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2019-11-20 第200回国会 参議院 本会議 5号 公式Web版

  1. 令和元年十一月二十日(水曜日)    午前十時一分開議     ━━━━━━━━━━━━━ ○議事日程 第五号   令和元年十一月二十日    午前十時開議  第一 農林水産物及び食品の輸出の促進に関す   る法律案(内閣提出、衆議院送付)     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  一、日本国アメリカ合衆国との間の貿易協定   の締結について承認を求めるの件及びデジタ   ル貿易に関する日本国アメリカ合衆国との   間の協定締結について承認を求めるの件(   趣旨説明)  以下 議事日程のとおり      ─────・─────
  2. 山東昭子

    ○議長(山東昭子君) これより会議を開きます。  この際、日程に追加して、  日本国アメリカ合衆国との間の貿易協定締結について承認を求めるの件及びデジタル貿易に関する日本国アメリカ合衆国との間の協定締結について承認を求めるの件について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 山東昭子

    ○議長(山東昭子君) 御異議ないと認めます。茂木敏充外務大臣。    〔国務大臣茂木敏充君登壇、拍手〕
  4. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) ただいま議題となりました日本国アメリカ合衆国との間の貿易協定について承認を求めるの件につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。  政府は、平成三十一年四月以来、アメリカ合衆国との間でこの協定の交渉を行いました。その結果、令和元年十月七日にワシントンにおいて、我が方在米大使と先方合衆国通商代表との間で、この協定署名が行われました。  この協定は、我が国とアメリカ合衆国との間で物品の貿易につき、関税の撤廃又は削減の方法等を定め、両国間の物品の貿易を促進するものであります。  この協定締結により、我が国とアメリカ合衆国との間の物品の貿易が促進され、両国間の経済的な結び付きがより強固になることを通じ、両国経済が一段と活性化し、ひいては両国関係全般が一層緊密化することが期待をされます。  次に、デジタル貿易に関する日本国アメリカ合衆国との間の協定締結について承認を求めるの件につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。  政府は、平成三十一年四月以来、アメリカ合衆国との間でこの協定の交渉を行いました。その結果、令和元年十月七日にワシントンにおいて、我が方在米大使と先方合衆国通商代表との間で、この協定署名が行われました。  この協定は、我が国とアメリカ合衆国との間で、円滑で信頼性の高い自由デジタル貿易を促進するための法的基盤を確立することにより、両国間のデジタル貿易を促進することを目的とするものであります。  この協定締結により、我が国とアメリカ合衆国との間のデジタル貿易が促進され、両国間の経済的な結び付きがより強固となることを通じ、両国間の貿易が安定的に拡大し、ひいては自由で開かれた国際経済の発展につながることが期待をされます。  以上が、これらの協定締結について承認を求める件の趣旨でございます。(拍手)     ─────────────
  5. 山東昭子

    ○議長(山東昭子君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。中西哲さん。    〔中西哲君登壇、拍手〕
  6. 中西哲

    ○中西哲君 自由民主党の中西哲です。  私は、自由民主党国民の声を代表し、ただいま議題となりました日米貿易協定、日米デジタル貿易協定について質問いたします。  昨年九月の日米首脳会談において、日米貿易交渉を開始することで一致してから僅か一年。米国側の要求事項が相当強いものだったにもかかわらず、安全保障上の脅威を理由に導入をちらつかせていた自動車への追加関税を回避できました。  農業分野についても、焦点であった米国産牛肉と豚肉の関税削減はTPPと同じ水準となりました。米についても、TPPで設けられることとなっていた米国産米の輸入枠はありません。  この交渉結果については、日本自動車工業会から、自動車分野における日米間の自由で公正な貿易環境が維持強化されるものであるとのコメントが、また、JA全中の会長からも、合意内容は昨年九月の日米共同声明の内容を踏まえた結論と受け止め、特に、米については米国への関税割当て枠の設置が見送られることとなり、生産現場は安心できるものと考えているとの談話が発せられているように、我が国の国益にかなう結果が得られたものと評価されたと考えております。  そこで、安倍総理から、今回の日米貿易協定の内容と成果について、分かりやすい説明を求めます。  さて、この日米貿易協定が早期に妥結したのは、アメリカがTPPからの離脱を表明した後も、我が国が、一貫して自由貿易を推進していくとのスタンスの下、TPP11や日EU・EPAの早期発効を推し進めてきたことが功を奏していることは明らかです。そして、日米貿易協定により、日本が要となって巨大な自由貿易市場が形成され、保護主義的な流れを食い止める大きな壁がつくられたものと高く評価できると考えています。  確かに、自由貿易に対して懐疑的な気持ちを持っている方々がおられることも事実です。しかし、人口減少に直面する我が国が成長力著しい地域に活路を見出すことは戦略の一つであり、そのために自由貿易を堅持、発展させていくことは極めて重要です。  そこで、自由貿易への不安な声に十分耳を傾けつつ、日米貿易協定を弾みとして、更なる自由貿易の堅持、発展に向けてどのように取り組んでいくつもりなのか、安倍総理にお伺いいたします。  今回の日米貿易協定発効後、日米は、自動車分野では米国が日本から輸入する乗用車や小型トラック、自動車部品に掛けている関税について引き続き協議することとなっています。  交渉前は、ある産品の米国への輸入が米国の国家安全保障を損なうおそれがある場合、関税の引上げ等の是正措置を発動する権限を大統領に付与する通商拡大法二百三十二条を発動してくるのではないかとの懸念が高まっていました。しかし、日米共同声明において日本の自動車あるいは自動車部品に対して追加関税を課さないという趣旨を確認した上で、更なる交渉による関税撤廃についても協定上明記されています。これは、日本の自動車メーカーが米国内において相当の台数を生産していることを繰り返し日本側から説明し、追加関税は双方のためにならないと粘り強く訴えてきたことが功を奏したと考えています。  そこで、今後、この協定を踏まえ、自動車自動車部品の関税撤廃に向けて、具体的な関税撤廃時期等を含めて、どのように更なる交渉を進めていくのか、茂木外務大臣にお伺いします。  今回の日米貿易協定による経済効果は、実質GDPで約〇・八%、二〇一八年度GDP水準で換算すると約四兆円相当の押し上げが見込まれています。農林水産業では、日本側の関税はTPPの範囲内に抑えられている一方、牛肉輸出については六万五千五トンの複数国枠へのアクセス確保、そして、日本の輸出関心の高いしょうゆや冷蔵ナガイモ、切り花等四十二品目の関税撤廃、削減などを獲得しています。  そこで、このチャンスを生かしつつ、農山漁村そのものを支えている農家など地方の実態にも十分配慮しながら、優れた農産物の海外への売り込みなど、競争力向上に向けた生産基盤の強化を含め、我が国経済の発展にどのように対処していくお考えでしょうか。西村経済再生担当大臣にお伺いします。  最後に、日米デジタル貿易協定について伺います。  デジタルデータは二十一世紀の石油と言われています。電子商取引や自動運転もデジタルデータなしには成り立ちません。GPSなどの複数のデータと併せて企業などに瞬時に共有、分析されることで、新たなビジネスを展開させることも可能となります。  しかし、グローバル経済の中で、データ革命というべき動きをいかに安全かつ確実に進展させていくのかというコンセンサスが確立されているわけではありません。そのような状況の中、安倍総理は、G20大阪サミット等で、信頼たるルールの下でのデータの自由な流通、すなわちDFFTを促進すべきと各国に呼びかけました。  今回、日米で合意された日米デジタル貿易協定は、このDFFTの促進に大きな役割を果たすものと考えています。そこで、この協定とDFFTを我が国経済の発展にどう生かしていくつもりか、茂木外務大臣のお考えをお伺いして、私の質問を終わります。(拍手)    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
  7. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 中西哲議員にお答えをいたします。  日米貿易協定の内容と成果についてお尋ねがありました。  日米貿易協定は、昨年九月の共同声明に沿って、日米双方にとってウイン・ウインでバランスの取れた結論を得ることができたと考えております。  今回の貿易協定では、農林水産物について、過去の協定で約束したものが最大限であるとした昨年九月のトランプ大統領との共同声明に沿った結論が得られました。とりわけ我が国にとって大切な米について、関税削減の対象から完全に除外いたしました。さらには、米国への牛肉輸出に係る低関税枠が大きく拡大するなど、新しいチャンスも生まれています。  また、幅広い工業品についても、米国の関税削減、撤廃が実現します。さらに、日本の自動車、同部品に対しては、米国通商拡大法第二三二条に基づく追加関税は課されないことを直接トランプ大統領から確認しました。  こうした交渉結果については、中西議員御指摘のとおり、JA全中から、中家会長の談話として、合意内容は昨年九月の日米共同声明の内容を踏まえた結論と受け止め、特に、米については米国への関税割当て枠の設置が見送られることとなり、生産現場は安心できるものと考えているとの評価が発表されており、また、我が国の自動車工業会からも、自動車分野における日米間の自由で公正な貿易環境が維持強化されるものであるとの評価が既に発表されたものと承知しており、我が国にとってまさに国益にかなう結果が得られたと考えております。  日米貿易協定を踏まえた更なる自由貿易の推進についてお尋ねがありました。  人口減少に直面する中で、我が国が力強い成長を続けていくためには、海外の活力を積極的に取り込むことが不可欠です。こうした中で、我が国が主導して、TPP11、欧州とのEPA、日米貿易協定を合わせ世界経済の六割を占める自由貿易圏が誕生することは、我が国にとって大きなチャンスであります。  とりわけ、農業従事者の平均年齢が六十六歳を超える中にあって、農林水産業を守るためにこそ攻めなければならない。若者が自らの夢や希望を託せるよう、世界に目を向けながら、生産基盤の強化等に取り組んでいく必要があります。この六年間で農林水産物の輸出は政権交代前の二倍を超え、足下でも、TPP、EUとの経済連携協定によって、牛乳や乳製品の輸出は二割以上増加し、ヨーロッパへの牛肉輸出は三割上昇しています。  今回の日米貿易協定でも、我が国にとって大切な米について関税削減の対象から完全に除外する一方、米国への牛肉輸出に係る低関税枠が大きく拡大するなど、新しいチャンスも生まれています。  我が国は、これからも自由貿易の旗を高く掲げ、攻めるべきは攻め、守るべきは守りながら、国益にかなう道を追求してまいります。  同時に、それでもなお残る農家の皆さんの不安にもしっかりと向き合ってまいります。万全の対策を講じていくため、年末に向けて総合的なTPP等関連政策大綱を改訂する考えです。  農林水産業こそ国の基であります。新たな市場の開拓や生産基盤の強化などに取り組み、自由貿易の果実を全国津々浦々へと広く行き渡らせることで、活力あふれる地方を次の世代へと引き渡していく決意であります。  残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)    〔国務大臣茂木敏充君登壇、拍手〕
  8. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) 中西議員から自動車、自動車部品の関税撤廃に関する更なる交渉についてお尋ねがありました。  自動車、自動車部品の関税については、まず、日米貿易協定の協定本文第五条一において、各締約国は、附属書Ⅰ又は附属書Ⅱの規定に従って、市場アクセスを改善すると両締約国の義務を規定した上で、それぞれの締約国の附属書において市場アクセスの具体的な改善の仕方を記載をしております。  そして、米国の附属書には、自動車、自動車部品について、関税の撤廃に関して更に交渉すると書かれており、これが米国が第五条一の規定に基づいて市場アクセスの改善を行う具体的なやり方となります。  その上で、九月二十五日の日米共同声明パラグラフ三では、日米で今後どの分野を交渉するのか、その対象をまず協議することとしており、今後の交渉の内容はこの協議の中で決まっていくことになりますが、更なる交渉による関税撤廃で合意をしている自動車、自動車部品については交渉の対象となります。  具体的な関税撤廃時期は今後の交渉によりますが、TPP12でも自動車は二十五年、トラックは三十年という長いステージングとなっており、関税撤廃までの期間が、今後の交渉の結果、短縮されることもあり得ると考えております。  日米デジタル貿易協定についてのお尋ねがありました。  日米デジタル貿易協定は、日米間で円滑で信頼性の高い自由なデジタル貿易を促進するための法的基盤を確立するものであります。  その上で、これからの時代の経済を牽引するデジタル貿易のルール作りにおいて、その先進国たる日米両国が引き続き主導的な役割を果たしていくことが重要と考えています。  我が国としては、六月のG20大阪サミットの機会に、DFFT、データ・フリー・フロー・ウイズ・トラストの考えに基づき、信頼性のあるデータ流通を促進するために立ち上げた大阪トラックの下、米国を始めとする関係国と連携してWTO電子商取引交渉を推進しているところであり、引き続き、デジタル貿易に関する国際的なルール作りに向け、日本が主導的な役割を果たしていく考えです。  本協定の締結及び我が国のDFFTに関する取組により、デジタル貿易が日米間、さらには多国間で一層促進され、経済的な結び付きが強固になるものと考えております。これらの取組が、我が国を含め自由で開かれた国際経済の発展につながることを期待しております。(拍手)    〔国務大臣西村康稔君登壇、拍手〕
  9. 西村康稔

    ○国務大臣(西村康稔君) 中西哲議員から日米貿易協定に関する国内対策についてお尋ねがございました。  今回の協定を踏まえた国内対策については、十月一日に政府のTPP等総合対策本部で決定した総合的なTPP等関連政策大綱改訂に係る基本方針に基づき、経済効果分析も含め、本協定の成果を最大限に生かすため、必要な政策の検討を進めていくこととしております。  具体的には、TPP11、日EU・EPAの発効後の動向も踏まえ、政策を改めて体系的に整理をし、前回の決定から二年経過した総合的なTPP等関連政策大綱を改訂することとします。  大綱の改訂に当たっては、なお残る農家の皆さんなどの不安にもしっかりと寄り添い、万全の対策を講じていくことが必要です。  基本方針に示されているとおり、特に中小企業の海外展開支援等を通じた日本企業、日本産品等の新たな市場の開拓、国内企業と外国企業からの投資のマッチング等を通じた国内産業の競争力の強化、生産基盤の強化等を通じた強い農林水産業、農山漁村の構築にしっかりと取り組むことで、我が国経済の更なる発展につなげてまいります。(拍手)     ─────────────
  10. 山東昭子

    ○議長(山東昭子君) 那谷屋正義さん。    〔那谷屋正義君登壇、拍手〕
  11. 那谷屋正義

    ○那谷屋正義君 立憲民主党の那谷屋正義です。  私は、立憲・国民新緑風会・社民の会派を代表し、ただいま議題となりました日米貿易協定、日米デジタル貿易協定について質問いたします。  質問に先立ち、一言申し上げます。  安倍政権は、本日で歴代最長政権になったそうです。本来ならばお祝いの言葉でも申し上げるところでしょうが、そういう状況になっておりません。今国会での安倍政権のていたらくは、これまで以上に見るも無残であります。  安倍内閣は、僅か六日間の間に、適材適所のはずだった菅原経産大臣、河井法務大臣という重要閣僚が相次いで辞任に追い込まれるという異常事態に陥りました。安倍総理は、任命責任は私にあるというもはや聞き飽きた言葉を繰り返し、挙げ句の果てに、政治家として自ら説明責任を果たすべきだと他人事のような答えを繰り返す有様でした。  そこに浮上したのが、安倍総理自身に対する桜を見る会といわゆる前夜祭の問題です。総理主催で税金で運営される桜を見る会に自らの後援会の人間を際限なく招いて供応するという、公私混同の極みとしか言いようのない大問題であり、その前夜祭についても数々の問題点が指摘されております。  これまでも数々の不祥事を抱えてきた安倍内閣ですが、今度もまた安倍総理自身に直接関わる大問題です。総理自身の言葉を借りれば、今こそ政治家として自ら説明責任を果たすべきときです。こうした事態を招いた張本人の安倍総理をただすため、規則にのっとって野党が要求した予算委員会からいまだに逃げ回る安倍総理に対し、あえて、以下、質問をいたします。  第一に、毎年恒例となっている総理主催の桜を見る会についてです。  第二次安倍政権になってから、会の規模が急速に拡大し、参加者数が急増する一方、予算の不足額まで急増しました。  総理は、会の参加者数が急増していたことに関して、総理自身が何らの指示や示唆は一切せず、規模拡大については一切関わっていないとこの場で断言できるのでしょうか。自身の後援会会員が大勢いることを一度も不思議に思わなかったのでしょうか。事務所が勝手にやったことと言うなら、菅原、河井両大臣は事務所、秘書の監督責任を問われて辞任していますが、総理御自身の監督責任はどう取るつもりでしょうか。  第二に、総理は、十一月八日の本院の予算委員会において、招待者の取りまとめには関与していないと断言されました。  総理自身の後援会関係者などへ、安倍晋三事務所名で、報道されているような招待状を方々に送り、そのコピーまで許して参加者を集めていた実態を全く知らなかったというのでしょうか。また、どのくらいの関係者が桜を見る会に来ているかの報告も一切事務所から受けていなかったというのでしょうか。国民はこの説明で納得すると一〇〇%断言できますか。  第三に、いわゆる前夜祭についてです。  総理は、安倍事務所の人間が受付をして、ホテル名義の領収書を渡していたことを明らかにされました。しかし、安倍事務所が、何人来て幾ら掛かるかも分からない会の受付をして、ホテルの領収書を渡したのでしょうか。桜を見る会ツアーを企画した旅行会社はホテルとの交渉には一切関与していないと回答していますが、この会に関する計算書、明細書の類いは絶対にないと断言できますか。なぜ明細書の類いがないとお考えでしょうか。  総理は、また、前夜祭が五千円でできたことについて、参加者の大多数が宿泊者と明言されましたが、二〇一五年に安倍事務所が配った文書では会場と宿泊先が異なっているとの報道があり、総理の説明と完全に矛盾します。事実と証拠に基づいた説明を求めます。  第四に、そもそもこの前夜祭について、主催者は誰なのでしょうか。総理御自身でしょうか。安倍晋三後援会なのでしょうか。ほかの団体でしょうか。まさかホテル主催なのでしょうか。事実と証拠に基づいた御認識をお聞かせください。  第五に、安倍総理は、桜を見る会やその前夜祭に関して、公職選挙法及び政治資金規正法にのっとって適切に対処していると明言されています。今後、この桜を見る会関連の政治活動に関して、安倍晋三後援会を始めとする安倍晋三衆議院議員関係の政治団体政治資金収支報告書を訂正することなど、よもやないということでよろしいでしょうか、御答弁ください。  第六に、こうした中で、来春の桜を見る会を中止することにされました。中止をすることでむしろ問題はクローズアップされたのではないでしょうか。まさか、今年の招待状、招待者リスト、開催要項を廃棄してしまったので来春は実施できないということではないでしょうが、中止の理由について明確にお答えください。  さらに、一部報道によれば、桜を見る会に関し、参議院自民党事務局が今年一月、夏に改選を迎える所属議員に関係者などを四組まで招待できる案内状を送付したとのことです。ゆゆしき問題です。安倍事務所のみならず、参議院自民党は、選挙を迎える議員のために桜を見る会の招待枠を使ったと見られても仕方ありません。事実関係の確認を求めます。  以上、全ては疑惑を向けられた安倍総理のみが答えることのできる質問であり、真摯にお答えいただきたいと思います。いずれにせよなどといった質問内容をはぐらかすだけの官僚用語は絶対に使わないでいただきたい。自らの言葉で御説明ください。  続いて、日米貿易協定について質問いたします。  二〇一九年四月に日米物品貿易協定交渉として始まったはずの日米間の交渉は、日米貿易交渉に名前がすり替わりました。また、何の説明もないまま、日米物品貿易協定ではなく日米貿易協定と日米デジタル貿易協定が作成されました。  今般の交渉や協定の名前の変更の経緯に加え、物品貿易とは無関係のデジタル貿易協定を作成した明確な理由を茂木外務大臣に伺います。  その上で、九月二十五日の首脳会談後、トランプ大統領は、すばらしい新貿易協定の第一段階を正式に発表すると表明し、かなり近い将来、更に多くが続くと述べました。米国が今後、政府がかたくなに否定をしている包括的なFTA、すなわち日米FTAを目指す方針であることに疑いの余地はありません。しかし、政府は、今後について予断を持って申し上げることは差し控えると繰り返すばかりで、全く議論には応じません。  改めて伺いますが、今後について予断しないと説くのであれば、なぜ日米共同声明に、協定の発効後、関税や他の貿易上の制約、サービス貿易や投資に係る障壁、その他の課題についての交渉を開始する意図であるとの方向性を明記することに合意したのですか。安倍総理の誠意ある答弁を求めます。  次に、農林水産品の合意内容と影響試算について伺います。  日本は、関税撤廃、削減等を約束した全ての農林水産品について、協定の発効時からTPP11締約国に対する現在の優遇関税率と同じ税率まで一気に引き下げることを約束しました。TPP11や日EU・EPAの発効を背景に合意を急ぐ米国に対して、なぜこのような譲歩を行う必要があったのですか。  二〇一八年九月の日米共同声明で、農林水産品について、過去の経済連携協定で約束した市場アクセスの譲許内容が最大限と約束しているにもかかわらず、全ての農林水産品の譲許水準がTPPの範囲内であったとしても、関税率を一気に引き下げること自体がその約束に反しているのではないでしょうか。安倍総理の認識を伺います。  特に、牛肉に関しては、米国に対して関税削減を約束したことを受け、今後、米国からの輸入量を含む形で設定しているTPP11の牛肉セーフガードの発動基準数量を引き下げることが急務となります。しかし、豪州のマッケンジー農相はTPP11の見直しに否定的な見解を示しています。  TPP11の国会論議の際、当時の茂木経済再生担当大臣は、牛肉セーフガードの発動基準数量の見直しについて各国の理解を得ていると強調していましたが、それはうそだったのでしょうか。見直しの実現に向けた根拠と併せて、西村経済再生担当大臣の明確な説明を求めます。  さらに、政府は、日米貿易協定による農林水産物の生産減少額を約六百億円から約一千百億円と見込みました。しかし、この試算には、TPP11や日EU・EPAの影響など、想定されるべき影響が加味されていません。にもかかわらず、まだ予算も付いていない国内対策を実施することにより、国内の生産量が維持されるとの都合の良い前提が置かれています。  こんな恣意的な影響試算はやはりやり直すべきではありませんか。江藤農林水産大臣の認識を伺います。  次に、自動車自動車部品の合意内容をめぐる問題について伺います。  日米貿易協定において、対米輸出総額の約四割を占める自動車及び自動車部品は、関税撤廃が見送られました。その理由について、茂木外務大臣は、自動車、同部品の電動化、自動走行技術の進展等による部品構成やその重要度の変化を見極める必要があった旨説明しましたが、これまでも、自動車、同部品の技術等の進展を踏まえながら経済連携協定交渉を進め、関税撤廃を獲得してきたはずであります。  日本にとって最も重要な成果を一切勝ち取れないまま、僅か五か月間で交渉で合意したのはなぜでしょうか。全ての品目について関税撤廃を見送る必要があったのですか。茂木外務大臣の具体的な説明を求めます。  自動車、同部品の関税撤廃を実現できなかったにもかかわらず、政府の説明する日米貿易協定の関税撤廃率及び経済効果分析は、これらの関税撤廃が実現した場合の数値となっています。実際は、現状では米国側の関税撤廃率は約五割程度にとどまり、また、経済効果も相当程度低くなることが見込まれます。衆議院の審議でも、この事実に反する結果を正すよう何度も指摘されましたが、政府はこれに応じません。  自動車、同部品の関税撤廃を含まない本当の関税撤廃率及び経済効果を誠実に公表すべきではありませんか。安倍総理の認識を伺います。  また、自動車、同部品の関税撤廃が見送られた日米貿易協定は、WTOが求めるおおむね九割の関税撤廃率には遠く及ばず、WTO協定に違反するとの指摘が多数なされています。しかし、政府は、WTO協定と整合的であると繰り返しています。  このまま現実に反する根拠なき説明を行い続けることは、自由貿易を推進する日本に対する国際的な評価を下げてしまうことになりませんか。WTO協定に整合的であるとする具体的な根拠と併せて、安倍総理の説明を求めます。  さらに、発動が懸念される米国の一九六二年通商拡大法第二百三十二条、いわゆる二百三十二条に基づく自動車自動車部品に対する追加関税措置について、茂木外務大臣は、日米首脳間のしっかりした約束であると説明しました。そんな重要な約束なのに、米国ではライトハイザー通商代表が、現時点で日本車に追加関税を課す意図はないと述べています。  本当に米国が将来的に日本に対して追加関税措置を課さないと確約できるのでしょうか。茂木外務大臣の認識を伺います。  加えて、二百三十二条と同様に発動が懸念される自動車、同部品に対する数量規制等の保護主義的措置について、茂木外務大臣は、数量規制等を課さないことを閣僚間で確認したと説明しました。しかし、この約束は口約束にとどまり、証拠となる議事録も示されていません。  なぜ明確な文書として約束を取り付けなかったのですか。この約束は首脳間においても確認されているのですか。安倍総理の認識を伺います。  ここで、参議院の審議に向けても、日本に対して追加関税措置及び数量規制等を課さないことを約束した日米首脳・閣僚会談の議事録の速やかな公表を求めます。  最後に、いま一度申し上げます。  それぞれが説明責任を果たすべきという総理の言葉は、今、そのまま安倍総理に返ってきています。桜を見る会に関わる問題は、総理御自身の問題である以上、この本会議での答弁に加え、やはり予算委員会に出てきて説明責任を果たすのが総理大臣として最低限の務めです。国民の疑惑に答えるべく、安倍総理の決意をお聞かせください。  長期政権のおごり、ゆがみは目に余ります。日米貿易協定に関わる問題も含めて、与えられた原稿をただ読むのではなく、総理自身の言葉による真摯な答弁を求め、質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手)    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
  12. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 那谷屋正義議員にお答えをいたします。  桜を見る会の規模の拡大についてお尋ねがありました。  桜を見る会については、昭和二十七年以来、内閣総理大臣が、各省庁からの意見等を踏まえ、各界において功績、功労のあった方々などを幅広く招待し、日頃の御労苦を慰労するとともに、親しく懇談する内閣の公的行事として開催しているものです。  他方、同会については、内閣官房及び内閣府が招待者の最終的な取りまとめを行っているところ、長年の慣行の中で行われてきたところではありますが、招待者の基準が曖昧であり、結果として招待者の数が膨れ上がってしまった実態があると認識しています。  また、私は内閣官房及び内閣府における最終的な取りまとめプロセスには一切関与していませんが、私の事務所が内閣官房からの推薦依頼を受け、幅広く参加希望者を募ってきたと承知しており、私自身も事務所から相談を受ければ推薦者について意見を言うこともありました。  このようなこれまでの運用については大いに反省すべきであり、今後、私自身の責任において招待基準の明確化や招待プロセスの透明化を検討するとともに、予算や招待人数も含め、全般的な見直しを幅広く意見を聞きながら行ってまいります。  桜を見る会の招待者に関する私の関与等についてお尋ねがありました。  まず、桜を見る会の招待者については、内閣官房及び内閣府が最終的な取りまとめを行っているところです。取りまとめの前提として、長年の慣行で内閣官房から官邸内や与党にも推薦依頼を行っており、私の事務所もこれまで推薦を行ってきました。  私の事務所においては、後援会の関係者を含め、地域で活躍されているなど、桜を見る会への参加にふさわしいと思われる方を始めとして、幅広く参加希望者を募ってきたところです。私自身も事務所から相談を受ければ推薦者についての意見を言うこともありましたが、実際の事務所における推薦作業の詳細は承知しておりません。  また、桜を見る会前日に開催された夕食会の参加者数等から桜を見る会へのおおむねの参加者数を推測することはできましたし、現場においてもどれぐらいの人数が集まっているかを聞くこともありましたが、毎回正確な参加人数の報告は受けておりません。  桜を見る会の現在の運用について国民の皆様から様々な御批判があることは十分承知をしており、今後、招待基準やプロセス等をしっかり再構築してまいります。  来年度の桜を見る会を中止した理由についてお尋ねがありました。  桜を見る会については、長年の慣行の中で行われてきたことではありますが、招待者の選定基準が曖昧であり、結果として招待者の数が膨れ上がってしまったのが実態です。  こうした運用を大いに反省し、招待基準の明確化や招待プロセスの透明化を検討するとともに、予算や招待人数も含めて、全般的な見直しを幅広く意見を聞きながら行うこととしたところであります。  このような経緯を踏まえ、この際は、しっかりと検討する時間が必要であり、来年度の開催は中止すべきと判断したところであります。  桜を見る会の前日に開催された夕食会についてお尋ねがありました。  まず、二〇一三年以降、毎年、桜を見る会の前日に夕食会を開催しておりますが、夕食会場については、参加者の利便性の観点から、結果的に参加者の多くが宿泊するホテルとしておりました。  二〇一五年は、当初、夕食会場であり、かつ多くの参加者が宿泊することが予定されていたホテルにおいて、事務的な手違いにより夕食会場が確保できないことが判明し、急遽別のホテルに夕食会場を変更したとの事情があったと聞いております。このため、二〇一五年に限っては結果として大多数の参加者の宿泊先が夕食会場と同一ではなくなりましたが、ホテル側と相談を行った結果、提供するサービスの内容や参加者の規模等を勘案し、一人当たり五千円という価格設定になったと承知しております。  なお、同夕食会に関しても、参加者が実費を払って、支払っており、安倍晋三後援会としての収入、支出は一切ありません。  来年度の桜を見る会を中止した理由についてお尋ねがありました。  桜を見る会について……(発言する者あり)失礼しました。桜を見る会への自民党の推薦についてお尋ねがありました。  桜を見る会については、内閣官房及び内閣府が取りまとめを行っており、その前提として、長年の慣行で与党にも推薦依頼を行っているところです。自民党内の推薦の経緯等については、参議院幹事長から御説明があったものと承知しておりますが、政府としては把握しておりません。  桜を見る会等に関する私の説明についてお尋ねがありました。  予算委員会を始め国会の運営については、国会において決定されるものと認識しております。私としては、国会より出席を求められれば、誠実に対応してまいりたいと考えております。  日米間の今後の交渉についてお尋ねがありました。  トランプ大統領の発言一つ一つについてコメントすることは差し控えますが、御指摘の共同声明の記述は、昨年九月の日米共同声明において、日米貿易協定の議論の完了の後に、他の貿易、投資の事項についても交渉を行う旨が規定されていることを受けて明記されたものであります。  ただし、今後の交渉については、どの分野を交渉するかについて、その対象をまず協議することとなっております。そのため、今後の交渉自体についても、現時点において予断を持って申し上げることは差し控えます。  いずれにせよ、我が国の国益に反するような合意を行うつもりはありません。  農林水産品の関税率の引下げについてお尋ねがありました。  今回の貿易協定では、日本の農林水産品について、過去の協定で約束したものが最大限であるとした昨年九月のトランプ大統領との共同声明に沿った結論が得られたと考えています。  なお、TPP協定においても、当初の発効に遅れて締約国となった原署名国に対して、締結時点で当初の締約国と同じ関税率を適用できることとしており、この点でも、日米貿易協定によって米国に譲許された農産品の関税が直ちにTPPと同水準になったとしても、それが昨年九月の日米共同声明に反しているとの御指摘は当たりません。  いずれにせよ、こうした交渉結果については、JA全中から、中家会長の談話として、合意内容は昨年九月の日米共同声明の内容を踏まえた結論と受け止め、特に、米については米国への関税割当て枠の設置が見送られることとなり、生産現場は安心できるものと考えているとの評価が発表されたものと承知をしております。  日米貿易交渉における関税撤廃率及び経済効果の試算についてお尋ねがありました。  日米貿易協定では、自動車、自動車部品については、単なる交渉の継続ではなく、更なる交渉による関税撤廃を明記しました。関税撤廃がなされることが前提となっている以上、関税撤廃率及び経済効果について、これを基に試算することが当然と考えています。  その上で、自動車及び同部品の関税を現状のままとした関税撤廃率及び経済効果を試算することは、あくまで関税撤廃がなされることが前提となっている今回の交渉結果に反するものであり、具体的な撤廃時期などに係る今後の交渉にも悪影響を与えないことから、差し控えたいと思います。  関税撤廃率とWTO協定との整合性についてお尋ねがありました。  新たに譲許される品目にWTO協定の枠組みの下で無税とされているものを含めれば、二〇一八年の貿易額ベースで、関税撤廃率は、日本が約八四%、米国が九二%となることから、本協定はWTO協定と整合的であると考えています。  自動車、自動車部品に対する数量規制等についてお尋ねがありました。  数量規制、輸出自主規制等の措置については、米国としてこれらを求めない旨を茂木大臣とライトハイザー通商代表との間で直接確認していると承知しています。  また、私とトランプ大統領との間では、日本の自動車、自動車部品に対して、米国通商拡大法二三二条に基づく追加関税が課されないことを、日米首脳会談において、少人数会合及び全体会合で直接確認いたしました。  これらを踏まえ、首脳会談に際して私とトランプ大統領との間で発出した日米共同声明の文書では、協定が誠実に履行されている間、両協定及び本共同声明の精神に反する行動を取らないと明記されているところであります。  残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)    〔国務大臣茂木敏充君登壇、拍手〕
  13. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) 那谷屋議員から日米貿易協定の名称及び日米デジタル貿易協定の作成理由についてお尋ねがありました。  昨年九月の日米共同声明では、工業品と農産品について交渉の対象にし、その他早期に結果が生じ得るものも対象にする旨、合意をいたしました。  当該共同声明に沿って交渉を行った結果、合意した協定の正式名称は日本国とアメリカ合衆国との間の貿易協定、英語ではTRADE AGREEMENT BETWEEN JAPAN AND THE UNITED STATES OF AMERICAとすることにいたしました。いずれにしても、本協定は日米の物品の関税を対象にしたものであり、物品貿易に関する協定です。  また、この日米貿易協定とは別途、その他早期に結果を生じ得るものとして、今回、日米デジタル貿易協定について、日米間で最終合意、署名をしました。日米デジタル貿易協定は、円滑で信頼性の高い自由なデジタル貿易を促進するためのルールの整備を目的とする協定でありまして、物品関税の撤廃、削減を規定する日米貿易協定とは性格が異なることから、別途の協定としたものであります。  自動車、自動車部品の合意内容についてのお尋ねがありました。  自動車、自動車部品の関税については、協定本文及び附属書Ⅱによってその取扱いを規定しております。  まず、協定本文の第五条一において、各締約国は、附属書Ⅰ又は附属書Ⅱの規定に従って、市場アクセスを改善すると両締約国の義務を規定した上で、それぞれの締約国の附属書において市場アクセスの具体的な改善の仕方を記載しております。そして、米国の附属書には、自動車、自動車部品について、関税の撤廃に関して更に交渉すると書かれており、これが米国が第五条一の規定に基づいて市場アクセスの改善を行う具体的なやり方となります。  このように、自動車、自動車部品については、関税撤廃がなされることを前提に、市場アクセスの改善策としてその具体的な関税撤廃等について今後交渉が行われることになります。  自動車については、現在、電動化、自動走行による大変革期にあり、今後、様々な部品構成やその重要度も変わっていく可能性が高いと考えております。  具体的にということでありますが、例えば、電動化によって電動源がエンジンからモーターに変わること等によりまして、今の部品点数約三万点が、電気自動車では部品点数そのものが二万点にまで減少すると予測されております。そうした状況を見極めて、引き続き協議を行っていくことが適切と判断したものであります。  もちろん、今後の交渉において、できる限り早期の関税撤廃に向けて協議を進めてまいります。  最後に、自動車等に関する追加関税措置についてお尋ねがありました。  自動車、自動車部品に係る米通商拡大法二三二条の扱いについては、日米首脳共同声明において、両国は、協定が誠実に履行されている間、両協定及び本共同声明の精神に反する行動を取らない旨を明記、そして、これが日本の自動車、自動車部品に対して追加関税を課さないという趣旨であることは、首脳会談で安倍総理からトランプ大統領に明確に確認をしております。同盟関係にある日米両国の首脳間の合意であり、極めて重い了解事項であると考えております。  また、日本として、協定発効後、この協定を共同声明にあるよう誠実に履行していくのはもちろんのことであります。(拍手)    〔国務大臣西村康稔君登壇、拍手〕
  14. 西村康稔

    ○国務大臣(西村康稔君) 那谷屋正義議員から牛肉セーフガードの発動基準数量の見直しについてお尋ねがございました。  TPP11につきましては、発効後の運営等について具体的に話し合っている段階であり、また、いまだ国内手続を完了していない国ができるだけ早期に締約国となるよう働きかけをしているところであります。  本件につきましては、いずれかの時点でTPP関係国と協議を開始する必要があると考えておりますが、TPP11も発効から間もないこともあり、日米貿易協定の発効後の実際の輸入状況などを見極めつつ、適切なタイミングで関係国と相談を行うこととしております。また、この旨を関係国に伝えているところであります。オーストラリアのバーミンガム貿易大臣にも、私からこの旨伝えております。(拍手)    〔国務大臣江藤拓君登壇、拍手〕
  15. 江藤拓

    ○国務大臣(江藤拓君) 那谷屋議員の御質問にお答えいたします。  日米貿易協定による農林水産物への影響試算についてお尋ねがありました。  これまで、TPP11や日EU・EPAの影響については、各協定の審議の際に協定ごとの影響試算を個別にお示ししております。今回は日米貿易協定の審議のため、日米貿易協定の影響をお示ししましたが、日米貿易協定とTPP11を合わせてTPP12を超えているのかといった御指摘に応えるため、今回は日米貿易協定とTPP11を合わせた影響試算もお示ししたところでございます。  これまで、産地パワーアップ事業や畜産クラスター事業など約一兆二千九百三十四億円の体質強化対策や、牛・豚マルキンの補填率の引上げ等の経営安定対策の充実などの国内対策を行い、その効果が確実に現場では出てきております。  今後とも、更に万全の対策を講じることで生産基盤を強化し、国内生産量の維持拡大を図っていくことができると考えておりますので、試算をやり直す考えはございません。(拍手)
  16. 山東昭子

    ○議長(山東昭子君) 答弁の補足があります。安倍内閣総理大臣。    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
  17. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど答弁漏れがございましたので、補足して答弁させていただきます。  桜を見る会の前日に開催された夕食会についてお尋ねがありました。  まず、夕食会の主催者は安倍晋三後援会であり、同夕食会の各種段取りについては、私の事務所の職員が会場であるホテル側と相談を行っております。事務所に確認を行った結果、その過程においてホテル側から明細書等の発行はなかったとのことであります。  夕食会の費用については、ホテル側との合意に基づき、夕食会場入口の受付において安倍事務所の職員が一人五千円を集金し、ホテル名義の領収書をその場で手交し、受付終了後に集金した全ての現金をその場でホテル側に渡すという形で参加者からホテル側への支払がなされたものと承知しております。なお、当該受付の際にはホテル側職員も立ち会っていたところであります。  このように、同夕食会に関して安倍晋三後援会としての収入、支出は一切ないことから、政治資金収支報告書への記載は必要ないものと認識しております。(拍手)     ─────────────
  18. 山東昭子

    ○議長(山東昭子君) 矢倉克夫さん。    〔矢倉克夫君登壇、拍手〕
  19. 矢倉克夫

    矢倉克夫君 公明党矢倉克夫です。  会派を代表し、ただいま議題となりました両協定、特に日米貿易協定について御質問いたします。  今般まとめられた両協定、とりわけ日米貿易協定は、経済成長、消費者利益、自由貿易推進などの諸点において意義あるものと評価をいたします。  一方、政府にまず強く求めたいことは、協定により影響を受ける可能性のある方々、特に農家を徹底的に支えることであります。これなくして自由貿易推進への理解はあり得ません。  その上で、政府には、自由貿易の旗手として多国間協調主義を守ることにも全力を挙げていただきたい。自由貿易の価値は、お互いの優れた点を共有し、全体を押し上げる協調の精神であります。これは、自国の利益のみを時に他国の犠牲の下に追求する保護主義とは対局にあります。  以上を前提に、まず、農業支援についてお伺いをいたします。  政府は、今回の交渉による農林水産物の生産減少額を約六百億から千百億円と試算します。生産する量は減らず、競争により販売単価が低下した前提であるとのことですが、消費者にはプラスの数値である反面、生産者側にとっては単純に売上高の減少となります。  農業の生産性を高めコストを低下させることで、生産者の利益、利潤を維持する、これが政府の責任です。  そのために重要なことは、生産関係者の連携、力を合わせる仕組みづくりであります。産地パワーアップ事業や、今回、生産額の減少が試算されている畜産分野における畜産クラスター事業の維持及び更なる充実が求められております。この点に関し、農林水産大臣の御所見をお伺いいたします。  豚コレラ改めクラシカル・スワイン・フィーバー、CSF対策についてお伺いをいたします。  私の地元埼玉県においても、疑似患畜五例目が確認をされました。CSF対策は、家畜伝染病予防法などの下、都道府県単位で対応することが基本でありますが、これ以上の蔓延を防ぐため、国としてもより積極的に県域を越えた広域による防止策に力を入れていただきたく思います。今後のCSF対策について、農林水産大臣にお伺いをいたします。  日米貿易協定を受けた農業支援につき、国際競争力のある分野に重点を置くべきとの意見もあるやに聞き及びますが、慎重であるべきです。競争力を高めることも政府の責任である一方、より以上に大事なことは、冒頭申し上げた趣旨にのっとり、自由貿易推進によっても誰も取り残されない経済をつくることであります。特に、条件不利地や中山間地域なども含めた農業基盤の整備をするべきです。これは、自由貿易を進める政府の責任であります。農業支援一般の在り方について、総理の御所見をお伺いいたします。  政府は、協定による経済成長をGDP〇・八%、二〇一八年度換算で四兆円と見込みますが、これは、自動車及び自動車部品に関する関税撤廃を織り込んだものであります。試算に盛り込む以上、政府は、早期の関税撤廃に向け、全力を尽くさなければなりません。  米国との附属書Ⅱに関税撤廃に関する交渉とだけあることを捉え、協定はTPPより後退をしているとの御指摘もありますが、そのTPPにおける自動車関税撤廃は二十五年後、トラックは三十年後であります。ここに言う交渉とは、TPPと同水準、あるいはより日本に有利な条件を勝ち取る思いでの交渉であり、政府はその思いで交渉に当たっていただきたい。今後の自動車交渉に当たっての総理の御決意をお伺いいたします。  あわせて、牛肉セーフガードについてお伺いをいたします。  現状、TPP11における牛肉セーフガードに関する規定は、TPP11に未加入アメリカを含めた発動基準であり、これに今般の日米貿易交渉で締結をされたセーフガードが追加になることで、結果的に日本に向けた牛肉に対するセーフガードの発動基準は緩くなり得るとの御指摘もあります。  農林水産大臣に今般の牛肉セーフガード規定の評価を、西村経済再生担当大臣にTPP11諸国とのセーフガード条項をめぐる外交交渉方針についてお尋ねをいたします。  今回、米国と二国間協定を結ぶことは、米国をTPPに戻すという従来の政府方針とは矛盾をいたしません。TPPのような多国間協定においても関税分野は二国間交渉が基本であり、今回の日米貿易協定の交渉結果は、言わば来るTPP米国入りに向けた関税交渉の基礎をつくったとも言えるからであります。  米国を含めた形でのTPP締結は、米国を含めたサプライチェーン構築を通じ、とりわけ中小企業の多い我が国自動車部品メーカーなどにもメリットとなります。米国のTPP復帰に向けた交渉方針について、西村経済再生担当大臣にお伺いをいたします。  冒頭申し上げましたとおり、自由貿易の旗手たる日本が、保護主義と対峙をし、自由貿易の持つ協調の精神を世界に発することは、日本国際社会において果たす使命であります。政府は、この日米貿易協定自由貿易推進の一里塚としていただきたい。  最後に、総理に、米国をTPPに組み込むことが世界経済に与える意義と、今後、世界の自由貿易、その価値である多国間協調主義を守り、その推進役として活動する決意をお伺いをいたします。  分断が叫ばれる世界、その背景の一つが貿易紛争であります。米国、中国という大国の間に位置する太平洋の大国である私たち日本には、自由貿易の価値を具現化し世界の海をつなぐ使命がある、そのことを再度強調いたしまして、私の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手)    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
  20. 安倍晋三

    内閣総理大臣(安倍晋三君) 矢倉克夫議員にお答えをいたします。  日米貿易協定を受けた農業支援についてお尋ねがありました。  米国との貿易協定において、農林水産物については、過去の経済連携協定で約束したものが最大限であるとした昨年九月の共同声明に沿った結論が得られました。とりわけ我が国にとって大切な米について、関税削減の対象から完全に除外しました。さらには、米国への牛肉輸出に係る低関税枠が大きく拡大するなど、新しいチャンスも生まれます。  それでもなお残る農家の皆さんの不安に対しても、しっかり向き合い、万全の対策を講じてまいります。年末に向けて、与党のお力も借りながら、総合的なTPP等関連政策大綱を改正する考えです。  先日編成を指示した補正予算も活用し、新たな市場の開拓や、条件不利地や中山間地域等を含めた生産基盤の強化などに取り組むことで、今回の協定を、全国津々浦々、我が国経済の更なる成長につなげてまいりたいと考えています。  自動車自動車部品の関税撤廃についてお尋ねがありました。  日米貿易協定では、自動車自動車部品について、単なる交渉の継続ではなく、更なる交渉による関税撤廃を明記しました。こうした今回の交渉結果については、我が国の自動車工業会から、自動車分野における日米間の自由で公正な貿易環境が維持強化されるものであるとの評価が発表されているものと承知しております。  具体的な関税撤廃時期については今後交渉を行うこととなりますが、自動車は、現在、電動化、自動走行による大変革期にあり、様々な部品構成やその重要度も変わっていく可能性が高いことなども踏まえ、このような状況を見極めながら、今後、最善の結果が得られるよう、しっかりと協議を行っていく考えです。  米国をTPPに組み込むことの意義及び自由貿易推進に係る決意についてお尋ねがありました。  TPP11協定のハイスタンダードでバランスの取れた二十一世紀型の新たな共通ルールを広めていくことは、世界の安定と繁栄に大きな意義があります。そうした観点から、我が国としては、米国を含めてできるだけ多くの国・地域がTPPに参加することが最善であると考えております。  他方で、TPP11、EUとのEPA、さらには日米貿易協定を合わせれば、世界のGDPの六割、人口十三億人を超える巨大な市場が日本を中心として構築されることとなります。経済グローバル化によってサプライチェーンが世界ワイドで広がる時代にあって、オンリーワンの技を持つ我が国が誇る中小・小規模事業者の皆さんにも世界を舞台に大きなチャンスが広がります。  また、現在、国際貿易をめぐっては、米中の貿易摩擦を始め世界的に懸念が高まっていますが、公正なルール共有する巨大な自由貿易圏が誕生する意義は国際的にも大きいと考えています。  日本は、これからも自由貿易の旗手として自由で公正な経済圏を世界に広げていくため、主導的な役割を果たしていく決意であります。  残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)    〔国務大臣江藤拓君登壇、拍手〕
  21. 江藤拓

    国務大臣(江藤拓君) 矢倉議員の御質問にお答えいたします。  産地パワーアップ事業及び畜産クラスター事業の維持及び更なる充実についてお尋ねがありました。  農林水産省としては、総合的なTPP等関連政策大綱を見直して両事業を充実させることにより、生産基盤の強化やコスト低減による生産性向上を図り、輸出にも対応できる強い農業を構築していく考えであります。  次に、今後のCSF対策についてのお尋ねがありました。  CSFの対策については、本年十月に防疫指針を改定し、予防的ワクチン接種を開始するなど、対応を強化してまいりました。  予防的ワクチンの接種を開始した後も、それで安心ではなく、いまだワクチンが開発されていないASFの侵入のリスクが高まっていることを踏まえると、飼養衛生管理の徹底が引き続き防疫の基本であり、現場への周知徹底や丁寧な指導を実施してまいります。加えて、ヘリコプターも活用した経口ワクチン散布や捕獲強化などの野生イノシシ対策、水際対策など、国が主導して都道府県と連携し、あらゆる対策を総動員してまいります。  最後に、日米貿易協定における牛肉のセーフガードについてお尋ねがありました。  牛肉のセーフガードは、二〇二〇年度の米国への発動基準数量を、二〇一八年度の輸入量二十五万五千トンより低い二十四万二千トンに抑制したところであります。  この二十四万二千トンに二〇一八年度のTPP11発効国からの輸入量三十六万四千トンを加えると六十万六千トンとなり、二〇二〇年度のTPPの発動基準数量六十一万四千トンとの差が八千トンあることから、TPPの範囲内とすることができたと考えております。  なお、今後のTPP11関係国との協議につきましては内閣官房において適切に判断されるものと考えておりますが、私としては、生産者の不安に寄り添い、できるだけ早期に協議する必要があると考えております。(拍手)    〔国務大臣西村康稔君登壇、拍手〕
  22. 西村康稔

    ○国務大臣(西村康稔君) 矢倉克夫議員からTPP11諸国とのセーフガードに関する今後の交渉についてお尋ねがございました。  TPP11の発効後の運営等についてこれから具体的に話し合う予定であり、また、いまだ国内手続を完了していない国ができるだけ早期に締約国となるよう働きかけているところであります。  本件については、いずれかの時点でTPP関係国と協議を開始する必要があると考えておりますが、TPP11も発効から間もないこともあり、また、日米貿易協定の発効後の実際の輸入の状況などを見極めた上で、関係国と相談を行うこととしたいと思います。  また、この旨を関係国に伝えているところであります。オーストラリアのバーミンガム貿易大臣にも私からこの旨伝えております。  また、米国のTPP復帰に向けた交渉方針についてお尋ねがございました。  今回の協定では、日本の農林水産品については、米や林産品、水産品、さらにはTPPワイド関税割当て対象の三十三品目など、多くの品目で譲許しておりません。また、投資、サービス、ルール等については、デジタル貿易ルール以外は今回の合意には含まれておりません。米国にとってはTPP12の際に得られていた内容で、本協定では得られていないものが残っており、米国がTPPに戻るインセンティブがなくなったわけではないと考えております。  TPPのハイスタンダードでバランスの取れた二十一世紀型の新たな共通ルールを世界に広めていくことは、国際経済社会の安定と繁栄に大きな意義があります。そうした観点から、我が国としては、米国も含めてできるだけ多くの国・地域がTPPに参加することを期待しております。(拍手)     ─────────────
  23. 山東昭子

    ○議長(山東昭子君) 浅田均さん。    〔浅田均君登壇、拍手〕
  24. 浅田均

    ○浅田均君 日本維新の会、浅田均です。  私は、我が党を代表して、ただいま議題となりました両協定について安倍総理に質問いたします。  平成三十年間の世界経済を振り返ると、中国の飛躍、アメリカの成長と日本の停滞が顕著です。平成元年、世界時価総額ランキングの上位五十社中、日本企業は三十二社、アメリカが十七社、中国は一社もありませんでした。ところが、平成三十一年はどうでしょうか。アメリカが三十一社、中国が七社、日本は僅かに一社だけです。ここに、中国の飛躍、アメリカの成長の原因を見ることができます。  我が党は、自由貿易圏の拡大が国益にかなうという観点から、この二つの協定について議論してきました。しかし、いまだ明らかになっていない問題や議論さえされていない課題が幾つか残されておりますので、それらの点に的を絞って質問します。  まず、日米貿易協定について質問します。  この協定は、交渉開始から半年足らずで合意に至りました。TPPという土台はありましたが、異例のスピードです。とはいえ、現状を見ると、日本が米国抜きのTPP11と日欧EPAの発効にこぎ着けたことにより、米国は日本市場において競争上不利な立場に置かれていました。ところが、日本がTPPの水準まで農産物の関税で譲歩したのに対し、米国はTPPで約束していた自動車、自動車部品の関税撤廃を先送りしました。明らかにTPPからの後退です。  そもそも、日本は、日米間の協定を急ぐのではなく、米国をTPPの枠組みに引き戻すことを着地点とすべきだったと思います。今回の協定が発効すれば、米国はTPPに復帰するメリットは小さくなるのではないでしょうか。米国のTPP復帰を主張してきた日本が米国との協定締結に動いたことは、他のTPP参加国にとって決して歓迎できるものではないと思います。TPP11とアメリカの橋渡しをするつもりはありますか。あるとすれば、どのように進めますか。総理大臣の答弁を求めます。  次に、日米デジタル貿易協定について質問します。  経済産業省によりますと、世界のデジタル貿易市場規模は、二〇一四年の二千三百六十億ドルから二〇二〇年には九千九百四十億ドルに、利用者数に関しては、二〇一四年時点では約三億人程度でしたが、二〇二〇年には約三倍の九億人を超える見通しとなっております。  データは今や石油と並ぶ経済資源に位置付けられています。将来を見据えると、物品やサービス貿易よりもデジタル貿易の方がはるかに重要になると考えられます。我が国においても、自由なデータ流通をベースとする新たなビジネスモデルの創出や生産性の向上に取り組むことは急務です。  しかしながら、細心の注意を払うべきはデータの扱いです。誰とでも自由につながる世界は、私たち自身が商品化されるのと表裏の関係です。単なるIDに、住所、氏名、年齢、さらには友人関係、クレジットカード番号、位置情報、好み、検索情報記録等の付加データが付けば付くほど高く売れると言われております。安いもので一件一ドル、フェイスブックから流出した個人データは五千万件と言われています。これだけでも最低五十億円の値が付きます。  データそのものの価値だけでなく、データを処理し加工することにより、経済的な側面だけでなく、政治的、社会的な側面からも人間の行動に強い影響を与えるメッセージに変質させることができる。それをどう活用できるようにするのか、あるいは規制するのかでチャンスとリスクが生まれます。  ユーザーは無料あるいは安価にサービスを利用することを優先させるので、いわゆるプラットフォーマーは、提供する便利なサービスと引換えに大量のデータを集めることができます。それらのデータを処理し加工することにより、変化を促したいターゲットの特定化とその拡張、次いで、それらターゲットの思考経路や感情反応の分析、態度や行動を変化させるためのメッセージと伝達手段の開発、ターゲットの変化確率を見て更に手法を改善。この繰り返しで、人を先導し誘導する。  実際に人の行動を変化させることが可能な世界に私たちは生きています。二〇一六年のアメリカ大統領選挙等が明るみに出した問題を思い出してください。だから、データに値段が付くのです。これは、データを点や部分でしか得ることのできない既存産業にはできません。人がふだんから日々利用し、その幾らかの時間を占有できるプラットフォーマーにしかできないことです。  データ、特にビッグデータは、扱い方により人類を救済するものにもなりますし、AIが人類を支配するシンギュラリティーを導くものともなりかねません。  こういう時代を背景に結ばれるのが今回のデジタル貿易協定ですが、もう一方の巨人、中国は独自の展開でデータ量を激増させています。人民と国家の管理のためにデータを活用し、AIでは世界をリードしています。人民元のデジタル化を進め、ドルに代わる基軸通貨の地位獲得を虎視眈々と狙っております。  さて、デジタル貿易協定の中に、各締約国は、個人情報の保護について定める法的枠組みを援用し、又は維持するとあります。他方、公正取引委員会は、ウエブ上で利用者がどんなページを見たか記録するクッキーについて、利用者の同意なく収集して利用すれば独占禁止法違反になるおそれがあるとして規制する方向で検討に入ったと報道されています。  そこで、総理にお尋ねします。  クッキーは個人情報ですか、あるいは、個人データ、プライバシーのいずれの概念にも含まれるのでしょうか。公取の見解は、日米デジタル貿易協定にある個人情報保護にも援用されるのでしょうか。  現実問題として、日本は、デジタル分野における取引のスケールや技術、蓄積、人材など、どれを取っても米国に大きく後れを取っています。二周遅れです。こうした中で、我が国が米国と真に対等な立場で渡り合っていけるのでしょうか。  日本のプラットフォーマーは、マーケットが日本中心なので市場価値が上がらず、アメリカ系や中国系のプラットフォーマーとの差が大きい。この協定で定めるルールで我が国のプラットフォーマーが成長すると言えるのか、総理大臣に答弁を求めます。  一方、今回の協定には、米国のGAFAなど巨大プラットフォーマーにとって有利な条項がTPPを強化する形で定められました。米国は、自国のデジタル貿易ルールを世界標準化することで、最終的にデジタル分野における国際競争上の脅威とみなす中国の力をそぐことを狙っていると思われます。中国のデジタル戦略も米に劣りません。  米中の戦略に関し、総理の御認識をお聞かせください。  デジタル貿易のルール化が混沌としていたとき、安倍総理は六月のG20首脳会議で国際的なルール作りである大阪トラックを提唱されました。今回の日米間の協定について、茂木外務大臣は国際的なルール作りの先駆けになると強調し、経済界からも日本がWTOやG20の場で主導するルール策定に向けた議論に寄与するものと期待が示されています。  しかし、デジタルの流通、保護を含む電子商取引をめぐる議論においては、ビジネス本位の自由なデータ流通を志向する米国、信頼性のあるデータ保護を重視するEU、国家主権に基づくデータ管理を追求する中国など、意見の乖離は大きい状況にあります。  総理に質問します。我が国は、複雑に交錯する各国の立場をどのように調整し、ルールの集約化を図っていくお考えですか。  また、自由なビジネス活動と、そこから副次的に生産される、商品として売買されるデータには、どう扱うか明確なルールがありません。このデータ、とりわけビッグデータと言われる新たな価値創造に対し、人権や倫理、消費者保護等をどのようなバランスでルール化するのか、世界各国が模索し続けています。  日本は世界に先駆けて以下のルールを定めるべきと考えます。以下四点について、総理大臣の御見解をお聞かせください。  データの利活用が高度化するにつれ、プラットフォーマー業界とそれ以外の業界との適正な競争原理の整備が必要と考えますが、総理大臣はどのようにお考えでしょうか。  データの不正利用を避けるためにガイドラインを作成し、データの使用がガイドラインどおりに行われているかについて規制やモニタリングが必要と考えますが、総理の見解はいかがでしょうか。  プラットフォーマーに関しては、国内事業者と海外事業者の格差が大き過ぎます。例えば、保存データ量に応じ税金を徴収する等の措置を講じる等の競争政策が必要と考えますが、総理の見解はいかがでしょうか。  データ処理が可能にするユーザー行動の先導や誘導行為等について規制を定め、政治、ギャンブル等への先導、誘導行為を規制する必要性を総理はお感じになりませんでしょうか。  以上お尋ねいたしまして、私の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手)    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
  25. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 浅田均議員にお答えをいたします。  米国のTPP復帰についてお尋ねがありました。  今回の協定では、デジタル貿易のルールを除き、TPP協定にある投資やサービス、ルール等の内容が含まれていないことから、米国がTPPに戻るインセンティブがなくなったわけではないと考えております。  なお、TPP11関係国に対しては、既に我が国から日米貿易協定の内容について説明を行ったところであり、各国から疑義が示されることはなく、合意に対する祝意が示されたところであります。  TPP11協定のハイスタンダードでバランスの取れた二十一世紀型の新たな共通ルールを世界に広めていくことは、国際社会の安定と繁栄に大きな意義があります。そうした観点から、我が国としては、米国を含めてできるだけ多くの国・地域がTPPに参加できるよう、今後とも主導的な役割を果たしてまいります。  日米デジタル貿易協定に関連して、クッキーに係る個人情報保護や公正取引委員会の取組についてお尋ねがありました。  クッキーについては、個人情報保護上、それ単体では個人情報には当たりませんが、事業者が他の情報とひも付けして利用することにより特定の個人を識別できる場合には個人情報に該当し、その範囲で日米デジタル貿易協定上の個人情報保護の対象になることになります。  また、公正取引委員会は、現在、デジタルプラットフォーマーと個人情報等を提供する消費者との取引について、優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の考え方を示すため検討を行っていると承知しています。  なお、その際も、日米デジタル貿易協定では、個人情報保護の観点だけでなく、規制機関や司法当局による一定の制限措置は認められており、競争法上の規律は妨げられません。  日米デジタル貿易協定と日本のプラットフォーマーの成長についてお尋ねがありました。  今回の協定では、新しい時代の付加価値の源泉であるデジタルデータ等について、国際的な新しい経済秩序づくりをリードするものです。  今回のルールにより、国際的に公正かつ自由な競争条件が整うことは、我が国のプラットフォーマーにとって世界を舞台に成長していく大きなチャンスになると考えています。  デジタル分野における米国及び中国の戦略についてお尋ねがありました。  他国の具体的な政策やその意図について、政府としてお答えする立場にはありません。  その上で申し上げれば、先般のG20サミットで立ち上げた大阪トラックには、米国のトランプ大統領や中国の習近平国家主席を始め各国のリーダーから賛同をいただいたところであり、政府としては、今後とも、大阪トラックの下、米国、中国を含め、WTOにおけるデジタル貿易に関する国際的なルール作りを主導していく考えであります。  デジタル貿易のルール集約化についてお尋ねがありました。  御指摘のような各国間の違いを乗り越えて、透明性が高く、公正かつ互恵的な国際ルールを作り上げるため、私は、本年一月のダボス会議で、データ・フリー・フロー・ウイズ・トラストという基本的な考え方を提唱しました。  六月のG20大阪サミットでは、こうした私の考え方に対し、多くの国々から賛同を得て、ルール作りに向けた大阪トラックを立ち上げました。  現在、WTOの屋根の下、約八十か国が加わって、データを含めた電子商取引に関する国際ルール作りの交渉を進めております。DFFTの基本的な考え方の下に、早期に結果が得られるよう、日本として、引き続き、リーダーシップを発揮してまいります。  デジタルデータに関する各種のルール整備についてお尋ねがありました。  AI、IoT、ビッグデータなど、第四次産業革命が世界を一変させようとする中で、デジタルデータこそが新しい時代の付加価値の源泉です。  こうした中にあって、国際的な連携を大前提に、浅田議員御指摘の論点も含め、デジタル市場における新たなルール作りは待ったなしの課題であると認識しております。  そうした観点から、本年九月にデジタル市場競争本部を新たに設けたところであり、デジタルプラットフォーマーに対する中小・小規模事業者との取引透明化など競争環境の整備、個人情報の取扱いに対する不安の高まりや保護と利用のバランスを踏まえた個人情報保護の在り方、経済のデジタル化に対応した国際課税ルールの見直し、個人情報の取得、利用に対する懸念が指摘されているデジタル広告市場の競争状況の評価などについて、今後、国際的な動向も十分に踏まえながら、ルール整備に向けた具体的な検討を進めてまいります。(拍手)     ─────────────
  26. 山東昭子

    ○議長(山東昭子君) 紙智子さん。    〔紙智子君登壇、拍手〕
  27. 紙智子

    ○紙智子君 日本共産党の紙智子です。  会派を代表し、日米貿易協定について、安倍総理に質問いたします。  本協定の前に、本院予算委員会における田村智子議員の質疑を契機に浮上した桜を見る会をめぐる疑惑について、安倍総理にお聞きします。  皆さんとともに政権を奪還してから七回目の桜を見る会となりました、これは今年の桜を見る会での安倍総理の挨拶です。  本日の衆議院内閣委員会における我が党の宮本徹議員の質問に対し、菅官房長官が推薦枠として、自民党関係で六千人、総理枠で一千人、副総理、官房長官などで一千人という驚くべき数字を答弁しました。  公的行事であり税金を使って行われる桜を見る会は、安倍総理にとって、自民党の選挙勝利への功労者である後援会や支援者の皆さんをもてなすための行事と化していたのではありませんか。  総理は、八日の予算委員会で、招待者の取りまとめ等については関与していないと答弁されました。しかし、その僅か五日後の十三日には菅官房長官が、続く十五日には総理自身が、総理推薦による招待の仕組みがあることを認めました。総理、あなたは予算委員会で虚偽答弁を行ったのですか。  既に、山口県下関市の安倍晋三事務所が、桜を見る会の案内文書を出し、参加者を募っていたことは明らかです。では、どのように総理推薦の招待者を取りまとめたのですか。申込書はコピー可能で、功績、功労など関係なく、申込みさえすれば誰でも招待できたのではありませんか。一体どれだけの人を招待したのか、過去七年間について、それぞれ人数を明らかにしてください。  自らの選挙区の有権者を多数招待し、無料でアルコール類や食事を提供し、お土産を配る、これは公職選挙法が禁ずる買収、供応、有権者への寄附行為に当たるのではありませんか。  桜を見る会前夜祭についてお聞きします。  前夜祭について、会費五千円が安過ぎるのではとの指摘に、総理は、出席者の大多数がホテル宿泊者という事情を踏まえ、ホテル側が設定したと説明されました。つまりは、通常五千円ではあり得ない宴会であったという認識なのでしょうか。  また、会費は参加者がホテルに支払った、安倍事務所は集金しただけだという趣旨の説明を繰り返ししていますが、安倍晋三事務所の文書では、あべ晋三後援会主催、会費制と記されています。この前夜祭は、山口県に届け出ている安倍晋三後援会主催で間違いありませんね。宿泊者以外の参加者もいたのではありませんか。明確にお答えください。  通常、このような宴会、パーティーを行う場合には、ホテルに見積りを出してもらい、どのような食事や飲物をどの程度準備するかを決めることが必要ですが、このような打合せは安倍晋三後援会が行ったのでしょうか。  また、当該ホテルの案内パンフには、宴会・催事規約として、ホテルが提示した見積総額を原則三十日前までに支払うことになっていますが、桜を見る会前夜祭では事前の支払はなかったのでしょうか。  桜を見る会をめぐる疑惑は、本院予算委員会での質疑に端を発し、その後、疑惑は更に深まっています。したがって、総理は、十一月八日の予算委員会での答弁との整合性を含め、予算委員会で説明責任を果たす責務があります。総理自身が予算委員会出席の意思ありと言明すべきです。明確な答弁を求めます。  日米貿易協定について質問します。  今回の日米通商交渉は、特異な経過をたどりました。安倍総理、あなたは今年四月、トランプ大統領に、日本は非常に巨額の関税を農産品に課している、その関税を撤廃したいと脅かされ、参議院選挙が終わると、トランプ大統領の再選をお膳立てするかのように農畜産物を差し出しました。トランプ大統領は、カウボーイハットをかぶった農業団体を前に、アメリカの農民の巨大な勝利だと勝利宣言をしました。こんな交渉がかつてあったでしょうか。国内向けには参議院選挙が終わるまで交渉内容を覆い隠し、選挙が終わればトランプ大統領の選挙協力のために日本農業を差し出したということではありませんか。その日米通商交渉の全容を国民の前に明らかにすべきです。答弁を求めます。  衆議院では、野党が求めた審議の前提となる基礎的な資料の提出を拒んだまま採決を行いました。またもや説明責任が果たされていません。  外務省作成の協定の説明書において、意図的に重要な文言を削除し配付しました。国会軽視、国民無視そのものではありませんか。  参議院では、作為的ごまかしをすることなく資料や影響試算を提出した上で、徹底審議することを強く求めます。  今回の日米貿易交渉は、安倍総理が言うようなウイン・ウインの合意などと言えるものではありません。  農産物の市場開放規模は、アメリカ側の説明では七十二億ドル、日本円で七千六百億円にもなります。しかも、トウモロコシを日米貿易協定とは別枠で買うといいます。一方で、TPP交渉でアメリカが一旦約束した自動車、自動車部品の関税の撤廃はほごにされました。農業を犠牲にして、自動車の関税撤廃は先送り。トランプ米大統領の言いなりに、日本側が一方的に譲歩したのではありませんか。  あなたは、今回の合意はTPPを超えないなどと言っていますが、とんでもありません。食料主権も経済主権も犠牲にするTPPを凌駕する内容です。  第一に、協定文の附属書には、米国は将来の交渉において農産品に関する特恵的な待遇を追求するとあります。TPPは、効力を生ずる日の後、七年を経過する日以降に協議するとなっています。つまり、TPPでは七年たたないと相手国は見直しを提起できないのです。TPP11も協議すると規定しているだけです。本協定案のように、一方の国だけに特恵的な待遇の追求を明記した協定はありますか、お答えください。  第二に、米国の求めに応じて、米国向けセーフガードを設けています。牛肉について、日本がセーフガードを発動したら発効基準を一層高いものに調整するため協議を開始すると、米国を特別扱いしています。セーフガードは、輸入が急増した際に関税を一時的に引き上げ、輸入の急増を抑える制度ですが、米国との関係ではセーフガードは事実上無力化されるのではありませんか。  しかも、日米貿易協定は最終合意ではありません。  日米共同声明で、他の貿易上の制約、サービス貿易や投資に係る障壁、その他の課題について交渉を開始するとしたことは重大です。トランプ大統領は、かなり近い将来、日本との更なる包括的な協定をまとめることになると述べました。在日米商工会議所の会長は、今回は第一段階にすぎないと述べています。金融、保険、為替を始め米国はあらゆる分野で日本への譲歩を迫る要求を突き付けています。安倍総理が応じないと答えたFTA交渉そのものではありませんか。日本の経済主権をアメリカに売り渡す日米FTA交渉は、やめるように強く求めるものです。  我が党は、農林漁業の再生と経済主権、食料主権を脅かす安倍政権の経済政策を転換するために力を尽くす決意を述べて、質問といたします。(拍手)    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
  28. 安倍晋三

    内閣総理大臣(安倍晋三君) 紙智子議員にお答えをいたします。  桜を見る会の目的についてお尋ねがありました。  桜を見る会は、昭和二十七年以来、内閣総理大臣が、各省庁からの意見等を踏まえ、各界において様々な功績、功労のあった方々などを幅広く招待し、日頃の御労苦を慰労するとともに、親しく懇談する内閣の公的行事として開催しているものです。  なお、御指摘の私の挨拶については、政権交代後七回目の桜を見る会を迎えたとの事実関係を述べたものです。  桜を見る会の招待者に関する私の関与等についてお尋ねがありました。  桜を見る会については、内閣官房及び内閣府が取りまとめを行っているところ、長年の慣行として官邸や与党にも推薦依頼を行っており、これを受け、私の事務所もこれまで推薦を行ってきたところであります。  そうした中で、私は内閣官房内閣府が行う招待者の最終的な取りまとめ等には一切関与しておらず、先日の答弁が虚偽だったとの御指摘は当たりません。  その上で、既に記録が残っていないことから推薦者数は明らかではありませんが、私の事務所においては、後援会の関係者を含め、地域で活躍されているなど桜を見る会への参加にふさわしいと思われる方を始め幅広く参加希望者を募り、推薦を行っていたところです。  なお、桜を見る会の実際の招待者については、提出された推薦者につき、最終的に内閣官房及び内閣府において取りまとめを行っているところであり、当該プロセスに私は一切関与していないことから、公職選挙法に抵触するのではないかとの御指摘は当たりません。  桜を見る会の前日に開催された夕食会についてお尋ねがありました。  まず、夕食会の主催者は御指摘の安倍晋三後援会であり、同夕食会の各種段取りについては、私の事務所の職員が会場であるホテル側と相談を行っております。事務所に確認を行った結果、その過程において、ホテル側から見積書等の発行はなかったとのことであります。  また、参加者一人当たり五千円という価格については、八百人規模を前提に、その大多数が当該ホテルの宿泊者であるという事情等を踏まえホテル側が設定した価格であり、価格分以上のサービスが提供されたというわけでは決してなく、ホテル側において当該価格設定どおりのサービスが提供されたものと承知しております。  なお、ホテル側への事前の支払は行っておらず、ホテル側との合意に基づき、夕食会場入口の受付において安倍事務所の職員が一人五千円を集金し、ホテル名義の領収書をその場で手交し、受付終了後に集金した全ての現金をその場でホテル側に渡すという形で参加者からホテル側への支払がなされたものと承知しております。  桜を見る会等に関する私の説明責任についてお尋ねがありました。  予算委員会を始め国会の運営については、国会において決定されるものと認識しております。私としては、国会より出席を求められれば、誠実に対応してまいりたいと考えております。  日米貿易協定の結果についてお尋ねがありました。  今回の交渉結果についての米国側の評価について日本政府として述べる立場にはなく、また、トランプ大統領の一つ一つの発言について論評することは差し控えます。  我が国について申し上げれば、今回の協定により、幅広い工業品について、米国の関税削減、撤廃が実現します。また、日本自動車自動車部品に対して、米国通商拡大法二三二条に基づく追加関税は課されないことを直接トランプ大統領から確認しました。  農林水産物については、過去の経済連携協定で約束したものが最大限であるとした昨年九月の共同声明に沿った結論が得られました。とりわけ我が国にとって大切な米について、関税削減の対象から完全に除外いたしました。さらには、米国への牛肉輸出に係る低関税枠が大きく拡大するなど、新しいチャンスも生まれています。  そして、こうした交渉結果については、我が国の自動車工業会から、自動車分野における日米間の自由で公正な貿易環境が維持強化されるものであるとの評価が既に発表されており、また、JA全中からも、中家会長の談話として、合意内容は昨年九月の日米共同声明の内容を踏まえた結論と受け止め、特に、米については米国への関税割当て枠の設置が見送られることとなり、生産現場は安心できるものと考えているとの評価が発表されたものと承知しています。我が国にとってまさに国益にかなう結果が得られたと考えています。  日米貿易協定に関する説明責任についてお尋ねがありました。  TPP、日EU・EPAの国会審議の際と同様に、日米貿易協定の審議に際しても、政府としては、協定や交換公文のテキスト全文に加えて、同協定の作成の経緯や内容のほか、関連する交換公文の要点を記載した説明書を配付すると同時に、これらに対する様々な御指摘には、国会審議などを通じて説明努力を重ねてきたものと承知しております。  いずれにせよ、政府としては、参議院での審議においても引き続き丁寧な説明に努めてまいります。  日米貿易協定の評価についてお尋ねがありました。  日本の農林水産品については、全て過去の経済連携協定の範囲内であり、これまでの貿易交渉でも常に焦点となってきた米は、調製品も含めて完全除外、また、林産品、水産品、さらにはTPPワイド関税割当て対象の三十三品目など、全く譲許していません。また、トウモロコシ購入については、米国と約束や合意をしたとの事実はありません。  自動車自動車部品については、今回の協定では、単なる交渉の継続ではなく、更なる交渉による関税撤廃を明記いたしました。その上で、先ほどの繰り返しになりますが、こうした交渉結果については、我が国の自動車工業会から、自動車分野における日米間の自由で公正な貿易環境が維持強化されるものであるとの評価が既に発表されており、繰り返しになりますが、JAからも、中家会長の談話として、合意内容は昨年九月の日米共同声明の内容を踏まえた結論と受け止め、特に、米については米国への関税割当て枠の設置が見送られることとなり、生産現場は安心できるものと考えているとの評価が発表されたものと承知をしております。一方的な譲歩であるとの御指摘は当たりません。我が国にとってまさに国益にかなう結果が得られたものと考えています。  日米貿易協定の附属書における農産品に関する記述についてお尋ねがありました。  我が国がこれまでに署名締結した経済連携協定の中には御指摘のような記述はないものと承知しています。他方で、関係国が合意した上で再協議に関する規定を置くことは何ら新しいものではなく、TPPなどの協定において一般的に行われているところです。  その上で申し上げれば、今回の記述は特恵的な待遇を追求するという意図が米国の側にあるということを単に記載したにすぎず、一般的な再協議規定とも異なるものです。  牛肉のセーフガードについてお尋ねがありました。  今回の協定においては、昨年度の、セーフガードの発動基準数量を昨年度の米国からの牛肉輸入実績より一万トン以上低く設定したところであり、我が国としてセーフガードとしての効果が十分に発揮できる内容のものとなっていると考えております。  その上で、セーフガードが一度発動された場合には米国と協議を開始することとなっておりますが、その場合も、国内の畜産業者の視点に立って、その効果が引き続き確保されるよう協議をすることは当然であり、我が国として国益に反するような合意を行うつもりはありません。  日米間の今後の交渉についてお尋ねがありました。  本協定に係る米国側の評価について、日本政府として述べる立場にはなく、トランプ大統領や米側の民間団体一つ一つの発言について論評することは控えます。  その上で、今回の共同声明においては、サービス貿易や投資等が例示されておりますが、今後どの分野を交渉するのかについては、その対象をまず協議することとしております。そのため、今後の交渉内容について、協定を結ぶか否かも含め、現時点において予断を持って申し上げることは差し控えます。  いずれにせよ、我が国として、我が国の国益に反するような合意を行う考えはありません。(拍手)
  29. 山東昭子

    ○議長(山東昭子君) これにて質疑は終了いたしました。      ─────・─────
  30. 山東昭子

    ○議長(山東昭子君) 日程第一 農林水産物及び食品の輸出の促進に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長江島潔さん。     ─────────────    〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕     ─────────────    〔江島潔君登壇、拍手〕
  31. 江島潔

    ○江島潔君 ただいま議題となりました法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案は、我が国で生産された農林水産物及び食品の輸出の促進を図るため、農林水産物・食品輸出本部の設置並びに基本方針及び実行計画の策定について定めるとともに、輸出証明書の発行、輸出事業計画の認定その他の措置を講じようとするものであります。  委員会におきましては、農林水産業の生産基盤の強化と輸出の促進、輸出本部が果たす役割、輸出に取り組む事業者への支援策等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して紙委員より反対する旨の意見が述べられました。  討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本法律案に対して附帯決議を行いました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  32. 山東昭子

    ○議長(山東昭子君) これより採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕
  33. 山東昭子

    ○議長(山東昭子君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕
  34. 山東昭子

    ○議長(山東昭子君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数          二百四十     賛成           二百二十七     反対              十三    よって、本案は可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕     ─────────────
  35. 山東昭子

    ○議長(山東昭子君) 本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十八分散会