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2019-05-09 第198回国会 参議院 文教科学委員会 7号 公式Web版

  1. 令和元年五月九日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  四月二十五日     辞任         補欠選任      大野 泰正君     佐藤  啓君      橋本 聖子君     こやり隆史君      藤末 健三君     松川 るい君      斎藤 嘉隆君     蓮   舫君      柳田  稔君     大島九州男君  四月二十六日     辞任         補欠選任      こやり隆史君     橋本 聖子君      佐藤  啓君     大野 泰正君      松川 るい君     衛藤 晟一君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         上野 通子君     理 事                 石井 浩郎君                 江島  潔君                 神本美恵子君                 吉良よし子君     委 員                 赤池 誠章君                 今井絵理子君                 衛藤 晟一君                 小野田紀美君                 大野 泰正君                 橋本 聖子君                 水落 敏栄君                 蓮   舫君                 伊藤 孝恵君                 大島九州男君                 山本 太郎君                 新妻 秀規君                 浜田 昌良君                 高木かおり君                 松沢 成文君    国務大臣        文部科学大臣   柴山 昌彦君    副大臣        文部科学副大臣  浮島 智子君    事務局側        常任委員会専門        員        戸田 浩史君    政府参考人        文部科学省初等        中等教育局長   永山 賀久君        文部科学省高等        教育局長     伯井 美徳君        文部科学省高等        教育局私学部長  白間竜一郎君        厚生労働大臣官        房審議官     山本 麻里君        経済産業大臣官        房審議官     島田 勘資君        国土交通省航空        局安全部長    高野  滋君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○大学等における修学の支援に関する法律案(内  閣提出、衆議院送付)     ─────────────
  2. 上野通子

    ○委員長(上野通子君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、柳田稔さん、藤末健三さん及び斎藤嘉隆さんが委員を辞任され、その補欠として大島九州男さん、蓮舫さん及び衛藤晟一さんが選任されました。     ─────────────
  3. 上野通子

    ○委員長(上野通子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  大学等における修学の支援に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、文部科学省初等中等教育局長永山賀久さん外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 上野通子

    ○委員長(上野通子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 上野通子

    ○委員長(上野通子君) 大学等における修学の支援に関する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 神本美恵子

    神本美恵子君 おはようございます。立憲民主党の神本美恵子でございます。  限られた時間ですので、早速入りたいと思います。  安倍首相は、施政方針演説の中で、真に必要な子供たちの高等教育を無償化し、生活をカバーするために十分な給付型奨学金を給しますというふうに言われました。高等教育の無償化という言葉は、政策パッケージや、この間メディア等でも高等教育の無償化という言葉がずっと流布されてきておりました。総理も今紹介したようにおっしゃいました。  しかし、そもそも高等教育の無償化というのであれば、無償化の方向を目指すのであれば、授業料減免の対象や要件を細かく今回の法案のように設定するのはおかしいのではないかと。まあ百歩、千歩譲って、財源に限りがあるから、まずはここから始めよう、第一歩だというのならまだ分かります。千歩ぐらい譲ったら分かる気がします。ここから始める、それであれば目的規定が変わってくると思うんですね。  そこで、まず、この法案の目的規定についてお伺いをしたいと思います。  さきの質疑の中でも質問がありましたけれども、教育の機会均等という文言が今回の目的規定には入っていない。学生への修学支援をするのであれば、希望する全ての学生にこの教育の機会均等が保障されることが旨として行われなければいけないというふうに思っております。  さきの質問で文科省は、今回の措置につきましては、憲法第二十六条第一項あるいは教育基本法第四条第三項の規定の趣旨にかなうものと考えておりますと答弁しております。  憲法二十六条では、ちなみに、ひとしく教育を受ける権利を有すると書かれております。教基法の第四条一項では、ひとしく教育を受ける機会を与えなければならない、ここにもひとしく、権利であるし機会を与えなければならない。三項では、修学困難な者に奨学の措置をしなければいけないというふうに規定されております。それにかなうというふうにおっしゃっております。そして、確かに高等学校等就学支援金、これは民主党政権時代にやった実質高校の無償化法律ですけれども、それやJASSO、学生支援機構法においても教育の機会均等ということは明記されております。  ですから、本法案にも当然教育の機会均等ということは、大前提として目的規定にあるのが当たり前だと思うんですけれども、これが今回明記されなかった、それはなぜなのかということをまずお伺いしたいと思います。
  7. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) 本法律案は、この場でも何度か答弁をさせていただいておりますけれども、急速な少子化の進展への対処に寄与することを目的とするものでありまして、法案の目的として、今お話があったような教育の機会均等という明記はありません。ただ、今お話があったとおり、今回の支援措置は低所得者世帯の者に対して大学等における修学に係る経済的負担を軽減するものでありまして、まさしく教育の機会均等を規定した教育基本法第四条の趣旨にもかなうというように考えております。  文部科学省といたしましては、今回の支援措置が十分に活用されることを通じて、本法律案が教育の機会均等の理念にもかなうものとなるように努めていきたいと考えております。
  8. 神本美恵子

    ○神本美恵子君 少子化対策であるということでおっしゃいましたけれども、この支援制度は、教育の機会均等を保障する旨の根拠条文がないためにだと思いますが、支援の対象となる学生や大学を選別する機関要件や、成績要件といいますか個人要件で選別するなど、かなうというふうにおっしゃっておりますけれども、教育を受ける権利や教育の機会均等というこの理念に反するものになっているというふうに私は受け止めております。  その一方で、目的規定にある豊かな人間性を備えた創造的な人材を育成という文言については、これは教育基本法や日本学生支援機構法にも同様の文言があるんですけれども、そこにはない、社会で自立し、及び活躍することができるという文言が本法律案には入っております。  この文言は、いかにも低所得世帯、真に必要とする低所得世帯の学生に対して、多額の支援を受けるんだから、研究に進むよりもすぐに社会に出て働くべきであるというようなメッセージにも私には聞こえるんですけれども、なぜこの社会で自立し、及び活躍することができるというほかの教育関係の法律にないような文言がここであえて入ったのでしょうか。
  9. 伯井美徳

    ○政府参考人(伯井美徳君) 今回の支援措置は、大学等での勉学が職業に結び付くことにより格差の固定化を防ぎ、支援を受けた学生が大学等でしっかり学んだ上で、社会で自立し活躍できるようになるという目的もございます。こういう今回の支援措置の目的を踏まえて、こういった文言を明記しているというものでございます。
  10. 神本美恵子

    ○神本美恵子君 答えていない。いやいや、これまでの様々な教育に関する法律では、豊かな人間性を備えた創造的な人材育成ということはあるけれども、社会で自立し活躍することができるということがあえてここに書かれているのは、いかにも、低所得層の子供たちは国から支援を受けるわけだから、社会に出てすぐ働きなさいというふうに、もちろんそれを望む子供さんもいると思います。しかし、いや、もっと研究を続けたいというような子供さんもいるはずです。こういうたがをはめるようなことが目的規定に入っているのは、本当におかしいというふうに私は思います。  次に、機関要件について聞きたいと思います。  なぜこのような機関要件を課すのかということについてですが、大学・学部の設置認可に当たっては、学校教育法等に基づいて教育課程や財務管理等について詳細な調査が行われていると承知しています。また、その詳細な審査及び履行状況も、大学設置基準要項細則によると調査が行われています。  この本法律案に規定されている、社会で自立し、及び活躍することができる豊かな人間性を備えた創造的な人材を育成するために必要な質の高い教育を実施する大学等に該当しないものが、この大学設置認可に当たって該当しない大学等があるのでしょうか。イエスかノーかで答えてください。
  11. 伯井美徳

    ○政府参考人(伯井美徳君) 御指摘のように、大学につきましては、学校教育法あるいは学校種ごとの設置基準によって質の確保を図っているものでございます。今回の支援措置は、これら設置基準や設置認可の制度を前提とした上で、先ほども申し上げましたように、支援を受けた学生が大学等でしっかり学んで、社会で自立、活躍できると。これは直接職業に就くという場合もあれば、そのまま研究という場で活躍するということも当然含まれるものでございますけれども、そういう社会で自立し活躍できるよう、学問追求と実践的教育のバランスの取れた質の高い教育を行う大学等を対象にするという趣旨で機関要件を設定することとしております。  この機関要件につきましては、大学等が現在の取組を適切に充実させることで満たせる内容というふうに考えておりまして、多くの大学が申請に向けて準備を進めていけるよう、今後とも制度の周知、説明にしっかり対応してまいりたいと考えております。
  12. 神本美恵子

    ○神本美恵子君 だから、設置認可に当たって、またその履行状況調査によって今おっしゃったような目的がきちっとされているかどうかはもう既にやられているわけですよね。それなのに、あえてこういう要件がクリアされているのかどうかということを、機関要件をまた更に課すということの意味が分からないんですよね。  こういう確認要件が細かく示されること、設置認可とは別に示されることは、大学はこの確認大学になれるかどうかということは死活問題に関わってくると思うんですね。結果的に大学の研究や教育に、あるいは大学の自治というものに介入することに、この確認要件によって介入することになりかねない。これはもう参考人の方からも、修学支援による大学自治や学問自由への介入の危険性ということが先般の参考人質疑で指摘をされております。大学側はそういうふうに受け止めてしまうわけですよね。  文科省は機関要件によって大学をふるいに掛けて統廃合進めたいのかなというふうに勘ぐりたくもなるようなこの機関要件でありますけれども、これについては、私は必要ないというふうに思います。ちょっと次に行きたいので、もう答弁は求めませんが。  次に、稼ぐ力ということとこの機関要件ですが、今日お手元に資料を一枚お配りしております。これは、財政制度等審議会、財務省の審議会で平成三十年度予算編成に関する建議の参考資料として出されたものでありますが、この中に、大学改革においては、大学教育、研究の成果を問うことで、大学、供給者、学生、需要者が、その成果、イコール稼ぐ力を確実に得られる努力をし、好循環を実現することが重要。  私、本当何かのけぞってしまいましたよ。学生は稼ぐ力を付けるために大学に行くんですか。財務省は稼ぐ力を成果として得られなければ大学は駄目だとさも言っています。そういうところに金は出すなと言わんばかりに私には聞こえております。この経済的支援が好循環を阻害しないようにというふうに、いかにも今回の支援がこういった好循環、稼ぐ力を付けることを阻害しないようにとくぎを刺している。  私、近年、大臣、昨年の文化庁の移転に関わる文化行政についてのときにも本当に驚いたんですが、この間政府が行っている文化、教育、あらゆる、科学技術もそうでしょうけれども、そういう行政にこの稼ぐ力という言葉が躍っています。もう本当に驚いております。この産業政策の考え方が持ち込まれ、まあそれを全部排除せいとはもちろん言いません。しかし、教育は教育です。  産業界のニーズに対応せよというような、財務省だけではなくて経産省もそうでしょうけれども、企業で即戦力となる稼ぐ力を身に付けた学生を育成しろと、その強化のために今回のような機関要件を設けたのではないかというふうに思いますけれども、文科省はこの稼ぐ力という財務省の考え方についてどのように受け止めていらっしゃいますか。
  13. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) 教育の成果なんですけれども、私は、何らかの形で成果をやはり上げるための努力をしていただくということは必要だと思いますけれども、それが決して、単なる経済的なものですとか、あるいは近視眼的な視点で評価をするとか、そういうふうになってはおっしゃるとおりいけないというように考えております。  今お示しをいただいた財政審の参考資料では、大学が教育の質の向上を図って、学生が勉学に注力をして、企業が採用、待遇においてその大学教育の成果を勘案するということを好循環の実現ということで表現をされていると思いますし、そうした中で学生が得られる教育成果をこの稼ぐ力という形で表現をされたというふうに思っております。  今回の支援措置におけるこの機関要件は、支援を受けた学生が大学などでしっかりと学んだ上で、社会で自立し、さっき局長からも言ったように、それは必ずしも経済活動のみで生きていけという、そういう趣旨ではありませんけれども、自立し活躍できるように学問研究と実践的な教育のバランスの取れた質の高い教育を実施する大学などを対象にするという趣旨で設定したものでありますので、この稼ぐ力ということとは直接の関わりはないということをこの場で申し上げたいと思います。
  14. 神本美恵子

    ○神本美恵子君 この財政制度等審議会、ここの答申が予算編成のときに非常に重いんですよね。いつも文科省が要求した予算が削られるときはここの答申が基になっていくと。ここが稼ぐ力と書いている。  だから、大臣はここは踏ん張りどころだと思うんですよね。必ずしも稼ぐ力だけではないというふうにおっしゃいましたけれども、じゃ、教育の目的とは何なのかということを改めて、これはもう大臣だけではなくて文科省全体、義務教育、就学前教育から大学教育までつかさどる文科省として、教育の目的とは何かということをもう一度立ち返っていただきたい。  これも答弁を求めてもあれですから、私は、やっぱり教育基本法に書かれているように人格の完成を目指すと、一人一人の人格の完成を目指して、平和で民主的な国家、社会の形成者となる、主権者となるということを目指すものであって、稼ぐ力はそのうちの一つ、自分で自立して生きていくための力であって、教育基本法に、あるいは憲法に立ち返るべきだということを申し上げておきたいと思います。  それで、改めて、そうなれば、今回の機関要件の外形的判断基準として、実践的教育、実務経験のある教員による授業科目を標準単位数の一割以上配置、あるいは外部理事の複数任命ということを機関要件として求められておりますけれども、この実務経験のある教員の授業が行われれば、その対象となっている学生がその授業を履修しなくても実践的教育が実施されているというふうに考えるのか。また、外部理事を複数任命と言っていますけれども、その外部理事が必ずしもその大学の建学の精神や学問追求の理念、そういったものを理解しているとは限らないと思うんですけれども、こういう要件、外形的に判断され得る要件が教育の質を担保するというふうには考えられないんですけれども、その一方で、大学等への指導監督強化につながる可能性がこの機関要件によって、私は、可能性といいますか、懸念するんですけれども、なぜこういう機関要件を設けたんですか。
  15. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) まず、実践的教育というものについて今御意見をいただいたんですけれども、社会で自立し活躍できる人材、それは、先ほど来申し上げているとおり、必ずしも経済的な活動をしろということを言っているわけではないわけなんですけれども、学問追求の視点とともに実際の社会のニーズに対応した経験に基づく実務の観点も踏まえた教育も重要であるということから、機関要件では学生がこうした教育を履修できる環境を整えるということを求めることとしております。  具体的には、授業の内容に関連した実社会の実務経験を有している者がその実務経験を十分に授業に生かしつつ実践的教育を行うと、そういったコースがあるといったようなものが考えられます。この要件を通じて、自らの実務の経験を踏まえ、授業の内容が実社会とどのような関係にあるのかなどを交えながら、学生の興味や関心を集めて社会で自立、活躍できる人材を育成する、そういった授業が行われることを期待をしております。  ほかにも、例えばオムニバス形式で多様な企業などから講師を招いて指導を行う授業ですとか、あるいは学外でのインターンシップ、あるいは実習、研修を中心に位置付けている授業などもこういった実務経験のある教員による授業科目と同様に実践的な教育というように位置付けられるのではないかと考えております。  それから、外部理事についての御指摘もいただきましたけれども、今回、機関要件として外部理事の複数配置ですとか、あるいはさっき申し上げた実務経験のある教員による授業科目の配置といった事柄は、決して大学の人事や教育研究の内容そのものについて何か直接的に規定するという趣旨のものではございません。具体的にどのような人材を理事に登用するか、あるいは教育課程をどのように編成するかということは大学に委ねられておりますけれども、今回の新制度の趣旨を踏まえて大学等の設置者の理事に学外者を含めることで、そういった高い見識を持つ学外の専門家や有識者の参画によって国民や社会の幅広い意見や知見を大学等の運営に適切に反映していくということによって、その大学の機能強化が図られるというように考えております。学外者を複数含めることで、客観的、また複眼的な外部の意見を今申し上げたような大学等の運営に反映させるということが可能になるのではないかというように考えております。  先ほど、実務経験のある教員による授業科目についてお話をさせていただきましたけれども、こういったことを通じて、大学等が質の高い教育を実施することにつながると考えております。
  16. 神本美恵子

    ○神本美恵子君 余計なお世話ですよ。大学関係の方、今日傍聴にもお見えになっているようですけれども、関係者が聞いたら本当怒りますよ、文科省が何でそこまで言うんだと。そういうのは設置基準の中にあるわけでしょう。教育課程の中でこういうふうにしましょうということが書かれている、それで認可をされているわけですから、実務経験教員、そういう方は既にもういらっしゃるだろうし、それを必ず置けとか、一割以上配置しろとか、複数外部理事を任命せよとか、もう本当に余計なお世話ですよ。  これって、本当に大学がどういう教育をやり、研究をやり、どういう経営、運営やっていくかという、そのことに文科省が法律をもってそこまで介入するのかというふうに受け止めざるを得ません。こういうことをこの修学支援、無償化という名をかたるこの法案で規定するということは、本当に大学の自治を侵害しかねないということを申し上げておきたいと思います。  次に、個人要件についてお伺いしますけれども、この新制度では、成績が相対評価で下位四分の一以下となった場合には警告となり、警告を二回連続して受けると支援が打ち切られる仕組みになっています。ただ、これまでの質疑の中でも、そう簡単に打ち切ることはないと、いろいろしんしゃくするというふうな答弁もありますけれども、相対評価では必ず四分の一該当する者が出るわけですね、必ず。その中にこの支援を受けている者がもし入っていれば、これは打ち切られるおそれがあるということ、そういう仕組みになっています。  この前、これも参考人のお話でしたけれども、最近の学生さんは、昔といいますか、私が学生の頃なんかは結構自由な雰囲気で、皆さんも経験あるかもしれませんけれども、いろいろ自分のやりたい自由選択の科目をたくさん取ってというようなことありましたけれども、最近の学生さんは昔と異なってよく勉強しているというふうに大学の先生も参考人でおっしゃっておりました。ですから、学校側が出席管理や成績管理も以前よりも非常に厳しくなってやっているんですね。  ですから、勉強の成果というのはその単位として認定されているわけですから、単位を取得していればしっかり学んだというふうに判断できるんじゃないですか。それなのに、相対評価で下位四分の一は打ち切るみたいな、これも学生に対する脅しのように感じられるんですけれども、なぜこういう単位取得というようなことで評価できないのかということについてお伺いします。
  17. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) まず、そもそも、この制度の支援の対象者については、高校在学時の成績だけで否定的な判断をしないで、本人の学習意欲ですとか進学目的を確認して幅広く対象としております。  ただ一方で、大学などに進学した後は学習に一定の要件を課して、これに満たない場合には支援を打ち切るという方針としております。例えば、今御指摘になったように、修得単位数や学業成績が一定以下の場合なんですが、これはまずは警告を行わせていただいて、これを継続して受けた場合には支援を打ち切るということとしており、この要件のうちの一つとして、今御指摘になられた平均成績などが下位四分の一の場合という要件を設定することとしております。  このような要件は、学生の社会での自立、活躍を図るという制度の目的と、支援が公費、特に給付型の公費で賄われるというものであることを踏まえて設定することとしているところであります。ただ、当然のことながら、しんしゃくをすべきやむを得ない場合については柔軟に検討していきたいと考えております。
  18. 神本美恵子

    ○神本美恵子君 だから、高額の公費の支援を受けているんであれば成績が振るわなければ打ち切りますよと、簡単に言えばそういうことですよね。そうなると、学生は、そこでもし打ち切られたら、もう人生台なしですからね。まあ人生とまでは言いませんけれども、そこで退学を余儀なくされることはもう目に見えているわけですよ。  こういう脅しのような相対評価の成績要件を付けると、学生さんは自分が大学選ぶときに、A大学、本当はここに行って、もっと頑張って行きたいというふうに思っても、いや、ここでその成績が下位四分の一以下にならないという自信がないから、ちょっとランク、自分の中ではランクを落としてB大学をというふうに、学生の選択の幅をこのことが逆に狭めるというようなことになるんではないかということを懸念しますけれども、そのことについてはどうお考えですか。
  19. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) 私は、やはり学生の皆さんにはしっかりと強い意欲と努力を持って志望の大学等を選んでいただきたいと思いますし、そのためには、やはり高校などにおける適切な進路指導、これが大変重要になってくるのかなというように考えております。  文部科学省といたしましては、高校等における進学前の明確な進路意識とそれから強い学びの意欲の適切な確認、また進路指導、これをお願いをしていきたいと考えております。
  20. 神本美恵子

    ○神本美恵子君 私も小学校しか経験しておりませんけれども、教員のときに、最初、相対評価だったんですね。一から五まで付けなきゃいけない。音楽とか体育とかいろんな教科でどうしても一を付けなきゃいけない、二割、四割、こんな山型でですね。相対評価ってそういうものなんですよ。クラスの四十人の中で必ず一を付けなきゃいけないというような相対評価、本当に苦しかったです。これ、絶対評価にして頑張った子はもう上にするというようなことができる、そういうものが、相対評価がいかに子供の意欲をそいでしまうかということは経験していますので、これはもう本当に駄目だと思いますよ、こういうことをやっていったら。  次に行きたいと、もう時間が迫ってきていますので。  一番大きな問題は、この間の現行の授業料減免について、文科省は留学生や大学院生については目的が異なるので継続して支援するとされておりますけれども、今受けている在学中の、現行制度で授業料減免を受けている、そういう人たちに対しては対策がちゃんと取られるのかということについて聞いたら、国立大学については何らかの配慮が必要かどうか検討中、また、私立については、現行の私立大学等経常費補助金配分基準で授業料減免事業等支援がありますけれども、新制度に移行した後どうなるかということについてははっきりおっしゃっていないんですね。大学の対応を見極めつつというような答弁がされておりますけれども、現行の制度が後退、縮小する懸念は拭えていないんです、これまでの議論では。  大臣、はっきりここは後退しないと、縮小しないというふうに、それだけの予算獲得をするんだということを明言していただきたいと思います。いかがですか。
  21. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) 現行の各大学における授業料減免は、それぞれが定める認定基準に基づいて本当に多様な形で行われております。これが、新制度の下では、二〇二〇年度から各大学における授業料減免への公的支援が、国公私を通じ、全国で統一的な基準によって真に支援が必要な住民税非課税世帯及びこれに準ずる世帯の学生に対して重点的に行われることになるというように考えております。総合的な支援の額は大幅に増えてまいります。  それでは、個別の大学についてどうかということなんですけれども、今後、各大学においてこの新制度を踏まえてどのように対応するかということをそれぞれ検討していただくこととなりますけれども、文部科学省といたしましては、本年夏頃までをめどとして、必要な調査等を行った上で適切に対応してまいりたいと考えております。
  22. 神本美恵子

    ○神本美恵子君 何も前進しない。これでは本当に現行制度が後退、縮小するのではないかということが今の一番の懸念事項なんですよね。それはやりませんと、そういうふうにはしませんというふうに明言していただかないと、これにはとても賛成できません。その予算規模は大きくなったと、それを低所得層に手厚くやるからということは分かりますよ。でも、そのことによって中間所得層のここが縮小される、あるいはなしになるなんてことになったら、本当にこれは教育の機会均等を目指すものではないということを断言せざるを得なくなります。  最後になりますけれども、やっぱり授業料が高過ぎるんですよ。これを、授業料を下げる努力を各大学ができるように運営費交付金や私学助成をきちっと予算確保しないと駄目だということを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
  23. 大島九州男

    ○大島九州男君 国民民主党・新緑風会の大島でございます。  法案の質疑の時間をいただきまして、心から感謝を申し上げながら質問に入りたいと思いますが、まずは、今回のこの法案の、そもそも法案に入っていないから関係ないよねと言われる子供たちの件について質問させていただきたいと思いますが、先ほどの答弁を聞いていますと、教育の機会均等、二十六条のひとしく教育を受ける権利だとか、そういう学びの権利ということを文部科学省おっしゃるわけでございます。当然、十八歳からの学び、高校を卒業して高等学校の専攻課程に入る、そしてそこで学ぶ子供たち、そういう子供たちも当然国からそういう権利をしっかりと与えていただく、そういった権利を持っている、まさに国はそういうことをやらなければいけない義務があるんだと、そういう視点から質問させていただきますが、まず、高等学校専攻科、これ、話によりますと、看護だとか水産、自動車というようなものを学ぶ子供たちが大変たくさんいると。  障害者の特別支援学校の高等学校の専攻課程というもので学んでいる人たちはどういう科目がありますか。
  24. 永山賀久

    ○政府参考人(永山賀久君) 特別支援学校の専攻科ですけれども、これは公的資格の取得や高度で専門的な職業能力を習得するための教育等が行われておりまして、障害のある生徒の自立促進につながっていると考えております。  それぞれの障害の特性を踏まえまして、例えば、視覚障害のある生徒に対する教育を行う特別支援学校には理療科、保健理療科、理学療法科などが設置され、聴覚障害の特別支援学校には理容科、美容科、歯科技工科などが設置されております。  具体的に科目ということでございますけれども、例えば、理療科、保健理療科では、あんまマッサージ指圧師、はり師、きゅう師の免許を取得するために解剖学や生理学に関する科目や臨床を含む実習の科目など、それから、理容科、美容科では、理容師、美容師の免許を取得するために衛生管理、理容、美容の文化に関する科目やこれらの実習に関する科目などで必要な知識や技能を習得するための教育が行われているところでございます。
  25. 大島九州男

    ○大島九州男君 今のお話でありますと、まさに職業に就くために、生きていく、生きる力を養うために必要なスキルを学ぶ、これ専門学校とも同じような科目だと私は今聞かせていただきましたが、専門学校に行く十八歳からの学びの子供たちにはこの支援が受けられるんですよね。なぜ、この今言う特別支援学校の高等学校専攻科とか、まさに看護だとか水産、自動車ということの専門を学ぶ十八歳の子供たちが対象にならないのかと。  それを質問すると、いや、これは高等教育ではありませんからと。いやいや、分かりましたと、それは。そもそも、だから、それが高等教育に入っていないということがどうなのか。そして、高等学校の就学支援金を導入して、十八歳までは私学の通う子供にそういう就学支援金が出ますねと、これはみんな平等ですよ。そこから十八歳で分かれたときに、専門学校、大学へ行く人と専攻課程に行くというところで大きくこの扱いが違うというのは、これは制度の谷間があるんじゃないのということですよね。だから、その制度の谷間を埋めなきゃいけませんよねと、気が付いたから。  じゃ、大臣、うなずいていらっしゃるので、どのようなお考えでしょうか。
  26. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) まさしく、さっきの質疑でもその実践ということについて重きを置いて答弁させていただきましたけれども、委員御指摘の部分と問題意識は共通しております。ただ、高等学校や特別支援学校の専攻科については、今回それをカバーする制度というものはないのが現状です。  ですから、御指摘のとおり、例えば資格取得に対応した教育を行っている課程など、一定の社会的役割を担っているものがかなりあるというように思いますけれども、その教育内容等については様々な実態があるのも事実であります。このため、まず、今御指摘をいただいた専攻科の学科、教育内容、修了後の生徒の進路、授業料や実験実習費などの教育費負担の状況、こういった調査をまさしく今実施をして取りまとめに向けた作業をしているところでありまして、今御指摘、御指導いただいた点に関しましては、その調査、取りまとめを踏まえて研究をしていきたいと考えております。
  27. 大島九州男

    ○大島九州男君 その答弁は新妻先生も質問になったときに私も聞いた記憶がございますので、当然その研究していると。まあ予算の関係もあるでしょうが、私が思うには、いろんな形があるけれど、やはり子供たちはみんな平等に権利を受ける権利があると。たまたま制度上そこが谷間になっていることに気付いたんだから、それはもうすぐ対処すると、前向きに考えているということでよろしいですか。
  28. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) 前向きに考えさせていただきます。
  29. 大島九州男

    ○大島九州男君 大変すばらしい答弁をいただきまして、ありがとうございます。  それでは次に行きますが、専門職大学って、先ほどから、財務省からいうと稼ぐ力、我々文科省的にいうと生きる力と。そういう形の中で、やはり職業に直結していく、まさにその専門職大学という制度をおつくりをいただいたというところで、これまたいろんな懸念を持っている皆さんのちょっと懸念を幾つか質問すると、私学の補助金ですよね、大学がこれだけありました、そこにまた新たな専門職大学が入りますと、この予算が変わらない限りは当然ここの新たな大学に補助金行くと、全体的に減らされちゃうんじゃないかという強い懸念を持っている大学関係者がいて、専門職大学はできない方がいいよねと思っている人が多くいるんじゃないのかというふうに私は推察されるんですが、この私学補助金、今三千百六十五億円と私は聞かせてもらっていますが、これ、今後そういう専門職大学が増えると増やしていくとかいう、そういう発想はあるんでしょうか。
  30. 白間竜一郎

    ○政府参考人(白間竜一郎君) お答え申し上げます。  専門職大学に対する私学助成の件でございますけれども、これは学校法人が設置をいたします専門職大学、また専門職短期大学は、私立学校振興助成法上、その経常的経費についてはその補助対象になるというのは御指摘のとおりでございます。  これについては、現在、専門職大学、三校開学しておりますけれども、これが完成する年度、二〇二一年度の翌年度からこれは交付する仕組みとなっておりますので、これに向けて、この専門職大学に対する私学助成についてはそれに向けて検討をしているというところでございます。  一方で、私立学校振興助成法に基づきますこの経常費補助金については、これは今後、私立大学全体についてこの支援を充実していくというために、私どもとしても必要な予算の確保に努めてまいりたいと考えております。
  31. 大島九州男

    ○大島九州男君 簡潔に質問すると、専門職大学が増えたから私学の助成金が減るというようなのは、意識的にはそれはちょっと間違えた意識ですよと、そんなの御心配要りませんよと、そういうことでよろしいですか。
  32. 白間竜一郎

    ○政府参考人(白間竜一郎君) 専門職大学に対する私学助成についても、先ほど申し上げましたとおり検討をしておりますが、これらも含めて全体として必要な予算の確保に努めてまいりたいと考えております。
  33. 大島九州男

    ○大島九州男君 ということは、今の答弁からすると、専門職大学が増えると私学助成の一校当たりは減る可能性がありますねというふうに聞こえましたが、そういう受取でよろしいでしょうか。
  34. 白間竜一郎

    政府参考人(白間竜一郎君) 繰り返しになりますが、全体として私学助成を、必要な予算を確保すべく努力してまいりたいと考えております。
  35. 大島九州男

    ○大島九州男君 ということは、総額は増えないから専門職大学が増えると……(発言する者あり)あっ、総額増えるんですか。総額増えない、増える。  いや、私学の関係者の皆さん、よく聞いておいた方がいいと思いますよ。実はそういう懸念があるから、じゃ、専門職大学を認可しないんじゃないかというふうにうがった見方を見る人もいると。  平成三十一年度開設校、今度令和になりますけれども、医療系は一校のみだったと。十七校申請したうち十四校が申請を取り下げたと。関係者からは落胆と疑問の声が出ていると。文科省はこの専門職大学認可に対するあれは非常に厳しいというふうな声を聞いていると思うんですけど、そこら辺のところの意識をどういうふうに受け取っているかと。だから、文科省は専門職大学はつくりたくないんじゃないのかと。  じゃ、大臣、うなずいていらっしゃいませんから、首振っていますから、どうぞ大臣、じゃ、お願いします。
  36. 柴山昌彦

    国務大臣(柴山昌彦君) 今年四月開設の専門職大学は、大学二校、短期大学一校、計三校が設置認可されております。  認可の結果は、大学設置・学校法人審議会において、専門職大学設置基準などに適合して専門職大学として適当な設置計画であるかどうかという観点で、あくまでも専門的な審査がなされた結果であるというように考えております。  確かに、たくさん申請をいただきました。十七校の申請があって、医療系九校の申請があり、審査の過程で八校が指導の中で取り下げ、一校が認可となったわけなんですけれども、ただ、再チャレンジをしてくださる学校がかなりあるということも仄聞をしております。  審査結果に対する全体的なコメント、公表されておりますけれども、多くの案件について、まず、専門職大学の特色である実習の内容などが不十分、また、大学教育としての内容や体系性が不十分、研究を行う施設設備がきちんと整備されていないといった課題が指摘をされたり、あるいは必要な資料が十分作成されないなどの状況が多くて、要は準備不足であったということが指摘をされているというようにも伺っておりますので、決して我々が何かノズルを絞っているというような、そういうスタンスでいることではないということは申し添えたいと思います。
  37. 大島九州男

    ○大島九州男君 大臣のおっしゃる今のことを聞くと、ああ、そのとおりだなと思うんですね。  あと、そもそも、そもそも論。アカデミックな研究をする大学と専門職大学というのは車の両輪であると、こういう平行線で走っていくんだという、そういう理屈で私は専門職大学ができていると理解をしているんですが、専門職大学にこのアカデミックなところを求め過ぎるんじゃないのと。  極端な話を言いますと、物づくりをする職人の皆さんの技術というのは、これは理屈ではないんですよ。だから、それぞれの職人が長年の経験によって得た知見と知識というものは、これはもう理屈ではないんですよね。数学だとか物理の放物線を学んで、こうやってあれができると。うちは、私のことを言うとあれですけど、うちのおやじは鉄工所だったので、鉄板というのは溶接するとひずむんですが、そのひずみ取りというのは職人じゃないとできないんだと、これ理屈じゃできないと。まさにそういう技術日本を支えてきたわけですね。だから、それが生きる力になるわけですよ。  だから、その職人の技術というものが、今の大学のレベルでいうと専門学士と学士という、こういうグローバルに見たときにちょっと差があるよねと。だから、アカデミックな学生も専門的なそういう職人的な学生も国際社会に出ていったときに同じように見てもらえるような、そういうプロフェッショナルをつくっていく専門職大学という認識なんですね、私の中では。  そうすると、その専門職大学、まさにそこで学ぶ子供たちの施設が足りないとか、そんな論外ですよ。書類が足りない、それは論外。しかし、そこに大学教授みたいなのを連れてこいとか、そういう学術的な人を入れないと駄目よというのは、私はそれは違うんじゃないのと。そういう基準が非常に足かせになっているというふうに私は聞かせてもらっているんですね。  だから、そこはそもそも論からして、専門職大学という一つの大きなその理念の中から外れたことを言えば、当然それは専門職大学をつくろうとしている人たちとは乖離が出てくるんですよと。だから、その件についてはしっかりもう一度省内の中でも議論して、そしてまた、専門職大学ですからいろんな企業との連携を取って、研究室だとかそういうのはその企業なんかと連携しながらやっていくという、そういったことをやることによってしっかりと担保できるはずですよ。  それから、今言うアカデミックな部分は短大だとかそういうところと連携して、それをしっかりとやっていくということをやりながら、専門職大学、そしてまた短大等の連携を深めていくという、そういう理念もあったはずだと私は理解をしているので、そういうことも含めて今後専門職大学についてはしっかりと検討を重ねて、いい専門職大学というのは必ずできるはずですから、それをしっかりとやっていただきたいと。  それに引き続いて、生きる力と。じゃ、それを育むのは、やはり義務教育段階から、幼稚園の教育から、幼児教育からずっと私は続けていかなきゃならない連携したものだと。そこら辺は共有していると思うんですが、まさに経済産業省が、ソサエティー五・〇ということで新しい教育の在り方について未来の教室というのを展開しましたよね。一斉授業ではなくて、エドテックを用いた個別学習だとかイノベーターを育むSTEAM学習とか、そういうのをやられてきましたけれども、経済産業省、そこの実証した結果とか明らかになった制度の論点というのをちょっと教えてください。
  38. 島田勘資

    政府参考人(島田勘資君) 委員御指摘のとおり、経産省では、「未来の教室」とEdTech研究会といった場を通じまして、第四次産業革命に対応した人材育成と教育改革について議論を進めてございます。二〇一八年の六月に第一次の提言を公表し、その内容を踏まえた実証事業を全国で展開しているところでございます。  まず、学びの個別最適化を目指す実証事業におきましては、小中高校の算数、数学、英語につきまして一斉授業を最小限に抑えるとともに、各生徒がエドテックを用いて自分の理解度に合わせた個別学習、これを進めるスタイルを採用したところ、成績の向上と学習時間の短縮という成果を得られたところでございます。  他方で、必要な通信回線の容量が確保できないですとか、あるいは学校のネットワークがエドテックに対応できないといったようなこと、学校のICT教育の課題も明らかになったところでございます。  さらに、エドテックの活用が一斉授業よりも短い時間で飛躍的な学習効果をもたらした場合に標準授業時数を下回ること、あるいは次の学年の学習内容に進むといったようなことの是非についても明確な指針があった方がよいというふうな声も聞こえてきたところでございます。  また、STEAM教育、これの実証事業につきましては、高校生向けにスマート農業といったようなことをテーマとして、社会課題とIoTなどを融合したプログラムの構築といったようなものを開始をしてございます。  生徒の学習意欲や課題解決力に対するプラスの効果が見え始めたところでございますが、一方で、こうしたSTEAM教育の確立と普及には、学年ごとに定められた単元の内容を超えるといったような場合、あるいは教科同士を組み合わせるといったようなことに関しまして、教育の現場が参考にできるモデルプランが必要であるといったような御意見も出たところでございます。  そもそも、STEAM教育は、コンテンツとその指導者数の絶対的不足といったようなことも課題でございます。産業界の協力の下、コンテンツと指導人材の創出に向けた仕組みづくりが必要ではないかと考えているところでございます。  今後とも、文部科学省や産業界とより一層連携をしまして、こういった課題の解決に取り組んでまいりたいと考えてございます。
  39. 大島九州男

    ○大島九州男君 私は学習塾の先生をしておりましたので、子供たちにいろいろ教えるときに、結局、どうやったら子供たちが効率よく伸びていくかというのを考えていくと、やはり能力別にクラスを分ける、それも学科別に、数学の得意な子とか英語の得意な子とかいますから、それぞれの科目でやっぱり分けていったんですよ。最終的に、生徒三十人一緒に教えていても個別に対応しているんですよね。だから、今エドテックとかでやっている教育とか、まあ学校でもそうですし、それこそ学習塾とかでもやっているような教育というのはもうみんな今同じような感じの個別対応になってきたと。学校教育も、当然そういうニーズはそういう形になってきているだろうと思うんです。  先ほどおっしゃった問題解決能力と、私、さっき稼ぐ力と言ったけど、これ生きる力といって、生きる力ってどういうのかといったら、社会に出てどうやって自分がいろんな仕事をやって、その中で能力を発揮できるかということだと思っているんですね。今、文部科学省も学校教育の中で例えば経営者呼んで話聞いたりやっているでしょう。これをもっと逆に体系化していくとどうなるかというと、私、皆さん、民間教育というと学習塾とかそういうピアノ教室とか、民間が教えるのが民間教育という概念をちょっとこれ変えてもらいたい。何かというと、民間教育というのは、例えば、今学校でやっているガソリンスタンドのおじさんが学校へ来て自分の体験を話しているとか、それとか、まさに鉄工所のおやじさんがこういう自分の企業経営とか自分の製品について話するというと、これ学科関係なく、経営ですから、当然経理の関係もあったりとか営業したりとかそういうのもあるし、製品を作ったりとか、もう全て総合的。文科省も総合学習ってやっているでしょう。だから、もう今まさにそういう人材をどう育てるかというところに来ているわけですよ。  そうすると、あのエドテックとかいう例えばパソコン使ったりとか端末使ったりというのは、あくまでもそろばん使って算数、計算の、読み書きそろばんやってきた一つの道具で、学校の先生はその端末でいろいろ教えるんじゃなくて、学校の先生はそれぞれの子供たちのニーズとその総合教育で学ぶ具体的な事例、今言う経営者、例えば鉄工所がある、またここは八百屋さんだったりとか、そうすると、農業だとかいろんなことが絡んでくるわけでしょう。そうすると、そういうものをうまくマネジメントして子供たちに提供するプロデューサー的な役割を学校の先生がやっていくんですよ、これからは。  だから、私、最近コマーシャル見ていて、昔のコマーシャル、車でいうと馬力がいいですよとか、最近は燃費がどうですよとか、今、何というんですか、車の衝突機能があれですよとかいう話は出てきたけど、最近目を引いたのは、何かすごく芸術的な技術みたいなあれで、あれっ、これ何の宣伝かなと一瞬思って、最後、美しく走るとかいって、メーカーの名前を言いませんけど、そういう日本の車メーカー、今アメリカでそれが一番売れているんですって。  じゃ、何かというと、もう機能とかそういうのはある程度スペックはそろってきたんだと。そうすると、あとはデザインとかそういうものに、感性に変わっていくんですよ。だから、日本の教育も、義務教育段階からそういった一つ一つの技術とか知識を学ぶものはそういう機械を使って、学校の先生が担うのは感性だとか、そういういろんな討論したりとかいう部分の創造力や調整力を培っていくというのが学校の先生の仕事で、これからはそういう総合力を生かした民間教育、まさに経済界とも連携しながら、そして将来的にその子供がどういうグローバルな人材になっていくのかというものを見据えた苗床をつくると。まさに文科省はそういう発想を持ってやると、今中学校までにこれぐらいとか、小学校までにここまでという、先ほど経済産業省が言っていた枠にとらわれない教育ができると思うんですよ。  だから、まさに考え方を大きく変えて、日本の経済をこれから発展をさせていって、やはり日本の国力を上げていく教育は、まさに民間教育。そういう経済界と連携しながら、そして、まあ農業界も当然そうですよ、全ての分野に関わるものを総合的に学習をしていくという仕組みを文部科学省がしっかりと構築をして、例えば厚労省にあるいろんな問題、経産省にある問題、国交省にあるいろんな問題を一つのテーマとしてそれを解決する、そういう能力をちっちゃいときから培っていくんだという視点の中で学習指導要領も作っていくべきだというふうにちょっと私は思うわけであります。  今日は、そればっかりずっとやっているとあれなので、ちょっと具体的にいきますと、一つの制度、いろんな制度の中で疑問が実はあったんですよ。それは何かというと、我々、うろうろしていますと、ドクターヘリというと、どこでもドクターヘリというのは緊急にぴゃっぴゃっと降りれると、それで命を救うというふうに思っていたんですけど、なかなかそうじゃないんですよなんていうのを聞いて、えっと。問い合わせてみると、ちょうど、そういえば、平成二十五年十一月に百七十六条の三というのが追加されたんですね、細かいことは言いませんが。  この百七十六条の三が追加された目的というのをちょっと教えてください。
  40. 高野滋

    ○政府参考人(高野滋君) お答え申し上げます。  委員御指摘の航空法施行規則第百七十六条だと思いますが、これは、そもそも航空法の第七十九条の規定によって、航空機を空港等以外の場所で離着陸させる場合には、原則、国土交通大臣の許可が必要となるということなんですが、一方で、捜索救助のために航行を行う航空機は航空法第八十一条の二の規定により適用除外をされていると。その具体的な適用除外の機体を決めているのがその御指摘の航空法施行規則第百七十六条でございます。  御指摘のあった平成二十五年十一月の同規則百七十六条の改正でございますが、これは、ドクターヘリが消防機関等から依頼、通報を待たずに迅速に救助が可能となるように、厚生労働省とも調整の上、救急医療用ヘリコプターを用いた救急医療の確保に関する特別措置法第五条第一項に規定する病院の使用する救急医療用ヘリコプターを新たに適用除外の対象としたものでございます。  一方で、こういったその救急医療用、百七十六条第三号の対象とならない民間のドクターヘリというのもあるというふうに承知をしております。こういったいわゆる民間のドクターヘリにつきましては、航空法施行規則の第百七十六条の第二号というのがございまして、これは消防機関等の依頼又は通報を受けて飛行をする場合、捜索救助をする場合は同じように航空法第七十九条の適用除外になることになっておりまして、そういった場合は航空法上の許可を必要とせずに空港等以外の場所に離着陸が可能になります。  また、もちろん、そうでない場合については航空法第七十九条ただし書の許可を受ける必要があるわけですけれども、そういった場合であっても急患の搬送など緊急性がある場合には手続自体の簡素化を図っておりまして、メールやファクス等による手続、さらに災害時には電話による手続を可能としているところでございます。  以上です。
  41. 大島九州男

    ○大島九州男君 ありがとうございます。  この問題一つ取っても、病院と消防とと、国交省とと、こういうふうに絡んでいますね。  今、我々いろいろ教育者と話していると、そういう一つの問題に対してあらゆる複数のものを組み合わせて、そしてそれを形にしていく、文科省がやろうとしているプログラミング教育って、これ論理的段取り思考というふうに文科省は訳していますが、そういう論理的段取り思考を具体的に今のような形で高校段階ではそういうことをやっていこうとしているんでしょうけど、それは小中学校のときからそういうことをやっておかないと、やはりそういうイメージは付いていかない。だから、社会に出て、そして国際的に通用するそういう人材は、やはり苗床ね、まさにちっちゃいときから、苗床からきっちりやっておかないと、急に高校生になったからそれを始めたってそれは無理だから、大学へ行ってやっても無理なんですよ。  だから、そういう意味においても、経済界が例えばうちの業界に育ってほしいような人材は小学校のときからしっかりと目を向けて、そこに経済界の支援ももらう、農業界なら農業界にそういう自然環境だとか農業に卓越した苗床をつくって、そこから育った人材を、そして国際競争力のある人材に育てていくんだと。だから、文部科学省はあらゆるその省庁の問題をしっかりと受けてそれを具体的に教育に落としていくんだと、そういう教育が民間教育というふうに位置付けていただいてやっていただくと有り難いと。  ちょっと厚労省的な問題でいいますと、これもまたちょっと谷間の話なんですが、私よく言っている柔道整復師の関係。柔道整復師の受領委任払いという制度についても、なかなかこれは制度の不備があると言われている谷間があって、結局、谷間があるものだからいろんな保険請求に不正が多いということで、過度な患者照会というのがあって、患者さんもそうですし、整骨院も大変苦労しているという問題がありました。  その件について、私はそれはおかしいんじゃないのと、過度な、行き過ぎなことはおかしいよというふうに指摘をさせていただいて、いろんな声の代弁をしてきたんですが、あれから一年たちますけれど、今どういう状況になっているのかと、ちょっとそれを確認で教えてください。
  42. 山本麻里

    ○政府参考人(山本麻里君) お答え申し上げます。  委員御指摘の患者調査でございますが、柔道整復療養費が適切に取り扱われることを目的として、各保険者で実施をしているところでございます。  御指摘のように、このような趣旨を踏まえて実施することが重要である一方で、被保険者の過度の負担や受療抑制を招くことがないように、この点も重要でございます。平成二十五年に、保険者等に対しまして被保険者や施術所等の負担の軽減などに留意するよう促したところでございます。また、昨年、平成三十年五月でございますが、被保険者等への照会については、本来の目的である不正の疑いのある施術等を確認するために実施するものであり、受診の抑制を目的とするような実施方法は慎むことなどを通知したところでございます。  現在、この通知に基づき取組を進めているところでございまして、今後、これらの効果を見極めつつ、引き続き適切な調査の実施を促してまいりたいと考えております。
  43. 大島九州男

    ○大島九州男君 通知の最終ページに不適切な被保険者等への照会の連絡票というのが付いていますが、これは整骨院の先生たちがそれを書いて出してくるんですよね、もし不適切な調査があったとしたら。こういうものはどんどん返ってきているんですか。
  44. 山本麻里

    ○政府参考人(山本麻里君) この帳票に基づく報告でございますけれども、私どものところにも幾つか入ってきてございます。まだそれを十分に評価をできる段階にはないと考えておりますけれども、引き続き、アンテナを高くしてこの問題に取り組んでまいりたいというふうに思っております。
  45. 大島九州男

    ○大島九州男君 分かりました。引き続きそこは注視して、先生たちが、真面目にやっている人たちが被害を被らないようにしていただきたいというふうに思います。  それで次に、文部科学省、「トビタテ!留学」という形でいろいろグローバルな人材を育てるために留学を促進しておりますけれども、今、それぞれ留学先が減っているところ、増えているところというのをちょっと簡単に教えてください。
  46. 伯井美徳

    ○政府参考人(伯井美徳君) 日本学生支援機構が実施した協定等に基づく日本人学生留学状況調査によりますと、大学等が把握している日本人学生の海外留学生数については、二〇一七年で十万五千三百一人となりまして増加傾向にあります。このうち、主な留学先のうち、アメリカ合衆国への留学生数が二〇一六年度から二〇一七年度にかけて減少している一方で、中国や台湾への留学生数が二割程度増加しているといった傾向がございます。
  47. 大島九州男

    ○大島九州男君 これは、アジアに目を向けている子が多いというのかどうなのかと、この辺は今後ちょっと私どもも注視をしていかなくてはならないと思うんですけれども、やはり今、それこそ中国政府認定の中国語資格のHSKという中国語検定なんかがどんどんどんどん伸びているんですよね。それからまた、台湾経済代表処の皆さんなんかも、非常に日本に対する、親日の皆さんでございますので、いろんな部分で日本との連携を持っていこうとしている。地理的な部分もあるし、やはり民族的な関係もあるから、そこら辺が伸びていくというのも一つそういう理由があるのかなと、文化とか風土ですよね。  そういった流れの中で、最近、私がよく言っている動物愛護という中で、台湾は世界に先駆けて犬食禁止の法律を作ったと、そしてそれに合わせてアメリカも去年法律を作ったということがございます。日本もやはり今度のオリンピック、万博に向けて、世界に発信するそういった法律の整備が必要だということを私は言わせていただいているのは、入管法が変わって、まさにいろんな外国の方がどんどんおいでになるような仕組みができたと。そうすると、ベトナムやそういう犬食をする文化を持っている人たちが日本にどんどん入ってくるけれども、日本ではそういう文化はありませんよというのを明快に示していくということは必要だという、そういう観点の法律を作らなきゃならないという意見を持っているんですが、実は前回、予算委員会で国家公安委員長にこういう話をしました。犯罪を減らすにはどうしたらいいのかと。犯罪撲滅キャンペーンやっていますけれども、実は動物を虐待したりする人たちというのは一般の人よりも犯罪率が四、五倍になっているという、そういう傾向があると。そうすると、動物愛護をすることによってまさに犯罪が減るんじゃないのかと、こういう取組は大事よねと。そうすると、今学校のいじめとか、それとかいろんな親の虐待、まさにそういう命を大切にする政治の観点からいうと、学校教育の中でやはり動物、また植物、そういうものを大事にしながら命を育んでいくという教育は、これは絶対必要だと思うんですよね、大臣。  だから、まず、いろんな取組あると思うんですけれども、命を大切にするという観点で、もっともっとそういう動物愛護の観点とかを広めていただきたいという、私はそういう願いがあるんですが、大臣、どう思われますか。
  48. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) 委員おっしゃるとおりでして、特に現在生きる子供たちは、命の尊さあるいはかけがえのなさに心を揺り動かされたり、直接そういったことを見聞き体験する機会が本当に少なくなってきているのかなというように感じます。  そういう中で、命の尊さを理解し、かけがえのない自他の生命を尊重することについて学ぶことが重要だと考えます。そのため、新学習指導要領においては、生命の尊重に関して、例えば小学校の生活科において動物を飼ったりする活動などを通して、生き物への親しみを持ち、大切にしようとすること、小中学校の特別の教科道徳において、生命の尊さを理解し、かけがえのない自他の生命を尊重することですとか、小中学校の理科において生命を尊重することなど、学校の教育活動全体を通じて、今御指摘になられたような命を大切にすることを指導することとしているところであります。  こういった取組は、実は我々、いじめを防止する観点からも非常に重要ではないかと考えておりまして、各学校や地域において様々な取組が進められるように、こういった学習指導要領の趣旨をしっかりと周知をしていきたいと考えております。
  49. 大島九州男

    ○大島九州男君 ありがとうございました。  今日は大変法案の審査において前向きな御答弁をいただいたところは大変有り難く、感謝を申し上げたいというふうに思います。まさに制度の谷間に埋まる子供たちがいないように、やはりそういったところに気付いたときには素早く対応するということを今後も是非続けていただきたいと。  最後に、第百九十八回国会へ提出が見送られた著作権法等の改正案に関する、私、質問主意書とかめったに出さないですけど、質問主意書を出しました。昨日、五月七日に内閣に転送されて、明日、五月十日に答弁書が閣議決定をされるという、そういう日程感だそうでございます。  いろんな多くの国民の皆さん、十六万を超えるような人たちから二百四十八の意見をいただいて作りましたので、やはりそういう皆さんの意見をしっかりと受け止めていただいて、いろんな観点があるでしょうけれども、しっかりとした御答弁をいただければ有り難いということをお願いだけ申し上げて、私の質問を終わります。  本日はありがとうございました。
  50. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 まず、質疑に入る前に、先ほど大島先生の質疑の中にありましたけれども、高等学校などの専攻科、大臣から前向きな答弁が出ましたけれども、本当に心強いなというふうに思っております。この件、赤池先生も取り上げられました。やはり、この制度の隙間に落ちる方が本当にないように、是非とも前向きな検討、研究をお願いをしたいと私からも要望させていただきます。  それでは、質疑に入ります。  まず、高等学校卒業程度認定試験の合格者への制度の適用について伺いたいと思います。  この高等学校卒業程度認定試験、昔の大検ですよね、この合格者については、高校などの在籍者に比べるとやはりこの新制度の情報に接する機会が少ないんじゃないかなというふうに懸念しているんですね。例えば、高校などの在籍者であれば、進路指導の先生もいますし、そこからこんな情報もちゃんと伝わるでしょうし、また、学校によっては、スカラシップアドバイザーという奨学金の専門家の方にお越しをいただいて制度を周知する、そういう機会を設ける学校もあると。でも、高卒程度認定試験の合格者にはこうした機会はありません。  また、高卒程度認定試験のホームページとかそこに掲載されている文書にも、現行の給付型奨学金制度への言及もなくてリンクも貼っていないと。もちろん、JASSO、日本学生支援機構のホームページには、既存の給付型奨学金制度の対象者として高卒程度認定試験合格後二年という条件は明記されているんですけれども、じゃ、そもそもこのJASSOのホームページにたどり着く人というのは制度を知っている人であって、知らなければたどり着かないわけなんですよね。  じゃ、何でこんな質問を私はするのかというと、私、実際御相談を受けたんです。つい最近のことなんですけれども、静岡県に住んでいらっしゃるある婦人の方からで、こんなお話を伺ったんです。今年成人式を迎えた息子がいます。中学校を卒業して介護の施設で四年間働いてきました。小学校、中学校共になじむことができなくて不登校ぎみでした。ただ、仕事をする中で、学ぶこと、勉学の大切さを知り、この高卒程度認定試験を受け、合格をしました。我が家は経済的には厳しくて、息子は今回の高等教育に関するこの支援の政策に希望をもらって進学を決めたということなんですね。しかし、息子がインターネットで調べても、対象外ではないかということなんです。現在、また進学すべきか悩み始めました。やはり支給対象外なんでしょうかと。こういう御相談だったんですね。  この息子さんは、よくよくお話を伺うと、昨年の高卒程度認定試験に合格したそうです。なので、家計の要件さえクリアすれば、現行の奨学金制度もそうですし、また新しい制度の対象になるのではないかと考えるわけなんですよね。でも、そのことすらインターネットの情報ではたどり着かないと。これが実情なわけなんです。  ここで、高卒程度認定試験の出願の書類には住民票の添付が求められております。なので、少なくとも合格した方につきまして受験時の住所までは掌握できるはずです。なので、二年以内の有資格者に対して、既存の奨学金制度もそうですし、また、本法律案の施行の暁には、新制度について、是非とも郵送などの対応とか、またスカラシップアドバイザーによるガイダンスの実施などをしていただきたいんですけれども、これ、大臣、いかがでしょうか。
  51. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) おっしゃるとおり、現行の奨学金制度にせよ今回の新制度にせよ、しっかりと対象者に周知をしていくということが重要でありますし、御指摘になられたような高卒程度認定試験を受験する方にどのように周知をしていくかということは、大変我々にとって重要な課題であるというふうに考えております。  今御指摘になられたこの受験をする方については、同試験の受験案内の中でもう既に、これから同機構の奨学金に関する情報を掲載し、周知を図っているところであります。  また、文部科学省のホームページにおける高卒認定試験の掲載ページからもうダイレクトに、今リンクというお話もありましたけれども、分かりやすい形で奨学金関連情報が得られるようにするなど更なる周知に、委員の御指導もいただいたことですし、しっかりと努めていきたいと考えております。
  52. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 私は今、例として、住民票の添付で掌握することができる、二年以内の有資格者への郵送とか申し上げましたけれども、ともかく、ああ、制度を知っていれば応募できたのにということがないようにだけ是非とも前向きな検討をお願いをしたいと思います。  次に、この合格後二年の要件について確認をしたいと思います。  先ほど紹介をした静岡県の御婦人とのやり取りの中で、合格後二年の要件は、これはいつまでなんですかという御質問いただいたんですね。この高卒程度認定試験、年二回、今年は八月と十一月に行われるそうなんですけれども、結果発表は約一月後だというふうに伺っています。  できるだけ多くの方が対象となるようにというようには思うわけなんですけれども、この二年とは、試験に合格してから奨学金を申請するまでの期間なのか、それとも大学に進学して学び始める時点までなのか、これいかがでしょうか。これ、参考人の方、お願いします。
  53. 伯井美徳

    ○政府参考人(伯井美徳君) 今回の支援措置におきまして、高等学校等卒業程度認定試験の合格者が支援対象となる合格後二年の期間でございますが、これはその当該認定試験に合格した日の属する年度の翌年度の四月一日から起算して二年間ということでございます。その翌年度の四月一日から起算した二年間の間に希望する大学等への入学が認められた場合に対象となるというものでございます。こういったこともしっかり周知していきたいというふうに考えております。
  54. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 これ、是非とも周知していただきたいんですね。でないと、あっ、だったら私駄目なんだと諦めちゃう人が出てしまうわけなんです。なので、翌年度の四月一日起算の二年だということは非常に重要な情報ですので、これ、漏れがないように伝わるように徹底をしていただきたいと要望します。  次に、家計の要件なんですけれども、今回相談をしてくださった方の息子さんは、先ほど申し上げたように、家計を助けようと介護の施設で働いていたために収入があります。その収入も世帯収入に合算することとなれば、恐らくなんですけれども、今回の支援制度の家計要件からぎりぎり外れてしまうんじゃないかということなんですね。  しかし、ここで高卒程度認定試験に合格又は志願している方はもとよりなんですけれども、あと定時制高校とか、また通信制の高校に通う方というのは、その多くが仕事を持って働いていらっしゃることと思います。このような方が今回の制度を活用して大学とか専門学校などの高等教育機関に進学した場合、その多くが今の仕事を辞めて学業に専念するのではないかなと考えるわけですね。しかし、その場合、進学後、本人の収入絶たれます。  ここで、家計要件に本人の収入は含まれることになるのでしょうか。また、どの時点、期間の収入をもって判断をするのでしょうか。ここでもし本人の収入が家計に含まれることになれば、進学後はなくなる収入をあるものとして、修学時、大学とか専門学校に行っているときの家計能力を判断することになって、妥当とは言えないんじゃないかなと考えるわけなんです。  ここで、家計要件での家計支持者から本人を外して進学後の家計の実態をもって判断をする、若しくは進学後の家計の急変として取り扱うような対応はできませんでしょうか。これ、大臣、お願いします。
  55. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) 新制度においては、世帯の所得及び資産の状況を確認し、真に支援が必要な低所得者世帯の学生などを支援対象とするということとしているものですから、この世帯の範囲としては、学生など本人及びその生計を維持するものとして原則父母について、その所得及び資産の状況を確認をすることになろうかと思います。  所得については、申込みの時点に加え、支援期間中も、毎年夏頃、前年の所得に基づく最新の住民税課税の状況を確認して支援額に反映をしていくことになります。  ただ、そうすると、今おっしゃったとおり、進学後に本人が、例えばこれまで仕事をしていたんだけれども仕事を辞めて勉強に集中したいという方、あるいはその逆に本人が所得を得るような場合、また祖父母などから資産を贈与されて経済的に困難な状況じゃなくなった場合、こういったことも考えられますので、やはりそういったことも含めて毎年最新の状況を確認をする必要があるのかなというように思っておりますけれども、ただ、それでは捕捉できない場合もあることも事実でありますので、家計急変という御指摘もいただきましたけれども、予期できない事由によって家計が急変し、急変後の所得が住民税の課税標準額に反映される前に緊急に支援の必要があるというようなことが発生すれば、急変後の所得の見込みによって要件を満たすと判断される場合、支援の対象とする予定でございます。
  56. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 今大臣が御答弁された家計急変時の弾力的な扱い、是非とも前向きに検討いただきたいと思います。  次に、高卒程度認定試験の受験者への制度の周知について伺いたいと思います。  様々な理由で高校での学びに到達できなかった、又は中途で断念してしまった方々の中には、やはり経済的に厳しい方々も多いのではないかなというふうに想定をします。もしこの高卒程度認定試験の受験を考えている、このような方に現行の給付型奨学金制度とか新制度の周知がされれば、高校卒業程度の認定はもとより、大学への学びの突破口が開かれることになりまして、高卒程度認定試験受験への大きな後押しになるんじゃないかなと思うわけなんです。  是非、高卒程度認定試験の受験を考えている方々のために、このホームページとかその掲載文書に、まずは現行の給付型奨学金への言及及びリンクを加え、そして本法律案が可決、成立、そして法律案の施行の暁には新制度についても同様に対応してほしいんですけれども、いかがでしょうか。これ、参考人の方、お願いします。
  57. 伯井美徳

    ○政府参考人(伯井美徳君) 御指摘の点、極めて重要でございますので、文部科学省ホームページにおける高卒程度認定試験の掲載ページでありますとか、あるいはパンフレット、さらには日本学生支援機構のこういったパンフレットなどにおきまして、日本学生支援機構の奨学金情報、それから新制度の情報も含めまして、しっかりと案内、対応していきたいと考えております。
  58. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 是非よろしくお願いをいたします。  次に、児童養護施設のお子さんへの支援について伺いたいと思います。これは、去る三月十四日、我が党の山本香苗議員の本院の厚生労働委員会での質疑に基づいて質問させていただこうと思います。  まず、施設を退所した、児童養護施設を退所したお子さんが自立支援貸付けを利用しながら今回の支援を受ける場合の受給制限について伺いたいと思います。  児童養護施設退所者などに対する自立支援貸付事業というのがありまして、これは、施設を出て就職をする場合には二年間の家賃、そして進学をする場合は在学期間中家賃と生活費を貸し付けて、その後、就業を継続することで返還免除をするという仕組みなんですけれども、これ、施設を出た後の重要な支援施策となっております。  ここで、この山本議員の質疑では、施設を退所した子供が先ほどの自立支援貸付けを利用しながら今回の新しい支援制度を利用することは可能なのかという、この修学支援法の支援を受けることは可能なのかとの問いに対しまして、給付型奨学金と貸与型奨学金との併給、両方とももらう併給については、無償化対象外の学生との支援のバランスから併給を制限する方向との答弁だったところです。  じゃ、具体的にはどのような制限の内容なんでしょうか。
  59. 伯井美徳

    ○政府参考人(伯井美徳君) まず一点目といたしまして、児童養護施設等を退所した子供たちにつきまして、自立支援資金貸付事業による貸付けを受けているかどうかにかかわらず、この新制度の要件を満たす者については今回の新制度による支援の対象になるというふうに考えております。  そして、もう一方で、今回の新制度とは別に、貸与型奨学金との併給についてのお尋ねでございますが、今回の新制度は授業料減免に加えて学生生活費を賄うための給付型奨学金を支給するものでございまして、新制度の対象外となる学生との支援のバランスを踏まえまして、今回の新制度と無利子奨学金の貸与型奨学金ですね、無利子の奨学金との併給につきましては無利子奨学金の貸与上限額を減額するということで併給調整を行うと、貸与型奨学金と今回の新支援制度の併給調整を行うというものでございます。一方、有利子奨学金については、本人の希望する額を引き続き貸与するという、こういう整理でございます。
  60. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 次に、施設や里親の元から通学するお子さんへの支給額について伺いたいと思います。  この質疑で、児童養護施設や里親の元で生活をしている子供たちは自宅外生なんですか、それとも自宅生なんですか、どちらに位置付けられるんですかという質問があったんです。それに対しての答弁は、児童養護施設や里親の元から大学等に通学する場合、父母と同居しているわけではないため自宅通学とは状況が異なるものだが、施設等の住居について、本人は住居費を負担していないことから一般的な自宅外通学とも状況が異なるもので、社会的養護を必要とする者が学生生活を送るのに必要な額が賄えるよう十分配慮した支給を行うようにしたいという答弁だったんですね。  じゃ、具体的にはどういう支給となるのでしょうか。これ、伯井局長、またお願いします。
  61. 伯井美徳

    ○政府参考人(伯井美徳君) 児童養護施設等や里親の元から大学等に進学する場合、今御紹介いただきましたように、父母と同居しているわけではないため自宅外通学の給付額を基準としつつ、本人が住居費を負担していないということですので、その住居費を負担していないということも勘案した給付額にしたいというふうに考えておりますが、具体的にはまだ検討しているところでございます。
  62. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 次に、児童養護施設へのスカラシップアドバイザー、奨学金の専門家の派遣について伺います。  さらに、この同じ質疑でこういう質問がありました。奨学金制度が充実していく一方でいろんなものが複雑になっていて、施設の職員が、児童養護施設ですね、の職員がそれを網羅的に理解して子供たちに伝えていくのは極めて難しいので、スカラシップアドバイザーを児童養護施設などにも派遣し、個別に相談する体制をつくってほしいという質問、要望があったのに対して、こういう答弁でした。スカラシップアドバイザーを活用していただけるように、本事業の広報、周知に努める、こういう答弁だったんですね。  じゃ、具体的にいつからどのように進めていくんでしょうか。これも伯井局長、お願いします。
  63. 伯井美徳

    ○政府参考人(伯井美徳君) このスカラシップアドバイザーにつきましては、昨年度より既に児童養護施設の子供も対象として相談のための派遣を行っているところでございますが、御指摘のように、その周知が十分じゃないということもございます。  そこで、今年度からスカラシップアドバイザー派遣事業の募集要項におきまして児童養護施設等へ派遣できることをしっかり明記するなどして、この事業を一層活用いただけるよう周知に努めてまいりたいと考えております。
  64. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 是非とも周知徹底に努めていただきたいと思います。先ほど大臣にも要望したとおり、知っていれば応募できたのにという人をなくしていくということは本当に重要だと思うんですよね。是非とも徹底した取組をお願いをしたいと思います。  次に、給付額の見直しの時期について伺いたいと思います。  まず、国立大学等の授業料の標準額、これは今のところ二〇二一年度まで据え置かれることとなっていますけれども、じゃ、標準額がこれ見直された場合には、この支援制度の授業料減免とか、あと給付型奨学金の給付額が見直されることになるのでしょうか。また、給付額の見直しのタイミングをどのようにしていくのでしょうか。  何でこんな質問するかというと、もしも授業料が値上がりましたよといっても、支援額が追い付いていかないと、結局そのまま家計にどおんとその負担がかぶさってくるわけなんですね。そういうことはできるだけ少なくなるようにという思いで質問させていただきますが、これはどうでしょうか。これは伯井局長、お願いします。
  65. 伯井美徳

    ○政府参考人(伯井美徳君) 国立大学の授業料の標準額につきましては、高等教育の機会提供という国立大学の役割を踏まえつつ、様々な社会経済情勢等を総合的に勘案して設定しているわけでございますが、これは平成十七年度以降五十三万五千八百円となっているところでございます。  一方、新制度における支援の在り方につきましては、この国立大学の授業料の標準額のみならず、公立大学、私立大学の授業料の状況や奨学金の実態等も踏まえて総合的に検討されるべきものというふうに考えておりまして、現段階でその支給額の見直しの時期等は、申し上げるというのはなかなか難しゅうございます。
  66. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 そうですね、様々な学校種の授業料の動向も踏まえて総合的に検討とおっしゃるわけなんですけれども、でも、事実、もし値上がっていく、それに対して給付額が授業料免除に追い付いていかないということだと、本当にこの制度の趣旨がやっぱり薄らいでしまうと思うので、是非とも家計の負担が、本当経済的に苦しくてその方を支援するための制度ですから、ちゃんとした支給額が確保されるような検討をお願いをしたいと思います。  次に、支援実施までのつなぎ資金について伺いたいと思います。  進学に当たっては、やはり入学金の負担って結構大きいですよね。この支援制度によって、受験料、これ一校までですけれども、とか入学金がカバーされているということは大変高く評価いたします。  ただ、実際に支援が開始されるのは大学に入った後なので、一方で、学生は、新入生は入学金などの支払のためにお金を準備しなくちゃいけないわけなんです。なので、本当もう実際借りなくちゃいけないみたいな、そういうことも想定されるわけですよね。  現行制度においてどんなような支援策があるんでしょうか。また、国立大学始め大学側に入学金などの支払猶予を求めるなどの対応はできませんでしょうか。
  67. 伯井美徳

    政府参考人(伯井美徳君) 入学金は、入学の地位を得るための対価としての性格を有しているということから、入学前の段階で先に大学等へ納付するということが一般的となっておりまして、今先生御指摘のような問題があるということでございます。  新制度では、学生が実際に進学した大学等の入学金を対象として減免するということとしておりまして、進学先の大学等での入学確認をもって対象の入学金が確定するということになるため、その入学前に減免を行うということが事実上困難になります。  しかしながら、先生の御懸念がございましたが、新制度の実施に当たりまして、経済的に困難な者の進学を後押しをするということで、文科省から大学等に対して、経済的理由により修学困難な学生等の入学金に関して、納付時期の猶予であるとか弾力的な取扱いをお願いする通知を改めて発出するということにしております。  これまでも、国立大学におきましては納付が困難な学生には入学金納付の猶予というのが行われているところでございますが、なかなか私立大学の場合は、入学者の確定という問題がありますので、猶予がなされない場合というのも多うございます。  そうした場合、国の教育ローンであるとか、低所得者、一人親家庭を対象とした厚生労働省の無利子貸付金制度等の活用というのも可能でございますので、こうした制度の周知というのをしっかり対応していきたいというふうに考えております。
  68. 新妻秀規

    新妻秀規君 既存の制度の周知はもとより、やっぱり大学側へのこの協力の呼びかけを改めてお願いをしたいと思います。  次に、現行の奨学金制度の在り方について、これは大臣に伺おうと思います。  さきの参考人質疑では、村田参考人から、給付型奨学金を創設することによって、同じく少子化対策として行われてきた所得連動返還型奨学金の役割について考え直す必要があるんじゃないかという見解が示されました。  今回、少子化対策としてこの奨学金制度が充実していくに当たって、現行の奨学金制度の見直しをどのように考えていくのでしょうか。
  69. 柴山昌彦

    国務大臣(柴山昌彦君) 所得連動返還型奨学金制度につきましては、奨学金の返還に係る負担軽減の観点から、無利子奨学金について毎月の返還月額を所得に連動させることによって所得に応じて無理なく返還できるようにすることを目指して、二〇一七年度から導入をいたしました。  一方で、この所得連動返還型奨学金の制度設計に当たった有識者会議での議論において、既卒者、また有利子の奨学金への適用については導入した場合の課題が大きいという指摘がありまして、減額返還制度の拡充による対応に切り替えられたという経緯がございます。  こういった経緯ですとか、あるいは現状の所得連動返還型の選択率が約一五%にとどまっているということも含めて、今後の状況などを丁寧に分析しつつ、新たな今回の制度を導入した後、どのように対処するかということにつきましては、関係機関とも調整をしながら検討していきたいと考えております。
  70. 新妻秀規

    新妻秀規君 では、最後に、伯井局長に、現行の奨学金制度に対しての返還困難者対策について伺いたいと思います。  同じく参考人質疑では、現行のJASSO、日本学生支援機構の貸与型奨学金について、現に返還をしている方への負担軽減の方策について様々な意見が寄せられました。例えば、有利子の奨学金を全て無利子にするとか、あと厳しい取立てですよね、の在り方について是正をするか、こういう意見が出されたところです。  ここで、返還困難者への負担軽減について今後どのように考えていくのでしょうか。
  71. 伯井美徳

    政府参考人(伯井美徳君) 卒業後、厳しい経済状況に置かれ、奨学金の返還が困難な方に対しては、きめ細やかな対応が必要ということで、これまでも、無利子奨学金、有利子奨学金にかかわらず、様々な救済措置を講じてきたわけでございます。  返還期限を猶予する制度につきましては、二〇一四年度に年数制限を従前の五年から十年とする制度改正を行うとともに、二〇一七年度から月額の返還額を減額する制度の充実というのも図っております。また、有利子奨学金につきましては、二〇一九年度から利率を〇・〇〇二%に下げることも行っているところでございます。  さらに、保証制度そのものについても、人的保証と機関保証、それぞれ抱える課題というのがございますので、それを踏まえつつ、どのような保証制度がよいのかということについて検討をスタートさせたところでございます。  加えて、奨学金の遅延損害金、延滞金に係る賦課率の取扱い、これも御要望いただいているところでございますが、関係機関とも調整しながら検討を進めていきたいと考えております。  文科省としては、こうした取組を着実に実施することによりまして、奨学金の返還負担の軽減に努めてまいりたいというふうに考えております。
  72. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 是非よろしくお願いします。  それでは終わります。
  73. 高木かおり

    ○高木かおり君 日本維新の会・希望の党の高木かおりです。  まず、前回、参考人質疑の折に機関保証についてお聞きをしましたところ、そのとき、岩重参考人の方から、奨学金の個人保証をなくすことは大きな前進だと思っている、しかし、機関保証に頼って回収を強化することがあってはならない、繰上げ一括請求をして貸し剥がしをすることはあってはならない、保証会社が代位弁済した後に学生に請求するが、猶予制度とか免除制度、そういった明確な制度になっていないと、そういった御発言がございました。  そもそも、この保証制度に関してなんですけれども、以前、松沢委員の方から質問の中で指摘されておられました分別の利益、要は単純保証人には半額の支払義務しかないけれども、要は知っている方と知らない方で不公平感が高いのではないかということで、にもかかわらず、知らない方には全額請求をしていたということでいっとき社会問題になったのかなというふうに私の方は認識しているんですが、もちろん、この機関保証の制度、これは必要だと思います。けれども、必要だというのは、やはり今現在、この人的保証、個人保証は大体五五%から五六%を占めていて、四四%から四五%、これが機関保証と。大体半数なんですけど、若干個人保証の割合が高いという現状だと思います。  これはいろいろなメリット、デメリットがあるのは承知しておりますけれども、やはり本来、私が参考人質疑のときにも申し上げましたが、個人保証は、例えばシングルマザーだったり保証人を立てることができないような方々というのは、やはりこの機関保証に頼らざるを得ない。でも、できれば保証料が掛からない個人保証、人的保証の方を使いたい。いろいろその個々人によって様々だと思うんですが、今回、この機関保証、この機構の機関保証の保証料自体はほかと比べてそんなに高いわけではないということでお聞きをしております。しかしながら、学生さんたちにとってはこれが大きな負担になるのではないかなというふうに感じているんですね。  先ほど、新妻委員も御相談を受けたというようなお話がありました。やはり、これ様々報道等される中で、ちょうど来年受験をされるような御家庭の方々から、私もやはり相談を受けることが多々ございます。この奨学金を借りるときにどうすればいいのかなと。やはりこれは親と子と両方悩むわけでありまして、そのときにこの保証料がやはり生活や学費のために必要な奨学金から天引きされてしまうということ、それからこの奨学金の返済期間は十年、二十年と長いわけなんですけど、その期間の保証料が大学の四年間の間に天引きされてしまうということで、一回の天引きの金額が、負担感が非常に高いということ、この負担感について大臣はどうお考えですか。
  74. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) おっしゃるとおりです。  このため、今年の三月から文部科学省内に有識者会議を設置をいたしまして、この人的保証、機関保証の現状や課題を踏まえた上で、保証機関の健全性はもちろん前提としつつではあるんですけれども、今御指摘になられたその保証料に関することも含めて、どのような保証制度の在り方がよいのかということについて検討を開始いたしました。  文部科学省としては、この有識者会議における検討結果を踏まえた上で、具体的な制度設計に着手していきたいと考えております。
  75. 高木かおり

    ○高木かおり君 やはりこの制度自体が昭和十八年からということで、本当にこれがもういろいろ社会構造も変わってくる中で全然変わっていない制度だということ、ここにも問題があると思うんですよね。やっぱり今おっしゃっていただきましたその保証制度の在り方に関する有識者会議、これで是非ともその保証制度の在り方というものを根本的に考え直していただくべきではないかなというふうに思っております。  やはりある程度秋頃には一定の方向性、一定のお考えが出るのかなというふうに期待をしているんですけれども、やはり様々な方法、今ちょうど議論して検討していっている中で、例えば、先ほど申し上げたように、この四年間の間に天引きされるというのは、非常にその学生さんにとっては負担感が高いということで、例えばこの保証料を卒業後の割賦金に上乗せをして長期間で後払いするですとか、こういったことも是非検討の議題に乗せていただきたいなというふうに思うんですね。これによって、先ほどの負担感について少しは改善されるのかなというふうに思います。  この保証機関は確実に保証料が取得できるか分からないということで、やはり反対する声とかも上がるかもしれませんけれども、先ほどの保証制度の在り方に関する有識者会議、この委員の中には一般社団法人全国労働金庫協会の常務理事もいらっしゃるというふうにお聞きをしております。この労働金庫などの機関保証に対する融資では、実際にこういったような方法が取られているというふうにもお聞きしておりますし、決して珍しいやり方ではないというふうに思っております。民間でもできることが、この公的資金の裏付けがある機構の奨学金でできないはずはないというふうに私は思います。  大臣、これはやはりこの学生さんたちを支援する後押しになると思うんです。どうお考えになられますか。
  76. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) ありがとうございます。  今御指摘になられたアイデアも含めて、やはり保証機関がどれだけのリスクを取れるかということも含めて、しっかりと今日的な社会の変化に対応する議論をしていただきたいと考えております。
  77. 高木かおり

    ○高木かおり君 是非ともよろしくお願いをいたします。  それでは、前回の政府に対する質疑の続きの質問をさせていただきたいと思います。  前回は、高等教育への公的負担に対する国民の理解について、それから大学の質の確保についてということをお聞きをしておりました。その続きの質問になりますけれども、まず、定員充足率についてお聞きをしたいと思います。  大阪のこれは高校の話になりますが、高校が無償化されたときに、当時、橋下市長は、三年連続して定員割れした高校は廃校にするとセンセーショナルなことを言っておりましたけれども、これは切捨てという意味合いではなくて、あくまで高校の切磋琢磨を促すものであるということで、実際三年連続して定員割れした高校を全て切り捨てたわけではありませんでした。  これは中身はもちろん違いますけれど、今回、大学を対象とするかしないかの中で、この考え方として、例えば介護福祉士、これに関しては機関要件の中にございますけれども、その介護福祉士の定員充足率というのはおおむね八割未満というところが多いと聞いているんですね。介護福祉士や保育士など、今後こういった職種というのは人手不足が見込まれるということで、外国からも人材を持ってくるというような状況であります。  そういう分野、また地域の要請があるような大学、そういったところもこの大学等の機関要件のところに書かれております。教育の質が確保されていなくて、大幅な定員割れとなって、経営に問題がある大学については、こういった要件が重なるところは救済がなされることがないというふうに大学等の要件(機関要件)の部分に書かれているんですけれども、考え方としては、この点、そういったところはあっさり切捨てなのか、それともこういった様々な、定員充足率は八割未満だけれども、やはりこういった介護福祉士や保育士などはこれから重要な職種であるので、こういった大学は考慮に値するのか、地域の要請なども考慮するのか、その点について少しお伺いしたいと思います。
  78. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) 今委員から、大阪府や大阪市が設置者として府立高校や市立高校の再編整備を行っている取組について紹介をしていただきましたけれども、私立大学の統廃合については、設置者である学校法人において財務状況や学生募集の状況などを踏まえて適切に判断すべきものと考えておりまして、国において一律の基準を設ける性格のものではないというように考えております。ただ一方、少子化が進展して十八歳人口が減少する中で、今後、やはり大学の連携、統合、また経営力の強化、こういったことがますます重要な課題になってくると考えております。  そこで、昨年十一月の中央教育審議会の答申においては、各大学の強みや特色を生かした連携、統合の促進や、経営力強化に向けた方策といたしまして、複数の高等教育機関と地方公共団体、産業界などが連携を行うための仮称地域連携プラットフォームの構築ですとか、私立大学における学部単位での事業譲渡の円滑化ですとか、経営改善に向けた指導の強化などが提言をされているところであります。  文部科学省としては、この答申を受けて必要な制度整備を図るとともに、この切捨てというよりは、まさしく今委員がおっしゃったように、経営指導の強化なども通じて大学の連携、統合の支援、経営力の強化、こういったことを目指していきたいと考えております。
  79. 高木かおり

    ○高木かおり君 ありがとうございます。  是非、指導監督ということで、あっさり切捨てということがもう絶対にないようにお願いをしておきたいと思います。  次に、ちょっと大学の学費の値上げ、これに関しては今日もお話が出ておりましたけど、今回、私の方は国立大学について少し言及をしたいと思いますけれども、大学の学費の値上げ、これは運営交付金が減らされたことによって経営が厳しくなり、今の状況の中で値上げしたのだと考えると、平成十六年からの大学の法人化、これは自分たちで財源を稼いでくるということはなかなか厳しかったという結果になるんでしょうか。その理解でよろしいでしょうか。
  80. 伯井美徳

    ○政府参考人(伯井美徳君) 国立大学の授業料につきましては、先ほどの御質問にもございましたように、国において標準額を示しております。  その標準額自体は近年変更がないというものでございますが、その標準額を示しつつ、上限一二〇%の範囲で各大学が個別の授業料設定を決定することができる仕組みとなっておりますが、現実にこの仕組みで授業料設定を個別に行って上げたというのは、最近では例えば東京工業大学の例がございますが、それはより質の高い教育を行うというための内容で、本年四月以降の入学者から授業料改定をしたというふうに承知しております。
  81. 高木かおり

    ○高木かおり君 この大学の学費を値上げしなければならなかったというのは、やはり法人化されてから運営費交付金が毎年一%減らされていったことによって、やはり、大体この運営費交付金というのは人件費だったりそういったところに使われていくわけなんですけれども、これが結局厳しくなっていって、法人化することによって規制を緩和するですとかいろいろな対応はされたんだと思いますし、大学側も頑張ってはきたんですけれども、でも、やはり値上げを今していかないといけないというふうな局面にさらされているということは、法人化していって、自分たちでお金をよそから外部資金を獲得するということがやはり厳しかったのかということをお聞きしているんですけど、そういった理解でよろしいですか。
  82. 伯井美徳

    ○政府参考人(伯井美徳君) 実際に値上げを、値上げというか授業料の引上げを改定をしている例というのは少ないわけでございまして、直近ではそういう東京工業大学の例がございます。  ただ、これは産学連携で資金獲得などの収入増を図るという努力をしつつ、それでも東京工業大学ではアクティブラーニングを重視した教養教育の充実とか大学院における全ての講義の英語化などを、教育の内容の充実を図るということでございますので、一定の大学独自の収入増を図った上で、それでもなお必要な財源について、この授業料を改定し増収を図るというふうに、東京工業大学ではそういう判断をしたというものでございます。
  83. 高木かおり

    ○高木かおり君 東工大の件は、様々ないろいろな付加価値を付けて、アイデアも出して、それでそのためにいろいろな経費が掛かるので値上げをしたというふうにおっしゃっておられるのはお聞きをしているんですけれども、それ以外にも、二〇二一年までは据置きという話ですけれども、それ以降、これから、もしかしたらこのままの現状であれば値上げをしていくというふうに手を挙げる大学も出てくるかもしれないということで、やはり大学の運営費交付金の件、この在り方ということもしっかり考えていかないといけない中で、大学側もやはりこの期間努力していなかったわけではないと思います。  実は、今日お配りさせていただいている資料なんですけれども、国立大学への寄附の状況と。これ、大学も外的な資金として様々な財源を確保してこられまして、実際、競争的資金や産学共同研究、また今申し上げている寄附金、こういったものも増加はしているんですね。様々な、ひっくるめて、平成十六年から平成二十八年まで、ちょっとそれは書いていないんですけれども、約三千二百億上がったと。こちらの資料には、寄附の件だけですけれども、平成十六年から平成二十八年までは、約倍には寄附金として上がっている。  この下の部分、寄附の内訳なんですけれども、法人はずっと横ばい、個人寄附額というのが平成二十八年のときにぐっと増えているんですね。これは何らかの優遇措置等があったのかなというふうに思うんですけれども、この点は何かございますか。
  84. 伯井美徳

    ○政府参考人(伯井美徳君) 平成二十八年度に修学支援のための寄附への税額控除の導入というのを図っておりますので、そうした外部資金獲得に向けた規制緩和策の一環でございますけれども、そうした取組が功を奏したものかなというふうに考えております。
  85. 高木かおり

    ○高木かおり君 やはり何らかの措置、この平成二十八年度に国立大学法人に対する個人寄附に係る税額控除制度の導入、こういったことも大きく関わっているんではないかなというふうに私は推測するんですけれども、やはり大学側としては、企業からお金を、資金提供してもらえと言われても、やはり税制改正がなかなか追い付かないですとか税額控除の仕組みをつくって背中を押すのは官だというふうな御発言をされているということで、今既に、このお示ししたのはぐっとそういった優遇措置をする、制度を変えるとこういった寄附も増えていくということで、何らかの後押しをもう少し拡充していただくということもやはり必要なんではないかなというふうに思います。  やはり今まで運営費交付金を減らしていきながら、大学にお金を、様々なところから外部資金を獲得してくるようにと言ってはきたものの、やはり文科省として、言い方は悪いですけれども、少しそういった意味では丸投げしていた部分があったんではないかなというふうに思うんですけれども、その点について御見解等ございましたらお願いします。
  86. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) まさしく、大学の法人化というのは、大学自らが、さっきからずっと経営力の強化ということをお話をさせていただきましたけれども、運営費交付金は確かに大事ですし、これから我々文科省としてこれをもう少し確保できるように頑張っていかなくちゃいけないというふうには思うんですけれども、例えば、大学が寄附などの外部資金をしっかりと確保することによって大学の財源の多元化を図られるようにするということも非常に重要だと思いますし、そのために文部科学省に果たされる役割というものもこれから大きくなってくるんだろうなというようには考えております。  文部科学省では、大学や独立行政法人などへの寄附を増やすことを目指して、ファンドレイジングに関する理解を深めるとともに、成功事例を共有するための寄附フォーラムを開催をしているところであります。  また、先ほど局長の方から平成二十八年度の国立大学法人に対する修学支援のための寄附への税額控除の導入について紹介をしてもらいましたけれども、平成三十年度には大学に土地などを寄附する際にみなし譲渡所得税の非課税承認を受けるための要件緩和がなされましたし、また、大学の外部資金獲得に係る税制改正としては、平成二十九年度の私立大学が行う受託研究に係る法人税の非課税措置の拡充などに取り組んできたところでもございます。  今後、やはり例えば法人対法人、組織対組織という形の産学連携をよりしっかりと行っていくように意識付けを進めていくなど、今後とも、大学の運営基盤の強化に必要な予算の獲得と併せて、こういった必要な整備を、あるいは支援をしていく努力を進めていきたいと考えております。
  87. 高木かおり

    ○高木かおり君 寄附文化の醸成というのは日本はまだまだだと思いますので、是非ともそういう視点からも、この寄附に対してもっともっと様々な形で後押しする検討を、是非ともこの寄附の増加策といいますか、そういったものを検討していただきたいなというふうに思います。  それで、産学連携ですとか、産業界と連携をしていく。例えば、学部でいうと理系だったり、そういったところは産業界と一緒に連携していくということは多々あることだとは思うんですけれども、ちょっと私、ここで大臣にお伺いしたいんですが、例えば企業からの委託研究とかそういったことが期待できないような、例えばフランス文学ですとかインド哲学ですとか、かつてはどの大学にもフランス文学なんかはあったかなと思うんですけれども、今なかなかそういった文科系の学部というのは厳しい状態にあって、もちろんその定員充足率というのももう本当に高くない。恐らく産業界からのニーズというのもかなり少ないんではないかなと思うんですね。もう言ってみれば、もはやこういうフランス文学ですとかそういった研究するということは、不要だとはおっしゃらないと思いますけれども、今後文科省としてどういうお考えであって、これはごく限られた大学でしか学ぶことができないような状況になっていくのか。例えば、国立大学では残していくけれども、限られた場所で、しかしきちんと残していくということなのか、その辺の方向性がございましたらお聞かせください。
  88. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) これ、先ほどの神本委員からの御質問にもちょっと関わる部分もあるのかなというふうに思うんですけれども、大学というのは、我が国の学術の中心として、その自由な発想と主体性に基づいて、人文学、社会科学、自然科学から、その複合、融合分野にまで、あらゆる学問分野を対象とする知的創造活動が実施をされているわけでありまして、こうした活動は、私は、国立、私立を問わず重要だというふうに今でも認識をちゃんとしております。  昨年十一月の中教審の答申、二〇四〇年に向けた高等教育のグランドデザインにおいては、国立大学の役割として、経済的な観点からの需要は必ずしも多くはないけれども、重要な学問分野の継承、発展のため存続が必要な学問分野の維持が考えられ、また、私立大学の役割として、それぞれの建学の精神に基づき、多様性に富み、独創的な教育研究を行うということもちゃんと挙げられているところでもございます。  文部科学省といたしましては、先ほど来答弁をさせていただいているとおり、産業界のニーズに応えるということも重要だと考えておりますけれども、学問分野の継承や発展ですとか、多様で独創的な教育研究の推進なども必要であると認識をしております。  今回の支援措置において機関要件を設定をさせていただいたわけなんですけれども、この設定に関しても、実務経験のある教員による授業科目の配置に特例を設けるなど、学問分野の特性にきめ細かな配慮をしつつ適切に対応していきたいと考えております。
  89. 高木かおり

    ○高木かおり君 大臣、ありがとうございました。ちょっと安心しました。  やはり大学の役割、前回もお聞きしましたけれども、今日も話題になっていましたけれども、例えば稼ぐ力という言い方だったり生きる力という言い方、言い方によっても受ける印象は違いますけれども、そういった力ももちろん必要だし、でも、やはりそういったアカデミックな場所でそういった引き継がれていかなければいけない学問というのも、やはりこれも当然必要だということで、きちんとそういったところに目を向けて残していただくということをお聞きして、安心をいたしました。  続きまして、もう最後の質問になるかもしれませんが、先ほどもお話が出ていましたが、大学の学費の値上げで一番打撃を受けるというのは、やっぱり中間層であるというふうに思います。我が党は、そもそも所得制限なしの大学、高等教育の無償化を訴えてはおりますけれども、今少しずつ前進していく中でも、やはりこの中間所得層の学生さんたちが大変今困難な状況にあるというふうに思います。学生さんたちがプロジェクトを立ち上げた中でのアンケートによりますと、世帯年収四百万から八百万の世帯の学生さんたちが、もう高い学費ということに、こういった壁に大変悩んでいるということをお聞きをいたしました。  今までは、国立大学の場合に限りますけれども、国立大学の場合、大学院生ですとか、年収が先ほど申し上げた中間所得層の中でも、成績が良かったら授業料の減免を受けることができたという制度もありました。だけれども、今回の新制度によって、こういったことに対しても減免措置が打ち切られたり後退するということがあるのかどうか。これは大学が決めることだというふうな御回答かもしれないんですけれども、やはりこういったことも大学が、じゃ、やめようかというふうになってしまうということではやはり後退ということになってしまうのかなというふうに感じるんですけれども、その点はどうでしょうか。
  90. 伯井美徳

    ○政府参考人(伯井美徳君) 新制度の下におきましては、まず、この新制度に基づく統一の基準による支援制度ができると、その上で、それを踏まえて各大学がどのように対応するかということでございます。  今後、国立大学につきましては、各国立大学において新制度を踏まえてどのように対応するか、それぞれ検討していくわけでございますが、その中で、先般大臣もお答えされましたように、新制度において対象とならない学生も生じ得るというところでございます。それにつきましては、当該学生の学びの継続を支援するという観点から、減免の事由、家計基準の実態、国立大学における減免基準の考え方などを見極めつつ、一定の配慮について検討をしていくことが必要であるというふうに考えております。  そのため、文科省としては、各国立大学に対して一定の調査をするなどいたしまして、より詳細な状況を把握した上で新たな制度の趣旨を踏まえ、適切に対応していきたいというふうに考えております。
  91. 高木かおり

    ○高木かおり君 ありがとうございます。  やはり、今調査していただくということですけど、どれぐらいの大学でそういった手を引っ込めようというような状況になるのかとか、引っ込めてしまう手前でできたら調査をして意見を聞いていただいて、そして検討、そして課題として考えていただくということをお願いを是非したいと思います。  もう時間が参りましたので、これで本日は終わらせていただきます。ありがとうございました。
  92. 吉良よし子

    ○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。  では、まず、本法案で課される個人要件について私も伺いたいと思います。  本法案で学生に課されるのは、経済的な条件だけではなくて、特に優れた者という成績要件を課しているわけです。大学進学後に、先ほど来ありますとおり、単位の取得、GPA、処分等の状況に応じて警告を出したり、そして支援を打ち切ることもできるというわけですけれども、私学の場合であれば、支援対象の非課税世帯であっても学費が全額免除になるわけではないと、学費の負担も出てくるわけです。その不足分を賄うためのアルバイトなどで、どうしても出席日数が足りないとか学業成績が基準に達しないなどの事情というのは起こり得るわけです。しかも、GPAで下位四分の一といった学生全体の相対的な順位付けという、もう本人の努力だけではどうしようもない、必ずしも乗り越えられない指標まであるわけです。  この間、しんしゃくすべき事情はよくしんしゃくするという答弁は繰り返されているわけですけれども、本当にその学生個人のそれぞれの多種多様な事情をちゃんと全て漏れなくしんしゃくできるのか、公正に判断できるその保証があると言えるのか、お答えください。
  93. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) この要件につきましては、制度の検討の過程において、例えば国家資格の取得を目的とする専門学校などでは、成績がたとえ下位四分の一に属する学生であっても資格を取得できる場合もあるなどの意見があったことを踏まえて、しんしゃくすべきやむを得ない事情がある場合の特例措置について検討することとしております。  今委員が、じゃ、漏れなくそういったやむを得ない事情についてきちんと検討できるのかという御指摘があったわけなんですけれども、我々といたしましては、各学校種の現場ですとか、あるいは学習評価の専門家の意見もしっかりと踏まえさせていただいて、様々な事情を勘案しながら具体化をしっかりと考えていきたいと考えております。
  94. 吉良よし子

    ○吉良よし子君 しっかり考えていきたいということですけれども、ただ、本当にそれで漏れなくしんしゃくできるのかというところにはまだ疑問があるわけです。相対評価も基準に含まれている以上、一定そこに含まれてしまう学生が必ず出てきてしまうと。それで漏れなく公正に判断できる保証はやはり私はないと言わざるを得ないと思いますし、やはりこうした成績要件を課すことによって、政府の押し付けた条件の下で能力あると判断した学生にだけを支援しようという、その発想自体が教育の機会均等から懸け離れていると私は強く指摘したいと思うわけです。  その上で、この間、先日の委員会等の中でも、こうした警告を行った、又は支援を打ち切った学生の人数、その事由などを、その運用状況の公表を大学に求めるということも答弁されているわけなんですけれども、じゃ、具体的には何をどのように公表するのか、局長、お答えください。
  95. 伯井美徳

    ○政府参考人(伯井美徳君) 高等教育段階における負担軽減方策に関する専門家会議の報告の中では、大学等への進学後の学習状況につきましては、警告を受けたり支給しないこととされた学生の数、その事由などについて大学等ごとに公表するというふうにされているところでございます。  その公表の内容としては、例えば警告については、一年間の修得単位が六割以下の場合、GPA等が下位四分の一に属する場合、出席率が八割以下の場合等の事由に分けるなどが考えられますが、具体的なその内容あるいは公表の方法につきましては、実施に向けて更に検討を進めていきたいと考えております。
  96. 吉良よし子

    ○吉良よし子君 警告を受けた人数とか打ち切られた人数とかその事由ごとの人数等を公表するということですけど、じゃ、それが不当に多くないのかどうかなんていうことを確認するには、やはり支援を受けている学生の総数だって公表する必要が出てくるかもしれないわけですけれども、それも公表するということですか。
  97. 伯井美徳

    ○政府参考人(伯井美徳君) そういうことも含めて、具体的な内容については今後実施に向けて検討したいと考えております。
  98. 吉良よし子

    ○吉良よし子君 決まっていないということですけどね。ただ、人数を公表するということなわけですけど、それ大学ごとに公表するということなんですよ。ということは、規模の小さい大学とか専門学校の場合には、そうした支援を受けている人数であったり、若しくは警告を受けた人数というのが示されるだけでその学生が誰なのか特定される危険性だってあり得るということなんです、人数が少なければその対象というのはおのずと絞られてくるわけですから。そうした個人が特定されるようなことは絶対に避けるべきと思うのですが、大臣、いかがですか。
  99. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) 高等教育段階における負担軽減方策に関する専門家会議の報告にあるとおり、やはり授業料減免や給付型奨学金の大学別の受給状況については報告、公表が必要であると。そのことが当該大学のやはり改革につながっていくというふうには考えておりますけれども、ただ、今委員が御指摘になったように、支援対象者が極めて少人数の場合には、そのプライバシー確保のために何らかの配慮や工夫が必要になってくるというふうに考えております。  そういった点も含めて、その具体的な方策について、今後、是非適切に検討していきたいと考えております。
  100. 吉良よし子

    ○吉良よし子君 適切にということですけど、こうした個人の特定につながりかねないような制度を放置したままでは、それを避けるために、本来経済的な条件等に当てはまる学生であっても、その制度の申請自体をちゅうちょするなんていうことが出てきかねないわけです。  だから、これは絶対避けるべきですし、やはりそうした成績要件を課すことによって伴っているこの公表制度なわけですから、そういう成績要件を課すこと自体をもうやめるべきだということを私は強く申し上げたいと思います。  さらに、機関要件に関わっても伺いたいと思います。  これについては、社会で自立し活躍するには大学等での勉学が職業等に結び付くことが必要であるということで機関要件を課すということをこの間言われているわけです。  ただ、先日の参考人質疑では、既に日本は諸外国と比べれば極めて学部構成は実学に偏っていると、ヨーロッパやアメリカと比較してはるかに実学部門が大きいという特徴を持っているのに、なおかつそれを今言うというのは、ちょっと国際比較から考えてバランスを欠いているという指摘があったわけです。  既に多くがこうした職業に直結した実学、勉学重視の学部構成になっていると。にもかかわらず、更にこうした法律によって実学重視の機関要件を設定していけば、ますます、先ほども質問でありましたけれども、職業に直結しないような学問というのが軽視されて衰退していくことになりはしないのかと。その点、大臣、いかがお考えでしょう。
  101. 柴山昌彦

    国務大臣(柴山昌彦君) 今回の支援措置においては、支援を受けた学生が大学などでしっかりと学んだ上で、大学等での勉学が社会の活動に結び付くことによって自立、活躍ができるように、学問追求と実践的教育のバランスの取れた質の高い教育を実施する大学などを支援の対象とするために機関要件を求めるということとしております。  文部科学省としては、大学等にとってこの現在の取組をきちんと充実をさせていけば満たすことができる内容であると考えておりまして、今委員が御指摘のとおり、今の状況から何か殊更にバランスを欠く方向にかじを切るというようなことは考えておりません。  多くの大学がしっかりと適切な経営、運営等を行うということによってこの基準をクリアできるように、また申請に向けた準備をきちんと進めていけるように、今後とも制度の周知や説明に努めていきたいと考えております。
  102. 吉良よし子

    ○吉良よし子君 今の状況を変えるわけではないということだったわけですけれども、だったら、本当に機関要件を今課す必要はどこにもないわけなんですね。大体、それに、目的の中でやはり勉学が職業等に結び付くことが必要と、それが質の高い教育の保障だと言っている以上、やはりこれ更に実学重視、実学偏重になりかねないということなわけですよ。さらには、質の高い教育というのは職業に直結する学問だと言っていることも私は許し難いと。そうじゃない学問のその価値だって認めるべきじゃないですか。そういう発想が全くない、見えないというところが問題だということを改めて指摘したいと思います。  そして、教育の質の確保と言いながら、経営に問題のある大学等も支援対象から外すということも機関要件として挙げられているわけです。要約してみますと三点挙げられているわけですけど、負債が資産を上回っている、もう一点が三年連続赤字決算である、三点目が三年連続収容定員の八割に満たない、切っていると。この三つに当てはまる大学が対象になって、それは現時点で大体十法人、十大学程度だというお答えもあるわけですけど、では、現時点でこの三つ全てに当てはまるわけではないけれどもどこかに当てはまっている学校や法人の数はどの程度あるのか。単年度の状況で結構ですので、その数、具体的にお答えください。
  103. 伯井美徳

    政府参考人(伯井美徳君) 現時点でその経営要件、三つの項目のそれぞれに該当する数をお答えすることは、今後の大学等の申請に影響する可能性がありますので控えさせていただきますが、日本私立学校振興・共済事業団文科省の調査におきまして既に公表している私立大学や短大の関連の指標を参考として申し上げます。  まず、運用資産と外部負債を比べて資産がマイナスの学校法人の数でございますが、平成二十九年度決算で大学法人が五百五十一法人中二十八法人でございます。それから、経常収支差額がマイナスの学校法人数につきましては、同じく平成二十九年度決算で大学法人が五百五十一法人中二百二十九法人でございます。入学定員の充足が八割未満の学校数につきましては、平成三十年度の状況といたしまして、五百八十二校中六十五校となります。  ただし、これらはあくまで単年の状況でございますので、要件は三年連続という要件もございますので、かなり数が絞り込まれ、かつ、今回は三項目いずれにも該当する場合ということを経営要件としておりますので、更に数が限定されるということでございます。  更に申し上げれば、文科省としては、これまでも経営状況が厳しいと認められる学校法人に対しては、私学振興事業団と連携しながら指導助言、経営改善の着実な実施に向けた支援を実施しているところでございまして、今後ともこうした支援にも努めてまいりたいと考えております。
  104. 吉良よし子

    ○吉良よし子君 お答えいただきました。  この三つの要件に当てはまる予備群で言えば、最大で二百法人近く、二百法人ぐらい存在しているということです、現時点でも。それが今後もし三年連続になっていけばとかいうことになれば、対象は更に拡大される。現時点では十法人程度かもしれないけど、今後の経営状況の悪化に伴って最大で二百ぐらいが更に対象から除外される可能性、危険性だってあるということなわけですよ。  そうした場合、この支援対象から外れた大学というのは、そしたら学生も進学を希望しなくなるわけですから、ますます経営状況が悪化するということも予想されるわけです。つまり、この法案によって経営が立ち行かなくなった大学というのは順次縮小、撤退せざるを得なくなる危険性があると思うわけですが、それでいいんでしょうか、大臣。
  105. 柴山昌彦

    国務大臣(柴山昌彦君) 今回の支援制度につきましては、支援を受けて進学した学生が質の高い教育環境の下で安心して勉学を修めることができるように、学生を受け入れる大学などについては経営が継続的かつ安定的に行われるところを対象とすべきであるというように我々は考えております。  このため、今回の支援措置では、教育の質が確保されておらず、大幅な定員割れとなり、経営に問題がある大学などについて実質的に救済がなされることがないように、対象となる大学などにはやはり一定の経営要件が必要だということにしておりますけれども、ただ、今少し局長の方からもお話があったように、文部科学省としては、これまでも経営悪化傾向にある学校法人に対しては経営改善に必要な指導助言を行ってまいりましたけれども、昨年七月にこの経営指導の充実に関する新たな通知を各学校法人に発出をいたしました。この通知を踏まえ、本年度から新たな財務指標を設定して法人の自主的な経営改善を一層推進するとともに、経営改善に向けた指導を強化していきたいと考えております。  この要件を満たすことができない大学などを対象機関としないことはやむを得ないというふうには考えておりますけれども、繰り返しになりますが、文部科学省としては、要件を設定した趣旨をしっかりと御理解をいただくとともに、多くの大学などにこういった対応を積極的にしていただけることを期待しております。
  106. 吉良よし子

    ○吉良よし子君 いろいろおっしゃったわけですけれども、指導を強化するとか様々おっしゃったわけですけれども、つまりは、こういったことで対象外となった大学等が経営できなくなって、縮小、撤退してもいいと、それでいいということなんですか。
  107. 柴山昌彦

    国務大臣(柴山昌彦君) ですから、そういうことが極力起きないようにするために、我々としてはしっかりと関与していきたいということを申し上げた次第でございます。
  108. 吉良よし子

    ○吉良よし子君 極力起きないようにということは、結局、そういう大学も出てきてもやむを得ないと、そう言っているということになるわけでしょう。それは、やはり私、おかしいと思うんです。  参考人質疑の中で、参考人も、定員割れイコール大学の質がなっていないとか努力不足とは言えないんだとおっしゃっていたわけなんです。大学の経営状態と教育の質というのは本来直接関係ないわけです。地方の中小規模の大学など、頑張っていてもどうしても定員割れが続くような大学もあるわけですよ。そういうところに支援になってはいけないなんていう、そういう発想がやっぱり間違っていると私は思うんです。そうやって地方で頑張っている中小大学を応援するのが文科省の果たすべき役割なんじゃないのかと。  何よりも、経営が悪化しているというのはその大学を受験した学生には何の責任もないわけですよ。学生の支援をする本法案で、その学生に責を負わすようなこの立て付けというのはやはりどう考えてもおかしいと。余りに不当な、修学支援を言わば人質にして大学運営の責任、問題の責任を学生に負わせていくようなやり方はやめるべきと、機関要件外すように改めて主張するものです。  また、同じく参考人質疑の方では、中間層の問題が取り残されているということも繰り返し指摘されているわけです。この間、大臣、答弁で、この中間層の支援拡充について質問した際には、低所得世帯以外は奨学金の拡充により進学機会が開かれているなどとお答えになっていて、支援拡充は直ちに必要ないという認識を示されているということだと思うんですけれども、ただ、中間層は本当に進学機会が開かれているのかと。多くの中間層が大学進学のために利用しているのは、今、貸与型奨学金なわけです。その返還制度について全く手が着けられていないということも参考人質疑の中で触れられていたわけです。この間、ブラックリスト、自己破産の件数が増加していると、その中で返還困難者が本当大変な思いをしていると、そうした困難な貸与型奨学金を借りるのは怖いから、借りないようにしてアルバイトを増やしている学生も増えていると。  この間、私も様々な指摘してきたわけですけれども、これは決して中間層の学生が進学機会開かれているとは到底言えないと思うのですが、大臣、いかがですか。
  109. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) 何もしていないというふうに今おっしゃいましたけれども、文部科学省においては、これまでも希望者全員に対する貸与の実現など無利子奨学金の充実を進めてまいりましたし、また、経済的理由から奨学金の返済が困難となった方については、返還の期限を猶予したり、将来の収入に応じて返還できる制度を導入したりするなどきめ細やかな救済措置を講じて、高等教育への進学の支援の充実を図ってきたところであります。  文部科学省としては、こういった教育費の負担軽減策を着実に実施することによって、また、今回の制度と併せて、家庭の経済事情にかかわらず安心して学べる環境の整備に努めていきたいと考えております。
  110. 吉良よし子

    ○吉良よし子君 いろいろおっしゃいましたけど、今の現状の制度の下でも、返還困難でブラックリストに登録されたり自己破産したり、そういう若者が増えているんですよ。それだから、今の対策ではとてもじゃないけど足りないということを申し上げているわけなんです。この間も、参考人から、借りたものは返すのが当たり前とか、耐える強さというものに乗っかって甘えている制度なんだという指摘もありました。  返還制度についても幾つか確認をしたいと思うんです。  先ほど来、延滞金の利率についても検討するという話がありましたけれども、これ、新しい民法、債権法、来年四月から施行される中で、現行の法定利率五%から三%になるわけですが、これ、今後もこの延滞金の利率についても現行の五%から三%に下げるということなのか。それからもう一点、有利子奨学金について、無利子化する場合に必要な予算額は幾らか。その二点、お答えいただきたい。
  111. 伯井美徳

    ○政府参考人(伯井美徳君) まず、延滞損害金、延滞金、遅延損害金、延滞金に係る賦課率についてでございますが、従前は一〇%と設定していたところを二〇一四年度に民法における法定利率である五%に合わせるよう引下げを行っているところでございます。  文科省といたしましては、その従前の対応なども考慮しつつ、奨学金の遅延損害金に係る賦課率の取扱いについては、関係機関とも調整しながら検討を進めてまいりたいと考えております。  それから、有利子奨学金の利息収入でございます。これは日本学生支援機構の二〇一七年度決算において、約三百五十億円であるというふうに機構より聞いております。
  112. 上野通子

    ○委員長(上野通子君) 時間が来ておりますので。
  113. 吉良よし子

    ○吉良よし子君 いろいろおっしゃったんですけど、延滞金についてまず一つ言わせていただきますけれども、そもそも延滞金を掛けるのが間違っているんです。利率を下げる方向で調整ということであれば、もう一刻も早く下げなきゃいけないと。そして、有利子を無利子化にするには三百五十億でできるという答弁でした。だとすれば、すぐにでもできるんですよ。
  114. 上野通子

    ○委員長(上野通子君) 時間が来ております。
  115. 吉良よし子

    ○吉良よし子君 高等教育予算を確保して、これぐらいのことをしないことには修学支援とは絶対に言えないんだと、このことを強く申し上げまして、私の質問を終わります。
  116. 上野通子

    ○委員長(上野通子君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  本案の修正について伊藤さん及び吉良さんから発言を求められておりますので、この際、順次これを許します。伊藤孝恵さん。
  117. 伊藤孝恵

    ○伊藤孝恵君 ただいま議題となっております大学等における修学の支援に関する法律案に対し、国民民主党・新緑風会を代表いたしまして、修正の動議を提出いたします。  これより、その趣旨について御説明いたします。  政府は、本法律案に基づく支援措置を来年四月一日から行うとしておりますが、本法律案においては、本年十月一日に予定されている消費税率の引上げが延期された場合には、支援措置も延期される制度設計になっております。政府は、前提となる消費税率の引上げについて、リーマン・ショック級の出来事がない限りとの留保を付し、いまだにはっきりさせておりません。支援を受けることを前提に進路や生活設計を考えている若者の期待を裏切ることのないよう、消費税率の引上げが延期されたとしても、消費税以外の安定財源を確保し、来年四月一日から支援をスタートさせなくてはなりません。  また、現在各大学が行っている授業料減免については、その独自の取組により中間所得層の学生等も対象となり得ている一方で、住民税非課税世帯及びそれに準ずる世帯の者のみを対象とする本法律の施行によって、大学等における授業料減免が新制度に統一され、現行の授業料減免が縮小、後退してしまう懸念があります。柴山文部科学大臣は、新制度の施行による影響を把握し精査する旨を御答弁されていますが、影響が現れてからでは手遅れです。影響が現れないよう事前に措置することが必要であります。  さらに、本法律案による支援措置の対象範囲は住民税非課税世帯及びそれに準ずる世帯の者に限られており、不十分です。対象範囲の拡大を検討していくべきであります。  このような点を踏まえ、我々国民民主党・新緑風会は、本法律案に対する修正案を提出することといたしました。  次に、修正案の内容の概要について御説明申し上げます。  第一に、消費税率の引上げが延期された場合であっても支援措置の実施が延期されることのないよう、この法律の施行期日を「令和二年四月一日までの間において政令で定める日」に改めることとしています。また、附則第四条の「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律附則第一条第二号に掲げる規定の施行により増加する消費税の収入」に「等」を追加して、財源として消費税の増額分以外の財源も活用するようにすることとしています。  第二に、この法律の運用に当たっては、各大学等による学生等の経済的負担の軽減を図るための主体的な取組を阻害することのないよう配慮しなければならない旨の規定を追加することとしています。  第三に、政府は、大学等における修学の支援の対象とする学生等の範囲の段階的な拡大等について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に応じて所要の見直しを行う旨の規定を追加することとしています。  以上が修正案の趣旨であります。  何とぞ、委員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
  118. 上野通子

    ○委員長(上野通子君) 吉良よし子さん。
  119. 吉良よし子

    ○吉良よし子君 私は、日本共産党を代表して、大学等における修学の支援に関する法律案に対し、修正の動議を提出いたします。  その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。  修正案提案の趣旨及びその内容について御説明を申し上げます。  本法律案は、修学を支援する大学等に要件を課し、確認を受けた大学等のみを修学支援制度の対象とする機関要件を設けています。これは、政府の進める大学改革と学生個人に対する修学支援を結び付けるものとなっています。本来、修学支援は、学生個人に着目し、自ら選択した大学で学ぶことができるよう支援すべきものです。したがって、設置認可の段階で一定の基準を満たしている大学等に対して更に要件を課すべきではありません。  また、本法律案が、学資支給及び授業料等減免に係る財源を、消費税増税分を活用して確保するとしていることも問題です。低所得者世帯の学生に対する修学支援について、低所得者に負担の重い消費税を財源とすることは極めて不当であり、許されません。  そこで、機関要件の規定、消費税を財源とする規定を削除する修正案を提出するものです。  次に、修正案の内容について御説明を申し上げます。  第一に、大学等の確認に係る規定を削除すること。  第二に、学資支給及び授業料等減免に係る財源については消費税増税分を活用して確保する旨の規定を削除すること。  第三に、その他所要の規定を整理すること。  以上が修正案提案の趣旨及びその内容でございます。  何とぞ、委員各位の御賛同をいただけますようお願い申し上げまして、提案の理由説明とさせていただきます。
  120. 上野通子

    ○委員長(上野通子君) これより原案及び両修正案について討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  121. 吉良よし子

    ○吉良よし子君 私は、日本共産党を代表し、大学等における修学の支援に関する法律案に反対、我が党提出の修正案に賛成の討論を行います。  本法案に反対する第一の理由は、修学支援の財源に消費税一〇%への増税分を充てると法案で明記をしていることです。  この財源を前提にするならば、その支援対象者を拡大するとき、更なる消費税増税が押し付けられる懸念が生まれます。経済的理由により修学が困難な低所得者世帯の学生を支援するとしながら、そうした世帯ほど負担が重くなる消費税をその財源とすることは許されません。何よりも、消費税は、支援の対象となる学生にも対象とならない学生にも重い負担となってしまいます。さらに、消費税増税を理由にし、学費を値上げする大学も出てくるかもしれません。  先日の質疑の中で、大臣も学費の値上げが続くことについて否定をされませんでした。学費の値下げはしない一方で、値上げを容認する。見かけ倒しの高等教育無償化を口実に消費税増税という重い負担を国民に押し付けることはやめるべきです。  本法案に反対する第二の理由は、支援対象とする大学等に要件を設け、政府の方針に従わない大学等を選別し、支援対象から排除していることです。  実務経験のある教員による授業科目が標準単位数の一割以上や法人の理事に産業界等の外部理事を複数任命、収容定員割れしている大学等を支援対象から外すとの機関要件は、大学教育の質とは無関係なものであり、設置認可の段階で一定の要件を満たしている大学に更に要件を課す必要はありません。学生が自ら選んだ大学で学ぶことができるよう支援することが求められているのであり、大学に要件を課し、学生が進学先を選ぶ自由を奪うことは許されません。  しかも、経営が厳しい私立大学などの多くが地方の中小規模の大学です。それらの大学を修学支援の対象から外したら、学生が集まらず、定員割れがますます進み、大学の再編、淘汰が加速しかねません。地域社会で奮闘している地方の中小規模大学を苦境に立たせ、今以上に大都市圏と地方の教育格差が拡大しかねず、問題であることを指摘します。  以上の観点から、我が党は、大学等に対する機関要件を削除し、財源を消費税とする規定を削除する旨の修正案を提出したものです。  なお、国民民主党提出の修正案は立場が異なるため賛成できないことも併せて申し述べ、討論を終わります。
  122. 上野通子

    ○委員長(上野通子君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  それでは、これより大学等における修学の支援に関する法律案について採決に入ります。  まず、吉良さん提出の修正案の採決を行います。  本修正案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  123. 上野通子

    ○委員長(上野通子君) 少数と認めます。よって、吉良さん提出の修正案は否決されました。  次に、伊藤さん提出の修正案の採決を行います。  本修正案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  124. 上野通子

    ○委員長(上野通子君) 少数と認めます。よって、伊藤さん提出の修正案は否決されました。  それでは、次に原案全部の採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  125. 上野通子

    ○委員長(上野通子君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、伊藤さんから発言を求められておりますので、これを許します。伊藤孝恵さん。
  126. 伊藤孝恵

    ○伊藤孝恵君 私は、ただいま可決されました大学等における修学の支援に関する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲民主党・民友会・希望の会、国民民主党・新緑風会、公明党及び日本維新の会・希望の党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     大学等における修学の支援に関する法律案に対する附帯決議(案)   政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。  一、「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」における「無償教育の漸進的な導入」の実現に向け、政府は教育費の負担軽減策に取り組むこと。  二、政府は、本支援制度の安定的運用及び更なる高等教育における教育費の負担軽減策を講じることができるよう、安定的な財源の確保に努めること。  三、大学等の確認要件を文部科学省令で定めるに当たっては、大学の自治等への過度な干渉とならないよう、十分配慮すること。  四、各高等学校等において本人の学習意欲や進学目的等を確認するに当たっては、公平性・公正性が確保され、学校によって運用にばらつきが生じないよう、判断基準等についてガイドライン等により各学校へ示すこと。  五、学生等に対する支援の継続を判断するに当たり、相対評価による学業成績の判定においては、必ずしも本人の努力不足による成績不振とは言えない場合があることを踏まえ、低所得世帯の者の修学の支援という本支援制度の趣旨を没却することがないよう、斟酌すべきやむを得ない事情がある場合の特例措置を適切に講じること。  六、学生等ができる限り安心して学業に専念できるよう、支援を打ち切る場合や学資支給金を返還させる場合については、その判断基準や具体的な実施方法をあらかじめ明確にするなど、慎重な運用を行うこと。  七、本法附則第三条による施行後四年の見直し時期以前であっても、必要に応じて本法の規定その他学生等への経済的支援制度全般の在り方について検討を行い、必要があると認める場合には、早期に対応を図るよう努めること。また、見直しに際しては、検討過程において関係者の意見の聴取や情報公開の充実を図るなど、できる限り学生等のニーズに応えた制度設計が図られるよう努めること。  八、高等教育に係る費用は中間所得層にとっても重い負担となっていることに鑑み、あらゆる財源確保に向けて努力し、各大学等による授業料の適切な設定を可能にするための環境整備に努めること。また、消費税率引上げに伴う授業料の便乗値上げが行われることのないよう、大学等に対し本支援制度の趣旨の周知徹底に努めること。  九、政府及び独立行政法人日本学生支援機構は、本支援制度の実施により、学生等への経済的支援制度が複雑化することを踏まえ、学生等、保護者及び学校関係者等へ丁寧な説明を行うなど、貸与型奨学金制度を含む支援制度全般の更なる周知徹底に努めること。  十、独立行政法人日本学生支援機構が行っている貸与型奨学金について、所得連動返還方式の対象者の拡大、返還期限の猶予、延滞金の賦課率、返還負担軽減のための税制など、返還困難者の救済制度の在り方の検討に努めること。  十一、教育を受ける機会を保障するという奨学金の制度趣旨に鑑みれば、有利子奨学金が事業費・貸与人数ともに無利子奨学金を上回っている現状を速やかに改善し、有利子から無利子への流れを更に加速するための施策の検討を行うこと。  十二、貸与型奨学金における人的保証については、奨学生及び保証人の負担が大きく、保証能力にも限界があることを踏まえ、保証機関の健全性を前提としつつ保証料の引下げをはじめとした負担軽減策を講じることにより、機関保証制度の利用促進に努めること。  十三、独立行政法人日本学生支援機構は、本法の施行に伴い業務量の増加が見込まれる中においても本支援制度が円滑に実施されるよう万全を期すとともに、国は、そのための人員の拡充を行うなど、同機構の体制強化に努めること。  十四、低所得世帯の子供たちの学習意欲を高めるため、ロールモデルの提示や教科指導等の支援を行うとともに、大学等へ安心して進学できるようにするため、専門家等による教育相談体制の整備充実を図ること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  127. 上野通子

    ○委員長(上野通子君) ただいま伊藤さんから提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  128. 上野通子

    ○委員長(上野通子君) 多数と認めます。よって、伊藤さん提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、柴山文部科学大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。柴山文部科学大臣。
  129. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと存じます。
  130. 上野通子

    ○委員長(上野通子君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  131. 上野通子

    ○委員長(上野通子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十三分散会