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2019-05-14 第198回国会 参議院 厚生労働委員会 8号 公式Web版

  1. 令和元年五月十四日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  五月十日     辞任         補欠選任      中西  哲君     木村 義雄君      柳田  稔君     礒崎 哲史君  五月十三日     辞任         補欠選任      青木 一彦君     青山 繁晴君      木村 義雄君     佐藤  啓君      福島みずほ君     宮沢 由佳君  五月十四日     辞任         補欠選任      青山 繁晴君     柘植 芳文君      佐藤  啓君     猪口 邦子君      宮沢 由佳君     福島みずほ君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         石田 昌宏君     理 事                 自見はなこ君                 島村  大君                 そのだ修光君                 川合 孝典君                 山本 香苗君     委 員                 青山 繁晴君                 石井みどり君                 猪口 邦子君                 小川 克巳君                 佐藤  啓君                 高階恵美子君                 柘植 芳文君                 鶴保 庸介君                 中川 雅治君                 馬場 成志君                 藤井 基之君                 石橋 通宏君                 川田 龍平君                 福島みずほ君                 宮沢 由佳君                 足立 信也君                 礒崎 哲史君                 河野 義博君                 宮崎  勝君                 東   徹君                 倉林 明子君                薬師寺みちよ君    国務大臣        厚生労働大臣   根本  匠君    副大臣        厚生労働副大臣  大口 善徳君        厚生労働副大臣  高階恵美子君    大臣政務官        厚生労働大臣政        務官       上野 宏史君        厚生労働大臣政        務官       新谷 正義君    事務局側        常任委員会専門        員        吉岡 成子君    政府参考人        内閣府沖縄振興        局長       北村  信君        公正取引委員会        事務総局経済取        引局取引部長   東出 浩一君        総務大臣官房審        議官       沖部  望君        出入国在留管理        庁在留管理支援        部長       丸山 秀治君        文部科学大臣官        房審議官     丸山 洋司君        文部科学大臣官        房審議官     増子  宏君        厚生労働省医政        局長       吉田  学君        厚生労働省健康        局長       宇都宮 啓君        厚生労働省医薬        ・生活衛生局長  宮本 真司君        厚生労働省労働        基準局長     坂口  卓君        厚生労働省職業        安定局長     土屋 喜久君        厚生労働省雇用        環境・均等局長  小林 洋司君        厚生労働省子ど        も家庭局長    浜谷 浩樹君        厚生労働省社会        ・援護局長    谷内  繁君        厚生労働省老健        局長       大島 一博君        厚生労働省保険        局長       樽見 英樹君        厚生労働省政策        統括官      藤澤 勝博君        経済産業大臣官        房商務・サービ        ス審議官     藤木 俊光君        経済産業大臣官        房原子力事故災        害対処審議官   新川 達也君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るた  めの健康保険法等の一部を改正する法律案(内  閣提出、衆議院送付) ○政府参考人の出席要求に関する件 ○社会保障及び労働問題等に関する調査  (薬物乱用防止対策の推進に関する件)  (過労死等の労災認定の在り方に関する件)  (特定技能外国人の原発廃炉作業等への従事の  妥当性に関する件)  (女性活躍推進法等改正案における条文構成上  の問題への対応に関する件)  (独居高齢者の死因究明に関する件)  (歯科保健医療の充実に関する件)  (糖尿病の重症化予防の推進に関する件)  (放課後児童クラブに係る基準見直しに関する  件)  (ヤングケアラーへの支援方策に関する件) ○女性の職業生活における活躍の推進に関する法  律等の一部を改正する法律案内閣提出、衆議  院送付)     ─────────────
  2. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、柳田稔君、中西哲君、福島みずほ君及び青木一彦君が委員を辞任され、その補欠として礒崎哲史君、宮沢由佳君、青山繁晴君及び佐藤啓君が選任されました。     ─────────────
  3. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) 医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案に対する質疑は既に終局しておりますので、これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  4. 倉林明子

    ○倉林明子君 私は、日本共産党を代表して、健康保険法等の一部を改正する法律案に反対討論を行います。  反対の第一の理由は、機微性の高い個人情報を含む医療、介護、ビッグデータを連結解析し、民間企業に開放する点です。  今や匿名加工情報でも様々な情報と結び付けることができれば個人が特定される時代です。NDBや介護DBのビッグデータに集約される個人情報は、提供の拒否もできず、個人が目的外利用を拒否しても情報削除されません。このような形で集約される個人情報を民間企業に提供して、利益のために活用できるようにすべきではありません。  第二の理由は、診療報酬支払基金の支部の集約、統合によって、平準化の名の下に地域の事情に見合った診療内容が考慮されなくなるおそれがあります。  医療行為患者の個別性が高く、医師の総合的な判断の下で行われます。審査の合理性は医師の裁量権の集積によってつくり上げられるものです。審査基準の統一化ありきで医師の裁量権を侵害することがあってはなりません。  第三に、高齢者の保健事業と介護予防の一体化では、地方に負担を押し付けることになり、後期高齢者の保険料負担増を招きかねません。  第四に、マイナンバーカードの普及拡大のためにマイナンバーカードによるオンライン資格確認を導入する点です。  保険証でも資格確認ができるにもかかわらず、なぜマイナンバーカードによるオンライン資格確認を導入するのか。普及率僅か一三%程度のマイナンバーカードをこの機に一気に普及しようとする意図があることは明白です。医療機関からもマイナンバーカードの取扱いに多くの懸念が示されており、マイナンバーカードによるオンライン資格確認は撤回すべきです。  以上を指摘し、反対討論といたします。
  5. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  6. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、川合君から発言を求められておりますので、これを許します。川合孝典君。
  7. 川合孝典

    ○川合孝典君 私は、ただいま可決されました医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲民主党・民友会・希望の会、国民民主党・新緑風会、公明党及び無所属クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。  一、今回の医療保険制度の運営に関する改正に続き、二〇二五年には団塊の世代が後期高齢者に移行することなどから、少子高齢社会の進展を見据えた取組を早期に開始し、医療保険制度の健全な運営に努めること。  二、保険医療機関等における個人番号カードによるオンライン資格確認が導入されることを踏まえ、個人番号カードの更なる普及拡大に向けて、国民にとって利便性の高い利用機会の創出やセキュリティ対策の充実など、効果的な施策を検討するとともに、その広報・周知も含め、関係府省が連携して取り組むこと。  三、個人番号カードによるオンライン資格確認の導入に当たっては、過度な事務的、金銭的負担とならないよう保険医療機関等に対する支援を丁寧に行うとともに、保険者や保険医療機関等に対する負担軽減の観点から、システムの維持・運営に係る経費の縮減に向けた不断の見直しを行うこと。  四、レセプト情報・特定健診等情報データベース、介護保険総合データベース等の情報を民間企業等の第三者に提供するに当たっては、医療情報等の機微性に鑑み、国民の不安を招くことのないよう、透明性の高いルールの下で提供の可否を判断すること。また、提供された情報が適切に管理されるよう、十分な監督指導体制を整備するとともに、その利活用によって得られるメリットが広く国民に還元・享受されるシステムを確保すること。  五、介護分野において、医療分野と比べて進んでいないデータ集積・分析の一層の推進を図ることにより、科学的根拠に裏付けられた介護サービスの提供に係る方法論を確立するとともに、その普及を図ること。  六、高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施において、市町村が配置する保健師等の医療専門職については、適切な人数及び処遇が確保されるよう、必要な支援を行うこと。また、後期高齢者医療広域連合に交付される特別調整交付金を活用する際には、市町村において煩雑な事務手続を必要とせず、創意工夫を活かせる制度となるよう、関係者の意見を十分に踏まえた制度設計を行うこと。  七、我が国の医療保険制度は内外無差別の原則を採っていることを踏まえ、健康保険の被扶養者等の認定等に当たっては、国籍による差別的な取扱いとならないよう取扱いを明確にすること。  八、被扶養者の国内居住要件の例外規定については、国籍や在留資格等による差別的な取扱いとならないようにすること。また、保険者が被扶養認定を行うに当たり、被扶養者の身分関係、生計維持要件を適切に確認するよう指導すること。  九、年収がほぼ同じ夫婦の子について、保険者間でいずれの被扶養者とするかを調整する間、その子が無保険状態となって償還払いを強いられることのないよう、被扶養認定の具体的かつ明確な基準を策定すること。  十、社会保険診療報酬支払基金の組織見直しに当たっては、審査結果の不合理な差異の解消に向けて、適切に指導すること。また、社会保険診療報酬支払基金がレセプト事務点検作業の集約化を進めるに当たっては、職員の家庭の実情等に十分配慮すること。  十一、社会保険診療報酬支払基金の審査委員会及び審査事務局については、地域医療の特性を踏まえ、引き続き四十七都道府県に設置されるよう、必要な措置を講ずること。  十二、介護納付金算定に係る事務誤り事案を踏まえ、社会保険診療報酬支払基金及び厚生労働省においては、関係者間における情報共有及びリスク管理を徹底するとともに、必要な専門性を確保する観点から人員及び人材育成の強化を行い、保険者等の関係団体とも緊密に連携しながら、再発防止に向けた取組を進めること。  十三、近年の後期高齢者支援金や介護納付金の総報酬割の導入等に伴い、健康保険組合等の財政負担が増加していることを踏まえ、財政状況が厳しい健康保険組合等に対する必要な支援を検討すること。  十四、高齢社会化が今後ますます進行し、医療保険制度の運営が更に重要性を増す一方、身体能力や健康状態は個人によって様々であることを踏まえ、高齢者を対象とする健診(検診)の対象や結果の基準範囲の考え方について、老年医学の見識も参考にしつつ、検討を加えること。  十五、市町村におけるデータ分析を実効的に機能させるため、あらかじめ厚生労働省や保険者の全国団体等による基礎的な分析を行ったり、実用性の高い分析ツールやフォーマットを整備したりすることにより、簡便で信頼性の高い分析や得られた知見の活用を市町村が無理なく行えるよう必要な支援を行うこと。   右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  8. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) ただいま川合君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  9. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) 多数と認めます。よって、川合君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、根本厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。根本厚生労働大臣。
  10. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、努力してまいります。
  11. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  13. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省医政局長吉田学君外十八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  15. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) 社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  16. 藤井基之

    ○藤井基之君 おはようございます。自由民主党の藤井基之でございます。  今日は、まず、薬物問題から質問をさせていただきたいと思っております。  御案内のとおり、薬物の乱用問題というのは、政府に委員会があります。というより、薬物乱用対策推進会議という政府の全体の方針を決める会議がございます。この議長は厚生労働大臣が務められております。そういったこともありまして、今回の質問が必ずしも厚生労働省の行政の範囲を超えるところもあるかもしれませんけれど、全政府としての答弁を意図してお答えいただけたらと思っております。  まず最初に、少し新聞等ニュース欄を騒がせましたけれど、今年の三月の十二日になりますが、厚生労働省の麻薬取締部が、人気芸能人が麻薬取締法違反容疑で逮捕されたと、そういう事例がございました。この被疑者の方が使われたお薬がコカインなんですね。今まで日本ではなかなかこのコカインという麻薬の乱用例というのはありませんでして、そういったこともあって大きく取り上げられたのかと思っております。  御案内のとおり、コカインというのは、いわゆる南米原産のコカノキの属のそういった植物の主として葉っぱに多いんですが、そこに含まれているアルカロイドという、よくお薬として使われる場合には局所麻酔薬としてでも使われるわけなんですが、そういった薬物でございます。  それで、このコカインというのは、余り知られていないので、まず、このコカインというのはどのようなもので、どの程度、例えば世界的な中においてどのように乱用されているのか、そして日本の状況はどうなのかということについて、御説明をいただきたいと存じます。
  17. 宮本真司

    ○政府参考人(宮本真司君) まず初めに、我が国の状況から御説明させていただきます。  コカインに関する薬物事犯の検挙人数は、平成二十五年から四年連続で増加している状況にございます。平成二十九年は過去最高の百八十五人となっております。  また、国内でのコカインの押収量は、過去には一年当たり数キロから百数十キロまでばらつきはございましたけれども、昨年八月には横浜港に入港した船舶から百十五キロという大量のコカインが発見、押収するといった事例が発生しておりまして、このように、近年はコカイン事犯による検挙人数が増加、あるいは一度に大量のコカインを押収する事案も我が国で発生しているという状況にございます。  また他方、世界的な状況につきましての御質問をいただきましたが、これにつきましては、国連薬物犯罪事務所や国連麻薬統制委員会のレポートによりますと、世界でコカの違法栽培量が、二〇一六年、平成二十八年で二十一万三千ヘクタールに上り、平成二十五年から七六%増加しているという状況にございます。  コカインは、南米の三国において密造が世界的に大きな問題になっているということでございます。  これに対応いたしまして、コカインの押収量につきましても、世界全体では平成二十八年に千百二十九トンの押収が記録され、対前年比で二三%増加となっております。これらの押収量につきましては、主として地域別に見ますと、南アメリカ六〇%、北アメリカ一八%、中央アジア一一%等となっておりまして、我が国を含む東及び東南アジアにおける押収量は三%ということで、まだ世界的に見ますと我が国の状況は少ないという、比率的には少ない状況であるということではございます。  しかしながら、近年、アジア地域における押収量が二〇一六年に対前年で三倍になったという事例などもございますし、先ほど申し上げましたように、栽培量が非常に増えているということから見ましても、最終目的地として我が国はまだ認識されていないということでありますが、世界全体の状況を、あるいは我が国における事案の状況を見ますと、警戒が必要な状況にあるということは認識しております。
  18. 藤井基之

    ○藤井基之君 ありがとうございました。  今答弁いただいたように、世界では非常に大量のコカインというのが不正使用されている、我が国には来ていないという、ある意味ではハッピーな状況ですけど、昨今の状況を見ますと、我が国におけるコカインの不正使用とか不正流通というのが一部明るみに出つつあるという状況で、これから増えないようにという対応が必要になってくるんだろうと思っております。  このコカインについて、同じような傾向でございますけれど、厚生労働科学研究、平成二十八年度のレポートによりますと、アメリカにおける国民のいわゆる生涯経験率といいますか、違法薬物の、その数字がアメリカだと一四・八%、コカインに対して。これ、一方、日本のコカインに対する生涯経験率、これは〇・一%、桁がかなりまだ違う状況になっております。  それから、先ほどの押収量のお話もありましたように、世界での押収量というのは一千トンを超えるという、日本において増えましたといっても百キロ、単位が大分違う。ですから、こういった状況もありますけど、それがまさか日本に、世界と同じような傾向にならないような注意というものが必要だと思っております。  あと、御案内のとおりでございますけれど、コカインというものが体の中に入って摂取された場合、その代謝が非常に早いというふうに言われております。ですから、薬物を摂取した後の時間がたちますと、薬物の使用違反といいましょうか、その証拠の入手が難しくなるという問題がございます。さらに加えて申し上げますと、このコカインの簡易検査方法においては、どうも誤判定、判定が間違ったケースが出てくるということもあり得るんだということも言われておりまして、この取締りはほかの薬物違反と比べてかなり難しいという指摘もあります。  是非、これからそういったことに対しても十分な対応の下、コカイン対策を進めていただきたいと存じます。  続いて、同じ時期の話でございます。  コカインから離れますが、今年の三月の十日なんですが、東京荒川区で開かれた社交ダンスのイベント会場で、体調不良をその参加された七人の方が訴えられたそうなんですね。そして、病院に行って実は検査をしたところ、この七名の方から大麻成分が検出されたんだということなんです。で、何でだろうというふうになったわけですが、この七人はいずれも会員が持参してきた軽食用として会場に置かれていたチョコレートを食べられたそうなんですね。このチョコレートは外国製だったということなんです。このチョコレート、現物が、もう現品がなくなったので正確に確認されているわけではありませんけれど、このチョコレートに大麻成分が含まれていたというふうに見られているという報告がございます。  このほかにも、今年の一月ですが、大麻成分の入ったスナック菓子約九百二十グラム、これを米国から密輸したとして、横浜市の会社員の方が大麻取締法違反で逮捕されております。これ、捜査当局の情報を伺いますと、この方は、二〇一八年、昨年の九月にネットでお菓子を注文して、国際郵便で輸入したんだと、こういうことなんですね。  そのほかにも、税関のレポートによりますと、数年前から各地の税関検査で大麻成分を含んだクッキーやキャンディー等が多々見付かっておるということでございます。これは大麻の使用を意図しての持込みなのか、あるいは大麻成分が含まれていることを知らずに持ち込んだのか、これは分かりません。ただ、このような製品の持込みが増えている一つの要因として、カナダ等における大麻のレクリエーショナルユース、つまり規制が解除された、そういう状況になったことというのがその一因ではないかと考えられます。  日本においては、特に大麻の娯楽的な使用、レクリエーショナルユース、これが合法化された国や地域を訪れる観光客やビジネス客、大勢いらっしゃいます。というのは、その対象国がカナダであったりアメリカのカリフォルニア州等の州だからなんですが、そして、この場合、例えば、ある意味で、安易にその現地でそういった製品が入手できることから、ともすれば罪悪感が薄れて日本に持ち帰ることのケースもあろうかと思いますし、また、そういったクッキーやキャンディーに大麻成分が含まれていることを知らなくて持ち帰ることもあろうかと思っております。  先ほど申し上げましたが、薬物乱用対策推進会議が昨年の八月に第五次薬物乱用防止五か年計画というものを公表されております。そして、そこにおいて幾つかのこれから五か年における薬物乱用対策の方向性を示しております。その中で言われているのが、国際化を見据えた水際を中心とした薬物対策の強化であるとか、あるいは未規制物質とか使用形態の変化した薬物への対応の強化、あるいは国際機関との連携を通じた乱用防止対策の強化とか、このような視点から多くの政策を提言されているわけでございます。  私は、これらの提言というのは全てそのとおりだと思っております。是非これを実行に移していただいて、我が国がドラッグフリー、薬物乱用のない社会に一日も早くなるような努力をいただきたいと思っております。  この推進会議の議長をお務めになられております厚生労働大臣にお尋ねしたいと思います。この対策について、大臣の決意と、それと意気込みというものをお聞かせ願えたらと思います。
  19. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) コカインについては、委員の方からコカインをめぐる最近の情勢や課題、問題点の御指摘がありました。また、今の食品に含まれる大麻入りチョコレートなどの問題の御指摘もありました。  コカインにつきましては、先ほど局長から答弁したとおり、近年、我が国において被検挙者数が増加して、そしてまた大量の押収事件が摘発されるなど、乱用の拡大が懸念される状況にあります。このため、コカインあるいは大麻を含めて、昨年八月に策定した第五次薬物乱用防止五か年戦略に基づいて、政府における薬物乱用対策推進会議の議長である私が先頭に立って、政府一丸となって対策に取り組んでいきたいと思います。  具体的には、我が国で乱用されるコカイン、これは海外からの密輸入が中心でありますので、次の取組を中心に総合的な対策を行っていきたいと思います。  一つは、米国など諸外国の薬物取締り当局との情報交換を通じた国際的な不正コカインの密輸ルートに係る情報収集の強化、さらに、泳がせ捜査などの捜査手法を活用した密輸取締りの強化、こういう総合的な対策を行っていきたいと思います。また、先ほどの大麻の成分が含まれた食品については、今後、海外で流通している大麻の成分が含まれた食品の情報を収集するとともに、関係省庁と連携して海外渡航者等に対する日本国内への持込みについての必要な注意喚起を促していきたいと思います。
  20. 藤井基之

    ○藤井基之君 ありがとうございます。是非対策を充実強化していただきたいと存じます。  この大麻についても、先ほど申し上げましたが、ちなみに各国における生涯経験率、同じ出典でございますけれども、アメリカは何と生涯経験率、大麻について言うと四四・二%、つまり二人に一人は大麻やったことあるよと、こういう話なんですね。カナダにおいても四一・五%と。これ、一方、日本は今のところ一%という数字だと。これでも日本においては一番、何というんですか、生涯経験される率の高い薬物なんですが。  そういった状況でありまして、私は、大麻というのが安全だというふうにくみするものではありませんし、大麻についてもコカインについても同様ですけれど、国際条約で世界各国で規制しようという方向で、これは世界の百八十か国以上の国がもう批准をしている、そういった条約なんですね。もちろん、日本も批准をしているわけです。カナダも批准しています。アメリカだって批准しているわけですね。  そういった中において、一部合法的だとか、そういうことになっていることの動きの方が私はゆゆしい問題だと思っております。これについては是非、日本国の代表として、例えば国際会議等におきまして、このようなテーマの際には、日本においては薬物というものについて厳しくやっている、そのことが日本の治安を良くしている、その一つの原因であるということを是非訴えていただきたいと思います。  これから、今年のラグビーのワールドカップ、あるいは来年の東京オリンピック・パラリンピックと行われる、そして、最近ずっと訪日外国人が非常に増えてきている状況にもありまして、日本に多くの方々が訪れていただいて日本の良さを知っていただくというのは非常にうれしいことなんですけど、時々意図しないものも紛れ込んで入ってくるかもしれません。その一つがこういった薬物であろうかと思いますので、それに対する取締りも十分なものをお願いしたいと存じます。  それでは、テーマを変えます。研究開発型の製薬産業に対する現状認識、そして支援策についてお尋ねをしたいと思います。  何度もこのテーマというのは繰り返し質問をさせていただいておるわけでございますが、二〇一五年六月に、いわゆる骨太方針二〇一五で公的な社会保障給付について言及がございました。それにはこのようにあります。安倍内閣のこれまで三年間の経済再生や改革の成果と合わせて、社会保障関係費の実質的な増加が高齢化による増加分に相当する伸び、一・五兆円程度になっていること、経済・物価動向等を踏まえてその基調を二〇一八年度まで継続していくことを目安として、効率化、予防等の制度改革に取り組むと、そのような内容でございます。  これを受けてということではないと思いますけれど、二〇一六年に行われました薬価の引下げについては、通常の薬価の引下げに加えまして、高額な薬剤を特例的に引き下げるという市場拡大再算定というものが行われております。それは、高額な医薬品、間違いなくこれはよく売れた新薬、効果も高いと言われたお薬でございました。  そして、その次の回の薬価改定、二〇一八年になりますが、このときも通常の薬価の引下げに加えまして、二〇一六年の十二月に出されました薬価制度の抜本改革の基本方針、これに基づいたと言われておりますが、新薬創出とか適応外解消等促進加算、つまり研究開発を支援する経費になる、そういった観点からの加算が見直しされて、大幅に引き下げられることになっております。  こういった影響だけかどうかは別でございますけれど、実は、研究開発型の製薬産業の団体であります日本製薬工業協会というところが、加盟会社のうちのいわゆる東証一部上場、そして医薬品の売上げが五〇%以上であるという二十七社について調査をしております。その調査によりますと、二〇〇八年頃から従業員一人当たりの収益性が低下し始めたんだと、そして、早期退職制度を適用して要員の削減をして研究開発費の維持を図っているんだと、このように製薬協の報告がされております。  直近におきましては、本年度に入りまして、協和発酵キリンという会社が二百九十六名の早期退職を六月に実施すると発表いたしました。また、四月に中外製薬が早期退職の募集を行うんだということを発表しております。このほか昨年度は、エーザイが三百名の早期退職、アステラス製薬が六百名、大正製薬ホールディングス傘下企業が九百四十八名等々、早期退職を実行いたしました。  新薬の開発を目的として多額の研究費を使う製薬産業において、これまでの新薬開発というのは、どちらかというと、経費的に言うとそれほど高くならないかもしれない化学合成品を使って、化学合成という手法によって低分子化合物の新薬を開発してまいりました。ところが、最近になりましては、バイオ技術とかゲノム技術を活用した高分子化合物の開発が主体となっております。次世代の新薬は、これらバイオ医薬がその中枢を占めるだろうとも言われているわけでございます。  ただ、残念ながら、現在、この分野の我が国の開発状況というのは欧米等に後れを取っているというふうにも言われております。国内企業に対して技術刷新に対応した研究開発体制の近代化、高度化を求めるのは当然のことでありましょうけれど、それに加えまして、この遅れを取り戻すためには、国としてもゲノムデータ等のビッグデータを活用して、創薬研究の支援体制整備、これに尽力する必要があるのではないかと考え、是非それをやっていただきたいと思っております。  政府としての特に新薬開発あるいはバイオ医薬品等の研究開発等に対する支援策の状況についてお尋ねをしたいと存じます。
  21. 吉田学

    ○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。  製薬産業、とりわけ委員御指摘のように、研究開発型という考え方からいたしますと、近年の技術の進歩により、バイオ医薬品の開発、あるいはゲノム創薬、AI、ビッグデータの利活用という形で進んでいるというふうに思っております。特に、今御指摘いただきましたバイオ医薬品につきましては、近年の技術の進歩により開発がグローバルに加速しているという状況でございまして、世界における売上高の上位の品目の多くがバイオ医薬品が占めるという実態、現状にあると承知をしております。  厚生労働省としましては、こうした言わば新たな創薬アプローチに対応した創薬環境の整備を図ることが大事だと思っております。具体的には、バイオ医薬品の製造開発を担う人材の育成でありますとか、医療ビッグデータやAIを活用した創薬を支援するなど、特にその分野に注力しながら総合的な取組を行っているところでございまして、引き続き、こうした取組を通じた新たな創薬アプローチに対応した新薬の研究開発、そして製薬産業への支援ということを考えてまいりたいと思っております。
  22. 藤井基之

    ○藤井基之君 ありがとうございます。是非早急にお願いをしたいと思います。  新薬開発とは、そういう言葉では分類されないと思いますけれど、バイオ医薬品につきましても、いわゆる化学製品における後発医薬品に該当するとでもいいましょうか、少し性格が違うんですが、そのようなものがあります。バイオシミラーという言葉で呼ばれるものでございますが、保険財政の効率化等の観点からいうと、当然、バイオシミラーの方が、後発医薬品同様、先発品より安く供給をされる、そして、一定の品質は国が承認で担保するという形になっております。ですから、こういったバイオシミラーという製品、これの開発を促進することも、新薬ではないけれど日本の国益にかなう、保険財政の健全化にも通じるものだと、こういうふうに思っております。  このバイオシミラーに関して申し上げますと、いわゆる欧米等が先行しているというのはよく分かるんですが、実は、いろいろ聞いてみますと、お隣のどうも韓国にも日本は負けているんだと、こういう指摘も多々されておりますね。私は、バイオシミラーの関係において、日本がどうしてこれだけ遅れて、これをどういうふうにして克服すればいいのか。先ほどバイオ新薬の方についての御説明頂戴しました。このバイオシミラーについても、どのような対応を取られようとしているのか、お尋ねをしたいと思います。
  23. 吉田学

    ○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。  まさにバイオシミラーにつきましても、私ども、政府の中で申し上げれば、平成三十年六月に閣議決定されました骨太方針二〇一八の中におきまして、バイオシミラーについて、有効性、安全性等への理解を得ながら研究開発、普及を推進するという方針をまず掲げてございます。ちなみに、この骨太方針におきましては、同様に、先ほど御質問いただきましたバイオ医薬品につきましても、研究開発の推進ということを掲げているところでございます。  このような中、バイオ医薬品につきましては、先ほど御答弁申し上げましたように、人材ということについてのいろいろなネックがあるという御指摘をいただいているところでございます。バイオシミラーについても共通する部分があることに加えて、さらに、シミラーの問題として、認知度についてもまだまだ国内十分ではないということをいろいろなアンケート調査などから把握をしているところでございます。  私ども厚生労働省としましては、このような事態を受けて、製薬企業やバイオベンチャーの社員の方々に対して、バイオ医薬品、さらにはシミラーも視野に置いた開発手法や製造技術について、実学、座学と実習両方併せた形での研修を行いますとか、バイオ医薬品やバイオシミラーに対する理解ということが先ほど課題ということを申し上げましたので、主に病院薬剤師さんを中心とする医療関係者、さらには患者の方々に対するこの分野におけるセミナーとか講習会という形での認知度の引上げなどの取組をさせていただいております。  今後も、関係業界の方々、団体の方々の意見もしっかり伺いながら、バイオシミラーを含めたバイオ医薬品の開発や製造について、諸外国に後れを取らない、さらには、少しでも先駆けられるように、必要な取組を進めさせていただきたいと思っております。
  24. 藤井基之

    ○藤井基之君 ありがとうございます。  実は私、今手元にネットからコピーを取ったのを、ちょっとボリュームが大きいんですが、あるいはこれ、皆様方もお読みになったと思いますけれども、これ、内閣府の政策統括官が平成二十九年八月に取りまとめたいわゆる政策課題分析シリーズ、そのうちの十三番という報告がございます。これ、何を書いているかというと、薬剤費と医薬品開発についてかなり細かい解析をなさっております。このデータは多分厚生労働省から提供されたデータで、一緒になってこれ解析されたんだと思っております。このデータは非常に面白いというか、いろいろと今製薬産業やあるいは行政が抱えている問題というのにどう対応したらいいかということに一つの示唆を与えるレポートだと思っております。  ただし、残念なのは、このレポートが二十九年八月に出てきたんですけど、そこで使われているデータが二〇一五年までなんですね。古いんですよ。ですから、先ほど言いましたように、その後でいわゆる骨太方針などによって、かなり政策、特に薬価対応の政策が変わってきているわけです。ですから、できましたらこれ、内閣府さんでもいいし、厚生労働省さんでも結構なんですけど、このシリーズの後、つまり二〇一五年以降どういうふうになっているかということの政策的な解析を是非やっていただきたいと思います。  それをお願いしまして、これで最後の質問になると思いますが、厚生労働大臣にお尋ねしたいと存じます。  今までも何度かお尋ねをいたしましたけど、本当に今、厚生労働大臣がこの産業対策というのに難しい立場での産業政策をやらざるを得ない、そういうことは十分に理解をできるものであります。  ただ、この製薬産業というのは単なる一民間セクターだというだけでは済まないことがあるわけです。何かというと、そこで研究開発されて供給されるものは人々の健康に直結するものなんですね。そして、ここで研究開発されることというのは、国民みんなが、あるいは世界の患者さんが待ち望んでいるものがいっぱいあるわけです。だからこそ、この研究開発のスピードを落とすことは許されないんだろうと思っております。  今、世界の中で、日本の研究開発力、次第に落ちてきているんじゃないかという危惧もあります。これについて、厚生労働大臣に是非、日本の製薬企業、これが国際社会において今まで以上に活躍できる、そのための産業政策を進める方向性、これについてお答えをいただきたいと存じます。
  25. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 我が国は、世界で数少ない新薬創出国であります。私も、従来から、高付加価値、そして知識集約型産業、この医薬品産業、これは経済成長の中核を担う産業として期待もしております。さらに、今委員からも指摘がありましたが、グローバル展開も進んでおります。このような中で、厚生労働省としては、日本国内において新薬の開発が進み、それらを国民にスピーディーにお届けできる環境を整備すること、これが重要だと考えております。  なお、我が国における創薬環境の整備に向けて総合的に取組を進めています。具体的には、医療ビッグデータやAIを活用した創薬支援などの研究開発環境の整備、優れた知見を有する大学などのアカデミアや大学発の医療系ベンチャー企業との連携支援、医薬品審査プロセスの迅速化などの薬事規制改革などの施策を日本創薬力強化プランとして取りまとめて、今年度予算では約五百七十億円を確保しております。  これからも、創薬をめぐる現状や課題などについて産業界との対話を行いながら、例えば毎年、厚生労働大臣主宰で革新的医薬品創出のための官民対話を開催しておりますが、産業界との対話を行いながら、我が国において優れた医薬品が開発される環境整備を図っていきたいと思います。
  26. 藤井基之

    ○藤井基之君 ありがとうございました。是非積極的な対応をお願いしたいと存じます。  もう釈迦に説法になりますけれども、研究開発費があって研究開発というのが推進されるわけで、当たり前の話ですが、この研究開発費、どこが負担しているのが一番多いかというと、間違いなくこれは企業の負担が圧倒的に多いわけです。ですから、企業によっては研究開発投資ができる環境にあるかどうかということが、これからの、今大臣がお答えいただきました政策が進展する、早く発展して進展していくのか、あるいはそのスピードがスローになるかということは、実は企業の研究開発投資がどうなるかということに依存するわけです。  そして、この企業の研究開発投資というのは多分に売上高に比例してくるわけでございます。そうすると、売上高の先々の見通しが、ある日突然新しい薬価の切下げ策が導入されるとか、先々が読み込めない。大体これでどのくらいの研究開発投資をすればいいかというと、当然単年で終わるわけではありませんので、研究開発投資というのはやはり長い間研究開発投資を続けなければいけない。そうすると、それに見合ったような、いわゆる産業としての活動が見通せるような、これから先の薬価あるいは政策の取扱い、どういった方向で動こうかということについて、先ほどもお話がありましたように、官民対話等の場におきまして政府の施策の方針等を民間企業に是非伝えていただきたいと思います。  今日は貴重な答弁いただきまして、ありがとうございました。終わります。     ─────────────
  27. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、宮沢由佳君が委員を辞任され、その補欠として福島みずほ君が選任されました。     ─────────────
  28. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 立憲民主党・民友会・希望の会の石橋です。  今日は一般質疑ということで、幾つか継続案件、それから新規の課題について質問してまいりたいと思います。  まず、根本大臣の受け止めを確認しておきたいと思いますが、先週十日に三月の実質賃金の速報値が発表されました。大変衝撃的だと思いますが、今年に入って実質賃金が大幅に下落をしております。名目でも大幅に下落をして、実質対前年比マイナス二・五、これは大変な状態だと思いますが、まず大臣、今年に入ってからのこの実質賃金の大幅下落、厚生労働大臣としてどのように受け止めておられるでしょうか。
  29. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 要は、実質賃金が、今委員がお話しのとおりの状況であります。これはそれぞれの要因がありますが、数値だけの分析でいえば、やはりこの実質賃金の下落というのは、実際の賃金、常用雇用者の賃金あるいはパート労働者の賃金、これがどうなっているか、そして、例えば相対的に賃金水準の低いパートで働く方の比率がどういう状況になっているか。これらが総合的に作用して、結果的に全労働者の平均的な賃金である毎勤統計の賃金ということでそれぞれの数値が出ていると考えております。
  30. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 大臣、何を答弁されているんですかね、実質賃金は何かと聞いているんじゃないんですよ、大臣。ここまで実質賃金、名目も含めて大きく下落をしている。  これ、昨日、景気動向指数の基調判断、悪化に切り替わりましたね。でも、官房長官の記者会見聞いて私びっくりしたんです。官房長官が何とおっしゃったか。いや、それでもまだ雇用や所得など内需を支えるファンダメンタルズはしっかりしている。どこがしっかりしているんですか、大臣。こんなに多く名目賃金も実質賃金も下落をしている。いや、だから、当然ですが、残念ながら景気が悪化している、こういう判断すべきでしょう、堂々と。  もはやアベノミクスは失敗して、労働者、生活者の状況が悪化をしている、そういう判断に立たなければちゃんとした労働行政できないじゃないかという声が上がっている、そのことについて、大臣、どう、ちゃんと大臣として受け止めておられるのかということを聞いているわけです。  大臣、ちゃんと答弁してください。
  31. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) まず、一つ一つ申し上げたいと思います。  平成三十一年三月の名目賃金の動き、これは三月の速報値、これは名目賃金の対前年同月から一・九%減となっています。この内容を分析しますと、特別に支払われた給与が一二・四%減とマイナスになりました。一方で、所定内給与を見ると、一般労働者は横ばい、前年同月比〇・〇。そして、パートタイム労働者の時間当たり賃金は増加しております、二・二%増。こうした中で、景気が安定した状態で維持し、雇用が引き続き拡大する過程において、正規労働者などと比較して相対的に賃金水準の低いパートで働く方の比率が上昇している、〇・七七ポイント増、していることによって、もうこれは、ギャップの影響もありますが、全体として名目賃金が減少しているものと考えております。  それから、全体の日本経済の動向をどう見るか、これはそれぞれの名目GDPがどうなっているか、あるいは企業収益、あるいは税収の動向、あるいは民間設備投資の動向、倒産件数、あるいは有効求人倍率、失業率、こういうものをトータルとして考えて今の日本経済の現状を判断するということが私は必要だと思います。  そして、一方で、就業者数が大幅に増加しておりますので、雇用環境が改善するとともに、国民みんなの稼ぎである総雇用者所得が就労参加が進んだことで増加が続いておりまして、雇用・所得環境は着実に改善しているということに、その基調に私は変わりはないものと考えております。
  32. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 これ、国民の皆さん、今大臣答弁聞いて、何を考えているのかと思われますよ、大臣。これだけの指標が悪化をしている。資料の一にもあります。我々はずっと、これはこの六年間だけの話じゃない、この二十数年間、実質賃金は低下のトレンド、これ一貫して変わっていないわけです、残念ながら。  そして、とりわけこの六年間で実質賃金が大きく下落をしている。にもかかわらず、いまだにそんな大臣答弁をされる。いや、だから、正しい真っ当な政策ができないから、ますます労働者の実質賃金の下落に歯止めが掛からない。雇用は増加する、でも一体どういう雇用が増加をしているんですか。非正規雇用の状況、さらには、今正社員でも、一生懸命頑張ってもちゃんとした給料がもらえない正社員が増えていると、そういう実態もあるのに、そういう現状を全く見ようとしない。改善しているんだ、良くなっているんだ。  これは、国民の皆さん、労働者の皆さん、寄り添ってくださいよ、大臣。厚生労働大臣なんだから。菅官房長官に、あんた、とんでもないことを言うなというぐらいの大臣の気概見せてくださいよ。そのことを重ねてお願いしておきます。そうしないと、真っ当な議論がこの場でもできません。大変残念な答弁です。  今、先ほどちらっとおっしゃられましたけれども、今大変な問題は、この今回の実質賃金も含めて毎勤統計がやっぱり信用できないんですよ。多くの専門家が、もはや賃金統計が信用できなくなってしまっているということを言われている。また、今年も一月に断層が起きています。部分入替えで、結局は共通事業所、それから入替えしたところを含めて断層が起きている。去年の一月で大きな断層が起きた。今年の一月でまた断層が起きている。一体これは何を信じたらいいんですかね、我々は。  大臣、この断層が起きたままになっている、統計自体が揺らいでいて、信用できなくなっている。このことについて、大臣、問題意識、改めてお聞きしておきたいと思います。
  33. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) まず、日本経済全体の物の見方については、私が先ほど申し上げたとおりであります。様々な経済指標を総合的に判断して日本経済の状況というのは見るべきものだと思います。  それから、毎勤統計の断層の話もありました。元々、毎月勤労統計についてはどういう問題点が指摘されていたか。これはもう委員御案内だと思いますが、元々、今回のローテーションサンプリングに切り替えたというのは、毎月勤労統計、今までは、二、三年に一回のサンプルの総入替えに加えて、経済構造の変化を反映した労働者数のウエート、これを更新を行ってきました。その結果、新旧の数値にギャップ、断層が生じてきた。これは毎月勤労統計の特徴として、これは常々従来から課題として指摘されておりました。  こういう課題があるものですから、統計全体をしっかりともう一度点検してより精度の高い統計にしましょうねと、こういう動きは平成二十六年、七年ぐらいからずっと続いてまいりました。そして、この統計、毎月勤労統計が抱えるこの課題、二、三年に一遍入れ替えることによって断層が結果的に下方にシフトする。三年間遡って指数を変えますから、今までやっていた数値が三年間に遡って下がる、これはどういうことかという問題意識が提起されて、そして、これについては専門家の検討、これは統計委員会でしっかりと議論していただいて、この課題を解決するにはローテーションサンプリングの方がより精度が高まる、こういう専門的な検討を経てローテーションサンプリングというのを導入したと、こういう経緯があります。  ほかの統計も入れ替えている統計というのはありましたが、これは例えば一年で入れ替えるとか、こういうことがありましたが、毎月勤労統計は二、三年に一遍がらっと入れ替えるものですから、この課題が指摘されて、そしてローテーションサンプリングという新たな、これの方がより精度が高いだろうという、これも統計の専門家の議論を経て、そこで専門的、客観的に議論していただいて今回の制度を導入したということであります。  今、経過措置の段階もありますから、いろんな課題が出ていますが、そこはローテーションサンプリングの今の現状、やはり統計というのはこういう物の見方をするんですよということも提示しながら私は統計を理解していただくと、こういうことだと思います。
  34. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 大臣、いいかげんな答弁やめてください。この間の予算委員会、厚生労働委員会のこの統計不正問題の議論、全く踏まえない答弁だと。これ精査して追及させていただきます。  来週、統計不正、集中ありますので、そこで今日の先ほどの答弁、全く誤った答弁されていること、これ改めて確認をさせていただきますが、かねてから、去年一月の大きな断層が生じた、厚生労働省の検討委員会は部分入替えにする必要はない、全数でいいんだと、最後まで言っていたのをひっくり返した、その経過が問われている。統計委員会だって、ベンチマーク入替えの断層の遡及改定、事前に何の相談もなかった、そういうのが明らかになっているじゃないですか。それを踏まえない答弁して、何をいいかげんなことを言っているんですか、大臣。それは余りにひどいですよ、答弁。これ問題、必ず追及させていただきますからね、大臣。今の答弁、しっかり記録に残しておきたいと思います。  これ、本当に多くの統計の専門家がこれ信用できないということを言われている。そのことについて大臣が認識もせず、こういういいかげんな答弁でのらりくらりやろうとしている。これ、本当にこの国の基本としての統計がここまでゆがんでしまっている責任、大臣の責任、本当に大きいと言わざるを得ません。このことは、この場をお借りして改めて指摘をしておきたいと思います。  その上で、次の質問に移りますが、四月の一日に新しい法律が施行されました。昨年成立をしました働き方改革関連法、とりわけ労働時間の上限規制について、大企業がいよいよ施行されたわけです。過労死を撲滅するんだ、絶対に許さないんだという決意の下に、この上限規制を初めて法的に入れたはずです。  そのときに議論したのは、労働時間がやはりちゃんと適切に把握をされて、管理をされて、記録をされなければならない、そうしなかったら絵に描いた餅に終わってしまうということはさんざん議論しましたし、大臣も含めて厚生労働省も、これは厳格にちゃんとやるんだという議論をやったんだと思います。  ところが、今日、資料の三、四でお付けをしておりますが、現場の専門家の皆さんからゆゆしき指摘をいただいております。厚生労働省がここに至って異常なまでの労働時間隠しを組織的にやっているのではないかという御指摘です。これ、事実とすれば大変な問題ですけれども、要は、本来労働時間として認められるべき労働時間、それを労働時間として認めない、会社内でやった労働時間以外の会社外の様々な行動について労働時間として認めていない、認められていないという問題が指摘をされています。  まず、大臣、この御指摘についてどういうふうに受け止めておられるでしょうか。
  35. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 厚労省が解釈を変更したということはありません。従来から同じ考え方で判断をしております。
  36. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 従来から同じ考え方。しかし、現場の皆さんは、厚生労働省が出している労災の認定基準、労働時間として何を認定すべきか、そういったことから照らし合わせても、明らかにここ数か月の認定がおかしくなっているという、そういう御指摘なんです。  これ、個別の事例、資料の三については幾つかの事例が既に指摘をされております。例えばこの鶴見労基署の例ですが、資料の四に、これ担当された弁護団の皆さんがお作りになった資料です。御遺族等を含めて関係者の御指摘、これだけ業務に関わる、始業から終業まで業務に従事をしていると。これ、明らかに勤務に従事をしていると認められるべき話なのに、労基署の認定はたったこれだけの認定にとどまってしまっているということで、これ明らかにおかしい認定だという御指摘なんです。  重ねて、これは局長でも結構です。これ、明らかにおかしいですね。厚労省が示している基準と照らし合わせても、例えば、出張先から営業先に出ていく、社用車を運転して自ら公用として行かれている、業務先でパソコン使って社内メールにアクセスをして業務報告をされている、こういったことが全部認定から外されてしまっている。これ、おかしいですよね。
  37. 坂口卓

    ○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。  労働時間につきましては、労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関しますガイドラインというものにおきまして、労働時間とは、使用者の指揮命令下に置かれている時間のことをいい、使用者の明示又は黙示の指示により労働者が業務に従事する時間であるとしております。  委員御指摘のこの個別の事案についてのコメントは差し控えさせていただきますけれども、移動時間につきましても、こういったガイドラインの考え方からいけば、使用者が業務に従事するために必要な移動を命じ、その時間の自由利用が労働者に保障されていないと認められる場合には労働時間に該当するものであると考えられます。また、自宅やビジネスホテルでの作業時間につきましても、使用者の明示又は黙示の指示があったと認められる場合には労働時間に該当すると考えておりまして、労災認定に当たりましても、このような労働時間の考え方に基づきまして、個別の事案に即して判断を行っているところでございます。
  38. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 今の局長答弁から照らし合わせれば、この鶴見労働局の判断は明らかにおかしいですね。  出張命令で出ているわけですよ、当然ね。出張命令で出ている、そして出張命令に基づいて出張先から営業先で仕事で出る、そしてその報告をする、当たり前ですね。これは当然、指揮命令下で出張命令の下に業務を遂行して、そしてその報告をしている。仕事ですね。それが、これだけ認められずに除外をされて、そしてこれが労災認定、これ不支給決定になっているわけです。  こんなことを許してしまったら、多くのあってはならない労災、そして御遺族の方、残された皆さんが、これを認定してほしい、これが除外をされてしまう。何が働き方改革ですか。  これ、局長、今の答弁は一般論でおっしゃっていただいていますが、今のことに照らし合わせれば、これは積極的にむしろこういったことについては労働時間として認定するんだ、含めていくんだと、そういう方向性で、この四月から施行された新しい法律も運用していくんだと、そういう決意だということでよろしいですね。確認です。
  39. 坂口卓

    ○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。  冒頭、委員の方からございましたとおり、働き方改革の施行ということで、その中には労働時間の把握、管理をしっかりするということが重要な観点であるということは私どもとしても十分理解をして、あるいは各労働局署においてもしっかり対応するということかと思っております。  その上で、今のお尋ねにつきましては、やはり個別の事案でございますので、その点についての回答は差し控えさせていただきますけれども、一般論としては、先ほど申し上げたような形で労働時間の考え方というものがございます。労災認定に当たりましても、先ほど申し上げました労働時間の考え方に基づいて、個別の事案に即してしっかり判断を行ってまいりたいと考えております。
  40. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 大臣、なぜこれが重要か、これ今、現政権でも大臣も旗振って多様な働き方、推進されていますね。リモートオフィス、自宅勤務、様々な形態を推奨されているわけです。であれば、それをまさに労働時間としてきちんと認定されなければ、それが業務外だ、労災の認定が下りない、何かあったときにどうなるのか、こういった問題があるということをまさに昨年の審議のときにさんざん議論したわけです。だから問題だというふうに申し上げた。これ、与党の皆さんも共有いただけると思います。  大臣、是非、大臣の責任において、こういう多様な働き方があるんだ、だからこそきちんと労働時間の認定をするんだ、業務起因、業務関係、積極的に認定をいただいて、正しく労働者の仕事、これが認定をされるように、そして、万々が一のことがあってはいけません。でも、あったときの労災の支給決定も含めて、ちゃんと判断、対応いただける、そのことを大臣の責任においてやっていただきたい。改めてお願いをしておきたいと思います。  関連してもう一つ、これ、ちょっと今、薬師寺さんおられませんが、三月に薬師寺委員も指摘をされたことに関連をして私からも重ねて。  今、労災の支給関係、話をしました。残念ながら、過労死がなくなりません。過労死防止対策も様々取組を進めながら、これ超党派の議員連盟でも重ねて何としても過労死をなくしていきたいという努力をしているわけですが、一つやっぱり大きな問題は、特に脳・心臓疾患の認定基準が何と過去十八年間改定をされていないという、これやっぱり大きな問題だというふうに思います。  この十八年間に、残念ながら多くの過労死事案が発生した。その知見、医学的な知見も様々な要因、要素も積み上がっているはずなんです。であれば、それをきちんと分析、研究した結果として、どういう因果関係、要因がこの脳・心臓疾患に関係するのか。今、余りに、月当たりの百時間、直近で百時間、そして過去二か月から六か月で八十時間、この時間的要因にのみ判断基準が偏ってしまっていて、その他の判断要素が様々あるにもかかわらず、それが要因として総合的な判断がされていないという御指摘も多く現場からいただいています。  大臣、これ早急にこの脳・心臓疾患の判断基準をもう見直しをする、そして同時に、時間だけではない様々な要因、要素がやはり脳・心臓疾患においてもこれ影響するんだということをお認めをいただいて、改定をして、これも積極的に正しく認定がされるという体制をつくっていただく、過労死をなくしていくためにも大事なことだと思いますが、大臣、答弁をお願いします。
  41. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 脳・心臓疾患の認定基準、これについては、業務の過重性の具体的な評価に当たって検討すべき負荷要因として、労働時間に加えて勤務形態などの労働時間以外の負荷要因についても必要な調査を行った上で、特に過重な負担、負荷と認められるか否かについて総合的に判断を行うこととしております。これが基本的な考え方であります。  しかしながら、いずれにしても、業務と脳・心臓疾患との相当因果関係に関する医学的知見などを把握することが重要だと考えております。引き続き、医学的知見の集積を行いながら、その結果も踏まえて今後の対応を検討していきたいと思います。
  42. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 何か新たなことが出てこないとやりませんみたいな答弁やめてください。  重ねて、残念ながら、この十八年間も多くの過労死事案、脳・心臓疾患、出ているんですよ。こういったあってはならないことが起こっている。それを決して無駄にしてはいけないと、もう二度と繰り返さないんだという思いがあれば、きちんとこの総合評価、今大臣、やっているんだ、いや、やっていないから現場から指摘をされているんです、認められないから。  精神疾患、精神障害の認定基準においては、業務による心理的負荷評価表というものがちゃんと立てられています。その上で総合的な判断がされている。精神障害の場合には、時間だけではない様々な要因が、こういう客観基準、ちゃんと設けられて判断されているんですね。ところが、脳・心臓疾患の場合には、そういった客観評価基準がちゃんと確立をされていない。だから、それを早急にやってほしいという現場からの要請なんです。  重ねて、大臣、やってください。やりましょうよ。大臣の指示してください。すぐに指示すると。もう一回、答弁。
  43. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 今委員から御指摘がありました。おっしゃるとおり、現時点において、例えば精神障害の認定基準における心理的負荷評価表、これはストレスに関する調査研究の結果などに基づいてそれぞれの出来事に平均的な心理的負荷の強度を示した表でありますが、この心理的負荷評価表のように、労働時間と労働時間以外の負荷要因の具体的な出来事との組合せを明確に示せるような、精神障害の認定基準はそういう評価表がありますけど、その精神障害の認定のような要は評価表、こういうものについて、客観的な労働時間と労働時間以外の負荷要因の具体的な出来事との組合せを明確に示せるような知見が確立していないものと認識をしております。  その意味で、先ほども申し上げましたが、業務と脳・心臓疾患との相当因果関係に関する医学的知見を把握する、これが重要と考えております。引き続いて医学的知見の収集を行って、そして、その結果も踏まえて今後の対応を検討していきたいと思います。
  44. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 最後、検討していきたいと。  大臣、重ねて要求しておきます。これ、超党派の過労死対策議連でも議論させていただいて、与野党挙げてこれ積極的な対応をやっぱり求めていこうということで議論させていただいています。引き続き、議連でも、政府に対して要求、要望も含めて、そして今後具体的にどういう指示また検討、大臣、厚生労働省でされるのか、ウオッチしてモニターしていきますので、大臣の責任においてこれ早急に対応いただくように重ねてお願いしておきたいというふうに思います。  もう一点だけ、過労死関係で。  精神障害事案の関係で、私もこれも驚いたんですけれども、精神障害事案で、一旦発症されて、その後職場復帰をされた、その後、また業務上の負荷を受けて病状が悪化をして自殺に至ってしまった。そういう場合に、当初の負荷以上の特別な出来事がなければ業務上の因果関係が認められない、認めていないという現状があるというふうにお聞きをしました。これはおかしな話だと。  これまで議論にはなっている、でも、それを改定するには至っていないと聞きましたが、一旦精神障害を発症されて職場復帰をされた、そうすると、やっぱり様々精神的には引き続き不安定な状況にある、むしろ軽度な負荷でもそれが大きな影響が及ぼされてしまうということも当然あり得るんだというふうに思います。これ認定、やっぱり在り方変えないといけない。これ、もう早急に対応すべきだと思いますが、大臣、この点については早急に改定の検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  45. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 精神障害者の労災認定の基準に関する専門検討会報告書においては、これは専門家に検討していただいたわけでありますが、既に精神障害を発病している労働者が業務により精神障害を悪化させた場合について、精神障害の特性を考慮すると、悪化の前に強い心理的負荷となる出来事が認められたことをもって直ちにそれが精神障害の悪化の原因であるとまで判断することは、現時点では医学上困難であるとされております。  その上で、労災認定に際しては、既に精神障害を発病している労働者については、極めて強い心理的負荷があるケース、具体的には、特別な出来事に該当する出来事があって、著しく悪化したと認められる場合については業務起因性を認めるのが適当だと結論付けられています。  労災認定に際しては、既に精神障害を発病した労働者からの請求があった場合には、例えば発病直前の一か月におおむね百六十時間以上の時間外労働を行った場合などの特別な出来事があり、その後、おおむね六か月以内に精神障害が自然経過を超えて著しく悪化したと医学的に認められる場合、業務上疾病として取り扱うこととしております。  ただ、なお、委員の御指摘のように、精神障害を発病している労働者に対する認定基準が厳し過ぎるとの御意見があることは認識しております。このような発病後の悪化についての労災補償の考え方を含む精神障害の認定基準の在り方については、引き続き、医学的知見の収集を行って、今後の対応を検討していきたいと考えています。
  46. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 まだ答弁としては不十分だと思いますが、最後のところでそういう指摘があることは認識をされていて、今後検討するという大臣答弁をいただきましたので、ここは大変な重要な問題だと思いますので、これも、大臣、しっかりと大臣の指導の下に検討をして、やはり適切に認定が行われるように、そういう環境をつくっていただきたいということをお願いをして、この項の質問を終わりにしたいと思います。  あと、時間がなくなりましたので、一つ、これまでずっと取り上げております障害者雇用水増し問題への対応について、連休前に一般質疑でさせていただいて、その後、四月一日に約三千人もの障害者を中央省庁採用されているわけですが、その方々に対する定着支援を含めて、定着の状況の確認、これちょっと今日お聞きしようと思いましたが、済みません、時間がありませんので、引き続きウオッチをしていきますので、次回にこれ先送りをさせていただきたいと思いますので、用意していただいた向き、済みません、おわびをして、次に質問させていただきたいと思います。  今日は、外国人留学生の就労問題について、最後、取り上げさせていただきます。  この間、予算委員会、厚生労働委員会、文科委員会等で不正留学生問題、いわゆる偽装留学生問題について取上げをさせていただきました。留学生三十万人計画の下で、三十万人達成したという裏側で、実は、多くの留学生が、学業ではなく労働目的で、ブローカーに借金を多額させられて日本に来て学業ではなく就労しているという、こういう実態がビジネスモデルとしてばっこしている、蔓延をしているというゆゆしき問題だということで、これは、文科大臣、法務大臣からも、こういう現状、ゆゆしき事態だということで今様々な対策が行われているわけですが、この厚生労働委員会で取り上げさせていただきたいのは留学生の就労問題です。  まず、法務省に、今日はおいでいただいてありがとうございます、確認をさせていただきますが、留学ビザで就労できる、でも、本来は学業で来られるわけですから、当然ですが、支弁能力、財政負担、日本に来ることができる、学費を納めることができる、生活費を賄うことができる、そういった支弁能力をきちんと確認をした上で留学ビザを交付されなければいけない。何か、でも、これが今相当ずさんに行われているというふうに指摘がありますが、法務省の見解をお願いします。
  47. 丸山秀治

    ○政府参考人(丸山秀治君) お答え申し上げます。  留学生の在留資格に係る審査におきましては、経費支弁能力を確認するに当たっては、預金、収入を証明する資料、申請人と支弁者との関係を明らかにする資料、奨学金の給付に関する証明書など、在留中の経費の支弁能力を証明する文書の提出を求め、本邦において学習し生活するのに十分な経費を支弁し得る資産又は資金を有しているかを確認するなど、厳格な審査を実施しているところでございます。
  48. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 その証明書の提出が免除されている国々がありませんか。
  49. 丸山秀治

    ○政府参考人(丸山秀治君) 今御指摘の点でございますけれども、受け入れる学校の在籍管理の状況でございますとか、申請人の出身国などで書類の多寡等はございます。
  50. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 法務省がなかなかそれをちゃんと明らかにしないんですよ、なぜか隠されて。証明書の提出が省略をされている、ビザの申請用紙に金額だけ書き込めばオーケーという国々があるというふうに聞いていますが、じゃ、どこの国なんだというと、それをなかなか明らかにしないんです。何ででしょうね。隠したいんでしょうか。よく分かりません。結局、そういう国々でいいかげんにされている。  あとは、偽造が横行しているというふうに言われていますが、法務省、これらの証明書の偽造問題、どこまで把握をし、どこまで現地で追及をされていますでしょうか。
  51. 丸山秀治

    ○政府参考人(丸山秀治君) 御指摘の現地から発給されています書類でございますけれども、これにつきましては、疑義がある場合には外務省を通じてその真偽の確認などもしておりますけれども、申請が絶対数多うございますので、鋭意努めているというところでございます。
  52. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 これ、外務省は法務省が証明書を認めているからと言う。法務省は、いや、それは最終的には外務省だと言う。結局、誰も見ていないんです。こんなずるずるでやっているわけですよ。  じゃ、偽造で捕まった、告発されたのってどのぐらいあるんですかね。法務省、把握されていますか。
  53. 丸山秀治

    政府参考人(丸山秀治君) 例えば、入管の申請の段階で偽造書類が出されたというような御質問だとしますれば、留学に特定されたものではございませんけれども、例えば申請に行政書士が関与して偽造の書類が出たような案件について警察の方で取調べ等をされている事案があるとは承知しております。
  54. 石橋通宏

    石橋通宏君 これ、そういう形で何らか疑義があってというのは本当に微々たるものだというふうに聞いておりますし、現地で組織的にやられている、でも、そういうのが摘発されたという実態、これまで私は聞いたことがありません。どれだけ真剣に法務省がこれに対して対応しているのか、甚だ疑問です。  その上で、入国時にこれ資格外活動で留学生も二十八時間まで就労することができるというふうにされていますが、じゃ、これ、法務省でも厚生労働省でも結構です。二十八時間が守られているのかどうか、これは誰がどう確認しているんですか。
  55. 丸山秀治

    政府参考人(丸山秀治君) 出入国在留管理庁におきましては、厚生労働省より提供を受けております外国人雇用状況届出の情報などを活用しまして、留学生の資格外活動を含む外国人の就労状況を把握しているところでございます。これらの情報を基にしまして、必要に応じて雇用主に就労状況を照会するなどしまして留学生の資格外活動の状況を把握し、その適正な運用を図ることに努めているところでございます。
  56. 石橋通宏

    石橋通宏君 その答弁おかしいですよね。労働時間の把握をしていますかという質問です。  じゃ、厚生労働省に聞きます。雇用状況確認、労働時間、記載がありますか。
  57. 土屋喜久

    政府参考人(土屋喜久君) お答え申し上げます。  今お話があった点、外国人雇用状況の届出の件だと思います。新たに外国人を雇い入れた場合、あるいはその外国人が離職をした場合に届出をしていただく義務がございますが、氏名、在留資格、在留期間、生年月日などを届け出ていただいておりますが、労働時間につきましては、届出の際に把握をする情報は事業主の方々の負担も考慮した上で必要最小限の範囲に限定させていただいているという観点から、届出事項とはしてございません。
  58. 石橋通宏

    石橋通宏君 時間の届出なんかないんですよ。法務省、おかしいでしょう、先ほどの答弁は。どうやって二十八時間以内という上限、誰がどこでどうチェックをして管理をしているんですか。  じゃ、複数事業所で就労されている留学生って名寄せしているんですか。法務省、どうなっていますか。
  59. 丸山秀治

    政府参考人(丸山秀治君) もう一度御説明いたしますが、例えば、外国人雇用状況届出の情報などを活用しまして、例えば複数の事業所に届け出ているというような場合が厚労省からの情報提供によって私どもで確認できたものにつきまして、個別に勤務先の方に、雇用主さんの方にどの程度の時間働いているかという照会をさせていただいていると、そういうことを申し上げているところでございます。
  60. 石橋通宏

    石橋通宏君 これも、いいんですか、そんな答弁して。名寄せなんかできていない、していないという説明じゃないですか。一々、じゃ、全ての留学生について全部その登録をして、複数事業所で働いている留学生が何人いて、三つ、四つ働いているから、じゃ、あなた何時間、やっているんですか、そんなこと。できていないという事前の話でしたよ。やっていないんですよ、誰もそんなことを。  しかも、長期の休業、休暇の間は、実は二十八時間縛り掛からないんです。四十時間フルに働けるんです。じゃ、長期の休業、休暇の定義はといったら、訳が分からないんです。じゃ、自分で学期で授業を選択していないから長期の休暇ですと言ったら長期の休暇なんですかといったら、まともな答えが返ってきません。つまり、誰も管理していないんですよ。  そういう中でこういうビジネスが残念ながら横行しているとすれば、この二十八時間の上限のきちんとした管理監督、チェックの在り方、これ責任においてやるべきじゃないですか。これ、法務省がやるんですか、厚労省がやるんですか。政府内でちゃんと議論して、誰がやる、ここで答弁してください。
  61. 丸山秀治

    政府参考人(丸山秀治君) お答え申し上げます。  雇用状況届出等、現在も活用させていただいておりますけれども、昨年末に決定されております関係閣僚会議の総合的対応策につきましても、今後、外国人雇用状況届出の方に在留カード番号も入れていただける方向で今検討が進んでおりますので、そういったものが実現すればより一層突合が容易になってくるということで、私どもの方でも適正に把握していくように努めたいと思っております。
  62. 石橋通宏

    石橋通宏君 時間が来ましたので終わりにしますが、こういったずさんな状況が長年放置されていた結果、かような状況が残念ながら生まれてしまっているわけです。引き続き政府にはしっかりした対応を求め、ウオッチをしていきますので、重ねて対応方お願いをして、質問を終わりにします。  ありがとうございました。
  63. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 今までの質問の追加で確認したいことがありますので、質問いたします。  東電福島原発の廃炉作業に入管法改正による特定技能外国人を働かせることについての問題について、質問をいたします。  これは、前回、どこの役所も否定をされませんでした。しかし、これやめるべきですよ。歴史に汚点を残す、絶対にやめるべきだということを質問いたします。今日、そのように答えていただけるよう心からお願いをいたします。  全国の原発におけるこれまでの被曝の労災認定と裁判事例について資料をお配りをしております。厚労省が、原子力発電所で業務に従事した労働者に関する放射線被曝による疾病の労災認定状況、過去十年間なんですが、十二件、最大で百九十五・二マイクロシーベルトもの被曝による労災が認定されております。  今後、廃炉が本格的になった場合、極めて深刻な労働環境ではないでしょうか。
  64. 坂口卓

    ○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。  今委員の方から配付していただいてある資料のとおり、原発労働者に係ります放射線被曝に係る疾病の労災の認定件数、被曝線量はお手元の資料のとおりでございます。今後も、原発労働者からの労災請求についてこういった事案が出てまいりますれば、適正な労災認定ということを行ってまいりたいと思います。  今後の廃炉の作業等々につきましては、私ども、監督指導も福島県内においての廃炉作業を行う事業所についても行っておりまして、そういった取組についても引き続きしっかり取り組んでまいりたいと考えます。
  65. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 残念です。そんなことやっていたら、すさまじい被災が起きて、労災認定も本当にできないですよ。  廃炉の作業の労基法違反についてお聞きをいたします。  厚生労働省は、昨年の監督指導のうち、廃炉作業従事者の五三・一%、除染作業従業者の六一・四%において労働基準関係法令違反があったというふうにしております。厚労省、これは極めて問題ではないですか。
  66. 坂口卓

    ○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。  先ほど申し上げましたとおり、福島県内におきます廃炉作業を行う事業者につきまして監督署が監督指導を行っておりますが、今委員の方から御紹介ございましたとおり、平成三十年の監督指導結果を申し上げますと、二百九十の事業者に対しまして監督指導を実施しまして、このうち五三・一%の百五十四の事業者におきまして労働基準関係法令の違反が認められたというところでございます。  廃炉作業に従事される労働者の方が安心して働くことができる環境の確保ということは重要な課題であると認識しておりますので、労働基準監督署におきます監督指導等によりまして、廃炉作業を行う事業場に重点的な指導を行って、今後とも、廃炉作業に従事する労働者の労働条件、安全衛生の確保にしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
  67. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 政府は、これは、教育を適切に実施するよう関係事業者を指導しているとしています。でも、関係事業者とは誰でしょうか。東電がやるんですか。それから、これ、何次下請というふうになったときに、じゃ、現場の特定技能労働者に対して様々なことがきちっと言葉で指導ができるんですか。
  68. 坂口卓

    ○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。  今委員の方から御指摘ございましたのは、前回の御質疑の中でもお答え申し上げました、労働安全衛生法令において、放射線業務従事者や除染等の業務従事者の健康障害を防止するために、事業者に対して安全衛生教育の実施等を義務付けております。そして、今年の三月に、通達におきまして、外国人労働者を就業させる業務については、母国語に翻訳された安全衛生に関する教材や視聴覚教材を用いた教育、理解度を確認しながら継続的に教育を繰り返すことなどを適切に実施するよう、関係事業者を通達において指導することとしておるところでございます。  そこの中でのこの関係事業者ということでございますけれども、この通達につきましては、全事業者を対象としておりますので、東京電力はもちろんのこと、東京電力以外の元方事業者あるいは関係請負人というものも含んでおるというものでございます。
  69. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 ベトナムの技能実習生が、原発の除染に関して一切告知されずに連れていかれて、実は除染作業に従事させられていたということが大問題になりました。言われていないんですよ。何の告知もされていないんですよ。教育もないんですよ。東電に対してでは駄目ですよ。現場に浸透しなければならない。そんな担保はできるんですか。
  70. 坂口卓

    ○政府参考人(坂口卓君) 私どもとしましては、先ほども通牒について御紹介を申し上げましたけれども、この外国人労働者の方が安心して就業できるようにということで、元方事業者あるいは関係請負人も含めました対応ということについての指導をしっかり行ってまいりたいと思います。
  71. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 廃炉作業で労働者が欲しい、しかも使い捨ての労働者が欲しい、本国に帰っていく労働者が欲しい。外国人、このような活動で使ったら駄目ですよ。  入管法の改正案で、まさに特定技能を入れるかどうか大問題になりました。真っ先に出てきたのが、まず、この東電の廃炉作業に特定技能一を使うということですよ。これ、やめるべきですよ。今日は法務省にも来てもらっていますが、厚生労働省、これ歴史に汚点残しますよ。すさまじい問題が起きますよ。絶対に認めてはなりません。  労働者が退職するときに、放射線管理手帳が事業者から労働者に対して返却されるというふうに一般的には言われておりますが、放射線管理手帳そのものの返却が法令で義務付けられているわけではありません。電離則第九条、除染電離則第六条に規定されている、記録内容を労働者に遅滞なく知らせる義務は明記されておりますが、手帳そのものの交付は法令上義務付けておりません。実際、手帳を無理やり返してもらったら、最後の数か月間書かれていなかったという日本人労働者のこともあります。  外国人、手帳をもらわなかったら、口頭で言われても、知らされても、自分の被曝線量把握できないじゃないですか。制度に欠陥があると思いますが、いかがですか。
  72. 坂口卓

    ○政府参考人(坂口卓君) 今お尋ねの点でございますけれども、まず、放射線管理手帳ということで御紹介になったのは、これは民間の取組によって管理されているというものかと承知しておりますけれども、この手帳の趣旨からいきますと、そういった被曝線量等が記入されるもので、労働者の御本人が所有されるものということで理解しておりますので、本来、労働者が離職される際には返還されるべきものと理解を私どもとしてもしております。  ただ、放射線管理手帳そのものについての法令の位置付けということについてのお尋ねでございましたが、今委員の方からも御紹介ございましたとおり、私ども、安全衛生法令におきましては、事業主に対して、一定の作業中の被曝線量の測定記録、それからその記録の三十年間の保存、それから事業者に対して、記録された線量を遅滞なく労働者に知らせることということを義務付けておりますので、こういった点についての適切な実施ということをまずもってはしっかり指導、担保してまいりたいと考えております。
  73. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 それでは駄目ですよ。外国人の人が日本を離れるときに口頭で放射線量をたまたま言われても、その紙がどうなったのか。今答弁してもらったように、手帳の交付は義務付けられていないんですよ。だったら、本国に帰って、自分が幾ら累積して五年間被曝したか分からないかもしれないじゃないですか。制度に欠陥があるんですよ、分からないんですから、本人が。もちろん、知らされるといっても、手帳などをもらわない限り分からないですよ。  お聞きをいたします。  特定技能、入管法が改正されて四月から施行です。私は、まず、東電の廃炉にこの特定技能一号を使うということを東電が言い、それを厚生労働省も法務省も経済産業省も是認しているということにすさまじくショックを受けております。特定技能、五年間で帰りますよね。五年間百ミリシーベルト以上被曝をして帰るかもしれない。とにかく五年間で帰る。ベトナムもマレーシアもカンボジアも原発はありません。白血病や骨髄性白血病やがんや、いろんな治療に関して、放射線量についてのいろんな知見や病院は不十分だというふうに言われています。当事者や支援団体、NGO、原子力資料情報室、様々なところが非難、抗議、懸念の声を上げています。  本国に五年たったらまさに帰ってしまう。悪いけれども、使い捨て労働者として廃炉の原発で使うんじゃないですか。五年たって帰って、じゃ、大臣、お聞きしますが、その人、本国に帰って、原発の被害による労災の申請、できると思いますか。
  74. 坂口卓

    ○政府参考人(坂口卓君) お尋ねの点でございますけれども、労災補償につきましては、本国に帰国後ということでありましても、制度上、日本国内の事業に従事した業務が原因で疾病に罹患した場合であれば我が国の労災補償の対象となり得るということでございますので、私どもとしましては、外国人労働者の方について、業務上等で被災された場合に労災請求が円滑に行われるようにというような形で、ホームページ等も含めましての周知であったり、あるいは外国人向けの相談コーナー、ダイヤル等での相談ということを行うことによってそういった対応ができるように、しっかり今後も取り組んでまいりたいと思います。
  75. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 想像力がないですよ。しかも、こういうことを真っ先にやったら駄目ですよ。  労災認定するのがいかに大変か、原発で働いた人々が白血病や骨髄性白血病になって労災認定がいかに困難か、その立証をすることがいかに困難か、因果関係とかどんなに大変か見てきています。大変なんですよ。五年間特定技能で働いて本国に帰る、病院やいろんなケアも不十分かもしれない、そんな中、労災認定ができますから十分できますよという答弁、全くナンセンスですよ。本国に帰ったら本当に何もできない可能性が極めて高い。  私は、これ、わざとやっていると思います。特定技能の外国人は五年間しか働かない、更新はされない、本国に帰るんですよ。本国に帰っちゃったら、もう労災認定もできない。廃炉の原発の労働に従事したことによるすさまじい被害が海外に行っちゃって分からないんですよ。こんなの、まさに棄民政策あるいは労働者の使い捨てじゃないですか。労働者が喉から手が出るほど欲しい、だから外国人の使い捨てですよ。  法務省、入管法の改正やって、こんなのでいいんですか、こんなのでいいんですか。
  76. 丸山秀治

    ○政府参考人(丸山秀治君) お答え申し上げます。  御指摘の福島第一原発の作業には様々作業があって、その意味するところは一義的ではないため、特定技能外国人が従事できるこの可否については一概には申し上げることは困難だと考えております。個々の外国人が従事する活動内容に即して個別の事案ごとに審査することになると思います。  なお、ただし、仮に特定技能外国人の受入れが認められる場合であっても、入国前の事前ガイダンスなどを通じまして、従事する業務の内容とか従事場所等の詳細について外国人本人が十分理解した上で雇用契約を締結しているか、受入れ機関が労働関係法令を遵守できる機関であるかどうかなどについて厳格に審査することとなります。
  77. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 入管法の改正がまさに原発廃炉のすさまじい労働の使い捨てだというのは恥ですよ。こんなことを認めたら駄目ですよ。これ、日本の政治の問題ですよ。私たち、いいんですか、こんなのを認めて。駄目ですよ。労働者のまさに使い捨てじゃないですか。外国人労働者の使い捨てじゃないですか。労災認定がほぼできないことを見越して日本で働かせるんですよ。駄目ですよ、こんなのを認めたら。私は、本当に何か、気持ちがあるのかというふうに思います。入管法改正、こんな形で原発廃炉に外国人使う。駄目ですよ。本当にこれは是非再考していただきたい。私たちも声を上げて、こんなことをさせてはならないということを声を上げていきたいというふうに思います。  次に、コンビニ問題についてお聞きをいたします。コンビニ問題、進捗しているでしょうか。これ、きちっと取り上げていただきたい。  昨日も勉強会がありましたが、そこのユニオンにもたくさんの手紙やたくさんのいろんなものが寄せられて、私もそれを実は見させていただきました。試験的に時短に協力するということをやろうとすると、売上げが落ちたら契約を解除すると言われている。結局、怖くてできないですよ。時短の実験に協力して、その結果、売上げが落ちたら契約解除すると言われているという手紙を私も見せていただきました。できないですよ。本部は時短を推奨していない。みんなは契約更新されなかったら大変だから、結局、声上げられないんですよ。時短の実験に協力するコンビニ加盟店がないということになりますよ。  これ、優越的地位、今日、公取にも来ていただいていますが、優越的地位を利用したまさに大問題じゃないですか。三百六十五日二十四時間営業、韓国もこの強制はさせないというふうにしました。日本でも調査チームつくって、これ、コンビニの会社に委ねるのではなく、認めるべきではないですか。  また、経産省来ていただいておりますが、今日、添付資料に、まさにこのユニオンのコンビニ店長の皆さんたちの要望書を付けております。本当に、みんな、こういう声を聞いてくださいよ。いろんな手紙もらっています。ユニオンに寄せられた手紙も見ています。百メートルの間にセブンイレブンが六軒ある、もう潰れる、大変、そんな声も聞いています。こういうことを本当にメス入れるべきじゃないですか。月五百時間働いているコンビニ店長、家族が自殺した、そんな声も聞いています。どうですか。
  78. 藤木俊光

    ○政府参考人(藤木俊光君) お答え申し上げます。  コンビニエンスストアに関しましては、この三月末まで経産省の方で調査を実施しておりまして、その結果、オーナーの満足度の低下や人手不足の深刻化ということが確認されたところでございます。  このため、まず、四月五日に、世耕大臣がコンビニ各社の経営者を集めまして直接意見交換を行いまして、本部とオーナーの共存共栄を図る自主的な取組を行動計画として打ち出すということを要請したところでございます。これを受けて、各社、四月中に、例えば省人化設備の導入でありますとか営業時間の柔軟化、本部の支援強化、オーナーとの対話強化といったような行動計画を発表されたと認識しております。  我々、こういった行動計画について、まずメッセージとして打ち出したということは一歩前進と思っておりますが、今後、行動計画をスタートとしまして、オーナーと本部が共存共栄のためのコミュニケーションをしっかりと取って深めていっていただくということが重要だというふうに思っております。  さらに、経済産業省といたしましても、この行動計画の実施状況を見ながら、オーナーあるいはユーザーといった幅広い関係者からもお話を伺いながら、各社の計画のフォローアップ、こういったことに努めてまいりたいと考えております。
  79. 東出浩一

    ○政府参考人(東出浩一君) コンビニの二十四時間営業の問題につきまして御質問いただきましたけれども、まず、契約の入口のところでございます。  本部が加盟店に対しまして二十四時間営業を条件としてフランチャイズ契約を締結することにつきましては、第三者に対する統一したイメージを確保する等の目的で行われる、加盟店に対して十分に説明がなされていて、かつ加盟店がこれに同意しているという場合には、直ちに独禁法上問題となるものではないというふうに整理をしております。  ただ、契約締結後におきまして、例えば本部が加盟店に対して一方的に営業日や営業時間を変更するなどにより、加盟店に不当に不利益を与えることとなる場合には、独占禁止法上問題となるおそれがあるということがございます。  また、契約期間中に事業環境が大きく変化したことに伴いまして、取引の相手方が優越的地位にある者に対して契約内容の見直しを求めたにもかかわらず優越的地位にある者が見直しを一方的に拒絶すること、これが、独占禁止法第二条第九項第五号ハにございます、取引の相手方に不利益となるように、ちょっと途中飛ばしますけれども、取引を実施すること、これに該当すると認められる場合には、優越的地位の濫用として問題となり得るというものでございます。  一般論として申し上げますと、そういうことでございます。
  80. 福島みずほ

    ○福島みずほ君 時間ですので、終わります。取り組んでください。よろしくお願いします。
  81. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時四十三分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  82. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、青山繁晴君及び佐藤啓君が委員を辞任され、その補欠として柘植芳文君及び猪口邦子君が選任されました。     ─────────────
  83. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) 休憩前に引き続き、社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  84. 川合孝典

    ○川合孝典君 国民民主党・新緑風会の川合孝典でございます。  一般質疑ということで、前回、一般質疑のときに年次有給休暇の取得の関係について少し御質問をさせていただきましたが、引き続き、働き方改革を進める上での休暇、休日に関わる件について御質問をさせていただきたいと思いますが、その前に、本日、これから審議に入ってまいります女性活躍推進法、この法案審議に入る前に、この法律の条文内容についてのちょっと問題提起をさせていただきまして、今後の審議促進に資するようにしたいと思いますので、ちょっと私の疑問に対して、大臣並びに厚生労働省の皆さんにはお答えをいただきたいと思います。  お手元に、私、資料を配付させていただきました。これ、法案条文、厚生労働省から出た資料からコピーして抜粋したものでありますが、女性活躍推進法の第十二条、基準に適合する認定一般事業主の認定についてという認定の在り方についての記載がございます。この中で色を付けてありますところですが、当該一般事業主行動計画に定められた目標を達成したことということで、いわゆる過去形の表現がなされておりまして、その上で、いろいろと書かれていた上で、この達成する上で業務を、いわゆる女性活躍の推進する業務を、企業の中で担当者をきちんと選任していることですとか、当該女性の職業生活における活動の推進に関する取組の実施状況が特に優良であるものといったような表現が記載されております。  こうしたことを充足することが厚生労働省令で定める基準に適合するものであれば認定をしますよという、こういう記載になっておるんですけれども、その後段の第十三条のところに、この前条の認定を受けた一般事業主については第八条第一項及び第七項の規定は適用しない。これ、何を書いてあるかというと、この第八条のところの文言というのは、いわゆる女性活躍推進に関わる計画策定をしなくていい、しなさいという要は規定を適用しないという、こういうことに実はなっているわけでございます。  私が違和感を感じておりますのは、選任をしている、若しくは特に優良なものであるという現在進行形の話で、要はチェックをして、チェックをした上で認定を行うと言っているにもかかわらず、この現在進行中のものに対して計画策定が免除されるという規定になっているのは、これ矛盾しているんではないのかという、こういう、私、素朴な疑問を感じたわけなんですけれども、このことについて、厚生労働省の説明を求めます。
  85. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) お答え申し上げます。  まず、条文の構造は今御指摘をいただいたとおりでございます。そのうち、第十二条のその行動計画に定められた数値目標を達成したこと、これは過去形で規定されておるとおり、プラチナえるぼし認定の申請時に計画を達成したということを意味しております。これは言わば第一関門である関所を通過したという意味です。  その上で、専任者の選任ですとか、それから女性活躍推進の取組の実施状況が特に優良なものであること、これは条文上も現在形で規定されておりますように、認定後も満たし続ける必要があるということであります。そして、この認定の特に優良なものであるというその基準につきましては、今のえるぼし認定よりも高い水準の定量的な基準を満たすことを求めるということにしております。  今御指摘は、その第一関門である達成したことという基準と、その後の継続的な基準の部分が同じ条に混在して分かりにくいのではないかという御指摘だと思いますけれども、この点は、条文上は今申し上げましたように書き分けが行われておるところでございまして、今後の認定制度の周知などに当たっては、こうした基準の内容について分かりやすく丁寧に周知をしてまいりたいというふうに考えております。
  86. 川合孝典

    ○川合孝典君 衆議院の質疑されておられますので、多少知恵を絞って答弁をされたことは感じましたけれども。  私が指摘させていただきたいのは、要は達成したことということで過去完了の話ですよね、既に完了している話ですから。要は、これは完了しているわけだから、計画はその後は策定する必要は一切ないという理解ですよね。その後の文章というのは、選任しているかどうかとか、特に取組が優良であるかどうかということについては継続的にチェックしなければいけないという話ですよね。それ、どこでどう読み分けるんですか、この条文。
  87. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) 今の御指摘でございますが、この十五条の二号に、第十二条に規定する基準に適合しなくなったと認めるときというふうにございますが、ここでは、事実上その後の継続的な基準のところを見ていくというふうに理解をしております。  それで、先ほどの御指摘に関連して申し上げますと、プラチナえるぼし認定を受けた企業について、そもそも行動計画を免除することの当否はどうかということに関して申し上げますと、その認定企業については行動計画による取組を促す必要がない程度までその取組の実施状況は成熟しているというふうに理解をして、こうした規定を置いておるところでございます。
  88. 川合孝典

    ○川合孝典君 私がこの話をあえて取り上げさせていただいたのは、こういう規定の仕方をしているから、お忘れになったんですかね、あの電通の問題。あれ、プラチナ、プラチナ何でしたっけ、えるぼしでしたよね、(発言する者あり)あっ、くるみんか、プラチナくるみん、プラチナくるみん取っていたんですよ。結局きちんとその後のフォローをせずに、一旦行動計画を達成したからということでそのまま野放し状態になっていて、蓋を開けてみたらああいう問題が起こったという話になるんですよ。この条文見ていると、あのときの教訓が何ら生かされていないから、わざわざこれ言っているんです、言っているんです。  その上で、技術的なことでかわそうとされるのであればこちらも技術的なことで質問したいと思いますが、基準に適合しなくなったと認めるときという第十五条のこの記述でありますが、ここに言うところの基準というのは一体何ですか。
  89. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) 基準につきましては、先ほど御提示いただきました十二条のところに法律上幾つか列記された上で、その他厚生労働省令で定める基準ということで、これらを含めて今後基準を省令で規定していくということを予定しております。
  90. 川合孝典

    ○川合孝典君 そうなんですよ。基準はまだ決まっていないんです。何もないんです、これ。これから決めるという話なんですよ。その状況の中で、こういうもやっとした要は条文でこのことを縛ろうとしているわけでありまして。  私、ほかにも幾つかあるので、どんな答弁していただけるか聞いてみたいんですけど。  現在進行中の担当者を選任している、特に優良なものであるということ、これ、現在進行中のものが免除されるという、現在進行中の取組であるにもかかわらず計画策定が免除をされることになるわけですけれども、この計画策定の計画というのは一体何を意味しているんですか。
  91. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) 計画策定は、先ほど、申請時に達成していればその後は免除ということでございますが、現在形で書かれている選任ですとかその他の基準をクリアしていることということは、引き続き要件というふうになってくるわけであります。  それで、このPDCAの仕組みのところが女性活躍推進法の一つの特徴になっておりまして、女性活躍推進法は、状況把握、それから課題を分析し、そして数値目標を立て計画を認定するという、非常に厳格なPDCAを法律上規定しておりまして、これを企業に定着してもらうということを一つの大きな目標にしております。  プラチナえるぼしを認定されたような企業というのは、そうしたPDCAというものの仕組みというのは既にもう体得しておられるというふうに考えまして、より高い水準を達成してほしいということを求めております。  そのより高い水準ということにつきましては、先ほど申し上げましたように、今のえるぼし認定よりも高い基準を設定していく、そして毎年実施状況を公表する、そして基準を満たせなくなれば認定取消しも行うということで、質の維持につきましては、引き続き担保するという仕組みは取られているところであります。
  92. 川合孝典

    ○川合孝典君 今いろいろお話しされました中にある意味答えが含まれていたわけでありますが、要は、この条文の問題は、いわゆる当該一般事業主行動計画に定められた目標を達成したこと、これが一つなんですよ。それが過去に計画申請の時点で達成をしたということがまず一つ前提としてあって、それとは別に、そこまでいわゆる基準は達成していないけれども、要は目標達成に向けた取組を行っていただくということで、担当者を選任するだとか、特に取組状況が優良になってきているだとかという、そういうことでもって要は認定を厚生労働省として行いますよという、そういう趣旨ですよね。であるならば、この条文は二つに分かれていないといけないんですよ。  私がここで指摘させていただきたいのは、要は、我々がこれを読んでいるだけでもこれだけ意見が、どう読み取ればいいのかということを議論しなければいけなくなるような文章なんです、これ。ですよね、ううんって皆さん思われましたでしょう。これを公布して、一般の方々が読んで正しく理解できるのかどうかということなんですよ。その作った人が読み取り方でこう読み取れますということの話ではなくて、周知したときに皆さんがこの法律に基づいて正しく運用できるかどうかが問われていると思うんですけれども、そういう意味では、この記載については、私は、これ、だからこの法律が駄目だと言うつもりはありません。やらなければいけない、方向性は正しいと思っていますから。  が、しかしながら、この書き方だと誤解、曲解を生むことにもつながりかねないということでありますので、このことについて、どう私の指摘に対してお感じになられているか、御認識伺います。
  93. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) 今御指摘いただきましたように、その達成したことと、それからそれを、別の基準を維持していることという、過去形と現在形が一つの条文の中に混在していて分かりにくいという御指摘はおっしゃるとおりだというふうに思いますので、これから具体的な制度設計をし、それを周知していくことになりますが、その際にはきちんと分かりやすい形で周知がなされるように心掛けてまいりたいというふうに考えております。
  94. 川合孝典

    ○川合孝典君 局長にはそれ以上お答えすることができないと思いますので、ここで大臣に是非お伺いしたいと思うんですが、働き方改革、女性活躍推進、この政府が取り組もうとしている方向性については私も理解はいたしております。あわせて、今回この法案の法律改正の中にはハラスメント対策についての取組も書き込んでいただいております。昨年、私どもが提出させていただきましたパワハラ規制法案という法案、否決はされましたけれども、ハラスメント対策の重要性について政府の皆様にも御認識をいただけたことが今回のこの法律改正につながっているということで、私はそのように高く評価をしているわけであります。  であるがゆえに、私、まだ法案審議に入っていないにもかかわらず、この条文についての問題提起をさせていただいた理由は、これ、要は項目を別建てすればいいだけの話なんですよ。そうすれば読み取れるわけでありますし、二院制の意味というのは、衆議院で十分詰め切れなかった課題について、それが本当に修正すべき問題であるのならば、参議院側で指摘させていただいた上で、別に法案の中身を変えるということではないわけでありますので、修正を行った上で私は衆議院に回付すればいいだけだと思っております。  是非とも、読めないけれども運用できちんと要は厚生労働省が指導しますというようなことではなくて、そもそも誤解を生まないような法律の条文という形で公布していただくべきだと思いますが、この御判断ができるのは政治家である厚生労働大臣だけでございます。この問題提起について、今の御認識で結構ですので、お答えをいただきたいと思います。
  95. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 法律というのは、どういう制度を、どういう制度にしたい、どういう仕組みにしたいということがまずあって、そしてそれを条文に書き下ろすとどういう条文になるかなということだと思います。  今局長から答弁させていただきましたが、要は、いわゆるプラチナえるぼしというのは、通常は行動計画、これをそれぞれの企業がどういう課題があるのかと、その企業で。で、こういうことをやりますと。一連のPDCAサイクルをやって、この目標を達成するようにしてくださいねと、実はこういう前段が、前提があって、そのPDCAに非常に重きを置いて、目標を達成したということは、これはまず一つ、第一関門という話がありましたが、まずこれは第一関門としてクリアしてもらおうと。その上で、この二十九条に規定する業務を担当する者を選任しているとか、あるいは実施状況が優良であるということ、これを満たしたものをプラチナえるぼしということにしようと。  実は、こういうことをやりたいというのを、まず、私は、どういうことをやりたいのか、どういう制度にしたいのか、これが必要だと思います。これを条文に書き下ろした場合、これは立法技術ということになりますが、条文に書き下ろした場合には、先ほど説明がありました、この十二条で要件を書いた、しかし、目標は達成したことということと、選任しているということと、これが分かりにくいじゃないかという委員の御指摘だと思います。  その意味では、やはり、今丁寧に周知ということですが、こういう立法技術としてこういう条文構成にした、これはきちんと説明していかなければならないと思います。これを、何か条文を二つの条文に切り分けるかどうか、これはまさしく立法技術で、どういう条文の書きぶりがいいのかどうかという立法技術の観点からの点検、チェックのことだと思いますが、私は、この趣旨からいうと、とにかくPDCAで達成してくださいねと、達成したら、はい、ここは第一関門をクリアしたのでもう一つのこの要件を、より高度なものをクリアしたものをプラチナえるぼしということでやりたいんだと。ここが、今、実はこの立法過程でやりたかったことで。  だから、これをどう条文構成で、立法技術の中でどう書くかということが実は委員の御指摘だと思いますが、私は、この条文で、そういう理解でこの条文を作っているということなので、実は、この条文で、あとは有権解釈が厚労省にあるわけですが、これは、普通、この条文をどう解釈するかというのはいろいろお示ししていくことになりますので、そこのところは丁寧に解釈をしていく、そしてお示しをするということではないかなと思います。
  96. 川合孝典

    ○川合孝典君 皆さん、今お聞きいただいて、多分分からなかったと思うんですよ。  私が指摘させていただきたいのは、政府、要は厚生労働省としてお出ししていただいた条文の瑕疵について、私が指摘したことに対して大臣が説明に困るようなものだという事実は今分かったわけです。そうでしょう、そういうことなんですよ。  別建てにしなければとか、けちを付けている話ではなくて、厚生労働省がどうそれを理解して要は運用していくのかという話は、もちろんそのこともありますけれども、そのことと同時に、これが公布されたときにそれを見た人がどう解釈、理解できるのかということがこれ同時に重要なことなんです。だから、立法技術の問題はもちろんありますけれども、そういう意味でいくと、立法技術的にいくと非常に拙いと思いますよ、この条文、私は。過去のことと現在進行のものが同時に羅列されているわけですから。  第一ステップとして、PDCAを回すための第一ステップとしてといって前段の部分のことを大臣おっしゃっているわけですけれども、だから分けるべきだという話なんですよ。第一ステップでこれをまず達成することで行動計画策定は免除されますよと。でも、この選任しているかどうかとか特に優良であるかどうかということについては毎年きちんと報告をさせるということが前提となって、要は免除されるかどうかということの判定をするわけですよね。その上で要はレベルアップを図ろうという話なんでしょう。であるならば、これ分かれていないとおかしいんですよ。読み取れないんです。  私が大臣に言いたかったのは、いろいろ御説明いただくということではなくて、この条文が適正に運用されていくために、そのためには、適正に皆さんが理解していただけるようにするために、この条文の趣旨はいいんです、趣旨はいいけれども、どう表現するのが一番適切に皆さんに伝えられるのかということを考えたときに、この条文立てでいいのかどうかということをこれから法案審議に入るまでに議論をしてくださいということを言っているんです。いかがですか。
  97. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) やっぱり法律をどう書くかというのは、それぞれ考えて、チェックもしながら法案にするわけですが、特に法案にお出しする前にはしかるべく内閣法制局でも審査して、それでやるわけですから、そういう仕組みの中でこの条文ができ上がっている。この条文の書きぶりというのは、例えばこれをずらずらと書いていますが、例えばこれを分けて、イとかロとかハとか、そういう書きぶりだってないわけではないとは思います。  これは、ですから、私はそれを立法技術という言葉で表現しましたが、どう書くかというのは、それは立法の条文を書くという観点からどう分かりやすく書くかという観点も、当然法律ですから、それはきちんと素直に読まなければいけないと私も思いますが、だからこの書きぶりで、これをどういうふうに、どうしてこういう書きぶりにしたのかということは、委員の御指摘もありますので、ここはきちんと説明しなければいけないと、こう思います。こういうのは幾つか、それは書き方のパターンというのはあるかとは思いますが、我々がなぜこういう条文にしたのかということはきちんと説明していきたいと思います。
  98. 川合孝典

    ○川合孝典君 いや、もちろん内閣法制局も厚生労働省の担当の方も頭突き合わせて議論されたことは分かりますよ。専門家の人が作ったんだからとおっしゃいますけれど、専門家じゃない私にでもおかしいと思えるような内容なんですよ、その結果が。だから、これ指摘させていただいているわけでして、これ、このまま行きますと、どう読み取れるかというと、達成したらその後は何もしなくていいという読み取り方になりますよ、これ。少なくとも、達成したですから、過去形ですから。あとのやつは、要は現在進行中のこととして、選任を取り組むということ、取組状況が優良であるということというのを現在進行で将来にわたってチェックをしていくということが記載されているんです。  ということは、私が心配しているのは、この前段の部分の既に達成しているということをもって要は計画策定の義務すら負わなくてよくなるとなったときに、じゃ、それを、申請上げたときにはいいですよ。でも、申請上げて五年、十年たってしまって、じゃ、その後どうなったのかという話になると、さっき申し上げたように、電通さんのプラチナくるみんのような話にもなりかねないと。大臣、働き方改革としてこれやられるんでしょう。であるならば、企業に対して正確に政府の立法の趣旨というものを理解していただくように最大限の配慮をするべきだということを言っています。  要は、これから今すぐ採決するからどうこうという話じゃなくて、これから法案の審議に入るということになったときに、要は分かりやすくするために、衆参の審議で指摘を受けたことが、それが正当な主張、主張というか、正当な指摘であるということであるならば、別に過ちを改めることに恥ずることはないわけでありますので、だから、見直すということについて、大臣、厚生労働省に対して、どう言い逃れするかの議論ではなくて、正しく法律を運用していく上でどういう書きぶりにするのが一番いいのかということで指摘させていただいておりますので、大臣、これから審議に入るに当たって、今後の審議を進めていくに当たっての私の質疑の態度にも関わってくる話になってまいりますので、是非、これは、大臣、これちょっと、きちんと一回持って帰ってすぐに検証を始めていただきたいと思いますけれど、このことだけちょっと確認させてください。
  99. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 私も今までいろんな法律は作ってきた経験はあります。ですから、どういう法律の条文の立て方をするかというのは、私もこれをつらつら見ながら思っていましたけど、だからそこは、この条文で、より分かりやすいという意味ではちゃんと丁寧に説明しなければいけないと思いますが、果たしてこの条文で、変える、別な書きぶりがあるのかと。それは、同じことをやりたいと思ったときに、条文の書きぶりというのは、それはある程度の幅があるんだと私は思います。その中でこういうふうに書いたということですから。  ですから、そこは委員の御指摘もありました。だから、そこは、どういう書きぶりがあって、最終的にはこういう書きぶりにしたわけですから、そこはきちんと丁寧に説明していく必要があると思っております。
  100. 川合孝典

    ○川合孝典君 説明はするけど検討はしないという理解でよろしいですか。
  101. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) やはり、こういう条文になぜしたのかと。これ、いろんな議論の中で決めてきていると思います。その意味では、その過程に先生の御指摘のような御指摘もあったかもしれません。だから、そこは立法経緯を含めて丁寧に、まず我々は丁寧にこの趣旨、あるいは内容、あるいは立法過程の議論も含めて丁寧に説明させていただきたいと思います。
  102. 川合孝典

    ○川合孝典君 大臣は、要は役所からこの法律改正案を実際見せられて、それを御覧になられてということで、報告受けて答弁に出ていらっしゃるわけですから、大臣の立場としては、実際に議論、審議を始めるに当たって精査してみたらそういう意見が出てきたということになったときに、大臣から、要は、内容についての精査を行う、今後その上でどうするのかということを大臣の方から御指導いただかなければ役所は動けないんですよ。要は、もう間違っていようが多少おかしかろうが、一つの文章の中に過去形と現在進行のものが同時に入っていてどう読めるかどうかも分からないというものであっても、役所が出してきて閣議決定したものだからもうこれはこのまま行くんだという話では私はないと思いますよ。だったら立法府必要なくなりますよね。  局長、大臣が役所が意図を持ってこういう文章にしたとおっしゃいましたけど、この十二条はどういう意図を持ってこういう分かりにくい文章にしたのか、教えてください。
  103. 小林洋司

    ○政府参考人(小林洋司君) 先ほども申し上げましたが、PDCAサイクルのところの段階を卒業したことというのが最初の達成したことです。その上で、より高い内容のものを求めていただきたいというのが後段部分であります。  そこを一緒に書いているから分かりにくいという御指摘でありますが、ここの条文を前提にしますと、この十二条にございますように、それらを含めて全て厚生労働省令で定める基準という形で最終的に包括いたしますので、その省令のところでは今御指摘いただいたようなことが誤解なくきちんと伝わるようにしていくというのが我々の務めだというふうに思っております。
  104. 川合孝典

    ○川合孝典君 水掛け論で済みませんね。ほかの質問用意していたのにこれ一問で時間全部使ってしまいましたけれども。  要は、まず前段で、PDCAサイクルを回すということで最初の基準を達成したということがまず一つあるとおっしゃいました。だから、それでいいんですよ。だから、それに対して、その後に要は文章が羅列される形でその次のステップのものを、要は到達していない企業に対する取組のことが同時並行で書かれているから、じゃ、どこまでが要は計画策定が免除される企業であって、どこまでが何を報告しなければいけないのかということが全然読めないんです、これ。  局長、分かりにくいと思いませんか、これ、理屈じゃなくて。
  105. 小林洋司

    政府参考人(小林洋司君) 計画を達成した企業であってこういう企業であることというふうに書いてあればより分かりやすいという御指摘はおっしゃるとおりかもしれませんが、いずれにしても、過去形、現在形ということで条文はきちんと書き分けております。それを最後に受けて全て厚生労働省令基準を定めるというふうになっておりますので、この厚生労働省令のところで分かりやすさということを挽回できるというふうに考えておりますので、そういう方向で対応したいというふうに思います。
  106. 川合孝典

    ○川合孝典君 もう一点だけ、これで最後にしますけれども、では、計画が免除される範囲というのはどこまでなんですか、これ。
  107. 小林洋司

    政府参考人(小林洋司君) 計画につきましては、先ほど少し申し上げましたが、各企業の状況を分析してください、課題をあぶり出してください、そしてそれにのっとって数値目標を定めてください、それで計画を作って届出、公表してくださいというこのプロセスに重きを置いております。具体的にどういう内容の水準を求めるかということは、企業の実情に応じて定められるというのがこの女活法の仕組みとなっております。  ここでプラチナえるぼしの対象になっているのは、そういうそのプロセスについては既にもう身に付いたような企業において、単に企業の状況に応じた自主的な基準ということだけじゃなくて、もっとハイレベル基準を達成してくださいと、そうしたところにプラチナ認定をしますという、そういう仕組みになっておるところでございまして、最初のところというのはあくまでも第一関門というところでクリアされるというものであります。
  108. 川合孝典

    ○川合孝典君 これでもう終わりますけれども、最後に指摘させていただきますが、要は、どこまでが免除をされる対象なのかというのが、免除をされる対象がこの十二条全体に掛かっておりますので、この書きぶりだとどこまでが対象になっているのかが読めなくなってしまっているんですよ。そのことを指摘させていただいております。  このまま行くようであれば、引き続きこの問題については追及をさせていただきたいと思いますが、本日は時間が参りましたので、これで終わります。  ありがとうございました。
  109. 足立信也

    ○足立信也君 国民民主党の足立信也です。  なかなかかみ合わない議論を聞いていて、是非かみ合うように頑張りたいなと。今日は三十分しかないので、三点に絞って質問します。  まず、死因究明なんですけど、特に高齢者、独居高齢者なんですけど、去年の十二月に、亡くなった後、いろいろ解剖やらAiも含めて、あるいは薬物検査とかして死因が確定した場合に、それを変更をする届出、この通知が出ました。厚生労働省に届ける。これは、ほかにも通知があって、それはけしからぬということで変更の形にさせていただきましたけれども、この通知は私は非常にいいことだとこの前も言わせていただきました。死因がはっきりすると、それを反映させる、統計にですね、極めて大事なことだと思います。  今後を考えたら、独居世帯が増えていく、あるいは高齢世帯も増えていく。恐らくこれ世界で一番、独居あるいは高齢世帯の中で、属性としてですよ、その中で亡くなる人が一番多くなると思うんですよ、日本が。そうした場合に、どういう原因で亡くなるのかなというのは、世界の知見にもなりますし、その後の対策の立案にも資するものになりますし、非常に大事なことだと思うんです。少子高齢社会のフロントランナーですからね、日本が。そういった意味で、今後非常に増えるだろう、そうした場合に、個々の死因をはっきりさせるということは極めて私は大事だろうと思っています。  その観点で、私が持っている資料では、二〇一五年の六十五歳以上の独居高齢者、男性が百九十二万人で女性が四百万人というのは持っているんですが、直近で、この独居老人、独居高齢者の数は、男女、どうなんでしょう。
  110. 藤澤勝博

    ○政府参考人(藤澤勝博君) お答え申し上げます。  平成二十九年の、二〇一七年の国民生活基礎調査によりますと、六十五歳以上の高齢者は三千五百十九万五千人でございますが、そのうち単独世帯、いわゆる独り暮らしの方の人数は六百二十七万四千人となってございます。また、先ほど男女別の数字をおっしゃいましたけれども、そのうち男性の単独世帯の人数は二百四万六千人でございまして、また、六十五歳以上の女性の単独世帯の人数は四百二十二万八千人となってございます。
  111. 足立信也

    ○足立信也君 男女で六百二十六万以上、七万ですね、相当多い数なんですけれども、もう一つ皆さんが非常に気になっているのは、その中で認知症はどれぐらいの割合でいるんだろうということがやっぱり極めて大きいと思うんですけれども、これは推定でしか成り立たない話だと思いますが、この独居高齢者の方々六百二十七万で、大体推定の認知症の有病率というのはどれぐらいを想定されているんでしょうか。
  112. 大島一博

    ○政府参考人(大島一博君) 独居に限ったデータは、済みません、まだ残念ながらございませんが、六十五歳以上の高齢者について有病率を調査したものはございます。二〇一二年に行いまして、約一五%、六十五歳以上の高齢者のうち一五%と推計をしております。それが、その後の将来推計の研究事業もございまして、二〇一二年一五%の次は二〇一五年約一六%、二〇二〇年は一七から一八%程度というのが推計値になっておりますので、二〇一九年時点であれば一七%程度ではないかと推測されます。
  113. 足立信也

    ○足立信也君 数値に基づいた推計については、今、老健局長おっしゃるとおりですけど、当然のことながら、コミュニケーションが取れない。一人でいるということは、有病率はもっと高いと思いますよ。そこが認知症の一つの要素になってくるわけですから、コミュニケーションが取れないというのは。かなり高いと思います。  それは置いておいて、最近話題になる孤立死あるいは孤独死、僕もどこまでをいうのかよく分からないんですけれども、いわゆる孤独死というのは今年間どれぐらいいらっしゃる、あるいは定義も含めて教えていただければと思います。
  114. 谷内繁

    ○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。  議員御指摘の孤独の概念につきましては、本人のライフスタイルや内面の心情などにも影響を受け得るものでありますことから、一律に定義付けは困難であると考えておりまして、孤独死に関しまして厚生労働省として明確な定義を定めてはおりません。  したがいまして、厚生労働省におきまして孤独死の年間の総数といった数字は持ち合わせておらず、この場でお答えすることはできないということは御理解いただきたいと思います。
  115. 足立信也

    ○足立信也君 報道ではよく使われていますが、定義ないんですよ。  普通に考えると、先ほど私の問題提起は死因究明だと言いました。これがたとえ一人で住まわれていようが、高齢世帯であろうが、医療を受けているあるいは介護を受けているであるならばある程度推測は立ちます。しかし、そういう医療や介護を、全く給付を受けていない、訪問を含めてですね、受けていない場合はやっぱりいわゆる世間一般に言われる孤独死が多いんだろうと思うんです、恐らく。  そこで、今の定義はないということではありますが、やっぱり普通に考えると、医療も介護も受けていなくて、そして一人でお亡くなりになっている、これは孤独死なんでしょうね、解釈として。どうなんでしょうか。
  116. 谷内繁

    ○政府参考人(谷内繁君) 繰り返しになって恐縮でございますけれども、厚生労働省といたしましては、孤独死に関して明確な定義を定めておりませんことから、議員御指摘につきましてはお答えすることは困難であることを御理解願いたいと思います。
  117. 足立信也

    ○足立信也君 しようがないでしょうね、答弁はね。  そこで、実は今、死因究明の推進基本法案ですか、それを準備されています。これは二年の時限立法で、もう失効してしまった、平成二十六年にですね、これがあるわけですが、あのときの条件で、死因究明の推進計画、これはしっかり作られたわけですね。この閣議決定がないと延長はなかなか認められないという主張も私させていただきました。  その中で、今、計画の中で、この高齢世帯あるいは独居高齢者がお亡くなりになっているというときに、その推進計画ではどうやって死因を確定させるようになっているんですか、今現在。それをまずちょっとお聞きしたいなと思います。
  118. 吉田学

    ○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。  まず、基本的なスタンスとして、この死因究明等推進計画の狙いからいたしますと、この死因究明、死者の生存していた最後の時点における状況を明らかにするという目的でございますので、高齢化の進展等に伴う死亡数の増加あるいは犯罪の見逃し防止による必要性ということを考えますと、今お取り上げいただいておりますような独居の高齢者の方が死亡した場合において適切に死因が究明されるということは必要だというスタンス、そのとおりかと思います。とりわけ、今御指摘いただいておりますのは生前に訪問診療等を受けておられない独居の高齢者の方ということでありますので、一般に既往歴あるいは死亡に至る経過等が明らかでないというふうに思われます。  具体的にそれをどのように死因究明するかということから申し上げれば、個々のケース、状況によって違うかとは思いますけれども、この死因究明等推進計画に基づく一つの想定される事例といたしましては、犯罪や事故等の可能性も念頭に置きながら、いわゆる死体の検視を行う捜査機関と、その場合、それ以前に受診されていないということでありますので、検案という形で関与される医師との間を連携していただいて個々の死因究明をしていただくということになるというふうに考えております。
  119. 足立信也

    ○足立信也君 計画上こうなっているということがはっきり答えられるとそれは良かったんですが、やっぱり今後の課題だと思うんですね。  検視というのは犯罪の有無を判断するわけですけど、今検案とおっしゃいましたが、これ、検案数がかなり増えると思うんですね、相当必要になってくると思います、その対象者自体が増えるわけですから。そのときに、死因究明の推進基本法案のところで書いていますが、これは、何といっても重要性を増すのが、私は、死亡時画像診断、オートプシーイメージングだと思いますよ。やっぱり、何日かたった後に解剖しても、ほとんど得られるものはない可能性は高い。だから、Aiをそこで撮っておくということは一つ大きな死因究明のツールになると私は思いますので、是非そこら辺は、特に日がたって独居で亡くなった方を発見された場合の検案、これについては、私、重要だと思いますので、是非そこも参考にしていただきたいと思います。  二点目なんですが、これ、今シーズンというか、昨シーズンになるんでしょうか、インフルエンザになられた方は経験していると思いますけれども、ゾフルーザですね、一回の経口摂取で済むという。これ、相当な勢いで、勢いというか、相当処方されて利用されましたね。しかし、極めて残念なことに耐性ウイルスが検出されたと。この問題は大きいですよ。相当大きいこれ話なので、この点について質問をしたいと思います。  まず、皆さん御案内だと思いますが、これは先駆け審査指定というものを今やっておる中の実は第一号だったんですね。私が政務官時代のときにドラッグラグの解消というのを目指す中で、日本の場合は三つのラグがあると。これが、申請するまでのラグ、それから審査期間のラグ、そして、日本の場合は皆保険ですから、保険適用になるまでのラグ、この三つがある。だから、それぞれを早くしなきゃ駄目なんだということで、まず、二番目の審査ラグというのはほぼゼロ、あるいは今は日本がトップかもしれません、そこまで行きました。最も時間掛かるのは、この申請ラグという開発から申請に行くまでのところですね。これを早めようという手段の一つがこの先駆け審査指定だったわけです。去年の二月の二十三日ですか、第一号として認められたのがこのゾフルーザなんですね。  今までと比較して、この薬が承認されたことによってインフルエンザに対する治療がどのように変化したのかなというのをまず確認したいんです。そこで、このゾフルーザが承認された後の、分かる範囲で、厚生労働省が持っているデータで結構ですから、今まではタミフル、リレンザ、これだけだったと、でも、このゾフルーザが出たことによって使われる薬がどれだけ変化したというようなことが分かったら教えてほしいんですが。
  120. 宇都宮啓

    ○政府参考人(宇都宮啓君) お答えいたします。  インフルエンザ患者に対しましては、タミフル、リレンザ、ラピアクタ、イナビル、そして今御指摘ございましたゾフルーザ、またオセルタミビル・サワイの六種類の抗インフルエンザウイルス薬が主に使用されているところでございます。  厚生労働省といたしましては、正確な使用量は把握してございませんが、抗インフルエンザウイルス薬の安定供給の観点から、毎年十月から三月までに限られてございますが、その間で各メーカーより医薬品卸業者から医療機関への供給量を聞き取りしているところでございます。このメーカーからの聞き取りによりますと、平成二十九年度の供給量の割合は、イナビルが約四四%と最も高かったのでございますが、平成三十年度はゾフルーザが約三九%と最も高くなるというような変化がございました。
  121. 足立信也

    ○足立信也君 今までなかったものが逆に三九%を占めるということは、大きくシェアを変えたということだろうと思います。  そのことと耐性ウイルスの関連もまた気になるところですから、そこは後で質問しますけど、まず、今、先駆け審査指定、これは二十一医薬品が指定されていて、承認されたのは四つだと認識していますけれども、当然高額であるという話になります。  これで、今までイナビルが四四%だったのがゾフルーザが三九%と入れ替わって、この治療費といいますか、医療費といいますか、これはインフルエンザ一疾患一人当たりどれぐらいの変化があったのでしょうか。
  122. 樽見英樹

    ○政府参考人(樽見英樹君) 一治療当たりということで見させていただきますと、ゾフルーザの成人お一人の治療に掛かる薬剤費というのは四千七百八十九円でございます。イナビルと比較をいたしますと、イナビルの場合には治療に掛かる薬剤費が四千二百八十円ということになりますので、イナビルからゾフルーザに変更した場合には薬剤費が五百九円の増額という形になります。患者さんの御負担はこの三割ということになりますので、患者さんの御負担ベースで見ると百五十円余りという形になります。
  123. 足立信也

    ○足立信也君 分かりました。  費用対効果のことを考えると差はそれほどでもないという話ですが、問題は、その耐性ウイルスの話に移りますけど、これは、僕が調べた資料の中では、この耐性ウイルスというのは、ゾフルーザを使用した方、投与された方からも出ているけれども、全く投与されていない方からも検出されているという話がありますが、ということは、どっちなんでしょうかね。元々ゾフルーザが効かない耐性ウイルスというものが存在していたから、それなのか、あるいは急激に日本全体で使用量が増えたがために耐性を獲得してしまった、どちらに判断されているんでしょうか。
  124. 宇都宮啓

    ○政府参考人(宇都宮啓君) お答えいたします。  これまでにゾフルーザが投与された患者のほか、御指摘いただきましたように、投与されていない患者さん、この方、三名ございますが、ゾフルーザの耐性ウイルスが確認されているところでございます。一方で、ゾフルーザが市販される以前には、国内外のインフルエンザ患者から集められました検体一万七千件余りの中にゾフルーザ耐性のウイルスは一件も確認されなかったということでございます。  このことから、元々ゾフルーザに耐性があるウイルスが存在したというよりも、ゾフルーザの使用によって発生した耐性ウイルスがゾフルーザの投与を受けていない患者に感染した可能性が高いと考えているところでございまして、我々としても、引き続き、国立感染症研究所の調査を通じて、発生動向の把握等に努めてまいりたいと考えてございます。
  125. 足立信也

    ○足立信也君 極めて大事なことなんですよね。やっぱり、短期間で一番のシェアを占めるほど急激に使用されたがために耐性を獲得して、そのウイルスが感染してしまった可能性が極めて高いという話なんです。これは、科学的な面でももちろん大事ですが、行政の在り方としても、このやり方で本当によかったのかということは、問題点として残ると思いますよ。  医薬品は、これ、ある私の知人の言葉ですけど、医薬品の最大のリスクは、よく皆さんおっしゃる、副作用だって言うけど、違うんですよ。医薬品の最大のリスクは効かないことなんですよ。効かないウイルスをつくり出してしまったわけですよ、今回ね。いろいろ調べると、国際共同研究では、このインフルエンザB型については日本人が余り有効性が見られなかったみたいな報告も一部あるんです。  ということは、今後どうすればいいかの話に移りますが、たった一シーズンでそれだけ耐性を獲得させてしまって、その感染を生んでしまった。これについて、今後どういう取組を来シーズンに向けて考えているかということなんです。つまり、私の一つの考えとしては、最初に、インフルエンザ、キットいろいろありますけれども、陽性だけ出た時点で非常に多くの方に投与してしまったからこうなった可能性がある。もう少し効くタイプ、効かないタイプが分かった時点でという考え方も当然あると思うんですよ。  そこで、このワンシーズンの反省に立って、耐性を生んでしまったということ、これ日本が誇る抗インフルエンザ薬だという評価であったと思うんですが、この耐性を生んでしまったというのは、逆に言うと物すごいマイナス効果になったわけで、今後、来シーズンに向けてどう取り組む予定なのか、聞かせてください。
  126. 宇都宮啓

    ○政府参考人(宇都宮啓君) お答えいたします。  まさに耐性ウイルスの発生というものは重要な問題だと認識してございます。  現在、国立感染症研究所におきまして、ゾフルーザに耐性のあるインフルエンザウイルスの発生動向調査を行っているところでございまして、厚生労働省としてはその動向を注視しているところでございます。また、このゾフルーザにつきまして、現在、日本感染症学会におきまして、その適切な使用方法について指針を作ることを検討していると伺ってございます。  今後、我々といたしましても、国立感染症研究所や日本感染症学会の有識者等の意見をよく伺いながら、次のインフルエンザの流行シーズンにおける対応を考えてまいりたいと考えているところでございます。
  127. 足立信也

    ○足立信也君 冒頭に大臣とかみ合う議論をと言って、まだ答弁が一度もないので。  今の話で、日本が誇るこれは新薬だと思って極めて早期に承認した第一号が耐性ウイルスを生んでしまったという可能性が極めて高い。で、同じように使うというわけには、今、宇都宮さんの答弁にあったように、いかないと思うんですよ。大臣は、来シーズンに向けてどういう点に注意する、具体的には難しいかもしれませんが、やはり考え直さなきゃいけないと思うんですよ、一度考え直さないと。その点について、大臣の今の方針、一部でも聞かせていただければと思うんですが。
  128. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 今、ゾフルーザの課題、問題点、今委員から非常に整理されて問題提起を聞かせていただきました。  やはり、まずは国立感染症研究所、これが発生動向調査を行っていますので、これはしっかりとその動向を注視していかなければいけないと思います。  それから、効くタイプ、効かないタイプがあると、先生のそういう御指摘でありました。その意味では、ゾフルーザについて、日本感染症学会、要は適切な使用方法についての指針を作るということを検討しているという答弁をいたしましたが、やはりその適切な使用方法どうあるべきかと、これはしっかりと指針について検討していただきたいと思っていますが、これは、国立感染症研究所やあるいは日本感染症学会の有識者の意見をやっぱりよく聞きながら、今、じゃ、具体的な留意点がどういうものがあるか、いろいろと足立委員から御指摘がありましたが、具体的にこういうことがあるんですよということについては、たった今私の方から言えることは、まさにそれはこれからだろうと、こう思っておりますので、次のインフルエンザの流行シーズンにおける対応、これはよく考えていきたいと思います。
  129. 足立信也

    ○足立信也君 今のままやるという気持ちはないようなことは伝わってきました。  最後に、HPVワクチンのことなんですが、これ、私、歴代の厚生労働大臣に一人ずつ必ず聞いているんですよ、積極的勧奨を再開するかしないかという決意です。去年のノーベル賞医学生理学賞本庶佑先生が受賞後の記者会見で、日本の子宮頸がんワクチンの接種状況は国際的に見ても恥ずかしいと、わざわざ記者会見でおっしゃったんですね。そして、もう結論は出ていると。それから、根本大臣にも、子宮頸がんワクチンの積極的接種の勧奨再開の要請を本庶先生自身がされたと思います。  そこで、これ思い出すのは、タミフルに似ているんですね。小児に投与したら異常行動が出て危険じゃないかということで、一旦、十代ですか、使用を原則禁止しましたけど、結局因果関係がないということで、再開されるまで十一年掛かったんです。これ、国民の皆さんはHPVワクチン接種する努力義務が課されているのに、積極的勧奨をやめてもう六年ですよ、六年。私が塩崎大臣に聞いたのは二〇一六年の五月で、このときは、塩崎大臣は、疫学調査を今やっているからその結論が出るまで待ってくれみたいな話。二〇一八年に、これ四月です、加藤大臣に聞いたら、もうこの疫学的調査については結論が出ているんだけれども、情報提供手段としていろいろつくって国民の皆さんにリスクとベネフィット両方を、よく情報が届いているかの評価をこれからすると。そんな評価方法がどこにあるんだと聞いたわけですけど、多分ないですね、その答えはなかったですが。  要は、ちょっと仮の数字言いますよ。仮にこのまま、今一%の接種率ですけど、二〇二〇年から二〇七〇年までの五十年間でこの接種がされない状況が続いた場合、子宮頸がんのがん患者の罹患数は十万八百六十四人、死亡者数の推計は二万二百三十五人、世界の中で日本だけがという状況になると思いますね。  御案内かと思いますけれども、もう既にこれ男性の方がHPVの感染率は高いわけで、男性、男児への接種も始まっています、イギリス、アメリカ、カナダなど二十か国以上。そういう状況の中で、六年間たって、それからいろいろ条件、理由付けをするけどみんなそれをクリアしてきていて、あるいは国民の皆さんに正しい情報が伝わっているかどうか評価するなんて、そんな方法なんかないと私は思いますけれども、そういう理由を付けながら一向に前に進まない。  大臣としては、本庶先生から要請を受けたことも踏まえて結論を出す気があるのかどうか、あるいは接種の再開、勧奨をする予定があるのかどうか、それをお聞きしたいと思います。
  130. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 私も、本庶先生が私のところに来られたときにそういうお話は承りました。  これについては、今審議会において、国民の方々に適切な理解をいただけるよう情報提供の方法なども含めて議論を行っていただいております。その議論も踏まえて、HPVワクチンの接種の在り方、これについては検討をしていきたいと思っております。  二十九年十二月の審議会では、国民にHPVワクチンの有効性と安全性の両方をよく理解していただくことが必要であって、そのため、国民に対する情報提供を充実すべきだとされました。これを踏まえて、HPVワクチンに関する既存のリーフレットの内容を改めた上で、HPVワクチン接種を検討している方などに情報提供を行っております。そしてまた、平成三十年度に、そのリーフレットの自治体での活用状況などの調査、リーフレットの認知度や内容の理解等に対する国民向けの調査などを実施して、現在、その調査結果を整理しております。  情報提供の評価、そんな評価ができるのかという委員からのお話もありましたが、今後、審議会においてこの情報提供の評価、情報がどの程度国民に届いているか、あるいは届いた情報がどのように理解されたかといった観点から、情報提供の在り方を含めて議論をする予定であります。  情報の発信側については、情報を求める方に情報が届いているかを評価するために、市区町村におけるリーフレットを含む情報提供の実績についての全市区町村を対象としたアンケート調査、あるいは、情報の受け手側については、幅広い年代における予防接種や子宮頸がん、あるいはHPVワクチンに関する情報をどのように把握しているかなどについて、調査会社が持つパネルを対象にインターネット調査もしようと思っておりますが、要はこの情報提供の評価なども含めた議論を行う予定であります。  引き続き、この接種の在り方、これはこれからも審議会の議論も踏まえて検討していきたいと思います。
  131. 足立信也

    ○足立信也君 遅々として進まずと。  終わります。
  132. 河野義博

    ○河野義博君 公明党の河野義博です。  予防医療、健康づくりに関してまず伺います。  人生百年時代におきまして、健康寿命を延ばしていくということ、そして生活の質を維持していくということが非常に大事だと思います。現在の医療費をめぐる財政論議は疾病に対する対処的な内容に偏っている傾向があり、医療保険制度は維持しつつ、今後は、積極的な疾病などの予防や健康づくりを評価するための制度設計、これが非常に大切なんだろうというふうに思います。これによりまして、妊娠、出産から高齢期まで切れ目のない健康長寿社会を目指すべきだと考えております。  そのため、国民が乳児期から老齢期まで生涯を通じた健康診断の情報、これを一元管理を目指して、健康診断の実施機関などが保有しますデータの仕様、これを標準化するということがまず一丁目一番地として喫緊の課題であるというふうに私認識しますが、厚労省としてどのようにお考えか、聞かせてください。
  133. 宇都宮啓

    ○政府参考人(宇都宮啓君) お答えいたします。  御指摘いただきましたように、健康寿命の延伸に向けて、個人が生涯にわたって自らの健康情報等を閲覧しまして予防や健康づくりに活用していくために、パーソナル・ヘルス・レコード、PHRと申し上げておりますが、これを推進することが重要であると考えてございます。  推進に当たりましては、健診などの情報が一生を通じてつながることが個人の健康管理に不可欠でございまして、厚生労働省としては、データの仕様の標準化や電子化の取組を進めているところでございます。既に特定健診につきましては、健診実施機関などが実施した場合の記録については、標準的な仕様を定め、かつ、それを電子的に取り扱うこととしてございます。一方、特定健診以外の一部の健診の中には、健診結果の記録様式が定まっていないものや、健診結果が紙媒体で保存され、電子化されていないものもございまして、今後、標準的な仕様を定めて、相互互換性のあるデータで管理、提供される必要があると考えてございます。  今後、健診データの仕様の標準化や電子化に向けて、健診等専門委員会などで有識者の方々に御議論いただき、その在り方について検討してまいりたいと考えてございます。
  134. 河野義博

    ○河野義博君 先ほども申し上げましたが、これ一丁目一番地だと私思います。医療費、四十兆円産業でありまして、民間からすれば、高齢者が増えていくから医療費が増えていきます、それが当たり前というのはなかなかおよそ考えられないわけで、四十兆円の産業の中で各自がばらばらのデータでばらばらの管理をしていて、システムも全く違います、そこに整合性が取れていませんというのは、いち早く改善してしかるべきだと思います。  累次にわたってこの委員会でも取り上げられましたが、まさに健康診断データも一丁目一番地でありまして、行く行くはやはり診療データもしっかり匿名性を確保しながらビッグデータとして活用していくというのは、およそもうやっていなきゃいけない話だろうと私は思いますので、しっかりとこれは進めていただきたいと思います。  次に、地域の医療体制の確保と医師の働き方改革に関しまして。  この四月から、働き方改革関連法、順次施行されております。医師についても、この三月、医師の働き方改革に関する検討会の報告書が取りまとめられまして、医師は、医師法十九条、応招義務はありますものの、報告書にもありますように、それを理由に際限なく長時間労働を求められてはならないというのは当然であります。一方、地域の医療体制確保というのも重要でありまして、医師の働き方改革というのはこのバランスをいかに図るのかという点に集約されるんだろうというふうに思いますけれども、今回の取りまとめでは、地域の医療確保暫定特例水準というのを設定しまして、都道府県が対象医療機関を特定することとしておりますけれども、この特例水準の早期の解消ということが必要なんだろうと思います。  そのため、先ほど来申し上げていますICTの導入による効率化、また勤務環境の一層の改善などが必要であるというふうに思います。そのためには、一定の財源措置等必要であろうかと思いますけれども、医師の労働時間短縮に向けて取組を教えてください。
  135. 吉田学

    ○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。  今委員お触れいただきましたように、医師の働き方改革に関する報告会の報告書におきましては、二〇二四年四月以降、診療に従事する勤務医に適用される、まず一般的な時間外への上限時間の水準を原則月百時間未満、年で申し上げれば九百六十時間以下といたしました。その上で、地域医療確保のためにやむを得ず医療機関を限定して設定する暫定的な特例水準として、連続勤務時間制限あるいは勤務間インターバルなどの追加的健康確保措置を講じた上で原則百時間未満、年千八百六十時間以下という、いわゆる暫定水準という形にされているところでございます。  この暫定特例水準の終了年限は二〇三五年度末を目標としておりますので、それまでの間あるいはそれ以前において医師の労働時間の短縮を図っていくためには、医師が行っている業務の他の職種への移管、ICTなどの技術を活用した効率化、当直明けの勤務負担の緩和、勤務間インターバル制度の導入など、勤務環境改善について全力を挙げて総合的に取り組まなければいけない、そして、そのように取り組んでいただく個々の医療機関に対する実効的な支援が必要だというふうに私ども思っております。  財政面の支援としましては、今年度、令和元年度予算において、タスクシフティング等勤務環境改善推進事業というものを新設いたしました。これによりまして、タスクシフティングやICTを活用する勤務環境改善の先進的な取組を行う医療機関に対してその必要な経費を補助するとともに、その効果、課題について検証、評価をして周知をしていくという形で、先進的な取組を全国に広げるということにしております。  また、今年度、令和元年度の税制改正におきまして、医師及びそのほかの医療従事者の労働時間短縮に資する機器などを新たに特別償却制度の対象といたしました。  厚生労働省としましては、医師の勤務環境の改善状況や関係者の御意見なども踏まえながら、医師の労働時間の短縮に向けて必要な支援を講じてまいりたいと考えてございます。
  136. 河野義博

    ○河野義博君 その状況、地域によって様々でありますが、ICTを用いて進めていくという答弁でありました。是非ともお願いしたいと思います。  沖縄の北部では、約十三万人が沖縄本島北部地域に暮らしておられますけれども、名護市にあります県立北部病院、それから同じく北部地区の医師会病院というのがありまして、二つの病院が救急医療などを担っております。二つの病院で十五の診療科が重複しているということによりまして診療体制が手薄となっていまして、医師の負担が増えております。その結果、沖縄北部では深刻な医師不足の状況にありまして、産婦人科などの診療制限や緊急患者の受入れ制限が発生しているという深刻な状況にございます。  また、患者は中南部に流出しておりまして、その流出率も二二%に上ります。患者数が減っていく、二つの病院の収益は減少しているという、この悪循環に陥っているわけでありまして、私ども沖縄県の沖縄公明党県本部としては、この二つの病院の機能を集約して、そして住民が安心して質の高い医療サービスを受けられるように、北部基幹病院の早期整備を求める署名活動というのをやらせていただきました。  昨年は厚生労働省高木美智代副大臣にこの北部の両病院にも足を運んでいただき、話を聞く機会を頂戴しまして、国としても応援していくというような御発言もいただくことができました。また、私どもの同僚議員であります、医学博士でもあります秋野公造議員も、この署名活動、県本部の議員とともに一緒に頑張ってきたわけでありまして、これまで二万二千人の署名をいただくことができました。  現在、沖縄県では北部基幹病院の設立が協議を、検討がなされておりますが、国としてもしっかり支援をしていただきたいというふうに思いますけれども、厚生労働省、総務省、それから内閣府にも来ていただいております。それぞれ御答弁をお願いします。
  137. 吉田学

    ○政府参考人(吉田学君) まず、厚生労働省からお答え申し上げます。  沖縄県、平成二十九年三月に策定いたしました地域医療構想におきまして、急性期医療の充実、安定化を図る観点などから、今お触れいただきましたように、県立北部病院と北部地区医師会病院の統合の是非について検討を行うという位置付けにされております。このため、北部基幹病院の設立に当たりまして、平成三十年の一月から、沖縄県、公益社団法人の北部地区医師会、県立北部病院、北部十二の市町村の関係者の方々が基本的な合意の形成に向けて協議をされているということを私どもも十分承知をしております。  厚生労働省としましては、地域医療構想の実現に向けた沖縄県と地元関係者の協議の状況を見守らせていただきながら、逐次必要な助言などを行う必要がある、またこれまでもさせていただいております。  全国的には、この地域医療構想の実現に向けて、医療機関の施設整備が必要な場合には地域医療介護総合確保基金を活用して財政支援を行うことができます。令和元年度の予算におきまして、この基金につきましては、公費ベースで前年度より百億円増額した千三十四億円を確保してございます。  今後とも、沖縄県あるいは地元関係者などの議論の進捗を踏まえて、この総合確保基金の活用についても十分に御地元の要望を伺いながら、厚生労働省として引き続き必要な支援、努力してまいりたいと思います。
  138. 沖部望

    ○政府参考人(沖部望君) お答え申し上げます。  ただいま厚生労働省からお話のありました地域医療介護総合確保基金につきましては、都道府県におきまして、国から交付率三分の二の交付金を受け、積立てを行うものでございますが、その地方負担分三分の一につきまして普通交付税措置を講じているところでございます。  また、総務省におきましては、平成二十七年に新公立病院改革ガイドラインをお示ししまして、再編・ネットワーク化に積極的に取り組むよう要請しております。そのため、必要となる施設設備の整備につきまして手厚い地方交付税措置を講じております。  個別の病院への財政措置につきましては、経営改革の実情をよくお聞きし、支障が生じないよう適切に対応してまいりたいと考えております。
  139. 北村信

    ○政府参考人(北村信君) 内閣府でございます。  北部地域において医師不足の解決を図り、安定的な医療提供体制を確保することは、重要な課題であると認識しております。  内閣府におきましては、これまで沖縄県内の病院の整備に関して、県立八重山病院等において沖縄振興公共投資交付金、いわゆるハード交付金を活用して支援を行ってきております。  こうした事例も踏まえながら、北部基幹病院が整備されることとなった場合には、厚労省、総務省とも連携しながら、内閣府としても必要な支援に取り組んでまいります。
  140. 河野義博

    ○河野義博君 私が補足する立場でもないんですが、この総合確保基金で建設する場合には、複数年度においても分割して利用が可と聞いております。  総合確保基金を使う場合には、重複しますが、国が三分の二、県が三分の一ですが、この県の三分の一部分には地方交付税措置がされるということでありますので、この基金で賄える分に関しては実質的には自治体の負担は生じないと。かつ、それではみ出る部分がある場合には、様々なハードの支援が利用できるということなんだろうというふうに思います。  国としても、これ、北部の、医療過疎地域になっておりますので、これは喫緊の課題であります。県の協議がまとまり次第、国としても積極的に御支援をいただきたいというふうに思っております。大臣も大きくうなずいていただきました。ありがとうございました。  次に、病院歯科の充実を求めたいと思います。  病院歯科の役割は、歯科疾病に対する外科的な手術のみならず、医師など多職種と連携を図りながら、入院患者に対して手術後の口腔機能管理など、合併症対策に重要な役割を果たしています。在宅などの患者に訪問歯科診療が実施されておりますけれども、訪問で十分な治療を行えない場合には、短期入院によって集中的に歯科治療ができれば患者としてもメリットが大きいわけであります。  しかし一方で、現状、全国の病院、八千四百か所ありますが、そのうち歯科が設置されておりますのは千八百か所、二割にすぎず、しかも歯科医師が一名で対応しているところがそのうちの四割ということで、多様化する実情に必ずしも対応できていないという状況がございます。  病院歯科の充実に向けた取組、強化すべきだと思いますが、御所見をお願いします。
  141. 吉田学

    ○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。  病院歯科の役割につきましては、私ども、平成二十九年末に検討会が設けられていましたけれども、その中間報告として歯科保健医療ビジョンという形でまとめましたところの中にもございますように、入院患者に対する口腔機能の管理あるいは歯科診療所では対応できない患者の対応ということで重要であるというふうに認識してございます。  このビジョンで示された内容を実現していくために、地域の実情に応じた歯科保健医療提供体制の構築を目的とした新しい予算を、今年度から歯科医療提供体制推進等事業として展開してございます。この事業の中では、歯科医療専門職の配置や医科歯科連携部門の設置などによる病院歯科の充実に向けた地域における医科歯科連携の取組の収集、検証、今お話ございましたように、地域の方々に御理解をいただいて進めるという観点から、このような先行事例、好事例を収集をした上で全国に紹介することが大事だというふうに思っております。  また、入院歯科に対する歯科保健医療推進に向けては、地域医療支援病院あるいはがん診療連携拠点病院などにおいて口腔管理を行うために、これ都道府県の事業となるかと思いますが、歯科医師及び歯科衛生士を配置するという場合には、地域医療介護総合確保基金、先ほどの総合確保基金でございますが、これも利用できるという形になってございます。  こうした取組を通じまして地域における医科歯科連携などを更に推進し、入院患者に対する口腔機能管理の推進も含めて、病院における歯科保健医療の充実に向けて取り組んでまいりたいと思っております。
  142. 河野義博

    ○河野義博君 歯科衛生士不足に関して伺います。  歯科衛生士については、歯科診療所や病院ばかりではなく、施設や在宅での要介護者の訪問口腔ケア、総合病院における術後の合併症予防のための口腔機能管理など、活躍の場が広がっています。一方で、結婚、介護など、ライフイベントを機に離職する人も一定数おられるわけであります。  ちなみに、平成二十九年度の歯科衛生士養成校の卒業者は七千人であるのに対しまして、求人数は十四万件あると、二十倍の需要があるといった状況でございまして、どこに行っても衛生士足りないという話は聞くわけであります。  厚生労働省として、この歯科衛生士の人材確保の状況、どのように認識しておられますでしょうか。  また、平成三十年四月現在、百六十四校歯科衛生士養成学校ありますけれども、定員が九千五十五人に対して、入学者数は七千五百七十人にとどまっておりまして、定員割れは約六割と、六割が定員割れという状況にあります。  将来にわたる歯科衛生士の人材確保のため、定員割れ養成機関に対しては様々な支援が必要だというふうに考えますけれども、厚労省の立場をお聞かせください。
  143. 吉田学

    ○政府参考人(吉田学君) 歯科衛生士について、二つの観点からの御質問をいただいたかと思います。  まず、全体の人材確保につきましては、口腔ケアなど歯科口腔保健を担うこの歯科衛生士、非常に重要でありますけれども、平成二十八年度末時点における総就業者数が十二万三千八百三十一人、免許の登録者数に対する総就業者数の割合が四六・〇%ということになってございまして、この数自身は増加しておりますけれども、免許登録者数の半数以上が一旦離職するという実態も把握してございます。現場からもこの歯科衛生士の確保というのが切実だという御要望も伺っているところであります。  この必要なまず歯科衛生士数を明らかにする必要があると考えまして、厚生労働科学研究において今この調査研究を本年度より開始したところでございます。また、歯科衛生士さんの大部分は女性ということもございまして、ライフイベントによりキャリアを中断する方もいるということもございます。平成二十九年度予算事業からこの歯科衛生士さんの復職支援あるいは離職防止を目的とする研修事業なども講じているところでございます。  このような取組をしながらも、一方で、二つ目の御質問をいただきましたような養成施設サイドにもいろいろな課題があるというふうに関係者から伺っております。歯科衛生士の養成施設につきましては、平成三十年度のアンケート調査によりますと、養成施設の定員数に対する入学者の割合が総じて約八割、定員を満たしていない歯科衛生士の養成施設が養成施設全体の約六割になっていると承知をしております。この養成施設に対しましては、都道府県がこの設備や施設の整備に対しての支援として地域医療介護総合確保基金を活用していただくこともできるということになってございます。  総じて、歯科衛生士の確保、非常に重要な課題でございますので、まずは全体としての歯科衛生士さんの離職防止や復職支援を行う、そしてまた歯科衛生士の養成施設の関係につきましても、実態そして関係者の御意見を踏まえて、私どもとして必要な支援にこれから取り組んでまいりたいと考えております。
  144. 河野義博

    ○河野義博君 歯科技工士も足りないんだというお話でありまして、平成二十八年、歯科技工士の免許登録者数は約十二万人に対しまして業務従事者は約三万五千人、就業率は約三割にとどまっています。養成機関の入学者数も、平成七年度は三千二百人いたのが、平成二十九年には千人を割るという状況でありまして、技工士も先細っていきまして、歯科治療へ大きな影響を及ぼすことが懸念をされておりますけれども、その点、どういう対策を講じていかれますでしょうか。
  145. 吉田学

    ○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。  歯科技工士さんにつきましては、その就業される数、近年は横ばい傾向ではございますけれども、その就業されている方々の約半数が五十歳以上であるとか、あるいは養成施設に目を向けますと、入学者数が近年減少傾向にあるという実態がございまして、この担い手の高齢化、そして将来的に歯科技工士が減少するのではないかという見通しもあります。  私ども厚生労働省としましては、平成三十年度から歯科技工士の養成・確保に関する検討会というものを設けておりまして、養成について、また確保について、それぞれ必要な養成数の確保や教育の質の向上、さらには処遇改善、勤務環境改善等における課題を検討しております。また、平成二十九年度から二年掛けて、厚生労働科学研究により、処遇改善あるいは効率化に関して新たな業務モデルができないかということの提案に向けた調査研究なども行っているところでございます。  高齢者の増加に伴って、食べる、かむといった口腔機能の回復に対する需要は高まってございますので、この歯科技工士さんの役割はいよいよ重要になるということから、その育成確保に対して厚生労働省としても取り組んでまいりたいと考えております。
  146. 河野義博

    ○河野義博君 ちょっと、残りの時間の都合で順番変えまして、次に、防疫体制、感染症を防ぐ防疫体制の強化に関しまして伺います。  日本防疫殺虫剤協会のデータによりますと、業務用の防疫用殺虫剤の市場規模はこの三十年間で七分の一に縮小しています。昭和六十一年に七十億円であった市場規模が、平成三十年、十億円まで減っております。  また、新規の防虫剤を開発するためには、開発期間が長期に及び、申請に必要な試験も莫大なコストが掛かっておりまして、長い間、新規の防虫剤が開発されておりません。ゴキブリやトコジラミの防除に用いる業務用の殺虫剤というのは一九八〇年代以前に承認を取得したものしか流通をしておりませんで、殺虫剤も長年同じものを使っていますと害虫も効かなくなるというようなことは広く知られておりまして、要は、この三十年、新しい薬できていませんよということであります。  二〇二〇年東京オリパラを目指して、多くの外国の方も日本を訪れられること予想されますけれども、海外から既存の薬剤が効かない新たな害虫が入ってくるというようなリスクも考えられます。そのため、やはり新しい害虫の殺虫剤というのは、開発、承認申請についてしっかりと迅速化していく体制が必要だというふうに私考えますけれども、厚労省としてどのように取り組まれるでしょうか。
  147. 宮本真司

    ○政府参考人(宮本真司君) ただいま殺虫剤についての御質問でございますが、三十年来新しい成分の殺虫剤は承認していないという御指摘もいただきましたけれども、実際にはもうちょっと承認もしているところでございまして、直近でいきますと二〇一七年の五月八日に承認しているなど、ほかの通常の人に投与するような医薬品に比べれば確かに申請件数は少ないというのは事実ではございますけれども、少しずつの承認申請をいただいているところでございます。  ただいま先生から御指摘ありましたように、医薬品医療機器等法におきましては、ハエ、蚊等の防除の目的、つまり人の健康、保健の目的でございます、保健の目的のために使用される殺虫剤につきましては、事業者の方々からの申請により提出された資料に基づきまして、品目ごとの承認審査を行った上で大臣による製造販売の承認を行うこととされておりまして、承認申請がなされた品目につきましては、品質、有効性及び安全性に関する科学的知見を踏まえ、適切かつ速やかに審査するということは当然のことでございますので、引き続きそういったことに努めてまいりたいと思っております。
  148. 河野義博

    ○河野義博君 通常の医薬品を審査する独法と同じ独法が審査をしておりまして、通常の医薬品には承認期間の目標タイムラインというのがあるんですが、こちらにはないと。  先ほど新薬もまあまあ出ているよという話でしたが、業務用で使うのは、加圧して散布する噴霧処理で利用できる殺虫剤というのは承認をされていないようでありまして、この承認期間というのは短縮化していくべきだろうと思いますので、これはもう答弁要りませんが、やってください。大きくうなずかれました。ありがとうございました。  時間がある限り聞きたいと思いますが、次に、残った薬、残薬調整に関しまして、福岡市医師会は、全国に先駆けて節薬バッグ運動を展開しました。節薬のヤクは薬です。  これは、患者さんに節薬バッグを渡しまして、次回薬局に来るときにおうちにある薬を全て、残薬を全部バッグに入れて持ってきてくださいと、それで確認と調整を行いますというものでありまして、まだまだ使えるもの、もう使えないもの、そしてこの処方箋だと分からないというこの三点に分けてアドバイスをしますと。次に新しい処方箋が出てきますと、薬剤師が医師に照会を掛けまして、使えるものが残っていますから今回は少なく出しますよということを、トライアルを、平成二十四年からトライアルをやりまして、その後、対象を拡大していっております。  二十五年のデータ解析では薬剤費の約二割の削減に成功したということでありまして、全国でこれが行われたと仮に換算をしますと、年間約二百億円から三百五十億円程度の医療費削減効果が認められるということでありまして、こういった取組、全国的な運動として拡大すべきだろうと思いますけれども、いかがでしょうか。
  149. 宮本真司

    ○政府参考人(宮本真司君) 薬物治療におきましては、医師の処方に基づきまして調剤された医薬品を、指示された用法、飲み方と申しますか、それから用量、その量を守って服用をしていただくことが、期待される医療上の効果を発揮するために重要なことではあります。しかしながら、副作用や形状、形による薬の飲みにくさなどにより、薬を飲み残す患者さんもいらっしゃるということもございます。このため、かかりつけ薬剤師・薬局におきまして、患者の服薬指導を一元的、継続的に把握し、医師への情報提供や、適切に服薬いただくために必要な指導の実施等につなげる必要がございます。  こうした服薬状況の把握と次回処方の見直しのきっかけの手段といたしまして、御指摘の節薬、先生御指摘のように、節薬の、セーブする節約の節に薬でございますが、バッグを活用した残薬の有無の確認はその一つとして有効と考えており、類似の取組は既に全国の複数の地域で行われております。また、調剤報酬におきましても、残薬の整理等を処方医と連携して行う取組を外来服薬支援料等として評価しているところでございます。  今国会に提出しております医薬品医療機器等法の改正案におきましても、必要に応じ、調剤した後の継続的な服薬状況の把握、服薬指導を義務付ける等、薬剤師、薬局が患者の薬物療法を支援するために必要な役割を果たせるようにしたところでございまして、引き続き、かかりつけの薬剤師、薬局の取組を一層推進できるよう取り組んでまいりたいと思っております。
  150. 河野義博

    ○河野義博君 残りあと一分になったんですが、看護師の不足の対策に関してもちょっと通告をしておりますが、時間の関係上、これお願いだけにしておこうと思いますけれども、二〇二二年には約十二万人の訪問看護師が必要だとされておりますけれども、現行五万人にとどまっております。思い切った策を講じて、介護職の地域、在宅への領域シフトというのを進めていくべきだろうと思いますので、しっかりやっていただきたいということをお願いして、質問を終わります。  ありがとうございました。
  151. 東徹

    ○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。  私も今日、ちょっと予防医療についても後でお伺いをさせていただきたいと思っております。本当に、これから人口減少社会の中で、病気を防ぐことができて、誰もが活躍できる社会であれば、本当に健康で活躍できる社会であれば一番いいなというふうに思っておりまして、ただ、これからのまた日本の将来推計についても非常に危惧をいたしておりまして、まずその点からお伺いをしたいと思います。    〔委員長退席、理事そのだ修光君着席〕  今年の四月十九日でありますけれども、国立社会保障・人口問題研究所が世帯数の将来推計というものを公表しました。これによりますと、二〇四〇年には、世帯主が六十五歳以上の高齢者世帯が全世帯の四四%を占めるというふうなことが言われておりまして、そのうち四〇%が独り暮らしだということになるというふうなことが言われています。  特に、東京とか大阪とか、大都市においては高齢者の独り暮らしの割合がこれからどんどんと高くなるんだろうというふうに見込まれているわけでありますけれども、このような人口構成の変化、こういったものが、生活保護とかそれから社会保障制度、こういったものにどのような影響を及ぼしていくというふうに考えているのか、まずお伺いしたいと思います。
  152. 藤澤勝博

    ○政府参考人(藤澤勝博君) 委員御指摘のとおり、昨年、国立社会保障・人口問題研究所から日本の世帯数の将来推計が公表をされておりますけれども、それによりますと、六十五歳以上の世帯主の割合は増加をし、二〇四〇年には四四・二%となること、また、その六十五歳以上の世帯主の中でも、単独世帯である割合が二〇四〇年には四〇・〇%となるといったような結果が得られたところでございます。  このように、二〇四〇年を見据えますと、団塊ジュニア世代が高齢者となって高齢者数がピークを迎えるとともに、現役世代が急減をすると見込まれているところでございますけれども、その中でも、高齢単独世帯も増加をする見通しとなってございます。  単独世帯の増加による課題でございますけれども、独り暮らしが直ちに生活の困難をもたらすというわけではないと思われますけれども、それぞれの状況によっては、社会的な孤立であったり、また生活の困窮のリスクがあると考えられます。  また、二〇四〇年頃には、家族のつながりや地縁が更に希薄化する中で、地域のセーフティーネット機能が弱くなっていくことがますます課題になるのではないかと考えているところでございます。
  153. 東徹

    ○東徹君 これからそうやって高齢者の一人世帯が増えていくということになると、恐らくこれ、例えば介護状態になるとか病院へ行くとか、こういったときにも大変困難が生じてくるだろうなというふうに考えますので、そういった対応策というものを考えていかなくてはならないのではないのかなというふうに私はこの数字を見て大変危惧をいたしておるところであります。  独り暮らしの高齢者が増えると、病気によって寝込むような状態になる、そうした高齢者をどのように見守っていくのかというのが大変大きな課題になってくるわけですけれども、個人の遺伝子の解析はここ数年大変大きく進んできておりますけれども、生活習慣病などへのなりやすさを判定して病気の予防や重症化対策につなげるということは非常に大事だというふうに考えております。  先ほどの予防医療でありますけれども、こういった予防医療について国としてどのような取組をしていくのか、これは文部科学省の方にお聞きしたいと思います。
  154. 増子宏

    ○政府参考人(増子宏君) お答え申し上げます。  生活習慣病は多くの国民が罹患するため、増大する医療費による国の財政負担も大きく、発症・重症化予防対策は重要と認識しているところでございます。このため、文部科学省といたしましては、生活習慣病に対して、遺伝子情報に基づいた個々人に最適な予防法、治療法を提供する個別化予防・医療の実現を目指しまして、研究基盤の整備とそれを用いた研究開発の推進をしているところでございます。  具体的には、宮城県及び岩手県の被災者を対象とした東北メディカル・メガバンク計画というものを進めておりますが、これは十五万人の地域住民のヒト生体試料や健康情報、さらには遺伝子情報などを取得いたしまして、さらに全国の研究者に提供しておりまして、生活習慣病の発症予防研究に資する研究基盤として整備しているところでございます。また、ゲノム医療実現推進プラットフォーム事業というものも進めておりまして、バイオバンク等の研究基盤を用いまして遺伝子情報に基づく疾患研究開発を行っておりまして、取組の一つとして、糖尿病等の多因子の疾病の発症予防化、重症化予測法の確立を目指しているところでございます。  引き続き、これらの取組をしっかりと推進いたしまして、厚生労働省を始め関係府省と連携しながら、予防医療の実現を目指してまいりたいというふうに考えているところでございます。
  155. 東徹

    東徹君 厚生労働省と連携をしながらというふうな話でありましたが、本当に連携しているのかなと思うときがよくあるわけですけれども、非常に大事なことでありまして、日本の三大死因であるがんとか脳卒中、心筋梗塞、こういったものを防ぐことができれば、予防することができれば大変大きいというふうに思いますし、そしてまた、糖尿病の重症化予防、こういったことも防ぐことができれば大変、御本人にとってもまた健康で活躍できる、そういった生活が望んでいくことができるというふうに思います。  予防医療として、病気になることを防ぐことと併せて重症化を防ぐことも非常に大きな課題ですけれども、先日の委員会でも質問させていただきました糖尿病の重症化予防なんですけれども、これは今、糖尿病で重症化になって透析を受けている患者さん、どの程度おられるのか、まずお聞きしたいと思います。
  156. 宇都宮啓

    政府参考人(宇都宮啓君) お答えいたします。  糖尿病によるということではないんでございますが、平成二十九年末時点での我が国の透析を受けている患者数につきましては、日本透析医学会の調べによりますと、三十三万四千五百五人ということでございます。
  157. 東徹

    東徹君 現在、二〇一七年で三十三万四千五百五人ということでありますが、大変大きな数の方々が透析を受けているということで、これ、透析というのは本当つらいと思います。週に三回、かなりの長時間にわたって透析を受けて、後も非常にしんどいというふうなことも聞きますし、大変御本人にとってつらいことだというふうに思っています。だから、こういった透析を受けることができるだけ予防することができれば、御本人にとっての負担というか、健康的な生活を送ることが非常にできると思いますし、また、医療費もこれによって大きく削減することができるのではないのかなというふうに思っております。  そんな中で、透析が必要とならないような対策を進めていかなくてはならないというふうに思うわけですけれども、糖尿病の予防について、七十四歳未満を対象とする国保では、KDBシステム又は台帳によって六割程度の保険者では事業がこれ実施されているということでありますけれども、残りの四割はこれ実施されていないということなんですね。  後期高齢者医療は、ごく一部の広域連合でしか行われておりません。私、糖尿病の重症化予防、透析をできるだけ減らしていくということは非常に大事だと思うんですね。先ほど、年間、年間というか二〇一七年で三十三万四千五百五人というお話でありましたが、これは、数字を見ますと、年々増えていっていますよね、年々。年々増えていっております。これは大変深刻なことだというふうに思いますので、こういった重症化予防、なぜ多くの自治体でこういったことが実施されていかないのか、その理由についてまず大臣にお伺いしたいと思います。
  158. 根本匠

    国務大臣根本匠君) 糖尿病性腎症の重症化予防、これは委員が今いろいろとお話しいただきましたが、健康寿命の延伸の観点からも重要と考えています。  今、市町村の取組、市町村のお話がありました。  国保の保健事業において、重症化予防に取り組む市町村の数も増加してきております。健診の結果を用いて対象者を抽出しているところが多数であるのが現状であります。  その中には、今委員からもお話がありました国保データベース、KDBシステムを活用している市町村もあります。そうした中で、KDBシステムを活用することによってレセプトデータの履歴から糖尿病による受診を中断している人を特定する、あるいは過去の健診データの履歴から重症化リスクの高い者を特定するなどによって、より効果的、効率的に対象者を抽出することが可能と考えております。  先般、糖尿病性腎症重症化予防プログラム、これを改定を行いました。対象者の抽出や取組の評価に際して、KDBシステムの活用を行うこと、あるいはKDBシステムを管理運営している国保連合会がそのようなデータ活用を支援することなどを盛り込みました。  引き続いて、このKDBシステムの活用も含め、それぞれの市町村で取り組んでいただくように、我々も重症化予防の対策を推進していきたいと思います。
  159. 東徹

    東徹君 何かいまいちよく分からなかったんですけれども、どうして多くの自治体で、まだまだこれ、重症化予防やっているところ、本当に少ないんですよ。だから、なぜこれ重症化予防が実施されないのかお聞きしたいということで質問させていただいたんですけれども、余りよく分からない御答弁なのでちょっと先に進みたいと思いますが。    〔理事そのだ修光君退席、委員長着席〕  先日の委員会では、後期高齢者の保健事業を広域連合が市町村に委託した場合でも、医療専門職の配置がこれ難しいということで、重症化予防が進まなかったという御答弁ありました。さきに採決した法案、健康保険法等改正案でしたけれども、市町村が高齢者の保健事業を介護予防と一体的に行うことというふうにされているわけです。これはあくまでも広域連合から市町村に委託を受けた場合であって、委託を受けて行うという意味では今までと変わらないわけですけれども、これまでの委託だと、同じ都道府県の中でも委託を受けた市町村とそうでない市町村が併存する場合があるわけですけれども、これまでどれだけ委託が行われているのか、お伺いしたいと思います。
  160. 樽見英樹

    政府参考人(樽見英樹君) 高齢者の保健事業につきましては、後期高齢者医療制度の保険者でございます広域連合が実施に努めるというふうになっていて、これまでも、それを市町村への委託によって健診をしてくるというようなことはあったということでございますけれども、これまで、この委託に関する言わば法的なスキームといいますか仕組み、こういうふうな形でやるというものが示されておりませんでしたので、言わば個別の委託契約によって市町村がやっておると。したがいまして、市町村の役割は法的に不明確でございまして、言わば市町村の方として見ると、基本的に余り自分の仕事という意識が薄くて、頼まれたことをやっているというような形になっていたということだというふうに認識しております。  また、重症化予防などの健診以外の事業を市町村が広域連合から委託を受ける場合であっても、市町村に保健師とか専門職いらっしゃいますけれども、それは既に自分のところの健診を始めとして、既に多くの業務を担っておって、十分な医療専門職の体制を整備することがなかなか難しいというようなことだったというふうに思います。  現在、広域連合に対して、高齢者の保健事業で低栄養防止、重症化予防等の推進のための事業費補助金というのを出しているんでございますけれども、そのうち市町村への委託によって実施している実績は、平成二十九年度で五十九市町村、事業費は約一億円。それから、その中で、糖尿病の重症化予防の取組というのは、実績は十三市町村にとどまっておりまして、事業費は約三千万円という状態でございます。
  161. 東徹

    東徹君 法改正で今回、市町村が介護予防と後期高齢者の保健事業を一体的に行うことができるようになったわけですけれども、これまでと同じように、市町村は後期高齢者保健事業、受けなければならないといった義務はなくて、断ることもこれはできると思うんですね。広域連合から市町村への委託が増えて、これ、重症化予防が進むのかどうか、この点についてはいかがですか。
  162. 樽見英樹

    政府参考人(樽見英樹君) 一体的実施ということでございまして、ここで市民に身近な市町村ということでございます。また、その市町村は介護予防の事業というものをかなりやっていただいているということでございまして、そういうところで高齢者の特性を踏まえた取組を展開していただく。例えばフレイル予備軍の抽出でありますとか重症化予防、あるいはアウトリーチによる保健指導を実施する、あるいは通いの場というところを活用していただいて、そこで医療、健康という面についても健康教室、健康相談といったような形で事業を実施するというようなことを期待しているわけでございまして、今申し上げたように、市町村は今まで介護の制度などについて、かなり住民に直接接触するサービスということについてやっていますので、それを、法的な位置付けを明確化することによって、広域連合と市町村が連携をして高齢者の保健事業の体制強化を図るということにしたものでございます。  これについて、広域連合と市町村で協議をしっかりしていただいて取り組めるように、また、これも法案の審議でも申し上げましたが、例えば特別調整交付金を活用するということで専門職をやると……(発言する者あり)はい。
  163. 東徹

    東徹君 もう長いんで、もう結構です。  大臣に私直接お聞きしたいなと思います。  糖尿病を患って人工透析になると非常につらいと言いましたけれども、私も父が透析やっていて亡くなったのをずっとこう見ていましたので、この透析のつらさというのは大変よく分かります。年間五百万円掛かるという、こういったことも大変深刻な問題だというふうに思います。だからこそ、やっぱり重症化予防、これ、糖尿病の重症化予防をやっていって、糖尿病の透析患者さんをちょっとでも減らしていくということは非常に大事だなというふうに思っています。  そんな中で、これよく取り上げられるところですけれども、広島県の呉市なんかはレセプトデータとか健診で得た分析によって取り組んで、五十人を指導した結果、年度中の透析に移行した人というのはゼロだったというふうな、そういった取組やっている市町村もあるわけなんです。だからこそ、こういった非常に頑張って透析患者さんを減らしていこうというふうな取組やっている市町村を横展開をしていくということは非常に大事だというふうに思うんですが、大臣は、これについて、やっていこうというふうに思いませんか。
  164. 根本匠

    国務大臣根本匠君) 今先生から御紹介いただきましたように、呉市、これ本当に先進的な取組をしていただいております。やはりこういう先進的な取組をして、こういう形でやればこういうふうに効果があるんだと、やはりそこはもう先進的取組で、ある種エビデンスで実証されているということもありますから、こういう先進事例を委員がおっしゃるように是非強力に横展開をしていきたいと思います。
  165. 東徹

    東徹君 大臣、いい御答弁でありました。ありがとうございます。  是非、本当に透析になるというのは非常に大変、本人にとってはつらいことでもありますし、そしてまた、医療費も非常に掛かっていくというふうなことで、減らしていくということが非常に大事だというふうに思いますので、大臣、そうやって横展開していくというふうなことですから、是非進めていっていただきたいと思います。  続きまして、病院の非常用電源についてお伺いしたいと思います。  昨年、大阪府の方でも大阪北部地震というのがありまして、北部地震があって、病院の、しかも国立循環器病研究センターという災害医療協力病院にもなっている大変重要な病院なんですけれども、ここの病院が大阪北部地震があったときに停電でいっとき電気が遮断されたんですね。業者からの簡易式の自家発電機約二十台を借りてきて対応に追われたというようなことがありました。  非常用電源ですけれども、停電後起動したものの、その後使えなくなったというようなことが起きたんですよ。だから、これ非常に大事なので、是非どうなっているのか調査して、しっかりとこれ点検作業を行っていくべきだということを申し上げました。これについては調査するという御回答もいただきましたので、どうなったのか、お聞きしたいと思います。
  166. 吉田学

    ○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。  厚生労働省としましては、昨年八月から、全国全ての病院、約八千四百ございますけれども、非常用自家発電設備の有無、そしてその点検について調査をいたしました。現在その調査、本来昨年九月の頭を締切りとして行ったところでございます。都道府県を通じて各医療機関に回答をお願いしましたところ、正直、まだ調査結果の報告は、一部期間が掛かっておりましたし、あるいは内容を今精査しなければいけないような状態のものも中に混じってございまして、追加聴取等の必要な事例について対応させていただいております。  昨年、災害が多数あったということも地元、現場からは伺っておりますけれども、今、各都道府県に個別に確認依頼を行っているところでございまして、ほぼその精査を終えたところでございますから、引き続き、私ども厚生労働省として作成を急ぎ、六月までには最終的にまとめたいということで、全力で取り組みたいと思います。
  167. 東徹

    ○東徹君 もう時間が来ていますので終わりますけれども、遅過ぎませんか。遅いし、まだ集計できていないと。そういうところ、非常にもう対応が遅いとしか言いようがありませんので、早急に調査していただいて集計していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  ありがとうございました。
  168. 倉林明子

    ○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。  今日は、学童クラブ事業について質問したいと思います。  共働きが広がる中、保護者がお金を出し合って借家を借りるなどして始めた、これが共同学童、私もそういう共同学童をやってまいりました。子供たちは異年齢の集団の中で指導員の先生に見守られながら、子供も親も一緒に成長する、かけがえのない子供たちの放課後の居場所、これ全国に広がりました。こうした取組が政府を動かすということになりまして、一九九七年、学童クラブが児童福祉法に法定化ということになりました。  それから十八年たって、二〇一五年にようやく初めて従うべき基準ということで、国の最低基準が定められたということだったんですね。この基準決められたということで、現場の指導員、そして保護者、もう第一歩だということで歓迎されたものでありました。  その従うべき基準、この内容について、まず説明を求めたいと思います。
  169. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準におきましては、職員の資格と人数につきまして、従うべき基準として二つございます。一つは、放課後児童支援員を支援の単位ごとに二人以上配置すること、もう一つは、放課後児童支援員の資格は保育士、社会福祉士等であって、都道府県知事又は指定都市の長が行う研修を修了した者であること、この二つでございます。
  170. 倉林明子

    ○倉林明子君 従うべき基準ということで定められたのはその二つということで、それ以外については参酌すべきという基準にとどまっているというのが実態なんですよね。  そもそも、従う基準ということで二人以上の職員配置、これ定めた理由というのは何だったんでしょうか。
  171. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  この従うべき基準を定めたまず経緯でございますけれども、平成二十四年三月に、当時の少子化社会対策会議におきまして決定されました子ども・子育て新システムに関する基本制度におきまして、質を確保する観点から、職員の資格、員数、施設、開所日数・時間などについて、国は法令上の基準を新たに児童福祉法体系に設定する、それからもう一つは、国が定める基準を踏まえ市町村が基準を条例で定める、職員の資格、員数については、現行の事業実態を踏まえ、従うべき基準とすることも含め法案提出までに整理するとされておりまして、これに基づきまして平成二十四年に児童福祉法を改正いたしまして、平成二十六年に放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定めたところでございます。  この定めた経緯でございますけれども、職員の人員配置、資格につきましては、当時、約九五%の放課後児童クラブで二人以上の職員が配置されていたこと、それから、放課後児童クラブの職員が保有していることが望ましい資格として、それまでガイドラインで示しておりました児童館の職員の資格を満たした職員が約七五%の放課後児童クラブで配置されていたこと、こういったことを踏まえながら、基準の制定により、既に活動していた放課後児童クラブが極力排除されないようにするとの配慮の下、放課後児童支援員を二人以上配置する、それから、放課後児童支援員は保育士等の資格を有し、研修を修了した者とするということを従うべき基準として規定したものでございます。
  172. 倉林明子

    ○倉林明子君 現実、無理がないからそういう基準にしたんだということじゃなかったと思うんですよ。やっぱり質の確保、これ議論の根底にあった。だからこそ、このときの配置基準、職員の資格というのはまさに子供の人権、命の保障に直接関わることであって、国が統一の基準を示すべきと、これ社保審学童部会の専門委員会の委員長がこういうふうに言っているのは、私そのとおりだというふうに思うわけです。  一方、義務のない参酌すべき基準というのはどうかということなんです。これ、児童の集団の規模、児童一人当たりの面積の基準、これは何平米ということで定められたでしょうか。そして、直近でこれら参酌すべき基準というのはどの程度守られているのか、いかがですか。
  173. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  この事業の設備及び運営に関する基準におきましては、参酌すべき基準として、まず規模でございますけれども、児童の集団の規模につきましては一支援の単位当たりおおむね四十人以下でございます。また、児童一人当たりの面積につきましてはおおむね一・六五平米以上とされております。  それで、これらの参酌すべき基準を満たしているクラブ数等の割合でございますけれども、直近の平成三十年度におきましては、一支援単位の児童数が、これちょっと統計上四十五名以内ということでございますけれども、四十五名以内の支援の単位の割合は七三・八%、それから、児童一人当たり面積に係る基準を満たしているクラブの割合は七四・六%となっております。  なお、これは平成二十七年度から参酌すべき基準としておりますけれども、それ以前と比べまして、これらの基準を満たす放課後児童クラブの数、率共に上昇しているということでございます。
  174. 倉林明子

    ○倉林明子君 参酌すべき基準は、人数でいうと、単位はおおむね四十人以下なんだけれども、なぜか統計は四十五人までのところで達成率が七三・八だという御説明なんです。これはおおむねの基準がきちんと取られていないんですね、私もいろいろ見てみましたけれども。  そうしたら、全国学童保育連絡協議会、ここが調査をしておりまして、この調査によりますと、四十一人を超えるという学童は実は全体の四割弱と。これ、一番新しい全国学童保育連絡協議会の調査結果ではその程度になっているんですね。それだけ基準を、参酌すべき基準を守れていないという実態あるんです。これ、一万二千か所という数字も示されておりました。  第二種福祉事業ということで、児童福祉法では位置付けされた学童ですけれども、今、面積基準、参酌すべき基準ということでお示しあった一・六五平米というのはこれ畳一畳、半坪ですよ。これ、保育所、これも第二種福祉事業ですけれども、乳児一人当たりで三・三平米。倍ですわ。体は大きくなるのに面積基準は半分やてね、本当に低い面積の目安でしかないということで、これも実際のところでいうと、確かに達成しているところ増えてきているというお話だけれども、まだ七四パー止まりということなんです。結局、低いと、水準としては低いと。しかし、それさえも守られていないというのが参酌すべき基準ということで位置付けられたものになっているわけですね。  ところがですよ、ところが、今国会に、地方分権推進一括法、地方分権一括推進法や、済みません、で、指導員の基準を従うべき基準から参酌すべき基準に変更すると、こういう提案がされているんですね。この是非については、社保審、同時に子ども・子育て会議、ここでの議論というのは全くされていないというふうに聞いて本当に驚いているんですね。  子供の最善の利益、これを定めた児童福祉法、これに逆行することになるんじゃないか。大臣、いかがお考えですか。
  175. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 地方分権一括法改正が今、国会に提出されております。  そして、この今回の措置、これは、従うべき基準であることにより人材確保が困難といった地方からの要望を踏まえて、全国一律ではなく、自治体の責任と判断によって質の確保を図った上で、地域の実情に応じて運営を行うことを可能とするものであります。  また、基準については、市町村が地方議会の議を経て条例により制定するものであります。厚生労働省としては、従うべき基準が参酌化された場合であっても、自治体においてこの基準を十分参酌した上で自治体の責任と判断によって地域の実情に応じた適切な対応が図られるものと考えております。  なお、法案の附則においては、施行後三年を目途とした検討規定を置いております。法案が成立した後には参酌化後の施行状況をしっかり把握していきたいと思います。
  176. 倉林明子

    ○倉林明子君 いや、児童福祉法としてどうかという話聞いているんですよ。それは、自治体ができますと、責任持ってやります、そういうのは国の責任を地方に丸投げするということになるん違いますか。  無資格でこれ参酌すべき基準にすると何が可能になるか。無資格で一人でも可能というふうになるんですよ。原則二人、うち資格者一人の配置と、こういう、守らなあかんということで担保されてきた配置基準というのを大幅に下回るということになるんです。これ、質の後退以外の何物でもないというふうに思うわけですよ。従うべき基準定めて僅か四年なんですよ。僅か四年でこういう逆行というのは、私、到底認められないということは申し上げておきます。  その上で、地方自治体が有資格支援員の確保が困難になったと、それ改正の理由だとおっしゃった。しかし、その背景に何があったか、何があるかということですよ。支援員の処遇が低いと、こういう原因があるわけです。だから集まらない、来ても辞めると、そういう悪循環になっているわけですよ。  二〇一四年、この先ほど紹介した全国学童保育連絡協議会が調査やっています。これ、見ますと、週五日以上勤務する指導員で、年収ですよ、年収百五十万円以下、これが四六・二%なんです。勤続年数が増えても賃金は上がりません。退職金も一時金も時間外手当もありません。こういう処遇で退職せざるを得ないという状況が指導員の現実なんですよ。  そこで、だからこそ質の向上必要だということで、国も処遇改善に、基準きっちり守ってねということを定めたということもあって、処遇改善に予算付けてきた。その内容と実績というのはどうなっているか、確認です。
  177. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  委員御指摘のとおり、放課後児童支援員等の処遇を改善することにつきましては、人材確保を図るとともに、放課後児童クラブの適切な運営を図る観点から大変重要であるというふうに考えております。  御指摘の放課後児童クラブ職員に係る処遇改善でございますけれども、これまでは大きく二つございます。一つは、平成二十六年度から実施しておりますけれども、平日十八時半を超えて開所しており、一定の要件を満たしたクラブに対しての運営費の加算の経費を補助いたします放課後児童支援員等処遇改善等事業、二つ目は、平成二十九年度から実施しておりますけれども、放課後児童クラブの勤続年数あるいは研修実績等に応じた処遇改善の経費を補助いたします放課後児童支援員キャリアアップ処遇改善事業、この二つを実施いたしております。  直近の実績でございますけれども、平成三十年度でございますが、最初の放課後児童支援員等処遇改善等事業を実施しております自治体数は三百十市町村でございまして、全クラブ実施自治体に占める割合は一九・一%でございます。二つ目の放課後児童支援員キャリアアップ処遇改善事業を実施している自治体数は三百三十二市町村でございまして、全クラブ実施自治体に占める割合は二〇・五%でございます。  放課後児童支援員等の処遇改善につきましては、人員確保を始め長く勤務していただく環境づくりのために重要というふうに考えておりまして、多くの自治体でこの事業を活用していただくことが必要と考えております。全国主管課長会議あるいは文科省との連携の下で実施しております全国五ブロックにおける説明会など、あらゆる機会を通じましてこの事業が実施されますよう市町村に働きかけてまいりたいというふうに考えております。
  178. 倉林明子

    ○倉林明子君 処遇改善の予算措置ということのやっぱり根拠は、従うべき基準ということを国が責任を持って、予算措置の必要があったから、これできてきたと思っているんです。十分だとは思っていませんよ。しかし、年額で三分の一を国が公費で持つということとして設置した意義は大きいと思う。  だけど、使っている自治体というのは、まだ制度始まったばっかりと言うかもしれないけれど、二割程度にとどまっているんですね。それはなぜかといいますと、これ自治体負担が重いからなんですよ。三分の二、三分の一ずつということになりますけれども、これ自治体が持たなあかんと。これ、最大の理由として、この改善事業、キャリアアップ、処遇改善という両方を使うにも予算措置必要だということで、なかなか進まないという現状があると思うわけですね。  一方、従う基準というのがあるにもかかわらず、自治体の判断ということでいうと、放課後対策は放課後子ども教室も実施できるということになりました。これ、一万人だったか、一定規模はこれやっていいということになって、児童放課後対策としては、放課後児童クラブだけじゃない、放課後の教室を使ったやり方も新たに導入、使っていいことになりました。  これによって、川崎市でどんなことが起こっているか。川崎市は学童クラブ廃止しました。全児童対策のわくわくプラザということで、放課後児童対策はこれ一本でいくということにしたものですから、百人ぐらい集まって、有資格の人もいないというようなこともあって、これでは心配だということで、支援員、そして保護者が自主的に新たに学童クラブをつくって運営するということが長年続いているんですね。そういうところについては、もう自治体としては学童クラブ事業はやらないことに決めたので、自主的に基準を満たしている自主学童であってもこの補助対象にしないと、国に申請しないというようなことさえ起こっているんですね。だから、自治体判断ということになると、本当に学童の質の担保というのができるのかというところが問われているというふうに思うわけです。  地方分権で基準の見直しが議論される中、昨年七月、社保審児童部会放課後児童対策に関する委員会で中間取りまとめが示されております。一体、この結果というのは、今度の児童福祉法の改正、分権推進一括法でどういうふうに生かされたのか、どういうふうに厚労省生かしたのか、聞きたいと思う。どうですか。
  179. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  委員御指摘の平成三十年七月二十七日に取りまとめられました社会保障審議会児童部会の専門委員会の中間取りまとめにおきましては、質の確保について三点指摘されております。一つは放課後児童支援員の育成、資質向上、二つ目が支援員の処遇改善、三つ目が自己評価とその公表、第三者評価の推進などでございます。  厚労省といたしましては、この中間取りまとめも踏まえまして、この質が確保されるよう、例えば放課後児童支援員に対する研修の実施による資質向上、それから先ほど申し上げました処遇改善、それから質の向上の観点からの評価の推進、好事例の普及、展開、アドバイザーの市町村への配置等々を行っております。こうしたことを通じまして、中間取りまとめに指摘された質の確保について、しっかりと確保に努めてまいりたいと考えております。
  180. 倉林明子

    ○倉林明子君 いや、それはこれから先の対応について今述べはったわけで、法改正、地方分権推進法の一括の中で児童福祉法を改正するという議論にどう生かしたのかという説明は全くされていないと思う。  私、大臣に聞きます。いいですか。  専門委員会の委員長がおっしゃっているんですね、新聞の取材に答えて。基準は子供の発達に重要な役割を果たす学童保育の質を担保するために設けたと。そして、地方分権の議論とは別のものだと指摘しているんですよ。だから、地方分権で議論したら駄目だということですよ。厚労大臣として、こういう専門委員会に中間取りまとめしてもろうて意見もろうているわけですよ。これは、こういう専門委員会の意見を生かすということで動くのが厚労大臣の仕事と違うんかと思うんですよ。どうですか。
  181. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 今の点についてでありますが、直接のお答えになるかどうかということはありますけど、この地方三団体、条例を制定する市町村、これがその責任において放課後児童クラブの質を確保するという意見表明がなされております。  具体的には、例えば全国知事会、各市町村が、当該基準について、責任を持って児童の利益を十分に配慮して基準を設定することは当然と、こういうことを言っていただいておりますし、例えば全国市長会、各都市自治体がその責任において、地域の宝である子供たちの健全な育成を図るべく、保育の質の十分な確保に更に努めていく覚悟を新たにしている等の意見表明がなされておりまして、市町村が条例を制定する際には自治体の責任と判断によって地域の実情に応じて子供の安全や育成支援の質が確保されるものと考えております。
  182. 倉林明子

    ○倉林明子君 そういうのを地方自治体への丸投げと言うんですよ。国の責任放棄だということを厳しく指摘したい。  児童福祉法の観点から子供の最善の利益にとってどうなのかと、分権法でやるべき議論じゃないんですよ。児童福祉法としてきっちり議論すべきことであるということを重ねて強く求めて、終わります。
  183. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。  今日は、まず、ヤングケアラーの問題につきまして取り上げさせていただきます。  約一年前に、私、この質疑をさせていただきまして、初めてヤングケアラーの実態が調査がなされ、分かってきたところでございます。そのときには加藤大臣でございましたので、現大臣としてどのようなこの調査結果につきまして感想をお持ちなのか、まずは大臣の御意見いただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
  184. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 薬師寺委員、この問題、大変熱心に取り組んでいただいておりまして、御提言もいただいております。  昨年度、ヤングケアラーの実態調査を行いました。このヤングケアラーというのは、本来、大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っている児童を指すものと理解をしております。  この調査結果、これは市区町村の要保護児童対策地域協議会に登録されている児童を対象として調査を実施したものであります。この登録されている児童七万一千百七十四人のうち、約二・五%、約千八百人がヤングケアラーであること、調査結果を御紹介いたしますと、そういうことと、あるいは子供への影響としては、学校などを休みがちである、これは三一%、学校などに行っているものの何らかの支障がある、これは二七%、などが多いこと。あるいは、子供がケアを行っている対象、これは兄弟が約七三%、母親が約四七%という実態が明らかになりました。このような実態を踏まえて、子供の育ちや教育に影響が出ないよう、このような家庭に適切な支援を行っていくことが重要と受け止めております。  こういうことから、要保護児童対策地方協議会において関係機関における情報共有などの連携を図って、子供がケアしている方に障害や介護などの各制度に基づく必要な福祉サービスが届けられるようにするとともに、学校と連携して子供が通学しやすい環境を整備するなど、子供が適切な養育を受けられるようにしていく必要があると思っております。  このためにも、まずはそうした子供がいる家庭を適切に把握して、支援が届くように、市町村や学校などの連携体制の構築を国として支援していきたいと思います。
  185. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 重要だということは御理解いただけたかと思います。  やはりヤングケアラーという概念自体がまだまだ自治体に根付いていないし、社会的にも理解が進んでいない。しかし、この調査結果を見ると、その悲惨な状況というのが浮かび上がってきたわけです。  ヤングケアラーの具体的なイメージを提示をした後、これは自治体から、要対協からの回答が、ヤングケアラーに該当する件数が四・七倍に跳ね上がっているんですよね。全く分かっていなかったから答えられなかったという、こういう実態もございます。かつ、そのヤングケアラーという概念を認識している協議会は二八%しかないんです。しっかりとその子供がいるんではないかと把握しているんですけど、実態を把握しているのはその半分にすぎない。自治体における取組というものも、皆様方に今日資料をお配りいたしておりますけれども、全く行われていない。やはり、なぜここまで子供たちのこういう問題というのが今まで取り上げられてこなかったのか、我々はしっかりとこれを反省していかなければならないという実態ですよね。  ですから、虐待につながっている子供だけがここに取り上げられておりますけれども、幅広く取っていくと、もしかしたらもっと多くの子供たちが実際に悩んでいるかもしれない。かつ、もっともっと調べていくと、もっとその多くの皆様方の関係者、協力があれば、子供たちが助かるかもしれない。だから、もちろんその虐待という視点だけではなく、子供たちの健全な育成という意味におきましても、私は、もっとこの厚労省、中心的立場として施策を打っていただきたいと思いますけれども、なぜやっぱりここまで放置されてしまったんでしょうか、局長、教えてください。
  186. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  御指摘の調査研究の結果でございますけれども、御指摘のとおり、要対協におきまして、ヤングケアラーの定義、概念を認識している協議会は二七・六%、認識していない協議会が七二・一%と、大半が認識していない状況でございました。また、ヤングケアラーの定義、概念を認識している協議会でありましても、ヤングケアラーと思われる子供の実態を把握している協議会はそのうちの三四・二%で、把握していないのは三五・〇%、該当する子供はないというのが三〇・三%となっております。そういう意味では、ヤングケアラーの実態を把握できていない協議会がたくさんあったというふうに考えております。  また、今回の報告書におきましては、要対協におきましてヤングケアラーと思われる子供の実態を把握していない理由も聞いておりますけれども、主として三つございました。一つは家庭内のことで問題が表に出にくいこと、二つ目が家族がヤングケアラーという問題を認識していないこと、三つ目といたしましては、子供自身も問題を認識しておらず、周りに相談できていないことなどが挙げられております。  こういった調査結果を踏まえますと、これまでヤングケアラーという概念が認識されていないこと、そもそも認識されていない、あるいは実態が把握しにくいことなどが背景にありまして、ヤングケアラー対策が進んでこなかったものというふうに考えております。
  187. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  この調査結果の報告書の中で、やはりその概念自体がこれから広まっていくためにもアセスメントできるようなものをつくってみてはどうかという御提案もいただいておりますけれども、ここにつきまして、局長、御意見いただけますでしょうか、お願い申し上げます。
  188. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) まず、今回の調査結果におきましては、ヤングケアラーをもう広く支援するために社会全体に期待することといたしまして、御指摘のとおり、ヤングケアラーという言葉が社会で広く認識されるようにする、あるいはそのケアを担っている子供たちが相談しやすい環境ができる、あるいはそのケアを担っている子供とその家族が適切なサービスを受けられるようにするなどが挙げられております。  このため、今後でございますけれども、私どもといたしましては、ヤングケアラーの概念につきまして自治体や要対協の関係機関が認識すること、それからヤングケアラーとして支援が必要な子供がいないか関係機関も含め確認し、相談を受ける、あるいは必要な支援を行っていくことにつきまして自治体に周知し、要対協を中心といたしまして、支援が必要な家庭に支援が届けられるように、市町村や学校などとの連携体制の構築を国として支援してまいりたいというふうに考えております。  その際ということでございますけれども、今回の調査研究では、御指摘のように、支援が必要な子供や家族を適切に把握し、支援につなげることができるようにするためには、アセスメントツールが必要といった指摘もなされております。議員の御指摘のあったアセスメントツールの開発等につきましても、調査研究等を活用いたしまして、検討してまいりたいと考えております。
  189. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  もう本当に私もこれは反省を込めて今質疑をさせていただいているんですけれども、やっぱり働いておりますと、どうしても子供たちに家事、育児というものを担ってもらって当たり前という、そういう親の意識は私もございました。こういう調査研究なども通じまして、当事者の皆様方の、既にもう成人になっていらっしゃる当事者の皆様方なんですけど、伺いますと、やはりそれは言えない、様々なトラウマを抱えながら成人してしまったという方もいらっしゃいます。私も娘にいつも家事を手伝ってもらっておりますけれども、それがお手伝いということに終わらずに、もうこれ児童労働ですよねというぐらいにやはりなっている場合には、しっかりと誰かが手を差し伸べてさしあげなければ、子供たち自体も気が付いていないと先ほど局長もおっしゃっていただきましたけれども、やっぱりそういう実態の中で、子供らしい期間というものを我々が奪ってしまっている、そういう一翼を担ってしまってはいけないですよね。ですから、しっかりと厚労省としても私はこの問題に取り組んでいただきたいと思っております。  それにおきまして、これは文科省の役目というものもすごく重要になってまいります。この調査結果の中でも発見者として学校というところが大変多うございました。資料三に、皆様方お配りいたしておりますけれども、その資料四にございますように、ヤングケアラーがヤングケアラーだと認識しているのは一二%にすぎないんです。お手伝いしているよね、偉いよね、当たり前だよねと子供たちが思ってしまっているんです。この現状を放置してしまっているわけです。  しかし、彼らに掛かっている負担というのは相当大きなものです。この資料四の調査結果にもございますように、彼らがケアに費やしている時間、一日五・四時間です。子供たちの五・四時間をこういうことに費やさせてしまって、何と夜間のケアは平均で二・六時間です。これ、お手伝いと言ってしまって本当にいいんだろうかという数字がここからも実情として上がってきております。  文科省においても、やはり今回はその要対協を中心とした調査でございますが、もう少し御協力いただきまして、学校を中心としてそのヤングケアラーの実態というものを私はまず現状把握していただきたいと思っておりますけれども、いかがでいらっしゃいますでしょうか。
  190. 丸山洋司

    ○政府参考人(丸山洋司君) お答えをいたします。  文部科学省といたしましては、ケアを要する家庭、家族へのお世話や介護等を担っている児童生徒について網羅的な調査というのは現在行っていないわけでありますが、スクールカウンセラーやソーシャルワーカー等の活用事業の実践事例について毎年度報告を求めておりまして、その中でスクールソーシャルワーカーなどが家族の介護や家事を担う児童生徒を支援した事例について把握をしているところでございます。  委員御指摘の学校における調査につきましては、具体的にどのような調査などが必要かということも含めて、厚生労働省としっかり連携をしつつ、この課題に適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
  191. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 調査をしなければ現状把握できていないという実態はこれから御理解いただいていますでしょうか。お願い申し上げます。
  192. 丸山洋司

    ○政府参考人(丸山洋司君) 繰り返しになりますけれども、文科省として具体的にどのような調査が必要なのかといったことについて、しっかり厚生労働省と連携を図りながら検討を進めていきたいと思います。
  193. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 では、この結果を受けた対策というものは具体的にはまだお考えではないということでよろしゅうございますか。
  194. 丸山洋司

    ○政府参考人(丸山洋司君) これまでも、ケアを要する家族の世話や介護等を担っている児童生徒を含めまして、家庭に課題や困難を抱える児童生徒については、教育現場においてスクールソーシャルワーカーなどによる対面相談なども通じまして個別の状況に応じて福祉や医療の関係機関につなげるなどの支援が行われているというふうに承知をしておりますが、文科省としましては、厚生労働省の今回の実態調査の結果も踏まえつつ、引き続き、こうした児童生徒に係る事例について把握をするとともに、全国の教育相談の担当者が出席する会議などにおいてもしっかりとその情報を共有をすると、さらに、教育現場におきまして、スクールソーシャルワーカーなどを活用して要対協等の関係機関につなぐなどのきめ細かい支援を通じまして、児童生徒の教育環境整備の推進に努めてまいりたいというふうに考えております。
  195. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  先ほども申しましたように、自分がヤングケアラーだと認識しているのは一二%しかいない、だから相談につながらない。あえてこちらからしっかりと発見をしていかなければならない、発掘していかなければならないという課題なんですよね。ですから、そこのところは我々しっかりと文科省にも要望を上げていきたいと思っていて、今までもそういう要望があったはずなんです。  ですから、後手後手に回らないように、例えば成人して今ピアカウンセリングをしていらっしゃる皆様方もたくさんいらっしゃいます。例えば、聴覚障害をお持ちの御両親の手話通訳をいつもやっていらっしゃるような皆様方というのは、まさにこういう範疇に入ってくる。かつ、障害をお持ちの御兄弟がいらっしゃるときには、どうしてもケアしていくというのが当たり前になっている。でも、将来考えてみて、二、三十年後、あっ、自分はどういう幼児時代を送ってきたんだろうと思うと、何も子供らしいことはできなかったよねということで、すごくそれが心の傷になっていらっしゃる皆様方もいらっしゃいますので、是非、そういう方々、当事者の声も集めていただきたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。  ですから、しっかり厚労省としても、文科省と連携しながらこれから対策打っていただけますように、そこをお約束いただきたいんですけれども、局長、お願い申し上げます。
  196. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  冒頭も大臣から申し上げましたけれども、まず、関係機関の連携、極めて重要です。要対協におきまして、関係機関における情報共有をしっかり図る、その連携を図りながら、子供がケアしている方に障害や介護などの各制度に基づく必要な福祉サービスを届けられるようにする、あるいはケアしている子供さんが学校と連携して通学しやすい環境を整備するなど、子供が適切に養育を受けられるようにしていくことが重要というふうに考えております。  文科省とも連携いたしまして、先ほど来課題としてありますけれども、まずはヤングケアラーの概念、実態について自治体にしっかり周知する、それから支援が必要な子供あるいは家族を適切に把握することができるように、調査研究等も活用いたしまして、アセスメントツールの開発、あるいは自治体の先行事例の収集、ヤングケアラーに関する普及啓発方策について検討していく。こういった取組を通じまして、ヤングケアラーがいる家庭を適切に把握し、支援が届くようにしてまいりたいというふうに考えております。
  197. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。期待しながら私も待っておりますので、また次の調査研究というものを続けていっていただきたいと思っております。  次の話題に移ってまいりたいと思います。緊急避妊薬のことでございます。  緊急避妊薬のオンライン診療における処方の取扱い、近く指針が取りまとめられるというふうに私伺っております。  相談等をちゅうちょするケースも多い中、薬剤を必要とする女性が、それを安全かつ適切に使用できるかどうかというのが今問われていると思います。まずしっかりと現場の状況を踏まえた上で、十分な工夫というものを講じていっていただきたいと思っておりますけれども、実効性の高い運用の仕組みも含めまして、これからどういう観点で検討というものを取りまとめられるということを副大臣の方から御説明いただきたいんですけど、いかがでいらっしゃいますか。
  198. 高階恵美子

    ○副大臣(高階恵美子君) 一般的に申しますと、妊娠を望むか、あるいは望まないかにかかわらず、避妊は各々の判断で実施されております。  国で把握しているデータをちょっと説明させていただきますと、二〇一五年に社人研が出生動向基本調査を実施しておりまして、これ十年に一度の調査ですが、我が国における夫婦間での避妊の実施率、今まさに避妊を実施していますというカップルですけれども、全体の約四割で、そのうち高い避妊効果が期待される経口避妊薬を使用している例が約二・三%、二%にとどまっております。これ、三十五歳未満の妻の年代にあるところで見ましても四%というのが実情です。  一方で、直近の届出によります人工妊娠中絶件数が十六万件を超えているという状況、妊娠十二週以降の死児の出産が二万件を超える実態というのを踏まえていきますと、現に実行されている避妊方法を改善する余地は十分にあると考えられます。  お尋ねのオンライン診療による緊急避妊薬の処方につきましては、現在、オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直し検討会、ここにおきまして議論を進めさせていただいております。  具体的に申しますと、科学的に妥当であるか、安全に使用され得るかといったことの議論が行われております。おおむねの方向性につきましては、決定する前にパブリックコメントを実施させていただきまして御意見をいただき、必要に応じて修正を加えた上で改定した指針を公表させていただきたく準備を進めております。  なお、望まない妊娠を防ぐ措置をとることができなかった女性が安全かつ適切な応急の避妊を実施できる方策、これにつきましては、女性の生涯を通じた健康を包括的に支援するという観点から、今後も積極的に検討を行ってまいります。
  199. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  今、オンライン診療という中で議論されておりますけれども、緊急避妊薬ってどうあるべきなのかという議論も一方で必要かと思っております。  その中で、やはり、まだまだ我々女性もその情報が全くない、薬剤師の皆様方もほとんど扱われたことがないという現状の中から、しっかりとそのツール開発、若しくはどういった運用にしたらいいのか。例えば、オンライン診療の窓口というものが薬局にあって、薬局でオンライン診療を受けて電子処方の中ですぐにお薬が手に入る等々、様々な運用の方法があると思うんです。  そういう、運用しやすくて、当事者の皆様方がなるべく安全に安心に、なるべくスピーディーに手に入るような方法というものを今後御検討いただきたいんですけど、副大臣の御意見いただけますか。
  200. 高階恵美子

    ○副大臣(高階恵美子君) 委員の質問の中にも、なかなか相談しにくいといったような現状の様子があるという中で、いかに緊急にこの要請に応え、確実に対応していくかということが非常に重要だと考えておりますので、現場の声もしっかり伺いながら、現実的な吟味をした上で対策をしていきたいというふうに考えております。
  201. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  多分これからそういう指針もまとめられるかと思いますので、多くの関係団体の皆様方ともコンセンサスがしっかり得られるようお願い申し上げます。  ありがとうございました。
  202. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) 本日の調査はこの程度にとどめます。     ─────────────
  203. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) 次に、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。根本厚生労働大臣。
  204. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) ただいま議題となりました女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。  急速な少子高齢化の進展や社会経済情勢の変化に対応していくためには、女性を始めとする多様な労働者がその能力を十分に発揮して活躍できる就業環境を整備することが重要です。こうした観点から、女性の職業生活における活躍に関する取組の推進やいわゆるパワーハラスメント、セクシュアルハラスメントなどのハラスメントのない職場づくりを推進するため、この法律案を提出いたしました。  以下、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明いたします。  第一に、女性の職業生活における活躍に関する事業主の取組を更に推進するための仕組みを整備します。  具体的には、行動計画の策定や女性の職業選択に資する情報公表義務の対象を常時雇用する労働者の数が三百人を超える事業主から百人を超える事業主に拡大するとともに、情報公表の内容や履行確保の強化を行うほか、女性活躍の推進に関する取組が特に優良な事業主の特例認定制度の創設等を行うこととしています。  第二に、パワーハラスメント、セクシュアルハラスメント等のハラスメントの予防、解決に向けた事業主等の取組を推進するための仕組みを整備します。  具体的には、国の施策として、職場における労働者の就業環境を害する言動に起因する問題の解決を促進するために必要な施策を充実することを明記することとしています。  また、事業主に対して、パワーハラスメントを防止するため、相談体制の整備などの雇用管理上必要な措置を講ずることを義務付けるとともに、パワーハラスメントに関する労働者と事業主の間の紛争について、都道府県労働局長による紛争解決の援助、紛争調整委員会による調停の対象とすることとしています。  さらに、セクシュアルハラスメント等に起因する問題に関する国、事業主及び労働者の責務の明確化や、労働者が事業主にセクシュアルハラスメント等の相談を行ったことなどを理由とする不利益取扱いの禁止等を行うこととしています。  最後に、この法律案の施行期日は、一部の規定を除き、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日としています。  以上が、この法律案の趣旨でございます。  御審議の上、速やかに可決していただくことをお願いいたします。
  205. 石田昌宏

    ○委員長(石田昌宏君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後三時三十九分散会