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2019-05-23 第198回国会 参議院 厚生労働委員会 11号 公式Web版

  1. 令和元年五月二十三日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  五月二十一日     辞任         補欠選任      石川 博崇君     河野 義博君  五月二十二日     辞任         補欠選任      河野 義博君     高瀬 弘美君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         石田 昌宏君     理 事                 自見はなこ君                 島村  大君                 そのだ修光君                 川合 孝典君                 山本 香苗君     委 員                 青木 一彦君                 石井みどり君                 小川 克巳君                 木村 義雄君                 高階恵美子君                 鶴保 庸介君                 中川 雅治君                 馬場 成志君                 藤井 基之君                 石橋 通宏君                 川田 龍平君                 福島みずほ君                 足立 信也君                 礒崎 哲史君                 高瀬 弘美君                 宮崎  勝君                 東   徹君                 倉林 明子君                薬師寺みちよ君    国務大臣        厚生労働大臣   根本  匠君    副大臣        内閣府副大臣   中根 一幸君        内閣府副大臣   あきもと司君        厚生労働副大臣  高階恵美子君    事務局側        常任委員会専門        員        吉岡 成子君    政府参考人        内閣府大臣官房        審議官      渡邉  清君        内閣府男女共同        参画局長     池永 肇恵君        文部科学大臣官        房審議官     平野 統三君        文部科学大臣官        房審議官     森  晃憲君        厚生労働省医政        局長       吉田  学君        厚生労働省労働        基準局長     坂口  卓君        厚生労働省職業        安定局長     土屋 喜久君        厚生労働省雇用        環境・均等局長  小林 洋司君        厚生労働省保険        局長       樽見 英樹君        厚生労働省人材        開発統括官    吉本 明子君    参考人        法政大学キャリ        アデザイン学部        教授       武石惠美子君        一般社団法人日        本経済団体連合        会労働法制本部        長        輪島  忍君        日本労働組合総        連合会総合男女        ・雇用平等局総        合局長      井上久美枝君        早稲田大学名誉        教授       浅倉むつ子君        弁護士      角田由紀子君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○女性の職業生活における活躍の推進に関する法  律等の一部を改正する法律案内閣提出、衆議  院送付) ○政府参考人の出席要求に関する件     ─────────────
  2. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、石川博崇君が委員を辞任され、その補欠として高瀬弘美君が選任されました。     ─────────────
  3. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) 女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。  本日は、本案の審査のため、五名の参考人から御意見を伺います。  御出席いただいております参考人は、法政大学キャリアデザイン学部教授武石惠美子君、一般社団法人日本経済団体連合会労働法制本部長輪島忍君、日本労働組合総連合会総合男女・雇用平等局総合局長井上久美枝君、早稲田大学名誉教授浅倉むつ子君及び弁護士角田由紀子君でございます。  この際、参考人の皆様に一言御挨拶申し上げます。  本日は、御多忙のところ当委員会に御出席いただき、誠にありがとうございます。  参考人の皆様から忌憚のない御意見をお述べいただきまして、本案の審査の参考にさせていただきたいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。  次に、議事の進め方でございますが、まず、参考人の皆様からお一人十分以内で順次御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。  なお、参考人、質疑者共に発言は着席のままで結構でございます。  それでは、まず武石参考人にお願いいたします。武石参考人。
  4. 武石惠美子

    ○参考人(武石惠美子君) おはようございます。法政大学の武石でございます。  本日は、意見を述べる機会をいただき、大変ありがとうございます。  私は、労働政策審議会雇用環境・均等分科会の公益委員としまして法案の審議に参加させていただきました。本日は、審議会での議論の経緯も踏まえまして、意見を述べさせていただきます。  まず、女性活躍推進法に関して意見を申し上げます。  この法律は、一九九七年改正の男女雇用機会均等法で新設されたポジティブアクションの取組を促進させるためのものでございます。実質的な男女平等の実現のために企業が積極的な是正策に取り組むと、ポジティブアクションを奨励することが均等法に盛り込まれました。しかしながら、女性の雇用環境の改善が進まず、女性活躍推進法が成立したということでございます。  女性活躍推進法はポジティブアクションを促進する法律ということでございますので、まずは企業の自主的な取組というのが基本になります。企業の主体的な取組を進めていただく法的な枠組みと言えると思います。したがいまして、一律の義務を課すのではなく、各企業に自社の実情の把握、課題の分析、目標の設定、取組の実施といったPDCAサイクルを回していただくということにポイントがあります。  自主的な取組が重要な背景としまして、女性の活躍の状況ですとか課題というのが企業によって様々であるということが言えます。例えば、女性が希望しないために女性の採用が難しいですとか、女性が少ないので女性の管理職を直ちに増やすことが難しいというような、企業のそれぞれの事情がございます。したがいまして、企業の状況に応じて必要な施策等が異なってくるということを踏まえますと、全ての企業に一律的な目標ですとかあるいは情報公表を義務付けるということに関しては、この法律の性格からいってなじまないのではないかというふうに考えております。  一律的なことを義務付けることによって形式的に対応してしまいますと、施策がうまく回らない、あるいは場合によってはマイナスになってしまうということにもなりかねません。もちろん、現状追認型の低い数値目標の設定というのは問題がありますけれども、現状と乖離した目標設定ということで現場が混乱するという実態も現実ございました。  また、同法では情報公開を企業に求めております。市場から評価されることによって企業の取組を進めるという効果が期待されているところでございます。この仕組みを求職者などに周知徹底するということ、これが非常に重要でございますが、特に、今回、情報公開の適正さを担保するために、問題がある企業名公表という手法が提案されているという点は妥当な内容かと思っております。  一方で、公開する情報に男女間の賃金格差が必要ではないかという議論がございます。賃金格差は男女間の格差の大変重要な指標でございまして、その重要性についてはもちろん認識できるんですけれども、この賃金格差というのは、例えば勤続年数ですとか男女の職域ですとか、様々な前提条件の違いによって生じているということに注意が必要です。ですので、現時点では、その理解がないままに数値が独り歩きしてしまうことの懸念を私は持っております。  女性活躍推進法の改正案の大きなポイントとして、百一人以上に拡大するという点がございます。この拡大の機を捉えまして、ポジティブアクションの本来の趣旨、それから企業の自主的な取組が更に進むような行政の取組というのを期待したいというふうに思っております。特に、中小企業には具体的なノウハウの蓄積も不十分な場合がございますので、支援策の充実を行政にお願いしたいところでございます。  次に、ハラスメント防止対策に関して意見を申し上げます。  法案の重要なポイントは三点だと考えています。  まず、パワーハラスメントに関して、事業主にパワハラ防止のための雇用管理上の措置の義務付けが盛り込まれました。パワハラについての認識が高まっている社会的な状況を踏まえますと、パワハラに関して一定の防止策という枠組みができるということは不可欠なことであり、時宜を得たものというふうに考えております。  第二に、セクハラ、マタハラ、パワハラに共通して、国、事業主、労働者の責務規定が置かれ、ハラスメントを行ってはならない旨が明確化されるという点は重要であるというふうに考えます。  三点目として、事業主にハラスメントの相談をしたことによって不利益がないような不利益取扱いの禁止が設けられるということも、措置義務の実効性を担保するという観点から重要であるというふうに考えております。  一方で、ハラスメント対策に関しては幾つかの問題も指摘されています。まず、ハラスメントを禁止すべきであるという意見がございます。私も、ハラスメントはあってはならないということは考えているところでございます。  ただし、禁止規定にするためには、違法となる行為要件を明確にする必要があること、事業主の責務を規定する労働法の体系の中で、労働者のハラスメント行為を禁止するというような規定をどのように置くのかということに関して検討すべき課題があるということも事実でございます。また、禁止する以上は行為が行われた場合の制裁ということも考えなくてはいけないわけですが、民法ですとか刑法といったほかの法令との関係も整理する必要がございます。  特に、パワハラに関しては、業務上の指導との区別というのはグレーな部分も多いという現状があります。パワハラの認定が難しいという中で、そのパワハラと業務上の指導の区分、この共通認識が進んでいない中でパワハラを禁止することの問題ということも考えなくてはいけません。  パワハラを禁止することによって、指導あるいは人材育成という部分で雇用管理が混乱し、結果として労働者のスキル形成が阻害されるようなことになると、これも問題ではないかというふうに考えます。  また、セクハラに関しては、近年の状況に鑑みて、踏み込んだ規制が必要という御意見、これも大変理解できるところでございます。ただ、パワハラと同様に、ほかの法令との整理、それから刑法、民法等で一定の対応ができている中で、できているというか可能な中で、これらに該当しない言動のどこまでを労働法制として考えていくかという辺りの整理が必要になってまいります。  こうした課題を踏まえまして、労政審では、パワハラと同様にセクハラに関しても禁止規定を見送って、今後の検討課題としたところでございます。  また、パワハラについては、取引先、顧客からのハラスメント、いわゆるカスタマーハラスメントについても対象にすべきとの御意見がございます。これについても、労政審で議論をしてまいりましたが、顧客からの正当な要求と悪質な要求、これは区別が大変難しい面がございます。措置義務の対象とすることについては合意に至らなかったということで、これも今後の課題となっております。  今回の法改正で措置義務の対象とはなっておりませんが、今後策定する指針の中で、カスタマーハラスメントを受けた場合の相談対応あるいは望ましい取組を示すということは大変重要なことではないかというふうに考えております。  また、カスタマーハラスメントは、消費者庁による消費者教育ですとか、あるいは各業界における取組も重要になってまいりますので、今後の社会の状況を踏まえながら注視していく課題ではないかというふうに考えます。  また、セクハラについて、措置の対象に就活生あるいはフリーランスの方を含めるべきとの御意見もございます。雇用関係のない人に保護規定をどのように規定していくかということは、今後のこれも重要な課題であります。  ただ、今回、事業主それから労働者に対する責務規定というのが置かれますので、ハラスメントを行ってはならないという職場風土が醸成されていけば、社外の就活生等へのハラスメントということも抑止される効果が期待できるというふうに考えます。  今回法律が成立することによって、パワハラ、セクハラ、マタハラ、いずれの場合も、雇用管理上の措置義務が事業主に求められることになります。ハラスメントは事後的な対応が大変難しいので、事前の予防が何よりも重要であります。事業主にハラスメントに関する措置義務を課すことで、予防、再発防止のための措置というものが期待できるというふうに考えております。  また、ハラスメントが起こらないような職場風土ですとか職場慣行というものが醸成され、ハラスメントを受けるリスクが軽減されるということも期待できると思います。そのためには、法の履行確保に向けた内容の周知徹底、あるいは義務違反への適切な対応を行政には求めていきたいというふうに考えます。  特に、法改正の施行に当たっては、指針でパワハラの定義、それから例示をできるだけ分かりやすく示していく、あるいは先ほどのカスタマーハラスメントへの対応などについても、望ましい取組というのを示していく必要があるというふうに思います。  また、ハラスメントに対する正しい理解を促進するために、指針の周知はもちろんでございますが、企業の人事の担当あるいは相談の担当の方たちの対応が適切にできるようなマニュアル等の作成ということも必要になってくるのではないかと思っております。  今回の法制化を契機に、ハラスメントを行ってはならないという機運が高まり、ハラスメント行為が減るということ、それから企業の取組が進むことを期待したいと思います。  以上で私の意見陳述は終わりにさせていただきます。どうもありがとうございました。
  5. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) ありがとうございました。  次に、輪島参考人にお願いいたします。輪島参考人。
  6. 輪島忍

    ○参考人(輪島忍君) おはようございます。御紹介をいただきました経団連の労働法制本部長の輪島と申します。  本日は、このような機会を頂戴をいたしまして、感謝をしたいというふうに思っております。  私は、内閣提出の女性の職業生活における活躍の促進に関する法律等の一部を改正する法律案、これに賛成をする立場から意見を述べていきたいというふうに考えております。  本日、資料としてお配りをいたしておりますが、こちらでございます、お手元にお配りをさせていただいておりますが、二〇一九年度版経営労働政策特別委員会報告、ここにも、冒頭開いていただきますと、序文というところに中西会長の序文がございますが、こちらに書いておりますけれども、経団連は、デジタル革新によって、国連のSDGsの達成に貢献しながら、新たな価値を創造していく社会、ソサエティー五・〇フォーSDGsを目指しまして、様々な取組を行っております。  まず、企業が変化をすること、産業の新陳代謝と構造変革を促進していかなくてはならないと。その際に、企業にとって最も重要な課題、それは職場の環境の整備というふうに考えているところでございます。  その職場環境の整備とは、まさにダイバーシティー、年齢や性別、国籍など、様々な属性の人材が、知識や能力、経験を生かして、働きがいを感じながら協働することができる職場、そういうものが大事だというふうに思っております。そういう職場でなければイノベーションを創造できません。これは、今、皆さん、先生方お開きをいただいている中西会長のメッセージというふうに考えているところでございます。  今回提出をされている法案に盛り込まれております一般事業主行動計画の策定の対象、百一人以上三百人以下規模の企業への拡大、パワーハラスメント防止のための事業主の雇用管理上の措置義務等の新設、セクシュアルハラスメント等の防止対策の強化、経団連が目指しておりますまさにソサエティー五・〇フォーSDGsの実現に向けた課題解決のための大変重要な見直しだというふうに考えているところでございます。  以下、各法案の内容について具体的に述べてまいりたいというふうに思います。  まず、女性活躍推進法についてでございます。  自社の状況把握と課題分析を行い、それを踏まえた行動計画を策定をし、PDCAサイクルを回す枠組みである女性活躍推進法が二〇一五年に施行され、各企業は女性活躍推進に向けた取組を加速をさせております。  例えば、ある企業では、女性の経営幹部候補を育成する必要があるというふうに現状を分析した企業が役員補佐職というものを設置して役員にマンツーマンで経営を学ぶ取組を行うというようなこと、また、違う企業ですけれども、女性のロールモデルの育成やリーダー意識の醸成、そういうことが必要だというふうに現状分析をした企業が女性キャリア開発のプログラムを開発をするとか、また、別の企業ですけれども、管理職に登用する前に配偶者の転勤で退職する女性従業員、そういう者が多いというふうに分析をした企業が転居先で継続して勤務することができるファミリー転勤制度をつくるとか、そういうような様々な工夫をいたしまして、女性活躍推進に向けた取組を行っているというところでございます。  その結果、女性の就業者数の増加、女性の役員比率、階層別役職者に占める女性の割合の上昇というような形で表れてきているというふうに考えているところでございます。  そういうことから、一般事業主行動計画策定の義務の範囲が百一人以上三百人以下の企業に拡大をするということによりまして、日本全体における女性の活躍推進が一層進むというふうに期待をしているところでございます。  一方、三百一人以上の企業につきましては、職業生活に関する機会の提供に関する実績、これと、職業生活と家庭生活の両立に資する雇用環境の整備、この二つに分けて、各区分から一項目以上情報公表するということになります。  数字は、それだけが独り歩きするというような危険も伴います。特定の項目の公表を義務付けるのではなく、現行の情報公表項目をカテゴリー分けして、企業に公表する項目の選択の余地を残していただいたということについては、大変有り難いというふうに考えているところでございます。  また、柔軟な働き方や仕事と家庭の生活に資する法定以上の様々な制度を設けている企業が、先ほど申しましたように、たくさん企業の工夫がございます。既定の定量的な項目ではなくて、そうした制度の内容の公表も、より女性の求職者の職業選択にポジティブな影響が出るというふうに考えているところでございます。省令事項になるかと思いますけれども、労働政策審議会における建議にある法定を上回る企業内制度の概要の項目追加ということも希望しているところでございます。  えるぼし認定でございますが、七割弱の企業が一番基準の高い三段階目の認定を取得をしております。認定制度について当時の審議会で議論をした際には想定していなかった大変喜ばしい状況ではないかなというふうに考えております。さらに、優良な企業を認定する特例認定制度が創設されれば、各企業における女性活躍の推進が一段と加速されるのではないかというふうに期待をしているところでございます。  次に、ハラスメント防止対策でございます。  ハラスメントに関する問題は、大変深刻かつ重要だというふうに考えております。職場のパワーハラスメントやセクシュアルハラスメントなどハラスメントは、相手の尊厳や人格を傷つけるということで、人権に関わる許されない行為だというふうに考えております。  働く人々が仕事にやりがいを見出し、持てる能力を発揮していく上で、働きやすい職場環境は不可欠でございます。また、企業が持続的に成長するためには人材の確保、育成が必須であり、その根幹は人間関係が良好な職場だというふうに考えております。すなわち、従業員と企業双方にとって、職場におけるパワーハラスメント防止に真剣に取り組む必要があるというふうに考えております。  経団連では、職場のハラスメント防止の重要性に鑑みまして、昨年、ハラスメント防止対策キャンペーンというものを実施をいたしました。具体的には、中西会長から会員企業に対して、職場のハラスメント防止に向けた更なる取組の推進という依頼をして呼びかけをするとともに、人事担当者を対象にいたしました職場のハラスメント防止対策セミナーを開催するなど、周知に積極的に展開をしているところでございます。  実際にパワーハラスメント防止に積極的な企業の取組についていろいろお聞きをしているところでございますけれども、現行の男女雇用機会均等法の指針に示されているいわゆる職場におけるセクシュアルハラスメント防止措置、これと同じような仕組み、つまり、事業主の指針の明確化及び労働者への周知啓発、相談体制の整備、事後対応等を既に実施をしております。  セクシュアルハラスメントは、業務とは無関係の言動でございまして、業務上の必要性もないわけでありますので、白黒の判断がしやすいという面がございます。他方、パワーハラスメントは、業務に関する指示、指導や注意などと密接に関連することもあるため、その言動が業務の適正な範囲かどうか判断する必要がございます。したがって、本人の訴えのみで判断しない仕組みをつくることが重要だというふうに考えているところでございます。  また、パワーハラスメント防止に取り組んでいる企業の多くは、二〇一二年に厚生労働省の職場いじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告で示されております職場のパワーハラスメントの概念、それと六つの行為類型、それを参考に対応しているということでございます。そうした企業に混乱を生じさせないためにも、このワーキングで示された概念、これを、労使関係者も参加をした職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会、これを経まして、労働政策審議会の議論においてもこれが踏襲をされ、それが法案に反映をされ、パワーハラスメントについて、「職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であつて、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものによりその雇用する労働者の就業環境が害されること」というふうに定義をされたということを評価をしているところでございます。  企業の方から、パワーハラスメントという言葉の認知度が高まる一方で、相談者にとって不快な言動や納得ができないことをパワーハラスメントとして捉えるなど、本人の受け止めのみを判断基準としてパワハラを受けたというふうに相談する事例が増加しているというふうにも伺っているところでございます。そうした行動は、上司の適正な指示や指導までも逡巡をさせ、人材育成にも多大な影響を及ぼしかねないというふうに考えております。企業は、パワーハラスメント防止の取組に当たり、多くの具体例を示していくことも必要ではないかなというふうに考えております。  それから、パワーハラスメント、セクシュアルハラスメントによりつらい思いをする従業員が出ないように、そういう必要があるというふうに考えております。企業として、周知啓発を始めとする教育をしっかり行っていきたいというふうに考えておりますけれども、一方で、今回法案にあるとおり、社会全体の関心と理解を深めるための広報、そういう活動も大変重要だというふうに思っております。国の積極的な周知啓発活動をお願いをしたいというふうに考えているところでございます。  私からは以上でございます。
  7. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) ありがとうございました。  次に、井上参考人にお願いいたします。井上参考人。
  8. 井上久美枝

    ○参考人(井上久美枝君) ありがとうございます。ただいま御指名いただきました連合の井上でございます。  本日は、このような場で労働者を代表しての意見を表明する機会をいただき、感謝を申し上げます。  私からは、女性活躍の更なる推進と、あらゆるハラスメントの根絶に向けた観点から意見を述べさせていただきます。  まず、女性活躍推進についてです。  一点目は、今回の改正で一般事業主行動計画の策定義務が百一人以上の中小企業にまで拡大されることになりますが、日本の企業の九九・七%は中小企業であり、そこで働く労働者が全労働者の約七割を占めていることからすれば、真の女性活躍を進めるためには全ての事業主に行動計画の策定義務を課すべきだと考えます。  二点目は、状況把握項目の任意項目となっている男女の賃金の差異ですが、ジェンダーギャップ指数の順位が上がらない要因の一つが男女間賃金格差であり、男性正社員の給与を一〇〇としたときに女性の給与が七三・三という実態に加えて、ジェンダーギャップ指数が毎年百位以降と芳しくない状況を踏まえれば、男女の賃金の差異を情報把握項目並びに状況把握項目の基礎項目にするべきだと考えます。  三点目として、女性活躍推進法は十年間の時限立法となっています。今ほど申し上げたように、真の男女平等の実現には程遠い状況に鑑みれば、同法に基づく事業主行動計画の策定を恒常的な制度とするよう、男女雇用機会均等法の改正も含めて検討するべきだと考えます。  なお、この後に提起するハラスメント対策にも共通しますが、根底にあるのは性別役割分担意識です。  ILOの仕事の未来世界委員会報告書が指摘するように、育児、介護といった無償のケア労働の多くが女性によって担われています。そのような現状をそのままにし、女性の側だけになお活躍を求めるのではなく、男性の意識、働き方を大きく見直していくことが真の女性活躍、男女平等に欠かせないことを申し添えておきます。  次に、ハラスメント対策です。  この六月のILO総会において、仕事の世界における暴力とハラスメントに関する新たな条約が採択される予定であることは、この間の国会審議でも様々な先生方から御発言がありました。  私も、昨年の総会に続き今年も出席しますが、世界的にハラスメントの根絶が求められる中で、昨年のILO総会で発言したほとんどの政府は条約と勧告の採択に賛成の立場です。しかし、日本政府の対応は、日本にとって定義がやや広過ぎるとして立場保留と発言されました。今国会では、根本大臣が、日本政府としてもILO総会の議論に積極的に参加してまいりますと答弁されていらっしゃいますので、大いに期待をしているところです。  その上で、国内法の課題について述べさせていただきます。  一点目は、ハラスメントの禁止規定です。  現在、日本においてハラスメント行為そのものを禁止する規定はありません。セクシュアルハラスメント、マタニティーハラスメント、育児や介護に関するいわゆるケアハラスメントについては、法律に基づいて事業主に防止措置義務が課せられていますが、とりわけセクシュアルハラスメントについては、一九九九年に防止配慮義務、二〇〇七年に防止措置義務が導入されてから十数年が経過しているにもかかわらず、都道府県労働局には年間約七千件もの相談が寄せられています。国連の女性差別撤廃委員会から禁止規定を創設するよう長年勧告を受けていることもあり、禁止規定を求める声は大変強いものがあります。  資料としてお配りさせていただいたものは、今年のILO総会で議論される条約案です。六ページ、第五条では、暴力とハラスメントを法的に禁止すると明確にうたっており、条約が採択されれば、ハラスメントの禁止は世界的な潮流となります。このような意味でも、もはや必要性も含めなどと悠長なことを言っていられる状況ではありません。  なお、建議において、禁止規定の創設に当たっては、民法等との関係整理などの課題があるとして先送りされましたが、一方で、児童虐待防止に関して、体罰禁止については、こちらも民法との関係がありながらも、言わば先行して明記されることになりました。並べて論じるのは適切ではないのかもしれませんが、なぜハラスメントの方は禁止するとうたうことができないのか。いずれにしても、速やかに検討が行われるよう、強く要請しておきたいと思います。  二点目は、パワーハラスメントの定義です。  建議では、二〇一八年三月の職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会報告書の概念を踏まえ、三つの要素として、一、優越的な関係に基づく、二、業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動により、三、労働者の就業環境を害することを満たすものとすることが適当とされました。また、行為類型として、一、身体的な攻撃、二、精神的な攻撃、三、人間関係からの切離し、四、過大な要求、五、過小な要求、六、個の侵害の六つが挙げられています。  これらは暴力とハラスメントの全体を網羅していると言え、これから新たにパワーハラスメントの防止措置義務を事業主に課そうという中では、その行為類型について、狭小化するのではなく、包括的に定義するべきだと考えます。  三点目は、行為者、被害者の定義です。  この点に関しても、この間の国会審議でやり取りがありましたが、労働法制であるため、対象は労働者に限っているというのが政府見解だと認識しています。しかし、例えば男女雇用機会均等法の第五条、「性別を理由とする差別の禁止」は、「事業主は、労働者の募集及び採用について、その性別にかかわりなく均等な機会を与えなければならない。」とあり、機会を与える対象には労働者になる前の求職者が含まれるわけです。とりわけ就職活動中の学生に対するセクシュアルハラスメントが社会問題化しており、フリーランス、教育実習生等に対するハラスメントも深刻な問題となっています。  このような中で、防止措置義務はあくまでも自社の労働者を対象としたものであり、また、今回新たに規定される責務規定も、「他の労働者に対する言動に必要な注意を払うよう、」とあるものの、他の労働者は社外の労働者までというのが厚生労働省の説明です。  一方、加害者について、セクシュアルハラスメントに関しては、通達で、「事業主、上司、同僚に限らず、取引先、顧客、患者及び学校における生徒等もセクシュアルハラスメントの行為者になり得るものであり、」と一定幅広く規定されていますが、パワーハラスメントに関しては、これまでの労働政策審議会での議論及び国会審議を踏まえる限り、極めて限定的な範囲にとどまっていると認識しています。  昨今、いわゆる悪質クレームにより、労働者が心身に支障を来す例も散見されます。建議では、自社の労働者等からのパワーハラスメント、取引先等の労働者等からのパワーハラスメント、顧客等からの著しい迷惑行為の三つに区分けされ、法案も、自社の労働者等からのパワーハラスメントを職場のパワーハラスメントとし、それのみに防止措置を義務付ける内容となっています。その上で、他の二つについては、事業主が講ずることが望ましい取組として指針で示すとされています。誰が加害者かによって事業主の対応が変わるのでしょうか。誰が加害者であっても守るのが事業主の責任ではないでしょうか。私たち労働組合は、誰が加害者であっても、働く仲間から相談があれば対応に差を付けるようなことはいたしません。そのことは強く訴えておきたいと思います。  四点目は、被害者の救済です。  先ほど申し上げたように、セクシュアルハラスメントに関しては既に防止措置が義務付けられており、都道府県労働局による紛争解決の仕組みが適用されています。しかし、その内容は相互互助を前提とする解決で、その多くが金銭解決、しかも低額という実態にあります。  JILPTの内藤副主任研究員が述べられていましたが、何より、被害者の願いであるセクシュアルハラスメントだと認めること、謝罪をすること、二度と起こらないようにすることと大きく乖離しており、現行の仕組みでは、被害者も救済されず抑止にもならないとの指摘があります。では司法に訴えるという方法もありますが、勇気もお金も要ることですし、二次被害の危険性もあります。一方、地方自治体の場合は行政指導も紛争解決も対象外となっており、公務員の相談先は地方自治体の人事委員会等で、中立の都道府県労働局の紛争解決の仕組みを利用できない状況にあります。  今回の法案では、パワーハラスメントに関して、セクシュアルハラスメントと同様の紛争解決の仕組みを規定、適用するとされていますが、今ほどのような問題を放置したままで、果たして実効性はあるのでしょうか。本来であれば、司法、行政、双方における被害者の救済状況について官民問わず実態調査を行い、その結果に基づいて対策を検討すべきで、それは防止措置義務の履行状況しかりです。次への課題として問題提起しておきたいと思います。  最後になりますが、ILO条約は国際労働最低基準です。政府も使用者もグローバルスタンダードを強調しますが、労働環境は決してグローバルにはなっていません。一方、今回の法案は、内容的に一歩前進ではあるものの、真の女性活躍推進、男女平等の実現、また、ハラスメントの根絶にはまだまだ足りないと認識しております。ILO加盟国として、国際基準に沿った環境をしていただきたいと考えますし、何より、性別に関係なく、雇用形態に関係なく、誰もが安心して働ける職場環境のために役割を発揮していただきたいと思います。  もちろん、私たち労働組合もそのために引き続き尽力することをお誓い申し上げ、意見陳述とさせていただきます。  ありがとうございました。
  9. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) ありがとうございました。  次に、浅倉参考人にお願いいたします。浅倉参考人。
  10. 浅倉むつ子

    ○参考人(浅倉むつ子君) ありがとうございます。浅倉むつ子と申します。  私は、この三月まで早稲田大学の法務研究科で労働法、ジェンダー法を教えておりました。そのような立場から、雇用差別禁止法制の研究をしてまいりましたので、今回の法改正について意見を申し上げます。  今回の法改正は、女性を始めとする多様な労働者がその能力を十分に発揮して活躍できる就業環境を整備する、そういうふうに説明されております。そうであるなら、日本にいまだ存在し続けている性差別、それを撤廃するための対策をしっかりと取るべき、そういう考え方を持っておりますので、以下五点にわたり意見を申し上げたいと思います。  第一に、女性活躍のためには、一九八五年に日本が批准しました女性差別撤廃条約、それを国内で是非とも生かしていただきたいということです。そのためには、同条約に伴う一九九九年の選択議定書を批准すべきであると考えております。日本の裁判所は、女性差別撤廃条約を司法判断の根拠規定と解しておりません。それを改めさせるためにも、選択議定書を批准して、個人が女性差別撤廃委員会に権利侵害を通報できるようにする、それが重要な課題である、そう申し上げます。  第二でございますが、女性活躍のためには、雇用における性差別を規制する最も基本である男女雇用機会均等法を強化して、できるだけ性差別禁止法に近づけるという努力を怠ってはならないと考えております。  二〇一三年には第三回目の均等法の見直しが期待されておりました。しかし、施行規則や指針の部分的改正に終わり、性差別禁止の核心に触れる改正はありませんでした。今回こそ均等法の本格的見直しを期待しておりましたけれども、これが現国会の焦点になっているようには見えません。  真に日本の女性が能力を発揮できるようになるためには、均等法に禁止されるべき性差別の定義規定を置き、そこに直接差別と間接差別が含まれるというふうに明記すること、そして七条の間接性差別禁止規定をより分かりやすい条文にする、そういう抜本的な法改正が必要であると考えております。決して今の均等法が十分であるとして立ち止まっているべきではないと強調したいと思います。  第三ですが、現在焦点となっておりますハラスメントについては、これを全般的に禁止する条文が必要だと考えております。  ハラスメントに対するこれまでの日本の法政策的な対応は、ハラスメントを名称によって分類して、行政がそれぞれ個別に対応していくという形を取ってまいりました。しかし、その定義の谷間に落ちてしまう、そういうハラスメントがあるために、本当にそれでよいのか反省する必要があると考えます。  私は、性別、人種、年齢、障害、性的指向、性自認などの差別禁止事由に関するハラスメント言動は禁止されなければならないということ、同時に、差別禁止事由とは関わらないハラスメントも禁止されなければならない、それを明確にすべきだと考えております。すなわち、全般的なハラスメント禁止規定が必要不可欠であります。  現在のような、事業主に対するハラスメントへの適切な対応という雇用管理上の措置義務だけでは決して十分ではありません。それでは一般の人々に対して、なぜハラスメントが許されない行為なのか理解させることができないからです。  EUやイギリスの平等法では、ハラスメントは、他者の尊厳を侵害する行為であり、脅迫的、敵対的、品位をおとしめるような屈辱的な行為であり、さらに不快な環境をつくる行為であると述べられております。  ハラスメントは許されない。なぜなら、それは人の尊厳を侵害する言動だからです。このことをまずしっかりと条文化すべきだと考えます。  なお、今年のILO総会で採択される予定のハラスメントに関する条約案も、全ての形態の暴力及びハラスメントを法律で禁ずることを要請しております。  禁止規定を作ることはハラスメント防止対策のイロハであって、この禁止規定から漏れてしまう人々があってはならないと考えます。人の尊厳の侵害行為がハラスメントなのですから、労働者であろうがなかろうが、例えば就活生、フリーランス、教育実習生であっても、ハラスメント行為の被害者になってはならないし、性的指向、性自認に対するハラスメントも禁止されなければなりません。このことが、全般的、包括的ハラスメント禁止規定を置く必要性であると考えます。  もしも今回の法改正で禁止規定が盛り込まれないという場合には、この後速やかに、国際基準となるであろう禁止規定の国内法化を当然の前提とした法や法規定の在り方の検討を開始すべきであります。  なお、現在の法案では、ハラスメントに関する国、事業主、労働者の責務規定の導入というものが提案されております。そこでは、例えば性的言動問題について、均等法十一条一項に規定する不利益を与える行為又は労働者の就業環境を害する同項に規定する言動を行ってはならないこと、その他当該言動に起因する問題(性的言動問題)に対する事業主その他国民一般の関心と理解を深めるというふうにされておりまして、これではハラスメントを行ってはならないという趣旨が全く伝わりません。ILO条約案が禁止規定を求めているということから見れば、ここでなぜハラスメントを行ってはならないと書いてはいけないのでしょうか。  また、この責務規定では、ハラスメントの言動に加えて、当該言動に起因する問題についても関心や理解を深め、必要な注意を払うという対象にしております。しかし、当該言動に起因する問題とは何なのか、ほとんど議論がされていないように思います。この問題とは、その言動が原因で仕事ができなくなるということなどが考えられると思いますけれども、今後、企業が取り組むためにも、指針において明確に規定する必要があると考えます。  第四ですが、ハラスメントを禁止する規定を置いた場合でもその実効性をいかに確保すべきか、何といっても重要です。  それは、均等法等の措置義務についても言えることです。均等法は現在の十一条でセクハラに関する事業主の措置義務を定めており、指針には事業主が義務付けられる十項目の内容が定められております。  措置義務を遵守していない事業主に対しては行政が助言、指導、勧告をすることができますが、しかし勧告違反に対する制裁である企業名公表は、長い均等法の歴史の中でもただ一回行われたにすぎません。しかも、これは妊娠、出産をめぐる解雇事案でございました。  制裁が行われないのは企業が行政指導を受け入れているからという説明は、部分的には当たっているかもしれませんけれども、それよりもむしろ、措置義務が遵守されていないという実態が明白になっているので、措置義務の履行を確保するだけの行政の人員が不十分だというのが真意ではないでしょうか。禁止規定を設けることと併せて、禁止規定や措置義務規定の実効性をしっかりと確保するということが重要です。  第五に、今回の法改正では女性活躍推進法の強化が中核を占めております。この法律は、言わば行動計画を事業主自ら策定させるという事業主の自発性に委ねられている法律であります。だからこそ、この法律が真に女性活躍に効果を発揮するためには工夫を重ねなければならないと考えております。私の見解では、状況把握の基礎項目並びに情報公表項目として、男女の賃金の差異の実態、そしてハラスメント対策の整備状況、それを加えることは必要不可欠と考えます。  また、労働者の関与がなければ、このような立法を機能させることは難しいと思います。行動計画策定に当たっては、労使によって構成される常設の委員会を設置すべきです。現在、事業主行動計画指針では、労働者や労働組合等の意見交換などが重要であるとされておりますけれども、この意見聴取の手続は周知徹底されることはもちろんのこと、計画の届出に際しては労働者の意見を記した書面を提出するなどの手続も導入して、労働者の関与を法に含むことが法を機能させる上で非常に重要だと考えております。  さらに、行動計画の内容や実施状況は、行政による監視指導体制がなければ真実性が確保されません。行政がいかにして行動計画の履行を実質的にモニタリングできるのか、その体制の整備の検討が不可欠ではないでしょうか。  日本でも本当に女性が活躍できるような差別のない企業社会の形成に向けて、より真剣な取組が進むことを心より期待しております。  どうもありがとうございました。
  11. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) ありがとうございました。  次に、角田参考人にお願いいたします。角田参考人。
  12. 角田由紀子

    ○参考人(角田由紀子君) 弁護士の角田と申します。今日はお時間をいただきまして、ありがとうございました。  私は、ほぼ三十年近くセクシュアルハラスメントの被害者の側に立って仕事をしてまいりました。そこで、今日は、いろんな問題があるんですけれども、セクシュアルハラスメント被害者への、話題になっております司法的救済というのは本当に機能しているのかというこの論点に絞ってお話をさせていただきたいというふうに思っております。  一九八九年、御存じのように、一人の若い女性が職場での語りにくい女性差別をなくそうと、初めてセクシュアルハラスメントを理由として不法行為による損害賠償請求事件を福岡地裁に提訴しました。それ以前は、それを告発する言葉も法的枠組みも日本にはありませんでした。私は、その裁判の原告代理人の一人でした。それ以来、今日まで多くのセクシュアルハラスメント事件を担当してきましたし、ほぼ三十年間に様々な形態の事案も扱ってきました。  この申し上げました第一号事件は、九二年に不法行為であると認定されて、原告のほぼ全面勝訴で終わりました。私たちは、アメリカでのセクシュアルハラスメント事件の扱いに見習ったのですが、日本にはアメリカと違って職場の性差別禁止法がありません。そこで、私たちはやむなく、せめて違法行為として損害賠償をされるべきと考えて、当時、今もですが、使えそうな法律を含めてたった一つあった民法の不法行為を使いました。判決では、直接の行為者である編集長に加えて、原告と編集長が勤めている会社の不法行為責任が明確に認められました。  原告は、それが不法行為であり慰謝料の支払責任があるということを認定してもらうためには、性差別であるということを強調することが必要だと考えましたので、次のように主張しました。いわゆるセクシュアルハラスメントは、職場で行われる相手方の意思に反する性的な言動であって、労働環境に悪い影響を与えるような行為をいう、それは相手方、とりわけ女性を性によって差別し、性的自己決定の自由等のプライバシーを含む人格権を侵害するものであり、また働く権利を侵害し、ひいては生存権を脅かすものであって、憲法十三条、十四条、民法一条二等に違反する。このような性差別が許されないことは諸外国においても既に広く認識されており、さらに、女性差別撤廃条約、男女雇用機会均等法、労働基準法等々によりセクシュアルハラスメントを受けずに働く権利は法律で保障されているんだと。  つまり、性差別であって、自己決定権を含む人格権侵害であり、その結果、労働する権利が奪われ、挙げ句には生存権が奪われると、こういう三段階にわたる違法行為であることがセクシュアルハラスメントの特徴であります。  働く女性には、セクシュアルハラスメントはまさに死活問題です。私は三十年にわたって被害者に関わってきましたが、加害者からはたったそれだけのことかと言われるような出来事であっても、被害者は心身に大きなダメージを受け、仕事はもちろん、食べたり眠ったりする日常生活すら満足にこなせなくなっているということは決して珍しいことではありません。さらに、行為そのものと周囲の人々の誤った対応などから受ける屈辱感、自尊感情の破壊などがもたらす被害は、傷そのものが身体的な傷のように外部から見えないので理解されませんし、被害者は更に苦しむことになるのです。PTSDのもたらす心身の不調は、それを知らない人には単なる怠け者としてしか見えなかったりするわけです。  この最初の判決は、今まで法律問題とされてこなかった、しかし、働く女性の日常にとって、場合によっては人生を大きく左右する出来事を社会的にも法的にもセクシュアルハラスメントとして認めたものであると理解されています。  しかし、今、三十年を振り返ってみると、セクシュアルハラスメント事件は不法行為のカタログを一つ追加したにすぎない面があったのではないかというふうに思っております。なぜならば、いまだに不法行為の枠を超えられず、本当に被害者が求めているものを獲得できないからです。被害者の求めているものは、先ほどの中に出てきましたが、事実をセクシュアルハラスメントと認めること、それから加害者が謝罪すること、さらに再発防止策を取るというこの三つです。  ところが、セクシュアルハラスメント裁判を不法行為を使ってやってきた、現在ではその限界が私は大きく見えているというふうに思います。今回の改正案でも、法的解決手段としては不法行為裁判しか考えられていないようですけれども、三十年にわたってそのことを行ってきた私の経験からは非常にそれは不十分であるし、結論としては原告の救済になっていないというふうに考えております。  いろんな問題があるんですが、まず一つは、理論的な問題があります。不法行為法という法的枠組みは、性差別が本質であるセクシュアルハラスメントの事案に適しているのだろうかということです。問題の性質からこれは適さないのではないか、不法行為という枠組みはふさわしくないのではないかということを民法学者からも言われております。  例えば、立命館大学の木村和成さんです。不法行為法は、財産権の侵害に対する損害の填補を目的とするものとして形成、構成されてきた。人格権侵害に基づく損害賠償請求の多くは、不法行為法の機能である損害の填補を目的とするものではなく、他者の行為によって自身の人格が侵害されたことに対する個人の尊厳を守るための闘いであると言ってもよい。財産権の侵害と決定的に異なるのはこの部分であって、それを抽象的に権利侵害として不法行為法上の保護法益として論じることは、人格権の保護にとって適切であるとは言えないというふうに述べられております。つまり、本来、財産権侵害に対する金銭による填補を目的とするこの法律からははみ出してしまうのではないかということなんですね。  次に、被害者と加害者に平等な位置付けを与える司法手続、つまり民事訴訟はそういうものですが、という、しかし、これは非常に時間の掛かる手続はこの事案に対して適切かという問題があります。  不法行為は、御存じのように、元々個人間の利益調整手段ですから、被害者の権利と加害者の権利を比較考量を行うことは当然に起きるわけです。裁判になるのは事前の話合いが付かなかった事案ですから、事案としては非常にシビアな対立事件です。そこでは、加害者は、裁判になれば、支払わなければいけない賠償金を減らすために必死の抵抗をします。ありとあらゆる自分に役に立つと思われる主張、立証をします。不法行為であるわけですので、過失相殺という抵抗の場が与えられるわけなんですね。これは、民法七百二十二条が、「被害者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる。」というふうに定めていることからも当然の扱いになってきます。  第一号の事件も、実は原告の過失相殺がされました。これらの事情やその他前記認定に現れた諸般の事情を考慮し、という決まり文句で、原告の請求した慰謝料は三百万だったんですけれども、認められたのは百五十万でした。  裁判は原告と被告とが攻撃、防御を繰り返す場ですが、過失相殺が許されることで、そのための主張、立証のために裁判期間は必然的に長引きます。これは、被害者から見れば、改めて加害者側の攻撃にさらされ、心身の負担が激しくなる二次被害の期間でもあるわけです。  過失相殺との関係で、セクシュアルハラスメント被害者の権利は理解できますが、加害者の権利というのは一体考えられるんでしょうか。仮に加害者の権利があり得るとしても、それは被害者の侵害された権利と並べて比較考量できるものなのでしょうか。更に言えば、過失相殺が許されても、交通事故裁判で百対ゼロということはあるわけですね。被害者の過失ゼロというのは当然認定することは可能なんですが、ジェンダー教育をほとんど受けていない裁判官にそれができるんでしょうかという問題です。  多くの裁判官は、男性原理に基づく経験則や曖昧な社会通念や世間の常識と決別できてはいません。自動車事故での過失の割り振りとは異なる困難がこの事件にはあります。ここが、同じ不法行為法による解決でも、自動車事故の解決とは根本的に違うという問題ですね。  そもそも、性暴力被害における被害者の過失責任、つまり何が注意義務違反かということですが、それは、性暴力に遭わないために被害者が取るべき言動があるということを前提にしている考え方だと思います。  それから、三番目の困難な問題は、不法行為法を基にして裁判を行いますと、ゴールは金銭賠償でしかないということですね。その上に、日本では賠償金額が非常に低いという問題があります。  セクシュアルハラスメントは、最初に申し上げましたように三段階にわたる人権侵害であって、しかもそれは性差別の結果です。しかし、そういう認識が明確にないものですから、裁判所に、被害は往々にして非常に低く見積もられてしまいます。性差別との認識は極めて低いわけなので、人によっては、さっき申し上げましたように、一生引きずるような被害を賠償してもらうことにはなっていないということなんですね。  現状の法案では、司法的救済としては相変わらず不法行為というものが期待されているようなんですけれども、それでは不十分であって、とても被害者の救済には役に立たないというのが三十年間これをやってきた私の結論でございます。  どうもありがとうございました。
  13. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) ありがとうございました。  以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。  これより参考人に対する質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  14. 島村大

    ○島村大君 自民党の島村大でございます。  本日は、参考人の五人の皆様方、お忙しい中、我々参議院の厚生労働委員会においでいただき、本当にありがとうございます。  時間が十分と短いので、早速質問に入らせていただきたいと思います。  今回の法案は、女性が活躍できる就業環境を整備するための法案だと、分かりやすく言えばそういう法案だと思っております。まずは研究者としての武石参考人、それから実務を担当なされています輪島参考人に、お二人に質問をさせていただきたいと思っております。  今回のこの法案につきまして、一つは、状況の把握の必須項目の全て、又は女性管理者の比率、男女の賃金格差について企業に情報公表を義務付けるものと、という意見もたくさんございますが、それに関してちょっと質問をさせていただきたいんですが、なぜこの質問をさせていただくかといいますと、やはり、先ほどもちょっとお話ありましたように、数字が独り歩きするんではないかという、私も一つ問題点があると思っております。  というのは、私も小さいながら診療室を持っていまして、約四十名います。正規と非正規でそれぐらいいるんですが、やはりその中で、数年に一度はいわゆる出産のために育児休業なされる方がいらっしゃいます。そういう方々がいますと、いわゆる復帰してもなかなかすぐにフルで働くことができない。フルで働くことができないということは、就業時間を短くする。そうすると、賃金の、同じ職種でありましても賃金の格差が出てきてしまう場合もあると。  そうしますと、男性と女性で同じ職種であっても、そういういろんな時間的な問題とか、いろんなそういう育児のために賃金格差ができるとか、いろんなその問題、問題というのか、いろんな立場が違って数字が違ってくると思うんですが、そういうこともあると思いますが、まず武石参考人に、今お話ししました義務付ける件に関してどうお考えかを教えていただきたいと思います。
  15. 武石惠美子

    ○参考人(武石惠美子君) ありがとうございます。  状況把握の必須項目の全て、あるいはその賃金格差等についての義務付けということに関してですが、先ほども申しましたように、この法律は企業の自主的な取組というのを基本にしているのがまず前提であると思っております。各社それぞれの事情の中でできることを今進めていただいているということになりますので、まず、企業の自主的な取組を阻害することのないようにということが必要になってまいります。  委員御指摘のように、賃金格差というのは、大変、いろんな状況の中で、例えば、女性の採用を増やすと、女性の年齢が低くなり勤続が短くなるので、全体として勤続が短くなったり、賃金が男女格差が開いたりという状況になってまいります。女性の採用を積極的にやることによって、ほかの数値が下がってしまうという現状もございます。といういろんなことを考えますと、やっぱりそれぞれ、各社が置かれた状況の中で必要な情報を公開していくというのが現状適切なのではないかなというふうに思います。  また、情報公表が少ない企業に関しましては、求職者もそれなりに、あっ、ここは公表できないんだなということでの一つのそれも判断材料になってまいりますので、総合的にどういう情報を公表し、その数値がどうなっているかということを求職者の方、外部の方に判断していただくということになるのかなというふうに思っております。  以上です。
  16. 輪島忍

    ○参考人(輪島忍君) ありがとうございます。  状況把握項目、それから情報公開というようなことでございますけれども、まず状況把握項目、この必須項目というのは、各社それぞれで課題分析、先ほども幾つか課題分析をした結果の取組について御説明をさせていただきましたけれども、自社の課題分析のために把握をするものというふうに承知をしております。  他方、情報公表の項目でございますけれども、これは、求職者の企業選択、平たく言うと、就職のためにどれぐらい参考になるのかというようなものを企業が提供するものというふうに思っておりまして、そういう意味では目的がそれぞれ異なっているというふうに考えておりますので、企業の中で把握をしているものということと、それを公表するというようなことは、少し程度のものが違うのではないかというふうに思っております。女性の活躍推進という観点で企業が情報公表する項目について、各企業の様々な考えの下で様々なものがあってよいというふうに思っているところでございます。  したがって、積極的にいろんな情報公表をしている会社も、一つに限らず、少なからずいろんなものを出しているというようなことで、企業も、自分の就職の参考になるための有意な情報を積極的に出すというような傾向、実態にあるのではないかというふうに考えているところでございます。  以上でございます。
  17. 島村大

    ○島村大君 ありがとうございます。  先ほど、経団連の中西会長からの資料で、企業労使に関しましては、今我が国の時代、大きな転換期で、自社に適した働き方や処遇の在り方について徹底的な議論を期待したいということで、これやはり労使でしっかりと議論していただきたいと、私もそのとおりだと思うんですね。  例えば、今お話ありましたように、自分の企業の公表することに関しまして、いろんな今企業さんも、これだけ人手不足だと言われておりますので、この公表を拒んでいるのではなくて、やはり分かりやすく丁寧に公表しているところが多いと思うんですね。ただ、公表するに関しましても、先ほどお話ししましたように、いろいろな数字だけを出すと難しい点もありますので、そこはどのように公表するかという、そこはやっぱりその企業さんの腕の見せどころだと私は思っております。  また、一つは、先ほどお話ありましたように、日本の企業は九九・七%が中小企業。これに関しまして、大企業とか中小までは、私、今のお話でできると思うんですが、零細企業とかもっと小さいお店に対しましては、なかなか、いわゆる女性の方々に出産とか育児で休んでいただくと、なかなかその企業が成り立たない。じゃ、それを補填、補填するという言い方がちょっと適切か分からないですけど、じゃ、その間、違う方々に来てもらう。それがしっかりと、その期間だけ来ていただけるような、うまくはまる方が派遣でもいらっしゃればいいですけど、職種によってはうまくいかない。そうしますと、じゃ、もう一人正社員を入れるとなると、復帰した方がいると、またその会社が一人多く保てればいいですけど、そういうこともできない零細企業が私、多いと思うんですね。そういう企業に関しましても、やはりそこは現場が、現場同士で、その担当の現場が、いわゆる、じゃその間どうするのか、育児休業の間どうするのかとか、そういうことをしっかりと労使で話し合っていただいているところはうまくいっていると思うんですね。何でそれがいかないかというと、やっぱりそこはその議論が足りないと思うんですが。  是非とも、私は、女性が働きやすい環境づくりは、一つはやっぱり大きなのは育児休業だと思っているんですよね。そこを、現場としては、育児休業を取りやすい環境づくりというのは、私、今回女性活躍の法律を作るのに、この背景とか、実際的にどうしたらいいかということが大切だと思うんですけど、そこは武石参考人、何かこう、皆さんから見てこういうことがあるとか、輪島参考人も是非そこをあれば教えていただければと思います。どうですか。
  18. 武石惠美子

    ○参考人(武石惠美子君) ありがとうございます。  育児休業がどうやれば取りやすいかということに関しては、育児をしている人に対する周囲の意識であったり、あるいは育児をしている人たちの仕事をどんなふうに分担できるかというような雇用管理であったりマネジメントの工夫というのが幾つか蓄積がございます。  やはり、育児休業というのは必要がある範囲で一年、一歳までは取る権利がございますので、その間の仕事のやりくりというものを周りの人にもお願いしていくことになるので、そういった人たちへの対応であったり、それから、復帰を踏まえたその仕事のやりくりというようなこと、やはり、経営者の意識であったり周りの人の意識であったりということの職場風土、そしてマネジメントの工夫ということに尽きるのかなというふうに思います。
  19. 島村大

    ○島村大君 じゃ、輪島参考人に、済みません、時間短めにお願いします。
  20. 輪島忍

    ○参考人(輪島忍君) ありがとうございます。  大分、育児休業の取得については、コンセンサスといいますか、共通認識というか、職場での労使での話合いも含めて環境整備は整ってきているのではないか。しかも、女性の多い職場であれば、ある意味でお互いさまといいますか、順番といいますか、それぞれの事情に応じて対応していく、そのところで、現場でそれぞれでうまく工夫をしていく。先生御指摘の労働時間であったり、早く帰るとか、少し遅く出てくるとか、病気への対応とかですね、そういうようなことを自然にできるような環境というのは整いつつあるのではないか。  ただ、まだ十分だというような状況ではありませんので、それは更に労使で工夫をしていくというようなことは大変大事ではないかなというふうに考えているところでございます。
  21. 島村大

    ○島村大君 ありがとうございます。  私もこの法律を進めることは賛成でございますが、やはりそういうその意識改革、そういうことも労使で意識改革を是非とも進めていただき、私は、やはり教育、子供の頃からの教育で、どういうふうに仕事に関しましてやっていかなくちゃいけないかという教育も含めて、一緒に意識改革をさせていただきたいと思います。  時間ですので、あとの方々、済みませんでした。終わります。
  22. 川田龍平

    ○川田龍平君 立憲民主党の川田龍平です。  まず、質問させていただきます。  世界経済フォーラムが二〇一八年に公表した各国の男女格差間を数値化したジェンダーギャップ指数によると、日本が百四十九か国中百十位と、男女間格差の大きい国の一つとなっています。特に、女性参画の少ない政治分野と女性の賃金、管理職比率の低い経済分野での男女間格差が大きくなっています。  昨年五月には、政治分野における男女共同参画の推進に関する法律が成立して、今年、施行後初めての参議院選を迎えます。立憲民主党は、今回、選挙において候補者の女性割合を四〇%の目標を掲げていますが、それぞれの女性活躍に対する政党のこの本気度が分かるのではないかと思います。  今回の女性活躍推進法の改正案は、この女性活躍推進を柱に掲げる政府の本気度が問われています。政府は、本男女共同参画基本計画の中で、二〇二〇年までにあらゆる分野で指導的地位に占める女性の割合を三〇%とする目標を掲げていますが、女性活躍推進法もこの背景にあり、二〇一五年に成立をして二〇一六年に施行されました。  しかし、依然として女性の管理職割合などは低水準にとどまり、このままでは二〇二〇年までに三〇%という目標達成は大変厳しい状況です。これ、SDGsの中にもこのジェンダーの比率の問題はありますが、今回の改正案では、三百一人以上の民間事業主の義務が百一人以上に拡大する内容が盛り込まれていますが、中小企業に経過措置があるなど、二〇二〇年までに三〇%の目標達成の起爆剤には程遠い状況です。  働き方改革、女性活躍を掲げる政府としては本腰を入れてこの政府目標達成のための対策を考える必要がありますが、井上参考人、今回の改正案の評価と課題についてお伺いしたいと思います。
  23. 井上久美枝

    ○参考人(井上久美枝君) ありがとうございます。  今回の労働政策審議会の議論におきましては、まさにこの女性活躍のところがポイントであったわけです。連合としては、全ての企業に対する女性活躍推進法の義務化や、あるいは均等法の見直し、抜本的な見直しを求めてまいりましたが、残念ながら労使はしばらくの間平行線をたどっておりました。  しかしながら、お互いのというか、審議会における議論の結果、今回、一歩でも二歩でも前進できたことは前向きに評価をしております。ただ、残された課題としては、先ほども申し上げましたが、一般事業主行動計画の義務が全ての事業主に適用されなかったことにつきましては、やはり課題が残ったというふうに思っております。  また、男女間賃金格差の課題につきましても、今ほども課題になりましたが、情報公表項目あるいは状況把握項目の基礎項目に男女間の賃金の差異が入らなかった。これにつきましては、やはり働き方の結果指標と言われているこの差異を加えるべきだというふうに考えております。
  24. 川田龍平

    ○川田龍平君 ありがとうございます。  私も、一昨年の調査会の視察でアイスランドに行ってきましたけれども、アイスランドではこのジェンダーギャップ指数が一位ということで、非常に少ないということで、非常にこの各国の取組というのはとても重要ではないかなと思っております。  井上参考人と浅倉参考人からも、この男女の賃金の差異のことを状況把握項目の基礎項目や情報公表項目に加えるべきとのお話が今ほどもありました。これ、政府も、男女間格差、賃金格差については、女性活躍推進のための取組の成果を表す指標として重要なものということで認識しており、勤続年数や役職、年齢、学歴など、様々な背景が積み重なった最終的な結果指標として意味合いを有しているという答弁もありました。  であるならば、政府としては、この男女の賃金の差異をやはり情報公表項目や状況把握項目の基礎項目に含めるべきだというふうに強く思いますが、本気でこの女性活躍推進を図ろうと思えば、まずは男女間賃金格差、どういうふうになっているかを調べることが重要であること、これは厚生労働省も認識しているはずですが、そこで、是非、井上参考人に、各国における女性活躍推進の取組、特に男女間賃金格差の是正でどのような取組を行われているのか、御存じであれば教えていただきたいと思います。
  25. 井上久美枝

    ○参考人(井上久美枝君) ありがとうございます。  今ほど先生からもありましたアイスランド、非常に進んでおります。男女の賃金格差を法律で禁止をし、証明できない場合は一日五百ドルの罰金というのが科せられています。また、十二位のフランスでは、職業人生選択の自由のための法律というものがあって、従業員五十人以上の企業において、全体の賃金の、男女別賃金と同一価値労働の賃金の公開を義務付けているというところであります。  これらの国も初めから平等だったわけではないというふうに思います。やはり、これまでの積み重ねがあって現在があるというふうに思っております。  以上です。
  26. 川田龍平

    ○川田龍平君 ありがとうございます。  私が留学していたドイツでも、この賃金透明化促進法において、従業員二百人以上の企業では、従業員から照会があった場合に異なる性別の従業員の賃金情報に関する開示の義務付け、それから、従業員五百人以上の企業では、男女の賃金の公平性に関する報告書の作成の義務付けなど、本当に、ほかの国でやっている施策がどうして日本ではできないのかなと非常に強く思うんですが、日本において、特に管理職、それから勤続年数、こういった問題をやっぱりしっかりと明らかにして、この格差を欧州並みにやっぱり大幅に縮小するべきというふうに私も考えております。  それから、セクシュアルハラスメントのことについてですが、先ほど角田参考人にも、セクハラという言葉自体の持っている意味など、この参考資料にもありました。これ、世界中で大きなうねりとなったこのセクシュアルハラスメント被害を告発するミー・トゥー運動、これ、今回、財務省のセクハラ問題を機に日本でも広まって、これ二〇一八年の流行語大賞にもなりました。このセクシュアルハラスメントの、このセクハラという言葉自体が一九八九年の流行語大賞の金賞にもなっています。  まさに三十年の時を経て、この男女雇用機会均等法において、一九九九年には防止配慮義務、二〇〇七年に防止措置義務となったにもかかわらず、いまだにセクシュアルハラスメントが蔓延しているという実態、これをやっぱり政府は、特に政府でも起きている、特に財務省で起きていることについて重く受け止める必要があると考えています。  それにもかかわらず、今回の改正案ではセクシュアルハラスメントを抜本的に根絶する対策とは言い難いような状況です。パワーハラスメントもセクシュアルハラスメントも同様にこの防止措置が事業主に課されることは一歩前進であるものの、先んじてこの防止措置が義務化されているセクシュアルハラスメントでいまだに被害がなくならないという現状に対して、また果たして防止措置がハラスメントに有効な策なのかということで疑問が生じるところがあります。  先ほど、浅倉参考人からも措置義務が遵守されていないと、特に監視するような人事が確保されていないことがやっぱりこういった措置義務では不十分ではないかということの話もありました。  昨年から現在に至るまで、この間、労働組合を始めとして多くの団体や個人の方から、このハラスメント行為そのものを禁止するべきだという声や意見を頂戴しています。ファクスもたくさん入っていますし、院内集会や署名活動も数多く行われています。  セクハラの禁止規定については、日本が批准している国連の女性差別撤廃条約の委員会からは、経過からも日本は何度も勧告を受けています。少なくとも性的言動が仕事に不必要なことは明確である中で、衆議院では野党がセクハラ禁止法案を共同提出しましたが、残念ながら否決をされました。ILO条約案にも禁止規定が盛り込まれているにもかかわらず日本で禁止規定が付かないとすれば、日本はハラスメントの後進国ということになっています。  参考人からもこのハラスメント行為そのものを禁止する規定が必要だという意見がある中、具体的にどのような規定が必要と考えるか、井上参考人。それから、角田参考人には、セクハラというこの言葉自体が大変、差別禁止だと、性差別であるということを、ここをしっかりと認識させていないのではないかということも意見としてありました。それから、教育についての力なども角田参考人から是非、二人の参考人からお聞きしたいと思います。
  27. 井上久美枝

    ○参考人(井上久美枝君) ありがとうございます。  禁止規定としては大きく分けて二つ、二種類あるというふうに思っております。一つ目は行為者の刑事責任を伴うもの、また二つ目は違法として損害賠償請求の根拠規定となるものというふうに考えております。  世界銀行の調査によりますと、百八十九か国のセクハラに関する調査によりますと、禁止規定となり得る刑法上の刑罰は七十九か国、民事救済措置は八十九か国が有しているという調査もございます。連合は、審議会におきまして、このハラスメント行為の違法性を明確化し、そして損害賠償請求の根拠規定となる禁止規定を求めてまいりましたが、今回、最終的にはその必要性も含め中長期的な検討を要するとして見送りになりました。それは非常に残念なことだというふうに思っております。  今このときもハラスメントで苦しんでいる人がいるということを考えれば、ハラスメント根絶に向けて、是非この損害賠償請求の根拠となり得るハラスメント行為そのものを禁止する規定の法制化について速やかに検討する必要があるというふうに思っております。  ありがとうございます。
  28. 角田由紀子

    ○参考人(角田由紀子君) 二つのお尋ねがあったと思うんですけど、まず一つ、今、日本の中でも何か日本語になってしまったセクハラという言葉があるんですね。  この言葉は、元々は私たちが一九八九年に福岡で最初に裁判を始めたときには、セクシュアルハラスメントという言葉ではなくて、その当時暫定的にあった日本語訳、性的嫌がらせという言葉を使って始めたんですね。しばらくやっていると、どうも性的嫌がらせという日本語はセクシュアルハラスメントの本来持っている意味と離れているんじゃないかということに気が付いたんですが、残念ながら弁護団で適切な訳を見付け出すことができなかった。そこで、セクシュアルハラスメントという片仮名のままでその後続けていったんです。そうすると、大体、第一号事件のときに、女性が何を生意気なというような反響が周りからたくさんあったものですから、男性週刊誌、多分文春か新潮かどっちかだったと思うんですが、それが、そういうふうにセクシュアルハラスメントの告発を始めた女性を半ばやゆするような感じで、セクハラという言葉を作ったんですね。  セクシュアルハラスメントという英語そのものは、アメリカではそういう被害を体験している女性たちが編み出した言葉だったんです。でも、日本では、残念ながらセクハラという男性がやゆする表現が作られて、しかも確かにセクシュアルハラスメントよりはセクハラの方が言いやすいですよね、書きやすいということがあって、それが流行語大賞にもなったことがあって、わあっと広がったんです。広がったことはいいことではあるんですけれども、大体セクハラって何なのと、意味が付いていかないわけですね。  日本で英語を片仮名にして、そして簡略語にする。パーソナルコンピューターがパソコンになるのと同じように、そういうふうになっていくわけですね。でも、まだ物だったら名前の問題だから分かるんですけれども、セクシュアルハラスメントというようなかなり複雑な概念になってくると、セクハラという分かりやすい日本語になった途端に本来持っていた意味がすっかり抜け落ちてしまったと。  それからもう一つは、片仮名語の持つ宿命といいますか、本来の意味よりは軽くなるということがあって、セクハラという言葉が広がったのは良かったけれども、意味が付いていかないままになってしまったというのが今の問題だと思うんですね。  それからもう一つ、教育についての問題なんですが、私は、セクシュアルハラスメントをなくすのを、あるいは防止するのをどうするのかということについて、教育をどうするかという議論が欠けているというふうに思っているんですね。その教育というのは何も学校教育だけではないんですけれども、社会あるいは家庭、学校、いろんなところでの人権に対する教育がこの国では非常に弱いということがあると思うんです。  セクシュアルハラスメントは、先ほど申しましたように、性差別の問題ですから、人権と差別ということをしっかり小さな子供のときから教育していくことができれば、セクハラの裁判をやって三十年、ワンジェネレーションたっているので、本当は最初から教育の大事さが分かっていればかなりの変化があったのではないかと思うんですけれども、何となく曖昧のままで、人権の問題だという認識も薄かったということで、今のような状況になっているんじゃないかと私は思っております。
  29. 川田龍平

    ○川田龍平君 まとめます。  小手先だけの研修で解決できる問題ではない、根が深いことの認識が必要で、女性に対する賃金差別など不正義を放置しておいてセクシュアルハラスメントの根絶など望むべくもなかろうと角田参考人のにあります。私も本当にこの問題は人権の侵害の問題だということをもっとしっかりしなければいけなかったところ、角田参考人の意見の中でも、原告側の弁護団としての責任を感じているということで、不法行為法だけでは金銭賠償が目的になってしまうということから根本的な解決になっていないというところをやっぱり述べられています。  やはり、この差別の問題というのは根深く、私も薬害エイズの裁判で、匿名裁判で最初は訴えることができました。匿名でセクシュアルハラスメントも訴えられるような、二次被害を防止するような施策も考えるべきではないかと思いますが、それは、質問がちょうど終わってしまったので、また後ほど聞きたいと思います。  ありがとうございました。
  30. 川合孝典

    ○川合孝典君 国民民主党・新緑風会の川合孝典と申します。  五名の参考人の皆様には、貴重なお話を頂戴しまして、誠にありがとうございました。  私どもは、昨年、今日もいらっしゃいますが、石橋委員とともにパワハラ規制法案というのを議員立法として発議しまして、昨年の働き方改革関連法案の審議に併せる形でこの参議院厚生労働委員会で審議をしていただきました。残念ながら否決はされたわけでございますが、その後、要請活動等行わせていただき、そのことの結果として、ハラスメント対策の議論が厚生労働省の中で始まりました。そうした動きを受けて、今回、この女活法、ハラスメント対策ということが法律改正につながったという意味で、方向性については私は実は評価、一定の理解をしているわけでございます。  が、しかしながら、その法案の中身を見てみますと、ほとんどの大切な事項につきましては省令事項ということで中身がない、言い方は悪いですけどすかすかの法案内容になっているということでありまして、今後、方向はいいんだけれども中身がない、この中身のない法律をどう実効性を担保していくのかということが非常に重要だという認識を持っております。  そうした問題意識を持って幾つか質問させていただきたいと思いますが、まず、経団連、輪島参考人に確認をちょっとさせていただきたいんですけれども、実は私、超党派の自殺対策の議連の事務局長をやらせていただいております。現在、自殺者数は、この議連の活動が始まりましてから九年連続で低減傾向にあるということでございますが、相変わらず世界的に見ると極めて高い自殺者数であると。恥ずかしい話ですが、北朝鮮、韓国、日本、高いんですね。その自殺者の自殺原因を分析してみますと、若い方々の自殺が減らない。そして、その自殺の原因として大きな比率を占めているのが職場における人間関係なんです。  こうした実情がデータとして出ているわけでございますけれども、経団連さんとしてそうした状況について何らかの分析をしていらっしゃるかどうかということを確認させていただきたいと思います。
  31. 輪島忍

    ○参考人(輪島忍君) ありがとうございます。  今の御質問に直接お答えをするということになりますと、現状では何かについて私どもで検討しているということはございません。  以上です。
  32. 川合孝典

    ○川合孝典君 ありがとうございます。  そうした問題があるということを踏まえていただいて、是非、経営者団体としても分析を進めていただきたいと思います。このこと、実はハラスメントの問題とも深く関わりを持っていると私どもは分析しておりますので、よろしくお願いをいたします。  井上参考人にお伺いをしたいと思います。  現在の法律では、セクシュアルハラスメントやマタニティーハラスメントに関しては男女雇用機会均等法で、そして、育児休業や介護休業に関わるハラスメントについては育児・介護休業法でそれぞれ防止措置が義務付けられております。今回、パワーハラスメントが労働施策総合推進法で防止措置が義務付けられるということでありますけれども、これで職場のあらゆるハラスメントに対応し得ると考えていらっしゃるのかどうか、見解をお聞かせください。
  33. 井上久美枝

    ○参考人(井上久美枝君) ありがとうございます。  残念ながら、全てのハラスメントに対応しているとは言い難いというふうに思っております。  連合は、そもそも全てのハラスメントを禁止する包括的な、理念法的でも構わないんですが、そういう法律があって、その下に個別的に、セクハラであれば均等法、マタハラやケアハラであれば育児・介護休業法という、個別の法律でという立て付けが望ましいのではないかということをずっと審議会の中でも主張してまいりました。  また、今回、パワーハラスメントについての行為者、被害者の対象がセクシュアルハラスメントよりも限定的というふうになっております。その意味では、フリーランスの問題、あるいは就職活動中の学生、教育実習生を含む取引先や顧客などがどう取り扱われるべきか、本来であれば、第三者に対して行うハラスメントも雇用管理上の措置義務の対象とするべきだというふうに考えております。  以上です。
  34. 川合孝典

    ○川合孝典君 ありがとうございました。  次に、浅倉参考人に是非御所見をお伺いしたいことがございます。  今回、パワーハラスメントが初めて防止措置が義務付けをされるわけであります。先んじて義務化されておりますセクシュアルハラスメントの防止措置については、相談窓口の設置など全部で十の事項、対応を講じなければならないということが規定されています。  が、しかしながら、平成二十九年度の雇用均等基本調査によりますと、セクシュアルハラスメントの相談窓口を設置した企業割合は全体の僅か三九・四%、担当者の研修はたったの八・九%ということで、全く取組が進んでいない実態にあるわけでございます。  こうした状況で果たして防止措置が本当に義務化されていると言えるのかどうかということが極めて疑わしいと思っておりまして、防止措置について、先ほど御意見の中でも少し触れていただきましたけれども、防止措置の実効性をどう確保していくのかということについて、参考人の御意見を頂戴したいと思います。
  35. 浅倉むつ子

    ○参考人(浅倉むつ子君) ありがとうございます。  おっしゃるように、事業主の措置義務、以前配慮義務だったものが措置義務になったということで、措置義務というのは非常にある意味、その指針において十項目示されていて、確かに分かりやすくなったと思います。ですので、行政指導をする場合にはその措置義務の項目がそれぞれ充足されているのかどうかをチェックできるという、そういう意味では、措置義務というのは一定の効果があるだろうと私も思っております。  ただし、措置義務の実施項目十項目全部を調査したわけでもなく、そのうちの幾つかの項目が調査された場合に、ただいまの御意見にございましたように、最も基本的な措置義務であるところの相談窓口を置いているかどうかという、それがまだまだ三割から四割にとどまっていると。結局は措置義務違反ではないかということなんですね。しかし、その措置義務違反の実態があるにもかかわらず、その措置義務を行政指導して全ての企業に行き渡らせるということが現在なされていないという状況です。  なぜなのだろうかというと、最終的には、行政は助言し、指導し、勧告することができるわけなので、勧告まで行けば何とかその措置義務違反も実現されるかもしれません。しかしながら、実を言うと、その勧告違反に対しては最終的に企業名公表が科せられるんですけれども、勧告そのものが文書で出されないというのが実態だと思います。  なぜ文書勧告が出ないんだろうかというのは、これは是非検討していただきたいことだと思うんですけれども、結局は勧告違反まで行く前に企業が自主的にそれを修正しているからだと常に説明されるんですが、それならなぜ措置義務が三割、四割にとどまっているのかという実態なのか、その説明自体が欠けているのではないかと思います。  したがって、措置義務がどの程度効果的なのかということをまずしっかりと検証していただきたいと私は思っております。  以上です。
  36. 川合孝典

    ○川合孝典君 どうもありがとうございました。  時間がなくなってまいりましたので、最後に井上参考人にもう一つ質問させていただきたいと思いますが、実効性の確保についての御質問をしたいと思います。  事業主の行動計画の目標達成が今回努力義務になっています。そのために、高い目標を設定してその行動計画を公表することで、今の浅倉先生のお話にもございましたとおり、実際には何もしていなくても、外に向かってさも取り組んでいるように見せかけることが可能なのではないのかということを法条文を見て実は感じております。  今回、情報公表義務違反や虚偽の情報公表に関して、勧告に従わない企業については企業名公表できるとはしているわけでありますけれども、男女雇用機会均等法の企業名公表でも過去に一件あったのみということでありまして、実効性の確保については極めて疑問が残ると実は私も思っておりまして、今回、女性活躍推進法の実効性確保について、労働組合としてどのような手段が有効であるかということをお考えなのかを最後に簡潔にお述べいただきたいと思います。
  37. 井上久美枝

    ○参考人(井上久美枝君) ありがとうございます。  やはり職場の実態を把握している労働者が参画した形で防止措置を講じることが効果的であるというふうに思っております。例えば、労働者の過半数で組織する労働組合があればそこの代表者、あるいは労働者の過半数で組織する労働組合又は労働者の過半数を代表する者が参加をした対策を協議する場が必要だというふうに思っております。  その意味では、三六協定などを労働局に提出をするときに、その証明書というか、済みません、今言葉が出てきません、そういうものも付けて提出をするような形できちんとした形の対応ができればいいというふうに思っております。  以上です。
  38. 川合孝典

    ○川合孝典君 ありがとうございました。  終わります。
  39. 高瀬弘美

    ○高瀬弘美君 本日は、五名の参考人の先生方、大変に貴重なお話ありがとうございました。  早速質問に入らせていただきます。  最初に、武石参考人と輪島参考人にお聞きをしたいと思います。  今措置義務のお話ございましたけれども、今回の法改正におきまして、パワハラ防止のための雇用管理上の措置義務というものが課せられることになります。この措置義務の期待される効果、また、この措置義務が問題点があられるという御指摘もございましたけれども、効果を発揮するために気を付けるべき点ございましたら御指摘いただければと思います。
  40. 武石惠美子

    参考人(武石惠美子君) 措置義務のまず効果でございますが、事業主が雇用管理上、防止策あるいは発生した場合の対応を取らなくてはいけないということで、その防止という形での一つの効果というのが期待できるというふうに思っております。  措置義務、先ほど来、セクハラの措置義務について課題があるというお話がございますけれども、やはり措置義務といっても、それを事業主の方がしっかり義務なんだということを理解していただいて対応しないと、義務が結局義務違反になってしまいますので、効果を上げるためには、この措置義務ということをしっかり周知いただいて適切な対応をしていただくという行政からの働きかけというのは非常に重要になってくるのではないかなというふうに思っております。  以上です。
  41. 輪島忍

    参考人(輪島忍君) ありがとうございます。  措置義務ということでございますけれども、私どもといたしましては、法実現の上では大変重要なものだというふうに認識をしているところでございます。  第一に、措置義務でございますけれども、ある目的を達成するための手段、それを講ずることが措置の内容というふうなことでございますので、手段として措置を講じていないこと、先ほど浅倉先生からも御指摘がございましたけれども、措置を講じていないこと自体、義務違反が成立をするということになります。  セクハラ指針では、先ほど来話がありますように、①で事業主の方針の明確化並びにその周知啓発、②体制の整備、③事後の迅速かつ適切な対応と、それが措置義務の内容というふうになっておりますので、例えば、企業が②のセクハラについての相談窓口を設置していないと、そのこと自体で均等法上の措置義務違反というふうになって、行政指導の対象になるということでございます。つまり、現実にセクハラ自体が企業の職場で起こっていなくても、企業に対しては、相談窓口がないということだけで均等法違反というふうな法令違反が成立をするということでございます。  それから、第二に、法違反の是正指導の対象者ということでございますが、裁判所の救済の場合には、義務違反の是正の対象、それは判決でございますので、法律上は原告のみというふうになりますけれども、措置義務については、事業主が義務違反を是正することにより利益を受けるのは違反を主張した労働者には限られないということになって、従業員、労働者全員が対象になるということなので、全員が救済の対象になるというふうなメリットがあるのではないかというふうに思っております。  それから、三番目でございますけれども、先ほどのセクハラ指針の①にあります事業主の方針の明確化による措置義務によって、企業は多くの場合、就業規則にセクハラについては禁止ということで禁止規定を設けるということになります。そうしますと、雇用されている全ての人が就業規則上は禁止になるということでございますので、上司や同僚のハラスメント行為があった場合でも、企業内ではそれは就業規則違反ということによって禁止規定に該当するということで、企業としては懲戒の処分の対象になるということでございますので、措置義務ということについては、企業にとっては大変重い内容だというふうに私どもとしては理解をしているというところでございます。  以上でございます。
  42. 高瀬弘美

    ○高瀬弘美君 大変にありがとうございました。  続きまして、浅倉参考人にお伺いをしたいと思います。  欧米諸国におきましてはセクハラの禁止規定がある国が多いということもございまして、日本も禁止規定を設けるべきだという御意見も一部でございますけれども、このセクハラに関するミー・トゥー運動というもの、これは海外が発で起こっている運動でございます。様々なハラスメント禁止法がある中で、諸外国でこういう運動が起こっている。その諸外国でそういう法規定があるにもかかわらず、難しい点があるからこそこういう運動起こっているものと推測いたしますけれども、諸外国におけるこの禁止規定が機能をしているのかどうか、もし機能をしていないのだとすれば、どの辺に問題点があって機能をしていないのか、教えていただければと思います。
  43. 浅倉むつ子

    ○参考人(浅倉むつ子君) 大変難しい御質問なので、ちょっとにわかに回答できないんですけれども、少なくとも、諸外国の法律は、私が知っている限り、そのセクシュアルハラスメントあるいはハラスメントというものはどういうものかということを、これは人の尊厳を侵害する行為であって許し難いものであるということを宣言するところからスタートしていると思います。  しかしながら、それに反するような行為がたくさん起こり、ただ、それがやはり司法救済が受けられない場合があったり、それから、本人が申立てをできないで、長年たってからようやくそれが発覚するというようなことがあり、昨今でも様々な問題が生じているということですね。  ですから、私は、法律ができさえすればすぐにこの問題が全て解決するとは考えておりません。ただし、それが発覚したときに、全ての人が、あれは尊厳を侵害された行為であるということで非難が、どれだけ共感が湧き起こるかというところがとても重要だと考えているので、日本でもそういうセクシュアルハラスメントあるいはハラスメントというものの概念規定が欲しいというのは、まさにそういうところを皆さんが欲しているんだと考えております。
  44. 高瀬弘美

    ○高瀬弘美君 ありがとうございます。  今参考人のお話の中でございましたけれども、こういう法改正の中でそういう意識が高まっていくということは非常に重要であると私も考えております。  輪島参考人にもう一度お伺いをしたいと思います。  カスタマーハラスメントも今回一つ議題となっている部分でございますけれども、事業主に対して防止措置を義務付けるべきという考え方もございますが、このカスタマーハラスメントにつきましては、正当な要求と悪質な要求との区別が大変難しいという問題がございます。  そういう中で、このカスタマーハラスメントについて事業主に防止措置を義務付けるということは可能であるとお考えでしょうか。
  45. 輪島忍

    ○参考人(輪島忍君) ありがとうございます。  お客様は神様ですという言葉があって、もう浸透していて、芸能の世界ではそういうようなことなのかもしれませんが、やはり先生御指摘のとおり、今、企業の現場でも、例えば鉄道会社で深夜、最終電車が出た後、泥酔状態のお客さんがいるとか、それからコールセンターで異様な電話が掛かってくるとか、そういう様々なものがあるというふうには承知をしているところでございますけれども、そういうようなことが従業員から相談があった場合に、取引先の責任者に事実を説明して対応を依頼する、そういうことができる、取引先のコンプライアンスの窓口に連絡するというようなことで、そういうことを実施している企業というのも非常に多いというふうに聞いております。  ただ、今申し上げたように、個人顧客に対して理解が得られるように丁寧に対応しているけれども、悪質なクレームというようなことについていえば、企業もある意味では被害者というふうにも言えるわけでございまして、その実態は大変難しくて、対応は難しいというふうに思っているところでございます。  とりわけ、個人顧客でございますけれども、やはり不特定多数というようなことを相手にして予防措置並びに再発防止策を講じるというようなことは、突発的なことで起こるわけでございますので大変困難だというふうに思っております。  責任を負うことができない範囲というようなところも、それに対して企業に何らかの措置義務を付けるというようなことについていうと、現時点ではなかなか難しい状況ではないかなというふうに考えているところでございます。  以上でございます。
  46. 高瀬弘美

    ○高瀬弘美君 以上で私、質問を終わります。ありがとうございました。
  47. 東徹

    ○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。  女性の就業生活における活躍の推進に関する法律の一部を改正する法律案ということで、今回、女性が社会で活躍していくためには、やっぱりセクハラというものは一番の妨げであるというふうに思っています。  その中で、武石参考人にまずお伺いをさせていただきたいと思いますけれども、そもそも、まだまだ中小企業なんかは特に、セクハラについてなんですけれども、セクシュアルハラスメントについて、事業主自身がセクシュアルハラスメントを行ってはいけないという、そういう認識がない方がたくさんおられるというふうにも思います。  今回の法改正がどれだけ効果があるのかどうかというのはこれから見ないと分からないと思うんですが、こういった周知していくためにはどうしていったらいいのかというふうに考えておられるのか、是非お聞かせいただきたいと思います。
  48. 武石惠美子

    ○参考人(武石惠美子君) ありがとうございます。  まず、今回、責務規定というのが入りまして、事業主自身がそういうハラスメントをすることに関しての責務規定が設けられるということで、法律的には前進しているのではないかと思います。  また、そういった周知ということは、もうこれは本当に丁寧にいろいろな場を、あらゆる場を使って周知に努めるということ以外にはないと思うのですが、やはり今、ハラスメントに関しては、セクハラも含め、いろいろな社会的な状況が起こっている中で、一つは、こういうハラスメントが起こることが企業経営にとって大変重要な問題なんだということの御理解をいただくことが重要なのではないかなと思います。  労働者を守ることはもちろんなんですが、それを通じて企業が、そういう問題が起これば企業自体が毀損することになるわけですし、また外部からの評価が下がるということでの経営的な問題というのを是非御理解いただくということが重要なのではないかなというふうに思います。  以上です。
  49. 東徹

    ○東徹君 ありがとうございます。  続きまして、角田参考人にお伺いをしたいと思います。  今高齢社会ということで、高齢者施設とか、特にまた訪問介護の現場、特に訪問介護の現場ではホームヘルパーさんという方がおられますけれども、ホームヘルパーさんなんかだと七四%が利用者さんからセクハラを受けたことがあるというような報道も見たりとかしました。  こういった介護現場、医療の現場でもあるのかもしれませんが、こういった利用者さんからのそういったセクシュアルハラスメントについてどうやって防止していけばいいのか、もし三十年間の中のいろんな相談とかいろんな中で思うことがありましたら、是非お示しいただければと思います。
  50. 角田由紀子

    ○参考人(角田由紀子君) 私、三十年やってきて、主として職場とか学校でのセクシュアルハラスメントについての被害者側の救済をどうするかという問題をやってきておりまして、介護施設の利用者とそのヘルパーさんとの関係については訴訟等で私扱ったことがありませんので、特に何か役に立つことを申し上げることはできないんですけれども、でもそれは、社会全体の人権意識というものが高まるようなことをしないとなかなか難しいんではないかと思うし、それをしなければいけないというふうに私は思っておりますね。  介護事業なんかで働く人たちが、そもそもその働いている施設の中でも十分に人権が尊重されていないと、賃金の問題も報酬の問題も含めて、そういう扱いを受けているわけですね。そうすると、介護をやっている人というのは、そういう立場でいいんだというふうに社会全体が考え違いをしているところがあると思うんです。そのことが、簡単にセクシュアルハラスメントの加害行為を、加害する側が許されているんだという勘違いをする原因になっているんじゃないかというふうに思いますので、もっと全体的な意識をどうやって変えていくのかという問題とつなげないと。しかも、介護の現場って、場合によっては個人のうちということがありますよね、施設ではなくて。そういう場合は非常に難しいというふうに思います。
  51. 東徹

    ○東徹君 ありがとうございます。  続きまして、井上参考人の方にお伺いをさせていただきたいと思います。  井上参考人の最初の意見陳述の中にもありましたけれども、やはり、こういったあらゆるハラスメントに対する相談ということで、大企業はいいんですが、中小企業、これは本当に相談窓口がないというところもあると思いますし、なかなか相談する相手がいないということがあると思います。  こういった中小企業でのハラスメントに対する相談体制、どうしていけばいいというふうにお考えなのか、お示しいただければと思います。
  52. 井上久美枝

    ○参考人(井上久美枝君) ありがとうございます。  連合も労働相談ダイヤルというものをやっておりまして、大変ハラスメントの相談は毎月多い件数が来ております。  また、大企業であれば確かに相談窓口をつくる、あるいは相談体制をつくるということが可能だと思うんですが、中小企業はなかなか難しいところがありますので、その意味でももっと都道府県労働局の相談体制が充実すべきではないかというふうに思っております。  その意味で、現在は人員も不足をしておりますし、その体制も不備であるというふうに思っておりますので、そこがもっと強化され、もっと相談しやすい形で行政がしっかりと対応すべきではないかというふうに思っております。
  53. 東徹

    ○東徹君 ありがとうございます。  続きまして、輪島参考人の方にお伺いをさせていただきたいと思います。  えるぼし認定についてお伺いをさせていただきたいと思うんですけれども、まず、えるぼし認定というのは、企業から見て、これはメリットがあるというふうに思っているのかどうか、まずお伺いしたいと思います。
  54. 輪島忍

    ○参考人(輪島忍君) ありがとうございます。  やっぱり企業は褒めてもらうとうれしいので、それは、こういうものがあると大変、今、様々名刺に入れたり、いろんなところで、ホームページに付けたりというようなことで、周知の機会もありますので、それは積極的に活用していきたいと、そういう立場だというふうに思います。
  55. 東徹

    ○東徹君 厚生労働省からは評価されているという見方かもしれませんが、一方で、求人側、就職活動している学生だとか、そしてまた、転職をしたいと思っている就職活動をしている方たち、そういった方たちから見たときに、このえるぼし認定というのは参考になるというふうに考えているのかどうか、この点についてお伺いできればと思います。
  56. 輪島忍

    ○参考人(輪島忍君) 参考になるというふうに思います。
  57. 東徹

    ○東徹君 直接そういう就職活動をしている人たちとか求人している人たちから、そういった調査みたいなものはしたことはあるんでしょうか。
  58. 輪島忍

    ○参考人(輪島忍君) 特にそういう意味での調査は私どもではいたしてはいないというふうに思いますが。
  59. 東徹

    ○東徹君 そうしましたら、先ほど褒めてもらうことはうれしいというお話でありましたけれども、まだまだ非常に、えるぼし認定を受けている企業の数というのが非常に少ないということについてはどのようにお考えでしょうか。
  60. 輪島忍

    ○参考人(輪島忍君) ありがとうございます。  浸透していって企業が有益に使えるような様々な仕組み、今度も特定認定制度を更にグレードアップをしていくというようなことでありますので、少しずつそうやって世の中、企業が利用してというようなことを定着をさせていくということに尽きるのではないかなというふうに考えております。
  61. 東徹

    ○東徹君 ありがとうございます。  終わらせていただきます。
  62. 倉林明子

    ○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。  今日は、本当に短い時間の中で、五人の参考人の皆さんが本当にスピードアップしてお話もいただきまして、ありがとうございました。今から質問しますけれども、是非ゆっくり答弁してもらったら、回答してもらったら、聞き取りやすくていいかなと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  先ほど角田参考人の方から、日本の裁判官の意識についての、裁判官についての見解表明もあったんだけれども、本当にそういう問題意識強く持っていまして、せんだっても、考えられない性暴力が無罪になるというようなことが相次いでいるということもやっぱり大きな課題として受け止めるべきだろうなというふうに改めて思っているところです。  追加的に是非角田参考人にはお願いしたいと思っているのは、セクシュアルハラスメントで被害を受けた被害者が裁判に打って出るというのは本当に大変なことだろうと思うんですね。裁判に立ち上がって、じゃ、裁判した、しがいと言うんですか、そういう結果というのは得られているんだろうかと。この間闘ってこられて感じられていることを是非御紹介いただきたいと思います。
  63. 角田由紀子

    ○参考人(角田由紀子君) 私は八九年からセクシュアルハラスメントの裁判に関わってきたんですけれども、最初のうちはただ勝つわけなので悪くはなかったんですけれども、四、五年やっていくうちに、自分の依頼者が、彼女が何を獲得したのかということがとても疑問になってきたわけですね。単なる弁護士的な観点からだと、勝訴判決をもらってそれなりの、数百万円であっても賠償金が入るということは、仕事としては一応うまくいっているということになるんですけれども、そのことを離れて、私の依頼人であるその原告の彼女は一体何を獲得したのかということがだんだん疑問になってきたわけなんですね。それで、私は、その疑問を持ちながら、不法行為というその枠の中でやることの矛盾も考えました。  それから、やっぱり日本の中では、別にセクシュアルハラスメントじゃなくても、裁判をやるということはとても重大なことというか重荷のことなんですね。特に、セクシュアルハラスメントで会社も含めて訴えたいというふうに思ったときには、これは大変難しいというふうに思います。日本人の意識では、お上に弓を引くという言葉がまだありますけれども、自分の雇主に対して何か要求する、しかもそれを裁判でやるということは非常にやりにくいことで、決意が要るというふうに思うんですね。  それで、私が考えるんですけれども、大体、裁判に訴える人というのは、とりわけセクシュアルハラスメントについて言えば、裁判に行く前の段階でほとんどエネルギーを使い尽くしている、精も根も尽き果てているという状況が率直なところではないかと思うんですね。それなのに、それにもかかわらず裁判を始めるということは物すごく大きなプレッシャーであると。  それから、個人相手だけだったらまだいいんですけれども、会社も相手にする。何で会社を相手にするかといいますと、それは、損害賠償金の獲得を容易にするためには、個人だけではなくて、会社があれば会社も訴えた方がいいということになるわけなんですが、そのときに、在職しながら訴えるというのはとても難しいというふうに思うんですね。  私がそれこそ三十年間に扱った原告の人たちで、在職しながら裁判やった人というのは二人しかいないんです。一人はキャリアのある人ですね。だから、キャリアが中断するということはとても彼女にとっては耐え難いことなので、何とか大変でも守り抜きたいということ。それからもう一人は公務員だった人なんですね。これも、普通の会社に勤めている人よりはまだ立場上ましであったということがありました。それ以外の人はどうしたかというと、ほとんど全員が仕事を辞めてから、それでもやっぱりこの状況に納得できないということで、本当に文字どおり最後の手段として訴訟を起こすということになってきているわけなんですね。  会社に在職中の人たちは、それでは周りの同僚から支援を得られたかというと、それはほとんど得られないですよね。とにかく何だかトラブルメーカーだというふうに扱われたり、それからいろいろ良くないことを言われる、非難されるということ。それから、場合によっては、証言してやってもいいよという人もいるわけなんですね、証人になってもいいと。そういう人は、実際に会って話を聞いてみて、実際に裁判になると、いや、やっぱり自分の立場が悪いので証人になることはちょっと勘弁してねということになってくるわけなんです。ですから、日本の中で裁判をやるということがどんなに難しいかということなんです。  それから、性被害では、別にセクハラに限らず刑事事件でもそうなんですけれども、性被害に遭った人に対して、周りは基本的に何と言うか。それは、あんたに落ち度があったんじゃないか、あんたが悪いんだよということが一番最初にやっぱり言われることだと思うんですよね。そうすると、告発するということ、セクシュアルハラスメントであってもそれ以外の性被害であっても、告発をするということは、私にも落ち度がありましたと、その反面で言っているような実際的な結果になってくるわけなんですね。そのことがあるので、非常にいろんなことを考えて、本当にその覚悟を固めて、しかも孤立無援の闘いになってもやり抜けるのかという、途中でやめたって別にいいんですけどね、そういうふうに思ってやらなければいけないということなんです。  そして、このことは、こういう全体的な状況、裁判をめぐる基本的な状況と、とりわけ性被害に関わる裁判をめぐる特殊な状況とがあるので、日本の中では裁判を選択するということは非常に難しい、消極的なことになるということなんです。  さっき申し上げたように、私は、在職中の人って二人しか関わったことがないんですね。それ以外の人はみんな辞めているということなんです。裁判で勝った結果、低い賠償金でも入ってくればいいとするのか、あるいは確かに裁判で勝てば彼女はうそを言っていなかったということにはなるわけです、周りに対して。しかし、そのことが証明されたからとして、周りの人が考えを変えるかというと、そんなことは余りないんですね。だから、被害者としてはやっぱり納得できないという思いがずっと残る。  それから、被害者にしてみれば、重い被害が残っている、PTSDなんかが残っているときは、裁判は二年か三年で終わっても、その後もっともっと長い期間を、自分が受けたその被害の回復というのは大変難しいんですけれども、付き合わなければいけないという不条理もあるわけですね。だから、裁判に勝ったら終わりではないということが、不法行為でやっても、なかなか被害者本人の救済にならないんじゃないかというふうに私は思うようになったわけなんです。  それから、先ほどから措置義務の話が出ているんですけれども、これ、措置義務だって、会社に対して一体何人がそういうことを言い出せるだろうかということはやっぱり考えてみなければいけないと思うんですね。手続規定としては措置義務を申し立てることができるというふうに言っても、本当にそんなことが会社の中で言えるのかということになったときに大変難しいと思いますし、それは辞めてからだったら意味ないわけですね。  ですから、不法行為だけを当てにするのではなくて、もっと別の、もっと時間が掛からなくて、しかも煩わせが少ない、それからプレッシャーの少ない、そういう別の法的な救済方法を考えなければいけないと思いますし、それから、外国では、これは禁止規定を持っていることと連動しているんですけれども、もちろん司法的な救済はあるんですけれども、それ以外の、名前はいろいろ、人権委員会とか雇用平等委員会とかいろいろあるんですけれども、いわゆるそういう行政機関での訴訟にない、もっといろんなうまみを持った解決方法ができているということで、それを私、日本でも検討する必要があるというふうに思っております。  以上です。
  64. 倉林明子

    ○倉林明子君 ありがとうございました。  長年均等法を研究されてこられたということで、浅倉参考人にもお伺いしたいんですけれども、今回、労政審の建議のところででも、無期転換の非正規雇用労働者についてコース別雇用管理指針において位置付けるということになっていると、そして無期転換した人たちのコースも指針の対象に明確化するというふうにされたわけですけれども。無期に転換した非正規という人たちは、有期から無期にということでそれは一歩前進なんだけれども、正規の総合職とか一般職とか、もう手当や福利厚生などを含めて待遇全般で大きな壁がやっぱりあるというふうに思うんですね。  そういう意味でいうと、その待遇の違いも踏まえて内容を更に詰めていく必要があるんじゃないかと思うんですけれども、御所見を伺えたらと思います。
  65. 浅倉むつ子

    ○参考人(浅倉むつ子君) ありがとうございます。  おっしゃいますように、労働契約法十八条がありまして、五年を超えた有期契約労働者が申し込めば無期転換したものとみなすという、そういう規定があるんですけれども、結局は労働条件は有期の時代と同一であるというその定めがあって、私は以前からこれは非常におかしな条文だというふうには思っておりました。  ですので、無期転換した非正規雇用労働者という一つの雇用管理タイプですよね、その人も結局はいわゆる正社員と比較した際に職務の内容等を参照した上で適切な待遇を確保すべきだという、そういう意味では、今回のコース別雇用の指針の中で取り上げるという、そういう方針は非常に良いかというふうには思います。  しかしながら、その場合に、やはり同一の職務であるとか同一価値の職務であるという場合にやはり同じ待遇が確保されるんだという、その原則ですよね、均等待遇の原則というものを、それを柱にして御指摘のコース別指針においてそういう考え方を示していくということが非常に重要だと考えておりますので、具体的に指針の中で取り上げていただければと考えております。
  66. 倉林明子

    ○倉林明子君 時間になりました。参考にさせていただきたいと思います。  ありがとうございました。
  67. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。  今日はどうもありがとうございます。  様々、私も今質問の中でも学ぶべきことがあったんではないのかなと思って聞いておりました。  私、産業医やっておりますので、セクシュアルハラスメント、パワーハラスメント、まさに相談窓口でございます。しかし、こうやって相談を受けたとしても、結局、その後、もうここで止めておいてくれという方々がすごく多うございます。じゃ、相手とということになったり調査をということになったら、なかなかそこまで踏み込めないから。ですから、本当に、実は我々が思っている以上に現場ではもっと多くの被害を生んでいるんだなということは、私も肌感で感じているところでございます。  ですから、今回は事業者の措置義務というものが課される、でも、それだけでは私は不十分ではないかと思っております。ですから、もう少し、起こってからというよりも起こらないようにするためにはやはりどうしたらいいのか。厚生労働省などでもしっかりとそのグッドプラクティスなどを横の展開したりとか、こういうこと、ああいうことということの、様々きめ細やかに私は今後指導していく必要があるんではないのかなと思うんですけれども、その辺りのところを井上参考人と浅倉参考人、そして角田参考人、もしアイデアございましたら教えていただいてよろしゅうございますでしょうか、お願い申し上げます。
  68. 井上久美枝

    ○参考人(井上久美枝君) ありがとうございます。  やはり人権問題としてこの課題をどう捉えるかというのを、企業に入る前のところからしっかりと教育をすることが必要ではないかというふうに思います。  加えて、企業の中で、人権やあるいは男女平等、あるいはハラスメントに関して対応しない企業は、あるいは投資から外されるとか世界から淘汰される動きがありますので、その意味でも企業にとってのリスクが高いものだというふうに思いますので、従業員あるいは役員、全ての人たちがきちんとこのハラスメントに関する理解、認識、やってはならない、いけないことなんだということを教育する必要があるんじゃないかというふうに思います。
  69. 浅倉むつ子

    ○参考人(浅倉むつ子君) ありがとうございます。  先ほどちょっといろいろはしょって申し上げたんですけれども、角田先生の御発言もあったので、少し海外の事例を申し上げると、ベルギーに二〇〇七年に、労働における暴力、ハラスメント法という法律がございます。  それによると、やはりハラスメントの定義というのがそこでなされていますけれども、企業の義務として、例えば、先ほどから皆さんおっしゃっている第三者からのハラスメント、そういうものも行為記録として残せという、そういう条文もありまして、つまり、急にそれに対して企業が対応できなくても、従業員が第三者からハラスメントを受けたということもきちっと行為記録に残して将来的な参考にせよというような条文があったり、それから、やはり被害者に対しては、行政的な救済手続として様々な、司法救済ではできないような様々な、損害賠償も含めますけれども、使用者に対して、例えば解決を請求する権利とか、それから保護や原状回復措置とか相談支援とか、それからケアを求める、治療をしてほしいとケアを求める権利だとか、それから仕事を休みたいと言って休む権利とか、そういう労災認定をしてもらうための権利とか、そういう様々な、物すごくいろんな措置といいますか、同じ措置義務の中でももっともっと日本よりも幅広い措置義務というものが定められていますので、そういうことも御参考になるかなというふうに考えております。  以上です。
  70. 角田由紀子

    ○参考人(角田由紀子君) 予防、どうするかということですね。  これ、大変難しい問題でして、私も、裁判をやっても、結局、原告の人にとっては本当の回復にならないし救済にならないので、実は講演なんか頼まれると、裁判というのは余り、私が言うのも変なんですけど、役に立たないですよと。  それよりは、もし本当にお金を掛けるんであれば、企業であっても予防にお金を掛けてほしいというふうに思うんですが、そのときに、やっぱりセクシュアルハラスメントは何なのかということを基本的に教育するというんですかね、そういうものがないと、おざなりなことをやっていてはしようがないんじゃないかというふうに私は思っているんです。  これが、だから本当に深刻な解決すべき問題であるということを、どういうふうに、企業もそれから従業員も理解できるような、そういう内容の研修をすべきだというふうに私は考えているんですね。  それで、自分が呼ばれて行ったときも、私の話を聞いて、今日研修したからいいというのでは困りますよと、そんなものではないんだから、これは単なる入口だから、もっと本格的な理解に進まないと、どうすれば予防できるかという理解も進まないでしょうと。だから、そういう、もっと連続して中身のあるものをどういうふうにやっていくかということも考えていただかなければいけないと思うんですね。  ですから、例えば窓口の設置の問題ってあるんですけれども、窓口つくればいいという問題じゃないんですが、でも、窓口つくって、つくったということになるわけなんですよね。そこに、窓口に座っている人はセクシュアルハラスメントについてどういう考え方を持っているのかということをきちんとチェックしないと、窓口つくったということが単なる言い訳になってしまうので、そういうことも含めて、これに関わる人が本当に人権問題だという認識を深く深くしてもらうにはどうするのかと。  そのためには、やっぱり教育というか勉強というか、そういうことが必要になってくるんだろうと思いますし、それから今、浅倉さんも言われたように、外国の例をもっと真剣に私は参照した方がいいというふうに思います。日本の中だけだったら何だか行き詰まったような感じになるんですけど、そうじゃない国があるわけなので、さっきどなたかおっしゃいましたけれども、どうしてほかの国ではできているのかということを考える必要があるんではないかというふうに思います。
  71. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  本当に勉強になります。まだまだこれが入口だと思っております。  それに当たりまして、武石参考人、輪島参考人にもお尋ねをさせていただきたいと思います。  今回、女性活躍の方でも、結局、ポジティブにアクションを起こしていくための一つのものとして様々な指標なども今後定められていくのではないのかなと私は考えております。  東先生おっしゃったように、えるぼし認定というのが更に私は企業にとって利益があるものという形でつくり込まれるべきだと考えておりますけれども、武石参考人、輪島参考人におかれましては、そのインセンティブをどのような形でつくり込んでいったら更に、企業側として、褒めてもらうというだけではなく、もっと本気になって取り組もうと、まさにセクハラ、パワハラも同じようですよね、そういう考えに至っていただけるのかという、もし知恵がございましたら教えていただけませんでしょうか、お願い申し上げます。
  72. 武石惠美子

    ○参考人(武石惠美子君) 企業のインセンティブということで、今の仕組みはえるぼしというのがございます。  先ほどの御質問の中でも、求職者はどう見ているのかというお話があったんですが、私は大学で学生たちには、えるぼしとかくるみんというのは大変企業の人事管理を見る上で重要な指標なので、それを見るようにと若い学生たちには申し上げており、多分多くの大学でそういう指導が行われていると思います。ということでいうと、結構若い学生たちは、えるぼしとかくるみん、よく知って、そこを注目しているというのが一点ございます。  それから、女性が活躍するというのはやはり企業のこれからの人材活用策として大変重要な、ダイバーシティー経営ですとか、そういう中で重要な施策になっていくということの理解をきちんと進めるということが大変重要で、女性の福祉的な視点から女性の活用を進めるのではなく、もう企業経営にとってこれは不可欠なことなんだということの御理解をしていただくということがまず重要かなというふうに思います。  そういうことを、実際にそういうデータであったりエビデンスであったり、あるいはそういう企業の事例というのが広く普及していくということが企業のインセンティブにつながるというふうに考えております。  以上です。
  73. 輪島忍

    ○参考人(輪島忍君) ありがとうございます。  余り近道というのはないのかもしれませんけれども、しかしながら、採用の場でいうと、働き方改革というふうに言われておりまして、その点でいうと、学生の方から面接のときに、例えば、時間外労働はどれぐらいありますかとか、ちゃんと休めるんですかとか、育児休業とか、そういうような意味合いで企業の方にさらされるといいますか、チェックをされるというような場面が最近は非常に多くなっているのではないかというふうに思います。  人事の担当はそこで常にいい人を採りたいというようなところから、やはり企業内の状況をきちんと対応していかなきゃいけないというふうなインセンティブになるわけですから、そういうようなところも含めて、民度を上げていくといいますか、そういうような取組を着実に進めていくというようなことで推進をしていくのではないかなというふうに考えているところでございます。  以上です。
  74. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。  時間になりましたので終わらなければならないんですけど、話はここで終わるわけではなく、これから先も、未来の次の世代の子供たちのためにもしっかりと私どもは議論をさせていただこうと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。  ありがとうございました。
  75. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人の方々には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。(拍手)  午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午後零時七分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  76. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。  政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省雇用環境・均等局長小林洋司君外九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  77. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  78. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) 休憩前に引き続き、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  79. 石橋通宏

    石橋通宏君 立憲民主党・民友会・希望の会の石橋通宏です。  先週木曜日に続きまして質疑させていただきますが、今日午前中に参考人質疑をやらせていただきました。ちょっと大臣、どこまで時間があったかどうか、また、中身についてまだでしたらしっかりお聞きをいただきたいと思いますが、五名の参考人の方々から大変有用な、有益な、様々、専門的見地からの御意見、また、現場でこの間、セクハラ問題、パワハラ問題、女性の活躍、携わっておられる方々の非常に具体的な、今回の法案に足らざるところを中心にどうすべきかということの御示唆も含めていただきました。  本来ですと、これを受けて更に我々のこの委員会審議を深めていきたいというふうに思っておりますが、どうも時間が限られている状況になってしまっておりますので、その限られた中でできる限りしっかりとした、今後につながるやり取りをさせていただきたいと思いますので、できるだけ簡潔に、しかし明確な御答弁をいただきますことを冒頭重ねてお願いをしておきたいと思います。  済みません、ちょっと後ほど、緊急でしたけれども、あきもと内閣府副大臣の答弁を要求させていただいた関係で、質問を入れ替えて、済みません、させていただきたいと。今日必ず聞いておきたい点を先にさせて、パワハラの件をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。  最初に、前回ちょっとかみ合わない答弁をいただいてしまいまして、局長の答弁、必ずしも違うのではないかということも含めて、その後も確認をさせていただきました。いま一度、今回のパワハラの措置義務、残念ながら、今日午前中、参考人も、対象が非常に狭いと、そのことが大きな問題であるという話がありました。それを規定しているのが、総合推進法改正案第三十条の二、この条文の法的効果がどこまで及ぶのかということが問題であって、それを前回改めて確認をさせていただいたわけです。  局長、前回の答弁、修正が必要だと思いますが、改めて整理をして、この事業主に措置義務が課される、法的な、課される、この場合では加害者被害者、それが同一の事業主にあるというのがこの条文で読めるのか読めないのか、そこも含めて明確に答弁をいただきたいと思います。
  80. 小林洋司

    政府参考人(小林洋司君) 労働施策総合推進法第三十条の二のパワハラの措置義務でございますが、結論としては、社内のパワハラを対象としておるものでございます。この措置義務が社内のパワハラを対象としているということにつきまして、前回三点申し上げました。  一つは、取引先や顧客等からのカスタマーハラスメントというのはどこからが迷惑行為に当たるかといった判断が社内のパワハラ以上に難しく、また再発防止までの措置を課すことも難しい面があるということ。それから、労政審の建議において、パワハラの措置義務につきましては社内の者からの言動を対象とするというふうにされておりまして、その旨法律に基づく指針で明確にしていくということ。それから、今回、セクハラについて、パワハラと異なり、企業間の協力規定というものを法文上明らかにしております。これとの対比で社内に限られるということが理解されるということを申し上げたわけであります。  これらに加えまして、三十条の二の条文上も加害者が社内の者に限られるということを前提とした規定ぶりとなっておりますので、その点を補足して御説明申し上げます。  まず、三十条の二におきまして、職場におけるパワーハラスメントについてこう規定しております。一つは、「職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であつて、業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの」ということであります。この「職場において行われる」というのは、「優越的な関係を背景とした」にも係りますし、「業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの」にも係る、全体に係っておる表現であります。  したがいまして、ここで言う「優越的な関係」というのは、職場における、すなわち自社の業務の遂行に当たっての優越的な関係であり、また、「業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの」というのは、自社の業務の遂行上必要かつ相当な範囲の言動であるかをメルクマールとしているということであります。  したいがいまして、加害者につきましても自社の業務を遂行する社内の者に限られる、そういう趣旨で規定されているものでございます。
  81. 石橋通宏

    石橋通宏君 先週その答弁をしっかりいただきたかったわけです。逆に、私、先週のままほっておいてもよかったんですけれども、それではきちんとした法律の解釈がなされないことを思って、今日改めてこうして確認をさせていただきました。  我々としては残念なんですよ、そうやって対象が非常に限定をされてしまっているということ。ただ、今回のパワハラ規制措置義務を置くという、半歩前進といいましょうか、その中でこういう規定を置かれたということです。  ただ、重ねて、局長、これ大臣も是非御理解をいただきたい。私が前回申し上げたのは、措置義務、法律上の効果としてはそういう整理を今回されたと。ただ、じゃ、実際に事業主が必要な措置義務、これ省令で規定するわけですね、セクハラ並びで。そのときに、その措置義務をきちんと責任持って、効果ある、実効性ある形で遂行していただく。それがきちんと遂行される、それが責務としてやられれば、実際の効果は幅広く及ばせることができるのではないか。いや、及ぶようにしなければいけないと。それをしっかり省令上、そして雇用主の責務としては規定をしていただきたいということをお願いしたわけです。  改めて確認します。  つまり、例えば措置義務を課された事業主は予防措置を講じますね。加害者になってもいけない、パワハラは駄目なんだと。加害者になっても当然いけない、加害者がいなければ被害者も生まれないわけですから。加害者になってもいけない。加害者になってはいけないということは、相手、関係ないわけです。自社の人はいけないけれども外の人はいいよなんて、そんな話はないわけで、パワハラは絶対に駄目だ、相手が誰であろうとパワハラ行為はいけないんだ、そういうしっかりとした措置義務を実行していただくわけですよね。重ねて、被害に遭う、相談窓口を設置する、相談があったときには迅速、適切に対応して保護をする。働く者を守るために、それを義務を課してやっていただくわけですよね。  であれば、いや、加害者が外の人間だから知らないというわけにいかないですよね。そんなことさせないでしょう。ちゃんとした措置義務を対応していただくのであれば、窓口を設置して、まずはとにかく相談してくれと、何かあったら。相手が誰であろうと相談してもらって、そして適切に対応する、それがやっぱり事業主の責務ですよね。それをちゃんと指針で明確にして、広く労働者を守るんだと。よろしいですね、それで。
  82. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 石橋委員のおっしゃるとおりであります。  規定上は規定上としてありますが、やはり措置義務の具体的な内容、それは相談窓口をきちんとやって相談する、こういうところに相談しなさいよと。あるいは、パワハラは、要は事業主の責務としては、自社の労働者が他社を含めた他の労働者に対してパワハラを行わないように研修等の必要な配慮を行うよう努めるべきこと、これはもう規定していますから、あるいは労働者の責務として、他社を含めた他の労働者に対する言動に注意を払うよう努めるべきである、こういうことも規定しておりますので、指針においてその趣旨をより明確にしたいと思っております。  委員の今おっしゃられたことは、我々もきちんと指針において明らかにして、そしてこれをきちんと周知することによって、ハラスメント、取引先も含めたハラスメントの防止、こういう社会的機運の醸成に努めていきたいと、こう思います。
  83. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 大臣に今御確認をいただきました。  重ねて、今回の趣旨、これまでパワハラが規制をされてこなかった、多くの働く者が残念ながらパワハラによって仕事が困難になる、安全な職業環境が脅かされる、時には命が失われるような深刻な事態も発生している。何とかしなきゃいけないというところで、今回、この法案を提出された。であれば、とにかく被害が起きないように、パワハラがまさに根絶されるように、措置義務では、法律上はこうだけれども、しかし、運用の中で責務としては広く労働者が守られるように対応いただく。大臣に答弁いただきましたから、これ、我々もしっかり今後の省令含めて見ていきますので、また労政審でしっかり御議論いただくことも含めて対応いただきますことを強くお願いしておきたいと思います。  その上で、問題となるのはやっぱり措置義務の内容と、果たして本当に、じゃ実効性ある措置義務実行していただけるのかということです。これ、午前中の参考人質疑でも重ねてこの点が議論になりました。長年、既に同じ、同様の措置義務で対応いただいているセクハラについて、残念ながら今に至っても多くの事業主がその措置義務を果たしていただいていないと。相談窓口の設置ですら、いまだに残念ながら多くは相談窓口設置されていないし、相談窓口が設置されていても、担当者の教育訓練、指導、それがほとんど行われていないと。どこに実効性があるのかということがセクハラについても言われているわけです。  じゃ、パワハラで今回措置義務を課す。セクハラ並びでやるんだ。でも、まさにそのセクハラで、残念ながらここに至ってもそういう残念な状況にある中で、どうやって具体的に実効性ある形で事業主がその措置義務をちゃんと果たしていただく、どう確保していくんですか、大臣。
  84. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) パワハラに関して事業主が講ずべき雇用管理上の措置の具体的な内容、これは昨年十二月の建議の内容を踏まえて、現行のセクハラ指針などを参考に労働政策審議会で議論することになりますが、社内方針の明確化、これは、パワハラを行ってはならない旨や、加害者に厳正に対処をする旨の方針等の明確化をして、及びその周知啓発として就業規則などにおいてこれらの方針を示して、これを研修の実施等により社内に周知することとしたいと思います。  さらに、相談体制の整備については、相談に応じ適切に対応するために必要な体制の整備として、相談担当者を明確化し、マニュアルに基づき対応する。あるいは被害者へのケア、これは、事後の迅速かつ適切な対応として事実関係を確認し被害者のケアや行為者への対応を行うことや、社内方針の再周知等の再発防止措置を行うこと、こういうことをしっかりとこの方針の中で書き込んでいきたいと思います。  また、セクハラの措置義務については、中小企業を中心として実施状況が依然として十分でない状況があって、より踏み込んだ対応が必要であると考えております。  このため、今回の法改正では、このような措置義務の実効性を向上させるために、セクハラ、パワハラに共通して、一つは、国、事業主及び労働者の責務としてハラスメントを行ってはならないこと等を明確化いたします。また、労働者が事業主に相談したことなどを理由とした不利益取扱いを禁止するといった対応を行っております。  また、パワハラについては、業務上必要な指導との線引きが難しい面があることから、企業がどのような点に留意して具体的な措置を講じていくべきか、これを指針でより一層分かりやすく示していく。あるいは、何がパワハラに当たるかの認識を職場ですり合わせることや、個々の相談に当たる相談部門の重要性を指針で示していく。さらに、中小企業に対する支援を充実することなどによって、企業が措置義務を適切に履行できるようにしっかりと対応を行っていきたいと思います。
  85. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 お手元の資料の四で、厚生労働省からも改めて、じゃ、セクハラについて措置義務の履行状況、実行状況がどうなっているのか最新の情報を出してくれとお願いをしたら、JILPTのこの実態調査結果。これももうちょっと古い材料ですし、その後これがどこまで進捗をしているのか、厚生労働省としてどこまで確認、チェックをされているのか、お願いしても出てこないのでこれしかないんだろうというふうにも思います。  これを皆さん引用されているわけですが、重ねて、大臣が今るる言われましたけれども、この間セクハラについてだっていろんな取組をされているはずです。されてきたのにこの状況なんです。されてきたのにこの状況ということは、同じことをやっていたら同じ状況にしか終わらないのではないか。だから、皆さん、残念ながら、それでもう進まないのではないかという懸念をされている。  改めて、これ今、今実際どうなっているのか、なぜ取組が進まないのか、どういう理由なのか、何をしなきゃいかぬのか。それをしっかりと、セクハラについても、今回新たに措置義務を課すパワハラについても、実効性ある形を担保していく。それはやっぱりやっていただかないと、同じことになりますよ、五年たったって。それではいけないという強い決意で臨んでいただきたいわけです。  是非、セクハラについても、改めて進捗状況の確認、なぜ進まないのかの確認、どうやったら進むのかということの確認、それを併せて、セクハラ対策の強化、パワハラ対策の実効性ある形の担保、それをやっていただくということでお願いしたいと思います。  大臣、最後、それはイエスだけで答弁お願いします。
  86. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 委員のおっしゃるとおりですから、しっかりと取り組みたいと思います。
  87. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 イエスで答弁をいただいたというふうに思います。  その上で、これはやっぱり提案なんです。パワハラなりセクハラなりも同じですね。現場で何が起こっていて、本当に企業で事業主が措置義務を果たしているのか。例えば、窓口が本当に実効性ある形でつくられているのか、相談しやすい体制があるのか。いや、やっぱりこれ相談したら広まっちゃう、プライバシーも守られない、若しくは二次被害があるのではないか。そんな状況じゃ、労働者、何かあったって結局相談できない、泣き寝入りせざるを得ない、自ら辞めざるを得ない。  そういった状況があるとすれば、やっぱり実効性を担保する上で一番一つ確実な方法は、現場の当事者、労働者、従業員の皆さんを参加、参画していただくことだと思います。全てのプロセス、どういう窓口をつくるのか、どういう周知啓発体制を取るのか、何をやって、そして何をつくっていくのか。そういうプランニングの段階から含めてちゃんと労使で話し合っていただいて、そして現場の従業員の皆さんが、これなら安心して我が社、外向けにも、まさにこれが我々が誇る対策だと、そこまで言っていただけるような形を労使でつくっていただく。労働組合があるところは労働組合でしょうし、労働組合がないところは従業員代表でしょうし、そこがないところでも、例えば労働安全衛生委員会等、労働安全衛生を守る上では各職場で労使の委員会立てたり、労使の協議体をつくってやっていただいているわけです。  同じようなことを、セクハラ対策やパワハラ対策や、いや、これ女性の活躍も同じだと思いますが、その推進に向けてもやっていただく。そこで実効性を担保する取組を更に前に進めていく。大事なことだと思いますが、それを是非きちっとした形で、例えばもう省令なりで明記するというようなことも含めてやっていただきたいと思いますが、どうでしょうか。
  88. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) 御指摘いただきましたように、労働者側も参加するという枠組みを活用して防止対策を進めていく、これが措置義務の履行確保を図る上で非常に有効な手法だというふうに考えております。  今、御提案のございましたように、例えば安全衛生委員会を活用してパワハラ防止対策について議論をしている例もあるというふうに承知をしているところでございます。  今後、パワハラ防止のための指針について審議会で議論して策定していくということになるわけでございますけれども、今いただいた御指摘も踏まえて、企業が適切に措置義務を履行することが促されるような内容になるように努めてまいりたいというふうに思います。
  89. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 結局、例えば労働局の相談対応などなど含めて、現場の皆さんからは、残念ながら十分な対応をいただいていない、できていないというようなクレームが上がっている。だから、ここをどうしていくかも重要ですが、まずやっぱり企業内で、労使でしっかりとした形、体制、取組、それをつくっていく、労働者の、従業員の参加の下にやっていく。そこでいろんなことができるはずなんです。  だから、それを是非指針なりできちっと明記をして、それが促進される、促進していただく、そういう形を、厚生労働省、是非、大臣、音頭取ってやっていただきたいということを重ねてお願いしておきたいと思います。今局長答弁いただきましたから、具体的にそれが担保される形で取り組んでいただきたいということを併せてお願いをしておきたいというふうに思います。  それから、ちょっと我々気にしておりますのは、二次被害対策、それから、今回法案にも書かれておりますが、このパワハラに対して相談をしたり、そういった当事者若しくはその周りの人たち、不利益な取扱いをしてはいけないということは規定をされております。  ただ、これ、最初の措置義務の法的な効果の範囲にも関わるんですが、じゃ、相談をしました、相談をしたんだけれども、実は加害者は企業内の人間ではありませんでした、例えば取引先の社長さんでした。途端に事業主の態度が変わって、いや、おいおいおいおい、大切な取引先の社長さんなんだ、何を言い出すのかみたいなことが起こっちゃいけないわけでしょう。でも、この不利益取扱いの禁止規定は、じゃ、そこにも及ぶんでしょうか。相談をした、そのときに相手方が事業主の外の人間だった、いや、そうしたら途端に不利益取扱いの禁止規定から外れます、だから、事業主は不利益取扱いしちゃうかもしれない。それでは意味がないと思いますが、これどうするんですか。
  90. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) 御指摘のように、今回、相談等を行った場合の不利益取扱いの禁止規定を設けておりますけれども、先ほど冒頭お話し申し上げましたように、パワハラが社内の者を対象にしているということがございますので、この不利益取扱いの規定についても直接的には社内ということになります。したがって、加害者が社外の者である場合には、この法律自体は適用されないという形になるわけであります。  しかしながら、御指摘ございましたように、加害者が社外の者であったとしても、その労働者から相談があった場合に不利益取扱いを行うというのは当然適当ではないというふうに考えられるところであります。  今回、加害者が社外の者であるいわゆるカスタマーハラスメントにつきましても、パワハラ防止指針の中で望ましい取組というのを明示することとしたいと思っておりますが、その中で、加害者が社外の者である場合であって、相談したことを理由とした不利益取扱い、これも行うべきではないという旨を示していくということも重要なことと考えますので、その点も審議会でしっかり御議論いただきたいというふうに思っております。
  91. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 大事な答弁いただいたと思いますので、今答弁いただいたような方向で是非労働者が守られる形を、実効性ある担保をしていただきたいというふうに思いますので、これも厚労省の取組、我々もウオッチしていきたいと思います。  この件で最後にもう一つだけ、地方公務員への対応、適用について、これも懸念の声が上がっています。というのは、地方公務員もこの法案の適用対象にはなるわけですが、残念ながら労働局における救済の制度が使えません。それがために、地方公務員で、残念ながら、セクハラもそうです、今回適用になるパワハラもそうですが、何かあったときに部外でそれを相談して救済を得るようなスキームが使えないという問題が指摘をされております。  地方公務員の場合、例えば、人事委員会、公平委員会などでというふうには言われていますが、残念ながらそれが機能していないからそういう声が現場から上がっているんだと思いますが、今回パワハラの措置義務を課す、そういうことも含めて、この地方公務員へのしっかりとした適用の在り方、どのように総務省との対応も含めてやっていくのか、おられるのか、確認をお願いします。
  92. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) 今御指摘ございましたように、地方公共団体につきましては、地方公務員法に基づいて中立、専門的な人事機関として人事委員会あるいは公平委員会といったものが設置されておりますので、今回、地方公務員にパワハラの措置義務は掛かっておりますけれども、調停制度等の規定は対象としていないところでございます。  一方で、措置義務が掛かっていながら、その紛争解決の仕組みが実質的に機能していないというような状況があるのであれば、それは非常に問題があるというふうに思っております。この辺は総務省ともよく確認をしていく必要があると思いますし、今後、改正法案の施行を図っていく上で、この人事委員会等の仕組みについてもきちっとしていただくということが重要だというふうに考えますので、その点、総務省とよく連携協力して必要な対応を行ってまいりたいというふうに考えております。
  93. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 ここも総務省との連携が必要だということも重々理解しておりますので、しっかりと総務省と連携していただいて実効性ある形を取っていただくことを、これもお願いをしておきたいと思いますので、これも我々しっかりウオッチをしていきたいと思います。  以上、済みません、ほかの関係も用意をしておりましたけれども、私の持ち時間なくなってまいりましたので。  今日、あきもと副大臣、済みません、急遽お願いをして御出席をいただきまして、公務等多忙だったと思います、ありがとうございます。  実は今日、副大臣来ていただいた、もう御自身でお聞き及びだと思いますが、一部報道で、先般成立をいたしました子ども・子育て支援法案、ここでかなり我々も厚生労働部会として、委員会としても議論をさせていただいたのが企業主導型保育事業に関わる様々な問題です。定員割れ、不適切な開設が行われていたのではないだろうか、質が担保されていないのではないだろうか、その在り方について多くの疑念が議論をされて、これどうしていくのかということが重大なテーマの一つでありました。  その中で、今回の報道によりますと、副大臣について、このまさに企業主導型保育事業の開設について口利きをされたのではないか、その見返りにパーティー券の購入など利得を得られたのではないか、そういった報道でありまして、まず、我々も、済みません、報道ベースでしか知りませんので、今日、直接事実関係をこの場で国民の皆さんにも説明をいただければということで来ていただいたことで、御理解をいただければと思います。  最初に、塩田大介という人物、副大臣、御存じでしょうか。
  94. あきもと司

    ○副大臣(あきもと司君) 恐らくこの報道にある塩田大介さんというのは、私が恐らく秘書時代に、また先輩の関係で、もう遡るところ二十年ぐらい前になるんでしょうか、お会いしたことはあると思います。しかし、その後、この記事にもありますように、彼自身が自らの起こしたことで刑事事件になったこともあって、それ以来はもうお付き合いというものを、余り会う機会もなく、私自身も現在に至るまでお会いする機会はなかったというのが現状であります。
  95. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 最後にお会いになったのがいつ頃か、御記憶ですか。
  96. あきもと司

    ○副大臣(あきもと司君) ちょっと今、実はその記事を私も見て、先ほど、今、質問があるということで実はこの記事を知ったところでございまして、私自身も記憶を呼び戻すのもあれなんですけれども、少なくてもここ、そうですかね、正式に面会をして会ったという、そういった中においてはここ五、六年はないと思います。
  97. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 それは、いかなる形でもということですね。今面会をと言われましたが、プライベートで会食をされたり云々、そういうことも含めて、この五、六年は一切なかったということでよろしいですね。
  98. あきもと司

    ○副大臣(あきもと司君) 少なくても、会食という形では、もうある意味、十年、もう下手すると十五年以上お会いしていないんじゃないかと思います。  ただ、いろんなところのいろんなパーティーなんかで時たまお会いするということは、五年ぐらい前にはお会いしているかもしれません。
  99. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 塩田さんと関係の深い個人なり団体なりから塩田氏からの依頼を間接的に受けたようなことはありますか。
  100. あきもと司

    ○副大臣(あきもと司君) 私自身は、何といいますか、この保育型企業と、例えばこの件はいろいろと地元の皆さんからもいろんな陳情とかもございますから、そういった意味においては、この保育型事業に対してのいろんな話は伺ったことがありますけれども、少なくても私の中、私自身が塩田さんということを通じて個別具体的に何か頼まれたということはありません。
  101. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 塩田さんとおっしゃる方、若しくはその関係の方、関係の組織、団体含めて、一切、この間、何ら要請なり要望なり依頼なり、そういうものはなかったということで、確認ですが、よろしいですね。
  102. あきもと司

    ○副大臣(あきもと司君) 申し訳ないですけど、その間接的なというのは非常に私も定義が難しいんですけれども、彼の取り巻きがどういうふうになっているのかということも含めて、私自身は少なくても直接の依頼を受けたことがないというのが事実だと思います。
  103. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 この間、先ほど申し上げたように、企業主導型保育事業、とりわけ、その開設に関していろいろ問題になっております。  この企業主導型保育事業の、先ほど地元の方から云々という答弁はありましたが、この開設に関して、誰からか、開設に力を貸してほしいとか、相談なり手伝ってほしいなりのお願い、それを要請を受けたことはありますか。
  104. あきもと司

    ○副大臣(あきもと司君) この制度、一般の方には非常に分かりにくい制度であるので、よく地元の企業等からこの施設について問われたことはあります。そして、問われる中において、例えば申請の仕方云々について問われたことはありますから、そのときには、正直言って、内閣府が出しているパンフレットございますから、そこで普通に問合せをしていただければ結構ですという形で、私自身としては、直接何かつなぐとか口利きをするとか、そういったことはございません。
  105. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 直接、内閣府の担当なり、報道で伝えられているのは、育成協会の名前も出ておりますが、そういったところに、副大臣直接なり秘書の方を通じてなり関係ある方を通じてなり、その件をつないだ、口を利いた、若しくは紹介をした、そういうことも含めて一切なかったとおっしゃる。
  106. あきもと司

    ○副大臣(あきもと司君) 私自身はまずしていないということは事実、私自身も今答弁させていただいたところでございますけれども、正直言って、今この紙をいただいたものでこの報道のことも私も知ったものでありますから、事務所全体、地元の秘書も含めてですね、いろいろな日々の陳情、地域活動の中で来ることがございますから、その中で問合せをしたかどうかというのは、私自身ももう少しこれは調べてみないと分からない、それが今私の答弁できる範囲です。
  107. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 今、調べてみないとお分かりにならないということでしたので、ここは是非、こういった報道があったわけですから、確認をしていただきたいと思います。  もう一つ重大な指摘があって、要は、先ほど、その見返りを受け取っていたのではないか、それはパーティー券の購入で、二〇一七年の収支報告に、これは報道ベースなので、塩田氏と関連のある方々、塩田氏から依頼を受けたのではないか、購入したのではないかと思われる方々、少なくとも約二百五十万円分ぐらいはパーティー券の購入があるという指摘です。  この件に関しての事実確認、事実関係、副大臣、どうでしょうか。
  108. あきもと司

    ○副大臣(あきもと司君) まさにこれこそ今初めて指摘されたことなので、私自身、まだこの間で調べている時間がないということが今言える範囲でございますけれども、少なくても、こういったことの見返り等で私自身がこのパーティー券を購入を依頼を掛けるということはありませんし、これまでもやってきたことはございません。  そして、今、私も、いただいたこのもので、写真が、私の、何ですか、この副大臣室で写真が写っているのがあるんですけど、ここに写っている方は、本人、個人の名誉のことがあるので余り名前は申し上げませんけど、この方は普通の、何といいますか、いわゆる業界、各種団体の業界の方でございまして、たまたまその方がホームページに載っけただけであって、これの多分関連と、このホームページの、フェイスブックの写真とは全く当てはまらない人物なので、この写真自体がいかがなものかと、そのように思うところであります。
  109. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 今日、急遽質問させていただいておりますので、副大臣御自身で、答弁いただきましたように、改めて確認、チェックが必要な事項については是非確認をいただければと思いますし、確認いただいた内容について国会にまた御報告をいただく、これからまたちょっとあっちこっちで質問が出るかもしれません、是非しっかりとした答弁をいただけるように準備をいただきたいと思います。  とりわけ、今の収支報告の関係、適切にこれまでも申告をされているんだというふうに理解をしておりますが、その関係者がひょっとすると副大臣が御存じない範囲で出ているかもしれません。そういったことも含めて、改めて過去を遡って確認をいただければと思いますので、そのことをお願いをさせていただいて、重ねて、今日急遽でしたが、来ていただいて、真摯に御答弁をいただいたことには感謝を申し上げたいと思いますので、以上を申し上げて、私の質問、今日のところは終わりにさせていただきたいと思います。  ありがとうございました。
  110. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) あきもと副大臣、御退席してくださって結構です。
  111. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 福島みずほです。  冒頭、この厚生労働委員会で、石橋委員、そして私も、東電の、福島東電原発事故における廃炉作業に特定技能一の労働者を活用すべきではない、従事させるべきではないという質問をしてきました。厚生労働省がこれについて通達を出してくだすって、東電が国の通達翌日に就労の見送り、ただ、当分の間見送りという、その当分の間というのはちょっと私自身は不安には思うのですが、厚労省がこの通達を出して、東電がそれを重く受け止めて従事をさせないという判断をしたことは、私は良かったと思っております。  新聞記事によれば、例えばベトナムの大使館、現在の第一原発でベトナム人労働者が働くことは違法になると言っていて、各アジアの国からもこういう声が上がっておりますので、厚生労働省が素早い決断をしてくだすったということには感謝を申し上げます。  大臣、一言ありますか。
  112. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 私、記者会見で申し上げましたが、日本国内でこれから仕事をされるいわゆる特定技能の方々、これは、その大半が五年経過後に帰国されること、また日本語や我が国の労働慣行に不慣れであるといったことについて、こういう点を考慮に入れながら、このような方々について、同じ業務に従事する日本人の方と同等以上の安全衛生水準が確保されるよう特段の安全衛生管理体制の確立が必要であると、私はそう感じておりましたので、その意味では、現状において、東電福島第一原発構内外の廃炉作業を始めとする放射線業務等に特定技能の外国人の方々に従事いただくか否かについて極めて慎重な検討を行う必要があると考えております。  その意味では、東電に本件に関する検討と検討結果の報告を求めることとして、その旨を文書で通知させていただきました。東電は、その意味では、そこは東電は適切な判断をして、東電の判断で適切な判断をしていただいたものと考えています。
  113. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 これは、厚生労働省が迅速に動いてくだすったことには本当に感謝をいたします。従事させないように、私たちもきちっとウオッチしていきたいと思います。  本日午前中、参考人質疑がありました。大変有益な様々なことを教えていただいたと思います。参考人の方たちからは、なぜハラスメント禁止を規定しないのかということが質問になっております。  今国会で、子供の虐待防止法は、子供の虐待、子供への体罰禁止の条文が盛り込まれるということになっております。民法の懲戒権の規定があるけれども、民法の規定はあるけれども、それも将来検討事項にして、今国会、子供の体罰禁止が入るわけです。  私の質問は、なぜ子供の体罰禁止は条文で書かれるのにハラスメント禁止は書けないのか。なぜですか。是非入れてください。
  114. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) 今、児童福祉法等の改正法案におけます体罰禁止規定について御指摘ございました。  これ、刑事罰による制裁を科すことですとか、民事上の損害賠償請求等の直接の根拠となるような性質の規定ではなく、訓示的な規定であるというふうに承知をしておるところであります。  ハラスメントの禁止規定を設けるかどうかにつきましては、労政審におきましても議論が行われたところでございますが、昨年十二月の建議におきましては、現状でも悪質なハラスメントは既に刑法違反に該当し、不法行為として損害賠償請求の対象にもなり得る中で、民法等他の法令との関係の整理や違法となる行為の要件の明確化等の課題があり、中長期的な検討を要するというふうに整理をされたところであります。  ただ、措置義務規定の実効性の向上を図るべきという点につきましては共通の認識が得られたところでございまして、関係者のセクハラ等を行ってはならないという責務の明確化ですとか、それから不利益取扱いの禁止規定、あるいは他者との間の協力の努力義務の規定といったことについては盛り込んでおるところでございます。
  115. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 全く納得いきません。  体罰の方は、民法に懲戒権があるが、にもかかわらず体罰禁止をやっぱり入れるべきだと、すさまじい事件があるからこれ体罰禁止と入れたんですよ。ところが、ハラスメントについては置かない。民法との整理が必要なのはむしろ体罰規定の方じゃないですか。なぜか分かりません。  売春防止法は、例えば、「何人も、売春をし、又はその相手方となつてはならない。」、これ訓示規定ですが、別に罰則規定も何もありません、処罰の規定もありません。でもこういう規定があるわけですね。だとしたら、なぜ置くことができないのか。  午前中、浅倉参考人はこうおっしゃいました。現在のような、事業主に対するハラスメントへの適切な対応という雇用管理上の措置義務だけでは決して十分ではありません。それでは、一般の人々に対して、なぜハラスメントが許されない行為なのか理解させることができないからです。どう聞かれますか。
  116. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) 先ほど申し上げましたように、今回、責務規定というのは置かせていただいたところでございまして、そこでは、セクハラを始めとするハラスメントは行ってはならないものであると、この認識を皆さんが理解し、広めていこうという規定は盛り込ませていただいております。  その上で、先ほど申し上げましたように、禁止規定については中長期的検討ということにされたわけですが、建議のところでは、今回の見直しによる状況の変化を踏まえた上で、ハラスメントの問題に関する様々な動きも考慮しつつ、その必要性も含め中長期的な検討を要するというふうに整理をされたところでございまして、まずは今般の措置義務の実効性強化ということを図ってまいりたいというふうに考えております。
  117. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 ハラスメントの禁止を明示的に入っていないんですよ。子供の体罰は禁止するのに、なぜハラスメントは禁止しないのか、理解ができません。  これ、入れることで、一般の人も、あっ、これハラスメントは駄目なんだと。民法上、刑事上の整理が必要というのも、それは違います。ハラスメント、例えばセクハラ、パワハラ、ハラスメント禁止という条文を置いても、刑事罰を何を科すかは刑法で決まるわけですし、それは別途の法律の問題です。ハラスメントを禁止することに対して、何も問題はないんですよ。禁止規定を置くことに、使用者側に遠慮したとしか思えません。  これは、六月にILOの条約が採択されれば、世界で禁止規定を置かない日本は珍しい国になっていきますから、これ禁止規定、しかも今日、参考人からもありました、誰も様々なハラスメントを受けてはならないための包括的なハラスメント禁止法にすべきだと浅倉むつ子参考人はおっしゃいました。そのとおりだと思います。そこに向かってやっていくように強く求めていきます。  次に、セクハラ、パワハラの違いについてお聞きをいたします。  まず、セクシュアルハラスメントは、平均的な労働者の感じ方を基準にするが本人の主観も考慮する、これは二十年以上前に確立されたガイドラインです。しかし、パワハラについては、本人の主観というのは入っておりません。  セクシュアルハラスメントとパワーハラスメントで、なぜ基準が違うんですか。
  118. 小林洋司

    政府参考人(小林洋司君) 今回、パワーハラスメントの議論をいただく中で、業務上の指導との線引きというのがパワハラの場合非常に難しい、したがって、本人の意に沿わないとそれがパワハラになってしまうというようなことになるのであれば、それは本来必要な指導までもちゅうちょさせてしまうおそれがあるというような議論がなされました。こうした中で、建議におきましては、今御指摘がございましたように、平均的な労働者の感じ方を基準とすべきということが書かれておるところでございます。  一方で、実際のパワハラの予防、解決を図る上では、その企業において相談者から事実確認等を行う際に、相談者がどのように感じたか、あるいはどのような認識を持っていたかということを含めて丁寧に事実確認を行うことが必要であるというふうに考えております。  今後、パワハラの定義の具体的な考え方などにつきましては審議会で議論いただくことになるわけでございますが、そうした指針におきまして現場が混乱しないようにきちんとお示しをできるようにしてまいりたいというふうに思います。
  119. 福島みずほ

    福島みずほ君 今後の審議会の検討事項になるということですが、セクシュアルハラスメントもパワーハラスメントも同じような構造を持っています。一般的にこれは駄目なんだけれども、やっぱり本人の主観も大事ですよ。だって、セクシュアルハラスメントに関しても、人によってやっぱりそれは非常に感じ方が違うから、二十年ぐらい前にガイドラインとしては本人の主観も考慮するとしたわけです。  パワーハラスメントについてなぜしないのか。ハラスメントとしては同じ概念、主観的な概念社会通念上の概念の両方が基準となると。つまり、セクハラの被害を受けたと思った被害者が声を上げることができる状態をつくるのとパワーハラスメントも同じではないですか。
  120. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) セクハラの場合は性的言動ということで客観的にも、何というか、明らかでありますし、セクハラを行ってはいけないということはもう社会通念としてもかなり浸透していると思います。ただ、パワハラの場合というのは、これは業務上のやり取りの中で必要相当な範囲を超えたものがパワハラということになるという部分を持っておりますので、先ほどのように受け手だけの感覚で全てがパワハラというふうになるということになれば、それはそれで混乱する部分があるだろうというふうに思っています。そういうことで、建議の方では平均的な感じ方ということを書いた。  それから、もう一点補足させていただきますと、パワハラの要素の一つとして必要かつ相当な範囲を超えた言動がパワハラとなるということが規定されておりまして、この相当性というところで、その指導を受ける対象者がどんな人か、どんなような何か原因となる行為をしたのかと、そこら辺は十分考慮する必要がある、そこら辺と併せて考える必要があるというふうに思っております。
  121. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 全く理解できません。  セクシュアルハラスメントもパワーハラスメントも言動じゃないですか。言動、一緒ですよ。業務遂行上行われる、これも一緒です。結局、物すごくひどいパワーハラスメントでない限りパワハラと認定しない可能性があるんですよ。だから問題なんです。これは同じにすべきだ。  審議会で議論するということなので、セクシュアルハラスメントとパワーハラスメントで本人の主観を、通常は基準だが、本人の主観も考慮するセクシュアルハラスメントの基準をパワハラにおいてもこれはやるべきだと。セクシュアルハラスメントはかなり早い段階でこの基準を設けました。パワハラがそうでないのは本当におかしいというふうに思います。審議会でこれはきちっと入れるよう強く求めていきます。  先ほど、石橋委員の方からも、それから先日も、木曜日も、取引先の相手方からのパワハラをなぜ含めないのかということについて質問があり、さっきも答弁がありました。これについても、午前中の参考人質疑でこのことは相当言われました。  これは井上参考人です。加害者については、セクシュアルハラスメントに関しては、通達で、事業主、上司、同僚に限らず、取引先、顧客、患者及び学校における生徒もセクシュアルハラスメントの行為者になり得るものでありと一定幅広く規定されているが、パワーハラスメントに関しては、これまでの労働政策審議会での議論及び国会審議を踏まえる限り、限定的な範囲になっている。  これはやっぱりセクハラとパワハラで違えるのはおかしくないですか。
  122. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) 先ほど申し上げたことに関連いたしますが、取引先等からのパワハラについては、社外の相手との関係で起きる問題であって、顧客等への対応業務には一定程度のクレーム対応が内在していることもあることから、どこからが迷惑行為に当たるかといった判断が難しいこと、また再発防止まで含めた措置を講ずることにも難しい面があるということを踏まえて、今回措置義務の対象には含めないこととしております。  セクハラの方は、性的言動ということで内容がはっきりしておりますし、業務との関係があるセクハラということは通常あり得ないわけでありますので、そこは事情が異なるというふうに思います。
  123. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 いや、納得いかないですよ。  セクシュアルハラスメントとパワーハラスメントは、行為形態が性的な言動かどうかはあるけれども、似たような構図で起きるわけですよ。物すごく違うものではなくて、ハラスメントの一種ですよ。セクハラも起きるしパワハラも起きるということもあります。今の答弁、全く納得いきません。  つまり、セクシュアルハラスメントは、取引先の相手方のもセクハラなんですよ。パワハラはなぜ含めないのか。  セクハラだって、一九八九年、セクハラが流行語大賞を取ったとき、どこまでがセクハラかと議論になりましたよ。でも、あっという間に厚生労働省考えてくれて、取引先も入れたんですよ。だって、取引先で起きるからなんですよ、顧客からセクハラ受けるからなんですよ。パワハラだって一緒じゃないですか。
  124. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) 取引先との関係においてもパワハラのようなハラスメントが起きるということがあることは御指摘のとおりだと思います。  ただ、それを措置義務の対象に含めるかどうかということでありますが、セクハラの方につきましては、通常、顧客や取引先との関係においてセクハラを、それを必要ある行為かといったら当然必要ない行為であります。ただ、パワハラの場合は、それは取引関係の中で一定のクレーム、苦情を言うということは業務遂行の中であり得るわけでありますので、そこはセクハラとは事情が異なるというふうに思います。
  125. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 いや、納得いきませんよ。  パワハラで本当にうつになったり働けなくなる人もいるわけですよ。セクハラだって、さんざんぱらそれぐらい社交辞令だと言われた日々があったんですよ。でも、セクハラであれパワハラであれ、業務、仕事ができなくなる。根絶しなければならないハラスメントじゃないですか。おかしいですよ。
  126. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) 私が申し上げましたのは、セクハラとパワハラの、取引先との関係におけるセクハラとパワハラの性質の違いというのはやはりあるだろうということで、今回法律の措置義務の対象としては差を付けています。  ただ、今御指摘ございましたように、取引先との間で悪質なパワハラということは起こり得るわけでありまして、そこはパワハラ指針の中で、取り組むべき、望ましい取組としてそこはしっかり位置付けていくということで整理をしておるところでございます。
  127. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 パワハラなんて大したことがないというようにも聞こえるんですね。  セクハラだって随分長いこと、大したことない、みんなそれで仕事してきたと言われた日々もあったけれど、駄目だ、人権侵害だと、パワハラもセクハラも人権侵害なんだという獲得をしたわけじゃないですか。パワハラに関して、パワハラとセクハラで対応が違うというのはおかしいですよ。何をパワハラとするかの議論はあるでしょう。しかし、そもそも取引先のが入らないというのは間違っていますよ。これ、パワハラとセクハラで違う扱いをすることについては全く納得がいきません。  この委員会でも出ておりますが、訪問看護師、訪問介護士など、取引先かつ密室での業務を行う者が様々なパワハラ、セクハラを受けるということについて、先日、神奈川の民医連の人々からデータと一緒にいろんな資料をいただきました。これは以前から、もうたくさんの人々からもこれは聞いております。  これについて、セクハラも受けるんです、パワハラも受けるんです、じゃ、家族からパワハラとセクハラを受けた、セクハラは問題だけれどもパワハラは問題ない、そんなことはできるんですか。
  128. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) 措置義務としては、今お話ございましたように、セクハラにつきましては、患者等からのセクハラ、これはもう措置義務の対象となっております。パワハラにつきましては、先ほど申し上げましたように措置義務の対象にはなっておりませんので、そこはパワハラ防止指針の中で望ましい取組を明示し、周知啓発に取り組んでいくということであります。  その上で、看護、介護のお話ございました。非常に深刻な状況ということも言われておるわけでございまして、そうした取組に加えて、特に医療機関や介護事業所における組織的な対応というのは非常に重要であるというふうに思っております。
  129. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 いや、理解できません。  訪問看護師で行った、訪問介護士で行った、セクハラとパワハラを同時に家族から受けた、セクハラは、だけれどもパワハラは違う、こんなのおかしいじゃないですか。
  130. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) ハラスメントが複合的に起きるというのはおっしゃるとおりでございまして、複合的な事案に対しては一体的に対応していくということは必要であります。  医療、看護等におきましては、マニュアル整備等を進めておりますが、セクハラ、パワハラ含めてハラスメント対策ということで整理をするということも進めておるということでございますので、実際の対応に当たっては一体的な取組は重要になる。ただ、法律上の位置付けとしては先ほど申し上げたような取扱いとさせていただいておるということであります。
  131. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 全く納得がいきません。  セクハラの行為は対応するけれど、セクハラだと、パワハラは違うという区分けなんかあり得ないですよ。  今日の質問は、セクハラとパワハラで違うような要件にしていることが全くナンセンスだということなんです。両方含めるべきですよ、取引先から受けるんだから。これは、今後労政審などで議論になると思いますが、構図は一緒なんですよ。構図は一緒です。人権侵害です。人間の尊厳を侵す人権侵害です。どうしてパワハラだと取引先からの、これ今回除外するのかが全く理解できません。  この間もというか、本会議でもちょっと質問したんですが、厚労省は、やっぱり看護師さんや介護関係者のハラスメントについて極めて重要で、このことの改善をやるべきだと思いますが、このことをなくしていく、根絶についての決意をお願いします。
  132. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 看護職員、介護職員に対する患者、家族などからのハラスメント、これはメンタルヘルスを損なったり離職の一因となっているとの指摘もありますので、その対応には、医療機関や介護事業所における組織的な対応が重要であると考えております。  医療機関は、医療法に基づいて計画的に医療従事者の勤務環境改善に取り組むこととされており、国においては、ガイドラインや手引を策定して、ハラスメントについても、様々なハラスメント対策を包括的に取り組むように促しているところであります。  また、本年二月には、都道府県に対し通知を発出し、ハラスメントに対する支援等について医療機関に周知をいたしました。  また、本年度の厚生労働科学特別研究事業において、看護職員が受ける暴力、ハラスメントに対する実態調査、そして、それを踏まえた医療機関におけるマニュアルの作成指針について研究を進めていく予定です。  介護分野についての昨年度の調査研究事業において、事業者が取り組むべき対策として、ハラスメントを報告、相談しやすい窓口の設置や、担当者を固定しないこと、必要に応じた管理者の同行、複数人の派遣などを例示した対策マニュアルを策定したところであります。このマニュアルがきちんと活用されるよう、周知啓発に取り組んでまいります。  医療や介護の現場におけるハラスメント対策にしっかりと取り組んでまいりたいと考えています。
  133. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 前回、礒崎委員の質問に対して小林局長が答えられたことについて、これでいいのかという点で御質問をいたします。  小林局長は、ケース・バイ・ケースだと言いながら、基本的には、その参加が強制されるようなもの、これは業務遂行というふうに捉えることができるのではないかと思いますと答弁をされています。セクシュアルハラスメントの職場の理解です。  これ、狭いんじゃないですか。飲み会が強制的か半強制的かどうかではなく、上司に例えば飲食を誘われて飲み会に行く、それはもう優越的な地位を引きずって食事をするわけですし、局長のこの答弁、裁判例からいっても狭いと思いますが、いかがですか。
  134. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) まず、現行のセクハラ指針におきます職場の定義でございますが、職場とは、事業主が雇用する労働者が業務を遂行する場所を指し、当該労働者が通常就業している場所以外の場所であっても、当該労働者が業務を遂行する場所については職場に含まれるというふうにされております。  この職場について、さらにセクハラの法の解釈通達が示されておりまして、そこでは、勤務時間外の宴会等であっても、実質上業務の延長と考えられるものは職場に該当し得るが、その判断に当たっては、職務との関連性、参加者、参加が強制的か任意的か等を考慮して個別に行うこととされておるところでございます。
  135. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 狭いと思います。  参加が、それはメルクマールの一つかもしれないんですが、パワハラもそうですしセクハラもそうですが、優越的な関係を背景というときに、上司が部下に飲みに行こうと誘うことの背景には優越的地位をやっぱり引きずるんですよ。それは、セクハラやパワハラが起きやすいわけです。上司が飲みに行こうと言って、嫌だと、最近言う人はいると思いますが、なかなかやっぱり言いづらい。その中で、セクハラ、パワハラを受けるということは十分あって、これも職場、半強制的かどうかを今重視するメルクマールは見直すべきではないですか。
  136. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) あくまでも個別ケースに応じて総合判断していくということが大原則でありますが、今の御指摘のございましたような上司、部下の関係性ゆえにその参加を断るということが実質的に難しい状況にあるというのは、この職場というのを解釈する上で重要な判断要素の一つであるというふうに思います。
  137. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 上司が部下に飲みに行こうというふうに言って参加が強制され、というか、二人きりで飲みに行った場合でも、これは友達感覚とかノーと言える場合の雰囲気は、やっぱり日本の社会では少ないというふうに思います。  これはやはり、パワハラやらセクハラの起きる、業務遂行上の延長線上で上司が飲みに行こうと言って、局長が飲みに行こうと言って部下がノーと言えるかというと、二人きりであってもそれはなかなか言いづらいというふうに思います。  ですから、是非これも、日本の社会が職場の延長線上で飲み会が起こるということを是非重要視していただきたいと思います。  次に、SOGIハラについてお聞きをいたします。  様々なLGBTの団体グループがアンケートを取っております。それを見ると大変深刻な実態が非常に出ております。例えば、このLGBT法連合会の取ったアンケートでは、職場でレズビアンとカミングアウトしたら、治してやるなどと言ってレイプをされた。  またもう一つ、このLGBTで一つ深刻なのは、アウティングの問題です。暴露の問題です。カミングアウトしたら、あいつはホモ、レズだから気を付けろと職場内で言い触らされた。LGBTフレンドリーだと言われている企業で、大丈夫だろうと上司にだけカミングアウトしたところ、翌日には職場の全員に知れ渡っていて、仲間外れや無視されるようになった。それがもとで結局退職に追い込まれた。ある国立大学でアウティングされたことで自殺をしてしまった大学生がいて、裁判にもなりました。  アウティング、これ極めて深刻です。アウティングの防止などについての取組はどうなっているのか、是非こういうことも取り組んでいただきたい、いかがでしょうか。
  138. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) まず、性的指向、性自認の関係でございますが、性的指向、性自認に関する言動というのは業務上必要のないものでございますので、そうしたことを理由に仕事から排除することですとか、性的指向、性自認に関して侮辱的な発言を行うようなことによって精神的な苦痛を与えたような場合、これはパワハラに該当し得るというふうに考えております。  また、そうした性的指向、性自認について本人の意に反して公にする行為、いわゆるアウティングでございますが、これにつきましてもパワハラに該当し得るものというふうに考えております。  こうした被害について相談が労働者からあった場合に、相談内容が漏れて被害が拡大するというようなことはあってはならないものであります。今後、指針の内容を御議論いただくことになるわけでございますが、アウティングも対象になり得ること、そして相談者等のプライバシーを保護するための措置を講じることが重要であることについて指針に記載することについてよく御議論いただきたいというふうに思います。
  139. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 SOGIハラについてもしっかり取り組んでいただくという答弁だと思います。是非、職場の中でSOGIハラが起きないように、厚労省、しっかり取り組んでくださるようにお願いをいたします。  午前中の参考人質疑でもありましたが、女性活躍の中で男女の賃金格差、これは、浅倉むつ子さん、それから井上久美枝さんからもありました。男女の賃金の差異とハラスメント対策の整備の状況を、これについて、これを加えることは必要不可欠だという議論が午前中に本当に出ました。そのとおりだと思います。  ハラスメントの対策の整備をしていない企業が結構あって、セクシュアルハラスメントなども実は放置されている。だから、整備状況は、これは必須じゃないか。幾ら法律、国会で作っても、企業が取り組んでくれなければ、きちっと相談窓口置いてやってくれなければ根絶できません。ですから、ハラスメント対策の整備状況が一つ、それから男女の賃金の差異の実態、これは企業の公表の必須事項じゃないですか。
  140. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) まず、男女の賃金格差の方からお答え申し上げますが、男女の賃金格差を是正していくというのは非常に重要な課題であるというふうに考えております。一方で、男女の賃金格差の主な要因については、管理職比率と勤続年数の差異ということがあるわけでございます。  今回の女性活躍推進法の見直しにおきましては、事業主の公表義務の強化として、職業生活に関する機会の提供と、職業生活と家庭生活の両立の両面からの公表の強化を図ることといたしておりまして、こうしたことを通じて賃金格差の解消に資することを進めてまいりたいというふうに思っておるところでございます。  一方で、これを公表義務にすることにつきましては、男女の賃金格差は様々な背景が積み重なった最終的な結果指標であるという意味合いを持つということで、慎重な検討を要するというふうにされた経緯がございます。ただ、御指摘踏まえまして、今後、男女の賃金格差について情報公表項目にすることについて審議会の方で御議論をいただきたいというふうに思っております。  また、セクハラ対策の実施状況についても情報公表項目に含めるべきではないかということでございますが、セクハラ対策の措置義務というのは、これは基本的に事業主に措置が義務付けられておるものでございまして、それが講じられていない場合には私どもとしてはきちんと行政指導でそれを是正していくということが任務でございますので、そういう義務的なものを公表項目に加えるというのは、少しそれはまた性質が違うのかなというふうに考えております。
  141. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 局長が、男女の賃金格差に関して審議会で議論していただくということなんですが、これはもう必須だと思います。  均等法ができる前は、有価証券報告書にまさに男女の賃金格差が必ず入っておりました。これが、均等法ができるということで、逆に削除をされたわけです。賃金、一番働く人にとって重要な項目の一つです。それに関して明示しないというのはおかしい。これは説明責任だと思います。  午前中も井上久美枝参考人からアイスランドの例やフランスの例が指摘をされました。独立行政法人労働政策研究・研修機構が出した「諸外国における女性活躍・雇用均等にかかる情報公表等について」、フランス、ドイツ、イギリス、カナダ、まあアイスランドの例もありますが、拝読をいたしました。  女性活躍ということであれば、賃金なんですよ、賃金。だから、賃金について情報を公表する。アイスランドはその説明ができなかったら罰金というわけですから、これはもうはっきりしているわけで、先ほど局長が今後労政審での議論というふうにおっしゃいましたが、もうこれ賃金、男女の賃金格差、賃金については、これは企業が明らかにすべきだという点について、是非、国会も注視していきますが、これこそ公表すべきだと。女性の活躍と言いながら賃金すら公表しないって、これはもう画竜点睛を欠くわけで、これをよろしくお願いをいたします。  公務部門についてお聞きをします。  男女共同参画局で検討会を設けて、女性活躍推進法公務部門に関する施行後三年の見直しの方向性を今年一月に取りまとめられました。男女賃金格差について何も述べられておりません。公務部門でこそ男女の賃金格差を必須把握項目として公表すべきではないですか。知りたいです、中身を。
  142. 池永肇恵

    ○政府参考人(池永肇恵君) お答えいたします。  男女の賃金格差についてお尋ねをいただきました。  事業主行動計画策定指針、これ告示でございますけれども、それにおきまして、職員給与の男女の差異の状況が行動計画の策定等による取組の結果を把握する観点から有効な指標となり得る旨を示しているところでございます。  職員給与の男女の差異、これに影響いたします継続勤務年数又は離職率の男女差、また管理的地位に占める女性職員の割合、これ必須把握項目としておりまして、各事業主におきましては、これらの必須把握項目、これをしっかりと把握していただいて、それに基づく課題分析をしっかり行っていただき、課題に応じた取組を推進していただいて、職員給与の男女の差異というのを縮めていただくということを期待しているところでございます。  公表についてでございますけれども、女性活躍推進法、なぜ情報公開が重要であるかというのは、仕事を求めている女性の求職者の職業選択に有益な情報となるという趣旨でございます。職員給与の男女の差異につきましては、先ほど厚労省の局長からもお話ございましたが、様々な背景を反映しているということ、またどう解釈するかが重要になってきます。ですから大変重要な指標でございます。  しかしながら、この公表の検討に当たっては、そういったその情報がどういうメッセージを与えるのかということについても考慮する必要があるのではないかというふうに考えております。  以上です。
  143. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 数字が全てを物語るじゃないですか。賃金格差を明らかにしてくれたら、どういう問題があるか分かるじゃないですか。様々な背景があるから出さないというのはおかしいですよ。数字を出していただければ、それを解釈するのは国民です。何でこんな賃金格差があるのか、みんなで考える指標が必要じゃないですか。  午前中の参考人質疑でもありました。諸外国は男女の賃金格差を全て明らかにさせているし、アイスランドは男女の賃金格差があるということに関してちゃんと説明できなければ罰金までやっているわけです。そこまでやって、やっぱり男女平等を進めようということでやっているわけです。  今の解説、それは、あらゆることについて様々な背景がありますよ。だからこそ数字を出してくださいということなんです。かつて有価証券報告書で男女の賃金格差は公表項目でした。なぜ企業が、なぜ公務が、とりわけ公務部門でなぜ賃金格差を出さない。公務部門で賃金格差を出してくれたら、どこにどんな問題があるか分かるじゃないですか。  出してください。よろしくお願いします。
  144. 池永肇恵

    ○政府参考人(池永肇恵君) ただいまの御発言を受け止めて、今後検討をさせていただきます。
  145. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 検討していただくということで、ありがとうございます。  実は、公務部門における賃金格差って出ていないんですよ。でも、そこにこそ実は問題がある。それを分析することで、どこにどういう差別があって、どこに問題があるか分かるので、検討させていただくという局長の答弁を本当に期待しておりますので、よろしくお願いいたします。  次に、二〇一五年の法改正の際に、参議院の附帯決議に男女雇用機会均等法の改正が入っておりますが、その後、これまでにどのように検討したのか、調査研究会の実施、専門家の議論は行われたのか、教えてください。
  146. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) 昨年八月二十七日から十二月十四日までの間、労政審の雇用環境・均等分科会で計十回御議論をいただきました。そのうち七回において、男女雇用機会均等法の見直しも含めた女性の活躍推進のための対策について御議論をいただいております。なお、労政審に先立っての研究会の実施等は行っておりません。  労政審の場におきましてでございますが、男女雇用機会均等法の見直しについて、ハラスメント対策以外にも様々な御議論が行われております。例えば、間接差別の規定を見直すべきではないかといったお話、それから法の理念に仕事と生活の調和というのを追加すべきではないか、また先ほど……(発言する者あり)あっ、済みません、また、目的に男女間の賃金格差の解消が含まれていることを明確化すべきではないかというような論点が示されて、公労使で議論されたところでございます。  その結果としては、労政審の建議におきまして、無期転換した労働者についても、総合職や一般職とは異なるコース等で雇用管理が行われるものであれば、当該コースについてもコース別雇用管理指針の対象に含まれることを明確化することということが盛り込まれたところでございます。
  147. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 男女雇用機会均等法の改正ということで、しっかり研究や討議、これが、研究会、調査、専門家の議論が行われてはいないんじゃないですか。  ついでにと言っちゃ悪いけど、その中ではあるかもしれないけれど、均等法本体についての調査、研究会、専門家、これはちゃんとやっているんですか。
  148. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) 済みません、先ほど少し申し上げましたが、審議会の方では御議論いただきましたが、それに先立って研究会の実施ですとか調査といったことは行われてはいないところであります。
  149. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 是非、研究会やそれから調査、専門家の議論、しっかりやって、均等法の改正に向けても大きく進むように心から期待をしたいと思います。  時間ですので、終わります。
  150. 足立信也

    ○足立信也君 国民民主党の足立信也です。  私がふだんから思っていることがこの委員会の質疑あるいは午前中の参考人の方々の意見陳述を聞いて思いが強くなったので、まずそのことを申し上げたいと思います。通告はしておりませんが、ちょっと大臣にもお伺いしたいことがありますので、よろしくお願いします。    〔委員長退席、理事そのだ修光君着席〕  まず、女性活躍、そしてこのハラスメント対策、皆さんおっしゃるのは一歩前進とおっしゃるんですけれども、ということは、二歩目、三歩目がすぐに待っているということであって、どうもこれは中身がそれほど明確になっていないというのは、ILOの百周年、それに合わせるように、取りあえず今合意できることだけをやったみたいな感じが非常に強くて、もう少し言うと、ILO条約ができ上がったらすぐ、この秋にでも二段階、三段階の話がまた出てくるんじゃないかというのが、すごくその印象が強いですね。  議論を聞いていて、その一歩前進あるいは第一段階であるならば、私は、まずハラスメントについては禁止するというのが一番大切なことで、三十年間何も進んでこなかったということを考えると、そこに法律の意思あるいは魂があるわけですよ。そして、今までの説明の中で、いろんな事例が積み重なっていって、こういう要件があればという話が出ますけど、それは何十年掛かるんですか。まず禁止するという意思を示して、そして、現場でこういう事例があるから、こういうことを要件にしていこうとやればいいんじゃないですか。その考え方が非常に抜けているから、取りあえず間に合わせの法案になったような気がして私はならないですね。  なぜそう言うかというと、これ憲法上、基本的人権は守られる。相手の基本的人権を毀損しない限り、基本的人権は、それは守られるわけですよ。ハラスメント対策というのはまさにそうじゃないですか。だから、禁止するんだということが明らかにされることが何よりも私は前に進めることだと思いますよ。それを強く感じます。英米法とか大陸法の今までの流れの中でこの姿勢を取っているのかもしれないけど、それでは進まないという気がします。  そこで、大臣、ちょっと僕気になったのでお聞きしたいんですが、午前中の参考人の方が、これ審議会のメンバーの方ですけど、審議会で法案を審議しましたと、成立したら行政が細かいところに細やかに対応してほしいと発言されたんですよ。これ、立法府みたいな発言ですよね。審議会のメンバーがそういうことを言っていいんですかね。私は違うと思いますよ。法案を審議して、成立したら後は行政がやると、そういうことを堂々と言う審議会メンバーはどうなのかなと。  これは、ちょっと大臣にお聞きしたいのは、あと、ハラスメントの問題はいろんな論点を挙げられましたよ。いろんな論点を挙げられたけど、それは結論出さずに先送りという話でしたよ、説明は。それでも、法案を審議しましたと、成立したら後は行政が細やかにやってもらいたいと。こういう審議会のメンバーが発言するということを、審議会のメンバーを決められる大臣としてはどう思われます、突然ですけど。私は非常に違和感感じました。
  151. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) その委員の方がどういう趣旨でおっしゃられたかということでありますが、再三ここでも答弁しているように、法律で今回の枠組みをつくる、そして、あとは、省令あるいは指針については、これは公労使、公労使の審議会で議論して決めていきましょうということになっておりますので、そこは施行段階で、要は公労使の審議会で議論して決めていくと、これが今のルールだと思います。
  152. 足立信也

    ○足立信也君 私は立法府の一員として申し上げているんです。審議会で法案を審議しましたと、で、成立したら、あとは行政の方で細やかにやってほしいと言うのは間違っていますよ。そういうことを言う方がいるから、大臣として、指名権者として注意してもらいたいというのが私の趣旨ですよ。おかしいと思いますよ。まあ、今の答弁だとそれ以上はなかなか期待できないでしょうから、この辺でその点については終わりますけどね。  じゃ、女性活躍推進に行きます。  僕もいろんなデータを調べてみました。ここに、一つは帝国データバンクのデータあるんですが、従業員、管理職、役員、それぞれ見ても女性の働く割合というのは年々増えています。これは確かにそうです。そんな中で、将来的な見通し、あるいは、どれぐらいまで持っていきたい、将来、このままずっと増えていくことを想定されているんでしょうか。どれぐらいのところを考えられているんでしょうか、将来見通し。
  153. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) 将来的な見通しということについてはなかなか一概にお答えできないわけでございますが、今、第四次男女共同参画基本計画というのがございまして、二〇二〇年までの政府の目標として、部長相当職に占める女性の割合一〇%、課長相当職に占める女性の割合一五%、係長相当職に占める女性の割合二五%ということで、これを達成すべく努力をしておるところでございます。  労働力人口の四四%が女性ということでありますので、将来的にはかなりの水準までこの女性活躍と、管理職割合というのは高まっていくことが期待されるところでございまして、社会的にもそれが要請されておると思いますので、それに向けて努力してまいりたいというふうに思っております。
  154. 足立信也

    ○足立信也君 今、数値的なこと、まあゴールなのかマイルストーンなのかは明確ではありませんが、数値的なものが出ました。  ここで、帝国データバンクの去年の意識調査なんですが、今、従業員が二四・九%が女性、管理職が七・二%が女性、産業ごとに一・七から四三・四まで大きな開きがあると。トップは、医薬品・日用雑貨品小売分野がトップだと、女性の割合はですね。役員は九・七%が女性だと。    〔理事そのだ修光君退席、委員長着席〕  私が気になっているのは、これだけ増えてきてはいますが、将来も増え続けるんではなくて、変わらないんではないかというのが一番多い六割なんです。これが意味するところは何なのかと。今、将来的な、恐らくマイルストーンだと思いますが、その数値示されました。そこまではずっと年々増えていくという予測に立っているんでしょうか。それとも、この帝国データバンクでは六割が将来は今と余り変わらないんじゃないかというふうに答えておられる。これはどちらの方に捉えているんでしょうか。
  155. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) 帝国データバンクの方にその六割が変わらないというふうに回答したというその趣旨については承知をしておらないところでございますが、女性活躍については、少なくとも国際的に見ればほとんど最下位に近いような状況というのが今の日本の状況でございますので、そういったことに照らしても、更に女性管理職の割合を引き上げていかなければならないというふうに思います。  今回行動計画の義務の対象となっております三百一人以上の企業においては、その九九・三%ということで、ほとんどの企業が計画を策定しております。少なくとも、多くの企業においては女性活躍に関して非常に高い関心を持っていただいておるということでありますので、そういうPDCAの取組というのを今後中小企業に広げてまいりますが、これが日本全体の動きにつながって、更に比率が高まるようにしていくというのが我々の任務であるというふうに考えております。
  156. 足立信也

    ○足立信也君 そこで、この女性活躍は、平成三十八年ですから令和八年になるんですかね、三月三十一日までの時限立法ですよね。あと七年ないですよね、弱ですよね。これを時限立法にしているのは、先ほど数値も出ましたけれども、あと七年弱で何を達成しようとしているのか、時限立法の期間内にですね。なぜ時限立法なのか。そして、時限立法としてはその七年弱の間に何を達成しようとしているのか。それはどうなんですか。
  157. 小林洋司

    政府参考人(小林洋司君) 我が国におきましては、固定的な性別役割分担意識を背景に、家事や育児の多くを女性が担っている、あるいは男性を中心とした雇用慣行が残っているというようなことがございまして、男女の間で、法律上は差別はいけないということになっている一方で、実質的に機会の不平等が生じているということはあるわけであります。  こうした中で、いわゆるポジティブアクション、女性の活躍というのを意識的に高めていこうという取組を、これまでは企業主体性に委ねてきたわけでございますけれども、これをより実効あるものにしていこうというのがこの女性活躍推進法の一つの趣旨であります。ポジティブアクションでありますので、男女間の実質的な不平等が解消されるまでの間に限ってのものであります。ある程度の水準を超えれば、女性だけに特別の措置を講ずるというのはむしろ男女間の同じ取扱いに反するということがあります。  それから、女性活躍というのは日本社会にとっての喫緊の課題ということであって、短期集中的な取組をしていく必要があると。それから、今回の女性活躍推進法のベースにあるのは、PDCAの取組というのを企業に定着させてもらうということが一番大事だろうということがございまして、これらを踏まえて十年の時限立法ということで法律が作られておるところだというふうに承知をしております。
  158. 足立信也

    足立信也君 ちょっとよく分からない。その時限立法である理由がちょっとよく分からないんですが。  PDCAサイクルに乗った、軌道に乗っていくまでがこの時限のあと七年弱とおっしゃっているのか、あるいはその男女の機会の男女格差を考えると、M字カーブの解消をそこまで七年の時限立法で考えているのか、ちょっとよく分からないんですね。それと、恒久法にはそぐわないというのはどういう理由なんでしょうか。  そのゴール、七年間、あと七年弱で何を達成しようとしているのかという点と、そぐわないという点を、恒久法にですね、ちょっと分かりやすく説明してください。
  159. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) 残り七年ということでございますので、その間全力を尽くすということであります。  目指すべき目標としては、男女のその実質的な不平等が解消される程度のところまで持っていくというのが一つあります。それが実際に七年でできるかどうかということはありますが、それを目指していく。  それから、PDCAのプロセスというのを企業に定着をさせるということが、何というか、その後の持続的な活躍につながるだろうということで、それを集中的に取り組む期間ということで十年を設定したということであります。  ある一定の状況を超えて、女性だけにこういう特別な形で法律を仕組んでいくというのは、むしろ男女が平等という建前に立てば、それはある程度のところまでであろうということはあると思います。  ただ、現実にはまだそこまで至っておりませんので、今の時点においては、そういう法律がもう要らなくなるところまでとにかく頑張ろうというのが今の考え方でございます。
  160. 足立信也

    ○足立信也君 今日、内閣府の副大臣にも来ていただいております。  女性活躍が、担当大臣もいらっしゃいますし、今回、厚生労働の根本大臣と女性活躍の片山大臣でどういう分け方をされているかはよく私は分かりませんけれども、今の話、時限的にあと七年間でのゴールの話。今、実質的な男女間格差をなくすと、いろんなあらゆる面で意味が非常に広いんですけれども、内閣府としては、このあと七年間の間にどういう一定のゴールを考えておられるんですか。
  161. 池永肇恵

    ○政府参考人(池永肇恵君) この法律の七年間のゴールにどういうことを目指しているかという観点を超える話になるかもしれませんが、私どもが女性活躍と言う場合には、よりその先の社会、どういう社会を目指すかということを考えて施策を進めているところでございます。  それは、全ての女性が生き方に自信と誇りを持ち、自らの意思によりその個性と能力を十分に発揮することにより、職場、家庭、地域等あらゆる場面において活躍できること。それで、これは女性活躍が女性だけではなくて男女が共に仕事と生活を両立できる暮らしやすい社会を実現すること。そういう社会をつくるということで、今回の女性活躍推進法は、まさにその職場、職業生活のところに焦点を当てたということで、厚生労働省と一緒に施策を進めているというところでございます。
  162. 足立信也

    ○足立信也君 そうですね。元々これが、平成二十七年の法律で十年となっているのに、その十年間で何をやるかというのは、大きな話はありましたけど、なかなか明確じゃないなと。ただ、一つ大事なことは、女性が自らの意思でというのは大事なことだと思うんです。  そこで、どのような障害があるかということで例によく出てくるのが、やはりM字カーブの存在だと思うんですね。私は、M字カーブの解消を目指すとするならば、自分なりに、M字カーブのある職種とない職種を比較して、そこ、違いは何なのかというのを分析するのが一番解決策になると思ったんですよ。  そこで、資料が、一つの、まず最初に考えたのが、一般の労働力率と女性医師ですね、この下のところ。これ、高度専門職と一般の労働の方というのはどうなのかなと比較をまずしてみたんですよ。そうしたら、御案内のように、これ年齢で合わせていますから、ほぼ同じカーブを描いているんですね。高度専門ということは、評判の悪かった高プロ、昨年の高プロですけど、あの施行後二か月弱で全国で一人しかいないという、案の定という結果ですけど、そのときに例に出されたのが医師ですよね。  これで、高度専門職でも全くM字カーブは変わらないというところで、ちょっと説明してほしいんですが、年齢だけ僕そろえてやってみましたけど、この労働力率の話と就業率の話。そこで、例えば、捉え方としていろいろあると思うんです。休職者はどう捉えているのか、あるいはそれは休職手当をもらっている場合、それから産休、育休、介護休暇、あるいは疾病によって傷病手当金もらっているとか、いろんな立場立場があると思うんです。  そこで、この上のグラフ、下のグラフ、この上下のグラフの働いている人の捉え方、違いがあれば説明してほしいんですよ。まずそこから。
  163. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) まず、労働力調査の方でございますが、労働力調査におけます労働力人口というのは、十五歳以上人口のうち就業者と完全失業者を合わせたものというふうにされております。このうち就業者でございますが、就業者は従業者と休業者を合わせたものというふうにされておりまして、この休業者というのは、職場の就業規則などで定められている育児休業あるいは介護休業といった休業中の者で、職場から給料、賃金をもらうことになっている場合も含まれるというふうに定義をされております。  また、下の方でございますが、医師法等に基づき届出がなされる医師・歯科医師・薬剤師調査における就業者でございますが、同調査の医師届出票等における業務の種別で無職、不詳と回答した者を除いたものというふうにされておるところでございます。
  164. 足立信也

    ○足立信也君 先ほど、高度専門職の一つとして女性医師を私ピックアップしてみたと申し上げましたが、このM字カーブの下の部分は二割以上ぐらい下がっていて、今の説明ですと、女性医師の場合は全く働いていない人ということになってくるわけですね。  私も大学や大学病院で教えている間に、女性の方というのは、妊娠、出産、子育ての時期に、タイミングが合うんでしょうか、大学院に行って、そしてアルバイトで働いているという方が非常に多いんですね、継続しないとやっぱり実力が落ちていきますから。その方は、当然この就業者に入っているわけですよ、アルバイトで。これだけ、二割以上落ち込むというのは、完全に働いていない人なんです。これ、割と高度専門と言われている方の方がM字は大きいと、谷が深いんですよ。  ということは、これはちょっと指標にならないなということで、じゃ、同じように女性が非常に多い教員でちょっと聞いてみたいんですが、まずは文科省の方に。  教員に、小中高大いろいろあるでしょうが、特に義務教育の方が一番多いと思いますが、M字カーブってあるんですか。
  165. 平野統三

    ○政府参考人(平野統三君) お答えいたします。  公立学校におけます教員の年齢構成につきましては、二十歳代後半と五十歳代の教員数が相対的に多い傾向にございます。  しかし、この傾向は男女を問わず見られる傾向でございまして、この大きな要因は、児童生徒数の増加等に伴って大量採用が行われた年齢層が存在することによるものと考えられるところでございまして、こうした年齢構成が結婚や出産による離職によるものとは必ずしも言えないものと考えております。
  166. 足立信也

    ○足立信也君 女性が非常に多い職場だと、僕言いましたよね。で、調べていないんですよ。というか、結婚や出産、子育てが原因かどうかの分析をしていないんですよ。びっくりしましたよ。  働き方改革の中で、それで女性活躍の中で、教員がなぜ辞められていくか、あるいはその理由は何かという分析されていないんですよ。結論として、M字カーブはないですと言うんです。今の話です。男女間差は、まあ分析していないのか、ありませんなのか分かりませんが。ということは、M字カーブの解消は、文科省の取り組んでいる教員に対して有効だったのではないかとも思うわけですよ、私としては。  なぜ起きているのか、あるいはどうしたら解消できるのかということを考えると、そうすると行き当たるのがこの法律ですよ、女子教職員の出産に際しての補助教職員の確保に関する法律。これによって、いわゆる明らかに結婚、妊娠、出産、子育ての部分での、部分でのM字の落ち込みというのはないのではなかろうかというふうに考えるわけですけれども。  としたら、それがそうだとすれば、なぜ、まず文科省として、M字カーブはないということなんですが、今私は一つの法律のことを挙げました、これがないという理由ということについては考察がありますか。今、そのM字カーブが一番の問題に、この国の問題になっている中で、ないとするならば、それはなぜかという分析はあるんでしょうか。
  167. 平野統三

    ○政府参考人(平野統三君) 特に、M字カーブの解消ということを念頭に置いたものではございませんけれども、公立学校の教員につきましては、地方公務員全体の制度の中で、産前産後休暇の取得、子供が三歳になるまでの育児休業の取得、あと育児短時間勤務などの制度などが整えられている上に、先ほど先生御指摘いただきました、特に公立学校の教員が出産する場合には産前及び産後の休業時間に代替教員を臨時的に任用するものとされているなど、出産、育児期においても就業を継続しやすい制度が整えられているところでございます。  文部科学省としましては、働きながら出産や育児等がしやすい環境整備を図るよう各教育委員会に周知しているところでございまして、引き続き取り組んでまいります。
  168. 足立信也

    ○足立信也君 一つの解決策としては、法律上そこはしっかり担保するという一つの例があると思うんです。そうすると、医師の働き方改革、今議論の真っ最中ですが、こういうことも考慮する必要があるんじゃなかろうかと一つ思います。  ついでにですね、ついでというか、二年前に私質問した項目で、特に女性医師、開業されている医師の方が、産前休暇が全くない人が二七%、産後休暇全くない人が七%等々、これはもうとんでもない状況で働いているわけで、国民健康保険でも出産手当を設けるという手はあるんではないか、やるべきだと。これは法律上どうなっているかというと、可能なんですね、任意で。条例を定めればいいと。なのですが、二年前は条例を定めている市町村というのはゼロだということになっていて、その後二年間、これは是非とも必要なことで、少子化にも一つの、何というか対策の一つにもなり得るし、あるいは女性の働き方ということについては非常に重要なことなので、その後どうなったかということだけはちょっとお聞きしたいなと思います。
  169. 樽見英樹

    ○政府参考人(樽見英樹君) 今お話ありましたように、被用者保険では、出産のために会社を休んで会社から給料を受けられない場合に、これを一定期間補填するという考え方で出産手当金が支給されている。国民健康保険の方でございますけれども、国民健康保険は自営業の方とかあるいは無職の方も入っておられるという形、様々な就業形態の方が加入しておられるということで、これは任意とする取扱いになっておりまして、先生御指摘のとおり、保険者が条例又は規約を定めることによって出産手当金を支給することができるという仕組みになっているわけでございます。  結論を申しますと、市町村国保で実際に条例を定めて支給を行っている市町村は、先生前回御質問の当時と変わらず、現在もございません。ただ、一方、国保組合につきましては、全体で百六十二組合ございますが、その中で二十九の組合が出産手当金の支給を行っているという状況でございます。
  170. 足立信也

    ○足立信也君 この部分は、出産についてもその後の育児についてもかなり厳しい状況で働いていると。それが関係するかどうかは別にして、女性医師の中でも二割以上が辞める時期があると。これは、今国民健康保険の話ですけど、実際に雇われている方も非常に多いわけで、被用者保険に加入促進というのは極めて少子化の面でも大切だと私は思います。  次に、ハラスメントに行きますが、今までの議論で包括的なハラスメント禁止法案というのが必要だというのが我々の主張ですね。これはもう明らかです。包括的なことであって、今回の法律は、職場におけるというのが付いているわけですね。  そこで、マタニティーハラスメントやセクシュアルハラスメント、パワーハラスメント、いろいろありますけれども、いろいろありますけど、今回のこの職場におけるということに対して、このハラスメントの対象を、加える側、受ける側も含めて、対象というのはどういうふうになっているって簡単に言えますか。今までの議論で、先ほどの福島さんの議論でも非常に複雑で分かりにくいですよ。だから、包括的な禁止法案というのが必要なんではないかという議論になっているわけで、この対象範囲というもの、特にカスタマー、あるいは医者の側から言わせると患者さん、家族、それから教員のところからいくと保護者、もういっぱいですね。昨今はスポーツ界でも出てきますね。日大のアメフトや、あるいは体操、アメリカでは今フィギュアスケートで大変な問題になっていますね、ハラスメント。  そういったようなことがある中で、職場におけるって今回の法案は、分かるんですよ、分かるんだけれども、世の中のハラスメントを包括的に禁止すべきだって考えている人たちは職場に限らないわけですよ。なので、まず今回の法案は、どの範囲、どの方々を対象としているのかと、その点を答えてください。
  171. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) まず、ハラスメントの措置義務の出発点として、労働契約において事業主は雇用する労働者に対して安全配慮義務を負っているということを基本的な出発点に置いております。したがって、ベースにあるのは、自ら雇用している労働者がハラスメントに遭わないようにその事業所内の体制をしっかりしてくださいというのが基本形です。  その上で、セクハラ、パワハラに関して申し上げます。  セクハラにつきましては、まず、被害者、保護の対象につきましてはその雇用する労働者というふうにされております。それから、加害者、行為者の方につきましては、社外の第三者である場合も措置義務の対象とするという取扱いをしております。  それから、パワハラでございますが、まず被害者、保護の対象でございますが、これは今セクハラのところで申し上げましたように、その雇用する労働者ということであります。一方、加害者、行為者のところでございますが、これは今日も御議論ございましたが、社外の取引先、顧客などについてはどこからがその迷惑行為に当たるかという判断が非常に難しい等々を踏まえて、加害者、行為者については社外の者である場合は措置義務の対象に含めないと、社内の中であるというふうに整理をしておるところでございます。
  172. 足立信也

    ○足立信也君 そこで、大臣、今のお話ですけど、先ほど議論でも、セクハラはこうだ、パワハラはこうだ、それはやっぱり所管する法律の違いによって微妙に分けざるを得ないような感じが私はあるんですよ。だから、それを取り外すといいますか、その縦割りをね。やっぱり全てのハラスメントをなくしていくんだという思いからすると、やはり、今回は職場におけるで、今対象を分けられました。でも、それとは別に、やはりあらゆるハラスメントに対してそこを防止していくんだという法律はやはり必要なんじゃないですかね。大臣はどのように考えておられるんでしょうか。
  173. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) パワハラ、委員のおっしゃることも私もよく分かります。これは、今回はそれぞれの法律で今出していますが、結局、この話は一番の本質的なところに戻るんだと思います。要は、全体のハラスメントを禁止する法律、これは禁止規定を設けることができるかということで、昨年十二月の労働政策審議会建議、これはその中で様々な議論がされたと。  ですから、私は、これ法律の整理の問題だと思いますが、違法となる行為の要件が明確化できるかとか、禁止となる行為の定義とその法的効果や、どうやってその履行を担保するかと、ここのところに現行の民事上違法となる行為、あるいは罰則の対象となる行為、これをどのように特定し、法律上規定するかというところの課題があって、ここは、全体のハラスメントを禁止する法律という意味では既存の法体系との整理があるので、ここは様々な課題があるので中長期的に検討課題になった、つまり、そこで整理できなかった、そういう議論をしたんだけどということだと思います。  その意味では、パワーハラスメントを一律に規制する法律が作れるかどうか、立法上の観点からということが実は私も本質的な課題だなと思います。そして、今回のパワハラとセクハラの規定ぶりで、まあそこは、パワハラの場合には、パワハラの場合の規定は、職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であって、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものだと。これは結局、パワハラが、例えばカスタマーハラスメントも入れよう、正確に入れようと思うと、そこの線引きをどうするかということの課題があって、これは職場におけるパワーハラスメントの規定として、職場におけるという法体系になっていると。  対象については、セクハラの方が対象についてはある種広いんですけど、パワハラについては、そのパワハラをどう定義するかということで、こういう定義でいくと、職場におけるパワハラという整理をしたと。これ、この説明、分かりにくいとか何かいう話かもしれないけど、実は本質的には私はそういうことだと思っております。
  174. 足立信也

    ○足立信也君 前半の冒頭部分だけでよかった感じしますね。  せっかく内閣府の方見えているので、先ほど、割と広めの将来にわたったゴールというような話をされました。であるならば、であるならば、ハラスメントに対しても、職場におけるだけではない、今包括的なこういう法律はやはり必要だと思いませんか。それを最後の質問にしたいと思います。
  175. 中根一幸

    ○副大臣(中根一幸君) 先生御指摘のとおり、ハラスメントは人権を侵害するものでありまして、職場におけるセクシュアルハラスメントやパワーハラスメント等のハラスメントは、男女共同参画社会の形成に大きく阻害する、あってはならないことと考えております。  先ほど来、お話ありましたように、政府では、この第四次男女共同参画基本計画に基づきまして、これまでも事業主に職場でのセクシュアルハラスメント対策等を講ずることを義務付け、この男女雇用機会均等法の着実な施行、全国での事業主向け説明会の実施や労働者向け相談窓口の開設等のハラスメント対策に係る周知啓発、女性に対する暴力をなくす運動等の国民運動の推進により、この意識の啓発のために取り組んできました。  政府を挙げてこのハラスメント対策を進めてきたわけでございますが、今般のこの御議論いただいております法改正によりまして、ハラスメント対策を強化することとしていると聞いておりますので、このハラスメントのない職場づくりの推進に向けて一生懸命内閣府としてもやってまいりたいと思います。
  176. 足立信也

    ○足立信也君 これで終わりますが、歴史あるいは文化というのは、分化と細分化と統合を繰り返すんですよ、細かく細かく分かれたものを一度統合しなきゃいけない時期が来ているんだと私は思います。  終わります。
  177. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 国民民主党・新緑風会の礒崎哲史でございます。よろしくお願いいたします。  ハラスメントに関する女性活躍推進法の法案の質疑、先週から入っておりますが、先週の質疑、それから今日の午前中の参考人質疑、そして今の午後の質疑も全て聞いて、どうしてももやもやしてくるものがあります。  今、足立委員が最後に質問されたお話、もう何度も出てきているんですが、我々としては、やっぱりこのハラスメントというものを社会全体の中で捉えて、社会全体の中でそういうものをなくしていこうという大きな捉え方をして、そういう問題提起をさせてもらって、それに対する少しでも厚労省なり、あるいは先ほど内閣府の方もいらっしゃいましたけれども、その考えの一部分でも聞かせてもらいたいという思いの質問に対して、ことごとくそこを、職場の、職場の、職場のということで狭めてしまう議論になっているというのが非常に歯がゆい思いで聞かせていただいています。  先ほど、これも先ほどの足立委員とのやり取りの最後のところで大臣がおっしゃられた、まあ思いがあるということは先ほどの中でも伝わったんです。伝わったんですが、現状の法がある、その法律との整合性を取っていく、様々なそういう観点の中でなかなか難しいんだと、だから中長期的な課題として捉えていくというようなお話、これまでも何度もそういう答弁はございました。  そうすると、確かにそうなのかなというふうにも一瞬思うんですが、やはり同時に違和感を覚えます。というのは、法律ってそもそも何のためにあるんだろうというそもそも論なんです。やっぱり世の中の秩序、公の秩序をしっかりと維持をしていく、保っていく、乱れないようにしていくために、やっぱり法律というものはその性格として持っていると思います。ハラスメントというのはまさに公の秩序を乱すものなのではないでしょうか。多分、そこは大臣と私、共有認識持てると思うんですね。  そうすると、まさに公の秩序を乱すその原因であるハラスメントを防止していこうという大きな法律を作るべきではないかという議論をしようとしたときに、目の前にほかの法律があるからできないんですって、公の秩序を維持するための法律を作りたいのにほかの法律が壁になって邪魔しているって、これ考え方として私はそもそもおかしいんじゃないかなという印象を今回の質疑のやり取りの中で物すごく覚えました。というのが、もう私の率直な今の思いです。  それで、ここの部分は恐らく大臣もなかなか言いづらいところがあると思いますので、ちょっと違う視点で、私もずっとこのハラスメントには様々な形で接してきまして、やはりこのハラスメントによって、もちろん人の尊厳を守っていくとかそういう観点が多分にはもちろんあるんですが、このハラスメント行為が行われたことによって、職場で精神的に追い込まれメンタル疾病に発症する方もいれば、精神的に追い込まれて最終的には自分で命を絶つ方もいらっしゃるわけです。  私の認識において、この法案の審議というのは、最終的には人のもちろん尊厳を守っていくこと、これ重要なんですけれども、もう一つの意味として、自分の尊い命を自ら絶つ、そういう人たちをなくしていくというものも私はこの法律の中に含まれていると思っているんです。だから、できるだけ実効性のあるものにしたいし、できるだけ包括的にこれがカバーできるものにしたいという思いで、これまでずっと質疑をさせてもらっています。  そこで、これは通告していないんですけれども、大臣、やはりこの法律は人の命を守ることにつながるんだということに関しては、大臣、認識というものは共有できるというふうに思ってよろしいんでしょうか。
  178. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 私もその認識は共有をしております。共有しております。
  179. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 ありがとうございます。  であれば、人の命を守るためにどうすればいいかというくくりにすれば、狭義のものにまとめていくのでなくて、できるだけ広範囲にカバーをしていく、最終的な目的としてはハラスメントという行為そのものの禁止規定を作っていくということについては御理解をいただけるということでよろしいですね、大臣。
  180. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 私もパワハラはあってはならないと思っておりますから、要は、だから、その思いは一緒だと思うんですよ。  ただ、既存の法律があって、それが壁があるからできないということではなくて、法律というのはこれは規制ですから、法律は規制なので、その規制を掛けるときにきちんとした法律の要件を構成できるかという議論が今までの既存の法体系等の中で整理ができるかと、私は、これは法制的な、専門的な議論を審議会でされたと思います。  だから、法律というのは、作る気になれば作れるとは思いますけど、ただ、作るときには、例えばこれはハラスメントを禁止する、すると当然罰則が、いや訓示規定というのはあり得るけど、罰則を掛けようと思うと、じゃ、どういう要件を掛けるのかとか、それをどう明確化できるのか。実は、これは法制上の、立法上の課題があって、そして今回の、つまり全体を規制するような法律というのは難しかったんだと思います。  じゃ、だからといって、今回、確かに労働者というところに着目してやったわけですが、私は、現在のこの法律でも措置義務を課す、しっかりと社内でも周知をする、パワハラ、セクハラはやってはいけないと、こういうことをしっかりやることによって、それぞれの会社がそれぞれ取り組むことによって、これはパワハラにせよセクハラにせよ、ここは、ハラスメントの防止に関する社会的機運というのは私は醸成されていくんだと思います。むしろ社会的機運を醸成するような運用にしていかなければならないと思います。基本的に私は礒崎委員とそこは思いは同じであります。
  181. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 ハラスメントという言葉が使われてもう三十年です。三十年たっていまだにそれが禁止規定にならないという、この現状もしっかりと大臣踏まえていただいて、この法律によって救える命があるということ、そしてこの法律でも救えない命が今もあるんだということ、これ是非認識をしていただきたいと思います。  それでは、通告をした質問に戻りたいと思います。  まず、これは先週ですかね、先週の同会派の川合孝典委員の質問なんですが、条文の読み方についてやり取りがございました。  お手元の方に資料を一枚お配りをさせていただいております。一般事業主行動計画を作っていく上での法文の中の第十二条に関して、過去形で書かれたものと現在進行形で書かれたものがあるんだけれども、この読み解き方をどうすればいいのかということでやり取りがございました。私も少し頭が混乱を、正直言うと混乱をしまして、よく分からなくなったというところがございます。  なかなか分かりづらかったんですけれども、ちょっといま一度、厚労省の中でも多分御検討といいますか、もう一回間違いのないように整理をされていると思いますので、いま一度この条文の読み方、この過去で書いてあること、現在形で書いてあること、この読み解き方についていま一度確認をさせていただきたいと思います。
  182. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) 資料でお配りをいただいておりますこの十二条の条文でございます。  この十二条の条文、三つその認定基準について掲げております。一つは、行動計画に基づく取組を実施し、行動計画に定められた数値目標を達成したこと。それから、男女雇用機会均等推進者等を選任していること。それから三つ目、女性活躍の推進に関する取組の実施状況が特に優良なものであること。この三つを掲げた上で、「その他の厚生労働省令で定める基準に適合するもの」という規定になっております。  この「その他の厚生労働省令で定める基準」という、この「その他の」は法令用語でございますので、さきの方に出ておりました三つ全てを含むものでございます。したがって、これら三つの認定基準というのは、かつで結ばれているのと同じ意味でございまして、三つを同時に満たしている必要があるということであります。  このうち、最初の条件であります行動計画に定められた数値目標を達成したこと、これ過去形で書いてございますが、これはまさにプラチナえるぼし認定の申請時に計画を達成していることということを意味しております。これは言わばその次に移るための第一関門というふうに御理解いただければと思います。  その上で、二つ目の推進者の選任ですとか、それから取組の実施状況が特に優良なものであることというのは、認定後も満たし続けている必要があるものでございます。  この特に優良な三つ目の基準でございますが、これは具体的には今後審議会で決めていくということになりますが、今のえるぼし認定よりも高い水準のものを定めていく必要があるわけであります。  事業主が認定を受けるためにはこの三つの基準全てを満たしている必要があるということでございまして、この三つの基準を満たした場合にこの計画の策定というのを免除されると、こういう条文の規定となっておるわけでございます。  計画の策定が免除されることによってその適正さがずっと維持されるのかどうかという御懸念があるわけでございますが、一つは、先ほど申し上げた高い認定基準というのがあると。それを前提に年一回の情報公表を義務付けているということと、認定基準に適合しなくなった場合には認定の取消しができるということの規定がございますので、認定企業の質というのが継続的に担保されるという、こういう条文になっております。  ただ、今申し上げたとおりでございますけれども、この達成したことということと選任していることという、過去形の基準と現在進行形の基準が混在していて条文が非常に読みにくいというのは先般御指摘いただいたところでございまして、最終的には、「その他の厚生労働省令で定める基準」ということで全体をくくるわけでございますので、その中で一覧性のある分かりやすい基準にしてまいりたいというふうに考えております。
  183. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 ちょっと若干分かりにくかったかもしれません。つまり、プラチナえるぼし認定を得るためにここに出てきた三つの要件というのは全て必要であり、その他の要件も全てまず持っていないと駄目なんだという、そういう書き方になっているということが一つですよね。  それで、ちょっと改めてもう一個確認なんですが、選任していることというこの言葉というのは、これ、そもそも選任することそのものが事業主の行動計画の中に入っていることなのかどうか、ちょっとそこの点だけもう一つ、もう一回だけ確認させてください。
  184. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) もちろん、行動計画に何を書くかというのは事業主の裁量でございますが、この選任については、この法律において選任することが努力義務となっております。この認定を受けるためには、文字どおりそれを選任し、選任し続けていなければならないということで、これは計画とは別の、三つの基準のうちの二つ目ということでございます。
  185. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 行動計画の中に入っていても入っていなくてもいいけれども、でもより高いものを目指そうとするのであればしっかりと選任することというのがその要件に入ってきますよという整理になっているということで理解をいたしました。  ということで、十二条については若干読み取りにくかったこともありますが、法律の書き方ということで私もちょっと勉強したら、いろんな、その他という言い方とその他のという言い方で少しその意味合いに違いが出てくるということでもありましたので、この件についてはこれで整理が付いたという認識でありますので、これで終わりにしたいというふうに思います。  それでは、これもちょっと前回のやり残しなんですけれども、私が前回の質疑で最後にフリーランスの件で何点かやり取りをさせていただきましたが、ちょっと時間が中途半端になってしまいましたので、事実の確認にそごがあってはいけないので、改めてこれはしっかりと確認をさせていただきたいと思います。  本会議の代表質問の中で、セクハラの対象ということで、就活生ですとかフリーランスが入っていないということで、就活生やフリーランスを対象としなかった理由は何なのかということで質問したところ、大臣の答弁の中で、その直接の回答になる前の段階で、就活生やフリーランスなど労働者以外の者についてはということで、そういう表現があったということでした。  なので、まずそのフリーランスが労働者以外の者という表現を使われましたので、ではフリーランスの立場は労働者ではなく何なんでしょうかということ、これは改めて確認をさせてください。
  186. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) フリーランスにつきましては、法令上に明確な定義というのはあるわけではございませんが、例えば二〇一七年の小規模企業白書におきましてはこういうふうに白書上定義されております。特定組織に属さず、常時従業員を雇用しておらず、事業者本人が技術や技能を提供することで成り立つ事業を営んでおり、自らが営んでいる事業がフリーランスであると認識している事業者と、こういうふうに位置付けております。  フリーランスには個人事業主とかあるいは業務委託を受けている方などが典型的だと思いますけれども、こうした方々は一般的には雇用されている方ではございませんので、原則として労働者には当たらないというふうに理解をしております。  男女雇用機会均等法の措置義務でございますが、これは事業主にその雇用する労働者に対するセクハラ防止の措置義務というのを課しておるということでございまして、雇用関係にない者は対象に含まれていない。したがって、いわゆるフリーランスについてもその措置義務の対象には含まれていないと、こういう整理でございます。
  187. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 まず、今、一つ、フリーランスについてはそもそも厚労省さんの中ではまだきちんとした定義はされていないという事実、これはまず確認できました。代わりに、私も、小規模企業白書、こちらの方を見まして、その中にもフリーランスに関する定義というものがありまして、今御説明をいただいたような記載があったことは確認をいたしました。  前回の局長の御答弁の中で、個人事業主というような考え方も示されましたし、同時に、指揮命令下にあれば労働者というふうにも考えられるんだというので、状況、状況によってちょっとそれが違ってくるという御答弁もあったんですけれども、ここをもう一回整理したいんですが、仕事の、同じフリーランスという立場であっても、個人事業主のときと、そうでなくて労働者になるときと、二つの場合があり得るということでよろしいんでしょうか。
  188. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) 先ほど申し上げましたように、フリーランスというのは明確な定義がございませんので、自らフリーランスと名のっておられる、あるいはフリーランスと言われている方というのは多様なものがあり得ると思います。  典型的には、先ほど申し上げましたように、個人事業主ですとか業務委託を受けているような契約関係にある方、ただし実際には、実態として労働基準法上の労働者性が認められる、つまり実質的に指揮命令があるような方を、本来は雇用労働者として扱わなければいけないにもかかわらず、それを個人請負みたいな形を取っているという脱法的な取扱いがもしあるんだとすれば、労働法は実態判断で労働法規の適用を見ていきます。したがって、いわゆるフリーランスというふうに言われる方の中にも実態は労働者として取り扱わないといけない方というのがいるかもしれない、そういう方については労働法が適用になりますので、そういう方については措置義務の対象になってくると、そういう趣旨で申し上げました。
  189. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 ということは、フリーランスでそういう状況で働かされている方は、厚労省さんの認識としては脱法行為に置かれているという認識になるということでしょうか。あくまでもフリーランスの方は個人事業主であって、個人の判断、裁量の中で事業を営んでいる方であって、指揮命令下に置かれたらそれは脱法行為なんだということでよろしいんですか。
  190. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) 先ほども申し上げましたように、フリーランスというのは法令上の定義もございませんし、規律しているのは一般の契約法制の関係であります。  そういう状況の中で、ただ実態として労働者と言えるような指揮命令関係の下で働いている人がいるのであれば、それはそういった契約を乗り越えて労働法規は強行法規として適用されますので、そこは労働法の規律を受けることになると。そういう状況に至る人がいるのであれば、その方は措置義務の対象にもなってくるという意味であります。
  191. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 ですから、切り分けが難しいわけですよね、フリーランスの方の立場というのは。  そもそも、厚労省さんの中では定義付けがされていないということですから、状況状況に応じてやっぱりどっちになるかというのが個別判断にならざるを得ないということなんだとすると、そうすると、じゃフリーランスの方というのは、この法律でこの措置義務の中に入るのか入らないのかがやっぱり中途半端というふうに言わざるを得ないと思うんですが、やはり中途半端ということで、それはいいですよね。
  192. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) 措置義務の対象となるのは雇用する労働者ですと、これは条文上はっきりしております。実態判断として、雇用する労働者に該当する方については措置義務の対象となると、これもはっきりしております。  その上で、名前だけフリーランスということだけれども実態はどうなのかと、こう見たときに、大多数は、実態は労働者ではなくてやはり個人事業主だろうと。そうすると、措置義務の対象から除かれてしまう。その人たちをどうするかということが議論になったときに、その方については措置義務の対象にはならないけれども、指針で必要な取組というのを規定していきましょうということをこの本会議等では申し上げたというものでございます。
  193. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 やっぱり実態に合わせてというのを、だから、でも多分そのフリーランスの方は契約を結んでお仕事をされると思うんですよね。口頭でお仕事をしないと思いますから、やはり契約を結んでお仕事をされる。その中にどういう文言が入っているかは分かりませんけれども、そういう文言を盾にして、仮に何か裁判で訴えるとかということになったとしても、やはり不利な立場に置かれるという方であることは間違いないのかなというふうに思います。  だとすると、いや、ここでそもそもこういう確認をしなければいけないということそのものが私は問題ではないかなと思います。是非、厚労省さんの中で、やはりフリーランスという方たちの働き方、この人たちの立場はどういうものなのかというのをやっぱり早く決めなきゃいけないんじゃないかなと思いますけれども。そうでなければ、やっぱり一度例えば労働者の中に入れるということにして、その後もう一回切り分けていく、この法律の適用に関してはですよ、この法律の適用に関しては、労働者の中という考え方に入れていくというふうに一回定義付けてもいいのではないかというふうに思いますけれども。  とにかく早くフリーランスという方の立場というものを明確にするための議論も、もう早急に私するべきだと思いますが、その点についていかがでしょうか。
  194. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) まさに私ども今検討会を進めておりまして、そこでは雇用類似という呼び方をしております。フリーランスという、事業主であっても実質的にその雇用に類似した方、そういう方は労働法の適用を受けないものですから、労働者に類似した保護が必要な場面もあるんじゃないかということで雇用類似の検討会というのをやっております。  その中でも議論になっておりますが、これは区別して考えないといけないと思うんですが、労働法が適用になるような、実態として労働者になる方というのはおられるわけですね。そういう人には、もう今でも労働法規は強制法規として適用になるということであります。
  195. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 ますます、ですから、この法律についてはとか、これに関してはとか、こういう観点ではではなくて、やはり明確に一つ考え方をまとめていく必要があるのではないかということです。是非、その点、話を前に進めていただきたいと思います。  それから、そもそも、ちょっとそのセクハラの是正措置に関することの答弁の中身についての質問に次移りたいと思うんですが、大臣の方から、確かに法律上は入っていないんだけれども、被害者が自社の労働者以外の者の場合でも同様にあってはならない旨を企業が併せて示すようになれば、これはそういう考え方が促進していくんだという、そういう考え方、御答弁がございました。  ここで言う被害者が自社の労働者以外の者の場合の、その自社の労働者以外の者というのは、その範囲はどの範囲になるのか教えていただけますでしょうか。
  196. 根本匠

    ○国務大臣根本匠君) 私もそういう答弁をいたしましたが、要は、事業主や労働者に対して責務を掛けているんですね。指針の中で、ハラスメントをしてはならないと、そういうことをしっかりと明確化して、周知啓発といった予防措置を講ずるわけですが、その意味で、被害者が自社の労働者以外の者であっても同様にあってはならないという旨を企業が併せて示すようになれば、予防の観点からの対応、これは相当前に行くだろうと。そして、自社の労働者以外の者には、他社の労働者のほか、就活中の学生やあるいはフリーランスなどの労働者でない方も含めて、要は当該企業が業務上の関係性を有する様々な方々が含まれ得ると、こう考えています。
  197. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 今、具体的に就活生の方ですとかフリーランスという言葉は大臣の方からも明言をいただいたわけでありますけれども、就活生が入るのであれば、同じ学生という立場で、例えば研修生ですとか実習生ですとかインターンですとか、こうした人も入るのかなと思いますけれども。それ以外に、顧客ですとかあるいは患者ですとか、学校でいけば生徒ですとか、こういう人たちというのもこの労働者以外の者の中に含まれていくのかどうか、その点についてはいかがでしょうか。
  198. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) 先ほど大臣から答弁申し上げましたのは、直接には責務規定は労働者というふうに書かれておるわけですけれども、およそセクハラはあってはならないということに関しては、それは相手を問わない話でありますので、幾つか例を先生挙げられましたけれども、そういった方も含めておよそセクハラはあってはならないということであります。そういう幅広い形で予防措置を示していくことになれば、いろいろな方に対するハラスメントもなくなっていくことが期待できるであろうと、そういうふうに考えております。
  199. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 なればなくなっていくということであれば、なるように指針の中にしっかりと書き込むべきだと思いますが、指針の中には書いていただけるんでしょうか。
  200. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) 今申し上げた考え方は指針の中に書く必要があるというふうに思います。具体的にどういう例を例示、全部書き切れませんので、挙げていくか等につきましては、よく審議会で御議論いただきたいというふうに思います。
  201. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 是非、具体的な例示も含めて書いていただきたいと、書き込んでいただきたいというふうに思います。  続いて、パワハラ関係の定義に関して幾つか確認をさせていただきたいと思います。  まず、今回、パワハラの定義として三つまとめられました。一つは優越的な関係を背景とした、二番目として業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動によって、③として就業環境を害することということでありますけれども。  まず、この一番最初の、職場において行われる優越的な関係を背景とした言動の優越的な関係について確認をしたいと思うんですが、優越的な関係というと、すぐに上司から部下ということを想定しがちではありますが、実際、現場においては、同僚同士であったりあるいは部下から上司に対してそうしたパワハラ発言があるということは当然あり得るというよりも、あります。現にあります。  とすると、当然、そういうところも含めたものというふうに理解をしたいんですけれども、そういう理解でよろしいんでしょうか。
  202. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) この審議会の議論に先立ちまして、平成三十年三月に職場のパワーハラスメント防止対策に関する検討会報告書というのが取りまとめられておりまして、ここで内容を詳しく書いてございますので、それをちょっと引用する形で御説明をさせていただきたいと思います。  そこでの優越的な関係とは、当該行為を受ける労働者が行為者に対して抵抗又は拒絶することができない蓋然性が高い関係に基づいて行われることを指し、例えばということで、職務上の地位が上位の者による行為のほか、同僚又は部下による行為で、当該行為を行う者が業務上必要な知識や豊富な経験を有しており、当該者の協力を得なければ業務の円滑な遂行を行うことが困難であるもの等が該当するというふうに書かれております。  したがって、御指摘いただいたような、部下であっても、この優越的な関係に立つ場合というのはあるということであります。
  203. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 様々な人間関係の中で行われますので、できるだけ包括的な内容にしていただければというふうに思いますので、よろしくお願いをいたします。  続いて、その三つの定義の中の、ちょっと質問を一個飛ばして、一番最後の、最後といいますか、三つ目の定義になりますけれども、就業環境を害することというこの定義の部分なんですが、この就業環境を害することの、害されたと判断する基準はどういうところに置くのか、その点について御説明をいただきたいと思います。
  204. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) これも、先ほどの検討会報告を御紹介する形で御説明をさせていただきます。  労働者の就業環境が害されることとは、当該言動により労働者が身体的若しくは精神的に圧力を加えられ、労働者の就業環境が不快なものとなったため、能力の発揮に重大な影響が生ずるなど、その労働者が就業する上で看過できない程度の支障が生ずることを指すと。  また、労働政策審議会の建議におきましては、この点も議論となりまして、先ほども少し御答弁申し上げましたが、その判断に当たっては平均的な労働者の感じ方を基準とすべきというふうにされておるところでございます。
  205. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 そうすると、今、最後に言われた平均的な労働者の感じ方というのが気になっています。その前のところで御説明をいただいた、看過できない程度の支障、これはまさにその方が就業する上で看過できない支障ですから、その人の個人の感じ方というところも含んだ表現になっているというふうに思うんですが、でも、その後のやっぱり平均的な労働者の感じ方を基準ということでいくと、平均的な労働者というのは一体誰なんだろうというところからまず疑問になってしまうんですが、平均的な労働者というのは誰を想定しているんですか。
  206. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) 平均的な労働者の感じ方の平均というのは、社会一般の労働者全体の平均、つまり、社会一般の労働者の多くが能力の発揮に重大な影響が生ずるなど、就業する上で看過できない程度の支障が生じたと感じるような言動であるかというのを基準にすることが適当というふうに考えております。
  207. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 社会一般の一般というのは何ですかね。  要は、あれなんですよ、年代によっていろいろ感じ方って違うと思うし、地域によっても違いがあると思うし、職種によったって、あるいはその人のそれまでの経験によってもいろんな感じ方の違いってあると思うんですよね。そもそも、幅があって当たり前だと思っているんですよ。その幅があるがゆえにどういうふうに設定しようかなということで恐らくはこの平均的な労働者の感じ方ということが設定されたとは思うんですが、だとすると、その平均的な労働者というその幅をどこまで許容して捉えればいいのかというのがやっぱり分からなくなっちゃうんです。  そうすると、今、先ほど言われた一般のという言葉の一般というのは一体どういう意味合いになってくるのか。要は、その幅というものをどれぐらい配慮してもらっているのかというのが私の質問の意図なんですが、そこについてはどうでしょうか。
  208. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) 今御指摘いただいた点というのは、これは恐らく審議会でも労使でいろいろ議論される点だと思いますので、余り予断を持って申し上げない方がいいのかもしれませんが、私どもとしては、今お話のございましたような世代の違いが例えばあったとして、非常に年配の方と新入社員ですと、受け止め方というのはやはり相当変わってくる部分があるだろうと。そういう中にあっても、それらを通じた社会一般の感じ方を平均的なものとするというふうに捉える、これはちょっと具体的にはもう少し議論をしないといけないと思うんですが、そういうのを超えて社会一般のということで捉える必要があると思います。  その上で申し上げますと、年配の方に対する指導とそれから新入社員の人に対する指導というのは、恐らく指導の仕方というのは変わってき得るだろうというふうに思います。それが行き過ぎた指導なのか、適切な指導なのかということについては、この平均的な人というところで見るというよりは、むしろ一つ基準を、二つ目の基準おっしゃっていませんけれども、必要かつ相当な範囲を超えた言動によりという、この相当性のところで見ていく話になってくるのではないかというふうに思っております。
  209. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 今の局長の答弁の中でも、ベテランの方と新人の方ではやっぱりそこには捉え方に違いがあるというようなことがありました。  まさに新入社員の方ですとか、あるいは傷病だとか休職で長くちょっと職場を離れていて二年ぶりに復職したとかという人たち、あるいは育休明けで出てこられた方とか、その空白区間があったがゆえに、やっぱりかなり不安を抱えた状態で職場に戻られていると思うんですよね。  でも、そういう人たちだからこそ、こういう法律でしっかりと守っていただきたいんですよ。何でおまえできないんだと、それは、だって空白区間あるんだからしようがないです、しようがないじゃないですかという思いがある中に、平均的な範囲の中でその人たちを入れてもらえるのかどうか。やっぱりそういう人たちも含めた、そこまで配慮した上で、やはりこの平均的な労働者の感じ方というところを是非御議論をいただきたいということで、これはお願いを申し上げたいと思います。  あと少し時間ありますので、もう一つ。これもパワハラ関係の質問になるんですけれども、これも本会議の代表質問で行った質問に対してになります。  取引先など他の会社の社員などからのパワハラに対しては事業主の措置義務を対象としなかったということで、これについてのやり取りはもう先ほど来あるので、ここについては承知をしているんですが、その答弁の中で、安全配慮義務の観点からも、労働者のケアなど必要な対応を企業に促していくという御答弁がこの中でありました。必要な対応を企業に促していく、この促される企業というのは、これは被害者側のことを指しているんでしょうか。この企業のちょっと意味合いを教えてください。
  210. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) 参議院本会議で大臣から、取引先等からのパワーハラスメントについても労働者に大きなストレスを与える悪質なケースもあり、安全配慮義務の観点からも、労働者のケアなど必要な対応を企業に促していくことは重要であるというふうに答弁した、それは先ほど御指摘のあったとおりであります。  この答弁におけます企業でございますが、御指摘のように、被害者側の企業を想定して答弁しておるものでございます。労働者からの相談対応など、被害者側企業における望ましい取組というのを指針において示していくことを念頭に置いています。  一方で、今回、関係者の責務規定というのを置いております。これは他社の労働者も含め、他の労働者に対するパワハラを行ってはならないこと等を明確にしているものでございますが、こうした責務規定の趣旨などを踏まえて予防措置に関する企業の対応を促していくということになりますと、これは加害者側の抑止力ということにもつながってくる話ですので、直接的には先ほど御指摘のように被害者側の話でございますが、これは双方に及ぶ話であるというふうに思います。
  211. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 そうなんです。加害者側は予防措置なんですよ。でも、今ここで言っているのは、実際に起きてしまったことなんですよ。起きてしまったことに対しては被害を受けた側の方にちゃんと安全配慮をしてくださいねということにはなっているんです。これはしていただきたいんです。これはいいんです。  でも、じゃ、被害を受けた側の人が、社長が従業員から相談を受けて、そうか、おまえ大変だったなと、それ以上この社長は一体何ができるのかということなんですよ、実際に被害を受けてしまった側は。この社長は、被害を受けた側の相談を受けた社長は加害を受けた側に対して何かできるのかどうか、それを法律上何か担保してくれるのかどうかという観点でいくと、多分それはないというのがこの法律の立て付けになっているんですよ。そうすると、被害を受けているんですよ、被害を受けた人たちが被害を受けた側の中で何とかしてくださいという法律になっちゃっているんです、これ。だから、加害側の人に何かしらする、そういう法律的な担保がなきゃいけないんじゃないんですかという議論に、まあこれはもう堂々巡りですから、なるんです。  もう法律上は多分どうしようもないという回答にしかならないと思うんですけれども、指針の中で何かできるんでしょうか。
  212. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) 法律上は今御指摘いただいたとおりでございます。  その上で、ハラスメントに遭った被害の再発防止を図っていくということになりますと、加害側の協力を求めていくということが生じてくるわけであります。ここは法律自身は及ばないところでございますが、先ほど申し上げた責務規定というのは、およそ何人に対してもハラスメントを行ってはならないだろうということにございますので、こうした責務規定の趣旨を踏まえて指針にどういうことを書けるかということをきちんと審議会で議論したいというふうに思います。
  213. 礒崎哲史

    ○礒崎哲史君 やはり読み込んでいけば読み込んでいくほど、被害を受けた側あるいは弱い立場の人たちが守られない部分がいっぱいあるということを、是非これは改めて厚労省としても認識をしていただいて、それをどうするか、この後につなげていく議論を厚労省の中でもしっかりと進めていただくことをお願い申し上げまして、私の質疑を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  214. 東徹

    ○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。  今日午前中、参考人質疑がありました。これからの女性活躍ということで、何よりも女性の活躍の妨げになるのがやっぱりセクシュアルハラスメントだというふうに思いますし、今日の参考人の方々の御意見を聞いていましても、セクシュアルハラスメント対策としてはまだまだ不十分だというふうな厳しい御意見だったというふうに受け止めさせていただきました。  本当に、どうしたらこういった法律、今回の法律もそうですが、周知していくのかというところが非常に難しいなというふうにも思いましたけれども、教育という言葉も出ておりましたけれども、若い人たちは教育できたとしても、私も含めておっさんの年代になってくると、なかなかやっぱりそういったところの意識を改革していくというのは非常に課題として難しいものがあるなというのを改めて感じております。  今日質問をさせていただきますのは、前回時間がなくてちょっと中途半端になってしまいましたので、もう一度、改めて両立支援等助成金のことについて質問をさせていただきます。  今日お手元にお配りさせていただきました、これ、平成二十九年度の両立支援等助成金の支給実績です。この助成金には六つのコースがあります。先日の委員会で、このうち再雇用者評価処遇コースと介護離職防止支援コースについて質問をさせていただきました。  繰り返しになりますけれども、この再雇用者評価処遇コースについてですけれども、これ、予算額としましては三十七億三千六百三十万円ということでありましたけれども、実績は僅かたった四件ということで、八十一万円ということでございます。非常にこれ、実績としてはもう〇・〇二%しか、執行率で計算するとそうなってしまうということで、非常に件数の少ない結果になっているということです。  前回、このことについて質問させていただきましたら、その理由として、平成二十九年度に新たに設けられた助成金で周知が行き渡っていなかったということ、そしてまた、実際に再雇用してから半年以降に支給申請ができるというタイムラグがあるんですよということも御答弁の中でありました。  新設されたことによる周知不足、支給までのタイムラグ、予算要求のタイミングで分かっていた話だというふうにはこれ最初から思うんですけれども、なぜこのような見込み違いの予算を組むことになったのか、もう一度お聞かせいただきたいと思います。
  215. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) まず、支給実績、非常に低調でございまして、この点は非常に遺憾に思っているところでございます。  この助成金は平成二十九年度に創設をいたしました。その背景にあったのは、妊娠、出産を機に女性の半数近くが離職をしてしまう。その後、再就職する場合も非正規雇用となることが多いという状況の中で、一定のブランクを経ても、過去の職務経験ですとか能力が適切に評価された上で復職できるということが重要だろうということで、そういった形で元の会社にきちんと復職できるようにするということを普及していこうじゃないかということが働き方改革実行計画の方でうたわれたということがございました。そういうことで、この助成金を創設したところでございます。  これを、三十七億四千万円の計上が多過ぎるのではないかということでありますが、我々積算する上で、対象となり得る人がどれぐらいいて、そしてどれぐらいの方が実際に助成金を申請してくるだろうということをある程度計算して積算するわけですけれども、非常にこれから進めていこうという施策でございましたので、最大限の活用が図られるという前提に立って見込み数を算出し、この三十七億四千万円という計上を行ったところでございます。
  216. 東徹

    ○東徹君 もう一度、ちょっとこの再雇用者評価処遇コースの中身なんですけれども、これ、妊娠、出産、育児、介護又は配偶者の転勤を理由として退職した者が就業が可能になったときに復職できると。従来の勤務経験が適切に評価、処遇された再雇用制度を導入し、希望する者を採用した事業主に支給するということであるわけでありますが。  今るる御答弁いただきましたけれども、初年度ということでありますけれども、これが、平成三十年度は、この三十七億四千万円だった予算が今度は百五十二億六千万円と四倍に増えているんですよ、四倍に。これ、最初に立てたときはしようがないということで、件数は少なかったと。三十七億三千六百万、でも実績はたった四件、八十一万円。そうだったとしたら、もうちょっと、じゃ、三十七億ぐらいはせめて行けるのかなとか、何かもう立てるときに、と思うんですが、その次年度は百五十二億六千万と四倍に増えているんですよ、四倍に。何でこんなに、実績がほぼなかったにもかかわらず、予算が今度また四倍に増やしているという、これ何でこんなことになるのか、もう不思議でしようがないんですね。  私は、これはどういう予算の立て方をしてこういう数字になるのかなと、もう本当に不思議で不思議でしようがないんですが、この点についてお聞かせいただきたいと思います。
  217. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) 先ほど御答弁いたしましたように、初年度三十七億四千万円ということで計上をいたしました。これ、復職後六か月経過して支給される分がそれぐらいだろうということであります。  したがって、初年度はその半期六か月分ということになるわけですけれども、これが積み重なって平年度化されますと、それが六か月後、一年後、そして次のグループが六か月、一年後ということで、平年度化マックスで当初の最大四倍になるだろうということで、三十七億を百五十億ほどに拡大をさせたということであります。  ただ、御指摘のように、我々としては女性の復職促進という旗は掲げ続けておるわけでございますが、やはり実績ということであれば、非常に、少し額を高く計上し過ぎたのかなと、その点は大変遺憾に思っておりますが。
  218. 東徹

    ○東徹君 まあ、認められたので、やっぱりどう考えてもこれ多く見積もり過ぎですよね、予算として、どう考えても。もう当初の、初年度の実績から考えたら、懸け離れた予算を立てていることになっているわけですよ。だから、やっぱりもうちょっとしっかりと実績を踏まえた上で予算も考えていくべきだというふうに思います。  このコースなんですけれども、配偶者の転勤を理由に退職した方の再雇用も支給対象とすることなんですね。配偶者も対象ということですから、これは支給に当たって、あくまでも退職時と同じ企業に再雇用されなければならないという要件になるわけですね。そうなってくると、これ、配偶者の転勤を理由に退職した場合も支給の対象ということで、退職時と同じ企業ということになると、結局、全国に事業所があるような、全国に支店があるような、そういったもう本当大企業にこれは限られてくると思うんですね。  中小企業などはもう最初からこういった制度というのは使うことができないような制度設計なんですけれども、なぜこのような大企業だけが使えるようなこういう制度設計を考えるのか、この点についてもお聞かせいただきたいと思います。
  219. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) 今、配偶者の転勤も対象に入っているというお話ございまして、そこだけ捉えれば、確かに大企業ということが中心になるというのは御指摘のとおりだと思いますが、配偶者の転勤だけではございませんで、育児、介護等によって一旦離職した方がまた復職するということを促進していこうということであります。  これは、やはりそれまで働いた経験のある企業に復職するということが、その方本人にとってもあるいは企業の方にとっても、それまでのキャリアを最も生かしやすいだろうと。したがって、そうしたキャリアを適切に評価して再雇用、処遇すると、そういう企業の取組を広げていこうじゃないかということで、同じ企業を対象としてのこういった助成金を設けたという趣旨でございます。
  220. 東徹

    ○東徹君 配偶者の転勤のことについてなんですが、これ、配偶者の転勤のそういう復職しやすい制度として、例えばなんですけれども、全国の地銀ありますよね、地銀が独自に地銀人材バンクというのをつくっているんですね。自分のところの地銀では支店はないけれども、全国に地銀ってありますから、地銀であれば、業界単位で協力して人材を活用していこうといったことも地銀なんかはやっているわけですね。  鉄道会社でも同じような取組が進んでいるというふうなことなんですけれども、このような取組こそ、国として支援していったらどうなのかなと思うんですが、いかがですか。
  221. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) 御指摘いただきましたように、一部の業界におきまして、地域を越えて、全国的な法人間の人材の移動を支援するような地銀人材バンクといった取組が行われておるということは承知をいたしております。  これは、業界内でそのスキルに共通性がある場合、そして業界全体としてその協力体制が得られるような場合に非常にそういった方法が取りやすいのかなということがあるというふうに感じたところであります。  いずれにしても、育児、介護等で離職をされた方がそれまでの経験、能力を生かしてまた適切な再就職を果たしていくというのは女性活躍の観点からも非常に重要なことでございますし、これから職業生活長期化していくということへの対応という観点からも重要だというふうに思っておりまして、今御指摘いただいたような取組についてどういうことができるか、よく研究をさせていただきたいというふうに思います。
  222. 東徹

    ○東徹君 続いて、次の質問に移らせていただきますけれども、介護離職防止支援コースというのがあります。この中で上から二番目の介護離職防止支援コースですけれども、これは中身何かというと、介護支援プランを策定して、プランに基づき労働者の円滑な介護休業の取得、復帰に取り組んだ中小企業事業主又は介護のための柔軟な就労形態の制度を導入して利用者が生じた中小企業事業主に支給するということなんですけれども、これ、平成二十九年度の実績では二・三%しか使われていないという、非常にこれも寂しい結果です。  でも、ただ、介護離職防止というのは、これは非常に大事な政策ですよね、これ。大臣もよく御存じのとおり、介護離職ゼロを目指していくということでうたっているわけですけれども、この介護離職者九万九千人のうち七万五千人は女性なわけでありまして、女性活躍を進めていくためには介護離職ゼロの実現がこれはもう当然重要になってくるわけです。だからこそ、この介護離職防止支援コースというのは非常にこれ大事な制度なんだろうというふうに思っているわけですが、何とこっちは、平成二十九年度の予算が十二・三億円で、三十年度になると約半分の六・四億円、平成三十一年度になるとまたその半分の三・五億円、どんどんどんどんと年々予算が半分になっていくんですよ。これ、介護離職防止は非常に大事だというふうにうたっているにもかかわらず、今度こっちの予算は半分ずつになっていく。これ何でこんな、毎年半分の予算になっていくのは、今度はこっちは逆に、これもまた分からないんですけど。
  223. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) 実は、この助成金につきましては、政府全体で行政事業レビューというのがございまして、毎年幾つかの事業項目についてチェックをしていくと。この行政事業レビューの対象となりまして、この助成金の支給実績低調であることについて、事業全体の抜本的改善というのが求められたという経緯がございます。  そうした中で、一つは助成金がより有効に活用されるように見直そうということ、一方で、その予算額についても実態に照らして適切な額にしようということで、両面からの見直しを行ったということであります。もう一つは、周知不足というのもそれまでの支給実績低調だった背景にあるというふうに思っております。  いずれにしても、介護離職防止対策の重要性が下がったからこれを額を減らしたということではなくて、今申し上げたような経緯があったということでございます。
  224. 東徹

    ○東徹君 そう考えたら、最初の再雇用者評価処遇コースなんてもっと予算が減らぬとおかしいのに四倍になっているって、これも全くもうつじつまが合わないんですね。もう本当にどういう予算の立て方しているのかなとつくづく思うわけですけれども。  もう一つお聞きしますが、この両立支援等助成金ではほかに女性活躍加速化コースというのもありまして、この執行率も一五・六%ということで、これも低調に終わっておるんですが、これもなぜこんな実績にとどまっているのかもお聞かせいただきたいと思います。
  225. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) この女性活躍加速化コースでございますが、これは行動計画の策定等が義務化の対象となっていない中小企業が対象でございますが、課題解決のために数値目標を盛り込んだ行動計画を策定し、その目標を達成したことが支給要件となっております。  行動計画の期間というのは二年から五年というのが設定期間でございまして、目標達成までに期間を要するということで、二十八年度にこの行動計画策定が義務化あるいは努力義務化されたわけでございますが、そこから二年間の期間において支給実績に至らない事業主が多かったということが一つ。それから、やはり事業主に十分周知をされていなかったということがあるというふうに思っております。  三十一年度におきましては、支給実績がほとんどなかった大企業を対象としての助成を廃止する一方で、中小企業に対する取組目標に対する助成の方は増額をいたしまして、中小による活用促進が進むような見直しを行ったところでございます。
  226. 東徹

    ○東徹君 これも周知不足だというふうなところなんだろうというふうに思いますけれども、ただ、これ、本当にこういった助成金で、こういったやり方が、助成金を配って両立支援等ということで進めていくというやり方が本当にこれどうなのかなと思うんですね。  これ、この中で、質問はしませんけれども、執行率が二二四・三二%の出生時両立支援コースってあるじゃないですか。これは、男性の労働者が育児休業とか育児目的休暇を取得しやすい職場風土づくりに取り組んで、子供が生まれてから八週間以内に開始する、連続、大企業だったら十四日以上、中小企業だったら五日以上でいいんですね、の育児休業を取得したところについてお金を出しますよという制度なんですね。中小企業だったら五十七万円、中小企業以外だったら二十八・五万円ということで、これは確かにむちゃくちゃ多いんですけど、でも、これは確かに取りやすいよなと思いますよね、恐らく。だって、子供が生まれた、僕休みますと言えば、中小企業だったら五日間ですから、土日入れて五日間なんだろうと思いますけれども、五日間以上だったら、それは取りやすいよなと思います。でも、これが本当に育児とかの支援になっているのかなと、お金出してまで、こういう助成金制度までつくって、本当になっているのかなというふうに思うわけです。  四月二十六日に公表された総務省の労働力調査でも、今年の三月の完全失業率ですけれども、これは二・五%という低い水準で維持されています。三月の就業者数も、六千六百八十七万人と、前年同月と比べても六十七万人増えていると。雇用環境は非常に今いいわけですよね。  労働保険特別会計では、六兆円を超える予算が組まれているわけです。で、先ほどの助成金のようなほとんど使われていないものに、これ原資は何かというと、雇用保険の保険料なんですよ、雇用保険の保険料。雇用保険の保険料で、しかも事業主のみが負担している保険料が財源として使われているわけですよね。  そういったことでやっているわけですけれども、今本当に、雇用する側も非常にやっぱりこの保険料って高いんですよ、保険料高いんです。やっぱり、こういうことに助成金を配ってどうこうするんじゃなくて、雇用保険も下げることも考えてみたらどうかと思うんですが、この点についてはいかがですか。
  227. 土屋喜久

    ○政府参考人(土屋喜久君) お答え申し上げます。  雇用保険の二事業の雇用関係の助成金というものは、働く方の雇用の安定などのために事業主の皆さんに望ましい行動をしていただく、そういったことを促すという観点から、そのために要する経費などへの助成を行っているものでございます。  こうした趣旨を踏まえつつ、政策的な必要性があるというふうに判断するときには、より適切なものになるようにその内容を見直していくということが重要だと思いますけれども、こうした見直しにつきましては、保険料を負担していただいている事業主の皆さんに状況を御報告をし、御意見を伺うなどして、PDCAサイクルを回すということを今徹底をさせていただいているところでございます。  今後とも、こういった観点での見直しを徹底して、効率的、効果的な雇用関係助成金の運用を図ってまいりたいというふうに考えております。
  228. 東徹

    ○東徹君 なかなかそれは、雇用保険も下げようというとなかなかこれは難しいのもよく分かります。  それだったら、もっとやっぱり本当に助成金をもっと有効活用できるような使い方をやっぱり考えていくべきだと思うんですよ。  だから、本当にこれ、こういう制度をつくってやっていますやっていますというふうなことを表向きには言えたとしても、実際中身どうなんですかってこうやって一つ一つ見ていくと、余り使われていない。周知ができていませんとかね、理由を聞くと。それだったら、結局、ニーズがないんだと思うんですよ。結局、これが本当にいいのかどうか分からないですけれども、さっきの言った出生時両立支援コースみたいなものには、確かに予算の二百倍ぐらいの、執行率で二百三十四倍ぐらいのあるわけですけれども、ただ、それが本当に両立支援に役立っているのかどうかというのも、これ本当にやっぱり見直していくべきだというふうに思います。  是非、この助成金の使い方について見直すべきと思いますが、その点についていかがですか。
  229. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 私も委員のおっしゃられることはそのとおりだと思います。  この再就職者評価処遇コースとか介護離職防止支援コース、これ、目的はすごくいいと思うんですよね。特に再就職、再雇用者評価処遇コース。育児、介護等を理由として退職した方が就業が可能になったら復職できる、そして従来の勤務経験が適切に評価、処遇される。これは、例えば女性のキャリアをキャリアアップさせていくことにも非常につながるし、私はこの制度は、この制度の目的は非常にいいと思いますが、おっしゃられるように、どうしてこの実績が低いのかと。  ですから、先ほど局長も、これ、年二回、雇用保険二事業に関する懇談会、これは事業主の代表の皆さんに集まってもらって、このそれぞれの予算を二回、評価をしてもらっているんですね。だから、委員がおっしゃるように、実際の事業主、企業の皆さんにどういうニーズがあるのかと、これはやっぱりきちんと、それこそPDCAサイクルじゃないけど、これはきちんとニーズを把握した上で制度は必要な見直しを行っていく。これ、周知は非常に大事だと思いますよ、これすごくいい予算だと思いますから、私は。だから、本来の政策目的がきちんと効果あらしめるように、やはりここは不断の点検が必要だと思います。  いろいろ委員から御提言をいただきましたが、委員の御提言も含めて、この制度をちょっとブラッシュアップしていきたいと思います。
  230. 東徹

    ○東徹君 大臣、是非、こういった現状を御理解いただいたと思いますので、やっぱり中身を見直していくと。先ほど大臣がおっしゃったとおりだと思います。やっぱり、ニーズがどうなのかというのをもっときちっと聞いた上で制度を設計していくということが本当大事だと思いますので、是非見直しをしていっていただきたいというふうに思います。  続きまして、内閣府の方にも来ていただいていますので、女性活躍に関する調査研究についてお伺いをしたいと思います。  昨年度も、女性活躍を進めていく上で様々な観点から調査研究が行われておりますけれども、その中で、理工系分野の女子学生が少ないということで、理工系の学部を進路として選択する女子生徒を増やしていくためにどのような課題があるのか調査する事業があるわけですけれども、具体的にオンラインで調査を行ったりとかしていますが、全国でシンポジウムを三か所開催しておりますけれども、これ、全国で三か所シンポジウム開催して何人来られたのか、お聞きしたいと思います。
  231. 渡邉清

    ○政府参考人(渡邉清君) 内閣府男女共同参画局でございます。  先生御指摘の理工系分野における女性活躍推進に係る調査研究、昨年度分でございますが、先生おっしゃっていただいたとおり、ウエブアンケート調査を行って、それを基に生徒さん、お子さんの進路選択にどのような情報提供をすることが効果的であるかというのをまず調査をいたしまして、その結果も踏まえて、保護者や教員が知りたいと考えている情報を効果的に提供するためにはどのようなプログラムを策定するのが有効かを検討しまして、で、実際にシンポジウムを開催したということでございます。  肝腎のお答えですけれども、シンポジウムは盛岡、東京、松本の三か所で開催をいたしました。各会場百人規模ということを一応想定をしておったんですけれども、参加者数は、盛岡で二十八人、東京会場三十七人、松本で四十四人という、合計でも百九人ということ、これが参加の実数でございます。
  232. 東徹

    ○東徹君 非常に寂しいですね。百人を予定していて、二十八人とか三十何人とか。三百人予定していて結局百九人ということは、三分の一ですよ、これ、実績で考えたら。こんな、何かやっていて本当にいいんですかと思いますね。  これ、何かコンサルティング会社に委託しているんですよね。コンサルに委託していて、この事業の予算だけでも、平成三十年が一千百万、平成三十一年度で一千六百万なんですけれども、今年も同じコンサルティング会社にこれ委託して調査研究を行うことになっているわけですけれども、今年は一千六百万掛けて全国十か所で、一か所百名、女子生徒五十名、保護者五十名、まあ保護者もいるのかなとは思いますが、上限に、ワークショップを開催した後、参加者へのアンケート調査を行うということですけれども、こういうので本当に必要な情報がこれ得られるというふうに考えるのか、お伺いしたいと思います。
  233. 渡邉清

    政府参考人(渡邉清君) 先生御指摘のとおり、今年度におきましては、生徒さん、それからその親御さんを対象として、進路選択に必要な情報を得るための手法について実施をしていきたいというふうに考えております。  そのためのプログラムとして、理工系分野で活躍する先輩女性の講演、それから企業による女性活躍の取組の事例紹介、そして実験教室職業体験機会等を提供する体験型プログラム、これはお子さんが参加するものでございますが、こういったことから構成されるシンポジウムを開催をいたしまして、どのようなプログラムを作っていけば理工系に進む女子学生、女子生徒さんが増えるかということを実証し、それから、地方公共団体とも手を携えてこの事業を実施していこうと思っておりますけれども、地方自治体ですとか企業さん、大学さんとかいろんなところでこの調査結果に基づくプログラムというのを参考にしていただいて実施をしていただければいいのではないかというふうに期待をして行っているところでございます。
  234. 東徹

    ○東徹君 もう時間が来ましたので終わりますけれども、本当に、それお金掛けてやっている価値がありますかということを言わせていただきたいと思います。  もう一つ、地域女性活躍推進交付金、これもとんでもないなと思ったんですが、もう時間ありませんので、これはまたの機会にさせていただきたいと思いますので、これにて質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  235. 倉林明子

    ○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。  昨年四月、当時の財務省事務次官による放送記者に対するセクシュアルハラスメントが発生する。これ、セクハラの事実を認めない事務次官に対して、財務省もですけれども、批判が殺到すると。そして、とうとう次官は辞職ということになったわけですけれども、日本の財務省、この官僚のトップが起こしたというセクハラ事案、大臣の認識はどうなのかというのをまず聞きたいのと、あわせて、私は、本会議で大臣にセクシュアルハラスメントというのは女性差別だという認識ありますかと質問をしたんだけれども、どうも明確に答弁いただいたというふうには受け止められなかったので、改めてここでも確認をさせていただきたい、いかがでしょうか。
  236. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 個別事案についてはコメントは差し控えさせていただきますが、その上で、その上で一般論として、職場におけるセクハラは働く人の尊厳や人格を傷つけ、職場環境を悪化させるものであって、あってはならないと考えております。  セクハラ被害者の多くは女性であります。セクハラが行われる職場は、女性の意識や役割に対する誤った認識など雇用環境ないし雇用管理上の問題を抱えていることが多く、雇用における男女の均等待遇を進めるための前提を欠いていると言えるのではないかと認識をしております。
  237. 倉林明子

    ○倉林明子君 個別の事案ということにすべきではない事案だったんじゃないかと思うんです。  元財務省事務次官のセクハラ行為というのは、憲法擁護義務がある国家公務員のやったことなんですよ。さらに、あらゆる差別を禁じた憲法十四条、そして個人の尊厳を規定した十三条、これを踏みにじる行為をやったんだと。これは、極めて重大な人権侵害がここで、官僚組織の中で起こった、行政組織のトップが起こしたと、こういう認識を持つべき事案だったということは指摘をしたいと思います。  その上で、今の説明でもよう分からぬ。女性差別、セクシュアルハラスメントは女性差別なのかどうかという問いに対して、イエスかノーかで答えてほしい。どうです。これ、大臣の認識だから。(発言する者あり)
  238. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  239. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) 速記を起こしてください。
  240. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) これは、多くは女性でありますが、まあまあ、女性、男性、両方あり得るとは思いますけど、要は差別意識が背景にあるようなことであってはならないと、こう思いますよ。
  241. 倉林明子

    ○倉林明子君 いや、何でそこがはっきり言えないのかなというところが、要はこれからの取組に関わっても私は重大だなと思ったので改めて確認したんです。  この事務次官の事件の方ですけれども、この事件を契機にしまして、日本でもやっぱりミー・トゥー運動というのが広がった。当事者から勇気ある被害の告発が相次ぎました。メディア、文化、情報関連の職場、ここで働く労働者がつくります日本マスコミ文化情報労組会議がアンケートをやったんですね。そうしたら、深刻なハラスメントの実態、セクシュアルハラスメントの実態が浮き彫りになったんです。  回答者四百二十八人のうち、女性でセクシュアルハラスメントを受けた、七四%でした。被害の種類は一人当たり五種類にも及ぶと。中には、性的関係の強要、そしてストーカー行為の被害、こういう申告もあったというわけです。さらに、公務員が加害者の例も多いということで、被害者の中には、死にたくなるほど憂鬱という回答もあったというんですね。一方、被害に遭っても七四%が相談しなかった、できなかったと回答しているわけです。  セクシュアルハラスメントに対して、均等法で定めた措置義務が課されてから十三年ですよ。何で被害はなくならないのか。大臣、どうですか。簡潔にお答えください。
  242. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) セクシュアルハラスメント防止のための措置義務、これは、都道府県労働局によって行政指導などにより履行確保を図っているところでありますが、これは、事業主や労働者自身にセクシュアルハラスメントを行ってはならないという意識が十分に浸透していないという課題もあると認識しております。  これは、このセクハラ対策の実効性を向上させるため、まさに本法案では、セクハラを行ってはならないものであって、他の労働者に対する言動に注意を払うよう努めるべきであることを国、事業主及び労働者の責務として明確化するほか、労働者が事業主にセクハラの相談を行ったことを理由とした不利益取扱いの禁止、こういうことを今回の法案でしっかり明記しているところであります。
  243. 倉林明子

    ○倉林明子君 いや、浸透していないからこうだったのかというのは、決してそうじゃないんじゃないかと。救済ということでいえば、少なくとも法の効き目がないんですよ。私は、被害者が救済される、ここにつながらないと本当に解決につながっていかないというふうに思っています。  本法案で新たにハラスメント規制を導入するということなんだけれども、均等法のセクハラ防止措置、この義務の仕組みと同様の規制と枠組みはなります。じゃ、均等法の措置義務の遵守の状況というのはどうかということです。  二〇一七年、雇用均等基本調査が実施されております。現在の均等法によるセクハラ防止の措置義務を履行している事業主の割合、相談窓口を設置している事業主、そして相談窓口の研修を行っている事業主及びセクハラの防止対策に取り組んでいない事業主の割合、どうなっていますか。
  244. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) 御指摘の平成二十九年度雇用均等基本調査によりますと、相談・苦情対応窓口を設定した企業の割合は三九・四%、相談・苦情対応窓口担当者への研修を行った企業の割合は八・九%でございます。また、セクハラ防止対策に取り組んでいない企業の割合は三四・六%となっております。
  245. 倉林明子

    ○倉林明子君 今の数字聞いていても、極めて低水準の到達だと言わざるを得ないと思うんですね。これ、なぜできないのかということだと思うんですよ。  これ、措置義務を守らない事業主に対する唯一の制裁制度とも言える企業名公表制度、これ参考人の方からも御紹介ありました。これ、活用はたった一件ですよね。  それでは、均等法十一条の是正指導はどれだけ実施されているか、措置義務を遵守していない事業主に対して指導した是正指導事業主の割合、これ分かりますか。
  246. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) 平成二十九年度におきます均等法第十一条、これセクハラに関する是正指導ということになりますが、均等法十一条に関する是正指導の件数は四千四百五十八件でございます。  都道府県労働局において措置義務違反を把握した場合は、全て助言、指導、勧告等の行政指導を実施しているところであります。
  247. 倉林明子

    ○倉林明子君 いや、ほんまにできているのかと、ほんの一部と違うかと。参考人の意見というのは、指摘もあったということは、じゃ本当に全部やれているというふうな数字なのかと、率直に疑問を呈したいと思います。  その上で、セクハラの措置義務違反に対する企業名は先ほど言ったとおり一件だけやと。これは、制裁としても、是正指導の方もですけど、抑止力になっていないという現状をしっかり見る必要があるんじゃないかと思います。制裁措置としての企業名公表に、私、実効力がこの十三年ないということが明らかになったと受け止めるべきだと思います。  さらに、措置義務の一つである相談窓口の設置について、JILPTの調査では、会社の窓口に相談した人は僅か三・一%なんです。窓口設置しても、設置率も低いんだけれど、設置しても利用されない。なぜこんなに利用されないのか、どうですか。
  248. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) 御指摘の背景として、一つは、相談をすることによって不利益取扱いを受けることへの懸念といったことがあるのではないかというふうに思っております。  今回、セクハラを行ってはならないという責務を明確化しておりますが、こういったセクハラがあってはならないという認識が当然のものになるようにしていかなければいけないということと、相談を理由とした不利益取扱いの禁止規定というのを今度盛り込むことにしておりますので、こういったことを通じて、相談をちゅうちょするようなことのない職場というのをつくっていかなければいけないと思います。
  249. 倉林明子

    ○倉林明子君 いや、不利益取扱いがあるから相談しないのかというたら、ちょっと違うんじゃないかと思うんですよ。  勤務先への相談で不利益取扱いを受けたと、こういう人は一体どれだけいるかというと、僅か三・六%という調査結果あるんですよ。これ、不利益取扱いをやめることを追加するだけで、じゃ相談件数伸びるのかと、そういうことにはつながっていかないということを指摘したいと思う。  そこで、セクハラ被害者の救済制度は、じゃ救済につながっているのかという問題なんです。現行の行政救済制度の活用状況を私は確認したい。直近の数字を、労働局への相談件数、そして紛争解決の援助の申立て件数、そして調停件数、それぞれ何件になっているか、そして結果としての金銭解決金額というのは幾らか、どうですか。
  250. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) 平成二十九年度のセクハラに関します、まず都道府県労働局への相談件数でございますが、六千八百八件であります。それから、紛争解決援助の申立て受理件数ですが、百一件。そして、調停申請受理件数ですが、三十四件となっております。  また、金銭解決につきまして、全ての調停の解決金について網羅的に把握はしておりませんが、中央値が二十九・五万円であるという調査研究があることは承知をしております。
  251. 倉林明子

    ○倉林明子君 これ、二〇一七年の結果なんですね。直近で言うても、これしか出てこないと。解決金額に至っては、厚労省としてつかんでいるものではないんですね。これ文科省の研究費使ってやられたもので分かっている、データがあるというだけのものなんですね。  その上で、これ金銭解決が最終的に救済として出てくるものになるんだけれども、二十九・五万円、中央値、これは余りにも低いと思うんですね。それに、相談数に対して調停件数の割合というのは、これ僅か〇・五%ですよ。  これ、何でこんなに低いんですか。
  252. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) 労使間でセクハラに関する紛争が生じる場合でありましても、調停まで至らないで労働局長の紛争解決援助により解決に至るケースもあるわけであります。これが先ほど申し上げた百一件。  また、紛争解決援助の取組とは別に、労働局長の助言、指導等によって措置義務の履行確保を図っておるわけでございまして、これが平成二十九年度四千四百五十八件でございます。紛争となる前に円滑な解決が図られているというケースも多いものと考えております。  今後とも、法の周知、そして履行確保というのをしっかり行って、セクハラ被害を受けた方が安心して相談し、制度を利用できる環境づくりに努めてまいりたいというふうに思います。
  253. 倉林明子

    ○倉林明子君 いや、それ事業主の方ばっかり向いているんじゃないかと思うんですね。  被害者が本当に救済されているかどうか、あなたたちはつかんでいるのかと思うんですよ。圧倒的に聞いているのは、諦めているということですよ。相談にまず行かない理由も、相談一旦してそこから先の解決につながらないのも、結果として被害者がもう諦めているという実態があるということを、私は、改めて法律の改正に当たってつかんでいかないと救済にはやっぱりつながらないということだと思うんですね。  そもそも均等法の行政救済の前提というのは、先ほど少しおっしゃったけれど、被害者と事業主との譲り合いの仕組みですよね。被害者にとってはそもそもの前提が受け入れ難いという構図になっているんです。  被害の認定、加害者からの謝罪、そして権利回復、こういうことを本当にできるような救済機関、私は独立した救済機関要るよということを本会議でも申し上げましたけれども、改めてその設置を強く求めたいと思います。  さらに、大臣は、現状でも悪質な行為は刑法違反に該当し、不法行為として損害賠償請求の対象となり得るものと繰り返し答弁されております。  これ、確かに加害者にとっては刑事罰問われるよという抑止力にはなるかもしれない、でも被害者にとってどうなのかということを私は問いたいわけで、裁判は極めてハードルが高いし二次被害も受ける、そういう意味で聞いているんですね。  大臣は、損害賠償請求によって被害者が救済されている、そういう認識なんでしょうか。
  254. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 裁判による損害賠償請求、これについては、被害者に落ち度があった等の中傷を受ける場合があるなど、被害者にとって負担が大きい面もあると認識をしております。セクハラを受けた被害者が求める被害回復の内容には、金銭的な賠償のほか、加害者の謝罪や、再発防止のための職場環境の改善など、事案の状況に応じて様々なものがあると考えております。  このようなことを踏まえて、現在、セクハラの防止措置義務に関する指針では、事業主は被害者に対する配慮のための措置や行為者に対する措置を適正に行うこととされております。そして、当該措置の例として行為者の謝罪や行為者に対する懲戒処分等の措置が示されているほか、再発防止に向けた措置を講ずることとされているところであります。  また、今回の法案によって、セクハラを行ってはならないことについての関係者の責務の明確化などを通じて措置義務の実効性の向上を図るほか、調停制度の機能の向上、あるいは行政指導を通じての履行確保を徹底することとしております。  今回の法改正を通じて、セクハラの防止と被害者の救済のため、対策を強化していきたいと思います。
  255. 倉林明子

    ○倉林明子君 いや、聞いたのは、要は裁判というのが被害者救済になっているとお思いですかと、それだけなんですよ。大臣は被害者にとって負担が大きい面もあるとおっしゃるんだけれども、その点についていろいろおっしゃって、その裁判が被害者救済になっているのか、なってへんのか、よう分からんかったんです。どうなんでしょうか。分かるように答弁願いたい。
  256. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 要は、損害賠償請求については被害者にとって負担が大きい面もあると、これは認識をしております。例えば、被害者に落ち度があったなどの中傷を受ける場合があるので、負担が大きい面があると認識しています。  それから、セクハラを受けた被害者が求める被害回復の内容には、金銭的な賠償のほか、加害者の謝罪等々の事案の状況に応じて様々なものが、考えておりますので、今回の措置義務等の運用の中でこういう内容をしっかりと徹底していく、これが大事だと思います。
  257. 倉林明子

    ○倉林明子君 いや、今も同じ答弁ですよね。  私、被害者救済になっていないという現実を見ないと駄目だと思うんです。午前中、角田参考人、三十年このセクハラ裁判をやってこられた弁護士がおっしゃっていましたよ。ほとんどの被害者が耐え切れずに悩んだ末、提訴するのはまだエネルギーの残っている少数の人だと。キャリアはそこで途絶え、勝訴しても失ったものは戻らない。長い間、新たなおとしめを乗り越え、手にしたのは僅かな賠償金だというんです。これが救済かと。  救済に役立っているのかどうか。もう一回、大臣。同じ答弁書は読まない。はい、もう一回。
  258. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 今回の、救済になっているかどうかという御質問ですが、これは、損害賠償請求で救済になっているかどうか、それについてはそれぞれのケース・バイ・ケースだと思いますが、これは裁判の結果ですから、だから、これは、それをどう見るかというのはいろんな見方があると思いますよ。
  259. 倉林明子

    ○倉林明子君 いや、違いますよ。三十年の結果、今の裁判、本当に見てほしいと思う。参考人の意見陳述も改めて見てほしい。これ見て、被害救済に裁判が、セクハラ裁判で役立っているなんという結論は絶対にあり得ないということを強調したいと思います。この事実は認めるべきだ、女性が受けている権利侵害について正面から受け止めるべきだということを指摘したい。  そこで、救済制度も裁判もなぜ被害者の救済とならないのかということですよ。その最大の原因は、法が直接セクハラを禁止していない、ここに最大の要因があるというふうに思うわけです。本会議で禁止規定を求めましたところ、中長期的な検討を要するという答弁でした。今日もされております。  日本はハラスメントの禁止規定を持っていない国だ、こういう明確な認識は、大臣、おありでしょうか。
  260. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) ILOの調査によると、調査を行った八十か国のうち六十三か国において性的ハラスメントを行うことが禁止されているとされ、これらの国に日本は含まれていない。そして、禁止規定については、これは中長期的な検討を要すると労働政策審議会の建議でありました。  これは、全体のハラスメントの禁止規定を置いて、そしてそういう法体系をつくろうと思うと……(発言する者あり)いや、ちょっとこれ法的な、法的な整理の話ですから……
  261. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) 答弁をお続けください。
  262. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) ここが非常に肝の、ここが肝の部分なんだと思います。  労働政策審議会建議で議論した上でどう整理されているか。職場のパワーハラスメントやセクシュアルハラスメントの行為者に対して刑事罰による制裁を科すことや、被害者による行為者等に対する損害賠償請求の根拠を法律で新たに設けることについては、現状でも悪質な行為は既に刑法違反に該当し、又は不法行為として損害賠償請求の対象となり得る中で、民法など他の法令との関係の整理や違法となる行為の要件の明確化、種々の課題が、これがあるので、一般的に禁止してそういう法律を作るというところは今の既存の法令との整合性が課題とされていると、こういうことであります。
  263. 倉林明子

    ○倉林明子君 つまり、ないんですよ。ないの。何でそれが明言できないのかが私は理解できないんですよ。  これ、被害救済には明確な禁止規定を規定する、これがその第一歩になるんですよ、ハラスメントをなくしていく、救済していくということについて。だから、この法規定があるかないかさえ何で言えないのかというところに、ILOに臨む姿勢として、大臣として大丈夫かと思うんですよ。  そこで、女性に対する暴力を含む包括的なハラスメントの禁止というのは国際的な流れです。日本にとって先送りが許されない、こういう問題なんですよ。都道府県労働局に寄せられたいじめ、嫌がらせに関する相談件数というのは、ここ五年余りで、データある分で見ますと二万件以上増えております。そして、これは、相談件数全体の中で解雇や労働条件を上回って二〇一二年に最多になった。で、二〇一七年、年々更新して、何と七万二千六十七件になっているというわけですよね。  昨年改定された過労死防止対策の大綱、これによりますと、職場におけるハラスメントの増加に対し、過労死等の防止を進めていく上で的確な対応が強く求められていると、こういうふうに指摘されております。大臣、過労死等の防止のための対策に関する大綱は、これは閣議決定であります。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続ける、この社会が副題になっているものであります。  それでは聞きます。  本法案でハラスメントを的確に減らせると言えますか、イエスかノーかで。
  264. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 的確に減らせるような法案に私は構成していると考えています。
  265. 倉林明子

    ○倉林明子君 今までの質疑が何だったのかとびっくりするような答弁で、しっかり検証もなく、今、立て付けも含めてずっとおさらいしてきたのは、このままではハラスメントも的確に減らすことができないというのが明白だからですよ。私は、そういう事実を踏まえて対応すべきだと思う。  もう一回答弁しますか、どうぞ。
  266. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) イエスかノーかと言うので、これは、的確に減らしたいという趣旨で私は申し上げました。  今回の法案では、労働施策総合推進法の第四条の国の取り組むべき施策にハラスメント対策全般を充実することを明確にした上で、セクシュアルハラスメント、マタニティーハラスメントに加えて、喫緊の課題となっているパワーハラスメントの防止のための事業主の措置義務を設ける、国、事業主及び労働者の責務規定を設け、これらのハラスメントを行ってはならない旨を明確化している。  こうした法改正によって、ハラスメントは行ってはならないという機運が醸成されることが期待されますし、やはりそういう機運をある程度の、つまり社会的な規範として私は醸成していく必要があると思っております。その結果として、ハラスメントを減らしていくように、まあこれは社会全体挙げての取組だと思いますが、そこはしっかりと取り組んで頑張っていきたいと思います。
  267. 倉林明子

    ○倉林明子君 私は大臣の熱意や決意まで否定するつもりは全くなくて、法案として、そしてこれまでの均等法でハラスメントの防止措置義務というのが一体どういうことができていて、どういうことができていないのかということを消化した上で、これからハラスメントの防止措置義務について言えば新たに課すことになるんだけれども、その実効性の担保というものが果たして本当にあるのかということがこの質問を通して問いたかったことなんです。  改めて、中長期的な検討課題やということで、禁止規定の先送りというのは許されないということは強調したい。  ILOのハラスメント禁止条約というのは六月には確実に採択されることになる、これ間違いないと思います。そして、いろいろハラスメントとセクハラは違うとかいろいろ言うてはりますけど、この採択される予定の条約の中で定義についても明確なんですよ。  午前中、参考人がこれ翻訳したものを紹介していただきましたけれども、仕事の世界における暴力とハラスメントとは、一回性のものであれ繰り返されるものであれ、身体的、精神的、性的又は経済的危害を目的とするか引き起こす、又はそれを引き起こす可能性のある許容し難い広範な行為と慣行又はその脅威をいい、ジェンダーに基づく暴力とハラスメントを含むとはっきりしているんです。  こういう条約が制定されたことを受けて法改正するというようなことじゃなくて、はっきりしているんだから、こういう禁止規定を、まずは法律を改正するのであればここに踏み込むという姿勢で臨むべきだということを申し上げまして、終わります。
  268. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺でございます。よろしくお願いいたします。  まず、私は女性活躍推進センターのことにつきましてお尋ねをさせていただきたいと思っております。  皆様方の資料にも配らせていただいておりますけれども、既にこの女性活躍推進センター、様々な施策を行ってくださっているものと、私はホームページ等々を拝見いたしまして思ってはおります。じゃ、その役割というものはどういうものなのか、局長、御説明いただけますか。
  269. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) 女性活躍推進センターでございますが、これは中小企業のための女性活躍推進事業の中で設置をしておるものでございます。  三百人以下の中小企業は、女性活躍推進法の取組は努力義務とされているわけでございますが、こういった自社単独でなかなか取組を進めることが困難である課題を持つ中小企業に対しまして、説明会の開催、個別訪問等を通じて女性活躍の取組を支援することを目的として設置をしております。
  270. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  ですから、今回法改正されたら、ますますこのセンターの存在というのが私は重要になってくるんではないかと思っておりますが、局長、どのようなお考えでいらっしゃいますか。更にしっかりと、この女性活躍推進センター、中小企業の皆様方に利用いただきたいという思いはございますよね。
  271. 小林洋司

    政府参考人(小林洋司君) 少なくとも、数年間努力義務という形で、いずれ義務化を迎えるわけでございますので、その間にできるだけ努力をしていただくということが非常に問われる時期になってくると思います。  そういう意味で、それにふさわしい支援をきちんとやっていくことが重要だというふうに思っております。
  272. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  ですから、努力義務だった時期から準備をしておかないと、いきなり義務になったとしても、それがただのこの数値だけ上げるというものではなく、本当に実質にPDCAサイクルを回すという形でこの法案どおりにいくかどうかというところで、大変私はこのセンターの役割、充実させていただきたいなという思いでございます。  既に、中小企業の皆様方を対象としまして個別訪問もやってくださっている、定期相談会も実施してくださっている、かつ、各企業の希望に合わせまして、課題を分析したり若しくは認定取得など、困ったことなどを女性活躍推進アドバイザーの皆様方が個別にサポートしてくださっているわけです。じゃ、年間、どのくらいの相談件数があるんでしょう、局長、教えてください。
  273. 小林洋司

    政府参考人(小林洋司君) 御指摘いただきましたように、女性活躍推進アドバイザーが中小企業等からの相談に対応いたしております。その件数でございますが、平成三十年度は五百四十七件となっております。
  274. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 局長、これ十分な数だと思われますか。最初想定してこのアドバイザーの皆様方にも採用を掛けていらっしゃると私は思っております。今年ももちろんまた採用が掛かっておりますですよね。こういう方々が既に控えてくださっている。その中で五百件ちょっと、五百五十件ですね、約、これを言うと。この件数というのは満足いくものなんでしょうか、厚生労働省として。教えてください。
  275. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) 相談件数でございますが、過去三年を見ますと、二百八十一件が三百三十八件になり、五百四十七件ということで年々増加しておるところでございますが、やはり中小企業の数、膨大な数があるわけでございますので、まだまだこれから支援が必要だというふうに考えております。
  276. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 これ、利用が十分ではないわけですよね。中小企業の皆様方にとってこの存在というものが知られているんでしょうか。私はそこをすごく大きな課題に感じているんですけれども、厚生労働省はどのようにお考えでいらっしゃいますか。
  277. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) 中小企業のまさに取組に対する御支援を申し上げるということでございますので、認知されればどんどん相談も増えるというふうに思います。そういう意味では、周知というのがまだまだ不十分だというふうに思っております。
  278. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 これ、東京にございますですね。全国のものを東京で受けているわけです。アドバイザーというのは、ここにございますように各ブロックに配置をされている。そのアドバイザーの皆様方が現地に赴くこともできるし、様々な相談を受けることもできる。さあ、これをどうやって多くの皆様方に知らしめるのか。知らしめた後に、しっかり相談に向けてこれはまた新たな開拓をしていかなければならないですよね。  この四十七名の皆様方、今年も募集があっておりますけれども、しっかりと働いていただける環境なんでしょうか。それに見合うだけの皆様方が御相談いただけるんでしょうか。ここが私、大きな肝になってくると思います。ですから、数字を上げるだけだったらこれは簡単です。でも、そこでPDCAサイクルを回していくその経験がないからこそ、中小企業の皆様方にとってこういったベースを準備してくださっております。  これがしっかりかみ合うことが私は必要だと思いますけれども、もう一言、局長、本当にこれどうするのか、しっかり厚労省、考えていただきたいと思いますが。
  279. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) 御指摘いただきましたように、中小企業の取組に対して積極的かつ有効な支援ができるようにしていく必要があるというふうに思っております。  そうした意味で、周知に更に取り組むことは当然必要でございますが、御指摘いただきましたように、より有効な内容の支援を行っていくということが同時に必要でございまして、これまでの取組支援の蓄積というものがございますので、そういったものを共有してアドバイザーのその資質の向上を図っていく。また、中小企業に対してより適切な支援をできるための支援ツールの開発なども予定をしておるところでございまして、そういうものを有効に活用してまいりたいというふうに思います。
  280. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  せっかく手を挙げてくださった方が年間で十件ちょっとぐらいしか相談に乗れない。ということは、一か月に一件ぐらいということになりますよね。もう何のために手を挙げてしまったんだろう私という形にならないように、これ殺到してきて困るぞ、もっとこの四十七名以上増やさなければというぐらいに私はなっていただきたいと思っておりますので、上手に育成も含めまして考えていただきたいと思います。  それから、女性活躍推進企業データベースというものもございます。  まず、このデータベースを開設されていらっしゃる目的につきましても、局長、教えていただけますか。
  281. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) 事業主は、女性活躍推進法に基づいて自社の女性労働者の活躍の状況に関する状況を公表すること、あるいは一般事業主行動計画を公表することが義務付けられている、あるいは努力義務となっているところでございます。  女性活躍推進企業データベースでございますが、こうした企業の情報を集約をいたしております。就職活動中の学生などの求職者が企業選択の際にこれを活用するということを通じて女性の活躍に積極的な企業ほど労働市場で選ばれるという、そういった社会環境をつくることを目的として開設をしているものでございます。
  282. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  資料二にもお配りを皆様方にしておりますけれども、これはホームページの方にも載っております。就活生や消費者、投資家にアピールするチャンスですと。多くの企業の皆様方がここにデータをアップはしてくださっているものの、これ本当に活用されているのかということです。まさに私が前回お示ししましたように、投資家の皆様方には利用されていないわけです。消費者の皆様が、じゃ、これを見るか。じゃ、就活生の皆様方はこれを完全に利用してくださっているのか。私も、様々な大学のキャリアセンターなどのホームページも見てみました。このバナーは貼ってあります。だから、ここからどうやってしっかりとしたデータを見て、ここで選択されていくのか、本当にこれが活用されているかどうかということを、局長、調べたことありますか。
  283. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) 活用状況でございますけれども、パソコン版、スマホ版合わせて平成三十年度一年間で約二十六万件のアクセスでございます。これはサイトのトップページへのアクセス数でございまして、より細かくアクセス内容を見てまいりますと、企業情報の詳細ページへのアクセス件数というのは約年間五十六万件ということでございますので、これをどう見るかということはあるかもしれませんが、個々の企業の状況を御覧いただくのに活用されているのではないかというふうに認識をしております。
  284. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  アクセスじゃなく、どういうふうに活用されているかというのが私は重要だと思うんです。ですから、そこでどういう情報を出していくのか、そうやってアクセスしてくださっている方がどういう方で、どういうふうに活用してくださっているのかが分からないと次に改善のしようがないんです。  ですから、もっと他の情報と結び付けるということでしたり、データベースから直接求人に応募できるようにしたり、求職者にとってもっと使い勝手がいいような私は方法があると。ただ羅列しているのがだらだらだらと、それをただクリックして見る、見るというだけではなく、もう一歩先にと前回もお願いいたしましたけれども、その取組というものも検討していただきたいと思いますが、局長、いかがでいらっしゃいますか。
  285. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) 前回も少しお答えをいたしましたが、データベースが事業者、求職者双方にとって使いやすいものとなるということが御指摘のとおり非常に重要だというふうに思っております。  ここに資料でお配りいただいておりますようなスマートフォン版の作成のほか、画面レイアウトの工夫ですとか検索機能の充実といった機能強化、改善というのは逐次行っておるところでございます。加えて、今お話もございましたが、他のデータベース情報と結び付けていくというようなことを可能とするために、掲載企業に対して法人番号登録も推奨しているところでございます。また、できるだけ多くの求職者に見ていただくということが重要でございまして、昨年は、大学生向けのポータルサイトでございますマイナビ学生の窓口にタイアップ記事広告を四週間掲載をするなどの広報にも努めております。  女性活躍推進データベースの利便性を向上させる、そして積極的な活用を促していくということに引き続き取り組んでまいりたいというふうに思います。
  286. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  是非、使っていらっしゃる方の声を集めてみてください。それが一番私どもが考えるよりも使い勝手がいいものができると思いますので、よろしくお願いいたします。  大臣に一言いただきたいと思います。  まだまだ、こうやってせっかくあるのに活用されて、十分に一〇〇%回っていないというこの状況もございますので、しっかりとこれからそのようなことに努めてもいただきたいですし、やっぱり女性の活躍と推進というものが、単なる社会的な貢献というような形ではなく、会社の力になるんだという正しい発信の方法で、今回も中小企業の皆様方に応援をいただかなければならないと思っています。やらなきゃいけないからやるじゃなく、取り組むことによって更にプラスアルファというものが自社にもたらされると。だから、そこはもう絶対に大臣として外していただきたくはないところでございますので、大臣の御決意のほどをいただけますでしょうか。
  287. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) まさに女性活躍をすることが企業の力になる、私もそのとおりだと思います。  少子高齢化が進展する中で、誰もが安心して活躍できる社会を実現するためには、女性活躍に向けた取組を進めること、これが企業に求められております。また、これを通じて、企業は組織内の多様性を高めて様々な人材の能力を生かす環境を整備することになりますが、企業にとっても、今委員とそこは私も共有していますが、企業にとってもグローバル化の進展や人手不足の深刻化などの環境変化への対応力を高めるとともに、イノベーションの促進にもつながるものだと思います。  やはり、女性活躍の取組を企業に進めていただくためには、意義を説明するだけではなくて、女性が活躍する企業が学生にとって魅力的な企業となる、従業員のモチベーションも高める、投資家にも評価される、こういう新しい価値を生む、あるいは価値を生む仕組み、これが重要だと思います。  今回の女性活躍推進法では、PDCAや情報公表を進めることが極めて重要であると考えております。具体的には、より多くの企業において行動計画の策定や情報公表を促す、企業の情報が掲載されている女性の活躍推進データベースについて学生や投資家に活用いただけるよう、機能の改善と周知を進める、さらに、えるぼし認定を推進する、こういう取組を推進していきたいと思っております。やはり、企業が企業の自らの価値を高める、これによってということが大事だと思います。
  288. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  まだ道半ばだと私は思っております。もっとその仕組みをつくるというのはまさに厚労省の仕事ですので、そこをしっかりと充実させていただきたいと思っております。  ところで、就活生へのセクシュアルハラスメントにつきましても、前回、吉良議員も取り上げていらっしゃいました。そこで、私も今日やらせていただきたいと思うんですけれども、現状がどういうことが起こっているのかということを、まず調査していらっしゃるのか、厚労省、文科省、教えてください。
  289. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) 厚生労働省といたしましても、就職活動中の学生がOB訪問などにおいてセクハラ等の被害に遭う事案が発生しているということは把握をしておるところでございます。こうした事案のうち、特に企業自身が採用活動として行う面接等におけるセクハラというようなことは、これは企業組織の問題でございますので、二度と起こさないように組織的対応というのを徹底してもらうということが必要だというふうに認識をしております。  今回のセクハラ防止の措置義務というのは、直接的には就活生は対象となるものではございませんけれども、就活生に対するセクハラもあってはならないものでございまして、この点につきましては指針等で必要な措置を位置付ける、そしてこういったことのないような周知啓発を図ることによって、就活生に対するセクハラ防止の徹底というのを図ってまいりたいというふうに思います。
  290. 森晃憲

    ○政府参考人(森晃憲君) 文部科学省では、毎年、大学等を対象に、就職・採用活動に関する調査を実施しておりますけれども、この調査において、平成三十年度からは就職・採用活動におけるセクシュアルハラスメントに関する調査項目を追加したところでございます。当該調査において、学生からセクシュアルハラスメントのような行為について相談を受けたことがあると回答した大学は千九十一校のうち五十五校で、回答のあった大学の五%という結果、状況でございました。  就職活動中の学生がセクシュアルハラスメント等の被害に遭うということが発生しているということはあってはならない行為というふうに考えております。こうした観点から、大学等においては、相談部署等の周知を行うとともに、実際に相談があった場合には丁寧に対応していただく必要があると考えておりまして、その旨周知を図ってまいりたいと考えております。
  291. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  じゃ、文科省では調査をしていると、大学に対してということですよね。しかし、御本人はどのくらいの数かというのは分かっていない、厚労省としてはその数をつかんでいないということになってまいります。  吉良議員の質問に対しまして、都道府県労働局に設置されている総合労働相談センターに相談があれば事業主に対して必要な助言、指導を行う仕組みになっているというふうにお答えを局長いただいたと思うんですけれども、じゃ、この労働相談コーナーの機能、役割につきまして改めて教えていただけますか。
  292. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) 都道府県労働局に設置をされております総合労働相談コーナーでございますが、これは個別労働紛争解決促進法というのがございまして、この三条で、労働者だけではなくて求職者又は事業主に対して募集、採用に関する情報の提供、相談その他の援助を行うという規定がございます。これに基づいて支援を行っておるわけであります。労働者に加えまして就活中の学生も含めた求職者に対し情報の提供、相談等を行っておりますのと、また、紛争について解決援助の申出があった場合には、この法律に基づいて都道府県労働局長による助言、指導を実施をしておるところでございます。
  293. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  では、どのくらいこのコーナーに相談に就活生いらしてくださっているか、その内容につきましても集計していらっしゃるかとは思いますけれども、局長、教えてください。
  294. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) 大変恐縮でございますが、就活生からの相談件数やその内容についての集計は行っていないところでございます。ただ、先ほど申し上げましたように、就活生の方から相談があった場合には丁寧にお話をお伺いした上で適切に情報提供、相談というのを行ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
  295. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 では、就活生の相談を受けて事業者に対しまして助言、指導した例というものも、これもつかんでいないということでよろしいですか。
  296. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) 恐縮でございますが、就活生からの個別労働紛争に関する労働局長による助言、指導の申出件数というのは把握をいたしておりません。実際に申出があった場合には適切に実施をしてまいります。
  297. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ですから、あったとしても活用されているかどうかも分からない。活用されていないんだったら、活用するためにどうしたらいいでしょうねという問いができるわけですよ。でも、全く調査もなければ、じゃ、就活生の皆様方がどこでどのような形で自分が受けた被害につきまして解決をしているか、若しくは泣き寝入りをしているかということが、全然実態が見えてきていないわけです。  ですから、文科省にしても、大学、大学の窓口に行ったら分かります、でもそれを報告しなければ分からない。報告しなければならないというそういう義務はないですから。だったら、もっともしかしたら多くのことが起こっているかもしれない、それが今報道となって出てきているわけです。真剣に私は考えていただきたいと思います。  それで、いわゆる就活生とちょっと狭く捉えるよりも求職者全体の問題でも私はこれはあるんではないのかなと思っております。求職者にとりましては、都道府県の労働局よりもハローワークの方が私はなじみがよろしいんではないのかなと考えております。新卒応援ハローワーク、わかものハローワーク等々も設置してくださっておりますので、もっと求職者にとって身近なところで、ハラスメント等につきましてもそういう情報が吸い上げられますし、相談窓口にも私はなるかと思いますけれども、統括官、いかがでいらっしゃいますでしょうか、教えてください。
  298. 吉本明子

    ○政府参考人(吉本明子君) 厚生労働省では、学生などの若者を対象にいたしました専門の就職支援機関といたしまして、新卒応援ハローワーク、またわかものハローワークを全国に設置しております。そこで専門の相談員におきましてきめ細かく就業に向けた支援をしているところでございます。併せまして就職活動に伴います学生などのトラブルに関する相談、悩みに係る相談などもお受けをしているところでございます。  ただし、現在、新卒応援ハローワークなどにおきまして、就活中のセクシュアルハラスメントに関わる相談件数といった形での把握はできていないところでございます。今後、関係部局ともよく連携をいたしまして、セクシュアルハラスメントを含む幅広いハラスメントに関わる丁寧な相談対応、また相談内容の把握に努めていきたいというふうに考えております。
  299. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  ですから、前回の議論から、やはりここちょっとこの法案では縛ることができないよねという方々の手当てがまだまだなされていないし、調査もなされていないから現状も分かっていない。報道されてきていることから、一人、二人って、そういう大変ミゼラブルなケースというものが我々としても映ってきていますけど、もしかしたらその奥にもっといろんな問題をはらんでいるかもしれないということを私は真剣に厚生労働省としても文科省としても受け止めていただきたいと思っております。  私も、そういう年頃の年齢の子供たちを持つ一人の母としても、これ、なかなかの就活の中でそういうことが実際に起こっているんだということが分かった時点で大変恐怖に思います。  私も産業医として企業の中でセクハラ、パワハラの窓口になっておりますけれども、やはりそれをカミングアウトしないでくれ、ここで一生懸命吐き出すから、もうこれで自分は十分だという人が相談に来られる方の九〇%以上なんですよ。やはり、それを公にするということがどれだけ怖いことなのか。ましてや、若い世代で、それも就職活動をしている真っ最中、もう次の、明日もまた受けに行かなきゃいけない。こんなことはもう、どうしたら私として解決できるんだろう、分からない中でどんどんどんどん時間がたってしまう、それが私は現状だと思っております。  ですから、私は、大学ということ、学校ということに対しても、もう少し、センシティブな情報ですけれども、企業などにも交渉する窓口というふうになっていただきたいなと願っておりますけれども、文科省としての御意見いただけますでしょうか。
  300. 森晃憲

    ○政府参考人(森晃憲君) セクハラへの対応については、再発防止の観点や学生の要望等を踏まえまして、大学等においてもその都度の状況に応じ適切に判断し、対応していただく必要があると考えております。  御指摘のように、学生に代わり大学等が必要な対応を取ったという事例もあると聞いてはおりますけれども、一方で、大学等のキャリアセンターの職員のみで対応することは難しい場合も多くあると考えられますので、必要に応じて各都道府県労働局等と適切に連携を取って対応していただくということも望ましいと考えております。
  301. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 そういうようなスキームが既にあるんでしょうか。そういうふうに通知を出したりしながら、しっかりと大学も、その周知徹底してくださっているんでしょうか。
  302. 森晃憲

    ○政府参考人(森晃憲君) 何か制度的に確立したスキームがあるということではございませんけれども、私どもといたしましても、大学において対応した事例というようなものを幾つか聞き取ってございます。  そういったものを踏まえまして、関係省庁と連携しながら、大学関係者が出席する会議の場を通じて、大学におきます学生からの相談への対応事例を紹介してそれを広めていくということでありますとか、厚生労働省と連携しながら都道府県労働局等に設置されている相談窓口等の周知、こういったことにも取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。
  303. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 大学だけでは解決できない、だからこそ大学はどうしたらいいのかというようなことをしっかり広報していただかないと、そこで止まってしまったら全く意味がないですよね。また同じ方のところに行った人が同じ被害に遭うかもしれない。そういうことをいかにストップしていけるのか、これスピーディーに対応が必要だと思っております。  大学の方でも、弁護士の採用を促していったり、やはり何かしら見える化して掲示するだとか、いろんなことをやっぱり考えなければ、これは防御策とはなりません。  文科省の方でも、再度そういうことも、そして、先ほど私からもお願いしましたように、こういうケースの場合はこういうふうに大学若しくは学校としてもしてほしいというような形を明確にしていただきたいと思いますけど、文科省、いかがでいらっしゃいますか。
  304. 森晃憲

    ○政府参考人(森晃憲君) 先ほども申し上げましたように、いろいろな大学で参考となる対応体制や対応事例、こういったことを紹介していくということは大変有意義であるというように考えておりまして、そういったものを収集しながら各大学等に周知を図っていきたいというふうに思っております。
  305. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 もう少し一人称で物事を語っていただきたいなと私は思います。  これ被害に遭った方というのは、一生トラウマを抱えながら生きていかなければならないという課題になってまいります。ですから、やはり、それを受けて、先ほども、この数字を見ましても毎年毎年あるわけではないです。いざ来たときに、じゃ、どうやって対応するかということがマニュアルなり何なりというものであるんであれば、そうしたら大学がそれにのっとってやっていけばいいなということになりますので、是非、厚労省も一緒に文科省と考えていただけませんでしょうか。そうしていかなければ、こういう被害というのがまた起こってしまいます。  マッチングサイトがあってというようなところで、そのサイトを運営していらっしゃる皆様方も今回いろんなところで考えていただけたようですけれども、こうやってみんなで守ってさしあげられるような制度をつくっていかなければ、なかなかこれは、強者と弱者という関係性の中で、パワハラ、セクハラというものがなかなかゼロにはならないという、これが現実でございます。  特に、まだまだ社会に出たこともないような就活生にとって、それが社会に出る一歩目だとすると、これは大変私としてはもう、一人の大人として申し訳ないなと思いますので、これ真剣に受け止めて、これは今までも各党の先生方も代表質問などでもなさっていらっしゃったり、若しくは登壇のときにこの法案に関して質問していらっしゃる内容です。みんな共通認識としてここはどうにかしなければと思っている課題だと思いますので、そこは大臣も是非重く受け止めていただきたいと思います。  大学生であれば所属する大学がございますし、既卒者であれば所属組織としての大学はございませんけれども、フリーランスの皆様方にとってもやはり同じような課題が今回はあるということがまだ残ったままです。今回、この法案は、まず一つ、一歩目だとしても、まだまだこれから議論が必要なことということも今日の議論でも明らかにはなっております。  全ての求職者がハラスメントからしっかりと守られて、労働法制を俯瞰した立場から大臣としてもっと不断の見直しをしていきたいというふうに多分内面では思っていらっしゃると思います。ですから、これまでの議論を受けまして、大臣として、次に向かって一歩、もう進めていこうじゃないか、私はそういった決意もいただきたいと思いますけれども、大臣、御意見いただけますでしょうか。
  306. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 職場におけるハラスメントは、被害者の尊厳や人格を傷つける、あってはならないものであります。これは、被害者が誰であっても同様だと認識をしております。  本法案では、労働者に対するハラスメントは行ってはならないことや、他の労働者に対する言動に注意を払うよう努めるべきことを関係者の責務として明確化いたしました。これによって、ハラスメントはあってはならないというものを、やはり社会的機運の醸成につなげていきたいと思います。  また、措置義務の実効性を高めるための改正も盛り込んでおりますが、就活生やフリーランスに対するハラスメントなど、法律では措置義務の対象とならない部分を指針でカバーしていくべきではないか、こういう御指摘もいただきました。指針についてはこれから審議会で議論していただくわけですが、この指針の中で必要な対応をこの中で盛り込んでいきたいと思っております。法律の運用が大事だと思います。  さらに、就活生などの求職者がハラスメントを受けた場合の相談窓口、この周知の強化にも課題があると考えております。  今回、労働施策総合推進法第四条に、国の施策として、ハラスメント対策全般を充実すること、これも追記をいたしました。政府として、我々として、ハラスメント問題、今いろんな議論をいただきました。ハラスメント問題全般に目配りをしながら、取組を前に前に進めるように努力していきたいと思います。
  307. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  いつまで行っても完成形というものはございませんけれども、これが一歩目として、二歩目、三歩目というものを多くの皆様方が待っていらっしゃいますので、そのつもりで準備いただきたいと思っております。  以上で終わります。ありがとうございました。
  308. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時三分散会