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2019-10-09 第200回国会 参議院 本会議 3号 公式Web版

  1. 令和元年十月九日(水曜日)    午前十時一分開議     ━━━━━━━━━━━━━ ○議事日程 第三号   令和元年十月九日    午前十時開議  第一 国務大臣の演説に関する件(第三日)     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  一、日程第一  一、永年在職議員表彰の件      ─────・─────
  2. 山東昭子

    議長(山東昭子君) これより会議を開きます。  日程第一 国務大臣の演説に関する件(第三日)  昨日に引き続き、これより順次質疑を許します。山口那津男さん。    〔山口那津男君登壇、拍手〕
  3. 山口那津男

    ○山口那津男君 公明党の山口那津男です。  私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました所信表明演説に対し、総理並びに関係大臣に質問いたします。  令和改元より五か月余りが経過しました。この間、新たな時代を迎えた日本のかじ取りを託す参議院選挙が行われ、自民党、公明党の与党は改選議席の過半数を超える議席を獲得することができました。私たちは、この結果を安定した政治基盤の下で日本が直面する諸課題を力強く前に進めてほしいとの国民の期待と受け止め、将来不安の払拭や国民生活の向上につながる政策の実現に邁進してまいります。  世界に例のない人口減少と少子高齢化が進む中で、持続的な経済成長を維持し、人生百年時代に対応した社会保障制度の再構築をどのように進めるのか。激甚化、頻発化する大規模自然災害に備えて、防災・減災対策などを計画的に進め、災害に強い国づくりを前進させることができるのか。分断と対立を深める国際情勢の中で、対話と協調を基軸とした平和外交を推進し、国際社会の安定と繁栄にどのような貢献を果たしていくのか。  こうした目の前の課題を一つ一つ乗り越え、岐路に立つ日本の政治を大きく前に進めるためには、まさに改造内閣が掲げる安定と挑戦が必要となります。  公明党が大切にする小さな声を聴く力や、幅広い民意を政策に反映させる合意形成の力は、政治に信頼と希望を生み出し、政治の安定をつくり出す源泉と考えます。また、国会議員と地方議員の強固なネットワークで現場のニーズをいち早く吸い上げ、生活者の視点で政策立案を進めることは、困難な課題に挑戦し、解決の糸口を見出す原動力となります。  引き続き公明党は、連立政権の一翼として安倍内閣を支え、安心と希望ある日本の未来を開くため、全力を挙げてまいります。  以下、当面する諸課題について具体的に質問いたします。  本年は、六月から九月にかけて、日本が初の議長国を務めたG20大阪サミットを始めG7や横浜で開催されたアフリカ開発会議、いわゆるTICAD7、東方経済フォーラム、国連総会など、重要な国際会議が相次いで開催されました。安倍総理は、これらの会議において各国首脳と精力的に会談し、世界の安定と繁栄のため、分断と対立の回避に向けた努力を重ねてこられたことを高く評価いたします。  私自身も、直近では中国やトルコを訪問し、両国の関係強化の礎となる政党間の交流を深めてまいりました。その経験を基に質問いたします。  この八月は、党訪中団として長春市や天津市などを訪れ、教育、文化交流を始め日中の安定的な発展に向けた関係強化を確認し合いました。中央対外連絡部の宋濤部長との会談では、来春予定されている習近平国家主席の国賓としての訪日実現を成功させるため、双方が環境を整えることで一致しました。  改善基調にあるこの機を生かし、定期的な首脳往来などを通じて、様々な分野で新たな協力関係の強化に取り組んでいくべきです。日中関係の深化に向けた総理の御決意を伺います。  先月、トルコ共和国の与党、公正発展党の招請により、公明党として初めてトルコを訪問しました。アジア大陸の東と西の端に位置し、これまで長きにわたり友好関係を築いてきた両国は、近年、要人の往来が活発になり、経済や文化、安全保障など、幅広い分野での協力関係が進んでいます。  中でも、現在交渉中の日トルコ経済連携協定が締結されれば、更なる貿易、投資の拡大を始めインフラ整備や防災協力、民間交流の拡大など、更なる関係強化に弾みが付きます。訪問中に会談したオクタイ副大統領からは、第三国における日本とトルコの協力関係についても言及があり、アフリカ開発での協力の可能性などにも議論が及びました。  日本、トルコの経済連携協定の早期合意とともに、地政学的な位置関係を生かした第三国での協力関係についても、TICAD7の方向性も踏まえつつ、意欲的に取り組むべきと考えます。総理の御所見を伺います。  八月に開催されたTICAD7では、アフリカへの民間投資や人材育成の促進などが活発に議論されました。総理が提唱する自由で開かれたインド太平洋構想が明記された横浜宣言二〇一九が採択され、その重要性について認識を共有できたことは、大きな意味があったと思います。  私も、全体会合でSDGs達成に向けた公明党の取組を報告するとともに、参加した七か国の大統領らと人的交流の促進や教育支援の強化をめぐり、有意義な会談を行いました。  一部の報道では、過剰融資で債務の返済困難に陥る問題が強調されましたが、実際、会談をしてみると、アフリカ諸国の本音は、どこの国に限らず、各国が共に協力した形で最大限の支援を求めていると感じました。日本は、こうした意向を尊重しつつ、アフリカの平和と自立的な発展のために主導的な役割を担うべきと考えます。  TICAD7の成果とアフリカ支援の今後の取組について総理に伺います。  近年、北朝鮮の核開発問題や米国のイラン核合意からの離脱、米ロの中距離核戦力全廃条約の失効など、核を取り巻く国際情勢は一段と厳しさを増しています。こうした中で、唯一の戦争被爆国である日本が、核なき世界へ向けた国際社会の合意形成に果たすべき役割は非常に大きいと考えます。  核兵器保有国と非保有国の橋渡し役として、公明党が被爆地開催を提唱し、継続的に活動してきた賢人会議が、NPT再検討会議とその後のプロセスを見据えた報告書を提出することになっています。これを踏まえ、日本が来年開かれるNPT運用再検討会議での対話を促し、実質的な核軍縮に結び付ける役割を果たしていただきたい。  人工知能を備え、自動で標的を識別して攻撃の判断をする自律型致死兵器システム、いわゆるLAWSへの脅威も高まっています。この規制に関し、国連の専門家会合が開かれ、国際人道法を遵守するなどの指針を盛り込んだ報告書がまとめられました。法的拘束力はないものの、事実上初めて国際ルールができたことは評価に値します。  公明党は、LAWSが人間による指揮統制の範囲内に置かれるべきことを始めLAWSの規制に関する国際合意を促す提言を政府に提出しました。人道的視点に立脚した国際規範が確立されるよう、日本が積極的に議論をリードすべきです。  核廃絶に向けた取組とLAWSへの対応について、総理の答弁を求めます。  地球温暖化に伴い、熱波や豪雨などの異常気象が深刻化する中、先般の気候行動サミットでは、グテーレス国連事務総長の呼びかけに応じて、六十五か国が二〇五〇年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすると表明。世界でも、日本の長崎県壱岐市を含む約一千の自治体が気候非常事態宣言を議決し、温暖化対策の具体化に取り組むなど、社会の総力を挙げた対策の機運が高まっています。  日本も、省エネや再エネの主力電源化とともに、最もCO2を排出する石炭火力を含めた火力発電の削減に急ぎ取り組まなければなりません。自治体レベルでの取組も急務です。  その鍵はイノベーションにあり、光触媒等を活用してCO2を再利用するカーボンリサイクルの実現など、研究開発の一層の推進が必要です。現在、産学官の世界の英知がイノベーションによる気候変動対策などを議論するICEFなどの国際会議が日本で開催されています。ここで得られた成果も生かしつつ、更なる取組を日本が主導すべきです。  地球規模で広がるプラごみ問題については、海洋プラスチックごみによる新たな汚染を二〇五〇年までになくす大阪ブルー・オーシャン・ビジョンがG20大阪サミットで合意されました。  このビジョンの実現に向けては、まず議長国である日本が、本年策定したプラスチック資源循環戦略に基づき、基本原則である3Rプラスリニューアブルの徹底などを通じてプラごみ削減に範を示すとともに、国ごとの取組を着実に進めるため、途上国の廃棄物管理に関する能力構築やインフラ整備等への支援を進めるなど、世界を牽引する取組を行うべきであります。  気候変動対策と資源循環戦略の実現並びに海洋プラスチックごみ対策について、総理の見解を求めます。  人生百年時代に対応した全世代型社会保障の構築が急がれます。  この十月より、消費税率引上げによる税収を活用して、幼児教育、保育の無償化がスタートしました。幼稚園、認可保育所、認定こども園等のほか、公明党の主張を踏まえ、幼稚園の預かり保育や認可外保育施設も対象となっています。  一方で、現場からは、一部の認可外保育施設や私立幼稚園で質の向上を伴わない保育料の便乗値上げが行われているとの指摘や、幼稚園としての基準を満たさず無償化の対象とならない幼稚園類似施設も利用者の負担を軽減してほしいなどといった声も上がっています。  こうした中、幼稚園類似施設を独自に支援する自治体も出ており、無償化の恩恵が幅広く行き渡るよう、実態をつぶさに把握しながら、利用者の目線に立って、国としての適切な対応と必要な支援策の検討を求めます。  来年四月からは、私立高校授業料の実質無償化と高等教育無償化も始まります。実施のための準備に万全を期すとともに、特に、大学等へ通う多子世帯や中間所得世帯について、負担に配慮した取組を更に検討すべきです。  幼児教育の無償化などの取組について、総理の答弁を求めます。  人生百年時代を展望した際、高齢者や障害者など多様な人材が活躍できる環境整備が重要となります。  現在、仕事をしている六十歳以上の多くが六十五歳を過ぎても働き続けたいと望んでいる反面、六十代後半の就業率は四六・六%、六十六歳以降も働ける制度がある企業は二七・六%にとどまります。高齢期の就業機会を確保するため、企業や地域の取組を後押ししつつ、法改正に向けた議論を促進するとともに、高齢者が安全で安心して働けるよう、労働災害を防止する対策も欠かせません。また、高齢者が一定以上の収入を得て働くと年金の支給を停止する在職老齢年金制度については、就労意欲を阻害するという指摘もあり、公平性に留意した上で見直すべきです。  障害者雇用については、公務部門における法定雇用率の着実な達成とともに、障害者雇用の経験がない中小企業等への支援を強化するなど、障害者がより一層活躍できる環境整備を推進すべきです。重い障害があり、通勤や職場で介助を必要とする方については、福祉施策と労働施策の連携の下で必要な支援を実施すべく、検討を加速するよう求めます。  高齢者、障害者など、一人一人の希望や状況に応じた多様な働き方の環境整備について、総理に伺います。  就職氷河期世代等への支援に本格的に取り組まなくてはなりません。  バブル崩壊による厳しい雇用環境の下で就職時期を迎えたこの世代は、本人の希望によらず不安定な仕事に就いている方や無業の方など、様々な課題に直面しています。  新卒一括採用と年功序列の雇用慣行が根強く残る中、その枠組みに入れなかった方が再び活躍の機会を得ることは依然として難しい状況です。  引きこもりについては、四十歳から六十四歳の中高年を対象とした初の全国調査が実施され、引きこもりの状態にある方が約六十一万人に上り、その期間が七年以上経過した方が約半数を占めるなど、引きこもりの長期化、高齢化が浮き彫りとなりました。  公明党は、こうした方々のニーズに応じた丁寧な支援を行い、活躍の場を広げていくために、関係者との意見交換を行うなど精力的な検討を行い、本年五月、政府に政策提言を行いました。  これを受け、政府が策定した就職氷河期世代支援プログラムには、能力開発メニューとしてのリカレント教育の充実や支援機関によるアウトリーチ機能の強化、複合的な課題に対応できる包括支援などが盛り込まれました。  就職氷河期世代等への支援策について、総理の答弁を求めます。  今月、消費税率引上げと同時に軽減税率がスタートいたしました。  先日、都内のスーパーを視察し、実際に声を伺いました。消費者からは、キャッシュレスポイント還元は分かりにくいとの声がある反面、キャッシュレス決済にはなじめないので軽減税率は助かりますといった率直な声をいただき、日常生活に大きな安心感を与えていると実感しました。  また、事業者からは、しっかり準備をしていたので混乱なくスタートできたという声もいただき、軽減税率対応レジの導入など早めの準備を進めたところは、おおむね円滑に実施されていることが確認できました。  軽減税率が恒久的な制度として、今後も国民生活に安心感を与え、多くの方に喜んでいただける制度となるよう、二点御提案申し上げたい。  一点目は、軽減税率対応レジの更なる導入促進です。政府は、制度開始まで二十四万台のレジが導入され、導入の必要性が高い事業者の必要分はほぼ確保できたとしていますが、一方で、対応レジの注文が殺到し、希望するレジの契約が進まず、補助金の申請ができなかったという話も聞いています。こうしたケースについて、実態を踏まえつつ、補助金の活用を含めた更なる支援策の検討をお願いしたい。  二点目は、複数税率下で初となる申告について、一番早い事業者が十二月末に、個人事業主は来年三月末に申告期限が訪れます。是非きめ細やかな相談体制の構築をお願いしたい。事業者の皆様が正しく円滑に申告、納税できるよう、各地の税務署の体制強化を図るなど万全を期していただきたいと思います。  軽減税率の定着化に向けた取組について、総理に伺います。  日本経済の持続的な成長の実現に向けては、生産性向上や人材投資を始め、潜在成長率を底上げする成長戦略の実行が極めて重要となります。  公明党は、大胆な未来への投資を成長戦略の柱として掲げ、これまで、科学技術に関する研究の推進や若手研究者の活躍促進などに取り組んできました。  今後は、少子高齢化や地球温暖化など、先進国共通の課題解決と同時に、経済成長も実現できるようなイノベーションの創出に向けて、量子技術等の世界最高水準の研究開発拠点の形成や、我が国が強みを持つ健康・医療、防災・減災、環境・エネルギー等の重点分野への研究開発投資を進めるなど、国際競争力の強化に向けた取組を積極的に推進すべきです。  また、明年開催される東京オリンピック・パラリンピック競技大会は、我が国の技術力や文化、芸術、食文化など、日本の魅力を余すことなく発信する絶好の機会でもあります。これを契機として、インバウンド需要の取り込みや輸出力の強化などに取り組むとともに、観光、農林水産業を始めとする地域経済の活性化などを通じて、大会後の持続的な成長拡大へとつなげるべきです。  日本経済の持続的な成長に向けた取組について、総理に伺います。  先月、台風十五号が猛威を振るい、千葉県を中心に伊豆諸島を含む首都圏各地に甚大な被害をもたらしました。改めて、お亡くなりになられた方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、被害に遭われた方々に心よりお見舞いを申し上げます。  政府においては、台風十九号の接近に不安が募る中、一日も早く被災者の方々が安心した生活を取り戻せるよう、生活再建、損壊家屋の補修、災害廃棄物の処理、産業、なりわい再生に向けた支援に取り組むとともに、早期の復旧復興に全力を挙げていただきたい。  また、長期停電の再発防止、非常時の電源機能の強化、倒木対策、電柱等の暴風対策、情報発信の在り方など、今回の災害で浮き彫りとなった課題の徹底した検証と再発防止策も進めるべきです。  台風十五号を始め、九州北部豪雨などを含めた一連の災害対応について、十分な財源を確保し、必要な対策を講じていただきたい。総理の答弁を求めます。  首都直下地震や南海トラフ巨大地震などの大規模災害が懸念される中、国民の命と暮らしを守るため、防災・減災、復興を社会の主流に押し上げなければなりません。  そのため、平時の防災・減災や訓練を始め、応急対策、復旧復興全体まで一貫して責任を持って切れ目なく担い、全てのノウハウが組織として集約、蓄積される防災体制を構築するとともに、ハード、ソフト両面にわたって総合的な防災・減災対策を継続的、計画的に推進し、世界一災害に強い防災大国日本を構築すべきです。  総理の御所見を伺います。  さて、昨年の補正予算などにより、学校施設等の危険なブロック塀の安全対策、公立小中学校等の普通教室や特別教室のエアコン設置が順次進められています。  昨年の臨時国会で私は、通学路や避難路沿いにあるブロック塀の安全対策とともに、災害時に避難所としても活用する学校体育館へのエアコン設置についても急ぐべきと訴えました。  その後、政府は、ブロック塀の安全対策について、予算の拡充とともに耐震診断の義務付けなどを推進し、これが後押しとなって各自治体での支援制度の整備が進んでいます。引き続き、着実な支援制度の拡大とともに、安全対策が広がるよう、政府の支援が必要です。  学校体育館のエアコン設置については、災害時に多くの高齢者や乳幼児などが避難所に身を寄せることを考えても、その必要性は明らかです。  昨年の西日本豪雨の際には、プッシュ型支援によって、避難所となった体育館にスポットクーラーなどが設置されました。また、緊急防災・減災事業債を活用すれば指定避難所となる体育館のエアコン設置も可能ですが、来年度までの期限です。  全国の通学路や避難路のブロック塀の安全対策や学校体育館のエアコン設置を今後どう進めていくのか、総理の御見解を伺います。  土砂災害におけるレッドゾーン対策について伺います。  ハザードマップには、地域住民がこれを活用して実効性ある避難体制をつくるなどの自助、共助を支援するとともに、行政が危険区域を把握し、防災・減災対策やハード整備などの公助を推進するという役割があります。  他方、地域によっては、ハザードマップを整備し、土砂災害特別警戒区域、いわゆるレッドゾーンの指定場所が明らかになったとしても、民有地のため放置され、管理や安全対策もなされていない場所が存在し、多くの住民の安全を脅かす状況となっています。  早期に対策を進めるため、土地所有者と防災対策の関係を含めた新たな方策を検討すべきと考えますが、国土交通大臣の答弁を求めます。  患者の救命率を大きく高めるドクターヘリについて伺います。  公明党は、地方議員との連携により、党を挙げてドクターヘリの全国配備を推進し、我が党が目標として掲げた五十機を超える五十三機の導入が四十四道府県で実現し、そのうち京都府では他府県が共同運航で領域をカバーしており、残る三都県でも早期導入の検討が進んでいます。  しかしながら、課題もまだ残されています。夜間飛行のための環境整備やパイロットの人材確保を始め安定的な運航を支える財政支援など、国レベルでの計画的な支援が必要です。  また、隣接県によるドクターヘリの応援協定を結ぶ地域も増えています。こうした広域連携が重複要請などに効果を発揮するとの指摘もあり、都道府県単位に縛られない広域連携に向けた後押しを国も積極的に行うべきです。  さらに、大規模災害時のルールに基づいた運用をどうするかも課題です。東日本大震災において全国のドクターヘリが被災地に参集しましたが、指揮命令系統等の明確化などが指摘され、平成二十八年に国の運用指針が策定されました。この指針に基づいて平時からの体制整備や関係機関との連携が実際に機能するか、訓練等を含めて即応性を高めるべきです。  こうした課題に対応する前提として、全ての都道府県での導入を完了し、運用経験を共有して相互に連携できる基盤を確立することが必要と考えます。その上で、課題の解決に向けては、国が主導的な役割を果たし、ドクターヘリの効果的な活用や安定的な運用を支えていくべきです。  総理の御見解を伺います。  明年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催まで一年を切りました。世界各地から多くの人が集まる東京大会の成功に向けては、全ての人の安全、安心に万全を期すため、残された課題に取り組む必要があります。  まずは、暑さ対策です。夏季に開催される大会期間中は、選手を始め観客の方々の安全を確保するため、マラソンコースなどの路面温度の上昇を抑える遮熱性舗装の整備や道路の緑化、体感温度を下げるためのドライミスト設置などの対策が有効です。  また、期間中の選手、観客、関係者等の円滑な移動を実現するための交通渋滞対策も重要です。大会運営や市民生活への影響を考慮し、鉄道や首都高速などの交通混雑の緩和策に取り組むとともに、そうした影響について国民、企業に広く周知するほか、テレワークなどへの支援も推進すべきです。  さらに、東京大会をきっかけとして、障害の有無などにかかわらず、誰もが相互に個性を尊重し支え合う心のバリアフリーの取組を充実させるとともに、障害者が安心して来場できるよう、バリアフリー化、ユニバーサルデザイン化を進め、共生社会の実現を促進すべきです。  東京大会に向けた取組について、総理の答弁を求めます。  最後に、一言申し上げます。  この十月五日で公明党と自民党の連立政権発足から二十年となりました。この間、政治の安定を目指し、内外の重要課題を乗り越えるという大局観に立って、両党が協力し、合意をつくり、国民のニーズにお応えする政策の実現にひたすら取り組んでまいりました。この政権参画当初の原点をいささかも忘れず、これまでの経験も生かしながら、真摯に誠実に国民と向き合うことによって、政権の信頼確保に努めてまいりたいと思います。  これからも公明党は、生活者の視点で困難な課題を乗り越える合意形成をつくり出し、与党としての責任を果たしゆくことを改めてお誓い申し上げ、私の代表質問を終わります。(拍手)    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
  4. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 山口那津男議員にお答えをいたします。  日中関係の深化についてお尋ねがありました。  政党間の交流は日中関係の発展を支える重要な柱であり、これまで山口代表を始めとする公明党訪中団が日中関係の強化に果たされてきた役割に敬意を表します。  昨年、日中関係は完全に正常な軌道に戻りました。来年の桜の咲く頃には習近平国家主席を国賓としてお迎えし、首脳間の往来だけでなく、経済交流、青少年交流など、あらゆるレベルでの交流を拡大し、日中関係を新たな段階へ押し上げ、日中新時代を切り開いていく決意です。  トルコとの関係強化についてお尋ねがありました。  経済連携協定については、引き続き精力的に取り組み、七月の首脳会談で一致したとおり、早期妥結に向け更に交渉を加速してまいります。  第三国協力については、TICAD7での議論も踏まえ、質の高いインフラ投資を始め地政学的に重要であるトルコと協力をしていきます。  今後とも、戦略的パートナーであるトルコと幅広い分野での関係強化を図ってまいります。  TICAD7の成果とアフリカ支援の今後の取組についてお尋ねがありました。  まず、山口代表が、TICAD7の全体会合においてSDGs達成に向けた発言を行われ、七か国の首脳等と会談されるなど、会議の成功に貢献していただいたことに謝意を表します。  TICAD7では、過去最高となる四十二名のアフリカの首脳級の参加を得て、経済、社会、平和と安定という三つの柱に基づき、アフリカ開発の在り方について議論を行いました。この結果、自由で開かれたインド太平洋構想も明記された横浜宣言二〇一九が採択されました。  TICAD7を通じ、日本政府として、今後三年間で民間投資を二百億ドル規模以上へ拡大し、ABEイニシアティブ三・〇を通じて産業人材を六年間で三千人育成すること、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジを三百万人へ拡大し、質の高い教育を三百万人の子供たちへ提供すること、司法、警察、治安維持等の分野を担う六万人の人材を育成することといった取組により、日本がダイナミックに発展するアフリカのパートナーとなっていくことを表明しました。  政府としては、山口代表の御指摘も踏まえつつ、引き続き、日本の強みや日本らしさを生かした取組を通じ、アフリカとの関係を強化し、アフリカ自身が主導する発展を力強く後押ししてまいります。  核廃絶に向けた取組と自律型致死兵器システムへの対応についてお尋ねがありました。  我が国は、唯一の戦争被爆国として、核兵器のない世界の実現に向けた国際社会の取組をリードしていく使命を有しています。これは私の揺るぎない信念であり、我が国の確固たる方針です。  近年、核軍縮をめぐっては、核兵器国と非核兵器国のみならず、非核兵器国同士、さらには核兵器国同士の間で各国の立場の隔たりが拡大しています。我が国は、唯一の戦争被爆国として、これらの国々の橋渡しに努め、各国の共通の基盤の形成、相互の関与や対話を粘り強く促していく考えです。  我が国は、核軍縮の実質的な進展のための賢人会議における議論の成果もしっかりと活用しながら、核軍縮の進展に向けた国際的な議論を積極的にリードしてまいります。  特に、来年は五年に一度のNPT運用検討会議が開催される予定です。政府として、この会議が意義ある成果を上げるものとなるよう、軍縮・不拡散イニシアティブの取組等を通じて議論に積極的に貢献していく決意です。  自律型致死兵器システム、LAWSに関しては、有意な人間の関与が必須であり、国際人道法が適用されるべきとの点について共通認識が形成されつつありますが、その定義や人間の関与の在り方等の論点について各国の立場に引き続き隔たりがある状況です。  我が国は、完全な自律型の致死性を有する兵器の開発を行う意図は有していないとの立場を明確にしてきています。人道と安全保障の視点を勘案したバランスの取れた議論が行われるよう、引き続き国際的なルール作りに積極的かつ建設的に参加してまいります。  気候変動対策及び海洋プラスチックごみ対策についてお尋ねがありました。  先般の大阪サミットでは、気候変動や海洋プラスチックごみ問題といった地球規模課題の解決に向けて、G20としての決意を共有しました。  脱炭素社会の実現は、これまでの延長線上の発想や取組では困難であり、人工光合成の実用化や水素社会の実現など、非連続的なイノベーションを起こすことが不可欠です。  このため、大阪サミットでは、G20の研究機関を結び、世界の英知を結集するRD20の創設に合意し、まさに今週、世界トップレベルの研究者、産業界、金融界が一堂に会するグリーンイノベーションサミットを我が国で初めて開催いたします。  海洋プラスチックごみについても、大阪ブルー・オーシャン・ビジョンを共有し、その実現に向けた具体的な実施の枠組みに合意したことは、この問題の解決に向けた大きな一歩です。今後は、ごみの適正管理、回収、海で分解される新素材の開発などで、途上国支援も含め、世界的な取組をリードしてまいります。また、本年五月に決定したプラスチック資源環境戦略に基づき、プラスチック資源の使用合理化やバイオプラスチックへの転換、リサイクル設備の増強などにも取り組んでまいります。  児童教育の無償化などの取組についてお尋ねがありました。  いよいよ今月から児童教育、保育の無償化がスタートしました。これに伴い、既存の施設に対しては、質の向上を伴わない理由なき利用料の値上げを行わないよう指導を強化するとともに、地域や保護者のニーズに応えている幼児教育類似施設について、国と地方が協力した支援の在り方について検討を行っているところです。  また、来年四月からは、御党から御提案いただいた私立高校の授業料の実質無償化とともに、真に支援が必要な子供たちの高等教育の無償化を着実に実施できるよう万全の準備を進めています。その中で、大学等については、子供の数も踏まえて支援対象の基準となる所得を算定するなど多子世帯への配慮を行うとともに、中間所得層におけるアクセスの機会均等について引き続き検討してまいります。  今後とも、政府としては、子育て世代の負担を減らし、子供たちの誰もが家庭の経済状況にかかわらず自らの夢に向かって頑張ることができる社会をつくり上げるため、全力で取り組んでまいります。  高齢者、障害者など、多様な働き方の環境整備についてお尋ねがありました。  少子高齢化という我が国最大のチャレンジを克服していくためには、働く意欲のある高齢者が年齢にかかわらず働くことができる環境を整えることが重要です。このため、七十歳までの就業機会の確保の法制化を図るとともに、転倒や腰痛などの労働災害の防止対策を進めてまいります。  在職老齢年金制度については、人生百年時代を見据えて、公平性にも留意しつつ、高齢者の就労意欲を阻害しない観点からの見直しに向けた検討を進めてまいります。  障害者雇用については、公務部門や中小企業における活躍の場の拡大に関する措置を盛り込んだ改正障害者雇用促進法の円滑な施行に取り組みます。また、通勤や職場での介助を必要とする障害者の就労支援を含め、労働施設と福祉施設の連携の強化に向けて検討を進めてまいります。  就職氷河期世代への支援についてお尋ねがありました。  雇用環境が厳しい時期に就職活動を行った就職氷河期世代の方々への対応は、我が国の将来に関わる重要な課題です。先般定めた三年間の集中プログラムに基づき、きめ細かな伴走型の就職相談体制の確立や、受けやすく即効性のあるリカレント教育の確立といった支援策により、この世代の正規雇用者について、これまでの二倍のペースとなる三十万人の増加を目指します。また、社会参加への支援が特に必要な方々には、相談支援機関のアウトリーチ機能を強化するなどして、息長く寄り添った支援を行ってまいります。  支援の実効性を高めるため、社会的機運を醸成するとともに、具体的な数値目標を立てて、官民一体となって集中的に取り組んでまいります。  軽減税率の定着に向けた取組についてお尋ねがありました。  中小企業・小規模事業者が軽減税率に対応するためレジを導入した場合の補助や、また、レジを導入しない場合でも簡便に経理を行う方法などについてきめ細やかに支援や情報提供を行ってきたところであり、引き続き、中小企業団体の個別訪問等により、現場に寄り添った丁寧な対応をしてまいります。  さらに、軽減税率制度の適正かつ安定的な運用のため、確定申告における丁寧な相談対応など、必要な体制整備を含め、万全を期してまいります。  これらを含め、今後とも、軽減税率制度の円滑な実施、定着に向け、周知、広報などきめ細やかな取組を進めてまいります。  日本経済の持続的な成長に向けた取組についてお尋ねがありました。  AI、IoT、ビッグデータ。世界は今、第四次産業革命の真っただ中にあります。こうした変化を先取りして、我が国においてソサエティー五・〇を世界に先駆けて実現することこそ、持続的な成長の鍵であると考えています。  そのためにも、革新的なイノベーションの創出に向けた若手研究者の活躍促進を始め、我が国研究力の抜本的な強化、時代遅れとなった規制の見直し、新しい時代のデジタル市場のルール整備など、未来を見据えた規制・制度改革、イノベーションの速やかな社会実装、生産性の向上に向けた設備や人材への大胆な投資などに取り組んでまいります。  本年、令和の新しい時代が幕を開けましたが、年が明ければ東京オリンピック・パラリンピック、二〇二五年には大阪・関西万博が開催します。新しい時代への躍動感あふれるこのタイミングを生かし、大胆な成長戦略を実行することで、日本経済の持続的な成長を確かなものとしてまいります。  台風十五号からの復旧復興等についてお尋ねがありました。  台風十五号における災害においては、極めて多くの家屋に被害が生じ、被災者の方々の日常生活に著しい支障が生じたことから、災害救助法の制度を拡充し、恒久的制度として、一部損壊の住宅のうち、屋根等に日常的に支障を来す程度の被害が生じた住宅については支援の対象とすることとしました。  災害廃棄物の処理については、引き続き千葉県や関係団体と連携し、応援職員やごみの収集車両の派遣、広域処理先の確保、財政支援といったあらゆる側面から被災自治体を支えてまいります。  また、被災された中小企業・小規模事業者に対しては災害復旧貸付け等を実施するとともに、停電が長期にわたった千葉県の市町村においては、災害復旧貸付けの一部の金利引下げ等を行っております。  一方、今回の台風においては、長期間にわたる停電及びその復旧プロセスなどの様々な課題が認められました。これらの課題を検証、検討するため、先般、官房副長官をトップとする検証チームを立ち上げました。今後、このチームの下に設置した実務者検討会において、メンバーである防災分野等の有識者五名の御意見も伺いながら、徹底的かつ客観的に検証を行い、今後の防災・減災対策の一層の改善に努めてまいります。  政府において、九州北部での豪雨や台風第十五号等により被災した自治体が財政上安心して復旧復興に取り組むことができるよう、普通交付税の繰上げ交付を実施しました。また、台風第十五号を含む八月から九月の前線等に伴う大雨による災害を激甚災害に指定することとしました。  政府の防災体制と防災・減災対策の強化についてお尋ねがありました。  政府の防災体制の充実強化は、極めて重要な課題であると認識しています。現在、内閣府が中心となって、地域における防災計画の策定や民間企業との防災協定の締結、国民全体の防災意識の向上など、事前防災の取組を進めております。また、災害発災時には、内閣総理大臣の指揮の下に、内閣官房や内閣府が中心となって、関係省庁や地方自治体との緊密な連携の下、災害応急対策やその後の被災地の復旧復興に取り組んでおります。  今後とも、関係省庁や地方自治体、民間の方々との連携の在り方等について不断の見直しを行い、万全の危機管理体制の確保に努めてまいります。  首都直下地震や南海トラフ巨大地震などの大規模災害が懸念される中、御指摘のとおり、防災・減災対策の推進は我が国にとって重要かつ喫緊の課題であります。そのため、政府としては、現在、防災・減災、国土強靱化のためのハード、ソフト両面での対策を三年間で集中的に実施しているところです。  通学路等のブロック塀対策と体育館のエアコン設置についてお尋ねがありました。  通学路等のブロック塀については、避難路に面する箇所の耐震診断の義務付け、防災・安全交付金等による改修、撤去費用に対する財政支援など、規制や支援制度を総動員して安全対策に全力で取り組んでまいります。  また、避難所に指定されている公立学校の体育館へのエアコン設置については、来年度までを期限とする緊急防災・減災事業債の活用をまずは促すとともに、その後の対応についても適切に検討してまいります。  ドクターヘリについてお尋ねがありました。  多様な医療アクセスの手段を確保し、必要な救急医療を受けられる体制を構築するため、ドクターヘリは欠かせないものです。そのため、運用の主体となる都道府県に対し必要なデータの提供や運航経費の補助などを行い、広域連携を含めたドクターヘリの導入支援を進めています。  特に、災害地等の運用経験を都道府県間で共有することで、ドクターヘリの効果的活用と安定的運用を促していくことが重要であり、こうした取組に対し、国としても支援を行ってまいります。  東京オリンピック・パラリンピック競技大会についてお尋ねがありました。  東京大会における暑さ対策は極めて重要であり、各競技大会での暑さ対策とともに、多様な情報発信の実施や救護医療体制の整備など、ハード、ソフト両面での取組を進めてまいります。  大会時の輸送については、円滑な大会輸送と経済活動、市民生活を共存させるため、道路交通や公共交通の影響の緩和に向けた対策を総合的に推進してまいります。  さらに、パラリンピック開催を絶好の機会と捉え、ユニバーサルデザインの町づくりや心のバリアフリーによる共存社会の実現に向けて取り組んでまいります。  政府としては、東京都、大会組織委員会、関係自治体等と連携し、東京大会の成功に向けて万全の準備を進めてまいります。  今後とも、二十年を迎えた自公連立政権の盤石な基盤の下に、しっかりと結果を出してまいります。  残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)    〔国務大臣赤羽一嘉君登壇、拍手〕
  5. 赤羽一嘉

    ○国務大臣(赤羽一嘉君) 御質問いただきました土砂災害特別警戒区域等における民有地の防災対策についてお答えをさせていただきます。  土砂災害防止法に定められた土砂災害特別警戒区域、いわゆるレッドゾーンは、現在、全国で約四十五万もの区域が指定をされております。  私は、先月十一日、国土交通大臣を拝命した直後から、台風十五号、十七号の被災地を始め、近年全国で発生した激甚災害の被災地十か所を視察させていただきましたが、視察先の土砂災害を引き起こした区域の多くが防災対策が適切に実施されていない民有地であり、地方自治体も対策に苦慮し、周辺住民の安全を脅かす状況に置かれていたことを改めて認識したところでございます。  こうした民有地が所有者不明の場合には、新たに設けられた所有者不明土地法に基づく手続等を活用し、砂防堰堤などの重点整備を行うこととしておりますが、私は更なる抜本的な対策の必要性を痛感しているところであります。  まずは、レッドゾーンやイエローゾーンに居住されている方も少なくないことから、地域住民の防災意識を喚起し、平素より実効性のあるマイ・タイムラインなど、自助、共助から成る避難体制づくりを促進することが重要であると考えます。  さらに、近年、集中豪雨による土砂災害が頻発する状況を鑑みると、管理や安全対策が適切に実施されない民有地を放置することは適切でなく、明年、土地基本法等の見直しを行い、土地の管理等に関して所有者が負うべき責務や適切な利用、管理の促進策を位置付けるとともに、政府一体でこれらを具体化するための施策の検討を進めてまいります。  政治の最大の使命は、国民の皆様の命と暮らしを守ることであります。防災・減災が主流となる安全、安心な社会づくりに全力で取り組んでまいりますことをお約束し、答弁とさせていただきます。  以上でございます。(拍手)     ─────────────
  6. 山東昭子

    ○議長(山東昭子君) 片山虎之助さん。    〔片山虎之助君登壇、拍手〕
  7. 片山虎之助

    ○片山虎之助君 日本維新の会の片山虎之助です。  私は、党を代表して、安倍総理に質問いたします。  我が党は、結党以来、健全な第三極を目指し、是々非々路線に立つ提案型野党として国会における合意形成に努力してまいりました。また、現在、身を切る改革として我が党独自で、一つは、歳費の手取り額の二割相当額である十八万円を毎月拠出、被災自治体等へ寄附する、二つ、企業・団体献金は受け取らない、三つ、文書通信交通滞在費月額百万円の使途を公開する、四つ、選挙区支部への寄附による税額還付は受けない等々を実行しております。  消費税が五年半ぶりに引き上げられましたので、国会議員や国家公務員の身を切る改革の必要性は更に高まっております。今回の参院選で多くの政党が議席数や比例得票数を減らす中、我が党が健闘し、それなりの結果を出すことができたのは、これらの努力がいささか認められたものと自負しております。  今回の参院選の結果について、総理の御所見をお伺いします。  我が党は、三年前に憲法改正案をまとめ、公表しました。それは、御承知のように、一、教育の無償化、二、地方分権、統治機構の改革、三、憲法裁判所の設置の三項目です。しかし、国会の憲法審査会では一度も審議されておりません。  そもそも現憲法は、制定過程から今日まで、七十年以上も最終決定権者である国民が参画せず、国民投票も行われていません。これは致命的な欠陥です。そして、現状は憲法審査会の審議が二年近くも行われず、現在の国民は憲法改正に関心がないから国会で審議する必要はないなどの国民を愚弄した意見が堂々とまかり通っております。  私は、憲法審査会では、現在審議中の国民投票法改正案の成立を早急に図り、引き続いて憲法とその改正案の徹底した議論を行うべきだと考えます。そのためには、最大会派である自民党の正式な案の提出も必要ですし、審議のための環境整備にも努力していただきたい。国民に国の最高法規について理解し判断できる十分な素材を提供することは、発議とともに国会の重要な役割であると考えますが、改めて自民党総裁でもある総理の御所見をお伺いします。  消費税は、三度目の正直で五年半ぶりに一〇%に引き上げられました。我が党は、世界経済が米中貿易戦争等で不透明さを増す中、身を切る改革や徹底した行財政改革をすることもなく、安易に増税することは間違いだと言い続けてきました。  しかも、今回は反対の多い軽減税率制度を導入しています。逆進性対策以上に高所得者優遇となるおそれがある上、消費者、事業者、税務当局に多大なコストと手間を掛けるこの制度をなぜ入れなければならないのか。私どもは給付付き税額控除の方がベターだと考えますが、いかがですか。  さらに、消費の低迷を避けるため、時限的とはいえプレミアム付き商品券やキャッシュレス決済のポイント制度等を導入しました。それにより軽減される飲食品等は購入する場所によって五通り、一〇、八、六、五、三の税率になり、売る方も買う方も混乱します。税制の大原則である簡素あるいは公平とは真反対です。  そこで、総理にお伺いします。  過ちは改むるにはばかることなかれといいます。消費税の引上げ後、景気が失速、経済が変調を来した場合には消費税率を見直す、混乱が続き、消費者や事業者等の不満が高まった場合には軽減税率制度を停止する、そのお考えがありますか。  また、総理が記者会見で、今後十年ぐらいは消費税を引き上げる必要はないと思うと発言されましたが、人口減少、少子高齢化が止まらない中で負担と給付の議論は常に必要と私は思いますけれども、発言の真意と根拠をお話しください。  災害関係についてお伺いいたします。  今回の災害により亡くなられた方々及び御遺族に謹んで哀悼の意を表するとともに、被災者全てに心よりお見舞いを申し上げます。一日も早い復旧復興を祈っております。  台風十五号による千葉県の大規模かつ長期間の停電は、山林の管理不足による倒木です。今後、全国で同様の事態が発生しないよう、鉄塔や送電線のある山林の管理状況を調査し、必要な対策を早急に取るべきと考えますが、いかがですか。  また、病院、老人施設や避難所などの停電対策が後手後手に回り、熱中症による死者まで発生しました。こうした施設の停電状況を停電初日から積極的に把握し、電源車や発電機の配備などを行っていればこのような事態は避けられたと考えます。いかがですか。  政府の非常災害対策本部については、今回のように停電により情報が途絶し、地方自治体では被害の全体像が把握できない状態では、ちゅうちょせずに設置し、必要なら現地対策本部も置いて県、市町村を指導、指示すべきだと考えますが、いかがですか。  多様な警報の在り方について、昨年の災害でも批判が出、政府は本年五月から五分類に集約しました。本年初夏の九州の豪雨では、成果が出たものの、問題点も出たと聞いております。例えば、同じレベル四の避難勧告と避難指示(緊急)は分けた方が分かりやすい。いかがですか。  また、レベル四以上の警報が出ても、実際に避難した住民は極めて少ない。避難を強制できない以上、避難訓練などを通じて自身の危険を近隣の人たちと共有させ、災害が起きた場合の想定、準備を実感させることしかないと考えますが、いかがですか。  昨年七月の岡山、広島等の豪雨、九月の北海道胆振東部地震の被災地ではいまだ多くの被災者が仮の生活を余儀なくされ、二年間とされる応急仮設住宅の供与期間が終わることを心配しております。東日本大震災や熊本地震と同様、二年間を延長すべきと考えますが、いかがですか。  また、倉敷市で被災した大半が地区外の借り上げ型仮設住宅に入居しています。しかし、子供らの通学の負担が大きい場合などは、例外的に転居を認めるべきだと考えますが、いかがですか。  台風十五号においては計画運休が早めに発表されましたけれども、週明けの首都圏の交通は大きく混乱しました。出勤時間を柔軟に判断したり、テレワーク等を活用するなど、企業側が計画運休時のルールをあらかじめ決めていれば効果が大きいとの指摘です。いかがですか。  台風十五号では一万人を超す人々が成田空港で夜を明かし、構内アナウンスなどを理解できない訪日外国人らは不安を感じたとのことです。昨年の新関西空港の台風二十一号被害や、ブラックアウトが起きた北海道胆振東部地震の災害の際も同じ事態となりました。訪日外国人が集まる空港や駅における情報の提供、特に日本語を理解できない方々への対策が必要と考えますが、いかがですか。  アベノミクスが始まって六年半を経過し、雇用環境は大きく改善し、企業収益も高水準です。収益は内部留保として企業内で増え続け、二〇一二年度から七年連続で過去最高を更新中ですが、一方で日本人の一時間当たりの賃金は先進国で唯一伸びがマイナスだと言われています。企業が人件費を抑制しているのが主因ですが、働けど賃金低迷の状況が景気を更に低迷させています。悪循環を招いています。退職金や社会保険料負担の増につながるベアではなく、ボーナス等を上げてもよく、とにかく人件費をみんなで増やすことです。  また、ビッグデータ、AI、クラウドなどを活用できる人材が必要です。人材育成のため、社会人の学び直しを進めるためのリカレントプログラムの開発支援など、職業訓練や能力開発など人への投資を経営者は積極的に推進すべきです。いかがですか。  全世代型社会保障を進めるためには、働く意欲と能力を持つ全ての高齢者が働ける環境づくりが必要です。今や一企業に新卒から七十歳までの雇用の責任を持たせるのは不可能で、流動性の高い労働市場の中で雇用を確保していくという考え方に転換していくべきです。そのためには、中途採用の促進、年齢や勤務年数と切り離した賃金の普及、在職者が受けやすい職業訓練、解雇の金銭解決ルールの明確化などを思い切って進めるべきだと考えますが、いかがですか。  また、七十歳まで働けるようにすると、介護をしながら働く人は更に増えます。その場合、転勤や配置に配慮するなど介護離職をなくすことが必要で、それをどう進めていくか、併せてお伺いします。  教育の無償化は我が党が早くから主張したもので、大阪では増税をせず、議員歳費等の削減の身を切る改革で早々に実現しました。今回の政府の幼児教育の無償化には大筋賛成ですが、高所得者ほど恩恵を受けること、また保育所の需要は増えるのに保育士の確保ができないので待機児童問題を悪化させることが欠点です。  そこで、この際思い切って、保育士の必要数などの基準は当該市町村に任せる、仮に市町村に差異が生じても住民が同意をしたらそれを認める、指導監督が必要なら最小限にして都道府県が行う、簡単に言うと権限と消費増税の財源を地方に与えて地方の責任でこれを行う、この際、これをやってみれば待機児童問題解決のチャンスになると私は考えますが、総理、いかがですか。  政府は、私たちが将来受け取る年金額の見通しを公表しました。およそ三十年後には、厚生年金世帯は二割、国民年金は三割目減りする見通しで、支え手拡大と給付抑制に取り組むことは喫緊の課題です。特に、高齢者や女性などの労働参加社会保険への加入は不可欠です。  年金制度については、我が党は、積立方式に変更すること、給付と負担を年齢でなく負担能力に見合ったものにすることをかねてから主張してきました。積立方式は現在の賦課方式よりずっと分かりやすい。積立方式には、移行期には二重の負担という財源上の大問題がありますが、いずれにせよ、そろそろ全ての党を含めた国民的な議論を始めるべきときが来たと考えますが、総理の御認識をお聞かせください。  その上で、六十五歳の年金の受給開始年齢を平均寿命が延びた現状に合わせ七十歳以上に繰り下げ、本人の意向で六十五歳までの前倒し受給を選べるという制度改正に踏み切るべきと考えますが、いかがですか。  関西電力役員の金品受領問題が大きな社会問題となり、国民の関心を集めています。電力事業は公益事業であり、その原資は最終的には国民の電気料金であることから、厳しいコンプライアンスやガバナンスが求められるのは当然のことです。  今回の一連の不適切だが違法でないとする関西電力側の対応は甘く、事なかれの隠蔽体質と批判されても仕方がありません。今急がれることは、第三者委員会などによる全容解明と責任の明確化ではないでしょうか。御認識を伺います。  また、似たような事案が他の電力会社にはないのか、そのコンプライアンスはどうなっているのか、至急調査すべきだと考えますが、いかがですか。これにより、我が党の言う脱原発依存体制の構築を進めるべきだと考えますが、いかがですか。  本年六月以降、かんぽ生命保険の不適切な販売が明らかになりました。この問題については、不正を徹底的に正し、うみをすっかり出させた上で、顧客本位、コンプライアンスの徹底を図っていかなければならないと考えます。  ところが、日本郵政グループがこの問題を放送したNHKのガバナンスに対し抗議を繰り返しました。もしあのまま続編が早期に流れていれば被害拡大を防げたという見方もあります。不適切販売というそもそもの事実の重大さを認識せず抗議を繰り返した日本郵政グループにも批判があり、公共放送としての役割を十分認識していながら抗議をそのまま受け入れる形となったNHKの経営委員会、さらには執行部にも批判があります。御認識を伺います。  外交問題についてお伺いします。  先般の日米貿易協定の最終合意は評価する向きが多く、私もその一人ですが、しかし、農林水産品はおおむねTPPの範囲内に収めた一方、工業製品、特に自動車自動車部品の関税は継続協議となり、取れる成果を取らずに早期に手じまいしてしまったように思われます。トランプ大統領の自動車への追加関税を示唆する発言等に振り回され、早々に妥協してしまったということでしょうか。  そこで、今後の関税の撤廃はどうなるのか、日本政府はこれまでアメリカがTPPに復帰することが最善との立場だったと思いますが、それは変わらないのか、また、その戦略をもう一度お聞かせください。  現在の日韓関係は、国交正常化以降最悪とも言われています。  文大統領は南北協調、半島統一への執着が強く、その分強い反日的な姿勢になっている感じがします。今回、一連の事態に日本政府は毅然と対応し、安易に妥協すべきでないと考えますが、一方、文大統領の任期満了まで二年間、このまま最悪な日韓関係を続けることが両国の将来のためによいのかどうか迷います。総理の今後の御認識をお伺いします。  日中関係は急速に改善しつつあるという見方が多い昨今ですが、尖閣諸島周辺海域への中国公船の執拗な侵入や、東シナ海における中国による一方的な資源開発、さらには一帯一路構想の強引とも言える推進は一向に変えることなく続いています。これらには今後どのように対処されるおつもりですか。  また、米中貿易問題は単なる貿易摩擦を超えて対立を深め、覇権争いの様相を呈しています。争いが長期化するのは必至です。長期の覇権争いに入った米中二国間で我が国はどういう立ち居振る舞いをするのがよいのか、御認識を伺います。  安倍総理は、近時、金正恩委員長と条件を付けずに向き合うとの考えを再三表明されていますが、一向に事態進展は見られません。  北朝鮮は五月から十一回にわたり新型のミサイルを発射し、二日朝発射のミサイルは島根県沖のEEZ内に着水、潜水艦発射弾道ミサイル、SLBMとの推定です。これは日本にとって深刻な脅威です。どう対処されますか。  五日の米朝実務者協議は不調に終わりました。七日にはEEZ内で北朝鮮の漁船と衝突事故が発生しました。このような中で、今後の北朝鮮との交渉をどのように進めるお考えですか。お伺いします。  さて、最後に、日本維新の会は、今後我が国にいかなる困難な事態が内外に出現しようとも、新しい令和の御代にふさわしい維新改革を成し遂げるため、全力で邁進していくことをお約束して、私の代表質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手)    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
  8. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 片山虎之助議員にお答えをいたします。  参院選の結果についてお尋ねがありました。  提案型野党として日頃から努力を重ねておられる片山代表を始め日本維新の会の皆さんに心から敬意を表します。  ただ批判だけに終始するのではなく、具体的な政策を有権者に訴え、選挙が終われば実行に移すために努力する、これが政党としての有権者への責任であると考えます。  さきの参院選では、我が党も、教育の無償化、全世代型社会保障改革、さらには憲法改正など、具体的な政策を訴えました。そして、連立与党で改選議席の過半数を大きく上回る議席をいただくことができました。  今後、安定した政治基盤の上にお約束を一つ一つ実行してまいります。この国会の場を通じて、日本維新の会の皆さんと切磋琢磨しながら、国民への負託に全力で応えていく決意です。  憲法改正についてお尋ねがありました。  日本維新の会が憲法改正について具体的な考え方を示し、各論に踏み込んで真摯に議論されていることに、まずもって敬意を表したいと思います。  憲法審査会の運営については、国会でお決めいただくことであり、内閣総理大臣としてお答えすることは差し控えさせていただきます。  その上で、お尋ねですのであえて申し上げれば、憲法改正は国会が発議し、最終的に主権者である国民の皆様が国民投票で決めるものです。それゆえ、御指摘のとおり、憲法審査会において憲法改正についての議論を重ね、国民の皆様の理解を深めていくことが私たち国会議員の果たすべき重要な役割ではないかと考えております。  自民党は、既に憲法改正のたたき台を提示しています。立憲民主党を始め野党各党においても、それぞれの案を持ち寄っていただき、憲法審査会の場で国民の期待に応える活発な議論を行っていただきたいと思います。  消費税の逆進性対策についてお尋ねがありました。  給付付き税額控除は、軽減税率制度とともに、消費税率引上げに伴う低所得者への配慮の観点から検討課題の一つとされていましたが、消費税の逆進性の緩和を図りつつ、消費者が日々の生活の中で痛税感の緩和を実感できることが特に重要であるとの判断により、軽減税率制度を導入することといたしました。  給付付き税額控除は、所得把握の問題、過誤、不正受給の問題があることから、消費税率引上げに伴う低所得者対策として実施することは考えておりません。  消費税率の見直し及び軽減税率制度の停止についてお尋ねがありました。  今回の消費税率引上げに当たっては、教育の無償化、軽減税率に加え、思い切ったポイント還元、プレミアム付き商品券、自動車や住宅に対する大胆な減税など、十二分な対策を講じます。  今後とも、引上げによる経済への影響には十分目配りするとともに、軽減税率制度も含め、これらの制度が十分に理解され円滑に実施されるよう、その周知、利用促進に政府一丸となって対応してまいります。  今後の消費税率等についてお尋ねがありました。  人口減少、少子高齢化が進む中、全世代型社会保障制度の構築に向けてしっかりと議論してまいります。将来の給付と負担の在り方については、こうした議論の中で、国民の安心を支える社会保障制度を次世代に引き渡す観点から、そのバランスを見据え、判断していくべき課題だと考えます。  その上で申し上げれば、私の任期以降について責任を持つことはできませんが、昨年度の税収がバブル期を超え過去最高水準となる中で、安定的な経済再生と財政健全化に一体的に取り組むことにより、例えば、今後十年程度は消費税率を引き上げる必要はないのではないかというのが私の考えです。  台風十五号への対応についてお尋ねがありました。  政府においては、台風十五号による停電の解消に時間を要している状況等を踏まえ、関係省庁災害対策会議を合計十五回開催し、関係閣僚懇談会でも議論するなど、関係省庁が緊密に連携して切れ目のない対応に当たってきたところです。  そうした中で、内閣府や経済産業省等の連絡員や専門的な知識を有する者を順次千葉県庁や各市町村に派遣し、被災地のニーズを踏まえた様々な支援策を講じてきたほか、政府の過去の災害経験を踏まえて被災自治体の初動体制の確立に向けた助言等も行ってまいりました。  このように、今回の台風への初動対応については迅速、適切に行われてきたものと認識しておりますが、今回の台風においては、長期間にわたる停電及びその復旧プロセスなどの様々な課題が認められました。それらの課題を検証、検討するため、先般、官房副長官をトップとする検証チームを立ち上げました。  今後、このチームの下に設置した実務者検討会において、メンバーである防災分野等の有識者五名の御意見もいただきながら、伺いながら、長期停電の原因、その復旧プロセス及び鉄塔等送電網のハード対策、通信障害に関する関係者間の情報共有、復旧プロセス、国、地方自治体の初動対応、災害対応に不慣れな自治体への支援等について徹底的かつ客観的に検討、検証してまいります。  避難に関する情報の発信についてお尋ねがありました。  昨年の西日本豪雨を踏まえ、住民が避難行動を容易に取れるよう、様々な機関が発信する防災情報を災害の切迫度に応じて五段階に整理し、分かりやすく提供することとしたところであります。  御指摘のとおり、警戒レベル四の中に住民の方々への行動を促す情報として避難指示と避難勧告が分類されておりますが、避難勧告の段階でより切迫性が高い避難指示の発令を待たずに避難していただくことが安全上求められることから、全員避難を前提とする警戒レベル四の中に両者を含め、避難を強く促すこととしたものです。  政府としては、五段階の警戒レベルに関する住民の方々の理解を促進するとともに、災害に備えての避難訓練の充実等に努めてまいります。  応急仮設住宅の供与についてお尋ねがありました。  応急仮設住宅は、災害により居住する住家がなくなった被災者に対し一時的な住まいを確保するために提供されるものであり、原則として二年間の供与が可能とされています。  御指摘の西日本豪雨や北海道胆振東部地震の被災者で応急仮設住宅にお住まいの皆様の御意見について、まずは自治体を通じてしっかりと把握してまいります。  また、岡山県倉敷市の被災者の方の応急仮設住宅の住み替えについては、まず地元の自治体と協議をしていただいた上で、自治体から国に個別に協議していただくことになると認識しております。  鉄道の計画運休や災害時の訪日外国人等への情報提供についてお尋ねがありました。  先般、計画運休実施時には、一部で利用者集中による混乱が発生しました。現在、国土交通省において鉄道事業者による情報提供の在り方や企業等の対応について検証を行っているところであり、テレワークや時差出勤等による輸送需要の抑制も含め、より適切な形で計画運休及び運転再開が行われるよう取り組んでまいります。  また、災害等の非常時においては、外国人観光客に対しても正確な情報発信を行うことが重要です。政府としては、来年のオリンピック・パラリンピックも見据え、災害情報の外国語による提供など、外国人観光客の安全、安心の確保に全力で取り組んでまいります。  人への投資についてお尋ねがありました。  安倍政権では、我が国が力強い成長を続けていくため、一人一人の人材の質を高める人づくり革命として、真に必要な子供たちへの高等教育の無償化、時代のニーズ等に合った教育機関へと変革するための大学改革、人生百年時代における学び直しの重要性に鑑みたリカレント教育の充実などに取り組んでまいります。  こうした取組に加え、AIやビッグデータといった第四次産業革命のスキルを活用できる人材の育成、長時間労働の是正や同一労働同一賃金の実現といった働き方改革、企業の生産性向上に向けた支援等による付加価値の高い雇用の拡大等を推進するとともに、成長と分配の好循環を更に推し進め、六年連続で今世紀に入って最も高い水準に当たる賃上げの流れを一層力強いものとしてまいります。  これらの取組を通じ、国内労働者の賃金上昇を促進し、誰もがその能力を存分に発揮できる一億総活躍社会の実現に取り組んでまいります。  年齢等にかかわらず働き続けることができる社会についてお尋ねがありました。  人生百年時代においては、年齢にかかわらず能力や成果に応じてキャリアアップできる多様なルートを構築していくことが重要です。このため、リカレント教育の充実を図ることに加え、企業の採用、報酬制度の見直しを促すとともに、中途採用比率の情報公表を求めるなどの対応により、中途採用に関する環境整備に取り組んでまいります。  また、高齢化の進展により、介護をしながら働く方の増加が見込まれ、仕事と介護を両立できる職場環境の整備が一層重要となります。育児・介護休業法では、就業場所の変更を伴う配置の転換に当たり労働者の介護の状況等に配慮するよう求めており、こうした仕事と介護の両立に配慮した職場が増えていくよう、育児・介護休業法の周知や助成金による支援を引き続き進めてまいります。  なお、解雇無効時の金銭救済制度について、金銭を支払えば自由に解雇できるとの事前型の制度を導入しないことを前提に、労働者の保護等の観点から検討を進めています。  待機児童対策の権限と財源の地方への移譲についてお尋ねがありました。  待機児童の解消に向けた保育の受皿の整備については、その必要量の把握から計画の策定、実施等に至るまで、市町村が主体的な役割を担っております。保育の質の確保、向上も重要な課題であり、最低限遵守すべき基準を設けておりますが、地域の実情を踏まえた柔軟な取扱いにも努めてまいります。待機児童の解消は待ったなしの課題であることから、国としても市町村をきめ細かく支援し、全力で取り組んでまいります。  年金制度改革についてお尋ねがありました。  御指摘の年金制度の積立方式への切替えについて、若い世代を含む全世代が自分の積立てに加えて現在の高齢者の給付を賄うこととなるいわゆる二重負担の問題があり、これを克服するには難しい課題があると考えています。  また、年金の受給開始時期については、長期化する高齢期の経済基盤の充実を図るため、より柔軟な受給方法を選択できるよう、七十歳以降も選択可能にすることを検討しております。  なお、こうした受給開始時期の選択肢の拡大を検討する一方で、年金の支給開始年齢の引上げは考えておりません。  関西電力の問題、他の電力会社の調査、脱原発依存についてお尋ねがありました。  電気事業者たるものは、原子力に関わるものか否かにかかわらず、その事業全体について、電気料金を支払う利用者の皆さんから不信を持たれることのないよう、常に適正な事業運営に努めるべきは当然であります。  そうした観点から、今回の問題について、電気事業法に基づき、所管する経済産業省から関西電力に対して、事実関係や他の類似事案の有無などの報告徴収命令を既に出しています。これを受けて、関西電力は独立した第三者委員会の下で調査を行うこととしたものと承知しております。  まずは、第三者の目を入れて徹底的に全容を解明することが不可欠であり、その上で、経営問題も含め、再発防止等の措置を講ずることで利用者の皆さんの信頼回復に努めることが必要であると考えています。  さらに、今般の事案の発生を受け、経済産業省から関西電力以外の電力会社に対してもコンプライアンスの遵守を徹底するよう指示したところであり、これを受けて各電力会社による調査が行われたと承知しています。  いずれにせよ、徹底した省エネ、再エネの最大限の導入を図り、原発依存度を可能な限り低減するという政府の方針に変わりはありません。  日本郵政グループについてお尋ねがありました。  かんぽ生命をめぐる一連の問題については、現在、総務省及び金融庁において実態解明に向けて立入検査等を実施しているものと承知しています。  なお、日本郵政グループとNHKとの間の個別のやり取りについてコメントすることは差し控えます。  日米貿易協定についてお尋ねがありました。  工業品については、本協定により、我が国の幅広い品目について米国の関税削減、撤廃が実現します。自動車及び自動車部品についても、更なる交渉による関税撤廃を明記しているほか、二三二条に基づく追加関税は課されないことを直接トランプ大統領から確認しました。  このような交渉結果については、我が国の自動車工業会から、自動車分野における日米間の自由で公正な貿易環境が維持強化されるものであるとの評価が既に発表されております。まさに、国益にかなう結果を得ることができたと考えています。  その上で、今回の協定では、デジタル貿易ルール以外の投資、サービス、ルール等は含まれていません。こうした中で、TPP11協定のハイスタンダードでバランスの取れた二十一世紀型の新たな共通ルールを世界に広めていくことは、地域の安定と繁栄に大きな意義があります。こうした観点から、我が国としては、米国を含めて、できるだけ多くの国・地域がTPPに参加することが最善であると考えています。  日韓関係についてお尋ねがありました。  韓国は重要な隣国であり、北朝鮮問題を始め日韓、日米韓の連携が重要であります。  日韓関係の根本を成す日韓請求権協定の違反状態を放置するなど、信頼関係を損なう行為を続ける韓国に対し、まずは国際法に基づき、国と国との約束を遵守することにより、日韓関係を健全な関係に戻していくきっかけをつくることを求めます。  対中外交及び米中関係についてお尋ねがありました。  尖閣諸島周辺海域を含む東シナ海における一方的な現状変更の試みについては、引き続き冷静かつ毅然と対応してまいります。私自身、首脳会談において、東シナ海の安定なくして日中関係の真の改善はないとの認識に基づき、日本側の強い懸念を伝えてきています。  一帯一路については、インフラの開放性、透明性、経済性、債務の持続可能性といった国際社会共通の考え方を十分に取り入れた形で実施されることで、地域と世界の平和と繁栄に前向きに貢献していくことを期待しています。  米中間で安定的な経済関係が構築されることは、日本のみならず、世界全体の持続的な経済成長に不可欠です。貿易制限措置の応酬はどの国の利益にもなりません。我が国は、いかなる貿易上の措置もWTO協定と整合的であるべきと考えています。こうした日本の基本的な立場については、これまでもトランプ大統領や習近平主席を始め米国及び中国の双方に対して、私自身を含め様々なレベルで伝えてきています。  北朝鮮問題についてお尋ねがありました。  弾道ミサイル発射が安保理決議違反であることは明白であり、こうした立場については、例えば先般のG7の際に行った日米首脳会談で、冒頭、私から北朝鮮の短距離弾道ミサイルの発射は安保理決議違反であり極めて遺憾である旨述べ、トランプ大統領から完全に理解する旨の発言があるなど、累次の機会に確認してきたところであります。引き続き、米国と緊密に連携し、安保理決議の完全な履行に努めてまいります。  同時に、我が国としても、弾道ミサイルの発射を始めとする北朝鮮の軍事動向について、引き続き米国等と緊密に連携しながら、必要な情報の収集、分析及び警戒監視に全力を挙げるとともに、ミサイル防衛能力の強化を着実に進めてまいります。  日本海大和堆周辺の我が国排他的経済水域における北朝鮮漁船による操業は極めて問題であり、政府としては、引き続き、我が国排他的経済水域内での外国漁船による違法操業の防止のため、毅然として対応してまいります。  拉致問題の解決に向けては、我が国自身が主体的に取り組むことが重要であり、私自身、条件を付けずに金正恩委員長と直接向き合う決意です。御家族も御高齢となる中、一日も早い解決に向け、引き続き、米国等と緊密に連携しながら、冷静な分析の上にあらゆるチャンスを逃すことなく果断に行動してまいります。  いずれにせよ、今後とも、我が国として、日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して国交正常化を目指してまいります。(拍手)
  9. 山東昭子

    ○議長(山東昭子君) これにて午後一時まで休憩いたします。    午前十一時三十四分休憩      ─────・─────    午後一時一分開議
  10. 小川敏夫

    ○副議長(小川敏夫君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  国務大臣の演説に対する質疑を続けます。小池晃君。    〔小池晃君登壇、拍手〕
  11. 小池晃

    ○小池晃君 日本共産党の小池晃です。  会派を代表して、安倍総理大臣に質問します。  総理は、参議院選挙後、憲法の議論を行うべきだというのが民意だ、これが国民の審判だと述べましたが、改憲勢力の議席が発議に必要な三分の二を割り込んだのが今回の選挙結果です。期限ありきの早急な改憲には賛成できない、これが民意にほかなりません。  日本共産党は、野党統一候補として勝利をした十名の議員の皆さんを心から歓迎します。参院選を共に戦った市民と野党の皆さんと力を合わせ、立憲主義と平和主義を破壊する改憲を断念させるため、全力を挙げる決意を表明するものであります。  原発再稼働を推進する関西電力の役員に多額の金品が渡されていました。国民が支払った電気料金、原発マネーの還流にほかなりません。全容解明は国政の最優先課題です。  しかし、菅原経済産業大臣は、口では言語道断などと言いながら、関西電力に説明を求めただけで、会長や社長を呼んで問いただすこともしていません。総理も、関電による第三者委員会の調査結果を待つとの立場を述べるだけです。しかし、金品を受け取った当事者たちがつくる第三者委員会は、第三者になり得ません。総理は、こんな調査で国民が納得すると思いますか。  関電の社長や会長は、多額の金品を一時保管していたとか関係悪化を恐れて返せなかったなどと言いますが、誰がこんな言い逃れを信じるでしょうか。原発事故が起きても責任を取らず、原発マネーを受け取っても言い逃れを図る。こんな電力会社に住民を危険にさらす原発の再稼働など認めるわけにはいかないではありませんか。  関西電力の関係者などを国会に招致し、真相の徹底解明のための国会の責任を果たすことを強く求めます。  安倍政権が、国会での審議も拒否して消費税増税を強行したことに強く抗議します。十七年間五%だった消費税が安倍政権の六年間で一〇%に引き上げられました。デフレ脱却を掲げながら合計十三兆円もの増税を強行するのは、支離滅裂な政策ではありませんか。  内閣府が発表した八月の景気動向指数は、景気判断を再び悪化に下方修正しました。日銀短観では、大企業製造業の今後の景況感を示す指数も三期連続で悪化しました。今回の消費増税が国民の暮らしと景気に破壊的な打撃になることは、火を見るよりも明らかではありませんか。  総理は、増税の影響を注視し、万全の対応を取ると述べました。しかし、これまで増税分は全て国民にお返しするとしてきた上、更に追加対策が必要となるならば、増税は大失敗だったということになるのではありませんか。  消費税を八%に増税して五年半、家計消費は回復どころか、増税前に比べて実質で年二十万円も落ち込んでいます。働く人の実質賃金も八か月連続、年十五万円も下がりました。八%増税が深刻な消費不況を引き起こしたのですから、景気回復のための万全の対応を取るというなら五%に減税するべきではありませんか。  私たちは、最悪の不公平税制である消費税は廃止すべきだと考えます。同時に、政府が一〇%増税を強行した下で、野党が減税に向けた共闘を発展させることを心から呼びかけます。日々の暮らしに苦しむ国民に、消費税を五%に戻そうというメッセージを送ろうではありませんか。  消費税が日本に導入されて三十一年。この間の消費税収は三百九十七兆円の一方、法人三税の税収はピーク時に比べて二百九十八兆円減り、所得税、住民税の税収も二百七十五兆円減りました。消費税は、社会保障のためでもなければ財政再建のためでもなく、大企業と富裕層の減税の穴埋めに使われたことは明らかであります。消費税減税と暮らし応援の政策を実行するためには、税財政の改革が必要です。  法人税を改革すべきです。  中小企業の実際の法人税負担率は一八%の一方、大企業は一〇%。研究開発減税など、専ら大企業だけが利用できる優遇税制があるためです。こうした不公平を見直し、四百兆円を超える内部留保を積み上げている大企業に応分の負担を求めるべきではありませんか。  所得税も改革すべきです。  年間所得が一億円を超えると所得税の負担率が低下していくという逆転現象をなぜ放置するのですか。OECDも主張するように、富裕層の株取引の二〇%の税率を更に引き上げ、公平な負担を求めるべきではありませんか。  日本医師会の横倉義武会長は、先日、社会保障の財源について、消費税の一本足打法ではなく、新たな税財源についても併せて検討すべきだと述べました。財源は何でも消費税、から抜け出すときではないですか。総理の見解を求めます。  消費税増税で大学を無償化するなどと言いますが、実態はどうか。  安倍政権が導入する低所得世帯の高等教育修学支援制度と引換えに、現在、国立大学が行っている授業料免除制度が廃止されようとしています。文部科学省の調査によれば、授業料免除や減額の対象になっている学生の半数以上に当たる二万四千人が、逆に支援を受けられなくなるか、支援額が減少します。現行免除制度は中所得世帯も対象ですが、新制度は住民税非課税世帯とそれに準ずる世帯に限定されるからです。  しかも、今年度から国立大学の学費値上げが相次いでいます。今年度は東京工業大学、東京芸術大学が二〇%の値上げ、来年度は一橋大学や千葉大学が二〇%の値上げです。  安倍政権は、学費の大幅値上げを容認した上、新たな支援制度の対象は学生の一割程度にすぎません。差引き二万四千人の学生への支援が削減されるんです。一体どこが大学無償化ですか。支援を打ち切られる学生に総理はどう説明するのですか。  消費税は社会保障のためと言いながら、大幅な負担増と給付削減も計画されています。  介護保険の利用料原則二割へ、そして七十五歳以上の医療費窓口負担も二割に引き上げようとしています。しかし、七十五歳以上になれば病気も増えますから、受診率は外来で七十四歳以下の二・三倍、入院は六・二倍です。政府は世代間の公平と言いますが、窓口負担を引き上げれば逆に不公平になり、健康を悪化させてしまいます。しかも、七十五歳以上で現役並み所得の方は既に三割負担ですから、今度は中低所得者を狙い撃ちすることになります。  消費増税の上に医療費の負担を増やすような非道なことは撤回すべきではありませんか。  基礎年金をこれから自動的に七兆円も削るマクロ経済スライドをこのまま続けることも許されないのではありませんか。  マクロ経済スライドは、当初の想定では二〇二三年頃にはスライド調整が終わるとされていました。しかし、公的年金の一階部分である基礎年金のスライド調整期間が想定を超えて長引き、二〇四六年以降まで続きます。その結果、低年金ほど削減の割合が大きくなることを総理は認めますか。  老後の基礎的な生活を保障する基礎年金は、今でも満額で月六万五千円であり、これだけではとても暮らせないと悲鳴が上がっているのに、三割も目減りさせてしまっていいのか。知恵を出し合って、安心できる年金制度をつくるのが政治の責任ではありませんか。  私たちは、具体的に提案しています。  例えば、年収一千万円での年金保険料の頭打ちを見直して、高額所得者優遇を正すこと、二百兆円もの巨額の年金積立金をこれから五十年も増やし続けることをやめて、計画的に取り崩して給付に充てることであります。  元厚生労働大臣の田村憲久氏は、これから年金が三割も目減りしてしまう、そこをどうするのかと述べ、厚生年金と国民年金の財政を統合し、国民年金の目減りを止めると提案しています。こうしたことも検討すべきではありませんか。  そして、今上げるべきは、消費税ではなく最低賃金です。  全国知事会は、昨年、地域間格差拡大につながるランク制度を廃止し、全国一律の最低賃金制度を実現と決議し、二年連続で今年も政府に申し入れました。  地方の切実な声に応えるべきです。地域経済を活性化し、一極集中にも歯止めを掛ける、これこそが本当の成長戦略ではありませんか。  最低賃金の抜本的な引上げのために、中小企業支援がどうしても必要です。  しかし、安倍政権の下で中小企業予算全体は削減され、賃上げのための業務改善助成金は、ここ三年間の予算四十八億円に対して執行額十五億円で、三割しか使われておりません。  なぜ使われていないのか。中小企業は七割が赤字ですから、税や設備投資への助成では効果的な賃上げ支援にはなりません。支援策として中小企業団体からの要望が強いのは、社会保険料の事業主負担の軽減です。赤字企業でも必ず恩恵があるからです。  フランスでは、最低賃金引上げのために社会保険料の事業主負担を軽減しています。こうした海外での取組にも学び、最賃引上げの有効な支援策として中小企業の社会保険料への公費補填を検討すべきではありませんか。  日米貿易交渉は、トランプ大統領の要求に日本側が一方的に譲歩するものとなりました。  アメリカからの牛肉、豚肉などの関税は大幅に引き下げる一方、日本からの自動車や部品の関税削減は先送り。一体どこが日米ウイン・ウインなんですか。トランプ大統領の一方的なウインではありませんか。  総理は首脳会談後の記者会見で、全ての日本国民にとって利益をもたらすと述べました。その根拠は何ですか。  日本農業新聞が農業関係者に実施した調査では、日米貿易交渉について、米国に有利な結果になったと見る人が六六%に対し、日本に有利な結果になったと答えた人は一%にすぎません。一体どこが全ての日本国民に利益をもたらす協定なのですか。  政府は、日米貿易協定による日本農業への影響を試算したのですか。試算も示さず、どうして全ての国民の利益などと言えるのですか。影響試算は国会審議前に当然示すべきではありませんか。  これまで総理は、日米自由貿易協定、FTAの交渉は行わないと説明していたのに、日米共同声明ではFTA交渉の開始で合意をしました。極めて重大な約束違反ではありませんか。  以上、お答えください。  農業主権、経済主権を破壊する日米貿易協定の国会承認は断じて認められません。日米FTA交渉も中止を強く求めるものであります。  沖縄県民は、繰り返し、選挙で圧倒的な新基地建設ノーの審判を下してきました。しかし、安倍政権は一顧だにせず、辺野古の埋立てを強行しています。  今年の沖縄全戦没者追悼式で、玉城デニー知事は、民主主義の正当な手続を経て導き出した民意を尊重せず、なおかつ地方自治をもないがしろにするものと語りました。当然の批判です。総理は、これでも県民の負担を軽減するとか沖縄の心に寄り添うなどと平気で言えるのですか。  政府は、普天間の危険性除去を口実に新基地建設を強行していますが、二月の本会議で私が指摘したように、普天間基地は、一九四五年四月、米軍が住民を強制収容している間に民有地を囲い込んで造ったものです。これは、どんな弁明も通用しない国際法違反の行為にほかなりません。総理も本会議で、国際法に照らして様々な議論があることは承知していると、否定できませんでした。  改めてお聞きします。  国際法に違反して建設された普天間基地は無条件返還を求めるのが当然であり、安倍政権は、辺野古新基地建設を直ちに中止し、普天間基地の閉鎖、撤去のためにトランプ政権と正面から交渉をするべきではありませんか。  総理は所信表明演説で、新しい時代に求められるのは多様性と述べました。ならば、お尋ねしたい。  参院選の党首討論会で、選択的夫婦別姓制度について、賛成に手を挙げなかった党首は総理ただ一人でした。  法制審議会が選択的夫婦別姓の答申を出してから二十三年が経過しています。この間、国連の女性差別撤廃委員会が再三にわたって勧告をしています。法律で夫婦同姓を強制しているのは、世界の中で日本だけであります。  所信表明で、金子みすゞさんの「みんなちがって、みんないい。」を引用しながら、昨日、総理は、様々な意見があると選択的夫婦別姓を否定しました。矛盾していませんか。様々な意見があるからこそ、夫婦別姓を選択できるようにするべきなのではないでしょうか。  最後に、歴史認識について聞きます。  一九九八年、当時の小渕恵三首相と金大中大統領の下で結ばれた日韓パートナーシップ宣言では、小渕首相が、韓国国民に対し植民地支配により多大の損害と苦痛を与えたという歴史的事実を謙虚に受け止め、これに対し、痛切な反省と心からのおわびを述べました。  総理は、この立場を今日も引き継ぐのですか。  総理は所信表明演説で、日本が一九一九年のパリ講和会議で人種平等提案を行ったことを挙げ、世界中に欧米の植民地が広がっていた当時、日本の提案は各国の強い反対にさらされたなどと、日本があたかも植民地主義に反対していたかのように述べました。  しかし、一九一九年とは一体どういう年だったか。日本が不法、不当な韓国併合で植民地化した韓国で三・一独立運動が始まり、当時、我が国はこれを武力で徹底的に弾圧したのであります。日本が植民地主義に反対していたかのように描くのは、歴史を一方的にゆがめるものではありませんか。このような主張が、総理が重要な隣国だという韓国の政府や国民に理解されるとお考えか、しかとお答えいただきたい。  安倍政権が、村山談話や日韓パートナーシップ宣言などにも明記された植民地支配への反省という、歴代自民党政権の取ってきた立場も投げ捨てる態度を取り続けていることが今日の日韓関係悪化の根底にあります。過去の植民地支配への真摯な反省を土台にしてこそ、日韓両国間の諸懸案の解決の道が開かれるのではないでしょうか。  そのことを政府に強く強く求めて、私の質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手)    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
  12. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 小池晃議員にお答えをいたします。  関西電力の問題、原発の再稼働についてお尋ねがありました。  原発の再稼働については、高い独立性を有する原子力規制委員会が科学的、技術的に審査し、世界で最も厳しいレベルの新規制基準に適合すると認めた原発のみ、その判断を尊重し、地元の理解を得ながら再稼働を進めるというのが政府の一貫した方針であります。  その上で、電気事業者たるものは、原子力に関わるものか否かをかかわらず、その事業全体について、電気料金を支払う利用者の皆さんから不信を持たれることのないよう、常に適正な事業運営に努めるべきは当然であります。  そうした観点から、今回の問題について、電気事業法に基づき、所管する経済産業省から関西電力に対して、事実関係や他の類似事案の有無などの報告徴収命令を既に出しており、これを受けて、関西電力は独立した第三者委員会の下で調査を行うこととしたものと承知しております。  まずは、第三者の目を入れて徹底的に全容を解明することが不可欠であり、その上で、経営問題も含め、再発防止等の措置を講ずることで利用者の皆さんの信頼回復に努めることが必要であると考えています。  消費税率の引上げ等についてお尋ねがありました。  安倍政権では、経済再生なくして財政健全化なしとの基本方針の下、デフレではない状況をつくり出す中で、今年度予算における国の税収は過去最高となりました。  今般の消費税率の引上げは、少子高齢化という国難に正面から取り組むに当たり、お年寄りも若者も安心できる全世代型社会保障制度へと大きく転換していく安定財源を確保するためのものであり、御提案のような減税は全く考えておりません。  その上で、今回の引上げに当たっては、教育の無償化や軽減税率に加え、思い切ったポイント還元、プレミアム付き商品券、自動車や住宅に対する大胆な減税など、十二分な対策を実施することとしています。これらの制度を円滑に実施し、政府一丸となって対応することで、経済の大宗を占める国内消費をしっかりと下支えしてまいります。  こうした需要変動対策を行った上で、さらに、米中間の貿易摩擦、英国のEUからの離脱など、不透明さを増す世界経済の先行きをしっかりと注視し、下振れリスクが顕在化する場合には、ちゅうちょすることなく機動的かつ万全の対策を講じ、経済の成長軌道を確かなものとしてまいります。  法人課税や富裕層への個人所得課税の強化と社会保障財源等についてお尋ねがありました。  企業に対する税制については、国際競争力への影響を踏まえ、慎重に検討する必要があります。安倍政権では、租税特別措置の縮減、廃止等により課税ベースを拡大しつつ法人税率を引き下げるなど、成長志向の法人税改革に取り組んできました。また、これまで、所得再分配機能の回復を図るため、所得税の最高税率の引上げや金融所得課税の見直しにより税率を一〇%から二〇%に倍増するなどの施策を既に講じてきたところです。  その上で、消費税については、国民が広く受益する社会保障の費用をあらゆる世代が広く公平に分かち合うという観点で、社会保障の財源と位置付けています。少子高齢化に正面から取り組むに当たり、全世代型社会保障制度へと転換するために、消費税率を一〇%に引き上げたところであります。  いずれにせよ、公平、中立、簡素の三原則を踏まえつつ、今後の税制の在り方については不断の検討を行ってまいります。  高等教育の修学支援制度と国立大学授業料との関係についてお尋ねがありました。  高等教育の修学支援新制度は、経済状況が困難な家庭の子供ほど大学等への進学率が低い状況にあることなどを踏まえ、真に支援が必要な子供たちの高等教育への進学を後押しするものです。  一方、国立大学では、現在、各大学が独自の基準に基づき授業料免除を行っており、現に支援を受けている学生のうち、比較的所得の高い世帯に属する方については、新制度導入により対象外になったり支援額が減少したりする場合もあり得ますが、こうした学生に……(発言する者あり)ここからが重要でございますから、よく聞いていただきます。こうした学生に対し、継続的な学びを支援する観点からいかなる対応が可能か、来年の制度施行に間に合うよう早急に検討してまいります。  また、大学の授業料は、学生の充実した教育研究環境を整える観点から、各大学が適切に定めるべきものと認識しています。その際、授業料の値上げによって真に支援が必要な学生が学ぶ機会を逸することがないよう配慮することが重要と考えております。  高齢者の医療の窓口負担についてお尋ねがありました。  今後、年金、医療、介護、労働など、社会保障全般にわたって人生百年時代を見据えた改革を進める中で、後期高齢者医療制度における給付と負担の在り方についても適切に検討してまいります。  安心できる年金制度の構築についてお尋ねがありました。  国民の老後所得の中心となる公的年金制度については、将来世代の負担を過重にしないため、保険料水準を固定した上で、長期的な給付と負担の均衡を図るマクロ経済スライドにより一定の給付水準を確保することを前提に持続可能性を確保しています。  先般公表した財政検証の結果によれば、マクロ経済スライドの調整期間は若干長期化したものの、調整が終了した後の所得代替率は前回よりも悪化するのではないかとの一部の臆測に反し、代表的なケースでは、前回検証時の五〇・六%に対し五〇・八%と改善しています。また、基礎年金は、物価上昇分を割り戻した実質価格で見て、おおむね横ばいとなっています。  国民年金のみに加入されている方についても、まずは経済を強くすることで年金の財政基盤を確かなものとし、さらに、厚生年金の適用拡大など、老後の安心を支える不断の制度改革を推し進めることで生活の安定を図ってまいります。  最低賃金引上げに向けた中小企業支援についてお尋ねがありました。  最低賃金は、労働者の賃金、生計費、企業の支払能力の地域差等の実情を考慮し、地域ごとに定めているものです。安倍政権では、政権発足以降の七年間で、全国加重平均で百五十二円の引上げを行っております。今年度は二十七円の引上げで、昭和五十三年度に目安制度が始まって以降最大の上げ幅となっています。また、地域ごとの最高額に対する最低額の金額差も十六年ぶりに改善し、地域間格差も縮小しております。  最低賃金引上げに当たっては、中小企業・小規模事業者が賃上げしやすい環境整備を進めることが重要であり、生産性向上に向けた設備投資等に対する助成、賃上げに積極的な企業への税制支援、下請企業の取引条件の改善などに政府一丸となって取り組んでいるところです。  また、御指摘の業務改善助成金についても、申請件数は近年増加傾向にあり、引き続き利用促進に取り組んでまいります。  なお、賃金の持続的引上げを可能とするためには生産性の向上が不可欠でありますが、御提案のように社会保険料等の人件費を単に公費で穴埋めするだけでは、こうした生産性の向上につながらないという点にも留意が必要です。  日米の貿易協定についてお尋ねがありました。  今回の協定により、我が国の幅広い工業品について、米国の関税削減、撤廃が実現します。  また、日本の自動車、自動車部品に対し、二三二条に基づく追加関税は課されないことを直接トランプ大統領から確認しました。これについては、既に我が国の自動車工業会から、自動車分野における日米間の自由で公正な貿易環境が維持強化されるものであるとの評価が既に発表されており、今回の協定は勤労者に利益をもたらすものであります。  農林水産物については、過去の経済連携協定で約束したものが最大限であるとした昨年九月の共同声明に沿った結論が得られました。とりわけ、我が国にとって大切な米について、関税削減の対象から完全に除外いたしました。さらには、米国への牛肉輸出に係る低関税枠が大きく拡大するなど新しいチャンスも生まれています。  これについては、JA全中からも、中家会長の談話として、合意内容は昨年九月の日米共同声明の内容を踏まえた結論と受け止め、特に米については米国への関税割当て枠の設置が見送られることとなり、生産現場は安心できるものと考えているとの評価が発表されており、今回の協定は生産者にも利益をもたらすものです。  さらに、関税が引き下げられ価格が安くなることは消費者にとっても大きな利益であり、今回の日米貿易協定は、私が先般申し上げたとおり、消費者あるいは生産者、勤労者、全ての国民に利益をもたらす合意であると考えております。  経済効果分析については、既に作業に着手したところであり、できるだけ早く情報提供をさせていただきます。  今後について、今回の共同声明では、どのような分野を交渉するのか、その対象をまず協議することとしており、FTAのような協定を結ぶかも含め、今後について予断を持って申し上げることは差し控えます。  なお、過去の協議に際して、私がFTA交渉でもFTAの予備協議でもないと申し上げてきた最大の理由は、国内の農林漁業者の皆さんにTPP以上の関税引下げが行われるのではないかとの懸念があったためであります。しかしながら、今回の協定では、農林水産品について、先ほど申し上げたとおり、まさに国益にかなう結論が得られたと考えており、我が国の本である農業は必ずや守り抜いてまいります。  普天間飛行場の辺野古移設についてお尋ねがありました。  沖縄における米軍施設・区域の形成過程については、普天間飛行場を含め、国際法に照らして様々な議論があることは承知しています。いずれにせよ、これらの沖縄の米軍施設・区域は、昭和四十七年の沖縄の本土復帰以降、米国が日米地位協定の下で我が国から適法に提供を受け使用しているものであり、このことについては国際法上も何ら問題はありません。  他方、沖縄に米軍基地が集中する現状は到底是認できません。沖縄の負担軽減は、政府の大きな責任です。  その中で、住宅や学校で囲まれ、世界で最も危険と言われる普天間飛行場が固定化され、危険なまま置き去りにされることは、絶対に避けなければなりません。これは、地元の皆様との共通認識であると思います。  これからも、地元の皆様と対話を積み重ね、御理解を得る努力を続けながら、普天間飛行場の一日も早い全面返還の実現に向けて全力で取り組んでまいります。  選択的夫婦別氏制度についてお尋ねがありました。  夫婦の別氏の問題については、家族の在り方に深く関わる事柄であり、国民の大方の理解を得て行うべきものと考えていますが、平成二十九年の世論調査の結果でも国民の意見が大きく分かれている状況です。引き続き、国民各層の様々な意見を幅広く聞きながら、慎重に対応を検討してまいります。  歴史認識についてお尋ねがありました。  安倍内閣としては、日韓パートナーシップ宣言を含め、歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでおり、今後も引き継いでいく考えであります。  安倍内閣の歴史認識については、戦後七十周年の機会に発表した内閣総理大臣談話にあるとおりです。その上で、累次申し上げてきたように、歴史の問題については、政治家は謙虚でなければならず、歴史家や専門家に任せるべきものであると考えています。  日韓関係については、韓国が日韓関係の根本を成す日韓請求権協定の違反状態を放置するなど信頼関係を損なう行為を続けており、韓国に対し、まずは国際法に基づき、国と国との約束を遵守することにより、日韓関係を健全な関係に戻していくきっかけをつくることを求めます。(拍手)     ─────────────
  13. 小川敏夫

    副議長(小川敏夫君) 大塚耕平君。    〔大塚耕平君登壇、拍手〕
  14. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 共同会派、立憲・国民.新緑風会・社民の大塚耕平です。  会派を代表して、総理の所信に対して質問させていただきます。  この夏、千葉県を始め各地で台風等の被害に遭われた皆様に、改めて心よりお見舞い申し上げます。国会としても、復旧復興の促進に資する審議や立法に腐心することが必要である旨を申し上げ、質問に入らせていただきます。  本年八月の台風十号等に伴う九州を中心にした被害、九月の台風十五号による千葉県を中心にした被害を含め、閉会中の自然災害による住宅、事業所、農林水産業、電力設備、地域経済の被害等について政府が把握している情報を総理にお伺いします。  被害の復旧復興状況とともに、今後の復旧復興対策としてどのようなことを検討中であるか、及び国会提出を検討している補正予算及び法案等の内容について、総理に伺います。  倒木や倒れた電柱の撤去について、対応の管轄が縦割りであることが復旧を遅らせ、停電を長引かせた原因の一つです。電力会社、通信会社、自治体等の間で災害時の対応に関する申合せ等が行われていれば、より迅速かつ円滑に撤去や復旧に着手できたと思われます。  和歌山県では、電力会社と通信会社の間でそうした協定が結ばれているそうです。気候変動の影響で台風の規模、強度が増しています。強い台風に頻繁に向き合う和歌山のような県とそうではない千葉のような県では、そうした協定、台風襲来前の対応、復旧への備え等にどのような違いがあるか、政府の認識を伺います。  その上で、今後の対応の強化充実を自治体任せにするのか、政府も支援するのか、基本方針を伺います。  政府は、災害対策を企図して電柱地中化等も進めるようですが、自治体と事業者の負担が重く、進捗の妨げになる可能性があります。国との負担割合の見直しについて、総理の考えをお伺いします。  所信では、景気の現状認識について言及がありませんでした。珍しいケースです。一昨日発表された景気動向指数による景気の基調判断は、四か月ぶりに悪化しました。  内閣府の国民経済計算によると、第二次安倍政権発足後の二〇一三年第一・四半期から二〇一九年第二・四半期までの実質成長率は年平均で一・一%、民主党政権時の二〇〇九年第四・四半期から二〇一二年第四・四半期までは同一・三%です。  厚労省毎勤統計によれば、二〇一二年に一〇四・五であった実質賃金指数は、二〇一五年に一〇〇まで急落し、昨年も一〇〇・八止まり。賃金が相対的に低くなっている結果、物価も低迷。最近のインバウンド増加には、外国人の所得が上がる一方、日本人の所得、とりわけ実質賃金が低迷し、日本が安い国になっていることも影響しています。今こそ、家計第一の経済政策が必要です。  第二次安倍政権下の六年間は、世界的に技術革新が加速度的に進み、中国や新興国が急速に発展し、欧米諸国も含め、新興企業が多数勃興しています。中国では、IT系ユニコーンの企業数が米国並みになり、一日の起業数が一万八千社を超えています。  こうした世界の時流と比べ、第二次安倍政権下の日本は、技術革新への対応、社会への適用、応用、新興企業や新産業の勃興等が立ち遅れ、そのことが実質成長率や実質賃金の低さにも反映されています。  そこで、総理の認識を伺います。実質成長率及び実質賃金の伸びが低い原因は何か。名目ベースではなく、あくまで実質ベースについてお伺いします。  あわせて、さきに公表された年金財政検証において、実質賃金上昇率が過去三十年の平均値よりも高い水準を設定した理由と合理性について伺います。  また、技術革新や産業の構造改革、新興企業の勃興等の面で、世界の時流に遅れぎみの理由は何か。産業政策等の面で、何か不適合なことをしているのではないか等々、その原因について総理の認識を伺います。  金融政策では異常な緩和を続け、世界に類を見ない社会実験をしているかのごとくです。日銀の総資産対名目GDP比は昨年七月に一〇〇を超え、直近でも一〇三と過去最悪を更新し、政権発足時の三・三倍になりました。異常な緩和を六年続けても、消費者物価上昇率は目標の二%に達する気配がありません。政策手段が間違っているのか、あるいは異常な緩和によってインフレになるという理論的裏付けが脆弱なのか。  そこで、伺います。今の政策目標に対して、現在の金融政策の手段及びアプローチが適切であることの根拠について、総理はどのような認識でいるのか、あるいは日銀からのどのような説明を了解しているのか伺います。  また、政府、日銀とも、二%のインフレになれば経済が好循環すると強弁し続けていますが、その理論的裏付けについて、総理の認識を伺います。  一方、異常な緩和の弊害をどのように認識しているのでしょうか。MアンドA税制を見直し、企業の二百四十兆円に及ぶ現預金、四百六十三兆円の内部留保を投資に生かすとしていますが、この内部留保には、マクロ的に見れば、過去二十数年間に家計の金利収入の逸失、企業の金利負担の軽減等によって家計部門から企業部門へ所得移転が起きたことも反映されています。  戦後平均に近い水準にある一九九一年又は一九九三年の金利水準をベースにした国民のこの間の逸失金利収入の直近までの規模を総理にお伺いします。二十数年間で数百兆円に及ぶ逸失金利収入は、確実に消費を抑圧し、経済を低迷させているという認識があるか否かをお伺いいたします。  超低金利は金融機関経営も圧迫しています。預貸業務を中心とする本業が赤字の地方銀行は二〇一九年三月期で全体の四割強に及び、一部は赤字が慢性化しています。  政府は、地域金融機関立て直しのため、独禁法の例外を認めてでも再編を促す方向のようですが、再編促進の方針及び想定する効果について、総理の認識を伺います。  過去十数年の日米欧各国の経験を顧みると、超低金利の影響は、当該国の金融システムが間接金融中心か直接金融中心かで違いが出ています。直接金融中心の下では、超低金利はより一層投資資金を直接金融にシフトさせます。根強い間接金融構造が続く日本では、異常な緩和によって直接金融が活発化することもなく、経済も産業も企業も停滞する悪循環に陥っています。  所信では、事業承継の際には、先代経営者と後継者からの二重取りを原則禁止すると述べていますが、経営者保証の二重取りのような現象は、収益悪化に苦しむ金融機関が陥りがちな悪弊であり、まさしく超低金利が金融機関も企業も苦しめている典型例です。  二重取りの定義、実情、及び二重取りを原則禁止することを具体的にいつまでにどのように実現するのか、総理にお伺いします。  また、間接金融中心の日本における六年間のアベノミクスの経験、検証を踏まえ、その限界と弊害について、総理の認識を伺います。  次に、今月からの消費税率引上げ前に駆け込み消費はあったのか否か、総理の認識を伺います。また、今後の影響について、現時点での総理の見通しを伺います。  二〇一四年四月に八%に引き上げられた際は、四―六月はマイナス成長となりました。今回は、十―十二月の動向を見極めた上で、来年通常国会で補正予算等による景気対策を講じる考えがあるか否か、お伺いいたします。  二〇二三年からインボイスが正式導入される予定ですが、円滑な導入と納税者、事業者の負担軽減にどのように対応するのか、現時点での考え方を伺います。  インボイスを発行できない免税事業者は、取引排除を受けたり、廃業に追い込まれるおそれがあります。こうしたインボイスの弊害をどのような方向で見直すのか、お伺いします。免税事業者の準備や設備導入負担に対する補助など、今から検討しても早過ぎることはありません。総理の考えをお伺いします。  社会保障と税の一体改革により、消費税率引上げによる増収分を含む消費税収は、全て社会保障の財源にすることになっています。今回、消費税率引上げに伴う今年度の増収見込額及びその使途についてお伺いします。  一体改革は、三党合意に基づき法制化されました。その際に約束された議員定数削減をほごにして参議院議員定数を増やしたこと、消費税に複数税率を導入したこと、総合合算制度導入を見送ったこと、社会保障の充実に逆行する介護要支援切りを行ったことなどから、三党合意は守られなかったものと認識しています。  消費税率が一〇%となった今、総理は、三党合意のどの部分は守り、どの部分は守れなかったと認識しているのか、また、全体として三党合意の何割程度は守ったと認識しているのか、お伺いいたします。  今月から幼児教育、保育の無償化が始まりましたが、無償化対象外の類似施設の扱いについてお伺いします。  通常国会で成立した関連法には、施行後五年を目途として行われる検討に際し、幼児教育類似施設等を利用給付対象とすることを検討するという趣旨の附帯決議が付されました。今後どのように対応するのか、御説明ください。  入管法改正に伴い四月から導入された特定技能の申請は、十月四日時点で約二千三百件、許可は四百四十三件と聞いています。出足は低調な状況です。  受入れ十四分野のうち試験実施済みが三分野にとどまっていることなどが影響しているようですが、総理は低調の原因をどのように分析し、対策をどのように講じるのか、お伺いします。拙速に導入された制度ですから、更に拙速な対策を重ねて無理に受入れ数を増やす必要はないと思いますが、現時点の総理の認識を伺います。  所信では、社会保障制度に関して三つの改革に取り組むと述べており、いずれも少子高齢化に対応した内容です。現在の社会保障制度が構築される過程でこれほどの少子高齢化は想定していなかったからです。  制度構築時における想定外の事態はもう一つあります。それは、外国人の増加です。  昨年末の在留外国人数は約二百七十三万人、前年末に比べ約十七万人増加し、過去最高です。在留外国人が増え続ければ社会保障制度の負担と給付に影響を及ぼすことが想定されます。在留外国人のうち、国民年金、国保及び厚生年金被用者保険への加入者数及び全体に占める割合を伺います。それぞれの財政状況に対し今後どのような影響があると想定しているのか、総理の認識を伺います。  入管法改正に際し、参議院では、外国人労働者及びその家族に関する社会保障制度及び日本語教育を含む教育制度について必要な措置を講ずるとの附帯決議が付されました。その後、医療保険に関して、被扶養者に国内居住要件を課す法改正が行われましたが、パッチワーク的な対応にはデグレードが伴う場合もあります。例えば、日本人加入者の海外在住被扶養者にもこの改正は適用されるのでしょうか。その場合、これまで扶養対象であった者が対象にならなくなることをどのように受け止めているのか、総理の認識を伺います。  それ以外の社会保障制度について、具体的な改正は行われていません。外国人増加に伴い、医療、介護、年金、雇用等の制度にどのような影響が出ることを想定し、どのような見直し等の検討点があり、どのように対応するのか。医療、介護、年金、雇用それぞれについて、現時点の総理の認識を伺います。  教育についても伺います。  現在でも、日本に住む外国人の義務教育学齢期の子供約十二万四千人のうち約二万人が就学していない可能性があることが明らかになりました。家族帯同が認められる特定技能二号の外国人労働者が増加すれば、不就学の子供が更に増える可能性があります。不就学の子供の実情とともに、今後不就学の子供を発生させない仕組みをどのように構築するのか、総理の考えをお伺いします。  社会保障に関連し、去る九月二十六日に公表された地域医療構想の進め方について、再検証要請対象となった医療機関の今後の対応方針をどのような場でいつまでに決定するのか、その手順を総理にお伺いします。  次に、通商産業問題です。  一昨日署名した日米貿易協定に関し、総理は所信でもウイン・ウインと述べていますが、日米それぞれ何がウインなのか、総理の認識を伺います。  一方、トランプ大統領は記者会見等で米国の大勝利と公言しています。このギャップについて、総理の認識をお伺いします。  トランプ大統領は、牛肉、豚肉、ワイン、オレンジ等の関税引下げ等に成功した一方、日本が求めた自動車の関税撤廃は先送り、協議継続としました。  TPPを離脱したトランプ大統領は、自動車関税を二五%まで引き上げる考えを示唆するとともに、昨年九月二十六日の日米共同声明の項番五において、日本から米国への輸出数量規制か日本企業の米国内での生産増がなければ実現しない内容を盛り込みました。その時点で今回の結果は予測されていたと言えます。交渉のハードルを上げ、威嚇項目は見送る代わりに所期の目的を達成する常套手段です。  サービス貿易や投資等に関するセカンドラウンドの交渉に向け米国が再び他の条件を引き上げてくる可能性について、総理の認識を伺います。  自動車関税撤廃交渉に進展がなければセカンドラウンドに応じないなど、日本も米国に先んじて条件を引き上げるべきと思いますが、総理の考え、今後の交渉スタンスを伺います。  米中貿易摩擦の影響は各国に波及し、OECDは世界の成長率見通しを下方修正しました。日本も例外ではなく、工作機械の受注減が見られるほか、日銀九月短観では、大企業製造業の業況判断指数が三四半期連続で悪化しました。  米中貿易摩擦の現状、日本への影響及びその対策について、総理の認識を伺います。  政府は、昨年十二月、各省庁の情報通信機器調達の新たな指針をまとめ、安全保障上のリスクがある場合、当該製品を調達しない方針を申し合わせています。米国からファーウェイ排除の要請を受けているか否か、仮に受けている場合、日本はどのようなスタンスで臨むのか、総理の考えを伺います。  ファーウェイ排除要請への対応は各国で分かれています。ファーウェイ排除に同調することは、将来、OSや5G通信チップ、規格等の面でファーウェイが勝りデファクトスタンダードを獲得した場合などを想定すると、日本の不利益になる懸念もありますが、総理の見解を伺います。  中国資本進出への警戒も広がっています。EUでは二〇一六年に産業用ロボット有力メーカー、クーカの買収を契機に警戒が広がり、その後はEU指令等で投資スクリーニング規制や通商防衛措置の強化を図っています。米国でも、通商法二百三十二条国防条項や外国投資リスク近代化法、対米外国投資委員会などを駆使して外国資本、特に中国資本の動きに警戒を強めています。  総理は、所信で、日本企業への海外からの直接投資残高は五年連続で過去最高を更新し、政権発足後に十兆円以上増加したと述べました。そのうち直接、間接、中国資本がどの程度含まれているか、総理にお伺いします。  また、EUや米国のような外国投資規制の枠組みとして、現在どのようなことを行い、あるいは今後行う予定があるか、事実関係と総理の考えを伺います。  所信の中で、決済のキャッシュレス化を進めることに言及していました。九月に北京を訪問した際、昨年よりも一段とスマホ決済が浸透し、市内では現金決済を拒否される場合が多く、現金をほぼ使わない人は北京人口の約半分と聞きました。  総理は、スマホ決済が進むことは良いことと考えているのか。そうであるならば、それが進まない日本固有の理由は何か、それを今後どのようにしようとしているのか、お伺いいたします。  スマホ決済に付随して、中国では二〇一五年から芝麻信用、セサミ・クレジット等による個人信用評価サービスも普及しています。決済履歴のみならず、個人の信用、資産、人的情報、政府データベースとも連動して作成されています。個人の信用格付であり、国家による過度な個人管理とも言えます。国務院が二〇一四年に社会信用システム構築計画を発表し、セサミ等はその国策と連動しているようです。中国人民銀行は、セサミを含む八社を評価機関に認定し、信用情報を共有しています。  中国系決済システムの普及によって、日本でもそれに類するサービスが始まる可能性がありますが、これらに関する総理の現状認識、今後の対応方針を伺います。  所信では、第四次産業革命が急速に進む時代において、新たな付加価値の源泉はデジタルデータですとも述べています。  本年八月にアマゾンのクラウドサービスであるアマゾンウェブサービスが大規模障害を起こし、決済やSNS、企業システム等に多大な影響が及びました。事実関係を伺うとともに、クラウドの社会的影響が高まる中、同分野への産業、企業支援策、危機管理策に関する総理の認識と方針を伺います。  この分野でも中国アリババ系のクラウドが日本に進出し、グレートファイアウオールを越えられるなどの理由で活用する企業が増えていますが、企業情報のセキュリティー上の問題が指摘されています。  ファーウェイと同様に、中国のクラウドインフラが日本に普及すること、日本企業が利用することのメリットとリスクを総理はどのように認識し、どのように対処しようとしているのか、お伺いいたします。  産業の最後に、関電問題について付言します。  エネルギーの安定供給という重要な使命を担う企業において、現場を守る勤労者や利用者の信頼を損なう信じ難い不祥事が起きたことは極めて遺憾です。  本件を踏まえた上で、我が国の企業、産業、経済の健全な発展のために、コンプライアンスやガバナンスの在り方、法制強化等について、総理の所見を伺います。  次に、豚コレラです。  昨年九月の感染確認以来、私の地元愛知県を始め八府県の養豚場に感染が及び、既に約十三万五千頭が殺処分され、養豚農家への打撃は甚大な上、自治体職員や自衛隊員が防疫作業に駆り出され、心身共に疲弊しています。  国民民主党は、当初からワクチン接種を求めてきました。農水省はようやく接種方針を打ち出しましたが、輸出への影響にこだわり、接種の検討を遅らせてきた責任は重大です。そもそも豚肉輸出はごく少量です。ワクチン接種ちゅうちょの背景には政治的圧力があったとの指摘も聞きます。  輸出量及び国内生産量に占める輸出の割合を伺うとともに、初動対応及び過去一年の対応、ワクチン接種の判断の遅れ等に関する総理の認識を伺います。  農水省が検討しているワクチン接種の枠組みは、国が接種推奨地域を設定し、当該地域の知事の判断で接種プログラムを作成、実施するものであり、国の関与は小委員会と相談してプログラムの確認を行う程度です。ワクチン接種は国家防疫と位置付け、地方自治体の判断に任せるのではなく、国が責任を持って実施すべきと考えますが、総理の認識を伺います。  また、より深刻なアフリカ豚コレラが、既に中国、韓国、フィリピン等で発生しています。海外からの病原体の侵入阻止、水際対策が最大の防御策です。  空港等で活躍する検疫探知犬は、嗅覚を維持する時間に限界があり休憩が必要なこと、犬とペアを組むハンドラーと呼ばれる職員の勤務時間に制約があることなどの問題があります。検疫探知犬は、羽田の五頭を含め、国内八か所の空港等に三十三頭です。探知犬もハンドラーも、徹底した水際対策を行うには頭数、人数が足りません。  国民民主党は、検疫探知犬の配置充実や持込禁止肉製品の持込み者の入国拒否等、水際対策徹底のための議員立法を提出しました。抜本的防疫対策や水際対策強化について、総理の認識及び関連法制の見直しの意向を伺います。  次は外交です。  北朝鮮は、短距離弾道ミサイル、新型SLBM等の発射を繰り返し、先週は二年ぶりに日本のEEZに落下しました。  そうした中、韓国が八月にGSOMIA破棄を決定したため、GSOMIAは十一月二十三日に終了します。直近のミサイル発射に関し、韓国がGSOMIAに基づく情報共有を日本に要請したと報道されていますが、それは破棄見直しに向けたメッセージではないでしょうか。情報提供要請の事実関係、日本側の対応について、総理に伺います。  GSOMIA破棄に関して、日本としても再考を要請しているのか、破棄までに状況が改善する見通しはあるのか、また、実際に破棄された場合の安全保障上の影響について、総理の認識を伺います。  水産庁漁業取締り船「おおくに」と衝突した北朝鮮漁船に関し、違法操業を行っていなかったことの根拠、他の北朝鮮漁船に乗務員を引き渡した経緯等について、昨日以降更に明らかになった事実関係を伺うとともに、事故当時の現場の映像の公開を求めたいと思います。お答えください。  北方四島の返還交渉について、今年一月の首脳会談以降、総理の発言が明らかにトーンダウンしています。九月の日ロ首脳会談の内容を含め、北方領土返還交渉の現状を伺います。  日本の公式な立場を内外に示す本年度版の外交青書において、北方四島は日本に帰属するという表現が削除され、北方四島の帰属に関する言及がなくなりました。二月六日の予算委員会での私との質疑において、総理が北方四島を固有の領土と表現しなくなったことには驚きました。  改めて総理に伺います。北方領土は固有の領土という認識でよいか、固有の領土と表現できないのであれば、なぜ表現できなくなったのか、その理由を伺います。  米国とイランの関係悪化等を受け、米国はホルムズ海峡の安全確保のための有志連合への参加を各国に呼びかけています。日本への要請の有無及び日本のイラン問題への対応方針を総理に伺います。  緊迫する香港情勢は中国の内政問題でもあり、関与するには慎重を要するものの、日本としては中国に平和的解決を呼びかけるべきではないでしょうか。香港情勢に関する総理の認識と対応スタンスをお伺いいたします。  国際情勢は一段と厳しい時代になりました。そうした中、所信の最後で、牧野伸顕外相の一九一九年パリ講和会議における逸話に言及していました。  日本による人種差別撤廃提案は、当時植民地を抱えていた主要国に反対され、議長の米国ウィルソン大統領も反対の立場であり、成立しませんでした。しかし、今や国際人権規約を始め国際社会の基本原則になったとの史実から、大いなる理想を目指そうという文脈を展開し、なぜか最後は憲法審査会の話に無理につなげています。  文章構成上の努力を多としつつも、大いなる理想を掲げ、目指すというのであれば、一九二八年パリ不戦条約の理想を世界で初めて条文化した日本国憲法第九条という大いなる理想を守ろうという文脈の方が素直なような気がします。  誤解を恐れずに申し上げれば、憲法九条のような定めがあっても、為政者の姿勢、国際環境、国民の雰囲気等によっては争いになります。逆に、憲法九条のような定めがなくても、為政者の姿勢、国際環境、国民の雰囲気によって、争わない国は争いません。象徴的条文として大切にすることも大いなる理想ではないでしょうか。  ちなみに、大久保利通公の子息であり、麻生副総理の曽祖父でもある牧野伸顕翁は、政界引退後に太平洋戦争を凝視し、戦争に至った原因として、国民の政治への関心の低さ、政府監視の不十分さを指摘したそうです。  その史実を総理の所信を契機に学んだことを申し上げ、あわせて、週末に日本上陸が予想される超大型台風十九号への政府としての備えに万全を期すことを求め、代表質問とさせていただきます。(拍手)    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
  15. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大塚耕平議員から数多くの御質問をいただきましたが、答弁漏れのないように丁寧にお答えをさせていただきたいと思います。  台風第十五号等の被害状況及び復旧復興対策についてお尋ねがありました。  八月下旬の九州北部地方を中心とする大雨では、多くの浸水被害が発生したほか、断水等のライフラインへの被害、鉄道の運休等の交通障害などが生じました。加えて、浸水により佐賀県大町町の鉄工所から流出した油が家屋や農地に流入しました。  また、台風第十五号の記録的な暴風により、関東地方を中心に大規模な停電が発生するとともに、停電に伴う断水や携帯電話の通信障害が発生しました。この台風により、昨日までに、二百棟を超える全壊、三万棟を超える一部破損等の住家被害が報告されています。  政府においては、被災自治体に対する普通交付税の繰上げ交付を実施したほか、台風第十五号を含む八月から九月の前線等に伴う大雨による災害を激甚災害に指定することとしました。  台風第十五号による災害においては、災害救助法の制度を拡充し、恒久的制度とし、一部損壊の住宅のうち、屋根等に日常生活に支障を来す程度の被害が生じた住宅については支援の対象とすることとしました。  また、農林水産業については、一日も早い経営再開に向けて総合的な農林漁業者への支援策を決定したほか、被災された中小・小規模事業者に対する災害復旧貸付け等を実施しております。  なお、復旧復興対策においては、必要に応じて予備費も活用しながら対応に万全を期してまいります。  自治体の災害対応力の強化等についてお尋ねがありました。  大規模な災害が全国各地で毎年のように発生している今日、自治体の災害対応力の強化充実を図っていくことは重要な課題であると認識しております。  各地方自治体とも地域防災計画等に基づき、関係機関、団体等との災害時における応援協定の締結を進めるなど、災害対応の準備を進めていると認識しておりますが、台風等への対応を数多く経験している自治体とそうでない自治体との間では、実践経験の差に基づく練度の違いもあり得るものと認識しています。  政府としては、これまでも自治体との共同訓練の実施、市町村向けの災害対応の手引の作成等を行うとともに、発災時には専門的な知識を有する職員を自治体に派遣するなど必要な支援を行ってきましたが、今後も各自治体の災害対応力の強化に向けた取組を行ってまいります。  無電柱化の費用については、無電柱化の推進に関する法律の附則により、政府が、国、地方公共団体及び関係事業者の負担を軽減するための方策を検討することとされています。現在、工法や材料について新しい技術を導入し無電柱化の費用縮減を図っており、今後も必要な取組を行ってまいります。  我が国の経済成長と産業政策についてお尋ねがありました。  名目ではなく実質でとの御質問ですが、民主党政権においては、実質GDPの伸びが年平均一・六%に対して名目GDPは年平均〇・三%しか伸びておらず、その差は物価が下がったことによるものです。  民主党政権下では、二〇〇九年以降、デフレが進行していました。殊更に実質成長のみを持ち出すのは、デフレを自慢するようなものであります。これに対し、現政権下では、デフレではないという状況をつくり出す中、物価、名目GDP、実質GDPのいずれもが上昇しています。  また、実質賃金については、アベノミクスによる雇用拡大で女性や高齢者などが新たに雇用された場合は平均賃金の伸びも抑制され、さらに、デフレではない状況をつくり出す中で物価が上昇すれば一層抑えられるという特徴があります。このような中で、雇用が大幅に増加し、国民みんなの稼ぎである総雇用者所得は名目でも実質でも増加が続くなど、雇用・所得環境は着実に改善しています。  日本の技術革新等については、現時点において日本の技術革新等が世界の時流に遅れているのかどうか、一概に述べることは困難ですが、世界で変化のスピードが増す中、日本企業も構造改革を進め、新たな技術革新等に取り組んでいかなければならないことは事実です。  こうした中、安倍政権では、これまでもコーポレートガバナンス改革を推進し、内部統制の仕組みを順次強化してきたところです。  さらに、時代遅れとなった規制を変えていくことも重要です。安倍政権は、これまでに電力、医療、農業といった岩盤規制を大胆に改革してまいりました。今後も、日本経済の持続的な成長に向けた規制改革を一層推進してまいります。  年金の財政検証についてお尋ねがありました。  財政検証における経済の前提に関しては、経済、金融の専門家で構成される専門委員会における検討を経て、長期的には経済成長が賃金上昇に結び付くという考え方の下で設定した前提を用いており、客観的で公正なものと考えています。  金融政策についてお尋ねがありました。  政府と日本銀行の間では常に緊密な連携を図っており、私と黒田総裁も、これまでも機会を捉えて経済金融情勢についての意見交換を行っているところですが、金融政策の具体的な手法やアプローチについては日本銀行に委ねられるべきと考えています。  なお、金融政策を含むマクロ経済政策が実体経済において目指すものは、雇用が拡大し、国民生活が向上していくことであり、そうした点においては、これまでの取組の結果、確実に成果が出ています。引き続き、緊密に連携しながら、あらゆる政策を総動員してデフレ脱却、そして力強い成長を目指してまいります。  金融緩和の弊害についてお尋ねがありました。  御指摘の逸失金利収入については、例えば、黒田総裁が過去に、機械的な試算として一九九三年から二〇一四年までの間で累計で約四百六兆円になる旨とともに、利子の受取あるいは利子の支払といった部分だけを見て議論するのは必ずしも適切ではなく、経済全体を見て議論するのが適切である旨、併せて説明していると承知しております。  また、金融政策運営に当たっては、政策のベネフィットとコストをしっかり比較考量をした上で適切な措置を考えていく旨説明されており、私は黒田総裁の手腕を信頼しております。  地域銀行の再編についてお尋ねがありました。  地域銀行の経営統合は、あくまでも各行の経営判断に基づく一つの選択肢でありますが、人口減少等に直面する中で経営体力を強化し、地域における金融の基盤的サービスを維持向上させる効果が期待されます。  政府としては、本年六月に策定した成長戦略実行計画に沿って、地域銀行の経営統合を一定の要件の下で独占禁止法の適用除外とする特例法案を来年の通常国会に提出する予定であり、鋭意準備を進めてまいります。  事業承継時の個人保証の二重取り、間接金融の限界と弊害についてお尋ねがありました。  金融機関が融資先企業の代表者交代に際して、先代経営者と後継者の双方から二重に個人保証を取るいわゆる二重取りについては、五年前に経営者保証に関するガイドラインの運用を開始して以降、低金利が続く状況下においても徐々に減少してきております。他方、昨年度時点でいまだ二割弱が二重取りとなっており、事業承継の阻害要因の一つとなっているとも指摘されています。  このため、先般取りまとめた個人保証脱却政策パッケージでは、先代経営者と後継者からの個人保証の二重取りを原則禁止することを盛り込んだ経営者保証に関するガイドラインの特則を年内を目途に策定してまいります。  この六年間、アベノミクスの下で金融機関の貸出残高は増大しました。攻めの投資によって企業収益も着実に改善しています。とりわけ中小企業については、倒産が三割減少し、今世紀に入って最高水準の賃上げが六年連続で実現いたしましたが、こうした中小・小規模事業者の成長を支えているのも間接金融であります。そうした意味で、直接金融との比較において、現時点で何らかの限界や弊害を感じているということはありません。  消費税率引上げの影響と景気対策についてお尋ねがありました。  今回の消費税率引上げに当たっては、教育の無償化や軽減税率に加え、思い切ったポイント還元、そしてプレミアム付き商品券、自動車や住宅に対する大胆な減税など、十二分な対策を講じています。こうした取組もあり、現時点で把握できる限りにおいて、全体として二〇一四年のような大きな駆け込み需要は見られていません。  補正予算の編成について、現段階において具体的に想定しているものではありませんが、世界経済の先行きをしっかりと注視し、下振れリスクが顕在化する場合には、ちゅうちょすることなく機動的かつ万全の対策を講じ、経済の成長軌道を確かなものとしてまいります。  インボイス制度についてお尋ねがありました。  インボイス制度については、その円滑な導入を図る観点から、導入まで四年間の準備期間を設けるとともに、そこから更に六年間、免税事業者からの仕入れについて一定の仕入れ税額控除を認めるなど、事業者の準備や設備導入のための十分な期間を設けているところです。今後とも、周知、広報を始めとして、必要な取組を進めてまいります。  今年度の消費税増収の見込額とその使途についてお尋ねがありました。  今年度の消費税率の引上げによる増収分は、国、地方合計で一・四兆円と見込まれます。この増収分は全て社会保障の財源に充てられますが、教育無償化や低年金者への給付等の新たな施策でしっかりと国民の皆様に還元してまいります。  社会保障と税の一体改革についてお尋ねがありました。  社会保障と税の一体改革は、その進捗を定量的にお示しすることは困難ですが、三党合意を経て成立した各般の法律の枠組みに沿って、社会保障の充実、安定化と同時に、重点化、効率化を進めるなど着実に実施してきています。  その上で、子供からお年寄りまで全ての世代が安心できる社会保障制度を構築するための安定財源として消費税率の引上げを実施したところです。その税収を活用して、十月一日から、三歳から五歳まで全ての子供たちの幼児教育、保育の無償化をしました。来年四月からは、真に必要な子供たちの高等教育を無償化します。  こうした改革については、少子高齢化が進展する中で、財源を確保しながら社会保障制度を改革するという三党合意の際に与党間で共有された大きな考え方と共通しているものと考えています。  さらに、今後、年金、医療、介護、労働など、社会保障全般にわたる人生百年時代を見据えた改革を果断に進めてまいります。  幼児教育類似施設についてお尋ねがありました。  いわゆる幼児教育類似施設については、法令上の定めや基準はなく、多種多様なものが存在していますが、これらの施設の中には、地域や保護者のニーズに応えて重要な役割を果たしているものがあると承知しています。  いずれにしても、政府としては、法施行後五年を目途として行われる検討に際しては、国会の附帯決議を踏まえて検討してまいります。  特定技能制度の運用状況についてお尋ねがありました。  本年十月時点の速報値として、特定技能の許可を受けた外国人は四百四十三人にとどまっております。この背景には、特定技能試験実施分野が介護、宿泊及び外食業の三分野にとどまり、また、試験実施国も我が国のほかフィリピン及びカンボジアの二か国にとどまっていること、制度の浸透が必ずしも十分ではないことがあるものと認識しております。  今月以降、新たに三つの分野での試験を実施し、実施国もインドネシア、ネパール及びモンゴルに拡大する予定であり、許可件数は今後更に増加するものと考えております。  中小・小規模事業者を始めとした人手不足は深刻であり、即戦力となる外国人を受け入れるため、政府として、実施試験の更なる拡大や制度のきめ細やかな周知等に努め、特定技能制度をしっかりと運用してまいります。  在留外国人の増加による社会保険財政への影響についてお尋ねがありました。  外国人に対する我が国の社会保障制度の取扱いについては日本人に準じて対応してきたところであり、原則として在留外国人の加入者数及び全体に占める割合は把握していません。  なお、国民健康保険における外国人被保険者数については、適用要件の確認の観点からその数を把握しており、平成三十年四月一日現在で約九十九万人、被保険者の三・四%です。また、今後どのような年齢層の方がどれくらいの期間在留するのか等が不透明なことから、社会保険財政に対する今後の影響をお示しすることは困難です。  いずれにしても、在留外国人の方も含めて、誰もが社会保障を安心して利用できるよう努めてまいります。  健康保険の国内居住要件についてお尋ねがありました。  国内居住要件は、国内での保険給付が原則という制度の基本的な考え方や適正な認定事務を確保する観点から設けたものであり、原則日本人の被扶養者であっても対象となります。ただし、海外赴任に同行する家族や留学生など、日本国内に生活の基礎があると認められる方については、例外として引き続き健康保険に加入できる取扱いとしているところです。  外国人の増加による社会保障制度への影響等についてお尋ねがありました。  今後、どのような年齢の方がどれぐらいの期間在留するのか等が不明なことから、社会保障制度への今後の影響を定量的にお示しすることは困難ですが、外国人の医療問題など、制度創設時には必ずしも想定されていなかった制度の適用やサービスへのアクセス等の課題に対しては、これまでも順次必要な対策を講じてきたところであります。  不就学の外国人の子供への対応についてお尋ねがありました。  我が国における外国人の子供の就学状況に関し、本年、初めて全国調査を実施した結果、約二万人の外国人の子供について不就学の可能性があることが判明しました。  政府としては、こうした実態も踏まえつつ、多言語による就学案内の徹底、地方公共団体とNPOとの連携による取組への支援など、地方公共団体や関係機関と連携して外国人の子供の就学促進を図ってまいります。  地域医療構想についてお尋ねがありました。  地域医療構想の実現に向け、今般、公立・公的医療機関等について、急性期機能をどの程度果たしているかとの観点から、診療実績の分析結果について、それぞれの医療機関から医療機能の在り方を考える際の材料としてお示しをしたところであります。  今後、それぞれの地域の医療関係者等の会議において分析結果を参考に議論いただき、ダウンサイジングや機能分化等を含む再編統合を伴わない場合は来年三月、伴う場合は来年九月までに対応方針を見直していただくこととしております。  日米貿易協定についてお尋ねがありました。  本協定に係る米国側の評価について日本政府として述べる立場にはなく、また、トランプ大統領の一つ一つの発言について論評することは差し控えます。  我が国について申し上げれば、今回の日米貿易協定により、幅広い工業品について米国の関税削減、撤廃が実現します。また、日本の自動車、自動車部品に対して、二三二条に基づく追加関税は課されないことを直接トランプ大統領から確認しました。  農林水産物については、過去の経済連携協定で約束したものが最大限であるとした昨年九月の共同声明に沿った結論が得られました。とりわけ、我が国にとって大切な米について、関税削減の対象から完全に除外いたしました。さらには、米国への牛肉輸出に係る低関税枠が大きく拡大するなど、新しいチャンスも生まれています。  そして、こうした交渉結果については、我が国の自動車工業会から、自動車分野における日米間の自由で公正な貿易環境が維持強化されるものであるとの評価が既に発表されており、また、JA全中からも、中家会長の談話として、合意内容は昨年九月の日米共同声明の内容を踏まえた結論と受け止め、特に米については米国への関税割当て枠の設置が見送られることとなり、生産現場は安心できるものと考えているとの評価が発表されたものと承知しております。我が国にとって、まさに国益にかなう結果が得られたものと考えています。  日米貿易協定に係る今後の交渉についてお尋ねがありました。  今回の共同声明では、今後どの分野を交渉するのか、その対象をまず協議することとしており、その後に協定を結ぶか否かも含め、予断を持って申し上げることは差し控えます。いずれにせよ、我が国の国益に反するような合意を行うことはありません。  米中貿易摩擦についてお尋ねがありました。  米国と中国は世界第一位と第二位の経済大国であり、米中間で安定的な経済関係が構築されることは、日本のみならず世界全体の持続的な経済成長に直結します。十月から行われる予定の米中間の閣僚協議が建設的に進展することを期待しつつ、引き続き、日本経済への影響について十分目配りし、経済運営に万全を期していく考えであります。  米中貿易摩擦を受けた我が国の対応についてお尋ねがありました。  我が国の情報システムに、情報の窃取、破壊、情報システムの停止等、悪意のある機能が組み込まれるおそれのある機器が使用される等のサプライチェーンリスクに対応することは、サイバーセキュリティーを確保する上で重要な取組であると考えます。  そこで、政府では、このようなサプライチェーンリスク対策を強化するため、昨年七月に閣議決定したサイバーセキュリティ戦略において対策の重要性を盛り込むとともに、具体的なサプライチェーンリスク対策として、各府省庁において特に防護すべきシステムとその調達手続を定め、本年四月一日に運用を開始しました。  この取組は、特定の企業や機器、あるいは特定の国を排除することを目的としたものではなく、また、米国からの要請に基づくものでもありません。  また、5G通信については、デファクトを含む標準化作業が進められており、特定企業を排除するものではありませんが、関係各国と連携しつつ、我が国が不利益を被らないように取り組んでまいります。  続いて、外国資本に関するお尋ねについてお答えをいたします。  統計上、国別比較が可能な二〇一四年末から二〇一八年末までの四年間でお答えをしますと、海外からの直接投資残高の増加額が約七兆円であるのに対し、中国からの増加額は約二千五百億円となっています。  現在の外為法では、投資自由の大原則の下、国の安全等の観点から、一定の対内直接投資については事前届出を求めています。こうした対内直接投資審査制度について、経済の健全な発展につながる対内直接投資を一層促進するとともに、欧米諸国での対応強化の流れを踏まえ、国の安全等を損なうおそれがある投資により適切に対応できるよう、制度の見直しを行ってまいります。  スマートフォンを活用したキャッシュレス決済についてお尋ねがありました。  海外で急速にキャッシュレス決済が普及する中で、日本を訪れる外国人観光客の七割がキャッシュレスがあればもっとお金を使ったと回答しています。いわゆるスマホ決済の普及は、インバウンド消費の拡大を通じて、全国各地の商店街を始め中小・小規模事業者の皆さんに新しいチャンスとなるものです。  他方、これまで、事業者にとっては端末導入費用や手数料の負担が大きく、いわゆるスマホ決済の導入は必ずしも十分には進んでこなかった面があります。今回のポイント還元事業では、こうした中小・小規模事業者の負担を大きく軽減することによって、いわゆるスマホ決済を含めたキャッシュレス化を進めていく考えです。  スマホ決済に付随した個人信用評価サービスについて、現在ではまだ我が国で目立った事例はないと承知しておりますが、いずれにせよ、個人情報保護法など関係法令にのっとってプライバシーを含めた利用者の安心が確保されなければならないと考えています。  クラウドサービスについてお尋ねがありました。  中国など特定の国の情報インフラについて、そのメリットやリスクを一概に論じることは困難ですが、一般的に、クラウドサービスは各企業にとって、各種システムの導入が容易となり、大幅なコスト削減を可能とするといったメリットがある一方、情報に係る機密保持やサービスの継続性確保といった面で一定のリスクがあります。  本年八月、アマゾン社が提供するクラウドサービスにおいて、冷却装置の不具合により障害が発生し、電子商取引や決済など、多数の企業のシステムが影響を受けたと承知しております。  クラウドサービスの安全性は、ユーザー企業のビジネスに直結する一方、とりわけ中小・小規模事業者にとっては、こうした技術面での評価を自社だけで行うことは困難であり、政府として、安全性評価についての支援を行うことが必要であると考えています。  また、政府としても、今後、クラウドサービスの積極的な活用を進めていく考えであることから、現在、関係部局が協力して、クラウドサービスの安全性評価制度の創設に向けて準備を進めております。その上で、この評価結果については民間企業にも利用可能とすることで、セキュリティーがしっかりと確保されたサービスの利用を促進してまいります。  関西電力の問題を踏まえ、我が国企業のコンプライアンスやガバナンスの在り方についてお尋ねがありました。  電気事業者たる者は、その事業全体について、電気料金を支払う利用者の皆さんから不信を持たれることのないよう、常に適正な事業運営に努めるべきであることは当然であります。  今般の事案の発生を受け、まずは第三者の目を入れて徹底的に全容を解明し、その上で、経営問題も含め再発防止等の措置を講じることで、利用者の信頼回復に努めることが必要であると考えます。  また、電気事業者に限らず、コンプライアンスや適切なガバナンスが重要であることは論をまちません。安倍内閣ではこれまでも独立社外取締役の導入、経営方針や取締役の指名、報酬を決定する際の方針の開示など、国際スタンダードに沿った形でコーポレートガバナンス改革を推進してきましたが、引き続きその強化に取り組むことで、企業、産業、経済の健全な発展へとつなげていきます。  豚コレラ対策についてお尋ねがありました。  平成三十年における豚肉の輸出量は六百六十一トンであり、国内生産量に占める割合は〇・〇七%となっています。  豚コレラ対策については、昨年九月の発生以降、衛生管理の徹底、早期出荷促進対策、防護柵の設置支援、経口ワクチンの散布等の野生イノシシ対策など、時宜を捉えて適切な対策を講じてきたと考えています。  一方で、発生から一年が経過し、埼玉県や長野県において新たに発生が確認されるなど、豚コレラの状況が新たな局面に入ったと確認しています。このため、予防ワクチンの接種に向けた準備が必要であると総合的に判断したものであり、政治的圧力があったとの指摘は、これは全く当たりません。  豚コレラに対する予防的ワクチンの接種及びアフリカ豚コレラ対策についてお尋ねがありました。  家畜の伝染性疾病の予防や蔓延防止は、国と都道府県が適切に役割分担をし、連携して実施していくことが重要です。このため、家畜伝染病予防法において、我が国が国際基準や最新の科学的知見を踏まえて全体的な指針を示し、都道府県が国の指針に従い、現場の実態に即して各般の措置を講じることが基本原則となっています。  こうしたことから、豚コレラに対する予防的ワクチン接種についても、国が接種に関する防疫指針を定めるとともに、ワクチン接種の推奨地域を設定し、都道府県はこの指針に基づき具体的な接種プログラムを定め、国の確認を受けた上で接種を行うこととしています。特に、今回の予防的ワクチンについては、地域内の全ての豚に義務的に接種を行うことから、地域の実情に通じた都道府県が主体となって関係者間の調整を行い、ワクチン接種に取り組んでいくことが円滑な予防措置につながるものと考えております。  いずれにせよ、豚コレラ対策については、都道府県と強力に連携し、一刻も早い終結に向け、あらゆる対策を総動員していきます。  また、アフリカ豚コレラについては、水際における防疫対策を強化するため、関係省庁一体となって対策を講じているところです。その一環として、家畜防疫検査官の大幅増員や検疫探知犬を三年間で倍増するなど、継続的に検査体制の強化を図っているところです。  また、違法な持込みに対しては、違反者のデータベース管理や、家畜伝染病予防法又は関税法に基づき告発や検挙を行うなど、持込禁止肉製品を所持する者が入国しないよう、対応を厳格化しているところです。  こうした体制整備や法令の運用厳格化により、水際での防止策が確保できているものと考えていますが、今後も、アフリカ豚コレラに対しては最高レベルの警戒体制をしき、万全の対応を取ってまいります。  日韓GSOMIAについてお尋ねがありました。  十月二日の北朝鮮によるミサイル発射事案に関し、国会の場において韓国国防部長官が日韓GSOMIAに基づく情報共有を日本に要請したと発言したことは承知していますが、個別の事案における情報共有の具体的な対応を我が国より明らかにすることは差し控えたいと思います。  また、日韓GSOMIAに関する今後の見通しについて予断を持ってお答えすることは差し控えますが、政府としては、日韓、日米韓の適切な連携の観点から、韓国側に賢明な対応を強く求めているところです。  いずれにせよ、我が国に飛来する弾道ミサイルへの対処を含め、我が国の防衛や緊急事態への対処に直接必要となるような情報については、我が国独自の情報収集に加えて、同盟国である米国との情報協力により、万全の態勢を取っており、日韓GSOMIAの終了によって我が国の防衛に直接的な支障が生じるものではないと考えています。  水産庁取締り船の衝突事案についてお尋ねがありました。  水産庁取締り船「おおくに」が発見した北朝鮮籍と見られる漁船は、イカ釣り漁業の装備を搭載して我が国排他的経済水域に侵入していましたが、漁具を海中に投入するなど漁獲を行っている状態ではなかったことは、「おおくに」に乗船していた漁業監督官により確認されています。  衝突により当該漁船が沈没したため、人命救助を優先し、「おおくに」の救命艇や救命胴衣を投下して救助活動に当たり、六十名の乗組員全員を救助しました。その後、これらの乗組員は、救助に来た別の北朝鮮籍と見られる漁船に「おおくに」が投下した救命艇から移乗したものです。  いずれにせよ、今回の事案は、違法操業は確認されておらず、また、公海上であったことから、身柄の拘束といった強制力の行使はしておりません。  なお、本事案の調査のため、「おおくに」は昨日、新潟港へ入港し、海上保安庁が船長等から事情を聴取しているところであり、既に公表した画像以外の映像等の公開については、今後の捜査への影響も踏まえ、捜査当局において適切に判断するものと考えております。  日ロ平和条約交渉に関してお尋ねがありました。  交渉内容に関わることは、ロシアとの交渉に悪影響を与えないためにも、ここで述べることは差し控えます。  北方領土は我が国が主権を有する島々です。この立場に変わりはありません。その上で、交渉がうまくいくかは静かに交渉できるかに懸かっています。表現は異なりますが、北方領土が置かれた状況についての法的評価に変わりはありません。  米国が主導する海洋安全保障イニシアチブ及びイラン問題への対応についてお尋ねがありました。  米国が主導する海洋安全保障イニシアチブについては、米国と様々なやり取りを行っていますが、外交上のやり取りであり、これ以上の詳細は差し控えます。  いずれにせよ、中東における我が国関係船舶の航行の安全を確保するためにどのような対応が効果的かについては、原油の安全供給確保、米国との関係、イランとの関係といった点も踏まえつつ、様々な角度から検討を行い、総合的な判断を行ってまいります。  我が国の原油輸入の約八割が通過するホルムズ海峡における航行の安全を確保することは、我が国のエネルギー安全保障上、死活的に重要であります。ホルムズ海峡付近では、六月の我が国関係船舶への攻撃事案も含め、航行の安全に影響を及ぼすような事案が複数発生しており、先般のサウジアラビアの石油施設への攻撃などにより中東情勢が深刻の度を増していることを強く懸念しています。  私は、六月のイラン訪問に引き続き、先般の国連総会でローハニ大統領、トランプ大統領とそれぞれ会談しました。今後も関係国と緊密に連携しつつ、地域の緊張緩和のため、粘り強い外交努力を継続してまいります。  香港情勢についてお尋ねがありました。  昨今、香港において、デモ隊と警察等の衝突により多数の負傷者が出ていることを大変憂慮しています。自制と平和的な話合いを通じた解決を関係者に求めるとともに、事態が早期に収拾され、香港の安定が保たれることを強く期待します。  先般の日中首脳会談においても、私から、引き続き、一国二制度の下、自由で開かれた香港が繁栄していくことの重要性を指摘したところです。引き続き、高い関心を持って情勢を注視していく考えです。(拍手)     ─────────────
  16. 小川敏夫

    ○副議長(小川敏夫君) 石井準一君。    〔石井準一君登壇、拍手〕
  17. 石井準一

    ○石井準一君 自由民主党の石井準一です。  私は、自由民主党・国民の声を代表して、安倍総理大臣の所信表明演説について質問をいたします。  令和最初の所信表明演説です。急速に進む少子高齢化、激動する国際情勢といった課題に立ち向かい、新しい令和の時代の日本をつくり上げる覚悟をどのように政策として実現していくのか。熟議の参議院らしく、政策についての審議をより丁寧に、より謙虚に進めながら、しかし、決めるときにはしっかり決める政治を進めていかなければならないと身が引き締まる思いであります。  令和を手話で伝えるときには、指先を上に向けて、五本の指をすぼめた片手を胸の脇に出し、前に動かしながら指先を緩やかに開く動きになります。出典となった万葉集の歌が花の美しさをたたえていることを踏まえ、指先をゆっくりと開く動きには春先につぼみが開いて花が咲く様子を、その手を前に押し出す動きには未来へ進んでいくという意味を込めたとのことであります。  令和に生きる私たちはその意味をしっかりとかみしめながら、我が国が進むべき未来の形を明らかにした上で、将来にわたり、国家国民の繁栄、命と安全、安心な暮らしを守り続けるために、日々議論を重ね、政策を実行していかなければなりません。  本年八月の豪雨、そして相次いで我が国を襲った台風は、各地に大きな被害と混乱をもたらしました。犠牲となられました方々に深い哀悼の意を表するとともに、被災された方々にお見舞いを申し上げます。  関東地方では、本年九月、直撃した台風十五号により大きな被害と混乱がもたらされました。千葉県では、過去に例を見ないほどの強風により屋根に被害を受けたケースが多発をしました。しかも、台風通過後も再び激しい雨に見舞われてしまい、損害が家屋全体に及ぶ結果となってしまったり、応急措置も十分ではない状態で再度台風の襲来を受け、屋根を覆ったブルーシートが飛ばされたりするなど大変厳しい状況が続きました。被災された皆様方の心情は察するに余りあります。  現地での被害の実態をこの目でじかに見ることで、被災された方々がいかに困窮しているかを実感をし、一日も早く皆様方の生活を原状復帰させるべきだと政府に強く要請をさせていただきました。  同時に、現地の状況を見ると、風向きや地形、集落形態などの違いにより被害状況が異なっていることが分かります。これまで想定していた風の強さや向きなどに備えるだけでは、これからの災害に対応できるとは限りません。被害状況などを迅速に分析をし、再び被害を受けないような復旧復興、さらには事前に災害に備えた補強や改修など、先回りをした防災対応が必要であります。  このような視点を持って、政府においては県と連携をし、被災した皆様方に寄り添った復旧復興支援を講ずるべきだと考えますが、安倍総理の見解をお伺いをいたします。  次に、初動体制について伺います。  災害発生時や復旧復興時、厳しい状況に直面している住民の皆様方に何よりも安心を与えるのは、国や地方自治体の迅速な対応であります。それゆえに、常に講じられた初動体制を振り返り、万全を期していくべきであります。    〔副議長退席、議長着席〕  国と地方自治体、県と市町村の間で情報共有は十分かつ迅速に行われていたのか、県や市町村が互いに連携をしながら初動体制を構築できていたのか、激甚災害の指定や生活再建のための支援措置は、ルールが明確化され、被災者に寄り添ったものとなっていたのかなど、今回の一連の対応を踏まえて、初動対応の見直しや徹底、法律やルールの更なる明確化などが必要ではないかと痛感をしております。  今回の初動対応についての見解と、これを今後どのように生かしていくのか、総理にお伺いをいたします。  今回の台風十五号では、強風による住宅の屋根や農業用のハウス等の被災に加え、千葉県では大規模かつ長期間にわたる停電が発生をし、猛暑が続く中、被災者に追い打ちを掛けました。農作物も停電により出荷ができなくなり、農家の皆様方はもちろん、消費者の皆様にも大きな影響が出ました。電力会社による被害の状況把握も時間が掛かり、復旧見込みが何度も後ろ倒しになるなど混乱を招きました。  大規模な停電、情報通信網の不通、さらには復旧見通しの誤算により、行政機関の間でも被害状況の共有や支援体制をどの程度まで拡大すればよいのかという判断などに時間を要しました。停電に見舞われた住民には、災害情報や避難情報がなかなか伝わらなかったことも判明をいたしました。電気が止まるということは情報が途絶えるということ、このことが二次災害、被害の拡大を生み、場合によっては生命の危機にもつながります。  昨年、関西を襲った平成三十年台風二十一号による停電、そして北海道胆振東部地震で発生したブラックアウトもあり、災害により電力が失われる事態を想定した初動対応を万全にしていく必要があります。  今回の停電の背景には、風速が想定を上回ったという事情もあるのは確かですが、電力会社による送電施設の維持管理が後回しになり、災害に対して脆弱になっていたのではないかという声もあります。また、電線地中化の遅れもあって電柱の倒壊が相次ぎ、停電の長期化につながりました。送電施設の復旧に携わる技術職員や協力企業は足りていたのか、病院など速やかな電力復旧が必要な施設への電源車の配備計画は十分だったのかなど、様々な問題が明らかになっております。今回の台風被害や対応等を検証した上で、災害に強い送電網を維持するとともに、停電の長期化を防ぐ仕組みをしっかりとつくることも極めて重要であります。  今後、同様の事態を招かないためにも、どのように対応していく考えなのか、菅原経済産業大臣にお伺いをいたします。  停電が長期化したもう一つの原因と言われているのは、おびただしい数の倒木の発生であります。  倒壊した鉄塔や電信柱を復旧させようにも、倒木をどけなければ現場に到着できない。倒木に切れたりたるんだりしてしまった架線がぶら下がっている。しかも、電柱を復旧しようにも、周りの民有地の木が倒れ、寄りかかっていれば、権利関係の問題も想定をしなければなりません。このような事態を避けるためにも、自治体と協力して倒木のおそれのある木を事前に伐採する作業を進めたり、災害時の復旧作業のために県が木の伐採と倒木の除去ができるように自治体と協定を結んでおくことが必要であります。それに加えて、土地そのものの所有者が不明なため、事前防災が妨げられ、災害時の倒木の撤去に時間を要することへの対策も必要となってきております。  あわせて、倒木自体が多数発生した理由についても着目をすべきであります。千葉県での倒木では、溝腐れ病という病気で幹の真ん中が溝状に枯れていたこと、さらに、間伐が行われていなかったため、木が密集をし、風の影響を大きく受けたことなどの要因が重なったのではないかという指摘があります。適切な森林管理がなされていなければ、思わぬ形で自然災害がもたらす被害が拡大するということを示しております。  全国の八割の自治体が、管内の人工林に手入れ不足があると言われております。今年度から自治体に配分される森林環境譲与税を活用して、しっかりと森林機能の回復、健全な森林の育成に努めていくべきであります。  安倍総理に、防災という観点も含めて、我が国の森林資源の状況への認識と、土地の適切な管理に向けた展望をお伺いをいたします。  ふるさとの美しい景色、四季の移ろいを感じる農産物など、自然は私たちに大きな恩恵をもたらしてくれます。その反面、私たちは自然災害の脅威から逃れることはできません。  本年八月の長崎県から佐賀県、福岡県にかけての広い範囲での、秋雨前線の影響で線状降水帯が発生をし、各地で観測史上記録的な大雨となり、大きな被害をもたらしました。台風も、従来のようなフィリピン沖で発生をし一週間近く掛けて日本を襲来するパターンではなく、海水温の上昇から日本近海で急速に発達をし二十時間余りで上陸をするという、ゲリラ豪雨ならぬゲリラ台風と言うべき新しいタイプの台風が襲ってきます。  連続したゲリラ豪雨というイメージの線状降水帯もゲリラ台風も、直前の対策に十分な時間が取れないおそれがあります。だからこそ、それまでの災害の教訓を学び、異次元の自然災害には異次元の防災対策を講じ、また、異次元の災害を前提とした体制等への、不断に見直していくことが求められます。  週末には台風十九号が日本列島に襲来すると言われております。政府におきましては、万全な対策で対応していただきたく、要望を申し上げる次第でございます。  国民の皆様方の生命、そして日々の生活と営みを守るために、これまでとは異なるパターンの、規模の自然災害に対して、財源や技術を集中的に投入をし、国土強靱化を強力に進めていくべきと考えますが、安倍総理のお考えをお聞かせください。  異常気象がもたらす自然災害が多発する中で、自衛隊の災害派遣要請も増加をし、それに伴う負担も増えております。台風十五号に見舞われた千葉県でも、復旧に着手する前に再び被害を受け、しかも厳しい暑さの中、水道も電気も通わない環境に置かれた方々に水を届け、入浴施設の設営、ブルーシートの輸送や展張など様々な支援を行っていただいた自衛隊員の皆様方に、心より敬意と感謝を申し上げる次第であります。自衛隊の機能と役割がいかに不可欠なものであるかが改めてよく分かりました。  そこで、災害派遣を含め、国民の命と暮らしを守るために自衛隊の役割が遺憾なく発揮できるよう、どのように環境を整備していくべきなのか、安倍総理のお考えをお伺いをいたします。  高度成長時代、我が国は海外に大量の資源を求め、それを使い大量に生産をし消費をする中で、便利な生活様式を求めてきました。しかし、日本の伝統は、私たちにものを与えてくれる自然に感謝をし、そのものを大切に使い続けるというスタイルだったのではないのでしょうか。これまでにないパターンの豪雨や台風は、私たちに日本の伝統をもう一度振り返りなさいという声なき声ではないかと思います。  そして、気候変動のもたらす脅威は自然災害の頻発だけではありません。  国連の気候変動に関する政府間パネル、IPCCの特別報告書は、干ばつなど気候変動の激化で二〇五〇年までに穀物価格が最大二三%上がるおそれがあり、食料不足や飢餓のリスクが高まると警告をしております。  一方、地球温暖化に無理やり歯止めを掛けようとすると、経済や市民生活に大きなダメージを与えてしまいます。各国の支持を受けることは難しくなります。環境と成長を両立させる道を見付けていかなければなりません。  本年六月に行われたG20エネルギー・環境大臣会合で、我が国は環境と成長の好循環というコンセプトを提示をし、各国との間で共有することができました。水素やカーボンリサイクルといったイノベーションによるエネルギー転換により、環境は新たなビジネスチャンスとして捉えることができますし、資金の調達も可能となります。あわせて、我々の行動様式を変えていく、例えばレジ袋有料化などを組み合わせることで、この好循環はより強固なものとなります。  そこで、温暖化対策の国際的枠組み、パリ協定が来年始まりますが、目標達成に向けて、我が国は地球温暖化対策にどのように取り組んでいくつもりなのか、安倍総理の考えをお聞かせください。  世界の海の表面には五兆個もの海洋マイクロプラスチックが漂っていると言われております。何もしなければ二〇五〇年までに海に出るプラスチックの合計は約十億トンに達し、全ての魚の重さ、約八億トンを上回るとの予測もあります。対策を直ちに進めなければなりません。  G20大阪サミットでは、海洋プラスチックごみによる新たな汚染を二〇五〇年までにゼロにする目標を導入することで一致いたしました。  四方を海に囲まれ、海の恵みを受けてきた我が国は、G20議長国として率先して行動すべきであります。全国の海岸や河川敷での一斉回収活動、漁業者の幅広い協力による海洋ごみの回収と処理の強化、微生物の力で分解されるバイオプラスチックの開発、増産など、あらゆる手段を尽くしていく必要があります。また、途上国の海洋プラスチックごみ問題にも国際貢献の一環として取り組んでいかなければなりません。  G20での成果等を踏まえ、プラスチックごみのない海を目指して、どのようなアクションで世界に貢献していくつもりでしょうか。小泉環境大臣にお伺いをいたします。  激変する安全保障環境の中で、どのように我が国と我が国国民を守っていくのか。これは国として最も求められる基本的な役割の一つです。  北朝鮮が我が国の安全保障環境にもたらす脅威、これは全く変わっておりません。軍事最優先の強行的意思と冒険的な駆け引きは健在であり、軍事的能力は著しく向上をしております。これまで二度の米朝首脳会談、そして板門店でのサプライズ的な対面はあったものの、北朝鮮情勢は決して楽観できるものではありません。  先週、十月二日には、島根県沖、日本海上の我が国の排他的経済水域内にSLBM、潜水艦発射弾道ミサイルが落下をいたしました。短距離弾道ミサイルも国連安保理決議に明確に違反した行為であります。SLBMは、我が国の領海、領土はもちろん、アメリカにとっても重大な脅威を与えるものであります。何としても北朝鮮に核兵器・ミサイル開発をやめさせなければなりません。  また、今週月曜日に我が国EEZ内で退去警告中の水産庁の漁業取締り船と北朝鮮の漁船が衝突するという事案が発生をいたしました。北朝鮮の違法操業に対しては、引き続き毅然とした態度で臨むべきであります。  そして、拉致被害者家族の高齢化が進む中、拉致問題の解決も急務であります。  ある拉致被害者家族の方は、新聞連載の中で、国会を見ていると、拉致事件が課題に上がることがだんだん少なくなり、嘆かわしい思いに駆られると述べられております。家族の皆様方の声に真摯に耳を傾け、希望がかなうよう、ちゅうちょなく行動しなければなりません。家族の悲しみを我が事のように感じ、拉致問題に取り組んできた安倍総理であるからこそ思い切ったアクションができると信じております。  そこで、安倍総理は、北朝鮮による拉致問題や核・ミサイル開発に対してどのような決意で解決に向けて取り組まれるのでしょうか、お聞かせをください。  無人機による攻撃など、これまで常識では考えられなかった安全保障上の脅威が顕在化しております。  先月、サウジアラビアの石油施設二か所が無人機などによると見られる攻撃を受けて炎上をいたしました。事前に緯度、経度をプログラム化した上で低空を飛ぶため、レーダーで捕捉しにくいと言われております。  目に見えない脅威も近づいています。  国連安保、保障理事会で北朝鮮への制裁の履行状況を調査する専門家パネルでは、軍部が主導して暗号資産の不正行為を行い、サイバー攻撃なども含め最大二十億ドルの資金を違法に取得しているとの報告があります。既にライフラインを本格的にサイバー攻撃をし、損害を与え得るだけの能力を有しているのではないかとの分析もあります。  まさに新しいタイプの攻撃からどのように我が国と国民を守り抜くのか、具体的に考えていかなければならない時代になってきております。  昨年末、政府が閣議決定をした防衛大綱は多次元統合防衛力の構築を掲げておりますが、極めてタイムリーな対応であると高く評価できます。今後は、この大綱に基づく宇宙やサイバー、電磁波といった新領域に早急に対処していかなければなりません。特に、電力や水道、通信といったライフラインへの攻撃に備えるためには、地方自治体や民間企業とも連携を強化する必要があります。このような観点からも、ライフラインへの攻撃に備えた政府全体の体制整備、そして関係機関との緊密な連携などの構築にも力を入れるべきではないのでしょうか。  サイバー攻撃など進化する新たな脅威から政府全体で国民の安全、安心を守り抜く覚悟と対策について、総理にお伺いをいたします。  昨年三月、東京都目黒区で発生をし、五歳の女の子の尊い命が失われた児童虐待事件。本年八月にも鹿児島県出水市で四歳の女の子の尊い命が失われました。児童虐待から子供たちを守らなければなりません。そう考えて、私ども、参議院自民党は、昨年三月の事件以来、国会質問や街頭演説において、虐待かもと思ったときにすぐに児童相談所に通告、相談ができる全国共通ダイヤル「いちはやく」、一八九についてお知らせをしてきました。  昨年度、全国の児童相談所が児童虐待の相談、通報を受けて対応した件数は、速報値で前年度比二割増しの十五万九千八百五十件、過去最高となりました。相談、通報で命が助かったのであれば「いちはやく」の効果はあったと見ることができます。しかし、虐待に苦しむ子供たちがいまだ多くいることを示す悲しい数字でもあります。  児童相談所や医療など関係機関からの連絡で状況を把握をし、一時保護など適切な措置をとることが望まれますが、全国的に児童相談所の人手不足がネックとなっております。  児童福祉司一人当たりの虐待の相談対応件数は、昨年度、全国平均で約四十七件に上っています。本年六月には児童相談所の介入機能を強化する法律が成立をし、総理も、ちゅうちょなく一時保護に踏み切れるよう、大幅増員で必要な専門人材を配置すると述べておりますが、この方針のとおり、早急に体制を強化していくことが大切であります。  そこで、児童相談所の体制強化を含め、未来ある子供たちを虐待から救うための、政府を挙げて何をすべきなのか、総理のお考えを聞かせていただきたいと思います。  来年、いよいよ二〇二〇東京オリンピック・パラリンピックが開催をされます。五十六年ぶりの開催が迫り、興奮する気持ちを抑え切れません。  私のふるさと千葉県一宮町でも、初めて正式競技に採用されましたサーフィンの会場となることで大いに盛り上がっております。訪れるサーファーも増加をし、サーフィンを目的に移住する家族も増えております。若い世帯が移住することで子供たちも増えており、地域は活気付いております。  オリンピック・パラリンピックが日本にもたらす経済効果は三十兆円を超えるものと言われております。この機会を最大限生かして地方創生が大きく前進するよう、政府には全力で後押しをしていただきたくお願いを申し上げる次第でございます。  また、二〇二〇東京オリンピック・パラリンピックは、日本のバリアフリー政策が世界各国から集まる参加者、観戦者の皆様に評価されるときでもあります。  国土交通省によると、全国の一定規模以上の駅の約九割でホームまで段差のないルートが確保されたとのことであります。しかし、バリアフリー政策は実際に使われる皆様方からの本人目線が大切であります。施設を使われる皆様方が不便を感じることがないよう、きめ細やかなチェックをお願いを申し上げます。  さらに、パラリンピックは、障害者と健常者が支え合う、共生社会の実現や多様性の尊重を考える貴重な機会であります。競技はもちろん、選手と地域住民との交流など様々なイベントを通じてパラリンピックの意義を実感してほしいと思います。  安倍総理は今年も総理大臣公邸で安倍総理と障害者の集いを開き、来年はいよいよパラリンピック大会が東京で開催されますが、日本に、そして世界に大きな感動を与える、忘れられない大会にしたいと思っていますと語られました。  そこで、安倍総理は、今回のパラリンピックがレガシーとして我が国にどのようなものを残すことを期待されているのでしょうか。この点についてお伺いをして、私の代表質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手)    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
  18. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 石井準一議員の質問にお答えをいたします。  台風十五号からの復旧復興についてお尋ねがありました。  御指摘のとおり、今般の台風第十五号による被災地の被害は深刻であり、政府においては、同台風による災害を激甚災害に指定することとしました。  また、暴風雨により極めて多くの家屋に被害が生じ、被災者の方々の日常生活に著しい支障が生じたことから、住宅の被害認定調査を弾力的に行うとともに、災害救助法の制度を拡充して、一部損壊の住宅のうち、屋根等に日常生活に支障を来す程度の被害が生じた住宅については、支援の対象とすることとしました。  引き続き、被災者の皆様が一日も早く安心した生活を取り戻せるよう、被災自治体と緊密に連携しながら、被災者の皆様に寄り添った復旧復興支援に全力を尽くしてまいります。  その上で、今般の災害から得られた教訓を十分に踏まえ、ハードとソフトを適切に組み合わせた対策を総動員して防災・減災対策にしっかりと取り組んでまいります。  台風第十五号への初動対応についてお尋ねがありました。  政府においては、台風の接近前から、防災担当大臣が出席して関係省庁災害警戒会議を開催したほか、停電の解消に時間を要している状況等を踏まえ、関係省庁災害対策会議を計十五回開催し、閣僚懇談会でも議論するなど、関係省庁が緊密に連携して切れ目のない対応に当たってきたところです。  そうした中で、内閣府や経済産業省等の連絡員や専門的な知識を有する者を順次、千葉県庁や各市町村に派遣したほか、食料品等のプッシュ型支援、自衛隊員延べ五万四千人を動員しての倒木除去作業やブルーシートの展張作業、被災地への自治体職員の広域応援派遣を行うなど、被災地のニーズを踏まえた様々な支援策を講じてまいりました。  このように、今回の台風への初動対応については迅速、適切に行われてきたものと認識しておりますが、今回の台風においては、長期間にわたる停電及びその復旧プロセスなどの様々な課題が認められました。それらの課題を検証、検討するため、先般、官房副長官をトップとする検証チームを立ち上げました。  今後、このチームの下に設置した実務者検討会において、メンバーである防災分野等の有識者五名の御意見も伺いながら、徹底的かつ客観的に検証を行い、今後の防災・減災対策の一層の改善につなげてまいります。  森林資源の状況と土地の管理についてお尋ねがありました。  我が国の森林は、戦後植林されたものが本格的な利用期を迎え、十分な蓄積量がある一方、適切な管理が行われていない森林も多く、このような森林では災害等の発生リスクが高まります。  このため、森林バンクを活用し、意欲と能力ある経営者に森林を集積、集約化するとともに、所有者のみでは手入れが行き届かない森林については、公的管理を行うことにより健全な森林の育成を図ります。  さらに、今年度から森林環境譲与税が市町村に譲与されるところであり、予算措置と併せ、市町村等による森林整備をしっかりと加速します。  また、議員御指摘のように、事前防災の支障ともなる所有者不明土地等についても、設置した関係閣僚会議等において、その課題と対応の検討を進めてまいります。  今回の台風においては、長期間にわたる停電及びその復旧プロセスなど様々な課題が認められました。それらの課題を検証、検討するための検証チームを立ち上げ、原因や対策について徹底的かつ客観的に検証してまいります。  国土強靱化についてお尋ねがありました。  平成の時代は大きな自然災害が相次ぎ、昨年から今年にかけても、集中豪雨、地震、激しい暴風、異常な猛暑など、異次元の災害が相次いでいます。災害への対応は、もはやこれまでの経験や備えだけでは通用せず、命に関わる事態を想定外と片付けるわけにもいきません。  このため、昨年末に、これまで培ってきた最新の知見を踏まえ、中長期的な目標や方針を明らかにする国土強靱化基本計画を見直すとともに、防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策を取りまとめ、集中的な取組を進めることとしています。  今年の災害対応から得られた知見も生かしながら、今後とも、国土強靱化基本計画に基づき、必要な予算を計上した上で、オールジャパンで国土強靱化を強力に進め、国家百年の大計として災害に屈しない強さとしなやかさを備えた国土をつくり上げてまいります。  自衛隊の役割や能力を遺憾なく発揮するための取組についてお尋ねがありました。  政府の最も重大な責務は、国民の命と平和な暮らしを守り抜くことです。自然災害への対応を含め、自らの主体的、自主的な努力によってその責務を果たしていくことが、安全保障、危機管理の根幹です。  安倍政権では、我が国を取り巻く安全保障環境の変化を踏まえ、平和安全法制を整備し、自衛隊があらゆる事態に切れ目なく対応できるよう、その法的基盤をしっかりと整備しました。その上で、政府としては、現下の情勢を踏まえ、防衛力を抜本的に強化するため、昨年十二月に防衛計画の大綱を策定したところであり、防衛力の質及び量を必要かつ十分に確保していくこととしています。  とりわけ、大規模災害を含む各種事態により実効的に対処できるよう、機動展開能力や後方分野も含めた防衛力の持続性、強靱性の強化といった取組を進めるとともに、防衛力の中核は自衛隊員であることを踏まえ、人的基盤の強化もこれまで以上に推進していく方針です。  こうした取組を通じ、自然災害においても部隊を迅速に輸送、展開させ、初動対応に万全を期すとともに、活動の長期化にも十分耐え得るような防衛力を構築し、人命救助から生活支援に至るまで、被災された方々のニーズに丁寧に対応してまいります。  いずれにせよ、政府としては、国民の命と平和な暮らしを守るため、従来とは抜本的に異なる速度で防衛力の強化を図っていく考えであり、私としても、自衛隊の最高指揮官として、自衛隊がその能力を十全に発揮し、国民から負託された使命を果たしていくべく、しっかりと取り組んでいく決意です。  地球温暖化対策についてお尋ねがありました。  我が国は、パリ協定に基づく削減目標の実現に向けて、基準年の二〇一三年以来、四年連続で温室効果ガスの排出量を削減しています。合計で八%を超える削減は、G7の中でも英国に次ぐ大きさです。  さらに、本年六月、今世紀後半のできるだけ早期に脱炭素社会を実現することを目指すとした、パリ協定に基づく長期戦略を閣議決定いたしました。脱炭素社会の実現は、これまでの延長線上の取組では困難であり、非連続なイノベーションを起こすことが不可欠です。このため、本年中に、水素社会の実現や人工光合成の実用化等に向けて、具体的なターゲットと工程表を定めた革新的環境イノベーション戦略を策定する考えです。  また、今週、世界トップレベルの研究者、産業界、金融界が一堂に会するグリーンイノベーションサミットを我が国で初めて開催します。環境と成長の好循環を一層加速しながら、世界の英知を結集することで、世界の脱炭素化という究極の目標に向かって、我が国はこれからもリーダーシップを発揮してまいります。  北朝鮮問題についてお尋ねがありました。  弾道ミサイル発射が安保理決議違反であることは明白であり、こうした立場について、例えば、先般のG7の際に行った日米首脳会談で、冒頭私から、北朝鮮の短距離弾道ミサイルの発射は安保理決議違反であり極めて遺憾である旨述べ、トランプ大統領から完全に理解する旨の発言があるなど、累次の機会に確認してきたところです。引き続き、米国と緊密に連携し、安保理決議の完全な履行に努めてまいります。  日本海大和堆周辺の我が国排他的経済水域における北朝鮮漁船による操業は極めて問題であり、政府としては、引き続き、我が国排他的経済水域内での外国漁船による違法操業の防止のため、毅然として対応してまいります。  拉致問題の解決に向けては、我が国自身、主体的に取り組むことが重要です。私自身、条件を付けずに金正恩委員長と直接向き合う決意です。御家族も御高齢となる中、一日も早い解決に向け、引き続き、米国等と緊密に連携しながら、冷静な分析の上にあらゆるチャンスを逃すことなく果断に行動してまいります。  いずれにせよ、今後とも、我が国として、日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して国交正常化を目指してまいります。  国民の安全、安心を守り抜く覚悟と対策についてお尋ねがありました。  国民の命と平和な暮らしを守り抜くことは、これは政府の最も重大な責務です。昨年末に与党でも精力的な御議論をいただいた結果、新たな防衛計画の大綱を策定しました。  この中では、社会全般が宇宙空間やサイバー空間への依存を高めていく傾向等を踏まえ、宇宙、サイバー、電磁波といった新たな領域における防衛力を抜本的に強化することとしています。  また、電力、通信といった国民生活に重要なインフラやサイバー空間を守るための施策を進めるなど、政府一体となって、さらには地方公共団体、民間団体等とも協力し、我が国が持てる力を総合する防衛体制を構築することとしています。  政府としては、今後とも、従来とは抜本的に異なる速度で変革を図っていく考えであり、安全保障の現実から目をそらすことなく、真正面から向き合い、我が国の安全保障にとって真に必要なオールジャパンの体制により、国民の命と平和な暮らしを守り抜いてまいります。  児童虐待への対応についてお尋ねがありました。  子供たちの命を守るのは、私たち大人全員の責任です。  この強い決意の下、昨年十二月に策定した新たなプランの下で、これまで三千名体制の児童福祉司を今年度一気に千名増やし、そして、二〇二二年度には五千名体制とすることや、児童心理司を八百名増員すること、全市町村への身近な相談拠点を設置することなどを決定し、体制の抜本的強化を進めているところです。  また、さきの通常国会で成立した児童福祉法の改正法に基づき、体罰禁止の法定化や児童相談所における弁護士等の配置促進、DV対策の連携強化など、実効性のある対策を進めてまいります。  何よりも子供の命を守ることを最優先に、あらゆる手段を尽くし、児童虐待の根絶に向けて総力を挙げてまいります。  パラリンピック東京大会のレガシーについてお尋ねがありました。  パラリンピック東京大会の開催は、障害の有無にかかわらず、誰もが生き生きとした人生を享受することができる共生社会を実現する絶好の機会です。  これまで政府としては、障害者の方々の意見に基づき、ユニバーサルデザインの町づくり、学校、企業など国民全体に向けた心のバリアフリーの普及を図るとともに、海外のパラリンピック選手との交流を契機とした共生社会ホストタウンなどの取組を全国各地で展開してまいりました。  今後とも、将来に受け継がれるレガシーとして、共生社会の実現に向けて政府一丸となって取り組んでまいります。  残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)    〔国務大臣菅原一秀君登壇、拍手〕
  19. 菅原一秀

    ○国務大臣(菅原一秀君) 台風被害に遭われました千葉県を地元とする石井準一議員から数々の貴重な御提言を賜りつつ、災害に強い送電網の維持及び停電の長期化を防ぐ仕組みづくりについてのお尋ねがございました。  今回の停電に関する一連の対応につきまして、経済産業省といたしましては、既に専門家によるフルオープンの審議会を立ち上げ、停電の原因やその復旧プロセスについて徹底的な検証を行っております。この検証結果を踏まえまして、しっかりと対策を講じてまいります。  具体的には、災害に強い送配電設備を整備するため、鉄塔や電柱の損壊の原因を究明した上で、技術基準の見直しも含め、対応を加速させてまいります。  また、御指摘の電柱の地中化につきましても、国土交通省と連携して早急に進めてまいります。  加えて、カメラ付きのドローンなどを活用して早期の被害の情報の把握や、復旧見込みの的確な提示を行ってまいります。  また、電力会社間の連携による電源車、ポータブル発電機などのプッシュ型の支援、さらには、お話あったように、病院などの重要施設への早期の配備のための自治体との協力の強化、そして、今回最も現場力を発揮してくれました自衛隊との、連携して倒木処理の円滑化などを進めてまいります。  以上でございます。(拍手)    〔国務大臣小泉進次郎君登壇、拍手〕
  20. 小泉進次郎

    ○国務大臣(小泉進次郎君) 石井議員から御質問をいただきました海洋プラスチックごみの対策についてお答えをさせていただきたいと思います。  海洋プラスチックごみによる汚染は、生態系や漁業にとって深刻な問題であり、人類の責任として取り組まなければなりません、なくさなければなりません。  御指摘のG20大阪サミットで提案した大阪ブルー・オーシャン・ビジョンで目指す新たな汚染ゼロの世界を二〇五〇年までに実現すべく、まずは我が国が率先して取り組んでまいります。  具体的には、昨日八日から東京でG20資源効率性対話・G20海洋プラスチックごみ対策実施枠組フォローアップ会合を主催しており、各国の担当者と取組の進捗を確認するとともに、来年サウジアラビアで開催されるG20に向けて協力連携を進めます。国会等の状況が許せば私自身も参加して、各国、国際機関に一層の連携強化を呼びかけたいと思います。  また、途上国の対策強化については、我が国の主導により、東アジア・ASEAN経済研究センター、いわゆるERIAに海洋プラスチックごみナレッジセンターがまさに本日九日に設立されます。このセンターも通じ、ASEAN各国へ廃棄物管理や人材育成などの支援も実施します。  新たな汚染ゼロの実現には、地球規模の連携に加え、国民一人一人の御理解、御協力も欠かせません。現在審議会で御議論をいただいているレジ袋の有料化を始め、消費者、産業界、自治体、国のオールジャパンの取組につながるよう、環境省としても全力を尽くします。(拍手)
  21. 山東昭子

    議長(山東昭子君) これにて質疑は終了いたしました。      ─────・─────
  22. 山東昭子

    議長(山東昭子君) この際、国会議員として永年にわたり在職されました前議員表彰についてお諮りいたします。  国会議員として二十四年の長きにわたり在職されました小川勝也さんに対し、永年の功労を表彰することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 山東昭子

    議長(山東昭子君) 御異議ないと認めます。  よって、小川勝也さんを表彰することに決しました。  表彰式は、追って議長において執り行います。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時三十六分散会