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2019-11-28 第200回国会 参議院 法務委員会 8号 公式Web版

  1. 令和元年十一月二十八日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  十一月二十七日     辞任         補欠選任      徳茂 雅之君     福岡 資麿君      三浦  靖君     山田 太郎君  十一月二十八日     辞任         補欠選任      福岡 資麿君     岩井 茂樹君      山田 太郎君     宮崎 雅夫君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         竹谷とし子君     理 事                 高橋 克法君                 元榮太一郎君                 有田 芳生君                 矢倉 克夫君                 柴田  巧君     委 員                 磯崎 仁彦君                 岩井 茂樹君                 中川 雅治君                 福岡 資麿君                 宮崎 雅夫君                 山崎 正昭君                 山下 雄平君                 山田 太郎君                 渡辺 猛之君                 櫻井  充君                 真山 勇一君                 安江 伸夫君                 山添  拓君                 高良 鉄美君                 嘉田由紀子君    衆議院議員        修正案提出者   越智 隆雄君        修正案提出者   日吉 雄太君        修正案提出者   山尾志桜里君        修正案提出者   串田 誠一君    国務大臣        法務大臣     森 まさこ君    副大臣        法務副大臣    義家 弘介君    大臣政務官        法務大臣政務官  宮崎 政久君    最高裁判所長官代理者        最高裁判所事務        総局家庭局長   手嶋あさみ君    事務局側        常任委員会専門        員        青木勢津子君    政府参考人        内閣府男女共同        参画局長     池永 肇恵君        内閣府大臣官房        カジノ管理委員        会設立準備室審        議官       堀  誠司君        法務省大臣官房        政策立案総括審        議官       西山 卓爾君        法務省大臣官房        司法法制部長   金子  修君        法務省民事局長  小出 邦夫君        法務省刑事局長  小山 太士君    参考人        東京大学大学院        法学政治学研究        科教授      藤田 友敬君        日本大学学部        教授       大久保拓也君        脱原発・東電株        主運動世話人   木村  結君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○会社法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆  議院送付) ○会社法の一部を改正する法律の施行に伴う関係  法律の整備等に関する法律案(内閣提出、衆議  院送付) ○参考人の出席要求に関する件     ─────────────
  2. 竹谷とし子

    ○委員長(竹谷とし子君) ただいまから法務委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日、三浦靖君及び徳茂雅之君が委員を辞任され、その補欠として山田太郎君及び福岡資麿君が選任されました。     ─────────────
  3. 竹谷とし子

    ○委員長(竹谷とし子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  会社法の一部を改正する法律案及び会社法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、法務省民事局長小出邦夫君外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 竹谷とし子

    ○委員長(竹谷とし子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 竹谷とし子

    ○委員長(竹谷とし子君) 会社法の一部を改正する法律案及び会社法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の両案を一括して議題といたします。  まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。森法務大臣
  6. 森まさこ

    国務大臣(森まさこ君) 会社法の一部を改正する法律案及び会社法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。  まず、会社法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。  この法律案は、会社をめぐる社会経済情勢の変化に鑑み、株主総会の運営及び取締役の職務の執行の一層の適正化等を図るため、会社法の一部を改正しようとするものであります。  その要点は、次のとおりであります。  第一に、株主に対して早期に株主総会資料を提供し、株主による議案等の検討期間を十分に確保するため、定款の定めに基づき、株式会社の取締役が株主総会資料を自社のホームページ等のウエブサイトに掲載し、株主に対し当該ウエブサイトのアドレス等を書面で通知する方法により、株主に対して株主総会資料を提供することができる制度を創設することとしております。  第二に、株主提案権の濫用的な行使を制限するため、株主が同一の株主総会において提案することができる議案の数を制限するとともに、不当な目的等による議案の提案を制限する規定を新設することとしております。  第三に、取締役の報酬等を決定する手続等の透明性を向上させ、また、株式会社が業績等に連動した報酬等をより適切かつ円滑に取締役に付与することができるようにするため、上場会社等の取締役会は、取締役の個人別の報酬等に関する決定方針を定めなければならないこととするとともに、上場会社が取締役の報酬等として株式の発行等をする場合には、金銭の払込み等を要しないこととしております。  第四に、役員等にインセンティブを付与するとともに、役員等の職務の執行の適正さを確保するため、役員等がその職務の執行に関して責任追及を受けるなどして生じた費用等を株式会社が補償することを約する補償契約や、役員等のために締結される保険契約に関する規定を新設することとしております。  第五に、我が国の資本市場が全体として信頼される環境を整備するため、上場会社等に社外取締役を置くことを義務付けることとしております。  第六に、社債の管理を自ら行う社債権者の負担を軽減するため、会社から委託を受けた第三者が、社債権者による社債の管理の補助を行う制度を創設することとしております。  第七に、企業買収に関する手続の合理化を図るため、株式会社が他の株式会社を子会社化するに当たって、自社の株式を当該他の株式会社の株主に交付することができる制度を創設することとしております。  政府といたしましては、以上を内容とする法律案を提出いたしましたが、衆議院におきまして、株主提案権の濫用的な行使を制限するための措置に関する改正規定中不当な目的等による議案の提案を制限する規定の新設に係る部分を削除する修正が行われております。  次に、会社法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。  この法律案は、会社法の一部を改正する法律の施行に伴い、商業登記法外九十の関係法律に所要の整備等を加えるとともに、所要の経過措置を定めようとするものであります。  政府といたしましては、以上を内容とする法律案を提出しましたが、これについても、衆議院におきまして、会社法の一部を改正する法律案の修正に伴い、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律、保険業法及び資産の流動化に関する法律の改正規定中社員提案権等に関し不当な目的等による議案の提案を制限する規定の新設に係る部分を削除する修正が行われております。  以上が、両法律案の趣旨でございます。  何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようにお願いいたします。
  7. 竹谷とし子

    ○委員長(竹谷とし子君) この際、両案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員日吉雄太君から説明を聴取いたします。日吉雄太君。
  8. 日吉雄太

    ○衆議院議員(日吉雄太君) ただいま議題となりました両法律案の衆議院における修正部分につきまして、御説明申し上げます。  本修正の趣旨は、株主提案権等の濫用的な行使を制限するための措置に関する改正規定中不当な目的等による議案の提案を制限する規定の新設に係る部分を削るものであります。  原案におけるこれらの規定は、株主提案権の行使事例の中に権利の濫用に該当すると思われるものが見られ、裁判例においても人を困惑させる目的等による株主提案権の行使を権利の濫用と認めるものがあったことなどを踏まえ、このような権利の濫用に該当し、拒絶することができる場合を明確化することにより、株主総会を全体として活性化させ、経営者と株主との間又は株主相互間でより充実したコミュニケーションが図れるようにする趣旨から提出されたものとのことであります。  しかしながら、衆議院における審議では、民法における権利の濫用の一般法理との関係を整理すべきであるとの指摘や、当該株主提案が権利の濫用に該当するかどうかのより明確な規律を検討すべきであるとの指摘等がありました。  このような指摘等を踏まえると、株主提案の内容により、これを拒絶することができる場合についての規定を設けるか否かを検討するに当たっては、裁判例や株主総会の実務の集積等を踏まえ、権利の濫用に該当する株主提案権の類型について更に精緻に分析を深めながら、引き続き検討していくべきものと考えます。  以下、両法律案の衆議院における修正部分の主な内容について御説明申し上げます。  第一に、会社法の一部を改正する法律案に対する修正の概要は、株主が専ら人の名誉を侵害するなどの目的で議案の提出等をする場合又は議案の提出等により株主総会の適切な運営が著しく妨げられ、株主の共同の利益が害されるおそれがあると認められる場合に議案の提出等を拒絶することができるという規定を削除するものであります。  第二に、会社法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案に対する修正の概要は、会社法の一部を改正する法律案の修正に伴い、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律、保険業法及び資産の流動化に関する法律の改正規定のうち社員提案権等に関し目的等による議案の提案を制限する規定の一部を修正するものであります。  以上であります。  何とぞ、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  9. 竹谷とし子

    ○委員長(竹谷とし子君) 以上で両案の趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  10. 渡辺猛之

    ○渡辺猛之君 おはようございます。自由民主党の渡辺猛之でございます。  私は、参議院議員十年目にして初めて法務委員会に所属をさせていただきました。この法務委員会には、法務行政全般に大変お詳しい先生方たくさんいらっしゃいますので、どうぞ御指導のほど、よろしくお願いをいたします。  それでは、早速質問に入らせていただきます。  今回の会社法改正は、ただいま森大臣、また日吉議員の方から説明をいただきましたように、衆議院の審議を経た結果、修正の後に参議院に送られてまいりました。まずは、この点について大臣の御所見をお聞かせをいただきたいと思います。
  11. 森まさこ

    国務大臣(森まさこ君) 渡辺委員、十年目で法務委員会にいらしてくださったということで、ありがとうございます。また、よろしくお願いいたします。  改正法案の修正についてお尋ねがございました。  改正法案については、与野党から修正の提案がされ、修正案が衆議院で可決されたことについては、法案の立案を担当した法務省としても重く受け止めております。  株主提案権の制度は、経営者と株主との間又は株主相互間のコミュニケーションを図り、株式会社をより開かれたものとする目的で導入されたものと承知をしておりますので、株主提案権の重要性についてもしっかり認識をしているところでございます。
  12. 渡辺猛之

    ○渡辺猛之君 今回の修正ですけれども、衆議院の審議におきまして、株主提案が権利の濫用に該当するかどうかのより明確な判断基準を検討すべきであるといった指摘や、また民法における権利の濫用の一般法理との関係を更に整理すべきであるとの指摘等を踏まえ、削除修正が行われたわけでございますが、そもそも政府提出法案におきまして、不当な目的等による議案の提案を制限する規定を新設することとしていたのはなぜか、その理由をお聞かせください。
  13. 小出邦夫

    政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  株主提案権につきましては、近年、一人の株主により膨大な数の議案が提案されたり、株式会社を困惑させる目的で議案が提案されたりするなど、株主提案権が濫用的に行使される事例が見られたところでございます。株主総会における審議の時間等がこのような濫用的な提案に割かれますと、株主総会の意思決定機関としての機能が害されたり、株式会社における検討や招集の通知の印刷等に要するコストが増加したりするといったことが弊害として指摘されております。  近年の裁判例には、株主提案権の行使が株式会社を困惑させる目的のためにされるなど、株主としての正当な目的を有するものでない場合には、権利濫用として許されないとしたものがございます。しかしながら、どのような場合に株主提案権の行使が権利濫用に該当すると認められるかは必ずしも明確ではなく、実務上、株主提案権が行使された場合に、取締役等において株主提案権の行使が権利濫用に該当するか否かを的確に判断することは難しいと指摘されておりました。  そこで、政府提出法案では、株主提案権の濫用的な行使を制限することができる、議案の数を制限するだけでなく、株主による不当な目的等による議案の提案を制限する規定を新たに設けることとしていたものでございます。
  14. 渡辺猛之

    ○渡辺猛之君 そのような趣旨でそもそも政府提出法案においては提案が行われたわけでございますが、衆議院の審議の中で、結果的に企業側の都合による株主提案の制限が可能になるのではないかということが危惧された結果、削除修正が行われたわけでございます。  そもそも法務省は、不当な目的等による議案の提案を制限する規定によって、実質的に株主提案に新たな制限を課すことを予定していたのかどうか、お聞かせをください。
  15. 小出邦夫

    政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  先ほどもお答え申し上げましたけれども、これまで、株主提案権の行使がどのような場合であれば権利濫用に該当すると認められるかは必ずしも明確にされておらず、そのため、実務上、株主提案権が行使され、その内容が権利濫用に該当し得るようなものであったとしても、株式会社が権利濫用に該当するとしてこれを制限することは実際上は難しいという指摘がされておりました。  不当な目的等による議案の提案を制限する規定は、このような指摘等を踏まえまして、株主提案権の行使が権利の濫用に該当するであろう典型的な場合を明文化したものでございまして、株主提案権の行使を新たに制限するというものではございませんでした。
  16. 渡辺猛之

    ○渡辺猛之君 ありがとうございました。  一方で、これまで数はそれほど多くなかったとは伺っておりますが、明らかに企業側を困惑させるためだけの株主提案が行われた事例があるのも事実であります。  不当な目的等による議案の提案を制限する規定の新設に係る部分が今回削除をされました。これによって、万が一不当な目的による株主提案がされた場合、企業側というのはどういう対応が考えられるんでしょうか。
  17. 小出邦夫

    政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  株主提案権は、株主が会社の経営に参与し、あるいは会社の経営を監督、是正するために株主に認められた基本的な権利でございますが、権利の一種である以上、その濫用が許されないということは当然でございます。  したがいまして、株主提案権の行使が民法上の権利の濫用に当たる場合には、株式会社はこれを理由としてその提案を拒絶することができると考えております。
  18. 渡辺猛之

    ○渡辺猛之君 ありがとうございました。  それでは、続きまして、社外取締役について少しお尋ねをしたいと思います。  そもそも社外取締役が会社法に規定されたのはいつ、そしてまた、その後どのような改正がなされてきたのか、また、会社法において社外取締役はどのような役割を期待されているのか、改めてお尋ねをしたいと思います。
  19. 小出邦夫

    政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  社外取締役の規定が会社法に設けられましたのは、平成十三年の商法改正のときでございます。この改正においては、コーポレートガバナンス強化の一環として監査役の機能が強化される一方で、取締役等の責任を軽減するため、定款の規定に基づき、社外取締役との間で事前に責任限定契約締結することができる旨が定められたものでございます。  その後、平成十四年の商法特例法の改正におきまして、新たな機関設計として委員会等設置会社の制度が認められ、委員会等設置会社においては、取締役会の中にそれぞれの構成員の過半数を社外取締役とする指名委員会監査委員会、報酬委員会の三つの委員会を設けなければならないこととされたところでございます。  また、平成二十六年の会社法改正におきましては、新たな機関設計といたしまして監査委員会設置会社制度が設けられ、社外取締役を中心とする取締役により構成される監査委員会取締役の職務の執行の監査を担うとともに、業務執行者を含む取締役の指名及び報酬について株主総会における意見陳述権を有することとされました。このほか、社外取締役を置くことが相当でない理由の株主総会における説明義務の新設、社外取締役の要件の厳格化等の見直しが併せてされたものでございます。  社外取締役の役割、期待される役割でございますが、これは、少数株主を含めた株主の共同の利益を代弁する立場にある者として、業務執行者から独立した立場で会社経営を監督する、経営者あるいは支配株主と少数株主との間の利益相反の監督を行う、また、経営効率の向上のための助言を行うことなどがその役割として期待されているところでございます。
  20. 渡辺猛之

    ○渡辺猛之君 ありがとうございました。  独立した形でしっかりと企業を監督をしていく、それが社外取締役に期待をされているということでございますが。  では、その社外取締役の監督の実効性を確保するためには、まずは、やっぱり社外取締役に適切な人を選ぶということが重要になってくると思います。果たしてそのような人材は確保できるんでしょうか。また、実際には、伺うところによりますと、一人の人が複数の社外取締役を兼任しているような例もあるというふうに聞いておりますが、そのような状況で監督機能を発揮することができるんでしょうか。法務省の御見解をお尋ねしたいと思います。
  21. 宮崎政久

    ○大臣政務官(宮崎政久君) まず、現状から御説明いたしますと、上場会社における社外取締役の選任の比率は、令和元年七月の調査時点で、東証の全上場会社の九八・四%となっております。このような状況において上場会社などに社外取締役の設置を義務付けることは、人材確保という観点から見ても著しい困難を強いるものではないと考えております。  次に、兼任についてでありますけれども、一般論としては、複数の会社の社外取締役を兼任していたとしましても、その会社の数が合理的な範囲にとどまって、社外取締役としての役割、責務を適切に果たすための必要な時間、労力を各社に振り向けることができるのであれば、期待される監督機能を発揮することもできるものと考えております。  私も、政治の世界に入る前に、弁護士の立場で、損保会社などを含めて複数の会社の社外取締役を同時に兼任していたことがございますが、取締役には善管注意義務なども課されておりますので、こういった中から監督機能を果たせるものと考えております。  また、さらには、社外取締役に期待される役割を適切に遂行することができる知見などを備えた人材の確保につきましては、日本取締役協会など、関係団体などにおいて人材プールの充実や研修などの取組が進められていることも承知しておりまして、今後これらの取組が進んでいくものと期待をしているところでございます。  以上です。
  22. 渡辺猛之

    ○渡辺猛之君 実際に社外取締役を複数経験をされた宮崎政務官の御経験の中からも、その心配は杞憂にすぎないというような御回答をいただきました。しっかりと社外取締役の皆さん方がその責任を果たしていってもらうことに大いに期待をしたいというふうに思うわけでございます。  さて、その社外取締役で幾つかの場面で議論をされているのが、社外取締役を今回義務付けをすることになるわけでございます。社外取締役を義務付けることにすると、一部からは、結果的に公務員の天下りを増やすことになるんじゃないかというような心配の声が聞こえてきております。  今御説明をいただきましたように、既に上場企業の九八・四%が社外取締役を置いております。では、その九八・四%の上場企業がどのような人を社外取締役に選任をされているのか、分かったら教えていただきたいと思いますし、また、その社外取締役として選任されている人のうち公務員であった人はどれくらいいらっしゃるのか、これも分かれば教えていただきたいと思います。
  23. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  東京証券取引所のコーポレート・ガバナンス白書二〇一九によりますと、平成三十年七月時点で東京証券取引所に株式を上場している内国会社、これ三千五百九十四社ございますが、これにおいて、独立社外取締役としてコーポレートガバナンスに関する報告書により届け出られている者の属性の割合につきまして、他の会社の出身者が、これは五九・一%でございます。弁護士が一六・〇%、公認会計士が一〇・〇%、税理士が二・八%、学者が六・八%、その他が五・四%ということが、数字が出ております。  したがいまして、公務員であった者は、他の属性に分類されている場合を除きまして、先ほど申し上げましたその他五・四%の中に含まれているのではないかと考えております。
  24. 渡辺猛之

    ○渡辺猛之君 今詳しい数字をお示しいただいたところでございます。恐らく、公務員から天下りですぐ会社の社外取締役になられた方、今現状の中では五・四%ということであります。  私は、企業というのはやはりしっかりと利益を上げていく存在でありますし、また、株主、従業員、そしてお客様含めて、しっかりと社会の公器としての役割を果たしていってもらわなければならないわけであります。その中で、元お役人だといっても社外取締役にお願いをされる場合は、本当にその人が我が企業にとって役に立っていただける方であれば、多分社外取締役として選ばれると思いますし、表現悪いかもしれませんが、ただ単に給料泥棒みたいな社外取締役がいては何の意味もならないわけでありまして、今世界の中で戦っている企業は、やっぱり民間、あるいは学者さん、弁護士、公認会計士さん、いろんな方の中から、その中の一部で公務員の人も含めて、我が社にとって必要な人材とは何かというのを厳しく判断をして社外取締役に選任をしていただけるものと、そう信じているところでございます。  次に、補償契約について少し御説明をしていただきたいと思いますが、補償契約とはどのようなものか、まずは説明をお願いしたいと思います。
  25. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  済みません、その前に、先ほど社外取締役の属性について申し上げる前提として、その統計数字の母体となる会社数について少しちょっと不明確だったかもしれません。三千五百九十四社、三千五百九十四社が母体となっているということでございます。  それから、補償契約につきまして、これは、当該役員等が、その職務の執行に関し、責任を追及する訴えを提起された場合などに、これに対処するために支出する弁護士費用等のいわゆる防御費用や、第三者からの損害賠償請求が認められ、これを賠償することによって生ずる損失等の全部又は一部を株式会社が役員等に対して補償することを約束する契約を補償契約といっております。
  26. 渡辺猛之

    ○渡辺猛之君 今回の法案の中で、その補償契約に関して、心情的にちょっとやっぱり皆さんが納得しにくい点は、費用についてなんですけれども、その費用について、役員等に悪意又は重大な過失があった場合でも補償することができることとされているのはなぜか、その理由を分かりやすく納得できるように説明をしていただきたいと思います。
  27. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、弁護士費用等のいわゆる防御費用につきましては、賠償金や和解金と異なりまして、役員等に悪意又は重大な過失があったときでも補償することができることとしております。  これは、役員等がその職務の執行に関し責任を追及する訴えを提起された場合などには、当該役員等に悪意又は重大な過失があるおそれがあるときであっても当該役員等が適切な防御活動をすることができるように、これに要する費用を株式会社が負担することが株式会社の損害の拡大の抑止等につながり、株式会社の利益にもなることがあると考えられたことや、役員等に悪意又は重大な過失があったときでも、費用であれば、これを株式会社が補償することができることとしても、通常は職務の執行の適正性を害するおそれが高いとまでは言うことができないと考えられること等を踏まえたものでございます。  もっとも、補償契約の内容として、役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があった場合には株式会社が費用を補償しないことを定めておけば、またそういうことを定めることは可能でございますし、定めておけば、株式会社はこれに該当する場合には補償する必要はないということとなります。  また、役員等が不当な目的で職務を執行していたような悪質な場合であっても、株式会社の費用で防御費用が賄われるものとすると、役員等の職務の執行の適正性を害することが懸念されます。  そこで、改正法案におきましては、株式会社が、そのような場合、当該役員等が自己若しくは第三者の不正な利益を図り、又は当該株式会社に損害を加える目的で職務を執行したこと、そのような場合であることを株式会社が知ったときは、その当該役員に対して補償した金額に相当する金銭の返還を請求することができることとしております。
  28. 渡辺猛之

    ○渡辺猛之君 済みません。もう少し詳しくお聞かせをさせていただきたいと思いますが、例えば、取締役が特別背任罪で訴追されている、そのような場合であったとしても弁護士費用というのは補償されることになるのでしょうか。
  29. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  先ほど申し上げましたように、当該役員が自己若しくは第三者の不正な利益を図り、又は株式会社に損害を加える目的で職務を執行したということが判明した場合には、補償した金額に相当する金銭を事後的にその返還を請求することができることとしております。
  30. 渡辺猛之

    ○渡辺猛之君 ありがとうございました。  今回のこの会社法の改正につきまして、昨日の本会議でも何名かの議員の皆様方が質問をしておられましたが、そもそも会社とは誰のものかというような根本的な問題も提起をされているところでございます。  かつて、経営の神様と呼ばれた松下幸之助さんは、企業は社会の公器ということをおっしゃっておられました。この社会の公器、公の器でございますが、これ、どういう考え方かといいますと、企業にとって人材であるとか資金あるいは物資、いわゆる企業にとってのあらゆる経営資源というのは全て社会が生み出したものであると、企業はこうした資源を社会から預からせていただいて事業活動を行っている以上、その企業だけが発展をしていけばいいんじゃなくて、社会と共に発展をしていかなければならなくて、そしてまた、その活動は透明で公明正大なものでなければならないと考えておられたようでありました。  松下幸之助のこの考え方というのは、企業は社会のものと位置付けることで、CSRの先駆けと捉えられる一方で、社会の公器でありますから、社会の公器が赤字を生むのは罪悪だという考えの下、利益追求もおろそかにしないというバランスの取れた考え方を持っておられたようでございます。  今回の会社法二法の改正によりまして、今、日本の企業は世界と戦っているわけであります。その世界と戦っている日本企業が健全な発展をしていってくれることを心から期待をしながら、私の質問を終わらせていただきたいと思います。  ありがとうございました。
  31. 安江伸夫

    ○安江伸夫君 公明党の安江伸夫です。早速質問をさせていただきたいというふうに思います。  今回の改正におきましては、株主提案権の制限、不当な目的等については削除をされておりますが、個数の制限については残っている状況でございます。そこで、この個数制限の改正についてお伺いをします。  今回、株主提案権というものに数という形式的な形での制限を加えるわけでありますが、そもそも株主提案権というもの、会社の統治に株主が固有の権利として関わっていく大変重要な権限であることは言うまでもございません。この提案権を制限するためには、やはり実質的な根拠が必要であるというふうに考えます。  そこで質問ですが、この十という数字はどういった根拠、理由によって決められたものであるか、改めて確認をしたいと思います。
  32. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  株主が提案することができる議案の数の上限を十といたしましたのは、近年の株主提案権の行使の状況を見ましても、各提案株主について多くとも十程度にとどまっており、これを超える議案を提案する必要がある場合は通常考えにくいことなどを考慮したものでございます。  法制審議会におきましては、外国の法制等を参考といたしまして、株主が提案することができる議案の数を例えば一ないし三とすべきであるという意見もございました。しかし、実務上合理的と考えられる株主提案であっても、議案の数がこれを超えることは十分にあり得るものと考えられます。  また、改正法案では、取締役等の選任や解任、あるいは定款の変更に関する議案について、二つ以上の議案であってもこれを一つの議案とみなすことができる場合、これを併せて法定しておりますが、この中でも、株主が提案する議案の中で最も大きな割合を占めております定款の変更に関する議案については、判断基準の明確性を重視いたしまして、二つ以上の議案を一つの議案とみなすことができる場合を限定的なものにしております。議案の数の上限を定めるに当たっては、この株主提案権が不当に制限されることがないように、こういった点も併せて考慮する必要がございます。  改正法案では、こういった諸事情、諸要素を考慮いたしまして、株主が提案することができる議案の数の上限を十とさせたものでございます。
  33. 安江伸夫

    ○安江伸夫君 ありがとうございます。  ちょっと一つ突っ込んだ質問になるかもしれないんですけど、十という数字を超える提案というのは、立法事実として、ほとんどそういう十を超えるような提案は基本的には事例としてはないということを今理由として述べていただいたんですが、場合によっては十を超えるようなときもあろうかと思います。  今回、目的等による制限は削除されたんですが、私の理解としては、本質的にはいわゆる濫用的な株主提案権を制限する、これが本来の立法趣旨であって、この十という数字も濫用的な株主提案権を制限する、このように解するべきと思いますが、法務省の見解をお願いします。
  34. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  これまでいろいろお話しさせていただいておりますし、これまで公表されている資料によりますと、株主提案権、百とか六十とかそういった大きな数を提案してきてというような事例がございまして、そのような場合には、そういった特定の株主の株主提案に割かれる時間が増え、他の株主提案の内容について審議、検討する時間がなくなってしまうということで、それは株主提案権の数における濫用的な行使だというような整理がございます。  今回、十に制限した理由でございますが、それは先ほど申し上げたとおりでございまして、その背景として非常に多数な膨大な数の株主提案をしてきている事例があったということはそのとおりでございますが、今回、十とした理由につきましては、やはりこれまでの実情を見ると多くとも十程度にとどまっており、また外国の法制等も参考にして、十程度認めておけば株主提案権の行使を不当に制限することはないだろうということでございまして、十に線を引くことによってほかの株主からの提案についても十分時間を割いて株主総会で議論ができる、株主総会の機能の活性化が図られるというようなことも立法趣旨でございます。
  35. 安江伸夫

    ○安江伸夫君 済みません。ありがとうございました。  要するに、今の質問の趣旨は、やはり十を超えても株主提案をしたいという方は可能性としては十分あり得るというところなので、そこはよく会社とのコミュニケーションというところになると思うんですけれども、実質的に制限することがないようにするという合理性の観点から今回の十という数字が定められたものなんだというふうに理解をしたいというふうに思います。  そうはいいましても、今回の改正法が通った、仮に成立をしたとして、今のようなケース、つまり十を超えて提案をしたい、こういうような株主さんが出てきたとします。しかし、今回の改正法を根拠に提案が妨げられてしまった。総会が終結をしてしまった。これに対して株主としては不服を述べたいというケースもあり得るかと思います。あるいは十という数字の整理の仕方、議案の数の数え方がおかしいとか、あるいは、先ほど質問させていただきましたけれども、例えば、この法案の根拠が濫用的な株主提案権を制限するということにあるとすれば、会社運営において決定的に重要な問題であれば、場合によっては十を超える提案というものもできるんだと、この規定を適用するのは違法なんだと、例えばですけれども、そんなような主張を株主や代理人、弁護士が構成をして訴えを出るといったときに、どういった方法でその事後的な救済というものが図られるか、会社法が予定しているものについて御答弁お願いします。
  36. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  株主は、株式会社の判断に不服がある場合には、株主総会の開催前であれば、議案の要領を株主総会の招集の通知に記載することを求め、また、株主総会における決議、若しくは株主総会の開催を禁止することなどを求める仮処分の申立てをすることが考えられます。また、事後の救済手段としては、取締役や株式会社に対して損害の賠償を請求することも考えられるところでございます。
  37. 安江伸夫

    ○安江伸夫君 ありがとうございます。  今質問させていただいたとおり、ほぼほぼそういったケースはまずないというふうに想定をされていることとは思いますけれども、そうした万が一の事態に対しても一応会社法はそうした救済措置というものを予定しているということを確認をさせていただきました。  続いて、社外取締役の設置について質問させていただきます。  先ほどの渡辺委員の質問とも重なって恐縮でございますが、今般、新たに社外取締役の設置、義務付けられることとなりました。その趣旨について改めて御答弁ください。
  38. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答え申し上げます。  社外取締役には、少数株主を含む全ての株主に共通する株主の共同の利益を代弁する立場にある者として、業務執行者から独立した立場から会社経営の監督を行い、また、経営者あるいは支配株主と少数株主との利益相反の監督を行うという役割を果たすことが期待されております。  我が国の資本市場の担い手である機関投資家及び金融商品取引所等からは、コーポレートガバナンスを実効的に機能させ、また国際化が進展した現代の社会において我が国の資本市場が国の内外から信頼される環境を整備するためには、上場会社等については最低限の基本的な要件として画一的に社外取締役を置くことを法律によって義務付けるべきであると指摘がされております。  加えて、東京証券取引所の全上場会社における社外取締役の選任比率、これは令和元年七月調査時点においては九八・四%となっており、社外取締役の有用性は一般的に広く認知されていると言うことができるかと思います。  そこで、会社法におきましては、我が国の資本市場が信頼される環境を整備し、上場会社等については社外取締役による監督が保証されているというメッセージを内外に発信するために、会社法において上場会社等に社外取締役を置くことを義務付けることとしたものでございます。
  39. 安江伸夫

    ○安江伸夫君 今回の社外取締役の設置義務、これを義務付けられる対象となる会社、今上場会社等というふうにおっしゃられましたが、具体的にはどういう会社か、改めて確認をさせてください。
  40. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  改正法案では、公開会社であり、かつ大会社である監査役会設置会社のうち、その発行する株式について有価証券報告書を提出しなければならない株式会社に社外取締役を置くことを義務付けることとしております。
  41. 安江伸夫

    ○安江伸夫君 ありがとうございます。  一応、非上場の会社も、ごくごく僅かかと思いますが、含まれるということでありますので、そうした会社に対するフォロー等も重要かと思います。  先ほどの渡辺委員の質問にもありましたけれども、やはり社外取締役としての有為な人材をどうやって確保していくのか、これもまた重要であることは言うまでもございません。社外取締役の人材を確保する方途として、どのように法務省がお考えかを御答弁ください。
  42. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  社外取締役が期待される役割を適切に遂行することができる、そういった知見等を備えた社外取締役候補者の確保につきましては、コーポレートガバナンスに関する活動をしている団体や弁護士会等の関係団体において、人材プールの充実、あるいは研修といった取組が進められております。こういった取組につきまして、法務省としても、関係省庁と連携して必要な協力をしてまいりたいというふうに考えております。
  43. 安江伸夫

    ○安江伸夫君 また、社外取締役の設置を義務付けるのみではなくて、先ほどの質問とも重なって恐縮ですが、やはり機能強化ということが重要であると。形骸化している事例も伺っておりますし、やはりこの実質的な機能を強化する、そのために法務省としてどのように対応していくか、お答えください。
  44. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  先ほど申し上げたことと重なってしまいますけれども、コーポレートガバナンスを強化するに当たりましては、やはり法制度を整えるのみではなく、法制度の趣旨に即してこれを実質的に機能させることが重要であるというふうに考えているところでございます。  その上で、先ほど申し上げましたとおり、社外取締役による監督の実効性を高めるためには、社外取締役に期待される役割を遂行できる知見、経験を兼ね備えた者を社外取締役に選任すること、また社外取締役の機能が発揮しやすい環境を整備することなどの運用面の取組が重要だと考えております。その観点からは、先ほど申し上げましたとおり、社外取締役候補者の確保ということにつきましては、関係団体において適切な取組がされることを期待しております。  法務省としても、このコーポレートガバナンスの強化のための取組を行っている関係省庁と連携して、必要な協力をしていく所存でございます。
  45. 安江伸夫

    ○安江伸夫君 やはり、設置を義務付けることと、その実質的機能を強化していくことというのは、私は車の両輪のようなものだというふうに思っております。その端緒として、現状を追認するような形かもしれませんが、今回義務付けられたことにはやはり意義があるというふうに思っておりますし、また、引き続きその実質的な監督機能を強化していく、ここも重要な視点で、引き続き、応援、支援体制を整えていくということをお願いをしたいというふうに思います。  次に、役員報酬等についてお伺いをいたします。  今回の改正の基となった会社法制の見直しに関する要綱におきましては、役員報酬等の情報開示の充実として、公開会社にある情報開示に関する規定の充実を図るというふうにされております。具体的には、今回の改正でどのような規定が改正又は追加されることになったのか、お答えください。
  46. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  改正法の施行に伴う法務省令の改正におきまして、取締役の報酬等の内容の決定手続等に関する透明性を向上させるという今回の改正法案の趣旨に照らしまして、公開会社における事業報告による情報開示に関する規定の充実を図ることを予定しております。  具体的には、今回の法改正によって取締役の個人別の報酬等の内容についての方針の決定、これを取締役会で行うということにされましたが、それに関する事項、また業績連動報酬等に関する事項、また職務執行の対価として株式会社が交付した株式等に関する事項などを公開会社の事業報告の内容とすることを予定しているところでございます。
  47. 安江伸夫

    ○安江伸夫君 今回の改正におきましては、取締役の個人別の報酬等の開示までは求められなかったわけでありますが、個人別の報酬開示が求められなかったその理由についてお答えください。
  48. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  委員御指摘のとおり、今回の改正法案におきましては、取締役の個人別の報酬等の内容について開示を義務付けることとはしておりません。また、改正法案に伴う法務省令の改正におきましても、事業報告においてそのような開示を義務付けることは予定しておりません。  これは、我が国における取締役の報酬等の額は欧米と比べれば低い水準にあるとされておりまして、取締役の個人別の報酬等の内容を開示させる意義がそれほど大きくないと考えられること、また取締役の個人別の報酬等の内容は、取締役のプライバシーに属する情報であることなどを考慮したものでございます。  もっとも、改正法案では、取締役の報酬等の決定手続に関する透明性を向上させる観点から、上場会社等においては、取締役会において取締役の個人別の報酬等の内容についての決定方針を定めなければならないこととしております。さらに、先ほど申し上げましたとおり、法務省令におきまして、当該方針に関する事項等を事業報告の内容とすることを予定しております。  これらの事項が開示されることによって、取締役の報酬等に関する情報開示が充実して、その透明性が高まるという効果が見込めますので、取締役の個人別の報酬等の内容についての開示を義務付けるまでの必要はないと考えたところでございます。
  49. 安江伸夫

    ○安江伸夫君 ありがとうございました。  一応、通告では、次は会社補償、役員等賠償責任保険について質問をする予定でありましたが、先ほどの渡辺委員と全く重複するので、ちょっと次の質問に移らせていただきます。  取締役の欠格条項の削除のことについて、最後に質問させていただきたいと思います。  今回の改正により、今まで取締役となることができなかった成年被後見人も取締役に就任することが可能になりましたが、その趣旨について確認させてください。
  50. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  趣旨でございますが、まず平成二十九年三月二十四日付けで成年後見制度の利用の促進に関する法律に基づいて閣議決定された成年後見制度利用促進基本計画におきまして、欠格条項が数多く存在していることが成年後見制度の利用をちゅうちょさせる要因の一つになっているとして、速やかに必要な見直しを行い、見直しの結果を踏まえた関係法律の改正法案を提出することを目指すこととされたところでございます。  そして、平成三十年の第百九十六回国会に成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律案が提出され、同法律案は本年の第百九十八回国会において成立したところでございます。  このような成年被後見人の欠格条項の廃止、それに伴って成年後見制度の利用促進というような流れに沿いまして、会社法上の成年被後見人の取締役の欠格事由についても、これを削除することとしたものでございます。
  51. 安江伸夫

    ○安江伸夫君 今回、成年被後見人が取締役として行為を行うことが一応法律上想定をされるということでありますけれども、行為能力の制限を理由として取消し権の行使というものは認められているんでしょうか。
  52. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  成年被後見人等であることを取締役等の欠格事由とする条項、これを削除した場合に、個々の職務の執行を行為能力の制限を理由に取り消すことができることとすると、法的安定性や取引の安全が害されるおそれがございます。他方で、成年被後見人が取締役等として行った職務の執行の効果、これは株式会社に帰属いたしまして、成年被後見人等自身には帰属しないため、成年被後見人等の保護を目的としてその取消しを認める必要性は乏しいところでございます。  また、株主は、自ら取締役等に選任した成年被後見人等の行為によって発生する不利益を甘受すべきであると言うこともできますので、株式会社やその株主の保護を目的としてその取消しを認める必要性も乏しいところでございます。  したがいまして、今回の法改正におきましては、成年被後見人等がした取締役等の資格に基づく行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができないこととしております。
  53. 竹谷とし子

    ○委員長(竹谷とし子君) お時間が過ぎておりますので、おまとめください。
  54. 安江伸夫

    ○安江伸夫君 ありがとうございました。  今回、そうした意味での欠格条項が削除されたということ、なかなかスポットライトが当たりにくい部分かと思いますが、大事な改正であると思いましたので、指摘させていただきました。  時間が来ましたので、終わります。ありがとうございました。
  55. 柴田巧

    ○柴田巧君 日本維新の会の柴田巧です。  最初に、修正案のところからお聞きをしたいと思いますが、今日は修正案提出者の衆議院の串田先生にもお越しをいただいております。ありがとうございます。  昨日の本会議でも述べさせていただきましたが、この株主総会における株主の提案権というのは、株主が経営陣と直接議論する正当でかつ有効な手段として活用されてきたわけでございます。特に少数の株主にとってはこれは意義が大変大きいわけでありまして、この権利に制約を課すということは専ら慎重であるべきだとは基本的に考えます。  ただ、先ほどからもお話がありますように、不当な目的等による提案が出されて総会の進行が滞るという例もあったということでありますが、こういうことを受けて、今回の法改正では、不当な目的等による株主提案を拒絶することができる規定を設けようということになったわけでございますが、御案内のとおり、そしてまた先ほど趣旨説明もありましたが、削除修正されるということになりました。串田提出者におかれても、衆議院の法務委員会、本会議等々でこの問題を取り上げてこられたわけで、それを機に、スタートとしてこの修正が成ったということだと理解をしておりますが。  そこで、お聞きをまずしたいのは、修正前のこの三百四条、三百五条のどの文言が特に問題があると考えられるのか、串田提出者に詳しくお聞きをしたいと思います。
  56. 串田誠一

    ○衆議院議員(串田誠一君) お答えをいたします。  衆議院における修正により、株主提案権に関する不当な目的等による株主総会における議案の提案及び議案の要領を株主に通知することの請求を制限する各規定については削除するに至りました。  これらの規定については、会社側の一方的な判断による運用がなされるおそれや、文言上、論理的には権利の内容に該当しない場合であっても適用される可能性があるという点に問題があったと考えております。特に、不当な目的のうち、困惑させという要件が規定されていることについては、その目的の認定を行う会社側により一方的判断による運用がなされかねず、衆議院における質疑でも繰り返しその問題点を指摘してまいりました。
  57. 柴田巧

    ○柴田巧君 本当に、今回の修正によって、今もお話がありましたが、もし残っていれば、会社側が意のままに安易に適用する余地が十分あったと思いますし、また、この経営陣にとって、今もありましたが、都合の悪い提案、疑惑や不正をただす提案については恣意的に除外する逃げ道をつくれたと、用意できたということになったわけですが、今回の修正でそういったことがなくなってきたと思っております。  そういう意味では、確認ですが、お答えをしていただければ有り難いと思いますが、この修正によっていわゆる善意ある株主の権利を守ることができたというふうに思っていますが、そういう理解でよろしいでしょうか。
  58. 串田誠一

    ○衆議院議員(串田誠一君) 今回の改正はコーポレートガバナンスを強化するという趣旨でございましたが、これが、このまま規定が残りますと、逆に会社側の権利の濫用が行われる可能性もあって、コーポレートガバナンスの逆行ということにも起こりかねないというようなことがありましたので、修正によってしっかりと株主の株主提案権によって会社に対する不正とかそういったようなものを追及する権利が確保されたというふうに考えております。
  59. 柴田巧

    ○柴田巧君 ありがとうございました。  串田提出者始め関係の皆さんの御努力でいい修正がなされたものと評価をしたいと思います。  修正の分についてはこれで終わりますので、どうぞ御退席いただいて結構でございます。ありがとうございました。
  60. 竹谷とし子

    ○委員長(竹谷とし子君) 修正案提出者は御退席いただいて結構でございます。
  61. 柴田巧

    ○柴田巧君 次に、大臣にお聞きをしたいと思います。  昨日も本会議場でお尋ねをさせていただきましたが、今回の修正もあって、なおさらコーポレートガバナンスを強化する意味で一歩前進をしているとは評価をしていますけれども、日本の株式市場、マーケットというのは、欧米を始め世界の投資家が参加をしているわけですね。また、会社法や関連規則等の要求水準というのは、欧米諸国とどうしても比較されてしまいがちになるということになります。  そういうことからすれば、社外取締の義務化がなされたことは、それはそれで結構なことだと思いますが、世界的にはもう、昨日も申し上げましたように、複数あるいは過半数とか、今は三分の一ルールとかいうものがあったり、もう二人以上いないと評価されないという現実も始まっております。  また、取締役の個人別報酬額の開示も、昨日も申し上げたように世界的に広がっているわけで、答弁の中でもプライバシー云々というのは先ほどもありましたし、大臣もおっしゃいましたが、もう既に金融商品取引法では年総額一億円以上の取締役等の個別開示が実際行われているということもありますので、ある意味もっとより広い範囲のものにしていくか、あるいは金額を下げるかという議論も出てきてしかるべきかなと思いますが、いずれにしても、そうやって世界の中で比較をされるということになれば一歩前進とは思いますけれども、この会社法の水準、体系を更にいずれはその欧米諸国により近づけていくということが必要になってくるのではないかと思っていますが、そこら辺の認識はどうか、大臣にお聞きをしたいと思います。
  62. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 柴田委員にお答えをいたします。  今回の改正でコーポレートガバナンスが一歩進むということは評価すると言っていただき、ありがとうございます。ただ、委員御指摘のとおり、改正法案の今回の改正においては、複数の社外取締役の選任や取締役の個人別の報酬の内容の開示というのは義務付けをしておらないわけでございます。  コーポレートガバナンスの向上に向けた取組については、あるべきコーポレートガバナンスの姿について、今委員が御指摘なさった海外諸国の法制度等や、また金商法についても御指摘ございましたけれども、様々な点を参考にしながら、今後も検討を継続していく必要があると考えております。改正法案の成立後も、我が国の企業におけるコーポレートガバナンスの更なる前進を図るべく検討を続けてまいりたいと思います。
  63. 柴田巧

    ○柴田巧君 ありがとうございました。  世界の情勢は変化が激しいわけで、そういう中でこの会社法の在り方、コーポレートガバナンスの在り方をやっぱり考えていく時代になったと思いますので、引き続きより良いものを目指して検討もしていっていただきたいと思います。  次に、このいわゆる企業価値の向上ということでお尋ねをしたいと思いますが、先般も国際仲裁のことについて取り上げましたけれども、繰り返しになりますが、この国際仲裁、企業間における国際紛争の解決のための必要不可欠な司法インフラでありますけれども、世界的にも、またアジアの国の中でも大変遅れてきているわけでございます。もうこの仲裁手続の円滑な進行を積極的に支援する体制を整えている国だという日本が、これをしっかり確立をしていく、ちょっと遅れぎみなところをしっかり挽回をしていかなきゃならぬと思っていますが、そのために、先般お聞きしましたが、人材の確保、育成、そして施設の整備、大事なことだと思いますし、そうやって日本国内の国際仲裁の活性化は目指していかなきゃなりません。  それと同時に、既にある、既に実績の持っている海外の国際仲裁機関の拠点を、あるいはその機能と言ってもいいのかもしれませんが、誘致をするということがもしできれば、企業にとってこの国際紛争解決オプションの幅が広がるということにもなりますし、我が国の紛争解決地としての魅力を高めるということにもなってくるし、国際仲裁市場の拡大にも資するということになろうかと思っております。  そこで、今申し上げた既に実績も伴っている海外の国際仲裁機関の日本への誘致というもの、やっていくべきじゃないかと考えますが、大臣のお考えをお聞きをしたいと思います。
  64. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 我が国における国際仲裁の活性化のためには、国内の仲裁機関の充実強化を図るだけでなく、国際仲裁分野で十分な実績を有する海外の仲裁機関との連携を強化していくことは、委員の御指摘のとおり、私も重要だと思っております。  そのため、本年度から開始した調査委託業務においては、受託者である一般社団法人日本国際紛争解決センターにおいて、海外の著名な国際仲裁機関との連携強化に努めており、既に複数の海外仲裁機関と協力覚書を締結済みでございます。このような協力覚書に基づき、まずは情報共有や人材交流における連携強化を行っているところでございます。  今後とも、これらの海外仲裁機関との更なる連携を図るとともに、委員から御指摘いただいた海外の仲裁機関の拠点誘致という点についても、どういった方策が考えられるか、関係機関、団体と協議し、検討してまいりたいと思います。
  65. 柴田巧

    ○柴田巧君 是非そういう、そもそも日本のものをしっかりやっていくと同時に、この海外の実績のある、そういった機関の誘致、また、より一層の連携と言うべきかもしれませんが、そういったことをしっかり模索をしていただきたいと思います。  いずれにしても、この我が国における国際仲裁の利用を促していくということが大事なことだと。そのために、効果的な広報、意識啓発といいますか、戦略的なプロモーションが国内外共に大事なことだと思っております。  国内においては、その企業の規模やニーズに応じたきめ細かい働きかけを実施をしていくということが大事でしょうし、海外に対しては、この日本という国そのものが観光地としてもあれでしょうけれども、治安の良さも含め、この有する強みをやっぱりしっかりアピールをしていくということが大事だと思いますし、他の仲裁先進国との差別化をしっかりそういう意味で図っていくということが大事かと思います。  いずれにしても、日本が今のところ国際仲裁に非常にまだネガティブな国だというイメージが払拭し切れないというところがあると思います。日本は仲裁フレンドリーなんだというようなことをしっかり海外にも打ち出していかなきゃならぬのではないかと思いますが、国内外におけるこの戦略的なプロモーションをどのようにやっていくのか、お尋ねをしたいと思います。
  66. 西山卓爾

    ○政府参考人(西山卓爾君) 委員御指摘のとおり、我が国における国際仲裁の利用促進のための戦略的な広報、意識啓発、これは重要であると認識をしております。  そのため、法務省では、経済産業省等の関係府省や関係機関と連携し、我が国の経済団体や企業等に対して、紛争解決手続としての国際仲裁の有用性や、日本を仲裁地とすることのメリット等を御理解いただくための広報啓発活動を積極的に行っているところでございます。  また、海外の企業関係者や法曹実務家等に対しても、シンポジウムの開催等により、国際仲裁の活性化に関する我が国の取組や、日本の仲裁地としての魅力等について広報活動を行っているところでありまして、とりわけ、この点につきましては、本年度から開始した、先ほども答弁にありました調査委託業務におきまして、日本の仲裁地としての強みを更に効果的に発信できるような方策について、しっかりと調査検討をしてまいりたいと考えております。
  67. 柴田巧

    ○柴田巧君 是非しっかり進めていただきたいと思いますが、特に海外に対してプロモーションをする上で、現在のところちょっと欠けているというか足りないと思われるのは、仲裁法のことなんですね。  国際仲裁に関する基本手続法である仲裁法というのは二〇〇三年に制定をされているわけですけれども、それ以来十数年、一度も見直されたことはありません。この間、二〇〇六年にUNCITRAL、国連国際商取引委員会のモデル仲裁法というのができていますが、これが一番最新のものを含んだものだと言われていますが、これに対応していないわけですね。  既に、韓国もこれはもう既にこれに倣って法改正をして、また、仲裁振興法でしたかね、更に法律も作りましたし、マレーシアもこれに倣って、昨今、仲裁法を作ったのか修正したのかという状況になっておりますが、日本は十何年作ってから変えてもおらず、またこの最新のモデル法にも合っていないということでございます。  やはり、日本が最新の仲裁法制を備えているという宣伝効果もある意味考えて、こういうことさえしていなければ、ちょっと国際的にPRといってもなかなか選ばれないということになっていきかねませんので、そういう意味でも、この最新のモデル法に倣った仲裁法、やっぱり改正すべきではないかと思いますけれども、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
  68. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 我が国の仲裁法は、国際連合国際商取引法委員会、UNCITRALが策定した国際商事仲裁モデル法に準拠して整備されたものでございますが、二〇〇六年には同委員会においてモデル法の一部改正がされ、これを踏まえ、我が国においても、平成三十年四月に、国際仲裁の活性化に向けた関係府省連絡会議の中間取りまとめの中で、仲裁法の見直しの要否を検討することとされたところであります。  法務省においては、これまで仲裁法に関する外国法制の調査を行うなどしてきたところでございますが、国際仲裁の活性化は政府を挙げて取り組むべき重要な課題と認識しておりますので、中間取りまとめの内容等を踏まえ、より具体的に検討を進めてまいりたいと思います。
  69. 柴田巧

    ○柴田巧君 せっかく施設面も整備をしていく、また、いろんな国際仲裁の活性化に向けて取組がいろいろな面で強化をされて加速化されていると思いますが、今、具体的に検討していくということですが、速やかにこれが実現されていくべく努力をしていただきたいと思います。これはお願いをしておきたいと思います。  次に、この国際仲裁にも関わってはくるわけですが、先般も質問がございましたが、日本法令の国際発信強化についてお尋ねをしたいと思います。  先ほどからもありますように、日本企業のこの国際取引あるいは対日投資の拡大、滞日外国人、滞日というのは日本に滞在する外国人の増加など、昨今のこの日本をめぐる国際化の進展を見れば、この法令翻訳とその国際発信というのは非常にこれまで以上にしっかり取り組んでいかなければならない課題だと思っております。  ただ、これまでは理解や説明が難しいとか、大変翻訳が遅いとか、そういう指摘を受けてきたわけですけれども、来月中に立ち上がるんでしたか、官民有識者から成る会議が立ち上がるということになっております。ここが司令塔としてこの国際発信をしっかりとやってもらわなきゃならぬと思っていますが。  そこで、日本法令の国際発信強化に向けてこの会議が立ち上がるわけですけれども、司令塔としての翻訳工程を、これまでのをやはり見直して、翻訳を要する重要法令の選定や進捗状況を、ユーザー目線というか利用者目線でチェックや推進をするということが求められると思っております。  大臣は、この会議体にどのようにその役割を果たさせようというお考えなのか、お尋ねをしたいと思います。
  70. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 経済社会のグローバル化が急激に加速する中、重要な日本の法令を翻訳して国際発信することは国際化に対応したインフラ整備として大変重要な取組であり、日本の国益に資する優先度の高い課題だと思っております。現在、法務省の法令外国語訳専用の公開ホームページでは約七百五十の日本法令の英語訳を公開しているところ、近年は利用件数も拡大しており、一日当たり約十万回のアクセスがございます。  御指摘の官民合議体は、本取組の司令塔となるものとして新規に立ち上げるものでありまして、現在、十二月の第一回会議の開催に向けて準備中であります。本会議体では、ユーザーである民間側構成員の経済団体等から御意見や御要望をいただき、本取組の重要課題や優先順位等を幅広く御議論していただく予定でございます。本会議体での議論の結果は、政府の翻訳方針や翻訳整備計画等に適切に反映したいと考えています。  法務省としても、今後も関係府省庁とも協力の上、日本法令の国際発信に向けて、ユーザーの意見をしっかり聞いて取り組んでまいりたいと思います。
  71. 柴田巧

    ○柴田巧君 時間が参りましたので終わります。ありがとうございました。
  72. 山添拓

    ○山添拓君 日本共産党の山添拓です。  株主提案権について伺います。  一九八一年に商法に株主提案権が導入をされました。当時も企業の不祥事や社会的責任の問題、あるいは総会の形骸化、こういった点から盛り込まれることになり、先ほど大臣も答弁されておりましたが、会社と株主、あるいは株主相互間のコミュニケーションを高める、開かれた株主総会に、こういう趣旨で導入されたものかと思います。  大臣に伺いたいと思います。  衆議院で前川拓郎参考人が述べましたように、上場企業で株主提案を受けたのは、今年六月総会までの一年間で六十五社です。過去最多と言われておりますけれども、上場企業三千五百社のうち僅か二%です。会社と株主のコミュニケーションというのは、これで十分取られるようになったと言えるんでしょうか。株主が参加することによる株主総会の活性化は果たされたとお考えでしょうか。大臣、いかがですか。
  73. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 株主提案権の制度は、経営者と株主との間、又は株主相互間のコミュニケーションを図り、株主総会を活性化することを通じて株式会社をより開かれたものとする目的で導入されたものでございます。データの分析については、今すぐにこちらで分析結果を持ち合わせておりませんけれども、私は、株主提案権の行使によって株主総会を活性化させていくことは現在においても重要であると、重視をしなければならないというふうに考えております。
  74. 山添拓

    ○山添拓君 ありがとうございます。  二%の状況で本当にそう言えるのかと。今株主提案を制限をする必要が本当にあるのかどうか、ここは問われなければならないと考えます。  本法案は、株主提案の数による制限、具体的には取締役会設置会社で十を超える議案を提案することを制限しようとするものであります。  昨日の本会議でその立法事実について伺いました。公刊されている裁判例にもあるということでしたが、具体的にはどの事件ですか。
  75. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  株主提案権につきましては、近年、一人の株主により膨大な数の議案が提案されたりするなど、その株主提案権が濫用的に行使される事例が見られます。  具体的な事例でございますけれども、例えば公刊されているものでございますと野村ホールディングスの事例、これは株主が平成二十三年度の定時株主総会におきまして百個の議案を提案いたしました。会社はそのうち十八個の議案のみを取り上げましたが、その中にも理解に苦しむ議案が残っております。例えば、会社の略称をYHDとして、営業マンは自己……(発言する者あり)よろしいですか。  それからもう一つHOYAの事例がございます。創業者一族である株主が、平成二十一年度の定時株主総会において百十四個の議案を提案し、会社はそのうち十五個の議案のみを取り上げたものがございます。また、平成二十二年度の定時株主総会におきましても六十八個の議案を提案し、会社はそのうち二十個の議案のみを取り上げたものでございます。また、平成二十三年度の定時株主総会においては六十三個の議案を提案したということでございます。
  76. 山添拓

    ○山添拓君 結構です。東京高裁の平成二十四年、二〇一二年五月三十一日の決定や東京高裁二〇一五年五月十九日の判決などがあるかと思います。これはHOYAの一連の今御紹介あった事件ですね。  これらの裁判例の中で民法上の権利濫用というのは認められたんでしょうか。
  77. 小出邦夫

    政府参考人(小出邦夫君) 委員御指摘の東京高裁の平成二十七年五月十九日の事例におきましては、一部の株主提案権の行使について、裁判所はその行使が権利濫用に当たると判断したというふうに承知しております。
  78. 山添拓

    ○山添拓君 昨日の大臣の答弁も、民法の権利濫用法理で規制することは可能だという答弁でありました。具体的な事案で取締役が権利濫用を判断するのは困難な面がある、こういう答弁もされたんですが、権利濫用というのはまさに個別的な判断であって、何か一つの指標によって判断できるものではないと思うんですね。  法務省に伺いますけれども、二つの裁判例の事案ですが、これ、株主提案の数だけをもって権利濫用に当たる当たらないという判断したんでしょうか。
  79. 小出邦夫

    政府参考人(小出邦夫君) この判例につきましては、創業者一族である株主の株主提案でございまして、ちょっと長い経緯がございまして、その背景、事情等も酌みして権利濫用というのを判断したというふうに承知しております。
  80. 山添拓

    ○山添拓君 そうなんですよ。ですから、裁判例で権利濫用と認められたものも、数だけをもって認めた濫用的な事例だとしたわけではないんですね。六十とか百とか出されているものであっても、数だけで認めたわけではないわけですよ。  裁判例で問題となった事案や野村ホールディングスなどの事例は、これ二〇一〇年や一二年、ちょっと昔の、昔のと言ったら言い過ぎかもしれませんが、少し前のものです。近年の事例で一株主が十以上の提案をしたという例はありますか。
  81. 小出邦夫

    政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  十以上の株主提案とした件数ですけれども、数は少ないわけでございますが、ございます。
  82. 山添拓

    ○山添拓君 じゃ、それは後で伺いたいと思います。  まあほとんどないんですよね、もとより株主提案を受けた会社自体が少ないわけですから。お手元に資料をお配りしておりますが、一ページから三ページ、二〇一八年六月までの間の総会で株主提案を受けたところですが、多くは一件とか二件なんですね。  先ほどの安江議員への答弁の中で、これ十に絞るのはなぜかと、株主総会を活性化し、他の株主との対話の時間も確保するんだと、こういう話があったんですけれども、そうなりますと、濫用的とは言えないような提案に対しても制限を課していくということになりかねないと思うんですね。  大臣に次に伺うんですが、これ、なぜ目くじらを立てて制限しなければならないのかということになるわけです。  本会議で大臣は、経済界から対応に苦慮しているとの指摘があったと、こういう答弁をされました。経済界の指摘というのは、たくさんの議案が出されますと、参考書類等の印刷や発送の費用が増えるとか、あるいは総会自体が長時間化するとか、こういう話があるかと思うんですね。しかし、元々株主提案というのは少数株主権です。少数意見に耳を傾けようという趣旨です。ですから、時間や費用が掛かるから、その理由で制限をしていくということであれば、もうどうせ可決されないんだったら議論の余地なしだと、こうなりかねないんですよね。これ、株主提案の趣旨に反すると思うんですけれども、大臣、その認識はいかがでしょうか。
  83. 森まさこ

    国務大臣(森まさこ君) 費用や時間というのもあると思いますけれども、そのほかにも、株主提案権が多数出されると、他の議案について検討する時間がなくなったり他の株主が質問する時間が奪われたりすることが考えられますので、やはり全ての株主の議案提案権を尊重するという観点からも立法趣旨になるというふうに思っております。
  84. 山添拓

    ○山添拓君 時間や費用が掛かるから制限だと、そういう趣旨ではないということですね。
  85. 森まさこ

    国務大臣(森まさこ君) 今、冒頭申し上げたんですけれども、時間や費用というのもあると思いますけれども、というふうに申し上げましたので、それはないというふうには申し上げてありません。
  86. 山添拓

    ○山添拓君 私は、時間や費用が掛かるから制限するというのはやっぱり本来の趣旨に反すると言わなければならないと思うんです。  資料の三ページを御覧ください。三ページですね。比較的多数の株主提案がなされているのは電力会社ですね。法務省は電力会社で株主提案を制限したいと、こうお考えなんですか。
  87. 小出邦夫

    政府参考人(小出邦夫君) そのような考えはございません。
  88. 山添拓

    ○山添拓君 それはそうだと思うんですけれども、これ、一番多かった東電でも八件なんですね。  ちなみに、関電を見ていただければ分かるように、異なる株主がそれぞれ提案をしています。一人の、あるいは一つのグループの株主が提案できる数を制限したとしても、総会全体の議案数というのは制限できないわけですね。これは間違いないですか、法務省。
  89. 小出邦夫

    政府参考人(小出邦夫君) 一人の株主の提案権の数の制限でございますので、総会全体の数の制限ではございません。
  90. 山添拓

    ○山添拓君 具体的にどのような提案がされているかということを次に四ページにお示ししました。脱原発・東電株主運動事務局が作成をされた、この間の株主提案の議案とその賛同率です。  例えば、二〇一九年の九議案は、株主二百二十四名の提案で提案株数は千九百六十六個、百株で一個ですけれども、千九百六十六個ですね。汚染水の保管や原発事故時の避難計画といった議題から、地域分散型配電システムや議事録の管理や開示に関するもの、あるいは女性登用の推進と、こうしたものまで提案は多岐にわたっております。これ、濫用どころか多彩に問題提起をする場となっていることがこれでお分かりいただけると思います。  法制審議会の場では、経団連や日商の委員から、本当は上限は一個から三個とするのが妥当だと、あるいは従前から三個から五個程度を希望している、こういう意見が出されていたかと思います。これ著しい制限を課そうとしているんですね。  経済界からは、さらにより根本的な株主提案の制限が提唱されています。株主提案は現在、総株主の議決権の一%又は三百個以上の議決権という行使要件があります。これを変更したいというのが経済界の本音ではありませんか。法制審でそのような議論なされましたね。
  91. 小出邦夫

    政府参考人(小出邦夫君) 委員御指摘のとおり、議決権数百分の一、あるいは株式数三百株という提案権の要件について議論がされ、三百株の要件については廃止すべきではないかというような議論も出されましたけれども、議論の結果、そのような結論にはなっておりません。
  92. 山添拓

    ○山添拓君 出されている、経済界から出されているんですね。要するに、三百個ぐらいで物を言うなと、少数株主は黙っていろと言わんばかりなんですね。法務省も本音は同じなんですか。
  93. 小出邦夫

    政府参考人(小出邦夫君) 株主提案権の要件としての百分の一の要件、それから三百株の要件というのはもう趣旨が違いますので、その三百株の株式要件は撤廃すべきというような考えではございません。
  94. 山添拓

    ○山添拓君 議決権三百個というのは果たして少数株主なのかということを次にお示ししたいと思うんです。  五ページを御覧ください。  二十六日の日経終値を基に、株主提案のための三百議決権の時価を調べてみました。東京電力で千四百二十二万円、関西電力は三千七百十七万円、中部電力四千五百七十八万円、上場会社で三百個を取得するのに必要な投資額の中央値も大体このぐらい、四千万円ぐらいだと言われております。  脱原発の提案など、運動として株主提案を行っている方が大勢おられます。しかし、そういう方々は、議決権を得るために相応の投資もされているわけですね。経団連の委員は、法制審の審議の中で、数千万ならハードルは低いだろうと、こういう発言をされているんですけれども、個人にとっては結構な金額だと思います。株主提案権そのものをこうした個人投資家から、個人株主から奪ってしまおうというのは、要するにこれ、目の上のたんこぶを潰したいと、こういう乱暴な考えだと言わなければなりません。  本法案は、議決権行使書面の閲覧謄写請求権を制限しようとしております。本会議で立法事実を具体的に明らかにするように求めましたけれども、抽象的な危険のみが示されておりました。  改めて法務省に伺いますが、議決権行使書面の閲覧謄写請求について、裁判例などで濫用的な請求が問題となった事例がありますでしょうか。
  95. 小出邦夫

    政府参考人(小出邦夫君) 議決権行使書面の閲覧謄写の請求が、権利の濫用等ということが問題になった裁判例は承知しておりません。
  96. 山添拓

    ○山添拓君 裁判例として、少なくとも事件として具体的に事実になったものはないということですね。  そもそも、議決権行使書面の閲覧請求というのは何のために定められているんですか。
  97. 小出邦夫

    政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  議決権行使書面の閲覧謄写請求が認められる趣旨でございますが、これは、株主の意思に基づかない議決権行使や書面投票が採決に正確に反映されないといった瑕疵のある処理を防ぎ、株主総会決議が適法かつ公正にされることを担保することにあるというふうに承知しております。
  98. 山添拓

    ○山添拓君 元々の趣旨はこういうものなんですね。  しかし、本会議でも指摘をしましたように、少数株主が共同提案者を募り、また自分たちの提案に少しでも多くの賛同を得ようとする際に、ほかの株主が株主総会でどのように議決権を行使しているのかを把握することにも重要な意味があり、そのために活用されているのが閲覧謄写でもあるわけです。  こうした場合に、会社が、権利濫用に当たるとして閲覧謄写を拒否することはできるんでしょうか。
  99. 小出邦夫

    政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  今回、議決権行使書面等の閲覧等の請求の拒絶事由に関する規定を新たに設ける趣旨は、閲覧等請求権の濫用的な行使を制限することにございまして、適正な当該請求権の行使を制限することは想定していないところでございます。  個別の事案における具体的な事情によるものの、委員御指摘のような、株主が少数株主権の行使に必要な持ち株要件を満たすために他の株主を募る目的で議決権行使書面等の閲覧等の請求を行ったときは、株主がその権利の確保又は行使に関する調査の目的で議決権行使書面等の閲覧等の請求を行ったときに該当すると考えられますので、基本的には会社側は拒絶できないというふうに考えております。
  100. 山添拓

    ○山添拓君 本当にそのように運用されるのかということが大きな問題であろうと思います。  閲覧謄写と言いながら、撮影やコピーが禁止されている実態があります。ですから、書き写すしかないと。  大臣は本会議で、実務における運用状況や各方面での議論の状況を注視し、必要な検討をすると、こう述べました。閲覧謄写請求権のその趣旨に照らせば、少数株主が賛同者を募ろうとするのを妨害するような、こういう会社の態度というのは許されないはずであります。  撮影だとかコピーのその費用を誰が払うのか、これは議論があると思いますが、これは手書きで書き写すしか認めないというのは、これはさすがにふさわしくないんじゃないかと思いますが、法務省、いかがですか。
  101. 小出邦夫

    政府参考人(小出邦夫君) 閲覧謄写の謄写の意義でございますが、一般に、謄写とは、手書きによる書き写しのみならず、写真撮影又はコピー機による複写を含むものであると考えられております。  他方で、一般に、株主が議決権行使書面の謄写を請求することができるということの意味は、会社は株主に謄写のための場所を提供して謄写をさせ、その間、謄写を妨げてはならない義務を負うことを意味しておりまして、株主は、会社に対して謄本、抄本の交付を求めることはできず、会社のコピー機等を使用させるよう求めることもできないと解されているものと承知しておりますが、会社が任意に謄本又は抄本を交付し、あるいは会社のコピー機等を貸し出して使用させることはもとよりも妨げられないものだと考えております。
  102. 山添拓

    ○山添拓君 運用状況や議論の状況を注視し、必要な検討をすると、こういう答弁ですので、実際どういう状況があるのかということはお調べをいただいて、そして適切な対応ができるように、要するに、何百人、何千人という、場合によっては書き写すと、二日、三日にわたって書き写しを続ける、こういう事態がないようにしていただきたいと思うんですけど、いかがですか。
  103. 小出邦夫

    政府参考人(小出邦夫君) 状況を注視して、適切に対処してまいりたいと思います。
  104. 山添拓

    ○山添拓君 適切に対処いただきたいと思います。  株主提案を受けるのがどれだけ嫌なのかということだと思うんですね。衆議院で前川参考人は、株主提案が導入されて四十年近くになる中、濫用的な事例は一件か二件にすぎないと、こう指摘をされた上で、株主提案権というのは会社の民主化みたいなものだと、民主主義の中ではもういろんな意見が出てくると、それに一つ一つ誠実に向き合っていくのが民主主義の支払うべきコストではないかと、このように述べております。少数株主の権利を尊重した株式会社の民主的な運営に資する、こういう制度構築を進めていくべきだということを指摘をしたいと思います。  それから、業績連動報酬や取締役報酬の個別開示などの問題についても質問をさせていただこうと考えておりましたが、時間が参りましたので、後日の質問に委ねて、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  105. 櫻井充

    ○櫻井充君 今日、会社法について質問させていただきたく、通告はしてあるんですが、昨日の本会議での大臣の答弁で一点確認したいことがあるので、済みませんが、我が会派の田村まみ議員の質問の会社とは一体誰のものですかという、その答弁に対して、株式会社は株主のものであると、まあ他のステークホルダーもありますがと後から付けておられました、そういう認識でよろしいんでしょうか。
  106. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 櫻井委員にお答えいたします。  株式会社の所有者は株主であるというふうに考えてございます。ただ、株式会社には、株主以外にも従業員、顧客、取引先等の多様なステークホルダーが存在しておりますので、株式会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現することにより、従業員その他のステークホルダーの利益にもつながっていくものと認識しております。
  107. 櫻井充

    ○櫻井充君 そうすると、今我が国の株式市場を見てみると、かなりゆがんだ構造になっていると思うんですよ。それは何かというと、日本銀行が大株主になっていると。少なくとも、済みません、これは推計なので、日経新聞の記事を、去年の六月の記事なんですけれど、そこの記事で、少なくとも五社については日本銀行が筆頭株主になっているのではないかと。その後もずっと株を買い続けていますから、多分筆頭株主の数も増えているでしょうし、企業の四割が日本銀行が大株主であるということになっているんですよ。  そうすると、今の御答弁だと、企業はこれ日本銀行がある程度持っているものという話になるんですが、そういうことですか。  ですから、私は、昨日の大臣の答弁の確認をしたいと言って確認したんですよ。ですから、そういうことだとすると、こういうことも踏まえて答弁されているんですか。
  108. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 御指摘の六月の記事というのが今手元にございませんけれども、会社の在り方について田村まみ委員から御質問いただきましたので、会社の在り方について、株式会社について申し上げますと、株式会社は資本の出資者である株主が所有、ものであると理解しておりますというふうに申し上げました。けれども、株式会社には株主以外にも従業員、顧客、取引先等の多様なステークホルダーが存在しておりますので、株式会社が持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を達成すれば、そのステークホルダーの利益にもつながると御答弁を申し上げました。
  109. 櫻井充

    ○櫻井充君 繰り返し言っただけですからね、さっきの答弁を。私の指摘、問題に対して何も答えていませんよ。  いいですか、日本銀行がもう大株主になっている会社がいっぱいあるんですよ。そうすると、ある部分はもう日本銀行のものということになりますよ、今の答弁だと。これで本当にいいんですか。
  110. 竹谷とし子

    ○委員長(竹谷とし子君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  111. 竹谷とし子

    ○委員長(竹谷とし子君) 速記を起こしてください。
  112. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 昨日の答弁についてのお尋ねでございましたので、昨日の答弁についてお答えをいたしましたけれども、御指摘の記事等については、今手元にございませんので、またしっかり調査をして御答弁を申し上げたいと思います。前提事実について事務局から答弁をさせたいと思います。
  113. 櫻井充

    ○櫻井充君 いや、いいです。事務局からは結構です。どうせ同じようなことしか言わないんだから。  そうじゃないですよ。記事のことじゃないんですよ。実態としてこういうことになっていますよと、そういうことを御存じなんですか、まず。それから、これは記事じゃないですよ。  じゃ、もう一つお伺いしておきましょう。日本の株というのは、全体の株で外国人の投資家というのは、一体何割ぐらい外国人投資家が持っているか、大臣は御存じですか。
  114. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 突然の御質問でございますので正確かどうかちょっと分かりませんが、大体三割ぐらいではないかというふうに考えております。
  115. 櫻井充

    ○櫻井充君 そのとおりですよ。つまり、外国人が三割も持っているんです。そして、日本銀行やGPIFも相当株持っているんですよ。そうすると、僕は昨日の大臣の答弁ちょっと違うと思っているんです。私は、企業は誰のためのものなのかといったときに、株主で、そこだけ頭に出てきて、その後他のステークホルダーという話になりますが、そこが違うと思うんですよ。それは、株主のためでもあるかもしれないけれど、田村議員があの場面で言っていたとおり、ヨーロッパは従業員のためでもあるし地域社会のためでもあると。そういうことなんですよ、ヨーロッパの考え方からすると。  ですから、大臣、やはり誰のためのものなのかという話になったときに、株主だけのものという考え方に立っちゃうと、本当にこれだけ外国人の投資家が増えてきていることになると、企業はだんだんだんだん外国人のものになってしまいますよ。そこで日本人が働いていて、こんな言い方をすると怒られるかもしれないけれど、お金だけ出して働かない人たちに全部配当という形で利益を還元していくようなことになっていったときには、我が国にとって大きな損失になるんじゃないかと、私はそう思っているんですが、この辺のところについて大臣はどう認識されているんでしょうか。
  116. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) なかなか御答弁難しいんですが、私は常に考えておりますのは、会社が誰のものかという所有者についての御質問がありましたので、会社の所有者については、これは理論上株主というふうにお答えいたしました。  しかし、会社の社会的な役割でありますとか、会社の企業行動による社会に及ぼす効果ということについてですと、そのようなお尋ねはございませんでしたので昨日は本会議ではお答えいたしませんでしたが、私が常に考えていることで申し上げますと、櫻井委員の問題意識と共通する部分もあるかと思うんですね。やはり多様なステークホルダーがあり、その経済活動によって社会に大きな影響がございます。そのことについてはしっかりと認識をして取り組んでいかなければならないものと考えております。
  117. 櫻井充

    ○櫻井充君 株主だけが優遇されるような社会になること自体、僕はおかしいと思っているんです。ですから、ここは、会社法で株主の話になっているからこれはこれで議論としてはあるんだと思いますが、是非、法務省内でも一度御検討いただきたいと思うのは、どこまで株主をそれなりに優遇していかなきゃいけないのか。働いている人たちに対して僕はもう少し労働分配率を上げていかないと、結果的には個人消費が伸びないし日本経済にとっては決して良くないことだと思っているんです。これは別に私だけではなくて、総理始めとして官邸も企業に対して、もっとちゃんと給料出せということをずっと言い続けているわけですから、春闘などのときに。そういう意味合いでは考え方は僕は一致していると思っているので、ここはもう少し御検討いただきたいと。  そして、もう一点、株主のためなんだという話になってくると、先ほど山添委員の議論をお伺いしていて、株主のためであったとすると、もっと株主がいろんな発言をしても構わないことになっちゃうんですよ。これは、一日でも二日でも三日でも話をすることが当然のことなんですよ、だって、所有者なんですから。だから、そういうことに本当になるのかどうかということも合わせてくると、全体のバランス上からいうと、株主です、そしてその後に他のステークホルダーという話とは僕はちょっと違って、並列にしていかないと、考え方は、僕は若干ゆがんでしまうんじゃないのかなと。まあ、これは済みません、答弁結構ですから。  その上で、通告したものに移っていきたいと思いますが、社外取締を置くことを義務化いたしました。ですが、法務省と話をしてみると、社外取締役を置いた結果、企業にどういうメリットがあったのかということについて明確に答えてもらっていないんですよ。だとすると、なぜこの社外取締役を義務化しなきゃいけないのかという根本的なところが十分に理解できないんですが、この点について御答弁いただきたいと思います。
  118. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  委員御指摘のとおり、社外取締役を選任したことによって企業価値がどう変わるのか、その効果について幾つかの実証研究の結果を公表されておりますが、いまだ一貫した結論が得られていない状況にございます。  この点、社外取締役は業務執行者から独立した立場から会社経営の監督、あるいは経営者あるいは支配株主と少数株主との利益相反の監督という、そういう役割が期待されておりますので、そういう役割を期待されて選任した効果、これが企業価値の向上を示す指標の数値に表れにくいという点はありますけれども、いずれにしても、社外取締役の選任の意義というのは、企業がそのような社外取締役を置くことによって信頼性が高まるというメリットがあると考えております。  今回、上場会社等において社外取締役による監督が行われることを法律上保証するとともに、こういった制度を整備していることを国の内外に発信することによって、現代の国際化社会において日本の資本市場の国内外からの信頼性を高める意義があるのではないかと考えているところでございます。
  119. 櫻井充

    ○櫻井充君 まあそうなんですよ。議論して、最後のところが結論かなという話になったんですよ、この間、法務省と話をして。ですから、世界で社外取締を置くのはスタンダードになってきていて、日本企業だけ置いていないという話になると世界から信頼されないから、これは仕方がないことなのかもしれないんですよ。  ただ一方で、有能な社外取締役でなければ、社外取締を置くのには、ただで置いているわけじゃありませんから、そのコストに見合ったものの、何というか、リターンがない限りは、これ義務化するって結構大変なことだと思うんです、企業にとってみれば。済みませんが、私の同級生など知り合いに聞いてみると社外取締役は要らないという人たちの方が多いんですが、多いんですよ、申し訳ないんですが、これが現実社会だと思っているんですが。  そこで、大体、有能な社外取締役ってどのぐらいいるんですか。
  120. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  社外取締役に期待される役割に照らして、どういった資質、またどういった背景を有する社外取締役を選任するかについては、基本的には各会社においてその経営課題等を踏まえて検討されるべき事項であると考えておりまして、一律の基準によって社外取締役の任に適合する人材がどの程度いるのかについてお答えすることは困難ではございますが、現状の数字で申し上げますと、現在、上場会社における独立社外取締役の内訳としては、これ先ほども申し上げましたけれども、他の会社の出身者が五九・一%を占めておりまして、これに次いで弁護士が一六%、公認会計士が一〇%という数字が出ておりますので、こういった類型に属する者につきましては一般的に社外取締役としての有用性が認識されているのではないかと思われます。
  121. 櫻井充

    ○櫻井充君 これ、あくまで思っていますなんですよ。実際、本当にそれで機能しているかどうかという調査はなされていないんですよね。それでよろしいですか。
  122. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) 具体的に、選任された社外取締役について、どういった働きをしてどういった効果があったかということについての実証的な研究というのは行っておりません。
  123. 櫻井充

    ○櫻井充君 だから、本当はおかしいんですよ。実証されてもいないのに結果的には義務化するという、もう本当に僕は矛盾していると思っているんです。ただ一方で、そうはいっても、世界では置いているんだからそれを置かないと信用されませんねということだとすれば、それはそれで仕方がないことだと思うんです。  そうすると、これ機能していくためには、やはり有能な人材を育てていかなきゃいけないと思うんですよ、社外取締役として。だとすると、これからその有能な人材を育てていくためにどのようなことをされるんでしょうか。
  124. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  社外取締役として期待される役割を適切に遂行することができる知見、経験等を備えた候補者の確保、育成といったことにつきましては、コーポレートガバナンスに関する活動をしている日本取締役協会等の諸団体あるいは弁護士会等の関係団体において、人材プールを充実させたり研修を実施したりといった取組が進められているところでございます。  法務省としてはこのような関係団体における取組等が更に積極的にされることを期待しておりまして、法務省としても連携して必要な協力をしてまいる所存でございます。
  125. 櫻井充

    ○櫻井充君 そこに今プールされているという答弁がございましたが、一体どのぐらいの方がそこに登録されているんでしょうか。
  126. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) 詳細な資料はありませんけれども、先ほど申し上げました日本取締役協会におけるプールの人数は約三百人ぐらいと承知しております。
  127. 櫻井充

    ○櫻井充君 三百人しかいないんですよ。そうすると、この数で十分なんですか。
  128. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) 一概に三百人という数字で不足している、十分とは言い難いものがありますが、今回の法改正の趣旨を踏まえまして、この人材プールの人数、充実についてはより図られるべきだというふうに考えております。
  129. 櫻井充

    ○櫻井充君 法務省として要するに努力をしていきますとおっしゃいましたが、その人材をプールしているところの所管省庁というのは法務省なんですか。
  130. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) 法務省の所管団体ではございません。
  131. 櫻井充

    ○櫻井充君 その法務省の所管団体でないところに対して法務省がどういう形でアプローチされるんでしょう。
  132. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) 日本取締役協会のほか、日本弁護士連合会あるいは公認会計士協会といったところにおきましても、人材のプールあるいは研修といったことを実施しておりますので、そういった団体等と連携して今後のコーポレートガバナンスの実質的な強化について連携協力、議論をしてまいりたいというふうに考えております。
  133. 櫻井充

    ○櫻井充君 コーポレートガバナンス、コーポレートガバナンスとおっしゃっていますが、あるべき姿のコーポレートガバナンスって、じゃ、どういうものですか。
  134. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) 一般にコーポレートガバナンスとは、会社の業務を執行する役員が、株主その他の利害関係人の立場を踏まえた上で、透明、公正かつ迅速、果断な意思決定を行うための仕組みを意味するということでございまして、そのような意思決定を実質的に担保することができる仕組み、これがコーポレートガバナンスのあるべき姿であるというふうに考えております。
  135. 櫻井充

    ○櫻井充君 そうすると、社外取締役はその中でどの部分を担うんですか。そして、その部分を担える人たちが、繰り返しになりますが、どの程度いるんですか。
  136. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  先ほど、透明、公正かつ迅速、果断な意思決定を行うための仕組みが必要であるというふうに申し上げました。こういった透明、公正な意思決定を担保するためには、業務を執行する役員から独立した立場にある者、すなわち社外取締役が役員を監督する体制を構築すること等が重要であると考えております。
  137. 櫻井充

    ○櫻井充君 実態を知らないで理屈だけで言っていて、だからこれでいいんですという話なんですよ、今は。しかも、そこの方がどういう活動をしているか、どのような能力があるのかということも分からないまま、ただ単純に推論でこうあったらいいなというだけで話をしていることなんですよ。違いますか。
  138. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) コーポレートガバナンスのあるべき姿につきましては、関係する省庁とも議論しておりますし、法制審議会等を通じて各界の利益代表あるいは経済界等からそういった要望を受けているところでございます。
  139. 櫻井充

    ○櫻井充君 済みませんけど、これちゃんと通告しているんですからね、僕。コーポレートガバナンスのあるべき姿は何ですかとちゃんと通告しているんですよ。前、随分議論しているんですよ。今は社外取締役のことをやっているんだから、他の省庁関係ないんですよ。  いいですか、局長。社外取締役を置かなきゃいけない、だけど、社外取締役が実際は会社でどういうことをやっているかも十分検討がされていないと、さっきそう答弁されているんですよ。その人たちを義務化しているんですよ。これで、企業がうまくいかなくなったときと言ったらいいのかな、企業がそれに対して金を払わざるを得なくなって負担することになった際に、これ企業としての損失になるわけですよ。政府が定めたことに従ってやっていった結果、企業が損失を被るようなことになっちゃ困るから、だから聞いているだけの話ですよ。  ここで、大臣、もうこれで僕時間なので、ここを検討してもらいたいんですが、実際に本当にこの社外取締役という方々がどういう活動をされていて、それが企業に対してどれだけメリットがあるのかどうかとか、そういう調査をきちんとすべきだと思うんですよ。まずきちんとした調査をやった上で、やっぱりこういう人材を育成しないと駄目ですねとか、この制度についてはこれで本当によかったのかとか、やっぱり科学をして、科学的に検討しなきゃいけないと思っているんですよ。その点についてこれ検討していただけないですか。要するに、実態をちゃんと調査していただけませんか。
  140. 竹谷とし子

    ○委員長(竹谷とし子君) お時間が過ぎておりますので、答弁簡潔にお願いいたします。
  141. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 櫻井委員の問題意識、真摯に受け止めました。グローバル社会の中で日本企業がもっと大きな活躍をしていくために、今回、企業統治、コーポレートガバナンス、一歩前進をさせてまいったわけですが、この改正法の効果ももちろん検証していかなければならないわけでございますので、また関係省庁とも連携の上、検討をしてまいりたいと思います。
  142. 竹谷とし子

    ○委員長(竹谷とし子君) おまとめください。
  143. 櫻井充

    ○櫻井充君 ありがとうございます。  今お話があったとおりで、その前に、もう実証実験とは言いませんが、義務化する前にこういうことをやってきて、本来はこの時点で効果があったとかなかったとかいうことを出した上で義務化というのが普通の流れですからね。  ですから、改めてお願いしておきたいのは、今の御答弁、本当に感謝申し上げますが、きちんと調査だけしていただきたいと。それが日本の企業のためになるように、そういう制度にしていただきたいということをお願い申し上げて、質問を終わります。  ありがとうございました。
  144. 真山勇一

    ○真山勇一君 立憲・国民.新緑風会・社民の真山勇一です。  会社法の前に、実は、桜を見る会について大臣にお伺いしたいというふうに思います。  今日発売の週刊誌にもまた新しい何か疑惑が伝えられているようなんですけれども、この法務委員会という場、これは法と秩序、これを守るということを議論する場なので、是非幾つかの点、伺っておきたいと思います。  まず、反社会的勢力、この反社会的勢力が桜を見る会に出席した疑いがあることを菅官房長官が認められました。結果として、いたのだろうと、いたことを否定していないわけですね。また一方で、マルチ商法の業者も参加して、その様子を顧客獲得のための宣伝材料ということで使っていたという疑惑も出てきています。  私は、法務あるいは検察というのは、反社会的勢力、これを排除する立場にある、それが大事な仕事だというふうに思っています。  そこで、森大臣にお伺いしたいんですが、政府主催の行事に反社会的勢力が参加することを法務大臣は容認しますか。どんなふうに考えておられますか。
  145. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 桜を見る会の招待者については、内閣官房及び内閣府において最終的に取りまとめておりますので、法務大臣としてコメントは差し控えたいと思います。
  146. 真山勇一

    ○真山勇一君 それ、今のは答えになっていない。  私が聞いたのは、その名簿がどうの、ともかく、取りまとめということじゃなくて、こうしたものに反社会的勢力が入っていることについてどうお考えですかということを伺っています。
  147. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) お尋ねの事実関係については、私自身は把握しておりませんので、それについてのお答えがしかねます。
  148. 真山勇一

    ○真山勇一君 把握していないといっても、もうこれだけ報道されていますよね。目にも耳にも触れていると思うんですが。  では、いわゆる、伺うと必ずお答えになる一般論としてはどういうふうに考えられますか、こういうところに、公的なところに、政府の主催の中に反社会的勢力が入っていた、出席していたということについて。出席するということ、いたじゃなくて、出席するということについてどういうふうに思われますか。
  149. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) お尋ねのその事実関係についてはまだ確認をしておりませんが、一般論についてという御質問でございますので、一般論として申し上げますと、反社会的勢力というその言葉については、様々な文脈で用いられていると思いますので、一般論としてもお答えをすることがなかなか困難でございます。
  150. 真山勇一

    ○真山勇一君 それじゃ、森大臣、もう反社会的勢力という言葉は答弁で使えないじゃないですか、それじゃ。あるわけでしょう、だって、反社会的勢力というのはどういう、文脈はともかく。それが分からないから答えられないというのはおかしいじゃないですか。反社会的勢力ということが分かりませんみたいな今答弁になりませんですか。(発言する者あり)
  151. 竹谷とし子

    ○委員長(竹谷とし子君) 森法務大臣、答弁できますか。(発言する者あり)  速記を止めてください。    〔速記中止〕
  152. 竹谷とし子

    ○委員長(竹谷とし子君) 速記を起こしてください。
  153. 森まさこ

    国務大臣(森まさこ君) その桜を見る会を前提としたお尋ねについては、先ほど申し上げたとおり、お答えすることを差し控えさせていただきますが、一般論として申し上げますと、反社会的勢力というその言葉について、様々な文脈で使われているので、質問のその御趣旨が必ずしもはっきりしないんでございますが、もう一度質問をしていただければと思います。桜を見る会のお尋ねということで御通告をいただいていましたので、一般論としての御質問、もう一度繰り返していただければと思います。申し訳ございません。(発言する者あり)
  154. 竹谷とし子

    ○委員長(竹谷とし子君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  155. 竹谷とし子

    ○委員長(竹谷とし子君) 速記を起こしてください。
  156. 真山勇一

    真山勇一君 もう一度というか、私が聞きたいことは、桜を見る会のことで伺ったら、それは答えられないということですから、一般論でということになっているわけですね。一般論で反社会的勢力が参加することはどう思われますかと言ったら、反社会的勢力が何だか分からないみたいな話になっちゃったんですが。反社会的勢力という言葉が今突然出てきたわけじゃなくて、この言葉はもう使われているわけじゃないですか、例えばいろんな公式の書類上でも、もちろん法務省の中でも。中でも使っていますよね、法務省の中で、反社会的勢力という言葉を。使っていないですか、全然。  私が伺いたいのは、一般論として、暴力団は、それでは、大臣大臣、暴力団は反社会的勢力ですか。
  157. 森まさこ

    国務大臣(森まさこ君) 暴力団については、犯罪対策閣僚会議等で反社会的勢力というふうに使われておると思います。
  158. 真山勇一

    真山勇一君 今お答えになったとおりで、暴力団は反社会的勢力ということで認識をされているということでした。だから、私が伺いたいのは、そういう者が政府の公式の席に出ていることがどうなのかと聞いているわけですね。  私は、暴力団、いわゆる暴力団と言われる反社会的勢力を私たちの暮らしの中から排除するということは、法務省とあるいは検察の仕事ですよね。確認です。
  159. 森まさこ

    国務大臣(森まさこ君) 一般に、暴力団などの反社会的勢力を社会生活の国民のその暮らしの中から排除をすべきだと思います。
  160. 真山勇一

    真山勇一君 これ以上やっているともう時間を食ってしまうので、今のお答え、見解ということを確認させていただきました。  何か、官房長官の言葉の中には反社会的勢力に敬語を使うような言い方もあったということですね。あっ、ごめんなさい、官房副長官の言葉の中に、そういうことでありました。やっぱり当然ですよね、おかしいですよ。これ、おかしいことなんですよね。  もう一つやっぱりおかしいことはありますね。総理の事務所主催の前夜祭、これ相場より大幅に安い料金で行われたこと、それから大勢の地元の選挙区の有権者の方をこの桜を見る会に招待したことなど。  これ、公職選挙法というのがありますね。有権者買収というところがあります。これに当たるんじゃないかという声も出ているわけですけれども、これもまた一般論、なるんじゃないかなと思っていますが、政治家が自分の選挙区の人たちに特別な便宜を図ることは公職選挙法上の問題にならないのかどうか、森大臣にお伺いしたいと思います。
  161. 森まさこ

    国務大臣(森まさこ君) 法務大臣としての答弁ということで、公職選挙法については所管外でありますので、お答えをすることは差し控えさせていただきたいと思います。
  162. 真山勇一

    真山勇一君 それじゃ、さっきの件で、暴力団、反社会的勢力がこういう公の場に出てくることは許されないことという認識でよろしいかどうか、確認させてください。
  163. 森まさこ

    国務大臣(森まさこ君) 暴力団等については、国民社会生活から排除するということが、法務省としてもですね、として……(発言する者あり)はい、法務省として、考えます。
  164. 真山勇一

    真山勇一君 もう少し分かりやすく言うと、暴力団が、反社会的勢力と言われているその暴力団が、公の、公的な行事の席に出ていること、これがいいことなのかどうなのか。
  165. 森まさこ

    国務大臣(森まさこ君) あくまで一般論として申し上げますけれども、暴力団等の反社会的勢力については国民生活の中から排除すべきものと考えております。
  166. 真山勇一

    真山勇一君 答えになっていないようですけれども、ちょっと先に行きたいと思います。  いろんな疑惑が出てきております。その桜を見る会、それから前夜祭、刑事告発されたという話もありますし、これからもそういうことが出てくるんじゃないかというふうに思っています。  そこで、こうした状況、それから今のお答えなんか聞いていると、非常に心配になることがあるので、私、議員になる前は報道の現場で働いていたので、是非その経験から伺っておかなくちゃいけないことがあるんじゃないかな。やはりはっきりと、この法務の世界では法と証拠に基づいた、そういうことで対応していくということが大事じゃないかというふうに思うんですけれども。  こんな状況の中で、これは本当にまさかと思うこと、やっぱりお聞きしたいと思うんですけれども、法務大臣が持っていらっしゃる指揮権発動というのがありますね。この時点ではまだまだ告発をどうするかということはありますけれども、万が一その指揮権発動というような事態にはなることはないのかどうか、大臣に確認させていただきたいと思います。
  167. 森まさこ

    国務大臣(森まさこ君) お尋ねは捜査機関の活動内容に関わる事柄であると思われますので、法務大臣としてはお答えすることは差し控えさせていただきます。
  168. 真山勇一

    真山勇一君 捜査というのは検察なんですけれども、その検察に対するそういう権利を持っているのは、具体的に言うと検事総長なんですが、その発動ができるのは法務大臣だけということなので、こうした一般的な、告発も受けているような、そして政治家が絡んでいるとしたら、やっぱりその指揮権の発動どうなのかというのは気になるところです。一般論で結構です。答えることはできませんか。
  169. 森まさこ

    国務大臣(森まさこ君) 個別事案についてのコメントは差し控えさせていただきますが、また今申し上げましたとおり、捜査機関の活動内容に関わる事柄については法務大臣としてはお答えすることは差し控えさせていただきますが、一般論として申し上げますと、捜査活動は法と証拠に基づいて厳正に行われるものと承知しております。
  170. 真山勇一

    真山勇一君 分かりました。  今盛んに報道されているように、タレントは反社会的勢力とつながりがあったらそれぞれ責任取ったり謹慎したりする、でも、政治家は問題ないということでは、やっぱりおかしいんじゃないか。世の中おかしいですよ。法と秩序守られていないですよ。  法務省の見解の中にも、企業が反社会的勢力による被害防止をする、そういうための指揮を行うことになっているということが書いてありますね、法務省の中にね。これ、後で確認させていただきたいと思います。  大分この件で時間を食ってしまったので、会社法をやっぱり聞いておきたいというふうに思います。  社会とか経済グローバル化ということで変化が大きく起きている、会社も変化を迫られているということで、今回の改正、修正案出されました。この修正案、野党で提案をさせていただいたということを政府・与党の方も非常に快くというか順調に受け入れていただいて、こんなにすんなりと修正できたということは異例なことで、大変珍しいんじゃないかというようなことも言われておりまして、第二次安倍政権下でこんなに与野党が共有をして修正できたというのは恐らく初めてではないかというようなことも伺いました。  そこで、修正案提出者に伺いたいんですが、この内閣提出の原案、これをやっぱり修正していったと思うんですが、その修正過程について、是非ちょっとこの機会にお伺いしたいと思います。
  171. 山尾志桜里

    ○衆議院議員(山尾志桜里君) ありがとうございます。過程について申し上げます。  衆議院の法務委員会で、一日目が対政府質疑、そして二日目に参考人質疑、そして三日目に対政府質疑で採決と、延べ三日を使って審議をいたしました。  その前半のところで、やはり追加的な株主提案権の内容規制に関して、後ほど御質問があれば申し上げますけれども、問題点が浮上をいたしましたので、衆議院の法務委員会においては、立国社の会派の方から、この追加的内容規制を削除をする修正案を質疑と並行しながら与党、自公の方に提案をして、交渉を続けておりましたところ、最終日を前に、今、真山委員がおっしゃっていただいたとおり、私どもの立国社の提案を与党の側がそのまま受け止めていただいて、懐深く、そして合意をすることができました。  その上で、委員長の方からほかの会派に向けても、提出案、一緒に提出していただけるのか、あるいは賛否の確認があったところ、維新の方も提出一緒にしますと、そしてまた共産党は、提出は一緒にはしないけれども内容については賛成をいたしますという形で、最終的に全会一致。  言っていただいたとおり、本当に野党の修正に対して与党がしっかり懐深く受け止めて、みんなで改善をしていくというような過程を取れたことがとても良かったなと思っております。
  172. 真山勇一

    真山勇一君 私もそう思います。みんなで修正ができたということは本当に評価されるべきだと思います。  修正された結果、今、中で述べられたように、その結果、十分なものになったという認識ですか。
  173. 山尾志桜里

    ○衆議院議員(山尾志桜里君) 不十分なところがどこだったかということを申し上げますと、やはり、原案の会社法の三百四条のただし書、そして三百五条の第六項、ここに反映されていた株主提案権についての追加的内容規制、これを質疑していくに当たって、まず一点目は、権利濫用として拒絶される範囲が広がるのではないかと。  つまり、一方当事者である会社側が他方当事者である株主側の内心を推測して、その目的が専ら会社や役員の名誉を毀損する目的であるとか侮辱する目的であるとか困惑させる目的であるとか、そういうふうに会社側が認定した場合には拒絶できるというふうになってしまうと、やはり権利濫用と判断される範囲が広がって拒絶が増えるのではないかという懸念が生じました。  そしてさらに、とりわけ対参考人の質疑を通じて、実は、権利濫用と判断される範囲が広がるだけではなくて、権利濫用に必ずしも当たらない場合であっても、この原案がそのまま成立すると拒絶が正当化されてしまう場合が出てくる、こういうおそれがあるというようなことが問題点として共有をされました。  その上で、今回の修正案はこの追加的な内容規制は削除をするというものでありますので、今申し上げたような懸念は払拭されて、今後は、こういった権利濫用の事案については民法の一般条項、そしてまた今回原案に残っております数の規制のところで対処できるというふうに考えています。
  174. 真山勇一

    ○真山勇一君 しかし、踏み出したということはやっぱり大きな成果だと思います。  私、個人的には、皆さんの今日の質疑なんかも伺っていて、社外取締役のこととかそれから役員報酬の件というのはやっぱり私自身納得できないものもあるし、必ずしも改善されているとは思えない、やっぱりこれからもそういう問題は残っている。  会社法という、企業というのはやっぱり生き物だと思うんですね。その時代、その時代で変わっていきます。それにどういうふうに対応していくか、一番ふさわしい形、特に、先ほどから議論がある会社というのは誰のものかという話だと思うんですけれども、やっぱり生き生きとした、それから一般にオープンになった、そういう形で企業の経営、株主総会もやっていくということが大事じゃないかなということを、私感じたことを述べさせていただきたいというふうに思います。  提出者の方はここで結構でございます。ありがとうございました。
  175. 竹谷とし子

    ○委員長(竹谷とし子君) 修正案提出者は御退席いただいて結構でございます。
  176. 真山勇一

    ○真山勇一君 大臣に会社法で一問伺うつもりだったんですけれども、済みません、時間がなくなったので。  実は、カジノのことを聞かせていただきたいと思います。カジノのことに移りたいと思います。  IR推進法及び整備法に基づくカジノ、この中で一つ気になるものが出てきております。それは、先日の質問の中でもお答えいただいている特定金融というんですよね。この特定金融というのは、どうも余りよく分からないんですよね。銀行かなと思ったら銀行でもないというようなお答えを伺ったような気がするし、あるいはお金を貸すローン会社かなと思ったらローン会社でもないような形なんです。この特定金融というのは一体どういう仕組みなのか、まずこれを説明、そしてその特定金融がどういう法律の制約を受けることになるのかどうか、この辺りをまず伺いたいと思います。
  177. 堀誠司

    ○政府参考人(堀誠司君) お答えを申し上げます。  まず、特定金融業務でございますが、四種類に分かれます。特定資金受入業務、それから送金業務、それから貸付業務、更に両替業務と、この四種類に分かれております。このIR整備法に規定いたしますこのような特定金融業務でございますが、言わばカジノ行為を行う顧客に対する付随的なサービスの一環として、その必要性の範囲内で限定的に認められておるというものでございます。  以上でございます。
  178. 真山勇一

    ○真山勇一君 そうすると、例えば銀行であれば銀行法とかローン会社だと貸金業法とかという法律上の規制というのはあるんですか、ないんですか。
  179. 堀誠司

    ○政府参考人(堀誠司君) お答え申し上げます。  今、銀行あるいはローン会社ということで、貸付けということで御質問があったというふうに理解しておりますので、貸付けに関しまして申し上げたいと思います。  まず、貸金業法の適用というものは、このカジノ事業者が行う貸付けについては適用されておりません。その代わりに、このIR整備法において所要の規制を設けておるというものでございます。  具体的に申し上げますと、まず貸付対象を原則として本邦内に住居を有しない外国人に限った上で、日本人等については一定以上の金銭をカジノ事業者に預託できる資力を有する者に限定をしております。また、加えまして、この貸付業務を行う者はカジノ管理委員会の免許を受けたカジノ事業者に限定しております。  また、融資に関しましては一律の総量規制という形ではなく、返済能力に関して事業者が調査し、その結果に基づいて顧客一人一人について貸付限度額を定めることを義務付けております。また、無利息による貸付けを義務付けております。そして、貸付けそのものから利益を生み出されないようにすると。このような形で、対象とする者や業務というものがいわゆる一般的な者を広く対象とする貸金業者の業務と異なる、そのような法律の立て付けとなっております。  このため、貸金業法を適用することにはなじまず、カジノ事業の一環としてカジノ管理委員会による監督の下で行われることが適切と考えられることからIR整備法により規制されておると、今申し上げたような規制が設けられておるということでございます。
  180. 真山勇一

    ○真山勇一君 今のお話を伺っていると違うものだということなんですが、業務を四つお挙げになったですけれども、これ聞いてみると、普通の銀行のような、あるいは貸金業のようなそういう形式。ただ、カジノという場所の中だけのものですよという説明、そういう理解でよろしいと思うんですが、そうすると、これ全く新しいこのカジノというのができることによって、言ってみればカジノ銀行みたいのができる、そんな感じが私受けるんですね。  これ、今のお話聞いていると、やっぱりその……
  181. 竹谷とし子

    ○委員長(竹谷とし子君) 真山勇一君、お時間を過ぎております。
  182. 真山勇一

    ○真山勇一君 はい。  資金のその移動だとか貸付けとか、やっぱりこれ非常に大きな問題があると思いますので、今日はちょっと時間がまた足りなくなりましたので、次回、この辺の特定金融についてはまた詳しく伺いたいと思います。  ありがとうございました。
  183. 高良鉄美

    ○高良鉄美君 沖縄の風の高良鉄美でございます。  先ほど来、いろんな質問出ております、また提案に対する意見もいろいろありますが、今日、会社法の審議が始まったばかりでございますけれども、私はこの全体を見まして、この会社法の改正の在り方ということに対して、先ほど来の意見から、よく検討する必要があるのではないかというふうに思われました。  二〇一四年に成立した会社法の改正というのは、この附則において、法律の施行後二年を経過した場合、企業統治に係る制度の在り方を検討を加えて、必要があると認めるときは所要の措置を講ずることを定めています。それを受けて、二〇一七年、法務大臣が法制審議会に企業統治等に関する規律の見直しについて諮問をして、法制審議会が部会を設置した上で、二〇一七年四月から今年の一月まで審議を行い、今年の二月に法務大臣に答申をしました。  今回の会社法の改正案はその答申を受けて提出されたものですけれども、衆議院では、先ほどから話がありましたように、株主提案権の制限について、参考人質疑も含めて議論が行われた結果、不当な目的等による制限の規定については、権利の濫用に該当する規律をより明確にするために更なる検討が必要であると、こういうものから、今回の改正において削除をするという修正案が出ました。これには与党も賛成して行われました。  このことのみをもってもちろん判断するわけではありませんけれども、会社法の改正の検討というのは、基本法の一つでもありますし、時間を掛けて十分になされたと言えるのかというような疑問が出てきます。といいますのも、先ほどの、話があった質問の、内容に関わるんじゃないかということでそういうような修正が行われたわけですけれども、しかし、その提案自体、その不当な目的という部分自体が制限をする問題として大きなあるいは柱の一つにもなっていたんじゃないかというふうにも思われるからです。  会社法は、二〇〇五年の制定前には商法の中に規定がありました。その商法は、昨年、運送・海商分野に関する規定が改正されましたが、これは実に百二十年前の商法改正以来初めての実質的な改正でした。一方、会社法は、二〇〇五年の制定後、二〇一四年に改正が行われています。制定後九年で改正を行い、そしてその後五年で再度改正を行おうとしているわけです。  また、森大臣が所信で触れられていた、私、ずっと聞いておりますけれども、法の支配の重要な内容の一つとして適正手続というものがあります。この適正手続については、時間を掛けるということもその一つの要素だと思います。社会経済の情勢の変化ということに対する対応というのは、もちろんこの会社法の改正においても重要だと思いますが、この会社法の改正についての検討はもっと時間を掛けてじっくり行うべきではないでしょうか。慎重審議を含めて、大臣の見解をお伺いしたいと思います。
  184. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 高良委員にお答えをいたします。  社会情勢の変化はもちろん重要だが、会社法改正についてもっと時間を掛けてじっくり行うべきではないかという御質問でございますが、改正法案は法制審議会において取りまとめられた要綱に基づくものでございまして、法制審議会は、平成二十九年二月九日に当時の大臣から法制審議会に対して諮問が行われまして、それを受けて各種団体の代表者を含む有識者で構成される専門部会が設置され、同部会において調査審議が行われてまいりました。同部会においては、中間試案を取りまとめて、これをパブリックコメントの手続に付し、そこで寄せられた意見も踏まえた上で要綱案の取りまとめがされております。  このように、改正法案は、法制審議会の専門部会において約二年間、合計十九回にわたって会議を開催し、精力的に調査審議を尽くしてきた結果、最終的に、法制審議会の総会において全会一致で取りまとめられた要綱に基づいて立案されたものであり、適正手続という御指摘ございましたけれども、必要かつ十分な検討を行ったものであると考えております。
  185. 高良鉄美

    ○高良鉄美君 確かに、二年弱ぐらいの、いろんな法制審議会での議論があったと思います。ただ、こちらに、衆議院の方に上がって、修正出て、先ほどももう非常に珍しいんじゃないかというぐらいの全会一致で修正がされたということにおいては、やはり何か問題があったんじゃないかというようなことも、不当というのは一つの不確定概念ですので、そういった部分ももっと、もちろん議論されたと思います。そういった意味で、今日いろんな御意見が出ていますので、またそれも含めて、今後また御意見等々を伺いたいと思いますので。  今度は、会社法の改正に対して臨む姿勢、この会社法、ということで、この根本的な部分で、今回の会社法の改正というのは、企業統治等に関する規律の見直しというのがそこでの条件だったと思いますので、企業統治、いわゆるコーポレートガバナンスという言葉は日常生活上余りなじみがありませんが、一般的に統治の一つであるというふうに考えることができます。一般市民になじみがない、余り、わけですけれども、このなじみのある方の統治というふうに考えますと、その一つは、地方自治体の統治というのがあります。地方自治体が物事を決定する場合、住民の声を適正に反映させる必要があります。企業統治においても、この声の反映ということが重要だと思います。  松下幸之助氏、先ほど、最初に渡辺委員の方からもありました、企業は社会の公器であると述べています。つまり、法律上は会社は株主のものかもしれませんけれども、本質的には会社は個人のものではなく社会のものであるという、そういう考え方を示したわけですけれども、私も、会社は、株主の声だけでなく、そこで働く人や社会の様々な声を反映することが必要であると考えます。先ほども、少し大臣、その辺りを話しておられました。  今回、この会社法改正に臨む基本姿勢として、会社は社会の公器であって、株主だけのものではないという、その考え方をお持ちでしょうか、お伺いしたいと思います。
  186. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 株式会社には、株主以外にも、従業員等の多様なステークホルダーが存在をします。そして、株式会社は我が国の社会や経済において重要な役割を果たしておりますし、また大きな影響も及ぼすものと考えます。  今回の会社法の改正は、コーポレートガバナンスの向上を図るための必要な基盤を整備するものでございますけれども、株式会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るためには、社会における役割や株主以外のステークホルダーの利益にも十分に配慮する必要があると考えております。
  187. 高良鉄美

    ○高良鉄美君 ありがとうございます。  やはり、社会の方に目を向けながら、この問題、会社法という内部の問題も、いろいろ捉えていくべき視点というのがあると思います。  そこで、社外取締役の設置義務ということについて、先ほど来もありますけれども、お伺いします。  今回、上場会社等において、社外取締役の設置が義務付けられることになります。しかし、現行の会社法の規定では、上場会社等は社外取締役を設置しない場合には、その理由を定時の株主総会で説明すればいい、社外取締役の設置義務はありません。現在、東証に上場している会社のということで、先ほど九八・四%ということがありましたけれども、それから一部上場会社に限れば、九九・九%の会社が一人以上の社外取締役を置いています。  今回の改正で社外取締役の設置を強いられる会社は少数です。さらに、その中でも適任者がいないなどのこういった消極的な理由ではなくて、機動的な意思決定を阻害するといった積極的な理由で社外取締役を設置しない会社もごく少数ながら存在します。社外取締役には、同族会社に客観性を持ち込む、こういったことなどのメリットがあると考える一方で、少数者の意見を尊重することは非常に重要なことだと考えます。  今回、これらの少数の意見に反してまで社外取締役の設置義務化を行う意味、趣旨、メリットについてお聞かせください。大臣の方にお伺いしたいと思います。
  188. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 社外取締役は、少数株主を含む全ての株主に共通する株主の共同の利益を代弁する立場にある者として、業務執行者から独立した立場から会社経営の監督を行い、また経営者あるいは支配株主と少数株主との利益相反の監督を行うという役割を果たすことが期待されております。  そこで、改正法案においては、コーポレートガバナンスを実効的に機能させ、我が国の資本市場が信頼される環境を整備し、上場会社等については社外取締役による監督が保証されているというメッセージを内外に発信するため、上場会社に社外取締役の設置を義務付けることとしております。  業務執行や意思決定の機動性の確保は重要であるものの、社外取締役による監督と両立する形で、例えば経営の基本方針等の決定及び経営陣の監督を取締役会の主たる役割とし、具体的な業務執行の決定の多くは経営陣に委ねるなどの工夫によっても実現することができると考えております。
  189. 高良鉄美

    ○高良鉄美君 趣旨とメリットについてお伺いしました。今のような形でありましたけれども、先ほども櫻井議員の方が、こちらの問題について実態はどうなのか、あるいは実効性としてあるかというような社外取締役としての人材の適性というものを少し話しておられました。ですから、やっぱり実態はどうなのかというような調査を欠いているというのではないかと、法律上はそういう者を置くという義務付けになりますけれども、そういった面も指摘がありました。私も、その辺は問題があろうと考えております。ただ、法律上の規定の中でのそういった趣旨として、メリット等については客観性の問題あるいは利益相反の問題、そういったものはあると考えております。  さて、次に企業における女性活躍についてお尋ねします。  内閣府男女共同参画局は、女性の活躍状況の見える化として様々な情報を公開されています。本日、参考資料としてカラーのものを出しておりますけれども、企業における見える化の一部をこの中で示しているわけですけれども、まず政府参考人にお伺いします。  社会における女性活躍は、ダイバーシティーの推進にもつながるものであり、その重要性、必要性については今更言うまでもないと思います。今年三月、内閣府男女共同参画局は、ESG投資における女性活躍情報の活用状況に関する調査研究を発表しました。この調査研究によると、七割近くの機関投資家が、女性活躍の推進が長期的に企業の成長につながっていくと考えているとのことです。これは、女性の活躍が建前だけでなく、実際に企業の成長に役立つことを示すものであると言えます。  また、安倍内閣にとっても、女性の活躍推進は我が国の持続的成長のために不可欠であり、最重要課題の一つであるとされています。二〇一三年四月、安倍総理は経済界に対し、役員に一人は女性を登用していただきたいとの要請をされました。そして、二〇一五年十二月に閣議決定された第四次男女共同参画基本計画では、上場企業役員に占める女性の割合を早期に五%、さらに二〇二〇年には一〇%を目指すとの目標を定めました。  そこで、現時点での上場企業における女性役員の割合を内閣府にお尋ねいたします。
  190. 池永肇恵

    ○政府参考人(池永肇恵君) お答えいたします。  令和元年七月末時点において、上場企業における女性役員割合は五・二%となっております。
  191. 高良鉄美

    ○高良鉄美君 今ありましたように、五%台ということです。これは今年の時点ですので、来年が二〇二〇年で一〇%を目指すということになっています。四年で五%ということですけれども、あと五%を一年で達成しないといけないと、こういうようなことですので、かなり難しい状況になっているんだと思われます。  男女共同参画局のウエブサイトでは、女性リーダー育成に向けた諸外国の取組に関する調査研究が発表されています。この中で、前回の二〇一四年の会社法改正における社外取締役に関する改正は、政府が取り組んだ女性役員登用に関連する制度改正として紹介されています。つまり、これ、社外取締役というのを新たな形で義務付けるとしても、それはやはり女性の社外取締役というのがある程度想定、盛り込まれているんじゃないかということですね。  今回の改正では、この規定が改正されて、社外取締役の設置が義務付けられるということになりますけれども、女性活躍推進の重要性に鑑み、なかなか増えない女性取締役を増やすために、この女性取締役という言葉は入っていませんが、その設置も、今回の中に会社法で義務付けるべきだと思いますけれども、森大臣の見解を伺います。
  192. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 女性が会社にかかわらず様々な組織の意思決定手続の中に参画をすることが大変重要だと思っております。しかし、そのことについては、そのような調査結果があるのかなどの定量的なデータの証明を求められるなどの非常に苦労がございました。  私、二〇一二年に男女共同参画大臣になり、上場企業に女性役員を入れることについて、経団連始めとした経済三団体に官邸に来ていただきまして、その当時、経団連のメンバー企業、ほとんど女性取締役がいなかったので、少なくとも一人は、まず最初は一人から女性取締役を入れることということについて御提案を申し上げ、そして経団連を始めとした経済三団体に御了承をいただいて、その翌日から女性取締役が入っていくようになったわけでございます。  ここに提出いただいた高良委員の提出資料の女性取締役の割合でございますが、二〇一二年の前の二〇〇七年から二〇一一年までは、女性取締役の数は〇・二ということでもうほぼ横ばいで推移しており、全くその壁が崩せないという現状でございました。しかし、今はこのように増えてきております。  実際に女性取締役になった女性の皆様方と常に意見を交換しておりますが、大変厳しい環境の中で頑張っておられます。そういった方々に対して、先ほどからも、やっぱり人材の育成ということが大事ですけれども、その場に就いたときのその皆様方、御支援を申し上げる、そして育成に力を入れていくということで制度が、また中身も伴ってくるものだというふうに思っています。  取締役の構成員には相応の知識、経験、能力がバランスよく備わっていることが必要でございますが、ジェンダーを含む多様性、こういったものに十分に配慮をしていくことも、また、先ほど申し上げた株式会社の従業員を含む多様なステークホルダーの利益に資するような会社経営にも私は貢献できるものと考えております。  今現在、日本において、国連のコフィー・アナン事務総長が提唱いたしましたESG投資、この委員会の委員に日本人が初めて選ばれました。アジア人で初めて選ばれました。そして、イギリスの三〇%ルールにも参画いたしました。そういった取組を政府として支援をしてまいりたいと思います。
  193. 竹谷とし子

    ○委員長(竹谷とし子君) お時間を過ぎておりますので、おまとめください。
  194. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 申し訳ございません、済みません、今間違って、訂正をいたします。高良委員の提出資料ではございませんでした。おわびして訂正いたします。
  195. 高良鉄美

    ○高良鉄美君 もうまとめるというよりは、今の御姿勢をまた評価しながら、しっかりとやっていただければと思います。  ただ、まだ日本の世界の中における女性の地位というのは特に政治と経済の場面で非常に低いんだと、百位以下であるということを我々は認識をしながら考えていきたいと思います。  ありがとうございました。
  196. 嘉田由紀子

    ○嘉田由紀子君 会社法についてまず質問させていただきます。  私が今回取り上げたいのは、四百三十条の二と四百三十条の三、会社補償に関する改正案、特に役員等賠償責任保険契約に関する改正案でございます。  私、知事を経験をしているときに一番周囲が心配をしていたのは、様々な事業をやめるときのその補償、それが最終的に例えば知事個人に損害賠償という形で来るというのが、かつての例がございます。例えば、京都市長がゴルフ場を止めたときに数十億円、それから国立市の市長さんが景観条例で、いろいろ行ったり来たりあったんですけれども、数千万円の個人補償と。  これについて今、行政の方では保険を掛けておりまして、そしてその保険料は個人的に支払っております。行政でもそうであるのに、今回のこの会社法の言わば改正によりますと、この保険料の負担を取締役等の役員が免れると、改正によって言わば個人的負担が軽減されるということなんですけれども、これをどう認識しているのか。  特に、役員と会社、利益相反の関係にあります。そして、その理由が役員等にインセンティブを付与し職務の執行の適正さを確保するためとされておりますけれども、果たして、今もずっと議論になっておりましたこの改正によって国際的な人材あるいは優秀な人材を引き付けることができるのかというようなところを含めて、これは局長さんの方で結構ですけれども、御見解をお伺いしたいと思います。
  197. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  まず、利益相反の観点でございます。  株式会社が取締役等との間で補償契約を締結することや、株式会社が保険会社との間で取締役等を被保険者とする役員等賠償責任保険契約を締結することについて、取締役等と株式会社との利益が相反する側面があるというのは、これは御指摘のとおりでございます。  こういった利益相反性に鑑みますと、この補償契約やこの役員等賠償責任保険契約の内容の決定手続につきましては、会社法の利益相反取引の手続に準じたものとすることが相当であると考えております。そこで、改正法案におきましては、利益相反取引の承認と同様に、これらの契約の内容を決定するには取締役会の決議を要することとしております。  また、改正法案が成立した場合には、これに合わせて法務省令を改正いたしまして、これらの契約に関する一定の事項を株主に開示させることで、また利益相反等の懸念される弊害に対処することとしております。  また、役員等にインセンティブを付与するというようなことができるのかということでございます。会社補償や役員等賠償責任保険は、役員等がその職務の執行に関しまして第三者から損害賠償請求を受けることとなるなどによって、役員等に生ずる費用等を一定の場合に株式会社や保険会社が負担するものであります。  そういったことによりまして、役員等がその職務の執行に関し、第三者に生じた損害を賠償する責任を負うことを過度に恐れることによって職務の執行が萎縮するとか、果断な経営判断を行うことができるということで役員等に対して適切なインセンティブを付与するという意義が認められることだと考えております。  また、外国、特に米国等におきましてはこういった会社補償が一般的に認められているところなどを踏まえますと、こういった制度が適正に運用されていることは、国際的な人材や優秀な人材を我が国に招聘するために必要な要素の一つになるものと考えているところでございます。
  198. 嘉田由紀子

    ○嘉田由紀子君 そのような方向に行くことを望んでおりますけれども、今回ずっと議論がありましたように、会社というのは本当に社会的存在でございます。そういう中で、先ほど来の女性参画、女性の言わば国際的な地位、日本の場合には健康、教育はかなり地位が高いんですけど、政治と経済は本当に取り残されております。今、高良議員が質問してくださったとおりです。  私もいろいろかつてデータを集めたことがあるんですけど、女性参画度の高い企業の方が収益、あるいは社会的なビヘイビアが収益とともに大変いいという評価は幾つか出ております。そういうものも活用いただいて、それから環境への配慮ですね。今、電力会社の問題も含めて、また午後の議論にもなると思いますけれども、この地球環境というのはまさに人類の共有財産ですから、そこに対して公的な企業が責任を持つということは大変大事なことだと思っております。これはコメントとして言わせていただきます。  私の方は、一貫して今回は、離婚後の子供の言わば暮らしと、そして生活水準を維持するためということで共同親権のお話をさせていただいておりますけれども、両親が離婚後に子供が別居している親と交流を持つ、面会交流あるいはペアレンティングと言っていますけれども、この結果を心理学なり、あるいは様々な社会学的なところで調査をするというのはかなり難しいんです。  海外ではかなりあるんですけれども、日本の例では余りないんですけれども、実は有り難いことに、小田切紀子さんたちが、大学生六百三十四名を対象にして平成二十八年に論文を出しております。ここでは、離婚後の親子関係及び面会交流がスムーズで満足度が高い学生さんは親への信頼度が高く、そして自己肯定感も強く、また周囲の環境への適応度も高いと、さらに積極的な他者関係ができているというような結果もございますけれども、ここについて、面会交流の心理学的な、社会的な重要性などお伺いできたらと思います。
  199. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  父母の離婚後の子の養育の在り方につきましては、今委員御指摘の面会交流に関する研究も含めまして、国の内外において様々な観点からの研究がされているということは承知しております。  法務省といたしましても、一般論として、父母が離婚後も、父母の双方が子供の養育に関わることが子供の利益の観点から重要であると考えていることは、これまでも何度も申し上げさせていただいてきたとおりでございます。  父母の離婚後の養育の在り方につきましては、現在、法務省の担当者も参加しております家族法研究会において議論されている状況でございますが、委員御指摘のこの面会交流の重要性、こういった点も踏まえまして、どのような法制度が子供の利益にかなうのかを多角的に検討する必要があります。そのための様々な分野の実証的な研究についての情報集積、こういったことを引き続き行ってまいりたいというふうに考えております。
  200. 嘉田由紀子

    ○嘉田由紀子君 ありがとうございます。研究会への期待というのはもうかなり、十回近く伺ったと思いますけれども、その中に、大変重要な分野ですので、明示的に入れていただきたいと思います。  さて、この面会交流と、あるいは養育費ですけれども、二〇一一年、平成二十三年、民法七百六十六条、ちょうど民主党政権さんの江田法務大臣がかなり前向きに民法改正してくださいまして、七百六十六条に面会交流と養育費の支払の重要性を入れていただきました。  そして、この後、この七百六十六条改正で、家裁、つまり家庭裁判所が具体的に変わったのかということで、家裁通信簿というのを関係する家裁を活用した方たちが出しております。その家裁通信簿によりますと、裁判所はほとんど変わっていないという意見が八〇%。つまり、面会交流、特に面会交流について前向きに受け止めてくれていないということでございます。  三点申し上げます。裁判所関係者が親子交流の断絶期間の影響度に関して無理解で他人事だと。二点目は、監護者の主張する対応に終始するばかりで、面会開始まで非常に時間を要する。さらに三点目ですけど、裁判所が勝手につくり上げた相場観で月一回の最小面会に落とし込まれるという、この三つの理由で裁判所が変わっていないということを訴えておられます。  そしてさらに、家庭裁判所の調査官は、親子再統合、仕事してくれていると感じているかどうかという質問には、たった九%しか感じていると答えておりません。つまり、二〇一一年のあの民法改正は何だったのかということが大変関係者の間に疑問が持たれているわけでございます。  これについて、家庭裁判所、どのように、特に裁判の関係、お考えでしょうか。見解をお願いいたします。
  201. 手嶋あさみ

    ○最高裁判所長官代理者(手嶋あさみ君) お答え申し上げます。  委員御指摘のような御意見があることについては承知をしております。家庭裁判所におきましては、民法七百六十六条一項の趣旨を踏まえ、子の利益を最も優先して適切な面会交流の取決めを行うことが重要であるとの認識の下で、個々の事案の実情を踏まえまして、手続の早期の段階から同居親の理解を促すとともに、自主的な取決めがされるよう働きかけを行っているものと承知しております。  今後とも、子の利益にかなう面会交流の取決めが実現されるよう、最高裁判所としましても、裁判官、家庭裁判所調査官等が参加する各種協議会、研究会等の場におきまして面会交流事件の審理の在り方などについて更に議論を深めるなど、必要な支援を行ってまいります。
  202. 嘉田由紀子

    ○嘉田由紀子君 裁判所の現場の実情、しっかりと調べていただいて、そして当事者が満足できるような、そういう方向に持っていっていただきたいと思います。  そのためにも共同親権という大きな枠組みの変更が必要だと思いますけれども、この面会交流に関する取決めをどうその実効性を確保していくのかというところで、より具体的な方向、法務省さんの方でお願いできますか。
  203. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答え申し上げます。  面会交流の取決めの実効性という御質問でございますが、面会交流に関する取決めが公正証書によってされ、又は調停でされている場合に、子を監護している者が面会交流に協力せず、取決めの内容を実現することができないときは、子を監護していない者は、面会交流について強制執行の申立てをすることができるわけでございます。  もっとも、この面会交流を求めて強制執行の申立てをしたにもかかわらず、強制執行が奏功しなかったなどの理由で実際に子供と会うことができない方がいらっしゃることも承知しております。  また、子供を実際に監護している親のうちに、面会交流について協力的になれない方の中には、面会交流そのものを拒むわけではないものの、第三者の支援を得て面会交流を実施したいと考えている方がいるという指摘もございます。これまでも申し上げてきたとおり、家族法研究会では父母の離婚後の子供の養育の在り方について議論がされておりますが、その中では面会交流の促進も論点として取り上げられるものと承知しておりまして、その中でも、今申し上げました面会交流を支援する団体との連携の在り方等についても議論の対象になり得るものと考えております。  法務省としても、この家族法研究会における議論にしっかり参画してまいりたいと考えております。
  204. 嘉田由紀子

    ○嘉田由紀子君 今日、お手紙をいただいたんですけれども、この間、十一月の二十六日に、共同親権運動をしていらっしゃる方たちが訴訟を起こしたということをここで取り上げさせていただきましたけれども、千葉県の七十歳、七十八歳のあるおばあちゃん、祖母ですけれども、息子の子供、別居して、そして家裁で六回審判したけれども、結局、面会交流、月一というその相場観、そして母親の方に監護権ということで、ほとんど実態を聞いてもらえずに、もう決まったルートで審判をもらったということで、大変不安に思っておられます。というのは、母と子の関係が余り良くないというようなことを心配をしておられるんですけれども、例えばこういうふうに、今、国民の皆さんの間でも本当に当事者がたくさんおられるということで、是非裁判所の方も次の一歩を踏み出していただけたらと思います。  そして、四点目の質問ですけれども、具体的にこの共同養育支援を進めていくには、離婚届を取りに来るのは市町村の役場ですね。ですから、市町村の役場がそのときにどれだけ言わば共同養育なりあるいは面会交流のことを広げていけるのかということで、この辺り、自治体との協力関係、どうなっているでしょうか。よろしく御見解をお願いします。
  205. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  委員御指摘のとおり、未成年者の父母が離婚する際に、面会交流や養育費の分担等、子供の監護について取決めをすることの重要性、これを父母に周知するためには、離婚届に関する業務を担当しており実際に当事者の方と接する地方自治体との連携、これが重要であると考えております。  法務省では、平成二十八年十月から、養育費、面会交流の重要性及び基本的な法的知識の解説や、実際に取決めをする際に参考となる合意書のひな形及び記入例などを掲載したパンフレットを作成いたしまして、全国の市区町村において離婚届の用紙と同時に配付してもらっております。法務省から平成三十年度に全国の市区町村に配付したパンフレットの部数は四十五万部になっております。  法務省としては、引き続き、関係省庁や地方自治体とも連携して、父母が離婚をする際に子供の養育について取決めをすることの重要性について周知を進めてまいりたいと考えております。
  206. 嘉田由紀子

    ○嘉田由紀子君 ありがとうございます。  離婚が毎年、今二十一万組とかいう数字でございますので、四十五万部、毎年広げていただいているということは、かなり必要な人たちに届きつつあると思います。  私、そのパンフレット見せていただきましたけれども、今の段階で言えることをきちんとまとめていただいていると思います。ただ、まだまだ単独親権の中でのパンフレットでございますので、この後、より共同養育を前向きに進められるような形で法的な改善をするところで、より一層自治体、そして何よりも一番の当事者の親御さんたちに届くように、今後、法律改正を持っていっていただけたらと思っております。  私の方、これで終わらせていただきます。
  207. 竹谷とし子

    ○委員長(竹谷とし子君) 午後二時に再開することとし、休憩いたします。    午後一時一分休憩      ─────・─────    午後二時開会
  208. 竹谷とし子

    ○委員長(竹谷とし子君) ただいまから法務委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、山田太郎君が委員を辞任され、その補欠として宮崎雅夫君が選任されました。     ─────────────
  209. 竹谷とし子

    ○委員長(竹谷とし子君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  会社法の一部を改正する法律案及び会社法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の審査のため、本日の委員会に東京大学大学院法学政治学研究科教授藤田友敬君、日本大学法学部教授大久保拓也君及び脱原発・東電株主運動世話人木村結君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  210. 竹谷とし子

    ○委員長(竹谷とし子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  211. 竹谷とし子

    ○委員長(竹谷とし子君) 休憩前に引き続き、会社法の一部を改正する法律案及び会社法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の両案を一括して議題とし、参考人の皆様から御意見を伺います。  この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。  本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。  皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、両案の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。  議事の進め方について申し上げます。  まず、藤田参考人、大久保参考人、木村参考人の順に、お一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。  また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。  なお、御発言は着席のままで結構でございます。また、各委員の質疑時間が限られておりますので、御答弁は簡潔にお願いいたします。  それでは、まず藤田参考人にお願いいたします。藤田参考人。
  212. 藤田友敬

    ○参考人(藤田友敬君) 東京大学の藤田でございます。  本日は、この委員会にお招きいただき、意見を述べさせていただく機会を与えられたことにつき感謝いたします。  今回の会社法の一部を改正する法律案、以下改正法案と呼ばせていただきますが、これは、法制審議会において本年一月十六日に採択された会社法制(企業統治等関係)の見直しに関する要綱に基づき作成されたものと理解しております。私は、この要綱の作成のために設けられた会社法制(企業統治等関係)部会において、委員として議論に参加させていただきました。もちろん、個々の論点につき、個人的な意見がないわけではございませんけれども、なかったわけではございませんが、最終的には要綱全体について採択に賛成しており、したがって、この改正法案による会社法改正が成立することを期待しているものであります。  平成十七年に制定されました会社法は、他の法律の改正等に基づく技術的な修正を除きますと、平成二十六年に一度改正され、今回は二回目の大きな改正ということになります。前回の改正では、取締役会改革やグループ企業のガバナンスといった重要なテーマを取り扱っておりましたが、今回の改正法案も、株主総会の規律、取締役の報酬や責任に関する規制等、我が国の企業や投資家、さらには資本市場の在り方にとって大きな意義を持つ内容を含んでおります。  今回の改正法案の提案理由は、「会社をめぐる社会経済情勢の変化に鑑み、株主総会の運営及び取締役の職務の執行の一層の適正化等を図るため、」と述べてありますが、会社法制は、企業社会が健全に発展するための重要な制度的インフラの一つであり、時代と社会の要請に応じ、絶えず適切にメンテナンスしていくことが求められるわけで、今回の改正もまさにそのような試みの一つです。  ただ、ここで一点だけ注意していただきたいことがございます。会社法は、企業組織や資本市場を支える重要な制度インフラの一つではあるのですが、決して唯一のものではございません。例えば、上場会社の規律には金融商品取引法が重要な役割を果たしております。金商法は、内部者取引や相場操縦規制のように資本市場の秩序を維持する規律も行っていますが、同時に、最近では、議決権行使結果の開示ですとか役員報酬の開示に見られるようなコーポレートガバナンスをめぐる重要な規制ツールでもあります。  また、最近では、ソフトローと呼ばれる規制の意義も強調されています。ソフトローは、会社法や金商法のようなハードローとは異なり、国が作成し、国がエンフォースするような規範ではありませんが、近年、コーポレートガバナンス・コードですとかスチュワードシップ・コードといった重要なソフトローの存在感が増してきております。このように、企業組織あるいは資本市場の在り方を支える重要な制度的インフラとして会社法以外にも重要なルールは存在しており、会社法はそれらと合わさって適切な結果がもたらされることが期待されているものであります。  このように、ソフトローとハードローの間、あるいはハードローの中でも会社法と金商法の間のすみ分け、役割分担、こういったことは会社法制部会の議論でも常に意識されてきたところであります。改正法案の条文だけを見ると何か物足りないというふうに思われることがあっても、それは規制なく野放しにせよという趣旨ではなくて、ソフトロー等による規制を期待しているという場合もあるということに御留意いただければと思います。  以上は改正法案全体に係る意見でしたけれども、以下では、主要な改正事項についてごく簡単に述べさせていただければと思います。お時間の制約もございますことから、今回の改正の中でも中心的な内容となっております株主総会関係と取締役関係を中心にお話しさせていただければと思います。  まずは、株主総会関係です。  株主総会関係の第一の改正点は、株主総会関係資料の電子化であります。  現在の会社法の下では、株主総会の招集通知と一緒に、書面による議決権行使のための必要な参考書類等が併せて郵送されております。今回の改正法案は、これらの書類、条文では株主総会参考書類等というふうに呼んでおりますが、これについて電子提供すればよい、典型的には、ウエブサイトで株主総会参考書類等を掲載し、招集通知にはアクセス方法を記載すればよいという形にしております。もちろん、現在でも、ウエブサイトに株主総会参考書類等を掲載している会社はかなりの数あると思いますが、それをしても、別途書類は郵送しなければならないとなっていたところを、そうしなくてもよくなるわけであります。  同時に、会社法案は、電子化に対応できない株主についても配慮をしております。書面交付請求権というのを認め、株主が今後も書面で株主総会参考書類等を下さいと会社に請求すれば、書面での提供が保障されるということにしております。  改正の意義には、一つには費用の節約、会社にとっても社会にとっても無駄な紙を減らすということは望ましいことではありますが、それに加えて、電子化により印刷の時間が節約できると情報がアップされる時間が早められ、総会への準備がより充実することにもつながります。また、書面の郵送にこだわると、送ることのできる情報に質的、量的な制約が生じるところ、電子提供を認めれば、より充実した情報開示につながる可能性もあります。  なお、念のために付言しておきますと、今回の改正法案が提案しておりますのは株主総会関係資料の電子化でありまして、株主総会それ自体を電子的に行い、物理的な意味での会合は存在しない、いわゆるバーチャル総会ですとか、あるいは株主が電子的に総会にアクセスし、質問したり議決権を行使したりするという話は取り扱われておりません。こういった問題、重要じゃないというわけでは決してないと思うのですが、ただ、こういった問題についてハードローである会社法で規制するのはいまだ時期尚早と考えられ、まずは書類の電子化という手堅いところから法制化しようとするものと考えられます。  株主総会関係では株主提案権についても取り扱われており、具体的には、提案数の上限規制が設けられるように提案されております。株主提案という制度は諸外国にもあるのですが、その場合、提案株主は、自分の費用でその提案を他の投資家に知らせ、委任状を取り付けるという形で会社に対抗するのが通常であります。これに対して日本の株主提案は、提案株主は、一定の要件の下、会社の費用で議案の要領を他の株主に通知してもらうように求めることができることとなっており、その意味で手厚い保護が与えられていることになります。  しかし、総会直前に膨大な数の提案が、提案権が行使されますと、会社としては、要件を満たす提案がどれで、そうでないのはどれかといったことを区別する作業などが大きな負担になってきます。また、総会当日も、特定の株主の提案が株主総会の相当時間を占めてしまうという事態も生じ得ます。  実際、こういったことが、会社、さらには、より重要なことには、提案株主以外のその他の株主の共同の利益を害しているのではないかということが問題視されるような事件が現実にも起きてしまいました。この改正法案は、それに対する規制を導入しようとするものと理解しております。  次に、取締役関係です。  第一は、取締役の報酬等です。  役員報酬の規制は、世界的にもコーポレートガバナンスの中心課題として注目されております。日本の会社法は、定款で定めない限り株主総会決議を要求するという点では、例えばアメリカ等に比べると報酬規制が一見厳しそうにも見えるのですが、求められる決議内容は、例えば金銭報酬の場合は、取締役全員の報酬総額の合計の上限だけを決めればよく、また、総額を変更しない限りは、取締役が入れ替わっても決議し直す必要はないなど、やや形式的な規制になっている面はございます。  改正法は、取締役の個人別の報酬等の決定方針を取締役会で定めることを要求しております。背後にある問題意識は、適切なコーポレートガバナンスという観点からは、会社から出ていく金額の総額だけではなく、誰にどのような性格の報酬をどのような形で与えるのかということこそが重要なので、この点についての方針をきちんと決めさせようという、そういうことなのだと思います。  次に、取締役の責任との関係で、会社補償及び会社役員賠償責任保険という制度が提案されております。  会社補償というのは、会社の業務執行に当たって役員等が第三者に対して責任を負った場合、一定の要件の下、会社から補償を受けるというもので、改正法案はその旨の契約を締結することを認めております。諸外国では割とよく見られるものなのですが、日本の現在の会社法には会社補償制度は存在しません。ただ、民法六百五十条三項に基づいて、会社に対して一定の場合請求する可能性があるにとどまります。  そこで、今回の改正法案は、会社補償制度を新設し、一定の内容の補償契約の締結を可能にし、かつ、そのための手続を整備すると同時に事後的な開示を要求し、透明性を確保しようとしております。  注意していただきたいのは、役員等の対会社責任の免除、軽減についての厳格な規制が形骸化しないように改正法案は留意しているということであります。具体的には、問題の取締役等の行為が、第三者に対する責任に加えて会社に対する責任をも惹起し得るものである場合には補償契約の対象とはならない、補償の対象にはならないとしていることであります。  次に、会社役員賠償責任保険は、一般にはDアンドO保険などと呼ばれておりますが、これについて、会社が保険契約を締結する場合の手続や開示に関する規制の導入が提案されております。  時折誤解が見られるのですが、これは、今回の改正によって初めて可能になるというものでは決してございません。DアンドO保険は、既に我が国においてもかなり広く利用されております。しかし、現在の会社法にはこれについての規定が存在しておらず、締結のための手続も必ずしもはっきりしません。  改正法案の性格は、これまでできなかったDアンドO保険の利用を可能にするといったものではなくて、むしろ、既に存在するDアンドO保険について、その締結のための手続を明確化するための規律を置き、これに加えて、事後的に開示を要求することで透明性を高めるというものです。あえて乱暴な言い方をさせていただきますと、規制を強化するといった性格のものと理解すべきだと考えております。  最後に、社外取締役について二点ほど提案がなされております。  第一点は、社外取締役の設置強制であります。  平成二十六年改正の際には、議論の末、設置強制は見送られたのですけれども、今回設置強制を導入したのは、会社法というハードローで社外取締役の設置を確保することが、我が国の証券市場への信頼を高めるために望ましいという考えからだと理解されます。  また、社外取締役への業務執行の委託という条文も提案されております。  社外取締役は業務を執行してはならず、業務執行すると社外性を失うというのが現在の法制であります。しかし、社外取締役が行うにふさわしい業務もあるのではないかということが、近時、指摘されるに至っております。  例えば、いわゆるマネジメント・バイアウト、MBOの際に、一般株主を保護するために社外取締役を中心とした特別委員会を設置し、そしてその特別委員会によって条件の向上を図るといったことがなされることがしばしば見られるわけでありますが、その委員会の長である、特別委員会の長である社外取締役が買収者と価格交渉をして買収価格を上げるように努めるといった活動が典型であります。しかし、これは業務執行に当たる可能性がありますので、現行法の下では、社外取締役が行うことはできないのではないかという疑念があるわけですが、実質としては、まさにこれは社外取締役が果たすべき役割ではないかと思われます。そこで、改正法案では、こういったことを可能にするために、限定された範囲内ではありますが、社外取締役に対して業務執行を委託することを認めることとしております。  以上のコーポレートガバナンス関係の改正のほかに、改正法案では、社債に関する改正、あるいは株式交付と呼ばれる新しい名称の制度の新設も提案されております。これらが決して重要ではないというわけではありませんが、多分に技術的な性格が強い改正であるために、私の意見陳述では省略させていただければと思います。  以上、今回の改正法案における主要な改正事項、とりわけコーポレートガバナンスに関わる改正点について意見を述べさせていただきました。膨大な改正条文について短時間でお話しさせていただくためにどうしても話が大ざっぱになり、しかも相当早口になってしまい、申し訳ございませんでしたけれども、以上で私の意見陳述を終えさせていただきます。  どうもありがとうございました。
  213. 竹谷とし子

    ○委員長(竹谷とし子君) ありがとうございました。  次に、大久保参考人にお願いいたします。大久保参考人。
  214. 大久保拓也

    ○参考人(大久保拓也君) ただいま御紹介いただきました日本大学法学部教授の大久保拓也です。  これまでに、取締役の報酬ですとか責任に関する規制を中心に研究をしてまいりました。この度は、会社法それから整備法の改正案について意見陳述を行う機会をいただきました。改正会社法に関して、気になる幾つかの点について意見を述べたいと思います。  お手元には、企業法実務研究会の意見書といったものと私のレジュメを配付させていただきました。この企業法実務研究会は、民商法の研究者や実務家が所属する研究会におきまして、改正会社法に関する意見書をまとめたものとなりまして、法務省に提出した後に雑誌に掲載をしていただいたものとなります。参考までに御覧をいただければと思います。今回の参考人としての意見につきましては、この研究会における意見を踏まえながら、若干の問題点を指摘をしていきたいと思います。  改正法案の評価となりますが、今回の改正法案は、社会経済情勢の変化に伴い、株主総会に関する手続の合理化、社外取締役の設置の義務付け等のコーポレートガバナンスの改善のための規律の見直し、社債の管理の在り方の見直しの要否を検討することなどが求められており、そこから審議が行われてきたとされておりますので、上場会社向けの規制というのが改正の中心に据えられていることかと思います。  そのうちの一つが株主総会資料の電子提供制度になりますが、この電子提供制度については、評価すべき改正ではないかとは思います。これは、株主総会の資料をウエブサイトに掲載し、株主に対してそのアドレス等を書面により通知することで株主総会の資料を株主に電子提供する制度を創設するものであります。  現行の会社法においては、株主総会の資料の提供は原則として書面によることとされ、インターネットによる提供をするには株主の個別の承諾を得るということが求められますので、株主数の多い上場会社にとって、資料の印刷や郵送のコストが掛かっていたという問題があります。  ただし、インターネットの提供ということになりますので、いわゆるデジタルデバイドの問題というものを考慮しなければならないということはあったかと思います。  これに対しまして、改正法案では、郵送等のコストを減らすとともに、株主には、現行と同じかより早い、二、三週間ほどですけれども、より早い情報提供を受けることができるというような仕組みを設けるということにしております。また、資料の提供を希望する株主には書面交付請求を認めています。これらの措置がとられるということに鑑みますと、この改正というのは妥当な改正ではないかと思います。  次に、取締役の報酬に関する規律の見直しというのが改正法案の一つの課題となっておりますけれども、これについても妥当な改正だと考えております。  現行法では、上場会社であっても、報酬の決定方法、機関法制によりまして決定方法に違いが見られるということになります。指名委員会等設置会社では、個人別の報酬の内容を報酬委員会で決定しますが、それ以外の会社では、個人別の報酬の内容まで決定することが求められてはおりません。これは、日本の会社法が中小会社から公開大会社まで会社法一本で規制をしており、報酬の詳細な開示を望まない中小会社にも配慮したといったことが影響しているのかとも思います。もっとも、外国人株主の増加もありまして、公開大会社、特にグローバル企業におきましては、報酬の開示や決定方針の明確化をすべきだという要求が求められてきております。  そこで、会社法の改正案では、取締役の個人別の報酬等の内容が定款又は株主総会の決議により定められていないときには、一定の監査役会設置会社と監査等委員会設置会社の取締役会は、取締役の個人別の報酬等の決定方針を定めなければならないものとし、これを開示することを求めています。こういった改正が行われれば、報酬の開示が現行に比べますとより充実することが見込まれます。  このように、改正法案には評価すべき点が多数見られます。ただ、理論的に幾つかの問題もあるのではないかというふうに思います。時間の制約もありますので、ここでは三点ほど問題点を指摘をさせていただければと思います。  一つ目が株式報酬についてとなります。  改正法案では、株式や新株予約権を取締役に対するストックオプションとして交付しようという場合の規制を整備しようとしております。現行法では、新株予約権について、その行使に際して必ず財産の出資をしなければならないため、実務上、行使価額を一円として、実質的に出資をせずに、出資を要せずに新株予約権を交付するといったことが行われてきています。  このように、ストックオプションに係る出資について金銭の払込みをしないか、払込金額を極めて低い金額とすることは、労務出資と同じような状況が生じているというふうにも思われます。労務出資は、合名会社、合資会社の無限責任社員には認められていますけれども、その他の合資会社、合同会社の有限責任社員は金銭等の出資しか認められていませんし、株式会社についても、金銭その他の財産の出資を前提としているということになりますので、ストックオプションを報酬等と位置付ける場合の規定がこの会社法の改正案には盛り込まれるということにはなりますけれども、理論的には、どう位置付けるか、法的に位置付けるかについての疑問は残っているのではないかと思われます。  二つ目に、株主提案権についてということになります。  改正法案では、株主提案権について、目的等の制限と議案数の制限を提案しておりました。目的等の制限につきましては、さきの衆議院の検討によって、この条項については削除されたということでございますが、議案数の制限の問題というのはまだ残っているのかと思われます。  この株主提案権のうち、議案要領の通知請求権については、取締役会設置会社の株主の提案が十を超える議案について議案要領通知請求権を認めないこととし、提案できる議案の数を十個に限定しようとしております。この改正案が示されたのが、一部の株主により膨大な数の議案が提案された場合や株式会社を困惑させる目的で議案が提案された等、近時の濫用的な行使事例に鑑みて改正するということが会社法の検討の中で示されていたところです。  もっとも、そこで取り上げられた事例がごく一部の特定の株主による行使事例でありまして、その対象会社は、行使者が創業者一族であったといったような特殊な事例であったということにすぎません。こういった一部の特殊な事例を根拠として株主の重要な権利である株主提案権の行使が制限されるというのは、立法の在り方としては妥当とは言えないようにも思われます。  もっとも、このような対策では不十分であり、濫用に対する懸念はあるということは理解することはできます。  同様の懸念で、かつて立法においては、平成五年の株主代表訴訟の改正においては、取締役の違法行為時の株主であったか否かという行為時株主原則といったものを検討されたことがありましたが、その導入は見送られたということがありますが、濫用の懸念から権利行使を行わせないといった仕組みの導入にはやはり慎重であるべきではないかというふうに思います。そういった点を考慮するには、制度の導入の趣旨に立ち返って検討するということが必要ではないかと思います。  元々、株主提案権は、昭和五十六年に株主総会活性化の一つの方法として導入されたものですが、株主提案権の濫用が懸念される、特に上場会社などにつきまして、取締役会の設置が求められる会社については、百分の一以上の議決権又は三百個以上の議決権を六か月前から引き続き有する少数株主に限定されるというふうにしています。  少数株主とされていますが、かつての株主運動、一株運動といったような株主などとは異なり、現在、この上場会社でこういった行使要件を満たす株主というのは、実際には大株主と見るべき数の株主ではないかとも思います。また、中小会社であった場合ですと、経営権を握っていない大株主が行使するといったことが考えられるかと思います。  こういった権限の濫用防止策として、議案が法令、定款に違反する場合、実質的に同一議案について一定の賛成を得られなかった日から三年を経過していないという濫用防止策も現行法でも定められているということもあります。  また、今回の改正では、招集通知の印刷等に関するコストの増加も予定されているところですが、改正法案では、株主総会資料の電子提供制度を採用する会社については、その電子提供をすることで対応することができるものもあると考えられます。  そういったところを考慮しますと、株主提案権が創設された趣旨というのを考慮しまして、現在ではこの株主との対話というものが求められる最近の社会情勢に鑑みて、議案数の制限を付ける必要性も乏しいのではないかとも思います。  三つ目は、株式交付の制度となります。  現行法において、対象会社を完全子会社にしたい場合の制度としては株式交換制度があります。もっとも、対象会社を買収しようとするものの、対象会社を完全子会社化と、子会社とすることまでは望んでいないという場合もあります。  改正法案では、株式交付という買収の手法を新たな組織再編行為として新設しようとしています。株式交付とは、買収会社が対象会社を子会社とするために、対象会社の株式を譲り受け、その株式の譲渡人に対して対価として買収会社の株式を交付するという、そういう制度となります。  この方法を現行法の下で行う場合、買収会社が対象会社の株式を現物出資財産として買収会社の株式を発行しなければならず、そういった場合には検査役の調査が必要となるといったために、手続的な時間が要するという問題点があるという指摘がされております。  そこで、言わば部分的に株式交換制度を導入するといった位置付けで、株式交換制度に倣い株式交付制度を導入している、こんなふうに考えられるのではないかと思います。  もっとも、株式交換制度は、持ち株会社の創設、つまりは結合企業を形成する手法として導入されたものですが、株式交付制度はそういった理念に基づくものというわけではないのではないかとも思います。対象会社の株式を現物出資財産とする規制を避けるために、株式交換制度になぞらえた制度としたものではないかとも考えられます。  現物出資規制は資本充実規制の一環として重要な役割を果たすものであり、出資財産の評価というところが問題となります。その厳格な規制を回避する手法として株式交付制度が導入されるということであるとすれば、妥当ではないのではないかとも思います。また、改正法案が実現された場合であったとしても、この現物出資規制の適用範囲といったところ、そういったところをやはり理論上明確にするということが求められるのではないかなというふうに考えているところです。  その他にも多数の改正事項というのがありますけれども、時間の関係がありますので、私の意見は以上となります。御清聴ありがとうございました。
  215. 竹谷とし子

    ○委員長(竹谷とし子君) ありがとうございました。  次に、木村参考人にお願いいたします。木村参考人。
  216. 木村結

    ○参考人(木村結君) 御紹介いただきました木村結と申します。本日は、参考人としてお招きいただき、ありがとうございます。  私が所属しております脱原発・東電株主運動について、少し御紹介をさせていただきます。  一九八六年にチェルノブイリ原発事故が起こり、八千キロも離れた日本でも、農作物が三百七十ベクレルという高い基準値を超えました。その三年後、昭和天皇が亡くなったニュースに隠れて報じられたのが、福島第二原発三号機の大事故でした。回転板が脱落して警報器が鳴り響いても運転員は原発を止めず、大惨事になる直前でした。  子育て中の私は、情報公開を東京電力に求めましたが、東電は全く応じてくれませんでした。そこで、友人たちに声を掛けて東電の株を買い、株主総会で情報公開を求めることを思い立ちました。当時、東電株は単位株で百株で五十九万円もしておりましたので、私は借金をして百株購入いたしました。一九九一年には、二百四十九人、三万七千三百株集まり、株主提案権も行使できるようになり、その後、二十九年間連続して提案しております。原発を有するほかの八つの電力会社でも同様の株主運動があり、活動し、交流を図っております。  二〇一一年の福島第一原発事故直後の東電株主総会には九千三百人もの株主が総会に参加、用意された六つの会場から人があふれました。口々に、国民の代表として参加した、株主として黙ってはいられないとの怒りの声が充満していました。  大企業、特に国民の生活、安全に大きな影響を与える医薬品や原発などを扱う企業は社会的責任も大きいと考えています。その企業経営を監視する株主としての役割も私たちは大きく担っているんだと思って活動しております。もちろん、全て自前の費用で活動しており、この活動に関してどこからも報酬をいただいておりません。私自身、一般企業で働きながらこの活動を続けてまいりました。  午前中も実は今日傍聴させていただきましたが、会社は社会の公器であるという言葉を何人もの委員の方々から御紹介がございました。その都度、私は、私たちも本当に同じように思って提案をしているのだということを今日もお話しできるというふうに思っております。詳しいことは後ほどお話しいたします。  先日、衆議院の法務委員会において、私たちの主張を尊重していただき修正案が出され、全会一致で可決していただきました。このことにはとても感謝をしております。しかし、この会社法の一部を改正する法律案にはまだまだ多くの問題点がございますので、指摘させていただきます。  まず一つ目は、三百五条の四項です。本条項は、株主が同一の株主総会で提案することができる議案の数を制限するものですが、このような改正の必要性を根拠付ける立法事実はないと思われます。過去三年間を、商事法務という雑誌で資料編で調べましたが、三千五百社ある株式会社の中で株主提案が行われたものは、二〇一七年五十二社、二〇一八年五十八社、二〇一九年で六十五社と、微増はしておりますがたった二%未満です。一人で十件を超えての提案は三年間でたった七件、七社のみです。株主提案の数を制限する理由は見当たりません。  会社全体で最も提案数が多い関西電力においての事例を述べてみたいと思います。  二〇一九年、脱原発へ!関電株主行動の会が八件、京都市が五件、大阪市が八件、うち京都市との共同提案が四件、他団体が四件、合計の二十一件でございました。この京都市も大阪市も御存じのように脱原発提案でございます。しかし、共同提案をするなど、大阪と京都はですね、共同提案をするなど配慮がなされており、ほかの団体も節度を持った提案数を維持しています。  いたずらに多くの提案をしたのは、株主提案権が成立してから三十九年間でたった一件、百件を超えたものは一件ですね、二〇一二年の野村ホールディングスしかありません。午前中には小出さんが、課長ですか、が二件ほど六十件を超えた事例を述べていらっしゃいましたが、その中でも、六十件を超えても、会社がそれを提案として受理するのはその中の十件とか数件にとどまっております。  更に付け加えると、関電においてもほかの電力会社でも、株主の発言は三分に制限されております。株主総会に要した時間は、最長の関電の三時間四十七分、これは二〇一九年のデータです。ほかでも、三時間を超えるものは、三年間で二〇一七年の東電の三時間四分のみでございます。いたずらに長引かせるとか、そういうことはほとんどの株主提案ではありませんし、議論を、会社の方が発言を非常に制限をして株主総会を早く終わらせようというふうにしております。それが事実でございます。  以上のとおり、そもそも立法事実がなく、会社側の恣意的な判断が予想される本条項は、削除をしていただくよう願います。  二点目、三百十一条ですね、書面による議決権の行使に移ります。  株式会社は、議決権行使書の閲覧請求を拒否することができる例として、調査以外の目的で請求を行ったとき、請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、又は株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき、請求者が前項の電磁的記録に記載された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益をもって第三者に通報するため請求を行ったときとしていますが、上記に該当するようなことがこれまで起こったということを承知しておりませんし、具体的にどのような場面を想定されているのかも不明でございます。立法事実も存在しないのではないかと思われます。  私たち九団体は、株主提案をした後、各々の電力会社の本店にて議決権行使書の閲覧謄写請求をし、二日から数日掛けて手書きで書き写す作業をしています。時間が掛かるのはコピーが許されていないからです。そこには電力会社の社員が交代で見張り役に付きます。個人情報を開示しているのですから当然ですが、それが会社の業務の遂行を妨げていると判断されたら拒否できることになります。  さらに、ここにも株主の共同の利益という文言は残っており、少数株主が賛同者を募る行為が共同の利益を害すると判断されたら拒否できてしまいます。衆議院法務委員会での削除と平仄を合わせるべきだと思います。  知り得た事実を利益をもって第三者に通報とは、例えば、○○社は原発再稼働に賛成票を入れた会社だから不買運動しましょうと呼びかける行為は含まれてしまうのでしょうか。曖昧な表現がそこかしこにちりばめられており、会社が恣意的に解釈できる条文はふさわしくありませんし、具体的な事件を列記されないなら、立法事実がないと言わざるを得ません。  三つ目に、第二編第四章第一節の三款、三百二十五条の二から七まで、電子提供措置について申し上げます。  電子化は避けられない課題だとは思いますが、運用に当たっては、移行期間を五年間設けるなどの措置が必要と考えます。  条文では書面交付請求ができることになっており、はがきが送られ、そこにはメールアドレスが記載されているとの説明がありましたが、電力株で考えてみますと、昔から安定株で配当も良かったために資産として代々受け継がれている方が多く、所有者も御高齢の方が多いのが実情です。メールアドレスを打ち込み的確に返信できる方がどれほどおられるでしょうか。  十年前、株券の電子化に伴い証券保管振替機構、保振機構が設置され、株主提案権を行使するためには、それまでは提案株主になる合意書にサインと押印をすれば事足りましたが、十年前から証券会社に当該株を所有しているという証明をしてもらう必要があり、その手数料を一回につき三千二百四十円、今は三千三百円になりましたが、支払わなければならない証券会社もあり、今それは、手数料を取る会社は増加しています。  手続も煩雑で、国で決められた期間内、四週間で手続を終えなければいけませんが、その手続をスムーズにやってくれない証券会社も多々あります。そのため、二〇〇八年には四百九十六人、三十三万六千株の賛同があった東電株主運動の提案が、電子化に伴う手続を嫌って、二〇〇九年には二百八十三人、十七万四千八百株と半減しました。移行期間を設けていただくよう、切に望みます。  また、三百二十五条の五、一項では、電子提供事項について書面交付請求ができる旨の定めがあるものの、同三項では、株式会社は、電子提供措置事項のうち法務省令で定めるものの全部又は一部について、前項の規定により交付する書面に記載することを要しない旨を定款で定めることができるとしています。さらに、同四項では、書面交付請求をした株主の権利は一年で消滅し、書面交付を希望する株主は毎年その請求をしなければならないことになっております。これでは会社の事務負担の軽減ばかりが重視されており、インターネットの利用が困難な御高齢の株主等に対する配慮が十分になされているとは言えません。  現状をお話しすれば、株主提案とその説明は、一提案各四百字にまとめて株主招集通知に記載されます。株主の手元に届く書面でじっくり検討して、同封の議決権行使書に賛否を記入し投函するというこれまでの株主の権利が大きく阻害されることになりかねません。  四番目として、第四百三十の二及び四百三十の三です。補償契約及び役員等賠償責任保険契約について申し上げます。  役員等賠償責任保険契約については、国内外の優秀な取締役招聘のため、既に各社の取締役会で決定し、行われているとのことですが、そうであれば、会社法で改めて規定する必要がどこにあるのでしょうか。  企業の社会的責任を考えるとき、取締役には緊張感を持って執務に当たっていただきたいと思います。取締役が法令違反を理由に第三者から訴訟を提起された場合に、会社が取締役の裁判費用等を補償する契約を締結できるとされていますが、取締役に悪意があっても重過失があっても会社の資金でこのような裁判費用が補償されるというのは、優秀な人材を国内外から確保するためという目的から大きく逸脱しています。  悪意のある、重過失を犯すような人材に高給を支払い、その取締役が法令違反を犯した際に裁判費用等を補償することが会社の利益や発展につながるとはとても思えません。むしろ、悪意や重過失がある場合にまで補償を認めてしまうことは、違法行為に手を染めてでも目先の利益を上げようとする誘惑を誘うことになりかねません。取締役個人が自分で費用負担すべきものであります。  最後に。私が初めて東電の株主総会に出席した際は、東電の本店の二階で二百名ほどの会議室でした。総会屋とおぼしき人たちが居並び、ほかは下請や社員OBでした。質問の声はやじと怒号でかき消され、とても一流会社で行われていることとは思えませんでしたし、恐怖すら感じました。私たちが参加し、提案権を獲得してからは、日比谷公会堂で開催するようになりましたが、取締役が並ぶひな壇の前には警備会社の制服を着たガードマンが並び、株主から役員を守っていました。総会屋は幅を利かせていましたので、私たちもとても恐ろしく、株主提案席を特別に確保してもらい、身を守りました。  私たちが株主提案ができるようになったのは、一九八一年に商法が改正されたおかげでございます。その趣旨は、形骸化している株主総会を民主的に運営するため、株主が意見を発表し合い、ほかの株主や会社や取締役と相互に信頼関係を築くためでした。三千五百社で株主提案が行われているのはたった六十五社、二%に満たないのです。まだまだ改革の道半ばです。株主総会をもっと自由な議論で活性化することこそ政府がすべきことで、個人株主の権利を制限することではありません。  冒頭、株式会社は社会の公器であるという気持ちで提案していると申し上げましたが、今年の提案の一部は……
  217. 竹谷とし子

    ○委員長(竹谷とし子君) 木村参考人、お時間が過ぎておりますので、御意見をおまとめください。
  218. 木村結

    ○参考人(木村結君) はい、あともう少しで終わります。  今後の見どころ、聞きどころというチラシをお送りしてございますが、これは毎年株主総会で株主に配るものです。この中の第九号議案は女性登用の推進、十号議案は会議議事録の記録と管理及び開示……
  219. 竹谷とし子

    ○委員長(竹谷とし子君) 木村参考人。
  220. 木村結

    ○参考人(木村結君) そして、災害に強い地域分散型送配電システムの推進など、脱原発だけではなく、会社の社会的責任ということを訴えております。  長くなって失礼いたしました。以上でございます。
  221. 竹谷とし子

    ○委員長(竹谷とし子君) ありがとうございました。  以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。  これより参考人に対する質疑を行います。  なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。  質疑のある方は順次御発言願います。
  222. 山下雄平

    ○山下雄平君 自由民主党の山下雄平です。  今日は、参考人の先生方に、お忙しい中、参議院の法務委員会にお越しいただき、誠にありがとうございます。  持ち時間が非常に短いですので、私は、衆議院の審議の過程で削除されました株主提案権の制限の問題についての評価と、そして今後の対応について皆さん方に御意見をお伺いできればというふうに思っております。  衆議院の審議の過程で、株主提案の制限を設けた政府原案の規定では、民法の権利濫用の一般原理を超えた範囲まで制限が及んでしまうのではないかというような懸念が出されて、その条文が削除されるに至りました。午前の審議の中では、この修正の提案者である山尾志桜里議員の方から、現行法でもそうした問題については対処できるというふうな発言もございました。  この政府原案の条文を削除した場合でも、この元々の条文が想定しておりました、株主が専ら人の名誉を侵害し、人を侮辱し、困惑させ、又は自己若しくは第三者の不正な利益を図る目的で議案を提出するといった権利濫用の事案を排除、制限できるのか、現行法でもできるのかということについての御意見を、藤田参考人、そして大久保参考人にお伺いしたいと思いますし、また、木村参考人においては、今日は原発の件にしか御発言がなかったので、原発に限らずこうした権利濫用の株主提案というものがそもそもあり得るのかどうか、そうした事例があるのかどうかということについてお考えをお聞かせいただければと思います。
  223. 藤田友敬

    ○参考人(藤田友敬君) お答えさせていただきます。  まず、私、最初に申し上げましたとおり、会社法改正要綱に賛成しておりますので、三百四条の改正案の点も含めて賛成した立場としては、これが削除されたことについてもろ手を挙げて喜ぶということはできない、しかねるところではございます。  ただし、懸念も理解できますので、これが削除された場合、されるということにどうしても反対だと考えているわけではありません。ただ、その場合の問題は、削除した場合にはそれがどうなるのかという効果で、まさに御質問あった点は非常に重要なポイントだと思っております。  実は、三百四条について法制審議会で議論しておりましたときは、これがむしろ狭過ぎるのではないかという意見が多くの方から出されました。つまり、例えば、今言及されました三百四条二号ですけれども、専ら名誉を侵害しといった書き方になっております。もう主たる目的が名誉の侵害であっても、専らじゃないから制約できないんじゃないかといった疑念が提起されたことがございます。  ここまで厳格に絞ったもの、専ら名誉を侵害し、人を侮辱し、困惑させるような、こんなことが行われれば、まず間違いなく権利濫用として、つまり、この条文がなくても権利濫用として拒むことはできるし、また拒んだ場合、最後裁判に行ったときは、裁判所は、それは権利濫用だから仕方ないと認めてもらえるのではないかと思います。  三百四条は削除されたとしても、こういう条文が提案され、典型的な権利濫用としてこういうものが法制審議会で議論されたという記録は残りますので、裁判所は恐らくそのことも勘案すると思いますので、恐らく権利濫用としてこういったものを拒む余地は削除されても残ると思いますし、それが正当化されるということが多いのだと考えております。  以上であります。
  224. 大久保拓也

    ○参考人(大久保拓也君) 三百四条の提案につきまして、この規定が削除となっております。  もっとも、企業法実務研究会において検討したときには、どちらかといいますと、提案数の個数の方が問題ではないか、むしろ、こちらの濫用事例に対する歯止めというものは、このただし書以下の削除前の規定が導入されているのであれば、これで対応できるのではないか、こういったような考えで取り扱われていたところとなります。  ただし、判例では、専ら名誉を侵害しとか、そういったようなケースについては判例で権利濫用というのが認められるという、そういった判決が出ているということを考慮すれば、この規定が削除されてしまった場合だとしても、裁判所、判例の方では、濫用事例に当たるということについては、権利濫用としてその権利行使を認めないというふうな対応ができるのではないかというふうに思います。
  225. 木村結

    ○参考人(木村結君) 私は、権利濫用があったという事例は、野村ホールディングスですか、くらいしか知りませんし、そのときも、全てを株主提案として書面で出したわけでは、野村は出したわけではございませんし、午前中にもほかの委員が質問をして小出さんが答えていたように、会社の方で、これは人の名誉を傷つけるというふうなことで判断したり、それから提案にそぐわないということで却下し、今も拒否しているわけですので、新たな拒否をする項目を作る必要はないと考えています。
  226. 山下雄平

    ○山下雄平君 先ほど木村参考人から発言がありました、目的でおいて制限する事例というのはかなりレアではないかという話ではありましたけれども、藤田参考人、大久保参考人の御陳述では、提案数の、膨大な数の事例についての見解はお述べになられましたけれども、目的、内容においてのそうした事例が目をつむれるほど少ないのかどうかということについて、お二人のお考えをお聞かせください。
  227. 藤田友敬

    ○参考人(藤田友敬君) ありがとうございます。  私がこの内容の制限について申し上げなかったのは、これ削除されたと聞いたものですから、あえて意見は控えさせていただいたのですけれども。  数としてそうそうたくさんあるとは思いませんが、現にそういうことがあったときに権利濫用として拒めるということがはっきりするということは、会社がその提案を要領に、その提案をそのまま要領として株主に送付したりするか否かの判断においては非常に重要なことだと思いますので、立法事実はあると思います。数としてそれが非常に多いから問題だというよりは、そういうことがもし起きたときにはそういうよりどころが必要だという意味で重要だと思います。  数がどれだけあるかというのは実はよく分からないところがありまして、例えば提案してきたことの中に非常に問題のある発言がある場合に、会社が交渉して外してもらったり、あるいはもう一存で入れなかったりした。でも、その結果、後になって争われなければ、そんなことがあったことはどこにも表に出ないわけですね。  ですから、現実にそれが顕在化して騒がれた事例だけが世の中の全てだというふうに考えるべきではないというふうに思っております。
  228. 大久保拓也

    参考人(大久保拓也君) 実際にそれが訴訟に現れてきた事例というのが、出ている数では数としては多くないところだというふうには思いますけれども、実際に訴訟に至る前に株主総会でどれだけの議案を実際に受け付けていくのか、これは事前に弁護士、顧問弁護士等で調整をしたりしてから行くので、大量に扱われるのではないかというふうには思います。  そうしますと、実際にはこの濫用事例的な、内容上濫用の事例が実際顕在化されているのは余り多くはない、訴訟になっているのは多くないという、そういうことにはなるかと思いますけれども、実務の対応としては、事前に濫用となりそうなケースは、裁判例に出された濫用になった事例など、そういったものを踏まえて対応するということになれば、十分対応、訴訟に至る以前の対応ができるんじゃないかなというふうに思っています。
  229. 山下雄平

    ○山下雄平君 衆議院の議論、議事録を見させていただいたんですけれども、その中では、現行法の規定だけでは、会社側がこの権利濫用というふうに判断していいのかどうかという苦慮する場合があるというような御指摘があって、だからこそ会社法の中で、今回の規定は削除されたけれども、何らかの基準を設けるべきではないかというような議論もございました。  仮に今後、新たに会社法の中でこうした規定を、条文案を設けるとするならば、どういったところに留意すればいいでしょうか。その考えを、法律の専門家として、藤田先生、大久保先生にお聞かせいただければと思います。
  230. 藤田友敬

    参考人(藤田友敬君) 法律家の専門家として提案したのが現行の条文なものですから、それに代わる代替案を直ちに求められると大変苦しいのですけれども、とにかく会社が苦慮するというのは、要するに権利濫用という一般条項に頼らざるを得ないと、本当に伝家の宝刀を抜いていいんだろうかと迷わざるを得ないということにあると思います。今回の提案がメリットがあったとすれば、濫用のおそれがあったので否決されたものも、仮にメリットがあったとすれば、多少なりとも具体化され類型化されているために判断の材料はあるというところなんだと思います。  ですから、今後、仮に何か新しい提案を次回、次回以降の会社法改正で考えるとすれば、ここで濫用のおそれがあると言われたような文言について見直しつつ、やはり具体的な類型化をし、頼れるような、つまり、こういうケースだと安心して拒めるというふうなことがある程度予見可能なような条文を書いていく必要があります。基本はここで書かれている内容なんだと思います。ここで書かれているようなことが、本当にここで書かれているようなことをしたときに、全く問題がないというふうには恐らく多くの方は考えられないと思います。  問題なのは、これを会社側が拡張解釈し、濫用するような行動に出ないかという点であり、逆にそういったところに留意したような文言に注意すべきで、中身の実質それ自身は、こういった類型で基本はよいのだと思っております。
  231. 大久保拓也

    参考人(大久保拓也君) ここの三百四条の現行の規定でも、法令、定款に違反する場合といったものが記載されており、それから、さらにまだ、濫用的なケースというのが掲げられていたかと思います。  判例の文言などを考慮しながら実務的にその対応が求められる規定というのが今回の提案された条項なんだろうというふうに思われますけれども、今回、会社側で濫用的に株主提案を拒絶するという、そういうような懸念が出されるということからこの提案が削除につながったということだとしますと、そういった懸念が払拭できるような事例、そういったものが規定されればいいのではないかというふうに思います。
  232. 山下雄平

    ○山下雄平君 以上です。ありがとうございました。
  233. 有田芳生

    ○有田芳生君 立憲民主党の有田芳生です。  今日は、お三人の方、ありがとうございます。理論の分野、そして実務の分野、そして実際の現場からのお話、物すごく参考にさせていただきます。  最初に藤田参考人に社外取締役義務化の問題についてお聞きをして、その同じ質問を大久保参考人にお聞きをしたいというふうに思っております。  午前中の審議の中でも、社外取締役義務化について、なぜ必要なのか、そういうふさわしい人というのは一体誰なのか、そういう制度を取り入れれば本当に信頼性を高めることができるのかといったような議論がありましたけれども、藤田参考人が、法制審の会社法制部会における発言読ませていただいておりまして、最初の方は、平成三十年五月九日、かなり強く消極論を申し上げてきておりましてと、それが平成三十年八月一日、約三か月後になりますと、義務付けは私はやはりすべきではないと思っていますと、反対だと明確に語っていらっしゃったんですけれども、今日の御説明の一番最初に、この全体の改正案については賛成だという表現をされておりましたけれども、この反対だということと、社外取締役義務化についてですけれども、それと全体として賛成になられた関係について具体的にお話しください。
  234. 藤田友敬

    参考人(藤田友敬君) お答えさせていただきます。  審議会の議事録まで丁寧に読んでいただき、大変ありがとうございます。  私が慎重論を繰り返し申し上げたのは、社外取締役が企業価値に貢献するのか否かという点については実証研究がまだ分かれております。アメリカなどでも相当研究はあるんですが、決定的な答えが出ておりません。また、日本でも、社外取締役が導入が進んだ、急激に進んだのはごく最近のことであります。したがって、もう少しその効果実証研究などで見極めるのを待ってからでも義務化は遅くないのではないかという、そういう観点から慎重論をかなり強く申し上げました。  しかし、多くの、とりわけ市場関係者を含む多くの方々から、日本の市場に対する海外からの信頼を確保するためには、必ず社外取締役が入っているという状況、しかもそれがハードローによって動かせない、もう簡単には元に戻らないという形で宣言されていることが是非とも必要であると強く言われました。  私は、やはり疑念は維持はしていたのですが、ただ、現在は、社外取締役が一人も入っていない上場会社というのはほとんどございません。その限りでは、まあ信念としては、今の言った、まだ検討の余地はあるとは思っておりますが、多くの企業に非常に大きな負担を掛けたり、それによって非常にだから新たな負担が増えるわけでもないとすれば、多くの方が、多くの委員が必要だ、日本の資本市場の信頼のために必要だと強く信じておられる制度に絶対反対という立場までは取らないという、そういう形でその点については折れて、全体として賛成するという立場を取らせていただきました。  以上であります。
  235. 大久保拓也

    参考人(大久保拓也君) 社外取締役の導入の義務付け、現行法ですと、社外取締役を設置するか、設置しない場合には置くことが相当でない理由を挙げるという、そういう規制になっていますけれども、その導入から今四年ほどたちましたので、今現在、上場会社についてはコーポレートガバナンス・コードの遵守というものが求められてきていますので、一名の社外取締役が導入されるということを超えまして、もう既に複数名の社外取締役、中には独立社外取締役と独立取締役といったものも導入されている事例が増えているのではないかと思います。  昨今の、企業の不祥事が続いているという、そういった状況も考えてみますと、日本では、終身雇用制の下に、その企業の中から出世してきて取締役になると、こういった者が多いかと思いますけれども、その引き上げてきた社長たちに対して十分な発言、意見を述べることができる者といいますと、やはり社内の取締役では十分ではないところがあるのではないか、社外の取締役を一定数導入するということは必要性があるのではないかというふうに思います。その観点でいきますと、社外取締役の設置の義務付けというところは賛成することができる事項ではないかというふうに思います。  中小会社までとなりますと、これは非常に対象が広くなりますけれども、現在提案されている会社となりますと、大規模な会社ということが想定されているということになりますので、そこであれば、この社外取締役の導入を求めるべきではないかと思います。  もっとも、ソフトローの規制で元々この社外取締役とか独立取締役の導入を求めてきたという、こういった経緯がありますので、社外取締役を導入するとした場合に、一人でいいのか、複数なり過半数なり半数なりその人数を増やすべきなのかと、こういうところになりますと、この点は、社外取締役をどの程度導入すればどのぐらいの効果、不祥事に対する対応がなされるのか、その点は慎重に見極める必要性がやはりあるのではないかというふうに思います。  むしろ、上場企業であればその点は上場規制に任せて、社外取締役一名の導入というところは認められるということになったとしても、更に独立社外取締役などの導入をしていこうとすると、それを超えていく部分は上場規制などに任せていくということでもよろしいのではないかと思います。  また、この社外取締役を導入した場合の、どのような人材を確保するのか、これは非常に難しいところになろうかと思います。現在、まだ、この社外取締役の導入が進められてきてはいますけれども、諸外国のように社外取締役にふさわしい人材をどの程度確保するのか、この点はまだまだ難しいところがあろうかと思います。  現行の上場会社も、適正な、適任なこの社外取締役の導入を、人選というのを苦慮しておられるかと思いますけれども、社外取締役として適正な要件とかどのような人物が必要なのか、そういったところを会社、導入企業側でも明示して、それで導入を進めていくということ、人材の確保ということはまだこれからの課題ということになるのではないかなと、そのように考えております。
  236. 有田芳生

    ○有田芳生君 藤田参考人、そのとおりだなというお顔で今御意見をお聞きになっているのかなというふうに思いましたけれども。  社外取締役についてもう一点だけ教えていただきたいんですけれども、日本においての実証性についてはこれからやってみなければ分からないということだと思うんですけれども、例えばヨーロッパなどでは、うまくいっているという評価があるからこういう方向に行っているんだと理解するんですけれども、そこら辺、日本とヨーロッパ、あるいはアメリカなどとの、これからやってみないと分からないということと、いや、こうやればうまくいけるんだという、そういうモデルパターンみたいなものは何かあるんでしょうか。
  237. 藤田友敬

    参考人(藤田友敬君) 非常に難しい御質問です。なぜかといいますと、社外取締役が機能するか否かというのは、単純に社外取締役の数とか存否だけで決まるのではなくて、その社外取締役が導入された取締役会の在り方など様々な条件がありますので、諸外国で効いたことが直ちに効くとは限らない、そういうこともあるので、日本の実証は日本の実証、そして必ず必要なのだと思います。  また、諸外国研究も実はいろいろ研究結果が分かれておりまして、そうそう明確に、ヨーロッパだと必ずいい結果が出ているというほど単純ではないのではないかと思っております。  社外取締役効果研究というのは、ある時期までは、入れると会社が良くなるのかといった研究、あるいは何人入れれば、つまり、増えれば増えるほど企業価値は上がるのかといった研究をしていたんですが、むしろ最近の研究のトレンドは、どういうタイプの会社だと入れると効果があるのかとか、あるいは適正な人数というのがあるのではないかとか、そして、適正な人数というのは会社の種類によってどう違うのだろうかとか、そういった形で、そもそも入れることの良しあしといった形の研究ではないような実証研究も増えてきていると思っております。  そうなってくると、ますます実証研究の中身は、リッチにはなるんですけど複雑になって、単純なメッセージは引き出せないというふうに思っておりますので、いずれにせよ、日本固有のものを今言ったような新たな視点から検討し直す必要があるというふうに考えております。
  238. 有田芳生

    ○有田芳生君 次に、大久保参考人、そして木村参考人にお聞きをしたいんですけれども、株主提案権の議案数の制限についてですけれども、先ほどからお話にありますように、目的などについての制限については修正削除がなされた。これは大久保参考人研究会ですか、企業法実務研究会、ここでは余り議論にはならなかったというお話でしたけれども、そうはいっても議論の中には出てきたと推測されますので、どんな意見が出たのかということをまずお聞きをしたいのと、そして、これは木村参考人に特にお聞きをしたいんですが、現場にいらして、例えば先ほどのお話の中で株主の発言は三分だということがありましたけれども、三分質問をして、それに答弁があってそれで終わってしまうのか、ちょっと現場の雰囲気を教えていただきたいのと、特に木村参考人には、この改正が行われた場合、先ほどもお話出てきましたけれども、総会屋にとってどう見えているのか、その総会屋の立場に立ってこの改正はどうなのかという質問を最後にしたいというふうに思います。
  239. 大久保拓也

    参考人(大久保拓也君) ありがとうございました。お答えしたいと思います。  株主提案権に関する議論につきまして、研究会ではどちらかというと、研究会の時間の制約というのもありますけれども、研究会の中で特に集中して議論したのがむしろ個数の方で、十とか幾つかの数が出たんですが、では、それが十だとどうして適正なのか、その辺りは明らかじゃないんじゃないか、百だとさすがに問題があるのではないかと、そういったことがありましたので、むしろこの点で個数の制約というものを置く必要性はないのではないか、このような形で議論されてきたところです。  むしろ、濫用の防止といった規制の提案がされていましたので、それが導入されるということならば、個数でその削除といいますか提案を拒絶する必要性はないのではないかと、こういう提案、こういう検討をしてまいりました。
  240. 木村結

    参考人(木村結君) ありがとうございます。  先ほどの三分のことでございますが、私たちは七つとか八つとか提案をいたしますね。そのときも、それからあと議場、株主総会の中での質問も手を挙げて一人三分までというふうに決まっていまして、東京電力は非常に、嫌らしいという表現しかないんですが、画面の右端に三分からどんどんカウントしていくんですね。それで、もう時間が来ましたということで発言を完全にすぐに切ります。場内の株主の権利としては一回三分しか発言できませんし、私たちは提案株主として趣旨説明の補足説明をするわけですけれども、そのときも三分しか話してはいけないと。  東京電力の取締役は、私たちの質問とか提案とかに関しては、同じ、余り内容のない、具体的な数字を言わないで五分も十分もしゃべるということが行われておりまして、三分というのはもうほとんどの会社で、電力会社ですけれども、株主提案をしているところでは三分という制限が、発言時間の制限がございます。  それともう一つ、その総会屋になってということなんですが、私たちが入った頃は、その総会屋の人たち、おぼしき人たちが大勢いらっしゃいました。取締役が出てくるとやんやの喝采を浴びせたり、発言よしとかよくできたとか、もうそういうよいしょの発言をしていました。  その総会屋はもう私たちが入ってから数年でいなくなりましたけれども、今また新たなちょっと問題がございまして、在日特権という、そういうグループがありまして、そういうグループが、株主総会の中にも、もちろん株主、株を買って入ってはきていますけれども、外でも中でも、私たち株主提案をする脱原発の人たちをディスる発言を、不規則発言をしております。発言も、挙手をして発言を許されたときには、私たちのことを非常にもう過激派であるとか、三十年続けているんですけれども、ですから、ほかの株主は、私たちがどういう提案をいつも粛々と静かにやっているかということは分かってくださっているんですが、その総会屋、新手の総会屋のような人たちが入って、総会を、何というのかしら、脱原発の人たちをディスる場というふうにしている現状は東京電力の中にはあります。ほかの株主総会では余りそういう例はないというふうに聞いております。  以上です。
  241. 有田芳生

    ○有田芳生君 ありがとうございました。
  242. 矢倉克夫

    矢倉克夫君 公明党矢倉克夫です。  三人の参考人の先生方、貴重な御意見を本当にありがとうございます。  私からは、まず、木村参考人にお伺いをしたいと思います。  今後の、後ほども、会社は誰のためのものかということも議論をする、それとも絡むんですけど、やはり声を上げる株主の存在というのは非常に大きいなと思っております。  その上で、他方、先ほど山下委員からもお話があった質問の中で、濫用と言われるものもあり得る、その前提で野村ホールディングスの話を挙げられたわけですけど、木村参考人のお立場から、濫用か濫用でないかというこの基準というか、どういうところが一番大きな区分けになるのか、御意見ありましたら教えていただければと思います。
  243. 木村結

    参考人(木村結君) 先ほどの野村のことはニュースにもなりましたので、しかも、トイレは全て和式にしろとか会社の名前を野菜ホールディングスにしろとか、荒唐無稽な提案が非常にセンセーショナルなニュースになっていました。それを見たときに、こういうことをする人というのはいるんだなと、それはどこの世の中にも、ここの場は、選ばれた議員さんは皆さん選挙によって選ばれておりますので、そういう荒唐無稽な方はいらっしゃらないと思いますけれども、世の中は、会社でも地域社会の中でも、やはり荒唐無稽な方というか、脚光を浴びたいとか、何かパフォーマンスをして騒がせたいとか騒ぎたいとかという方はやっぱり一定程度いらっしゃると思うんですね。  ですから、その一定程度、ほんの一握りの人を排除するために一般の人までも排除するという、法律で縛るというのはやはりやってほしくないなというふうに思います。そんな不自由さは、私は市民として嫌だなというふうに思っております。
  244. 矢倉克夫

    ○矢倉克夫君 ありがとうございます。  一定程度の人は、確かに会社のためと言いながら全く会社のことを考えていない、そういうような人も存在する、そこをどう排除するかという話なんですけど。  藤田参考人にお伺いしたいと思います。  ちょっと大久保参考人にお伺いしたかったんですが、大久保参考人の話の中で、やっぱり株主との対話の必要性という言葉があり、ちょっとその詳細をお伺いするお時間ないので、ただ、非常に重要な視点だなと。株主がどのような意思で、濫用的な、会社のことを考えていないかどうかということを、経営陣ともちゃんと対話をして、やり取りをした上で意思疎通していくという過程はやはり重要かなと思っておりまして、他方で、これは私の意見でもあるんですけど、それぞれが意思疎通していく中で、やっぱり議論を着地させるためのルールというものも当然必要で、私は、今回の議案の提案の数というものは、一つは、そのルールの一つとしては合理性はあるんじゃないかなという理解でおります。  その上で、ただ、お互いがそのルールを濫用し合うようなことがないように、例えば議案の数え方であったりだとか議論の仕方であるとか、そういうことが双方の公平な立場で、透明性があるルールの下でどれをどうやって議案としてまとめるかとか、そういうことが明確にルール化されることも、また今後、より一層重要だというふうに思うんですが、その辺りについて、今回の法改正と、また今の会社法全体の体系の中でそういうところが担保されているか、藤田参考人から御意見いただければと思います。
  245. 藤田友敬

    ○参考人(藤田友敬君) お答えさせていただきます。  まず、今回の提案数の制限についての位置付けは、まさに議員のおっしゃったとおりのものと理解し、設定されたルール、そのルールの下で、例えば十と定められた中で、十も提案できるとかなりのことは合理的な提案であればできると思われますので、その中で出すように工夫する。会社側も、出されてきたものをいたずらに細かく分けて提案数を増やすような読み方をして拒絶するなどということをしない、そういったことがもちろん一番重要なことだと思います。  そこから先、法律として何ができるかというのがかなり難しいところで、議案の数え方というのは法制審の過程でもいろいろ議論したのですけれども、確立した考え方がないためになかなかうまく条文化できないというところがございました。  一つ今回入れたのは、定款変更議案という形を取れば、何でも詰め込んで、そこで実質的には何十という事項を一つの議案であるかのように提出する、それをされてしまいますと、この十という上限、全く意味がなくなってしまうので、それについては会社側が適宜内容ごとに分けていい、しかし、株主として一つと必ず言えるようなカテゴリーをつくって、それによって会社側の余りにも乱暴な切り分けは阻止しようという形で若干の条文は作られましたが、これがされているのは、今、今回の改正に書かれていますのは定款変更議案についてだけであります。それ以外については、率直に申しまして技術的に書き切ることができないということで、議案の数え方、これ以上細かく切ってはいけないといったことについては書き切れておりません。ここは健全な実務の運用と裁判所によるコントロールに任せざるを得ないところがあります。  ただ、これは、現行法において議案の数え方や議案の立て方についてのルールそのものが明確な形で存在していなかったこと、そのことは、なぜそうなのかというと、そもそも議案の制限、数の制限といったことがこれまで明示的に法律上取り上げていなかったことからそういう実務が確立してこなかったことで、現段階ではやむを得ないのかなというふうに思っております。  以上であります。
  246. 矢倉克夫

    ○矢倉克夫君 今回、数が制限されるという案が今出ている、これは議案の数が法的に意味が出てくるということでもありますから、そういう意義をしっかり理解した上で、先ほど藤田先生が冒頭おっしゃった、会社法の世界だけじゃなくていろんな文脈も全部含めてそれを、今回の意味合いがしっかりとコーポレートガバナンスの向上に向けていくように議論していくということは、これ重要であるなというふうに今改めて理解をさせていただきました。  もう一つ、じゃ、藤田先生にお伺いしたいんですが、株式交付、ちょっと今日は、藤田先生、株式交付のことはおっしゃっていなかったんですけど、一つだけ、これもまた大久保参考人の御意見の中で、株式交付が株式交換制度として導入すべきというような問題提起も一つあったわけであります。今回は組織再編の中で株式交付も入っているわけですけど、強制的にやる組織再編とはまた別に、任意の動きとしての株式交付、これはまた、現物出資とかそういう方面でも議論するべき話だったんじゃないかというような意見もあるかと思いますけど、最終的には組織再編の中の一つとして株式交付入っているんですが、この辺りの経緯等、もし議論の中でありましたら教えていただければ。
  247. 藤田友敬

    ○参考人(藤田友敬君) 確かにこれ、現物出資の特則という形で制度をつくることが不可能ではないかと思います。ただ、現物出資の特則という形でつくってしまいますと、なぜそんな特則を特定の文脈で設けるのか、世の中でそんなことが行われる必要があるからという以外の説明ができるのかといった、そんな疑問が出てこないとも限りません。  それに対して、組織再編の方から出発すると、株主間、親会社の株主間の利害調整は、親会社となるべき会社の株主間の利害調整は組織再編並みに特別多数決という形で行う、子会社となるような会社の側は株主が自発的に株式を差し出すという形で、やや不完全な形の組織再編になぞらえてつくるという形であれば、比較的現行法の枠の中で、大きな論理的な飛躍がないまま導入できると考えられたのが基本的な発想なのではないかと思います。  ただし、その結果、逆に制約が生じてしまったところも否めないところでして、例えば外国会社を対象とする形ではこの制度は使えなくなってしまいました。現物出資の特則としてつくったならそういった形の使い方もあるいは可能だったかもしれないので、そういう意味では長短あるんですけれども、現行法の枠内で、現行法の価値判断を尊重しながら無理なくつくれる形としてこういう形の制度が提案されたんだと理解しております。
  248. 矢倉克夫

    ○矢倉克夫君 ありがとうございます。  いろいろな判断の下でということで、今、よく分かりました。外国会社との関係も含めて。  最後、ちょっとお時間の関係で、お伺いしたいのは、これは木村参考人と大久保参考人、で、お時間あれば藤田参考人という形になると思うんですが。  いろいろ今までも議論があり、この会社法の改正の本源的な問題かもしれないですけど、会社はやっぱり誰のためにあるのかというところである。いろんな意見はあると思うんですが、少なくとも投機的な、短期的利益しか考えていないような株主利益だけが追求されると会社というものは持続可能がなくなって、多くの人が、また、とりわけ濫用的な株主の意見だけが反映されるようになってしまうと、会社というものの存立自体がおかしくなるということは確かだと思っておりますし、従業員だったり債権者だったり、いろんなステークホルダーのためにあるという会社の取組をしっかりつくっていくことが重要であるかなというふうに思っております。  他方で、会社の所有者は株主というこの理論の上にそれを実現するためには、やっぱり株主自体の投資活動が、株主以外の利益も含めたステークホルダーの向上こそが企業価値の向上だという、そこで、企業価値という概念の下で株主とそれ以外の利益が一致する感覚が必要だというふうに思うんですが、株主の活動をそういう形で、株主以外の利益も含め、社会的な存在としての会社の社会的な役割を発揮して果たすことが企業価値も高めることになるというふうに向けていくにはどうすればいいか、ちょっと大きな話で恐縮ですけど、木村参考人と大久保参考人の御意見をいただければというふうに思います。
  249. 木村結

    ○参考人(木村結君) ありがとうございます。  まさしく私たちが三十年前に、脱原発ということを掲げてはおりますけれども、やろうとしたことというのはそういうことだというふうに私は理解しているんですね。今は本当に投機的な会社も株主も増えて、先ほどの話でも、その三割がもう外国の投資家が株を持っているというような日本の状況もあって、とても私はその辺も憂慮しております。  やはり、会社というのは、株式会社三千五百社というと、大企業もあり中小企業もあり、非常にやっぱりそれぞれ状況が全く異なりますので非常に難しいとは思いますけれども、やはり私が考える会社というのは株主のものというふうには言い切れないと思っているんですね。やはり、従業員のものであり、その家族のものであり、それから社会全体のものであり、地域社会のものでありという、やっぱり複合的にみんなで支えていって、みんなでやはり繁栄とか、それから社会の中で育ててその利益をみんなで分配するというものが本来の私は会社の姿ではないかなというふうに思っておりますので、やはり会社が正しく動くために、会社が正しくもうけるためには、株主の力も、それから従業員の力も必要だと思っていますので、ただ単に株主の権利だけを私たちは追求して、配当金をたくさんよこせとか、そういう活動をしてはいないです。常に、個別の、取締役の個別報酬の開示であるとかそういうものを出して、もっと本当に社会に開かれたものを、会社を目指すという活動をしております。  以上です。
  250. 大久保拓也

    ○参考人(大久保拓也君) ありがとうございます。  会社は誰のためのものかと、非常に大きなテーマですけれども、基本的には株主の、株主が会社の所有者だと、こういう位置付けになろうかと思います。特に破綻時、会社が破綻したときにどう再生するかとか、そういった意思決定を行うときに、ステークホルダーの利害関係よりも、やはり株主が、この会社の解散等をするのか再生するのか、そういったところを判断するときに関わってくるのではないか。そうであるとすると、やはり株主の利益というのが重要かと思います。  ただ、健全に会社が機能しているときを考慮しますと、経営者にこの社外、ステークホルダーを含めた利害関係に対して業務運営で目を向けるような取組を促すとか、そういったところはできるのではないかというふうには思っています。
  251. 藤田友敬

    ○参考人(藤田友敬君) じゃ、できるだけ手短に私の意見も申し上げさせていただきます。  まず、会社は誰のものかという議論というのは非常に答えにくい議論です。なぜかというと、ものであるの意味がよく分からないからです。ものであるというのはいかなることを念頭に置いているかというのは実はよく分からないところで、取締役の行動規範を問題にしているのか、それとも最終的な意思決定者を問題にしているのか、その辺りがどうもよく分からないからですが、ただ、一般論として申しますと、やっぱり究極の目標は社会の、社会厚生の最大化、社会全体の富の向上なんだと思います。  ただ、そのために、会社法のレベルで何を規範として、とりわけ役員、取締役に、経営者に要求するかとなるとなかなか難しい問題です。じゃ、社会の富の最大化が問題なんだから、ありとあらゆるステークホルダーの利益を最大化させるという規範を取締役に課すべきかと言われますと、非常に問題なのは、そういう非常に広い役割を課してしまいますと、余りにも広い裁量を経営者に与え、結局は無責任、結局は自分の利益を図るようなことを正当化しかねないというリスクがあるからです。  そこで、伝統的な会社法学は、あくまで取締役の行為規範というのは株主利益最大化、ここで言う株主利益とは、御指摘のあったとおり、短期的なものではなくて長期的な持続可能な株主利益ですけれども、それを最大化する。しかし、それ以外のステークホルダーの利益は、外からの外在的な制約で保護する。債権者の方は、もう会社法の中でもある程度保護していますけれども、労働者の利益、環境の配慮、そういったものは、外からの制約、これはハードローに限らずソフトローも含めてだと思いますが、そういったもので保護する、そういう言わば条件付……
  252. 竹谷とし子

    ○委員長(竹谷とし子君) 藤田参考人。
  253. 藤田友敬

    ○参考人(藤田友敬君) あっ、すぐ終わります。条件付最大化という枠組みは従来取られていた発想だと思いますし、基本的には、私も現段階ではそういう枠組みの下であるべき制度を探求するべきではないかと考えております。
  254. 矢倉克夫

    ○矢倉克夫君 ありがとうございます。  株主がそういうふうな活動をするように……
  255. 竹谷とし子

    ○委員長(竹谷とし子君) 矢倉克夫君、お時間が過ぎております。
  256. 矢倉克夫

    ○矢倉克夫君 インセンティブを与えるのが政策の役割だなと思いました。  ありがとうございました。以上です。
  257. 柴田巧

    ○柴田巧君 日本維新の会の柴田巧です。  今日は、お忙しい中、この参考人質疑にお越しをいただきましてありがとうございます。私からも感謝を申し上げたいと思います。また、それぞれに大変示唆に富む、また貴重な御意見を頂戴をしまして有り難く思っております。これからの法案審議にまた是非生かさせていただきたいと思っているところです。  そこで、私も、質問者も四人目になってきましたので重なる部分もあろうかと思いますし、既にもう言及されている部分もあるかもしれませんが、御容赦いただいて、幾つかお聞きをしていきたいと思います。  まず、藤田参考人に何点かお聞きをしたいと思います。御見解を教えていただければと思いますが、今般の改正で、先ほどからもお話がありますように、取締役の報酬のオープンになってきたというところは確かにあるわけですけれども、しかし、当初この法制審議会で検討されていた取締役個々の報酬額の開示は見送られたということになりました。  世界的には、欧米諸国を中心に、上位何位というか、かなりの方までオープンにしている状況ですし、いわゆる金商法では、年間総額一億円以上の取締役はもう公開するというか、そういうことにもう既に国内でもなっているわけでありますが、やはり今回の改正においても、この取締役の個々の報酬額の開示というのはあってしかるべきではなかったかと思うんですが、その点まずどのようにお考えか、お聞きをしたいと思います。
  258. 藤田友敬

    ○参考人(藤田友敬君) どうもありがとうございました。  これ、実は私が最初に申し上げました点と関わるところで、金商法と会社法の役割分担の問題でございます。  私も、今言われた意見に共感する面は少なくないのでございますが、もしそれを求めるのであれば、恐らく金商法の開示の方を厳格化していくというルートで透明性を高めていく方が望ましく、会社法で設けるとすれば、決定プロセスの合理化、透明化、そういった方に重点を置くべきではないかと思います。何を決めるか、何のために決めるのか、どんな方針で報酬を与えるのかといったところをむしろ会社法では扱った方が役割分担としてはよろしいのではないかと思い、そういう意味で改正法案に賛成しております。
  259. 柴田巧

    ○柴田巧君 ありがとうございます。  今のこの取締役の報酬の開示の在り方も含め、今般いろいろな改正は行われたわけですが、どうしても日本の株式市場は欧米始め世界の投資家が参加をしてくるわけですし、この会社法とか関連規則の要求水準は、どうしても欧米の、他の国とどうしても比較をされるということになります。  そういう意味では、一歩水準的にも上がってきたというところは言えるのかもしれませんが、まだまだいわゆる他の国の、欧米のレベルとはまだ達していないところがあるのではないかという気はしますけれども、この点どういうふうに藤田参考人はお考えになっているか、お聞かせをいただければと思います。
  260. 藤田友敬

    ○参考人(藤田友敬君) 外国の投資家の期待に沿っていないような面、とりわけ会社が株主の利益、長期的な意味での利益ですけれども、それを図るために本当に行動しているのかという点についての疑念、また説明責任の果たし方、そういったものについてはまだまだ改善の余地はあるのではないかとは思っております。  難しいのは、そのうちどこまでを会社法というハードローで扱うのか、どこまでをソフトローに委ねるのか、あるいはもうソフトローにも委ねずに各会社の自主的な判断に委ねるのかというところで、どちらかというと今回の改正はハードローで扱えるところしか扱っていませんが、改善すべき点が、資本市場の透明性あるいは外国人投資家から見た信頼性を高める上で全くないというわけではない。  とりわけ、株主のための利益を図っているという説明責任の果たし方については、私はいろいろ考える余地はあると思っております。
  261. 柴田巧

    ○柴田巧君 ありがとうございます。  そうすると、これ、例えば海外から見た場合に、今回のこの会社法の改正とかというのは重なる部分が今あるかもしれませんが、どういうふうに見られると参考人はお考えになっていらっしゃるでしょうか。
  262. 藤田友敬

    ○参考人(藤田友敬君) 少なくともマイナスに捉えられることはないとは思います。  これで足りるかどうかについては、それは、実はこの改正のみならず、その他のソフトローの状況などを総合して判断しなくてはならないので、そこまで評価した、総合評価としてどういう点数がいただけるかというのはまた別途考察しなきゃいけないのですが、少なくとも、今回の改正をやらないよりもやった方がいいという評価になることだけは間違いないと思っております。
  263. 柴田巧

    ○柴田巧君 ありがとうございます。  あともう一つ、もしかしたら先ほどお触れになったかもしれませんが、社外取締役の、いろいろ参考人は御意見があったということではありますが、こうやって義務化されてやはり一つ大きな問題は、本当にいい社外取締役が確保できるかということになってくると思いますが、先ほどからも一部話は出ていますが、具体的に、やっぱりどうこれからの日本の社外取締役を確保、育成するというか、質を上げていくという場合に何が一番これから大事だというふうにお考えになっているでしょうか。
  264. 藤田友敬

    ○参考人(藤田友敬君) まず、社外取締役を、言われたから嫌々入れるなどということではなくて、会社の方で積極的にどういう役割を果たしてもらう人として評価し、どういうことをやらせるかについて明確なビジョンを持った上で選ぶ、それをすることが大事だと思っております。  その場合、求める能力はいろんなものがあっていいと思います。社外取締役に一律の要件、資質というのはなくて、ある社外取締役は専門的な特殊な知見のアドバイスを求める、ある取締役はとにかく経営陣から距離を置いて監督機能を果たすためのことを期待して選ぶ、いろいろなことがあっていいと思うんですけれども、とにかくそこをはっきりさせて選ぶ。そうすると、おのずと求める人の資質などがはっきりしてきて、またそういう人の人材のプールというのが将来的には形成されていくということが期待されるのではないかと思っております。
  265. 柴田巧

    ○柴田巧君 どうもありがとうございました。  次に、大久保参考人に幾つかお尋ねをしたいと思いますが、今、藤田参考人にお聞きした同じような質問になるかと思いますが、一つ目は、取締役、個人別のこの報酬内容、報酬額の開示の問題ですけれども、この点について大久保参考人の御意見をお聞かせをいただきたいと思います。
  266. 大久保拓也

    ○参考人(大久保拓也君) お答えします。  報酬の開示に関しては、今回の改正でかなりいわゆる改善されてくるところになるのではないかと思います。実際には事業報告の開示ということになるのかと思いますけれども、報酬の開示事項をかなり増やしていくということと、従前ですと、中小企業から大会社まで全て一体で機関設計が構成されていますので、中小企業に、余り開示を望まない、要するに引きずられた形での報酬の決定になっていましたけれども、大会社向けに規制をそろえるという形になっていきますので、この点では開示が充実するんじゃないかと思います。
  267. 柴田巧

    ○柴田巧君 その個人、取締役個々の今度その報酬額の開示が見送られたと、この点についてはいかがですか。
  268. 大久保拓也

    ○参考人(大久保拓也君) 個人別の報酬の決定に関する方針を定め、それについて開示をすると、こういう取扱いになりますので、ここでは一歩前進になってくるのではないかと思います。  また、各会社のその開示事項が充実されてくれば、個人別に幾らなのか、その決定に関しては、これは各会社のサイドでのその決定事項をより精緻に行っていくのかどうか、そこのところは会社側の体制ということになるのではないかというふうに思います。
  269. 柴田巧

    ○柴田巧君 ありがとうございます。  それでは、先ほど藤田参考人にもお聞きをしましたが、今回の改正で、海外から見るとどういうふうに映るというふうにお思いでしょうか、お感じになりますでしょうか、お尋ねをします。
  270. 大久保拓也

    ○参考人(大久保拓也君) まず、海外の投資家などから見た場合には、これは一定程度評価される改正に当たるのではないかというふうには思います。会社の、監査等委員会設置会社とか監査役会設置会社であっても、一定のルールで、事業報告などで開示されてくるということになれば、その点では開示で十分一歩前進になるんじゃないかというふうに思います。
  271. 柴田巧

    ○柴田巧君 ありがとうございます。  そういう意味では、世界的なレベルに少しは近づいてきているという認識でよろしいですね。(発言する者あり)はい、ありがとうございます。  次に、木村参考人にお尋ねをしたいと思います。  先ほどもちょっとお触れになりましたが、外国人の投資家というか、の規制があったらいいというニュアンスだったかと思いますが、実際このグローバルなこういう経済の中で果たしてなかなかそれが可能かなと思うのが一つと、具体的にこういう手だてがあればそういうことは防げるんじゃないかという、何かもしお考えがあればお聞かせをいただければと思います。
  272. 木村結

    ○参考人(木村結君) 手だてはすぐには思い付かないんですけれども、そうですね、やはり外国人、私たちもずっと株主提案をしておりまして、いろんな機関投資家が私たちの提案にどういうふうに賛成したかというデータも取っておりまして、ほとんどは議決権、日本では議決権行使書が来るんですけれども、海外の機関投資家、それからあとはファンドですね、そういうところは、どの提案に個別に、普通の一般の会社ですと、全てもう会社側に賛成、それから株主提案に反対というふうに二者択一のような感じなんですけれども、機関投資家とかが返事をよこす、投票するのを全部データが見られるんですけれども、そういう場合は、例えば、脱原発提案に関しては反対だけれども、それから報酬の個別開示には賛成というふうに、個々に全部データがあります。  その中で、やはり役員の報酬、個別報酬開示に関しては非常に高い賛同が得られておりまして、今日持ってきた資料でお配りしているので、一つは脱原発・東電株主運動、総会というのを、ここにも私たちがずっと、三十年間ですね、二十九年間データを取っておりますそのデータを全部載せているんですけれども、例えば、役員の個別報酬の開示では、今まで三三%の賛成、賛同を得たことがございます。非常に高い、その前の年は二六%とかですね、非常に例年大きな賛同を得ておりますし、もう一つの関電株主行動の会の二枚目をめくっていただきますと、これは関電の、私たちの仲間が提案したものは、個別報酬の開示に関しては一五・二%にとどまりますけれども、同じ提案を大阪市がしているんですけど、それに関しては四三・一%ということがございます。  私どもとしては、やはり今回もし改正をするんであれば、個別報酬の開示を義務付けていただきたかったなという、それこそが世界の趨勢であり、社外取締役を求めることよりはこちらの方をまず透明化という点ではしていただきたいなというふうに思います。  以上です。
  273. 柴田巧

    ○柴田巧君 どうもありがとうございました。  時間もおおよそ参りましたので、終わらせていただきたいと思います。三人の参考人の先生、どうもありがとうございました。     ─────────────
  274. 竹谷とし子

    ○委員長(竹谷とし子君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、福岡資麿君が委員を辞任され、その補欠として岩井茂樹君が選任されました。     ─────────────
  275. 山添拓

    ○山添拓君 日本共産党の山添拓です。今日は、三人の参考人の皆さん、大変ありがとうございます。  初めに、三人の参考人のそれぞれに伺いたいと思います。  今、日本を代表する企業の不祥事が相次いでいる状態かと思います。東芝の粉飾決算や日産自動車の役員報酬についての虚偽記載、また特別背任、さらには関電の原発マネーの還流疑惑があり、社外取締役がいても不正を見抜けていない実態があります。また、関電の場合には、取締役を監視すべき監査役会が問題の隠蔽に加担をするという有様だったと、このことも報じられております。  昨日、本会議の場で森大臣は、今度の法改正案の提出に当たって、企業で不祥事が生じていることも踏まえた議論がされたものと述べておりました。  参考人の皆さんから見て、今度の法改正はこうした企業の不正防止に必要十分なものと考えるかどうかと、この点の御意見を、藤田参考人、大久保参考人、そして木村参考人にそれぞれ伺いたいと思います。
  276. 藤田友敬

    ○参考人(藤田友敬君) 直接のお答えになっているかどうか少し自信がないところもあるのですが、よく企業の不祥事の防止のために社外取締役が役に立つんですかということを聞かれます。これは、社外取締役の役割についてのかなり深刻な認識の誤りではないかと思っております。  不祥事を見付けてそれを、不祥事を、会社の隠れた不祥事を見付け出してくるような機能というのは社外の人に期待すべき機能ではない、そんなことは社外の人に簡単に分かるはずがないと思うのですね。社外取締役が監督機能を果たすというのは、決してそんなことを期待しているのではありません。内部統制システムの充実などであればそういうことに寄与すると思いますし、まだしも、常勤監査役などが一生懸命する方がそういうことには役に立つんだと思います。  社外取締役の機能というのは、経営陣と距離を置いたような立場の人がその経営陣を評価し、場合によっては首を切る。不祥事を起こすような、そういったことをするような経営陣、あるいはそんなことをする人、経営陣を首にするとか、そういったような意味での監督。それは、従来からいる社内の人だと、かつての上司と部下のような関係が持ち込まれるためにどうしてもそれが抑止が利かないときに、独立性が高いから容赦なく首を切ったり給料を削ったりできる、そういった意味での監督を期待しているのであって、決して自ら不祥事を暴くようなことを社外取締役に期待しているわけではないと思うんですね。  ただし、そういった形で独立性の高い取締役会なり中の委員会がつくられると、その下に実効的な内部統制システムなんかが置かれることによって、不祥事の防止に間接的に強化されていくことになることが期待されるとは思っております。  以上でございます。
  277. 大久保拓也

    ○参考人(大久保拓也君) 企業の側で不祥事が起こってきたりする、その体制を、それが起こされないための体制をどうするか、企業の側による経営体制ということも必要になるんだろうと思います。そこで、先ほど内部統制システムの御発言がありましたけれども、会社の側で自発的に法令遵守を充足するための体制、これをきちんと構築していくという、そういうことが必要になるだろうと思います。  また、企業の不祥事があった場合、そこが分かった場合に、内部告発等が最近は出されてきますので、その不祥事が分かった場合にそれを適切に対応することができるのかどうか、この場面では、やはりこの社内の取締役や社内の監査役よりかは社外の取締役、社外監査役といったものが適切に対応する、そういったものが存在して対応することのできる体制が整えられているということであれば、企業の不祥事は防ぐことができる体制が構築できるんじゃないかと思います。  それから、会社法では、社外取締役を導入を強制するという、進めるという、そういう改正もありますので、その点は一歩前進になるんじゃないかなというふうに考えております。
  278. 木村結

    ○参考人(木村結君) ありがとうございます。  私が知るところは、会社は東京電力ぐらいしかないんですけれども、東京電力の例えば監査役、それから社外取締役が機能しているかと申し上げますと、全く機能はしておりません。それはなぜかと申しますと、取締役会の様々な提案とか、それから報告に関して監査をして何か異議を申し立てたとか、それからその提案を拒否したとか、そういうことは全くございませんし、単なる追認機関であるというふうに私たちは考えております。  ですから、社外取締役と申しましても、本当に、ほとんど同業者のような人たちが社外取締役になっていたり、監査役といっても、利益が合致している人たちが監査役に就任しているということをきちんと正さない限り、本来の監査役とか社外取締役という任務は、責務は果たせないんじゃないかというふうに感じております。  例えば、三・一一の原発事故が起きたときに、私たちはずっと株主でいましたので、すぐに取締役の個人責任をこれは追及しなければいけない、やはり社会的な責任というのは取締役個人に担わせるべきではないかと思いまして、株主代表訴訟を起こしました。  そうしましたところ、会社側は、まず、株主代表訴訟というのは、監査役に私たちが提案をして訴訟してくださいと、取締役に対して監査役が訴えてくださいというものを監査役に対して訴えるんですけれども、六か月、東電の監査役は何もせずに、仕方なく株主としての私たちが、会社の利益を、損益を取締役に対して賠償しろという訴えを起こしたというのが実態です。  しかも、なおかつ会社側は、本来ならば、株主が会社を守るために起こした株主提案ですので、あっ、ごめんなさい、六十日ですね、失礼しました。会社側に対して、私たちが会社を守るために株主が起こしたものに、本来ならば、東京電力としては、私たちに味方に付いて補助参加するのであれば分かるんですけれども、あろうことか事故をそのまま黙認した、事故というか、事故が起こるのが分かっていながら津波対策を取らなかったりした取締役に対して補助参加として付いたという経緯がございますので、やはり今の監査役、それから社外取締役は、もっとそちらの方をきちんと具体的に任命する基準を設けるなりした方がよろしいのではないかなというふうに思っています。
  279. 山添拓

    ○山添拓君 大変ありがとうございます。  脱原発・東電株主運動の皆さんも、三十年にわたって原発の危険性も警鐘を鳴らしてきたと、それは本当に頭の下がる思いがいたします。  次に、藤田参考人、大久保参考人に伺いたいのですが、取締役報酬の規定に関する改定について、法案では、取締役への株式報酬の無償発行を可能にするという特則や、取締役がストックオプションを権利行使する際の出資を不要にする、こういう特則が盛り込まれているかと思います。これらは、日本の経営者報酬に占める業績連動報酬の割合が低い、欧米に比べて低いということを背景に、この業績連動報酬を積極的に導入しようという狙いに基づくものかと思います。  しかし、この業績連動報酬というのは、アメリカなどでも様々なモラルハザードを生じさせているという問題点が、マイナスが指摘をされています。目先の高額報酬を得ようとして、見かけだけの会社の業績向上を演出する、成功報酬の積み増しを図ろうとし、そのために、例えば賃金カットをしたりリストラをしたり非正規雇用に置き換えたり、従業員のモチベーションを下げ、結果として中長期的には会社の業績を悪化させると、こういう事態を招きかねないということが指摘されているかと思うんですが、この点についてそれぞれどのようにお考えでしょうか。
  280. 藤田友敬

    ○参考人(藤田友敬君) まず最初に、今回の法案が積極的に業績連動報酬を奨励しているような趣旨かというと、決してそうではないと思います。これは完全に中立的で、ただ、合理的な株式報酬あるいは業績連動報酬を導入するために不都合なようなところを改正する、最低それだけはするということで、そういうものを採用するかどうかは企業に委ねる、さらには、そういったものについて投資家からの目を意識して、が意識されるように透明性を高めると、そういったもので、業績連動報酬を増やすこと自身を自己目的にしているわけでは決してないとまず理解しております。  業績連動報酬に長所も短所もある、これは御指摘のとおりですし、業績連動報酬といってもいろいろなものがございますが、つくり方に、設計の仕方によっては非常に望ましくないインセンティブを与える可能性があります。  ただ、報酬の設計の内容にまで法律で立ち入って規制するわけにはいきませんので、したがって、どういう方針でどういう種類の報酬をつくる、個別に与えるつもりなのですかということを決定させ、それを開示させ、それでそれを投資家の目にさらし、適宜それが淘汰されるようにする、そういう仕組みを用意するというところで止めたのだと思います。  そういう意味では、基本的には正しい方向にまた向かっている、諸外国で濫用されることがあったということも踏まえても、正しい方向に向かっていると思っております。
  281. 大久保拓也

    ○参考人(大久保拓也君) 株式報酬、ストックオプションなどの業績連動報酬の導入について、従前、報酬規制のところでは、ストックオプションの導入、株式報酬を導入するに当たっては、会社法の三百六十一条という規定がありますが、それのどの規定に、定額報酬に当たるのか、それとも業績連動報酬に当たるのか、その辺の位置付けが必ずしも明らかではないというようなところがありました。そういう手続的に明らかでないところを今回の改正では明確な位置付けを与えたと、こういうような内容になるのではないかと思います。そういった意味では、ストックオプションの付与の仕方を明確にしたというのが今回の改正になるんだと思います。  ただし、無償の発行だとすると、労務出資になるのかどうか、その辺りの十分な理論的な位置付けというのはまだ明確になっていないのではないかと思いますけれども、その点が明らかになるとすれば、ストックオプションを導入する場合の手続などが明確になった、こういうふうに位置付けられると思います。  果たして、御指摘のモラルハザードの対策をどうするか。これは、各会社で報酬の付与の仕方、ストックオプションの行使条件の設定、そういったところを各会社で取り扱っていくということが必要になります。そのためには、各会社にこういうストックオプションを導入しなさいというふうなことまでは当然に言えませんので、そこでは報酬の開示を充実させるという形で透明化を図っていく、こういう改正を行ったものと思います。そういった意味では評価できると思います。
  282. 山添拓

    ○山添拓君 ありがとうございます。  最後に、時間の許す限りでなのですが、会社補償に関して、大久保参考人も参加をされている企業法実務研究会の意見書を配付いただいておりますが、この中では、研究会としては反対だということが書かれております。  今日、冒頭の意見陳述の中では触れられていない点かと思いますので、この点に関わっての大久保参考人の意見をお聞かせいただければと思います。
  283. 大久保拓也

    ○参考人(大久保拓也君) ありがとうございます。  会社補償の点については、委員会、研究会の中で示されたところになります。ここの意見の中では、むしろこの新しい会社補償といったような規定を設けることよりも、むしろ現行の判例法理で確立されている経営判断原則といったもの、これを明確にするということの方が先決になるのではないか、そのように思います。  また、確かに立法の議論の中では、諸外国で積極的に導入されていると、それに対して日本にはそれが存在しないので競争に負けると、こういったようなところもあったのかとは思うんですけれども、諸外国であるからすぐに日本で導入するという、拙速に導入するということまでは必要ではないのではないか、こういったところで本委員会の検討の中では反対をしたということになります。
  284. 山添拓

    ○山添拓君 ありがとうございました。終わります。
  285. 高良鉄美

    ○高良鉄美君 今日、御三方、ありがとうございます。  もう大分いろんな話題が出て、今日、議題というか課題も出たと思いますけれども、私の方からは、先ほど少しありましたけれども、社外取締役の問題ですね、その問題について、どのような働きをするのかとさっきから出ていますけれども、藤田参考人はまだ分からないと、いい面もあれば悪い面もあるし、実態的な実証調査も必要じゃないかということで、かなり慎重論を展開されていましたけれども、その辺りからすると、ほかのこの会社法、今回の改正全体とこの社外取締役の問題、義務付けというのを、これは一連のものでしょうか、それとも、可分というんですかね、その条項だけを外すとか、あるいは御自身の考えの中ではそこだけは慎重論で、そこはもう残りがあるから賛成しているということなんでしょうか。
  286. 藤田友敬

    ○参考人(藤田友敬君) 全く私の個人的意見を申し上げるということにどれだけ意義があるかよく分からないのですけれども。  私は、これ、今回の社外取締役設置強制に限定して言えば、やや消極的な賛成。つまり、こういう一名の強制であれば少なくとも積極的な弊害はないだろうから、海外の投資家などの信頼確保からの、日本の資本市場の信頼確保のために必要だという声が強いのであれば、あえて反対までは、絶対反対まではしないというスタンスであります。これが落ちたから大変今回の改正に意味がなくなってしまうとまでは思ってはおりません。  ただし、念のために誤解のないように申し上げておきたいのは、私は、社外取締役に意味がないとか、あるいは社外取締役は日本では役に立たないとか言っているわけでは決してございません。全ての会社に一律に規制するハードローが今の現段階で、実証的な答えがはっきりしない段階で必要かどうかについては議論の余地があると申し上げただけで、しかも、一名だけであれば、必ずしも弊害があるとも、もう既にほとんどの会社では入っていますので、ないので問題はないとは思ってはおります。  結局、どのような会社だとどのぐらいの社外者が望ましいか、あるいは取締役会としてどの程度独立性を高めたいかなどといったことによって相当社外取締役のニーズ等も変わってくるのですが、ただ、今、日本の取締役会というのは大きく変革期にありまして、経営陣からの独立性あるいは特定の利害関係人からの独立性というのを強く求められるようになってきています。  そういう意味では、長期的には社外取締役を多くの会社において、全てかどうかはともかく、多くの会社において増やしていくということは避けられない傾向ではないかと思いますので、そういう意味では、今回これを入れたことそれ自身がそのような流れとは整合的ではあるとは評価してよいかと思っております。
  287. 高良鉄美

    ○高良鉄美君 長期的なお話ということでお伺いしましたけれども、まだ、先ほど幾つかの弊害のお話がありましたけれども、実際に機能しているのかということでの御意見もありましたし。  そうすると、九九・九%という、大企業の場合はですね、持っていると、もう既にといった場合に、その判断をやはり法的に義務付けて社外取締役を置くということの意味というのを、先ほども消極的だ、やや消極的だとおっしゃいましたけれども、そういった面において、今の会社の動きであれば、もし国際的な判断とかいろんなことを考えるのであれば、この〇・一%の会社も、当然ながら、そういう自分たちの会社を大きくしたい、あるいはいろんな国際的な視点に合いたいと、合致したいというのであれば、当然また社外取締役を置くでしょうし。そうなると、これはやっぱりまた法的にわざわざ法律の規定として置く必要性、あるいは今回の緊急性とか、喫緊の課題なのかどうかというような点で、まだ私の方は、反対というよりも、やはり先生おっしゃったような、実際の実証がされていないんじゃないかという面で、どういう社外取締役の像がきちんと、今九九・九%行われているところで一体どういうふうな形になっているのかと。  それ、パーセントとかいろいろ出るわけですけれども、そういったところで、それでもやはり義務付けの問題というのは将来的に、今この規定を入れた方がいいのかというのは、藤田先生、それから大久保先生にもお聞きしたいんですけれども。
  288. 藤田友敬

    ○参考人(藤田友敬君) 私の意見と極めて近いお立場からの発言ですので、なかなか回答が難しいのでございますが。  私の個人的立場はともかくとして、このハードローである会社法による設置強制を強く推進する側の方の意見を私なりにそんたくいたしますと、ハードロー、つまりもう簡単には改正できない。ソフトローですと、また改正というのも柔軟にできますし、例外も柔軟に認め得るところを、そうではない形ではっきり定めることは、日本の会社法制は社外取締役を導入し、取締役会の独立性を高めるという方向性に不可逆に一歩踏み出すという強いメッセージになる、そして、そういう強いメッセージを海外の投資家に発信することが日本の資本市場のためになるんだと、こういうロジックで説明するんだと思います。これに似たような表現は、恐らく法制審議会の議事録で一部の委員から出されたものだと思います。  実験的な段階、実証的な段階を踏まえてからでも間に合うんじゃないかという少数意見に対して、いや、今メッセージを発すべきだという強い声があったと。そういうものとして、この改正法案ではそれが提案されているというふうに理解して、一応理解できる提案ではあるとは思います。
  289. 大久保拓也

    ○参考人(大久保拓也君) 社外取締役の導入に関しては、平成二十六年の段階では、一定の公開大会社に社外取締役を、設置の義務付けはしなかったんですけれども、相当でない理由を総会で説明すると、こういう形で、遵守しなければ説明を求めると、こういう仕組みで導入を求めてきたと、こういうような経緯があります。  現在は、九九%でしょうか、ほとんどの企業で導入をしているということになりますので、この社外取締役を義務付けをしていくことによって、この社外の取締役に、次はどのような実体的な機能が、役割が果たされるのか、この点を考えておくということが必要になるのではないかと思います。  そこで、やはり会社の不祥事などが出てきている昨今の状況もありますので、社外取締役が導入されている場合、多くの場合ですと、内部統制システムのその機能の中核を担うところの位置付けに当たるだろうと、社外取締役の導入によって違法行為のチェックなど、そういった体制が行われるんだろうということからしますと、やはりこの社外取締役が導入されることによって、違法行為のチェック体制、これはある程度整備されてくることになるのではないかというふうに考えております。
  290. 高良鉄美

    ○高良鉄美君 ありがとうございました。  この社外取締役の今のあるべき姿としては、言われたように、内部統制の問題として、いろんな不祥事やいろんなものに対して、外からの意見とチェックと権限と。そうすると、やっぱり権限はどのようなものが、ほかの取締役に比べてですね、あるいは社外取締役との違いみたいな、そういうのも必要になってくるかと思うんですけれども、あるいは、それは恐らく法律上は出てこなくて、先ほどのソフトローの中でやっていくということで、そういうような形で考えておられるということでよろしいでしょうか、大久保参考人。
  291. 大久保拓也

    ○参考人(大久保拓也君) 社外取締役を一名だけ入れてそれで十分機能するのかと、こういうような議論は、社外監査役などの監査役を導入したときの議論でも随分問題となりまして、そのときには、社外の監査役も複数導入すると、こういう形で体制を整えて、発言をしやすい体制、これをつくって違法行為のチェック体制をつくる、こういうふうに取り扱ってきたということになりますので、やはりこの社外の取締役を導入したというだけでは十分にその権限が行使できないということになるとすると、例えば内部統制システムなどの導入とともに、その社外取締役がその違法行為のチェックの権限を担っていくことになっていきますので、そのような体制が整えられてくれば、社外取締役を導入したというだけではなくて、法令を遵守させる体制がより機能した形で整備されるんじゃないかと思います。
  292. 高良鉄美

    ○高良鉄美君 社外取締役も、やっぱりガバナンスという面からすれば、会社は社会の公器という松下幸之助氏の話がありますけれども、それからいうと、やっぱり社会、地域、従業員、その他のいろんなファクター、もちろん株主もあるでしょうけれども、会社がどういうふうな信頼と業績を上げていくかということに対してかなり広範に関連してくるということになると、今言った、今ちょうど先生の答えのような、この社外取締役の役割とかあるいは機能、あるいはその行動というものも随分変わってくるのかなと思うんですけれども、やっぱりそれに必要な情報公開ですね、そういったシステムというのをずっと掛け合わせなければかなり難しい問題になってきますので、そういった点をまた整備をしていくということもまた一つの議論かなと思っています。  そこで、社外取締役の件で、ちょっとこれ、木村参考人にお聞きしたいんですけれども、先ほどの指標ですか、いろいろ、この見どころ、聞きどころの中にあります、女性登用の推進というのがありましたが、この女性登用をこの社外取締役の中にこれから入れていくとか、いろんな意味で、この女性の登用というのを考えてこのポイントで出てきているのは、これは社外取締役の辺りも、想定というか範囲に入っているでしょうか。
  293. 木村結

    ○参考人(木村結君) もちろん、社外に限らず、取締役は、実は、東京電力にかつて三十二名の取締役がおりまして、全て男性でした。ですから、壇上に居並ぶ人たちは、五十人くらい居並ぶわけですけど、全員男性なんですね。黒子に徹している株式課の人とか文書課の担当者とか、そういう人たちも全員男性でございまして、ちょっと異様な雰囲気があるのが株主総会なのかなというふうに思っておりまして、圧倒的に女性、株主も女性がほとんどいないという状況の中に入っていったので、私は恐怖を覚えたんですけれども。  それから、私たちは、その三十二名は多過ぎるということで半分にしなさいという提案もいたしまして、それが二、三年後に十七名かな、十九名かな、になりました。約半分になりました。ただ、そこには女性もおりませんでしたので、私たちは、もっと部課長クラス、それから役員、そういう人たち、決定権を持っているところに女性を半分は、最低半分は入れるべきであるということで提案をいたしましたので、それはもう本当に日本では当たり前ではないんですね、残念ながら。先ほど高良議員もおっしゃったように、今百十番目でございます。特に経済。経済は何かといったら、やっぱり取締役とか会社の決定権を持っているところに女性がほとんどいないという状況で、日本は百四十九か国の中でもう最下位に近いんですね。それと、あと皆さんのお仕事の国会議員でございます。こちらも最下位に近いんですね。  じゃ、何で日本は百十位になっているかというと、寿命が女性は世界一長いので、健康的な面、それからあとは教育の面、女性もかなり大学に入るようになったと。その教育の面と寿命の面で日本の女性はトップクラスであるので、本来は百四十九に甘んじるところを百十番目になっているというのが今の現状でございますので、やはり社会の構成員が男女ほぼ同じであれば、会社の取締役とか決定権者も同数になるべきではないかということで提案させていただいております。残念ながら非常に低かったです、賛成票。
  294. 高良鉄美

    ○高良鉄美君 もう時間もなくなりましたので、そのコメントというんですか、先ほど、国際的な視点からの日本の企業の評価というものが社外取締役を置くことでもちろん上がっていくというのがありますが、その機能を十分社外取締役が果たさなきゃいけないであろうし、この女性の登用も同じで、女性の登用がどれだけ情報公開の中で登用されているかというのは、これ、投資家の本当に視点だと思うんですね。そういった面も含めて、やっぱりまたこの委員会でもいろいろ議論ができたらと思います。  今日はありがとうございます。ありがとうございました。
  295. 嘉田由紀子

    ○嘉田由紀子君 お三方には、御参加いただきありがとうございます。もう二時間半、大変ブラックな委員会でございまして、私たちはそれこそ二十分の一とかで聞いたらいいんですけど、お三方は全員の皆さんに耳を傾けていただいて、これで終わりますので、私が最後でございます、碧水の嘉田由紀子と申します。  それぞれ五分ずつくらいで十五分を聞かせていただけたらと思います。  まず最初に、藤田先生に、先ほどの山添さんの問題意識と近いんですけれども、本当に今、日本の大企業、モラルハザードを起こしておりまして、しかもトップの方がそれが厳しい。例えば、関電のモラルハザード。あれも私は、仲間が関電で働いている、そして、それこそあの台風のときなんかもう家の横の電柱を雨の中直してくれて、現場で働いている人たちは本当に切ない。  そういう日本の社会が崩れているところで、私は、この社外取締役なり、あるいは社外監査役というのはモラルハザードに対して歯止めが利く、そういう組織かなとある程度以前から期待をしていたんですけど、ここで勉強させていただくと、どうもそうではなさそうだということが。  それで、是非、藤田先生に、企業価値に貢献できる社外取締役あるいは社外監査役、どういう人たちで、どんな組織だったら企業価値をプラスにできるのか。あるいは、企業価値をマイナスにする取締役もいるかもしれません。  一つ事例を申し上げますと、最近の例で関電ですけれども、私は、八木社長も岩根社長も、知事時代から原発問題で、とてもある意味で会合とかあるいは県に説明に来ていただいていろいろやり取りをしているときに、断言的なことを言われない方なんです。もう官僚以上に官僚でした。その岩根社長が、あの一連の発表のときに記者会見で、不適切だが違法ではないと言い切ったんですね。で、あれっと思ったんです。不適切だが違法ではない、何をもって。で、裏でいろいろ見て分かったんです。この関電さんの特に社外監査役、元大阪高検の検事長とか、あるいは検事総長とか、もうその辺りと全部打合せをして、そして報告書を作った委員長もまた大阪検察のかなりトップの方でした。  これは、逆に、その社外監査役なり取締役が企業価値を下げる方に貢献しているんじゃないのかというようなことを素人ながら感じたんですけれども。是非ここは、ただ、私の知る会社でも、本当に、特に環境問題をずっとやってきて、環境問題に予防的措置を入れてきた、例えば住友林業さんとか、あるいは富士フイルムとか、そういうところはやっぱり、何というんでしょうか、ちゃんと社会的貢献ができているんではないのか。  ですから、言うたら、企業価値を下げるようなケースと上げるようなケース、その辺りを実証研究していただけると、この社外取締役の義務化というところが国民的にも納得できるのかと思うんですが、いかがでしょうか、藤田先生。
  296. 藤田友敬

    ○参考人(藤田友敬君) 社外取締役が企業価値を上げるケースもあれば下げるケースもある、全くそのとおりだと思います。  悪い場合、機能しない例、いろんな例がありますので、あくまで例ですけれども、幾らでも考えられます。そもそも外からの圧力が強まったものだから嫌々社外取締役を入れる、とにかくしゃべらない、黙って自分の言うことを黙認してくれる人を選ぶ。そういう選び方をすると、かえって取締役会の構成員の中に牽制の利かない人数が増えてしまうことで、経営者、業務執行者の暴走につながりかねないことすらあり得ます。さらに、その人の能力を個人的なその業務執行者の利益に役立つ形で利用させれば、それは望ましくないこと、結果がもたらされることは言うまでもありません。  他方、社外取締役がうまく機能するシナリオもいろいろあります。これも、一つではなくていろんなケースがあり得ます。例えば、容赦なく独立性の高い取締役会がつくられることによって経営者の規律が非常に強く働く。株主の利益、ひいては社会の利益に貢献するような強いインセンティブが与えられるような企業、緊張感が出ている取締役会もあるというふうには聞いております。また、アドバイザーのような形で入ってくる、いろいろな社会の声を酌み取るような形でアドバイスをする、優れたアドバイスをする能力のある方が入ってくれば、そういう機能も期待されるかもしれません。  いい社外取締役は入れる、しかし悪い社外取締役は入れるなという法律は作れません。そういったことを最終的に担保するのは、マーケットからの圧力と言わざるを得ないと思います。最近、幸い、機関投資家などが相当積極的に議決権を行使し、駄目な役員に対する選任議案についてはそれなりの判断を示していると思います。そういったものに期待し、いい社外取締役、それは、いいというのはいろんな視点があると思うんですけれども、いい社外取締役が選べ、そして機能しなかった社外取締役は容赦なく淘汰される、長期的にはそれが望ましい方向なんではないかというふうに思っております。
  297. 嘉田由紀子

    ○嘉田由紀子君 ポジティブにプラス、あるいはニュートラル、そして足を引っ張る、その辺を理論化していただけると、それでそれを、結果を、別にA社、B社でいいんです、個別を出さなくても、社会の中で透明性を高めていただくと、社会的な言わば監視ができるかなと。そういうことがあってこそ、今回のこの法改正の意義があると思いますので、是非御研究を期待をさせていただきます。  大久保先生には、私、午前中の質問でも出させていただいたんですけれども、この役員等賠償責任なり、ここを会社側が出すというその仕組みですね、この辺を。  そもそも、企業の責任者というのはかなりリスクを背負う。で、私は行政との比較で申し上げたんですけれども、行政でも大きな政策転換するときにはリスクが伴います。例えば、環境保全のためにある事業を止めるとか、そして、あるいは止めたときに何らかの損益、プラスマイナスいろいろあります。そのマイナスを受けた人が損害賠償をしてきたりしたら、担当者なりあるいはトップは、そこでかなり賠償責任を負わされる。そういうときのために、行政の方では今保険を掛けているんですけれども、それは決して税金では払ってくれません。それこそ自分でやらなければいけないんですけど。  この会社では、ここまで会社で面倒見てくれる、個人的な負担がないというのは大変違和感を感じたんですが、ここの、ここまでちゃんとサポートするといい人材が集まる、インセンティブが高まるというようなことを午前中もお伺いしたんですけど、この辺りはどういうふうに私たち国民としたらチェックをしていったらいいんでしょうか。
  298. 大久保拓也

    ○参考人(大久保拓也君) お答えします。  役員賠償保険のDアンドO保険に関する御質問かと思います。  この役員賠償保険については、特にこの条文の規定が置かれていなくても、もう既に実務では各会社でその賠償保険、DアンドO保険を導入しているところが多いかと思います。この今回の改正では役員賠償保険の規定が導入されましたけれども、これを行ったときには、取締役会設置会社では取締役会の決議を要すると、そういう取扱いになってきますので、従前ですと、役員それから会社の代表者が決定していたのを、もう少し広く、適切な機関で導入するかどうかを見た上で導入するという形になりますので、導入については少し慎重になるのではないかなというふうに思います。  また、この役員賠償保険制度などがなかった場合について、その人材の確保をどうするかという問題になりますけれども、先ほどの御質問がありました社外取締役や社外監査役、そういった社外の役員を導入するときに、特に社外の方ですと、会社の実態とか実情が十分に分からないという、そういうケースが出てきますので、一定のリスクを回避するという、人材を確保する、そういう意味でも、この保険の適用、保険を掛けておくということは必要になるんだろうというふうに思います。  そういったところであれば、その人材の確保などに資する形での役員賠償保険制度、これについて明文の規定を導入するということは必要な立法措置ではないかなと思います。
  299. 嘉田由紀子

    ○嘉田由紀子君 ありがとうございます。  ついつい行政と比較をしてしまうものですから、是非そういうところで、特にモラルハザードを経営者が起こさないようにという、ここが一番大事だろうと思いますので、ここのところは是非ともまたウオッチをし続けていただけたらと思います。  木村さん、改めまして、大変長い、もう私たちにとっては、何というんでしょうか、脱原発運動の旗手のような形で頑張っていただいております。しかも、安全神話があれだけ言わば日本中にあったときに、随分と逆に変わり者に見られてきたんじゃないでしょうか。そういうところで、まさに株主として社会的な発言をし続けていただいたこと、大変有り難く思います。  特に、この総会の見どころという、こういう分かりやすいものを皆さんに作っていただく、これ、ついついさっきの、男性社会で、そして本当に遠い遠い怖い社会だったところにこういう言わば対話のツールを作っていただくというのは大変有り難いんですけど、この中でやはり私が気になっておりますのは、災害に強い地域分散型送電システムとか女性登用とか、こういうところをきちんと社会的価値を埋め込もうとしていただいて、そして発言をしてきたと思うんですけれども、今まで、これは発言してちゃんとリアクションもらってよかったというような成功体験がありましたら是非、あるいはもう無視されるばっかりでというところで、どうだったでしょうか。
  300. 木村結

    ○参考人(木村結君) 先ほど申し上げました取締役の数を少なくしろというのはできましたので、私たちが先見の明があったと言ったら言い過ぎかもしれませんけれども、皆さんが後を追ってくださったというふうには理解しております。  それとあと、日立でしたっけね、原発の輸出に東京電力が絡むべきではないと、自分のところで始末まだできていない事故を起こしておきながらほかの国に輸出するというのは、それはおかしいのではないかということを去年提案しまして、もちろん否決はされたんですけれども、その後、やはり撤退ということで、それはやはり私たちの運動というか、実ったわけではないですけれども、そういうことを訴えられて、少しでも気持ちに、取締役なり株主の心に刺さった提案だったのではないかなというふうには思っています。  先ほど来発言がありました社外取締役、監査役に関しては、やはり取締役は二年に一回選任されますので、株主の議決権行使書に何番から何番というふうに番号振られて、選任するかどうかというふうに来るわけですけれども、その株主がどういうふうにリアクションするかというと、何番の取締役は駄目とか、何番の取締役以外は選任してもいいというふうに丸を付けたり数字を入れたりしてくるんですね。わざわざもう本当に細かく株主招集通知を読み込まれている方が多いんです。  私たちも、この何番というのはどういう出所の方だろうというふうにやっぱり思いますので調べますと、ほとんどが天下りでございます。やはり天下りに関しては、株主は非常に厳しい目を、世間はまだまだ厳しい目を持っているんだというのがよく分かる事項でございます。(発言する者あり)あっ、ごめんなさい、一言よろしいですか。関電のことについてですね。  やっぱり、不正、金品受領事件で取締役とか監査役が全く機能していないことが分かったと思うんですね。コーポレートガバナンスの強化に対して株主の果たす役割はますます重要になってきていると思っています。  その中で、株主の権利が制限される法律のように改正されるというのにはやはり反対でございます。よろしくお願いいたします。  ありがとうございました。
  301. 嘉田由紀子

    ○嘉田由紀子君 どうもありがとうございました。
  302. 竹谷とし子

    ○委員長(竹谷とし子君) 以上をもちまして参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人の皆様に一言御礼を申し上げます。  参考人の皆様には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時三十五分散会