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2019-06-06 第198回国会 参議院 国土交通委員会 17号 公式Web版

  1. 令和元年六月六日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  六月五日     辞任         補欠選任      今井絵理子君     青山 繁晴君      魚住裕一郎君     谷合 正明君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         羽田雄一郎君     理 事                 井上 義行君                 酒井 庸行君                 中泉 松司君                 青木  愛君                 三浦 信祐君     委 員                 足立 敏之君                 阿達 雅志君                 青山 繁晴君                 朝日健太郎君                 金子原二郎君                 こやり隆史君                 末松 信介君                 高橋 克法君                 中野 正志君                 牧野たかお君                 野田 国義君                 舟山 康江君                 増子 輝彦君                 谷合 正明君                 矢倉 克夫君                 行田 邦子君                 室井 邦彦君                 山添  拓君                 平山佐知子君    衆議院議員        国土交通委員長  谷  公一君        国土交通委員長        代理       盛山 正仁君        国土交通委員長        代理       森山 浩行君        国土交通委員長        代理       津村 啓介君    国務大臣        国土交通大臣   石井 啓一君    副大臣        国土交通副大臣  牧野たかお君    大臣政務官        国土交通大臣政        務官       阿達 雅志君    事務局側        常任委員会専門        員        林  浩之君    政府参考人        警察庁長官官房        審議官      高田 陽介君        外務大臣官房審        議官       桑原  進君        スポーツ庁スポ        ーツ総括官    齋藤 福栄君        経済産業大臣官        房審議官     上田 洋二君        国土交通大臣官        房長       藤井 直樹君        国土交通大臣官        房物流審議官   松本 年弘君        国土交通省総合        政策局長     栗田 卓也君        国土交通省国土        政策局長     麦島 健志君        国土交通省土地        ・建設産業局長  野村 正史君        国土交通省水管        理・国土保全局        長        塚原 浩一君        国土交通省道路        局長       池田 豊人君        国土交通省住宅        局長       石田  優君        国土交通省鉄道        局長       蒲生 篤実君        国土交通省自動        車局長      奥田 哲也君        国土交通省海事        局長       水嶋  智君        国土交通省港湾        局長       下司 弘之君        国土交通省航空        局長       蝦名 邦晴君        国土交通省国際        統括官      岡西 康博君        気象庁長官    関田 康雄君        運輸安全委員会        事務局長     篠部 武嗣君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○公共工事の品質確保の促進に関する法律の一部  を改正する法律案(衆議院提出) ○国土の整備、交通政策の推進等に関する調査  (海外で発生した災害に対する支援体制の在り  方に関する件)  (我が国におけるインフラの整備水準の向上に  関する件)  (地域における道路整備の在り方に関する件)  (建設業就業者の労働環境及び処遇の改善に関  する件)  (横浜シーサイドラインにおける逆走事故に関  する件)  (津波ハザードマップ等の表示方法に関する件  )  (空き家対策の推進に関する件)  (平成三十年七月豪雨被害を踏まえたダム操作  等の在り方に関する件)  (無電柱化の推進に関する件)     ─────────────
  2. 羽田雄一郎

    ○委員長(羽田雄一郎君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日、魚住裕一郎君及び今井絵理子君が委員を辞任され、その補欠として谷合正明君及び青山繁晴君が選任されました。     ─────────────
  3. 羽田雄一郎

    ○委員長(羽田雄一郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。  公共工事の品質確保の促進に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会にスポーツ庁スポーツ総括官齋藤福栄君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 羽田雄一郎

    ○委員長(羽田雄一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 羽田雄一郎

    ○委員長(羽田雄一郎君) 公共工事の品質確保の促進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  提出者衆議院国土交通委員長谷公一君から趣旨説明を聴取いたします。谷衆議院国土交通委員長。
  6. 谷公一

    ○衆議院議員(谷公一君) ただいま議題となりました公共工事の品質確保の促進に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。  近年、全国的に自然災害が頻発しており、相次ぐ自然災害からの迅速かつ円滑な復旧復興のため、災害時の緊急対応の充実強化が急務となっております。また、公共工事の品質確保の担い手を育成、確保することが喫緊の課題となっており、昨年、労働基準法の改正を含む働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律が成立したことも踏まえ、公共工事においても長時間労働の是正や処遇改善といった働き方改革を促進することが急務となっております。  あわせて、建設業及び公共工事の持続可能性を確保するためには生産性の向上を図る必要があります。さらに、公共工事の品質確保を図る上では、測量、地質調査その他の調査及び設計の品質が重要な役割を果たしていることを踏まえる必要があります。  本案は、このような状況を踏まえ、公共工事の品質確保の促進を図ろうとするもので、その主な内容は次のとおりであります。  第一に、公共工事に関し、国又は地方公共団体等が発注する測量、地質調査その他の調査及び設計を公共工事に関する調査等として定義に追加し、広く本法律の対象として位置付けることとしております。  第二に、基本理念において、公共工事の品質が、災害復旧工事等の迅速かつ円滑な実施のための体制整備や適正な請負代金、工期等による請負契約の締結等により確保されなければならないこととし、公共工事の品質確保に当たっては、情報通信技術の活用等を通じて、調査等、施工及び維持管理の各段階において生産性の向上が図られるよう配慮をしなければならないこととしております。  第三に、発注者等の責務として、災害時における緊急性に応じた随意契約等の適切な入札契約方法の選択、地域における公共工事等の実施時期の平準化のための繰越明許費又は債務負担行為等の活用による翌年度にわたる工期等の設定、公共工事等に従事する者の休日等を考慮した適正な工期等の設定、建設業者団体等との災害協定の締結等について定めることとしております。  第四に、受注者等の責務として、公共工事等を実施する者は、下請負人に使用される技能労働者等の労働条件、安全衛生その他の労働環境が適正に整備されるよう、市場における労務の取引価格、保険料等を的確に反映した適正な請負代金、工期等を定める下請契約を締結しなければならないこととしております。  第五に、国及び都道府県は、発注関係事務に関し助言等を適切に行う能力を有する者の活用の促進等に努めなければならないこととしております。  以上が、本案の提案の趣旨及びその内容であります。  何とぞ、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
  7. 羽田雄一郎

    ○委員長(羽田雄一郎君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  8. 舟山康江

    ○舟山康江君 国民民主党・新緑風会の舟山康江でございます。  建設業、公共工事に関しましては、前回のこの委員会で、閣法として提出されました建設業法、公共工事入札契約適正化促進法が改正されました。  やはり、その中で、この公共工事の品質確保のためということでまた議員立法が提出されたわけでありますけれども、品質確保をめぐっては、いろんな手段がありますが、やはり何よりも人材をしっかりと確保していくということ、そして人材確保のためにはそこで働く方々のやはり処遇改善、働き方改革も言われておりますけれども、処遇改善、やはり賃金の底上げ、こういったことが非常に重要ではないのかなと思っております。その観点も含めてこの法案が提出されたと理解しておりますけれども、この度、与野党の合意の中で委員長提案として提出されたということは本当によかったなと思っているところであります。  そこで、提出者に質問させていただきますが、法案提出前の協議段階におきまして、基本理念を定めた第三条に新設される第八項の中で、より具体的に適正な額の請負代金の趣旨を明示するものとして、市場における労務の取引価格、健康保険法等の定めるところにより事業主が納付義務を負う保険料等を的確に反映した、こういった具体的に、より具体的に中身を書き込んだということを聞いておりますけれども、この背景と期待される効果について津村提出者にお伺いしたいと思います。
  9. 津村啓介

    ○衆議院議員(津村啓介君) お答えいたします。  公共工事の品質確保に当たりましては、公共工事に従事する者の賃金、労働時間その他の労働条件、安全衛生その他の労働環境の適正な整備が図られることが重要でございます。そのためには、公共工事等における請負契約の当事者が、下請契約を含め、市場における労務の取引価格や社会保険料等を的確に反映した適正な額、適正な工期等での公正な契約を締結することが肝要でございます。  今回の改正法案の原案におきましては、適正な請負代金、工期等での請負契約の締結について基本理念に規定をされておりました。しかし、その趣旨をより一層明確にするために、発注者、受注者の責務と同様に労務の取引価格や社会保険料等の的確な反映について明記するよう、党内議論等を経まして修正を求めたところでございます。  これは、本法案提出前の協議段階におきまして、関係団体からのヒアリングを踏まえて、我が党から、労務の取引価格や社会保険料等を的確に反映した適正な請負代金であるとの趣旨は重要なものでありますことから、基本理念においても明確に規定すべきではないかと修正を求めまして、それが反映されたという経緯でございます。  今回の改正を踏まえまして、適正な額の請負代金、工期等での請負契約の締結がなお一層徹底をされまして、適正な額の請負代金等が一次下請、二次下請等まで行き渡り、全ての公共工事等に従事する者の労働環境の整備が図られることを期待するものでございます。  ありがとうございます。
  10. 舟山康江

    ○舟山康江君 前回のこの委員会の議論の中でも、公共工事については設計労務単価がきちっと決められております。ただ、問題なのは、この労務単価が重層構造の中で一次下請、二次下請と行くに従ってどうも中抜きがされていると、このことなんですよね。  そういう中で、元々の設計労務単価はそれこそ最近上がっておりますし、そこに法定福利費とか保険料とかきちっと入れてということを言われていますけれども、下に行くとどんどん下がっていくということなんですけれども、今回この法案でそのような抜本改善につながることが期待できるかどうか、その辺の、この法案に対する期待も含めてお答えいただけますでしょうか。
  11. 津村啓介

    ○衆議院議員(津村啓介君) 建設業界の現状について大変深い御理解に基づく御質問だと思います。  今回の改正案では、適正な額の請負代金が一次下請や二次下請等まで行き渡るように、市場における労務の取引価格、社会保険料等を的確に反映した適正な額の請負代金での請負契約の締結につきまして、元請である受注者だけでなく、一次下請、二次下請等を含めた公共工事等を実施する者の責務として規定をしております。  これによりまして、今、舟山議員が御指摘になりましたいわゆる中抜きによります不当に低い金額で下請工事等を締結することは当該責務に違反することになりますので、中抜きを防止する効果があると考えております。
  12. 舟山康江

    ○舟山康江君 是非しっかり、これは、もう元請の皆さんの責任としてしっかりもう明確に、要は、本来労務費は固定費ですから中抜きなんかしてはいけないんですけれども、でも、現実それが行われているということは、多分、我々のみならず与党の皆さんも同じ認識ではないのかなと思っております。  そういう中で、是非この法律にもその防止を期待したいところでありますけれども、現場からは公契約法を是非国として作ってほしいという声とか、実は私も関わらせていただきましたけれども、かつて旧民主党時代に、いわゆる支払透明化法案というものを検討したことがありました。要は、固定費はいろんな努力の中で削れる部分はあるけれども、この人件費は削ってはいけないんだ、どうやって一次下請、二次下請にその中身を明確化しながら発注しているのかというところを明らかにすることによってこの人件費が、労務費がしっかり確保できるようにするべきではないかと、こんな法案を検討したことがありましたけれども、そういった更に踏み込んだ実効性のあること、今後御検討される必要があるのかなと思いますけれども、今回、提出者にもその御見解をお伺いしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
  13. 盛山正仁

    ○衆議院議員(盛山正仁君) 一部の地方公共団体において、いわゆる公契約条例の制定が行われていることは承知しております。  また、舟山先生御指摘の法案につきましては、国会に未提出でございましたので詳細は承知しておりませんが、平成二十三年当時の民主党の建設業法等を考える議員連盟において、建設工事の契約、見積り段階での労務費の明示や、下請階層全ての支払額を元請へ報告させることなどを義務付ける建設技能者賃金支払透明化法案が検討されたと伺っているところであります。  今回でございますけど、国や地方公共団体が発注する契約におきまして適正な賃金を確保することは重要な課題であると私たち考えているところでございます。本法案では、下請も含めた公共工事等を実施する者の責務として、適正な額の請負代金及び適正な工期等を定める下請契約を締結しなければならないことを本法案の第七条及び第八条において規定したところでございます。  本法案を踏まえまして、政府や業界団体により更なる取組が進むことを期待しているところでございます。更なる措置の必要性あるいはその在り方につきましては、そうした今後の状況を見ながら検討していくべきものではないかと考えております。
  14. 舟山康江

    ○舟山康江君 ありがとうございました。  今回のこの法案、それぞれの各党各会派が協力をしながら法案作成にこぎ着けたということ、また、この法案を施行しながら問題点が明らかになった際にはまた様々な面で再検討する、こういった御努力も引き続きお願い申し上げまして、質問を終わります。  ありがとうございました。
  15. 山添拓

    ○山添拓君 日本共産党の山添拓です。  本法案は、災害時の緊急対応の充実強化策として、建設業団体等との災害協定の締結などを発注者の努力義務として定めております。地域に通じた建設業者が迅速に災害復旧に対応できるよう整えておくことは重要だと私も考えます。  一方で、災害協定を結んだ建設業者やその労働者は、危険な作業を伴う現場へも出動することになります。国や自治体との協定に基づく活動で損害を受けた場合には公務災害の対象としてほしいという声も伺います。  法案では労災保険料を予定価格に適切に反映すべきことが加えられておりますが、それにとどまらず、公務災害補償などの措置を講じることも求められると考えますが、発議者の御見解を伺いたいと思います。
  16. 森山浩行

    ○衆議院議員(森山浩行君) 御質問、ありがとうございます。  災害協定を締結をしている場合であっても、実際の工事等は事業者等との契約に基づいて行われるものでございます。また、当該工事等に従事する労働者については、その事業者等との雇用契約により従事するのであり、そうした工事等における不測の事態については、法定の労災保険、また法定外のいわゆる労災上乗せ保険が適用され、補償がなされるものと承知をしております。  これに対して、災害対策基本法などにより応急措置に従事した者への補償が行われるのは、都道府県知事による従事命令により応急措置業務に従事するような場合であり、雇用関係に基づく工事等への従事について、これと同様に扱うことは困難と考えております。  このため、本法案では、発注者の責務として、法定外の保険料についても適切に積算をし、予定価格を適正に定めることを規定したところであり、災害協定の対象となっている工事等においても適切な補償がなされることを期待をするところでございます。
  17. 山添拓

    ○山添拓君 適切な補償がされるということが大事であろうと思います。  一方で、消防団員は消防組織法によって公務災害が準用されるということもありますので、是非、今後の課題として共有していきたい課題ではないかと思っております。  本法案は、基本理念として、適正な請負代金及び適正な工期を定める公正な契約を締結し、公共工事に従事する者の賃金、労働時間その他の労働条件、安全衛生その他の労働環境の適正な整備への配慮を求め、発注者の責務として、適正な工期の設定など、労働条件の適正が確保されることを求めております。  このように理念、責務を明記することとしたのはなぜなのか、先ほどの答弁と重なるところもあるかと思いますが、御紹介いただきたいと思います。
  18. 森山浩行

    ○衆議院議員(森山浩行君) 建設業は、他産業と比べ年間総実労働時間が長く、年間出勤日数が多いことなどから、昨年成立をいたしましたいわゆる働き方改革関連法では、罰則付きの時間外労働規制の適用について五年の猶予が与えられたところであり、労働条件の改善に向けた取組を強力に推進をする必要があると認識をしております。  このため、建設投資の約四割を占める公共工事を対象とする品確法改正案においては、基本理念や発注者及び下請も含めた公共工事等を実施する者の責務で、賃金、労働時間その他の労働条件、安全衛生その他の労働環境の適正な整備への配慮や適正な請負代金、工期による請負契約の締結について規定をしたところでございます。  閣法である建設業法、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の一部を改正する法律においても工期の適正化や処遇改善についての規定がなされたものと承知をしており、本法案と相まって、建設業の賃金、労働時間その他の労働条件、安全衛生その他の労働環境の改善に向けた取組が進むことを期待をしております。
  19. 山添拓

    ○山添拓君 建設現場の労働条件、労働環境、その適正を確保する、そのことが発注者においても受注者においても共有を完全にされていないところもある、これを改善していこうという法案だと理解しております。  この法案では、今申し上げたように、発注者に対して労働条件、労働環境への配慮を求めると同時に、受注者、元請が下請契約を結ぶに当たっても、労働条件や労働環境が適正に整備されるよう適正な請負代金、工期を定めるよう義務付けております。  そこで伺いたいのですが、オリンピックに向けた新国立競技場の工事では、発注者は独立行政法人の日本スポーツ振興センター、JSCであり、元請は大成建設JVです。その現場では、二〇一七年三月に、現場監督だった二十三歳の男性が過労自死に追い込まれました。月百九十時間という極度の長時間労働による精神疾患が原因とされ、労災認定もされました。この改正は、こうした事件もきっかけに、建設現場における長時間労働の是正が必要であることを背景としたものですが、その趣旨自体は従前から共通したものであろうと思います。  文科省に伺いますが、発注者であるJSCや元請の大成建設JVに対して、品確法の趣旨を含めて、労務管理の改善をどのように指導し、取り組むよう指導してきたんでしょうか。
  20. 齋藤福栄

    ○政府参考人(齋藤福栄君) お答えいたします。  新国立競技場の整備事業については、発注者である日本スポーツ振興センターにおいて、元請事業者である大成JVに対し、かねてより、関係法令等を遵守の上、適切な労務管理を要請してまいりました。  しかしながら、委員御指摘のとおり、平成二十九年三月、下請事業者の従業員が過労により自殺するという事案があり、これを踏まえて、日本スポーツ振興センターにおいては、このようなことが二度と起こらないよう改めて大成JVに法令遵守の徹底を求めていくこととし、大成JVにおいても、建設現場に看護師が常駐する健康相談室や休憩所、シャワー室を設置し、安心かつ快適に働ける環境を整備するとともに、現場内事務所の二十時閉所を徹底し、時間外労働の短縮化を促進するなど、健康管理に係る取組を進めてきたものです。  その上で、さらに、日本スポーツ振興センターにおいては、健康管理に係る取組の実施状況について大成JVより継続的に聴取するとともに、二〇二〇オリパラ大会施設工事安全衛生対策協議会へ報告するなど、関係機関との情報共有にも努めているところであります。  二〇二〇年大会施設の整備を着実に進める上で、建設現場で働く方々の安全と健康を確保することは不可欠であり、スポーツ庁としても、安全は大会成功のための最優先事項という方針の下で、関係省庁とも連携し、建設現場において安全で快適な環境づくりが図られるよう引き続きしっかり対応してまいります。
  21. 山添拓

    ○山添拓君 しかし、問題が解決したわけではないんですね。  資料をお配りしておりますが、五月十六日付け朝日新聞の記事です。労働組合の国際組織である国際建設林業労働組合連盟が、新国立競技場や選手村の建設現場について問題があるとして、JSCや東京都に改善を求める報告書を送ったということであります。  つるされた資材の下で作業をしているとか、ヘルメットなど安全器具を労働者が自分で購入する例がある、聞き取りをした労働者の半数が雇用契約ではない、新国立では月二十六日間働く労働者もいた、こうした問題について労働者から相談を受けた労働組合がJSCに通報しても受理をされない、都とJSCは通報の受付が日本語のみだ、通報制度も十分機能していないと警告をしています。  五月二十二日の衆議院の文科委員会で、我が党の畑野君枝議員の質問に対して柴山大臣が、JSCにおいてレポートの内容の事実関係の精査を行っていると答弁をしております。精査した結果はどうだったでしょうか。
  22. 齋藤福栄

    ○政府参考人(齋藤福栄君) 今般のBWIの指摘については、新国立競技場の工事の発注者であるJSCにおいて、まずレポートに記載されている情報の範囲において元請事業者である大成JVに事実関係を確認し精査を進めており、例えば照明のない暗闇の中で作業をし負傷したとの指摘については、照度不足のために事故が発生したという報告は受けておらず、現場監督員が照度が確保された現場内を移動中に発生した事象であると聞いております。また、JSCの通報窓口が日本語対応のみとの指摘については、本年三月に英語対応を開始するなど、既に改善されている事案もございました。  一方で、例えば一か月間に二十六日間働いた労働者がいたとの指摘については、工事現場に関係する事業者や作業員の数、作業内容が多岐にわたっており、また作業工程に応じて事業者等が入れ替わることから、レポートに記載されている情報だけでは大成JVに対して事実関係を確認することが難しい事案であると聞いております。  また、指摘の中には建設現場が特定されていないものも含まれており、レポートが届いた組織委員会、東京都、JSCの間で情報を共有し協議した結果、BWIに対し事案の特定に必要な詳細情報の提供を依頼することとし、今週四日、三者連名で文書を発出したところであります。  今後、BWIから提供される情報を踏まえ、JSCにおいて必要に応じて大成JVに事実関係を確認し、法令に照らして精査を行うなど、適切に対応を進めることとしております。  スポーツ庁としては、これらの対応の進捗状況を逐一確認しながら、関係省庁とも連携し、工事現場において安全で快適な環境づくりが図られるようしっかり対応してまいります。
  23. 羽田雄一郎

    ○委員長(羽田雄一郎君) 時間が来ておりますので、おまとめください。
  24. 山添拓

    ○山添拓君 過労自死が発生をした現場でなお国際組織から問題が指摘されるという事態は極めて重大だと思います。JSC自身が今回の品確法の趣旨も踏まえて主体的に事実関係を把握して、直ちに改善させるよう求めまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  25. 羽田雄一郎

    ○委員長(羽田雄一郎君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  公共工事の品質確保の促進に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  26. 羽田雄一郎

    ○委員長(羽田雄一郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、青木君から発言を求められておりますので、これを許します。青木愛君。
  27. 青木愛

    ○青木愛君 私は、ただいま可決されました公共工事の品質確保の促進に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲民主党・民友会・希望の会、国民民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会・希望の党、日本共産党及び無所属クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     公共工事の品質確保の促進に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に万全を期すべきである。  一 災害時における復旧工事等において、緊急性に応じて随意契約等の入札契約方法を選択する場合には、入札契約における手続の透明性及び公正性が確保されるよう、国は、運用に関するガイドラインを周知するなど必要な措置を講ずること。また、国及び地方公共団体等は、災害対応に従事する地域の建設業者が将来にわたり活躍できるよう、平常時から発注者の予定価格の設定に当たっては、可能な限り最新の単価設定や見積りを活用するとともに、災害時には、見積りを積極的に活用し、その災害対応等に必要な費用を反映した適正な価格となるよう努め、地域における発注関係事務が円滑に推進されるよう発注者間の連携を強化すること。  二 国及び地方公共団体等は、建設現場で働く技術者・技能者の労働時間その他の労働条件が適正に確保されるよう、週休二日の確保等を含む適正な工期設定を推進するとともに、国は、労務費、法定福利費等が適切に支払われるよう、その実態把握等に努め、必要な措置を講ずること。  三 国は、地域における公共工事の施工時期の平準化に当たっては、繰越明許費や債務負担行為等の活用による翌年度にわたる工期の設定等の取組について地域の実情等に応じた支援を行うとともに、好事例の収集・周知、発注者ごとの平準化の進捗状況を把握し公表するなど、その取組を強力に支援すること。また、国及び地方公共団体等は、受注者側が計画的に施工体制を確保できるよう、各発注者が連携し、発注見通しを統合して公表する取組の更なる拡大を図るなど必要な措置を講ずること。  四 国及び地方公共団体等は、建設現場における生産性向上を図るため、技術開発の動向を踏まえ、情報通信技術や三次元データの活用、新技術、新材料又は新工法の導入等を推進するとともに、国は、地方公共団体や中小企業・小規模事業者を始めとした多くの企業等においても普及・活用されるよう支援すること。  五 国及び地方公共団体等は、公共工事の品質確保を図る上で、公共工事に関する調査等の品質が重要な役割を果たすことを踏まえ、公共工事に関する調査等においても、適正な予定価格の設定、ダンピング受注の防止、適正な履行期間の設定、履行期限の平準化、災害時の緊急対応の推進等に留意した発注がなされるよう必要な措置を講ずること。  六 社会インフラの整備及び維持管理の実施や災害の頻発に的確に対応するとともに、公共工事の品質確保に係る取組を推進するため、国及び地方公共団体等は、技術者の確保、育成を含む体制の強化を図ること。また、地方公共団体において財源や人材に不足が生じないよう、必要な支援を行うこと。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  28. 羽田雄一郎

    ○委員長(羽田雄一郎君) ただいま青木君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  29. 羽田雄一郎

    ○委員長(羽田雄一郎君) 全会一致と認めます。よって、青木君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、石井国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。石井国土交通大臣。
  30. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) ただいまの御決議につきましては、その趣旨を十分に尊重し、努力してまいる所存でございます。
  31. 羽田雄一郎

    ○委員長(羽田雄一郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  32. 羽田雄一郎

    ○委員長(羽田雄一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。     ─────────────
  33. 羽田雄一郎

    ○委員長(羽田雄一郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。  国土の整備、交通政策の推進等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、警察庁長官官房審議官高田陽介君外十九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  34. 羽田雄一郎

    ○委員長(羽田雄一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  35. 羽田雄一郎

    ○委員長(羽田雄一郎君) 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  36. 足立敏之

    ○足立敏之君 自由民主党の足立敏之でございます。  羽田委員長、酒井理事を始め理事の皆様方には、前回に続きまして質問の機会を与えていただきまして、感謝を申し上げたいと思います。  また、本日は、品確法の一部改正について、全会一致で可決していただきました。長年こうしたことに取り組んでまいりました私としても、委員会の先生方には厚く御礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。  それでは、早速質疑に入らせていただきます。  まずは、昨年九月にインドネシアのスラウェシ島で発生した大規模な地震による災害について伺います。  スラウェシ島の地震は、昨年九月二十八日に発生したマグニチュード七・四の大地震で、大きな揺れと津波により、死者、行方不明者が四千五百名を超える大きな被害が出ております。  年末に現地に行かれました自民党国土交通部会長の伊藤忠彦衆議院議員からアドバイスをいただきまして、私も今年一月五日から被災地に伺い、調査を行いました。  資料二でございますけれども、地震による建物被害の状況をお示ししています。  スラウェシ島の災害は、発生直後は津波の被害として日本に紹介されましたけれども、現地に伺いまして驚いたのは、それよりも、地震に伴う液状化によって地盤が大規模に流動化し、資料三にお示ししてございますけれども、それに伴って家屋などの建物が地盤にのみ込まれまして大きな被害を発生していったということでございます。  まず、津波被害の方ですけれども、沿岸部では十メーターを超える津波に見舞われたとの報道もございましたけれども、それは津波の水しぶきの高さで、実際は、浸水深としては約三メーター程度であったというふうに聞いております。パル湾の沿岸部を調査しましたが、沿岸の道路が背後地もろとも地すべりのように海に落ち込んでおりまして、その影響で津波が発生したとも言われておりまして、沿岸部の建物が津波により破壊されるなど、大きな被害を発生していました。  資料四、航空写真ですが、これによりまして津波被害の状況も分かるかと思います。  一方、地震に伴う液状化によりまして地盤の大規模な流動化現象が発生し、パル市周辺のペトボ地区、ジョノオゲ地区、バラロア地区などで大きな被害を発生していました。なお、液状化による被害の状況は、衛星写真を基に日本の航空測量会社さんに分析をしていただきました。ありがとうございました。  まず、資料五がペトボ地区でございます。勾配が大変緩くて一%程度でございますけれども、幅一キロ、長さ二・五キロの範囲で地震に伴う液状化によりまして地盤の大規模流動を生じており、千戸を超える家屋が流され破壊されたり、流動化した土砂にのみ込まれたりして大きな被害を発生しています。  続いて、資料六は隣のジョノオゲ地区でございますが、この地区でも、先ほど言いましたペトボ地区と同様、勾配が一%程度と非常に平たんであるにもかかわらず、幅一・五キロ、長さ三・五キロの範囲で液状化による大規模な流動により大きな被害を発生していました。  なお、この地区は、流動化による被害に続いて洪水が発生して被害を拡大しています。この洪水は恐らく被圧地下水の噴出やかんがい水路の決壊による水の流出などが原因と考えられておりますけれども、地震に伴う洪水というのは、日本においてはため池の決壊、こういったものが原因となるものは経験してございますけれども、被圧地下水がその一因というのは私も初めて聞く話でありました。  次に、西側の地区で唯一液状化による大規模流動の被害を受けた、資料七でございますが、バラロア地区でございます。先ほどの二地区とほぼ同じで、勾配は二%程度なんですけれども、やはりかなり平たんであるにもかかわらず、幅〇・四キロ、長さ一キロの範囲で液状化による大規模な流動により激甚な被害を発生していました。こちらは元々人家が非常に密集している地域でもありまして、たくさんの家屋が破壊され地盤にのみ込まれるなど、大きな被害が出ていました。建物の中には三百メーターぐらい移動したというような状況も確認されているというようなことでございました。  なお、このバラロア地区付近では、何か所か地表面に今回の地震で動いた断層が現れております。道がクランク状になっていますが、元々は一直線だったものでございまして、資料八の方にお示しをしてございますが、現地で、大きいところでは四・五メーターの横ずれを確認できまして、大変驚きました。  なお、現地の原住民カイリ族には、ナロドという泥に吸い込まれるという意味の液状化を示す呼び名があるということで、こうした現象が過去にも起こっていたということを示唆しています。  ところで、この液状化に伴う大規模流動は世界的にも大変珍しい現象だというふうに考えられます。この現象のメカニズム、発生メカニズムの解明や今後の復旧復興計画の策定に、JICAの専門家としてインドネシアに派遣されている多田さん、早川さんという、かつて私と国交省の河川計画課で一緒に勤務をしたことのあるメンバーを始め、日本から派遣された民間の技術者の皆さんが超人的に活躍をされていました。特に復興計画の策定に当たりましては、災害リスク評価に基づく空間計画の策定など、東日本大震災のノウハウを生かした計画作りを進めており、このメンバーがいなければスラウェシ島の復旧復興は考えられないというふうに強く感じました。  まず、国土交通省にお伺いをいたします。  国土交通省として、これまでどのような支援を行ってきたのか、さらには今後どのような支援を行っていこうとしているのか、伺います。
  37. 岡西康博

    ○政府参考人(岡西康博君) お答えいたします。  委員より詳細にわたり御説明いただきましたとおり、昨年、インドネシア・スラウェシ島では、地震に起因する津波、大規模な液状化などによる甚大な被害が発生いたしました。  国土交通省といたしましては、インドネシア政府からの要請に基づき、津波、液状化など、各分野の職員を五回にわたり派遣し被災状況の調査を行ったほか、国土交通省からインドネシア政府に派遣されています、先ほど委員御指摘いただきましたが、JICAの長期専門家が発災直後から復旧復興の支援を続けているところでございます。さらに、JICAが設置した中部スラウェシ州復興計画策定及び実施支援プロジェクト国内支援委員会において、復興まちづくり、津波、液状化などに関して国土交通省から技術支援を行っているところでございます。  引き続き、現地に派遣されているJICA長期専門家や国内支援委員会を通じた復興支援を実施するとともに、JICAと連携し、現地気象局の地震・津波観測及び防災情報発信能力強化に向けた技術支援を行うなど、国土交通省として最大限の支援を行ってまいります。
  38. 足立敏之

    ○足立敏之君 ありがとうございました。これからも引き続き御支援のほどよろしくお願いしたいと思います。  一方、スラウェシ島の災害復旧に当たりましては、お話がございましたとおり、国際協力事業団、JICAが大きな支援をしていました。インドネシア政府の信頼も厚く、大変頼もしい思いを私もいたしました。現地でJICAから派遣されている皆さんの頑張りぶりを見せていただき、大変感激もしたところでございます。  外務省に伺いたいと思います。国際協力という観点でこれまでどのような支援を行い、今後どのような支援を行うことを考えているのか、さらには、今後こうした激甚な災害が海外で発生した場合に日本としてどのように対応していくのか、伺いたいと思います。
  39. 桑原進

    ○政府参考人(桑原進君) お答え申し上げます。  昨年九月のインドネシア中部スラウェシ州の地震、津波被害発生直後には、国際緊急援助隊派遣や緊急援助物資供与といった被災者の命を守るための緊急的な支援を実施しました。その上で、インドネシアの復興基本計画策定及び同基本計画に基づく各種復興計画の策定、実施の支援を進めてまいりました。また、被災地の主要インフラであるパル第四橋や周辺道路の再建、整備支援及び被災地の迅速なインフラ復旧に資する建設重機供与を決定しました。  今後も、防災先進国である日本の知見を生かし、被災地の迅速な復興及び一層強靱な社会の形成に資する協力を継続してまいります。  海外で発生した災害への対応については、自然災害の多い我が国として、被災状況や被災国政府等の要請を踏まえつつ、今後とも国際協力を積極的に推進していく考えであります。  具体的には、日本の技術及び経験を活用し、災害発生時の緊急人道支援や、仙台防災枠組に基づくより良い復興の視点を含めた復興支援等の協力を実施し、世界の強靱化に貢献してまいります。
  40. 足立敏之

    ○足立敏之君 ありがとうございました。  今回の外務省の支援につきましては、心から感謝を申し上げたいと思います。特に、復興計画策定には日本の支援が不可欠です。引き続きこの点の技術支援をお願いしたいと思います。  なお、パル川河口の第四橋梁、資料三に写っております黄色い橋です、落橋しておりましたけれども、これを今回追加で再建の支援を行うこととなったというふうに伺いました。これはパル市の象徴として市民から愛されていた橋梁だというふうに現地で聞きまして、この橋の再建の支援を日本が行うということは大変意義深いことだというふうに思っております。この点については評価したいと思います。  さて、日本では、東日本大震災を始め、様々な大規模災害の経験があります。こうした経験を生かして、災害で被災した国に対して引き続きしっかりとした支援を続けていくことが国際協力の観点からも重要だというふうに考えております。  資料九にお示しをしましたけれども、平成二十三年にタイでチャオプラヤ川が氾濫し、日本から進出した企業の多い工業団地などが大きな被害を受けました。そのとき私が中部地方整備局長をしておりましたけれども、その管内の排水ポンプ車十台、日本の技術者と共に国際緊急援助隊としてタイに派遣し、排水活動に大いに貢献して高い評価をいただいたことがあります。こうした経験も何とか生かしていきたいというふうに思います。  今回のスラウェシ島の災害復旧にこれからも国土交通省でどのような支援を行っていくのか、大臣の御決意を伺います。また、今後同様な災害が海外で発生した場合にどのように取り組んでいくのか、場合によっては日本のテックフォースのような組織を海外に派遣することも大事ではないかというふうに思っておりますが、大臣のお考えをお聞かせいただければと思います。よろしくお願いします。
  41. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 先ほどの答弁にありましたとおり、スラウェシ島での災害に対しまして、国土交通省は技術面からの様々な支援を実施をしており、今後も一日も早い現地の復旧復興と防災力の向上のための協力を全力で行っていきたいと考えております。  今後、海外で大規模災害が発生した場合には、被災国の要請に基づき、二〇一一年のタイでの洪水の際のように、発災直後に当たっては、関連機関と緊密に連携をしてニーズ把握を行い、的確な支援を行うとともに、その後の復旧復興の段階におきましても、計画策定支援やインフラ整備等の協力を行ってまいります。  また、災害時の協力を円滑に進めるためには、日頃から防災担当当局との関係を構築をし、信頼感を醸成をしておくことが非常に重要と認識をしております。  このため、相手国政府に常駐し平時から支援を行う専門家の派遣や、防災に関する課題と解決方法について意見交換を行う防災協働対話の実施、さらには防災インフラの海外展開等を通じまして、海外における災害に強い社会の構築に向けまして積極的に貢献していきたいと考えております。
  42. 足立敏之

    ○足立敏之君 ありがとうございました。  日本の災害対応能力は世界最高だというふうに思っております。国際協力の観点から、是非ともその能力を引き続き迅速かつ的確に活用していただくように、石井大臣にはお願いしたいと思います。  次に、日本のインフラの整備水準についてお伺いしたいと思います。  安倍総理の指示に基づきまして実施した重要インフラの緊急点検を踏まえまして、事業費ベースで七兆円規模の三か年緊急対策が実施されています。六兆円規模でここ六年程度横ばいを続けてきました公共事業予算の状況からしますと、三年間、一兆円以上の上乗せ予算は大変有り難いことであります。  しかし、これからの日本を考えますと、五年前に策定した二〇五〇年を見据えた国土のグランドデザインはありますが、インフラ整備について具体的な目標だのが定められているわけではありません。今後、どの程度の水準までインフラ整備を進めるのか、そのための投資がどの程度必要なのか、しっかりとしたビジョンづくりを行う必要があるというふうに考えております。  さて、我が国のインフラの整備水準について見ると、後ほど詳しく紹介をさせていただきますが、欧米やアジアの国々と比較しても大変遅れた水準にあると言わざるを得ません。  ところが、財政審では、資料十にお示ししておりますが、高速道路、新幹線、空港、港湾、生活関連施設等の社会資本整備水準は大きく向上しており、社会インフラは概成しつつあるというふうに主張しています。しかし、日本のインフラの現状からすると、とても概成などと言えるような状況ではないというふうに思います。  このような状況で厳しい国際競争を勝ち抜いていけるんでしょうか。まだまだミッシングリンクがつながっていない地域の皆さんや高速道路が走っていない地域の皆さんからすると、とんでもないということではないでしょうか。毎年激甚な災害に見舞われている日本の状況をどのように考えているんでしょうか。国土交通委員会の先生方にも是非、御自分の経験に照らして、日本のインフラの現状についてよくお考えをいただければというふうに思います。  それでは、まず、道路の整備水準について指摘をさせていただきます。  昨年一月、タイの首都バンコクに伺いました。その際、驚いたのは、資料十一に写真を載せましたけれども、国際空港からバンコクの中心市街地に移動する際の高速道路が、タイの方は片側四車線、五車線ありました。日本に戻って帰宅する際に乗った首都高は幾ら数えても二車線しかないということでございまして、さらには、今年一月に台北にも伺いましたけれども、あちらの方の高速道路は非常に充実していて、日本のインフラの整備水準が世界水準から見ると二流、三流の水準に落ち込んでしまっている、そういうふうに感じています。  平成二十九年度の国土交通白書によりますと、一万台当たり高速道路延長は、ドイツが二・六五キロメートル、フランスが二・九七キロメートル、米国が三・九七キロメートルに対して、日本は一・四七と低い水準になっています。日本はまだまだ高速道路が整備途上と言えるというふうに思います。  なお、資料十二の方に中国の状況をお示ししました。年間七、八千キロと次元の異なるスピードで整備が進んでおりまして、驚きます。日本の状況もそこには入っておるんですけれども、全く横ばいでございまして、何とかしなければ国際競争に負けてしまう、そういうふうに強く感じます。  一方、高速道路の車線数を見ますと、資料十三にお示ししてございますが、主要国ではほとんど片側二車線以上を確保していますが、日本は三八%が片側一車線の暫定二車線になっています。資料十四の方にお示ししましたが、韓国も二十年前には四割ぐらい暫定二車線があったそうなんですけれども、既にこの二十年間で解消されています。その結果、高速道路の事故による死者が大幅に削減されているというふうな情報もありました。  こうしたことが影響しているというふうに考えますが、資料十五にお示ししましたが、都市間の連絡速度というものを見ると、日本はかなり低い水準であります。これでは物流コストが高くなり、生産性の面でも大いにマイナスです。産業面の国際競争力という観点からも残念な状況だというふうに言わざるを得ません。  日本の高速道路の整備水準について、大臣は海外にもよく足を運んでおられると思いますけれども、欧米諸国と比較して一流の域にあると考えておられるのか、大臣のお考えを伺いたいと思います。
  43. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 高速道路はその整備がされることによりまして、企業立地、観光交流が進むほか、災害時の緊急物資輸送において大きな力を発揮をいたします。  委員御指摘の、諸外国と比較した我が国の高速道路の整備水準につきましては、例えば、人口当たりの高速道路延長や車両保有台数当たりの高速道路延長で比較いたしますと、日本はドイツやフランスに比べて半分程度となっております。  また、開通済みの高速道路のうち暫定二車線区間の割合については、ドイツでは〇・七%、フランスでは六%に対しまして、日本では約四割と、国際的にもまれな状況となっており、安全性や走行性に加え、大規模災害時の復旧等に課題があると考えております。  そのため、防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策の一環といたしまして、財政投融資を活用し、土砂災害等の危険性の高い箇所で四車線化等を実施することとしたところであります。  我が国の安全、安心の確保や地域経済の活性化等を図るためにも、引き続き、ミッシングリンクや暫定二車線の解消などの取組を進めてまいりたいと考えております。
  44. 足立敏之

    ○足立敏之君 ありがとうございました。  日本の道路インフラを一流のものに取り戻していくために、特に高速道路のミッシングリンクの解消、そして暫定二車線の四車線化についても是非ともよろしくお願いしたいと思います。  続いて、道路の維持管理の観点からの道路の整備水準について御指摘をいたします。  お手元の資料十六、十七に日本の道路の整備状況をお示しをしました。これを見ても、非常に老朽化が進んでいて一流とは言えない状況にあるのではないかというふうに思います。  三十年ほど前にアメリカでは老朽化した橋が落ちたり通行できなくなるような事態が頻発しまして、荒廃するアメリカというふうに呼ばれました。一九三〇年代のニューディール政策の頃に整備したインフラが、五十年ぐらい経過しますと一斉に老朽化したということが原因でございます。日本においても高度成長期に整備したインフラが今一斉に老朽化を迎え始めており、笹子トンネルの事故が象徴されるように、日本でもかつてのアメリカと同じようなことが起こり始めているのではないかと心配になります。  日本の道路について、維持管理の面から見て深刻な状況にあり、荒廃する日本と言われる前に何とか手を打つ必要があると考えますが、見解を伺います。
  45. 池田豊人

    ○政府参考人(池田豊人君) 我が国におきましては、高度成長期に整備をした道路施設の老朽化が急激に進んでおりまして、道路インフラの老朽化対策は急務であるというふうに認識をしております。  国交省では、平成二十五年に道路法を改正しまして、平成二十六年から、国が定める統一的な基準に基づき、五年に一度の近接して目視による点検を地方公共団体にも義務付けて、点検を実施してまいりました。  例えば、橋梁点検では、全国に約七十三万橋の橋がございますけれども、平成二十九年度までの四年間で八〇%の点検が完了しまして、計画的に点検が進んでおります。また、舗装につきましても、平成二十八年度より、舗装点検要領を作りまして、定期的に点検を行って舗装の修繕が行えるように取り組んでいるところでございます。  しかしながら、地方公共団体においては、平成二十八年度末までに速やかに修繕が必要と判断された、点検によって修繕が必要と判断された橋梁のうち修繕に着手した橋梁は一二%にとどまっておりまして、この点検結果を生かして計画的な修繕が求められていると考えております。  このため、今年度の予算におきましても、大規模修繕や更新の補助、防災・安全交付金による老朽化対策への支援及び地方財政措置など、複合的に地方公共団体への支援を拡充を行いました。  今後とも、着実に点検や修繕が図られるよう、更に必要な予算確保に努めるとともに、技術や財政面で地方公共団体を支援してまいりたいと考えております。
  46. 足立敏之

    ○足立敏之君 ありがとうございました。  しっかり予算を確保して、道路の維持管理レベルを従来の健全な状態に戻していただきたいというふうに思います。  続いて、港湾の整備水準について指摘をしたいというふうに思います。  港湾につきましては、国際的にコンテナ船の大型化が進んでいます。大型のコンテナ船が着岸可能な水深十六メーター級のコンテナ岸壁の延長は、アジアのライバルである中国、韓国、台湾、シンガポールなどと比較しても、資料十八にお示ししてございますが、後れを取っております。その結果、資料十九に示しておりますが、アジアの主要港と比較してコンテナの取扱量がオーダーの異なるぐらい劣っています。やはり二流、三流と言わざるを得ないと思います。  また、バルク貨物にしましても、資料二十でございますが、石炭を扱う岸壁を見ましても、アジアの近隣諸国と比較して、岸壁の水深が見劣りするだけでなくて老朽化も進んでいます。  港湾の貨物取扱い能力は国際競争力に直結するものであり、早急な対応が必要と考えます。日本の港湾の整備水準についてどのように評価されるのか、そして今後どのように整備に取り組んでいくのか、伺いたいと思います。
  47. 下司弘之

    政府参考人(下司弘之君) お答え申し上げます。  我が国の港湾では、国際競争力強化に向け、これまでも施設整備など港湾機能の強化を進めてまいりましたが、委員御指摘のとおり、コンテナ船、バルク船、クルーズ船等、船舶の大型化が近年急速に進展してございます。例えば、水深十六メートル以上の岸壁が必要となる積載量八千五百TEU以上のコンテナ船の割合が過去五年間で約二倍となる中、こうした船に対応する我が国の岸壁延長は、委員御指摘のとおり、年間取扱量が同程度の約二千万TEUの国と比較しましても最も少ない水準となってございます。  また、パナマ運河が拡張され、通行できる船舶が九万トン級から十二万トン級になったことなどにより、バルク船の大型化が進んでございます。さらに、クルーズ船についても、総トン数二十万トン、乗客定員約六千人の大型船が就航してきてございます。  こうした状況を踏まえ、ハードの整備とAI、IoTの活用などのソフト施策を組み合わせつつ、国際コンテナ戦略港湾や国際バルク戦略港湾政策の推進、国際クルーズ拠点の形成などに取り組み、我が国港湾の国際競争力を強化してまいります。
  48. 足立敏之

    ○足立敏之君 ありがとうございました。現状のようなことではいけないというふうに思います。国際競争力を高めるためにも、港湾の整備促進をお願いしたいというふうに思います。  次に、治水面の整備水準について指摘したいと思います。  まず、諸外国の主要河川の治水安全度の目標と整備の進捗状況について、お手元の資料二十一でございます。  国土の四分の一が海面下のオランダでは、ライン川など主要河川は、二千年に一回あるいは一万年に一回の治水安全度で堤防がほぼ概成しています。イギリスのロンドンのテムズ川でも、人口や産業の集積している下流の高潮区間では千年に一度の安全度でテムズバリアという防潮堤を完成させています。一方、日本の荒川などについて見ますと、諸外国に比べ低いレベルにとどまっており、大変不安な状況だというふうに言えると思います。  ところで、昨年の西日本の豪雨災害、平成二十九年の九州北部豪雨など、近年、全国各地で激甚な水害、土砂災害が頻発しています。また、平成二十八年には観測史上初めて一週間に三つの台風が直接北海道を襲い、迷走台風十号が観測史上初めて東北の太平洋側に上陸をしています。  このように、最近の激烈な雨の降り方や、これまで経験したことのないような台風の動き、従来とは異なる気象現象が起こり始めているように感じられます。地球温暖化による今後の温度上昇の見通しについて伺うとともに、温暖化により豪雨災害が拡大しているのではないか、そして今後更に拡大していくのではないかとの懸念に対する気象庁の見解を伺いたいと思います。
  49. 関田康雄

    ○政府参考人(関田康雄君) お答えいたします。  気象庁では、地球温暖化による今後の気温や雨の降り方などについて、温室効果ガスの排出が高いレベルで続く場合の予測結果を地球温暖化予測情報第九巻として公表しております。  これによりますと、今世紀末の日本における年平均気温は二十世紀末と比較して四・五度上昇すると予測しております。また、豪雨災害をもたらすような短時間強雨や大雨の発生頻度につきましては、この三十年余りの変化を見ますと増加傾向にありまして、例えば一時間当たり五十ミリ以上の短時間強雨は、一九七六年から一九八五年の十年間と二〇〇九年から二〇一八年の十年間を比較しますと約一・四倍に増加しております。さらに、先ほど申し上げました地球温暖化予測情報第九巻におきまして、日本における一時間当たり五十ミリ以上の短時間強雨の発生頻度が今世紀末には二十世紀末の二倍以上になると予測しているところでございます。  気象庁では、今後とも、最新の技術を取り入れながら、地球温暖化対策に資するよう気候変動の監視、予測情報の提供に努めてまいりたいと考えております。
  50. 足立敏之

    ○足立敏之君 ありがとうございます。  気象庁において今後とも引き続きしっかりモニタリングを行っていただいて、地球温暖化の脅威について警鐘を鳴らしていただくようにお願いをしたいと思います。  全国的に発生している施設規模あるいは計画規模を上回るような大雨は、これからも地球温暖化の進行に伴いまして増加すると考えられます。そうであれば、これまでの延長線上の対応では不十分であり、全く新たな視点での対応が必要となってくるというふうに考えています。  国交省では、昨年四月、水管理・国土保全局で気候変動を踏まえた治水計画に係る技術検討会を立ち上げたというふうに聞いております。  ここの検討によりますと、資料二十二でございますけれども、将来の降雨予測ですけれども、今世紀末には百年に一度の確率降雨が日本の北部で三〇%から四〇%、中南部で二〇%から三〇%程度増加するというふうに見込んでいます。これは大変深刻な状況というふうに言わざるを得ないというふうに思います。  水管理・国土保全局において気候変動を踏まえた治水計画の在り方について早急に検討を進め、海外に後れを取ることなく対策に着手していただくようにお願いをしたいと思います。地球温暖化に伴う治水面の影響に対して今後どのように対応していくのか伺います。
  51. 塚原浩一

    ○政府参考人(塚原浩一君) お答え申し上げます。  気候変動の影響によりまして今後更に降雨量が増大し、水害が頻発化、激甚化する、こういう懸念がございます。このため、御指摘のとおり、平成三十年四月に気候変動を踏まえた治水計画に係る技術検討会を設置いたしまして、対策の検討を進めているところでございます。  先月三十一日にも第四回の検討会を開催をいたしまして、その中では、気候変動により降水量等が増加する、そういう試算結果が出てきており、その取扱いをどうするのか、また、治水計画の立案に当たりまして、対象とする降雨をこれまでの実績に基づく降雨から気候変動により予測される将来の降雨を活用する手法に展開していくべきではないか、また、こういった気候変動による降雨量の増大に対して目標とする治水安全度を確保できるように、河川整備基本方針や河川整備計画での目標とする流量や整備のメニュー等の検討を行うべきではないか等の議論が行われたところでございます。  国土交通省といたしましては、気候変動に適応するための対策は極めて重要であると考えておりまして、既に先行して対策を実施をしております諸外国における事例等を踏まえ、また、今後取りまとめられる技術検討会の結果も基にいたしまして、気候変動に対処した治水計画、治水対策に取り組んでまいりたいと考えております。
  52. 足立敏之

    ○足立敏之君 是非しっかり対応していただきたいというふうに思います。  最後に、今後の公共投資の必要性について指摘をさせていただきます。  これまで話をしてきました日本のインフラ整備が遅れている状況を考えますと、公共投資を再びしっかり進めていく必要があるのは明らかであります。日本の公共投資は平成十年度をピークに削減を続けまして、半分以下に縮小してきています。なぜ公共投資を減らしてきたのか、その根拠となったのが、資料二十四、一般政府の総固定資本形成とその対GDP比でございます。日本は、従来、非常に高い割合だったという指摘を受けまして、欧米並みに引き下げるようにという議論を受けまして、公共投資の削減を行いました。しかし、今考えると、それが正しいことだったのかというところでございます。  資料二十五でございますが、日本の公共事業の特性というのを諸外国と比較してよく考えてみる必要があるんじゃないかと思います。  ヨーロッパの国々というのは氷河で削られた平らな、平たんな台地でありまして、日本は山あり谷ありの急峻な地形です。トンネルや橋梁などの構造物の比率が日本は非常に多いという道路構造となっておりまして、欧米に比べて費用が掛かります。また、日本は有数の地震国でございまして、厳格な耐震設計が求められます。橋梁一つ取っても、日本のものは欧米に比べて太くて頑丈です。さらに、日本は欧米と異なり、風水害、土砂災害が頻発しておりまして、さらには南海トラフ巨大地震など大規模地震による脅威にも直面していることもありまして、事前防災に多額の費用を要しています。  そうしたことからすると、公共投資の対GDPの比率を欧米並みに削減してきたこと自体が問題があったのではないか、そのように考えます。  資料二十六にお示ししましたが、横軸が一般政府総固定資本形成、いわゆる公共投資でございますが、縦軸はGDPです。公共投資を半減させている日本と諸外国と比較しますと、やはり公共投資を伸ばしている国はGDPを伸ばして経済発展をしているというのが分かるかと思います。日本は経済で一流を目指すのであれば、しっかりとした公共投資を行って、インフラの整備水準も先進国並みに引き上げていく必要があるというふうに思います。  日本のインフラを国際的にも恥ずかしくない水準にしていくために公共投資をしっかり行う必要があると考えますけれども、副大臣のお考えをお聞かせいただければと思います。
  53. 牧野たかお

    ○副大臣(牧野たかお君) お答えいたします。  社会資本はこれまでも国民の暮らしや経済成長を支えてまいりましたが、我が国の国際競争力を高めていくためや、気候変動の影響により頻発、激甚化が懸念される自然災害に対応するためにも、未来への投資であります社会資本の整備を今後もしっかり進めていくことが重要だと考えております。  まず、国際競争力を高めていくためには生産性の向上が不可欠であり、例えば、大都市圏環状道路や国際コンテナバルク戦略港湾、国際クルーズ拠点、それから国際空港などの物流・交通ネットワークを重点的かつ計画的に整備をしていく必要があります。  また、安全、安心の確保の観点から、防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策を含め、ハード、ソフトを総動員した防災・減災対策を進めていくことが必要だと考えております。  加えて、高度経済成長期以降に整備した社会資本が今後一斉に老朽化する中、維持管理や更新を計画的に行っていくことも重要な課題であると考えております。  このため、国土交通省では、今年度予算において、臨時特別の措置も合わせまして、前年度比一五%増の五兆九千六百六十三億円の公共事業関係費を確保しております。  今後とも、安定的、持続的な公共投資の確保に努めながら、全力で社会資本の整備に取り組んでまいります。
  54. 足立敏之

    ○足立敏之君 ありがとうございます。  冒頭にも申し上げましたけれども、これからの日本を考えますと、五年前に策定した二〇五〇年を見据えた国土のグランドデザインはあるんですけれども、インフラ整備について具体的な目標などが定められているわけではなくて、今後、どの程度の水準までインフラ整備を進めるのか、そのための投資がどの程度必要なのか、明らかにする必要があるというふうに考えています。  例えば、高速道路ネットワークについては、一万四千キロのネットワークをベースに、新たに求められる路線や、地域高規格として整備をしている区間を含め再整備し、さらには高速道路らしく四車線で整備すべき区間も明示することなども併せまして、日本の高速道路の完成形というんでしょうか、そういったものを示す必要があるというふうに考えています。鉄道のネットワークも同じでして、リニア新幹線や在来型の新幹線を含めてどこまでネットワークとして整備するのか、明らかにする必要があります。治水対策でも、温暖化に対してどこまで備えるのか、そういったことをしっかり示す必要もあるというふうに考えます。  令和という新たな時代を迎え、昭和から平成にかけて進めてきたインフラ整備について改めて評価を行った上で、今後、どの程度の水準まで個々のインフラの整備を行うのか、そのための投資がどの程度必要なのか、明らかにする必要があると考えますが、大臣のお考えをお聞かせいただければと思います。
  55. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 必要なインフラ整備を計画的かつ着実に進めることは重要と考えております。  国土交通省では、国土形成計画などに示されました長期的なインフラ整備の方向性を踏まえ、計画期間内に達成される成果を具体的に示した社会資本整備重点計画等に基づき、生産性向上や安全、安心の確保などのストック効果が最大限発揮されるよう、重点的かつ戦略的な取組を進めているところであります。  インフラ整備には長期的な視点が必要でありますが、それとともに、人口動態、財政状況、ライフスタイル、気候変動、技術革新など、インフラを取り巻く状況は今後とも変化をし、これを踏まえた取組が求められます。そのため、国民の安全、安心の確保や活力のある経済社会の構築が図られるよう、インフラの整備に関わる計画について今後とも必要な見直しを行い、その時点において必要なインフラ整備をしっかりと進めてまいりたいと存じます。
  56. 羽田雄一郎

    ○委員長(羽田雄一郎君) 時間が来ております。
  57. 足立敏之

    ○足立敏之君 はい。  ありがとうございました。日本が未来に向けましてどのレベルまでインフラ整備を行うのか、今しっかり描き直す必要があるというふうに考えます。石井大臣のリーダーシップで是非御検討いただきますようお願いを申し上げ、質問を終わります。  以上です。
  58. 野田国義

    ○野田国義君 立憲民主党の野田国義です。  今日の地元紙、西日本新聞トップ記事、一昨日のあの痛ましい高齢者の運転の事故でした。皆さんも御承知かと思いますが、福岡のあのヤフードームの近くなんですね。本当に痛ましい事故でございまして、心からお見舞いを申し上げたいと思うところでございますし、また、六百メートルを逆走していったというような状況でございまして、この高齢者の免許の問題、運転の問題、しっかりこれから国土交通委員会としても取り組むべきではないかなと改めて思ったところでございますので、よろしくお願いをしたいと思っているところであります。  そこで、ちょっと別の記事でございますけれども、六月四日ですか、朝日新聞だったと思いますが、「首相面談 官邸記録残さず」、いわゆる国交省辺りの局長さんたちが行っても、それは残っていないと。国交省においてはどうなのか、そして、例えば石井大臣が総理と会われたときにはちゃんとそういった公文書として残してあるのか、このことをまずお聞きしたいと思います。
  59. 藤井直樹

    ○政府参考人(藤井直樹君) お答えいたします。  国土交通省では、政府の行政文書の管理に関するガイドラインに沿って、国土交通省行政文書管理規則におきまして、政策立案や事務事業の実施の方針等に影響を及ぼす打合せ等について文書を作成することを定めております。  なお、国土交通省から官邸、総理に対する説明につきましては、大臣の下で政策立案の方針等が決定された後、その報告を行う場合、あるいは現在の状況について報告を行う場合等があり、その際、特に政策立案や事務事業の実施の方針等に影響を及ぼすやり取りがなければ文書を作成しないということもございます。これらのルールや考え方に沿いまして、各局等において文書作成の要否を適切に判断をしているところでございます。  なお、大臣が総理と面談した際の記録につきましても、今申し上げましたとおり、政策立案や事務事業の実施の方針等に影響を及ぼす打合せ等について文書を作成するというルールに沿って適切に文書管理を行っているところでございます。
  60. 野田国義

    ○野田国義君 私も一昨日、国交省から職員さん来ていただいて、この質問のいろいろな打合せをしましたが、三人来られましたけど、一人はずうっとメモをされていますよね。恐らく先生方のところもそうだと思うんですよ。だのに、何で官邸に行くと違うのかと。一番、最高機関じゃないですか、ある意味じゃ官邸が日本の中枢のですね。おかしいなと、これ。是非とも、ちゃんと政策決定過程とか、そういうの必要なんだよ、歴史にこれは残しておかなくちゃいけない問題だと思いますので、しっかりとやっていただくことを、要望をまずさせていただきます。  それから、私もこの公共工事の在り方について、もう長年いろいろな立場で政治に関わってまいりましたので、私の考え方も含めてちょっと皆さんに披瀝していきたいと思いますが、まず、私驚いておりますのは、私の超地元でございますが、生まれた広川町、そして私が市長をやった八女市、ここに三号線のバイパスができるという話を聞いたところでございます。こんなことが、私、市長のときは全く出ていなかったのが、突如バイパスができるということを聞きまして、まず、誰がこのバイパス建設を要望したのか、そして、現在はどのようになっているのかということでお答えいただきたいと思います。
  61. 池田豊人

    ○政府参考人(池田豊人君) 国道三号の広川から八女の間につきましては、二車線ですけれども、一日当たりの交通量が約二万四千台ございまして、大型車もたくさん走っております。その関係で交通渋滞が発生をしております。  この状況下の中で、平成三十年度に国と福岡県と八女市と広川町が検討会を設置しまして、この課題の解消方策について議論を進めてきたところでございます。これらを踏まえまして、今年度より概略ルートや構造の検討を行う計画段階評価に着手をしたところであります。計画段階評価においては、当該区間の道路交通の課題を特定をしまして、それを解決する道路計画の概略について、今後検討をしてまいる予定にしております。  なお、こういった国道の状況を踏まえまして、平成三十年の九月及び平成三十一年の三月に、八女市長及び広川町長よりこの渋滞解消に向けたバイパス整備の必要性についても要望を受けているところでございます。(発言する者あり)
  62. 野田国義

    ○野田国義君 早いよという声が出ておりますが、私もいろいろ市長時代やってきましたけど、普通、期成会をつくって何十年やってもできないんですよ、普通。それが一声で何かできているようなですね。びっくりしちゃいますね、本当、これ。  どういうことでこれがそういう形になってきたのか。実を言うと、私がこういうことを言っているものだから、ある人が私のところに情報を寄せてくれたんです。とても公の場で言えないようなことから始まっているんですね、これ。これ、もう本当に大きなことなんです。  私は、帰りましたら毎回のようにここ通っているんですよ、実を言うと、八女に事務所ありますから。そうすると広川インターで降りて行くんですね。そして、逆に福岡なんかに行くときは、八女事務所、私も住まいがありますから、そして広川インターに乗って行くんです。そんなに渋滞していませんよ。本当渋滞していない、一番通っている人が言っているんですから。局長、通られましたか。
  63. 池田豊人

    ○政府参考人(池田豊人君) 国道三号の広川から八女の間は、先ほど申しましたように二車線区間になっておりますけれども、最も交通量が多い区間では一日当たり約二万四千台の交通が走っております。  この広川インター付近の工業団地入口交差点から納楚交差点、約五キロございますけれども、この間には走行速度が毎時二十キロを下回るような箇所としてピックアップしております主要渋滞箇所というのがございまして、これが四か所ございます。平日の夕方を中心に渋滞が発生していると、このように認識をしております。
  64. 野田国義

    ○野田国義君 通っている人がそんなに混んでいないって言ってるんです。しかし、少しぐらいは車が通りませんと、商店街もというか、張り付いている商店も栄えませんから。  それから、これ、広川インターで降りて熊本に向かうんですね、トラックなんかは。なぜ降りるかということですよ。ということは、流れるから降りるんですよ。そうでしょう、流れるから降りるんですよ。だったら、高速道路でそのまま行くじゃないですか、久留米を通過してきて。流れるから、わざわざ広川インターで降りても、高速代を浮かせることができるから降りるんですよ。だから、当然そういった大型車両は多くなりますよね。そういうことですよ。  そして、このルート計画は、どのようなルートが検討され、予算規模がどのようになっているのか。  それで、一番これ問題なのは、後ろにも座っておられるようですけれども、私、十二月だったか、どうなっているのと聞きましたよね。そうしたら、何もやっていませんと。そして、後で私、耳に入ってきました、何か国交省が地元の首長とかを集めてやり始めたと。何でそんなことを地元の議員に隠さなくちゃいけないんですか。こそこそやらなくちゃいけないんですか。それが公共工事の在り方、ちゃんとオープンにやること、私は再三言っていますよ。国交省、そうでしょう。一番大切なことじゃないですか。それを隠してやっていく、おかしな問題だと私は思いますよ。  私、前質問したときに、百九十五兆円ですか、これからの。先ほども質問あっておりましたけれども、維持管理、百九十五兆円三十年間で要るんですよ。簡単に割れば、六兆、七兆。今年の公共工事が七兆ぐらいと言っているでしょう。これが別財布がもう一つ要るんですよ。そのくらい大切なんです。  だから、私は、あれもこれもじゃなくて、あれかこれしかできない、そして、造ったらまた維持管理費が要るじゃないですか。だから、本当に要るものを造っていく。そのぐらい、私も、要るものは造らなくちゃいけないと思います。しかし、地元の要望もない、何か首長が言った、政治家が言ったから造っている。こんなこと、また昔に戻っているんじゃないですか。無駄な公共工事、止まらない公共工事。なぜ私がここで質問するかというと、また止まらない公共工事になってしまいやせぬかなと、そう思います。幾つかあるんです、地元にそういうものが。  そして、じゃ、次の質問にいたしますけれども、その一つを私挙げて言います。  広川三号線の新代横断歩道橋について、私は、これは反対いたしました。しかしながら、できた。当時のことをお聞きいたしますが、どのような要望があって建設されたのか、掛かった工事費はどのくらいなのか、御質問をさせていただきます。
  65. 池田豊人

    ○政府参考人(池田豊人君) 国道三号広川町にございます新代横断歩道橋につきましては、平成十九年に発生しましたこの地区の横断による死亡事故の発生も踏まえまして、広川町から当時地方整備局に対し、住民の安全確保、小中学生の通学路にもなっておるということからの通学の安全確保の観点から、横断歩道橋の早期整備の要望があったというふうに聞いております。この要望を踏まえまして、早期の交通安全確保の観点から、平成二十三年度よりこの事業に着手をしたところでございます。  この歩道橋、完成しましたが、全体で歩道橋の事業費は約四億円となってございます。(発言する者あり)四億円になってございます。
  66. 野田国義

    ○野田国義君 そうですか。私、二億三千万ぐらいかなと思ったら、四億掛かった。すごいね。  そして、今日は、実を言うと、私の秘書を朝からちょっとカウントさせたんです、何人通るか。七時から九時までいたしました。そうしたら、メールが送ってきました。十一人だったそうです、七時から九時まで。  それで、おっしゃっている、これはなぜ造らなくちゃいけないかと広川町が要望を出したのは、この問題じゃなくてごみ出しなんですよ。ごみ出しが、行政区があって、その三号線を渡らなくちゃいけないということでこの歩道橋ができたという経緯があります。それが一番の要望だったんです。それをどうかしてくれということでした。子供たちの安全というのは、ちょっと離れると、学校に近い方に横断歩道があるんですね。だから、それをちゃんと使えば子供たちは何ということないんですよ。そういうことなんです。  それから、この行政評価、いわゆる行政での評価ですね。歩道橋の利用者は何人という把握、まあ今日は十一人だったんですけど、しておられるのか。  そして、あと、大臣に最後に、例えば、当該事業の評価等は分かりやすく周知すべきであると私考えますけれども、大臣、実を言うと、私と秘書と、ここのところの評価を見たかったものだから、ずっとやったんですよ、一緒にパソコンで。そうしたら、たどり着けない、見れないんですよ、その評価というものを。  ですから、是非とも大臣もこれをやってみてください。地元のいろいろな、国交省がやった事業があると思うんですね。それで、評価、これは法律で全部評価していかなくちゃいけないと、そしてオープンにしていかなくちゃいけないとなっております。しかしながら、ここへたどり着かない、見ることができないんです。  最後に、大臣、その辺りのところを改善するお気持ちはあるのかどうかということでお聞きしたいと思います。
  67. 池田豊人

    ○政府参考人(池田豊人君) この歩道橋ができまして約五年ほどになります。現在の利用につきましても、現在もこの近辺の通学路として地域に利用されているということが確認されておりまして、この横断歩道橋の設置の効果につきましては発揮をされているものというふうに考えております。
  68. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 横断歩道橋の整備効果の公表方法につきましては、一律のルールはございませんけれども、事業を担当する地方整備局により、できる限り分かりやすく周知するよう努めているところでございます。  当該横断歩道橋につきましては、完成後五年を経過したことから、交通事故の状況等について取りまとめまして、近々公表したいと考えております。
  69. 野田国義

    ○野田国義君 私、本当に、隠し事のないような形でオープンにしていくこと、そして、ちゃんとPDCAサイクルで回していかなくちゃこれ駄目だと思うんですね、国交省のいろいろな事業も。  だから、私、この歩道を造るときに言いましたよ、当時の福岡国道事務所長に、あなた、最終的に決裁するんだったら責任取りなさいよと、利用者が少なかったら。恐らく所長が最終決裁者だったと思いますので、そういうことを言ったんです。そして、私、いつも市役所で職員に言っておったのは、自分のお金だと思って、いい意味で自分のお金だと思ってしなさいと。税金だから造るんじゃないのと、税金だから使うんじゃないのと、そういうことを何度も言ってまいりましたけれども、国交省も、本当にこれ、先ほど足立議員がおっしゃったように、いろいろやらなくちゃいけないところ、たくさんありますよ。しかしながら、要らないものは造らない、造ってしまったら止まらない、そしてまた維持管理費も要るんですよ。  だから、この辺りのところを是非とも分かっていただきたい、このことをお訴えさせていただきまして、質問を終わります。  どうもありがとうございました。
  70. 舟山康江

    舟山康江君 国民民主党新緑風会舟山康江でございます。  まず最初に、前回、五月二十一日にも質問をさせていただきましたオリンピック建設現場での過酷な労働実態。これ、先ほどの議員立法の審議の際に山添議員から資料も提出されておりますけれども、この五月十六日に報道をされた、中身は、五月十四日に国際建設林業労働組合連盟、BWIから指摘を受けたこの件、私、この五月二十一日にどうなっているんだということを質問したところ、今事実関係を精査していると。まあ精査だけでは遅いんじゃないのかなという思いはありましたけれども、精査しているということでありました。  そして、その後、五月三十日に、私たちこの国土交通委員会で国立競技場の、そのうわさのというか、その指摘の建設現場を視察をさせていただきました。本当にすばらしい環境だったと思いますし、現地の説明でも、夜八時にはもう完全に仕事をしない、休日もきちんと取っていると、そういったことで、その全然印象が違うんですよね。指摘をされているところでは、もう二十六日連続勤務、もう夜中の遅い時間まで非常に過酷な危ない現場だったということの一方で、現地でお話を伺うと全然違う印象でした。  そういう中で、精査をする、これ、十四日にこのBWIから指摘を受けて、当然すぐにいろいろ動いていると思いましたし、その後、私は、その一週間後、二十一日に質問をし、精査をするということでありました。  そういう中で、先ほどの答弁にもありましたけれども、BWIへ詳しい情報提供を依頼したのが何とおととい、六月四日ということ。何をしているのかなという気がするんですよね、もう終わってしまうじゃないかと。  今触れましたけれども、JSCの担当の方から、この間の、五月三十日にお聞きしたら、そんなことはあり得ないということでした。ぬれぎぬだとすれば、早くぬれぎぬを晴らすためにも明らかにさせるべきだと思いますけれども、これまで何をやっていたのかと思いますけれども、担当の方、これまで何していたんでしょうか。
  71. 齋藤福栄

    ○政府参考人(齋藤福栄君) お答えいたします。  繰り返しの答弁になりますが、BWIの指摘については、新国立競技場の工事の発注者であるJSCでは、まずはレポートに記載されている情報の範囲において元請事業者である大成JVに事実関係を確認し、精査を進めております。  例えば、その段階で分かったものとしましては、照明のない暗闇の中で作業を……(発言する者あり)はい。事実関係として認識が異なるものがあるということであります。また、既に改善されている通報窓口の英語対応というようなことも先ほど御報告させていただいたとおりでございます。  また、繰り返しになりますけれども、一か月に二十六日間働いたというような労働環境につきましては、工事現場に関係する事業者、作業員の数が大変多い、作業内容が多岐にわたっている、また作業工程に応じて事業者が入れ替わるということがございますので、この内容だけでは大成JVにおいて事実関係を確認することが難しいということも分かっております。  また、指摘の中には、建設現場が特定されていない、すなわち、組織委員会、東京都、JSCがそれぞれの現場を持っておりますので、この三者において情報を共有し、協議をしておりました。これを受けて、BWIに対し事案の特定に必要な詳細情報の提供を依頼することとし、今週四日、文書を発出したところでございます。
  72. 舟山康江

    ○舟山康江君 私の質問聞いていただけたでしょうか。  そういったそごがあるわけですよね。指摘は非常に、指摘だけを聞くと、どんな劣悪な環境で働かされているのかと思う一方で、現場を拝見した限り、また現場の方からお伺いすると、そんなことはないということでした。今のお話もそうです、確認できなかったと。  そういう中で、そごがあるのであれば、早くそれを確認すればいいものを、なぜ、指摘から三週間、私が最初にこの委員会で指摘をさせていただいてから二週間放置をして、おとといになって初めて問合せをしたということ、そのタイムラグが何であったのかということをお聞きしているんです。
  73. 齋藤福栄

    ○政府参考人(齋藤福栄君) 御指摘のとおり、対応が遅いという御指摘は甘んじて受けなければいけない話であると考えております。  ただし、BWIからの報告書については英文であったということもありますし、関係三者において事実関係を確認をするという作業が必要であったということであります。  先ほど申し上げたとおり、可能な範囲で元請事業者に対する確認等は行っているわけでありまして、引き続きこの事実関係の確認が加速化するようにスポーツ庁としても鋭意努力してまいりたいと考えております。
  74. 舟山康江

    ○舟山康江君 メディアがですよ、メディアがもう、十四日の夜ですから、ほぼ十五日ですよね、そうすると、直ちにすぐ、一日も置かずに報道しているんですよ。それを英文だからできないとか、そういう言い訳は本当にやめていただきたいと思います。  前回の質問でも指摘をさせていただきましたが、精査する精査するで動かなければ、もう現場終わっちゃうんですよ。何でもないなら何でもないでいいじゃないですか。それは間違いだった、誤解だったと言えばいい話で、指摘に対して現状が違うのであれば、それは反論しなければいけないし、まさに名誉に懸けてきちんとしなければいけない。それをここまで放置して、結局、世間はとんでもない建設現場と思うかもしれないですよね。少なくともこの指摘をしたBWIはそういう認識を持っているわけですから、違うのであれば違うということをきちんと言っていかないと、私はこれ、まさに日本のいわゆる国運を懸けてというか、国を挙げて取り組んでいるオリンピックに汚点を残すことにもなりますから、だから早くきちんとするべきだということを再三前回の質問でも申し上げました。  是非早急に、だらだらといつまでも時間稼ぎをするのではなくて、早急にその結果を出していただいて、この委員会に報告いただきたいと思いますけれども、委員長、お取り計らいお願いします。
  75. 羽田雄一郎

    ○委員長(羽田雄一郎君) その件については、後刻理事会で協議をさせていただきます。
  76. 舟山康江

    ○舟山康江君 今のやり取りをお聞きいただいて、大臣、どうでしょうか。これ、オリンピックの関係ですけれども、場合によっては、指摘が本当だとすれば、建設現場、建設労働者、もしかしたら相当ひどい待遇を受けているかもしれないという、こういった指摘ですから、やはり大臣のこの件に関する見解をお聞かせください。
  77. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 所管が違いますのでコメントは控えます。
  78. 舟山康江

    ○舟山康江君 いや、そんなことないと思います。だって、もしですよ、もし、この指摘が事実だとすれば、この間、局長にもお答えいただきましたけれども、やはりその建設現場の安全、そして建設労働者の安全、確保するのは国土交通省の大きな責任なわけですから、もし、これが事実だとすれば大変なことです。ですから、やはり国土交通省としても、この実態を解明するべく働きかけていただきたいと思いますけど、もう一度、大臣、お願いします。
  79. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 文部科学省、スポーツ庁等で適切に対応するものと考えています。
  80. 舟山康江

    ○舟山康江君 ちょっとそれは。ですから、それ、いいんですか、そういった危ないかもしれない現場を放置してよろしいんでしょうか。これは、まさに進めてきた働き方改革に反しているかもしれない。せっかく進めてきた、今日の、先ほども議員立法で品確法が成立いたしましたけれども、これとも反しているかもしれないという中で、やっぱり所管大臣としてどうなっているんだと、きちっと実態解明早くしてくれということを働きかけるべきではないんでしょうか。  もう一度お願いします。
  81. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 発注者の方で適切に対応すべきものであると考えています。
  82. 舟山康江

    ○舟山康江君 いや、私はちょっと、今の大臣の御答弁にはがっかりいたしました。  もちろん、発注者の責任は当然大きいわけですよ。ですけど、その建設現場で、じゃ、あれですか、発注者がいいかげんなことをやっていてひどい目に遭っている建設事業者は、発注者が悪いから我々知りません、何の手も打たないんですか。そんなことないですよね。  やはり、この労働現場、労働環境の適切な環境の確保を所管するのは国土交通省だと思いますけれども、ちょっとそれは余りにも無責任な御答弁ではないのかなと、大臣らしくないなということで大変がっかりしております。  もう一度お答えいただけますでしょうか。
  83. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 職場の安全環境等につきましては、また厚生労働省等所管官庁がございますので、仮に事実関係が明らかになれば我々も建設業法等に応じて対応いたしますけれども、まずは発注者がしっかりと事実関係を確認をして対処すべきものであるというふうに考えています。
  84. 舟山康江

    ○舟山康江君 非常に行政のいろんな問題点を今の御答弁でかいま見たような気がいたしました。  様々な所管が絡んでいる。安全衛生管理は厚生労働省だったり、発注者がオリンピック担当だったり、そして職場の、実際の職人の環境確保が国土交通省。そういった中で、まあ誰かがやればいいや、あとは自分のところに回ってきたら自分たちがというのは少し無責任に過ぎるんじゃないのかなと思います。こういった行政のいろんな組合せの中の溝に落ちないように是非対応いただきたいということを、まあ残念ながらお願いするしかないなと思っております。  続きまして、先ほど野田委員からも少し冒頭に言及がありましたけれども、その前にですね、ごめんなさい。  横浜シーサイドラインの逆走衝突事故についてお伺いいたします。  六月一日に、いわゆる自動列車運転装置で運転を制御する、新交通システムと言われるものでありますけれども、逆走で事故を起こしたということでありました。これは、この件にとどまらず、今後のいわゆるこの自動列車運転装置での運行、人手不足も相まってJRでも導入を進めようという、こんな動きがある中で、今後の普及の在り方にも多大な影響を及ぼすと私は考えております。  今までのところ、原因が分かったのか、そしてどのような対応を考えているのか、国土交通省にお伺いします。
  85. 蒲生篤実

    ○政府参考人(蒲生篤実君) お答え申し上げます。  六月一日二十時十五分頃、横浜シーサイドライン新杉田駅におきまして、新杉田発並木中央行きの自動運転列車が、本来進むべき方向とは逆の方向に走行して車止めに衝突する事故が発生いたしました。十四名の方々が骨折や打撲等のけがをされました。  公共交通機関として、鉄軌道の輸送の安全確保は最大の使命であり、このような事故が発生したことは誠に遺憾であります。  国土交通省としては、横浜シーサイドラインに対しまして原因究明と再発防止策の実施を指示するとともに、全国の鉄軌道事業者に対しまして、今回の事故について周知し、注意喚起を行っているところでございます。  事故の原因につきましては、現在、運輸安全委員会等におきまして調査中でございますが、横浜シーサイドラインによれば、折り返し駅である新杉田駅におきまして、ATO、自動列車運転装置の地上側の装置から進行方向を切り替える指示が出ていたにもかかわらず、当該列車は進行方向を変えずに走行し、車止めに衝突したということでございます。  このように、今回の事故ではATOに何らかの異常が発生したことが想定されていることから、横浜シーサイドラインでは、当分の間、ATOを用いず、ATC、自動列車制御装置を用いた運転士による運転により、四日十一時より運転を再開しているところでございます。  国土交通省といたしましては、今後の事故原因の究明等の状況を踏まえつつ、必要により鉄軌道事業者に緊急点検の実施などを指示することとしております。このような取組を通じて、引き続き、鉄軌道の安全輸送につきましてしっかりと取り組んでまいりたいと思います。  以上でございます。
  86. 舟山康江

    ○舟山康江君 ありがとうございます。  先ほどのスポーツ庁の方、御退席いただいて結構ですが、是非早く戻って、先ほどの真相究明に向けてしっかりとやっていただきたいなと思います。  委員長、お取り計らいをお願いします。
  87. 羽田雄一郎

    ○委員長(羽田雄一郎君) 齋藤スポーツ総括官、御退席いただいて結構でございます。
  88. 舟山康江

    ○舟山康江君 新交通システムと言われていますけれども、実はそんなに新しくもなく、最も古いのがポートライナーで、一九八一年の開業ですからもう三十八年がたっております。今、新交通システムと言うのが適切なのかどうなのか、ここも考えていかなきゃいけないと思いますけれども、いずれにしても、まだ、いわゆる車両側の不具合ではないかということは言われているようでありますけれども、ここの真相解明が進まないとほかのシステムにも起こり得るということ、そうなると、やはりこれからいろんな意味で、自動車もそうですけれども、自動運転、自動制御というものが進んでいくと思いますけれども、もちろん機械ですから万全じゃないにしても、やはりここをきちっと押さえていかないと今後にもすごく大きな影響が出ると思います。普及に向けてブレーキが掛かってしまうのか。  やはりきちっと解明を急いでいただきたい、そしてそのことをしっかりとこの委員会にも御報告いただきたいと思います。そうしないと、今後の、何というんでしょう、類似の事故がないとも限らない。そうしますと、こういった自動列車運転の事故が、結局は人手不足の解消策として進められてきている中で、かえって人手が掛かってしまう、かえって重篤な事故を起こしてしまうということになるとすれば大変大きな影響が及びますので、是非早急にしっかりと調査をして報告いただきたいと思います。  この件につきましても委員会に是非報告をお願いします。
  89. 羽田雄一郎

    ○委員長(羽田雄一郎君) 後刻理事会において協議いたします。
  90. 舟山康江

    ○舟山康江君 ありがとうございました。よろしくお願いいたします。  続きまして、先ほど足立議員から、海外の例ですけれども津波の話に言及がありました。今、各自治体ごとに津波ハザードマップというものを作っております。これは、東日本大震災を契機として、やはりこういった危険を示すために必要だということで各自治体で作られている、そして国土交通省でも一定のガイドライン等を作っているということではありますけれども、配付した資料を御覧いただきたいと思います。  まず、この右、三つの地図、図を載せましたけれども、これは同じような津波ハザードマップなんですが、山形県の遊佐町、山形県酒田市、そして宮城の女川町ということで、ハザードマップ並べました。印象が全く違うというふうに皆さんお感じになるのではないのかなと思います。色遣い、それから凡例、これ、それぞれで独自に、これ市町村が作るものではありますけれども、独自に作っている中で印象が全く違う。もちろん、その自治体の中で共有をされ分かるようにすればいいという考えもあるかもしれませんけれども、今様々な面で広域化が進む中で、やはり、例えば酒田市の人がたまたま遊佐町にいた、そこで被災したときに、全然違う色を見て、どうするのか戸惑うことが私は考えられるんじゃないのかなと思っております。  そういう中で、この自治体によって異なっている状態、実態というものを国土交通省としてどのように受け止めていらっしゃるのか。そういった誤解や誤認識、弊害は生じないんでしょうか。
  91. 塚原浩一

    ○政府参考人(塚原浩一君) お答えを申し上げます。  地方自治体が作成をいたしますこの津波ハザードマップ等につきましては、浸水の深さの配色などにつきまして自治体独自の表示方法をしているなど、自治体間で必ずしも統一されたものになっていないということは国土交通省としても認識をしております。  国土交通省におきましては、平成二十八年の四月に水害ハザードマップ作成の手引きを改定をいたしまして配色等の表示方法について統一を図ったところでございますけれども、現在においても、手引きで示した統一的な表示方法が市町村に十分浸透されていないのが現状であるというふうに考えております。
  92. 舟山康江

    ○舟山康江君 そうなんです、統一されていないんですね。  左側の、ちょっと小さいんですけれども、これ東北各県の津波ハザードマップのデザインの一覧です。全く色合いが違うことがよくお分かりではないかなと思います。女川もそうですけれども、浸水域を一律にメッシュに掛けるとか統一の色にするとか、浸水の深さによって色を変える、その色も一番深いところが緑だったり水色だったり、いろいろ分かれております。  やはり、先ほど申しましたとおり、そこをきちっと、ガイドラインを示しているとはいえ、これ統一しないと本当に混乱が生じるんではないのかなというふうに思いますけれども、元々各自治体の判断に任せた理由は何かあるんでしょうか。
  93. 塚原浩一

    政府参考人(塚原浩一君) お答えを申し上げます。  国交省では、先ほどお答えしましたように、平成二十八年四月に手引きを改定いたしまして統一化を図ったところでございますけれども、それ以前には、例えば津波については手引きにおきまして配色の考え方が示されていなかったというようなことがございまして、そうした浸透が図られていないということと、見直しの作業が円滑に進んでいない現状にあるというふうに考えております。
  94. 舟山康江

    ○舟山康江君 やはり私、これ統一するべきだと思うんですよね。  実はこの問題は、私の知り合いの酒田の市議会議員から論点提起をいただきました。実はその市議会議員のめいっ子が酒田出身なんですけれども、女川に嫁いで、その女川で、東日本大震災の際に、めいっ子とその娘、まだ一歳だったんですけれども、津波にのまれて亡くなりました。そういう中で、その嫁いだ先の女川と自分の住んでいる酒田を比べたときに、何て違うんだろうと。もし、こういった、やっぱり今広域化が進んでいる中で、そこに住んでいても、たまたま出張に行く、遊びに行く、引っ越しをする、そういったことで、違う自治体で何か事に遭うことは容易に想像できると思います。  そういう中で、手引きを示されているということですけれども、私、これ、誤解のないように是非分かりやすく早急に表示方法の統一を図るべく、もう少し強く指導すべきではないかと思いますけれども、大臣、御見解をいただけますでしょうか。
  95. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 津波ハザードマップ等の表示方法につきましては、住民のみならず旅行者や通勤通学者がどこにいても水害リスクを認識をし避難行動を検討できるよう、各市町村間で統一することが望ましいと考えております。  このことから、ハザードマップにおける表示方法の統一に向け取り組むこととしておりまして、本年の四月に地方公共団体に対しまして改めて周知をしたところでございます。
  96. 舟山康江

    ○舟山康江君 多分、市町村独自では、やっぱりそれが最適だと思ってもう既に作っている中で、なかなか独自の判断で変えていくというのは難しいと思います。そういう中で、ガイドラインももちろんなんですけれども、やはり国交省としてはそういった大きな問題意識の中で是非、もう少し強く御指導いただければということを是非お願いを申し上げたいと思います。  続きまして、先ほどの議員立法とも若干絡みますけれども、公共工事設計労務単価、これは今、毎年毎年少しずつ上がっていると、こういった状況でありますけれども、実際に現場の建設労働者の賃金に反映されているかということを考えると、確かに一定の相関関係がある、設計労務単価が上昇するに従って一定の賃金が上がっているというのは、この一昨日の矢倉委員への野村局長の答弁でもありました。ただ、同じく矢倉委員の御指摘の中で、これ埼玉県のアンケートではありましたけれども、設計労務単価の七割弱しか実際に賃金を受け取っていない、ここの乖離はやっぱり問題ではないのかなと思います。  本来は設計労務単価がほぼそのまま下請へ、一次下請でも二次下請でも、これ固定費ですからね、労賃は。固定費ですから、そこを抜かれずにちゃんと受け取れるようなことにならなければいけないと思いますけれども、そこの中抜きはあってはいけない。その実効性を確保するためにはどのような具体的対策、もはや、もちろんそのように要請するということは大事ですけれども、要請だけでは足りないんじゃないかと思いますけれども、大臣、いかがお考えでしょうか。
  97. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 国土交通省の直轄工事では、経済社会情勢の変化を勘案をしまして、労働市場における実勢価格を踏まえた最新の設計労務単価を適用することで適正な予定価格を積算をしております。また、公共工事設計労務単価が改定された際には、地方公共団体に対しましてその早期活用を促し、適正な予定価格を設定するよう要請をしております。さらに、公共工事、民間工事のいずれにつきましても、適正な水準の賃金が発注価格に適切に織り込まれるよう、民間発注団体や建設業団体に対しまして要請を行っているところでございます。  公共工事設計労務単価につきましては、平成二十四年度以降、本年二月の直近の改定まで七年連続で引上げを行ってまいりました。一方、厚生労働省が行っております賃金構造基本統計調査におきましては、建設労働者の賃金が六年間で一八%上昇しておりまして、こうした賃金の上昇傾向は、この間の建設投資の堅調な推移に基づく技能労働者需要の増大と相まって、労務単価の引上げの成果が効果を現しつつあるものと考えております。  国土交通省といたしましては、労務単価の引上げが現場の技能労働者の賃金水準の上昇という好循環につながるよう、私からも繰り返し建設業関係団体に対しまして適切な賃金水準の確保を要請をしているところであります。この結果、業界団体側の自主的な取組といたしましては、例えば、日本建設業連合会では下請業者の見積りを尊重する労務費見積り尊重宣言が行われ、全国建設業協会では労務単価改定分を下請契約に反映をする単価引上げ分アップ宣言が行われるなどの動きも出てきているところでございます。  今後とも、技能労働者の適切な賃金水準の確保に向けまして、官民一体で取り組んでまいりたいと考えております。
  98. 舟山康江

    ○舟山康江君 ありがとうございます。  いろいろ努力をいただいているわけですけれども、今、建設現場の職人さん、労働者の賃金が上がっている背景には、やっぱりこの労働時間の長さも指摘されているところであります。年間実労働時間は一般製造業に比べても年間九十二時間長い、調査産業の全体では三百三十九時間長いということでありまして、やはり長時間労働の結果、日給月給ということもあるんですけれども、そういったこともあって、ようやく一般の産業平均と同じぐらいの賃金が確保できていると、こういう実態はこれ事実としてあると思います。  そういう中で、私が今指摘をさせていただいているのは、その元々の設計労務単価、これは公共工事ですけど、でも、これがきちんと一般の民間工事でも適切に反映されるように指導されているということですけれども、途中で、重層構造の中でそこが少し削られている、そこを削っちゃいけないところなのに削られているということ、ここをなくしていかなければいけないと私は思うんですね。  そういう中で、現場からは、例えば自治体で公契約条例ということを定めているところもありますけれども、国レベルでもやっぱり公契約法を作るべきではないかと、こんな声があったりとか、私たちは、実は、以前ですけれども、民主党時代に、やはり重層構造の中で賃金がどのように変化しているのか、きちっと支払の中身を明らかにすることによってそういう不当な中抜きを防止するような、そういった措置も必要ではないかと、こんな法案も検討したわけでありますけれども。  例えばこういった、いわゆる透明化をする、支払の中身をですね。法定福利費だったり保険料だったり賃金だったり、ここは、でも削っちゃいけないところですから、そういった中身を明らかにする、下請に出すときにそれをきちんとするという担保、こういった解決手段も必要ではないかと思いますけれども、その点に対して大臣のお考えをお聞かせいただけますでしょうか。
  99. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 国や地方公共団体が発注をいたします契約におきまして適正な賃金を確保することは重要な課題と考えております。建設業につきましては、技能労働者の処遇改善や若手入職者の増加を図るためにも、技能労働者の適切な賃金水準を確保する必要があります。  ただ、その一方で、賃金等の労働条件は、労働基準法等の関係法令に反しない限りにおいて、労使が自主的に決定することとされております。いわゆる公契約法により賃金等の基準を新たに設けることにつきましては、既に公契約条例を制定をしております地方自治体の状況等を注視する必要がございますが、今後も幅広い観点からの慎重な検討が必要ではないかと考えております。  また、建設技能者賃金支払透明化法案につきましては、労務費の見積り、契約、支払を透明化する趣旨であると承知をしております。国土交通省では、見積り、契約段階での法定福利費内訳明示の促進を図るとともに、昨日成立をいたしました改正建設業法におきまして、下請代金のうち労務費相当分については現金払を進めることとしたところであります。また、建設業界におきましても、例えば労務費見積り尊重宣言を実施するなど、建設労働者の賃金確保に向けた取組が進んでいると承知をしております。  現場の建設労働者の賃金の確保は重要な課題であり、引き続き、実効性ある方策について検討をし、実施をしてまいりたいと考えております。
  100. 舟山康江

    ○舟山康江君 ありがとうございます。  もちろん労働契約は労使間での契約でありますけれども、元々その発注の際にはきちんとした労賃が織り込まれて予定価格が決められているにもかかわらず、そこが削られているとすれば、そこは問題ではないかと思いますけれども、その点の見解、お聞かせいただけますでしょうか。
  101. 野村正史

    ○政府参考人(野村正史君) 今ほど大臣から答弁いたしましたとおり、中抜きとか、下請が深くなればやはり行き渡りが十分じゃないという声もありますし、また私どもの調査の中でも明らかになっているところでありますので、そこはまずもって、そのそれぞれの請負契約、元下契約の当事者においてしっかりと認識をしていただくことが必要だということも含めて、先ほど大臣からの答弁のとおり、繰り返しここは業界団体に対してお願いをしてきたという中で、少しずつ業界側の自主的な取組も進んでおります。  それから、低入札価格調査基準の中でも、やはり労務費については、そこは弾力性がないんだということで、その基準の設定では一・〇ということで、そういう基準を作っているということの中でも、私どもは、他の例えば公共発注者に対してもそういう考え方に立っているということを御理解していただくべくそういう考え方を盛り込んでいるところだと思いますが、これはやはり繰り返し、そして様々な当事者に辛抱強くその趣旨をしっかりと徹底していくことが何よりも必要だと思っておりますので、それからまた、更なる何か実効性ある対策が取れるかどうかについても引き続き検討していきたいと考えております。
  102. 舟山康江

    ○舟山康江君 やはり重層構造、下に行けば行くほどいわゆる労働者側は、一人親方だったりとか、立場の弱い方が多いと思います。対等な交渉ができれば、それこそきちっと労賃の確保とか待遇の改善というのは求められるかもしれませんけれども、やっぱりそういった力関係の中でなかなか思うように言えない。それで実際には、さっき引用させていただきましたけれども、設計労務単価の七割弱というのが平均、これはさっき言ったように埼玉の例ですけれども、多分これ全国でも同じような傾向だと思います。  そういった中で、是非、まさに弾力性がない、そこはもう決まり、もう固定なんだということ、どこに行っても、それこそ二次、一次が受けても三次が受けてもそこの労賃は同じなんだということを是非徹底いただきたいし、もし指導だけでやはりまだまだ改善しないのであれば更なる措置を考えていただきたいということを強く、大臣含めて役所の皆様にお願いしたいと思っております。  続いてですけれども、福岡の自動車事故の件です。  残念ながらまた高齢者の運転ということで、原因がもし今の段階で分かっていれば教えていただきたいと思いますし、踏み間違いというよりは、何らかの理由で踏みっ放しになってしまった、病気ではないかと、こんな指摘もありますけれども、現段階で事故の原因が分かっていれば教えていただきたいと思いますし、もう一点、あわせて、もし、この事故は、自動運転等が普及されれば、自動運転、サポカー、こういったものであれば防げた可能性があるのかどうか、この点についてもお伺いしたいと思います。
  103. 高田陽介

    ○政府参考人(高田陽介君) お答えを申し上げます。  お尋ねの事故につきましては、六月四日午後七時頃、福岡県福岡市早良区内の県道において八十代の男性が運転する普通乗用自動車が車両五台と次々衝突するなどしたものと承知しております。  現在、福岡県警察においてこれら一連の交通事故について捜査をしておりますが、事故原因等に関しては、捜査に関することであり、お答えは差し控えさせていただきます。  また、自動運転車であればどうだったかということに関しましても、ちょっとお答えするのは難しいと考えております。
  104. 舟山康江

    ○舟山康江君 まあ、原因はまだ分からない中で何も言えないというのはよく分かりますけれども、ただ、先ほどの自動運転の列車のところでも触れましたけれども、果たしてこの自動運転だけを過信していてもいいのかなという疑問も、あのような事故を見ると考えなければいけないなと思いますし、改めて、やはりこの自動車事故、特に、何か高度になればなるほどそういった機械の不具合というのもまた考えられるということなのかなと思っております。  そういう中で、前回も指摘をさせていただきましたけれども、これ平成元年の、旧運輸省交通安全公害研究所が出したオートマチック車の急発進・急加速に関する試験調査報告書では、今後、AT車がますます普及する、まあ、今普及がかなりされておりますけれども、運転者の多様化が進むことが予想されるので、ペダル配置も含めた人間工学的配置に基づく車両の構造の在り方について引き続き検討を行うことが望まれるとされておりました。これまでどのように検討し、対応してきたのか。  よく、今回は違うかもしれませんけれども、過去の例ではブレーキとアクセルを踏み間違えたという、そんな報告が幾つもされております。そういう中で、例えば欧州のAT車はアクセルとブレーキの間がもう少し離れていると、こんなことも聞いておりますし、両足で操作するとか、それから日本でも、まだそんなメジャーではありませんけれども、ナルセペダル、何か一つで、足の向きでブレーキとアクセルが変わるという、いろいろ検討はされているみたいですけれども、こういった報告書、もう三十年も前ですけれども、この検討を行うことが望まれるとされていた中で、これまでの検討状況、対応状況についてお答えください。
  105. 奥田哲也

    ○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。  当時の運輸省におきましては、御指摘の平成元年の調査報告書を踏まえまして、同年、日本自動車工業会に対しまして、オートマチック車、AT車の急発進等による事故防止のための装置の取付け等を要請し、これを受けて自動車メーカーにおいて各種の対策が講じられたところでございます。  この結果、発進時のシフト操作時にブレーキの踏み込みを確実に行わせるため、パーキングの位置からのシフト操作において運転者がブレーキペダルを踏まなければ操作できないようにする等の対策が施されたキーインターロック付きシフトロック装置がほぼ全てのAT車で採用されまして、AT車の急発進等の事例は減少いたしました。  しかしながら、その後、AT車の増加等に伴い、ブレーキ操作時におけるペダル踏み間違いによるAT車の事故が相当数発生する状況となったことから、追加的な事故防止対策を検討するため、平成十二年度に調査を実施をいたしました。その結果、キーインターロック付きシフトロック装置の有効性が改めて確認されましたが、ペダルの配置につきましては、例えばアクセルペダルとブレーキペダルに段差を設けることは誤ったペダルを踏む可能性の低減効果が明確に得られないという課題などが示されました。このため、ペダルの配置による誤操作を減らす一般的な対策については更なる検討の余地がある事項と位置付けられております。  現行の保安基準におきましては、加速装置や制動装置のペダルを始めとした操作装置の設置場所につきましては、運転者が定位置において容易に操作できるものとされておりますが、人間工学の観点から最適なペダル配置については引き続いての検討課題と認識をいたしておりまして、メーカーなどとも引き続き議論してまいりたいというふうに考えております。
  106. 舟山康江

    ○舟山康江君 これ、三十年前に提言をされて、十数年前に検討したということですけれども、やはり、繰り返しになりますが、踏み間違いというような原因による事故というのは複数、少なくとも報道されているベースでも複数起きているというのはこれ実態としてあると思いますので、その踏み間違いをどう回避するのか、是非しっかりと今後もなお検討いただきたいというふうに思います。  そして、これも前回もお聞きしましたけれども、やっぱりきちっと統計的にどういう自動車が事故を起こしているのか、これ途中から、平成十二年以降、AT車かどうかを識別するコード分けがなくなって一本化されたんです。前回の答弁の中では、現場の負担とか追加の意義を考えて、その識別をしなくて一本にする、分けることは考えていないという御答弁でしたけれども、やはり何が負担なのか、そこをきちっとしていかないと。  例えば自動運転車について、これから普及が進むに当たって、かなり効果が高いのであればもっと進めればいいわけですし、やっぱりそこはきちんと分析する。AT車、マニュアル車、やっぱりいろんな意見の中ではAT車の方が事故が多いんじゃないかと、こんな声がある中で、やはりコード分けをして分析をする、こういったことは、統計データからきちんと今後の対応を考えるというのは必要な措置ではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
  107. 高田陽介

    ○政府参考人(高田陽介君) お答え申し上げます。  前回御答弁させていただいたところでございまして、御指摘のとおりでございますが、交通事故統計の調査項目につきましては、年間四十万件以上に上る事故捜査の過程で、各調査項目を調査、確認する現場の警察官が行うというものでございますので、その負担も考慮して、必要性が高いもの、高い項目に限定して行っているところでございます。  御指摘のAT車、MT車の区分につきましては、御指摘ありましたとおり、平成十三年の改正時に検討をいたしまして、AT車の割合が非常に高くなっていると、当時でもかなり高くなっていたところ、現在更に高くなっているということもございますので、その意義などについては慎重に検討する必要があるというふうに考えているところでございます。
  108. 舟山康江

    ○舟山康江君 やっぱり私は統計的な分析が必要だと思いますので、是非御検討いただきたいと思います。  それから、前回と同じ表ですけれども、AT限定免許が大分増えてきているという、ただ、六四%ですね。でも、AT車の購入シェアが九八・六%。AT車がこれ市場に求められているという事実もありますけれども、でも、買いたくても今マニュアル車がないという実態もあると思います。  私は前回指摘させていただきましたけれども、やっぱりマニュアル車を運転したいという声もあると思いますし、ある意味、安全の観点からマニュアルなんだということの声ももっとあると思いますけれども、そういう中で、乗り続けたくてもマニュアル車の入手が困難な状況を少し考えていただく必要もあるのかなと思いますけれども、担当の経産省、いかがでしょうか。
  109. 上田洋二

    ○政府参考人(上田洋二君) お答え申し上げます。  二〇一八年の新車登録車種の約二割にマニュアル車の設定がございますが、新車登録車の販売台数に占めるマニュアル車の比率は約一・四%でございます。  こうした背景には、消費者の好みやニーズ等の市場をめぐる変化があるという具合に考えられることから、まずは、今後の事故の分析や必要な対応策の検討、これを踏まえつつ、市場の状況をしっかり注視していくこととしたいと考えております。
  110. 羽田雄一郎

    ○委員長(羽田雄一郎君) 時間が来ております。
  111. 舟山康江

    ○舟山康江君 はい。  ありがとうございました。いずれにいたしましても、やはり安全の確保に向けて様々な今後の調査、それから自動運転化への課題解決、是非しっかり行っていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。  ありがとうございました。
  112. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 公明党の三浦信祐です。  六月の一日、神奈川県横浜市内を走る横浜シーサイドライン新杉田駅で発生した逆走事故、事故に遭われ、けがをされた皆様にお見舞いを申し上げます。一日でも早い回復をお祈りしたいと思います。  運転手がいない自動運転、地域では当たり前の姿であり、当たり前に安全運行していた中での今回の逆走事故。想定をしていないことであり、二度と起こしてはなりません。運輸安全委員会が調査に当たられており、徹底した原因究明を行っていただきたいと思います。  その上で、石井大臣に伺います。  国土交通省として、本事故を受けての対応はどのようにされたのでしょうか。
  113. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 今般発生をいたしました横浜シーサイドラインの逆走事故によりまして、十四名の方々が骨折や打撲等のけがをされました。被害に遭われた方々に心よりお見舞いを申し上げます。  公共交通機関といたしまして、鉄軌道の輸送の安全確保は最大の使命であり、このような事故が発生したことは誠に遺憾であります。  国土交通省といたしましては、横浜シーサイドラインに対しまして原因究明と再発防止策の実施を指示するとともに、全国の鉄軌道事業者に対しまして、今回の事故について周知をし、注意喚起を行っているところであります。  事故の原因につきましては、現在、運輸安全委員会等において調査中でありますが、横浜シーサイドラインによれば、折り返し駅である新杉田駅において、ATO、自動列車運転装置の地上側の装置から進行方向を切り替える指示が出ていたにもかかわらず、当該列車は進行方向を変えずに走行し、車止めに衝突をしたとのことであります。  このように、今回の事故ではATOに何らかの異常が発生したことが想定されていることから、横浜シーサイドラインでは、当分の間、ATOを用いず、ATC、自動列車制御装置を用いた運転士による運転により四日の十一時より運転を再開をしているところであります。  国土交通省では、事故原因につきまして、昨日、横浜シーサイドラインから直接ヒアリングを行ったところでありますが、運輸安全委員会とも連携をしながら徹底した原因究明を行ってまいります。また、その状況等を踏まえまして、必要により鉄軌道事業者に緊急点検の実施を指示することとしております。さらに、横浜シーサイドラインを始め、無人による自動運転を行っている事業者や研究機関等の関係者から成る協議の場を立ち上げまして、再発防止等を検討することも予定をしております。  国土交通省といたしましては、このような取組を通じまして、引き続き鉄軌道の安全輸送にしっかりと取り組んでまいります。
  114. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 六月の三日、私は事故現場に行かせていただきました。  シーサイドラインというのは、一日何万人もの方が通勤通学、そして通院やレジャーに利用されておりまして、地域の重要なインフラであります。シーサイドライン一編成当たりの輸送量は、一車両当たり約七十名、五両編成で三百五十名であり、事故後、バスによる代行運行が開始をされたものの、輸送力が追い付いていなかったというのが実情でありました。原因究明は当然のこととして、関係者の方々が多くの確認作業を行った上で、一昨日の四日火曜日に、有人手動運転にて再開をされております。まだ通常の六五%のダイヤで、バスの代行運送も継続をしている状況であります。  無人のATO、列車自動運転装置を利用した会社線は全国各地にあります。  現地を視察した際、駅の構造として、通常停止位置から衝突した壁まで距離があり、万が一の逆走の際にも停止信号を出せるような構造となっていれば、車両を停止できるシステムが、そういうふうになっていれば衝突の回避も想定をできたかもしれません。今後の自動運転への信頼回復のために、あらゆる安全対策を不断に見直す必要もあると思います。  加えまして、今日、横浜市営地下鉄のブルーラインにおいても、有人ではありますけれども、ATOで脱線事故が起きております。報道によれば、夜の間に点検があった際に、必要な物を取り除かず、線路の上に残っていたところの物に乗り越えていってしまったというのも報道のなされているところであります。  鉄道事故が続いております。どうか、石井大臣、先頭に立って取り組んでいただきたいと思います。  横浜市営地下鉄の案件に関しては、これから調査をされて、即座に運輸安全委員会の方々が現地に行っておられると思いますので、ここは答弁は要りませんけれども、いずれにせよ、安全対策を不断に見直す、そういう部分においては国土交通省のリーダーシップが必要であります。石井大臣、先頭に立って取り組んでいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
  115. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 我が国では、横浜シーサイドラインと同様の無人による自動運転は、同社以外に六事業者七路線で行われております。これら六事業者に対しましては、三日に、原因が究明されるまでの間は、特に折り返し駅での運転の状況に注意するよう指示をしたところであります。  各事業者におきましては、現在、ATOの特別点検、車止めのある始発駅ホームに万が一の場合は列車を緊急停止させる監視員の配置、指令所による出発監視の強化などの対応を行っているとの報告を受けております。  今回の事故に関する情報を事業者間で共有するとともに、今後の事故防止対策をどのように進めるか等を検討するため、本日午後、横浜シーサイドラインを含む七事業者を集めた会議を行う予定であります。この会議での議論等も踏まえまして、先ほど申し上げました無人の自動運転を行っている事業者や研究機関等の関係者から成る協議の場を立ち上げ、再発防止策等を検討することも予定をしております。この協議の場では、今回生じた事象のように、これまで想定されていなかったリスクがないか等を再確認した上で必要な対策を講じる等、無人による自動運転の安全性向上を図ってまいりたいと考えております。
  116. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 是非、安全のため、安心のために強力に取り組んでいただきたいと思います。  次に、空の産業革命に向けたロードマップ二〇一八が発表され、二〇二〇年代前半、レベル4、いわゆる有人地帯での目視外飛行開始を目指し、ドローンの環境整備、技術開発が進んでいると理解をしております。ドローン利活用の中、期待をされているドローン物流の確立のためには、整備をしていかなければいけない課題が多数あります。  まず、伺います。物流用ドローンポートシステム研究開発を踏まえて、平成三十年度に過疎地域等における物流の課題解決に向けた実証実験を五か所で行ったと承知をいたしております。この実証実験で得られた知見はどのようなことでしょうか。その上で、課題も導出されているはずでございます。いかがでしょうか。
  117. 松本年弘

    ○政府参考人(松本年弘君) お答えいたします。  トラックのドライバー不足などの物流の課題解決に向け、国土交通省は平成三十年度に全国五地域でドローン物流の検証実験を実施いたしました。いずれの検証実験も無事終了し、物流の課題解決に効果的と考えられる目視外補助者なしの飛行の実績を積むことができました。また、山間部や離島といったドローン物流に適した地理的特徴及びそれらの地域におけるドローンによる輸配送ニーズのある商品等を把握したことに加え、地域住民等のドローン物流に対する期待の高さも認識したところです。  一方、課題といたしましては、更なるドローン物流の展開に向け、ドローンの輸送能力、安定性、コスト等が挙げられます。  国土交通省といたしましては、これらの検証実験の結果等を踏まえ、本年三月より、関係者を集めた検討会を設置し、過疎地域等におけるドローン物流に関するビジネスモデルの構築に向けて検討を進めているところでございます。
  118. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 是非継続してやっていただきたいと思いますけれども、福島ロボットテストフィールドにて、レベル3の確立を目指し、目視外補助者なしのドローン飛行試験が継続をしていると承知をいたしております。  今後、ドローンの利活用が進んだ場合、ドローンのサイズ、速度、ペイロード、機能、飛行継続時間の差など、用途や目的によって多種多様な機体が飛ぶことが想定をされ、ドローンの機体の性能も変化し続けると考えられます。近い将来、ドローンが物流に活用されて定期的輸送が行われるようになることも期待される中、自律した自動操縦機と手動操作機が混在することでのドローン同士の衝突リスク、あるいはドローンと有人機との衝突リスクを回避、防止するために、運航管理システムの確立が必要であると私は考えております。加えて、適切な運用をされて、安全、安心を損なうようなことを避けるために、飛行情報の管理も必要であります。  これらを総じて、今後の制度化についてしっかり取り組んでいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
  119. 蝦名邦晴

    ○政府参考人(蝦名邦晴君) お答え申し上げます。  無人航空機の急速な普及に伴いまして、複数の無人航空機が飛行し、それらが衝突、落下した場合や航空機と無人航空機とが衝突した場合には、航空機の搭乗者や地上の人や物に被害が発生するおそれがございます。このため、今般、無人航空機同士や無人航空機と航空機の衝突予防の遵守事項等を明文化することによりまして、飛行ルールの強化等の措置を講じることなどを内容といたします航空法の改正案を今国会に提出して御審議をいただいているところでございます。  また、今後、無人航空機の利活用の進展等に伴いまして多数のドローンが飛び交う段階では、無人航空機の管制に相当いたします運航管理システムや、電波や光波センサー等を用いた無人航空機同士の衝突回避技術が必要不可欠であると想定をいたしております。  これらにつきましては、官民で構成する協議会で昨年取りまとめられました空の産業革命に向けたロードマップ二〇一八に位置付けられておりまして、現在、新エネルギー・産業技術総合開発機構、いわゆるNEDOを中心に技術開発が進められている段階であると承知をいたしております。  国土交通省といたしましては、ドローンのこの発展段階に応じまして、運航の安全確保を図る観点から、運航に関するルールの整備等につきまして、運用主体の在り方も含めまして順次制度化をしていく所存でございまして、関係省庁及び民間関係者と連携をして、制度の基本的方向性の検討を進めてまいりたいと考えております。
  120. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 ドローンの利活用に際しては、ドローンが複数、多数飛行し混在するような状態を生み出すことを防止をする、安全上の観点から資格取得した企業等が利用しているドローンであることを証明するなど、的確なドローン利用を行うために、機体登録制度や目印化などルールを確立をしていただきたいということをお願いしたいと思います。  いずれにせよ、先手を打つことが大事だというふうに私は考えております。いかがでしょうか。
  121. 蝦名邦晴

    ○政府参考人(蝦名邦晴君) お答え申し上げます。  無人航空機の登録制度や識別につきましては、昨年十二月にまとめられました小型無人機に関する関係省庁連絡会議での報告書のほか、先ほど申し上げましたロードマップ二〇一八においても言及をされております。機体の登録制度や識別を含む今後の制度の進め方といたしましては、官民協議会のロードマップに沿って、二〇二〇年代の有人地帯での目視外飛行の実現に向けて、技術開発の進展に合わせて段階的に制度整備等を進めていく必要があると考えております。  国土交通省といたしましては、ドローンの安全確保を図る観点から、内閣官房を中心とした関係省庁とともにドローンの登録制度や識別などの規制の在り方についても検討をしていく所存でございまして、民間関係者とも連携をして制度の基本的方向性の検討を進めてまいります。
  122. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 是非よろしくお願いしたいと思います。  次に、特殊車両通行許可申請について伺います。  昨年十一月、本委員会にて特車申請の期間短縮についてお願いをさせていただき、大臣からは、二〇二〇年までに十日程度とすると答弁をいただきました。  半年強が経過をいたしました。現状、申請に掛かっている日数は何日程度でしょうか。
  123. 池田豊人

    ○政府参考人(池田豊人君) 特殊車両通行許可の審査に要する平均日数でございますけれども、昨年度、平成三十年度の上半期の実績は約四十七日でありましたが、同じく昨年度の下半期の実績では約三十四日となっております。また、直近の平成三十一年四月の一か月間の実績では約二十六日になっております。  引き続き、様々な観点から迅速化に努めてまいりたいと考えております。
  124. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 着実に進めていただいていること、感謝を申し上げたいと思います。  特殊車両通行許可の審査を迅速化するために、道路地図情報、道路構造の電子データ化を重点的に進め、自動審査の拡大に取り組まれていると承知をいたしております。現状、電子データ化の状況は、県の道路で八四%、市町村道で四〇%、二〇二〇年までに八割を目指すとして、国も代行して取り組んでいただいております。その上で、やはり地方自治体の道路データの確立が申請許可速度を上げることに直結すると思います。早急に是非整備をしていただきたいと重ねてお願いをしたいと思います。  電子データの収集について、現在、各地方整備局での体制はどのようになっているのでしょうか。必要なデータの取得の機材、車等必要なものも準備をしていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
  125. 池田豊人

    ○政府参考人(池田豊人君) 現在、今委員御指摘の電子データ化を促進するために、車載型センシング技術などの新技術の導入を実施しまして、データ化の加速をしております。また、今御指摘のように、地方公共団体の方で行うデータ化について、国の方で代行することも行っております。  このようなことをいたしまして、二〇二〇年までに約八割の電子データ化の目標をしておりましたけれども、一年前倒ししまして、今年度中にはこの目標を達成するべく取り組んでいきたいと考えております。
  126. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 是非、更に加速をしていただけるよう応援していきたいと思いますが、どうぞよろしくお願いを申し上げます。  国交省として特車許可の審査について一元化を目指す取組をされていることは承知をいたしております。プロセスをシンプルにして手続簡略化というのは、スピードアップ、生産性革命に直結するために早期に実現をしていただきたいと思います。  一方で、一元化までには、急激に変化することが難しく、段階を踏まなければならない場合もあります。それは自治体の処理体制の制約というものがあると思います。例えば、それの現れているのが、横浜市と相模原市とでは特車申請から許可までの期間が異なると伺いました。取扱件数の問題ではなく、デジタル化が進んでいるか、それとも従前の手作業がプロセスに入っているかによる違いだと私は考えております。  地方自治体の審査体制について、ソフトの支援、人的支援等必要な対応を国として行っていただいて、物流の停滞を招かない環境整備に取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  127. 池田豊人

    ○政府参考人(池田豊人君) 地方公共団体の中には、審査体制が必ずしも十分ではない地方公共団体があることを認識しております。このような地方公共団体に対しては、審査に関する支援を行っていきたいと考えております。  具体的には、平成三十年十一月から地方整備局と都道府県が参加するプロジェクトチームを設置をいたしました。このプロジェクトチームを通じまして、審査や道路構造の電子データ化を行うためのツールを国から地方公共団体に提供することや、地方公共団体で審査に時間を要している場合には国の職員が派遣して指導するなどを実施しております。  このように、地方公共団体の迅速化に支援をしてまいりたいと考えております。
  128. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 首都圏においては、圏央道が完成をしたことによって今まで倉庫が造られていないようなところにも新しく倉庫ができて、それの人員体制確保というのが今まで必要なかった自治体にも求められるケースもあると思います。是非、これまでのノウハウ、そして物流の革命のためにも、国交省がしっかりと支援をしていただきたいということを重ねてお願いをさせていただきたいと思います。  物流の生産性革命においてドライバーの運転時間の短縮、道路渋滞解消にも一定の効果をもたらすと考えられる高速道路の大口・多頻度割引について伺います。  昨年の二次補正予算によって、高速道路の大口・多頻度割引は従前の四〇%から五〇%への割引が令和元年度末まで設定をされております。一方で、補正予算であることから、令和元年度末以降のその内容は決定をいたしておりません。  私は効果があると考えておりますけれども、この大口・多頻度割引適用をしっかりと予算を確保して継続すること、将来的には拡充にも取り組んでいただきたいと思います。石井大臣、取り組んでいただけませんでしょうか。
  129. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 高速道路料金の大口・多頻度割引は、主に業務目的で高速道路を利用する機会の多い車の負担を軽減することにより、日本経済の下支えとなる物流を支援する重要な政策と認識をしております。  NEXCO三会社の料金制度におきましては、大口・多頻度割引の最大割引率を四〇%としております。平成二十六年度からは国の予算を活用いたしまして、この最大割引率を引き上げております。  今年度におきましてはETC二・〇を利用する自動車運送事業者に限定をいたしておりますけれども、最大割引率を五〇%に引き上げており、現在、この引上げの期間は令和二年三月末までとなっております。令和二年四月以降の大口・多頻度割引の取扱いにつきましては、物流を支援する重要性も踏まえまして、引き続き、財源の確保も含めまして利用しやすい料金となるよう取り組んでまいりたいと考えています。
  130. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 大臣、ありがとうございます。運送業者の皆さん、希望を持ったと思います。是非、我々も応援していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  次に、国際海上コンテナについて質問をいたします。  国際海上コンテナは、主として二十及び四十フィートサイズが利用されてきた中、四十五フィートコンテナについて二〇〇五年にISO規格化がなされました。現状、日本では大半が二十及び四十フィートコンテナが活用されている中、この大きな四十五フィートコンテナがアジア、特に中国と米国間の航路で使用されつつあり、日本においても今後活用されることも想定をしておかなければなりません。国際競争力を確保する上で、世界の今後を見据えた体制や制度等の整備が事前に必要であると私は考えます。  利活用の障害についての課題を探るため、これまでに、東北地方整備局管内で公道実証実験が行われ、二〇一一年、宮城県では、構造改革特区として認定されて、四十五フィートコンテナの公道輸送が可能となっております。  四十五フィートコンテナ輸送の円滑化に対して、特車申請のこれまでの経緯、検証結果及び現状について伺います。
  131. 池田豊人

    ○政府参考人(池田豊人君) 四十五フィートのコンテナ積載車両につきましては、御指摘のとおり、平成二十三年三月より、宮城県などの構造改革特区におきまして規制を緩和し、特殊車両通行許可を受けて通行できるようにいたしました。この結果、当該特区を通行した車両につきましては、安全上特段の問題が生じなかったことを確認しております。  この特区での結果も踏まえまして、平成二十七年六月から、後軸から車両の後端部までの長さなどに関する基準を設けた上ででございますが、四十五フィートコンテナ積載車両全般について特車許可を受けて全国で通行できるように措置を講じたところでございます。
  132. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 先手を打っていただくということは極めて重要なことだと思います。これから需要が増えてきた場合に対処できるように、また更なる見直し等も必要な場合があった場合には迅速に対応していただきたいと思います。  次は、少し難しい課題ではありますけれども、コンテナサイズの増加によって積荷量が増えることになります。これまでも課題となっていた荷物の積み方、例えば、コンテナの底の部分に軽い物、上の部分に重量物が積み込まれているケースがあり、トラックの横転事故の原因ともなってきたと言われております。  運送業者は積込み方に関与できない中、横転事故リスクを取り除く対応が私は不可欠だと思っております。安全確保の観点から、積込みについての国際的なガイドラインの遵守など、世界各国、国際的に働きかけていただいて、トラックドライバーの方だけがリスクを負うようなことが日本にあってはならないというふうに私は考えております。是非、この国際的な働きかけ、取り組んでいただけませんでしょうか。
  133. 水嶋智

    ○政府参考人(水嶋智君) お答えを申し上げます。  国際海上コンテナの輸送に関しましては、海上における人命の安全のための国際条約、いわゆるSOLAS条約の体系下で遵守すべき事項等が定められておりまして、国際海事機関、IMO等の場においてその検討が行われてきておるところでございます。  国際海上コンテナへの貨物の積付け等に関しましては、二〇一四年に国際海事機関等におきまして、貨物の積付けから積卸しまでの一貫した輸送に関し安全を確保するための要件等を定めた貨物輸送ユニットの収納のための行動規範、CTUコードというものが策定をされておりまして、積付け方法などの各種要件が定められておるところでございます。このCTUコードは非強制の行動規範となっておりますけれども、国際海上コンテナの安全性の強化を図るため、国際海事機関などが各国政府に対して国内の関係者への周知を求めているところでございます。  このため、我が国におきましては、国土交通省として国際海上コンテナの陸上における安全輸送ガイドラインを策定するとともに、関係者へのその周知を図っているところでございます。  また、国土交通省といたしましては、国際海上コンテナの安全な輸送の確保に向けて、陸上輸送の関係者の皆様方の御意見などを踏まえつつ、必要に応じて国際海事機関等の国際的な議論の場を活用して、関係各国に対してこのCTUコードの遵守の働きかけなどを推進してまいりたいと考えているところでございます。
  134. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 明快に答弁をいただいて、ありがとうございます。しっかりと無事故のために是非取り組んでいただきたいと思います。  昨年の道路法改正により重要物流道路が設定をされ、国際海上コンテナ車の特車許可の不要措置や許可期間の延長がなされております。これは重要な取組であります。重要物流道路において、管理者が指定し、道路構造に支障がない区間に限定して、特車通行許可不要となる車種に、国際海上コンテナの四十フィート背高まで対応しております。  今後、重要物流道路における四十五フィートコンテナの取扱いについて、是非四十フィート背高コンテナと同等の扱いにすべきだと考えますけれども、いかがでしょうか。
  135. 池田豊人

    ○政府参考人(池田豊人君) 四十フィートの背高国際海上コンテナ車の特車通行許可を不要とする区間につきましては、本年四月に指定された重要物流道路約三万五千キロのうち、道路構造の観点から支障がない区間について、今後、道路管理者の方で指定をする予定にしております。  この特車通行許可を不要とする区間について四十フィートの背高国際コンテナを対象にいたしましたのは、世界の海上コンテナの半数以上がこの四十フィートの背高コンテナで、我が国においても十五年間で約九倍に増加をしていることから、機動的な対応が要るということで、まずは四十フィート背高国際海上コンテナ車を対象にしたところでございます。  四十五フィートのコンテナを含めた他の特殊車両の扱いにつきましては、今後、物流生産性や道路構造の観点から、及び道路交通への影響などを踏まえまして、引き続き検討してまいりたいと考えております。
  136. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 是非、実情が変わっていくと思いますので、検討を続けていただきたいと思います。  次に、鉄道のICカード利便性向上について伺います。  国鉄の分割・民営化から三十二年目となります。当時、国内の鉄道移動にスムーズ、シームレスを維持するとしておりました。しかし、人口減少による経営上の課題、新幹線開通による人口移動の変化、災害被害等、鉄道の環境が激変をしております。  これに加えて、技術の進歩、中でも改札システムや車内検札へのICカード導入の可否によって鉄道会社の境界で不便さが顕在化し、生活圏を分断している地域もあります。例えば、東海道線の国府津駅において、東海道線と御殿場線の乗換えなどが挙げられます。  日本全国のコンビニエンスストアでは鉄道事業者発行のICカードが使える時代にもかかわらず、鉄道での利便性に難があるというのは、これは本末転倒だというふうに思います。機能性の高いICカードの普及への取組と、鉄道会社エリアをまたぐことで生じるICカード利用格差の課題解決を進めるべきではないでしょうか。その上で、積極的にICカード利用課題を解消していただきたいと思います。  大臣、強力に是非取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  137. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 交通系ICカードの利用エリアの拡大は、鉄道を始めとする公共交通機関の利用者利便の向上につながるだけでなく、訪日外国人旅行者のストレスフリーな交通利用環境の実現に寄与するという観点からも重要な課題と認識をしております。  鉄道各社ではICカードの利用エリア拡大の取組を進めているほか、国土交通省といたしましても、地域鉄道事業者を中心に、交通系ICカードの利用を可能とするシステムの導入を支援をしているところであります。  他方、交通系ICカードシステムは、対象駅の数が増えるに従い加速度的にシステムの規模が大きくなる仕組みとなっており、鉄道会社においては、このシステム特性や利用の実態を踏まえ、エリアを区切ってシステム構築をしてきたところであります。  鉄道各社からは、エリアをまたいだICカードの利用を可能とするためには、運賃設定の対象駅数が大きく増加をし、システム改修等に係るコストが膨大となること等の課題があると聞いております。  このため、国土交通省といたしましては、各社に働きかけ、駅員の増配置など降車駅の窓口におけるICカードの精算体制の強化、エリアをまたいでの利用の多い駅における窓口と同様の処理が可能な新型自動精算機の導入といった対応の強化を図っております。  国土交通省といたしましては、こうした課題の改善に向けまして丁寧に対応いたしまして、訪日外国人旅行者を含む鉄道利用者の利便性向上に取り組んでまいりたいと考えております。
  138. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 以上です。ありがとうございました。
  139. 室井邦彦

    室井邦彦君 日本維新の会・希望の党の室井邦彦です。  今日は、住宅関係、空き家対策についての質問を幾つかさせていただきたいと思っております。  人口の減少が進んでおるわけでありますけれども、この住宅のストック数が世帯数を上回っている、こういう状況の中で、新築中心の住宅市場から、いいものを造って、きちっと手入れを、メンテナンスをし、長く大切に使うといったその住宅に対する消費者、また不動産事業者等の意識の啓発を図るということも大切であるというふうに思っておりますし、要するに、百年住宅という、こういうこと、そして、今の戸建て住宅を購入すると、三十年でもう資産価値がなくなって産業廃棄物だというような、そういうふうな傾向にある中で、幾つか御質問をするわけでありますが。  交通省として、今の現状を踏まえながら、空家等対策の推進に関する特別措置法が全会一致で成立をいたしました、平成二十七年五月の二十六日、全面施行されたわけでありますが、それから四年という月日が流れた中で、これまでの空き家法に基づくこの国土交通省の現状の状況、取組、この四年間、どういう経緯が推移したのか、お聞かせをいただきたいと思います。
  140. 石田優

    ○政府参考人(石田優君) お答えを申し上げます。  現在把握しております最新のデータが全面施行から約三年半を経過しました昨年の十月一日時点となりますが、この段階での施行状況を見ますと、空家等対策の対策計画、これ法律に基づく計画でございますが、これの策定状況が、全市区町村の約半分に当たります八百四十八で策定済みでございます。今後、更に約四割の市区町村で策定が予定されている状況となっております。  また、周辺に悪影響を及ぼします特定空き家等に対する対応につきましては、助言、指導が合計で一万三千八十四件実施されておりまして、さらに、勧告に至ったものが七百八件、代執行に至ったものが百十八件という実施状況となっております。  国土交通省におきましては、公共団体が行います空き家の除却、活用などへの取組に対する支援、また、空き家の除却や市場への流通を図るための税制措置などを行ってきているところでございまして、引き続き取組の促進を図ってまいりたいと考えております。
  141. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 この間ある報道で、その空き家対策として行政が出先機関に利用をしているという、このような報道もありました。民間だけじゃなく行政の方も新しく対応する施設が足らないとか機能が余りよく進まないとか、そういうときには、また空き家対策も、行政がいろいろと使われるというか、そういう観点でまた見てみたらどうなのかなと、そんなことをこの間報道で、どこの県か分かりませんが、報道にありましたので、それも一つの方法かなというふうに思っておりますので、よろしくいろいろと御検討をお願いをしておきます。  二点目は、いわゆる長年その地域で宅地建物取引業業界という、そういう、まあ昔でいう不動産屋さんですね、そういう業界が、この空き家対策に対するノウハウ、いろんな情報を蓄積したものを持っておられます。  そういう中で、この連携的なことも考えれば、そういうところがされているのかどうか、この点について少しお聞きいたしますが、いわゆる宅地建物取引業業界のこのノウハウを活用していく、これが極めて重要であるというふうに私は考えておるわけでありますけど、まずその辺の見解を、国土交通省としての、お聞かせをいただきたいと思います。
  142. 野村正史

    ○政府参考人(野村正史君) お答えいたします。  空き家の利活用を促進するためには、地域事情に精通し、地域のニーズにきめ細かく対応できる宅地建物取引業者の役割が重要でございます。先般、社会資本整備審議会産業分科会不動産部会で取りまとめられました不動産業ビジョン二〇三〇におきましても、宅地建物取引業者は地域活性化を支える地域の守り手として期待が寄せられているところでございます。  国土交通省では、従来より、全国の空き家情報等を簡単に検索できる全国版空き家・空き地バンクの構築の支援や、不動産業団体による先進的な空き家対策に対する支援などを通じて宅地建物取引業者による空き家のマッチングの促進に努めているところでございます。  また、昨年一月には、空き家など、価格が低廉な不動産であって通常より現地調査費用などを要するものを対象に、従前の報酬額の上限に加えて当該費用を考慮した額の報酬を売主から受領できるよう、媒介報酬体系、つまりは仲介手数料の見直しを図ったところでございます。  今後とも、こうした施策を一層推進し、自治体とも連携しながら、宅地建物取引業者あるいは宅地建物取引業界による空き地流通の促進に努めてまいる所存でございます。
  143. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 ありがとうございます。いろいろと多方面にわたって御努力をしていただいているということはよく理解をしております。  先日、総務省が四月の二十六日に公表した住宅・土地統計調査の結果によれば、空き家数、空き家率とも過去最高に数値が上がっておるというような、右肩上がりというか、そういう状況であります。それぞれが御説明いただいたように御努力をしていただいているわけでありますけれども、こういう面で、いかに実情を踏まえて、更にやはり知恵を絞って空き家対策を強化していかなくちゃいけないのじゃないかというふうに私は考えておるわけでありますけれども。  そこで、国交大臣が、どのような方針、また、いろいろと努力をしていただいている中で、こういう現状であるということに対して、私は更に強化をということを思っておるわけでありますが、大臣としてどのように見ておられて、どう考えておられるのか、お聞かせいただけませんか。
  144. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 総務省が四月の二十六日に公表いたしました調査結果によりますと、平成三十年時点で空き家の増加の伸び率は鈍化したものの、戸数については過去最高となりました。我が国におきまして空き家対策は引き続き喫緊の課題であると考えております。  今年度におきましては、空家等対策特別措置法の活用を促し、空き家対策の取組を強化をするため、例えば、地方公共団体が行う空き家の除却、活用等の取組を支援をいたします空き家対策総合支援事業の要件を緩和をする、また、密集市街地のうち条例などにより防火規制が行われる地区におきまして、空き家の除却費を全額公費負担で行う措置を創設をいたしました。また、空き家の除却や市場への流通を図るための税制措置に関しまして、適用期間の延長のほか、被相続人が相続開始直前に老人ホーム等に入所していた場合についても適用対象に追加をするなど、予算、税制面で新たな取組を講じたところでございます。  引き続き、空家対策特別措置法の活用促進を始めといたしまして、空き家の抑制に向けまして積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
  145. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 ありがとうございます。  思い切った政策を打ち出していただき、また、全額公費で見るというようなお考えも聞かせていただきまして、期待をしております。よろしくお願いを申し上げます。  続いて、この社会経済情勢が目まぐるしく変わっていく中で、やはり外国の方のいわゆる住居、これが一つの大きな問題となっておりまして、かなりの労働者の増加、そういう中で、いわゆる業者の方が非常に外国人が入居されるということに対して積極的じゃない、このようなことも聞いております。  その点で質問をさせていただきますが、この四月より、先ほどから申し上げておりますけれども、改正入管法が施行されました。外国人材のための住まいの確保がますます重要になってきておることは確かであります。また、一方で、外国人材の民間賃貸住宅への入居に当たっては、言葉の壁もあります。そして賃貸人の約七割が外国人の入居に拒否感を示しているという、ここが大きな問題になると思うんですが、こういうデータもあります。労働不足のためにまた外国からそういう方に来ていただきながら、住まいのことは余り拒否感があって対応、協力できないということじゃ、これ何をやっていることか分からないことになります。  ここで、この賃貸住宅標準契約書の更なる多言語化などの賃貸人の負担を軽減をするための取組も含めて、外国人材の住まいの確保に向け、国土交通省としてどのように考えられておられるのか、どう取り組んでいこうとされておるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
  146. 石田優

    ○政府参考人(石田優君) お答え申し上げます。  新たな在留資格制度を踏まえました外国人材のための住まいの確保につきましては、まずは外国人材を受け入れる企業において適切な住居の確保などを行うことなどを政府として周知徹底することとされております。そうした受入れ企業の対応等前提としながら、国土交通省におきましては、昨年の十二月二十五日に関係閣僚会議で決定された外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策に基づきまして、賃貸人や仲介事業者などに向けた対応を進めております。  具体的には、多言語対応された賃貸住宅標準契約書などを含みます外国人の民間賃貸住居入居円滑化ガイドライン、これが既にございます、これの周知、また、不動産関係団体と協力いたしまして、本年四月にはこの新たな在留資格制度などを踏まえました外国人人材受入れのための実務に関するガイドブックを作成し、周知を図っているところでございます。また、賃貸住宅標準契約書などが今現在八か国語の対応となっておりますが、更に三か国語増やしまして、少なくとも十一か国語以上の対応ができるように今図っているところでございます。  そのほか、これまで外国人の受入れをかなりやってきておりますUR賃貸住宅における経験を踏まえまして、それをまとめました外国人居住者との共生の取組に関する情報提供もさせていただいているところでございます。  さらに、先ほどの拒否感というお言葉がございましたが、外国人なども含めまして住宅確保の要配慮者を受け入れることをいただけるという住宅を登録いただくセーフティネット住宅の登録、情報提供の促進や、居住支援協議会、登録家賃債務保証業者等の協力の要請、そういった取組を講じているところでございます。  引き続き、外国人材の円滑な住宅の確保などに向けましてしっかりと取り組んでいきたいと考えております。
  147. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 よろしくお願い申し上げます。外国の方々が、希望と夢を持って日本で頑張ろうという気持ちで来ておられる方に、やはり環境のいい住まいを与えられて、家族が幸せに、そして日本でしっかりと頑張っていただくというのがやはり大切だと思いますので、ひとつよろしく取り組んでいただきたいと思います。  それでは、最後の質問をさせていただきますが、ICTの活用についての質問をさせていただきますが、先般、情報通信技術を活用し、行政手続等の利便性の向上、また行政運営の簡素化、また効率化を図るためのデジタルファースト法案が成立いたしました。これはすばらしいことでありまして、情報化社会においては、民民間の手続である不動産取引においても積極的に情報通信技術を活用していく必要があると思っておりますが、国土交通省として、今後どのようにこのICTの活用に取り組んでいこうとされておるのか、お聞きをいたします。
  148. 野村正史

    ○政府参考人(野村正史君) お答えをいたします。  不動産取引における情報通信技術の活用は、業務の効率化やあるいは消費者サービスの充実という効果を通じて不動産分野の生産性向上につながるものと期待しております。中でも、遠隔地間での取引の効率化が期待されるテレビ会議システムなどITを活用した重要事項説明、いわゆるIT重説につきましては、有識者会議における議論や社会実験の結果などを踏まえ、まず賃貸契約を対象に平成二十九年十月より本格運用を開始したところでございます。平成三十一年三月末現在、三万七千件を超える実績が確認をされており、消費者からは、不動産会社への来店回数が減り、時間と交通費の節約につながったなどのメリットが報告されているところでございます。  一方、売買契約については法人間の契約を対象に社会実験を進めてきたところでございますけれども、現時点において残念ながら十分な実績が得られていないことから、賃貸契約におけるIT重説の実施状況なども踏まえ、今後、個人を相手方とする契約にもその範囲を拡大して社会実験を継続することとしております。こうした取組に加えて、賃貸契約における重要事項説明又は契約締結の際に交付すべき書面の電子化についても今後社会実験を実施する予定でございます。  国土交通省といたしましては、取引の安全性確保、これを大前提としつつ、情報通信技術の活用を通じて消費者の利便性の向上や宅地建物取引業者の業務の効率化等を図ることにより不動産分野の生産性向上につなげてまいりたいと考えております。
  149. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 ありがとうございます。  ところで、メリットという点で十分お聞きいたしましたけれども、今後、社会実験中ということで、心配されるデメリットというか、そういうところの懸念というのは、通告はしておりませんけれども、どうでしょうか。
  150. 野村正史

    ○政府参考人(野村正史君) 一応、テレビ会議システム、あるいは最近ですとパソコンで簡単にスカイプなどのシステムを使って、パソコン一つでいわゆるフェース・ツー・フェースの関係をつくるということができるということになっております。  ただ、やはりどうしても受ける側は通常のプライベートな環境で受けるようなこともありますので、そこは店先でという状況の中で事業者さんから聞くのとは少しシチュエーションが違うということで、やっぱりしっかりそれが、重要事項説明、これ、物によってはかなり情報量があるということもありますので、本当に取引の安全性確保のために、その契約の際に、あるいは契約に先立って、特に借りる側ですね、あるいは買う側、消費者を中心とするユーザーの側がしっかりとやっぱり理解をするということが大前提だと思っております。  ただ、先ほど三万七千件に及ぶ実績があると申しましたけれども、今のところ、直ちに例えばそれが大きな何か取引の安全性を損なう事象につながったとかということは、今のところは大きな事案はないものと承知しておりますけれども、やはり、そこは私ども基本的に社会実験という形で今後また売買においてもやっていきますけれども、不断にそういったことはチェックし、確認し、取引の安全性が損なわれていないかということをやっぱり不断に確認をしながら進めていくということがこの取組の大前提だと思っておりますので、そういったことにしっかり配慮して取り組んでまいりたいと考えております。
  151. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 どうもありがとうございました。  この年代になってくるとどうも情報通信技術というのが疎いもので、どうしてもそういうふうな心配事が先立ちましたもので。  質問を終わります。
  152. 山添拓

    ○山添拓君 日本共産党の山添拓です。  昨年七月の西日本豪雨では、愛媛県肱川水系の氾濫で九人が犠牲となり、浸水家屋が約五千二百五十戸に達するなど、甚大な被害が生じました。上流にある野村ダムから最大毎秒約千八百トン、鹿野川ダムから約三千六百トン、安全とされる目安の六倍もの放流がされましたが、正確には伝わらず、避難の遅れと被害の拡大につながったとされます。  大臣を始め国交省は、規則に従い適切にダムを操作した、こう繰り返し述べておられますが、適切に操作をした結果、人命を含む多大な被害がもたらされた。大臣、このことはどう認識していますか。
  153. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 肱川水系の野村ダム及び鹿野川ダムは、平成三十年七月豪雨におきまして、関係機関と合意の上で策定をいたしました操作規則によりダム操作や情報提供を行ったものと認識をしております。一方で、これまでに経験のない異常な豪雨によりまして、ダム下流で甚大な被害が発生したことは重く受け止めております。  このため、肱川におきまして、検証等の場を設置をいたしますとともに、全国的な観点からも検討会を設置をいたしまして、その結果が取りまとめられたところであります。この取りまとめにおきましては、住民の避難行動につながるよう、ダムの放流情報の改善、利水容量の活用などのダムの更なる有効活用などの課題が示されております。  これらの課題を真摯に受け止め、具体的な取組を推進していくことが重要であると認識をしております。
  154. 山添拓

    ○山添拓君 今は適切という言葉を使われませんでしたが、皆さんも御記憶かと思いますが、直後にはかなりそういう言葉使われていたんですね。  私は、昨年の夏、現地二度訪れましたが、堤防を越えたと思ったら二、三分で襲われた、もう少し逃げるのが遅ければ危なかった、一気に放流したことが洪水につながったのではないかという声があちこちで聞かれました。結果として、命や家財が奪われ、途方に暮れる住民の皆さんに対して適切だったという言葉がどう響くのか、これは考えて物を言うべきだと思います。  現在の野村ダムの操作規則は一九九六年に改定されたもので、治水容量三百五十万トンを前提とし、中小規模の洪水に対応するものとなっています。しかし、以前から、利水容量の一部を事前放流にも活用できるようにし、治水のための容量を六百万トンまで増やすことが検討され、七月豪雨でもそのような対応が取られました。  治水容量六百万トンを前提とし、大洪水に対応する操作規則で早い段階から放流量を増やしていればピーク時の放流量を減らせたのではないかと、こういう指摘がされておりますが、いかがですか。
  155. 塚原浩一

    ○政府参考人(塚原浩一君) お答え申し上げます。  平成三十年七月豪雨におきましては、気象庁の発表等によりまして豪雨が想定されましたことから、緊急的に利水者と調整を行った上で事前の放流を行いました。事前の放流を行う場合には、豪雨の予測が得られている必要があること、あるいはその予測に基づき利水者と調整を行い理解を得る必要があること、またダムの水位を低下させる速度も一定程度に抑制するといったような様々な制約がございまして、必ずしも六百万トンを確保できるというふうには限っておりません。  結果として、六百万トンの容量を確保することはできましたけれども、そのような状況でございましたので、あらかじめ事前放流の確実な実施を、六百万トンを確保した上での事前放流、あるいは確実な実施を前提とした操作規則を策定するということは困難であったというふうに考えております。  しかしながら、一方で、昨今の激甚化する自然災害に対しまして、安定的な洪水調節容量の更なる確保ということは非常に重要だというふうに考えておりますので、ダムの構造や洪水予測の精度、利水者の理解などを踏まえまして、更なるダムの有効活用に向けて検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
  156. 山添拓

    ○山添拓君 利水者の理解を得た上で検討をすれば、協議によって操作規則を改定しておくという余地もあったと、これはこういうことですね。
  157. 塚原浩一

    ○政府参考人(塚原浩一君) 繰り返しになりますけれども……(発言する者あり)はい。様々検討が必要でございますので、それと、六百万トンを確実に確保するという確証はございませんでしたので、それを前提とした操作規則をあらかじめ策定しておくということは難しかったかと考えております。
  158. 山添拓

    ○山添拓君 難しかったということなんですが、当時の操作規則そのものがベストだったとは言えないわけです。ですから、その規則に従った操作だからといって適切だと言い切れるわけでもないのだろうと考えます。  野村地区でお話を伺いますと、ダムがあるから安全だと思っていた、そういう声が多数ありました。これは、元町長もそう考えて最後まで避難しなかったんですね。この区間は九六年までに改修もされています。行政の側にも同様の意識があったのではないかと思われます。そのため、浸水想定区域図も作成されず、ハザードマップが作られておりませんでした。  私は、野村ダムの川西所長から、ハザードマップがないことを所長が知ったのは緊急放流の二日前、七月五日だったと伺いました。そのため、越水した場合にどのぐらい浸水するのか、流下能力はどのぐらいなのか、これどうやって調べようかという感じだったと伺いました。  ダムの管理者として、越水時の被害想定を認識できないような状況自体が問題なのではないでしょうか。
  159. 塚原浩一

    ○政府参考人(塚原浩一君) お答え申し上げます。  野村地区におきましては、委員御指摘のとおり、ハザードマップは作成されておりませんでした。一方で、ダム管理所におきましては、下流の河川の流下能力とダムの放流量との関係から浸水被害の可能性については把握をしておりまして、平成三十年七月豪雨におきましては、関係機関への通知や警報に加えまして、ホットラインによりまして、現在の予測では放流量が河道の能力を超えるというようなことを情報提供を行ったところでございます。こういった七月豪雨を踏まえた検討会におきまして、住民の適切な避難行動に結び付く浸水想定区域図やハザードマップの作成、周知は必要であるという御指摘をいただいております。  これを踏まえまして、国土交通省におきましては、三か年緊急対策によりまして必要な浸水想定区域図の作成を進めているところでございます。さらに、市町村がハザードマップを作成するに当たりまして技術支援を行うなど、ハザードマップを活用した住民の適切な避難行動に結び付く取組を進めてまいりたいと考えております。
  160. 山添拓

    ○山添拓君 大洪水が来た場合には一気に放流量を増やしていく、これは入ってきた分と同じだけ流していくという緊急放流を行うしかない、こういうことが想定されていたわけですが、その場合にどの地域で避難情報を伝える必要があるのか、ダム管理者の側で把握しようがなかったということなんですよね。ですから、それ自体大問題だと指摘しなければなりません。  さらに、サイレンやスピーカーが聞こえない、あるいは緊張感のない放送だった、放流量のその異常さが伝わっていなかったなど、情報提供の在り方が問われることになり、先ほど来の検証の場が設けられました。  昨年十二月にその取りまとめが発表されましたが、ここではダムの防災操作の課題についてはどのように整理していますか。
  161. 塚原浩一

    政府参考人(塚原浩一君) 御指摘の検証等の場におきましては、より効果的なダム操作につきまして、利水のための容量を関係者の協力の下、洪水調節のために更なる活用を進めるべきではないか、またダム下流河川の流下能力の不足によってダム放流量が制約を受けていた、またダム操作に関する降雨あるいは洪水流入の予測の精度の向上が必要ではないかなどの課題が示されたところでございます。  このような結果を踏まえまして、より効果的なダム操作につきまして取組を進めてまいりたいと考えております。
  162. 山添拓

    ○山添拓君 流下能力の不足、つまり下の、下流の河川で流せる量が制約されていると、どれだけダムが大きくても流せる量が制約されるんだと、こういう話であります。  二〇〇四年の河川整備計画では、下流の河川改修の整備状況に対応してダムの操作ルールを適宜見直すとされておりましたが、肱川では下流に堤防がそもそもないような区間もあり、二十年以上操作規則を変えられずに昨年の豪雨を迎えることになりました。  資料の二ページ目に配付してありますが、野村ダム、鹿野川ダムの新たなダム操作ルールの考え方によりますと、真ん中ですね、おおむね五年後には、平成三十年七月豪雨で越水しないと、こう書いております。野村ダム、鹿野川ダムの容量増大や下流の流下能力を確保することによって、おおむね五年で昨年のような被害は防ぐことができたんだと、こういう認識ですか。
  163. 塚原浩一

    ○政府参考人(塚原浩一君) 御指摘のおおむね五年後の見込みということでございますけれども、おおむね五年後には、既に昨年度末に完了いたしました鹿野川ダムの改造事業に加えまして、河川激甚災害対策特別緊急事業、今回の災害を受けた緊急事業による河川改修が完了する予定となっております。それに伴いまして、堤防がかさ上げされるとともに、野村ダムと鹿野川ダムの操作規則の更なる改定が可能となります。  これによりまして、平成三十年七月豪雨と同規模の洪水に対しましても河川水位が堤防の高さは超えないということまでは見込まれます。しかしながら、この状態では、堤防ぎりぎりまで水位が上がる可能性がございますので、必ずしも十分に洪水を安全に流せる状態までには至らないというふうに考えております。  このため、そういったリスクがあるということも含めまして、避難等に必要な情報が適切に住民等へ伝わるよう、市町村等々の関係機関と連携をいたしましてソフト対策にも取り組んでまいりますとともに、更なる河川整備にも取り組んでまいりたいというふうに考えております。
  164. 山添拓

    ○山添拓君 いや、私は、この越水しないと書きながら、実は危険があるんだというふうにおっしゃるというのは、ちょっとこれは新たな誤解を生みかねないものじゃないかと思うんですね。  だって、昨年の被害というのは、これもう想定外の大雨によってもう到底耐えられないようなものだったと説明されてきたわけですよ。ところが、五年もあれば対応できるんだと言っているように受け取られる、そういう表記の仕方だと思うんですね。これ、大体五年で対応できるのであれば、なぜ二十年来、河川整備が遅れてきたのかという疑問が当然湧くわけです。  河川整備計画でも、昔から水害の常襲地域だと、無堤地区が数多く残って、非常に治水安全度の低い状況だと書かれているぐらいに対策が求められて、しかも住民の皆さんからは、下流の辺りは中州に砂州ができて大変心配だと、こういう声も多数寄せられていたようなところなんですね。  確認をいたしますが、この図でおおむね十年後は山鳥坂ダムが完成すると書かれています。鹿野川ダムの改造で洪水吐きが完成し、山鳥坂ダムが完成していても、下流の流下能力が変わらない限りは今回のような事態は防げなかったということですね。
  165. 塚原浩一

    ○政府参考人(塚原浩一君) お答え申し上げます。  おおむね五年後につきましては、先ほどの激特事業、それから野村ダム、鹿野川ダムの操作規則の変更等によりまして、七月豪雨につきまして堤防ぎりぎりの水位まで何とか持ちこたえるというような想定をしてございます。  さらに、十年後の状況につきましては、山鳥坂ダムの完成も含めまして、七月豪雨と同規模の洪水を安全に流せるような更なる河川の整備について今後進めてまいりたいというふうに考えております。
  166. 山添拓

    ○山添拓君 河川の整備が不可欠だということは間違いないだろうと思うんです。  そこで伺いますが、肱川における河川改修事業費とダム建設事業費について、過去五年の当初予算の総額をお示しください。
  167. 塚原浩一

    ○政府参考人(塚原浩一君) 肱川におけます平成二十六年度から平成三十年度までの過去五年間の直轄河川改修事業費の当初予算の総額は、約七十億円でございます。  ダムにつきましては、山鳥坂ダム建設事業及び鹿野川ダムの改造事業のダム建設事業費の当初予算の総額は、約三百六十七億円となっております。
  168. 山添拓

    ○山添拓君 河川改修はダムの五分の一なんですよね。しかもこれ、年々減らされてきておりました。ダム優先はもういいかげんに改めるべきだと指摘をしたいと思います。  肱川のように、ダムがあっても大洪水に耐えられないという箇所が全国にあるということがこの間判明しております。昨年、政府が行った重要インフラ緊急点検では、ダムの操作規則を改善するために下流の改修が必要なダムが二十一あったとされております。  ダムだけでは被害は防げないということを住民に周知するとともに、各地で河川改修を急ぐべきだと考えますが、大臣、どのような御認識ですか。
  169. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 平成三十年七月豪雨等を受けました重要インフラの緊急点検によれば、ダム下流などで洪水浸水想定区域図が策定することとされていない箇所があること、ダムの操作規則改善のために下流の改修が必要なダムが二十一か所あることなどが明らかになったところであります。  これらの結果を踏まえまして、防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策におきまして、ダム下流の洪水浸水想定区域図の作成や住民への周知等のソフト対策とともに、ダム下流の河川改修などのハード対策を重点的に進めていくこととしております。  国土交通省では、今後とも、施設では防ぎ切れない大洪水は必ず発生するものとの考え方に立ちまして、ハード、ソフト一体となって社会全体でこれに備える水防災意識社会の再構築を推進をしてまいりたいと考えております。
  170. 山添拓

    ○山添拓君 時間ですので終わりますが、資料の三ページ目には、先ほど足立委員からも指摘のあった、気候変動によって百年に一度の豪雨による降水量が全国平均で一・一倍、最大一・四倍という試算が示されております。河川整備基本方針、基本計画の見直しを全国的に開始すべきだということも指摘をしまして、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  171. 平山佐知子

    ○平山佐知子君 無所属クラブの平山佐知子です。  今年の四月にも本委員会で無電柱化推進に当たっての基本的な考え方などについて質問させていただきましたけれども、今回は、前回の答弁を踏まえつつ、より具体的な内容についてお伺いしてまいりたいと思います。  平成三十年四月に策定された無電柱化推進計画と、同年十二月に閣議決定された防災・減災、国土強靱化三か年緊急対策に基づく追加目標とを合わせて、三年間で合計二千四百キロメートルという極めて高い目標に向けて、地元の方を含む関係者の合意形成が何より重要であること、そして地方自治体の体制整備等にも取り組んでいく旨の御答弁を前回いただきました。  地元の方にとっては、無電柱化によるこのメリットは分かっているものの、工事を行えば、当然、通行規制などがあって、日々の暮らしに影響が出てしまうのではないかという心配も出てきます。そうした懸念を取り払うことも、合意形成を図る上では重要なポイントになってくるかというふうに思います。  そうしますと、電気、通信、水道やガスなど多くの事業者が関係する道路を掘削する工事におきましては、それぞれの関係者の合意形成を速やかに行って、計画的に無電柱化整備を進めていくことがやはり重要になってくるというふうに考えます。  この点について、国交省の考え方、それから具体的な整備手法など、どのように考えているのか、御説明をお願いいたします。
  172. 池田豊人

    ○政府参考人(池田豊人君) 無電柱化の実施に当たりましては、電線管理者との調整のほか、ガス、上下水道など既設の地下埋設物の移設が必要になるなど、様々な調整に時間を要する場合がございます。関係する事業者と迅速かつ効率的な調整が重要だと認識しております。  このため、工事を実施するに当たりましては、占用事業者に参加していただく調整会議を個別事業ごとに開催しておりまして、占用物件の移設工事や民地への引込み工事をできるだけ同時期にしていただくような調整を行っております。また、このような占用物件の移設工事を一括して発注するような手法も今後実施を考えております。  国交省としましては、これらの取組でスピードアップを図ってまいりたいと考えております。
  173. 平山佐知子

    ○平山佐知子君 無電柱化の工事に関しましては、電線共同溝方式ですとか小型ボックス方式を積極的に適用していけば、関係者の合意形成も円滑に進むのではないかというふうに考えています。それが、例えば電線事業者が実施する無電柱化、つまり単独地中化による整備となりますと、電力、通信などの事業者がそれぞればらばらに同じ場所を何度も掘り起こして、管路の設置工事をして、またそこを埋め戻して仮舗装工事をするということを繰り返し行っていくということになってしまいます。そうすれば、当然ながら総工事費高くなりまして、工期は長くなって地元住民の方にとっても影響が大きくなって、なかなか御理解がいただけないのではないかというふうに考えています。  国民負担を軽減するという観点からも、電線共同溝方式や小型ボックス方式を主体として進めるべきだというふうに考えますが、国土交通省ではどのように考えていらっしゃるのか、お願いいたします。
  174. 池田豊人

    ○政府参考人(池田豊人君) 無電柱化の事業手法は、道路管理者が電線共同溝を整備して行う電線共同溝方式と電線管理者が整備する単独地中化方式の両方がございます。無電柱化の推進には、道路管理者、電線の管理者、地方公共団体、それぞれ適切に役割分担して進めていくことが大事だと考えています。  国交省としては、委員御指摘のいろいろなものを一括して収めることもできる電線共同溝方式についても、これからも採用して整備を進めてまいりたいというふうに考えております。  また、構造の形式として、従来の管路方式に加えまして、コンクリート製のボックスに電線を一括して収容する小型ボックス活用方式、これを適用を今後進めることにしまして、これはコスト削減のメリットも大きいというふうに考えております。小型ボックスの標準仕様を定めました。地方公共団体にも周知をいたしまして、小型ボックス方式の活用を今後普及していきたいと考えております。
  175. 平山佐知子

    ○平山佐知子君 電線地中化を共同溝方式で行うのとやはり単独で行うというのでは、電線管理者の投資コストもランニングコストも相当変わってくるというふうに考えています。事業者のコストが増えるということは、電気料金に反映されて利用者の負担となる、これ言わば国民負担が増えるということになりますので、国民負担を少しでも減らしていくということは当然大事なことでございますし、そのためには、社会インフラの整備を最も安く効率的に行う整備手法で進めていくべきだというふうに考えています。  以前にも提案させていただいておりますけれども、電力やガス、水道など複数の事業者が関係する場合には、道路管理者が事業者の埋設位置を決めて、電線共同溝方式による整備手法で進めていくのが一番いいというふうに考えておりますので、その点もどうぞよろしくお願いいたします。  次に、平成二十八年度末における全国の下水道管渠の総延長、これを見てみますと、およそ四十七万キロメートル、標準耐用年数五十年を経過する管渠は二十年後には総延長の三〇%に達すると予測をされています。また、全国の水道管路総延長はおよそ六十七・七万キロメートルで、今後二十年間に更新が必要な管路は全体の二三%と予測されています。  こうした下水道とか上水道、都市ガス管などのライフラインの布設替えの情報を全体を把握をして、それと一緒に無電柱化も促進していくといったことが検討できれば、無電柱化のスピードアップ、それから低コスト化も可能になるというふうに考えます。また、そのためには、省庁間の連携を始め地方自治体との連携、情報共有がどうしても必要になってくるというふうに思いますけれども、そうしたライフライン協議会のようなものを設置することも検討していくべきではないかというふうに考えます。  これについて、大臣、お答えいただけますでしょうか。
  176. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 無電柱化の促進には、地下埋設物の工事と併せて無電柱化の工事を進めることが重要と考えております。  このことから、平成三十年四月に策定をいたしました無電柱化推進計画におきましては、ガスや水道の更新時など地下埋設物の工事の際に併せて無電柱化を行うことも効率的であり、工程等の調整を積極的に行うこととしております。  具体的には、地方整備局の国道事務所単位で水道等の占用工事の工程等を調整する会議を設置をしておりますが、この会議を通して占用工事の時期を把握をすることで、地下埋設物の更新に合わせた無電柱化の促進に努めているところであります。  今後、国土交通省といたしましては、関係省庁とも連携をいたしましてこのような取組を更に進めるとともに、地方公共団体にも同様の取組を働きかけてまいりたいと考えております。
  177. 平山佐知子

    ○平山佐知子君 ありがとうございます。  是非、国全体での会議をつくるということも併せてまた検討をしていただきたいなというふうに思っております。  今年三月二十五日には、第九回無電柱化推進のあり方検討委員会が開催されたというふうに伺っております。そのときの資料を見ますと、議題に既設電柱の撤去に向けた取組というふうにありました。この内容について御説明をお願いいたします。
  178. 池田豊人

    ○政府参考人(池田豊人君) 無電柱化の推進には、電柱の新設を抑制することと、今御指摘ありました既設電柱の撤去、この両面から進めることが重要であると考えております。  電柱の新設の抑制については、国交省で直轄で管理しております国道の約二万キロのほぼ全線において新設電柱の占用の禁止措置を既に導入をいたしました。また、地方公共団体が管理する緊急輸送道路についても約五割で同様の措置が導入されております。  また、既設の電柱の撤去につきましては、今お話ありました今年三月に開催されました無電柱化推進のあり方検討委員会の場で、緊急輸送道路における取組を早急に進めていく必要があること、このため段階的に占用制限を実施すること、さらに、行う場合は十年の猶予期間を設けて更新を許可しないことなどで既設電柱の撤去を進める考え方を当方から示しまして、有識者の委員の方から御賛同をいただいたところでございます。  今後、関係事業者と調整し、この方針について具体的なスケジュール等を検討して進めてまいりたいと考えております。
  179. 平山佐知子

    ○平山佐知子君 十年間の猶予期間を設けて更新許可をしない予定であるということを伺いましたけれども、猶予期間を十年間とする根拠についてお伺いするとともに、占用許可を更新しないことによる既設電柱の撤去の制度はいつからスタートして、これによって進められる無電柱化はどの程度の整備計画、整備延長を考えているのかどうか、また、猶予期間を十年とするのであれば、先ほどの第九回無電柱化推進のあり方検討委員会で提案されている既設電柱の撤去に向けた取組による整備は、冒頭申し上げましたこの三か年での二千四百キロメートルの無電柱化計画には含まれないということでよいのかどうか、確認させていただけますでしょうか。
  180. 池田豊人

    ○政府参考人(池田豊人君) 今お尋ねがありました十年間の猶予期間を設けて更新の許可をしないということの根拠でございますけれども、電線管理者などの既存の利益に十分に配慮すべきであるということと、電柱の現在の占用の許可期間が最大十年以内とされております。こういったことを踏まえまして、十年間の猶予期間を設けて更新を許可しないことというのが方針として考えられるのではないかと思っております。また、あわせて、その既存の利益に十分配慮するという意味でも段階的な占用制限の実施を考えていく必要があるというふうに思います。  あわせて、このスタート時期でございますけれども、これから更に関係事業者と調整をしてこの導入のスケジュールを考えていくことになりますので、現時点ではスタート時期については未定でございます。  そのようなこともありまして、お尋ねありましたこの第九回の無電柱化推進のあり方検討委員会の場でお示しした緊急輸送道路における既設電柱の撤去の規模でございますけれども、これは、御指摘がありましたこの三か年で二千四百キロの無電柱を進めるという計画、この中には含んでいないということでございます。
  181. 平山佐知子

    ○平山佐知子君 この無電柱化については、先ほどからもおっしゃっていただきまして、私の方からも申し上げておりますけれども、この三年間で二千四百キロという非常に高い目標を掲げて、関係者の合意形成を図りながら今一丸となって進めているところだというふうに思います。  その上で、さらに、やはりこの既設電柱の撤去を進めていくというのは、関係者の合意形成を阻害する要因にもなってしまうのではないかと少々危惧しているところでもございます。  無電柱化、国家プロジェクトとも言える事業であり、国が主体となって無電柱化整備が必要な道路の優先順位付け、それから予算確保を踏まえた計画を策定して実行していただきたいとお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
  182. 羽田雄一郎

    ○委員長(羽田雄一郎君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後一時二十八分散会