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2019-10-16 第200回国会 参議院 予算委員会 2号 公式Web版

  1. 令和元年十月十六日(水曜日)    午前八時三十四分開会     ─────────────    委員の異動  十月十五日     辞任         補欠選任      小野田紀美君     松山 政司君  同日     補欠選任        滝沢  求君  同日     辞任         補欠選任      田村 まみ君     増子 輝彦君      里見 隆治君     平木 大作君      竹谷とし子君     山本 博司君      吉良よし子君     岩渕  友君  十月十六日     辞任         補欠選任      滝沢  求君     河井あんり君      松山 政司君     小野田紀美君      古賀 之士君     伊藤 孝恵君      徳永 エリ君     礒崎 哲史君      福山 哲郎君     有田 芳生君      増子 輝彦君     田村 まみ君      岩渕  友君     大門実紀史君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         金子原二郎君     理 事                 石井 準一君                 福岡 資麿君                 三宅 伸吾君                 山田 修路君                 森 ゆうこ君                 蓮   舫君                 浜田 昌良君                 浅田  均君                 山添  拓君     委 員                 青山 繁晴君                 朝日健太郎君                 石井 正弘君                 小川 克巳君                 小野田紀美君                 大野 泰正君                 太田 房江君                 河井あんり君                 こやり隆史君                 古賀友一郎君                 佐藤 正久君                 高野光二郎君                 高橋はるみ君                 中西  哲君                 松川 るい君                 松山 政司君                 元榮太一郎君                 山田  宏君                 有田 芳生君                 伊藤 孝恵君                 石川 大我君                 石橋 通宏君                 礒崎 哲史君                 塩村あやか君                 杉尾 秀哉君                 田村 まみ君                 徳永 エリ君                 福島みずほ君                 増子 輝彦君                 矢田わか子君                 伊藤 孝江君                 高瀬 弘美君                 平木 大作君                 山本 博司君                 石井 苗子君                 片山 大介君                 井上 哲士君                 岩渕  友君                 大門実紀史君    国務大臣        内閣総理大臣   安倍 晋三君        財務大臣        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(金融)        )        麻生 太郎君        総務大臣        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(マイナ        ンバー制度))  高市 早苗君        法務大臣     河井 克行君        外務大臣     茂木 敏充君        文部科学大臣        国務大臣     萩生田光一君        厚生労働大臣        国務大臣     加藤 勝信君        農林水産大臣   江藤  拓君        経済産業大臣        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(原子力        損害賠償・廃炉        等支援機構))  菅原 一秀君        国土交通大臣        国務大臣     赤羽 一嘉君        環境大臣        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(原子力        防災))     小泉進次郎君        防衛大臣     河野 太郎君        国務大臣        (内閣官房長官) 菅  義偉君        国務大臣        (復興大臣)   田中 和徳君        国務大臣        (国家公安委員        会委員長)        (内閣府特命担        当大臣(防災)        )        武田 良太君        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(沖縄及        び北方対策、消        費者及び食品安        全、少子化対策        、海洋政策))  衛藤 晟一君        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(クール        ジャパン戦略、        知的財産戦略、        科学技術政策、        宇宙政策))   竹本 直一君        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(経済財        政政策))    西村 康稔君        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(規制改        革、地方創生)        )        北村 誠吾君        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(男女共        同参画))    橋本 聖子君    副大臣        財務副大臣    藤川 政人君        厚生労働副大臣  稲津  久君    大臣政務官        経済産業大臣政        務官       宮本 周司君    政府特別補佐人        内閣法制局長官  近藤 正春君        原子力規制委員        会委員長     更田 豊志君    事務局側        常任委員会専門        員        藤井 亮二君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官       宮崎 祥一君        内閣官房就職氷        河期世代支援推        進室長代理    多田 明弘君        内閣府政策統括        官        青柳 一郎君        警察庁生活安全        局長       白川 靖浩君        警察庁交通局長  北村 博文君        総務省自治行政        局公務員部長   大村 慎一君        消防庁次長    米澤  健君        外務省総合外交        政策局軍縮不拡        散・科学部長   久島 直人君        厚生労働省大臣        官房審議官    辺見  聡君        厚生労働省医政        局長       吉田  学君        厚生労働省健康        局長       宮嵜 雅則君        厚生労働省雇用        環境・均等局長  藤澤 勝博君        厚生労働省社会        ・援護局障害保        健福祉部長    橋本 泰宏君        厚生労働省保険        局長       浜谷 浩樹君        経済産業省大臣        官房福島復興推        進グループ長   須藤  治君        経済産業省大臣        官房技術総括・        保安審議官    小澤 典明君        経済産業省大臣        官房商務・サー        ビス審議官    藤木 俊光君        経済産業省大臣        官房原子力事故        災害対処審議官  新川 達也君        経済産業省大臣        官房審議官    島田 勘資君        経済産業省製造        産業局長     高田 修三君        資源エネルギー        庁電力・ガス事        業部長      村瀬 佳史君        中小企業庁次長  鎌田  篤君        国土交通省大臣        官房公共交通・        物流政策審議官  瓦林 康人君        国土交通省大臣        官房技術審議官  東川 直正君        国土交通省総合        政策局長     蒲生 篤実君        国土交通省土地        ・建設産業局長  青木 由行君        国土交通省水管        理・国土保全局        長        五道 仁実君        国土交通省道路        局長       池田 豊人君        国土交通省住宅        局長       眞鍋  純君        観光庁長官    田端  浩君        環境省地球環境        局長       近藤 智洋君        防衛省防衛政策        局長       槌道 明宏君        防衛省整備計画        局長       鈴木 敦夫君    参考人        日本銀行総裁   黒田 東彦君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○参考人の出席要求に関する件 ○予算の執行状況に関する調査     ─────────────
  2. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  予算の執行状況に関する調査のため、必要に応じ日本銀行総裁黒田東彦君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     ─────────────
  4. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 予算の執行状況に関する調査を議題といたします。     ─────────────
  5. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) この際、令和元年台風第十九号の被害状況及びその対応について政府からの追加の報告を求めます。安倍内閣総理大臣。
  6. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 台風十九号による被害状況及び政府の対応状況について御報告をいたします。  まず、報告に先立ち、この度の台風によりお亡くなりになられた方々にお悔やみを申し上げますとともに、被災された全ての方々に心よりお見舞いを申し上げます。  台風第十九号は、十月十二日に大型で強い勢力で伊豆半島に上陸し、静岡県や関東甲信地方、東北地方を中心に広い範囲で記録的な大雨をもたらしました。十二日から十三日にかけて十三都県に大雨特別警報が発表されました。  政府としましては、台風通過後の十三日には、被害が極めて広範囲に及び、救助を要する者も多数に上ることが見込まれることから、非常災害対策本部を設置し、救命救助や被災者支援を始めとした災害応急対策に懸命に取り組んでまいりましたが、その災害により多数の方々がお亡くなりになったほか、今なお多数の行方不明者、安否不明者が報告されています。  現在、被災地では、警察、消防、海上保安庁、自衛隊の部隊が十一万人の体制で夜を徹して懸命の救命救助活動や行方不明者等の捜索に当たっているほか、氾濫した河川では被災した堤防の仮締切りや全国から派遣された排水ポンプ車による排水作業を実施しているところです。昨日までに十六府県五十八か所の浸水がほぼ解消しました。  被災者へのきめ細やかな支援は急務です。今後、生活や経済活動への影響が長期化する懸念もあります。このため、被災者の生活支援を更にきめ細かく迅速かつ強力に進めるため、各省横断の被災者生活支援チームを設置し、被災地に職員を派遣しているほか、国土交通省のテックフォースや防衛省のリエゾンを含め、千二百人を超える職員が被災地において被災者の方々を支援するために全力で活動を行っています。  引き続き、電力や水道の早期復旧、被災者ニーズの把握はもとより、水、食料、衣類、段ボールベッド等のプッシュ型支援、避難所生活の環境整備、被災自治体への職員派遣、住まいの確保など、必要が生じる事柄を先取りし、被災者の生活支援を政府一丸となって迅速に進めてまいります。  この台風による災害に関して、被災した三百十五市町村に対し災害救助法の適用を決定しました。また、被災自治体が財政上安心して災害応急対策に取り組めるよう、普通交付税の繰上げ交付を迅速に実施するほか、今般の災害を激甚災害に指定する方向で調査を進めてまいります。加えて、本日、プッシュ型支援を更に強化するため、予備費七・一億円の支出を決定します。  今後についても、被災自治体の皆様が財政上安心して全力で応急対応あるいは復旧に当たれるよう、その都度必要な手当てを行っていきます。  引き続き、国としてできることは全てやるとの方針の下、現場主義を徹底し、被災者の皆様が一日も早く安心して暮らせる生活を取り戻せるよう全力を尽くしてまいります。     ─────────────
  7. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 次に、昨日同様、台風第十九号による被害を念頭に総括質疑方式の質疑を往復で行います。増子輝彦君。
  8. 増子輝彦

    ○増子輝彦君 おはようございます。国民民主党の増子輝彦でございます。  今回、立憲・国民.新緑風会・社民の会派を代表して、台風十九号に対する様々な問題、あるいは今後の課題、そして政府に対応していただかなければならない点について幾つか質問させていただきたいと思います。  台風十九号発生以来、四日目の朝を迎えました。私は、この間三日間、地元に張り付きながら、それぞれの被災地を訪問してまいりました。皆さん、こんなはずではなかったと。厳しいこの今の水害の状況の中で、それぞれの立場の人が、みんな環境が違うということをまず御認識をいただきたいと思っています。  市民の皆さん、住民の皆さんは、この泥水を何とかしてほしい、家屋にとっぷりつかって、家屋をとっぷりと埋めてしまったこの汚泥、大変な衛生面や臭い、そして家財道具が厳しい状況に置かれています。一方では、農地を持つ皆さんにとっては、それぞれの収穫時期のものが大変厳しい環境にあり、今後どうして生活をしていいんだろうか、あるいは中小企業の皆さんも、事業再開まで何をしなければいけないのか、社員の確保をどうしていったらいいんだろう、再建にはどのぐらいのお金が掛かるんだろう、そういう厳しい環境にあるわけであります。  そして、私ども、昭和六十一年の八・五水害以来、今日までこのような大規模な災害に四度も遭ったという工業団地や卸売団地の皆さんにとっても、こんなところにいつまでいてもいいんだろうかと、今後移転も考えていかなければいけないんだろう、そういう思いを持っているわけであります。  そして、何よりも家族を失った方々のそのお気持ち、死者が七十五名を数えるということに至った大変厳しい環境の中で、改めて私からもお亡くなりになった方々に心から御冥福をお祈り申し上げ、いまだ不明者の皆さんの一日も早い救出、そして五千世帯を超える多くの世帯がまだ避難生活を強いられている現状、心からお見舞いを申し上げながら、こういう状況の中でこれから何をしていかなければいけないか、そんなことについてしっかりと政府に対応していただければ大変有り難いと思っているわけであります。  先ほど、総理からの今回のこの状況についての御報告がありました。プッシュ型をするということも分かります。当然、災害復旧にはあらゆるものが必要であります。  是非、総理、今回、激甚災害指定を調査をしながらしたいというお話であります。これは、いろんなところを回っておりますと、全国各地の中でも、災害のときに激甚災害指定をできるだけ早くしてほしいという要望が常にあるわけであります。今回も関東、東北方面にわたって多くの、三百十五の自治体がこの厳しい環境にある中で、一日も早い激甚災害を決定をしてほしいということの声が大変多く聞かれました。  今お手元に資料一を渡してございますが、激甚災害指定の流れというものが、このような流れになっている表を御覧になっていただきたいと思います。市町村や都道府県における被害状況の調査、各省庁による査定見込みの査定と、こう順序いくと時間が掛かってしまうんですね。  総理、今、自治体の皆さんやそれぞれの地域住民の皆さんは、一日も早い復旧、そして再建、生活を一日も早く元に戻したい、そんな強い要望がありますので、この激甚災害指定をできるだけというよりも速やかにしていただきたい。様々な手続もあるでしょうが、それは後付けと言ってはなんですが、やはり指定をしてもらって、安心を持って自治体も地域住民もこの復旧復興に取り組んでいきたいという強い要望があります。調査をしている段階から、総理、いつ激甚災害指定をするのか、できれば明確にしていただければ有り難いと思います。
  9. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは既にお答えをさせていただいておりますが、激甚災害の指定というのは、言わば財政的な裏付けを国がちゃんとしますよということでございます。  その指定については、これは法律にのっとって積み上げていくのでございますが、既に私申し上げておりますように、東日本を中心に広い範囲で甚大な被害となったこの台風十九号による災害については、被災自治体がこれはちゅうちょなく全力で応急対応や復旧対策に取り組めるように、激甚災害に指定する方向で調査を進める方針であります。もう私がこれ激甚災害に指定する方向と言っておりますから、どうか安心して全力を尽くしていただきたい。  ただ、これ法的に、法的に指定するというのは一応これは積み上げが要りますので、基準を満たしたものから速やかに見込みの公表をしてまいりたいと思いますが、今申し上げましたように、しっかりと我々は激甚災害に指定するという方向でございますから、安心して取り組んでいただきたいと、このように思います。
  10. 増子輝彦

    ○増子輝彦君 総理、総理の決意、そして方向性、よく分かっております。  そういう中で、先日、武田防災担当大臣も福島に入っていただきまして、ありがとうございました。そのときも話が出たと思いますが、激甚災害まで時間があるので、我々も先にやっていかなければいけないということがあるので、そこはよろしくという実は話もあったと思っていますが、是非これらについて速やかに指定をお願いをしたいと思っています。  それからもう一つ、総理、これも大変重要な課題なんですが、激甚災害指定で、この中で実は財政的なものの完了、いわゆる国庫負担法によると、事業を完了するまで三年という期間が一応設けられているわけであります。ところが、これから東北地方や信越の方も含めて冬期間に入ってまいります。冬の期間はなかなか工事ができないという部分もあります。  今後の気象条件、あるいは人手不足の問題、こういった問題がありますので、この完了まで基本的に三年という枠を是非外していただいて、やはり完了するまではしっかりとこのことについて対応していただきたいという要望もかなりありますし、かつて私も委員会の中でこのことについてお願いをしたところ、防災担当大臣、当時、あるいは国交大臣が前向きに考えていくという程度の答弁でしたので、今日は是非総理に、こういう状況を考えたとき、三年という期限を切らないでしっかり対応させていくというような明確な御答弁をいただきたいと思います。
  11. 赤羽一嘉

    ○国務大臣(赤羽一嘉君) この問題につきましては、増子委員はこれまで、あの東日本大震災の復興においても同様の御質問をしていただいておりますのでよく御存じだと思いますが、災害時の復旧工事というのは、言うまでもなく、被害の防止拡大ですとか、一日も早い生活再建のために早期に着手して、早期に円滑に施工するということが大事だということは言うまでもないわけでございます。  ただ、災害時というのは、人手が不足したり資材が高騰したりして不調、不落が出やすいものですから、そうしたことを避けるために、なるべく早期に着工して早期に仕上げていただきたいということで三年以内ということが定められているわけでございますが、今先生言われたように、現実の状況もあり、三年ではとてもじゃないけれども終わらないような大変な工事もあると思いますので、これまでもそれを三年以上認めた例もありますので、しっかり前例に沿いながら、被災地に寄り添った形でしっかりと責任を果たしていきたいと思っております。  以上です。
  12. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま大臣から答弁したとおりでございまして、期間については状況に応じて柔軟に対応してきておりまして、また、何よりも災害からの早期の復旧が大切であることから、国の職員の派遣などによって、できる限り工事の促進が図られるよう、しっかりと支援してまいりたいと思います。
  13. 増子輝彦

    ○増子輝彦君 しっかり柔軟に対応していただきたいと思っています。  次に、実は災害情報周知が今回十分ではなかったという問題が指摘されているわけであります。大雨警戒警報が出た後に避難指示が出たり、様々な問題があったと思います。  と同時に、これだけ日本に外国人がどんどんどんどん、インバウンド、外国人労働者が来る中で、この外国人に対しての様々な情報提供も十分ではなかったと思っています。来年は東京オリンピック・パラリンピックもあります。万が一のこの災害のときに、こういった状況の中でどのように周知徹底を、情報を円滑にするか、これも大きな課題だと思っていますので、このことについて、今後どのような形の中で情報を徹底していくかということについて御答弁をお願いしたい。防災大臣かな。
  14. 武田良太

    ○国務大臣(武田良太君) まずは、度重なる災害でお亡くなりになりました多くの皆様方に御冥福をお祈り申し上げますとともに、今なお苦しんでおられます被災者の皆様方にお見舞いを申し上げたいと思います。  特に、十四日の日に政府調査団の団長として先生の御地元に視察にお伺いさせていただきました。大変な被害で、心からお見舞い申し上げたいと思います。  災害に関する情報が重要な部分は、住民に確実に伝わり、正しく理解をしていただけるというところがポイントであろうと思います。十九号におきましても、住民への確実な情報伝達に万全を期すよう事前に地方自治体に通知をしたほか、関係閣僚会議において、総理御自身が国民の皆様に対して、早めの避難、安全確保を心掛けるよう呼びかけていただきました。  また、私の方からも、関係省庁災害警戒会議におきまして、地方自治体に対し、空振りを恐れない、空振りを恐れない避難勧告等の発令をお願いさせていただいたところであります。  一方、災害対策については不断の見直しが必要であり、情報収集につきましても、今回の災害から学べる教訓を今後の対応に生かしていけるように努めてまいりたいと思います。
  15. 増子輝彦

    ○増子輝彦君 しっかり今後対応をお願いしたいと思います。  次に、企業関係ですが、実は被災企業が今、再建するのに一体どうしたらいいんだろうという、頭を抱えている厳しい環境にあります。昨日も一昨日もそれぞれの企業や工場も訪問してまいりましたが、一体社員をどうして確保していくことができるんだろうということで、大きな悩みを持っています。  そこで、かつて東日本大震災のときにも雇用調整助成金の中で中小企業緊急雇用安定助成金というものを創設して、社員確保を含めてしっかりと対応してきたわけであります。是非このことについて、今回の被災企業に対しての社員確保と再建のための対策をしっかりやっていかなければいけない。  これは、経産大臣と、通告はしておりませんが、雇用調整助成金は厚労省の担当だと思いますので、それぞれしっかり今回も対応していくということの御答弁をしていただいて、それぞれ被災企業、各地に本当に厳しい環境にある皆さんに安心を与えていただきたいと思いますが、御答弁お願いしたいと思います。
  16. 菅原一秀

    ○国務大臣(菅原一秀君) 復興道半ばの福島を地元とする増子議員の、まさに三日間不眠不休で地元を回られたこと、改めて敬意と、またお見舞いを申し上げる次第でございます。  経産省といたしまして、中小企業の救済、最優先で今取り組んでおりまして、職員を七十名各自治体に派遣をいたしております。その中で、中小企業の経営者の皆様の声をヒアリングをし、調査をし、その支援策を講じてまいるところでございます。  具体的には、発災直後から、災害救助法が適用された地域におきましては、中小企業団体等における特別の経営相談窓口の設置、日本政策金融公庫等による災害復旧貸付け、そして、保証協会でございますが、借入れの一般の枠と別に一〇〇%を保証するセーフティーネット保証四号、こうして資金繰りや災害復旧のための支援をスタートさせております。  あわせまして、委員から御指摘あった、被災した企業が営業再開までの間、収入がない中で従業員に対する給与等、こうした御心配がございます。この支払を必要な資金を公庫が貸付けを行うことでしっかりと従業員の維持確保を支援をしてまいりたいと思っております。  厚労大臣からもお話があると思いますが、じゃ、以上でございます。
  17. 加藤勝信

    ○国務大臣(加藤勝信君) 雇用調整助成金のお話もありました。  経済上の理由で需要が減少するといった場合、休業等の雇用調整に伴い、休業等の雇用調整を行った際には休業手当の一部を助成するという仕組みがございますので、この経済上の理由については災害の影響で需要が減少するといったことも当然対象になります。その辺もしっかり周知して、こうした事情がある企業等においてはしっかり活用いただくよう努力していきたいと思います。
  18. 増子輝彦

    ○増子輝彦君 残り僅かですが、質問を幾つか省きますが、最後に、今回のこの台風十九号を始めとして、最近の災害は物すごい異常な気象の中で大きな災害を招いているということが起きているわけであります。海面水温も上がっている。  総理、日本は環境対策に極めて後ろ向きじゃないかという批判を受けながら、こういう対策が不足しているので、今までとは違ったこのような台風や災害が起きるということも指摘されております。今後日本がどのような形で温暖化対策に取り組んでいくか、その決意をお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。
  19. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 地球温暖化の進展によって、大雨や強い台風の発生頻度の増加、自然災害の更なる大規模化が懸念されていることは事実であります。そのため、気候変動対策については喫緊の課題として、パリ協定などを通じて新興国も含めた世界全体での取組を、取組が進みつつあると認識をしております。  我が国としても、温室効果ガスの排出について、二〇一三年度の基準年と比べて四年連続で削減をしておりまして、合計八%の削減はG7では英国に次ぐ大きさであります。さらに、先般、パリ協定に基づく長期戦略を策定したところでありまして、これまでの延長線上の取組ではなく、水素社会の実現や人工光合成の実用化など非連続のイノベーションを起こすことで究極の脱炭素社会に向けて世界の取組をリードしてまいります。
  20. 増子輝彦

    ○増子輝彦君 終わります。ありがとうございました。
  21. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 以上で増子輝彦君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  22. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 次に、平木大作君の質疑を行います。平木大作君。
  23. 平木大作

    ○平木大作君 公明党の平木大作でございます。  大型で非常に強い台風十九号は、日本列島各地に大きな爪痕を残しました。現時点で判明をしているだけで七十三名の方がお亡くなりになり、そして、いまだ十名を超える皆様が行方が分からないという状況でございます。改めて私からも、お亡くなりになられました皆様の御冥福をお祈り申し上げますとともに、遺族の皆様、そして被災された皆様にお見舞いを申し上げたいと思います。  今なお停電、そして断水が解消していない地域もたくさんあります。また、多くの方が避難所での生活を今余儀なくされているというところでございます。そして、今回は、先月猛威を振るいましたあの台風十五号で被災された皆様がようやく復旧のその緒に就いたばかりであったわけでありますけれども、そこでまた被災をされたということで、ある意味短期間で二度被災をされた皆様もたくさんいらっしゃる、この方たちの落胆はいかなるものかというふうに思うわけでありまして、政府におかれましても、この被災された皆様お一人お一人に寄り添う支援、しっかりと取り組んでいただきたいということをまずお願い申し上げたいと思います。  さて、台風十五号の被害を議論している中にありまして、先ほどもありましたけれども、安倍総理からは、激甚災害指定の閣議決定の前でありましたけれども、その中での議論におきましても、自治体の皆様に財政面では安心して復旧に全力投球してほしいと、このような答弁をいただいたところでありました。  改めて、今回の台風十九号につきましても、既に激甚災害指定の方向性ということは示されたわけでありますけれども、一日も早い生活とそしてなりわいの再建に向けて、改めて総理から、被災された皆様に対して、また、この災害対応の最前線に立つ自治体に対しましてメッセージをいただきたいと思います。
  24. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の災害に当たり、被災した三百を超える市区町村に災害救助法の適用を決定したところであり、まずもって被災自治体としっかり連携しつつ、被災者の生活支援に努めてまいりたいと考えています。また、被災自治体が財政上安心して全力で災害応急対策に取り組めるよう、今般の災害を激甚災害に指定する方向で調査を進めているほか、普通交付税の繰上げ交付を迅速に実施する所存でございます。  極めて広範囲に及ぶ今回の台風被害を踏まえ、政府として被災者の生活支援を更にきめ細かく迅速かつ強力に進めるため、各省横断の被災者生活支援チームを設置をしました。このチームを通じて、電力や水道の早期復旧、被災者ニーズの把握はもとより、水、食料、衣類、段ボールベッド等のプッシュ型支援、そしてまた、避難所生活の環境整備、被災自治体への職員派遣、住まいの確保など、必要が生じる事柄を先取りし、被災者の生活支援を政府一丸となって迅速に進めてまいりたいと思います。  被災者の皆様のお気持ちに思いを致し、一日も早い生活再建、そしてなりわいの再建に向けて、引き続き、被災自治体と連携しつつ、政府一丸となって全力で取り組んでまいります。
  25. 平木大作

    ○平木大作君 今回の台風十九号によりまして、家の中に土砂が入ってしまった、もう雨で全部ぬれてしまったという、そういったお宅もたくさんあるわけであります。私も、昨日、被災地へ行ってまいりまして、改めて、久しぶりに避難所から御自宅へ戻られて、もうどうしたらいいか途方に暮れているという方、たくさんお会いしました。  住宅復旧の第一歩というのは、罹災証明書の発行でございます。これはどういったものかというと、被災者生活再建支援法に基づく、いわゆる支援金の給付、このときに必要なんですけれども、これにとどまらないわけですね。例えば、自治体独自でこういった支援の制度をつくっているところもありますし、あるいは災害時の低利の貸付けのときにも求められたりする、また、火災保険ですとか地震保険、こういったもののときにも請求するときに求められたりするということでありまして、まずは、御自宅が被災された皆様には、この罹災証明をいち早く取っていただくということが大事になるわけであります。  そこで、今日ちょっと資料を見ていただきたいんですけれども、(資料提示)これは気象情報会社がウエブ公開をしております記事に載っているものからそのまま引用したんですけれども、この罹災証明書、これは、台風で罹災された皆様、家の片付けをする前に、まずはこの家の状況、写真できちっと残してくださいということが書いてあります。  見ていただくと分かるんですが、まずは家の全面、四方からきちっと写真を撮ってくださいということですとか、あるいは、可能であればメジャーを使ってどのくらいの高さまで浸水したのかということが分かるような形で写真を撮っていただきたい、また、この被災した箇所が具体的に分かるように写真を撮るときにはこう指で指して、この近いところ、またちょっと離れた遠景も含めて撮っておくと、こういったコツが載っております。まずは、この片付けを始める前に、スマホの写真で結構ですので、きちっとこの四面撮っていただくということをやっていただきたいというように思っております。  そして、この台風十五号の被災をされたときにも、実は千葉県内を中心に関東各地で被害が広がったわけでありますが、実は自治体によってこの罹災証明書発行のスピードに大分格差があるということが言われておりました。  どういうところが早くできたかというと、実は、これ一部損壊についてはもう現地調査は省略をして、窓口にこの写真持ってきていただくことをもってもう発行してしまうという、こういうところまで踏み込んだところも実はあったわけでありまして、今回の対応につきましても、是非自治体間で応援体制を組んでいただく、あるいは柔軟な調査のやり方、認め方、進め方を認めるなど、政府としても迅速な罹災証明書の発給、これ是非取り組んでいただきたいんですが、武田大臣、いかがでしょうか。
  26. 武田良太

    ○国務大臣(武田良太君) 証明書の早期交付は、被災者の生活再編、再建において極めて重要であると、このように認識はいたしております。  そのため、罹災証明書の交付の前提となる被害認定調査につきましても、その迅速化、効率化を図るため、運用指針等を見直し、写真等を活用した簡易な判定を可能とするなど柔軟な対応を行ってきたところであり、この点については今般の台風第十九号においても事務連絡を発出し、周知しているところであります。  また、先生御指摘の自治体間の応援体制につきましては、十五日時点で、災害マネジメントや罹災証明に係る家屋調査等の支援のため、五県の十七市町に対して応援職員の派遣を決定し、順次活動を開始しているところであります。
  27. 平木大作

    ○平木大作君 そしてもう一つ、台風十五号との関連で申し上げますと、住宅の応急修理につきましては、従来は災害救助法の支援対象とならなかった一部損壊についても適用の拡大ということを決定していただきました。そしてかつ、適用を拡大した上で、恒久的な措置にするというところも御決定をいただいたということで、これは本当に実は被災された皆様から感謝の声が上がっております。  先ほど申し上げたように、まさに十五号そして十九号と短期間にわたって、二度にわたって実際に被災された方もたくさんいらっしゃいまして、私も、十九号が来た翌日、千葉県市原市の被災されたお宅、何軒か訪ねさせていただいたんですが、十五号のときに屋根瓦が飛んでしまって、何とかビニールシートを張って耐え忍んだんだけれども、じゃ、ようやく家を再建しようかというタイミングで、また今回十九号でビニールシート全部飛んでしまって、また家の中がびしょぬれになってしまったという声、お伺いをいたしました。  こうした場合、ちょっとこれは確認も含めてなんですけれども、既に例えば罹災証明書は出てしまっている場合もあるんです。最初の十五号のときには小さかったみたいな認定になってしまっているところもあるんですけれども、こういったところも併せて、これ、十五号と十九号をしっかり併せてこの被害の状況を認定していただきたいと思っておりますが、これ、いかがでしょうか。
  28. 武田良太

    ○国務大臣(武田良太君) 先生御指摘の十五号の際、適用を拡大し、恒久的な措置をとらせていただきました。先ほど御指摘ありました罹災証明書というものは、災害が発生した場合において交付する、当該災害による被害の程度を証明する書面とされており、その前提となる被害認定調査についても災害ごとに実施するべきだというふうになっております。  台風第十九号による被害は、十五号による長期停電、台風通過後の強風を伴う大雨、台風第十七号による強風等により屋根等の修理が進捗していない段階で生じたものであり、台風十五号からの一連の災害として被害認定調査を実施して差し支えないと、このように思っております。  この点につきまして疑義が生じないように、既に罹災証明書が交付されている場合であっても再調査の依頼を可能である旨も含めて、十四日の日に関係市町村に対し周知したところであります。
  29. 平木大作

    ○平木大作君 最後に一問お伺いしておきたいと思います。  今回、台風十九号というのは伊豆半島から上陸をして関東甲信、この地域を中心にと言われておりますけれども、先ほどもありました、実は、今例えば断水の被害が一番大きいのって福島県なんです。ちょっと、これ昨日の朝の数字なので、もしかしたら数字改善しているかもしれませんが、昨日の段階で十三都県、十三万八千戸でこの断水被害というのが生じておりまして、このうち福島県いわき市が四万五千、相馬市で二万三千と、ある意味福島県にこの断水の被害が本当に集中してしまっています。  今、家が泥水につかってしまった、でも、水で洗い流そうにも流せない、こういう状況をたくさん聞いているわけでありまして、このいわき市内を歩いている同僚の議員からも、まずはこの被災してしまった浄水場をしっかりと一日も早く復旧してほしいという声とともに、実は今一番よくいただいているのが、避難所の暮らしがやっぱり苦しいということなんですね。空いている公営住宅使えないかという声をたくさんいただいています。  高齢者ですとか小さなお子様のいる御家庭というのは本当にこの避難所の生活というのは大変苦しいものがありまして、大規模災害時の避難所として公営住宅の活用、取り組んでいただきたいと思いますが、赤羽大臣、いかがでしょうか。
  30. 赤羽一嘉

    ○国務大臣(赤羽一嘉君) お答えさせていただきます。  復旧復興に関しましては、私は被災者の皆さんの、人の尊厳を守る復旧復興策でなければならないと思っております。そういう意味で、避難所となる体育館等々も、これまで阪神・淡路大震災以後二十五年間で様々な改善がされてきましたが、でき得れば、私個人も、この体育館で避難するというのは極端に短い期間で普通の住宅に移っていただくということが大切だと思っております。もう既に、今御指摘のように、公営住宅の活用ですとか賃貸住宅の活用、さらに、これからは、空き家も相当問題になっておりますので、空き家も事前登録をしていただいて、体育館を経由せずにそうした仮住まいに移っていただくということを目指してやっていきたいと。  今御質問の福島の東日本大震災の災害公営住宅、空き室が四百二十戸あるというふうに承知をしておりますので、これも十分使えるようにしていただきたいと思いますし、全国で本日現在約千三百戸の空き室も確保しておるところでございます。また、昨日付けで全都道府県また全政令都市に対して、こうしたこと、無条件で入れるようにという通達も出させていただきました。  以上でございます。
  31. 平木大作

    ○平木大作君 終わります。
  32. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 以上で平木大作君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  33. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 次に、片山大介君の質疑を行います。片山大介君。
  34. 片山大介

    ○片山大介君 日本維新の会の片山大介です。  私はまず、今回の台風の被害で亡くなられた方の御冥福をお祈りするとともに、被災した方にお見舞いを申し上げたいというふうに思います。  それで、我が党日本維新の会も対策本部を早急に設けて、被災地各地の今情報収集に当たっています。  まず、今回の被害、政府の最新の発表では、亡くなられた方が四十九人、そして行方不明者が十五人に上ると言っています。被災地の各地ではその災害の発生から徐々に七十二時間を超え始めています。人命救助には、御存じのように、七十二時間の壁というのがあります。だから、一刻も早く見付かってほしい、このように思っています。  そこで、まずお伺いしたいのが、不明者、行方不明者の捜索の状況について教えていただきたい、このように思います。
  35. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の災害に当たり、政府としては、人命第一の方針の下、浸水により孤立した住宅等からの救助、行方不明者等の捜索を昼夜を分かたず全力で行っているところであります。  警察、消防、自衛隊、海上保安庁の各実動部隊が人員約十一万人、ヘリ約百機の体制で活動に当たり、これまでに三千名以上の方々を救出したところであります。あわせて、現在、個々の安否確認を徹底するため、被災地の戸別訪問等も実施をしております。  一人でも多くの方を救助するため、引き続き必要な体制を維持しつつ、全力を尽くして捜索を行っていく考えであります。
  36. 片山大介

    ○片山大介君 こうしている間にも助けを求めている人がいるかもしれません。是非全力を尽くして捜索に当たっていただきたい、このように思っています。  今回は各地で川が決壊をしました。東日本でこれほどまでに広範囲で各地の川が決壊するって、これ前例がないことでした。そして、今回の台風で決壊した河川のこの箇所というのは、これまで事前にこうした危険性が指摘されていた場所、想定されていた場所だったのかどうか、これについてお伺いしたいんですけれども。
  37. 赤羽一嘉

    ○国務大臣(赤羽一嘉君) 今お話ございましたように、今回、本日、十六日の朝五時時点で、国、県管理合わせた河川七十九か所が堤防が決壊をいたしました。これほど広範囲で大規模な浸水災害が発生したというのは未曽有のことでございます。  様々な箇所がありまして、以前から危ないと指摘をされていて工事が着手されたところもありますし、そうでないところもございましたが、そうした最近の気候変動を捉まえて、これまで以上に、雨量の増え方とか、そうしたことを今有識者会議で検討しておりますので、そうした形に基づいてしっかりと進めていきたいと思っております。  現実に起こったところにつきましては、国管理の全十二か所、また県管理につきましては四十三か所につきましても二十四時間体制で緊急の堤防造りを進めておりますし、また、浸水解消に向けて排水ポンプ車約二百台を被災地に派遣しておりまして、総理からも御発言あったかと思いますが、現在、十六府県五十八か所の浸水被害がほぼ解消したところでございます。しっかりとこれからも進めていきたいと思っております。  以上でございます。
  38. 片山大介

    ○片山大介君 それで、その上で、今回は各地で道路の寸断も相次いでいて、岩手県の宮古市や、それから東京の日の出町では孤立地域が出ている、今もその状態になっているというふうに聞いていますが、この救援体制はどのようになっているのか。
  39. 武田良太

    ○国務大臣(武田良太君) 消防庁によれば、十九号に伴う土砂崩落や道路陥落、浸水等の影響によりいわゆる孤立が多数発生していたが、道路啓開を実施するなどの取組により、対応が必要な孤立の早期解消を図ってきたところであり、十五日二十時時点で、宮城県丸森町、東京都日の出町、奥多摩町、山梨県早川町で発生していることが報告されております。  このうち、ヘリ等による食料や水などの物資運搬が求められている宮城県丸森町の一地区につきましては、できる限り早期の孤立解消に向けて現場において全力で対応がなされているものと承知をいたしております。
  40. 片山大介

    ○片山大介君 被災地はまだ簡単に入れない状況も多くある中で、それで、今言っただけのその孤立地域だけなのか、ほかにもあるんじゃないかというふうに心配もしているんですが、そこについてはどのように見ているのか教えていただけますか。
  41. 武田良太

    ○国務大臣(武田良太君) 現時点では先ほどの地域が孤立しているというふうに承知をいたしております。
  42. 片山大介

    ○片山大介君 分かりました。  それで、あと、今回の被害の全容はまだ明らかになっていない、まだ被害も進行中だと思いますが、この被害の全容についてはどういう見立てをしているのか、これもお答えいただきたいんですが。
  43. 武田良太

    ○国務大臣(武田良太君) 御指摘のとおり、今回の災害に当たり、政府としては、とにかく人命第一の方針の下、浸水により孤立した住宅からの救助、行方不明者等の捜索を昼夜を分かたず全力で行っているところであります。  警察、消防、自衛隊、海上保安庁の各実動部隊が、人員約十一万人、ヘリ約百機の体制で活動に当たり、これまで三千名以上の方々を救助いたしました。あわせて、現在、各々の安否確認を徹底するため、被災地の戸別訪問等も実施をいたしております。  この大雨等により、現時点で判明しているだけでも、これまでに五十二名の方がお亡くなりになったほか、災害との関連を調査中の死者が十一名、心肺停止の方が十一名、行方不明者八名、全壊三十五棟、床上浸水六千六百九十四棟などの住家被害が報告されております。また、いまだ停電や断水の解消していない地域もあるなど、国民生活に大変大きな影響が出ております。  引き続き、国としてできることは全てやるという方針の下、現場主義を徹底し、被災者の皆様方が一日も早く安心して暮らせる生活を取り戻せるよう全力を尽くしてまいりたいと存じます。
  44. 片山大介

    ○片山大介君 ほかにも被害がないのか、被害状況の把握をしっかりやってほしいんですが、これ、情報の伝達などはどのように行われているのか、これを教えていただけますか。
  45. 武田良太

    ○国務大臣(武田良太君) 政府の方からも各現地に派遣員を派遣しております。その派遣員を基に、各地方自治体、各機関と頻繁に、ありとあらゆる方面からの情報収集、情報交換に当たらせていただいているところであります。
  46. 片山大介

    ○片山大介君 それで、今もう避難所の設置も進んでいるというふうに聞いています。これ今、避難所の状況はどのようになっているのか、これだけ教えていただけますか。
  47. 武田良太

    ○国務大臣(武田良太君) 避難所に対しては、大変ストレスがたまる環境の中で皆様御苦労されているわけでありまして、政府としては、プッシュ型支援というものを実効性あるものにしていかなくてはならない。そのためには、どこの避難所にどれだけの方がおられるのか、その方々は何を求めておられるのか、地域によって違ってまいりますので、きめ細かく、そしてまた強力にそのプッシュ型支援を推し進めるために、政府の派遣員、そして地元自治体と情報交換しながら、充実したものとなっております。
  48. 片山大介

    ○片山大介君 そのプッシュ型支援、総理もプッシュ型支援をきちんとやっていくとおっしゃっていますが、これ実際にその物資などがきちんとこれ行き渡っているのか、行き渡っているかどうかというのは確認できているのかどうか、そこはどんなふうに考えていらっしゃるんでしょうか。
  49. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 安倍政権においては、熊本の大地震の際にプッシュ型支援をこれは相当大幅に行ったのでございますが、そのときの課題、反省点もあり、今回はそれを踏まえてプッシュ型支援を行っているところでございますが、プッシュ型支援の実施に当たっては、被災地に派遣した政府職員等が、被災自治体とも連携の上、現地の状況やそして支援物資のニーズ把握に努めることが重要であると考えています。  やはりプッシュ型でいったときに、果たして一番必要とするところまで届いているか、どこかで滞っていないか、ニーズとの関係はどうかということがとても大切になるわけでございますが、今回の台風第十九号による災害においても、被災者の生活支援をきめ細かく迅速かつ強力に進めていくために被災者生活支援チームを立ち上げたところでありまして、このチームを通じて、被災地における支援物資のニーズを、ニーズ把握を十分に行った上で、不足している物資についてプッシュ型支援を行っており、昨日までに、食料七万五千点、飲料五万一千本、衣類や生活用品を被災地に届けたところであります。また、本日中に段ボールベッド約三千個を被災地に届ける予定であります。  今後とも、被災自治体との緊密な連携の下、刻々とこれニーズは変化をしていきますし、どこどこで何々が足りないということになると、それがどんとそこに行くということもありますので、そういう調整もちゃんとしながらやっていきたいと思っています。  被災者の生活の安定を図っていくために、プッシュ型支援を効率的に、効果的に政府一丸となって行っていきたいというふうに考えています。
  50. 片山大介

    ○片山大介君 是非しっかり行っていただきたいと思います。  それで、まだ今回被害が進行中なので、今回の対応の検証などはまだ先のことだと、になると思うんですが、ただ、今も台風シーズンなので、またすぐに可能性もあるので、ちょっと今回のことで幾つか気付いた点をちょっと指摘させていただきたいんですが、まず、国交省のこのモニターの件を聞きたいんです。  台風接近中の十二日、国交省のネットサイト、川の防災情報がアクセスしづらい状況になって、各地の河川の水位データや、あとはカメラ映像などが閲覧できなくなったという話です。これはどういう状況だったのか、教えていただけますか。
  51. 赤羽一嘉

    ○国務大臣(赤羽一嘉君) 今御指摘がございましたように、今回、台風十九号が接近中の十二日のお昼十二時頃から翌日十三日の午前一時頃までの間、国土交通省の川の防災情報へつながりにくい状態が発生をしてしまいました。これにつきましては、改めまして国民の皆様に心からおわびを申し上げたいと思います。  この原因は、これまでの最大アクセス数の一・六倍を超えるアクセスが集中したために通信回線の容量を超えたことが主な原因として考えられております。こうしたことにつきまして、当日の対応として、まず、午後一時過ぎから画像情報などを削除しまして、サイトを軽くして必要最小限の情報のみを掲載した簡易版サイトを閲覧できるように対応させていただきました。と同時に、国交省がデータを提供させていただいておりますNHK及びヤフーと調整させていただいて、夕方の午後六時頃からはそちらのサイトに誘導するといった工夫もさせていただきました。  しかしながら、今後、再発防止策といたしましては、今申し上げたような、マスメディア、ネットメディア等々、提供した情報提供の更なる充実を図っていくとともに、短期的には通信回線の容量の増大に手掛け、そして中長期的にはシステムの抜本的な改善をしっかりと図ってまいりたいと、こう考えております。  以上です。
  52. 片山大介

    ○片山大介君 今回、各地の川がこれだけ決壊をしたと。だから、やはり皆さん不安になっていると思いますし、特に、その河川流域に住んでいる人とかは、また雨が降ったらやはりそこにアクセスすることになりますし、台風が近づいてきたら、もちろんのことだと思います。ですから、それにきちんと耐えられるような措置をきちんと早急に施していただきたいと思います。  そして、もう一つが訪日外国人の対応についてです。  今回、ラグビーワールドカップの開催中に起きたことでした。それで、この訪日外国人への情報提供というのは、今は観光庁が十一か国に対応した外国人向けのアプリというのを提供しています。だけれども、やはりわざわざダウンロードしてまで使う外国人の利用者というのはそんなに多くはない、そういうデータが出ています。  やはりこれは、やっぱりアプリではなくて、ツイッターなどで多言語防災情報を私は発信すべきじゃないかというふうに思いますが、そこについてはどのようにお考えでしょうか。
  53. 赤羽一嘉

    ○国務大臣(赤羽一嘉君) この件につきましては、昨年の台風二十一号で関西国際空港が、橋が、連絡橋が途絶したときに、大変多くの外国人旅行客が滞留させられてしまった。また、今年の台風十五号の際にも成田空港で同様のことが起こりまして、まさに日本人の方でも大変不安に思う中で、外国人の方々にそうしたことについてはしっかりと対応しなければいけないということは御指摘のとおりだと思っております。  これまでも、観光庁の公式SNSですとかウエブサイトのほかに、今御指摘がありましたように、公式ツイッター、災害対応の公式ツイッターを昨年十月から開設をしております。一年間掛けて実はフォロワーが七千人であったんですが、この十月十一日から十月十四日のこの短期間で実はフォロワーが三倍以上になった、約二万二千人となっておりまして、まさに今御指摘のあったような、SNSによる災害時の情報提供へ外国人の旅行者の皆さんのニーズは大変大きいものと認識をしております。  ただ、問題なのは、これをどれだけ周知徹底するかということだというふうに思っております。今、NHKの方からも、国際局としてそうした外国語対応の発信をしたいんだけれどもと、なかなかそれを周知徹底できないといった声も寄せられておりますので、この秋に、交通事業者、また観光業界、また関係者、有識者を併せて、そうしたことを全体で、業界全体でしっかり対応できるような検討会を開いて、可及的速やかに結論を出してしっかりと対応を取っていきたいと、こう考えております。  以上です。
  54. 片山大介

    ○片山大介君 終わります。ありがとうございました。
  55. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 以上で片山大介君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  56. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 次に、岩渕友君の質疑を行います。岩渕さん。
  57. 岩渕友

    ○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。  台風十九号で犠牲となられた皆さんに心からの哀悼の意を表するとともに、被災をされた方々にお見舞いを申し上げます。また、住民の命と暮らしを守るため、昼夜を分かたず対応に当たっておられる皆さんに心からの敬意を表したいと思います。  台風十九号は広範な地域に甚大な被害をもたらしました。東北でも、岩手県や宮城県、福島県など、甚大な被害となっています。日本共産党は、台風十九号が近づく中で対策本部を設置し、国会議員、地方議員を先頭に、被災直後から現地調査や被災された方々の声を直接お聞きしてきました。  私も、福島県のいわき市、郡山市、須賀川市、福島市、伊達市で被災をされた方々から話をお聞きしてきました。いただいた要望を基に、昨日、日本共産党福島県委員会と県議団が福島県へ緊急の申入れを行っております。救命救援活動を最優先にしながら、緊急、切実な要望への迅速な対応をお願いいたします。  政府は、激甚災害に指定する方針、これ明らかにしておりますけれども、福島県からも、激甚災害への指定、これ早くやってほしいという要望が出されておりますので、このことを強く求めます。  総理は、プッシュ型支援を進める、できることは全てやると述べておられます。被災をされた方々が求める支援が一人一人に届くよう最後まで追求をする、プッシュ型支援を進めるということはそういうことですよね。総理の認識を伺います。
  58. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) このプッシュ型支援とは、災害発生時に、現地において被災者の命と生活環境に不可欠な必需品を迅速に調達することが困難になったとき、被災地からの要請を待たずに政府が全国から物資を調達をして被災地に緊急輸送するものであります。プッシュ型支援の実施に当たっては、被災地に派遣した政府職員等が被災自治体とも連携の上、現地の状況や支援物資のニーズ把握に努めることが重要であると考えております。  今回の台風第十九号による災害においても、被災者の生活支援をきめ細かく迅速かつ強力に進めていくために被災者生活支援チームを立ち上げたところでありまして、このチームを通じて、被災地における支援物資のニーズ把握を十分に行った上で、不足している物資についてプッシュ型支援を行っておりまして、昨日までに、食料七万五千点、飲料五万一千本、衣類や生活用品を被災地に届けたところであります。  また、本日中に段ボールベッドを約三千個被災地に届ける予定でありまして、今後とも、被災自治体との緊密な連携の下、刻々と変化をする被災地のニーズに的確に、を的確に踏まえつつ、被災者の生活の安定を図っていくために、プッシュ型支援を政府一丸となって進めていく考えでございます。
  59. 岩渕友

    ○岩渕友君 被災をされた方々が求める支援にこれしっかり応えてほしいと思います。  幾つかの避難所にも伺って話をお聞きしてきました。どこでも是非聞いてほしいということで、もう次々と実態や要望が寄せられています。いわき市の避難所では、八十代の方が座布団三枚を並べた上に毛布一枚で寝ていらっしゃいました。郡山市の避難所では、ブルーシートを敷いた板張りのところで寝ているから体が痛い、温かいものを食べたい、急いで避難をしてきた上に自宅が浸水をしたので着替えやタオルがない、テレビなどで情報を得たい、携帯電話充電できるようにしてほしい、こうした要望が出されました。ほかの人が気になって昨日の夜は一睡もすることができなかった、このままだと血圧が上がってしまう、こういう方もいらっしゃいました。  昨日行った福島県への緊急申入れでは、温かい食事の提供やプライバシーの確保など避難所の生活環境の改善に取り組むこと、衣服やタオルなど必要な物資を届けて入浴機会を確保すること、テレビの設置や携帯電話の充電器や電源の設置を急ぐ、こうしたことを求めました。  内閣府から避難所の生活環境の整備等についてという通達が出されていると思います。避難所の設置や炊き出し、福祉避難所の設置などについて、この通達ではどういうふうに述べられているでしょうか。
  60. 武田良太

    ○国務大臣(武田良太君) 御指摘の避難所の生活環境の改善は、政府としても被災者を支援する上で極めて重要であると認識をいたしております。  十九号に伴う災害におきましては、内閣府としても、災害救助法が適用された自治体に対しまして、避難所の開設期間の長期化が見込まれる場合は、簡易ベッド、間仕切り用パーテーション、簡易台所等を整備すること、また食品の給与につきましては適温食の提供、栄養バランスの確保等について配慮すること、また福祉避難所を設置し、介護員等の適切な配置、紙おむつ等の消耗器材の購入を図ることについて通知し、取組を促しております。  引き続き、関係省庁と連携しながら、被災地のニーズを把握しながら被災者へのきめ細やかな支援に万全を図ってまいりたいと思います。
  61. 岩渕友

    ○岩渕友君 今答えていただいたように、通達では先ほど御紹介したようなことができるというふうになっているんですよね。けれども、実際、現場ではそうなってないんです。  これ、実行するためにどうするんでしょうか。防災大臣、お願いします。
  62. 武田良太

    ○国務大臣(武田良太君) 国としましては、被災自治体に職員を派遣し、又は被災自治体から聞き取りを行い、被災地のニーズや課題を把握しているところであり、これらを通じて、見直すべきものは見直してまいりたいと思います。
  63. 岩渕友

    ○岩渕友君 これ、もう命に関わる問題なので、本当に迅速な対応が求められています。さらには、朝晩を中心に今冷え込みが増す中で、被災された方々が体調を崩さないように医療や保健体制の整備、これ欠かせないということも併せて強く求めます。  先ほども出ていましたけれども、断水の被害が深刻で水の確保も急がれています。いわき市では平窪など浸水被害のひどかった地域を含む約四万五千世帯、相馬市、新地町、南相馬市の鹿島区の約二万三千世帯で断水をして、飲み水や食事、トイレ、お風呂など、生活に支障が出ています。  十三日にこの平窪という地域に伺ったときには、側溝の泥水で雑巾を洗っている方もいらっしゃったんですね。泥出しだとか片付けにも支障が出ています。乾燥した泥が粉じんとなって健康上のリスクにつながるんじゃないか、こういう心配も出されています。  いわき市では、医療機関でも断水によって手術だとか吸引などに使う器具を洗うことができない、住民が必要な治療を受けられなくなる可能性があるということで、医師会などの関係者が国と自衛隊に水の確保を要請するんだというふうに聞いています。  相馬市の方からは、顔を洗った水などをためてトイレに使っている、井戸水を使ってお風呂を沸かしている民宿などを利用しているんだけれども、お風呂に入ることができない人もいると。閉まっている歯医者や薬局もある。自分はスーパーやっているんだけど、お米を炊くことが皆さんできないので、御飯であるとかお弁当が飛ぶように売れていると。支援物資で水が配られたけれども、一世帯に二リットルのペットボトルが一本だけだったと。こういったお話が次々出されています。  みんな車で給水所に来るので道路が渋滞をしている、しかも、一時間も並ばなくてはならないし、給水の制限がある、給水できるのは昼間だけだ、働いている人はくみに行くことができない、こうした声も出されました。住民の皆さんからは、給水車に自宅の近くまで来てほしいんだ、水を自宅に届けてもらうことできないだろうか、こうした要望も出されました。  福島県への昨日の申入れでも、もう一刻も早い復旧、そして給水所の開設や増強など、全面的な支援を求めました。これ、自治体の仕事ということになるかもしれないんですけれども、命と暮らしに関わる、これ重要な問題です。給水車、もっと増やす、こういうことも含めて国にもバックアップしてほしいんです。  国としてどんなことができるでしょうか。
  64. 武田良太

    ○国務大臣(武田良太君) 水の問題は命に関わる重要な問題であることは認識をいたしております。また、給水支援につきましては、厚労省そして防衛省、そうした関係機関と連携して今積極的にこの対策を講じているところであります。  御指摘のいわき市と相馬市では、本日五時時点で、いわき市が四万五千四百戸、相馬市を含む相馬地方広域水道企業団が二万三千二百五十五戸の断水が続いている。この原因は、いわき市が水道施設の冠水、水没、相馬が道路洗掘に伴う水道管破損というふうに厚労省からの報告を我々は受けております。  特に断水戸数が多いいわき市におきましては、本日には電気設備の試験通電を行い、問題がなければ復旧作業を続ける予定であり、その間は自衛隊等の協力を得て給水作業を継続する予定と、このように伺っております。現地では水道の専門家が少なく、日本水道協会に応急給水、応急復旧の支援を依頼していると聞いております。  昨日の非常災害対策本部では、加藤厚生労働大臣が国として資材の調達等の支援を関係省庁にお願いすると発言されており、内閣府としましても、復旧作業が円滑に進むよう、現地に派遣されているリエゾンを通じて課題解決に向けた取組が進むように全面的に支援をしてまいりたいと思います。
  65. 岩渕友

    ○岩渕友君 本当に命に関わる、暮らしに関わる重要な問題なので、復旧と併せて給水の部分で是非とも国のバックアップを強めてほしいということを重ねて求めます。  被害の実態が明らかになるにつれて、命を落とされた方が増えております。本当に胸が締め付けられる思いです。犠牲になられた方の多くが高齢な方です。台風の被害が大きくなる中で、命を守る行動をと何度も呼びかけられましたけれども、取り残された方や逃げ遅れた方がいらっしゃいました。特に災害時は命を守るためのきめ細かい対応が必要です。そして、高齢な方が多く被災をされています。  命を守るために丁寧な見守りやきめ細かなニーズの把握が欠かせないわけですけれども、そのためにも市町村への人的支援の強化が必要ではないでしょうか。大臣、お願いします。
  66. 武田良太

    ○国務大臣(武田良太君) 人員支援についての強化の御指摘であります。  この十九号による記録的な大雨等により甚大な被害が発生したわけでありますけれども、今も数多くの被災者の皆さんが避難所で不安なときを過ごされておるわけであります。  我々としては、発災後の十三日には非常災害対策本部を設置しまして災害応急対策を強力に推進しているところでありますが、極めて広範囲に及ぶ今回の台風被害を踏まえ、被災者の生活支援を更にきめ細かく、迅速かつ強力に進めるため、各省横断の被災者生活支援チームというものを設置をいたしました。このチームを通じまして、被災者ニーズの把握を始め、水、食料、段ボールベッド等のプッシュ型支援、避難所生活の環境整備、被災自治体への職員派遣、住まいの確保など、必要が生じる事柄を先取りし、被災者の生活支援を政府一丸となって進めてまいりたいと、このように思います。  加えまして、政府としては、既に長野、福島、宮城、栃木、埼玉、茨城県の各県に対して内閣府調査チームを派遣しているほか、各省から専門的な知識を有する職員を合計三百六十一名を派遣し、被災地の課題やニーズの把握に努めているところであります。  また、地方自治体の、地方自治体間の人的支援につきましても、現時点で被災した十七の市町に対し応援職員の派遣を決定し、順次活動を開始しているところであり、被災者の皆様にきめ細かな支援が届くよう、被災自治体の体制強化に努めるとともに、国としてできることは全てやるとの方針の下、一日も早い被災地の復興復旧に努めてまいる所存であります。
  67. 岩渕友

    ○岩渕友君 この人的支援の強化はもう現場からの大きな要望なので、これ是非やってもらいたいということです。  最後に総理に聞きます。
  68. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 時間が来ております。
  69. 岩渕友

    ○岩渕友君 生活となりわいの再建のために……
  70. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 時間が来ておりますので。
  71. 岩渕友

    ○岩渕友君 補正の検討ということもあるわけですけれども、そのための財政措置をやるべきだと思うんですが、総理、いかがですか。財政措置。
  72. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず予備費を活用することとしておりますが、必要があれば当然検討していくことになろうと、このように思います。
  73. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 以上で岩渕友さんの質疑は終了いたします。(拍手)     ─────────────
  74. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 次に、昨日に引き続きまして、総括質疑方式の質疑を片道で行います。松山政司君。
  75. 松山政司

    ○松山政司君 自由民主党の松山政司でございます。  本日は、大きな節目の二百回国会の参議院の予算委員会二日目、政審会長としてトップバッターを務めさせていただきます。これから片道方式でございますので、時間の制約もありますので少し駆け足モードで進めさせていただきたいと思いますので、御協力のほどよろしくお願いをいたします。  質問に先立ちまして、まず、すさまじい豪雨と強風を伴い、また広い範囲で甚大な被害をもたらした台風十九号、そして先月、猛烈な強風などによって千葉県を始めとして大きな損害を与えた台風十五号、これらの度重なる自然災害によって亡くなられた方々の御冥福を心からお祈り申し上げ、被災された方々にお見舞いを申し上げます。  現在、政府では、この度の台風十九号につきましては、被害の全容の把握とともに、消防や警察、自衛隊、海上保安庁などが救助と捜索に全力を挙げてくれています。電力網や道路、鉄道網の寸断、農地など生産施設への被害も大きく、迅速かつ手厚い支援が必要です。  私ども自民党は、即座に緊急役員会を開きまして被害状況を聴取させていただいて、非常災害対策本部を設置しました。昨日の早朝から、朝八時から衆参百八十名の議員の出席の下にこの対応について協議をいたしました。政府には各自治体と緊密な連携を持っていただいて、人命の最優先、そして被害が拡大しないよう、また復旧復興に向けて全力を挙げていただくよう強く申し入れたところであります。  数十年に一度という自然災害が毎年、いや毎月のように襲ってくる時代です。私の地元福岡も、多くの方が犠牲となられた九州北部豪雨から毎年のように大雨災害に見舞われています。福岡、佐賀、長崎を始め九州三県、九州を襲った八月の豪雨災害、これも観測史上一位の記録的な大雨となりまして、各地の河川が氾濫をしまして、そして市街地で広範囲な冠水が発生をしました。  被災した自治体から話を伺いますと、被害を受けた方々の生活あるいはなりわいを一日も早く取り戻すためにはこの復旧復興事業をすぐに進めたいけれども、政府からの財政支援、これが決まらないうちはなかなか決めかねると、そういう声がございます。このため、激甚災害の迅速な指定などを通じて政府が必要な支援を行っていくという強い姿勢、これを示すことが不可欠であります。  我々自民党が強く要望しておりました八月豪雨から台風十七号にかけまして、この災害に対して、政府から、一連の災害をまとめて激甚災害に指定していただくという異例の対応を示していただきました。まとめて指定をしていただくことで幅広く地域が指定されやすくなるという画期的な対応であります。今回の台風十九号による被害が明らかになりつつある今、これも既に激甚指定の方針を固めたとのことでございますけれども、是非とも速やかな対応を重ねてお願いしたいと存じます。  そこで、今回の台風十九号を含めて、被災地で救援を待たれている方、あるいは不安を抱えながらも迅速な復旧復興を願い、懸命に頑張っていこうとしている方々へ、安倍総理から、全力で取り組んでいくという力強い御決意を改めてお願いしたいというふうに存じます。
  76. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 台風十九号は大雨特別警報が十三都県に発表され、極めて広範囲にわたる甚大な被害となっていることから、十三日に非常災害対策本部を設置をしました。政府一丸となって全力で対応に当たっているところであります。警察、消防、海上保安庁、自衛隊の部隊が人命第一で救命救助活動やあるいは行方不明者等の捜索に全力で当たっておりますが、ライフラインの早期回復、被災地のニーズを踏まえた生活必需品のプッシュ型支援を進めるなど、先手先手で対策を講じてきているところでございます。  また、八月下旬の九州北部地方を中心とする大雨では、多くの浸水被害が発生したほか、浸水により佐賀県大町町の鉄工所から流出した油が家屋や農地に流入をしました。九月には、台風第十五号の記録的な暴風により、関東地方を中心に大規模かつ長期の停電が発生するとともに、約四万棟の一部破損等の住家被害が報告をされております。  政府においては、九州北部での豪雨や、台風第十五号を含む八月から九月の前線等に伴う大雨による災害を激甚災害に指定したところでございます。そして、先ほど来答弁をさせていただいておりますが、台風第十九号による災害についても激甚災害に指定する方向で調査を進めてまいりますが、どうか自治体の皆さんはちゅうちょすることなく安心して必要な対応を取っていただきたいと思います。  加えて、住家の被害については、被害の実態に即して、九州北部の大雨では流出した油による被害を、台風第十五号では降雨による被害を加味した被害認定調査を行うこととし、一部損壊についても災害救助法の制定を拡充し、そして屋根等に日常生活に支障を来す程度の被害が生じた住家に、住宅については支援の対象とするなど、被災地のニーズに応じて弾力的な対応ができるよう取り組んできたところであります。  引き続き、台風十九号による被災者を含め、被災者の皆様が一日も早く安心した生活を取り戻せるよう、被災自治体と緊密に連携をしながら、この我々政権としても何回かの災害を経験をしてきたところでございますが、こうした経験、また反省点も踏まえながら先手先手で対応していかなければならないと、こう思っておりますが、被災者の皆様に寄り添った復旧復興に全力を尽くしてまいります。
  77. 松山政司

    ○松山政司君 総理、しっかりした、また力強い御支援の御決意、ありがとうございました。  次に、昭和三十三年に千二百人以上の犠牲者を出した狩野川台風、これに匹敵するほどの強力かつ巨大な台風と言われた台風十九号、数多くの河川が決壊し、氾濫をいたしました。  そこで、治水対策についてお伺いしたいというふうに思います。  報道によりますと、利根川では八ツ場ダムが大量の洪水をためたとされています。八ツ場ダムといえば、コンクリートから人へという掛け声の下で紆余曲折を経てきたと記憶していますが、この台風十九号での八ツ場ダムの効果について、赤羽国土交通大臣にお伺いいたします。
  78. 赤羽一嘉

    ○国務大臣(赤羽一嘉君) 今回の台風十九号では、八ツ場ダムがある利根川におきましても大変な記録的な大雨となりまして、十時間にわたりまして氾濫危険水位を超過する状況でございました。  実は、十三日の未明、夜中の二時ぐらいだったと思いますが、関東地方整備局が埼玉県加須市で堤防から越水するおそれがある旨を発表するなど、大変切迫した状況でございました。最終的には、計画高水位にあと三十センチまで迫ったぎりぎりのところで上昇が止まりまして越水を回避することができましたが、これは、これは、分析するに、下久保ダムですとか八ツ場ダムも含めた上流のダム群、また渡良瀬遊水地において洪水を貯留したことが大きな原因だったというふうに分析をしております。  この八ツ場ダムの洪水調節容量は計画上六千五百万立方メートルでございまして、ここの全ての既設のダムで確保してきた洪水調節容量の合計約一億一千万立方メートルの約六割に相当する大変大きなものでございます。利根川流域の住民の安全な暮らしに大きく寄与するものと考えております。  今回の台風十九号に際しましては、たまたまというか、本格的な運用前に安全性を確認するために試験的に水をためるオペレーションをこの十月一日に開始したばかりでございまして、まだ水位が低かったことから、結果的には、これ、予定より容量を多く、約七千五百万立方メートルを貯留することができたところでございます。  こうしたインフラ整備は、防災・減災が主流となる安全、安心な社会づくりの根幹を成すものだというふうに考えてもおりますし、八ツ場ダムにつきましては昭和四十二年からの施行でございますので、今年度中の完成に向けて引き続きしっかりと取り組んでいきたいと、こう考えております。  以上でございます。
  79. 松山政司

    ○松山政司君 極めて大きな効果を出し、住民の命を守ってくれたと。本当にインフラ整備というものは、キャッチフレーズだけで語るようなものではなく、着実に、そして計画的に実施をすることが極めて重要であると改めて申し上げたいと思います。  関連して、さらに計画的な公共投資、国土強靱化に関してお尋ねしたいと思います。  ただいま申し上げましたように、一連の頻発、激甚化する自然災害などの状況に鑑みれば、事前防災のためのインフラ整備は極めて重要であります。防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策は令和三年度に終了します。しかし、それ以降も、高度経済成長期に整備されたインフラの老朽化対策、これは喫緊の課題でもあります。また、これらの対策を担う国、地方公共団体の職員や現場の担い手の確保、これも含めて、防災・減災、国土強靱化にしっかりと取り組むことが重要だと考えています。  加えて、来年には東京オリンピック・パラリンピックが開催されますが、この大イベントが終了した後の経済動向についても、下振れリスクが顕在化しないよう、一過性ではない経済対策、事前にしっかりと検討しておくことも重要であります。  このような観点から、国民のより一層の安心、安全の確保を確かなものとするために、そして生産性の向上による経済の好循環を実現するためにも、将来世代にわたってこの投資効果が享受できる公共投資、国土強靱化、ますます重要性を増してくると考えていますが、安倍総理のお考えをお聞かせください。
  80. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) インフラの整備については、今まで日本では様々な議論が行われてきたところでございます。当然、インフラを整備するためには、これは予算が必要であります。  これは国民の税金から成るものであるわけでございますし、国債を発行する場合がある、そのときに、後世にツケを回すのではないかという我々、緊張感を持たなければならないのでございますが、同時に、例えば今、八ツ場ダムの例を挙げられました。大変なこれは財政的な負担もあったのでありますが、これは果たして、では後世に負担を残したのかといえば、当然それは財政に対して、これは国民みんなで何世代にもわたって対応していかなければならないものでありますが、同時に、まさに国民の、後世の人たちの命を救うことにもなるわけでありまして、そういう緊張感の中で正しい判断をしていくことが大切であろうと、こう思うところでございます。  平成の時代は大きな自然災害が相次ぎ、昨年から今年にかけても、集中豪雨、地震、激しい暴風、異常な猛暑など、異次元の災害が相次いでいます。災害への対応はもはやこれまでの経験や備えだけでは通用せず、命に関わる事態を想定外と片付けるわけにはいきません。  このため、昨年、防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策を取りまとめ、ハードからソフトまであらゆる手を尽くし、集中的な取組を進めているところであります。この緊急対策を講じた後も、国土強靱化基本計画に基づき、必要な予算を確保した上で、オールジャパンで国土強靱化を強力に進め、国家百年の大計として災害に屈しない強さとしなやかさを備えた国土をつくり上げてまいりたいと考えています。  また、委員が、松山政司委員が御指摘になられた、我が国が東京オリンピック・パラリンピック競技大会の終了以降も力強く成長するためには、中長期的な観点から、物的、人的投資を喚起しながら生産性を引き上げ、経済の成長力を強化していくことが必要であると認識をしています。  このため、公共投資については、ワイズスペンディングの考え方を重視しつつ、生産性の向上や民間投資の誘発、雇用の増加などのいわゆるストック効果が最大限発揮されるよう必要な社会資本整備を進めてまいりたいと、このように考えております。
  81. 松山政司

    ○松山政司君 力強い御決意、総理、ありがとうございました。  次に、農家の方々から不安の声が寄せられています豚コレラ、これについてお伺いしたいと思います。  今般、江藤農水大臣、国際的なルールや輸出拡大、ワクチンの備蓄量など様々な考慮すべき課題を踏まえ、大変悩まれた末に、多くの要望がある中、イノシシの感染が確認された十県を対象にワクチン接種を決断したわけでありますが、改めてこの判断がベストなものであるということを分かりやすく御説明をいただきたいと思います。
  82. 江藤拓

    ○国務大臣(江藤拓君) ベストであるかと言われれば、なかなか、この防疫というものになかなかベストはないというふうにまず認識をいたしております。  しかし、国際的な原則はやはりあると、それから、やはり抑制的でなければならない、輸出への影響も考えなければならない。そして、今回は野生のイノシシが媒介しているという特徴がありますから、この野生イノシシからの感染リスクが高い十県を推奨地域とさせていただいたところでございます。  御理解いただきたいことは、従来の防疫指針におきましては緊急のワクチン接種しか認めていなかったということであります。ですから、備蓄の量は、短期的に密集地域の発生に対応できる量ということで、これを前提としておりますから、回転備蓄の分を入れても百五十万ドーズしかないと。この数量についても、現実を見極めて対応しなければならなかったということは御理解いただきたいと思います。  しかし、防疫指針の見直しをしたその同じタイミングで、国内二メーカーありますが、ワクチンの増産を今お願いをしておりますので、ワクチン接種推奨地域につきましては、小委員会の意見も求めながら、これから順次見直しも行っていきたいというふうに考えております。  そして、そのワクチン接種を要望したけれども対象とならなかった七県につきましては、今申し上げましたようなワクチン接種の考え方、これを丁寧に説明しておりますが、更に御理解をいただくために、私の名前も添えて文書も発出をさせていただいたところでございます。
  83. 松山政司

    ○松山政司君 国際的なルールとの関係、また輸出拡大への支障、また百五十万頭分という限られたワクチンの備蓄量などを踏まえれば、最良の判断であったということが理解できました。  農業政策にお詳しい江藤大臣ですから、引き続き、農家の方々の耳には丁寧に傾けていただいて、御対応をよろしくお願いしたいと思います。  さて、第二次安倍政権がスタートをいたしましてから間もなく丸七年を迎えようとしております。経済が低迷する中で、まずは経済最優先、アベノミクスを強力に推し進めてきました。そして、経済が順調に推移をする中で、三年目にして、これから我が国が目指していく社会、若者もお年寄りも、女性も男性も、また障害や難病のある方も、さらには一度失敗を経験された方も、誰もが前向きに自分らしく生きていける、活躍できる一億総活躍社会の実現を目指して、その取組がスタートいたしました。  私は、加藤勝信一億総活躍担当大臣の後をお受けして、二代目の担当大臣、そして一億総活躍社会を目指す上で大変重要な大きな柱の一つであります少子化対策担当、そして内閣府の特命担当大臣、務めさせていただきました。  総理は、所信表明演説で、最大の挑戦は急速に進む少子高齢化、そして国難とも呼ぶべき少子化に真正面から立ち向かうと述べられました。私は、いや、私だけでなく、もう多くの国民は、この国難、最大の挑戦といったこの総理の刺激的なお言葉の中に、日本社会の根幹を揺るがしかねないこの深刻な問題の克服に懸ける総理の並々ならぬ決意というのを改めて感じ取ったというふうに思います。  少子化の状況を仮に放置すれば、社会の活力は失われていきます。身近な生活の中でもその影響は顕在化をしていきます。まさに、静かなる有事と言われるこの少子化の状況を何とか克服していかなければなりません。少子化に特効薬はありません。ですから、ありとあらゆる英知を総動員して取り組んでいかなければならないというふうに思います。  私、担当大臣として、当時、少子化克服戦略会議という会議体を立ち上げまして、今後の日本社会にとって必要なことは何かというその議論を重ねて、その提言を基に取組も始めてみました。  少子化対策に当たっては、結婚や子供を産み育てる希望を持つ全ての方々にその希望をかなえることができる社会を実現するという、その姿勢が当然重要だと考えております。  もとより、結婚、出産、子育て、個々人の自由な意思決定に基づくものですし、選択の多様性への配慮が必要であることは大前提であります。また、政府が取組を進めるに当たりましては、狭い意味での少子化対策のみならず、地方創生や地域経済の活性化や広い意味での少子化対策というのを同時に進めていただく必要があると考えます。  さらには、私の地元福岡県では、ジュノールというNPOが県内幾つかの自治体と連携して、出会いの場の提供といった結婚支援に取り組んでおります。内閣府では、既に地域少子化対策重点推進交付金、これによって結婚支援を支援しています。NPOと連携をする、自治体を支援するということもまた大変重要なことであるというふうに考えております。  そこで、この少子化の現状への認識、また、視野を広げて政府全体であらゆる取組を進めていくことの重要性、少子化対策を進めるに当たっての基本的な考え方について、安倍総理のお考えをお伺いしたいと思います。
  84. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 平成三十年の出生数は九十一万八千人と過去最少となり、出生率は一・四二となりました。他方、若い世代における結婚、妊娠、出産、子育ての希望がかなうとした場合に想定される出生率である希望出生率でありますが、一・八であります。  安倍政権としては、この実現を、この実現を目標に掲げ、取組を進めてまいりました。言わば、この希望出生率の実現を阻害している環境を変えていくことが我々の責任であると、こう思っているところでございますが、少子化の問題は、仕事と子育ての両立の難しさ、あるいは子育て中の孤立感や負担感、教育費負担の重さなど、結婚や出産、子育ての希望の実現を阻む様々な要因が絡み合っており、これらを一つ一つ取り除いていくことが重要であると思います。特に、子育てや教育に係る費用の負担の重いことが子育て世代への負担となり、子供を産みたい、育てたいという希望をかなえるための大きな制約となってきたのは事実であろうと思います。  このため、消費税の使い道を見直しをし、二兆円規模の恒久財源を子供たち、子育て世代に大胆に投資をし、教育無償化や待機児童の解消に取り組むこととしています。松山政司委員にもこうした施策の推進に担当大臣として大変な御尽力をいただいたことに対して改めて敬意を表したいと思いますが、今月、三歳から五歳までの全ての子供たちの幼児教育、保育の無償化が実現をいたしました。  今後も、結婚、妊娠、出産、子育ての各段階に応じた切れ目のない取組と、地域、企業など社会全体の取組を両輪としながら、あらゆる政策を、手段を総動員をして、国難とも呼ぶべき少子化に真っ正面から立ち向かっていく決意でございます。
  85. 松山政司

    ○松山政司君 ありがとうございました。  振り返ってみますと、私が担当させていただきましてからちょうど二か月後の二〇一七年十月に、総理は、世界的にも前例のない速さで進む我が国の少子高齢化、また核実験と弾道ミサイル発射を繰り返す北朝鮮による脅威、この二つの国難を国民の皆様とともに乗り越えていくに当たり、その信を問うとして衆議院を解散されました。そして、消費税率引上げに伴うこの税収増の使い道を見直すと、幼児教育、保育の無償化と高等教育の負担軽減を実現し、我が国の社会保障制度を全世代型へと転換していくことを国民の皆様に問い、そして幅広い多くの信任を頂戴しました。まさに、あれから二年後の今月、十月の一日から幼児教育、保育の無償化が実現し、全世代型社会保障に向けた大きな一歩を踏み出したわけであります。  子供を産みたい、育てたいと、そう願う皆さん方にとって、子供たちの教育に係る負担、これは大きな制約となっていまして、統計によれば、理想の子供の数を持たない理由として最も多く挙げられているのが子育てや教育にお金が掛かり過ぎる、これが五六・三%、三十五歳未満に限って見れば八割となっています。是非、今般の無償化によって、子供を産み育てやすい社会へと大きく転換していくことを期待をしたいと思います。  一方で、この無償化に伴いまして、待機児童が増えるのではないか、また認可外保育施設の質は大丈夫であろうかと、そんな懸念の声もございます。  また、私は、長野県で自然保育を展開している森のようちえんという施設を視察したことがありますが、無償化の対象外とされているこうした施設、地域にとっては重要な機能を担うこの幼稚園類似施設、この支援も重要ではないかというふうに考えます。  さらには、おかず代などの副食費をめぐって市町村などの現場で混乱があったと承知をしています。また、一部の施設で便乗値上げが行われているとの指摘もございます。  今後とも、この施行状況をしっかりと把握した上で、関係者の支援や周知に万全を期していかなければならないと思います。  また、子ども・子育て支援新制度、これも制度開始五年目を迎えて見直しの時期であります。是非、公定価格の充実、あるいは更なる保育士の方々の処遇改善、これにもしっかりと取り組んでいただきたいと思っております。  こういった課題への対応について、加藤厚生労働大臣、萩生田文部科学大臣、衛藤少子化対策大臣からそれぞれ御答弁をお願いいたします。
  86. 加藤勝信

    ○国務大臣(加藤勝信君) 幼児教育の無償化と待機児童の解消、これは車の両輪として取り組むべき課題だというふうに認識をしております。  待機児童解消について、待機児童対策については、子育て安心プランに基づいて、二〇二〇年度末までに三十二万人分の保育の受皿を確保するということで進めております。初年度の二〇一八年では約十二万人分の整備が行われました。  また、保育士の処遇の改善にも逐次取組をさせていただく中で待機児童の数もピーク時に比べれば一万人弱減少しておりますが、それでもなおかつ一万七千人弱の待機児童の方がおられる。このことにしっかりと真正面から取り組んでいかなきゃならないと思っておりますし、ただ、今の三十二万人分の整備については、女性の就業率を他の先進国並みの八割まで上昇するということを想定して進めておりますので、まずはこのプランに沿ってしっかり整備が進めるように国としても最大限の支援をしていきたいと思っております。  また、認可外保育施設の質の確保、向上については都道府県が指導監督するということでありますけれども、今年度予算では、認可外保育施設が満たすべき基準の内容の説明や事故防止に向けた助言などを行う巡回支援指導員、これの増員、あるいは、やはり認可保育園に移行していただく方がいいわけでありますから、認可施設に移行するための運営費の補助等の支援の充実、こういったことにも取組をさせていただいて、いずれにしても、この保育の質の確保、向上にも併せて取り組んでいきたいと考えております。
  87. 萩生田光一

    ○国務大臣(萩生田光一君) 私からは、先生御指摘のあった幼児教育の類似施設についてお答えします。  法令上の定めや基準などがなく、多種多様なものが存在しておりますが、各地域に固有の様々な歴史的な経緯を経て、現在も地域や保護者のニーズに応え、重要な役割を果たしている施設もあると考えております。  そこで、文科省としましては、これらの施設について、認可基準は満たしていなくても、地域において欠かすことのできない、言い換えれば、かけがえのない施設であるかどうか、このことを地元の自治体の長の皆さんに御判断いただいて、そのニーズに対して国と地方で協力をして支援の在り方について大至急検討させていただいております。  法律上の無償化の枠の外となる施設ではありますけれども、何らかの支援が届けられるように、関係府省と連携をしながら支援の在り方を検討してまいりたいと思います。    〔委員長退席、理事三宅伸吾君着席〕  もう一点御指摘のあった値上げの件ですけれども、私立の幼稚園で、この値上げが一概に悪いとは申し上げませんけれども、質を伴わない、質の向上を伴わない、理由のない利用料の値上げはあってはならないということを、全国の自治体を通じ、また施設の皆さんにも通知をしているところでございます。  引き続き、しっかりとウオッチをしてまいりたいと思います。
  88. 衛藤晟一

    ○国務大臣(衛藤晟一君) 少子化につきまして、元大臣としてずっと努力をされてこられたことに心から感謝を申し上げる次第でございます。また、福岡等におきましては結婚に至るマッチングの問題とか、そういうところにもずっと自主的に、先生、手付けられておられまして、今は、ですから、子供、子育てをしやすいという環境をつくるのと同時に、そこに至るまでの全体的なものをどうするかということを考えなければいけないという具合に思っておりますので、私ども、是非、今、先生が作っていただきました中で少子化対策の大綱づくりをまたやっておりますので、その中にちゃんと盛れて政府の方針となりますように頑張ってまいりたいと思っております。  それから、幼児教育と保育の無償化につきまして、副食費の問題は、これは公定価格の決定につきまして公表が遅れておりましたけれども、やっと全体との調整が終わりましたので、施設において減収とならないように対応してまいりたいと思います。  それから、いわゆる便乗値上げにつきましても、こういうことが起こらないように、関係省庁とも連絡を取りながら、都道府県等から事実の確認や指導を行うよう依頼しているところでございます。  円滑に行えるように頑張ってまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
  89. 松山政司

    ○松山政司君 是非よろしくお願い申し上げます。  次に、保育の受皿として、平成二十八年四月に始まった企業主導型保育事業、これについてお伺いしたいと思います。  経済界から拠出をいただきました財源を元に、待ったなしの課題である待機児童対策に貢献をする、また早朝や夜間、休日、短時間勤務といった多様な働き方、これに対応する、つまり、認可保育園では対応し切れないニーズに対応することによって企業における女性活躍あるいは人材確保の後押しをするといった意義を持つ、大変重要な事業だと思っております。当時、茂木大臣にも経済界の方々に御尽力を大変いただきました。私も担当大臣として、日本商工会議所や全国商工会連合会、この中小企業団体のトップにお会いをして御了解をいただいた上で、この拠出金を三千億円引き上げる子ども・子育て支援法の改正、これを見ることができました。  この企業主導型保育施設にも私も幾つか足を運びまして、設置企業、従業員、保育士の方々とも意見交換をさせていただきました。この事業は、企業の方々やまた経済団体からも高く評価をされております。また、多くの保育施設は高い志、理念を持って運営をされておりますけれども、一方で様々な課題も指摘をされております。一部の悪質な事業者による助成金の不正受給、これも指摘をされております。厳正に対処して制度の改善に向けた取組、進めていかなければならないと思います。  そこで、衛藤少子化対策担当大臣にお伺いをいたします。現在、今後の実施機関を新たに公募をしているというふうに聞いておりますけれども、これまで明らかになった課題、改善策、また悪質な事案への対処、これについて分かりやすく御説明をお願いします。
  90. 衛藤晟一

    ○国務大臣(衛藤晟一君) 今般の企業主導型保育事業をめぐって、起訴される事案を始め補助金の返還につながるような事案が発生しましたことは大変遺憾でございます。内閣府としては、児童育成協会と連携し、監査を徹底的に進め、必要に応じて厳正に対処してまいります。  そして、今回の不正事案の中から分かってきたことは、いわゆる実績のない事業者でも参入可能であったこと、それから専ら書類審査のみであったこと、それから経営見通しが甘いまま開設された施設があり、保育の質や事業の継続性に問題があったことなどの問題が明らかになりました。  こうした課題を踏まえまして、審査においては、運営委託や保育事業者型は五年以上の事業実績を要件とすること、それから申請者にヒアリングを必ず行い、同時に整備状況の現地確認を行う、そしてまた財務適格性の審査の強化、また指導監査においても、立入調査の実施後、改善状況を確認するため、基準を設けて特別監査や巡回指導を実施するなどの改善方法を講じております。  現在、この改善方法を盛り込んだ実施機関の公募を十月一日から開始しており、年内若しくは年明けを目途に実施機関を選定してまいります。
  91. 松山政司

    ○松山政司君 是非、しっかり改善に向けた取組というのを引き続き力強く推し進めていっていただきたいというふうに思います。  さて、私は、ちょうど担当しているときに、こんな声に接しをしたことがありました。お母さんは子供が一緒だと周りの方に常にごめんなさい、済みませんと言い続けなければならないと、時には舌打ちさえされることもございますと、子供は社会の宝であるのになぜこんなにも子供に優しくないんだろうということをお聞きをして大変衝撃を受けたんですけれども、誰もが本当に思いやりを持って子供や子連れの家族、あるいはお年寄りや障害の方々に接することができる、そんな社会の確立がまた一億総活躍社会の姿でもあろうかと思います。  そこで、現在の公共交通についてでございますが、子供たちや子供さん連れの家族にとって、混雑時に限らず、ややもすれば利用しづらくなっているかのように感じます。一時、マスコミでも電車内でのベビーカーについての論争もありました。  そこで、担当のときに、子育てに優しい社会的機運の醸成、これに向けて、官民が一体となった、また従来の発想にとらわれない取組というのを進めていきたいということで、子育て応援コンソーシアム、これを立ち上げました。  そして、第一回目のコンソーシアムは公共交通分野を取り上げて、JRや東京メトロを始めとして、鉄道、バス、タクシー、航空、旅客船といった業界団体のトップの方々にお集まりをいただきまして、議論を徹底してやっていただきました。また、私からは、乳幼児を連れた乗客用の優先待ちレーンの設置や、あるいはベビーカーで直接乗車できる専用車両の導入、あるいはスーパーなどが連携した子供さん連れ家族のタクシー優先乗車、また既にスタートしていました陣痛タクシーについても全国へ広がりを是非お願いしたいという御要望をさせていただきました。  二回目のコンソーシアムではサービスエリアや道の駅、観光、旅行をテーマに取り上げたわけでありますが、ここでは、私からは、全国の高速道路のサービスエリア、道の駅に二十四時間利用可能なベビーコーナーの設置、これを展開をすること、そしてまた、航空業界には子供や子育て目線に立った様々な旅行商品やサービス、これを要望させていただいたわけでありますが、そのコンソーシアムでの議論を踏まえて、当時の石井国土交通大臣が、高速道路のサービスエリア、国が整備した道の駅における子育て支援の機能、これをおおむね三年以内にしっかりと整備をするということで方針を示していただきました。  あれから約一年がたっておりますけれども、この公共交通分野、そしてサービスエリア、道の駅における子育て支援機能強化の取組、どういう状況か、赤羽大臣にお答えをいただきたいというふうに思います。(発言する者あり)
  92. 三宅伸吾

    ○理事(三宅伸吾君) 御静粛に願います。
  93. 赤羽一嘉

    ○国務大臣(赤羽一嘉君) 今御指摘がございましたように、公共交通分野などでは子育てを応援しようという取組が大変遅れている状況がございました。そうした中で、松山議員が少子化対策担当大臣のときにリーダーシップを発揮していただき、子育て応援コンソーシアムを立ち上げていただいたことを心から感謝を申し上げたいと思います。  このコンソーシアムを契機に、子育てを応援しようという社会的機運の高まりを受けまして、国交省としましても、昨年十一月に子育てにやさしい移動に関する協議会を設置し、様々な分野で具体的な取組が進んでいるところでございます。  まず、タクシー分野におきましては、今、松山議員からお話ございましたように、陣痛タクシーなど、妊婦の皆様を応援する取組が全都道府県約六百の営業所に普及をしております。また、育児支援タクシーも約四百の営業所で展開をされております。  鉄道分野におきましては、ベビーカー等優先スペースを備えた車両の導入が計画に進められていますほか、本年七月からは子育て応援スペースを設置した車両の運行も開始されているところでございます。  さらに、航空分野におきましては、本年五月から、親子で一緒に横になれるカウチシートとまた多目的ルームを導入した航空機が運航を開始しているところでございます。  また、お話ございました高速道路のサービスエリアですとか国が整備をしております道の駅について、昨年九月に子育て応援の取組方針を取りまとめ、二十四時間利用可能なベビーコーナー等をおおむね三年間で整備することとしている、これは石井前大臣がお約束をしたとおりでございまして、今、この一年間でこのベビーコーナー、約二倍となっております。令和三年までの整備完了を目指してしっかりと取り組んでいきたいと、こう思っております。  国交省としても、今後とも、以前、バリアフリー、二十年前のバリアフリーも全く状況が進んでいない状況でございましたが、二十年間の取組でバリアフリーが当たり前の社会を実現することができたと思っておりますが、そうしたことに倣い、子育てに優しい移動環境の整備がなされているのが当たり前の社会になるように省を挙げてしっかりと取り組んでいきたいと、こう考えております。  以上でございます。
  94. 松山政司

    ○松山政司君 ありがとうございました。  今後とも、より一層社会全体で子育てを支援するという機運の醸成のためにも全国各地で広がっていくことを期待していますので、よろしくお願いしたいと思います。  それでは、少子化対策に関する質問の最後に、この財源確保と施策の更なる充実について取り上げたいというふうに思います。  現在、政府では、策定から五年目を迎えるこの少子化社会対策大綱、この見直しに向けて議論が行われていると思いますが、今年度中には新たな大綱が策定されると承知しています。また、子育て支援に加えて、出会いの場の提供などの結婚支援、また不妊治療への支援、また多子世帯への支援と、少子化対策は多様で重層的に行う必要がございます。そのためには、あらゆる英知を結集して省庁横断的に取り組む、取り組んでいく必要があろうかというふうに思います。  幼児教育、保育の無償化、これは大変大きな一歩でありました。ここで歩みを止めずに、新たな大綱は、この全世代型社会保障の改革を更に進めるためにも、未来を担う子供たちへの投資を更に拡充強化をして、希望出生率一・八への道筋を確かなものにしていただきたいと考えます。  総理の御決意をお願いしたいというふうに思います。
  95. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 子供たちを産み育てやすい日本へと大きく転換するためには、諸外国の取組も参考にしながら、現金給付とそして現物給付をバランスよく組み合わせた効果的な少子化対策を行っていくことが重要であろうと、こう思っています。幼児教育、保育の無償化の実現はその大きな第一歩であります。  今後とも、結婚や出産を希望する方々に対し、継続的かつ総合的な少子化対策を推進することで希望出生率一・八の実現を目指してまいります。  今年度内に策定する予定の新たな少子化対策大綱は、その実現に向けた道筋を示すものとしたいと、このように決意をしております。
  96. 松山政司

    ○松山政司君 ありがとうございました。総理、ありがとうございました。  続きまして、私事ではございますけれども、この少子化対策を担当している折に娘に子供が生まれたということもありまして、育休を取り、また職場に復帰をして子育てと仕事の両立に日々奮闘している姿を目の当たりにしていますだけに、子育て世代の不安あるいは悩みというのは本当によく理解できるわけでありますが、担当大臣の経験を生かしてしっかり頑張っていきたいと思いますが、閣僚の皆様方におかれましても、それぞれの御担当の分野で、当たり前と見えていることでも、ちょっとした工夫でこの少子化対策あるいは子育て支援につながることもあろうかと思いますので、いろんな形で御尽力を引き続きお願いしたいというふうに思います。  さて、この幼児教育、保育の無償化によって、まさに名実共に医療、年金、介護、そして子育てという、もう大きな柱が加わって、全世代型社会保障を実現していく土台がつくられたというふうに思います。  こうした中で、人生百年時代の到来を見据えながら、お年寄りだけでなく、子供たち、子育て世代、さらには現役世代まで本当に幅広く安心を支えていくために、この全世代型社会保障の改革、更に前に進めていかなければならないと思います。  このため、今回政府において全世代型社会保障検討会議、これを立ち上げて精力的に議論をしていくということでありますが、この議論の背景、そして方向性について、西村全世代型社会保障担当大臣にお伺いしたいと思います。
  97. 西村康稔

    ○国務大臣(西村康稔君) お答え申し上げます。  まさに松山議員おっしゃるとおりでありまして、少子高齢化と同時にライフスタイルが様々多様化する中で、誰もが安心できる社会保障の仕組みを是非つくっていきたいというふうに考えております。  そうした中で、近年、元気なお年寄りが増えておられる、健康寿命が延びていることも事実でありまして、高齢者の体力、運動能力は例えばこの十年で五歳ぐらい若返っておりまして、歩行速度も十年間で十歳分ぐらい若返っていると。ですから、七十五歳の方が十年前の六十五歳のときと同じ歩行スピードで歩いておられるということであります。  また、六十歳以上の方でも、七十歳以降まで働くことを希望している高齢者が八割にも上るというデータもございます。元気で意欲あふれる高齢者の皆さんが年齢にかかわらず働くことができる環境を是非整えてまいりたいと考えております。  こうしたことを踏まえて、例えば、七十歳までの就業機会の確保、あるいは年金受給開始年齢の柔軟化、選択肢の拡大です、あるいは厚生年金の適用範囲の拡大の検討、予防、健康づくり、こういったことを含めて、年金、医療、介護等、社会保障全般にわたる改革を是非進めてまいりたいというふうに考えております。
  98. 松山政司

    ○松山政司君 西村大臣、大変重要な役割だと思いますので、しっかり頑張っていただきたいと存じます。  次に、中小・小規模事業者の消費税引上げの円滑な対応についてお伺いしたいと思います。  今回の消費税率引上げにおいては、様々な手厚い対策が講じられていると存じます。消費税率引上げから二週間ほど経過しましたけれども、中小・小規模事業者の現場の声を改めてしっかりと聞いていただいて、必要があれば政策面での支援やフォローアップが必要かというふうに思います。  菅原大臣に現状と今後の取組についてお伺いしたいと思います。
  99. 菅原一秀

    ○国務大臣(菅原一秀君) 中小企業の経営者としての御経験をお持ちの松山議員でございますから、とりわけ今回の消費税の課題について、この与える影響に関して御関心があろうと思います。  前回の五パーから八%への引上げの際に景気回復に力強さを欠いたという、こうした経緯もあり、今回の引上げに当たっては、中小企業団体から強力ないわゆる需要喚起策を講ずるようにという要望がございました。そこで、今回、中小・小規模事業者に限りまして、キャッシュレス決済で支払った場合の消費者へのポイント還元や、インバウンドや観光など新たな需要を取り込もうとする商店街の取組に対しまして最大二億円等のこうした支援を講じ、かつまた中小企業・小規模事業者に対するニーズをしっかり喚起をしていくようにしております。  あわせまして、中小企業・小規模事業者の税率の引上げ分を取引価格に適切に転嫁できるように、つまり、親会社から子会社、いわゆる下請が乗っけられないという、こういう状況がございますから、これは消費税転嫁対策特別措置法に基づきまして、厳しい監視、とりわけ、転嫁Gメン六百名体制でこうした監視や取締りを実施をしてまいりますとともに、レジ対応なども四分の三補助でしっかり導入に補助を行って、こうした流れをつくっていきたいと思っております。    〔理事三宅伸吾君退席、委員長着席〕  こうした取組によって生産性向上に資するものであって、中小・小規模事業者が消費税率の引上げに円滑に対応できるように支援をしてまいります。
  100. 松山政司

    ○松山政司君 大臣、ありがとうございました。  引き続き、この中小・小規模事業者で働いている件について、従業者について、中小・小規模事業者の関連について引き続き御質問させていただきます。  この中小・小規模事業者の経営環境、極めて厳しいものがあります。特に高齢化の波、これが確実に押し寄せておりまして、後継者が決まらない、また廃業の危機に直面しているということで、後継者探し、企業統合などによる事業承継、これは待ったなしであります。  そこで、中小・小規模事業者政策にこれまで大変尽力をされてこられた宮本周司経済産業大臣政務官に、支援策の活用状況、また今後どのように支援策を強化をしていくのかをお伺いしたいと思います。
  101. 宮本周司

    ○大臣政務官(宮本周司君) 松山委員にお答えをいたします。  松山委員には日頃から中小企業政策にも大変御高配をいただき、また、参議院自民党における小規模企業を支援する参議院の会でも中心となって御尽力をいただいておりますことを心から敬意を表します。  今ほど御指摘をいただきましたこの後継者不足による事業承継問題。今、二〇二五年に七十歳というこの引退の平均年齢を迎える中小・小規模企業経営者が約二百四十五万人と見込まれております。そのうち、半数に及ぶ百二十七万人が後継者が未定というふうになっております。  この問題をこのまま見過ごした場合には、恐らく約六百五十万人の雇用若しくは二十二兆円に及ぶGDPを失うという可能性もございますので、企業、事業所におけるいわゆる後継ぎ問題のみならず、我が国のサプライチェーン、また地域経済の活力、また雇用の維持、こういったことにも本当に重要な課題だと思い、政府を挙げて取り組んでいるところでございます。  その点におきまして、経済産業省の方におきましても、この一番の事業承継のときのネックとなっておりました税の負担、この部分に切り込んで、昨年から法人企業における事業承継税制の特例を充実させたところでございます。過去は約五三%分の事業承継に係る税の猶予というものがございましたが、これを一〇〇%まで拡充をいたしました。そして、平均約八割、平均八割の雇用も事業承継後五年間にわたって維持をする、こういった様々な要件にも、人手不足という状況も鑑みまして、柔軟な対応をするように拡充をしたところでございます。  これによりまして、過去十一年間にわたって従前の制度を活用した中小・小規模企業の事業承継は約二千五百件だったわけでございますが、この拡充後、昨年の春、四月から今年二月までのこの十一か月で既に二千五百件を超過をするぐらいに活用がされておりますし、このことによりまして地域にとって必要な仕事をしっかりと守る、このことが実現をしていると思っております。  四十七都道府県に関しましても、ネットワーク、事業承継ネットワークを生かして様々な取組が行われておりますが、何よりも事業引継ぎセンターによりまして九百件のマッチングが実現をしておりますし、事業承継補助金に関しましても八百件を超える活用がございます。  今後は、第三者、後継者がいない企業、事業所における第三者承継もしっかりと拡充するために、新たな税の措置も検討しながら、全国大でのデータベースを活用した取組もしてまいりますし、総理の方からも既に言及がございました個人保証の二重徴求を原則禁止するなどのそういった取組にもしっかりと取り組んでまいり、地域にとって必要な仕事を守るこの事業承継を更に推進していきたいと思っております。
  102. 松山政司

    ○松山政司君 ありがとうございました。大変御尽力いただきまして、これからも引き続きお願いしたいと思います。  最後に、総理に、地域でしっかり頑張っている中小・小規模事業者に向けて、総理からの期待あるいはエールみたいな形で一言お伺いできればと存じます。
  103. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今政務官の方から相当詳細な御説明をさせていただいたところでございますが、全国約三百五十八万者の中小・小規模事業者は、雇用の七割をまさに支えている経済のこれ屋台骨であります。オンリーワンの技術やサービスで日本の経済成長を支えるとともに、地域コミュニティーの支え役として、例えばPTAや消防団などの地域活動でも重要な役割を果たしておられます。このことは、松山議員御自身が地域に根付いた中小企業の経営者としての御経験をお持ちであります、さらには、日本青年会議所の会頭経験者として多くの経営者の悩みに寄り添ってこられたことから、よくお分かりのことであろうと、このように思います。  今後も、人口減少に加えて、地方において高齢化、過疎化が深刻さを増す中で、地域の経済社会の核となる中小・小規模事業者の重要性はますます大きくなっており、その更なる飛躍に向けた生産性向上や海外展開、そして後継者への事業承継などの支援に強い決意を持って取り組んでいく考えであります。  繰り返しになりますが、まさに中小・小規模事業者は地方にとっては中核であり、そうした地域の様々な活動を支えているのも事実だろうと思います。地域の経済、日本の経済あるいは地域自体を支えていく大きな役割を担っている中小・小規模事業者をしっかりと支援をしてまいりたいと思います。
  104. 松山政司

    ○松山政司君 ありがとうございました。終わります。
  105. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 以上で松山政司君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  106. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 次に、福岡資麿君の質疑を行います。福岡君。
  107. 福岡資麿

    ○福岡資麿君 自由民主党の福岡資麿と申します。  この週末、台風十九号によりまして、未曽有の風雨によって各地に甚大な被害が出ています。三十七河川で堤防が決壊し大規模な洪水災害も発生しているほか、土砂災害も含め多くの被害が発生しております。  台風十九号を始め、これまでの一連の災害でお亡くなりになられた方にお悔やみを申し上げますとともに、被災された方々に対して心からお見舞いを申し上げさせていただきます。  冒頭、総理からも経過報告をいただきました。政府におかれても、今全力で対応に当たっていただいているというふうに承知をしています。今後とも、地方自治体との連携を密にしていただきながら、対応に万全を尽くしていただきたいということをまず冒頭お願いをさせていただきたいと思います。  そして、現場でも多くの方々が本当に懸命に対応に当たられています。地方自治体はもとより、消防であったり、また自衛隊、テックフォース、またリエゾンであったり、いろいろな方々がその専門性を生かしてその現場で対応に当たっているというふうに承知をしています。  その中で、警察においてもすごく御尽力いただいているというような声も耳にするところでございます。具体的にどのような対応を警察においてしていただいているのか、武田大臣にお答えいただきたいと思います。
  108. 武田良太

    ○国務大臣(武田良太君) 国家公安委員長としてお答えさせていただきます。  警察では、台風の接近時から約一万三千人の有事即応態勢を整えまして、発災後は人命救助を最優先とし、十三府県警察から広域緊急援助隊を宮城、福島、長野に派遣するなど体制を強化して、昼夜を分かたず対処に当たっているところであります。  具体的には、発災直後、全国から多数のヘリを被災地に展開し被害実態の把握に努めるとともに、浸水地域を中心に、ヘリやボートを活用し、部隊の総力を挙げて被災者の救助や捜索に取り組んでいるところであります。加えて、自宅にとどまる方々の安否確認、避難所を訪問しての相談対応に取り組むとともに、被災者の方々のニーズの把握、防犯対策にも努めているところであります。  引き続き、全力で捜索救助に当たるとともに、被災地における住民の安全、安心を確保するための取組を着実に進めてまいりたいと思います。
  109. 福岡資麿

    ○福岡資麿君 ありがとうございます。現場で懸命に対応に当たっていただいている方々に心から敬意を申し上げさせていただきたいと思います。  情報伝達の在り方についても問われています。必要な情報が適切に得られるか。台風十五号もそうでしたが、電力網であったり通信ネットワークが遮断されると一気に情報が得られなくなるという問題があります。また、そもそも人口が多くない地域の情報はインターネットやマスメディアでも得づらいという話もありますし、また、先ほど来指摘がありました多言語対応も進んでいますが、インバウンドの方への災害情報や避難情報の伝達がしっかりできているのか。また、携帯電話へ緊急速報メールが流れるのは非常に有り難いという声がある一方で、頻繁に鳴って落ち着いていられない、寝られない。また、余りにも頻繁に鳴ると本当に必要なときの注意喚起が十分にできるかといった問題の指摘等もあるというふうに承知をしています。  また、台風の、今回の台風十九号時点では改善が見られましたが、この夏にも、ヤフー等が警戒レベル相当情報を基に今すぐ避難をと自動的に表示をしたことに対して、その地方自治体に問合せが殺到するというような事態が生じました。気象庁等が発表する警戒レベル相当情報というのと市が発令する警戒レベル情報、これは避難準備や避難勧告、避難指示などの避難情報というのは必ずしも一致しないわけでございまして、自治体はその実際の状況も勘案しながら発令するということでございますが、それが混同されて混乱を来したというようなこともございました。  こういったことも踏まえて、情報提供の在り方についてもしっかりと検証していく必要があるのではないかというふうに考えています。  私の出身の佐賀県を始めとする北部九州においても、八月末の豪雨で人的、物的共に甚大な被害が発生いたしました。(資料提示)また、台風十七号の被害により、海水が風で飛ばされ、広く塩害が発生しております。農業被害等を受けて、農家の方々が再び生産活動を行えるように、農水大臣にも万全の対応をお願いをさせていただきたいと思います。  パネルで掲示させていただいた写真は、佐賀県の大町町の航空写真でございます。この災害のときに、どこが陸地だったか分からないぐらい広範囲にわたって浸水をしています。そして、写真でもお分かりいただけるように、地元の鉄工所から流出した油が対応を更に難しくしたという状況がございました。  ここに六角川と書いてありますが、六角川については、勾配がほとんどない低平地を流れています上に、有明海は干満の差が非常に大きく、満潮時には河口から三十キロ以上も海の水が川を遡るというような特徴がございます。  今回の豪雨は、満潮時と重なり川の水位が高かったために、内水を川に排出できなかったことなどが原因と考えられます。国も素早く対応していただいていますが、復旧に向けて、そして今全力で取り組んでいます。  ただ、一方で、雨が降ると浸水するという構造的な問題が残ったままでおいては、大雨のたびに住民は不安にさいなまれ、安心できないというような状況は続きます。今回の台風でも、バックウオーター現象なるような現象が各地で起こったというふうに承知しています。専門家の知見も得ながら、息の長い取組が必要であるというふうに考えておりまして、政府においては、災害復旧のみならず、息の長い財政支援をお願いをしたいということを申し上げさせていただきたいと思います。  その上で、そして、以前の災害復旧工事が手付かずのまま、次の災害で被害が拡大するといったケースも出てきています。昨年も様々な災害が起こりましたが、その復旧が手付かずになっていて、今回の災害で被害が拡大するというようなことがございます。地元を見てみても、災害対応の入札が不調に終わっているケースが散見されます。公共事業者の減少で地域を支える建設業者の数も減って、人も足りない上にコストが見合わないとの理由で見送られているケースもあると伺います。  新担い手三法の品確法の改正などによって災害時の緊急対応強化が図られています。緊急性に応じて随意契約や指名競争入札を選択したり、災害時の見積り徴取など柔軟に対応すべきところ、まだまだ地方においては十分に浸透しているとは言い難いと思います。早期の復旧に向けての環境整備も国土交通大臣にはお願いをさせていただきたいと思います。  その上で、住宅再建についてお伺いをさせていただきます。  先ほどの佐賀県においても、床上浸水千四百八十七軒、床下浸水四千五十二軒ということになっています。被害認定における被害の程度においては、国で被害認定基準というのが定められておりまして、様々な情報を総合的に調査をして、全壊、大規模半壊、半壊などの認定が行われることになっています。一概には言えませんが、水害の場合においては、大規模半壊は一つの目安として床上百センチ以上が、また半壊は一つの目安として床上三十センチ以上が対象となる傾向にあります。  災害救助法においては、全壊、大規模半壊及び半壊の場合、状況に応じた応急修理の費用が自治体から支給をされることとなっています。これまで、半壊に至らない一部損壊の場合については公的支援の対象とならなかったわけでありますが、このパネルを御覧いただければと思いますが、この度、一部損壊のうち損害割合が一〇%以上の住宅の応急修理に対象が拡大をされました。このことは本当に画期的なことでございまして、地元等からも本当に有り難いというような声を聞いております。感謝を申し上げさせていただきたいと思います。  実態として言えば、御承知のとおり、床上浸水の場合に、床上に何センチ、床上の浸水が何センチであろうと畳が使えなくなるとか、また、一見壁がそのままに見えていても、中の断熱材とかが水を吸収していればそこからカビが発生したりすることもございますから、一度壁を剥がして中の断熱材を入れ替えなきゃいけなかったりというようなこともございます。当然、家電等もつかれば家電も全く使えなくなるというような状況がございます。  そういうことでいうと、今回の、今までの認定基準がどちらかというと外観の損傷、そういったものが主となっている中で、水につかる、水害に対応した判定基準が今のままでいいのかといったことについては、もう一度検証すべきではないかというふうに思っております。  災害救助法の対象拡大が、本年度以降に発生した災害救助法適用の市町村に適用されるようになったことは本当に有り難いことですが、もう既に修理を終えたところには適用されないといった問題がございます。修理業者も立て込んでいますから、たまたま早く手直しをしていただいたところは対象とならずに、今まだ手付かずとなっていてこれから対応されるところが対象となるとなると不公平ではないかといった声もあるということですし、また、新たな対象となるかどうか判定のためにもし現場に再度赴く必要があるとなると自治体の負担も非常に煩雑になる、そういった御指摘もございます。  今回の台風でも、御承知のとおり、各地で家屋の浸水というものが見られている状況でございます。制度である以上、基準というのは必要でございますが、住民に寄り添った柔軟な対応が求められるというふうに思います。防災大臣の見解をお伺いしたいと思います。
  110. 武田良太

    ○国務大臣(武田良太君) 委員御地元の佐賀県大町町、私も視察に行かせていただきましたけれども、大変な被害でございました。お見舞いを申し上げたいと存じます。早急に公共土木そして中小企業支援対策等の局激に指定いたしました。存分に復旧に努めていただきたいと、このように思っております。  御指摘のように、災害救助法の制度を拡充させていただきました。しかも、恒久制度として、一部損壊の住宅のうち、日常生活に支障を来す程度の被害が生じた住宅については支援の対象とすることになりました。災害救助法は、現に補助を必要とする者に対して救助を行う制度であるため、既に自ら修理を終えられた方は対象とはならないということになっておりまして、不公平という声が届けられることもありますけれども、現に救助を必要とする者という位置付けがなされておりますので、御理解をいただきたいと思います。  また、損害割合の確認につきましては、再度被害認定調査を実施することではなく応急修理の審査事務の中で簡便に実施するなど、自治体の事務負担軽減に配慮していく考えであります。  避難された方々の速やかな生活再建に資するよう、柔軟に対応していく所存であります。
  111. 福岡資麿

    ○福岡資麿君 是非その作業を進めていただきたいというふうに思っています。  そして、災害のときに出る膨大なごみに自治体は大変困っています。一年間で処理する通常ごみをはるかに超える災害廃棄物が発生することで、処理の長期化と処理費用の多大な財政負担が懸念をされるところでございます。被災した市町だけでは処分できない、そういう量の災害廃棄物については他の自治体に負担をしていただいたり、そういった対応がなされているわけでありますが、ただ、災害廃棄物のその運搬費用がかさむなど、今回発生した廃棄物の処理費用について市町の多大な財政負担が懸念されるというような状況にございます。  いろんな方に話を聞くと、ごみが片付いたときが災害が一段落したと感じると感じられている方は非常に多いように思います。そういった意味では、被災された方が一日でも早くふだんの生活を取り戻していただけるように、災害廃棄物の処理に早急に取り組む必要があるというふうに思っています。  被災した市町に対する地方財政措置による柔軟な対応であったり、また特段の財政措置をお願いをしたいと思っておりますが、小泉環境大臣から伺いたいと思います。
  112. 小泉進次郎

    ○国務大臣(小泉進次郎君) 福岡議員におかれましては、発災直後、私が大臣になった直後に佐賀県の関係の自治体の皆さん、そして議員の皆さん、山下先生もいらっしゃいますが、お越しいただいて現場の状況をお聞かせいただきまして、ありがとうございました。  ただいまお尋ねいただきました廃棄物の処理については、環境省が担当して支援をしていまして、災害等廃棄物処理事業費補助金という補助金で、今、国庫補助が二分の一、そして、先ほど武田大臣からお話があったように、この激甚の場合は最大九五・七%、この財政措置が可能となりますので、今後も処理状況に応じてしっかりとした必要な予算の確保に努めながら支援を続けてまいりたいと思います。
  113. 福岡資麿

    ○福岡資麿君 是非しっかりとした財政措置を今後もお願いをしたいと思います。  様々な企業や事業所も被害に遭っています。飲食業など様々な産業が営まれているエリアについても、今回の台風でも浸水したというような状況がございます。営業を再開できないところがあって、もう再建を断念するというようなところが続出すると、地域経済にも大きな影響を与えます。持続化補助金であったり、ものづくり補助金を柔軟に運用することで支援を打ち出したりしていただいていることには感謝を申し上げさせていただきたいと思います。  私たちの地元のことでいうと、商工会の調査で、今回のこの豪雨災害において、百万円以下の被害だったところが二七%あるかと思えば、百万円を超えて一千万円以下が四六%、更にそれを超えて一億円までが二二%、一億円を超えて最高で三十億円近くの被害額となったところも五%あるという状況でございます。  様々な規模の事業者がそれぞれに合った形で事業を再開していただき、またさらには、この被災を契機として最新の機械を導入するなどの設備投資の支援を行っていくということが何よりも大切だというふうに考えています。  地域ごとに被害程度の差はあっても、個々の事業者にとっては自分のところの被害がどれぐらい大きかったかということで再建の道のりが変わります。使うことができるメニューが地域ごとにその災害の程度によって異なってしまっているような現状がありますが、本激など大規模災害で用いられるようなグループ補助金が使えればいいんですが、そうでない場合においても、柔軟で使い勝手のいい中小企業及び小規模事業者支援制度を考えていくべきではないかというふうに思いますが、菅原経産大臣のお考えをお伺いします。
  114. 菅原一秀

    ○国務大臣(菅原一秀君) 八月の集中豪雨を受けまして、お話があったとおり、局激指定がされた佐賀県武雄市及び大町町の被災事業者に対しまして、小規模事業者持続化補助金の新たな追加公募などの支援策を拡充をしてまいりました。  これに加えまして、先般、福岡議員始め佐賀県の先生方、また商工会の皆様お運びをいただいて、るる現状をお伺いする中で、被災地として初めて自治体と国が連携して被災企業を支援する新たな補助金を措置をすることとなり、かつまた、ものづくり補助金もいわゆる公募の期間を延長することといたしました。  被害額の大きい事業者にとって使い勝手のいい支援策が必要という御要望があった中で、日本政策金融公庫の災害復旧貸付けの金利引下げ措置や、借入債務の一〇〇%を保証する信用保証枠の拡大措置といった措置をとりながら、比較的大きな復旧資金のニーズに手厚く支援をしてまいります。  引き続き、委員の御指摘を踏まえまして、被災事業者の声にしっかりと耳を傾けながら、個別の事情に応じた対応を図ってまいります。
  115. 福岡資麿

    ○福岡資麿君 災害に関する質問はこれで終わりにしますが、今おっしゃられたように、個別の状況をしっかり見ながら今後も対応を進めていただきたいと思います。  続きまして、全世代型社会保障改革についてお伺いをさせていただきます。  社会保障制度は、持続可能なものでなければなりません。少子高齢化の進展は、人口の構成を大きく変化させ、社会保障の将来に大きな課題を今投げかけています。総理は所信で、国難とも呼ぶべき少子化に真正面から立ち向かうと述べられましたが、いわゆる団塊の世代においては約二百七十万人、私がちょうど生まれた昭和四十八年の第二次ベビーブームでは約二百十万人あった年間出生数は、昨年九十二万人まで減少をしています。私も第一子を去年ようやく授かりましたが、ピークのときから比べれば、一年に生まれる出生数が三分の一に減ってしまっているというような現状になっています。  少子化対策をしっかり行うということは必要ですが、人口のボリュームゾーンが出産適齢期を卒業してしまっているというような状況もあり、人口減少を鈍化させていくということはできても人口を増加させていくということは極めて難しい状況であるというふうに言わざるを得ません。そのような状況の中に、これまでのように年齢によって支える側であったり支えられる側を分けるのではバランスが保たれませんし、また働き手の減少は経済全体を縮小させることにもつながります。  一人一人の方々からすれば、現在の生活にも、また老後の生活にも直結するのが社会保障制度です。人口減少と少子高齢化によって揺らぐ社会保障制度に対して、将来の年金は大丈夫か、医療、介護はこれまでどおりに受けることができるのかといった不安の声があります。  新しい令和の時代になりました。私たちは、こうした国民の不安をしっかりと払拭していかなければなりません。社会保障制度改革を更に実施していくことが政治には求められているというふうに思います。特に、団塊の世代の方々が七十五歳以上となり始める二〇二二年を念頭に置くと、改革を早急かつ集中的に実施していくことが必要だというふうに思います。  その際、人生百年時代を見据えて、年齢の壁を越えたエージフリーで活躍できる環境の整備が必要となります。就労を阻害するあらゆる壁をなくす、そして在職老齢年金などの見直しによって働いても損をしない仕組みへと転換していく。また、これらの取組によって経済社会の担い手を増やし、支える側と支えられる側のバランスを回復していくことで社会保障制度の持続可能性を高める努力をしていかなければなりません。  先ほど西村大臣もおっしゃいましたように、今の高齢者像というのはかつての高齢者像とは全く違ってきているというような現状もございます。このような元気な高齢者の方々の知識や能力を更に発揮いただくことが、人口減少や少子高齢化が社会保障制度に突き付ける課題解決の大きな鍵となるということは間違いないと思います。  これまでも、安倍政権において、誰もが思う存分その能力を発揮できる一億総活躍社会実現を目指し、多様な働き方を可能とする働き方改革、人生百年時代において、高齢者から若者まで人材に投資し、全ての国民が活躍できる人づくり改革を取りまとめてこられました。また、あわせて、社会保障と税の一体改革で、社会保障の充実と安定を目指し、子ども・子育て支援新制度の実施によって保育の量的拡大と質の向上を始めとする子供、子育て分野を充実したほか、医療、介護の提供体制改革と低所得者対策の充実、十月から実施の年金生活者給付金の創設など、そういったことに取り組んでこられています。こうした取組が一区切り付く中、更に進展が見込まれる少子高齢化対策に対応すべく、二〇二〇年以降を見据えた更なる改革を議論する必要があるというふうに思います。  総理が主導して全世代型社会保障検討会議が開催をされて検討が進められることは、極めて有意義なことだと考えます。この全世代型社会保障の実現に向けた総理の思いをお伺いしたいと思います。
  116. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 全世代型社会保障への改革は、安倍政権にとって安倍内閣の最重要課題であります。これまでの社会保障システムの改善にとどまることなく、システム自体の改革を進めていくことが不可欠と考えておりまして、全世代型社会保障検討会議においては、人生百年時代を見据えて、年金、医療、介護、労働など社会保障全般にわたる持続可能な改革を更に検討していく考えであります。少子高齢化と同時に、ライフスタイルが多様になる中で、誰もが安心できる社会保障を大胆に構想してまいりたいと、このように思います。  また、今、福岡議員がおっしゃったように、当分の間は残念ながら人口が減少していくわけでありますが、その中で、やはり全ての方々がそれぞれの可能性を生かせる社会をつくっていくことによって、医療、介護、社会保障、年金が持続可能になっていくのではないかと、こう思っております。  今回の財政検証におきましても、所得代替率が悪化するのではないかと、こう言われていたんですが、結果を見てみると、所得代替率はこれ改善したわけでございまして、その意味におきまして、なぜ改善したかといえば、これは生産年齢人口が五百万人減ったんですが、しかし、これは支え手が、言わば年金の支え手が五百万人これは増えたということでございまして、だからこそ改善をした。  これは、やはり、三百八十万人新たに仕事に就いたわけでございますが、これ多くは女性や高齢者でもあるわけでございまして、まさに支え手が増えたことによって年金においても持続可能性は高まったということでございまして、これからしっかりと、それぞれのこの働き方、ライフスタイルが変わる中において、みんながその可能性を開花できる、そういう社会をつくっていきたいと、このように考えております。
  117. 福岡資麿

    ○福岡資麿君 総理からは、今支え手が増えてきている実態についてもお話しいただきました。引き続き、社会保障の持続性の確立に向けて強力なリーダーシップを発揮していただきたいということを申し上げさせていただきたいと思います。  そして、西村大臣には、これまでも、働き方改革を進めるとともに、子育て世帯へ大胆に政策資源を投入し、社会保障をまさに全世代型へと転換していく第一歩として、本年十月から幼児教育、保育の無償化を行うなどの成果を出してきていますが、こうしたことも踏まえながら、今後のこの社会保障制度改革については、財政的な観点からの改革だけではなくて、支え手をしっかり増やしていくといった攻めの社会保障改革を進めていく、こういった観点から是非とも進めていただきたいということをお願いをさせていただきたいというふうに思っています。  続いて、地域医療構想についてお伺いをさせていただきたいと思います。  現在、政府において進められている地域医療構想については、公立・公的医療機関の機能についての検討が行われていますが、公的・公立医療機関については救急医療や災害医療といった政策医療を担う貴重な存在でございまして、限られた医療資源を有効に活用する観点から、そうした役割により重点化していくべきではないかというふうに考えています。  しかしながら、現在の議論を見ていますと、順調にいっている地域もあれば、そうではない地域もあるというようなふうに承っておりまして、そんな中、先月、地域の議論の活性化を後押しをするという観点から、厚生労働省から地域医療構想の実現に向けた取組の一環として公立・公的医療機関の診療実績データの分析結果というものが公表されましたが、これが大きな反響を呼びました。四百二十四公的病院、再編必要などの報道がなされ、地元の病院がもうあたかもなくなってしまうのではないかというような思いで住民の方々に不安が広がっているというのが現状でございます。  地域住民が生活を営む上で、もう医療は必要なインフラです。自分の住む町の病院の存在は死活問題であり、病院がなくなってしまうと聞いただけで将来に不安を抱いてしまうということは、もう当然のことでございます。先日行われた国と地方の協議の場においても、地方団体から国に対してそのような声が上がったというふうに承知をしています。  しかし、そもそも地域医療構想とは、少子高齢化が更に進展していく中で地域ごとに効率的で適切な医療提供体制を確保するためのものでございまして、様々な医療ニーズを常に抱えておられる高齢者の増加を見据えて、これまで急性期中心であった医療機能を高齢者の医療ニーズに合ったものへと変えていく、こういった施策であるというふうに私は理解をしています。  今回の厚生労働省のデータ公表も、そうした考え方から急性期機能についての実績を分析したものであるというふうに聞いておりまして、決して特定の病院の廃止等を決め付けるものではないというふうに承っているところです。重要なのは、このデータを参考にしてどうやって議論を深めていくかということだというふうに思っておりまして、あくまでもその自らの地域の医療の将来像を決めていただくのは地域の方々で決めていただくというようなことであろうというふうに思いますが、今後、今般の公表に対していろいろな不安の声が上がっていることも踏まえて、今後どのように対応されていくのか、厚生労働大臣にお伺いします。
  118. 加藤勝信

    ○国務大臣(加藤勝信君) まさに人口動態が変わる中で、これからの時代に合った医療、地域医療の体制をそれぞれの地域ごとに考えていただく。二〇一六年度末には、各都道府県で地域医療構想というのをそれぞれ作っていただきました。これからは、これをどう実現していくのか、その中で公立・公的病院の担う役割についても既に具体的な見直し方針は出していただいておりますけれども、必ずしもその地域医療構想の目指したものと比べるとどうなのかという御指摘もありまして、今回私どもから分析結果を出させていただいて、更にこの議論を進めていただきたいと、こういうことでやらせていただきました。  あくまでも、これ、私たちからこうしろとか機械的にこうだということを進めるものではなくて、地域の中でそれぞれあるべき地域医療の姿を実現をしていただくその一助にしていただきたい、こういう思いでございますので、まさに今回少しハレーションが起きたという御指摘もいただきましたから、今回の中身について、それぞれ地方に出かけていきまして、中身について丁寧にお話、説明をするとともに、今後もこれを進めていくに当たっての財政的な支援とか、あるいは国としてできる支援とか、あるいは更に必要な情報の提供とか、そういった声を地方からも頂戴しながら、一緒になってその実現に取り組んでいきたいというふうに思っております。
  119. 福岡資麿

    ○福岡資麿君 ありがとうございます。  大臣御承知のとおり、この取組と併せて、医師の偏在対策であったり働き方改革であったり、またかかりつけ医の強化であったり、そういったことを総合的に取り組んでいく必要があるというふうに思っています。  このほか、福祉人材の確保であったり、またいろいろ障害者施策であったり、そういったことをお聞きする予定でございましたが、時間も参りました。政府においては様々な施策を強力に前に進めていただくことを最後にお願いをさせていただいて、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  120. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 以上で福岡資麿君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  121. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 次に、松川るいさんの質疑を行います。松川るいさん。
  122. 松川るい

    ○松川るい君 自由民主党の松川るいです。  本日は、この予算委員会、質問の機会をいただきまして、本当にありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。  まず、この連休にこの日本列島を襲いました第十九号の台風、本当に広範な範囲で甚大な被害がありました。亡くなられた方、本当に心からお悔やみ申し上げます。そしてまた、被害に遭われた方々、一刻も早い復旧に全力で取り組む、救助に全力で取り組むことを私もお誓いしたいと思います。そしてまた、昼夜問わず働いていただいている、救助、復旧に当たっていただいている全ての関係者の皆様に心から感謝を申し上げます。  この委員会でも、いろんな避難所に関する御議論がありました。御指摘もありました。私、実はこの点に関しまして、是非、学校施設の安全対策について是非復旧とともに考えていただきたいということを申し上げたいと思います。  というのは、学校施設、御案内のとおり、子供たちが学習する場だけではなくて、まさに災害となりましたら避難所として一般国民の皆様にとっても安全が大事な場所でございます。ところが、この前の十五号ですね、前回来たもので実は屋根が飛んでしまったり、それから体育館が壊れてしまったりして、今回の第十九号の台風では使えなかった、そういう体育館、学校施設が多々ございました。これから様々な施設の復興復旧、取り組んでいくと思いますが、特に学校施設は復旧だけではなくて安全対策ということも考えて、今後の災害対策に生かせるような予算措置と、伴った取組をお願いしたいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。  さて、私は、本日は、今私たちが生きるこの時代というのは歴史的な、冷戦終結以来の歴史的な転換点にあるという認識の下、日本が今後生存、発展していくためには、従来の延長線上の政策ではなく果断な決断、そういうものが必要ではないかという観点から質問させていただきます。  というのは、戦後の日本の外交、安全保障においては、やはり圧倒的に強い米国の存在とその米国との日米同盟、これが前提になってきたと思いますし、また経済、社会保障においては、一億二千万人いるこの人口を前提に様々な施策を打ってきた、そういうことがございます。しかしながら、今国際情勢もそうですし、今御議論もありました人口減少もございます。いろんな前提が崩れてきているということをやはり踏まえた上で、従来の延長線上ではない果断な対策を取るべきということを申し上げたいわけでございます。  まず、中国についてお伺いいたします。  中国とどう向き合うかというのは日本外交三十年の当面の最大の課題だと思います。日本は日米同盟、日本、米国の同盟国であります。と同時に、地理的には中国と近接した隣国でありますから、中国との安定的関係は死活的であります。現在は、総理の卓越した外交手腕、そしてまた米中関係が悪いことの反射的な効果として、日中関係が好転していることは大変結構なことだと思っております。が、中国は依然として尖閣諸島に向けての圧力、侵入は日々行っているわけでありますし、また、それだけではなく、日本海に向けても軍事的影響力を伸ばすなど、安全保障上の脅威は変わっていないというか、若しくはむしろ増していると言わざるを得ません。  また、一時的な休戦は関税とかについてあるとは思うんですけれども、米中の対立は長く続くと私は思います。そうしますと、やはり日本が中国傾斜していると思われても困ると。  こういう非常に、まあ複雑骨折というか、非常に難しい複雑な状況にあるわけですけれども、来年には習近平国家主席の国賓来日も予定していると承知しております。今後どのようなビジョンで中国と臨んでいかれるのか、総理にお伺いしたいと存じます。
  123. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 昨年、日中関係は完全な正常な、完全に正常な軌道に戻ったところでございますが、六月の大阪G20サミットの際の日中首脳会談で、習近平国家主席との間で、日中新時代を切り開いていくとの決意を共有するとともに、日中双方の共通利益を拡大させつつ、長期的に安定した日中関係を構築することで一致をしたところでございます。  しかし、こうした関係を構築していくためには、両国とも共に努力をしていく必要があるわけであります。尖閣諸島周辺海域を含む東シナ海における一方的な現状変更の試みについては、引き続き冷静かつ毅然と対応してまいります。私自身、首脳会談において、東シナ海の安定なくして日中関係の真の改善はないとの認識に基づいて日本側の強い懸念を伝えたところでございます。そうしたことを率直に相手に伝えることがむしろ両国の関係の安定的な発展につながっていくと、こう考えているところでございます。日本としては、例えば領土、領海といった基本的な原則、安全保障上の原則については、日本側は譲ることはないということでございます。  日中両国は、アジアや世界の平和と繁栄に大きな、共に大きな責任を有しています。両国が地域や世界の課題に協力して取り組み、国際社会への貢献を共に進めることは、両国の新たな未来の姿を築くことにつながっていくと、こう考えるわけでございまして、安定的な良好な日中関係は、日中両国だけではなくて地域や世界の平和と安定にもつながっていくわけでございますし、両国の首脳はそういう認識を持ちつつ、その責任を果たしていく必要があるんだろうと、こう考えています。  来年の桜の咲く頃に習近平国家主席を国賓としてお迎えをし、首脳間の往来だけではなくて、経済交流、青少年交流などあらゆるレベルでの交流を拡大をし、日中関係を新たな段階へ押し上げ、日中新時代を切り開いていく決意でございます。
  124. 松川るい

    ○松川るい君 ありがとうございます。  まさに総理がおっしゃられたとおり、長期的な関係をつくる、そしてまた共通利益をつくっていくということが非常に大事であると思いますし、まさに米中関係に左右されない独自の日中間の生産的な関係、そしてまた、中国をして、やはり日本は向こうに回すんじゃなくて協力した方がいいのであるということをずっと認識させ続けるような外交をしていただきたい、そして、そのためには日本におけるやはり強い防衛ということも共通利益とともに必要だと思うところでございます。  また、独自の外交というのを、本当に、今日この後もお伺いしようと思いますけれども、日米貿易協定、TPP11、日EU・FTA、EPAも含めまして、独自の外交というのを展開していただくといったことが非常に大事であると思っております。  まさにその観点からですが、やはり日本が自由貿易であるとか法の支配、そういう日本にとって生きやすい、発展しやすいエコ環境というかエコシステムをやっぱり広げていくという外交が必要だと考えます。その観点から、日米貿易協定について茂木大臣にお伺いしたいと存じます。  大臣の誕生日は十月七日だと承知をしておりますが、ちょうどくしくもその米国時間八日におきまして日米貿易協定、デジタル協定が合意されたと存じます。この協定の意義について教えていただければ幸いです。
  125. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) 十月七日は、私の誕生日でもありますし、ロシアのプーチン大統領の誕生日でもありますが。  日米貿易協定、日米双方にとってウイン・ウインかつバランスの取れた協定になっていると考えております。  その上で、日本の農林水産品については全て過去の経済連携協定の範囲内でありまして、とりわけ、これまで貿易交渉ですと常に焦点になってきた、また農家の皆さんも御心配いただいた米、これについては、調製品も含めて関税削減の対象から完全に除外をいたしました。また、林産品、水産品、さらにはTPPワイド関税割当て対象の三十三品目など、全く譲許していない、こういう品目が多数あるわけであります。  そして、日本の自動車、自動車部品への二三二条、この追加関税を発動しないこと、これは安倍総理が明確にトランプ大統領に確認をいたしておりますし、また、USMCAや新KORUSに見られるような数量制限のような貿易管理的措置は求めない、このことも米国と明確に確認をしておりまして、自由貿易を推進する観点からも極めて有益であると考えております。  米国の自動車、自動車部品について更なる交渉によります関税撤廃、協定に明記をいたしましたが、この点、協定の構成から申し上げますと、協定の第五条の一で、各締約国、これは日本とアメリカになるわけでありますけど、は附属議定書Ⅰ、附属書、附属書Ⅱの規定に従って市場アクセスを改善するということがまず本文の中に書いてあるわけでありまして、この両締約国、この義務を規定した上で、米国の附属書におきまして自動車、自動車部品について関税の撤廃に関して更に交渉すると規定することによりまして、米国が第五条の一の規定に基づく市場アクセスの改善の仕方、これが附属書の方に書いてあって、これが関税撤廃ということになるわけでありますから、自動車、自動車部品につきましては、関税撤廃がなされることを前提に、その具体的な撤廃時期等につきまして今後交渉を行ってまいりたいと考えております。
  126. 松川るい

    ○松川るい君 ありがとうございます。  今本当に、自動車関税についてはTPPのときより取れなかったじゃないかという御批判がたまにあるんですけれども、私は……(発言する者あり)いやいや、本当に現実というのをもうちょっと見ていただいた方がいいと思うんですね。  外交というのは、流動化する情勢に対応して、その時々でやはり国益を最大化することであります。残念ながら、トランプ政権になってからTPPからは脱退したんです。そして、安全保障上の懸念があるといって通商法二百三十二条を発動して、各国が非常に大変な目に遭っております。韓国は鉄鋼の数量制限を受けましたし、メキシコは自動車です。各国ひどい目に遭っている中で、日本は非常にスピーディーに良いディールをしていただいたと私は評価しております。  それがなぜそうかというと、日本の自動車工業、それから日米の農産品の関係者の方たち、この方々が当事者なんです。当事者が評価していることが全てだと思います。更に言えば、日米貿易協定はTPPを念頭に置いて交渉がされましたので、米国がいつの日かTPP12として復帰してくる地ならしという、そういう役割も果たしていただけるのではないかと思います。  私は、安倍総理そして茂木大臣の卓越した外交能力、交渉能力により非常に良いタイミングで短期間に合意をまとめてくださったことを日本国民を代表して感謝したいと思います。ありがとうございます。(発言する者あり)
  127. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 御静粛に。
  128. 松川るい

    ○松川るい君 次に、朝鮮半島についてお伺いします。まず……(発言する者あり)
  129. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 御静粛に。  はい、どうぞ続けてください。
  130. 松川るい

    ○松川るい君 次に、朝鮮半島についてお伺いします。  まず、慰安婦財団の解散から旭日旗、そしてレーダー照射、極め付きが旧朝鮮半島出身労働者の判決、これに関する不作為という韓国からの一方的な反日行為の連続により、日韓関係は残念ながら破綻をしております。さらに、韓国のGSOMIA離脱によりまして、日韓関係を超えて、日米韓安保協力というか、米韓同盟そのものにも暗雲が見られるところであります。  韓国が将来どういう方向でどういう国になっていくかということも心配になってきます。米韓同盟や日米韓の連携の弱体化の状況を喜ぶのは中国とロシアぐらいじゃないかと思いますし、古来、朝鮮半島の南半分の敵対化を防ぐということが我が国の一貫した安全保障政策でございました。であればこそ、白村江の戦いから日清戦争、日露戦争、韓国併合に至るまで、こういうことがあったわけでございます。  韓国がやはり隣国であるという地理は変わりませんし、先ほどの我が党からの質疑でもありましたように、やはり人口減少をしていく日本の国力、これを無駄に割くべきではないという観点からも、私はこれ以上の日韓関係の悪化を防ぐことは必要だと思います。  次のターニングポイントとしては、やはり旧朝鮮半島出身労働者の判決の現金化がなされてしまうと、やはり日本としても実害が生じてしまったということで対抗措置をとらざるを得ないと思われますし、また、そうなりますと日韓関係は泥沼的に悪化してしまいます。できれば、この現金化がなされないようにする、又は、なされる前に何らかの解決策を見出していただきたいと思うところでございます。もちろん、これは日本だけの努力でできるものではむしろないということは重々承知の上で、そう申し上げております。  即位の礼には李洛淵首相もいらっしゃると承知しておりますが、総理として、今後、日韓関係についてどのように取り組んでいかれるのか、御見解をいただきたいと存じます。
  131. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 韓国は重要な隣国であり、北朝鮮問題を始め、日韓あるいは日米韓の連携が重要であると、こう認識をしております。  日韓関係の根本を成す日韓請求権協定の違反状態を放置するなど、信頼関係を損なう行為を続ける韓国に対し、まずは国際法に基づき国と国との約束を遵守することにより、日韓関係を健全な関係に戻していくきっかけをつくることを求めております。  同時に、我々は、対話は常に続けなければならないと、こう考えております。そういう機会について我々は閉ざす考えは全くないわけでございますが、今申し上げましたような、まずは国と国との関係を遵守することにより、日韓関係を健全な機会に戻していくきっかけをつくることを戻して、求めていきたいと、このように考えております。
  132. 松川るい

    ○松川るい君 ありがとうございます。  本当に、日本の筋は通しつつも、何とか、隣国でありますので、解決策を見出していただくように引き続きお願いしたいと存じます。  他方、一方で、世論戦についてちょっと御質問したいと思うんですけど、韓国は、我が国が行いました輸出管理の運用見直しに関しまして撤回をしてほしいというのが真の目的であれば、本来であれば輸出管理制度の人員体制の強化であるとか、通常兵器のキャッチオール規制の導入とか、まずやるべきことがあるんじゃないかなと思うわけでございますけれども、実際はそこには手を付けないで、世界中の無関係な場所に行って、福島の放射能汚染水の問題から旭日旗、まあいろんなことで対日批判の世論戦を広げていらっしゃります。仮にこれ、運用管理見直しの撤回が目的なんだったら、まさに逆効果であります。  まず、旭日旗についてお伺いしたいと存じます。  韓国の国会が、あろうことか東京オリパラに、オリンピック・パラリンピックに旭日旗持込みを禁止をするという国会決議を可決されたというニュースを見ました。他国の正式な旗にけちを付けるという決議を出すということは、まあ傲慢もいいところではないかと思うわけでございます。  まず、そもそもですが、旭日旗に関する韓国が繰り広げている世論戦、これに対しては日本政府としてはどのように対応されているのか、茂木大臣にお伺いいたします。
  133. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) 旭日旗のデザイン、これは日の出であったりとか朝日をイメージしたものでありまして、日本国内でも広く使用されているものであります。そして、松川委員お作りいただいた資料にもありますけれど、類似のデザイン、海外でもよく見るんですよ。お店に入ったっていろいろありますし、旗の掲示が政治的宣伝になるとは考えておりません。そして同時に、組織委員会も同じような見解であると、このように承知をいたしております。  こうした我が国の考え方、韓国含め国際社会に向けて累次の機会に説明してきておりまして、今後ともしっかり説明を続けていきたいと思っております。
  134. 松川るい

    ○松川るい君 ありがとうございます。(資料提示)  このパネルにある外務省ホームページ、よくできているんですね。ただ、クリックしないと開かないとか、英語版と日本語版はあるんですけど韓国語がないと。もう少し韓国の方にも分かるように韓国語版の作成とか、ちょっとビジュアルにぱっと見えるように、アクセスしやすいような、見やすいような形で提示をしていただくことに改善いただけないでしょうか。大臣にお伺いします。
  135. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) 今の御意見を受けまして、前向きに検討させていただきたいと思います。
  136. 松川るい

    ○松川るい君 ありがとうございます。  それでは次に、トリチウムについてお伺いします。  ちょっとパネルを見ていただきたいと思うんですけれど、これ誤解があって、第一原発から出たお水、これが貯水タンクに入れられて保存されているわけですけれども、これをそのまま出すとか地中に埋めるということを日本は言っているわけじゃなくて、もちろんこれを処理して、世界各国、このパネルを御覧いただいたら分かるように、皆さん、トリチウムだけは水と近いので放出するということは普通にやっているわけでありますけれども、それをやるかどうか、どういうやり方でやるかを委員会で検討していると存じます。  こうした日本の説明についてはしっかりやっていただいているのか、そしてまた理解を得られているのかについてお伺いいたします。
  137. 久島直人

    ○政府参考人(久島直人君) お答え申し上げます。  東京電力福島第一原子力発電所の廃炉・汚染水対策の状況につきましては、在京外交団向けの通報や説明会、国際会議での説明、関係省庁のホームページ等を通じまして、国際社会に対して透明性を持って丁寧に説明してきております。  御指摘の処理水、ALPS処理水につきましては、本年九月に、東京電力福島第一原発におけるALPS処理水の現状に係る英文広報資料を外務省ホームページ上に掲載するとともに、本年九月のIAEAの総会の機会を活用しましてIAEAの加盟国等に配付をいたしております。  日本政府としましては、本件資料を活用しまして、汚染水はALPS等を使ってトリチウム以外のほとんどの放射性物質を除去したALPS処理水として貯蔵している現状、特に混同されやすい汚染水とALPS処理水の違いにつきまして分かりやすく説明しております。  引き続き、国際社会に対しまして、科学的根拠に基づいた正確な情報を透明性を持って丁寧に説明してまいります。
  138. 松川るい

    ○松川るい君 ありがとうございます。  本当に、復興に今立ち向かっている福島の方々のお気持ちを思うと、こういうことは本当に許せないことでありまして、しっかりと引き続き頑張っていただきたいということを申し上げておきます。  そしてまた、続けて、対馬についてお伺いしたいと存じます。  対馬のちょっとパネルを御覧いただきたいと思うんですが、地理的場所を見ていただくと、東シナ海と日本海の結節点にありまして、北極海航路が活発化しますと、もう一つ北側にシーレーンができるという、そういう関係にございます。しかも、今、朝鮮半島情勢も大変厳しいということで、私は是非、河野防衛大臣に対馬を、観光客いなくなって困っていらっしゃるというお声も聞きますので、活用いただきたい。領土として守ると同時に、基地を拡大するなどして、地元の方が、経済という面でもしっかりと支えていけるような形で何らかの活用をお願いしたいと存じますが、いかがでしょうか。
  139. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) 対馬の戦略的な重要性は、その地図を見ていただければよく分かると思います。今、対馬には陸海空それぞれの部隊が配置をされているところでございます。今、自衛隊としては対馬のレーダーを高性能のものに切り替える、そのようなことを進めておりまして、対馬の体制をこれからどうするか、自衛隊全体の中でしっかり考えてまいりたいと思っております。
  140. 松川るい

    ○松川るい君 ありがとうございます。  河野防衛大臣、外務大臣時代に、沖縄における基地も、負債だというだけではなくて財産、英語を例えば教えてあげるとか、いろんなこと活用できるんじゃないかというクリエーティブなお考えを示しておられました。是非そのお考えを引き続きまた対馬の方にも応用いただいて、お考えいただきたいと存じます。  続きまして、少子化対策といいますか、男性の育児休業についてお伺いしたいと存じます。  少子化対策というだけでなくて、男性の育児休業というのは、今日本の男性、男性の、若い男性の社員は八割の方が取りたいと、そういう御希望をお持ちですけれども、この二十年の間、一・五%から六%に増えただけで、まあこれ順調に増えているというふうに、着実に増えていると厚生労働省はどこかの資料で記載されておりましたが、一言で言えばフラットでございます。  この理由は何かというと、取りにくい、男のくせに取るのかとか、仕事の在り方が属人化している、若しくは業務量が多い、いろんな課題があってこうなっているわけでございます。  これを克服するために、男性の育休を企業からプッシュ型で、これ御本人に強制するんじゃないんですよ、企業から、奥様が妊娠されたそうですね、出産御予定いつだそうですね、取ってくださいねと、プッシュ型で二週間、三週間、こういう育児休業、家族のスタートアップの期間を設けるということを育休法を改正してやっていただけないかなと私は考えております。  実は、そのための議連を立ち上げまして、今年の六月に安倍総理のところにも経過の報告をさせていただいたところでございます。ちょっとパネルをお願いします。実は、パネルを持っていただいている朝日健太郎議員もこの男性育休議連のメンバーでもございます。  まず、私は、子供が中心になる社会、そしてまた成熟した先進国として、男性も女性ももっと幸福濃度の高い社会を目指す上でも、男性が家事と育児、もっとシェアすることになれば、そのような社会に近づくというふうに思っております。  この点について加藤厚生労働大臣の御見解をお伺いします。
  141. 加藤勝信

    ○国務大臣(加藤勝信君) まさに家族と一緒といいますか、家族の時間という中で、もちろん育児、家事も入りますけれども、それを共有するということは、それぞれの皆さんにとっても幸せをまた増やしていくことにもつながるのだろうというふうにも思います。  そういった意味で、これまでも男性の育児休暇が取得し得るように様々な措置をとっているわけでありますけれども、ただ、今委員御指摘のような状況であり、更に細かく見ると、その六%の中でも五日未満というのが三割五分ぐらい、短期になってきていると。そういった意味で、これをどう増やしていくのかという観点から、委員からプッシュ型という御指摘もいただいているというふうに認識をしております。  確かに、職場で、今女性は八割を超える育児休業の取得になっていますが、男性はさすがにまだまだちょっと言い出しにくいよという、そんな声も聞くわけでありますから、そういった中で、プッシュ型というのも一つの方策なんではないかというふうに思いますが。他方で、雇用管理上どういう課題があるかと、課題もあるということも認識をしておりますけれども、いずれにしても、男性の育児休業の取得が更に進むよう、育児休業制度の改善点について、これ以外にも議連から御指摘もいただいております。そして、やはり究極は、やっぱり長時間労働の是正とか、その中で進めていく有給休暇の取得促進とか、働き方改革もしっかり進めながら取り得る環境をしっかりつくっていく、これに努力をしていきたいと思います。
  142. 松川るい

    ○松川るい君 ありがとうございます。  そうなんです。女性は、この表にあるように、日本の女性は男性の七倍ぐらい家事と育児に時間を使っています。一日二十四時間という、これが人間の究極の資源であります。これ、外国人も男性も女性も子供も大人も関係ないわけでありまして、七倍の時間使っていて、女性活躍も二人目を産んでくださいもないわけでありまして、私は、この家事と育児、一緒に夫婦でやれば、二人目、三人目、希望どおり産みたいという女性も増える、少子化対策にもなる、女性活躍にもなる、男性が子育てを共にする、そういう喜びを分かち合うこともできて幸福度のアップにもなる、もういいことずくめだと思っております。  どうか、私ども、これから必ずこの男性の育児休業をしっかりと進めていきたいと、提案していきたいと思っておりますので、応えていただきたい。  ただ、その点に関しまして、先ほど大臣からも御指摘ありましたように、大企業はいいけど中小企業はねとかですね、いろんな働き方に関わる部分もありまして、様々な工夫は必要だと思っております。ところが、余り知られていないんですが、日本の男性の育児休業促進策というのは、なかなか知られていないけれどもすごいものがあります。是非この点、どういう制度があるのか教えていただきたいと思いますが。
  143. 藤澤勝博

    ○政府参考人(藤澤勝博君) お答え申し上げます。  男性の育児休業の取得を促進するために、事業主に対します支援措置といたしまして、両立支援等助成金の中に出生時両立支援コースというのがございます。男性の労働者が育児休業を取得しやすい職場風土づくりに取り組んでいただいて、男性労働者に育児休業を取得させた事業主に対して助成金を支給をしてございます。  これ、お一人目の育児休業の取得者が生じた場合には、中小企業の場合五十七万円、また、生産性要件を満たした場合には七十二万円を支給いたしますし、二人目以降の取得者が生じた場合には取得期間に応じた額を支給をしてございます。中小企業につきましては、大企業に比べまして助成額を上げるとともに支給要件を緩和するなど、手厚い支援策としているところでございます。  また、令和二年度の概算要求におきまして、本助成金を拡充をし、育児休業の取得に向けて個々の労働者に対して具体的な調整を実施をした場合の上乗せ助成も要求内容に盛り込んでいるところでございます。  引き続き、本助成金の支給等を通じまして、男性の育児休業の取得促進に努めていきたいと考えております。
  144. 松川るい

    ○松川るい君 ありがとうございます。  そうなんです。もう本当に思った以上に手厚くて、二週間育児休業を取らせてあげたら七十二万円、中小企業によってはもらえるということでありまして、私が経営者だったらもう即に応募しようかなというふうに思ったりもしたりするところでございます。  また、出生率一・四でありますので、せいぜい、どんな企業であっても、当該男性社員が育児休業を取得する機会というのはせいぜい一回か二回しかありません。骨折しても一週間は休むわけですから、少し具体的な点で、支援も含めつつ考えていきたいと思うところでございます。  実は私、前、前じゃない、元ですかね、森まさこ女性活躍担当大臣とフィンランドに行ってまいりました。これはいろんな政策について研究するために行ってきたんですが、フィンランドでは、実は大臣であっても国会議員であっても、これ男性女性関係なく育児休業を取得します。それはなぜかというと、育児休業は雇用者の権利ではなくて国民の権利だということだからでございました。今、ちょうど、サーリッコ文科大臣、女性であられまして、育休中であって、その間は、日本と違って副大臣がいないのでコソネン代理大臣が来られると、こういうシステムだそうでございます。  やっぱり、今見回しましても、小泉大臣も来年お子様御誕生という予定と承知しておりますし、育休という言葉を使うかどうかは別にして、私は、大臣であろうと国会議員であろうと、お子様生まれたら、その最初の二週間でも一定期間でも三日でも、何らかの時間、一日でも半日でも育児を、子供が生まれたら育児を奥様と一緒にやるのである、家事をやるのであるという姿を見せていただきたいと存じます。その姿を見てどれぐらい、大臣だって赤ちゃんが生まれたら一緒に育児するんだと、勇気をもらう方がいるかしれないと私は思います。所掌が違うのでお伺いは別にいたしませんが、そのように思うということをお伝えしたいと思います。  総理、私は、日本の幸福度を上げる上で、男性の育休というのはカジメン、イクメン研修みたいなものだと思うんですけど、子供が生まれたら夫婦一緒に育児と家事をする、そういう文化に、カルチャーに変えていきたいと存じます。女性活躍、リーダーシップ取られた総理からも、是非この点についてのリーダーシップも期待したいと思いますが、見解いかがでしょうか。
  145. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政策面、制度面において相当様々な政策を打ってきたということはただいま答弁をさせていただいたとおりでございますが、しかし、それでもなお男性の育休取得が進まないかということについては、これは委員が、松川委員が指摘されたような問題があるのは事実だろうと思っています。  男性が育児、家事を分担し、子育てしやすい家庭環境を実現することは重要な課題であり、男性の育児休業の取得はそのための重要な施策であると考えています。こうした点で、松川委員が事務局長を務めておられます男性の育休「義務化」を目指す議員連盟からは、本年六月に、企業がプッシュ型で育児休業を与える制度の創設など、男性の育児休業取得を強力に促進していくための貴重な御提言をいただきました。  男性が育児休業の取得をためらう理由として、職場の雰囲気を挙げる方が多くなっています。男性であっても育児休業の取得を希望する方が気兼ねなく休業できるよう、いただいた御提言も踏まえまして、職場環境の改善や制度的な対応も含め、政府として男性の育児休業取得を一層強力に推進してまいりたいと、このように考えております。
  146. 松川るい

    ○松川るい君 ありがとうございます。  出生率を上げるのに成功したのはフランスとスウェーデンと言われております。フィンランドもですけれども。やっぱり、子供が、さっき松山議員からの質疑にもありましたけど、ベビーカーを押していて電車の中で舌打ちをされるような社会では子供は増えないと思います。ですので、是非、いろんな幸福度の高い社会をつくる上でも、この男性育児休業の義務化、小さなことだと思わずに応援いただければ有り難く存じます。  次に、私が愛する地元大阪から久しぶりに入閣していただきました竹本大臣にお伺いしたいと存じます。(発言する者あり)はい、大丈夫です。  大阪・関西万博、いや、実はですね、竹本大臣、もう本当に大阪・関西万博、まだ皆さんが全く、経済界、大阪の経済界も含めて関心のない時代から取り組んで、必要なんだといって取り組んでいただいておりました。大阪・関西万博は東京オリパラ後の日本の経済を牽引する大きな目標になっておりますし、今大臣はクールジャパンの担当ということでありますので……(発言する者あり)やばくありません、すごく分かりやすかった。  今回、大阪・関西万博をクールジャパンの中に位置付けて何か考えていただきたいんですが、いかがでしょうか。
  147. 竹本直一

    ○国務大臣(竹本直一君) 大阪万博は、先生にも大変御協力、お手伝いしていただきまして、何といっても安倍総理の強力なリーダーシップのおかげで取れたことは間違いないんですが、党としても、二階幹事長を本部長にして組織をつくってあらゆる努力をいたしました。自治体の皆様と一生懸命やっていただきましたし、経済界もそうでございました。  その結果取ったこの大阪万博ですが、二〇二五年でございます。立派な中身にしなければいけません。そう考えたときに、私が、今言っていただいたクールジャパン戦略、これが大阪万博と非常に似通ったというか、非常に共鳴する思想ではないかというふうに思うわけであります。  クールジャパンは、日本の今外国人訪問客が四千万ぐらいですよね、どんどん増えていきます。日本という国に初めて来て、ああ、こんなすばらしいことがあったんだと驚きを持って帰って、またリピートする人が結構多いわけです。我々が気が付かないけれども、我々の社会が持っているこの魅力というのをもっともっと海外にPRしていきたい。  それは、ちょうど大阪万博だって、まあ考えてみれば半世紀前の大阪万博は、オリンピックと合わさって、あれを契機に高度成長に入りました。今度の二〇二五年の大阪万博は、来年のオリンピックと併せて、時代の変革を告げるスタートになるのではないかと考えております。  そういう意味で、是非、魅力のある日本を世界にアピールする絶好のチャンスだと思っておりまして、あらゆる知恵を絞らなきゃいけないというふうに思っております。  そういうことでございますので、是非、この世界の注目を浴びるこの大阪万博に日本の魅力を、こんなこともあるんですということをしっかり示せるような万博にしてみたいし、そういうためのいろいろな工夫をこれは凝らすのが私の仕事かなと思っておる次第であります。
  148. 松川るい

    ○松川るい君 竹本大臣、ありがとうございます。是非御活躍いただきまして、大阪・関西万博がクールジャパン戦略の中でも大きく位置付けられるように御工夫をいただければ有り難く存じます。  それでは、続きまして、ちょっとスライドを、先生方も次のページを見ていただきたいと思うんですけれども、子供の安全ということでございます。  実は、いろんな子供をめぐる事件というのが、虐待もありますし、いろんなことが起きていますけれども、一つ私が心配、何とかならないかなと思っているのが、子供の行方が分からなくなるような事態がなくなるようにするということでございます。  この前の山梨の山中、キャンプに行かれて、本当に二十分目を離した隙にいなくなってしまった美咲ちゃん、いまだに見付かりません。私も、子供のいる身として、あれは本当に親御さんはどういう気持ちかと思うとたまらないわけであります。警察も消防も自衛隊も、あれだけ捜しても分からなかった。そもそも、連れ去られたのか、それとも山中にいたのかも分からない。  今、共働き世帯が本当に増えております。そうすると、お母さんが迎えに行くとか始終見ておくということがもうできないわけです。ニューヨーク・タイムズが、一昔前は、確かに一面に、日本の小学生は地下鉄も一人でランドセルしょったちっちゃな子が行くぐらい安全だ、こんな記事を出していました。でも、本当にもうそういう社会なのかなと私は思います。ですから、これは技術的に解決をするということを考えるべきではないかと思うんです。  考えたのは、やっぱり子供に携帯持たせても、離しちゃったら意味がないんです。GPSのリストバンドみたいな、若しくは首に下げちゃうとか、身に着けられるもので、親が常にスマホとかいろんな機器で居場所が分かる、そういうものあったらいいのになと思ったわけです。  あったらいいから開発してくださいってツイッターで出したら、いや、もうありますというお答えがたくさん返ってきました。でも、私、子供二人おりますけど知らなかったんですよ、知らなかったんです。もしかしたら、これ、通話もできるんで学校が駄目ということかもしれません。ただ、普通の親御さんも知らないと思います。でもこれ、月四百八十円のサービスから、三千円の機器から、リーズナブルにたくさんあるんです。  私は、今日、こういうものを国家公安委員長から、あれ、五十四分でございますね、これを是非子供の安全の観点から広めていただくようにお願いをしたいと存じます。
  149. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 要望で終わりですね。
  150. 松川るい

    ○松川るい君 じゃ、これはもう要望ということで。  それから、お母様方、お父様方、こんなのありますので是非御検討ください。私も一つ購入しようと思っています。
  151. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 以上で松川るいさんの質疑を終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  152. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 次に、山本博司君の質疑を行います。山本博司君。
  153. 山本博司

    ○山本博司君 公明党の山本博司でございます。  この度の台風十九号におきましてお亡くなりになられた方々の御冥福を心よりお悔やみ申し上げますとともに、被災されました全ての皆様にお見舞いを申し上げる次第でございます。政府におかれましては、一日も早い復旧復興に全力で取り組んでいただきますよう、よろしくお願いを申し上げる次第でございます。  災害関連に関しましては、この後、同僚の平木委員から質問をいたしますので、私は最初に消費税導入に関しまして質問を申し上げたいと思います。  十月一日から、消費税率、一〇%に上がりました。軽減税率の導入やキャッシュレス決済のポイント還元、こうした対策も始まった次第でございます。  公明党の山口代表は豊島区の商店街に、また、斉藤幹事長は地元の広島に、私も四国や目黒の商店街に、買物をしながらその実情を聞かさせていただきました。  私の回ったところでは混乱は余りなかった形でございまして、冷静に受け止めておられました。また、経営者の方は、十月から入ってお客様が減るんじゃないかと、こう心配していたけれども案外そうではなかったと、こういう安堵の声も聞いたわけでございます。  これから二週間たったわけでございますけれども、まず総理に、この消費税に関しましての、どう受け止められるのか、認識をお伺いをしたいと思います。
  154. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の消費税率の引上げに当たっては、教育の無償化や軽減税率に加えまして、思い切ったポイント還元、プレミアム付き商品券や自動車や住宅に対する大胆な減税など十二分な対策を講じています。こうした取組もあり、現時点で把握できる限りにおいて、現時点でございますが、把握できる限りにおいて、全体として二〇一四年のような大きな駆け込み需要は見られていません。もちろん、これらの対策が円滑に実施されているかについては引き続き注視していく必要があると考えています。  軽減税率については、関係省庁が連携して、事業者団体等を通じた情報収集や周知、広報を徹底し、制度の円滑な実施、定着に万全を期してまいりたいと思います。また、ポイント還元については、現在の参加店舗数は五十二万店でありまして、申請店舗数は八十五万店を超えておりまして、一日に一万店ペースで申請が増加をしています。より多くの中小店舗に参加いただけるよう、決済事業者による審査体制の強化、制度の更なる周知にしっかりと取り組んでまいりたいと思います。  今後とも、引上げによる影響に十分に目配りをしていくとともに、各種制度が円滑に実施されるよう、政府一丸となって対応することで、経済の大宗を占める国内消費をしっかりと下支えをして、経済の好循環を確保していきたいと考えています。
  155. 山本博司

    ○山本博司君 ちょうど五年半前に五%から八%に引き上げた際には、増税前に大規模な駆け込み需要が生じたわけでございます。その分増税後の反動減が大きくなって、個人消費の低迷が長引いたということがございました。  しかし、今回は様々な対策の効果もあって、今お話ございましたとおり、反動減に対する懸念は前回よりも小さいのではないかと、こう考えますけれども、政府として、この駆け込み需要の影響、どのように見ているのか、担当大臣にお答えいただきたいと思います。
  156. 西村康稔

    ○国務大臣(西村康稔君) お答え申し上げます。  山本議員御指摘のとおり、今回は前回ほどの大きな駆け込み需要はなく、その後も基本的には落ち着いているというのが基本的な考えなんですが、消費税引上げ後の動向についてはまだ十分なデータの蓄積もありませんし、日次、週次データでは対象範囲も限られていますので、もう少しきめ細かく見ていかなきゃいけないと思います。  あわせて、先日の台風十九号の影響で、直前の金曜日だったと思いますが、買いだめで相当需要が伸びております。その後の品薄の状況なんかもありますので、こういった状況をしっかり見ていかなきゃいけないと思っております。  いずれにしましても、全体の動向を細かく見ながら、全体としては前回ほどの落ち込みはないと思っておりますけれども、この台風の影響を含めてしっかりと見てまいりたいと思っております。
  157. 山本博司

    ○山本博司君 この引上げに合わせまして、影響緩和策として、十月より様々な経済・景気対策が一気に動き出しております。  その一つが、我が党が強く主張しました、比較的高額な耐久消費財、景気、経済への影響が大きい自動車や住宅の購入を支援するための自動車税や住宅ローンの減税措置、さらには、すまい給付金や次世代の住宅ポイント制度、こういう制度がございますけれども、こうした支援策を活用していただくためにも積極的な周知、これが必要であるかと思いますけれども、取組状況に関しまして、経産大臣、国交大臣から御報告をいただきたいと思います。
  158. 菅原一秀

    ○国務大臣(菅原一秀君) 今、山本先生からお話ございましたとおり、消費税の引上げによって、例えば自動車、この購入に関しましての負担の軽減ということを進めてまいりました。  税制改正によって、平成三十一年度の改正によりまして、この十月から自動車の保有に係る税金につきまして、昭和二十五年の制度創設以来初めてとなります、全ての排気量について自動車税の恒久減税を実現をしたところでございます。特に、登録車の販売台数の九割を占める二千㏄以下のコンパクトカーにつきましては、今回の減税措置の結果、毎年一〇%から一五%の負担軽減となることが予測をされております。  加えまして、取得に係る税金につきましても、自動車取得税の廃止等とともに、消費税率引上げから一年間だけでありますが、取得時の税負担を時限的に更に一%軽減することとなってございます。  こうした政策効果もございまして、増税前の自動車の販売台数につきましては、前回五から八に上がったときよりも駆け込みの見られなかった、こういう経過がございます。
  159. 赤羽一嘉

    ○国務大臣(赤羽一嘉君) 住宅に関しまして、消費税率の引上げに対する対策として、今御指摘のございましたように、住宅ローン減税の延長ですとかすまい給付金の拡充、また、新しく次世代住宅のポイント制度の創設といったものを措置したわけでございますが、これは、昨年の税制改正大綱、予算案の閣議決定以降、そして、住宅はちょっと特殊でございまして、十月一日ではなくて本年の三月三十一日までにこの周知徹底を図るという必要がございまして、大変な状況でございましたが、精いっぱいの広報用チラシの作成、配布、また各地での説明会、中でも業界団体への制度の活用について働きかけをしてまいりました。  ハウスメーカーの営業の方々にとりましては、目の前に成約せずに十月一日以降に成約するといったことで、まあ、ちょっとハードルも高いんではないかと、こういうふうに思いましたが、大変な協力をいただいて、現在ですけど、大手ハウスメーカー九社に様々な照会をしておりますが、前回ほどの駆け込みは起きていないというふうに認識をしております。  なお、十月以降も消費を喚起する、下支えをしていくということでございますので、引き続き、ラジオのCM、動画広告、新聞広告等々、多様なメディアを使ってしっかりと周知徹底に努めていきたいと、こう考えております。
  160. 山本博司

    ○山本博司君 もう時間が来ておりますので、この後の質問にしていきたいと思います。
  161. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。  午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時五十三分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  162. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) ただいまから予算委員会を再開いたします。  予算の執行状況に関する調査を議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。山本博司君。
  163. 山本博司

    ○山本博司君 公明党の山本博司でございます。午前中に引き続き、消費税関連に関しまして質問を申し上げたいと思います。  先ほども各大臣から景気対策のお話ございました。こうした各種景気対策を講じておりますけれども、もし景気が失速するおそれがあれば、適切な財政金融政策を果断に講じて景気の腰折れを防ぐ必要があると思います。この補正予算の編成も含めて柔軟な経済運営が必要な場合があるかもしれません。  今後の更なる経済対策の必要性、総理はどのように認識をされていらっしゃるでしょうか。
  164. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の消費税の引上げに当たっては、先ほども申し上げましたように十二分な対策を講じてきたところでございますが、まずはこれらの対策が円滑かつ着実に実施されるよう、政府一丸となって対応していきたいと思っております。そのことによって経済の大宗を占める国内消費をしっかりと下支えをして、景気の回復基調を確かなものとしたいと、こう思っております。  その上で、米中間の貿易摩擦や英国のEUからの離脱など、不透明さを増す世界経済の先行きをしっかりと注視をし、下振れリスクが顕在化する場合にはちゅうちょすることなく機動的かつ万全の対策を講じ、経済の成長軌道を確かなものとしてまいりたいと、このように考えております。
  165. 山本博司

    ○山本博司君 しっかりとお願いを申し上げたいと思います。  次に、社会保障の具体的な内容ということで伺いたいと思います。  今回の引上げによりまして、年金や医療や介護や子育て支援という、この社会保障制度の維持、充実が図られたわけでございまして、この全世代型社会保障の実現に向けまして、安定的な財源、これを確保して新たなスタートが切ったわけでございます。  さらに、団塊の全ての世代の方が七十五歳を迎える二〇二五年というとき、また、さらには、六十歳以上の高齢者人口がピークを迎える二〇四〇年、このときを見据えまして、国民の安心と社会の安定のためには、この全世代型社会保障の構築というのは必要があると思います。  この全世代型社会保障の目指すものは一体何なのか、総理にお聞きをしたいと思います。
  166. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 最大の挑戦である急速な少子高齢化に真正面から取り組むため、全世代型社会保障への改革は安倍内閣の最重要課題であります。これまでの社会保障システムの改善にとどまることなく、システム自体の改革を進めることで、子供からお年寄りまで全ての世代が安心できる社会保障制度を構築していきたいと思います。  その大きな第一歩として、消費税の使い道を見直し、十月の一日から、三歳から五歳まで全ての子供たちの幼児教育、保育の無償化を行いました。そして、来年からは、真に必要な子供たちの高等教育の無償化を行うこととしておりますが、同時に、元気で意欲あふれる高齢者の皆さんが、年齢に関わりなく、年齢にかかわらず働くことができる環境の整備や、いつまでも健康でいられるよう、予防にも重点を置いた医療や介護の充実を進めていく考えであります。  その上で、今般検討を開始した全世代型社会保障検討会議においては、人生百年時代を見据えて、年金、医療、介護、労働など、社会保障全般にわたる持続可能な改革を更に検討してまいります。こうした改革を果断に進めることで、令和の時代にふさわしい、誰もが安心できる社会保障制度を大胆に構想して、構想していく考えであります。
  167. 山本博司

    ○山本博司君 ありがとうございます。  今総理がお話しされましたように、この全世代型社会保障を考える上では、人生百年と言われる中におきまして、多様な生き方、これを尊重することでございます。  内閣府の調査によりますと、六十歳以上の八割近くが六十五歳以降も働きたいと、こう答えておりますけれども、一方、総務省の調査では、実際に六十五歳を超えて仕事を続ける人は約二割にとどまっているということでございます。人生の選択肢を広げる手だてが重要でございまして、一人一人が輝き、将来にわたって夢と希望が持ち続けられる社会を構築していくことが求められているわけでございます。  高齢者の就労や在職老齢年金の在り方など、今後議論が進められると思いますけれども、こうした高齢者が多様な働き方を選択できる環境整備について今後どのように進めていくのか、厚労大臣の見解を伺います。
  168. 加藤勝信

    ○国務大臣(加藤勝信君) 少子高齢化が、特に高齢化が進む中で、高齢者の方々がまず健康でいていただく、そしてその中で就労したいという思いを持っておられる方も増えている、まあ増えているというか高い割合を示しているわけでありますから、そうした方々の思いが実現をしていくという意味においても、また我が国のそうした少子高齢化、人口減少社会の中において我が国の経済の活力を維持していくためにも支え手を増やしていく、まさに働く意欲のある高齢者の方が年齢に関わりなく活躍できる社会を実現することは非常に重要だと思っております。  現状でも、高年齢者雇用安定法によって六十五歳までの定年延長、定年廃止、あるいは雇用継続という形で雇用の確保を義務付けるとともに、高齢者雇用に積極的な企業への支援等を行っているところであります。  具体的には、六十五歳を超えた継続雇用延長や定年延長を行う企業に対する支援とかハローワーク等における再就職支援、あるいはシルバー人材センター事業の推進、リカレント教育拡充策の推進、あるいは高齢者の場合に今労働災害が増えていますから、それに対する防止についてのガイドライン、これは今策定をしているところでございますが、こういった施策を通じるとともに、さらに、本年六月に閣議決定された成長戦略実行計画を踏まえて、今は六十五歳を中心にお話をしましたが、七十歳までの就業機会の確保に関してこれから具体的な検討を進めるところでありまして、今後とも、高齢者が多様な働き方を選択できる環境整備を進めさせていただきたいというふうに思いますし、あわせて、年金制度についても、繰下げであったり、あるいは在宅老齢とか、そうした高齢者の就労に合わせた制度の変更ということも考えていく必要があるというふうに思います。
  169. 山本博司

    ○山本博司君 この検討会議におきましては、ライフスタイルが多様とする中でも、誰もが安心できる社会保障制度に関わる検討、これが行われるということでございますけれども、高齢者や女性の多様な就労や社会参加、この促進を検討するのであれば、是非とも、障害者の方々の就労や社会参加、これも議論の対象としていただきたいと提案したいわけですけれども、西村担当大臣、いかがでしょうか。
  170. 西村康稔

    ○国務大臣(西村康稔君) お答え申し上げます。  全世代型社会保障検討会議では、山本議員御指摘のとおり、人生百年時代を見据えて、高齢者の方の就業機会の確保など、幅広く年金、医療、介護等、社会保障全般にわたる改革を進めていくということにしております。その方針の下、先日、第一回の検討会議を開催をいたしまして、現在、その際、民間の方々、議員からの御意見いただきましたので、それを整理をいたしているところでございます。  今後、更なる御意見、あるいは与党の御意見等も踏まえつつ、会議を開きながら具体的な検討項目を固めていきたいというふうに考えております。  委員御指摘の、障害のある方も含めて誰もが能力を存分に発揮できるそういう社会、いわゆる一億総活躍社会をつくり上げるためにも大変大事な御指摘だというふうに考えております。  骨太方針二〇一九の中でも、障害者雇用ゼロ企業を始めとする中小企業による雇用の促進や多様な障害特性に応じた職場定着支援の推進、地域における障害者就労支援の推進等を図るとされているところであります。  障害のある方の就労機会の拡大を進めていきたいというふうに考えております。
  171. 山本博司

    ○山本博司君 是非とも、障害者の就労や社会参加ということも議論として前向きに検討いただきたいと思います。  次に、教育無償化に関して伺います。  我が党の長年の主張が結実いたしまして、この幼児教育、保育の無償化がこの十月一日から全国で始まっております。この無償化は、少子化の打開に向けまして、戦後、小学校、中学校九年間の普通教育、これが無償化されて以来、実に七十年ぶりの大改革ということでございまして、対象となる子供たちは約三百万人に上ります。この無償化に伴いまして、単なる負担軽減だけではなくて、質の充実につながる創意工夫、これが期待をされるところでございます。  恒久的な制度改正が着実に定着できますように更なる周知が必要であると思いますけれども、政府の取組、御報告いただきたいと思います。
  172. 衛藤晟一

    ○国務大臣(衛藤晟一君) まさにこの改革は七十年ぶりの大改革でありまして、非常に少子化にとりましても、そしてまた、先ほどからお話ございましたように、教育の充実にとりましても、幼児教育の充実にとりましても極めて大きな意義を持つものであるというふうに思っておりますので、私どももこれを着実に進められるように取り組んでまいりたいと思っています。  まずは、我々、今、着実に進めるために、テレビCMの放送とか、あるいはコールセンターの設置とか、ポスターの作成など、国民の皆様方に周知徹底を図っているところでございます。  そしてさらに、ただこうなりましたという結果だけじゃなくて、今先生からもお話ございましたように、この意義についても十分徹底できるように頑張ってまいりたいというふうに思っております。  どうぞよろしくお願いいたします。
  173. 山本博司

    ○山本博司君 この幼児教育と保育の無償化に関しまして、全国の多くの幼稚園又は認可外保育施設で利用料の値上げを決めたと、こういう報道等もございました。この点は山口代表が代表質問でも取り上げましたけれども、値上げによって、職員の処遇改善とか増税への対応に活用されて質の向上に資するのであればいいわけですけれども、補助金を多く得ようとするような、こうした便乗値上げが含まれていれば、これは大変ゆゆしき問題があると言えます。  政府によるこれは実態の把握をしっかり進めていただくとともに、質の向上を伴わない値上げをしないような注意喚起、これが必要であると思いますけれども、担当大臣、いかがでしょうか。
  174. 衛藤晟一

    ○国務大臣(衛藤晟一君) いわゆる便乗値上げと言われるものが起こっているという報告が徐々に入っているところでございまして、これは、この本来の幼児教育の重要性、そして少子化対策という趣旨から考えると、全く言語道断だと思っております。  これは、質の向上なくしてこういうような便乗値上げが行われるということに対しては、私ども、関係団体とも、関係省庁とも連携を取って、県を始めいろいろなところと、このことについてちゃんと起こらないようにという働きかけをやっているところでございます。さらに、都道府県等を通じてこの情報について共有をしてまいりたいという具合に思っております。  引き続き、質の向上が図られますように、自治体や関係団体と連携しながら、この円滑なスタートについて頑張ってまいりたいというように思っております。  ずっと御党は今までこのことを主導してきたわけでございますから、とにかくこの趣旨をよく各園にも理解をしてもらうということを続けてまいりたいと思っております。
  175. 山本博司

    ○山本博司君 是非ともよろしくお願い申し上げたいと思います。これは文科大臣、また厚労大臣も担当でございますので、しっかりとお願いを申し上げたいと思います。  次に、ハンセン病の元患者家族に対する新たな救済措置について伺います。  元患者家族への賠償を国に求めました熊本地裁判決に対しまして、政府は七月十二日、控訴を断念いたしました。ハンセン病に対する厳しい差別と偏見は、患者、元患者のみならず、その家族の方々に対しても深刻な影響を与えております。今こそ家族の皆様の声をしっかり受け止め、新たな補償措置を迅速に講ずる必要がございます。  私は、各党の代表から成るワーキングチームのメンバーとしましても立法措置も含めて議論をし、国会議員として責任を果たしてまいりたいと決意をしております。  本年六月に、私の地元であります香川県高松市の瀬戸内海に浮かぶ大島、国立ハンセン病療養所大島青松園に資料館がオープンしました。外界から隔絶された隔離政策を象徴する島で患者がどう生きてきたか伝える貴重な資料が展示されております。今、瀬戸内国際芸術祭の秋会期で、大島も会場でございまして、一万人近い方がいらっしゃるわけでございます。  東京には国立の資料館もございますけれども、こうした施設の運営を通じて啓発活動を更に進め、ハンセン病に対する差別と偏見の歴史に終止符を打つための施策を政府挙げて取り組んでいただきたいと思いますが、総理の見解を伺います。
  176. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) かつて取られた施設入所施策の下で、患者、元患者の御家族の皆様に対しても極めて厳しい偏見、差別が存在したことは厳然たる事実であります。そのことを素直に認め、訴訟への参加、不参加を問わず、新たに、新たな補償の措置を早急に実施するとともに、差別、偏見の根絶に向けて政府一丸となって全力を尽くす所存でございます。  政府としては、これまで国立ハンセン病資料館の充実を図るなど、偏見、差別の解消に向けて取り組んできましたが、関係省庁が更に連携協力をして普及啓発活動の強化に取り組むこととし、元患者やその御家族の皆様との協議を行っているところであります。  引き続き、こうした皆様の御意見をしっかりと伺いながら、偏見、差別の根絶に向けて政府一丸となって全力で取り組んでまいります。
  177. 山本博司

    ○山本博司君 是非ともお願い申し上げたいと思います。また、厚労大臣にも、医師や看護師を含めた様々な体制の充実もよろしくお願いを申し上げたいと思います。  次に、社会保障の課題に関連しまして、一億総活躍社会の構築に向けて伺います。  安倍総理は所信表明演説の中で、多様性を認め合い、全ての人がその個性を生かすことができる、そうした社会をつくると、一億総活躍社会の構築を呼びかけられました。大変重要な視点であると思います。  そこで、まず、就職氷河期の世代への支援について伺います。  三十代半ばから四十代半ばの年齢で、パートタイムなどで働く人は少なくとも約三百七十一万人いらっしゃいます。この就職氷河期と言われる世代の方々、不安定な生活を余儀なくされている現状、これは早急に改善をされなければならないと思います。  我が党が提言の中で強く主張しておりますけれども、一人一人の抱えている課題に、ともかく適性に応じてオーダーメード型のきめ細やかな支援が必要でございます。この就職氷河期世代への支援、どのように進めるのか、稲津厚労副大臣にお聞きします。
  178. 稲津久

    ○副大臣(稲津久君) お答えいたします。  雇用環境が厳しい時期に就職活動を行った就職氷河期世代の方々への対応は、我が国の将来に関わる重要な課題でございます。  先般定めた政府の三年間の集中プログラムや厚生労働省の支援プラン、これらに基づきまして、ハローワークにおける専門窓口の設置、また専門担当者のチーム制による伴走型の支援などによりまして、この世代の正規雇用者について三年間で三十万人の増加を目指してまいります。  また、長期にわたり無業の状態にある方々には、地域若者サポートステーションの対象年齢を四十九歳まで拡大をいたしまして、一人一人の抱える課題の複雑性、困難性、こうしたことに対応したきめ細やかな相談支援や職場体験の実施等を通じて職業的自立に努めますとともに、社会参加への支援が特に必要な方々におかれましては、多様な社会参加が可能となるよう丁寧に時間を掛けた支援に取り組んでいくことが重要であります。  したがいまして、生活困窮者自立支援制度における自立相談支援機関のアウトリーチ機能を強化するなどして、息長く寄り添った支援を行ってまいります。  加えて、こうした支援の実効性を高めるためにも、経済団体、業界団体の参画もいただきまして、各界一体となって就職氷河期世代の活躍促進を図る都道府県レベルのプラットフォームを構築をいたしまして、管内の市町村とも連携しながら社会機運の醸成等を図ってまいります。
  179. 山本博司

    ○山本博司君 ありがとうございます。しっかりとした形での支援をお願いを申し上げたいと思います。  この就職氷河期世代に関連しまして、中高年の引きこもりと八〇五〇問題に関してお聞きをしたいと思います。  二年前の決算委員会で、当時の加藤内閣担当大臣に、四十歳以上の引きこもりの実態調査をすべきであるという質問をさせていただきました。大臣は約束をいただき、翌年予算が付き、本年三月に、四十歳から六十四歳の引きこもり状態にある方が全国で六十一万三千人に上るとの調査結果が公表されたわけでございます。  長期化、高齢化が大きな課題でございます。五十代の子供の面倒を見る、八十代の親が見る、この八〇五〇問題も指摘をされております。当事者や家族の苦悩は想像を超えるものがございます。  週末、札幌におきまして、KHJ全国ひきこもり家族会連合会の全国大会にも出席してまいりましたけれども、引きこもる本人だけでなく、世帯単位で支援をするという視点が重要でございます。  公明党は、こうした雇用、就労、医療、福祉、教育、こうした各種政策の連携とともに、自宅を訪ねるアウトリーチ型支援であるとか居場所であるとか、そういう提言も含めてまとめておりますけれども、こうした引きこもりの八〇五〇問題への対策、政府を挙げてしっかり取り組んでいただきたいと思いますが、加藤大臣の認識を伺います。
  180. 加藤勝信

    ○国務大臣(加藤勝信君) 確かに、山本委員から御指摘をいただいて、四十代以上に対して調査を実施し、翌年実施がされた結果として、今御指摘がありますように、六十一・三万人という推計、また、そのうち半分が七年以上の長期にわたって引きこもっていると、長期化という、そうした実態も明らかになったわけでありまして、そうした中高年の引きこもり状態にある方や、今御指摘があった八〇五〇世帯への支援、これ、喫緊に対応すべきと認識をしておりますし、また、御党から、令和時代の人財プランということで具体的な御指摘もいただいております。  やはり大事なことは、今それぞれの個人あるいは家族に対して丁寧に寄り添って、そして社会参加がいただけるような支援を進めていくということでありまして、これまでも、ひきこもり地域支援センター、あるいは生活困窮者自立支援センターの自立相談支援機関でいろんな対応をし、先ほど、一部氷河期世代に関しては、稲津副大臣からも御答弁をさせていただきました。  加えて、居場所づくりなど社会参加を充実をしていく。それから、今御指摘がありましたように、やっぱり八〇五〇世帯ということになると複合的な課題を抱えておりますから、医療、福祉、教育、多方面の関係者が一緒になって協力、連携をしながら対応していくという、まさに包括的な支援、それの推進。そうしたことによって、そうした世代あるいは引きこもり問題に対する取組の強化をしっかり図らせていただきたいというふうに思います。
  181. 山本博司

    ○山本博司君 ありがとうございます。  やはり、社会的孤立の方々を地域で支え合うという共生社会の実現が大事でございますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。  続きまして、電話リレーサービスについて伺いたいと思います。こちらのパネルを御覧いただきたいと思います。(資料提示)  耳が聞こえない、聞こえにくい方は、音声で会話する電話機が使えないケースがございます。そこで、聴覚障害者の発信する手話や文字を通訳が音声で聴者に伝えることで即時双方向につなぐことができる画期的な仕組みが電話リレーサービスでございます。このほど、総務省の検討会におきまして、この電話リレーサービスを公共インフラとする考えをまとめられました。  この電話リレーサービスにつきましては、私は長年、ろうあ連盟を始め聴覚障害の関係者や東日本大震災の被災地の事業者からその必要性を聞き取りまして、国会でも質問をしてまいりました。災害時の救急などの緊急時には、メールやファクスでは即時性がなく意味を成さないということも聞いておりました。  公共インフラとして国が二十四時間三百六十五日受け付ける体制をするということは大変大きな意義があると思います。その上で、通訳に当たる方の人材の確保や費用負担、これは今後の課題でございますけれども、実現に向けて大きな一歩を踏み出したと思います。  この電話リレーサービスの公共インフラ化に向けて、高市大臣の御見解を伺います。
  182. 高市早苗

    ○国務大臣(高市早苗君) 山本委員御指摘の電話リレーサービスですけれども、情報利用のバリアフリー化という意味、それから、先ほどおっしゃった緊急通報を考えますと、命を守るという上でも非常に重要なサービスだと認識をしております。  総務省が今厚生労働省と共催で開いております有識者検討会の最終的な報告書案でございますが、十一月中にはまとまると思います。現在、総務省では、検討会におけるこれまでの議論を踏まえまして、制度整備の在り方、それから提供時間などサービスの内容、そして緊急通報の確保の方策、必要な人材の養成確保などといった実務的な検討を進めているところでございます。  引き続き、厚生労働省や通信事業者などとも連携しながら、公共インフラとしての電話リレーサービスの実現に向けた取組を進めてまいりますし、また、音声認識などの最新技術の研究開発ということも車の両輪で進めてまいりたいと思います。
  183. 山本博司

    ○山本博司君 ありがとうございます。是非ともこの電話リレーサービス、公共インフラとして実現できるようにお願いしたいと思います。また、これは、厚労大臣、通訳等を含めて厚労省の方も支援を、バックアップをお願い申し上げたいと思います。  次に、地方創生に関して伺いたいと思います。  平成二十七年度から五年間実施してまいりましたこの地方創生の指針、第一期まち・ひと・しごと創生総合戦略、今年度で区切りを迎えます。これまで、意欲のある自治体では、地方創生推進交付金の活用によりまして地方の若者の就業率の改善などで成果が出ている地域もございますけれども、しかし、景気回復などを背景に、東京一極集中、この傾向は続いておりまして、いまだ目的達成には言えない状況にもございます。  これから令和二年度の新たな第二期の総合戦略策定をされることになりますけれども、今後どのように取り組まれるのか、北村担当大臣にお聞きをしたいと思います。
  184. 北村誠吾

    ○国務大臣(北村誠吾君) お答えいたします。  第一期におきましては、これまで、地方ならではの強みや魅力を生かした取組が全国で行われてまいりましたことは御承知のとおりであります。国としては、そうした地方の取組を、交付金などにより強力に支援をいたしてまいりました。一例を申せば、島根県雲南市では、交付金を活用して地域課題解決に活動する若者などを支援し、実際に移住者の増加につながっておるというところであります。  他方、お言葉のとおり、景気が良くなる中で東京一極集中の傾向が続いております。更なる地方創生の取組が強く求められていると認識いたしております。  このため、地方への新しい人の流れをつくる観点から、地域とつながる人や企業を増やす取組として、関係人口の創出、さらに拡大、また企業版ふるさと納税の積極的な活用促進などを進めていくことが重要であると考えており、これらの取組について、年内に策定する第二期総合戦略に反映してまいりたいというふうに考えております。  よろしくお願いします。
  185. 山本博司

    ○山本博司君 私は、公明党の過疎地に関するプロジェクトチームの座長、また離島振興対策本部の事務局長を務めさせていただいております。離島や中山間地域を始めとする過疎地域におきましては、定住や観光とは違う形での特定の地域と関わる関係人口、この拡大が今後の地方創生の大事な柱になると考えます。  先般も、岡山県、島根県、高知県など過疎地を、過疎地域をPTで視察をいたしましたけれども、都市部に住みつつ地方を応援するこの関係人口の拡大に向けて様々な工夫が凝らされておりました。  例えば、島根県の邑南町では、廃線となった三江線の跡地を活用して地域の交流拠点を設けまして、都市部の鉄道ファン、またDIYに関心のある人たちなどが町に通って古民家再生の技能取得を目指す、こういう継続的に地域づくりに参加する仕組みを築いておりました。  来年度中にはこの過疎法が期限を迎えまして、新たな過疎対策の方途、これを検討すべきときにもう来ていると思いますけれども、人口減少、高齢化で課題が山積をしております過疎地域ですけれども、我が国全体の課題を先取りをしているということが言えると思います。今後の過疎法改正を見据えまして、元気で持続可能な地域、これを目指すことが重要でございます。  今後、この関係人口に向けてどのように取り組むのか、大臣にお聞きをしたいと思います。
  186. 高市早苗

    ○国務大臣(高市早苗君) 関係人口の創出、拡大には、地域や自治体が継続的なつながりを持つ機会の提供をしたり、受入れ体制の整備を行うことが重要になってまいります。  そのため、地域外の方々が関係人口となる機会の提供に取り組む自治体を支援するモデル事業を、委員が先ほどおっしゃった邑南町を含めて、昨年度と今年度で合計七十四事業実施しております。また、モデル事業の報告会ですとかポータルサイトなどを通じまして、この関係人口の意義ですとか、それから先行取組の成果を情報発信して、優良事例の横展開も図ってまいります。  全国各地で、この関係人口が地域課題の解決ですとか地域経済の活性化に貢献できる環境をしっかりとつくってまいります。
  187. 山本博司

    ○山本博司君 是非ともお願いをしたいと思います。  過疎地を始めとする人口減少が進む地域、これはどこの地域でもそうですけれども、路線バスや鉄道などの公共交通の維持が課題となっております。地域の暮らしを支える大事な基盤でありますけれども、その利用客は減少傾向が続いております。路線バスに代わって住民の移動手段を支えるためのコミュニティーバスやデマンド交通を運行する市町村や、また自治体、NPO等が主体となった自家用有償旅客運送等もございますけれども、その維持はたやすいことではございません。この持続可能な公共交通ネットワークの構築のために、町づくりと一体となった連携、協働の取組が円滑に進むような支援が一層求められております。  この地域公共交通の確保を今後どのように進めるのか、赤羽国交大臣よりお答えいただきたいと思います。
  188. 赤羽一嘉

    ○国務大臣(赤羽一嘉君) お答えをいたします。  多くの我が国の地方では、今御指摘のありましたように、公共交通の維持というのは大変厳しい状況にあります。また、加えまして、最近、高齢者の運転による自動車事故の多発によりまして、高齢者の方々、免許証の返還が増えておりますが、その受皿となる公共交通が大変その維持が難しい、これ何とかしなければいけないというのは大変大きな問題だと考えております。  国土交通省は、この問題重視しながら、将来にわたり地域の足を確保するということを目的にしまして、地域公共交通活性化再生法という今の法律の法改正を視野に入れながら、その法の枠組みを強化するということで、現在、交通政策審議会を開催して、地方公共団体が中心となりまして、今おっしゃったように、町づくり施策と連携しながら、バス路線の維持、充実、もう一回見直しですとか、デマンド交通、自家用有償旅客運送等の活用、また、いわゆるMaaSも、地域の足の獲得にも資する重要な手段として、今全国で十九か所で実証実験を行っております。また、私の住んでいる神戸市の北区、六甲山の裏でも、非常に空き地、空き家が増えているところでありますが、三町内で自動運行のコミュニティーバスの実証実験もしているところでございます。  こうしたことを全て踏まえながら、過疎地であっても地方が、住民の方々が日々の生活に困らない公共交通の足の確保に向けて全力で取り組んでいきたいと、こう決意をしております。  以上でございます。
  189. 山本博司

    ○山本博司君 是非ともお願いしたいと思います。  先日大臣に会っていただいた三豊市の粟島では、やはりこうした形での実践をされているということでもございました。しっかりお願いを申し上げたいと思います。  公共交通に関連をしまして、バリアフリーの推進ということでお聞きをしたいと思います。  いよいよ二〇二〇年の東京五輪・パラリンピックが目前となってまいりました。国内外から多くの方が観戦に訪れることが見込まれておりまして、このバリアフリー化に向けた取組を一層推進すべきと考えます。このバリアフリー化が進めば、より社会参加が活発になり、地域の担い手が増えるきっかけになるかもしれません。  しかし、まだ、いまだ視覚障害者の駅のホームからの転落事故は後を絶ちません。ホームドアを設置することも急務の課題ではございますけれども、声掛けなどの心のバリアフリーの取組も充実させていくことが重要でございます。  現在、鉄道事業者が障害者団体の方と連携をして、「声かけ・サポート」運動強化キャンペーン、この十月いっぱい実施をされております。バリアフリーの推進には、こうしたハード、ソフトの両面からの取組が欠かせません。  長年この問題に関しまして取り組んでこられた赤羽大臣より、更なるバリアフリーの推進に向けた決意をお伺いしたいと思います。
  190. 赤羽一嘉

    ○国務大臣(赤羽一嘉君) このバリアフリーの件につきまして、山本議員の御提案に私も全く同感でございます。  特に、明年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会では世界中から多くの外国人のお客様が見えられる、また共生社会ホストタウンが今全国で三十七決まっておりますので、世界中の多くのパラリンピアンが全国各地域で拠点にして移動されるということを考えれば、これまで進めてまいりました我が国のバリアフリー化を加速させていくということは大変重要だと考えております。  二十年前に交通バリアフリー法という法律ができて、予算編成の仕方も組み替えて、当時は、駅にエレベーター、エスカレーターがある駅はほとんどなかった。しかし、この二十年間でそれが様変わりしたと思います。こうしたことをこれからも進めていくということと同時に、今御指摘のありましたハード面だけではなくて、ソフトのことも大切だということでございます。視聴覚障害者への、等への、皆さんへの駅の係員の方々の声掛けとか、そうしたことが重要だということは、昨年、バリアフリー法を法改正をしていただいて、その中に組み入れていただきました。  国交省としても、小学校等でのバリアフリー教室の開催ですとか、多機能トイレの利用マナーの、これは普通の人が使うと障害者の方が使いにくいというようなことの啓発にも取り組んでいるところでございます。  引き続き、これは我々がやったということではなくて、高齢者の皆さんや障害者の皆さんの声をしっかりと聞いてフィードバックをして、しっかりとしたハード、ソフト両面にわたってのバリアフリーの社会づくりにしっかり全力で取り組んでいきたいと思っております。  以上でございます。
  191. 山本博司

    ○山本博司君 ありがとうございます。  是非とも、この推進、バリアフリーの推進をお願いをしたいと思います。  地域の担い手確保策の一つとして、障害者や高齢者らの農業分野での就労を支援する農福連携、これを更に普及させたいと考えます。  四年前に国会等でこの農福連携、質問をしてまいりました。農業側にとりましても、高齢化やまた担い手が不足するということもありまして、この労働力を確保でき、生産拡大につながるというメリットがございます。また、障害のある方にとりましても収入アップにも望めることができるわけでございます。農福連携、福祉と農業双方のニーズを満たす試みと言えると思います。  誰もが能力を発揮し、生き生きと暮らせるこの共生社会の実現へ、農福連携、さらには水産業や林業と福祉の連携も含めて推進をすべきと考えますけれども、農水大臣の認識を伺います。
  192. 江藤拓

    ○国務大臣(江藤拓君) お答えをさせていただきます。  農福連携は、障害がある皆様方が農業分野で活躍を通じて社会参画を実現していくすばらしい取組だと思っております。私の地元の農業生産法人でも随分こういう例が増えてきて、非常に真面目に一心に作業に取り組んでくださるということで大変好評だというふうに聞いております。  政府におきましても、この取組を強力に推進するために、官房長官を議長として、農福連携等推進会議において、本年六月より農福連携等推進ビジョンを策定いたしました。このビジョンに基づきまして、農業版のジョブコーチの育成、マッチングの仕組みの構築など、農福連携を行う農業経営体の収益力の強化等に向けてこれから取り組んでまいります。  また、農業だけではなくて、先生から御指摘ありました林福連携、それから水福連携、これも推進したいと考えております。しかしながら、山は急傾斜地がありますから、そういうことへの注意とか、水産業では船の上とか、滑るとか足場が悪い、いろいろありますので、そういうところも十分留意しながら、安全に留意をしながら取組を推進していきたいと考えております。  引き続き、ビジョンの実現に向けまして、厚生労働省を始め関係省庁と連携を深めまして農福連携を推進してまいりたいと考えております。  山本先生におかれましては、障がい者福祉委員長もお務めでいらっしゃるというふうに聞いておりますので、これからも御指導、御鞭撻、よろしくお願い申し上げます。
  193. 山本博司

    ○山本博司君 是非とも、この農福連携、また林業や水産業を含めて、障害を持っていらっしゃる方々が働ける環境、社会参加も含めてお願いを申し上げる次第でございます。  最後に、地元の課題について伺いたいと思います。  国内最大のアコヤガイの真珠生産地、私、愛媛の南予でございますけれども、宇和海沿岸の宇和島市と愛南町で養殖中のアコヤガイの稚貝が大量死をしております。現地を視察いたしましたけれども、八月初旬から被害が出始め、ほとんどの養殖業者で養殖中の貝の半数が死んだり、また、多いところでは八割から九割が被害に遭っているということでございます。  皆さん、原因が分からず、大きな不安を抱えておられます。また同じような被害がいつ起こるかも分からないという不安や、当面の減産にもつながって廃業に追い込まれるという不安もございます。また、平均年齢が六十五歳以上と高齢でございますので、高齢者問題も深刻です。  この問題は、愛媛県だけではなくて、三重県、長崎県でも発生している全国的な問題でもございます。真珠養殖業への影響、また関係者の不安を最小化できるように原因の究明と具体的な支援策を講じていただきたいと思いますけれども、この点いかがでしょうか。
  194. 江藤拓

    ○国務大臣(江藤拓君) お答えをさせていただきます。  愛媛県や三重県でアコヤガイの稚貝が大量にへい死したということで、漁業者の皆様方が大変御心配されているという報告をいただいております。  今月の九日には、宇和島の市長さん、それから愛南町の町長さんがお越しをいただきまして、じっくり話を聞かせていただきました。平成八年に、一度こういうへい死、大量へい死の事案が起こって、それからようやく回復をしたと、そして、非常に良くなってきて、それを見て若い人たちが、よし、地元に帰って真珠養殖をやろうという機運が盛り上がっているその最中にこういうことが起こって非常に残念だと、もう一回何とか立ち直りたいから力を貸してくれという深刻なお話をいただきました。  この原因究明はなかなか難しゅうございますけれども、関係している県ですとかほかでやっている県とか、それから専門家の方々からいろいろ御意見をいただきました。海洋環境では今年は冬場に高温であったこと、そして海水温の上昇に養殖作業が十分に対応できなかった。深く沈めるとか移動させるとか。言うのは簡単ですけど、そう易しいことではございません。生育状況が悪い不健康な稚貝を使ってしまったんではないかというような御報告もいただいております。  このような中で、今月の八日には、水産庁と真珠養殖生産団体、それから関係自治体、試験研究機関等の関係者が協議会を開催いたしました。今回のへい死を補うための種苗の増産をまずしなければならない、それから、最近の海洋環境の下で繁殖管理の留意点、こういったものをしっかりまとめて生産者の方々に周知をしようということが確認されたところでございます。  農林水産省といたしましては、短期的にはセーフティネット資金を活用していただくということがまず第一、それから、漁業共済にやはり加入していただくということを御説明させていただきたいと思っています。中長期的には、養殖管理留意点の管理や健康な稚貝確保の仕組みづくりに取り組む協議会がありますから、そちらに対する支援を行うこととしておりまして、漁業者の皆様の不安の払拭に努めてまいりたいと考えております。
  195. 山本博司

    ○山本博司君 是非とも、大臣、よろしくお願いを申し上げたいと思います。  以上で質問を終わります。
  196. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 以上で山本博司君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  197. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 次に、平木大作君の質疑を行います。平木大作君。
  198. 平木大作

    ○平木大作君 公明党の平木大作でございます。  午前中に引き続きまして、台風十五号、十九号の台風災害からの復旧と、そして防災・減災を中心に質問を進めさせていただきたいと思います。  今回のこの台風十九号、やはり記録的な降雨量でございました。箱根町では四十八時間で千ミリを超えるという大変な雨であったわけでありまして、これに伴って各地で、例えば土砂災害、土砂崩れですとか、あるいは現在分かっているだけでも五十二の河川で七十三か所堤防が決壊しているという、こういう状況でございます。ある意味この気候変動を実感するような災害というものが毎年毎年起こっている。  一方で、今回の災害箇所というのは、従来の基準から見ますと、例えば急傾斜地の崩壊対策事業ですとか、あるいは堤防の強化対策事業が別に近々に予定されていたわけじゃない、そういう場所が結構含まれている。あるいは、私も昨日行かせていただいた長野市の千曲川の堤防決壊箇所ですね、ここはつい最近かさ上げしたばかり、拡幅したばかりのところでありまして、あそこが崩れるのかというのが皆様、現場の声でございます。    〔委員長退席、理事三宅伸吾君着席〕  こういう中で、当然のこととして、今予定をされているこの防災対策事業についてはしっかりと進めていただきたいわけでありますが、同時に、この気象の変動といったものも受けて、例えば災害の想定水準を見直す、あるいは地域の重要なインフラをしっかりと総点検して進めていく、さらには、必要とあらば法改正も行っていただきまして、防災・減災、国土強靱化を、まずは総理のリーダーシップで進めていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
  199. 安倍晋三

    内閣総理大臣(安倍晋三君) 平成の時代は大きな災害が、自然災害が相次ぎ、昨年から今年にかけても、集中豪雨、地震、激しい暴風、異常な猛暑など、異次元の災害が相次いでいます。災害への対応は、もはやこれまでの経験や備えだけでは通用せず、命に関わる事態を想定外と片付けるわけにはいきません。  現在、国土交通省において、将来の気候変動の影響による降雨量の増加や海面上昇等への備えについて技術的な検討を進めているところであります。その結果も加味しながらですね、加味しながら、国土強靱化基本計画に基づき、必要な予算を確保した上でオールジャパンで国土強靱化を強力に進め、国家百年の大計として、災害に屈しない強さとしなやかさを備えた国土をつくり上げていきたいと考えております。
  200. 平木大作

    ○平木大作君 それでは、各論に少し入っていきたいというふうに思っています。  午前中の質疑の中でも、家屋の一部損壊につきましては、十五号で既に罹災証明が出ている場合であっても、十九号で被災した場合にこの再調査を依頼できるんだと、こういった点を確認させていただきました。その前提といたしましては、特に十五号のときに顕著だった屋根に対する被害について、災害救助法の適用の、拡大して、そしてそれを恒久的な措置にしていただいたということがあったわけであります。  一方で、台風十九号の方は、十五号が風の台風だったとすると十九号はやっぱり雨の台風だったということでありまして、堤防の決壊ですとか越水に伴う家屋への泥の流入あるいは床上浸水といったものが本当に顕著に見られます。被災地を歩いていますと、使えなくなった畳とか床板というものが外に並んでいる、床が抜けたまま一階の部分使えなくなっているような状況を本当に多く見かけますし、あるいは、昨日お伺いをいたしましたこの長野市の赤沼の地域では、越水が四メートル、浸水が四メートルを超えたというところでありますから、水が引いた後は屋内も普通に見えはするんです。ただ、それまでは例えば片手一本で開けることができたスライド式の引き戸が、大の大人が何人掛かりで引こうとしても実は全くびくとも動かない。これ、恐らく、木が二、三日水を吸ったことで全く、膨張してしまった関係で引き戸一つ開けることができないという、そういった状況にも直面をいたしました。  ある意味、この床上浸水の部分についても今回この適用拡大しっかりと検討していただいて、基準もう一回見直していただいて進めていただきたい、検討を是非進めていただきたいと思うんですが、武田大臣、いかがでしょうか。
  201. 武田良太

    ○国務大臣(武田良太君) 十九号による災害で堤防の決壊や越水等により多くの住宅で浸水等の被害が生じていることにつきましては、私自身、十三日、先生の御地元長野県にお邪魔させていただきまして視察させていただきました。  御指摘のように、台風第十五号等による災害により極めて多くの家屋に障害が、被害が生じ、被災者の方々の日々の生活に著しい支障が生じたことから、災害救助法の応急修理制度を拡充し、恒久的制度として、一部損壊の住宅のうち一定以上の被害が生じたものについて支援の対象としたところであります。  具体的には、住家の損害割合が一〇%以上二〇%未満の住家を支援の対象と考えているが、これは、風害による屋根等の被害のみならず、地震や水害による浸水など自然災害全般による住家の被害を対象とすることとしているところであります。これにより、例えば御指摘の床上浸水の被害におきまして、長期の浸水により床や壁の交換が必要になった場合等につきましては、支援の対象となるものと考えております。
  202. 平木大作

    ○平木大作君 ありがとうございます。  政府から発表していただいたこの適用拡大、屋根等と書いてあるものですから、どうしても風で屋根が飛んだ場合というふうなイメージを持っている方も多いわけでありますが、今回床上浸水された方、被災された方に使っていただける制度だという御説明をいただきました。よろしくお願いいたします。  インフラの老朽化についても少し議論しておきたいと思います。  台風十五号のときには、送電線の鉄塔が倒れるなど、インフラの老朽化というものが災害の長期化につながった面があったかなというふうに思っております。特に、千葉県内、君津市内にあった巨大な送電の鉄塔が二基倒れたことで周辺十一万世帯が停電を長らく余儀なくされたわけであります。ある意味、古いものをきちっと計画的に新しいものに替えていくということも当然必要なわけでありますが、より防災・減災に資するようなものにバージョンアップしていくというんでしょうか、その取組というのも当然大事なわけであります。  停電というものが長期化してくる中にあって、特に十五号の際にはこの復旧時期を見誤ったということがありました。何が原因だったんだろうと、いろいろあるわけでありますけれども、一つは、いわゆる住宅ですとか工場に実際に近いところにある、使っているところに近いところにある低圧線ですとか引込線、ここの実は監視システムというものがなかった。高圧線についてはいつでもリモートで監視できているんだけれども、そこがないということで、状況の把握になかなか時間が掛かってしまったということがあったわけであります。  改めて、ここ、これ、経産大臣に確認の意味でお伺いをしますが、今、電力市場改革が取り組まれる中で発送電分離ということが行われています。こうやって、ある意味、送電の部分を分離したことによって、ある意味、送電網の更新ですとか、あるいはスマート化といったもの、ここの投資が遅れていたんじゃないかという指摘をされる方がいらっしゃいますが、この点いかがでしょうか。
  203. 菅原一秀

    ○国務大臣(菅原一秀君) 先般の台風十五号の際にその現況把握が遅れたという御指摘がありましたが、大変反省をしなければいけないことだと思っております。  そのときには、お話あったように、高圧線のところはそのシステムで把握ができた。引込線、低圧線のところはスマートメーター等でおおむね把握ができたんですが、更に加えて、東京電力がいわゆる現場を見て、山奥に行けば行くほど倒木で電柱が倒れ、電線が切れている状況というものが、把握しないうちに、これくらいで復旧するのではないかというような発表をしてしまった。  今回は、今日現在、五十二万最大停電していたのが今一万軒切る状況になってございますけれども、今回は、当初から四十機のドローンを使って全体を把握するということに努めました。また、東京電力においては、前回の五倍の人員で巡視を進めてまいりました。まず、こういう現状があります。  そして今、平木先生おっしゃったように、この状況の中で、東電で、例えば送配電設備の更新投資、あるいはこのスマート化といった話がございましたけれども、この更新投資については、実は二〇一五年には大体千二百五十七億、去年、二〇一八年には千五百二十九億、そこの部分は余り減っていないんですね。しかしながら、御指摘のとおり、今回も十五号のときに鉄塔が倒れました。そういう鉄塔の過半が高経年化しているという現状がございますから、その辺りをしっかりと捉えながら、今お話あったように、送配電設備の更新やスマート化を進めて、信頼性の高い送配電網をしっかりと構築をしていきたい、このように考えております。
  204. 平木大作

    ○平木大作君 ありがとうございます。  送電網ということに限れば、これは電力事業者が基本的には更新に取り組んでいくということであるわけでありますけれども、しっかりとこれ、経産省としても主導していただいて、適切な投資が行われているのか確認をしていただきたいと思います。  そして、改めて安倍総理にお伺いをしたいんですけれども、このインフラの問題ということ、やっぱりこういった自然災害が襲いかかってきたときに、改めて老朽化という問題を突き付けられるわけでございます。  今日、インフラといっても広範なものがありますので、一例として、今日ちょっと資料としてもお示しをさせていただきたいんですが、これは橋梁の状況、老朽化の状況でございます。(資料提示)  現在、市町村が管理する橋梁というのは全国におよそ五十二万もあるわけでありますが、そのうち約半数が今後十年以内に建設から五十年以上たつということで更新期を迎えてまいります。  国交省が二〇一六年までの間、三年間掛けて実施した点検によりますと、リスクの高い早期措置段階と診断された橋が全体の一一%、一割超が実は早期にこれ何かしなければいけないということで指摘をされているわけであります。一方で、こうした橋梁を管理をいたします市町村のおよそ六割が、予算が手当てできない、こういったことを理由といたしまして、五年以内の措置は不可能と、こう答えているわけでもあります。  結果として、今この図の中にありますように、通行規制を掛ける橋というのがこの数年急増しているわけであります。政府は、現在この三か年緊急対策ということで、特に緊急に実施すべきハード、ソフト対策に取り組んでいただいているわけでありますが、対象となっているのはこの更新時期を迎えている橋のごくごく一部であります。  ちょうど先ほども、昼休みの間、山梨県内の同僚議員から連絡をいただきまして、今、山梨県は中央線が止まっている、そして中央高速が止まっているという中にあって、今、大月市内の橋が落下している関係で国道二十号も通行止め、こちらについては全く今まだ復旧の見通しが付かないという、そういうお声をいただいたところでありまして、改めてこのインフラの老朽化対策というのは待ったなしなんだろうというふうに思っております。  災害が起きてからこの復旧に掛けるコストと比べましたら、事前防災の形で掛けていただく方がよっぽど安く上がるのは、これもう自明のことでありまして、是非とも総理に、これ老朽化の対策予算しっかりと組んでいただいて全力で取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  205. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま平木委員からこのインフラの老朽化対策の重要性について御指摘をいただきましたが、まさに私もそのとおりだろうと、こう思います。インフラが老朽化し事故が起これば、かけがえのない人命はもちろんでありますが、これは経済にも大変な大きな打撃があるわけでありまして、それをまた復旧して橋を架け替えるということになれば大変コストは大きくなっていくんだろうと、こう思うわけであります。  このインフラというのは、国民の安全、安心を確保し、そして社会経済活動を支える基盤であるわけでありまして、インフラを適切に維持管理、更新していくことは極めて重要であると、こう認識しています。このため、計画的な点検、診断、修繕、更新等の実施や、また予防的な修繕などによるコストの縮減、平準化を図りつつ、できる限り効率的なインフラの維持管理、更新に取り組んでまいりたいと思います。  喫緊の課題とも言えるインフラ老朽化対策について、引き続き様々な財源を検討し万全を期してまいりたいと、このように思います。
  206. 赤羽一嘉

    ○国務大臣(赤羽一嘉君) 総理の答弁の後で大変恐縮でございますが、ちょっと若干補足させていただきたいと思います。  今言われた防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策は、これ実は全体で七兆円という大変大きな規模の事業でございますが、近年頻発しております激甚災害が起こってしまったということを、そういった状況を受けて重要インフラの総点検をしたと、その結果を踏まえて、この三年間で完了できるとか大幅に進捗できる事業に限られているということでございます。  その以外に、多くのインフラが、高度経済成長期以降に整備した老朽化したインフラの割合が加速度的に高くなっていると。ですから、こうした老朽化インフラの計画的な対策というのは、今総理の御答弁にあったように大変重要だということでございます。  それと、山梨の件でございますが、現在は、確かに今回の台風十九号で中央道と国道二十号の両方が通行止めとなっておりまして、東京―山梨間は大変な状況になっておりますが、十月十八日、今週の金曜日に大月―高尾間の国道二十号を開通させる予定でございます。  中央道につきましても程なく開通が予定されておりまして、しっかりと通行が可能にできるように、一日も早く前に進めていくように取り組んでいるところでございますので、よろしくお願いいたします。
  207. 平木大作

    ○平木大作君 是非よろしくお願いいたします。  今被災地を歩いていますと、やはり一つ大きな壁がありまして、通信環境が大変悪いですね。特に停電地帯を歩いておりますと、電話がつながらないということ、今でもこれあります。  特に、この通信環境ということを突き付けられたのは、十五号のときは大変なものがありまして、私も実は発災から毎日被災の現場に入って、夜、県本部に戻って政府に時にはお願いをし、また翌日どこに入るのか、皆で手分けをして動いてまいりましたけれども、最初の一週間は実は衛星携帯電話が手放せませんでした。あれがないと全く、動いても連携が取れないという状況に陥りました。  改めて、この通信環境がないということは、例えば自治体が現場の様子を把握する、そして政府に要請をするということにも大変障害になりますし、何よりも独り暮らしの高齢者の皆様がSOSを発信できないということにつながってきた。本当に、この点は力を入れて是正していただきたいなと思うわけでありますが、この点について、昨年の北海道胆振東部地震の長期停電ということの経験も踏まえて、携帯電話のいわゆる電波基地局の長期停電対策、これ高市大臣にも進めていただいてきたかというふうに思っておりますけれども、今どのような進捗となっているのか、また今後どのようにして通信環境の強靱化に取り組むのか、お話を伺いたいと思います。
  208. 高市早苗

    ○国務大臣(高市早苗君) まず、昨年の北海道胆振東部地震などを受けまして、総務省では市町村役場などをカバーする携帯電話基地局に関する緊急点検を行いました。通信事業者に対しましては、応急復旧手段として非常に有効な車載型の基地局、この更なる増設を働きかけてまいりました。  また、基地局自体の停電対策といたしましては、平成二十三年の東日本大震災を受けて省令を開始し、改正しまして、この予備バッテリーによる持続時間の長時間化に向けた取組というのを進めてまいりました。その結果、予備バッテリーの二十四時間化というのは八年前の約五・九倍まで増加しているということで、基地局の強靱化は一定程度進んでおりました。  ところが、台風十五号では、台風通過後の比較的早い段階で通信障害が発生したということを踏まえまして、現在は、政府全体の検証チームと、あと総務省で開催している通信事業者との連絡会において原因と改善策の検証を始めております。現状の基地局に関する停電対策の更なる強化といった具体的な対応策を検討しまして、今年中に取りまとめを行います。  ただ、まずは商用電力の供給が長期間にわたって停止するということを考慮しまして、主要な電気通信設備に関して、予備電源による持続時間の基準化をするべく省令や告示の改正をしたいなということを考えております。
  209. 平木大作

    ○平木大作君 ありがとうございます。  電柱の倒壊についても少しお伺いをしておきたいと思います。  今回も十九号で電柱の倒壊というのは各地で見られるわけですが、台風十五号の際には、千葉県内だけで二千本の電柱が倒れてしまいました。赤羽大臣にも発災直後に訪れていただきまして、現地で無電柱化の推進ということにも御言及いただいたわけでありますが、改めて、今、予算の中の、無電柱化の予算ってどのくらいあるんだろうと思っていろいろ調べてみたんですけれども、割と実はいろいろな予算の中に、ほかのものと混ざっている関係でなかなかちょっと純粋に幾らなんだろうというのは分かりにくかったんですが、たくさん予算として取っていただいていても、改めて思うのが、これ、今一キロメートルこの地中化しようとしても、大体五億円掛かるというふうに言われているそうでございます。  そうなると、この電柱の地中化というのは、当然災害対策ということだけではなくて、景観ですとかいろいろな観点から総合的に進めていただいている政策でありますから、特にこの防災・減災という観点からいくと、まずはいわゆる緊急輸送道路を中心にやるということになるんだろうというふうに思っています。ただ、そうすると、今回のまさに被災地の中で電柱が倒れてしまった地域というのは大分後になるなという思いもするわけであります。  改めて、これ国土交通省として、大幅な低コスト化にまず取り組んでいただいて、全力でこれ地中化進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  210. 赤羽一嘉

    ○国務大臣(赤羽一嘉君) 私も千葉の台風十五号の後に現地に入りまして、もう大変多くの木が倒木をして、そこの電線を支障して、その結果、電柱が倒れて停電になってしまったと、大変その場面を多く見ましたので、そこのぶら下がりで電線の無電柱化、電柱の無電柱化の必要性を発言させていただきました。  この無電柱化の話というのは結構昔からありまして、かつては景観法の法律ができたときにも無電柱化というのはうたわれましたが、今、平木議員言われたように、もう大変なコストが掛かると。これ、電力事業者が持つと結局電気代に跳ねるということで、なかなか前に進んでこなかったのが状況でございます。  この高い、電線共同溝方式というのはお金が掛かるということでございますので、近年、国交省では低コストの手法の導入、例えば管路を浅く埋設する方式ですとか、その管路自体を小型ボックスを活用する方式とか、そうしたものを、新しい方法を考えているところでございます。  また、計画も、昨年の台風二十一号による電柱の倒壊等を踏まえまして、実はそれまで三年間、全体で千四百キロの計画でありましたが、今回、今の防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策の予算を使わせていただいて、プラス、これは緊急輸送道路というふうに限られておりますが、プラス千キロの無電柱化に着手することにいたしました。  国土交通省だけではなかなか前に進まない部分もありますので、経済産業省や総務省、また関係事業者に加えて有識者にも入っていただいて、この無電柱化の推進体制を具体的に構築して、スピードアップしていけるように取り組んでいきたいと、こう思っております。  以上でございます。    〔理事三宅伸吾君退席、委員長着席〕
  211. 平木大作

    ○平木大作君 今、御答弁の中にもあったんですけれども、この電柱が倒れてしまった原因のやっぱり一つ、大きな原因の一つが倒木でありました。この倒木被害、現場行ってみると、やっぱり間伐がきちんとなされていなかった関係で、大変細い杉の木が折れてしまっている、あるいは溝腐れ病にかかったまま放置されていたような木がぽこっと折れてしまっているという、こういう現場が数多く見られたわけであります。  この点については、実は本年九月から、自治体が主体となってこの山の手入れ等にも使っていただけるような森林環境譲与税の譲与というのが今始まっております。当然、これ林業の成長産業化ですとか様々なところに使っていただけるわけですが、全国の山々、町村で林業を成長産業化できるかというと、まあやっぱりなかなかそれは難しいわけでありまして、この防災・減災の観点から、国土強靱化の観点からきちっとやっぱり使っていただく必要というのがあるんだろうと思っています。  ここについて、ただ、今、地元の首長の皆さんと意見交換させていただくと、やっぱり具体的にどういう優先順位付けて間伐とか手入れやっていったらいいんだろうかとか、あるいは持ち主が分からない山林について、そういうのが多い地域ってどうしたらいいんだろうかとか、もっと言うと、保安林について、県との調整ってどうやるんだろうかとか、こういった一つ一つについて、なかなか実はまだプランを持っていない自治体が多いのかなというふうに思っております。  この点について、せっかく始まった制度であります森林経営管理制度ですね、導入が市町村の現場で具体的にできるように、これ是非、農林水産省として主導していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  212. 江藤拓

    ○国務大臣(江藤拓君) お答えをさせていただきます。  委員御指摘のとおり、制度の趣旨は大変すばらしいものでありますし、譲与が始まったということも、これ悲願でありますから、とてもすばらしいことだと思います。  しかし、市町村におきましては、合併等いろいろあって人員も足りないと、ノウハウもないと。まあ、譲与税ももらったけれども、こういう制度もできたけれども、じゃどうやってやったらいいんだというのは大変深刻な問題だというふうに受け止めておりますが、私も被災地には行かせていただきましたが、たくさんの木が送電線を寸断するような事例があって、非常に重く責任を感じております。  そういうことを踏まえた上で、今後、この制度を円滑に運営しなければなりません。ですから、これまで百七十回、市町村においては職員を派遣いたしまして丁寧な説明会をやってきたつもりです。でも、これでもまだ足りないということだと思います。ですから、その中で申し上げていることは、技術者が必要だということでありますから、この技術者を地域林政アドバイザーとして市町村の方で雇用をしていただくというふうなこともお勧めしているところでございますが、それから、職員の方で技術を身に付けたいという方については実務研修を実施させていただく。それから、現地検討会等を通じて技術支援をするということ。それから、先進的にうまくいっているところもありますから、こういうところではこういう取組をやってうまくいっていますよというような事例を是非御紹介をさせていただいて、少し、お手本と言ったらなんですけれども、参考とさせていただくようなこともしていただければと思っております。  それでもまだ人員が足りない、ノウハウが足りないという場面は、私の地元でも当然ありますので、地域の森林管理のこれまで主たる担い手として頑張ってきてくれた森林組合とまたしっかり連携していただくことも一つの案ではないかというふうに考えております。
  213. 平木大作

    ○平木大作君 農業用のビニールハウスですとか、あるいは温室の被害というものも今著しいものがあります。  営農を継続する、再開するという意味では、まずはこの倒壊してしまったビニールハウスを片付けるというところが最初の第一歩になるわけでありますが、実は、この災害発生時における廃棄物の処理というのには原則というものがあるわけであります。端的に言うと、自然災害によって発生をした一般ごみについては市町村の責任で廃棄をしていただける。ただし、農業用ハウスも含めたこのいわゆる事業系のごみについては、産業廃棄物という取扱いになりますので、あくまで事業者の責任で処理してくださいというのが原理原則になるわけであります。  実は、この点について、特に営農再開を後押しするという面から、農水省の方からは既に強い農業・担い手づくり総合支援交付金を活用したスキームというのを示していただいております。これ、とても充実した内容になっているんですが、ただし、実は共済の非加入者の場合にはどうしても一定の負担が生じるということで、実際にまだ畑回ってみますと、壊れたままのハウスが残っちゃっているという状況にあるわけであります。  私としても、環境省に対して、これ、何とかもう一歩農業者の方に寄り添った形での支援をしていただけないかということでこれまでお願いをしてきたわけでありますが、小泉大臣、いかがでしょうか。
  214. 小泉進次郎

    ○国務大臣(小泉進次郎君) 平木先生から御質問をいただきまして、ありがとうございます。  私も、農林部会長もやっていたものですから、環境大臣になって以来、改めて環境行政そして農林水産行政、非常に密接なものがあるなと感じています。江藤拓農林水産大臣と連携をしまして、しっかりと今御指摘のありました被災した農業用ハウス等の撤去を含めた支援を環境省と農水省と連携をしてやっていきたいと思います。  具体的には、被災した農業用ハウス等を集積所、ここまで運搬するのが農水省の支援、そして、集積所からその先がまずは市町村、その市町村の費用を環境省が支援をすると、こういった形で支援を実施したいと思います。  今御指摘があったとおりでありますが、園芸施設共済、この撤去オプションに加入をしていれば、大きな負担なく、農家の方の大きな負担がなく撤去可能となります。ただ、先生おっしゃったとおり、共済に未加入の場合は四割程度が自己負担となると思います。  今後は、集積所からの処理は先ほど言ったとおりでありますが、しっかり環境省が市町村を支援をする形で、説明会の実施など、今後も丁寧に被災した地域の自治体そして農家の皆さんに寄り添って対応していきたいと思います。
  215. 平木大作

    ○平木大作君 ありがとうございます。  これ、十五号を受けた後に様々検討していただいて、今、各地で、市町村単位で説明会歩いていただいているというふうにお伺いしました。十九号の被害でまたちょっとエリア的に広がっております。是非とも、この被災された地域、一つ一つ丁寧に支援をしていただけたらというふうに思っております。よろしくお願いいたします。  中小企業の事業継続という点でもちょっと一問お伺いしておきたいと思います。  実は、中小企業の被災状況というのがまだなかなかちょっと数字も含めて見えてきていないところがあります。ただ、私もいろいろ被災地歩く中で、そもそも、一生懸命地域の中で集積をしてきた産業クラスターが全部、全体やられてしまっている、中小企業が地域一帯丸ごと被災して、なかなかその再開に向けた道筋が見えないというような、そんなお声もお伺いしているところでありまして、例えば千曲川の堤防が決壊した長野市の穂保から大町にかけての北部工業団地ですとか、あるいは福島県の郡山市の工業団地ですとか、とにかく入っているところ全部やられてしまったよというような声も今いただいているところであります。  これ、事業継続に悩んでいらっしゃる中小企業の経営者の負担の軽減につながるグループ補助金の適用を何とか経産省として検討していただけないでしょうか。
  216. 菅原一秀

    ○国務大臣(菅原一秀君) 台風十九号によりまして被災した中小企業の一日も早い事業再開、これはもう喫緊の課題だと思っております。具体的には、発災直後から、災害救助法の適用地域に対する資金繰りや、あるいは災害復旧のための支援策を幾つか進めております。  今先生からもお話あったこの中小企業の工場などの施設設備の復旧を支援するいわゆるグループ補助金、これを今まで東日本大震災や熊本地震等々で激甚災害、いわゆる本激のみに適用してやってきたわけでございます。そして、これは具体的に、施設や設備の損壊等の物理的な被害に、広範囲かつ甚大であるという、こうした条件もあり、かつ、サプライチェーンが毀損する等によって我が国が経済的に停滞する事態が生じるといったような特別に措置した制度となってございまして、このグループ補助金の検討に当たっては、まず、今経産省といたしまして、七十名の職員を被災地に派遣をいたしておりまして、この被災した自治体と連携して被害状況の把握に努めておりまして、その把握を行った上で必要な支援策を検討していきたい、このように思っております。
  217. 平木大作

    ○平木大作君 是非よろしくお願いいたします。  災害関連では、最後にちょっと関連してドクターヘリについてもお伺いしておきたいと思います。  ドクターヘリ、いよいよ実は全都道府県への配備が見えてきたというところにございます。これは、先日行われました参議院の代表質問におきましても我が党の山口代表から質問させていただいて、総理からも、このドクターヘリの、広域で連携をしながら、効果的あるいは安定的な運用を国としても支援するんだ、このような御答弁もいただいたところであります。  改めて、こういった大規模災害時というのは当然このニーズが高まってくるわけでありますけれども、いざ連携しようとすると、都道府県間で災害地でのやっぱり運用経験、これをどうやっぱり共有していくのかということが問われるわけであります。これ、具体的にどのように取り組まれるのか、加藤厚生労働大臣にお伺いしたいと思います。
  218. 加藤勝信

    ○国務大臣(加藤勝信君) 今、ドクターヘリについては四十三道府県で五十三機が運用されている、こういう状況でありまして、まず、災害時だけではなくて、通常の運用においてもより効率的な運用を図っていただきたいということで、現在、都道府県等に対して介入症例の効果検証、どういう効果があったのかということに対して検証を行い、そして、そうした情報もデータベースにして、それぞれがドクターヘリをより効率的に活用していただきたいということを進めようとしているところが一つあります。  今御指摘がありました災害時のドクターヘリの運用に関しては、平成二十八年の熊本地震の後に、大規模災害時にドクターヘリが効果的、効率的に活動ができるよう、全国からどういう形で参集をしていくのか、あるいは参集後の活動についてどういう形でやっていくのかについての指針を国から示させていただいたところでございます。  今回は特段ドクターヘリということにはなっていないようではありますけれども、また、今後、実際の災害での、こういう災害はあってはいけないんですけれども、様々な経験を踏みながら、より効果的、効率的に、平時においても、また災害時においてもドクターヘリを活用できるように取り組んでいきたいというふうに思います。
  219. 平木大作

    ○平木大作君 残りの時間で、通告をさせていただいております外交の問題についても少しお伺いしていきたいと思います。  本年はG20の大阪サミットが成功裏に終わりまして、特に中国からは国家主席が約九年ぶりに来日をされるということもありました。日中関係は正常な軌道に戻った、先ほど安倍総理からの答弁にもあったとおりであります。代表質問の中でも総理は、あらゆるレベルでの交流を拡大し、日中関係を新たな段階へ押し上げると、こういった決意も披露していただいたところであります。  改めて、でも、こういった二国間関係において、このあらゆるレベル、政治だけではなくて、経済ですとか文化、教育、こういった交流も大事なんだというのはまさにそのとおりなんですが、一方で、特に中国との関係におきますと、何かあったときにでもトップ同士、首脳同士がきちっと定期的な連絡を常に取り合う、このことが何よりも大事なんだろうというふうに思っております。この点について、安倍総理のお考えを伺いたいと思います。
  220. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 安倍政権が成立をしてから七年でございます。日中関係においては紆余曲折があったわけでございますが、その間も様々な交流が行われておりました。また、例えば御党公明党におかれても、なかなか厳しい状況のときにも日中関係の、関係を維持していただいた、党間交流を続けていただいたことに対して敬意を表したいと思いますが、やはり平木委員が御指摘をされたように、首脳間の交流というのはやはりこれは極めて重要であり、両国の関係を安定化させていく上においても、これは、首脳間が交流しているというのは経済界も国民みんなも見ているわけでございますから安心感を持つんだろうと、また同時に、そこでしっかりと首脳同士が胸襟を開いて様々な事柄について話し合うことができる関係をつくっておくということは、様々な出来事があったときには極めて重要なんだろうと、こう思っております。  私も、日本の総理大臣としては七年ぶりに中国を公式訪問いたしましたし、御紹介いただきましたように、今年のG20サミットの際には日中首脳会談を行いました。そして、その際には、習近平国家主席との間で、日中新時代を切り開いていくとの決意を共有するとともに、日中双方の共通利益を拡大させつつ、長期的に安定した日中関係を構築することで一致をしたところでありまして、来年の桜の咲く頃には習近平国家主席を国賓としてお迎えをし、首脳間の相互往来だけではなくて、経済交流、青少年交流など、あらゆるレベルでの交流を拡大をしていきたいと、こう考えておりますが、同時に、今委員が指摘されたように、首脳間の交流は極めて大切だろうと、このように思いますので、こうした今の勢いを維持をしていきたいと、このように考えております。
  221. 平木大作

    ○平木大作君 実は私も、本年ですね、先月末になりますけれども、公明党青年訪中団の団長として中国へ行かせていただきました。この際、三都市回ったんですけれども、実は三都市ともよく言われたのが、いよいよ中国で第二回の国際輸入博覧会の今準備を進めているんだという話をお伺いしました。  これ、昨年の実は第一回のときには、この博覧会、要するに、中国は輸出をしているばかりではなくて輸入を世界中から積極的にしているんだというアピールの場であるんですけれども、この博覧会後何があったかというと、新潟県産のお米の輸入停止の解除というものがあったわけであります。実に解除されたのは七年ぶりということでありました。こういったこともあって、今、農業者、農林漁業者、期待が大変高まっております。  農林水産省として、この更なる食品輸入規制の緩和に向けて、決意を聞いておきたいと思います。
  222. 江藤拓

    ○国務大臣(江藤拓君) お答えさせていただきます。  農林水産省といたしましては、世界でも最も厳しい水準をもって全く安全であるということを世界に発信を引き続きさせていただきたいと思っております。  平木先生は復興大臣政務官の御経験もあって、非常に東日本大震災からも御努力されてきた方だというふうに承知をいたしております。  中国のマーケットは、私が言うまでもありませんが、人口も多くて経済発展も著しいわけでありますから、非常に期待の大きなマーケットだというふうに認識をいたしております。  昨年の十月、安倍総理が訪中されまして、私も同行させていただきましたが、そのときに習近平国家主席に会ったときも、それから李克強総理と対話したときも、総理自ら、我が国は、科学的見地に基づき、放射性物質に関し世界で最も厳しいレベルの基準を用いて、それを超過する食品は流通させていないんだということを何度も何度もお話をされておられます。トップセールスということでございます。  そして、閣内においても、当該、該当する国や地域への出張をする場合は、全ての閣内の人間はその当該の国や地域に対して規制の撤廃や緩和を働きかけるように厳しく指示をされているところであります。  引き続き、政府一丸となって科学的根拠に基づき撤廃、緩和が進むように粘り強く努力をしてまいります。
  223. 平木大作

    ○平木大作君 時間が来たので終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  224. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 以上で平木大作君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  225. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 次に、浅田均君の質疑を行います。浅田均君。
  226. 浅田均

    ○浅田均君 日本維新の会、浅田均でございます。  私は、まず、福島原発の処理水と原発の廃炉についてお尋ねいたします。  我が党は、衆議院の予算委員会でも、福島第一原発の処理水は、これまでに海洋放出されてきた処理水と科学的に何ら変わりなく、健康被害は想定できない、国内はもちろんのこと、韓国始め世界の国々に対し、福島第一原発の処理水が世界各地の原子力施設、ここが重要なんですよ、原子力施設を申し上げております、単に原発だけでなく再処理工場もこれ含むんです、だから原子力施設と申し上げております、から放出されてきました処理水と科学的には何ら変わりないということを丁寧に説明した上で、できるだけ早く海洋放出の決断をすべきと申し上げました。科学的に安全だったら大阪湾に流してもよいというのは、責任ある発言、勇気ある発言でありまして、決して無責任な発言ではございません。  ところで、この処理水をどう扱うか決めないことには、肝腎の廃炉作業に進みません。前へ進めない。  そこで、原子力規制庁、更田委員長にお越しいただいておりますけれども、資料一を御覧ください。(資料提示)これ、最新バージョンです。この間は一八%となっていましたけど、二三%となっております。この二三%につきまして、更田委員長は、衆議院で我が党馬場議員が質問したときのデータは一八%でしたが、これは二三%になっております。この二三%は安全基準をクリアしている、処理水の問題については、規制基準を満足する形での処理済みの、処理済水の海洋放出については、科学的、技術的観点から環境への影響は考えられないと答弁されていますが、もう一度確認させていただきます。間違いありませんか。
  227. 更田豊志

    ○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えいたします。  間違いございません。原子力規制委員会としては、規制基準を満足する形での処理済水の海洋放出については、科学的、技術的観点から環境への影響は考えられないと認識をしております。
  228. 浅田均

    ○浅田均君 ありがとうございます。  それでは、具体的に使用済核燃料の取り出し作業の推移、廃炉に向けての今後の見通しについてお伺いいたします。
  229. 新川達也

    ○政府参考人(新川達也君) お答え申し上げます。  東京電力福島第一原子力発電所の廃炉に向けて、当面の取組としては、使用済燃料プールからの燃料取り出しや燃料デブリ取り出し、汚染水対策などを行っております。例えば、燃料取り出しにつきましては、三号機では今年四月に取り出しを開始したところであり、また、一、二号機でも取り出し開始に向けて瓦れき撤去等の準備作業を進めております。また、燃料デブリ取り出しについても、取り出し開始に向け各号機における格納容器の内部調査などを進めているところでございます。
  230. 浅田均

    ○浅田均君 それで、廃炉については、まず、そのプールの中で核燃料を七体ずつ輸送容器に入れると、次にこの輸送容器をトレーラーに積み込んで原発敷地内に造った共用のプールに運んで仮置きすると聞いております。  共用プールの敷地はどれぐらい必要であって、またその敷地が確保できているのかどうか、お尋ねいたします。
  231. 新川達也

    ○政府参考人(新川達也君) お答え申し上げます。  福島第一原子力発電所では、事故のありました一号機から四号機までの使用済燃料プールの中の燃料につきましては、取り出し後、御指摘のように、輸送容器をトレーラーに載せて敷地内の共用プールに運んで保管をしております。他方で、これまで共用プールに保管しておりました燃料につきましては、大きめの容器に入れて敷地内の乾式キャスク仮保管設備において保管をしております。  今後、三号機からの取り出しに加え、一、二号機からの取り出し、また五、六号機からの取り出しも、取り出し等も必要でございます。  東京電力の試算によれば、今後、取り出した使用済燃料を一時保管するために追加的に約二万一千平方メートルの敷地が必要となると聞いております。他方、ALPS処理水の貯蔵のためのタンクエリアの拡大が進められているほか、廃棄物貯蔵施設の建設が予定されるなど、廃炉を進めるに当たって敷地制約が出つつある状況と認識をしております。  こうした状況を踏まえ、廃炉作業に必要な施設を建設するため、福島第一原子力発電所の敷地の有効活用を検討していくことが必要であると認識をしております。
  232. 浅田均

    ○浅田均君 もう一度確認しますけれども、このまま処理を、ALPSでろ過する水がどんどん増えていくと、そういう施設もなくなる可能性、確保する可能性が難しくなるということで、理解でいいんですか。
  233. 新川達也

    ○政府参考人(新川達也君) 福島第一原子力発電所では、ALPS処理水をためるタンクにつきましては現在九百六十三基用意をしております。ALPS処理水の増加量は年に五万から八万トンでございまして、二〇二二年夏頃に現在の計画にありますタンクは満杯になるということが見込まれているという状況でございます。こういう状況を踏まえまして、敷地制約を踏まえて、敷地の有効活用を検討していくことが必要であると認識をしております。
  234. 浅田均

    ○浅田均君 確保ができなくなるということであります。  それで、当初計画では廃炉に三十年から四十年掛かるということでしたが、そもそも原発の廃炉というのは具体的にどの工程までを指すんでしょうか、教えてください。
  235. 新川達也

    ○政府参考人(新川達也君) 福島第一原子力発電所の廃止措置終了の状態につきましては、燃料デブリ取り出しを始めとする廃炉作業や廃棄物の処理、処分についての研究開発等の進捗状況を踏まえて決めていくこととなります。  今後も予測の難しい困難な作業が発生することが想定されますが、いずれにせよ、国としては福島第一原子力発電所の廃止措置が適切に行われるよう最後まで責任を持って対応していく所存でございます。
  236. 浅田均

    ○浅田均君 今で三、四年遅れだというふうに聞いておりますけれども、三十年、四十年というのは間違いないんですか。
  237. 新川達也

    ○政府参考人(新川達也君) 福島第一原子力発電所の廃止措置につきましては、三十年から四十年を目標とするということを中長期ロードマップで定めておるところでございます。そちらに向けまして、関係者最大限努力をしてまいりたいと考えております。
  238. 浅田均

    ○浅田均君 それでは、次の質問に移ります。  重度訪問介護における移動支援についてお尋ねいたします。  重度訪問介護における移動支援の対象者のうち、通勤通学等の活動に係る外出を行っている方々がどの程度おられるのか、我が党の要望に沿う形で厚労大臣は全国調査を始められたと聞いております。現状を把握された上でどのような支援を検討されているのか、教えていただけませんでしょうか。
  239. 加藤勝信

    ○国務大臣(加藤勝信君) 障害がある方が働きやすい社会をつくっていく、そのためにどういう支援が必要なのか、そうした視点からしっかり議論していく必要があると。そういう意味において、今委員御指摘のように、常時介護を必要とする重度訪問介護を利用している方について、就労している方がどの程度いるのか、就労を希望している方がどの程度いるのかの実態把握を目的として、全国調査をこの十月に実施をし、十一月中には速報的な集計ですね、それをするべく調査実施法人と今調整をしているところでございます。  また、先般、十月三日には、日本維新の会からも、先生含めて御要望も頂戴をしているところでございます。  この調査結果を踏まえて、働く際に必要となる介助などの支援の在り方について、この省内においてもスピード感を持って議論をしていきたいというふうに考えております。
  240. 浅田均

    ○浅田均君 特に通学の場合、働いている御両親が連れていく必要があって、そのために休業を余儀なくされるという方もおられますので、御検討をよろしくお願い申し上げます。  それで、次の質問ですが、これ被用者、労働法制とか国支援があるのと違って何の支援制度もない個人事業主もその支援対象に含めるべきだと考えるんですけれども、厚生労働大臣の御見解をお伺いいたします。
  241. 加藤勝信

    ○国務大臣(加藤勝信君) 済みません、先ほどはちょっと通学について十分なお答えをしていなかったんですが、今回の支援は重度訪問介護事業所で、これ原則として障害者を対象としておりますので、障害、もちろん十八歳以上で通学されている方もいらっしゃいますが、障害児ということになるとまた違う議論が必要であります。  現在も教育施策において様々な対応も実施をされておりますけれども、この点についてはちょっと文科省とも連携を取りながら検討を進めさせていただきたいというふうに思います。  それから、個人事業主におかれても、障害を持ちながら、雇用ではなくて自ら、言えば自営業者として活動されている方もいらっしゃいますから、そういった方をどう支援をしていくのかということも今後の検討課題だというふうに認識をしております。
  242. 浅田均

    ○浅田均君 できるだけ早期の御対応をお願い申し上げます。  それでは次に、高齢運転者の限定免許制度の創設についてお尋ねいたします。  高齢ドライバーによる交通事故が多発しております。こういう被害をなくすために、認知機能が低下している高齢者が運転できる車種を自動ブレーキ搭載車などに限る免許制度の改正が必要だと考えております。大阪府からも、吉村知事が要望書を提出したと聞いております。  道路交通法は、更新時に認知症のおそれがあると判定された七十五歳以上の免許所持者に医師の診断を義務付けておりますが、結果によっては免許が取り消されますが、認知機能低下の疑いがあっても認知症と診断されなければ免許を更新できるので、今の制度は不十分だと思います。  そこで伺いますが、医師の診断の結果、認知症ではないが認知機能が低下していると診断された高齢運転者について、無条件に更新を認めるのでは問題ではないかと考えるんですが、御見解いかがですか。
  243. 北村博文

    ○政府参考人(北村博文君) お答えを申し上げます。  現在、七十五歳以上の高齢運転者が運転免許証を更新する際には、認知機能検査を受けていただき、認知症のおそれがあると判定された方には医師の診断を受けていただくこととされております。医師の診断の結果、認知症とされた方につきましては、運転免許が取り消されることとなります。  他方、委員御指摘のとおり、医師の診断を受けた結果、認知症ではないが認知機能の低下が見られ、今後認知症となるおそれがあるとされる方が一定数おられます。このような方につきましては、運転免許証の更新はいたしますが、原則として六か月後に再度医師の診断を受けていただくことにより、認知症となった後に自動車を運転されることがないようにしているところでございます。
  244. 浅田均

    ○浅田均君 自動ブレーキ等の付いたいわゆるサポートカーに限定した免許制度の創設が必要だと考えておりますが、御見解はいかがでしょうか。
  245. 武田良太

    ○国務大臣(武田良太君) 本年四月に東京都豊島区で大変痛ましい事故が発生するなど、高齢運転者による交通事故防止対策は喫緊の課題であると認識をしております。  現在、警察庁においては、有識者による検討会を開催し、高齢運転者の運転技能を免許証の更新時に確認することや、安全運転サポート車を前提とする限定免許を導入することについて、高齢運転者の運転免許制度の在り方に関する検討を進めてまいっております。  今後は、有識者による検討の結果を受けて、検討を速急に、早急に進め、運転免許制度の見直しにつなげてまいりたいと、このように思っております。
  246. 浅田均

    ○浅田均君 見直しを早め、早めに見直しいただくようお願いしておきます。私どもは、できるだけ高齢の方も働いていただく必要があると思います。働きたい方は働けるような環境をつくっていく必要があると思いますし、同時に、こういう事故を、痛ましい事故を防ぐためにもこういう制度の創設が不可欠であると考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。  それでは、残りの時間を使いまして、財政検証とその経済前提について質問をさせていただきたいと思っております。  これ、厚労省の二〇一九年財政検証結果、資料三の、二〇二九年以降の長期の経済前提についての表であります。いささか経済知識がある者がこの表を見ますと甚だ疑問に満ちていると、そういう前提に立って、所得代替率が六割とか五割とかいう話を、議論自体が私はちょっとおかしいと思っております。  それで、厚労省作成のものなので、他の経済官庁の大臣に評価を伺いたいと思っておりまして、最初、財務大臣に聞こうかなと思ったんですけれど、お仲間ですので客観的な評価はちょっと厳しいだろうということで、日銀黒田総裁にお越しいただいておりますけれども。  これ、ケースⅠからⅥまであって、ケースⅤ辺りが私は二〇二九年以降、一番上出来のケースかなと思っております。これを見ましても、実質〇・〇ですね、実質経済成長率がゼロ、名目で〇・八、これで、こういう状況で、賃金、実質賃金が〇・八%、名目ですと一・六%上昇するというふうになっております。こういうのが考えられないし、こういう経済状況でスプレッドが一・二%というのも考えられないと私は思います。年金の財政検証をやっているわけですから、厚労省の願望が入っているように思えてなりません。  これから働く人が減っていくと、これを増やしたい、保険料は厚生年金ですと一八パー、一八・三%で上限が決まっていると、だから賃金を上げないことには保険料収入も増えない、だから賃金をできるだけ上げて収入が多いことにしたいと、その前提として経済成長率も高いほどいいと、ということだと思うんです。  それで、これ二〇二九年度以降、二十年から三十年で、まああの試算によると二一一五年まで計算がされております。  で、二〇二九年以降の長期の経済前提、この成長ケース、ベースラインケース、全てのケースで二〇二九年から二一一五年までの八十六年間、気の遠くなるような先の話でありますが、少なくとも二〇二九年から二、三十年間、名目運用利回りが名目成長率を上回ることになっております。  過去の実績を踏まえると、この前提にどの程度の実現可能性があるのか、西村大臣に御答弁をお願いします。
  247. 西村康稔

    ○国務大臣(西村康稔君) お答えを申し上げます。  内閣府で中長期試算を出しておるんですけれども、これは二〇二八年度までの試算でございます。その中で成長実現ケースとベースラインケースを出しております。  成長実現ケースは、まさにアベノミクスで掲げておりますデフレ脱却、経済再生という目標に向けて、着実に成長をしていくという姿を描いておりますけれども、御指摘のTFP上昇率ですね、について、まず、ありますけれども、日本経済がデフレ状況になる前に、入る前に実際に経験した上昇率、これが一九八二年度から八七年度まで五年間、〇・九ポイント上昇したと、デフレ以前の状態です、ということを鑑みまして、現在、足下の〇・三%程度に〇・九を足して一・二%程度ということで成長ラインを置いております。それよりも、実はこの二九年度以降はやや下めに置いているということであります。  ちなみに、ちなみに、八二年度から八七年度は、実は一・六%から二・五%までプラス〇・九になって非常に高いTFPの上昇、生産性の上昇を示しておりますが、足下は〇・三から〇・九上がっても一・二ということでありますので、そのことを御理解いただければと思います。  いずれにしても、しっかりとこの成長ライン、成長実現ケースを我々としては実現をしてまいりたいと思っております。  それで、二九年以降が今お示しになっている表でございますけれども、これにつきましても、まさにケースⅠからⅢが成長、我々の成長実現ケース、ケースⅣ以下がベースラインケースということで、ここを見ていただきましても、TFPもケースⅢの場合でも〇・九、ケースⅣの場合で〇・八ということで置いておりますし、成長率、右側の方も〇・四、〇・二、それぞれケースⅢ、ケースⅣで、と置いていますので、過去の実績等も踏まえて長期的に妥当と考えられる範囲内で、幅の中で複数のケースを幅広く設定されたものというふうに承知をしております。
  248. 浅田均

    ○浅田均君 いや、西村大臣にお伺いしたかったのは、名目運用利回りが名目成長率をずっと上回るって、こういうことはあるんですかって聞いているんです。
  249. 西村康稔

    ○国務大臣(西村康稔君) 過去の成長率、ごめんなさい、名目の利回りですね、利回りがこの成長率を上回ると。これは、GPIF等の実績を見ていただけると、こういうことはあり得ると思います。
  250. 浅田均

    ○浅田均君 GPIFがやっているというのは、ごく僅かですよ。  時間がないので。日銀総裁にお越しいただいております。  この経済前提ですね、つまり運用利回りがずっと二十年から三十年間、名目成長率を上回ると、こういう経済前提に立つと日銀のバランスシートはどうなるんでしょうか。
  251. 黒田東彦

    ○参考人(黒田東彦君) 御案内のとおり、二〇一三年の量的・質的金融緩和の導入以来、日本銀行は大規模な金融緩和を実施しております。その下で、国債等の資産買入れによって日本銀行のバランスシートは御指摘のように大きく拡大しております。この先も、物価安定の目標の実現に向けて大規模な金融緩和を継続する考えでありまして、バランスシートの拡大は続くというふうに考えております。  もっとも、日本銀行としては、現在の政策を粘り強く続けていくことで、先行き、物価上昇率は徐々に高まっていって二%の物価安定の目標を達成できると考えておりまして、その際には、そうなれば、当然ですが、大規模な金融緩和を継続する必要はなくなりまして、日本銀行のバランスシートの規模も見直していくということになると思います。
  252. 浅田均

    ○浅田均君 このバランスシートにおいて、長期金利が上昇したときに保有長期国債の評価損がすごく生じると思うんですけれども、その点はどういうふうにお考えになっておるんでしょうか。
  253. 黒田東彦

    ○参考人(黒田東彦君) これも御案内のとおり、日本銀行の長期国債の評価につきましては、従来からの評価方法を取っておりまして、基本的に、時価との比較で評価損が出たということで、それを何か日本銀行の損に計上するということはしておりません。基本的には長期に保有するということでありますが、ただ、先ほど申し上げたように、将来、二%の物価安定の目標が達成されれば、当然拡大したバランスシートを見直していくということになるということは間違いございません。
  254. 浅田均

    ○浅田均君 私がしたいのはその間の議論なんですね。日銀はその簿価会計でやっているから評価損は表に出ないということをおっしゃりたいんだと思いますけれども、それならば、どうしてその民間金融機関、民間銀行に時価会計を強いているのかという理由を聞きたいんですけれども、時間がないので次の質問にします。  長期金利が上がれば短期金利も上がります。日銀当座預金に巨額の金利を払うことになる。この当座預金、四百八兆円ありますけれども、金利を払うことになるのではないかと思いますが、黒田総裁はいかがお考えでしょうか。
  255. 黒田東彦

    ○参考人(黒田東彦君) 御指摘のとおり、日本銀行が短期政策金利である付利金利を引き上げますと、この日銀当座預金に係る支払利息が増加して、収益を下押しするということになります。もっとも、この付利金利を引き上げるというような際は、経済・物価情勢が好転して、委員御指摘のとおり、長期金利も相応に上昇していくというふうに考えられます。したがいまして、当座預金に対する支払利息が増える一方で、日本銀行の保有国債がより高い利回りの国債に入れ替わっていくということになりますので、受取利息も増加することになります。  このように、日本銀行の収益面への影響は、この受取利息を含めたバランスシート全体について考えていく必要があるのではないかというふうに思います。
  256. 浅田均

    ○浅田均君 短期金利が上がると長期金利が上がると。それむしろ逆で、だから、長期金利が上がると、そのとき短期金利も上がって、これ、消費者物価二%ならば短期金利は二%ですよ、考えられるのは。そういうときに困りませんかという質問をしているんです。
  257. 黒田東彦

    ○参考人(黒田東彦君) 先ほど申し上げたとおり、短期金利を引き上げるというような状況ということは、御指摘のように、二%の物価安定目標も達成され、大幅な金融緩和を継続する必要はないということで、先ほど申し上げたように、バランスシートも見直すし、短期金利も見直すということになるわけですから、そういう時期には当然のことながら長期金利も上がっているわけであります。  したがいまして、日本銀行が保有している国債の平均残存年限というのはたしか七年から八年ぐらいだと思いますので、そういうテンポで入れ替わっていきますので、より金利の高い国債の保有に入れ替わっていきますので、受取利息も増加していくということも併せて考えていく必要があるということでございます。
  258. 浅田均

    ○浅田均君 残念ながら、最後の一問を何にしようかなって迷っているんですが、ここに名目長期金利をどの程度の値にしているのかというのは出てこないんですよ。運用利回りというのは出てくるし、成長率というのも出てきますけれども、名目長期金利をどの程度の値と想定されているのか、これ、厚労大臣、お答えください。
  259. 加藤勝信

    ○国務大臣(加藤勝信君) 当初の十年間は、これは内閣府の試算をベースにやっていますから、内閣府の長期金利等をベースに運用利回りを出しているんですが、財政、あっ、ごめんなさい、年金のこの財政検証で必要なのは実質の運用利回りでありますから、あえて名目金利を出す必要がないので、我々としては、先ほど議論がありました、生産性の向上からGDPの成長率を出してきて、そこから、ちょっと、計算式ちょっと言いませんけれども、計算して出てくる実質運用利回り、それをベースに検証しているという、そういうことでございます。
  260. 浅田均

    ○浅田均君 名目長期金利が分からないことには実質運用利回りというのは出てこないと思いますが、いかがですか。
  261. 加藤勝信

    ○国務大臣(加藤勝信君) 実質、先ほど申し上げた、生産性向上がどのぐらいあって、そしてそれがGDPにつながり、GDPの上昇を背景に利潤率がどうなっていくのか、そして、その利潤率が過去GDPが運用してきた間の利潤率と比べてどのくらい上がっているかを見ながら、この間の実績がありますから、GDPのです、ああ、ごめんなさい、GPIFの運用利回り、これを修正するというか係数を掛けて出していると、そういう計算の仕方で出しているものですから、長期金利を出さずに実質運用利回りを言わば算出をしている、そしてそれをベースに財政検証を行っているという、こういうことであります。
  262. 浅田均

    ○浅田均君 今の厚労大臣の御答弁には理解できない点が何ぼかあるんですけれども、これまた質問で突っ込むとまた委員長の御叱責を仰ぐことになりますので、ここで質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  263. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 以上で浅田均君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  264. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 次に、片山大介君の質疑を行います。片山大介君。
  265. 片山大介

    ○片山大介君 日本維新の会の片山大介です。  私は、まず、今回、政府が本格的に取り組むという就職氷河期世代について伺いたいと思います。(資料提示)  その就職氷河期世代というのは、バブル崩壊後の一九九三年から二〇〇四年にかけて高校や大学を卒業し、今年度で大体三十四歳から四十九歳ぐらいになる人たちのことなんです。バブルの崩壊後、企業が採用を手控えたために希望する就職ができず、今も不本意ながら不安定な仕事に就いたり無業でいたりする人たちのことなんです。  既に、もう卒業から既に十五年から二十五年たっているのに今回政府としては初めて本格的にこれに取り組むという、この理由について教えていただけますか。
  266. 西村康稔

    ○国務大臣(西村康稔君) 氷河期世代の方々、いわゆるバブル崩壊後に就職に非常に困難をされた、そういう方々の現在が、まあいろんなそれぞれの方々の事情がございます。アルバイトでやっておられる方もおられる、もちろん一部正社員になられている方もおられるでしょう、それから、逆に社会との関わりが非常に難しくなっておられる方もおられます。  そうした方々、人数にして百万人ぐらいおられるのかなということで一応の推計をしておりますけれども、そうした方々に対して、是非生きがいを持って、やりがいを持って社会で活躍していただきたいと、それぞれの持ち味を生かしていただきたいと、そんな思いでこの氷河期世代の皆さん方に是非頑張っていただこうということでプログラムを策定したわけでございます。結果として、この方々が社会の中の一員として持ち味を発揮できるように、社会との関わりが持てるようになってくれば、それは全体として日本経済、社会にとってもプラスになるというふうにも思います。  いずれにしても、それぞれの方が生きがい、やりがいを持って生きていけるような、そんな人生を歩めるようにしっかりと支援をしてまいりたいと考えております。
  267. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 第一次政権、今から十二年前でございますが、第一次政権ができたときにですね、第一次政権の大きな政策として再チャレンジ社会をつくっていく、それはこの就職氷河期の方々もこの視野に入れていたものでございまして、こうした方々が、残念ながらそのときの経済状況が悪くてなかなか就職できなかった。しかし、たくさんの大切な人、人材でありますから、その方々が、日本ではなかなか再就職というのは難しかったんですが、そういう道をしっかりとつくっていくことが日本の発展につながっていくんだろうと。  こういうことでございましたが、しかし、残念ながら第一次政権は一年で終わってしまいましたので、今度再びこれを主要な課題として、就職氷河期の方々は残念ながら、あれから十二年、年を経たのでございますが、現在でも希望する就職ができず、不本意ながら不安定な仕事に就いている、あるいは、社会とのつながりを持てず、より丁寧な支援なしでは社会参加が困難になっているなど、様々な課題に直面をしている方々がおられますが、就職氷河期世代の方々の活躍の場を更に広げるための三年間の集中プログラム政策を挙げて取り組むこととしたわけでございますが、こうした方々が更に活躍していくことが日本の未来にもつながっていくんだろうと、こう思っております。
  268. 片山大介

    ○片山大介君 そうなんです。安倍第一次政権でおやりになったんですけど、ただ、なかなか余り効果が薄かったと、あったと思います。  それで、多くの経験を積まなければいけない時期に適切なスキルを身に付けられなかった世代をつくったというのは、私ども国家的な損失だと思います。そして、なおかつ、この世代の方たちは、もうどんどん時間的にも、やっぱり年齢的にも余り時間がなくなってきている。  じゃ一体、その氷河期世代の人たちはどれくらいいるのかというのをちょっと表したのが次のパネルなんですが、これは、この資料は政府が就職氷河期世代を紹介するときに使う資料なんですが、これを見ると千六百八十九万人となっているんですが、年齢のところを見ていただきたいんです。これ、三十五歳から四十四歳となっているんです。さっき言ったように、今年度は三十四歳から四十九歳になるのに、四十代後半がこれ抜けているんですよね。これはどういうことなのか教えていただけますか。
  269. 西村康稔

    ○国務大臣(西村康稔君) お答え申し上げます。  統計、総務省の統計上、これ、四十五歳から四十八歳とか、四十五歳とか四十九歳とか、こういう取り方ができませんで、統計上、そこに示されているとおりの示し方をしているんですが、ただ、先ほど申し上げましたとおり、バブル崩壊後の世代は四十九歳ぐらいまで含まれるわけでありますので、そういう意味では、そこにも、中心層という言い方をしておりますけれども、その方々でそこで全てというわけではなくて、若干の幅、それぞれの御事情もあると思いますので、若干の幅があるということで、そういう示し方をさせていただいております。
  270. 片山大介

    ○片山大介君 そうすると、やっぱりその数字を矮小化しているような感じもする、見えてくるんですよ。就職氷河期世代で一番苦しんでいるのは四十代後半から五十代になりかけの人たちなんですよ。この人たちはいわゆる団塊ジュニアと呼ばれる世代でもあります。社会保障でその高年齢の方たちがピークを迎える二〇四〇年問題、二〇四〇年問題のときにちょうどその四十代後半から五十代の方たちというのは七十歳を超え始めるんですね。だから、そうすると、やっぱり一番今から対応を打たなきゃいけないのにこれを入れていないんです。  ちなみに、今、西村大臣がその調査、データがないと言ったんですが、ちょっとほかのデータで調べると、四十五歳から四十九歳までの非正規従業員の数って二百三十万人いるんですよ。そうすると、それを足すと、これ三百七十万と足すと六百万人近くなる。そうすると、就職氷河期世代の非正規従業員の数は六百万人と言った方が正しいのを捉えていると私は思いますけど、そこはどうです、いかがですか。
  271. 西村康稔

    ○国務大臣(西村康稔君) 御指摘のとおり、我々も少し幅を持って考えておりますので、まさにそこに書いてあるのは中心層ということで考えておりますので、そこで、その方々で全てということではなくて、もう少し幅を持って考えていきたいというふうに思っておりますが、私どもがいろいろ調べたデータ上はそういう一応整理をさせていただいたということでありますので、委員御指摘のような考え方も含めて、できるだけ多くの方により良い処遇で、正社員含めてなっていただけるように努力をしていきたいというふうに思います。
  272. 片山大介

    ○片山大介君 いや、だったらデータも直していただきたいなというふうに思います。  それで、今回の政府の目標が三年間で三十万人の正規雇用を増やすことというんですね。これも、この膨大な数からすると少ないように見えますけど、そこはどういうお考えでしょう。
  273. 西村康稔

    ○国務大臣(西村康稔君) それぞれの方々の事情がありますので、短期間で割合早く処遇が改善される方もおられると思いますし、より長く寄り添いながらやっていかれる、支援をしていかなきゃいけない方々もおられると思います。そういう意味で、様々事情はあると思いますけれども、この三年間で集中的に取り組んでいこうということで、きめ細かな対応をまず三年間やろうということで決定をいたしまして、その中で、三年間でまず三十万人ということのゴールを、目標を置かせていただいているわけでございます。  ただ、この三十万人正社員にするということだけがゴールではありませんので、それぞれより良い処遇、少しでも社会と関係が持てるような、そんな支援をしっかりしてまいりたいと考えております。
  274. 片山大介

    ○片山大介君 それで、ここの、窓の吹き口みたいなのがここにあるんですが、正規雇用を希望しているけれども今は非正規で働いている人がここの計算では五十万人となっているんですよね。これも労働力調査の結果からそういう推計を立てているんですが、ただこれ、非正規の問題というのは、やっぱり諦めている人がいて、正社員になることをもう既に諦めている人がいる、そういう人をきちんとカウントすべきだと思うんですよね。  それで、就職氷河期世代の一番の問題というのは、非正規で職を得ても、労働基準法だとか労働者派遣法によって非正規雇用の上限は三年というルールがあって、三年を前に雇い止めを繰り返されたことなんですよ。そうすると、スキルが身に付かない、前職が評価されない、そうしているうちにどんどん正社員の道が遠のいていって諦めていった、こういう人たちがすごく多いわけですよね。  だから、これはその数字からはなかなか見えないところなんですけれども、西村さん、これどういうふうにお考えですか。
  275. 西村康稔

    ○国務大臣(西村康稔君) 繰り返しになりますけれども、それぞれ様々な事情がございます。今アルバイトなり非正規なりで働いておられる方々は職業訓練、リカレント教育をやることによって正社員になる道がより開けやすいと思いますし、非正規で働いておられる方々のそれぞれの事情もいろいろあると思います。  ただ、今、経済環境、足下の雇用、所得の環境は非常にいいですから、失業率も二・二%と史上最低の状況に今なっておりますので、そうした中で、より企業の側も正社員にしようという意欲もありますし、現に百三十万人以上正社員が増えております。ですので、このチャンスを生かして、まずは三年間で三十万人という目標を立てておりますが、より多くの方に正規の社員になっていただけるように、我々しっかりと支援してまいりたいというふうに考えております。
  276. 片山大介

    ○片山大介君 それで、非正規から正規への転換はまだ簡単だと思うんですが、先ほど別の議員、別の委員からも質問があったように、引きこもりの人などとか、長い間職に就きたくても就けなくて今現在仕事をしていない人なんかも多いんですよね。こういう人たちの手当てが今回のその支援でどこまでやれるかという、これが一番肝だと思うんですけれども、そこら辺はどういう対応を考えているんですか。
  277. 西村康稔

    ○国務大臣(西村康稔君) 御指摘のとおり、既に社会に出て非正規の形で、何らかの形で働いておられる方は訓練すれば正社員になりやすいというところは御指摘のとおりであります。  今社会に出ていない方であっても、働きたいという意欲を持っておられたり、何らかの努力をしておられる方もおられると思いますし、より寄り添って、まずは社会との関わりを持つように支援をしていかなきゃならない方々もおられると思いますので、その辺り、お一人お一人の事情に寄り添いながら支援をしていきたいと思いますけれども、社会に出たいと思っておられる方については、トライアル雇用とか、あるいは特定求職者の雇用開発助成金とか、企業の側が雇うとその分支援が出るという仕組みもありますので、こういった仕組みも活用しながら、いろんなメニューをお知らせをしながら、少しでも多くの方にまずは社会に出ていただく、あるいはより良い処遇になっていただく、そして正社員、正規の社員になっていただくというような、それぞれの事情に応じた支援をしっかりとしていきたいと考えております。
  278. 片山大介

    ○片山大介君 そうすると、それはどちらかというと福祉政策に近いようなところも出てくるんだと思います。それで、今いろいろなメニューを用意しているので、それもちょっといろいろ聞いたんですけれども、そういった引きこもりのような人たちをきちんと導いていくような、そういうレールに乗せるようなのが、どうも具体策がまだちょっと弱い感じがする。  それから、非正規から正規への雇用の転換についても、やっぱりこれまでの政策の延長上みたいなところがあるんですよね。それ、これまでの政策だとどうもなかなか浸透しなかった、効果が薄かったようなものもあるんですよね。だから、これかなり難しいところではあるんだけど、これをしっかりやっていかなきゃいけないなというふうに思っています。  それで、ちょっと時間がないから急ぐと、そして、それでこういう方たちを正社員にして、それで、将来的にはこうした方たちのその生涯年収というのが、これがどのようにあるべきだというふうにお考えなのか、ちょっとこれを聞きたいんですけど。
  279. 加藤勝信

    ○国務大臣(加藤勝信君) 今、いかに社会参加に入っていただくのか、正規、非正規から正規に変わるかについては西村大臣からお話がありました。  やはり高い賃金を目指していくために、やっぱりそれぞれ持っているスキル、技術を上げていく必要があるということでありますので、在職者の訓練あるいは人材開発支援助成金、こういった施策を通じてそれぞれの個々の方の職業能力、これを上げていく、そしてそういう中で賃金の上昇を図っていく。  それから、やはり全ての方が大企業に就職できるわけではありませんから、最終的には中小企業においても生産性向上を通じて賃金の向上が図れる、そういう例えばICTの活用等々の施策、こういったことも地道にやっていく中で、そういった皆さん方が職業に就いて、しかも定着をし、そしてそういう中で賃金が上がっていく、そういう環境をつくっていく必要があるというふうに思います。
  280. 片山大介

    ○片山大介君 いや、おっしゃるとおりなんですよ、だからそれをきちんとやらなきゃいけないんで。  ただ、今回の支援策を見ると、どうしても出口、出口というか目標が正社員の就職までで止まっているんですよね。で、正社員になったとしても、それは正社員の序列の一番後ろの末席に並んだだけであって、今の日本社会はやはりそこから一歩一歩年功賃金を上がっていかなきゃいけないんですよね。そうすると、その賃金が低くて、そしてその不遇な待遇にやっぱり我慢できなくなり、二、三年で転職することだってあるので、これはやっぱり長期的なフォローアップをしなきゃいけないと思う。  それから、今、氷河期世代の人は、やっぱりもう貯金もなくぎりぎりの生活から、どれくらいのところの年収をもらえれば、そうした例えば結婚だとか出産が考えられて、そして老後の年金としても十分なのか。支援するんだったらやっぱりそういったことまで考えて、この世代に対して考えていく必要があると思いますけど、総理、どうですか。
  281. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど加藤大臣からも答弁させていただきました。  確かに、片山委員が言われた問題意識というのは大切だと思います。就職氷河期の方がこの仕事を得て正社員になって、しかし、それから貯蓄がない中で果たして結婚ができるのか、どれぐらいに収入が将来上がっていくのかということでございますが、私どもとしては、就職氷河期の方々が、経済状況が悪い中において行きたいところにも行けずに、結果として、非正規、あるいは仕事に就かずにアルバイトをしながら日々過ごしている、あるいは引きこもり状況になっている方々に対して少しでも現状を良くしていきたいと、こう思っておりますし、それぞれのこの年齢を見てみても、今やらなければいけない。本当はもっと十二年前にやっておけばよかったと思っておりますが、しかし、まあ十二年前からリカレント教育等が本格的に始まったのは事実なんですが。  そこで、同一労働同一賃金、まさに非正規の壁、正規、非正規の壁を打ち破っていく中において、我々、雇用情勢が非常に今いい状況においては、なるべく多くの方々が正規になっていただき、社会保険の枠組みの中にも入っていっていただき、そしてまた、なかなかそう簡単ではないんですが、まあブレア政権当時も、言わば引きこもりに近い方々が働く場に戻れないかということで、アウトリーチ、そこに、待っているのではなくて、出かけていって、様々なガイダンスや何かをやりながらお仕事に就いてもらうということをやっていたわけでございますが、我々も様々な手段を使いながら、政策を使いながら、少しでも今の状況よりも良くしてチャンスをつかんでいただきたいと、こう思っております。
  282. 片山大介

    ○片山大介君 それで、私の地元兵庫の宝塚では自治体の方で動きを出していて、氷河期世代対象に正規の職員三人を募集したら、実に千八百人の応募が三十四の都道府県からあったというんですよ。倍率六百倍なんですね。まあ公務員人気もあるのかもしれないんですけれども。今、ほかの自治体もやっぱり同じようにその氷河期世代を対象に絞り込んで採用しようかという動きもあるんですけど、これに対して、国としての何か支援だとか、まあ金銭面もあるのか分からないですけど、そこはどのようにお考えですか。
  283. 高市早苗

    ○国務大臣(高市早苗君) 委員がおっしゃった宝塚のことを取り上げた番組、私も見ておりました。最近は地方公共団体でも中途採用が増えていて、特に三十歳代から四十歳代の採用増えてきていると承知をしています。しかし、募集に当たって、これが就職氷河期世代を対象にしたというような触れ込みで募集をされているというところはほとんど見られておりません。  総務省でできることということなんですけれども、去る十月十一日に通知を地方公共団体に発出をいたしまして、受験資格の上限年齢の引上げ、それから対象者への周知の強化、これをお願いしたところでございます。
  284. 片山大介

    ○片山大介君 是非そういう動きが広がってくればと思いますので、最初に総理も言ったように、やっぱり第一次安倍政権のときにそれやられて、その後、総理、一年で退陣されたといいますけど、総理自身も再チャレンジされて、今回、在任期間が憲政史上最長になるというんですから、氷河期世代の彼らの再チャレンジも是非本気で支援をしていただきたいというふうに思います。  それで、時間ないので次の質問に入りたいと思います。  次は、今回の台風被害のやはり原因の一つとも言われている温暖化の対策、気候変動対策です。これまでも衆参の委員会で同じ質問も行われているんですが、やはりちょっと私も聞きたいというふうに思います。  それで、小泉大臣はニューヨークでの気候行動サミットに出られました。それで、そのときに六十六の国と地域が二〇五〇年には温室効果ガスの排出をゼロにするということを公表しました。ただ、日本はそれに名を連ねませんでした。その理由について教えていただけますか。
  285. 小泉進次郎

    ○国務大臣(小泉進次郎君) 片山先生から御指摘いただいたとおり、ニューヨークに行きまして、六十六の国そして地域合わせて二〇五〇年にネットゼロと、それをコミットされたというのはそのとおりであります。  日本政府としては、今、二〇五〇年以降できる限り早く脱炭素社会の実現をコミットしているところでありますので、私の気持ちとしては、二〇五〇年以降できる限り早くということは、二〇五一年でもその範囲には当たりますから、その実現に向けてあらゆる施策を導入していきたいと考えております。
  286. 片山大介

    ○片山大介君 すごく言い切っていただいたので、まあいいと思います。まさにそれくらいの気持ちでやっていただきたいと思うんです。  それで、次のパネルを見ていただきたいんですが、これ、今の日本の長期戦略ってこうなっているんですよね。今世紀後半のできるだけ早くに脱炭素社会、まあ実質ゼロにすると言っているんです。だから、これが国際的に見ると、やはり国際社会の目は若干厳しいので、できるだけ早くやるというのが大切だと思います。  それで、小泉大臣が今、二〇五一年にもと言われたのであれば、是非それを実現していただきたい。それで、小泉大臣がこれまでの答弁でも言われたその二〇五〇年の目標というのは、二〇三〇年のような積み上げ式じゃなくて、ゴールを決めること、目標を定めてそこに向かっていくことが大切なんだと。私もそのとおりだと思うんですよ。  ただ、もう一つあるのは、今できることからやっていくことも必要なんですが、今の日本の長期戦略、それから現場では、そうした現状の政策は現状のまま変えようとしなくて、そして技術革新だとかそういったもの、イノベーションにちょっと任せようとしているところがあるんですが、なかなかそれは難しいんじゃないかなというふうに思いますが、どのようにお考えでしょうか。総理に。
  287. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほどの指摘なんですが、我が国としては、パリ協定が掲げる今世紀後半のカーボンニュートラル実現の目標の達成に向けて、国連気候アクションサミットに先立つ本年六月に、今世紀後半のできるだけ早期に脱炭素社会の実現を目指すとした長期戦略を策定し、国連に提出をしました。  実は、国連提出の長期戦略でカーボンニュートラルを目指すことを宣言しているのはG7の中では唯一日本だけでありまして、日本だけが唯一長期戦略でカーボンニュートラルを目指していると宣言したので、もっとこれ、日本人というのは余り宣伝が得意じゃないので、これ、もっとちゃんとアピールした方がいいのかなと思うんですが、その上で申し上げれば、さらに、国連気候アクションサミットで二〇五〇年カーボンニュートラルを表明した六十六の国と地域のうち、大半が実は現時点でパリ協定に基づく長期戦略を実は策定していないんですねということ、という現実があるということでございまして、日本は非常に真面目にしっかりときっちり考えて長期戦略を立てて、その中で果たして現実にどれぐらいが可能かということについて日本は非常に真面目にリジッドに考えているわけでありまして、どんな野心的な目標も掲げるだけでは意味がなく、重要なことは、目標の実現を裏打ちする具体的な政策を示し、行動を起こすことだろうと思います。  とりわけ、カーボンニュートラルの実現は、これまでの延長線上の取組ではこれは実はやっぱり、やっぱりこれは困難なんですね。非連続のイノベーションを起こすことが不可欠であって、ここに頼っているのでは駄目だと、こう言われるんですが、しかし、ここに非連続的なイノベーションを起こさなければ実は目標達成というのはできないんだろうと、こう考えています。  そのため、我が国の長期戦略では、脱炭素社会に向けて水素社会の実現や人工光合成の実用化など具体的な方策について盛り込んでいるわけでございまして、この長期戦略に基づいて、我が国は早速、先週、G20の研究機関の英知を結集するためのRD20を我が国で開催するとともに、世界で初めてとなる、世界トップレベルの研究者、産業界、金融界が一堂に会するグリーン・イノベーション・サミットを開催するなど具体的な行動を起こしているわけでありまして、ただ単にイノベーション大切ですねと言っているだけではなくて、日本が主導権を握ってこのイノベーションを、非連続、非連続のこのイノベーションを実現するという決意を持って、我々、言ったことは実行していきたいと、こう考えているところでございます。
  288. 片山大介

    ○片山大介君 ただ、総理、それでもやっぱりEU諸国を始め六十六か国はやっぱりゼロ、二〇五〇年ゼロを言っているんですから、そこはやっぱり日本言えていないというのは、日本が何か謙虚にしているという話でもないような気がします。  それから、やはりイノベーションも大切だと思います。それで、この分野は経済成長の新たな分野にもなり得ると思うから、それも恐らく促していく、促進させていくことも大切だと思いますが、今できることもやっぱり考えていった方がいいと思います。  これ、なかなか難しい議論になるのがやっぱりこれは石炭火力発電所の話ですね。これも長期戦略では、依存度を可能な限り引き下げるというところにとどまっている。これは、長期戦略の策定過程では、長期的には全廃するという案もあったんだけれども、一部委員が反対して、可能な限り低減させるというのにとどまったわけだったと思いますけれども。  日本は、だけど、将来的には脱炭素社会を掲げているんであれば、長期的な全廃というのもこれは掲げられるんじゃないのかなと思いますが、大臣、どのようにお考えですか。
  289. 小泉進次郎

    ○国務大臣(小泉進次郎君) まず、先ほどありましたイノベーションについて一言だけ申し上げさせていただきますと、非連続なイノベーションというのは、起きるかどうか分からないことに頼っているという指摘が一部あるのはそのとおりかもしれませんが、そうとも言えないのは、この前のノーベル賞に、取りました吉野先生のリチウムイオン電池、あれこそまさにイノベーションが実現をすることによって、モバイル社会、そして再エネ、そして私たちが使っているスマホ、様々なことが革命的にライフスタイル含めて変わりました。あれは二〇〇七年から環境省が支援をしていたということもありますので、まさにこれからそのような非連続なイノベーションが実現するようにやっていきたいというふうに思います。  そして、今、石炭についてもお話がありました。この石炭につきましても、環境省としてのまず基本的なこの石炭に対する立場を、基本的な考え方を申し上げれば、長期戦略にあるとおり、今、片山先生もおっしゃいましたが、石炭火力を含む火力についてその依存度を可能な限り引き下げると、これが環境省としての基本的な考え方でもあります。これによって温室効果ガスの排出総量の削減を図り、究極的にはカーボンニュートラル、すなわち脱炭素社会を実現をしようというのが我々の考えです。  その上で、この実現に向けて気候変動政策を所管する環境省による足下での対応としては、二〇三〇年度の温室効果ガスの削減目標の達成に向けた電気事業分野の取組状況を毎年厳格に評価をした上で、必要であれば、エネルギー政策を所管する経産大臣と、経産大臣として取り得る手段の検討について、密接な意思疎通を環境省そして経産省取っていくことによって二〇三〇年度の削減目標の達成を確実なものにしていきたいと。  つまり、我々としては、できる限り減らしていきたい、そしてその暁には脱炭素社会を実現をしていきたい、これが基本的な考え方になります。
  290. 片山大介

    ○片山大介君 その経産省との連携を取ってと言うんですが、それは恐らく、例えば石炭火力とかであれば、その事業者が出した環境アセスに対する環境省意見だと思いますが、その環境省意見でもこれまで容認できないというのは数回出たけれども、結局、だけど建設が中止されることはなかった。だから、なかなかこれ実効性が実はないというふうに思われているんですが、じゃ、そこも今度は厳しくやっていくという判断でよろしいでしょうか。
  291. 小泉進次郎

    ○国務大臣(小泉進次郎君) 片山先生がおっしゃったとおり、環境省として取り得るツールに限りがあるというのは、私もそのとおりだと思います。  ただ、その取り得るツール、手段、それを、何ができるかを考えながら、例えばこのアセス、そういった中では今までも石炭火力に対しては厳しく臨んでおります。気候変動のこのトレンドに逆行するような、そういったことはいけないと、そして、長期的には投資案件としても事業としても相当なリスクがあること、こういったことの意見も付しております。  今後、今のところアセスとして上がってくる新規の案件は今ありません。しかし、今アセスが完了して進んでいる案件に対しても、毎年、今、電気事業の分野のレビューをやっているわけでありますから、そこで厳格に見続けていきたいと思います。
  292. 片山大介

    ○片山大介君 そうなんですね。  それじゃ、環境省ができること何かなというと、やっぱりまず真っ先に思い浮かぶのはカーボンプライシングなんですよね。  カーボンプライシングについては、ちょっと次のパネルを見ていただきたいんですが、温室効果ガスのコストを意識して行動するように炭素の排出に対して価格を付ける方法で、事業者に炭素税を賦課する炭素税のやり方と、あと、事業者ごとに排出量の上限を決めて排出量の枠の売り買いをする排出量取引と。  これ実は、去年検討会が報告書をまとめて、その二〇五〇年の八〇%削減ですら現状の施策の延長じゃ無理というふうに、そこでカーボンプライシングがとても有効だというような報告書をまとめたんですね。  それを受けて、今、環境省の諮問機関、中央環境審議会の小委員会で議論されているんですが、一年たっても賛否両論を並べた中間整理をしただけなんですよね。これ、結論をいつ出すかもまだ決まっていない。これはその去年の報告書よりは少し後退しているようにも見えるんですが、どのようにお考えでしょうか。
  293. 小泉進次郎

    ○国務大臣(小泉進次郎君) 片山委員がおっしゃったとおり、検討会の後に小委員会、これ中央環境審議会の下の小委員会でありますが、そこで議論をして、八月に議論の中間的な整理を行い、賛否両論含めた議論があったところです。  これについては、後退という表現がありましたが、むしろ、賛否両論、両者の有識者も交えながら本当に率直な議論をしていただこうと、そういった形でまとめたものであります。  私も、このカーボンプライシング、どちらの、炭素税なのか排出量取引なのか、いずれのツールを選ぶかは問わず、今後、技術的な専門的な議論が必要なところであろうと思いますので、私もこの部分はしっかりと見ていきたいと考えております。
  294. 片山大介

    ○片山大介君 是非やっていただきたいと思うんです。  そして、国がなかなか進まないのに先んじて、自治体の方は実は進んでいるんですよ。  それで、東京は二〇一〇年、埼玉は二〇一一年に、それぞれ独自に、一定規模以上の事業者に対して排出量取引の制度を導入した。これがその結果なんですけれども、東京は導入前に比べてCO2が二八%削減、そして埼玉は二七%削減となって、効果が出ているんですよね。これについてはどのような評価でしょうか。
  295. 小泉進次郎

    ○国務大臣(小泉進次郎君) 東京都や埼玉県によれば、排出量取引制度の導入後、両都県の対象事業所からのCO2排出削減は継続して進んでいるというふうにされています。また、制度実施に当たっては、行政側と事業所側が密接なコミュニケーションを取って、削減が進むように相互に協力しているというふうに聞いています。  環境省としては、こうした点も含めて、関係方面の御努力、御尽力、これについては、排出削減を実際に実現しているわけですから、これを評価しています。カーボンプライシングについては、各方面との対話を重ねながら、引き続き、専門的、技術的に議論を進めたいと思います。
  296. 片山大介

    ○片山大介君 その自治体以外にも、企業やNGO団体など、非国家アクターというんですけど、それが独自の取組をしていて、企業の中にはパリ協定に整合した自社の目標をもう打ち出しているところだってあるんです。だから、国のやるべきことは、そうした動きを支援することなはずで、対策に努力した人が報われるような制度を是非これつくっていかなきゃいけないと思います。今のまま二酸化炭素を出しても許されるような社会であれば余り対策は進まないと思うので、そこはやっぱり最後は政治が判断をして前に進めていく。  これは新たな成長、経済の成長分野にもなるんだから是非頑張っていただきたいと思いますが、これ、総理、最後にお伺いしたいんですが。
  297. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 安倍内閣晋三、安倍内閣総理大臣
  298. 安倍晋三

    内閣総理大臣(安倍晋三君) 安倍晋三でございますが。  まさに環境と成長の好循環を回していきたいと、こう考えているところでございまして、確かに、片山大臣が言われた、片山委員が言われた点は大変重要だと、ちょっとお父様と混同したわけでございますが、片山委員が言われた点は大変重要だろうと、問題意識は大変重要だろうと私も思っております。  その中で、成長と、環境と成長の好循環を回していくべく、しっかりと政策を立案をしていきたいと、このように考えております。
  299. 片山大介

    ○片山大介君 是非よろしくお願いします。  私も参議院の環境委員会の理事をやっていますので、是非そこは一緒に前に進むように環境政策取り組んでいきたいと思いますので、是非よろしくお願いします。  これで終わります。ありがとうございました。
  300. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 以上で片山大介君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  301. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 次に、石井苗子君の質疑を行います。石井苗子君。
  302. 石井苗子

    ○石井苗子君 日本維新の会の石井苗子です。  時間も限られておりますので、パネルを用意しておりますので、よろしくお願いいたします。  日本維新の会は、岩盤規制の規制緩和を政策の重要課題としております。これは日本維新の会の政務調査会の資料の一つですけれども、十大岩盤規制というリストでございます。(資料提示)  今日は、その中の九番目にあります保育・介護施設の各種基準の地方分権について質問させていただきます。  待機児童問題、これまでもいろいろ話題になっておりますけれども、日本維新の会の片山虎之助代表が本会議でも指摘しておりました、この待機児童問題の改善につきます規制の緩和でございます。  保育所の需要は増えているのに保育士の数が追い付いていかない、この待機児童問題ですけれども、私は、これは厚労省の設置基準が足かせになっているのではないかと考えております。  例えば、厚労省が決めております基準に合った保育士が足りないという問題ですけれども、保育士の資格がなくても、一定の講習を受けて准保育士と、仕事ができる人が准保育士であれば、基準にある保育士とその人数を置き換えてもいいのではないかということは、これは大阪の松井代表がずっと話題にしていることでございますが。  総理にお伺いをいたします。  この大阪の准保育士の話は、厚労省が定めている保育所の最低基準が実際にはこの人員体制の過剰な規制になっているのではないか、つまり、最低基準を定めていることによって自治体の自由度というのを奪っているのではないかと、これが待機児童問題の解決を遅らせているのではないかと我々は思っているんですけれども、総理の御見識はどうでしょうか。
  303. 安倍晋三

    内閣総理大臣(安倍晋三君) 待機児童の解消については、約六十五万人分の受皿整備や、保育士等について月額最大八万一千円の処遇改善を実施するなど、これまで待ったなしの課題として取り組んできており、待機児童数はこの四月には調査開始以来最少となる一万六千七百七十二人まで減少しました。  保育所の設置基準の詳細については加藤大臣からこの後答弁させますが、保育の質の確保、向上を図ることも重要な課題であり、最低限遵守すべき基準を設けた上で、地域の実情を踏まえた柔軟な取扱いが可能となるように努めているところでもあります。  待機児童解消のために、引き続き国としても市町村をきめ細かく支援し、全力で取り組んでまいります。
  304. 加藤勝信

    ○国務大臣(加藤勝信君) 委員御指摘のように、待機児童の解消、これも喫緊の課題ではありますけれども、同時に、保育の質を確保する、また向上を図っていくということも同時に進めていかなきゃならない。そういう観点から、現行、人員配置等の基準を決めさせていただいておりますのは、児童の身体的、精神的、社会的な発達に必要な保育の水準を確保するための最低基準として必要だと、こういう考え方によるものであります。  ただ、待機児童解消のために、人員配置の弾力化、また面積についても、これは大阪市も入っておりますけれども、大都市部の一部の地域に限り国の基準を標準とする、標準とするというのは合理的な理由があればその基準に従わなくてもいいということでありますが、として国の基準と異なる内容を定めることができると、こういう仕組みを入れておるところでございますので、そうした待機児童の実情も踏まえながら、しかし一方で質の確保、向上を図っていくと、そのバランスを取りながら進めていきたいと思っています。
  305. 石井苗子

    ○石井苗子君 私も、質の確保は大変重要なことだと認識しております。  しかしながら、この待機児童の解決を前に進めるためには、児童福祉法の四十五条を見ますと、厚労省が児童福祉の施設や運営に当たっては参酌基準というルールを定めております。この参酌基準というのを自治体が参考にして独自に条例を作っていくことができるということになっていますが、この際、この最低基準があることはとても大事なことなんですが、原則、参酌基準にして、原則的に全部自治体の責任でやっていくぐらいのダイナミックな規制緩和の検討というのは、厚労大臣、お考えがあるでしょうか。
  306. 加藤勝信

    ○国務大臣(加藤勝信君) 同じお答えになってしまうわけでありますけれども、全てがもちろん従うべき基準でなきゃいけないかどうかという議論はあるんだろうと思いますけれども、そういう中で、私どもとして、これはやはり保育の質を守るためには必要だ、この最低基準は確保しなければならない、そういうことで、今、人的配置等の基準を定めさせていただいている、こういうことであります。
  307. 石井苗子

    ○石井苗子君 最後になりますが、最低基準というのは守らなければならないことだということはよく分かっているんですが、厚労省は、最低基準、最低はこのくらいだというようなガイドラインを引いて、最後は自治体の責任でやるのだというぐらいの規制緩和をもって地方分権を進めるようにしないと、岩盤規制というのはなかなか緩和していかないのではないかということを申し上げて、次の質問に移らせていただきます。  国が、自治体の住民検診で行っているがん検診なんですけれども、このパネルを見ていただきますと、これが国民のがん検診でございます、住民検診の。これが現在、国民の健康にリスクを与えている可能性があることと、がん検診に膨大な公費が費やされているにもかかわらず費用対効果の検証がなされていないということを指摘させていただきます。  これは極めて緊急性のあることでございまして、国民の二人に一人ががんにかかり、三人に一人ががんでお亡くなりになっております。その中で、国民医療費が四十三兆円に上っているということは、効果的ながん検診を行って早期発見することで寿命を延ばしていくと同時に、医療費も削減することを求められているわけです。  このパネルにありますのが対策型がん検診ということなんですけれども、これだけ行われておりますが、総理、一年間にどのくらいの公費が投入されているか御存じでいらっしゃいますでしょうか。
  308. 加藤勝信

    ○国務大臣(加藤勝信君) がん検診については、基本的には地方自治体がやっておりますので、基本的には自治事務として地方交付税の中でおやりになっているんですけれども、したがって、これがという予算的な数字はつかまえにくいですけれども、大体、実施されている数と、また診療報酬上の単価、これらを含めて計算すると、大体約一千三百億円程度ではないかというふうに試算をしております。
  309. 石井苗子

    ○石井苗子君 民間のシンクタンクによりますと、人間ドックも含むがん検診です、検診市場というのは九千億円の市場でございます。自治体が行っているこのパネルのがん検診、これだけで、今おっしゃったとおりに一千三百億円でございます。  これだけの公費を使って果たして国民のがんの死亡率の減少、そして早期発見と治療、こういうことに値するほどの費用対効果があるのかどうかが問題でございまして、とりわけ、胃がんのバリウム検査というのは間接撮影で〇・六ミリシーベルトの被曝量があります。  健康な方がエックス線被曝によって受ける害とがんの発見のベネフィット、これを相対的に評価する費用相対効果という、この分析をされていますでしょうか。厚労大臣、お願いします。
  310. 加藤勝信

    ○国務大臣(加藤勝信君) まず一つは、そのがん検診をすることによってがんによる死亡率を減少できるかどうかということがまず最初に問題になるんだと思います。胃がん検診の胃部エックス線検査、先ほど、バリウムを飲んで検査するについては国立がん研究センターの研究において死亡率の減少効果が示されておりまして、これを踏まえ、有識者による検討会で議論を行った結果、国が定める検診の際の検査方法としてこれが取り上げられていると、こういう経緯はあります。  ただ、今委員おっしゃった費用対効果ということになると、今のは効果があるかどうか、費用に対してどうなのかということについてはこれまで必ずしも十分な分析をしておりません。更なる分析、評価をしていく必要があるというふうに考えております。今後、検討、有識者による検討会において議論を行っていきたいというふうに考えております。
  311. 石井苗子

    ○石井苗子君 これ、問題だと思うんですね。  現在、その議論中の研究レベルだということですが、例えば、バリウム検査をするときに、がんの見落とし、三〇%以上あるということも言われております。費用対効果を考えずに検診を漫然とやっているということは、これだけの公費を使いながら大きな問題だと私は思います。  二〇一五年の七月、がん検診のあり方検討会の中間報告で、バリウム検査のベネフィットの根拠とされているという論文が三つありましたが、全部読みますと大変古いものです。エビデンスレベルからしたらかなり低いのではないかと思いますが、いかがでしょうか。もう一度お答え願います。    〔委員長退席、理事三宅伸吾君着席〕
  312. 加藤勝信

    ○国務大臣(加藤勝信君) 今委員御指摘の胃がん検診、いわゆる胃エックス線の検査に関するコーホート研究が三種類だと思います。  それぞれ、済みません、どこが対象年月かというのはありますけれども、発表年は二〇〇六年、二〇〇六年、二〇〇七年ということで、それぞれ、これ当然追跡をしていかなきゃいけませんから、その前の十年間とかですね、そういった期間をベースに調査をした結果、そのコーホート研究をベースに議論をしたというふうに承知しています。
  313. 石井苗子

    ○石井苗子君 二〇〇六年、大変古いと思います。コーホートスタディーというよりは、これ、ケースコントロールスタディーの論文だったと記憶しておりますけれども、歴史的な経緯があって古い論文もエビデンスとして使っているということだと思いますが、がん検診は国際的に見ても日本は受診率が低うございます。  検診の新しい技術、これも検証の体制ができておりません。検査データを活用して評価を行って次の対策につなげるシステムというのを、これは最大の健康問題でありますがん検診対策に今こそつくるべき時期に来ているということを指摘いたしまして、この問題については追ってまた厚生労働委員会でも追及させていただきたいと思います。  あとちょっと、一分ございますので、最後の質問で、これ確認だけなんです。もう既に質問が出尽くしております日米貿易協定のことなんですが、総理に一つだけ確認をさせてください。  このニューヨークで行われましたトランプ大統領との日米共同声明の三番目のところを読んでおりましたら、ちょっと引っかかったところがあります。国内手続が終了して発効された後、四か月以内に協議を終えてから、そこからそのほかの課題について新たに交渉を開始するというふうに読めるんですが、三番目。関税は含まれないとしても、関税以外のことに関してどういうものが入ってきているのか……
  314. 三宅伸吾

    ○理事(三宅伸吾君) 石井さん、おまとめください。
  315. 石井苗子

    ○石井苗子君 これはもう全く農林水産分野は含まれないと理解してよろしいでしょうか。確認でございます。
  316. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) 九月二十五日の日米共同声明、パラグラフの三でありますが、日米で今後どの分野を交渉するのか、その対象をまず協議、コンサルテーションをするという形でありまして、この協議において日米双方が合意したもののみが交渉の対象になります。
  317. 石井苗子

    ○石井苗子君 終わります。ありがとうございました。
  318. 三宅伸吾

    ○理事(三宅伸吾君) 以上で石井苗子さんの質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  319. 三宅伸吾

    ○理事(三宅伸吾君) 次に、井上哲士君の質疑を行います。井上哲士君。
  320. 井上哲士

    ○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。  昨日に続いて、台風被害について質問をいたします。  全容が明らかになるにつれ、被害は更に大きくなっておりますし、必要な課題、そして被災者の要望も刻一刻変化をしております。総理、答弁されました、できることは全てやるは当然のこととして、従来の枠を超えて必要なことは全てやるという立場をまず求めたいと思います。  まず、被災地での医療問題について、昨日の質問で避難所での医療保健体制の整備の強化を求めました。災害担当大臣からは、医療スタッフの派遣など、被災者の健康管理への対応を厚労省と連携するよう指示したという答弁でありました。  そこで、厚労大臣にお聞きいたしますが、持病を持っている被災者への支援や、また、薬を流された人、持たずに避難したなども含めて、避難所の医療体制の強化は必要でありますが、具体的に厚労省としてどのように対応されているでしょうか。
  321. 加藤勝信

    ○国務大臣(加藤勝信君) 避難所での生活の長期化も予想される中でどう健康管理をしていくのか、重要な課題であります。  厚労省としては、まず、台風上陸前日の十月の十一日に、避難所生活を過ごされる方々の健康管理に関するガイドラインというのを各自治体に送付をいたしまして、避難者の方で持病を持っている方、その悪化予防を含めて、避難所生活全般について十分な備えを行っていただくよう、あらかじめ周知を行っています。    〔理事三宅伸吾君退席、委員長着席〕  それから、現在、各自治体の保健師等の医療スタッフが避難所を巡回して、避難者の健康状態や課題について把握をしております。特に配慮を要する方、服薬中の方、病気をお持ちの方については、保健指導や健康相談を実施して必要に応じて適切な医療機関につなぐなど、きめ細かな対応をしておりますけれども、ただ、今は地域の保健師さんが対応しておりますけれども、これでは当然マンパワーが不足するというふうに考えておりまして、他地域からの応援、保健師等の応援派遣チーム、これを備え、要請があれば速やかに派遣調整をし、既に長野からも要請がありますから、これに応えていきたいと思っております。  また、今後、さらにフェーズが変わっていく中で、やっぱり医療、福祉、あっ、ごめんなさい、医療、保健、例えば介護、薬剤、歯科、栄養士の皆さん、あるいは福祉の皆さん、それぞれの専門職の方もおられますから、適宜、チームを組んだり、あるいは団体にも要請して、それぞれの避難所において健康管理がしっかりなされるよう対応していきたいと思っています。
  322. 井上哲士

    ○井上哲士君 今後、避難所における、などで災害救助法に基づく医療から保険医療による継続的な診療に移っていくわけでありますが、一方、災害によっては保険証を流されたという方もいらっしゃいます。被災者が保険証を提示できなくても保険医療を受けられるようにすべきだと思いますが、これはどう対応されているでしょうか。
  323. 加藤勝信

    ○国務大臣(加藤勝信君) 従来、災害救助法等が適用された際に、被災者の方が保険証を保険医療機関等に提示できない場合でも、氏名、連絡先などを申し立てることによって受診できる、こういう取扱いをしているところであります。  今般の台風被害でも、その旨を私どものホームページとかあるいは都道府県、関係団体を通じて被災者、医療機関に対して既に周知をしておりますけれども、まだ十分ではないと思いますので、例えば避難所にポスターを貼るとか、様々な形で実際個々の方々にこうした情報が届くように更に努力をしていきたいと思います。
  324. 井上哲士

    ○井上哲士君 被災者の皆さん、不安に思っておられますが、なかなかホームページも見れない、今日もテレビも見れない方がいらっしゃいますので、是非しっかり周知徹底を図っていただきたいと思います。  その上で、被災者の方々の医療費の負担についてお聞きします。  大きな被害を受けた被災者や着のみ着のままで広域避難をされている被災者に窓口で自己負担を求めるのでは医療を受ける権利の保障はおぼつかないわけでありまして、全国保険医団体連合会も昨日、全ての被災者の医療費一部負担金及び入院時の食事一部負担金を国の負担で免除し、医療費が無料になる措置を直ちに講じることという要望書も出されております。  厚労省は十三日に医療費の窓口減免について事務連絡を出していると思いますが、どういう内容でしょうか。
  325. 加藤勝信

    ○国務大臣(加藤勝信君) 今御指摘の十三日付けで保険者に出した内容でありますけれども、まず一つは、保険者の判断で一部負担金の徴収猶予や減免等を行うことができますということ、二点目として、国民健康保険及び後期高齢者医療制度においては、一部負担金の減免額が一定の基準を超えている場合には減免に要した費用の一部について国がそれぞれに対して財政支援を行いますという中身について周知をしたということでございます。
  326. 井上哲士

    ○井上哲士君 保険者の判断でできるということであります。自治体でできるということだけですと、自治体の財政負担が必要で、これから災害復旧など大きな財政支出が、出動が必要だというところでちゅうちょされると思うんですね。被災者への対応や復旧で手いっぱいの被災自治体に、免除の基準や手続など、制度設計から医療機関への徹底などを求めるというのは非常に酷なことだと思います。被害は広範で、かつ被災者の方も広域に避難をしているということを考えますと、国がしっかり仕組みをつくって国として免除を図るということが、しなければ機能しないと思います。  これ、過去の大災害では国として自己負担の免除を決め、事務連絡をしていると思うんですが、東日本大震災、それから熊本大震災、西日本豪雨の際は発災後何日目にこういう連絡をしているでしょうか。
  327. 加藤勝信

    ○国務大臣(加藤勝信君) 先ほどの告知は、まず、できるということと、それからその負担が一定を超える場合には八割までやりますよということなんですが、さらに、これは災害の実情をよく見た上ではありますけれども、今度は私どもから要請をする、そして、要請をした場合には、そこに出て必要になった費用については全額国費で負担をする、そういう制度であります。  その制度については、これまで、直近でいえば西日本豪雨災害、熊本、東日本大震災の際にそうした措置を講じておりますが、東日本大震災の際は災害発生の四日後、熊本地震の際は災害発生の七日後、西日本豪雨災害の際は災害発生の五日後までにそうした要請を行った上で必要な対応をすると。  我々は、今、それについて鋭意、これは政府全体の中で議論をしなきゃなりません。ただ、これは決めた後、遡って発生をしたところから適用になると、こういう仕組みにもなっています。
  328. 井上哲士

    ○井上哲士君 今回既に五日たっているんですね。今ありましたように、西日本の場合は五日目に国として決めたということであります。  被災者の皆さん、不安に思っていらっしゃるわけですから、これはもう直ちに、検討中ではなくて決断をしていただきたいと思いますが、改めていかがでしょうか。
  329. 加藤勝信

    ○国務大臣(加藤勝信君) やはり判断するに当たっては被災地の状況や過去の対応等も踏まえながら考えなきゃいけませんが、ただ、今被災地からはそういう声が上がっているということ、そのことはしっかり踏まえて迅速に検討させていただきたいと思っています。
  330. 井上哲士

    ○井上哲士君 被災地の状況と過去を見れば、私、直ちに決断をすべきだと思うんですね。西日本の際には、厚労省保険局長は五日目に、私たちの申出に被災者第一で考えたいと、後手に回ってはいけないと、一刻も早く結論を出したいということで決められたわけでありまして、その日に決断されました。現場からの要望も上がっています。  そこで、総理、この間、できることは全てやると、現場主義とも言われたわけでありますから、過去やっていることです、現場からの声も上がっているわけですから、是非直ちに決断をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  331. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 被災された方の医療費の一部負担の取扱いについては厚労大臣から答弁をさせていただいておりますが、被災された方々が安心して医療を受けられるように、被災自治体が自己負担の減免等を行う際には、被災地の状況や過去の災害時における対応等も踏まえ、国としても当該自治体に対する支援をしっかりと行ってまいります。
  332. 井上哲士

    ○井上哲士君 是非、過去にやったように減免をすると、もう一回しっかり明確に言っていただきたいんですが、どうでしょうか。
  333. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今答弁をさせていただいたように、今委員もおっしゃったわけでございますが、過去の災害時における対応も踏まえというところを酌んでいただきたいと、こう思うところでございますが、当該自治体に対する応援をしっかりと行ってまいります。
  334. 井上哲士

    ○井上哲士君 是非、過去の対応も踏まえて、直ちにこれは決断をして周知をしていただきたいと思います。  避難所におけるジェンダー問題についてもお聞きするんですけど、昨日も紹介した内閣府の避難所運営ガイドラインでは、女性や子供への配慮についてチェック項目を挙げております。  具体的に何を求めているのか、それをどのように徹底しているのか、防災担当大臣、お願いします。
  335. 武田良太

    ○国務大臣(武田良太君) 避難所の生活環境を常に良好に保つためには、お子さんや女性に対する配慮というものがこれ重要になってまいります。  市町村向けの取組指針におきましては、発災後に間仕切り用パーテーション等を整備するとともに、男女別のトイレや授乳室の設置等の生活環境の改善対策を講ずることが盛り込まれており、市町村の取組を促しております。  今回の台風第十九号に伴う災害におきましては、被災地のニーズや課題を把握しながら、哺乳瓶、粉ミルク、液体ミルク、紙おむつ等のプッシュ型支援を行っております。  内閣府としては、引き続き、女性や子供に配慮しつつ、避難所の生活環境の改善に努めてまいりたいと思います。
  336. 井上哲士

    ○井上哲士君 こういうジェンダー配慮という問題は、まだまだ現場では知られていなかったり、徹底がされていないということであります。  是非しっかり、災害時であっても考慮、最大限これができるようにやっていただきたいし、このガイドラインでは、女性自身の視点から避難所運営を実施するために委員会への女性の参画も促しましょうとか、様々提起をされているわけでありまして、こういうことをしっかり徹底していただきたいと思いますけれども、改めていかがでしょうか。
  337. 武田良太

    ○国務大臣(武田良太君) 御指摘の点を踏まえてしっかりと徹底していきたいと、このように思っております。
  338. 井上哲士

    ○井上哲士君 もう一点、瓦れき撤去などを行う被災者やボランティアへの第二次被害を防ぐ方策も重要だと思います。  先ほど紹介した全国保団連の要望書では、こういうボランティアなどを行う皆さんや被災者に、破傷風ワクチンの接種を希望する者については、国がワクチン接種費用を公費で負担するということも求められておりますが、これも大変大事だと思うんですけれども、この点いかがでしょうか。
  339. 加藤勝信

    ○国務大臣(加藤勝信君) 被災者の方、あるいは復旧するためにボランティアで来られた方々が二次被害に遭わないようにする、これは大変大事な視点だというふうに思っております。  私どもも、清掃作業をされる方向けのリーフレットも既に自治体に向けて出させていただいておりますが、今御指摘の破傷風の関係に関しては、これ、手袋とか靴等で感染予防が割と比較的可能だということもあって、丈夫な手袋や底の厚い靴などを着用してほしいということ、それから、万が一傷を負って、それが深い場合とか傷口が汚れた場合、これには必ず医療機関を受診をしていただいて、医療機関で、予防処置としては事後的な破傷風ワクチンの接種とかあるいは破傷風グロブリンという形での治療、こういったことを対応するということになるわけでありますけれども、そうした対応をしてもらうように受診をするといった破傷風の感染予防に対する注意喚起を行っているところでありますけれども、引き続き、そうした事故が起きないようにしっかりと周知を図っていきたいと考えています。
  340. 井上哲士

    ○井上哲士君 今後、相当大規模なボランティアも出ていくと思うんですね。しっかりこれは対応していただきたいと。改めて、できること、必要なことは全てやるという構えを政府にこの問題で求めたいと思います。  次に、関電の原発利権問題についてお聞きをいたします。  当初、自らはまるで被害者かのような会見を行って続投を表明しておりました関西電力の幹部も、役員の皆さんの退任ということになりました。  これは、国策であるとして原発立地、再稼働推進の原発マネーの還流であって、その原資は国民の電気料金でありまして、国会としての事実解明が求められております。そのために、当委員会に関電の幹部に参考人としての出席を要請いたしましたけれども、断りの連絡でありました。  私、これはやっぱり解明のために絶対必要だと思っておりまして、理事会として要請をすることなど、この委員会として真相解明ができるように、委員長、お取り計らいいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  341. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 改めて、後刻理事会で検討させていただきます。
  342. 井上哲士

    ○井上哲士君 是非よろしくお願いいたします。  関西電力は、あの三・一一以降、国の認可を受けて、二〇一三年度、一五年度の二度にわたり電気料金を値上げをいたしました。(資料提示)一三年の値上げの際は、役員報酬を平均四千二百三十一万円から二千万円と六割カットをしておりますけれども、これはどういう議論だったんでしょうか。
  343. 菅原一秀

    ○国務大臣(菅原一秀君) 関西電力が二〇一三年に値上げの申請を行っているわけですが、その際、値上げを消費者にお願いをする中で、最大限の効率化を前提として、公開の場における専門家による厳正な審査を行っております。とりわけ、料金審査専門小委員会の査定方針におきまして、役員報酬については、国家公務員の指定職の給与水準を上回る分を料金原価から減額するという方針が示されたわけでございまして、そこはそういう中でこの金額になったわけでございます。
  344. 井上哲士

    ○井上哲士君 再稼働反対の世論が広がる中でも、政府は再稼働に固執をいたしました。安倍政権下での再稼働の九基のうち四基は関電の原発なわけですね。そのための追加的安全対策費は関電だけで一兆円を超えて、高浜原発一―四号機だけで五千億を超えるとされております。これが電気料金を値上げして充てられたわけですね。  その下で、二〇一六年に高浜三、四号機が再稼働し、その後、大津地裁の運転停止仮処分の後、一七年に再び稼働し、一八年には大飯三、四号機が再稼働をいたしました。これが進む中で電気料金の若干の値下げはありましたけれども、いまだに前より高いわけです。  一方で、役員報酬は、二〇一六年以降、逆に引き上がりまして倍加をし、一八年には平均四千百六十九万円、ほぼ事故前の状況に戻ったわけですね。同時に、原発立地のときから地元で大きな役割を果たして、再稼働のための安全対策工事にも深く関わった森山高浜町元助役から三億二千万円が関電幹部に渡されていたということが今大問題になっております。つまり、役員報酬は増えて、関電からも金品と二重にもらっているということになるわけですね。  私は、この再稼働のための電気料金を認可をしたことでこういう事態になっているという点では国の責任があると思いますけれども、経産大臣、どうでしょうか。
  345. 菅原一秀

    ○国務大臣(菅原一秀君) 今、井上委員、そこに表をお示しをいただいていますが、関西電力の二〇一三年及び二〇一五年度の料金の値上げ申請は、御案内のとおり、二〇一一年に三・一一の事故の発生の後、原発が長く停止をして火力の燃料費が大幅に増えて、電源ベースでいうと約九〇%火力になったわけでありまして、再稼働のための料金値上げではない、こういうふうに捉えております。また、現に原発が再稼働をしてこの燃料費が減った、そして、その二〇一七年、一八年は電気料金が逆に下がっております。  あわせまして、役員報酬に関しましては、御案内のとおり、総括原価方式の中で人件費が定められておりますけれども、その中で、その企業が、例えば八割が自由料金、二割が規制料金という中で、規制料金のある意味ではキャップがはまっている、つまり、自由料金の方の上げ下げ、過大に大きくならない状況になっているわけでありまして、そうなると、その料金水準による収入を前提として、社内的に経費の削減、コストカットあるいは内部留保を使う、こういったことで役員報酬を上げ下げするということになっておりますから、そこは、企業、これは関電ではありますが、ほかの電力会社も含めて企業のこの報酬等は一定の裁量は認められているものというふうに理解をしております。
  346. 井上哲士

    ○井上哲士君 いろいろ言われましたけれども、電気料金は事故後よりも、上がったままなんですね。そして、関電幹部の収入はその前のとおりに戻ってしまっていると。  で、この二〇一一年の福島原発事故を受けて策定された国の新基準によって、再稼働の関電の安全対策工事費の総額の見込みは増え続けております。それにつれて、関電幹部の金品の受領額が拡大をしております。  安全対策費を見ますと、二〇一三年は二千八百五十億円でありましたけれども、一七年には八千三百億円になり、そして一兆二百五十四億円、これは総額の見込みでありますけれども、こういうふうに増え続けていくと。その一方で、関電の原子力事業本部の本部長など要職を務める四人への金品受領額が、一三年には一千百一万円でありましたけれども、一七年には一億百六十万円に増えているわけですよ。  ですから、今回の森山元助役から関電幹部への金品の提供は、一企業の金銭不祥事と私は矮小化をしてはならないと思うんですね。政府が国策として進めてきた原発政策と一体で原発マネーが還流したものだと思いますけれども、大臣の、総理、これ認識いかがでしょうか。
  347. 菅原一秀

    ○国務大臣(菅原一秀君) 原発の安全対策は、三・一一以降、当然、事故があったわけですから、一定的の確保をしなければいけないわけであります。そして、その安全対策費については、原子力規制委員会による規制に対して着実に実施をする必要があるわけでございます。  震災後の規制強化について、当然安全対策費が増えていることは自然の流れでありまして、一方で、今御指摘があった森山氏から、この金品の原資は明らかになっておりませんから、そこを今回の厳格な第三者委員会で徹底究明して、その調査結果を踏まえて厳正に対処をしていきたい、こう考えております。
  348. 井上哲士

    ○井上哲士君 この安全対策費の下で工事額が増えていっているんですよ。これで一体じゃないか、こういうことを、つまり原発マネーの還流がされているんではないかと、この認識をお聞きしていますが、総理、いかがでしょうか。
  349. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 電気は人々の暮らしに欠かせないものであり、その意味において電気事業者は単なる一企業ということにはならないと考えています。電気事業者たるもの、原子力に関わるものか否かにかかわらず、その事業全体について、電気料金を支払う利用者の皆さんから不信を持たれることのないように、常に適正な事業運営に努めるべきは当然であります。  そうした観点から、今回の問題について、電気事業法に基づき、経済産業省から関西電力に対して事実関係や他の類似事案の有無などの報告徴収命令を既に出しており、これを受けて、関西電力は独立した第三者委員会を設置をし、現在調査を行っているものと承知をしております。  独立をした第三者の目を入れて、御指摘のような論点も含めて徹底的に全容を解明し、信頼回復に努めるものと、べきものと考えています。
  350. 井上哲士

    ○井上哲士君 まるで人ごとみたいなんですよね。これ、国策と一体で進められてきたという認識が私は聞こえてきません。  原発マネーは関電からの受注工事だけではありません。国の電源立地地域対策交付金も原発立地に深く関わってまいりました。この交付金の目的及び財源は何でしょうか。
  351. 菅原一秀

    ○国務大臣(菅原一秀君) お尋ねの電源立地交付金の目的でございますが、発電所を立地をすることがその地域の経済発展、福祉向上には必ずしも結び付かないという問題を解消するためのものでありまして、財源は電気の消費者が、言わば電気料の中の電源開発促進税が含まれております。  これを発電所が立地をする自治体に交付をしておりまして、具体的には、それぞれ自治体によって使い道は違うわけですが、道路や水道の整備や病院の整備とか地元農産品の開発、いろいろと使われているというふうに理解をしております。
  352. 井上哲士

    ○井上哲士君 財源は何でしょうか。
  353. 菅原一秀

    ○国務大臣(菅原一秀君) 今、後段で申し上げた、立地自治体においてその交付金をどのように使うか、道路、水道の整備、維持補修、病院などの整備、運営、地元農産品の開発やあるいは普及、こうしたことをやっているわけでございます。(発言する者あり)  財源、今申し上げたとおり、財源は電気料金の中の、いわゆる支払をする方々が払っている電源開発促進税、これが財源です。
  354. 井上哲士

    ○井上哲士君 国民の税が財源だと。  これ、福井県高浜町への交付金の交付総額は幾らになっているでしょうか。
  355. 菅原一秀

    ○国務大臣(菅原一秀君) 平成二十九年の決算の数字でございますが、福井県全体で百八十七億円、高浜町は約三十億円でございます。
  356. 井上哲士

    ○井上哲士君 非常に多額のお金が入っているわけですね。  高浜町の資料によりますと、この吉田開発は、一五年から一七年の三年間に、交付金を活用した高浜町の公共事業五件、総額四億五千二百五十三万円を受注し、そのうち少なくとも三億七千百四十万円、同交付金が充てられているわけでありまして、この会社から森山元助役に提供されたという三億円の資金についても、関電からの受注工事とともに交付金による工事の原資になっている疑いがあるわけですね。  こうした交付金事業というのは、関電の第三者委員会の調査対象になるんでしょうか。
  357. 菅原一秀

    ○国務大臣(菅原一秀君) 国として確認すべきは、立地交付金が適切に使われているかどうかであります。  高浜町から、今お話のあった吉田開発、工事それぞれ契約があるわけですが、これは指名競争入札でこの吉田開発が選定をされている経緯、またそれぞれ工事を請け負っている経緯がございます。それは、いわゆる設計書に沿ってしっかり工事が完成しているかどうかを確認する検査も行っているわけでありまして、その点は適切に実行されたということがこれまでは認識を、確認はされてきたわけであります。  その上で、井上委員からお話あったその交付金の部分、国からこの自治体に、自治体から結果として流れているこの部分に関して不適切な事案、反例が出てくればですね、第三者委員会に、そこは経済産業省として厳しく対応、対処していくという考え方であります。(発言する者あり)
  358. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  359. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
  360. 菅原一秀

    ○国務大臣(菅原一秀君) 今の段階でその第三者委員会の中に、今御指摘の交付金について項目は入っていないんですが、調べている中、調査の中でそこに疑義があったとすれば、それは当然こちらに報告があるわけです。その報告があるわけですから、そこで経産省として判断を対処していった、判断して対処していく、そういうことであります。
  361. 井上哲士

    ○井上哲士君 いや、関電からの直接の受注でないものも対象になるんですか。
  362. 菅原一秀

    ○国務大臣(菅原一秀君) お話は、森山氏が還流したとされるお金について、それも含めて全て第三者委員会で調査をする、こういう流れがございまして、国から立地交付金が、高浜町、あるいは県、あるいはそこから事業を請け負う業者という流れについて、その流れの部分については、この第三者委員会が徹底調査をして、そこで嫌疑や疑義が出てくれば、当然そこはこっちで経産省として対処をするということでありますから、第三者委員会の、元々のお金の流れも徹底して調べてもらって、それを私たちは報告を受けたい、このように思っております。(発言する者あり)受けます。
  363. 井上哲士

    ○井上哲士君 受けると言われました。徹底してこれは調べていただきたいと思うんですね。  関電の報告書には、森山氏が福井県議会及び国会議員に広く人脈を有したと書いていることが見逃せません。  この間、森山氏が筆頭株主の株式会社オーイングから三十六万円、その関連会社アイビックスから、稲田元防衛大臣に七十二万円の献金がありました。これ、私、表を作ったわけでありますけれども、こういうのは隠せと、こういうお話になったわけですね。  実際にこういうお金の流れを国民の前に明らかにするということが必要なわけでありますけれども、森山氏が相談役を務めて、高浜原発のメンテナンスを受注している柳田産業というところから、社長から、世耕参議院議員が官房副長官時代に四年間で六百万円の献金したということも明らかになっておるわけですね。  何でこんなことを国民の前に隠すのかと。こういう事実を含めて、森山氏が国会議員に有したとされる広い人脈が今回の問題にどう関与していたか調べるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
  364. 菅原一秀

    ○国務大臣(菅原一秀君) 森山氏の、含めた金の流れについては第三者委員会で徹底して究明をしていただきます。  また、それぞれの政治家、議員が一人一人、国民からの信頼を得られるように、政治活動については説明をするものだと思っております。
  365. 井上哲士

    ○井上哲士君 さらに、関電そのものの献金もあるわけですね。  電力業界というのは、地域独占が認められた公益企業にそぐわないとして献金を自粛をしておりましたけれども、関電幹部の個人献金が事実上行われておりました。それも三・一一以後は減った中で、電力会社が事実上の政治献金である政治資金パーティー券を企業名が表に出ない形で購入をしてきたことが稲田朋美元防衛大臣の政治資金の報告書で明らかになりまして、稲田氏は、このパーティーを大臣になった関係で取りやめて、購入者に返金をいたしました。その結果、二十万円までは公開の必要がないパーティー券の購入企業が全部明らかになったわけですね。  これを見ますと、日本原電や電気事業連合会、関電以外の電力会社七社で約六十二万円……
  366. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 井上君、時間が来ております。
  367. 井上哲士

    ○井上哲士君 関電とそのグループ会社で計五十万円、合計百十二万円を購入をしております。原発マネーの購入ではないかと、国民の広いやはり疑問があるわけでありますが、私は……
  368. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 時間来ておりますが。
  369. 井上哲士

    ○井上哲士君 原資は国民の電気料金であるわけでありますから、政治家を含む原発利権の闇に徹底してメスを入れることが必要だと、そのことを強く求めまして、質問を終わります。
  370. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 以上で井上哲士君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  371. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 次に、大門実紀史君の質疑を行います。大門君。
  372. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史です。最後の質問でございます。よろしくお願いいたします。  また、今日は最後、私の質問のために、NHKの放映時間に入るようにということで、自民党の皆さんが大幅に質問時間を短縮していただきまして、十分収まりそうな気配でございますが、御配慮にお礼を申し上げておきたいというふうに思います。是非とも、総理も、野党に譲るべきときは譲って、前向きな度量のある答弁をお願いしたいというふうに思います。  私の方は消費税について質問いたしますが、先ほど井上議員からもありましたが、政府として、今回の災害について、従来の支援の枠にとらわれず被災地の救援活動、復旧支援に尽力をしていただきたいとお願いをして、重ねてお願いをしておきたいというふうに思います。我が党も引き続き全力を尽くしてまいります。  政府は、消費税増税に当たり、ポイント還元など中小の商店などに万全の対策を取ると言ってきました。しかし、万全どころか、既にもう破綻しているのではないかというふうに思います。  例えば、大阪の天神橋筋商店街というのがございます。二・六キロに及ぶ日本一長いアーケードの商店街でございまして、私もよく行きますけれども、約八百店舗ございまして、生鮮から衣料品、日用雑貨、飲食店など、たくさんのいいお店が並んでおります。調べてみましたら、十月十一日現在ですけれども、キャッシュレスポイント還元に登録したお店、僅か全体の一一・六%にすぎません。  全国の商店街もほぼ同じような状況と聞いておりますけれども、経済産業大臣、なぜポイント還元事業に参加するお店がこんなに少ないのか、ちょっと説明をしてください。
  373. 菅原一秀

    ○国務大臣(菅原一秀君) 十月の一日から始まったこのポイント還元事業でございますが、現在のところ参加店舗が五十二万件でございますが、来週二十一日、月曜日には六十一万件がスタートをいたします。毎日、今でも毎日毎日約一万件ずつその事業申請をする業者が増えておりまして、今、八十六万を今超えるような状況でございますが、これをしっかりと決済事業者がチェックをして使えるような状態にしていくということであります。  今御指摘のあった件でございますが、中小店舗にとっては、やはり現金で仕事をしたい、現金で仕入れをして現金で売りたいという方もいらっしゃる。一方で、この事業はまだちょうど二週間でございまして、ただ、毎日一万件ずつ申請が増えてくるということは、徐々に、テレビなど、あるいは地域において一軒、三軒あったらば、この店とこの店はポスター貼っていてやっているけれどもここはやっていない、そうすると、うちもやろうかしらというような話になってくる中で、そうした中で、大変恐縮ながら、この決済事業者が入力のミスを二万件した、それは九割終えていますので、今週中に全て終わって、そうしたリカバリーをしながら、一件でも増えるように努力をしていきたいと思っています。
  374. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 十月一日過ぎてもこんなに参加者が少ないのは、手続とか周知徹底の問題ではないと思うんですよね。ポイント還元に参加しないともう決めているお店の話を聞きますと、もちろん、大臣からあったように、手数料が高いとか仕入れに現金が要るからというような声もありますけれど、一番多かったのは、なじみの現金のお客さんや高齢のお客さんがいるのに、商店街多いですよね、カードやスマホ決済の人だけ値引きするというわけにはいかないんだと。まさにお客さんのことを考えて選択しないという判断が多いんですよね。  先ほど言いました天神橋筋六丁目、通称大阪では天六と言われていますけれど、そこで以前からもうカードを導入している、ある大変繁盛しているお店のおやじさんに聞いたら、こんなことをおっしゃいましたね、現金でやるかキャッシュレスでするか、それはもう経営者自身が経営判断でやればいいことで、それを政府がポイント還元みたいなものをぶら下げて餌にして、無理にキャッシュレスを誘導するなど押し付けがましいと、安倍さんにそう言っておいてくれと、だから言っているわけですけれども。  とにかく、万全の対策どころか、かえって反感を買っているんですよね、反感を。だから、そもそも消費税増税というのは、中小事業者にとって身銭を切る部分がまた増えるわけですよね。その上、複数税率だのキャッシュレスだの、さらにこの先インボイスだの、余計な重い負担が加わるわけでございます。  総理、改めて聞きたいんですけど、この、何というんですか、今回の消費税増税で中小事業者にとって何かいいこと一つでもあるんですか。
  375. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大門委員から様々な御意見を伝えていただいたと、御礼を申し上げたいと思いますが。  前回、八%への消費税引上げの際には、予想以上に消費の低迷を招き、その後の景気回復にも力強さを欠く結果となりました。その際、中小・小規模事業者は大企業に比べて体力が弱く、自己負担でセールなどを実施することも困難であることから、中小企業団体からも、強力な需要喚起策などを講じるよう強い要望が寄せられてきたのは事実でございまして、今回も、事実、大手の企業はセール等も行っています。  こうした現場の声を踏まえまして、中小・小規模事業者に限定した上で、税率引上げ幅の二%を上回る五%の大胆なポイント還元、地域の商店街などで使えるプレミアム付き商品券などの施策により、中小・小規模事業者に対する需要をしっかりと下支えすることとしたところでございます。  特に、ポイント還元については、海外で急速にキャッシュレス決済が普及する中で、日本を訪れた外国人観光客の七割がキャッシュレスがあればもっとお金を使ったと回答しておりまして、キャッシュレス化を進めることで、来年の東京オリンピック・パラリンピックなどのチャンスを生かして、十二分に生かして、インバウンド消費の拡大を通じて、全国津々浦々の中小・小規模事業者の皆さんの持続的な成長へとつなげていきたいと、こう考えているところでございます。  押し付けがましいと感じられた方がおられるとすれば私の不徳の致すところでございますが、今申し上げたような考え方を持って、今回、まさに中小企業・小規模事業者の皆様にとって、そこでのお買物がより喚起されるような施策として今回打ったところでございまして、御理解をいただくべくこれからも努力を重ねていきたいと思います。  さらに、今回は軽減税率が導入されることから、軽減税率に対応したレジの導入補助を実施をしました。最新式レジの導入は、キャッシュレス化とも相まって、レジ締めに掛かる時間の低減などを通じて、中小・小規模事業者の皆様の生産性向上にも貢献するものと考えております。
  376. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 ですから、今おっしゃったような対策がほとんどもう外れているといいますか、中小事業者にとってそんなに喜ばれていないということでございます。だから、この消費税の申告の時期になると大変なことになるかと、相当の身銭を切って払うと、更に深刻な事態になるということでございます。  しかし、消費税の最大の問題点は、お金持ちより所得の少ない人の方が負担が重いという逆進性、これが最大の問題でございます。  パネルを用意いたしましたけど、(資料提示)しかも、今格差がどんどん広がっておりまして、グラフの上の方ですね、これは株や証券などの金融資産を一億円以上持っているいわゆる富裕層の世帯数が、二〇〇〇年の八十三・五万世帯から、まあリーマン・ショックでちょっと落ち込みましたけれども、二〇一八年の百二十六・七万世帯に一・五倍に増えております。保有する金融資産の額も、百七十一兆円から二百九十九兆、三百兆円に一・七倍にも増えております。  一方、下の方の棒グラフでございますけれども、いわゆる年収二百万円以下のワーキングプア、働く貧困層とマスコミでも言われておりますけど、昨年は一千九十八万人、またちょっと増えましたね。要するに、十三年連続一千万人を超えているわけでありまして、いわゆる、いわゆる貧困の固定化になっているということでございます。  また、グラフにはありませんが、日本銀行の調査によりますと、貯蓄ゼロという世帯が、片やこれだけ金融増やしている人がいらっしゃる中で、貯蓄ゼロという世帯が、若い人だけじゃなくて、五十代、六十代で三割にもなっているというような大変深刻な事態が進行しているわけでございます。  安倍総理に、そもそも税金とは何かという点で伺いますけれど、やっぱりこの所得の少ない人ほど重くのしかかるような消費税を増税するんじゃなくて、税金というのは苦しい人から取るんじゃなくて、もうかっている人から、余裕のある人から取るのが当たり前ではないかと思うんですよね。それが政治の役割ではないかと思うんですが、いかがですか。
  377. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 所得再分配は税制の持つ非常に重要な機能の一つであると私も考えております。  例えば、所得税については、再分配機能の回復を図る観点から、最高税率の引上げ、金融所得課税の税率の引上げ、基礎控除の見直し等の施策を既に講じたところでございまして、また、相続税についても、資産、資産再分配機能を回復する観点から、平成二十五年度税制改正において基礎控除の引下げや最高税率の引上げ等の見直しも行ったところでございます。
  378. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 その問題、後で取り上げますけれども、要するに、まだまだ不十分だと思うんですね。後で取り上げますけれども、その富裕層、麻生財務大臣になって、一定頑張ってそういうところをやってこられたのは知っておりますけれども、こういう消費税増税する前にもっともっときちっとやるべきことがあるだろうと思っておりまして、それは後でまた取り上げますが、こういうときにまずやるべきは、こういう大変な方々から税金を取ることが先ではないということだけは先に申し上げておきたいと思います。  とにかく、税金というのは、生活の苦しい人よりも余裕のある人、もうかっている人から取るべきだというのが当たり前の話でございます。  更に言えば、今上げるべきは消費税ではありません。賃金でございます。今回の増税で、この十月一日から、同じ日からですけれども、僅かな最低賃金の引上げも吹っ飛んでしまうと、政府は一体何をやっているんだということになるわけでありまして、政治の根本が間違っているとしか思えないわけでございます。  消費税というのはそもそも何なのかということで、ちょっとグラフを作ってみましたけれども、導入されて今年で三十一年目になります。そもそも消費税とは何のための税金だったのかということですけれども、このグラフは三十一年間の消費税の収入と法人三税、所得税、住民税のマイナス、減収、減った分を示したものでございます。  消費税は累計で三百九十七兆円の税収が入ってまいりました。国民一人当たりにしますと、三百万円以上支払った計算になります。同時期に法人三税の税収は累計で二百九十八兆円減りました。所得税、住民税の税収も二百七十五兆円減ったわけでございます。  麻生大臣、このグラフは一体何を表しているとお考えでしょうか。
  379. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) スタートの時期が少しちょっとずれていますけれども、基本的には、この前の年は少しあれが違いますので、わざとこのようにされたんだと思いますが。  平成元年、いわゆる昭和が終わりまして、一九八九年のこの消費税の導入というのがスタートした年ですけれども、これは税負担の公平につなげるということで、これは、中というか低所得層等々を始めとする個人所得課税の負担というものを軽減して、いわゆる広く薄く負担を求めるという、いわゆる資産に対する負担を適正化する税制改革の一環として行われた。当時、三十年前の話ですけど、そういうものだと承知をいたしております。  また、平成九年、一九九七年の消費税率の三%から五%の引上げというのは、これはもういわゆる活力ある福祉社会の実現というのを目指す視点に立って、いわゆる何というのかな、中低所得者からを始めとする個人所得課税の負担の軽減と消費税の充実というものを柱とする税制改革の一環として行われたのだと理解しておりますけれども、さらに、いわゆる人口構成が大きく変わっていく中身がはっきりして、いわゆる少子高齢化というのがはっきりしていく中で、少なくとも日本の社会保障等々は、高齢者一に対して勤労者六ぐらいの比率でつくり上げたものが、今は二・幾つ対一という比率になってくると、これはなかなかそういったものを、負担とあれの割合が非常に難しくなってくるということから、国民が広く受益する社会保障の費用というものを、これはあらゆる世代が、高齢者から若い人まであらゆる世代が広く公平に分かち合うという観点から、いわゆる社会保障の財源というものをこの消費税にすべきではないかという位置付けに変わっていったんだと理解をしております。その後、平成二十六年に税率が五%から八%に引き上げ、また本年十月に八%から一〇%に引き上げさせていただいております。  また、この状況におきまして、所得税につきましては、これは再分配機能の回復を図る、先ほど総理から申されたとおりですけれども、最高税率というのを四五%に引き上げ、高所得者に対する基礎控除というのの適用制限というのも上げさせていただきましたし、株式譲渡も、あれ、当時一〇%まで下がったのを、アメリカ、イギリス等々並みに二〇%に引上げ等々の施策を講じてきたところだと思っておりますので、そういったような形をさせていただいて、いろんな形で、この直間比率というようなものは当時よく言われた時代でしたけれども、当時、七九、八〇ぐらいまであったか、八対二ぐらいだったものが、今は六七対三三、四にまでなってきているんだと思いますけれども、そういった形で、払える人に、働いている方々の直接税に極端に幅寄っていたものを少しずつ少しずつずらさせてきていただいて、間接税の比率を高める努力をさせていただいたというのが全体としての流れと言えると思っております。
  380. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 一言申し上げますけれども、あらゆる世代に公平な負担というような考えは、実は近代国家では、税の公平性というのは世代間の公平じゃありません。負担能力のある人ない人の間の公平のことを税における公平と言います。世代間の公平と言っているのは日本ぐらいのもので、日本と財務省ぐらいのもので、ヨーロッパというのはそんな考え方を取っておりません。  したがって、ヨーロッパも高齢化しておりますけれど、社会保障の財源も応能負担でやっております。ヨーロッパは付加価値税が高いから、いかにも付加価値税で社会保障財源を賄っているかのようなマスコミも宣伝しますが、あれ、全部でたらめですね。ヨーロッパの、欧米の高い福祉の社会保障財源というのは、所得税、法人税、社会保険料、そして付加価値税、バランスよく賄っております。ですから、所得の再分配に反するから消費税で社会保障をやるというようなことをやらないわけですね。ということはちょっと申し上げておきたいと思います。  その上で、これをどう見るかなんですけれど、要するに、この三十一年間、全体として見れば、消費税の税収増、増えた分は法人税、所得税などの税収が減った分に消えていったということですよ。もう数字から明らかですよね。したがって、結果として、消費税は社会保障の拡充、プラスにも、財政再建にも貢献しなかったということでございます。仮にもし法人税、所得税がこんなに減らなくて、あるいはプラスになっていたら、もしかしたら消費税は、社会保障の拡充とか、あるいは財政再建に一定貢献したかもしれませんけれども、実際はそうならなかったということを明確に示しているのがこのグラフでございます。  ですから、年金、医療、介護など、社会保障は切下げの連続でございました。国と地方の借金もこの三十一年間で二百四十六兆から一千六十九兆円に四倍にも膨れ上がったわけでございますね。ですから、そういうふうにもう数字が示しているということでございます。  もう一つは、なぜ法人税や所得税、住民税の収入が減ったかなんですけれども、一つは税制改正ですね、麻生大臣が言われたとおり。ただ、低所得、低所得ということを言われましたけれど、一つは法人税減税でございまして、これは四〇%から二三・二%にと、後でも触れますが、更に大企業向けの優遇税制が導入されております。所得税も、もちろんサラリーマン減税もございましたけど、一番大きいのは最高税率を七〇%から四五%に引き下げたお金持ち減税を進めたことにあります。つまり、消費税の増収分はそういうものに消えていったというのが事実。  もう一つは、景気との関係でいえば、もちろんバブルの崩壊がございました。しかし、その後、消費税の増税をやって、景気が悪くなって、法人税や所得税の税収が減ったと、そういうふうに客観的にも見られるのがこの数字、グラフだというふうに言っておきたいと思います。  そこで、麻生大臣が言われた、最後に言われた直接税と間接税の比率ですね、直間比率がどうなったかということを麻生大臣の方から言ってもらいましたけど、実は、この消費税の導入のときは社会保障だの財政再建だのという言葉はなかったんですよ。直間比率の是正ということが目的で消費税は導入されたわけでございます。それがもうその目的どおり、八対三から、麻生大臣に言ってもらったように二対一に変化してきたということでございます。  じゃ、直間比率の見直しは誰が言ってきたのかといいますと、これはもう御存じの方多いかと思いますが、八〇年代後半から経団連が強く強く要望してきたことでございまして、当時の経団連の提言には、所得税、法人税に偏った税体系を改めて消費税の比重を高めるべきだと具体的に、更に具体的に言っているんですよね。大企業の減税、富裕層向けの所得税の最高税率の引下げ、代わりの財源として消費税の増税とあからさまに言ってきたわけでございます。  結局、総理に伺いたいんですけれども、あれこれ、その後、直間比率の見直しだけ言うとなかなか納得されないということで、社会保障のためとかいろんなことを途中で言いましたけれども、そもそもこの三十一年間を振り返りますと、要するに、実際には経団連が当初から求めていた直間比率の見直し、これを忠実に実行したということになるんではないでしょうか。
  381. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど麻生大臣からも答弁をさせていただきましたが、少子高齢化社会における国の財源調達においては、いわゆるまず基幹三税、所得税、法人税、消費税の中でも、税収が景気や人口構成の変化に左右されにくく安定している、そして働く世代など特定の層に負担が集中することなく経済活動に中立的等の特徴を有する消費税の役割が一層重要になっていることは確かであります。  いずれにせよ、各税目やそれらの比率は時々の経済社会の変化を踏まえつつ改正を行ってきた結果を反映したものでありますが、消費税については、国民が広く受益する社会保障の費用をあらゆる世代が広く公平に分かち合うという観点で社会保障の財源と位置付けておりまして、今般、全世代型社会保障制度への転換を進めていく上で重要な安定財源となっているわけでございますし、今回、三歳から五歳の幼児教育、保育の無償化を行う、そして真に必要な子供たちへの高等教育の無償化を行っていく上の財源としても我々はふさわしいものであろうと、このように考えております。
  382. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 先ほどと同じことをおっしゃっているんですけど、要するに社会保障の、少子化も含めてですね、社会保障の財源を、特に所得の低い方々に向けたものが社会保障でございますから、その財源を所得の低い人に重い消費税でやるというのはそもそも所得の再分配から反するということで、ヨーロッパではそういう考え方は取っていなくて、そんなことを言っているのは日本だけですよということを再三申し上げているわけでございます。  直間比率が八対二から二対一に変わった結果、何が起きたかといいますと、要するに、国際競争力云々とありましたけど、後で申し上げますが、一定貢献したかも分かりませんけれども、もう巨額の内部留保にため込まれたわけでありますし、お金持ちへの減税は富裕層、さっきの富裕層が増大するということになったわけであります。ですから、この三十一年間の現実を見ますと、この先、消費税幾ら増税してもどこに消えていくか分からないと、そういう税金ではないかと思います。  今まで、社会保障の財源といえば、先ほども何か声が出ましたけど、消費税しか思い浮かばないと。この思考停止の議論ばっかりずっとしていて、こういう現実を見れば、そろそろ消費税以外のほかの財源をきちっと改革のテーマとして考えるべきではないかというふうに思います。  我が党は一九八九年、最初から逆進性のある消費税は廃止すべきだということを主張してまいりましたし、応能負担の税制改革を求めてきました。たとえ将来、消費税、我が党とは考え方が違う方はいっぱいいらっしゃると思うんですよね、将来の考え方は違うとしても、少なくともこれだけ景気が悪くなっているときに増税なんかしていいのかということでございます。むしろ、景気回復の思い切った経済政策として減税を考えるべきではないかと、消費税の減税を考えるべきじゃないかということをこの時点で本当に強く思います。  世界の経済がまず今どうなっているかということを改めて、昨日ですね、昨日の日本時間の夜の十時に、国際通貨基金、IMFが、今年の世界経済見通しを改定いたしました。どういう内容か、簡潔に麻生大臣、説明してください。
  383. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 済みません、今資料は出していませんけど、基本的に下方修正をいたしております。去年に比べて〇・一、実質もあれも〇・一ずつ、〇・一下げて、二〇一九年、〇・二、ごめんなさい、〇・一は日本です。〇・二、IMFの世界経済見通しが三・二だったものを三・〇に上げております、に下げております。そして、二〇二〇年度を三・五を三・四に上げ、日本に関しましては逆に〇・一上げるという形になったというように理解をしております。
  384. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 ありがとうございます。  要するに、世界の経済成長率がリーマン・ショック並み、リーマン・ショックの後は五年間平均で三・三%でしたから、既にもうそれ以下なんですけれども、更に落ち込む可能性を昨日の夜、指摘する改定の見通しが出たということでございます。日本の今後の消費についても落ち込んでいくということを判断しております。  この間、こういう世界経済の悪化に対して欧米各国は何をしてきたかということ、何をしようとしているかなんですが、個人消費を底上げしなければならないということで、実は、実はこの間、大幅な庶民減税を進めようとしております。  ドイツのメルケル政権、中所得者向けに日本円で一兆二千億円規模の減税を提案しています。フランスのマクロン政権も、所得税、住民税で一兆円以上の減税を提案しております。政府はこれは歴史的な減税だというふうに表明しております。トランプ政権でさえ、中所得層向けの減税構想を浮上がしていると。  今や、世界の流れは庶民増税じゃなくて庶民減税なんですよね。日本だけ逆の方向に今かじを切ってしまっているわけでございまして、世界経済が悪化の一途でございます。このとき、なぜ日本だけ増税しても大丈夫なのですか。総理、いかがですか。
  385. 西村康稔

    ○国務大臣(西村康稔君) お答え申し上げます。私、経済全般を見ておりますので。  足下の消費の状況もよく御案内、大門議員よく御存じのとおりだと思いますけれども、失業率も二・二%と二十六年ぶりの低水準でありますし、有効求人倍率も一・五九倍と、そして六年連続で賃上げについても今世紀最高の水準の賃上げが続いております。こうした環境の下で、社会保障の安定のためには我々は消費税の引上げは必要だということで、先ほど来御答弁を申し上げているとおりでございます。  ただですね、ただ、増税ですので、マインドには、消費者のマインドには十分注意して留意しながら経済運営に万全を期していきたいというふうに考えております。
  386. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 通告していないんですよね。西村さんはカジノつくれば経済は良くなると言ってきた人でしょう。マクロ経済なんか分かるんですか。出てこないでくださいよ、本当に。  総理に伺いますけど、これはもう時間の関係で結論だけ申し上げますが、消費者の一番大事な実感です、実感です、消費者マインドです。これが、東日本大震災のときと、そのときの消費者マインドの冷え込みと同じ規模、更にそれより下がっております。  申し上げたいことは、世界経済はリーマン・ショック並みの落ち込みです。日本経済は東日本大震災のときの、並みの消費マインドの落ち込みですね。総理は、いっとき、リーマン・ショック級の経済危機あるいは大震災のようなことがあれば消費税増税の延期もあり得ると。これ、実際に起きていたわけではないですよ。しかし、経済や消費の落ち込みは同等のレベルに今落ち込んでいるというふうに思います。  こんなときに消費税増税を続けたらますます消費は落ち込むというのは、もう経済の、私、自滅行為だというふうに思いますけれど、増税どころか減税こそ求められているときじゃないんでしょうか。
  387. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど西村大臣の方から、担当大臣の方から、現在の雇用情勢あるいは賃金情勢についての分析、足下の経済の指標等についての政府としての見方について御説明を申し上げたところでございますが、消費のマインドを表す指標の中には一部に弱い動きが見られることには十分に注意していく必要はありますが、実際の個人消費は、雇用・所得環境の改善などを背景に持ち直しの動きが続いています。  引上げ後も、国内消費をしっかりと下支えし、景気の回復基調を確かなものにしていくためにも十二分な対策を打っているところでございますが、円滑に実施をしていきたいと、このように考えております。
  388. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 消費マインド、消費の持ち直しと言ってもう五年もたつんですよね。何も持ち直しておりません。  それで、どこから税金を取るべきかということで、次のパネルですけど、これは何度もお示ししているグラフでございますけれど、一億円所得超えると負担率が下がっていくというグラフでございます。  麻生大臣、これ、なぜこうなっているか、御説明お願いしたいと思います。
  389. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) この数字は、基本的によく、一億円のところなんだと思いますけれども、よく大門先生といろいろ議論させていただいたときによく出てくるあれで、前より大分紙が良くなったし、きれいになりまして分かりやすくなりました、本当。前、目が余り、あの委員会の部屋も暗いせいもあるんでしょうけど。  これ、事実そういうことになっておるんですけれども、高所得者ほど所得に占めるいわゆる株式等のいわゆる譲渡益の割合というものが高いというのが、結果として、譲渡益の場合は、株でありますと分離課税で二〇%ということになりますので、そうなりますと、その分だけそういったような形になるというのが大きな背景だというように、簡単に言って一番大きな理由はそれだと思います。
  390. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 ちなみに、この資料は国税庁となっていますが、これ、元々私が国会に提出した資料でございます。二〇〇四年ですかね、二〇〇四年じゃない、二〇〇八年ですかね、第一次安倍内閣のときの尾身大臣のときに、これ何でか分かりますかと、分からないと言うので、証券優遇税制ですよと教えてさしあげて、それから政府もお使いになるようになった資料で、その後、OECDでも使ってもらっていますし、ほかの野党の方にも使っていただいております。特に著作権料いただいておりませんので、どんどん使ってもらえればと思いますが。  麻生大臣とは何度も議論しましたけど、消費税の増税をするならば、世界標準は、一〇から二〇に上げるのは、私たちも何度も質問して答えていただいて、一〇から二〇上げましたよね。世界標準三〇%ですよ。もう消費税上げるのなら、まずそれから先に手を付けるべきじゃないかと思うんですけど、いかがですか。
  391. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 一〇から二〇に上げさせていただいたときにも、いろいろ御意見をいただいた結果一〇から二〇に上げさせていただいて、かれこれ五年ぐらいたったと記憶します、しますけれども、今世界はもう少し上がっているのではないかという御指摘は、国によっていろいろ違いますけれども、おっしゃっている国もあることは事実でありますので、この点につきましては、私ども自由民主党の方の税制調査会等々において、この点については今後検討課題というようにするところまで話が来たというように理解しておりますので、これから先、ちょっとどうするか、これから先検討させていただかないかぬところだと思っております。
  392. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 あともう一つは、これもずっと我が党が追及している問題ですけど、要するに内部留保、しかも現預金、すぐにでも賃金や投資に回せるお金がこんなに増えているわけですね。  そういう中で、一番の優遇税制が行われているのが研究開発減税でございます。これも見直しを求めております。こういうことをやれば、消費税の増税は必要ないし、減税にも道を開くことができるというふうに思います。  この研究開発減税も消費税増税の前に直ちに見直すべきだというふうに思いますので、これも検討課題になっておると思いますので、至急進めていただきたいということを申し上げて、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  393. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 以上で大門実紀史君の質疑は終了いたしました。(拍手)  これにて質疑通告者の発言は全て終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時五十分散会