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2019-11-12 第200回国会 参議院 法務委員会 3号 公式Web版

  1. 令和元年十一月十二日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  十一月十一日     辞任         補欠選任      山崎 正昭君     清水 真人君  十一月十二日     辞任         補欠選任      清水 真人君     岩本 剛人君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         竹谷とし子君     理 事                 高橋 克法君                 元榮太一郎君                 有田 芳生君                 矢倉 克夫君                 柴田  巧君     委 員                 磯崎 仁彦君                 岩本 剛人君                 小野田紀美君                 清水 真人君                 中川 雅治君                 福岡 資麿君                 山下 雄平君                 渡辺 猛之君                 櫻井  充君                 真山 勇一君                 安江 伸夫君                 山添  拓君                 高良 鉄美君                 嘉田由紀子君    国務大臣        法務大臣     森 まさこ君    副大臣        法務副大臣    義家 弘介君    大臣政務官        法務大臣政務官  宮崎 政久君        外務大臣政務官  尾身 朝子君        文部科学大臣政        務官      佐々木さやか君        厚生労働大臣政        務官       自見はなこ君    最高裁判所長官代理者        最高裁判所事務        総局民事局長   門田 友昌君        最高裁判所事務        総局刑事局長   安東  章君    事務局側        常任委員会専門        員        青木勢津子君    政府参考人        内閣府大臣官房        審議官      伊藤  信君        警察庁長官官房        審議官      河野  真君        法務省大臣官房        政策立案総括審        議官       西山 卓爾君        法務省大臣官房        審議官      山内 由光君        法務省大臣官房        審議官      保坂 和人君        法務省大臣官房        司法法制部長   金子  修君        法務省民事局長  小出 邦夫君        法務省矯正局長  名執 雅子君        法務省保護局長  今福 章二君        法務省人権擁護        局長       菊池  浩君        出入国在留管理        庁次長      高嶋 智光君        財務省主計局次        長        宇波 弘貴君        農林水産省大臣        官房生産振興審        議官       鈴木 良典君        農林水産省大臣        官房参事官    上田  弘君        農林水産省生産        局農産部長    平形 雄策君        国土交通省大臣        官房技術審議官  徳永 幸久君        国土交通省水管        理・国土保全局        次長       塩見 英之君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○法務及び司法行政等に関する調査  (台風被害に対する法的支援等に関する件)  (選挙演説中の聴衆への北海道警察の対応に関  する件)  (児童虐待の防止に関する件)  (再犯防止対策に関する件)  (法曹人材の育成に関する件)  (刑法における性犯罪規定の見直しに関する件  )  (司法外交に関する件)  (死刑制度に関する件)  (養育費の支払に関する件)     ─────────────
  2. 竹谷とし子

    ○委員長(竹谷とし子君) ただいまから法務委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日、山崎正昭君が委員を辞任され、その補欠として清水真人君が選任されました。     ─────────────
  3. 竹谷とし子

    ○委員長(竹谷とし子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房審議官伊藤信君外十六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 竹谷とし子

    ○委員長(竹谷とし子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 竹谷とし子

    ○委員長(竹谷とし子君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 おはようございます。自由民主党、元榮太一郎でございます。  森大臣、義家副大臣、宮崎大臣政務官並びに政府参考人の皆様、どうぞよろしくお願い申し上げます。  まず初めに、先日の一連の台風十五号、十九号、二十一号に伴う記録的な大雨による災害によりまして、日本各地において甚大な被害が出ております。お亡くなりになられた方々の御冥福を心よりお祈り申し上げるとともに、被災された方々に心よりお見舞いを申し上げたいと思います。  さて、森大臣は、弁護士として悪徳な先物業者や貸金業者による被害者救済に御尽力されてきたというふうに伺っております。また、内閣府特命担当大臣として消費者及び食品安全も担当するなど、常に国民目線に立った取組をされたというふうに理解しております。法務行政が直面する問題は児童虐待や家族法制始め多岐にわたると思いますけれども、弁護士としての御経験を生かしまして法務行政をしっかりと前に進めていただきたい、このように御期待を申し上げます。  まずは、先週末に起こった大阪地検での事件について伺います。  先週土曜日の十一月九日早朝、東大阪市で大阪地方検察庁の護送車の車の中から手錠を付けたままの被告人が逃走するという事件が発生し、昨日、ようやく身柄が確保されました。大阪地検では、先月三十日にも収容予定だった被告人に逃走される事件が起きたばかりで、十一月七日に幹部職員が注意喚起を行ったまさにその直後に同様の失態が繰り返される結果となったわけです。  容疑者や被告人が鑑定留置中や護送中に逃走される事件が後を絶たず、被告人などの身柄の管理の在り方が問われていると思います。警察、司法に対する国民の信頼が揺らぎかねない、こういうような事態だと思いますが、そこで、法務大臣に御見解を伺いますが、この被告人等の身柄の管理の在り方について御見解を伺いたいと思います。
  7. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 元榮委員も、同じ弁護士として、また法務行政への御貢献、日頃よりありがとうございます。  御質問にお答えをいたしますが、逃走事案が連続して発生していることは誠に遺憾であります。被告人等の収容に関しては、本年六月に神奈川県内で発生した実刑が確定した者の逃走事案について、検証結果を踏まえ、検察当局において対処しているものと承知をしております。大阪地検における逃走事案については、検察当局において、再発防止のため、更なる検討が行われるものと承知をしております。  被告人の保釈や収容等に関する現行制度の見直しについても、委員の御指摘を踏まえ、検察による検証、検討の結果や再発防止策の実施状況等を勘案しつつ検討してまいりたいと思います。
  8. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 司法、警察に対するまさに信頼の根幹だと思いますので、再発防止にしっかり取り組んでいただきたいと思います。  次に、一連の台風被害について伺ってまいります。  森大臣も、御地元である福島を中心に被災地への御対応に力を入れていると伺っております。  そこで、法務省に伺ってまいりますが、平成二十八年熊本地震、平成三十年七月豪雨及び平成三十年北海道胆振東部地震などの相次ぐ大規模災害時には、その被災地の実情に応じて、倒壊した建物について登記官が職権による滅失登記を行ったほか、法テラスにおいてはサポートダイヤルにおいて情報提供が行われました。さらに、平成二十八年熊本地震及び平成三十年七月豪雨では、法テラスは、総合法律支援法に基づく政令指定によって被災者を対象とした資力を問わない無料法律相談を実施したと承知しております。  今回の一連の台風災害についても同様の対応をお願いしたいと思いますが、現在の検討状況等について教えてください。
  9. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  委員御指摘のとおり、平成二十八年熊本地震、平成三十年七月豪雨及び平成三十年北海道胆振東部地震による被害が大きかった地域を管轄する法務局、地方法務局におきましては、被災者の支援の観点から、倒壊又は流失した建物について登記官が職権による滅失登記を行っております。  今般の一連の台風による被害の大きな地域においても、現在、被害状況の把握に努めておりまして、被災した地方公共団体と連携の上で、倒壊又は流失した建物につきまして登記官が職権による滅失登記を行うべく検討を進めているところでございます。  今後も被災者に寄り添った対応に努め、各種災害からの復旧復興支援に全力で取り組む所存でございます。
  10. 金子修

    ○政府参考人(金子修君) 法テラス関係についてお答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、法務省が所管する日本司法支援センター、通称法テラスでは、平成三十年七月豪雨や北海道胆振東部地震等の被災者の方々に対し、法テラス・サポートダイヤルにおきまして、災害によって生じた様々な法的問題の解決に役立つ法制度や相談窓口等についての情報提供を行っています。  また、平成三十年七月豪雨につきましては、政令により、総合法律支援法上の非常災害に指定しまして、法テラスにおいて被災者の方々に無料法律相談を提供しております。  今般の令和元年台風第十五号及び第十九号につきましても、法テラス・サポートダイヤルにおきまして同様の情報提供を行っているほか、台風第十九号につきましては、本年十月十八日に総合法律支援法上の非常災害に指定する政令が公布、施行され、法テラスにおいて、令和二年十月九日までの間、被災者の方々に対し、資力の有無に関わらない無料法律相談を提供しているところでございます。  法務省としましても、法テラスが提供するこれらの支援について、一人でも多くの被災者の方々に御利用いただけるよう、引き続き周知に努めるなどの協力をしてまいる所存でございます。
  11. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 よろしくお願いします。  政府は、十月十八日に台風十九号を特定非常災害に指定することを閣議決定いたしました。  平成二十八年熊本地震、平成三十年七月豪雨も特定非常災害に指定されたことに伴いまして、当法務委員会の所管に関する措置としては、法人に係る破産手続開始の決定の留保、相続放棄等の熟慮期間の延長及び民事調停の申立て手数料の免除など、このような措置が講じられたと承知しています。  今回の台風十九号においては既に同様の対応が取られているとのことなんですが、民事調停の申立て手数料の免除件数については、熊本地震では平成二十八年四月から平成三十一年三月まで八百十件、平成三十年七月豪雨では、現在判明している平成三十年七月から同年十二月までの期間で四件と伺っております。  被災された皆さんや裁判所内における十分な周知を是非お願いしたいとともに、台風十九号だけでなく、台風十五号及び台風二十一号に伴う記録的な大雨災害についても、一連の災害としてこの台風十九号と同様の対応をお願いしたいと思いますが、法務省及び最高裁の見解を伺います。
  12. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  委員御指摘のとおり、台風十九号等で被災し、司法手続を利用する必要がある方々に対して、必要かつ適切な情報を効果的に提供することが重要であると考えております。  法務省では、被災者、被災者の御家族、関係者の方々に向けて必要な情報を提供するために、ホームページの中に令和元年台風第十九号についてと題する特設ページを開設し、ツイッターでも紹介しております。  この中では、令和元年台風第十九号による災害についての特定非常災害及びこれに対し適用すべき措置の指定に関する政令によりまして指定された三つの特例、御指摘ございましたが、債務超過を理由とする法人の破産手続開始の決定の特例、相続放棄等の熟慮期間の特例、そして民事調停の申立て手数料の特例、それぞれにつきまして新たにページを設け、各制度について分かりやすい説明を掲載しております。  このほか、この政令に基づく措置につきましては、内閣府及び総務省と連携いたしまして、政令の内容を説明したリーフレットを作成、配布しているほか、被災した都県に対して通知を発出し、関係市区町村、関係団体、地域住民等への積極的な情報提供を促しております。  今後も、関係省庁と連携いたしまして、被災した方々に対して必要な情報を適時適切に提供することができるよう努めてまいりたいと考えております。  続きまして、御指摘ございました台風第十五号と十九号の関係、二十一号の関係でございます。  まず、台風第十五号による災害は特定非常災害に指定されておりません。もっとも、台風十五号におきまして災害救助法が適用された市町村に関しましては、継続的に救助を必要としているものとして台風第十九号においても災害救助法が適用され、その結果、特定非常災害に指定された場合の特例が適用され得るものと承知しております。  そのため、相続放棄等の熟慮期間に関する特例及び民事調停の申立て手数料の特例につきましては、その他の要件、これ、例えば台風第十九号の災害発生日であります本年十月十日に相続人や民事調停の申立人が被災区域内に住所等を有していたこと、あるいは、民事調停の申立て手数料の特例につきましては、さらに台風第十九号の災害に起因する紛争であることなど、こういった要件がございますが、これらの要件を満たす場合にはその特例の適用を受け得ることとなるものと考えられます。  また、法人の破産手続開始の決定の特例につきましては、この両台風の被災地域が共通していることなど災害の発生状況等を踏まえまして、台風第十九号の災害に起因する債務超過と言える場合など所定の要件を満たす場合には被災者はその適用を受け得ると考えられます。  次に、台風二十一号に伴う大雨についてでございますが、この災害につきましては特定非常災害に指定されておらず、また災害救助法が適用されたという情報にも接しておりません。もっとも、台風第十五号について先ほど述べましたのと同様、台風第十九号による災害に関連する所定の要件を満たす場合には被災者は特例の適用を受け得るものと考えられます。  この台風二十一号によって被災された方々への支援も同様に重要であると考えておりまして、法務省におきましては、引き続き、関係省庁と連携しつつ、被災者に寄り添った対応に努めてまいりたいと考えております。
  13. 門田友昌

    ○最高裁判所長官代理者(門田友昌君) 裁判所といたしましても、被災された皆様や裁判所内における十分な周知は大変重要なことであると認識しておりまして、裁判所のウエブサイトに今回の令和元年台風第十九号関連の情報をまとめたページを作成しまして、民事調停申立手数料免除及び相続放棄の熟慮期間の伸長の各特例措置について周知する記事を掲載するなどして一般的な周知を図りますとともに、全国の裁判所に対して、各特例措置の内容を説明する通知等を発出しまして、窓口対応や事務処理における留意事項等の周知を行っております。  被災された皆様から申し立てられた事件につきましては、特例措置に基づく適切な処理に努めてまいりたいと考えております。
  14. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 加えまして、東日本大震災の際は、法テラスは、被災地において、移動相談車両による巡回相談とそして出張相談を行っていたと承知をしております。  私の地元であります千葉県、特にこの台風十五号による被害がひどかったのが千葉県南部です。全県で被害がありましたが、この南部に位置する鋸南町という町は、法テラス千葉のある千葉市まで公共交通機関を用いた場合に片道二時間近くを要すると、このような地域でありまして、そういうような状況で法テラスに行くというのはなかなか難しいというような状況があります。  先ほどお願いしました被災者を対象とした無料法律相談と併せまして、この法テラスの事務所と被災地が離れている場合には、その地域への出張相談、巡回相談を実施していただくことで被災者の方に寄り添った対応ができるのではないかなということで是非ともお願いしたいと思いますが、法務省の見解を伺います。
  15. 金子修

    ○政府参考人(金子修君) 法テラスの提供する法律相談援助におきましては、法テラスの地方事務所等、既設の相談場所にアクセスすることが困難な方を対象に、対象者の居住場所等において法律相談を行う出張相談や、地方公共団体等の施設に弁護士等を巡回させる等の方法により法律相談を行う巡回相談を実施することができ、これらを実施した場合、担当した契約弁護士や司法書士等には交通費とは別に出張手当を支給しているところでございます。  今般の令和元年台風第十九号による災害に関する無料法律相談におきましても、出張相談や巡回相談の積極的な活用を推進するなどして、被災者に寄り添った支援を行ってまいりたいと考えております。  なお、台風第十九号による災害に関する無料法律相談は、同台風に際し災害救助法が適用された災害発生市町村に災害発生日である令和元年十月十日に住所等を有していた方からの生活の再建に当たり必要な法律相談を対象としております。  なお、委員御指摘の千葉県についてですが、台風十五号に端を発し、台風第十九号、第二十一号と続いた一連の災害で大きな被害が生じているものと承知しております。台風第十五号で被災救助法が適用された千葉県内の市町村は、継続的に救助を必要としているものとして台風第十九号においても災害救助法が適用されているものと承知しており、先ほど述べた要件を満たす方であれば、事実上、台風第二十一号で被災された方も含め、生活の再建に当たり必要な法律相談や出張相談、巡回相談も御利用いただけ得るものと考えております。
  16. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 一連の災害による全ての被災者について丁寧に対応していただけるということで御期待をしております。  法務大臣は挨拶の中で、政府一丸となって被災者の皆様の生活再建に力を注ぐと、こう述べられていました。是非、全ての被災者の皆さんに寄り添った支援をお願いしたいと思います。  次に、児童虐待の防止について伺います。  法務大臣は挨拶の中で、法務行政の課題の取組として、まず虐待や差別のない社会の実現に向けて取り組むとおっしゃられ、真っ先の一番目の項目として児童虐待防止対策を挙げられました。さらに、全ての関係部局から成る児童虐待とたたかう法務省プロジェクトチームによる検討を速やかに行うと、こう述べられておりました。  このプロジェクトチームによる検討について、森大臣としてはどのようにお考えでしょうか。また、児童虐待防止に関する法務大臣の決意と併せて伺いたいと思います。
  17. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 災害についても、今、元榮委員からおっしゃられたように、しっかりと政府一丸となって取り組んでまいりたいと思います。  また、児童虐待についての御質問でございますが、子供に対する虐待はあってはならないものと考えております。しかしながら、児童相談所における児童虐待の相談対応件数は年々増加の一途をたどっており、子供が亡くなる大変痛ましい事案も後を絶たない現状にあります。そのため、児童虐待の根絶は喫緊かつ極めて重要な課題であり、児童虐待の予防や発見、被害に遭った児童の保護など、政府を挙げて総合的に取り組むことが必要であると思っております。  法務省においては、本年三月に取りまとめられた児童虐待防止対策の抜本的強化についてを踏まえ、これまでも、例えば人権擁護機関における相談等を通じた事案の早期発見等の各種取組を進めてまいりました。加えて、本年十月には、法務省として更なる対策を検討するため、児童虐待とたたかう法務省プロジェクトチームを設置したところです。このプロジェクトチームにおいては、週一回程度のペースで会合を開催し、ヒアリング等も行っており、省内の関係部局における現行施策の実施状況の検証を行い課題を洗い出すとともに、それらを踏まえつつ、有効な児童虐待防止施策や効果的な関係機関連携の在り方について幅広く検討を行い、年明けを目途として提言を取りまとめることとしております。  児童虐待防止対策は法務大臣就任前から強い関心を持っていた課題でもございますので、プロジェクトチームにおける検討を速やかに行い、児童虐待の根絶に向け、全力で取り組んでまいりたいと思います。
  18. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 ありがとうございます。  未来を担う子供たちへの虐待の根絶、実現されることを強く御期待申し上げます。  次に、再犯防止について伺います。  先月七日、更生保護制度施行七十周年記念全国大会が、天皇皇后両陛下にも御臨席をいただき開催されました。安全、安心な社会を実現する上で更生保護への期待が高まる中、このような全国大会を挙行することは大変意義深いことであります。法務省は、これを契機に更生保護の活動を一層推進するよう取り組んでもらいたいと、このように思います。  その中でも、担い手である保護司については、定年延長や再雇用などの影響もありまして希望者が減少していまして、なり手不足が深刻な状況となっておると思います。自治体職員などの地方公務員に協力を呼びかけているということでもありますが、法務省としては、この保護司のなり手不足への対応など、今後どのように再犯防止対策を行っていくのか、見解を伺います。
  19. 今福章二

    ○政府参考人(今福章二君) お答えいたします。  国の再犯防止推進計画におきまして、保護司を始めとした民間協力者は再犯防止の対策を推進する上で欠くことのできない存在であるとして、民間協力者の活動の促進等を盛り込んでおります。しかしながら、ただいま委員御指摘のとおり、保護司のなり手確保は困難となってきており、将来に向かって保護司を安定的に確保していくことが重要な課題であることから、法務省としては様々な施策を講じているところでございます。  具体的には、第一に、地域の関係機関等の関係者を構成員とする保護司候補者検討協議会の設置、第二に、保護司活動を体験する機会を提供する保護司活動インターンシップ制度の実施、そして第三に、保護司活動の拠点として更生保護サポートセンターの設置などを行っているところです。  とりわけ、この更生保護サポートセンターにつきましては、本年度、全ての保護司会八百八十六か所に設置する予算が措置されたところでありまして、全ての保護司会での設置を進めているところでございます。さらに、地方公共団体の職員や職員OBのほか、経済団体、宗教団体、士業団体などに対しまして、適当な方に保護司に就任していただきますよう働きかけているところでございます。  今後とも、これらの施策を着実に実施することによりまして、保護司の安定的確保を含め、再犯防止のための取組を強力に推進してまいりたいと考えております。
  20. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 更生保護サポートセンターが八百八十六か所全設置ということで、すばらしい前進だと思います。そういうリアルのチャネルも生まれている中で、さらに、やはりこの保護司の社会的意義とか、活動していただくためにはインターネット等も含めました更なる情報発信が必要だと思いますので、是非とも進めてもらいたいというふうに思います。  最後に、送還忌避の問題について伺います。  法務大臣は挨拶の中で、退去強制令書が発付されたにもかかわらず、様々な理由で送還を忌避している者に対しては、適正手続にも十分に配慮しつつ、迅速な送還の実現及び長期収容状態の着実な解消に努める旨述べられておりました。  この収容の長期化問題については、仮放免中に逃亡して所在不明となる事案が増加しているほか、この仮放免中に犯罪を犯す者も存在すると聞いておりまして、国民の安心、安全を脅かしかねない、このような状況にあると思います。  仮放免中に逃亡して所在不明となった件数の推移について入管庁から説明を伺うとともに、入管庁はこのような状況の解消のためどのような方策を行っているのか伺います。
  21. 高嶋智光

    ○政府参考人(高嶋智光君) お答えします。  仮放免は退去強制の対象者であることは、に対してなされるものであることは変わりありませんので、その逃亡というのは送還を困難にする大きな原因、一つの問題であるというふうに考えております。  過去三年間の数字を申し上げますと、平成二十八年末の段階では百七十人、平成二十九年末の段階で二百七十六人、平成三十年末の段階で三百二十八人、今年六月末時点では三百三十二人に増加しており、平成二十八年末と比較しますと一・九倍の増加となっております。この状況を解消するために、仮放免の身元保証人となるべき者の適性審査をより慎重に行うこと、それから仮放免を認める際の保証金の金額の設定を見直すことを進めております。  現行制度の運用の改善によってできることは既に取り組んでいるところでございますし、さらに今般、法務大臣の私的懇談会である第七次出入国管理政策懇談会の下に収容・送還に関する専門部会を設置いたしまして、十月二十一日に一回会合、昨日、第二回会合を開催しております。ここでは、収容、送還に関する専門知識を有する有識者、実務家の方々に集まっていただきまして、この問題を検討して、法整備を含む具体的な方策について様々な角度から自由闊達な御議論がなされているところでございます。
  22. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 しっかりと取り組んでもらいたいと思います。  先ほどの被告人等の管理の在り方も含めまして、やはりこれは司法のルールの根本の部分だと思っておりますので、しっかりと取り組んでいただくことをお願いいたしまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  23. 有田芳生

    ○有田芳生君 立憲民主党の有田芳生です。  私はこの法務委員会に属してもう九年以上になりますけれども、この委員会ではやじが飛んだことはなかったというふうに記憶しておりますけれども、一方で、本会議あるいは予算委員会などでは様々なやじが飛び交う、汚いやじもあれば、気の利いたやじもある、政治とやじというものは密接につながっているものだなというのは、これはもう憲政史上ずっと続いてきていることですけれども、まず、大臣にお伺いしたいのは、大臣が政治活動をこれまで続けてこられた中で、街頭で演説をされるときにやじが飛んだことというのはありますでしょうか。あったら、どのように対処されましたでしょうか。
  24. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 私が街頭で演説をしたときにやじが飛んだという記憶はございません。
  25. 有田芳生

    ○有田芳生君 副大臣、いかがですか。
  26. 義家弘介

    ○副大臣(義家弘介君) やじが飛んだことはございますけれども、粛々と演説を続けていたというふうに記憶しております。
  27. 有田芳生

    ○有田芳生君 政務官、いかがですか。
  28. 宮崎政久

    ○大臣政務官(宮崎政久君) 私も演説中にやじが飛んできたという経験はございますが、やじに反応するということではなくて、そのまま演説を続けたというふうに記憶しております。
  29. 有田芳生

    ○有田芳生君 大臣に一般論としてお伺いをいたします。  Aという政治家が選挙の応援のために駅前で演説をしようとした。道路を隔てたところに、Aさん頑張れというようなプラカードをいっぱい持った人たちが支援に来ていた。その中に一人、膝のところにAさんアウトと、例えばそういうプラカードを持っていた人がいた場合に、それを法的に排除する根拠はありますか。
  30. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) あくまで一般論として申し上げますと、政治的な活動への参加の形態の一つだと思いますので、法的に規制をするというようなものはないと思っております。
  31. 有田芳生

    ○有田芳生君 そのAという政治家が、その駅前で演説を終えた後に別の場所で演説をしようとした。そこにもいっぱい支援者が来ていて、Aさん頑張れというようなプラカードも含めて声も上がっている。その中で、組織的、集団的ではなくて、一人の人物がAさん帰れというようなことを叫んだときに、多くの警察官がそこにやってきて身柄を拘束して、後方に二十メートル以上引きずっていく。これは法的根拠はありますか。
  32. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 具体的な事案についてはお答えすることはできかねるんですけれども、あくまで一般論として申し上げますと、政治的な活動への参加というのは民主政治の根幹を成すものであり、重要であると考えております。
  33. 有田芳生

    ○有田芳生君 その男性が警察官に引きずられて別の場所に連れていかれた。それを見て憤慨したその友人の女性が、例えば消費税反対というようなことを叫んだときに、そこに十人以上の警察官が来て腕を取り、写真を撮ろうとし、そして後方に移動させられる。これは法的に何か根拠はありますか。
  34. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 委員の質問が非常に具体的な事案を念頭に置いたものと考えられますので、具体的事案についてはお答えできかねるということを申し上げた上で、一般論としてお答えしますと、先ほどから申し上げておりますとおり、政治活動への参加というものは民主政治の根幹を成すものであり、重要であるというふうに考えております。
  35. 有田芳生

    ○有田芳生君 何か政治的な発言をした人がいるとする。そして、その友人であるとみなされた人が、そこからずうっと、道路を歩いていても十人以上の警察官に尾行される、あるいは店に入ってもそこに三人の、数人でいいんですけれども、そういう警備が付くという法的根拠はあるんでしょうか。
  36. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 同様のお答えになりますけれども、具体的な事案への当てはめということについてはお答えできかねることを申し上げた上で、一般的には、政治的活動への参加というものは民主政治の根幹を成すものであるというふうにお答え申し上げます。
  37. 有田芳生

    ○有田芳生君 当然、憲法に基づく政治的活動の自由の範疇だと私も思います。  そして、警察庁にお伺いしますけれども、北海道警の山岸直人本部長が北海道議会で何度も何度も語ってきたように、お答えは差し控えさせていただきますという答弁はしないでください。それを前提にお聞きをします。  今年の七月十五日、安倍総理大臣が、参議院選挙の応援で北海道の新札幌の駅で演説をしようとしました。そのとき、多くの支援者たちが集まっている中で、ある男性が安倍さんに批判的なプラカードを膝に置いていた。そこに警察官がやってきて、その人を排除する法的根拠は何ですか。
  38. 河野真

    ○政府参考人(河野真君) お尋ねの件は、七月十五日、札幌市で街頭演説が行われた際、北海道警察が現場においてトラブル防止の観点からの措置を講じたものとの報告を受けております。  他方、本件に関する告発状が検察庁に提出されていることであり、その処理の状況を踏まえつつ、北海道警察において引き続き事実確認を行っているものと承知しており、これ以上のお答えは差し控えさせていただきますけれども、いずれにしましても、このような形で警察の職務執行の中立性に疑念が抱かれたことは残念であり、今後とも不偏不党かつ公正中立を旨として職務を執行していくよう、都道府県警察を指導してまいりたいと考えております。
  39. 有田芳生

    ○有田芳生君 膝の上に、安倍首相に対する厳しい言葉ではなく、例えばアウトとか、そういうことを、膝の上にプラカードを持っている人を排除する根拠は何ですかと聞いているんです。お答えを差し控えたいということではなく、その法的根拠を示してください。
  40. 河野真

    ○政府参考人(河野真君) 北海道警察においては、引き続き事実確認を行っているものと承知しております。
  41. 有田芳生

    ○有田芳生君 事実確認じゃなくて法的根拠を答えてくれとお願いしているんです。もうずっと北海道議会から、七月十五日から、もう四か月たつんですよ。どういう法的根拠なんですか。
  42. 河野真

    ○政府参考人(河野真君) 本件の具体的な取扱い等については、検察庁に告発状が提出されており、その処理の状況を踏まえつつ北海道警察において事実確認を継続していることから、これ以上のお答えは差し控えたいと考えております。  なお、一般論として申し上げれば、警察官は、警察法第二条の目的を達成するため、任意の協力を得て移動いただくことがあるほか、警察官職務執行法に基づき、危険な事態がある場合には、その場に居合わせた方を避難させたり、犯罪がまさに行われようとするのを認めた場合には、その行為を制止したりすることができるところであります。
  43. 有田芳生

    ○有田芳生君 座っているだけで排除されることを認めるわけですね。  じゃ、安倍首相はその後に新札幌の駅から札幌駅に移りました。そこで、ある創価学会員の若い男性が友人たちに総理が来るから聞きに行こうということで、四人の人たちが札幌駅前に行った。その一人の男性が、安倍さんに対して、総理に対して帰れということを叫んだ。そうすると、三秒から五秒の間に、この写真の上の方ですけれども、警察官がやってきて、取り囲んで、腕をつかんで、二十メートル以上後ろの方に引きずっていった。これはテレビでも、当然、安倍総理が来る演説会ですから、新聞記者もテレビも報道に来たから、映像は残っている。今だってネットに残っていますよ。そういうことをやる、行う警察の法的根拠は何ですか。
  44. 河野真

    ○政府参考人(河野真君) 繰り返しになりますけれども、本件の具体的な取扱い等については、検察庁に告発状が提出されており、その処理の状況を踏まえつつ北海道警察において事実確認を継続していることから、これ以上のお答えは差し控えさせていただきます。  なお……
  45. 有田芳生

    ○有田芳生君 そんなの質問できないじゃない。質問できないじゃない。事実を確認しているんですよ。
  46. 河野真

    ○政府参考人(河野真君) 繰り返しになりますけれども、現在、北海道警察において事実確認を継続しているところであります。
  47. 有田芳生

    ○有田芳生君 四か月かかっても事実確認できない、そんな警察なんですか。  じゃ、伺いますけれども、どういう告発状が出ているんですか。具体的にお示しください。
  48. 河野真

    ○政府参考人(河野真君) 告発状の中身については承知いたしておりません。
  49. 有田芳生

    ○有田芳生君 何言っているんですか。北海道議会で具体的にどういう告発か明らかになっているじゃないですか。違いますか。
  50. 河野真

    ○政府参考人(河野真君) どの事案が告発の対象とされ、違法と指摘されているかについては承知しておりません。
  51. 有田芳生

    ○有田芳生君 北海道議会では明らかになっていることなんですよ。  じゃ、時間がもったいないから次に行きます。  同じく、総理が、道路の向こう側にいた最初の排除された男性は、三車線向こうに総理がいて、群衆の中に一人いた。それが警察官に連れていかれたから、一緒にいた女性はびっくりして、私も何とか言わなければいけないということで消費税反対と語ったら、そこにも多くの警察官がやってきて、腕を取って排除した。引きずっていった。この法的根拠は何ですか。
  52. 河野真

    ○政府参考人(河野真君) 先ほどからの繰り返しになりますけれども、本件の具体的な取扱い等については、検察庁に告発状が提出されており、その処理の状況を踏まえつつ、北海道警察において事実確認を継続していることから、これ以上のお答えは差し控えさせていただきます。
  53. 有田芳生

    ○有田芳生君 創価学会の青年に声を掛けられて、総理が来るから行ってみようじゃないか。そして、彼らは、日常的に政治に対する思いがあるものですから、めったに見ることもできない総理がいらしたときに自分の思いを声に出しただけなんですよ。政党に属している人でもないんですよ。一人は創価学会の青年ですよ。二人の、帰れと言った人と消費税反対と言った人が、男女が排除された。それ見てびっくりしたその創価学会の青年は、仲間だと思われて、そこからずうっと大通公園とか歩いているときにも、前に二人、後ろに二人、警察官がずうっと付いてきて、どこに行くんですか、何をするんですかということを聞いた。この法的根拠は何ですか。
  54. 河野真

    ○政府参考人(河野真君) 繰り返しになりますけれども、本件の具体的な取扱い等については、検察庁に告発状が提出されており、その処理の状況を踏まえつつ、北海道警察において事実確認を継続していることから、これ以上のお答えは差し控えさせていただきます。
  55. 有田芳生

    ○有田芳生君 四か月たっているんですよ。事実確認、そんなへっぽこ警察じゃないでしょう、北海道警は。どうして四か月たっても事実確認さえできないんですか。事実なんてのはもうテレビにも明らか、そこに記者たちもいっぱいいた。応援する人も反対する人、ごく少数ですけれども、いた。何にも叫んでいない人が、尾行がずうっと付いていく。異常でしょう。異常じゃないですか。
  56. 河野真

    政府参考人(河野真君) 繰り返しになりますけれども、北海道警察において引き続き事実確認を行っているものと承知しており、これ以上の答弁は差し控えさせていただきます。
  57. 有田芳生

    ○有田芳生君 七月十五日からもう四か月たつ。そんなに事実確認難しいことなんですか。
  58. 河野真

    ○政府参考人(河野真君) 本件に関する告発状が検察庁に提出されているとのことであり、その処理の状況を踏まえつつ、北海道警察において引き続き事実確認を行っているものと承知しております。  北海道警察からは、その結果を踏まえ、必要な説明を行っていくとの報告を受けております。
  59. 有田芳生

    ○有田芳生君 大通公園では、別の女性たちも、年金が不安だというプラカードを持っていただけで排除された。私は、札幌行って、そういう人たち七人から具体的な話聞きましたよ。私一人でもその事実確認はできるのに、何で北海道警察はそういう事実確認さえ四か月たってもできないんですか。
  60. 河野真

    ○政府参考人(河野真君) 繰り返しになりますけれども、本件に関する告発状が検察庁に提出されているとのことであり、その処理の状況を踏まえつつ、北海道警察において引き続き事実確認を行っているものと承知しております。  北海道警察からは、その結果を踏まえ、必要な説明を行っていくとの報告を受けております。
  61. 有田芳生

    ○有田芳生君 では、一般論で伺います。  警察が一般の人をその体に触れて拘束、排除する法的根拠はどういうものがあるんですか。
  62. 河野真

    ○政府参考人(河野真君) 一般論として申し上げますと、警察官は、警察法第二条の目的を達成するため、任意の協力を得て移動をいただくことがあるほか、警察官職務執行法に基づき、危険な事態がある場合にはその場に居合わせた方を避難させたり、犯罪がまさに行われようとするのを認めた場合にはその行為を制止したりすることができるところであります。
  63. 有田芳生

    ○有田芳生君 北海道の事実と全く違うじゃないですか。一言声を発しただけで警察官が取り囲んで、腕をつかんで身柄を拘束して、二十メートル移動させる。一言発した女性が七人も八人もの警察官に捕まって、そして、その後、移動してもずっと付いてくる。あるビデオショップに入っても、その中にまで警察官がやってくる。そして、その女性に対しては、写真、下の方ですけれども、こういう形で拘束をして、その後もずうっと付いてきて、ジュース飲む、ジンジャーエール飲む、そういうようなことを語っている、これからどこ行くの。で、この女性は、ビデオショップに入ったら中にも警察官がやってくる、表に出たら、また警察官が待っている、歩いたらずうっと警察官が前後を付いてくる、こんなことが七月十五日に起こったんですよ。テレビの画面にも映っているじゃないですか、北海道警だって具体的に知っているじゃないですか。  北海道警察は、この七月十五日の直後に、そういう行為を行ったこと、理由を語っていますよね。何て語りましたか、当時、北海道警察は。
  64. 河野真

    ○政府参考人(河野真君) 警察庁におきましては、北海道警察から、現場でのトラブル防止の観点から措置を講じたものである、検察庁における告発状の処理状況を踏まえつつ事実確認を継続しているとの報告を受けております。
  65. 有田芳生

    ○有田芳生君 全然違いますよ、何を言っているんですか。  これが北海道で大問題になったときに、北海道警は、そうやって一言発した人を身柄拘束して引きずっていく、消費税反対と言った女性にずうっと身柄拘束をして、尾行を付く、そして、創価学会の真面目な男性には、何も話していないのにずうっと尾行が付く、プラカードを膝に置いていただけで排除する、年金が不安だっていうプラカードを掲げていないのに女性たちが大通公園で警察官たちに排除される。  これが七月十五日にあったときに、北海道ではテレビも新聞も報道しましたよ。そのとき北海道警察は何と答えたんですかという質問なんです。そういう身柄拘束をした理由を、七月十六日、十七日の段階では北海道警察は具体的に語っているじゃないですか、それを聞いているんです。
  66. 河野真

    ○政府参考人(河野真君) 繰り返しになりますけれども、警察庁においては、北海道警察から現場のトラブル防止の観点から措置を講じたものであるとの報告を受けております。
  67. 有田芳生

    ○有田芳生君 違います、違いますよ。  じゃ、お聞きしますけれども、一言やじを飛ばしたら身柄拘束するんですか、今の警察は。
  68. 河野真

    ○政府参考人(河野真君) 一般論として申し上げれば、警察は、犯罪や事故につながるようなトラブルや、これに起因する混乱を未然に防止するため必要な措置を講じているところでありますが、どのような行為に対してどのような措置を講じるのかは個別具体の状況によるため、一概に申し上げることは困難であります。
  69. 有田芳生

    ○有田芳生君 何も語っていない人にずっと尾行が付いて、これ、トラブル防止なんですか。お答えください。一般論でいいですよ。
  70. 河野真

    ○政府参考人(河野真君) 繰り返しになりますけれども、一般論として申し上げますと、どのような行為に対してどのような措置を講じるのかは個別具体の状況によるため、一概に申し上げることは困難でございます。
  71. 有田芳生

    ○有田芳生君 だって、今もうずっと具体的にお伝えしているじゃないですか。もう答えが来ないようだから、当時、北海道警察は何と言ったかというと、選挙の自由妨害のおそれがあるから、それを根拠にしたんですよ。間違いないですね。
  72. 河野真

    ○政府参考人(河野真君) 繰り返しになりますけれども、北海道警察において引き続き事実確認を行っているものと承知しておりまして、これ以上のお答えは差し控えます。
  73. 有田芳生

    ○有田芳生君 いやもう、予想どおりだからどうしようもないんだけれども、とにかく北海道議会でも問題になって、四か月以上たっている。そして、九月の段階で北海道警察本部長はできるだけ早い時期に説明したい、これ九月二十五日ですよ、もう二か月たつ。単純な事実ですよ。証拠だって残っている。テレビ映像だって残っている。ネット見れば、皆さん、今日帰って見てくださいよ、残っている、どんな異常なことが七月十五日にあったのか。  じゃ、警察庁に伺います。  警察法第一条、第二条、警察の責務について端的にお答えください。
  74. 竹谷とし子

    ○委員長(竹谷とし子君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  75. 竹谷とし子

    ○委員長(竹谷とし子君) 速記を起こしてください。
  76. 河野真

    ○政府参考人(河野真君) 警察法第二条第二項におきましては、警察の活動は、厳格に警察法第二条第一項の責務の範囲に限られるべきものであって、その責務の遂行にあっては、不偏不党かつ公平中正を旨とし、いやしくも日本国憲法の保障する個人の権利及び自由の干渉にわたるなどその権限を濫用することがあってはならないと規定されております。
  77. 有田芳生

    ○有田芳生君 警察官職務執行法も同じようなことが書いてあるんですけれども、公平中立でなければいけない、憲法の保障する個人の権利及び自由の干渉にわたるなどその権限を濫用することがあってはならないと。  七月十五日、北海道で起きたことは濫用そのものじゃないですか。違いますか。
  78. 河野真

    ○政府参考人(河野真君) 繰り返しになりますけれども、北海道警察において、引き続き事実確認を行っているものと承知しておりまして、これ以上のお答えは差し控えさせていただきます。
  79. 有田芳生

    ○有田芳生君 もう四か月たとうが半年たとうが、忘れるのを待っているんじゃないかと思わざるを得ないほど。事実なんてもう明らかなんだから、単純な事実なんだ。それさえ確認できない、これはもう公平中立どころじゃないじゃないですか。  もう繰り返しになりますから、残念ながら次に行きますけれども、その参議院選挙の前に、警察庁の警備局長が通達出していますね、六月二十六日に。どういう内容ですか。
  80. 河野真

    ○政府参考人(河野真君) 警察庁におきましては、本年六月二十六日、都道府県警察に対し、警護及び警戒措置の徹底、テロ等の未然防止に資する情報活動の強化などのほか、警護に当たっては、警護措置の内容や対応に細心の注意を払い、警察の政治的中立性に疑念を抱かれることのないよう、十分配意することとしております。
  81. 有田芳生

    ○有田芳生君 通達にあるように、警察の政治的中立性に疑念を抱かれることのないよう十分に配慮をしていないのが北海道警察だったじゃないですか。  しかも、この通達の中にはこう書いてある。右翼に注意せよというのが前提なんだけれども、また、右翼以外であっても社会に対する不満、不安感を鬱積させた者が云々とあって、現場の配置員には、固定観念を払拭させ、緊張感を保持させてこの種事案の未然防止を図ること。固定観念を払拭させるというのはどういう意味ですか。
  82. 河野真

    ○政府参考人(河野真君) 当該通達は、右翼以外の者であっても重大な違法事案を引き起こすことも懸念されることから、右翼であるか否かの別をもって、のみによって判断すべきではないことを示したものではございます。
  83. 有田芳生

    ○有田芳生君 だから、現実に当てはめれば、一言やじを発した人、何も発していないのにその仲間だと思われた者、プラカードをただ持っていた者が排除される、それが固定観念を払拭させる行為だったんじゃないんですか。  そして、この通達、六月二十六日警察庁通達の後に警備状況についての報告をなさっていますね。もう聞いてもしようがないんで、皆さんにお配りした右側ですけれども、黒塗りの文書です。もう真っ黒です。真っ黒、真っ黒、いつもの真っ黒。何があったかも書かれているんでしょうけれども、こういう状況が続いたのが七月十五日の北海道でのことなんです。  もう時間が来ましたから、公選法に基づく選挙妨害について、選挙の自由妨害罪とは一体何なのかと、公職選挙法の二百二十五条ですけれども、これまで判例があります、大阪高裁、最高裁でも。誰かお答えできる方いらっしゃいますか、法務大臣でなくても。
  84. 保坂和人

    ○政府参考人(保坂和人君) 今、御通告いただいておりませんので、今手元に資料がございませんので、申し訳ありませんが、お答えをすることはできかねます。申し訳ございません。
  85. 有田芳生

    ○有田芳生君 通告がないから答えられないというのは、それはないというのが前提の今の国会じゃないですか。  だから、もう時間がないのでお答えしますと、要するに、結論的に言えば、事実上演説することが困難な状況になったときのことだと、最高裁、大阪高裁でも明らかにしている。一般聴衆がその演説内容を聴き取り難くなるほど執拗に自らもやじ発言あるいは質問をなし、一時演説を中止するのやむなきに至らしめるがごときは公選法二百二十五条に該当するというのは、これは大阪高裁、昭和二十九年の判決ですけれども、そういうことでない、やじ一つ飛ばした、やじも飛ばしていないのに排除される、尾行される、こういうことが政治的公平、中立じゃないでしょということなんです。  警察庁に伺います。  今の警備局長はどなたですか。
  86. 河野真

    ○政府参考人(河野真君) 大石吉彦警備局長であります。
  87. 有田芳生

    ○有田芳生君 大石さんは、今年の一月までどういうお仕事をされていましたか。
  88. 河野真

    ○政府参考人(河野真君) 内閣総理大臣秘書官を務めておったと承知しております。
  89. 有田芳生

    ○有田芳生君 もう時間ですのでやめますけれども、このように、総理に対するそんたくが行われたのではないかと疑わせるような異常な警備が七月十五日に北海道であったという事実、これは北海道警察道警本部長が近く明らかにすると言っていながら、もう二か月、三か月、四か月たっている。こんなことでは警察の中立性、公平性というのは多くの国民に疑われると。改善していただきたい、同じようなことを起こさないでいただきたいということをお願いをして、質問を終わります。
  90. 櫻井充

    ○櫻井充君 本来であれば大臣所信に対する質疑ですが、済みません、発言の機会が余りないので、台風十五号、十九号、それから集中豪雨についての質問をさせていただきたいと、そう思います。  今回の台風、それから大雨によって犠牲になられた皆様、そしてその御遺族に衷心より哀悼の誠をささげたいと思います。さらに、被災された皆さんに心からお見舞い申し上げると同時に、これは与野党を超えて復旧復興に全力を尽くしていきたいと、そう思っています。  その観点から何点か質問させていただきたいと思います。  今回の被災は割と小さい町が中心で起こってきていて、財政規模が非常に小さいので、激甚災害に指定されたとしても自己負担が重くて財政破綻してしまうんではないかということを懸念されている首長さんたちが随分おられます。  安倍政権で早期に激甚災害に指定していただいたことについては評価をしたいと思いますし、感謝申し上げたいんですが、例えば地元の角田市という町があります。ここの、今のところ分かっている被害の総額が三十五億。これ、激甚災害に指定されていても一七%の市町村負担があります。そうすると、それで計算すると約十三億円の自己負担があって、ここの財政調整基金が十三億円ちょっとなんですよ。つまり、この基金を全て取り崩してしまわないと、激甚災害に指定されたとしても町としてやっていけないと。そうすると、市長さんから言われているのは、財政破綻してしまうんではないかという懸念を抱かれているわけです。  そこで、阪神・淡路の大震災のときには、これ自己負担があったんで、神戸市はその返済に相当苦労しました。ただ、神戸市は非常に大きい町なので何とかやっていけているわけです。そこで、東日本大震災のときには、私は財務副大臣務めさせていただいていましたが、町の、基本的には市町村負担をゼロにいたしました。後から一部負担をお願いしたときもありますが、事例はありますが、基本的には市町村の負担はゼロといたしました。  是非、本当に、財政の弱い町に対し、市町村に対しては、自己負担を減額する、若しくはゼロにしていただけるようなことはお考えいただけないでしょうか。
  91. 宇波弘貴

    ○政府参考人(宇波弘貴君) お答え申し上げます。  十一月の七日に取りまとめた対策パッケージにおきましても、例えば大量かつ広範囲に発生している廃棄物などの処理について広域処理の支援とか、あるいは自治体の実質的な負担を軽減するといった措置、それからグループ補助金につきましても、福島県とそれから宮城県において、東日本大震災からの復興途上にある被災事業者が実質的に事業者の御負担のない形でなりわい再建に取り組めるように新たに五億円までの定額補助とする措置を実施するなど、被災自治体、被災者の状況に配慮した措置を講じているところでございます。  同パッケージの基本方針におきましても、被災者の方々の安心感を確保し、被災自治体が安心して復旧復興に取り組めるよう切れ目なく財政措置等を講じていくというふうに明記されているところでございまして、この方針に沿って今後とも丁寧に対応してまいりたいというふうに考えております。
  92. 櫻井充

    ○櫻井充君 多分、まだ決定されていないので、こうしますとまでは言えないんだろうと思います。是非、お願いは、繰り返しになりますが、本当に市町村負担が出てくると財政破綻してしまう可能性があります。それから、今被災地の話がありましたが、千葉県でも相当その被害の大きい町があって、ここも財政力弱いですからね。ですから、被災三県にかかわらず、被災三県にかかわらず全国的な財政規模で考えていただければ有り難いと思うんです。  例えば、宮城県とかそれから仙台市だと、まあこの震災関連を除けば一般会計約五千億ぐらいだと聞いています。県知事や、それから市長の裁量的経費が大体三十億ぐらいだと。つまり一%もないんですよ。これ、例えば一%負担で十年間で返済ということになったって相当大変なことなんですよ、これは。  ですから、こういったことを全部勘案していただいて、どういう財政規模でどういうルールを作るのか、これから災害が増えてきているので検討しなきゃいけないと思うんです。毎回毎回これでこういうふうにしましょうということではなくて、どの程度、全くゼロということにはできないんだというんであれば、どの程度の負担だったら可能なのかというルールを決めていくべきだと思っているんですよ。例えば、十年間で、今申し上げたとおりの数字でいうと一%も無理なんですよ。多分〇・五%も無理だと思います。そういうようなある程度のルールを作っていただきたいと、これはまあ要望ですから、是非お願いしたいと思います。  それから、農業被害が結構ありまして、まず、その中で米のことから申し上げると、まだ収穫前の米については、これは保険制度がありますから何とかなるんです。それから、農協に納めたものはもう仮払いされているので、等級が決まっているものについては、これは今度は農協の問題になって、農協で保険に入っているから、まあこれは何とかなるんですよ。で、問題にならないのは二つあって、この間、農協と話をしていたら、農協にまだ仮払い前のお米があるんですが、これもどうやら保険の適用になりそうだと。保険の適用にならないのは、自宅に、まだ農協に納める前に、何というんですか、保管していた米については、これ実は保険の対象にならないんですよ。  まずこれについてきちんと手当てしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
  93. 平形雄策

    ○政府参考人(平形雄策君) お答えいたします。  収穫後に農家の倉庫等で保管されていた米の浸水被害につきましては、近年、収入保険や任意共済の特約が整備されたところでございますが、しかしながら、今般の台風十九号により、被害により営農を断念せざるを得ないとおっしゃられる農家の方もいらっしゃいます。  このため、保管していた米が浸水被害を受けた農家に対しましては、営農再開に向けまして、今後、収入保険や任意共済の特約等に加入していただくことを前提に、土作りや種苗等資材の準備等といたしまして十アール当たり七万円ということを支援する対策を講じることとしたところでございます。
  94. 櫻井充

    ○櫻井充君 ありがとうございます。  今の点、すごく大事だと思ったのは、収入保険に余り入っていないんですよね。そして、従来どおりの保険制度とどっちが、まあ言葉は悪いんですが、得なのかというのを見ている人たちがかなり多くて、今回のここの措置の中でいうと、やっぱり保険に入っている人と入っていない人の不公平感というのも出ちゃいけないと思っているんですよ。そういう意味で、今御答弁あった、収入保険に入ることを前提にというのは非常にいい措置だと思うので、是非きちんと手当てしていただきたいと、そう思います。  それから、大豆とか飼料用米については、これ元々価格が安いので、結果的に政府で奨励金というんでしょうか、補助金を、いわゆるゲタと言っていますが、げたを履かせているわけですよ。このゲタは収量に応じて決まってくるものですから、今回のように収量がゼロになってしまうと、このゲタの部分が非常に低くなるんですよ。  是非お願いは、例えば過去三年間ぐらいの収量を計算していただいて、予定収量を計算していただいて、それに沿って支払っていただくとかなんとかしていただかないと再生産できないんじゃないかと思いますが、この点についてはいかがでしょうか。
  95. 平形雄策

    ○政府参考人(平形雄策君) お答えいたします。  大豆につきましては、委員御指摘のとおり、まず自然災害による損失に対しましては農業共済からの共済金ということでございますが、それに加えまして、適切に肥培管理が行われた作付けに対しましては、災害により収量が得られなかった場合であっても、一つ、畑作物の直接支払交付金、ゲタの面積払い、これ十アール当たり二万円ございます。それにプラスして、水田活用の直接支払交付金、これは反当たり三万五千円でございます。こちらの方の支払を行いまして、営農の継続ということを支援しておるところでございます。
  96. 櫻井充

    ○櫻井充君 ありがとうございます。  皆さん心配しているので、是非手厚くお願いしたいと思うんです。  もう一つ、農機具についてお伺いしておきたいと思います。  この間、農水省の説明ですと、一般的に言うと、農機具の補助金は十分の三程度だということでございました。多分、七割負担しろといったら、もう農業やめましたという人たちが随分出てくると思うんです。ただ一方で、これ、農機具に対して、まあ一軒に一台必要かというと必ずしもそうではないと思っているんですよね。  それで、例えば、東日本大震災のときに、中小企業のグループ化補助金のような、そういう制度をつくらせていただきましたが、農業が大規模化していくようなこと、大規模化させるというのが今の政府の方針でしょうから、ある程度規模が集まったところに対して、それに見合いの農機具を買っていただけるような補助金をつくって、補助の割合を十分の三よりかなり引き上げていただくと。例えば、グループ化補助金のときには七五%の補助でした。そういうような、補助率を上げて、なおかつ集約化を進めていって、再生産するような、そういうスキームをつくっていったらいいんじゃないかと私は思っているんですが、まあこれはどちらでも結構です。  いずれにしても、この農機具に対してもきちんとした手当てをしていただかないと再生産ができないんですが、この点についていかがでしょう。
  97. 鈴木良典

    ○政府参考人(鈴木良典君) 台風十九号等に伴う被害に対します対策につきましては、農林水産省において十一月七日に公表しておりますが、この中で、被災した農業用機械に関しましては、被災前と同程度の機械の再取得を支援をすることにしております。ここも、十一月七日の段階で補助率十分の三から二分の一に引き上げて対応するということにしております。  また、被災を機に規模拡大などを図る場合については、共同利用や担い手への作業集約化に必要なものであれば、被災前よりも高性能なものも含めて農業用機械のリース導入の支援をするということにしております。  また、同じく十一月七日に公表されました被災者の生活と生業の再建に向けた対策パッケージでは、農林漁業者の支援においても、グループ補助金等も活用しつつ、柔軟かつきめ細かく対応する旨が盛り込まれており、政府一体となって、地元の意向をお聞きしながら、来年の営農に影響が出ないよう、被災地に寄り添って引き続き丁寧に対応をしてまいりたいと考えております。  委員御指摘の点に関しましては、このような支援を通じて、被災を機に担い手への集約を図り、ニーズや実態など現場の実情、状況を把握し、今後の検討に生かしてまいりたいと考えております。
  98. 櫻井充

    ○櫻井充君 ありがとうございます。  鈴木審議官、この間まで東北農政局長でしたから、宮城県、いや、宮城県だけじゃないですよ、福島も相当な被害を受けていて、東北の実態はよく分かっているはずですから、是非御尽力いただきたいと、そう思います。  東日本大震災のときに、例えば岩沼市などは随分大型の法人化が進みまして、例えば寺島地区というところは三十二軒農家ありましたが、全部やめましたから。鈴木審議官、ちょっと聞いてくれる、鈴木さん、聞いておいてくれる。要するに、この寺島地区というところは三十二軒農家あったんですよ。で、もう全員やめてしまって、ただ、三人で立ち上げた法人、大体七十町歩か八十町歩だったと思いますが、こうやって何らかの災害があるたびにこうやって集約化して、良くなっていっているんですよ。  ですから、今回の出来事は非常に不幸な出来事ですが、このことによって農業が強く、地元できちんとやっていけるような、そういう体制づくりをやっていただきたいと、そのことも併せてお願いしておきたいと思います。  それから、国土強靱化対策についてというかですね。  今、大郷の町長は集団移転事業を進めようとしてきているんです。これ、僕は現地行きましたが、やっぱり本当に悲惨でして、決壊したすぐのところにお寺さんがあるんですが、墓石が全部倒れていました。墓石が全部倒れているだけじゃなくて、墓石がもう流されているわけですよ。この地域の人たちは、ここの、もうこの地域に住みたくないと、特に若い人たちはもうこの地域に住みたくないんですと言っているんです。これ、集団移転事業を町としては推進していきたいと言っているんですが、問題はここからです。  集団移転事業を行うということになった際に、保険に入っている方々は多分新築できるんですよ。保険に入っていなかった方々、それから住宅ローンを組めない高齢者の方々、こういう人たちは、集団移転事業をやりましょうといったって、ここに住みたくないといっても、結果は住み続けざるを得なくなってしまうんですよね。  それで、まず、国土強靱化策というのは堤防をかさ上げするようなそれだけのものなのか、それとも今のような集団移転事業も含めてなのか、この点について御答弁いただきたいと思います。
  99. 徳永幸久

    ○政府参考人(徳永幸久君) お答えします。  国土強靱化につきましては、堤防のかさ上げ等の対策のみならず、土地利用計画といたしまして、災害に危険なところにできるだけ人に住んでいただかないように措置するということも含まれております。  以上です。
  100. 櫻井充

    ○櫻井充君 そうすると、これ予防的措置も含まれるんだろうと、まあ医者なのでそういう発言になっちゃうかもしれませんが、そういうものも含まれるんだろうと思うんですよ。  今回のハザードマップは、今回というか、ハザードマップは物すごいよくできていました。ハザードマップのとおりでした。  それから、東日本大震災のときに、四十五号線ずっと走っていってみたら、ここまで津波が来ましたというのが書いてあるんですが、あれは、東日本大震災があったからそこの看板ができたんではなくて、その前からできているんですよ。多分、女川の原発などは、本来は二メーターぐらい低い場所に造る予定だったんですが、当時の平井さんという副社長の方の英断で二メーター上げたから全くその被災受けなかったと。あそこは避難所になっていましたけれども。ですけど、そういうその過去の事例から照らし合わせていろんなハザードマップなりができているんですが、非常によくできています。  そうすると、この地域の方々にしてみれば、もし集団移転事業を行っていただけるんであれば移転したいと思う方、随分いらっしゃると思うんですよ。やるべきなんですよ。  ただ、問題はここからでして、予防的措置になると、実は保険も何もないんですよ。全員自己負担でその地域を離れなきゃいけなくなってくると。繰り返しで、あとはもう一つは、高齢者の人たちは多分住宅ローン組めないんですよ。こういう人たちが現実にいる中で、幾ら国土強靱化策だといって集団移転事業も入るんですといっても絵に描いた餅になってしまうようなこと、私はそう思っているんですよ。  こういう人たちに対して何らかで国で措置をしていかないと集団移転事業は進まないと思いますが、この点についていかがですか。
  101. 徳永幸久

    ○政府参考人(徳永幸久君) お答えします。  災害から命を守るための事前対策ということにつきましては、危ない地域から住宅の移転も重要な課題だというふうに認識しております。  現在、防災集団移転促進事業という制度を国としては用意しておりますが、その事業につきましては、住宅が集団移転する際、事前の移転をする際でございますけれども、その際にも支援が可能なようになっておりまして、国は市町村が行う移転先の住宅用地の整備や従前地の買取り等について支援できます。  この仕組みでございますと、移転者にとりましては、市町村が個々の移転される方の土地ですとか家屋を補償として買い取る場合に、その費用を移転者の方が移転先の住宅再建をする原資として充てることができるということになります。このほか、住宅ローンをお借りになる場合に、移転者の方がお借りになる場合には、利子相当額を助成するという仕組みもございまして、実質的に無利子でローンの借入れができるという仕組みにもなっております。  このような仕組みを活用いたしまして、地域や個人の事情に合わせて国土交通省としても支援をしてまいりたいと考えております。  以上です。
  102. 櫻井充

    ○櫻井充君 ありがとうございます。  それで、一点心配しているのは、日本の制度だけなんですが、住んでいても、築三十年ぐらいになっちゃうと住宅の価値はゼロになるどころかマイナスになるわけですよね。今の日本の住宅の事情というか、売買価格はそうなっちゃうんですよ。  そうすると、そういう地域の方々が別に新築の住宅に住んでいるとはとても思えなくて、査定価格がすごく大きな問題になると思うんですよ。ですから、その移転に資するぐらいの査定価格にしていただけるものなのですか。
  103. 徳永幸久

    ○政府参考人(徳永幸久君) 個別に移転につきましては補償額を算定するということになりますけれども、一般的に申し上げますと、公共事業、いわゆる例えば道路の整備ですとか河川の拡幅等に伴って土地ですとか家屋を移転していただくことがございますが、そういうときにも補償の基準に基づきまして適切な補償をしております。この事業に、本防災集団移転促進事業につきましても同様な取組になるというふうに思っております。  以上です。
  104. 櫻井充

    ○櫻井充君 いや、その適切が本当に市場の売買価格になると困るんですよ。ある程度げた履かせてもらわないと移転できないんです。  それから、住宅ローン組めないような人たちに対しては、東日本大震災のときはそうでしたが、復興公営住宅を造らせていただきました。やはりその公営住宅などを造って、そこに安いお金で入居していただくような、そういう仕組みも必要だと思いますが、この点についていかがですか。
  105. 徳永幸久

    ○政府参考人(徳永幸久君) お答えします。  防災集団移転事業につきまして、移転をしていただくことになるわけですけれども、その方々が移転先で住宅再建をされないという場合に、地方公共団体の判断によりまして、その住宅再建されない方の中で、現に住宅に困窮し、収入が少ないなど、いわゆる公営住宅の入居資格要件を満たす世帯につきましては、公営住宅に優先的な入居を認めるという制度、ということが可能という制度になっております。  こういう制度が各地で適切に使われるということを期待しております。  以上です。
  106. 櫻井充

    ○櫻井充君 是非よろしくお願いします。  今回行った、僕が回った地域の人たちの声をお伺いしていると、やはりこういう不安な地域にもう住みたくないんですと、そういう話しされているんです。  もう一つ、これ結構大きな問題だと思っているのは、その地域からどんどん離れていく人たちがいるわけですよ。例えば南三陸町などは、震災の後、前後で五千人人口が減っているんです。一万七千人から一万二千人ですよ。千人近くの、千人弱の方がお亡くなりになって、四千人の方が町を捨てているんですよ、捨てているという言葉は申し訳ないかもしれないけれども。  そうすると、こうやって集団移転事業を行う際に、その換地が町内に、例えば被災したところにあるんだったら、まだ人口減を止めることは可能なんですが、そうでないとすると、今もうそうでなくても過疎地は深刻な問題になっているんです、人口減で。そういうことにも配慮していただいた上で、なるべく人口が流出しないようになるべく早くに手当てしていただきたいと。この人たちが、繰り返しですが、その町から離れるということではなくて、その町にとどまっていただけるような対策を取っていただきたいということは要望しておきたいと、そう思います。  それからもう一つ、ダムの事前放流についてお伺いしておきたいと思います。  今回、エリアメール相当鳴りました。エリアメール相当鳴った中の半分はうそかもしれませんけれど、ダムの事前放流があって、それで決壊するかもしれないという、そういうことが随分あったわけですよ。  そうしてくると、何か話を聞いてみると、西側の方は割と大雨が多いのでダムの事前放流についてのルールが定められているやにお伺いしていますが、これから東日本側についてもそういう対応をしていくべきだと思いますが、その点についていかがでしょう。
  107. 塩見英之

    ○政府参考人(塩見英之君) お答え申し上げます。  事前放流につきましては、事前にダムの容量を確保して洪水をため込むことができるという意味で非常に有意義かつ実効的な取組だと思っております。これまでも国土交通省でガイドラインを示しておりますけれども、利水者が建設に当たって費用を負担した上で発電やかんがいのための水を貯留しているということでございますので、利水者の合意を得ることが不可欠でございます。  このため、損失補償の考え方などを示したガイドラインを丁寧に説明させていただくとともに、また、水位回復の予測技術の開発も進めながら、丁寧に利水者の御理解をいただいて、全国で事前放流の取組が進むように取組を進めてまいりたいと考えております。
  108. 櫻井充

    ○櫻井充君 これ、確かに分かるんですよね。例えば、これが、何というんでしょうか、電気を発生させるために貯水しているんですということになると、極端に言えば、空にしてしまった後に雨が降らなかったらどうするんだという問題が起こるかと思いますけど、せっかくダムを造っても、事前放流しておかないと、ダムで放流することによってリスクが高まるんだろうと、そう思っているんですよ。  つまり、人間が人工的に造ったもの自体が結果的にプラスに働かないでマイナスに働いてしまう可能性もゼロではないと思っていて、この点についてもきちんとやっていただきたいと、そう思いますので、よろしくお願いします。  もうこれでほとんど終わってしまいまして、一点だけ、ここはちょっとお願いしておきたい、法務省に別件でお願いしておきたいことがあります。  今回、大臣の冒頭のところ、所信のところの冒頭は児童虐待でした。だけど、児童虐待については、もうこれは厚生労働省でちゃんと対策ができているし、対策チームもあるんですよ。何で法務省でこういう対策チームをつくらなきゃいけないんでしょうか。  むしろ、そんなことをやっていただくぐらいだったら、一人親家庭の支援とか養育費の支払とか、それから親権の問題とか、こういう子供たちに対するところはきちんとした、何というんでしょうか、責任省庁がないんですよ。ないというわけじゃないんです、これ本来は法務省がやるべき僕は案件だと思っているんです。  ですから、児童虐待は厚生労働省のが中心で、後は児童相談所がもうちょっと強化されてやっていけばいい話であって、こういうところに法務省が何かをしますということよりは、むしろ、むしろ一人親家庭とかの支援をもっと充実させていくような、今回残念ながらそういう項目は入っていないんですよね、大臣所信の中に。この点についてきちんとやっていくべきではないんでしょうか。
  109. 竹谷とし子

    ○委員長(竹谷とし子君) 森法務大臣、時間が過ぎておりますので、答弁、簡潔にお願いいたします。
  110. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) はい。  両方とも大事であると思っておりますし、また、大臣所信の中でも、両親が離婚した後の子供の養育の在り方の問題を含む、現在行っている家族法制についての検討を着実に進めるというふうに申し上げておりまして、この文言の中に委員御指摘の養育費等々の問題も含まれておりますので、しっかりした形で取り組んでまいりたいと思います。
  111. 櫻井充

    ○櫻井充君 両方大事なのは分かっているんです。だけど、ある省庁がやっているんであれば、様々なところが取り組むよりは、ちゃんと分担してやっていった方が僕は効率的なのではないのかなと。  それから、ここの法務委員会でずっと審議させていただいていますが、必ずしも対応が十分じゃないから、だから、例えば一人親家庭の子供さんなんかは八六%も奨学金借りて進学しているんですよ。普通の家庭の倍ですよ。こういうような人たちをちゃんと救済するスキームを作っていくべきだと、そのことをお願い申し上げまして、質問を終わります。  ありがとうございました。
  112. 安江伸夫

    ○安江伸夫君 公明党の安江伸夫です。  今回、法務委員会はもとより、委員会での質問、初めて立たせていただきます。大変、初めて法廷に立ったとき以上に緊張しておりますが、御容赦いただければというふうに思います。よろしくお願いいたします。  まず第一に、先ほど来もありましたが、この度の台風災害等についての質問をさせていただきたいというふうに思います。  まず、今回の相次ぐ台風ないし豪雨の被害に遭われてお亡くなりになられた方々の御冥福を心よりお祈りを申し上げるとともに、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げる次第でございます。  さて、言うまでもございませんが、今回のような大規模災害の際、平時と異なった様々な法的諸問題を惹起をいたします。先ほどの元榮先生の御質問とも重複をしてしまいます、恐縮でございますが、無料法律相談等、法テラスを始め様々な施策を打っていただいております。災害の影響での、住宅ローンないし車のローン、屋根が飛んで隣家に当たってしまった賠償責任、あるいは労使関係においても、営業が困難になり、災害を理由とした雇用の法律上の問題、解雇や雇い止め、こういった諸問題も惹起されるということが想像だに難くありません。このような災害に派生して生じる様々な千差万別、諸問題に対し、適時適切に救済の手を差し伸べるためには、まずは既存の法制度の情報提供及びそれに基づく解決の道筋を示すことが必要であることは言うまでもございません。  また、これらの法的問題の解決に際しましては、専門的な判断が求められる場合も少なくなく、先ほどの相隣紛争を始め紛争性を有する事案も少なくないかと思います。緊急時なればこそ、被災者の皆様が法律の専門家に速やかにアクセスする機会を提供をする、そういう意味におきましても、例えば、各単位会である弁護士会、司法書士会も、早速法的専門職の皆様の無料法律相談等を独自に実施をされているということも承知をしております。政府としても、こうした関連諸団体との緊密な連携を行っていただき、きめ細やかなサポートを実施していただきたいというふうに切に願うものでございます。  さて、先ほどの元榮先生の質問にもございました無料法律相談、これも同じく重要な取組であると思いますし、先ほどの御答弁の中でもインターネットを始めとして様々な周知に努められているお話もございましたが、まだまだ現場にはこうした支援体制が整っていることが、情報が届いていない、そういう現実もあろうかと思います。どこに相談したらいいか分からない、そういった方を、方々に対して手を差し伸べるためにも、より一層広報の周知、また、今はスマートフォンなどを利用してのSNSなどの拡散力というものも重要かというふうに考えております。  その意味におきまして、お尋ねいたします。この法テラスによる無料法律相談等の被災者支援の、法的支援の現状及び更なる周知、広報等についてお尋ねをしたいというふうに思います。
  113. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 安江委員にお答えをいたします。  委員御指摘のとおり、法務省が所管する日本司法支援センター、通称法テラスでは、相次ぐ災害の被災者の方々に対し、法テラス・サポートダイヤルにおいて、災害によって生じた様々な法的問題の解決に役立つ法制度や相談窓口等についての情報提供を行っております。また、令和元年台風第十九号については、政令が公布、施行され、法テラスにおいて被災者の方々に対し、資力の有無にかかわらず無料法律相談を提供をしてきました。  委員御指摘のとおり、法テラスが提供するこれらの支援について、一人でも多くの被災者の方々に御利用いただけるよう効果的に周知することが重要であると私も考えております。法務省及び法テラスにおいては、ホームページ内に特設ページを開設し、法テラスのこれらの支援に関する情報を掲載するなどした上、無料法律相談に関するチラシを作成し、被災した都県等に配布して周知を依頼をしております。  今後も、法テラスが提供する支援について、一人でも多くの被災者の方々に御利用いただけるよう、委員の今の御指摘も踏まえて、引き続き、法テラスとともに関係府省庁や被災地域の地方公共団体、弁護士会等とも連携して一層の周知の工夫に努めてまいりたいと思います。
  114. 安江伸夫

    ○安江伸夫君 引き続き充実した支援をお願いしたいと思いますし、残念ながら、こういった災害もますます激甚化、多発化してくると思います。そうしたノウハウをしっかりと蓄積して、万が一また次の災害があったときの迅速な対応というものも併せてお願いしたいというふうに思います。  続いて、次の質問に移らせていただきます。再犯防止の取組についてお伺いをしたいというふうに存じます。  法務大臣の所信におきましても、世界一安全な国日本の実現を目指して、その第一として再犯防止対策を掲げていただいたこと、非常に頼もしく思います。  御案内のとおり、我が国における再犯率は、初犯者が大幅に減少している反面、平成二十九年の犯罪白書によれば、刑法犯検挙者のうち四八・七%がいわゆる再犯であると。要するに、およそ二人に一人が再犯者というのが我が国の実情でございます。安心、安全な社会を実現するべく、再犯防止推進計画を引き続き力強く推進をしていただきたいというふうに思います。  私も弁護士の出身でございまして、弁護士として数多くの刑事事件の弁護人等も経験をさせていただいておりました。先ほど示した二人に一人が再犯というのも、私の弁護士の実感としても一致するものでございますし、また、人によっては前科前歴がやはり三つ、四つ以上という方も少なくないというのが今の刑法犯の実情かなというふうに思っております。こうした再犯を重ねてしまっている事案に触れるたびに、私は、弁護人としての妥当な判決を目指して弁護活動に注力することはもちろんでございましたが、それと同時に、判決後ないし出所後の社会復帰を促進していく、切れ目ないサポートをしていく、これがより重要であろうかというふうに痛感をしてまいりました。  もちろん、犯罪者のある犯罪におきましては、被害者の存在を十分に認識、配慮をなし、犯罪をした者の自助努力をすることが重要であることは言うまでもございませんが、一方では、社会全体としての安心、安全を確保するべく、多様化する再犯原因への中長期的な対策も急務であります。  犯罪防止推進計画におきましては、これらの犯罪や再犯の多様性を十分に踏まえたものというふうに承知をしております。七つの重点課題と分類をして推進していただいていることは大変に意義のあるものと考えます。  その七つの重点施策の中で特に私が重要だというふうに考えるものは、生活の最低限の基盤でございます住む場所と仕事の確保を支援していくということ、また、立ち直りに必要な能力開発として、学校等と連携した修学支援なども重要であると思います。また、地域のネットワークを利用して、自治体との連携の強化もまた不可欠であると思います。  私も、先日、地元の愛知県の豊明市にございますある少年院を視察させていただきました。在院する少年たちが、市のふるさと納税の返礼品を作っておられる、そういうような状況も見せていただきまして、地元の新聞にもこれが取り上げられ、その作業場にその新聞の切り抜きが貼ってありましたけれども、そうした少年たちがそういうものを自身の励みとして一生懸命に作業に取り組んでいる姿が本当に印象的でございました。こうした自治体との連携もますます重要になってくる、立ち直りの重要なきっかけになってくると考えております。  そこで、こうした再犯防止、更生保護の充実における現状と今後の具体的な計画について法務省にお尋ねします。
  115. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 安江委員が弁護士時代の刑事弁護の貴重な御経験から御質問いただき、ありがとうございます。  私も、弁護士時代の刑事弁護や少年犯罪の付添人経験のことから、再犯防止についてはしっかり取り組んでいかなければならないと思っているところでございます。新たな被害者を生まない安全、安心な社会を実現するために、犯罪をした者らの再犯をいかに防止するか、そのために、再犯防止の推進を政府一丸となって取り組むべき重要施策の一つと認識をしております。  その上で、再犯防止に当たっては、社会復帰後も地域社会において安定した生活を送れるように、切れ目のない、息の長い支援を実施することが重要であります。委員御指摘のとおり、安定した生活を送るための前提となる就労、住居の確保や、学校等と連携した修学支援、地域で犯罪をした者等の立ち直りを支えてくださっている民間協力者の活動の促進、住民に身近な各種サービスを提供する地方公共団体との連携強化などを総合的に推進することが不可欠であります。  再犯防止推進法に基づき平成二十九年十二月に閣議決定した再犯防止推進計画においても、就労、住居の確保など、先ほど御指摘いただいた七つの重要課題を位置付けて、百十五の具体的施策を盛り込んでおります。  法務省においては、現在、関係省庁と連携しながら、推進計画に盛り込んだ一つ一つの施策を着実に進めているところでありますが、国、地方、民間の連携を一層強化し、引き続き再犯防止の推進に向けて全力で取り組んでまいりたいと思います。
  116. 安江伸夫

    ○安江伸夫君 引き続きの取組を何とぞよろしくお願い申し上げます。  そして、三つ目の質問に移らせていただきます。  大臣の所信においても、新たな時代に対応する民事法制という文脈の中で、成年年齢の引下げに伴う準備等についても御指摘をいただきました。この点に関連しまして、現在、少年法の適用年齢、これを十八歳未満とすることが法制審議会において審議されていることについて指摘をさせていただきたいというふうに思います。  従前から様々な議論、御指摘がなされているとおり、私自身も、弁護士時代の経験を踏まえて、この少年法適用年齢を引き下げることに関しましては極めて慎重な対応を望む次第でございます。そもそも、刑事手続において民事と同年齢である扱いをする必然性はございません。現行法の少年法の対象の約半数が十八歳、十九歳であるといった点も重要であるというふうに思います。  先ほどの質問でも取り上げました少年院においても、在院者の七割が十八歳、十九歳という実情も目の当たりにしてまいりました。私も、付添人等として少年事件に関わる中、十八歳、十九歳の事件も多く担当してまいりましたが、その付添人としての僅かな期間においても、見る見るうちに少年たちが変わっていく、自分自身も大きく実感していく少年たちの可塑性というものは本当にすばらしいものだなというふうに思っております。多くの弁護士を始めとした実務家は、そうした少年の可塑性というものを目の当たりにし、そうした観点から、今般の議論、十八歳未満とする議論については慎重であるというふうに申入れをさせていただいているというふうに承知をしておりますし、日弁連においても、この点については反対の意見を表明されていると承知をしております。  今、法制審議会で議論をなされております新たな処分につきましても、その新たな処分が目的とするところは、現行の少年法の中で長年積み重ねられてきた運用で十分に対応できるのではないかという思いがございますし、かえって、引下げをすることによって若年者の再犯を増加させる危険がないか、かけがえのない立ち直りの機会を奪う結果となるのではないかというふうに危惧をしております。  そこで、御質問です。少年法の適用年齢の引下げについての検討状況、また引き下げた場合において懸念される再犯増加のリスク、十八歳、十九歳の少年たちの立ち直りの機会を奪うことになるのではないかといった指摘に対しての検討状況について、法務省にお尋ねをいたします。
  117. 保坂和人

    ○政府参考人(保坂和人君) 少年法におきます少年の上限年齢の検討といいますのは、刑事司法全般におきまして、成長過程にある若年者をどのように取り扱うか、また、どのように改善更生、再犯防止を図るかという問題に関わるものでございます。  御案内のとおり、平成二十九年二月に、法制審議会に対して、少年の年齢を十八歳未満とすることとともに犯罪者処遇を充実させるための刑事法の整備の在り方について諮問が行われまして、現在、部会で調査審議をしていただいておるところでございます。  部会におきましては、少年法が、少年の健全な育成を期して性格の矯正等を目的とするものであって、その再犯防止等、立ち直りに機能を果たしているということを共通認識として前提といたしまして、仮に十八歳、十九歳の者が少年法の適用対象でなくなる場合にはどのような刑事政策的な措置が考えられるのか、その措置に十分な効果が期待できるのかといった観点からも様々な観点から議論がされておるところでございます。  いずれにいたしましても、部会で調査審議中でございますので、法務当局としては、その議論を見守ってまいりたいと考えております。
  118. 安江伸夫

    ○安江伸夫君 しっかりと、その少年の可塑性を阻害することにならないか、この点を重々踏まえていただいて、引き続き慎重な議論をしていただきたいというふうに思います。  次の質問に移らせていただきます。裁判手続のIT化について御質問させていただきます。  業務の効率化、国際競争力の強化という観点におきましても、特に民事裁判へのIT化は急務でございますし、もはや世界の潮流の上では避けられない現状だというふうに承知をしております。e提出、e事件管理、e法廷、こうした電子化を進めていくこと、しっかりとやっていただきたいというふうに思いますし、このe提出という点に関しても、私も弁護士時代、いわゆる紙の洪水というふうに言われておりましたが、大量の準備書面がファクスによって送られてくることに対する、このいまだ旧態依然とした現状の司法の書面の提出の在り方も直面をしてまいりましたし、あるいはe法廷、期日の在り方についても、従前、遠方の裁判所へ行くに際しての時間等のコストの問題も現場で痛感をしてまいりましたし、もっと言えば、準備書面等の提出と期日を決めるだけにわざわざ遠方の裁判所に行くことの不合理性というものも私も肌身で実感をしてきた一人でございます。  この期日において法廷に行かないといけないということ、これは委任契約の内容にもよりますけれども、いわゆる日当、交通費が依頼者の負担になってしまうことも大変な重荷になるということも痛感をしてまいりましたし、こういった依頼者の利益、権利を擁護するという観点からも、こうしたe法廷の推進ということも重要であり、また大歓迎すべきものだというふうに考えております。  ただ一方で、IT化の流れは、言わば伝統的な口頭弁論の諸原則、すなわち公開主義や直接主義、口頭主義といった、そういったものの内実が失われるのではないか、こういった懸念も指摘されることでございまして、適正手続の要請も軽視できません。  そこで、御質問いたします。これらの点を踏まえまして、現状の裁判のIT化への現状、検討状況についてお伺いをしたいと思います。
  119. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  民事裁判手続のIT化につきましては、現在、民事裁判手続等IT化研究会におきまして法制面からの検討が行われており、法務省においては、研究会に担当官を参加させるとともに、諸外国の状況を調査するなどして、法改正に向けた精力的な準備を行っているところでございます。  委員から、今、直接主義等の関係で問題点の御指摘ございました。研究会におきましては、現在、裁判所への現実の出頭が要求されている口頭弁論期日につきまして、ウエブ会議を利用した双方不出頭の口頭弁論期日を認める方策についても検討が行われております。  もっとも、このような方策を導入したといたしましても、受訴裁判所の裁判官が自ら弁論を聴取し、証拠を取り調べることには変わりはない上、当事者がウエブ会議の利用を強制されるわけではなく、現実に裁判所への出頭を希望する当事者の意向は尊重されるものと考えておりまして、現在研究会で検討されている方策についてもこのような理解を前提としているものと承知しております。  この研究会におきましては、本年末頃に最終報告書を取りまとめる予定であると聞いており、その後は、来年二月頃の法制審議会において諮問がされ、専門部会において調査審議が進められるものと考えております。  法務省としては、研究会における議論も踏まえまして、引き続き、最高裁判所などの関係機関と連携し、利用者の目線に立って、迅速かつ効率的な民事裁判を実現できるよう鋭意検討を進めてまいりたいと考えております。
  120. 安江伸夫

    ○安江伸夫君 やはり日本の司法というものは、諸外国に比べてもまだまだ後れを取っているのが現状ではないかなというふうに思っております。しっかりとこのIT化の推進をお願いをしたいというふうに思います。  次の質問です。性犯罪対策についてお伺いをいたします。  平成二十九年に成立した性犯罪に対する刑法の一部を改正する法律の附則におきまして、施行後三年めどに性犯罪に関する総合的な施策の在り方を検討するとございまして、大臣の所信におきましても、附帯決議の趣旨を踏まえつつ、犯罪被害者等の声にしっかりと耳を傾け、性犯罪の実態把握等を着実に進めるとの御指摘をいただきました。  この附帯決議の二におきましては、暴行又は脅迫、抗拒不能の認定について、調査研究を推進、司法警察職員、検察官及び裁判官に対して、被害者の心理等について研修を行うというふうに記載がなされております。  この性犯罪保護法益は、言うまでもございません、性的自己決定権でございますが、基本的には、その意味においては、同意がない性交渉、これは保護法益が毀損されているというふうに言えると思います。その意味において、この暴行、脅迫等の要件の要否という点も、これまでも十分に議論されてきたものと承知をしております。  また一方で、今年は、特に三月、福岡や静岡、名古屋などで性犯罪の無罪判決が相次ぎまして、一部の報道や被害者団体の皆様からは、被害者感情に著しく反する判決ではないかという御指摘もいただきました。私は、そうした被害者の声は本当に傾聴すべきものだというふうに思っております。  現在もワーキンググループの活動がなされていることも承知をしておりますけれども、この構成要件の在り方も含めて、法的安定性にも慎重に配慮をしながら、しっかりと今後の事案の分析と議論を行っていただきたいというふうに思います。  もっとも、被害者団体の皆様からは、現在のこの審議の在り方、被害者側の思いや被害者の実情が全く置き去りにされているのではないかという御指摘も伺いました。犯罪被害者等の声にしっかりと耳を傾けることはもちろんでございますけれども、ただ聞けばいいというものではなくて、実質的公平の見地から、手続の適正も含めて、被害者の目線、被害者の声を実質的にしっかりとお伺いをしていく必要がございます。ヒアリングの内容、議論に関わる者の属性やその人数等におきましても、被害者側、加害者側双方の観点を取り入れて、その検討過程においても適切な配慮がなされなければ、いずれの方向性になるとしても、国民の真の理解は得られません。  そこで、御質問をいたします。  性犯罪の刑法改正の議論の状況、また特に被害者側の方々への意見聴取の状況ないし今後の方向性について御答弁を求めます。
  121. 保坂和人

    ○政府参考人(保坂和人君) 委員御指摘の強制性交等罪の暴行・脅迫要件につきましては、平成二十九年の改正の際には緩和ないし撤廃をすることはしないというふうにされてございますが、御指摘のとおり、その改正法の附則の第九条におきまして、施行後三年を目途として、性犯罪の事案に係る実態に即した対処を行うための施策の在り方について検討を加えることとされております。  先ほど御指摘のとおり、法務省におきましては、その施策検討に向けた実態調査ワーキンググループを設置して、性犯罪被害者からのヒアリングなどを行っておりますし、また御指摘の暴行・脅迫要件に関連する事柄も含めまして、例えば実態把握ですとか無罪判決の収集、分析、外国法制の調査等、こういったことを進めておるところでございまして、来年の春頃を目途にその結果を取りまとめる予定でございます。  その附則九条に基づく具体的な検討対象につきましては、そういった調査研究ですとか、あるいはその被害当事者団体等から寄せられた様々な御指摘を踏まえて決めていくことになっておりますので、いずれにしても、充実した検討ができるように適切に対応してまいりたいと考えております。
  122. 安江伸夫

    ○安江伸夫君 しっかりと被害者側の声にも耳を傾けていただきたいというふうに思います。  時間が参りましたので、私からは以上といたします。ありがとうございました。
  123. 矢倉克夫

    ○矢倉克夫君 公明党の矢倉克夫です。よろしくお願いします。  新たに御就任された森大臣、おめでとうございます。弁護士としての御知見、またこれまでの大臣も務められた経験、そして法務に対する熱意、全てにおいて御期待を申し上げております。引き続きよろしくお願いいたします。  私からも、災害からまず御質問させていただきます。  台風十九号から一か月が経過をいたしました。地元埼玉も連日回らせていただいて、いかにお声に寄り添って、そしてお助けをするか、支えるかということが、まず全力で傾けるところであるというふうに思います。  まず、大臣に決意をお伺いしたいんですが、前任の大臣、法務省の総力を結集してという形でおっしゃっておりました。森大臣には、この総力を結集すると同等若しくはそれ以上の決意を持って災害対応当たっていただきたいと思いますが、御決意をいただければと思います。
  124. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 台風十五号、十九号でお亡くなりになられた皆様に御冥福をお祈りするとともに、被災された皆様にお悔やみを申し上げたいと思います。  総理から辞令を二枚いただきまして、一枚が法務大臣を任ずる、もう一枚が復興、そして災害対応は全閣僚で取り組むものとするというものでございました。  今般の台風十五号及び十九号を始めとした一連の暴風雨により、私の地元である福島県など東日本大震災の被災地を含む東北、関東甲信越の広範な地域において甚大な被害が出たわけでございます。しっかりと取り組んでまいりたいと思います。  今月七日に、私も参加した政府の令和元年台風第十九号非常災害対策本部会議において、被災者の生活となりわいの再建に向けた対策パッケージが取りまとめられました。  ちょうど私が大臣に就任する直前に、自民党の災害対策会議において、またその案に向けた提言が出されたのですが、そちらの方に私も関わっておりましたので、特に、被災した子供の心のケアや通学支援、授業料免除なども内容に盛り込んでいただいたところでございますので、しっかりと取り組んでまいりたいと思いますが、法務省においては、特に、台風十九号による被災を受けて、速やかに法務省災害対策本部を立ち上げて、復旧、生活再建に向けて、地域支援、法的支援を継続して行ってきているところでございます。  発災以来、毎日被災地を回ってきましたので、そういった現場を見てきた経験の上に立って、閣僚全員が復興そして災害対応をするという意識を共有して、また、法務大臣として、そして被災地選出の政治家として、東日本大震災や今般の一連の台風、豪雨災害などの大規模災害からの被災地の復旧復興や被災者の生活支援に引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
  125. 矢倉克夫

    ○矢倉克夫君 御地元福島で被災者に寄り添われていた経験も踏まえまして、更に御期待を申し上げたいというふうに思います。  再建に欠かせないことは、やはり個々の被災者の方々への法律相談でもあると思います。資料をお配りしております。こちら、静岡の永野さんという弁護士の方が作られた資料であります。被災者の方々が求めているこの支援というものが一覧になっている非常に見やすい部分でもありますが、さらには、この支援策一つ一つがカードになっていて、個々の事情に合わせてどうやってカードを切っていくか、こういうシミュレーションもできるようなものであります。  例えば、六十五歳のお一人住まいの方がいらっしゃるといたしまして、一番上の方の、障害物の除去であったり、応急制度支援など、このカードを切ることもできるわけなんですが、仮に切ってしまうと仮設住宅に入れなくなってしまう。仮設住宅に入ることで、入りながら、そして賃料も発生しない状況の下で、横にあるいろんな支援策を、これを受けながら生活を立て直すとともに、その後、例えば、公費で解体をして、その上で既に住宅において持っていた被災ローンは減免をするとともに、新しく住宅を建てたときには、六十五歳でありますので、リバースモーゲージ貸付けなどもする。こういういろいろな組合せができるのですが、最初のカードの切り方が違うと、そういうのはもうできなくなるという、先を見越したアドバイスをするためには、非常に有益なものであるなというふうに思っております。  これを踏まえまして、大臣にまた改めてお伺いもしたいと思うんですが、私思うんですけど、やはり被災者の方に法律相談する上で一番大事なのは、先の見えない不安というものに対してどうやって寄り添ってゴールを見ながら法律のベストな選択を示していくのかというところであります。これは、ただ知識を知っているというだけでは何もできなくて、個々の方の事情が何であるかということを寄り添って、それにとってベストな選択は何かということをしっかりと真剣に考える、これこそリーガルマインドであるというふうに私は思っております。  こういう意味でも、被災者支援のために弁護士等が生活再建のためのベストな選択肢をアドバイスすることが重要でありまして、そのようなことができる法曹人材を育成することが重要だと考えますが、大臣の御所見をお願いできればと思います。
  126. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 委員御指摘のとおりでございます。また、このカードも大変有用なものだというふうに思います。  被災者支援のための法制度は多岐にわたっておりますし、また、時間の経過とともに必要な支援が変わってくるという面がございます。そうした法制度に精通した弁護士による適切なアドバイスが極めて重要であると思います。  東日本大震災のときも、弁護士会が法律相談の支援に入ってくれたわけでございますが、福島県内の弁護士、自分たちも被災しておりまして十分な体制が組めないときに応援で他県の弁護士が来てくださったんです。そのときに私も受入れのお手伝いや随行もさせていただいたんですが、その中で委員御指摘の問題意識と同じ問題意識を共有をしております。適切なアドバイスができる資質、能力を備えた法曹人材を育成しなければならないなと思っているところでございます。  その上で、法務省としては、令和元年台風第十九号において、法テラスにおいて被災者の方々に資力の有無にかかわらず弁護士による無料法律相談を提供しているところでございますので、こういったサービスが、より効果的に実施するためにも、また法曹人材の養成ということにも力を入れてまいりたいと思います。
  127. 矢倉克夫

    ○矢倉克夫君 今ほど大臣から、法曹人材育成の必要性、お話をいただきました。  今日は文部科学省から佐々木さやか文部科学大臣政務官にもお越しいただいておりますが、お伺いをしたいと思いますが、そこを育成する場所はやはり法科大学院というところがあるというふうに思います。災害が今非常に多発している中にあって、この法科大学院において災害法制を教え、学ぶということも非常に重要であると思います。さらに、それがいろいろなケースに応じた、事情に寄り添った法曹を育成するという意味合いでも重要であるというふうに考えております。  この点に関しまして、文部科学省の見解をお伺いしたいと思います。
  128. 佐々木さやか

    ○大臣政務官(佐々木さやか君) 多様化する社会の法的需要に応えて様々な分野で活躍できる法曹の養成は重要でありまして、法科大学院には、委員御指摘の災害法制を始め、社会の様々な分野に対応できる、特色ある教育活動を展開することが期待されていると考えております。  こうした期待を踏まえ、各法科大学院では先端的な法領域に関する科目の充実が図られておりまして、その中には、例えば慶応義塾大学法科大学院で行われております災害復興法学など、災害復興の実務のニーズに即応できる事例解決能力の修得を目的とする科目を開設している、そういった例もあると承知をしております。  文部科学省といたしましては、各法科大学院が、社会の変化に対応しながら、それぞれの特色を生かして多様な教育を行い、有為な人材を育成、輩出できるよう、さきの通常国会で成立した改正法を踏まえ、めり張りある予算配分や好事例の普及などを通じまして、法科大学院教育の改善、更なる充実に取り組んでまいる決意でございます。
  129. 矢倉克夫

    ○矢倉克夫君 個々の事情に寄り添ってアドバイスができる法曹の育成という意味も込めて、是非、政務官にはリーダーシップを発揮していただければと思います。  次の質問に移ります。  先ほど大臣からも法テラスのことがお話がありました。まさに法テラスの利用促進、拡大というのは非常に重要であると思います。  他方で、私も被災地のいろいろ弁護士会にも話を聞いたんですが、千葉のように何週間か前にはもう千件以上相談が来ている、法テラスの、というところもあれば、ある県では、被害が大きかったんですけど、二週間ぐらい前の段階では一件しか来ていなかったというところもあります。どうしても、聞けば、なぜ相談しないかというと、うちは裁判所に訴えるようなことはまだないからしないという、法の話。そこにいらっしゃる弁護士は訴訟をする人だというやっぱり固定観念がやはりあって、なかなか行かないというところが実情であります。  例えば、その垣根を取るために、法テラスの方で働いてくださっている弁護士や司法書士の皆様など含めて、災害対応マネジャーであるとか、こういう呼称を付すことも考えられると思いますが、この点、法務省、どのように考えているか、御見解をいただきます。
  130. 金子修

    ○政府参考人(金子修君) 法テラスでは、今般の令和元年台風第十九号等の大規模な災害の被災者に対して資力の有無を問わない無料法律相談を提供しておりますが、そこでの主な担い手としては、契約弁護士のみならず、司法書士の方々にも御尽力いただいているところでございます。  委員御指摘のとおり、実際に被災された方々が敷居の高さを感じることなく、ベストの選択肢の提供も含めた支援を適切に利用できるように、可能な対策を検討していくことが重要だと考えております。その際に、委員御指摘のような呼称を設けることも一つの選択肢として考えてまいりたいと思います。
  131. 矢倉克夫

    ○矢倉克夫君 是非、引き続きよろしくお願いします。  あと、さらに、引き続き法テラスですけど、法テラスというものがあるということが分かっている方も非常に多くなってきているんですが、法テラスという呼称、テラスのイメージもある、あと太陽が照らすという温かなイメージがある、この呼称自体は非常にいいんですが、法テラスと聞いて、ここに法律相談ができる場所だというふうに一般にイメージする方がなかなか少ない、この呼称の在り方も考えなければいけないと思います。例えば、無料法律相談も実施していることが分かるような呼称を付けるというようなことも是非考えていただきたいというふうに思いますし、さらに、先ほど安江委員の質問に対しての法テラス周知、ホームページという話もありました。  このホームページ、今資料もお配りしているんですが、二枚に分けて。災害対応をやっているということの周知に関してなんですけど、例えば一枚目などは十九号に関しての欄もありますが、これは移動しているのですぐにこの欄も消えてしまうものでもあり、また、資力にかかわらず法律相談をする一年間が切れたら消えてしまうかもしれない。常設の、災害対応をしているということの欄をやはり設けた方がいいなと思います。  二枚目のところには東日本大震災等と書いてあるんですが、それ以外の災害についても対応するということも含めて、一枚目にいろいろボタンが置いてあるところの中にでも災害対応という欄を常設で設けることなども考えるべきだと思いますが、この点、法務省の見解をお願いします。
  132. 金子修

    ○政府参考人(金子修君) まず、法テラスの認知度から御説明します。  平成十八年十月に運用を開始した法テラスの認知度は徐々に上昇し、平成三十年度の調査によれば、その名称に関する認知度は約五八%となっております。その名称につきましては、不十分とはいえ徐々に定着しつつあるのではないかと考えているところです。  もっとも、他方で、法テラスの業務に関する認知度は平成三十年度における調査でも約一六・七%にとどまっておりまして、こうした点を踏まえますと、委員御指摘のとおり、法テラスの認知度がいまだ十分とは言えないものと認識しております。  法務省としましては、法テラスによる法的支援がそれを必要とする方々に広く行き渡るよう、引き続きその存在を広く周知するとともに、その業務内容についての理解を深めていただけるような広報に取り組んでいく必要があるというふうに考えております。そのため、これまでの取組を着実に進めるほか、その業務内容についても理解していただくため、実効性のある広報をするにはどのような効率的かつ効果的な工夫があるかにつきまして、法テラスとともに検討してまいりたいと思います。  ホームページの記載についてですが、法テラスのホームページには、法的支援を必要とする方々が最適なサービスにたどり着けるよう、法テラスが提供する様々な法的支援の内容等を対象者、対象事項ごとに分類するなど、検索の便宜を図りつつ掲載するよう努めているところでございます。  委員御指摘の被災者支援につきましては、ホームページのトップページに東日本大震災等災害関連情報と記載したバナーを常設し、そこから様々な災害に関する情報にアクセスしやすいように配慮するとともに、現在では、令和元年台風第十九号に関する被災支援情報など、特にニーズが大きいと考えられるものに関しましてはより目立つ場所に専用のバナーを設置するなどして、被災者の方々のその時々のニーズに即したサイト構成に努めているものと承知しております。  被災者の方々が常に必要とする支援情報に容易にたどり着けるようにすることが重要というふうに考えておりますので、委員の御指摘も踏まえまして、今後も、法テラスとともに様々な工夫をすることで被災者に寄り添った支援情報が発信できるよう工夫してまいりたいと考えております。
  133. 矢倉克夫

    ○矢倉克夫君 被災者の方は、一定の期間が過ぎれば法律的な問題が必要なくなるということではなくて、ずっと問題があるわけであります。常にもうここに行けば対応できるという常設の欄を引き続きお願いできればと思います。  児童虐待についてもお伺いする予定でありました。名執局長、来ていただいて申し訳ありませんが、児童虐待を受けた子供の傷をどうやって癒やすのか、これも法務省の仕事であるというふうに思います。この観点の質問はまた次回に譲らせていただくといたしまして、私からの質問を終わります。  ありがとうございました。
  134. 竹谷とし子

    ○委員長(竹谷とし子君) 午後二時三十分に再開することとし、休憩いたします。    午後零時五分休憩      ─────・─────    午後二時三十分開会
  135. 竹谷とし子

    ○委員長(竹谷とし子君) ただいまから法務委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、清水真人君が委員を辞任され、その補欠として岩本剛人君が選任されました。     ─────────────
  136. 竹谷とし子

    ○委員長(竹谷とし子君) 休憩前に引き続き、法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  137. 柴田巧

    ○柴田巧君 日本維新の会の柴田巧です。  三年数か月ぶりに国会で質問に立たせていただきます。しかも、法務委員会は初めてですので不慣れな点多いですが、どうぞよろしくお願いをしたいと思います。  まず最初に、再犯防止と治療的司法ということでお聞きをしたいと思いますが、大臣はさきの所信の中で、世界一安全な国日本を実現するためにこの再犯防止対策に取り組んでいくんだということをおっしゃいました。また、先ほどからも、この委員会でも再犯防止についていろいろと取り上げられているところですが、まさにこの再犯防止、国を挙げて取り組まなければならない大変重要な課題であります。  その中でも、よく知られていますように、窃盗犯というのが非常に多いわけですね。昨年の犯罪白書によれば、五年以内に出所した人が刑務所に戻ってくる再入率、これは三八・二%なんですが、罪名別でいうと、覚せい剤取締法が一番高くて四八・七%、次いで窃盗が四三・七%となっております。この窃盗犯の中には、いわゆる窃盗症、クレプトマニアによるものが少なからずいると言われていまして、これが昨今マスコミでもしばしば取り上げられ、社会的な関心事になりつつあると思っております。  このクレプトマニアは、窃盗や万引きをやめられずに常習的に繰り返してしまう精神疾患だと言われていまして、これが、専門家によればこの窃盗の再犯を助長していると指摘をするところです。アメリカの精神医学会によれば、万引きなどの犯人の四%から二四%ぐらいはそのクレプトマニアの疑いがあるとされているところですけれども、しかし、日本では、このクレプトマニアに対する調査研究というのは十二分に行われているとは言えないわけで、例えば法務省の法務総合研究所、あそこではいろんな研究をしているわけですが、近年もこの再犯防止あるいは窃盗事犯についてはかなり分厚いレポート、報告書を作っていますが、その中にもほとんどクレプトマニアについての言及はありません。また、再犯防止推進計画の中にも、クレプトマニアについては、私の知る限り一切なかったはずであります。  その推進計画の中には、薬物依存症のことについては非常に細かく書いてあるわけですね。これは回復できる病気だという意識を持たせて、適切な治療、支援をすれば回復できるという認識に立って非常に細かく詳細に記述をしてあります。  御案内のように、再犯防止推進計画の基本方針では次のように書いてあるわけですね。再犯の防止等に関する施策は、犯罪及び非行の実態、効果検証、調査研究の成果等を踏まえ、社会情勢等に応じた効果的なものにすることと記されているわけですが、したがって、我が国においても、このクレプトマニアに対する専門的かつ多角的な調査研究を進めて、それの成果をこの再犯防止策に役立てていくべきではないか、そう思います。  したがって、この調査研究を進めていくとともに、将来的にはこの再犯防止推進計画の中に、このクレプトマニアに対する具体的な支援あるいは治療策などもやっぱり明記をしていくべきではないかと考えますが、併せて大臣の御所見をお伺いをしたいと思います。
  138. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 三年半ぶりの質問をお受けし、光栄でございます。  衝動的に窃盗を繰り返す者が一部に存在することは承知しておりまして、その再犯防止を図るためには、犯罪の背景にある精神障害等にも目を向けつつ、支援や指導を行っていくことが重要であると認識をしております。  そのため、平成二十九年十二月に閣議決定した再犯防止推進計画においても、例えば障害のある者等への支援や特性に応じた指導等の充実などを施策として盛り込んでおりますが、その中に、衝動的に窃盗を繰り返す者に対し、その特性を踏まえた支援や指導を行うことも含まれております。  これまでも法務総合研究所が発表した犯罪白書や研究部報告においてクレプトマニアに言及したことはありますが、委員の御指摘もございましたので、今後、クレプトマニアについて調査研究の必要性を検討してまいりたいと思います。また、次期再犯防止推進計画に盛り込むべき施策の在り方等についても、再犯防止推進計画等検討会の構成員である有識者や関係省庁とも御相談しながら、委員御指摘の点も含めて検討してまいります。
  139. 柴田巧

    ○柴田巧君 先ほども申し上げましたように、大変このクレプトマニアは、昨今、大変マスコミでも取り上げるようになりました。非常に国民的な関心事になりつつあると思っておりますので、そのクレプトマニアにある意味特化したというか、専門的、多角的な見地からしっかり調査研究をしていただいて、この再犯防止に役立てていただきたいと思います。  この再犯防止策は、いずれにしても個々の特性に着目をして行うのが極めて大事だと言われております。よく知られているように、刑務所では全ての受刑者に対して一般改善指導というのは受けるわけですが、それとは別に、特別な事情を持っているというか、その改善に資するために特に配慮して行う特別改善指導というのが別個にまたあります。  現在は、薬物依存離脱指導、暴力団離脱指導、性犯罪再犯防止指導、被害者の視点を取り入れた教育、交通安全指導、就労支援指導の六つだけになっているわけですけれども、それぞれに、それらの関係のものに対しては特性を十分踏まえて実施をされているわけですが、先ほどから触れていますように、非常に窃盗犯はこのクレプトマニアを含めて多いわけですが、特別改善指導の対象にはなっていないわけですね。  やはり、再犯率の高いこのクレプトマニアも含め、窃盗犯に対する特別改善指導というのもやっていく必要があるんではないか、今六つだけですが、新たに追加していく必要があるんではないかと思いますが、どのように考えているのか、お聞きをしたいと思います。
  140. 名執雅子

    ○政府参考人(名執雅子君) 刑事施設で行います改善指導につきましては、現在、法務省矯正局が標準プログラムとして策定した、今委員御指摘の六つの類型を特別改善指導として実施しております。  委員御指摘のクレプトマニアを含む窃盗につきましては、この全国的に統一された標準的なプログラムを策定して行う特別改善指導としては実施しておりませんけれども、各刑事施設において、その収容対象者の特性等に応じて、例えば、高齢で罪名が常習累犯窃盗の者、窃盗受刑者のうちギャンブルに起因して窃盗を繰り返している者、若年期から窃盗事犯を繰り返しており窃盗を累行している者などに対して、一般改善指導として窃盗防止プログラムを始めとした指導を実施しているところでございます。  今後とも、窃盗事犯者個々の動機、背景事情等を含め、問題性に着目しつつ、民間医療機関において実施される取組など、関連する知見やノウハウを集積するなどして検討を進め、指導プログラムの内容、方法の充実に努めてまいりたいと考えております。
  141. 柴田巧

    ○柴田巧君 確かに、一般改善指導のある意味枠の中で今おっしゃったことが行われているのは私も承知をしておりますが、これだけ窃盗犯の再犯率が高いわけですから、やはり特別改善指導に位置付けて、追加をして統一的なプログラムでやっぱりやっていくというのは、そっちの方が効果が上がるんじゃないかと思いますので、是非またそこら辺も検討をよくしていただきたいと思います。  とにもかくにも、この再犯率が高いという、あっ、再犯率じゃ、再入率ですね、高いというのはどういう意味を持つかというと、いろんな見方はあると思いますが、この再犯防止に向けて刑罰というものが有効に機能していない証左ではないかとも考えるわけで、つまり、その犯罪に至る原因を解決しない限り、犯罪を起こしてはまた刑務所に入る、そしてまた出てきてはまた犯罪を起こして入るというこのサイクルから抜け出せないのではないかと思っております。  近年、海外では、これはアメリカを発祥の地として、カナダやイギリスやオーストラリア、ニュージーランド等々で今広まってきておりますが、治療的司法という考え方、あるいは手続が広まって、浸透してきているということでございます。  これは、今申し上げましたように、刑罰に頼るのではなくて、罪を犯した原因など、被告が抱える問題に着目をして、その解決を通じて再犯防止を目指し、更生を後押しをする新たな司法観というか、手続モデルと言ってもいいと思います。この犯罪を生み出す原因に着目をして、これを除去するために社会的資源を活用していくと、専門家の科学的な知見に基づいた治療や支援を提供することで、再犯防止とこの更生の可能性を高めていこうということですが、世界はある意味、このパニッシュメントからトリートメントへ、刑罰から治療へ、威嚇から問題解決へと向かいつつあるというか、そういう潮流ができつつあると思っております。  先ほどからもありましたように、今、日本は、この再犯防止推進法やその推進計画などを作って、問題を起こした者の再社会化やこの再犯防止に今取り組んでいるわけですけれども、この治療的司法という考えは、非常にそういう意味でも参考になるものだと思いますが、刑罰をなくせばいいとは私も考えませんが、全ての刑罰をなくせばいいと思いませんけれども、犯罪に至った原因を解決して、再犯防止はやっぱりないのではないかと、そういう考え方にこれからは立っていく必要もあるんではないかと思います。  そこで、世界的に広がってきているこの治療的司法をどのように大臣は受け止めていらっしゃるか。また、この問題を抱えた者の再社会化、再犯防止に今力を入れているわけですが、そういう今日の日本の刑事政策にとっても非常に示唆に富むものだと思いますが、治療的司法は、大臣はどのようにお考えか、併せてお聞きをしたいと思います。
  142. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 海外では、刑事司法制度について、犯罪を犯した人に対して刑罰を与えるプロセスと見るのではなく、科学的知見に基づく治療法等を活用して、犯罪を犯した人が抱える問題の解決を導き、結果的に再犯を防止するプロセスと捉える考え方が存在し、これが治療的司法などと呼ばれていることは承知しております。  そのような中で、新たな被害者を生まない、安全、安心な社会を実現するためには、犯罪をした者の再犯防止が特に重要であることはこれまでも申し上げてきたとおりでございますが、法務省においては、関係省庁と連携しながら、平成二十九年十二月に閣議決定した再犯防止推進計画に基づき、各種施策を進めているところです。  これらの施策をより一層効果的に実施するためにも、委員御指摘の治療的司法のような考え方も含め諸外国の制度も参考としつつ、犯罪をした者の特性に応じた効果的な指導の実施や薬物依存を有する者への支援など、再犯防止を推進する上で有効と考えられる施策について、引き続き幅広い観点から検討してまいりたいと思います。
  143. 柴田巧

    ○柴田巧君 ありがとうございます。  実際は、まだまだこの治療的司法というのは日本では周知をされていないと思いますが、実際のところは、この刑罰を回避をして問題を解決をしていくための施策の重要性は認識されつつあるのではないかと思っています。  例えば、検察庁では、数年前から福祉と連携をして、ホームレス等による軽微な犯罪の場合には不起訴にして福祉施設につなげる入口支援と言っておりますが、こういったことも始まっておりますし、また、逆に出所者を刑務所からすぐに社会に送り出すのではなくて、知的障害など問題を抱える受刑者の受皿として、福祉と連携する出口支援というのもやっております。さらには、二〇一六年からでしょうか、裁判所でも、刑の一部執行猶予制度がスタートして、薬物依存などについての刑の一部を猶予して離脱プログラムに従事させるという処遇も可能になっております。  そして、加えて、先ほどから何回も出ておりますが、再犯防止法あるいは推進計画などもできてはきているわけですけれども、ただ、依然として、伝統的な考え方というか、犯罪には刑罰という発想そのものからなかなか抜け出してはまだきていないなというのが実際のところではないかと思います。実務面には、今申し上げたように、福祉とか医療とか心理学のアプローチとか、いろんな連携はないわけではありませんが、そういったものが導入されているところもありますが、犯罪の原因となる問題を除去して、この再犯を防止するというための具体的な手続がまだ設計できていないのが現状ではないかと思っております。  一方、世界に目をやると、司法過程に問題解決のための様々なプログラムが導入されて、そして多様な専門職がそこに関わって刑罰を回避しつつ問題解決となる、そういうのを目指す仕組みが整いつつあります。それがドラッグコートに代表される問題解決型裁判所と言われるものであります。  ドラッグコートだけでもアメリカで今三千近くあるんでしょうか。これにメンタルヘルスコートやギャンブリングコートなどなど、いわゆる専門法廷と言われるのは今数千規模にあると言われておりますし、実際に通常の手続よりもそういう問題解決型裁判所でのやり方が再犯率を抑えているというデータも既にあるようですが、いずれにしても、通常の、これまでの刑事司法的な手続ではなくて、被告の抱える問題を、専門家による治療プログラムを提供して、そしていろんなものを活用して問題の解決、改善を図っていくということが、これからはまさに大事になってきたのではないかと思いますし、司法過程をそういう方向にやっぱり変えていく、そしてそういうものにしていく今時期に来ているのではないかと思っています。  今までのように検察は検察、あるいは弁護活動は弁護活動、裁判所は裁判所というふうにばらばらに取り組むのではなくて、刑事司法制度の担い手が一体となってこの再犯防止のために有機的に機能していく、さらには刑事司法機関だけではなくて、先ほどから申し上げておりますように、医療機関や福祉団体、民間の支援施設など、多様な社会資源と連携をして新たな司法手続を展望する時代に来たんではないかと、そう思っています。  その考えの下、今量的に多い覚醒剤、刑事犯とクレプトマニアに起因する窃盗犯については、問題解決型裁判所による特別手続を導入することによってやっていくことが再犯防止に効果的ではないかと考えるんですが、大臣はどのようにお考えになるか、お尋ねをしたいと思います。
  144. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 刑事手続の過程で、被告人に対し、依存症など犯罪の原因となる問題を解決するための処遇プログラムを実施する制度が海外において導入されている例があるものと承知をしております。  先ほどから申し上げている再犯防止推進計画におきましては、例えば、委員が御指摘したような薬物依存を有する者について、海外において薬物依存症からの効果的な回復措置として実施されている各種拘禁刑に代わる措置も参考にしつつ、薬物事犯者の再犯の防止等について効果的な方策についての検討を行うこととしておりますので、御指摘のような問題解決のための治療プログラムを実施する制度等について、理論的な問題のほか、治療的措置の体制や再犯防止効果など、様々な観点から検討を行っていくことが必要であると考えております。
  145. 柴田巧

    ○柴田巧君 ありがとうございます。  まだまだ、今日取り上げたこの問題解決型裁判所、そしてその背景となる治療的司法という考え方は、日本ではまだ十二分に周知されていると、なじみがあるという状況ではないかとは思いますが、しかし、日本の歴史と伝統の中には、それに相通じる理念的共通項というのは実は各所に見出されるんではないかというふうに私自身は思っていまして、例えば、少年司法手続なんかは、そういったところが多分にあると思っています。  というのは、裁判官による職権的な審判の進行でありますとか、家庭裁判所の調査官による科学的知見に基づいた処遇の方針の決定、そして何よりも、少年の成長に主眼を置いた保護的視点というのは治療的司法に相通じるものだと思いますし、今日も、保護司の皆さん、なり手がないというお話がありましたが、日本の保護司制度は大変世界に冠たるすばらしいものだと思っていますが、この保護司も、その精神というのは子供に、少年に徹底的に寄り添ってこの社会復帰を助ける、少年の非行から立ち直らせるというものですが、この考え方もそもそもは治療的司法に通底するものだと思っておりますので、そういったものが元々土台としてあって、そして昨今の再犯防止推進法、推進計画などができて、この問題を抱える者の再犯防止やあるいは再社会化に力を入れていこうという中ですから、決してとっぴなことではなくて、この国にも十二分に根差して定着して普及していけるものだと思っていますので、どうぞまた、大臣におかれましては、また法務省におかれましては、いろいろとまた検討もしていただいて、そういったものを参考にこれからの再犯防止策も十二分に考えていただきたいと思います。  次に、ちょっと時間が少し、なくなってまいりましたので、司法外交の積極的な展開ということでお尋ねを幾つかしたいと思いますが、初めに京都コングレスの政治宣言の方からお聞きをしたいと思っております。  来年の四月に京都で第十四回となる国連犯罪防止刑事司法会議、京都コングレスと一般に呼んでおりますが、これが開催されます。これは五年に一度開催される犯罪防止、刑事司法分野における国連最大規模の会議でございまして、聞くところによると、四、五千人の専門家が世界から、あるいは政府、国際機関やNGOなどなどから京都に、日本にやってくるということですが、日本で開かれるのは一九七〇年以来五十年ぶりでございます。  この京都コングレスでは、その専門家が議論をして、国際協力を促進して、より安全な世界を目指して協働することを目的としているわけですけれども、この会議で、日本のこの分野における、犯罪防止、刑事司法分野における国際的なプレゼンスを高めていくということが何よりも大事ですし、そして、そのことで、通して国民にも関心を高めてもらい、この犯罪防止や、再犯防止や安心、安全な社会の実現に寄与する効果が期待をされると思っております。  この京都コングレスでは、最終日になるんでしょうか、これからのこの指針となる政治宣言が取りまとめられる予定だと聞いております。前回、四年前はドーハで開かれましたが、この会議は、そのドーハ宣言は、その後のSDGsのゴール十六、「平和と公正をすべての人に」に結実されるものでしたが、今回の京都においても、これからの指針となるようなやっぱりインパクトのある宣言を是非まとめるべきだと思っております。  今回は、二〇三〇年アジェンダ、SDGsの達成に向けた犯罪防止、刑事司法及び法の支配の推進というのが全体テーマですけれども、先ほどから申し上げておりますように、この分野での日本の国際的なプレゼンスを高め、そして安心、安全な社会の実現に向けて日本はこれまでたゆまぬ努力をしてきたわけですが、また、この犯罪被害者の保護、支援、そして、先ほどから触れていますが、官民連携による再犯防止の取組にも力を入れているこの国ならではの発信力のある政治宣言を是非まとめていただきたいと思いますし、司法外交の新機軸となる、そういう意味あるものを是非策定、まとめていただきたいと思いますが、どのようにやっていかれるおつもりか、大臣所信の中でもお触れになっていますが、若干お触れになっていますが、大臣のお考え、決意も含めてお聞きをしたいと思います。
  146. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) コングレスでは、各国が犯罪防止、刑事司法分野における課題について議論し、成果文書として、これはまあ初日になるかと思いますが、政治宣言を採択いたします。政治宣言は、同分野における国連や加盟国の取組の中長期的な方針となります。したがって、政治宣言は国際社会に向けた発信力のあるものとすることが重要であると思っております。  京都コングレスは、国連で二〇三〇アジェンダ、すなわちSDGsが採択されてから初めてのコングレスであり、SDGsの達成を全体テーマとしております。我が国は、これまで、世界各国の刑事司法実務家を対象とした研修を実施するなど、SDGsに掲げられた法の支配の浸透に向けた地道な取組を続けてまいりました。そこで、政治宣言では、SDGsの礎となる法の支配や基本的人権の尊重といった基本的価値の重要性や、同じく我が国の強みである再犯防止などの分野における民間との連携を強く打ち出すことを目指し、外務省と緊密に連携し、指導力を発揮してまいりたいと思います。
  147. 柴田巧

    ○柴田巧君 じゃ、これもう時間的に最後になると思いますが、大臣も所信の中で、また、先ほども私も触れましたが、この機会に国民の意識も高めていただかなきゃならぬと思いますし、大臣もその必要性に言及されていましたが、もう既に公開シンポジウムなども始まっていますが、機運を高めるために、国民の関心を高めるために、どのようなことをされるのかお聞きをして、最後にしたいと思います。
  148. 山内由光

    ○政府参考人(山内由光君) 京都コングレスを契機といたしまして、安全、安心な社会を、国民に、皆様に関心を持っていただくために、議員御指摘のとおり、再犯防止とか政治、SDGsの達成、あるいは安全、安心な社会の実現といったコングレスの議題に関連した公開シンポジウムを今後開催する予定になっております。  また、これ以外にも、京都コングレスの開催の前の週にユースフォーラムを開催することを計画しております。このユースフォーラムにおきましては、「安全・安心な社会の実現へ ~SDGsの達成に向けた私たちの取組~」というテーマを設定いたしまして、将来を担う若者が犯罪防止、刑事司法に関連する問題について議論をするという機会を提供することも予定しております。  こういったシンポジウムでありますとかユースフォーラムの開催などを通じて、安全、安心な社会の実現に向けた国民的な関心を高めてまいりたいと考えております。
  149. 柴田巧

    ○柴田巧君 終わります。ありがとうございました。
  150. 山添拓

    ○山添拓君 日本共産党の山添拓です。よろしくお願いをいたします。  初めに、大臣に伺いたいと思います。毎月十一日にフラワーデモというのが行われております。大臣、御存じでしょうか。
  151. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) はい、存じ上げております。
  152. 山添拓

    ○山添拓君 資料をお配りしておりますけれども、今年の三月、性暴力をめぐる無罪判決が相次いだことへの抗議をきっかけに呼びかけられまして、昨日も、ちょうど十一日ですが、全国二十七か所、また国外も含めて取り組まれておりまして、東京では丸の内の駅前広場に三百名が集まりました。  私も行ってお話を聞いてきました。ある女性は、十四歳のときに実の父親にレイプをされた、家族を恨んで、自分も死にたいと思って生きてきた、八月にこのフラワーデモでようやく話をすることができて、初めて死にたいという気持ちが消えていった、こう語っておられました。誰にも言えない被害が重く長くのしかかるんですね。この方、今四十八歳だとおっしゃっていました。  内閣府の調査では、二十代から五十代の女性の一割近くが無理やり性交をされた経験があると答えております。ところが、被害について誰にも相談していないという人が六割に上ります。  大臣に伺いますが、被害を申告し、事件化をされ、起訴、判決に至る事件というのは氷山の一角だという認識、大臣、お持ちでしょうか。
  153. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) はい、全ての事件が公の場に出るとは限らないというふうに認識をしております。
  154. 山添拓

    ○山添拓君 全ての事件が公に出るわけではない、それにとどまらず、泣き寝入りといいますか、被害を訴えることができない、相談すらできないという方が多数を占めている実態、これ、是非御認識いただきたいと思いますし、森大臣、既にそうした見解、見識もお持ちなんだと思いますが、今、その性暴力が余りにも軽んじられていることへの抗議の声があふれ出ております。同時に、その背後にはデモに出てこられないたくさんの被害者がいるということ、改めて認識いただきたいということを申し上げたいと思います。  被害者が何とか申告をしても、起訴される割合が低いと。性犯罪でいうと、もう年々減少しており、二〇一七年は三二・七%です。その上、三月に無罪判決が相次いだ。このために怒りが広がったわけであります。  二〇一七年に改正された刑法は、暴行、脅迫によって性交等をした者を強制性交等の罪とし、心神喪失又は抗拒不能に乗じて性交等をした者を準強制性交等の罪としている。そういう状況を利用した者にですね、これは準強制だと。暴行、脅迫というのは反抗を著しく困難にする程度のものだと、抗拒不能というのは反抗が著しく困難な状態だと、そういう解釈がされております。要するに、意思に反する性交だというだけでは処罰されないわけですね。意思に反する性交だけではなく、暴行、脅迫がなければ駄目だ、抗拒不能の状態を利用したのでなければ駄目だと。  しかし、望まない性交を強制される、そのこと自体が、性的自由、ひいては個人の尊厳を著しく侵害するものだと私は思います。意思に反する性交、性的な接触によって身体の中の最も侵されたくない領域に侵入するという行為です。  大臣、これ、罪として問うに値しないものだとお思いでしょうか。
  155. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 委員の御指摘は大変重要な御指摘であるというふうに思います。  平成二十九年の刑法一部改正法では、御指摘の暴行・脅迫要件については、その撤廃や緩和は行われなかったわけでございますが、その上で、改正法附則第九条で、政府において、同項の施行後三年を目途として、性犯罪に係る事案の実態に即した対処を行うための施策の在り方について検討を加えるとされておりまして、法務省では、その検討に資するため、性犯罪に関する施策検討に向けた実態調査ワーキンググループを設置して、委員御指摘の暴行・脅迫要件に関連する事柄を含めて、性犯罪の実態把握や無罪判決等の収集、分析、外国法制の調査等を進めているところでありまして、来年春頃を目途にその結果を取りまとめる予定であります。
  156. 山添拓

    ○山添拓君 大臣、もう大分先の方まで答弁いただいたんですけれども、要するに、意思に反する性交だというだけでは今は罪になっていない、されていないわけですね。そのこと自体についてどうお考えか。同意のない性交、これを処罰するということについてどういう御認識か、もう一度お願いできますでしょうか。  大臣に、手を挙げていただいたので。
  157. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) ただいまお答えしたとおりでございまして、委員の御指摘、大変重いものと受け止めております。相談できない方が多数いるという実情も伺っております。  ただいま申し上げましたとおり、平成二十九年刑法一部改正法では、御指摘の暴行・脅迫要件については次のような理由からその撤廃や緩和は行わなかったところでございます。  判例実務上、暴行・脅迫要件の判断に当たって、当該暴行、脅迫だけでなく、周囲の状況、従前からの人間関係、被害者の属性、年齢、能力、事件に至るまでの経緯など、様々な要素を考慮して判断されていること、暴行・脅迫要件は当該性交等が処罰すべきものであることを外形的に示す要件として機能していると考えられ、そのような外形的行為がないときは被害者の不同意や被疑者の行為を証明することが容易ではないこと等でございますが、ただいま答弁いたしましたように、その上で、附則第九条で、政府において検討を加えると、それを施行後三年を目途としてというふうにされましたので、現在法務省でワーキンググループでるる検討し、それを来年春頃を目途にその結果を取りまとめる予定になっております。  それらの調査研究の結果のほか、被害当事者団体等から寄せられた様々な御指摘、ただいまの委員からの御指摘を踏まえて具体的な検討対象を決めていくことになりますので、現時点でなかなか今どうかということをお答えすることが非常に困難ではございますが、充実した検討を行ってまいりたいと思います。
  158. 山添拓

    ○山添拓君 ありがとうございます。  要するに、今は立証の問題があって、なかなか同意がなかったことを立証するのは難しいと、そういう現状もお話しいただいたと思うんですね。  暴行、脅迫も抗拒不能も、これ百十二年前の刑法を引き継いだものです。当時、女性は子を産む存在で、貞操を守るのが義務とされていたと。貞操のためには必死で抵抗するはずだと。ですから、簡単に屈する女性は保護に値しないという考えが背景にあったと。ですから、これはやっぱりいいかげんに改めるべきだと私は指摘をさせていただきたいと思います。  この性犯罪の場合には、加害者は、相手も同意していたと、こう言い訳する場合が非常に多いかと思います。しかし、多くは相手の心理や行動を自分に都合よく勝手に解釈をする、認知のゆがみと指摘をされております。  諸外国では、ノー・ミーンズ・ノーだと、拒否は拒否だと刑法で規定をする国が広がっています。二〇一六年に刑法を改正したドイツではどのように規定をしているか、御紹介いただけますか。
  159. 保坂和人

    ○政府参考人(保坂和人君) 把握している限りで申し上げますと、御指摘のドイツにおきます二〇一六年改正後の刑法百七十七条におきましては、他の者の認識可能な意思に反してその者と性交した場合には強姦罪として二年以上の自由刑を言い渡すこととされているものと承知をいたしております。
  160. 山添拓

    ○山添拓君 イギリスやカナダ、アメリカなど、アメリカの幾つかの州でも同意がない性交又は性的行為を処罰の対象としています。ノー・ミーンズ・ノーにとどまらず、イエス・ミーンズ・イエス、より能動的な同意を求める国もあります。  二〇一八年に刑法改正を行ったスウェーデンのレイプ罪について御説明ください。
  161. 保坂和人

    ○政府参考人(保坂和人君) お尋ねのスウェーデンにおきます二〇一八年改正後の刑法におきましては、自発的に性行為に参加していない者との間で性交等を行った場合にはレイプ罪として二年以上六年以下の拘禁刑に処する。さらに、相手方が自発的に参加していないことについて著しく不注意であった場合には過失レイプ罪として四年以下の拘禁刑に処するとされているものと承知をいたしております。
  162. 山添拓

    ○山添拓君 ですから、今、各国で不同意性交を刑法犯として位置付ける工夫がされて、ノー・ミーンズ・ノー、あるいはイエス・ミーンズ・イエスが広がっていると。これは、ミー・トゥー運動を始めとして、世界的に当事者である女性が声を上げてきたその結果にほかならないと思います。  日本で暴行・脅迫要件や抗拒不能要件を撤廃した場合にどのような構成要件を定めるのかと、これは研究が必要だと思います。しかし、不同意性交を処罰すること自体は荒唐無稽なことではなく、国家が放置すべきでない重大な権利侵害だ、このことを、大臣、是非認識いただきたいと重ねて申し上げたいと思います。  そもそも、この同意の有無を立証、認定するというのは困難なことなのかと。  二〇一九年の三月十二日、福岡地裁久留米支部判決の事件は、四十代の会社役員が準強姦で起訴された事件です。初対面の二十代女性と性交に及んだものです。  最高裁に伺います。  判決は、女性が性交に同意していたかどうかについて、どのように認定をしておりますか。
  163. 安東章

    ○最高裁判所長官代理者(安東章君) 委員から御指摘いただきました福岡地方裁判所久留米支部の平成三十一年の三月十二日の判決、これの判決書の五ページ五行目から六ページ七行目までの理由の部分を読み上げます。  Xは、①二月四日午後十一時頃から本件飲み会に参加したところ、同月五日午前四時十五分頃までの数時間の間に、ショットグラスに入ったテキーラ(なお、関係証拠によればアルコール度数は四〇%程度と認められる)の一気飲みを数回させられるなど、多量のアルコールを短時間のうちに摂取していたこと、②同日午前四時十五分頃までに、カウンター席で眠り込み、眠ったまま嘔吐しても目を覚まさないような状態であったこと、③嘔吐後、店内にいた他の者に運ばれてソファーフロアに移動させられたところ、周囲の問いかけには応じるものの、再び眠るような状態であったこと、④同日午前四時二十二分頃までに、ソファーの上で、スカートがまくれ上がり、はいていたストッキングやパンツが見える状態で眠り込んでいた上、その様子を写真撮影されても気付かなかったこと、⑤同日午前五時四十一分頃までに、ソファーの上で、スカートの下にストッキングやパンツをはかずに横になり、添い寝する被告人から抱き付かれ、スカートの内側に手を入れて体を触られていた上、その様子を写真撮影されても気付かなかったこと、⑥その後、被告人から陰茎を挿入されたこと、⑦本件飲食店を退店した後、本件サークルのLINEグループから退会したり、産婦人科医院を受診して避妊のための薬(アフターピル)の処方を受け、これを服用したりしたことなどが認められる。  以上によれば、Xは嘔吐した時点で飲酒酩酊のため眠り込んだ状態であったと考えられるところ、ソファーフロアに移動した後も、周囲からの問いかけに応じるものの、再び眠り込み、無防備な状態で横になっていたなどしていたものであるから、状況を認識して思うように体を動かすことができる状態ではなかったと言える。そして、Xが本件性交後、本件サークルのLINEグループから退会し、避妊のための薬を服用するなどしていたことからすると、Xが少なくとも本件のような状況で性交することを許容していたとは考えられないから、本件性交時においても依然として状況を認識して思うように体を動かすことができる状態にはなかったというべきである。したがって、Xは、本件性交時、被告人に対して抵抗することが著しく困難であり、抗拒不能の状態にあったと認められる。  以上でございます。
  164. 山添拓

    ○山添拓君 ありがとうございます。  性交することを許容していたとは考えられないと。つまり、同意がない、望まない性交であるということは認めているんですね。で、なぜこの被告人が無罪になったのかといえば、これは抗拒不能ではあるけれども、そのことを被告人が認識できなかったと、だから無罪だと、故意がないと、こういうことになっていたわけです。ただ、これ、つまりレイプであったと、それを認めながら、そのことの認識がなければ無罪と。無神経な人ほど有罪を免れるという事態になっているわけですね。  先ほど紹介した四つの無罪判決、このうち、暴行、脅迫あるいは抗拒不能要件が争われた三件は、いずれも意に反した性交、同意がないということは認めております。同意していないことの立証というのは、何かこう、ないことの立証だから不可能だというように言われることがありますが、そうではありません。望まない性交だったという被害者の供述のその信用性を、客観的な証拠や事実との整合性、これを軸にして認定していくというのが通常です。現に、今御紹介いただいたように、同意がないことの立証、認定というのはされているわけであります。  資料の二枚目を御覧ください。  二〇一七年の刑法改正では、暴行・脅迫要件の撤廃、緩和が行われず、性交同意年齢の引上げや公訴時効の停止、撤廃などとともに積み残しの課題となりました。一方、先ほど大臣にも御紹介いただきました、施行後三年を目途とした見直し規定が附則九条で盛り込まれております。前回の積み残しの課題、これ大臣に伺いますが、いずれの課題についても今後見直しの検討対象に含まれていく、こういう理解でよろしいでしょうか。
  165. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 委員の御指摘、大変重要な点でございますので、まず前提条件について事務方から説明をさせたいと思います。
  166. 保坂和人

    政府参考人(保坂和人君) 先ほど大臣からも御答弁させていただきましたとおり、現在、実態調査ワーキンググループでヒアリング等を実施しております。  現時点では、その調査結果を踏まえ、かつ被害者の方々からいただいている御指摘も踏まえて検討対象事項を検討する必要があるというふうに思っておりますので、今の時点で、これはなる、これはならないということを申し上げることは困難でございますが、これ、委員がその前提としておられます勉強会、検討会ですね、これは法務省で実施したものですけれども、そこで議論の対象になったものでございまして、もとより、それで終わっているということではないというふうに考えておりますが、現時点で何が検討対象かを申し上げることは困難だということを御理解いただければと思います。
  167. 山添拓

    ○山添拓君 まあ否定はされていないということであろうと思います。  ところで、大臣は、野党時代の二〇一〇年に、当時の刑法改正の審議で、強盗致死の時効が撤廃されるのに強姦致死の時効が撤廃されないことに強く抗議すると、こういう発言をされております。  性犯罪における公訴時効の撤廃、これ大臣として進める御決意でしょうか。
  168. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 具体的な検討対象については、今事務方から御説明しましたとおり、検討の方向性を現時点でお示しすることは困難でございますが、重要な御指摘でございますので、私としては適切に検討されるように期待をしているところでございます。
  169. 山添拓

    ○山添拓君 適切に検討されるように期待をということですけれども、これ二〇一〇年に森大臣が自由民主党を代表しての本会議の討論で述べられている発言でもありますので、是非、大臣となられた今般、その大臣自身のイニシアチブも発揮して議論を進めていただきたいと思っております。  積み残しの課題、私、これいずれも検討すべきだと思いますし、その際には、性犯罪というのはいかなる保護法益を侵害するものなのかと、人間の尊厳に対する罪と考えるべきだとか、性的なコンタクトの体験を強制的に共有させられることからの保護と捉えるべきだ、こういった、前回の改正に至る検討会の中でもいろんな議論がされております。その守るべき保護法益、その根本に立ち返った議論を是非行っていただきたいと、こう思います。  二〇一八年の五月以降、先ほど来御紹介あります実態調査のワーキンググループが開かれております。心理学の専門家からのヒアリングも行われておりますが、性暴力の影響や性被害を受けたときの被害者の態度といった点について、どのような知見が紹介されたか御説明いただけますか。
  170. 西山卓爾

    ○政府参考人(西山卓爾君) 御指摘ございましたワーキンググループでヒアリングを実施してございますけれども、そのうちで、委員御指摘の性被害時における被害者の反応や性暴力が被害者に与える悪影響等に関する知見につきまして御紹介を申し上げますと、例えば、第八回会合でお話を伺いました性犯罪被害者の臨床や精神状態の鑑定に携わる精神科医からは、性被害時における被害者の態度について、英語論文二十六件の分析結果に基づき、騒ぐ、殴るなど抵抗が外見上明確な行動よりも、泣く、加害者にやめるよう懇願するなどの消極的な抵抗行動を取る被害者が多いことや、積極的な行動を何も取らない又は凍り付いた、何もしなかったというように言う人がどの調査にも必ずおり、性被害に遭ったときに何もできないということがごく普通にあり得るなどといった御指摘をいただいております。  また、第七回の会合のヒアリングで、性暴力の被害経験に関する研究を行っている研究者からは、WHO、世界保健機関及びロンドン大学が行った研究データに基づき、性暴力被害を受けたことのある人は、被害を受けたことのない人と比べて自殺念慮、自殺企図を起こすリスクが高くなることや、パートナーから性暴力又は身体的暴力を受けた場合、精神的な影響だけでなく、身体的な疾患なども含め、自殺や病死、障害に至るリスクを高めるなどといった御指摘をいただいているところでございます。
  171. 山添拓

    ○山添拓君 ありがとうございました。  今御紹介いただいた知見というのはいずれも重要だと思います。そして、今後の改正に向けた検討に必ず反映させる、結び付けていただきたいと思っております。  ただ、今のワーキンググループ、来年の春頃をめどに取りまとめをという話でありました。昨日のフラワーデモに参加した際にも、二〇一七年刑法改正の三年後といえばもう来年だと、間に合うのかと、こういう声が上がっておりました。  大臣、間に合うんでしょうか。
  172. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 時期についてのお尋ねがございましたけれども、現時点で来年の春頃というふうにお答えをしているので、鋭意検討を進めてまいりたいと思います。
  173. 山添拓

    ○山添拓君 春頃にまとめた上で、検討会、そして法制審となりますと、前回の二〇一七年の改正までに至るには三年近く掛かっているんですね。そうすると、来年から三年かということになってしまって、多くの皆さんの認識、期待とはかなりそごすることになります。是非、見直し規定せっかく盛り込んで検討も進めているということですから、更に前進させられるように尽力いただきたいと思っております。  性犯罪・性暴力被害者の支援も重要な課題であります。ワンストップ支援センターがようやく全都道府県で取り組まれるようになりましたが、国の交付金は、一八年度は八千万円削減をされました。今年度も三億五千万円の概算要求に対して四割カットの二億一千万円まで削られました。来年度の概算要求は三億二百万円となっています。資料の三ページです。  今日は内閣府においでいただいております。特に運営費などに関わって、現場で何が問題で、来年度はどのように改善したいとお考えなのか、御紹介をお願いします。
  174. 伊藤信

    ○政府参考人(伊藤信君) お答えいたします。  性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターにつきましては、被害直後から、産婦人科医療、相談、カウンセリング等の心理的な支援、それから法的支援などの総合的な支援を可能な限り一か所で提供するというふうなことで、被害者の心身の負担を軽減し、その健康の回復を図るということを目的としたものでございます。  今御質問ありました件でございますけれども、まず、この支援センターが組織として有効に機能するためには、この被害者が置かれた状況や支援のニーズを踏まえた対応を行う支援者の適切な配置が重要であります。これに関しまして、複数のセンターから、支援者の高齢化、それから人材不足といった声を伺っておりまして、必要な体制の整備に苦慮をしているというふうな実情があるというふうに認識をしてございます。  今、来年度予算のお話ございましたけれども、資料にありますとおり、三億円、約三億円を要求してございます。この中では、例えば二十四時間対応への取組加算、それから支援者の処遇改善、それからコーディネーター等の配置といったことを拡充するというふうなことを目的として増要求をしているところでございます。
  175. 山添拓

    ○山添拓君 日勤のスタッフの方の時給は今千円程度と伺っています。これ、最低賃金の水準です。ただ、つらい経験をした被害者に寄り添うというのは、それ自体精神的な負担を伴う仕事ですから、是非二割、三割引き上げて、処遇改善、支援の充実に取り組んでいただきたいと思います。  時間ですので終わりますけれども、内閣府でいえば、今話題になっておりますように、桜を見る会の予算は予算を超えてでも支出するわけですから、こういうところに是非予算をきちんと付けて執行していただくように重ねてお願いを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  176. 高良鉄美

    ○高良鉄美君 沖縄の風という会派から来ました高良鉄美でございます。  私は、沖縄の今回の七月の選挙で初当選をしましたけれども、前任者の糸数慶子議員の後を継いで沖縄の風に入っております。そして今回、法務委員会ということで、初めての質問ということになりますけれども、委員長始め委員の方々、そしてまた御答弁なさる大臣始め、またよろしくお願いします。  私は、実はまだ三か月ということでございますけれども、大学の方で三十五年間憲法を教えてまいりました。そのうち二十年間は大学、あと十五年は法科大学院の方で教えてまいりました。  そこで、少し私のこの選挙の関係でですけれども、さきの選挙では、辺野古ですね、沖縄では辺野古の新基地建設の是非が問われました。これ自体は何度も、昨年の県知事選挙、そして県民投票、今年の二月、そして四月の衆院三区補選、その間に三回民意が示されたわけです。そして、私の選挙になりましたけれども、私の選挙の場合には、この三回も示している民意に対してなぜ強行しているのかという、これに対する民意なんですね。そういった意味で、今回の憤りの民意というものを示したというのが私の当選の鍵だっただろうと思います。  こういった地方の民意に関連して、憲法の九十五条の地方自治特別法という規定、これ憲法の条項ですけれども、簡単に説明しますと、特定地方にのみ適用される法律は、当該地方の住民投票による同意がなければ、国会はこれを制定することができない、こういった旨を定めているわけです。つまり、国会で定めようとするその前提が、民意のオッケーがなければ、この地域に関しては、この地域にだけ適用される法律に関しては定めることができないと、これぐらいの強いものであるわけですね。  そういった意味では、重要な地方住民の民意とそれから法の支配というのが関連しているということで、これらの内容がここに入っているというふうに思います。  じゃ、法律という、国権の最高機関である、法律を国会が定めるわけですけれども、この法律と行政機関が決定をするということに対して、どちらが優位するのかですね。沖縄に、辺野古に基地を造るという問題について、民意をこれだけ四度も示してきたと。しかし、これを無視して強行するという問題があるわけですね。  そこで、この問題に関してはこれから先もいろいろ関連しながら質問をしていきたいと思いますが、今回なぜこの質問をしているかといいますと、法の支配の問題ということで森大臣が所信の中に触れておられます。司法外交の積極的な推進と、そして、そういうものとして、京都コングレスにおいて、法の支配や基本的人権の尊重といった基本的価値を国際社会において確立させるべく指導力を発揮しますと、そう述べられています。  そこで、法の支配についてお聞きしたいわけですけれども、法の支配はこの分野にとどまるだけではありません。これまで全部、多くのものに触れておりますけれども、広く人権問題への対応と、今日、有田委員からもお話がありました、日本の中での表現の自由の問題、こういった問題も、人権問題への対応、そして法曹養成、法教育、あるいは総合法律支援、あるいは在留外国人の問題、法整備支援などまで関連してこの法の支配というのを進めていくということですから、この法の支配というものに対しての大臣のお考え、認識をお聞きしたいと思います。
  177. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 最初の御質問を受けて光栄でございます。  私が所信の中で法の支配について述べました、その法の支配とは、人権の保障と恣意的権力の抑制を主として、全ての権力に対する法の優越を認める考え方をいうものと認識をしております。
  178. 高良鉄美

    ○高良鉄美君 そうすると、この法の支配の法というのは大きな法原理を含んでいて、民主主義や平等、そういった基本原理が入っているということでよろしいですか。
  179. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) はい、そのとおりでございます。すなわち、法の支配とは、権力を法で拘束することによって国民の権利、自由を擁護するということを目的としておりますので、ここでいう法は形式的な法律ではなく、今御指摘のような様々な基本的な人権や基本的な価値を含む内容が合理的な法を指すものと認識しております。
  180. 高良鉄美

    ○高良鉄美君 ここでの法の支配は、対応する概念というのは人の支配ですね。あるいは、権力者の思いでこういうものをつくりたいとか、これをこう変えたいということを避けるためにこの法の支配というのがあるわけで、そうすると、その中心的なのは憲法でございます。憲法の中でもいろいろな原理がもちろんありますけれども、先ほどの九十五条のような、その地方の民意をきちんと取るのが民主主義であろうと、そういったような問題も含まれているということで私認識しております。  そういったことでは今の大臣の答弁のとおりだと思いますので、今後またそういったことを基本に、在留外国人の問題、あるいは法整備の支援、あるいは法教育、こういったもので、先ほども法科大学院の話がありましたけれども、そこでも大事なことは、法律を解釈していくわけではありますけれども、その基として、民主主義やあるいは人権の問題についてきちんとベースがあった上で捉えていくということは、これは法務委員会全体としてもそれが基本だと思いますので、そういったとおりで、今の答弁のとおり、しっかりまた進めていかれればと思います。  ただ、一つ心配なのは、その次の質問ということでお聞きしますけれども、刑事司法制度ですね。これは、所信の中で述べられています来年の京都コングレス、来年はまた東京オリンピックやパラリンピックがありますので、この外国の国際的な注目を集めるようなものが、国際会議あるいは国際オリンピックが開かれるわけですけれども、そういった日本の人権状況が国際的な注目を集めるということになります。特に、京都コングレスと刑事司法の関連ですので、死刑制度というものも日本の中での在り方を問われる、あるいは注目されると思います。  死刑廃止というのは国際的な潮流です。国連の各人権機関というのは、死刑執行を続ける日本に対して、執行の停止と、あるいは死刑廃止の検討を行うようにという度々勧告があります。  例えば、フランスの方は、死刑存続の国民世論というのが最初は強かったですね。これが六割を超えて死刑存続と言っていたわけですけれども、それで、死刑は廃止されましたけれども、その後の世論を見ると、死刑反対が、いわゆる死刑廃止に賛成をする側が多数になったということがありました。そして、イギリスでも、大きな冤罪事件を契機に死刑が廃止されました。こういったことがあったわけです。  国連からもこういった度々勧告を受けている中で、我が国の死刑制度、あるいは死刑執行の在り方が、もしかするとこの京都コングレスでも問題にならないかと、批判にさらされるんではないかと危惧をしているわけです。それは法の支配の考え方とも共通するわけですね。  この二〇二〇年までの死刑制度の廃止を目指しているのは日弁連です。日弁連の京都コングレスのサイドイベントで、死刑廃止をテーマにシンポジウムも行うというふうに伺っております。  冤罪、あってはならないけれども、なかなかなくすことはできないと言われております。来年はその国連の会議、この京都コングレスが行われるわけですから、これを機に、執行を停止した上で、死刑のですね、見直し議論を行うべきと考えますけれども、この死刑廃止の問題についての大臣の議論等の方向性といいますかね、あるいはそういった御意見でも、所見をお伺いしたいと思います。
  181. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 死刑制度の存廃につきまして委員のような御指摘があることは承知をしておりますが、国際機関における議論の状況や諸外国における動向等を参考にしつつ、基本的には各国において国民感情、犯罪情勢、刑事政策の在り方等を踏まえて独自に決定をすべき問題であると考えております。  現在、国民世論の多数が、極めて悪質、凶悪な犯罪については死刑もやむを得ないと考えており、多数の者に対する殺人や強盗殺人等の凶悪犯罪がいまだ後を絶たない状況等を鑑みますと、その罪責が著しく重大な凶悪犯罪を犯した者に対しては死刑を科することもやむを得ないという国民世論が出ておりますので、現在において死刑を廃止することは適当ではないと考えております。
  182. 高良鉄美

    ○高良鉄美君 これ、昨年ですね、七月六日、再審請求中と、こういった六名の方に対して、死刑執行の関連で再審を請求しているという中で、七名の死刑が執行されました。七名中六人は再審を請求している。  昨今のいろんなものを見ますと、この再審を請求すると、これは無罪、そういったところに行き着くような大きな証拠、あるいはDNA鑑定、こういったものがありますので、覆されているというのがあるわけですね。そうしますと、死刑執行してしまったわけです。そういったものからすると、冤罪の問題というのがあって、もしその人が違っていればというのが大きくあって、かなりこれにはもう衝撃を受け、あるいは失望したりしたわけですけれども。  以前、上川大臣は在任中に十六人もの死刑執行に署名されたというふうに承知していますけれども、死刑執行ということに対して国民世論いろいろあるようですけれども、疑問を呈している声がもう国内外から上がっていると。特に、この死刑というのは犯罪予防のために必要であるというようなことを少し先ほどおっしゃりましたけれども、そもそも、じゃ、死刑は犯罪抑止効果が実証されているのかどうか。犯罪を抑止する効果があるという実証、あるいは死刑執行の検証も行われているわけでしょうかということで、もうそういうふうにもし死刑に犯罪予防のための効果があると、抑止効果があるというのであれば、それを廃止した先進国は何だったんでしょうかということになります。  これは、ですから、きちんとこういった死刑執行の検証も行われているわけではありませんし、抑止するという実証もない。そういう中で、法務省は、立証した上で、今のような答弁だけではなくて説得力ある答弁をすべきではないでしょうかということで、国民世論は何%がこれを支持して、いろんなものがあって、実際に抑止効果がこう実際にあってと。例えば、犯罪被害者の方でも、死刑にしてくださいという声はよく聞きます。しかし、それでいいのかという部分については、犯罪被害者の方々も、逆に、いや、これだけではいかぬと、もっといろんな意味で反省をしてもらった方がいいというものもあるわけですね。そういったところをよく聞く。国民世論の声ということだけではなくて、何%がそういうふうなものがあって、こういう声があるとか、そういうようなことで実証していくということが必要じゃないかなと思っております。  大臣、もしありましたらお伺いします。そうでなければ、また参考人の方でも結構です。
  183. 保坂和人

    ○政府参考人(保坂和人君) 先ほど委員から抑止効があるのかというお尋ねがあったわけでございますが、死刑のその犯罪抑止力というのを科学的、統計的に証明するということはなかなか困難でございますが、一般に、刑罰といいますのは犯罪に対する抑止力を有するものと認識されておりまして、これは死刑も同様であると考えております。  また、世論調査におきまして、死刑がなくなった場合、凶悪な犯罪が増えるという意見と増えないという意見がありますが、あなたはどのようにお考えになりますかという質問がございます。これに対して、増えると回答した方がいずれも過半数を占めております。このことからいたしますと、死刑が犯罪に対する抑止力を有するということが広く認識されていることも、これが死刑の抑止力を有することの一つの表れであるというふうに考えられるところでございます。  さらには、死刑制度の存在が長期的に見た場合の国民の規範意識の維持に有用であるということは、これは否定し難いんだろうと思われまして、死刑制度は凶悪犯罪の抑止のために一定の効果を有しているものと私どもとしては認識しております。  以上です。
  184. 高良鉄美

    ○高良鉄美君 先ほどのはいつ頃の統計でしょうか。
  185. 保坂和人

    ○政府参考人(保坂和人君) 法務省、内閣府におきましてその世論調査を実施しておりますが、最新の世論調査は平成二十六年でございます。
  186. 高良鉄美

    ○高良鉄美君 五年前ということでございますね。  今私がこの質問したのは、来年の京都コングレスの中で議論されるんじゃないかということなんです、死刑廃止の問題も。そして、日弁連がそれに対してシンポジウムをサイドイベントでやるということに対して、やはり死刑問題に対してこれまでのような姿勢でいいのかということをひとつ考えていただきたいと。  それで、もう一回それを、きちんとその先進国やそういったことを問題にする国際会議の中でそれを実証し、それを説得できるような、なぜ死刑を我が国は維持するんだということを強く言えるような、そういう根拠を持たないといけないんじゃないかと、もしやるんだったらですよ。それよりも、先進国はなぜ死刑を廃止していったのかということの方が、よりもう一つの重要なこの国際会議の意味があるんじゃないかなと。法の支配というのもそういったところにいっているんだろうと思いますね。  もし、そういう意味では、何かまた法務省の方であれば。お答えありますか。
  187. 保坂和人

    ○政府参考人(保坂和人君) 法の支配との関係のお尋ねだと理解をいたしましたけれども、先ほど大臣から御答弁させていただいたとおり、法の支配の考え方というのはあるわけでございますが、我が国の死刑制度につきましては、国会の制定した法律に定められた罪を犯した場合にしか科すことができないものでございまして、最高裁判例でも憲法上是認されているというものでございます。  さらに、その適用や執行につきましても、法律に定められた慎重な裁判手続と審査を経ることとされておりますので、我が国の死刑制度が法の支配に反するとは考えておりません。
  188. 高良鉄美

    ○高良鉄美君 法の支配との関係でいうと、今の関係では、法の支配ではなくて法律の支配になっているわけですね。この法律の中で適正に執行されているかどうかというものを見るんではなくて、人権に配慮されているかと。  先ほど私は、七人中六人が再審請求をされていると言いました。これ、人権の問題が、もしこの再審の中で、いろんなものが新しいのが出てきて無罪になったというのがずっと、いろいろ出てきているわけですけれども、そういったものに対して、どうして再審請求が出ている六名に対して死刑執行するんだと、まあ署名をですね、ということが問題なんですね。  そういった意味でいうと、法の支配の、まあずっと以前からやっている欧米諸国でなぜ死刑が廃止されていくのかということについて是非検討をお願いしたいと。これは、今、国際社会が、東京オリンピックも含めて、日本の民主主義やあるいは法の支配の在り方というのを問うているわけですね、あるいは注目するわけですね。  そういった中で、是非ともこの死刑廃止問題については、その先進国あるいはそういった国々に対して、きちんとした理由があるならそれをきちんと、今の答弁では、恐らく勧告も受けているわけですね、なぜ国際、国連の委員会等々からそういう死刑廃止の問題について勧告を受けるかということも、より、いや、これは我が国の問題だから我が国がやるではなくて、法の支配というのは、我が国の問題というよりも、人間の問題とか、人類の、人の、人権の問題とか、そういった価値なんですよね。だから、そういったところをしっかり、もう時間もなくなりましたので、ここで同じようになってくると思いますので、この点はまた後日やりたいと思います。  今の法務関係で家族法の関係があるんですけれども、次に、嫡出推定について伺いたいと思います。  森大臣は、所信表明で、無戸籍状態の解消に積極的に取り組むということが示されましたけれども、民法七百七十二条の嫡出推定規定によって、無戸籍の問題の解消を求める声というのは、これ、早くから上がっておりまして、十七年前、二〇〇二年から、こういった全国の、戸籍あるいは住民基本台帳の事務担当者が全国でいろんなものをやっている協議会が、戸籍に事実と異なる記載をしないで済むように、親子関係不存在、嫡出推定期間の見直し等、民法の改正を要望するというような決議がなされて、民事局長に要望されましたが、それは、嫡出推定の期間、離婚後三百日というのが七百七十二条ですけれども、同法の七百三十三条の再婚禁止期間は六か月ですね。近年の離婚の増加によりその内容も多様化、複雑化し、適法な再婚を経て出産をしたにもかかわらず出生日が離婚後三百日以内であったためにこの子は前夫の嫡出推定がされ、前夫の戸籍に入籍せざるを得ない。その子が実父母の戸籍に入るには、嫡出否認や父子関係不存在確認の訴えをするが、それは前夫の出頭なくしては得られない審判であると。  前夫が行方不明であるとか、前夫の暴力が原因で離婚したため再会することに命に危険あるような場合は、審判も進展せず、裁判所からは取下げを勧められるという。法律違反をしたわけでもないのに、子が直接実父母の戸籍に入ることもできず、あるいは直接入籍できても親子関係不存在と記載されるなど、肩身の狭い思いをしている母子が増えている現状を考慮し、民法の改正あるいは裁判の方法について何らかの対応が早急になされるべきであるというふうに要望がされたということですね。  そういった担当者等々、法務省の当時の、この要望に対して、法務省の当時の房村精一民事局長は、要望には応じ難いということだけ回答しているようですけれども、しかし、その後の無戸籍の解消というのは、そのときに見直しがされていれば、二〇〇二年ですね、再婚禁止期間の違憲訴訟も回避できたんじゃないかということで、今、国会でも大きく取り上げられていて、与党、とりわけ当時の公明党がリードする形で数々運用の見直しが行われていたと承知しています。しかし、抜本的な見直しが行われないまま、二〇一五年に最高裁が再婚禁止期間を違憲と判断して、民法改正と運用で見直しが行われました。  嫡出規定、推定規定もようやく法制審議会で議論が始まっていると承知しています。この規定見直しの目途及び法改正に向けた森大臣の御決意をお聞かせください。
  189. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 嫡出推定制度の見直しについては、現在、無戸籍者問題を解消する観点から、法制審議会に設置された民法親子法部会において調査審議がされているところでございます。  この問題は、国民としての社会的な基盤が与えられず、社会生活上も不利益を受けるという人間の尊厳にも関わる重要な課題であると認識しておりますので、この部会において充実した調査審議が行われ、なるべく早く結論が出るようにと期待しているところでございます。
  190. 高良鉄美

    ○高良鉄美君 是非、そのように議論が進んでいくことを期待したいと思います。  次に、選択的夫婦別姓制度、そして通称の使用ということについて伺いたいと思うんですけれども、これは安倍総理の所信表明のところでありましたけれども、「みんなちがって、みんないい。」という金子みすゞの詩の一節を引用した上で、新しい時代の日本に求められるのは多様性である、みんなが横並び、画一的な社会システムの在り方を根本から見直していく必要がある、多様性を認め合い、全ての人がその個性を生かすことができる、そうした社会をつくることで、少子高齢化という大きな壁も必ずや克服できるはずだと述べています。  家族の在り方についても同じではないかと思います。選択的夫婦別姓や同性婚が認められないために事実婚にするカップルが増えていること、婚姻カップルの四組に一人が片方あるいは双方が再婚カップルであること、子供を持たないカップル、ステップファミリーなど、家族の形は多様化しています。ところが、政府は、選択的夫婦別氏制度の導入の問題については、我が国の家族の在り方に深く関わるもので、国民の間にも様々な意見があることから慎重に検討するという答弁を繰り返しています。しかし、なかなかこの理由が述べられていません。  法改正が必要であるとする理由は、不利益解消を求める当事者の声、家族や国民意識の多様化、法律で同姓を強制している国が日本以外に見当たらないという国際的な潮流、国連機関からの勧告、あるいは婚姻改姓を余儀なくされる女性たちの賛成が圧倒的多数であること、これは、要するに別姓に対しての賛成が圧倒的多数であることなどを挙げられますが、同姓を法律で強制しなければならない根拠は明確に示されていません。  今月八日の衆議院法務委員会では、森大臣は、法制審議会に諮問する立場にある法務大臣としては……
  191. 竹谷とし子

    ○委員長(竹谷とし子君) 高良委員。
  192. 高良鉄美

    ○高良鉄美君 はい、もう時間があれですね。  今、途中になりましたけれども、この夫婦別姓とそれから通称使用のことについてはまた併せて、後日私の方からまた質問させていただきたいと思います。  もう最後になりましたけれども、今日の初質問、いろんな意味で、今後とも皆様と議論をしながら、この法務委員会、活発にやっていけたらと思います。  ありがとうございました。
  193. 嘉田由紀子

    ○嘉田由紀子君 ありがとうございます。碧水会の嘉田由紀子でございます。  私も、参議院議員として初めての質問でございます。  改めまして、森大臣には、御就任おめでとうございます。滋賀県の知事時代に子育て政策や男女共同参画のところでいろいろ御支援をいただきました。改めて感謝申し上げます。  さて、私自身は、森大臣も言っておられましたように、家族の問題、特に子供に焦点を当てまして、両親が離婚した後、子供の養育の在り方や子供の生活、経済、その辺りのことを親権問題と絡めて質問をさせていただきたいと思います。本日、外務省、また厚労の皆様にもお世話になりますけど、よろしくお願いいたします。  実は、この問題意識を持ちましたのは、知事二期八年、そして大学の学長を三年やっておりました、その間に、本当に子供たちの貧困、また母子家庭の貧困の困難に直面いたしました。また、大学の学長で、毎月学生さんが言わば退学届を出してくるんですけれども、その理由の中に、授業料が払い切れない、母子家庭というのが本当に多かったんです。  そういうところを見て、改めて、日本では今、片親、単独親権制度の下で、両親が離婚した後、片親を失ってしまう二十歳未満の子供たち、毎年二十万人も増え続けているんですね。このことを何としても私は改善をしたいと思いまして、以下三点から、離婚後の親権に関わる問題について質問させていただきます。  まず一点目は、両親が別居あるいは離婚した後、社会的に不利な状況に陥ることがないような、そういう子供たちの利益を最優先にしていきたい。それから二点目は、これ午前中も議論ありましたけれども、児童虐待を防ぎ、子供が必要な教育受けられて、そして子供ファーストの社会、これもう日本中が課題になっていますけれども、それを追求をしていきたい。そして三点目は、子供の権利を主体として位置付けて、公的な機関、私的な機関も子供の最善の利益が得られるようにということで質問を組み立てさせていただきました。  まず、大きな一点目に、国際社会の流れとの対応で七点質問させていただきます。  これは、午前中も櫻井議員が、言わば事後対応ではなくて根本的なところを事前予防でやらなければいけない。また、先ほど山添議員が、実は日本の民法は明治民法のいろんな名残が今も引きずっているという問題。そして、高良議員がおっしゃっていました、来年はそれこそ国際的な日本でのコングレスがあるわけですから、そういうところで、国際的な比較の中で日本のこの子供の在り方、考えるチャンスにしていただけたらと思っております。  まず一点目ですけれども、児童の権利に関する条約第三条一項では、児童に関する全ての措置をとるに当たっては、公的若しくは私的な社会福祉施設、裁判所、行政当局又は立法機関のいずれによって行われるものであっても、児童の最善の利益が主として考慮されるものとされております。現在、多文化共生、日本、特に国際結婚も増えております。そういう中で、数多くの外国人が暮らす今の日本、また海外で結婚もし、子供を授かる日本人も増えている中で、国際社会の状況を踏まえて、日本の家族制度、どのような方向を目指すべきでしょうか。森法務大臣の御認識をお伺いいたします。
  194. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 嘉田委員には、私が少子化問題担当大臣を務めている折に、滋賀県知事として様々な御貢献を賜りましたこと、御礼を申し上げます。また、一番最初の質問ということで光栄でございます。  御指摘の問題でございますが、我が国においても、在留外国人等の増加等に合わせて多文化共生が推進され、価値観の多様化が進んでいるものと考えております。また、これに伴い、我が国の家族の在り方、あるいはこれに対する国民意識にも変化が見られるものと認識しています。  その上で、我が国の家族に関わる法制度をどのようなものにすべきであるかについては、このような諸事情に加えて、我が国の伝統や文化を始め、様々な事情、また国民的な意識を総合的に考慮した上で判断する必要があるものと思っております。
  195. 嘉田由紀子

    ○嘉田由紀子君 ありがとうございます。総論的な方向をお示しいただきました。  二点目ですけど、今年の八月九日に、フランスのジムレー・フィネル法律事務所が国連人権理事会に対して、日本政府が児童の権利条約第九条第一項及び第三項に違反すると申立てがございましたが、これは承知していただいているでしょうか。外務省、いかがでしょうか。
  196. 尾身朝子

    ○大臣政務官(尾身朝子君) お答えいたします。  本年八月、フランスの法律事務所が国連人権理事会に御指摘の内容を含む通報を行ったという旨の報道発表をしたということは承知しております。  国連人権理事会は、こうした通報に関する手続を定める決議において、様々な手続の段階を非公開としていることから、このような通報についてはこれ以上のお答えは差し控えさせていただきます。
  197. 嘉田由紀子

    ○嘉田由紀子君 非公開ということで、残念ですが。  こちらがいただいている情報によりますと、日本人の親による子の連れ去りなどの犠牲者が毎年十五万件に達すると、大規模かつ信頼できる証拠のある一貫した形態の人権侵害に該当するという主張を行っておりますけれども、これに対して日本政府としてはどのような主張あるいは反論を行っているでしょうか。外務省さん、法務省さん、両方の御意見をお願いいたします。
  198. 尾身朝子

    ○大臣政務官(尾身朝子君) 通報に関する手続は、先ほども申しましたが制度上非公開とされているため、関係国の主張も含め、お答えは差し控えさせていただきます。
  199. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  御指摘の申立てにつきましては、現在、法務省においてその内容を検討する段階にありません。今後、我が国の政府あるいは法務省としてどのような反論を行うかにつきましてお答えすることは困難でございます。
  200. 嘉田由紀子

    ○嘉田由紀子君 それでは、行っていないということなんですけど、今後確認を行う予定はあるのでしょうか。特に、国際的に名誉ある地位を目指す日本としては、国連人権理事会からの通告を待たずに早急に確認するべきと思いますが、いかがでしょうか。
  201. 尾身朝子

    ○大臣政務官(尾身朝子君) 日本は、対話と協力の姿勢に立って、国連等の国際フォーラムや二国間対話などにおいて、国際社会が関心を有する人権問題の解決や人権状況の改善を慫慂するとともに、必要かつ可能な協力を実施しているところでございます。また、日本は主要な人権諸条約を締結しており、その誠実かつ適切な履行に努めてまいりました。  このように、日本は国連を始めとする国際社会と連携し、引き続き世界の人権の保護促進に積極的に貢献していく決意であるものの、御質問の通報に関する手続につきましては非公開とされており、事務局からの通告の有無を含めてお答えは差し控えさせていただきたいと存じます。  なお、一般論として申し上げましたら、人権理事会の事務局は情報秘匿を非常に重視しておりまして、関係国からの問合せに対する回答は行っていないということも承知しております。
  202. 嘉田由紀子

    ○嘉田由紀子君 残念ですけれども、国民の前にそのことが明らかになるように御努力いただけたらと思います。  六点目に、今年の二月一日の国連児童の権利委員会で、児童の最善の利益である場合、外国籍の親も含めて児童の共同養育を認めるため、離婚後の親子関係について定めた法令を改正し、また、非同居親との人的な関係、直接の接触を維持するための児童の権利が定期的に行使できることを確保するという意見が出されておりますけれども、これに対して、今、法務大臣の御認識はどうなっているでしょうか。
  203. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 御指摘の児童の権利委員会からの勧告については、真摯に受け止めております。  父母が離婚した後であっても、子供にとっては父母のいずれもが親であることは変わりはありません。したがって、一般論としては、父母の離婚後も父母の双方が適切な形で子の養育に関わることは、子供の利益の観点からも非常に重要であると思います。また、子供の幸せが一番大事でございますので、それを念頭に、子供の利益が不当に侵害されることがないように、様々な意見、多様な意見にしっかりと耳を傾けていくことが重要であると思っております。  また、父母の離婚後の子供の養育の在り方に関しては、公益社団法人商事法務研究会において、民事法研究者、裁判実務家などを中心とした研究会が近く立ち上がる予定と承知しておりまして、法務省としても、この研究会に担当者を派遣し、積極的に議論に参加する予定でありますので、この研究会において、児童の権利委員会の勧告や委員の御指摘も踏まえて丁寧な検討がされることを期待しております。
  204. 嘉田由紀子

    ○嘉田由紀子君 ありがとうございます。  研究会のことも先取りして御答弁いただきましたが、またそれはちょっと後から追加させていただきますけれども。  昨年の平成三十年三月六日に駐日EU各国大使から上川法務大臣に対して提出された書簡では、裁判所によって監護権又は面会交流権、ペアレンティングタイムが認められたにもかかわらず裁判所の判断どおりに執行されていないとの懸念が表明されておりますけれども、この書簡で述べられた懸念に対する法務省の対応、あるいは森大臣の御認識はいかがでしょうか。
  205. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) それでは、重要な御指摘でございますので、まず法務省の対応について事務方から説明させます。
  206. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  御指摘のとおり、昨年四月にEU加盟国の大使らが法務省を来訪されて、当時の上川法務大臣に書信を手渡されたことは承知しております。また、その書信は、離婚した父母と子供の面会交流及び監護権を有する親への子供の引渡しに関する問題につきまして、関係当局間での対話と意見交換を求めるものであったと承知しております。  書信で指摘されている問題につきましては、子供の心身に与える影響等に配慮する必要があることから、我が国だけではなく、EU加盟国を含む各国においても様々な課題に直面しているものと認識しております。  我が国におきましては、御指摘の書信をいただいた後、民事執行法等を一部改正して、国内の子の引渡し及び国際的な子の返還の強制執行をより実効的なものとするための見直しがされたほか、現在も親子に関する諸課題について必要な検討をしているところでございます。  いずれにいたしましても、法務省としては、今後もEUを含めた諸外国等との間で外交ルートを通じた情報交換等を行いながら、相互理解を深めることが重要であると考えているところでございます。
  207. 嘉田由紀子

    ○嘉田由紀子君 御丁寧な御回答ありがとうございます。  今、面会交流という言葉を使ったんですけど、これ、英語で元々ビジテーション、訪問する、あるいはコンタクト、最近はペアレンティングタイム、つまりペアレントをイングを入れて、親として養育をする時間という形になっておりますので、私自身は、ちょっと今、法的には日本で面会交流という翻訳にされているんですけれども、少し括弧書きでペアレンティングタイム、つまり養育を両方の親がやれる時間というような理解でいけたらと思っております。  次に、大きな二点目ですけれども、先ほど、既に森大臣から御答弁いただきました。河井前大臣が共同養育等研究会を発足ということでございましたけれども、その研究会ではどのような内容をいつまでに出されるのか。  実は、既に二〇一四年、平成二十六年に各国の離婚後の親権制度に関する調査研究業務報告書というので、これだけの大変大部な報告書を出していただいております。私もしっかり勉強させていただいておりまして、ただ、私自身もアメリカで子供を授かり、そして各海外の皆さんとやり取りもしながら、本当に日本の状況、百人家族あるいは百人子供さんがおられると百人の当事者で意見が違うというようなところでございます。森大臣もまた自見様も、皆さん御経験と思いますけれども、そういう中で、この報告書にプラスアルファして、今回の共同養育研究会ではどういう内容をいつまでに期待をしておられるでしょうか。法務大臣からお答えいただけると幸いです。
  208. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 共同養育等研究会についての御質問をいただきました。  平成二十三年の民法等改正の際にも、衆参の法務委員会の附帯決議において、制度全般にわたる検討をすべきであるとの御指摘をいただいたところでございますので、法務省においてはこの附帯決議等を踏まえて外国法の調査等を進めてきたところでございますが、この度、父母の離婚後の子供の養育の在り方を含む家族制度の見直しの研究、検討のため、御指摘の研究会が立ち上がることになりました。  いつまでに何を検討するかということについては、事務方から回答させます。
  209. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答えを申し上げます。  御指摘のこの研究会における検討テーマの選定は研究会のメンバーに委ねられておりますため、現時点で検討に要する期間あるいは具体的なスケジュールをお答えすることは困難でございます。  また、研究会におきましては、父母が離婚した後の子供の共同養育の問題だけではなく、例えば普通養子制度や財産分与制度など、子供の養育を中心とした家族構成についてどういった制度が子供の利益に最もかなうかという観点から、多角的に検討を進めて広く議論されることになるものと考えております。  研究会の検討テーマは、このようにいずれも家族の在り方に関わる重要な論点でございまして、議論には相応の期間を要するものと考えております。研究会におきましては、まずは検討の方向性を定めずに、課題の選定と論点の整理が行われることになるものと考えているところでございます。
  210. 嘉田由紀子

    ○嘉田由紀子君 ありがとうございます。時期は確定できないという御回答と理解をさせていただきますが、日々、子供たちは生まれ育っておりますので、できるだけ早く方向を示していただきたいと思います。  次に、子供の貧困の背景に養育費をめぐる状況がございます。本日、資料を皆様のところにお出しをしておりますけれども、厚労省さんが平成二十八年度全国ひとり親世帯等調査結果報告、出していただいております。細部のデータは、ここ見ていただきたいんですけれども、養育費を現在受けている母子世帯は全体の二四・三%、つまり四人に一人しかありません。  これ、滋賀県のデータでも類似のものが出ております。そして、滋賀県内のデータですけど、母子家庭の平均勤労収入二百三十四万円、父子家庭は四百八万円、五七%にとどまっております、母子家庭が。  母子家庭の一番の困難は生活費不足と教育費不足と、皆さんが口々に訴えておられます。こうした状況につきまして、法務大臣あるいは厚生労働政務官、どうお考えでしょうか。お願いいたします。
  211. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 嘉田委員が知事時代から母子家庭の問題に非常に取り組まれてきたことに敬意を表したいと思います。  離婚後に子供を扶養するために支払われる養育費は、子供が貧困に陥ることなく、心身共に健全に成長していくために極めて重要な意義を有するものであると認識をしております。  法務省では、養育費の取決めが適切に行われるようにするために、平成二十八年十月から、養育費等に関する合意書のひな形及び記入例などを掲載したパンフレットを作成し、全国の市町村で離婚届書と同時に配布をしたり、法務省のホームページに掲載したりするなどの周知活動に取り組んでいます。  また、法務省では、離婚届書の様式改正を行い、届書に養育費の分担に関する取決めの有無をチェックする欄を加え、平成二十四年四月からその使用を開始しております。  さらに、さきの通常国会で成立した民事執行法等改正法は養育費の支払確保にも資するものとなっておりまして、養育費の支払を取り決めたにもかかわらず支払われないという家庭を少しでも減らすため、施行準備や周知を適切に行ってまいりたいと思います。  法務省としては、養育費の不払により子供の健全な成長の機会が奪われることのないよう、関係省庁と連携して引き続きこの問題に取り組んでまいるとともに、さきに述べた父母の離婚後の子供の養育の在り方に関する研究会においても、養育費の支払確保の問題についてしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
  212. 自見はなこ

    ○大臣政務官(自見はなこ君) 一人親家庭の実態については、平成二十八年度全国ひとり親世帯等調査結果によりますと、母子世帯の母の平均年間収入は約二百四十三万円、平均年間就労収入は約二百万円となっているほか、一人親本人が困っていることとして、母子世帯のうち、全体の約五〇%が家計、約一四%が仕事と回答をしております。また、母子世帯のうち、全体の約二四%が支払を現在も受けているというふうに回答をしております。  こうした厳しい状況、現状を踏まえ、一人親家庭に対しては、就業支援、子育て・生活支援、養育費確保支援、経済的支援などの総合的な支援を実施する必要があると考えております。厚生労働省としては、引き続き、養育費の確保を含め、関係省庁と十分に連携を図りながら、一人親家庭に対する必要な支援を実施してまいりたいと存じます。
  213. 嘉田由紀子

    ○嘉田由紀子君 政務官、ありがとうございます。問題意識は共通でございます。  さあ、そういうところで、海外の事例、よく聞かれることで、またこの報告書の中でも具体のデータはあるんですけれども、例えば米国の商務省の統計局では、監護権を有する親全体に対し、養育費の取決めをした者の割合は六〇%近く、また、カリフォルニア州の例ですけれども、法的共同監護であれば九六%に養育費の支払命令が出て、そして実施されているということでございます。  これは実は、先ほどペアレンティングタイム、面会交流と仮に申し上げましたけれども、この面会交流が十分に行われていることが養育費支払につながっている。例えば、支払う側でも、それこそ毎週とか毎月子供の成長する姿が見られたら支払うインセンティブも湧いてくるわけですけれども、この両者が強く連携しているというようなこと、法務大臣、いかがお考えでしょうか。
  214. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 我が国とアメリカとでは様々な点で法制度が異なりますので、単純な比較をすることはできないと思いますけれども、いずれにしても、我が国において養育費の取決め率や現実の支払率が低いことは極めて深刻な問題であると受け止めております。
  215. 嘉田由紀子

    ○嘉田由紀子君 支払の低いことが深刻だという共通理解をいただきまして、ありがとうございます。  そういうところで、自治体がかなり突出して努力をしているところがあります。例えば兵庫県の明石市は、市長さんが弁護士で、子育てに大変力を入れておりまして、養育費立替パイロット事業を始めようとしておりますし、これ条例化するということです。それから、滋賀県の湖南市、また大阪市も、手続費用に対する補助事業を行っている自治体がございますけれども、このような自治体の動きを見て、国としてはどうお考えでしょうか。
  216. 森まさこ

    ○国務大臣(森まさこ君) 御指摘のとおり、兵庫県明石市において、養育費が支払われていない場合に民間の保証会社がこれを支払うこととし、自治体において保証料を支払うというパイロット事業が試行をされておりまして、私も市長にお電話をして伺ったことがございますが、類似の事業が大阪市や滋賀県湖南市においても実施されていることは承知しております。  法務省としては、養育費の支払に公的機関が関与する措置を講ずることについては、民事執行法改正の際の附帯決議の趣旨も踏まえて、関係省庁とともに検討をしてまいりたいと思います。  先ほども述べましたけど、養育費の支払が確保されることは子供の心身の健全な成長のために大変重要であると考えておりまして、地方自治体における個々の取組については個々の自治体の判断に委ねられておりますけれども、様々その参考にしてまいりたいと思います。
  217. 竹谷とし子

    ○委員長(竹谷とし子君) 時間が過ぎておりますので、おまとめください。
  218. 嘉田由紀子

    ○嘉田由紀子君 はい、最後に一言だけ。  森法務大臣、そして自見政務官、尾身政務官、ある意味で、たまたまここで女性として、子育て経験の中で、大変問題意識が近いということが今日確認させていただけたと思います。次回以降は、なぜ、では日本ではずっと単独親権で明治民法の言わば影を引きずっているのか、そしてここにどうやったら子供にとって最善の利益になるような親権制度が生み出せるのか、次回、その点について展開させていただきたいと思います。  本日、どうもありがとうございました。感謝申し上げます。ありがとうございました。
  219. 竹谷とし子

    ○委員長(竹谷とし子君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後四時十六分散会