運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

2019-06-11 第198回国会 参議院 厚生労働委員会 16号 公式Web版

  1. 令和元年六月十一日(火曜日)    午前十時二分開会     ─────────────    委員の異動  六月六日     辞任         補欠選任      熊野 正士君     河野 義博君  六月七日     辞任         補欠選任      杉尾 秀哉君     石橋 通宏君  六月十日     辞任         補欠選任      福島みずほ君     芝  博一君  六月十一日     辞任         補欠選任      芝  博一君     福島みずほ君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         石田 昌宏君     理 事                 自見はなこ君                 島村  大君                 そのだ修光君                 川合 孝典君                 山本 香苗君     委 員                 青木 一彦君                 石井みどり君                 小川 克巳君                 木村 義雄君                 高階恵美子君                 鶴保 庸介君                 中川 雅治君                 馬場 成志君                 藤井 基之君                 石橋 通宏君                 川田 龍平君                 芝  博一君                 福島みずほ君                 足立 信也君                 礒崎 哲史君                 河野 義博君                 宮崎  勝君                 東   徹君                 倉林 明子君                薬師寺みちよ君    衆議院議員        修正案提出者   西村智奈美君        修正案提出者   岡本 充功君    国務大臣        厚生労働大臣   根本  匠君    副大臣        内閣府副大臣   田中 良生君        内閣府副大臣   中根 一幸君        厚生労働副大臣  大口 善徳君        厚生労働副大臣  高階恵美子君    最高裁判所長官代理者        最高裁判所事務        総局家庭局長   手嶋あさみ君    事務局側        常任委員会専門        員        吉岡 成子君    政府参考人        内閣府男女共同        参画局長     池永 肇恵君        警察庁長官官房        審議官      小田部耕治君        警察庁長官官房        審議官      田中 勝也君        金融庁総合政策        局参事官     佐藤 則夫君        総務大臣官房審        議官       多田健一郎君        法務大臣官房審        議官       筒井 健夫君        法務大臣官房審        議官       大橋  哲君        文部科学大臣官        房審議官     丸山 洋司君        厚生労働省医政        局長       吉田  学君        厚生労働省医薬        ・生活衛生局長  宮本 真司君        厚生労働省子ど        も家庭局長    浜谷 浩樹君        厚生労働省社会        ・援護局長    谷内  繁君        厚生労働省社会        ・援護局障害保        健福祉部長    橋本 泰宏君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉  法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議  院送付) ○参考人の出席要求に関する件     ─────────────
  2. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、熊野正士君、杉尾秀哉君及び福島みずほ君が委員を辞任され、その補欠として河野義博君、石橋通宏君及び芝博一君が選任されました。     ─────────────
  3. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省子ども家庭局長浜谷浩樹君外十二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) 児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 自見はなこ

    ○自見はなこ君 自民党の自見はなこです。本日もどうぞよろしくお願いいたします。  児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。  我が国の児童福祉法は昭和二十二年に制定され、七十年以上の月日を経て平成二十八年に大きく改正され、その際、第一条に、「全て児童は、児童の権利に関する条約の精神にのつとり、適切に養育されること、その生活を保障されること、愛され、保護されること、その心身の健やかな成長及び発達並びにその自立が図られることその他の福祉を等しく保障される権利を有する。」と、子供の権利が、初めてと言っていいと思いますが、明確化をされました。このことは大変意義の深いことだということも繰り返しこの委員会でも申し述べさせていただきました。  そして、その平成二十八年の改正では、懲戒に関しては、親権者は、監護及び教育に必要な範囲を超えて児童を懲戒してはならないこと、児童相談所に児童福祉司、医師又は保健師、指導又は教育を担当する児童福祉司を置くこととともに、弁護士の配置又はこれに準ずる措置も行うことといたしました。また、子育てを母子保健の側面から支えるための子育て世代包括支援センターの全国的な展開、市区町村における子ども家庭総合支援拠点の整備や里親委託の促進に関しての取組など、大きな方向性も打ち出したというものでございました。  その後、この平成二十八年の改正を受けて、家庭裁判所が虐待を受けている児童などの保護者に対する指導の司法関与、家庭裁判所による一時保護の審査の導入、接近禁止命令を行うことのできる場合の拡大等の措置が平成二十九年に改正をされました。  厚生労働省では、平成二十九年八月に、新しい社会的養育ビジョンにより、家庭的な養育を第一原則として特別養子縁組の促進、里親委託率の向上などが打ち出され、平成三十年十二月には市町村・都道府県における子ども家庭相談支援体制の強化等に向けたワーキンググループが取りまとめられ、保護とそして支援の分化の必要性を始めとした児童相談所の目指すべき方向性について打ち出されたところでもございます。  我が国では、虐待死は平成二十八年度の死亡事例は六十七例、七十七名とされていますが、これらの取組がされているさなか、幾度もSOSサインを出しながらも我々で救うことのできなかった目黒区の結愛ちゃんの虐待死の事件が起こり、平成三十年七月には児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策、市区町村の体制強化と児童福祉司二千二十人の増員などを目標とする児童虐待防止対策体制総合強化プラン(新プラン)と言われておりますが、そして再びこの一月に大変残念ながら起こってしまいました野田市の虐待死の事件、こういうことも起こり、子供の安全を確認する緊急一斉点検もちょうど行われたところでありました。  以上が行政府の流れでございますが、ここ近年の児童虐待に対する政府の取組に関しては、我々側の超党派の議員活動の影響も大変大きかったものと思っております。ここに至るまで、元厚生労働大臣の塩崎恭久先生のお働きが大変大きかったことは誰もが知るところであります。塩崎先生が厚生労働大臣に、平成二十八年改正と新たな社会的養育ビジョンまで打ち出されまして、その後、大臣を終えられた後、一議員として、自民党の中において、私も事務局次長を拝命しております児童の養護と未来を考える議員連盟、これを結成をいたしました。また、この流れが大変大きく、そして加速してまいりましたので、超党派におきましても、児童虐待から子どもを守る議員の会、これを結成をいたしまして、併せてこれらの問題に超党派で熱心に取り組んでこられました。馳浩先生も児童虐待防止法の提出者の一人でもあり、その後も自民党の中で虐待等に関する特命委員会の委員長として活動を精力的に行ってきてくださいました。  一方で、我が国で虐待が全く取り上げられることのなかったであろう二十五年前から、小児科、そして産婦人科を始めとした医療従事者がまずは中心となって、多くの関係者を最終的には巻き込み、成育基本法の制定を打ち出しました。そして、二十五年間という長い月日が掛かりましたが、この二十五年間の活動を経て、医療、教育、福祉が一体的に連携し、子供の最善の利益のために妊娠期からの切れ目のない支援を我が国で実現することを目的としたこの成育基本法という議員立法は、昨年五月の超党派の議連を河村建夫先生を会長として立ち上がり、大変活発な与野党の議論の末に、昨年十二月、皆様のおかげで成立をいたし、一年をめどとして制定される予定で、現在、その準備段階にあるところであります。  以上が立法府とそして行政府の近年の動きを御紹介をいたしましたが、この間のそれぞれの議員や、また、行政の厚生労働省、都道府県、市区町村などの基礎自治体などの行政で精力的に変革に向けて努力をしてきてくださったそれぞれの立場の方々、加えて、医療の現場、母子保健の現場、保育の現場、教育の現場、地域での社会活動の現場など、それぞれの現場現場で大勢の関係者にも御尽力をいただいておりますことにも心から感謝申し上げたいと思います。特に、厚生労働省においては、社会情勢の変化に照らしてではありますが、法改正を含めて昭和二十二年以来の大きな変化に対しての御対応に心から敬意を表します。  この度の令和元年の今回の法改正では、児童の権利擁護、児童が意見を述べるアドボケートについて、児童相談所の体制強化、児童相談所の設置促進、関係機関の連携強化などを柱としての改正となります。  子供の命を守る、安全を守る、また健やかな成長、発達を育むことについて社会全体として取り組むに当たり、その活動に終わりはなく、その前進のさなかに起こる今回の札幌市のような新たな虐待死の事例に再び私たちは心が大きく痛み、そしてまた更なる取組を行うことが必要となりますが、それでも、私たちは心を一つに、子供の最善の利益のために我々ができることをより一層真摯に向き合う時期であるというふうに考えております。  そこで、一問目を厚生労働大臣にお伺いをさせていただきます。  本法案の意義、そして児童虐待の防止に向けた大臣の決意をお伺いしたいと思います。
  7. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 目黒区の結愛ちゃん、千葉県野田市の心愛さんのこの事案に続いて、北海道札幌市において、二歳の詩梨ちゃんが死亡し、実母と交際相手が傷害の疑いで逮捕された事案で、このような形でお亡くなりになられたことは誠に残念であり、心より御冥福をお祈り申し上げます。  児童虐待の対応においては、何よりも子供の命を守ることを最優先に取り組むことが必要だと考えています。何よりも社会の宝であり将来を担う子供の命を守ることを最優先に、あらゆる手段を尽くし、児童虐待の根絶に向け、総力を尽くしていきたいと思います。  全ての子供の健やかな成長、発達や自立等が保障されるよう、児童虐待防止に関してはこれまでも、今委員から御紹介ありましたように、累次の対策、取組が行われてまいりました。やはり児童虐待防止に関しては、発生予防、早期発見、児童虐待発生時の迅速、的確な対応、被虐待児童への自立支援、これを切れ目なく一連の対策として講じていくことが重要だと思います。  この中で、特に虐待予防の観点からは、孤立しがちな子育て家庭を早期に発見し、支援につなげる必要があります。このため、妊娠期から必要な支援につなげられる体制を整備するため、幼児期から子育て期までの切れ目ない支援を行う子育て世代包括支援センターの設置促進。予期しない妊娠などで悩む妊婦に対し、産科への同行支援等によりその状況を確認し、関係機関につなぐ事業の実施。戸別訪問して家庭の相談支援を行うため、乳幼児家庭全戸訪問事業により、生後四か月までの乳児のいる全ての家庭を訪問し、養育環境等の把握の実施。これにより把握した保護者の養育を支援することが特に必要と判断される家庭に対し、養育支援訪問事業により、養育に関する相談支援や育児、家事援助の実施。行政サービス等につながっていない子供に支援を行き届かせるため、未就園の子供などを対象に、拡大した子供の状況把握。あるいは、相談窓口につながりやすくするため、いちはやくを周知するとともに、子育てに悩みを抱える人が適切に通告、相談できるよう、一八九のいちはやくの無料化に必要な予算の計上などなどの施策に取り組んでまいりました。  また、児童相談所の体制強化、関係機関との連携強化等を行うことにより児童虐待防止対策の強化を図るため、本法案を提出いたしました。  加えて、委員も熱心に取り組まれた成育基本法、これは昨年十二月に成立をいたしました。この成育基本法においても、成育過程にある者に対する虐待の予防及び早期発見に資するよう必要な対策、施策を講ずることとされております。この成育基本法に基づいて、関係省庁と連携して、成育医療等基本方針の策定などの取組を進める予定です。  本法案のみならず、このような取組によって、子育てなどに悩み孤立しがちな家庭を早期に発見し適切な支援につなげることで児童虐待の予防を図るとともに、子供の健全な心身を育成する社会をつくってまいりたいと思います。
  8. 自見はなこ

    ○自見はなこ君 大変包括的な視点からの言葉、ありがとうございました。  いろいろな法律がありますけれども、是非その理念というのは子供の最善の利益のためにということを置いていただきたいと思います。  それから、成育基本法では、妊娠期からの切れ目のない支援ということをうたっておりますが、その最後の検討事項に、子供に関する行政の在り方にも検討を加えることということを記載をさせていただいております。端的に申し上げますと、子供家庭庁などの創設というものを、中長期的ではございますけれども、念頭に置いております。  特に、最近でありますけれども、やはりこども園ができてからは、子供に関する施策は厚労省、内閣府、文科省のこの三つの行政機関をまたいでおりまして、連携に今大変大きな労力を行政としても割いているのではないのかなというふうに思います。  現在行われている様々な施策というものは、戦後の社会背景から、福祉と医療と教育と保健とそれぞれ役割分担をしながら進んできたこともありますので、この今の成り立ちというのは十分に理解をできますが、これからそれを統合していく時代になったと思いますので、行政の在り方そのものにつきましても、長い目で御検討いただければ有り難く思います。  さて、週末になりますけれども、私は自分のふるさとの北九州の、九州の少年鑑別所、これは小倉少年鑑別所というところと、あと児童相談所の二か所を訪ねてまいりました。  北九州の市議会では、これは奥村祥子先生という市議の先生がプロジェクトチームの座長で大変御尽力をされたわけでありますけれども、議員提案により、北九州子どもを虐待から守る条例というものが平成三十年十二月十二日に制定をされ、平成三十一年四月一日に施行されたところであります。子供を虐待から守るための基本理念を定め、市と市民と保護者、そして関係機関及び事業者の責務を明らかにするとともに、子供を虐待から守るための施策の基本的事項を定めることにより、子供を虐待から守る施策を総合的に推進し、子供の心身の健やかな成長に寄与するということを目的にされております。  訪問させていただきました児童相談所では、約一時間半にわたりお話を伺いました。  総勢百五十四名の体制ということでありましたが、政令指定都市であるため七つの区がありますが、地域別の担当のケースワーカーを配置したり、それぞれの区の母子保健の担当者を児童相談所の子供家庭相談の担当と兼務して業務を行わせるなど、いろいろと様々な工夫がなされておられました。  年間の相談件数の対応というものは六千五百件を超えるわけでありますけれども、いわゆる虐待を含むこの養護相談というものは約二千件でありまして、療育手帳の判定を含む障害相談というのが約三千件、育成相談が約千三百件だということでありまして、当然ながら、虐待だけではなく、日々の業務に当たっては、この家庭支援ですとか相談業務というのも非常に多いんだということをお話をされておりました。その中で、虐待まで至らない、さっき申し上げた相談の部分でありますけれども、特にやはり家庭に対する支援、親、保護者に対する支援、寄り添った支援が何より大事であると感じているというお言葉でありました。  そこで、政府にお伺いをしたいと思います。  衆議院において与野党で取りまとめていただいた修正案においては、児童相談所の所長等は、児童虐待を行った保護者について、児童虐待の再発を防止するため、医学的又は心理学的知見に基づく指導を行うよう努めるものとする旨の規定が加えられました。政府が関係閣僚会議決定した抜本的な強化策におきましても、保護者支援のプログラムの推進というものが盛り込まれています。  虐待の再発を防止するために極めて重要な取組であり、本修正は大変意義のある内容であるというふうに受け止めています。  改めて、政府としてこの修正案を受け止めてどのように対応していくのか、お考えをお聞かせください。
  9. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  児童相談所におきましては、保護者への指導、援助を行っておりますけれども、その手法の一つといたしまして、保護者の特性に合わせまして各種の保護者支援プログラムによる支援を行っております。例えば、日常的な子育てスキルを高めるプログラム、あるいは保護者自身の心理的な課題に焦点を当てて解決方法を見出すプログラムなどがございます。  厚生労働省といたしましては、これまで児童心理司が行う心理療法等に加えまして、保護者支援プログラムの実施も含めましたカウンセリングにつきまして、外部の精神科医等の協力を得て保護者への支援、指導を実施する場合、あるいはその外部委託を行う場合の費用への補助などを行っております。また、保護者支援のためのプログラム活用ハンドブックの作成、あるいはその効果的な実施に向けたマニュアルの作成などを行いまして、保護者支援プログラムの普及に努めてまいりました。  しかしながら、これまでも児童相談所におきまして、保護者支援プログラムにつきましては一定程度行われておりますけれども、職員数の不足、あるいは研修のための予算の不足などの課題から、十分には活用されていない状況が現状でございます。  今回の改正案におきましては、衆議院での修正によりまして、児童虐待を行った保護者に対する医学的又は心理学的知見に基づく指導について規定されたところでございます。これも踏まえまして、今後、先ほど御指摘がございましたけれども、今年三月に関係閣僚会議で決定いたしました抜本的強化に基づきまして、保護者支援プログラムの実施を担う専門人材の養成、あるいは実施する場合の支援の拡充など、より児童相談所でプログラムを実施しやすいような環境整備、あるいは保護者がプログラムによる支援を受けやすくするための仕組みやアプローチについてしっかり検討してまいりたいと思います。
  10. 自見はなこ

    ○自見はなこ君 ありがとうございます。  最近は、保護者の方に、児童相談所の方によりますと、やはり精神疾患を抱える場合の家庭支援の事例も増えているということでありました。是非、医療との連携も密にしていただきまして、総合的に対応できるようにお願いをしたいと思います。  ただ、余りにも児童相談所の業務自体も増えている中でありますので、今後の進捗状況を見ながら、十分な人員配置、そして予算措置もお願いしたいと思います。  また、産後ケアについて、続いての質問ですが、是非お伺いしたいと思っております。  これは、妊娠期からの切れ目のない支援の中で、保護者支援という意味で面として行うという意味で産後ケア施設というのは大変大きな意義があるというふうに思っております。特に、市町村におけるこの支援機能というものを強化する中で、産後直後の育児不安や心身の不調等に対し心身のケアや育児サポートなどの支援を提供していくことが産後ケアの目的でありますが、子育てを孤立させないためにも、これもまた成育基本法の理念にも一致をするところであります。  と同時に、その事業の実施に当たっては、現行の事業運営要綱上には、その対象者を家族等から十分な家事及び育児などの援助が得られない等の限定ということでしております。産後ケアを必要とする産婦がその希望に応じ産後ケアを受けられるよう、対象者、間口をちょっと広くするべきではないかというふうに考えております。また、産後直後だけでなく、心身の回復状況によっては再利用するということも検討できないものでしょうか。お考えをお聞かせください。
  11. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  出産後に母子の心身に対するケアを行うことによりまして、安心して出産、子育てができるようにすることは、児童虐待防止の観点からも重要であると考えております。  このため、厚生労働省におきましては、退院直後の母子に対しまして助産師等が心身のケア等を行います産後ケア事業を推進いたしております。さらに、産後ケア事業の効果的な運営を支援するために、平成二十九年に留意点等を示したガイドラインを作成いたしまして、事業の対象者につきまして、身体的、心理的不調、育児不安以外に、特に社会的支援の必要がある者などと明確化いたしまして、自治体及び関係団体への周知を図りました。  委員御指摘の点でございますけれども、こういった、特に社会的に支援の必要がある者というところが限定的ではないかということ、あるいは、実施要綱におきましては、この利用につきまして、原則七日間以内で、また出産直後から四か月頃までの時期が対象の目安といたしております。この点についての再利用という御指摘だと思いますけれども、厚生労働省といたしましては、引き続き産後ケア事業を推進いたしますとともに、御指摘の対象についての拡大あるいはその再利用につきましても、御趣旨を踏まえ、検討してまいりたいというふうに考えております。
  12. 自見はなこ

    ○自見はなこ君 是非お願いをいたします。  ちょうど先日でありますけれども、日本助産師会の先生方との意見交換をしたときに一つのエピソードを伺い、あっ、こういうこともあるんだなと思いました。それは、里親で初めて双子を同時に預かるという御家庭があったということで、初めてその方たち、里親の方たち、親になるんですけど、いきなり二人ということで、それで是非、助産師会の先生方としては、産後ケア施設を利用していただいて慣れていただこうというふうに思ったということでありました。ところが、その自治体に聞きましたところ、あくまで産んだ後のケアということであるので、里親の場合がそれに当たるかどうかということでその判断に大きな御苦労があったというお話も聞いたところでもございました。  それぞれの自治体でも苦慮している事例というものもあるのかもしれませんので、是非、現場の声を丁寧に聞いていただきまして、多くの事例が産後ケアを使えるように、反復も含めまして、周知徹底等の活動を今後もしていただけたら有り難いと思いますので、よろしくお願いをいたします。  さて、次の質問に移ります。  今回の法案に関しましては、児童相談所の中で介入と支援、この体制を分離する規定というものが盛り込まれていますが、この御趣旨についてお伺いをしたいと思います。今後、児童相談所はより介入機能に特化しつつも、支援機能を担う市町村の役割、体制強化をしていくことが重要だと考えておりますが、いかがでしょうか。
  13. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  まず、今回の分離の趣旨でございますけれども、これまで、一時保護などの介入機能と保護者に対する支援機能を同一職員が担うことで、一つは保護者との関係を考慮する余り必要な保護がちゅうちょされてしまう、あるいは親の意向に反する一時保護を行った結果、その後の支援が進まない、こういった点が指摘されてきたところでございます。  こうした指摘も受けまして、児童相談所が保護機能のみならず支援マネジメント機能を確実に果たし、適切な対応が取れるように、御指摘のように、本法案におきましては、児童虐待防止法を改正いたしまして、一時保護等の介入的対応を行う職員と保護者支援を行う職員を分けるなどの措置を講じることといたしております。  また、本年三月の関係閣僚会議で決定いたしました抜本的強化に基づきまして、今後でございますけれども、児童相談所におきまして、機能に応じて部署を分けるあるいは職員を分けるなどのほか、専門人材の確保及び育成に関する方策など体制整備を推進することにつきまして、国におきましてその取組内容を示しますとともに、都道府県等におきまして体制整備に関する計画策定を進めることといたしております。  一方、その発生予防、早期発見、児童虐待発生時の迅速、的確な対応におきましては、市町村も極めて重要な役割を担っております。平成二十八年の児童福祉法の一部改正におきましては、都道府県と市町村の役割分担の明確化を行いました。具体的には、都道府県の児童相談所におきましては、一時保護、施設入所などの専門的知識や技術を要する支援等を行う、一方で、市町村におきましては、身近な場所における継続的な支援を行う、こういった役割分担を明確化したということでございます。  さらに、昨年十二月に新プランを策定いたしまして、市町村の体制強化ということで、二〇二二年度末までに、子供や家庭に対する相談支援を行います市町村子ども家庭総合支援拠点を全市町村に整備する、あるいは、要保護児童対策協議会の進行管理事務を担う調整担当職員が全市町村におきまして常勤となるよう配置を進めていくことを決定いたしました。  これに基づきまして、市町村の体制強化を図るために今年度より地方交付税措置を講じておりまして、引き続き必要な支援に努めてまいりたいというふうに考えております。
  14. 自見はなこ

    ○自見はなこ君 ありがとうございます。  北九州市の児童相談所の方々も、こういった法改正が成る前から、やはり信頼関係の構築ということが非常に重要なので役割は分担しておりましたということをおっしゃっていましたが、国としても、こういったことを明確化して、そうした後押しをしていただく、予算措置もしていただくということは本当に有り難いことだと思います。  また、その信頼の構築の部分には、支援につなぐため、分離はもちろんしていただくことになると思うんですが、そのときには、おっしゃっていただきましたけれども、児童相談所単独ではもちろんできないこともたくさんございますので、地域の母子保健事業の拡充と、小児科医や産婦人科医、助産師との連携とのセットで行うべきだというふうに思っております。  また、この介入に関してでございますけれども、経験とトレーニングと、そして司法や医学などの知識が必要に、かなり高度な知識、現場判断が必要になってくると思います。  そこで、厚生労働省にお伺いをしたいと思います。  児童相談所における弁護士や医師の配置の重要性についてどのように認識しているのか、また配置に向けどのように取り組んでいくのか、お考えをお聞かせください。
  15. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  児童相談所におきまして、法的な知見あるいは医学的な知見を踏まえた対応ができることが極めて重要だと考えております。  そこで、本法案におきましては、法律に関する専門的な知識、経験を必要とする業務につきまして、常時弁護士による助言又は指導の下で適切かつ円滑に行うために、児童相談所における弁護士の配置又はこれに準ずる措置を行うこと、また、これまで、医師、保健師につきましては、医師又は保健師を配置するといたしておりましたけれども、医師、保健師双方を必置にする、こういう改正案になっております。  また、これに加えまして、今年三月の関係閣僚会議の決定におきましては、関係団体の協力も得た採用活動、研修の充実等の弁護士、医師の配置に係る体制整備に必要な財政支援等の拡充なども盛り込んでおります。  これらを通じまして、児童相談所におきまして、弁護士から日常的な法的な助言、指導を踏まえた対応を取るための体制、あるいは、医師が日常的に関与し、地域の小児科医、精神科医など、事案に即した専門性を有する医療関係者とも連携しながら児童福祉司等とともに対応できるような体制、こういった体制の整備を推進してまいりたいと考えております。
  16. 自見はなこ

    ○自見はなこ君 是非よろしくお願いいたします。  昨年十二月に、残念ながらお亡くなりになられましたけれども、北九州市立八幡病院で病院長も務められ、長年、小児救急から虐待にも関わってこられた市川光太郎先生がおられました。市川光太郎先生は、私たちの領域、小児科の領域では精神的にも柱となってくれるような、本当に尊敬すべき立派な先生でありました。市川先生は、日本小児救急医学会の理事長、そして日本乳幼児突然死予防学会の理事長、そして日本子ども虐待医学会理事長等も務めておられましたけれども、先生の志を継いで、現在も多くの小児科医並びに関係者が活動をしております。  その中でも比較的若い学会であります子ども虐待医学会というのがございますけれども、これの香川県の学会に私も去年参加をしてまいりました。医療関係者、司法関係者、日頃また児童相談所等で働いている方々などが一堂にそろっておられ、大変熱心なケースカンファレンスや勉強会というものを行っておりました。  そこで私が小児科医として感じたのは、我々の医療サイドにいる人間は、虐待に関しましての身体的な特徴や、あるいはそれに関する精神医学的な両親の反応、こういったものに関しての所見というものは分かるんでありますけれども、一方で、司法に関する知識というものを正直なところ全く持ち合わせていないということがあるがために、いわゆる適切な言語に物事を置き換えることもできないというような状態であるんだなというふうにも思いました。  そして、我々医療サイドももっと世の中の仕組みを勉強する必要性というものも痛感しましたし、同時に、児童相談所には、それぞれの専門家が児童相談所の中に配置される重要性、特に弁護士さん、医師、この必置というのは本当に有り難いというふうに思っております。是非、これを実現するための予算措置について、年末にかけて我々も当然ながら応援したいと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。  また、これは追加の要望というふうになりますけれども、今年三月末の第百四十四回の日本医師会の代議員会が行われました。その中で、秋田県医師会の小泉代議員、そして埼玉県医師会の利根川代議員からの質問で、児童虐待についての質問がございました。虐待や虐待が疑われる事例での医師の関わり方や、医師と医師会、教育現場、警察、児相、児童相談所などとの連携体制についての日本医師会の方針に関する質問でございました。  これに対しての日本医師会の道永常任理事からの答弁といたしましては、児童虐待の予防や早期発見、早期対応のためには、医師や医師会の積極的な関与が非常に重要であるということを改めて強調された上で、今後は、日常的に医師が関与し、対応できるような体制整備や、医師の権限も含めた役割の明確化が必要になるんではないかというような見解を示されています。  その際でありますけれども、加えて、児童相談所又は市町村等が設置しているいわゆる要対協がございますが、これの設置・運営方針には、構成要員として医師、医師会、警察、児童相談所、学校等が挙げられ、児童福祉法の中にも構成機関は連携を図ることというふうに示されているにもかかわらず、要対協に医師会が参画していない場合もあるということで、自治体を通じて構成機関となるよう働きかけてほしいというふうな要望もされております。是非、政府からも、地域の要対協に関しましては、医師、医師会の関与に関しまして、より積極的に行っていただけますようお願いを申し上げたいと思います。  さて、次の質問に移ります。  北九州市の条例でも、コンビニやタクシーなどの事業者に対して、徘回している子供には声掛けを行うことや、虐待を受けたと思われる子供を発見した場合には通告することというものを定めております。この事業者に関する責務を盛り込んだというのは大変大きなことだなというふうに感じています。  そこで大切になりますのが、虐待というものはいわゆるどういう状態なのか、あるいは何をサインとして虐待として捉えていいのかというような啓発活動が非常に重要になってくるかと思います。  先ほど御紹介をした日本子ども虐待医学会では、BEAMSと言われる、これは医療関係向けなんですけれども、虐待対応プログラムを実施しています。ステージ1は、虐待の早期発見と通告の意義を理解し、医療機関での見張り番としての適切な行動が取れるようにするというのが目標、いわゆる入門部門であります。ステージ2というのは何かといいますと、被虐待児の安全を担保し地域へつなげ、医学診断をネットワーク的に的確に提供できるようにすることが目的。そしてステージ3は、それらのマネジメントとしてリーダーシップが発揮できるようにという、こういう段階的なプログラムが設定をされています。  このBEAMS自体は医療関係者が対象でございましたが、この度、このような虐待の事件が続くということ、そして子供たちを守るということから、広く子供たちを守りたいという観点から、日本小児科学会が動きを起こしてくださいました。  この度、日本子ども虐待医学会との連携の下で、日本小児科学会が広く一般国民に虐待の早期発見と通告につながるような啓発のホームページを作成をいたしました。それが本日皆様のお手元に配付をしてあります資料一でございます。  これ、日本小児科学会のホームページの「一般の皆さまへ」のところをクリックしていただきますと、「気付いて寄り添ってつなげよう!」というところ、ここをクリックしていただきますと、十五分弱の動画がここにあります。これを見ていただきますと、これ、一般のどなたでも見ていただけますので、ああ、こういうことで虐待のサインなんだとか、どうやったら私たちは通告していいのかなみたいなところ、分からないことたくさんあると思うんですが、我々小児科医が日頃見ている所見もちょっと写真等でも御紹介をしながら、こういったものをやっておりますので、是非皆様に御承知おきいただければというふうに思います。  そこで質問に移りますけれども、このような児童虐待への対応力というものを社会全体で向上させるというのが必要であると思っております。こういうのは、専門医のみならず、全ての皆様というのも今申し上げたところであります。地域レベルでの医師等に対する研修の実施体制を引き続き整え、そして推進していくことも同時に重要と考えておりますが、厚生労働省としては、このようないわゆる医療関係者、そして一般の皆様に対する啓発活動について、どのように取り組んでいかれるのか、お考えをお聞かせください。
  17. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  特に、医師等の医療従事者につきましては、診療の機会を通じまして、児童虐待の兆し、疑いを直接的に発見しやすい立場にございます。早期発見、早期対応のためには、地域の医療従事者を対象といたしまして、児童虐待の医学的診断、医療機関としての関わり方などについて理解を深めていただく研修を普及していくことが重要と考えております。  こうした観点から、今御指摘がございましたけれども、民間団体におきまして、医療従事者向けの虐待対応の研修プログラム、BEAMSを開発され、研修会が開催されております。こうした取組は、医療従事者に理解を深めていただくための重要な取組の一つと認識をいたしております。  厚生労働省といたしましても、こうしたBEAMS研修を始めといたしまして、より多くの医療従事者あるいはソーシャルワーカー等も含めまして、関係者にその研修を受講していただけるように、関係団体の連携協力の下で、研修手法の充実あるいは周知などを進めまして、地方公共団体が行う研修として実施できるようにしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
  18. 自見はなこ

    ○自見はなこ君 ありがとうございます。  この度は、日本医師会のかかりつけ医の講習の中にも、担当の羽鳥理事の御尽力もありまして、虐待に関する項目というのも入ったところであります。  これらの取組が開始された後の話でございますけれども、これはまず医療従事者のということでお答えをいただきましたが、今後は一般の皆様ということになっていくんだろうというふうに思いますが、そのときは厚生労働省の職員の方にも是非こういった啓発のプログラムは受けていただきたいと思いますし、それのみならず、全ての省庁の皆様にこのような啓発事業をまず受けていただきまして、日本国として、政府として、虐待予防を一番大事なこととして子供たちの未来のために取り組んでいくんだということも是非取り組んでいただきたいというふうに思っております。  また、その際にでありますが、やはり家庭支援の視点というのも必ず入れるようにお願いをしたいというふうに思います。家庭の中が、余りにも虐待じゃないか虐待じゃないかということで子育て全体が萎縮するということも指摘をされておりますし、また、先ほど来申し上げたような、多くの方々も必要としているのは支援でありますので、この視点も是非入れてくださるようにお願いをいたします。  さて次に、その家庭に対する支援の在り方という観点から、高階副大臣にお尋ねをしたいと思います。  現在、厚生労働省が作成をしている子ども虐待対応の手引きには、虐待のリスク要因として、子供時代に大人から愛情を受けていなかったということのほか、生活にストレスが積み重なって危機的状況にあるものというものも要因として挙げられています。  我が国においては、家庭における家事、育児の時間が男女の間で大きな隔たりがあることも子育てを担う母親のストレスの要因となっていると考えられます。子育て環境が安心と喜びを持ってできる社会というものを全体でつくっていくためには、企業の子育て家庭への理解促進、両立支援も虐待予防の観点から非常に重要だと考えています。  今後、特に男性の家事、育児参加を促すという観点から、家事と育児、仕事と家庭、子育ての両立支援を具体的にどのように進めていくのか、お答えください。
  19. 高階恵美子

    ○副大臣(高階恵美子君) 家族の核となる夫婦が互いに家事運営の役割を分かち合う、このことは大変重要と考えております。  我が国におきまして、六歳児未満のいる家庭で、育児を含む夫の家事、育児時間、現在は八十三分という調査結果がございます。家庭生活を営む上で必要となる家事、育児の総時間を考えますと、この負担が女性に偏っているということは委員御指摘のとおりかと存じます。  男性の両立支援を促すという観点からも、イクメンプロジェクト、あるいはパパ休暇、パパ・ママ育休プラス、こういった制度的な取組を進めているところではございますが、男性の育休取得率は現在でも六・二%にとどまっておりまして、その取得期間も約六割が五日未満という実態にございます。  厚生労働省としては、夫の育児意欲を高め、働き方改革の推進にもつながるこれらの施策の普及強化を図り、子育て家庭の両立支援に努める方針でおります。企業が優れた人材を確保し、より生産性の向上を目指す上でも、夫の家事、育児時間の確保についての理解を促し、男性の育休取得率が高まりますように啓発を進めてまいります。
  20. 自見はなこ

    ○自見はなこ君 ありがとうございます。  予防できる虐待のリスクを社会全体で予防していく、このことを我々はあらゆる手段を通じて行うという時期に来ております。高階副大臣には、引き続き力強くこの領域を牽引していってくださいますよう心からお願いを申し上げます。  さて、今、高階副大臣にお答えいただきました男性の育児参加もそうでありますが、制度として、子供の死を検証し、社会全体で予防していく仕組み、チャイルド・デス・レビューについては、幾度もこの委員会で質問をさせていただきました。  そこで、お尋ねをしたいと思います。  このCDR、チャイルド・デス・レビューにおいては、成育基本法においてもその重要性ということは強調されているところでありますが、六月六日に、今ここにおられます多くの関係議員の御尽力で再び成立をした死因究明等推進基本法においても検討規定が盛り込まれたところであります。  まず、このCDRについてですが、現在の進捗状況を教えてください。
  21. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  あらゆる子供の死因を究明いたしますいわゆるチャイルド・デス・レビュー制度でございますけれども、平成二十九年の児童福祉法改正の附帯決議におきまして導入を検討することとされたのをきっかけといたしまして、議員御指摘のとおり、昨年十二月に成立した成育基本法において規定もされ、また今回の死因究明推進基本法の附則におきましても、施行後三年をめどとして、子供が死亡した場合におけるその死亡に関する情報の収集、管理、活用等の仕組みについて検討すべきという旨の検討規定が設けられたと承知しております。  この検討状況でございますけれども、厚生労働省といたしましては、予防可能な子供の死亡の再発防止を図るために、その導入につきまして検討が必要だというふうに考えております。平成二十八年度からチャイルド・デス・レビュー制度の確立に向けた調査研究を実施してまいりました。また、平成二十九年十月には、省内での検討を進めるために関係部局による省内プロジェクトチームを立ち上げまして、有識者からのヒアリングや論点整理を進めてきているところでございます。  今般、こうした御指摘の成育基本法の規定、あるいはその死因究明等推進基本法の検討規定も踏まえまして、こうした取組を更に進めまして、制度の導入につきまして更に検討を加速してまいりたいと考えております。
  22. 自見はなこ

    ○自見はなこ君 着実に進めていただいておりますことに感謝申し上げます。  今日、石井みどり先生もおられますけれども、我が党では、石井みどり先生が座長であられます死因究明体制推進に関するプロジェクトチームというものがございます。ここでも熱心な議論を積み重ねてきているところでありますけれども、名古屋大学の小児科の沼口先生という先生にCDRの研究の内容なども前回お伺いをしたところでありました。そうしましたところ、いわゆる養育不全と死因とが関係している可能性があることが推測されるものの、死因そのものが明らかになっていないために本当のところが分からないというような事例もやはり多いんだということにも言及をされておられました。  CDRについては、厚生労働省も、今回の法律、死因究明等推進基本法が制定をされ、死因究明全体が底上げされていくという時期でもございますので、是非頑張って、制度構築大変だと思いますけれども、していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  次に、質問の順番をちょっと変えさせていただきまして、オンライン診療について、女性暴力についてのお話をさせていただきたいと思います。  前回の女性活躍推進法の審議の際にも、この度の厚生労働省で行われているオンライン診療に関する検討会で、虐待死というものが日齢ゼロ、若年妊娠、そして望まない妊娠、また妊婦健診を受けていない事例に多いことから、性に関する教育に関しては、是非、産婦人科医、小児科医、助産師などの専門職により行うべきだとの意見を述べたところ、その方向で御調整をいただいているという方向性に関しましては、大口副大臣からも大変力強い御答弁をいただいたところであります。誠にありがとうございました。  そして、この度は、昨日であるかと思うんですけれども、オンライン診療による検討会が再び開催されたというふうにお伺いをしています。その際に、厚労省として、大変有り難いことに、オンライン診療という小さな枠にとらわれず、女性全体を守るんだという観点に立っていただいたというふうに聞いております。すなわち、性に関する教育のみならず、性犯罪、性暴力に関しても一連の施策に入れていただいたというふうに伺っております。入口に関してはオンライン診療の初診ということでありましたが、一気にやっていただいているんだなというふうな大変有り難いという感じも持っているところであります。  そこで、まず、厚生労働省にお伺いをしたいと思います。  性犯罪そして性暴力への対応として、オンライン診療により緊急避妊薬を処方する産婦人科医等に対して、厚生労働省としては、関係省庁と連携してどのような取組を行うのか、お答えください。
  23. 吉田学

    ○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。  まず、性犯罪あるいは性暴力につきましては、被害者の方々の身体のみならず心を深く傷つけるものであるということを重く受け止めたいと思います。  その上で、カウンセリングや警察などとの連携のほか、緊急避妊薬の早期内服が必要になる場合もあるということを踏まえまして、現在、オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直し検討会において、まずは直接の対面診療を極力促しながら、地理的要因がある場合、女性の心理的な状態に鑑みて対面診療が困難であると医師が判断した場合について、オンライン診療を行うことを議論いただいております。  これまでの議論を受けまして、オンライン診療による緊急避妊薬の処方を希望した女性が性被害を受けた可能性がある場合は、十分に女性の心理面や社会的状況に鑑みながら、警察への相談を促す、性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターがございますが、これなどを紹介するということにより様々な支援策につなげるとともに、適切な支援を受けられるよう、オンライン診療で緊急避妊薬を処方する医師についてもその研修を行うということを予定してございます。  この研修におきましては、女性の状況に応じてオンライン診療後も速やかに対面診療を勧めることなどを盛り込むことを想定しておりまして、オンライン診療を行った場合においても性犯罪や性暴力被害者に適切に対応できるよう、御指摘いただきましたような警察あるいは性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターなど、いろんな施策と連携を取りながら取組を進めてまいりたいと考えてございます。
  24. 自見はなこ

    ○自見はなこ君 ありがとうございます。  医政局と子ども家庭局と連携して是非やっていただきたいと思います。  また、内閣府における性犯罪、性暴力の被害者支援のための取組も教えてください。
  25. 池永肇恵

    ○政府参考人(池永肇恵君) お答えいたします。  ただいま吉田局長の御指摘にありましたように、性犯罪、性暴力は女性の人権を踏みにじる決して許すことのできないものと考えております。  性犯罪、性暴力被害者の支援において最も重要なことは、被害者の心身の負担をできるだけ少なくすることと考えております。そのため、内閣府では、性犯罪・性暴力被害者支援交付金等により、被害直後から医療面、心理面などの支援を可能な限り一か所で提供する、先ほども御指摘ございました性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターの整備を促進しております。  当初は二〇二〇年度までに全都道府県に設置する目標を掲げておりましたが、昨年前倒しでそれが実現したところでございます。今年度の予算では、交付金を前年度から一割強増額して、ワンストップ支援センターの安定的な運営や二十四時間三百六十五日の支援体制の整備などを進めております。  引き続き、性犯罪、性暴力被害者の支援の充実を図ってまいります。  以上でございます。
  26. 自見はなこ

    ○自見はなこ君 ありがとうございます。是非よろしくお願いをいたします。  また、警察におけます性犯罪、性暴力の被害者への対応についても併せてお伺いしたいと思います。
  27. 田中勝也

    ○政府参考人(田中勝也君) 性犯罪につきましては、被害者に対し身体的にも精神的にも極めて重い被害を与える犯罪であると認識をいたしております。  このため、性犯罪の捜査におきましては、大きな精神的ダメージを受けている被害者の心情に配意しつつ、迅速、的確に事情聴取や証拠の収集等を行うことが求められるところであります。  そこで、都道府県警察におきましては、警察本部に専門の性犯罪捜査指導官及び性犯罪捜査指導係を設置し、平素から警察署の捜査員への指導、育成に当たるとともに、被害者からの事情聴取を始め性犯罪の被害者と関わる様々な業務に従事する警察官を性犯罪指定捜査員に指定するなどの取組により適切な性犯罪捜査の推進に努めているものと承知をいたしております。  その上で、具体的には、被害者のプライバシーに配意しつつ、被害者が相談しやすい環境の整備、被害者が希望する性別の警察官による事情聴取、被害者の体調への配慮、医療機関への早期受診の要否の判断及び医療機関への付添い、証拠の保全についての説明等の取組を行うとともに、初動捜査体制の強化、専従捜査体制の確立、DNA型鑑定、防犯カメラ画像の解析等の科学捜査などによりまして、被疑者の早期検挙に努めているところであります。
  28. 自見はなこ

    ○自見はなこ君 ありがとうございます。  この性犯罪、性暴力というのは、家庭内暴力、いわゆるDVと、それから虐待との関連性というのが非常に濃厚であるということはもう自明の事実で、明らかなところでございます。  このDVの視点を持って虐待というものを対応するということも非常に大事だと思いますけれども、内閣府においてこれを促進するための取組について教えてください。
  29. 池永肇恵

    ○政府参考人(池永肇恵君) お答えいたします。  ただいま御指摘ございましたように、児童虐待死事案において、その背景にDVがあったと指摘されているところでございます。  児童虐待対応やDV対応を行うに当たっては、児童相談所や配偶者暴力相談支援センター等の関係機関が児童虐待とDVが同じ家庭内で重複して発生している可能性を考慮した上で連携協力して対応する必要があると認識しております。  こうしたことから、内閣府は、これまでも配偶者暴力相談支援センターの相談員等に対する研修や相談員向けの手引において、DVの特性や子供に与える影響、DVと児童虐待の関連等について理解の促進を図ってきました。  また、今年度の事業では、児童虐待対応機関におけるDVの特性等の理解促進に向け、研修対象に新たに児童相談所職員も含めるなどの研修の充実、またDVと児童虐待との関連性の記述を充実するなどDV被害者支援に係る手引の改訂と必要な事項を児童相談所に周知をすることなどを行うこととしています。  いずれにしましても、子供への影響を含めて、DVと児童虐待双方の知見を踏まえた適切な対応が図られるよう、関係府省庁により一層緊密に連携してまいりたいと考えています。  以上です。
  30. 自見はなこ

    ○自見はなこ君 ありがとうございます。それぞれの省庁の連携が多くの方々を救うと思いますので、是非よろしくお願いいたします。  また時間もいただけるということかもしれませんが、実は、今週末に児童相談所に伺ったのとは別に小倉少年鑑別所にも、大変法務省の皆様にお世話になって、見学をさせていただくことができました。  質問は今日はいたしませんけれども、少年法の年齢引下げについて、十八歳、十九歳を今後どうしていくのかということの議論も、非常にこの我々の児童虐待の議論とも関わってくることになると思いますので、また回を改めてになるかとは思いますが、この件についてはしっかりと審議ができたらと思っております。足を厚生労働委員会までお運びいただきましたのに、申し訳ございません、質問充てる時間的な采配がなくて大変申し訳ありませんでした。  それでは、これで質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
  31. 島村大

    ○島村大君 自民党の島村でございます。  冒頭、質問に入る前に一言申し上げます。  札幌市でまた痛ましい虐待死の事件が起こりました。亡くなったお子様の御冥福を祈りますとともに、関係者におきましてはしっかりと事案検証と再発防止を取り組んでいただきたいと思っております。  それでは、質問をさせていただきたいと思っております。  今、自見議員からは大局的に質問をしていただきました。私も、神奈川県にあります平塚児童相談所、それから政令都市としての横浜の児童相談所に訪問させていただき、また私は議員になる前は約十年間小学校の校医をやらせていただきました。その視点から、今回は児童福祉司さん、この児童福祉司さんを特に焦点を当てさせていただきまして質問をさせていただきたいと思います。  本当に今事件が度々起きまして、そのたびに児童相談所の職員がいろいろと世間から、またマスコミから言われてしまいます。ただ、児童相談所の職員は、ふだん大変な困難な業務と向き合っていただきまして、懸命に働いていただいているのも、これは大きな、皆様方も御案内だと思います。  先ほどもお話ししましたように、児童福祉司さんは非常にふだん一生懸命お仕事をしていただいているんですが、この児童福祉司さんに対しまして、少し国民の皆様方にも、どういうお仕事をしているのか、また一体どういう業務をなさっているかを厚労省から御説明をいただきたいと思います。
  32. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  児童福祉司でございますけれども、これは、一定の要件を満たした上で、児童相談所設置自治体の長により任命を受けた者でございます。言わば地方公務員でございます。  具体的にはでございますけれども、この要件でございますけれども、大きく五つ要件がございます。一つは、児童相談所設置自治体の長が指定する養成機関を卒業し、又はその児童相談所設置自治体の長が指定する講習会を受講した場合、これが一つ目。それから二つ目は、社会福祉士あるいは精神保健福祉士など一定の国家資格を有している場合。それから三つ目でございますけれども、これは保育士などの国家資格がベースにあって、それに加えまして、一定の実務経験や講習会の受講経験を得た場合、これが三つ目。それから四つ目でございますけれども、大学や大学院におきまして所定の科目を専修していることに加えまして、これも一定の実務経験を得た場合でございます。最後、五つ目でございますけれども、これは、社会福祉主事、これは福祉事務所の言わば任用資格でございますけれども、社会福祉主事などの資格の任用を受けた上で、これもプラス一定の実務経験や講習会の受講経験を得た場合。こういった要件を満たす方が任用されるということでございます。  業務でございますけれども、主な業務といたしましては、子供や保護者等からの福祉に関する相談に応ずること、また、必要な関係機関とも連携しながら支援、指導や関係調整を行うことが主な業務でございます。  具体的には、その相談対応でございますけれども、やはり虐待、近年特にそうでございますけれども、虐待に関する相談とその対応が多うございますけれども、そのほかにも、例えば、身体障害、発達障害を持つ子供に関する障害相談、それから触法行為があった子供に関する非行相談、それから育児やしつけに関する育成相談などへの対応も行っているところでございます。
  33. 島村大

    ○島村大君 ありがとうございます。  まず一点、国民の皆様方に再度御理解していただきたいのは、児童福祉司さんは公務員であるということですね。公務員の方が担っていただいているということと、地方公務員だということを今御説明がありました。そして、業務内容としては、今触れていただいたように、児童虐待の相談対応のみならず、非行の相談、そして障害相談など、本当に幅広い相談をまずはやっていただいている。その中心が質的にも量的にもやはり虐待相談の対応が一番多いということを今お話をしていただきました。  そして、この児童虐待の通告があった場合には、一般的に児童相談所の児童福祉司さんはどのような対応をしているのか、また、子供や保護者の状況に照らし、一時保護などの親子を分離させる措置が必要だと判断された場合には児童福祉司さんはどのような対応を行うのかを少し、一例でもいいですので、具体的に、また簡潔にお願いします。
  34. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  児童相談所に虐待通告があった場合でございますけれども、まずは可能な限り情報を聞き取りますとともに、過去の相談状況、あるいはその子供が保育所や学校等に通っている場合にはその状況の確認等を行います。その上で、児童相談所内で受理会議を開催いたしまして、必要な情報共有や担当者を決定いたします。その後でございますけれども、原則四十八時間以内に安全確認を実施いたしまして、その際、必要に応じて警察等の関係機関とも連携して対応する、これが基本でございます。  子供の安全確認ができない場合でございますけれども、立入調査などの対応を行いますとともに、必要に応じてちゅうちょなく一時保護を行いまして子供の安全を最優先にした対応を行う、こういった業務の考え方でございます。  具体例で申し上げますと、例えば保育所で虐待を受けたと思われるけがが発見されまして通告された場合でございますけれども、児童相談所はすぐにまず保育所を訪問いたします。その上で、子供の状況を確認いたしまして、保護者から分離する必要があると判断される場合には一時保護を決定いたします。その後、一時保護所で子供を保護いたしまして、保護者に対しまして一時保護を行ったことを電話で説明いたしまして、当日若しくは翌日に保護者との面接も設定する、こういった対応を行うということでございます。
  35. 島村大

    ○島村大君 今局長からいろいろ答弁していただきました。やはり、児童福祉司さんは大変な業務、それも緊急性に対応していることも多々あるということを今お話をしていただきました。やはりその対応が大切なお子様の命を守っていただいている。これは、やはり児童福祉司さんというのはすごく精神的にも負担が大きい業務だと思います。  ただ、これだけ大きな業務でございますが、この業務内容に関しまして世間に理解をなかなかしてもらえない一面もあると思います。これは、いわゆる仕事の内容がそのお子様とか家族のすごくプライバシーに関わる問題が多いと思われますので、なかなかこれは公表しづらいこともあるのは我々も重々承知をしております。ただ、そういう意味では、やはりできる限り、我々もそうですが、厚労省もそうです、皆様方がしっかりと国民に対して、児童福祉司さんの職務、それから今何をしているかということを発信していただきたいと思っております。ただ、これができるできないは私もよく分かります。  ひとついろいろと調べていただき、また教えていただいたんですが、朝日新聞の編集委員の大久保真紀さんという方が児童相談所の密着取材をして、その著書がございます。「ルポ 児童相談所」という著書がございます。これらに大分具体的に書かれていますので、この本をなるべく皆様方読んでいただけると有り難いなと、私も読ませていただきまして、思いました。  私も、先ほどお話ししましたように、児童相談所を訪問させていただいたときに、児童福祉司さんがやはり自分の身の危険を、その家庭に行ったときに、この著書にもありますが、やはり経験をしたという方はいらっしゃいました。包丁が飛んできたというのが、私、実はこれ、少し本当なのかなと思ってこの本を読まさせていただき、そして現場で聞かさせていただいたときには、やはり同じようなことを一人の児童福祉司さんがおっしゃっていました。  やはり、これだけ自分の身を、危険も顧みずお子様のために、また、お子様の危険だけではなくて、家族でやっぱり育ててもらいたい、親子の関係を一時的にはそれは離すかもしれませんが、しっかりと最終的には親子で、この幼児の大切な時期にしっかりと教育それから家族の触れ合いを一緒になってしていただきたいというお気持ちをすごく私も感じました。  そういうことをしっかりと、我々もある一面難しい、隔離した、乖離した、それでまた家族に戻すという難しさを私もすごくこれは痛感していますので、そこを是非とも、どういうふうにしていくかということを、今回のこの法案でどのように対応していくかということを、皆様方も厚労省の方々もそこは一丁目一番地として考えていただいていると思いますが、どのようになっているかを教えていただきたいと思います。介入と支援の、済みません、ことで。
  36. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  これまで、一時保護などの介入機能と保護者に対する支援というのを同一職員が行うことで、保護者との関係を考慮する余り必要な保護がちゅうちょされてしまうといった点が指摘されてきたところでございます。こうした指摘も受けまして、ちゅうちょなく一時保護等を行えるように、本改正法案におきましては、児童虐待防止法を改正いたしまして、一時保護等の介入的対応を行う職員と保護者支援を行う職員を分けるなどの措置を講じることといたしております。  また、本年三月の関係閣僚会議で決定いたしました抜本的強化に基づきまして、今後でございますけれども、先ほども御答弁申し上げましたけれども、児童相談所におきまして、機能に応じて部署を分ける、あるいは職員を分けること等のほかに、専門人材の確保及び育成に関する方策など体制整備を推進することにつきまして、国におきましてその取組内容を示しますとともに、都道府県等におきまして体制整備に関する計画策定を進めることといたしております。  こうした取組を通じまして、児童相談所の介入機能と保護者支援機能、この二つの機能につきまして両面からの強化を図ってまいりたいというふうに考えております。
  37. 島村大

    ○島村大君 今、介入的な関わりにせよ、支援的な関わりにせよ、今、児童福祉司さんのお話がありました。この専門性を高める必要が本当に重要だということは我々も皆様方も共通認識だと思います。ただ、最初にお話ししていただいたように、この児童福祉司さんは都道府県で採用された地方公務員だということです。ですから、職員でありますので、一定なサイクルで人事異動があるというのもこれも事実だと思います。ですから、児童相談所以外の機関でお仕事をしていただく場合ももちろんありますし、この異動のサイクルに関しましては、やはり地方行政の考え方もあると思いますし、本人の御希望もあると思います。  現在、児童相談所において福祉専門職がどのぐらいいるのか、また児童福祉司さんはどのぐらいの勤務年数で異動しているとか、実態はどうなのかということをまず教えていただきたいと思います。
  38. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  児童福祉司でございますけれども、平成三十年四月一日現在におきまして三千四百二十六人おりますけれども、これを自治体の採用区分で福祉等専門職と一般行政職に分けますと、福祉等専門職が二千五百七十九人、七五・三%、一般行政職が八百四十七人、二四・七%ということで、四分の三が福祉等の専門職ということでございます。  また、児童福祉司の勤務年数の割合でございますけれども、十年以上が約一六%、五年以上十年未満が約二三%、三年以上五年未満が約一六%、一年以上三年未満が約二八%、一年未満が約一八%となっております。
  39. 島村大

    ○島村大君 今、現状は御説明していただいたんですが、このいわゆる児童福祉司さんの採用や人事ローテーションも含めまして非常に大切だと思いますが、厚労省としてみれば、どういうふうにこの実態を今お考えなのか、またどのように対応していくべきだということをお聞きしたいんですが、私がこの平塚と横浜の児童相談所に行かせていただいたときに、サイクルとしては現実は大体三年ぐらいが一つのサイクルだと教えていただきました。ある児童福祉司さんは、自分としては長くこの仕事を続けさせていただきたいという方もたくさんいました。で、ある方は、自分はその児童福祉司さんの仕事をしたくてこの相談所に来たけれども、もし三年たってその後に引き続き希望を取られた場合に、自分としてはやはり今の状況としては三年たったら異動したいという方もいました。  いろんな方々いるのはもちろんそうだと思いますが、やはり今この国の一番お子様にとって大切なことを我々はどういうサポートができるのか、それから、やはりそのローテーションの考え方を地方自治体だけに考えていただけるだけじゃなくて、やっぱり厚労省としてもどう考えているのか、それをしっかりとやっぱり見せていただかないと、その現場現場でやはりそれは対応しなくちゃいけないんですが、ちょっと現場任せのような感じもすごく受けましたので、今後、厚労省としてどのように対応していくかを見解を聞かせていただきたいと思います。
  40. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) ただいま委員から、児童福祉司さんの仕事がいかに大変か、そしていかに大切か、自らの体験も交えてお話しをいただきました。  児童相談所の職員について、必要な専門性が確保できるよう、計画的な人材確保、育成が図られることが重要だと考えております。児童相談所の職員については、地方公共団体において採用され配属されるものでありますが、児童相談所において、組織としての経験も蓄積され、引き継がれるようにする必要があると考えております。  このため、都道府県等に通知を発出して、幹部職員も含めた個々の児童福祉司等が必要な専門性を確保できるような人事異動サイクルで人材配置を行うこと、将来的に指導、教育的な立場に立つ職員の計画的な育成をすること、積極的に児童相談所配属経験者の再配置や児童相談所OB職員の再任用等を行うことなどを依頼し、自治体での工夫が進むように取組の周知を行っております。  また、このような計画的な人材の確保、育成に関しては、今後、児童相談所の設置基準など、地方団体と様々な検討を進めていく中で協議していきたいと考えております。
  41. 島村大

    ○島村大君 大臣、ありがとうございます。  もちろん、児童福祉司さんの人数を増やすとか、厚労省としても積極的に対応していく、その今お気持ちはよく大臣から聞かせていただきまして、もうごもっともで、これはやっていただきたいんですが、児童福祉司さんをやっぱり続けてやっていきたいと、後で処遇の話もさせていただきますが、やっていきたいというその気持ちをどういうふうに我々も、児童福祉司さんの気持ちを我々が受け止めさせていただいて、現場でお仕事をしていただけるような環境づくりをやっぱりこれはしていかなくちゃいけないと思っております。  私も、じゃ、これを何をすればいいかという答えを持っているわけではないですが、やはり厚労省さん、そして今、総務省さんにもお話、御質問させていただきますが、総務省さんもそうですし、我々国会議員も、やっぱり全員でこの児童福祉司さんに対して、また児童相談所でお仕事をしていただいている方々に対してもっと目を向けなくちゃいけないと、これは本当に思っております。  その一つとして、やはり今お話ししましたように、皆さん、児童相談所でお仕事していただいている方はいわゆる地方自治体職員さんでございます。この人事方針に関しましては、今、先ほどもお話ししましたように、人事異動のサイクルを長くしようとしても、冒頭に触れましたように、児童福祉司が担う職責が激務のゆえに職員自身の異動希望も多いと聞いております。また、昨年末に策定しました新プラン、児童虐待防止対策体制総合強化プランにおきましても、着実な人数を増やすことを盛り込んでいただき、業務負担の軽減を図っていくとか、そういうことは書いていただき、この強化プランに入っております。そして、この職責に合った処遇改善を行っていくということもよく分かります。  これは、これらを、児童福祉司を始めとする児童相談所の処遇改善について、政府の関係閣議の会議が本年三月に取りまとめていただきました児童虐待防止対策の抜本的強化においても盛り込まれておりまして、先日の衆議院での法案修正に関しまして、また法案の附則にも盛り込んでいただいているように、この処遇改善、また職務に合った仕事にしてもらえるようになっておりますが、この件に関しては、厚労省だけじゃなくて、総務省としても重要性をどう受け止めているのか、また具体的な手法はどうなのかということを、基本給に対しての上乗せについてとか地方交付税上の問題とか、いろんな措置あると思いますが、今決まっている、また、今の総務省としての考え方をなるべくちょっと具体的に教えてほしいと思います。お願いします。
  42. 多田健一郎

    ○政府参考人(多田健一郎君) お答えを申し上げます。  先生から今お話がありましたとおり、本年三月に関係閣僚会議で決定をされました児童虐待防止対策の抜本的強化におきましては、児童相談所の体制強化につきまして、児童福祉司の増員等に向けた支援の拡充などとともに、児童福祉司等の処遇改善を図ることが対策項目として位置付けられております。総務省としても重要な方策の一つであると認識してございます。  お尋ねがございました現状の児童福祉司の処遇に係ります地方交付税措置としましては、単位費用におきまして特殊勤務手当を算入をしているところでございますが、今後の対応につきましては、現在、厚生労働省におきまして改善の具体的な手法、国庫補助や地方交付税措置を含めた財政措置の在り方などにつきまして御検討されているものと承知しておりまして、総務省としては関係省庁と連携をしながら適切に対応してまいりたいと考えてございます。
  43. 島村大

    ○島村大君 ありがとうございます。  今、手当に関しても特殊職務手当を考えているとか言っていただいているんですが、これ、ひとつ、済みません、そこまで通告していないので答えられる範囲でいいんですが、例えば地方交付税としてこれを手当として考えていただいている場合に、総務省としては、各県に地方交付税を出した場合に、ただ、これは県がどう考えるかによって使い方はいろいろと変わるわけですよね。ですから、総務省として、この今回の児童相談所の件に関して、また、この児童福祉司さんに対して特別にこれを、地方交付税を乗せているんだということを発する、そこまでやるつもりで今お話ししているのかをお答えできる範囲で教えていただければと思います。
  44. 多田健一郎

    ○政府参考人(多田健一郎君) お答えを申し上げます。  地方交付税はあくまで一般財源でございまして、国の方として使途は制限はできませんので、そこは、都道府県あるいは市町村の実際の使い方というのは自治体の判断に任せられているところでございますけれども、交付税の積算においてどういうふうにして積算をしたかということにつきましては、私ども、求めに応じて、あるいは自主的にいろいろ説明をさせていただいているところでございます。
  45. 島村大

    ○島村大君 これ以上は答弁は要りませんが、おっしゃりたいことはよく分かっていますが、積算根拠を説明してそのとおりやっている地方自治体って本当にあるんですかというのが私の感じているところでございますので、是非とも、総務省としての立場もよく分かりますので、答弁は要りませんが、やはりそこはなるべく理解していただいて、やっぱり都道府県の考え方ももちろんありますが、私は、児童相談所に関しましての手当を地方交付税としてしっかりと使っていただけるように、我々も目を光らさせていただきたいと思いますし、皆さんも、総務省としても厚労省としても、是非そこは今までどおりじゃなくて、もう一歩踏み込んで何かやっぱり対応していただきたいというのが私たちの考えでございます。  そして、最後に、大臣、今いろいろと質疑をさせていただきまして、やはりこの児童福祉司さんの職務の重要性ということが大きく、今少しずつですが、明らかになったと思います。そして、児童相談所の体制を強化していくためにも児童福祉司さんの処遇改善が一つ大きいと思いますが、処遇改善が、やはりこの相談所等の役割、そして職務の重要性を国民にどう伝えていくか、またどうこれを理解してもらえるか、そして社会的、やっぱり恒常的に地位を上げさせていただいて、このやりがいという言葉が合っているかどうか分かりませんが、やはりこういう自分の誇りを持って仕事をできるような環境づくりというのは我々がやらなくちゃいけないと思っておりますので、是非とも大臣としましても、この児童福祉司さんの地位の向上をどのように積極的に行うべきかということを大臣の見解を聞かせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
  46. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) ただいま委員からいろいろお話がありましたように、専門性の高い児童福祉司がやりがいを持って職務を担っていただけるようにすること、これが極めて重要だと思います。ただいまの質疑は、まさにこのような点に焦点を当てていただいたものと考えています。  本年三月の関係閣僚会議において、児童相談所の児童福祉司について手当などによる処遇改善を図る旨を決定しております。今後、地方団体等の意見も踏まえながら、概算要求に向けて検討していきたいと思います。  このような児童福祉司の処遇改善に加えて、現場の職員の方々がやりがいを持って業務に取り組むことができて、なり手が増えるようにするため、地方自治体ともよく相談しながら、採用に向けた支援や発信などを始め、今いろいろと委員から御提言、御提起いただいたように、効果的に誇り、やりがいなどを発信できるよう、様々な工夫を考えながら取り組んでいきたいと思います。
  47. 島村大

    ○島村大君 ありがとうございます。是非とも進めていただきたいと思っております。  そして、これは私の個人的な考えですが、今いろんな職業とかあると思います。世間になかなか知られていないというのか、なかなか分かりづらいお仕事、でも本当に大切なお仕事というのはたくさんあると思います。その中で、前に公明党さんがちょっと質問していただいた我々の関係の歯科技工士さんとか、そういうお仕事もございます。この歯科技工士さんの、やはり世間に理解していただくように映画を作ったり、いろんなことを今やらせていただいております。  その映画を作るのが一番ベストだという、それだけとは言いませんが、やはり児童福祉司さんに焦点を当てた何か、マスコミを介して、また厚労省さんに言いますと何かホームページの隅っこの方に載せるだけではなくて、しっかりといわゆるマスコミさんのお力をお借りしながら焦点を当てさせていただいて、やはり国民の皆様方にこの児童福祉司さんを、大切さを是非とも、我々も御協力をさせていただきますので、皆で知恵を出し合いながら、是非とも御理解をしていただけるように、ただ単に問題が起きたから、いや、児童相談所の問題だというんじゃなくて、しっかりとそういうふうな目線で我々も応援させていただきますので、よろしくお願いします。  ありがとうございました。
  48. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 立憲民主党・民友会・希望の会の石橋通宏です。  今日は、法案の審議に入ります前に、今大問題になっています、国民の皆さんが本当に心配されております年金について、政府の考え、ただしたいと思います。今日、田中副大臣、金融担当、お見えをいただいておりますので、真摯に国民の皆さんの不安にお答えする答弁をいただきたいと思いますが。  昨日の参議院の決算委員会でも蓮舫委員始め多くの皆さんがこの問題、追及をされておりますが、甚だ政府の答弁が不誠実、不十分です。  まず、田中副大臣、お聞きをします。  今回の市場ワーキング・グループの報告書。これは、政府が公に、もうこれからは公的年金では老後暮らせないと、安心して。今後、給付は更に下がっていきます、そして安心して暮らせる水準には届きません、だから自分で頑張ってくださいということを公的に認められた。それでよろしいですね。
  49. 田中良生

    ○副大臣(田中良生君) お答えいたします。  まず、政府として、誤解ですとか不安を与えたということは反省しなきゃいけないなと考えております。高齢者の生活、これは多様でありまして、毎月五万円の取崩しですとか、あるいは二千万の貯蓄を全ての人がやるべきですとか、またそれが目指すべきモデルだとかいうわけではないと、やはり公的年金が老後の基本であるということであります。  その上で、この御指摘の報告書でありますが、本日、記者会見におきまして、金融担当大臣から、世間に著しい誤解や不安を与えて、これまでの政策スタンスとも異なるということから、担当大臣として正式な報告書としては受け取らないことを決定した旨を明らかにさせていただいているところであります。
  50. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 これまた驚きですね。一体どれだけの税金これ投入したんですか。このワーキング・グループ、物すごいメンバーですよ、これ。すごいメンバーでこれ検討しているんですよ。その責任はどこにあるんですか。  昨日、安倍総理は、この報告書、不正確だと。副大臣、何が不正確なんですか。
  51. 田中良生

    ○副大臣(田中良生君) 先ほどもお答えいたしましたが、高齢者の生活が多様である、その中で誤解ですとか不安を与えてしまったということは、やはり反省すべき点であるということであります。  それと、公的年金でありますが、やはり老後の生活をある程度賄うことができると言ってきたということであります。これに対しても異なることである、政策スタンスとは異なるということであります。
  52. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 副大臣、正確に答えてください、質問に対してね。  安倍総理は、昨日、不正確だったと答弁されているんですよ。どこがどう不正確だったんですか。
  53. 田中良生

    ○副大臣(田中良生君) これは家計調査の結果という部分において、これは高齢者世帯の平均貯蓄額の活用の実態、これを表したものにすぎないと。公的年金の問題を指摘したものではなくて、また生活費として不足であるかのような表現があったと、これがやはり不適切であったということであります。
  54. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 これ、副大臣は報告書読まれているんですよね、参考資料共々。正直に答えてください。
  55. 田中良生

    ○副大臣(田中良生君) はい、一通り目を通しております。
  56. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 一通り目を通したというのはよく分かりませんね。昨日、麻生大臣は最初のところだけさらっと読んだみたいな発言をされていましたが、責任ある立場の方々がそういうことで国会で答弁されるんですかね。  これ、平均的にって書いてあるんですよ。高齢夫婦無職世帯の平均的な姿で五万円月々不足する、だから千三百万円から二千万円寿命に応じて不足するというふうに、これ正直に書いてあるんじゃないんですか。  じゃ、副大臣、足りるんですね。不足は生じないんですね。それを逆に言えば、政府が公的に、公に言われるんですね。
  57. 田中良生

    ○副大臣(田中良生君) 公的年金においては、将来にわたってモデル世帯で老後の生活をある程度賄うことができると言ってきたものであります。今般のこの報告書においては、あたかも公的年金だけでは生活費として月五万円足らないかのように述べたこと、これが政策スタンスとは異なるということでありまして、平均的な所得としての基準に基づいて出したものであります。
  58. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 副大臣、重ねて正確に答えてください。  じゃ、足りるんですね。五万円の不足は生じない、この報告書は間違っています、政府としては国民の皆さんに保障するんです、そうおっしゃっているんですか。
  59. 田中良生

    ○副大臣(田中良生君) これはあくまでも、高齢者の生活というのは多様であると先ほども申し述べさせていただきましたが、様々なモデルがあるという状況の中で出させていただいたというものであります。  当然、足りる足らない、それぞれいろんなパターンがあるかと。一概にお答えすることはできません。
  60. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 それは前提で書いてあるんです、ちゃんとこの報告書に。平均的な姿、それ以上の方もいればそれ以下の方もおられる、平均的な姿で五万円足らないってちゃんと書いてあるんです。違うんですか。  じゃ、平均的な方で平均的な姿で五万円足らないような事態は絶対にこれからも生じない、政府としてそういうふうに言われるんですね。
  61. 田中良生

    ○副大臣(田中良生君) 先ほども申し述べましたが、この報告書でありますが、やはり世間に対して著しい誤解ですとか不安を与えたということであります。これまでの政策スタンスも異なる。ゆえに、正式な報告書としては、ですから受け取れないということであります。
  62. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 これ、大臣が諮問して、これだけの、重ねて、すごいメンバーをそろえて、そしてお金も掛けて作成して、提出を受け取ったんでしょう、一回。それを改めて、騒がれて、いや、訳分かりませんね、受け取らない決断をしましたと慌てて言われるというのが。これ、余りに無責任極まりないと思いますが。  これが問題なのは、足らないから投資しろと言っているわけです。  副大臣、一体この国で個人投資家がどれだけの収支なのかは御存じなんですか。個人投資家ってみんなもうかって、千五百万円、二千万稼ぐんですか。どれだけ把握されています、個人投資家の収支。もうけ、損、どれだけ出ているんですか。一体、何割の投資家がプラスで、どれだけもうけているか御存じです、統計。
  63. 田中良生

    ○副大臣(田中良生君) 突然の問いでありまして、数字自体は今確実に把握することはできておりませんが、当然、議員御指摘のとおり、株式ですとか投信など、こうしたもの、金融商品の投資には損失リスクがあるということも事実であります。
  64. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 そのこと報告書に書いてありますか。  あのね、事前に聞いたんです、これちゃんと担当に、資料出してほしいと、質問するから。そうしたら、ありません、分かりませんと。一体どれだけの個人投資家が損をしているのか、得しているのか。民間の調査では、大体平均的に六割、七割は損していますと。中には、九割は損していますという報告もあります。そういうことがあるのに、国民の皆さんに、こういう報告書で、足らなくなるから投資してくださいと。投資の奨励のオンパレードですよ、この報告書の後半は。  これ、損したらどうするんですか、金融庁、政府。多くの皆さんがそれ心配になった。いや、なけなしのお金を投資、いや、投資できるだけの、それだけの貯蓄がある方が一体どれだけおられるんですかね。そして、なけなしのお金を投資に回した。損されたらどうするんですか。その責任どう取るんですか、副大臣。
  65. 田中良生

    ○副大臣(田中良生君) 貯蓄から投資へというのは、過去にも歴代政権でも取り組んできたテーマであります。家計の金融資産の過半が今、現預金となっている、こういう現状から、個々人のニーズに応じて、より有効な運用ができるように制度を整えていかなくてはいけないということが重要だと考えております。その上で、金融庁においては、今、NISAですとかつみたてNISA、導入、拡充などに取り組んできているという状況にあります。  一方で、当然これはリスクもあるものであります。その上で、金融機関が十分にリスクを説明するということであったり、あるいは、利用者が安心して投資できる環境を整備する観点から、金融商品取引法などの関係法令、こういう整備にも金融庁としては取り組んできたということであります。
  66. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 今、恐らく多くの国民が、本気で言っているのかと怒っていると思いますよ、副大臣。これ、老後の安心のための費用ですよ。いや、例えば余剰資金があって、余剰資金がある中でそういう運用をと言うなら百歩譲って分かるかもしれません。でも、我々が許せないのは、老後の資金が足りなくなります、これで生活できません、それで投資をって。そのことが多くの皆さんがふざけるなと思っているその理由でしょう。  本来ならば、であれば、どう老後の安心を確保するのか、今の年金制度で駄目なら、どう年金制度を改革をして安心をつくっていくのかという議論をするんでしょう。それを、自助です、自分でやってください、投資で。じゃ、失敗したらそれも自己責任です。そんな政府がありますか。  大臣、根本大臣、根本大臣は、これ了承してこの報告書やっているんですか。これ、厚生労働省もオブザーバーで参加していますね。これ、政府の統一見解ですか。厚生労働省も同じ立場で、公的年金ではもう駄目です、安心はつくれません、金融庁と一緒になって、投資で頑張って、自助で頑張ってください、それが厚生労働省の立場ですか、大臣。
  67. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) そういうスタンスは取っておりません。
  68. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 じゃ、何で闘わないんですか、こんなのふざけるなって。こうやって大きくなるまで、大臣、物申したんですか、文句言ったんですか。これ、厚生労働省の立場とは違う、こんなもの受け取らないって言う前から受け取るんじゃないって、大臣が何で怒らないんですか、そういうスタンスで。  大臣、財政検証なぜ出さないんですか。私、三月に大臣にこの場でお聞きしましたね、財政検証、早急に出してくださいと。我々は、まさに前回の年金制度改革の議論のときにこの問題追及しているんです。マクロ経済スライドを強制適用、もう毎年デフレでも適用にする、当然ですけど給付は調整されますよ、下がります。いや、だったらそれを堂々と認めて、一体将来推計がどうなるのか、どれだけ足らなくなるのか、であれば、どう年金制度を改革するのか。だから、我々は真摯にそれを出してくれと。  政府は、次回の年金財政検証でいろんなシミュレーションをやって、ちゃんとやりますからと言ったわけです。だったら、国会会期中にそれを出して、この場で議論しようよという話を三月にした。大臣、準備ができたらすぐに出しますと答弁していただいています。準備終わっているんでしょう。厚生労働省の担当、我々の合同部会でそう言っていますよ。  大臣、すぐ出してください。いつ出していただけるんですか。前回、昨年は、六月の上旬に出していますね。六月の三日に五年前は出しています。もう過ぎています。大臣、すぐ出してください。
  69. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 財政検証は、現在作業中であり、必要な検証作業が終わり次第公表することを予定しております。  委員のお話は、野党合同ヒアリングにおいて事務方から、現在作業中であり、必要な検証作業が終わり次第公表することを予定していると説明したと聞いております。また、事務方から、データとしてはそろっておりますので、今しっかりとした検証作業をやっていると申し上げたと私は聞いていますが、これは、財政検証に用いる前提、あるいは、具体的には人口の前提や労働力の前提、経済の前提は、三月十三日の社会保障審議会年金部会において了承いただいたものであり、不足しているものはないという意味で申し上げたものであります。現在は、その後の計算作業を行っているところであります。  いずれにしても、現在作業中であって、必要な丁寧な検証作業が終わり次第公表することを予定しております。
  70. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 これ、明らかにおかしいんです。  前回も、専門委員会からの提案はもう三月の十日に五年前出て、三月十二日に報告が上がって、六月の三日に出されています。今回も、経済前提に関する専門委員会のまとめはもう三月七日に終わっているんです。報告は年金部会に上がっているんです。前回と同じです。今回、殊更に、それ以上に時間が掛かっている理由が全く分かりません。選挙前に公表したくないとして隠しているんだとしたら、ゆゆしき事態です。  大臣、具体的に何でそんなに時間が掛かっているか、何をやって調整しているのか、これ正確にちゃんと我々に報告してください、説明してください。でなければ説明が立ちません。是非そのことはしっかり我々に説明していただきたい、そのことをちょっと委員長、取り計らってください。
  71. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) 後刻理事会で協議します。
  72. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 重ねて、この国会中に財政検証をちゃんと出していただいて、年金制度の在り方、これだけ大問題になっています、是非しっかり議論をさせていただきたい。政府の今回の報告書受け取らないと、何か慌ててそういうことをされていますが、無責任です。そのことも含めてしっかり追及していくことも申し上げて、法案の審議に入っていきたいと思います。  委員長、よろしければ、田中副大臣、もう結構です。
  73. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) では、田中副大臣、どうぞ。
  74. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 それでは、法案の審議に入りたいと思います。  本当に悔しい、残念ですが、札幌でまた児童虐待死が発生をいたしてしまいました。私からも、心から御冥福をお祈りしたいというふうに思います。  今日、お手元の資料で、現時点までに判明をしている事実関係、経緯ということで、資料の二をお配りをしております。  昨日、今日になって児相と警察の言い分が大きく食い違っているという事態も発覚、発生をしています。  まず一点、今回、今問題になっているのは、児相の方で四十八時間ルールが守られていなかった。これ、四月もそうですが、五月の点も結局、児相が直接児童には接触できていなかった。これ、何で四十八時間ルールが守られなかったのか、大きな問題だと思いますが、まずこの点について現状確認できていることをお伝えください。
  75. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  今回のケースにおきましては、四月五日の虐待通告の後に母親に電話しても応答がなく、家庭訪問でも不在でありましたけれども、その後も子供や母親に結果的に会えていないわけでございます。  本年二月の関係閣僚会議決定におきまして、子供に会えないこと自体をリスクが高いものとすること等の新たなルールを示していたにもかかわらず、このルールに基づいたリスクの把握が結果的にできていなかった、それが原因ではないかというふうに考えております。
  76. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 それをどう受け止めておられるんですか。なぜなんですか。それだけ徹底をした徹底をしたと。結局、徹底ができていない、会えていない。  今回、五月の十二日以降、警察に一一〇番通報があった。十三日、十四日の経過、先ほど言ったように、警察との、児相とのやり取りで大きなそごがあります。ここも、これはちょっと今この場で、まだ事実関係精査をいただいていると思いますので、あえてこの場でお答えいただくことは控えます。事実関係、早急に解明していただいて、一体何がどう起こってこの四十八時間ルールが守れなかったのか。  一点確認しておきたいのは、児相の所長さんが、一人当たりの、札幌市児童相談所で百件対応しているんだというお話がありました。今日、資料の三で、厚労省からいただいた札幌市の児相の体制と対応件数でいうと、数字上は四十四・五件ということになっています。ここで大きな乖離があるんですが、この乖離についてここで分かっている範囲で説明いただけませんか。
  77. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  御指摘のとおり、六月六日に行われました札幌市児童相談所の会見におきまして、一人当たり百件を超える件数がある旨の発言があったことは承知をいたしております。  札幌市の児童相談所に確認いたしましたところ、平成三十年度における児童相談所の虐待相談、今日、資料でお示しいただいているのは虐待相談でございますけれども、そのほかに障害相談、非行相談などの受付件数も加えまして、それを全体を児童福祉司数の数で割ったものが百件を超える、こういう趣旨であったというふうに現時点で聞いております。
  78. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 この点は結構重要です、この法案の審議に当たっても。私たち、児童福祉司の増員についても議論をしています。政府案も提案はある。ただ、これ、私、本会議でも質問させていただきました。政府では大体一人当たり四十件前後、そういう目標だ。我々野党案、衆議院では四十件以下に抑える、これを明記をして、ちゃんと児童福祉司の皆さんがそれぞれ丁寧に対応できるようにという提案をした。でも、政府は、いや、それじゃ柔軟な対応ができないといって我々の案を採用しないと。  これ、今現場で、じゃ、現場の皆さんは、いや、いろいろなことを含めると百件対応しているんだというふうにおっしゃっている。むしろ、現場の実態を考えれば、そのことが正しいとすれば、我々が議論している四十件だの四十四件だのというのが本当に妥当なのかという問題がむしろ惹起されてくるのではないかというふうに思いますが、これ、もう少し精査をして、これ本当に一人当たりの、じゃ対応件数が何件なのかといったときに、どこをどこまでその対応件数に含めるべきなのか、これ改めて議論して精査すべきだと思いますが、大臣、どう思われますか。
  79. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  昨年十二月に決定した新プランにおきましては、児童福祉司一人当たりの標準的な業務量につきまして、児童虐待相談とそれ以外の相談、今申し上げました非行、養護、障害ですけれども、合わせた相談対応件数を基に、これは単純にその件数を人数で割るのではなくて、相談種別ごとに業務量が違いますので、その業務量を踏まえまして計算いたしまして、この虐待対応ケースとその他を合わせて、現行五十ケース相当だった配置標準を四十ケース相当となるように見直しを行う、こういう考え方でございます。
  80. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 いや、重ねて現場の実態と我々のこの議論が本当に合っているのかどうかということも含めて、もう一度精査をすべきだと。  この委員会の質疑の中で、是非、その点、改めて現場の実態、実情、そして我々のこの議論、今後の増員の在り方、それを議論すべきだと思いますので、重ねて、今回またしても起こってしまったこの本当にあってはならない不幸な事案、これ、教訓にするためにも、ちょっと札幌の事案、具体的にどうだったのか、これ、是非、精査をいただいて、次回の審議までのところで、また判明した事実について明らかにしていただきたいということは、この場をお借りして改めてお願いをしておきたいというふうに思います。  今日、ちょっと一点、警察庁来ていただいていますので確認ですが、十五日に、先ほど来ありましたよね、十五日に、結局は警察単独で、道警がこれ御本人に会いに行かれているわけですが、そのときに、これも報道で、御本人の虐待、結局は虐待が認められなかったといって児相に通告をされているわけですが、専門性ある方が会っていただいたんでしょうか、虐待について。お子さんの、結局亡くなられた女児のその足の裏にばんそうこう、それが確認できていなかったのではないかという報道もあります。一体、専門性がある方が単独で行かれて、必要なしという判断をされたのか。事実だけ教えてください。
  81. 小田部耕治

    政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。  まず、現場に臨場した者でございますけれども、北海道警察によりますれば、臨場した警察官は札幌方面南警察署生活安全課の警察官二名でございまして、一定の生活安全部門の経験を有する者であり、現在児童虐待事案を担当している者であると聞いているところでございます。  そして、このときの判断でございますけれども、現場に臨場した警察官が現場から札幌方面南警察署に戻った後、あざの状況、実母の説明、その他現場において確認した事項を上司に報告して、組織的な判断を行った結果、緊急に保護する必要のある負傷は認められないものと認識したと聞いております。
  82. 石橋通宏

    石橋通宏君 この女児が亡くなられたときに、同じ年代の子供から比して体重が約半分だったという、伝えられておりますが、そのときに、その体重の状況とか女児の状況って確認できなかったんでしょうかね。
  83. 小田部耕治

    政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。  お尋ねの点につきましては、捜査の具体的内容に関することでございまして、捜査に支障を及ぼすおそれがあることから、お答えを差し控えさせていただきます。
  84. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 大体警察はそういう答弁されるんですが、これ、国会の法案審議です。あってはならない事態が起こってしまった。一体どういう経緯で、なぜ、それは是非、国会審議ですので、もちろん本当に捜査に差し障りあることは理解をしますが、情報として提供いただける部分は是非協力をいただきたいということはお願いします。  重ねて、事実関係もう少し精査が必要だと思いますので、この点について、また次回までに明らかになった時点で、次回また取り上げをさせていただきたいと思いますが、本当にこれを何としてもこの法案の議論にも生かして、とにかくもう二度と虐待死が起こらない、決意持ってやらなきゃいけないという思いで、これは是非共有させていただければというふうに思います。  その上で、今日、衆議院で修正案提出者西村委員においでいただいています。ありがとうございます。  この政府の法案に対して、我々、衆議院では対案も出させていただきました。それに基づいて、修正協議で修正案、与野党挙げてやっていただいた、本当に敬意を表したいというふうにも思います。  その中で、私たちが特に政府案に欠けているところ、足らざるところということで、虐待をしてしまった加害者、とりわけ保護者に対する支援、回復、このプログラムの強化が何としても必要だということで議論をさせていただいたわけですが、まず西村議員にお聞きしますが、修正案でこの点について盛り込んでいただいたわけですが、なぜ、この保護者、加害者に対する支援・回復プログラムが必要だという判断をされたのか、まずそのことをお聞かせください。
  85. 西村智奈美

    ○衆議院議員(西村智奈美君) お答えいたします。  児童虐待が起きた場合に、児童虐待を受けた子供の保護や支援が必要であることはもう言うまでもありませんが、再発を防止するためには、児童虐待を行った保護者が虐待の事実を受け止めて自覚をし、自ら変わることが重要であります。  現行法においても児童虐待を行った保護者に対する指導は実施しておりますが、児童虐待を行った保護者の立ち直りを促し、再発の防止や親子の再統合を図る上では、特に医学的又は心理学的な知見に基づくアプローチを強化する必要があると考えました。  そこで、児童虐待防止法第十一条第一項において、児童虐待を行った保護者について、児童虐待の再発を防止するため、医学的又は心理学的知見に基づく指導を行うよう努めるものとするというふうに修正をしたところでございます。
  86. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 そのとおりだと思います。  これ、どのような指導ということが念頭に置かれているんでしょうか。医学的、心理学的知見に基づくということになりますが、具体的にもしイメージがあればお聞かせいただきたいのと、それを、じゃ、どこがどう実施することになるんでしょう。これ児相でやるのか、若しくは外部のそういったプログラムの専門家、有識者、様々NPOとかも活動されると理解をしておりますが、そういった幅広い専門性も含めて対応するようなことも想定されるのか、その辺をお聞かせをいただければ有り難いと思います。
  87. 西村智奈美

    ○衆議院議員(西村智奈美君) ありがとうございます。  医学的又は心理学的知見に基づく指導といたしましては、例えばということで申し上げますと、保護者や家族の抱える課題に応じて子育てのスキルを高める方法や、保護者自身の心理的な課題に向き合い解決するための方法を学ぶプログラム、これはもう様々なものがあるのではないかというふうに想定をいたしております。  こうした指導は誰が行うか、どこで行うかということについても、児童相談所が行うということも想定しておりますけれども、児童相談所から専門的知見を有するNPO法人などに委託して行っていただくということも考えております。
  88. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 できるだけ幅広い専門性を、しっかり一緒に連携協力してやっていくことが必要だと思いますし、政府も当然そういうお考えで具体案作っていただけるというふうに思っておりますが。  これ、そのプログラム支援の終了時期ですね、どういう状況、状態になったこと、これもなかなか難しいところ、もちろん個々の状況に応じて違う、プログラムも違うでしょうし、どういった状況になればというのも違うと思うんですが、ちょっとまとめて質問しますけれども、例えば、一時保護になっている児童とか、親と引き離した状況になっている児童、何らかの具体的な要件を満たさないと児童を一時保護を解除しないとか児童を親元に戻さないとか、そういったことも含めて、このプログラムの提供とプログラムの終了の判断とそして子供さんをもう一度親元に帰す判断と、これはやっぱり連携、連動させるべきだろうなというふうにも思うんですが、そういうイメージなんでしょうか。そのことも是非御説明ください。
  89. 西村智奈美

    ○衆議院議員(西村智奈美君) 今委員から御質問いただいた点については、非常に様々な検討をさせていただいた点でもございます。  プログラムそのものは長期に及ぶのではないかということを私たちとしては想定しておりますが、児童相談所が行うほか、専門的知見を有する例えばNPO法人などに委託して行うというところを想定しておりますので、その指導の終了時期については児童相談所の適切な判断を期待しているというところでございます。  また、施設入所等の措置の解除につきましては、現行の児童虐待防止法十三条一項において、児童福祉司等の意見を聴くとともに、指導の効果、再発予防措置について見込まれる効果等を勘案しなければならないとあるところを、今回の修正案では、これらの勘案事項に加えて、児童の家庭環境等を勘案事項として法律に明記することにいたしました。よって、一層慎重な判断を求めているところであります。  また、衆議院で提出しておりました野党共同案においては、一時保護においても保護者について指導等の対象としておりましたけれども、その期間が短期間であることなどを踏まえて、修正案では、一時保護は、医学的又は心理学的知見に基づく指導を行う努力義務の対象とはしておりません。  提出者といたしましては、一時保護の解除に当たっても、とはいえ、やはり保護者に対する適切な指導、支援を期待するところであります。  以上です。
  90. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 よく分かりました。  とりわけ、最後のところ、私も同感でありまして、一時保護の解除に当たっての判断ということについても、やはり私は、この保護者に対する様々な支援プログラム、その状況を踏まえた判断というのが必要なんだろうと思いますので、これは今後是非運用の中でもそういった取り計らいになるように政府にはお願いしておきたいというふうに思いますが。  これ、政府に確認です。  保護者、加害者に対する支援・回復プログラムというのは、これまでも全くなかったわけではなかったはずです。一定の、いや、割と長年、ガイドラインを作られて、加害した保護者、親、加害者に対してのプログラムというのはちゃんと現場には中央からも下ろしておられたはずです。でも、実態としては、それはほとんどできていなかったですね。  とすると、これまでやってきたことと、今回修正案で出された、これ具体的に検討していく、それは劇的に違ってこなきゃいけないはずですね。これまでと同じことをやっているわけではないというふうにも思いますが、これ、厚生労働省としてきちんと早急に検討していただいて、これまでやってきたこととは違う次元、違うレベルで、具体的な保護者、加害者に対するプログラムを適切に運用していく、局長、そういうことでよろしいですね。
  91. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  まず、基本的には議員御指摘のとおりでございます。これまで保護者支援プログラム実施してまいりましたけれども、なかなか、その職員数の不足あるいは研修のための予算の不足などの課題から、十分には活用されていない状況でございました。  政府といたしましても、今年三月に関係閣僚会議で決定いたしました抜本的強化に基づきまして、保護者支援プログラムの実施を担う専門人材の養成、あるいは実施する場合の支援の拡充など、より児童相談所でプログラムを実施しやすい環境整備、あるいは保護者がプログラムによる支援を受けやすくするための仕組みやアプローチについて、これまでとは違うアプローチを含めましてしっかり検討してまいりたいと考えております。
  92. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 具体化については、是非早急に具体案、そして有効、実効性ある形をつくっていただければと思いますが。  ちょっと時間もなくなりましたので、また次回に回したいと思いますが、資料の五、資料の六で、これやっぱり包括的な保護者に対する支援というのが必要なんだと思います。もう妊娠がお分かりになったときから含めて、やっぱり孤立させない、不安にさせない、そういった包括的な取組を切れ目なくやっていくこと、資料五でいろんな体制も組まれておりますが、そのうちの一つで、子育て世代包括支援センターがあります。中核的な役割担っていただかなければならないんですが、今、その整備状況が、資料の六にありますように、七百六十一自治体、若干増えてはいますけれども、まだ全ての自治体には設置されていないと。  これ、今後どうされますか。今回の法案での体制整備も含めて、今後できるだけ全ての自治体で整備をいただく、そういう方向でよろしいんですか、予算付けも含めて。これ是非、大臣、やっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  93. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 子育て世代包括支援センター、これは、全ての妊産婦、乳幼児などを対象として切れ目のない支援を提供するものであり、虐待の発生予防や早期に発見する観点からも重要であると認識しています。私も委員と全くそれは同じ思いであります。  先日も、文京区の子育て世代包括支援センターを私も視察をいたしました。ここでは、乳幼児家庭全戸訪問のほか、ネウボラ面接と称する妊婦全数面接を行っていました。また、母子保健コーディネーターとして地区担当保健師を配置して、妊産婦や家庭のニーズを踏まえた支援プランの作成などを行っておりました。非常に、当たり前でありますが、妊娠期から子育て期にわたる総合的な支援の場として有効であると感じております。また、同じ庁舎内にある子ども家庭総合支援拠点との連携も密である、これが印象に残りました。  子育て世代包括支援センター、これは、我々、二〇二〇年度末までに全国展開を目指すこととしております。  引き続き、自治体のニーズを踏まえながら、できるだけ早く全国に展開ができるよう、積極的に設置促進を図っていきたいと思います。
  94. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 まだ積み残しはありますけれども、まだ今後議論続きますので、次回に譲りたいと思います。  今日の質問、これで終わります。ありがとうございました。
  95. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午後零時五分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  96. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、芝博一君が委員を辞任され、その補欠として福島みずほ君が選任されました。     ─────────────
  97. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) 休憩前に引き続き、児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  98. 川田龍平

    ○川田龍平君 立憲民主党、川田龍平でございます。  まず最初に、今月五日に起こった札幌での池田詩梨さんの虐待死の問題について、本当にもう御冥福をお祈りいたしますとともに、もう本当に繰り返される虐待死を何とかなくしていきたいという思いで質問させていただきます。  今回、この虐待死、これについては母親と交際相手が逮捕されて、昨年の九月と今年の四月に児童相談所に対応されたということでマスコミでも報道されているところですし、本当にこの虐待については、それだけ対応しているにもかかわらず防ぎ切れなかったという問題、これが数が減るどころか増えているという現実を直視して、その背景に何があるかということを見過ごしてしまうと、この制度を変えることだけでは実効性のある対策にはならないと思っています。  まず、日本では、親が子供を虐待した場合に、子供の環境を変えることによって、一般的には子供の環境から変えておりますが、欧米など特に、逆に親の環境を変えることで対応しております。これは、子供の方が環境の変化に敏感であり、新しい環境になじむまでにも時間が掛かるということから、子供の居住環境を変えるのではなく親の側を別の環境に置くことについて対応しているということですが、どのように考えますでしょうか。
  99. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  まず、親の環境を変えるかどうかにつきましては、なかなかその子供、お一人、住むところにどのような支援を行うのかというような課題もありますので、難しい面もあると思いますけれども、いずれにいたしましても、虐待が発生した場合の一時保護につきましては、子供の安全確保のために個々の状況に応じまして適切に行われることが重要であると考えております。  子供の意見や気持ちを十分に聞くなど子供の権利擁護を図り、安全、安心な環境で適切なケアを提供する。それと、日常的な今までの環境をできる限り変えないような生活が送れるような環境を整えることが重要であるというふうに考えております。一時保護につきましては、このためでございますけれども、一時保護所における保護のほかに、里親等への委託、里親一時保護の委託、活用などにつきまして都道府県に周知しているところでございます。  また、一時保護所で一時保護を行うに当たりましても、例えば可能な限り今までの学校に通学できるようにすることが望ましいというふうに考えておりまして、一時保護所等から子供が通学できる場合の付添い員の配置などを行っておるところでございますけれども、これからもしっかりと通学できる環境の整備等に努めてまいりたいというふうに考えております。
  100. 川田龍平

    ○川田龍平君 虐待をしてしまう親の多くは、自らも幼少期に親から虐待を受けていたという経験を持っている、そういったケースが多いようです。虐待が連鎖をしないように、幼少期に受けた心の傷を解消すべく親の側にこそ適切なケアを施すべきではないかという考え方があることについて、厚生労働省の見解を求めます。
  101. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  厚生労働省におきまして、地方自治体の職員用に作成いたしました子ども虐待対応の手引きにおきましては、保護者が子供を虐待する場合の要因について幾つか分析をいたしております。一つは、子供時代に大人から愛情を受けていなかったこと、それから生活にストレスが積み重なって危機的状況にあること、あるいは社会的に孤立化し、援助者がいないこと、親にとって意に沿わない子、予期せぬ妊娠等でございますけれども、であること、こういった要因があるとしておりまして、様々な要因が複合的に絡み合って起こることによるものであるというふうに承知をいたしております。  厚生労働省といたしましては、こうした分析も踏まえまして、孤立しがちな子育て家庭を早期に発見し、必要な支援策につなげることは、虐待予防の観点からも重要であるというふうに認識しております。このためということでございますけれども、妊娠期から必要な支援につなげられる体制を整備するために、妊娠期から子育て期までの切れ目のない支援を行う子育て世代包括支援センターの設置促進、予期しない妊娠等で悩む妊婦に対する産科への同行支援等による状況確認、関係機関につなぐ事業の実施、あるいは、戸別訪問をいたしまして家庭の相談支援を行うための乳児家庭全戸訪問事業、あるいは、これにより把握しました保護者の養育を支援することが特に必要と判断される家庭に対する養育支援事業による養育に関する相談支援や育児、家事援助の実施などを行ってきたところでございます。  こうした取組によりまして子育て等に悩む家庭を早期に発見いたしまして適切な支援につなげることで児童虐待の予防を図りますとともに、子供の健全な心身を育成する社会をつくってまいりたいというふうに考えております。
  102. 川田龍平

    ○川田龍平君 先ほど自見委員からも、医療者の側での、虐待をいかに見守るかという特に質問もありましたけれども、先週末、保育士の人たちの集まりに行ってきたときに、保育者の側でも、やっぱり特にこの虐待をいかに見極めるのかということが話が出ました。  「保育者のための子ども虐待対応の基本」ということで、この本が出ているんですけれども、特に保育士としてこの十九年間、二〇〇〇年に発足したそうですが、保育と虐待対応事例研究会ということで、百六十の事例を研究をして、どうやったら保育者として見守りをすることができるのかということでマニュアルをまとめているんですけれども、こういった虐待やそれからいじめの事例といったものについてはこれ国の方でもまとめていると思うんですが、そういったことをやっぱりしっかりと、保育者の立場であったり、医療者の立場であったり、様々な立場で、教育者もそうですけれども、いろんな現場でそういったものを、気付いたことをしっかりと声に上げられるようにしていく仕組みというのをしていかなきゃいけないというのは本当に皆さんも気付いていることだと思います。  そして、今までの虐待死の問題というのは児童相談所の人の不足という問題も大きいと思いますが、今回の改正案が成立してもすぐに児童相談所の人不足が充足されるとは思えません。児童相談所を責めるだけではこの虐待問題の根絶にはつながらないと思っています。これから虐待が起こらないようにするためには、乳幼児の親やこれから親になる人々のために、その人たちに、全ての人に命の尊さやまた体罰によらない養育方法について学べる場をつくるといった丁寧な対応が必要だと考えます。このような場は、省庁が中心になるというより地域社会が一体となって取り組むべき課題だと思いますが、根本大臣の見解を求めます。
  103. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 私も、今委員からお話がありましたように、地域社会が非常に大事だと思います。私も選挙区は都市部と農村部と多様な地域ですが、やはりどちらかというと農村部は、瑞穂の国なんで、地域社会のきずな、お祭りあるいはいろんなイベント、地域の、そこは地域のつながりが多いところもあると、こう思います。その意味で、子育て家庭が地域社会との関係性の希薄化によって社会的孤立にならないよう支援すること、これが重要だと考えます。  厚生労働省が地方自治体の職員用に作成した子ども虐待対応の手引きにおいても、保護者が子供を虐待する要因の一つとして、社会的に孤立化し、援助者がいないことが挙げられております。また、社会保障審議会の下の専門委員会において実施している死亡事例等の検証では、孤立しがちな子育て家庭を早期に発見し、必要な支援策につなげることが重要であることが明らかにされております。子育て家庭の社会的な孤立を防ぐこと、これは極めて重要だと思います。  こういう観点から、厚生労働省としては、乳児家庭全戸訪問事業によって、生後四か月までの乳児のいる全ての家庭を訪問し、養育環境等の把握を実施しております。これにより把握した保護者の養育を支援することが特に必要と判断される家庭に対し、養育支援訪問事業によって、養育に関する相談支援や育児、家事援助を実施しております。  また、妊娠期から子育て期までの切れ目のない支援を行う子育て世代包括支援センターの設置、子供の身近な場所における子供や妊産婦等の支援を行う子ども家庭総合支援拠点の設置、また、子育ての孤立化による子育ての不安感や負担感等に対応するため地域の身近な場所で子育て中の親子の交流や、子育て相談、情報提供等を実施する地域子育て支援拠点事業や、身近な場所で子育てに関する相談や情報提供、助言など必要な支援を行う利用者支援事業も推進しております。  このような取組を通じて、まずは子育て家庭の社会的な孤立の防止に努めていきたいと思います。
  104. 川田龍平

    ○川田龍平君 法案提出者に伺います。  修正案提出者に伺いますが、この児童虐待防止法は、かなり超党派で、野党が中心となってもありましたけれども、まとめてきた修正案があったと思います。その中で、特に要保護児童対策地域協議会について、関係機関等の応諾義務というのを設けた理由というのは、これは何でしょうか。
  105. 西村智奈美

    ○衆議院議員(西村智奈美君) ありがとうございます。  児童虐待は、やはり予防から対応まで一貫して取り組んでいくことが必要であると思います。そのときに、当然、虐待の対応ということでいえば児童相談所がその主たる担い手となるわけですけれども、予防というところから考えますと、やはり市町村、基礎自治体、ここが極めて重要である、もちろん都道府県の役割も重要であるということから、今回、要保護児童対策地域協議会の在り方について私たちとしては検討を加えました。  児童虐待を早期に発見し、各関係機関が適切な役割分担の下で児童虐待への対応を進める上で、要保護児童対策協議会は極めて重要な役割を担っております。そのため、現行の児福法においては、要保護児童対策地域協議会は、関係機関等に対して資料又は情報の提供、意見の開陳その他必要な協力を求めることができる旨の規定が整備されております。  こうした情報提供等が確実に行われるようにするため、修正案においては、要保護児童対策地域協議会から情報提供等を求められた場合に、関係機関はこれに応ずるよう努めなければならないというふうに定めたところでございます。
  106. 川田龍平

    ○川田龍平君 西村議員も今特に子育てをされている当事者だと思いますけれども、やっぱり本当に今、児童虐待を本当に防ぐためには、本当に親の立場を支援する、本当に親の子育てを支援する制度というのが私はやっぱり必要ではないかと本当に思っております。  そして、今、虐待をしてしまう親の保護、言い換えれば、親を支援する、ケアする、特に親が発達障害ですとか精神障害になってしまっていたりとか、本当にいろんな意味でやっぱり親が障害を持っている場合にそういった虐待をしてしまっているケースなどもあるということも聞いておりますし、本当に地域の中でそういった支援を親が受けられるような仕組み自体がやっぱり予防につながるのではないかというふうにも思っております。  次の質問に移ります。  現在、DV加害者の更生プログラムというのは、これ民間において活発に実施されているものと承知しておりますが、この修正案においてDV加害者の地域社会における更生のための指導等の在り方について検討するという旨の規定が設けられましたが、このような民間での活動との関係も踏まえた検討が必要になると考えますが、いかがでしょうか。
  107. 西村智奈美

    ○衆議院議員(西村智奈美君) ありがとうございます。  DV被害が生じた場合、その背景には様々な要因があると考えられますが、DV加害者について何らの指導や支援も行われなければ、DVやその裏に隠れた児童虐待が繰り返されるおそれは否定できません。このため、二度とそのような行いを繰り返さないように、繰り返させないようにするためには、DV加害者に対して、適切な体制の下に効果的な指導や支援を行うことが重要であると考えております。  DV加害者の更生のための指導、支援については、昨今、民間主導による実施が広がりを見せつつも、自治体レベルでは都道府県や政令指定都市であっても十分に行われているというふうには言い難い状況にあります。そこで、民間主導の動きを更に後押ししていくような支援の在り方や、地域の実情に応じた民間団体と関係機関との間の連携協力の在り方なども含め、幅広い視点から検討を加えるということを想定し、この規定を追加したところであります。
  108. 川田龍平

    ○川田龍平君 ありがとうございます。  それから、今回、児童虐待防止法の改正と、平成二十八年度の児童福祉法改正で、中核市の児童相談所設置推進と東京都特別区においての児童相談所の設置が可能になりました。  中核市につきましては、平成十八年度の児童福祉法改正で設置が可能になっておりますが、中核市五十四市のうち児童相談所を設けているのは、神奈川県の横須賀市、石川県金沢市、兵庫県明石市の三市のみとなっております。また、設置可能となった東京都の特別区でも、設置を検討しているのは二十二区となっていますが、設置を希望する各区から派遣研修を希望する人数と都の受入れ可能とする人数に乖離があり、職員育成の見通しが立たないといった状況です。  まず、この中核市や東京都の特別区が児童相談所を設置するための障害になっている問題は何だと考えますでしょうか。あわせて、国として中核市と東京都特別区に対してどのような対策を講じる考えでいるのかを教えてください。
  109. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  児童虐待防止対策におきましては、身近な地域で子育て支援から虐待への対応まで切れ目のない一貫した対応が重要でございます。こうした対応を可能にするために、中核市、特別区における児童相談所の設置を促進する必要があると考えております。  具体的には、今御指摘がございましたけれども、平成二十八年児童福祉法改正におきまして、特別区も含め児童相談所を設置できるようにする、あるいは、その同法の附則におきまして、政府は施行後五年をめどに中核市、特別区が児童相談所を設置できるよう必要な措置を講ずることとしたところでございます。  今年度予算におきましても、こうしたことを踏まえまして、人材確保、育成、あるいは施設整備に関する支援を拡充するなど、順次取り組んでまいりましたけれども、中核市からは、国と中核市との間で丁寧な議論を積み重ねるとともに継続的かつ安定的な支援措置を講じること、一時保護所、児童相談所の整備への適切な財政措置や専門的人材育成、確保といった要望が寄せられておりまして、一層の支援が求められているものと考えております。  本法案におきましては、施行後五年間をめどといたしまして、中核市、特別区が児童相談所を設置できるよう、児童相談所の整備並びに職員の確保、育成の支援その他の必要な措置を講ずる、あるいは、この支援を行うに当たっては地方団体等との連携を図ること等が盛り込まれているところでございます。また、既に児童相談所を設置する方向や設置する方向で検討中としている中核市、特別区も相当数ございます。本法案の検討規定を踏まえまして、設置を促進してまいりたいと考えております。  加えて、それ以外の自治体につきましても、児童相談所の重要性を理解していただけますよう、法案成立後、国と中核市及び都道府県等の関係団体が参画する協議の場を設置したいと考えておりまして、その場などを通じて働きかけを行いますとともに、協議の場における中核市等からの御意見も踏まえまして、設置を検討していただけるような支援策について具体的に検討してまいりたいというふうに考えております。
  110. 川田龍平

    ○川田龍平君 今回の改正案において、児童相談所の管轄区域は、地理的条件、人口、交通事情その他の社会的条件について政令で定める基準を参酌して都道府県が定めるものとするとの規定を新設する内容が盛り込まれており、過去に人口五十万人に一か所程度という基準があったことを踏まえ、今後、地方公共団体等とも協議しながら検討していく予定であるという大臣答弁がなされています。  現場の声としては、これ、よりきめ細かい形での対応を可能とするため、人口の基準を三十万人としてほしいとの声もありますが、どのように考えますでしょうか。
  111. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  今御指摘がございましたけれども、今回の法案では、児童相談所の管轄区域について、地理的条件、人口、交通事情その他の社会的条件について政令で定める基準を参酌して都道府県が定めるというような規定を新設いたしております。  具体的な基準設定につきましては、今委員から御指摘がありましたとおり、過去、人口五十万人に一か所程度という基準があったことも踏まえまして、虐待予防、早期発見から虐待発生時の迅速、的確な対応を切れ目なく行う、一つ一つのケースに対しまして一層きめ細やかな対応を取ることが可能となる、こういった観点から、今後、地方団体とも協議しながら検討していく予定でございます。  いずれにいたしましても、各地方公共団体におきましては、新プランに基づく人員増と併せまして、児童相談所の配置等につきましても計画的に準備を進めていただく必要がございます。法案成立後でございますけれども、先ほど申し上げました国と中核市及び都道府県等の関係団体が参画いたします協議の場を設置、活用しながら、速やかに検討準備を進めてまいりたいというふうに考えております。
  112. 川田龍平

    ○川田龍平君 先ほど、石橋委員からも質問ありましたけれども、この昨年十二月に策定された児童虐待防止対策体制総合強化プラン、新プランにおいて、児童虐待相談及びそれ以外の相談を合わせた児童福祉司一人当たりの業務量が五十ケース相当から四十ケース相当となるよう見直しを行うこととされています。しかしながら、よりきめ細かい対応を可能とするとともに、負担軽減を図る観点から、児童福祉司の担当するケース数はアメリカやイギリスのように二十ケース以下とすべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
  113. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) 児童相談所の児童福祉司一人当たりの業務量を減らし、よりきめ細やかにケースワークを行えるようにすることが重要でございます。  そういった観点から、今回の新プランにおきましては、御指摘のとおり、児童福祉司一人当たりの標準的な業務量につきまして、児童虐待相談とそれ以外の相談を合わせまして現行は五十ケース相当だった配置標準を四十ケース相当となるように見直しを行うこととしております。そういう意味では、現行よりも相当程度の軽減になるわけでございますけれども、まずはこの新プランに基づく児童相談所の体制強化を図ることが重要だというふうに考えております。  あわせて、衆議院の修正も踏まえまして、児童福祉司の数に対する児童虐待相談対応件数が過重なものとならないように、今後とも、実態を踏まえて必要な見直しを行ってまいりたいというふうに考えております。
  114. 川田龍平

    ○川田龍平君 平成二十九年度の児童相談所による児童虐待相談対応件数は十三万三千七百七十八件となり、平成十一年度と比較して約十一・五倍となっています。児童相談所の業務が増加する中で、児童相談所が比較的軽度な事案について市町村に対応を割り振る仕組みも導入されているものの、重篤な案件を見落とさないことが重要であると考えます。  児童相談所と市町村に分かれている虐待の通告、相談窓口を一元化し、重篤な案件は警察に、軽度のものは市町村に振り分けるといったトリアージ、選別機関を設置する必要があると考えますが、いかがでしょうか。
  115. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  御指摘の通告の一元化につきましては、昨年行われました社会保障審議会の下に設置したワーキンググループにおきましても議論が行われております。  このワーキンググループにおける議論におきましては、専門的にスクリーニングを行う通告窓口を都道府県に一か所設置し、その機関が市町村、児童相談所へ振り分ける仕組みが必要というような御指摘のような意見があった一方で、相談対応件数が極めて多い現状を踏まえ、専門性の高い人材を相当程度配置する必要があるために、新たな通告窓口を設置することは現実的ではない上、通告から対応までに経由する機関が増えることになり、迅速化にはつながらない可能性があるというような意見もございました。  このため、まずは通告を受理した機関におきまして、受けた通告につきまして安全確認等の対応に当たって必要な情報の聞き取り等が適切に行われ、的確に通告に対応できるような体制整備を進めることが必要であると、こういうことで審議会では意見が一致したところでございます。その上で、通告受理から通告を受けた後の対応等まで、最も的確で効果的な対応を取るために必要な体制について検討を進めるべきであるというふうにされております。  厚生労働省といたしましては、通告後の対応に関する市町村、児童相談所の連携体制づくりを進めるための取組を行う、これが基本でございますけれども、通告窓口の一元的な運用方策を提示するため、言わばモデル的なものということでございますけれども、このための必要な検討を行ってまいりたいというふうに考えております。
  116. 川田龍平

    ○川田龍平君 今回の衰弱死もそうですが、大阪で過去に衰弱死がありました。あれは二〇〇三年だったと思いますが。  また、警察に聞きたいんですけれども、警察に児童虐待の専門部署、これ設置するべきではないかと考えます。大阪府には、平成二十九年度に児童虐待対策室というのが設置されていますが、この設置前後で虐待の数、変化をしたのかどうか、お知らせいただきたいと思います。
  117. 小田部耕治

    ○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。  大阪府警察におきまして、児童虐待対策室を設置した平成二十九年前後の年における大阪府警察による通告児童数、検挙件数につきましては、平成二十八年中における通告児童数が八千五百三十六人、検挙件数が七十九件、平成三十年中における通告児童数が一万一千百十九人、検挙件数が百一件となっているところでございます。
  118. 川田龍平

    ○川田龍平君 専門的部署を設けたことで、通報も増えて検挙数も増えているということなんですが、全体としてこれ増えていますので、本当に、設置したことがどういう効果があったのかというのはまだまだ分からないところだと思いますが、是非この警察の中でしっかりそういった専門的な部署を設置してでも、やっぱりかなり警察の方でこういった予防できることもあるのではないかと思いますので、是非その専門の部署をやっぱりつくることも検討していただきたいと思います。  その専門部署ということで、ちょっと外れるんですが、今日は動愛法も環境委員会で通過したということですが、この動物の虐待というのも、これも警察の方で専門の部署をつくるということはできないんでしょうか。西海岸の方でアニマルポリスという部署があるということも聞いたんですが、そういった虐待というのは本当に弱い者に向いてしまうと。子供もそうですけれども、動物ですとかそういったものに対する命を尊重するという考え方がないところから、そういった弱い者に対する命の扱いというのが変わってくると。そして、それがひいては虐待だけではなくて様々な残虐な事件につながっているということも考えると、本当に児童虐待の部署、そして動物虐待のそういった部署というのもつくるべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
  119. 小田部耕治

    ○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。  平成三十年中の動物愛護管理法第四十四条に違反します動物虐待事犯の検挙事件数でございますけど、八十四事件ということで対前年比で十六事件増加となっております。各都道府県警察におきましては、それぞれの都道府県の実情を踏まえまして、動物虐待事犯の取締りを担当する部署におきまして厳正な取締りを実施しているところでございます。  御指摘ありましたような動物虐待事犯を専門的に捜査する部署を設置するかどうかにつきましては、各都道府県警察におきまして動物虐待事犯の発生状況等を勘案して適切に判断されるべきものと考えておりますが、いずれにいたしましても、警察庁といたしましては、各都道府県警察におきまして、動物虐待事犯の取締りが関係機関と連携を図りつつ適切に行われるように指導してまいりたいと考えております。
  120. 川田龍平

    ○川田龍平君 続いて、いじめの問題についても質問いたします。  虐待ということであれば、学校の中で起こっているこのいじめの問題というのも虐待ではないかと思っております。特に、千葉県野田市で小学生の虐待事件がありましたが、この事件では学校と児童相談所の知識不足と両者の連携不足が原因となっております。申し送りの確実性にも問題があり、その後の連携がうまくいかずに、さらに警察も児童相談所も、基本である被害児童の現認すらしていなかったと。虐待を受けている子供を即保護し、安全の確保をしなければならないといった事例を、関係機関の動きが鈍かったことによって守れなかった命と言っても過言ではないと思います。  また、いじめとの関連から申しますと、児童虐待防止法に定義されている虐待行為は、全て学校内ではいじめと呼ばれる行為と全く同じです。そういう意味では、いじめは校内虐待と言えるかもしれません。精神的な言葉であったり、肉体的な殴る、蹴る、ネグレクト、無視、性的暴力、ジャージや下着を脱がすなどの行為は、発生現場が学校ですと、いじめと名前が変わってしまっているだけです。違うのは、保護する側が保護される側へという上下関係がある虐待と、学校では子供同士で横の関係であったり、そこに教師が加わったりする場合もありますが、虐待とは呼べず、この呼び名が変わってしまっているということがあります。そういった体罰についても、先ほど示した関係から示すと、先生が生徒へという、保護する側が保護される側への行為ですので、虐待と位置付けられるんだと考えます。  校内でのいじめや虐待の防止については、子供たちに対する講演や研修以上に教員に対する研修が何より重要と考えていますが、研修については今までと同じようなアリバイづくりのための研修ではなく、しっかりと集まって、皆が集まって勉強したり研修の内容について新たな取組を行うということが必要です。しかし、学校としては、時間については夏休みなどを利用するとしても、予算がないという状況であり、講演や研修ができないそうなのです。学校予算の削減がこの問題の悪化に拍車を掛けていると思いますが、学校で虐待が疑われる児童生徒に対する対応の実施、いじめ、体罰に関する研修の予算措置並びに義務化はできているのでしょうか。
  121. 丸山洋司

    ○政府参考人(丸山洋司君) お答えを申し上げます。  学校の教職員が虐待やいじめ、体罰の事案に関しまして適切な対処ができるよう、研修を通じて資質能力の向上を図ることは重要であるというふうに認識をしております。このため、独立行政法人教職員支援機構におきまして、生徒指導や教育相談に係る指導者養成を目的とした生徒指導指導者養成研修や教育相談指導者養成研修などを実施をし、虐待、いじめ、体罰等の生徒指導上の重要課題と対策を扱った研修を行っております。  また、特にいじめについては、いじめの問題などを担当する各地域の中核となる指導主事や教員を対象に、いじめの問題に関する指導者養成研修を全国四ブロックで実施をし、いじめの早期発見、早期対応の取組などに係る実践的な研修を実施をしているところでございます。  お尋ねの予算措置につきましては、令和元年度の教職員支援機構の運営費交付金において、全体で十二億六千万円を予算計上しているところでございまして、この中でこれらの様々な研修を実施しているというふうに承知をしております。  また、各都道府県の教育委員会におきましても、これまでにも必要な研修が行われてきたところであり、例えば初任者研修においては、平成二十九年度には、ほぼ全ての都道府県でいじめ防止や体罰禁止に関する内容を扱った研修が実施をされております。  文部科学省といたしましては、虐待等の事案への適切な対処が図られるよう、教育委員会に対しまして通知の発出や、各種会議において教職員を対象とした研修の充実など、各種の取組を通じて教員の資質向上に努めてまいりたいというふうに考えております。
  122. 川田龍平

    ○川田龍平君 しっかりやっていただきたいと思いますが、まだまだ足りないと思います。  学校内外で体罰を目撃した教師や児童生徒に通報義務を課すことはできるのでしょうか。短くお願いします。
  123. 丸山洋司

    ○政府参考人(丸山洋司君) いじめに係る通報につきましては、いじめ防止対策推進法第二十三条一項におきまして、学校の教職員、地方公共団体の職員及び保護者等は、児童等からいじめに係る相談を受けた場合に、いじめの事実があると思われるときは、いじめを受けたと思われる児童等が在籍する学校への通報その他の適切な措置をとるものとすると定められているほか、いじめの防止等のための基本的な方針において、学校の教職員がいじめなどを発見をし、また相談を受けた場合は、学校へ通報を行うものというふうにされております。
  124. 川田龍平

    ○川田龍平君 このいじめや虐待を防止するために、この学校内での研修が実りある成果を上げるために、国としてどのような施策を考えているのでしょうか。
  125. 丸山洋司

    ○政府参考人(丸山洋司君) 文部科学省では、本年三月十九日の関係閣僚会議で決定をされました児童虐待防止対策の抜本的強化についての決定に基づきまして、児童虐待への対応や研修への活用に資するため、本年五月、学校、教育委員会等が児童虐待の対応に留意すべき事項をまとめました学校・教育委員会向けの虐待対応の手引きを作成をしまして、文部科学省のホームページで公表したところでございます。  また、同閣僚会議決定に基づきまして、現在、児童虐待対応に関する具体的な事例を想定した研修教材を作成をしているところでありまして、先ほどの手引きと併せまして周知の徹底を図り、学校における児童虐待対応の研修を推進をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
  126. 川田龍平

    ○川田龍平君 手引きも事例集もホームページに公開しているということなんですが、これをどれだけの教師の人が知って活用しているのかということです。しかも、このいじめ対策に係る事例集というのは、これ立派な大部のものがありますけれども、千五十部しか発行していないということで、到底行き渡らないのではないかと思います。  本当にそういった研修をやっぱりしっかりと、学校の中でも研修ができるようにしっかりこれやっていただきたいと思います。本当にこの学校の先生に対する研修については、夏休みの研修が、学校の先生たちが休みが取れないというようなぐらい研修、研修とやっている割には、こういったいじめや虐待の問題についての研修が十分に行われているのかということで思っておりますので、是非そういった実りある研修になるような事例集や手引きの活用といったことをやっぱり是非しっかりやっていただきたいというふうに思います。  ありがとうございました。
  127. 足立信也

    ○足立信也君 国民民主党の足立信也です。  まず、浜谷局長、ちょっと通告していないんですけど、確認したいんです。  緊急調査をやりましたですよね。特にその中でも、児童相談所において在宅指導している虐待ケースの緊急安全確認、このフォローアップしていますよね。内容は聞きません。次に、虐待が疑われるケースに係る学校・教育委員会等における緊急点検のフォローアップもしていますね。それからもう一つ、乳幼児健診未受診者、未就園児、未就学児等の緊急把握調査。これ、いずれも二月からスタートして、一回目フォロー終わって、六月七日までに次のフォローを終えて国へ報告するとなっているんですが、これ、今挙げた三つ、非常に重要なんですけれども、三つとも厚生労働省関係していますよね。これ、報告されたんですか。
  128. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  委員御指摘の三つの調査、御指摘のとおり、いずれも六月七日締切りでフォローアップをすることとしております。締切りは六月七日でございますけれども、現在、自治体からの数字について集計、精査中でございまして、できる限り早期に取りまとめをしたいというふうに考えております。
  129. 足立信也

    ○足立信也君 これね、集計中ということで、法案審議が終わるまでに間に合わないと、かなり僕大事な部分があると思いますので、六月七日までにということなんですけど、大体今何を検討されるか言いますね。  これ、児童相談所において在宅指導している虐待ケースの緊急安全確認、今やっているはずは、引き続き継続対応が必要だとされた児、四百三十八名、保護者二千六百三十四名、このフォローアップですよね。極めて大事ですよ。  二番目が、虐待が疑われるケースに係る学校・教育委員会等における緊急点検です。これで、二月の一日から十四日まで一度も登校していない児童生徒が対象で、面会できなかった者のうち虐待のおそれなしと判断して情報共有を市町村や警察等としていない人千九百九十九人のフォローアップです。これも極めて大事ですよ。  三つ目が、乳幼児健診未受診者、未就園児、未就学児等の緊急把握調査のフォローアップで、今どこまで来ているかというと、確認できていない今挙げた方々六十一名のフォローアップを今やっているはずですね。これもまた極めて大事なんですよ。  この三つ、六月七日までに出すと言っているのがまだ出ていない。これは、法案の最終決着までには絶対に必要だと私思いますよ。今挙げたこと、精査中だということですが、極めて大事だという認識の下で、間に合わせてくれますか。
  130. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  できる限り早期にとは思っておりますけれども、この六月七日でございますけれども、これは自治体から厚労省等に対する数字の提出の締切りでございます。そういう意味では、その数字がこの六月に間に合っていない自治体もございますし、その数字につきまして精査が必要なものもございます。そういう意味では、これまで二回フォローアップしてまいりましたけれども、自治体から出てからやっぱりある程度の期間、数字の精査あるいは自治体からの回収作業というものがございます。できる限り早期にというふうには思っておりますけれども、そういった作業を経た上で、正確な数字で発表いたしたいというふうに考えております。
  131. 足立信也

    ○足立信也君 そう、おっしゃるとおりなんですよ。一番目も二番目も国へ報告って、めど、めどというか、その日を書いてあるけれども、実際の報告、取りまとめは一週間後ぐらいなんですね。だから、六月七日なので六月十四日ぐらい、ぎりぎりかなと僕は考えているもので、これは法案審議にとっては極めて大事だということを念を押させていただいたんです。極力頑張ってもらいたいと、そのように思います。  あとは通告している質問ですけど、二月の予算委員会で、その後もまた残念なケースが札幌でありましたけれども、結愛ちゃんと心愛ちゃん、このお二人に共通する問題点ということで、総理並びに根本大臣と質疑しました。その中で三つぐらい絞ってこれは大事なんじゃないかという話をさせていただいたら、テレビ御覧になっていた方が、後で、委員会が終わった後に総理が私のところに来て話をしていて、何を話していたんですかと聞かれたんですけど、私が申し上げたことは全部入れるという話だったんですよ。  その三点について聞いていきたいと思います。政府案と、それから修正を加えた修正提案者に、その三点について聞いていきたいと思います。  まず、多くの方々がおっしゃるのが、何といっても人材不足ですね。先ほど川田さんからもありましたように、私が申し上げたのは、日本は人口百万人当たり児童福祉司二十五・七人と、現状ですね、それに対して、イングランドの例で、人口百万人当たり五百十二人、ちょうど二十倍だと、二千人に一人と。  ということの中で、まず、政府案としては、その児童福祉司、児童心理司、この増員を、例えば一人当たりの件数、先ほど目安の話がありましたが、それとか百万人当たり何人かとか、どういう形に決着したんでしょうか、まず政府としては。
  132. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  昨年十二月に児童虐待防止対策体制総合強化プラン、いわゆる新プランを決定いたしましたけれども、これにおきましては、二〇一九年度から四年間で、現在三千人の児童福祉司を二〇二二年度には五千人体制、それから児童心理司については二〇二二年度に八百人程度増員、こうした抜本的拡充を図ることとしております。  この新プランにおける考え方でございますけれども、これは、児童福祉司一人当たりの標準的な業務量につきまして、児童虐待相談とそれ以外の相談を合わせまして現在五十ケース相当だった配置標準を四十ケース相当となるよう見直しを行うこととしております。また、人口換算いたしますと、児童福祉司一人当たりの人口、四万人からこれは三万人に見直すと、こういう考え方でございます。
  133. 足立信也

    ○足立信也君 修正提案者の方にちょっとお聞きしますが、今の大体三万人に一人というのはある程度折り合った数値に近いと思うんですが、そこの実際に条文上になった形での評価とその増員についての修正提案者のお考えを伺いたいと思います。
  134. 岡本充功

    ○衆議院議員(岡本充功君) 御質問ありがとうございます。  修正案の内容についてはもう御案内のことだと思いますので、修正案の提出者としましては、今回の修正の案に基づいた基準にのっとって、昨年十二月に政府が公表した児童虐待防止対策総合強化プランよりも更に児童福祉司が増員されることを期待をしているわけであります。  また、児童虐待に係る相談件数が今後更に増加するような事態に備えて、児童福祉司の数の基準については、児童虐待に係る相談に応ずる件数が過重なものとならないよう、必要な見直しが行われるものとする規定も修正により追加をしているところでありまして、提出者といたしましては、こうした修正により、児童福祉司の数の基準については、法律上一定の縛りを掛けることには大きな意義があると考えていますし、今後、児童虐待に係る相談件数が更に増加し児童福祉司が不足する事態になった場合には、今回の修正の趣旨にのっとり、政府プランを上回る児童福祉司の増員が行われるものと理解をしております。
  135. 足立信也

    ○足立信也君 本会議で安倍総理は、機動的な対応が必要なので、数値的な、例えば人口であるとか一人当たりの件数とか、それは盛り込まないと、修正案にもそこは盛り込まれていないという答弁をされたんですが、今回の法案の中で、児童の一時保護を行った児童福祉司以外の者に保護者への指導を行わせると、機能分化、今三五%らしいですけど、これを増やしていくとか、ということは、一人のケースに関して二人、最低二人関わるという話ですよね、であるとか。  私は、最低限の数値目標みたいなものがやっぱりあった方がそれは前向きに取り組めるのではないかと思いますし、待機児童もゼロにする、ゼロにすると言いながらも、その需要という面に関しては増え続けていく、あるいは、特養の待機者についても、増やしていっても、また待機者も高齢社会で増えていくというようなことで、この児童虐待の問題についてもなくなっていくことを私も望みますけれども、今の状況の中で、また後で触れますが、やっぱり増えていっているような状況については、今の見通しよりも更に多くの人が必要なんではなかろうかと私は思うんですね。  となると、やっぱり数値目標をある程度立てておいた方がいいんではないかと思うんですが、その点について、厚労省、どうですか。
  136. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  そういう意味では、先ほど申し上げましたけれども、新プランにおきましては、児童福祉司の数について二〇二二年度に五千人体制、それから児童心理司についても二〇二二年度に八百名増加というように、定量的な数値目標をプランにおきましては掲げているわけでございます。  さらに、衆議院の修正におきまして、今御回答がございましたけれども、児童福祉司の数の基準につきましては、児童福祉司の数に対する児童虐待相談対応件数が過重なものとならないよう、必要な見直しを行うこととされておりますので、こういった規定の趣旨も踏まえて対応してまいりたいというふうに考えております。
  137. 足立信也

    ○足立信也君 数値を条文あるいは法律の、あるいは政省令に明確には書かないけど、そこを目指しているというような感じだと思いますが、必ず後追い、後追いでまた足りなくなるという形が今まで繰り返されているので、そこは十分先を見越してやっていただきたいなと思います。  二人に共通する点の二点目、児童が居住地を移した場合の資料又は情報の提供を確実に行わなければいけないと、この点だったわけですが、それは政府案としてはどうなったでしょうか。
  138. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  転居により児童相談所間で引継ぎが必要となるケースにつきましては、昨年七月の緊急総合対策に基づきまして、まず全ケースにつきまして、転居先の児童相談所へ、リスクアセスメントシートを含めまして緊急性や内容が分かる資料を移管先の児童相談所へ伝える、また緊急性が高い場合には対面等により引き継ぐ、それから転居元の児童相談所は原則引継ぎが完了するまでは指導を解除しない、それから転居先の児童相談所は速やかに元の児童相談所が行っていた指導を継続する、こういった内容を緊急総合対策で決定しております。  この緊急総合対策を受けまして、転居ケースに係る児童相談所間の引継ぎ等に関しましては、児童相談所における業務の在り方を示しました児童相談所運営指針を改正いたしまして、全国ルールとして周知をしているところでございます。  また、衆議院における修正によりまして、転居ケースに係る児童相談所間における引継ぎ等に関しまして規定が新設されたところでございます。  関係機関による支援や保護が切れ目なく継続されるよう、この規定あるいはこれまでのルール等にのっとりまして適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
  139. 足立信也

    ○足立信也君 法律上はそこのところの対処というものはなかったという答弁だと思いますし、緊急総合対策あるいはそれに基づく運営指針のところでしっかり書かれているということです。それに対して、修正案提案者としては、これは条文としてどういう形で担保することが大事だという判断をされて修正されたんでしょうか。
  140. 岡本充功

    ○衆議院議員(岡本充功君) 委員からの御指摘もありましたように、児童虐待を受けた児童の転居に伴って支援が途切れてしまう例や指導を逃れるために転居を繰り返す例も珍しくないというふうに考えておりまして、衆議院での修正により、児童虐待を受けた児童が転居した場合においても児童や保護者に対して切れ目なく指導その他の支援が行われるよう、転居前の児童相談所の所長は転居先の児童相談所の所長に対して速やかに必要な情報の提供を行うものというふうにさせていただきました。  さらに、転居先の児童相談所に提供された情報が関係機関等の間で適切に共有されるようにする観点から、転居前の児童相談所から情報の提供を受けた児童相談所長は、要保護児童対策地域協議会が速やかに当該情報の交換を行うことができるための措置その他の緊密な連携を図るための必要な措置を講ずるものとしています。  提出者といたしましては、今回の修正により児童相談所長が要対協が速やかに情報の交換を行うことができるための措置を講ずることに関することを盛り込んだことを、実質的に要対協における情報共有が行われるまでの間は児童の転居時の措置解除が制限されるものと評価できると考えています。  現場において切れ目なく必要な措置が行われるよう、政府の対応をしっかり注視していきたいと思っています。
  141. 足立信也

    ○足立信也君 岡本議員は、措置解除の日数等々についてはかなり議論されましたけど、今の答弁の最後のところで、それは担保されるんではないかということだったと思いますけれども、安倍総理は本会議で、解除の日数を決めると画一的な対応を招くというふうに答弁をされて、これまでの引継ぎルールでやってもらいたいということだったんですね。  ただ、私は、措置解除について、いろいろな条件が整えばというような、あるいは転居先の方で解決を見た場合等々の表現だったと今思いますけれども、私は、措置解除に、転居元のですね、少なくともというような表現を使えばそれは可能なんではなかろうかとやっぱり思うんですね。  別に措置だけの問題ではなくて、その転居元についてもやっぱりフォローアップもしたいんではなかろうかという気持ちもありますし、そういう形での、少なくともこれぐらいはというようなことができなかったのかなというふうに気になるんですけど、それについては、厚労省、いかがですか。
  142. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) 転居などに際しまして子供の安全を確保していくために、関係機関による支援、保護が切れ目なく継続されることは重要、この点については共通認識でございます。  ただ、法律上、転居後の措置解除の制限期間を具体的な日数等をもちまして規定することにつきましては、例えばでございますけれども、期間経過をもって機械的に解除するといった画一的な運用が行われるおそれがないか、あるいはその期間経過したことを理由にいたしまして保護者から解除を要求されることがあるのではないかといったことなども想定されまして、厚労省といたしましては、一律に法律に規定するよりも個々のケースの状況に応じて関係機関による支援を確実に継続して行うようにすることが重要だというふうに考えております。  いずれにいたしましても、衆議院の修正で、児相間の情報提供、あるいは要対協が速やかに情報交換を行うことができるための措置を講じる等の規定が設けられましたので、こういった規定の趣旨等も踏まえまして適切に対応してまいりたいと考えております。
  143. 足立信也

    ○足立信也君 予算委員会で指摘した三点目は、これも大きな問題になりました、虐待者への情報が渡ってしまったということですね。その悲痛な訴え、叫びがいろんな手段を取られながらも手に入れられてしまったということに対して、どういう予防措置を、防止措置をするのかということが三点目でした。  これは政府案の方にしっかり対応されていると思いますが、その趣旨を、虐待防止法の五条だと思いますが、そこをしっかり答弁してください。
  144. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  千葉県野田市で発生いたしました事案におきましては、関係機関から保護者に対しまして、被害児童が虐待被害を訴えている内容が記載されている書類が提供されてしまいました。  こうしたことも踏まえまして、今回の改正案では、御指摘のとおり、虐待防止法の第五条でございますけれども、学校、教育委員会などの関係機関の職員は児童に関する秘密を漏らしてはならない旨の規定を整備することといたしております。  本規定を設けることによりまして、虐待を受けた子供に関する情報が秘匿情報であること、また、親権者であってもその秘匿情報は原則として開示すべきものではないことにつきまして明確化が図られるものと考えております。  また、本規定の趣旨につきましては、関係機関間で正しく認識されるように周知徹底を図ってまいりたいというふうに考えております。
  145. 足立信也

    ○足立信也君 これはもう当初の閣法からしっかり対処されていると、そのように思います。  さて、懸案だった三点についてはそれで終わりなんですけど、私は、やっぱり今日も、川田さんも、それから石橋さんも触れられましたが、虐待が起きてからの対処、それは大変大切なことだけれども、その虐待を予防するには何が必要かということがやはり一番大事なことだと思うんですね。修正案に保護者支援プログラムもあります、専門人材の養成や活用方法の周知ということもありますが、それは予防とは違うと思うんですね。  そこで、西村議員にお聞きしたいんですけれども、今日本はどういう評価かというと、世帯分類の中で一番多いのが一人世帯になってしまった。OECDの中では、子供の孤立は世界一だと。そして、高齢者も、世帯数で一番多いのが一人世帯ですから、若い人も、全ての世代において一人の人が一番多いというのが今の日本なんですね。  そんな中で、ちょっと例として挙げますが、環境問題についても日本人の関心が、十五年前、十年前に比べるとはるかに薄くなっているというのがあるんです。そして、去年のNHKの調査では、必ずしも結婚する必要はないと答えた人が六七・五%、増加の一途です。それから、結婚しても必ずしも子供を持たなくてもよいと回答した人が六二%、これずっと漸増しています。それから、生活目標が身近な人たちと和やかな毎日を送るというのが四六%で増えていますが、しっかりと計画を立てて豊かな生活を築くというのが二三・五%とずっと減り続けているんです。つまり、日本人の生活の、世帯の数もそうですが、目標、考え方、何に幸せを感じるかというのが変わっていっているんですね。  そんな中で、日本は、この児童虐待防止、児童福祉法もそうですが、どうも児童は保護モデルであって、北欧は家族関係再生モデルなんですね。つまり、何を言いたいかというと、家族関係がしっかり構築されていないと、孤立な、無縁な社会になってしまっていろんなことが起こり得るという社会になっていると、私はそのように感じています。  そこで、親子の再統合ということもありますが、そもそも、そもそも統合ができていない方も多いと。そこを図るために何が必要かということで、石橋さんは子育て世代包括支援センター、ここを重視されておりましたが、西村さんのところでは産後ケアセンターの立法とか、あるいは日本版ネウボラの話等々もあります。それを含めて児童虐待を予防するためにはどういうことが今の日本にとって必要なんだということをお答えいただければと思います。
  146. 西村智奈美

    ○衆議院議員(西村智奈美君) 大変重要な点を御質問いただきまして、誠にありがとうございます。  今、現にいる子供たちが大切にされる社会であること、これが私は予防につながるというふうに考えておりますし、そういう意味では、子供たちにとって家庭的な温かみのある居場所が保障されるということは大変重要なことだと思っております。ただ、今それを、家庭にといいましょうか、家族にといいましょうか、親に伝えるすべがなかなかないということで、私たち考えておりますのが産後ケアセンターの法定化ということでございました。  先ほど委員が御指摘のとおり、児童虐待については発生の予防というのが大変重要であって、その観点から、子育てにおいて子供とその保護者を社会から孤立させることがないよう支援を適切に行っていくということが必要であるというふうに考えております。  そこで、委員の御質問ですので答弁をさせていただきますと、私たちの方からは、野党六会派で、産後ケアセンターの設置を推進するための法律案を昨年衆議院に共同提出いたしました。その趣旨は、出産後の不安定な時期に支援が必要な母子に対して、生活している地域において支援を行って孤立を防ぐことにありまして、そのような施設の増加が児童虐待の防止の観点からも私は効果があるというふうに考えております。  産後ケアセンターと母子健康包括支援センター、日本版ネウボラですけれども、こことは、共に母子の心身の健康の保持増進を目的として支援を行う施設でありますので、両者の間で適切な連携が図られるべきであるというふうに考えております。  ありがとうございます。
  147. 足立信也

    ○足立信也君 大臣にお聞きしたいのはその点です。  子供たちを孤立させない、あるいは親、保護者についても孤立させない、児童虐待の予防、今、提案者の西村議員からありましたけれども、大臣自身はこの点について、児童虐待の予防ということについてお考えを、午前中、一部答弁されていたような気もしますが、それをお聞きしたいと思います。
  148. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 私も、子供を孤立させない、親を孤立させない、こういうことが必要だと思います。孤立しがちな子育て家庭を早期に発見して必要な支援策につなげる、これが非常に大事だと思います。  先ほど、子育て世代包括支援センターの話も申し上げましたが、やはり母子健康包括支援センター、これは、子育て世代包括支援センター、妊娠期から子育て期までの切れ目ない支援を行う、そして、予期しない妊娠などで悩む妊婦に対して、産科への同行支援等によりその状況を確認して関係機関につなぐ事業の実施、こういう妊娠期から必要な支援につなげられる体制を整備する、これが必要だと思います。  さらに、乳児家族全戸訪問事業等々もやっておりますし、行政サービスなどにつながっていない子供に支援を行き届かせるための未就園の子供などを対象にした、拡大した子供の状況把握などもやっておりますが、いちはやく、これも大事だと思います。やはり、委員がおっしゃられたように、産婦健康診査や産後ケア事業等を拡充することによって産後の初期段階における母子に対する支援を拡充する、これも大事なことだと思います。  さらに、母子健康包括支援センターを始めとする各機関が児童相談所と連携することによって、子育て等に悩んで孤立しがちな家庭を早期に発見し、適切な支援につなげる、これが大事だと思います。先ほど、北欧で家族の関係、非常に重視しているということがありましたが、そこは私も大事なポイントだと思っております。
  149. 足立信也

    ○足立信也君 ちょっと僣越な言い方で申し訳ないんですけど、さっきここら辺で話ししていたんですが、議事録を読み返すと、大臣すごくいいことを言っているんです。でも、実際に会話しているときは余り残らないんですね。自信を持って話してもらいたいと思うんです。後で読み返すとかなり核心をついたことをおっしゃっているんですけど、質疑しているときは何かすうっと逃げちゃっているような感じが私はありまして、まあ、そこは是非自信持ってやってもらいたいと思います。  残りの時間は、ちょっと各論に入りたいと思います。  体罰の禁止についてなんですけど、これ一般的に、私自身の経験もそうですけれども、学校教育法十一条等、懲戒を加えることができる、ただし体罰を加えることはできないと、こう体罰の禁止は当然あるんですけど。  ちょっと具体的なことで申し訳ないんですが、正座です。これ、人の話を聞くときは正座しろということもあるし、まさに指導のときにもう正座ということは一般的にありますし、私もされたりしたりしてきたんですが、これは体罰の一つなんですかね。ちょっと余りに具体的で申し訳ないんですけれども、そこは考え方として、ガイドライン作るわけですよね。どう捉えているんでしょう。
  150. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) まず、今回の体罰禁止の法定化の趣旨でございますけれども、痛みや苦しみを利用して子供の言動を支配するのではなくて、子供が健やかに育つことについて、子育て中の親に対する支援も含めて、社会全体で啓発していくために行うものでございます。そういう意味では、体罰を禁止する本質的な理由につきましては、子供に対して痛み、苦しみを与えようとすること、その痛み、苦しみを利用した懲戒により子供の言動を支配しようとすること、これらにより、体罰が子供の心身の健全な育成の観点から悪影響があることにあると考えております。  その上で、具体的な体罰の範囲でございますけれども、まず学校教育法に定める体罰につきましては、正座、直立等特定の姿勢を長時間にわたって保持させる等により、児童生徒に肉体的苦痛を与えるようなものも含まれるというふうにされております。  具体的な体罰の範囲につきましては、今後、学校教育法のこうした体罰の範囲等も参考にしながら、有識者の意見も踏まえ、ガイドラインを策定してまいりたいというふうに考えております。
  151. 足立信也

    ○足立信也君 具体的過ぎて申し訳ないんですけど、長時間ってどれぐらいなのかなと。中には膝や足に少し、障害とは言いませんけれども、疾病抱えている場合もあり得るし、短時間だってそれは危ないしというようなことをいろいろ考えると、なかなかガイドラインで示すのは大変かなという思いもあります。  次の具体例は、スーパーバイザーです。  これ、児童福祉司の指導及び教育担当児童福祉司、スーパーバイザー、これを見ると、五年以上勤務という条件が付いています。で、研修が必ず必要だと。ただ、資料によると、児童福祉司の四五%が三年未満です。三年以上がだから五五%になって、五年というと、ここで見ると五年以上というのは四割ぐらいなんですね。その人たちがみんなスーパーバイザーかと、五年でスーパーバイザーかと。介護福祉士は七年、十年でランクを付けましたけれども、五年でいいのかなと。  そこで、研修のことについてなんですが、この研修というものは、私から言わせると、五年しか経験のない人がその研修で一体何を求められるのか、どういうことを考えておられるのか。非常に大きな問題ですよね、児童虐待の問題、児童の抱える問題、保護者の抱える問題。五年で経験のある人にどういう研修を考えておられるんですか。
  152. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) まず、このスーパーバイザーの要件でございますけれども、平成二十八年の改正法におきまして、児童相談所にスーパーバイザーを配置するとともに、その任用要件として、児童福祉司としておおむね五年以上勤務した者でなければならない旨、法律上規定されました。また、研修についても法律上規定されたところでございます。  スーパーバイザーの研修の具体的な中身でございますけれども、講義と演習から成り立っております。  具体的に申し上げますと、講義の科目といたしましては、児童の権利擁護と児童家庭福祉の現状、課題、スーパービジョンの基本、児童の発達と虐待の影響、児童の生活に関する諸問題、それからソーシャルワークとケースマネジメントでございます。また、演習でございますけれども、演習の科目といたしましては、児童家庭支援のためのケースマネジメント、児童の面接、家族面接に関する技術、関係機関との連携、協働と在宅支援、行政権限の行使と司法手続、児童虐待への対応、少年非行への対応、社会的養護における自立支援とファミリーソーシャルワーク、スーパービジョンの基本、こういった内容でございます。  時間数でございますけれども、これら講義、演習含めまして二十八・五時間の研修でございます。
  153. 足立信也

    ○足立信也君 吉田局長と宮本局長、済みません、ちょっと時間ないんですが。  それは、働きながらやるんですか。
  154. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  そういう意味では、研修期間については当然その研修に専念しているわけでございますので、働いている中で、その研修の時期は、そこは席を外してといいましょうか、研修に専念するという形でございます。
  155. 足立信也

    ○足立信也君 終わります。
  156. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 国民民主党・新緑風会の礒崎哲史でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。  私の方からも、札幌市で起きました二歳の女の子の尊い命が失われた事件、心から御冥福をお祈りしたいと思います。  また、今回のこの法案の審議によって一人でも子供の命が救える、そうした実効性のある法律になっていくこと、また、今回の法律でもまだまだカバーできないところがあるとすれば、一体残りの残課題として何があるのか、そうしたことが明確にできる、そういう質疑に努めてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。    〔委員長退席、理事島村大君着席〕  まず冒頭、今の札幌市の二歳の女の子の虐待死の件で、中身については今警察が調べておりますし、また自治体の方でもしっかりと状況把握、またその振り返りも行うということで動かれておりますので、詳細はもちろんそちらの方で調べていただければと思いますが、報道ベースですけれども幾つか気になった点がございましたので、一般論という形で何点か確認をさせていただければと思います。  今回の札幌市の件においては、報道ベースでありますけれども、リスクアセスメントシートが作成されていなかったというようなことが報道されておりました。一概に作成しなかったから悪いんだで済ませてしまえばこれ何も解決しないわけでありますので、ちょっとその中について少し事実関係の確認をさせていただければと思います。  まず、そのリスクアセスメントシートの作成のそもそもの基準というものはどうなっていたのか、どういうときに作るというようなことになっていたのか、その点について確認をさせていただきたいと思います。
  157. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  ケースの支援方針を決める際には、収集した情報を基にいたしましてリスクアセスメントシートを作成するなどによりまして客観的な根拠に基づきリスクを把握いたしまして、これに基づき組織として支援の方針を決定していくことが重要と考えております。  こうしたことにつきましては、これまでも自治体に周知してまいりましたけれども、支援を行う全てのケースについて援助方針会議において方針を決定すること、それから方針決定の際には、リスクアセスメントシート等による客観的に把握した根拠等を示し判断すること、判断した根拠を記録に残すこと、こういったことについて徹底が図られるように引き続き自治体に周知していきたいと考えております。  なお、リスクアセスメントシートでございますけれども、これは客観的にリスクを把握する方法の言わば一つの手段でございまして、支援方針を定める際には、リスクアセスメントシートを機械的に作るということだけではなくて、リスクの判断の客観的な根拠を示す必要がある、これが基本ではないかというふうに考えております。
  158. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 まず、事実関係として客観的な事実を集めて判断にそれを用いると、これはもう正しい行動だと思います。  その様々な情報を集めるツールとしてこのアセスメントシートがあるということだと思うんですが、これ、平成二十九年三月三十一日に通達が厚労省さんから、各都道府県、指定都市、児童相談所設置市の児童福祉主管部局長殿ということで、こういう題名で、児童虐待に係る児童相談所と市町村の共通リスクアセスメントツールについてという、こういう通達が出ているんですけれども、そこの文言の一番最後のところに、なお、本通知は地方自治法第二百四十五条の四第一項の規定に基づく技術的助言であるというようなことが、これ表紙にあるんですね。  そうすると、この技術的助言ということからすると、やはりこのリスクアセスメントのツール、この中にシートも含まれているんですが、これをやはり使わなければいけないんだというふうに受け止めるのか、それとも、あくまでもこれは技術的助言であって、その使用についてはそれぞれの自治体あるいは児童相談所の判断に任せるということになるのか。これ、受け止める側としては、これはどういうふうに受け止めればよかったんでしょうか。
  159. 浜谷浩樹

    政府参考人(浜谷浩樹君) 今御指摘の通知は今手元にございませんけれども、制度論で申しますと、この児童相談所の業務、これ自治事務でございますので、国から出す通知等につきましては、そういう意味では、位置付けとしては技術助言ということで、法令上はですけれども、法令上は従う義務があるものではないわけでございます。  そういう意味では、リスクアセスメントシートを必ず使わなければならないということではございませんけれども、厚労省といたしましては、形式的にリスクアセスメントシートを使うかどうかというよりも、なぜそういうリスクの判断をしたのか、そういうことについてしっかりと根拠を示して、それを記録に残す、これが重要ではないかというふうに考えております。
  160. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 最終的には今局長言われたところがポイントになろうかというふうには思いますが、やはり、多くの方たちが集まって議論をして防止を図っていく、少しでもこういう事件、事故をなくしていくという意味で有用だということであれば、もっと積極的にこれを使うべきだというようなことを通達で出してもいいのかなというふうにも思います。    〔理事島村大君退席、委員長着席〕  ただ、その一方で、ちょっとこれ、私、改めてこのアセスメントシートを見たんですが、以前出されていたものもあって、その後改正された中身もあります。この平成二十九年の段階で出されたシートというのは、かなり内容的にボリュームが増えているんですね、シートそのものの。チェック項目が相当細かくなりましたし、ボリュームも増えていますし、自由に記入するスペースも相当増えていて、私はもう完全に素人ですから分かりませんけれども、ぱっと見た感じ、このチェックシートを記入するのはかなり骨が折れるなという印象も持ったのも事実なんです。  そうすると、実際にこれを技術的助言ということで出されていて、有用だと思うんです、有用だと思うんですが、これを実際に使おうという立場になったときに、これを使うことが負担感になってしまうと使われなくなってしまう、逆にこれ自体がそういうリスクを持つのではないかなというような感じを持ったんですけれども。  実際に、今回、このリスクアセスメントツールを新たに作っていこうとしたときに、例えば現場の児童福祉司さんの意見を聞いたりですとか、あるいは市町村の意見を聞いたりですとか、そういった現場とのやり取りというのはあった上で作られているのかどうか。ちょっと済みません、通告していないんですが、もしお分かりになるようでしたらお答えいただければと思います。
  161. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  まず、このリスクアセスメントシートを作る際には現場の方々の意見も伺っております。ただ、ですけれども、御指摘のとおり、このアセスメントシートは少しやっぱり内容が複雑で負担感があるのではないかという御指摘もございます。そういう意味では、そういった御指摘も踏まえまして、このアセスメントシートについては簡素化等も含めて今後検討してまいりたいというふうに考えております。
  162. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 是非、現場で実際にこのツールを使われる、シートを使われる皆さんがこれだったら使えるというふうに思えるような、そういうものに今後適宜見直しをいただければというふうに思います。皆さんがこれがいいという意見になるのであれば、もう技術的助言ではなくて、もっと強い形で、もうこれで皆さんやってくださいという形でまた通達を出し直してもいいと思うんです。是非、そういう形で、このリスクアセスメントに関する一連のこうした情報収集を含めて、判断を含めて、適切な行動が取れるように適宜見直しをいただけますことをお願いを申し上げたいと思います。  それと、今回、加えてもう一個気になったことがありました。これ、厚労省さんから出しているデータなんですけれども、虐待相談の相談経路という、こういうまとめたものがあって、その中に、平成二十九年度のデータを見ますと、虐待の発覚というのは警察からのケースというのが、これ児童相談所ですね、警察から児相に通告があるというケースが最多で、次は近隣の住民の方からの通告、通報というのが二番目というような結果になっています。  その意味で、やはり警察と児童相談所の連携というのが大切だということがこういうデータからも明らかかというふうに思うんですが、今回も、北海道の札幌市の件でも警察と児童相談所のいろんなやり取りがあったということが報道されています。  改めて、一般論で結構なんですが、警察と児童相談所の連携に関する課題認識として、どういう問題があるというような認識におられるのか、ちょっとその点、確認をさせていただきたいと思います。
  163. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  児童虐待の早期発見を図るためには、警察を始めとした関係機関との連携を図りまして、子供の安全確認を確実に行うとともに、安全確保や必要な支援の実施につなげていくこと、これが重要だと考えております。  しかしながら、最近の虐待事案を踏まえますと、例えば、通告を受けた際に安全確認ができない場合の対応とか、あるいは威圧的な保護者への対応などに際しまして、警察との連携が今回の事件も含めまして必ずしも十分にできていないという課題があるものというふうに認識しております。
  164. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 今、後半の方で言われた完全でないところがあるということで、まさに今回のその札幌市の件では、警察からの通報を受けたところに私は、若干の動きとして、まあミスと言っていいのかどうか分かりませんけれども、完全ではなかった点があるんだというふうに思うんですが。  今お話をいただいた問題意識も踏まえて、今回の法案では、児童虐待防止法の中の第五条、これが見直しをされていて、警察と児童相談所等との連携強化が盛り込まれることとなりました。これは正しい方向なんだというふうに理解をしていますが、これ、連携強化ということなんですが、具体的にどのような強化ということで想定をされているんでしょうか。
  165. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  本法案におきましては、御指摘のとおり、児童虐待防止法第五条を改正いたしまして、児童虐待を発見しやすい立場にあり、虐待の早期発見に努めるべき機関の例示といたしまして都道府県警察等の関係機関を明確化したところでございます。  具体的にどのような形で進めていくかということでございますけれども、本年三月に関係閣僚会議で決定いたしました児童虐待防止対策の抜本的強化についてに基づきまして、児童相談所へ警察OBの常勤的な配置、あるいは警察職員の出向等の推進のための必要な財政支援の拡充を行う、あるいはその情報共有に関する協定等の締結を促進する、ケース検討や訓練等の合同研修の実施などを実施いたしますとともに、関係機関が参加いたします市町村の要保護児童対策協議会を活用した情報共有を徹底するということでございます。  また、衆議院の附帯決議におきまして、警察と児童相談所の連携が円滑にいくよう警察と児童相談所の合同研修の実施や、警察における虐待対応の専門部署の設置等を通じ、交番等における早期発見など、警察及び児童相談所双方の対応力の強化を図ることといった決議がなされました。  こういった附帯決議の趣旨も踏まえまして、適切な連携が図られるよう取り組んでまいりたいというふうに考えております。
  166. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 ありがとうございます。  やはり人的な部分であったり、情報共有、あるいは課題認識を共有していく意味で合同の研修というのは大変重要かと思うんですが、その中の情報共有という観点で、これも今回の札幌市の事例でいきますと、警察の方が面会に行こうとした、残念ながらそのときに児童相談所の方がどうしても人のやりくりが付かないということで、ただ警察の方は緊急性ありということで実際に面会に行った、実際に面会をした結果として虐待とまでは言えないという結果報告がそこから出て、結果として、それを受けて児童相談所が緊急性はそこまで高くないというふうに受け止めてしまった、これが報道としてされているんですけれども。  これ、そうすると、実際に双方がきちんと行くというのが基本だと思います。でも、時にはその状況として、児童相談所しか行けない、警察しか行けないということも当然あり得るんだと思いますし、今回ありました。そうしたときに、最終的に、この一時保護が必要あるとか、あるいは緊急性が高いんだという判断というのはどっちがするべきだったのかなというのがちょっと疑問に残りました。  何かちょうどこれは警察の判断と児童相談所の判断の何か谷間におっこってしまって、結果として救えなくなってしまったんではないかという印象をそこから私受けたものですから、最終的にこれ、どこがやはり一時保護に対しての判断を持つというようなことにルール上はなるんでしょうか。
  167. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) まず、児童相談所につきましては、それぞれの子供の家庭、地域の状況、生活歴、発達、性格、行動等について専門的な角度から総合的に調査、判定いたしまして、それに基づいて援助方針を定め、自ら又は関係機関等を活用して一貫した子供の援助を行う機能を有している、その役割を持っているわけでございます。そうした児童相談所の役割を踏まえますと、児童虐待の有無を判断する最終的な権能、責任を有する機関は児童相談所であるというふうに考えております。  その上ででございますけれども、児童虐待につきまして効果的な援助の実施を図るためには、地域における関係機関がネットワークを形成いたしまして、相互に役割分担しながら情報共有いたしまして、一体となって援助活動を行うことが必要、こういう考えでございます。
  168. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 そうすると、そういう判断の権限といいますか、最終的には児童相談所だということもある程度決まっていた上で、今回の件、警察もちゃんと面会に行けたのに、なぜ救えなかったのかなというのは、やはりどこかルールあるいは行動の中に問題があったということですから、そこはしっかりと振り返りをしていただきたいというふうに思います。  やれ、何を作っていなかったとか判断が甘かったからというところで片付けてしまうと、これ人間が最終的にはもちろん判断をするんですが、判断をするんですが、何でもかんでも最終的に人のところに頼ってしまうと、やっぱり考え方にぶれが生じることは必ずあります、人間ですから、ずれが生じることもあります。極力人が判断する部分というのを少なくしていく、できるだけルールの中で決められることは決めていくということをすることが今言ったような谷間に落ち込んでいく事例というのをなくすことにもつながるのかなと思いますので、是非ちょっとそういう観点で、今回の事例も含めてもう一回見直すタイミングが厚労省さんの中でもあろうかと思いますので、しっかりと見直しをいただきたいというふうに思います。ルールの観点では、ちょっとそんなところをお願いをさせていただきました。  今の流れの中で、午前中からの質疑の中で、やはり児童相談所の働き方、業務負荷という観点でお話がありましたので、ちょっと私もそれについて少しやり取りをさせていただきたいと思います。  今回の札幌の件でも、人のやりくりが付かなかったというようなことがあって、実際に警察と行けなかったということになったというふうに報道されているんですが、児童相談所の体制そのものについて、現状の体制について、不足している、あるいは今の段階はこれぐらいか、これぐらいなのではないか含めて、どういうふうに児童相談所の体制については認識をされているか、まずその現状認識について確認をさせてください。
  169. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) まず、児童虐待の対応件数が十三万件を超えるということで、年々増えております。そういった状況を踏まえますと、児童相談所、特に児童福祉司については相当の業務量の負荷が掛かっているのではないかというのが現状認識でございます。したがいまして、児童相談所の児童福祉司一人当たりの業務量を減らし、よりきめ細やかにケースワークが行えるようにすることが重要であるというのが基本認識でございます。  そういった観点から、昨年十二月に新プランを決定いたしまして、この新プランにおきましては、児童福祉司一人当たりの標準的な業務量につきまして、児童虐待相談及びそれ以外の相談を合わせ五十ケース相当だった配置標準を四十ケース相当となるように見直しを行うこととしております。  そういう意味では、業務量、現状ではかなり大変な状況ですので、その業務量を減らしていくことが必要だというのが基本認識でございます。
  170. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 児童相談所の数、全国での、今皆さんの方にお手元に資料をお配りしていますので、ちょっとそれを御覧をいただければと思いますが、その資料は、児童相談所の数が棒グラフ、それから折れ線グラフが児童福祉司の方の人数ということで、平成十一年からそういう推移を今たどってきているということです。  基本的には少しずつ増えてはきているんですが、児童相談所については直近でいくと若干頭打ちの状況になっているということになるんですけれども、この児童相談所の数の増加が少しここのところ余り伸びていないというようなデータも出てきているんですが、この点については何か策を打たれていますでしょうか。
  171. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) 御指摘のとおり、児童相談所の数については、近年二百十ということで、余り増えていない状況でございます。そういう意味で、今回の改正法案では、児童相談所の管轄区域につきまして、地理的条件、人口、交通事情その他の社会的条件について政令で定める基準を参酌して都道府県が定めるものとするという旨の規定を盛り込んでおります。  こういった規定を盛り込みましたのは、やはり児童相談所によっては管轄人口が大き過ぎてきめ細やかな対応ができていないのではないか、こういった指摘も踏まえまして、国としての政令の基準を定め、それを参酌して都道府県が定めると、こういう規定を設けたところでございます。
  172. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 今回そういう規定を定められて、これからまた五年の期間を掛けて数を増やしていく、人を増やしていくという、そこは今回の法案にはあるんですけれども、これ、平成二十八年のときにもこの法律については改正がされていて、そのときにも、施行後五年を目途として、中核市、特別区が児童相談所を設置できるよう、その設置に係る支援等の必要な措置を講ずるというようなことがその中にも既にうたわれていました。平成二十八年のときです。  あの時点で、五年掛けて強化していきますよということがうたわれていたんですが、そうするともう既に三年たったんですけれども、その三年間についてのちょっと振り返り、どのように受け止めておられるのか。予定どおり来たのか、それともちょっと不足しているのか。その点の認識についてはいかがでしょうか。
  173. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  まず、議員御指摘のとおり、中核市、特別区の児童相談所の設置促進につきましては、平成二十八年の児童福祉法等の一部改正におきまして、附則、検討規定、五年間の支援規定が設けられております。厚労省といたしましては、その規定を踏まえまして、人材確保あるいは育成に対する支援、施設整備に対する支援などの支援策を講じてきたところでございます。  しかしながらでございますけれども、平成二十八年度以後に新たに児童相談所が設置されましたのは明石市のみでございまして、今回の改正法案の検討過程におきましては、地方団体から、まずは児童相談所の設置がなぜ進んでいないのかの検討、分析を行うべきといった意見、あるいは地域の特性や実態に関し、地方の意見を踏まえて必要かつ十分な財政支援、人材育成や確保に係る支援の充実を図るべきといった意見が寄せられたところでございます。  こういった意見を踏まえ、重く受け止めまして、今回の改正法案では、政府は、施行後五年間、中核市及び特別区が児童相談所設置できるよう、児童相談所等の整備、職員の確保及び育成の支援措置を講ずること、またその支援に当たっては地方団体との連携を図ること、こういった規定を設けたところでございます。
  174. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 そうすると、前回の平成二十八年のときの法改正の振り返りは行った上で、その問題点をきちんと把握した上で今回の法改正につなげていると。今、少し、人的な部分と予算の部分ですかね、その点について触れられましたけど、そこはしっかりと今回の法律にフィードバックを掛けた、この三年間の振り返りはしっかりとフィードバックを掛けた、そういう認識でよろしいんでしょうか。
  175. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) 結論から申しますと御指摘のとおりでございまして、要は中核市、特別区とのコミュケーションとかあるいは実態の分析とか、そういったことが不十分ではないかといった意見、それから、やはり支援策が不十分ではないかと、こういった御意見をいただいております。  そういった御意見も踏まえまして、地方と十分しっかり協議しながら現状分析いたしまして、かつ支援策についてもこれからしっかり拡充する、そういう前提でこの法案を提出しているところでございます。
  176. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 では、しっかりと振り返りということも今言っていただいたので、少し具体的に、もう何点か確認をさせていただきたいと思います。  今回の新プランの中において、児童福祉司の人数の増強がうたわれています。二〇二二年度までに五千二百六十名にするということが今回数字としてはしっかりと掲げられたわけですけれども、五千二百六十名とした根拠について教えてください。
  177. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  まず、新プランにおきましては、現在三千名の児童福祉司について、二〇二二年度に五千名体制とする、そういった内容になっております。  この児童福祉司の約五千名の根拠でございますけれども、三つございます。一つは、先ほど申し上げました児童福祉司一人当たりの業務量が五十ケース相当から四十ケース相当となるよう、児童福祉司の人口当たり配置標準を人口四万人に一人から人口三万人に一人に見直す、これが一点目でございます。それから二点目については、社会的養育の推進ということで、都道府県の計画策定などもお願いしておりますけれども、各児童相談所に里親養育支援のための児童福祉司を配置する、これが二点目でございます。それから三点目が、市町村との連携ということで、児童相談所にしっかり市町村を支援していただきたいということで、市町村を支援するための児童福祉司を都道府県の管内三十市町村につき一人を配置する。  こういった三つの内容に基づきまして算出した数の合計でございます。
  178. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 それで、もう一度皆さんに資料を御覧をいただければと思うんですが、児童福祉司の人数見ていただきますと、直近三年間では、三千三十、三千二百三十五、三千四百二十六ということで、年間二百名ずつの増強がこの三年間では精いっぱいだったわけです。平成二十八年にさっき言った最初のプランを打ち出されていますから、増やしていきますよという宣言があった後の三年間でも二百名ずつしか増やせていなかったのがこれまでの実態なんです。  ところが、今回のこの新プランにおいては、この二〇一九年度中にもう千七十名増やす、一年間で千七十名増やすということになっていまして、さらにその後の二年間で更にプラス千名、合計で二千名の方を二〇二二年までに増やすということですから、相当ハードルの高い計画になっているというふうに思っているんですが、これ本当に実現は可能なんでしょうか。
  179. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) まずは、厚労省といたしましては、児童相談所の現状、児童福祉司の負担等を考えますと、この計画についてしっかり実現をしなければならないというふうに考えております。  今回、その実現のためということでございますけれども、自治体における専門的な人材の確保を支援するために、例えば自治体の採用活動を支援するための補助を行うほかに、採用のみならず児童相談所の専門性を確保することが重要と考えておりまして、例えば積極的に児童相談所配属経験者の再配置をすること、それから児童相談所OB職員の再任用等を行うこと、それから例えば日本社会福祉士会等の専門職団体に対する働きかけを行うこと、こういったことも行うこととしておりまして、こういった、国としても自治体の採用あるいは人材確保の支援をしっかりしてまいりたいというふうに考えております。
  180. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 今言われた市町村に対する採用に向けた人的な支援含めて、あとは予算の支援も含めて、これはもう本当に積極的にお願いをしたいと思います。  今までだって年間二百人が限界だったんですから、今までと同じこと、ちょっとそれに毛の生えたぐらいの内容じゃ、もうとてもじゃないですけど追い付かないですから、そこはもう積極的に、予算も含めて、人的支援も含めて、厚労省さんから力を入れて活動いただきたいというふうに思います。それぐらいハードルの高い数字だと思いますけれども、是非達成に向けて活動はしていただきたいと思います。  もう一つ、今言った五千二百六十名と併せて、これも午前中から出ていますけれども、児童福祉司一人当たりの相談件数を四十件相当という言葉が今も御説明の中にございました。  これ、四十件とした理由は何なんでしょうか。
  181. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) 四十がいいのか三十がいいのかとか、そこのところの、何といいましょうか、定量的なかっちりした根拠というのはなかなかないわけでございますけれども、少なくとも今の児童福祉司の業務の現状を考えますと、ケース数でいうと二割減ぐらいになるわけですけれども、この程度の軽減といいましょうかは必要ではないかということで積算したものでございます。
  182. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 そうなんですね。これ、実際に私、データの中から、今皆さんのお手元にお配りをした児童福祉司の人数と、あとは児童虐待の相談件数という、こういう推移もデータとしてあるものですから、単純に割り算して、一人当たり何件になっているかというのを計算してみました。そうすると、平成二十八年の時点で四十・四件になるんですね。平成二十九年になると増えていて四十一・四件。先ほどの石橋委員の資料の中に記載がありましたので、そこでまた見ていただければと思いますが、直近でいくと四十一・四件なんです。これ、実は年々増えていまして、細かいことはちょっとはしょりますけれども、平成二十二年まで遡りますと、二十二・八件だったんです。平成二十年まで遡れば、もう二十切って十八・一件だったんです。ですから、この十年間で実は倍になっているんですね、相談件数が、ということです。  そうすると、今の四十件というのが本当に適切なのかというと、今まさに御説明いただいたとおり、今の時点の数字が四十なので、これ以上悪化させないという意味の四十になるというふうに受け止めるのがまずは今の時点では私は適切なのかなというふうに思っているんですけれども、そういう受け止めで、この四十件をキープしていくというのは、今以上ひどいことにはならないという、そういう思いもあってということでよろしいでしょうか。
  183. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  このケース数でございますけれども、児童虐待相談で四十件、それからそれ以外の相談もございますので、それ以外の非行等の相談を合わせますと現状で五十ケース相当を持っているのを、それ以外の相談も合わせた五十ケースを四十ケース、それ以外の相談も合わせて四十ケースにするということでございますので、現状を維持するということではなくて五十を四十に下げると、そういう考え方でございます。
  184. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 そうすると、目標としては更にもっと高いところに置かれているということなんですが。  ただ、ちょっと、別に今の説明に私、けち付けるつもりはないんです。けち付けるつもりないんですが、ちょっとこれも数字を追ってみますと、今の相談件数、大体一年当たり毎年一万五千件ずつぐらい増えているんですね、右肩上がりという状況になっています。平成二十五年から二十九年までのデータを見ると、そういうことになっていました。  そうすると、今回の新プランの最終目標が二〇二二年になります。そこまでに、今のペースで一万五千件ずつ相談件数が増えていっちゃうとトータルで何件になるかというと、ざっくり言うと二十万九千件になっちゃうんですね。これ最終的に、二〇二二年にいくと二十万九千件まで増えちゃうんです。それで、この五千二百六十名という数字を持ってきて割り算するとおよそ四十になるんです。そうすると、これ、児童虐待の相談件数だけで見込みが二十万を超えてしまって、それに対して五千二百六十名の目標値だと、児童虐待の対応だけでやっぱり四十件になっちゃうという数字に実はなります。  これはもう私がそういうふうに仮定して置いた数字ですから、これは私の推測ですので、これが全部正しいなんて言うつもりはありませんけれども、その意味でいきますと、実はこの五千二百六十名というのは達成するのも相当大変なんだけれども、これが達成できないと職場の負荷は更に相当上がっていくことになるという数字になっているという、そういう認識を持ってこの数字、あるいは今の新プランについて見ておかないといけないんだろうというふうに思っています。  ですから、先ほど、繰り返しになりますが、申し上げたとおり、相当力入れてやらないと、これ職場の負荷は更に高まっていく。職場の負荷が更に高まっていったら、幾らきちんとしたルール作っても、きちんとしたアセスメントシートを作っても、やっぱり人手が足りないということが繰り返しになりますので、是非、その点、本当に力入れて取り組んでいただきたいということを改めてお願いを申し上げたいと思います。  最後に、ちょっと時間ないんですが、一個だけ確認させてください。  児童相談所の管轄区域に関して、人口その他の社会的条件についてという言葉が今回法律の中にも文言が入っています。その人口その他の社会条件の中に子供の人数というものを加味して考える、子供の人数というのは判断基準の中に入るんでしょうか。
  185. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  まず、この基準につきましては、今後、地方団体等とも協議しながら検討していくわけでございまして、具体的な検討についてはこれからでございますけれども、子供の人数につきましても、この勘案要素の一つになり得るものと考えております。
  186. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 是非よろしくお願いをいたします。  質問を終わります。ありがとうございました。
  187. 河野義博

    ○河野義博君 公明党の河野義博です。  法案に入ります前に、ちょっと地元の課題を一つ伺います。  沖縄県内で有機フッ素化合物が検出されている件でありまして、嘉手納飛行場の近くの河川において有機フッ素化合物、いわゆるPFOS、PFOAが検出をされております。この水は住民の飲料水にもなっておる水でありまして、その一方、現在、この有機フッ素化合物に関しては水道水の基準値が定められていないということもあります。様々な報道がなされておりまして、県民には不安に感じておられる方がいらっしゃいます。  厚生労働省として、この問題、どのように認識をしておられまして、どのように御対応いただけるのか、答弁をお聞かせください。
  188. 大口善徳

    ○副大臣(大口善徳君) 御指摘の有機フッ素化合物のPFOS、PFOAについては、我が国の水道の水質基準においては、平成二十一年に、必要な情報、知見の収集を努める要検討項目として、水道水における検出状況や最新の科学的知見等の情報収集に努めているところでありますが、毒性評価が定まらないこと等から目標値は設定していないということであります。  また、海外におきましては、WHOの飲料水ガイドライン値は設定されておらず、法的拘束力を有する基準値を設定している国はないわけでありまして、ただ、健康上の目安となる指針値としては、アメリカでは生涯健康勧告値としてPFOS、PFOAの合計で七十ナノグラム・リットルと、また、ドイツにおきましては健康指針値としてPFOSで三百ナノグラム・リットルなどが設定されていると認識をしております。  御指摘のとおり、このPFOS、PFOAが沖縄県企業局の北谷浄水場の取水地点で検出されておりますが、この浄水場においては、粒状活性炭処理設備により、水道水中に含まれるPFOS、PFOAの合計値は平均三十ナノグラム・リットル程度に低減されています。ただ、この活性炭の交換頻度が高くて費用も掛かっているということも承知しているところであります。これは現在の海外の指針値と比較しても十分低いレベルだと考えています。  私から水道課の担当者に指示をいたしまして、五月の二十四日、沖縄企業局と面談をいたしまして、そして、住民の方々に対して水道水の安全性について適切に説明できるよう目標値を示すことができないかという相談を沖縄企業局から受けたところでございます。  引き続き、最新の科学的知見を収集しつつ、専門家等の意見も伺いながら、水質基準逐次検討会において目標値の設定について検討を進めてまいりたい、来年の四月頃までにそういう方向性を出していきたい、また環境省とも連携をしてまいりたいと、このように考えています。
  189. 河野義博

    ○河野義博君 タイムリーに対応していただきまして感謝申し上げます。  また、現段階では、水道水中に含まれる値というのは十分に低いという御答弁をいただきました。いたずらに不安をあおるのは慎むべきでありますけれども、過小評価も問題になります。科学的な知見に基づいて早期の対応をお願いしたいというふうに思いますし、基準値を具体的に目標時期を設定した上で進めていただけるということに対して感謝を申し上げます。
  190. 大口善徳

    ○副大臣(大口善徳君) 先ほど五月二十四日と言いましたが、五月二十八日に水道課の担当者と企業局が面談をしたということと訂正いたします。
  191. 河野義博

    ○河野義博君 ありがとうございます。引き続きよろしくお願いいたします。  それでは、法案に入らせていただきまして、本法律案、児童虐待防止対策の強化を図り、児童の権利擁護、児童相談所の体制強化、そして関係機関との連携強化、所要の措置を講ずるものでありまして、内容もちろん賛成しておりますし、一日も早くこの体制が有機的に進むような方策を早く講じなければならないというふうに思っております。  その中で、まず、体罰禁止の法制化、懲戒権の見直しという観点で質問いたします。  改正案の中には体罰の禁止が盛り込まれておりまして、しつけにおいて体罰が必要なんだという、これは誤った認識だと私は思いますが、これをゼロにするためにこの体罰禁止の法制化というのは重要であると考えます。  今年二月、国連の児童の権利委員会、開催されましたけれども、その中の対日審査総括所見におきましても、どんなに軽いものであっても全ての体罰を明示的かつ完全に禁止することという、この旨の要請がなされているところであります。  一方で、体罰の定義というのは、懲戒や体罰などにおける文部科学省の通知はあるものの、本法案には定められておりませんで、今後ガイドラインにおいて規定されるものと承知をしております。例えば、子供を叱るといった場面に関して、何でもかんでも体罰に含まれるんではないかという保護者からの不安や、また教育現場が萎縮しないかという不安の声もある中でありますけれども、現段階で厚労省として想定している体罰の範囲、体罰の範囲に係るガイドラインの今後の具体的な策定スケジュールに関して改めて伺っておきます。  加えて、こうした体罰の範囲を明らかにした上で、体罰の根絶に向けて、体罰が心や体に及ぼす悪影響、体罰によらない子育ての方法などについて、例えば義務教育などにおいて早い段階から教育スキームを構築すべきと考えますけれども、政府としての対応方針を教えてください。
  192. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  まず、体罰が禁止されるべき本質でございますけれども、これは、子供に対して痛み、苦しみを与えようとすること、その痛み、苦しみを利用した懲戒によりまして子供の言動を支配しようとすること、また体罰が子供の心身の健全な育成の観点から悪影響があること、こういったことにあると考えておりまして、こうしたことが国民に分かりやすく伝わるようにガイドラインを通じて普及を周知していきたいというふうに考えております。  ガイドラインにおきましては、学校教育法の体罰の範囲、あるいは先ほど御指摘いただきました児童の権利委員会における定義等も参考にしながら体罰の範囲を定めたいと考えております。  また、ガイドラインの策定に当たりましては、有識者の方々からの御意見も伺いながら具体的な内容を検討してまいりたいというふうに考えております。
  193. 丸山洋司

    ○政府参考人(丸山洋司君) お答えを申し上げます。  委員御指摘のとおり、将来親となる子供たちが、その発達の段階に応じて、生命の尊重や子供を育てる上で親や家族の関わり方が重要であることなど、子育ての親の役割などについて学ぶことは大変重要であるというふうに考えております。  現在、学校教育におきましては、例えば小中高等学校の家庭科、小中学校の特別の教科道徳などにおきましては、家族や家庭生活、親の役割と保育等について理解をしたり、生命を尊重したり、幼児との触れ合いを通して幼児への理解、関心を深めたりするなどの学習が行われております。  また、昨年三月に改訂をいたしました新しい高等学校学習指導要領の家庭科では、乳幼児と適切に関わるための基礎的な技能、子育て支援についての理解などを新たに明記をしたところでございます。  文部科学省といたしましては、引き続き、学習指導要領に基づきまして、親としての役割や子育てなど、将来親になるための教育の充実に努めてまいりたいと考えております。
  194. 河野義博

    ○河野義博君 厚労省のガイドラインの策定に当たっては有識者の意見を聞くということでありましたが、そこに教育現場の意見、また親の立場からの意見も是非とも取り入れていただいて策定していただきたいというふうに思います。  大臣に懲戒権に関して伺います。  民法の懲戒権についても様々な議論があるところであります。この懲戒権が体罰を容認する根拠となっては断じてならないわけでありまして、本法案の附則におきましては、施行後二年を目途として、懲戒権の規定の在り方について検討を加えるという旨の検討規定が設けられました。先日、法務大臣の記者会見では、今月二十日にも児童虐待防止のための懲戒権に関する規定の見直しについて法制審議会に諮問するということであります。  厚生労働省として今後どのように関わっていくのか、お立場をお聞かせいただけたらと思います。
  195. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 懲戒権については、これまでも様々な議論がありました。  今委員からお話がありましたように、今回の改正法案、これは体罰禁止の法定化とともに、民法に定める懲戒権について、施行後二年をめどとした検討規定を設けることとしております。この懲戒権の見直しについては、今もお話がありましたように、法務大臣の方から法制審議会で議論をスタートすると、こういう話がありました。これは民法の検討課題でありますので法務省を中心に検討が行われるものでありますが、厚生労働省においてもこの検討に必要な連携協力を行っていきたいと思います。
  196. 河野義博

    ○河野義博君 次に、保護者の支援という観点から伺います。  児童虐待の防止に当たっては、虐待を受けた子供のケアはもちろんのこと、再発防止の観点から、虐待をしてしまった者への支援も大切です。衆議院の修正におきまして、児童虐待を行った保護者について、都道府県知事などが医学的又は心理学的知見に基づく指導を行うよう努めるという旨設けられまして、私、民間のノウハウも入れながら取組を進めていくということが重要であるというふうに考えますけれども、この衆議院での修正を受けて、厚労省としてどのように対応をしていく方針か、お聞かせください。
  197. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  これまでも御質問いただいておりますけれども、児童相談所におきましては保護者への指導や援助を行っておりまして、その手法の一つとして、保護者の属性に合わせて各種の保護者支援プログラムによる支援を行っております。その保護者支援プログラムの実施に当たっては、民間との連携、取組、ノウハウを取り入れる、これも重要だというふうに、委員御指摘のとおり考えております。  厚労省といたしましては、これまでも児童心理司が行います心理療法というのに加えまして、保護者支援プログラムの実施も含めたカウンセリングにつきまして、外部の精神科医等の協力を得まして、保護者への支援、指導を実施する場合あるいはその外部委託を行う場合の費用の補助、あるいは保護者支援のためのプログラム活用ハンドブックの作成、効果的な実施に向けたマニュアルの作成等に努めてきたところでございます。  御指摘のとおり、今回の改正法案におきましては、衆議院の修正によりまして、児童虐待を行った保護者に対する医学的又は心理学的知見に基づく指導について規定されました。これを踏まえまして、今後でございますけれども、今年三月に関係閣僚会議で決定いたしました抜本的強化に基づきまして、保護者支援プログラムの実施を担う専門人材の養成、あるいはその実施する場合の支援の拡充なども含めまして、より児童相談所におきましてプログラムの実施しやすいような環境整備、あるいはその保護者がプログラムによる支援が受けやすくするための仕組みやアプローチについてしっかり検討してまいりたいと考えております。
  198. 河野義博

    ○河野義博君 先日、地元の児童相談所に行ってまいりまして、お話を聞かせていただきました。多忙感、これまでも衆参合わせて皆さん議論になっておりますが、やはり私の地元では、一人が大体六十件から八十件の虐待事案を抱えながら仕事をしていますと、非常に忙しいという点、御指摘がありました。  それから、そこには弁護士が常駐をしておられまして、比較的スムーズに事案が運べていると。やっぱり弁護士が必要だという意見が結構強く出されまして、やはり最大の山場は、もうどうしようもなくなるその手前で親から引き離さなきゃいけない、親の権利との兼ね合いの中で、やはり法律的な判断が必要である場合が多いと。今、どの児童相談所も弁護士と連携はしておりますが、やはりそこに、ふだん業務をする場所に座ってもらっていることが大切で、常に、事案は期間が決まったものではありませんから、ずっと長い事案をその弁護士の先生が知っておいていただくということが非常に大切なんだというお話を受けました。  様々な個々の事情があるのでというのも分かるんですけれども、なるべく弁護士が常駐できるような形に是非ともお願いしたいと私は思います。法律案の中でも、法律に関する専門的な知識経験を必要とする業務について、「常時弁護士による助言又は指導の下で適切かつ円滑に行うため、児童相談所における弁護士の配置又はこれに準ずる措置を行う」というふうに定められております。  弁護士という法律の専門家とともに対応できるのは児童相談所の職員にとって心強いものでありまして、威圧的な保護者もたまにいらっしゃるわけで、冷静に適切に対応するためにも、弁護士存在というのは非常に心強いわけであります。  弁護士と日常的に連携できるよう複数の弁護士契約するなど、弁護士との連携については様々な手法が考えられますけれども、今回の改正を踏まえ、日常的な連携の在り方に対して、国として私はより一歩踏み込んだ対応をお願いしたいというふうに思いますけれども、御所見をお聞かせください。
  199. 浜谷浩樹

    政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  御指摘のとおり、児童相談所におきまして、様々な場面におきまして法的な知見を踏まえた対応ができることが極めて重要だと考えております。  今回の改正案におきましては、児童相談所における弁護士の関与につきまして、法律に関する専門的な知識経験を必要とする業務について、「常時弁護士による助言又は指導の下で適切かつ円滑に行うため、児童相談所における弁護士の配置又はこれに準ずる措置を行う」、こういう規定にいたしております。この趣旨でございますけれども、児童相談所におきまして、弁護士による、今御指摘いただいたような日常的な法的な助言指導を踏まえた対応を取るための体制整備を促進する、こういう観点からの規定でございます。  ただ、この準ずる措置でございますけれども、御指摘のような常勤の弁護士を置くことに加えまして、この準ずる措置におきまして、例えば外部の弁護士事務所と委託契約を結びまして、常時必要な法的助言を受けることができる体制を構築すること等も考えられると思います。これは、地域によってやはり弁護士の配置形態、様々でございます。弁護士の人数、確保策も地域によって様々でありますので、配置方法については一律に定めるのではなくて、地域の実情に応じまして実質的に日常的に弁護士が関与できる体制が取れるよう、常時弁護士による助言又は指導の下で法的な業務を行える体制整備、こういった形で地域の実情に応じて推進していただくことが重要と考えております。
  200. 河野義博

    ○河野義博君 地域の実情もあるんですが、やはり今、委託契約を結んでいるから常時相談できますというのは、ちょっと私、もう一歩踏み込んでほしいなというふうに思うんですね。  やっぱり弁護士いらっしゃらない地域も、数が少ない地域もあるでしょうけれども、やはりこれだけの社会的な大きな課題になっておる中で、委託していますから相談できますというのだとちょっとやや寂しい感じがいたしまして、今回、児童相談所一か所当たり約七百八十万円の補助金も今年度予算の中に組み込まれていますし、やはり弁護士の常駐、ほぼ常駐といった状態がつくれること、それで、相談所の方々の職務の中で常日頃、日常的に事案を相談できる体制というのをつくるべきだと思いますが、どうですかね。
  201. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  そういう意味では、今までは単に「弁護士の配置又はこれに準ずる措置」ということで、裸でその準ずる措置があったわけでございますけれども、今回は「常時弁護士による助言又は指導の下で適切かつ円滑に行うため、」という条件を付けておりますので、例えば相談したときにだけその相談に応ずるとかということではなくて、外部との契約形態であったとしても常時相談できるような体制、要は月に一回とかそういうことではなくて、もう頻度高く、契約であっても弁護士が常時相談できるような体制整備をする、そういう趣旨の規定を設けたということでございます。
  202. 河野義博

    ○河野義博君 実態として同じ先生がその案件に長く関われるような体制というのを是非ともつくっていただきたいなと要望しておきます。  それから、福岡市の児童相談所は所長さんが医師の先生でありまして、今回、児童相談所への医師及び保健師の配置という項目があります。今までも児童相談所に医師又は保健師を配置するとしていたところ、本改正で医師、保健師いずれも配置をするということにしまして、一歩前進だと思います。  医師については、診療、医学的検査などによる子供の診断や、一時保護している子供の健康管理、保健師については、虐待を受けた子供及びその家族等に対する在宅の支援など、児童相談所において医師、保健師の担う役割は大きいというふうに承知しております。保護されている子供というのは大きな心の傷を負ってきた子たちが多いという中で、やはり専門的な医師の存在というのは非常に大きな、児童相談所の中で大きな役割を占めるんだろうなというのは簡単に想像ができるわけでありますけれども、医師の確保策について、政府としてどのような方向性で考えておられるのか、御説明をお願いします。
  203. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  児童相談所におきまして、医学的知見を踏まえたケース対応ができるようにすることが重要でございます。  この児童相談所の医師につきましては、医学的見地から子供と保護者の身体的、精神的な状態を診断、評価する、こういったことのみならず、地域の小児科医あるいは精神科医など、事案に即した専門性を有する医療関係者との連携体制の強化を図ることが重要と考えております。児童相談所の医師につきましては、これまでも児童相談所の医師等を対象とした研修に対する補助、あるいは子どもの虹情報センターにおいても研修を開催するなど、資質の向上に努めております。  また、本年三月の関係閣僚会議決定におきましては、関係団体の協力も得た研修の充実など、必要な財政支援等の充実も図ることといたしております。こういった財政支援の充実等も通じまして、あるいは関係団体の協力も得まして、必要な医師の確保等に努めてまいりたいというふうに考えております。
  204. 河野義博

    ○河野義博君 次に、関係職員の守秘義務と警察との連携に関して伺います。  最近の事案におきましては、父親からの暴力を被害者が必死の思いで、お子さんが必死の思いで告白した、そのアンケートのコピーを市の教育委員会が父親の要求に基づいて渡してしまったということが問題視をされておりました。  児童虐待に関する情報は非常にデリケートでありまして、取扱いに厳重な注意が必要ということは論をまちませんけれども、今回の改正において、学校の教職員、児童福祉施設の職員のほか、弁護士や医師、保健師などの関係者は、正当な理由なく、その職務に関して知り得た児童に関する秘密を漏らしてはならない旨、この防止法に新設をすることになりまして、関係職員に守秘義務を課しました。もうこれは私は当然のことだと思いますけれども、保護者の中には脅迫や恫喝に近い要求を行ってくる人もいます。その中で、子供の安全確保の観点から、そうした方々から圧力に屈することがあってはなりませんし、こうした方々への対応に際しまして警察職員や警察OBと連携することは有意義であるというふうに考えています。  一方で、現場の声としては、何でもかんでも警察と連携すればいいかというと必ずしもそうでなくて、やはり福祉的なデリケートな事案が多いという中で、警察との関係というのは非常に綿密に連携をしながら取り組まないと、警察側が捜査を優先させて踏み込み、そして今まで築きかけてきた親との信頼関係も崩壊してしまったというような事案の報告もありますし、これはバランスが非常に大切な問題なんだろうと私は思いますけれども、今後、この児童虐待防止対策の抜本強化について、児童相談所への警察OBの常勤的な配置、また警察職員の出向などを進めるというふうに書かれておりますけれども、これ、具体的にどのように警察との連携進めていかれるのか、教えてください。
  205. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  御指摘のとおり、警察と児童相談所の連携に当たりましては、何といいますか、方針を一にして、認識を共有してケースに当たる、これが基本、重要だというふうに考えております。  児童虐待の対応に当たりましては、児童相談所と市町村、警察、学校などの関係機関との連携が重要でございます。特に警察との連携につきましては、児童の安全確認、一時保護、立入調査等の際に必要に応じて援助要請をすることが可能となっております。  具体的な今後の連携方策でございますけれども、こうした対応における警察のノウハウを児童相談所におきまして共有、蓄積いたしますとともに、警察と児童相談所の連携を強化するために、本年三月に関係閣僚会議で決定した抜本的強化に基づきまして、児童相談所への警察OBの常勤的な配置あるいは警察職員の出向等を進める。具体的には、警察OBの常勤的な配置等に必要な財政支援等の拡充を図るとともに、警察における知識経験を生かした威圧的、暴力的な保護者への対応、警察との連携に役割を果たせるよう配置等に関する活用方策をまとめて全国に周知することといたしております。  いずれにいたしましても、御指摘のとおり、連携に当たりましては、児童相談所と警察において認識を共有して信頼関係をしっかり築き、方針を一にして対応する、こういうことが基本だというふうに考えております。
  206. 河野義博

    ○河野義博君 警察の連携で、非常に大事なことで進めなければなりませんが、しっかりとした配慮が必要だろうと思います。  また、これも現場の声ですが、県警との全件共有という項目がありまして、それをもう十把一からげで全て紙で起こして、それをファクスで送って、それで共有しているというケースがありますので、そこもやっぱり業務負荷の軽減というのは非常に大切な課題なんだろうと思います。  今から質問立たれますが、我が党の山本香苗理事が本会議でも質問されておりましたが、情報共有システムの早期構築というのは非常に大きな課題でありまして、これは一日も早くやっていくべきだろうと思います。もう新しい令和の時代にも入り、もう二十一世紀も二十年がたった今、紙で起こしてファクスで送って、それで共有しないと共有できない事案というのはおよそ考えづらいという中で、誰がいつ何の情報にアクセスできたかというのは、この御時世、もう瞬時にして記録できるわけでありますから、そのシステムというのは、そして各市町村がばらばらにつくるのではなくて、やっぱりある程度のモデルを国が示しながら、使い勝手のいいものにしていくべきなんだろうと思います。  ちょっと順番変えまして、一問飛ばして、要保護児童対策地域協議会、要対協との連携です。  これも連携ですけれども、要対協は、市町村や児童相談所のほか、学校、教育委員会、警察、弁護士会、医療機関などの関係機関が参画し、情報共有や意見交換などを行う重要な場であり、その果たす役割は非常に大きいものだろうというふうに思います。  今般、衆議院の修正におきまして、関係機関は、要対協からの資料又は情報の提供の求めがあった場合には、これに応ずるよう努めなければならないという努力義務規定が新設されることになりました。この規定によってますますこの情報共有というのが増えることを予想されますけれども、この情報共有に関しましてどのように現状認識をされていて、今後どういうふうに円滑な情報共有をやっていかれるおつもりでしょうか。それに関してちょっと教えてください。
  207. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  要保護児童対策協議会でございますけれども、これ、多くの関係機関で構成されておりまして、必要な情報の交換や支援の内容に関する協議を行っております。  こうした協議会における情報交換につきましては、子供への適切な支援の実施等を目的としたものでございますので、協議会の構成員には、正当な理由がなく、協議会の職務に関して知り得た秘密を漏らしてはならないという守秘義務が課せられております。  また、協議会が効果的に機能するためには、協議会の事務を総括いたしますとともに支援の実施状況の進行管理あるいは関係機関との連絡調整を行う調整担当職員の役割が極めて重要だと考えております。しかしながら、協議会におきまして常勤の調整担当職員が配置されております市町村は、現状では全体の約六割にとどまっております。  また、市町村からは、協議会の運営上の課題といたしまして、例えば、調整機関の業務量に対しまして職員さんが不足しているとか、あるいは調整機関におきまして専門資格を有する職員が十分に配置できていないとか、あるいは会議運営のノウハウが十分でないといったことが挙げられております。  こうしたことも踏まえまして、各市町村における要保護児童地域対策協議会の運営がより実効的なものとなりますよう、必要な支援に努めることが重要だというふうに考えております。
  208. 河野義博

    ○河野義博君 時間が間もなく参りますので、最後に大臣にお願いだけさせていただこうと思いますが、ステップファミリー、いわゆる再婚の家庭というのは、もう今四組に一組は再婚の家庭であります。再婚家庭による虐待事案というケースが多いように見受けられます。  私、里親をやっていらっしゃる方からお話を伺いまして、里親は非常に子供の接し方に関する研修が充実していると。例えば、本当の親子になるのに年齢の三倍掛かると言われました。二歳の子を里親で引き受けると、本当に心を開いて親子の関係になるまでには六年掛かる、三歳であれば九年掛かる、六歳であれば十八年掛かると、そういったお話を伺いまして、やはり一度親との何らかのトラブルを抱えて、子供たちというのは、本当に心を開くまでに時間掛かるし、心を開くまでにいろんなお試し行動をするそうです。例えば、親が本当に嫌がるようなことをあえてしてしまう、そういったこともこの里親の研修の中では学べる、けれども、再婚した家庭に対してはこういった学ぶ場もないというふうなお話を伺いまして、これもやっぱり虐待減らしていく解のうちの一つになるんじゃないかなというふうに思いますので、ステップファミリーに対する支援というのもこれから是非目を向けて広げていきたいということをお願いをいたしまして、質問を終わります。  ありがとうございました。
  209. 山本香苗

    ○山本香苗君 公明党の山本香苗でございます。  児童福祉法等改正案について質問に入る前に、川崎と練馬における事件について質問させていただきたいと存じます。  まず冒頭に、今回の事件により被害に遭われた方々に心からお悔やみとお見舞いを申し上げたいと存じます。  事件発生後に、引きこもり状態にあるお子さんの御家族の方々から、犯罪予備軍のような扱いをされている、何とかしてほしいと、また、我が家でも事件が起きたらどうしようといった御相談をいただきました。また、引きこもり当事者支援団体には、社会から追い込まれているように感じるとか、自分も事件を起こすと思われているのではないかといった相談が当事者の方々から寄せられていると伺っております。  引きこもりだから事件を起こすなんということはあり得ません。また、引きこもりといっても、状況は大きく異なり、一くくりにしてはならないと思います。まずはこうしたメッセージを是非大臣から広く国民全般に発していただき、社会全体で共有できるようにしていただきたいと思っております。  一番しんどいのは引きこもり当事者本人です。その御家族も、これまで何十年と社会から孤立し、とてもしんどい思いをされてきたわけです。自分の子育てが悪かったんじゃないかと苦しんで、誰にも相談できず、また相談してもたらい回しに遭って、親御さん御自身も孤立して精神的な疾患を抱えるようになったケースも多々伺っております。だからこそ、今回の事件を契機に、引きこもり問題を何とかしなければとか、引きこもりを解消するために就労させよといったプレッシャーが更に当事者御本人を追い詰めることになるんじゃないかと大変懸念をしております。  こうした御家族を追い詰めるのではなくて、引きこもりに対する誤解や偏見を払拭して、安心して相談できるような環境をつくっていただきたいと思います。そのために、先ほど申し上げたように、大臣メッセージというものをしっかり発出をしていただきたいと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
  210. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 川崎市の事件や農水省の元事務次官による事件など、大変痛ましい事件が続いております。事件の詳細は現在捜査中であり、事実関係が明らかでない中で、安易に引きこもりなどと結び付けることは厳に慎むべきものと考えています。  その上で、一般論として申し上げれば、引きこもり状態にある方は、今委員からもお話がありましたが、それぞれ異なる事情を抱えており、その対策としては、御本人及びその御家族の状況に寄り添い、きめ細かく支援しながら社会とのつながりを回復することが重要だと思います。  引きこもり状態にある方やその家族から不安の声や相談が多く寄せられていること、これは承知しております。その中で、今答弁申し上げましたが、安易に引きこもりと結び付けることは慎むべきであり、このことをメッセージとして伝えていく、これが重要だと思います。具体的にどのような形でできるのか、現時点ではアイデアが明確ではありませんが、ただ、御指摘のとおり、私から何らかの形でメッセージを発信することとしたいと思います。  また、安心して相談のできる環境の整備、これについては、先般五月二十九日に、厚生労働省就職氷河期世代活躍支援プラン、これをまとめました。その中でも、生活困窮者自立支援制度の自立相談支援機関を入口とする相談支援体制の構築や、ひきこもり地域支援センターと自立相談支援機関の連携強化、居場所づくりなど社会参加の場の充実、広報の強化などを掲げております。  今後、支援プランを具体化していく中においても、御本人や御家族の状況に寄り添い、きめ細やかな支援を提供していくという機運を高めていきたいと思います。
  211. 山本香苗

    ○山本香苗君 今大臣の御答弁の中にありましたけれども、生活困窮者自立支援制度の中におきまして、この自立相談支援機関が引きこもり対応の相談窓口であるということをしっかりこれから明確化していくということなんですが、速やかに通知を是非出していただきたいと思います。そして、来た方に対して、何か解決するというよりも、まずは御家族や御本人の心情や状況に配慮した寄り添い型の相談支援をしっかりとやっていただきたいということを是非徹底をしていただきたいと思います。  決して押し付けがましい形ではなくて、情報が目に触れるような形というのを取っていただきたいと思うんですが、そういう中で、大阪の豊中市では、断らない相談窓口という形でチラシを全戸配布しています。こういった形もやってもいいんじゃないかと思うんですが、どうでしょうか。
  212. 谷内繁

    ○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。  生活困窮者自立支援制度は、経済的困窮のみならず、引きこもりの方を始め様々な課題を複合的に抱えている方に対して包括的な相談支援を展開することにより、言わば断らない相談支援を実施してきたものでございます。今議員御指摘になりました豊中市でございますけれども、全国的にその趣旨が、では浸透しているかといえば、一部にやや不十分な地域もあるというふうな指摘もございます。  このところ引きこもりに対する問合せが増えていること、さらに議員からのただいまの御指摘も踏まえまして、厚生労働省といたしましては、地方自治体に対しまして、自立相談支援機関において引きこもりに関する相談が可能であることを改めて住民の方々に周知すること、また、相談に対しましては身近な相談窓口として確実に受け止め、世帯全体の支援の観点も含めまして、関係機関とも連携し、引きこもり状態にある方の置かれている状況や心情に寄り添った丁寧な支援を行うことなどにつきまして、今週中にも地方自治体宛てに通知を発出し、地方自治体から住民の方々へ広報紙などを通じた相談窓口の周知徹底を図っていきたいというふうに考えております。  また、広く国民の方へ、引きこもりの方に対応いたします相談窓口として自立相談支援機関やひきこもり地域支援センターがあることを周知するために、今後、今年度上半期内をめどといたしまして、国において地方自治体が周知に活用することができる広報ツールを作成して提供していきたいと考えております。
  213. 山本香苗

    ○山本香苗君 局長、そんな時間掛けなくていいですから、早めにやっていただいた方がいいと思うんです。  決して、チラシ配ったからってすぐに相談窓口に来るというものではありません。決して焦らないで、あくまで一人一人の状況に応じて一歩一歩進むということが大事でありまして、実際、豊中では、亡くなられたお母さんが生前冷蔵庫のところにそのチラシを貼っていらっしゃったそうなんです。それを持って、長い間引きこもり状態だった御本人がそのチラシを持って相談窓口に来られて、中間的就労につながって、今は一般就労の方に行ったと、こういう事例もあるわけでございまして、是非こうした先進的な取組を見習っていただきたいと思っております。  もう一つです、もう一点聞かせていただきたいんですが、引きこもりの御家庭を支援するに当たって、御家族の状況等に配慮した相談支援、アウトリーチによる支援というのはもう不可欠なんです。しかし、やり方によっては御家族を追い詰めてしまう可能性があります。既に、今回の事件を受けて意を決して相談窓口に行った御家族が心ない言葉を浴びせられて、もう二次被害が起きているということも伺っております。支援する側のスキル、これが極めて重要であります。  そこで、是非前向きに検討じゃなくて対応していただきたいんですけど、七月から生活困窮者自立支援制度において国が実施する研修が始まりますよね。この中で、引きこもりの御家庭に対する支援の在り方だとかアウトリーチによる支援について、研修機会を是非一こまでも二こまでも増やしていただきたいんですが、どうでしょうか。
  214. 谷内繁

    ○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。  今、研修につきまして御指摘いただきました。  生活困窮者の相談窓口の支援に対しましては、昨年度から国が実施する研修におきまして、引きこもり状態にある御本人や御家族に対する支援の在り方につきまして、引きこもり家族会の連合会の講義の中でアウトリーチについても御説明いただくなど、引きこもりの状態にある方の特性を踏まえた支援が適切に実施されるよう、支援者の養成に取り組んでいるところでございます。  ただいま議員御指摘になった七月から始まる研修でございますけれども、それに加えまして、引きこもりの事例検討やアウトリーチにつきましての講義、演習も実施することとしております。
  215. 山本香苗

    ○山本香苗君 是非ともよろしくお願いしたいと思います。  それでは、本題に入りたいと思いますが、今日も午前中からお話ありましたとおり、札幌でまた幼い命が虐待によって奪われる事件が発生いたしました。心からお悔やみを申し上げたいと思います。  そうした中で、今回いろいろ報道がなされておりますので、これから事件の検証をされることだと思いますが、ただ見ているだけでも対応がもうめちゃめちゃです。忙しかったとかそういう話じゃなくて、もうリスク自体が見極められていない、リスク評価がちゃんとできていない、私は全てそこに集約されるんだと思っております。  今回、先ほど島村理事の御質問の中にもありましたけれども、この児童福祉司の在り方について、今後、大臣、先ほど地方自治体と協議を検討していくという話でありましたが、協議の検討じゃなくて協議スタートしてもらいたいんです、一刻も早く。今日は通告しておりませんので要望にとどめますが、必ずまた質問させていただきますので、この点につきましてはよろしくお願いしたいと思います。  その上で、今日はちょっとDVと児童虐待の連携についてお伺いしたいと思います。  野田や目黒区の事件におきまして、連携できていないことが明らかになりました。この背景には何があるのか、なぜ連携できていないのかと。私は、この児童虐待とDVが同じ家庭の中で同時多発的に起きている、また、DV被害起きている母親を救うために子供も一緒に救わなきゃ救えないんだという認識が、きちんとこの両方の法律を所管する両省の間で共有が十分できていないんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
  216. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  例えば野田市の事案につきましては、配偶者への暴力、DVの状況も含めた家族全体への状況へのアセスメントあるいはDV対策との連携について課題があったと認識をいたしております。  また、一般論といたしまして、DVが行われている状況下におきましては子供への虐待の制止が困難となる場合がありまして、そういう意味では、児童相談所と配偶者暴力相談支援センターとが連携して対応することが重要でございます。今回の法案におきましては、DV対策との連携強化のため、婦人相談所及び配偶者暴力相談支援センターの職員は児童虐待の早期発見に努めることとし、児童相談所はDV被害者の保護のために配偶者暴力支援センターと連携協力するよう努めるものとする旨の規定を盛り込んでおります。  そういう意味では、これまで連携が十分ではなかったという反省に立ちまして、今後、厚生労働省と内閣府で連携いたしまして、DV対策との連携強化に向けた取組をしっかり強化していきたいと思います。
  217. 中根一幸

    ○副大臣(中根一幸君) 山本先生の御指摘のとおり、先般野田市で発生した児童虐待死事案におきまして、その背景にDVがあったと指摘されているところであり、児童虐待対応やDV対応を行うに当たっては、児童相談所や配偶者暴力相談支援センター等の関係機関が児童虐待とDVが同じ家庭内で重複して発生している可能性を考慮した上で、連携そして協力して対応していくこと、これが必要であると認識しております。  こうしたことから、内閣府では、これまでも配偶者暴力相談支援センターの相談員等に対する研修や、相談員向けの手引において、DVの特性や子供に与える影響、DVと児童虐待の関連等について理解の促進を図ってきたところでございます。  また、今年度の事業におきまして、①、配偶者暴力相談支援センターや民間シェルター、児童相談所等への研修の充実、②、今般の法改正を踏まえ、DVと児童虐待との関連性の記述の充実など、DV被害者支援に係る手引の改訂と必要な事項の児童相談所等への周知徹底、そして、③として、毎年十一月十二日から二十五日の女性に対する暴力をなくす運動等を通じまして、子供への影響を含むDVに関する知見や対応の普及啓発を行うこととしております。  いずれにしても、子供への影響を含めて、DVと児童虐待双方の知見を踏まえた適切な対応が図られるよう、関係府省庁とより一層緊密に連携してまいりたいと思っております。
  218. 山本香苗

    ○山本香苗君 改めて御答弁を伺いながら、連携強化のための認識共有が必要だなと認識をいたしました。  その認識を共有するに当たって、幾つか具体的にやっていただきたいことがございます。  まず、池永局長にお伺いしますが、DVが起きている家庭で子供に直接的な暴力が振るわれているケースはどれぐらいあるのか、実態調査を行っていただけませんか。
  219. 池永肇恵

    ○政府参考人(池永肇恵君) お答えいたします。  その実態調査ということでございますが、これまでにやったものについて御紹介いたしますと、男女間における暴力に関する……(発言する者あり)はい、分かりました。  御指摘のように、実効性ある対策を検討する上ではデータというものが大変重要であるというふうに考えております。今後、配偶者暴力相談支援センター、そこでは被害者支援に関わっております、そこの現場においてDV相談を受けながら、子供にも被害が及んでいる、そういったことをしっかりと把握していきたいというふうに思います。  以上です。
  220. 山本香苗

    ○山本香苗君 ありがとうございます。  以前やっているやつは本人から主観的な形での回答になっておりますので、DV被害も、そもそも自分が受けているか受けていないかのところから危うい回答なわけでありまして、しっかりと客観的なデータを集めていただきたいということで、是非やっていただきたいと思います。  次に、浜谷局長の方にお伺いします。  面前DVというのは、体に傷は付けないとはいえ、軽く見てはいけないと思います。しかし、面前DVについて、国における詳細な分析とか調査研究とか、いろいろ調べてみたんですが、ないんですね。是非、面前DVの実態や子供に対してどういう影響を与えるのかということを調査研究していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  221. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  まず、昨年度行った調査研究におきましては、虐待を受けた子供が経験した家庭の状況といたしまして、DVが二四%であったことが明らかとなっております。また、DV家庭で育った子供には、本来安心に過ごすべき家庭で暴力が繰り返される状況に対してトラウマを抱えたり、常に緊張を強いられ、いつ暴力が始まるか分からない環境に身を置くことで、適切な安心感が育たないといった心理的な影響があるということも指摘されているものというふうに承知しております。  御指摘の調査研究でございますけれども、DVに関するケースに対して適切な支援を行うことができるように、面前DVに関する実態把握等に関する調査研究について行う方向で検討してまいります。
  222. 山本香苗

    ○山本香苗君 続けて浜谷局長にお伺いしますが、この児童相談所における一時保護の要否を判断する際に、面前DVがあったとしても、一時保護を検討するのではなくて、基本、集中的な援助で、一時保護は場合によってという形で、低く評価されているんですね。本来は、まずDVがあるかどうかを確認した上で、子供は、面前DVにとどまらず、身体的虐待の高いリスクにさらされているんだというふうに考えて、面前DVに対するリスク評価というものを見直すべきだと思うんですが、見直していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
  223. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  御指摘の一時保護に向けましたフローチャートにつきましては、一時保護の要否を的確に判断するために、子供自身の意見や影響、保護者自身のリスクなどの要素につきまして総合的な判断をすることが重要とされておりまして、配偶者からの暴力も含め、保護者のリスクもその重要な判断要素の一つと考えております。  虐待とDVには一定の関連性があるとの調査結果もありますので、児相と配偶者暴力支援センター等が連携して家族全体の状況へのアセスメント等の対応を行うことが重要と考えております。  本年三月に決定した抜本的強化におきましては、DV対策を行う機関と児童虐待への対応を行う機関から得た情報を基に包括的にリスクの判断をする手法あるいは対応方法等についてガイドラインを策定することとしておりまして、児童相談所におきましても、こういった虐待対応に加えてDVの観点からの事例のアセスメントを行いまして、しっかりと連携できるような体制の強化を図ってまいりたいと思います。
  224. 山本香苗

    ○山本香苗君 連携強化を図る上で、この評価の仕方を、判断基準をしっかり見直していただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  DV対応と児童虐待対応の連携を図ると言いつつ、今回の二つの事件ではつなぐという連携すら十分できていなかったわけであります。ですが、私たちが目指すべき連携の在り方というのは、例えばDVがあったら配偶者暴力支援センターの方につなぐ、また児童虐待があったら児相の方につなぐと、こういうつなぐだけの連携じゃなくて、つなぎながら一緒に協働するという連携であらねばならないんだと思います。今までどちらかというと片方につないだまま終わっていて、その後どうなったかというところまでフォローしていないんですよね。  そこで、ちょっと池永局長の方にお伺いしますが、DV法の基本方針において協議会設置を促していらっしゃいますけれども、その設置状況、運営状況はどうなっていますか。私は、このつなぎから協働するという連携を実現するためには、DVの地域対策協議会の設置を促進すると同時に、このDV対策協議会といわゆる児童虐待の方の要対協、これを一体となってケース会議を行うということを基本とする運用を推進していくべきだと考えるんですが、いかがでしょうか。
  225. 池永肇恵

    ○政府参考人(池永肇恵君) お答えいたします。  まさに現在御審議いただいているDV防止法等の一部改正案では、DV被害者の保護のために相互に連携協力すべき関係機関として児童相談所を明示しているところでございますので、これを踏まえて、DV防止法に基づく基本的な方針においてもDV対策協議会への参加機関として児童相談所を明示するということを検討してまいります。  また、お尋ねのDV対策協議会の設置状況でございますが、実はこれまでは把握していませんでしたが、今後把握に努めます。そして、児童虐待とDVが重複して発生しているケースにおいて、個別検討会議の開催を含めて、要保護児童対策地域協議会とDV対策協議会との連携や統合によって児童虐待対策との連携協力を効果的かつ効率的に進めることについても併せて検討してまいりたいと思います。  以上です。
  226. 山本香苗

    ○山本香苗君 検討じゃなくて、やっていただきたいと思います。  浜谷さん、言っていなかったんですけど、これ、二つの協議会、メンバーかなりかぶっているんですね。だから、厚生労働省の側からも是非両協議会の一体運用というものを推進していただきたいんですけれども、どうでしょう。
  227. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) 内閣府と相談しながら対応を検討してまいります。
  228. 山本香苗

    ○山本香苗君 法務省にも是非検討していただきたいことがございます。  夫からのDVから子供とともに逃げた女性が、経済的にも精神的にもかなり衰弱して子供に対して暴力を振るうようになったため、児童相談所が子供を一時保護するという場合があります。この場合、原則は親権者に一時保護の事実を告知することになっておりまして、一時保護所の具体的な所在地までこの告知事項の中に入っているんですけれども、DVがある場合等においては、この所在地を告知事項から省略する等、柔軟な運用というものが認められております。  他方で、一時保護を延長する場合、児童相談所は家庭裁判所から承認を得なくてはならないというふうにこの間の改正となりまして、その際、どこの児童相談所から審判請求があって、どこの家庭裁判所が承認したということを記載した通知が家庭裁判所から親権者に通知されることになっております。  この家庭裁判所からの通知に記載されるのはあくまで審判請求した児童相談所の所在地ではありますけれども、それだけで必ずしもDV被害者である妻の居場所まで特定されることはないんですが、子供からそんなに離れているということは考えられないので、逃げた奥さんが、例えば東京からどこへ行ったかなというのが当たりが付いちゃう。要するに、端緒を加害者である夫に期せずして伝えてしまうということになっておりまして、現場で大変な切実な実態がございます。  今日、筒井さんに来ていただいたんですけど、こうしたケースにおいてもできる限り特定されないような母子の安全確保の観点から、何らかの工夫ができないでしょうか。
  229. 筒井健夫

    ○政府参考人(筒井健夫君) お答えいたします。  まず、家庭裁判所における審判の具体的な告知の内容や方法につきましては、個別の事案における具体的な事情を踏まえて裁判所において判断されるべきものであるために、法務省として一概にお答えすることは困難でございますが、一般論として、御指摘の一時保護の継続の承認に関する審判の告知におきましては、児童相談所長などが引き続き児童の一時保護を行うことを承認するという審判の内容自体が明らかになっていれば十分であり、児童が一時保護されている場所を具体的に明示する必要はないと考えられます。現に、家庭裁判所の実務におきましても、一時保護に関する審判を行うことが更なる被害の拡大につながることがないよう、その点については運用がされているものと承知しております。  もっとも、一時保護の継続の承認の審判につきましては児童の親権者に告知をする、この趣旨は当該審判に対する親権者の即時抗告の機会を実質的に保障する点にありますことから、この告知自体を不要とすることは困難であると考えられます。  なお、付言いたしますと、一時保護の継続の承認事件につきましては児童の住所地を管轄する家庭裁判所が管轄することとなっておりますが、他の地域の裁判所に事件の申立てがされた場合でも、特に必要があると認められるときは、その裁判所が自らその事件を処理することもできるとされております。厚労省の方で作成されました一時保護のガイドラインにおきましても、本来の管轄裁判所に申立てをすると一時保護先が探知され、子供の連れ戻しといった事態が予測されるなどの不都合が生ずるおそれがある場合には、管轄裁判所以外の家庭裁判所に事件の申立てをした上で、その家庭裁判所で事件を処理するよう求めるという方法が紹介されているようでございます。  家庭裁判所といたしましても、そのような事情が申し出られた場合には、事案に応じて自らその事件を処理するなど適切に対応しているものと承知しております。
  230. 山本香苗

    ○山本香苗君 適切に対応していないケースがあるから質問させていただいているんですが、この点につきましては、ちょっと議事録を精査させていただきまして、また改めてお伺いさせていただきたいと思います。  最後に、若年被害女性等支援モデル事業、これ平成三十年度からやっているわけですが、実施状況を簡単に御説明いただけますか。
  231. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  平成三十年度の御指摘の事業の実施状況といたしましては、平成三十年十月から東京都におきまして三つの民間団体に委託し、事業を実施しております。  その主な内容といたしましては、アウトリーチ支援として、渋谷、秋葉原、池袋、新宿を中心に、若年女性延べ二千六百五十二人に対しまして、声掛けや相談カードの配布、巡回バスによる相談等を実施しております。また、SNS二千十件、メール七百六十一件、電話二百二十七件、面談千百件等により延べ四千百五十一件の相談支援を実施しております。また、虐待、性暴力、家出、妊娠の疑いなどを主な理由といたしまして一時的な保護が必要な二十九名の方に対しまして、居場所を提供し、食事などの日常生活の支援、あるいは相談支援を実施しております。そのうちの七名の方に対しまして、支援の長期化により自立支援計画の策定とこれに基づく支援を実施しております。
  232. 山本香苗

    ○山本香苗君 最後に大口副大臣にお伺いしますが、今御説明いただいたように、今回このモデル事業で保護した若い女性の大半は虐待や性暴力を受けております。また、予期せぬ妊娠で妊娠している女性も多く、特定妊婦と思われる女性もおられます。  こうした若年女性たちの多くは、公的支援を受けにくい上に、親からも援助してもらえない、保険証も使えない、お金もないという中で、例えば、先ほどお話がありましたメンタルケアを含めた医療やカウンセリング、妊娠検査や出産費用等が必要となる場合がありますけれども、このモデル事業の中では含まれておりません。そのため、委託を受けた民間団体の方で負担するようなケースもあると伺っております。  是非、この医療ニーズについても、自立を促進するという観点から、しっかりと把握をしていただいて、対応できるようにしていただきたいんですが、いかがでしょうか。
  233. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) 手短にお願いいたします。
  234. 大口善徳

    ○副大臣(大口善徳君) 医療的ケアが必要な場合には医療機関への同行支援を行うことにしていますが、医療保険が利用しづらいケースでは自己負担が多く発生するため、支援の中断を希望するような方もいらっしゃいます。  性暴力や虐待などの被害を受けた若年女性について、精神面、妊娠等に対する医療的ケアにつないでいくことは重要であると考えておりまして、困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会、これ、今年の八月に基本的な考え方を出すわけでありますが、この医療的ケアにつきましても、その重要性に鑑みて、その考え方、方向性を出していきたいと考えています。
  235. 山本香苗

    ○山本香苗君 終わります。
  236. 東徹

    ○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。  今日から児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律案の委員会質疑ということでありますが、いろいろと朝から質疑が行われておりましたけれども、やはり、世間ではいろんな事件がありますが、子供が犠牲になる事件ほど、こんなつらい、痛ましいものはないなと、本当につくづく報道を見ていて思うわけであります。  特に児童虐待の場合は、その虐待されている期間のことを考えると、本当に子供さんがつらかったんだろうなと。今回の千葉県の野田市も、お母さんが娘さん心愛さんのことを、地獄だったというふうなことも言っておられて、そういう幼い子供が地獄を味わうというのは本当、こんなつらいものはないというふうに思うわけでありまして、何とかこういった児童虐待をなくしたいという思いで、恐らく市町村も都道府県も厚生労働省も政府も一丸になって何とかしなきゃならないという思いは皆一緒なんでしょうけれども、なかなか児童虐待がなくならないというのが現実だというふうに思っています。  そんな中で、どうやってこの児童虐待を未然に防いでいくのかというところでありますけれども、まず質問させていただきたいのは、児童虐待による死亡事例でありますけれども、今も年間七十件程度あるわけですね。報道で見るのはその一部だということになっていると思うんですけれども、なかなか一向になくならないと。  最近新たに、先ほどもありましたけれども、札幌市での二歳の女の子、池田詩梨さんですけれども、虐待で亡くなるということもありました。今でも児童虐待がニュースになるごとに、政府はいろいろな対策をこれまでも講じてきましたけれども、幼く尊い命を幾つも救うことがなかなかできないというのはもう本当に残念であります。  今までも、法改正もこれまで何回か行ってきておりますし、体制強化とか連携強化とか、そのたびにそういった言葉が飛び交ってくるわけですけれども、なぜ、昨年の目黒区の事案とか今年の千葉県野田市の事案とか、今回の札幌市の事案もそうですけれども、防ぐことができなかったのか、まずこれについて、大臣、どのようにお考えになっておられるのか、まずお聞きしてみたいというふうに思います。
  237. 根本匠

    ○国務大臣根本匠君) 昨年三月に目黒区で五歳の女の子が児童虐待によって亡くなる大変痛ましい事件がありました。この事案では、転居の際の児童相談所間での引継ぎが不十分だったこと、転居後に子供安全確認が行われないことといった課題があって、この課題を受けて、昨年七月には直ちに緊急総合対策として、転居した場合の児童相談所間における情報共有の徹底、通告後四十八時間以内に子供安全確認ができない場合の立入調査のルール化などの対策を関係閣僚会議で決定をいたしました。さらに、昨年十二月に新たなプランを策定して、児童相談所や市町村の体制強化を進めてまいりました。それにもかかわらず、本年一月に千葉県野田市において同じような事件が起こりました。これは本当に誠に遺憾であります。  この千葉県野田市の事案についての問題点、これは、しつけと称して児童虐待により子供死亡させた、これについては体罰禁止の法定化、今回行いました。さらに、教育委員会からの情報漏えいによりリスクが高まった、あるいはDV対策との連携が必ずしも十分ではなかった、この点について、今回の法改正で、児童に関する秘密を漏らしてはいけないという規定を整備いたしました。さらに、児童相談所の管轄区域が大き過ぎて、きめ細かな対応が不十分であるということについて、児童相談所の管轄区域に関する参酌基準を設定いたしました。  それぞれ、目黒区の事案、千葉県野田市の事案について、今まで児童虐待防止対策を重ねてやってまいりましたが、今回の二つの事案の具体的な課題に対応するべく、今回、制度面の対応を講じるために改正法案を提出しておりますし、関係閣僚会議においても対策を打ち出して、そして今回、二〇二〇年度予算に向けた対策を含め抜本的強化策を取りまとめたところであります。
  238. 東徹

    ○東徹君 今大臣から、いろいろと今回の、直近の事案について対応をするように行ってきたという御説明でありました。  確かに、どうしてそういったことになったのかというのを評価して、どういうふうにこれから対応していくのかということを検討して実行していくのは非常に大事だとは思いますけれども、果たして本当にそれだけで児童虐待がなくなるのかなという思いをしているわけであります。  今年の一月の千葉県野田市の事案を受けて、二月に、児童相談所において在宅指導している虐待ケースの緊急安全確認というのを行ったと思います。その結果、安全確認の対象となる児童三万八千八百六人のうち、二月の時点では安全が確認できなかった児童というのが二千六百二十五人おり、その後に、フォローアップによって、三月の時点で四百三十八人がこれまだ未確認ということになっているわけですね。なぜ、これ在宅指導している虐待ケースであるのに、その児童の所在が不明なのかというのは、これ本当に一番危険なケースだと思うんですね。  ふだんから把握できていない原因について、これどのように考えておられるのか、まずお聞きしたいというふうに思います。
  239. 浜谷浩樹

    政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  今回実施いたしました緊急安全確認につきましては、二月の関係閣僚会議を受けまして、各児童相談所におきまして在宅指導しているケースについて、児童への面談等により安全確認を行ったものでございます。  御指摘のとおり、現時点におきまして、継続して確認が必要な児童四百三十八人いらっしゃいます。この四百三十八人の児童につきましては、引き続き面接等による調査を継続いたしまして、四月九日から五月三十一日までの安全確認の状況について改めて報告を求めているところでございます。  それで、児童相談所が関わる虐待のケースの状況、もう日々変わり得るものでございますので、定期的にその安否確認を行うことが重要と考えております。そういう意味では、今回の緊急安全確認を契機といたしまして、所在不明など必ずしも十分にその状況の把握が行われていないケースもあるということが判明したということでございまして、そういう意味では、通常における定期的な安否確認が結果として不十分だったということだというふうに考えております。
  240. 東徹

    ○東徹君 今回こういった野田市のようなことがあって、緊急安全点検というふうに行って、それが、対象者が三万七千八百六人いて、安全確認できなかった児童が二千六百二十五人、その後のフォローアップによって四百三十八人。  この四百三十八人というのは、まだこれ生きているのかとか、どういう状況にあるのかというのがまだ分かっていないという理解でよろしいんですか。
  241. 浜谷浩樹

    政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  先ほども申し上げましたけれども、この四百三十八人につきましては、引き続き面接等による調査を継続いたしておりまして、四月九日から五月三十一日までの安全確認の状況につきまして、改めて報告を求めているところでございまして、その結果につきましては、まとまり次第、また取りまとめ次第公表をさせていただきたいと思っております。
  242. 東徹

    ○東徹君 いや、僕が聞いているのは、四百三十八人、まだ面接ができてないんですよね。未確認ということはそういうことですよね。
  243. 浜谷浩樹

    政府参考人(浜谷浩樹君) 四百三十八人の内訳でございますけれども、おっしゃるとおり、この調査結果の取りまとめ時点におきましては、後日、児童相談所、市町村による面接予定が三百九、それから、その他信頼できる機関による面接予定が百三、それから、所在確認中が十五、入国管理局の照会中が十一ということでございまして、そういう意味では、予定はあるもののまだ面接はできていないという方が大半でございます。
  244. 東徹

    ○東徹君 予定があるけれども面接ができていないというのは一番危険ですよね、思いませんか。  どういう状況にあるのか分からないわけでしょう。子供さんが、会って初めて、あっ、その子が安全なんだなということがやっぱり分かると思うんですよね。所在不明というのは、これ会いようがないわけですよね。やっぱり、これをまずは徹底して早く、一日も早く安全確認をまずはやっぱりやるということが大事だというふうに思います。これができていないというのがなぜなのかなと、本当に不思議でしようがないわけですね。  だから、未確認という状況というのが一番心配なわけですから、やっぱりそこに集中していく必要があるのかなと、こうまず思うわけです。  未確認児童については引き続きフォローアップを行うということでありますけれども、緊急安全が行われたことによって一時保護された児童が、今回これ百四十四人おったわけでしょう、一時保護が。ということは、一時保護するということは、大変危険な状況にあったから一時保護していると思うんですよね。それが今回の緊急安全点検によって百四十四人も見付かったというのは、まあこれはもうある意味、そういう子の身柄を確保することができて良かったんだろうというふうには思うわけですけれども、だから、この安全点検というのは非常に大事だというふうに思うんですよね、大事だというふうに。  これ、たらればというか、仮の話になって恐縮ですけれども、この緊急点検を昨年の時点でもし行っておれば、千葉県野田市の栗原心愛さんも亡くなることも防げたんではないのかというふうな可能性もあると思うんですね。  なぜ、これ昨年三月に東京都目黒区における死亡事案が生じた時点でこのような安全確認行わなかったのか、これについてもお伺いしたいというふうに思います。
  245. 浜谷浩樹

    政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  まさに今回実施した緊急安全確認につきましては、野田市の事案を受けて、各児童相談所におきまして在宅指導しているケースについて緊急に安全確認をする必要があるということで、児童への面接等により安全確認を行ったものでございます。  そういう意味では、それまではこれらのケースについて定期的に確認する必要があるという認識が私どもにおきましても結果として十分でなかったというふうに考えております。
  246. 東徹

    ○東徹君 やっぱり安全確認が一番大事じゃないですかね。今、子供がどうなっているか分からないと。学校に来ていない、幼稚園に来ていない、保育所に来ていない。で、子供がどういう状況か分からないという子供たちをまず安全確認していく。  今回の安全確認で百四十四人も一時保護ですよ、これ。百四十四人も一時保護したということは、よっぽどその子の事案にいろんな非常に厳しいケースがあったんだろうというふうに思うわけですよ。だから、この安全確認というのは非常に大事だというふうに今回のこの報告を見て非常に思うんです。  対応が遅れることで、虐待による死亡事例、これ以上やっぱり生じさせてはいけないわけですから、今回行った緊急安全確認、これを毎年一回でも定期的に行うことによって、相当な子供たちが救われるのではないのかなと思うんですね。  どんな大体虐待のケースでも、やっぱり時間が掛かっているんですよ、ある程度、一定の。ある日突然、元気だった子供がばたっと亡くなるケースというのは、今までのケースの中ではやっぱり少ないと思うんですね。やっぱり時間掛けて、だんだんだんだんと子供の体が弱っていって、その中で亡くなっていくというケースが多いんだろうと思います。  ということは、年に一回でも、それは年に二回ぐらいの方がいいかもしれません。でも、最低でも年に一回こういった安全確認ということを行うことによって、今回でも百四十四人が一時保護ですから、ひょっとしたら百四十四人の命がこれ救われたかもしれません。  だから、非常にこの安全確認というのは大事だというふうに思うんですけれども、年に一回でも定期的に行うべきではないかと思いますが、どうでしょうか。
  247. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  私どもも、この緊急安全確認、極めて重要だというふうに考えております。厚労省といたしましては、来年度以降も、来年度といいますか今年度以降も定期的に安全確認を行ってまいりたいというふうに考えております。  具体的な実施時期といたしましては、本年、今年の六月一日時点での在宅で指導しています全ての虐待ケースにつきまして、八月三十一日までの安全確認の状況の調査を実施いたしまして、取りまとめの上、また公表をさせていただきたいと思っております。
  248. 東徹

    ○東徹君 これが一番大事ですよ。やっぱり子供が今どんな状況か、安全なのかどうか、元気なのかどうかというのをやっぱり目で見て確認する、子供と話をしてみる、それがやっぱり子供を虐待から救う一番の方法じゃないのかなと思うわけですね。  これ、今まで法改正もしたり、いろんな連携強化だとかいろいろやってきていますけれども、やっぱり子供の安全確認、安否確認、実際に御自宅へ行って子供がどういう状況なのかというのを見る、やっぱりそういうことが一番大事だというふうに思いますので、こういった安全確認というのは必ず最低でも年に一回、できれば年に二回やることによって、子供の児童虐待というのは時間が掛かっていくわけですから、ある日突然亡くなるわけじゃないんですよ。何か月か掛かって子供が亡くなっているケースがやっぱり多いわけですから、是非これやるべきだというふうに思います。  もう一つ、情報共有ということで一番最初に根本大臣からも答弁があって、転居とかの情報共有を図っていたというふうに言うんですけれども、これは、児童虐待が疑われる親の転居に関して転居前後の児童相談所の情報共有が重要であることは当然だと思うんですけれども、続いて起こってしまった虐待による死亡事案で改めて分かったことがありますけれども、そもそも、その転居の有無について、児童相談所、どのように確認しているのか、お伺いしたいと思います。
  249. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  児童虐待の対応に当たりまして、支援の対象としております家庭が転居する際に、自治体間のケースの引継ぎが必要不可欠でございます。  転居元の児童相談所が転居の事実を把握した場合には、まず、速やかに転居先の児童相談所へ連絡いたします。連絡を受けた転居先の児童相談所は児童の安全確認を行います。並行して、転居元から転居先へ書類の送付や対面等により引継ぎを行うことといたしております。また、転居元の市町村におきまして転居届により転居を把握した場合には、当該市町村における児童虐待担当部署を通じまして転居元児童相談所へ連絡が来ます。で、転居先児童相談所に連絡されます。  また、保護者が転居先を言わずに転居したなど転居先が不明な場合もございます。この場合におきましては、全国の児童相談所へ不明になった子供や保護者の情報がないかどうか照会をいたします。連絡を受けた児童相談所は、照会のあった子供につきまして管内市町村へ照会をいたします。該当児童を発見した児童相談所は、まず、速やかに当該児童の安全確認を行いまして、その結果を転居元の児童相談所に連絡することとしております。  また、このほか、必要に応じまして警察や入国管理局と情報共有して対応することになっております。
  250. 東徹

    ○東徹君 それが一番問題だと思うんですよ。転居するときに、私は今度何々県のどこどこへ転居しますよと言う人は恐らくなかなかいないんじゃないかなと思いますよ、児童虐待、やっぱり知られたくないという親にしてみればですね。親が自分の子供を虐待しているのを知られたくない親にとっては、転居先をやっぱり言わないケースってあると思います。言わなかったら、これ分からないわけでしょう。  それは全国に、児童相談所にネットを張ると言うんですけれども、でも、それ、通報があれば分かってきますけれども、なければ分からないわけですよね。だから、もし転居したときにどこへ行ったかと言わなかったら、これ、しばらくずっと分からないままじゃないんですか。
  251. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) そういう意味では、転居といいましょうか、住所変更をしたときに基本的に住民票を移すということで、市町村に転居届を出すのが通常だと思います。そういう意味では、転居届が出てきて、それで転居先を把握できる場合には、その住民票の所管部署から児童虐待の担当部署に連絡が来て、そこから転居元の児童相談所に連絡するという流れになります。  ただ、御指摘のとおり、何も言わずに住民票も移さずに引っ越した場合には、なかなか行政としては把握が難しいわけでございます。そのために、全国の児童相談所への照会、あるいは必要に応じて警察や入管との連携というような対応になるということでございます。
  252. 東徹

    ○東徹君 そういうケース、どうしていくかですよね、転居先を言わずに。  これ、もし転居先で住民票をちゃんときちっと登録したらば、これはすぐに分かりますか。
  253. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) 繰り返しになりますけれども、転居届が出てきましたら、その転出届の中には転入先といいましょうか転居先も書いてありますので、そういう意味では、その転居届を基にいたしまして、住民票の担当部署を通じて児童相談所へ連絡が来ることにより住所を把握するというような流れになっております。
  254. 東徹

    ○東徹君 いや、転居届じゃないですよ。引っ越しして、転居届とかも出さずにどこかへ行ってしまったと。そのときに、例えば東京から大阪に引っ越してきた、大阪に住んでいるけれども転居届とか出していない、ただ住んでいる。  住民票は、これ移したときにはすぐ分かるんですか。
  255. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) 住民票を移すためには、転居届、転出届や転入届が必要になります。そういう意味では、何といいましょうか、住民票を移した場合には、それはその届出がなければ住民票を移せませんので、その届出によって住所を把握するということでございます。
  256. 東徹

    ○東徹君 じゃ、そうしたら、その住民票を移すまでは分からないということですよね。分からないということですよね、住民票を移さなければ。
  257. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) 御指摘のとおり、住民票を移さずに、事実上居所を、住所を移して、そこに生活の本拠があるという場合には、住民票は元のところに戻ったままでございますので、そういう意味ではなかなか行政的には把握が難しい状況になります。  ただ、その場合には、住民票がなければいろんな行政サービスもなかなか受けづらい状況になりますので、そういう意味では、住民票を移さずに転居する場合ということも実態としてはあるわけでございますけれども、通常は住民票を移して転居をするということが普通だというふうに考えております。
  258. 東徹

    ○東徹君 恐らく、住民票を移すまでの間も時間が掛かったりとかする場合もありますし、僕はこの間、「万引き家族」という映画見ましたけれども、あの人たちも住民票をちゃんとしていたのかどうか分かりませんけれども、そうやって、どういう家族構成になっているか分からないというような家も中にはやっぱりあるんだろうというふうに思うわけですね。  だから、やっぱりそういったケース、どうやって把握していくのかというのは一つの大きな課題だろうというふうに思いますので、そういったことも検討していかないといけないのかなというふうに思っております。  時間が参りましたので、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。
  259. 倉林明子

    ○倉林明子君 日本共産党の倉林明子でございます。  質問に入ります前に、一言申し上げておきたいと思います。  年金だけでは二千万円不足すると、投資の勧めや貯金の勧めと、とんでもない金融庁の報告書、これにつきましては、大きな批判が集中する中で、午前中の質疑で金融庁は政府としては正式に受け取らないという表明があったわけです。しかし、各省庁が厚労省も含めオブザーバーとして参加していたわけで、一体なぜこんな報告書が出てきたのかということについては全く説明は不十分だと言わざるを得ないと思います。  改めて、野党が要求しております予算委員会を開催して、十分な説明責任も果たしていただきたい、これ、強く申し上げたいと思います。  そこで、法案について質問します。  子供が虐待によって命を奪われると、こういう事件が相次いでおりまして、守られるべき命が守られなかった、本当に痛苦の反省、教訓を生かすべきと、これは当然のことだと思っているわけです。  しかし、一方、児相が、児童相談所がルールを守られていなかった事実が明らかになる中で、児相に対する大変厳しい世論の視線が集まると、強まると、これに対して、やっぱり現場への影響も大きいということで、非常に懸念を持っております。なぜ児相が適切な対応ができなかったのか、その背景も含めて分析していくということが大変必要だというふうに思っているわけです。午前中の審議、これまでの質疑でも、児童相談所の不足や人手不足等、過重な負担が現場に行っているというのは共有されている問題意識だというふうにも思うわけです。  そこで、改めて確認したいわけですが、これ、児童相談所の運営指針によりますと、児童相談所の設置は人口五十万人に最低一か所程度が必要だということを、要件かつては決めていた。しかし、これ廃止しましたね。いつこの要件がつくられて、いつ、どんな理由で廃止したのか、御説明をいただきたい。そして、現在、人口五十万人に一か所、以前あった基準でいいますと、この五十万人に一か所の児相がないという都道府県、政令市というのはどれだけあるのか、つかんでいるでしょうか。
  260. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  まず、児童相談所運営指針における人口五十万人に最低一か所程度が必要、こういう記述につきましては、昭和六十二年度に当時の児童相談所執務提要、これは現在の運営指針でございますけれども、その改正により追記がされました。その後でございますけれども、平成二十年度、具体的には平成二十一年三月でございますけれども、地方分権の観点から、児童相談所運営指針の改正により削除がされております。  児童相談所の管轄人口が五十万人以上の児童相談所の数でございますけれども、これ児童相談所の数の割合で申し上げますと、平成三十年十月時点における全国の児童相談所数二百十二か所のうち人口五十万人以上の児童相談所数は百十一か所、五二・四%となっております。
  261. 倉林明子

    ○倉林明子君 最低基準として決めながら、守られていないと。基準そのものも地方分権ということで廃止してしまうと。  これ、二〇一二年の自治労連の調査で見てみましても、今、百万人を超える自治体が存在する一方で、管轄面積で比べますと百二十四倍の広さがあるというような調査もありました。人口ではおよそ四分の一だと、こういう格差も非常に大きなものがあります。  その上で、政令でというお話もありましたけれども、人口だけでなく利用者の利便性等も考慮された配置基準ということをやっぱり明確にしていくべきだと思う。そして、それは参酌すべき基準ということにとどめるとやっぱり守られていかないということに、最低限のルールにならないというふうに思っておりまして、その点では従うべき基準、こういう点で最低の基準ということを明確にしていくべきだと思います。どうでしょうか。
  262. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  今回の改正におきましては、児童相談所の管轄区域につきまして、地理的条件、人口、交通事情その他の社会的条件について政令で定める基準を参酌して都道府県が定めるものとする旨の規定を新設をすることといたしております。    〔委員長退席、理事そのだ修光君着席〕  この改正につきましては、御指摘のとおり、児童相談所の管轄区域が大き過ぎることにより、きめ細やかな対応を行うことが困難になっているのではないかなどの指摘があること等も踏まえたものでございます。  他方で、児童相談所の設置につきましては、管轄する人口や面積のほかにも、交通事情や離島の有無など様々な要素を地域の実情に即して総合的に考慮する必要があるというふうに考えております。そういう意味では、必ず適合しなければならない従うべき基準として定めるよりも、それを十分に参酌した上で判断できる参酌基準として定めることが適切であると考えたものでございます。
  263. 倉林明子

    ○倉林明子君 いや、それで本当に担保、十分な体制、十分な児相をつくっていけるのかというところが、国の責任として私はその点でも明確にすべきだということで指摘したので、その点は引き続き求めていきたいというふうに思っています。  あの札幌市の事件についても、先ほど来皆さん紹介もありましたけれども、この事案、検証作業というのはこれからだというふうに思うわけです。  しかし、報道ぶりを見ておりますと、警察から面会同行を確認されたんだけれども、担当者が別件を抱えていて対応可能な職員がいないと、それで断ったというような報道もありました。職員が担当しているケースは百数十件になっているんだということ、先ほどの議論の中での紹介もありました。相談は二十四時間入ってくるわけで、それへの対応というのが常時求められているという、もう大変切実な実態があるのが、今の札幌に限らず起こっている児相での実態ではないかというふうに思うわけですね。  そこで、児相の職員体制については、新プランで二〇二二年までに児童福祉司を二千二十名増員して二〇一七年の一・六倍となる五千二百六十人にすると、こうしていたものを前倒しで一千七十人を今年度増やすということにされているわけですね。これ、議論もありました。私は、財源の裏付けがないと、この確保というのは本当に進まないと思っているんです。この財源の裏付けはどうなっているでしょうか。
  264. 多田健一郎

    ○政府参考人(多田健一郎君) お答えを申し上げます。  児童虐待防止対策の強化につきまして、委員の御指摘のございました新プランを踏まえまして、本年二月に児童虐待防止対策に関する関係閣僚会議で緊急総合対策の更なる徹底・強化についてというものを決定をいたしまして、今年度に児童福祉司を千七十人程度増加させることの取組を行うこととしてございます。  こうした増員に関する財政措置につきましては、総務省におきまして、今年度の地方交付税の算定において、道府県の標準団体、これ人口百七十万人と置いてございますが、この標準団体当たりの児童福祉司数を四十二名から十六名拡充して五十八名にするということで対応することとしてございます。    〔理事そのだ修光君退席、委員長着席〕  今後とも、児童相談所の運営に要する経費につきまして、普通交付税の基準財政需要額に適切に算入をしてまいる考えでございます。
  265. 倉林明子

    ○倉林明子君 そうなんですよね。地方交付税の算定の根拠としては増額、積んでいるという話なんだけれども。  じゃ、その中身はどうなのかということで、これは総務省からいただいた資料です。見ていただきたいと思うんですけれども、地方交付税の基準財政需要額単位費用算定に用いられる児童相談所等の職員配置数の推移を示したものとなっております。二〇〇一年から直近までいただいております。これ、標準団体は、市で人口十万人、都道府県で人口百七十万人ということになりますが、総務省に聞きたいと思います。  これ、職員A、職員B、これについての定義はどうなっているのか。そして、給与費の総計単価、これ児相のところだけで結構です、AとB、直近二〇一九年はどうなっているか、額でお示しいただきたい。  そして、更に聞きます。職員Aについて見ますと、この児相のところで見ると、二〇〇三年がピーク、四十三人、その後減少しているんですね。その理由は何ですか。
  266. 多田健一郎

    ○政府参考人(多田健一郎君) お答えをいたします。  地方交付税の単位費用の積算に当たりまして、職員の給与費単価につきましては、課長補佐相当の職務に就く職員を職員A、係長以下相当の職務に就く職員を職員Bとして給与費の積算を行ってございます。令和元年度の都道府県分の単位費用の積算におきまして、職員Aの給与費単価は一人当たり八百三十六万円、職員Bの給与費単価は一人当たり五百三十八万円としております。  児童福祉司の職員構成、つまり職員Aと職員Bの比率につきましては、実態調査をいたしまして、その結果を踏まえて、児童相談所の体制強化のための配置人数の増員に伴う交付税措置の拡充のタイミングに合わせまして段階的に見直しを行っているところでございます。  今後につきましても、児童虐待防止対策体制総合強化プランに基づく児童福祉司等の増員や職員構成の実態を踏まえながら、適切に措置をしてまいる考えでございます。
  267. 倉林明子

    ○倉林明子君 という説明にはなるんだけれども、単価で見ると、もう三百万円近い、年収、年間で三百万円近い差額があるんです。  これ、算定の段階で既に需要額の抑制利いているんじゃないかと思わざるを得ない。実態反映してということをおっしゃるんだけれども、経験年数の多い人を入れようと思ってもなかなか入れにくい構造であるということは、これ言えると思うんですよ。そこで、これ、こうなると、経験年数多いいわゆる職員Aに該当する人を入れようと思ったら、結果としては地方公共団体が持ち出さぬとあかんということになるんですね。  大体、そもそものところでいいますと、私も地方議員長いことやっておりましたけれども、地方交付税というのは二〇〇〇年段階で総額二十一・四兆円あったんですよ。それから三位一体改革で絞りに絞られて、一旦、十五・二兆円まで総額として減らされました。もう大変なことでした。経費削減、いかに財源をつくるかといって本当に苦労して地方公共団体は取り組んできました。更にこういう状況続いて、今はどうなっているかといいますと、さすがに少し改善しまして、現在、十六兆円とか十七兆円、こういう推移になっております。  こういうことが続いてきたので、自治体では今どういう状況かというと、多くの自治体で、削るところは人件費しかないと。そして、人件費を削れば行革債という新しい借金をして使えるということもあって、どんどん人件費を減らそうという圧力掛けているんですよ、国は。そういう下で、入りの計算根拠に何ぼ入っても、トータルで削ってきてんねやから増やせるわけがないんですよ。私は、そういう仕組みのところが、最大限人が増やせないというところに、大きな要因になっているということを強く指摘したいと思うんですね。  改めて大臣にお聞きしたいと思うんです。  経験豊かな人材、これ児相に積極的に確保していこうということですよね。そういうことを法で定めているわけですから、この十分な地方交付税の増額ということを確保できないと、私は、地方の人材確保の担保になっていかないということが明らかだと思うんです。  そこで、地方交付税の増額を当然要請すると同時に、私は、やっぱり直接人件費に充てられるという人件費の補助、これは今回拡大する弁護士さんとかお医者さんとかに限らず、専門職、児童福祉司等の専門職を積極的に雇用するということでも厚労省としての後押し、人件費補助ということも必要だと思う。どうでしょうか。
  268. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 人員配置に必要な人件費、これは今総務省から話がありましたが、地方交付税措置で基準財政需要額に算入する、カウントするということで、ここはそれぞれの都道府県においてしっかり取り組んでもらいたいと思います。  それから、児童福祉司などに係る人件費、これを交付税と別途、要は国庫補助を行うということだと思いますが、地方交付税の単位費用上明示的に計上されているものについて、これに対して別途国庫補助を行う、これは難しいと思います。  ただ、弁護士とか医師については、これは体制強化の観点から、財政支援の拡充、必要な財源支援の拡充、これを図るという観点から補助を行っておりますが、ここの児童福祉司の交付税で措置されているものについての上乗せの補助というのは、これは制度上非常に困難だと、こう思います。
  269. 倉林明子

    ○倉林明子君 いや、制度上困難だということで一千七十人の増員が本当にできるんですかと。私は、それやるということは腹決めてかからないとと思うんですよ。本当に最前線の児相の体制強化、これできてこなかったんだ、追い付いてこなかったんだから、国の責任で私はそこの増額ということについて、どうやったら人が確保できる財源を地方自治体がつくれるのかと。頑張ってねと言うだけじゃ、交付税全体減らされているんですから、私は無理があるというふうに思うんです。  そういう意味で、地方公共団体が安心して児相の増設にも取り組める、増員にも足踏み出せる、こういう担保が必要だということを強く申し上げたい。大臣、もう一言ありますか。何か言いたそうな。
  270. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 交付税の要望は厚労省からもしていきたいと思います。ただ、国庫補助は、ちょっとそこはなかなか困難だと思います。
  271. 倉林明子

    ○倉林明子君 後手に回るほど確保困難になります。今でも取り合いが起こっているという状況も聞いておりますので、本当にそういう意味でも格差が更に広がるというようなことは絶対あってはならないので、強く、総務省にも強く増額を求めておきたいと思います。  そこで、一時保護所についても質問したいと思うんです。  本会議の質問に対しまして大臣は、今年三月の閣議決定や衆議院での修正の趣旨も踏まえて、具体的な内容については、現場の実情を踏まえた上で今後検討すると、こういうことになっております。  ところが、これまでも一時保護所については再々議論になってきているんですね。三年前、二〇一六年の三月の社保審児童部会、ここでは新たな子ども家庭福祉のあり方に関する専門委員会が報告書をまとめておられます。現在の一時保護の問題点を指摘した上で提言している内容というのはどういうものだったか、そこだけ説明ください。
  272. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  御指摘の報告におきましては、新たな子供家庭福祉に関する見直しの要点の一つといたしまして、一時保護、アセスメント機能の整備が挙げられております。  その中で、一時保護が、子供に安心感と安全感を提供する機能を十分に担えるものとすべき、安心感を与えるためには、現行のような集団生活や、様々な背景を持つ子供が同じ場所で日常を過ごすいわゆる混合処遇は極めて不適切であると言える、このため、子供の年齢等を勘案しつつ、原則として個室対応を基本とし、ケアワーカー等による個別対応を可能とするような職員配置と環境整備を行うべきである、このように提言されております。
  273. 倉林明子

    ○倉林明子君 さらに、厚労省が二〇一六年四月に策定いたしました児童相談所強化プラン、ここでも、一時保護所については、個々の児童の状況等に配慮した対応を確保するために、居室の小規模化、児童の年齢、入居事由に応じた処遇確保等の改善を図るというふうにされているわけですね。  二〇一七年の五月二十六日、塩崎厚労大臣が、この一時保護所独自の基準を定めるべきではないかという質問をいたしました我が党の堀内委員に対して、新たな社会的養育の在り方に関する検討会で、一時保護所の基準についてどう考えるのか、指摘も受けて検討してまいりたい。これ、二〇一七年ですよ、二〇一七年。  要は、この検討された結果、何かあったんと違うかと私思うんだけれども、一時保護所の基準についてどう見直しを進めてきたのか、基準の検討はどこまで進んできたのか。今更する話なんでしょうか。
  274. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  現行制度におきましては、職員配置も含めまして、一時保護所の設置、運営につきましては、児童養護施設の面積や配置基準等に関する基準を準用する形で基準を定めております。  一時保護所に入所する子供につきましては、その年齢も一時保護を要する背景も様々でありますことから、個別状況に配慮した対応が可能となるような職員配置や環境整備を行うことなどにより、子供が安全感や安心感を持てる生活の保障に努めることが重要と考えております。  そういう意味では、基本的な考え方自体は御指摘のとおり提言をいただいているところでございまして、これまで予算面におきまして個室化等を図るための加算の創設等の取組を行ってきたところでございます。
  275. 倉林明子

    ○倉林明子君 加算がやられていたということは分かりましたけれども、基準についての具体的な検討はどうだったのかということはよく分かりませんでした。  そこで、さらに、この準用するとしておりました児童養護施設の基準について満たしていない一時保護所というのはどのぐらいあるのかという、これ質問もされているんですね。このとき、当時の吉田担当局長が、把握しておりませんということで、自治体から報告を求めて実態把握に努めるという、この答弁も二〇一七年五月です。これ、つかんだんでしょうか。
  276. 浜谷浩樹

    政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  御指摘の委員会での答弁を踏まえまして、毎年、一時保護所の実態について調査を行っております。  直近の平成三十年四月一日現在におきましては、一時保護所の最低基準を充足している一時保護所は百三十一か所、九六・三%でございます。一方で、最低基準を充足していない一時保護所は五か所、三・七%でございます。充足していない項目でございますけれども、必要な職員が配置されていない一時保護所が四か所、必要な設備が整備されていない一時保護所が一か所ございます。
  277. 倉林明子

    ○倉林明子君 調査はされたということですけれども、いまだにここにとどめておいてはいけないよという基準さえ満たしていない施設があるということは極めて重大だというふうに思います。  さきに紹介しました専門家委員会の提言は、一時保護が適切に機能するか否かによって支援の成否が決定される、こういうふうにしているんです。子供安全、安心を感じることができる一時保護は必須となると。提言の更なる先送りということは許されないと思うんですよ。しっかり一時保護所の基準というのは早急に見直して、専門家の提言ということを生かす方向で見直すべきだと。いかがでしょう。
  278. 浜谷浩樹

    政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  本年三月の関係閣僚会議の決定におきましては、一時保護所の環境改善、体制強化等に向けまして、一時保護を必要とする子供を適切な環境において保護できるよう、里親や児童福祉施設への委託一時保護を含め、一時保護の受皿の適切な整備や確保を進める、一時保護所が安心、安全な場となるよう、個別的な対応ができる職員体制の強化や環境整備を促進する、こういう決定をいたしております。  また、今回の改正法の附則、修正されました第七条におきましても、一時保護施設と職員の量的拡充と質的向上に係る方策を検討し、必要な措置を講ずることとされております。こういった衆議院の修正の趣旨も踏まえまして、具体的な内容につきましては、一時保護所等の現場の実情も踏まえた上で検討してまいりたいというふうに考えております。
  279. 倉林明子

    ○倉林明子君 法改正重ねても実態、現場が変わっていないというようなことでは、本当に根絶に向けた政府の決意が問われる問題だと思いますので、最後、それを申し上げまして、次回に議論を譲りたいと思います。
  280. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。  まず、局長にお尋ねさせていただきたいと思います。  もう皆様方も御存じのように、児童虐待相談の対応件数、そして警察から児童相談所への通告児童数、増加の一途をたどっております。まず、その原因が何だと厚労省の方は受け止めていらっしゃるのか、教えていただけますでしょうか、お願い申し上げます。
  281. 浜谷浩樹

    政府参考人(浜谷浩樹君) 児童虐待相談対応件数の増加要因につきましては、様々な要因がございますので、引き続き分析が必要であるというふうに考えておりますけれども、例えば、国民や関係機関の児童虐待への意識が高まったこと、あるいは警察などの関係機関との連携が強化されたことなども影響しているのではないかというふうに考えております。
  282. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  だから、以前からそういう回答じゃないですか。現状は変わっていないんだと、ただ、通報件数は、例えばいちはやくという番号が知られるようになったから件数が増えたんだ、そういう受け止め方では駄目ではないですか。一体何がこの世の中で起こっているからこそ、これだけ通報される方々の数というのが増えたのか、子供を守っていくためにはどうしたらいいのかと、私は本気で考えていただきたいんですよ。  先ほどからも同僚議員が何回もやっていますように、子供へというよりも、やはりそういう加害者になるかもしれない親へどうサポートしたらいいんだという問題だとか、やっぱり社会的な問題をそこで抱えていらっしゃるんだったら、それをしっかりと解決すべきだということを、我々としては、もっともっとこういう法改正だけではなく働きかけていく必要がありますよね。  そこで、お尋ねさせていただきたいのが、その原因というものの地域差ももちろん分析をしていらっしゃるんではないかと思うんですけれども、いかがでいらっしゃいますでしょうか。
  283. 浜谷浩樹

    政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  地域差につきましては、まず都市部で虐待対応件数が多い傾向にある、これは間違いございません。それは承知しております。  ただ、それ以上の分析でございますけれども、児童虐待を行った保護者あるいは家庭の状況の分析も含めまして、児童虐待防止のための更なる調査研究の充実を図り、その中で地域差についても更に分析をしてまいりたいと考えております。
  284. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  だから、これは以前からもお願いしていますように、全国一律でいいのか。やはりこういう地域にはこういう手当てが必要なのかということが分からないと、やみくもに手を出してしまうことになりますよね。ですから、都市型若しくは農村型みたいなもので、いろんなパターン分けができるかもしれません。そうすることによって、より効率的にもちろん財源も使うことができるということで、是非これは早く分析をお願いしたいと思っております。  それで、皆様方にも資料お配りをいたしております。児童相談所につきまして、まず私は質問をさせていただきたいと思うんです。  児童相談所、これは時代の流れとともに様々役割が変わってきたんではないでしょうか。こんなに児童相談所がクローズアップされることは今までになかった。しかし、この虐待というものによって、児童相談所というものはどういう役割を持っているんだ、これからどういう役割を持たせなければならないんだということもあろうかと思います。この設置目的というものを私も見ましても、これ家庭中心で動いていらっしゃるということがよく分かる材料ではないかなと私は考えております。  例えば、子供に関する家庭などからの相談に応じ、子供が有する問題とんとんとんとございます。二番目も、個々の子供や家庭に最も効率的な援助というところで、家庭が中心となって、いわゆる子供が第一、子供を守るということが先に私はうたわれるべきもう時代としてなってきているんではないかと思います。ですから、児童相談所の役割自体ももう見直していかなければならないと思っておりますけれども、局長の御意見いただけますでしょうか、お願い申し上げます。
  285. 浜谷浩樹

    政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  確かに、設置の目的、家庭も含めて、この資料上もなっております。  ただ、これまでも、子供を虐待から守り、その安全を確保することにつきましては児童相談所の重要な業務として行われてきているものと考えております。  また、平成三十年三月に目黒区で発生しました児童虐待事例に関しまして、厚生労働省の専門委員会から、保護した児童の家庭復帰に当たっては、児童福祉司や地域の関係機関による支援を行い、その進捗状況を関係機関共有する、リスクが高まった場合には客観的なアセスメントに基づき一時保護すべきである旨の提言を行われております。また、野田市の事案におきましても様々な課題の指摘があります。  そういった課題、指摘を踏まえまして、今回の本法案におきましては、児童の安全確保が児童相談所の業務であることの明確化を図っております。そういう意味では、議員御指摘のとおりの問題意識に基づいて今回法改正案を提出させていただいているということでございます。
  286. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  じゃ、この目的もしっかり書き換えて私はいただきたいと思うんです。我々はみんな思っています。なぜあんな危険な状態なのに家庭に帰しちゃったの。やっぱり、家庭というものがあってその中の子供だというふうに受け止められるからこそ、児童相談所、帰してしまう。しかし、あの場でもし帰さなければ、もう少し何か手当てができればというふうにじくじたる思いで見ているわけじゃないですか。だったら、子供安全が第一、それをもってしてというところを、私はこの目的、こういう資料を作られる際にも第一にうたっていただきたいと思いますが、局長、いかがでいらっしゃいますか。
  287. 浜谷浩樹

    政府参考人(浜谷浩樹君) 先ほども申し上げましたけれども、本法案におきまして児童の安全確保が児童相談所の業務であることの今回明確化を図りましたので、そういった趣旨も踏まえて資料等についても作成してまいりたいと考えております。
  288. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 是非それをお願いしたいと思います。  この目的で私が疑問に思うのが、まだまだこれ、児童相談所、受け身だよねということです。この目的も、相談に応じ、相談がなければなかなか動きませんよというところでしたり、これから私ども、先ほども情報連携の話も出てきておりましたけど、積極的に何かあったら出張っていって、やはり守るものは守るというふうに権利を私は主張していただきたいと思っているんです。ですから、その点、是非情報収集に積極的に動いていく等々のことについても、これ、この設置目的の中でもうたっていただきたいと思うんですけれども、いかがでいらっしゃいますか。
  289. 浜谷浩樹

    政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  児童相談所の業務につきましては、家庭等からの相談に応じまして最も効果的な援助を行うこと等とされておりますけれども、これは単に相談を待つということではなくて、現在の法律上の業務の中でも、都道府県は、これは児童相談所と同義でございますけれども、都道府県は広域的な見地から実情の把握や児童虐待の防止について必要な広報に努めることとされております。  さらに、児童虐待を発見した方、子育てに悩みを抱える方が児童相談所全国共通ダイヤルいちはやくを通じて児童相談所に適切に通告、相談ができるように周知啓発していくことも行いまして、児童相談所が子供安全が確保されるようにしっかり取り組んでいくようにしてまいりたいと思います。
  290. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  ですから、しっかりそれが分かるように、積極的な活動というものが、見て、あっ、我々はこうしなければならないんだということが分かるような、私は今回こういった資料を作る際にも法改正を受けまして取り組んでいただきたいと思っております。  それから、このいろいろな問題を含めまして、求められる全ての機能というものが、本当に児童相談所、今これこなせているのかなという疑問でございます。先ほど同僚議員質問にもございましたけれども、結局は、虐待だけではなくほかの相談も受けているから、四十何件ではなく百件以上ということになりますよね。本当にそれが全部、今、児童相談所が受けるべき相談内容なのかということです。  私はもう少し、様々な機能が地域にございます、保健所でしたり子ども家庭総合支援拠点でしたり、子育て世代包括支援センターというものもこれからできてまいりますので、そういうものに移管できるものがあれば、なるべく少しでも体力を今虐待の方にも向けていただきたいと思うんですけれども、大臣の御意見いただけますでしょうか、お願い申し上げます。
  291. 根本匠

    ○国務大臣根本匠君) 今の委員の御指摘は、役割分担の明確化と連携の強化ということかなと思います。  都道府県や市町村の役割については、平成二十八年の児童福祉法等の一部改正において明確化を行いました。都道府県の児童相談所においては一時保護や施設入所措置などの専門的な知識技術を要する支援等を行う一方で、市町村においては身近な場所における継続的な支援を行うこととしたところであります。  市町村においては、児童虐待相談などの子供家庭相談体制を整備するため、市町村子ども家庭総合支援拠点の設置を進めておりまして、身近な地域で対応することが適当なケースについては市町村において対応するなどの役割分担を進めているところであります。  また、保健所や子育て世代包括支援センター、ここでは、虐待予防の段階から幅広く妊婦への支援や子育て支援を担っております。より支援が必要な妊産婦や子育て家庭について、市町村子ども家庭総合支援拠点での支援や児童相談所へつなぐなどの対応を行っていると考えております。  虐待対応については、児童相談所のみならず市町村子ども家庭総合支援拠点や保健所、子育て世代包括支援センターが、虐待予防から相談、保護等まで、それぞれの機関が役割分担した上で連携を図りながら地域全体での対応がなされるように、引き続いて児童相談所の機能強化、そして市町村の体制強化を図っていきたいと思います。
  292. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  しかし、大臣、この資料一の六番見てください。この保健相談などは本当に児童相談所の役割として今的確に行われているものなのでしょうか。もっと、地元の保健所などでもこれはできるものなので、地元の方に任せた方がいいものはどんどん私は落としていっていただきたいんです。そうすることによって軽くなりますよね。軽くなった分、ちゃんと集中できるということも考えていただきたいんです。いつまでたっても同じようなことを、いろいろなものができる、いろんなものもやっている、連携だ、情報共有だという名の下、負担が全く減らないんですよ。  ですから、この一から六まで、その他というものもございますけれども、これを全て児童相談所で引き受けるということは私は限界だと思いますけれども、大臣、もう一言いただけますでしょうか、お願い申し上げます。
  293. 根本匠

    ○国務大臣根本匠君) 児童相談所と市町村の役割分担については明確化したところですが、様々な機関が出てきておりますので、そこは実際の運用を見ながら、そこは児童相談所の機能についても、そこのところは多少長期的な視点になるかもしれませんが、そこは実際の運用、役割分担の実情を見ながら、そこはより効果的な役割分担ができないかということについても検討していきたいと思います。
  294. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 是非そこはお願いしたいと思います。  どんなに小さな相談でもやはり一件なんですよ。その一件はやっぱり責任を持たなければならないということは相当な負担になってまいりますので、是非今後の検討課題としてお願いをしたいと思います。  それに当たりまして、私どもは制度をつくるだけでいいですが、現場の皆様方というのはもう、これまたこういうことも降ってくるのかということで、本当に負担感を私は背負わせてしまうだけに終わってしまってはいけないと思っております。ですから、今回また法改正をいたしますけれども、しっかりと児童相談所の職員の皆様方の声というものも吸い上げる機能を持っていただきたいと思います。もう本当に、一部心ない方がいらっしゃったり、また一部の方はすごく熱心で、自分の生活イコールこの仕事に懸けているんだとおっしゃる方もいらっしゃいます。いろんな方がいらっしゃいますけれども、やはりみんなが心地よいような職場をつくっていかなければ、また増える、百件以上といったら、これ覚えておくだけでも大変な量ですよ。  ですから、しっかりとそこのところの意見の吸い上げというシステムも私はつくっていただきたいと思いますので、局長、御答弁いただけますでしょうか、お願い申し上げます。
  295. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  御指摘のとおり、制度を検討するに当たりましては、現場の状況、御意見をよく把握、聴取、御意見をお聞きすることが重要と考えております。  厚生労働省におきましては、毎年定期的に全国の児童相談所長を集めた会議を開催しております。また、ブロックごとにも児童相談所長が集まる会議を開催いたしまして、施策、事業の説明を行うだけではなくて、意見交換、現場からの御意見もいただいております。また、機会を捉えまして、大臣とともにでございますけれども、児童相談所等の現場の視察も実施いたしまして、意見交換なども行っております。  また、法改正の検討に当たりましては、社会保障審議会に設置したワーキンググループで議論しておるわけですけれども、その中には、当然、児童相談所、自治体の子育て支援担当などの方々にも参加していただいております。  御指摘のとおり、自治体始め現場の御意見を十分お聞きしながら、様々な施策の検討を進めてまいりたいと考えております。
  296. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  大きな会議になってトップの方が出ていらっしゃいますけれど、やはり現場の合意とは乖離していることがよくございます。ですから、やはり実際にその現場に出ていらっしゃる皆様方の声一つ一つを丁寧に私は酌み取っていただきたいと思います。  次に、二〇一六年の児童福祉法改正で、子ども家庭総合支援拠点の整備が市町村の努力義務となりました。また、資料二にお配りをしておりますように、今回の事件を受けまして、児童虐待防止対策体制総合強化プランということの中では、全ての市町村に子ども家庭総合支援拠点というものを置くということがうたわれているようになっているわけです。じゃ、現在どのくらいの拠点というものがあるのか、局長、教えていただけますか。
  297. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) 御指摘の市町村子ども家庭総合支援拠点でございますけれども、二〇一八年四月現在で二百十二市町村、二百五十一か所に設置されております。
  298. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 努力義務だとはいえ、やはり少ないですよね。やっぱり、その原因というものにつきましても分析していらっしゃいますか。
  299. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  平成二十九年度から平成三十年度にかけまして、支援拠点を整備した市町村は約百市町村増えておりますけれども、平成二十九年度は支援拠点に対する国庫補助は行っておりましたけれども、常勤職員を配置するための地方交付税措置が講じられていなかったことなど、まず財政支援に課題があったということ、あるいは人材確保等にも課題があったのではないかというふうに考えております。
  300. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  この新プランにおいて全市町村に設置するということになったので、もちろん私はこの法改正の中でも義務化していただきたいと思っておりますけれども、そうなっていますか。
  301. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  この子ども家庭総合支援拠点の設置につきましては平成二十九年四月から、二十八年の児童福祉法改正によりまして、二十九年四月から市町村に対する努力義務として位置付けられたところでございます。  本法案の改正によりまして、子ども家庭総合支援拠点の設置が義務化されるわけではございませんけれども、これまで市町村子ども家庭総合支援拠点に常勤職員を配置した際の予算措置が十分に講じられなかったこと等も踏まえまして、必要な支援をまずは実施していくことが重要というふうに考えております。  このため、財政面での支援を行うために、御指摘のようなプランを策定し、そのための必要な財政措置も講じているということでございます。
  302. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 財政措置があることは分かりました。それ以外にも国はどのような支援を行っていただけますでしょうか。これ、すごく私は有効なものだというふうに認識をしておりますので、局長、お答えいただけますか。
  303. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  支援拠点に対する支援につきましては、これまで行ってきました、ちょっと繰り返しになりますけれども、重なるところございますが、恐縮ですが、非常勤職員の人件費等の補助に加えまして、今年度から常勤職員を人口十万人当たり一名配置できるよう、必要な人件費について地方交付税措置を講じました。また、専門的事項に対応いたします弁護士や医師の嘱託費用等に対する補助制度も創設をいたしました。  加えまして、今申し上げましたのは財政面での支援でございますけれども、運用面での支援といたしまして、子ども家庭総合支援拠点の立ち上げに当たりまして、先行事例を盛り込みました市町村向けの立ち上げ支援マニュアル等を作成いたしますとともに、学識経験者等のアドバイザーが自治体に赴きまして技術的助言を行う取組を開始する予定といたしております。
  304. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 もう是非これは進めていただきたいと思います。そうすることによって予防につながってまいります。  このプランのポイントにもございました児童福祉司二千二十人程度増員という言葉もここではうたわれているわけですけれども、この二千二十人という方々は常勤ですか非常勤ですか、教えてください。
  305. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  御指摘のとおり、二〇二二年度に五千名体制、二千二十名程度増員するわけでございますけれども、この配置基準につきましては、常勤勤務を要する職として職員の配置を想定をいたしておりまして、そういった前提の下に、新プランにおきましてはそのために必要な地方交付税措置が講じられております。また、実態といたしましても、児童福祉司につきましては九九・一%が常勤職員となっております。  ただ、ただしでございますけれども、ある職務につきましてどのような雇用形態の職員をもって充てるかどうかにつきましては、その役割等を踏まえまして、基本的には各自治体におきまして判断すべきものと考えております。ただ、その前提といたしましては、常時勤務を要する職に非常勤職員を充てる場合には、その業務量に対しまして必要な職員数を確保していただく必要があるのではないかというふうに考えております。
  306. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 この二千二十人というのを見ました私も、よし、これは常勤だなと思ったんですけれども、ある自治体のホームページ見ましたら非常勤の募集が掛かっていたんですね。それは一自治体ではありません、幾つかの自治体のところはもう全部非常勤だった。それを見たやはり多くの方々が、何だ、二千二十人といったって、これ常勤じゃないじゃないかというような声も上がっていたんです。私はすごく残念なことだと思いますので、もちろん自治体が判断することかもしれませんけれども、やはり常勤が望ましく、本当に人数として二千二十人が確保できるという体制に私は持っていっていただきたいと思います。  次の話題に移らせていただきたいと思います。資料三でございます。  虐待の医学的診断というもの、これはすごく重要でございます。市町村に設置をされております要保護児童対策地域協議会に医師又は歯科医師が参加している割合というのがどのくらいか、教えていただけますか。
  307. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  要保護児童対策地域協議会への医師、歯科医師の参加割合につきましては、協議会を設置している市町村のうちで、医師会の参加が約六割、それから歯科医師会の参加が約二割ということで、その割合で協議会の構成機関となっております。
  308. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  資料三にもありますように、様々なネットワークの中でやっぱり子供たちを守っていこうという、これ、協議会の意義だと私は思っております。やはりそこの中に医療の専門家がいない、若しくは、いつもこの委員会でも話題になりますけど、歯科医師の皆様方というのは虐待をすごく見抜く力がある。健診によってもそうですよね。そういうものがこの協議会の中に入っていない現状というものを、厚生労働省、私は重く受け止めていただきたいと思っているんです。  ですから、大臣、是非この要対協の中にそういった医師若しくは歯科医師というものを義務的に入れる、そして医学的にも判断してもらうというような形で御支援をいただきたいと思いますけれども、御意見いただけますでしょうか、お願い申し上げます。
  309. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 医師や歯科医師、今委員からもお話がありました、歯科医師さんはすぐ見抜くと。やはり、医師や歯科医師、これは児童虐待の兆しや疑い、これを早期に発見して子供や家庭の支援につながる、その意味では非常に重要な役割を果たしていると思います。  今、要保護児童対策地方協議会への参加の義務付けというお話がありましたが、直ちに義務付けるというのではなくて、むしろ早期発見という観点から、医師や歯科医師と市町村や他の関係機関がそれぞれの地域で問題意識を共有しながら取組を重ねていくことが望ましいと考えております。  ただ、医師や歯科医師との連携強化を更に進めるために、要保護児童対策地域協議会における医師や歯科医師等の医療機関との連携の重要性、これは自治体や関係団体に働きかけを行っていきたいと思いますし、地域の医療機関で児童虐待を発見しやすい体制を整えるための医師、歯科医師等への研修費用に対する補助を行うこととしております。  いずれにしても、要保護児童対策地域協議会に医師や歯科医師が参加していただけるように働きかけていきたいと思います。
  310. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 是非お願いいたします。  これ、結愛ちゃんの元主治医であった四国こどもおとな医療センターの先生からの御提言でございます。  やはり、こうやって小児科の中でもネットワークでしっかりと子供を守っていこうという体制ができておりますけれども、そことそれが話し合われる場というのが連携がなければ、なかなか情報共有もできていきませんよね。ですから、しっかりと、何をどこでどういう情報共有をしていくのか、そういう場をたくさんつくっていただきたいということを私お願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  311. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。     ─────────────
  312. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  313. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) 御異議ないと認めます。  なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  314. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時一分散会