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2019-03-13 第198回国会 参議院 東日本大震災復興特別委員会 2号 公式Web版

  1. 平成三十一年三月十三日(水曜日)    午後零時二十一分開会     ─────────────    委員の異動  三月十二日     辞任         補欠選任      羽生田 俊君     島村  大君      宮本 周司君     宮島 喜文君  三月十三日     辞任         補欠選任      高橋 克法君     佐藤  啓君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         徳永 エリ君     理 事                 岡田  広君                 進藤金日子君                 平野 達男君                 藤木 眞也君                 杉尾 秀哉君                 伊藤 孝恵君                 谷合 正明君                 石井 苗子君     委 員                 阿達 雅志君                 愛知 治郎君                 江島  潔君                 大沼みずほ君                 太田 房江君                 こやり隆史君                 上月 良祐君                 佐藤  啓君                 島村  大君                 滝波 宏文君                 中西  哲君                 中野 正志君                 宮島 喜文君                 森 まさこ君                 和田 政宗君                渡辺美知太郎君                 神本美恵子君                 川田 龍平君                 真山 勇一君                 牧山ひろえ君                 増子 輝彦君                 矢田わか子君                 山本 太郎君                 浜田 昌良君                 平木 大作君                 若松 謙維君                 行田 邦子君                 清水 貴之君                 岩渕  友君                 紙  智子君                 山添  拓君    国務大臣        国務大臣        (復興大臣)   渡辺 博道君    副大臣        復興副大臣    浜田 昌良君        復興副大臣    橘 慶一郎君    大臣政務官        復興大臣政務官  安藤  裕君        復興大臣政務官  石川 昭政君    事務局側        常任委員会専門        員        林  浩之君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○東日本大震災復興の総合的対策に関する調査  (東日本大震災復興基本施策に関する件)  (平成三十一年度復興庁関係予算に関する件)  (派遣委員の報告)     ─────────────
  2. 徳永エリ

    ○委員長(徳永エリ君) ただいまから東日本大震災復興特別委員会を開会いたします。  議事に先立ちまして、一言申し上げます。  東日本大震災の発災から八年が経過をいたしました。改めて被災地に思いを致し、被災された方々に寄り添いながら、本委員会として、被災地の復興が加速されるよう、力を尽くしてまいりたいと思います。  ここに、犠牲になられた方々の御冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと思います。  どうぞ御起立をお願い申し上げます。それでは、黙祷。    〔総員起立、黙祷〕
  3. 徳永エリ

    ○委員長(徳永エリ君) 黙祷を終わります。御着席ください。     ─────────────
  4. 徳永エリ

    ○委員長(徳永エリ君) それでは、委員の異動について御報告をいたします。  昨日、羽生田俊さん及び宮本周司さんが委員を辞任され、その補欠として島村大さん及び宮島喜文さんが選任されました。  また、本日、高橋克法さんが委員を辞任され、その補欠として佐藤啓さんが選任されました。     ─────────────
  5. 徳永エリ

    ○委員長(徳永エリ君) 東日本大震災復興の総合的対策に関する調査を議題といたします。  それでは、まず、東日本大震災復興基本施策について、復興大臣から所信を聴取いたします。渡辺復興大臣
  6. 渡辺博道

    国務大臣渡辺博道君) 東日本大震災復興特別委員会の開催に当たり、一言御挨拶申し上げます。  東日本大震災の発災、そして東京電力福島第一原発事故から丸八年が経過しました。  未曽有の大災害であるこの震災や原子力災害からの復興には、多くの困難が伴うと同時に、長期にわたっての取組も必要となります。安倍内閣では、東北の復興なくして日本の再生なしというその強い決意の下、これまでも、復興の加速化を内閣の最重要課題の一つとして位置付け、政府を挙げて復旧復興に取り組んでまいりました。  その成果もあり、地震・津波被災地域では、生活に密着したインフラの復旧はおおむね終了し、住まいの再建も今年度中におおむね完了する見込みとなるなど、復興は着実に進展しております。  また、福島における原子力災害被災地域でも、避難指示が解除された地域において、小中学校の再開や医療機関の開設が進むなど、復興再生に向けた動きが本格的に始まっております。  一方、帰還困難区域の方々を始め、長期にわたりいまだ不自由な生活を送られている方々もいらっしゃいます。発災から時間が経過し、被災者の方々や被災地の置かれた状況が多様化する中で、被災者に寄り添い、地域の実情に応じてきめ細かい対応をしていく必要があります。  この度、復興・創生期間が三年を経過する中、復興施策の進捗状況を踏まえ、復興・創生期間における東日本大震災からの復興の基本方針を見直すことといたしました。今回の見直しにおいて、復興・創生期間における取組を加速化させるとともに、被災自治体の要望も踏まえて、初めて復興・創生期間後における復興の基本的方向性を示すことといたしました。  復興・創生期間内における政府の基本姿勢として、地震・津波被災地域では、復興の総仕上げに向けて、被災地の自立につながり地方創生のモデルとなるような復興を実現することを目指すとともに、福島の原子力災害被災地域では、本格的な復興再生に向けて取組を進めてまいります。また、福島の復興再生は中長期的な対応が必要であり、引き続き、国が前面に立って全力で取り組んでまいります。  まず、復興・創生期間内における具体的な取組について申し上げます。  心の復興の観点から、避難生活の長期化に伴う見守り、心身のケア、住宅や生活の再建に向けた相談支援、生きがいづくりへの支援、災害公営住宅等でのコミュニティー形成など、生活再建のステージに応じた切れ目のない支援を行ってまいります。  住まいの確保については、災害公営住宅や宅地の整備が今年度中におおむね完了する見込みであることを踏まえ、岩手県、宮城県においては、復興・創生期間中に仮設生活を解消できるよう、しっかり取り組んでまいります。  また、被災地の経済発展の基盤となる復興道路、復興支援道路の整備等を引き続き進めてまいります。  産業、なりわいの再生については、商業施設の整備、企業の新規立地、販路の開拓や人材の確保等の支援などについて、より一層力を注いでまいります。  観光についても、これまでの取組の結果、平成三十年の東北六県の外国人宿泊者数が震災前の二倍を超える約百二十万人泊となるなど、明るい兆しが出始めております。引き続き、東北の魅力の発信強化、交流人口の拡大に向けた官民連携での取組等を行ってまいります。あわせて、教育旅行の誘致を含む福島県の国内観光振興を支援してまいります。  福島については、避難指示が解除された地域において、医療、介護、買物環境、教育等の生活環境整備を進めるとともに、中間貯蔵に係る事業を引き続き進めてまいります。  帰還困難区域においては、たとえ長い年月を要するとしても、将来的に帰還困難区域の全てを避難指示解除し、復興再生に責任を持って取り組むとの決意の下、六町村の特定復興再生拠点区域において、五年を目途に避難指示を解除し、帰還者等が居住できるよう、除染やインフラの復旧整備等を着実に進めます。  また、浜通り地域等において、廃炉、ロボット、水素を始めとするエネルギー、農林水産等の分野で新たな産業基盤の構築を目指す福島イノベーション・コースト構想を推進するとともに、官民合同チームによる事業再開や営農再開に向けた支援など、産業、なりわいの再生を図ってまいります。  さらに、今なお続く風評を払拭することは、福島の復興再生の大前提です。風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略に基づき、知ってもらう、食べてもらう、来てもらうの三つの観点から、情報発信を一層強化してまいります。  二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会については、復興五輪と位置付け、世界中から寄せられた支援に対する感謝と、被災地の復興しつつある姿や魅力を国内外に積極的に発信してまいります。このため、聖火リレーや被災地での競技開催など、被災地等と連携した取組を進めるとともに、私を始めとする政務が各国の在京大使に対して精力的に情報発信を行ってまいります。  また、新しい東北の創造に資する観点から、人口減少等の地域課題の解決に向け、企業、大学、NPO等の多様な主体の連携を促進するとともに、意欲的な取組の成果などを普及、展開してまいります。  これまで被災地の一刻も早い復興に向けて全力で取り組んでまいりましたが、復興・創生期間後もなお対応が必要な課題があります。  具体的には、地震・津波被災地域においては、心の復興の観点から、心のケア等の被災者支援、被災した子供に対する支援などについて、復興・創生期間後も一定期間対応することが必要です。また、原子力災害被災地域においては、帰還促進のため環境整備、福島イノベーション・コースト構想を軸とした産業集積、事業者、農林漁業者の再建などについて、復興・創生期間後も対応することが必要です。これらについて、支援の在り方、具体的に検討してまいります。  さらに、後継組織については、復興庁と同じような司令塔として各省庁の縦割りを排し、政治の責任とリーダーシップの下で東日本大震災からの復興を成し遂げるための組織を置くことといたします。今後、復興を支える仕組みと併せ、復興施策の進捗状況や効果検証、被災自治体の要望等を踏まえ、復興・創生期間後も対応が必要な事業を確実に実施できるよう、その在り方について検討してまいります。  私は、復興大臣就任以来、現場主義を徹底し、被災者に寄り添うことを胸に刻み、東日本大震災からの復興に全力で取り組んでまいりました。  復興・創生期間も終盤を迎え、地震・津波被災地域における復興の総仕上げ、福島の本格的な復興再生に向けて確固たる道筋を付けていかなければなりません。今後は、見直した復興の基本方針に基づき、復興・創生期間の残り二年間において復興を加速化させるとともに、復興・創生期間後における復興の基本的方向性の具体化に取り組んでまいります。  引き続き、復興の司令塔としての機能をしっかり果たし、リーダーシップを発揮して、一日も早い復興に向けて全力で取り組んでまいります。  徳永委員長を始め理事、委員各位の御理解と御協力、よろしくお願いを申し上げます。
  7. 徳永エリ

    ○委員長(徳永エリ君) それでは次に、平成三十一年度復興庁関係予算について、復興副大臣から説明を聴取いたします。橘復興副大臣。
  8. 橘慶一郎

    副大臣橘慶一郎君) 平成三十一年度復興庁予算について御説明を申し上げます。  復興・創生期間の終了まで残り二年余りとなりました。復興庁においては、被災地の抱える課題の解決に直結する取組を着実に実施するとともに、復興のステージの進展に応じて生じる課題に引き続き迅速かつ適切に対応するための予算として、東日本大震災復興特別会計に総額一兆四千七百八十一億円を計上しております。  以下、その主要施策について御説明を申し上げます。  第一に、被災者支援については、災害公営住宅等への移転や避難指示解除区域への帰還が進む中、コミュニティー形成、再生、見守りや心身のケア等への支援に加え、被災者支援に携わる方への支援に必要な経費として、六百十四億円を計上しております。  第二に、住宅再建と復興まちづくりについては、住宅再建に関する事業の進展等を踏まえつつ、復興まちづくりを進めるほか、復興道路復興支援道路等の社会インフラの整備について、二〇二〇年度の完工を目指し推進していくために必要な経費として、六千九百二十七億円を計上しております。  第三に、産業やなりわいの再生については、観光復興人材確保、水産加工業の販路開拓等のソフト支援に引き続き注力するほか、福島について、農林水産業の再生、福島イノベーション・コースト構想の推進、原子力災害被災十二市町村における事業再開、新規立地等への支援に必要な経費として、六百九十一億円を計上しております。  第四に、原子力災害からの復興再生については、避難指示が解除された区域での生活再開に必要な環境整備や、帰還困難区域の特定復興再生拠点の本格的な整備等を進めるとともに、風評払拭及び放射線に関するリスクコミュニケーションの取組を継続するほか、中間貯蔵施設の整備等に必要な経費として、六千四百八十六億円を計上しております。  なお、東日本大震災復興特別会計においては、復興庁予算に加え、震災復興特別交付税交付金など、六千五百六十六億円を計上しており、全体では、二兆一千三百四十八億円を計上しております。  以上、平成三十一年度の復興庁予算の概要について御説明を申し上げました。  何とぞよろしくお願いいたします。
  9. 徳永エリ

    ○委員長(徳永エリ君) 以上で所信及び予算の説明の聴取は終わりました。  本件に対する質疑は後日に譲ることといたします。  この際、石川復興大臣政務官から発言を求められておりますので、これを許します。石川復興大臣政務官
  10. 石川昭政

    大臣政務官石川昭政君) 復興大臣政務官石川昭政でございます。  この度は挨拶の機会をいただきまして誠にありがとうございます。  私は、福島を中心とした原子力災害からの復興及び再生に関する事項に係る経済産業省との連絡調整に関する事項を担当いたします。  関係副大臣とともに渡辺大臣をお支えし、被災地の復興が着実に進むよう全力で取り組んでまいります。  徳永委員長を始め理事、委員各位の御指導と御協力をよろしくお願い申し上げます。     ─────────────
  11. 徳永エリ

    ○委員長(徳永エリ君) 次に、先般本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。岡田広さん。
  12. 岡田広

    岡田広君 去る二月二十五日、二十六日の二日間、岩手県において、東日本大震災の被災地における復旧・復興状況等の実情を調査してまいりました。  参加者は、徳永エリ委員長、平野達男理事、藤木眞也理事、進藤金日子理事、杉尾秀哉理事、伊藤孝恵理事、石井苗子理事、若松謙維委員、岩渕友委員及び私、岡田の十名であります。  以下、調査の概要について御報告いたします。  初日は、新花巻駅から沿岸の被災地に向かうバスの車中にて、岩手県における復興の現状と課題について復興庁岩手復興局から、また、震災津波からの復興の取組状況について岩手県から、それぞれ説明を聴取した後、釜石市釜石鵜住居復興スタジアムを訪れました。  同スタジアムは、小中学校生約六百人が津波から一緒に駆けて逃げた、東日本大震災を象徴する場所である釜石市立鵜住居小学校及び釜石東中学校の跡地に土地をかさ上げして建設され、本年我が国で開催されるラグビーワールドカップの試合会場となっております。野田市長、佐々木市議会議長等の案内を受けつつ、スタジアムを視察しました。  野田市長からは、これまで世界中からいただいた支援に対し、被災地を代表し、ラグビーを通じて感謝を伝えたいとの意向が示されました。同スタジアムでは、床土改良型ハイブリッド芝を日本で初導入するなど世界最高のパフォーマンスに必要なグラウンドコンディションを提供するとともに、安心して観戦できるよう、避難場所への最善、最短の避難経路を計画しているとのことであります。  その後、派遣委員との間で、ラグビーワールドカップ開催後のスタジアム利用の在り方、ラグビーワールドカップに向けた宿泊施設の整備状況等について意見交換が行われました。  次に、大槌町の福幸きらり商店街を視察しました。同商店街は、町内最大規模の仮設商店街であり、地域の復興に貢献してきましたが、仮設店舗から本設再建へと進む中、町内七か所の仮設商店街を福幸きらり商店街に集約した上で、来年の三月三十一日までに全事業者が退去し、その後、解体する予定とのことであります。  次いで、大槌町中央公民館に移動し、平野町長から町の復興状況を聴取するとともに、小松町議会議長の同席の下、福幸きらり商店街で営業中の事業者と意見交換を行いました。  まず、平野町長からは、土地区画整理事業などの面整備事業や公共施設の再建は進んできたものの、震災前に比べ人口減少が急激に進んでいることや、主要産業水産業に関し、サケなどの漁獲量が著しく減少していることが課題として挙げられるとの説明を受けました。また、事業者からは、被災後、仮設商店街で営業を再開するまでの御苦労や、産業集積地での本設再建を予定しているものの、産業集積地の整備の遅れ、大工の手配に時間を要することなどから、福幸きらり商店街からの退去期限を若干延長してほしいとの要望などを伺いました。  その後、派遣委員との間で、仮設商店街への入居当時の事業者の基準の有無、本設再建する上で事業者として心配している事項、仮設商店街の撤去に関する国の支援制度の在り方、人口減少や漁獲量の減少の中で営業上努力している事項、産業集積地の整備見通し、人口減少下における町づくりの課題、町の特産品であるシイタケの状況、施工業者不足の状況等について意見が交わされました。  次いで、大槌町の歴史的中心地である町方地区の土地区画整理事業を視察しました。町では、市街地に住民が早期に戻ってもらえるよう、一定期限までに住宅を建設した住民に対する補助制度などを実施しているとのことであります。  次に、本年三月二十三日に運行が再開される山田線に試乗いたしました。東日本大震災によって不通になったJR山田線については、平成二十七年二月に鉄道復旧及び三陸鉄道への移管が関係者間で合意され、その後、復旧工事が行われてきました。運営移管により、大船渡市の盛駅から久慈駅までの百六十三キロメートル三陸鉄道リアス線として一体として運営されることになります。  車中で中村社長からは、沿線人口の減少もあり、三陸鉄道の乗車人員は開業年度である昭和五十九年度の約二割程度となっているが、三陸鉄道は、今後ともその確保が求められる地域の交通手段であるとともに、有力な観光資源として、また、学びの場としての震災学習列車や、健康づくりのためのサイクルトレインなどを通じて、地域の振興に貢献していきたいとの説明を聴取しました。  派遣委員との間では、イベント列車の収益状況、地域住民の利用実態、三陸鉄道の経営状況、沿線自治体等の補助金の状況、鉄道復旧に向けた沿線自治体の取組などについて意見交換がなされました。  次に、宮古市に移動し、震災時に避難所の役割を果たした浄土ケ浜パークホテルにおいて、山本市長から市の復興状況について、また、渡邉常務執行役員総支配人から災害時の取組について説明を聴取し、懇談を行いました。  二日目は、まず田老地区防災集団移転促進事業を視察しました。同事業により高台に整備された三王団地は、従来から高台移転の候補地として認識されていた地域であるとともに、住民は高台移転とかさ上げによる土地区画整理事業を選択することが可能だったため、町づくりの合意形成は比較的スムーズであったとのことであります。また、土地のかさ上げをした地区と高台移転した地区の一体性を保つよう、両地区の間に公共施設を集約しています。さらに、条例により防潮堤の外側を災害危険区域に指定し、住宅の建設を制限することとしております。  次いで、津波遺構たろう観光ホテルを視察しました。同ホテルは、震災遺構として国の復興交付金により保存のため必要な工事費が配分された最初の例であり、津波により鉄骨がむき出しになったまま保存されております。同ホテルでは、ホテル社長が避難した六階から撮影した津波の映像などを視聴しました。  次に、昨年十月に供用開始された地域防災拠点であるイーストピアみやこを視察しました。庁舎四階に設けられた災害対策本部室では、被災現場とテレビ電話の端末で会議ができるシステムや、避難情報等の迅速な伝達のため、市内小中学校の校内放送に割り込んで防災情報を放送できるシステムなどが常設されているとのことです。  次いで、山田町織笠地区防災集団移転促進事業を視察しました。訪問した織笠第一団地は、平成二十七年五月に分譲が開始され、山田町で一番早く土地の引渡しができた地区であります。百三十五区画中百二十七戸で自宅が再建されており、比較的空き地が少ない状況になっています。佐藤町長からは、高台移転に当たり、コミュニティーをなるべく壊さないことに配慮したとの説明がありました。また、自宅再建に当たり、当時、坪六十万円から七十万円掛かっていたところ、建設資材の高騰を抑える観点も踏まえ、地元大工と協力して、坪五十万円の山田型復興住宅を提案してきたとのことであります。  引き続き、団地の仮設コミュニティーセンターで、佐藤町長、自治会関係者、漁業関係者と意見交換を行いました。佐藤町長からは、町づくりの方針として、人口減少に応じた、身の丈に合った、土地の空かないコンパクトな町づくりに努めてきたとの説明を受けました。また、三陸沿岸道路の開通を見据え、道の駅を建設し、観光振興につなげていきたいとのことでした。自治会関係者からは、織笠第一団地においても様々な地区から住民が集まっており、コミュニティーづくりに努力していることや、被災当時、自治会役員として高齢者の避難や避難所での避難者の健康管理に努められた経験が示されました。また、漁業関係者からは、震災により漁船、養殖場等を全て失ったが、国の漁業・養殖業復興支援事業等を利用し、事業を再開することができたとの言及がなされました。  派遣委員との間では、養殖業の復旧状況、高齢者の心のケアへの取組、演芸会の開催などコミュニティー形成に向けたイベント等の実施と住民の参加の促進、イベントの一角を利用した高齢者の健康管理への取組、高台移転において苦労されていること、病院における医師の確保状況などについて意見が交わされました。  以上が調査の概要であります。  震災から約八年が経過し、インフラ整備や住まいや町づくりの再建はかなりの程度進んできているように思われます。その一方で、地域の主要産業である水産業における漁獲量の減少など、産業、なりわいの再生に向けた不安要因も顕在化しております。また、高台移転後のコミュニティー形成なども重要な課題であり、被災者支援や産業、なりわいの再生のためのソフト対策など、よりきめ細かな対応に一層の重きを置く必要があります。  加えて、多くの視察先で言及がなされた地域の人口減少は、復興を成し遂げつつある町がその活気を保ち続ける上で大きな制約要因となるおそれがあります。被災地が人口減少社会における優れたモデル地域として再生するとともに、そのにぎわいを維持できるよう、国としても適切な対応を図る必要があることを改めて強く認識した次第であります。  最後に、私どもの調査に御協力いただいた皆様に対し厚く御礼を申し上げますとともに、被災地の一日も早い復興が果たされますようお祈り申し上げまして、派遣報告を終わります。
  13. 徳永エリ

    ○委員長(徳永エリ君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。  本日はこれにて散会をいたします。    午後零時五十一分散会