時期については、これから交渉することになるわけであります。  そして、御案内のとおり、TPP12におきましても、日米のこの自動車につきましては、自動車は二十五年、そしてトラックは三十年、こういう長いステージングになっておりましたから、これをできるだけ短縮できるように最大限交渉していきたいと、このように考えております。
  47. 舟山康江

    ○舟山康江君 私の質問は、時期はいいですよ、時期はいいですけれども、自動車の関税撤廃をアメリカが約束する際に、こちらから何か代わりのものを譲歩する、差し出すということはないということを断言していただけますか。
  48. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) 恐らく、交渉というのはそういう性格で行うものではないんだと思っておりまして、基本的には、ナッシング・イズ・アグリード・アンティル・エブリシング・イズ・アグリードと、全体が合意しなければ部分合意はないというのが交渉になるわけであります。  そして、今後の交渉につきましては、この協定が発効した後に行います日米間の協議においてどの分野を交渉するかということが決められるわけでありますが、そこの中で、関税につきましては、この日米貿易協定におきまして関税撤廃が明記をされております自動車について交渉を行う、そして、農産品も含め、その他の分野においては交渉の対象としては想定はいたしておりません。
  49. 舟山康江

    ○舟山康江君 つまり、今の御答弁は、自動車関税の撤廃については約束なんかされていないということですよ。それなのに、もう既に約束が決まったかのように影響試算なり関税撤廃率などの数字に入れていること自体がおかしい。だから、そのときに、いや、撤廃されたから関税撤廃率はこのぐらいですと言えばいいじゃないですか、今は入っていないんだから。入れているってことはもう既に何らかの担保が取れていなきゃおかしいじゃないですか。  現在の約束事項のように全て入れていくというのはおかしい、そして、それは決まっていないということの表れじゃないかと思いますけれども、ここはどうでしょうか。
  50. 澁谷和久

    ○政府参考人(澁谷和久君) 影響試算それから撤廃率等の数字、何度も御質問いただいておりますけれども、自動車、自動車部品については関税撤廃がなされることを前提に今後交渉が行われることになりますので、これを基に試算、数字を出しているということでございます。
  51. 舟山康江

    ○舟山康江君 だったら、その自動車の関税撤廃のときにまた何か日本から譲るものがあるとすれば、また試算が変わるじゃないですか。なぜ新たに譲る方は試算に入らずに、これから取れるかどうかも分からない自動車だけは試算に入れて、こんなに撤廃しました、こんなに経済効果ありますということになるのか。これ、余りにもアンバランスだと思いますけれども、そこ、どう反論されますか。
  52. 澁谷和久

    ○政府参考人(澁谷和久君) 今後の交渉において何か譲るという合意は一切しておりません。
  53. 舟山康江

    ○舟山康江君 だったら、自動車の関税撤廃を獲得するときに何も譲らないと約束してくださいよ。
  54. 澁谷和久

    ○政府参考人(澁谷和久君) 米国にとって、今回の日米貿易協定、トランプ大統領が非常に喜んでおられたのは皆さん御覧いただいたと思いますけれども、両国にとって、この協定を誠実に履行すること、これが米国にとっても望ましいことだというふうに考えておりますので、今後の交渉において日本が一方的に不利になるというようなことは米国も望まないというふうに思っております。
  55. 舟山康江

    ○舟山康江君 まあ、確かに、署名式のときに、向こうは大統領とライトハイザー通商代表と農業団体がいっぱいいて、喜んで、わあ、これは我々の勝利だというような演出もしていました。喜んでいましたよ、勝利だから。それは、日本にとって勝利かどうかということはまた別問題だと思いますよ。  もう一つ。先ほど通商拡大法二百三十二条についての言及がありましたけれども、これ、発動しないことを閣僚間で確認とありますけれども、そもそも、追加関税の発動自体に異議を唱えるべきだと思うんですよ。閣僚間で確認したことは、これ、国家間を拘束する国際約束なんでしょうか。そして、もう一つ、こういったことそのものに対して異議唱えたんでしょうか。
  56. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) まず、この米通商法二三二条によります追加関税、これを日本の自動車、自動車部品に賦課しないと、これは閣僚間ではなくて首脳間の合意事項であります。そして、今後、両国はこの協定、さらには共同声明、これに反する行動は取らない、そして、その趣旨は、日本の自動車、自動車部品について追加関税を課すことはない、このことにつきましては首脳間で、私も同席をさせていただきましたが、明確に確認をしているところであります。  その上で、この米通商法二三二条の追加関税を日本の自動車部品に賦課することにつきましては、同盟国である日本との貿易関係、これは米国の経済的繁栄のみならず、安全保障にも貢献をしている、日本からの自動車及び自動車部品の購入は米国の安全保障上の障害になったことはなく、これからもなることはない、仮に自動車等に対して貿易制限的措置が導入されれば、米国の自動車産業を含む米国経済、世界経済、自由貿易体制にもマイナスの影響をもたらす、こういった我が国の立場は交渉過程においても明確に繰り返し主張しております。
  57. 舟山康江

    ○舟山康江君 そうしますと、関税撤廃で合意しているわけですよね。関税撤廃で合意している以上は、今関税がある段階でも追加関税をちらつかせている、今は止まっているかもしれませんけれども、そういう中で、今の水準でも脅威だ脅威だということを言っているわけですから、更なる脅威が高まる関税撤廃を受け入れて本当にもらえるのかなという疑問もありますけれども、そこは大丈夫なんですね。大丈夫だということをきちっと確約してください。
  58. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) 申し訳ございません、大丈夫という意味がよく分からないんですけど、教えていただけますか。
  59. 舟山康江

    ○舟山康江君 今、二・五%、自動車に関しては二・五%の関税が掛かっていても安全保障上の脅威だと、場合によっては追加関税課すぞと今の現在でも言われていたわけですよね。たまたま今交渉が継続しているからそれは止まっていますけれども。そういう中で、脅威が更に、アメリカにとっての脅威が関税撤廃になると増えるわけですよ。脅威が増える状態でも、それでも追加関税は課さない、二百三十二条は課さないということは約束できるんですね。これは首脳間での約束だから大丈夫なんですね。
  60. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) 二つの要素がありまして、協定の中で、先ほど説明したような形で、自動車の関税、これ二・五%になるわけですけど、撤廃されるということは明記をされております。そしてもう一つ、共同声明におきまして、この二三二条に関する追加の関税、これは二五%になるわけですけれども、これも課さない、こういった確認を取っているわけであります。そして、両国は、この協定、さらには共同声明に反する行動は取らないということにしていると、このように理解をいたしております。
  61. 舟山康江

    ○舟山康江君 だから、そもそもこの追加関税自体がおかしいという主張をもっとするべきなんですよ。協定に書いてあるから大丈夫だという話ではないと思いますけれども。  そして、続きまして、セーフガードについて聞きたいと思います。資料の二枚目、御覧ください。  このTPP11における牛肉セーフガードの発動基準数量について、見直し、引下げの見通しをお聞きしたいんですけれども、これまでの審議の中で随分言っていることが変わってきているんですよね。元々は、TPP協定六条に基づいてこのセーフガードの見直しをする、そして、それは十分各国の理解も得ているということでしたけれども、最近の答弁は、六条の協議ではなく別でやっていきたいと言っておりますけれども、何で、どうやって取っていくんでしょうか。
  62. 澁谷和久

    ○政府参考人(澁谷和久君) TPP11協定第六条は、TPPが効力を生ずる見込みがない場合、すなわちアメリカがTPPに復帰する見込みがなくなった場合に要請を行って協議をするということでございます。  私どもは、前も答弁いたしましたが、米国がTPPに戻らないことが確実になったとは認識しておりませんので、この六条の発動ではなくて、日米貿易協定発効後の輸入動向などを見据えながら、適切な方法でTPP関係国との相談をしていきたいと、このように考えております。
  63. 舟山康江

    ○舟山康江君 そうしますと、日本は日米貿易協定をやりながらも、さらに日本にTPPに戻ってもらおうという交渉はまだ具体的に続けているということなのか。そして、それはいつ入ることを決める、もうこれは断念するといつ決めるんでしょうか。
  64. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) まず、質問は、日本にでなくてアメリカにという質問でよろしいですか。
  65. 舟山康江

    ○舟山康江君 失礼いたしました。アメリカに対して、アメリカがTPPに復帰するという意味です。察していただきたいと思います。
  66. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) 察する能力に欠けておりまして大変申し訳ない、このように思っております。  その上で、今回、日米貿易協定におきましては、アメリカは、TPPワイドの三十三品目について日本が全く譲許をしないという中で、取れておりません。さらにはまた、林産品、水産品についても取れておりません。さらには、今回はサービスであったりとか投資、TPPに含まれておりました様々な高いスタンダード、こういったものも取れていない。  すなわち、今回の日米貿易協定及び日米貿易協定で取れたもの、それとTPP12において取れたもの、これを比べてみますと、TPP12においてアメリカが獲得できたものは大きかったと。まだその分の差分というのは残っているわけでありまして、アメリカをTPPに引き戻す、こういったインセンティブが失われているわけではないと、このように考えておりますし、我が国として自由で公正な二十一世紀型の新しいルールを日本がリーダーシップを取ってつくっていくと、こういう基本的な立場は変わっておりません。  そして、このTPPのハイスタンダードかつバランスの取れたルール、これを各国が受け入れてくれる、また参加してくれる、このために様々な国が関心を持ってくれることを歓迎したいと思いますし、アメリカに対しても当然そのようにこれからも働きかけていきたい、そう考えております。
  67. 舟山康江

    ○舟山康江君 だったら、日米貿易協定より、最初からずっとTPPに引き戻すことの方にもっと努力を払うべきだったんじゃないのかなと思います。つまみ食いで、結局、自動車も取れなかったじゃないですか。今取れていないじゃないですか、約束約束と言いますけれども。  そういう中で、セーフガードはもう一つ問題があります。今のこの日米貿易協定の協定の中でも、セーフガードの発動基準について相当踏み込んでいますよね。発動されれば十日以内に協議を開始するという取決めというのは極めて異例だと思います。最終合意についての談話の中では輸入実績より低い水準でよかったと書いていますけれども、全然違うじゃないですか。発動されれば更に上がる、しかも十日以内に見直す。セーフガードというのは基本的に自動的に発動されるものであって、見直すものじゃないと思いますけれども、ここも相当不利な書きぶりではないでしょうか。
  68. 澁谷和久

    ○政府参考人(澁谷和久君) 今回の交換公文、サイドレターにおきまして、確かに協議を開始するということは約束をしているわけでございますが、協議の結果を予断するものではありません。
  69. 舟山康江

    ○舟山康江君 何かもう余りにも不明確だらけなんですよ。  まず、交渉の経緯も本当におかしい。三枚目見てください。大体もう長い長い時間掛けて、ほかの二国間協定、多国間協定、協議しております。見てください、一番下、日米FTAだけはたった五か月ですよ。まあ、何回も協議したと言っていますけれども、たった五か月。しかも、署名式に、ほかは総理とか大臣が行っている中で、大使が行って、さっき言ったように、相手は大統領も出ています。そして、しかも、この署名の閣議は持ち回り。何でこんなに急いだかと思いますけれども、とにかく中身を詰めることなく急ぎ過ぎているということ。そして、さっき言ったように、自動車は約束できていない。輸入が増えたって、セーフガードだって、いつ見直されるか分からない。全く約束違反だと思います。  こんな協定は認められませんし、そういった議論がまだまだ深まっていないということを申し上げまして、質問を終わります。  ありがとうございました。
  70. 秋野公造

    ○秋野公造君 公明党の秋野公造でございます。お役に立てるように質疑をしたいと思います。  今日は終局の質疑でありますので、細かいところを確認をしたいと思います。  まず、貿易の円滑化について改めてお伺いをいたします。  さきの委員会におきまして、私は、貿易の円滑化につきまして今後の方針をお伺いをしましたところ、日米にいい影響があるならば交渉をすることはあり得ると答弁をいただいたわけでありますけれども、十月二十四日の衆議院本会議におきまして、西村大臣、日米貿易協定の効果について明確に答弁をしているようであります。  私は、一般論では貿易円滑化措置の改善は日米の両方とも利益がなると思いますけれども、そうであるならば、今後交渉するのであれば貿易の円滑化を含めればいいのではないかと思いますけれども、改めて御答弁をいただきたいと思います。
  71. 澁谷和久

    ○政府参考人(澁谷和久君) お答え申し上げます。  先生御指摘のとおり、一般論で申し上げれば、貿易円滑化に資する取組は貿易のコストを下げるわけでございます。結果として貿易拡大、さらにはGDP押し上げといったプラスの作用に寄与するところでございますので、有益であるというふうに考えているところでございます。  一方、今後の米国との協議については予断を持ってお答えし難いところがございますが、その上であえて申し上げれば、貿易円滑化について日本にとって利益となる交渉ができるのであれば、我が国として交渉の対象とすることも考えられるところだと思います。
  72. 秋野公造

    ○秋野公造君 利益となる交渉ができるのであればということで理解をいたしました。  二点目、鉄鋼、アルミニウムについてお伺いをしたいと思います。  米国は日本に対して、鉄鋼、アルミニウムの輸入に対して追加関税措置をとっておりますけれども、このことが日米貿易協定を通してどういう状況になっているかということ、そして、今後米国が適切に対処するということをどのように担保をしているかということ、これ外務大臣にお伺いをしたいと思います。
  73. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) これまでも米側に対しては、米通商拡大法二三二条によります追加関税や数量制限、輸出自主規制等は受け入れられない旨の日本の立場はしっかりと伝えてきております。  また、その中で、日本からの鉄鋼やアルミニウムの輸入については、これが米国の安全保障に悪影響を与えることはなく、むしろ高品質の日本製品は米国の産業や雇用にも多大に貢献しており、こうした日本の考え方についてはあらゆるレベルで米国側にしっかり伝えてきております。もちろん、私もライトハイザー通商代表に何度もこの話もしております。  そして、結果的に今どうなっているかといいますと、日本の鉄鋼製品、高品質で代替困難なものが多いこともあって、製品別除外の仕組みを通じて追加関税について輸入国の中で最も多くの適用除外を獲得している、こういう状況にあるわけであります。  鉄鋼、アルミニウムに対します追加関税については、通常の関税引上げ交渉で扱う性格とは違いますので日米貿易協定においてこのことをどうするということは定めておりませんが、昨年九月の日米共同声明のパラグラフの七、そして本年九月の日米共同声明のパラグラフの四において、米国の鉄鋼、アルミニウムの輸入制限措置を念頭に、他の関税関連問題の早期解決に努めることを日米間で確認をしているところであります。  御案内のとおり、今、アメリカの鉄鋼の市況、物すごく良くなっているんですよ、実際は。そういった中でどうするかということを考えるわけでありますけど、日本政府として、先ほど申し上げたような、日本がかなり適用除外を取っていると、また日本の関連の業界の意向と、こういったものも踏まえて、米国政府にしっかりと働きかけを続けていきたいと思っております。
  74. 秋野公造

    ○秋野公造君 これ、是非よろしくお願いをしたいと思います。  さきの委員会で、日米貿易協定と検疫の関係についてお伺いをいたしました。メロン、そしてスイカ、特にスイカについてはすばらしいお取組をしているということで申し上げをさせていただいたところでありますが、一点、松についてお伺いをいたしませんでした。  松の盆栽の輸出に係る植物検疫の協議の状況についてお伺いをします。
  75. 神井弘之

    政府参考人(神井弘之君) お答え申し上げます。  現在、米国向けの松盆栽につきましては、植物検疫上、ゴヨウマツの輸出が可能となっております。ゴヨウマツの輸出検疫条件としては、栽培地検査や輸出前の根回りの土の除去のほか、害虫の寄生を防止するため、温室又は網室での三年間の隔離栽培などが求められております。現在、米国の植物検疫当局に対して、この隔離期間隔離栽培の期間を二年間に短縮するように要請し、協議を進めているところでございます。  他方、ニヨウマツ及びサンヨウマツにつきましては、枝枯れを起こす病気で、米国が侵入を警戒しておりますさび病の一種に感染しているおそれがあることから、植物検疫上、輸出できない状況となっております。  この病気に対する薬剤防除や栽培地検査などの検疫措置に係る協議の実施につきましては、産地からの要望等を踏まえて検討してまいります。
  76. 秋野公造

    秋野公造君 これは、スイカと同じように、将来を見据えて是非頑張っていただきたいと思います。  次に、日米デジタル貿易協定第十二条についてお伺いをいたしますが、自国の領域内で事業を実施する条件としてコンピューター関連設備の設置要求の禁止がTPP同様に定められたということでありますが、一方で、十三条には、金融サービスについて、自国内にコンピューター関連設備の設置要求禁止が新たに規定をされております。  その意義と効果についてお伺いをしたいと思います。
  77. 澁谷和久

    政府参考人(澁谷和久君) お答え申し上げます。  TPP協定では、コンピューター関連設備の設置要求禁止データローカライゼーションの禁止の対象として、御指摘のように金融機関及び金融サービス提供者が入っておりませんでした。  今回の日米デジタル貿易協定におきましては、御指摘のとおり、第十三条で、金融機関及び金融サービス提供者による相手国での円滑な事業展開が期待されることから、金融規制当局によるアクセスが認められる限りにおいて、金融サービスについても自国内でのコンピューター関連設備の利用、設置を要求してはならないと規定したものでございます。この規定によりまして、日米間における円滑で信頼性の高いデジタル貿易が促進されるものと考えております。
  78. 秋野公造

    秋野公造君 分かりました。  次に、プロバイダーの責任についてさきの委員会でもお伺いをいたしましたけれども、さきの委員会におきましては、日本においては日本の法制で、米国においては米国の法制でということを合意をしたということを理解をいたしましたけれども、ちょっと細かい話でありますが、日本に住むユーザーが米国のプロバイダーに対して訴えを提起する場合、日本訴えたらどうなるかということ。そしてまた、米国で訴えた場合はどちらの法律が適用をされるのかということ。また逆に、米国に住むユーザーが日本のプロバイダーに対して訴えを提起する場合に、日本訴えた場合、米国で訴えた場合、どちらの法律が適用されるのか。例えば我が国の裁判所名誉毀損による不法行為に基づく損害賠償を求める場合を念頭に、法務省にお伺いをしたいと思います。
  79. 竹内努

    政府参考人(竹内努君) お答えいたします。  どちらの法律が適用されるのかという問題につきましては、一般には、我が国の裁判所訴えが提起された場合には我が国の法の適用に関する通則法に従って準拠法が決定され、米国の裁判所訴えが提起された場合にはこれに相当する米国の国際私法に従って準拠法が決定されることになります。  その上で、委員御指摘の場合について、我が国の裁判所訴えを提起したときを念頭に御説明申し上げますと、名誉毀損による不法行為に基づく損害賠償請求権準拠法につきましては、原則として、法の適用に関する通則法第十九条により、被害者常居所地法によることとされております。  したがって、個別具体的な事案によることにはなりますが、基本的には、御指摘の場合に、我が国に住むユーザーが米国のプロバイダーに対して損害賠償を求めるときは我が国の法律である民法及びプロバイダー責任制限法等が適用され、米国に住むユーザーが我が国のプロバイダーに対して損害賠償を求めるときはこれらに相当する米国の法律が適用されることになると考えられます。  一方、委員御指摘の場合において、米国の裁判所訴えを提起したときにつきましては、先ほど申し上げましたとおり、米国の国際私法に従って準拠法が決定されることになります。したがって、州ごとに規律が異なり得ること、また個別具体的な事案に応じた裁判所の判断に委ねられるものであることから、一概にお答えすることは困難でございます。
  80. 秋野公造

    ○秋野公造君 ありがとうございます。丁寧に御答弁をいただきました。よく分かりました。  その上で、今日、資料をお配りをさせていただいております。ちょっと古い記事でありまして、一九九八年日本経済新聞のコピーであります。これ、ゼーランさんと、そしてアメリカオンラインの訴訟でありまして、プロバイダーの権利侵害について、これは結果的に故意、過失があるにもかかわらず免責をされたということであります。  日本において同じことが起きた場合、免責されないということが想定をされることもあり得るかということについてちょっと確認をしたいと思います。
  81. 渡辺健

    ○政府参考人(渡辺健君) 御質問の点につきましては、裁判所において個別の事案ごとに適切に判断されるべき事項でございまして、総務省として一概にお答えすることは困難でありますので、プロバイダー責任制限法を所管する立場から一般論としてお答えをさせていただきます。  まず、プロバイダー責任制限法は、インターネット上の権利侵害情報の流通に対するプロバイダーの責任を一定範囲に制限することによりまして、被害者の権利保護とインターネット上の自由な情報流通のバランスの確保を図るものでございます。  また、権利侵害情報を削除していなかった場合のプロバイダーの免責に関しましては、プロバイダー責任制限法第三条一項に要件が規定されてございまして、同規定を踏まえますと、プロバイダーは基本的には、権利が侵害されているのを知っていたとき又はこれを知り得ると認めるに足る相当の理由があるときは民事上の損害賠償責任を負い得ると考えられるところでございます。
  82. 秋野公造

    ○秋野公造君 この判例については、米国においても様々な批判もあるということで見直しの動きもあるんだといったようなことは、参考人質疑においてもお伺いをしたところであります。  どういう議論が行われるか、それは、日本においては当然日本の法制度でやっていただくということはもう当然確認をされているわけでありますけれども、どういう議論が今後これ行われていくか分かりませんので、そういった意味では、日本においてもプロバイダーの責任の在り方について御検討をいただくということは非常に重要ではないかと思いますが、この点についても御見解お伺いをしておきたいと思います。
  83. 渡辺健

    ○政府参考人(渡辺健君) 日米デジタル貿易協定署名時の日本国政府と米国政府との交換公文におきましても、プロバイダー責任制限法が本協定十八条の規定に反しないこと及び同条の規定を遵守するために日本の現行の法制を変更する必要がないことについて確認しているところであります。また、プロバイダー責任制限法は被害者の権利保護とインターネット上の自由な情報流通のバランスの確保を図っているものと考えております。  したがいまして、現時点におきましては、プロバイダーの民事上の責任の在り方を定めたプロバイダー責任制限法の見直しは考えておりません。他方、委員の御指摘を踏まえまして、総務省としては、海外の情報を含め引き続き情報収集に努め、関心を持ってその動向を注視してまいりたいと考えます。
  84. 秋野公造

    ○秋野公造君 是非よろしくお願いいたします。  日米デジタル協定において、原則、アルゴリズムもソースコードも開示を求めないといったような内容でありますが、ちょっと懸念をされる点についてお伺いしたいと思います。  サプライチェーンの段階でバックドアが埋め込まれていた場合、どのように検知をするのか、まずこれについてお伺いをしたいと思います。
  85. 山内智生

    ○政府参考人(山内智生君) お答え申し上げます。  そもそも、我が国において、現在、委員御指摘のようなサプライチェーンの段階でバックドアが埋め込まれるようないわゆるサプライチェーンリスクの観点で、このソフトウエアのソースコードやアルゴリズムを製造業者から政府機関に提示をさせるような枠組みは存在をしておりません。  一方、このサプライチェーンリスクに関しましては、政府といたしましても対策の必要性は認識をしております。したがいまして、現在、このサプライチェーンリスクの技術検証に必要な調査研究を今実施をしているところでございます。  また、私どもの手のうちを明らかにはなかなかしづらいところがございまして、詳細は差し控えさせていただきますが、技術検証を行うには様々な手法がございます。例えば、ソフトウエアの未知の脆弱性を悪用する手法があった場合、このような脆弱性を検出するときのやり方というのがございまして、必ずしもソースコードやアルゴリズムの開示が必要ということではございません。
  86. 秋野公造

    ○秋野公造君 手のうちを明らかにしにくい状況であえて質問をさせていただきたいと思いますが、例えば、時間を置いて作動するバックドア、こういったものが埋め込まれた場合、どのように検知をするのか、これについてもお伺いしたいと思います。
  87. 山内智生

    ○政府参考人(山内智生君) お答え申し上げます。  これも詳細はちょっとなかなかお答えをしづらいので差し控えさせていただきますが、例えば時間を置いて作動するバックドアのような場合でございますと、システム内の様々な機器で発生をする挙動、それから通信、ちょっと時間が掛かりますが、こういうものを組み合わせて分析をすると、こういう手法が考えられます。  このような手法を含めまして、情報システムの防御能力の向上に今後とも取り組んでまいりたいと考えております。
  88. 秋野公造

    ○秋野公造君 特に、やっぱり心配なのは、安全保障の関わる分野にこういったことが発生をすることであります。協定においては安全保障の観点は例外規定にされているところでありますけれども、例えば、先ほど申し上げた時間を置いて作動するバックドア、こういったようなものが埋め込まれているような場合、問題は生じないか、これ、TPP対策本部にお伺いをしておきたいと思います。
  89. 澁谷和久

    ○政府参考人(澁谷和久君) 日米デジタル協定、先生御指摘のとおり安全保障のための例外措置が定められておりますが、それ以外にも様々な例外規定が置かれておりまして、例えば、今先生話題にしていただいておりますソースコード、アルゴリズムの開示要求の禁止、第十七条でございますが、これにつきましては、規制機関や司法当局による例外も認められているところでございます。  したがいまして、必要な規律が妨げられることはなく、規制機関や司法当局が国内法に基づく手続に従い必要な規制や措置を講じることができるものと考えております。
  90. 秋野公造

    ○秋野公造君 今日、河野大臣に本当にお忙しいところを来ていただいたのは、この懸念をどうしても大臣の口から直接お伺いをしたいという趣旨であります。  防衛装備品の例えばソフトウエアなどを調達する場合に、バックドアを含むサイバーセキュリティー上のリスクを排除するためにどのように安全性を確認をするのかということ、この協定との関連性も含めて、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
  91. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) 防衛省におきましては、ソフトウエアを含む情報システムへの最近のサイバー攻撃等の脅威に鑑みて、IT調達におけるサプライチェーンリスクを考慮し、サイバーセキュリティーを一層確保することが重要だというふうに認識をしております。  政府としても、サプライチェーンリスクへの対応の強化を図るため、政府全体として、IT調達に係る申合せが昨年十二月に行われたところでございます。  防衛省におきましては、今回の日米デジタル貿易協定とは関わりなく、この十二月の申合せを受けまして、今年の四月から、ITを利用した装備品を調達する際には、その重要性に応じて様々な取組を順次開始しております。  まず第一に、企業に対して防衛省によるサプライチェーンに関する監査の受入れを義務付けました。第二に、情報システムの構成上攻撃の脅威にさらされやすい分野、例えばファイアウオールのようなものについて、信頼性の高い製品を使用することを要求しております。また第三に、特に重要度の高い情報システムに関しましては、通信回線装置、サーバー装置、ソフトウエアなどの機器のリストを事前に企業から提出をさせ、防衛省が内閣のサイバーセキュリティセンター、NISCの協力を得ながら機器の安全性をチェックしている、そういうところでございます。  防衛省としては、このバックドアの対策を含め、装備品のサプライチェーンリスクを排除し、サイバーセキュリティーの一層の確保に努めてまいりたいと考えております。
  92. 秋野公造

    ○秋野公造君 今日は河野防衛大臣までお出ましをいただきまして、様々確認をさせていただきました。これまでに至る様々な交渉に対してねぎらいの言葉を申し上げて、質疑を終わりたいと思います。
  93. 鈴木宗男

    ○鈴木宗男君 この委員会に出席しましていつも感じることは、各先生方がしっかりと自分の主張をされていることに敬意を表したいと思います。特に佐藤先生、やはりイラクで日の丸を背にして頑張ってきて、絶えず国益を考えて物を言うその姿勢には、本当に頭の下がる思いであります。また、舟山先生も、正しいかどうかは別にして、自分の主張をしっかりとされている質問というのは、これはいろいろ見方がありますから、民主主義はそれぞれの意見があって結構なんです。ただ、正しいかどうかよりも、私はやっぱり民主主義は最大公約数だと思っておりますから、自己主張ができることは幸せな人だなと、こう思いながら意見を聞いておりましたし、秋野委員におかれましては、自分の経験を踏まえて絶えず淡々と粛々と述べられていることに、これまた敬意を表したいと思います。  私は、質問の前に、委員長にお尋ねをいたします。  二十八日、十一月、当委員会の参考人招致がありました。それが終わった後の理事会で、鈴木宗男の名前が出たそうであります。それは、参考人に対して失礼な発言ではないかという指摘だと言われたそうでありますけれども、私は、皆さん方にも議事録はしっかり読んでもらいたいと思います。  正確を期すために読まさせていただきますけれども、この鈴木参考人は、委員長が、時間が来ておりますので、おまとめくださいと、こう言われております。その後に二回ほど、委員長から、お時間ですと言われております。その中にあって、この日米貿易協定について鈴木参考人はこう言っております。これが本当になったときには、じゃ、どうやって責任取るんですか。このことについてきちんと責任を取るシステムをつくっていただかないと、どんどんその場しのぎの虚偽で、次々と悪い段階に物事が進んでいくという、このことを止めることができません。その前段には、先生方が、あるいは霞が関の皆さんが国会などで発言されたことが後になって違ってくるわけですね、現実が。そのときに誰も責任を取らなくていいというこのシステムそのものに私は問題があるんじゃないかと思っていますと、こういう発言であります。  参考人は自分の考え述べるのは結構ですけれども、議会のやり方、議会の運営についてまで参考人は発言する権限だとか、そういった参考人としての立場ではない。これが、私はここにいる皆さん方よりも長く国会にいる者として、参考人の招致だとかについてのルール等について、この点はしっかりしておきたいと思います。  意図的に鈴木宗男の名前を、それ立憲民主党さんと共産党さんで出したそうでありますけど、ここのところは私は極めて不愉快でありますし、問題だと、こう思っております。委員長の見解をお尋ねいたします。
  94. 北村経夫

    ○委員長(北村経夫君) 委員会の議事運営について、ただいまいただいた御意見を委員長として受け止め、引き続き、公正中立を旨とし、円滑な議事運営に努めてまいりたいと存じます。  質疑を続けてください。
  95. 鈴木宗男

    ○鈴木宗男君 私は、そのとき不規則発言しましたけれども、鈴木参考人が、政治家がどんな責任を取るんだと言ったものですから、政治家は選挙で判断される、これが私が言った不規則発言であります。何もこれは問題のない、国民が選ぶわけでありますから。このことをしっかり委員の皆さん方には御理解をいただきたいと思います。  共産党の人ががたがた言っていますけれども、もう一つ指摘させてもらうならば、十八年前共産党は、ムネオハウスなんて、疑惑だ疑惑だと言って、もう私は裁判もしていなければ、このことで事件にはなっておりませんから、いいかげんな頭づくりで人の非難はやめていただきたい。私も国民から選ばれた者としてこれだけは明確にしておきたい。これが民主主義の基本だと私は思っておりますので、委員の皆さん方の御理解をしっかりいただきたいと思います。  それでは、質問させていただきますけれども、茂木大臣にお尋ねしますけれども、これ、参考人招致でも先ほどの舟山委員の質問でも、心配の声があります。私は、今回の日米貿易協定は極めてバランスの取れた、農林水産品にしても自動車、工業製品にしても、バランスの取れた賢明な私は判断の上での協定だと、こう思っているんですね。ただ、一部に心配の声があるのは事実でありますから、その心配する方々にやっぱり明確な政府としてのメッセージが必要だと思います。  私は、この今回の協定で一番正しいあるいは大事だと思うのは、例えばJA、日本農協中央会、さらには自動車工業会、一番肝の部分の団体が評価しておられます。私はこれに尽きると思います。民主主義は最大公約数です。私は、最大公約数がどこにあるか、それを踏まえて、茂木大臣始め関係者は賢明な外交努力をされたと、こう思っておりますから、大臣のこの協定に懸ける決意と、今後私は何かあっても国内対策で十分処置できる協定内容だと、こう思って安心をしておりますので、さらに国民に対してのメッセージをいただきたいと思います。
  96. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) 今回の日米貿易協定、世界のGDPの三割を占めるこの協定によりまして、既に発効しているTPP11、日EU・EPAを加えますと、世界経済の六割をカバーする自由な経済圏が日本を中心として誕生する、また、そのリード役を日本が担ってきた、このこと自体、大きな成果であると考えております。  そして、今回の日米貿易協定、これは日米双方にとってウイン・ウインでバランスの取れた協定になっている。ですから、鈴木先生おっしゃるように、一番の関係者、JAであったり、また自動車工業会もこの合意内容、評価していただいているんだと思います。  ちなみに、私、国連総会、九月、そして先日の名古屋でのG20の外相会談、その際に様々な国の外相とも会談を行いましたが、よく日本はアメリカとの間であの難しい協定をまとめたなと、すごいな、各国からそういう高い評価もいただいているのは間違いないところであります。  その上で、私は、日本の農産品、高いポテンシャルを持っていると、そんなふうに考えております。日本のお酒もそうであります。こういったものを、今回の協定によりまして、低関税でのアメリカへの輸出枠、三百倍に伸びたわけでありますから、こういったものを活用できるように日本の農業を強化していく、さらには中小企業が海外展開するのを支援していく、このためのしっかりした国内対策を立てていくことが何よりも重要だと、そのように考えております。
  97. 鈴木宗男

    ○鈴木宗男君 茂木大臣の明確な、明快な答弁で、私は、農家の皆さんも、さらに生産者の皆さんも、あるいは自動車工業会の皆さん方も、これからもしっかり頼むぞという考えになると、こう思っております。  今、私が大臣の答弁を聞きながらも、横で、どうなるか分からないんだよという心配の声がありますが、私は、心配の声は大事だけれども、もう一つ、この反対する皆さん方に考えてもらいたい。日米通商交渉、あまたありました。繊維交渉に始まって、農産物交渉、昭和五十三年からもう農産物交渉が始まっておりますが、じゃ、反対している人に私はお尋ねしたい。そのときも批判なり反発があったことは事実でありますけれども、日本の農業はどうなったか。強くはなった、あるいは所得は上がったけれども、逆に、結果的にはプラス成長したことは事実なのであります。ここが、私自身も農家の一員であって、農家をやってきた者でありますから、誰よりも分かっております。  外交にはやはり歴史がありますから、積み重ねでありますから、過去のウルグアイ・ラウンドのときも、例えば当時の民主党の皆さんが何を言ったか、これを一回冷静にひもといてもらいたい。で、結果はどうなったかということ。これはもう如実に事実が物語っているわけでありますから、この点は私は自信を持って、大臣も外務省も、あるいは農林水産省の皆さん方も対応していただきたいなと、こう思っております。  茂木大臣、私は、この日米貿易交渉まとめ上げた、見事な手腕だと思います。アメリカ側も、やっぱり茂木さんはタフネゴシエーターとして高く評価されているやに聞いております。このことを改めて期待感を持って茂木大臣にお尋ねしたいんですけれども、日米貿易交渉の後は、私は日ロ平和条約だと思っているんです。大臣は、今月、モスクワを訪問することを二十二日のラブロフ大臣との会談で合意されております。  私は、APECが中止になりましたから、そこでの首脳会談がなくなりましたですね。私は是非とも、大臣が訪ロをする際には次の首脳会談の日程は決めていただきたいと、首脳会談の日程をですね、そう思っておりますが、大臣のお考えはどうでしょう。
  98. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) まず、今の大変厳しい東アジアの情勢を考えたときに、日本とロシアの間で平和条約が結ばれていない。ある意味、世界地図、これをジグソーパズルで考えてみますと、極めて重要な一つのピースが欠けたままになっている。このピースを埋めることによって、地域の平和、安定、繁栄につながっていくと思っておりまして、そういった意味で、領土問題を解決し、平和条約を締結する、これに全力で努めてまいりたいと思っております。  ラブロフ外相とは、九月の国連総会の際、それから先日、名古屋のG20外相会談の際に二回の会談を行っているところでありますが、率直に言って、交渉というのはやっぱりケミストリーが合うかというのは重要なところでありまして、ケミストリーそのものは合うと思っております。ただ、難しい交渉であるのは間違いないわけでありますから、一九五六年の共同宣言を基礎として平和条約交渉を加速させるとの両首脳の合意、これを踏まえて、領土問題を解決して平和条約を締結するとの方針の下、交渉責任者として粘り強く取り組んでいきたいと。  そして、最終的にはやっぱりトップ同士の決断、こういうことが重要でありまして、そのための環境整備をする、これも外務大臣として極めて重要な仕事になってくるわけでありまして、APECでバイの会談、これが、APEC自身が中止となりましたので、できなくなった。早期に日ロの首脳会談ができるように調整をしたいと、このように考えております。
  99. 鈴木宗男

    ○鈴木宗男君 まさに、外交には相手がありますから、信頼関係つくって、そしてやっぱりステップ・バイ・ステップで上げていくしかないと、こう思いますけれども。  大臣、モスクワに行った際、私はプーチン大統領にお会いした方がいいと思うんです。で、直接、安倍総理の決意と覚悟をまたお伝えした方が更に私は大きな前進があると思いますけれども、プーチン大統領に会うべく、今、日程なり調整はしているんでしょうか。
  100. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) まだ日程自身が決まっておりませんで、諸般の情勢が許せば十一月の中旬にモスクワを訪問して、あっ、失礼しました、十二月の中旬にモスクワを訪問して、じっくり時間を掛けて、これ共同経済活動の問題もありますし、それから八つのプロジェクトと、こういった問題もありますので、様々な問題について時間を掛けて議論したいと思っております。  そして、先生の方から良いアドバイスをいただきましたので、それも含めて検討したいと思います。
  101. 鈴木宗男

    ○鈴木宗男君 今、安倍総理が進めている、大臣が言われた八つの共同経済活動、あるいは、いや、八つの共同経済協力ですね、そして、北方四島における共同経済活動、これも歴史があって、小渕総理のときに提案して潰れた話です。それを安倍総理がしっかりと三年前、プーチン大統領に説明されて、そして長門では四島における共同経済活動を提起して今に至っているわけであります。間違いなく、私は、平和条約、一部停滞しているやの話ありますけれども、着実に前に進んでいるというのが私のこれは受け止めでありますので、この点も茂木大臣には自信を持ってやっていただきたいと思います。  あわせて、茂木大臣が二十六日、あれは記者会見なんでしょうかね、日ロ関係、平和条約締結に向けて進めていく中で、やはり日米安保の懸念がある、その払拭が一つ大事な面も、側面もあるという会見されているやに伺っておりますけれども、私は極めて現実的な、大臣の率直なお話だと、こう思っております。  私も、いろんなロシアの関係者に聞いても、やはりお互い国家安全保障に関しては一番の国益に関する問題でありますから、この日米安保に対する懸念があるのは当然であります。同時にまた、日本にとっては日米同盟というのもこれは当然でありますですね。その中でどうこれまた折り合いを付けていくかということなんですけれども。  私は、戦後の国際社会での諸手続、ロシアはよく言われます、国際社会の諸手続によって正当に手に入れた領土だというのがロシアの言い方です。私は、それはロシアはロシアとして正しいと思います。同時に、日本は日本のまた主張もありました。ソ連時代は、四島問題がないというから、一括返還で即時という表現までしました。しかし、ソ連が崩壊してエリツィン大統領になってから、平成三年、九三年からでありますけれども、日本は、四島一括返還という旗は下ろして、四島の帰属の問題を解決して平和条約の締結であります。  ここら辺をきちっと基本に考えていけば、日本が国連に入ったのは誰のおかげで入れたか。一九五六年、日ソ共同宣言結びましたけれども、まだ国連に入れませんでした。五一年、サンフランシスコ講和条約で国際社会に復帰しましたけれども、このときも国連に入れませんでした。ソ連が拒否権使ったからです。しかし、共同宣言結んで二か月後、ソ連が日本よ国連へどうぞといって、ソ連の賛成で日本が国連に入れたということ。意外とこういった事実を国会議員の皆さん方は分かっておりません。  私は、こういった事実をしっかり踏まえていけば、ロシアの言い分も分かる、同時にまた日本の主張もできる、こう思いますけれども、こういった戦後の諸手続ということについて尊重するということを大臣はどう考えておりますか。
  102. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) 領土交渉と、この歴史というものをきちんと正確に捉え、またそれが国際法上どうであるか、また国際的に手続としてどういう経過をたどってきたか、こういったことを踏まえながら交渉を行っていかなければならないと思っております。  先生の方から触れていただきました二十六日の私のあの発言でありますが、ラブロフ外相の方が、今後に向けては、日米安保といいますか、安全保障上の懸念があると、こういう発言をされたと。それについてどう思いますかと聞かれましたので、先ほどのような発言をさせていただきましたが、当然、日本にとりましては日米同盟、日本外交の基本でありまして、この日米安全保障条約、これは極めて重要でありますが、一方で、領土交渉を進めるとなると、当然、お互いに安全保障上どうなのかと、こういう議論は避けて通れないわけでありまして、まさにラブロフ外相が安全保障上の懸念という話をされたということは、真剣にこの領土問題に取り組みたい、こういう意向の表れだと、このように受け止めております。
  103. 鈴木宗男

    ○鈴木宗男君 茂木大臣のこれまた賢明なお考えを聞いて、私はまさにそのとおりだと、こう思っております。  日米貿易交渉協定もしかりでありますけれども、これ、外交には相手があります。日本が百点で向こうが零点という外交はないんですね。これは歴史が証明している話なんです。お互いやっぱり国益、名誉と尊厳懸かっているわけでありますから、折り合いを付けるしかないと思っております。  今、茂木大臣のお話を聞きながらも、私は、戦後の、戦争が始まって、その後の国際社会の秩序というのは、カイロ宣言に始まって、ヤルタ協定、当時は密約であっても一年後には公になりました。ポツダム宣言に何書かれているか。日本の面積はどこか、明確にされております。それを受けて無条件降伏であります。そして、サンフランシスコ講和条約での吉田茂全権の南樺太の放棄、国後、択捉の放棄、千島列島放棄ですね、そして台湾の放棄、全部これ書かれております。それを踏まえて、また五六年宣言と、こう来ております。そして、イルクーツク声明なんかが私は一番日ロ関係にとっては島の解決に向けて近づいたときだと、こう思って、あの森総理・プーチン会談を私も首脳会談に出席して見てきた者でありますけれども。  是非とも、今の茂木大臣の私は考えを多としながら、茂木大臣の外交能力、極めて高い、多くの人が評価しておりますので、自信を持ってやっていただきたいし、改めて、日ロに懸ける茂木大臣の決意をお聞かせいただきたいと思います。
  104. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) 鈴木先生も北海道出身ということもあられ、また、元島民の皆さんとも様々な交流を持たれる中で、この問題を解決しなきゃいけない、誰よりも強い思いを持って取り組んでこられたと、このように承知をいたしております。  そういう気持ちをしっかりと受け止めながら、交渉の責任者として、難しい交渉では確かにあります、七十年以上解決できなかった問題でありますから難しい交渉ではありますが、全力を懸けて交渉に臨んでいきたいと思っております。
  105. 鈴木宗男

    ○鈴木宗男君 時間どおりに終えらせていただきます。
  106. 井上哲士

    ○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。  先ほど参考人質疑についての発言がございました。参考人が、法案や協定の中身だけではなくて、審議や政府の情報開示の在り方が不十分だと、こういうことを、こういう意見を言うのは当然のことでありますし、これまでも繰り返し行われてまいりました。  重要なことは、この背後にそういう国民の多くの声があるということですよ。私たちに必要なのは、こういう声を謙虚に、そして真摯に受け止めることこそが国会議員に求められているということを最初に申し上げておきたいと思います。  次に……(発言する者あり)
  107. 北村経夫

    ○委員長(北村経夫君) 御静粛にお願いします。御静粛にお願いいたします。
  108. 井上哲士

    ○井上哲士君 デジタル協定についてお聞きをいたします。  先日の参考人質疑で参考人から懸念の声があったのが、十八条の規定にあるオンラインプラットフォーマーの民事責任の制限の問題でありました。  米国の通信品位法で、誹謗中傷や人権侵害の書き込みで誰かを傷つけても、掲示している場であるプラットフォーマーに責任がないとされていると。しかし、今、様々広がっているインターネット上で人権侵害や犯罪行為、児童ポルノなど多くの問題が生じている下で、米国議会でも、これ免責範囲が広過ぎるとして、この通信品位法を変えようという議論も出されております。そして、このデジタル貿易協定で全部免責を決めれば、国内の政策スペースが狭いまま規定されてしまうので、十八条の規定は削除せよという議論もされているというのが参考人のお話でありました。  まず、外務大臣、お聞きしますけれども、米国議会でこういう議論がなされている中ですから、立ち止まって、この条項などは見直すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
  109. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) まず、今回の日米デジタル貿易協定、これ、デジタル貿易若しくはデータ駆動型社会におけるルールの整備と、こういったことで、最も進んでいる日本とアメリカの間で円滑で信頼性の高い自由なデジタル貿易を促進するための法的基盤を確立し、これからの時代の経済を牽引するデジタル貿易のルール作りにおいて日米両国が引き続き主導的な役割を果たしていく基盤になるものであります。  その上で、御指摘の十八条は、インターネット上の権利侵害情報の流通に対しますプロバイダーの責任を一定の範囲に制限することによりまして、被害者の権利保護とインターネット上の自由な情報流通のバランスを確保するものでありまして、免責を容易に認めている、こういうことではございません。  御案内のとおり、データ・フリー・フロー・ウイズ・トラスト、こういう概念の下でこれからのデータの流通を進めていくと。自由な流通、こういったものが重要でありますが、同時に、プライバシーであったりとかそういうものに対する適切な配慮が払われると、こういう方針の下で決められているものだ、基本的にはこれが今世界の潮流だと、そう考えております。
  110. 井上哲士

    ○井上哲士君 今、バランスという言葉を言われましたけど、このバランスでいいのかということが米国内でも議論になっているわけです。そして、この十八条の規定の削除をせよという議論もされているということを私は申し上げました。  じゃ、日本のはどうなるかということでありますが、交換公文で、この協定の免責の範囲と日本の国内法は整合するとされております。一方、今後、日本でも免責範囲の見直しなど、現行法の見直しをするという議論も出てきた際に、この条約と抵触すると、こういう場面が出てくるのではないでしょうか。  総務省、いかがでしょうか。
  111. 渡辺健

    ○政府参考人(渡辺健君) 総務省所管のプロバイダー責任制限法についてお答えいたします。  協定署名時の両政府間の交換公文におきましても、プロバイダー責任制限法が本協定十八条の規定に反しないこと及び同条の規定を遵守するために日本の現行法制を変更する必要がないことを確認しているところであります。また、現行のプロバイダー責任制限法は、被害者の権利保護とインターネット上の自由な情報流通のバランスの確保を図っているものと考えております。  したがいまして、御指摘のような現行法の強化につきましては現時点では検討しておりませんので、検討していない内容について答弁申し上げるのは困難であり、差し控えさせていただきたいと存じます。
  112. 井上哲士

    井上哲士君 既に日本でも様々な議論が起きているんですね。御存じだと思うんですよ。それが、今のようなバランスでいいのか、これだけのいろんな人権侵害、これでいいのかという議論が出ているときに、私はこの条約が、それと、とり得る措置に今後制約が出てくるんじゃないかと、こういう問題を抱えているということを指摘をしておきたいと思います。  その上で、牛肉のセーフガードについてお聞きをいたします。  TPP12で定められたセーフガードの発動基準数量六十一万トンは、これはアメリカを含む数量であります。TPP11でアメリカが抜けてもそのままになっていると。これに、この協定ではアメリカ向け数量二十四万トン追加したので、計八十五万トンと二重計上ということになっております。  そこで、まず農水省、お聞きしますけれども、この米国からの輸入牛肉への関税率、そしてセーフガード発動後の関税率について、現行及びこの本協定発効後はそれぞれどうなるのか、お答えいただきたいと思います。
  113. 水野政義

    政府参考人(水野政義君) お答えいたします。  委員からお尋ねのアメリカから輸入される牛肉の関税率について、現行制度の下で三八・五%の税率が、日米貿易協定発効後は、発効初年度が二〇一九年度の場合、初年度二六・六%の税率となります。この二六・六%の税率については、同じく二〇一九年度の初年度に日米貿易協定上のセーフガードが発動された場合、三八・五%に引き上げることになります。
  114. 井上哲士

    井上哲士君 現行でセーフガードが発動されたら何%になりますか。
  115. 澁谷和久

    政府参考人(澁谷和久君) セーフガードと、それから似たような措置で、先生おっしゃったのは牛肉の関税緊急措置のお話かと思いますけれども、こちら関税暫定措置法で規定されているものでございまして、要件がいろいろありますけれども、対前年度一一七%等の要件がございまして、これに、この要件に当てはまりますと、関税率が実行税率三八・五%をWTO譲許税率の五〇%にすると、これが関税緊急措置というものでございます。
  116. 井上哲士

    井上哲士君 ですから、米国はこの協定発効時にTPP加盟国と同じ税率に一気に下がることになりますし、それに加えて、今御答弁ありましたように、このWTOのルール税率五〇%が課せられることはなくて、セーフガードが発動しても今の税率である三八・五%に上がることにとどまるということになるわけですね。  アメリカにとっては大変いいことずくめということになっているわけですが、それに加えて、先ほど指摘もありました交換公文の中で、農産品セーフガード措置がとられた場合には、発動水準を一層高いものに調整するため、協議を開始するとされております。そして、発動後九十日以内に当該協議を終了する観点から、セーフガード措置がとられた後十日以内に協議を開始するとしております。  これ、当初の外務省の説明文書では、発動水準を調整するための協議を開始するとされておりまして、実際は高いものに調整するための協議なんですね。大きく意味が違うわけです。  これは外務省にお聞きしますけれども、過去に日本が結んだ経済協定で、このセーフガードが発動後に、このように発動水準を高いものに調整するために協議の開始や終了の期日まで盛り込んだ、こういう協定があったんでしょうか。
  117. 山上信吾

    政府参考人(山上信吾君) お答えいたします。  いろんな協定でいろんな規定ぶりをしております。したがいまして、一概に比較することは困難を伴いますが、お尋ねのセーフガード措置に関しまして、市場アクセスを改善する観点から見直しを行うと、こういった旨の規定が設けられた例はございまして、例えば日豪の経済連携協定、それからTPP12協定等がございます。  ちなみに、例えばでございますが、オーストラリアとの経済連携協定ではどういう規定をしているかと申しますと、牛肉に関する特別セーフガード措置という関連で、その措置の見直しについては牛肉の市場アクセスを改善する観点から行われるとされておりまして、具体的には、発動水準の引上げ、関税の引下げ、さらには特別セーフガード措置自体の廃止、こういった措置について言及されているところでございます。
  118. 井上哲士

    井上哲士君 オーストラリアの件を今挙げられましたけれども、私、極めて特例的な規定だと思うんですね。  なぜこの今度の協定にこういう規定を盛り込んだんでしょうか。
  119. 澁谷和久

    ○政府参考人(澁谷和久君) 通常、協定に盛り込むセーフガードの発動基準、トリガー数量は、過去の実績、直近の実績よりも高めの数字で設定するのが通例であるところ、今回は直近の実績よりも少ない、低い二十四・二万トンという数字で設定をしたものでございます。  そうしたことも背景にあって、米国としては見直しを行いたいという気持ちがあったと思いますけれども、私どもとしては、協議をすることは合意いたしましたが、そこから先のことは予断をしていないということでございます。
  120. 井上哲士

    ○井上哲士君 厳しい量にしたと今言われましたけど、先ほども答弁ありましたように、これ、発動した場合も税率は現行と同じにとどまるわけですね。しかも、速やかにこの発動水準を高くするための協議に入るという非常に特例的な待遇になっているわけですね。  この十一月二十日にアメリカの下院の公聴会で証人として出席したベッター元USTRの首席農業交渉官も、この日米協定の牛肉セーフガードは、発動関税率が適用される前に、極めて少ない伸びしか認めていないので、今後、セーフガードは毎年発動されて、米国牛肉の関税が引き上げられる可能性があると、こういうことを言っています。逆に言えば、私はこの引上げ、発動水準を引き上げるというこの条項を使って、盾に、日本に発動の基準量を強く引き上げてくるんじゃないか、求めてくると思うんですね。  外務大臣にお聞きしますけれども、このセーフガード水準を超えても輸入基準量を高く見直す、こういうことになりますと、セーフガードの意味を成さなくなるんじゃないでしょうか。何でこんなものを入れたんですか。
  121. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) 今回入れた背景につきましては先ほど澁谷参考人の方からお答えしたとおりでありますが、今回の交換公文は協議結果について予断を行っているものではありません。  そして、当然、牛肉の米国からの輸出、米国の輸出業者もありますが、日本の輸入業者もあるわけであります。そうなりますと、年度末が近づいてくると、二十四万二千トンに近づいてきたら、当然、輸入業者の方からしましたら、それは二六が三八・五になれば高くなるわけですから、これはどうにか回避をしたいということで、輸入を抑えて次年度にする、こういうインセンティブはビジネスベースでは当然働くということでありまして、毎年そういうことが起こるということは想定いたしておりません。
  122. 井上哲士

    ○井上哲士君 だったら、そんな規定入れる必要ないんですよね。  大体、内容は、協議結果は予断をしていないと、こういうふうに繰り返されますよ。だけど、例えば自動車関税の撤廃、これは更なる交渉次第とされていますけれども、いつから交渉を始めるのか、これは協議次第なんですね。いつから交渉を始めるか分からない、そして、いつまでに合意するかも何の定めもないんですよ。だけれども、外務大臣は、これは撤廃は約束だと、WTOにだから整合しているんだと、こういうふうに繰り返されます。  つまり、何の、協議に入る期日も、そして合意する取決めも何も、これは約束だ約束だと強弁されながら、このセーフガードについては、発動されたら十日以内に協議に入って九十日以内に結論を得る、ここまで決めている。しかも、高くするための協議なんですよ。ところが、これは、内容は予断されないと。これは全く御都合主義だと思いますよ。そう思いませんか。
  123. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) 自動車の関税につきましては、協定本文五条の一におきまして、いわゆる市場アクセスの改善、これを行うと、そしてその改善の行い方につきましては附属書に規定をするということで、米国の附属書に自動車に関するこの関税撤廃の仕方というのが具体的に書かれているわけであります。  期間につきましては、再三申し上げておりますが、TPP12におきましても、日米間の交渉で、自動車につきましては二十五年、そしてトラックにつきましては三十年、非常に長いステージングでありました。これを短縮できるようにこれからしっかりと交渉していきたいと、このように考えております。
  124. 井上哲士

    ○井上哲士君 全く説明になっていないと思います。  こういう、米国に一方的な譲歩を行って国内農業に深刻な打撃を与える協定は認められないということを申し上げまして、質問を終わります。
  125. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 ハイサイ、沖縄の風の伊波洋一です。  日米デジタル貿易協定では、第十八条でプラットフォーマー企業を民事責任から守る条項が規定されています。ユーザーがネット上にアップロードした情報がフェイクやヘイト、名誉毀損などの内容であっても、これを媒介したプロバイダーやプラットフォーマーの責任を免除するというものです。GAFA、グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップルなどの巨大プラットフォーマーに有利な内容であり、TPPには定められていないルールです。    〔委員長退席、理事宇都隆史君着席〕  この間のミャンマーでのロヒンギャ虐殺は、フェイスブックによる呼びかけをきっかけに行われました。また、日本国内でも、ヘイトスピーチ、ヘイトデモの呼びかけなどがSNSを通じてなされることもあります。プラットフォーマーに対する何らかの責任追及の可能性は残されるべきです。  民事責任の免責を法律より優先する条約で拙速に規定することは、被害救済と再発防止を困難にするのではないでしょうか。政府はどう考えますか。
  126. 澁谷和久

    ○政府参考人(澁谷和久君) 日米デジタル貿易協定第十八条、度々御質問いただいておりますが、コンピューターを利用した双方向サービスの提供者等の民事上の責任を一定の限度で制限するものでございます。この点に関しまして、米国の制度、それから我が国の制度が見かけ上違うということもありまして、かなり米国の担当者、お互いの日米の専門家同士で相当長い時間、ここは議論をさせていただいたところでございます。  その結果、それぞれの制度が狙っているところはそごがないということの確認が取れたところでございまして、この点に関して交換公文を結びまして、我が国のプロバイダー責任制限法の内容がこの協定十八条に違反しないという、この両国政府の認識を確認したところでございます。また、これは現行法令を超えて何か新しい判断を行ったものではございません。  したがいまして、御指摘のように、プラットフォーム上の権利侵害情報によって何らかの被害を受けた場合、被害者はこれまでどおり現行法制に従って適切に責任追及を行うことができるというふうに承知しておりまして、この点について日米デジタル貿易協定第十八条が何らかの変更を加えられるものではないと認識しているところでございます。
  127. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 プラットフォーマーに一定の責任を求める日本のプロバイダー責任制限法とプラットフォーマーを免責する米国の通信品位法第二百三十条では全く異なります。協定の条文を行政取決めである交換公文で上書きするような手法は、法の優劣関係からも適切とは言えないと思います。  GAFAへの課税問題にも見られるように、米国企業が日本国内法の規制を免れることのないよう、対応をお願いします。    〔理事宇都隆史君退席、委員長着席〕  九月二十五日の日米両首脳の共同声明では、協定の発効後、四か月以内に協議を終え、その後にサービス貿易や投資に係る障壁、その他について交渉を開始する意図であるとされました。本協定の交渉が五か月という短期で決着された上に、さらに発効後四か月という極めて短期間経過後に第二ステージの協議が行われることが合意されています。  一概に比較はできませんが、TPP11では七年間も再協議しない規定になっており、日欧EPAでも、当事者が合意しない限り五年間は再協議しない規定になっています。国内対策を取りつつも、関税措置を緩和して市場を開放するわけですから、仮に再交渉を行う場合でも、ある程度の時間を置いて、国民生活や経済に対する影響を見極めた上で更なる改善を図っていくべきです。  極めて短い、発効四か月後に新たな第二弾交渉を設定したのはなぜでしょうか。
  128. 澁谷和久

    ○政府参考人(澁谷和久君) お答え申し上げます。  今年の九月二十五日の日米共同声明、御指摘のパラグラフ三でございますが、まず日米間で今後どの分野を交渉するのか、その対象をまず予備的な協議、コンサルテーションをするということとしておりまして、この点に関して四か月以内に協議を終える意図であることを表明したものでございます。  したがって、四か月以内に協議を必ず終えるということが義務となっているわけではありませんで、四か月という期間に特段の法的な意味があるわけではない。米国と交渉する中で国益に反するような合意を行うつもりはないということを申し上げたいと思います。
  129. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 今まさにウクライナ・ゲートを理由に米国議会による弾劾手続が進む中で、トランプ大統領は来年の大統領選挙に向け、一期目の成果を洗い出している段階です。  第一段階のこの日米貿易協定に対する世論の評価がいま一つであった場合には、更に目玉となるような第二弾の交渉を行っていく、そういうカードとしてこの第二弾における更なる交渉が設定されているのではないでしょうか。そのため、アメリカの選挙民から受けの良い農業分野での更なる市場開放だとか、あるいは保険や金融関係の業界の受けの良い日本の国民皆保険制度に風穴を空ける要求だとか、あるいは巨大食品産業に都合の良い、日本の食の安全や衛生基準を非関税障壁と称して問題にすることなどが危惧されます。  報道では、両国政府は一月一日に協定を発効させる予定とされており、四か月以内の三月三日は、大統領選挙の予備選が集中する有名なスーパーチューズデーです。大統領選のアピールポイントとして更なる市場開放を求めてくるのではないかと大変危惧されます。  大臣、四か月以内の第二弾交渉では、日本政府はどのような分野について交渉するつもりでしょうか。日本政府が自動車などの関税撤廃を求めれば、米国は農産物における特恵的待遇を求めるということになるのではありませんか。
  130. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) アメリカの大統領選挙、アイオワから始まりまして、そしてニューハンプシャー、そして御案内のスーパーチューズデーを迎えるわけでありますが、スーパーチューズデーにおきまして投票が行われる州とアメリカの農業州が必ずしも重なっているものではない、このように一般的には理解をされていると私は考えておりますが、その上で、九月二十五日の日米共同声明パラグラフ三では、日米で今後どの分野を交渉するのか、その対象をまず協議することとしております。今後の交渉の内容はこの協議の中で決まっていくことになりまして、この協議において日米双方が合意したものについてのみ交渉することとなるわけであります。  今後も、日米双方にとってウイン・ウインとなる分野をしっかりと見極めた上で分野を合意し、交渉を進めていきたいと思っております。さらに、どの分野を交渉するにせよ、我が国の国益に反するような合意を行うつもりはございません。
  131. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 十一月二十日には連邦議会下院歳入委員会の通商小委員会で公聴会が開かれ、第二弾の交渉では、米や一部乳製品、通貨安誘導を封じる規定などを扱うよう求める意見が出されました。  大臣、日本政府として、米や一部乳製品などの農業分野、通貨安誘導を封じる規定など、第二弾交渉の項目として応諾しない、合意しないと約束できますか。
  132. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) 先ほど申し上げたように、今後の交渉につきましては、この日米貿易協定、日米デジタル貿易協定、発効した後の協議、コンサルテーションズ、この中で決まっていくことになるわけでありますが、そこの中で、関税について交渉するということは協定に明記をされております自動車、自動車部品の分野を想定しておりまして、農産品を含め、その他の分野についての関税の交渉というのは想定をいたしておりません。
  133. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 是非、今の答弁はしっかり約束にしていただきたいと思います。  日本政府は否定していますが、米国内でも日本国内でも、本協定は、おおむね八五%以上の実質上全ての貿易自由化のみを例外とするとして許容するガットとWTOのルールに反するとの批判があります。そのため、トランプ政権は、この協定を最終的に包括的協定の第一段階にすぎないと説明しています。  茂木大臣、この協定は最終的な包括協定の第一段階にすぎないと考えますか。今後、実質上全ての貿易を自由化すべく、更に包括的な日米FTAに向けて交渉していくことはないと明確に約束できますか。
  134. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) 今回の国会に提出をいたしております日米貿易協定、これはWTOに整合的な協定である、この協定として成り立つ協定であると考えております。  そして、今後につきましては、全ての分野を交渉の対象にするとはどこでも約束をいたしておりません。協定の発効後に行います協議、この中でどの分野を交渉するのかと、こういったことを定めていきたい。そして、日米両国で合意した分野について交渉が行われることになるわけでありまして、様々な具体例出されましたが、今後の協議の中で決まってまいりますが、日本としては、当然、日米双方にとってウイン・ウインとなる、そういった分野をしっかりと見極めて、その分野について交渉を行いたいと思っております。そして、どのような分野が交渉になるにしても、我が国の国益に反するような合意をするつもりはございません。
  135. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 現在審議している協定案は、牛は取られて車は取れずと言われているとおり、米国産の牛肉や豚肉などの農産物についてはTPPと同水準までの関税を撤廃して日本への参入を認め、自動車については更に協議するというものです。  日本の農業を自動車関税の交渉材料にして差し出すこと自体も問題ですが、安倍政権が譲るところを譲った結果、第二弾において、トランプ政権には、自動車の追加関税措置や農産物の特恵的待遇の要求のほか、サービス貿易や投資の市場開放、為替条項など多くのカードが残る一方、日本政府、日本側には手持ちのカードがありません。自動車関税の撤廃を求めれば、何らかを譲らなければディールが成立しない状況です。米国が、ガット、WTO違反を理由に第二交渉を強く迫ってくることも予想され、第二弾以降も同じように負けっ放し、譲りっ放しになりかねません。  果たして本当に、大臣がおっしゃるように日本の主張をきちんと主張し切れる、そういう土壌というのはあるんでしょうか。
  136. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) まず、今回の日米貿易協定につきましても、日本が一方的に譲る、若しくはアメリカが一方的に取ると、こういう内容ではなくて、双方にとってウイン・ウインな内容になっている。必要であれば、細かくどんなところがウイン・ウインになっているのか御説明申し上げますが、そのようになっていると考えております。  その上で、先生のお話伺いますと、第二弾の交渉、これは今後分野を決めていくことになりますが、いずれにしても、ゼロサムゲームでどっちが取るという世界ではなくて、ウイン・ウインになるような分野を見出して交渉したい。そして、どの分野を交渉するにしても、我が国の国益に反するような内容について合意をするつもりはない、このように申し上げております。  今回、例えば農業分野でいいますと、アメリカにとっては、TPP11が既に発効する、そして日EU・EPAも二月の一日に発効する、こういった中で他国に劣後している、こういう状況が生まれていたわけであります。それを一日も早く解消したい、これが米側の要求でありました。一方で、日本の立場、これは過去の経済連携で譲許してきた内容が最大限である、この立場を崩さない。そこの中で最終的に合意したのが今回の日米貿易協定だと考えておりまして、御案内のとおり、全てが過去の経済連携協定の範囲内に収まっております。  さらには、米は調製品も含めて全く譲許いたしておりません。林産品、水産品についても譲許をいたしておりません。そして、TPPワイドで各国に認めましたワイド枠三十三品目についても全く譲許をしていない、こういった状態になっていると思っておりまして、日本にとってもしっかり守るべきは守った、こういう合意内容であると、そのように考えております。
  137. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 私は、やはり日米貿易は、米国が農産物を売ろうとする限り、日本の自給率を低く下げてしまう、日本の農産業を潰してしまう、そういう大きな原因になっていると思います。  機械あるいは自動車を輸出せんがために、私たちの国自体の存在を本当に危うくするような、食料の安全性や、そういう自給率を低めるような仕組み、単に予算を通して、業者、農業生産者に対して支えをするだけでは、農業の、中山間地の発展や、それから現実の農業が発展しません。  私たちがやはり行うべきは、しっかりとした自給率をどう確立するか、そして本当の意味での農業を豊かにしていって、観光客もたくさん来ます、それを私たちの誇りとするような、そういう産業を育成をしなきゃいけないだろうと思います。  自動車と農業を……
  138. 北村経夫

    ○委員長(北村経夫君) 時間が来ておりますので、おまとめください。
  139. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 はい。  取引するような政策はやはり変えていく、そのことが求められているのではないでしょうか。  以上です。
  140. 北村経夫

    ○委員長(北村経夫君) 他に御発言もないようですから、両件に対する質疑は終局したものと認めます。  暫時休憩いたします。    午後零時三十一分休憩      ─────・─────    午後零時三十八分開会
  141. 北村経夫

    ○委員長(北村経夫君) ただいまから外交防衛委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、日本国とアメリカ合衆国との間の貿易協定の締結について承認を求めるの件及びデジタル貿易に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件の両件を一括して議題といたします。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  142. 小西洋之

    ○小西洋之君 私は、立憲・国民.新緑風会・社民を代表して、日米貿易協定及び日米デジタル貿易協定に対し、断固反対の立場から討論を行います。  以下、反対の理由を申し述べます。  第一に、自動車、自動車部品に対する追加関税及び数量規制の発動回避の約束が曖昧模糊、言わば、やぶの中であることであります。  茂木外務大臣は、本委員会において、日米共同声明の、両協定及び本共同声明の精神に反する行動を取らないとの抽象的な文言と、その解釈に係るトランプ大統領からのそれで結構だという内容という、まるで居酒屋談義レベルの説明のみをもって、追加関税を課されることはないと強弁をしました。  加えて、自動車等に対する数量規制などの回避も閣僚会談での口約束だけを根拠とし、これらの事実関係を証明するための首脳会談、閣僚会談の会議録などの再三の提出要求にも一切応じず、国会への説明責任を放棄したのであります。  唯一客観的に明らかになったことは、国民経済に大打撃を与える措置の将来的な発動回避を文書で明確に約束できなかった外交の大失策、外交の大敗北だけなのであります。  第二に、自動車及び同部品については、アメリカ側の譲許表に、関税の撤廃に関して更に交渉する、つまり、関税撤廃は今後の交渉事項と記されるにとどまりましたが、政府はこれを、関税撤廃が前提との英語の曲解、日本語の捏造というべき不合理極まりない、まさに言語道断の主張をただひたすらに強弁をしました。さらには、その根拠としての、米国政府との調整した上での資料提出さえ拒否し続けたのであります。  さきの追加関税等と同様に、審議を通じて唯一客観的に明らかになったことは、本協定は最初から国民無視が前提、国民への説明責任放棄が前提という真実だけだったのであります。  加えて、自動車等の関税撤廃を実現できなかったにもかかわらず、政府は、日米貿易協定の関税撤廃率及び経済効果分析として、これらの関税撤廃が実施した場合の数値を当然のように公表し続けました。事実に基づく本当の関税撤廃率及び経済効果分析の公表を何度も求めましたが、政府は、撤廃が前提の今回の交渉結果に反する、同盟国との交渉事で決まったこととの、まるで日本がアメリカの属国であるかのような答弁拒否に終始し、資料提出等を拒みました。  こうした安倍政権の姿勢は、国益を無視し、法の支配を無視し、国民のみならず国際社会の信頼をも裏切る暴挙であります。  第三に、アメリカに対してTPPを超える譲歩を約束してしまっていることであります。  日米貿易協定には、関税撤廃、削減等を約束した全品目について、協定の発効時からTPP11と同等の利益を即座に認めること、農産品について将来の特恵的な待遇の追求を容認したこと、牛肉のセーフガードの発動基準の数量について、一度発動したらすぐに一層高い水準に設定し直すことなど、アメリカへのかいがいしいまでのおもねりが約束されています。  これらは、明らかに、農林水産品については、過去の経済連携協定で約束した市場アクセスの譲許内容が最大限であることとの約束を記した昨年九月の日米共同声明に反し、これを潜脱するものであり、断じて受け入れられず、日本の農林水産業に壊滅的な被害をもたらす危険があるものと言わざるを得ません。  さらに、日米デジタル貿易協定には、TPPの電子商取引規定の内容を超えるアメリカ型のルールが多数整備されており、今後、日本の政策上の選択肢やデジタルルールに関する国内外での議論を大きく制約する懸念が拭えません。  以上、このような外交の完全敗北、トランプ大統領へのそんたくを通り越した売国行為の内容を糾弾するとともに、国民の代表機関である国会の役割を冒涜する政府の対応を厳しく批判し、私の反対討論とさせていただきます。
  143. 井上哲士

    ○井上哲士君 私は、日本共産党を代表して、日米貿易協定、日米デジタル貿易協定の承認に、いずれも反対の立場から討論を行います。  まず、衆議院以来野党が求めてきた資料の提出を政府が拒否をし、まともな答弁もない中で採決、承認をすることは、到底容認をすることはできません。  本協定は、米国の自動車関税の撤廃は先送りにする一方で、日本の農産物の関税の大幅な引下げ、撤廃を行う、米国に一方的な譲歩を行うものであり、国内農業に深刻な打撃を及ぼすものです。安価な米国産農産物との競合により、牛肉、豚肉、乳製品などを中心に、国内生産額は最大一千百億円、TPP11と合わせれば、最大二千億円も減少することが政府の試算でも示されております。  米国牛肉の関税率を協定発効時にTPP11参加国と同じ水準に引き下げることを認めた上、米国向けセーフガードの発動基準数量について、発動後に基準を緩和する協議の規定まで盛り込んだことは、国内の畜産農業を顧みないものと言わなければなりません。  さらに、協定附属書に米国が将来の交渉において農産品に対する特恵的な待遇を追求すると書き込んで、米国に農産物の一層の関税撤廃、引下げを迫る根拠を与えたことは到底容認できません。日本の農産物を際限のない譲歩にさらす交渉に断固反対するものです。  今後行う第二ラウンドの協議は、広範な分野で経済や国民の暮らしに影響を及ぼすものとなりかねません。米国は、日米交渉で、金融、保険、為替など二十二項目に及ぶ分野を列挙して、非関税障壁の撤廃等を迫る方針を明らかにしています。食料主権、経済主権の放棄につながる日米交渉に応じることはやめるべきであります。  日米デジタル貿易協定は、米国の情報技術産業の要求に応えて、国境を越えた自由なデータ流通の障害になる障壁を取り払い、その利益を保護するためのルール作りの一環であり、WTOでの多国間ルール作りの本格化を前に、米国IT産業が求める水準での米国主導のルール作りに協力するものにほかなりません。  今、世界では、デジタルプラットフォーマー規制の強化をいかに進めるかが課題となっています。その中で、米国IT産業の求めるルール作りを優先することは、世界の流れに逆行するものであるとともに、今後、個人情報や消費者の保護などのために何らかの新たな規制を採用しようとする場合に、とり得る措置に制約をもたらすおそれがあります。  以上、理由を述べ、二つの協定案に断固反対の意見を述べまして、討論を終わります。
  144. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 沖縄の風の伊波洋一です。  日米貿易協定、デジタル貿易協定の両案に反対の立場から討論いたします。  そもそも安倍政権は、うそつかない、TPP断固反対、ぶれないと公約して政権に復帰した後、TPPに参加し、米国をTPPに復帰させると言いながら、押し切られて日米交渉を始め、物品分野だからFTAではなくTAGだと言いつつ、結局、デジタル協定も結んで、さらに、四か月後の第二弾ではサービス分野も予定されるなど、この間の政府の説明はうそとぶれだらけです。  まさに農は国の本なりであり、交渉に当たって、農業を差し出して自動車を取るというような政府の方針は、食料安全保障の観点からも全く容認できません。  協定では、附属書で、自動車関税の撤廃については更なる交渉次第と書かれており、自動車関税撤廃は約束されませんでした。USTRのライトハイザー代表も、自動車関連は含めなかったと発言しています。この結果、貿易のカバー率は五〇%程度で、ガット、WTOのルールにも違反しています。それどころか、協定は安全保障上の措置を妨げないと規定しており、日本車に対する将来の二五%追加関税措置にお墨付きを与えています。  さらに、日本政府が公表を拒み続けている日本車の関税撤廃措置を除く経済効果の試算では、日本の対米輸出の関税削減額は、米国の対日輸出関税削減額のおよそ四分の一程度です。日本にとって本協定にメリットがないことは明らかです。  また、米国産牛肉の輸入について、輸入量の増加に伴う関税緊急措置、いわゆるセーフガードを、TPPとは別枠で米国産の輸入牛肉分を設定したため、米国産輸入牛肉が二重計上されてしまいました。さらに、セーフガードが発動された場合、数量を増やすよう調整する協議が義務付けられているなど、低関税の米国産牛肉輸入に歯止めが掛からない規定になっています。  デジタル貿易協定については、GAFAなど、米国の巨大IT企業に有利な内容を受け入れることになっています。  現在、データ流通やプライバシー保護などを巡っては、米国、中国、EU、インドなどで見解が相違しており、例えばEUでは、二〇一八年五月に、個人データの保護という基本的人権の確保を目的としたGDPR、EU一般データ保護規則の運用が開始されました。  日本では、データ保護に関する規制の議論は始まったばかりで、国民的な議論も行われておりません。この段階で、日米が法律を優越する協定で企業優先のルールを確立することは、世界的に統一ルール策定に向けた議論を阻害することにもなりかねません。  米国は、日米貿易協定で、米や一部乳製品、通貨安誘導を封じる規定などが扱われなかったことや低い貿易カバー率がWTOルール違反であることなどを理由に、この協定は最終的な包括協定の第一段階にすぎないとして、第二段階の更なる交渉を求めてくることと思われます。発効後四か月後の第二弾交渉により、米など農業、日本の国民皆保険、食の安全・衛生に対する規制、公共サービスへの更なる市場開放など、交渉分野が設定されることも危惧されます。  今回の協定は、米国の力による外交に屈し、曲がりなりにも維持してきたルールベースの外交という日本外交の原則を放棄するもので、日本農業を米国に差し出す日本一人負けの、文字どおり令和の不平等条約です。「WTOの下での普遍的でルールに基づいた、差別的でない、平等な多角的貿易システムを促進する。」ことを約束するSDGsにも違反することを指摘し、心ある与党の皆さんの再考を求めまして、両協定に対する反対討論といたします。
  145. 北村経夫

    ○委員長(北村経夫君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  まず、日本国とアメリカ合衆国との間の貿易協定の締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  146. 北村経夫

    ○委員長(北村経夫君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。  次に、デジタル貿易に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  147. 北村経夫

    ○委員長(北村経夫君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。  なお、両件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  148. 北村経夫

    ○委員長(北村経夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時五十二分散会