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2019-06-18 第198回国会 参議院 文教科学委員会 13号 公式Web版

  1. 令和元年六月十八日(火曜日)    午前十時二分開会     ─────────────    委員の異動  五月二十八日     辞任         補欠選任      衛藤 晟一君     こやり隆史君      小川 敏夫君     蓮   舫君  五月二十九日     辞任         補欠選任      こやり隆史君     衛藤 晟一君  五月三十日     辞任         補欠選任      今井絵理子君     礒崎 陽輔君      小野田紀美君     石井 準一君  五月三十一日     辞任         補欠選任      石井 準一君     小野田紀美君      礒崎 陽輔君     今井絵理子君  六月三日     辞任         補欠選任      今井絵理子君     礒崎 陽輔君      小野田紀美君     山田 俊男君  六月四日     辞任         補欠選任      礒崎 陽輔君     吉田 博美君      山田 俊男君     小野田紀美君  六月五日     辞任         補欠選任      吉田 博美君     今井絵理子君  六月六日     辞任         補欠選任      小野田紀美君     片山さつき君  六月七日     辞任         補欠選任      片山さつき君     小野田紀美君  六月十日     辞任         補欠選任      小野田紀美君     山田 俊男君      水落 敏栄君     佐藤 信秋君  六月十一日     辞任         補欠選任      佐藤 信秋君     水落 敏栄君      山田 俊男君     小野田紀美君  六月十三日     辞任         補欠選任      伊藤 孝恵君     足立 信也君  六月十四日     辞任         補欠選任      足立 信也君     伊藤 孝恵君  六月十七日     辞任         補欠選任      蓮   舫君     小川 敏夫君      伊藤 孝恵君     柳田  稔君      大島九州男君     徳永 エリ君      吉良よし子君     山添  拓君  六月十八日     辞任         補欠選任      衛藤 晟一君     北村 経夫君      柳田  稔君     伊藤 孝恵君      山添  拓君     吉良よし子君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         上野 通子君     理 事                 石井 浩郎君                 江島  潔君                 神本美恵子君                 吉良よし子君     委 員                 赤池 誠章君                 今井絵理子君                 衛藤 晟一君                 小野田紀美君                 大野 泰正君                 北村 経夫君                 橋本 聖子君                 水落 敏栄君                 小川 敏夫君                 伊藤 孝恵君                 徳永 エリ君                 山本 太郎君                 新妻 秀規君                 浜田 昌良君                 高木かおり君                 松沢 成文君                 山添  拓君    国務大臣        文部科学大臣   柴山 昌彦君    副大臣        法務副大臣    平口  洋君        文部科学副大臣  浮島 智子君    最高裁判所長官代理者        最高裁判所事務        総局人事局長   堀田 眞哉君    事務局側        常任委員会専門        員        戸田 浩史君    政府参考人        法務大臣官房司        法法制部長    小出 邦夫君        文部科学省高等        教育局長     伯井 美徳君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関  する法律等の一部を改正する法律案内閣提出  、衆議院送付) ○理事補欠選任の件 ○教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関  する調査  (視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関す  る法律案に関する件)     ─────────────
  2. 上野通子

    ○委員長(上野通子君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日までに、吉良よし子さん及び大島九州男さんが委員を辞任され、その補欠として山添拓さん及び徳永エリさんが選任されました。     ─────────────
  3. 上野通子

    ○委員長(上野通子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、法務大臣官房司法法制部長小出邦夫さん外一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 上野通子

    ○委員長(上野通子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 上野通子

    ○委員長(上野通子君) 法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 立憲民主党の小川敏夫です。  まず、法務副大臣にお尋ねします。  大学院修了していなくても在学中に受験できるということでありました。例えば、二年コースで修了する大学院生なら二年生のときに受けることができると。そうすると、現行ですと、五月から試験受けて、在学中の二年生のときの九月にめでたく司法試験に受かったとします。現行は九月に司法試験合格して十一月に司法修習に入る、修習生に採用されるわけでありますけれども、ただ、この法律では、在学中に合格しても修了しなければ司法修習生にはなれないということであります。そうすると、九月に司法試験受かった、十一月に司法修習が始まるとしますと、まだ在学中ですので司法修習生にはなれないと。そうすると、在学中の二年生のときの秋の九月に受かったけど、司法修習生になれるのはそこから一年二か月待った先の十一月になってしまうと、現行の修習の仕組みですとですね。  この点についてはどのように手当てされているんでしょうか。
  7. 平口洋

    ○副大臣(平口洋君) 現時点で今回の法案を踏まえた司法試験の実施時期や司法修習の開始時期がどうなるかは決まっておりませんが、司法修習の開始時期が法科大学院課程の修了直後になるとすると、法科大学院修了後に司法試験を受験して合格した者にとっては、現行制度との比較において、法科大学院課程の修了から司法修習開始までの期間が三か月程度長くなる結果になることは確かでございます。  しかしながら、この点については、法科大学院の充実を前提に、法科大学院在学中受験資格を導入し、法曹資格者の時間的、経済的負担を最大限軽減することにより、多くの学生が在学中受験が可能となる制度設計とすることに不可避的に生じるものであり、全体としての制度設計は合理的なものであると考えております。  いずれにしましても、法改正が実現した後の司法試験の実施時期、司法修習の開始時期を含む新たな法曹養成制度の運用については、文部科学省、最高裁判所など関係機関と十分に協議してまいりたいと考えております。
  8. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 余り長々と答弁されても議論がかみ合わなくなってきますけれども。  要するに、現在の司法試験ですと在学中の九月に司法試験に合格してもすぐに十一月から始まる司法修習生にはなれないと、今の仕組みですとですね。ですから、それをどうするんだと聞いているわけです。  副大臣の答弁の御趣旨はよく分からないんですけれども、それは、司法修習の開始を、現行十一月だけれども、十一月では在学生が入れないので、在学生が修了する、三月末に修了するわけですから、それを待って四月以降に司法修習の開始をずらすと、こういうふうに言っておられるわけですか。
  9. 平口洋

    ○副大臣(平口洋君) 今回の法案による法改正後の司法修習の開始時期については、最終的に最高裁において定められるべき事柄であり、具体的にどのような時期になるのかについて現時点で申し上げることは困難であります。  もっとも、在学中受験資格の導入により法科大学院を経由して司法試験を受験しようとする者の時間的、経済的負担の軽減を図るという観点からは、在学中受験資格で司法試験を受験し、これに合格した者が法科大学院修了後、現行制度よりも早い期間内に司法修習を開始できるようにすることが不可欠であると考えております。
  10. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 結局、だって在学中に司法試験受かっても修了しなければ司法修習生になれないんだから、在学中に試験に受かっても司法修習の開始は、三月に法科大学院が修了するとすると四月以降でなければならないんですよ。これ論理必然的に出てくるわけで、もしそうでなければ、すなわち三月までに、合格者が卒業する前に司法修習を始めちまうとなれないんですから、そうすると、そこからまた一年待たなくちゃならないわけです。ですから、論理必然的に、在学中に司法試験受かると、そうすると、今のように十一月に司法修習が始まったのでは全く意味がない、これを大学院生が修了した三月の直後に開始するというふうに変えなければ全く意味がないんですよ。非常に簡単な理屈で。それを副大臣は、まだ決まっていないみたいなことを言って逃げておられるわけでありまして。  ただ、法案審議に入る前に、これ文部科学省、法務省から法科大学院を中核とする法曹養成制度改革についてという資料をいただきました。この資料の一番下に、現行制度から新制度に変わると、新制度は司法修習の開始は法科大学院の卒業と同時と、こういうふうになっています。ですから、決まっているんじゃないですか。論理必然的に、在学中に受験させて合格することができる、だけど、その在学生も大学院を修了しなければ司法修習生になれないというんだったら、当然、司法修習の開始は大学院を修了した直後になるわけですから。だから、この図は全くそのとおりで、当たっているわけで。  ですから、まだ決まっていないと。それは、この法律ができた後、正式に決めるんでしょうけれども、だけどプランとしてはそういう仕組みになっているじゃないですか。ですから、そういう方向でこの法案を作成して、この法案が通ったら、法科大学院在学中の人が、合格した人がすぐに司法修習生になれるように、その合格した現役生の修了を待った四月直後に司法修習を開始すると、こういうような制度設計をもう既につくっているんじゃないですか。ただ、それを、まだ決まっていないと言って、言葉が逃げているんじゃないですか。
  11. 平口洋

    ○副大臣(平口洋君) 現行法上、司法修習生は、法科大学院課程を修了した者又はこれと同等の学識等を有することを判定する予備試験に合格した者であって、かつ司法試験に合格した者の中から採用することとされております。  今回導入する法科大学院在学中受験資格による司法試験を受験し、これに合格した者については、プロセスとしての法曹養成制度の理念を堅持し、法科大学院課程修了後の司法試験合格者と同様の能力、資質を有することを備えていることを確保するため、法科大学院の修了を司法修習生として採用するための要件としたものでございます。
  12. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 何か、大臣の答弁と私の質問と全くかみ合っていないですよね。  例え話しますと、私がある定食屋へ行って、今日の焼き魚定食、何の魚が出るんだいと聞いているのに、答える方は、うちの定食は野菜定食に焼き魚定食に焼き肉定食に納豆定食があります、そしてなんてことをぐだぐだぐだぐだ話しているだけで、今日は何の魚が出るんだという、その一言で済む質問について何にも答えていない。  それで、副大臣は法務省が書いた原稿を読んでいらっしゃるから、なぜ私の質問についてそうして曖昧に答弁をして逃げるのか。実に簡単なことなんですよ。すなわち、今、九月に司法試験が実施されると、十一月にめでたく、すぐに司法修習生になれると。ところが、これを今度は、在学生が九月に受かっても、すぐに始めちゃうと合格した在学生は司法修習生になれないから、その合格した在学生がすぐ入れるように翌年四月にずらすわけですよ。  そのことだけ見ると、ああそうか、そうだなと思うんだけど、実は非常に重要な問題がある。すなわち、在学中に司法試験に合格した、恐らく少数ですよ、少数の人以外のその他の大勢の合格者は、今なら、九月に司法試験に受かったら、ああよかった、早速、さあ十一月に司法修習生になれて、一年後に法曹になれる。その人たちが、今なら九月に司法修習生になれるのに、翌年四月まで待たされちゃうんですよ、そうなるでしょう。副大臣はさっき、何かそのことも意識して、副大臣が読み上げた原稿の中には三か月余り遅れることがあるかもなんてちょっと言葉がありましたけど、三か月じゃないですよ、十一月が四月に延びるんだから五か月ですよ。  それで、今現在は大体合格者が千五百人台。どうでしょう、法務省、在学中に合格する人数の見込みは大体どのくらいになると読んでいますか。
  13. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  司法試験の合格者数につきましては、司法試験委員会が実際の試験結果に基づいて決定するということでございますので、将来、在学中受験資格により司法試験受けた者、これがどの程度合格するかというのを予測することは非常に難しいわけでございますが、ただ、今回、在学中受験を導入する趣旨は、連携法の改正によりまして法科大学院教育の充実が図られて、法科大学院在学中であったとしても司法試験受験にふさわしい一定のレベルの者が養成されていくということを前提にしておりますので、相当数の者が在学中受験をして合格し、在学中受験資格による受験をした者の合格率が低迷することはないんであろうというふうに見込んでいるところでございます。
  14. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 例えば千五百人が合格すると、大体、例年、法科大学院を修了したその最初の受験で受かる人は大体五百人ぐらいなんですよ、これまでの例からいって。でも、今度は、法科大学院の勉強をしっかり終えた人じゃなくて、法科大学院の在学中に、まさにその一年前に受験して受かる人ですから、かなり五百人よりも減るんじゃないか。だって、法科大学院でみっちり勉強した人が初めて受かる試験だって五百人しか受からない、今度は法科大学院を修了する前に、それよりも一年前に受けるんですから、だから私は百人行くか行かないかぐらいだと思うんですがね。  それで、私が言いたいのは、結局その百人、まあこれは想像ですから実際に何人出るか分かりませんよ。だけど、これまでの趨勢からいえば、卒業した人でも五百人しか受からないんだから、今度は卒業するよりも一年前に受験した人が何人受かるかといったら、それよりも少ないに決まっている。  これを百人としましょう。そうすると、百人のその優秀な人を優遇して、それで在学中に受験をさせて、そして合格したら、その人を待つために司法修習の開始を五か月間遅らせるわけですよ。しかし、それ以外の人は五か月間遅らせられちゃうんですよ。今の制度ですと、どんなに優秀でも、卒業して、大学院を修了して、それで九月に司法試験に受かれば十一月に司法修習生になれると。ですから、大学院修了後七か月しないと司法修習生になれないと。ところが、今度は在学中に司法試験に受かれば修了と同時に入れるから七か月早まるわけですよ。ですから、百人が七か月司法修習が早く始まる、その分、七か月早く法曹になれるという百人を優遇するために、残った千四百人は全員が五か月遅れるんですよ。  百人が七か月なら七百か月、だけど、千四百人が五か月なら七千か月。トータルとすれば、一部の人を優遇するためにその十倍もの社会的なこの法曹になる期間が遅れるというロスが生まれる。こんな不公平、不合理な制度はないと思うんですが、副大臣、いかがですか。
  15. 平口洋

    ○副大臣(平口洋君) 法科大学院修了後に司法試験を受験し合格した者にとって、現行制度との比較において、法科大学院課程の修了から司法修習開始までの期間が三、四か月程度長くなることについては、法科大学院在学中の受験資格を導入し、法曹志望者の時間的、経済的負担を最大限軽減することにより、多くの学生が在学中受験が可能となる制度設計とすることに不可避的に生ずるものであり、全体としての制度設計は合理的なものと考えております。
  16. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 十一月が四月になるんだから、三、四か月じゃなくて五か月ですよ。  全体的に合理的だと、だから。しかし、優秀な人を、少ない人数を、一割にも満たない人数を七か月早めるためにそれ以外の人が五か月遅れるという。なぜ合理的なのか、私はその合理性を疑いますけれどもね。  これは、文科大臣、この私の指摘についてはいかが思いますか。
  17. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) 今の委員の立論については、おおむねそういうメリット、デメリットがあるんだろうというように思います。そして、それを踏まえて、今後最高裁において、司法試験の実施時期を踏まえつつ、鋭意検討を進められるものと考えております。  文部科学省としては、法科大学院関係者を始め関係者の御意見を伺いながら、適宜、最高裁における検討に協力をさせていただきたいと考えております。
  18. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 この指摘は、私の指摘はかなり重いと思うんですよ。だから、そのことを踏まえて最高裁が決める、最高裁が決めるといっても、それは形の上の権限では最高裁でしょうけれども、これは常々その在り方については意見交換をして密にやっているわけですから。現に、恐らく文部科学省、法務省がつくったとき、四月に修習が始まるなんということはこれもう既に予定織り込み済みでしょうけれども、最高裁と意見交換をしないでこんなこと勝手にやるわけないんで、十分にこういう制度設計をしてきているんでしょうけれどもね。  今言ったように、多数の人が、しかも、もう卒業しちゃった人はそういう優遇試験を受けようがないんだから、あるいは予備試験の人はそもそも大学院の在学中なんということは関係ないんだから。全く本人の責任じゃない理由によって多数が五か月間も遅れるということは私は納得できないんで、もしこの法律が施行されるようであれば、その修習に関しては、そうした不合理な不利益を被る人が出ないような対応をしっかり検討していただきたいと、このように申し述べさせていただきます。  次に、テーマを変えます。  副大臣、予備試験のことについてお尋ねしますが、今の司法試験そのものは五月にやっている、私はこれ合理性があると思うんですよ。というのは、法科大学院が三月に修了するんだから。それで、法科大学院を修了した人は法曹となり得る資質を備えているはずだということで、法科大学院を三月に修了したら比較的近い時期の五月に試験を始めるというのは非常に合理性があると思うんですよ。だから、そのことはいいんだけど、ただ、予備試験の方は、受ける人は、法科大学院を三月に修了するとか、そうしたことの時期的な要素は何にもないんですよ。要するに、予備試験を受験する人は、誰でも受験できるわけです。  そうすると、私、今の仕組み非常に非合理に思うのは、司法試験が始まると同時に予備試験も一緒に始まるんですよ。それで、予備試験が受かったときには、司法試験の受験資格ができたときには司法試験は終わっているわけで、じゃ、予備試験受かったらどうするかといったら、翌年の司法試験に受かるわけですよ。ということは、予備試験受かっても、今年受かっても来年なんだなと。  でも、これ、そもそも予備試験を五月にやる必然性は何にもないんですよね。司法試験の開始と一緒にやる必然性は何にもない。本来なら、司法試験の受験資格を与える試験なんだから、司法試験の前に予備試験の結果が出るような、そういうスケジュールで予備試験を実施するのが本来の筋じゃないですか。ですから、五月に司法試験が実施されるんであれば、予備試験はその前、四月とか三月ぐらいまでには予備試験の結果が出て、予備試験が受かったらすぐ司法試験受験できるという、こういう仕組みにしないと、予備試験の受験生がいたずらに一年間を無駄にしてしまうような、そうした不利益を被る。  私は、この予備試験の在り方の、この予備試験の実施時期について、予備試験が合格したらさほどの日を置かずに司法試験を受けられると、そういうようなスケジュール感で予備試験を実施すべきじゃないかと思うんですが、いかがでしょう。
  19. 平口洋

    ○副大臣(平口洋君) 司法試験予備試験の実施時期については司法試験委員会の判断に委ねられているところでございますが、司法試験委員会においては、広く意見を聴取することなどした上で、様々な要素を考慮して現行の試験実施時期を決定したものと承知をいたしております。  なお、議論に際しては、予備試験は短答式試験、論文式試験、口述試験の三段階で行う試験制度になっており、実施時期が長く掛かるため、予備試験合格者が同一年度の司法試験を受験できるよう日程を組むことは困難であること、予備試験の合格発表の時期から翌年の司法試験の出願時期までそれほど期間が空いておらず、予備試験合格後、直ちに次の司法試験受験に向けた手続に移行することなどから、予備試験の合格者が受験資格を得るのが翌年の司法試験になることについても不合理ではないとなされたものと承知しております。
  20. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 予備試験にそれなりの期間を要するのは分かりますよ。だったら、それなりの期間を見込んで早く開始すればいいじゃないですか。仮に半年掛かるんだったら、十月から始めれば三月には終わるわけで、それで五月の司法試験は受験できるわけで。  それからもう一つ、同一年度に実施することは困難と。同一年度に予備試験の合格者と司法試験というものを結び付ける必要は何にもないでしょう。別に、予備試験は受験資格を与えるものなんだから、試験を実施していつでも与えればいいわけで、受かった結果を受けて司法試験を受ければいいので、何か副大臣の答弁は、同一年度に両方を実施してその合格者を受験させるのはできないみたいなことを言うけど、同一年度である必要は全くないですよ。予備試験というのは、ただ単に司法試験の受験資格を付与するだけですから、年度に関わる必要は何にもない。  すなわち、ですから、五月の試験、日数が掛かる、私は急げば一、二、三月でやれると思いますけれども、いや、三か月じゃできない、今は五月に受験を始めて九月まで掛かるんだと。半年掛かるんだったら、半年前の十月から予備試験を始めればいいじゃないですか。それで三月に合格したら五月の司法試験を受けられる、こういうふうにすることが非常に合理的だと思うんですがね。  私は、副大臣の答弁は想像できますし、長いからもう要りません。  私の意見を言わせていただきますと、すごくこの予備試験というものを冷遇していますよね。なるべく法科大学院に行くこと、法科大学院を大事にして、法科大学院に行く人だけをメーンに据えて、予備試験というものは別にそんなに重視しなくていいんだと。いや、むしろ予備試験を普通に対応すると、法科大学院の学生がどんどん予備試験に流れちゃって、法科大学院が経営悪化してしまうと。別の言い方すれば、法科大学院に優秀な生徒が集まらなくなって、法科大学院は経営が苦しくなっちゃうと。だから、法科大学院を維持する、大事にするために予備試験というものを非常に冷遇しているんじゃないか。  私は、この予備試験の受験資格もまさにそうだと思いますよ。合理性を考えれば、予備試験をやって合格したらすぐ司法試験を受けられるということが非常に合理的。だけどそれをさせないのは、私は予備試験をいじめているとしか思えない。  今度のこの改正も、予備試験対策なんじゃないかと。すなわち、優秀な学生が大学四年生で予備試験受かってしまうと、そうすると法科大学院へ行かないと。だったら、今の制度なら、大学四年で予備試験受かっても、司法試験受験するのは卒業した年、すなわち大学に入ってから五年目ですよ。今度の改正見ましたら、うまい具合に、三年勉強すれば今度はパスして法科大学院に入れるよと。二年目だから、すなわち大学に入ってから五年目で司法試験受けることができるよと。  すなわち、優秀な学生が大学四年のときに予備試験受けて、それでいいや、法科大学院に行かないという優秀な学生を、いや、予備試験じゃなくて、法科大学院にどうしても引っ張り込もうと。予備試験なんか受けなくたって、法科大学院に来れば同じ五年目で司法試験受けられるよと。  結局、優秀な学生を法科大学院に少しでも呼び込もうと、もう少し言葉を悪く言えば、法科大学院を支えてやろう、法科大学院からどんどん優秀な学生が逃げてしまうということがないようにしようという、そんな予備試験対策という意味で、ただ予備試験対策と表向き言えないから、こうした非常に丁寧な言葉でこういう仕組みを構築したんじゃないかと、私はうがった見方をしていますけれども、的を射ているんじゃないかというふうに自分では思っています。まあ意見は要りません。  最後の、もう今日で質疑は最後でありますように、文科大臣にお尋ねさせていただきます。  この法科大学院の在り方については、司法制度改革審議会の意見書というものがあって、幅広い人材を地域に満遍なく、そして、充実した法科大学院で学んだ人はおおむね七割、八割が法曹になれると、こういう制度設計であったけれども、前回質疑をさせていただきました、司法試験の合格者の数から見て、法科大学院修了者が七割、八割が合格するという制度設計が壊れるような定員の数、あるいは法科大学院を設立してしまったと。このことについては、大臣の反省の弁を前回いただきました。  私は、今回の法改正は、そうした司法制度改革審議会の意見の趣旨が今損なわれているという状況について、今回の改正案は実質的には何も寄与していないと、それを改善するものではないと。ただ、部分的に、私に言わせれば予備試験対策だというふうに思いますけれども、部分的なことの改正でありますけれども、本質的な部分についての改正には立っていない。一言で言えば、司法制度改革審議会の意見が今損なわれていると、これを元に戻そうという大きな改正には全くなっていないわけであります。  そこで、大臣にお尋ねいたします。  まず、基本的なことは、司法制度改革審議会のこの意見、法科大学院の設置に関する意見というもの、これはまだ変更されずに生きているんですよね。
  21. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) おっしゃるとおりです。
  22. 小川敏夫

    小川敏夫君 じゃ、最後にお尋ねします。  この審議会の意見が現在満たされていないと。では、これを満たすために文科省としてはどのような取組をこの後行っていく考えなのか、そこをお聞かせください。
  23. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) 先ほど答弁をさせていただいたとおり、今後、予備試験の在り方も含めて法務省としっかりと連携をしていきたいというように思っておりますけれども、先ほど委員が御指摘になられた、今回の改正はそもそも予備試験いじめであって法科大学院の生き残り政策ではないかということについては、ちょっと一言だけ反論をさせていただきたいと思います。  今回の改革によって、確かに、法科大学院の学生がより安んじて法科大学院を選びやすくなるということは事実だと思います。ただ、それは何も法科大学院とかあるいは文部科学省の延命策のためにやっているわけではなくて、それをすることによって、これまで受験偏重と言われた旧司法試験の教育、それから、点としての当たり外れの激しい司法試験というものではなくて、あるべきプロセス教育、先ほど委員が御指摘になったような、審議会で目指した質の高いプロセス教育を法科大学院で受けていただく方が、学生、ひいては我々日本にとってのプラスになるという目的で改革をする。それを今我々は、委員の言葉を借りれば非常に読み違いで遅まきながらの正常化になったかとは思いますけれども、目指しているということは是非御理解をいただきたいと思います。
  24. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 今のこの法改正についての御意見をいただきましたけれども、今後どういう取組をするのか。例えば、法科大学院をつくり過ぎたと、これについては淘汰に任せるんだというような御意見も伺いました。ただ、淘汰に任せれば結局残るのは都会の有力校だけ。そうすると、地域に満遍なく、そして様々な学校のカラーを踏まえた幅広い人材を法曹として養成するという、その審議会の理念は満たされていないわけですよ。  ですから、そうした大きなことについて文科省としてはどのような取組を今後していくのか、それについてお聞かせいただいて、時間ですので質問を終わります。
  25. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) 今の地方の大学をどうするかということも極めて重要なポイントだと思っております。  改正案において法学部三年と法科大学院二年のいわゆる3プラス2の制度化をいたしますけれども、これによって、法科大学院を設置していない地方大学の法学部であってもこの手法によって他の法科大学院とも連携をすることが可能になって、地方の法曹人材の確保につながるというように考えております。  現に、今回の制度化を見据えてそうした地方大学における法曹コースを設置をするという検討が進められているということでございますので、例えば地方専願枠の設定も含めて、そうした取組を後押ししていくための様々な工夫を検討していきたいと考えております。
  26. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 まだまだ今の意見だけで私納得できないんで議論したいんですけれども、時間が来ましたので終わります。
  27. 山本太郎

    ○山本太郎君 ありがとうございます。れいわ新選組代表、山本太郎です。  法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律等の一部を改正する法律案、いわゆる日本版ロースクールと司法試験法案の改正について、会派、国民民主党・新緑風会を代表し、お聞きしたいと思います。  法科大学院、二〇〇四年が最初の改革、日本版ロースクールは今年で十五年目に突入。本法の改正について、文科省によると、微調整のような改正、技術的修正は二回ほどあったが、今回が二〇〇二年以来初めての大改正だそうです。全く問題がなかったから長きにわたり改正がされてこなかったのか、問題はあったが手を打つのが遅れただけなのか。  本委員会の審議での文科大臣の答弁を抜粋すると、法科大学院修了者の合格率が当初目標としていた七、八割どころか二、三割と、全体として低迷する事態となった、将来的な法曹に対する需要の見込みも甘かった、一律に広く参入を認めて、教育の質の確保は競争による自然淘汰に委ねるという姿勢を取り続けてきた、率直に、正面から反省をし、認めたいと、過去の施策の失敗をお認めになっています。失敗を認めるということは勇気が要るんですけれども、これ非常に重要なことだなというふうに思うんですね。大臣の答弁には好感が持てましたし、現実を直視し変えるんだという意思を感じました。  今回の改正の目玉、大学の法学部と法科大学院を接続、法学教育期間の短縮を行える制度を導入すると。それによって法曹を目指す者の経済的、時間的負担を軽減するんだということ。  これまでの制度は、大学での法学部教育四年間プラス法科大学院教育を二年、いわゆる既修者コースか、法学部以外の大学の学部教育四年間プラス法科大学院教育三年のいわゆる未修者コースで、司法試験の受験前に六年から七年の間大学教育を受ける形だった。今回の改正は、3プラス2構想と呼ばれるもの。法学部の中に法曹専門コースを設置、法学部三年修了で法科大学院二年間の既修者コースに進学することを可能にする制度。三年プラス二年だから、教育の期間は最短で五年間だと。本法案改正の一部を紹介しただけでも、決してこれ小さな改正ではないと思うんですね。二〇〇二年当初の法科大学院設立時とは大きく変わっていることが分かると思います。  大臣、ここは短く頂戴したいんですけれども、今回のこの改正というのは、過去の失敗から学んだまさに大改革と呼んでもよろしいんでしょうか。
  28. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) 大か小かということについては恐らくそれぞれ受け止め方様々かと思いますけれども、今委員がまさしく御紹介をいただいたとおり、これまでの様々な制度改正に比べれば大変大きな根本に関わる改正ではないかというふうに考えます。
  29. 山本太郎

    ○山本太郎君 大臣からも大きな改正であろうというお答えをいただきました。  それにしても、失敗した施策の代表として度々語られる法科大学院、その法律の改正がなされるまでに時間が掛かり過ぎているなと正直思ってしまうんですね。それに比べて、委員会審議がちょっとインスタントじゃないかなというふうに感じるのは私だけでしょうか。  二〇〇二年の本法案審議時には、衆議院十九時間五十分、参議院十一時間三十分、合計約三十一時間。今回の審議時間は、衆議院十四時間二十分、参議院八時間、本日採決と、合計約二十二時間の見込みというふうに以前伺ったんですけれども、大失敗した案件、それについての大改革、大臣のお言葉を借りると大きな改正であろうと。なのにもかかわらず、審議時間最初よりも少ないってちょっとおかしくないかなと思うんですね。  法科大学院や司法試験の話なのに、本委員会での質疑しかやらない、連合審査もやらないで法案を通そうとしている。再三野党が法務委員会との連合審査を要求するが実現せず。二〇〇二年の法案審議の段階では、基本が法務委員会、関連する学校教育法改正の質疑は文教科学委員会、そしてほかに法務、文教の連合審査と横断的にしっかりやってきたのに、法務委員会で、文教委員会が止まっていた先月三十日、法曹養成に関する一般質疑、四時間ほどですけれどもやったそうです。それでカバーできる話では決してないと思うんですね。  今回の大改革の目玉のもう一つ、衆議院の質疑で問題になった法科大学院の在学中の司法試験受験を認めるという部分。実は与党の法務部会の議論だけで決まったということは、もう皆さん御存じのとおりだと思います。そのときの法務副大臣の答弁、法科大学院の集中改革期間の二〇一八年度のうちに法案をまとめたかった、緊急性があったから審議会での議論を省略したという内容。この答弁聞くだけでも、緊急性って何なんだよという話なんですよ。これ与党側のスケジュールじゃないかよって話なんですね。それが何より大事で重要だということしか伝わってこないという話なんです。  関係者、当事者の意見、これ聞かなくていいんですか、ちゃんとということなんですね。また置き去りにする気ですかと。当事者置き去りで大改革って、これまたろくでもないことになるんじゃないかという話なんです。大失敗した法律を大改革するのに、しっかり議論するつもりがおありになるのかなというふうに疑ってしまいます。  先へ進みたいと思います。  まず、超超基本的な質問から。法曹って何ですか。
  30. 平口洋

    ○副大臣(平口洋君) 法曹とは、一般の国語辞典によりますと、法律事務に従事する者、特に司法官や弁護士をいうとされておりますが、平成十三年六月の司法制度改革審議会意見書においても、法曹と同義の内容として裁判官、検察官、弁護士とされており、法曹とは裁判官、検察官及び弁護士の法曹三者を意味するものと理解しております。
  31. 山本太郎

    ○山本太郎君 どういう職業の方々かよく分かりました。  過去を簡単に振り返りたいと思います。  日本版ロースクール、法科大学院は、具体的に何を目的にして設立されたか。  平成十三年、二〇〇一年六月の司法制度改革審議会意見書で、大幅な合格者数の増について、質を維持しつつ図ることが困難という量的な問題、司法試験の競争激化のため受験予備校への依存が顕著であり、法曹の資質確保に重大な影響があるという質的な問題。つまり、もっと法曹の数を増やしたいという話と、受験対策に偏った知識でなく、深みを持った法曹を育てたい、その能力などを育成するには法科大学必要だねということになったってことですよね。  ロースクール設立前、法曹の中でも特に弁護士の増員の必要性について、なぜ増員が必要であると言われていたのか、当時の背景説明してくださいということをこの後聞くことになっているんですけれども、答え長かったのでこっちでお答えします。  法務省、文科省からの答弁だと、必ずしも弁護士だけ増員という話ではないんですよというお答えだったんですね。例えば、平成十三年六月の司法制度改革審議会意見書においては、プロフェッションとしての法曹(裁判官、検察官、弁護士)の質と量を大幅に拡充することが不可欠であるとの記載があるとのこと。  当初の目標として、二〇一〇年頃には新司法試験の合格者数を年間何人とすることを目指していましたか。これ、数だけで結構です、ありがとうございます。
  32. 平口洋

    ○副大臣(平口洋君) 平成十三年六月の司法制度改革審議会意見書では、我が国の法曹人口について、平成二十二年、二〇一〇年頃には新司法試験の合格者数の年間三千人達成を目指すべきであるとされていたところでございます。
  33. 山本太郎

    ○山本太郎君 三千人を目指すと。  結果どうなったか、法科大学院で教育を受けた者のうち、ピーク時の合格者数と直近での合格者数、それぞれ教えてもらえますか。
  34. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) 法科大学院を中核とするプロセスとしての法曹養成制度は平成十六年度に導入され、お尋ねのピーク時、これは平成十七年度から十九年度の入学定員ですけれども、五千八百二十五人が定員でありました。ただ、直近の平成三十一年度の入学定員は二千二百五十三人となっております。
  35. 山本太郎

    ○山本太郎君 法科大学院では、当初、修了者の約七割から八割が司法試験に合格できると、そういった教育をするんだというふうにうたわれていました。  結果、修了者の約何割が単年度で司法試験に合格できたことになりますか。単年度合格率のピーク時と直近、教えてください。
  36. 平口洋

    ○副大臣(平口洋君) 法科大学院修了資格による受験者について、司法試験合格率が最も高かった年の合格率は平成十八年の四八・二五%でございます。そして、直近となる平成三十年の合格率は二四・七五%でございます。
  37. 山本太郎

    ○山本太郎君 年間三千人増やす、この三千人の根拠、教えてもらっていいですか。
  38. 平口洋

    ○副大臣(平口洋君) 平成三十年頃までに、先進国の中で国民一人当たりの法曹の数が最も少ないフランス並みである実働法曹人口五万人に達することを見込んで、年間三千人程度の新規法曹の確保を目指す必要があるとされたところでございます。
  39. 山本太郎

    ○山本太郎君 ありがとうございます。  それでは、この年間三千人増やそうと提案した人、誰なんですか。その人の名前教えてもらえますか、分かれば。
  40. 平口洋

    ○副大臣(平口洋君) 平成十三年六月の司法制度改革審議会意見書においては、専門的知見を要する法的紛争の増加や弁護士人口の地域的偏在の是正の必要などによる法曹需要の増大への対処のため、法曹人口の大幅な増加を図ることが喫緊の課題であるとされたものでございます。  そこで、同審議会意見書及び同審議会での議論においてそのような数字とされたものでございます。
  41. 山本太郎

    ○山本太郎君 提案したのは何者なのかということをお聞きしたんですけれども、審議会じゃないのというお話でしたけれども、まあこれ、人や会じゃないんですよねということですよね、そもそも提案したの。そもそも提案したのはアメリカじゃないかという話なんですよ。  増やせと言ってきたのもアメリカ、三千人という数の根拠もアメリカ。法科大学院、日本版ロースクール導入の前提になった法曹人口の大幅増員、アメリカの圧力で行われてきたってどうして言わないんですか。副大臣、いかがですか。
  42. 平口洋

    ○副大臣(平口洋君) 司法制度改革審議会が議論を進めていた平成十一年から平成十三年までの当時、アメリカ政府から日本政府に提出されていた要望書、いわゆる年次改革要望書では法曹人口に関する言及があり、平成十三年十月に提出された要望書には、司法制度改革審議会の意見書の実施として、合格者を年に三千人に増加させるための計画を策定することを強く要望する旨が盛り込まれているわけでございます。  しかしながら、同年、平成十三年六月に取りまとめられた司法制度改革審議会意見書は、同審議会において約二年間にわたる慎重な調査、審議等を経て取りまとめられたものであり、同審議会の議論では法曹人口の在り方についても様々な過程から検討が加えられております。そして、その結果が審議会意見書として最終的に取りまとめられていることから、アメリカ政府からの要望をそのまま受け入れたものとは考えてございません。
  43. 山本太郎

    ○山本太郎君 アメリカが言ったことをほとんどのみ込んでいるような政治をやり続けているのに、そんなこと信用できるはずないでしょうということなんですよ。二年間調査して慎重な議論が行われてきたことが大空振りだったんですよ、結果。全く説得力がないと思います。  そもそも、なぜ一九九〇年代の司法制度改革論議の中で急に日本の司法試験合格者を三千人にしようとか、アメリカ型の法科大学院を日本に導入しようという議論が起こったのかということなんですけど、そのことについてお身内、まあお身内かどうか分かりませんけれども、法務副大臣経験者ですよね、与党の自民党、河井克行衆議院議員が御著書でちゃんと書かれているんですね。「前法務副大臣が明かす司法の崩壊」、新人弁護士の大量発生は日本をむしばむ。すごいですよね、題名だけでもう読んだような気になりますけれども、資料の一でございます。  第二章「法曹人口「年間三〇〇〇人増員計画」の真相」にはこうあります。読みます。  私としては、他人に責任をなすりつけるようで嫌だから、余り言いたくはないのだが、実は法曹人口年間三千人増員計画の推進力の一つとなっていたのは、アメリカ政府の対日要求であると。推進力の一つになっているって告白されていますよ、当時の副大臣。米国政府から日本政府に毎年送られてくるいわゆる年次改革要望書、例えば一九九八年十月七日、二〇〇〇年十月十二日や、司法制度改革審議会に対する米国政府の意見表明二〇〇〇年六月九日の中に、日本国内の議論に呼応する形で、司法修習生の受入れ人数を早急に増やせとか、法曹人口をフランス並みにするべきだ、さらには司法試験合格者を年間三千人にするべきだということが全て書かれていると。  資料の二。年次改革要望書のコピー。一九九八年の報告書では、二十九ページにインクリーズ・ザ・ナンバー・オブ・ベンゴシと書いてある。弁護士の数をインクリーズ、増やせ、命令形なんですよね。九八年では毎年の司法修習生の数を千五百人に増やせと書いてあり、翌年の要求では二千人に増やせと書いてある。そして、二〇〇一年にはその数字がとうとう最低でも千五百人、将来的に三千人にまでなりました。  アメリカは、弁護士の増員要求とともに外国法律事務所に対する規制緩和、外弁法改正も要望書で要求。進出してきたアメリカン・ローファームが、日本で増えた弁護士を子分にして日本企業の買収や日本の法制度を変えていくと、弁護士の鈴木仁志さんは著書の「司法占領」の中でも危機を訴えていました。全部つながっているんですね。  二〇〇一年当時、十月から十二月にかけてロースクール創設を提言した司法制度改革審議会の報告書が出た直後には、アメリカ大使館は総合規制改革会議に経済担当公使が乗り込んで意見表明をし、後にTPPを日本で推進することになるACCJ、アメリカ商工会議所アメリカ弁護士の日本進出の規制緩和を要望してきた。その結果、外弁法が二〇〇三年に改正されて、外国の弁護士事務所が日本の弁護士を雇用できるようになりました。  日本国内の将来需要を見越して法曹の数を増やすというよりかは、アメリカ様の望むことを受け入れる姿勢が何よりも優先されている。それは過去の年次改革要望書見ていけばよく分かるんじゃないですか。アメリカに言われたからやったってわけじゃないよ、しっかりと議論して必要だと思ったからやったんだというようなことが本当に言えるかどうかですね。  資料の三。年次改革要望書で要求されて実現した内容。例えば、一九九八年、半世紀ぶりの建築基準法の改正。これは性能基準を必要最低限にする改正でした。ほかに、今回のロースクール創設につながる司法制度改革。地方の商店街をシャッター街にした大店法の廃止。さらに、小泉・竹中時代の二〇〇三年には労働基準法の改正。製造業への派遣を解禁、二〇〇八年には派遣が二百万人を突破、現在は労働者の四割が非正規に置き換わってしまった。この派遣法改正で潤ったのは、御存じ、グローバル企業の手先とも言われる、派遣業を営む竹中平蔵さん。そのほか、忘れてはならない二〇〇五年の郵政民営化。担当大臣はやはり竹中さん。  資料の四。我が会派、櫻井充議員は、郵政民営化の結果、地域によっては簡易郵便局が閉鎖、郵便、郵貯、簡保を分離したことで、窓口事業も効率化どころか非効率になった、そのように指摘し、竹中さんについては、売国奴以外の何物でもないと断言したことは議事録にも残っています。いつまでこのような売国奴を有り難がっているんだ、自民党政権はと私も議事録に残したいと思います。  そもそも、郵政民営化は、アメリカの保険業界へのインセンティブでもあります。日本でがん保険を売りさばいていたアフラック、郵便局という巨大な窓口をゲット。そうやってアメリカがビジネスしやすい仕組みをつくってさしあげるのが年次改革要望書の実行。  さて、法科大学院の制度設計の基にした司法制度改革審議会の報告書は、小泉・竹中政権時代の初めの二〇〇一年、アメリカの新自由主義的な規制緩和要求のメニューの一つが、ロースクール導入の前提になる弁護士増員でした。  先ほどの自民党の法務副大臣経験者、河井先生御著書の五十六ページで、こういう話をすると、アメリカは身勝手だとか、一方的だとかいうことを言う人が多いのだが、そもそも、どの国も自国の国益を第一に考えるものだとおっしゃっています。  これ、河井先生おっしゃるとおりなんですよね。自国の利益優先、これ当たり前のことなんですけれども、どうやらアメリカの要求で、だから、アメリカの要求であったとしても、それ無理ですからと言えばいいだけの話なんですよ。無理なものは無理だと言うべきだと。当たり前です。自国ファーストです。でも、どうやらこの国は宗主国様にそんたくすることが優先順位の第一位になっているよ、そういうことだと思うんです。  日本の法曹人口を、アメリカ並みではないにしてもせめてフランス並みにすべきだという、九九年十一月二十四日、第七回司法制度改革審議会での議論。内容は大きく三つ。一、国際比較をすると、イギリスアメリカドイツフランスの中では、フランスが一番法曹人口が少ない。二、日本の法曹人口を仮にフランス程度に充実することが必要だとすると、約七万五千人ということに。三、そのためには毎年何人の法曹を、具体的には司法試験合格者をつくり出す必要があるかといえば、毎年三千人の司法試験合格者を出さなければならない。  先ほどの河井元法務副大臣の御著書の別の箇所での指摘では、このフランス並みにするために毎年三千人合格というのには大きなトリック、だましがあったと、議論の前提が間違っていると言います。  日本で法曹という場合、弁護士、検察官、裁判官という法曹三者を指すのみで、司法書士行政書士、税理士、弁理士社会保険労務士、土地家屋調査士などの関連する法律職、つまり隣接士業が含まれていません。しかし、フランスを含めた先進国では、日本の隣接士業がやっている業務も弁護士がやっているという現実があった。河井さんの当時の記述によると、日本の場合、法曹三者、隣接士業、更に企業の法務部員も含めれば、広い意味での法曹人口は二十七万人にもなります。実は、日本はアメリカに次いで最も広い意味での法曹を抱える国だったということになるわけですと。これ同様のことを愛知大学教授の森山文昭弁護士も御著書で書かれています。  アメリカから弁護士を増やせと言われた挙げ句、むちゃくちゃな国際比較でせめてフランス並みに増やさなければいけないという誤った認識に基づいてあおり立てて、誤った需要予測に基づいて法科大学院の設立認可を乱発してしまったと、そのようには思われませんか。  いかがでしょうか、どの方でもいいですけど。ごめんなさいね、これ通告していないんですけど、今のお話を聞いて、そのような外部からのあおりもあって、それに乗ってしまって結局乱立させてしまったというようなことにつながっていったと思うかという認識のお話です。
  44. 平口洋

    ○副大臣(平口洋君) アメリカ合衆国からの要望、確かにございましたけれども、それをそのまま受け入れたものとは考えていないわけでございます。  司法試験の合格者数は平成二十二年度以降も二千人程度にとどまっており、年間合格者数三千人の目標が未達成であったこと、あるいは、法曹有資格者の活動領域はいまだ限定的であり、司法修習終了直後の弁護士未登録者数が増加傾向にあり、法律事務所への就職が困難な状況がうかがわれたことから、平成二十五年七月の法曹養成制度関係閣僚会議決定において現実性を欠くものとして事実上撤回されたものでございます。  このように、司法試験の合格者数や弁護士の活動の場などが結果として司法制度改革審議会意見書の想定した状況と異なるものとなったことは事実であり、残念に思っております。
  45. 山本太郎

    ○山本太郎君 全く欲しかった答えとは違う話ですね。答えなんて返ってこないでしょうけど。  そのようなことに巻き込まれて、かなりひどい目に遭った人たちもいるということですよね。法科大学院協会理事長の大貫裕之さん、二〇一七年、雑誌インタビューで、最初から多くの法科大学院をつくり過ぎたのではないかという問題はあります、当時は小泉政権下で規制緩和の真っただ中でしたから、設置条件を厳しくするよりは多くの大学の参入を促して競争させようというコンセプトで始めた結果ですと敗戦の弁を述べられている。  余りにもひどいですよね。規制緩和の名の下にいろんなもの、その上に、何でしたっけ、痛みを伴う改革と言って、その後に何かあるのかと思ったら、痛みが続くというか、よりひどくなったみたいなことをずっと続けてきましたよね、小泉政権からずっと、新自由主義にのっとって。余りにもあり得ないことが大学というこの学問の世界にも入ってきているということですよね。結果、ぼろぼろになったということです。  続いてのことなんですけれども、聞く予定だったんですけど、こちらで答えますね。  法科大学院のピーク時の数と直近での数、結果、何校が廃校に追い込まれ、何校が応募停止に追い込まれたかということをお聞きする予定だったんですけれども、二〇〇七年のピーク時の設置数は七十四校、そして本年度に入学する学生の学生募集を行ったのは三十六校、これまで三十八校が募集停止を表明、そのうち二十七校は既に廃止されている。  アメリカの要求にこびた結果の尻拭い、これ誰がやったんですかということなんですよ。誰がやったんでしょう、誰もやっていないでしょう。実際の法曹志望者や、補助金削減で実際に立ち行かなくされた法科大学院の職員たちとか、そういう方々が被害を被ったんじゃないですかって。一方で、それを決めた政治家たち、無傷。おかしくないですか。誰も責任取っていない、誰も責任取らない。気楽な話ですね、本当に。  規制緩和を行い、官僚の事前規制から民間の経済活動を自由に行わせ、問題が起きたときに弁護士が介入し、裁判や調停で問題を解決するという事後規制型への転換を図る社会実験の犠牲者たちには、運が悪かった、そんな時代だったんで終わり、そんな時代だったんだよということで終わりですかということなんです。  振り返ってみれば、国の政策の失敗、文科省だけ見ても、見通しの甘さで失敗した施策、過去にも幾つも挙げることできるんじゃないんですか。  例えば、九六年から二〇〇〇年に文部科学省が推進したポスドク一万人計画。ポスドクとは、博士号を取得した後、任期付きで研究に従事する研究者、ポストドクトラル・フェローのこと。政府はアメリカのシステムに倣い、またかと、一万人計画を掲げ、ポスドクの数は急増。しかし、予想に反して博士号取得者の研究職や企業への就職は進まなかったが、二〇〇九年には目標を超えて一万五千人に達したと。計画が始まる前年にも、採用枠が広がってもフェローシップを終えた研究者の就職先がないことを心配する声もあると新聞などで懸念されていたんですけれども、それが現実となってしまった。  この政策の失敗を割食ったのは誰ですかといったら、ロスジェネですよ、就職氷河期世代。何か言い方変えて、数に十分足りないような三十万人を正社員にするみたいな眠たいことを言っていますけれども、この一番あおりを受けたのもロスジェネだったと。計画実行二年前の段階で、科学者の池内了さん、ポスドクについて、科学者を使い捨て労働者あるいは物言わぬ会社人間に仕立て上げる発想に思えると書かれていた。  高学歴ワーキングプアを大量に生み出すようなことを文科省が旗振って、それに対して何か埋め合わせをしたのかといったら、しなかった。時代が悪かった、そういう話になるんですかということなんですよ。  資料の五。二〇〇七年、読売新聞記事。元文科省官僚が、博士余りは米国の制度だけまねて、入口をつくって出口をきちんと整備できなかったと反省の弁。ちゃんとしっかり検証をしているじゃないですか、自分の中でこういうふうに。そのアメリカでも、ポスドクの数が増えているが教育現場で彼らを受け入れる場所はますます少なくなっているという報告が、二〇一五年、雑誌ネイチャーのポスドクの未来という記事にもなってしまっているほど。一七年の日経では、社説で、ポスドクを増やしたことが、任期後の就職先がなく、収入や身分が不安定な高学歴ワーキングプアと呼ばれる若手研究者が増えてしまったと結論付けている。高学歴ワーキングプア問題、現在もずっと続いている話です。  資料の六。二〇一八年に発表された平成三十年度学校基本調査。博士課程修了者の卒業後の状況と学部卒業者と比較してみると、正規雇用に就けた人は大卒で七四%、博士修了者で五三・六%。非正規、一時的な職に就いた人は大卒で四・五%、博士修了者で一九・四%。進学も就職もできなかった人は大卒で七パー、博士修了者で一九パー。博士修了者は過去十年、進学も就職もできない人が毎年二割程度出ている。  ポスドク一万人計画からの流れについて当事者の方々に集まってお話聞いたんですね。  パリの大学で修士課程を学ばれていた数学者の方。日本がいかに研究者を軽んじているかを痛感したとおっしゃってくださいました。日本は知的労働者を非常に軽んじる自殺国家だと。諸外国では、研究者や研究者予備軍というのは、学術研究という公的資産を育成する非常に専門性の高い仕事をする人たちなので、公務員扱いは当然、社会保険に加入できるのは当然。この時点で日本の研究者とは大きく違う。さらに、何億円と掛けて育てた分、流出させたくない、使える人材だとエリート公務員のような扱いをしてくれる。民間に就職する場合でも、すごく評価され、給料がいいというのが普通といいます。  一方で、日本の研究者の中では勝ち組と言われる日本学術振興会特別研究員、いわゆる学振には研究奨励金、生活費ですよね、支給されるんですけど、産休、育休手当もなければ社会保険も入れない。結婚適齢期と言われる二十代後半と博士課程がちょうど重なるので、若手研究者は結婚も子供も持てない状況。学振には博士課程在学中のDCというポジションから博士号取得後のPDというポジションまであり、毎年の推移を見ると、DCの採択率が二割程度、PDは一一%から一七%程度。この僅かな勝ち組でもこの待遇ですから、ほかは推してしかるべきという話になると思います。  生活費を捻出するために、自己責任で副作用の心配もある製薬会社の治験をせざるを得ない若手研究者もいるといいます。高い教育を受けて、ようやく学術研究に取り組むレベルまで到達した希少な大学院生たちが、治験をしないと生活費が足りないとか学費を払うために治験に行かざるを得ないというのは、大げさどころか切実過ぎる現実であると。実家から莫大な仕送りをしてもらえる人以外は、独り暮らしの場合、研究者として人間らしい生活が送れていないといいます。若手研究者の置かれている現実のこの処遇で平気な人たちは、たまたま親がお金持ちか実家暮らしなだけ。お金は全然ないけど研究者として頑張りますと思っている人は、貧乏が行き過ぎて分からなくなっているだけじゃないかというふうにおっしゃってくれました。憲法二十五条を思い出してほしいんですとおっしゃっていました。  学振の特別研究員である間は一定の生活が保障されるが、それも三年間で終わり。そのときまでにしっかりと安定した職場を見付けなければならないが、そうではなく、非常勤講師を渡り歩いて年を重ねている人がまだ多いというんですね。  今、るるお話ししましたけれども、これまでやってきた文科省の施策でかなり大きくダメージを受けた世代が確かにあり、そういう人たちが確かに存在するということなんです。そこに対して、はっきり言えば、ちゃんとフォローされていないということですね。  国の施策の誤りによって大きく傷ついた人々に対してフォローがされていないということなんですけれども、このポスドクというポジションにおられる方々に対して、文科省として何かフォローみたいなことを考えられたりとか、ごめんなさい、これ通告していないんですけど、余りにも私の話が続き過ぎたらちょっと退屈かなと思いまして、合間にちょっと大臣のお声を聞かせていただこうかなと思いまして。
  46. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) まず、その前提に、先ほど来、規制緩和と行き過ぎた競争政策の負の部分について委員から御指摘がありました。  今おっしゃった部分は一面においては事実なんですけれども、かつての日本がいわゆるガラパゴスと言われたような、大変、規制とかあるいは閉じられた環境の中で、恵まれた中で様々なやはりイノベーションなどが十分に起きていなかった。  法曹人口についても、昭和三十五年、うんと昔からもっと増やさなければいけないということがいろいろ言われていたにもかかわらず、既得権の温存という形でそれがなかなか拡大等がもうずっと進んでこなかった。それがゆえに、先ほど質問があったように、司法試験が非常にいびつな形で行われてきたということも、これも事実でありますので、何もそのアメリカの対日要求だけによってこういった規制改革というものが行われてきたわけではないということは一言触れさせていただきたいというように思います。  その上で、今御指摘になられた、文科省のかつての若手研究者、ポストドクターの拡大によって非常に身分が不安定になった方々がたくさんいらっしゃったという、こういうことについての我々としての考え方なんですけれども、まさしくこの部分、今おっしゃったところは的を射ているというように思います。若手研究者の研究に関するポストの拡充あるいはキャリアパスの多様化、将来の生活の保障、こういったことを我々今、文部科学省の方でしっかりと改めて進めるべきだというように考えております。  具体的には、多様な研究機関において活躍し得るキャリアパスを提示する卓越研究員事業の実施ですとか、国立大学における人事給与マネジメント改革の推進によって特に若手研究者のポストの確保を図るとともに、いわゆる科研費におきまして、科研費若手支援プランの実行を通じて研究者のキャリア形成に応じた支援の強化も図らせていただいております。  また、先般、永岡副大臣の下で取りまとめた研究力向上改革二〇一九においても、この若手研究者のキャリア形成の観点から、若手研究者の任期の長期化と専従義務の緩和、優れた若手研究者へのポストの重点化、多様な財源を活用した博士学生の経済的支援の促進などを盛り込んでおりまして、今後、必要な制度改善などを進めることとしていきたいと考えております。
  47. 山本太郎

    ○山本太郎君 全然そのやられている施策が届いていないというか、不十分であり過ぎるということですね。そのやられた施策によって救われた人たちだったり、ちょっと助かったという人たちの数は余りにも少な過ぎる。大人の思い付きに近いような形、行き当たりばったり的な施策をどんどん展開することによって、それに傷ついた人たちはその後ほぼ放置状態じゃないですかって。高学歴ワーキングプアという人たちであふれているんだよということですよね。余りにももったいないという話なんです。  先ほど日本のガラパゴス状態を開放したというのが規制緩和であったんであろうというような話をされましたけど、申し訳ないんですけど、デフレの時期に規制緩和なんか進めたら、ろくなことはないの分かっている話なんですね、これ。  雇用は守らなきゃいけないし、産業は守らなきゃいけないというときに、規制緩和をどんどん広げていって外から入ってくるようになっちゃったらどうなるかといったら、どんどん食われていくんですよ、力のない日本企業も壊れていくんですよって。その結果、二十年以上デフレ続いているじゃないですか、随分、国力そがれましたよってことですよ。  消費も投資もなくなるということは需要そのものなくなる、需要そのものなくなるということは、どうなるかといったら、当然、国の力というのが落ちていくわけですよね。それをずっとかじ取りしてきた主に自民党の方々というところに責任があるということを一人一人がお感じになられているかということなんですよ。  誰も腹切っていないじゃないですか、誰も責任取っていないじゃないですかってことですよ。もちろん、この法科大学院という部分においても、誰も責任取っていないじゃないかって話ですよ。本当に必要な改革というものが今回でなされるのかという話です。  ちょっと今、話の途中で大臣に振っちゃったんで、もうちょっと続けさせてください、ポスドクの件。  先ほど言いました学振、特別研究員である間は一定の生活費が保障されるけれども、それも三年で終わると。そのときまでにしっかりとした安定した職場を見付けなければならないけど、そうではなくて、非常勤講師を渡り歩いて年を重ねてしまうという人たちが非常に多いというんです。  そのような人材募集、どこで行われているかといったら、ネットだよと。で、見せてもらったんですね。そうしたら、出てきたのが核物質を取り扱う公益財団法人だった。修士生の基本給が月給二十一万五千五百円。今回お話を伺ったお一人の、国立大学労組の役員もしている大学教授。本郷三丁目駅前のファストフードの平日アルバイトの広告、時給千五百円、核物質の管理がファストフードのバイトとほぼ同じというのはあり得ないというふうに怒ってはった、憤っていましたよ。  四十代の研究者グループの方々は、この国において高等専門教育を受けて学位を持った人に対する専門性に対する軽視の念が官庁や企業にも根強くあるという指摘。ポスドク一万人計画の結果、専門分野を修めた博士号取得者が毎年、一万五千人以上、今も増産し続けているにもかかわらず、国が受皿つくってこなかったんじゃないかという話なんですね。  東大で教授をしている男性は、自分は修士課程二年を終えてから一度霞が関の官庁に就職したことがあるが、修士の二年を一年分の勤務経験としてしか認めてくれなかったとか。これ、すごい重要じゃないですか、その勉強してきた分をやっぱり霞が関に来られた方はその分評価されるとかということ。  これだったら私、ちょっと大臣のお力発揮できるところなんじゃないかなと思うんですけど、そういう評価という部分についても、もう少ししっかりと見ていただくということできないですか。二年余計に勉強してきた分を一年分しか評価されないとかいったら、これやっぱり、時間は平等に流れているわけじゃないじゃないですか。その分社会人としてはちょっと出遅れている、でも専門的な知識があるという方々に対して、その評価の制度とかということをやっぱりちゃんと見直していくとかということをお願いできないですか。
  48. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) 一般論としては、例えば大学院などで深い学びをした者に対して高い級で処遇をするということがあるかと思いますけれども、今おっしゃったように、個別の例えば学術の年限がどのように人事制度に反映されるかということについては、もう少し細かく精査をさせていただきたいと思います。
  49. 山本太郎

    ○山本太郎君 ありがとうございます。  国がポスドクを増やしてきたという責任があるんだから、専門性のある修士号取得者などにはむしろ三年分、四年分に評価して専門性に対する敬意を示していただきたいというのが当事者の話でした。  ほかにも、日本でポスドクを研究者として受け入れている団体は大体が官僚の天下り団体だみたいなことも言われていたんですけど、優先的に天下り団体で受け入れてあげたらどうですか、そういうことできないんですか。ごめんなさいね、私、詳しくは知らないんですけど、先々の天下り先として確保しておきたいのは分かるけど、ちゃんと勉強してきて、国の失敗でそういうポスドクを大量に生み出してということをずっと続けてきたわけだから、優先的にそのような機関に就職する場を設けてあげるとかというのも、私ちょっと柔軟に考えていくべきなんじゃないかなと思うんですけど、大臣、いかがでしょう。
  50. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) 先ほど答弁をさせていただいたとおり、これからのそういったポスドクと言われる方々についての処遇を改善するとともに、先ほど、委員の言葉を借りればロストジェネレーションと言われている方々が今大変将来の不安に悩んでいるという問題についても、例えばリカレント教育ですとか、あるいは採用の通年化、あるいは中途採用の強化等々、これは文部科学省だけでできる話ではありませんけれども、様々な対策を通じて、最近は引きこもり問題なども大変大きく取り上げられておりますけれども、内閣府、他の省庁ともしっかりと連携をしながら光を当ててまいりたいというように考えております。
  51. 山本太郎

    ○山本太郎君 本当に大胆にやっていかないことには、もう本当ぼろぼろになっちゃいますよ。先日の年金二千万円の話もありましたけど、特にそのポスドクであったりとかロスジェネとかというような世代のことを考えると、どっちみち高齢化するんですから、そのときに資産形成もできていない上でといったら、野たれ死に宣言ですよ、これ。緩やかな死刑宣告を国からされているようなものですよ。だって、先に希望なんてないんだから。だからこそ、そういう、文科省においてポスドク一万人計画というもので大量にそのような高学歴ワーキングプアを生み出してしまったということに対しての受皿というものを、是非旗を振っていただきたいんですよね。  資料の七。海外のデータですけれども、ドイツでは博士号取得者の取得後の就職先で圧倒的に多いのは企業が七三%、大学に残る人は一五%と少数派であると。日本の場合は真逆ですね。大学が七五、企業が一四。  この方々に国に願うこととして言われたことが、何よりも、少なくとも各研究者に競争させて配分する競争的資金の割合が増え過ぎているから、かつてのように各大学に平等に配分する昔どおりの形に戻してほしいという話なんですよ。ガラパゴスだとか何か、どうのこうの言ったって無駄なんですよ、もうやっていることが真逆なんですよと、どんどんこの国の学問であったりとか研究分野であったりというところを殺していこうとしているじゃないですかって。企業とのイノベーションとかって、それ外部の話だろうということですよ。国として何をやるかという、ちゃんとやるべき投資をやっていただきたいという話なんですね。これは法科大学院についてもそうだと思います。経済的負担を減らすというなら、金出す以外ないだろうということなんですよね。  諸悪の根源は、研究資金を削ったり、競争させて獲得させればいいと考えている財務省主計局じゃないですかとも言われたんですけど、私は、まずその原因をつくった文科省にやはりそういう受皿という部分を考えていただきたいと思います。  話は長くなりましたけど、国がやらかした失策、このロースクール問題もそうですよね、こういうものに対してちゃんと尻拭いしましたかということなんですよ。具体的な救済は行われましたかということなんです。ほぼないじゃないですか。先ほど言われましたけれども、該当者、それに該当する人々、何人ぐらいなんですかということですよ。やりっ放しじゃないかって。多くの人々の人生を、生活を狂わせるような施策を推し進め、政治家は責任取らない、そんな施策まだまだありますよって。  例えばですけれども、この文科委員会とも連合で審査しました内閣委員会、私がいたときに大学関連の法案ありましたよね。東京一極集中の是正、それに資するということで、三大都市圏への人口の集中を抑えるために大学の定員を抑制するという愚策、これ地方創生と関連付けられた方策ですよ。大学の定員の抑制、二〇一六年度からスタート、狙いは定員を超えた私大、国立大学に対するペナルティーを厳格化すると、大都市圏への学生の集中を是正することを目指すという話なんですね。ペナルティー厳格化って何かといったら、大学への助成金の不交付、減額だと。  これ、内閣府に対して、この導入後二年間でどれぐらいの結果出たんですかと、定員超過どれぐらい防ぐことができたんですかと話を聞いたら、知らないと言われたんです。これ、内閣府と文科省ですよ。学生の数減らすといって、どれぐらい定員超過を防げたんですかと聞いたら、答えは知らないと言ったんです。それで、文科省にも聞いたら、たらい回しにされたんですよ。  結局、これ二か月ぐらい掛かって、データ集めてもらって資料にしてもらったんですね。ペナルティー導入後、平成二十八年度と二十九年度の二年間、三大都市圏では国立で二百九十八人減らした、超過率は〇・八改善、私立では三千五百三十二人減らして、超過率一・二%改善。国公立、私立合わせて三千九百二十一人減らしたという結果なんですね。  じゃ、それで一極集中とか三大都市圏への集中は是正されたかということなんですけれども、総務省統計局住民基本台帳人口移動報告では、二〇一七年、東京への流入は減るどころか、転入者が転出者を約十二万人上回る転入超過。二十二年連続の転入超過、減るどころか増え続けている。この結果、二〇一八年も同じなんです、転入者が転出者を上回る転入超過が二十三年間連続。  じゃ、減らした意味って何なんだったんですかということなんですよ。超過数は前年より一万人悪化していると。大都市への転入をどうすれば抑えられるのか。これ、根っこと向き合っていないんですよ、行き当たりばったりなんですよ。大学の定員を抑制して、ただ一部の数減らしただけ。東京一極集中の流れ、むしろ悪化している。これ、場当たり的施策以外に言葉ありますかということなんです。  これによって大きな副作用が生まれたということ。今年の春も、模擬試験でA判定だったのに落ちてしまったという受験生の嘆きの声、SNS上でも上がりましたよね、たくさん。新聞報道でもされました。全く同じことが起きている。大学の定員数超えたら助成金の不交付、減額、そういったペナルティーを恐れて、大学側は合格者絞った。結局、この大きなあおりを受けたのは、いきなり椅子取りゲームの椅子を大胆に減らした結果、おととしと去年、そして今年、大学入試を受けた学生たち、人生設計さえ立てられない状況にされたんですよ。  これ、大学のレベル下げて受験する以外、方法がないと。模擬試験ではAと言われていた、これ受かるんじゃないかという話になっていたけれども、それじゃ受からないかもしれないからと、どんどん下に下げていくんだけれども、そこでも受からない、そこでも受からないと、どんどんどんどん、下に下に受けていかなきゃならない状況になっちゃったということですよね。  これ、余りにもあり得ない話じゃないかって。模試でA判定であっても受からない、志望校下げ続けるが引っかからない、そんなことの連続。これ、一校受けるだけでもお金掛かるんですよ、収入少ない家どうなりますかということなんです。生活保護家庭からの進学ということ、国が認めていないけれども、何とかやろうとした子供たちなんて、もう一発勝負だったりとかしませんかということなんですよ。その芽さえも摘むのかということですよ。余りにもあり得ないことを文科省やっているじゃないかって。内閣府もかもしれないけれども。結果出ていないんですよ。これに対して、たくさんの人たちが人生狂わされているんですよね。それに対して何か尻拭いしましたか、その人たち救済されましたかと。  どうしてもみんな大学行かなきゃいけないと思うのは、生涯年収違うからでしょうと、高卒と大卒では。だから、何が何でも大学に行かなきゃと、そこに行けなきゃやっぱりカーストの下に行っちゃうから。そんな中で、大学に受けていって何とか引っかかろうと思うけれども引っかからないという人たちが多数出てきた。理由は何だといったら、文科省が行き当たりばったりみたいな形で始めたことじゃないかと。  結局、これで流入止められたかといったら止められていませんよ。で、これやめたんですよね。資料の八の一と資料の八の二を見たら、結局、一回中止に近い形になっちゃっているんですよ。これ、認めたということですよね、やっぱりこれはマイナスが多いということを。  るる言いましたけれども、何が言いたいかというと、この法科大学院においても、必要なことはもう明らかじゃないですか。明らかってどういうことかというと、日弁連が調査していますよね、委託しましたよね、日弁連に。そこから分かったことは何かといったら、教員とか補助教員とか職員の人的体制の充実、学生本人に対する大胆な経済的支援の実現、これが必要だということが明らかなんですよ。でも、本改正案に条文上規定されていますか、その部分について。教員の人的体制の充実だったりとか、大胆な経済的支援、これ学生本人に対するもの。調査によって必要なものが分かったけれども、条文上規定されていないんです、これ確認しています。  おかしくないですか、一番必要なことがどうしてこの法案の中に書かれていないんですか。何のために改正するんですか、これ。3プラス2にするとか、これ法科大学院の延命策でしかないじゃないかということなんですよ。一番大切な当事者、より多様性のある法曹を生み出すというために改正をするはずが、その多様性のある人材を呼び込むためのバックアップ、今まで法律勉強してこなかったんですという人たちをしっかりとバックアップするための補助教員だったりとかというところにちゃんとお金を付けるとか……
  52. 上野通子

    ○委員長(上野通子君) 山本太郎さん、質疑時間が終了しております。
  53. 山本太郎

    ○山本太郎君 必要なものが何も書かれていないんですよ。結局、法科大学の延命策でしかないというこの法案にどうやって賛成しろというんですか。  審議時間、短過ぎますよ。もう一回、これ出し直すべきじゃないですか。ちゃんと当事者の声も聞いて、しっかりと内容を充実させるべきじゃないですか。  その一言だけ、大臣、お答えください。
  54. 上野通子

    ○委員長(上野通子君) 質疑時間終了しております。大臣、簡潔にお答えください。
  55. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) 受験生には先ほども申し上げたとおり大きな改革ではありますけれども、法科大学院等関係者の意見は聞いておりますし、これから法務省で進む検討についても、引き続きしっかりと各方面の意見を聞きながら、慎重に制度設計をしていきたいと考えております。
  56. 山本太郎

    ○山本太郎君 終わります。
  57. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 まず、司法試験法及び裁判所法の一部改正について伺います。  まず、予備試験の一般教養科目の廃止と専門科目の存置について確認をしたいと思います。    〔委員長退席、理事石井浩郎君着席〕  対政府質疑、参考人質疑とも、予備試験の在り方については活発な議論が交わされました。  司法試験法の第五条の三項に、予備試験の論文式試験で一般教養科目を廃止をして選択科目を追加するとしています。ここで、予備試験の論文式試験に一般教養科目がこれまで果たしてきた役割をどのように評価するのでしょうか。また、なぜ今回廃止という判断に至ったのか。また、法曹養成制度改革推進会議では選択科目の廃止も検討事項として挙げられましたが存置されました。これはなぜでしょうか。
  58. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  予備試験は法科大学院修了者と同等の学識能力等の有無を判定するものでございますが、法科大学院修了者の一般教養に関しましては、法科大学院の入学者選抜におきまして学部卒を要件とし、また学部段階において一般教養を学んでいることのほか、社会人につきましては学業以外の活動実績や社会での経験等も重視されております。  このように、法科大学院修了者については一般教養を備えていることが担保されていると考えられることから、予備試験におきましても一般教養科目を試験科目としたものでございます。  今回の改正法案では、法科大学院教育の充実のために、法科大学院課程におきまして選択科目相当科目の履修義務付けがされることを踏まえまして、予備試験の論文式試験に選択科目を導入することとしております。これは、法科大学院における選択科目相当科目の履修義務付けにより、予備試験について当然に必要となると考えられる見直しでございます。その上で、予備試験全体の負担の合理化の観点から、論文式試験から一般教養科目を廃止することとしたものでございます。  なお、先ほど申し上げました一般教養科目が置かれた趣旨に鑑みまして、今回の法改正後も予備試験の短答式試験には一般教養科目は引き続き存置されることとしております。  また、委員お尋ねの司法試験論文式試験の選択科目でございますが、これは二十七年六月の推進会議決定におきましても、司法試験受験者の負担軽減に資するなどの観点から選択科目を廃止することを積極的に評価する見解がある一方、法律科目に限らない幅広い知識、教養を持つ多様な人材の育成という法曹養成の理念にこの選択科目の廃止は沿わない、あるいは選択科目の廃止により学生の学修意欲が低下してしまうという指摘があったことから、この選択科目の廃止の是非については法務省において引き続き検討を行ってまいりました。  法務省におきましては、この選択科目の廃止につきましては、その可否、具体的制度設計の在り方を検討したわけでございますが、選択科目を維持することには、専門的な法律分野の能力の修得を国家試験で統一的に判定できるというメリット、また、多様な人材を育成するという法曹養成の理念に合致するというメリットがあることから、今般の改正におきましては、司法試験の論文式試験の選択科目を廃止せずに、在学中受験資格の導入後も試験科目として存置するということにしたところでございます。
  59. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 次に、司法修習教育の更なる充実への取組について、これ最高裁に伺います。  参考人質疑では、社会の要請に応じた多様な法曹の必要性について意見の陳述がありました。今回の制度改正では、法科大学院の教育の改善充実、また、学部教育に早期卒業を取り入れて、法科大学院への飛び入学を可能とする、そういう制度設計が中心となっておりますけれども、司法試験合格後の司法修習はプロセスとしての法曹教育の最終段階でありまして、極めて重要な役割を担っていると考えます。    〔理事石井浩郎君退席、委員長着席〕  グローバル化が進展するなど社会の状況は変化し、法曹に対する社会の要請も変化していく中、その教育内容も一層の工夫や充実が求められることになると考えます。今後どのように取り組んでいかれるのでしょうか。
  60. 堀田眞哉

    ○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) お答え申し上げます。  最高裁判所といたしましても、グローバル化等の社会状況の変化に対応する法曹の養成に向けた取組は重要であると考えているところでございます。  司法修習のカリキュラムは、法科大学院における教育課程の編成やその教育水準、司法試験の内容や実施時期等と相互に関係するものでございますため、法科大学院教育との円滑な接続という観点も踏まえまして、法務省及び文部科学省における今回の制度改正に係る各取組の進捗状況に応じまして必要な検討を行ってまいりたいと考えております。
  61. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 次に、学校教育法の一部改正について伺いたいと思います。飛び入学について伺います。  この学校教育法の百二条の第二項に、大学院を置く大学は、大学に文部科学大臣の定める年数以上在学した者について、当該大学院を置く大学の定める単位の修得状況及びこれに準ずるものとして文部科学大臣が定めるものにつき、当該大学院につき入学させることができるとしています。  ここで、単位の修得状況及びこれに準ずるものとありますが、この準ずるものとは具体的に何を指すのでしょうか。また、改正の内容は、法科大学院のみならず、全ての大学院に適用されるはずと考えます。他の学部の大学院の飛び入学を促すことも可能となると考えますが、どのようにしていくのでしょうか。
  62. 伯井美徳

    ○政府参考人(伯井美徳君) お答え申し上げます。  御指摘いただきました学校教育法百二条第二項の改正案におきます単位の修得の状況に準ずるものとして文部科学大臣が定めるものとしては、法科大学院既修者コースの入学者選抜の一部として、各法科大学院が実施する法律科目の試験であるところのいわゆる既修者認定試験の結果を想定しているものでございます。  また、現在のところ、既修者認定試験と同程度に質が担保された試験等は他の分野の大学院には存在しないということから、学校教育法百二条第二項の当該改正規定につきましては、当面、法科大学院への飛び入学に限って活用する予定としております。
  63. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 次に、法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律の一部改正について伺います。  まず、未修者教育の在り方の検討、入学者選抜での配慮について、これは文部科学大臣に伺います。  参考人質疑では、未修者教育の在り方や社会人志願者の激減が大きな論点として挙げられました。土井参考人からは、未修者教育について、これまでも継続的に改善してきたが、制度として更に発展させるため、専門家による検討を継続するとの発言がありました。未修者教育の在り方について、今後どのように検討を進めていくのでしょうか。  また、この第十条で、法科大学院を設置する大学は、当該法科大学院の入学者選抜の実施方法等について、職業経験を有する者、法学を履修する課程以外の大学を修了した者及び早期卒業、飛び入学しようとする者に対する適切な配慮を行うこととしています。この配慮とは具体的にどのような中身なのでしょうか。
  64. 柴山昌彦

    国務大臣柴山昌彦君) 未修者コースには法学部出身者を含む様々な学部出身者や社会人経験者など多様な者が含まれており、こうした多様な学生に対して、各大学の未修者教育の成果を共通的に把握する仕組みがこれまでなかったこと、個人の特性に応じた柔軟な学修メニューの提供やきめ細やかな学修支援が十分ではなかったことなどが指摘をされております。  そこで、今年度から、各法科大学院が共通して客観的に進級判定に活用する共通到達度確認試験を本格実施するとともに、今後、速やかに中央教育審議会法科大学院特別委員会において実効性のある未修者教育の改善方策について具体的に議論をいただく予定でございます。  また、今回の改正案においては、入学者選抜の時期や方法などについて、社会人や法学未修者、早期卒業、飛び入学により入学を志願する者に対する配慮義務を規定することとしております。具体的には、例えば、社会人に対しては試験の休日実施や社会人経験の評価、未修者へは特定分野、例えば理学部などですね、そういったところからの枠の設定、早期卒業や飛び入学による志願者へは学修の状況に応じた試験科目の設定などが考えられます。  法科大学院入学者の多様性の確保を一層促進するため、文部科学省といたしましては、めり張りある予算配分を継続するとともに、未修者、社会人の入学者割合や司法試験合格率といった数値目標を設定して、今後とも継続的に法科大学院教育の改善や充実を進めてまいります。
  65. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 次に、法科大学院への地方部からのアクセス向上について、これも大臣に伺います。  参考人質疑では、複数の参考人から、地方部で法科大学院が減少していることが課題だという発言がありました。大臣には、是非とも地方部に住む方であっても法科大学院にアクセスする環境の整備に努めてほしいと思います。  土井参考人からは、地方部の大学であっても、連携協定を都市部の法科大学院と結ぶことで地方部からでも法曹になる道が開かれているとの意見の陳述がありました。地方部の大学と法科大学院の連携協定の締結をどう促していくのでしょうか。  また、この新制度では、法科大学院を有していない大学でも法曹コースの設置が可能であり、法科大学院が必要な協力を行うこととし、地方専願枠の設置も可能とされていますが、この枠とはどのようなものなのか、また、どのようにしてこの枠の設置を促していくのでしょうか。
  66. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) 御紹介をいただいたとおり、地方の法科大学院の募集停止が相次ぐ中で、法科大学院が存在しない地域の大学が法科大学院と連携することは必要性が非常に高いと認識をしております。  今回の制度化を見据え、現に法科大学院を設置していない地方大学においても法学部に法曹コースを設置する検討が進められておりまして、私どもとしては、この法曹コースの設置における留意点などをまとめたガイドラインの策定などを通じて、地方大学と法科大学院の法曹養成連携協定の締結を奨励していきたいというように考えております。  また、先ほど御質問があった法科大学院における入学者選抜について、地方専願枠として、連携する地方大学から当該法科大学院を専願する者を対象とする選抜枠を設定することを認める方向で検討をしているところであります。  具体的な設計はこれから検討していきたいというように考えておりますけれども、文部科学省といたしましては、こういった法改正、そしてめり張りある予算配分、こういったものを通じて地方大学と法科大学院の優れた連携の取組を支援をしていきたいと考えております。
  67. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 次に、多様性の確保に関しまして、ICTを活用した取組など社会人経験者への教育の推進について伺います。これも大臣に伺います。  先日、対政府質疑の答弁で、社会人志願者のためにICTなどを活用した教育を推進していくという答弁がありました。また、参考人質疑でも、社会人経験者が法曹を志望するためには仕事を辞めずに学べる環境の整備が大切だという意見陳述がありまして、具体的には、講義を休んでも録画を後から視聴可能であったり、また、スマホで見ることができる授業の動画配信であったり、また、多くの方の勤務地から近い丸の内のサテライトキャンパスであったり、また、就業時間後の夜間での授業など、こうした取組が挙げられました。  社会人経験者が法科大学院を志望できるよう、こうした取組を更に進めていく必要があると考えますが、大臣にこうした取組を是非とも推進していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  68. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) おっしゃるとおり、多様なバックグラウンドを有する者が法律に関係する分野でその知見を生かせるようなチャンスを開くということが重要でありまして、働きながらでも法曹を目指すことができる環境を整備していくということが重要だと考えております。  実際、筑波大学や日本大学では、夜間や土日のみの通学で法科大学院の修了が可能であるということでありますし、また、勤務時間終了後に通学しやすい文京区や千代田区に法科大学院を開設し、タブレットなどの機器を用いて出張先からでも一定程度授業の受講を可能としているということであります。また、欠席時の授業を視聴できるように授業の録画配信を実施するなど、社会人が学びやすい環境の整備に取り組んでいるということでもございます。  私どもといたしましては、めり張りある予算配分などを通じて、ICTを積極的に活用した教育の充実など、社会人が学びやすい環境整備に取り組む大学を支援していきたいと考えております。
  69. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 最後に、法曹の魅力についての情報発信について、これは法務副大臣と文部科学大臣、お二人に伺いたいと思います。  参考人質疑におきまして、私からこんな質問をしました。私の友人が、高校に在学していたときに、高校に弁護士の方が来て仕事の中身を話してくれたのがきっかけで法曹を目指すようになりましたと、こんなエピソードを通じまして法曹の魅力発信の必要性について伺ったところ、参考人からは、法曹が主役のテレビドラマとか、日弁連が企画する法曹と直接触れ合えるような、お話を伺えるようなイベント、こうした例示があったところです。広く言えば、社会から求められ活躍する法曹のロールモデル、仕事の魅力をいかにして高校生や学生、また社会人など潜在的な法曹志願者に発信していくのか、これが重要になると思います。  これまでの取組をどのように評価をして、今後どのように取り組んでいかれるのでしょうか。じゃ、まず法務副大臣、お願いします。
  70. 平口洋

    ○副大臣(平口洋君) より多くの有為な人材に法曹を志望してもらえるよう、法曹の役割や魅力を十分に伝える取組を進めることは大変重要であると認識しております。  そこで、法務省では、例えば、小中学校に検察官を講師として派遣し、法曹の役割等についての法教育授業を実施したり、大学生や法科大学院生を対象に、検事の仕事内容等に関する説明会を開催するなどの取組を進めてきたところでございます。  このほか、裁判所においても、裁判官が出張講義を行ったり、庁舎見学に訪れた学生、生徒と質疑応答したりする等の取組を、日弁連においても、高校生や大学生等を対象に、弁護士からその仕事内容等について直接聞く機会を設ける等の取組を行っていると承知しております。  これらの法曹関係者による取組は、法曹の魅力についての理解を広め、更に深めていくために効果的なものと考えております。  今後とも、若者から社会人まで幅広い世代に対して法曹の魅力を伝えていくため、必要な取組をしっかり進めてまいりたいと考えております。
  71. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) 文部科学省においては、今おっしゃった法曹の魅力あるいは法科大学院の必要性、こういったものをやはり広げていくということも極めて重要だと考えておりますので、社会で活躍する法科大学院修了生や採用者の声を広報用のパンフレットにまとめて情報発信をしているところであります。また、平成二十六年度からは、法科大学院協会が主催をし、法曹を目指す学生などを対象に、毎年複数の地域で法科大学院の魅力や法曹の声を直接聞くことのできる説明会を開催しているところでもございます。  今おっしゃった高校生に周知していくということもやはり重要だと考えておりまして、法科大学院協会や各法科大学院などとも協力した周知、広報にしっかりと助力をしていきたいと考えております。
  72. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 終わります。ありがとうございました。
  73. 上野通子

    ○委員長(上野通子君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時四十六分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  74. 上野通子

    ○委員長(上野通子君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  75. 松沢成文

    ○松沢成文君 日本維新の会・希望の党の松沢成文でございます。  法曹養成制度の法案の改正案について質問をしたいのですが、その前にちょっと、私は大変驚いた報道がありまして、その件をちょっと取り上げたいと思うんですね。  五月十九日に行われた司法試験の予備試験で、今年の去る五月十九日に、未来問と名付けられたAI、人工知能が、問題の六割、これ短答式の、予備試験の短答式の問題の一般教養を除いた法律関係の問題ですね、この九十五問中五十七問を事前に予測し正解したと、これ開発会社、IT企業ですが、サイトビジット社が発表しているんですね。その報道があって、私、大変驚いたんです。過去の試験でのこの合格ラインが五九%台の何というか正解率で推移しているんですね。この会社は、今回も同じ傾向であれば、五九%が合格ラインであれば、AIの予測問題と正解がその合格ラインを超えた可能性が高いということまで発表しているんですね。  これまでも司法試験の予備校などでは、本番の試験問題を独自に予想した模擬試験などを実施してきましたが、ここまでの的中率というのはなかったわけです。今までの過去の正解率を超える正解率をAIが出しちゃったというわけですよね。AIの予測で合格ラインに迫る六割という的中率は、関係者に大きな衝撃を持って受け止められているというふうに報道されていました。  過去の問題とテキストなどをAIに学習させることで予想問題を作成して、今回は事前にこれ無料で公開されていたわけなんですね。それで、この会社の社長さんの鬼頭社長さんというのは、自身も弁護士であって、司法試験はやっているわけですね、予備試験はどうか分かりませんけれども。それで、このAIで予備試験の予想問題を全部作って六〇%以上の正解率を得たと。  で、こういうことを言っているんです。司法試験をこれから受ける学生たちに、AIを使って早く突破してほしいと。AIがここまで行っているので、どんどんAIを使って短答式なんかは突破して、一番難しい記述式とか、あと口述式というのがありますよね、予備試験は、そういうのに集中してほしい、こう言っているんです。それで、出題者には、これはもう法務省でしょうね、出題者には従来と違う問題を模索してほしいと。このままだとAIの方が進んじゃって、AIからもらった情報でみんな、短答式、それを早く手に入れた人が通っちゃいますよ、だから、もっとちゃんといろんな、AIじゃ解けないような問題を作ってほしいと言っているんですね。AIに追い付かれない試験問題を作ってほしい、作成してほしいというコメントまで出しているんですね。  さて、このようにAIによって合格レベルに迫る的中率で予想問題と解答が事前に作成されてしまっていることについて、法務省はまずどのようにお考えでしょうか。
  76. 平口洋

    ○副大臣(平口洋君) 今回の報道に係る会社が何をもって問題の六割を事前に予測し正解したとしているのか定かではございませんが、一般的に、予備校等において試験問題の様々な出題予測が行われているものと承知しております。  もっとも、法務省としまして、特定の出題予測について内容を把握した上、その正確性等に関してコメントすることは、今後の出題内容について誤った臆測を招くおそれがあるため、コメントは差し控えたいと思います。  いずれにしても、司法試験予備試験の問題作成は司法試験予備試験考査委員に委ねられておるところでありまして、今後とも適切に問題作成がなされるものと承知いたしております。
  77. 松沢成文

    ○松沢成文君 何かそんな悠長なことを言っている場合なんでしょうかね。これ、もっともっと深刻な問題だと思いますね。  実は、今回のはこの会社によって事前に無料で公開されていたんですね。しかし、この会社は、今後AIが予測した問題を受験者に有料で提供するサービスを始めるということも言っているんです。今後は有料だと、お金払ってくれた人にそれを差し上げるということですね。  まず法務省、予備試験というのは、基本的には経済的に厳しい方が、法科大学院に行けない方が予備試験を受けて司法試験の資格を取るというところが本来の目的だったわけですよね。でも、その予備試験の問題がAIによって分析されて、その解答率六割。これは、ほかの予備校が過去問をいろいろ分析して予想していますけど、それよりぐっと高いわけです。コンピューター使ってデータ全部集めて、それを解析してやりますから。そうなってきて、それを有料で販売する。それ幾らぐらいになるか、私、想像付きませんけれども、お金のある受験生が買えて、お金のない受験生は買えずに自分で一生懸命解かないととなる、こういう事態に陥るんじゃないでしょうか。  これ、この経済格差によって、AIのデータを買える人が有利になって、買えない人が不利になってしまう、こういうことにもなってしまいますし、今後、これ予備試験だけじゃないんです。予備試験の短答式の法律問題九十五問が今回分析されて六割行っちゃったんですね。司法試験にもあるんです。短答式で、司法試験は憲法と民法と刑法かな。これなんか範囲が狭いから、ますますAIが分析できちゃうわけですよね。これ、司法試験にだって影響するじゃないですか。  だから、先ほど副大臣言うように、この司法試験予備試験委員会の考査委員会が適切に分析してやりますから、そちらに任せるしかないと言いますけれども、これ、本当にそのままほっといたら、AI情報を買える人が圧倒的に有利になっちゃって、そうじゃない人は不利になるという、これ本当にこの平等な受験競争がむしばまれる可能性だってあるわけですよね。私はそこを問題としているんですが、副大臣、いかがでしょうか。
  78. 平口洋

    ○副大臣(平口洋君) 委員の御指摘につきましてはよく検討してみたいと思いますけれども、繰り返しになりますが、今後の出題内容について誤った臆測を招くおそれがあるために、個々の出題予測についての法務省における把握の有無や評価についてはコメントを差し控えたいと、このように思っております。
  79. 松沢成文

    ○松沢成文君 何でそれを検討することが誤った臆測を与えるんでしょうか。意味分からないんですよね。  だから、今言ったようにAIで解析されちゃって、その情報持っている人が有利になる、持っていない人が不利になる。じゃ、AIに解析できないような本当の、暗記中心の、AIというのはデータをたくさん入れて、それを過去問なんかも全部分析した上で、多分こういうのが出てくるだろうという、もう確率の勝負で出してくるわけですよ。だから、そういう問題ではない、本当にもっと、法律の倫理観だとか、そういう広範囲な、総合的な力でしか解けないような司法試験予備試験に変えていかないと大きな格差問題になりますよということを言っているんです。  それを検討すること自体が何で要らぬ臆測を与えてできませんなんですか。やらなきゃいけないんじゃないですか、いかがでしょうか。
  80. 平口洋

    ○副大臣(平口洋君) 委員の御指摘は御指摘として受け止めたいと思いますが、一般論として言えば、法務省としては、司法試験委員会の庶務として、適切な試験実施のために必要な情報の収集や委員会等への提供に引き続き努めてまいるとともに、状況を注視してまいりたいと、このように思っております。
  81. 松沢成文

    ○松沢成文君 予備試験と司法試験の問題が、どういうものが一番この法曹人材養成につながっていくのかということを決めていくのは司法試験予備試験委員会の考査委員なんですか。考査委員というのはもっと細かな、問題をどういうふうにするかを決めていく人たちで、この試験の在り方を決めていくのは何かその上に審議会みたいのがあるんですか。教えてください、誰がそういう議論をしていくんでしょうか。
  82. 平口洋

    ○副大臣(平口洋君) 方針を委員会で定めた上、個々の問題については考査委員が作成されていると、そういう状況でございます。
  83. 松沢成文

    ○松沢成文君 そうであれば、副大臣、その司法試験模擬試験委員会に、このAIに分析されて問題も予想されてしまう。その正解も当然それに付いてくるわけで、それが六割を超えちゃっているという実態に対してどういう改革が必要なのか、この委員会に私は法務省として諮問すべきだと思うんですけれども。どういう改革が必要なのか、それぐらいやってくださいよ。これ、大変なことになりますよ。
  84. 平口洋

    ○副大臣(平口洋君) 御指摘の点も含めて、よく検討したいと思います。
  85. 松沢成文

    松沢成文君 よく検討して実行に移していただきたいと思います。  文科大臣、これ全てが文科大臣の担当じゃありませんが、日本にはいろんな国家資格の試験があります。実はもうこの会社は、宅建の試験でもAIの解析で実績を上げちゃっているんですね。それで、この会社が今後、社労士の試験、これ八月か九月にやるんです、ここでもAIを使って予測問題を出して、正解も出していくと言っているんです。それから、今後は司法書士の試験、行政書士の試験も全部AIが予想問題を出して、解答を出していくと言っているんですよ。  これはもちろん大臣の担当じゃないですが、大臣、そうなってくると、大学入試センター試験もそうなってきます。確かに大学入試の場合は、法律の世界と違って範囲が広いですから、AIが様々なデータを入れて、それで質問を予測して解答まで出していくその正解率が、それは司法試験ほど高くなるとは僕はちょっと思えないんですけれども、そういう時代が来るわけですよね。  私は、やっぱり、資格試験というのが暗記中心で、とにかく覚えて暗記した人が勝っていく、通っていくという試験から、やっぱり人材の総合的なものを判断するために、暗記だけじゃない、その人の持っている倫理観や道徳観、あるいは社会一般の常識も含めて、その人が法曹の世界あるいは宅建の資格を持った人の世界の中でしっかりとした活躍ができるように、そういう人材を育てなきゃいけないわけですよね。  大学だってそうだと思います。受験に強いやつというのは暗記に強いやつですけれども、本当に大学生としてこれから学ぶにふさわしい人材を採っていくためには、受験偏重型は避けなきゃいけないわけです。そういう意味ではAIとの戦いになってくるわけです、今後。  ですから、私は政府の中に、国家資格の様々な試験がありますが、それが暗記中心でAIに、何というか、負けていくというのはおかしいな、AIに席巻されるような事態を避けるために、どういう試験の在り方が望ましいのかというのを検討するような、そういう、まあ審議会といっても、最近は審議会の答申要らないという大臣もいますから困っちゃうんですけれども、そういうことを検討する審議会みたいのをつくって総合的にやらないと。これもう暗記に強いやつが勝つ、AIの情報を買えたやつが勝つ、こういう国家試験になったら、私はやっぱり人材育成という面でも問題があると思うんですが、政府としてこのAI対策取り組む、そういう意思はないでしょうか。
  86. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) 極めて重要な問題提起であり、実は、今委員が御指摘になったことを、まさに今中央教育審議会などで有識者のいろいろな御意見をお聞きしながら検討しているところです。  例えば、AIで東京大学は合格できるのかとかですね、そういうことについても、省内でも、今日は浮島副大臣お見えですけれども、有識者の方を交えていろいろと議論を検討していって、実は委員が御懸念のとおり、大学に合格できちゃうんですね、AIで。ですので、これは我々、高大接続改革のところで、大学入試などに頼らずというふうにおっしゃいますけど、むしろ大学入試の中で、そういう暗記とか機械的な作業だけで合格できるような試験ではないものをいかに追求していくか。  やっぱり、試験が変われば学生のそれに対する準備も変わってくるわけですから、ですので、その入学試験改革ということを今一生懸命、それこそ法科大学院の試験改革と同じような形で、どのようなことをすればより総合力だとか主体的で深い学びというものを判断できるのかということを、例えばセンター試験でも記述式を導入するなどしていろいろと工夫をさせていただいているところですし、今おっしゃったような方向性で、まさしく審議会などでも検討を進めたいというように考えております。
  87. 松沢成文

    ○松沢成文君 文科省は一歩進んでいますよね。いや、でも本当に、大学入試、大学院の話も出ましたけれども、総合的なやっぱり人間力をしっかり把握するための試験はどうあるべきかというのを中教審でもう検討されていると、その中にはAI対策というのもあるでしょうけどね。  さあ、副大臣、もうその適時検討しますという何か答えなんですけれども、これ、もう模擬試験ではそういう実害というか、こういう動きが出ちゃっているわけですよ。そうしたら、司法試験にも必ずつながりますから、司法試験の方がもっと絞りやすいんですよ。司法試験の短答式の問題というのは、憲法、民法、刑法ですから、模擬試験の方が範囲広いんですよ。ですから、この三つの法律の情報を全部コンピューターに入れて、過去問を全部入れて、そしてインターネットにある法律関係のこの三つの法律の情報を全部入れてやっていくと、AIが様々なこのビッグデータを掛け合わせて問題を予測できちゃうわけですよ。もうそれは模擬試験で行われているんです。絶対に司法試験にも来ますよ。  だから、この委員会があるのであれば、そこに、副大臣、大臣と相談して、国会でこういう指摘出ていると、きちっと検討しないと、もう来年だってもっともっとAI出てきちゃいますからね、また時既に遅しになっちゃいけない。だから、司法試験模擬試験委員会にこのAI対策、どのようにやるべきか検討すると。これは政治の判断ですよ、副大臣、やりましょうよ、どうですか。
  88. 平口洋

    ○副大臣(平口洋君) 法務省としましては、改正法案が成立すれば、法科大学院教育と連携した司法試験の在り方について、司法試験委員会とも連携したしかるべき会議体を速やかに設置して検討を進めていくことといたしておりますので、御指摘についてはその中で検討すると思います。
  89. 松沢成文

    ○松沢成文君 その中でAIの対策についても検討をするというふうに副大臣は明言いただいたと私は解釈をいたします。  次に、いろいろちょっと事前通告したんですけれども、大臣、今回のこの法曹教育の改革、法科大学院含めたこの改革ですね、結果を見ると、今までの法科大学院の実績というのは、失礼ですけど、惨たんたるものだったわけですよね。最初三千人と言っていた人数も、もう半分以下になってしまっていますしね。それから、法科大学院の数だって七十六校あったのが、もう今三十八校ぐらい募集停止して、まあ募集停止というのは柔らかい言葉だけど、民間企業だったらもう事業諦めて潰れているわけですよね、法科大学院が潰れているわけです。合格率だって七、八割というのを予想していた。予想していたというか、そこまで持っていって受験者を増やしたい、あるいはより質の高い法曹を増やしたいと言っているのに、現実は二割ですよね。  やっぱり、政治は結果責任ですから、この十五年間の法科大学院制度というのは、私は結果を見ると大失敗だったと言わざるを得ないと思うんですけれども、大臣は、この十五年間の法科大学院制度やってきて、失敗だったという認識はありますか。
  90. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) 今御指摘になられた、その当初の見込みですね、平成十三年六月の司法制度改革審議会の意見書においては、平成二十二年頃には合格者数の年間三千人の達成を目指すと、これは要するに将来の需要予測ということです。そして、法科大学院修了者のうち相当程度、例えば七、八割の者が合格できるように充実した教育を行うべきということ、そして、法科大学院の設置は基準を満たしたものを認可することとして広く参入を認める仕組みとすべきことが提言をされ、そして、この特に第三点目によって、法科大学院の創設時に非常に多くの大学が言わばブームに乗るようにして設置に手を挙げ、そして政府の側も、規制緩和の流れの中で基準を満たした法科大学院については広く参入を認めて、その後、競争による自然淘汰に委ねるという姿勢を貫いてしまった結果、過大な定員規模となり、その結果、非常に合格率が低く、当初のもくろみが甘かったということになって、その後の希望者の急激な縮小ということにつながったわけですから、率直に言って、私は見込み違いによって当初予定していた姿とは大分違ったものになってしまったということを認め、そして反省をしなければいけないというように思っております。  この間、もっと早く、例えば定員の削減とか補助金の抜本的な縮減、特に合格率の低い大学に対してですね、ということを行わなくちゃいけないんじゃないかということを私も実は政治の中でいろいろと訴えてきたんですけれども、対応が遅れることによって傷口が深くなってしまったということは、率直に言って認めざるを得ないと思います。
  91. 松沢成文

    ○松沢成文君 大臣は失敗だったとは言えないと思いますけどね、立場上。ただ、見込み違いで大きく最初の計画から狂ってしまって、その結果については反省をしているという立場ですよね。まさに、大臣一人がこの制度を背負ってやってきたわけじゃない、今文科大臣としてこの法改正をしなきゃいけない立場なんで、なかなかそこは言えないのは分かるんですが、ただ、やっぱり政治というのは結果責任ですので、これだけ惨たんたる結果であったということは、私はこれで成功だとは言えないですよね、絶対に言えないと思います。物事は成功か失敗しかないわけで、やはり結果としては失敗だったと私は言わざるを得ないと思うんですね。  もう少し質問を進めますと、現在までに募集停止や廃止された法科大学院、三十八校ございます。この三十八校に国庫から支出された補助金や交付金の総額はいかほどでしょうか。このうち、施設に充てられたものと法科大学院の教授などの人件費に充てられたものの額はどうなっていますでしょうか。
  92. 伯井美徳

    ○政府参考人(伯井美徳君) お答え申し上げます。  国立大学に対する運営費交付金や私立大学の経常費補助金は、特定の教育研究組織に対する交付額を切り分けられるものではございませんので、法科大学院に対して支出した金額を正確に算出することはできませんが、予算上の積算等から先生の御指摘に沿って推計を行うと、平成十六年度の制度設立当初から平成三十一年度予算分までにおいて募集停止若しくは廃止された計三十八校の法科大学院に対する支援額は、概算で約二百六十六億円となります。内訳は、国立大学法人運営費交付金が七十二・六億、私立大学等経常費補助金特別補助が百九十三・八億の約二百六十六億となります。  これらのうち、法科大学院の施設費や教員の人件費に充てられた額については、これ切り分けできないと説明いたしましたが、そういう意味で計算が困難となっております。
  93. 松沢成文

    ○松沢成文君 この十五年間の法科大学院の運営に税金から二百六十六億円出ている、違う、廃止された三十八校に二百六十六億円出ているんですよね。これ、結果としてもう廃止されちゃったわけだから、国費の壮大な無駄遣い、失敗に終わったと指摘されても私は仕方ないと思いますよ。私学で百九十三億、国立で七十億ちょっとですよね。  これだけの国費が政府の政策立案の失敗で、運用の失敗で、もちろん大学側の努力不足もあると思いますが、結果として国民の税金が二百二十六億円無駄に使われたという事実に対して、大臣はどう責任感じます。
  94. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) 確かに、今局長から二百六十六億円、募集停止や廃止された法科大学院に対して公費の投入があったという答弁をさせていただいたわけなんですけれども、例えば、募集停止や廃止された法科大学院の教員が、その実績や経験を生かして法学部など別の組織ですとか、あるいはほかの大学の法科大学院などで勤務をしているということもあります。また、実際に卒業した学生が、母校はなくなったけれどもその後法曹になったということもあるわけですから、必ずしもどぶにそのお金がなくなってしまっているというわけではないというようには思います。  ただ、委員御指摘のとおり、これまで持続可能な形で法曹養成機関をつくっていくということを目指していたということを考えれば、先ほど申し上げたとおり、見込み違いであったことは非常に遺憾だというように考えておりますし、それは、私の立場としては、文部科学省としてもやはりしっかりとした政策転換の責任を負っているというように考えております。
  95. 松沢成文

    ○松沢成文君 この法科大学院制度をスタートさせた、その制度をつくったときの文科大臣というのはどなたでしたか分かりますか、今。
  96. 伯井美徳

    ○政府参考人(伯井美徳君) 遠山文部科学大臣でございます。
  97. 松沢成文

    ○松沢成文君 かなり昔なんで、私もよく覚えていませんけれども、私は、やはり二百二十六億、国の税金が、今募集を停止してしまっている、ある意味でなくなってしまっている法科大学院につぎ込まれた。大臣が言うように、教授もほかの法科大学院に回ってまた継続している方もいますし、様々な要因もあるので、全てがどぶに捨てたわけじゃない、継続して生かされている部分もあるというのは分かりますが、でも、法科大学院をつくった以上、それはもう全校が全て成長していくとは思いませんよ、競争の世界もあるわけだから、しかし半分以上がなくなってしまっている。  これ、持続可能な法曹養成制度になっていないわけですよ、このことの失敗、それから国費二百六十六億、全額じゃないけれども、その大部分は投資したけれどもそのリターンがなかったわけですね。この大失敗に対して、当時の文科大臣が私は謝罪せよとは言いませんが、私は、国民の皆さんにこの失敗についてはきちっと謝罪をする、あるいは誰かが責任を取る、それぐらいの大きな政府の失政だと私は考えているんですが、大臣、いかがでしょうか。
  98. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) 繰り返しになりますけれども、やはり先ほども答弁をさせていただいたとおり、ずっと長らく法の支配をしっかりと日本全国津々浦々に広げていく、また、新しいリーガルサービスのニーズに従った形で法曹人口を増やしていくという目的、そして、それがこれまで、ともすると、やはり様々な既得権の壁に阻まれてなかなか進んでこなかったという中にあって、やはり政治主導で大胆な改革を進める必要があったということは、これは一面、私は非常に有意義だったというように思います。  ただ、そのときの見込みがかなり違った部分があったということについては、また、その後の対応についても適切な対応が遅れてしまったということについては、真摯に反省をしなければいけないというように考えております。
  99. 松沢成文

    ○松沢成文君 ちょっと角度を変えますが、今回の法改正によって法科大学院を更に充実していこうということですよね。この改正によって、じゃ、今後は三十八校に続く募集停止をする学校、もうそれはなくなって、少なくとも、あと残っている、今残っている学校は持続可能な法科大学院として成長できる、そういうふうに大臣として明言できますか。
  100. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) 今後は法改正によって合格に要するコストや時間が短縮され、そして何よりも、法科大学院の入学者数の総数についても現状の定員規模を上限に制度的に管理をしていく、そういった質と量の改革というものを進めていくわけですから、もちろん、今後しっかりと法改正の進捗について、定数管理がどのように行われているかということを注意深く検証を続けていく必要はあるかというふうに思いますけれども、これまでのような失敗というのはもう起きないというように考えております。
  101. 松沢成文

    ○松沢成文君 信じたいと思います。  ところで、大都市圏を中心に司法試験の合格実績の高い上位校が集中していますよね。その一方で、四国では香川大と愛媛大の連合法務研究科というのが撤退してしまって、法曹養成機関の空白地帯、四国は一つもなくなっちゃった。また、北海道では北海道大学、東北六県では東北大が唯一の法科大学院になってしまうなど、地域の偏りが顕著になってきております。  こうした中で、法科大学院を有しない熊本大学や信州大学の法学部は、早稲田大学、中央大学などの法科大学院と連携して、法曹コースを二〇二〇年度に設置する方向を明らかにしています。また、新たに、法科大学院がない地方大学出身者を優先的に受け入れる地方大学枠の創設も認められることになるというふうに聞いています。しかし、こうした取組でも、地方で働く法曹の育成にどこまでつながるかは定かでない。  地方の法曹教育を維持する方策について、文科大臣はどのようにお考えでしょうか。
  102. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) 連携法曹基礎課程、いわゆる法曹コースは、必ずしも自分の大学だけじゃなくて、ほかの大学の法科大学院との連携も可能であり、特に、今御指摘になられた地方の法科大学院の募集停止が相次ぐ中で、法科大学院が存在しない地域の大学が他の法科大学院と連携するということは、まさしく地方における法科大学院の進学機会の確保の観点から必要性が高いというように考えておりますし、現に、今回の制度化を見据えて、法科大学院を設置していない地方大学において法学部に法曹コースを設置する検討が進められていると伺っております。  私どもといたしましては、法曹コースの設置におけるそういった連携などの留意点などをまとめたガイドラインの策定ですとか、地方大学の学生が法曹を目指せるルートを確保するための法科大学院の入学者選抜に地方専願枠の設定を認めることなどを検討をしておりますし、地方大学と法科大学院の法曹養成連携協定の締結を奨励をしてまいります。  また、金沢大学の法科大学院が千葉大学の法科大学院とオンラインで結んでプログラムの強化を図るなど、合格率が低い地方の法科大学院が他の法科大学院からの遠隔教育プログラムを充実するということも、これは新しい時代の教育の改善充実の工夫であるというように考えておりますので、そういったこともしっかりと進めていきたいというように考えております。  いずれにいたしましても、今回の法改正と併せてめり張りある予算の配分などを通じ、幅広い地域で法曹人材が配置されるよう、創意工夫ある取組を支援をしていきたいと考えております。
  103. 松沢成文

    ○松沢成文君 もう最後の質問にしますけれども、私は、法科大学院制度は失敗だったと思って廃止すべきであるというふうに考えているんですね。  今回の改正によって、法曹コースへの進学者に学部三年、法科大学院一年プラスアルファで司法試験を認めるのであれば、学部四年を卒業してすぐの司法試験受験と年数的には変わらないわけです。そうであれば、法曹人材の養成は、法科大学院ではなく、大学の法学部に設置した法曹コースで四年間掛けて行えばいいと思います。そして、司法試験は、法律知識だけではなく、法的素養や法的判断に至る過程などを問う内容で、他学部出身者や社会人も受験できる司法試験制度に一本化すべきであるというふうに考えています。  こうして、法学部の法曹コースから司法試験、司法修習という一連のプロセスの中で法曹に必要な知識とスキルを身に付けるような制度設計によって、法曹養成プロセスを根本的に改革する必要があるというふうに考えています。そうすることで、制度発足時から掲げられた法科大学院の理念でもある、点から線へ、プロセス重視、多様性、開放性、公平性に沿った法曹養成制度を実現できるというふうに考えておりますが、私の考えに対して大臣はいかがお考えでしょうか。
  104. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) 先ほど大学入試の改革についてお話をしたとおり、試験が確かに変われば、それに至るための教育も変わってくるという側面はある程度はあるのかなということで共感できる面はあるんですけれども、ただ、実務力や実践力も含めて法曹のプロフェッショナルを育てていく上で、まさしくその教育のプロセスとしての法科大学院、これはやはり非常に私は重要であるというように考えております。  すなわち、実務能力……
  105. 上野通子

    ○委員長(上野通子君) 大臣、お時間ですので、簡潔にお答えください。
  106. 柴山昌彦

    国務大臣柴山昌彦君) はい。  ということで、法曹コースにおいて代替できない法科大学院をしっかりと改革をする。そして、御指摘のような、試験だけでは当初の理念というのは実現は難しいのかなと考えております。
  107. 松沢成文

    ○松沢成文君 時間ですので、終わります。
  108. 山添拓

    ○山添拓君 日本共産党の山添拓です。  法曹志望者減少の理由とされます経済的負担について伺います。  二〇一五年の法曹養成制度改革推進会議決定では、経済的負担の軽減策として、奨学金や授業料減免など、給付型支援を含めた経済的支援の充実を推進するとしておりました。  この間、政府として、法学部、法科大学院生を対象とした経済的支援、これは何か行われましたでしょうか。
  109. 伯井美徳

    ○政府参考人(伯井美徳君) 平成二十七年の法曹養成制度改革推進会議におきまして、御指摘のように、奨学金制度や授業料減免制度など、給付型支援を含めた経済的支援の充実が求められたところでございます。  このことも踏まえつつ、文部科学省においては、無利子奨学金の充実や授業料減免の拡充等、法科大学院生を含む大学院生への経済的支援の充実を図ってきたところでございます。  直近の平成二十九年度のデータでは、法科大学院在籍者四千七百五十五人のうち、全体の三四・一%に当たる千六百二十人が給付型奨学金や授業料減免等の支援を受けており、さらに貸与型奨学金のみの支援を受けている六百八十五人を加えると、全体の約半数、二八・五%に当たる二千三百五人が経済的支援を受けているというところでございます。
  110. 山添拓

    ○山添拓君 それは一般的なものなんですよ。  法学部生、法科大学院生を対象にしたものは行ったのかというのが私の質問です。
  111. 伯井美徳

    ○政府参考人(伯井美徳君) 法科大学院におきましては、今御説明いたしましたように、他の大学院と比較しても多くの学生が支援対象となっております。学生支援機構における法科大学院生向けの奨学金制度というのもございます。  今後とも、その授業料減免、奨学金の充実に努めてまいりたいと考えておりますし、学部生、法学部生についての経済的支援につきましては、法曹養成制度改革推進会議決定においても直接には触れられておりませんが、法学部生を含む大学生向けの給付型奨学金を平成二十九年度から実施し、さらには、今国会でお認めいただきました低所得者層への新支援制度の実施など、高等教育の修学支援の充実を図っているところでございます。
  112. 山添拓

    ○山添拓君 こんなところで時間取らないでほしいんですが。  私のところに五月二十二日に出していただいた書面では、法学部、法科大学院生に限定して政府として新たに行った取組はございませんって書いてあるんです。違うんですか。
  113. 伯井美徳

    ○政府参考人(伯井美徳君) 従来から行っているという取組でございますし、新支援制度は今国会で認められたものでございます。
  114. 山添拓

    ○山添拓君 認めようとされないんですね。  認めようとされないんですけど、そう書いていただいていますから、法科大学院生に向けて特別に行ったものというのはこの間ないわけです。  国立の法科大学院というのは、他の学部より授業料が高いんですね。国立大学の授業料標準額というのは、医学部であれ大学院であれ、年間五十三万五千八百円です。ところが、法科大学院だけが八十万四千円と一・五倍です。経済的負担の軽減というのであれば、少なくとも他学部並みに授業料を下げるということを検討されるべきじゃありませんか。
  115. 伯井美徳

    ○政府参考人(伯井美徳君) 御指摘のとおり、法科大学院の授業料は国立大学年額八十・四万円と高うなっておりますが、これは法科大学院教育の質の充実ということで、教育内容の向上に即した授業料という設定でございます。  給付型奨学金あるいは授業料減免措置の充実というのは、今後とも努力してまいりたいと考えております。
  116. 山添拓

    ○山添拓君 やるとは言われませんでした。  要するに、法曹養成のために経済的支援、給付型支援も含めて必要だと言われながら、それに特化した対策というのは政府として行っていないということなんですよね。  次の問題に行きます。  資料をお配りしておりますが、日弁連の昨年十月二十四日付け、法科大学院在学中の司法試験受験を認める制度変更に関する基本的確認事項という書面があります。下から四行目に、以下の点について十分な対応がなされないようであれば、今般の制度変更には容易に賛成することはできないとして、司法試験の受験資格は法科大学院修了者を原則とし、在学中受験を例外的な位置付けとすることを挙げています。これは単に制度上の原則、例外という問題ではなくて、運用としても在学中受験は例外的な扱いとせよと、こういう趣旨であろうと思います。  大臣、伺いますが、日弁連からも意見を聞いて了承を得たということなんですが、在学中受験というのは例外的な扱いになるんですか。
  117. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) 今回の改正案においては、司法試験の受験資格については、あくまで現行の法科大学院修了資格を維持した上で、それに付け加える形で法科大学院在学中の者であっても所定の要件を満たした者について受験を認めるということとしているわけでして、在学中受験資格は、法律上の位置付けはあくまで例外的なものとなっております。
  118. 山添拓

    ○山添拓君 運用はそうなるんですかという質問です。
  119. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) 今回の改正案は、法曹を志望する学生にとって、まず、法曹資格取得までの時間的、経済的負担の軽減を大きくそのニーズに沿った形で改革をしていくということでありますので、この3プラス2のルートそのものは標準的な運用とするとともに、今御指摘になられた在学中受験資格を学生にとってのオプションとして追加をし、希望する学生がこれを活用することを可能としたものであります。そのため、在学中受験資格については、この運用としては、例外的というよりは学生が自らの判断に基づいて活用するものであるというように認識をしております。
  120. 山添拓

    ○山添拓君 例外的というふうにはおっしゃらないんですね。  日弁連の意見を聞いたということをおっしゃっているんですけれども、これは単に意見を受け取ったという形式論にすぎないだろうと思います。  当委員会で意見を伺いました内山参考人も、日弁連を代表した意見ではないということを断りつつですが、在学中受験も含めて学生の選択として標準的なルートとなっていくというようなことであれば、これは賛成できないだろうと述べております。  法務省は、昨年十月の中教審では、在学中受験をまだ方針化していない、こう言っておりました。ところが、文科省は、それに先立つ九月の法科大学院協会から了承を得たと五月三十日の法務委員会で答弁をされております。この法案が法務省と文科省の共管であることをいいことに、言わばだまし討ちのように手続を進めてきたと。日弁連との関係でも、意見を聞いたと言いながら、その意見の中身は実際とは異なる。  これ、出発点は昨年七月の自民党の部会だと伺っています。法科大学院の教育に大きな影響を与える在学中受験について、中教審での議論もなく、これはもう与党の意向で解禁ありきで進められてきました。制度の検討過程として極めてずさんであります。  次に、法曹コースについて伺いますが、これは学部二年生への進級時以降に選択することとされ、学年ごとに厳格に成績評価をして、優秀な学生が法科大学院の既修者コースに進学するのが基本とされています。この厳格な評価というのは、充実した教育が行われることが前提となります。  ところが、昨年三月の中教審特別委員会の基本的方向性と題する文書では、法学部教育の充実改善策は今後の検討課題とされて、これからだといいます。それどころか、深刻な教員不足もうかがえます。昨年四月から、専門職大学院に必要な専任教員のうち学部との兼務を大幅に増加させるという制度改正が行われて、中教審は法科大学院と法学部にこの制度を活用するように求めています。  要するに、法学教育における人材不足がこれもういかんともし難い状況だということではないんですか。
  121. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) 平成三十年三月の専門職大学院設置基準の改正では、法科大学院を含む専門職大学院の専任教員について、それまでは認められていなかった学部や他の研究科の教員との兼務を一定の条件の下で認めることといたしました。  これはそもそも、専門職大学院については、高度専門職業人の養成に目的を特化した大学院としての教育の質を保証する観点から、教員組織についても学部等からの独立性を求め、専任教員が学部ですとか他の研究科の教員を兼務することを認めていなかったものなんですけれども、平成二十八年八月の中教審大学院部会のワーキンググループ取りまとめにおいて、こうした制約が学部との連携や学際連携の妨げになっているというような指摘がなされ、その後、中教審の大学分科会などにおける議論を経て、先ほど申し上げたような改正に至ったところであります。  つまり、本改正は、法科大学院を含む専門職大学院について学部との連携や学際連携の促進等による教育の充実を図るものでありまして、法学分野の教員不足を解消するということを目的とした改正ではありません。
  122. 山添拓

    ○山添拓君 しかし、結論としては、本来独立性が求められていた法科大学院について学部の教員との兼務を可能としていく、それはもう足りなくなっているということを補うためのものでしかないというのが実際であろうと思います。  この法曹コースの構想というのは、法科大学院が未修一年目に行う未修者教育を法学部に移そうというものです。法律基本科目の憲法や民法や刑法など、司法試験の必修科目を中心に一通りやるということになるんでしょう。  しかし、例えば昨年、法科大学院未修者コースの合格率は一五・五%です。法学部出身の既修者が三四・四%であったのに対してその半分以下で、累積合格率でも傾向は同じです。未修者教育が成功しているとは言い難い状況であろうと思います。  これ、なぜうまくいかなかったのか、その分析と検証をしない限り、ただ法科大学院から学部に移してもうまくいく保証はないんじゃありませんか。
  123. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) おっしゃるとおりだと思います。  この未修者教育の対象には、一部法学部出身者も含まれますけれども、本当に様々な学部出身者ですとか社会人経験者など多様な方々がいらっしゃいます。入学時点における法学に関する知識や専門的知識などには大きな差があるのが現状です。  こうした多様な学生に対して未修教育を施すためには、やはり未修者教育の成果を共通的に把握する仕組みが必要なのにこれまでそれがなかったということ、そして個人の特性に応じた柔軟な学修メニューの提供やきめ細かな学修支援が十分ではなかったことなどが課題であります。  こうした課題に対して、これまでも中教審において検討を行い、各法科大学院が共通して客観的に進級判定をするための共通到達度確認試験の導入など、未修者教育の改善充実に取り組んできてもらいました。  文部科学省といたしましては、引き続き、この中教審において未修者教育の改善方策について具体的に御議論をいただくとともに、未修者、社会人の入学者割合や司法試験合格率といった数値目標も設定をし、継続的に把握、検証を行い、未修者教育の改善充実を進めていきたいと考えております。
  124. 山添拓

    ○山添拓君 それでなぜ法曹コースについてはうまくいくのかというのがよく分からないんですが、法曹コースは、要するに優秀な学生だから乗り越えていくだろうと、こういうことになるんですか。
  125. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) 法曹コースにおいては、法曹コース修了時の一定の成績、それから法科大学院についての既修者認定というものをクリアした形で既修者コースに編入をするということで、さっき未修者コースにおいて紹介させていただいた、要するに質の確保ということがなされているんだろうと思います。
  126. 山添拓

    ○山添拓君 要するに、だから法学部でどのような教育をするのかというお話はなかったんですよね。  優秀で早い段階から法曹志望を固めている者であれば、これ今でも予備試験や早期卒業で短期間に合格しているんですよね。この層を法科大学院ルートに呼び戻すということはこの法案でできるのかもしれませんが、それは法曹志望者全体を増やすことにはつながっていかないんではないでしょうか。法科大学院でうまくいっていない未修者教育をいかに充実したものにするのか、これを正面から検討するべきだったと私は考えます。  中教審の特別委員会の基本的方向性は、未修者教育について、コースの在り方や未修者に対する教育方法について更に検討する、純粋未修者や社会人として十分な実務経験を有する者が入学者の多数を占めるに至らせることを目指すべき、こうしておりました。  この法案は、未修者、社会人が入学者の多数になることを可能とする法案になっているんですか。
  127. 柴山昌彦

    国務大臣柴山昌彦君) 繰り返しになりますけれども、多様なバックグラウンドを有する者がその知見を生かせるようなチャンスを開くということは極めて重要だと思っておりますし、今後とも法科大学院において法学未修者を含む様々な人材を法曹として養成していくという基本理念に変更はありません。  ただ、その一方で、昨年三月に中教審法科大学院特別委員会において、未修者コースに入学する法学部出身者が約七割を占めると。本来、法学部出身者であれば既修者に行けばいいのに、未修者コースに入学しているという方が非常に多いということから、今委員が御指摘のような、純粋未修者ですとかあるいは社会人の未修者コース入学者が多数となることを目指すべきということを基本的方向性として取りまとめさせていただいております。  そして、そうした方向を踏まえて、今回の法改正においては、例えば入学者選抜の時期や方法について、未修者やなかなか平日は時間の取れない社会人に対する配慮義務を規定しており、法科大学院入学者の多様性の確保を一層推進することを目指しています。  また、この法改正と併せた改革として、未修者教育や社会人教育への支援を含むめり張りある予算配分、そしてまた、先ほど紹介をさせていただいた、進級における共通到達度確認試験の本年度からの本格実施という取組を推進して、まさしく委員御指摘の、未修者や社会人教育の質の保証ということにつなげていきたいというように考えております。  今後、中教審法科大学院特別委員会において、未修者教育の改善方策について更に具体的に御議論をいただくとともに、未修者、社会人の入学者割合や司法試験合格率といった数値目標を設定して、継続的に把握、検証を行い、未修者教育の改善充実をしっかりと進めていきたいと考えております。
  128. 山添拓

    ○山添拓君 私が伺ったのは、この法案で未修者、社会人の入学者を多数を占めるような状況にするものになっているのかということなんですけどね。  この法案の連携法第六条三項二号では、法曹コースから法科大学院への入学者選抜の方法について、文科省令で定めるとしております。この文科省令、予定されているのは、連携先の法曹コースから既修者認定試験の代わりに無試験で入学をするのを可能とするのを法科大学院の定数の二分の一まで認める、こういうものじゃありませんか。
  129. 伯井美徳

    ○政府参考人(伯井美徳君) そのとおりでございます。上限二分の一を設定してございます。
  130. 山添拓

    ○山添拓君 要するに、未修者、社会人が多数を占めるに至るどころか、法曹コースからの言わば推薦入試だけで半数まで認めると。これ多様性とは程遠いと思うんですね。学部での学びを通じて徐々に法曹志望を固めていくような法学部生や、他学部から、社会人から法曹を志していくという人にとっていかに魅力のある法曹養成制度とするのかが問われていると思います。ところが、この法案はそこに正面から向き合おうとしないものだと言わなければなりません。  もう時間の関係でちょっと別の視点から質問させていただこうと思いますが、法科大学院において大学の自治が認められるという意義を大臣はどのように認識をしておりますか。
  131. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) おっしゃるとおり、法科大学院においても、大学が学術の中心として深く真理を探求することを本質とすることに鑑み、憲法が保障する学問の自由、これが当然のことながら保障され、そして、その学問の自由の保障のために、教育研究に関する大学の自主性を尊重する制度と慣行が大学の自治として保障されると考えております。
  132. 山添拓

    ○山添拓君 ところが、この間、法科大学院における大学の自治というのは、あってなきものにされていると思います。  例えば、入学者の選抜権、誰をメンバーとするのかと。これは、共通の適性試験の実施や競争率二倍を維持することが認証評価によってチェックの対象とされてきました。あるいは、教育内容の決定権。これは、コアカリキュラム、共通的な到達目標の設定や共通到達度確認試験によって制約をされます。教員の人事権は、実務家教員として派遣をされた裁判官や検察官を成績の悪い法科大学院からは引き揚げるという形で影響を受けます。そして、補助金削減のプレッシャーで財政自主権も脅かされると。定数削減と統廃合が政策的に誘導されてきたのが法科大学院のこの間の流れであります。  大学の自治、司法制度改革審議会の意見書では自主性と書かれていますが、そこに委ねられた範囲にまで文科省が、あるいは政府が踏み込んできたというのが現実じゃないですか。大臣、そこはいかがですか。
  133. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) 多くの法曹志望を持つ学生が安心してその法曹コースあるいは法科大学院を経て法曹を目指すということができる環境を整えるためには、やはり制度の安定的かつ円滑な運用を確保するための基準というものは必要になってくるというように思いますし、それが国として何か特定の教育内容を強制するものではないというふうに思いますので、学問の自由には抵触しないというふうに考えております。  先ほど委員が御指摘になられた事柄についても、例えばあくまで大まかな科目群ごとの必修単位数ですとか、あるいはその設置基準の問題ですとか、そういったものに関するものだと考えております。
  134. 山添拓

    ○山添拓君 要するに、そこで学ぶ学生のためを思ってということなんですが、私は、司法試験に合格をさせるための専門職大学院であるから大学の自治や学問の自由がないがしろにされてよいということにはならないと思います。  司法試験では、通説や判例を知っていることが大前提とされます。しかし、法曹として実際に向き合う事件には、新たな法解釈が要求をされる先例のない事件や過去の判例を乗り越えなければならないような事件がこれは必ずあります。法曹が通説や判例を金科玉条にして事件を処理するのであれば、現実の事件を対処して、一人一人に寄り添って市民、国民の権利の前進図るということにはつながらないと思います。その意味で、法曹というのは、どんな立場であれ国家権力とは常に一定の緊張関係を持つべき存在であります。だからこそ、法曹を養成する法科大学院の権力からの独立、自治や自主性というのは重要な意味を持つと思います。  ところが、この法案というのは、そうした法科大学院が持つべき自治や自主性、それを法学部にまで広げて政府が踏み込もうというものであろうと思います。  連携法の六条に、法科大学院と法曹コースを設置する大学との連携協定に関する規定を設けようとしています。教育課程の編成、成績評価の基準、法科大学院への入学者選抜の方法などを協定事項として文科大臣が認定をすると。違反した場合には、認定の取消しまで予定をされています。  法学部の教育内容や法科大学院の入学者選抜の方法といった、本来それぞれの大学の自治に委ねるべき内容についてまで法律上の要件としたのはなぜですか。
  135. 伯井美徳

    ○政府参考人(伯井美徳君) 御指摘の規定を設けた理由でございますが、法曹コースは法科大学院の教育を支えるものとして、法曹養成プロセスにおいて重要な役割を担うということから、法曹コースにおける教育の質の担保、あるいは法曹コースから法科大学院への円滑な接続の確保に必要であるこれらの事項について協定において定めることとし、その協定について文部科学大臣が認定するというふうにしているものでございます。  この認定につきましては、あくまでその具体的な内容は法学部と法科大学院との協議の上で定められるものではございますが、その協定内容は法曹養成に重大な影響を及ぼすこと、あるいは、その学生が安心して法曹コース、法科大学院を経て法曹を目指すことができる環境を整えるということから、協定の内容が信頼できることを担保する必要があることから、文科大臣が認定をし、制度の安定的かつ円滑な運用を確保するという趣旨でございます。
  136. 山添拓

    ○山添拓君 ちなみに伺いますが、法律において入学者選抜の方法についてまで定めるというのは、今度が初めてですね。
  137. 伯井美徳

    ○政府参考人(伯井美徳君) そのとおりでございますが、その必要性を感じて規定したものでございます。
  138. 山添拓

    ○山添拓君 必要だから何でもやっていいのかということを私は問題にしているわけです。  これ、学部教育に対する法科大学院と文科省の介入を認めていくものだと。例えば、東京の大手の法科大学院が地方の大学と連携協定を結びます。地方の大学には法科大学院がなく、法学部生を集めようと思えば法曹コースをつくりたいと。立場上、東京の大手の法科大学院が求めるままに連携協定を結ばざるを得なくなります。その大学の教育方針や理念を捨ててでも連携協定にすがることになりかねません。  この法曹コースというのは、特定のコースというものではなく、履修プログラム型でもよいとされておりますので、法曹コースとそうでない学生が同じ講義を受けるというケースも十分想定されます。そうしますと、法学部教育全体が連携先の法科大学院に合わせたものへと変容を迫られかねない。しかも、その協定は文科大臣の認定というお墨付きが必要です。  法学部生の獲得に悩んでいる地方大学の足下を見て、なし崩し的に大学の自治への介入を認めるべきではないと、このことを最後に指摘をしまして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
  139. 上野通子

    ○委員長(上野通子君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  140. 山本太郎

    ○山本太郎君 ありがとうございます。会派を代表いたしまして、法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律等の一部を改正する法律案について反対の立場から討論いたします。  参考人質疑の内山先生の御指摘をお借りするならば、どのような法曹を養成したいのかというビジョンがない、この一言に尽きるのが本法案と言えます。  元々、法科大学院を日本でつくる大きな目的は何だったか。多様性のある法曹を養成すること、社会の多様なニーズに応えていくという司法制度改革の理念に基づいていたはずです。法律を全く勉強していない人でも三年間法科大学院でしっかり勉強すれば七割、八割が司法試験に合格でき、様々なバックグラウンドや専門性を持った法曹が社会で活躍するということを目的にしていたはずです。  数々の失敗を重ねた上で随分と練られた形になったかと思いきや、本法案に盛り込まれた3プラス2、法曹コースの標準化は多様な法曹育成とは真っ向から対立するもの、要するに、法学部三年そして法科大学院二年の五年間、司法試験合格対策の勉強を続ける受験エリートな人材だけが優先的に法曹になれる仕組みになり得る可能性が否定できません。  参考人の宮島先生は、そのような新制度で育った法曹は各分野の専門的知識もなく、語学もできない、ビジネスの経験もない、ただ法律や司法試験の勉強ばかりした多様性のない法曹となってしまうと言います。参考人の内山先生は、3プラス2について、既修者に関しては相当充実する面がありながらも、未修者が目指しにくいものになるおそれを指摘。既修者は法曹コースで二、三年法律を学んでいるのに対し、未修者は法科大学院の一年間でその差を埋める努力が必要になる、未修では法曹を目指せないと諦めて目指さなくなるのではないかとの趣旨で警鐘を鳴らされました。  ほかにも問題があります。極めて不透明な形で法案に盛り込まれていることが審議の過程で発覚した司法試験の在学中受験資格についてです。  これは、昨年七月、与党文科・法務部会で上がっただけの内容であり、政府の司法制度改革審議会や中教審、法科大学院等特別委員会では議題にすら上がっていなかったものです。政府側は、審議会を経ないで改正内容を盛り込んだ理由として、二〇一八年が二〇一五年から始まる法科大学院集中改革期間の最終年に当たっていたことを理由に挙げていましたが、このような形で本来尊重されるべき手続を無視できるというのは大問題であると言わざるを得ません。  本法案は、内容や提出経緯に極めて問題のあるものであり、参考人の先生方が指摘しているように、拙速な成立を避け、一旦立ち止まり、再度きっちりと議論をやり直し、どのようなビジョンに基づいて我が国の法曹養成を行うかの根幹部分をしっかりと話し合うべきです。  本当に必要なこととして調査結果からも明らかになった教員、補助教員、職員の人的体制の充実と学生本人に対する大胆な経済的支援の実現については、本改正案では条文上規定されていません。過去の失敗の反省や総括もなく、いかに法科大学院を延命させるかのみに終始した小手先の改正案ということがはっきりしています。  このような改正案には反対と申し上げ、私の討論とさせていただきます。
  141. 松沢成文

    ○松沢成文君 私は、日本維新の会・希望の党を代表して、法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律等の一部を改正する法律案に反対の立場から討論を行います。  現在の法科大学院を取り巻く惨状は目を覆うばかりです。  法科大学院は、社会人ら多様な人材を集めて実務教育に力を入れ、法律家に求められる幅広い教養や倫理を教えることを目指し、二〇〇四年にスタートをいたしました。しかし、司法試験合格者三千人と目標を定めたものの、現在の合格者は半分の千五百人足らず。修了者の七、八割合格という目標も、現在の合格率は何と二割程度と低迷しています。政府の計画が余りにもずさんであったとしか言いようがありません。  高い学費を払って長い期間勉強しても合格が難しければ、志願者が減るのは当然です。志願者の激減による相次ぐ募集停止で、当初の七十四校から、今や半数以下の三十六校が残るだけとなりました。政府の甘い見通しに振り回され廃校した法科大学院や、大金を投じながら合格できず人生設計が狂ってしまった学生は、政府の失策による犠牲者と言えます。また、廃校した三十八校の法科大学院に対し国庫から支出された施設費等の補助金の総額は十五年間で二百六十億円にも上り、この大部分が無駄となってしまったのです。  もはや制度設計自体が崩壊しており、思い描いた法科大学院構想は失敗だったと断ぜざるを得ません。この失敗の責任は誰が取るのでしょうか。文科省は、この大失政を国民に謝罪すべきです。  今回の法改正の趣旨は、表向きは法科大学院教育の充実と時間的、経済的負担の軽減とされています。しかし、本当の目的は、司法試験合格のバイパスとして利用されている予備試験から法科大学院に優秀な学生を呼び戻すことにあります。  そのための主な改正点は次の三点です。第一に、法学部に教育期間を三年とする法曹コースを設置し、法科大学院の二年コースと合わせて五年間で修了できるようにする、つまり法科大学院と法学部との連携強化による教育期間の短縮です。第二に、法科大学院最終学年の途中で司法試験受験が可能となる司法試験の受験資格の変更。そして第三に、法科大学院のバイパスとして利用されている予備試験への選択科目の導入です。  これらの対策で可能な限り早く法曹養成教育を終わらせて、法科大学院修了者と予備試験合格者の両者の競争条件を近づけることにより、予備試験から法科大学院に優秀な学生を呼び戻したい。しかし、これでは法科大学院の相次ぐ廃校と入学希望者の減少に歯止めを掛けようとするだけの、既存の法科大学院を延命させるためのびほう策にすぎません。このままでは再び失敗に終わる可能性大です。  新しい社会的課題に対応するために、多様なバックグラウンドを有する有為な人材を確保し、質の高い法曹を養成しようという本来の使命を果たすためには、冷静に法科大学院の現状を分析した上で改めて法曹養成の制度設計をやり直し、抜本的な改革を行うべきです。ここに至ってなお根本的な問題に手を着けずに法科大学院を存続させることは、日本の司法の発展に向けて決してプラスになるものではありません。  そこで、私たちは、今こそ本来の役割を見失った法科大学院を廃止し、新たな法曹養成のプロセスを提言します。  今回の改正により、法曹コースへの進学者に学部三年、法科大学院一年プラスアルファで司法試験受験を認めるのであれば、大学四年を卒業してすぐの司法試験受験と年数的に変わりありません。そうであれば、法曹人材の養成は、法科大学院ではなく、大学の法学部に設置した法曹コースで四年間掛けて行えばよいのです。そして、司法試験は、法律知識だけでなく、法的素養や法的判断に至る過程などを問う内容で充実し、他学部出身者や社会人も受験できる司法試験制度に一本化すべきです。加えて、一年間に短縮された司法修習に付いていけない修習生が増えている実態を鑑み、修習期間を二年間に戻して、充実した司法修習へと改革すべきです。  このような、法学部の法曹コースから司法試験、司法修習という一連のプロセスの中で法曹に必要な知識とスキルを身に付けられるようにすることで、発足時から掲げられた法科大学院の理念である、点から線へ、プロセス重視、多様性、開放性、公平性に沿った法曹養成制度を実現することができると考えます。  抜本的な改革を避け、法科大学院の延命を図るだけのびほう策となっている改革案には断固反対であると申し上げ、反対討論を終わります。
  142. 山添拓

    ○山添拓君 日本共産党を代表し、法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律等の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。  反対理由の第一は、法学部三年、法科大学院二年の五年コースを標準とする点です。  法学部の二年進級時以降に法曹コースを選択し、優秀な成績を収め、法科大学院の既修者コースに進学することが中心的な道筋と想定されています。既修者認定試験を経ない特別選抜、言わば推薦入試ルートだけでも法科大学院の定員の二分の一まで認める計画とされており、法学部以外の出身者や社会人など、多様性を確保することは困難です。  反対理由の第二は、法科大学院在学中に司法試験受験資格を認める点です。  既修者コースでは入学の翌年に司法試験を受験できることとなり、理論と実務の架橋として基礎的な能力を身に付けるべき期間が受験準備に費やされ、法科大学院の予備校化を招きかねません。プロセスとしての法曹養成の中核とされる法科大学院、その修了を司法試験の受験資格とするという司法制度改革の基本理念や法科大学院制度の趣旨を投げ捨てるものと言わざるを得ません。  また、在学中受験は法科大学院における教育に重大な影響をもたらすにもかかわらず、中教審特別委員会でも議題とされず、法科大学院協会や日弁連との十分な議論もなく、法律家団体など複数の団体、個人からの反対意見も顧みず押し通そうとするものです。いわゆるギャップタームの解消が必要といいますが、文科省、法務省が行った法学部生アンケートには、そうした要望を問う項目すらありません。専ら与党の提案にのみ依拠し、まともな議論すらなく、制度の根幹を揺るがす改変を進めるべきではありません。  反対理由の第三は、法学部教育への影響が十分に考慮されていない点です。  広く法的素養を身に付けることが期待される法学部全体の教育にどのような影響をもたらすのか、他方で、法曹志望者が法律基本科目について基礎的、体系的理解を得るだけの教育が確保されるのか、本法案では何ら検討されていません。また、連携協定は、法曹コースの教育課程の編成、成績評価の基準、法科大学院への入学者選抜の方法などを文科大臣が認定し、違反すれば認定を取り消されます。法学部生獲得に悩む大学の足下を見るかのように連携協定に誘導し、法曹コースのみならず法学部教育全体を連携先の法科大学院に合わせたものへと変えさせる、大学の自治を脅かすような介入を認めることはできません。  司法試験合格率の低迷、法科大学院の相次ぐ閉鎖と教育の格差の拡大、法曹の急増に伴う司法修習生の就職難、弁護士の収入減などを背景に法科大学院志願者が大幅に減少し、法曹養成はあらゆる段階で破綻を生じています。ところが、本法案は、法科大学院の志願者数が激減する原因を時間的、経済的負担という一面のみに求め、法曹養成制度全体を見渡すことなく、法科大学院と法学部だけを対象に、かつ制度趣旨にそぐわない改変を加えようとするものです。そこには、どのような法曹を養成するのかという基本理念すら見えません。法科大学院を中核とした法曹養成制度という理念や目標と現実とが乖離した原因を明らかにし、法学教育、司法試験、予備試験、司法修習という法曹養成のプロセス全体を、原点に立ち返り、国民的に幅広く議論し直すことこそ必要であり、本法案はびほう策とすら言えません。  以上、反対討論とします。
  143. 上野通子

    ○委員長(上野通子君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  144. 上野通子

    ○委員長(上野通子君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  145. 上野通子

    ○委員長(上野通子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  146. 上野通子

    ○委員長(上野通子君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、山添拓さんが委員を辞任され、その補欠として吉良よし子さんが選任されました。     ─────────────
  147. 上野通子

    ○委員長(上野通子君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  148. 上野通子

    ○委員長(上野通子君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に吉良よし子さんを指名いたします。     ─────────────
  149. 上野通子

    ○委員長(上野通子君) 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のうち、視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律案に関する件を議題といたします。  本件につきましては、神本美恵子さん、大野泰正さん、今井絵理子さん、伊藤孝恵さん、新妻秀規さん及び高木かおりさんから委員長の手元に視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律案の草案が提出されております。内容はお手元に配付のとおりでございます。  この際、まず提案者から草案の趣旨について説明を聴取いたします。神本美恵子さん。
  150. 神本美恵子

    ○神本美恵子君 ただいま議題となりました視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律案の草案につきまして、その趣旨及び主な内容を御説明申し上げます。  読書は、教養や娯楽を得る手段であるのみならず、教育や就労を支える重要な活動であり、障害の有無にかかわらず全ての国民が読書することのできる環境を整備していくことが求められております。  平成三十年の常会においては、いわゆる視覚障害者等による著作物の利用機会促進マラケシュ条約の締結の承認とともに、著作権法の改正が行われ、本年一月一日に施行されました。これにより、著作権者の許諾なく録音図書の製作等を行うことができる権利制限規定の対象者の範囲が、視覚障害者や読字障害者のほか、肢体不自由により書籍を持てない者等にまで拡大されました。  このように制度面の改善はなされましたが、実態として、視覚障害者等が利用可能な点字図書や録音図書等はいまだ少なく、図書館におけるサポートも十分ではないことから、視覚障害者等が利用可能な書籍等の製作支援や、図書館等の体制整備等の施策が求められております。著作権法改正時の衆参両院での委員会の附帯決議においても、視覚障害者等の読書の機会の充実を図るために法制上の措置等を講ずることが盛り込まれており、必要な取組を速やかに進めていくことが重要です。  本法律案は、このような視点に立ち、障害の有無にかかわらず全ての国民がひとしく読書を通じて文字・活字文化の恵沢を享受することができる社会の実現に寄与するため、視覚障害者等の読書環境の整備を総合的かつ計画的に推進しようとするものであります。  以下、本法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。  第一に、基本理念として、視覚障害者等の読書環境の整備の推進は、視覚障害者等が利用しやすい電子書籍等が視覚障害者等の読書に係る利便性の向上に著しく資する特性を有することに鑑み、視覚障害者等が利用しやすい電子書籍等の普及が図られるとともに、引き続き、視覚障害者等が利用しやすい書籍が提供されること等を旨として行われなければならないことを定めております。  第二に、視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、政府は、必要な財政上の措置その他の措置を講じなければならないとしております。  第三に、文部科学大臣及び厚生労働大臣は、視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、基本計画を定めなければならないとするとともに、地方公共団体は、基本計画を勘案して、当該地方公共団体における計画を定めるよう努めなければならないとしております。  第四に、基本的施策として、国及び地方公共団体は、視覚障害者等による図書館の利用に係る体制の整備等、インターネットを利用したサービスの提供体制の強化、著作権法第三十七条の規定により製作される視覚障害者等が利用しやすい書籍及び電子書籍等の製作の支援、視覚障害者等が利用しやすい電子書籍等の販売等の促進等の必要な施策を講ずるものとしております。  第五に、国は、これらの施策の効果的な推進を図るため、当事者である視覚障害者等も含めた関係者による協議の場を設けること等としております。  以上が本法律案の草案の趣旨及び主な内容であります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  151. 上野通子

    ○委員長(上野通子君) 本草案に対し、質疑、御意見等がございましたら御発言願います。
  152. 吉良よし子

    ○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子でございます。  私たちは、読書を通じて、生活の中で必要な情報や知識を得、様々な考えに触れ、思想を培っていきます。誰もがこの読書をする権利、保障されるべきでありますが、障害によりその読書をする権利が奪われている方々がいるわけです。この読書をする権利の保障、拡充というのは欠かせません。  本法案では、先ほど御説明あったとおり、障害の有無にかかわらず全ての国民がひとしく読書を通じて文字・活字文化の恵沢を享受することができる社会の実現に寄与するため、障害を持つ方々の読書環境の整備を進めていくとありますが、それはつまり障害を持つ方々の読書をする権利、読書権を保障し拡充するという理解でよろしいでしょうか、提案者に伺います。
  153. 大野泰正

    ○大野泰正君 委員の今御指摘のとおり、障害の有無にかかわらず、読書を通じて必要な情報や知識を得たり様々な考えに触れられるようにしていくことは極めて重要なことであると考えております。こうした認識の下、本法案では、今委員もおっしゃいましたが、第一条において、障害の有無にかかわらず全ての国民がひとしく読書を通じて文字・活字文化の恵沢を享受することができる社会の実現に寄与することを目的としています。  この目的を達成するために、法案には、国及び地方公共団体に対し、視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する施策の策定及び実施の責務を課すとともに、その講ずべき基本的施策を具体的に規定しております。例えば、公立図書館において視覚障害者等の方々が利用しやすい書籍等の充実や視覚障害者の皆さん向けの書籍等の製作の支援、そしてその製作を担う人材の育成、また図書館サービスを担う人材の育成等であります。  このように、本法案は、視覚障害者等の方々が読書をする機会を十分に確保するという考え方に立ち、そのために必要な施策を定めるものとなっております。
  154. 吉良よし子

    ○吉良よし子君 ありがとうございます。  もう一度確認なんですけど、これはつまり障害を持つ方々の読書をする権利を保障すると、そういう趣旨での法案だということでよろしいでしょうか。その点だけお答えいただければと思います。
  155. 大野泰正

    ○大野泰正君 今委員御指摘のとおり、その点につきましては、基本的に読書権をというお話をずっといただいているということはよく存じ上げております。  しかしながら、読書権を明記することによって、その内容、概念が条文に規定できるほど明確であるものとはまだ言えるものではありません。法律に権利として位置付けるほど議論がまだ成熟していないことから、慎重であるべきであると私どもは考えております。  まずは、しっかりと、今できることをしっかりやり遂げ、そして、障害のあるなしにかかわらず、本当に安心して読書を楽しんでいただける環境をしっかり整えることだと思いますので、御理解を賜りたいと思います。
  156. 吉良よし子

    ○吉良よし子君 法律の中に権利ということが入っていないことは承知しているんですけれども、それはつまり権利拡充を含めた中身であるという趣旨でよいのかという確認なんです。  権利の拡充という趣旨がこの法案の中に入っているということでいいのかどうか、イエスかノーかでお答えいただければと思います。
  157. 大野泰正

    ○大野泰正君 基本的に、当然、それを認めるために努力しているということでございます。
  158. 吉良よし子

    ○吉良よし子君 大事な点なので何度も確認させていただきましたが、要するに、障害を持つ方の権利保障への第一歩としての役割を果たす法案だということだと認識しておりますし、そうだという答弁もいただきました。その上で、私たち、我が党としてもこの法案を委員会提出することに賛成の意思を表明するものでありますとともに、その立場からも、以下、もう少しだけ確認をさせていただきたいと思うんです。  この間、二〇一七年、国立国会図書館が全国の公共図書館における障害者サービスについての調査をしておりますが、その障害者サービスの取組というのは遅れていて、全国的には二割にとどまっている現状があると。また、そのサービスの中身を見てみても、対面朗読であるとか、若しくは点訳、音訳、拡大写本、テキストデータ化など、その資料の製作作業などほとんどが、ボランティアの方々がその多くを担っているという現状があるということを伺っております。  こうした遅れた実態を前に進めていく、特にこのサービスを支えているボランティアへの公的支援を広げていく、これも法案の趣旨ということでよろしいでしょうか。提案者の方にお答えいただきます、お願いします。
  159. 神本美恵子

    ○神本美恵子君 御質問ありがとうございます。  吉良委員の御指摘のとおり、視覚障害者等の方々にとっては、身近な公立図書館等において蔵書の充実や図書館サービスの充実が図られることが重要でありますが、いまだ十分ではないということは認識をしております。  実は、この法案の立案に当たっては、昨年の本委員会での著作権法改正の審議の中で、視覚障害当事者の方を参考人としてお呼びして、皆さんの手元にあるこの書類の束は視覚障害者等にとっては単なる紙の束にしかすぎないというような御意見もいただいて、本委員会のメンバー、本当にそれは大きな教訓を得たわけであります。  それを基に、衛藤晟一会長を議連の会長として今法律案を成案を見たところでありますけれども、お尋ねの件でありますが、本法案の第九条第一項におきまして、公立図書館等については、一つは、視覚障害者等が利用しやすい書籍等の購入、製作、サピエ図書館や国立国会図書館の視覚障害者等用のデータ送信サービスへの加入など、視覚障害者等が利用しやすい書籍等の充実、もう一つは、DAISYプレーヤーの操作支援やレファレンスサービスの充実、郵送による貸出しなど、視覚障害者等が利用しやすい書籍等の円滑な利用の支援の充実等が行われるように必要な施策を講ずるものとしております。  また、もう一つ、担い手につきましてでございますが、これもボランティア団体の方々が担ってくださっております録音図書等の製作につきましては、本法案の第十一条に規定を設けております。その製作を支援するため必要な施策を講ずるものとしております。さらに、本法案の十七条におきまして、録音図書等の製作を行う人材や、図書館等において視覚障害者等が利用しやすい書籍等を円滑に利用するために必要な支援を行う人材の育成、資質の向上及び確保を図るために必要な施策を講ずるものとしております。  これらの施策を通じて、図書館における、いまだに遅れ、不十分である障害者へのサービスの充実が図られることを期待しているところでございます。
  160. 吉良よし子

    ○吉良よし子君 是非、充実進むことを私も期待したいと思います。  そして、ボランティア等への公的支援の拡充とともに、先ほど、第九条、図書館の体制整備というところもおっしゃられましたけど、図書館そのものの充実も欠かせないと思います。その体制整備の中には司書の配置等も含まれるものと思っています。現在の司書数というのは、増えているという調査もある一方で、専任司書がいない図書館というのが二〇一五年時点で五四%、半数以上に上っているという調査もあるわけです。こういった事態を打破することも、この本法案を踏まえれば大事なことだと思うんです。  文科大臣、改めて、全国の図書館が障害者に対し果たすべき役割を果たせるように、図書館の体制整備という意味では専任司書がいない図書館をなくしていく、これは文科省の政府としての責任かと思いますが、その点、最後、お願いいたします。
  161. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) 図書館において視覚障害者等へのサービスを提供するためにも、委員御指摘のように、司書などの役割は重要であると考えております。  図書館の司書等の配置については地方財政措置が講じられているところであり、法案成立後、その十分な活用を私どもとしても促してまいりたいと考えております。
  162. 吉良よし子

    ○吉良よし子君 本法案第六条には、政府は、この障害者等への環境整備の推進に対して、必要な財政上の措置その他の措置講じなければならないということですので、現状にとどまらず、是非、必要な財政措置、拡充もしていただきたいと、このことも申し添えまして、私の質問とさせていただきます。     ─────────────
  163. 上野通子

    ○委員長(上野通子君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、衛藤晟一さんが委員を辞任され、その補欠として北村経夫さんが選任されました。     ─────────────
  164. 上野通子

    ○委員長(上野通子君) 他に御発言もないようですから、本草案を視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律案として本委員会から提出することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  165. 上野通子

    ○委員長(上野通子君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。  なお、本会議における趣旨説明の内容につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  166. 上野通子

    ○委員長(上野通子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時三十三分散会