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2019-05-09 第198回国会 参議院 国土交通委員会 10号 公式Web版

  1. 令和元年五月九日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  四月二十五日     辞任         補欠選任      足立 敏之君     木村 義雄君      岩井 茂樹君     吉田 博美君      こやり隆史君     橋本 聖子君      儀間 光男君     室井 邦彦君  四月二十六日     辞任         補欠選任      木村 義雄君     足立 敏之君      橋本 聖子君     こやり隆史君      藤木 眞也君     高橋 克法君  五月八日     辞任         補欠選任      吉田 博美君     大沼みずほ君  五月九日     辞任         補欠選任      大沼みずほ君     堀井  巌君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         羽田雄一郎君     理 事                 井上 義行君                 酒井 庸行君                 中泉 松司君                 青木  愛君                 三浦 信祐君     委 員                 足立 敏之君                 阿達 雅志君                 朝日健太郎君                 大沼みずほ君                 金子原二郎君                 こやり隆史君                 末松 信介君                 高橋 克法君                 中野 正志君                 堀井  巌君                 牧野たかお君                 野田 国義君                 舟山 康江君                 増子 輝彦君                 魚住裕一郎君                 矢倉 克夫君                 行田 邦子君                 室井 邦彦君                 山添  拓君                 平山佐知子君    国務大臣        国土交通大臣        国務大臣     石井 啓一君    副大臣        国土交通副大臣  大塚 高司君        国土交通副大臣  牧野たかお君    大臣政務官        国土交通大臣政        務官       田中 英之君        国土交通大臣政        務官       阿達 雅志君    事務局側        常任委員会専門        員        林  浩之君    政府参考人        内閣官房アイヌ        総合政策室長   橋本 元秀君        国土交通省土地        ・建設産業局長  野村 正史君        国土交通省住宅        局長       石田  優君        環境大臣官房政        策立案総括審議        官        和田 篤也君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法  律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院  送付)     ─────────────
  2. 羽田雄一郎

    ○委員長(羽田雄一郎君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告申し上げます。  昨日までに、儀間光男君、岩井茂樹君及び藤木眞也君が委員を辞任され、その補欠として室井邦彦君、高橋克法君及び大沼みずほ君が選任されました。     ─────────────
  3. 羽田雄一郎

    ○委員長(羽田雄一郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、国土交通省住宅局長石田優君外三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 羽田雄一郎

    ○委員長(羽田雄一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 羽田雄一郎

    ○委員長(羽田雄一郎君) 建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. こやり隆史

    ○こやり隆史君 おはようございます。自民党のこやり隆史でございます。  今日は、国土交通委員会で初めての質問をさせていただく機会をいただきました。委員長を始め理事の皆様、ありがとうございます。  それでは、法改正案につきまして、早速ですけれども、まず執行体制について幾つか確認をさせていただきたいというふうに思います。  今回の法改正によりまして、延べ床面積が三百平米以上の建築物、新築の建築物、中規模建築物ですね、について適合義務の対象に追加されるということになります。これによりまして、現行ベースでいうと、大規模建築物については毎年三千程度の審査対象になるわけですけれども、これが一挙に一万七千棟規模の対象になるということで、急激に増加をするということになります。  建築確認あるいは審査を含めて、実務を担う地方公共団体あるいは省エネ審査機関等々のこの法改正後の執行、運用ですね、審査体制について、現状の準備状況等をお伺いしたいと思います。
  7. 石田優

    政府参考人(石田優君) お答えを申し上げます。  本法案におきましては、今御指摘ありましたとおり、中規模のオフィスビルなどの適合義務制度への対象の追加に係る措置を盛り込んでいるところでございます。この措置を効果的に推進していくためには、御指摘がありましたとおり、計画の審査を担うこととなります所管行政庁や民間審査機関におけます処理体制が整備されていることが非常に重要でございます。  この適合義務制度につきましては、現在、約九割の物件が省エネ判定機関、民間の機関において審査されている実態でございまして、中規模建築物の計画の審査におきましても、既に実務を担っておりますこの民間の省エネ判定機関を中心に行われることになると考えております。  これらの機関に対しましてアンケート調査を行っておりますが、適合義務制度の対象が拡大されるまでの二年間の準備期間におきまして、約九割の機関が今回対象になります中規模建築物の計画の審査に必要な体制を整備することが可能であるという回答を得ているところでございます。  このように中規模建築物の計画の審査に必要な体制を整備することは実態を踏まえ可能であると考えておりますけれども、省エネ判定機関の準備状況などを丁寧にフォローアップいたしまして、必要に応じて体制充実に向けた調整などを図っていきたいと考えております。
  8. こやり隆史

    ○こやり隆史君 ありがとうございます。  他方で、適合義務の対象以外の三百平米以上の住宅、新築の住宅につきましては、従来どおり届出義務が課せられるということになっております。  この届出義務なんですけれども、現状の執行体制といいますか、現状の体制を見てみますと、一つは、無届出物件については約三五%が何も行政側というか当局側からアクションが起こされていない、あるいは届出があったその建築物について適合していないものに対する指導等を行っていないものが大体八割近い状況になっているということで、引き続きこの届出義務制度を維持するにおいても、その制度自体の意味付け、効果についてやっぱり疑義が生じざるを得ないということになると思います。  今回、法改正を契機に、この届出義務対象、これの法執行体制について改善した点がございましたら、教えていただきたいというふうに思います。
  9. 石田優

    政府参考人(石田優君) お答えを申し上げます。  本法案におきましては、今御指摘ありました届出義務制度につきまして、民間審査機関の活用のための措置を盛り込んでいるところでございます。これによりまして、今行政庁が担っております届出された計算書等のチェックに係る事務負担を軽減することで生み出されます行政庁の事務能力を、届出が出されていない物件への対応や基準に不適合な物件への対応の強化につなげていくことが可能になるというふうに考えているところでございます。  また、届出義務制度の課題として、行政庁の側からは、指示等を行います対象にどういう物件を選ぶのかといった具体的な考え方を定めることが困難であるといったことが多くの行政庁から指摘を受けているところでございます。そういった指示等の進め方に関する指針を所管行政庁に示す必要があると考えております。このため、所管行政庁の民間を活用した事務負担の軽減と併せまして、指示等の対象とする物件の考え方、また指示等に係ります手続の進め方などを内容とするガイドラインを併せて策定、公表することといたしております。  民間審査機関の活用と併せまして、こういったガイドラインの策定を行うことによって、所管行政庁と連携しながら届出義務制度の監督体制の強化を的確に進めていきたいと考えております。
  10. こやり隆史

    ○こやり隆史君 ありがとうございます。  是非、制度の形骸化を招かないように、しっかりと体制についても整備をしていただきたいなというふうに思います。  それで、今回対象が拡大された適合義務でありますけれども、民間の省エネ機関なども活用しながらではありますけれども、建築確認手続に連動した形で行政庁による確認が行われるということになっていると聞いておりますけれども、このそもそも建築確認制度自体について、御承知のとおり、レオパレスの問題であるとか様々な問題がこれまで継続して起きているということになります。  今回、この建築確認手続、一連の流れの中でボリューム自体がやっぱり増えてくる。そうした中で、この建築確認制度全体の信頼性をしっかりと確保した上で新たな義務の追加等を行っていくということが制度全体の形骸化を防ぐためにも大事であるというふうに思っておりますけれども、この建築確認制度全体の信頼性向上に向けた取組について国交省のお考えをお聞きしたいと思います。
  11. 石井啓一

    国務大臣石井啓一君) 今回の改正により省エネ基準への適合性判定の対象とすべき建築物の範囲は広がりますけれども、建築確認検査業務自体は増えないことから、今回の改正をもって建築確認検査主体の負担増にはつながらず、制度の信頼性に影響を及ぼすものではないと考えております。  一方、御指摘のとおり、レオパレス21に続きまして、大和ハウス工業でも共同住宅等における品質管理上の問題が発覚したことは極めて遺憾であります。  大和ハウス工業の案件につきましても、建築基準への不適合が疑われるのは賃貸共同住宅であることから、レオパレス21の問題を踏まえ設置をいたしました国の外部有識者委員会におきまして、レオパレス21及び大和ハウス工業による原因究明結果の検証、建築確認検査制度の在り方を含む再発防止策の検討を進め、夏前をめどに提言の取りまとめをいただけるようお願いをしているところであります。  国土交通省といたしましては、いただく予定の提言を踏まえまして必要な対策を講じ、建築確認検査制度の信頼性確保を図ってまいりたいと考えております。
  12. こやり隆史

    ○こやり隆史君 ありがとうございます。  実際、業務を行う地方公共団体等におきましては、それほどやっぱり人的資源というのはない。そういう中で様々な建築物あるいは住宅が建てられると。安全、安心に関わる問題でございますので、そういう意味で、制度の信頼性の確保、向上というのは喫緊の課題であるというふうに思っておりますので、しっかりと取り組んでいただきたいなというふうに思っております。  次に、この法改正の経緯等につきまして質問を移らせていただきたいというふうに思っております。  今回、この法改正において一つの大きな論点というのが、やっぱりどこまで建築物あるいは住宅について適合義務の対象とするかどうかということであるかなというふうにも思っています。  この住宅、建築物の省エネ強化対策につきましては、平成既に二十五年の六月の閣議決定で、二〇二〇年までに新築住宅、建築物について段階的に省エネ基準への適合を義務化する旨明記をされ、決定をされています。こうした閣議決定も踏まえて今回法改正が提出されたということになるかと思うんですけれども、今回、この法改正案におきましては、大規模住宅を含めて、住宅全般にわたって適合義務の対象から外れているということになっております。その理由と経緯について御説明いただきたいというふうに思います。
  13. 石田優

    政府参考人(石田優君) お答えを申し上げます。  本法案の検討に当たりましては、中小工務店などへのヒアリングや消費者へのアンケート調査などによりまして、住宅、建築物の省エネ性能に関します状況などを把握いたしますとともに、昨年九月から、そういった内容も踏まえまして、社会資本整備審議会において今後の住宅、建築物の省エネ対策の在り方について審議が進められ、本年一月にいただいた答申を基に法案を提出させていただいたところでございます。  この答申等におきまして、住宅につきましては、省エネ基準への適合率が低い水準にとどまっているため、適合義務制度の対象とした場合に市場の混乱を引き起こすことが懸念されること、関連する事業者に省エネ関連の技術について習熟していない者が相当程度存在していることなどの課題があることから、本法案におきましては適合義務制度の対象とはせずに、届出義務制度の監督体制の強化や説明義務制度の創設、住宅トップランナー制度の対象拡大などの措置を総合的に講じることで住宅性能の向上を図ることとさせていただいたところでございます。
  14. こやり隆史

    ○こやり隆史君 ありがとうございます。  市場の混乱を防ぐといいますか、厳しいこうした適合義務といった規制を導入するということに当たっては、もちろんのこと、経済合理性であるとか対応可能性、こうしたものを慎重に検討していって、その結果として制度を導入するか否かということを判断をするということはもちろんのことであるというふうに思っております。  よく言われるんですけど、他方で、国際的な観点から見ますと、我が国の省エネ規制制度は欧米諸国あるいは韓国においてさえも後れを取っているのではないかということが指摘されているところでもございます。もちろん、住環境あるいはライフスタイルというのは各国様々でありますし、気候も含めて各国様々でありますので一概に比較するというのは難しいとは承知をしているんですけれども、国交省として、現行、改正案にある建築物、住宅の省エネ規制制度について、国際的水準に見てどの程度にあるというふうにお考えか、教えていただきたいと思います。
  15. 石田優

    政府参考人(石田優君) お答えを申し上げます。  ドイツを始めといたします多くの欧米諸国におきましては、新築の住宅、建築物のより広い範囲に省エネ性能に係る基準が義務付けられているなど、積極的な取組がなされていると承知をしております。我が国の省エネ対策の推進に当たりましては、そうした他国の施策の経験について学ぶべきものは学ぶことが非常に重要であるというふうに考えております。  一方で、各国の施策は各国個別の事情、状況を踏まえて導入をされておりますため、単純に比較しにくい面がある点にも留意が必要であるというふうに考えております。本法案に盛り込まれました施策について御議論をいただきました社会資本整備審議会におきましても、例えばでありますが、日本では住宅の一部分を時間を限って暖房するという習慣が根付いているのに対しまして、今お話ありましたドイツなどにおきましては建築物全体を昼夜連続で暖房することが非常に一般的というように異なる部分がございます。この結果、ドイツの一世帯当たりに係ります暖房のエネルギーの消費量は日本の約五倍の水準にございまして、省エネ投資の効率性を高めている、つまり省エネ投資をした場合にそのお金が回収しやすいというような、エネルギー消費の実態とそれによる省エネ投資の効果などの点で大きく違う点を勘案する必要があるとの御指摘もいただいているところでございます。  こうした国によります状況の違いに留意しながら、各国の取組の経験も参考にし、我が国の更なる省エネ対策の充実に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。
  16. こやり隆史

    ○こやり隆史君 ありがとうございます。  まさに、おっしゃるとおり、各国それぞれ事情が異なるので一律に考えることは避けるべきであるというふうに承知をしております。  他方で、我が国の方針として、要するに行政の方針として、閣議決定、先ほど触れました閣議決定においても、やっぱり住宅を含めて、まあ二〇二〇年までというのはおいておきつつも、段階的な義務化を図っていくということの方針は示されているわけであります。また、パリ協定等々踏まえますと、やっぱり住宅、建築物に対する省エネの強化対策についてはこれからも引き続き求められていくということは間違いないというふうに思っています。  そこで、諸外国、先ほどの御紹介もありましたドイツ、あるいは欧州、あるいは米国、あるいは韓国含めて、ほとんどほぼ全ての住宅、建築物について適合基準の義務化の対象になっているという事実があるということも考えていきますと、一つ、先ほど、工務店の対応がなかなか難しいであるとか、市場の混乱を招くといったことも御指摘もありましたけれども、なぜ、じゃ、我が国において、ほかの国は適合義務化がなされているにもかかわらず、我が国においてそういう特有の、市場の混乱があるとか、工務店、生産の担い手の方々がなかなか習熟をするには時間が掛かるといった課題があるのかということを考えてみますと、一つは、気候風土、ライフスタイルの問題もあるとは思うんですけれども、やっぱりこの我が国の省エネ制度、あるいは省エネ基準を含めてですね、制度自体が少し他国に比べて複雑過ぎるんではないかというような観点も一度考えていかないといけないんではないかなというふうに思っています。  例えば、我が国というのは国土は狭いですけれども南北に長い、そういったことも踏まえて、今省エネ基準というのは八つの地域、これは市町村ベースで区切られて、それで基準がそれぞれに規定されているという構造になっています。この省エネ基準については、各国それぞれ、単純なものから日本のように少し複雑なもの、それぞれやっぱり幅広い基準の規定の仕方があるというのは理解をしているんですけれども、やっぱり工務店にとって、隣、我が町の隣町で仕事をするときにそれぞれ基準が違うという場合も結構あると。そうしたその基準を含めたその制度の複雑さがこの工務店さんのその対応に無理を来しているんじゃないかということもあるんでは、可能性としてですね、考えていかねばならないんではないかなというふうに思っています。  そこで、そもそも我が国のその省エネ基準含めた省エネ制度の現状、例えば少し複雑さが過ぎているんではないかといった指摘もあるんですけれども、その点について御所見をいただきたいというふうに思います。
  17. 石田優

    政府参考人(石田優君) お答えを申し上げます。  省エネ性能の向上の目標として設定され、建築物省エネ法に基づきます適合義務制度などにおいて活用されております省エネ基準につきましては、先ほど先生御指摘あったとおり、現行では八つの地域制度に分かれて基準を設けているところでございます。この基準につきましては、学識経験者や関係業界の団体などのメンバーから成ります委員会において原案を作成していただいた上で制定するという流れでこれまで制定をしてきているところでございます。  御指摘ありましたとおり、我が国においては南北に非常に長い国土でございますので、冬季におきます平均気温や暖房の負荷が地域によって大きく異なりますことから、各地域の暖房の負荷などを踏まえて適切に省エネ化を進めていくため、それぞれの気候や供給されている住宅の仕様などを踏まえた地域ごとの基準値を設定することが必要であると考えて対応してきているところでございます。  また、社会資本整備審議会などにおける有識者による議論や、本審議会の答申はパブリックコメントに付しておりますが、そのパブリックコメントに対する民間事業者などからの意見におきましても、より地域の事情に合った基準としてほしいという意見はありましたけれども、省エネ基準についての現行の地域区分をより少なくしてほしいという御意見は今回は提出がなかったところでございます。  今後、本法案に盛り込まれました施策を的確に推進していくことが重要だと考えておりますが、御指摘のように、関連事業者にとって複雑過ぎるものとなっていないかといった点も含めまして、その推進状況について丁寧にフォローアップをさせていただき、その結果も踏まえて省エネ基準の合理化に向けた更なる検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
  18. こやり隆史

    ○こやり隆史君 ありがとうございます。  今の質問に関連して、一枚参考資料を配付させていただいております。冒頭、国交省さんの説明にもありました家庭用の用途別エネルギー消費量の国際比較を挙げさせていただいております。  もちろん、その省エネ基準あるいは省エネ制度において、やっぱり断熱性というのが中核であるということは間違いないというふうに思うんですけれども、この各国の比較を見てみますと、断熱性に最も関係するところの冷暖房のエネルギー消費、これ我が国と諸外国で見てみますと、圧倒的に既にエネルギー消費量が少ないと、もう極端に少ないと言っても過言ではありません。そうしたまさに諸外国と比べてかなりの度合いまで割合的にも低いこの冷暖房エネルギーの節約のためにどういった規制が必要なのか、やっぱりこの省エネ住宅を広めるためにはそのコストを下げていかねばなりません。コストを下げるためには、まさに建設資材の流通における単価も下げていかねばなりません。  そして、先ほど工務店の話がありましたけれども、工務店、造る側にとってもやっぱり分かりやすい、単純、シンプルな、そういうものが必要になってくるというふうに思います。そうすることによって建設コストも下がり、ひいては省エネ化された住宅の価格も不確定な部分が少なくなり、コストが少なくなる、安くなると省エネ型の住宅が普及するという形でいいサイクルが回っていくと。そういう意味で、もちろん、今その省エネ基準の適合義務を広げていくということは、まさに先ほど来御説明があったように、なかなか工務店を含めてまだまだ対応できるような素地がないということは理解をしておりますけれども、やっぱり国際的な動き、あるいは国際比較をすぐされる、こういう状況の中で義務化の議論が引き続き起きてくると。  そうした中で、やはり、こうしたエネルギー実態も踏まえながら、この省エネ規制全体の在り方、これもできるだけシンプルに、この流通構造なり、その実態に応じた形で制度も見直していく必要があると思うんですね。そうした上で、義務化の対象を広げていき、そして皆さんが難なくその義務化の制度に対応できるというような工夫を、是非やっぱり国交省としてもこれから考えていかねばならないんではないかというふうに思っています。  そういう観点で、今回の法改正の次のステップ、次の更なる省エネ強化の段階において、こうした省エネ基準を含めて制度の合理化など規制制度全体の在り方について、一度やっぱり議論をしていく必要があるんではないかというふうに考えておりますけれども、御所見をいただきたいというふうに思います。
  19. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 御指摘の省エネ基準を分かりやすくする合理化につきましては、これまでも省エネ関連技術の専門家等の御意見も伺いながら進めてきたところであります。  例えば、住宅の気密性能に関する規定の削除を平成二十一年度に行ったところであります。また、本法案に説明義務制度の創設が盛り込まれていることも踏まえまして、関連事業者が省エネ基準への適否を簡易に判断することができるようにするために計算シートを整備することを予定をしておりまして、この計算シートに関する情報につきましても、今後行います講習会において提供していくこととしております。  こうした取組によりまして、今後、本法案に盛り込まれた施策を的確に推進していくこととしておりますけれども、その推進状況について丁寧にフォローアップをいたしまして、その結果も踏まえまして、基準の合理化等も含め、更なる省エネ対策の充実に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。
  20. こやり隆史

    ○こやり隆史君 ありがとうございます。是非、次のステップとして、制度全体の在り方について検討していただきたいなというふうに思います。  というのは、まさに、これは省エネだけではなくて新エネの世界もそうですけれども、様々な導入を進めるに当たって、やっぱり建設コストの問題、あるいは担い手の問題というのは常にこの日本の産業構造の中で課題に挙がってきます。そういう意味で、住宅というのはもう総合産業、建築物というのは総合産業であって、まさにいろんな裾野に影響を及ぼしてくるし、いろんな主体がそれぞれその同じ土俵で仕事をしていくという状況にあります。そういう意味で、制度も、省エネだけではなくて様々な安全基準であるとか様々な基準の総合体でありますので、省エネだけで、あるいは新エネだけで議論をしていくと、あながち、というか、制度が詳細詳細に、どんどんどんどん制度が複雑化していく傾向があることはもう間違いないと思います。省エネ基準についても、昔は四地域あるいは五地域からスタートして、それが今八地域まで増えているということを取ってもそうなんだと思います。  そういう意味で、様々な制度の検討を行うに当たって、やっぱり総合的な観点からこの産業全体としての視点で是非これからも議論を進めていただきたいなというふうに思っておりますが、これは要望として是非お願いしたいというふうに思います。  少し時間が余りましたけれども、私の質問はこれで終わります。ありがとうございます。
  21. 野田国義

    ○野田国義君 立憲民主党の野田国義です。よろしくお願いいたします。  大臣の方からちょっとお聞きしたいと思いますが、いろいろと国交省、所管も広いので大変だとは思いますけれども、もう御承知のとおり、フラット35を悪用し、不動産投資の問題が出てまいりました。  それで、この記事等を見ておりますと、その社員ですか、元社員の言葉といたしまして、フラット35を投資目的で使ったのは昨年六月までの約二年間に売った百五十戸前後と、仲間の仲介業者と一緒にやったと、この仕組みでトップセールスマンになれたと証言したというような記事がございます。  ですから、同様な手口がほかの業者にもあれば、これ不正が更に広がっていく。また後で質問いたしますが、レオパレス問題も広がりつつあるようでございますし、そしてまた、本来は投資用なのに住むと偽って融資を引き出す手口で、不動産業界ではなんちゃってと呼ばれているとか、そういった何か業界の用語までがあるようでございます。  そこで、石井大臣は、七日の記者会見におきまして、フラット35に関し不動産投資目的に不正に使われた疑いがあるとして、機構に実態解明を指示をされたということでございました。そして、本来の目的を逸脱した利用は遺憾で、再発防止に向けて機構を指導すると述べておられるところでございますが、発覚の状況、それから大臣への報告はいつであったのか、そして再発防止に向けた国土交通省の対応等々、お伺いをしたいと思います。最初、お願いいたします。
  22. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) フラット35が投資目的に不正利用されている疑いがあるといたしまして、現在、住宅金融支援機構が事実関係を調査している案件につきましては、平成三十年の九月に機構が外部の方から特定の住宅売主と不動産仲介業者が関与したフラット35の融資物件が賃貸利用されているとの情報提供を受け、調査を開始したと聞いております。その後、機構から国土交通省に対しまして、機構が外部からの情報提供を受け不正利用の疑いについて事実関係を調査している旨報告があり、私に対しましては本年の二月に、現在、機構が事実関係を調査中であること、担当部局において機構に対し必要な指示をした上、調査の進捗把握と併せ、できるものから再発防止策を講じていることについて報告がございました。  国土交通省におきましては、機構から報告があった際、不正融資の疑いのある案件の事実関係の確認、不正が確認された場合の適切な対応、不正利用を防止する対策の強化について事務的に指示をしたところであります。  これを受けまして、機構においては、フラット35は投資用物件には利用できないことを機構のホームページや金融機関が行う借入申込時の面談で説明するなどの注意喚起の徹底、融資審査の強化を行うなど対策を強化をしていると承知をしております。  国土交通省といたしましても、不正融資の実態の解明と対応、再発防止に向けまして、引き続き機構への指導を行ってまいりたいと考えております。
  23. 野田国義

    ○野田国義君 ありがとうございます。  これ、皆さんも御承知と思いますが、三百億ほど税金というか血税が入っていると、国のお金がですね、そういうことでございますので、こういう投資目的ということは許されるべきではないということでございますので、これ、このフラット35を利用した方、そして今どなたが住んでいるかとか、そういうところを少し追えばいろいろなことが判明してくると思いますので、しっかり対応をやっていただくことを要望をさせていただきたいと思います。  それでは、質問の方に、省エネの方ですね、移らさせていただきたいと思います。  この間から登壇させていただきまして質問させていただき、そして、ちょっと積み残しがございましたので、そのことについて今日は質問させていただきたいと思いますが、まず、中小の建設業者、建築士の習熟度向上に向けた対策についてということで質問をさせていただきたいと思います。  省エネ基準に適合した住宅を建設するには、複雑な計算が必要であり、専門的な知識が必要であろうと思います。そのため、大手の事業所では省エネ基準に適合した住宅等の供給が進められているものの、国土交通省のデータによれば、年間着工戸数が四戸以下の中小事業者が供給する戸建て住宅については省エネ基準適合率が四割余りとなっております。高い省エネ性能を有する住宅等を増加させるためには、このような中小事業者の技術の底上げが求められると思うところでございます。  まず、政府は、全国に多数存在する中小建設業者に対し、省エネ施工に関する知識が広く行き渡るよう講習会を開くなどし、地道な活動が行われていると聞き及んでおりますが、どの程度進展しているのか、質問をさせていただきたいと思います。  そして、例えば年間着工戸数が四戸以下の事業者で働く大工さんなどはおよそ何人いて、これまで何人の方が受講されたのか、数字がつかんでおられればお聞きしたいと思います。  また、本講習には伝統的構法で建設を行う宮大工なども対象となっているのかということでお聞きしたいと思います。よろしくお願いいたします。
  24. 石田優

    ○政府参考人(石田優君) お答えを申し上げます。  我が国の場合、約九割が木造住宅でありますが、その半分を年間供給五十戸未満の工務店が供給するなど、中小規模の工務店が果たす役割は非常に大きいものがあると思っております。  そういった小規模住宅等を対象とする説明義務制度を今回導入いたしますが、その施行のためにも中小工務店が省エネ基準の内容について的確に理解をするようにしていくことが重要と考えております。  このため、先ほど御指摘ありました講習会につきましては、これまで、平成二十四年度からスタートさせまして、中小工務店等を対象として延べ約十三万人に受講いただいているところでございます。  先ほど御指摘ありました、住宅供給戸数が年間四戸以下の中小の事業者数は、我々の瑕疵担保保険の加入実績から見ますと約二万八千者でございます。先ほどの十三万人の中のどれほどがこの二万八千者に関係するかというのは、済みません、ちょっとデータがございません。ただ、元々、講習自体を中小工務店等を中心にやらせていただいておりますので、かなりの部分がそういった中小工務店の方の受講が占めているというふうに理解をしております。  ただ、一方で、そういった講習を進めているにもかかわらず、中小工務店のアンケート調査によると、現段階で約四割が省エネ計算ができないというような回答をいただいているところでございます。このため、今回の法案におきましても、準備期間を設ける必要を考慮いたしまして、説明義務制度の施行を公布から二年としており、この準備期間を活用して中小工務店向けの講習会をより一層推進していきたいと考えております。  また、先ほどもう一点ありました宮大工等の関係でございますが、この講習会につきましては、宮大工など伝統的な構法で行います方も含めて対象としておりまして、講習内容の中におきましても、一般的な省エネ技術基準に関するものだけではなくて、伝統的構法に関する建築省エネ法上の緩和措置やモデル的な伝統構法に関する支援制度など、伝統的構法を営まれる方に必要な情報も入れて講習会等をさせていただいているところでございます。
  25. 野田国義

    ○野田国義君 ありがとうございます。  それから、この法律、条例による省エネ基準の取扱いについて、いわゆる付加、上乗せもできると、条例によってですね、そのようになっているわけでありますが、本改正案により、地方公共団体が条例によってその地方に合わせた省エネ基準を付加することができるとなっておる中で、一方、先進的な地方公共団体は既に独自の条例を制定し対応をしているとお聞きするわけでございますけれども、どこがどういう条例を上乗せ、付加しているのかということをお伺いし、そして、仮に改正案が施行された場合、これで条例で対応した地方公共団体の基準は手続を要せず引き続き効力を有するとの認識でいいのか、施行前後における地方公共団体の独自基準の扱い、兼ね合いについてお伺いをさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
  26. 石田優

    ○政府参考人(石田優君) お答えを申し上げます。  独自の条例等の制定に関しましては、例えば大阪府におきましては、延べ面積二千平米以上の建物につきまして、省エネ基準に加えまして壁や窓に関する断熱の基準を独自に設定して、当該基準への適合状況について公表を行うという取組をされております。また、東京都千代田区におきましては、延べ面積三百平米以上の住宅、建築物に関しまして、国の省エネ基準を上回る水準の基準を独自に設定して、それの実現を図る努力義務を課しているというような取組もしておられます。  こういった地方公共団体の今の独自の条例によります基準の付加等につきましては、その公共団体の方でも先ほど申し上げました公表とか努力義務というところにとどまっておりまして、今回法律によって制定しようとしております公共団体の条例による基準の付加とは性格を異にしております。今回の法に基づきます基準の付加につきましては、適合義務制度における省エネ基準への適合判定に当たって、その付加された事項を含む基準との適合性が義務付けられるといったような性格となるものでございます。  こういった性格が異なりますことから、本改正案が施行された後も、性格を異にするものとして、既に制定されております地方公共団体の条例は引き続き今と同じ効力を有しますけれども、逆に、適合義務制度などに適用されます基準としてそれを適用しようという場合には、改めて本法案に基づきます条例の制定を行っていただく必要があるというふうに考えております。
  27. 野田国義

    ○野田国義君 ありがとうございます。  それで、先ほど言いましたレオパレス等、今回の法律でいえば、省エネ対策等はいわゆるトップランナーを走っているということなんですよね。そこがこういう不正等があったということで、また何か違った不正も出てきたというようなことをちょっと何か、週刊誌等ですね、書いているようでございますけれども、私もこのレオパレス、三月十二日に質問をさせていただいたところでございますけれども、その後、どのようになったのか、国交省はどのような対応、指示を取っているのか、そして他社への調査はどのようになっているのかということで、お伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
  28. 石田優

    ○政府参考人(石田優君) お答えを申し上げます。  レオパレス21に対しましては、先般もお答え申し上げましたとおり、本年二月七日に公表されました際に、所有者への説明や可及的速やかな改修等の対応、また第三者性を確保した上での原因究明などを行うこと、こういったことを指示したところでございます。  また、二月十八日に追加で、そういった調査、改修を加速する観点から、三月十八日までに原因究明結果を報告すること、また、不備が判明していますシリーズに関しては、早期に全棟の調査を完了させて、夏までに全棟の改修を終わらせること、その他のシリーズにつきましても、これ昨年度内をめどに同様の不備がないかチェックを行い、不備が判明したシリーズ等につきましては、その全棟について夏までに調査を完了して、本年十月までに改修を完了させることを指示したところでございます。  その後、三月十八日には、その指示に基づきまして、同社が設置した弁護士から成る外部調査委員会の中間的な報告が提出がございました。ただ、当該報告では、まだ多くの事項に関して今後更に調査を進める必要があり、五月下旬をめどに最終報告を行うというふうにされたところでございます。  国交省としては、徹底した原因究明を進めるよう、同社に引き続き求めておるところでございます。  また、国において外部有識者委員会を設置し、レオパレスの原因究明結果の検証、また建築確認検査制度の在り方を含みます再発防止策の検討を今進めているところであり、夏前をめどに提言の取りまとめをいただけるようお願いをしているところでございます。いただく予定の提言を踏まえまして、必要な対策を講じていきたいと思っております。  また、そのほかの事業者への対応でございますが、国土交通省が、先ほど申し上げました、設置した外部有識者委員会に調査の方針を諮った上で、おおむね年間一千戸以上の賃貸共同住宅を供給していると認められる事業者を対象に、その品質管理の実態調査を今現在実施しているところでございます。
  29. 野田国義

    ○野田国義君 時間でございますので、終わります。
  30. 舟山康江

    ○舟山康江君 おはようございます。国民民主党・新緑風会の舟山康江でございます。  まず、今日の法案の審議に入る前に一問、前回の法案審議のいわゆるアイヌ新法、この質疑の際に私から、石井大臣の位置付けとしてアイヌ政策に関する制度整備の担当大臣と、こういったことだというようなお話をさせていただきまして、少し問題提起をさせていただきました。制度整備に係るということだということでありますけれども、一応、本会議でも可決されまして、法案が成立をいたしました。  その成立した今、まさに制度整備という意味では、これからさらに政令、省令、具体的な施策の推進ということにおいてはまだお仕事は終わっていないと思いますけれども、引き続き、この法案成立後も石井大臣が担当大臣だという理解でよろしいんでしょうか。確認をさせてください。
  31. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 昨年十二月二十一日に、総理より、アイヌ政策を総合的に推進するための制度整備の担当大臣として指定されたところでございます。  いわゆるアイヌ新法が成立をさせていただいたところでありますが、今後は法律の施行に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
  32. 舟山康江

    ○舟山康江君 石井大臣が引き続き担当されるということでよろしいんでしょうか。
  33. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 制度整備の担当大臣としてしっかりと取り組んでまいります。
  34. 舟山康江

    ○舟山康江君 ありがとうございます。  いわゆる閣議の中で御指定をされて、担当大臣としてお仕事をされておりますけれども、ホームページ等に名前がないということの指摘をさせていただきましたが、あるないにかかわらず、今後ともしっかりと制度整備を行っていただきたいと思いますし、一義的にはこれ内閣官房が事務的に担っていくということでありますので、是非連携をしてお願いしたいなと思っております。  この法案の成立に対しては、非常に、やはりアイヌの当事者の皆様、これは当事者だけではなくて、やはり我々日本全体としてしっかりと重く受け止めて進めていかなければいけないと思っておりますので、よろしくお願いいたします。  さて、今回のいわゆる建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律、この一部を改正する法律案ですけれども、要は、いわゆる省エネの適合義務ですね、省エネ基準の適合義務を広げたということ、この背景にはパリ協定の目標達成ということがあるわけですけれども、先ほど、こやりさんからも指摘がありましたが、これは、二十五年の閣議決定、日本再興戦略の閣議決定、二十八年の地球温暖化対策計画の閣議決定、そして加えて、最近では昨年ですね、平成三十年の閣議決定である第五次エネルギー基本計画の中にそれぞれ、全てですね、二〇二〇年までに新築住宅、建築物について省エネ基準への適合義務化と決定しております。義務化なんですね、努力目標ではなくて義務化という中で、今回の改正案は一部努力義務化とか説明義務の追加にとどまって、いわゆる全体の義務化が見送られております。これは閣議決定違反というような見方もできると思いますけれども、いかがでしょうか。
  35. 石井啓一

    国務大臣石井啓一君) エネルギー基本計画等の閣議決定におきましては、規制の必要性や程度、バランス等を十分に勘案しながら、二〇二〇年までに新築住宅、建築物について段階的に省エネルギー基準への適合を義務化することとされておりまして、適合義務化に関する施策の基本的な方向性が定められているところでございます。  本法案では、本閣議決定における方向性を踏まえまして、省エネ基準の適合率の状況等を勘案をいたしまして、中規模のオフィスビル等を適合義務化の対象に追加することとしたものでございます。このため、本法案は閣議決定と整合したものと考えております。
  36. 舟山康江

    舟山康江君 なかなかちょっと、そこは少し疑問なんですよね。現実がどうかじゃなくて、やっぱり閣議決定というのは非常に重いと思いますし、ここは段階的に、でも二〇二〇年までにという、いわゆるマックスが決まっていて、そこまでには義務化ということを言っているわけですから、やっぱりそれはちょっと閣議決定とずれているんじゃないかと。  実際に、例えばネット・ゼロ・エネルギー・ビルとか、ZEHですね、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスと、この辺に関しては目指すと、実現することを目指すという表現で、なかなかこれはがちっと決めていないわけですけれども、ここの住宅、建築物の適合に関してはもう義務化と言っているわけですから、やはりそれは、実は、閣議決定の際にもう少し柔軟な表現をすればよかったのか、実は、それがあるのであればきちんと今回の法律で義務化を担保するべきだったのか、どちらかではないかと思いますけれども、やはり少しそれは、私は普通に考えて、これ閣議決定の文章とは若干ずれているのかなという気がしてなりません。  義務化が見送られた理由につきましては、先ほどの御答弁でもありましたけれども、現状はいろいろ聞いておりますし分かりますけれども、ただ、努力義務とか説明義務だけでは、低コストだけを重視した、言わば低性能、余り性能のよろしくない住宅が今後も増えてしまうおそれがあって、このことがかえって省エネ住宅の普及の妨げになってしまうのではないかと、こんな懸念もあるんですけれども、いかがでしょうか。
  37. 石田優

    政府参考人(石田優君) 小規模の住宅などにつきましては、今般、説明義務制度を創設いたしまして、設計する建築士に対して、省エネ基準への適合の可否を説明することになりますが、その説明の際には、その可否だけではなく、適合しない場合には、省エネ基準に適合させるために必要となる設計変更の具体的な内容、また、それに伴います追加コストなどについても建築主に対して書面をもって説明することを義務付けることとしております。これによりまして、この説明を契機として建築主に計画の見直しを行うよう促すことができるというふうに考えているところでございます。  また、いわゆるトップランナー制度を今回対象を拡充いたします。これによりまして、建て売り戸建てに加えて注文戸建て住宅や賃貸アパートに関わります大規模事業者がトップランナー制度になることによって、大量供給をする事業者が非常に高い水準の住宅を供給していただけるように促すことができますので、こういった施策を進めること、また、併せて財政、税制、融資上の支援を総合的に推進することによりまして、安かろう悪かろうではなく、省エネ性能の向上が十分図っていけるように施策を進めていきたいというふうに考えているところでございます。
  38. 舟山康江

    舟山康江君 まさに、おっしゃるとおり、やはり様々な施策を動員して、トータルとしてやっぱり省エネ住宅にした方が、一時的な例えばコストが高くてもトータルとして非常にプラスなんだということ、それはいわゆる建て主も建築士も両方きちんと認識をしていかないとなかなか進んでいかないのかなと思っております。  そういった意味で、やっぱりある程度義務に近いような動きを加速していかないと、なかなか単なるその理念だけでは進まない部分があると思っております。ある意味では、義務化によってこそメーカー側も、今、後で触れさせていただきますけれども、例えば窓枠については、圧倒的に今、日本ではアルミの窓枠が多い中で、例えば木製、樹脂製、こういったものは断熱性も高い、そういった状況の中で、もっと進めるべきですけれども、なかなか進んでいないのが現状です。この木枠、樹脂製の窓枠はまだ中小のメーカーのみしか、まあ大手でも多少は取り組んでおりますけれども、圧倒的にやっぱりまだアルミなんですよね。  そういう意味では、もう少し強い何か後押し、義務化的なものを付けていくことによってこそ、結果として新たな高性能な部材の開発とか普及、そして低コストの実現等にもつながると思いますけれども、その辺いかがなものでしょうか。
  39. 石井啓一

    国務大臣石井啓一君) 住宅の省エネ性能の向上を図る上で、性能の高い部材等の開発、普及を促すことは重要と考えております。  住宅の省エネ基準への適合義務化につきましては様々な課題があることから、まずは本法案に盛り込まれました住宅トップランナー制度の対象拡大、説明義務制度の創設等の施策を的確に推進することによりまして住宅の省エネ性能の向上に取り組んでいくこととしておりますが、これらの政策は性能の高い部材等の開発、普及を促すものと考えております。  例えば、住宅トップランナー制度につきましては、現行の建て売り戸建て住宅に加えまして、注文戸建て住宅及び賃貸アパートを対象に追加することとしておりまして、これらの住宅につきましても性能の高い部材等の普及が促されるものと考えております。  また、説明義務制度におきましては、省エネ基準に適合しない住宅について、建築士が建築主に対して基準に適合させるために必要となる措置も説明することとしておりまして、この説明をきっかけとして性能の高い部材等の選択が促されるものと考えております。  これらの取組を的確に推進することによりまして、性能の高い部材等の普及等を通じました住宅の省エネ性能の向上に取り組んでまいりたいと考えております。
  40. 舟山康江

    舟山康江君 そうしますと、やはりこれ、建築士、住宅供給者側のその意識の向上、能力技術の向上というのも非常に重要ではないのかなと思っています。供給側が、まあ説明義務だから一応説明するというのではなくて、本当にこの、何ていうんですか、省エネ住宅の必要性をきちんと自らが熟知して、そしてその有効性を認識した上で、それで説明していかないと、表面的な説明ではなかなか、形式だけに終わってしまうのかなと思うんですね。そういう意味で、やはり、建築士側、住宅供給者側のいわゆる能力向上、技術向上に向けて何がしかの、何ていうんですか、制度的な枠をはめていくというか、義務を掛けていくということも必要ではないのかなと思っております。  聞くところによりますと、省エネの計算技術講習会などはまだまだ出席率が低いと、こんな指摘も聞いておりますけれども、現状と、そして課題と今後の意気込み、是非お聞かせください。
  41. 石田優

    政府参考人(石田優君) お答えを申し上げます。  中小工務店に関してアンケート調査を行った結果では約五割が省エネ計算ができないというような回答になっておりまして、住宅の省エネ性能の向上を進める上において建築士や中小工務店などの関連事業者の技術力の向上を図ることは非常に重要だというふうに認識をしております。  本法案におきましては、先ほどお話しさせていただきました説明義務制度を盛り込んでおりますけれども、本制度の実施に当たりましては、広く関連事業者が省エネ基準の内容や基準適合の確認のために必要な省エネ計算の方法について習熟をしないとどういう内容を説明するかができないという制度でございます。したがいまして、その省エネ性能の向上に取り組むことがこの制度を導入することによって広く求められることになると考えております。  また、これを支えるために、建築士を始めとする関連事業者の省エネ関連の技術力の向上に向けまして、中小工務店等を対象とした講習会をこれまでも開催を続けてきておりますけれども、引き続き全国各地で行いますとともに、こういった新たな制度が導入されることも踏まえていただいて、積極的な参加をいただけるよう、建築士事務所へのダイレクトメールによる周知など、より一層の参加への促しを図っていきたいというふうに考えているところでございます。
  42. 舟山康江

    舟山康江君 ただ、今までもこういった取組をしている中で、今のお話ですと五割が省エネ計算ができないと。この現状の中で説明義務だけを課しても、結局、何ていうんでしょう、分からない人が説明したところでなかなか前に進まないと思うんですよ。  ですから、何か講習会への参加を少し義務付けるとか、何か一定の認定を与えるとか、そういったことをしていかないとやっぱり能力向上、技術の向上につながらないと思いますけれども、その辺の御覚悟というか、そういったものはどうなんでしょうか。
  43. 石田優

    政府参考人(石田優君) 今回盛り込みます説明義務でございますが、この説明義務を果たしておりませんと建築士法に基づく処分等の対象になり得るものでございます。したがいまして、その説明をできるだけの能力を自ら確保しないとその義務が果たせませんので、そういった意味では、広い意味ではそういう説明能力を得ること、そして付けることをある意味では今回の制度義務付けていくものにつながる制度になったと思っております。  今回そういったものが入ることによって、これまでは、ある意味で熱心な方は相当この省エネに関して小規模なところでも取り組んでおられますが、一方で関心のない方がほとんどある意味では参加もされないという実態がございますので、こういった制度が導入されることを踏まえて、これまで関心がなかった方もきちっとそういったことも勉強いただく、講習に参加いただく、そういったことを促してまいりたいと思っております。
  44. 舟山康江

    舟山康江君 是非、熱心な方がしっかりと普及をして、結果としてやっぱり性能のいいものを使えばどうしてもコストもかさむ部分があって、何かそこが、熱心なことがゆえになかなか販売実績につながらなかったりとかということもあると非常に不公平ですよね。ですから、きちんと全体の底上げが図られるように、本当にこの省エネ住宅の良さを皆さんに普及できるような取組を是非真剣にお願いしたいなと思っております。  少し戻りますけれども、この義務化の部分、やっぱり最終的には小規模の建築物、住宅についてもきちんと適合するという方向が望ましいのかなと思っておりますけれども、一方で、この改正案提出の背景は、要はパリ協定、これは二酸化炭素等温室効果ガスの排出量の削減ということですよね。つまり、トータルとして環境負荷をどう低減していくのかということがこの建築物、住宅の分野でも問われているということなのかなと思っております。  そのためには、一つはやはりここで主題になっておりますエネルギー消費量の削減ということがありますけれども、もう一点、もう一面では、それこそ環境負荷の低減という意味では、カーボンニュートラル化、木造化や木材利用による森林吸収源対策への寄与と、この両面、やはりどちらも環境負荷の低減という意味では大事だと思うんですよね。エネルギーの量を減らすだけではやはりそれは実現できないという意味ではそこの観点も必要だと思っておりまして、そういった意味では、例えばこの閣議決定もどうもエネルギー利用のことだけに重点が置かれておりますけれども、住宅に関して、そうなると、例えば木造の古い在来工法の住宅の方が効率が悪いということになりますけれども、実は在来工法の家の方がトータルとしての環境負荷は低いかもしれない。  そういったことももう少し勘案した制度を進めていかなければいけないんじゃないのかなと思いますけれども、いかがでしょうか。
  45. 石井啓一

    国務大臣石井啓一君) 炭素を固定する効果のある木材の利用の促進は、地球温暖化対策に資するものであります。平成二十八年十一月に閣議決定された地球温暖化対策計画におきましても、木材の利用の推進が今後推進すべき施策として位置付けられているところであります。  委員御指摘の省エネ基準につきましては、住宅、建築物で消費されるエネルギー量に関する基準であるため、木材の炭素固定の効果は評価に含めておりませんけれども、住宅、建築物における木材の利用は環境負荷の低減に資することから、その促進に積極的に取り組んでいるところであります。  具体的には、住宅、建築物の先導的な木造化を図るプロジェクトへの支援、中小工務店等がグループになって共通ルールの下で取り組む省エネ性能が確保された木造住宅の供給への支援、良質な木造住宅の普及促進に向けた技術開発の支援等に取り組んでいるところであります。  これに加えまして、昨年六月に公布されました建築基準法の一部を改正する法律におきましても、防火関係の規制を合理化をいたしまして、木の良さが実感できるように木材がそのまま見える現しで使いやすくするなどの取組も進めているところでございます。  今後とも、住宅、建築物における省エネ対策の充実と併せまして、住宅、建築物分野における木材利用の促進に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
  46. 舟山康江

    舟山康江君 ありがとうございます。  お配りした資料の一枚目を御覧いただきたいと思います。各種材料の熱伝導率、つまりはこれ断熱性ですけれども、これ、木の断熱性、下の大きくくくっているところ、幾つか数値がありますけれども、大体平均すると〇・一五ぐらいなんですね。それに比べて、コンクリートが一・六、鋼材五三ということで、木の断熱性は非常に高いと。特に厚い断熱材を入れなくても、木材そのものが断熱性能が非常に高いということで、やはりこういった利点というのも、トータル、それこそ断熱材を入れなくて木だけで十分断熱ができるとすれば、それは環境負荷への低減という意味では非常に有効だと思うんです。  そういうところの点について、国交省としてどのように評価をし、推進しているのか。本来はやっぱりその省エネ基準の中にこういった観点ももっと入れるべきじゃないのかなと思いますけれども、そこも含めてお答えください。
  47. 大塚高司

    ○副大臣(大塚高司君) 御指摘のとおり、木材におきましては、木材を燃やした際に生じる炭素を森林で吸収する持続可能なサイクルの中で、大気中の二酸化炭素濃度に影響を与えないカーボンニュートラルな特性を有しているというふうに認識をしておるところでございます。  また、木材は、断熱性が先ほどお話ございました性能が高い材料であるとともに、調湿機能を備えており、室内空気の温度、湿度をある程度安定的に保つ効果があるわけであります。  さらに、我が国の森林資源が本格的な利用期を迎える中で、木材需要の拡大は森林の成長産業化や地域の活性化といった観点からも重要な課題であるというふうに認識をしておるところでございます。  こうした点を踏まえまして、国土交通省といたしましては、先ほど石井大臣の方から答弁がありましたように、各種の取組によりまして、住宅、建築物の木材利用の促進に積極的に取り組んでおり、木材を活用した住宅、建築物の魅力を広く理解していただくために、モデル的なプロジェクトを紹介するシンポジウムを開催しているところでございます。  今後とも、農林水産省を始めとする関係省庁との連携をし、これらの施策を積極的に推進することによりまして、住宅、建築物への木材利用の促進に積極的に取り組んでまいります。
  48. 舟山康江

    ○舟山康江君 ありがとうございます。  今、御答弁でもありましたけれども、湿度とか結露とかシックハウス、そういった点においても非常に優れていると思うんですよね。是非、これ、まあ住宅は木材、木造がほとんどですけれども、実はもう少し大きな建築物、公民館だとかオフィスビルとか、こういったところにも木材の利用を推進するように是非取組をいただきたいと思っております。  続きまして、この省エネ基準のうち、一次エネルギー消費量基準、つまりはいわゆる燃料の方ですよね、こちらの算定に当たって、燃料の種類によって差を付けるべきではないのかなという気がするんですよ。  二枚目の資料を御覧いただきたいと思います。これは、原料調達から製造、燃焼までの全段階における二酸化炭素排出量ですね、これを比較したもので、これ森林・林業白書から抜粋をさせていただきました。そうしますと、灯油、重油、ガス、こういったものに比べて、圧倒的に木質バイオマスが燃料のものについてはいわゆるCO2排出量が低いということになっております。つまり、同じ熱を獲得するに当たって、多分この一次エネルギー消費量基準の計算だと同じ負荷になると思いますけれども、現実違うわけですよね。  こういった差をどのように認識をし、どのようにここに反映させているのか、お答えください。
  49. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 省エネ基準におきましては、一定の使用条件の下で冷暖房機器等において消費されるエネルギー量についての基準が設定をされております。この基準は、一次エネルギー消費量、化石燃料関連でのエネルギー量をベースに設定をされておりまして、例えば電力を消費する機器につきましては、発電の際に消費される石炭や原油等の化石燃料のエネルギー量のベースで設定をされております。  このうち、暖房機器につきましては、一般的にはエアコンの利用を標準的な仕様と想定をしております。また、それ以外の機器のうち、石油ファンヒーターなど必要なデータの蓄積を通じて一次エネルギー量ベースでの消費量が明確になっているものにつきましては、当該機器に係る一次エネルギー量を踏まえた評価が行われているところであります。  御指摘の木質バイオマスを燃料としたペレットストーブ等につきましては、化石燃料ではなく木材を燃料として利用するものであることから、エアコンに比べまして一次エネルギー消費量の低い機器として評価される可能性があると考えられます。  しかしながら、加工、乾燥等、木質ペレット等の製造のために必要となる化石燃料の量など、一次エネルギー量ベースでの消費量の算定に必要なデータが十分に蓄積されていないことが省エネ基準に反映させる上での課題となっております。  こうした課題を踏まえまして、まずは関連団体等と連携をしつつ、木質ペレット等の一次エネルギー量のベースでの消費量の算定に必要なデータの収集、蓄積を進めていきたいと考えております。
  50. 舟山康江

    ○舟山康江君 是非、やはりこういったところも今後の算定基準作りに当たって勘案いただきたいというふうに思います。  繰り返しになりますけれども、やっぱりこの法案の背景は、やはりあくまでも、別にその、何ていうんですか、エネルギーの使用量を減らせというよりは、環境負荷の低減というのがやっぱり多分パリ協定という意味では一番大きな目標の中で、化石燃料もこれいわゆる有限資源だということも含めて、やっぱりこういった木質バイオなどの再生可能エネルギーの利用というものを促すような制度設計を今後更に工夫いただきたいと思っております。  続きまして、もう一つの外皮基準ですね、省エネ基準のもう一つ、外皮基準、これに関してですけれども、最近よく、オフィスビルなんかでもそうですけれども、壁面緑化、屋上緑化、これも随分効果があると言われておりますけれども、この効果をどのように認識され、これを外皮基準に盛り込むような考えがあるのかどうか、お聞かせください。
  51. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 住宅、建築物の壁面緑化、屋上緑化を進めることや、建物の状況等を踏まえて周辺の緑化を進めることは、夏季において、日射の室内への流入を抑制することを通じまして、冷房に係るエネルギー消費を抑制する効果があると認識をしております。  一方で、例えば新築時においては、冷房に係るエネルギー消費を抑制する効果のある植栽についても、生物である植栽の管理が十分でない場合にその効果が短期間で失われてしまうケースも想定をされ、建物本体の断熱性能に比べると省エネに関する効果の安定性に欠ける面が省エネ基準に反映させる上での課題となっております。このため、壁面緑化、屋上緑化や植栽等の周辺の緑化の効果について、現在のところ、省エネ基準への適合可否の判断要素に盛り込むことは困難と考えております。  こうした課題も踏まえまして、国土交通省では、伝統的構法を採用しつつ、環境負荷の低減を図るモデル的な住宅の整備に対し支援を行うとともに、対象となる住宅における省エネ効果等のデータの集積、蓄積も進めているところでございます。  なお、壁面緑化、屋上緑化につきましては、過年度調査においてその省エネ効果等のシミュレーションを行うなど、データの収集、蓄積を進めております。これらのデータも活用しまして、専門家の方々の意見も伺いながら、壁面緑化、屋上緑化や植栽等の周辺の緑化による省エネ効果について引き続き調査研究を推進をしてまいりたいと考えております。
  52. 舟山康江

    ○舟山康江君 ありがとうございました。  続きまして、ちょっと窓について移りたいと思っております。  やはり住宅から放出される熱の大部分は開口部、つまり窓、窓の断熱性の性能がやはり全体の断熱性に非常に大きな影響を及ぼすというのは、これ誰が見ても明らかではないのかなと思っております。  この窓の断熱性については、これ本会議で青木理事が質問されておりましたけれども、日本の基準が非常に甘いと言われております。ほかの国の、日本と同じような緯度の地域と比べても、アジアの国と比べても甘いし、ヨーロッパ、アメリカと比べても甘いと、こんな状況なんですね。やはりそこをもう少し厳しくするべきでないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
  53. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 我が国の省エネ基準は、学識経験者や関係業界団体等をメンバーとする委員会において原案を作成いただいた上で制定をされているところでございますが、設計の自由度を確保する観点から、窓のみについての基準は設定をせずに、住宅の外皮全体の断熱性能に係る基準を設定をしております。  一方で、ドイツ等の国では、省エネ基準において、外皮全体の断熱性能に加え、窓のみの断熱性能に関する基準も設定をされております。我が国では窓のみについての基準は設定されていないため、我が国とドイツにつきまして住宅の外皮全体の断熱性能の基準を比較をいたしますと、ドイツにおける省エネ基準は同じ寒冷地の北海道の省エネ基準に比べまして二割程度断熱性能が高いものと承知をしております。  我が国におきましては、ドイツに比べて低い性能水準であるにもかかわらず、住宅の省エネ基準への適合率が六割程度にとどまっている状況を踏まえれば、まずは現行の省エネ基準への適合率を向上させることが重要と考えております。このため、住宅等の省エネ性能の向上に向けまして、まずは本法案に盛り込まれた施策を的確に推進していくことが重要と考えており、その上で施策の推進状況も丁寧にフォローアップをいたしまして、省エネ基準の見直しも含め、更なる省エネ対策の充実に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。
  54. 舟山康江

    ○舟山康江君 三枚目の資料を御覧いただきたいと思いますけれども、サッシですね。サッシの材質別に見てみますと、日本は圧倒的にアルミ製が多い、木製と樹脂の割合が非常に少ない、低いというのが特徴だと思っております。これは、一枚目に戻っていただきますと、この熱伝導率、つまりは断熱性ですけれども、アルミは非常に伝導率が高く、つまりは断熱性が悪い。千三百分の一ぐらいなんですね、断熱性というのが、木製の。  そう考えると、やっぱり、規定をするのはガラスと枠ですけれども、この枠の部分を変えることによって随分と断熱性能が上がっていくと思います。そういった意味で、各国はもうアルミよりもほとんど木製若しくは樹脂というものになっておりますので、やはり我が国も、これが全てじゃないにしてももう少し、アルミ、圧倒的なんです。もう触るとすぐ熱いじゃないですか。冷たいし熱い。そういったことを考えると、アルミ製から木製や樹脂製への転換をもっともっと国として後押しすべきではないかと考えておりますけれども、大臣の御所見を伺って、質問を終わります。
  55. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 木製、樹脂製のサッシの窓はアルミ製サッシの窓と比べまして熱を伝えにくいことから、その普及を図ることは住宅、建築物の省エネ性能の向上につながると考えております。  木製、樹脂製サッシの窓は、建築物省エネ法に基づく省エネ基準の適用に当たりましても断熱性能が高く評価されていることから、本法案に盛り込まれております住宅トップランナー制度や説明義務制度等の的確な運用は木製、樹脂製サッシの窓の普及を促す効果があると考えております。  また、建築基準法によりまして、一定の部位に設ける窓につきましては防火設備とする必要がありまして、木製、樹脂製サッシの窓の場合、従来は全て大臣認定を受けた製品とする必要がありましたが、本年三月、木製、樹脂製サッシの窓に関する基準を整備をいたしまして、基準に適合する窓につきましては大臣認定を受けることなく使用することを可能としたところであります。  さらに、木製、樹脂製サッシの窓を活用しているものなど高い省エネ性能を有する住宅の普及に向けまして、先導性の高い住宅、建築物の省エネ化プロジェクトへの支援も進めております。  これらの施策によりまして、木製、樹脂製サッシの窓の普及も促しながら、住宅、建築物の省エネ性能の向上に取り組んでまいりたいと考えております。
  56. 舟山康江

    ○舟山康江君 ありがとうございました。  実は、製造エネルギーの点でもアルミ製と木製は大きく違いまして、実に百四十分の一と言われております。こういったことも含めて、是非普及にもっと積極的に取り組んでいただきたいということをお願いして、質問を終わります。  ありがとうございました。
  57. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 公明党の三浦信祐です。  まず冒頭、答弁は求めませんけれども、大臣にお願いがございます。  このゴールデンウイーク中にドローンが都心上空を飛んだという案件がありました。参議院では航空法の先議をさせていただいて、衆議院に今、航空法の改正案を送ったところではありますけれども、DID地区であるということ、また重要施設の上空であったというその報道もあり、加えて夜でもありました。航空法を所管する国交省として、しっかりこの事案も総括をしていただき、今後の安全対策のことも含めて検討していただきたいということをまず冒頭お願いをさせていただきたいと思います。  法案について質問に移らせていただきます。  オイルショックを契機として昭和五十四年に制定されたエネルギーの使用の合理化等に関する法律、すなわち省エネ法により住宅、建築物について規定がなされ、その後、省エネ法から建築物の規定を移行するとともに見直しを行う建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律、すなわち現行の建築物省エネ法が平成二十七年の六月に成立をしております。  まず、建築物省エネ法に基づくこれまでの取組状況について伺います。その上で、なぜ今回法改正することとしたのでしょうか。意義について、大臣に御答弁をお願いしたいと思います。
  58. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 我が国のエネルギー消費量の約三割は住宅、建築物に関連する業務・家庭部門におけるものであり、住宅、建築物の省エネ性能の向上は地球温暖化対策の推進等の観点から重要な課題と認識をしております。このため、住宅、建築物の省エネ対策の充実に向けまして平成二十七年に制定をされました建築物省エネ法に基づきまして、大規模なオフィスビル等を対象とした省エネ基準への適合義務制度、中規模なオフィスビルやマンション等を対象とした届出義務制度、建て売り戸建て住宅を大量に供給する事業者を対象とした住宅トップランナー制度等の措置を講じてまいりました。  本改正案は、平成二十八年十一月にパリ協定が発効し、省エネ対策の更なる充実が喫緊の課題となっていることを踏まえまして、住宅、建築物の規模、用途ごとの特性を踏まえつつ、より実効性の高い総合的な省エネ対策を進めようとするものでございます。
  59. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 今大臣から御答弁いただきましたように、COP21でパリ協定が採択されて、既に発効されております。温室効果ガス排出削減のために、日本は二〇三〇年度までに二〇一三年度比二六・〇%減の水準とすることを目標としております。この実現、達成のために、平成二十八年の五月十三日に閣議決定をされた、先ほどもありましたけれども、地球温暖化対策計画等において、二〇二〇年までに新築の住宅、建築物について段階的に省エネ基準適合を義務化することとされておりましたけれども、なぜ本法案では見送られたのでしょうか。また、この法案でパリ協定の削減目標は達成できるのでしょうか。
  60. 石田優

    ○政府参考人(石田優君) お答えを申し上げます。  先ほど御指摘ありました二十八年五月の閣議決定されました地球温暖化計画におきましては、規制の必要性や程度、バランス等を十分に勘案しながら義務化を進めていくということが示されているところでございます。この閣議決定の方向性を踏まえながら住宅、建築物の省エネ対策の充実につきまして検討を進めてまいりましたけれども、住宅や小規模の建築物につきましては、省エネ基準への適合率が低い水準にとどまっているために、適合義務制度の対象とした場合に市場の混乱を引き起こすことが懸念されること、また関連する事業者に省エネ関連の技術について習熟していない者が相当程度存在していることなどの課題があることから、本法案におきましては適合義務制度の創設とはせずに、届出義務制度の監督体制の強化、説明義務制度の創設、住宅トップランナー制度の対象拡大などの措置を総合的に進めることで省エネ性能の向上を図るということにさせていただいたところでございます。  また、パリ協定を踏まえた地球温暖化計画におきましては、二〇一三年度から二〇三〇年度までに新築をされます住宅、建築物について、エネルギー消費量を原油換算で六百四十七万キロリットル削減することが目標として設定されたところでございます。  将来におきますエネルギーの消費量は、今後の関連施策の推進状況や市場の状況等にも左右されるところでございますが、本法案に盛り込まれました施策が的確に実施されるという前提で行った試算によりますと、この目標とされていますエネルギーの削減量を達成することができる見込みでございまして、この点につきましては、社会資本整備審議会にも御報告をし、確認をいただいているところでございます。
  61. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 是非実効性あるものにしていただきたいと思います。  本法案第十一条では、建築確認手続において、省エネ基準適合義務化の対象となる特定建築物についての範囲を中規模建築物に拡大することとしております。具体的には、政令にて延べ面積の下限を二千平方メートルから三百平方メートルに見直すと想定をされております。  新築段階における省エネ性能の確保は、既存ストックとしての運用段階における省エネ効果にもつながることを踏まえれば、三百平方メートル以下の小規模建築物も対象とすることが考えられます。しかし、今般、対象拡大範囲を中規模建築物としたのはなぜでしょうか。
  62. 石田優

    ○政府参考人(石田優君) お答えを申し上げます。  御指摘のとおり、建築物の新築段階において省エネ性能を確保することは、既存建築物となった後の活用が長期間にわたってエネルギーの消費量の削減につながることから、非常に重要であると考えております。  こうした点も踏まえまして、本法案では、中規模の建築物については、省エネ基準への適合率が現状九割程度の水準に既に達していて、円滑に適合義務化が進められると考えられること、新築の件数が比較的少なく、必要となる審査体制も円滑に整備されることが見込まれることなどから、総合的にそれらを勘案して適合義務制度の対象に追加するということにさせていただきました。  一方で、小規模の建築物につきましては、先ほども御答弁いたしましたとおり、市場の混乱を引き起こすことが懸念されるなどの課題があることから適合義務制度の対象とはせずに、説明義務制度の創設などによりまして省エネ性能の向上を図ることとしているところでございます。
  63. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 これ、将来的には削減をするというところが大事でありますので、不断の見直しも検討もしなければいけないのかなというところは感じるところであります。  本法案では新築を中心とした措置が盛り込まれております。現状の経年建築物が新築となった場合には、本法案に基づく省エネ基準適合となっていきます。しかし、中規模以下の建築物の新築が進まない限り、本基準に適合していかないことになっていきます。新築の観点のみならず、既存の建築物、すなわちストック対策が重要であると考えます。  リノベーションへの注目が集まってきている中、どのように既存建築物ストックの改修に係るパリ協定削減目標を達成していくのでしょうか、具体的取組を伺います。
  64. 石田優

    ○政府参考人(石田優君) お答えを申し上げます。  御指摘のとおり、省エネ対策の推進につきましては、新築の建築物に係る対策と併せまして既存の建築物に係る対策を推進することが極めて重要であると考えております。  本法案では、新築の建築物の省エネ性能を向上させるための措置を中心として構成しておりますけれども、既存建築物の一定規模以上の増築、改築につきましても、今般の改正に係ります適合義務制度の拡充や説明義務制度の創設の対象となるところでございます。また、既存建築物の省エネ性能の向上を図るため、既存建築物に対しまして、省エネ改修工事に対する財政上の支援措置も実施しているところでございます。  委員から御指摘がありました、パリ協定を踏まえた既存建築物の改修によるエネルギー削減の目標につきましては、平成二十八年五月に閣議決定された地球温暖化計画におきまして、二〇三〇年度においてエネルギー消費量を原油換算で四十一・一万キロリットル削減することが規定されているところでございます。  本目標を達成するため、建築物につきましては、合計で二億七千万平米程度の改修をこの期間に行うことが必要となりますが、これまで実施してまいりました既存建築物の省エネ対策の効果も含めまして、これまでのところ、省エネ改修の進捗はこの目標の達成に向けましておおむね順調な推移を示しているところでございます。  このような措置を今後より一層推進することによりまして、既存建築物に係ります省エネ対策にもしっかりと取り組んでいきたいと考えております。
  65. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 是非推進をしていただきたいと思います。  中規模建築物の省エネ基準適合義務化により適合判断の審査対象が増加すること、加えて、届出義務制度の監督体制強化に当たっては行政庁や民間審査機関の体制の確保が重要であると考えます。  現状、都道府県四十七、比較的大規模な市二百三十五、特別区二十三が建築物省エネ法に基づく建築物エネルギー消費性能適合性判定を行う所管行政庁となっていると承知をしております。大規模な市といっても、経験や人員の課題が今後生じる可能性も想定もされております。加えて、登録省エネ判定機関数は八十五であります。現行体制で対応可能なのでしょうか。また、対応する人員は確保されていくのでしょうか。
  66. 石田優

    ○政府参考人(石田優君) お答えを申し上げます。  本法案におきまして、中規模のオフィスビルなどの適合義務制度への対象の追加、またマンションなどに係ります届出義務制度の監督体制の強化に係る措置を盛り込んでいるところでございます。これらの措置を効果的に推進するためには、御指摘のとおり、所管行政庁及び民間の審査機関におきます計画の審査業務が円滑に行われることが必須となってまいります。  適合義務制度につきましては、所管行政庁又は民間の省エネ判定機関が計画の審査を行うこととされておりますが、現状、約九割の物件が省エネ判定機関において審査が行われている実態がございます。中規模建築物の計画の審査が今後対象に入ってまいりますけれども、これにつきましても、既に実務を担っております民間の省エネ判定機関が中心となってその実務を担うことになると考えております。  これらの機関に対しますアンケート調査によりますと、適合義務制度の対象の拡大が実施されます二年間の準備期間におきまして、約九割の機関が中規模建築物の計画の審査に必要な体制を整備することは可能であるという回答を得ているところでございます。  このように、中規模建築物の計画の審査に必要な体制を整備することは可能であると考えておりますが、省エネ判定機関の準備状況などを丁寧にフォローアップしながら、必要に応じて体制充実に向けた調整等を行ってまいりたいと考えております。  また、届出義務制度につきましても、本法案におきまして、省エネ基準に適合していることを証明する民間審査機関による評価書が提出される場合に、その事務、行政庁の方の事務を簡略化するということで、審査手続の合理化を進めることとしております。  この際に利用されます民間審査機関の評価書は、既に一定程度普及しております住宅性能表示制度の活用を想定しているところでございまして、大きな混乱を生じないものと考えておりますけれども、審査業務が円滑に実施されるか注視をいたしまして、必要に応じて体制の充実に向けた調整等を図っていきたいと考えております。
  67. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 明確に御答弁いただいて、ありがとうございました。重ねて、円滑に制度が実施できる体制であるということをしっかりと担保していただきたいと思います。  次に、本法案において、予算に関連した支援として、複数の建築物の連携による省エネ性能向上計画の認定を受けたプロジェクトに対して、コージェネレーション設備の整備費等を支援することとされております。本法案が成立した場合、どの程度取組を行う事業者を見込んでいるのでしょうか。  また、既存の建築物を前提ですけれども、エネルギー発生供給源設備について、既存の施設などを活用する、あるいは新たに施設整備をして近接、近傍の建築物等へのエネルギー供給の連携を前提に設備投資をすることができれば、地球温暖化対策に効果が得られると考えます。そこで、複数の既存建築物が連携してエネルギーマネジメントシステムを改修し、高効率熱源を導入する場合にも支援の対象となるのでしょうか。  二つお答えいただければと思います。
  68. 石田優

    政府参考人(石田優君) 本法案におきましては、高い水準の省エネ性能が確保されました住宅、建築物を特定行政庁が認定いたしまして、容積率の特例措置を認めます省エネ性能向上計画認定制度の対象に複数の建築物が連携したプロジェクトが対象になるように、その追加措置を盛り込んだところでございます。  また、本法案に基づき特定行政庁の認定を受けた複数建築物が連携したプロジェクトに対しましては、エネルギー供給施設の整備等を補助いたします省エネ街区形成事業の創設を今年度の予算に盛り込んだところでございます。  関連事業者からのヒアリングなどによりますと、複数の建築物の連携によりまして高い水準の省エネ性能を確保するプロジェクトにつきましては、現時点において全国で十五を超える案件が計画されていると承知をしております。また、本事業につきましては、既存の建築物を改修して高い省エネ性能を確保するケースも補助の対象とさせていただいたところでございます。  なお、具体の補助事業の採択等につきましては、法案等が成立した後に対象事業の公募など所定の手続を経た上で行われることになるため、現時点で具体の地区数等を確定することは困難でありますけれども、本補助制度の活用などによりまして、多くの複数の建築物の連携による開発プロジェクトの具体化が促進されるものと考えているところでございます。
  69. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 是非、正確に情報提供もしていただいて、今後新たに計画をする際にもこの制度が活用できるということもしっかり宣伝をしていただきたいと思います。また、そういう意味では予算の確保もしっかりと応援をしていかなければいけないということもお伝えいただいたのかなというふうに承知をしました。  次に、本法律案でトップランナー制度の対象拡大を規定し、年間住宅供給戸数が政令で定める数以上、いわゆる一定以上の事業者を大手住宅事業者、法律の文章上では特定建設工事業者とする予定としてあります。  初めに、この一定以上の具体的な数、またその該当者数はどの程度だと見込んでおられるのでしょうか。  また、次に、住宅事業者においては統廃合や事業拡張等により供給戸数が増減するケースも想定をされます。該当基準日をどのように規定していくのか。  また、企業の統廃合あるいは事業拡張によって対象事業者となった場合、技術的対応も必要となること、あるいは、現状建築途中、設計途中の場合も想定されるなど、決定をすべきことがあります。このような場合に、トップランナー制度の対象となる事業者の混乱を招くことがないよう、対象とする事業者の要件や取組状況に関する報告の対象期間等について、明確に設定した上で事業者に周知し、安易に変更しないことが重要だと考えますが、取組方針はどのようになっているのでしょうか。是非明確にお答えいただきたいと思います。
  70. 石田優

    政府参考人(石田優君) お答えを申し上げます。  現行のトップランナー制度では、建て売り戸建て住宅を大量に供給する事業者を対象として制度を運用しております。この対象につきましては、戸数に係る要件は対象事業者による年間の供給戸数の合計が建て売り戸建て住宅の年間の総供給戸数のおおむね半分になるような水準として設定しておりまして、まず具体的には各年度で年間百五十戸以上を供給するものを対象としているところでございます。  また、今回の法案におきまして住宅トップランナー制度の対象に追加することとしております注文戸建て住宅及び賃貸アパートにつきましても、この現行制度と同様の考え方で戸数に係る要件を設定することを想定しております。具体的には、注文戸建ての住宅については、各年度で三百戸以上供給する事業者、おおむね七十社程度になると想定しております。また、賃貸アパートについては、各年度で一千戸以上を供給する事業者、事業者数で約十社程度になると想定しておりますが、そういったものを対象にすることを今考えているところでございます。  こういった対象者の選定の要件につきましては、現行制度が平成二十一年度から導入されて運用しておりますけれども、関係事業者に広く周知を行うことによりまして、この要件に関して関係事業者における混乱は生じていないというふうに理解しているところでございます。  さらに、報告の関係につきましては、取組状況に関する報告の対象期間は、現行制度同様に、各年度の一年間に供給された住宅におけるトップランナー基準の達成状況について翌年度に、一年ごとにまとめて報告を徴収するということにしております。  また、こうした要件などにつきましては、対象事業者における混乱が生じませんよう、これまでも安定的に運用してきているところでおり、引き続き適切な運用を図っていきたいと考えております。  このように、今回の制度拡大につきましては、現行制度を基本踏襲いたしますので大きな混乱は生じないと考えておりますけれども、お聞きのとおり、制度を円滑に運用していくために、対象とする事業者の要件などについて関係事業者への周知徹底を図ることが重要でございますので、その点についても的確に進めていきたいと考えているところでございます。
  71. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 明確に答えていただいて、ありがとうございました。  次に、トップランナー制度については、基準適合状況が不十分である、性能向上を相当程度行う必要があると認める場合など、必要に応じ国が対象事業者に対し勧告、命令等を行うこととしていますが、どのように状況確認等を行い、実効性を担保していくのでしょうか。これも大事なことですので、是非明快にしていただければと思います。
  72. 石田優

    政府参考人(石田優君) お答えを申し上げます。  トップランナー制度におきましては、対象事業者の取組状況を把握するために、国が対象事業者に対しましてトップランナー基準の達成状況に関する報告徴収を毎年行っていくことになります。この報告内容を踏まえまして、トップランナー基準に照らして省エネ性能向上を相当程度行う必要が認められるときは、国から対象事業者に対し省エネ性能向上を図るべき旨の勧告をすることができるということになります。さらに、事業者が国による勧告に従わなかった場合にはその旨の公表、また勧告に係ります措置をとることを命ずることができるという制度となってございます。  また、仮に報告内容に疑義がある場合でございますが、この場合には、建築物省エネ法の規定に基づきまして追加の報告徴収を行いますとともに、同じく規定に基づきまして事業者の事務所や工事現場などの立入調査を行うことが可能でございます。  住宅トップランナー制度につきましては、こうした枠組みを最大限活用しながら、制度の適切な運用を図っていきたいと考えているところでございます。
  73. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 本法律案では、設計を行った建築士に対し、建築主への省エネ性能の評価等に関する説明を義務付けることとしております。一方で、現実的に高い省エネ性能の住宅等が建設されるよう、中小建設業者等の技術力の向上も必要であります。省エネ基準に習熟していない建築士や中小建設業者も当然おられると思われますけれども、これらの者が省エネ基準等に対応できるようにするためにはどのような対策を行っていくのでしょうか。先ほど来ありますけれども、確認をさせていただきます。
  74. 石田優

    政府参考人(石田優君) お答えを申し上げます。  本法案に盛り込まれました施策を進めていく上におきましても、住宅の建設の担い手であります中小工務店などの技術力の向上が非常に重要であると考えているところでございます。このため、建築士や中小工務店などを対象とした省エネ技術に関します講習会を平成二十四年度より実施しております。  本講習会におきましては、平成三十年度までに延べ十三万人受講いただいておりますが、それでもなお、中小工務店に対するアンケート調査によりますと、約五割が省エネ計算ができないというような回答をいただいているところでございまして、引き続き技術力の向上を進めることが必要な状況だと理解しております。  こうした状況も踏まえまして、省エネに関する技術力の向上に向けた準備のための期間も考慮して、説明義務制度施行日は法律の公布から二年以内という規定とさせていただいております。また、本法案の施行までの準備期間におきまして、建築士や中小工務店等向けの講習会を全国各地でより一層推進することを予定しております。さらに、建築士や中小工務店などが省エネ基準の適否を簡易に判断することができるようにするために計算シートを整備することを予定しておりまして、当該計算シートに関する情報につきましても当該講習会において提供していきたいと考えております。  これらの措置を進めることによりまして、建築士や中小工務店等が円滑に省エネ対策に取り組むことができる環境を整えていきたいと考えているところでございます。
  75. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 是非、どちらかといったら電子化ということも好きじゃないというケースもあるでしょうし、手でやった方が、紙と鉛筆の方がいいという方も当然おられると思います。多様なニーズにも応えられつつ、シンプルにすることが実効性担保になると思いますので、更なるいろんな制度研究もしていただきたいと思います。  最後に、一つ飛ばせていただきますけれども、パリ協定による温室効果ガスの削減には、建築物のみならず運輸部門なども大きく関わっております。これら運輸部門も含めた国土交通省所管の部門についての温室効果ガス削減対策、省エネに向けた取組についていかがでしょうか。石井大臣に伺います。
  76. 石井啓一

    国務大臣石井啓一君) 我が国のエネルギー消費量の約三割は住宅、建築物に関連する業務・家庭部門におけるものであり、また約二割は運輸部門におけるものであるなど、温室効果ガスの削減を通じた地球温暖化対策につきまして、国土交通省の役割は非常に大きいと考えております。  温室効果ガスの削減につきましては、地球温暖化対策計画に基づき目標の達成に向けて政府一体となって取り組んでいるところでありますが、国土交通省におきましては、住宅、建築物の省エネ対策に加えまして、都市のコンパクト化や公共交通網の再構築等を通じた低炭素型の都市・地域づくり、自動車の環境性能の向上を促す燃費基準の設定や財政的支援等の施策にも取り組んでいるところであります。  今後とも、地球温暖化対策の推進の重要性を踏まえまして、住宅、建築物分野において本改正案に盛り込まれた措置を的確に推進することを始めといたしまして、国土交通省の所管する各分野において更なる歳出削減に向け、関係省庁と連携をしつつ、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
  77. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 是非、大臣のリーダーシップの下、皆さんで進めていただきたいと思います。  以上で終わります。ありがとうございました。
  78. 行田邦子

    行田邦子君 日本維新の会・希望の党の行田邦子です。よろしくお願いいたします。  地球温暖化対策につきましては、パリ協定を踏まえまして、二〇三〇年度までに二〇一三年度と比較して温室効果ガス排出量を二六%削減するという中期目標が掲げられております。そしてまた、昨年の十月には仁川で行われました政府間パネルの結果を踏まえまして、この結果を踏まえまして、政府としては、六月のG20までに長期戦略を取りまとめるという予定となっております。こうした状況の中で本法案が提出されましたことは極めて時宜を得たと思っておりまして、賛成であります。  一方でなんですけれども、特に住宅分野での省エネ対策の強化の進め方につきましては、我が国の住宅供給の実態を十分に配慮しながら進めていくことが必要だというふうに考えております。住宅、建築物の分野は、民間のマーケットで供給されるものが大部分です。そしてまた、特に戸建て住宅の分野は、各地域の中小工務店が施工だけではなくて設計の面でも長年にわたりまして支えてきたという実態があります。  そして、平成二十五年度のデータでは、新築戸建て住宅の約九割が木造住宅でありまして、そして、その半分が年間供給戸数が五十戸未満の中小工務店により供給されたものと推計をされています。また、省エネ基準の適合率がいまだに六割程度の水準にあるという、このような状況を踏まえますと、現段階で住宅を対象に加えるということは市場の混乱につながるおそれが大きく、本法案においては住宅を適合義務化の対象に含めていないというのは、これは妥当な判断だと思っております。  一方でなんですけれども、戸建て住宅の分野では、設計を行う建築士が施主に対して省エネ基準への可否について書面で説明することを義務付ける説明義務制度の創設が盛り込まれました。本制度では、戸建て住宅の省エネ性能の向上につながるポテンシャルはあると考えますけれども、中小工務店ときちんとした連携ができるかが鍵を握っているというふうに考えております。  そこで、説明義務制度について幾つか質問させていただきたいと思います。  まず、局長に伺います。  この建築士による説明のタイミングについてなんですけれども、建築士から施主への説明は、説明を契機として省エネ性能を高めるよう設計変更を行うケースも想定されるかと思います。設計段階の早いタイミングで説明した方が設計業務の手戻りも少なくなるというふうに考えられますけれども、建築士による書面での説明はどのタイミングで行わなければならないのでしょうか。
  79. 石田優

    ○政府参考人(石田優君) お答えを申し上げます。  本法案におきましては、小規模な住宅や建築物の設計を行う際に、建築士が建築主に対しまして省エネ基準への適合の可否などを説明することを義務付ける説明義務制度の創設を盛り込ませていただいております。  本法案に基づきます建築士による説明は、最終的に完成した設計図書を建築主に引き渡すまでの間に書面を交付して行うことが法文上必要となりますけれども、御指摘のように、この説明をきっかけとした設計変更によって業務に大きな手戻りが生じることがあることは問題が生じるというふうに考えております。建築士は設計の早い段階から建築主の省エネ性能に関する意向を把握することがそのためには重要であるというふうに思っているところでございます。  今後、全国各地域で予定しております講習会などにおきましてこの制度の趣旨、内容に関する建築士向けの説明を行うこととしておりますけれども、こうした機会を活用しまして、制度のプロセスを分かりやすく示しながら、設計の早い段階で意向把握をすることの重要性について建築士に対して注意喚起を図って、円滑な運用を図れるようにしてまいりたいと考えているところでございます。
  80. 行田邦子

    ○行田邦子君 そのようにお願いします。  そして、次になんですけれども、建築士による説明の内容について伺いたいと思います。  この制度では、設計している住宅が省エネ基準に適合しない場合には、適合しないということだけではなくて、性能の確保のためにとるべき措置も書面で説明することとなっております。施主が設計変更の必要性を判断するためのものなので、詳細な情報があるのが望ましいとは考えられますけれども、一方で、設計変更が決定していない段階で細かい情報を提供しなければいけないというふうになりますと過度な事務負担を強いられることとなる、このようなおそれがあるかと思っております。  そこで伺いたいんですけれども、この性能の確保のためにとるべき措置としては、具体的にどのような内容を記載する必要があるのでしょうか。
  81. 石田優

    ○政府参考人(石田優君) お答えを申し上げます。  今回の説明義務制度は、その説明を契機として建築主に計画の見直しを行うことを促すことを主な目的といたしております。このため、本制度では、計画の見直しの必要性について、判断に必要となる情報を建築主が的確に理解できるように説明が行われることが重要であると考えております。  ただ、その際に、建築士に過度な負担を課すこととなる詳細な設計図書の作成などまでは求めずに、例えばサッシについてアルミ製から樹脂製に変更すればどうなるか、また照明について蛍光灯からLEDに変更すればどうなるかといった省エネ基準に適合するために必要となる設計変更の概要や、当該変更に伴います設計追加工数の概算について説明を求めることを想定しているところでございます。
  82. 行田邦子

    ○行田邦子君 説明義務制度の内容や、またタイミングについて御答弁をいただきましたけれども、今御答弁いただいた内容をしっかりと中小工務店の方々が理解をすることが必要かというふうに思っております。  大臣に伺いたいと思うんですけれども、中小工務店の設計者の方というのは、長年の経験を生かして設計業務に取り組まれている方も多いですけれども、一方で省エネ基準やまた省エネ技術に詳しくない方も数多くいらっしゃると思っております。こうした状況を踏まえますと、中小工務店の方々の省エネ技術等に関する習熟を高めていくことを国が率先してサポートをしないと、この制度の導入に当たり現場で混乱が生じるというふうに危惧をしております。  そこで大臣に伺いたいと思うんですけれども、中小工務店による説明義務制度の的確な理解や省エネ技術の向上に向けてどのような取組を考えているのか、お考えを伺いたいと思います。
  83. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 本法案に盛り込まれました小規模住宅等を対象といたします説明義務制度を円滑に推進するためには、中小工務店等の関連事業者が省エネ基準の内容や基準の適合状況の確認のために必要な省エネ計算の方法等について的確に理解していることが必要と考えております。その準備のための期間を考慮いたしまして、説明義務制度の施行日を法律の公布から二年以内としているところであります。  一方で、中小工務店には省エネ基準等に習熟していない者も多く、中小工務店に対してアンケート調査を行ったところ、約五割は省エネ計算ができないとの回答となっております。  これまでも、中小工務店等を対象といたしました省エネ技術に関する講習会を全国で実施するとともに、地域の中小工務店等による省エネ性能に優れた木造住宅の供給に対して財政的支援を行ってきたところでありますが、これらの取組を今後より一層推進することとしております。  さらに、省エネ基準への適否を簡易に判断することができる計算シートを整備することを予定をしておりまして、当該計算シートに関する情報につきましても全国各地域で行う講習会において提供していくこととしております。  これらの取組によりまして、中小工務店等の制度の的確な理解や省エネ技術の向上に向けて積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
  84. 行田邦子

    ○行田邦子君 これまでも行ってきているとは思いますけれども、中小工務店向けの講習会、大変重要だと思いますので、更に積極的に展開をしていただくようお願いを申し上げます。  それでは次に、伝統的構法の住宅への配慮について伺いたいと思います。  これまでもこの委員会で伝統的構法の住宅について質問させていただいたことがありますけれども、伝統的構法を生かした住まい、これは将来世代にしっかりと継承していくべきものであるというふうに私は考えております。  それぞれの全国の地域で、その地域の気候や文化を反映させて育まれてきた伝統的構法の住宅の供給が地域の工務店の方々によって今進められているところであります。そして、こうした住宅は、長年にわたり試行錯誤を繰り返しながら生み出された住まいに関する知恵が盛り込まれており、快適で豊かな空間が生み出されています。  伝統的構法の住宅は、様々な魅力を持つ一方で、壁の断熱性等のみを機械的に取り出してしまいますと省エネ基準に適合しにくいという面があります。こうした状況の中で、伝統構法の住宅についても、伝統を受け継ぐということをやることに加えまして、新たな技術的工夫を加えて性能を向上していこうという動きも出てきております。こうした動きに対しまして国としてもしっかりとサポートをすべきだと考えていますけれども、お取組はいかがでしょうか。
  85. 石田優

    ○政府参考人(石田優君) お答えを申し上げます。  伝統的構法によります住宅は、高い断熱性を確保することが難しい面がございますけれども、御指摘いただきましたとおり、各地域において、新たな技術的な工夫などによりまして性能の向上を図る取組がなされていることが見受けられております。国土交通省といたしましても、こうした取組のうち先導性の高いものに対して財政的な支援を行っているところでございます。  具体的には、平成二十八年度から伝統的構法を採用しながら環境負荷の低減を図るモデル的な住宅の整備に対しまして支援を行いますとともに、そうした支援を通じて蓄積されましたモデル的な取組事例の情報につきまして、今後、関係事業者などに幅広く周知をしていきたいと考えております。  こうした措置を活用しながら、伝統的構法によります住宅の性能の向上により一層推進が図られるようサポートしてまいりたいと考えております。
  86. 行田邦子

    ○行田邦子君 お願いします。  現在の建築物省エネ法におきましては、住宅への省エネ基準の適用は床面積三百平米以上のものを対象にした届出義務制度に限定されていますけれども、今回の改正案では、戸建て住宅を広く対象とする説明義務制度が先ほどの質問させていただいたとおり盛り込まれています。様々な技術開発の動きが出てきているとはいえ、これらに画一的に断熱基準を適用すると、地域の中小工務店を中心に世代間で受け継がれてきた伝統構法の継承に影響を与えかねないというふうに危惧をしております。  大臣に伺いたいと思います。  説明義務制度におきまして、伝統的構法の住宅が、画一的な基準の下、機械的に不適合と位置付けられるようなことがないよう配慮が必要と思いますけれども、大臣に対応方針について伺いたいと思います。
  87. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 土塗り壁や大きな開口部が一般的な伝統的構法による住宅は、断熱材の施工が困難であること等によりまして高い断熱性を確保することが難しい面がございます。このため、現行の届出義務制度におきましては、所管行政庁が認める場合に、壁や窓などの断熱性能に関する基準を適用除外とするなど、伝統的構法による住宅の供給に配慮をしているところでございます。  本法案では小規模住宅等に係る建築士から建築主への説明義務制度の創設を盛り込んでおりますが、本制度におきましても、同様の緩和措置を適用するとともに、所管行政庁による運用が円滑に進むよう、対象とする住宅の仕様を例示すること等を検討しております。  これらの措置を通じまして、伝統的構法による住宅の供給と省エネ性能の向上の両立を図ってまいりたいと考えております。
  88. 行田邦子

    ○行田邦子君 説明義務制度の導入に当たりましては、緩和措置の対象とする仕様の例示を是非分かりやすいもので示していただきたいと思っております。  それでは、続きまして、住宅トップランナー制度の拡充について伺いたいと思います。  本改正案では、建て売り戸建て住宅の大規模事業者に加えまして、注文戸建て住宅やまた賃貸アパートの大規模事業者も対象に追加をしています。パリ協定の目標の達成を目指して住宅分野の地球温暖化対策を進めるに当たっては、省エネ基準の適合率の引上げ、つまりボトムアップを進めることももちろん重要ですけれども、それだけではなくて、高い水準の省エネ性能を持つ住宅の供給、つまりトップアップを進めることが大変重要だというふうに考えております。  地域の中小工務店の中には、例えばゼロ・エネルギー・ハウス、いわゆるZEHに取り組む工務店も数多く出てきています。大手と全く遜色のない、高い省エネ性能を持つ住宅の供給に取り組む中小工務店も出てきております。  こういう中におきまして、住宅トップランナー制度によって地域の住まいづくりを支える中小工務店のトップアップも重要だと考えていますけれども、その点どのように取り組んでいく方針なのか、局長に伺いたいと思います。
  89. 石田優

    ○政府参考人(石田優君) お答えを申し上げます。  御指摘いただきましたとおり、高い省エネ性能を有する住宅の供給を促進するためには、住宅トップランナー制度により大手の住宅事業者の取組を促すことと併せまして、本制度の対象、トップランナー制度の対象とならない中小工務店などの取組を促すことが重要であると考えております。このため、地域の中小工務店などがグループを形成して取り組むゼロ・エネルギー・ハウス、ZEHなどの高い省エネ性能を有する住宅の供給に対して財政上の支援措置を実施してきているところでございます。  加えて、今般のトップランナー制度の拡充の対象となりません中小工務店などにつきましても、高い水準の基準、トップランナー基準の達成を目指すことを自ら宣言した事業者が、住宅トップランナー制度の対象事業者と同様に国にその達成状況を報告し、それをアピールできる枠組みを整備したい、そういうことを検討したいというふうに考えているところでございます。  また、高い省エネ性能を有する住宅の供給を促進するため、建築主に対する省エネ性能に関する情報の提供も重要であると考えております。  こうした措置によりまして、高い省エネ性能を有します住宅の供給に向けた中小工務店などの取組を促してまいりたいと考えております。
  90. 行田邦子

    ○行田邦子君 最後になんですけれども、消費税率引上げとの関係について伺いたいと思います。  現場の工務店の皆さんのお声を聞きますと、今最も心配されることの一つがやはり今年十月に予定されています消費税率の引上げということ、その影響についてであります。  過去の、例えば五%から八%に上げたときなどが顕著だったと思いますけれども、過去の税率引上げ時には、駆け込みの着工がある一方で、その後の反動減といいますか、税率の引上げ後大きく着工が落ち込んだということがありました。仮に消費税の税率引上げで住宅着工に影響が出た状況の中で、更に説明義務制度などの新たな規制も導入するということですので、こうした新たな規制を導入すると、住宅投資、また、ひいては我が国の経済全体に悪影響を与えるおそれがあるのではないかと思いますけれども、その点について伺いたいと思います。  本法案に盛り込まれました規制強化措置については、消費税の税率引上げの市場に与える影響をよく勘案してその施行のタイミングを設定することが重要だと思いますけれども、この点についてはどのようにお考えでしょうか。
  91. 石田優

    ○政府参考人(石田優君) お答えを申し上げます。  本年十月一日に予定されております消費税率の引上げに当たりましては、それによる駆け込み需要、駆け込みと反動減によって経済に影響を及ぼすことがないようにすることが必要だと考えております。このため、住宅ローン減税やすまい給付金の拡充、次世代住宅ポイントの創設など、総合的な対策を講じているところでございます。  これまでのところ、こうした対策の効果も含めまして、前回のような急激な駆け込み需要は生じておらず、今回の対策が一定の効果を上げているという認識を今しているところでございます。  また、本法案に盛り込まれました規制強化措置につきましては、そうした経済への支障なく円滑に施行が行われますよう、法律の公布後二年程度の準備期間を置いて施行することを考えております。そのため、施行は消費税の引上げから一年以上経過したタイミング、そうなると考えているところでございます。  こうした措置によりまして、消費税率の引上げが本法案に盛り込まれました施策の推進に影響を与えることがないよう、また、逆に本法案の施策が経済に影響を及ぼすようなことがないよう、我々としては取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
  92. 行田邦子

    ○行田邦子君 今日は、お時間をいただきまして、この本改正法案の中でも中小工務店に関する問題について主に質問させていただきました。是非、この制度を進めるに当たりましては、中小工務店の現場の声をしっかりと聞きながら進めていただくことをお願いを申し上げまして、質問を終わります。  ありがとうございました。
  93. 山添拓

    ○山添拓君 日本共産党の山添拓です。  建築物省エネ法の改正案について質問をいたします。  先ほど来ありますように、二〇一四年四月の第四次エネルギー基本計画、二〇一六年五月の地球温暖化対策計画など累次の閣議決定で、二〇二〇年までに新築住宅、建築物について段階的に省エネルギー基準への適合を義務化するとしておりました。ところが、今度の法案では住宅や小規模建築物での適合義務化が見送られました。  大臣は、この法案も閣議決定に沿ったものだと先ほど答弁され、あの閣議決定というのは基本的な方向性を示したものにすぎないのだというお話でしたが、そうなりますと、累次の閣議決定というのは、住宅、建築物の全体について二〇二〇年に適合を義務化するというものではなかったと、こういうことなんでしょうか。
  94. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) エネルギー基本計画等の閣議決定におきましては、「規制の必要性や程度、バランス等を十分に勘案しながら、」と、こういう条件を付した上で、二〇二〇年までに新築住宅、建築物について段階的に省エネルギー基準への適合を義務化することとされていると承知をしてございます。  本法案では、この閣議決定における方向性を踏まえまして、省エネ基準の適合率の状況等を勘案をいたしまして中規模のオフィスビル等を適合義務化の対象に追加することとしたものでございまして、閣議決定と整合したものと考えております。
  95. 山添拓

    ○山添拓君 いや、しかし、それは普通の読み方では読めないと思うんですね。政府の内部でもそうではない読み方をしてきたと思います。  資料をお配りしておりますが、二〇一五年一月、社会資本整備審議会の第一次答申の中では、二〇二〇年までに、規模を問わず、また住宅と非住宅とを問わず適合を義務化するという工程表が示されております。ですから、閣議決定の文言からも、また自ら掲げていた目標からも大きく乖離をした法案だと言わざるを得ないと思います。  先ほどの局長の答弁では、適合義務化、完全な適合義務化を見送った本法案でもパリ協定の目標を達成できる試算だということでありました。そして、政府が四月二十三日に発表したパリ協定の長期戦略案では、省エネ基準への適合義務化は、これ触れられてすらいないんですね。そうしますと、将来的にも適合義務化を行わないというつもりなんでしょうか。いかがですか。
  96. 石田優

    ○政府参考人(石田優君) 今回の法案の盛り込みました各種施策をまず総合的に推進していくことが第一義的に重要だと考えております。  それを踏まえました上で、義務化の更なる拡充を含めまして、更なる省エネ施策の拡充について検討させていただきたいと思っているところでございます。
  97. 山添拓

    ○山添拓君 IPCCの一・五度特別報告書で目標の引上げが求められている状況であります。閣議決定までした適合義務化を勝手に撤回して、あるいはその文言に勝手な解釈を与えて、一棟何百戸も入っているようなタワーマンションでさえ基準への適合を義務化しない、これは余りにも消極的な姿勢だと言わざるを得ないと思います。適合率の抜本的な向上のためには私も義務化が求められていると思いますので、そのことを強調して指摘をしておきたいと思います。  その上で、今日は関連をして、先ほどもお話出ておりましたが、レオパレス21の不正事案について伺います。  サブリースを前提とする賃貸共同住宅における建築基準法違反が次々と発覚しておりますが、レオパレスにおける現時点での建築基準法違反の確認状況について局長から御説明ください。
  98. 石田優

    ○政府参考人(石田優君) お答えを申し上げます。  特定行政庁にまで報告が上がりまして、特定行政庁の方が違反ありという確認までできたものについて言いますと、現在のところ二千九百四十九棟という状況でございます。
  99. 山添拓

    ○山添拓君 レオパレスの発表によりますと、三月末時点で一万四千五百九十九棟の不備を確認しているといいます。これ、調査が済んだ二万二百八十五棟の実に七割に上ります。違法物件、違法が確認される物件もまだまだ増えていくであろうと思います。  現在確認されております不正は、天井裏の界壁が存在しない、あるいは界壁や外壁、床を構成する天井の材質が法律で定められた仕様とは異なっている、こういった四点にわたっています。防火性能や遮音性などに関わり、入居者の安全と安心が脅かされる、こういう深刻な事態であります。また、更なる新たな違法の可能性も指摘をされている状況です。組織的な不正でなければ、ここまで広がることはないであろうと思います。  大臣に伺いますが、現時点でのこの件についての大臣自身の御認識を伺いたいと思います。
  100. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) レオパレスをお答えする前に、先ほど委員の方から工程表が出されていますので、これについてちょっと私の方から申し上げておきましたが、御指摘の工程表については、今後の省エネを進める上での中長期的な目安を示していただきたいとの委員の御要望を踏まえ、審議会における議論の参考資料として事務局において整理をしたものでありまして、こうした経緯を踏まえ、この資料は答申の別添資料とされていましたが、答申本文においては二〇二〇年までに全ての住宅、建築物について適合を義務化する旨の記述はないということは申し上げておきたいと思います。  その上で、レオパレスについて申し上げますと、レオパレス21の事案に関しまして、昨年四月及び五月に公表された小屋裏等の界壁の不備に加えまして、本年二月七日に新たな界壁、外壁及び天井の不備が明らかになり、さらに小屋裏等界壁に関しましては大半のシリーズで不備が判明したことについては誠に遺憾であります。  国土交通省といたしましては、同社に対しまして、組織的関与の有無を含めた原因の究明及び再発防止策の報告を指示しておりまして、当該報告の原因究明結果につきましては、国土交通省が設置をいたしました外部有識者委員会においてしっかりと検証してまいります。  また、再発防止策につきましても、国土交通省で設置いたしました外部有識者委員会におきまして原因究明結果を検証した上で、専門的見地から再発防止策を取りまとめていただくこととしておりまして、いただいた提言を踏まえまして、国土交通省といたしまして必要な対策を講じてまいりたいと考えております。
  101. 山添拓

    ○山添拓君 本当に大変な事態であろうと思いますが、今大臣の答弁の最後に出てきました検証のための委員会ですけれども、現時点で確認されている四点の不正について、今どのように課題の整理を行っておりますか。簡潔にお願いします。
  102. 石田優

    政府参考人(石田優君) お答えを申し上げます。  当省に設置いたしました外部有識者委員会において、今後の再発防止策を検討していく際の論点の整理をいただいております。  この点に関しましては、設計書どおりの施工を確保する工事監理の仕組みに関しまして、小屋裏の界壁や床のように部材が現場で組み立てられる場合については、適切な工事監理がなされていれば不正が防げたのではないか、一方、界壁や外壁パネルのように現場で組み立てられない部分を含みます規格化部材については、通常の工事監理では不正の防止上の限界があるのではないかといった論点が提起をされているところでございます。
  103. 山添拓

    ○山添拓君 資料の二ページ目に付けておりますが、今御説明もありましたように、界壁がなかったとか天井の不正については、これは通常の工事監理、建築士による工事監理が適切に行われていれば施工者に対して修正指示がなされていた可能性が高いとされております。それから、工場で作られた材質の不正については、これは不整合箇所が隠蔽されていると、したがって単純な部材確認では修正指示が困難だと、こうされております。しかし、論点整理の中では、規格化部材の工事監理の在り方に課題があるということになっているかと思います。  ですから、いずれも工事監理の在り方を課題とし問題視をしているわけですが、レオパレスでいいますと、自社の建築士に工事監理をさせております。建築士も含めた組織的な不正だということであれば、これは工事監理だけで是正をしていく、工事監理によって是正をしていくという現在の仕組みそのものが成り立たないということになるのではないでしょうか。
  104. 石田優

    政府参考人(石田優君) お答えを申し上げます。  先ほどから申し上げております、レオパレスが設置した弁護士等から成ります外部調査委員会による中間的な原因究明の結果が三月十八日に国交省に提出されましたけれども、それを当省の設置いたしました外部有識者委員会に報告した結果を踏まえまして、特に工事監理に関しましては、施主との契約内容がどうなっているか、また具体的にどのような工事監理を行うことが原則となっているかを整理した上で、問題の案件に関し、具体的にどのような立場の建築士によってどのような工事監理がなされていたかを検討するためにも明らかにする必要があるということで、その点について三月二十五日に明らかにするよう指示をしたところでございます。今後、レオパレスが設置いたしました弁護士等から成ります調査委員会において、当該指示を踏まえた原因究明の結果の報告がなされるものと考えております。  当省に設置いたしております外部有識者委員会においては、その報告内容を検証した上で、専門的見地から工事監理の在り方を含めて再発防止策を検討していくこととしており、いただいた提言を踏まえまして、国として必要な対策を講じていきたいと考えているところでございます。
  105. 山添拓

    ○山添拓君 建設業法に基づく現場管理、そして建築士法に基づく工事監理、さらには建築基準法に基づく建築確認と、三重のチェック体制で適正を確保するというのが現行法の仕組みであると伺いますが、ところが、現場管理や工事監理は建設業者と事実上一体化をし、これらを信用できることを前提とした建築確認でも不正が見抜けないという事態になっております。ですから、従来の仕組みそのものを改める検討が求められるということを指摘をさせていただきたいと思います。  先ほどの検討会では、大手の賃貸共同住宅供給事業者十数社に対して品質管理の実態調査を行っているといいます。アンケート、ヒアリング、必要に応じて工場等の現地調査も行うとされています。このうち、型式部材等製造者認証を受けている事業者は、アンケートで判明した段階で対象から外して、ヒアリングには進まないとされています。  ところが、四月に新たに不正が発覚をした大和ハウスは、まさにこの型式の認証を受けている事業者でありました。設計内容についてあらかじめ大臣の指定機関による型式適合認定を受け、型式部材等製造者認証を受けている場合、建築確認の審査が一部省略されることになっています。大和ハウスはこれを悪用し、認定を受けておきながら認定とは異なる設計で住宅を建設しておりました。  これ、認定制度そのものを揺るがす大問題だと考えますが、大臣、いかがですか。
  106. 石井啓一

    国務大臣石井啓一君) 大和ハウス工業が型式と異なる住宅を型式認定住宅として供給したことについては、誠に遺憾であると認識をしております。  このため、国土交通省におきましては、大和ハウス工業に対しまして、改修等の迅速な実施とともに、第三者性を持たせた形での徹底した原因究明等を求めたところであります。さらに、レオパレス21の問題を踏まえて設置をいたしました国の外部有識者委員会におきまして、今後、大和ハウス工業側が行います原因究明結果等につきましても検証していただいた上で、同社の案件を含め再発防止策を検討していただくこととしております。  国土交通省といたしましては、委員会よりいただいた提言を踏まえまして、必要な対策を講じてまいりたいと考えております。
  107. 山添拓

    ○山添拓君 認証を受けた事業者であれば適切に施工するとは限らないということがはっきりしております。  実態調査において、認証を受けているからといってヒアリングや工場調査の対象から外すべきではないのではありませんか。
  108. 石田優

    政府参考人(石田優君) お答えを申し上げます。  当初の予定では、認定を受ける際に、いろいろと品質管理の関係については大臣認証の段階でのチェックを受けているということで、その段階でのチェック済みということで調査対象から一応外す予定としておりました。ただ、今回、大和ハウスの案件が生じましたので、今回、大和ハウスがどういう部分において、つまり大臣認証があったとしても問題があったのか、そういったところは同様な問題がほかの大臣認証のところにもあるのかどうか、そういうところについてチェックをさせていただきたいと思っております。
  109. 山添拓

    ○山添拓君 私は、それは必ず必要で求められるだろうと思います。  私は、こういう不正が相次ぐ背景には、サブリースの問題があると考えます。レオパレスでも大和ハウスでも、建設をした事業者やその関連業者がオーナーから一括で借り受けて、三十年家賃保証などとうたって転貸をし、管理業も引き受けております。オーナーは、投資や節税目的ですので、アパート経営の経験も、またノウハウも乏しいことが多いと。仮に工事に不正があってもオーナーから指摘を受けることはないだろうとたかをくくり、安く早く効率的に建設するということが優先されてきたのではないでしょうか。  レオパレスの三月十八日付けの中間報告では、「工期の短縮や施工業務の効率化が求められていたことなど、レオパレス21の賃貸事業の特性が本件不備に大きく関係していたと思われる。」とあります。  レオパレスに限らず、賃貸共同住宅を建設し、管理業をも行うという業態では、これは構造的に生じ得る不正だ、こういう認識に立って検証を進めるべきではないでしょうか。大臣、いかがですか。
  110. 野村正史

    政府参考人(野村正史君) 国土交通省におきましては、賃貸住宅管理業に係るルールの在り方、あるいは賃貸住宅管理業者登録制度に未登録の業者についての登録促進の方策などについて、今年度、調査並びに検討を行うこととしております。そして、現在その準備を進めているところでありますけれども、この調査においては、賃貸住宅管理業者、あるいは賃貸住宅の家主、さらに入居者を対象としまして、家主に対する契約時の説明の実施状況など賃貸住宅管理業者の業務の実態、あるいは家主に対する賃貸住宅建設の勧誘の実態、そして入居者と賃貸住宅管理業者とのトラブルの実態などについて調査を行う予定としております。  特にサブリースというビジネスモデルに関しては、近年、サブリース業者と家主との間で家賃保証をめぐるトラブルなどが多発しているところでございます。そのことも踏まえながら、この調査では、サブリースを前提として、サブリース業者とグループ企業内の建設業者などが連携して賃貸住宅の建設を勧誘するケースなど、グループを形成する各企業の関与の実態などについても把握することができるように、この調査を実施していく予定としております。  今後、早急に調査を開始しまして、調査結果などを踏まえ、賃貸住宅管理業の適正化に向けた検討を更に進めていきたいと考えております。
  111. 山添拓

    ○山添拓君 時間ですのでこれで終わりますけれども、先ほど来お話がある外部有識者委員会も賃貸住宅を対象として行われていると。これはやはり、サブリースを前提とした業態の中で問題が深刻化しているということの表れでもあろうと思いますので、是非双方徹底した調査を行っていただきたいということを強調しまして、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  112. 平山佐知子

    ○平山佐知子君 無所属クラブの平山佐知子です。  まずは、本法律案に関する質問の前に、先ほど来からも話題になっていますけれども、レオパレス21の施工不良問題について、また昨日も新たな建築基準法違反の疑いがあることが一部報道されていますので、伺ってまいります。  去年から見付かった施工に不備がある物件は、今年三月末時点で一万四千五百九十九棟、調査を終えた二万二百八十五棟の実に七割を超えました。これだけの規模になりますと、このレオパレスですとか施工業者だけではなくて、施工不良を見抜けなかった行政にもやはり責任があるのではないかという声も聞こえてくるところでございます。  政府は外部有識者委員会を設置して、現在まで二回会議が行われているということですけれども、これまでどのようなことが話し合われてきたのか、まずは簡単に説明をお願いいたします。
  113. 石田優

    政府参考人(石田優君) お答えを申し上げます。  当省の方に設置いたしました外部有識者委員会におきましては、これまで二回開催をいたしております。  まず、第一回、三月十四日の開催におきましては、事務局側から、今般の事案の概要とこれまでの国交省の対応、また工事監理制度建築確認検査制度といった現行制度について説明を行い、大手の賃貸住宅供給事業者の品質管理の実態調査をどう進めるか、その方法につきまして、また今後の検討の方向性やスケジュールについて御審議をいただきました。  また、三月二十五日に第二回を開催し、事務局からレオパレス21が設置した弁護士から成る外部調査委員会が出してまいりました中間的な原因究明結果を説明させていただき、工事監理の状況等について適切な調査を更に行うように、この委員の御指摘を踏まえてレオパレスの方に対して指示を行ったところでございます。また、再発防止策の検討に向けた論点についてその際整理いただきますとともに、五月下旬とされておりますレオパレス21が設置した外部調査委員会からの最終的な報告、これを踏まえて引き続き検討いただくということについて確認をいただいたところでございます。
  114. 平山佐知子

    ○平山佐知子君 建物を建築する場合には、建築基準法とともに自治体ごとに制定されている様々な制限を受けるわけですけれども、先ほどもありますように、まず行うのが建築確認の申請です。これをクリアすると確認済証が交付されまして、その後、工事着工後、一定の場合に第二チェックの中間検査が行われまして、工事が終わった段階で完了検査を受けます。つまり、最大三段階でこのチェック体制が組まれていたにもかかわらず、今回このような事案が起きて、しかも発覚までに相当な時間を要したわけでございます。  これもまた検討委員会の中で議論されていることかもしれませんけれども、この三段階のチェック体制の中身をやはり今後実効性のあるものに変えていくべきだと私も考えていますけれども、これについてはいかがでしょうか。
  115. 石田優

    政府参考人(石田優君) お答えを申し上げます。  建築確認検査制度の在り方を含みます再発防止策を検討するに当たりましては、まずは今回の事案について徹底した原因究明を行うことが必要であると考えております。このため、国に設置しました外部有識者委員会の委員の意見も踏まえまして、調査事項等をレオパレスに当方の方から最低限必要だと思われる事項について提示をし、三月十八日までの報告を求めたところでございますが、まだこの段階では中間的な報告にとどまっているところでございます。  当該報告では、まだ多くの事項に関して、今後更に調査を進めて五月下旬をめどに最終報告を行うというようになっておりましたので、この報告を今後求めていきますとともに、国交省としては、工事監理の状況等を含めた徹底的な原因究明をその中で図るように同社に求めたところでございます。  国の外部有識者委員会におきまして、今後、レオパレス21によります原因究明結果の検証、御指摘がありました建築確認検査制度の在り方を含む再発防止策の検討などを進めまして、夏前をめどに提言を取りまとめていただけるようお願いしているところでございます。  国交省としては、いただく予定の提言を踏まえまして、必要な対策を講じていきたいと考えております。
  116. 平山佐知子

    ○平山佐知子君 しっかりと引き続きお願いしたいところですけれども、やはりこのようなことが続きますと、国内ではもちろんなんですが、世界から見ても我が国の建築に対する信頼が損なわれるというおそれがあるというふうに思います。例えば公共事業で行われる道路それから下水道工事などの際は、写真帳、この提出などで相当厳しくチェックされているというふうに伺っております。今後、民間の工事におきましても、こうしたこと、二度と起きないようにということで、実効性のあるチェック体制、これを厳しく築いていただきますようにお願いを申し上げます。  それでは、本法律案について伺います。  国立環境研究所発表の日本の温室効果ガス排出データによりますと、二〇一七年度の我が国のCO2総排出量は十二億九千二百万トンで、前年度比マイナス一・二%。部門ごとのCO2の排出量は、産業部門、運輸部門、業務その他部門、そしてエネルギー転換部門、いずれも対前年より減少していますけれども、一方、家庭部門だけが〇・六%増加しています。その増加した要因については、灯油等石油製品の消費に伴って排出量が増加したものとされていますけれども、これについて、今日は環境省の方お越しいただいていますので、もう少し詳しく教えていただけますでしょうか。
  117. 和田篤也

    ○政府参考人(和田篤也君) お答え申し上げます。  委員御質問の件につきまして、二〇一七年度の家庭部門からのエネルギー起源CO2の排出量につきましては一億八千六百万トンでございます。前年度、すなわち二〇一六年でございますけれども、これと比べまして、まさに御指摘のとおり、割合のベースで〇・六%、総量のベースで百万トン増加している状況でございます。  この増加要因、原因につきましては、前年度に比べまして、全国的に九月から二月の気温が低かったという状況、この影響を受けまして、暖房等、暖房、給湯も含めてでございますけれども、に使用する灯油、都市ガス、場合によってはLPGというものも含まれますけれども、の消費に伴いますCO2の排出量が増加したことが主な原因であると考えているところでございます。
  118. 平山佐知子

    ○平山佐知子君 ありがとうございます。  こうしたことを見ても、この住宅、建築物の省エネ対策、非常に重要だということが改めてよく分かった次第でございます。  一方、海外に目を向けてみまして、世界の住宅、建築物の省エネ基準調べてみたところ、ドイツのパッシブ基準というのとスイスのミネルギー基準という二つがこれ有名で、その内容というのは相当厳しい基準だということが分かりました。ただ、これらは民間の基準であって、行政の定めた基準ではありません。つまり、欧米の大半の国では、国が義務として定める基準は最低基準であって、理想的な水準としての民間基準が存在しているということになります。  そこで伺います。日本でもそのような民間基準が存在しているのかどうか、また、存在しているとしたら、そういった基準で建築する場合は恐らく国の基準よりも厳しいというふうに思いますので、税制上の優遇なり補助なり、そういったものが措置としてあるのかどうか、教えていただけますでしょうか。
  119. 石田優

    ○政府参考人(石田優君) お答えを申し上げます。  我が国におきましては、税制や財政上の支援措置の要件などとしております高い水準の省エネ性能に関する基準は、民間独自のものはございません。ただ、実際、そういう基準を公共で定めるときには、民間の専門家の方々の知見を生かしながら制定をしてきているところでございます。  具体的には、高い省エネ性能を有する住宅の供給促進に関して、経産省、環境省及び国交省の三省が連携して取り組んでおりますいわゆるZEH、ゼロ・エネルギー・ハウス、この供給に対する財政支援措置を行っておりますが、その支援を行う際のZEHに関する基準についても、学識経験者や関係業界団体などをメンバーといたします委員会において、市場の状況などを踏まえながらその基準の設定を行っております。  また、今回の法律で導入いたしますトップランナーの基準でございますが、これにつきましても、学識経験者や関係業界団体などをメンバーとする委員会において、市場での技術開発の状況などを踏まえて原案を作成いただいた上で制定をしてきているものでございまして、本法案において対象となります注文戸建て住宅や賃貸アパート、これに関する基準についても同様に民間の専門家の方々の知見を生かしながら制定をしたいと考えているところでございます。
  120. 平山佐知子

    ○平山佐知子君 分かりました。  環境に配慮している厳しい基準をクリアしているというところがあれば、やはりこういった、そういう厳しい基準をクリアして建物を建てればこんなメリットがあるとか、広くまた国民にも周知を併せてしていただきたいなというふうに思います。  それから、これまでも皆さんの話の中にも多く出てきましたけれども、私もこれが一番聞きたいことでありますので、伺ってまいりたいと思います。  二〇一六年、建築物のエネルギー消費性能の向上に関する基本的方針の中で、二〇二〇年までに住宅を含む新築建築物について段階的に一定のエネルギー消費性能に関する基準への適合を義務化するという告示を踏まえて、本法律案、本法改正によって三百平方メートル以上の建築物、建物は省エネ基準への適合義務化となります。当初、本法改正によって三百平方メートル未満の建築物、住宅も義務化の方向であったというふうに私は知り合いの住宅会社から伺いました。それがなぜ今回は見送られてしまったのか。  確かに、先ほど来からありますように、新築等の住宅及び小規模建築物については、省エネ基準への適合率、平成二十八年度現在、五七%から六九%と低く、これは市場の混乱は懸念はあるかというふうに思います。しかし、現状が低いからこそ、義務化をすることによって、実際は技術があるのに世界から後れを取っている一般的な住宅の省エネ化、進むというふうに私は考えているんですが、これについてはいかがでしょうか。  また、今回は見送られた三百平方メートル未満の建築物、住宅も今後は義務化される可能性があるのかどうか、これは大臣にお答え願いたいと思います。
  121. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 小規模な建築物、住宅につきましては、省エネ基準への適合率がそれぞれ七五%、六二%と低い水準にとどまっております。  委員御指摘のとおり、こうした省エネ基準への適合率の低い小規模な建築物等を適合義務制度の対象とした場合には適合率を引き上げる効果が大きいと考えられますが、一方で、適合義務制度の対象とした場合に市場の混乱を引き起こすことが懸念をされるところであります。また、関連する事業者に省エネ関連の技術について習熟していない者が相当程度存在しているとの課題もあるところであります。  このため、本法案におきましては、小規模な建築物、住宅は適合義務制度の対象とはせずに、届出義務制度の監督体制の強化、説明義務制度の創設、住宅トップランナー制度の対象拡大等の措置により省エネ性能の向上を図ることとしているところであります。  今後につきましては、まずは本法案に盛り込まれた施策の推進状況を丁寧にフォローアップをいたしまして、適合義務化の対象の拡大を含め、更なる省エネ対策の充実に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。
  122. 平山佐知子

    ○平山佐知子君 ありがとうございます。  最後に、建物の気密性能について伺ってまいります。  建築物の省エネ機能の向上には、断熱性能の強化とともにこの気密性能が重要だというふうに言われています。しかし、この気密性能が日本では余り重要視されていないように思うんです。それは、一九九九年に制定された次世代省エネ基準には気密性能の基準もC値五以下とされていたのに、二〇一三年施行の基準からは削除されています。今回の法律案にも、気密性能に関する記述は見当たりません。気密性能の低い住宅では、幾ら断熱性能を高めたとしても、例えば魔法瓶の蓋を開けて持っているようなものであり、効果は半減してしまうような気がしています。  なぜ我が国には気密性能に関する基準がないのか、また今後検討されていくおつもりはあるのか、教えてください。
  123. 石田優

    ○政府参考人(石田優君) お答えを申し上げます。  省エネ性能向上の目標として設定され、建築物省エネ法に基づきます適合義務制度などにおいて活用されています省エネ基準については、学識経験者や関係団体などをメンバーとする委員会において原案を作成していただいた上で制定をしているところでございます。  委員御指摘ありましたとおり、気密性能に関しましては、住宅の省エネ性能に影響を与える性能の一つであります。平成二十年度までは、省エネ基準の中で、外気の流入につながります隙間の面積、これが床面積に対してどの程度の割合があるかというC値を一定の数値以下とするという規定が盛り込まれたところでございます。  しかしながら、平成二十年度に開催されました先ほどの委員会におきまして、施工技術の向上や使用されます建材、工法の変化、面材が多用されるようになってきたことなどによりまして一定の気密性能の確保が広く一般化してきたということ、また、平成二十年に省エネ法が当時改正されまして、中規模住宅や建築物の届出義務制度が導入されたことに伴いまして、関連事業者が省エネ基準への適否を簡易に判断できるように基準の簡素化を図ることが必要だという指摘があったことから、気密性能に関する規定を削除する改正案がまとめられまして、平成二十一年度にそれまであった気密性能C値が落ちたところでございます。  また、今回の法案の検討の際におきまして、社会資本整備審議会の有識者におきます議論や答申のパブリックコメントなどの意見において、気密性能に関する規定を改めて追加すべきという御意見は特に出てこなかったところでございます。  一方で、住宅の省エネ性能について、設計されたとおりの水準を確保するためには、断熱性能や気密性能などに関する部分についてミスなく施工されることが非常に重要でございます。このため、平成二十四年度から行っております中小工務店などを対象とした講習会においては、省エネ基準の内容を周知することと併せまして、断熱性能や気密性能確保などに関する施工上の留意点、これについても情報提供をさせていただいているところでございます。  今後とも、こうした取組をより一層推進することで、住宅の省エネ性能の確保に努めていきたいと考えております。
  124. 平山佐知子

    ○平山佐知子君 時間が来ましたので、終わります。     ─────────────
  125. 羽田雄一郎

    ○委員長(羽田雄一郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、大沼みずほ君が委員を辞任され、その補欠として堀井巌君が選任されました。     ─────────────
  126. 羽田雄一郎

    ○委員長(羽田雄一郎君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  127. 羽田雄一郎

    ○委員長(羽田雄一郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、青木君から発言を求められておりますので、これを許します。青木愛君。
  128. 青木愛

    ○青木愛君 私は、ただいま可決されました建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲民主党・民友会・希望の会、国民民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会・希望の党、日本共産党及び無所属クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に万全を期すべきである。  一 省エネ基準の適合義務制度の対象の拡大が市場の混乱につながることのないよう、関係政省令等の制定から施行までに十分な準備期間を置いた上で、制度を運用する地方公共団体等の関係機関、関係事業者等に対する制度の周知を徹底すること。  二 届出制度の審査手続の合理化を踏まえ、制度を運用する地方公共団体に指針を示すこと等により、省エネ基準不適合物件への指示・命令等がより的確に行われるよう促すこと。  三 説明義務制度等が円滑に導入されるよう、省エネ基準の簡素化等を進めるとともに、省エネ基準や省エネ改修に関する技術等に係る中小工務店及び建築士等に向けた講習会等の実施を積極的に推進すること。  四 地域の気候風土に対応した伝統的構法による住宅・建築物の建設に支障を与えないよう、省エネ基準の適正化を検討するとともに、伝統的構法による木造住宅等の省エネ性能の向上を引き続き支援すること。  五 地方公共団体が条例により省エネ基準を付加するに当たり、円滑な実施に向け、多様なケースに対応できるよう指針を作成するなど、必要な支援を行うこと。  六 住宅・建築物単体の省エネ性能の向上に併せて、植栽等の建物周辺の緑化を進めることによる省エネ効果に関する調査研究を推進すること。  七 地中熱を活用した冷暖房設備など、現行の省エネ基準では評価手法が確立されていない技術について、適切な評価手法を検討すること。  八 国民に対して、住宅・建築物の省エネ性能の向上の必要性、断熱性能の向上がヒートショックの防止など居住者の健康の維持等に資することの検証結果を含む効果や本法に盛り込まれた制度等の内容を分かりやすく説明し、本法が円滑に施行される環境を整備すること。  九 建築物における熱の放出及び流入は、その多くが開口部を通じて行われることから、建築物の省エネ性能向上のため、木製サッシの活用推進を図るなど、窓枠に係る断熱性能の向上を進めること。  十 既存の住宅・建築物の省エネ改修を更に促進するため、住宅事業者による、省エネ性能に関する情報の積極的な提供を促すこと等により、建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)等の更なる普及を促進し、省エネ性能に優れた住宅が市場において適切に評価される環境を整備するとともに、既存ストックの更なる性能向上に向け、新技術・工法の開発支援に係る措置及び財政・税制上の支援措置を講ずること。  十一 パリ協定を踏まえた温室効果ガス排出量に係る住宅・建築物分野の二〇三〇年度の目標達成に向けて、本法に盛り込まれた措置を的確に実施し、その効果等を丁寧にフォローアップすること。また、二〇五〇年までに八〇%の温室効果ガスの削減を目指すという長期的目標の達成に向けて、戸建住宅を含むすべての住宅・建築物の省エネ対策の充実に向けた検討に引き続き取り組むこと。  十二 省エネ施工等に係る不正が見逃されることのないよう、関係機関等と連携し、審査及び監督の充実に必要な対策を講ずること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  129. 羽田雄一郎

    ○委員長(羽田雄一郎君) ただいま青木君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  130. 羽田雄一郎

    ○委員長(羽田雄一郎君) 全会一致と認めます。よって、青木君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、石井国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。石井国土交通大臣。
  131. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって可決されましたことに深く感謝申し上げます。  今後、審議中における委員各位の御意見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。  ここに、委員長を始め理事の皆様方、また委員の皆様方の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表します。  誠にありがとうございました。
  132. 羽田雄一郎

    ○委員長(羽田雄一郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  133. 羽田雄一郎

    ○委員長(羽田雄一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十八分散会