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2019-06-04 第198回国会 参議院 厚生労働委員会 14号 公式Web版

  1. 令和元年六月四日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  六月四日     辞任         補欠選任      木村 義雄君     藤木 眞也君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         石田 昌宏君     理 事                 自見はなこ君                 島村  大君                 そのだ修光君                 川合 孝典君                 山本 香苗君     委 員                 青木 一彦君                 石井みどり君                 小川 克巳君                 木村 義雄君                 高階恵美子君                 鶴保 庸介君                 中川 雅治君                 馬場 成志君                 藤井 基之君                 藤木 眞也君                 石橋 通宏君                 川田 龍平君                 福島みずほ君                 足立 信也君                 礒崎 哲史君                 河野 義博君                 宮崎  勝君                 東   徹君                 倉林 明子君                薬師寺みちよ君    国務大臣        厚生労働大臣   根本  匠君    副大臣        厚生労働副大臣  高階恵美子君    事務局側        常任委員会専門        員        吉岡 成子君    政府参考人        人事院事務総局        人材審議官   三田 顕寛君        人事院事務総局        公平審査局審議        官        鈴木 敏之君        総務省自治行政        局公務員部長   大村 慎一君        文部科学大臣官        房審議官     平野 統三君        厚生労働大臣官        房審議官     八神 敦雄君        厚生労働省労働        基準局長     坂口  卓君        厚生労働省職業        安定局長     土屋 喜久君        厚生労働省社会        ・援護局長    谷内  繁君        厚生労働省社会        ・援護局障害保        健福祉部長    橋本 泰宏君        厚生労働省人材        開発統括官    吉本 明子君        農林水産大臣官        房審議官     木下 慎哉君    参考人        田園調布学園大        学人間福祉学部        教授       中川 正俊君        社会福祉法人日        本身体障害者団        体連合会会長   阿部 一彦君        社会福祉法人日        本盲人会連合会        長        竹下 義樹君        一般財団法人全        日本ろうあ連盟        理事長     石野富志三郎君          石野参考人手          話通訳    岡安 澄子君          石野参考人手          話通訳    杉石めぐみ君        特定非営利活動        法人共同連事務        局長        特定非営利活動        法人わっぱの会        理事長      斎藤 縣三君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改  正する法律案内閣提出、衆議院送付) ○政府参考人の出席要求に関する件     ─────────────
  2. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。  障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  本日は、本案の審査のため、五名の参考人から御意見を伺います。  御出席いただいております参考人は、田園調布学園大学人間福祉学部教授中川正俊君、社会福祉法人日本身体障害者団体連合会会長阿部一彦君、社会福祉法人日本盲人会連合会長竹下義樹君、一般財団法人全日本ろうあ連盟理事長石野富志三郎君及び特定非営利活動法人共同連事務局長・特定非営利活動法人わっぱの会理事長斎藤縣三君でございます。  この際、参考人の皆様方に一言御挨拶を申し上げます。  本日は、御多忙中のところ当委員会に御出席いただき、誠にありがとうございます。  参考人の皆様から忌憚のない御意見をお述べいただきまして、本案の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。  次に、議事の進め方でございますが、まず、参考人の皆様からお一人十分以内で順次御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。  なお、参考人、質疑者共に発言は着席のままで結構でございます。  それでは、まず中川参考人にお願いいたします。中川参考人。
  3. 中川正俊

    ○参考人(中川正俊君) おはようございます。田園調布学園大学の中川と申します。  本日は、このような貴重な機会を与えていただきましたことに、心より感謝申し上げます。  私は、現在、労政審障害者雇用分科会の公益代表委員を務めており、また、精神科医としてこれまでに精神障害者の就労支援の実践及び研究に微力ながら関わってまいりました。本日は、この二つの立場より意見を申し上げたいと思います。  初めに、障害者の雇用促進等に関する法律の一部を改正する法律に関し、障害者雇用分科会の経緯も踏まえて意見を申し上げます。  この間の分科会の大まかな流れといたしましては、平成三十年七月に研究会報告書が公表されました後、国の行政機関等における障害者雇用に関する不適切計上、いわゆる水増し問題の事案が発生し、分科会では、研究会報告書の中身に加えてこの事案に関する検討を行い、平成三十一年二月に今後の障害者雇用施策の充実強化についてという分科会意見書を取りまとめたという経緯でございます。  分科会における議論は、大きく分けて二つございます。一つ目は、障害者の活躍の場の拡大に関する措置に関する議論、二つ目は、国及び地方公共団体における障害者の雇用条件についての的確な把握等に関する措置に関する議論でございます。  また、これ以外にも、障害者雇用調整金及び納付金に関する事柄といたしまして、中小企業に対する適用拡大の議論や、大企業及びA型事業所に対する雇用調整金の上限設定の議論がございました。また、障害者雇用率制度に関する事柄といたしまして、長期継続雇用の評価や対象障害者の範囲についての議論がございました。いずれも多様な観点より総合的に継続検討する必要がありますことより、今後の分科会において引き続き鋭意検討していくこととなりました。  今回の障害者雇用促進法の改正案ですが、分科会の議論を踏まえ、国等の障害者雇用の不適切計上の再発予防に関する措置にとどまらず、障害者の活躍の場を拡大し、社会参加の促進を図るための前向きな対策が打ち出されているものと評価いたします。  しかしながら、言うまでもなく、この法律改正はゴールではなく、ここからが新たなスタートであり、その実効性をきちんとモニタリングしていく必要があることは言うまでもございません。また、今回の改正案に盛り込まれていない課題で、重要かつ議論を十分重ねる必要があるものが数多くございます。それについては今後の分科会でしっかり継続して検討してまいりたいと存じます。  次に、精神科医の立場より、精神障害者の雇用課題について幾つか意見を述べさせていただきます。  精神障害は、疾病と障害が共存し障害程度が固定しない特徴より、長らく雇用施策や福祉施策の対象外でした。雇用施策においては平成三十年四月にようやく精神障害者の雇用義務化がなされたところですが、身体障害や知的障害にある雇用率制度上の重度障害、いわゆるダブルカウントは精神障害では設定されていないなど、なお他の二障害と横並びとは言えない現状がございます。お手元の資料に私の論文がありますので、御参照いただけたらと存じます。これらの施策の遅れを勘案し、特に重点的に施策を講じていく必要があると考えます。  精神障害に関する雇用施策上特に配慮を要する点を申し上げますと、一つ目に、職場定着への様々な対策を講じる必要がある点でございます。  JEEDの研究調査におきましても、精神障害者は他の障害者と比較してその定着率は低いという結果が出ております。しかしながら、障害を開示し、職場の合理的配慮の下、医療、保健、福祉との連携に基づいた支援を行いますと、定着率は格段と改善されることが明らかになっております。  精神障害は先ほど申し上げましたように疾病と共存しておりますので、再発を予防し、病状の安定化を図ることで定着率は改善いたします。働きながら病状の安定化を図るには、合理的配慮に加えて、医療支援、生活支援、職場のストレス対策などを総合的に講じていく必要があります。  職場が医療、福祉、労働サイドのサービスとも連携を図り、また事業所内の産業保健スタッフを積極的に活用するなど、連携による支援体制を強化していく必要があると考えます。これに関しては、JEEDが開発した情報共有シートなどの連携のためのツールを活用していくことも一案であると考えます。  二つ目に、短時間労働に関することがございます。  精神障害のある方でもフルタイムで働ける方はもちろんいらっしゃいますが、緊張しやすく疲れやすい特性や服薬の影響などもあり、体力や持続力の問題を抱え、短時間勤務を希望する方が多いのも事実でございます。実際に、精神障害者の短時間労働者の割合は三割と、他障害と比べて多くなっております。  私などの精神障害者の就労支援に携わる者は、以前より、週二十時間の短時間勤務も難しい方、例えば週三日で半日程度の勤務が適切な方に対する施策の必要性を主張してまいりました。今回の改正案は、週二十時間未満の障害者を雇用する事業主に対する手当てが盛り込まれておりまして、精神障害者の雇用環境としては大きな前進と受け止めております。  ただ、現行の障害者雇用率制度においては、職業的自立を促す観点から、労働時間が週二十時間未満の働き方は支援の枠組みに入っておりません。もちろん、職業的自立の概念は大切であることは言うまでもありませんが、たとえ週二十時間未満の働き方であっても、当事者は福祉的就労にはない労働者としての喜びや誇りを感じ、働くことで自尊心が満たされ、そのことがパーソナルリカバリーの進展に寄与すること大であると考えます。  このように、自立という客観的な観点だけではなく、障害のある方御自身が働くことをどのように捉え、働くことでどのような心理的効果が得られるかといった主観的側面にも十分考慮した施策を講じていく必要があると考えます。  以上で発言を終わります。御清聴ありがとうございました。
  4. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) ありがとうございました。  次に、阿部参考人にお願いいたします。阿部参考人。
  5. 阿部一彦

    ○参考人(阿部一彦君) ただいま御紹介いただきました日本身体障害者団体連合会の阿部一彦でございます。  私も労働政策審議会障害者雇用分科会の委員を務めさせていただきます。  このような機会をいただいたことに、まず感謝申し上げます。  本日は、障害者雇用における障害者の活躍の場の在り方についてお話しさせていただきたいと思います。  まず初めにお話しいたしますのは、五月三十日に本委員会で判明した、二十八行政機関が昨年十月から新たに採用した二千五百十八人のうち、十六機関の百三十一人が離職したということについてでございます。  翌日の新聞報道によりますと、障害の種別などは不明ということですが、種別や離職の要因について詳細な究明が求められるところでございます。働いている障害者や関係者、障害者団体などを交えて原因を究明して、十分に改善する必要があると思います。  そして、これらの事実究明を踏まえて、障害者差別禁止指針、合理的配慮指針を基に、障害者団体などの参画の下に障害者活動推進計画作成指針を作成するとともに、具体的に障害者活動推進計画を作成する場合においても障害者の参加が求められると思います。また、今回離職した人々の再チャレンジの機会についても検討することが大事だと思います。  次でございます。中高年齢層の障害者が早く離職することがあるということはこれまでも知られていたことについてお話しさせていただきます。  その理由としては、病気や障害への認識、理解不足、体力の低下や体調の変化、事務スピードの変化などへの対応不足などがあります。今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会で指摘されておりますように、長期的な雇用継続を図るためには、加齢による体力などの低下がある中で、できるだけ本人の希望や適性を踏まえて企業がキャリア形成や配置転換などの環境整備を行う必要があります。身体的過重負担や過重なストレスなどによって二次障害が生じる場合もあります。加齢による体力低下などとともに、過度に無理を強いることによって残存機能の急激な低下をもたらすことが考えられます。  本人の申出によって業務環境が改善されれば、安定した継続就労が実現できます。そのためにも、職場内に相談できる部署を整備、充実し、健康面についても相談できる体制が整備される必要があります。定年まで無理せずに働くことが可能になることが大切だと思います。  次に、中途障害の方への対応ということでお話しさせていただきます。  人生の途中で障害者になった人の障害受容は大きな問題でございます。身体障害についてお話しいたしますと、平成二十八年度の生活のしづらさ調査によりますと、在宅の身体障害児数が六万八千人なのに対して、十八歳以上六十四歳までの身体障害者数は百一万人です。このことから、成人になってから、つまり職業に従事している間に障害者手帳を持つ人が多いことが分かります。  そこで、必ずしも障害者枠雇用で採用された人ではない人への対応について検討する必要性があります。内部障害など見た目には分からない障害がありながら、手帳の所持を言い出せない、又は障害者手帳を申請しない方がいたとしたら大きな問題だと思います。また、このことは精神障害の領域でも同じことで、大きな問題だと思います。  不安なときや困ったとき、不便が生じたときに十分に活用できる相談支援体制が求められます。障害があってもその人に応じた合理的配慮などが提供されることによって十分な職務能力が発揮できる職場環境を構築する必要があります。このことは企業においても公務部門においても重要なことだと思います。  次には、制度の谷間、支援の制度の谷間の問題についてお話しさせていただきたいと思います。  職業生活を営み、継続するためには、様々な支援が必要になります。支援の仕組みは制度ごとに縦割りの枠によって制限がある問題についてお話しいたします。  「在宅就労の重度障害者に介護を さいたま市、独自支援へ」という見出しで、朝日新聞デジタル二〇一八年十二月三日の記事についてでございます。常に介護を必要としている重度障害者が仕事をしている間は介護を受けられないという問題があり、このことが就労の機会を狭めているという事例です。  記事によりますと、制度を所管する厚生労働省が、在宅就労の支援は恩恵を受ける企業の役割としているからだとあります。さいたま市は、企業による就労支援には限界があると考え、重度障害者の社会参加を支援するために、内閣府の地方分権改革有識者会議において在宅就労時も訪問介護の利用を認める規制緩和を提案いたしましたが、同会議では、二〇二一年度の障害福祉サービス等報酬改定に向けて結論を得るとの方針を示し、判断を事実上先送りいたしました。今必要としている障害者がいるのですから、一刻も早く検討を進めていただきたいと思います。  加えて、人によっては通勤することが困難であったり、在宅での仕事を希望する場合もありますし、遠隔地で暮らしながら就労するためにも、テレワークはとても重要でございます。ICTの利活用などにより可能性は大きくなっておりますので、具体的に就労環境の整備や定着支援なども含めて、関係機関を含めた支援体制を確立していただきたいと考えます。  また、ほかにも、障害者総合支援法のサービスが通勤に活用できないという問題があります。制度の財源が異なるからだと考えられますが、先例にとらわれずに縦割りの弊害を取り去り、柔軟な検討を行うべきではないでしょうか。雇用施策と福祉施策との連携した取組については障害者団体や関係団体を交えて検討する必要があります。今後の課題となると思いますけれども、検討をよろしくお願いしたいと思います。  最後になります。  一人一人が生きがいを持って働き続けるためには、職業能力に応じた配置、職場内外の研修を基に適切なキャリアアップなどが図れるようにすべきです。そのためには、事業主の理解だけではなく、共に働く同僚の理解が大切になります。障害者を採用後、職場に慣れるまでには定期的に話合いを持ち、その後も相談できる仕組みをつくることが職場定着と継続雇用のために必要だと思います。  障害があると、不便なことや困っていることがあります。しかし、それらの理解にとどまらないで、どのような環境の整備や配慮があれば不便なことや困っていることを解消できるかの理解の下に適切な改善や配慮を行うことができれば、一人一人が本来持っている力を十分に発揮できると考えられます。初めは一つ一つの仕事のステップに慣れなくて時間を要することがある場合もありますが、次第に本来の持っている力が発揮され、貴重な戦力となることについて理解を進めることが重要です。  障害のある一人一人が、自分にとっての社会的障壁を分かりやすく伝え、合理的配慮などを基に持てる力を十分に発揮できる社会をつくるのが私たち障害者団体の願いであり、その実現に取り組んでいることが私たちの役割であることを申し上げて、私の発言を終わります。  どうもありがとうございました。
  6. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) ありがとうございました。  次に、竹下参考人にお願いいたします。竹下参考人。
  7. 竹下義樹

    ○参考人(竹下義樹君) 日本盲人会連合の竹下といいます。  本日は、こういう意見を述べる機会をいただき、ありがとうございます。  まず最初に、お礼を申し上げたいのは、今年の二月、三月に人事院において障害者の選考採用試験を実施していただいたことにお礼を申し上げます。  その中で、障害者が七百五十四人合格したそうですけれども、その中に点字使用者二名を含む四十三名の視覚障害者が合格したそうです。この数が少ないと見るか多いと見るかはともかく、今後はこの視覚障害者たちが自分の能力を十分に発揮して公務員として活躍していただくことを願っておりますし、そのための環境づくり、合理的配慮を是非ともお願いしたいと思っております。  また、この選考採用試験は二〇一九年度も実施されるということになりましたけれども、これは去年発生した水増し問題の言わば代償であるとか恩恵的なもので終わっては絶対ならないと思います。この制度が障害者の働く場を拡大する、その機会を保障するという観点から、恒久的な制度として今後実施されることを強くお願いしたいと思っております。  次に、今日、私たちの方から配付させていただいた資料について一言触れさせていただきます。  今日、二つの資料を配付させていただきました。一つは「みる見る診る」という題の冊子と、もう一つは「企業の人事担当者、管理者の皆さまへ」という冊子を配付させていただきました。この内容を説明する時間はございませんが、視覚障害、全盲であろうが弱視であろうが、そうした視覚障害の人たちに対する御理解をいただくためには極めて分かりやすくて有用な資料だと思いますので、是非御覧いただきたいと思っております。  次に、今回の改正法について触れさせていただきます。  障害者雇用促進法の六条には国の責務が規定され、そして、七条には障害者雇用対策基本方針の規定がございました。今回、さらに、七条の二以下において障害者活躍推進計画に関する規定が追加されました。この追加規定は大事な規定だというふうに受け止めております。  ただ、この規定を今後作るに当たって、是非お願いしたいことがあります。まず、そうした計画を作る際には、障害者団体の参画、あるいは現に就労している障害者の皆さんの意見を反映したものとなることを強くお願いしたいと思っております。また、昨年厚生労働省に設置されております、国の行政機関における障害者雇用の推進に向けた専門会議というものが設置されていると思いますけれども、この専門家会議を是非とも、活用と言ったら怒られるんでしょうか、生かしていただくことをお願いしたいと思っております。  また、私たちにとって、職場において十分に能力を発揮するためには、一にも二にも合理的配慮が必要だと思っております。障害者がその能力を十分に発揮するためには、その障害の特性に応じた配慮というものが不可欠でございます。視覚障害者の場合でいえば、補助機器の活用あるいは職場介助者の援助、そうしたものが視覚障害を持ちながらも能力を十分に発揮するための環境づくりとして不可欠でございます。  また、障害者の人たちの今回採用された御意見をお聞きしておりますと、いざ働き始めると、残念ながら視覚障害に対する理解を得るのに非常に苦慮しているということが分かりました。そうした人たちの意見を聞いておりますと、是非とも視覚障害に精通したジョブコーチの配置が必要だということを強く訴えておられました。  最後に、三つのことについて触れさせていただきます。  一つは、今回の改正には直結していないのでありますけれども、障害者の雇用を進めるためには、是非、障害者雇用促進法に定められている除外規定の問題であります。この除外率の制度は、残念ながら障害者の雇用を言わば広げるのに邪魔になっていると言っても過言ではありません。今後、この除外率制度をいかにしてなくしていくかということは職場における合理的配慮と併せて考えることが不可欠であるとともに、この除外率制度をなくしていくことこそが障害者の雇用を拡大することに結び付くと思っております。  また、これも今回の雇用とは直結しませんけれども、民間企業において働いている障害者の実態というものが今日の資料でも配付されているわけでありますけれども、残念ながら、その統計では、障害の部位別、視覚障害などのそういう障害者の雇用数は見えてこないわけであります。今後の障害者雇用行政を推進する上で、是非こうした実態が十分に分かる資料作りをお願いしたいと思っております。  最後に、雇用と自営に重なる部分ではございますが、私たちの障害者のほとんどははり、きゅう、マッサージという職業に従事しております。この分野で保険取扱いが今拡大しようとしているわけですが、その場合に、晴眼者に比べると事務取扱で非常に不利な状況に置かれます。そうした環境を改善するための支援も併せてお願いし、私の発言を終わらせていただきます。  どうもありがとうございました。
  8. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) ありがとうございました。  次に、石野参考人にお願いいたします。石野参考人。
  9. 石野富志三郎

    ○参考人(石野富志三郎君)(手話通訳) おはようございます。全日本ろうあ連盟の理事長の石野でございます。  本日は、聞こえない者を代表して意見を述べる機会をいただき、大変うれしく思っております。  まず、改正法案について意見を述べさせていただく前に、障害者の雇用政策は、厚生労働省労働政策審議会、この障害者雇用分科会で主に話し合われておりますが、身体、肢体不自由あるいは視覚障害の団体の委員はいらっしゃいますが、聴覚障害者当事者の委員がおらず、これは常々お願いをしているところではございますが、バランスよく身体障害者の意見を吸い上げていただくためには、聴覚障害者の当事者団体からも是非とも委員として加えていただきたく、貴委員会からも後押しをしていただけますようお願いいたします。  次に、皆様のお手元に資料をお配りをしております。  一つ目が、地方自治体における聴覚障害のある職員の雇用等に関する実態調査報告書です。これは、社会福祉法人全国手話研修センターと聴覚に障害のある公務員の全国組織であります日本聴覚障害公務員会が共同で、二〇一六年八月から全国の地方自治体を対象にアンケート、訪問調査などを行ったものでございます。  聞こえない立場では情報保障が不可欠ですが、報告書によれば、一対一の会話でなく、会議や研修時に情報保障がなされていないというふうに半数以上の回答者から声が寄せられています。これは民間にも共通する課題でありまして、管理者の配慮欠如によりチーム作業における聴覚障害当事者の能力発揮が妨げられている例ではないでしょうか。  二冊目が、聴覚障害者の雇用や職場定着を目的として、そのノウハウを分かりやすくコミックにしたものです。さっきの報告書とともに、お時間のあるときにお目通しいただけますようお願いいたします。  さて、今回内閣に提出されています障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案についてですが、昨年の国家公務員の障害者雇用の水増し問題発覚以来、国会及び行政では障害当事者の意見を聞きながら迅速な対応をしていただいていることは重々承知をしております。基本的には、今回の改正案に対しては評価をしております。国や地方自治体が自ら様々な対策を義務付け、透明性のある内容を目指しているということは大きな前進というふうに受け止めております。  あえて申し上げるとしたら、近い将来、民間もこの仕組みを適用することで障害者にとっての働きがいのある職場環境につないでいただけたらと願ってやみません。  それでは、配慮いただきたい点を述べさせていただきます。  一つ目が、国や地方自治体において義務付けになっておりますが、その雇用においては大きな割合を占める民間において、障害者雇用推進の選任が引き続き努力義務となったままです。これは、障害者雇用の促進をするものです。積極的に民間でも障害者が採用されるよう改善いただければと思っております。  二つ目に、短時間の特例給付金制度の新設について。現在も働ける場や時間が制限されてしまう聴覚障害者以外にも、他の制度を併せ持つ、また重複聴覚障害者の職場拡大のきっかけになってほしいと思います。  次に、三番目、中小事業主に対する認定制度の創設です。民間企業の多くを占める中小事業主の中には障害者雇用に積極的なところもあり、その中には聴覚障害も含まれると考えられます。手話通訳や要約筆記などの合理的配慮の提供による好事例を紹介し、聴覚障害の職場拡大に生かしてほしいと思っております。  四番目、次に、現在の聴覚障害者の就労に関する問題を幾つか述べます。  公的な就労の情報保障制度としては、ハローワークに設置されている手話協力員制度、高齢・障害・求職者雇用支援機構による手話通訳担当者の委嘱助成金という制度があります。  手話協力員は、聴覚障害者の求職相談、職場定着指導までのハローワーク職員の手話通訳を担いますが、手話通訳という高い専門性、知識が必要とされるにもかかわらず、交通費なし、実働時間一時間二千九百五十円、移動時間も含まれないという現状で、その時給は十年間も据え置かれたままになっております。  事業主へ一部補助する手話通訳担当者委嘱助成金で職場へ手話通訳を派遣することができますが、実際の活用例は少なく、また、十年の期限があるなど課題が多く、使い勝手の悪い制度となっています。  以上のように、現制度では不十分であり、聴覚障害者が障害のない人と同様に職場で能力を最大限発揮できない一因となっております。  また、我が国では、障害者基本法で手話は言語であると規定しておりますが、手話通訳者の待遇が悪く、通訳が不足しているため、聴覚障害者の環境が十分整わずに、社会的な地位向上につながらない要因になっていると思います。  私、六年前にイギリスに視察に参りました。目的は、情報コミュニケーションに関しての調査でございました。イギリスの場合は、一九九四年、新しい法律ができました。手話通訳電話リレーサービスの整備、備品購入等の費用を負担する制度があります。これは、民間事業主に対する手厚い財政支援となっております。合理的配慮の提供につながっております。また、フィンランド、ノルウェーでは、国の行政機関も含めて障害者雇用を積極的に、今の制度で、新しい、ほかにも同じように制度が諸外国では整っております。  五つ目に、周知徹底について。合理的配慮の提供の環境のないまま、自助努力では解決し切れないコミュニケーションに苦悩する聴覚障害公務員がいるのが現状です。今回の改正障害者雇用促進では必ず周知徹底され、聴覚障害者が働きやすい環境整備をされますようお願いいたします。  就労場面に限らず、他の場面でも課題は共通しており、合理的配慮の全面的な法的義務化による量的な促進だけではなく、国、行政による財政支援や意識啓発、合理配慮提供に関わる支援者の専門性の向上を通じた、全方位的な合理的配慮の質的な向上を図っていただけますようお願いをいたします。  もう一つ。聴覚障害者の公務員の方で、試験を受けられて、幾つかの試験を合格され、そしてある省に入職ができました。その公務員の方の例です。聞こえにくい方で、悩みを持っているということでお話をいただきました。全文は御紹介できないんですけれども、かいつまんで御紹介いたします。  三十歳頃まで仕事は順調に進められていました。係長まで昇進をし、いろいろと理由があって降格になってしまいました。その後、仕事が与えられずに精神的にも悩み苦しみ、結局、公務員を辞めてしまったという方です。そういった方のお手紙をいただきました。またお時間があれば、御紹介させていただきたいと思います。  以上です。ありがとうございました。
  10. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) ありがとうございました。  次に、斎藤参考人にお願いいたします。斎藤参考人。
  11. 斎藤縣三

    ○参考人(斎藤縣三君) お手元に私の今日の委員会の発言をまとめた資料を配付させていただいておりますので、A4四枚のホッチキス留めの資料ですので、そちらを御覧になりながらお聞きいただければと思います。  私の紹介をしますと、私は特定非営利活動法人共同連の事務局長をしておりますが、共同連というのは、一般就労でもなく福祉的就労でもない第三の就労ということで、共に働く、障害ある人もない人も対等に働く、そういった働き方を目指すネットワークをつくっております。今日は、ここの立場ではなく、私が名古屋で五十年前からつくってまいりました特定非営利活動法人わっぱの会の活動に基づいた思いを語らせていただきたいと思います。  今日は、雇用促進法の改正の内容一つ一つではなく、その前提となった、昨年の八月以来明らかとなった雇用率の問題、政府における雇用率水増しと言われた問題、そういったことへの思い、これからどうあるべきかといったところを中心に語らせていただきたいと思います。  二ページ目を開いていただきたいと思いますが、私自身、内部障害者一級でありまして、今回政府が実際に雇っている障害者の中の本当に大半は内部障害の方なんですね。そういう意味で、内部障害の方であるならば、本当にそういう人たちだけででも雇用率は幾らでも満たそうと思えば満たせられたと思いますし、それどころか、今日お見えになっています他の参考人の方々、それぞれ違った障害をお持ちの方もみんなお力を持った方々であって、私なんかたとえ国家公務員試験には通らないかもしれませんけれども、十分公務員としての力は持っていると思っております。ほかの方も同様だと思います。どうしてこういった方々をしっかり雇って雇用率を満たさないのか、私にはそれが全く不思議でなりません。  それで、私自身の活動を御紹介させていただきます。ここに書いていますように、一九六〇年代末に、学生時代に大人の障害者の収容施設、当時はそういう言い方をしました、にボランティア活動に参加しまして、障害ある人が当時、人里離れた山の中に閉じ込められ、仕事らしい仕事にも就くこともなく、ずっとその中で生活し続けなくてはならないということに大きなショックを受けました。そこから、町の中でみんなと一緒になって共に働き生活することのできる場所をつくろうと思って、それ以来、五十年間活動を続けてまいりました。  次のところはちょっと間違っていますので、訂正していただければと思います。一九七〇年ではなく七一年、名古屋市でわっぱの会を始め、当時全く制度も何もない状態の中で、障害ある人、ない人が一緒になって働く場や生活する場を始めました。そして、一九八〇年代半ばには、全国のどこよりも先駆けて、無添加のパンわっぱんを作り、多くの市民に買ってもらうことができたことで、事業、活動は大きく発展をいたしました。  今日、名古屋の町の中で、たくさんの場所に分かれ、障害のない人たち大勢と一緒に障害のある人百二十名が共に働き、また、障害のある人六十名が家族から独立して生活をする場をつくっております。  また同時に、一九九〇年代半ばには、障害のある人がもっと一般企業などで就職できるように、これも全く独自の自主的な障害者就労援助センターをつくりました。当時は、少し障害が重かったり知的障害の人は、全く職安、ハローワークでも相手にしてもらえませんでした。ですから、会社を一軒一軒回って障害のある人のことを知ってもらい、働く機会を持てるようとお願いしたものです。そして、今日、複数の就労支援機関をつくり、そこで、名古屋の中におきまして年間二百人を超える障害者が働く、就職できるような実績を毎年上げ続けております。  そこで、昨年八月に起きました政府機関における障害者雇用率の水増しという報道を受けまして、私は本当に大きなショックを受けました。それは五十年前に初めて障害者施設を訪れたときのショックに並ぶようなものでございました。  私どもは、企業と一緒になって、ハローワークでは簡単に就職できない障害のある人たちを企業の中で働けるようにひたすら努力をし続けております。そして、私は、七〇年以降ずっと、政府だけではなくて民間も含めた雇用率というものがどう変動しているのかということを絶えず気に掛けておりました。そこで、政府は民間の模範となるように雇用率は守っているというふうに全く信じ切っておりました。それが全くそうではなかった。ですから、私はこれを単なる水増し問題というものとは思いません。意図的な、明らかに政府による障害者雇用率の大偽装だというふうに考えております。  当然、民間企業などを指導する立場にある政府は、しっかりと障害者雇用率を守るように指導しているわけです。そして、二〇〇〇年代以降、厚生労働省は、雇用率が少しも伸びない大企業に対し厳しい指導を行いました。結果として、大企業はそれ以来、飛躍的に雇用率を伸ばしてきたわけであります。  その次に参ります。時間がないのでちょっと急いで行きますけれども。  以下の私の思いでありますけれども、一九六〇年、身体障害者雇用促進法というのができたときに、これ民間は努力目標だったんですけど、この時点から政府は義務が、雇用義務が課せられておりました。その当時の最初の雇用率というのは、非現業で一・四%、現業で一・五%だったんですね。今回明らかになった八月のときに示された一・一九%というのは、この一九六〇年に義務付けられた雇用率をはるかに下回っているんです。ですから、一九六〇年以来、実に六十年近い歳月ずっと偽装が続けられてきたということはもう間違いのない事実です。  そしてまた、実際に知的障害者は全く雇われていないのですから、そしてまた、精神障害者のカウントは二〇〇六年からしか始まっていません。それは、身体障害者だけでの偽装がずっと続けられていたということになります。民間では、一九八〇年以来、知的障害者が雇用率にカウントされるようになり、一生懸命、知的障害者の採用にも努力をし続けております。  そして、今回、もう二千数百人の方が新たに採用されたというふうに聞いております。先ほど、百三十一名が離職というお話はもう既にありましたけれども、愛知県における状態をちょっと申し上げますと、二月二十二日の発表で、選考試験からの採用者が二十四名でありました。ですから、早速、愛知労働局に、どうなっているかということを四月の頭に聞きに行きました。そうしましたら、愛知労働局は、愛知県のどの部署に働いているかも、どういう仕事をしているかも、何も把握していませんでした。どうしてなんですかというふうに聞いたら、全く何も教えられていないということだったんです。だったらすぐに聞いてくださいということで、早速、愛知労働局の方は本庁の方に問い合わせました。でも、翌日の掛かってきた電話は、本庁の方でもすぐには答えられないということだったのでまだ分からないという御返事でした。  それから約一か月後、五月七日に愛知労働局から連絡が入りました。そうしましたら、ここに書いていますように、正規採用五十三名、非正規採用二十六名のほぼ八十名が雇われている。そのうち、就労支援を受けている者は十六名。これらのうち、有償での支援を受けている者はいない。ただ、今後、ジョブコーチを自分たちの職員の中で資格を取らせて支援すると答えているところが一か所だけありました。  仕事の内容につきましても、私たちがいろいろ把握している範囲におきましては、内部における郵便の区分けなりシュレッダー掛けといった仕事でしかありませんでした。これは、ずっと従来から始まっていましたチャレンジ雇用においてもそうであります。  もう時間がないので、五番のところは申し上げる時間がありませんので、是非読んでください。ここが重要だったと思いますけれども、本当にいろんな点で、今回の法改正だけでは足らない、いっぱい問題が私はあると思っております。  最後に申し上げます。六番のところです。  これは、一九六一年に当時の職業安定局長が、ある本の中でこの新しくできた雇用促進法の解説において書かれた言葉です。義務を掛ける、障害者にも雇用義務を掛けることについて、国などと一般雇用主とを区別し、別個の方法によることとしたのは、国などが一般の雇用主に率先して身体障害者を雇用すべきという考えに基づくものである、国が望ましいと思って決定した施策を、国自ら、あるいは国と密接につながりのある機関でまず実行していくのは当然のことであるというふうに断言されております。  改めて、政府の皆さん、そして議員の皆さんは、この六十年近い前の言葉をかみしめて、これから様々な施策に取り組んでいただきたいと心からお願いする次第です。  本日はありがとうございました。
  12. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) ありがとうございました。  以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。  これより参考人に対する質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  13. 馬場成志

    ○馬場成志君 自由民主党の馬場成志です。  本日は、参考人の先生方には本当にお忙しい中御意見を賜りまして、誠にありがとうございます。  時間は十分でございますので、早速質問をさせていただきたいと存じます。  まず、阿部会長、竹下会長、石野理事長にお尋ねをしたいというふうに思います。  今回、法定雇用率達成のために短期間で多くの方を雇用するということになりました。公務部門において雇用に際して、送り出す側であるお三方から、特に留意すべき点、今もお話あったというふうに思いますが、短期間で多くの皆様方を採用するというようなことの中での特に留意点があればお尋ねしたいというふうに思います。
  14. 阿部一彦

    ○参考人(阿部一彦君) どうもありがとうございました。  思いますに、本人の継続して働く意欲ということがとても大事だと思います。これにつきましては、相談できるところ、もちろんでございますけれども、職場の上司、同僚の理解ということでございますので、願わくば、働き始めたときに意見交換を、定期的に意見交換をして、御本人を理解していただくことがとても大事だと思います。  また、障害があれば困っていること、不便なこともあるのも確かでございますけれども、それをどのように解決に導くかというようなことについて話すること、それは多分、その一人一人の目標とすること、そしてその評価にもつながると思いますので、上司、同僚との定期的な意見交換をして、その力、持てる力を発揮するような配慮が必要なのだと考えています。  以上です。ありがとうございました。
  15. 竹下義樹

    ○参考人(竹下義樹君) ありがとうございます。日盲連の竹下です。  今、馬場先生の御指摘、非常に有り難いと思っております。  視覚障害者の今回の合格者の方十数名に集まっていただいて、意見交換をしました。その中で出たことから二つだけ申し上げたいのは、一つは、その当の障害者自身が、自分が仕事をする上でどういう配慮を要求していいのか、お願いしていいのか分からない部分があるそうです。そういう場合に、そういう視覚障害の就労の専門家と言っていいんでしょうか、そういう第三者の機関の人たちを交えた合理的配慮の問題、職場環境の改善の問題を話し合う機会を持っていただくことを一つお願いしたいと思っております。  もう一点は、そうした人たちが、言わば新しい職場に入ったわけですから、当然人間関係をつくる上でも非常に苦慮しておられると思います。視覚障害者の合格者を見ていると、どちらかというと年齢的には高い方も多うございました。そういう中で、これまでの職場から移った中で、人間関係あるいは職場での視覚障害に対する理解も含めた横のつながりというものをつくることを大事にしておられると思いますので、そうした職場での孤立が生まれないような環境づくりということを是非お願いしたいと思います。  以上でございます。
  16. 石野富志三郎

    ○参考人(石野富志三郎君)(手話通訳) 石野です。  今の御質問についてですけれども、二つの問題があると思います。  一つ目は、先ほど意見の中でも述べましたように、障害者を雇用した場合、助成金制度があります。その中に手話通訳委嘱の制度がありますけれども、平成二十九年度の実績を見ますと百四十六件、全国で百四十六件と非常に少ない数字です。特に、西日本はゼロという状態になっています。なぜか分かりませんけれども、近畿の方はゼロというふうになっています。  ある会社の人事担当者の話を聞いたことがありますが、手続が非常に複雑で煩雑で面倒、ですので活用したくないという本音をおっしゃったことがありました。そういった考え方を持っている企業も多いのではないかと思います。ですので、聴覚障害者としては、職場の研修では必ず手話通訳が必要となります。通訳をお願いしてもなかなか設置をしてもらえないという悩みもあるわけです。  二つ目は、公務員の現状の報告ですけれども、この皆さんにお配りした十九ページにございます。障害者雇用に関わる制度、諸制度の利用について書かれております。公務員の場合は、聴覚障害者は全国で、地方公務員は、国家公務員も含めて千を超えていると思います。その中で半分以上は手話通訳を求めても付けてもらえないという悩みを持っています。はっきりとこれは強い要望として出ています。国も行政機関もなかなか手話通訳を付けてもらえないというこの悩みは続いております。  この問題点二つあると思っております。  以上です。
  17. 馬場成志

    ○馬場成志君 ありがとうございました。  次に、阿部会長と斎藤理事長にお尋ねをしたいというふうに思います。  公務部門においても民間でいう特例子会社のようなものを設けるかどうか、これについて御意見があればいただきたいと思います。
  18. 阿部一彦

    ○参考人(阿部一彦君) 今、特例子会社というお話をいただきました。まずは、それぞれの公務部門で特例子会社がなくても働ける環境というのを考えていくことがすごく大事なことだと思います。  ただし、そのそれぞれの部署において適切な仕事というのが難しい場合は、また障害の種別の幅を広げるためには、特例子会社ということも考えることも必要なことも当然あるんだと思いますけれども、まずはその方々が職場の中で働けるチャンスをきちんとつくっていただくことが大事かと思っているということを申し上げさせていただきます。
  19. 斎藤縣三

    ○参考人(斎藤縣三君) 私は、特例子会社については、当初は、特例子会社というのは企業の中でみんなと一緒に働く、そういう考え方に基づいて、特例子会社といえどもそういう考え方で、会社の中に一部分そういうものを設けて健常者の社員と一緒に働くという、そういう環境にあったと思います。  ところが、特例子会社が非常に増えてきた今日はそういう状況とは全く違ってしまいまして、全く違った場所に、しかもそこで雇われている一般社員の方々はまるで福祉事業所の指導員のような立場になってしまって、障害者はその人たちの指導の下で働くというように、まるで企業の中の福祉事業所のようになってしまっているというふうに思っております。これでは本来の一般企業の中でみんなと一緒に働くということではなくなってしまうと思うんです。  ですから、公的機関においても特例子会社的なものを考えるとするならば、そういうところにならないように、ちゃんとした防波堤がないと駄目だというふうに思っております。
  20. 馬場成志

    ○馬場成志君 ありがとうございました。  中川先生の方には質問を用意しておりましたが、申し訳ありません、時間でございますのでこれで終わらせていただきます。
  21. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 五人の参考人の皆さん、本当にどうもありがとうございます。  まず初めに、先ほど阿部一彦参考人からも通勤支援の必要性の話があり、竹下参考人からもありました。竹下参考人は、国の審議会の中でも何度も何度もこの通勤支援の必要性を訴えていらっしゃいます。  自力通勤可とか介助なしという募集要項がとても批判をされましたが、実際、通勤支援、介助支援がなければ働き続けることは本当にできません。買物に行くには同行支援があるのに、通勤支援がない。このことについて、やっぱりこれはもう一刻も猶予もなくやらなければ実際働くことができないと思いますが、この点について是非よろしくお願いいたします。
  22. 阿部一彦

    ○参考人(阿部一彦君) 阿部です。ありがとうございます。  通勤することというのはすごく大事なことだと思います。さて、その通勤に関してお話が出るのは、就労の場面であれば雇用主が配慮することが大事だというお話になるんですけれども、そこのところがうまくいかずに、確かに制度が調べてみるとあるんですけれども、使いづらい制度だったりします。そのことが仕事をすることの機会を狭めているということは事実でございますので、雇用施策と福祉施策の、言ってみたら、しっかりした相互の検討を行って解決を図る必要があるのではないかと考えているところです。  以上です。
  23. 竹下義樹

    参考人(竹下義樹君) ありがとうございます。  今、福島先生の御指摘は、極めて私大事な指摘だと思っております。といいますのは、障害者に介助なしでとか、それから単独通勤ができる場合というのは、もうその時点で障害に対する理解がないというふうに私は言わざるを得ないと思っております。まさに障害者を排除する考え方だと言っても言い過ぎじゃないと思っております。  そして、今回、この六条のところにこういう規定があると思うんですが、障害者福祉を考える上で、二つのことが今まで邪魔になってきたんですよね。  といいますのは、これまでも、通勤援助のことを申し上げるたびに、国の方々の答弁は、福祉の問題であるというふうに労働行政の方はおっしゃる、そして、福祉の方で申し上げると、それは労働行政の問題であるというふうに言わば答弁される。常にそういう形で、言わばセクションをまたいだ形で逃げられてきたというふうに残念ながら思っております。  今回、六条のところに障害者福祉に関する施策との有機的な連携というのがあるわけですけれども、本当にこれが今回実現することを期待したいと思っておるんです。なぜならば、民間の場合には事業主と福祉の実施者は違うわけですけれども、公務員の場合を考えればその事業主と福祉の実施者は同じわけですから、この部分を垣根なく実現できるというふうに期待しておりますので、是非速やかな実現をお願いしたいと思っております。  以上でございます。
  24. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 障害を持っている皆さんたちの意思決定の場への起用、活用というのはとても重要だと考えています。  この三十年間、失われた三十年間、物すごくもったいない。もし、国土交通省のバリアフリーセクション、厚生労働省の障害者政策をやるところ、そして文部科学省のインクルーシブ教育を担当するところに障害当事者の方がきちっと入って施策を打っていれば、この社会は変わったと思っています。  二〇〇九年、障がい者制度改革対策本部を鳩山内閣が本部長で立ち上げ、私は副本部長になり、障がい者制度改革推進会議を立ち上げました。その時点で皆さん方に、竹下参考人にも石野参考人も、皆さんたちに大変お世話になりました。事務局長に障害当事者、車椅子の弁護士の東弁護士に入ってもらったら、物すごく意見もすごく変わったんですね。やっぱり、何で女性が意思決定の場に進出しなくちゃいけないか、政策の優先順位が変わる。同じように、障害を持っている人が意思決定の場に行けば政策が変わるんですよね。それをやらなければ、というか、今回それこそそれを更にやるべきだというふうに思っております。これについて、竹下参考人、いかがでしょうか。
  25. 竹下義樹

    ○参考人(竹下義樹君) ありがとうございます。  まさにそのとおりだと思っております。といいますのは、私たちが通勤に代表されるようなバリアというもののためにその能力が発揮できないで来たと思っております。そのバリアをカバーしていただけるならば、その個々の障害者が持っている能力を職場で、その職種に応じた能力を発揮できる環境が整う、その出発点が通勤援助だと思っております。  また、その政策を考える上で、先ほど阿部会長もおっしゃいましたけれども、障害者の声を生かしていただいて政策を考えていただくと、そうした矛盾が解消できる大きな力になると思いますので、その点も是非御理解いただければと思います。
  26. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 斎藤参考人にお聞きをいたします。  今回せっかく障害者の皆さんたちを雇用しようということで試験をやったわけですが、やっぱり高校卒業程度の筆記試験がメーンなので、残念ながらまだ知的障害の皆さんたちの採用がそんなに増えておりません。このままだとなかなか知的障害者の皆さんの雇用が増えないんではないかと思いますが、その点についていかがでしょうか。
  27. 斎藤縣三

    ○参考人(斎藤縣三君) 私のいる名古屋市におきましては、知的障害者の正式な職員採用が、たった一名でしかないんですけれども、実現しております。昔、知的障害者は名古屋市で環境局などでは現業職員としてたくさん雇われていたという、かつてのそういう歴史もあります。ですから、公的機関であれども、そういう意味でしっかり知的障害者を受け止めていこうという姿勢があれば、私は十分前進できるものだと思っております。  ただ、そういう筆記試験そのものは難しいということがありまして、名古屋におきましては、別枠採用で知的障害者向けの特別な試験というのを行って、嘱託採用も含めて行っておりますので、そういう手を取られれば前へ進むと思います。
  28. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 竹下参考人にお聞きをいたします。  今回採用された公務員の皆さんたちで話をするという、とても大事だと思うんですね。各役所に、中央官庁に相談員が設けられることになります。その相談員の中に例えば障害当事者の人を入れるとかすればまた随分変わると思いますが、このような点についていかがでしょうか。
  29. 竹下義樹

    ○参考人(竹下義樹君) ありがとうございます。  今回の新しい規定の中で、障害者雇用を推進するために相談員の方々が配置されるかと思うんですけれども、そのときに是非お願いしたいことが二つあります。  そういう相談員の方々が、言わば上司の方を単純にそれに配置するとか、あるいは、一定研修を受けたから、それでその方がその相談員としてふさわしいんだという形にならないことをお願いしたいと思うんです。  と申しますのは、一つには、今、福島先生もおっしゃったように、是非とも、障害を理解した人と言えるためには、一番いいのは当事者なんです。当事者が相談できるというのは、一番、言わば不安感を取り除く上で、あるいはその人の悩みを受け止める上では重要だと思っております。その点で、その相談員のうち一名を障害当事者の方を含めていただくとか、あるいは障害者施設や障害の職場の経験のある方を是非加えていただくことをお願いしたいと思います。  以上でございます。
  30. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 雇用の問題をやっていると、やはり障害者の人たちの教育の問題、やっぱり教育の場面で何でもできるよという教育を子供たちにできればと思っています。  教育について一言、竹下参考人、アドバイスがあればお願いいたします。
  31. 竹下義樹

    ○参考人(竹下義樹君) ありがとうございます。  私たち障害者は、残念ながら、これまで学校教育の中でも就労ということを意識した教育は弱かったというふうに思っております。すなわち、障害者が本当に、自分の夢といいますか、そういうものが持てる教育をお願いしたいと思っているわけです。  子供自身が自分の将来にスキルを持った学校生活が送れると、意欲が増すだけではなくて、それに必要な環境というものも教育から出発した形で大きく変わっていくんではないかと思っております。  以上でございます。
  32. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 ありがとうございました。
  33. 川合孝典

    ○川合孝典君 国民民主党の川合孝典と申します。  五名の参考人の皆様には大変貴重なお話を頂戴しまして、ありがとうございました。  私、まず斎藤参考人にお伺いをさせていただきたいと思います。  資料の紹介の中で、公務員採用における課題についてというところが時間がなくてはしょられましたけれども、実は私、ここを非常に重く受け止めている、課題認識を持っている人間の一人でございまして、斎藤参考人の方から、簡潔に公務員採用における課題として最も重要なものは何だと捉えていらっしゃるのかを御説明をいただきたいと思います。
  34. 斎藤縣三

    ○参考人(斎藤縣三君) 五番のところに書きましたけれども、まず、受入れ側がしっかりとした意識を持っていただくということが大事だと思いますので、そのための研修と、かつまた、民間企業でもそうなんですけど、どうやったらいいか分からないということで様々な相談をずっと受けております。そういう意味で、支援機関がしっかり付いて、やっぱり障害者自身を支えていくだけではなくて、受け入れる人たちの教育も同時に進めていくということが絶対に必要だと考えております。
  35. 川合孝典

    ○川合孝典君 ありがとうございます。  重ねて斎藤参考人にお尋ねしたいと思いますが、五番目に公的機関の納付金の在り方を真剣に議論すべきという御指摘をしていらっしゃいます。  私も、公的機関には納付金の義務がないということについてはいかがなものかと実は指摘をかねてよりさせていただいている人間でございまして、この点の問題意識についてもう少し詳しくお教えください。
  36. 斎藤縣三

    ○参考人(斎藤縣三君) そもそも、公務員はちゃんと雇用がされているから納付金なんか私も要らないとずっと思っていたんですけど、これほどひどい実態があるとなれば、直ちにそんな数を全部うずめるなんというやり方は絶対に私はむしろおかしいと思いますし、時間を掛けて、丁寧に、しっかりとした、本当に働いているとみんなが実感できるような中身をつくっていくのは時間が掛かると思います。  そうしたら、その間、やはりどうしても雇用率を満たせないということになってくるわけですから、民間と同じような納付金制度というのをつくるべきであって、フランスにおいてはそれが実現されているということなんですけれども、ただ、納付金を払い続けておればいいということではなくて、できるだけ早くそれはなくなるべきだと当然思いますけれども、ただ、そのときに、国民の負担を更に増やすような形ではない納付金制度というものをいろいろ考えてつくらなきゃいけないということで、そういう意味での検討が必要だというふうに考えております。
  37. 川合孝典

    ○川合孝典君 ありがとうございました。  では、続きまして石野参考人にお伺いをしたいと思います。  先ほど、手話通訳の方が不足している、配置が十分でないということについての御指摘をいただきました。この十年間、処遇改善もなされていないと、このような御指摘でございましたが、例として参考人が挙げられましたイギリスを例に取りまして、日本とイギリスとでどの程度処遇に差が生じているのかをお教えください。
  38. 石野富志三郎

    ○参考人(石野富志三郎君)(手話通訳) 御質問今ございましたが、イギリスですけれども、イギリスの場合は、障害者に対して就労支援のアクセスという制度があります。これは、障害者が働く場合には、手話通訳、情報保障が必要であれば、その制度を活用して申請をすることができます。これは就労促進につながる考え方であると思います。そのような制度があるというふうに視察に行って分かりました。  日本の場合は、残念ながらそういった制度がありません。日本の場合は手話通訳委嘱担当制度というのがございますけれども、これは申請制になっています。これは本人の申請ではなく、企業側からの申請をするものになっています。将来は公務員も増えるだろうと思いますので、特に行政で手話通訳が必要な場合には、申請をする、そのための予算措置も必要になると思います。  例えば、人事異動があった場合、初めはその課で手話通訳を付けてもらうよう申請して、付いた。ところが、人事異動になった。新しい課に行ったらばまた改めて申請をしなければならない。やっと、二年、三年、手話通訳を付けてもらったと思ったらまた異動になると。つまり、手話通訳がないままの現状があるということです。そういった違いがあります。  以上です。
  39. 川合孝典

    ○川合孝典君 重ねて石野参考人にお伺いをしますが、時給で日本の場合一時間二千九百五十円という先ほど金額をおっしゃいました。これ、イギリスの場合には時給換算すると幾らぐらい受け取っていらっしゃるのかということは御存じでしょうか。
  40. 石野富志三郎

    ○参考人(石野富志三郎君)(手話通訳) それにつきましては、申し訳ございませんが、六年前に視察に行きましたので、今多分変わっているかと思います。今ここでは把握しておりません。申し訳ありません。
  41. 川合孝典

    ○川合孝典君 ありがとうございました。  あと、石野参考人に更に確認させていただきたいんですが、今後、今のいわゆる障害者の皆さんが更に雇用を拡大していくということになったときに、また聾唖の方の雇用を進めていこうとしたときに、手話通訳の方々、どのぐらい増員が必要なものなんでしょうか。
  42. 石野富志三郎

    ○参考人(石野富志三郎君)(手話通訳) 今のお話ですが、手話通訳者の現状ですけれども、手話通訳士という資格制度があります。試験もございます。毎年一回、手話通訳士の試験が開催されています。合格率が非常に低いです。一〇%もないという状況です。今、手話通訳士の登録者は三千人を超えておりますけれども、その数字でも足りない状況です。  しかし、全国で手話通訳統一試験というのがまたございます。これは手話研修センターが行っている試験ですが、ここで受かって初めて登録試験の合格者というふうになるわけですけれども、それが約八千人おります。  今、手話は言語という考え方が広まっておりますけれども、この養成にも時間が掛かるという現状があります。行政の方からの支援措置があれば、手話通訳者も増えていくのではないかと考えています。  以上です。
  43. 川合孝典

    ○川合孝典君 ありがとうございました。  それでは、中川参考人にお伺いをしたいと思います。  世間をいろいろと騒がせております、いわゆる就労継続支援A型事業所をめぐる、大量の障害者で雇用された方の解雇の問題が生じて非常に社会問題になっておりますけれども、こうした問題が発生することの背景には現行制度の枠組みに問題があるのではないのかと皆さん考えていらっしゃるわけでありますが、参考人の御認識として、こうした問題が起こる背景に何が一番大きな原因としてあると御認識されているのかをお伺いしたいと思います。
  44. 中川正俊

    ○参考人(中川正俊君) 中川でございます。御質問ありがとうございました。  A型事業所に関しては、福祉、基本的には福祉の枠内の就労施設なんですが、一応、形としては雇用ということで、言わばどっち付かずのような、ちょっと中途半端なような施設になっておりまして、そこは様々な学会でもちょっと議論になっております。  特に、A型の場合は雇用率を大幅にオーバーして雇用するとその調整金がもらえるということで、そういうある程度もうけを意図したような株式会社もかなり参入してきておりまして、その辺りがかなり問題かなと思います。ちゃんと福祉的な視点に立った事業所ばかりではないなというところが非常に大きな問題かなと考えております。
  45. 川合孝典

    ○川合孝典君 ありがとうございます。  かねてより、私、問題意識を、済みません、中川参考人にお伺いしたいと思いますが、いわゆる事業者に対してどう補助金や給付金を支給するのか、給付するのかということに日本制度は非常に偏っていると思っておりまして、私は、むしろ、そのことよりも、障害者の方がスキルアップをしたり社会参画をしていただく上でどう直接的に障害をお持ちの方々に対して支援を行うのかということの議論をもっと日本でも行うべきではないのかと思っております。  そのことを、時間が参りましたので、簡潔にこの辺りのところについての先生の御認識をお教えいただければと思います。
  46. 中川正俊

    ○参考人(中川正俊君) 先生のおっしゃるとおりだと思います。  もうちょっと、いわゆるステップアップであるとかいわゆるキャリアアップのために、本人のその将来的な道筋のために支援金を使うべきじゃないかなというふうに考えております。  以上です。
  47. 川合孝典

    ○川合孝典君 ありがとうございました。終わります。
  48. 宮崎勝

    ○宮崎勝君 公明党の宮崎でございます。  今日は、参考人の方々、大変にありがとうございます。  最初に、中川先生にお伺いしたいと思います。  先ほど、精神障害者の方の職場の定着率が低いということで、それに対応する対策として、医療、保健、福祉の連携というような、そういう御指摘がございました。これ具体的に、こういうふうにやってうまくいっているという事例とか、あるいは、今後これを定着させる上での課題ということについて御認識を伺いたいと思います。
  49. 中川正俊

    ○参考人(中川正俊君) 御質問ありがとうございました。  基本的には、ジョブコーチのような、いわゆる就労の専門家が職場に入る形の支援というのが一番望ましいと思います。やはり御本人もなかなか職場に伝え切れないことがあったり、あとは職場もどういう対応をしたらいいかというノウハウを持っていなかったりということがございまして、やはり専門家がそこをつなぐ役割をする。本人と企業をつなぐ、そして企業に対してアドバイスをする。  あとは、先ほど、情報共有シートという、ちょっと御紹介したんですが、いわゆる病気がありますので、病気をモニタリングしていかないと、どこかで病気が悪くなったらば幾ら仕事ができてもそこで雇用がストップしてしまうということになりますので、いかに先手回しで早め早めにいろんな対策を打っていくかということが必要になります。  そうなってくると、病気ですので、例えば医療機関との連携だとか、いわゆる保健所、保健機関との連携ですね、そういうことをちゃんとコーディネートできる方がやっぱりいらっしゃらないと難しいですね。企業からいきなり医療機関に連絡というのは難しいわけでして、そういうコーディネーター役がちゃんとしっかり入っているということが重要かなというふうに考えております。
  50. 宮崎勝

    ○宮崎勝君 次に、阿部参考人にお伺いしたいと思います。  先ほど、中高年者の障害者の方の離職が多いというふうなことも踏まえまして、職場内に相談できる方がいらっしゃる体制が必要だということでお話がございました。今回の法改正においては、公務部門におきまして職業生活に関する相談、指導を行う職業生活相談員が配置をするということになりますけれども、この職業生活相談員の方の、やっぱり何というんでしょうか、資質というんでしょうか、この役割、これが大変大事だと思うんですけれども、それについて期待をされるところをちょっとお話しいただければと思います。
  51. 阿部一彦

    ○参考人(阿部一彦君) ありがとうございます。  中高年齢層になると体力が低下してというのは、私はポリオなんですけれども、ポリオの多くの仲間の声、そしてまた脳性麻痺の方々も同じようなことをお話ししていました。  それで、そのことはとても大きいことだと思います。そのとき大事になることはやっぱり無理をしない生活をするということですので、その相談員の方に加えて、ピアサポートというか、やはり働いている人の声を基に、就労を始めた人も経験者と会話できるようなことというのもとても大事なことなのかと思います。  ただ一方、そのように申し上げながらも、障害があって働けている人は、それが義務だからしなさいというふうにも言えないんだと思いますけれども、そのような経験を大事にして、それぞれの困ったことというか、体力低下に関してどのように御自身が経験してきたかの声というのは、相談員さんの声も大事ですけれども、とても大事なことだと思います。  無理をお願いしない程度に、これまで働いている人の体験をしっかりと伝えるということが新しく就労した人の継続につながるのではないかなと思って、ピアサポートの力ということをお話しさせていただきたいと思います。  ありがとうございます。
  52. 宮崎勝

    ○宮崎勝君 次に、竹下参考人にお伺いしたいと思います。  先ほど、今般の人事院の障害者の選考試験、大変評価をされるというお話がございました。その上で、今年度も実施されるわけですけれども、これについて、こうした点に是非配慮してもらいたいという要望がございましたらお聞かせいただきたいということと、あと、恒久制度にしてもらいたいというお話もございました。私も、この間質問をさせてもらいまして、そういうことを訴えさせていただいたんですけれども、この恒久制度にする必要性について御見解を伺いたいと思います。
  53. 竹下義樹

    ○参考人(竹下義樹君) 竹下です。ありがとうございます。  今御質問いただいたことについて、私の理解する限りのことで二つお答えしたいと思います。  後の、今回の採用試験の恒久化の話から先に申し上げますと、私は、この障害者選考採用試験が言わば数字合わせのための制度だとすれば、それは何にも、物を解決する、あるいは水増し問題を本質的にクリアしたことにならないと思うんです。これが恒久化するということは、裏返しに言えば、そういう数合わせのための今回の選考採用試験ではなくて、障害者の働く機会を実現する、保障するための制度だと言えるためにこそ、この障害者選考採用試験制度が必要だと思うんです。  それと、もう一つだけ思うのは、たとえ法定雇用率を達成したとしても、それで事足りるということではないんだと思うんです。なぜならば、障害者に対する配慮という点や、あるいは障害者の現実に置かれたこれまでのその環境から見れば、一般採用試験で合格するということは極めて困難な場合があったことは誰でも分かることだと思うんです。その中で、今回合格した方を見ても分かるように、非常にスキルの高い方がたくさん公務員に就くことになったわけです。そういう意味では、そうした働く機会を拡大するという意味からも、この今回から実施されるようになった選考採用試験というものが障害者にとって非常に大きな期待というのか、希望の言わば一つの形ができてきたことも是非御理解いただきたいと思っております。  それから、もう一点の問題でありますが、今回、合格した人たちと私たちは接触する中で、非常に、その人たちが感じていることの中で、私自身もそうだと思ったんですけれども、自分が今回採用される中で、自分の悩みというものを聞いていただくとしても、そのことを受け止めてくれる人たちに話をするとしても、自分自身がどういうお願いをしたらいいかということが分からない場面がたくさんあるんだそうです。そのときに、その自分がお願いしたいことを理解してもらうためには、その自分の立場だけではなくて、障害というものを理解した人たちが加わっていただくことを強く望んでいるということを感じたことも併せてお願いしたいと思っております。  そうそう、ごめんなさい、落としました。  今年、実は、新たに実施される採用試験については、この二月に実施された試験の問題点について人事院の方と話し合う機会を持たせていただくことができました。そして、更に採用試験でこれまで以上に視覚障害に対する配慮がいただけるようになったというふうに思っております。  例えば、点字と拡大文字、さらには音声パソコンというものの組合せがスムーズにできるようになるとか、あるいは申し込む際においても、墨字と我々言いますけれども、普通の文字で申し込めない方についてはパソコンで受験申込みできるようになったとか、そういう形での試験段階での合理的配慮が大きく前進したと思っております。  そういうことを、今後も具体的な困難が出てくるたびにそうした問題点を克服することも是非お願いしておきたいと思います。  以上でございます。
  54. 宮崎勝

    ○宮崎勝君 ちょっともう最後に、時間がありませんけれども、石野参考人に一言。  今回、中小事業主、優良な障害者雇用に取り組まれている地域中小事業主の方を認定する制度ができますけれども、これによって中小企業における障害者採用が広がるかどうか、御認識を伺いたいと思います。簡単にお願いします。
  55. 石野富志三郎

    ○参考人(石野富志三郎君)(手話通訳) 石野です。  聴覚障害者といっても、教育をきちんと受けている人もいれば十分に教育を受けていない方もいらっしゃいます。大学のような高等教育機関を受けている方であれば職域は高いものが広がると思いますけれども、聾学校卒業で自分に合った中小企業を選ぶという方もいらっしゃると思いますし、小さな会社であれば入ってから自分の能力を生かせるという場合もあると思います。  ただ、中小企業の場合、経営面では障害者に対して配慮が十分にできるかどうかということもあるかと思います。また、聴覚障害者の家族、障害者に対して、余り要望するのは、会社に対しては余り要望することは良くないというふうに考える方もいらっしゃるかもしれません。ですので、障害者本人も迷いながら会社に入る。中小企業の場合、やはり聴覚障害者の特性を理解するために、もっと研修などをしていただきたいというふうに思っております。  以上です。
  56. 宮崎勝

    ○宮崎勝君 終わります。
  57. 東徹

    ○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。  まず、斎藤参考人に二点ぐらいちょっとお伺いしたいなというふうに思っております。  一九六〇年代の学生時代から障害者収容施設、当初、収容施設という名前だったというのもちょっと驚いているんですけれども、ボランティア活動に参加されてきたというふうなことで、このまとめていただいているのを読ませていただく中で是非活動のことを知りたいなと思いまして、一点は、ハローワークからでは簡単に就職できない障害のある人を企業の中で働けるように企業と一緒になって努力してきたというふうなことが書かれてあります。どういった活動をやってこられたのか、是非知りたいなというふうに思っておりまして、お教えいただければと思います。
  58. 斎藤縣三

    ○参考人(斎藤縣三君) そこで語っていることは、先ほども少し言いました、一般企業の中で障害者を雇ったことがないという企業は非常にたくさんあるわけでありまして、そういう人たちが自分から絶対障害者を雇いたいという求人は出してこないような規模のより小さい企業になってきたときに、でも、そういうところにこそむしろ働き口はいっぱいあるのであって、そこに対して逆にこちらが、こういう方がいますということを実際本人を連れていって紹介します。そして、実習をしてもらって、ああ、こういう方ならいいんじゃないかというふうに思っていただいたら採用していただくということで、でも、採用してから、どうしたらいいんだという絶えず不安を持っておられますので、もうずっとその後フォローをして、何かトラブルが起きたときには必ず率先してそこに行って、問題を一緒になって考えて解決していくということで、中小企業において経験のない方が、ああ、障害者を雇って良かったと、職場も良くなったというふうに言ってもらえることが一番いいことだというふうに思っていますので、本当にもう今までどれぐらいの会社にそういう形で送り込んだか分からないぐらいたくさんの会社が、そんな形で雇ったことがないことから雇うという経験をしていただいたんで、そういうずっと積み重ねです。
  59. 東徹

    ○東徹君 ありがとうございます。  ハローワークからではなかなか簡単に就職できないということがあるんですけれども、やっぱりハローワークではそういったきめ細かいフォローとか、やっぱりそういったことがなかなかできないという思いもあるんでしょうか。
  60. 斎藤縣三

    ○参考人(斎藤縣三君) そうですね、結局、ハローワークでは紹介状を出すだけですので、障害者を求人したいと思っていないところにハローワークが障害者の求人を紹介しても、もう全然それはまとまらないんですよね。ですから、そこでやっぱり私たちのような機関がきめ細やかな支援をすることで、ハローワークではできない就労支援がしっかりできていると思っています。
  61. 東徹

    ○東徹君 ありがとうございます。  あともう一点、無添加パンわっぱんという、これ、障害のない人も一緒に今百二十名の障害のある人が働いて、約六十名が生活する場、生活する場ということは寝泊まりもされているような、そういうあれなのかなというふうに、想像なんですけれども。  私も大阪府議会議員時代に、大阪府庁には知的障害者の方々がパンを焼いてくれていまして、そのパンの販売コーナーがあって、よく売れていたという思いありまして、だからちょっとそんなのも思い出したんですけれども。  こういった活動、広まっていったらいいなと思うんですが、この点についてもう少し詳しく教えていただければと思います。
  62. 斎藤縣三

    ○参考人(斎藤縣三君) パンをやろうと思ったのは、要は、障害のある人が自分たちで事業所をつくるとなったときに、いつも企業の下請といったことしかやれないというのが昔も今も大きくは変わっていないと思うんです。  そういうときに、やはり障害ある人たちが自分たちで物を作り出して自分たちで売るという行為を通じて、市民の協力を得ながら事業として成り立たせ、ちゃんとした収入を得るというそのためには、手作り食品の分野で障害者が手作業で参加できる分野が望ましいと思ってパンに思い至ったということなんで、私どもが事業を始めて、私たちだけで広げたわけではないんですけれども、もう今や全国至るところにパン屋さんやお菓子屋さんができているわけでありまして、もう定番のような仕事に今はなっています。  でも、私たちはずっと、そこで安全性ということにこだわったパンを作ることで、一般の企業とは違う、障害者が働くということと食の安全とを結び付けた事業展開をしております。最近は、私たちが行っている農業の中から自ら無農薬の小麦を作って、その小麦でパンを焼くというような形で、より質の高い商品づくりを心掛けておりますので、やはり一般企業に負けないような独自の事業展開といったものを絶えず心掛けて取り組んでおります。
  63. 東徹

    ○東徹君 ありがとうございます。  竹下参考人にお聞きしたいと思います。  竹下参考人の方から、除外率のことが、お話がありました。除外率をなくしていくべきだと。一応、厚生労働省の方向性としても除外率はなくす方向だというふうに思うんですけれども。  ただ、これはどこまでなくせるのかなというのはちょっと私思っておるところでありまして、例えば、除外率の高い、医療機関であったりとかそれから林業であったりとか、そういったところは除外率が高かったりするんですけれども、本当にこれなくすことができるのかなというふうに思ったりするわけですが、この点について、竹下参考人、どのように思っておられるか、お聞きしたいと思います。
  64. 竹下義樹

    ○参考人(竹下義樹君) ありがとうございます。  今先生おっしゃるとおりで、除外率制度は縮小していこうということが方針としては決まっているわけですが、残念ながら、この十年ほどでしょうか、ほとんど動いておりません。それには僕は理由があると思っております。  それは、その除外率制度を見直すときに、単に数字だけを小さくしていくということに目がとらわれていたんではしんどいと思うんです。なぜ除外率制度が設けられたのか、そして、除外率制度をなくしていくときに弊害となっているのはどこにあるのか。例えば、今先生がおっしゃった医療機関であったり運輸機関であったりするわけですけれども、そういうところに障害者が働くことを妨げているものは何なのかということから考えていただきたいと思うわけです。  それを考えることによって、障害者の持つ能力を引き出すことの発想が生まれ、そして、その特定の職種における業務内容をどうすれば、障害の種類によって違うにせよ、その職種をこなすことができるかということをみんなで考えるという、そういう場が設けられることによって言わば変わっていくのではないかと思うわけです。その努力をすることこそが、除外率制度の見直しを通じて全体の職場環境の改善にもつながると思っているわけでございます。
  65. 東徹

    ○東徹君 ありがとうございます。  もう一点、その除外率のことでお聞きしたいんですが、これ、産業別によって除外率が変わるわけですけれども、ただ、産業によっても大企業と中小企業とではかなり大きな差があるのではないかと思うんですが、この点について、私は大企業と中小企業とちょっと差を付けるとか、そういったことも考えた方がいいのではないかなと思ったりもしているんですけれども、この点はいかがでしょうか。
  66. 竹下義樹

    ○参考人(竹下義樹君) ありがとうございます。  今先生の御指摘のとおりだと思うんです。  そのことで、時間がありませんので二つだけ絞って申し上げれば、先生のおっしゃるとおりで、大企業の場合には、同じ例えば医療機関といえども、同じ運輸機関といえども、その企業における職種は多様だと思うことから考えると、様々なそこでの工夫があるかと思うんです。  と同時に、中小企業も含めて、その援助、援助というのはその企業に対する、事業所に対する支援というものを併せて考えないと、この除外率制度の見直しは進まないんではないかと思っております。すなわち、例えば、今現在存在するような雇用納付金制度を使ったような支援を含めて、どういう援助を外部から提供することによって中小企業においてもそうした特定の職種における障害者の雇用を実現できるかということを考えていただくことが必要ではないかと思っております。
  67. 東徹

    ○東徹君 時間となってしまいましたので、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。
  68. 倉林明子

    ○倉林明子君 日本共産党の倉林明子でございます。  今日は、参考人の皆さんから貴重な御意見いただきまして、本当にありがとうございます。  そして、今日は、皆さん、障害の当事者であられたり、そして当事者団体ということで、実態もよく御存じの皆さんに来ていただいたということに感謝したいと思います。  その上で、今回の法改正は、既にお話もあったとおり、昨年発覚いたしました障害者雇用率水増しと、先ほど斎藤参考人からは政府による雇用率の一大偽装と、本当にそのとおりだというふうに思っておりまして、改めてこの問題の全容解明というものがされたというふうに思えていないんです、私のところでも。  そこで、全容解明されたというふうに受け止めておられるのか、改めてその障害当事者が参加した上での検証のやり直しというのが必要だというふうに思っておりまして、五人の皆さんからそれぞれに思いをお聞かせいただければと思います。
  69. 中川正俊

    ○参考人(中川正俊君) 中川でございます。御質問ありがとうございました。  調査において、やはり時間的な制約もございまして、あとは当事者にやはりちゃんと意見を聞かなかったというのが私も十分問題かなと思います。  それから、恣意的であったが意図的ではなかったということですね、要するに、意図的でなかったとは報告書にはやっぱり表現されていませんで、意図的とはやっぱり証明できなかったわけですね。これは人の心の中の問題ですので、例えば、あなた意図的に、ルール違反を意図していましたかと聞かれて、していましたと言う方は、これはいらっしゃらないわけでして、そういう意味では人の中の問題ということで、やはり詰め切れなかったところがあろうかなと思います。  やはり私の印象としてはかなり黒に近いグレーという印象がありまして、先生御指摘のとおりに、やはり当事者からちゃんと聞き取りをすべきだなと私も考えております。  以上です。
  70. 阿部一彦

    ○参考人(阿部一彦君) ありがとうございます。  私も、原因の究明というか、詳細についてはもっともっと深く、深める必要があると思いまして、その中に、当事者の視点とおっしゃっていただきましたけれども、私たちの様々な体験、障害があっての体験を踏まえた検討というのはすごく大きいことだと思います。  そのことによって、例えば、これは私たちが思っていることですけれども、障害者手帳に対する偏見というのがあるのかどうか、もしかして手帳を持っていることが昇進とかの妨げになっているというような思い込みなどがあるかもしれないのではないかなども含めて、私たちの体験から考えるところも多うございますので、そのような視点からの原因のといいますか要因の解明というのは、まだまだ済んではいないことだと思います。  そのことによってこれからのより良い就労につながることありますので、しっかりと検討すべきではないかと思っていることを申し上げます。  ありがとうございます。
  71. 竹下義樹

    ○参考人(竹下義樹君) ありがとうございます。  この検証を進めた先生方は努力されたと思うんですけれども、私は、申し訳ないけれども、この報告書を見ていて非常に残念であり、不満足な思いをしております。  それは幾つもあるわけですが、一つには、その人たち自身が障害者雇用の理解があった方がなったんだろうかというふうに、非常に失礼かもしれませんが、思っております。なぜならば、今回の水増し問題の内容を見ておりますと、障害というものを理解した上で問題点を整理したんだろうかと思わざるを得ないからであります。その点で、障害雇用、あるいは障害者というものの理解を十分にしていただいた上で検証すべきではなかったか。  二番目には、今回の検証を通じて十分なものでなかったことが、今後に僕は汚点を残してはならないと思うわけです。すなわち、検証が十分であればあるほど問題点が今後の改善につながるわけですから、この検証の作業で終わったということに絶対しないでいただきたいというのが二点目でございます。  三点目には、今回、この検証を通じて分かったことも、あるいは見えなかった部分はあるかもしれませんが、この現に起こった水増し問題というのは、私は障害者に対する無理解、又は役所自身が障害者と共に働くという意識を持っていなかったことが最大の原因だと思っているわけです。その点をも含めた今後の、意識の問題をも掘り下げた形での検証をしていただくことをお願いしたいと思っております。
  72. 石野富志三郎

    ○参考人(石野富志三郎君)(手話通訳) 先ほど意見を述べましたが、少し時間がありませんでしたので、先ほどの手紙を少し御紹介させていただきたいと思います。  国家公務員になった聞こえない方です。頑張って働いて係長まで昇進をしたけれども、残念ながら係長から降格をしてしまったという話はいたしました。この御本人が言うには、コミュニケーションの手段が確立できないまま、聴覚障害者の特性を理解した上で評価をしてもらえなかったということです。ですので、二度と自分のような事例を起こしてほしくないというふうにもおっしゃっています。国家公務員でも働きやすい環境づくりというのが最優先に考えられるべきだと思っております。  もう一つ、昨年障害者の公募がありましたけれども、御説明に来られて、試験申込みのときにヒアリングがありまして、合理的配慮は何が必要かというふうに書くものだと思います。当然手話通訳、要約筆記が必要というふうに書こうと思っても、残念ながらその項目がありませんでした。  もっと不思議なのが、補聴器のメーカーを書くようになっていました。なぜ補聴器のメーカーまで書かなければいけないのかというふうに担当官に聞いても、それは回答がありませんでした。補聴器のメーカーといっても、例えば眼鏡のメーカーを書くでしょうか。わざわざ補聴器のメーカーまでなぜ書かなければいけないのか、理解ができないままそのときはもう話が終わってしまいました。このようなことがないように考えていただきたいと思います。  衆議院の附帯決議を読みました。確かに、視覚障害、聴覚障害と細かく書いてあります。それはもっともだと思います。特に言いたいことは、情報アクセシビリティーの面をもっと検討していただきたい。  以上です。
  73. 斎藤縣三

    ○参考人(斎藤縣三君) 先ほど十分には語れなかったんですけど、私は、もう全容解明どころか、全く一分たりとも解明されていないというふうに認識しております。  というのは、要するに、この雇用の偽装というのは全て身体障害者を対象に行われているわけですね。誰が身体障害者なのかというのは身体障害者等級表ということで明確に規定されているわけであって、これを頭のいい公務員の方々が分からなかったなんということはあり得ないわけでありまして、ですから、そういうカウントを間違えたとか認識不足だったとかガイドラインを理解していなかったというのは、これはもう本当に言い訳だけなんですね。  だから、何でこんな事態が起きたかということが最大の問題なわけでありまして、竹下参考人も申し上げたように、要するに、政府機関の方々が障害者をしっかり受け止めて雇おうという気持ちが、一緒に仲間として迎え入れようという気持ちが全く欠落していたということが私は最大の問題だと思っております。  そういう意味で、今日申し上げた法制定時の職業安定局長のお気持ちが全く継承されていない、共有されていない、そういうことに尽きるんではないかというふうに思いますので、本当に一から、公務員の方々が障害者を受け入れるということはどういうことなのかと研修していただきたい。  ここで今日言わなかったことで、例えば名古屋国税局は障害者を、精神障害の方を雇われたわけで、その方は私どもが支援している方だったわけですけれども、その人たちはやっぱり非常に不安を持っていますので是非支援を継続してほしいというふうにこちらは頼まれたんですけれども、国税局の方にそれを申し上げたら、もう支援は結構ですというふうに、こう言われちゃうわけですね。別にお金が欲しいと言っているわけじゃなくて、無償でこちらが支援しますと言っても、結構ですというふうに断られるわけで、結局、外部の人を職場の中に入れたくないというみたいな気持ちが強いのかなというふうになって、それでは本当にいい障害者雇用というのは進まないと思いますので、本当になぜこういうことが起きたかというところを徹底的に解明していただきたい。  そのためには、竹下参考人も言われたように、障害者が参加してきちっとした検証委員会をつくるべきであって、前の検証委員会というのは本当に司法関係の人が中心になってやっているわけで、その人たちがどこまで障害者のことを理解しているのかというと、とても私は疑わしいというふうに思っております。
  74. 倉林明子

    ○倉林明子君 時間になりましたので、皆さんの発言をしっかり重く受け止めて審議に臨みたいと思います。  ありがとうございました。
  75. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。よろしくお願いいたします。  まず、三人の方にお伺いさせていただきたいと思います、中川参考人、阿部参考人、竹下参考人。  私は、大変心配なことがございます。実は、いろいろなこういった問題が起こってくるたびに、障害をお持ちの方というのがどうしても劣っているという発想でしか物事が進んでいかないということです。お三人の方が様々審議会などでも御参画いただいておりますけれども、まずそういう発想を私はやめていただきたい。  例えば、視覚障害をお持ちの方の記憶力というのは物すごく、もう私には及ばないほど、六法全書全部頭の中に皆さん入りながらも、かつ様々なことを一遍に思考していただけるような、そういった能力をお持ちですし、聴覚に障害をお持ちの方なんかはまさに見る力も強うございますし、精神障害になられた方は感性がすごく豊かでいらっしゃったり、様々その長所を生かしてどうやって次に雇用を生み出していったり、その長所をいかに伸ばしていくのかという発想から私は始めていただきたいと思っているんですけど、お三人の皆様方、例えば審議会の中ではそういう発想が進んでいるのか、若しくは、もう少しこういうふうに何か変えるべきではないかと思われるところございましたら教えていただけますでしょうか。
  76. 中川正俊

    ○参考人(中川正俊君) 中川でございます。御質問ありがとうございました。  どうしてもやはり障害を持っていると劣っているという感覚がありまして、その人のために様々、できる仕事だけを与えるとか、合理的配慮をしなきゃならない。その点、それはそのとおりだと思うんですが、いわゆるアビリティーですよね、ワークアビリティーという考え方も必要だと思うんですね。本人がいろいろ持っている長所といいますか、ストレングスをやっぱりちゃんと生かすということがとても理念として大変大切だと思います。  先ほど公的部門のところも出てきておりましたけど、四千人雇用して、その人たちに、どんな仕事しかできないかという発想ではなくて、その方の長所でどんな仕事にむしろ就いていただきたいかという発想がやはり大事でして、それは、障害者の施策に関してはやはり当事者として一番よく分かっているということもありますし、あと、発達の方はやっぱり発達凸凹がありますので、非常に優れて、我々はとても及ばないところもあるわけです。そういうところをむしろ生かすような職場を考えるということが重要かなというふうに考えております。  以上です。
  77. 阿部一彦

    ○参考人(阿部一彦君) 御質問ありがとうございます。  私たちは、障害があってもなくてもこれは同じなんだけれども、その障害によっては困ること、不便なことがある。その困ること、不便なことが解決できれば力を発揮できると思っているところです。  それで、先生の御指摘のように、例えばなんですけど、障害理解ということでいろんな方々の理解を進めることで、違いを大きく出して理解をしていただくと、全然違う人だなと子供たちは思ったりします。ですから、私たちが考えることは、先生がおっしゃったように、持っている力は最初は同じなんです。ただ、困ることがあるんです。その困ることをどう、言ってみればお手伝いするかみたいなことで子供たちの理解を進める、このことは就労の場でも同じだと思います。  ただし、障害がありますと、体験不足というのも否めないことです。一つ一つのステップを大事にしていただきながら、仕事をしながら、力が発揮できていくんですということの理解もしていただければ、十分な力が発揮できるんではないかなと思います。  また、そうは言いながらも、一人一人はその個性があります。その一人一人に合った仕事ということを可能にするためには、繰り返しになりますけど、困っていること、不便なことを解消して、同じスタートラインに立つということの重要性ということを常に思っていることを申し上げたいと思います。  ありがとうございます。
  78. 竹下義樹

    ○参考人(竹下義樹君) ありがとうございます。  私は、視覚障害にあえて絞って説明してみたいと思うんですけれども、当たり前のことですけれども、百聞は一見にしかずと言われるくらいで、情報の八割以上が目から、視覚から入ってくるわけですから、視覚障害者が極めて困難な、仕事であれ日常生活であれ、状況に置かれることは誰でも理解できるわけです。  問題は、二つあると思うんです。  そうした障害に対応した支援、すなわち、我々でいったら点字であったり音声パソコンであったり拡大文字であったりするわけですけれども、そうした支援というものをどこまで充実させるかということが必要かと思っております。  もう一つは、じゃ、その支援によって一〇〇%目の見える状態と同じかといったら、それは僕は、建前はともかく、それは違うと思うんです。たとえそうした支援を行ったからといって、ハンディがなくなるわけではないと思うんです。そうしたときに大事なのは、それぞれの障害者が持っている能力を引き出すということにおいて大事なことは、視覚障害であっても、その障害によるハンディは当然前提とするにしても、個々の能力というものが人間一人一人違うと思うんです。その一人一人持っている能力を引き出すことにおいて我々は働くということに価値があるというふうに考えるべきであって、そのことを御理解いただけるならば、劣っているとかいうことではなくて、一人一人の個性と能力を引き出すことが働く場でも教育の場でも必要だということを御理解いただければ、その劣っている劣っていないという区別のない環境づくり、職場づくりをしていただけるのではないかと思っております。よろしくお願いします。
  79. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  それが合理的配慮だと私は思うんですけど、なかなかそれがどうしてこういうふうに理解が進んでいかないんだろうと思って不思議でならないんです。ですから、やはり審議会のような場におきましても、今の参考人の皆様方の御意見というのは、是非、私としてはそれらが前提として話合いを進めていっていただきたいと思っております。  また、石野参考人にお願いをいたします。  先ほどございました、情報アクセシビリティーの検討が必要だと。もう少し中身について御説明いただきたいんですけれども、お願いできますか。
  80. 石野富志三郎

    ○参考人(石野富志三郎君)(手話通訳) 今御質問をいただきましたこと、大変うれしく思います。  今、内閣府障害者政策委員会でも審議がされています。今後、情報アクセシビリティーの面はとても重要な課題になっているというふうに受け止めて、検討課題になっていると思います。  しかし、労働面というふうになりますと、なかなか進んでいない現状があります。なぜかといいますと、まずこの分析が必要ではないかと思います。視覚障害の場合どうなのか、精神障害の場合どうなのか、聴覚障害の場合はどうなのか。そのアクセシビリティーということについて、残念ながら社会にまだ広がっていない現状があり、前に比べて徐々には広がってはおりますが、まだまだという現状です。情報アクセシビリティーについての検討のためにそういう場も必要だと思いますので、提案をいたしました。  以上です。
  81. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  今、遠隔手話通訳のシステムというものも更に私は普及していかなければならないと思うんですけれども、参考人の御意見いただけますでしょうか。
  82. 石野富志三郎

    ○参考人(石野富志三郎君)(手話通訳) 今お話のありました遠隔手話サービスですけれども、メリット、デメリット、双方あると思います。  デメリットとしましては、遠隔手話サービスの利用は確かにいい面はあるのですけれども、例えば悩み、相談をしたいという場合には、やはり相談員が活用できないということにもなります。その辺り、うまく制度を使い分けていくという必要もあるのではないかと考えています。  以上です。
  83. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。  次に、斎藤参考人にお伺いさせていただきます。  私、実はわっぱんの大ファンでございまして、いつもイーブルなごやの前のお兄さんにはお世話になっております。大変売り方がうまいんですね。これが欲しいと言って、もう本当にかわいいんです、パンダのだったり亀のだったり、そういうものがたくさん置いてありまして、これが欲しいと言ったら、これも必要だよねと言って袋の中に入れられちゃって。でも、ああ、これも必要だよねって、おいしいよ、おいしいよと。すごくいつも笑顔で、私が行くと覚えていてくださって、何か元気ないねとか、声掛けてくださるんですよ。普通だったら、ああ、見て見ぬふりするんだけれども、ああ、このお兄ちゃんだから、いつもすごく優しくしてくれるなと思って、私も頼りにしているんですけど。  私も、それを見ながら悩みがございます。どうしても、障害者が作ったもの、障害者が売るものというのは何であんなに安いんですかというところです。もっと私は付加価値を付けて売るべきだと思うんですけど、もう、わっぱんを私は食べながら、こんな値段でもったいないと思うぐらいの値段なんですね。  ですから、私は、斎藤参考人が、これからもどんどんそういった活動を続けていかれると思いますので、その辺り、もう少し御意見いただきたいと思います。
  84. 斎藤縣三

    ○参考人(斎藤縣三君) いつも御利用ありがとうございます。うちのエース販売人の人が多分売っているんだと思いますけれども。  おっしゃるとおり、すごくよく分かりまして、一般的に、障害者事業所はやはり経費を考えずに価格を付けてしまうということで一般に安いということですけれども、うちの場合は、やはりそういう無添加というこだわりがありますので、それなりに高い値段を付けたつもりであったんですけど、時代がどんどんどんどん物価が上がって高くなっているにもかかわらず、そういう値段の改定がされていないものですから、何かしらん、いつの間にかちょっと世間より低くなっているような気もしておりまして、わっぱんというブランドをやっぱりワンランクアップするためには、値段の改定も含めてもっと違うイメージを社会に訴えていく、そういう営業努力をしっかりやらなきゃいけないということで、御指摘大変ありがとうございます。
  85. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 終わります。今日はどうもありがとうございました。
  86. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人の方々には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。(拍手)  午後一時に再開することとし、休憩いたします。    正午休憩      ─────・─────    午後一時五分開会
  87. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。  この際、申し上げます。  立憲民主党・民友会・希望の会及び国民民主党・新緑風会所属の委員の出席を要請いたしましたが、出席を得ることができません。再度出席を要請いたしますので、しばらくお待ちください。  速記を止めてください。    〔午後一時五分速記中止〕    〔午後一時十六分速記開始〕
  88. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) 速記を起こしてください。  立憲民主党・民友会・希望の会及び国民民主党新緑風会所属の委員に対し再度出席を要請いたしましたが、出席を得ることができませんでしたので、やむを得ず議事を進めます。  政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  障害者雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省職業安定局長土屋喜久君外十八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  89. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  90. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) 休憩前に引き続き、障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  91. 東徹

    ○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。  今日は、こういう質疑の順番じゃなかったので、いきなり午後からトップバッターで質疑ということになりましたけれども、国民民主党さん、そしてまた立憲民主党さんが出席されていないというのは非常に残念だというふうに思っておりますし、こういったことのないようにきちっとやっぱり筆頭間で話をしていただいて、そして、運営の在り方についてやっぱり各党でしっかりと、議運とか国対とかでもってきちっとこれ情報共有をしていっておかないと、僕も議運に出ていますけど、何かちょっとおかしいなというふうに思っていますので、一言付け加えさせていただきたいというふうに思います。  それでは、ちょっと欠席者が多い中で質疑するのも非常に残念ではありますが、質問をさせていただきます。  ちょっと一つ飛ばさせていただいて、まず認定制度についてお伺いをさせていただきたいと思います。  これ、先日の五月二十九日の本会議で私質問させていただきました、大臣に。今回の認定制度、今までも、認定制度、本当にこれ成果があるのかなというふうに思っている中で、くるみんとかえるぼしとかありました。今回の障害者雇用でも認定制度をつくるというふうなことです。この認定制度が本当にこれまた効果が出るのかなというふうに思うわけですよ。  先日、実際に障害者で働きたいと思っている人どれぐらいですかと聞きましたけれども、どれぐらいかはちょっと分からないと。ただ、ハローワークでは二十万人の人たちが雇用を希望されていて、十万人ぐらいしかそれが就職に至っていない、雇用に至っていないということで、十万人ぐらいが働きたいけれども働けていないという状況が全国的にはあるのかなというふうには思っています。もっとそれ以上にはたくさんおるんだろうというふうにもちろん思うわけでありますけれども。  今回の認定制度は、御承知のとおり、従業員三百人以下の企業に認定制度をつくるということなんです。じゃ、認定制度、いつまでにどれぐらいの目標でやるんですかと聞いたら、二年間で二百社というお答えがあったんです。三百人以下で二百社、じゃ、二年間で何人雇用が進むのかなと、こう思うわけですよ。じゃ、それだったら余り認定制度の意味ないんじゃないのかなと思うわけです。  まずお聞きしたいのは、なぜ目標数として二年間で二百社というふうにしたのか、この理由についてお伺いをしたいと思います。
  92. 土屋喜久

    ○政府参考人(土屋喜久君) お答え申し上げます。  本法案によりまして新たに設けることを予定させていただいている認定制度では、今お話ございましたように、制度開始後二年間で認定を受けた事業主の数が二百となるように、これを目指していくこととしております。  これは、他の類似の制度の実績を参考にいたしました。同じように中小企業を対象としたユースエールの制度でございますが、この実績を参考に同等の目標としたものでございまして、私どもとしては、本法案の成立後にこの制度を広く周知をし、またこの認定を受けた企業の取組も広く紹介をさせていただくことによって、中小企業における障害者雇用の進展に対する社会的な関心を喚起し、経営者の皆さんの御理解を促していきたいと考えております。
  93. 東徹

    ○東徹君 二年間で二百社という根拠がいまいちこれ分かりにくいわけなんですけれども、新しく認定制度ができて二年間で二百社といったら少ないと思うし、これによっての効果って薄いんじゃないかなと思うわけですよね。中小企業だと、三百人以下ですから恐らく百人の会社も対象になってくるんだろうと思うんですけど、そうですよね。そうなってくると、障害者の雇用というのはなかなかこれ数としては少ないなと思うわけですけれども、雇用数の増加という意味では効果が薄いというふうに思うわけですね。  この認定制度でどの程度障害者雇用を増やしていけるというふうに考えているのか、その点についてお伺いしたいと思います。
  94. 土屋喜久

    ○政府参考人(土屋喜久君) 今御指摘がございましたような、認定制度によって障害者雇用が直接増える状況というのは、これは、例えば認定を受ける企業そのものですと、御指摘のとおり、個々では中小企業でございますのでそう大きな数になるということはないかもしれませんけれども、先ほど申し上げましたように、制度を広く周知し、またこの認定された企業の取組を広く紹介をしていくということを通じて、中小企業の皆さんの社会的な関心、あるいは経営者の皆さんの御理解といったようなことを促していくという観点で、広く雇用に結び付いていくのではないかなと思っております。  ちょっと具体的な数についてお答えはしにくい状況でございますが、今申し上げたような点から、中小企業の皆さんの取組をしっかり起こしていきたいというふうに考えております。
  95. 東徹

    ○東徹君 えるぼしの方でも指摘させてもらいましたけれども、全体で八百五十社ぐらいでしたかね、たしかそれぐらいだったと思うんです。実際、そのえるぼしを受けたとしても、いろいろと優遇策はあるというけれども、活用している会社というのは余りなかったということを指摘させていただきました。例えば保証制度、融資だとか、それからまた入札とか、そういったところで、余りそういったところに、じゃ、多いのかといったらそうでもないという結果だったというふうに思っています。  だから、本当に認定制度、何か厚生労働省って認定制度好きなんだなという何か印象なんですよね。くるみんとかえるぼしとか、またプレミアムえるぼしか何か知りませんけれども……(発言する者あり)あっ、プラチナか、済みません。  今回も、認定制度で本当にぶわっと増えていくんだったら僕いいと思うんです、増えていくんだったら。どこもかしこも、いや、あの会社が認定制度受けているんだったらうちの会社も取らなきゃというふうになってくれたらいいと思うんですけれども、今までのやっていることを見ていてそうなっていないから、また今回もそうなるんじゃないのかなと、こう思うわけです。  えるぼし認定も、先ほども言いましたけれども、八百三十八社で、東証一部上場企業の数よりもはるかに少ない数なわけですし、このような認定を受けたいと企業が思うようなインセンティブがなければなかなか認定の取得にはつながらないと思いますけれども、この新しい認定制度でどのようなインセンティブ考えているのか、お伺いしたいと思います。
  96. 土屋喜久

    ○政府参考人(土屋喜久君) 今回の制度では、この認定を受ける中小企業のメリットといたしましては、例えば一つは、認定マークを決めますので、このマークを自社の商品や広告などに使っていただくというようなこと、そしてまた、認定マークの使用を通じてダイバーシティーだとか働き方改革に対する取組を広報をしていただくというようなこと、それを通じまして障害のない方も含んで採用や人材確保の円滑化に資するということ、また好事例の相互参照などにもつながっていくというようなこと、こういったことが認定企業のメリットとして考えられるというふうに思っております。  またあわせて、政策面でどういったメリットを施していくかということについては、また引き続き関係各省とも調整をし、検討を進めてまいりたいというふうに考えております。  いずれにいたしましても、私の知っている範囲でも中小企業におきまして先進的なお取組をいただいている企業は多数ございますので、そういった企業にこの認定にも申請をいただいて、そういう企業の取組を世の中に紹介をしていく、そういった形で広がっていければと思いますので、先ほど申し上げた目標の二百というのは、手堅い数字としてそれを目標に掲げて、なお一層の努力をしていきたいというふうに考えております。
  97. 東徹

    ○東徹君 決して悪いというわけではないんですけれども、厚生労働省さんが言っている割には、やっている割には余り効果が薄いなということは指摘をさせていただきたいというふうに思います、これまでの事例から考えてもですね。そう今局長がおっしゃったとおり実際社会ではなかなか進んでいかないのが現実なんじゃないのかなというふうに思っています。しっかりと制度の仕組みをやっぱり考えて、この周知というもの非常に難しいですから、周知というのも。何か本当にやり方を考えていかないと、工夫していかないと、またこれ余り人気のない、ただやっているだけみたいにならないように是非していただきたいと思います。  続きまして、ちょっと時間がすぐなくなってしまいますので、もう一つ順番を変えさせていただいて、地方との連携、地方との関係についてお伺いしたいと思うんですけれども、地方自治体でも障害者雇用が進むように独自に様々な施策を行っています。実際にどのようなことが行われているのか、まずお伺いしたいと思います。
  98. 土屋喜久

    ○政府参考人(土屋喜久君) 地方自治体が行っている取組について私どもとしてなかなか網羅的に把握はできていないんですけれども、承知をしている範囲で、例えば、まず障害者の職業訓練につきまして、職業能力開発校を自治体として設置をしていただいたり運営をしていただいているというような取組、それから、特別支援学校において早い時期からのキャリア教育の充実を図っておられる例、そしてまた、雇用そのものの場面では、継続雇用のための自治体独自の助成金制度を実施をしていただいている例、それから、社会福祉協議会にジョブコーチを配置をして、管内の企業に雇用されている障害者の方の職場定着などの支援を行っている例、また、広く広報というような意味で企業向けの雇用促進のガイドブックを作成して、配布、周知をしているといったような例が自治体のお取組として私どもとしても承知をしているところでございます。
  99. 東徹

    ○東徹君 自治体でもこれ、私も大阪府議会にいましたから、やっぱり大阪府庁でも障害者雇用施策で頑張っていますよ。やっぱりよく、委員会でも障害者雇用とか本会議でも障害者雇用とか、これだけ充実してきましたとか雇用率がこれだけ上がってきましたとか、やっぱりこれかなり自治体も責任を持ってやっています。  ハローワークでも障害者雇用が進むような取組を積極的に行っていると思いますけれども、地方自治体との連携、どのように行われているのか、まずお伺いしたいと思います。
  100. 土屋喜久

    ○政府参考人(土屋喜久君) ハローワークと自治体の連携については私どもも重点的にやっていくということで取り組んでおりまして、具体的なものとしては、まず地方自治体との間で雇用対策協定といったものを締結をして取り組む、この中に障害者雇用の促進といった項目が入っているというような例がございます。また、自治体と連名で障害者の雇用促進あるいは維持といったことに関して経済団体に要請をするというような取組もさせていただいています。また、企業向けの障害者雇用セミナーや障害者就職面接会といったものを自治体と共同で開催をするというような取組、そしてまた、ハローワークが雇用率の達成指導などに事業所にお伺いしますが、そのときに都道府県の労働政策担当の方にも同行して訪問していただくなどの取組を、それぞれの地域の中で自治体の意向も伺いながら、工夫して取り組んでいるところでございます。
  101. 東徹

    ○東徹君 雇用そのものもそうなんですけれども、各都道府県でも雇用状況というのは、やっぱり自治体の長は、今、雇用状況は、一般的な全体の雇用状況がどうなのかというのはそれは物すごく気にするところですよ。その各都道府県都道府県で有効求人倍率がどうだとか、そしてまた失業率がどうだとか、やっぱりこういったことも非常に数字として気になって、何とかやっぱり改善していかないといけないということで、各首長というのはやっぱりすごく責任を担っているというふうに思っています。  ハローワークと自治体のそれぞれ行っている障害者雇用に関する施策も、これ似通っているんです。地方でできることは地域の実情に合わせて地方でやるべきということが、私は地方分権だというふうに思っています。生活保護なんかそうですよね、もう市町村で一生懸命、国からの受託でもってやっておりますけれども。  私は、このハローワークというのは、全国知事会の方でも移管せよと。移管せよという希望があるわけですよ、全国知事会でも。これ厚労省はなかなかうんと言わないわけですよね。私、一年前も同じような質問をさせていただいたんですけれども、なかなかうんとは言っていただいておりません。  一つの理由は、何か雇用保険のことを言われると思うんですけれども、雇用保険の制度だって、これは国ではなくて、これも地方自治体に任せても私はできるというふうに思います。実際に地方自治体からもそんな意見が出ています。大規模災害時に地方が連携して対処することもできますし、地域の実情に合った職業紹介も地方の方が得意としていて、障害者施策も都道府県が、市町村がやっていることからすると、地方で障害者雇用に一本化した方がより効率的に行われるというふうに思っています。  私、ハローワークにも一回視察にも行かせてもらいました。物すごい地域密着型ですよね。めちゃくちゃ地域密着型。ハローワークの周辺にビラをポスティングしているわけですよ。そうやっていろんな情報案内をやったりとかしている。物すごい地域密着型。  僕は、ハローワークの役割から考えればこれは地方自治体に任せるべきというふうに思いますが、これは大臣の見解をまずお伺いしたいと思います。
  102. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 委員は大阪府議会の経験、あるいは都道府県の行政非常に熟知されている立場からのお尋ねだと思います。  ハローワークには国民の勤労権を保障するためのセーフティーネットとしての役割があり、これは基本的には国が責任を持って運営を行うことが必要だと考えております。  仮にハローワークを地方自治体に移管すると、今委員からのお話もありましたが、雇用保険の財政責任、これは国が持っているわけですが、と雇用保険の失業認定などの事務を行う主体、これは地方公共団体になりますが、との不一致が生じて失業給付の濫給など雇用保険制度の適正な運営に支障が生じ得るのではないか、あるいは、今ハローワークは全国的なネットワークによって広域的な職業紹介をしているわけですが、この点について問題がないか、あるいは、震災など緊急災害時や急激な経済情勢の変化等に際して、そういうときは全国一斉かつ機動的に雇用対策を実施しているわけですが、この辺、この点で問題が生じないか等々の課題、問題があると考えておりまして、ハローワークの利用者である国民に対するサービス向上にはつながらないと考えております。  厚生労働省としては、先ほど職業安定局長から申し上げたとおりでありますが、障害者雇用についても、都道府県の有する地域課題の解決に向け、地域の実情を十分踏まえて、都道府県労働局と地方自治体とにおいて雇用対策協定を締結することを通じて、障害者の雇用促進や雇用率達成指導等に一体となって連携して取り組んできたところであります。  今後とも、大事なのは、国と地方がそれぞれの立場で役割を果たしつつ、相互に連携しながら利用者に対するサービスの向上に努めていく、これが重要だと考えております。
  103. 東徹

    ○東徹君 先ほども言いましたけれども、ハローワークに行く人というのは本当に自分が仕事を求めたいところの地域に行かれるわけですよ。かなり細かく地域を分割してハローワークをつくっているんですよね、大臣もよく御存じだと思いますけれども。それぐらい地域密着型の職業紹介をやっているのが実情です。雇用保険の乱発というふうなこともありましたけれども、だからこそ財政も地方自治体に移管すれば、そんなことは私はないというふうにも思います。  できない理由は、多分それはもう幾らでも理由は付けてこられると思うんですけれども、やはりこれ一つの問題は、二重行政の問題でもあるんです。国でもやっている、地方自治体でもやっている。同じことやっているんですよ、同じことやっているんです。役割分担じゃないです。同じことやっているんです。でも、やっぱり地方自治体だって責任があるんです。だから、やっぱりそういったところをやはり私は思い切って地方に移管していく、地方分権化を進めていくということは、私はこれからのこの国の在り方としては大事なことだというふうに思います。是非、今後また御検討をしていただきたいというふうに思います。  続きまして、今日も納付金のことについてもちょっと参考人質疑の中で触れておられる方がいましたので、納付金のことについて一つお聞きしたいと思います。  納付金制度、大変厳しい厳しい制度だと、一番最初の質問に戻りますけれども、納付金制度というのは大変厳しい厳しい制度だというふうに言ってきました、私もですね。赤字があっても強制徴収されるわけですから、企業が赤字であっても。だから、これは非常に厳しい制度なんですけれども。  リーマン・ショックありましたよね、リーマン・ショック。非常に景気が落ち込んで、会社がたくさんたくさん倒産していきました。ああいったときにおいても、この納付金適用というのが多分制度としてはあるんだろうというふうに思うわけですけれども、このリーマン・ショックのときの納付金の納付状況とか滞納処分の実施状況どうだったのか、まずお伺いしたいと思います。
  104. 土屋喜久

    ○政府参考人(土屋喜久君) 納付金の収納率でございますが、今御指摘のありましたリーマン・ショック以降の時期、特に平成二十一年、二十二年、二十三年といった辺りではないかと思いますが、この辺りにおきましても収納率は九九%以上という状況になっておったところでございます。  また、滞納処分の実施の状況につきましても、平成二十年度から二十四年度までの五年間で二件で、三百二十二万円の滞納処分をさせていただいているというような状況になっております。
  105. 東徹

    ○東徹君 民間企業って偉いなと思いますよね。リーマン・ショック後、本当に多くの会社が倒産、倒産をしていったわけですけれども、そんな状況においても収納率は九九%、これは苦しかったと思いますよ、すごく。中にはやっぱり滞納処分ということで、二件、三百二十二万円ですかね、強制徴収されたところがあるということですから。こういう状況にもあっても民間がそれだけ納付してくれたということは、国も、これはやっぱり納付金制度の在り方というか、今回、僕もいつも言わせていただいていますけれども、やっぱり厳しい納付金に対する制度をやっぱり考えないと私はいけないというふうに思います。  ただ、今回のような、国はいいですよ、国は、リーマン・ショック関係ないわけですから。リーマン・ショックとかあっても皆さんたちは全くこれは関係なくやってきていたわけですよ。水増し雇用もそのときだってやっていたわけですよ、そうでしょう。民間は、でも、厳しい制度をこれ強いられていたということで、こういう、ただ、リーマン・ショック級のときがあったときは、何か納付金の納付義務の猶予とか、こういったものは考えられないものなのかなと思ったりもするわけですが、これはどうなんですか。
  106. 土屋喜久

    ○政府参考人(土屋喜久君) 納付金の制度でございますけれども、社会連帯の理念の下で、事業主間の障害者雇用に伴う経済的な負担を調整を図るということとともに、障害者を雇用する事業主に助成、援助を行うということで雇用の促進と職業の安定を図ると、こういった制度の趣旨、目的がございます。  したがいまして、障害者の雇用については、景気の好不況にかかわらず、これをしっかりと進めていく必要があるというふうに考えておりますし、また、その中で、先ほど申し上げたような趣旨を持った納付金の制度、その果たしている役割の必要性というのは変わるものでないということから、雇用情勢、景気情勢、様々あります中でも、法定雇用率を満たしていない企業からは納付金をいただき、また達成をしている企業に調整金をお支払いするという機能は、継続、維持をさせていただいていたということでございます。
  107. 東徹

    ○東徹君 民間には大変厳しいと思いませんかね、これ。  リーマン・ショックがあっても、社会連帯の理念の下においてと。まあそれはそうですけれども、じゃ、国の機関は社会連帯の理念はなかったんですかという話ですよ。そうでしょう。水増ししちゃっていたわけですよ。そう局長は言いながらも、社会連帯の理念の下は国の機関は一切考えていなかったということですよ。違いますか。
  108. 土屋喜久

    ○政府参考人(土屋喜久君) 公的な機関での不適切な計上につきましては、度々申し上げておりますように、検証委員会の報告書の中でも、この計上については、制度に対する正しい理解が足りなかった、欠如していたというようなことや、障害者雇用促進法の理念に対する意識が低く、ガバナンスが著しく欠いていたというような厳しい御指摘をいただいているわけでございまして、こういった御指摘を私どもとしても重く受け止めさせていただき、再発防止はもとより、これからの障害者雇用をしっかり進めていくということで取り組ませていただいているところでございますし、今回の法案も、その一連の流れの中でお願いをしているところでございます。
  109. 東徹

    ○東徹君 本当に民間には厳しいことを条件付けておいて、国は本当にいいかげんなことをしていたなというふうに思います。  時間がないので、農福連携についてお伺いします。  今日、配付資料の裏側に、農福連携ということでちょっと新聞記事を付けさせていただきました。農家の高齢化や人手不足などの事情を背景に農業に従事する障害者の方が増えているというふうなことで、私、こういった農福連携というのを、これいいなと思うわけですよ。こういった農福連携というのを私はこれ更に進めていったらいいというふうに思うんですが、これについてどのように考えておられるのか、お聞きしたいというふうに思います。もうこれ一問だけしか聞きませんので、大臣からもし答弁いただければと思います。
  110. 根本匠

    国務大臣(根本匠君) 私は、農福連携って本当に大事だと思います。大臣政策対話というのをテーマごとにやりましたが、農福連携、これを取り上げました。そして、今日五時半から官邸で農福連携の会議をやりますが、やはり障害者は、私も身近に見ていますが、障害者の皆さんは大地の下で、青空の下で農業に携わる、これは障害者の皆さんにとってもやりがいにつながりますし、これは是非進めていかなければならないと、こう思っております。  ここはもう委員がおっしゃられるとおりで、農福連携によって私は障害者の皆様の活動の場、活躍の場が広がると思っております。先週も精神科の病院にも行ってまいりましたが、そこは六町歩で農地を整備して、障害者の皆さんがそこで活動して、たしかそういう活動の中から実際に就労の場に移行して就労するという方も出てきておりまして、ここはこれから重点的に取り組んでいきたいと思います。
  111. 東徹

    ○東徹君 今日五時半から会議があるというのは知りませんでしたけれども、是非、農福連携ってすごくいいなと思いました。今日の参考人の方も、パンを売っておられて、そのパンの小麦も障害者の方が作っているというふうな事例も紹介していただいておりまして、こういった農福連携の取組が全国的に広まっていって障害者の雇用が是非進めばというふうに思いますので、更に進めていっていただきたいというふうに思います。  ちょっと時間が中途半端になりますが、ちょっと時間がありませんので、もうこの質問は次回にやらせていただきたいというふうに思います。  これで終わらせていただきます。ありがとうございました。
  112. 倉林明子

    ○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。  初めに、本当に野党が出席できないというような状況で委員会を再開ということになったということについては強く抗議したいと思うんです。参考人の質疑の後に深める議論をやりたいという、かねてより要望もしておりましたところでして、その点では、筆頭間の協議は成り立たないといった場合、強引に委員会を開くという判断については到底納得できませんので、そのこと強く抗議をいたしまして、質疑に入りたいと思います。  前回の質疑で、障害者の就労における差別や合理的配慮に関わる労働局への相談件数等の利用実績というものについて非公表だということで、当初でしたけれども、集計取っているものだから提出できない理由はないということで求めましたところ、御提出いただきました。  そして、その中身についてなんですけれども、確認させてください。全国の労働局の合計でも、直近で見ますと相談件数は二百四十二件ということで、決して多いと言えないと思うんですね。それでも相談件数というのは一・三倍、増加傾向にあります。そして、その中で合理的配慮に関する相談は二〇一八年度で百八十二件と、およそ二倍に増えております。  二〇一八年度の助言、指導、勧告の件数及び紛争解決援助、そして調停、これそれぞれ何件になっているでしょうか。
  113. 土屋喜久

    ○政府参考人(土屋喜久君) お答え申し上げます。  御指摘の二〇一八年度における差別禁止ないしは合理的配慮に関する労働局の業務の実績として、まず助言につきましては四十四件、指導が三件、勧告はゼロ件でございます。紛争解決援助が二十四件、調停が五件となっております。
  114. 倉林明子

    ○倉林明子君 これ前年度と比べてみますと、助言では二倍、そして指導はゼロから三件ということで増加、紛争解決援助ということでいうとこれは七倍ということで、確かに増加傾向にはあると。しかし、全国の労働局が就労している障害者の相談窓口ということで、まだまだやっぱり認知もされていないし、活用されているとは言い難いと思うわけですね。  過去三年間、この調停件数の総数というのは、三年足しても僅か十件です。そして、この調停によって一体障害者の救済に結果つながるものとなったのかどうか、つかんでおいででしょうか。
  115. 土屋喜久

    ○政府参考人(土屋喜久君) 調停の制度は、障害者に対する差別の禁止や合理的配慮の提供に関しまして事業主と障害者の間での話合いが円滑に進まず紛争に発展した場合、障害者雇用促進法に基づきまして、紛争の解決を、両当事者間の意見を尊重しつつ、司法制度に比較して迅速、簡便に行うことができる行政サービスとして設けているものでございます。  関係当事者からの要請を受けて開催をされる調停会議におきましては、関係当事者への事情聴取や意見聴取を行いまして、必要に応じて参考人等からの意見を聴取した上で調停案を作成し、調停案の受諾を勧告を行うことになっております。  実績でございますが、先ほどお話ございましたように、調停の申請受理件数は、ここ三年で、二十八年度が二件、二十九年度が三件、三十年度が五件でございますけれども、これに対して受諾がされた件数は、それぞれゼロ件、一件、一件となっている状況でございます。  今後とも、この調停制度の周知を図りますとともに、これらの案件の内容もよく分析をいたしまして、早期の解決に通じた障害者の救済につながるように努力してまいりたいというふうに思っております。
  116. 倉林明子

    ○倉林明子君 この制度というのが本当に権利擁護につながっているものとなっているのかと。その中身の検証ということも本当に十分求められると思うし、現状で機能していない、そういう数になっているんじゃないかと、これは指摘をしたいと思います。  障害者が国家公務員の場合はどうなるか。合理的配慮や差別に対し、苦情相談や勤務条件に関して行政上の措置を求めることができる、これが、公平審査制度があるということでお答えもいただいております。  そこで、確認したいと思います。障害者である国家公務員が公平審査制度を活用した件数及び相談件数、これ何件になっているでしょうか。直近の実績でお答えください。
  117. 鈴木敏之

    ○政府参考人(鈴木敏之君) お答え申し上げます。  公平審査制度及び苦情相談制度におきましては、基本的に本人に対して障害者であるかの確認は行っておりませんが、平成二十八年度から平成三十年度までの三年間で、障害者の勤務条件に関してこれらの制度の活用状況を明らかな限りで申し上げますと、不利益処分についての審査請求が平成二十八年度に一件、平成二十九年度及び平成三十年度に各二件の計五件、勤務条件に関する行政措置の要求が平成二十三年度に二件、給与の決定に関する審査の申立てが平成二十九年度及び平成三十年度に各一件の計二件となっております。  次に、人事院に寄せられた苦情相談につきましては、平成二十八年度に五件、平成二十九年度に十件、平成三十年度に二十三件の計三十八件となっております。
  118. 倉林明子

    ○倉林明子君 今の数字、御報告いただきましたけど、やっぱり少ないんですよね。当事者からの、統計取っていないということで、家族なのか職場の人なのか、それについてはよく分からないんですよね、相談された人が誰かということで。障害者本人からということで集計取っていないということでお聞きしましたので。  これ、障害者による請求と相談というのが一体どれだけあって、その要求が要は適切な解決に至ったということではつかんでいるんでしょうか。どうぞ。
  119. 鈴木敏之

    ○政府参考人(鈴木敏之君) 平成二十八年度から三十年度までの三年間におきまして、不利益処分についての審査請求があった五件につきましては、処分承認及び処分取消しが各一件、審査中が三件、勤務条件に関する行政措置の要求があった二件につきましてはいずれも却下、給与の決定に関する審査の申立てがあった二件につきましては棄却及び審査中が各一件となっております。  また、人事院に寄せられた苦情相談につきましては、相談件数三十八件のうち、事情を聴取しアドバイスしたものが二十九件と大半を占めておりますが、そのほかに、制度等の説明を行ったものが五件、相談者の意向を踏まえて申出内容を当局に伝えたもの及び申出内容を当局に伝え調査等の対応を求めたものが各二件となっております。
  120. 倉林明子

    ○倉林明子君 僅か数件あったということなんだけれども、私、ここで確認したいと思ったのは、いいですか、合理的配慮については、これが担保している制度なんだと。要は、苦情も含めて、合理的配慮を取ってほしいと言って取られていない、じゃ、ここに持ち込みなさいという制度なんだけど、合理的配慮について、じゃ、前進につながった、そこ知りたいんですよ、機能しているかどうかということで、確認したかったのは。どうですか。
  121. 鈴木敏之

    ○政府参考人(鈴木敏之君) 例えば、先ほど申しました公平審査制度の不利益処分につきましては、数は少ないですけれども、処分を取り消したものが一件ということで、まず……(発言する者あり)ものもございます。  また、相談につきましても、例えば当局に申出内容を伝えて対応をお願いしたものにつきましては、例えば、その方が合理的配慮を求める中で、仕事の割り振りを調整してほしいんだけどなかなか自分では相談できないということで、そうしたものにつきましては、人事院の方から相談者の所属している当局にお話をつなぎまして、仕事の割り振りとかを皆で協力して分担してもらって解決に至ったものなど、確かに数は、すぎませんけど、解決につながっているものというものもそれなりに出ているところでございます。
  122. 倉林明子

    ○倉林明子君 今の一例というのは、まさしく合理的配慮につながった例であろうかと思います。数少ないですから、全部、どういうものだったのかということも含めて、合理的配慮につながるような制度として運用されているのかどうか、検証、そして使いやすいものになるように、合理的配慮につながるようにということで、見直しも必要だということは指摘したいと思います。  その上で、昨年十一月、衆議院の厚生労働委員会で意見陳述されました三橋参考人、自ら障害当事者でもありまして、地方公務員として三十五年の経験をお持ちの方でした。肢体障害を持つ国家公務員からの相談があったということを紹介されておりまして、職場のパワハラについてどこに相談しても上司に相談しろと言われたと。パワハラは上司からのものだったので、もう相談しようがないわけですよね。国家公務員の障害者の相談に対応する部門がないとその参考人おっしゃっていたんですね。公平制度あると言うんだけれども、実際に職場でこういうことに対応できていないということは、私は十分、参考人の意見も含めて指摘しておきたいというふうに思います。  そこで、水増し事件を受けて公務の職場に相談員を配置するというふうになったわけだけれども、障害者の職業生活相談員、これ今度法律で義務ということになりますが、現状、既に障害者の採用始まっているわけですから、実質的に配置も始まっていることかと承知をしております。  そこで、この相談員の配置状況というのは、現在何人まで配置が進んでいるのか、そしてどこまで増やす計画か、そしてこれまでに寄せられている障害者の相談件数というのは把握しているかどうか。どうですか。
  123. 土屋喜久

    ○政府参考人(土屋喜久君) 障害者が活躍しやすい職場づくりを進めていくという観点からも、今御指摘がありましたように、働く障害者の方からの相談を受け付ける窓口というのを組織の中に置くというのは大変大事なことだというふうに思います。  この点については関係閣僚会議で昨年十月に策定をした基本方針の中に定めてございまして、障害者本人からの相談を受け付ける相談員を職員の中から選任し配置すること等により、速やかに相談体制を整備すると、こうなっております。  これを受けて、各省からの報告に基づきますと、この基本方針を受けて相談員を配置をしている機関は、現時点で二十九の府省において配置ができていると、こういう状況でございまして、なお、配置している人数や相談件数については、恐縮です、現時点で数字が把握できていないところでございます。  この上で、今回の法案の中では、これも今御指摘ございましたように、障害者職業生活相談員の配置を義務付けをさせていただいております。雇用する障害者が五人以上の場合に事業所に一人の選任が義務付けられますが、事業所の規模や障害者の数、障害の種類などに応じまして複数の選任を現在でも民間に求めている状況にございまして、国や地方公共団体についても同様の取扱いを求め、体制の充実を図られるようにしていきたいというふうに思っております。
  124. 倉林明子

    ○倉林明子君 いや、現状のところで必要数というのは出てくると思うんですよね。現状の、採用計画で採用してきた、今年度の採用人数までは数字出ているわけですから。そうすると、相談員の配置も一定どの程度になるのかということも必要になるし、既にそういう人たちに対しては必要な教育、必要な研修というものもしていくということになると思うんですね。来られてからの研修じゃなくて、しっかりそれに対応できるような準備ということでも進める必要があるというふうに思いますので、その点は指摘にとどめたいと思う。数字もはっきりして、取組を前倒しで進めていただきたいということです。  そこで、これ大臣にお聞きしたいんですけれども、六番目の質問です。民間でも公務でも、就労する障害者に対する差別、あるいは合理的配慮がなされないというようなことはあってはならないと、これ基本的な考え方として、大臣、共有できると思うんですけれども、いかがでしょうか。
  125. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 我が国が平成十九年九月に署名した障害者権利条約、これは、労働・雇用分野においては、公共、民間部門での雇用促進などのほか、あらゆる形態の雇用に係る全ての事項に関する障害を理由とする差別の禁止、職場において合理的配慮が提供されることの確保などのために適当な措置をとるべきことを規定しています。  この障害者権利条約の批准に向けた国内法の整備として、平成二十五年六月に障害者雇用促進法を改正し、障害者に対する差別禁止、合理的配慮の提供義務等について規定をいたしました。この法改正によって、障害者に対して障害者でない者と均等な機会を与え、障害者の特性に配慮した必要な措置を講じ、雇用促進、職場定着を図ることといたしました。  今後とも、法の趣旨が徹底され、一人でも多くの障害者がその能力を十分に発揮できるよう、企業に対して障害者差別の禁止や合理的配慮の提供に関する周知徹底、理解促進に努めていきたいと思います。  また、公的機関における障害者の差別禁止及び合理的配慮の提供義務についても人事院及び総務省と必要な連携を図って、障害者の雇用促進、職場定着に取り組んでいきたいと考えております。
  126. 倉林明子

    ○倉林明子君 いや、法律の説明を求めたんじゃなくて、公務と民間って違うんですよね。だから、違うというのは、今お述べになったように法の立て付けが違うでしょう。だからあえて聞いたんです。公務と民間、いずれにおいても障害者の就労に対して合理的配慮がされないとか差別をすることがあってはならないと、これ、公務も民間もその基本は同じですよねということを聞いたんです。どうでしょうか。
  127. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) それは、民間もあるいは公務部門もそこは一緒です。
  128. 倉林明子

    ○倉林明子君 民間で働く障害者には期限や制限はあるんだけれども、納付金を活用した使える制度がある。しかし、公務員には活用できる制度はないということで、議論もかなり出ていた部分であります。  就労継続に必要な通勤そして勤務の際に介助が必要という障害者に対して政府は合理的配慮の措置を行う、この責任があるわけですね。採用は既に始まっております。そして、採用には、当事者からの申入れもあって、条件を付けないということでの努力された。それは参考人質疑でも評価の声が上がっておりました。衆議院では、この度採用した障害者に対して通勤及び職場内の介助について国が対応すると、局長、答弁されていますよね、必要な支援員を確保すると、国の責任でと、これでよろしいでしょうか。
  129. 土屋喜久

    ○政府参考人(土屋喜久君) 各府省で勤務に当たって何らかのサポートを必要とする障害者の方を採用する場合には、その支援といったものを各府省の中で、例えば職員の中から支援者を決めるとか、外部から個別支援者を委嘱をするとか、ハローワークに配置している支援者などを活用していただくなど、いずれかの手段によってその支援を確保するということを各府省において行っていただくということだと思っております。  必要な支援については、やはり個々の事情や障害特性によって異なる部分がございますので、御本人からの申出や意向を十分に踏まえて話合いの中で決めていく、提供されていくということが大切ではないかなというふうに思っております。
  130. 倉林明子

    ○倉林明子君 いや、大切なので聞いているんです。きちんと本当に必要な支援員、確保できるのかと。必要な場合の支援員の確保の担保というのは、各府省の判断ですか。それとも、それについては合理的配慮がきちんとなされているかということの判断も踏まえて支援員の確保というのは担保されるのか。これ採用した障害者の就労継続を担保できるかどうかに関わってくる問題なので、答えていただきたい。
  131. 土屋喜久

    ○政府参考人(土屋喜久君) 基本的には、各府省において、今申し上げましたように、個々の事情にも応じてどのような支援が必要かということをお考えをいただいて確保していくということだと思いますし、また、そのために予算が必要であるという場合には、各府省において必要な予算を確保していくということではないかと思います。  ただ、そういった中で、どういった課題があるかということについては私どもとしてもフォローアップの中で把握をさせていただき、私どもとしてできる支援も申し上げ、全体としてそういったことが進むように努力をしていきたいと考えております。
  132. 倉林明子

    ○倉林明子君 いや、努力ではあかんので、就労継続、しっかり確保できるようにする、水増ししてきた政府だからこそその責任が問われるということを強く申し上げたい。  今年五月、JDF、日本障害フォーラムが作成した国連の障害者権利委員会に向けたパラレルレポート、まとまっております。これ、労働行政と福祉行政の分断という課題が提起されているわけですが、働く意欲や能力があるにもかかわらず、通勤のための移動支援がない、又は働いている間はトイレや食事等のための生活支援が受けられないために、働くことを諦めざるを得ない人がいる。とりわけ、公務部門で働く障害者には活用できる生活支援制度が全くない。与党議員からも指摘もあったように、就労障害者に生活支援が使えない、ここを本当に解決していかないと、府省任せというようなことに絶対してはならないということだと思うんです。  改めて、この矛盾を解決するためにも、障害福祉サービスを就労でも使えるようにする、こういう検討に早急に踏み込むべきだと思う。いかがでしょうか。
  133. 橋本泰宏

    ○政府参考人(橋本泰宏君) お答えいたします。  障害のある方が活躍することのできる社会を築いていくということは大変重要な課題でございますし、一方で、障害者の通勤支援や職場における介助につきましては事業主に対する助成措置は講じられておりますけれども、通勤や職場内における支援を個人給付である障害福祉サービスの対象とすることにつきましては、個人の経済活動に関する支援を公費で負担するべきなのかどうか、また、障害者差別解消法の施行によりまして事業者による合理的配慮が求められている中で、障害者を雇用する事業者が合理的配慮として対応すべきかどうかと、こういった課題がございますので、現段階では慎重な対応が必要というふうに考えてございます。  こういった課題がある中でどのような対応ができるかということにつきましては、今後、厚労省の中で労働、福祉等の関係部局の連携ということで体制を整備しながら検討したいというふうに考えてございます。
  134. 倉林明子

    ○倉林明子君 いや、そんな悠長な話していてええんやろかと思うんですよ。  それは民間のところはあるんですよ、まだ不十分とはいえ。公務ないんですよ。こういうところに、水増し問題の反省踏まえたら、きちっとやると、そういうことで臨まぬとあかんの違いますかね。大臣、どうです。
  135. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 障害のある方が活躍することのできる社会を築いていく、これは重要な課題であると思います。  今のテーマについては、今部長から答弁をいたしましたが、やはりここは、障害者の通勤支援や職場における介助、これについては事業主に対する措置は講じられておりますが、通勤や職場内における支援を個人給付である障害者福祉サービスの対象とするかどうか、これはもう既に答弁したとおり、様々な課題がありますので慎重な対応が必要と考えておりますが、このような課題がある中でどのような対応ができるか、これについては、今後、厚生労働省内に労働や福祉等の関係部局の連携に向けて体制を整備して、ここで検討したいと思っております。
  136. 倉林明子

    ○倉林明子君 いや、もう公務部門での採用は既に始まっているんです。入口では条件付けずに、じゃ、入ったら配慮なしと、こういうことになることを一番懸念しているわけですよ。障害者に対する配慮がなかった、結局、辞めざるを得なかったと、こんなことをしたら、水増しで裏切り、そして採用した上、合理的配慮がなくて裏切る、二重の裏切りになるんじゃないかという指摘なんです。こんなこと断じて認められないので、政府として責任を果たすと、こういうことを強く求めたいと思います。大臣、よろしいですか。ここ、いいです。よく考えてほしい。  こうした官民の格差というものの背景に、二〇一五年の法改正あったと思うんですね。民間に対しては雇用の分野での合理的配慮を義務化された、しかし公務部門は適用外となったままとなっております。地方も含む公務にも障害者雇用に差別禁止、合理的配慮、これは法的根拠がはっきりないこと、本当問題だと思っているんです。明確にすべきではないかと思う。短くお願いします。
  137. 土屋喜久

    ○政府参考人(土屋喜久君) 公務部門の差別禁止、合理的配慮につきましては、公務員の勤務条件、法律で定められているなどの独自の法体系が存在することから、それぞれの法制度の中で対応が図られているものと認識しております。  国家公務員と地方公務員で少し違いはございますけれども、それぞれ国家公務員法、地方公務員法にも規定がございますので、この公務員法制の下で対応を行っていくことが適当であり、また、国家公務員に関しましては、昨年十月の基本方針に基づいて人事院が既に合理的配慮に関する指針を整備をしているというふうに承知をしているところでございます。
  138. 倉林明子

    ○倉林明子君 指針では本当に弱いんじゃないかと。結果としてこんなことが起こったんですよ、結果とは断言できませんけれども。法的な根拠で義務規定になっていないということが、一つやっぱり今回の水増し問題にも大きく影響しているんじゃないかと私は思っているんです。法的にもきちんと民間と同等に義務として位置付けるということは検討していくべきだということを強く申し上げたいと思います。  そこで、障害者の最低賃金について、私、質問したいと思うんです。  ハローワークの障害者向けの求人情報がありまして、時給が何と五百四十六円。これ単純な計算ミスだったということで報告あったんだけれども、障害者雇用についてはこうした時給でも実は最低賃金法違反にならないと、こういう場合あるんですけれども、何ででしょうか。
  139. 坂口卓

    ○政府参考人(坂口卓君) お尋ねの点でございますが、最低賃金法の第七条におきましては、精神又は身体の障害により著しく労働能力が低い者などを対象に都道府県労働局長の許可を条件に最低賃金を減額して適用することを認めているところでございます。  こういったことから、当該許可の対象となる労働者につきましては最低賃金が減額して適用されるため、当該許可において認められる減額の範囲であれば、通常の最低賃金を下回る賃金で雇用されていても最低賃金法違反とはならないというものでございます。
  140. 倉林明子

    ○倉林明子君 これ、障害者の場合、採用時は健常者と同じ水準で採用されても、採用後に障害を理由として給与の減額が認められているということになっているんですね。この際、障害者への説明義務はないんですよ。極めて差別的だと思う。  こういうことについては見直すべきだということで、先ほど紹介したパラレルレポートでもこの問題の指摘が、提起がされています。最低賃金の減額措置ということはやっぱり見直していくべきだということを、ここは要望にとどめておきたい。  最後に、日本の障害者が働く場、一般就労か福祉的就労かしかないんですね。一般就労でも健常者との賃金格差が容認されている。一般との関係、一般就労の中でも、先ほど最低賃金にあるように、健常者との賃金格差が容認されているだけじゃなくて、福祉就労でいいますと、最低賃金の対象外、工賃だけ。障害のある人の地域生活実態調査を見ますと、福祉的就労で働く障害者の年収というのは百二十二万円以下という人が八割にもなるんですね。福祉就労の場合にも労働法を適用する、所得の抜本的な改善が必要になってくるというふうに思います。これILOからも言われていることで、指摘を踏まえてどのような措置とっているのかということを最後聞いて、終わりたいと思います。
  141. 橋本泰宏

    ○政府参考人(橋本泰宏君) 今御指摘いただきました点でございますが、二〇〇九年にILOの理事会におきまして報告書が採択されまして、その中で就労継続支援B型に関わる内容が含まれているということを承知いたしております。  その就労継続支援B型でございますが、一般就労が困難な障害者がその適性に応じて能力を十分に発揮し、地域で自立した生活を実現するために重要なサービスというふうに考えてございます。  また、そこで働く障害者の方々が地域で自立した生活を送るためには、今御指摘いただきました工賃の向上あるいは一般就労への移行といったことの取組が大変重要でございます。  このため、私どもといたしましては、これまでもB型における工賃の向上につきまして、障害者優先調達推進法による国等の調達の促進あるいは経営コンサルタントの派遣による経営改善支援ですとか商品開発に向けた支援、障害福祉サービスの報酬において工賃向上計画に掲げた工賃目標の達成に向けて積極的に取り組むための指導員を配置した場合の加算、あるいは、実際に工賃向上につながった全国の実事例を収集、整理して、工賃向上のポイント等を情報発信する、こういった支援をさせていただいております。  また、就労継続支援B型を利用している方であっても、意欲や能力などがある方については一般就労への移行が促進されますよう、平成三十年度の報酬改定におきましては一般就労に移行させた際の就労継続支援B型への報酬上の加算を充実させたところでございまして、今後とも、こういった取組を更に進めてまいりたいと考えております。
  142. 倉林明子

    ○倉林明子君 いや、ILOの指摘は福祉就労のところの、今のB型のところをもっと引き上げてねという水準ではないということを改めて指摘したいのと、参考人の質疑も伺って、新たな論点も提起されているなということを強く感じています。今日の委員会の終局、採決ということは認められないということを強く申し上げて、引き続きの議論を強く要望して、終わります。
  143. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。  私からは、まず、今回の公的部門というところで、教育委員会の問題につきまして取り上げさせていただきたいと思います。これはやはり特殊でございますので、しっかりとやはり今後施策を充実させるためにも確認をさせていただきたいと思うんです。  文科省の調査におきますと、都道府県の行政機関における障害者の実雇用率というのは二・四%に対しまして、教育委員会が一・九%であったと。では、教員として採用されている障害をお持ちの皆様方の雇用率ってどのくらいなのか、教えていただけますか。
  144. 平野統三

    ○政府参考人(平野統三君) お答えいたします。  厚生労働省の調査によりますと、平成三十年六月一日現在、都道府県等の教育委員会におけます障害者雇用の状況は、法定雇用率二・四%に対し実雇用率が一・九%と不十分なものとなっております。  このうち、教師の障害者雇用の割合については明らかにされておりませんけれども、委員御指摘のとおり、都道府県等の教育委員会の雇用の大部分を占めるのは教師であり、教師の障害者雇用が進んでいないことが教育委員会全体の障害者雇用が不十分となっている要因の一つと考えております。
  145. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 実は、実態が分かっていないということなんですよね。もうこれはゆゆしき事態と私は思っております。  障害を持った教員の皆様方が少ないということは大体想定できるんですけど、その理由につきましてはどのように分析なさっていらっしゃいますか。
  146. 平野統三

    ○政府参考人(平野統三君) お答えいたします。  障害を持った教員が少ない原因につきましては、障害を持った学生等で教員免許状を取得している者がそもそも限られていることや、障害のある教師が継続的に働き続けるための入職後の配慮が必要となることなど、大学等における養成から採用、入職後に至る各段階における様々な要因が複合的に関連していると考えております。  文部科学省としましては、こうした各段階における具体的な課題を明らかにし、全体として効果的な取組を推進するため、今後、教育委員会における障害者雇用推進プランに基づきまして、教師に係る障害者雇用の実態把握を行うこととしております。
  147. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  今回、私もいろいろな調査を見せていただきながら、やはりまさにこれから子供たちの未来をつくっていく皆様方の中でどういう形でこの障害者雇用が進んでいくのかって、すごく重要だと思っております。そう思っておりましたら、実際に文科省の方でも障害者活躍推進プランというものが出され、その中に、障害がある人が教師として活躍することを推進するというような内容の事業も出てまいりました。私は、すごくこれはすばらしいことだと思ってこの資料を拝見させていただいておりました。  皆様方にももう既に資料としてお配りいたしておりますけれども、しかし、この内容を見てみましたら、一体これは何事ぞやと、ちょっとこれは許せないなという表現ばかりが並んでおります。文科省がこういうつもりでその教員採用を進めるのであれば、うまくいくものもこれうまくいかないよねというところの課題として、私は今日、是非これは共通認識として持っていただきたいと思って質問させていただきたいんですけれども。  皆様方も、資料の中にございますような、これは中教審の初等中等教育分科会から出されている報告書でございます。共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進、これは、その表題はすばらしいものでございます。しかし、そこの部分にございます教職員へ障害のある者の採用・人事配置の項におきまして、大変これ残念なことに、障害がある人に対する知識が深まるとともに、障害のある児童生徒等にとってのロールモデルとなるなどの効果が期待される、このため、特別支援学校を始めとする様々な学校において障害のある者の教職員が配置されるようにということの表現でしたり、障害のある教員はその関係性に自ら自然に参画しということで、インクルーシブな人間関係をつくるための一つの材料にというような表現がございます。  私、まずこの文章の意図するところを教えていただきたいと思いますが、いかがでいらっしゃいますか。
  148. 平野統三

    ○政府参考人(平野統三君) お答えいたします。  都道府県の教育委員会における障害者雇用の状況は御指摘のとおり不十分なものとなっておりまして、その要因の一つとしましては、教育委員会における雇用の大部分を占める教師の障害者雇用が進んでいないということが考えられます。  障害のある教師等が児童生徒等の身近にいることは、障害者への知識を深めたり、障害のある児童生徒等にとってのロールモデルとなったりするなどの教育的効果が期待されているものであり、今回のプランは、教育委員会における障害者雇用をこうした観点から積極的に位置付けまして、関連する取組を推進するものでございます。
  149. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  ほかの先生も教育的効果なんという言葉を使いながらそこに配置されるんですか。社会の中で当たり前に私どもは一緒に暮らしているからこそ、そこにいて普通なんですよね。しかし、この中で取り上げられている言葉というのは余りにも私は失礼だと思います。これは私だけが感じていることではありません。この普通に文章を読んでみても、なぜ、そのロールモデルとなる、障害がある児童生徒にとってのロールモデルなんですか。すばらしい先生だったら、障害があるなしにかかわらず生徒たちが慕うのは当たり前じゃないですか。  これは平成二十四年に作られた報告書なので、私は、時代もだんだん変わってきて、この数年でかなり障害への理解というものも進み、障害の捉え方も変わってきたと思っているんです。しかし、今回のこの推進プランの中にも同じようなことが書いてあるんです。児童生徒等にとって、障害のある教員等が身近にいることは、障害のある人に対する知識が深まる、障害のある児童生徒等にとってのロールモデルとなる。同じ文章なんです。教育的効果が期待されるからそこにいなければならない。何かちょっと、これ違いませんか。学校現場において障害がある教師等がいることはいわゆる隠れたカリキュラムになる、こういう捉え方で文科省が、これから教職員の皆様方、特に障害をお持ちの皆様方の採用を進めるのであれば、これは逆にうがった見方として生徒たちにも捉えられませんか、教育現場にも捉えられませんか。  私は、この認識というものは変えていただかなければならないと思って今日は問題提起しておりますけれども、文科省の見解をお聞かせいただけますか。
  150. 平野統三

    ○政府参考人(平野統三君) 本プランにおけます教育的効果の用語につきましては、障害のある教師等が学校現場で児童生徒等と様々な形で関わっていただく中で、児童生徒等にとって障害のある人に対する知識が深まること、障害のある児童生徒等にとってのロールモデルとなることといった教育的効果が期待されるということを表現したものであり、御指摘のような障害を持つ教師を道具として見るといった意図は全くございません。  この平成二十四年の報告につきましては、中央教育審議会の初等中等教育分科会やその下に設置された特別委員会におきまして、特別支援教育に関する専門家や障害者関係団体など、関係者の御意見もいただきながら取りまとめられたものであり、御指摘のような意図はないものというふうに考えております。
  151. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 だったらもう表現変えませんか。二十四年なんです。もうこの五年間でかなり考え方が変わってきたんです。同じものを使い回ししているんではなく、新しい考え方で私たちはこれから障害者雇用を始めようというものではないですか。古い考え方を引きずりながらやっていると、いつまでたってもそうなんです。障害者、健常者みたいな考え方の中でしか物事が進んでいかないじゃないですか。  私も一番心配しているのは、じゃ、聾学校だったら聾者の先生、今度、視覚障害をお持ちの盲学校だったら視覚障害の先生みたいな形でカテゴライズされてしまうのも、これはもってのほかだと思うんですけど、その辺りしっかり進めていただけることなんでしょうね。一般学校におきましても、普通にそういった障害をお持ちの先生方も活躍いただける環境を提供いただけるんですよね。
  152. 平野統三

    ○政府参考人(平野統三君) 特別支援学校は障害のある児童生徒等が就学する学校でございまして、こうした児童生徒にとってのロールモデルの提供という観点からも、障害のある教師が採用されることの教育的効果は大きいというふうに考えております。  ただ一方で、共生社会やインクルーシブ教育の実現の観点からは、障害の有無にかかわらず児童生徒等が広く障害のある人に対する知識を深めることも重要であると考えておりまして、障害のある教師が特別支援学校あるいは特別支援学級に限らず様々な学校において活用できるよう、本プランに基づいて取組を推進してまいる考えでございます。
  153. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ですから、その考え方はやめてください、ロールモデルだとかいう考え方。生徒がインクルーシブ教育を受けるのもロールモデルですか。教育的効果を狙うものなんですか。先生だけでなく生徒に、これ、同じ文言、入れ替えてみたときに、あなた方はこれを受け入れられるんですか。しっかりと私は捉えていただかないと、いつまでたっても何か特殊な存在になってしまうんですよ。そうじゃないですね。普通にいる存在でいいんですよ。そういうふうにやっぱり文科省自体が考え方を私は変えていただきたいと思います。  このプランの中でほかの項目もうたわれております。これはまた後ほどゆっくりお話をさせていただく機会があればと思っておりますけれども、リカレント教育も推進してくださるんですよね、障害をお持ちの方の。私はすごくこれも重要なことだと思います。社会に出て初めて、また自分が学び直しをしなければならないというような項目も分かってくるわけです。そこで、その現場を準備されているかされていないか、去年もいろいろ調査をしていただきましたけれども、まだまだその場がないということも文科省の調査でも分かっております。  ですので、しっかりと今後、厚生労働省とも連携をしながら私はこのリカレント教育を進めていただきたいと思いますけど、文科省の方と、それから厚生労働省としても、実際に職業の訓練の場ということで、このリカレント教育、文科省と連携をしていただきたいと思うんですけれども、それぞれお答えいただけますでしょうか。お願い申し上げます。
  154. 平野統三

    ○政府参考人(平野統三君) お答えいたします。  文部科学省といたしましては、本年の三月に取りまとめました学校卒業後における障害者の学びの推進に関する有識者会議の報告に基づきまして、また今回定めました障害者の生涯学習プランに基づきまして、厚生労働省とも連携し、地方公共団体の障害者学習支援担当部局に対し、福祉や労働等の関係部局や関係機関、団体との連携も図りながら、域内の学びに関する実態把握と情報提供、学びの場に関する確保をするよう促すとともに、研修会の開催等を通じまして、障害者の生涯学習推進を担う人材育成の支援等に努めてまいりたいというふうに考えております。
  155. 吉本明子

    ○政府参考人(吉本明子君) 厚生労働省におきましては、障害をお持ちの方々に対する職業訓練につきまして、就職に必要な知識、技能が身に付けられますように、障害者職業能力開発校や一般の職業能力開発校での職業訓練のほか、民間訓練機関に委託をいたしまして、様々な多様なニーズに対応した訓練を行っているところでございます。  こうした訓練の実施に当たりましては、文科省や特別支援学校との連携を図っておりまして、例えば就職が未内定の方につきましては、その方を対象としたコースをつくりまして就職に結び付けているといったような成果も出ているところでございます。  今後もそうしたコース設定に当たりましては、よく文科省の関係のところと連携を取らせていただきたいと思いますし、今ほど文科省の方から障害者の生涯学習推進プランについてお話ございましたけれども、それに基づきました様々な取組につきましても、私ども、それぞれの地域の労働の関係の機関とよく連携を取らせていただきまして、またその成果も共有してまいりたいというふうに考えております。
  156. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  私もすごく重要な課題だと思っております。どうしても、教育というと文科省、そして労働となると厚生労働省ということなんですけれども、そこの連携をうまくしていかなければ、学びたい人が学びたいところで学ぶべきその項目というものが準備されていないといけませんので、是非、せっかくリカレント教育というものを進めていくのであれば上手な連携を今後とも取っていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いを申し上げます。  その中で、先ほどから様々な表現がございますように、どうしても私は、文科省に対しまして、納得いくような御答弁がいただけません。しかし、やはり見直す必要があるんだ、そして見直すときにはしっかりと、その委員として当事者を入れながら検討を進めていくということを御提案したいと思うんですけれども、文科省の御見解、いただけますか。
  157. 平野統三

    ○政府参考人(平野統三君) 御指摘の点ですけれども、私ども、審議会等で議論をさせていただく場合には、常に関係者あるいは当事者を入れて議論をさせていただいておりまして、これからもそういう態度で審議あるいは議論を丁寧に進めていきたいというふうに思っております。
  158. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  そうであれば、先ほどのような表現がもう使えないはずです。そこは真摯に私は受け止めていただけませんかとお願いをいたします。そうでないと、実際に障害を持たれた方がその文章を見て、上から目線だよねと、自分たちってそんな特殊な存在なのかとか、自分たちだけにこういうことを要求されても困るというような内容、若しくは純粋に、普通の子供たちに見せても、この文章おかしいよねと当たり前のように気付くんです。  もうこれが当たり前になってしまって見ているからこそ、文科省の皆様方はもしかしたら気付かれないかもしれません。しっかりと今後、ピュアな心で、もう一度ゼロベースで私は考え直していただきたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。  それから、次の話題にも移らせていただきたいと思います。  障害を理由とした最低賃金の、先ほど倉林先生も取り上げていただきましたけれども、減免制度というものがございます。皆様方に資料五でお配りをしているものでございます。  障害を理由とした最低賃金の減額を受けた方々、人数にしてどのくらいなのか、局長、教えていただけますか。
  159. 坂口卓

    ○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。  今委員の方からお尋ねございました最低賃金法第七条に基づく最低賃金の減額特例の許可の状況でございますが、この特例の許可を受けた障害者の方の労働者の数でございますが、平成二十八年は三千九百十二人、二十九年は三千三百三十七人、平成三十年は四千百十六人でございます。
  160. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  この制度につきまして、実際に私が知り合いの企業さんもお使いでいらっしゃいます。ちょっと重い知的障害をお持ちの方が、そこで働いてもらいたいと、これは福祉でなく就労してもらいたい。でも、どうしても、一人分の賃金で換算してしまうと、そうすると自分たちでも負担が重過ぎる、じゃということでこれをお使いになっていらっしゃいますけれども、本当に生き生きとして働いていらっしゃいます。福祉的就労ではなく、やっぱり働くという、そこで様々福利厚生も受けられるものですから、そこで働いていらっしゃる方々も本当に生き生きとしながら生活も送れるという、こういう状況なんですよね。  でも、その一方で、やはりこういったものを受けるということは、じゃ、そこにある、障害年金があるからねといって悪用される場面も出てくるということは、私どもしっかり心に留めておかなければならないと思います。実際にその方から御提案いただいたのが、自分たちも最低賃金をお支払いしたいと、しかし、最低賃金というものはどうしても支払えるだけの自分たちも中小企業なので力がない、だったら何かが補填してもらえればこういうような申請をしなくてもいいんだけどというお声もいただいているんですけれども、土屋局長、どのように支援をいただけるか、お考えがございましたら教えてください。
  161. 土屋喜久

    ○政府参考人(土屋喜久君) 最低賃金の減額特例のお話の中で、今お話があった点でございますが、障害者の方に限らずではございますけれども、労働者を雇った場合に、その労働者に最低賃金の支払を確保することを補助するということを目的として助成金などの支援を行っているという、そういう制度は特に私どもとして持っていないという状況にございます。
  162. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  しかし、やっぱり難しいですよね、この部分って。私もいつも、それを活用してすごく上手に使っていらっしゃる方々もいらっしゃれば、逆に悪用されてしまうと、この人たち障害年金もらっているからもうこのぐらいでいいんだよということになってしまう。このバランスをどう取っていくのか、そしてそれをどうやって見極めていくのかという難しい問題がここには隠されているんではないかと思います。  ですから、土屋局長、ちょっとこの部分につきましても私は今後検討も必要なんではないかな、障害者雇用というものの中でしっかり進めていくべき課題として捉えていただきたいんですけど、どのような御意見いただけますでしょうか。お願い申し上げます。
  163. 土屋喜久

    ○政府参考人(土屋喜久君) 私ども職業安定行政の中で、あるいは労働行政全体でということかもしれませんが、賃金そのものを、何らか支払を確保するという観点から補助する制度というのは、基本的に今そういった制度を考えるということは余りこれまでの経過の中でもないわけでございまして、むしろ減額特例という制度を適切に運用することによりまして、最低賃金との関係では雇用が確保されるかどうかということがなかなか微妙な方であっても、減額特例の制度を適切に運用していくことによって雇用機会を確保していくということでこの制度があるのではないかと私自身は思っておりますので、担当、基準局になりますけれども、基準局ともよくそこは連携をしながら雇用の確保に努めていきたいというふうに考えております。
  164. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  坂口局長にも、しっかりやはり基準局の方でコントロールしていただかない限りにおいては、これが悪用されてしまったり、逆に障害者の皆様方に不利益を与えてしまうような結果にも私はなってしまうのではないかと思いますけれども、一言いただけますでしょうか。
  165. 坂口卓

    ○政府参考人(坂口卓君) 今委員の方からございましたように、先ほど御答弁申し上げましたこの最低賃金の減額特例許可でございますけれども、これは、障害者の方に対して一般労働者に適用される最低賃金をそのまま適用すると、雇用の機会を奪ってかえって労働者に不利益な結果を招くことになるからというような形で、許可を条件として認めるものでございます。  ということでございますので、私どもは、許可に当たっては単に障害があるということのみで許可をするということではございませんし、一定のそういった障害が業務の遂行に直接支障を与えることが明白であって、その支障の程度が著しい場合にのみ許可することとしております。  また、許可に当たっては個別に実地調査等も行うなどしておりまして、今委員が御指摘ございましたように、安易な形で、制度の趣旨に反して不当な低賃金で雇用されることのないようにということで、その運用には努めてまいりたいと思っております。
  166. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  実際に、障害者特例のものだけではないんですね。一般企業の中においても、中には、もうこれ補填あなたたちされるんだから、だからこれ以上のものを支払う必要はないでしょうというふうに、どうもキャップがはめられてしまうような、そういったところも実際に障害をお持ちの方、労働者の皆様から聞こえてくることもあるんです。残念ですよね。  ですから、それ以下のものであればもう仕事をしようというインセンティブにも働いていかない。逆に、企業サイドも、それを悪用しようと思えば、どうせこの方たちはこれだけはもらえるんだから、最低はというところで、なかなかそれ以上のものというものを与えるという、給料として支払うという、こっちもインセンティブが働かないわけです。  いろんなやっぱり局に分かれている、いろんな部署に分かれているということも、私はこれ一つ大きな原因だと思っております。例えば障害年金といったら年金の方の管轄なので、それは自分たちと、労働とは関係ないよと。でも、結局そこがつながって、補填分というのは連携しているわけじゃないですか。しかし、制度としては別物だからというところで、なかなか障害をお持ちの方を中心とした施策として語られていくことはないんです。  施策ごとではなく、私は、障害をお持ちの方がしっかり中心となって、じゃ、どうやったら上手に企業の皆様方も賃金を支払っていただけるのか、正当な賃金を支払っていただけるのか、障害をお持ちの皆様方も提供した労働に対する正当な対価を支払っていただけるのか、それでも足りない部分というのはそういう年金などで補っていこうという、本来あるべき姿というものに戻っていくんだろうか、やはりこういったことを私は今後とも検討していく必要があると思いますけれども、大臣の御意見いただけませんでしょうか。お願い申し上げます。
  167. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 第四次障害者基本計画における基本的な考え方として、雇用、就業の促進に関する施策と福祉施策との適切な組合せの下で、年金や諸手当の支給、経済的負担の軽減等により障害者の経済的自立を支援すると、こうされております。  そして、委員から今いろいろお話がありました。厚生労働省の意味はどこにあるかといったら、年金、労働、これ一緒にやるわけですから、そのために厚生労働省という省ができた。だから、私は、そこは連携してやる。むしろ、厚生労働省になった意味というものをしっかりと我々認識しなければいけないと思います。  それから、その意味では、各種施策を適切に組み合わせながら、障害者が地域で質の高い自立した生活を営むことができるようにする、これが我々の責務だと思いますし、いろいろ委員から、先ほどの最低賃金の特例の話もありました。最低賃金の特例の趣旨、これは、局長からも話がありましたけど、私は、やはり全体的に見ると大事なのは、ノーマライゼーションの理念とか地域共生社会とかこういう理念が社会に根付いていく、そしてそういう機運が醸成していく、私はベースにこういうことが必要ではないかと思いますが、厚生労働省は、要は厚生行政、労働行政両方を所管しているわけですから、その中できちんと適切に施策も一体的、総合的に取り組む、こういう姿勢で臨んでいきたいと思います。
  168. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  大臣、先ほど、参考人の皆様方、ここで質疑をさせていただきました。その際に、私もいろいろな質問の中で、まず最初の出発地点として、障害をお持ちの方が劣っているという発想から始めるのではなくて、同じ人間であって、同じ人間なんだけれども、そこで障害だったり病気だったりそういうものを持っているからこそできない部分がある、そのできない部分を合理的配慮でどういうふうに補っていくかというような立ち位置に立って障害者雇用というものを考えていただかないと、いつまでたっても仕事をするモデルというものが、障害を持っていない我々のモデルでつくり出されてしまっている。  だけれども、最近新しい雇用なんかも生まれてきているんですよね。スポーツ雇用なんといって、今パラリンピックの選手たちも大いにいろんな場面でこうやって活躍をしてくださるようなということが出てきました。新たな雇用というのは、雇用体系ですよね、そういうものが、障害をお持ちの方を中心として、我々女性であったり子育て中の人間であったりというものにも波及していく。本当に相乗効果を持ってこの社会の中に受け止められていかなければならないと思っております。  その点で、是非大臣にも、最後に、障害者雇用、どういうふうに今後進めていくのかということにつきまして一言いただければと思いますが、よろしくお願い申し上げます。
  169. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 私、先ほど申し上げましたように、やはりノーマライゼーションの理念やあるいは共生社会、こういう理念の上で障害者雇用を含めてしっかり対策を講じていきたいと思います。
  170. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 では、時間になりましたので終わります。ありがとうございました。     ─────────────
  171. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、木村義雄君が委員を辞任され、その補欠として藤木眞也君が選任されました。  暫時休憩いたします。    午後二時四十八分休憩    〔休憩後開会に至らなかった〕