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2019-03-12 第198回国会 参議院 国土交通委員会 2号 公式Web版

  1. 平成三十一年三月十二日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  三月七日     辞任         補欠選任      青山 繁晴君     金子原二郎君      大野 泰正君     高橋 克法君      馬場 成志君     吉田 博美君  三月十二日     辞任         補欠選任      吉田 博美君     石井 浩郎君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         羽田雄一郎君     理 事                 井上 義行君                 酒井 庸行君                 中泉 松司君                 青木  愛君                 三浦 信祐君     委 員                 足立 敏之君                 阿達 雅志君                 朝日健太郎君                 石井 浩郎君                 末松 信介君                 塚田 一郎君                 中野 正志君                 牧野たかお君                 野田 国義君                 舟山 康江君                 増子 輝彦君                 魚住裕一郎君                 矢倉 克夫君                 行田 邦子君                 室井 邦彦君                 山添  拓君                 平山佐知子君    国務大臣        国土交通大臣   石井 啓一君    副大臣        国土交通副大臣  大塚 高司君        国土交通副大臣  塚田 一郎君    大臣政務官        国土交通大臣政        務官       工藤 彰三君        国土交通大臣政        務官       田中 英之君        国土交通大臣政        務官       阿達 雅志君    事務局側        常任委員会専門        員        林  浩之君    政府参考人        内閣官房国土強        靱化推進室次長  山田 邦博君        内閣府大臣官房        審議官      黒田 岳士君        法務大臣官房審        議官       石岡 邦章君        外務大臣官房審        議官       石川 浩司君        外務大臣官房審        議官       桑原  進君        文部科学大臣官        房審議官     岡村 直子君        厚生労働大臣官        房生活衛生・食        品安全審議官   宮嵜 雅則君        厚生労働大臣官        房審議官     松本 貴久君        林野庁森林整備        部長       織田  央君        国土交通大臣官        房長       藤井 直樹君        国土交通大臣官        房政策立案総括        審議官      青柳 一郎君        国土交通大臣官        房技術審議官   五道 仁実君        国土交通省総合        政策局長     栗田 卓也君        国土交通省土地        ・建設産業局長  野村 正史君        国土交通省都市        局長       青木 由行君        国土交通省水管        理・国土保全局        長        塚原 浩一君        国土交通省道路        局長       池田 豊人君        国土交通省住宅        局長       石田  優君        国土交通省鉄道        局長       蒲生 篤実君        国土交通省自動        車局長      奥田 哲也君        国土交通省港湾        局長       下司 弘之君        国土交通省航空        局長       蝦名 邦晴君        国土交通省政策        統括官      山口 敏彦君        国土交通省国際        統括官      岡西 康博君        観光庁長官    田端  浩君        気象庁長官    橋田 俊彦君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○国土の整備、交通政策の推進等に関する調査  (国土交通行政の基本施策に関する件)     ─────────────
  2. 羽田雄一郎

    ○委員長(羽田雄一郎君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る七日、馬場成志君、青山繁晴君及び大野泰正君が委員を辞任され、その補欠として吉田博美君、金子原二郎君及び高橋克法君が選任されました。     ─────────────
  3. 羽田雄一郎

    ○委員長(羽田雄一郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  国土の整備、交通政策の推進等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議どおり、内閣官房国土強靱化推進室次長山田邦博君外二十五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 羽田雄一郎

    ○委員長(羽田雄一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 羽田雄一郎

    ○委員長(羽田雄一郎君) 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査を議題とし、国土交通行政の基本施策に関する件について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  6. 足立敏之

    ○足立敏之君 自由民主党の足立敏之でございます。  昨日、三月十一日、東日本大震災から八年を迎えました。犠牲になられた皆様の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、被害に遭われた皆様、そして現在も避難を続けておられる皆様方にお見舞いを申し上げます。  また、発災時には、昼夜を分かたず頑張っていただきました国土交通省、とりわけ東北地方整備局の皆さん、テックフォースとして派遣された各整備局の皆さん、さらには、警察、消防、自衛隊のみならず、現場の第一線で頑張っていただいた建設産業界の皆様方など、全力で復旧復興に当たられた全ての皆様に心から敬意を表したいと思います。  さて、本日は、石井大臣の所信演説に対しまして質問の機会を与えていただきました。感謝を申し上げます。私は、何度も申し上げておりますが、国土交通省、建設省で長らく勤務をいたしまして、インフラ整備だとか防災、災害対応、あるいは建設産業の諸課題、こういったものへの対応について取り組んでまいりました。そうした経験を踏まえまして本日は質問をさせていただきたいと思います。  昨年は、大阪府の北部地震、西日本の豪雨災害、台風二十一号の災害、北海道胆振東部地震など、自然災害が大変多い年でありました。また、近年、お手元の資料一でございますけれども、これにお示ししましたように、毎年、歴史に残るような大災害が発生をしています。まさに、我が国の国土の脆弱性を思い知らされるような状況であります。  私は、国会議員になって以降、大きな災害が発生するたびに現地に赴きまして、それを基に国会質問をさせてきております。本日は、北海道胆振東部地震について質問をさせていただきたいと思います。  北海道胆振東部地震、胆振東部地域では、昨年の九月の六日、厚真町で震度七、安平町、むかわ町で震度六強の地震が発生し、厚真町を中心に大規模な土砂災害が発生して四十二人の方々が犠牲になられました。心から御冥福をお祈り申し上げます。  この地域では、資料の二でございますけれども、豪雨の際の土砂災害が谷の部分を中心とするのとは大きく異なりまして、地震によりまして山地部の至る所で大規模な土砂崩れが発生しています。茶色くなっているところが土砂災害の場所でございます。  次の資料三のとおり、集落をのみ込み、新設したばかりの浄水場にも大きな被害を発生しました。  また、次の資料四でございますけれども、札幌市の清田区では、液状化によりまして道路や公園が二メーター以上陥没するような被害も発生してございます。また、ブラックアウトなどの新たな深刻な問題も生じました。  北海道胆振東部地震で発生した土砂の崩壊、液状化の規模は非常に大きく、復旧復興は大変難しい問題だと現地を調査して感じております。被災した集落や地域をどのように再生していくのか、大きな課題であるというふうに考えています。  北海道胆振東部地震の現在の復旧復興状況について、水管理・国土保全局にお伺いをいたします。
  7. 塚原浩一

    ○政府参考人(塚原浩一君) お答え申し上げます。  国土交通省といたしましては、この北海道胆振東部地震におけます被災自治体が早期に災害復旧事業に着手できますよう復旧工法の指導、助言や災害査定の効率化等の支援を行い、全ての災害査定が完了しております。また、厚真町などで発生いたしました土砂災害につきましては、林野庁と連携して対策を講じており、特に人家や水道施設が被災した富里地区等の被災箇所は、既に国や北海道による災害関連緊急砂防事業等により工事に着手をしているところでございます。  地震で大きな被害を受けました厚真町などの自治体におきましては、復旧復興に向けた国、北海道、自治体による現地の調整会議を開催するなどいたしまして、早期の復旧や今後の復興、町の再生などに向けた取組を進めているところでございます。また、札幌市里塚地区の液状化による宅地被害などにつきましては、来年度の工事着工に向けまして、地方公共団体において交付金等により調査や対策工法の検討が行われているところでございます。  国土交通省といたしましては、今後とも、北海道や自治体などと連携した被災地域の早期の復旧復興及び国土強靱化を推進し、被災地域の再生に向けた可能な支援を行ってまいります。  以上でございます。
  8. 足立敏之

    ○足立敏之君 被災した地域や町がしっかり再生できるように、復旧復興に取り組んでいただきたいと思います。  さて、毎年発生している大規模な災害を考えますと、これは公共投資をおろそかにしてきたツケが如実に現れ始めているのではないかというふうに思います。  資料五でございますけれども、日本の公共投資は財政再建の名の下に平成十年をピークに減少を続け、新規事業の着手がおろそかになったり維持管理やメンテナンスが不十分になったり、大きな影響を生じてきました。公共投資が削減されてきた期間は、日本経済が停滞した失われた二十年と符合をいたします。  一方、諸外国は、資料六でございますが、着実に公共投資を続けています。  また、資料七でございますが、諸外国が経済成長を続けたのに対して、日本は公共事業を半減させて、GDPも先進国で唯一この二十年間で減少をさせています。そのツケで、日本は非常に脆弱な国になったり、インフラについても二流、三流の後進国になってしまったのではないかというふうに思っています。  その結果、港湾、空港、高速道路など、大変大事な交通インフラが国際競争力を失ってしまい、生産力の低い国土となっているというふうに思います。資料八、資料九にお示ししてございますけれども、大変交通インフラも脆弱なインフラとなってしまっています。  また、資料十のとおりでございますが、地球温暖化に伴う気候変動によりまして災害リスクが高まる中、まさに災害の頻発する脆弱な国土になっているというふうに思います。  ここで大きくかじを切って、事前の防災対策にしっかり投資をして、日本を強靱な国に、そしてインフラも一流のレベルに取り戻していく必要があるというふうに考えています。そうした観点では、昨年相次いだ自然災害を教訓としまして、安倍総理が全国的に重要インフラの緊急点検を指示され、その結果、十二月七日に防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策を閣議決定し、大臣所信でも触れておられましたけれども、三か年でおおむね七兆円規模の緊急対策を行うようになったことや財政投融資を活用した高速道路の四車線化を決定したことなどについては一定の評価をしたいというふうに思います。  この三年間で取り組まれる緊急対策は具体的にどのようなものか、国土強靱化推進室にお伺いをいたします。
  9. 山田邦博

    ○政府参考人(山田邦博君) お答えをいたします。  昨年、平成三十年七月豪雨あるいは北海道胆振東部地震など大規模な災害が相次いで発生をいたしました。このため、昨年末、人命を守る、又は国民経済、国民生活を守るため、重要なインフラがあらゆる災害に際してその機能を維持できるよう、関係府省庁において、市町村を含む施設管理者等と連携を取りながら全国で重要インフラの緊急点検を行ったところでございます。  その結果などを踏まえ、財政投融資の活用を含めて事業規模がおおむね七兆円程度の防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策を取りまとめました。この三か年緊急対策に必要な経費について、初年度の対策として、速やかに着手すべきものを今年度補正予算に計上するとともに、来年度予算案においても通常の国土強靱化関係予算とは別枠、上乗せで計上したところでございます。  三か年緊急対策は、自然災害が発生した際に、国民の生命、財産を守るとともに、国民の生活、経済に欠かせない重要なインフラの機能を維持するため、全国各地の災害のリスクを低減する河道掘削、樹木伐採、道路のり面の対策などの特に緊急に実施すべき百六十項目の対策を実施するものでございます。これにより、災害時に全国各地の重要インフラ等がその機能を維持できるよう三年間集中で着実かつ迅速に対策を実施し、災害に強い国づくり、国土強靱化を進めてまいりたいと考えてございます。
  10. 足立敏之

    ○足立敏之君 予算を上乗せで確保していただいたことにつきましては、本当にありがとうございます。しっかりと取り組んでいただきたいというふうに思います。  なお、防災・減災、国土強靱化は三年で終わるようなものではありません。継続的で計画的な投資が必要ですので、是非ともよろしくお願いしたいと思います。  なお、資料の十一を御覧いただきたいんですけれども、建設国債によりまして公共事業予算を確保しようとすると、後世へのツケ回しと批判する人がいらっしゃいます。そうしたことはない、そういうふうに思っております。防災への投資を怠ること自体が災害復旧のための後年度負担を生み続けるということになりますので、まさに投資をしないことが後世へのツケ回しすることになる、そういうふうに考えています。そうしたことに備えるのがまさに国の責務であります。よろしくお願いしたいと思います。  さて、災害復旧事業や緊急対策により事業量が確保されることは大変有り難いんですけれども、我が国では少子高齢化が進み、担い手不足、人手不足が問題になっています。建設業界でも人手不足を懸念する声があります。確かに、オリンピック・パラリンピックを迎える東京では建築の需要が非常に大きくなっておりますし、大規模な災害の発生した地域では人手不足の傾向が指摘されています。  しかし、私が地方に赴きまして建設産業の方々のお話を聞くと、資料十二にお示しをしましたが、地域によるんですけれども、人手不足よりもまだまだ仕事不足なんだというふうにおっしゃられる地域の声もたくさん聞いています。この点につきまして国土交通省としてどのように認識しているのか、お伺いをいたしたいと思います。
  11. 野村正史

    ○政府参考人(野村正史君) お答えをいたします。  まず、建設業の現場の状況でございますけれども、大規模な災害からの復旧復興工事が続いている中国地方や北海道地方、あるいは建設投資の旺盛な都市部など人手不足感が強い地域もございますが、全国的に見れば足下では工事の施工を担う人手はおおむね確保できる状況にあると認識しております。  また、事業量につきましては、委員の御指摘にもありました、例えばオリンピック関連工事などにより建設需要の大きい東京都などでは増えているところも見られますが、一方で、工事の分野や地域によっては、大型プロジェクトの終了や復旧復興事業のピークアウト等により御指摘のとおり仕事が不足しているとの声もあるものと承知をしております。
  12. 足立敏之

    ○足立敏之君 ありがとうございます。  いつどこで発生するか分からない自然災害に対して、地域の守り手である建設業がいつでもどこでも持続的に活躍できるようにしておくことが大事だというふうに思います。このため、全国各地で一定の仕事量を確保するということが大事であり、三か年緊急対策後も、公共事業予算を現行の六兆円規模ではなくて七・五兆あるいは八兆円規模で確保する必要があるというふうに考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  先ほどお話をしました緊急対策のメニューの中には、大臣が所信の中でも述べられました地域企業の活用、こういったものに見合うといいますか、こういったことが期待される河川の樹木伐採あるいは河床掘削といった地方の中小建設業が担うべきメニューがたくさん含まれているというふうに思います。しかし、自治体の入札契約は、予定価格が低く見積もられていたり工期が短く設定されていたり、必ずしも適正なものとなっていないのが実情でございます。  このため、国の直轄事業が範を示して、円滑な事業実施に向けて入札契約手続の適正化や施工時期の平準化など先導的な取組を実施し、都道府県、市町村を是非リードしていただきたいというふうに考えます。  国土交通省の直轄事業として入札契約面でどのような取組を現在されているのか、お伺いをいたします。
  13. 五道仁実

    ○政府参考人(五道仁実君) お答え申し上げます。  国土交通省といたしましては、これまでも公共事業の円滑な施工を確保するため、直轄事業において、債務負担行為の活用や余裕期間の設定などによる施工時期の平準化、各発注機関の発注見通しの統合、公表、地域の実情に応じた適切な規模での発注、市場の実勢を反映した設計労務単価の改定、建設工事における適正な工期設定など、多岐にわたる施策を講じてまいりました。  また、地方公共団体に対しましても、総務省と連名で円滑な施工確保の取組を要請してきたところでございます。加えて、平成三十年度第二次補正予算の成立に合わせて、より一層の対応として、調達環境の厳しい工種や建設資材における見積りを積極的に活用した予定価格の設定、柔軟な工期設定に向けた余裕期間制度の活用の原則化などの対策を講ずることとしたところでございます。  国土交通省といたしましては、業界団体と意見交換を行い、直轄事業を率先して円滑な施工確保対策に取り組んでまいります。また、地方公共団体に対しては、地域発注者協議会を始めとした様々な場面を通じて働きかけるとともに、公共工事品質確保法運用指針に関する相談窓口等の場も活用して支援をしてまいります。
  14. 足立敏之

    ○足立敏之君 ありがとうございます。  直轄事業が、今お話がありましたとおり、先導的な役割を果たしてそれを地方自治体に波及させていく、この取組が非常に大事だというふうに思っております。是非とも国土交通省の御尽力をよろしくお願いしたいと思います。  それでは、最後になりましたけれども、我が国の大切な地域の守り手であり、インフラ整備のあるいは維持管理の担い手でもある建設産業が今後とも持続的に発展していける環境を整えることが重要と考えますけれども、国土交通大臣の御決意をお伺いしたいと思います。
  15. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 建設業が今後も社会資本整備の担い手であると同時に地域の守り手としての役割を果たしていくためには、安定的、持続的な公共事業予算の確保が重要と認識をしております。  国土交通省では、平成三十一年度当初予算におきまして、防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策に対応するための臨時特別の措置も合わせて五兆九千六百六十三億円の公共事業関係費を確保しております。あわせて、公共工事品確法に基づきまして、施工業者が適正な利潤を確保できるよう、予定価格の適正な設定、ダンピング対策、適切な設計変更等に取り組んでいるところであります。さらに、建設業の担い手確保のために喫緊の課題であります働き方改革の促進と生産性の向上のために、建設業法及び入札契約適正化法の改正案を今国会に提出するよう準備を進めているところであります。  引き続き、建設業が持続的に活躍できる環境を整えていけるよう取り組んでまいりたいと考えております。
  16. 足立敏之

    ○足立敏之君 今、大臣から建設業法改正のお話がございました。私ども自民党でも、それと併せまして、品確法の一部改正、これを議員立法で行いたいということで検討を進めているところでございます。  今後とも、国土交通省としっかり連携し、野党の先生方の御協力、御支援もいただき、建設産業の環境改善のため、様々な施策を進めてまいりますので、よろしくお願いしたいと思います。  建設産業の発展なくして日本の発展なし。国土交通大臣のリーダーシップで建設産業が持続的に発展していけるようお願いを申し上げ、私の方からの御質問を終わりたいと思います。  どうもありがとうございました。
  17. 野田国義

    ○野田国義君 おはようございます。立憲民主党の野田国義でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  私からも、昨日であの東日本大震災から八年ということでございまして、犠牲になられた方々、改めてお見舞いを申し上げたいと思います。  そして、あの大震災からいろいろなことが学ばなくてはいけないなということを改めて感じたところでございます。地震、津波、そして原発の問題等々、しっかりと学びながら今後の日本の国土づくりに生かしていくということが必要ではなかろうかと思っているところでございます。  そこで、質問をさせていただきます。  まず、レオパレス問題でございますけれども、千三百二十四棟ですか、それから戸数にいたしますと約二万戸というようなことで会社側が発表をしておると。そして、今、引き続きまだ調査もされているようでございますけれども、私もこのレオパレスさんにも何度かお世話になったこともあるものですから、ああ、そういうことだったのかなという思いもしながら、このことが発覚したから興味深く思っているところでございますけれども。  まず、発生原因について、何といいますか、設計図はちゃんとできている、しかし、結局、施工の段階でというような状況のようでございます。それから、再三テレビ等でも放映されておりますけれども、居住者、まず居住者が本当にいきなり引っ越ししてくれというようなことを言われておるということでございますが、これから本当に引っ越しシーズンが、年度が替わるということで困っておられると。引っ越し業者が見付かるのかというような大きな問題もあろうかと思っております。  それから、オーナーであります所有者ですね。この所有者においては、本当に悲惨というか、借金だけ払って、これからどうしたらいいのかと路頭に迷っているような状況であるというようなことだと思っているところでございまして、こういった方々に大きな損害を与えているというか、恐らくこれ、この事件で、なかなか新しい入居者を募集しても厳しくなっていくんじゃなかろうかというようなことも想像ができるということでございます。  そして、もう一点は、このレオパレスがこういうことで、ハウスメーカーの方で出てきたということになりますと、他のハウスメーカー等も同じようなことをやっているんじゃないかと、恐らく国民の皆さんはそういった不安に駆られているのではなかろうかと思っているところでございますけれども、このレオパレス問題について、国交省としてどう捉えて、そしてどういう対策を講じていこうということなのかということで、まずお聞きしたいと思います。
  18. 石田優

    ○政府参考人(石田優君) お答えをさせていただきます。  レオパレス21に関しまして、昨年の四月、五月に公表された事案に加えて、本年二月七日に、界壁、外壁及び天井の不備が一千三百二十四棟で新たに明らかになったことは誠に遺憾でございます。  まず、発生原因につきましては、レオパレス21におきましても今後究明を行っていくとしておりますが、国交省としては同社に対して第三者性が確保された形で究明を行うよう求めてきたところであり、その結果、先日、弁護士から成る調査委員会を設置する旨発表があったところでございます。  また、国に設置しました有識者委員会の委員の意見を踏まえまして、調査事項をレオパレス21に提示をしております。三月十八日までの報告を求めているところでございます。当該報告内容や同社の調査委員会の究明結果につきましては、国の外部有識者委員会で検証を行いたいと考えております。  また、入居者や所有者への対応につきましては、基準への不適合が明らかとなった物件の所有者及び居住者への丁寧な説明を行うこと、不備が判明していますシリーズについて早期に全棟の調査を完了し、この夏前の全棟改修を完了することなどをレオパレス21に求めているところでございます。  さらに、他の事業者に対する調査につきましては、多数の賃貸共同住宅を供給している事業者における状況を確認いたしますとともに、再発防止策の検討にも生かしていくため、実施する必要があると考えております。どのような調査を行うべきか、この三月十四日に開催を予定しております国の外部有識者委員会にお諮りをし、委員会でいただいた意見を踏まえて必要な調査を行いたいと考えているところでございます。
  19. 野田国義

    ○野田国義君 ありがとうございました。  先ほどから私も言わせていただきましたように、本当にこれは非常に不安を居住者、所有者の方々、お持ちだと思いますので、的確な指導をお願いをしたいと思うところでございます。  もう一つちょっと付け加えさせていただくなら、どうもこの一連の見ていると組織的なものが考えられるということだと思うんですね。ですから、このことも含めて、トップの方、知らなかったと、上層部はですね、そんなことも言っておられるようでございますけれども、どうもこれ見てみると組織的なものが根底にはあるのではないかと思わざるを得ませんので、その辺りのところも十分調査をお願いをしたいと思います。  それから、基幹統計調査についてお伺いをさせていただきたいと思っております。  まず、毎月勤労統計、厚生労働省の再集計で新たに支出が百九十五億ですか、それから、その対象者が二千十五万人というような数字が出てきて、再三衆議院の予算委員会あるいは参議院の予算委員会等でも問題になってきているところでございますし、また、来年の予算の閣議決定をしたのに、前代未聞だと思いますけれども、やり直しを来年度予算案したというようなことまで起こったということでございますけれども、石井大臣、このことについて、まず、この統計調査全般についてどのような御感想をお持ちなのか。  本当に、昨年は財務省の決裁文書が改ざんされた、何を信じたらいいのかと。行政こそが、信なくば立たずじゃありませんけれども、信じていかなくてはいけないのに信じられないと。またここで統計調査が今年出てきて、本当に何を信じていいのかというような国民の思いだと思っているところでございますけれども、国交大臣としてどうお考えになるのか、考えをお聞きしたいと思います。
  20. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) まず、毎月勤労統計につきましては、これは国土交通省の所管ではございませんので答弁は控えさせていただきたいと思います。  その上で、今般の基幹統計の点検におきまして、国土交通省所管の九つの基幹統計のうち七つの統計で是正すべき課題がございました。これについては極めて遺憾と思っております。  その内容について申し上げますと、報告者の誤った記載、誤記載を発見できずに公表したデータの修正を行ったもの、調査計画や調査要綱における集計・公表項目と実態が違っていたもの、一部の都道府県における標本の抽出の手順が相違していたもの及び標本の抽出方法を示す告示について必要な修正が行われていなかったもの、公表の期日が遅れていたもの、公表方法の変更に際しまして調査計画の修正を行っていなかったものであります。  内容について見ますと、長年にわたり適切な是正がなされていなかった案件が見受けられまして、これは、統計担当部局において前例に従った業務執行に疑問を抱かず、根拠となる調査計画等との整合性のチェックを怠っていたものと言わざるを得ません。  再発防止のためには、まずは統計担当部局において不断の点検を行うことが必要と思いますが、今般、総務省の統計委員会に点検検証部会が設置をされまして、六、七月までに再発防止策等を取りまとめることとされておりますので、国土交通省といたしましても、これを踏まえて適切に対応いたしまして、より良い統計行政の執行と信頼の回復に取り組んでまいりたいと考えております。
  21. 野田国義

    ○野田国義君 国土交通省関係にもおいて、今大臣が御答弁なされましたように、九つのうち七つでそういった不正というか、があったということでございまして、これは非常に問題だと思いますので、ひとつ緊張感を持ってしっかり今後対応をしていただきたいとお願いをしたいと思っております。  それから、毎月勤労統計の方なんですが、本当に何か今外国からも、この統計すら日本はちゃんとできていないということ、非常に何か評価が下がっているということであります。まず、実質賃金が上がったのか下がったのかとか、そういうこと自体がはっきり言えないと、政府側がですね、これはちょっとおかしいんじゃなかろうかなと思いますので、そういうことも含めて、やっぱりこの基幹統計がしっかりといく、この基幹統計を見て指針、今後のですね、経済対策など恐らくやっていかれる最大のこれは資料になっていくものだと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。  それから、国交省関連来年度予算、手元に渡されましたので、私も中身を見たところでございます。先ほど足立委員の方から話ございましたように、防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策というようなことも盛り込まれているようでございますけれども、大体公共工事関係で六兆ですか、それに今言いました三か年緊急対策が上積みをされているということ、そしてまた、来年度の一般会計は初めて百兆を超えるというような規模になっているわけでございますけれども、国土交通関連でいいと思いますけれども、公共事業関係費のなぜ増になったのか、その中身のところを少しお話をいただければと思います。
  22. 藤井直樹

    ○政府参考人(藤井直樹君) お答えをいたします。  平成三十一年度当初予算案における国土交通省関係の公共事業関係費につきましては、対前年度比一五%増の五兆九千六百六十三億円となっているところでございます。昨年度に比べた主な増額要因としましては、防災・減災、国土強靱化のための緊急対策に要する経費、この経費として七千百五十三億円を計上している、これが主な要因として挙げられると考えております。
  23. 野田国義

    ○野田国義君 しっかり無駄がないようにしていくということ、このことが私は大切なことであろうと思っているところでございます。  そこで、いわゆるこの防災・減災、国土強靱化の中の恐らく重要項目にもなろうかと思いますけれども、いわゆる将来増大が見込まれる維持管理費、費用ですね、予算等どうなっていくのかということをお聞きをしたいと思っているところでございます。  二十五年度ですか、予防保全という考え方に変わって、その予備的な保全をしていくというようなことがおやりになっているような状況であるということでございますけれども、この予防的な補修実施を、その中身を少し見てみますと、補修には今後三十年間で何と百九十五億ですか、国土交通省も試算されているようでございますけれども、百九十五兆円掛かるというような試算がなされております。これを三十年で割れば一年間分のいわゆる予算になるんですよね。  ですから、私はかねがね言っておるんですけれども、ここで質問もさせていただきました。私も首長経験者でしたので庁舎のことがずっと心配になっておったところでございまして、どうしても、選挙がある関係かもしれませんけれども、後になってしまうんですね、庁舎の耐震とか建て替えというのは。そうしましたら、熊本地震でそれがもろに出てしまったと。そういった地震の拠点になるはずだったけれども、その中に入れない、庁舎の中に入れないと。そういう視察を恐らく皆さんもされたと思いますけれども、そういう状況であったわけでございまして、私はこの非常に老朽化されたものをどう生かしていくかということが一番大切なのじゃないのかなと思っているところでございますが、この点について、将来増大が見込まれるこの維持管理費、このことについてどう試算をし、考えておられるのかということでお聞きしたいと思います。
  24. 栗田卓也

    ○政府参考人(栗田卓也君) 高度経済成長期以降に整備しましたインフラの老朽化が進んでおりまして、例えば道路橋では十五年後には建設後五十年以上経過したものが六割を超えるという状況にございます。こうした状況を踏まえまして、様々な対策を講じることで維持管理費用の増大を抑えることが極めて重要と考えております。  昨年十一月に、国土交通省が所管するインフラを対象としまして、今後三十年後までの維持管理・更新費の推計を実施しました。インフラに不具合が生じてから対策を行う事後保全の場合、一年当たりの費用は三十年後には二〇一八年度の約二・四倍となる見込みとなりました。  一方、不具合が生じる前に対策を行う予防保全の取組、これ委員にお触れいただいたことでございます。これ例えば、橋梁のコンクリート床版でコンクリートの表面にひび割れが生じた段階で炭素繊維シートを張り付け、ひび割れの拡大を防ぐ、こういったことで損傷が軽微な段階での補修によって次の更新までの期間を延ばすことで大きな費用削減効果が期待できます。こうした予防保全の取組を基本とした場合には、今後三十年間の費用の合計は約百八十兆円から百九十兆円となりまして、一年当たりの費用は三十年後には事後保全の場合と比べ約五割減少、二〇一八年度の約一・三倍に抑えられる見込みと、こういう推計となっております。  国土交通省としまして、今回の推計結果も踏まえ、予防保全の取組を進めますとともに、新技術の開発、導入などによるトータルコストの縮減、平準化を図りまして、実効的なインフラの維持管理の実現に努めてまいりたいと考えております。  また、インフラの大部分を管理している地方公共団体に対しましては、ドローンなどを活用した効率的な点検、診断のための新技術の開発、現場実装を促進するなどの技術的支援、あるいは防災・安全交付金などの財政的支援を引き続き行ってまいりたいというように考えているところでございます。
  25. 野田国義

    ○野田国義君 ありがとうございました。  私、思うんです。新しいものを造る、このことも大切なのかも分かりません。しかしながら、そのできているものをどう長寿命化するとかやっておかないと、また後で大きなツケが来るということ、これ非常に大きな問題じゃないのかなと。  よく仕事でスクラップ・アンド・ビルドだと言いますけれども、この社会資本はなかなかビルドはできてもスクラップができないんですよね。ずっと積み上がっていくんです、新しい橋や道路を造っている、トンネル造ったとしても。なかなかスクラップしたところって聞きませんよね、田舎が通行量が減ったから、過疎地、減ったからトンネルをスクラップしたとか道路をスクラップしたとかですね。そんなことは聞けませんので、私は非常にこのところが重要な公共工事にとって問題だと思いますので、是非ともその対策を講じながら、ここの、日本の国土保全ということでしっかりやっていただきたいと、このことを要望させていただきたいと思います。  それから、四番目でございますが、これ、いつの新聞だったでしょうかね、びっくりいたしましたけれども、いわゆる旧耐震基準のまま大型の建築物ですか、全国に約一万棟あるそうでございますけれども、そのうち八百五十八棟が震度六以上の地震で倒壊、崩壊する危険性があると、そしてまだ五割強が改修計画を策定をしていないということ。  地方自治体のいろいろ空き家とかそういう問題等もこの委員会で論議をしてきたところでございますが、この大型の建築物、これも本当に大変だなと。今後の対策をしっかり講じていかないと地震等に対応できないということだと思いますけれども、このことについて国交省としてどうお考えになっているかということでお聞きしたいと思います。
  26. 石田優

    ○政府参考人(石田優君) お答えさせていただきます。  平成二十五年の耐震改修促進法の改正によりまして、病院、店舗、旅館などの不特定多数の方が利用される建物や学校、老人ホーム等の避難弱者が利用する建物のうちで大規模なものにつきましては、耐震の診断とその結果の所管行政庁への報告が義務付けられております。これまでに公表されました約一万九百棟のうち、震度六強以上の地震で倒壊、崩壊する危険性がある又は危険性が高いと診断されるなど懸念のある建築物は全国で約一千八百棟であり、診断対象になりましたもののうち約一七%でございました。  こうした建築物の耐震化を促進いたしますため、耐震診断が義務付けられた大規模建築物につきましては、耐震改修に対する補助率を引き上げますなど重点的な支援をさせていただいているところでございます。  今後とも、関係します公共団体と緊密な連携を図りながら、建築物の耐震化の促進に努めてまいりたいと考えております。
  27. 野田国義

    ○野田国義君 このことも一番はやっぱり予算ですよね。結局、予算がないからできないんだという話になると思いますので、今言っていただきましたように、しっかりと支援策も含めて対策を講じていただきたいと、このことも要望させていただきたいと思います。  最後になりますけれども、下関北九州道路でございますけれども、私もこれは必要なインフラじゃなかろうかと思っているところでございまして、これはもう与野党なしに北九州の方々も必要だと、また下関の方々も山口の方々もおっしゃっているというような状況であろうと思っておりますけれども、これまでの経緯と、今後、国の方に何か今度移っていくというような報告も受けたところでございますけれども、どのような方向性なのかということでお聞きしたいと思います。
  28. 池田豊人

    ○政府参考人(池田豊人君) 関門海峡につきましては、関門トンネルと関門橋の二つの道路で連絡されております。関門トンネルを含む国道二号及び三号については慢性的な渋滞が発生をしております。また、平成三十年七月豪雨におきましても、関門橋から続きます九州側の高速道路が四日間通行止めになりまして、本州と九州の間の広域的な交通に支障が生じたところであります。  これらの観点から、下関北九州道路の早期実現に向けまして、平成二十九年より、福岡県、山口県、北九州市などによりまして、道路のルートや構造、整備手法についての調査が実施されておりまして、去る三月八日には下関北九州道路調査検討会が開催され、調査検討の取りまとめがされたものと承知をしております。  今後、この地方公共団体によります調査結果を踏まえまして、国としての対応を検討してまいりたいと考えております。
  29. 野田国義

    ○野田国義君 もう時間が来ましたので、終わります。どうもありがとうございました。
  30. 青木愛

    ○青木愛君 国民民主党・新緑風会の青木愛です。  私も、災害対策からお伺いをさせていただきたいと思います。  近年、気候変動によります気象災害が激甚化及び頻発化しております。また、首都直下地震や南海トラフ地震に対する警告も発せられております。  昨日は三月十一日、東日本大震災が発生してからちょうど八年が過ぎましたが、去る二月二十六日に政府が発表いたしました、青森県東方沖から房総沖にかけての日本海溝沿いで今後三十年以内にマグニチュード七クラスの大きな地震が九〇%の確率で起こると発表されました。八年前にあれだけの被害を出しました超巨大地震でありますので、もう当分の間はないだろうと思っておりましたけれども、この度の政府の発表、大変驚きました。  異常気象、また巨大地震から国民の命と財産を守るというのは国の最も重要な使命であることは当然のことでありますが、そのための最も基本的なインフラを提供する、その責務を担っておられる国土交通省の大臣として、震災から八年を迎えまして、また今後に向けた御決意をまずお伺いをさせていただきたいと思います。
  31. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 昨日、東日本大震災の発生から八年になりました。生活に密着したインフラの復旧はおおむね終了しておりまして、住宅再建・復興まちづくりにつきましても、災害公営住宅と高台移転の整備が今年度末まででおおむね完了いたします。これらにつきまして、復興・創生期間内の完了を目指し、着実に取組を進めるとともに、持続可能な地域公共交通網の形成等、ソフト面での支援にもしっかりと取り組んでまいります。  また、観光の復興につきましては、二〇一八年の東北六県の外国人宿泊者数は、震災前の約二・四倍の約百二十万人泊となっております。二〇二〇年に百五十万人泊にするという目標の実現に向けまして、各県の状況に応じてきめ細かく丁寧に取り組んでまいります。  十年間の復興期間も残り二年となります。三月八日には、復興・創生期間における東日本大震災からの復興の基本方針の見直しが閣議決定をされたところであり、引き続き、復興の総仕上げに向け、国土交通省の総力を挙げ、被災者の皆様のお気持ちに寄り添いながら取組を進めてまいりたいと考えております。
  32. 青木愛

    ○青木愛君 ありがとうございます。  それでは、この二月二十六日に政府が発表しました青森県の東方沖から房総沖にかけての日本海溝沿い、今後三十年以内にマグニチュード七クラスの大きな地震が起きるということなんですが、その内容についてもう少し詳しくお聞かせいただければと思います。
  33. 岡村直子

    ○政府参考人(岡村直子君) お答えさせていただきます。  地震調査研究推進本部の地震調査委員会では、将来発生する可能性のある地震の場所、規模、確率について、例えば今後三十年以内といった長期評価を実施しており、二月二十六日に、日本海溝沿いで発生する地震活動について公表いたしました。  今回の評価においては、平成二十三年に東日本大震災を引き起こした東北地方太平洋沖地震後に得た新たな知見を取り込み、評価した結果、マグニチュード九程度の超巨大地震が今後三十年以内に発生する確率はほぼ〇%、マグニチュード七から八程度の地震につきましては、青森県東方沖及び岩手県沖北部のマグニチュード七・九程度の規模のプレート間巨大地震は五から三〇%、青森県東方沖及び岩手県沖北部のマグニチュード七・〇から七・五程度の規模の一回り小さいプレート間地震は九〇%程度以上、宮城県沖のマグニチュード七・〇から七・五程度の規模の一回り小さいプレート間地震は九〇%程度などと、場所と規模に分けて評価しております。  日本は世界的に見ても非常に地震の多い国でありまして、日本国内では地震の揺れに見舞われる確率がゼロとなるところは存在しません。地震はどこでも発生する可能性があるということを念頭に置きつつも、国民の方々の不安をあおるのではなく、本評価を自治体等の防災対策や各御家庭での防災意識の向上に役立てていただくべく、丁寧に御説明するなど取り組んでまいります。
  34. 青木愛

    ○青木愛君 ありがとうございます。  東日本大震災のマグニチュード九クラスはほぼゼロということで、若干は安心をいたしますけれども、今復興に向かって現地で頑張っておられますので、でも、それにしても、マグニチュード七クラスが来る可能性が九〇%の確率でこの三十年以内にあるということで、まだまだ油断はできないなというふうに認識をしたところでございます。  そして、昨年は、七月には豪雨、台風二十一号、また大阪北部地震、北海道胆振東部地震、また四十度を超す猛暑、豪雪などによりまして、多くの被害者、被災者を出しました。住民の暮らしと経済は甚大な被害を受けたわけでございますが、それらの被害を受けて政府が、災害からの復旧復興、学校の緊急重点安全確保対策など、九千三百五十六億円の第一次補正予算を組みました。中身には賛成でございましたけれども、時期が十月十五日ということで、対応が遅かったことを残念に思っているところではございます。  その後、十二月十四日、政府は、防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策を打ち出しました。防災のための重要インフラの機能維持及び国民経済、生活を支える重要インフラ等の機能維持の観点から、特に緊急に実施すべきハード、ソフト対策について三年間で集中的に実施をするということとしております。  そこでお伺いしますけれども、国土交通省に関連する分野において講じるべき対策はたくさんあると思いますけれども、限られた予算の制約の中でどういう基準に基づいて事業を選定されたのかをまずお伺いをしたいと思います。例えば、緊急性の高いものを選んだのか、あるいは人命や経済に及ぼす被害の甚大性を優先したのか、そういった点でお伺いをしたいと思います。
  35. 栗田卓也

    ○政府参考人(栗田卓也君) 近年頻発しております激甚な災害で明らかとなった課題に対応するため、重要なインフラがあらゆる災害に対してその機能を維持できるよう万全を期していく必要があります。  国土交通省では、国民の命を守り、暮らしと経済を支える重要インフラとして、所管する道路、鉄道、港湾などの交通インフラ、河川、砂防などの防災関係インフラ等を対象として総点検を実施し、これらの結果などを踏まえ、ソフト、ハードの両面から緊急対策を行うこととしております。  この三か年の緊急対策を行うに当たりまして、その箇所抽出の基本的な考え方でございますが、幾つかございます。災害が地域住民等の人命に与える被害の広がりや程度、災害が重要インフラに与える被害の広がりや程度、社会経済や人々の暮らしなどに与える影響の広がりや程度、このような被害や影響が発生した場合の早期機能復旧の困難性、こういった事柄を総合的に勘案いたしましてリスクや緊急性が高い箇所を抽出し、三か年緊急対策を集中的に実施することとしております。  近年大きな災害が頻発している状況を踏まえまして、災害から国民の命と暮らしを守るため、関係機関と連携の上、緊急対策を三年間集中で着実かつ迅速に実施してまいります。
  36. 青木愛

    ○青木愛君 ありがとうございます。  例えば、首都直下地震でありますとか、南海トラフでありますとか、万が一にも発生すれば多くの被害者を出し、また首都機能も大幅に制限を受けると。こうした人命、政治経済、国民生活に及ぼす影響は甚大をはるかに超える被害だと認識をしておりますけれども、これに対する対策は三か年緊急対策には入っているのでしょうか。
  37. 塚原浩一

    ○政府参考人(塚原浩一君) お答え申し上げます。  三か年緊急対策におきましては、南海トラフ巨大地震や首都直下地震への対策につきましても、リスクや緊急性が高い箇所を抽出いたしまして、三か年で集中的に実施することといたしております。  例えば、南海トラフ巨大地震につきましては、短時間で巨大な津波が押し寄せ、沿岸部を中心に広域かつ甚大な被害が想定されるということから、例えばゼロメートル地帯の堤防の耐震化、あるいは津波観測情報の提供の迅速化、高度化などを推進してまいります。  また、首都直下地震につきましては、建物の倒壊や火災により特に密集市街地では甚大な被害が想定されることから、住宅、建築物の耐震化や不燃化、道路の無電柱化等を推進してまいります。
  38. 青木愛

    ○青木愛君 この防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策について、疑問に感じる点を一点お伺いをさせていただきたいと思います。  この対策が平成三十年度第二次補正から始まっております。事業に盛り込まれた内容は、補正予算ではなく本予算に計上して、十分な審議を経て決定すべき内容だと考えます。  平成三十一年度当初予算では、一兆三千四百四十七億円が計上されております。個別事業の一つ一つが適正であるかどうかは別といたしまして、その効果として、消費税率の引上げに対応した新たな対策というものにも含ませております。  この防災・減災、国土強靱化対策は景気対策として受け止めておられるのでしょうか。この点についてお聞かせいただきたいと思います。
  39. 黒田岳士

    ○政府参考人(黒田岳士君) お答え申し上げます。  そもそも、マクロの需要創出、すなわち景気対策のみを目的として不必要な公共事業を行うことはあり得ません。その時々の必要な事業を行うことは当然でございます。そういった意味では、災害対策と景気対策のどちらが主目的ということではなく、必要な公共事業が結果としてマクロの需要創出にも資するということであると考えております。  今回の消費税率の引上げに伴う対応としては、軽減税率制度の実施のほか、中小小売業でのポイント還元、柔軟な価格設定のためのガイドライン策定など、きめ細かな支援策、また需要の平準化対策を講じるとともに、経済の下支えを図ることも重要と考えております。こうした観点から、防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策による公共事業はマクロの需要創出効果も見込めることから、今回の消費税率引上げに伴う対応の一つとしても位置付けることとしたものでございます。
  40. 青木愛

    ○青木愛君 防災・減災対策、これは必要な公共事業でありますので、だからこそ本予算で堂々と議論するべき内容だということを指摘をさせていただきたいと思っています。  平成の時代を迎えましたとき、日本経済はバブルが崩壊をして、長期にわたって景気が低迷しました。その頃、景気対策として補正予算で公共事業がどんどん講じられましたが、期待する効果が得られず、いたずらに財政を悪化をさせました。  公共事業は無駄、公共事業は悪者というイメージ、思いが世論に広まったのは、公共事業の乗数効果が薄くなっていたにもかかわらず、公共事業を景気浮揚策として位置付けたからだと考えます。それだけの予算を投入するのであれば、その当時から自然災害への対応やインフラ更新に投入すべきであったのではないかというふうに思います。現在も、公共事業をこのように景気浮揚策として、消費税対策として位置付けることによりまして、国民に間違ったメッセージを送ることになるのではないかというふうに考えます。  本当は石井大臣にこの点お聞かせをいただきたいなと思いましたけれども、これは内閣府の方の管轄だということでありましたので内閣府の方から御答弁をいただきましたけれども、これだけの甚大な自然災害に見舞われている昨今でありますので、災害対策に対しましては国民は理解をするものと思っております。当初予算で堂々と議論すべき内容であり、景気対策と位置付けることによって、効果がなかったとき、公共事業はやはり悪というイメージを与えてしまうことを懸念をいたします。必要なものは必要として、本予算でしっかり議論すべきであるということを指摘をさせていただきたいと思います。  次に、荒川の決壊について再度お伺いをしたいと思っています。  関東地域も、これまでに経験したことのない異常気象に見舞われる確率はゼロではありません。  そこで、再度お伺いをいたしますが、異常豪雨によるこの荒川の決壊に対処するための対策はこの三か年緊急対策に盛り込まれているのでしょうか。
  41. 塚原浩一

    ○政府参考人(塚原浩一君) 荒川は、埼玉県と東京都にまたがり、我が国の中枢機能が集積する高密度に発展した地域を流れる河川でございます。これまで河川改修やダム建設等の治水対策を進めてまいりました。  平成三十年七月豪雨におきまして西日本を中心に全国で多数の堤防決壊等により甚大な被害が発生したことも踏まえまして、この三か年緊急対策におきましても、荒川におきまして氾濫を防止するための樹木伐採、掘削あるいは堤防の強化対策などを実施する予定でございます。
  42. 青木愛

    ○青木愛君 東京は、中でも墨田区、江東区、足立区、葛飾区、江戸川区はゼロメートル地帯が広がっております。豪雨による大規模水害が発生した場合、広範囲にわたって浸水をいたします。  万が一にも荒川が決壊した場合、浸水家屋、避難住民数、また被害想定額、また浸水が継続する期間などについてお伺いをしたいと思います。
  43. 塚原浩一

    ○政府参考人(塚原浩一君) お答え申し上げます。  具体的な荒川の被害想定につきましては、例えば荒川右岸の河口から二十一キロの地点が決壊した場合で、最大で浸水家屋数は約六十一万、浸水区域内の人口は約百二十六万でございまして、うち孤立者数が五十四万人に上るという推計もございます。また、浸水区域のほぼ全域で二週間以上浸水が継続するといった被害が想定されております。  また、同様の箇所が決壊した場合の被害の総額につきましては、平成三十年六月に土木学会のレジリエンス確保に関する技術検討委員会が公表した報告書がございまして、これによりますと、経済被害が二十六兆円、資産被害が三十六兆円などの被害が推計されております。
  44. 青木愛

    ○青木愛君 対策のこの策定におきましては、関係者が綿密に打合せを重ねていただきまして、現実的に可能な方策を練り上げてもらいたい。住民が安心できる対策をお願いいたします。  そして、この決壊を防止するという観点から有効な対策といたしまして、調整池の整備がございます。  荒川の上流地域に第一調整池が既に整備をされています。これが果たした過去の状況をまず教えていただきたいと思います。
  45. 塚原浩一

    ○政府参考人(塚原浩一君) お答え申し上げます。  荒川第一調節池につきましては、荒川の中流部の広い高水敷を活用いたしまして、洪水を貯留し、下流の安全度を高めるとともに、首都圏の水道用水の補給を目的といたしました整備をいたしました。面積五百八十ヘクタール、洪水調節容量三千九百万立方メートル、また利水のための有効貯水容量一千六十万立方メートルの施設でございまして、平成十六年に完成をしております。  これまでに、建設中の平成十一年八月に洪水が流入いたしますとともに、施設完成後の平成十九年九月の洪水におきましても洪水調節を行い、効果を発揮しております。特に、近年で洪水の規模が大きかった平成十一年八月の洪水におきましては、この第一調節池におきまして約二千万立方メートルの洪水を貯留いたしております。
  46. 青木愛

    ○青木愛君 効果があるということでありますが、今後予想されます異常気象に対しましてはこの第一調整池だけでは安心できないということでありまして、現在、第二、第三の調整池が整備されつつあると伺っております。その整備状況及び課題についてお聞かせください。
  47. 塚原浩一

    ○政府参考人(塚原浩一君) 荒川におきましては、今年度より、新たに更に多くの洪水を貯留し、下流の安全度を高めるという目的で、面積約七百六十ヘクタール、洪水調節容量約五千百万立方メートルを計画をしております荒川第二、第三調節池の整備に着手したところでございます。  現在は、関係住民や自治体等に対して事業計画を丁寧に説明するとともに、現地の測量や土質、環境等の必要な調査を実施しているところでございます。当該空間の河川敷の利用が多くなされていること、橋梁の架け替えが伴うことなどの課題がございますので、丁寧に調整を図ってまいりたいというふうに考えております。
  48. 青木愛

    ○青木愛君 また、この荒川氾濫のシミュレーションでは、主として東京二十三区東側の浸水被害を想定していますが、山の手側の東京都西部も決して安心できないという専門家の方がいらっしゃいます。妙正寺川、善福寺川、神田川などの流れるところは、昔の谷筋に洪水が起こりやすい地域だと伺っています。渋谷も地名に谷と付いているように雨がたまりやすい、また新宿も、新宿駅から都庁方面にかけて土地が低くなっております。そうした地域の上空で積乱雲がとどまって激しい雨が続く、いわゆる線状降水帯と呼ばれる気象現象が起きた場合、都市型洪水に見舞われる可能性を否定できません。  平成二十七年九月九日から十一日にかけて、関東、東北地方を中心に発生しました線状降水帯は豪雨を記録し、多くの河川で水があふれ、一万棟を超える家屋が床上・床下浸水をいたしました。こうした対策状況をお聞かせいただきたいと思います。
  49. 塚原浩一

    ○政府参考人(塚原浩一君) 御指摘の河川につきましては、東京都が管理をいたしておりますけれども、これまで一時間当たり五十ミリ程度の降雨により生じる洪水に対して安全を確保することを目標として整備を進めてまいりました。しかしながら、近年、これまでの目標を超えるような集中豪雨が増加をしているということから、御指摘の妙正寺川や善福寺川を含む神田川流域などの河川につきましては、平成二十四年に目標を時間当たり七十五ミリの雨、これを目標としたところでございます。  この整備に当たりましては、洪水を安全に流すための河道拡幅や洪水を一時的に貯留して下流の負担を軽減させるための地下の調節池などを組み合わせながら対策を実施しております。  国土交通省といたしましては、防災・安全交付金によりまして支援を行っているところでございますけれども、引き続き、東京都の御要望等も伺いながら必要な支援を行ってまいります。
  50. 青木愛

    ○青木愛君 ありがとうございます。  それでは、話題を変えまして、人口減少下での国づくり、まちづくりについてお伺いをしていきたいと思います。  日本はこれまで人口が増加する状況の中で国づくり、まちづくりを進めてきました。しかし、二〇〇八年頃をピークにして日本は人口減少時代に向かっています。人口減少下での国づくり、まちづくり、人口増加時代以上に難しい課題に直面をしております。放置をいたしますと、地方は過疎化が進み、いずれ消滅する可能性がございます。また、一定の地方都市で高度成長時代に拡大をいたしました公共施設やインフラを人口減少時代に維持することは財政的に困難です。  そこで掲げられた政策がコンパクトシティー・プラス・ネットワークということであります。それぞれの地域内において各種機能をコンパクトに集約すると同時に、各地域がネットワークでつながることによって一定の圏域人口を確保し、生活に必要な機能を維持することを可能とするまちづくりだと伺っています。  その成功事例としてよく取り上げられますのが富山市であります。富山市は、全国有数の薄く広く拡散した町を集約しなければならないという危機感から、既存の鉄軌道のLRT、次世代型路面電車化を軸とした居住誘導のためのインセンティブをいち早く設けました。  二年半前、私も富山市を訪問し、成功の様子は直接伺ってきましたけれども、その後、富山市は順調にまちづくりが進んでいるのか、あるいは予期せぬ課題に直面しているのか、その辺の状況をお聞かせいただきたいと思います。
  51. 青木由行

    ○政府参考人(青木由行君) お答えいたします。  御指摘のとおり、人口減少あるいは高齢化が進む中で、地域の活力を維持増進させるとともに、福祉、医療等の生活機能が確保された安心して暮らせる町を実現いたしますためには、各種の都市機能をコンパクトに集約をいたしましてネットワークでつなぐコンパクト・プラス・ネットワークのまちづくりを進めることが必要と考えてございます。  お話ございました富山市では、平成二十九年に富山市立地適正化計画を策定しておられますけれども、これに基づきまして、公共交通を軸とした拠点集中型のコンパクトなまちづくりの実現を目指しておられます。具体的には、御指摘ございましたように、鉄軌道を始めとする公共交通を活性化させまして、その沿線に居住、商業、文化、業務等の都市の諸機能を集積させるなどの取組を実施してございます。  その結果、中心市街地及び公共交通の沿線地区の人口の割合が、平成十七年が約二八%でございましたが、平成三十年でこれを見ますと、約三七%に増加をいたしております。また、路面電車の利用者数の増加あるいは地価の上昇など、徐々にではございますけれども、一定の施策効果が現れてきているものと承知をしてございます。  富山市にお伺いをいたしますと、これまで順調に施策展開が行われているというふうに認識しておるものの、この施策の継続性、一貫性を確保していく、更に施策を深化、充実させていくためには、より企業や市民に対してまちづくりの理念の共有を広げていく、これが課題と認識しているというふうに伺っているところでございます。  以上でございます。
  52. 青木愛

    ○青木愛君 地域にはそれぞれの歴史、風土、また特有の産業がございます。また、住民性も異なる点があろうかと思います。  一つの都市での成功例がそのまま他の地域で成功するかどうか分かりませんけれども、このコンパクトシティー・プラス・ネットワーク政策を進める上において、それぞれの自治体に対しまして国としてどのようなアドバイス、また関わりを持っておられるのか、特に注意している点などがございましたら教えていただければと思います。
  53. 青木由行

    ○政府参考人(青木由行君) お答えいたします。  コンパクトなまちづくりを進めるに当たりましては、御指摘のとおり、歴史や風土、地域それぞれの状況に照らし合わせまして、きめ細やかな対応を行っていく、これが重要なことというふうに思ってございます。このため、国土交通省といたしましても、職員の現地訪問等によるコンサルティング、こういったものを通じまして、地域の実情に応じた適切な支援、これを行ってきたところでございます。  また、関係省庁でコンパクトシティ形成支援チームという枠組みをつくっているわけですが、この枠組みを通じまして、他の市町村の参考にしていただくことを目的といたしまして、人口規模、あるいは重点テーマ別に類型化したモデル都市を選定をさせていただきまして、こういった先行事例の共有、取組の横展開を図っているところでございます。  一例を申し上げますと、集落などの周辺地域を考慮した好事例といたしまして、このモデル都市の一つでございます新潟県の見附市でございますが、こちらでは、中心三地区の集約エリアに外出したくなるような施設、これを集積させますとともに、どの地域に住んでいても自家用車に頼らず暮らせるように、集約エリアとそこから比較的遠方なエリアも含めてデマンドタクシーや地域コミュニティーが運行するワゴンでつなぐ、こういった取組を行いまして成果を上げているところでございまして、こういった事例の横展開にも努めてまいりたいと思っております。  加えまして、昨年六月に、立地適正化計画に取り組む市町村等を会員としたコンパクトなまちづくり推進協議会、これが設立されたところでございますが、この協議会とも連携を図らせていただきながら、地域の状況に応じた支援に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。
  54. 青木愛

    ○青木愛君 ありがとうございます。いろいろ事例を挙げていただきました。  この富山市の例では、やはり鉄道を廃線せずに路面電車として活用したというところにやはりポイントがあろうかと思います。  そこで、鉄道駅についてお伺いをしたいと思いますけれども、人口が減少しますと、鉄道を利用する人数が減少し経営が難しくなり、ダイヤを間引きする、そしてますます利用客が減少し、ついには廃線また撤退に追い込まれていきます。民間が経営しているとはいえども、鉄道の公共交通としての役割を考えますと、やはり簡単には納得できません。第三セクターが運営したり、上下分離の方式を採用したり、地方では血のにじむような努力を重ねております。  鉄道が廃止されますと、当然、駅がなくなります。代替交通として地域内でバスが運行したとしても、バス停は鉄道駅が果たしてきたその町の中心としての役割を代行できないというふうに私は考えます。また、再度鉄道を復活させたとしても、鉄道への復帰は以前のようには復活しないという報告もございます。  今、乗降客が少ない無人駅では、駅を物販に利用したり、また地域を愛するボランティアの方々が駅舎の活用を考えたりして努力している事例も聞いております。この鉄道駅は、学校や病院、あるいは役場などと同様に、町にとっては必須の公共施設であり、また公共拠点であると考えます。  この町形成における鉄道駅の意義について、是非お聞かせをいただきたいと思います。
  55. 蒲生篤実

    ○政府参考人(蒲生篤実君) お答え申し上げます。  一般的に、鉄道駅は鉄道サービス提供の拠点であるのみならず、様々な交通機関や多数の人が集まる施設であり、地域社会にとってまちづくりや地域の交流拡大、観光振興の拠点として重要な役割を担っているものと承知しております。  国土交通省といたしましては、このような観点から、地域の活性化を図るため、引き続き、地方自治体を始めとする地域の関係者の連携の下、まちづくりや観光振興等の地域戦略と一体となった鉄道駅の活用を推進いただきたいと考えているところでございます。  以上でございます。
  56. 青木愛

    ○青木愛君 ありがとうございます。  私も房総を中心としていろいろと鉄道について取上げをさせていただきましたけれども、JR東日本が昨年の一月六日、B・B・BASEを開始をしていただきました。大変有り難いことと思っております。  B・B・BASEとは、愛車の自転車を、千葉県の南、千葉県の内房線、外房線、成田線、総武本線を利用して房総をサイクリングで駆け巡ることができるという旅行プランです。日帰りコースや宿泊コースもございます。  この地域一帯は温暖な気候に恵まれており、また平たんであるために、海沿いをサイクリングしたり、海岸や、また中には丘陵コースもあって、御当地のグルメや温泉も楽しめるということであります。景観も良く、歴史や文化遺産に触れることもできますし、絶景の犬吠埼、東洋のドーバーと呼ばれる屏風ケ浦など、思わず写真を撮りたくなり、インスタ映えもするかと思います。これは、鉄道に期待をする地元の要望を受け止めていただき、JR東日本がアイデアを出して始めたプランだそうです。  B・B・BASE利用者からは、B・B・BASEを利用しましたと、電車と自転車を使い、離れたエリアを楽しく旅することができるので、とても良い取組だと思いますですとか、自転車愛好家にはとても魅力的な取組で、今後は房総だけではなくて対象路線などを増加をさせていただきたい、期待をしておりますという様々な意見が寄せられております。  こうした好評を受けまして、今年から乗降駅を増やしたり、また、群馬県の人気イベント、第七回榛名山ヒルクライム・イン高崎の開催に合わせてまた実施も予定されているということでございます。  鉄道は、廃止に向かうのではなくて、このように地元の住民やまた自治体、観光団体、そして鉄道会社が知恵を出し合って盛り上げていくべきだというふうに考えます。有り難いことです。国土交通省の御意見を是非お伺いしたいと思います。
  57. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 自転車の分解等を行わずにそのまま列車内に持ち込むことができるサイクルトレインは、自転車を利用する地域の住民、サイクリングを楽しむ地域外からの訪問者の双方にとって有用であり、委員御指摘のように、鉄道の利用促進と地域観光の活性化に資するものであると考えております。昨年度は五十の鉄道事業者において運行されておりまして、B・B・BASEのようにサイクルトレイン専用車両を新たに導入した例もございます。  国土交通省といたしましては、サイクルトレインの実施状況や優良な取組事例につきまして各鉄道事業者に広く横展開を図りまして、その実施に向けた検討を促すほか、周遊観光ルートへの組み込みを検討するなど、自転車活用に係る他の取組とも連携をしつつ、サイクルトレインの一層の普及促進に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
  58. 青木愛

    ○青木愛君 石井大臣は自転車の活用を推進をされておりますので、今後の取組に期待をさせていただきたいと思います。  時間がありますので、もう一点だけ、ちょっと懸念しているところをお伺いしたいと思います。  大都市部の課題でございますが、東京、横浜、川崎、そして埼玉、大阪などの大都市部で六十メートルを超えるタワーマンションが乱立しております。タワーマンションの耐久年数は約百年と言われておりますが、今から百年後には日本の人口は五千万人を割り込むと言われています。また、そこまで至らなくても、二十年、三十年後には大幅の修繕工事が必要となり、その修繕費用の高額が今問題となっています。  まちづくりは五十年、百年を見据えての計画が必要でございますが、タワーマンション建設に関して長期的な見通しはどのように考えておられたのか、また、途中のこの大規模修繕には多額を必要といたしますけれども、タワーマンションの管理についても併せてお伺いをしたいと思います。
  59. 青木由行

    ○政府参考人(青木由行君) まちづくりの観点から、まず私の方から御答弁申し上げます。  今後、人口減少が進みます中では、将来にわたって持続可能なコンパクトなまちづくりを進めていくことが必要でございます。そういった中では、御指摘のタワーマンションなどの高層住宅に限らずでございますが、それぞれの都市の将来像に合わせまして、都市の居住密度、用途、あるいは形態を適切に設定していくことが重要な課題でございまして、これは都市計画決定権者が各都市の状況、見通しなどを踏まえまして適切に判断していただく必要がございます。  例えば、東京都の中央区におきましては、これまで定住人口の維持、回復を目指しまして全区的に住宅に対する容積率の緩和制度を運用してまいりましたが、近年の人口回復を踏まえまして地区計画を変更しまして、住宅に対する容積率の緩和内容を大幅に縮減したところというふうに伺っております。  国土交通省といたしましては、今後の人口減少あるいは高齢化への見通しを踏まえて、都市計画決定権者が交通インフラへの負荷、市街地環境への影響にも留意しつつ、総合的かつ中長期的なまちづくりの見地から適切な判断が行えるよう、技術的な助言あるいは優良事例等の情報提供などの支援をしてまいります。  以上でございます。
  60. 羽田雄一郎

    ○委員長(羽田雄一郎君) 時間が来ておりますので、簡潔に。
  61. 石田優

    政府参考人(石田優君) はい。  維持管理についてお答え申し上げます。  維持管理に関しましては、所有者の合意形成の円滑化の観点から、組合に対しまして助言を行いますマンション管理士の育成、普及、また公益財団に窓口の相談の設置など、管理組合のサポートをしております。  また、必要な修繕費の確保を図ります観点から、ガイドラインに基づきまして、規模に応じました修繕費の額の積立ての目安を示しますとともに、また、実態調査を行いまして、規模別の工事費の分布など実態に関する情報提供を行っております。さらに、住宅金融支援機構では融資制度を設けているところでございます。  さらに、三十一年度予算にも、管理が不十分なマンションに対する実態調査の支援やマンションの管理、再生に関しますモデル的な取組のための予算を入れているところでございます。  引き続き、適切な管理の確保に向けまして、関係公共団体協力して努めてまいりたいと考えております。
  62. 青木愛

    ○青木愛君 質問を終わります。ありがとうございます。     ─────────────
  63. 羽田雄一郎

    ○委員長(羽田雄一郎君) この際、委員の異動について御報告をいたします。  本日、吉田博美君が委員を辞任され、その補欠として石井浩郎君が選任されました。     ─────────────
  64. 舟山康江

    ○舟山康江君 国民民主党・新緑風会の舟山康江でございます。  本日は、先週、石井大臣からお聞きした所信の内容を中心として質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  石井大臣は所信表明の中で、これもう既に何人かの方から触れられておりましたけれども、やはり災害からの復興復旧、そして防災・減災、このことを重要施策として位置付けられております。  災害復旧の迅速化に向けましては、いろんなことがありますけれども、一つ、土地の境界確認が必要だと思うんですよね。例えば、過去の震災におきましても、地籍調査がきちんと行われていた地域は復旧時の集団移転などがスムーズに行われていたりとかインフラ整備においても用地調整が円滑に行われたと、こんなことがあったと思います。逆を言えば、やはりこの地籍調査が進まないことによって円滑に進むものも進まないと、こういったこともあるんじゃないのかなと思うんですね。  そういう意味で、まず石井大臣に、この地籍調査、何か大きなインフラ整備に比べてはちょっと地味なんですけれども、でも、実はこの基盤を整備するということは私は大変重要だと思っておりますけれども、大臣の御認識をまずお伺いしたいと思います。
  65. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 地籍調査の実施によりまして土地の境界を明確にしていくことは、災害後の迅速な復旧復興、社会資本の整備、土地取引の円滑化などに資するため、大変重要と認識をしております。  東日本大震災で津波の被害を受けた地域では、当時の地籍調査の進捗率が、例えば岩手県では九〇%、宮城県では八八%と全国平均の四九%に比べて高い状況にございました。このため、東日本大震災からの復旧復興に際しましては、地籍調査の成果を活用することで用地の取得が円滑に進み、迅速な事業の実施につながった例もありました。震災を契機といたしまして、災害への備えとしての地籍調査の重要性が再認識され、調査に取り組む市町村も増加をしているところであります。  国土交通省といたしましては、引き続き、防災対策に資する地籍調査に取り組む市町村を支援をしてまいりたいと考えております。
  66. 舟山康江

    ○舟山康江君 ありがとうございます。  本当にこれからの防災対策としても大変大事だということですし、今問題になっております所有者不明土地の問題解決にも非常に資するというふうに思います。  そんな中で、地籍調査の実態についてお伺いしたいわけですけれども、この目標と現在の進捗率、この目標といいますのは、十箇年計画も立てておりますけれども、将来的にやっぱり私は全てちゃんと地籍、一〇〇%を目指していくべきなのかなと思いますけれども、将来的な目標と十箇年計画の目標、そしてそれに対する進捗率についてお伺いしたいと思います。
  67. 野村正史

    ○政府参考人(野村正史君) 地籍調査の実態でございます。  まず、委員御指摘のとおり、現在は国土調査促進特別措置法に基づく国土調査事業十箇年計画に従って進められているところでございます。現在の第六次の十箇年計画では、平成二十二年度から三十一年度までの間に二万一千平方キロメートルにおいて地籍調査を実施し、全国の進捗率を四九%から五七%まで向上させることが目標として定められております。平成二十九年度末時点での地籍調査の進捗率は全国ベースでは約五二%となっております。その中で、地域別に見ますと、都市部、この場合はいわゆるDID、人口集中地区をいいますけれども、都市部で二五%、そして林地では四五%と遅れている状況にございます。  地籍調査につきましては、例えば国有林等きちんと管理されているようなところを除いては、基本的には全国の国土にわたって地籍調査をやるという将来的な目標はございますけれども、基本的には十か年ごとに計画を立てて進捗をさせていくという、今そういう手法を取っております。
  68. 舟山康江

    ○舟山康江君 再度確認ですけれども、将来的にはやはり全て、国有林等を除くと言いましたけれども、それ以外はしっかりと地籍調査は行われるべきだと、一〇〇%を目指すべきだという、そういった基本的なお考えでよろしいんでしょうか。
  69. 野村正史

    ○政府参考人(野村正史君) 考え方としてはそのとおりだと思います。ただ、実際上は、やはり様々な資源に限りもある中で一応法律に基づいて十か年ずつの期限を区切って取り組むということにしておりますけれども、考え方としては、先ほどのお話のとおり、国有林等を除いて全国にわたって進めていくべきものと考えております。
  70. 舟山康江

    ○舟山康江君 できるだけしっかりと地籍調査をしていかなければいけないという、そういった基本は共有していると思いますけれども、そういう中で、十箇年計画、十か年ずつの目標の中でもまだあと一年あるにしても、実際にはそこさえも及んでいないと、こんな状況だと思いますけれども、なぜ進んでいないのかという、この辺の分析はどうされているんでしょうか。  一点目は、多分やりたくても予算の制約があってできないという面と、それから場合によっては、これ自治事務ですから、実際にやるべき市町村にやる気がないのか、制度的に難しいのか、いろんな要因があると思いますけれども、その辺の要因はどのように分析されているんでしょうか。
  71. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 地籍調査が進んでいない理由といたしましては、都市部におきましては、権利関係が複雑であることや土地が細分化をしておりまして境界の確認が困難なこと、山村部、林地におきましては、土地所有者の高齢化が進み、急峻な地形が多いことから現地での立会いや測量作業が困難なことが挙げられます。  予算面では、地籍調査の実施主体からの全ての御要望にお応えできているわけではありませんけれども、三十一年度当初予算案では百二十九・八億円、三十年度の二次補正予算では二十九・七億円を措置をしているところであります。  また、制度面におきましては、人口減少、高齢化の進展によりまして所有者不明土地問題が顕在化する中で、土地所有者に現地での立会いを求めて確認を行うことが今後ますます困難となっていくことが予想されておりまして、こうした課題に対応した手続の見直しが必要と考えております。
  72. 舟山康江

    ○舟山康江君 私も、この過去の地籍調査費の負担金の予算の推移を見てまいりました。これ、基本的には地方自治体が行う自治事務といいながらも、かなり裏負担、特交措置などもありまして、実質的な負担は非常に少ないという意味では、本当に国の、何というんですか、やる気というか、国の方向性でもっと進むべきところがあるのかなというふうに思います。  かつては、多分平成十年代、二十年代初頭、まあそれこそ東日本大震災が起こる前まではそんなに防災・減災、災害復旧対策という観点が薄かったのかなと思いますけれども、その頃からの予算の推移を見ておりますと、実は決して、震災の後、確かに緊急対策等で若干上乗せをされておりますけれども、それでもピーク時、見た限り、平成の十六、十七年、この辺りの予算に比べればまだ少ないんですよね。むしろニーズは高まっている中でもう少し増やしてもいいんじゃないかと思うぐらいなんですけれども、やはりそこは国交省として、これ国交省の予算を増やすという観点ではなくて、まさに大きな目標の防災・減災、それから所有者不明土地、これもっと時代がどんどん過ぎていけばどんどん複雑になっていくと思いますので、今のうちにしっかり手を打つということ、そういう中で、是非国土交通省としてまずは予算面のしっかりとした確保について努力をいただきたいということを申し上げたいと思います。  そして、もう一点、確かに都道府県によって相当大きなばらつきがあります。今御説明の中で、都市部は特に権利関係が複雑だと、そして細分化されているということがありました。でも、ある意味では、だからこそしっかりと集中的にきちんと地籍調査をしないと、仮に首都直下地震とか都市部で何かがあったときに、じゃあ、新たに用地取得、用地の調整をしていくというときに非常にこれ、困難になると思います。だからこそ、今まさに国を挙げて地籍調査の実施率が低いような地域はとりわけしっかりとやっていかなければいけないと思うんですよね。  確かに、全国のこの表を見ておりましても、幸いにも東北は比較的地籍調査が進んでいたということでスムーズにいった部分があったのかなと思いますけれども、首都圏、とりわけ一番低いのが京都府ですかね、京都府で八%、東京二三、神奈川一四、非常に低い状況ですので、やはりこのばらつきを何としてもなくしていかなきゃいけないと思っておりますけれども、今後の対応策ですね、この辺についてどのようにお考えでしょうか。
  73. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 地籍調査の地方別の進捗率につきましては、東北地方や九州地方ではおおむね八〇%となっている県も多く、比較的調査が進んでいる一方で、都市部の占める割合の高い関東地方や都市部とともに山村部の占める割合も高い近畿地方では三〇%未満の都府県が多く、進捗が遅れております。  この主な要因といたしましては、先ほどお答えをいたしました都市部及び山村部において地籍調査が遅れていることのほか、地籍調査の必要性に関する地方公共団体の認識に差異があり、そのため、それぞれの実施体制や予算の確保の状況が異なることが挙げられます。  国土交通省といたしましては、引き続き進捗が遅れている市町村に対しまして、都道府県とともに地籍調査の早期実施について働きかけていくとともに、民間への包括委託制度の活用の促進や国による基本調査の実施などを通じまして、体制が十分ではない市町村を支援をしてまいりたいと考えております。
  74. 舟山康江

    ○舟山康江君 ありがとうございます。  私も、多分予算の制約で希望に全て応え切れていないという側面と、これだけ自治体によって大きな差があるということは自治体の認識の違いもあるのかなと思っております。  私の山形県ですね、山形県の状況を見ても、一〇〇%の町から五%のところまで本当にばらつきがあります。しかも、山村部だから大変だということかなと思うと、逆に山村部でも北と南で全然違ったり、都市部でも相当ばらつきがあるということですので、それはもしかしたらやはりその認識の違い、受け身でとにかく何かがあったときにやろうという市町村と、とにかく今のうちにしっかりやっていこうという市町村と、その辺の認識の違いがあるのかなと思います。  一義的には県の取組が大きいのかもしれませんけれども、是非ここは、国全体の防災・減災、そして復旧対策、こういったことにも資するという中で、是非国からも強く働きかけをいただきたいというふうに思いますけれども、再度大臣の御決意をお願いします。
  75. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 国土交通省では、昨年六月の所有者不明土地等対策の推進に関する基本方針を踏まえまして、地籍調査の円滑化、迅速化のための方策につきまして、国土審議会の小委員会で検討を進めているところであります。  先月の二十七日に公表されました小委員会の中間取りまとめにおきましては、所有者不明の場合でも円滑に調査を進めるための調査手続の見直しや、あるいは山村部における航空写真等のリモートセンシングデータを活用した効率的な調査手法の導入など、地域特性に応じた迅速化の方策が示されているところであります。  今後、この中間取りまとめで示された検討の方向性に基づきまして、二〇二〇年の国土調査法等の改正に向けまして検討を進めてまいりたいと考えております。
  76. 舟山康江

    ○舟山康江君 是非お願いしたいと思います。やはり、何かあったときのインフラ整備とか上物整備というものは非常に目立つから注目も皆さん行きやすいんですけれども、実はその基盤がきちんとしていないとそれもできないということですので、よろしくお願いしたいと思います。  続きまして、これも所信でありました羽田空港及び成田空港の機能強化ということの一環で、これ十一月の質問でもお聞きいたしましたけれども、その後の進捗についてお伺いしたいと思います。  羽田空港の機能強化に当たりまして、横田空域の旅客機通過が認められたというふうに聞きましたけれども、この増便計画におきまして、その空域の進入管制権、これも随分議論になっていたと聞いておりますけれども、どちらが持つのか決着したんでしょうか。
  77. 蝦名邦晴

    ○政府参考人(蝦名邦晴君) お答え申し上げます。  羽田新経路の横田空域の通過につきましては、米側と従来から必要な調整を行ってまいりましたけれども、一月二十九日に米側と基本合意に至ったところでございます。  当該基本合意におきましては、羽田新経路により横田空域を通過する航空機の管制につきましては日本側が一元的に実施することとされております。
  78. 舟山康江

    ○舟山康江君 ありがとうございます。  一部通過するということで日本側が管制権を握った、これはこれで、まあ当然とはいえよかったなと思っておりますけれども、一方で、そもそもの問題として、これ前回も少し触れさせていただきました日本領土、領海、所信でも我が国の主権と領土、領海の堅守というような項目がありますけれども、やっぱり領空の面においてもやはり我が国の領空をきちんと我が国が管理すると、こういった視点は私は非常に重要だと思うんですね。  そういう中で、やはりそもそもこの横田空域に関しては、一部例外的に我が国がこれに関しては進入管制権を持つということにはなったとはいえ、そもそもこの空域を一元的に管制する観点から、前回の御答弁では、関係省庁と協力をしながら米軍と調整をしてまいりたいと石井大臣もお答えいただいておりますけれども、この件に関しては何かこういった羽田空港の機能強化の議論と併せて少し進んだ部分があるのかどうなのか、大臣、お答えいただけますでしょうか。
  79. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 羽田の新経路案は一部横田空域を通過する案となっておりますが、この新経路の運用は、日数で申し上げれば全体の四割である南風時でありまして、かつ一日のうち三時間程度であることから、空域の削減ではなくて運用上の対応を行うこととなったものであります。  一方、横田空域につきましては、これまで過去八回にわたり横田空域の削減を実施をしてきておりまして、直近では羽田空港の再拡張事業、四本目の滑走路でありますD滑走路増設に合わせた大幅な削減に日米間で合意をし、平成二十年の九月に削減空域の管制権限が日本側に移管をされたところであります。  羽田新経路とは別にいたしまして、いわゆる横田空域の返還、今後の返還については、我が国の空域を一元的に管制する観点から、関係省庁と協力しながら米軍と調整をしてまいりたいと考えております。
  80. 舟山康江

    ○舟山康江君 そのお答えは前回もお聞きしましたけれども、その後、米軍との調整等で何か進捗があったのかどうなのか。  そもそも領空、日本の領空なわけですから、そこが今回この増便計画と併せて、やはり改めて、日本の領土の中の、まあ領空ですね、領空の中で日本が排他的にきちんと管制権を持てない地域があるということが明らかになったわけで、この議論を契機としてやっぱり改めてこれ前に進めなければいけないと思うんですけれども、その議論が始まってからこの間、数か月が経過いたしました。何か進捗、前進があったのか、具体的に話合いを始めているのか。この辺について、これはもう国土交通省だけの問題ではないとは思いますけれども、是非、その辺についての進捗度合いについてお答えいただきたいと思います。
  81. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 先ほど答弁しましたように、横田空域については、これまでも八回にわたり空域の削減を実施をしてきたところでありますが、前回御答弁をいたしましてから今日に至るまでは、羽田の新経路案について運用上の対応について協議を行ってきたところでございます。  それで、羽田新経路とは別に、今後の課題として、横田空域の返還については今後関係省庁と協力しながら米軍と調整してまいりたいと考えております。
  82. 舟山康江

    ○舟山康江君 済みません、水掛け論になってしまっているんですけれども、前回も石井大臣からは、この羽田新経路とは別に、横田空域の返還については関係省庁と協力をしながら米軍と調整をしてまいりたいと、そういった御答弁でしたので、その後、何か進展があったのかなという思いでお聞きしたわけですけれども、それはまだだということなんでしょうか。  ただ、確かに随分と議論の中で削減がされているということは私も存じておりますけれども、そもそも論として、この日本の領空についてやはり主体的に管制権を持つ、そういったことをもう少し進めていかないと、戦後七十数年たって、やはり改めて、いろんな、米軍との関係、問題いろいろありますけれども、これについて解決に向けて動き出す、そんな時期が来ているんじゃないのかなと、そんな思いでおりますので、是非、石井大臣におかれましては、改めてこのそもそも論としての空域返還について主体的に関わって、解決に向けて動いていただきたいなということをお願い申し上げたいと思います。  続いて、豊かで持続可能な地域社会という中で省エネ対策について触れられておりますけれども、改めて、持続可能なという意味で、私は、エネルギー問題としては省エネと併せて再エネの普及推進、非常に重要ではないのかなと思っております。  その中で、私は、再エネの中でも最も環境負荷も小さく、さほど新たな権利関係の調整が要らない小水力発電、水力を使って、大きな水力発電というのは非常に大きな投資も必要ですけれども、既存の小さな河川ですとか、そういったところを使っての小水力発電というのは非常に私は意義深いものだと思っております。  小水力発電の普及、そして意義について、大臣の基本認識をまずお伺いしたいと思います。
  83. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 小水力発電は、クリーンかつ再生可能なエネルギーであり、大規模な投資が不要でございます。今後、更なる普及が期待をされておりまして、国土交通省においても積極的な推進を考えております。
  84. 舟山康江

    ○舟山康江君 積極的な推進ということでありますけれども、現在、河川、やはり主には河川の水をどう利用していくのか。特に落差が大きかったりとか流量が多いとか、そういったところの河川を利用して適地を見付けながら前に進める、こういった具体的な手法が必要だと思いますけれども、今、農林水産省では、ポテンシャル調査、小水力等導入推進事業におきまして、かなり具体的にポテンシャルの高い地点を抽出して基本整備計画を策定し、導入可能性を検討しております。  国土交通省ではどのような対応をされているんでしょうか。
  85. 工藤彰三

    ○大臣政務官(工藤彰三君) お答え申し上げます。  環境省及び経済産業省において水力発電に関するポテンシャル調査が行われ、中水、水力発電においても一定程度のポテンシャルがあるという結果が得られているものと承知しております。こうしたポテンシャルを受けた事業化については、発電事業者が採算性等を踏まえ判断するものと考えており、国土交通省といたしましては発電事業者が参画しやすい環境を整備することが重要と考えております。  国土交通省では、発電事業者の参入促進を図るため、平成二十五年に河川法を改正し、河川の流量等に新たな影響を与えない農業用水等を利用した従属発電について、水利権を許可制から登録制に変更し、手続の簡素化を図ったところであります。これにより、一級水系における農業用水等を利用する従属発電の件数は、河川法の改正前が百三件であったものが、改正後に新たに百十四件が導入され大幅に増加するなど、一定の成果が上がっているものと認識しております。
  86. 舟山康江

    ○舟山康江君 ありがとうございます。  随時見直しの中で、やはり水利権の問題がネックだと随分言われている中で、そこは制度の見直しをいただいたということで前に進んだ、非常にそれは評価をしたいと思っております。  そして、加えて、やはり農林水産省におきましては、先ほど御紹介しましたとおり、農業用水等についての小水力発電へ向けての具体的な計画、採算性も含めた計画、設計、施設整備ということで、そこがかなり、実際に事業をするのは事業者ですけれども、国も含めてその後押しをしてきたと思うんですけれども、こちらの環境省が行ったポテンシャル推計というのは極めて機械的な推計なんですよね。具体的に採算性がどうなのか、設計の可能性がどうなのかということではなくて、機械的に設備容量等を計算をして、一定のものは除外をする中で数を出していると。  しかも、それが具体的にどこなのかという発表はまだされておりませんし、もう一つ、河川管理者である国交省がここにどれだけ関わっているのか。先ほどの御紹介の中でも環境省と経産省がとおっしゃっていましたけれども、河川の管理者である国交省がやはりもう少し主体的に後押しをする、やはりこれは河川法という法律があって、治水、利水、環境ということが入っておりますけれども、もう少しこの小水力の普及に向けて強い後押し、強いリーダーシップを発揮すべきではないかと、そのようにも思っているわけですけれども、そこの関わり方が若干弱いんではないのかなという懸念を持っております。  その点につきましては、国交省さん、どのようにお考えでしょうか。
  87. 塚原浩一

    ○政府参考人(塚原浩一君) お答え申し上げます。  河川管理者としての国交省といたしましては、先ほど御指摘のありましたポテンシャルの調査ということは実施をしておりません。しかしながら、小水力の発電の導入につきましては積極的に我々推進してまいりたいというふうに考えておりまして、例えば地方整備局等で相談窓口を設けるなど、積極的に関わってまいりたいというふうに考えております。
  88. 舟山康江

    ○舟山康江君 国交省としては相談窓口の設置が積極的にとおっしゃるかもしれませんけれども、例えば、先ほど申しましたとおり、設置可能、採算性も取れるんじゃないかというところをもっときちんと公表するとか、相談窓口についても、来たものを受け付けるのではなくて働きかけ、能動的に働きかけるとか、そういった対応も必要ではないかと思いますけれども、その辺の取組をもう少し見直していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
  89. 塚原浩一

    ○政府参考人(塚原浩一君) お答え申し上げます。  引き続きまして、事業者の様々なニーズございますので、そういったものの把握に努めてまいりたいというふうに考えます。
  90. 舟山康江

    ○舟山康江君 ニーズの把握とやはりその可能性のある、導入可能地、導入可能箇所、そういったものを公表するとかそういったことが、どうしようかな、やってみようかなと思う方々がもっと分かりやすく、そういった工夫も、まさに環境省が調査したその調査結果も含めて、国交省も共有をしながら働きかけるということをしていただきたいということをお願い申し上げたいと思います。  そして、続きまして、先ほど政務官から御答弁いただきましたけれども、非かんがい期の追加取得等の柔軟化というものは随分前に進んでいるのかなと思いますけれども、それでも、例えば河川の流量、他の水利使用者等に与える影響等を踏まえて許可する際に、ちゃんとデータがあればそれを変えることができるとなりますけれども、そういったしっかりとした、何ですか、流量調査、河川流量調査というのはかなりの地点で行われているんですかね。  それがないと、いわゆる設置者、事業実施者がその調査等をするのに当たって非常に手間と時間が掛かると、こんな苦情も聞いておりますけれども、河川流量調査等はどのぐらいの地点で行われているんでしょうか。ない場合のデータ蓄積等についての何か柔軟な対応というのも考えていらっしゃるんでしょうか。お答えいただけますでしょうか。
  91. 塚原浩一

    ○政府参考人(塚原浩一君) お答え申し上げます。  申し訳ございません、その地点の数まではちょっと手元に数字ございませんけれども、基本的に例えば一級水系は、国が関与している河川につきましては相当程度の点で流量等のデータを蓄積をしてございます。そういったものにつきましては、事業を考える皆様には積極的にデータを提供するように努めているところでございます。
  92. 舟山康江

    ○舟山康江君 やはり、国際社会からは日本の再エネの目標が非常に低いと、こんな指摘も出されているわけでありまして、そういう中で、私は冒頭に申し上げましたし、大臣からも力強い、心強いお答えをいただきましたけれども、小水力というのは非常に、さほど大きくない投資で大きな効果が見込まれると、導入適地さえあればできるということ、そういった意味ではもっと積極的に進めるべきではないのかなと思っておりますので、是非このいわゆる水利権の許可の柔軟性、もう少し進めていただきたいと思います。  事業者が準備しなければいけないデータ等をもう少し減らすとか、水を取って終わりというよりは基本的には戻すわけですから、そういった中で、確かに環境に悪影響を及ぼしてまで発電しなければいけないということは全く思っておりませんし、そのようなことを申し上げるつもりもありませんけれども、進められるように省を挙げて是非柔軟に対応いただき、まだもっともっと柔軟に対応いただきたいなと思っております。  そして、こういう小水力発電を進めるに当たりましては、ある意味では河川法の目的の中にエネルギー利用というものも追加する、こんなことも検討してもいいんじゃないのかなと思うんですね。確かに、利水という意味では排除しておりませんし、先ほども相談は随時受け付けているというお話がありましたけれども、何か受動的に、希望があれば使ってもいいよではなくて、もっと積極的に、使いましょうと、使うべきだということ、そういった姿勢を示すためにも私はこの河川法の目的にもエネルギー利用というものを追加してもいいんではないかと思いますけれども、これに関しましては、大臣、どのようにお考えでしょうか。
  93. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 河川法第一条ではこの法律の目的が規定をされておりまして、その中では、災害発生の防止等と並んで、河川が適正に利用されるようこれを管理するという趣旨が規定をされております。これは、河川はエネルギーの利用、すなわち水力発電を始めとして様々な形で利用されるものであることから、利用者相互の調整等を図り、河川の利用の増進を図ることと解釈をされております。したがいまして、エネルギー利用は既に河川法第一条において位置付けられていると考えているところでございます。
  94. 舟山康江

    ○舟山康江君 ありがとうございます。  明示的に目的が入ることによって認識が大きく変わるということもありますので、もし今ので利水という中にしっかりと組み込んでいるというのであれば、改めてこの再エネの推進、小水力の推進ということに対してどんどん発信いただきたいなと思っております。ありがとうございました。  続きまして、少し視点が変わりますけれども、労働の問題ですね、建設業の労働の問題について若干触れさせていただきたいと思います。  労災保険、これは災害、特に建設業などでもけがとか事故とかがやはりどうしても伴ってしまう、何とか減らさなければいけないということの中で労災保険がありますけれども、この労災保険につきましては、実はメリット制、これ自動車でもそうですよね、無事故であれば等級が上がって掛金が下がっていくと。こういったメリット制というものが存在しておりますが、不思議なことに、メリット制の対象が一定規模の事業規模以上に限定されているんですね。大きな事業所は無事故であれば掛金が下がると。まあ事故を起こせば上がるわけですけれども。  なぜ大企業に限定しているのか、これ、何度聞いても何度見ても全然よく分からないんですけれども、その理由について明確にお答えいただきたいと思います。
  95. 松本貴久

    ○政府参考人(松本貴久君) お答えいたします。  労災保険におきましては、事業の種類ごとに災害率等に応じて保険料率を定めていますが、同じ事業の種類であっても個々の事業ごとに災害率に高低の差があるため、事業主の保険料負担の公平性を確保するとともに、災害防止努力を促進するために、個々の事業の収支率、すなわち保険料に対する保険給付の割合に応じて保険料を増減させるメリット制を設けております。  このメリット制について対象を一定規模以上に限定しているのは、中小企業等、保険料が少額の事業については一件の事故で収支率が大きく変動するということがございますので、それによって支払う必要のある保険料も大きく変動することが考えられ、中小企業等の経営に大きな影響が及ぶおそれがあるためでございます。
  96. 羽田雄一郎

    ○委員長(羽田雄一郎君) 時間が来ておりますので、おまとめください。
  97. 舟山康江

    ○舟山康江君 はい。  それもお聞きしましたけれども、中小企業のやはり、何というんですか、安全管理の努力がどこにも反映されていなくて、このメリット制の意義、今理由はお聞きしましたけれども、どのような効果があるのか、なぜ大企業だけなのか、そこにつきましては、昨年四月の厚労委員会の議論の中でもよく検証すると、メリット制についてよく検証するというお答えがありましたけれども、検証はされているんでしょうか、そこだけお答えいただいて、終わりたいと思います。
  98. 松本貴久

    ○政府参考人(松本貴久君) メリット制の意義、効果につきましては、今ほど申し上げた点等を含めまして、実は、単独有期事業におきましては、平成二十九年度の状況を見ますと九六・六%の事業場のメリット増減率はマイナスとなっている、減っているということでございます。また、一括有期事業においても同様、八四・九%の事業場のメリット増減率はマイナスになっているというような効果が一定程度あるのではないかというふうに考えているところでございます。  それから、今ほど御質問いただきました点につきましては、一括有期事業のメリット制の規模要件というのは平成二十四年に四十万円、確定保険料額を四十万円に引き下げたところでありますが、更なる規模の引下げ等につきましても、その実態を踏まえつつ、引き続き検討をしてまいりたいと考えております。
  99. 舟山康江

    ○舟山康江君 ありがとうございました。  何か中小零細企業には非常に冷たいなというような気もしてなりません。その辺は大臣も昨年しっかりと検証するということをおっしゃっておりますので、さらに、規模で分けるべきなのかどうなのか、どのような効果があるのかも含めて検討をいただいて、見直しも含めた方向性をしっかりと打ち出していただきたいと思います。  ありがとうございました。
  100. 羽田雄一郎

    ○委員長(羽田雄一郎君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時五十七分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  101. 羽田雄一郎

    ○委員長(羽田雄一郎君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、国土の整備、交通政策の推進等に関する調査を議題とし、国土交通行政の基本施策に関する件について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  102. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 公明党の三浦信祐です。  昨日、東日本大震災から八年を迎えました。改めて、被災をされた方々にお見舞いを申し上げます。  防災・減災、復興を社会、政治の主流にしていくことが国民の生命と財産を守ることに直結をいたします。国土交通行政が担う役割はますます重要であります。国としてできること、自治体と連携を強化すべきこと、それぞれの役割を存分に発揮していただきたいとの思いで一つ一つ伺わさせていただきます。  水防災意識社会の構築について質問いたします。  近年、全国各地で多発しているゲリラ豪雨について、浸水・洪水対策が必要です。人口が集中している大都市部では、地表から地中に吸い込む領域が少ないために排水能力の向上が求められております。現在、東京、横浜、名古屋、大阪、福岡等、大都市市街地域の施設設計に当たっての計画降雨はどのようになっているのでしょうか。
  103. 塚原浩一

    ○政府参考人(塚原浩一君) お答え申し上げます。  大都市におけます下水道による浸水対策につきましては、一時間当たり五十から六十ミリメートル程度の降雨を対象に計画がされておりまして、整備が進められております。  また、一部には、過去に甚大な被害が発生した地区や地下街を有する地区など、重点的な地区といたしましては、これについては一時間当たり七十から八十ミリ程度の降雨への対策に取り組んでいる都市もございます。
  104. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 近年の気候変動により時間当たりの雨量が増加をしております。五十ミリではなく、むしろ今、八十ミリ、百ミリという時間当たりの雨量になっているのがよく報道されます。  局所的にも集中豪雨もあります。また、台風の大型化、強力化が進んでいること、その進路が従前では想定できない進路を進んでいること、そして上陸回数も増加していることなど、従前の雨量とは異なる状況となっております。  今後、防災を軸としたまちづくりの上でも、排水路の設計、計画規模を現状に対応していく必要があると私は思います。そのためにも排水能力向上などの対策を急ぐべきだと考えます。石井大臣、いかがでしょうか。
  105. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 平成三十年七月豪雨など近年の頻発する大規模な水害の教訓を踏まえまして、災害リスクに関する知識と心構えを社会全体で共有し、様々な災害に備える水防災意識社会への転換を図り、整備効果の高いハード対策と住民目線のソフト対策を総動員していく必要があると考えております。  排水能力の向上につきましては、計画を超える降雨が増加する中、河川改修等の治水事業と雨水排水施設や貯留施設などの下水道事業が連携した整備が重要であります。国土交通省といたしましては、雨水排水施設の整備などの排水能力の向上等の対策について、防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策にも盛り込むなど、今後とも財政的な支援を実施をしてまいります。  あわせて、事業推進のためのガイドラインの整備や、各都市で行われた好事例の横展開などの技術的な支援を行ってまいりたいと考えております。
  106. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 是非強力に進めていただきたいと思います。  豪雨時の地下街の浸水対策についても従来以上に講じなければならないと考えます。これまで以上に是非取り組んでいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
  107. 塚原浩一

    ○政府参考人(塚原浩一君) 地下街の浸水対策につきましては、水防法で避難確保・浸水防止計画の作成を義務付けておりまして、平成三十年三月時点で、対象となります一千百九の施設のうち七二%に当たります八百一の施設で計画が作成されたところでございます。  このような計画の作成を円滑に推進するため、計画作成の手引きの公表であったり、接続するビル等が多い地下街に対しては、協議会を設置をいたしまして連携した計画を作成するよう助言をいたしたり、あるいは計画作成の参考となる優良事例の収集、公表などを実施しているところでございます。また、止水板等の浸水防止用設備の設置を促進するため、助成制度や税制特例措置等も設けているところでございます。  今後は、更に市町村と連携いたしまして、地下街における浸水対策の導入促進に向けた説明会を新たに開催するなど、地下街の利用者の避難確保及び浸水対策が着実に推進できますよう、一層取り組んでまいりたいと思っております。
  108. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 今、自治体とも連携をというふうに言っていただけました。自治体のノウハウを、国からのノウハウを是非しっかり伝えていただきたいと思いますし、また、地下街によっては、高齢化が進んでいる中で経営者がその店舗をそのまま運営をしていないというケースもあって、財政体力の課題もあるかもしれませんので、是非幅広に検討をしていただきたいと思います。  明年のオリンピック・パラリンピックを見据え、大会期間中、万が一の豪雨に備え、東京都心部における重要な移動手段である地下鉄などへの浸水対策についても取組が急務であります。当然、全国的に行う必要があるとは思いますけれども、現状、東京圏での地下鉄への浸水対策の対応内容、そして対策が必要な箇所数、どれぐらい対策が済んでいるのでしょうか。確実に大会開催までに終えておくべきだと私は考えますけれども、いかがでありましょうか。
  109. 蒲生篤実

    ○政府参考人(蒲生篤実君) お答え申し上げます。  河川の氾濫やゲリラ豪雨等の発生時に地下駅等への浸水を防ぎ、多くの鉄道利用者の安全を確保することは非常に重要と認識しております。このため、地下鉄事業者等は、地方公共団体の作成したハザードマップの浸水想定等を踏まえ、地下駅の出入口の止水板の設置やトンネルへの防水扉の設置等の浸水対策を行っており、国土交通省では、これらの浸水対策が促進されるよう補助制度を設けて地下鉄事業者等への支援を行っているところでございます。  東京都内におきましては地下駅は二百七十一駅あり、そのうち、平成三十年十二月末時点で百七十九駅、約六六%の浸水対策が完了しております。なお、地下駅への出入口、換気口、トンネル坑口等の箇所ベースでは約八〇%の対策が完了しているところでございます。  国土交通省としては、東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、引き続き地下鉄事業者等の浸水対策が着実に進むよう取り組んでまいりたいと思います。  以上でございます。
  110. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 六六%、そして排水関係は八〇%との御答弁をいただきました。是非一〇〇%を目指すように是非連携を取っていただきたいと強くお願いをしたいと思います。  住宅地ではなく、商業地における水害リスクの周知はどのように考えられているのでしょうか。例えば大都市部において水災害が発生した場合、地域外からの就労者、邦人、外人問わず、観光客が理解できる体制になっているのでしょうか。確認が必要だと私は思います。自治体、企業等と連携をし、例えばアプリなどのようなものを作成し、広めたりすること、あるいは町じゅうに看板等での見える化を図るなど、災害対応の情報提供体制の強化を図るべきだと思います。  特にオリンピックの最中には、多くの外国の方が夏、雨が降る時期に来ていただくことにもなります。見える化が図られないことが、安全に運営ができないようなことがあってはならないと私は思います。総じて取り組んでいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
  111. 塚原浩一

    ○政府参考人(塚原浩一君) 水害が発生した場合には、住民だけでなく、通勤者や旅行者など地域外から一時的に滞在している方々も被災するおそれがございますので、誰でもどこにいても水害リスク情報が把握できるということが重要だというふうに考えております。  例えば、御指摘のように、生活空間である町の中に想定される浸水の深さや避難所の情報などを表示する、まるごとまちごとハザードマップと呼んでおりますけれども、このような施策であったり、あるいはスマートフォンの位置情報を活用した水害リスクの周知などは、地域の水害の危険性を実感し、避難の実効性を高めるために重要な取組であると考えておりまして、このような事例の共有、普及に努めてまいりたいというふうに思います。  また、水害ハザードマップ作成の手引きというのを作ってございますけれども、その中では、外国人観光客などを念頭に、日本語版だけでなくて英語版などの多言語で水害ハザードマップを作成するということといたしております。  このように、国土交通省といたしましては、引き続き、大規模氾濫減災協議会等の場も活用しつつ市町村とも連携しながら、広く多様な方々が地域の水害リスクを理解できるよう情報提供体制を強化してまいります。
  112. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 極めて大事なことだと思います。見える化を図るということ、そして、ふだんからそういうことがあった場合にはどうすればいいかということも不断の取組として行っていただきたいと思います。  個人のタイムラインと大規模河川等を考慮したタイムラインとの隙間、例えば小河川であったり、ごく短時間で溢水する水路などについて、自治体がタイムライン作成に知見を持ち得ていない場合もあると伺っております。加えて、最近、基礎自治体において、防災対応、建築土木の知見、経験を有している専門的な職員が不足をしているという声も伺っております。地域防災計画を作成する体力が必要であります。住民にとっては、国と県と市町村との役割分担を強調されたとしても、実の部分が重要だと思います。  その上で、災害発生時の公助を担う自治体への水防災関係の計画、タイムライン作成の支援等について、国は知見の提供、技術支援、細かくアドバイスできる体制、また相談できる体制の強化をすべきだと私は考えます。いかがでしょうか。
  113. 塚原浩一

    ○政府参考人(塚原浩一君) 国土交通省におきましては、平成二十七年九月の関東・東北豪雨災害を契機といたしまして策定いたしました水防災意識社会再構築ビジョンの取組の一つとして、河川管理者と関係市町村等による水害対応タイムラインの作成を推進しているところでございます。  このタイムラインにつきましては、国管理河川では関係する七百三十の市町村で策定が完了しているところでございますけれども、地方自治体が管理する河川等への普及にも資するよう、このタイムラインの策定・活用指針を平成二十八年八月に取りまとめ、地方自治体に周知をしたところでございます。都道府県が管理をする河川につきましては、二〇二〇年度末までに水害対応タイムラインの策定を完了させることとしておりまして、二〇一八年十二月末の現在で、全体の約四八%に当たる五百六十二の市町村で策定がされているところでございます。  御指摘のとおり、地方自治体によっては、タイムライン作成の経験や知見等をお持ちでないこともございますので、国土交通省といたしましても、都道府県管理河川における大規模氾濫減災協議会への参画、あるいは各河川事務所に設置された災害情報普及支援室での相談など、様々な機会を通じまして、これまでの取組で得られたノウハウ等を生かして積極的な技術的支援に努めてまいります。
  114. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 皆様の知見が国の中での生命を守るということに直結をしてくることであります。住民に直接ということではなくて、自治体の担当者であったり、また首長さんとも連携を取る、相談ができる体制というのを是非強化をしていただいて、その事例も更にまたフィードバックをする体制を取っていただきたいとお願いいたします。  次に、災害発生時の命綱である、全国で約十万キロ指定されている緊急輸送道路について伺います。  緊急輸送道路について、災害発生時に障害物が道路を覆ってしまえば当然使用することができなくなります。いざというときに緊急輸送道路が役割を果たせるようにするために、道路近傍に設置されているものの倒壊リスクを除却する取組をすべきだと思います。特に、無電柱化の促進は効果的であると考えます。これらについて、石井大臣、いかがでしょうか。
  115. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 大規模災害時の救命活動や復旧活動において、緊急輸送道路の通行が確保されていることが重要であります。  昨年九月の台風二十一号では、大阪府を始めといたしまして多数の電柱倒壊による道路閉塞が発生をいたしまして、救命活動等に支障を来すなど、国民生活に重大な影響がありました。  このため、無電柱化推進計画や防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策に基づきまして、二〇二〇年度までの三年間に、緊急輸送道路等において二千四百キロメートルの無電柱化に着手することとしております。また、新設電柱の占用禁止措置につきまして、直轄国道のほぼ全線に導入するとともに、地方公共団体が管理する緊急輸送道路への拡大に取り組んでいるところであります。  国土交通省といたしましては、引き続き、今後の大規模災害に備え、電柱等の倒壊リスクを低減することで緊急輸送道路の安全性の確保、向上に努めてまいります。
  116. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 緊急輸送道路に接続する道路についても、倒壊リスク除却の対策が必要だと考えます。特に、避難所とつながる道路等についての対応は欠かせません。地方自治体の地域防災計画へのアドバイスをより強固にするなど、実効性を担保するためにも、国と自治体との連携強化を図るべきだと私は思います。これについていかがかなと。また、支援などのメニューはどのようになっているのでしょうか。
  117. 池田豊人

    ○政府参考人(池田豊人君) 緊急輸送道路と避難所などを接続する道路につきましては、緊急車両が通行できる幅員を有すること及び災害時の通行確保に必要な体制を備えておくことが重要であると考えております。このため、地方公共団体に対し、啓開活動に向けた建設事業者との災害協定の締結や、占用物件の点検などのソフト対策を十分に実施するよう指導、助言に努めておるところでございます。  また、無電柱化や必要な道路拡幅などのハード対策を組み合わせて所要の機能が確保されるよう、交付金などで支援をしてまいりたいと考えております。
  118. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 その上で、これまでの災害発生をした場合における道路への災害対応支援、これを実施したことはあるのでしょうか。実績や対応などの内容について伺いたいと思います。
  119. 池田豊人

    ○政府参考人(池田豊人君) 大規模災害時の救援や速やかな復旧のために早期の道路啓開が極めて重要であると認識をしております。例えば、平成三十年七月豪雨の際に大規模な浸水被害を受けました岡山県倉敷市真備地区におきましても、国交省の方で、県管理の国道、県道、市道、全体で十四路線、約二十八キロでございますけれども、車道上の瓦れき撤去を約一週間ほどで完了したところでございます。  今後とも、緊急輸送道路などの復旧に重要な道路が被災をしたときには、県道においても国において必要な道路啓開を行うことや、テックフォースなどによる災害対応を行ってまいりたいと考えております。
  120. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 是非、今後とも、万が一のときには、これまで以上にこれまでの知見を生かして対応していただきたいということをお願いしたいと思います。  緊急輸送道路に接している建造物の耐震化も欠かすことはできません。老朽建築物、空き家、耐震強度に不安がある建物の存在が発災時に道路への障害物化するリスクを取り除いていかなければいけないと思います。緊急輸送道路に接している建造物の耐震化の推進が必要と考えますが、対策をしっかりと行うべきです。いかがでございましょうか。
  121. 石田優

    政府参考人(石田優君) お答えをさせていただきます。  緊急輸送道路沿道の建築物の耐震化は非常に重要な課題であると考えております。このため、平成二十五年の耐震改修促進法の改正によりまして、地方公共団体耐震改修促進計画に位置付けました緊急輸送道路等の避難道の沿道の建築物の所有者に対しまして、各地方公共団体が定めた期限までに耐震診断を実施して、その結果を報告することが義務付けられているところでございます。本年の二月末現在で、十七の都府県、また六十八の市町村がこうした避難道路を計画に位置付けているところでございます。  また、この措置によりまして耐震診断義務付けられました建築物につきましては、耐震診断を全額公費負担とするとともに耐震改修に対する補助率を引き上げるなど、重点的な支援を行っているところでございます。  引き続き、公共団体との緊密な連携を図りながら、緊急輸送道路沿道の建築物の耐震化の促進に努めてまいりたいと考えております。
  122. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 是非お願いします。  緊急輸送道路は河川をまたぐ場合も当然あります。橋梁の耐震化の取組はいかがでしょうか。また、当然、道路自体の耐震化も不可欠であります。現状を伺います。
  123. 池田豊人

    ○政府参考人(池田豊人君) 道路の橋梁についての耐震化は、平成七年の阪神・淡路大震災以降進めてきております。このうち緊急輸送道路については、橋脚の補強などにおきまして、落橋や倒壊を防止する対策をこれほぼ完了をしております。また、大規模地震時に路面に大きな段差が生じる場合がございますので、支承の補強などを推進しておりまして、平成二十九年度末時点で緊急輸送道路の約七八%の橋梁について対策が完了しているところでございます。  さらに、緊急輸送道路をまたぐ道路につきましても、落橋や倒壊によります下の緊急輸送道路の道路閉塞を防止するために、耐震化に対して、地方公共団体に対し防災・安全交付金により支援をしているところでございます。  引き続き、橋梁の耐震対策を進めてまいりたいと考えております。
  124. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 緊急輸送道路上に架かる線路や駅、またその鉄道のオーバー、アンダークロスの耐震化への取組状況は併せていかがでしょうか。
  125. 蒲生篤実

    ○政府参考人(蒲生篤実君) お答え申し上げます。  首都直下地震や南海トラフ地震の発生時に多くの鉄道利用者が安全を確保するとともに、緊急輸送道路の通行を確保することは非常に重要と認識しております。  このため、首都直下・南海トラフ地震で震度六強以上が想定される地域等においては、耐震補強に関する国土交通省の省令に基づきまして、利用者の多い路線や駅の耐震化と併せて、緊急輸送道路と交差、並走する線区にある高架橋の耐震化を二〇二二年度までに行うよう鉄道事業者を指導しているところでございます。また、このような耐震対策が促進されるよう、補助制度や税制優遇措置を設けて鉄道事業者への支援を行っているところでございます。  緊急輸送道路と交差、並走する鉄道施設の耐震対策については、高架橋柱及び開削トンネルの中柱の耐震補強、落橋防止装置の設置によりまして、平成二十九年度末時点で約九六%の対策が完了しているところでございます。  国土交通省としては、引き続き緊急輸送道路と交差、並走する鉄道施設の耐震対策が着実に進むよう取り組んでまいる所存でございます。  以上でございます。
  126. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 是非、多岐にわたる局の皆様方にこの緊急輸送道路のメンテナンス、また整備をしていただいていると思いますけれども、一か所でもおかしいことが起きればその役割を果たすことができなくなります。そういう面におきましては、どうか結束をして、皆様方で一日も早く一〇〇%を目指して頑張っていただきたいとお願いをさせていただきます。  次に、上下水道管の老朽化対策について伺います。  上下水道管は、地中等への埋設から数十年経過することで老朽化が生じていきます。近年、上水道では、破損によって道路が壊れ水が噴き出した事例や、湧き出して道路が水浸しになる事案、下水管の破損によって道路の陥没が発生をしております。  下水道管渠延長は、平成二十八年度末で約四十七万キロあると承知をしております。高度経済成長期に集中して整備されたものが多く、今後急激に耐用年度を迎え、施設の維持管理、修繕、補修、取替え等が行われなければなりません。  まず、事実関係を伺います。上下水道管、下水道管、それぞれ掌握をしている事故の年間発生件数はいかがでしょうか。
  127. 宮嵜雅則

    ○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。  議員から御指摘のありました上水道管が破裂して水が噴き出した件数という形ではちょっと把握していないところですが、全国の水道管において発生した漏水や濁水、バルブ等の設備異常等の事故件数は、平成二十八年度において年間約二万六千件となっております。この平成二十八年度の事故件数は、熊本地震の影響で前年度、二十七年度からやや増加しておりますが、トレンドで見ますと、十年前の平成二十年頃が年間約三万七千件程度発生していたものが、その後徐々に減少してきているという状況でございます。
  128. 塚原浩一

    ○政府参考人(塚原浩一君) 下水道管についてでございますけれども、下水道管の老朽化等に起因する道路陥没の発生件数につきましては、平成二十年度の年間では約四千百件であったのに対しまして、平成二十九年度では年間約三千件というふうになってございまして、その件数は緩やかに減少している傾向となってございます。
  129. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 取替えが進みつつあるという認識ではあると思いますけれども、件数としてはやはりゼロであることが理想だと思います。  その上で、被害が発生する前に破損箇所を発見するためにも、上下水道管自体や道路下での漏水、空洞化が生じていないか検査、点検や更新が重要だと思います。  これまでどのような取組をしてきたのか、水道管と下水道管、道路、それぞれ別々だと思います。今後更なる体制強化をすべきだと考えます。設置主体者、管理者への支援、そういう観点で見たメニューはどのようになっているのでしょうか。
  130. 宮嵜雅則

    ○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。  今議員から御指摘がありましたとおり、道路に埋設されている上水道管の事故を防ぐために、水道管の重要度や道路条件などの危険度等に応じて巡視や漏水調査などを行いつつ、土壌条件や水道管の材質等の情報も踏まえ、老朽化した水道管を計画的に更新していくことが重要です。  厚生労働省では、昨年十二月に成立いたしました改正水道法において、水道事業者等に対し水道施設の点検を含む維持修繕を義務付けるとともに、適切なアセットマネジメントを実施し、長期的な視点から水道施設の計画的な更新、耐震化に努めることを義務付けたところです。  また、基幹となる水道管路の耐震化に要する費用の一部については生活基盤施設耐震化等交付金による財政支援を実施しており、これらの措置を通じて水道管の老朽化対策を適切に推進してまいります。
  131. 塚原浩一

    ○政府参考人(塚原浩一君) 下水道についてお答えをいたします。  道路陥没の未然防止に向けまして、下水道管の適切な点検や改築は大変重要と認識をしております。このため、平成二十七年に下水道法を改正いたしまして維持修繕基準を創設し、下水道管の定期的な点検や、その結果に基づく適切な改築等の措置を義務付けたところでございます。  また、平成二十八年度より下水道ストックマネジメント支援制度を創設いたしまして、地方公共団体における計画的な点検、調査、改築を防災・安全交付金等により財政的にも支援をしております。  国土交通省といたしましては、これらの取組を推進いたしまして、下水道管に起因する道路陥没の未然防止等に努めてまいります。
  132. 池田豊人

    ○政府参考人(池田豊人君) 陥没などの事故を未然に防ぐ上では、道路の路面下の空洞を早期に発見することが重要と考えております。  このため、国交省では、日々の道路パトロールでの早期発見に努めているほか、都市部など路面下に空洞が発生する可能性が高い区間を対象に、路面の下の空洞調査を実施をしております。  具体的には、平成二十九年度、国で管理しております道路延長の約一四%でこの空洞調査を実施しておりまして、約二千二百か所の空洞が発見され、速やかな補修を実施したところでございます。  また、地方公共団体についても、舗装の維持修繕ガイドブックなどにより空洞の発見方法などを周知をしております。  引き続き、技術的な支援に努めてまいりたいと考えております。
  133. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 今、水道管、それも上水と下水と、また道路ということで、実は、立体的に三つの部局にわたって取り上げていかなければいけない課題だということがあります。当然、それぞれの財政的な支援もしていただき、技術支援もしていただいていると思いますけれども、道路を通るのは、その部署に分かれているということは分からない人が通っております。それぞれ点検がきちっと連携を取りながら共有されて、問題が起きないように、これからも対応していただきたいと思います。  大口径の水道管では、掘り返して交換する場合コストが極めて高くなります。これまであるストックを生かした効率の良い工法、長寿命、低コストを実現するための工法に対して引き続き支援をすべきだと考えますけれども、いかがでしょうか。
  134. 塚原浩一

    ○政府参考人(塚原浩一君) 大口径の下水道管につきましては、水量が多く、施設が大規模となるために、道路を掘り返して新たな下水道管を布設するということは、交通への影響やコストの面から、一般的には実施が困難というふうに考えております。そのため、大口径管の老朽化対策といたしまして、道路を掘り返さずに既存の下水道管を使用しながら管の内側から補強を行う、いわゆる更生工法が実用化をされております。  国土交通省といたしましては、このような更生工法による下水道管の改築を防災・安全交付金等の交付対象としておりまして、引き続き、こういった大口径管の老朽化対策を支援してまいります。
  135. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 是非、その知見のアドバイスも自治体にお願いしたいと思います。  次に、横浜港の高潮対策について伺います。  昨年、台風二十一号により、神戸港のコンテナターミナル等において高潮や高波による甚大な被害が生じました。ガントリークレーン等が損傷、復旧工事に時間が掛かったため、全ての航路再開に要したのは約三か月でありました。一方、ヤードに積まれていたコンテナは暴風により多数倒壊、一部は水域に流出し、神戸港で二日、大阪港で三日、船舶の航行の制限が出されました。  重要な港湾に高潮被害が発生することで港湾利用が妨げられ、結果として我が国の経済に大きな打撃を及ぼす可能性があることを示したものだと言えます。  国際戦略港湾に位置付けられている横浜港は、二〇一七年のコンテナ取扱量は全国二位であります。YKIPの設立以降、順調に航路の拡大、コンテナ取扱量が増大をしております。加えて、日本最深の水深を誇る南本牧埠頭のMC4の運用も予定をされ、コンテナ船の大型化による更なる取扱量の増大が予想されております。ここに高潮被害が発生した場合に甚大な影響が出ることは想像に難くありません。  そこで伺います。昨年の台風二十一号を踏まえた横浜港の高潮対策はどのようになっておりますでしょうか。
  136. 下司弘之

    ○政府参考人(下司弘之君) お答え申し上げます。  昨年の台風二十一号の際、大阪湾では過去最高の潮位を記録し、神戸港等の海岸保全施設より海側、いわゆる堤外地が浸水をいたしました。この結果、委員御指摘のとおり、コンテナの倒壊や漂流、電気設備の故障等が発生し、港湾の利用が一時的に困難となったことから、港湾における高潮対策の推進は大変重要な課題と認識してございます。  このため、国土交通省では、防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策として、コンテナ流出対策、電源浸水対策、防潮堤のかさ上げ等を集中的に実施してまいります。  ただいま委員からお尋ねのありました横浜港についてでありますが、市街地の地盤が比較的横浜港は高いため、現状では一部を除き海岸保全区域が指定されてございません。しかしながら、神奈川県が策定しました浸水想定によれば、市街地の一部や重要な物流施設が浸水するリスクがあるとされてございます。これを受けて、横浜市において順次海岸保全区域の指定を行った上で、護岸、胸壁等の施設整備を進めることとしてございます。あわせて、あらかじめ取るべき防災行動を整理した高潮リスク低減方策ガイドラインに基づき、防災行動計画の策定にも取り組んでおります。  国土交通省としましても、引き続き、横浜市のこれらの取組を積極的に支援してまいります。
  137. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 是非、経済を支える港湾でありますので、横浜市とも連携を取っていただいて進めていただきたいと思います。  首都直下地震が発生し、横浜港の機能が停止すると、首都圏はもとより、日本経済全体に影響を及ぼすと考えられます。貿易の物流の大半を担う海運が安全、安定的に活用できることが経済の血流と言っても過言ではありません。我が国の経済のためには、災害発生時にも港湾が海上物流拠点として運用、機能している必要があります。特に、首都直下地震に対しては、個別の港湾はもちろんのこと、東京湾全体としての対策が必要です。  首都直下地震の発生が想定をされている中、横浜港を含め、東京湾での海上物資輸送をしっかり確保するためにあらゆる取組をしていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
  138. 下司弘之

    ○政府参考人(下司弘之君) お答え申し上げます。  東京湾において首都直下地震などの大規模災害が発生した場合、政府の緊急災害現地対策本部が東京港の有明に設置され、その指揮の下、川崎港の基幹的広域防災拠点に支援部隊及び支援物資を集結し、湾内被災地の耐震強化岸壁に物資を海上輸送する体制を構築してございます。  また、支援物資を受け入れる港湾におきましては、最低限の港湾機能を維持するため、行政及び港湾、物流関連企業の活動を確保することが必要であることから、そのための計画、いわゆる港湾BCPを国土交通省を始めとする関係機関で策定するとともに、これらの機関が連携した実践的な訓練を実施し、実効性の確保に努めております。  今後とも、国土交通省としては、これらの取組を着実に進めることにより港湾の海上輸送の拠点としての機能を確保、向上させてまいりたいと考えております。
  139. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 ありがとうございます。よろしくお願いします。  次に、海上コンテナ物流について質問させていただきます。  まず、海上コンテナを輸送する事業者から何度となく、海上コンテナ車両が荷待ちのための時間、ゲート前待機時間が極めて長いとの話を伺います。すなわち、ターミナルゲートの渋滞が深刻な状況であるとともに、待ち時間の間輸送ができないため、その経済損失は大きいと言えます。  効率化が図られれば、輸送回数が増加をし、配送能力が増加した結果、輸送会社、ドライバーの賃金アップにも直結をいたします。生産性向上、働き方改革のためにも、荷待ち時間が短縮できる取組が急がれます。先ほど述べましたように、横浜港では更なる大型コンテナ船の入港も予定される中、効率化、渋滞解消、そして輸送能力向上を図ることが全て連携していかないといけません。  まず、伺います。京浜港における荷待ち時間の現状はどのようになっていますでしょうか。
  140. 下司弘之

    ○政府参考人(下司弘之君) コンテナターミナルゲートにおきましては、貨物が入った輸入コンテナの搬出、輸出コンテナの搬入、これらに加えまして、空コンテナの引取りや返却を行うための車両を全てゲートで処理する必要がございます。これに加えて、ターミナルゲートの処理能力の不足でありますとか、コンテナが引取り順に蔵置されていないことによる非効率性等により、ゲート及びその周辺の道路において渋滞が発生するものと認識しております。例えば、東京港、横浜港におきましては、コンテナ搬出入車両のゲート待ち、ゲート前の待ち時間が平均で一時間以上にも及ぶとの調査結果がございます。  国土交通省といたしましても、このような渋滞の緩和を図ることが重要であると認識しております。
  141. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 国交省さんが対策を取っていないわけではないということ、これはよく分かります。  その上でお尋ねをします。荷待ち時間短縮の取組の一つとして行われているAIターミナルとはどのような内容なのでしょうか。AIターミナル化が図られた場合、どのような効果、どれぐらいの時間短縮を生み出すと考えているのでしょうか、伺います。
  142. 下司弘之

    ○政府参考人(下司弘之君) お答えいたします。  国土交通省においては、世界最高水準の生産性と良好な労働環境を有するAIターミナルの実現に向けまして、AIを活用し、可能な限りコンテナを引取り順に積むこと、あるいはコンテナオペレーションを最適化するための実証事業を実施してございます。AIターミナルの実現により、コンテナ船の運航スケジュールを守った上で、コンテナ搬出入車両のゲート前待ち時間がほぼ解消することを目指して取組を進めております。  なお、AIターミナルのうち、先行的な取組として、平成二十八年度から平成三十年度まで、横浜港南本牧コンテナターミナルにおいて、情報技術を活用し、ターミナルゲート処理能力を向上させるための実証事業を実施してございます。本実証事業の結果、搬出時のゲート処理時間が約二割、搬出時のゲート前待機時間が約五割、それぞれ削減されたことが確認できております。
  143. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 これ、極めて重要な取組だと思います。  そうなってきますと、導入するために様々準備をしなければいけないことがあると思います。実証実験の結果を生かしていく中で、準備という観点から質問させていただきます。  AIターミナルを導入する場合、どのような設備導入、初期準備が必要なのでしょうか。また、当然、運送事業者も準備が必要であります。必要な備品、設備なんかはどのようなふうになっているのでしょうか。
  144. 下司弘之

    ○政府参考人(下司弘之君) お答えいたします。  AIターミナルの実現に当たっては、各コンテナターミナルにおいて新たなシステムを導入するなど、一定の初期投資が必要となります。一方で、ターミナルオペレーションの最適化により、ターミナル運営に係るコストが低減され、ターミナル全体の生産性が向上することを目指しております。  なお、トラック事業者等のターミナル利用者においても、ターミナルのシステムにアクセスする手段などに係る費用負担が生じる可能性がございます。このため、関係者と協議しながら進めてまいりたいと考えております。
  145. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 是非、運送事業者の皆さんの体力を維持するためにも、適正な価格ということ、そして適正な価格を提供できるように様々な技術を導入していただきたいとお願いをさせていただきます。  AIターミナル、非常にいいことだと思います。一日でも早く確立をして、時間短縮、効率向上へ導入をしていただきたいと思います。石井大臣、今後の見通しはいかがでしょうか。
  146. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) AIターミナルの実現に向けまして、本年度よりターミナルオペレーション最適化のための実証事業を実施をしておりまして、二〇二〇年度まで引き続き実施をしてまいります。  また、お尋ねがありましたAIターミナルの実現に向けた今後の見通しにつきましては、平成二十九年十二月に閣議決定をされました新しい経済政策パッケージに基づき、本年度中にAIターミナルの実現に向けた具体的な目標と工程を策定をいたしまして、公表することとしております。  国土交通省といたしましては、今年度中に公表いたしますこの目標と工程に沿って取組を進め、世界最高水準の生産性と良好な労働環境を有するAIターミナルを実現してまいりたいと考えております。
  147. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 是非、大臣、リーダーシップを取っていただいて、完成を目指して頑張っていただくとともに、これが横浜だけではなくて、兵庫であったり愛知であったり、また福岡であったり、大きな貨物を取扱いをする、コンテナを取扱いをするようなところにも展開をしていただく。さらには、世界最高水準でありますから、その知見を世界に売っていく、それぐらいの取組であると私は思いますので、大臣、またしっかり取り組んでいただければと思います。  来年度予算案の中に、交通の安全、安心の確保という項目で、踏切や通学路における安全対策の推進の項目にて、高速道路における逆走対策、歩行者等の誤進入対策の推進とあります。これに基づいて質問いたします。  高速道路の逆走による痛ましい事故が時折発生をしております。政府として把握している事故件数等も含め、逆走についてどのような御認識でしょうか。
  148. 池田豊人

    ○政府参考人(池田豊人君) 高速道路の逆走は、二〇一八年に年間二百件発生をしております。年齢別では、六十五歳以上の方の逆走が約六割を占めるなど、高齢者によるものが多いということに特徴がございます。また、逆走により発生した事故は、二〇一八年に年間三十二件発生しておりまして、非常に危険な事象であると認識しております。  このため、逆走が発生しやすいインターチェンジなどを中心に対策を実施しております。こうした対策の結果、二〇一八年は二〇一六年に比べ逆走の事故が約四割減少いたしました。  しかしながら、いまだ逆走による事故はなくならないことから、国交省としても、警察庁や高速道路会社と連携して継続して進めていくことが必要であると認識しております。
  149. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 一か月に三件弱、これは少ないと捉えるのか多く捉えるのか。逆走というのはそもそもあってはいけないこと。法令上の上だけで議論するのではなくて、実際に起こらないという対応が大事だと思います。  一つ飛ばさせていただきます。  運転者の年齢が高齢化社会に合わせて高くなっております。逆走事故の運転者が、今御報告いただいたように四五%が高齢者で占められている現状、年齢を広げますと六割。対策を打たなければなりません。  逆走防止について、未然の対策を進めることが極めて重要であります。現状、どのような対策を考え、今後どのような対応を計画をされているのでしょうか。道路側と車両側、それぞれ対応できることがあると考えます。いかがでしょうか。
  150. 池田豊人

    ○政府参考人(池田豊人君) 逆走防止につきましては、これまで道路側の対策として、インターチェンジやジャンクションなどでの合流部で路面の標示を行うことや、Uターンなどを防止するポールの設置などの物理的、視覚的な対策を行ってまいりました。この対策につきましては、高速道路の区域内では約九割を完了いたしました。今後は、一般道側からの誤進入の対策につきまして推進をしていく考えでございます。  また、行き先を間違えた車に対して間違えた区間の料金を免除して、転回を安全、適切に誘導するなどの措置を講じてまいりたいと考えております。  また、車両側の対策としては、これまでにカーナビゲーション技術などの活用により、逆走しているおそれがある場合に運転者に警報を発する機能が実用化をされております。  今後も、引き続き、高度な自動運転技術の開発を進めていく中で、車両側における逆走抑止技術の一層の進展が図られるよう取り組んでまいりたいと考えております。
  151. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 今御答弁いただいたこと、車両の技術でカバーできること、ただ一方で、自動運転化までの今端境期のとき、ここで事故があってはならないと思います。是非メーカーさんともよく連携を取っていただきたいと思います。  もう時間もありませんので、最後。外国人観光客の増加によって外国人運転者が増える中、母国では走行車線が左右異なることに起因する逆走も起こり得ます。レンタカー業者の皆様にも協力をいただいて、逆走事故防止も含めた安全対策に取り組んでいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
  152. 奥田哲也

    ○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。  国際航空旅客動態調査によりますと、訪日外国人の増加に伴いまして、主要空港から出国するまでにレンタカーを利用した外国人の数の推計値は、平成二十四年二十六・七万人から、平成二十八年百八万人の約四倍に増えているものと承知をいたしております。  このため、訪日外国人に対するレンタカーの事故防止対策として、レンタカー協会などにおきまして、英語、中国語及び韓国語での日本の交通ルール、道路標識、運転の際の注意点などを説明する冊子の配付、外国の方が運転していることが周囲のドライバーに分かる専用ステッカーの作成といった取組を行ってきております。  また、関係機関の連携によりまして、日本と海外の交通ルールの違いを周知する安全運転啓発動画というものを作成をいたしまして、日本政府観光局のホームページや大手レンタカー事業者の営業所などで放映をいたしております。さらに、レンタカー協会におきましては、昨年一月に、訪日外国人向けサービス向上アクションプランを策定いたしておりまして、従来の取組に加えまして、新たに交通ルールなどの情報を多言語で提供するドライブ支援アプリの開発など、一層の事故防止対策及び利用環境の向上に取り組んでいるところでございます。  国土交通省といたしましては、事故防止の取組について関係者と連携しながら、日本を訪れた外国人ドライバーが安全、安心に運転できる環境づくりに取り組んでまいります。
  153. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 終わります。ありがとうございました。
  154. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 日本維新の会・希望の党でございます、室井邦彦です。よろしくお願いいたします。  東日本大震災からの復興について少し質問させていただきます。多少重複いたしますけれども、御理解をいただきたいと思います。  東日本大震災から八年。報道機関でも、テレビでも、ワイドショーでも非常にいろんなところ、角度から取材されて取り上げております。それだけでもいろいろと理解はできるわけでありますが、政府は三月の八日の閣議で、見直しを進めてきた東日本大震災からの復興に関する基本方針を決定をされたようであります。二〇二一年の三月に設置期限を迎える復興庁でありますが、継続組織を置くということを明記をされました。津波被災地では、心のケア、特にソフト事業も重点を置いて続けていきたい、このような方針を立てておられます。またさらに、東京電力福島第一原子力発電所事故への対応は、これは中期、長期的な対応が必要だとした上で、継続して国が前面に立つことを強調をされておられます。  そこで、鉄道や道路の復旧復興は形で現れてきますから我々素人でも理解できますし、ああ、進んでいっているんだな、こういう解釈ができるわけでありますけれども、一方では、いまだに全国で五万二千人の方々が避難生活を余儀なくされているということであります。大臣も、大臣所信にあるとおり、一日も早い、そのような方々に生活、なりわいの再建に向けた取組が必要なんだというふうに力強くおっしゃっていただいております。  そこで、真の復興と言える、安心して暮らせるまちづくりを進めるために、今後さらに、大臣、国土交通省として何をどう取り組んでいこうとされているのか、大臣のお考えを、御決意をお聞かせをいただきたいと思います。
  155. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 昨日で東日本大震災の発生から八年となりました。私は、大臣に就任して以来、度々被災地を訪れてまいりましたが、インフラの復旧復興等は着実に進展をしております。  第一に、インフラの復旧は、復興道路、復興支援道路が全体の約九割で開通済み又は開通見通しが公表済みの状況など、進展をしております。JR常磐線の二〇一九年度末までの全線開通などを目指しまして、引き続き地元の協力をいただきながらインフラ整備を進めてまいります。  第二に、住宅再建・復興まちづくりにつきましては、災害公営住宅と高台移転の整備が今年度末まででおおむね完了いたします。さらに、造成完了宅地の有効活用に向けまして、復興庁と連携をいたしまして、自治体への助言、支援、働きかけ等を積極的に実施するなど、引き続き現場の課題に対してきめ細やかに対応をしてまいります。  第三に、なりわいの再建につきましては、観光の振興が不可欠となっております。観光の振興につきましては、二〇一八年の東北六県の外国人宿泊者数が震災前の約二・四倍の約百二十万人泊となっております。引き続き、二〇二〇年に百五十万人泊とする目標に向け、東北ならではの観光資源を外国人の目線で磨き上げる事業など、東北六県の地方公共団体が実施をいたします取組を支援するほか、日本政府観光局が実施をいたします海外主要メディアを活用した知名度向上の取組などを引き続き行ってまいります。  十年の復興期間も残り二年となりますが、引き続き、復興の総仕上げに向けまして、国土交通省の総力を挙げ、被災者の皆様のお気持ちに寄り添いながら取組を進めてまいりたいと考えております。
  156. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 ありがとうございます。  手綱をしっかりと引き締めて、引き続き頑張っていただきたいと思います。東北の再生なくして日本の再生はなしと、こういうことから心合わせをしてスタートいたしましたので、よろしくお願いを申し上げます。  引き続きまして、進めさせていただきます。  非常時の、先ほどもお尋ねございましたけれども、訪日外国人の安全、安心の確保についてでありますが、本年は、多くの国々から国家元首、祝賀使節団などが来日する即位の礼、我が国の初めて開催されるG20、また、第七回アフリカ開発会議、二〇一九年ワールドカップラグビー大会など、我が国では国際的な行事が、イベントがめじろ押しになっております。来年はいよいよ二〇二〇年オリパラ東京大会がございます。その後、二〇二五年大阪万博と引き続き、さらに、政府は観光先進国を目指し、訪日外国人旅行者数を二〇二〇年に四千万人、そして二〇三〇年には六千万人と、こういう目標を掲げておられます。諸施策の推進に当たっていると、積極的に取り組んでおられることは承知をしているところであります。  ここで、この我が国を訪れる方の安心、外国の方の安心、安全を最優先に諸施策を進めていくという決意である中で、特に巨大地震やテロ等の非常時に外国人旅行者の安心、安全がいかにして確保されようとしておられるのか、どう取り組もうとしておられるのか、国土交通省の対応能力を更に強化していただけるということでありますけれども、具体的にどのようなことなのか、お示しをいただきます。
  157. 田端浩

    ○政府参考人(田端浩君) 委員御指摘のとおり、大規模地震などの非常時におきまして、訪日外国人旅行者に対しては、まずは正確な情報発信をやっていくということが重要でございます。  そのため、昨年の台風二十一号やあるいは北海道胆振東部地震におけます経験を踏まえ、昨年九月二十八日の観光戦略実行推進会議におきまして、非常時の外国人旅行者の安全・安心確保のための緊急対策が決定をされました。  観光庁といたしましては、これを踏まえて、関係省庁、機関、あるいは関係事業者とも連携をいたしまして、日本政府観光局、JNTOのコールセンターについて、ジャパンビジターホットラインとして、三百六十五日二十四時間、英語、中国語、韓国語でのきめ細かい相談ができる体制を確立するとともに、自動の応答機能、年度内に追加をしていくことで考えています。  また、来年度予算におきましては、従来のJNTO認定観光案内所に加えまして、公共交通機関における非常用電源や携帯電話充電器などの整備などを支援をいたしまして、この業務継続能力を強化をしていくということを考えています。  また、新幹線の車内、駅におきます遅延情報の提供を充実をしていくために、一月三十日にはJR各社に対しまして、異常時における訪日外国人旅客への情報提供に係る対応方針を通知をいたしました。また、空港においても、多言語翻訳機器、アプリの活用等によります多言語案内を充実をしていくといったような、こういうような対策に取り組んでいるところでございます。  今後とも、委員御指摘のように、災害時の非常時の対応を含めまして、訪日外国人旅行者が安心して旅行できる環境の整備に努めてまいりたいと考えております。
  158. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 引き続いて、防災気象情報の伝え方の改善と業務の推進について質問いたしますが、どのような改善とされたのか、業務の推進をいかに進めていくのか、その点をお答えいただけますか。
  159. 橋田俊彦

    ○政府参考人(橋田俊彦君) お答え申し上げます。  平成三十年七月豪雨を始めといたしまして、近年相次ぐ大雨災害を踏まえまして、気象庁では、避難等の防災行動に役立つための防災気象情報の伝え方の改善策について検討するため外部有識者による検討会を開催いたしまして、昨年十二月末に改善の方向性と推進すべき取組を取りまとめたところであります。  この取りまとめを踏まえまして、具体的な取組といたしまして、地方気象台に地域ごとの専任チームを配置することなどによりまして、市町村や住民における防災気象情報に対する一層の理解促進に向けた取組の強化、次に、防災気象情報を我が事として実感を持って活用いただけるよう、記者会見等における情報発信の工夫、さらに、土砂災害の危険度を地図上に示す分布図の高解像度化を図るなどの、情報を使いやすくするための改善などに取り組むこととしております。さらに、訪日外国人への情報提供といたしまして、気象庁ホームページの多言語化の推進にも取り組むこととしております。  気象庁といたしましては、防災気象情報が避難等の防災行動に効果的に役立てられるよう、関係機関と緊密に連携いたしまして、以上のような取組をしっかり進めてまいりたいと考えております。  以上です。
  160. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 よろしくお願いをしたいと思います。  平成三十年に、豪雨においては気象庁は事前に記者会見を行ったり、その後、大雨特別警報などの様々な情報を提供されて努力をされましたけれども、結果として甚大な被害が発生したという経験を踏まえて、よろしくお願いをしたいと思います。  続きまして、防災・減災対策についての質問をさせていただきます。  大臣所信の中で、大規模地震に備え、先ほど三浦先生からも御質問ありましたけれども、無電柱化の件に関して、大規模地震に備え、無電柱化、耐震化、地盤の強化、ブロック塀等の安全性の確保、堤防のかさ上げ、輸送機関の安全確保や発災時の対応についての指導、訓練等の取組を推進していくことでありますと、力強く大臣に所信表明をしていただいておりますが、そこで、他方で、国土強靱化関係予算総額は、昨年までの五年間に総額約十八兆円強の巨費が投じられてきたと。しかしながら、災害が発生するたびに国土に大きな爪痕を残し、甚大な被害をもたらしているということであります。  そのような意味で、この無電柱化も特にそうなんですが、一省庁だけでは結果、解決に限界があるということであります。関係省庁との更なる連携強化が必要であるというふうに私も考えております。  国土交通省は、切迫する巨大地震に備え、その点、どのような目標を設定し、取り組んでいこうとされているのか。大臣、三浦先生の御質問に答えておられましたけれども、違う角度からお答えできるところがあれば、これは大臣答弁じゃないのか、答弁者の方、お願いをしたいと思います。
  161. 塚原浩一

    ○政府参考人(塚原浩一君) お答え申し上げます。  切迫する大規模地震対策につきましては、今年一月に対策計画の改定を行ったところでございまして、例えば南海トラフ巨大地震につきまして、短時間で巨大な津波が押し寄せ、沿岸部を中心に広域かつ甚大な被害が想定されることから、ゼロメートル地帯の堤防の耐震化、駅間停車した列車からの安全な避難確保などを推進してまいります。  また、首都直下地震につきましては、建物の倒壊や火災により特に密集市街地では甚大な被害が想定されることから、住宅等の耐震化や不燃化、ブロック塀等の安全確保、道路の無電柱化等を推進してまいります。  さらに、この両対策計画におきましては、例えば河川堤防の整備率を平成三十二年度までに七五%に向上させるといったような具体的な達成目標を設定いたしまして、対策を進めているところでございます。  さらに、政府全体の基本計画も踏まえまして、海岸堤防のかさ上げ、耐震化であったり、あるいは道路啓開の実施、放置車両の円滑な処理など、関係省庁と緊密に連携を図りながら、必要な予算の確保に努めつつ、国土交通省の現場力を最大限活用し、災害から国民の命と暮らしを守るため、ハード、ソフト対策を総動員いたしまして防災・減災対策に取り組んでまいります。
  162. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 大臣も、無電柱化の件に関しては、二千何キロだったかな、目標を掲げて具体的に頑張るということをお聞きいたしました。  地震で電柱が倒れるという、地下に埋めちゃうと恐らく停電とかそういう関係も少なくなるし、緊急道路も塞ぐということがないので、これをもう国策として、国土交通省だけが中心になって進めていくよりも、ひとつそういう形で、京都も国際観光都市、いろいろと観光立国を目指す中で、トランスが、電線が垂れ下がっているところへ観光の町だと言っても諸外国から来た方々はどう思われるのか、その辺が私も非常に心配でありますので、早急に進めていただきたいとお願いをしておきます。  最後の質問でありますが、また航空分野での事件が起きました。私はこれは読売新聞の記事を資料としてお持ちしておりますので目を通していただければ幸いでありますけれども、ぞっとするような、でたらめなことを何回もしていると。本当に恐ろしいことであります。  その点について二つほど御質問をいたしますが、国交省は、こういう様々な、想像を絶するようなでたらめをする、そして資格のない人間が資格をしたように資格者の判を押すとか、その前に、随分前にも同じことを忠告を受けたけれども、その後は、内部告発があって調べたけれども、いや、そんなことはありませんといううそをついておるとか、もう本当に、飛行機、空を飛ぶもののその機械をそういういいかげんなことで今日してこられたということについて、今後の航空業界についての信頼の取戻し、そういうことをどう考えておられるのか、航空分野での安全に対する信頼を取り戻すためにどのように対応しようとされておるのか。蝦名さんがお答えいただけるんですか、よろしくお願いします。  続けて、時間がございませんのでもう一点。  私も非常に期待をしておりました日本の航空技術というのは、ゼロ戦から始まって世界に冠たる技術を持っておりましたけれども、戦争に負けてから、アメリカ軍からそういうものの製造は禁止をされてきまして、非常に航空業界も後れを取っております。  航空産業が再び大きく力を出すということは自動車造りよりも大きな産業の活性化につながると私も楽しみにしておりましたけれども、これ十年掛かりでうろうろとしておると。これが十一年後か十二年後か十三年後に許可が下りた段階では、もう古い機種として扱われて営業ができないんじゃないかという、そういうさみしさも思っておるんですけれども、二つまとめてこの点をお答えをいただきたいと思います。
  163. 蝦名邦晴

    ○政府参考人(蝦名邦晴君) お答え申し上げます。  IHIによります不適切事案につきましては、航空法に基づく認定事業場制度の社会的な信用を大きく失墜させるものでございまして、誠に遺憾でございます。  IHIからは、エンジンメーカーとのこれまでのやり取りでは、エンジンの取卸しや使用制限を直ちに行う必要はないとの報告を受けておりますけれども、航空局といたしましては、そうした見解の妥当性の確認を早期に完了すべく現在作業を進めております。また、IHIに対しましては、こうした安全性の検証に加えまして、類似事案の有無についての調査や不適切事案の要因、背景の分析及び再発防止策の策定を指示しているところでございます。  現在、不適切事案の内容等につきまして精査をしているところでございますけれども、判明した事実に基づきまして、必要な行政処分等をできる限り早期に行うべく対応してまいりたいと考えております。  なお、本件に関連いたしまして、三月七日には、国内の他のエンジン整備事業者八社に対しまして同様な不適切事案がないかの調査を指示したところでございまして、その報告結果も踏まえまして適切に対応してまいりたいと考えております。  国土交通省といたしましては、引き続き、認定事業場や航空事業者等に対する適切な指導監督を行いまして、航空安全の確保及び信頼の回復に取り組んでまいりたいと考えております。  また、二点目のMRJ、三菱航空機の関係でございますけれども、現在、三菱航空機によりまして、二〇二〇年半ばの運航開始を目指して、国産航空機、いわゆるMRJの開発が進められておりまして、国土交通省におきましては、航空機が安全環境基準に適合することの証明、いわゆる量産化のための型式証明の審査を実施しているところでございます。今月からは、米国のモーゼスレイクにおきまして航空局のパイロットによります型式証明飛行試験を開始しておりまして、国土交通省といたしましては、国際民間航空条約に基づき、MRJの設計、製造国政府としての責務を果たすために、引き続き、MRJに対する安全性審査を適切かつ円滑に進めてまいりたいと考えております。  また、運航開始後を見据えまして、同様に、国際条約で求められております設計、製造国政府の責務といたしまして、国産航空機メーカーが当該機の不具合情報を国内外の運航会社から収集する制度、国産航空機メーカーが作成した修理、改造の手順を国が承認する制度を新たに構築すべく、今般、航空法改正法案を本通常国会に提出をさせていただいているところでございます。この新たな制度を構築することによりまして、運航開始後の安全性の信頼を確保するとともに、国産航空機MRJの円滑な輸出の後押しにもつなげてまいりたいと考えております。
  164. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 終わります。
  165. 行田邦子

    ○行田邦子君 日本維新の会・希望の党、行田邦子です。よろしくお願いいたします。  私はまず、建設分野における外国人材の受入れについて伺います。  昨年の臨時国会では入管法の改正の審議が行われまして、その中で技能実習制度についての様々な問題点も指摘がされました。とりわけ、建設業における技能実習制度においても、例えば失踪者が他の分野と比べて多いのではないかなど、課題が浮き彫りになりました。  そこで、まず初めに大臣に伺いたいと思います。こうした国会での議論を受けまして、建設業における技能実習制度の見直しをどのように今なされているのか、お答えいただきたいと思います。
  166. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 技能実習制度におきまして、建設業では他産業に比べまして失踪者数が多い状況ですが、その背景としまして、現場ごとに就労場所が変わり管理の目が行き届きにくい点や、季節や仕事の繁閑により報酬が変動し得るなどの建設業の特性が挙げられます。  こうした特性を踏まえまして、新たな在留資格であります特定技能では建設業特有の基準を設けることとしておりますが、技能実習生につきましても修了すれば試験免除で特定技能での就労が可能になることから、技能実習生についての受入れ基準についても一定の整合性を図る必要があると考えております。  具体的には、受入れ企業に対しまして、月給制等により技能実習生に安定的な賃金支払を行うこと、技能実習生を就業履歴等を蓄積する建設キャリアアップシステムに加入させることなどを求めることを検討しております。  こうした措置によりまして、技能実習生につきましても日本人と同じ基準で技能、経験を評価をし、適切な処遇を実現することで、不当な処遇を理由とした失踪の抑制が図られるものと考えております。  このような技能実習生の受入れ基準の見直しにつきまして、現在、技能実習法に基づく協議会の場等におきまして、関係省庁、業界団体、有識者等と検討を行っているところでありますが、広く意見を求めた上で、なるべく早期に必要な基準を作りまして運用開始することを目指してまいりたいと考えております。
  167. 行田邦子

    ○行田邦子君 しっかりとしたルールの下に技能実習制度の本旨を踏まえた制度の見直しということをやっていただかないと、これ、国際社会での信用も落としかねないことになりますので、よろしくお願いいたします。  続いて質問をいたしますけれども、配付資料、お手元にお配りしておりますが、御覧いただきたいと思います。  建設業における技能実習は、今現在で二十二職種、三十三作業が対象となっています、なんですけれども、これまでは一人の技能実習生に対して認められる作業というのは一つのみということです。この作業を見ていただくと分かるんですけれども、非常に細かく作業が分かれています。例えばなんですけれども、鉄骨関係でありますと、例えば組立てで、組立て作業で認められている場合は組立て作業しかできなかったり。ところが、実際の現場では日本人の技能者は鉄骨の加工もやって組立てもやって溶接もやるといった多能工的なことが増えておりますけれども、まあこれが実際だと思いますけれども、技能実習生は一人の技能実習生に対して一つの作業しか認められていないと。これでは効率が悪いのではないかと、技能実習生のためにも良くないのではないかという意見が業界からもありまして、そして平成二十八年の法改正、二十九年の施行では複数の作業に就くこともできるように改正されました。  けれども、これは、いろんな建設業界の方とお話をしていますと、浸透していません。こういった制度改正がなされましたということがなかなか浸透していないと思います。この新制度においては複数の作業に従事することも可能となったということをしっかりと周知をする必要性があると思いますけれども、法務省、いかがでしょうか。
  168. 石岡邦章

    ○政府参考人(石岡邦章君) お答え申し上げます。  旧制度において技能実習二号に移行する予定の場合、単一の職種及び作業を行わせる技能実習しか認められていませんでしたが、平成二十九年十一月施行の技能実習法の下では、多能工を養成するとのニーズに応えるため、複数の職種、作業の技能実習を行うことの合理性や相互の職種に関連性があることなどの一定の要件を満たせば、複数の職種、作業による技能実習を行うことが可能となりました。これまでも、主務省庁であります法務省及び厚生労働省のホームページや外国人技能実習機構のホームページ上に公表している技能実習制度運用要領に複数の職種、作業を行うことが可能である旨を明記し、周知を図ってきたところでございます。  委員の御指摘を踏まえまして、今後、技能実習機構が実施する実地検査、あるいは定期的に開催する業種ごとの事業協議会、さらには技能実習責任者等に三年ごとにその受講が義務付けられる養成講習、これらの機会を利用しまして積極的に複数の職種、作業による技能実習が可能である旨の周知を更に積極的に図ってまいりたいと考えております。
  169. 行田邦子

    ○行田邦子君 是非、法務省におかれましては、建設業界の皆様の立場も踏まえて、周知をしていただけたらというふうに思っております。  続けて質問させていただきます。  特定技能としての受入れ対象技能には技能実習にはない職種、作業があります。例えば、来月から始まるものでいいますと、トンネル推進工とか土工とか電気通信といったものなんですけれども、どのような理由で特定技能の対象に加えられたのか。そしてまた、これらの特定技能に加えられている職種、作業が技能実習の対象となるのか。また、特定技能のみの対象となっている技能について技能実習生が国内で試験を受けることができるのか。例えば、今、とびとしての技能実習生が国内で土工の試験を受けるとか、あるいは左官として技能実習を行っている方が外壁仕上げの試験を受けて特定技能の資格を得ることができるのかといったことです。
  170. 野村正史

    ○政府参考人(野村正史君) お答えいたします。  今般の新たな在留資格、特定技能による受入れですけれども、これは、人手不足が生じていて、生産性向上や国内人材確保の取組を行ってもなお必要な分野において、一定の専門性、技能を有することを試験等により確認した外国人材を受け入れるものでございます。したがいまして、特定技能においては、技能実習での受入れ対象職種であるか否かにかかわらず、外国人材を受け入れなければならない需要があり、海外における試験実施などの準備に見通しが立った職種から受入れを開始することとなります。  建設分野におきましては、上記の観点から関係業界団体と協議を行った結果、技能実習での受入れ対象でない四職種、今ほど委員からも御指摘のありました四職種を含む十一職種をまずは受入れ対象とすることとなりました。  また、現在、技能実習での受入れ対象となっていない職種についても、要件を満たせば今後技能実習の受入れ対象の職種に追加される可能性はあるかと承知をしております。  なお、建設分野の特定技能一号に係る試験は海外での実施を基本としておりますけれども、一定の需要があれば国内でも実施する方針でございます。そして、この特定技能一号に係る試験について仮に国内で試験が行われる場合ですけれども、その場合は技能実習中の方については受験は認められておりませんけれども、既に技能実習を修了した方については受験可能となると承知をしているところでございます。
  171. 行田邦子

    ○行田邦子君 この制度、来月から始まるわけですけれども、よく関係者の皆さんから、いや、どうなっているのと、よく分からないという声、たくさん聞きます、建設業だけではありませんけれども。混乱のないようによろしくお願いいたします。  それでは、続きまして、太平洋島嶼国との友好協力関係について伺いたいと思います。  日本と太平洋島嶼国は太平洋でつながっている関係です。そして、この太平洋島嶼国の排他的経済水域には豊富な海洋資源があって、そしてまたエネルギー等の、資源等の海上輸送のルートとなっていたりと、我が国にとっても非常に戦略的に重要な地域であります。また、太平洋島嶼国というのは、日本の国連安保理の常任理事国入りの支持を表明してくださるなど、国際社会においても重要なパートナーと言えると思います。  そこで、まず大臣に伺いたいと思います。  太平洋島嶼国との関係強化についての大臣の御所見と、そしてまた、近年、太平洋島嶼国だけではなくて、アジア太平洋諸国に対する海上保安支援の重要性が非常に高まっていると思いますけれども、そうした中での国土交通省、海上保安庁としての取組をお聞かせいただけますでしょうか。
  172. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 昨年の第八回太平洋・島サミットにおきましても共有をされました、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けまして、太平洋島嶼国との関係を強化していくことが重要と認識をしております。  そのため、国土交通省では、同地域における海上保安分野の能力向上や連結性強化に資するインフラ整備等に協力をしております。  特に海上保安庁では、パラオ、フィジー等の海上保安機関等の職員を日本に招聘し研修を実施しているほか、本年一月には、外国海上保安機関に対する能力向上支援の専従部門である海上保安庁モバイルコーポレーションチームを現地に派遣するなどの人材育成の支援を実施をしております。  加えまして、平成三十一年度より国際戦略官を設置するほか、モバイルコーポレーションチームを増員をいたしまして、海上保安分野における国際協力体制等の強化を図ります。  また、同地域との民間経済交流の活発化は関係強化を図る上で重要であり、交通の要となる空港の整備運営事業への協力や、観光促進の取組も行っております。  今後とも、同地域の関係強化に向けまして、国土交通省といたしまして可能な協力をしてまいりたいと考えております。
  173. 行田邦子

    ○行田邦子君 我が国の管轄海域をしっかりと守るために、海上保安庁におかれましては、体制を強化、また組織の再構築というか、をしていただきたいと思いますけれども、それだけではなくて、やはり国際関係の業務も必要性が増しておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。  それでは、続きまして、外務省に伺いたいと思います。  日本は太平洋島嶼国に対して様々なODAを行っていますけれども、OECDのDAC、開発援助委員会のルールでは、一人当たりGNIが一定水準を超えた国はODAカウントの対象から外れることとなっています。  例えば、今後ですけれども、パラオ共和国、ナウル共和国、クック諸島、ニウエなど、近い将来、ODAカウントの対象から外れる可能性もあるかと思います。その場合なんですけれども、日本はこれらの国々に対してODAを継続するのか、それともDACルールでODAカウントから外れてしまうことによってODAをやめてしまうのか、どのようにお考えでしょうか。
  174. 桑原進

    ○政府参考人(桑原進君) お答えいたします。  OECD開発援助委員会、DACの援助受取国・地域リストに含まれない、いわゆるODA卒業国については、開発協力大綱に明記されているとおり、一人当たりの所得が一定の水準にあっても特別な脆弱性を抱える国々等に対しては、相手国の開発ニーズや負担能力を踏まえ、必要な協力を引き続き実施していく方針でございます。
  175. 行田邦子

    ○行田邦子君 分かりました。よろしくお願いします。  そもそもなんですけれども、これは一人当たりGNIが一定水準を超えた国はODAカウントの対象から外すということが、逆にそれをやってしまうと、どの国がどの国に対してODAの支援を行っているのかが分からなくなってしまうじゃないかということも疑問に思っておりますので、その点も踏まえて、よくよくお考えいただけたらと思います。  では、続きまして質問をさせていただきます。  三月七日から、パラオ共和国のレメンゲサウ大統領が来日をされています。今日お帰りになったんでしょうか。ということですけれども、そして安倍総理とも会談をされたというふうに承知をしていますけれども、この度の大統領の来日で得られた外交成果と、それから今後の課題についてお聞かせいただきたいと思います。
  176. 石川浩司

    ○政府参考人(石川浩司君) お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、三月七日から本十二日まで、レメンゲサウ・パラオ共和国大統領が実務訪問賓客として訪日しまして、天皇皇后両陛下との御昼餐、安倍総理大臣との首脳会談及び夕食会等を行いました。  両首脳は、パラオの強靱かつ持続可能な発展のための協力について議論し、安倍総理から、自由で開かれたインド太平洋の実現のための協力について述べたのに対しまして、レメンゲサウ大統領よりは、長年にわたる日本の支援に対し謝意が表されました。また、日・パラオ間の強固な二国間関係の更なる発展について議論しまして、安倍総理から、貿易投資、観光促進を後押ししていく考えを示したのに対しまして、レメンゲサウ大統領から高い期待が示されました。また、遺骨収集事業や日本漁船の安定的な操業、人的交流などのために引き続き協力していくことを確認したところでございます。  今回のレメンゲサウ大統領の訪日で得られた成果を踏まえまして、引き続き日・パラオ関係を一層強化していく考えでございます。
  177. 行田邦子

    ○行田邦子君 安倍総理からレメンゲサウ大統領に対しても、我が国からの観光、貿易投資の後押しを強化していくということをおっしゃられたということですけれども、そこでなんですけれども、太平洋島嶼国は漁業を除きますと主たる産業というのが観光だと思います。パラオ共和国もそうです。  そんな中で、政府間の関係構築、それからまた政府からの様々なODAなどの支援というのもこれはもちろん重要なんですけれども、ただ、日本のプレゼンスを高めるためには、日本人の旅行客がたくさんその国に行く、観光客を増やす、そしてそのことによって投資も増えていくだろうというふうに思っております。日本からの観光客を増やすためには、そのために重要なのは、私は、飛行機の直行便、これがあるかないかというのは、これは結構大きな影響があると思っております。  昨年の五月に日本―パラオの定期直行便が廃止されました。その後どうなったかといいますと、日本からパラオへの観光客が四割減少したというふうに聞いています。もしかしたらそれ以上減っているのかもしれないんですけれども、影響があるというふうに思っております。国土交通省としても、定期直行便の就航を何とか後押しできないものでしょうか。
  178. 蝦名邦晴

    ○政府参考人(蝦名邦晴君) お答え申し上げます。  御指摘の日本―パラオ間の定期直行便につきましては、二〇一〇年十二月からデルタ航空が週四便で就航しておりまして、その後、段階的に減便して週二便を運航しておりましたが、二国間の航空需要が不十分であったことなどを背景といたしまして、二〇一八年五月に運休をしております。  国土交通省といたしましては、パラオを含めまして、定期便が就航していない国への直行便の就航に向けましては、まずはチャーター便の運航等によりまして航空需要の掘り起こしを行うことが重要であると考えております。特に、パラオにつきましては、旅行会社や航空会社に呼びかけを行うなど、チャーター便組成に向けた取組の促進を関係者に働きかけました結果、継続的にチャーター便が運航されている状況でございます。  国土交通省といたしましては、我が国の航空ネットワークの更なる充実に向けて、引き続き関係者と取り組んでまいりたいと考えております。
  179. 行田邦子

    ○行田邦子君 是非よろしくお願いします。  日本―フィジー間は、これは九年ぶりに昨年の七月に定期直行便が復活したということで、このことによって日本からフィジーへの観光客というのはこれはもう増えているということでありますけれども、太平洋島嶼国と我が国とのこの関係をより強固なものにしていくというためには、政府間の外交、それから様々な関係構築、そして支援も重要ですけれども、やはり日本人が行く、観光で行く、旅行で行くということをいかに増やしていくのかということ、これ国土交通省としてもしっかりと後押し、取り組んでいただくことをお願いを申し上げまして、質問を終わります。  ありがとうございました。
  180. 山添拓

    ○山添拓君 日本共産党の山添拓です。  JR北海道をめぐる問題について伺います。  日高本線の鵡川―様似間は、二〇一五年一月に高波被害を受けて以来、復旧工事が行われることなく不通が続いています。地元の皆さんが被災当初から早期復旧をと願っていたにもかかわらず、JR北海道は本格的な復旧に着手せず放置し、二〇一六年十一月には、JR単独では維持困難な線区の一つとして公表するに至りました。  これ、日高本線というのは海岸ぎりぎりを走る区間が結構長いんですが、鉄道護岸と呼ばれる海岸線はこの区間に何キロあるか、また被災したのはそのうち何キロか御説明ください。
  181. 蒲生篤実

    政府参考人(蒲生篤実君) お答え申し上げます。  三月十一日にJR北海道に確認した結果、日高線の不通区間における鉄道護岸の総延長は約十二キロでございます。このうち、平成二十七年から二十九年の一連の高波台風により被災した護岸の総延長は約一キロメートルと承知しておるところでございます。
  182. 山添拓

    ○山添拓君 資料の一ページに北海道新聞の記事をお配りしています。  今、被災延長は一キロぐらいだという話だったんですが、道庁が昨年十一月に行った調査によれば、二〇一七年十月の前回調査に比べて被災箇所が拡大をしていたということであります。高波の影響で護岸壁が崩れて亀裂などが生じた箇所は十二か所から三十五か所、三倍に、被災区間の総距離は千九十二メートル、一キロから、二千七百九十四メートル、二・七キロ、約二・五倍に増えたと。放置をしてきたために被害が拡大をして、土砂が流出をする。タコ漁ですとか昆布漁に被害が出ているとか、国道の浸食や、あるいは背後地にある事業所への影響なども懸念をされております。  鉄道護岸の維持管理の責任というのは、もとより管理者である鉄道事業者が負います。  そこで、大臣に伺いますが、国交省はJR北海道に対して、管理者として護岸の復旧を行うように、これ指導するべきではありませんか。
  183. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 日高線は、JR北海道において、被災箇所の被害の拡大防止及び第三者である道路や民間家屋等に対する被害防止のために、大型土のうや消波ブロックの設置等の応急対策工事を実施するとともに、定期的に沿線の巡回を行う等、必要な対策を講じていると承知をしております。  被災箇所の被害の拡大防止の責務はJR北海道にあり、国土交通省といたしましては、JR北海道に対しまして、そのために必要な対策が確実に実施されるよう、引き続きしっかり指導をしてまいりたいと考えております。
  184. 山添拓

    ○山添拓君 被害の拡大をさせないその責任はJRにあるということが答弁されました。しかし、やっているのは応急対策だけでありまして、護岸の復旧を本格的には行っていないわけです。  資料の二ページも北海道新聞の記事ですが、一月二十八日に行われた沿線七町長の会議、ここにはJRは出席しなかったようでありますが、代わりに道庁の幹部が行った説明として、次のように報じられております。七町が同区間の廃止に合意することを条件に、JR北海道が海岸保全などを目的として、被災した鉄道護岸の復旧に着手する意向であることが分かった。大臣、これ事実ですか。
  185. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 委員御指摘の報道については承知をしております。  JR北海道は、既に平成二十九年の二月に日高線の鵡川駅―様似駅間の鉄道事業の廃止について正式に地元に申し出ております。一方、JR北海道は、本年一月の日高線臨時町長会議において、これまで課題となっていた鉄道護岸の補修及び維持管理について、対象範囲、方法、金額等に関する協議をしていきたい旨を北海道庁を通じて関係自治体に示したところと聞いております。  いずれにいたしましても、日高線の在り方につきましては地域の関係者による協議が行われているところでありまして、国土交通省としては、地域の協議に参画をし、地域における持続可能な交通体系の構築に向けた取組に対する必要な対応を行ってまいりたいと考えております。
  186. 山添拓

    ○山添拓君 これは事実だということなんですね。  では、大臣、護岸復旧と引換えに沿線自治体に廃止を迫るこういうJR北海道の態度、これ許すんですか。
  187. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 私は委員の問いに対しまして、二十九年二月に既にJR北海道は鉄道廃止についてもう正式に申し出たと、今般の申出は、鉄道護岸の補修及び維持管理について、対象範囲、方法、金額等に対する協議をしていきたい旨を申し出たということで、この二つに関して直接の関連はないものと理解をしております。
  188. 山添拓

    ○山添拓君 これは道庁による説明は間違いだということですか。
  189. 蒲生篤実

    ○政府参考人(蒲生篤実君) お答え申し上げます。  道庁におきましては、JR北海道から提出をされました護岸に関する当社の考え方についてというペーパーに基づきまして地元の町長さんたちに御説明したと伺っておりますが、元々、実際の廃止に関しましては以前より……(発言する者あり)はい、失礼します。
  190. 山添拓

    ○山添拓君 これ、すごく地域の皆さんに不安を与えているんですよ。今おっしゃったペーパー、委員会に提出してください。  委員長、お取り計らいください。
  191. 羽田雄一郎

    ○委員長(羽田雄一郎君) 後ほど理事会にて取り扱わせていただきます。
  192. 山添拓

    ○山添拓君 鉄道護岸の管理責任が鉄道事業者にあるのは、これ鉄道事業を営む主体だからにほかならないわけです。にもかかわらず、今大臣いろいろおっしゃいましたけれども、沿線の皆さんには、廃止をのむなら護岸復旧だと、こう伝わっているんですよね。  こういう姿勢を取っているんだとすれば、これは廃止が護岸復旧の前提ということでは矛盾があるわけです。廃止を前提とする復旧であれば、鉄道復旧のための国の支援というのは受けられないんですね。そのため、JRも自らの負担で復旧するとは言っていないわけです。これ、地元を二重にだますようなやり方を許すべきではありません。  JR北海道は、今大臣からもありましたように、この区間、赤字を理由に廃止しバス転換をするという方針を示しております。  しかし、例えば、JR日高線を守る会が二月二十日に浦河町で開いた集会では、苫小牧から新ひだか町の日高三石まで列車と代行バスで三時間半ぐらい掛かって本当に疲れた、トイレもないので水も飲まないで我慢して乗った、バスしかなくなったら大変だと思った、団塊世代前後の人たちが運転免許証を返還した後が心配だと、こういった意見が出されて、復旧、存続を求める声が強く上げられました。沿線の七町長会議でも、全線復旧の選択肢を残して今協議が進められております。  国交省は、昨年七月二十七日、JR北海道に経営改善を求める監督命令を行いました。資料三ページにお配りしております。  この中では、事業範囲の見直しとして、鉄道よりも他の交通手段が適しており、利便性、効率性の向上も期待できる線区については、地域の足となる新たなサービスへの転換を進めると、こう書いています。  大臣は、JRに来年度から二年間、四百億円台の支援を行うに当たって、目に見える成果を上げることが重要だと記者会見で述べております。これは、コスト削減のために不採算路線は廃止をするんだ、特に日高線を含む五線区については、これ政府としても廃止せよと、こう言っているわけですか。
  193. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 昨年七月、国土交通省よりJR北海道に対しまして、北海道新幹線の札幌延伸の効果が発現する二〇三一年度の経営自立を目指し、経営改善に向けた取組を進めるよう、JR会社法に基づき監督命令を発出をいたしました。  このうち、事業範囲の見直しにつきましては、JR北海道の経営改善に向けた取組を進めるに当たって重要な課題であるため、地域の関係者との十分な協議を前提にその取組を着実に進めることを求めております。  特に、利用が少なく鉄道を持続的に維持する仕組みの構築が必要な線区につきましては、二〇一九年度及び二〇二〇年度を第一期集中改革期間といたしまして、JR北海道と地域の関係者が一体となって利用促進やコスト削減などに取り組み、持続的な鉄道網の確立に向け、二次交通も含めたあるべき交通体系について徹底的に検討を行っていただくこととしております。  国土交通省といたしましては、引き続き、北海道庁と連携をしながら、地域の協議に参画するなど、関係者間で十分な議論がなされるよう必要な対応を行ってまいります。
  194. 山添拓

    ○山添拓君 国として廃止を求めるわけではないとおっしゃっているんですか。JRと北海道や沿線自治体との協議の結果、大臣、ここ、鉄道路線を維持するという結論に協議の結果としてまとまった場合には、こういう場合には国として支援も行う用意がある、こう伺ってよろしいんでしょうか。
  195. 蒲生篤実

    ○政府参考人(蒲生篤実君) 今の黄線区におきます議論というのは、廃止が……(発言する者あり)赤のですか。赤に関しましては、今、地元の方におきまして、他の交通機関への代替ということで議論が進んでいるというふうに承知しておりますので、そういう地元のそういうような取組というか意思というものを尊重してまいりたいと思っていますし、その前提となりますのは、北海道の方で地元において御議論いただきました北海道の総合交通開発指針、そういったものも我々とすれば尊重してまいりたいと思っております。
  196. 山添拓

    ○山添拓君 もう一度伺いますけれども、赤の線区についても、地元の、あるいはJRとの協議を尊重する、その結果、鉄路維持と、こういう結論が出た場合にはその結果も尊重するということですね。
  197. 蒲生篤実

    ○政府参考人(蒲生篤実君) 御地元での御議論に関しましては十分尊重していきたいと思っております。
  198. 山添拓

    ○山添拓君 日高線を含む五線区については二年間の支援の対象ともされていないんですよね。これでは廃止ありきのメッセージになってしまうだろうと思います。存続を求めている住民、自治体の声に政府はきちんと寄り添うべきであります。  監督命令は、北海道新幹線の札幌延伸の効果が発現する二〇三一年度の経営自立を目指す、こう書いております。大臣からも先ほどお話ありました。大臣、伺いますけれども、この効果とは何ですか。JR北海道の経営改善、経営自立にどのような効果があるのか、これ具体的に検証されたんですか。
  199. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 昨年七月、国土交通省よりJR北海道に対しまして、北海道新幹線の札幌延伸の効果が発現する二〇三一年度の経営自立を目指し、経営改善に向けた取組を進めるよう、JR会社法に基づき監督命令を発出をいたしました。これは、北海道新幹線の札幌延伸によりまして、新幹線の利用者が増加することが見込まれるとともに札幌駅前の再開発等により関連事業の収益が拡大することが期待されることから、二〇三一年度に経営自立を目指す旨を監督命令に位置付けたものであります。  国土交通省といたしましては、JR北海道が収益の増加策とコストの削減策などの徹底した経営努力を行うことで二〇三一年度の経営自立を果たせるよう、しっかり指導をしてまいります。
  200. 山添拓

    ○山添拓君 結局、見込まれるとか期待されるとか、抽象的な話しかないんですよね。私、いろいろ調べましたし伺いもしましたが、新幹線が札幌まで行けばどのように経営に役立つのか、その具体的な検証というのはないんですよ。  そこで、北海道新幹線について具体的に伺っていきますけれども、函館―札幌間の延伸は二〇一二年に着工されました。着工時のBバイC、費用対効果は一・一二とされておりました。これは事業認可当時の建設費一兆六千七百億円を前提にしています。しかし、この間、整備新幹線は事業費が軒並み膨れ上がっております。函館―札幌間と同時期に認可をされた北陸新幹線の金沢―敦賀間は、認可額が一兆一千八百五十八億円でしたが、二千二百六十三億円増えまして一九%増加しました。九州新幹線の長崎ルートは、認可額五千九億円が一千百八十八億円増えて二四%増加しました。  国交省、これなぜ増加したんですか。
  201. 蒲生篤実

    ○政府参考人(蒲生篤実君) お答え申し上げます。  この建設費増加の要因別の内訳に関しましては、主に、労務単価の上昇による増、消費税率の改定による増、東日本大震災を踏まえました耐震設計標準の改定に伴うコンクリート構造物の見直しによる増といった新幹線事業自体に起因しない外的要因に伴うものが二千四百七十三億円、さらに、工事用車進入路の見直しなど関係機関との協議による増、土質調査の結果による地盤改良範囲の見直しなど現地状況の精査による増といった新幹線事業の実施に伴い生じたものが九百七十八億円となっているところでございます。
  202. 山添拓

    ○山添拓君 外的要因による増加というのは、北海道新幹線の建設中の区間でも今後あり得るということですね。
  203. 蒲生篤実

    ○政府参考人(蒲生篤実君) お答え申し上げます。  現時点におきましては、北海道新幹線の新函館北斗―札幌間につきましては、建設費の増加により追加的な財源手当てを要する状況であるとは承知しておりません。  なお、一般論といたしましては、今回の建設費増加の要因のうち、労務単価の上昇、消費税の改定による増額等の外的要因に伴うものに関しましては、定性的には線区を問わず生じる事由でありますが、北海道新幹線に関しましては、今後まさに本格的に工事が進捗していく段階にあることから、まずは徹底したコスト縮減に努めていくこととしているところでございます。
  204. 山添拓

    ○山添拓君 まあ、これから膨らむこともあり得るだろうと、一般論としてはお認めなわけです。  函館―札幌間延伸の需要予測も極めていいかげんであります。四ページを御覧ください。二〇一二年の着工当時、新幹線開業後三十年間の需要予測として、この区間は毎日一万四千八百人が利用するとされておりました。これが、二〇一八年に事業の再評価を行われております。資料の五ページです。ここでは、今度は開業後五十年間の需要予測の平均値として、一日当たり一万七千八百人が利用することとされています。  大臣、なぜ三千人も増えたんですか。
  205. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 北海道新幹線新函館北斗―札幌間の需要予測につきましては、国土交通省のマニュアルに基づきまして、一般的な交通需要予測の手法である四段階推定法を用いた需要予測モデルを構築をし、実施をしております。  これは、将来の人口や国内総生産を基にした全体の交通量を算出をいたしまして各地域間の交通量として配分をし、さらに、それがどの交通機関により分担されるかを推計するものであります。この手法により予測された結果につきましては、交通政策審議会整備新幹線小委員会など、第三者による評価を受けているところでございます。
  206. 山添拓

    ○山添拓君 全然お答えじゃないと思うんですよ。二〇一二年と一八年でなぜ三千人増えたかということを伺っているんですね。しかも、評価期間が三十年から五十年に延びているんですよ。  国立社会保障・人口問題研究所は、現在五百四十七万人の北海道の人口は、二〇五〇年には三百七十九万人、三割も減ると予測しています。これ、予測の対象期間を延ばしておきながら、一日当たり三千人、これ平均ですから、ずうっとですよ、伸びると。これ、なぜこうなっているんですか。
  207. 蒲生篤実

    ○政府参考人(蒲生篤実君) お答え申し上げます。  御指摘のとおり、北海道新幹線新函館北斗―札幌間の需要予測は、平成二十九年の再評価時には一万七千八百人キロパー日キロメートルとされ、平成二十四年の着工時の予測値である一万四千八百人キロパー日キロメートルに比べて増加しております。  これは、再評価時の需要予測値が増加した理由につきましては、先生に御説明した後に再度いろいろと局内で精査いたしまして、当時の関係者からもヒアリングを行いまして、確認したところによりますと、平成二十五年にJR北海道が安全性向上策の一環といたしまして函館―札幌間の特急列車の最高速度を減速いたしました。これ、百三十から百二十キロメートルになっております。所要時間が約三時間から約三時間半に函館―札幌間がなりましたけれども、これに伴う鉄道の利用者に大きな変化がなかったことが背景にあるものと考えられております。  つまり、再評価時の需要予測では、このような現況を再現するためのモデルとして、鉄道の所要時間が増加しても結果として利用者数が大きく変化しないモデルとなりました。このような鉄道の競争力が高いモデルにより新幹線が整備された場合の需要予測を行った結果、予測値は着工時よりも大きくなったものと考えております。  加えて、需要予測の際の人口推計に関しましては、国立社会保障・人口問題研究所の日本の地域別将来人口を用いておりますが、再評価時に用いた同研究所の将来人口の予測値が着工時に比べて僅かに大きかったことも一つの要因かと考えております。
  208. 山添拓

    ○山添拓君 ちょっと理解ができません。JRの特急の速度が遅くなって乗る人が減らなかったからといって、新幹線が速くなれば増えるということにはならないんですよ。  今御説明いただいたこと、ちょっと理解できませんし、私は数週間前からこのことを伺っているんですが、満足いく説明をいただけませんでした。改めて文書で当委員会に提出いただいて御説明いただくように、委員長、取り計らってください。
  209. 羽田雄一郎

    ○委員長(羽田雄一郎君) 後刻理事会において協議いたします。
  210. 山添拓

    ○山添拓君 既に開業している北海道新幹線の青森―函館間、この区間も工事中の二〇一一年に事業の再評価を行ったんですが、その際の需要予測は一日当たり七千二百人が利用するということになっていました。開業後の利用状況がどうかといいますと、二〇一六年度が五千六百三十八人、二〇一七年度が四千五百十人、二〇一八年度は二月末での実績しかないんですが、これもおおむね四千五百人程度と見られております。これ、七千二百人に遠く及ばないんですね。  鉄道局、伺いますけれども、ちなみに開業以来一番利用者が多かった日はいつで、何人でしたか。
  211. 蒲生篤実

    ○政府参考人(蒲生篤実君) 開業してその後の特定の日のことでございましょうか。申し訳ございません。その資料は今の時点で持ち合わせておりません。申し訳ございません。
  212. 山添拓

    ○山添拓君 これ、事前にお願いしていますから、近くにあるはずです。ちょっと速記止めて調べてもらってください。
  213. 羽田雄一郎

    ○委員長(羽田雄一郎君) 速記止めて。    〔速記中止〕
  214. 羽田雄一郎

    ○委員長(羽田雄一郎君) 速記を起こしてください。
  215. 蒲生篤実

    ○政府参考人(蒲生篤実君) 大変失礼いたしました。お答え申し上げます。  最も利用人数が多かった日は、平成二十八年十二月二十三日金曜日、一万五千人でございます。
  216. 山添拓

    ○山添拓君 この日は、私が初めて北海道新幹線に乗った日で、大変よく覚えているんです。  この前日、北海道は大荒れの天気で、新千歳空港が閉鎖をされておりました。帰れなくなった人がJRに流れて、私も帰りの飛行機が飛ばずに、やむなく札幌から列車移動で東京に戻ってきた、まさにその日なんですよ。そういう特殊な日でようやく一万五千人なんですね。これで、札幌まで延伸すれば毎日一万七千八百人、五十年間乗り続けるというんですか。大臣は本当にそう思いますか。
  217. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) これは、先ほど御答弁申し上げたように、一般的な手法である四段階推計法で予測をし、また第三者による評価を受けたものと承知をしております。
  218. 山添拓

    ○山添拓君 到底そのようには、理解に苦しむ見込みだと思います。  青森―函館間、二〇一六年度と一七年度の営業損益はそれぞれどうなっていますか。
  219. 蒲生篤実

    ○政府参考人(蒲生篤実君) お答え申し上げます。  北海道新幹線新青森―新函館北斗間の営業損益は、二〇一六年度が約五十四億円の赤字、二〇一七年度が約九十九億円の赤字と承知しておるところでございます。
  220. 山添拓

    ○山添拓君 赤字なんですよ。  JR北海道が維持困難だとする十三路線の赤字額は合計で年間百六十億円です。北海道新幹線一つでその三分の二に当たる百億円の赤字を生んでおります。北海道は、鉄道事業全体の赤字額が二〇一七年度五百五十億円ですが、その五分の一が新幹線なんですね。  青森―函館間の着工を認めた二〇〇五年当時、自民党の整備新幹線等鉄道基本問題調査会は、毎年四十五億円の収支改善効果があるとしていました。蓋を開けてみれば百億円の赤字です。函館―札幌間は、今後開業すれば年間三十五億円の収支改善効果があるとうたっているんですけれども、到底信じ難いと思うんですね。  大臣、これでも北海道新幹線の札幌延伸で経営改善に効果が発現するとおっしゃるんでしょうか。既に赤字に苦しんでいるJR北海道が過大な需要予測の新幹線で新たに巨額の赤字を抱えた上に経営改善求められるとなれば、これは更なるローカル線の廃止を迫られるということになるんじゃないでしょうか。
  221. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 北海道新幹線の新函館北斗―札幌間につきましては、平成二十四年六月の着工前にいわゆる着工五条件の確認を行いまして、新幹線開業による利用者数の増加、関連線区の利用者数の変化、並行在来線の経営分離等の結果により一定の収支改善効果が見込まれることを確認するとともに、営業主体であるJR北海道の同意を得た上で着工しております。  また、先ほども答弁いたしましたが、北海道新幹線の札幌延伸に合わせ、札幌駅周辺では新幹線駅前の再開発が札幌市によって予定をされており、札幌駅周辺では今まで以上に人々が集い、にぎわう空間が創出されることによりまして、JR北海道にとりましては鉄道事業以外の関連事業におきましても大きな収益の拡大が図られるものと考えております。  いずれにいたしましても、JR北海道においては、北海道新幹線の札幌開業を機に経営自立ができるよう、昨年七月に発出をいたしました監督命令に沿って収益の増加策とコスト削減策などの徹底した経営努力を行っていただきたいと考えております。
  222. 山添拓

    ○山添拓君 既に函館延伸でこれだけ赤字を生んでいるのに、そのことに対する事実認識も、また反省も全くないと言わなければならないと思います。  分割・民営化当時に赤字を前提として出発させられたJR北海道に、経営自立という名で黒字化、株式上場を求めるということであれば、それは鉄道事業以外で利益を上げよと、これは不動産業になれと言うに等しいわけです。これ、それ自体に無理があると思いますし、三十年が経過をして分割・民営化そのものの問題が顕在化していると言うべきですので、一旦立ち止まるべきだと、これ強調したいと思います。  時間ですので終わりますけれども、政府は、年度内に今後五年間の中期経営計画と札幌延伸まで十二年間の長期経営ビジョンをJR北海道に示させることにしておりますが、これは新幹線延伸計画の当否を含めて冷静な計画を策定するように指導して、何よりもJRが鉄道事業を継続できるように支援を行うべきだ、このことを指摘して、質問を終わります。  ありがとうございました。
  223. 平山佐知子

    ○平山佐知子君 無所属クラブの平山佐知子です。お願いいたします。  私からも、冒頭、昨日、東日本大震災から八年となりました。改めて、亡くなられた方々に対して哀悼の誠をささげるとともに、いまだ厳しい生活を強いられている皆様に対して心からお見舞いを申し上げます。  それでは、質問をさせていただきます。  まず、今年の大型連休の対応を伺ってまいります。  今年は皇位継承に伴って改元される節目の年となりまして、御存じのように、四月二十七日から五月六日まで実に十連休となるところも多いというふうに報道されています。これは祝日法が定められた一九四八年以降最長ということです。全ての国民がもちろんこれは幸せな気持ちで迎えられる祝日としたいところなんですけれども、これまでにない大型連休ということで、多くの心配の声も聞かれているところでございます。  そこで、国土交通行政に関するところをお伺いしてまいります。  観光業界ですとか旅行代理店といったところは、この十連休によって生まれる経済波及効果によってうれしい悲鳴が聞こえるところですが、一方、ネット通販の拡大などで配達現場が逼迫している物流業界は、連休直前から休みの期間にかけて輸送量の増大が見込まれていまして、ただでさえ人手不足のところにどのように対処すべきか、頭を抱えているということです。また、連休中は航空路線や鉄道も大混雑、道路も大渋滞が予想されています。  このような懸念に政府は対処方針を出されたと伺っておりますが、国交省所管の分野についてどういう対処方針を出されたのか、教えていただけますでしょうか。
  224. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 政府といたしまして、二月の二十五日に関係省庁等連絡会議におきまして十連休への対応策を取りまとめており、国土交通分野では交通機関の混雑や宿泊施設の不足への対応の必要性が指摘をされております。  これらの課題への対応といたしまして、国土交通省としましては、交通機関の予約状況等について必要な情報発信を行っていくとともに、各公共交通事業者等に対しまして改めてテロ対策を徹底するよう周知を行いました。また、宿泊施設の不足による混乱が生じないよう、関係業界等からヒアリングを行い、関係機関や関係業界と連携をいたしまして、宿泊施設等の予約状況について必要な情報発信等を行ってまいります。  加えて、今委員から御指摘がありましたが、物流業界において、連休期間前後に運送依頼が過度に集中しないよう、業界団体等に対しまして荷主等とあらかじめ調整するよう周知等を行ってまいります。なお、宅配事業者においては通常どおり営業を行うと聞いております。  これらを含めまして、国土交通省といたしましては、国民の皆様に支障が生じないよう、必要に応じ適切に対策を講じてまいりたいと考えております。
  225. 平山佐知子

    ○平山佐知子君 誰もがお祝いの気持ちを抱きながら楽しい祝日となるように、またこれからも政府一丸となった対応をお願いを申し上げます。  次に、災害対策について伺ってまいります。  午前中、青木委員からもありましたけれども、先月二十六日、政府の地震調査委員会は、東北から関東地方の日本海溝沿いの地震活動の長期評価を公表し、これによりますと、今後三十年間にマグニチュード七から八の大地震が起きる可能性が一部で高まったと発表がありました。  私の地元の静岡県も、マグニチュード八から九クラスの南海トラフの大地震が今後三十年間に七〇%から八〇%の確率で発生するとされており、津波対策、喫緊の課題であると認識をしております。  そこで、災害対策としての全国の防潮堤の整備状況、それから予算措置を簡単に御説明を願います。
  226. 塚原浩一

    ○政府参考人(塚原浩一君) お答えを申し上げます。  防潮堤の整備につきましては、委員御指摘の南海トラフ又は昨年の台風二十一号など大規模な高潮、こういったものの頻発する現状におきまして、防災・減災、国土強靱化の重要性からも喫緊の課題というふうに認識をしております。  海岸堤防の整備状況につきましては、全国の海岸堤防が約九千キロメートルございますけれども、そのうち計画上必要とされる高さを確保している割合はおおむね六割程度というふうになってございます。  海岸堤防等の整備につきましては、直轄事業では海岸堤防の耐震化、かさ上げ等を重点的に推進しておりまして、それらを含む海岸事業全体の予算として、農林水産省所管分も含めまして、直轄事業等では平成三十年度当初予算では約二百七十七億円、それから、今年度の補正予算では主に防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策として約八十五億円を計上しているところでございます。また、このほか地方自治体による海岸堤防等の整備につきましては、防災安全交付金等により重点的に財政的な支援を行っているところでございます。
  227. 平山佐知子

    ○平山佐知子君 ありがとうございます。  南海トラフの地震に備えるために、静岡県の遠州灘海岸の浜松から御前崎では、防災上必要な高さまで盛土を行った上で海岸防災林を再生する多重防御を図る、通称森の防潮堤の整備など、津波防災の強化が進められています。  その一方で、これ、どうしても自治体の財政規模などによって強化の進め方には差が生じてきてしまっているという現状があります。当たり前ですが、この防潮堤の整備ですが、海岸沿い一帯で進めていかなければ意味がありません。もし、整備途中で津波が起こったら、防潮堤の未整備の地域というのは整備される前よりもむしろ大きな被害が出るおそれがあると思います。  こういった津波対策の地域間格差を是正するために国はどのような取組をされているのか、お答えください。
  228. 塚原浩一

    ○政府参考人(塚原浩一君) 委員御指摘の防潮堤につきましては、数十年から百数十年に一度の比較的発生頻度の高い津波を防ぐための海岸堤防の整備、これを海岸事業として推進をしているところでございます。  静岡県におきましては、更にこれに加えまして、更に規模の大きな津波への対応として、特に遠州灘沿岸の地域等におきまして堤防の背後に更に高い盛土等を行う、委員から森の防潮堤というお話ございましたけれども、いわゆる静岡モデルの防潮堤の整備を行っておりまして、国としても住民の命を守る重要な取組というふうに認識をしております。  この静岡モデル防潮堤で行われる堤防背後の盛土につきましては、地元の市町が整備することとなりますけれども、大規模な盛土となるために、その材料の調達等が特に課題というふうに聞いております。そのため、静岡県では、地域の取組等を支援するため、国や県及び静岡県外などから発生する土砂について広く情報収集を行い、必要な土砂の確保に努めているところでございます。  国におきましても、直轄海岸事業との連携によってコストの縮減を図り、また、河川の掘削土砂を盛土材料として提供するなどの支援を行っているところでございます。  引き続きまして、直轄事業による海岸堤防の整備や静岡県の海岸事業への技術的、財政的支援等を推進するとともに、静岡県と連携して、この静岡モデルの整備を促進するための協力を行ってまいりたいというふうに考えております。
  229. 平山佐知子

    ○平山佐知子君 ありがとうございます。  国からも盛土の情報提供など支援があるということで、ありがとうございます。  防潮堤を整備するためには、相当量の土砂などが必要になってきます。静岡県内では、当該の地方自治体で大規模な開発工事などがあればその残土等を利用しておりますし、近くに河川があってその河床掘削等の事業があればそちらも活用されているというふうに伺っているんですが、実際そのような工事が満遍なくあるわけではありません。ですから、土砂の確保という観点からも、整備に差ができてしまうことがないように、引き続き国からの積極的な助言等をお願いを申し上げます。  また、海岸沿いに防潮堤を整備する際に障害となるものがある場合があります。静岡県の場合は、遠州灘沿いには飛砂防備保安林、それから潮害防備保安林等の海岸防災林が広がっておりまして、防潮堤整備の際には、木が枯れていない箇所については一旦保安林を解除しなければ伐採することができず、そうなりますと、新たに植林するこの費用が地元の市の負担となることが課題となっていました。  しかし、今年一月、森の防潮堤について、保安林の機能を維持できる一定の要件を満たせば、治山事業と位置付けて、国の保安林指定を解除せずに樹木を伐採することが可能となりました。これに対して、林野庁の柔軟な対応には心から敬意を表します。  そこで伺います。保安林を当初は解除しなければならないとされた理由は何であったのか、また治山事業とみなす要件はどのようになっているのか、教えてください。
  230. 織田央

    ○政府参考人(織田央君) お答えいたします。  お話のあった件につきましては、これまで市が実施主体となって保安林のような土地のかさ上げ工事を行うということとしていたため、一般的に、保安林内で一定規模以上の土地の形質の変更を伴う場合には保安林の解除が必要である旨を助言していたところでございます。  しかしながら、今般、静岡県におきまして、保安林である海岸防災林の機能強化のため、県自らが実施主体となって伐採、かさ上げから植栽までを実施することが必要と判断されたと、これがまさに治山事業とみなす要件になるわけでございますけれども、そういう状況になったということでございまして、これを踏まえまして、森林法の規定等に基づきまして保安林解除をすることなく事業が実施できる旨、助言をしたところでございます。  農林水産省といたしましても、津波等に対する海岸防災林の整備に向けまして引き続き県を支援してまいりたいというふうに考えてございます。
  231. 平山佐知子

    ○平山佐知子君 ありがとうございます。  全国に指定されている保安林はおよそ千二百万ヘクタールです。その中には、保安林に指定された時期が明治ですとか大正年間など、大変古いものも見受けられます。当時と現在では周辺の開発状況であったり整備状況も当然大きく変わっているというふうに思うんですが、この指定されている全国の保安林の現状把握ですが、どのように行われているのか、お答えください。
  232. 織田央

    ○政府参考人(織田央君) お答えいたします。  保安林制度につきましては、明治三十年に制定されました旧森林法において創設された制度でございまして、水源の涵養、災害の防止等の公共目的を達成するために必要のある森林を保安林として指定をいたしまして、その保全を図ってきたところでございます。  保安林は、各都道府県に備え付けられた保安林台帳によって把握、管理をしてございまして、現在、委員御指摘のとおり、全国で一千二百万ヘクタールが指定されているという状況でございます。また、農林水産省及び都道府県におきまして、保安林がその指定の目的に即して機能するよう、保安林標識の設置ですとかあるいは実態調査等の必要な措置を講じながら保安林制度の適切な運用を図っているところでございます。
  233. 平山佐知子

    ○平山佐知子君 ありがとうございます。  この保安林の解除に関しては、公益上の理由が必要だというふうに伺いました。しかし、地元の静岡県で伺ったところによりますと、そこは、海岸防災林整備の土砂の確保のための保安林解除はできないという事由も中にはあったというふうに伺っております。これ、保安林に指定されている場所から土砂を取らなくても、そのほかのところから取ればいいのではないかという御指摘はあろうかと思いますが、しかし一方で、海岸から遠く離れた場所で土砂を採掘して輸送するとなるとコストがかさんで、その自治体の体力上、どうしても整備が遅れてしまうという現状があります。  これ、先ほども申し上げましたけれども、日本海溝沿いの、南海トラフ沿いも相当な確率でこの大地震の発生が想定されている中、津波対策である海岸防災林の整備、これは重要で喫緊の課題であり、私としては公益性は十分に感じられると思っているんですが、これについてはいかがでしょうか。
  234. 織田央

    ○政府参考人(織田央君) お答えいたします。  海岸防災林につきましては、飛砂害、風害、潮害等から地域の暮らしあるいは産業を守りますとともに、先生御指摘のとおり、南海トラフ地震による津波の発生が懸念される中、多重防御の一つとして津波エネルギーの減衰効果の発揮の観点からも、その整備を全国的に進めていくこととしているところでございます。  農林水産省といたしましては、こうした取組を支援するために、平成三十一年度当初予算案におきまして、海岸防災林の整備、保全や荒廃山地の復旧、予防対策を推進するため、治山事業六百六億円を計上させていただいているところでございます。  さらに、昨年十二月に閣議決定されました防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策におきましては、静岡県を含めまして、緊急的に整備が必要な全国の海岸防災林五十キロメートルで対策を進めることとしているところでございます。  今後とも、必要な予算の確保に努めつつ、静岡県を始め、全国の津波等に対する海岸防災林の機能確保に向けてしっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
  235. 平山佐知子

    ○平山佐知子君 しっかりと取り組んでくださるということで、ありがとうございます。  これも私、地元から伺った話で、一つ教えていただきたいなと思う点なんですが、その保安林は土砂流出防備保安林ですが、県道の整備とともに保安林の周辺が開発されて実は一部だけ残ってしまっているというところがあるんです。つまりこれ、保安林を突っ切る形で道路ができたために保安林が二つに分断をされまして、片方はとても小さな範囲で保安林が残ってしまったような形になっています。さらに、周辺が、その周辺ですけれども、開発されて、その部分だけが急峻な形で残ったためなのか、県はその場所を急傾斜地崩壊危険区域にも指定しています。  この土砂流出防備保安林であるにもかかわらず、そこが危険となってしまっているという、これはどうなのかなというふうに思いますし、もしそこが危険となっているのであれば、適切な治山事業が早急に行われるべきではないかというふうに考えます。また、その保安林の解除が可能なら、その土砂を防潮堤の整備に利用できるなど、全てはうまくいくというふうに考えます。  昨年の国土交通委員会でも私伺いましたが、都道府県が指定している土砂災害警戒区域等は全国に五十五万か所以上も現在あります。この中に、保安林があるために土砂災害が防止できているという地域はいいんですが、保安林の管理が十分でないためにむしろ危険な状態となっているところがないのかどうか、全国の保安林の現状調査と、現状にそぐわなくなっている場所の解除、また新たな指定についても現代に即して対応すべきではないかというふうに考えます。  土砂災害防止対策を所管する国交省、それから保安林制度を所管する林野庁が、自治体とはもちろんのことなんですが、省庁間でもしっかりと連携して取り組んでいくべきではあるというふうに考えますが、これについて国交省、それから林野庁、それぞれのお立場から御答弁を願います。
  236. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 土砂災害のおそれのある箇所は、保安林の指定の有無等にかかわらず全国で約六十六万区域あると推計をしておりまして、平成三十一年一月末時点で約五十五万区域が土砂災害警戒区域に指定をされているところであります。  国土交通省では、土砂災害防止法に基づく避難体制の構築等を推進するとともに、人命を守る効果が高い箇所等の優先順位を付け、砂防堰堤等について計画的に整備を進めているところであります。また、砂防事業の実施に当たりましては、森林の維持造成に必要な治山ダムの整備等を行う治山事業と計画上の調整を図りつつ、土砂災害から人命、財産を守るための砂防堰堤等の整備を進めているところであります。  保安林内で砂防事業を実施するに当たりましては、両事業の円滑な実施のため、国及び地方の各段階におきまして連絡調整会議を実施をし、各事業に支障のないよう調整を図り、事業を実施をしております。  今後とも、林野庁と連携いたしまして、国土の保全を進めるとともに、地元自治体と連携をして全国の安全、安心に向けて土砂災害対策を積極的に推進してまいりたいと考えております。
  237. 織田央

    ○政府参考人(織田央君) お答えいたします。  農林水産省といたしましても、国土交通省や地元自治体とよく連携をして、国民の安全、安心の確保に向けまして、保安林の適切な管理と効果的、効率的な治山事業の推進に努めてまいりたいというふうに考えてございます。
  238. 平山佐知子

    ○平山佐知子君 ありがとうございます。  皆さんの暮らしの安心と安全のためにということで、お二方から言っていただきまして、本当にありがとうございます。  私も、この保安林解除をどんどんやってどんどん開発すべきだと思って申し上げているわけではなくて、是非一度、全国にあるこの保安林と土砂災害警戒区域等を棚卸し総点検をしていただいて、保安林の管理や機能の状況がどうなっているのか、国としてきちんと把握をしていただきたい、そして私たちの暮らしの安心、安全に努めていただきたいというふうに思っております。  是非、今おっしゃっていただいたように、省庁間きっちり連携して協力していただいて、前向きに検討してもらえるようにお願いを申し上げます。  また、東日本大震災以降、津波への恐怖から、海岸沿いの地域には人口減少著しいところもあります。経済に余裕があって転居が可能な方はいいんですけれども、経済的に厳しかったり、また住み慣れた土地を簡単には離れられないというお年寄りも中にはいらっしゃいます。そういった方々に少しでも安心を与えられるよう、国としてもこの防潮堤の整備が速やかに進むよう、より一層の御協力をお願いを申し上げまして、私からの質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  239. 羽田雄一郎

    ○委員長(羽田雄一郎君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後三時十三分散会