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2019-06-13 第198回国会 参議院 厚生労働委員会 17号 公式Web版

  1. 令和元年六月十三日(木曜日)    午前十時三分開会     ─────────────    委員の異動  六月十二日     辞任         補欠選任      礒崎 哲史君     古賀 之士君  六月十三日     辞任         補欠選任      馬場 成志君     岩井 茂樹君      足立 信也君     伊藤 孝恵君      古賀 之士君     矢田わか子君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         石田 昌宏君     理 事                 自見はなこ君                 島村  大君                 そのだ修光君                 川合 孝典君                 山本 香苗君     委 員                 青木 一彦君                 石井みどり君                 岩井 茂樹君                 小川 克巳君                 木村 義雄君                 高階恵美子君                 鶴保 庸介君                 中川 雅治君                 馬場 成志君                 藤井 基之君                 石橋 通宏君                 川田 龍平君                 福島みずほ君                 足立 信也君                 伊藤 孝恵君                 古賀 之士君                 矢田わか子君                 河野 義博君                 宮崎  勝君                 東   徹君                 倉林 明子君                薬師寺みちよ君    衆議院議員        修正案提出者   西村智奈美君        修正案提出者   岡本 充功君    国務大臣        厚生労働大臣   根本  匠君    副大臣        厚生労働副大臣  大口 善徳君    大臣政務官        法務大臣政務官  門山 宏哲君        文部科学大臣政        務官       中村 裕之君    最高裁判所長官代理者        最高裁判所事務        総局家庭局長   手嶋あさみ君    事務局側        常任委員会専門        員        吉岡 成子君    政府参考人        警察庁長官官房        審議官      小田部耕治君        金融庁総合政策        局参事官     佐藤 則夫君        法務大臣官房審        議官       筒井 健夫君        法務大臣官房審        議官       大橋  哲君        法務省保護局長  今福 章二君        文部科学大臣官        房審議官     丸山 洋司君        文部科学大臣官        房審議官     玉上  晃君        厚生労働省医政        局長       吉田  学君        厚生労働省健康        局長       宇都宮 啓君        厚生労働省子ど        も家庭局長    浜谷 浩樹君        厚生労働省社会        ・援護局障害保        健福祉部長    橋本 泰宏君        厚生労働省保険        局長       樽見 英樹君        厚生労働省年金        局長       木下 賢志君    参考人        大阪府中央子ど        も家庭センター        所長       江口  晋君        前三重県児童相        談センター所長  鈴木  聡君        アフターケア相        談所ゆずりは所        長        高橋 亜美君        日本労働組合総        連合会岩手県連        合会事務局長        元岩手県一関児        童相談所次長兼        上席児童福祉司  佐藤 伸一君        一般社団法人日        本子ども虐待防        止学会理事長        前国立研究開発        法人国立成育医        療研究センター        こころの診療部        統括部長     奥山眞紀子君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉  法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議  院送付) ○政府参考人の出席要求に関する件     ─────────────
  2. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、礒崎哲史君が委員を辞任され、その補欠として古賀之士君が選任されました。     ─────────────
  3. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) 児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  本日は、本案の審査のため、五名の参考人から御意見を伺います。  御出席いただいております参考人は、大阪府中央子ども家庭センター所長江口晋君、前三重県児童相談センター所長鈴木聡君、アフターケア相談所ゆずりは所長高橋亜美君、日本労働組合総連合会岩手県連合会事務局長・元岩手県一関児童相談所次長兼上席児童福祉司佐藤伸一君及び一般社団法人日本子ども虐待防止学会理事長・前国立研究開発法人国立成育医療研究センターこころの診療部統括部長奥山眞紀子君でございます。  この際、参考人の皆様方に一言御挨拶を申し上げます。  本日は、御多忙のところ当委員会に御出席いただき、誠にありがとうございます。  参考人の皆様から忌憚のない御意見をお述べいただきまして、本案の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。  次に、議事の進め方でございますが、まず、参考人の皆様からお一人十分以内で順次御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。  なお、参考人、質疑者共に発言は着席のままで結構でございます。  それでは、まず江口参考人にお伺いいたします。江口参考人。
  4. 江口晋

    ○参考人(江口晋君) 大阪府の中央子ども家庭センターの所長の江口でございます。よろしくお願いいたします。  時間も限られておりますので、早速御説明に入らせていただきます。  二ページをお開きください。大阪府の子ども家庭センターの状況でございます。下段に職員体制がございます。三百六十三名という組織でございまして、児童福祉司が百九十九名。あわせて、平成十四年度からDVセンターを併設しておるところでございます。  三ページをお開きください。児童福祉司の状況でございますけれども、三十一年四月時点で強化プランによりますと百四十三名足りないと、非常に厳しい状況となっておるところでございます。また、児童相談経験年数は平均四・四年ということで、まだまだ若い職員が非常に多うございます。  四ページをお開きください。大阪府のこれまでの児童虐待に対する取組を、やや俯瞰的に一期、二期、三期に分けて整理したものでございます。  平成十二年、虐待防止法が成立してから十五年まで、この時期に徹底いたしましたのは、相談支援中心から虐待対応をしっかりやろうという組織にどうするのかということでございます。平成十三年に虐待対応課を新設し、その後、危機介入援助チームという形で、弁護士さん、お医者さんに御協力をいただくことを始めました。それから、保健師の配置、DVセンターの併設等取り組んでまいったところでございます。  平成十六年から第二期に入りますけど、介入、保護と法的対応の蓄積ということで、弁護士さんの御協力もかなり頂戴しながら家庭裁判所への積極的な申立てをいたしました。平均四十件以上を毎年申し立てているところでございます。あわせて、傷ついた子供たちのケアということで、こころケアという診療所を設置いたしました。若い職員が増えてまいりますので、ワーク・ライフ・バランスを考えた組織を検討する時期に来ているというのがこの時期の認識でございます。  平成二十六年以降が、まさしく切れ目ない支援をどう包括的に地域でつくっていくのかというテーマでございます。そのためにまず取り組みましたのが、二十四時間三百六十五日対応するにはどうしたらいいのかと、これが喫緊の課題でございました。平成二十八年に新組織をつくりましたとともに、夜間当直体制、休日当直体制で常勤の職員が二十四時間出動できる体制を整備したところでございます。あわせて、警察官OBも配置いたしまして、警察官と一緒に家庭訪問ができるという体制を整備したところでございます。  五ページをお開きください。これが数の推移でございます。数の推移見ていただいたら、一期、二期、三期で虐待対応件数及び一時保護件数が大幅に変わっていっているのが見て取れます。法的対応請求件数が大体五十件前後、毎年申し立てておりますし、立入調査、警察への援助要請も四、五十件、毎年お願いしているところでございます。大変厳しい状況が続いておると認識しております。  六ページでございます。平成二十八年に設置いたしました新組織の図柄でございます。虐待対応課を設置したところでございますが、平成二十八年に相談対応課という形で、全件、全てをトリアージするための入口をつくりました。集中的にここで振り分けていくということを徹底したところでございます。あわせて、一時保護までの介入機能を集中的に行う組織といたしました。その後、施設でございますとか里親さんのところにお願いしている子供たちをきちっと支援していく必要もございます。それで、二つの組織の大きく変更をさせていただいたところでございます。  七ページでございます。下の段に一時保護件数の推移を書いております。右肩上がりは見て取れると思います。大阪では、約半分を一時保護所、半分を児童養護施設と里親さんにお願いしております。里親さんについては、集中的に一時保護委託できる子はしようということで、百数十件、もう既に一時保護委託をお願いし、地域での取組を進めているところでございます。  八ページでございます。そうしますと、一時保護の整備、人員体制の確保が急務でございます。夜間、休日の一時保護が全体の六三%という実態に大阪府はなっております。夜間、休日の体制整備が急務であるとともに、この十連休どうしようかと心配していたんですけど、十九人の子供を緊急で保護しております。それから、専門的ケアが必要な子供たちの率も非常に増えております。ということは、環境面の整備とともに、人員体制の確保、それから児童心理司、看護師、それから栄養士も含めた専門職の配置をまずお願いしたいと考えておるところでございます。  九ページでございます。よく介入と支援という言葉が使われますが、私たちの児童相談所で一定整理をしたものをここに載せております。児童相談所は、既に発生している子供たちのまず安全確保に集中するという機能、いわゆる介入機能でございますが、あわせて、傷んだ養育からの回復を集中的に行うという機能、これがある意味、支援の機能でございます。これを同時並行的に行う必要がございます。一方、市町村については、養育に困難を抱える保護者と子供たちにニーズに合わせた支援を集中的に行う必要がございます。こういう整理の中で、市町村と役割分担しながら取り組んでいく所存でございます。  十ページでございます。重症度別の対応の流れを書いております。非常に重症度の高い案件につきましては、これは即介入して保護というのが優先するわけでございますが、一方、重症度の低いケースについては、速やかに支援につないでいくということがまさしく求められているところでございます。この間の、リミットアセスメントと申しますけど、ここが非常に専門性の高さが求められるところでございまして、例えば体重増加不良がちょっと気になる、原因不明のけががあるといった場合に、大阪府では、必要に応じて一時保護した上で、保護者とともに改善に向けての取組をきちっとしていくという、このリミットアセスメントをきちっとしていかなければならないというふうに認識しているところでございます。  十一ページでございます。現在、市町村と児童相談所と、この二つの機関がそれぞれ役割分担しながら地域で取り組んでいるところでございますが、市町村コーディネーターというものを全児童相談所に一名配置し、この職員が市町村を回りながらシステムをつくっていっております。昨年度の実績、速報値でございますけど、市町村へ約九百件余り事案送致が既に行われておるところでございます。  十二ページでございます。弁護士との連携、医療との連携について述べさせていただきます。弁護士配置に当たっては、できるだけその自治体の実情に合わせた有効な方式で、大阪方式というふうにあちこちで申し上げておりますけれども、それも取れるような体制をお願いしたいと思っております。  十三ページでございます。医師との連携でございます。もちろん、常勤の医師、中央児童相談所に二名配置しておるところでございますけれども、危機介入援助チームにお医者さんを約十五名就任していただきまして、法医学、精神科、形成外科、歯科医の先生も入っていただきまして、この先生方の御協力で取り組んでおります。年間八十件以上御相談をしておりまして、特に最近は鑑定書を書いていただくということが増えておりまして、約三十件鑑定書を書いていただいております。AHT、いわゆる頭部外傷も含めた、鑑定が必要な子供たち増えております。是非、法医学教室との連携を進めていくためにも、国レベルでの協力をお願いしたいというふうに思っておるところでございます。  十四ページでございます。児童福祉司の人材確保が急務であることはもう論をまちません。人材確保が大変厳しい状況でございます。百四十三名を前倒しでというのは非常に難しく、困難でございます。人材育成と両輪になりながらどういうふうに取り組んでいくのかを今真剣に本庁各課と調整しているところでございます。あわせて、経験を積んだ職員が離職しないように、この体制についても今検討に入っているところでございます。その意味で、処遇改善に取り組んでいただきたいと思っております。  十五ページが、大阪府で採用セミナー、大学訪問等をやっている実績を全て表にまとめております。かなりの数、回っております、近隣の大学を。これだけをして、応募していただく学生を、優秀な学生を、質も含めて集めていきたいと思っているところでございます。  十六ページでございます。点検、検証の仕組みを審議会の下に平成二十年から大阪府は持っております。ここでいろんな指摘を外部の方にしていただきながら、日々の業務の改善に努めておるところでございます。  十七ページが転居に当たっての支援の継続性、これが必要なことはもう論をまちません。しかしながら、転居先を示さず、あるいは住民票も動かさないという家庭がそこそこございます。この場合については、いろんな関係機関の協力の下、取り組んでおるところでございますけど、転居先が判明する時期が非常に様々でございます。この辺の事情が実態であるということでお伝えしておきたいというふうに存じます。  十八、十九ページが保護者支援でございます。保護者指導の目的は、家庭機能の修復でございます。この図が全体的な保護者支援プログラムの全体像を示しているものでございます。いわゆる児童福祉司とかそれから心理司が集中的に行うものとともに、次の十九ページにございますように、専門的なNPO法人の協力も得て取り組んでおります。  今後は、民間団体の育成支援が急務であるとともに、児童相談所の保護者支援を進めるための人員体制についても御検討いただけたらと思っているところでございます。  以上でございます。
  5. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) ありがとうございました。  次に、鈴木参考人にお願いします。鈴木参考人。
  6. 鈴木聡

    ○参考人(鈴木聡君) この三月まで三重県児童相談センターの所長をしておりました鈴木でございます。  今回は、このような機会をいただき、誠にありがとうございます。  本日は、三重県で進めてまいりました新しい試みを、県作成の資料に基づきましてまずは御説明をさせていただきます。  それに先立ちまして、今般の札幌市の事件につきましては、子供を守る立場の大人として、また児童福祉関係者として大変残念に思います。お子様の御冥福をお祈りしたいと思っております。  さて、資料一を御覧ください。当県は、都市化の進んだ北部から山間地、海岸部までその地形は多様で、地域のニーズもそれぞれ異なっており、人の動線も考えた児童相談所の配置が求められます。そのため、従来から五か所の児童相談所を設置してまいりましたが、都市化の進んだ地域では児童虐待の問題が深刻化し、平成二十四年には二件、児童相談所が関与しているにもかかわらず子供さんの命が失われるという、あってはならない事件がございました。その後の検証委員会からの大変厳しい御指摘や現鈴木知事のリーダーシップもありまして、若手の研究者にも入っていただいたワーキングを立ち上げ、新しい視点からの積極的な改革を行うとともに、今春には新たな児童相談所も立ち上げたところでございます。  今日は、それらの中で見えてまいりました新たな視点につきまして、少しでも法案審議の御参考になればと思い、お話をさせていただきます。  一連の改革の中で気付かされた一点目は、児童相談所が持つポリシーについてでございます。先ほどのワーキングの中で、まず研究者の方から提案されたのが、三重県が日々の対応に当たり基本とする虐待対応ポリシーの策定でございました。  資料二がそのポリシーでございます。一番上に、保護者との関係性よりも子供の安全を重視するという、最も基本となる考え方を示しております。何か課題が出てきた場合、常に基本に戻って考えるという意味で、このポリシーの大切さは様々なところで痛感しているところでございます。現在、新しい資格制度も議論に上っておりますけれども、私といたしましては、知識や技術も大切にしつつ、このようなポリシーをまず共有することが最重要ではないかというふうに思っております。  二番目は、緊急一時保護のための意思決定に関するリスクアセスメントについてでございます。  三重県では、ポリシーの策定後にリスクアセスメント作成に着手いたしましたが、その基本になったのは、背景にエビデンスのある項目を選定することでございました。従来、日本でエビデンスという考え方は、特に児童虐待対応の現場では重視されていなかったようにも思います。この背景には、欧米に比べて虐待対応や研究の歴史が浅かったこと、それから、虐待というナイーブな問題を扱う児童相談所が、個人情報への配慮もあって、研究者と共同するということに積極的でなかったこともあるかもしれません。我々は、北米地域で使用が広がっておりましたエビデンスに基づいたツールの考え方も参考にし、海外の文献などにも明るい研究者の方とともにリスクアセスメントの項目を選定してまいりました。  資料三ができ上がったシートでございます。一部を抜粋して表示しております。上段が緊急出動を判断する六項目、下段が一時保護を判断する十五項目になっております。従来日本で使われてきましたものから一歩踏み込み、保護を検討する内容や状態を具体的に明記しております。これらの項目に一つでもチェックが付けば、基本的に一時保護を検討するというふうな形に仕上げました。ただ、事例により様々な状況もございますので、もし一時保護しないのであれば、その理由を最下段に記入するというふうな形式にしております。  見るとお分かりいただけますように、これは記述が非常に具体的なだけに、従来のものとは異なり、現場の判断を以前より縛る方向で作用いたします。また、保護が多くなった場合、親御さんや県民の皆様からの様々な反応も予想され、現場からは懸念の声が上がったのも事実でございます。しかし、二度と事件を繰り返してはならないとの決意の下、県民の皆様に向けては知事がメディアでアナウンスするなど、積極的に対応してまいりました。  資料四を御覧ください。これが三重県のリスクアセスメントを運用した結果でございます。死亡事件が起こった二十四年度と比べ、虐待を主訴にした緊急一時保護はその後倍増しております。  これだけ保護が増えてまいりますと、相談部門や心理部門だけではなく、さらに一時保護部門にとっても大変な状況と相なりました。一時保護所だけではとても対応できず、施設や里親さんにも一時保護委託をお願いするということになり、さらには施設に一時保護専用施設というのを設置していただくことにもつながりました。  現在、三重県では、施設に附置された小規模な一時保護専用施設が三か所稼働しております。着実な対応には、このように、児童福祉司の増員だけではなく、様々な対応が必要になるということでございます。  資料五を御覧ください。これは、虐待を主訴に保護を行った子供たちの家庭復帰までの日数を示しております。全体の保護が急増する中で、一週間未満という短期のものが大きく増えております。  これは、あざを例に取りますと、比較的軽いものでも基準に該当すればまずは保護し、親御さんに来ていただいてお話を伺い、大丈夫ということであればごく早期に家庭にお帰しするという対応を取っていることを示しております。つまり、重篤な状況に至って初めて保護し、その後はなかなかお帰ししなかった従来の対応から、より早い段階での対応にシフトしてきたことを示しております。児童相談所の仕事が増えることは確かでございますが、子供さんにとりましては家庭で長く好ましくない状況に置かれるよりは良いのではないかというふうに思っております。  このような対応によりまして、職員も、毅然とした一時保護や、その後の親御さん対応に抵抗が少なくなってまいりました。日頃からこのような経験を積んでいることはとても重要なことであると気付いた次第でございます。  では、資料六のグラフを御覧ください。これは、リスクアセスメントで一つでもチェックが付いた、つまり原則一時保護を検討するという事例のうち、実際にどれぐらいの割合で保護をしたのかを見たものでございます。  年度によって保護率が変動しているのが見ていただけます。我々のリスクアセスメントでは、各児童相談所ごと若しくは年度ごとに、つまり所長とかスーパーバイザーの判断の違いも見えてまいりますので、それを基に自分たちの対応を客観的に振り返ることが可能になります。より意思決定に有効なリスクアセスメントが各現場で使えるように、国には研究の促進をお願いしたいというふうに感じております。  三番目は、蓄積データの分析についてお話しさせていただきます。  資料七を御覧ください。児童虐待でデータ分析とは何かというふうに思われるかも分かりませんが、卑近な例で申しますと、虐待で一番亡くなるのはゼロ歳児というふうな結果が出ておりますように、個人の経験だけではなかなか知ることができない重要な事実も、そういう多くのデータを分析することで見えてくるというふうなことでございます。  当県ではリスクアセスメントのデータを約六年間かけて六千件ほど蓄積しておりまして、それを産業技術総合研究所の協力で分析してまいりました。その中で、例えば三重県で多くなっております一週間未満の一時保護でもその後の再発率が低下するというふうなことであるとか、取った対応の違いによる将来予測ができそうなことなども見えてまいりました。  これらデータは、元をただせば現場の判断の積み重ねでございます。つまり、ベテランの経験や感覚がデータという形で次に引き継がれていくというふうなことも意味しております。今後、更にデータが蓄積され研究が進むことで、意思決定に役立つ知見が得られるというふうに思っております。  資料八を御覧ください。平成二十九年、当県知事がカナダ・オンタリオ州を訪問した際、児童福祉の関係機関も視察させていただきましたが、あちらではトロント大学が州内の虐待対応のデータを集約、分析し、結果を虐待対応にフィードバックするだけではなく、施策の立案等にも生かしておられるというふうなことでございました。  今日、最も強調させていただきたいことは、児童虐待の分野におけるデータ分析の重要性です。それを広めていくためには、データを多忙な現場でいかに負担なく集めるのか、それから、現在は自治体ごとに行っておりますリスクアセスメント項目をどう統一するのか等の課題がございます。  その一点目につきましては、産業技術総合研究所が開発いたしました多機能タブレット端末の実証試験を間もなく三重県で開始する予定でございます。また、二点目につきましては、国で分析に必要なデータ内容や形式を統一してお示しいただくことがそのスタートになるというふうに思っております。  当県でも数年間蓄積して知見が得られ始めましたように、データ蓄積には一定の時間が掛かります。我が国でもエビデンスベースド若しくはエビデンスインフォームドな児童虐待対応が行われるよう、是非とも早い段階で国がイニシアチブを取っていただければというふうに思います。  以上でございます。ありがとうございました。
  7. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) ありがとうございました。  次に、高橋参考人にお願いいたします。高橋参考人。
  8. 高橋亜美

    ○参考人(高橋亜美君) アフターケア相談所ゆずりはの高橋です。  今日は、貴重な機会をいただき、ありがとうございます。  アフターケア相談所ゆずりはでは、児童養護施設や里親家庭など、社会的養護を巣立った人たちを対象とした相談支援事業を行っております。社会福祉法人子供の家が運営母体となり二〇一一年に開所し、二〇一三年度より退所児童等アフターケア事業を受託して運営しています。  限られた時間ではありますが、現場の声、日々相談してくれている人たちの声を、今日ここで少しでも届けることができたらと思います。  初めに、社会的養護を巣立った人たちの困難な状況について。  施設を退所した子供たちの多くは、引き続き家庭からの援助を受けることができません。生活の一切を自らで担い、働き、収入を得て日々の生活を維持していかなければなりません。セーフティーネットとなる親や家族が機能していないということは、若い彼ら、彼女たちは、失敗することも立ち止まることもできない緊張状態の中で暮らしていかなければならないということです。そして、今や社会的養護を必要とする子供たちの多くが、ほとんどの子供たちが虐待の被害や深刻な貧困を背景に施設に入所しています。虐待のトラウマが起因する精神の不安定や精神疾患の発病等によって、退所後の社会生活を円滑に進めていくのは私たちが想像する以上に難しい状況にあります。  一般家庭の子供たちと比べて低学歴であったり、私の資料の一番初めのところに東京都の退所者の調査と大阪府の退所者の調査の簡単なまとめが載っています。御覧ください。ここから見ても、退所者の低学歴、また生活保護率の高さや、東京でも大阪でも退所者が非常に孤独な思いを抱えて社会生活を何とか営んでいる状況が数字からも分かると思います。幾重にも重なる見えないハンディを背負う中で、生活破綻に陥ってしまうケースは少なくありません。  続いて、アフターケアの今の現状についてです。  社会的養護のアフターケア事業を担ってきたのが退所児童等アフターケア事業です。こちらも資料に、事業の説明の資料を載せています。  近年、各自治体、各施設のアフターケアの向上に伴って、退所児童等アフター事業所に求められる支援はより専門性を要するものとなっています。困難な相談ケースに対応していく上で、困難な相談ケースというのは、例えばホームレス状態に陥った退所者の住居の支援や生活保護の申請の同行であったり、妊娠中絶必要な人の対応、借金問題の解決、もろもろあります。これらの相談に対応していくためには、八百万弱の現予算では安定した支援を提供するのは難しいです。職員体制も、職員が常勤一名、非常勤一名、大体二名程度という運営で事業を行っている事業所がほとんどです。高い専門性が必要とされる現場でありながら、アフターケアの予算や人員配置はいまだ脆弱です。  ゆずりはでは、私たちの事業所でいいますと、東京都のアフターケア事業の予算は千二百万円程度で、国基準より四百万円ほど上乗せされているんですが、年間の延べの相談件数は三万件を超えています。相談者数も実数では四百名を超えています。東京という土地柄、地方から上京してきた社会的養護退所者からの相談も多いです。深刻な相談内容を対応していくに当たって、今いただいている補助金だけで運営していくことはできない状況にあります。  また、アフターケアに求められる支援のニーズは多様で、孤独を防ぐための、気軽に集い、相談できる居場所提供とともに、緊急を要する支援の対応も同時に求められています。各事業所が持ち出しで経済的支援を担う現状があります。これは、アフターケアの事業所のみならず、各児童養護施設や里親家庭でも、アフターケアに関わる住居費であったり医療費であったり食費であったり、それらを持ち出しで処遇しているところは非常に多いと思います。  平成二十九年より社会的養護自立支援事業が創設されました。こちらも資料にあります。  施設退所者への居住に関する支援や生活費の支給、生活、就労相談などを行う支援内容になっていて、これを受けて幾つかの自治体で事業がどんどん開始されているのですが、実際に、実情としては、任意の予算事業にとどまっているのと、この事業内容は予防的支援、退所後に困ることがないようにという事業内容が支援の基軸になっています。ただ、現場での一番の支援のニーズは、予防以上に、今困っている、今苦しいという事情を抱えた当事者の人たちの問題解決の支援が一番求められている支援であります。  新しい社会的養育ビジョンでも記されていますが、社会的養護自立支援事業に明確な法的根拠が与えられ、自治体の責務とする法改正、法整備が必要です。そして、事業内容が、予防の観点のみならず、困難な状況にある人たちが求める支援を提供できる内容に改正されていくことが必要です。  また、支援の中でより難しさを感じるケースとして、里親家庭を巣立った里子が措置解除後に困難な状況に陥ったときに里親を頼れない状況にあるとか、また、里子のアフターケアを里親が抱え込まなければならないケース、そして、社会的養護を必要だった人たち、すなわち、社会的養護が必要だったにもかかわらず、社会的養護の下、保護されず、取りこぼされている人たちが大人になって抱える問題への対応というのが非常に対応が難しいです。これらのケースは、相談者の方も私たち支援者にとっても孤立に陥りやすい支援のケースです。社会的養護が家庭的な支援へと今ミニマム化されている中で、どんな状況においても巣立った人たちが安心して声を上げられる仕組みを整えていくことが必要です。  最後に、これらを踏まえて、国への要望です。児童福祉法にアフターケアが国の責務であると明記してください。アフターケア事業の人員配置を見直し、適切な予算化をしてください。児相等にアフターケアの専任職員を配置してください。  児童福祉法では、児童養護施設など、退所者の援助を行うという定めがありますが、その支援が現実に行き届いているとは到底言えない現状です。里親や児相に至っては、退所者支援の業務がその中には盛り込まれてもいません。全国のアフターケア事業所が法的な位置付けの不明瞭な、不明確な要綱に基づく事業で、あるいは自主事業でフォローしているのが実態です。これを児童福祉法に明記して、制度的な裏付けをしっかりとしてほしいです。  アフターケアを必要とする人たちは、年齢的に見ればもう児童という年齢ではなくなっています。しかし、アフターケア事業が、児童福祉の枠、児童福祉の観点から切り離されてはならないです。児童期に受けた虐待や困難な生活によって大人になってからも安心した社会生活が送れていない退所者の人たちがたくさんいます。傷ついてきた子供期があって今強いられている困難があるという理解の下で提供される支援が相談者の回復や問題解決のためには必要です。また、子供期に受けた深い心の傷が及ぼす社会生活を営む上での困難も、アフターケアを通じて認識しています。  困難な状況を生き抜いてきた人たちの存在は、今苦しんでいる子供たちの支援に生かしていくことができます。アフターケアが適切になされることは、誰もが安心して生きられる社会を形成するために欠かせません。  以上です。
  9. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) ありがとうございました。  次に、佐藤参考人にお願いいたします。佐藤参考人。
  10. 佐藤伸一

    ○参考人(佐藤伸一君) 日本労働組合連合会岩手県連合会の事務局長をしております佐藤でございます。  本日は、児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等改正案の審議の場に参考人として意見を述べさせていただく機会を与えていただきましたことに感謝を申し上げます。  最初に、私ども連合は、子育てをしながら働く組合員、また、教育や保育の現場、児童相談所や自治体で働く組合員も多くおります。安心して子育てできる環境、児童虐待のない社会を目指して全国で取組をさせていただいております。  お手元に資料をお配りさせていただいておりますが、この連合の児童虐待のない社会の実現に向けてというのは、連合は、児童虐待の防止の強化、対応の改善、虐待を受けた子供の居場所づくりや心のケアといった、入口から出口まで全ての段階においてのアプローチが重要ということで、これは全国各地での討論や、あるいはブロックでの討論、あるいは産別での討論、そういったことなども重ねながらまとめさせていただいたところでございます。  今回の法案につきましては、各先生方が熱心な御議論の中で、修正などもあってでき上がったものというふうにお聞きをしております。その中で、私ども連合が考えておりました中身についても何点か、一定程度お含みをいただいたということで、感謝を申し上げます。  法案審議の最中にも痛ましい事件がございました。このようなことを繰り返さないためにも、連合としましては次の三点の事項が重要というふうに考えております。  まず一点目でございますが、防止対策の強化といたしまして、子育て世代包括支援センターの市町村単位での必置化等による保護者への相談支援体制の充実や、体罰の禁止が必要だというふうに思っております。それから、相談対応の強化といたしましては、児童相談所の職員のキャリアアップや人事の仕組み、研修体制の拡充、検討が必要であろうというふうに思っております。三点目は、里親制度等の充実や母子生活支援施設等の活用、施設を退所した児童の自立支援の強化といった社会的養護の推進、そして虐待を受けた子供や虐待に至った保護者の心のケアあるいは支援の継続的な実施が必要と考えております。これらについては、引き続き連合としてお願いをしてまいりたいというふうに思います。  さて、私は、連合岩手の事務局長に就任前十年間、岩手県の職員として児童相談所で主に虐待を担当する部署で仕事をさせていただきました。また、その間、自治労の福祉事務所・児童相談所部会というのがあるんですが、そこの部会長も何年かさせていただいて、全国の仲間と共にいろんな課題について話し合い、厚生労働省さんとも何度か話合いを持たせていただく機会などもございました。それらについて私の立場から申し上げさせていただきたいと思います。  まず一点、児童虐待対応の現状でございますが、これまでも重大事案が発生しますとその都度国からの通知を頂戴しておりますし、先生方の御議論で児童福祉法、児童虐待防止法の改正なども重ねられてまいりました。  御承知のとおり、毎年国から公表されます子ども虐待の死亡事例等の検証結果等についてというのがございます。昨年八月に第十四次報告が出されておりますけれども、その中では、全国の死亡事例の検証が行われ、そして、毎年必ず地方自治体への提言、そして国への提言ということが指摘をされております。例えば、妊娠期から支援を必要とする養育者の早期把握と切れ目ない支援の強化でありますとか、乳幼児健診未受診の家庭の把握と対応、関係機関の連携及び適切な引継ぎによる切れ目のない支援、リスクアセスメントの実施と評価など、本当に様々な視点から提言がされているわけであります。  その中で再三、繰り返し指摘されてきたことが、市町村及び児童相談所の相談体制の強化と職員の資質向上というものがございます。  児童相談所の体制強化については、これまで地方交付税の算定を改善していただきましたり、児童相談所強化プランなどを打ち出していただいて、児童福祉司の増員が図られてはまいりましたが、しかし、現場の実感としては、残念ながら毎年過去最高を更新する虐待件数の対応には追い付いていなかったのではないかというのが現状かと思われます。また、児童福祉司の増員を図りたいと現場が思っても、これは、地方自治体としては、財政当局そして人事当局の理解がなければ、通常の行政職の人事ルールではなかなか増員というのは難しいというのが一般的かと思われます。  また、御承知のとおり、都市部では児童相談所児童福祉司の一人当たりの担当ケースが百件を超えると、先日も百数十件という報道ございましたけれども、そういう状況でございます。常に百件のケースを抱えていて、そこに毎日新しいケースが通告で三件、四件来る、そういう状況では、先ほど申し上げた提言でいっぱい書かれていても、それをやりたくてもなかなかそのとおりにやることは難しい。それから、緊急対応についても、迅速かつ的確にというふうに言われておりますけれども、そうしたくてもなかなかできない。あるいは、関係機関連携が重要ということは知りつつも、学校、警察、医療機関などとじっくりと連携するための時間を割くことができない。加えて、施設入所や里親委託となった子供たち、どうしているかなと気になることはいっぱいあるわけですけれども、なかなか会いに行ってゆっくり話を聞くというような、そういう余裕がまずないというのが現実ではないかというふうに思っております。  一人当たり何ケースがいいかということについては様々御意見あろうと思いますけれども、私がこれまで研修会等でお聞きした先生方のお話をお聞きしますと、欧米では一人当たり二十ケース、あるいはお隣の韓国でも二十ケースぐらいというふうにお聞きしているわけですが、大変羨ましいなというふうに思った記憶がございます。これまでの増員の方法ではもう対応し切れないのではないかなというのが私の実感でございます。  また、ここ数年で児童福祉司の増員図られている児童相談所、大変多うございますけれど、新採用ですとかあるいは経験のない若い福祉司が配置をされる例が多くなっております。国による研修は横浜にございます子どもの虹情報研修センターさんで担っていただいておりますが、専門の人材を育成するためにも研修機会の拡充をお願いしたいというふうに存じます。  一方、市区町村でございますが、非常勤の家庭相談員さんが本当に夜討ち朝駆けで献身的に活動しておられるという方も私たくさん存じ上げておりますけれど、子供の命を守る仕事、あるいは人の一生に関わる仕事でありながら、月額十数万円の報酬、それから研修機会もほとんどないというような市町村もあります。市町村の体制強化のためには、そういった研修等も含めた処遇の改善というものも是非必要だというふうに考えております。  二〇一六年の児童福祉法改正で、子育て世代包括支援センターの全国展開、子ども家庭支援拠点の整備、要保護児童対策地域協議会への専門職配置の義務化などが図られておりますけれども、全国的にはまだ道半ばという状況ではないかなというふうに思っております。  児童虐待の発生予防のためには、市区町村による従来からの母子保健や子育て支援活動を含めて、若い保護者の方、頼れる家族がいないという若いママ、パパ、それから経済的、精神的問題を抱えているような、そういった保護者の方々に寄り添った支援が重要であるというふうに考えております。  最後に、私、労働組合の立場で上がっておりますのでその立場で申し上げますが、地方、都市部を問わず、正規雇用では、長時間労働、過酷なノルマ、パワハラといった、いわゆるブラック企業が蔓延をしております。非正規雇用では、年収二百万円以下の低賃金、そしていつ首になるか分からない不安定雇用ということが問題となっております。御承知のとおりでございます。子供の貧困や児童虐待に関わっている方々とお話をしますと、子育てをしている保護者の働き方が良くならなければ、あるいは、若いパパ、ママやシングルで子育てを頑張っている方々が大事にされる社会じゃないと虐待は減らないよね、貧困は減らないよねという話にいつもなるところでございます。  子供食堂や子供の居場所づくり、あるいは一人親への支援など、多様な活動が地方でも活発になっておりますが、それらの活動に対する御支援も今後引き続きお願いを申し上げまして、私の意見とさせていただきます。  ありがとうございました。
  11. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) ありがとうございました。  次に、奥山参考人にお願いいたします。奥山参考人。
  12. 奥山眞紀子

    ○参考人(奥山眞紀子君) よろしくお願いいたします。  今年、日本が子どもの権利条約を批准して二十五周年になりますが、その年に詩梨ちゃん事件が起きてしまったということに非常に胸を痛めております。  私は、二十五年ぐらいですか、医療の場に身を置きながらこの分野について関わってきた者でございます。医療の分野との違いとして、やっぱりイノベーションがなかなかこの分野は起きない、スピードが遅いというのをずっと感じておりました。その一つは、もちろん市場原理が働かないというのが一つでしょうし、もう一つはプロ意識の問題、この二つがあるんではないかなというふうに思っております。  市場原理が働かないということは、やはり当然の必要なことですから、制度が先読みして、新しい制度にどんどん変えていかないと追い付かないということになると思うんですね。  例えば、今回、詩梨ちゃんの事件が起きました。私の資料の一番最後に、ちょっと無理を言って、まだ確定数字じゃないのに、無理言って某政令市の過去五年間の通告数を出していただきました。見ていただくと、二十七年に比べたらもう三倍近くになっています。これに対応、全部に例えば四十八時間ルールをやろうと思ったら、これはもう無理です。この増えているのは何かといえば、近隣からの泣き声通告とかDVの通告とかが増えているわけですね。通告がない方がいいわけではありません、当然、あった方がいいんです。ですから、百例ある中でどのぐらいの力を入れなきゃいけないかというのは多様化しているということなんですね。  恐らく、百例の中ですぐ行かなきゃならないのは数例でしょうし、四十八時間でやらなきゃいけないのは三〇%ぐらいかなというふうに感じておりますが、そういう数字はまだ出ていませんので分かりませんけれども、それを四十八時間ルールを全部徹底せよというのは、これは無理です。何が起きているかといえば、児童相談所に負荷が掛かって、正常な働きができなくなっているのが現状です。  だとしたら、どうしたらいいか。このことについては、二十八年改正の基礎となった、新たな子ども家庭福祉のあり方に関する専門委員会という委員会が報告書を出していますけれども、その中で、やっぱりまず通告を受けた人がきちんと通告者から聞く能力を持って聞き出して、そして、ある情報と照らし合わせながら、すぐ行かなきゃならないのか、四十八時間でいいのか、それとも支援ベースで入った方がいいのか。先ほど、百人の通告があったらと言いましたけど、恐らく九十人ぐらいは支援を必要としている人たちです。だから、支援ベースに入った方がいい人たちもいるわけですよね。そういう判断を、トリアージをしていく。これは何もここで初めて言っているんではなくて、ほかの国ではやられ始めていることです。スクリーナーのトレーニングというのがあって、スクリーナーがそれをトリアージして皆さんに振り分けていくということが行われているわけです。やはりそういうことをすべきだというのを三年前に報告書は述べているわけですけれども、このスピードが遅い。ですから、今回の北海道の札幌市の方々も、もう忙しくて手が回らなかったというふうにおっしゃっていますけど、確かにその面はあったのではないかというふうに思います。  そのほかですけれども、システムがやっぱり変わるスピードがすごく遅かったということが大きな問題で、例えば、相談機能は恐らく市町村が今後担っていくべきだろうというふうに思います、寄り添い型の支援として。その基盤をきちんと整備すること、これが今急務だろうと思います。  詩梨ちゃん事件でも、一歳六か月健診で四、五か月の身長、体重しかなかった。これはもう私たちからすればとんでもないことです。一か月そのままで置いたら脳がダメージをどのぐらい受けるかというのを考えてほしいと思います。そのような状態でありながら、地域での寄り添い型支援がうまくできなかった。だとしたら、どう介入も併せて一緒にやっていくんだろうかということを考えなきゃいけなかった。  しかも、それが、児童相談所が一歳九か月のときに通告を受けました、情報が伝わっていない、同じ政令市なのになぜと思いました。札幌市は一か所しか児童相談所がなくて、二百万を管轄しています。そして、十か所の保健センターがあると。この中でのコミュニケーションの不足というのがあったのかもしれないというふうにも思います。同じ政令市であったら、本来もっとコミュニケーションがあってもいい。これが同じ政令市じゃない県と市になったら、もっとコミュニケーション悪いです。そこのところを考えたら、できるだけ児童相談所も市町村レベルに落としていく必要があるということが言えるだろうというふうに思います。  そして、もう一つ大きなことは、今回、警察も入りました。でも、警察の方も、あの小ささを見ても危機感を持てなかった、傷がないというだけで終わってしまった。警察の中にやっぱり虐待対応をちゃんとできるチームを持ってほしいというふうに思います。  そして、司法関与も日本は非常に薄いです。以前から司法関与が必要だということはみんな声を上げていたんですけれども、司法も余り関与していただけない。やっと、二十九年、皆さんのおかげで改正されて、治療命令に近いものもできました。でも、十年遅れています。ですから、結愛ちゃんや心愛ちゃんのお父さんが自分から、治療してくださいって行くはずないんですね。そうすると、治療命令が必要なんです。二十九年にやっとできて、今、そういう方々を治療できる場所って数か所しかないんですよ。十年遅れたから技術が向上しないんですね。  やっぱりスピード感とても大切だと思いますし、今、もうここまで来たら、児相だけでやる時代ではない。児童相談所に権限を与え権限を与えしてきました。でも、資格もない一般の方々と、少し、もちろんいろんな、何というんですか、要件はありますけど、その要件に合った方々ならいいという形で、公務員という形でやってきている中で、プロ意識が育っていないということがやっぱり次の問題ではないかと思います。ですから、プロとして対応しなければイノベーションができるはずがない。恐らく、ここにいらっしゃる方々はみんなプロ意識が高い方々なんですけれども、一般の児相の中ではやはりまだまだだろうというふうに思いますし、そういう意味では、きちんとした資格、そして資格を持っている人に対しての優遇ということをやっていかなければいけないんではないかというふうに思います。  そして、例えば、本当に質を上げなきゃ駄目なんです、マニュアルだけでは。なぜかといったら、やっぱり一歳九か月で四、五か月の子供を見て、あるいは、警察は二歳過ぎている子供を見て、四、五か月の身長体重の子供を見て危機感を持てないとしたら、これはプロじゃないというふうに私は思います。やはりそこのところを担保していく必要があるんではないか。  そして、もう一つイノベーションを進めるためには、やはりこういう制度を変えなきゃならないような分野でのイノベーションをやるためには、透明化ということが一番大きいんではないかと思います。  今回、児童相談所の第三者評価というのを法案では入れていただきました。重要だと思います。ただ、一時保護所、児童相談所は各県に一か所から数か所しかありません。それを県が主導でやっていくことには限界があると思います。やはり評価機構のようなものをつくって、しっかりとして透明化をしていくということをしなきゃいけないんではないか。このことに関しては、モデルとしてはイギリスのOFSTEDというのもございます。そういうところを参考にしながらでも、もう少ししっかりとした評価制度というのをつくっていかなきゃいけないというふうに思います。  以上です。
  13. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) ありがとうございました。  以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。  これより参考人に対する質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  14. 小川克巳

    ○小川克巳君 自民党の小川でございます。  ただいま五人の参考人の方々から、それぞれの立場で非常に貴重な御意見といいますか御提言を頂戴しました。本当にありがとうございます。  私も個人的にゼロ歳児と三歳の孫がいますんで、その孫たちと遊んでいると、やっぱりついあの虐待の事件のことなんかを思ったりするわけですけれども、非常に悲惨な事件が最近立て続けに起こっておりまして、その都度非常に暗たんたる思いになります。  何とかしなくちゃいけないというふうな思いに駆られるわけですけれども、非常に問題の根は深いというふうに思っておりまして、これをどういうふうに片付けていくのかといったら、もう端的な答えはないなというふうに思うんですが、予防という、病気でもそうですけれども、予防の観点からいうと、親の要するに妊娠期から出産に至るまでの過程、そして出産後から育児に移行する過程の中で、しっかりと寄り添うような仕組みがあったり、あるいは人がいたりということが実現するならば、それが一番効果的なのかなというふうにも思ったりします。  そういう意味で、いろいろな仕組みが最近打ち出されてはきているんですけれども、残念ながらそれぞれの制度の中で連結性がないというふうなことはまた一つ大きな課題だと思いますし、先ほど御指摘いただきました、そこに関わる人たちのいわゆるスキルの問題、これも非常に大きいというふうに思います。  今回の改定で、児童福祉司を二千二十名増やすというふうなことが計画されておりますけれども、数だけ増やせばいいという話ではなかろうというふうにも思いますし、当然、そこに見合った資質をどう備えさせていくのかというふうなことがまた次の課題にもなってくるわけですけれども、突き詰めて言いますならば、介護保険が成立したときに介護の社会化ということがよく言われました。そういう観点から、育児に関しても社会化ということを考えていく必要があるんだろうと。  これは、あらゆる場面で最近地域の活性化ということをよく言われますけれども、人と人との関係性の中においてもまた同じことが言えるんだろうというふうに思っております。そういう意味で、それぞれの立場から御提言いただきましたけれども、共通していたのは、やはりきめ細かな、目の細かい形での共生ということなのかなというふうにも思ったりしております。  そういう意味で、それぞれのお立場から、育児の社会化、若しくは先ほど御提言いただきましたいわゆる社会的養護、こういったことを具体化するためにまず何が必要なのかといったことについて、それぞれの立場から御意見を頂戴できますと有り難いと思います。  まず、江口参考人からよろしくお願いします。
  15. 江口晋

    ○参考人(江口晋君) ありがとうございます。  まず最初に、児童相談所がゴールキーパーとして今役割を担っております。ゴールキーパーだけでは地域を支え切れないというのはもう自明の理でございます。救急病院としての役割を児童相談所が果たしておりますので、私は、市町村がホームドクターとして地域に根差した様々な取組を地域で展開していってほしいというふうに思っているところでございます。  例えば、うち、寝屋川市でございますけれども、寝屋川の警察と寝屋川の郵便局が連携しまして、郵便配達のとき気になったら連絡してくれる、あるいは子供食堂の方々が協力して連絡してくれると、それぞれの地域にある資源がいろいろな形で、面でセーフティーネットをつくっていく形を本当に地域ごとに独自につくっていく必要があるのかなと。社会的資源も違います、社会的養護の資源も違います、里親の数も大分違います。それをうまく組み合わせながらやっていきたい。その意味で、最終の救急病院がきちっとアセスメントできるような力を身に付けていく必要があるというふうに認識しております。  以上でございます。
  16. 鈴木聡

    ○参考人(鈴木聡君) 御質問ありがとうございます。  今まで、子育て支援というふうな言葉がすごく語られてきておりますけれども、それの背景には、子供は親が育てるのが当然なんだということがございます。それは一方では当たり前なんですけれども、それだけに、そこだけに言い過ぎると、非常に保護者に対する負担になるという部分はあります。  それと、求めてこられる方はいいんですけれども、求めてこられない方なんていうのもやっぱりおられるわけですね。その方たちにどうするのか。そして、子供を育てる、子供の権利を守るということからいうと、地域がやっぱりやっていかなきゃいけないというふうなこともございます。  ですから、そういうふうな子育て支援、いわゆる親の義務としての子育て支援とともに、直接支援と言うんでしょうかね、そういうのも、子供の直接支援というのも必要ではないかというふうに思います。
  17. 高橋亜美

    ○参考人(高橋亜美君) そうですね、親も家族も、自分一人で子育てを担わなければいいんだという、何ていうか、安心して助けを求めていい、今子育てするのがつらいんだということを一人で抱え込まなくてもいい相談先、話せる場所というのが当たり前にある仕組みが必要ということ。  あと、それを発信するためには、私は、一人一人の何か幼少期からの教育というか、私たち小さいときから、子供は親の言うことを聞くとか、親は自分の子供の全責任を負わなきゃいけないという、何かそういう子育て感の中で私たち生きているので、そうじゃないというところ、自分は自分を大切にする、それが、親に大切にされないときに誰かに助けを求めていいんだということだったりとか、そういった何か根本的な、自分を大切にするということの在り方も教育の中で、ちょっと漠然とした意見になっちゃうんですけど、なされていかないと、助けてって言うのって本当に勇気が要ること、しかも子育てや自分の子供のことで誰かに助けを求めるということはすごくハードルが高いことなので、何か元々の育ちの中から、誰かを求めていい、頼っていいという、何か人格形成がなされていくということも必要だと思っています。
  18. 佐藤伸一

    ○参考人(佐藤伸一君) 先生御指摘のとおり、育児の社会化というのは重要だというふうに思っております。  人と人の関連性ということも本当に重要なんですが、私の拙い経験の中では、やっぱり若いママ、パパ、役所に相談をするということのハードルが高かったり、あと、保健師さんは決して叱っているわけではないんですけれども、健診などで保健師さんから話を聞くと、何か叱られているようなイメージで感じてしまって、なかなか保健師さんにも行きづらい、で、ネットで決して正しくない情報で判断をしてしまったりということがありますので、もちろん、役所のそういった様々な、先ほど申し上げた子育て支援センターですとか包括支援センターですとか拠点ですとか、そういったところでいろんな方々がパパやママに寄り添うということと、それから、何でもしゃべっていいんだよ、大変だったねという寄り添いの中での人間の関係性ですね、先生おっしゃるような、そういったものを育んでいければいいのかなというふうに思っております。  以上です。
  19. 奥山眞紀子

    ○参考人(奥山眞紀子君) ほとんど皆さんがおっしゃっていただいてしまったんですけれども、二十九年度に出しました、新しい社会的養育ビジョンというのが出ています。その検討会の座長をさせていただきましたけれども、これはまさに、社会的に、全ての子供を対象として養育を社会が一部担わなくてはいけないんだという考え方で出されたものでございます。  その中で、いろいろ書いてあるんで全部ここで言うわけではないんですけれども、厚労省の方も、二〇二二年までに全ての市区町村に子ども家庭総合支援拠点を設置するというふうにおっしゃっておられます。その要綱の中にも、その役割として、個別に対応するだけじゃなくて地域づくりというのもその役割ですよということが書かれております。  ですから、やはり拠点をつくりつつそういう地域づくりをしていくということが今喫緊に必要なことではないかなというふうに思っております。
  20. 小川克巳

    ○小川克巳君 ありがとうございます。  いわゆる、先ほど児相だけがやる仕事じゃないというふうに、今、奥山参考人おっしゃっていました。私もそう思うんですけれども、だから、理想的には生活圏域ごとにそういった拠点をつくっていくというのが必要なんだろうと。そういう意味では、昔、民生委員、昔って、現在も民生委員制度ありますけれども、その民生委員がある部分そういった機能を果たしていたのかなというふうにも思うんですが、そこら辺の機能が地域住民の力とともに少し落ちているのかなという気がします。だから、そこら辺を再構築していく必要があるんだろうというふうに思いますが。  非常にお伺いしたいことたくさんあったんですが、ちょっと時間が参りましたので、ここで一旦終わらせていただきます。  どうもありがとうございました。
  21. 川田龍平

    ○川田龍平君 参考人の皆さん、今日は本当に貴重な御意見をありがとうございました。  私も意見を聞きながら、本当に地域での子育てのいかに大事かということを思いました。私自身も、小さいとき家にテレビがなかったんですけれども、家のテレビがないので友達の家に見に行ったりとか、そういう町内会とか自治会とか、そういったつながりの中でやっぱり子育てというのはされていたなというふうに思うんですが。  本当にそういったものが今希薄になっている中で、私も昨年、今住んでいるところの町内会の役員をやったりしたんですけど、やっぱり本当にそういうコミュニティーが、やっぱり本当に参加をするということ自体が欠落している中で、やっぱり本当に今それがなくなってきているそのコミュニティーや地域の大事さというのは、本当につくづく、この児童相談所を体制を強化するというだけではなくて、本当にこの児童虐待をなくしていくために本当に必要なことではないかということを本当に痛切に感じております。  質問をさせていただきますが、佐藤参考人にまず聞きたいんですが、先ほどからプロ意識ですとか、それから、江口参考人からも、児童相談経験年数の非常に短い、三年未満の人が五〇%、五年未満も入れると六四%ということで、大変経験の若い人たちが児童相談所で働いていらっしゃるということなんですが、児童相談所の体制強化というのが長年指摘されてきましたが、発生件数の増加に追い付かなかった、これはなぜかということ。それから、地方交付税の問題、それから自治体の人事担当者の理解ですとか財政当局の理解など、自治体の人事ルールについても触れておられましたが、どのような事情があるかということについてお聞かせください。
  22. 佐藤伸一

    ○参考人(佐藤伸一君) ありがとうございます。  自治体は長年、定数管理の方向性でいえば、職員の削減ということでずっと来ていたと思います。これは事実だと思います。  通常の人事ルール、自治体によって違う点はあるかと思いますが、一般的に、どこかの需要が増えればどこかから、どこかを削って持ってこなくちゃいけない。例えば、生活保護がぐっと増えましたときに、生活保護のワーカーを増やすために、じゃ、どこを減らすんだと、高齢者の部門か障害者の部門か児童の部門かという話になっていたわけで、同様に、役所の人事からしますと、福祉を増やそうとしますと、福祉の中でどこかの部門を増やそうとすると、福祉の中でまずはどこを減らしますかという議論が一般的な議論というふうになってこようかと思います。そういう事情が一つございます。  それから、地方交付税については、厚生労働省さんも総務省さんも様々御努力いただいてきたというふうに認識しておりますけれど、私が現職で最後の年でありました二〇一七年、この年も交付税の改善がございましたが、標準団体百七十万人で児童福祉司の数は前年度の三十九人から二名増員されて四十一名という、そういう状況でしたので、なかなかちょっと、実際の虐待の件数がどんどんどんどん伸びているというところからすると間に合わなかったかなという思いはございます、当時ですが。
  23. 川田龍平

    ○川田龍平君 先ほどの江口参考人からも、二十四時間三百六十日の迅速かつ的確な初期対応のアセスメントの対応ということであったんですが、今、児童虐待の担当というのが非常に非常勤職員が多いということだったと思うんですが、非常勤職員というのはこれ勤務時間にも制限がある中で、もっと正規職員が担うべきではないかと思いますが、佐藤参考人と江口参考人からそれぞれ意見いただければと思います。
  24. 佐藤伸一

    ○参考人(佐藤伸一君) 市町村の場合に非常勤の相談員さんが多いということを先ほど申し上げさせていただきました。  非常勤さんですので、当然、非常勤ですから、例えば勤務時間は九時から十六時までとか、そういう制限がございますし、あと、非常勤職員については五年以上継続して雇用してはいかぬというふうなお達しもあったりしまして、せっかく育ってきたベテランの相談員さんが五年で辞めざるを得ないというような、そういったルールもあったりしてございます。  それから、当然、市役所、役場の児童部門には正規の職員の方もいらっしゃいますけれども、多くの方は行政職で、保育所入所の手続の関係ですとか手当の手続の関係ですとか、そういったことをもういっぱい担当しながらやっておられますので、どうしても相談対応は非常勤の相談員さんに担っていただいているというふうな自治体も多いかなというふうに認識をしております。  ただ一方、市町村によっては、社会福祉士採用の方、社会福祉士の方を採用して、その方にいろんな福祉の、児童だけではなくて、障害とか生活保護も含めて、生活困窮も含めてやれるということで、社会福祉士を持っている方を採用したり、あるいは保健師さんを児童部門に配置をしたりして効果を上げておられる自治体もあるということも承知しております。  以上です。
  25. 江口晋

    ○参考人(江口晋君) 基本的に、夜間対応については常勤職員で対応させていただいております、常勤職員が二名。それから、警察官OBは非常勤でございますけれども、といいますのも、女性職員が二人、深夜に家庭訪問するのはかなり危のうございます。何が起こるか分からないということもあって、警察官OBがきちっと付いていると。それから、ベテラン職員がスーパーバイザーとして、これも常勤でスーパーバイズしますので、この体制を維持していきたいと思っています。  ただし、そうしますと、夜間対応に当直に入った者は終日休まなければなりません。ということは、職員体制が大変厳しい中で回っているという状況でございます。大体一か月ちょっとぐらいで必ず回ってくるということで、あっ、もう回ってくるわと言って、職員がぴりぴりしながら仕事をしているという現状でございます。  そういう形で、できるだけ大阪は、といいますのも、家庭訪問したとき一時保護をせなあかんかどうかという判断をするという意味で、常勤がやっぱり責任をきちっと取ってやろうやないかというのが大阪の方式でございます。  以上でございます。
  26. 川田龍平

    ○川田龍平君 この児童虐待の背景には、貧困、それから保護者の方の発達障害、精神疾患など、それから若年の出産など、様々な課題があると思いますが、これ、親の支援の観点で何が必要かということを高橋参考人からと奥山参考人、それから、奥山参考人からは、教育や警察の分野での、特に専門部署つくった方がいいんじゃないかということがありましたが、私も特に警察の中にそういったものをつくるべきではないかということを先日も質問させていただいたんですが、その辺りのことについて詳しく教えていただければと思います。
  27. 高橋亜美

    ○参考人(高橋亜美君) そうですね、児童虐待のことを考えると、まず子供のケアというのが第一になってしまうんですが、その背景に必ず親のケアが必要である、それで、親への指導とか教育ではなくて、親に寄り添っていく支援というのが提供されることが必要だと思います。  その一つに、私たちの団体で、ゆずりはで取り組んでいる一つとして、マイ・ツリー・ペアレンツ・プログラムという、虐待してしまっている、実際にもう今子供への暴力が止まらない、暴言が止まらないといった母親を対象にした親支援のプログラムを提供しています。  ただ、こういったプログラムを実施するのも、誰でも彼でもすぐできるものではないですし、それに対応できるだけのまた専門性も必要なので、すぐにたくさん実施していくということは難しいんですが、親の気持ちに寄り添った、親がしつけの中に暴力や暴言を介さなくても子供と良好な関係を、何というか、結んでいけるという、何かそれを寄り添いの中で学んでいくという仕組みがもっと必要だと思います。  そして、私たち、マイ・ツリー・ペアレンツ・プログラムは今実施し始めて七年目で、七回目迎えているんですが、やるごとに親が変化していくという効果も実際に見ているので、そういった、小さな規模ではあるんですが、内容の濃い、時間を掛けた親支援のプログラムというのがもっと全国に広がっていくことが必要かと思います。
  28. 奥山眞紀子

    ○参考人(奥山眞紀子君) まず、親支援でございますけれども、今おっしゃられたような、寄り添っていける方はいいんですけれども、先ほど申しましたように、例えば結愛ちゃんのお父さん、心愛ちゃんのお父さんが、寄り添い型の治療をするからどうぞと言っても来ないというのが現状だろうと思うんですね。  やはり、先ほどちょっと言い忘れたんですけれども、児童相談所は今後、子供を保護する、子供の安全を守るところに特化していくべきだと。もう今、法律を読みますと、家庭等からの子供に関する相談全てに乗ります、技術が必要って書いてありますけど、そんなのほかの人は分かりませんから、児相は何するところですかと言ったら、全ての相談に乗りますと、こう言うわけですね。それではもうアイデンティティーがもたないです。  ですから、児相はもう子供の安全を守るところに特化して、そして、市町村その他民間も含めて、市町村や何かが子供の支援をするという、相談に乗り支援をするというふうに分けて、その上で、そのようなケース、難しいケースに関しては児童相談所が枠組みをきちんとつくって、これ以上あなたがちゃんと治療を受けなかったら子供を引き揚げますよというような枠組みをつくり、そこで支援を本当にやるのは市町村、それから、だからどこか精神科に通わなきゃいけないですよとか、そういうことも含めて、そういう役割分担の中で進める必要があるだろうというふうに思っています。  専門部署に関してですけれども、やはりお互い違う文化で育っておりますので、コミュニケーションはなかなか難しい部分はあります。かつて、十年ぐらい前ですか、オレゴン州のチームの方で警察の方とお話しして、我々だってこうやって一緒にやるまで十年掛かったんだよと言われました。やはりそういうコミュニケーションをきちんと深めていって、どうやって子供を守るんだということをきちんとやっていかなきゃならない。そのためには、コミュニケーションの相手である専門部署がなければコミュニケーションすら取れないわけです、警察官すごいいっぱいいますから。  ですから、そういう意味で、きちっとした部署をつくり、どうやったらお互いがいい形で子供を守れるのかというのを構築していかなきゃならない。そういう意味で、少なくとも、まずは県警にそういう部署をつくり、所轄が動かなきゃならないんだったらば県警に、虐待が疑われるんだったらまず照会を掛けるというようなことをやっていただく方がいいのではないかなというふうに思います。
  29. 川田龍平

    ○川田龍平君 ありがとうございました。  時間ですので、済みません、聞けなかった方もおりますが、済みません、ありがとうございました。
  30. 川合孝典

    ○川合孝典君 国民民主党の川合孝典と申します。  参考人の皆様には、貴重なお話いただきまして、ありがとうございました。  情報量がちょっと多過ぎて若干混乱しているところではあるんですけれども、技術的な問題も含めて幾つか質問させていただきたいと思います。  まず、江口参考人にお伺いしたいんですが、御説明いただきました資料十七ページのところで、転居先が分からなくていわゆる継続的な支援を行う上での障害になっているということについて少し御指摘がございましたけれども、具体的に転居先が分からなくなった方をいわゆる調査するということについて、実際どういう対応をしていらっしゃるのかということと、その対応をする上で足りないこと、何か体制整備をする必要があることがあれば是非お教えください。
  31. 江口晋

    ○参考人(江口晋君) 様々な理由でございます。転居先に、どこに行ったかと言わない、あるいは住民票を動かさないというケースがあるのは事実でございます。その場合には、教育委員会とか警察、それからDVセンターなどにも御相談いたします。というのは、離脱母子ですね、離脱されるという方々もおられます。住民票を動かさずにという場合の情報も集めながら捜していくということでございます。もちろん、海外にという方もおられますので、入管当局に御協力いただいているところでございます。  私は、常々思っていますのが、都道府県を越えて全国ベースで、例えば江口晋という人間が北海道で相談しましたと。それでも、大阪で相談をしていましたということを北海道で言わなければ分からないということでございますので、できれば、最低限の人定情報があれば全国ベースで児童相談で虐待相談があったんだということが分かるような情報のネットワークのシステムというのが、非常に早急に整備する必要があるかなというふうに考えているところでございます。  以上でございます。
  32. 川合孝典

    ○川合孝典君 ありがとうございました。  次に、鈴木参考人にお伺いをしたいと思います。  いわゆるエビデンスを重視されてリスクアセスメントということをお話しされて、大変感銘を受けたわけでありますが、私も初めてお聞かせいただくことがたくさんあって驚いたわけです。  ちなみに、この三重県でお取り組みになられているこうした取組というのは、情報も含めて他の地域、他県との共有というのはされているんでしょうか。
  33. 鈴木聡

    ○参考人(鈴木聡君) 現状では、三重県がデータを蓄積してきてやっているということはあるんですが、他県にはまだ、お問合せはあるようですけれども、広がっていないのではないかというふうに思います。三重県のセンターにはいろんな県から連絡が来て、どんなことをしているんだというのを教えてほしいという連絡はあるようです。
  34. 川合孝典

    ○川合孝典君 ありがとうございます。  こうした先進的な取組とか新しい知見というのは、いかにみんなで共有をして現場対応に生かしていくのかということが非常に重要だと思っておりますので、是非そうしたことについても今後問題提起を図ってまいりたいと思います。非常に貴重な御意見ありがとうございました。  ここからちょっと話を変えまして、江口参考人とそれから佐藤参考人にお伺いをしたいと思います。  非常に悲惨ないわゆる虐待事例、虐待死に至った事例というものを見ておりまして、この中でよく指摘されるのが、いわゆる離婚された方の連れ子さんが、再婚した方との間で虐待が生じるといったようなことが割合として決して少なくないということの指摘を受けております。  そうした状況を受けて、賛否あるところでありますが、いわゆる親権の在り方の問題について意見が上がってきているということを私伺っておりまして、そこでお伺いしたいのは、いわゆるその親権、共同親権をどう考えるかということについて、ちょっと漠然とした質問になって申し訳ないんですけれども、江口参考人と佐藤参考人の御認識をお伺いしたいと思います。
  35. 江口晋

    ○参考人(江口晋君) 一つは、家庭内での家族の変化というのが非常に急激に行われているケースも多々ございます。それを身近でリアルタイムでキャッチするのが非常に難しいなというのが現場の実感でございます。  そういう意味では、例えば保育所でございますとか学校でございますとか、特に保育所なんかでしたら、家族が一緒に連れて子供さんをお送りするときに、いや、家族の状態変わったよというような情報がキャッチすると、できるだけ速やかに要対協の中で共有したいというのが私たちの強い思いでございます。  それから、共同親権の問題について、私、今の時点で正確な知見を申し上げることは難しゅうございますけれども、ただ、いずれにしても、内縁の方であれ同居されている方であれ、子供の養育に関わる方は子供の安全を守る第一義的義務があるというのを私は常々申し上げております。内縁の男性であっても、養育に参加しているのであれば親権者と同様に子供のやっぱり安全を守る責務がありますよと。それを守らなければ、それを果たしていただくのか果たしていただかないのか、真剣に私たちと向き合ってほしいと。これはやっぱり真剣に、私たち児童相談所としては、どんな家族形態であれ養育に参加する者全てに私たちは述べていきたいというふうに強く思っているところでございます。  以上でございます。
  36. 佐藤伸一

    ○参考人(佐藤伸一君) ありがとうございます。  私も、親権の在り方については、法律的な部分もあろうかと思いますので、私の方からこうすべきというふうなことは今持ち合わせておりませんですが、先生がおっしゃるように、ステップファミリーが非常に多いので、そういう中でのトラブルは私もいっぱい経験しておりますけれど、子供さんのお母さん、実母さんが新しいお父さんに気を遣って、虐待を見ている、認知をしているんだけれども止めれなかったり、それはDVの問題なんかもあるわけですが、止めれなかったり抑えられないということもいっぱい経験はしております。そうしたときに、親権を持っている実のお父さんとの調整なんというようなこともいろいろ苦労した点ではございますけれど、そういった経験はございますということのみ御発言させていただきます。
  37. 川合孝典

    ○川合孝典君 突然の質問にお答えいただきまして、ありがとうございました。今後、この問題についても議論を深めていかなければいけないというふうに私自身認識いたしております。  次に、もう一つ、時間がもうちょっとだけ、残り少なくなってまいりましたので、もう一点御質問したいと思いますが。  これも佐藤参考人に御確認したいんですけれども、一人当たりの相談員の方のいわゆる対応件数が欧米に比べて日本は極めて多いと。結果的に手が足りなくなってしまって、対応が図らずも十分取れなくなってしまっているということの指摘を、あらゆる方からこの御指摘は受けるわけでありますが、欧米では二十例ぐらいを一人で見ていらっしゃるということなんですけれども、なぜ日本と欧米とでここまでの差が生じているのか、端的に言ってどういう理由でそうなっているのかということをお聞かせいただきたいと思います。  と申しますのも、人材確保のためのいわゆる採用活動というのはどこへ行ってもやっていらっしゃるわけなんです。やっていらっしゃるんだけれども、なかなか集まらないと。その背景には、そういう資質、スキルをお持ちになっている方々がそもそも日本は少ないのか、若しくはいわゆる人選の基準が違うのか、予算が全然違うのか、どこにその原因があるのかということをどのように御認識されているか、お教えください。
  38. 佐藤伸一

    ○参考人(佐藤伸一君) 難しい御質問で、私、十分お答えできるか分かりませんが、その点について、私ども前の経験で、国の担当部署さんの方に、よそではそうではない、よそでは二十ケースぐらいとお聞きしておりますがということは何度か申し上げたことはあるんですけれども、それは対応のシステムが日本と諸外国では違いますので一概に比較はできませんというお答えは頂戴しております。もちろん、予算の問題が大きいかとは存じます。
  39. 川合孝典

    ○川合孝典君 今の御質問をさせていただいたときに鈴木参考人がちょっと御反応されているようにお見受けしましたので、今の質問に対して、鈴木参考人、どのようにお考えでしょうか。
  40. 鈴木聡

    ○参考人(鈴木聡君) これ、エビデンスベースドの政策というんでしょうか、その辺はやはり海外の方はきちっと、どれぐらいの定数が要るというふうなことを算定しているんではないかというふうに思います。そこが日本ではやはり今まで十分に、当然そのデータがないものですから研究もされてきていませんし、それに応じた人員配置というのもなかなかできていなかったのではないかというふうな部分もあるのかも分かりません。
  41. 川合孝典

    ○川合孝典君 ありがとうございました。時間が参りましたので、これで終わります。
  42. 山本香苗

    ○山本香苗君 公明党の山本香苗でございます。  本日は、大変貴重な御意見ありがとうございました。  まず、児相の現場の経験を持っておられる江口参考人と鈴木参考人と佐藤参考人に同じ御質問をさせていただきたいと思っております。  私、この間ずっと、虐待の兆候というものをつかんでいながらしっかりリスクを見抜くことができなくてずっと同じような形で痛ましい事件が続いていることに対して、本当にもうどうしたらいいんだろうかと。というのは、仕組みはいっぱいあるわけなんです。でも、そのリスクを見抜けなければ救うことができないと。そういう中で、現状のまずリスクアセスメント力の現状というのを皆様方それぞれどういうふうに御認識なさっていらっしゃるかというのをまず一つお伺いしたいのと、また、そのリスクを適切に見抜く力というものを高めていくために、忙しいからというところは人数増やすという話もありますけれども、組織として専門性を維持していく、高めていく、こういうことをやるためにどういうことをしなきゃいけないのかと。  私、先ほど来、人事ローテーションの話もありましたけれども、もうずっと長らくこのことは言われてきて、でも、やっぱり見立てをしていくとなったときには、それなりの経験を積んでいく、キャリアを積んでいく、そういう仕組みを一般の職員とは別にちゃんとつくっていかなきゃいけないと。これをやらないから、全ての制度も、たくさんあっても使われなくて、救えないと。  こういうことが毎回続いているということ自体に対して、もうここでやっぱりけりを付けなきゃいけないんじゃないかという思いを持っているんですが、済みません、お三方にそれぞれ御意見をお伺いしたいと思います。
  43. 江口晋

    ○参考人(江口晋君) 人材育成については、まずスーパーバイザーをどういうふうに育成するかということでございます。ずっといろんなところで申し上げました、十年選手をきちっと大切にする、何らかの処遇のかさなりも含めて、きちっと定着させていかなければなりません。まず、それが必須でございます。  実は、スーパーバイザーに聞きますと、実際何人新人育てられるんと聞きましたら、まあほんまに付いていくためには二、三人で限界でっせというのが現場の声でございます。といいますのが、大阪の場合は必ず複数対応、一緒に家庭訪問をして、そして一緒にアセスメントして、そしてどうだったのかを振り返っていくという作業をもう日々やっていくということで力を付けていく必要が非常にございます。大阪は平成十二年度にアセスメント指標も作りました。それに基づいて、改定改定を続けながらリスクアセスメントをずっと続けてきました。ただ、一人で行くというのは困難でございます。  それで、ドメスティックな環境に私たちが行ったとき、例えば立入調査になったとき何が起こるかと申しますと、家庭というのは感情共同体でございますので、親密さであるとか親しさであるとともに依存の関係もございますが、裏返して考えますと、怒りであるとか恐怖であるとかというもののいわゆる感情に完全に巻き込まれます。これを新人の職員が冷静にそこを見極めていくというのは非常に難しゅうございます。  そういう意味で、本当にベテランでスーパーバイズができる職員が同行しながら地道にやっぱり育てていくということが非常に大事であって、これは一年、二年でできるものではございません。これを続けていくというシステムをやっぱり組織的につくっていかなきゃならない。  一方、増員を頂戴していますので、この間かなりの増員を頂戴いたしました。そうすると、育てなきゃいけない職員が物すごい数になっておりますので、もう歯食いしばってやれとしか、あと五年たったらどないかなるから頼むというふうに私たちは現場のスーパーバイザーにもお声掛けているところでございます。何とか踏ん張ってまいりたいというふうに思っているところでございます。  そういう意味で、十年選手に、あるいはそういった経験を持っている職員に何らかのインセンティブを組んでいただくような制度設計ができれば大変有り難いと思っているところでございます。  以上でございます。
  44. 鈴木聡

    ○参考人(鈴木聡君) 御質問ありがとうございます。  まず、私たちがリスクアセスメントを作ってくる中で思いましたんですけれども、リスクというものの考え方が整理をされていないというふうに思います。我々の中では、まず直近のリスク、それと中長期的な視点で見たリスク、その辺を考えようということにしております。  というのは、例えば救急車で運ばれるにしても、この人を救急搬送した方がいいのかどうかというのをまず決める。つまり、命を守るために今保護するべきなのかしないのか。その後、行って、病院で、例えば落ち着いた後で治療方針を決めていく。そういうリスクの判定というんですかね、そういうのも要ると思うんです。まず緊急に今どうするべきかというところ辺については、きちっとその考えを整理した上でそれの基準というのを作るべきだろうというふうに思います。  それから、どんなふうにしていくべきかということでありますけれども、十年の経験というのは非常に私も大切だと思います。それは全然無視するものではないんですけれども、それを補助するための三重県でやっておりますデータ分析なんですね。データなりAIなりが勝手に決めていくというのではなくて、人の判断を補助するためにやっぱり様々なデータがある方がいいです。特に、虐待の初期段階というのはいろんな状況分からないですね。そのときに、事前にいろんなそういうデータ分析の中で、こういうのは危ない、こういうのは再発しやすい、分かっている中できちっと対応するというのは大事だというふうに思います。
  45. 佐藤伸一

    ○参考人(佐藤伸一君) ありがとうございます。  アセスメント力についてはやはり経験が物を言うと思うんですが、私どもで、岩手でいえば、受理会議というのが最初にございまして、幹部職員から多職種、いろんなスタッフで受理会議をして、まずどう対応するかということを判断するわけですけれども、そういったことの経験をした上できちんと管理できる職員がいて、迅速に動ける福祉司がいてという、そういうチーム体制の中で効率的にうまくいくようにしていかなければならないのかなというふうに思いますし、また、見抜く力についても当然その経験というものが物を言うと思うのですが。  今ほども十年というお話があって、私が一番最初に福祉司やったときも、十年やって一人前というふうに言われました、研修会等でも。私、十年しかやっていないので、まだ一人前になっていなかったんですが。一方で、メンタルになる人が出るので、ハードなので、そのために早く回転させましょうという、人事当局の配慮というかそういうこともあって、なかなか十年まで頑張れる人が少ないというお話もよく聞くところでございます。  以上です。
  46. 山本香苗

    ○山本香苗君 ありがとうございました。  もう一つ、高橋参考人にお伺いさせていただきたいと思います。  本当に少しずつではありますけど、退所後の若者たちに寄り添う支援の仕組みというのを整備はしてきたんですが、今回の若草寮の事件を受けても、改めてまだまだ不十分だったんだということが、そういう現実が突き付けられたんだと思っております。  今日、国への要望と書いていただいているこの三点は私も全くそのとおりだと思っておりまして、是非やりたいと思っておりますし、また、今回、アフターケアと書いてあり、自立支援という言葉をお使いにならずにこう書いてありますけれども、法律の附則のところに、修正の中でそういったことについても検討する規定が入っておりますので、しっかり議論していきたいと思っております。  ただ、先ほど、お話の中で、今苦しいに対応する支援がない、不十分だという話がございましたが、具体的に、今の社会的養護自立支援事業の中で見れない、こういうことがもうちょっとこの事業が拡充すれば対応できる、こういうふうにできないかという具体的なもし事例等、また支援拡充に向けて更に何か御意見がございましたらいただきたいと思います。
  47. 高橋亜美

    ○参考人(高橋亜美君) そうですね、まず、この社会的養護自立支援事業の中で、例えば身元保証人の事業があるんですが、これに関して言えば、措置解除から二年以内は身元保証のサポートをしてもらえるんですが、それは二年以内となっていて、実際に、例えばアパート借りたりだとか入院の手続で連帯保証人の保証が必要な人たちというのは、退所後二年後に限らず、年齢、二十代、三十代、積み重ねても、その状況、時期に応じて保証人というのが必要になる。自分の親や家族が保証人となれない状況にある人たちがほとんどの中で、その事業、身元保証のは、活用できなかったりします。  あと、先ほどもお伝えしているんですが、実際の支援の相談のニーズに合わせた人員配置が今の予算では確保できないということと、あと、私たちのアフターケア事業に関しても、より高い専門性ですね、ちょっと寂しいんだというので相談が来て話を聞いて終わりではなくて、今家がない状況をどうするか、もう毎日死にたい死にたいという気持ちを、どうそこに対応していくかというときに、医療につなげたりだとか、いろんなまた私たちも専門分野の方とつながっていかなきゃいけないときに、それだけの支援スキルを持った職員をしっかり配置するということが今の人員配置、予算では厳しいという現状があります。
  48. 山本香苗

    ○山本香苗君 ありがとうございました。  奥山先生、お伺いしたかった、時間が参りました、済みません。ありがとうございました。
  49. 東徹

    ○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。  今日は、参考人の皆さん、本当にお忙しい中お越しいただきまして、ありがとうございます。  ちょっと全員の方に質問できないかもしれませんが、時間の関係で、御了承いただきたいと思います。  まず最初に、江口参考人にお伺いをしたいと思います。  本当に子ども家庭センターの方でのもう仕事の歴が長いということで、私も、大阪であった、岸和田の中学生だったと思うんですけども、本当に脳にダメージを受けた子供の、あれが一番大きく印象に、印象というか残っていまして、あれからもう児童虐待というものが本当に悲惨なものだなというふうなのを私も見て思ったときがありました。  そんな中で、いろいろと御苦労をされてきたんだろうというふうに思いますけれども、市町村との関わりということで、私も、先ほどから奥山参考人からもいろいろと話がありました。やはり児童相談所というのは子供の安全を守ることがもう本当に一番の先決で、そしてまた、市町村にできるだけ送致というか、そんなに危険性のないのは市町村の方にお願いしていくとか、そういったことも必要なのかなと。大阪では結構進んでいるのではないのかなというふうに思ったりもしていまして、その辺のところ、もう少しお話ししていただければと思うんですけれども。
  50. 江口晋

    ○参考人(江口晋君) もちろん、市町村によっていろいろ様々な状態がございます。  ただ、全体見ていますと、今、市町村には学校でございますとか保育所でございますとか保健センターであるとかの情報がかなり集まってきております。日頃から市の中での共有が進んできているのかなという印象を持っております。一方、児童相談所には警察でございますとか一般の方々からの通報が増えているという、大きく変化をしてきております。  児童相談所に入ってくる状況を見ますと、ほとんど要保護児童地域対策協議会の構成メンバーから、やっぱり児童相談所が動いてほしいんだというような状況で情報が入ってくるという形で、市町村に何を言いますかというと、地域の様々な所属機関であるとか保健部門からの情報がまずきちっと集まっていくということが非常に重要だなというふうに思っております。  当然、児童相談所に通告が入りますと、市町村に、まず、どんな情報が集まっていますかと必ず電話を入れます。そうすると、あっ、あの保健センターからこんな連絡があった、保健所からこんな連絡、保育所からこんな連絡があったという、まずそこで初期のアセスメントをきっちり行うことで次の手だてがスムーズに打てるということでございます。  市町村コーディネーターを平成三十年に設置いたしましたのも、ここの双方向のマネジメントをより顔の見える関係でやらないと現場では非常に混乱するということで、必ず全児童相談所に一名配置して、市町村を回れと、それで顔の見える関係の中で情報をしょっちゅう共有できるようにしようという中で九百件事案送致が進んだということでございます。  あるいは、先ほどございましたように、指導委託ですね。市町村が指導をした方が望ましいケースもありますので指導委託も積極的に行っていこうということで、まだ一年の取組でございますけど、これをしっかりやることで双方向のマネジメントが地域で広がっていってほしいというふうに思っているところでございます。  以上です。
  51. 東徹

    ○東徹君 ありがとうございました。  あと、鈴木参考人からお話があったAIを活用した児童虐待対応システムということで、リスクアセスメントツールを活用した分析で得られた知見というふうなことで、これは本当に大事じゃないかなと思いますし、こういったことが全国にやっぱり広まっていくことによって、かなり皆さんの力量も上がっていくのではないのかなと思うんですけれども、これ、奥山参考人、こういうのはどうなんでしょうか。こういったものを全国的にもやっていったらどうかと思ったりもしたんですけれども。
  52. 奥山眞紀子

    ○参考人(奥山眞紀子君) ありがとうございます。申し訳ありません。  先ほども申しました新たな子ども家庭福祉に関する専門委員会のときにも、やっぱり国の役割として、きちっと統計を取ったり調査研究をきちんと進めていくということが一番重要だというふうに書きましたし、それからそういうふうな形になっているわけですけれども、やはり、そういう三重でやっていることの今度効果判定や何かをきちんとやるときには、国もやっぱり協力しながら、今後、全国的に考えて、全国のデータベースでどうなるのか。先ほども、顔の見える関係はとても必要なんですけれども、そこにやっぱりデータがあるということが必要なんですね。例えば、先ほどの身長、体重にしても、そういうデータが伝わるかどうか。そうすると、データベースがあってそこを見に行けるというような、データでのやり取りというのも必要になってくると思います。  そういう、エビデンスベースドと、さっき、あるいはエビデンスインフォームドとおっしゃいました。それはとっても大切なんです。一方で、ナラティブベースド、ナラティブインフォームドも必要なんですね。そこの兼ね合いをどうしていくかという形になってくるので、今後、三重の研究が、どんどん調査研究が進んでいくと、そういうところが今度だんだん構築されていくのではないか。そして、三重での、最初にポリシーを第一にしているというのは、やっぱりそこのナラティブなところを決して無視していないということだと思うんですね。ポリシーを第一として、そしてそういうAIや何かも使った研究もしていく、それはとても大切なところですし、それこそ私が思ったプロ意識ともつながる問題だというふうに思いますので、そういうことを求めていく人たちが増えてくれるといいなというふうに思っています。
  53. 東徹

    ○東徹君 ありがとうございます。  今、奥山参考人の御意見も踏まえて、鈴木参考人の方から、そういった国への働きかけとか何かそういったところとか、実際にうまくいっているなら評価とか、そういったところのことをやっていってはどうかと思うんですが、いかがでしょうか。
  54. 鈴木聡

    ○参考人(鈴木聡君) ありがとうございます。  非常に、私どもは自分たちの分析をしているわけですけれども、その辺は全国的に見てもすごく大事なことだろうとは思っております。  ただ、幾つかやっぱり課題があるんですね。それの一番大きなのは、まずそのリスクアセスメントというのが統一をされていない。つまり、いろんな県とかによって若干違っているので、データとしてきちっと見ていけるかどうかというふうなところがあるわけですね。それとともに、それをどういうふうに蓄積していくかということで、各県によって使っているシステムが違ったりします。そこでは、入っているデータが若干構造が違うとか、いろいろあるんですね。そういうふうなことをどう統一をしていくか。一つのシステムで進んでおりましたら、それを後でデータベースの構造を変えるとかするのは結構難しいことですので、結構お金も掛かってくることだろうと思います。どういうふうにしていくのかというふうなことが課題があります。  あともう一点、一番最後、私が気にしておりますのは、やっぱりベテランさんがこういうデータということを大事にすることについてどういうふうに受け止めるかというふうなところはあると思うんですね。今まではそういうふうなことがなくて、本当にベテランの知見というのをすごく大事にはされてきました。それは決して否定はしませんし、それはすごく大事なことだと思うんですけれども、そこにデータという視点が入ったときに、何かベテランの考え方からすると、ちょっと自分たちの存在が何かないがしろにされたというふうなことを感じる人も中にはおるかも分かりません。決してそんな意味ではないんですけれども、そういうふうなとこら辺をどうクリアしていくのかということがないと、このシステムの導入は進まないんじゃないかというふうに思います。  以上でございます。
  55. 東徹

    ○東徹君 もう少しだけ時間がありますので、奥山参考人の方にお伺いしたいと思います。  一つは、資格の話があったと思います。今、社会福祉士とか精神保健福祉士とか、そういった国家資格もありますが、何かそういう児童虐待に特化した資格制度をつくった方がいいというふうなことなのでしょうか。  もう一つは、江口参考人からも話がありました、私もやっぱり十年以上やっているもうプロの方にはやっぱりちゃんとした優遇があっても本当にいいんじゃないかというふうに思うわけですけれども、その資格と現場経験と実際の能力というのも踏まえて、どういった資格とか、何かそんなようなのがつくった方がいいのかなと、こう思って、もし何か御意見があればお聞かせいただければと思います。
  56. 奥山眞紀子

    ○参考人(奥山眞紀子君) まず、日本はソーシャルワーカーのトレーニングシステムが非常に弱いですね。国立大学でソーシャルワーカーのトレーニングができるところは非常に少ない。旧帝大にはないという状況です。つまり、大学の中でソーシャルワークの養成というのが比較的無視されてきたというのがあるんではないかと思うんですね。  私は医者ですけれども、じゃ、素人さんに、今、小児科に来て十年やってできますかと言われたら、それは無理。やっぱり基礎勉強をする時期というのが必要なんですね。医者になるには六年間勉強して、しかも更に研修医をしてということで、何とか一人前にやっていくまでに時間が掛かることになります。ですから、まず児童相談所に子供家庭福祉の専門家として入る前にそれだけの知識と技能を身に付けて入らなければ、要するに、素人に医者になれと言っているようなものです。  ですから、やっぱりそこに関して言えば、子ども家庭福祉士という資格をきちっとつくって、ソーシャルワークの世界というのは、やっぱりジェネラルにも必要だと思うんですけれども、ジェネラルだけじゃなくてスペシフィックに、障害であるとか高齢者であるとかというのも必要なんですけど、やっぱり子供って非常に重要なんですね。そういう意味で、子供家庭福祉の資格ということをつくって、基礎的な知識、技術を学んでいただいた方が子供家庭福祉の本当に現場に行くという形をつくり上げた方が私はいいというふうに思っています。
  57. 東徹

    ○東徹君 どうもありがとうございました。時間ですので、終わらせていただきます。
  58. 倉林明子

    ○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。  今日は、五人の参考人の皆さんに本当に貴重な御意見いただきまして、ありがとうございました。  最初に、奥山参考人に是非教えていただきたいなと思っているのは、今般の連続した児童虐待で命を失う子供たちの報道ぶりなんかを見ていますと、本当に支援すべき、支援が必要な親が声が上げにくくなっていないだろうか、現場の児相のところでも職員さんたちがもう追い詰められていないだろうかという懸念、非常に持っているんですね。  そういったことに対しての率直な御意見も伺いたいのと、先ほど、四十八時間のルールの対応の仕方についての御提案というのはなるほどと思ってもう聞いていたんですけれども、奥山参考人が新聞報道でお答えになっていた警察の関与について、全件関与についても、これについていかがかという御意見言われているのも見たんですけれども、そこら辺も含めて教えていただければと思います。
  59. 奥山眞紀子

    ○参考人(奥山眞紀子君) 支援が必要な親が声を上げにくくなっているのではないか。それは、そういう面はあるだろうと思います。  問題は、監視社会になっていくような在り方がこれまで、この数年間かなり提案されてき過ぎているというふうに思うんですね。例えば、二歳のお子さんも含めて、就学前のお子さんで、どこかに関わっていなかったら全部安全確認せよということになっているんですね。これ監視社会なんです。  私から見れば、もっと効率的なのは、自分のところに転居してきた方に、うちの地域にはこんな支援があるんですよと言って、こんにちは赤ちゃん事業と同じように、そういう支援がありますという御紹介に伺うようなシステムをつくった方が効率的だと思うんです。そういう監視ではなくて支援なんだということがメッセージとして伝わるようなやり方、それがやっぱり必要なんではないかというふうに思っています。  それから、職員が追い詰められているのではないか。それは、先ほど申しましたように、非常に件数が上がってきて、先ほどの話じゃないんですけど、やっぱり恐らく泣き声通告で、余り重要じゃないなと思うのが上がってきている。当然、それは支援が必要なケース。だから、支援は必要なんですけれども、そういう中に埋もれてしまっていて重要性が発見できなかったということもあるんだろうと思うんですね。  ですから、やはりちゃんと役割分担をきちんとして特化した制度というのは必要で、待っていられないと思うんです、ここまで来たら。ですから、なるべく早く制度を変えていくということを考えなければ、多分幾ら人を増やしても、児童相談所は常に誰かがパンクして、また新しい人を入れてということの繰り返しになるのではないかということを危惧します。  それから、警察の問題ですけれども、先ほど来申しましたように、警察の力を上げなきゃ駄目なんです。全件共有したら全てが解決するという問題ではない。逆に、共有したがためにうまくいかないケースが、非常に混乱させられてしまったというケースを私は何件も経験しております。  そういうことから考えると、やはり警察との連携は必要なんですよ。ですから、警察の方でも虐待に関する部署をつくったりして力を上げていただいて、そこと連携しながら一緒にどう守るかというのを考えていかなければ子供を守ることがなかなかできないんではないか。単なる情報を警察に送りましょうだけでは逆効果になる危険性が高いというふうに私は思います。
  60. 倉林明子

    ○倉林明子君 ありがとうございます。  次に、高橋参考人にお伺いしたいと思います。  本当に献身的なというか、取組について感動しながら見せていただいたんですけれども、その中で、支援に当たって、苦しい人ほど助けての声が出せないんだと。そこを本当に我々理解すること大事だなと思いましたので、なぜ苦しい人ほど助けの声が出せないのか、ちょっとリアルに、共有できるように御紹介いただければなと思います。
  61. 高橋亜美

    ○参考人(高橋亜美君) 苦しい人ほど声を上げられないということ、二つの観点があるかなと思うんですけど、一つに、苦しい環境で育ってきた人ほど頑張る、まだこれは危険な状態じゃないとか、助けを求めるレベルじゃないというか、そういった、何というか、サバイブして生きてきた状況にあるから、普通に考えたらそれはもうとても一人で対応できるような問題じゃないよ、状況じゃないよと言っても、まだまだ自分でこれはできるというところの、被害を受けてきたがゆえに、自分でこれは危険な状態だとか、もう誰かに助けを求めなきゃという、その察知度がすごく低いと。それは本人のせいではなくて、生い立ちの中で大事にされてこなかったというところで、自分でも危険信号が何か分からないというのが一つあるかなと。  もう一つに、やっぱり誰かを頼って助けを求めたときに、そこが自分が求める寄り添いだとか対応だとかがしてもらえなかったりだとか、そこの支援を求めたとき又は支援が介入されたときに適切な信頼関係に何かつながったとか適切な支援につながったという経験が何かくじかれていると、もう二度と助けなんて求めるものかという状態になるという人もいますね。  施設退所した人で生活困窮に陥って仕事もできないというような状況になったときに、自分で生活保護の申請に行ったときに、あなたまだまだ若いんだから頑張れるみたいなことをぱっと言われちゃって、その窓口がもう全く専門性のない人が対応しているとしか言いようがないんですけど、そうすると、勇気を持って、自分がこんな困窮状態で仕事できない状態なんだということを言いに行っても、そこがくじかれてしまうと、もう二度と誰にも相談しない、するもんかという、相談するということが、何か恥も伴う、やっぱり自分のプライドというか、相談しなくて済むのであれば、自分で解決できるなら誰もがそこで解決したいという思いがあると思うんですね。あと、自分を責めちゃうというのもあるので。  だからこそ、助けを求める人たちが頑張るとかではなくて、それを提供する私たちが、それは社会的養護の支援のみならず、いろんな支援の窓口にいる人たちが、どういった言葉掛けとか、初めに出会ったときにどういった対応ができるかで、ああ、ここに相談して良かった、ああ、勇気を出して行って良かったと思ってもらえる、一番初めの出会いのところってすごく大事だと思うので、そこのまた、何か専門性、専門性としつこいんですけど、そこのスキルをきちんと育てていくことも必要かなと思います。だから、助けてと言えないということにつながると思います。
  62. 倉林明子

    ○倉林明子君 特に、また高橋参考人にお願いしたいんですけれども、相談をフォローされているという中で女性の相談が大変多いということで読ませていただいたんですけれども、女性たちを支援につなげるという上で制度的に障害になっているというものを、常日頃でお感じになっているところで結構なんですけれども、教えていただければと思います。
  63. 高橋亜美

    ○参考人(高橋亜美君) そうですね、やっぱり緊急一時で保護される先が、やはり、言い方悪いんですけど、半分刑務所みたいな状況であるというか、全ての緊急一時保護シェルターがそうではないんですけれども、やっぱり声を上げた人にとって、そこが安全のみならず安心できる支援場所として、居場所として提供できているかというと、例えば携帯持っちゃいけないだとか誰とも連絡取っちゃいけないだとか、何というか、そういったすごく縛りのある中で、あなたが助けてもらいたかったらここにまずいなさいみたいなところの支援となると、それだったらまだどこか頼れる男の人にとかというような、支援を求める人がそういう要望、要望というか思いを出したときに、それはわがままだとか勝手だとか、助けてもらいたいんだったらこの枠に収まれというような支援しかまだ私たちの社会では提供できていないと思います。  女性の、ちょっと話ずれちゃうんですが、女性の相談者の方の多くに、ただ住居がないとか仕事がないとか、相談の背景に、必ずと言っていいほど性暴力とか性被害が伴っている。それはまた開示をしにくい相談内容でもあるんですが、そこも、単純に住居の提供とか就労の提供じゃなくて、もう実際にこれだけの性被害を受けてきているというような人に寄り添うためのまたアプローチ、支援スキルって必要なんですけど、そこがまた、女性支援の現場も含めて、私たちも含めてなんですけど、適切に対応できるだけの、性虐待、性被害に対しての支援の力がまだまだなさ過ぎるといった現実もあります。  相談者の人に我慢を強いちゃうというか、やっぱり指導的な支援しかまだまだできていないというところで、つながらないという現実があると思います。
  64. 倉林明子

    ○倉林明子君 時間ですので、もっともっと聞きたいことあったんですが、残念です。終わらせてもらいます。
  65. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。  今日は、本当にありがとうございました。  まず、江口参考人、鈴木参考人にお伺いさせていただきたいと思うんです。  私も、塩崎先生が開かれました超党派の勉強会の中で、オーストラリアの、いわゆるデータベースの構築をしながら瞬時にリスクアセスメントを行っていく、それも全国レベルで行っていらっしゃるようなシステムを実際に見せていただきました。こういうものが日本にあればいいがなと思うんですけれども、大阪は大阪で、三重は三重で頑張っていらっしゃるにもかかわらず、やはり何が足かせとなっているんでしょうか。どうやったらもっと情報共有をしながら、AIなども活用し、いち早くそのリスクというものを我々としてアセスメントできるものが、ある種の技術なんでしょうか、それとも人なんでしょうか、それともやはり制度で何か邪魔する部分があるんでしょうか、教えていただけますでしょうか。お願い申し上げます。
  66. 江口晋

    ○参考人(江口晋君) AIを活用した取組というのは、私たちも積極的に今後検討する必要があるというふうに認識しております。  まず、AIを精度の高いものにしていくためには、ビッグデータをきちっと集める必要があります。援助経過の全データをきちっと放り込んで、そしてその中からAIとしてのシステムの中に構築していくと、この部分が非常に重要でございますので、この部分について、全国の児童相談所が援助経過の全データが入力できるように、ビッグデータとしてある程度精度の高いものに成熟していくために、何らかの御支援が必要ではないのかなというふうに思っているところでございます。  それから、情報共有については三つの視点があるというのは常々申し上げております。都道府県内の市町村との情報共有、これをどうするのか、それから全国の児童相談所を含めた都道府県間の情報共有をどうするのか、それから警察との情報共有をどうするのか。三つの軸が、いずれにしてもうまく組み合わせながら最終的にシステムが構築していくということでございますので、何らかの共通プラットフォームといいますか、仕様について一定示していっていただけるとというふうな思いを常々持っているところでございます。  以上でございます。
  67. 鈴木聡

    ○参考人(鈴木聡君) 御質問ありがとうございます。  まず、例えば、諸外国のデータの取り方を見ますと、非常に量が多いんです。我々はリスクアセスメントだけ十何項目とか二十項目、その辺だけでやっておりますけれども、実は、諸外国ではもっと、このA4の紙が何枚にもなるような一人当たりのデータを取って、それをきちっと登録をしているんですね。その中からいろんな関連を見たりとかいうふうなことをしています。  データを取るというのは決して簡単にはできません。時間も非常に掛かりますし、手間が掛かるんですね。それを、今、日本でその大きなたくさんのやつをやれと言うと絶対に、そんなことできないという話が出てきます。それは三重県でも一緒なんです。ですから最低限のリスクアセスメントだけをやっているんですが、そういういろんな、例えばタブレットとかを使って、なるべくたくさんデータを継続的に取りながらそれを分析していけるように、つまり入力が本当に簡単にできるようにというふうに、今、これから考えていきたいなというふうに思っています。そこが非常に大きなネックになるというふうに思います。  それから、連携については、決して線がつながっているから連携ができるという話ではないと思うんですね。線というのは、電話線でもあるし、LANのケーブルでもありますし、つまり、情報が流れることだけで連携ができるのかというと、そうではないと思うんです。例えば、警察と児童相談所の連携についても、先ほど奥山先生おっしゃったように、きちっと虐待に対する知識であるとか考え方であるとか、そういうようなのが共有されていないと、その線の中でけんかになるだけで、けんかと言ったら極端ですけれども、そういうふうにそごが出てくるというふうなことがやっぱり起こってしまうと思うんですね。その辺をきちっとやっぱりすると。  例えば、我々の中ですごく、ああ、いいなと、我々がやっていていいなと思いますのは、三重県には児童相談所六つ、プラス児童相談センターというのがあります。そこに警察官がいるんですね。例えば、現場の警察と現場の児童相談所でいろんな話をする中でごちゃごちゃしてきたときには、そのセンターの方と本部の方が入って二チャンネルでいろいろ話を進めていくというふうなことがあります。やっぱりそういうふうな複数のチャンネルがあってこそ、きちっといろんな議論をしながら落ち着いて進めていけるんではないかというふうに思っております。  以上でございます。
  68. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。  それでは、佐藤参考人にお伺いさせていただきたいと思います。  先ほどから何回もございますように、やっぱり児童福祉司の仕事って感情労働じゃないですか。私、やっぱりそこ、すごく受け止めるというその役目も必要で、いわゆる業務のスーパーバイズをするだけではなく、もっと労働者として私はケアする必要があるのではないかと思いますけれども、参考人の御意見いただけますでしょうか。お願い申し上げます。
  69. 佐藤伸一

    ○参考人(佐藤伸一君) ありがとうございます。  私も十年の経験しかないものですから、きちんとしたお話できませんですけれど、若いケースワーカーから、佐藤さん、何か仕事楽しそうにやっていますけど何が楽しいんですか、こんな仕事していてと聞かれることはありました。  本当にまれですが、市町村の方とかお医者さんとかいろんな方と連携したときに、ケースがうまくいくということがまれにあるわけですね、少ないですけど。やっぱりそのときに、子供がうまく安全に育ったとか、お父さん、お母さんが立ち直ってくださったとか、虐待を止めてくださったとか、そういう経験を積むと、やっぱりこれはやりがいとか、もう一年頑張ってみようとか、だんだんなってくると思うんですが、そうなる前に、二、三年で異動になってしまうとそういう喜びがなく転勤してしまうので、あとは児童相談所にはもう希望は出しませんみたいなことになってしまうケースというのはよくあるんじゃないかなと思っております。
  70. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。  次に、高橋参考人にもお伺いさせていただきたいんですけれども、いや、私もこれすごく重要な問題だと思っておりまして、実は、要はアフターケアって、その保護されたお子さんだけじゃないんですよね。私もある成人男性の話を聞きまして、弟がいわゆる暴力によって亡くなってしまった、でも、そのときには事故として済まされてしまった、成人になって初めて、あのとき何が起こったのかが分かった。そういう中で、やっぱり自分が家庭を持つのが怖い、子供を産み育てることができるか。若しくは、収容してもなかなかなじんでいけないというような現状を拝見するに当たって、やはり今はこれだけ充実させようとしていますけれども、それ前段で育ってきた皆様方のためのケアというものを更に広げていく必要があると思うんですけれども、何かいい、また、先ほども財源の話もございましたけれども、付け加えることがございましたら教えていただけますでしょうか。お願い申し上げます。
  71. 高橋亜美

    ○参考人(高橋亜美君) そうですね、予防のためということと、実際にもう苦しい思いをしてきて大人になった人たちがきちんとケアされる場所、こんなことでつらかったんだということを何か開示できる場所って、受け止められる場所って必要だなと、それがアフターケア事業が一つ担えることではないかなと思います。  なので、こういったアフターケア、自立支援に関わる、かつ、そういった、今、今被害を受けているわけではないけれど、過去の被害が、今現在もそれによって苦しんでいるということを十分に理解してくれる、寄り添える人がいる場所での支援というのがもっと当たり前に各地域にできていくということが、数も必要ですし、あと、児童相談所の職員と同様に、数だけ増やすではなくて、そこに対応できる気持ちと支援スキルとを持った人が、そういったスキルを持った、気持ちを持った人たちがきちんと配置されるということ、必要だと思います。  あと、そのためには、私たちボランティアでやっているわけではないので、やっぱり働き続けるために、この仕事を誇りを持って、バーンアウトしそうになるときってもうどれだけでもあって、それ何年経験積み重ねてもあって、あと、私たちの仲間で、養護施設の職員であったり児相の職員であったり、この現場でたくさん大切な人がやっぱりもう辞めていかざるを得ない状況も見てきたので、そこで支援を提供する私たちが働く場としてきちんと、お給料だったり休みだったり心のケアだったりとか、そういうものがきちんと保障されていかないと、あと、スキルを身に付けるための研修であったりとか、そういう時間もきちんと割かれているであったりとか、私たちが生き生きと働けないと、本当に苦しい人たちに対しての適切な支援ってできないと思うので、何かお金のことばかり言って申し訳ないんですけど、やっぱり給与も非常に低い中でみんな、施設の職員もやっているような状況なので、専門性専門性と求められるのであれば、そこもきちんと保障してもらえるような仕組みもまた是非つくっていくことを一緒にやっていただけたらと思います。  以上です。
  72. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  時間がないので短めに。奥山先生、私も、絶対に子供の命を守る、これ絶対の大命題として掲げていただきたい、今回の法改正では弱いと思っているんですけど、その辺り、御意見いただけますでしょうか。
  73. 奥山眞紀子

    ○参考人(奥山眞紀子君) 先ほども申しましたように、子供の命を守るということもありますし、権利も守るということも含めてですけれども、二十八年改正の児童福祉法は、子供の権利ということをうたっています。ただ、児童相談所の役割としてきちんとうたわれていない。やはりそこを法律としてはきちんと明定してほしいというふうに思うんですね。児童相談所の所長さんが、全ての相談に乗るところですみたいな答えだけでは、やっぱりまずいと思うんです。命を守るんだ、それから権利を守るんだということを明確に役割としていくこと、これは必要だと思うんですね。  あとは、やっぱり、児童相談所だけではないので、関係機関全部が子供の命を守るためにはどうしたらいいかということをもう一度考え直す。今こそスクラムを組んで、これだけ危機状態になっているわけですから、もう少しスピード感を持って、制度も変えながらやっていく必要はあるんではないかなというふうに思っています。  そういう意味では、例えば、亡くなったお子さんが何で亡くなったのかということから物すごく多くのことが学べます。残念ながら、先ほどもおっしゃったように、虐待というのを分からずに亡くなっているお子さんもいるわけです。そういう意味でも、チャイルド・デス・レビューをして、そこから多くのことをまた学んで制度に生かしていくということも必要ではないかというふうに思っています。
  74. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 終わります。ありがとうございました。
  75. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人の方々には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。(拍手)  午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午後零時八分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  76. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、古賀之士君及び足立信也君が委員を辞任され、その補欠として矢田わか子君及び伊藤孝恵君が選任されました。     ─────────────
  77. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省子ども家庭局長浜谷浩樹君外十二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  78. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  79. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) 休憩前に引き続き、児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  80. 自見はなこ

    ○自見はなこ君 自民党の自見はなこです。どうぞよろしくお願いいたします。いつも御声援ありがとうございます。  さて、火曜日に引き続きまして、再び法案審査に立たせていただきました。午前中は、厚生労働委員会の方に参考人の方々に来ていただきまして、大変充実した内容の質疑を行うことができました。もう帰られましたけれども、それぞれの参考人の方々には深く感謝、御礼申し上げたいと思います。  その話の中でも、大阪府の子ども家庭センター、大変歴史のある取組でございましたけれども、警察のOBに入っていただいてから一時保護が増えたということで、この連休中にも十九名の一時保護を受け付けたというような御紹介もあったところでありました。  また、大阪府の話で大変印象に残ったものの中の一つとして、十ページの資料にもございましたけれども、重症化のリスクがある方たちのリスクの重症度を一個上げるという、このリミット設定というものをされているということなんですが、そのリミット設定そのものが大変重要で、かつ、高度な判断になるため難しい事例も多いというお話も、現場で御苦労をされている所長さん始め皆様ならではのお話だなと思って伺っておりました。  また、成育医療センターの奥山先生もお話しいただきましたけれども、地域全体、児相は介入に特化してほしいというお気持ちも訴えられておりましたけれども、と同時に、母子保健を含めた、あるいは民間NPO等を含めた地域の資源を総合的に活用して、みんなで子供を守っていくんだということについての方向性も確認する時期に入ってきているんだというお話も印象に残ったところであります。  今週の火曜日の法案質疑の際にもお話をさせていただきましたが、この間の週末に私の地元の北九州市の児童相談所に行って、一時間半のお話を伺ったというお話をさせていただきました。そこでの取組、前回も紹介をさせていただいたものがありますが、やはり大変印象的だったのは、今回の札幌市がどうであったかということは、ちょっと私、個人的には存じ上げませんけれども、北九州市政令指定都市でありまして、その中にある、七つの区の中にあるそれぞれの地域の中の母子保健の担当者を児相の子供家庭相談の担当者と併任しているという話がされておられましたので、恐らくはそれぞれの都市であるいは自治体で様々な工夫がされているんだろうと思っております。  その連携についてでありますけれども、特に、今回の札幌市の事案、詩梨ちゃんの大変悲しい虐待死の事案でありますけれども、二歳で、そして六キロということであります。半分のという、大人の例えば八十キロの人が四十キロになるのと全然違っておりまして、子供の体重の一キロというのは大変大きな意味を持ちます。またそして、大体、生まれた子供が一年間で体重は三倍になりますけれども、子供にとってのこの体重が二歳で半分という意味は、ちょっと考えられないほど大きなインパクトを持つものであります。成長曲線や子供の発達というものが多少なりとも頭に入っていれば、一瞬ちらっと人影程度を見ただけでも何か変だというふうに通常であれば感じるんだなというふうにも思います。  そういったことから、今回の事例もそうでありますし、それから多くの事例もそうであると思いますが、やはり母子保健事業の訪問事業の徹底ですとか、あるいは児相との、そういったところとの連携、また警察との連携など、今回の事例からも多くの対応、急ぐ課題も突き付けられているんだろうというふうに思っております。  そこで、一問目でございますけれども、警察庁の方にお伺いをさせていただきたいと思います。  今回でもまた一つ大きな論点となっておりますが、警察においては児童虐待に対応するためどのような体制を取っているんでしょうか。また、職員に対してどのような研修を実施しているのか、教えてください。
  81. 小田部耕治

    政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。  警察における児童虐待に対応する体制に関しましては、児童虐待事案については事態が急展開して重大な事件に発展するおそれがあることから、都道府県警察におきまして、児童の安全の確保を最優先として、児童虐待事案に刑事部門と生活安全部門が連携して組織的に対処するための体制を構築しているところでございます。  警察におきましては、児童虐待が疑われる事案を認知した場合には、関係機関と連携しながら児童の安全の確保、保護を行うとともに、事案の緊急性、危険性を踏まえ、事件化すべき事案については厳正な捜査を行っているところでございます。  また、警察におきましては、児童虐待が疑われる事案の情報を取り扱った場合には、全て児童相談所に通告し、又は情報提供を行うなどして児童相談所との連携の強化に努めているところであります。  さらに、児童相談所からの援助要請に基づきまして、児童相談所職員による児童の安全確認、一時保護、立入調査等に警察官が同行して、児童の安全確保、被害児童の保護に努めているところでございます。  警察といたしましては、今後とも、児童相談所等関係機関と緊密に連携しながら、児童虐待の早期発見と児童の安全確保に向けた取組を推進してまいりたいと考えております。  次に、警察における職員に対する研修につきましては、職員が児童虐待事案に的確に対処することができるようにするため、警察学校等におきまして各種研修の充実強化を図っているところでございます。  新規に採用された職員に対する採用時研修におきましては、児童虐待を始めとする様々な事案に関する基本的な対応要領について研修しているところでございます。また、児童虐待に関する専門的な研修におきましては、心理学を専門とする大学教授、関係行政機関の担当官、医師等の専門的知見を有する部外の有識者の方々による講義等によりまして、被害児童の心理等を踏まえた対応等について研修を進めているところでございます。  今後とも、児童虐待に係る警察職員の現場対応力の向上に向けた所要の研修等を実施するなどして、児童虐待事案への適切な対応の徹底を図ってまいりたいと考えております。
  82. 自見はなこ

    ○自見はなこ君 ありがとうございます。  私自身は、いわゆる医師のキャリアとして内科を三年やった後に小児科に行った人間でありますけれども、小児科に行って一番初めに驚きましたのは、自分で言うのも恥ずかしいことも含めて申し上げると、初日の当直の日に一番びっくりしたのは、本当に子供ってしゃべらないんだなと思いまして、一番初めに連れてこられた当直は、東大病院の小児科でしたけれども、一か月の赤ちゃんなんですけれども、お父さんとお母さんが、本当にただ寝ているだけなんですけど、すやすや。生きていますかと言って連れてきたんですね。大丈夫でしょうか、意識を失っているのか寝ているのかが分からないと言って連れてこられたのが実は一番初めの当直の日だったんですけれども。のぞいてみると、すやすや寝ているように見えるんですけれども、起こすわけにもいかないしみたいな、そういうのが実は初日でして。  それから、その二例目が何かというと、ちょっと年上のまだ全然言葉をしゃべらない一歳半の子が泣いていると。それが、おなかが痛いのか何なのか全然分からないと言って連れて来られたんですね。当然、私も初日の小児科の当直でしたので本当に面食らってしまいまして、ああ、困ったなと。内科で三年やってきたものですから、しゃべっても分からないってこんなに大変なんだと思いまして、そのときは、初期というか一番初めの当直でしたので、もちろん上級指導医がおりまして、いや、こういうときはこういうところを診て、お父さん、お母さんにこういう所見聞けばこんなことが分かるようになってといって親切に教えてもらって、そこからいわゆる小児科医としてのキャリアというのがスタートしたんですけれども。  それ以降に私がやはりびっくりしましたのは、内科であれば、患者さんの、当直のときにこういう所見があって、大変数値が悪くて、お薬を出して、その後に、もう一回あした来てくださいねと言って、あるいは、あさって来てくださいねと言って、来なければ自己責任なんです、基本的には。ただ、小児科医の場合は、夜中にひゅうひゅうぜいぜいしてぜんそくで来た何とかちゃんって大丈夫だったかな、じゃ、電話してみようといって、大体朝八時ぐらいに、夜中に二時ぐらいに来た何とかちゃんってその後大丈夫でしたか、お母さんって電話するんですよね。それって全然違うなと思って、内科と小児科ってこんなに違うんだと思ったんです。  ある意味で言えばおせっかいと言われる領域なのかもしれませんが、やはり子供がしゃべらないですし、そのしゃべらない子供に対して両親も戸惑っているものですから、当然ながら、そして、医学的な所見というのは電話で聞けば大体、呼吸の回数とか便の性状とかで子供の状況というのは想像が付きますので、その電話一本でお母さんたちは安心したりとか、あるいはやっぱり病院に連れていこうとまた思っていただいたりするので、内科と小児科って随分違うんだなと思ったのが本当に初期の頃にございました。  今回の、警察ということではないんですが、関わっているみんなということではあると思うんですが、やはり縦割りの中で、ここが私の業務だ、ここは引き渡した、それはどうされたか知らないということが多分多いんじゃないのかなと思うんです。結果としてその子の安全を本当に確認できたのかなとか、どうなったかなという、いわゆる親切心というのが本当に大事だと思うんですね。  これは、私、何度も申し上げたくないんですが申し上げますけれども、障害者の雇用に対する厚生労働省の対応もそうだったんだと思うんです。取組をお願いしているけどそれがどうなったかフォローしていませんという状況を何十年も続けてこられたというのは、やはり私は最終責任の取り方ではないというふうに、最終的な責任、責任といいますか、行政の在り方としてもう少し踏み込んでいただきたいなという思いがあるわけでございます。  また、特に子供のことは随分と時代が変わって、急速に変わってきておりますので、恐らく、警察が果たす役割というのが、果たすです、求められていると同時に、果たすべき、果たすべき役割というものが変わってきているんだというふうに思います。警察の方にいろいろなことを取り組んでいただいているとは思うんですが、本当に核心の部分になりますと、それは捜査に関わることで言えませんという必ず決まり文句が返ってきますけれども、それが子供の安全の場合にどこまで通用するのかということは、是非心の中で受け止めていただきたいというふうに思っております。  また後段にもお話をさせていただきたいと思っておりますが、法務省の方でも刑法全体の在り方そのものを戦後七十年ぶりに見直すという、戦後よりかもっと長い歴史だと思いますが、そういう大きな今時代の変革期に来ておりますので、是非、警察の方々も子供のことに関してはスタンスそのものをちょっと一歩踏み込んでいただいて、本当に大丈夫だったかなという、心配だなという、この気持ちがやはり大事でありますので、是非これからも御協力いただきますように、よろしくお願いをいたします。  さて、週末に私は、ふるさとの北九州の児童相談所と同時に小倉少年鑑別所というところも訪ねさせていただきまして、そのお話も後ほどさせていただこうと思うんですが、実は、児童相談所を後にする直前に、是非見てほしいということで、一時保護所の階が分かれておりましたので、そちらの方にちょっとお訪ねをしたんです。  そうしましたところ、実に多くのお子さんが一時保護所におられました。入っていって廊下の右左で男性女性というふうに、男の子女の子というふうに分かれていたんですけれども、ちょうど行った時間がお昼の後の時間だったということもあったと思うんですが、いわゆる談話室には、子供たちが、体操座りとか自由な格好をしていましたけれども、本当に大勢、所狭しといたというのが正直な印象でありました。  そこで、厚生労働省にお伺いをいたしますけれども、児童相談所の一時保護の体制整備についてであります。  この一時保護の受皿の不足が一時保護の制限になることはあってはならないと思う中で、一時保護の受皿の確保や人員の強化というものは急務であるというふうに考えております。  また、塩崎先生が議連の会長をしております児童の養護と未来を考える議員連盟という中でもお招きをした奈良市がございました。児童相談所の設置準備を進めているということで、奈良市の試算によりますと、一時保護所の整備費の補助というものは、二分の一といいながら実際の補助割合はこれを大きく下回っているということでありました。中核市における児童相談所の設置促進支援という観点も含め、補助単価の改善が必要ではないかという御指摘もいただいたところであります。  また、個室化などの環境整備も進めていく必要があると考えておりますし、また、職員の配置基準についても児童養護施設等に準じることというふうにされておりますが、実際は、子供の入れ替わりが大変激しく、そして、それぞれの子供、やはりお父さん、お母さんと離されたということ、何だろうこの状況はと、受け止めにくいということもあって大変不安定な精神状況で、本当にケアが必要なお子さんでございます。それを考えると、より手厚い体制が必要ではないかというふうに考えますが、これらの課題についてどう取り組んでいくのか、お答えください。
  83. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  一時保護につきましては、子供の安全確保のために、個々の子供の状況に応じまして適切に行われることが重要と考えております。  現行制度におきましては、御指摘のとおり、一時保護所の設置、運営につきましては、職員配置も含めまして、児童養護施設の面積、配置基準等に係る基準を準用する形で基準を定めております。一時保護所に入所する子供につきましては、その年齢も一時保護を要する背景も様々でありますので、個々の状況に配慮した対応が可能となるような職員配置や環境整備を行うことなどによりまして、子供が安全感や安心感を持てる生活の保障に努めることが必要と考えております。  まず、今年度予算におきましては、適切な環境で一時保護を行うことができますように、個室整備など、施設整備に関する補助単価を加算いたします。また、一時保護を実施するための専用施設に対する補助なども行うことといたしております。  またさらに、三月の関係閣僚会議で決定いたしました抜本的強化についてにおきましても、一時保護所の環境改善、体制強化等に向けまして、一時保護を必要とする子供を適切な環境において保護できるよう、里親や児童福祉施設への委託一時保護も含め、一時保護の受皿の適切な整備や確保を進める、一時保護所が安心、安全な場となるよう、個別的な対応ができる職員体制の強化や環境整備を促進することとしております。  また、本法案の附則第七条、これは衆議院の修正で入りましたけれども、におきましても、一時保護施設の職員の量的拡充と質的拡充に係る方策を検討し、必要な措置を講ずることとされておりますので、こういった修正の趣旨も踏まえまして、具体的内容につきまして、概算要求に向けまして、一時保護所等の現場の実情も踏まえた上で、今後しっかり検討してまいりたいと思います。
  84. 自見はなこ

    ○自見はなこ君 是非よろしくお願いします。  また、大阪府の話から、栄養士さんも配置しているというようなお話もありましたので、私たちも議員連盟として、あるいは私自身ももう少し詳しく勉強を重ねていきたいと思いました。是非これからもよろしくお願いいたします。  また、里親についてお尋ねをしたいと思います。  里親委託を促進していくに当たっては、乳幼児を中心に新規の措置時におけるこの委託率というものを高めるということが必要で、適切なアセスメントを実施した上で、今、乳児院や児童養護施設に措置されている子供の里親への措置変更を進めていくことというのも大切であるというふうに思っております。  ただ、この施設から里親の方へということで、措置変更に当たって、いきなり、じゃ、はい、お願いしますといってあしたからというわけにはいきませんので、大変丁寧に、委託の前に何度も何度も交流を重ねていただいたり、そういった関係づくりというものをしていくというのが重要であるというふうに思っております。  この、委託前交流というそうでございますけれども、この委託前交流のプロセス、これを円滑に進めるに当たっては、この交流期間中における里親候補者への心理的なサポートですとか、あるいは経済的負担の軽減を図るための取組についても是非御検討していただきたいというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
  85. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  施設から里親への措置変更に当たりましては、御指摘のとおり、子供と里親との関係づくりを丁寧かつ段階的に行っていくことが重要と考えております。  このため、現行の児童相談所運営指針におきましても、措置の変更を行う場合には、子供にとって負担のない段階的な移行支援を行うこと、あるいは、里親に子供を委託する際には、子供と里親との交流、関係調整を十分に行った上で委託の可否を判断することなどを定めております。  また、都道府県におきまして二〇一九年度中に策定いただくこととなっております社会的養育推進計画におきましても、里親家庭の相談援助体制の充実を盛り込むよう依頼しております。この際、質の高い里親養育を実現する観点から、委託前の交流支援を含めまして、子供と里親家庭のマッチングなどを行います民間の里親養育包括支援機関、これ民間フォスタリング機関と称しておりますけれども、その活用を促しております。  具体的には、この民間の里親養育包括支援機関におきましては、委託前の段階の支援といたしまして、一つは子供と里親の関係づくりを段階に行うための面会等の交流、それから里親家庭における子供を迎える準備の支援、それから外泊期間中の家庭訪問、こういったことを行うことといたしております。  また、厚生労働省におきましては、このような民間のフォスタリング機関に対する補助事業を実施しておりますけれども、今年度の予算におきましては、これまで一機関当たり最大約三千万円の補助単価でございましたけれども、倍の約六千万円に拡充いたしました。  委託前交流のプロセスをより円滑に進められるようにする観点から、御指摘の交流期間中における里親候補者への心理的サポート、あるいは経済的負担の軽減を図るための取組についても、今後、具体的に検討してまいりたいと考えております。
  86. 自見はなこ

    ○自見はなこ君 地域地域の事情というものもそれぞれあるというふうなことも児童相談所で、北九州でお伺いをしたところでありますけれども、是非、やはり家庭的な環境というのは非常に大事でありますので、第一義的に大事なことは大事なこととしてしっかりと取り組んでいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  さて、次に、少年法についての質問に移りたいと思います。  週末に二件目として訪ねさせていただきました小倉少年鑑別所でも本当にお世話になった旨、前回もお礼を申し上げたところでありますが、現在、少年法の年齢の引下げというものも法制審で議論が行われているというふうに聞いております。  前回の質問のところの最後の部分でちょっと感想も含めて述べさせていただきましたけれども、私の場合は、児童精神科医、小児科医の先生とお付き合いが多いものですから、少年鑑別所あるいは少年院で働いている先生方、ドクターの先生方は、大変この少年法の理念に感銘をし、共鳴をしながら、日々生きがいを持って働いておりまして、それは、大変可塑性の強い、反省を促して更生ができるという、可塑性ということでございますけれども、この可塑性が強い少年と接していると、本当に、むしろどちらかというと普通の市内にいる少年たちよりも少し幼い感じすらあるんだけれども、とても素直な子供たちが多くて、そして、適切な医療あるいは司法の介入があれば、子供たちあるいはその両親たちも含めて救われるんだということで、大変やりがいを持って仕事をされているということでありました。  ただ一方で、今回の少年法の年齢引下げについては、実に鑑別所に来る方たちの半数が十八、十九歳だということがございますので、果たして、彼らが、本来であれば可塑性があって更生につながるのに、刑法の領域に入ってしまって刑事罰になって刑務所に入ってしまうとこの更生というものが奪われてしまうのではないのかという、大変な御不安も持っていたところでもございました。  ところが、法務省にお伺いをいたしますと、そうではなくて、刑法そのものの在り方も、そのものも含めて考え直そうとしている。特に若年成人に関しては、今までの罰イコール作業という概念を少し変えていこうという、こういうことすら考えているんですということでありました。  質問でございますが、実際に少年院等で処遇を行っている職員に対しまして、法制審議会で現在議論が行われているとも伺っておりますが、そういった状況を伝えながら一緒に考えていくような機会というものが必要ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
  87. 大橋哲

    ○政府参考人(大橋哲君) 法制審議会におきましては、少年法適用年齢の引下げにとどまらず、犯罪者に対する処遇を一層充実させるための制度、施策に関し幅広く審議がなされております。実際に少年院、少年鑑別所等で少年への処遇等に当たっている職員に対して、その制度、施策に関しての情報共有を図り、その理解を深めるということは重要であると認識しております。  従来から、法制審議会における審議の都度、会議の議事録や配付資料について、現場職員が執務用のパソコンから閲覧することができるよう専用のネットワークシステムに掲示するほか、各種会合等の機会を通じて法制審議会の検討状況を施設長等に対して説明し、各施設における職員への共有を促すなどしてその周知を図っているところです。  これらに加えまして、当局におきましては、現在、全国の少年院、少年鑑別所等の監督者のみならず、一般職員を含めた現場職員に対し、法制審議会で検討されている制度、施策に関し双方向的な情報共有を図るため、質疑応答の時間を設けた説明会を順次実施しているところでございます。  今後とも、様々な機会を通じまして、法制審議会における審議状況等に関し、現場、施設の職員との間で情報共有を図り、その理解を深めるための取組を進めていきたいと考えております。
  88. 自見はなこ

    ○自見はなこ君 現場との対話、大事にしていただいてくださっておりますこと、本当に感謝申し上げます。ありがとうございます。  また、小倉少年鑑別所で大変勉強になりましたけれども、少年が鑑別所にいる間、見るのはあくまでその少年の特性と、個人の特性がどういうものかというものを見るということに集中をされておりまして、一方で、その子たちを取り巻いていた家庭環境ですとか学校での環境というのは、これはまた別に家庭裁判所の調査官という者がその調査をしているということでありました。そして、その調査官は、少年が入所している間、幾度か訪問したり、あと、最終的には、全体的な総合判断というものは、これは家庭裁判所で行われるということでありました。この調査官に対しましても、大変多くの方が救われたと、ここまで丁寧に自分たちの家庭養育も含めて聞いてもらったことはなかったという保護者の方からのお声も聞いたことがございます。  この家庭裁判所の調査官という者はどんな専門性を有しており、その専門性をどのように身に付けているのか、是非教えてください。
  89. 手嶋あさみ

    ○最高裁判所長官代理者(手嶋あさみ君) お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、少年事件、家事事件を問わず、家庭事件の適正迅速な解決を図るため、家庭裁判所においては、裁判官の命を受けて、家庭裁判所調査官が事実の調査及び調整に当たっております。  家庭裁判所調査官は、親と子の関係性ですとか非行のメカニズムを解明するため、臨床心理学、発達心理学等の心理学や、家族社会学、教育学などといった行動科学に基づく専門的知見を身に付けております。また、こうした知見を踏まえまして、調査面接のための適切な質問の仕方ですとか観察のポイントといった面接の技法や、言葉のやり取りだけでは理解が困難な場合にも対応できるよう、心理テストなどの実務上の知見や技法も身に付けて活用しております。  このような専門性を身に付けるために、家庭裁判所調査官は、家庭裁判所調査官補として採用された後、約二年間の家庭裁判所調査官養成課程を修了し、任官をしております。この養成課程では、裁判所職員総合研修所での約九か月間の合同研修のほか、各地の家庭裁判所で約十四か月の実務修習を行っており、これらの課程を通じまして、行動科学の最新の知見ですとか、家庭裁判所調査官としての実務上の専門的な知見や技法を習得しているところでございます。
  90. 自見はなこ

    ○自見はなこ君 ありがとうございました。  これから、児童相談所あるいは母子保健事業の中で、これだけ虐待ということが大きくなってくる中で、今教えていただきました調査官の養成の仕方というもの、カリキュラムの内容ということ、私たちも一緒にちょっと勉強をさせていただきたいと思っておりますので、これからもよろしくお願いいたします。  時間があと二分でございますけれども、少年鑑別所に伺いましたときに、法務少年支援センターの設置状況について是非教えていただきたいと思うんですが、これらについても大変私が不勉強で知らなかったんですが、すばらしい取組をしておられましたので、これについてお答えください。
  91. 大橋哲

    ○政府参考人(大橋哲君) お答えいたします。  少年鑑別所は、本所、分所合わせて全国で五十二か所設置されておりまして、少年鑑別所法第百三十一条に基づきまして、法務少年支援センターという名称を用いて、地域援助と呼ばれます地域社会の非行、犯罪の防止に向けた活動を行っております。  具体的には、関係機関と連携を図りながら、子供に対する心理相談や能力、性格の検査、問題行動のある子供を支援するための支援会議への出席等を行っております。心理相談におきましては、暴力や性的な問題行動に及ぶなど、その背景に複雑な問題性が疑われ、学校や他の相談機関等が対応に苦慮している児童生徒について、非行や問題行動に関する専門的知見を活用して対応しております。援助の対象は、子供に限らず成人も含んでおりまして、本人以外の保護者や家族、学校の教諭、支援者等に対しても必要な援助を行っております。  少年鑑別所は、法務少年支援センターとして引き続き関係機関と連携しつつ、個々の相談者等の悩みに真摯に向き合い、地域の非行及び犯罪防止に貢献してまいりたいと考えております。
  92. 自見はなこ

    ○自見はなこ君 取組に心から感謝申し上げたいと思います。  最後、時間になりましたので御紹介だけですけれども、資料の一を提示してございます。  実は、障害児の入所施設に入所されるお子さんたちに被虐待児が多いということであります。医療的ケア児の問題ですとか重心の問題、様々な問題取り扱っていただいておりますけれども、やはり障害あるなしにかかわらず、子育てが孤立化しているということがこれの裏側にあるんだというふうに思います。大変大きい数字だと思いますので、御紹介をさせていただきました。  そして最後に、小児科になる医師について、今、専門医機構というところでシーリングを掛けています。これはそれぞれの専門医でありますが、これが実態とそぐわないのではないかという御指摘を現場からもいただいております。これは答えなくてもちろん結構でありますけれども、小児科医のみならず、それ以外の科もそうでありますが、特に小児科はこれから、児童相談所も含めまして社会的な仕事ということが増えますが、現在のシーリングの在り方というのはどこかで見直していただく必要があるんじゃないのかなと思っておりますので、これは意見として述べさせていただきたいと思います。  以上、質疑を終わりたいと思います。ありがとうございました。
  93. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 まず、本案に入ります前に、今大変近々に問題になっております金融審議会市場ワーキング・グループ報告書についてお聞きをいたします。  この審議会の二十一回に、厚生労働省年金局の吉田課長が発言をし、二十分ほど説明をしております。この報告書が前提としたデータは、厚生労働省、年金など、厚労省のデータに基づいて作られているということでよろしいですね。
  94. 木下賢志

    ○政府参考人(木下賢志君) お答えいたします。  金融ワーキン・ググループにおきまして、厚生労働省がiDeCoを含めた私的年金の状況について御説明いたしました。その際に、家計調査の資料を厚生労働省としてお出しをして、平均的な支出あるいは平均的な収入と、それから平均的な貯蓄額、そういった資料をお出ししたということでございます。それをワーキング・グループにおきましては使用しているということは承知しております。
  95. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 年金もでしょう、肝腎な年金、年金ですから。  資料二十二ページを見てください。ここの説明で、マクロ経済スライドにより中長期的な水準の調整が見込まれているのは御案内のとおりで、老後の所得確保における私的年金の重要性が増すものと考えておりますとしております。私的年金の重要性が増す。  これ、がっとグラフが落ちておりますけれども、中長期的に年金給付が下がるということを、厚生労働省、説明しているわけですよね。
  96. 木下賢志

    ○政府参考人(木下賢志君) 担当課長の方が御説明をいたしましたけれども、その際に資料に基づいて説明したわけでございますけれども、私どもとしては、高齢期の生活というのは非常に多様でございます。それぞれやはり望ましい生活水準などを考えておられますけれども、働き方の希望ですとか、収入、資産の状況なども様々でございますので、国民の老後所得というのは、公的年金を中心としつつ、稼得所得あるいは仕送り、あるいは個人年金、企業年金、財産所得などが組み合わさっているのが実態だと思っております。  今の御指摘の公的年金制度につきましては、平成十六年度から既にもう十五年これを実施していますけど、マクロ経済スライドによって将来世代の負担が過重にならないように将来の保険料水準を固定をいたしまして、その範囲内で給付水準を調整するということで現役世代と将来世代のバランスを取るということをしつつ、一定の給付水準を確保することを前提に持続可能なものとしております。  このマクロ経済スライドは、賃金や物価の上昇による年金改定を行う際に、被用者保険の減少率あるいは平均余命の伸びに応じて調整する仕組み、これによりまして、現役の手取り収入に対する所得代替率は時間を掛けて調整されるということであります。その意味で、申しました中長期的に年金水準が下がるというのは、所得代替率が時間を掛けて調整されるということを意味したものであるということでございます。  しかしながら、全体として現在の受給者にも配慮し、マクロ経済スライドによって年金の名目額を下げるということはしないという配慮措置は当然導入しているところでございます。
  97. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 局長、端的に答えてください。  吉田課長は野党合同ヒアリングに出てきているんですよ。要求したけれども、局長でやってほしいということで局長に来ていただきました。端的に答えてください。私の質問に答えていないですよ。  私の質問は、役割が増す私的年金として、そして、配付しておりますが、スライドの自動調整と所得代替率。マクロ経済スライドというのは分かりますよ。しかし、所得代替率がどんどん下がっていく。このポイントは、まさに私的年金が重要だ、重要性が増すという項目ですよ。役割が増す私的年金。公的年金は中長期的に見て年金給付が下がるということですよね。
  98. 木下賢志

    ○政府参考人(木下賢志君) 今答弁申し上げましたように、名目額につきましては下限がございますので、その意味では下がらないわけであります。しかしながら、マクロ経済スライドによって所得代替率は下がっていくということを申し上げたものでございます。  その中で、やはり老後の所得、老後の生活は多様性ございますので、私的年金について、生活水準が、一定程度の自分の希望する生活水準を望むのであれば、やはり私的年金の役割というものもだんだん重要性を増してくるんだということを述べたんだと思います。
  99. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 厚生労働省は年金給付が下がるというふうには考えていないんですか。この報告書の案の段階で、将来、年金給付が下がるというのが案として出されているじゃないですか。これに厚生労働省はかんでいないんですか。
  100. 木下賢志

    ○政府参考人(木下賢志君) これは金融庁のワーキング・グループの検討の場でございますので、直接報告書には全く絡んでおりません。
  101. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 年金についてのプレゼンは厚生労働省がやっているんじゃないですか。  質問変えます。  このワーキング・グループにおける年金の基礎データ、この資料は厚生労働省の提供ということでよろしいですね。
  102. 木下賢志

    ○政府参考人(木下賢志君) 先ほど申し上げましたように、家計調査に基づく資料は出しております。  公的年金につきましては、当然私どもが所管をし、質問があればきちっと答えるということになっておりますけれども、報告書そのものの文章につきまして我々は事前に協議を受けたものでもありませんし、案の段階で当日見させていただきました。それ以上のものではございません。
  103. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 厚生労働省が、役割が増す私的年金として、所得代替率ががっとグラフで下がる、こういう説明をこのワーキング・グループでやっております。これは中長期的に年金給付が下がるという意味以外考えられないじゃないですか。  資料三十七ページを見てください。高齢期の就業と年金の多様な組合せを見ると、公的年金の六十五歳の支給開始年齢を七十歳まで引き上げることを厚生労働省は考えているのでしょうか。
  104. 木下賢志

    ○政府参考人(木下賢志君) お尋ねの年金の支給開始年齢でございますけれども、これは現在、未来投資会議ですとか経済財政諮問会議におきましても、今、案でございますけれども、お示ししておりますけれども、七十歳までの就業機会の確保に伴い、支給開始年齢の引上げは考えてございません。
  105. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 年金が足りないので投資をすべきだということを厚生労働省が言うことは大問題ではないですか。
  106. 木下賢志

    ○政府参考人(木下賢志君) 今のお尋ねはワーキング・グループで発言をしたのではないかということだと思いますけれども、厚生労働省の担当者からは年金が足りないので投資すべきだということを述べた事実は全くございません。  やはり公的年金につきましては国民の老後生活の柱でございますので、私的年金はあくまでも公的年金を補完して国民の高齢期の所得確保を図るものでございます。  なお、私ども、確定拠出年金、DCでございますけれども、公的年金を補完するものとして、十三年にこれ制度として発足したわけでございますけれども、その中でも、運用につきましては個々人が選択をして、もちろん投資、投資信託もございますけれども、預貯金、保険商品といった元本保証型も含めてその中から選ぶということになっておりますので、決していわゆるリスクの高いような投資だけを勧めているということではございません。
  107. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 吉田課長は、現在、高齢夫婦無職世帯の実収入二十万九千百九十八円と家計支出二十六万三千七百十八円との差は月五・五万円程度となっております、今後、実収入の社会保障給付は低下することから取り崩す金額が多くなり、さらに余命も延びることで取り崩す期間も長くなるわけで、今からどう準備していくかが大事になります。まさに資料を提供していて提言しているじゃないですか。
  108. 木下賢志

    ○政府参考人(木下賢志君) これは、先ほど福島委員の方から最初に御質問されたように、要するに所得代替率、私どもが下がると言ったのは、所得代替率が下がっていくということを踏まえて、老後の様々なニーズあるいは生活水準に応えるためにどうするのかということを述べたわけでございます。
  109. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 年金だけでは暮らしていけない、五・五万円差額があるということでよろしいですね。
  110. 木下賢志

    ○政府参考人(木下賢志君) 私どもは、老後の生活というのを年金だけで暮らせる水準だというふうに申したことはございません。老後生活の年金は非常に主柱であり基本であるということは申し述べたことは様々な機会でございますけれども、今の五・五万円が足りないからというこれは、基本的にはそれぞれの生活水準の下で、平均値で、家計調査の平均値で申し上げたものであり、それは個々人が、別の資料でまた貯蓄額というのは表していますが、平均で見たときにその五・五万円を補う形でそれぞれ貯蓄を取り崩したりしているというのが実態かと思っております。
  111. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 吉田課長は、年金の繰下げ、つまり支給年齢を遅らせることも言っています。  これ吉田課長のこの議事録の言葉です。三十七ページ、三十八ページを御覧いただきたいと思いますが、公的年金は、御案内のように、六十五歳の支給を現行であれば七十歳まで繰り下げることができ、その場合の増額率は四二%となっております。高齢期の就労期間の延伸を年金制度上も反映するとともに、より柔軟な受給の在り方について公的年金サイドで検討を進めておりますが、これにさらに充実した私的年金を組み合わせることで選択肢が生まれると考えております。  つまり、公的年金だけでは暮らしていけない、五・五万円不足している、私的年金や、それから年金の支給年齢を遅らせる、こういうことは考え得るというプレゼンをしているんじゃないですか。
  112. 木下賢志

    ○政府参考人(木下賢志君) 高齢期の生活は、働きながら年金を受給される方、あるいはできるだけ働く期間を延ばして年金受給を遅らせる方、あるいは、もう体力等も限界があり、なかなか働きたいけれども働けないで早く年金を受け取られる方、様々でございます。  担当課長が申し上げたのは、そういう中で、例えば働く期間をできるだけ長くしたいということで年金を繰下げをしたりして増額をするという選択肢もありますし、あるいはその足らず前の分というのを自らの私的年金あるいは貯蓄の中で確保して対応すると、そういう様々な老後の生活資金ニーズをどういう組合せで選択をするのかということを申し上げたわけでございます。
  113. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 つい最近まで百年安心年金と言っていたじゃないですか。公的年金だけでは暮らしていけない、あと自己責任でやれということを厚労省言っているんじゃないですか。
  114. 木下賢志

    ○政府参考人(木下賢志君) 百年安心というのは、これは要するに、マクロ経済スライドを用いて財政均衡、百年を見通した財政均衡というのが言わば持続可能性を高める年金制度として十六年度からスタートしたことをおっしゃっているんだと思いますけれども、我々は、そういう形でまず年金をしっかりとしたものにすると。それを前提に、それを、公的年金をしっかりとした持続可能性を高めるものを前提にして、あとは個々人のニーズに応じて私的年金や貯蓄を組み合わせていくということが我々が通常考えている姿だと思っております。
  115. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 年金についての基礎データは厚生労働省が出しているんですよ。五・五万円足りないというのも厚生労働省が出している。公的年金だけでは食べていけない、私的年金や、それから就労を延ばすことや、それもやれというのも厚生労働省が言っているんですよ。それに基づいてこの報告書が書かれている。だったら、むしろ真正面から年金制度どうするかという議論をすべきじゃないですか。こういうことで自己責任を強調し、投資せよと。これ投資せよという報告書ですよ、投資寿命を延ばせって。これに下書きを作りプレゼンしているのは厚生労働省なんですよ。その責任は極めて重いというふうに思います。  それで、厚生労働省の内部でも私的年金を推進しているようですが、それはいかがでしょうか。これ、吉田課長はこう言っているんですね。金融庁でもやられていると承知しておりますが、厚生労働省における職員の福利厚生の一環として、我々、iDeCoのみならず、つみたてNISAにつきましても職員が加入しやすいようサポートを行っております。  これは、厚生労働省自身が、公的年金はもう無理だと、省内でもiDeCo、そしてNISAをやれと言っているわけで、どうなんでしょうか、問題じゃないですか。
  116. 木下賢志

    ○政府参考人(木下賢志君) 今の御指摘でございますけれども、我々が私的年金あるいは個人でいろんな形の貯蓄形態を取るのはごく当然のことだと思います。  iDeCoあるいはNISAというのはそれぞれ税制上の優遇措置があり、あるいは法律に基づく制度として確立をし、更に言えば、昨年の一月からiDeCoに関しては公務員も加入できるようになりました。そういった制度を十分に生かして自分の老後の生活の設計をすることはごく当然だろうと思っています。
  117. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 この報告書は、長寿化に伴い、資産寿命を延ばすことが必要というふうに結論を出しております。  前述のとおり、夫六十五歳以上、妻六十歳以上の夫婦のみの無職の世帯では毎月の不足額の平均は約五万円であり、まだ二十から三十年の人生があるとすれば、不足額の総額は単純計算で一千三百万円から二千万円になると。長く生きることに応じて資産寿命を延ばすことが必要になってくるものと考えられます。  これ、厚生労働省、肯定されますか。
  118. 木下賢志

    ○政府参考人(木下賢志君) これはあくまでも金融ワーキング・グループの報告書でございますので、向こうの報告書だと、私のコメントは差し控えさせていただきます。
  119. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 でも、これ、厚生労働省が、職員が出て年金について説明し、こう考えているって、そのデータに基づいて出した結論じゃないですか。実際、投資のこともちゃんと話していますよ、その課長は。それに基づいてこれ作られているんですよ。無責任じゃないですか。
  120. 木下賢志

    ○政府参考人(木下賢志君) オブザーバーで担当課長は参加をしています。オブザーバーの役割は、何か質問があり、自分の所管の、例えばiDeCoに関して質問があれば答える、あるいは説明しろと言われれば説明する、こういう役割でございます。したがって、事務局を、厚生労働省も一緒に共同事務局をやっているわけではありませんので、この金融ワーキング・グループの報告書につきまして、我々が何かコメントをしたり、これを直せと言うような立場ではないということを御理解いただきたいと思います。
  121. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 年金の担当、厚生労働省じゃないですか。それについての基礎データ、家計も含めて厚生労働省が出しているんですよ。これ、基になるデータ、読み上げたように厚生労働省が出しています。年金についての見通しや、そのことも厚生労働省、発言しています。二十分間発言し、年金の部分はまさにそれにのっとってこの報告書が作られているじゃないですか。そして、私たちは知りませんって、閣内不一致なんですか。この報告書、この投資寿命を延ばせというのは、厚生労働省、肯定しないんですか。それはやっぱり無責任じゃないですか。
  122. 木下賢志

    ○政府参考人(木下賢志君) 先ほど来申し上げているとおり、これは金融庁に置かれたワーキング・グループで議論されて、委員の総意としてまとめ上げたという、これは結果的には麻生金融担当大臣は受け取らないということになったわけでありますので、ですけれども、私どもとしては、やはりそれぞれの省庁の審議会、ワーキンググループで議論したことについて、事務局でもない、協議も受けていない、ただ、説明はもちろん求められましたのでいたしましたけれども、それは向こうの責任において作成されたものだと思っております。(発言する者あり)
  123. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 逃げているというこちらでも発言がありますが、おかしいですよ。だって、年金についての担当は厚生労働省じゃないですか。それについての基礎資料をここで発言しているんですよ。見通しも示しているんですよ。どういう考え方があり得るかも示している。だったら、それについてやっぱり責任があるじゃないですか。  そして、こういう、投資が大事だ、二千万不足している、投資をしろ、投資寿命を延ばせというのが出てきて、その過程の中で厚生労働省はコミットしているわけですから、それはないですよ。自分たちがプレゼンしておいて、それはそちらがお作りになったもので関係ありませんということなんてないですよ。やっぱりこれは、この内閣がこういう考え方で出している、というか、この下敷きを書き、プランを書き、説明をしたのは厚生労働省だということは本当に重要なことだと思います。  この法案について質問をいたします。  意見表明権の在り方について、衆議院の厚生労働委員会参考人質疑で花島弁護士が、児童福祉審議会についての提言を述べていらっしゃいます。子供の意見表明権を保障する役割を児福審が現実に担うには、一定の調査権限が与えられて、機動性、独立性、第三者性、専門性を兼ね備えた人員の配置が課題となるとも指摘をしています。これについて厚生労働省の見解はどのようなものでしょうか。
  124. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  児童福祉審議会ですけれども、その調査、審議に当たりまして、児童やその家族等の関係者の出席を求め、その意見を聞くことができることとされております。しかしながら、この仕組みですけれども、現状では十分活用されているとは言えない状況でございます。  また、昨年行われました社会保障審議会の下に設置しましたワーキンググループにおきましても、この児童福祉審議会を活用して、児童が自ら意見を表明する機会を確保していくべきという御議論をいただいたところでございます。  こうしたことを踏まえまして、厚生労働省におきましては、児童福祉審議会を活用して子供の意見を受け付け、必要な助言、調整を行います取組等をまとめたガイドラインを策定したところでございます。  このガイドラインでございますけれども、都道府県等におきまして児童福祉審議会で子供が意見表明することができる仕組みが推進されるよう、モデル的な枠組み例を提示するものでございます。  具体的にでございますけれども、子供からの意見表明につきまして調査、審議する部会を置き、その部会の委員といたしましては、まずは、子供の権利擁護を始め児童福祉全般に精通した者を選任すべきこと、二つ目には、委員はその子供の意見表明を受け付けてから可能な限り迅速な対応が可能な人材が望ましいこと、それから三点目ですけれども、御指摘の点でございますけれども、独立性、第三者性を担保するため児童相談所の関係者は望ましくないことを示しますとともに、子供の意見表明を支援する支援員が施設等を定期的に巡回いたしますとともに、子供から意見表明があったときに意見を聞き取り、サポートすること等を示したものとなっております。  さらに、法律上もこうした枠組みの適切な運営がなされますように、本法案におきましては、意見を述べる児童を支援する専門的知識及び技能を持つ職員の児童福祉審議会事務局への配置、あるいは審議会の場で児童が安心して意見を述べることができる雰囲気づくり等の配慮を行わなければならないというふうにしております。  また、本法案の附則におきましては、その施行後二年をめどといたしまして、児童の意見が尊重され、その最善の利益が優先して考慮されるための措置といたしまして、児童が意見を述べることができる機会の確保、そうした機会において児童を支援する仕組みの構築等について検討することといたしております。
  125. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 子供の意見表明権と関連し、子供たちに対する人権教育が必要だと考えます。  今日は文科省に来ていただきました。必要性についての文科省の見解、文科省、厚労省の連携についてお聞かせください。
  126. 丸山洋司

    ○政府参考人(丸山洋司君) お答えを申し上げます。  文部科学省におきましては、憲法及び教育基本法の精神にのっとり、学校教育を通じて人権尊重の意識を高める人権教育を推進しておるところでございます。  衆議院で修正をされました児童福祉法等の改正案におきましては、施行後二年を目途として、児童の保護及び支援に当たって、児童の意見を聞く機会及び児童が自ら意見を述べることができる機会の確保、当該機会における児童を支援する仕組みの構築、児童の権利を擁護する仕組みの構築その他の児童の意見が尊重され、その最善の利益が優先して考慮されるための措置の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとされているところでございます。  子供たちを虐待から守るため、学校教育を含めて虐待に関し発達段階に応じて子供たちにどのように教えていくのがいいのか、委員の御指摘のとおり、厚生労働省とも相談をしつつ検討してまいりたいというふうに考えております。  文部科学省におきましては、これらの検討の状況も踏まえつつ、引き続き人権教育の推進を図ってまいりたいと考えております。
  127. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 例えば世田谷区は、せたがやホッと子どもサポート制度をつくって、センターをつくっています。話を聞きに現場に行きました。マスコットキャラクターなちゅは小学校の女の子がつくったキャラクターで、子供たちに広報しています。相談活動は、子供たちからの相談が六割を示しています。  子供たちへの本当に虐待をなくしたい、子供たちの相談もやっぱりとても大事です。子供たちにアクセスできる、子供たちが悩みを言える場所づくりをもっと政府も広報したり宣伝をしていただきたい、いかがでしょうか。
  128. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  御指摘の世田谷区の取組につきましては、子供の人権擁護のための取組でございまして、いじめや虐待などの子供の権利侵害について相談に応じ、助言、支援等を行うものというふうに認識をいたしております。  子供の権利擁護を図るための仕組みのうちで子供の意見表明権を保障する仕組み、アドボケート制度につきましては、平成二十八年児童福祉法改正の附帯決議におきまして、自分から声を上げられない子供の権利を保障するために、子供の権利擁護に係る第三者機関の設置を含めた実効的な方策を検討することとされておりますし、先ほど申し上げました社会保障審議会の下に設置したワーキンググループにおきましても、いわゆるアドボケート制度の構築を目指すべきという御議論をいただいたところでございます。  先ほど申し上げましたけれども、アドボケート制度あるいは子供の権利を擁護する仕組みについては、今回の改正法案の附則におきまして、その施行後二年をめどとして検討することといたしております。  いずれにいたしましても、今後は、衆議院の附帯決議も踏まえ、自治体における先行事例の研究、あるいはその普及啓発なども含めまして行いますとともに、有識者による検討の場を設けまして、まずは、施設入所の措置等の対象となっている児童の意見表明を支援する仕組みの構築について検討してまいりたいというふうに考えております。
  129. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 明石市に行って、明石市長に話を聞いたことがあります。今回、衆議院の厚生労働委員会の参考人質疑で明石市長は、明石の一時保護所は学校現場と連携し、そのまま従来の学校に行くことができると述べていらっしゃいます。今日の参考人の高橋亜美さんも、やはり携帯電話が持てないとか、いろんなことについておっしゃっていました。  この委員会でも取り上げていますが、基本的に元の学校に通えないという、明石市の場合は、だから人が同行して連れていっているわけですが。子供たちにとって、学校を替わるあるいは学校に行けないというのはとても悲しいストレスなので、そのようなことなどを是非応援していただきたい、いかがでしょうか。あるいは変えていただきたい、いかがでしょうか。
  130. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  御指摘のとおり、元いた、原籍のといいましょうか、学校に通学できる、そういった環境も含めまして、できる限り日常的な今までの環境が維持されることが極めて重要であるというふうに考えております。  このため、一時保護に当たりましては、可能な限り通学できるようにすることが望ましいと考えております。これまでも、今、明石市の取組についての御指摘もございましたけれども、一時保護所等から子供が通学する場合の付添い員の配置等に対する支援も行っております。  さらに、本年三月に関係閣僚会議で決定をいたしておりますけれども、その決定におきましては、一時保護所が安心、安全な場となるよう、個別的な対応を可能とするための職員体制の強化や環境整備、それから、適切に教育を受けられるよう、里親の活用を含め委託一時保護を積極的に検討するほか、子供の安全確保が図られない場合等を除き、学校等に通園、通学させ、必要な支援を行うこと、こういった決定をいたしております。  引き続き、この決定を踏まえまして、一時保護された子供の権利擁護、学習環境や生活環境の向上等に努めてまいりたいと考えております。
  131. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 明石市では、定期健診未受診件数をゼロにして、一度も来ない、健診に、その場合に、保健師さんが土曜、日曜でも必ず子供に会うと。子供に会うと、どういう状態か、体重が少ないとか分かりますし、また親に対して支援も、こういうことがありますよという、そういう支援もできると、そのようなことは必要ではないでしょうか。
  132. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  虐待防止の観点からも、乳幼児健康診査の受診勧奨を進めることが極めて重要だと考えております。  平成二十八年の児童福祉法等の改正におきましては、市町村が広く妊産婦等と接触する機会であります乳幼児健康診査等の際に悩みを抱える妊産婦等を早期に発見し、相談、支援につなげることなど、児童虐待の予防、早期発見に資するものであることに留意するよう母子保健法上明確化いたしました。  また、乳幼児健康診査の未受診家庭に対しましては、家庭訪問等によりまして受診勧奨に努めますとともに、それでも受診しない場合につきましては、児童福祉担当部署等に情報提供を行い、連携して子供の安全確認を徹底することを市町村に求めるなどの対応を行っております。  厚生労働省といたしましては、平成三十年七月二十日に発出いたしました母子保健施策を通じた児童虐待防止対策の推進についてという通知の中でも、乳幼児健診の未受診家庭の受診等の勧奨に対しまして拒否する又は反応のない場合等には、市町村の児童福祉担当部門と母子保健担当部門が連携いたしまして、関係機関から情報を集め、安全確認等の必要性について検討し、必要な場合には保健師等の職種を問わず児童の状況の確認に努めることを促しているところでございます。  引き続き、こうした各自治体における取組を推進してまいりたいというふうに考えております。
  133. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 時間ですので、終わります。
  134. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 立憲民主党・民友会・希望の会の石橋通宏です。  私も、福島委員に続いて、本題に入る前に年金問題、確認しておきたいと思います。  先ほどの年金局長の答弁、びっくりしました。こんな無責任な答弁するんですか、厚生労働省。ふざけた話ですね。いや、国民の皆さん聞いて、これを無責任と思わなかったら逆に驚きですが。  今日、金融庁来ていただいています。  佐藤参事官、この市場ワーキング・グループの報告書ってもう消えてなくなったんですか。
  135. 佐藤則夫

    ○政府参考人(佐藤則夫君) お答え申し上げます。  金融審の市場ワーキング・グループの報告書、これは、審議会の中では、最終的な了承というのは、総会で了承されて金融審議会の報告書になるということでございます。したがいまして、まだ報告書となっているわけではございませんで、あくまでワーキング・グループの報告書というステータスでございます。  もう先生御承知のとおり、金融担当大臣より、誤解や不安を招くような表現があるので、これは正式な文書としては、正式な報告書としては受け取らない、すなわち、政策遂行の参考とはしないということでございまして、したがいまして、そういう政策遂行の参考となるような位置付けというのは今はないというふうに考えております。
  136. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 消えてなくなっていませんね。ワーキング・グループの報告書としては存在しています。審議会にまだ出されていない。でも、ワーキング・グループの報告書で今ホームページにしっかりまだ載っていますね。まさか消したんじゃないでしょうね。  今、国民の皆さんが、消される前に読んでおけといって今皆さん拡散をされておりますので、多くの国民の皆さんがこの報告書の内容を読まれるはずです。一方で、政府は、消えてなくなりました、受け取りません。こんな無責任なことがありますか。  金融庁、このワーキング、これまでこの報告書をまとめるために一体幾らの予算費やされましたか。
  137. 佐藤則夫

    ○政府参考人(佐藤則夫君) 経費につきましては、例えば、委員の方々は、個別の交通費ですとかあるいは時間給に相当するような日当ですとか、これ例えば辞退をされるような方もいらっしゃいます。したがいまして、ちょっと集計には時間を要しまして、今ちょっと手元において幾らというのは分かりかねるところでございます。
  138. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 これなかなか出してくれないんです。一体、予算、幾ら経費掛かったのかと言っても、時間が掛かると。そんなに時間掛かる話じゃないと思いますけどね。  金融庁、重ねてお伺いします。  今回、十二回、ワーキング、会合を重ねられましたね。最後のこのワーキングの報告書に今問題となっている年金の部分の記述があるわけです。一般、無職の御高齢の御夫妻で、平均的なお姿として五・五万円月額不足すると。  この一連のワーキングの会合の中で、この年金について、データの提供、年金の額がどうなのか、それについてプレゼンなり情報提供したのは厚生労働省以外にあれば教えてください。
  139. 佐藤則夫

    ○政府参考人(佐藤則夫君) 今ちょっと記憶に正確なところはございませんが、いろいろな方々からのプレゼンとか説明をいただきました。その中で様々なデータが示されていることは事実でございます。  その中でちょっと年金に触れたところがあったかないか、今ちょっと確認しておりませんので分かりかねるところではございますが、ただ、先ほどのこの御質疑でもございましたように、厚生省のオブザーバーの方から一つの参考として資料を説明していただいたことは事実でございます。
  140. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 いや、報告書にしっかり具体的に出ているわけですね、年金の額が、御高齢の無職で。それは、先ほど福島委員が触れられたこと、私も、資料の六、資料の七、とりわけ資料の七でお付けをしております。引退して無職となった高齢者世帯の家計、収入の差、月五・五万円、下のグラフで五・五万円のこれだけの差が出る、貯蓄等での対応、これだけギャップがあるということを具体的に示された。  重ねてお聞きします。この五・五万円月額不足する、厚労省以外にこういった具体的な数字をもってデータを提供されたところがあるんですね。
  141. 佐藤則夫

    ○政府参考人(佐藤則夫君) 五・五万円というところについて具体的なデータがどなたかから提供されたかというのは、済みません、今ちょっとそこは正確に記憶はしていないところでございます。  ただ、このグラフにつきまして、元々は総務省の家計調査から取られたものを、このオブザーバーからの御説明の中で、厚労省のオブザーバーの方から説明されたというのは事実でございます。
  142. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 私が過去の資料を見た限りではどこにも出てきませんが、あると言われるなら、これ委員長にお願いします。金融庁、資料として厚生労働委員会に提出をしてください。  このワーキング・グループの議論の中で、年金の具体的に将来一体幾ら足りなくなるのか云々かんぬん含めて、具体的にデータの提供、プレゼンテーション、発言含めて全て、この厚生労働省の第二十一回の年金課長のプレゼン以外にあるのであれば、それを資料として提出を求めたいと思います。委員長、お願いします。
  143. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) 後刻理事会で協議いたします。
  144. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 厚生労働省、大臣、前回、私聞きましたね。この報告書、これ厚生労働省、これ政府と統一見解なんですかね、この年金の額が足らなくなる云々。大臣は違いますと明確にお答えになりました。  しかし、重ねて、これ厚生労働省がワーキングにプレゼンをされていた。先ほど福島さんが追及されたとおりで、資料でこうしてお手元にお配りをしております、厚生労働省がこれだけ将来推計で足りなくなることをプレゼンテーションでされております。先ほど福島さんも引用されましたが、はっきりと年金課長は、実収入の社会保障給付は低下する、取り崩す金額が多くなる、期間も長くなる、発言をされています。  大臣、これだけは確認します。この六ページ、吉田年金課長のこの一連の発言、これは厚生労働省の見解で間違いないですね。
  145. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 吉田年金課長の発言、そして資料。この資料については、引退した後の高齢者の生活として、家計調査における高齢者世帯、夫六十五歳以上、妻六十歳以上の夫婦のみの無職世帯の平均的な収入と支出の差、貯蓄の活用の実態、これを紹介したものであります。  そして、その際には、高齢期の生活のニーズは多様であり、引退後の高齢期の生活を平均的に見て、公的年金に加えて貯蓄を五万円程度活用して営まれているということを説明しており、五・五万円不足しているとか、生涯二千万円不足といった説明は行っておりません。  このワーキング……(発言する者あり)行っておりません。それでよろしいですね。
  146. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 大臣、これ読んでいるんですよね。行っているんです、五・五万円程度差額がありますとちゃんと説明されています。  先ほど大臣がうんたらかんたら何か余計なことを言われましたけど、そんなことは一言も年金課長はおっしゃっていません。平均的にだあっと説明されて、もう一般的にこうなるんだという、まさに平均的な姿を説明されているんです。五・五万円足りなくなると。だから、取り崩す金額が多くなる、期間も長くなるから、皆さん個人個人で自己責任で準備してくださいねと、そのものを発言されているんです。大臣、余計な修飾を付けないでください。これが発言なんです。これが厚生労働省の見解。  そして、これ実は、このワーキング・グループだけではないんです。二月二十二日に開催された第一回社会保障審議会企業年金・個人年金部会で全く同じプレゼンテーションがされております。全く同じ見解が厚生労働省から出されています、資料等同じで。厚生労働省の見解ですね。大臣、これは否定し難い見解です。つまり、厚生労働省として公に姿を示されたわけです。先ほど年金課長も言っていましたけど、むしろこういうことになるからという、正しく事実、大臣、厚生労働省が認めたわけでしょう。  だから、ちゃんとした議論をしよう。まさに福島さんが言われたとおり、今のまま、今の年金制度のままで行けば平均的にこうなるんですと。もっと不足する方々もおられる、平均的な姿ですからね。もうちょっと余裕がある方もおられる、平均的ですからね。でも、この平均的な姿を示して、これで、今の年金制度のままでいいんでしょうか、改革が必要なんではないでしょうか、足らざるところはどうするんでしょうか、それを国民的な議論をする。堂々とワーキングの報告出せばいいじゃないですか。受け取ればいいじゃないですか。それで議論すればいいんじゃないですか。何で参議院選挙前だからって隠すんですか。それが無責任でしょう、大臣。  是非、改めて、厚生労働省はこれ、もうあっちこっちでこのプレゼンされているわけです。平均的に五・五万円不足する、どうしようか、国民に問いかける。大臣、年金の議論しましょう。是非、財政検証を早急に出していただいて、将来推計、絵姿を出していただく。資料の一でお示しをしておりますが、既に我々のワーキングで、前回、大臣も認めていただきました、数理課長、データとしては既に全てそろっているというふうにしっかりと答弁をいただいております。  前回と同じパターンで既にそろっているので、もう出せるはずです。参議院選挙の後にならないと出さないなんてごまかし、だましはやめていただいて、堂々と国民に対して年金の絵姿示していただいて、しっかりとした議論にして、参議院選挙の争点に堂々としていただく。大臣、いいですね。
  147. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) まず、先ほどの話ですが、五・五万円不足とか二千万円ということは申し上げておりません。  そして、その財政検証のお話ですが、野党の合同ヒアリングにおいて事務方から、現在作業中であり、必要な検証作業が終わり次第公表することを予定していると説明したと聞いています。  そして、今、データの話がありました。事務方から、データとしてはそろっておりますので、今はしっかりとした検証作業をやっていると申し上げたのは、財政検証に用いる前提、具体的には、人口の前提、労働力の前提、経済の前提は三月十三日の社会保障審議会年金部会において了承していただいており、不足しているものはないという意味で申し上げたものであります。そして、三月の年金部会で了承いただいたこれらの基礎データを基に、現在、将来の年金財政を推計するプログラミング等の計算作業を行っているところであります。  現在作業中であって、要は、必要な検証作業が終わり次第公表することを予定しております。
  148. 石橋通宏

    石橋通宏君 前回も、六月三日に一回出されて、後ほどまた追加で出されているんです。  今現在出せるものをしっかり出す、国会の審議に付す。できるじゃないですか、大臣。更に追加で必要な分は追加でしていただければいい。現時点まででできるものはしっかり出していただく、そういう対応は前回もされている。  重ねて、前回できていたのに今回されない。参議院選挙前に出したくないんですかね。それを隠すのであれば、これは重大な背信行為です。そのことは重ねて申し上げたいと思いますし、さっき大臣、五・五万円足りなくなるなんて言ってませんなんて、大臣、これ新たな御飯論法ですかね。  これ、厚生労働省の年金課長の議事録も消し去るんですか。これ、実収入云々、家計支出云々、差は五・五万円ですって言っているのも消し去るんですかね。これすごいですね。大臣、そんなことまで言ってないと言い張られるんですか。これ、議事録まで消すんだったらとんでもない話ですね。  もうふざけた話だということは重ねて申し上げて、法案の審議に入りたいので、これ重ねて、我々、年金集中要求させていただいて、衆参それぞれでさせていただいております。今のような、大臣、議事録にあるものをないと言い張る、それまで消し去ることはできないはずですので、そういった国民を欺くような答弁は是非やめていただきたいということを申し上げて、本題の質問に入りたいと思います。
  149. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) 大臣が答弁を求めているので、よろしいですか。
  150. 石橋通宏

    石橋通宏君 僕は求めていません。
  151. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) いいですか。
  152. 石橋通宏

    石橋通宏君 はい、いいです。  それでは、本題の法案の質問に入りたいと思います。  まず、今日、改めて、札幌で発生いたしました二歳女児の虐待死事案について、警察庁にも改めてお見えをいただいておりますが、昨日の夜遅くになるまで、いまだに警察庁と厚労省とちゃんと報告書がまとまらないと。五月十三、十四、一体何が起こったのかという事実関係について意見の相違があるようで、夜遅くまで報告が上がってきませんでした。警察庁、何をそんなにもめているんですか。
  153. 小田部耕治

    政府参考人(小田部耕治君) 警察庁におきましては、北海道警等の状況を確認しつつ厚生労働省と調整を行っておった中で、所要の時間を要したというところでございます。
  154. 石橋通宏

    石橋通宏君 いや、結局、十三日、十四日、このお母さんと女児に直接面会をしようとしていたそのときに、十三日、道警から児相の方に協力要請があった。面会を一緒に行こう、いや、でも行かない、そういうやり取りがあった。でも、どっちが、そこで大きな意見が相違があるというのがいまだに、昨日夜遅くに、ありがとうございます、報告は今の段階でといただきましたが、そこでも結局その事実関係は明らかになっておりません。  まだ意見の相違がクリアになっていないということなのかもしれませんが、重ねて、現場での連携強化というのが今回の法案でも非常に大きなテーマになっております。まさに現場で残念ながら今回も連携がうまくいっていなかったということの一つの事実関係になろうかと思います。大変重要な問題ですので、重ねてその辺は、一体本当に何が起こったのか、なぜ十五日の段階でこの女児の保護ができなかったのか、そのことも含めて、この法案に重要なポイントですので、是非法案審議中に事実関係が解明いただけるように、これは併せてお願いしておきたいと思います。  もう一点、これ午前中の参考人質疑でも提起があった話なんですが、児相の所長が、四十八時間ルールというのはあくまで原則であって、全部が全部四十八時間で対応できるわけはないんだというような発言を会見でされておりました。  改めてこれ確認ですが、四十八時間ルールって一体何ですか。そういう理解なんですか。別に守れなかったら守らなくてもいいよという、そういうルールで、この間、緊急のチェックとかもしておられますが、四十八時間ルールってそういう運用なんでしょうか。これ、厚生労働省、ちゃんと見解示してください。
  155. 浜谷浩樹

    政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  札幌の所長の会見については承知をしております。  厚労省といたしましては、四十八時間ルールは、これはしっかり守っていただくべきルールだと考えております。
  156. 石橋通宏

    石橋通宏君 だとすれば、現場の所長さんたちでもそれが徹底されていないということなんですかね。ルールの解釈でそごがあるということですか。  それが、ルールの解釈においてそごがあるのか、重ねて、いや、やらなきゃいけないのは分かってはいるんだけれども体制が取れなかった、体制が取れない、だからできなかったのか。ここも大変重要な問題です。ルールについて認識が違うのであれば、これはイロハのイができていないという問題になります。体制が整っていないのであれば、まさにこれ、後も審議、議論しますが、体制をどうしなきゃいけないのかという問題です。  ここも、いや、ちょっと所長さんがああいう会見をされてしまっておりますので、ここについても改めて、ルールが本当にどういうルールで、それがどう認識が徹底されているのか、いなかったのであればなぜいないのか、そこの点についても是非明らかにしていただきたいということだけお願いをして、これも重ねて、まだ事実関係しっかりと精査をしていただいているところだと思いますので、これも法案の審議に重要なポイントでありますので、是非審議中にその辺の事実関係も確認をいただけるようにお願いをしておきたいというふうに思います。  ちょっと札幌の事案、ほかにも幾つか具体的なことお聞きしたいですが、時間がありませんので後回しにさせていただいて。  前回、様々なタイミングで、妊娠の段階から出産、そして育児、もう一連のプロセスの中でお母さん、とりわけお母さん、そして赤ちゃんに対する様々な社会全体での支え、見守り、これを強化をしていくべきだというお話もさせていただきました。  一点、前回聞けなかった話で、これ資料の四で、この一連の妊娠、出産に関わる支援体制の全体像ということで示していただいておりますが、とりわけ出産後、様々な乳幼児の健診とかがあります。そういったときに、是非、母親に対しても併せて、母親に相談するとか母親にいろいろ対話をしていただいて、コミュニケーション取っていただいて、母親の状況からまた子供さんの状況をいろいろ考えるとか、母親が何らか困っておられないのか、問題抱えておられないのか、ひょっとするとDVの被害に遭っておられないのか、そういうことも含めて、包括的に対応支援をいただけるようなことを、乳幼児の様々な健診などなどに併せて保護者の対応もしっかりしていくべきだと思いますが、この点については、この法案ないしは厚生労働省、具体的な施策、どうなっているでしょうか。
  157. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  委員御指摘の問題意識は全く共有をいたしております。虐待予防の観点から、孤立しがちな子育て家庭を早期に発見して適切な支援につなげることが必要だと思います。  このため、具体的な施策でございますけれども、まずは子育て世代包括支援センターの設置促進等の妊娠期から必要な支援につなげられるような体制整備、それから、乳児家庭全戸訪問等の戸別訪問をしての、お父さん、お母さんも含めての家庭の相談支援、それから、乳幼児健診、学校健診による虐待の兆しや疑いの発見、これはお子さんとともに保護者に対しても接触ができるわけですから、そういったことも含めてということでございますけれども、こういったことなど、乳幼児の場合には母子保健分野が多いわけですけれども、こういった母子保健分野と連携いたしまして、児童虐待の発生予防、早期発見を図っていくことが重要だと考えております。  御指摘のとおり、こういった乳幼児に関する健診等、あらゆる機会を捉えまして、子育て等に悩み、孤立しがちな保護者、家庭を早期に発見して適切に支援につなげることで虐待予防を図るとともに、子供の健全な心身を育成する社会づくり、こういうことを推進してまいりたいと考えております。
  158. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 今回、札幌の事案でいけば、一歳六か月健診のときに既に体重が非常に平均よりも低かったという事実があったというふうにも伝えられております。にもかかわらずというところが、これも大変残念に思えてしようがないんですけれども、重ねて今答弁いただきましたので、そういった様々な機会を通じて、赤ちゃんもそうですし、保護者への対応もそこで充実、拡充をしていける、そういった施策をしっかり取っていただきたい。もちろん、そのための体制の強化、専門性の強化、必要だと思いますので、併せてやっていただきたいということを重ねてお願いしておきたいと思います。  その上で、ちょっと済みません、順番入れ替えて、今のに関わりますので、児童相談所の体制強化についてお聞きをしておきたいと思います。  今日、引き続き衆議院提出者西村さん、来ていただきまして、ありがとうございます。よろしくお願いいたします。  今回、衆議院の修正案で、児童福祉司の数の基準に関しまして、市町村における児童福祉法による事務の実施状況も含めて勘案するという規定が入ってまいりました。  ちょっと懸念が示されておりまして、これそのまま受け取ると、児童相談所によっては事務の状況を見てしまうと児童福祉司の数がかえって減らされるようなことになるのではないかという心配の声も上がっているんですが、そんなことはないという理解でよろしいでしょうか。
  159. 西村智奈美

    ○衆議院議員(西村智奈美君) 御質問いただき、ありがとうございます。  委員指摘のように、衆議院での修正によりまして、児童福祉司の数の基準に関する政令について、いろいろ勘案事項ありますけれども、そこにおいて、市町村における児童福祉法による事務の実施状況というものをその勘案事項の一つといたしたところでございます。  児童福祉司の数については総合的な判断により定められるものですが、私といたしましては、児童虐待に係る相談件数が右肩上がりで増加している現状や、児童と家庭に関する事務についての市町村の役割が強化され、市町村におけるきめ細やかな対応が求められているという状況にあっては、今後も市町村における事務は増加の一途をたどるものというふうに認識しており、そうした状況においては児童福祉司の数が減少するような事態は想定しておりません。
  160. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 明確にしていただいたと思いますし、そのとおりだと思います。今後一層の拡充を図っていただく、そういう方向での修正だというふうに理解をしております。  もう一点お伺いしたいのは、その並びで、児童福祉司の数の基準に関して、相談に応ずる件数が過重なものにならないようという規定が盛り込まれております。ちょっと前回も議論した、この、じゃ、過重というのを一体どこに置くべきなのかと。我々は一定きちんと線を引いて、これ以下であるべきだというぐらいしっかりとやっていくべきだと考えておりますが、提出者の修正の意図をお聞きしたいと思います。
  161. 西村智奈美

    ○衆議院議員(西村智奈美君) 今回の修正によりまして、附則第六条、児童福祉司の数の基準については、児童虐待に係る相談に応ずる件数が過重なものとならないよう、必要な見直しが行われるものとするというふうに規定をいたしております。  この規定は、今後、児童虐待に係る相談件数が更に増加し、児童福祉司が不足する事態に備えたものであって、必ずしも具体的な水準を想定するものではありませんが、適正な相談業務の遂行や児童福祉司の労働環境などを勘案し、柔軟に必要な見直しが行われることが期待されております。  なお、衆議院の厚生労働委員会におきまして、以下のような附帯決議が付されております。「児童福祉司一人当たりの相談対応件数が平均で四十件を超えないよう、更なる増員に向けた人材・財源確保に努めるとともに、非常勤職員の常勤化を含め、児童虐待に係る相談に応ずるための職員の処遇改善に努めること。」というふうになっておりますので、こういったことから、相談対応件数が四十件というのが一つの目安になると私としては考えております。
  162. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 この点も明確だと思いますが、そこで、厚生労働省に確認をしておきたいと思います。  これ、前回も、札幌市の、これも児童相談所所長さんが、一人当たり百件以上抱えているんだという発言をされた。実は今日も、午前中の参考人質疑でも佐藤参考人から同じような御発言をいただきました。現場ではもう児相の職員一人当たり百件以上相談件数を抱えているんだというふうにおっしゃっていました。  前回お示しをしたこの資料の二ですが、前回は左側の虐待相談対応件数だけお付けをしておりまして、それだと全国で今四十一・四が平均で、札幌だと四十四・五となっておりますが、実は、相談対応件数、今、西村委員から御発言がありましたが、相談対応件数でいくとそれが劇的に増加をしておりまして、全国では百四十四・三が平均で、札幌でも百六十三・二ということになっております。  百件どころじゃないという状況なんですが、これ、今回政府が新プランで言っておられること、四十ケース相当、そして、今回、衆議院の附帯でも、今、西村さんから、相談対応件数で四十件を超えないようにやっていくんだという附帯が付けられた。これ、右側の相談対応件数でそれを目指していくんだということでよろしいですね。そういう確認で大丈夫ですね。
  163. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  まず、御指摘のとおり、札幌市の会見、あるいはこの資料でもそうですけれども、単純に相談対応件数で数えますと百件を超える数字になるということでございます。  それで、これに対しまして、その新プランに掲げるケース数でございますけれども、これは、単純にその件数を人数で割るのではなくて、特定の時点におけます児童福祉司の担当ケース数の平均を基に、相談種別の業務量を踏まえて計算しております。  すなわちですけれども、虐待につきましては、基本的には継続ケースとかが多く手間が掛かりますので、そういう意味では、虐待は一件でもその業務量が多い。一方で、その他の相談につきましては、割と簡易にといいますか、相談してその応答しておしまいとか、そういうものもございますので、そういう意味では虐待に比べますと一件当たりの手間が小さいものと考えております。  そういう意味では、そういった虐待以外のものについては、そういう手間が少ないことも考慮した件数、そういう考え方でございます。
  164. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 いや、それはどうやって計算しているんですか。  じゃ、これ、これはどちらでもないということ、これとまた別の計算方式が厚生労働省にはあるということ、その別の計算方式で四十件相当を目指すということですか。だったらそれを示してくださいよ。私がそれどういう根拠でやっているんですかと聞いて、結局、この相談対応件数を出してこられた。そうしたら、これを四十件相当にされると思うじゃないですか。そうじゃないなら、今おっしゃられた児童虐待対応以外でどういう相談対応されているのか、それを皆さんは、いや、それは児童虐待ほどには時間が掛からない、重たくないんだとおっしゃっている。それ、本当に現場でそういう受け止めなのか分かりません。中央が机上の空論で言っておられるのかどうか分かりませんので、それは是非改めて資料として出していただきたい。それは、局長、よろしいですね、出してください。
  165. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) 検討させていただきます。
  166. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 これ、検討じゃなくて、そうやって根拠をって委員会審議で言われているんだから、これ早急に出してくださいね。  その上で、もう一点だけ、時間ありませんので、最後に。  前回、これも、結局予算をちゃんと振ってもらわないと駄目だということで、資料の三に、一体今年度の予算も交付税措置も含めてどうなっているのかということでお伺いをさせていただきました。  ちょっと確認ですが、前年度から今年度、児童相談所比でいうと交付税が七十人から九十人配置で増えてはいるんですが、一人当たりに直すと交付額が減っているんですね。これ何で減っているんですか。
  167. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) ちょっとこの総額が減っていることについては、具体的には総務省で行っておりますので我々は詳細承知しておりませんけれども、ただ、積算基礎となっております職員一人当たりの給与単価、これにつきましては、児童相談所職員に限らず、地方公務員である全職員で一律に定められているものと聞いております。
  168. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 時間が来ましたので終わりますが、総務省に聞くと、いや、これは厚生労働省からの要求があって我々は根拠に基づいて計算をしていますと、一時保護所とか婦人相談所は厚生労働省から要求がないので増やしていませんというような答弁をされる。一体どっちが責任持ってこれやるんですか、ちゃんと。それも責任持って政府全体でやって予算付けていただかなかったら、こんなの絵に描いた餅に終わりますよ。そのことも含めて、次回またしっかりと追及させていただきます。  ありがとうございました。     ─────────────
  169. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、馬場成志君が委員を辞任され、その補欠として岩井茂樹君が選任されました。     ─────────────
  170. 矢田わか子

    ○矢田わか子君 国民民主党・新緑風会、矢田わか子です。  厚生労働委員会では初めての質問になります。どうぞよろしくお願いいたします。  今回、こうした法案の審議の最中に札幌で虐待の死亡事故が起きてしまったこと、犠牲となりました池田詩梨ちゃんの御冥福を心からお祈り申し上げたいと思います。  昨年、東京目黒区での事件、今年に入ってからの千葉県柏市での事件に続いて、幼い三人の少女が犠牲となっています。これまでの死亡事件の経験から、児相の体制の強化、警察との連携の強化、今も既に対応進められているものもありますけれども、今回も児相や警察の家庭訪問を保護者にうまくかいくぐられてしまって、子供の一時保護措置にまで至らなかったケースというふうになってしまいました。これまでの経験が生かされていないということでもあります。一体、幼い命幾つ亡くなれば政府が本気になって取り組むのかというじくじたる思いでいっぱいです。  今日は、働く現場からも、そして児相に勤める方々からもいろんな声をいただいてきましたので、それにのっとって三つの問題指摘をしたいと思います。まず、一つ目は児相の体制、業務量の問題です。二つ目は児相と警察の連携の問題。そして、三点目は関係機関における担当者の対応能力の問題を上げたいと思います。  まず、児相の体制強化について伺います。  昨年末の総合強化プランを策定され、具体的には、児童福祉司、二〇二二年までです、あと三年で二千名増員するという計画でありますが、児相に持ち込まれる通報、相談件数、言うまでもなく急増しております。これではとても対応できないのではないかというふうに思います。この問題は衆議院で審議をされ、中心的な課題として質疑が相次ぎ、厚労省は、この増員策によって一人の児童福祉司が担当する案件五十人から四十人ということで先ほどからお話しいただいておりますが、それでも、四十八時間以内のルール守るのであれば、本当にこれだけで足りるんだろうかというふうに疑問に思えてなりません。  しかも、四十人というのは常時抱えている件数ということですので、そして、それだけをやっているわけではなく、児相の職員はほかにも多くの様々な対応を強いられております。いじめ、不登校の育成の相談、家出、盗みを働く非行の相談、言葉の遅れなどの障害の相談、それから親の事情によって子供を育成できないときの養護の相談、そして里親や養子縁組の相談にまで、多岐にわたる幅広い業務をしているわけです。そんな中で常時四十件、本当にできるんですかという思いでこれまたいっぱいなんです。  そこで、修正案の提案者に今日は来ていただいておりますので、伺いたいと思います。  衆議院の法案修正では、児童福祉司の数の基準に関する政令について、児童虐待の相談件数など、幾つかの条件を総合的に勘案して定めるよう条文の追加をされています。私たちは、児童福祉司の大幅増員、もう桁が違うというふうに思っておりますけれども、修正案の提案者として、例えば一定の数量的な目標値などを考慮されたのかどうか、お答えをいただければと思います。
  171. 岡本充功

    ○衆議院議員(岡本充功君) 御質問ありがとうございます。  衆議院での修正は、御指摘のとおり、児童福祉司の数の基準を定めるに当たって勘案すべき事項を法律上明確にする観点から、児童福祉司の数の基準に関する政令は、各児童相談所の管轄区域内の人口、児童虐待に係る相談に応じた件数、里親への委託の状況及び市町村における児童福祉法による事務の実施状況その他の条件を総合的に勘案して定めることというふうにしました。  一方で、当初、我々野党共同提案をした法律案では、児童福祉司の数については、管轄人口三万人に一人、対応件数に応じた上乗せ、各児童相談所に一人、里親支援担当一人、市町村支援担当として都道府県の管轄三十市町村につき一人を法定化したところ、児童福祉司の数の基準に関する政令における勘案事項はこれらの要素が盛り込まれたものと一定の評価はしています。  しかしながら、委員御指摘のとおり、昨年十二月に政府が公表した児童虐待防止対策体制総合強化プラン、これではまだまだ児童福祉司の数、不十分ではないかという思いも強く持っています。  したがいまして、これから先、児童虐待に係る相談件数が更に増加するような事態に備えては、児童福祉司の数の基準については、児童虐待に係る相談に応ずる件数が過重なものとならないよう、必要な見直しが行われるものとする規定を修正に加えまして、今後増えていくそうした件数に対応できるように修正を図ったというふうに御説明させていただきたいと思います。
  172. 矢田わか子

    ○矢田わか子君 ありがとうございます。    〔委員長退席、理事そのだ修光君着席〕  先ほども申し上げたとおり、様々な業務、幅広い業務をしながら虐待対応もしているというこの実態から、児相はもう人手が足りずに、働いている方々からも悲鳴が上がっています。自分の子供とすらも今会えないような状況が続いていると、私も訴えられるんじゃないかというふうな声も冗談交じりに出ているぐらいに、本当にこの切実な悲鳴を何とかやっぱり政府は酌み取らなければいけないんじゃないかというふうに思います。  諸外国では、こうした幅広い対応をすることを踏まえて、一つの公的な機関では無理だという判断で複数の公的機関が対応しているというふうなケースも聞いております。子供の安全を守る、虐待対応に特化した組織に改編するということも含めて、午前中、たしか参考人の方もおっしゃっていたと思いますけれども、そういう改編も含めて検討していただきたいということも御要望として申し上げておきたいというふうに思います。  続いて、四十八時間ルールについてお聞きをしていきたいと思います。  限られたスタッフの下で、四十八時間ルール、どうすればいいかということであります。四十人を常時抱えているとして、毎日、午前三人、午後四人、七人回ったとしても、この四十人を一週間に一回見れるかどうかという、単純計算でいっても。そんな中で、また新たな通告があった、通報があったときに四十八時間で本当に対応できるのかということであります。児童福祉司を始めとするスタッフの活動を補完する、やっぱり何らかの業務改善策が必要となると思います。  例えば、厚労省は、二十四時間三百六十五日体制の協力員、いわゆる児童虐待対応協力員を児童相談所の一定業務を担う職員として位置付けされています。  資料一を御覧ください。この協力員という方を置いているわけなんですが、これ、例えば東京都の例なんですが、深夜の電話対応の相談業務だけにとどまらず、児童福祉司と一緒に虐待ケースの児童、保護者との面接、家庭訪問なども行う職務として戦力的な位置付けをされています。しかし、その資格要件を見ていただきますと本当に厳しいものがありまして、多分これはほとんどOBじゃないとできないんです。三番、児童相談所の経験があるということですね。一から四まで全てに該当する人じゃないとこの協力員にはなれないということになっています。私、もし国会議員辞めて、これやりたいわと思っても、私は資格がないというふうなことでもあります。それで本当にいいのかということなんですね。  というのも、やっぱりこれだけの件数が増えている中で、対応協力員、もっと数を増やしていかなければいけないんじゃないかということでもありますし、身分についても非常勤という不安定なポジションです。そして、身分保障や処遇改善も必要だというふうに思いますが、国としての支援策、いかがでしょうか。
  173. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  御指摘の二十四時間・三百六十五日体制対応協力員につきましては、児童虐待対応件数が増加する中で、児童福祉司等と協力して夜間、休日における児童虐待相談対応を行うために、平成十八年度の児童相談所運営指針改正によりまして設けたものでございます。  この協力員の配置に要する費用を補助するために二十四時間・三百六十五日体制強化事業を設けているところでありまして、本事業の積極的な活用を促してまいりたいというふうに考えております。  また、御指摘の身分保障、処遇改善につきましても、実態も踏まえつつ、子供の安全確認など、児童虐待の対応を適切に行えるように必要な支援を検討してまいりたいと考えております。
  174. 矢田わか子

    ○矢田わか子君 ありがとうございます。  二十四時間三百六十五日体制、それ大事だと思うんですが、予算を見ますと二千万プラスアルファ分ぐらいしか予算計上されていないということも分かってきました。これ一体何人分なんだろうかと、非正規労働者含めて何人分の費用なんだろうかと思うと、ざくっとの計算ですけれども、やはりこの全国にある児相に一人ぐらいの配置というような計算になってきます。これで本当に足りるのかという思いです。  先ほども申し上げたとおり、児童福祉司を大幅に増員するといっても、今の法律では二千名程度です。もっとプラスアルファで、本当に本気でやるのであればこういった方々も含めて増員をしていっていただきたいということでありますので、是非見直しも含めてお願いを申し上げておきたいと思います。  続いて、通報の接続の問題を上げたいと思います。児相の対応能力の強化という課題に関して気になるのは、全国の共通ダイヤルいちはやく、一八九の接続の問題であります。  資料二を御覧ください。この裏面にありますとおり、一八九への電話のうち最終的に児童相談所につながる電話はたった二四・二%ということになっています。  皆さんも掛けられたことあるでしょうか。私も掛けてみたんです、一八九。まず、ガイダンスが流れます。結構機械的な声で、一通話二十二・五秒ごとに十円いただきますと言うわけです。もうその時点でぶちって切る人がやっぱり多いということですね、これを見ると。えっ、お金取られるのか、いいわということですね。  政府は、今これ無料化に向けて進めていただいているということですけれども、それでも、改善してきたとはいっても七五%取りこぼしが逆に言えばあるということでもあります。この接続されていない通報の中に本当に重要な案件があるかもしれないということで、私は早急な改善が必要ではないかというふうに思っています。  もう一つは、通話料金の無料化とともに大事なことが、政府の方針である通報者に関する守秘義務の徹底化ということであります。  これ大丈夫かなということで私も掛けてみたときに思ったんですが、多分、地域を特定するためにということで、ここにあるとおり、オペレーターが発信者の郵便番号又は都道府県市名を聞くんです。オペレーター、機械的な声で聞かれても、えっ、何でこんなこと聞かれるんやろうとやっぱり思うわけです。自分が通報したことが何かで相手にばれたらどうしようかという気持ちもやっぱり皆さんお持ちなので、そこでまたぶちっと切ってしまう人が多いのもこれ事実であります。  したがって、親の反撃を危惧する、その尻込みが生じないように、音声ガイダンスでも結構ですが、あなたの個人情報は完璧に守られます、大丈夫ですということをきちんとやはり訴えないと駄目なんじゃないのかなと思いますが、政府の対応策をお願いします。
  175. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  児童虐待に対応する相談、通告窓口といたしましては、虐待を受けたと思われる子供を見付けたとき、あるいは子育てに悩んだときにためらわずに通告、相談できる環境を整えることが必要だと思います。  このいちはやくでございますけれども、まず、大前提としてはまず皆さんに知っていただくということで周知が必要だと思っておりまして、ポスター、リーフレットを全国の自治体、関係機関、関係団体に配布しているほかに、インターネット、SNS、政府広報ラジオ、新聞広告を活用するなど、様々な手法で広報を行っております。  今御指摘の点でございますけれども、こういった御指摘のような問題意識、私どもも持っております。  これまで行ってきたことでございますけれども、電話掛けてから児童相談所につながる時間を短縮するためのガイダンス時間の大幅な短縮、それから、コールセンター方式ということで、発信した電話の当該地域を特定するため郵便番号等の入力が必要な携帯電話からの発信について、音声ガイダンスではなくてオペレーターが対応する仕組み、ここでも、下のラインでございますけれども、そういった導入も行ってきております。  また、御指摘のとおり、三十年度補正予算におきまして、無料化に必要な費用を計上したところでございます。  またさらに、若い世代につきましては電話よりもSNSでコミュニケーションを取ることが多いということで、今年度予算におきましては、子育てに悩みを抱える方、あるいは子供本人からの相談につきまして、多くの方が利用しやすいように、SNS等を活用した相談窓口を開設、運用するための費用の補助経費も計上をいたしております。衆議院の附帯決議におきましても、SNS等を活用した相談窓口の開設を進めるという決議いただいておりますので、そういったことも踏まえまして、利便性の向上に努めてまいりたいというふうに考えております。  それから、守秘義務についてでございますけれども、御指摘のとおり、児童虐待防止法におきましては、児童相談所が通告を受けた場合には、その通告を受けた職員等は通告をした者を特定させる事項を漏らしてはならないという守秘義務が掛かっております。これをしっかり周知するということだと思います。  いちはやくの周知を図るポスター等におきましても、連絡は匿名で行うことも可能であることとか、連絡者や連絡内容に関する秘密は守られること、こういったことは周知しております。  引き続き、周知の方法についてはどのようなことが可能か、検討したいと思います。
  176. 矢田わか子

    ○矢田わか子君 ありがとうございます。  そうなんです。一八九、これ、もしもですよ、では、全部つながったとしたら、五十万件以上になるわけです。今つながっているもの二五%、四分の一で十三万件ほどですので、全部つながれば五十万件です。世論がやはりこれだけ児童虐待に対して関心も高まる中で、全部つながっても対応できる体制が逆に言えば必要になるわけです。五十万件つながってしまったら対応できないんだということはあってはならないことです。したがって、数が違うと申し上げているとおり、やはり児相の一層の体制の強化、もう一度戻りますけれども、改めてお願いを申し上げておきたいと思います。  次に、警察との連携についてお聞きをしていきます。  今回の札幌の事件でも、警察の動きに比べて児相の動きが鈍かったのではないかということが報道されています。  五月十二日の一一〇番通報、警察はすぐに動きます。このとき母子に会うことができず、翌十三日の日にもう一度面接の了承を取り付けたんですが、結果的にこのとき面接は拒否されたために、その十三日に警察は児相に通告しています。恐らく、この通告から四十八時間以内の対応が求められたはずです。しかしながら、児相は要請された十三日の面会も十五日の面会も同行していないと。これは数が足らなかったからなんでしょうか、致命傷になったわけです。  そして一方、五月十五日に実現した面会において、警察は、子供のあざ見ても虐待を疑わせる傷ではないと判断した。何でやねんということです。子供の体重が、私も二歳のときの息子を覚えています、十四キロありましたよ、七キロしかないって、見たら分かるじゃないですか。そのがりがりに痩せ細った子供の体を見て、そこでなぜ反応できないのか、疑わなかったのか、不思議でなりません。  こうした連携をやはりきちんと強くしていかなければ、こういう事故はというか、こういう事件は後を絶たないというふうに思います。また、専門家に対してのその連携も必要なわけですけれども、こういう判断があれば幼い命救っていけるわけなので、是非、児相と警察のやり取りについて、いま一度、現時点で政府はどのような見解を持たれているのか、それぞれからお願いしたいと思います。
  177. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  今回の事案につきましては、児童相談所、警察が訪問等を行っており、関わりがある中でこのような結果になってしまったことは極めて遺憾でございます。どこに問題があり救うことができなかったのか、速やかに事実を確認して必要な対策を講じる必要があると考えております。  厚労省といたしましては、少なくともこの事案につきまして三点、現時点で課題があったと考えております。一点目が、通告受理後原則四十八時間以内に子供の安全確認等を行うルールの徹底を示していたにもかかわらず、このルールに基づいた対応ができていなかったということ。それから二点目でございますけれども、子供に会えないこと自体をリスクが高いものとすること等の新たなルールを、これも示していたにもかかわらず、このルールに基づいた対応ができていなかったこと。それから三点目といたしましては、虐待通告などの対応については組織的に協議して決定するとともに、事例の進行管理や状況の変化等についてのフォローを確実に行うため、全ての事例についても定期的に確認する必要がありますけれども、これが、組織的な事例の進行管理ができていなかった。この三点について課題があったものと考えております。  また、警察との連携でございますけれども、御指摘のとおり、連携が不十分ということがございました。この点についても課題でございます。  この点についてでございますけれども、警察におきましては、直接児童の安全を確認できない場合に、速やかに児童相談所に通告を行うとともに、警察が直接の安全確認を行う機会には児童相談所職員の同行を求めることを、今回の事案を契機に、六月十日に通知をされたものと聞いております。また、厚生労働省におきましては、警察からの同行の求めに対しまして積極的に対応することを、同じく六月十日に通知をいたしております。  当面は、こういった通知も発しておりまして、引き続き、連携が円滑に行われるよう必要な周知徹底を図っていく所存でございます。
  178. 小田部耕治

    ○政府参考人(小田部耕治君) お尋ねの事案に係る警察の対応状況につきましては、五月の十二日に子供の泣き声がする旨の一一〇番通報を受理したことから札幌方面南警察署におきまして現場付近に臨場しましたが、同日中には対象家庭が特定できなかったところでございます。  翌十三日に、対象家庭を特定できたことから、札幌市児童相談所に対しまして過去の取扱状況を照会したところ、児童相談所におきまして過去二件の取扱いがある旨の回答がありまして、これを踏まえ、児童の安全確認を実施するために実母に電話をいたしましたが、面会や協力を拒否されたことから、同日深夜、児童相談所への通告を実施するとともに、児童相談所による強制的方法によることも含めた直接の安全確認を依頼したところでございます。  その後、五月十四日、実母が十五日の訪問を承諾したことから、十五日、札幌方面南警察署の警察官が家庭訪問を実施いたしまして児童の身体を確認したところ、あざとは認められたものの、実母の説明等から緊急に保護する必要のある節は認められないものと認識し、確認状況を児童相談所に情報共有したものでございます。    〔理事そのだ修光君退席、委員長着席〕  本件につきましては、現在、北海道警察におきまして、死亡に至った経緯を含め事件の全容解明に向けて捜査中でございまして、捜査の過程の中で必要な確認がなされていくものと承知しておりますが、いずれにいたしましても、児童の安全を確保するためには、児童相談所と警察が連携して取り組むことが重要であると認識しております。  このため、今般、警察庁から都道府県警察に対しまして、児童相談所との連携につきまして、児童相談所への確実な通告を実施するということ、また、通告後、児童相談所の要請に応じまして児童相談所職員による安全確認に警察職員が同行すること、また、児童相談所による一時保護の必要性の判断等に資する客観的な、かつ具体的な事実を児童相談所に伝えることなど、児童の安全確認のため、緊密な連携に向けた取組を求めることを指示したところでございます。  今後とも、児童相談所等と緊密な連携を図りながら、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。
  179. 矢田わか子

    ○矢田わか子君 ありがとうございます。  資料三を御覧ください。これは、児童虐待に関する出頭要求から立入調査、臨検又は捜索までのフローチャートであります。  特に、警察との関係は、やはり初期段階での情報共有と、そしてこの三にあるような立入調査や臨検、捜索の際に、児相から警察への援助依頼によって警察の協力を得るというルールになっているわけです。  野田市の事件、児相のスタッフの訪問に対しても親が立入りを拒否し、虐待を隠蔽しようとしたわけですが、児童の安全確認のプロセスは、この資料にありますとおり、家庭訪問をし、出頭要請します、立入調査しますが、これをやはり拒否されるということが繰り返されていくわけです。そうすると、どんどん下に下りていくわけですね。再出頭の要求し、また拒否され、裁判所への許可申請って、すごく時間が掛かるわけです。この間にもどんどん容体が悪くなるという、そういう状況になっているわけです。手遅れの場合が生じるわけです。悲惨な事態を防ぐためには、通報が一一〇番であろうと一八九であろうと、最初の段階から児相と警察が連携して早急に実情を調査し、危険な状況に置かれた児童を早く保護する必要があると考えます。  年間、調べました。警察が、援助要請しているのは、言われて行くのはたった三百四十五件しかないわけですよ。三百四十五件ですよ、それだけで本当にいいんですかね。児相の数は二百十しかない。警察って交番も含めたら全国各地あるわけですよ。やっぱり機動性を持って警察が動くということが何よりも子供の命を救うために大事なことだということで、これは御要請を申し上げておきたいというふうに思います。  加えて、研修というか、児相、警察の対応能力の向上についてであります。これも時間がないので御要請にとどめますけれども、先ほど来から見極められなかったというふうなお声ありますが、是非、警察における児童虐待問題を専門に扱う担当者の配置と、それから児童虐待を見極める研修、児相との連携のためのそういった仕組みをつくっていただきたいと警察にはお願いをしたいと思いますし、また、厚労省の方には、児相の職員、どうしてもこれ人事ローテーションで三年に一回ぐらいで替わっていくわけですよ。ノウハウとか経験が蓄積されない。若い人たちが、もうこんなシビアな職場だと思わなかった、福祉の仕事目指したけれども無理だわということで、やっぱり疲弊して辞めていかれたり次への希望を出されるということで、経験年数が三年未満の人がほとんどです。そういう方々にシビアじゃない体制をつくっていくのと同時に、やはり専門な知識も大事ですけれども、すごまれてもひるまない、交渉力だとかその場の判断力だとかアセスメント能力だとか、多くの的確な能力が必要となるわけなので、是非とも、研修強化、警察と一緒にやるということも含めてお願いをしておきたいというふうに思います。  調べますと、虐待のケースで警察と全件数共有できている児相は、自治体は六十九分の十です。まだ一四・五%にとどまっております。そして、児相と警察の人事交流もまだまだ進んでおりません。二百十か所に対して警察官が入っているのが三十四名、OBで百九十二名。各児相に一人警察官か警察OBがいるというようなぐらいでしか人事交流も進んでいない。是非この認識深めていただき、対応をお願い申し上げたいと思います。  次の質問に触れます。DV対策との連携についてです。  今回、衆議院の法案修正で、児童虐待の予防、児童の保護、自立支援などにおいて、国、地方自治体に、適切な指導、支援を行うための関係機関との連携強化の責務を果たすという第四条の条文に、配偶者暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律に規定されております配偶者暴力相談支援センターとの連携強化が追加をされました。  これは、児童虐待についてこれまでもDVとの関係性が指摘されてきました。千葉の事件もそうであった。母親と子供がDVによって夫や交際相手から精神的に支配される構図が多く見られる中で、やはりシェルターの活動など、DV被害者を救済する支援活動が児童虐待の防止に大きく寄与できるのではないかと考えます。  法案修正提起者の皆さん、どのような問題意識を持って提案されたのか、お願いします。
  180. 岡本充功

    ○衆議院議員(岡本充功君) 御質問ありがとうございます。  児童が同居する家庭におけるDVは、児童虐待防止法において児童に対する心理的虐待に当たることとされており、また、DVが発生している状況の下では児童虐待を制止することは困難となる場合もあることから、DVと児童虐待が重複して発生する事態について児童相談所と配偶者暴力相談支援センターが緊密に連携、対応していくことが必要と考えています。そのため、先ほど御指摘のような衆議院での修正になりました。連携強化を図るべき関係機関の例示として、配偶者暴力相談支援センターが明記されたわけであります。  これによって、連携強化の具体的な内容としては、配偶者暴力相談支援センターに児童相談所等との連携を担当する人員を配置することや、DV被害者と同伴する子供を一緒に適切な環境において保護することができるような民間団体への支援を含めた体制整備を図ることなどが期待されると考えております。
  181. 矢田わか子

    ○矢田わか子君 ありがとうございました。  DV防止法においては、全国に相談窓口が拡充されたりというふうなことはあるものの、子供の救済や支援についての規定はありません。子供は忘れられた被害者だというふうに言われております。  二〇〇四年の児童虐待防止法の改正によって、DVを目の前で見る、目撃することも心理的虐待に値するんだというふうに言われておりますので、是非DVとの連携、お願いしていきたいと思います。  最後に、学校での児童虐待の予防、発見の重要性について文科省にお伺いをしていきます。  学校は、必ず就学時の児童は通います、必ず行きます。そこでの早期発見につなげるという対応策が重要になってくると思います。資料四にお示しをしましたとおり、学校での早期発見と適切な初期対応の推進ということで、教職員への研修の強化、校医との連携強化などを含め、あらゆる施策を講じていただきたいというふうに思っているわけですが、スクールソーシャルワーカーですね、これについても、子供の貧困対策の関連で先日も、済みません、中村政務官、同じ質問をしましたけれども、今中学校区に一人という配置になっています。中学校区です。中学校十五から十六ある校区にたった一人しかスクールソーシャルワーカー配置されていません。その人は、ここの資料にもあるとおり、虐待だけではなく貧困から何から全部見るわけですよ。  子供が通ってきていて、その子を見て、何かあるかなと気付いてあげるということなんですが、そういうことの配置をやはりもっと数を多くして、変化に気付いてあげれる人を、大人で寄り添える人を増やしていかなければいけないというふうに思いますが、御見解をお願いします。
  182. 中村裕之

    ○大臣政務官(中村裕之君) お答え申し上げます。  学校において、児童虐待を含めた様々な課題を抱える児童生徒に対して、心理の専門家であるスクールカウンセラーや福祉の専門家であるスクールソーシャルワーカー等の教職員が連携、協力をして個別の児童生徒の状況を把握してチームで支援を行うことが重要であるというふうに考えておりまして、この認識の下で、文部科学省では、スクールカウンセラーを全公立小中学校に、スクールソーシャルワーカーを全中学校区に配置する経費を本年度の予算で計上したところであります。  ですから、本年度から拡充をしたということでありまして、その配置は各自治体の方に委ねられているところでありますけれども、こうした配置を促進をして、全中学校区ですから、中学校一つに小学校が二、三校というのが通常のケースでありますので、そうした中で、このスクールソーシャルワーカーの皆さんによく把握していただけるように、取り組んでいただくように積極的に働きかけてまいります。  手引や研修教材を周知徹底を図って、学校における児童虐待対応の研修を一層推進し、チームとしての教育相談体制の充実を図ってまいる所存であります。
  183. 矢田わか子

    ○矢田わか子君 ありがとうございます。  先般行われました学校、教育委員会の緊急点検フォローアップでは、二週間不登校の児童が十八万人いらっしゃるということで、そのうち千九百九十九人がまだ各種の緊急、継続対応が必要だと出ていました。  それに加えて、ほかにも多くの、未就学児の把握、乳幼児の定期健診を受けていない子供の確認作業など、進められていると思います。これも数字がそれぞれ上がっていて、これ六月七日までに、法案の審議中にできれば出してもらわなくちゃいけない案件、六月七日までに出すという政府はお約束しているわけです。一昨日も足立委員が要望しています。是非早期に結果を出していただきたいということを御要望申し上げて、私の質問とします。  ありがとうございました。
  184. 伊藤孝恵

    ○伊藤孝恵君 国民民主党・新緑風会の伊藤孝恵です。本会議に続き質問の機会をいただき、ありがとうございます。  衆議院におきまして、与野党の先生方の御努力の下、この修正案が全会一致をもって整えられた、そのことは大変意義深いことであり、心からの敬意をささげるところであります。  まず冒頭、修正案提出者に伺います。  この修正の意義、修正したことによって児童虐待防止対策をどんな面で更に進めていけるようになったのか、具体的に教えてください。
  185. 岡本充功

    ○衆議院議員(岡本充功君) ありがとうございます。  一点目は、児童福祉司の数の基準を定めたということで、勘案すべき事項を法律上明確にする観点から、児童福祉司の数の基準に関する政令は、各児童相談所の管轄区域内の人口、児童虐待に係る相談に応じた件数等、条件を総合的に勘案して定めることというふうになりました。  また、児童福祉司の数の基準については、児童虐待に係る相談に応ずる件数が過重なものとならないよう、必要な見直しが行われるものとする旨の規定を追加をしておりまして、先ほども御答弁をさせていただきましたけれども、今後の児童虐待件数の増加によっては、政府が昨年示した数より更なる増員が図られていくものだと考えております。  また、二点目は、児童虐待を受けた児童が転居をした場合においても切れ目のない対応が行われるよう、転居前の児童相談所の所長は転居先の児童相談所の所長に対して速やかに必要な情報の提供を行うとともに、転居先の児童相談所の所長は要対協が速やかに当該情報の交換を行うことができるための措置その他の緊密な連携を図るための必要な措置を講ずるものというふうな修正を加えました。  結果として、施設入所等の措置の解除に当たり、指導の効果、再発予防の措置について見込まれる効果等を勘案しなければならないとあるところ、これらの勘案要件に加えて、児童の家庭の環境ですね、児童の家庭環境を勘案事項として法律に明記しました。  私としましては、この明記によって、実質的に、児童が転居をする前に、つまり児童の家庭環境が変わるということの一つにやはり転居があるわけですから、転居をする前にあっては児童に対する措置解除がより慎重になる。したがって、家庭環境が変わるということを前提にして措置解除の適否を考えるわけでありますから、こうした転居前の駆け込み若しくは安易な措置解除が行われなくなると。そして、児童の要対協における情報が共有されるまでの間、児童の転居時の措置解除が制限される。つまり、転居した後も、要対協が開かれる、月に一回程度開かれるわけですから、次の要対協が開かれるまでの間はこうした措置が続くことになります。そういう意味で、こうした措置解除が制限されるという意味でも大変効果がある、そういう修正ができたというふうに考えています。  これから政府が様々定めていく様々な指導の内容、こういったものをしっかり注視しながら、この法案の趣旨が生かされているかどうかを国会でも是非皆さんチェックをしていただきたいと思います。
  186. 伊藤孝恵

    ○伊藤孝恵君 大変御尽力いただいたことよく分かったんですけれども、でも、やっぱり児童福祉司の増員について、なぜこの法案上、法文上明記することは許されなかったのかというところは本会議でもお伺いいたしました。児童福祉司の数を法制化して増やしていくことに異論はなかったように思うんですけれども、その私の問いに対して総理は、虐待相談件数の増加や複雑化に応じて機動的な対応が必要だから従来から政令において定めているし、与野党修正協議の結果、配置数は盛り込まないことにしたんだと、総合的に勘案して定めることに修正協議の上決まったんだとの、こんなような趣旨をお答えになりました。  総合的に勘案して決めるというふうにだけ書き込むだけでは、勘案した結果、人数は一・一倍が妥当でしたなどと結論付ける、そういう余地を残してしまうと思うんですけれども、これでいいんでしょうか。
  187. 岡本充功

    ○衆議院議員(岡本充功君) 確かに、児童福祉司の具体的な数を法定化しているわけではありません。  その一方で、現行の児童福祉法第十三条第二項では、「児童福祉司の数は、政令で定める基準を標準として都道府県が定めるものとする。」と規定されているのみでして、結果として基準を定めるに当たっての勘案事項は一体何なのかということすら法律に書いていないわけです。  そのため、先ほども申し上げたとおり、今回の修正によって、児童福祉司の数の基準については法律上一定の縛りを掛ける、つまり、勘案すべきものはこういうことなんだということをきちっと書くということができたということは一つの前進だと思っています。  今回の修正は、ただ単に児童福祉司の数の基準の勘案事項を追加するだけでなく、児童虐待に係る相談件数が今後更に増加するような事態に備えて、児童福祉司の数の基準については、児童虐待に係る相談に応ずる件数が過重なものとならないよう、必要な見直しが行われるものとする旨の規定を追加をしておりまして、先ほどお話をしましたように、政府のプランの増員よりも更に増員をされていくと、こういうふうに期待をしているところであります。
  188. 伊藤孝恵

    ○伊藤孝恵君 これも聞いておかなきゃいけないんです。中核市及び特別区における児童相談所の必置義務化についてです。  長年その必要性は指摘されているにもかかわらず、今回の修正案にも結果として盛り込まれておりません。どうして盛り込まないのかというふうに総理に伺ったところ、これは一律に義務化すべきでない等の意見が地方団体から寄せられている、それから与野党協議の結果、この二点をもって理由とされました。この点についてはいかがですか。
  189. 岡本充功

    ○衆議院議員(岡本充功君) 御質問ありがとうございます。  野党共同案については、共同提出をした最初の原案については、児童相談所の一つ一つが余りにも多くの人口をカバーしていることや、最近の児童虐待対応件数の増加を踏まえて、中核市や特別区における児童相談所の必置化をし、そのための国による財政上の必要な措置など支援策を盛り込んでいました。これは、中核市については平成十六年の法改正、そして特別区については平成二十八年の法改正により児童相談所の設置が可能とされ、さらには平成二十八年の法改正によって、附則において、政府は中核市、特別区が児童相談所を設置することができるよう支援措置を行うよう規定されたことを踏まえたものでありました。  現に、当時の法改正、二十八年の法改正では、この法律の施行後、施行は二十九年四月であります、五年を目途として、中核市及び特別区が児童相談所を設置することができるよう、その設置に係る支援その他の必要な措置を講ずることが規定をされたんです。しかしながら、つまり、二十九年から五年後ということは平成でいえば三十四年のことであります、これまでに設置ができるようにしなさい、二十八年の法改正でやったにもかかわらず、残念ながら地方団体から十分な理解が得られていない。負担が大きいということで、こういう声が上がっているのは大変残念です。これまでの政府の取組が一体どうだったのかということが問われるんだろうと思っています。  しかしながら、まだまだ地方が理解を得られていないという現実を見ると、今必置をするというのがなかなか難しい。そんな中で、是非、二十八年の法改正でこう書いているんです、五年後を目途として必要な措置を講ずることが規定されているんですから、是非ここは、政府におかれてはこの法改正の趣旨を踏まえて対応していただけるものだと思っていますし、これらを踏まえて、五年後、この二十八年の法改正から五年後に当たる三十四年の四月には、中核市、特別区に児相が設置をされているように私は期待をしたいと思いますし、是非委員の皆さん方にもこの点についてしっかり注目をしていっていただきたいと思います。
  190. 伊藤孝恵

    ○伊藤孝恵君 残された課題についても今触れていただきました。  そして、先ほどの答弁の中でも転居前後における措置解除の制限期間についても触れていただきましたけれども、これはやっぱり具体的に、例えば一か月とかというのは法定化できなかったのかというのは、私自身は思っております。  しかし、児童虐待を行った保護者に対する再発防止のための支援プログラムも義務化されておりませんし、また、体罰は何か、懲戒権はどういったものかについての国民的議論の必要性など、まだまだ課題は山積していると思います。  岡本先生の、最後、御所見、まだここが足りないんだというところがあればお願いします。
  191. 岡本充功

    ○衆議院議員(岡本充功君) 御質問ありがとうございます。  前回、平成二十八年の法改正の頃、私は衆議院の厚生労働委員会で平成二十八年の五月十八日に質問をしております。このときには、児童虐待の端緒はどういうものがあるのかきちっと整理をして、そしてそれを啓発していく必要性があるんだと訴えたところ、当時の塩崎大臣からは、御指摘のように、的確に実態がどうなっているのかというのを分類分けもきちっとしていくということが大事、必要なデータを更に緻密な分析をしていく、こう答弁しているんです。じゃ、実際に厚生労働省はこれをやったのか、端緒の研究は進んだのか、これまでも私も何遍も聞いてきていますけれども、なかなかこれが進まない。  また、当時、文部科学省に対しても同様に、学校での虐待の端緒をどうやって発見するんだ、こう問うたところ、このときも、理由が不明確な遅刻や欠席が多い、あるいはまた急に増えたといったようなこと、あるいは、保護者において家庭訪問や懇談等のキャンセルが多いといったような、こうした児童生徒の身体や行動、家庭環境の変化について児童虐待を疑うポイント、そうしたものを示して、教職員用の研修教材といたしまして、まとめ、作成をし、各学校に周知をしているところでございますと、こう答えています。でも、結果として、今回、沖縄から千葉に引っ越した十歳の女の子は、学校でこうした虐待の端緒をつかまれずに、結果として亡くなったと。こういう実態を踏まえると、まだまだ様々な課題があると思っています。  委員から御指摘がありました残された課題、例えばこうした端緒をどういうふうにして把握をするのか、そしてまた、これまた私も国会で質問させていただきましたけれども、リスクアセスメント、どういった子供がよりリスクが高いのか、こういったことを調査研究をして、そしてより早期発見に努めていく、こういったことをしっかり社会に周知啓発をしていく、こういったことがなければやはり児童虐待は防止できないというふうに考えています。  そういう意味で、今回の法改正でまだ残されている課題はあります。そういったものをやはりそれぞれの先生方にも是非注視をしていただいて、政府の取組にそれぞれの立場から御指導をいただけると有り難いと思っております。
  192. 伊藤孝恵

    ○伊藤孝恵君 今お伺いしていて、やっぱり課題は上げられているんですよね。課題は上げられているということは、それを一つ一つ消していけるはずです。そういった部分で、我々衆参両院、与野党を超えてこういった本改正にとどまらない取組というのを、傷ついた子供たち、それから失われた命に全員で誓わなければいけないんだろうというふうに思います。ありがとうございました。  続きまして、多胎育児の課題についてお伺いしたいというふうに思います。  お手元の配付資料を御覧ください。昨年一月、三つ子の母親が生後十一か月の次男を床にたたきつけて死亡させた事件に対し、三年六か月の実刑判決が下されたことを報じる新聞記事であります。不妊治療の末に授かり、低体重児で三人が生まれ、実家や夫には頼れず、一人でミルクを一日二十四回、それでも泣き続ける我が子の世話で当然寝られず、次第にうつ状態になっていく様子も併せてつづられております。  私自身も生々しく覚えているんですけれども、特に第一子、初めての子です。この子をうつ伏せ寝させてしまったらもしかして死んでしまうかもしれない、この子の命を守るのは私しかいない、全責任は私が担っているんだと、あの極度の緊張感というのは到底言葉にできないものであります。私もこの方と同じ愛知県で出産をし、育児をしておりましたので、うちは一歳十か月離れておりましたので、それでも二人が同時に夜泣きをしたときとか、交互に夜泣きをするときとか、意識もうろう、今考えれば、あれってもう産後うつの状態なんじゃないかなというような、そういう追い詰められた気持ちも生々しく想像できます。二人なら両手に抱いて右と左のおっぱいを吸わせることできるわけですけれども、三人というのは無理なんですね。しかも、多胎は帝王切開ですから、会陰切開とは訳が違う。母体の回復にすごく時間が掛かるというふうに思います。  しかし、親が子供を傷つけ、命を奪うときに、そこに情状酌量は存在するのかという点、この件に関して署名サイトでは、この母親が残された二人の子育てをしながら罪を償えるようにと執行猶予付きの判決を求める母親擁護派という方たちと、母親への同情と重大な犯罪に対する罰は切り離すべきだと、そういった実刑判決は妥当だとする子供の権利派の意見が真っ向から対立をしております。しかし、両者が願っているのは同じ、虐待に苦しむ子供をなくすことであります。そのためにどちらの声もしっかり聞かなければいけない、その上で我々のできることを探さなければならないというふうに思います。  大臣の御所見、伺います。
  193. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 今の委員のお話のように、平成三十年一月に愛知県豊田市で起きた三つ子のこの御家庭に関する痛ましい事件において、多くの署名が集まっていることは把握をしております。  双子や三つ子などのいわゆる多胎児は、体重が少ない胎児が多いことや、同時に二人以上の妊娠、出産、育児をすることに伴う身体的、精神的な負担の重さや経済的な問題、様々な困難に直面する保護者も少なくなく、今委員からもいろいろお話がありましたが、このような家庭に対する支援は重要だと認識をしております。  厚生労働省としては、双子や三つ子などを持つ家庭への支援について必要な取組を推進していきたいと思います。
  194. 伊藤孝恵

    ○伊藤孝恵君 今日これを伺ったのは、大臣はどっち派ですかと聞きたいわけではなくて、こういった方たちにもっと目を向けていただきたい、こういうことを知っていただきたいという意図で今日お話をしております。  一般社団法人日本多胎支援協会の理事である岐阜県立看護大学の服部教授は、裁判中、母親擁護派の立場から参考人として証言台に立ちました。三つ子の育児の過酷さについて行政などの理解が足りなかったためにお母さんとお父さんがそれぞれ孤立してしまったことが事件の原因ではないか、適切な支援さえあればこの事件は防げたのではないかと述べられています。  今日お配りした配付資料の中でも、このお母さん、出産前に子育ての不安を市に相談したら、双子の育児ガイドブックと多胎育児経験者の会のチラシを渡されただけだったそうです。自宅を訪問してきた保健師に相談すると、子供を一時的に預けられるファミリー・サポート・センターの利用を勧められたが、事前面談に三人の乳児を連れていくことが難しく、利用することはなかった。  これは私もそうだったんですが、こんな説明会に行って、登録をして、かつ事前面談もして、こんな二人を抱えて、そんな何回も何回もお出かけすることすら、そっちの方がストレスだったりするんです。  大臣に伺いたいんですけれども、多胎育児の母親や父親についての調査研究、去年していただいているというふうに思います。親を孤立させないための行政支援の在り方、国ができる取組についてどういったことを考えていただいているのか、御所見を伺います。
  195. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 多胎児は妊娠届出時からの把握が可能でありますが、多胎児の出産や育児に伴う困難を想定した自治体での適切な支援につなげていくために、厚生労働省においては、平成三十年度に多胎児の保健指導に関する調査研究、これを実施いたしました。  その中で、各自治体で取り組まれている好事例を記載した保健師向けのパンフレットや、妊娠、出産、子育てのヒントを記載した保護者向けのリーフレットを作成し、各自治体に対し活用を促しています。  また、妊産婦等が抱える妊娠、出産の悩みなどについて相談支援を行う産前・産後サポート事業、あるいは退院直後の母子に対して心身のケア等を行う産後ケア事業のガイドラインにおいて、多胎児を抱える妊産婦を支援の対象として明確化しております。  また、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を提供する子育て世代包括支援センターの全国展開、さらに、保護者の養育を支援することが特に必要と判断される家庭に対しては、養育に関する相談支援や育児、家事援助を行う養育支援訪問事業などの施策を通じて、多胎児支援の充実を図っております。
  196. 伊藤孝恵

    ○伊藤孝恵君 長々とありがとうございました。  その自治体職員向けのパンフレット、保護者向けのリーフレット、まあ配りますよという文書を発出していただいたと思うんですが、もう一歩踏み込んでいただきたいというふうに思います。  例えば、東京都荒川区とか佐賀県というのはタクシー料金の一部負担をしていたり、ホームヘルパーの派遣を大津市がしていたり、ファミサポ事業の無償化というのもあると思うんですね。ただ、これ財政措置伴いますので、国が予算も付けずにやってくださいってもちろん自治体には言えないと思うんですけれども、財政措置を伴わない、お金が掛からない、そういう支援だってあると思うんです。例えば、さっきのファミサポ、それからシルバー人材センターなんかに手続行くときに、簡略化、若しくは自治体職員が家に来てくれても、訪問して手続をしてくださってもいいと思うんですよね。  もちろん、保育園の入園に対する優遇措置とか、今日も何かネットのニュースになっていましたけれども、電車の優先席に子供を座っていいのか悪いのかみたいな論争ありましたけれども、いいんだと子供のマークを付けていただく。スーパーも、止める優先のところに、それ子供を持ったお母さんも止めていいんだというふうに言っていただく。そういうことをすぐ検討するように、大臣、もう一歩踏み込んでそういう文書を発出していただけませんでしょうか。
  197. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 私、先ほど、様々な支援措置をやっているということを申し上げました。  今後、さらに、多胎児がいる家庭の支援策について、これ調査研究やっていますから、その調査研究の結果を踏まえて、それぞれの特性に応じた必要な取組を進めていきたいと思います。
  198. 伊藤孝恵

    ○伊藤孝恵君 ただ、大臣、調査研究はしていただいているというふうにおっしゃいましたけれども、単胎と多胎家庭の児童虐待発生率の違いとかその理由というのは国は把握していないんです。そういうアプローチで調査はしていないんです。  ただ、大阪市立大学の横山教授によりますと、横山教授は、一歳半健診の母子おおよそ一万八千組と児童虐待相談を分析した結果、多胎家庭の虐待発生率は単胎より一三ポイント以上高い一六・四六%。多胎は低体重で生まれる子が多い、大臣もさっきおっしゃっていましたけれども、おっぱい吸う力が弱いんですよね。そうすると、授乳時間が長くなりますし、長く寝ないんです、誰かが泣いたら起きちゃいますから。そうすると、お母さんの睡眠時間も短くなってしまうと。  そういうようなことで、今後、不妊治療によってこういった多胎の出生割合も高まる、そういうふうに思うときに、この児童虐待防止は親へのアプローチも鍵だということは、これはもう周知の共通した認識だと思います。その発生の背景を捉えて個別支援をしていかないといけないんじゃないかなというふうに思うんですね。  行政の対応、国の更なる支援が求められる中、大臣、この多胎家庭の虐待発生率、調査研究、こちらのアプローチでも是非していただきたいというふうに思うんですが、検討いただけませんか。
  199. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 平成二十九年度の調査研究事業において、多胎育児家庭の虐待リスク等に関する調査を実施しております。本調査によると、年間の出生児全体のうちの二・〇%が多胎児であるとされております。  これに比べて、平成三十年度調査研究事業において実施した児童相談所の実態調査では、調査期間中に児童相談所が受理した虐待相談のうち、被虐待児の生育歴等の状況のうち一・〇%が双子でありました。  平成三十年に社会保障審議会の下の専門委員会において実施したこれまでの死亡事例検証においては、虐待により死亡した子供の生育歴について、検証対象の二・一%が多胎であるといった結果がありまして、一概に割合が多いとまでは言えないと認識しております。
  200. 伊藤孝恵

    ○伊藤孝恵君 調査研究をしたにもかかわらず、その支援策が、じゃ、手薄ということは、そっちの方が問題だと思います。もししっかり調査をしてもう分かっているというのであれば、その支援策、具体的な支援策を考えていただきたいというふうに思います。  次に、児童虐待受刑者の仮釈放後のフォロー体制についてお伺いしたいというふうに思います。  この母親が、残された二人の子育てをしながら罪を償えるようにと訴えた三万人以上の方は、恐らく、生まれてからの数年間に母親の存在を感じることは、たとえ記憶に直接残らなくても残された二人の子供の愛着形成において非常に大切なことだと知っているからこそのアクションだというふうに思います。現在、この事件に関しては控訴中とのことですが、どのような形であれ、この方が罪を償っていく人生の中で、保護観察官や保護司の方に力を貸していただかなければなりません。  今日は、法務大臣政務官に来ていただいております。  児童虐待による受刑者が仮釈放の後に保護観察に付された際、保護観察官にはもちろん専門性が担保されているんでしょうけれども、実際に月に二回程度会うのは地域のボランティアである保護司の方々です。住所により割り振られるため、例えば、若くして母になって育児ノイローゼで、貧しさの中でそういった罪を犯してしまった、そのような母親が、一方、地元の名士で、育児経験のない男性の大先輩が引き受けてくださって、けしからぬと説教するような、もうお互いにとって不幸なことが実際に起こっているというふうに聞きます。  政務官の保護司制度の課題感についてお伺いしたいというふうに思います。
  201. 門山宏哲

    ○大臣政務官(門山宏哲君) お答えいたします。  保護観察対象者に対する指導や支援については、犯罪者の処遇に専門性を有する保護観察官と地域のボランティアである保護司が協働して実施しているところでございます。  そして、この事件を担当する保護司の選定に当たりましては、委員が御指摘のように、保護司が地域事情に詳しいことや面接がしやすいことなどを踏まえ、保護観察対象者と保護司、それぞれの住居の近さを考慮しているのは事実でございます。  ただし、この担当保護司の選定に当たっては、保護観察対象者の特性等に留意しつつ、個々の保護司の経験や人柄、過去に同種の事件を担当した経験があるか否かなども総合的に考慮しているところでございます。  今後とも、これらを勘案して適切な担当保護司の指名に努めてまいる所存でございます。
  202. 伊藤孝恵

    ○伊藤孝恵君 昨今は、保護司の高齢化、平均年齢は今六十五歳ぐらいだというふうなこと聞いておりますけれども、なり手不足の課題が顕在化しております。法務省も、二〇一六年時点で今後十年で半減することを認めていらっしゃいます。専門性を担保しろとかスペックを考慮してなんというのは到底言えない状態であることが今現実です。非常勤の国家公務員である保護司の方は全国に今四万七千人いらっしゃるそうですけれども、本来なら五万二千五百人必要だそうです。五千五百人ショートしている状態です。  なり手不足の要因は、元々、精神力、忍耐力、そういった志だけではなかなか、無給のボランティアですから、それに加えて責任も重大で、そして守秘義務なんかの厳しさも始め、守らなきゃいけないことがいっぱいあるわけですね。保護司になると、しかも全部全部全部自分で担わなければいけないので、じゃ、有給にというふうに言う方もいらっしゃいますけれども、有給でやっていただけるような、そんなものじゃないんですよね。そういった部分で、法務省の人権擁護機関が行う啓発活動十七の類型のうち、刑を終えて出所した人に対する偏見や差別をなくそうというものもありますけれども、保護司は本当に、やるの本当に大変なお仕事なんです。  でも、受刑者を受け入れる協力会社というのもたくさんあって、私、今ここに「Chance!!」という雑誌があります。絶対にやり直すという覚悟のある人とそれを応援する企業のための求人誌というので、この夏号には二十六社掲載をされております。こういった協力会社の方、それから、この認定NPO法人育て上げネットなんか、こういったNPO法人の方たちも、保護司として全責任を自分は取ることはできないけれども、でも、細かな仕事を会社の従業員も一緒に担っていただけるのであれば組織で対応する、法人として担えるのであればすぐにでもできるのにというようなことをおっしゃっております。  保護司法、更生保護事業法を改正しないといけないと思いますので、今軽々に政務官がおっしゃることはできないかもしれませんけれども、法人保護司という仕組みをつくってはどうか、認めてはどうかと。そのくらいまでして、たくさんの場所からたくさんの支援を集める仕組みを早急に構築しなければ、この保護司というのが足りない、こういった方々を受け入れる大切な大切な方々の力が結集できない、そう思いますが、最後に、政務官、御所見お伺いします。
  203. 門山宏哲

    ○大臣政務官(門山宏哲君) お答えいたします。  適切な保護観察の実施のためには、十分な数の保護司を確保する必要があります。ところが、委員も御指摘のとおり、最近保護司の数は減少しており、将来に向かって保護司を安定的に確保していくことが重要な課題であると認識しているところでございます。  そこで、法務省におきましては、保護司の安定的確保のために、保護司候補者検討協議会や保護司活動の拠点である更生保護サポートセンターの設置等を進めているところでございます。同センターは、保護観察対象者等の面接場所として活用されるなど、保護司のなり手を確保する上で重要な役割を果たしており、令和元年度予算では全ての保護司会八百八十六か所に設置するための経費を計上したところでございます。  今後とも、保護観察所による保護司に対する支援等を通じて、保護司の安定的確保に向けた取組を推進してまいる所存です。
  204. 伊藤孝恵

    ○伊藤孝恵君 保護司を確保するには、抜本的なそういった改正も必要だと思うんです。是非、法人保護司、保護司法人、御検討いただきますようお願い申し上げ、質問を終わらせていただきます。
  205. 宮崎勝

    ○宮崎勝君 公明党の宮崎勝です。  私は、まずDV対策との連携強化についてお伺いをしたいと思っております。  児童虐待の防止対策につきましては、早期発見、また発生の予防ということが大きな課題の一つになってございます。この点につきまして、本改正案ではDV対策との連携強化を掲げまして、児童相談所と婦人相談所及び配偶者暴力相談支援センターとの連携協力について努めるということが規定をされているところでございます。本委員会で他の委員の皆様からもDVと児童虐待の連携の在り方について質問がございましたけれども、私は婦人相談所等の体制強化の観点から質問をさせていただきたいと思っております。  私がメンバーに加えていただいております与党の性犯罪・性暴力被害者の支援体制充実に関するプロジェクトチームというものがございますけれども、上川陽子先生が座長で、山本香苗理事が座長代理という体制でございますけれども、同プロジェクトチームといたしまして、今年の四月に根本厚生労働大臣に対しまして、婦人保護事業の運用面における見直しについてというものを要望させていただきました。この要望の中でも、婦人相談所等と児童相談所との連携強化という一項目を掲げまして、婦人相談員等は市町村に設置された要保護児童対策地域協議会のメンバーに加わるなど、日常から顔の見える関係を構築することということを提案をさせていただいているところでございます。  そこで、浜谷局長にお伺いしたいと思いますけれども、児童相談所と婦人保護所、配偶者暴力相談支援センターとの連携強化の具体的なイメージについてまず御説明をいただきたいということと、その一環として、今の提言でございました、この婦人相談員等が要対協のメンバーに加わるべきだというふうに考えておりますけれども、その御見解を伺いたいと思います。
  206. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  御指摘のとおり、本法案におきましては、DV対策との連携強化のために、婦人相談所及び配偶者暴力相談支援センターの職員については児童虐待の早期発見に努める、児童相談所はDV被害者の保護のために配偶者暴力相談支援センターと連携協力をするよう努める、こういった規定を盛り込んでおります。  また、この三月の関係閣僚会議決定におきましては、DV対応と児童虐待対応との連携強化を図るために具体的な内容を決定しております。  一つは、DVと児童虐待の特性、関連性に関する理解を促進し、DV対応を行う機関と児童虐待への対応を行う機関のそれぞれの情報を包括的にアセスメントするリスク判断の手法、あるいは各機関の連携を含めた適切な対応の在り方についてガイドラインを策定すること、二つ目といたしましては、婦人相談所に、DV被害者に同伴する子供の支援の充実を図るために児童相談所等の関係機関と連携するコーディネーターを配置すること、それから三つ目でございますけれども、同伴児童も含めまして適切な環境において保護することができるよう心理的ケアや個別対応を含めた体制整備を促進すること、こういったことを盛り込んでおります。  こういった決定も踏まえまして、婦人相談所と児童相談所が緊密に連携を図ることで適切な支援を行う、これが基本でございます。  また、今先生から御指摘がありましたとおり、婦人相談員等の要保護児童対策地域協議会への参加については与党PTから提言をいただいております。  まず、市区の婦人相談員の参加の前提といたしまして、まず市区の婦人相談員の配置率がまだ四割にとどまっている現状がございます。そういう意味では、婦人相談員がまずはその要対協に参加できるように、婦人相談員が置かれていない自治体における配偶者暴力相談支援センターあるいは福祉事務所などの機関への配置が広がるように取り組むことが必要と考えております。  あわせまして、婦人相談員が置かれている配偶者暴力相談支援センター等の関係機関が要保護児童対策地域協議会に参加していただくよう、これは自治体に働きかけをしていきたいと思いますし、婦人相談員を含めましたDV対応機関の要保護児童対策地域協議会への参加状況についても実態も把握してまいりたいと考えております。
  207. 宮崎勝

    ○宮崎勝君 ありがとうございます。  今局長からも御指摘がありましたけれども、DV対策との連携を強化するには、婦人相談員の増員とか処遇改善ということで、それを通して婦人相談所の体制強化が必要だと思っております。  児童虐待防止対策に関する関係閣僚会議が今年三月にまとめた児童虐待防止対策の抜本的強化についてでは、DV対応と児童虐待対応との連携強化の一つとして、婦人相談員のいない市区において婦人相談員の配置を促進する方針が示されているところでございます。  この婦人相談員の増員は重要でありまして、しっかりと進めていただきたいというふうに思いますけれども、それと同時に、婦人相談員の多くは非常勤ということで、雇い止めに遭ったり、短期契約であったりとか、不安定な雇用形態で働く人が大半を占めているというふうに聞いております。  そこで、まず婦人相談員の在職年数について、都道府県、市区、それぞれ確認をしたいと思います。
  208. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  婦人相談員の配置状況でございますけれども、まず全体で、平成二十九年四月一日現在で、都道府県に四百六十六人、市区に九百八十一人、合計で千四百四十七人となっております。  御指摘の婦人相談員の在職年数でございますけれども、まず都道府県でございますが、三年未満が四八・九%、三年以上五年未満が一六・五%、五年以上十年未満が一六・五%、十年以上十五年未満が一一・二%、十五年以上二十年未満が五・〇%、二十年以上が一・九%ということで、必ずしも長くない状況でございます。また、市区におきましては、三年未満が四七・〇%、三年以上五年未満が二三・七%、五年以上十年未満が二〇・八%、十年以上十五年未満が六・一%、十五年以上二十年未満が一・七%、二十年以上が〇・七%となっております。
  209. 宮崎勝

    ○宮崎勝君 今御紹介ありましたとおり、在職三年未満の方が都道府県でも市でも半数近くを占めているということでございます。それで、全体の八割が非常勤というふうにも聞いておりますので、婦人相談員という仕事の性格から、やっぱり経験を重ねることが必要不可欠というふうに考えております。  そのような意味で、現在のような不安定な雇用形態を改めて、継続雇用ができるようにすべきだと思いますけれども、御見解を伺いたいと思います。
  210. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  DV被害など、女性を取り巻く様々な問題は年々増加しておりますとともに、深刻化もしております。そうしたことから、婦人相談員につきましては、高い専門性と切れ目のない継続的な相談支援を行うことが必要と思います。  こうした実態を踏まえまして、厚生労働省といたしましては、この三月一日の全国会議におきまして、まず一つ目といたしましては、婦人相談員の勤務実態や業務内容等を踏まえ、婦人相談員の専門性にふさわしい処遇改善や配置の拡充につきまして適切に検討していただきますよう自治体にお願いしますとともに、また、能力のある婦人相談員が理由なく雇い止めがされることがないように継続的な雇用に配慮する、この点についても地方公共団体にお願いしたところでございます。  引き続き、地方公共団体に対しまして、婦人相談員の適切な雇用等につきまして検討していただけるよう、働きかけ、お願いをしてまいりたいと思います。
  211. 宮崎勝

    ○宮崎勝君 是非しっかり進めていただきたいと思います。  もう一つ、婦人相談員の方の研修を通した処遇改善について伺いたいと思います。  政府は、婦人相談員活動強化事業として、平成二十九年度と三十年度に手当額を引き上げたことは評価をしたいと思います。しかし、手当額の引上げには国や地方公共団体などが行っている研修の受講が要件になっているわけですけれども、研修は年一回しかないというふうに聞いていますけれども、あと、現場では人手不足のために研修に行かせることもままならないという現状があるというふうに伺っているところであります。  婦人相談員の専門性を高めるためには、研修を体系化して参加を義務付けるなど、処遇改善のための方策を更に進めるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
  212. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  まず、婦人相談員に対する研修、先ほどの専門性等の観点から、研修は極めて重要と認識しております。  平成二十八年度におきまして、婦人相談員のほか、婦人相談所や婦人保護施設職員等も対象といたしました婦人保護事業研修体系に関する調査研究、こういった調査研究を実施いたしました。その結果を地方自治体にお示しをして、研修の企画等に活用していただくようお願いをしております。  御指摘の研修参加の義務付けでございますけれども、地方自治体等が行います研修内容あるいは実施体制、婦人相談員の参加状況等も踏まえながら、実態を見ながら義務付けの可否については検討することが必要と考えておりますけれども、いずれにいたしましても、まずはその婦人相談員が研修に参加しやすい方策、環境づくりについて検討する必要があると考えております。  また、処遇改善につきまして、御指摘のとおり、平成二十九年度に引き続きまして、平成三十年度予算におきまして、一定の研修を修了された方につきましては国庫補助基準額を月額最大十九万千八百円に拡充いたしました。今年度につきましては、国庫補助基準額の引上げによる効果について、実際にどの程度手当額の増につながったかなどに関しまして実態調査を行う予定でございまして、あわせまして、婦人相談員の研修の実施状況、受講状況なども把握して、その結果に基づいて必要な対応について検討していきたいと思います。
  213. 宮崎勝

    ○宮崎勝君 是非よろしくお願いします。  それから、もう一つの観点でありまして、虐待された児童の一時保護、家庭的養育の推進ということについて伺いたいと思います。  御指摘何度もありましたとおり、児童相談所における児童虐待相談対応件数は増加の一途をたどっておりまして、平成二十九年度では約十三万件を超えたということでございまして、そのうち、一時保護は二万一千件余りになっておるのが現状でございます。  虐待などによって一時保護された子供に対しては、一時保護所や委託一時保護先において適切な環境の下で安心して生活をして学習できる状況を提供することが大切であると考えます。その意味で、量と質の両面で充実を図ることが課題だというふうに認識をしております。  その上で、先ほど紹介した児童虐待防止対策の抜本的強化についてでは、一時保護所の環境改善、体制強化として、子供の視点に立って、権利が保障され、一時保護を必要とする子供を適切な環境において保護できるよう、里親や児童福祉施設への委託一時保護も含め、一時保護の受皿の適切な整備や確保を進めるというふうにしているところでございます。  まず、委託一時保護先を含めた一時保護の受皿の現状について説明をいただきたいと思います。
  214. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  まず、一時保護の現状でございますけれども、平成三十年の四月一日現在で、一時保護所数は百三十六か所、定員は三千三十四人でございます。また、平成二十九年度における児童虐待や非行、傷害なども含めました一時保護件数でございますけれども、四万千七百二十八件でございます。このうち、一時保護所で保護した件数は二万四千六百八十件、五九・一%、それから、委託一時保護された件数でございますけれども、これは一万七千四十八件、四〇・九%となっております。年齢や一時保護を要する背景など、個々の子供の状況にも配慮しながら、里親などへの委託一時保護も積極的に活用していく必要があると考えております。  なお、平成二十九年度における一時保護所の入所率でございますけれども、全国平均では六五・八%ということで、平均的に見るとかなり余裕があるように見えますけれども、実は、都市部を中心にいたしまして入所率が一〇〇%を超えている自治体もございます。例えば、群馬県が一〇六・八%、千葉県では一〇五・七%、東京都では一〇九・一%、名古屋市では一〇七・八%となっております。こういった自治体もございます。  もうそういう意味では、必要な一時保護に対応できる定員設定、あるいは委託の活用等もございますけれども、一時保護所の整備あるいは委託の推進をしていく必要があるというふうに考えております。
  215. 宮崎勝

    ○宮崎勝君 ありがとうございます。  非行も含めてということで、数は多いというふうに思っております。  それから、衆議院の修正におきまして、一時保護する施設や委託一時保護先の量的拡充と一時保護の質的向上に係る方策等に関する検討規定が設けられたところでございます。こうした修正を踏まえて、委託一時保護先の確保を含めた量の拡充と、一時保護先の生活環境の整備や一時保護された子供の教育環境の整備など、質の向上に向けて、厚労省としてどのように取り組んでいくのか、伺いたいと思います。
  216. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  一時保護につきましては、これまでも複数の先生から御指摘をいただいておりまして、大変重要な課題であるというふうに考えております。  まず、現状でございますけれども、一時保護につきましては、必要な一時保護に対応できるような定員設定を行い、一時保護所を整備するということ、それから、里親、児童福祉施設、医療機関等に対する委託一時保護の活用等により適切な支援を確保する、こういったことをまず都道府県等に周知をいたしております。  また、予算面でいいますと、今年度予算におきましては、これも何度か御答弁申し上げておりますけれども、特に個室的環境の整備、個室整備あるいは生活空間の小規模化、生活空間の構造上の分離、個室対応のためのスペース、要はプライバシーが守られるための整備に関して補助単価を加算するといった措置を講じております。  また、一時保護を実施するための専用施設に対する補助も行っておりますし、先ほど来、学校に通える、元いた学校に通えるというお話がございますけれども、一時保護所等から子供が通学する場合の付添い員の配置に対する補助などを実施しております。  それから、先生から御指摘もございましたけれども、関係閣僚会議決定もございますし、衆議院での修正により追加されました改正法附則第七条におきまして、一時保護施設と職員の量的拡充と質的向上に係る方策を検討し、必要な措置を講ずることとされておりますので、この趣旨も踏まえまして、具体的な内容につきましては、一時保護所等の現場の実情も踏まえた上で、今後、具体的な内容についてしっかり検討していきたいと思います。
  217. 宮崎勝

    ○宮崎勝君 ありがとうございます。  それで、次に、一時保護における里親の役割ということについてちょっと伺いたいと思います。  子供を一時保護した場合は一時保護所を利用することが原則となりますけれども、様々な理由で里親が引き受けることもございます。また、乳児等も里親に委託するケースがあると思いますけれども、子供の環境への配慮にとどまらず、大都市では一時保護所の定員超えも聞かれる中で、里親の果たす役割というのは非常に大きくなってきていると思っております。  そういった観点から、一時保護において里親に期待されている役割とその重要性についてまず確認をさせていただきたいと思います。
  218. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  まず、一時保護でございますけれども、安全確保の場であるということがまず前提であるわけでありますけれども、これは代替養育の性格も有しますので、家庭における養育環境と同様の環境、できる限り良好な家庭的環境にあることが望ましいと考えております。そういった意味では、里親は代替的な養育環境の最たるものでございますので、そういった位置付け、非常に重要な場だというふうに位置付けております。  また、可能な場合には、その地域での生活を可能な限り保障するという観点から、先ほど来申し上げておりますとおり、できる限り元いた原籍の学校への通学が可能となるということが望ましいと考えておりまして、そういう観点からも、そこに通学が可能となるような里親家庭等への一時保護を委託することが望ましいものというふうに考えております。  里親におきましては、こうした家庭における養育環境と同様の環境で一時保護を受託して生活面のケアに当たっていただくということを期待しているということでございます。
  219. 宮崎勝

    ○宮崎勝君 それで、その里親についてでございますけれども、平成二十八年の児童福祉法改正によりまして、子供を家庭で養育するという理念が明確にされたところであります。また、平成二十九年八月の新たな社会的養育の在り方に関する検討会におきまして、新しい社会的養育ビジョンが取りまとめられました。  このビジョンにおきましては、愛着形成に最も重要な時期である三歳未満についてはおおむね五年以内に、それ以外の就学前の子供についてはおおむね七年以内に里親委託率七五%以上を実現をすると。また、学童期以降についてはおおむね十年以内を目途に里親委託率五〇%以上を実現するなどの新しい目標が定められたところであります。この目標を達成するためには、里親の開拓を強力に進めていかなければ達成できないと考えます。  その観点から、里親手当など、里親家庭に対する経済的支援について伺いたいと思います。  平成二十九年度には里親手当が引き上げられまして、養育里親は月額七万二千円から八万六千円、専門里親は十二万三千円から十三万七千円と引上げとなりました。増額は評価をいたしますけれども、これについて、二人の里子を預かった場合は、二人目については四万三千円減額をされております。これに対する、何というんでしょうか、疑問の声というんでしょうか、あと増額を希望する声というのも伺っているところでございます。  里親の方は、手当の多寡、多い少ないではなくて、使命感を持ってやっている方がほとんどだとは思いますけれども、一人目も二人目も子育てに掛かる費用は変わらないのに手当が減額されるのはどうかという声も確かに無視することはできないのかなという思いもございます。  この児童虐待防止対策の抜本的強化についてでは、こうした里親家庭に対して手当の充実などを行い、支援の拡充を図るというふうに明記をしているところでありますけれども、里親手当など、里親への経済的支援をどう今後拡充していくのか、考えを伺いたいと思います。
  220. 浜谷浩樹

    政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  里親への支援につきましては、まず里親手当がございます。また、そのほかに生活費などの子供を養育するための費用の支給もございます。また、里親の一時的な休息等のための援助、あるいは児童養護施設及び乳児院に配置された里親支援専門相談員や児童相談所による相談援助の提供、こういったことなどを始めといたしまして、支援の充実を図ってまいりました。  御指摘の、まず、里親手当が二人目以降半額となっておりますけれども、これの理由でございますけれども、里親手当につきましては、里親が児童養護施設と同様に社会的養護の受皿を担っていることに鑑みて支給しておりまして、委託された子供の生活費以外に必要となる経費などに充てていただくことを想定をいたしております。例えば、児童相談所等との連絡調整に係る旅費、通信費、研修会参加費、里親会会費などを想定しております。この今申し上げたような経費でございますけれども、こうした費用につきましては、委託された子供が二人でありましても単純に二倍の費用が掛かるものではないといったことなども踏まえまして、二人目以降の里親手当を半額に減額しているということでございます。  しかしながらということでございますけれども、今御指摘いただきましたけれども、本年三月に関係閣僚会議で決定された抜本的強化におきましては、里親家庭に対し、一時的に子供を預かるサービスの利用を促進することによる負担軽減や手当の充実などを行い、支援の拡充を図るということが決定されております。  厚労省といたしましては、この関係閣僚会議決定も踏まえ、手当の充実も含め、概算要求に向けてしっかり検討してまいります。
  221. 宮崎勝

    ○宮崎勝君 あともう一点、経済的支援についてですけれども、基本的には、この手当などは実際に受託が正式に決まった後に行われるということでございます。  ただ、里親委託ガイドラインには、里親委託のための調整期間は、施設での面会や外出、外泊などの交流に係る里親側の負担等に配慮して、できるだけ長期にならないよう努め、長い場合でもおおむね二、三か月程度を目安とする、子供の不安感等にも配慮し、子供と里親の両方の気持ちや状況を十分に把握し、交流を進めるとございます。  しかし、里親登録が済んで、里親候補と候補の児童との面会交流の期間は短くても三か月、長い場合は二年など、事情は様々であると伺っています。私の地元の里親会の調査でも、面会回数が五十回前後に及ぶこともありまして、交通費の総額が二十万円とか三十万円とか、そういうふうに上っている人もいらっしゃるということでございます。  現在、国の制度として面会交流での交通費の支援はございませんが、東京都では、平成二十八年度から、里親委託交流事業補助金として委託候補児童との交流に係る経費等の一部を補助しております。施設内での面会や日帰りの外出などには一日千円、養育家庭宅への外泊など宿泊を伴う場合は一日二千三百円が補助されるというふうに伺っております。その他、独自の自治体での補助が、支援があるようにも伺っているところでございます。  そういった意味では、里親登録後から正式委託に至るまでの面会交流の交通費について、国の制度として助成を行うことを検討すべきじゃないかというふうに考えますけれども、どうでしょうか。
  222. 浜谷浩樹

    政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  里親への委託を一層進めていくためには、里親にとって相談しやすく、関係機関と協働ができる環境をつくるなど、委託前段階の支援も含め、支援体制を構築することが重要と考えております。  こういった観点から、都道府県におきまして二〇一九年度中に策定いただく社会的養育推進計画におきましても、里親家庭の相談援助体制の充実を盛り込むよう依頼しております。この際、質の高い里親養育を実現する観点から、委託前の交流支援も含めまして、子供と里親家庭のマッチングなどを行う民間の里親養育包括支援機関、いわゆる民間フォスタリング機関でございますけれども、この活用を促しております。まずは、そういった環境整備、フォスタリング機関による支援というのがまず委託前交流に対する支援としてあるということでございます。  御指摘の点でございますけれども、より一層里親登録を促進する観点からは、御指摘の交流期間中における交通費などの負担軽減についても、これは検討課題というふうに考えておりまして、里親候補者の支援の拡充の中で検討していきたいと思います。
  223. 宮崎勝

    ○宮崎勝君 最後の質問、これ、次、大臣にお伺いをしたいと思います。  家庭的養育を推進する方針の下で里親委託率は年々上昇はしているわけですけれども、平成二十九年度末の時点では一九・七%ということで、新しい社会的養育ビジョンに示されている目標には程遠いのが現状になっております。  里親の開拓など、家庭的養育の推進に向けて、予算拡充はもとより、きめ細かな支援が必要と考えますけれども、根本大臣の御見解を伺いたいと思います。
  224. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 虐待を受けたなどの事情によって親元で暮らせない子供たちもできる限り家庭的な環境で育つ、これが重要だと思います。家庭養育優先の原則も法律に明記されております。  一方で、今委員からお話ありましたように、里親で養育されている子供、これは二割にとどまっておりますので、里親の担い手を増やしていく、これが喫緊の課題であります。  この観点から、都道府県において二〇一九年度中に策定いただく社会的養育推進計画において、里親等委託率の数値目標などや里親確保のための相談支援体制の充実などを盛り込むように依頼をしております。  それで、厚生労働省としては、都道府県のこのような取組を支援する観点から、子供と里親家庭のマッチングなどを行う里親養育包括支援機関の支援業務等のガイドラインを策定いたしました。さらに、予算においてこの支援機関への補助を大幅に拡充いたしました。さらに、昨年十二月の総合強化プランにおいて、各児童相談所に里親養育支援を担当する児童福祉司を配置することといたしました。さらに、児童養護施設などの小規模かつ地域分散化に取り組み、施設で生活する子供たちにも地域の中での家庭的な養育環境を提供していきたいと思います。  このような施策を通じて、家庭養育優先原則の推進に取り組んでいきたいと思います。
  225. 宮崎勝

    ○宮崎勝君 本当にいろいろな里親の方への経済的サポートとかあるんですけれども、ある調査では本当にそれがなかなか知られていないという現状もあるようでございますので、引き続きしっかり周知を進めながら家庭的養育の推進に当たっていただきたいということをお願い申し上げまして、質問を終わらせてもらいます。  ありがとうございました。
  226. 東徹

    ○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。  ちょっと法案の質疑に入る前に、一点だけ。  昨日、朝、NHKのニュース見ておりましたら、根本大臣が朝からニュースに出ておりまして、何かなと思いましたら、働き方改革で、国会議員への説明はオンラインでというふうなことが出ていました。中央省庁で最も多い年間九千回ぐらい議員に説明なんかあるというふうなことで、厚生労働省はそういう議員に対する説明をオンラインでの取組を試験的に始めるというふうな話でありました。  私、これいいなというふうに思いまして、是非協力をさせていただきたいなというふうに思いますし、そういった改革というのは非常に大事なことかなというふうに思っています。本当に、会館まで来ていただいて、その行き帰りだけでも相当な時間を費やしているんだろうなというふうにも思いますし、そういったことで働き方改革がちょっとでも進むのであればいいことだと思いますので、是非協力をさせていただきたいなと思います。  もう一つ質問なんですが、ちょっとこの法案ではないんですけれども、一点確認させていただきたいと思いまして、ちょっと聞かせていただきたいと思います。  それは、六月十二日の朝日新聞の朝刊にですけれども、全国チェーンのアイランド薬局のことなんですが、調剤報酬の不当請求資料を改ざんして返金額を少なくしていたという問題ですけれども、これ、薬局の関係者から厚労省の方に改ざんの告発を行う資料が送られていたということが報道されていましたけれども、一般的には、このような告発を受けたときは厚労省はどのように対応するのか、まずお聞きしたいと思います。
  227. 樽見英樹

    政府参考人(樽見英樹君) お答え申し上げます。  個別事案についてのちょっとコメントは差し控えさせていただきたいと思いますけど、一般的に、調剤報酬の不正請求などに関して情報提供があった場合には、担当の厚生局におきまして必要な情報を速やかに収集し、事実関係の確認を行い、不正が確認されれば個別指導監査など、厳正に対処するということになります。  個別指導に当たりましては、その保険薬局の過去の調剤報酬請求事例に係る調剤録等の関係書類を確認する必要がございますが、担当する厚生局が全てを確認するということは業務上の観点からなかなか難しいという面がございますので、指導対象となった事案の過去分の確認につきましては、調剤報酬の請求期間や請求内容などを厚生局が指定した上で、実際に調剤を行った保険薬局に確認を求めるということにしているところでございます。  ただ、その確認を求めて出てきた内容について、ただ報告を受理するということではなくて、厚生局で内容確認を行いまして、返還金額が少ないと疑われるような場合、あるいは更に確認結果の内容に改ざんが疑われるような情報があった場合には、情報提供者が特定されないように配慮するというところを気を付けながら、その保険薬局に連絡をし、再度確認するということを指導するということをやっております。
  228. 東徹

    ○東徹君 そうしたら、一応確認して個別指導なんかも行っていくということでありますけれども、仮に厚労省が告発を受けていたのに確認もせずアイランド薬局の虚偽の申告どおり返金手続を承諾していたということであれば、これ改ざんを見逃しているということになると思うんですけれども、適正な金額の返還をこれ受けられたのかどうか、お聞きしたいと思います。
  229. 樽見英樹

    政府参考人(樽見英樹君) 恐縮でございます、繰り返しになりますが、個別事案につきましては返還金額を含めましてちょっとコメントは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、実際、その保険薬局の確認結果をもらって、それがやはり返還金額が少ない、あるいは確認結果の内容に改ざんが疑われるというような情報提供があった場合には、その情報提供者が特定されないように配慮をしながら、その薬局に連絡をして再度確認するということをやっているということでございますので、本件もそうしたルールにのっとって対処をしているということでございます。  また、この件につきましては、現在、親会社でございますか、アルフレッサホールディングによる調査が行われているということでございますので、その結果も踏まえまして、関係法令にのっとりまして厳正に対処したいというふうに考えております。
  230. 東徹

    ○東徹君 非常に保険財政厳しい状況なわけですから、こういったことは徹底して、改ざんということであれば返金をしてもらうべきだというふうなことを言わせていただきたいと思います。  今回の法案の方に入らせていただきますけれども、今年一月の千葉県野田市の事案を受けて、二月に、児童相談所において在宅指導をしている虐待ケースの緊急安全確認、これが行われたわけでありますけれども、前回もこのことで質問させていただきましたが、四月二十六日に一回目のフォローアップ結果が発表されていますけれども、そこでは、継続対応が必要な児童が四百三十八人いるということとされていました。このうち十五人は所在不明ということで、どこ行っているか分からないということですよね。さらに、四百十二人は後日面接予定という答弁をされていただいていましたけれども、後日面接予定だけでは、これいつになるのかなと、本当に大丈夫なのかと、しかも四百十八人もおられるわけですから、その子の安全が本当これ一刻も争うんじゃないかと、こう思ったりするわけです。  子供の命の保護を考えれば一刻も早く面接を行って安全確認をするべきというふうに思いますけれども、いつまでに全ての子供たちの安全確認をするのか、お伺いしたいと思います。
  231. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  御指摘のとおり、今回実施した緊急安全確認におきましては、早期に面接等により子供の安全確認を行うことが重要でございます。そういう意味では、この四百三十八人につきまして、面接予定とございますけれども、できる限り早期に面接等により安全確認をしっかりしていただくということが重要だと考えております。  厚労省といたしましては、次のフォローアップということで、四月九日から五月三十一日までの状況につきまして六月七日締切りで報告を求めておるところでございまして、その結果につきまして、またまとまり次第速やかに公表させていただきます。
  232. 東徹

    ○東徹君 六月七日締切りでしょう。ということは、もう締め切った後だからもう分かっているんじゃないですか。
  233. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) これ前回も御答弁申し上げましたけれども、締切りは六月七日でございますけれども、これは前回もそうでございますけれども、まず、締切りどおり必ずしも、少し遅延して、締切りどおり出てこない自治体があるということと、あと、数字につきまして、やはりちょっと整合性が取れている、これ本当にこの数字で大丈夫なんだろうかというような精査が必要になっております。  そういう意味では、しっかり回収をし、それで数字的なものが大丈夫かということを確認し、その精査が終わった段階で速やかに公表させていただきたいと思います。
  234. 東徹

    ○東徹君 もうほぼほぼ二か月がたとうとしているわけですから、その四百三十八人、本当に気になると思うんですよね。どういう状況か分からないわけでしょう。後日面接って、そんなのんきなこと言うてていいんですかということですよね。所在不明は、確かにこれはなかなか捜さないと無理だと思うんですけれども、いるのが分かっていてこれ進まないというのは、何でこんな進まないのかなと本当思うんですけど、早く、緊急安全点検だから緊急にやらないといけないことなんじゃないですかね。
  235. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  そういう意味では、私どもといたしましても、自治体におきましてできる限り速やかに安全確認をしていただきたいというふうに思っておりますし、個別の事情で、なぜ今の時点でも確認できていないのかということも含めまして精査をいたします。  まだ数字は当然まとまっておりませんけれども、相当程度の確認ができているものではないかというふうに思っております。  いずれにいたしましても、精査が終了次第、速やかに公表させていただきます。
  236. 東徹

    ○東徹君 この法案審議中にちゃんと数字出てくるんでしょうね、じゃ。
  237. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) そういう意味では、物理的に確定期限でいつまでということを現時点で申し上げるのはなかなか難しいわけでございますけれども、できる限り速やかに公表させていただきたいと思います。
  238. 東徹

    ○東徹君 これは緊急安全確認ということで、これ四月の二十六日に一回目のフォローアップがされているわけですけれども、これ二月ですよね、安全確認が行われたのは。二月からだったらもう四か月たつわけですよね。それでまだ状況が分からないというのは、ちょっとこれ、こんなことじゃ駄目だというふうに思うんですけれどもね。これは、根本大臣からも是非、どうなっているんだということをちょっとせっついていただきたいなというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  前回、ちょっと転居のことでいろいろと話をさせていただきましたけれども、今日も、参考人質疑の中で転居の話もありました。  ちょっとお聞きしたいんですが、児童虐待が疑われる親の転居について、住民票の手続がされた場合、そのことから転居の事実を把握できるというふうにおっしゃっていただいておりましたけれども、実際に転居してから児童相談所が把握するまでタイムラグが生じるとは思うんですけれども、実際にはどの程度のタイムラグが生じるのか、伺いたいと思います。
  239. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  児童相談所が関わっている家庭が転居した場合でございますけれども、前回と同様の内容でございますけれども、市町村等と連携して速やかに転居の事実を把握し、転居先の児童相談所へのケース移管を行うこととなっております。  具体的な、この際、児童相談所がその転居の事実を把握するまでにどの程度の期間を要するか、これは事案により様々でございますので、何といいましょうか、確定的に幾らとか、定量的な日程感といいましょうかを一概にお答えすることはなかなか難しい状況でございます。  ただ、転居に関する情報の共有につきましては、ICTを活用したシステムを使用することによりましてタイムラグをできる限り少なくすることが可能であると思います。  そういう意味では、現在、児童相談所と市町村との情報共有システムの構築について進めておりますけれども、この構築にしっかり取り組んでまいりたいと思います。
  240. 東徹

    ○東徹君 そういう、何か余り把握していないんだなと思いますよね。問題点がやっぱり一つは転居にあるわけでしょう、今までも。転居して、転居先に行って、じゃ、これまでの事例の中で、どれぐらい時間がたっていたとか、一番長かったのがどれぐらいだとか、最短だったらどれぐらいだとか、そんなことも分からないのかなと思うんですよね。何か具体的に、速やかにとかいつもおっしゃっているんですけれども、何かそんな、何か把握していないという状況はちょっと駄目だと思いますけどね。  今日も、全てのそういった虐待の、そういった今までの事案とかそういったものをデータ化して、タイムラグがどれぐらい掛かっているのかとか、やっぱりそういったこともきちっと把握しておかないと、そのためにどういったことを手を打っていくのかとか、やっぱりそういうのが見えてくるわけじゃないですか。それは、そんなことすら答えられない、速やかに速やかにといつも同じことばっかり言うていたんでは駄目ですよ。  もう一点ですけれども、今回も十五人の方が所在不明ですよ、所在不明。これ、所在不明ということは、これ一番危険じゃないですか。ですよね、所在不明になっているというのは。だから、やっぱりこういう所在不明というのは命の危険性があるわけだから、そういったことに一番真っ先にやっぱり取り組んでいくべきだというふうに思うんですけれども。  住居変更、住民票を移していれば、タイムラグがあって、それがどれだけか分かりませんけれども、まあ分かってくるというふうな話でありますが、もしこれ分からなかった場合、住民票を移していなかった場合、こういった場合どうするのかということで、これなかなか難しいとは思うんですけれども、私は、やっぱり子供の命のことを考え、大事だと思っているのが、やっぱり個人情報の保護の問題はあると思うんですけれども、親のスマホの位置情報とかで、今は自分でも携帯電話なくしたら位置情報システムで、どこに落ちているか、なくしているかとか、分かるじゃないですか。そういった位置情報システムなんかも活用して親の居場所をやっぱり確認していくことって、私はこれ子供の命を考えれば大事かなというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
  241. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  今日の午前中の参考人の方からのお話もあったと思いますけれども、児童相談所が関わっている家庭が住民票の転出の手続を行わずに転居した場合の扱いでありますけれども、まずは全国の児童相談所に不明になった子供や保護者の情報がないか照会をいたします。それから、連絡を受けた児童相談所が照会のあった子供につきまして管内市町村へ照会いたします。それから、該当児童を発見した児童相談所は、まず速やかに当該児童の安全確認を行いまして、その結果を転居元の児童相談所に連絡することとしております。このほか、今回の緊急安全確認でもそうですけれども、警察や入国管理局と情報共有、照会して対応するということもございます。  それから、こういった児童相談所間での情報交換等を行ってもなお転出先が不明な場合でございますけれども、これも午前中の参考人の方のお話にもあったと思いますが、保健福祉サービスの申込みとか利用の機会、あるいは幼稚園、義務教育諸学校への就園、就学に関する相談、手続などの機会を通じまして、転出先の自治体におきまして児童虐待の兆しや疑いを発見することが必要だと思っております。  また、医療機関の受診等の機会を通じて民間機関が関わる中で自治体につないでいただくということもあると思いますけれども……(発言する者あり)というのが現状でございまして、それで、親のスマホ、GPSの活用等でございますけれども、なかなか、先生からも御指摘がございましたけれども、個人情報の保護という問題もございますので、なかなかそういった情報を、何といいましょうか、親に義務化するということは現時点では難しいかなというふうに思います。
  242. 東徹

    ○東徹君 でも、子供の命が関わっているケースがやっぱりあるんですよね。だから、今回でも、やっぱり亡くなってからでは遅いじゃないですか、子供が。だからこそ、やっぱりそういった位置情報でも活用してでも子供を発見していくということは、僕は一番大事だというふうに思うんですね。  だから、やっぱりそういったこともやらないから、いつまでたっても児童虐待で死亡というケースがなかなかなくならないんだと思うんですよね。今日の参考人質疑でもそうだと思うんですけれども、まず、やっぱり子供の安全を確保していくということが大事だと思うんです。そこにまずは一番力を入れていくべきだというふうに思うわけですよ。  だから、やっぱりそういう位置情報も考えて、子供の命の安全を守っていくということを私はしていくべきだというふうに思いますので、やっぱりこういったことも検討すべきだというふうに思います。  で、答弁長過ぎ。聞いていることに答えてくれたら結構ですから。そんなだったらもう答弁要りません。  次の質問行かせていただきますけれども、札幌市の事案では、今回、警察と児童相談所の話のやり取りで、うまく情報共有ができていないし、どっちも何か意見がいろいろと違っていたりとかしていました。  児童相談所に寄せられた虐待相談等について、全件警察と情報共有していくこと大事だというふうに思っているわけですけれども、都道府県で情報共有しているところはどれぐらいあるのか、まずお聞きしたいと思います。
  243. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) 児童相談所が対応する事案を全件共有している自治体でございますけれども、平成三十一年一月現在で、児童相談所を設置する六十九自治体中十自治体でございます。
  244. 東徹

    ○東徹君 十自治体ということで、まだまだ情報共有しているところがやっぱり少ないと思うんですね。  そういう情報共有やっぱり考えるべきというふうに思いますけれども、これ、大臣、警察との全件情報共有をやっぱり進めていくべきだというふうに思うわけですが、大臣、いかがでしょうか。
  245. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 全件情報共有については、確かにやっている自治体もありますから、これは、そういう環境がある自治体と警察で情報共有がなされているんだなと思います。  全件共有するということで考えますと、相談の中には、保護者や家族と時間を掛けて信頼関係を醸成しつつ継続指導を行うことが改善につながるケースもある、あるいは、機械的に警察と全件共有することは、警察に相談内容を知られることで保護者、関係機関などが相談を控えるおそれがあるのではないかという指摘もあります。  ただ、全件共有している自治体は、六十九自治体中十自治体、前回調査から六自治体増加しておりますので、このような自治体については、単に機械的な情報共有ということではなくて、警察との人事交流や研修などと併せて連携体制を構築しながら取組を進めているんだろうと思います。  その意味では、様々な意見もまだありますので、ここは先行する自治体での取組を十分に踏まえながら警察との情報共有の在り方について検討していきたいと思いますが、いずれにしても、やはり児童相談所の支援の方針などを警察とも共有しながら方向性を一つにした対応を取ることが大事だと思いますが、全件共有については、先行事例をきちんと共有しながら、分析しながら、その在り方について検討していきたいと思います。
  246. 東徹

    ○東徹君 時間が来てしまいましたのでもう終わりますけれども、大阪府とか高知県とか茨城県、全件共有しているわけですね。そういったところでやっぱりできているわけですから、小さい県でもできているし、大きな県でもできているということで、今日も、参考人質疑の中でも、やっぱり警察との連携とか、警察の中にもやっぱりそういった児童虐待を専門的にやるチームも必要だというふうな話もありましたので、是非検討をしていっていただきたいと思いますし、情報共有をどんどんと進めていっていただきたいなと思いますので、よろしくお願いいたします。  じゃ、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  247. 倉林明子

    ○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。  年金問題のあの金融庁のワーキング・グループの報告書については、受け取らないということにしたとしても、年金に対する国民の不信、不安、これは本当に高まっていますよ。私は、こういう事案通して、やっぱり厚労省の方から是非説明させてくれという要請あってもいいぐらいやと思っているんです。重ねて、野党として求めておりますけれども、年金問題についての集中審議、私からも求めておきたいと思います。  そこで、法案です。  一九八九年採択されました子どもの権利条約、これが日本で効力が発生してから二十五年ということになります。いよいよ体罰禁止の法定化に踏み出すということになったということで、この点では一歩前進だというふうに受け止めております。  そこで、子供に対する体罰の禁止をめぐる世界の動きというのは一体どうなっているのかということを確認したいと思います。  家庭を含むあらゆる体罰の全面禁止が法定化されている、これらの国というのは、現在、何か国になっているでしょうか。
  248. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンが平成三十一年二月七日の自民党と超党派の議連合同勉強会に提出した資料によりますと、体罰を法律で禁止した国の数は五十四となっております。  ただ、これが必ずしもお尋ねの家庭を含むあらゆる体罰の全面禁止かどうかは分かりませんので、そういう意味では、厚労省といたしましてはお尋ねのデータについては把握いたしておりません。
  249. 倉林明子

    ○倉林明子君 確かに、あらゆる体罰を禁止しているのかということでいえば、きちんとつかむということ、とても大事じゃないかなということは指摘をしておきたいと思います。  近年では、スロベニアとかモンテネグロとかリトアニアとかネパール、こういった国々でも足踏み出しているということですので、その中身について、体罰の全面禁止ということで今日は質疑したいと思っているんです。  体罰を全面禁止した国で体罰や虐待が着実に減少する、こういう傾向が見られるということで、これ、資料一枚目のところにお付けしていますのは、日弁連の資料なんです。  これドイツの例ですけれども、親が顔を軽くたたくということが法的に容認されていると、こういうふうに思っていたという人が法改正の前は八三%いらっしゃったと。しかし、これ、法改正後、八年たって二五%まで減っているという。ほかでも、強く殴られたことがある、子供時代の軽い暴力の経験という点でも顕著な減少が見られるわけですね。これ、法的禁止だけじゃなくて啓発も一緒に行った場合に最も効果が高いんだという調査結果が出ているというふうに伺っております。  これ、日本で、家庭内でのしつけと称した体罰とこれらに関する大人の意識とか実態について、調査結果、調査の実態ですよね、やったことあるかどうか、そして中身、つかんでいるものについて、あれば御紹介いただきたい。
  250. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  厚生労働省といたしましては、家庭内での体罰に関する意識調査や実態調査は行っておりませんけれども、先ほどのセーブ・ザ・チルドレンにおきまして子育て中の方などを対象といたしました体罰等に関する意識調査、実態調査を行ったことを承知いたしております。  その結果でございますけれども、例えば、しつけのために子供に体罰をすることに対してどのように考えますかという問いに対しまして、決してすべきではないが四三・三%、ほかに手段がないと思ったときのみすべきであるが三九・三%、必要に応じてすべきであるが一六・三%、積極的にすべきであるが一・二%となっております。また、しつけのために子供をたたくことに対してどのように考えますかという問いに対しましては、決してすべきではないが四〇・〇%、他に手段がないと思ったときのみすべきであるが四三・七%、必要に応じてすべきであるが一五・五%、積極的にすべきであるが〇・九%となっております。
  251. 倉林明子

    ○倉林明子君 そうなんですよね。厚労省としてそういう意識の調査というのを本当はやったことがないということなんだと思うんです。  今御紹介いただいたのは、資料として、ちょうどびったし合いまして、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの資料を添付しております。これ見ていただいたらはっきりするんですけれども、約六割の大人が子供に対する体罰を容認している、そして約七割の子育て中の人が子供をたたく、これ日本の現状だと思うんですけれども。  日本は、体罰の禁止の法定化を国連からも繰り返し求められてきたという経過があります。法律に今度明記するということになったわけですが、この中身で、私、本会議で、なぜ今度の法定化で親権を行う者による体罰に限定しているのかという質問をいたしました。これに対して、総理は、そもそも、親権者以外の者については、民法上の懲戒権を持たないため、従来より体罰を加えることは許されていないと、こういう答弁だったんですね。  そこで、確認したいと思います。親権者以外が行う体罰を禁止する法的根拠というのは一体何なのか、御説明ください。
  252. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  まず、民法第八百二十二条でございますけれども、親権を行う者は、第八百二十条の規定による監護及び教育に必要な範囲でその子を懲戒することができると規定しております。そういう意味では、その親権者にのみ懲戒権がございます。  一方で、親権者以外の者につきましては、民法上、懲戒権がございません。そういう意味では、身体的侵害などによる懲戒を加える法的根拠を元々持っておりませんので、そもそも従来から体罰を加えることが許されていないという解釈でございます。  今回の改正によりまして、親権者についても体罰を加えることによる懲戒が禁止されることとなりますので、親権の有無にかかわらずに体罰が禁止されることとなるということでございます。
  253. 倉林明子

    ○倉林明子君 それがよく分からない。懲戒権を持っているのは親権者のみだと。それ以外の者について、じゃ、体罰を禁止する根拠というのは何かと聞いたんだけど。要は、親権者が持っている懲戒権の行使が体罰なんですか。よく分からないんですよ、それが。
  254. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) 元々、体罰がなぜ許容され得るかと申しますと、民法上の懲戒権の範囲内で、その中に体罰が含まれ得るというのが従来の法務省の解釈であったというふうに理解しております。そういう意味では、懲戒権を根拠にして体罰が行われ得るということだったわけでございます。  その懲戒権を持つのが親権者のみでございますので、そういう意味では、赤の他人に対して何か身体的侵害を行うというのは、元々その権利というものが親権者以外についてはないので、そういう体罰をするための法的根拠が親権者以外には元々ないということでございます。
  255. 倉林明子

    ○倉林明子君 いや、親権者以外でも体罰ってやっているんですよね。暴力振るっているじゃないですか。度々問題になるけれども、同居している交際相手とかが、その同居しているパートナーの子供さんに暴力振るうということあるじゃないですか。そういうことを含めてあらゆる体罰の禁止ということが求められると思うんだけれども。  結局、そういう人たちが行った暴力とかいうことになれば、傷害罪とか強要とか、これに該当するものになるんじゃないのかと、法的根拠はね。そこら辺どうなんですかね、その範囲。懲戒権が体罰イコールかと、ちょっと違うんじゃないかと思うんだけど。
  256. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) どのように説明したらいいかと思いますが、もう一度御説明しますけれども、要は、しつけのために体罰を行う、それは、親、親権者であれば、それはしつけのため、要するに、懲戒権があるので体罰を加え得る法的根拠が今まであったということなんです。それで、それ以外の、例えば同居人の方については元々親権者じゃないので、元々懲戒権がないわけでございますので、元々同居人については体罰を加える法的根拠がないということでございます。
  257. 倉林明子

    ○倉林明子君 そもそも体罰とは何なのかということなんですよね。日本が批准している子どもの権利条約の解釈基準、これ示しているのが国連子どもの権利委員会一般的意見八号ということになると思うんです。これによる体罰の規定というのは、定義はどうなっているでしょうか。簡潔にお願いします。
  258. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) 二〇〇六年の子どもの権利委員会一般的意見第八号の仮訳におきましては、体罰につきまして、どんなに軽いものであっても、有形力が用いられ、かつ、何らかの苦痛又は不快感を引き起こすことを意図した罰と定義しております。
  259. 倉林明子

    ○倉林明子君 子供にとってどうなのかということなんですよね。子どもの権利条約が禁ずる体罰の定義って、今御紹介あったとおり、どんなに軽いものであっても駄目なんですよね。  じゃ、児童虐待防止法、これによる身体的虐待と心理的虐待、これ定義はどうなっていますか。
  260. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) 児童虐待防止法におけますいわゆる身体的虐待につきましては、児童の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある暴行を加えることでございます。いわゆる心理的虐待につきましては、児童に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応、児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力その他の児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うことでございます。
  261. 倉林明子

    ○倉林明子君 要は、親以外でも行う体罰について、刑法及びこの児童虐待防止法によって、親権者以外がやるものについては罰則規定があるということになると思うんですが、子どもの権利条約の体罰等の定義というのは、子供にとってみれば児童虐待防止法の虐待の定義より明らかに広い範囲の定義、規定になっているんじゃないかと言いたいんですよ。  日本の学校での体罰というのは禁止されているんだけれども、何で体罰がなくならないのかと。禁止しているんですよ、既に何年も前に。その背景には、しつけとして体罰を容認するという考えが私は残っているからじゃないかと、これは指摘しないかぬと思うんですね。しつけということでたたいたということがエスカレートして体罰になっていくと、こういう事例というのは発覚した虐待ケースでも非常に多いと思うわけです。  そこでです、しつけと体罰、この違いについて説明を求めたいと思う。
  262. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) まず、しつけでございますけれども、これは監護、教育の目的から、ある規範を内在化させるための行為をいうものと承知をしております。体罰でございますけれども、その範囲に関する考え方につきましては今後ガイドラインを作成することとしておりますけれども、その禁止される本質的な考え方でございますけれども、痛み、苦しみを利用した懲戒によりまして子供の言動を支配しようとすることでございます。そういう意味では、体罰はしつけの具体的な一類型でございます。  なお、今回の法改正による体罰禁止の法制化は、児童の親権者に対しまして、児童のしつけに際して体罰を加えてはならないということとするものでございます。
  263. 倉林明子

    ○倉林明子君 しつけが規範の内在化って、すごく分かりにくいなと思ったんですけれども、しつけというのは、子供が自分をコントロールするという力を付けていくと、そのための養育者の支援、手助け、こういう捉え方するとよく分かると思うんですよね。これは別に私が言ったことじゃなくて、研究者等が定義付けしているんです。体罰は、これはおっしゃったとおりだと思うんですけれども、他者からのコントロールで、力による支配。全然違うものだということをはっきりさせる必要があると思うんです。  日本には、しつけと体罰の混同、これ根強く残っているということが専門家からも指摘されていることだと。だから、しつけと思ってやるということと、体罰に連続していくというその危険を十分啓発もしていく必要があるんだということを言いたいわけです。軽いものであっても体罰が子供の発達に重大な影響を与えると、これは科学的にもエビデンス明らかになってきていると思うわけです。  子供に対するあらゆる体罰は許されない、子供にですよ、懲戒権の行使じゃなくて、子供に対するあらゆる体罰は許されないということであれば、今回の法定化も親権者に限定すべきじゃないんじゃないかなと私は思っているんですけれども、これ大臣に答弁求めているんですが、大丈夫でしょうか。
  264. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 要は、元々、これについては民法の懲戒権というのがあって、そしてしつけと称して体罰が加えられると。こういうことから、今いろいろとやり取りがありましたけど、親権を持たない者は民法上懲戒権を有していないので、そもそも従来から許されておりません。  今回は、親権者の体罰を禁止するということで、あらゆる体罰が許されないことになります。それに、じゃ、民法との、今回の我が方の法律でそこはきちんと体罰禁止になりますから、そこは、民法上の解釈の整理はそこで整理できると思います。  そして、委員がおっしゃられるように、体罰の禁止を法定化することによって、そして一方で周知啓発もしていかなければなりません。やっぱりこれがもう社会的なルールや規範として、社会の大きなルールとして、これは、体罰はしてはいけないんだということを我々はしっかりと周知啓発をしていく必要があると、こう思っております。
  265. 倉林明子

    ○倉林明子君 子供の命を守る責任というのは親だけにあるものじゃないと。改めて、プレッシャーを受けている親に対して、たたかない、どならない、子育て丁寧に学べて相談できると、こういう場も本当に求められているというふうに思うわけです。  同時に、やっぱりその懲戒権の問題を、しつけとして懲戒権があるからと、親権者に規定したんだと、それは親の体罰、懲戒権を理由にしてできる体罰の禁止にはなっているんだけれども、広く子どもの権利条約の観点からいうと、その該当外のところで行われる体罰の禁止にもつながっていかない。  私はやっぱり、懲戒権そのものを、まあ今回見直しを早めにやっていこうということにはなっているんだけれども、懲戒権をなくした後にやっぱり体罰全面的な禁止という方向も見えてくると思うんです。懲戒権をなくすという立場で私は厚労大臣に頑張っていただきたいと思っているんですけれども、その決意をお聞かせいただきたい。
  266. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 体罰は許されないということで、私もしっかり頑張っていきたいと思います。
  267. 倉林明子

    ○倉林明子君 子供を守るために親を孤立させない、そして、いかに相談につなげるのかって極めて大事になると思うし、この続きは引き続きやりたいと思います。  子供にとっての体罰を全面的にどう禁止するのかということでいうと、あらゆる体罰を禁止するという点ではまだ一歩足りないんだということを最後指摘して、終わります。
  268. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。  皆様方にも資料をお配りをさせていただくんですけれども、厚労省の通知におきまして、子供の心理的負担に配慮しました面接の取組につきまして、どういう連携を警察、検察、そして児相が行っていくのかということがうたわれております。これはとても私は大事な通知だと思っております。  何回も何回も同じことを蒸し返したように聞かなくても、しっかりそのバックヤードで、こちらの二枚目にも書いてありますけれども、モニター画面であったりワンウエーミラーを通じましてその面接を観察することができるというものが、既にこの中でも、そのように配慮してくださいねとうたわれております。  しかし、残念なことながら、正式に医者がこのメンバーとして参加できないんではないかというようなお声もいただいております。実際にそういう場面で聞き取ったことというのは、医療的に見たときに、やはりこれは介入すべきだというふうに瞬時に判断をしなければならないケースもあるということなんですけれども、局長、その解釈、どのようになっていらっしゃいますか。
  269. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) 心に深い傷を負った子供の支援に当たりましては、被害児童にとって二次被害とならないように十分配慮するとともに、適切な治療が提供されることが重要と考えております。  このため、厚労省といたしましては、平成二十七年十月に、虐待を受けた子供等の心理的負担の軽減、子供から聞き取る話の内容の信用性の確保のために、児相、警察及び検察が連携を強化して、三機関の代表一名による協同面接を含め、被害児童に対する面接と聴取方法等につきまして三機関で協議するよう都道府県等に通知しております。  今回の法案では、協同面接が必要なケースも含め、医学的知見を踏まえた対応が必要なケースについて適切な対応ができるよう児童相談所に医師を配置することとしておりまして、そのケースの必要に応じて当然医師が参加することも可能でございます。
  270. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  この医師というのは、やはり児童相談所の医師だけではなく、その連携しているような病院の医師ということも私は含めて考えていただきたいと思います。たまたまやはりそこの場に医師がいないということであれば、いつもその連携しているような病院の小児科の医師、若しくはそれ以外、関係するようなドクターに私はここに参画していただきたいと思うんですけれども、大臣、御意見いただけますでしょうか。お願い申し上げます。
  271. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) ケースに応じまして参加は可能と考えております。
  272. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  そのように明確におっしゃっていただきましたので、安心してここに御参画いただけるようになるかと思います。  では、資料二に移らせていただきます。今朝の参考人の中でも、データベースの構築ということは議論の余地があるだろうということ、そしてさらに、そのデータベースを構築するに当たりましてビッグデータをどのような形で集めるのか、それにつきましては財政的な支援でしたり人的支援というものが今後求められますよねという御意見をいただいたところでございますので、そこにつきまして議論をさせていただきたいと思います。  私も様々調べておりまして、オーストラリアの事例などはもうこれすばらしいものができ上がってきております。瞬時のうちに、どのようなお子さんで、どのような形で今までケアを受けてきたか、裁判事例などはどうなっているのか、警察ともどういう形で今まで連携してきたのか、それに関係する人たちは誰なのか、どういう連絡先があるのかまで、全て同じ画面で検索することができるようになっておりますけれども、海外につきましてどのように今厚労省として調査が進んでいるというふうに考えているのか、お願い申し上げます。
  273. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) 児童虐待の対応における関係機関の情報共有システムの整備の状況につきまして、議員御指摘のオーストラリアの事例については私も拝見いたしました。  そういう意味では、オーストラリアの事例は承知しておりますけれども、その他の諸外国の事例、現時点では把握しておりませんが、今後、日本における情報共有システムの構築の参考となるように、諸外国の情報共有システムに関する調査を行うことを検討したいと思います。
  274. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  もう紙ベースであったり電話であったり、メールで見た見ないみたいなことではなく、誰もが見て瞬時に分かるようにしておかなければならないですよね。  それにつきまして、資料二にもお配りをいたしておりますけど、既にこれ研究事業も行われておりますですよね。ということは、今後いろいろなところで情報共有するために、もう既に何が必要なのかということを私は議論をお願いしたいと思います。  そうすることによりまして、先ほども参考人の皆様方からも御意見あったAIの使用、賛否両論はございますけれども、優先順位をどう付けていくのかということにつきましても、ある程度そういうものを使いながら私どもは行っていくことによってスピーディーに判断がすることができるのではないか。そうやって、アセスメントをするにしましてもまだまだ県単位でというところでばらばらだと、こういう状況だと、とてもではないですけれども全国展開というものも考えられませんので、大臣、このようなシステム導入につきましてもいち早く研究を進め、そして現場に落としていただきたいんですけれども、御意見いただけますでしょうか。お願い申し上げます。
  275. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 私も、ICTを活用したシステムを使用する、これは非常に大事だろうし、特にAIの可能性というのは様々な分野に広がっていますから、こういう人工知能等々のものをしっかりと導入してやることが重要だと思います。  まず、児童相談所間で必要な情報共有を行う仕組み、これには、特に支援の対象としている家庭が転居する際に児童相談所間のケースの引継ぎは必要不可欠であります。より効率的に引き継ぐため、ICTを活用したシステムを使用することが考えられます。  その意味で、今年度予算において、同一の都道府県内での児童相談所と市町村の情報の集約や共有を可能とするシステム構築を支援するために必要な費用を計上しております。さらに、このシステムで扱う情報の項目も含めて、標準的な仕様を国が示す予定であります。これによって都道府県などで構築されるシステムの標準化を図っていきたいと思います。  AIの活用については三重県において実際使用してやっておりますので、そういう取組をやっておりますので、このような取組が全国展開できるように、その効果に関する調査研究、これは今年度研究を実施することで今しております。  それから、関係閣僚会議の三月の決定においても、虐待事案に関するデータを収集して、その結果をAIで解析することによって緊急性の判断に資するツールの開発を加速化する、これも閣僚会議の決定でも示しておりますので、これらを踏まえて、訪問の優先順位などを含めて緊急性の判断におけるAIの活用について検討を進めていきたいと思います。
  276. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  三重県につきましては産総研が関わっておりますし、既に科学技術振興機構におきましても児童虐待対応のアプリとサイトというものが試作をされております、いわゆるこそだてタイヘン・ドット・コムというんですけれども。そういう形で様々な省庁がやっぱりもう既に手を着けていらっしゃる。だとすると、厚労省としても連携を私はもっと進めていただきながら、そういった試みというものを一刻も早く実現に向けて進めていただきたいんですけれども、大臣、それは大丈夫でしょうか。各省庁の連携もお願いします。
  277. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 三月の関係閣僚会議でこれを示していますから、これは政府全体で取り組もうということですので、しっかり各省連携して取り組んでいきたいと思います。
  278. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  じゃ、次の課題に移りますけれども、資料三にお配りをいたしております。児童養護施設に日本国籍でないお子さん方が何人入所しているのかということを政府として調査しているのかどうか、局長、教えてください。
  279. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  児童養護施設に入所しております日本国籍でない子供の人数に関する調査は、現時点で行っておりません。
  280. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  そうです、国としてその調査がないということが明確になってきております。  例えば、東京都の児童養護施設におきましては、外国籍の子供が平成二十七年度で五十一名、無国籍の、国籍不明のお子さんが十七名いらっしゃいました。東京の乳児院にも、平成二十九年度、新規入所したお子さんのうち外国籍の親を持つお子さんが五十四名いらっしゃる。ですから、やっぱり様々なところで実は日本人という国籍を持たない両親のお子さんについての問題というものが起こり始めております。  皆様方にお配りしているのが、中部の地域におきまして、これは中日新聞が調査をしたものでございますけれども、日本国籍のない児童が三月一日時点、中部地方と言われるところで八十七名収容されているということなんです。  ここにもうたわれておりますように、これは一時保護は含まれておりませんで、一時保護を含めば更に多い人数の方々がいらっしゃるんではないかということは、やはり言語という問題でしたり文化という問題で、かなり現場では混乱を来しつつあるということが聞こえてまいりました。  やはり私は、しっかりとこの改正入管法、成功させるためにもこういう現実というものを厚労省としても把握すべきだと思いますけれども、大臣、御意見いただけますでしょうか。
  281. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 家庭養育優先原則ということでもう法律に規定しているわけですが、これは、国籍を問わず、我が国で暮らす全ての子供について規定するものであります。  施設に入所している子供の実態を把握することは重要と考えております。御指摘の児童養護施設に入所している日本国籍ではない子供の把握についても、検討していきたいと思います。
  282. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 是非お願いいたします。  これ見ていただいただけでも、様々な言語というものが必要になってまいります。結局、お子さんを家庭にお帰しするというときも、どういうコミュニケーションを取ったらいいのかというところで、もう何か国語も必要になってきたり、その文化を理解するということも必要になってまいりますので、是非、厚労省としても前に進めていただきたいと思います。  それにつきまして、国としても、やはり児童相談所、現場の市町村レベルではこれ対応ができない可能性もございますので、国として必要な支援をお願いしたいと思いますけれども、大臣、御意見いただけますでしょうか。お願い申し上げます。
  283. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 厚生労働省としては、虐待を受けた個別の対応が必要な子供への対応を行う職員や、心理的、医療的なケアが必要な子供に対する専門的ケアを実施する心理療法担当職員あるいは看護師、この配置を促進して、児童養護施設において個別的な対応が必要な子供に対してより適切な対応が可能となるように、必要な支援に取り組んでおります。  さらに、御指摘の児童養護施設に入所している日本国籍ではない子供の把握と併せて、日本国籍ではないがゆえに発生する問題について検討して、更なる支援について考えていきたいと思います。
  284. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 是非お願いをいたします。  せっかく日本にいらしていただいたんだったら、やはり日本の制度の中で、また、私どもで新たな今回法改正を行ったことによって、より良く生活していただけるようになっていただければなと思っております。無国籍だったり国籍が分からないお子さん方もこの中には含まれておりますので、これはまた新たな課題として取り上げていただきたいと思います。そこは私も期待をしながら見せていただきたいと思います。  次の課題に移っていきたいと思います。  資料四にお配りをいたしております。虐待によって心の傷を負うという問題です。  既にこのような形で私ども議論しておりますけれども、もう大人になられて、虐待の傷というもの、いわゆるトラウマを抱えながら社会に出ていらっしゃる皆様方もいらっしゃいます。しかし、これは有名な話で、虐待というものは連鎖をしてまいります。ですから、その連鎖をいかに止めていくのかと、実は大人になった彼らがすごく葛藤している課題なんですね。  ですから、もうこれは児童福祉法改正ということで児童というふうにうたわれておりますけれども、成人後も私は継続してこの支援というものを行っていく必要があるのではないかと思いますけれども、現在行っている施策につきまして、局長、御説明いただけますか。
  285. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) 御指摘の虐待を受けた子供の成人後の支援でございますけれども、児童養護施設等を退所後も支援が行われますように、まず一つといたしましては、児童福祉法上、児童養護施設の役割といたしまして、退所者への自立支援のための援助を位置付けております。また、二十二歳の年度末までの間は、生活相談や就労相談を行う者の配置する場合の支援、これは社会的養護自立支援事業と言っておりますけれども、こういった支援も行っております。  また、経済的な支援といたしましては、十八歳を超えて施設に残ることを希望する方に対しましては、二十二歳までの年度末までの間、生活費などの支援を行う事業、あるいは退所する方に生活費や家賃を貸与いたしまして五年間の就業継続を条件に返済を免除する貸付事業などを行っております。  また、本年三月の関係閣僚会議決定におきましては、十八歳到達後の方を含めまして、児童養護施設を退所した子供等に対しまして、住まいの確保や進学、就職を支援する措置の拡充を図ることを盛り込んでおります。  来年度の概算要求に向けまして、具体的な内容を検討してまいりたいと考えております。
  286. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  そういう施策がございますけれども、実際に社会生活を送る上でどのような影響があるか、調査していらっしゃいますか。局長、教えてください。
  287. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) 厚生労働省といたしましては、家族再統合ができず、児童養護施設や里親等から社会に出た方の全国規模の実態把握を行うための準備を進めております。  平成三十年度におきましては、まず、学識経験者や施設関係者などから意見を伺いながら、都道府県等による既存の実態調査を分析して課題を整理したところでございます。  そこで出てきました主な課題でございますけれども、例えば離職や転居などで連絡が取れない方の実態把握の在り方、あるいは施設等が行う支援と自治体が行う支援等の連携の在り方等が課題として出てきております。  これらを踏まえまして、今年度におきましては実態把握のための詳細な調査手法等を検討することといたしておりまして、この調査の中で、虐待を受けて施設等で養育を受けた子供が社会に出た後の生活を送る際の困難さや課題についても把握できるよう検討してまいりたいと思います。
  288. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  しかし、私も今伺っておりますと、そういった、手厚い保護を受けた、その後、退所したらどうなるのかというデータが集まってまいります。でも、一番問題なのは、そういうケアを受けられなかったという子供が大人になったというケースです。別に外から見てみれば虐待を受けたようには思えないよねというお子さん方の中でも、実は今ちょうど二十代、三十代前半ぐらいのお子さんで、すごくトラウマを抱えながら、社会に出られなかったり、若しくは社会に出てもうまくコミュニケーションが取れなかったりという方々が増えてきているんです。  私もこうやって産業医の中で、企業の中で仕事をしておりますと、どうしてもそこの壁というものの、カウンセリングをしておりますと、実は過去にそういうものが、受けていました、でも、小さい頃はそれが分からなかった、大人になって初めて自分が虐待を受けていたという認識を持ったと、そういう方々が何てこんなに多いんだろうって思うんですね。  ですから、こうやって物的な支援というだけではなく、やはりそのトラウマをどう乗り越えていくのか。そのトラウマの乗り越え方というものが、私も調べてみましたら、国際トラウマティック・ストレス学会の方から、これは日本語訳にしたものでございますけど、こういうものが出ております。かつ、日本での主要な連絡先というのが実はこのレポートの一番最後に付いているんですけれども、いのちの電話であったり警察の総合相談であったり被害者支援ネットワークであったりということで、虐待を受けた方々に対する専門的なサポートをするところというのがないんですね。  ですから、自分が気が付いたときに精神科に飛び込むというのではなく、何かそのトラウマを虐待によって受けた、成人になった方々に対して、私は、しっかりと支援を行って、その方々が社会に出るときにお困りにならないようにするようなシステムというものがもう一つ、もう一歩先に進めていただければなと願っておりますけれども、大臣の御答弁いただけますでしょうか。お願い申し上げます。
  289. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 虐待を受けた子供が大人になって円滑に社会生活を送ることができるように継続的に支援することが重要である、私も委員のおっしゃるとおりだと思います。  具体的にどういう事業を、支援措置を講じているか、これは既に局長からお話ししたとおりであります。  それで、具体的な支援事業、様々な事業メニューがありますが、このような取組を関係機関と連携しながら進めるとともに、今年度行う調査を通じて、虐待を受けて施設や里親で養育を受けた子供が社会に出た後の生活を送る際の困難さや課題、今委員からもトラウマを抱えている等の問題提起もありましたが、この困難さや課題を把握することにしております。  この調査結果を踏まえながら、委員からも今いろいろ御提案がありましたが、どのような支援が必要か、これは対応を検討していきたいと思います。
  290. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 是非お願いいたします。  体は生きていても心が死んでいる人たちがいらっしゃるということ、それによって社会的に様々なやっぱり損失になっている、せっかく持っていらっしゃるような能力も生かせないでいるということは、私、今後あってはならないかと思いますので、是非検討事項として加えていただきたいと思います。  以上で終わります。ありがとうございました。
  291. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後五時一分散会