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2019-06-18 第198回国会 参議院 財政金融委員会 13号 公式Web版

  1. 令和元年六月十八日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  五月三十一日     辞任         補欠選任      太田 房江君     山本 順三君  六月五日     辞任         補欠選任      松川 るい君     鶴保 庸介君      熊野 正士君     河野 義博君  六月六日     辞任         補欠選任      鶴保 庸介君     松川 るい君      河野 義博君     熊野 正士君  六月十日     辞任         補欠選任      藤末 健三君     平野 達男君      松川 るい君     吉田 博美君      熊野 正士君     西田 実仁君      大門実紀史君     辰巳孝太郎君  六月十一日     辞任         補欠選任      平野 達男君     藤末 健三君      吉田 博美君     松川 るい君      西田 実仁君     熊野 正士君      辰巳孝太郎君     大門実紀史君  六月十二日     辞任         補欠選任      松川 るい君     吉川ゆうみ君      古賀 之士君     礒崎 哲史君  六月十三日     辞任         補欠選任      吉川ゆうみ君     松川 るい君      礒崎 哲史君     古賀 之士君  六月十七日     辞任         補欠選任      長浜 博行君     蓮   舫君      杉  久武君     石川 博崇君  六月十八日     辞任         補欠選任      西田 昌司君     佐藤  啓君      石川 博崇君     竹内 真二君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         中西 健治君     理 事                 長峯  誠君                 羽生田 俊君                 三木  亨君                 風間 直樹君                 藤巻 健史君     委 員                 愛知 治郎君                 大家 敏志君                 佐藤  啓君                 西田 昌司君                 林  芳正君                 藤末 健三君                 古川 俊治君                 松川 るい君                 宮沢 洋一君                 宮島 喜文君                 蓮   舫君                 大塚 耕平君                 古賀 之士君                 石川 博崇君                 熊野 正士君                 竹内 真二君                 中山 恭子君                 小池  晃君                 大門実紀史君                 渡辺 喜美君    国務大臣        財務大臣        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(金融)        )        麻生 太郎君    副大臣        内閣府副大臣   田中 良生君        財務副大臣    鈴木 馨祐君    大臣政務官        内閣府大臣政務        官        長尾  敬君        厚生労働大臣政        務官       上野 宏史君    事務局側        常任委員会専門        員        前山 秀夫君    政府参考人        内閣府大臣官房        審議官      林  伴子君        金融庁総合政策        局長       佐々木清隆君        金融庁総合政策        局総括審議官   中島 淳一君        金融庁企画市場        局長       三井 秀範君        金融庁監督局長  栗田 照久君        財務省主税局長  星野 次彦君        文部科学大臣官        房審議官     矢野 和彦君        厚生労働大臣官        房政策立案総括        審議官      土田 浩史君        厚生労働大臣官        房年金管理審議        官        高橋 俊之君        厚生労働大臣官        房審議官     度山  徹君        厚生労働大臣官        房審議官     伊原 和人君    参考人        日本銀行総裁   黒田 東彦君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○参考人の出席要求に関する件 ○財政及び金融等に関する調査  (金融審議会市場ワーキング・グループ報告書  等に関する件)     ─────────────
  2. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、太田房江君、長浜博行君及び杉久武君が委員を辞任され、その補欠として山本順三君、蓮舫君及び石川博崇君が選任されました。     ─────────────
  3. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房審議官林伴子君外九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に日本銀行総裁黒田東彦君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  7. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 財政及び金融等に関する調査のうち、金融審議会市場ワーキング・グループ報告書等に関する件を議題といたします。  まず、政府から説明を聴取いたします。三井金融庁企画市場局長。
  8. 三井秀範

    ○政府参考人(三井秀範君) 金融審議会市場ワーキング・グループにおきましては、高齢社会の金融サービスはどうあるべきか、個々人においては人生百年時代に備えてどのような資産形成、管理を行っていくべきかといった視点で昨年九月以降議論が行われ、本年六月三日に報告書が取りまとめられ、公表されたところでございます。  報告書では、人生百年時代においては、リタイア後の人生が長期化することから、資産寿命を延ばす行動が必要になってくるという認識の下、個々人の資産形成、管理の取組、それに対応した金融サービスの在り方、行政機関などによる環境整備といった内容が記載されてございます。  報告書をきっかけに、金融サービスの利用者である個々人及び金融サービス提供者を始め幅広い関係者の意識が高まり、具体的な行動につながっていくことを期待したものでございましたが、この報告書においては、家計調査における高齢者世帯の平均的な収入と支出の差を比較して、あたかも公的年金だけでは生活費として月五万円足らないかのように、また、老後三十年で二千万円が不足するかのように述べており、世間に著しい誤解や不安を与え、これまでの政府の政策スタンスとも異なることから、六月十一日の大臣閣議後記者会見において、麻生大臣より、担当大臣として正式な報告書としては受け取らないことを決定した旨の発言があったところでございます。  審議会の議論をサポートする事務方として、配慮を欠いた対応により、今般、このような事態を招いたことを深く反省しており、国民の皆様に深くおわび申し上げます。
  9. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 以上で説明の聴取は終わりました。  これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  10. 藤末健三

    ○藤末健三君 おはようございます。自民党・国民の声の藤末健三でございます。  この金融審議会市場ワーキング・グループの報告書について、非常に国民の皆様の関心が高い状況であります。私も、先週、タクシーに乗っていますと、タクシーの運転手さんと世間話する中で、もう今更年金がもたないから二千万円ためろと言われても困るなということをおっしゃっていました。また、週末に主婦の方とお話ししていましたら、年金百年安心プランと言いながら全然安心できないじゃないかということをおっしゃっていまして。  タクシーの運転手の方に私が申し上げたのは、これは二千万円ためろということではなくて試算なんですよと、これは、実際の家計調査に基づく平均支出二十五万円と実際にもらっている年金二十万円の差が五万円ある、それで三十年間で二千万円不足するという試算なんですよという話をさせていただき、かつ、六十五歳の平均的な夫婦の金融資産が大体二千二百五十二万円ありますよと。逆に考えると、現実に二十五万円使っていて、そして二十五万円年金もらってと、差額の五万円がちょうどその平均的な金融資産と合致するんですね。ですから、逆に今、年金プラス五万円の余裕があるから二十五万になっているというふうにも考えられますよということを御説明したら、ああ、そうなんだと。現実に何か困っているわけじゃないんですよという話をしたら、ある程度は納得いただいた。  あと、年金安心百年プランについても、これは百年間年金だけで暮らせるというんじゃないんですよと、所得代替率が五〇%の仕組みが百年間もつということで安心ですと言っているんですよということを御説明したら、それはそうよねと、年金だけで暮らせないからねというのは、これは納得いただけるわけですね。  ですから、私自身も、やっぱりそういう説明がちょっと不足しているということと、また、やはりこの問題で大きな誤解と不安を国民の皆様に与えたのは事実だと思います。  政府としては、是非、今後、この年金制度への不安やそして誤解、そして私は政府に対する不信もあると思っているんですが、それをどう払拭していくかということが重要な問題だと思っております。  そこで、質問させていただきます。  まず一つ目にございますのは、そもそもこの高齢化社会における資産形成に関する報告書を、この金融審議会の市場ワーキング・グループ、これはそもそも、例えば高速取引などの金融市場の制度を整備しようということで議論していたはずですけれど、なぜこのワーキング・グループで高齢社会における資産形成の議論がなされたか、それをちょっと教えていただけませんでしょうか。
  11. 三井秀範

    ○政府参考人(三井秀範君) お答え申し上げます。  金融審議会市場ワーキング・グループは、平成二十八年の四月の金融審議会総会におきまして、この金融審議会に対して行われました諮問でございます市場、取引所をめぐる諸問題に関する検討について具体的な検討を進めていくために金融審議会の下に設置されたものでございます。  これを受けまして、今回の市場ワーキング・グループの議論は、金融庁として近年取り組んでおります家計の安定的な資産形成に係ります顧客本位の業務運営の議論の延長線上の課題といたしまして、高齢社会における資産形成及び管理の在り方などについて議論していただいたものでございます。
  12. 藤末健三

    ○藤末健三君 私は元々役所で仕事をさせていただいていたんですが、審議会、それもワーキンググループというのは、いろんな方々、多様な方々に来ていただいて議論をするというものでありまして、私は様々な意見が出るのは当然だと。ただ、その整理が事務局悪かったと私も思います。  今回の問題は、この様々な意見の取りまとめに当たってその事務局である金融庁の対応に問題があったと私も思いますが、その点いかがでしょうか。
  13. 三井秀範

    ○政府参考人(三井秀範君) お答え申し上げます。  今回の報告書におきましては、あたかも公的な年金だけでは生活費として月五万円足らないかのように述べられているといったことなど、市場ワーキング・グループにおける審議をサポートいたし報告書の原案を準備する事務局たる金融庁の対応が配慮を欠いたものであったというふうに考えてございます。  今回のことを真摯に反省いたしまして、今後はこのようなワーキング・グループなどの場において国民の皆様方に誤解や不安を生じさせないよう丁寧な議論が行っていただけるよう、事務局としてしっかり対応してまいりたいというふうに思います。
  14. 藤末健三

    ○藤末健三君 今後注意するという議論ではなくて、私は、冒頭に申し上げましたように、きちんとこのワーキング・グループの位置付けとか、あと試算の背景、どういうことを意味しているかということをもう少しきちんと国民の皆様に説明していただかなければ、恐らく誤解だけがずっと残ると思うんですけど、局長、その点いかがですか。
  15. 三井秀範

    ○政府参考人(三井秀範君) 御指摘の点を重く受け止めております。  先生御指摘のとおり、この報告書の中で、高齢者世帯は多様である、さらに標準世帯が通用しなくなって様々な形になっていると書きながら、この二千万円あるいは収支の二十五万、二十万円というのを引用して、そこがその議論の始まりかのごとくの書き方になっているという点は、報告書の書き方として極めて不適切であったというふうに反省してございます。むしろ、高齢世帯、あるいは人生の、あるいはライフサイクル、ライフプランというものは様々であるということをしっかり説明していく必要があるというふうに考えております。
  16. 藤末健三

    ○藤末健三君 私も、先ほど冒頭で申し上げましたように、いろんな方から御質問とかお言葉をいただく中で自分なりに勉強してお答えしているんですけど、やはり政府として明確な伝わりやすいメッセージを国民の皆様に発していただきたいと思います。  また、今朝の新聞を見ますと、毎日新聞に金融審議会市場ワーキング・グループで提示された金融庁の試算についての記事が出ていますけれど、老後に千五百万円から三千万円必要であるとすれば、これまで公的年金で老後生活をある程度賄えるとしてきた政府のスタンスと全く違う議論がなされていたという記事が出ているんですけど、この記事の事実関係や背景について教えていただけますでしょうか、お願いします。
  17. 三井秀範

    ○政府参考人(三井秀範君) その新聞で報道されております資料は、今年の四月十二日のこの市場ワーキング・グループにおきまして金融庁の事務方が説明を行った資料でございます。  この資料は退職後の支出と収入についてかなり大胆な仮定を置きまして試算を行っているものでございますが、これは、資料の冒頭に、表題の下に大きく書いてございますが、退職後の支出、収入は大きく異なるために一律に必要な資産形成額を示すものではないとお断りした上で、さはさりながら、様々な方が様々な状況に応じて御自身で必要な資産形成額というものを考えるに当たって、どのような方法で考えていけばよいかを参考として、その材料として提供したものでございます。  また、これはそういった議論の過程で材料として出させていただいたものでございまして、最終的な報告書におきましては、このようなものから、この資料とは異なる五万円、二千万円といった資料が掲げられ、あたかも毎月五万円、年金では足りない、あるいは三十年で二千万円足りないかのごとくの記述になっているということがこれまでの政府のスタンスと大きく異なるということで、この報告書については不適切であるということでございます。  ここでの資料はそれとはまた異なる、材料として報告書では取り上げられなかったものでございます。
  18. 藤末健三

    ○藤末健三君 局長もお忙しいと思うんですけど、この毎日新聞の記事見ますと、見出しに、金融庁、老後最大三千万円必要、独自試算、ワーキング・グループに四月提示と書いてあるんですよ。恐らく、今の御説明聞いても、多分多くの方々は理解されないと思いますね、私。いや、本当に。  これ、もう完全に見出しだけがどんどんどんどん独り歩きしていて、誤解が生まれ、そしてそれが不信や不安につながっているという状況なので、明確に分かりやすく国民の皆様に説明することが必要だと思うんですが、その点いかがですか。これ、是非やっていただきたい、お願いします。
  19. 三井秀範

    ○政府参考人(三井秀範君) 先生御指摘の点は深く反省と重く受け止めております。この点、とりわけ今申し上げたことも、大変長くくどくど申し上げて分かりにくいという御指摘はそのとおりだと思います。  この報告書の中でも、あるいは委員の方々が繰り返し指摘されていますのは、標準世帯というものが適用できなくなって多様性が増している、これを自分で考えるようなそういう手掛かり、材料あるいは手法というものを提示していく必要があるというのがここで出された議論でございまして、この点がしっかり説明できていないというのが私どもの足りないところだというふうに反省し、そこをいかに分かりやすく説明するか、もう一回考え直してまいりたいと存じます。
  20. 藤末健三

    ○藤末健三君 私は、このレポート読まさせていただきましたけれど、この高齢社会における資産形成や資産の管理についての議論は、私は高齢化がこれから進む我が国においては非常に重要なテーマだと思っております。  そういう中で、今回の報告書においては、高齢夫婦無職世帯、夫が六十五歳以上、妻が六十歳以上の夫婦のみの無職世帯に限定されて議論されているわけですけれど、今後その高齢化社会における資産形成と資産の管理について更なる議論を行う、例えば複数のモデル世帯を示していくとか、そういうことを私は深めるべきだと思いますが、その点いかがでしょうか。
  21. 三井秀範

    ○政府参考人(三井秀範君) 様々な多様性のある議論をしていくということは御指摘のとおりかと存じます。その過程で一つの事例あるいは数字を掲げましたことが、事務方の配慮の足りなさによってこれだけの不安と誤解を招いたということを反省しまして、いかなる議論の仕方がいいのかということは改めて考え直す必要があるかと思います。  いずれにしろ、一つであれ複数であれ、モデル世帯を示しますと、その数字というものがまた今回のような不安や誤解を招くおそれがあるということも十分に踏まえて、今後どのような説明の仕方が良いのかということも原点に立ち戻って考え直してまいりたいと存じます。
  22. 藤末健三

    ○藤末健三君 私はこの議論、このワーキング・グループで行われた議論でございますが、これやっぱり高齢化社会における資産管理、資産の運用ということを議論することは必要でありますし、同時に、金融庁が今までおっしゃっていました貯蓄から投資へ、あとは家計の安定的な資産形成の実現といったことについては、私テーマが沿っていると思います。  是非とも、この報告書を、分析の結果を一つの方向として、私は、政府として金融面から高齢化社会、そして国民の皆様が安心して暮らせる金融システムの在り方というのを議論していただきたいと思います。これはもう発言だけで終わります。  ありがとうございました。
  23. 熊野正士

    ○熊野正士君 公明党の熊野正士です。よろしくお願いをいたします。  今回の市場ワーキング・グループの報告書では、人生百年時代というキーワードを引用しながら、かつてない高齢社会を迎える日本において、資産寿命の延伸あるいは金融の在り方について議論をされた内容が記載をされております。  この人生百年時代ですけれども、二〇一六年にリンダ・グラットンの著書「ライフ・シフト」、人生百年時代の人生戦略というのが話題になって、日本においてもこれ注目を集めるようになりました。人生百年時代とは、今までの働き方やあるいは老後の過ごし方というのを見直して、より豊かな老後とは何かということを考えるものだと思っております。  日本において、健康寿命はずっと延伸をしております。健康寿命の延びとそれから平均寿命の延びを比べると、健康寿命の延びの方が上回っているということです。また、体力テストを見ても、約二十年前と比べると、高齢者の方々の体力というのは五歳ほど若返っていると指摘されています。また、高齢者の就業率も年々上昇しておりまして、六十歳以上の方に伺うと、就労されている方の約八割が六十五歳を過ぎても働きたいと、そのような調査も出ております。  この人生百年時代の老後ということについては、健康寿命の延伸であるとか就労の在り方など、多角的に本来議論をすべきだというふうに考えますけれど、まず厚労省の見解を求めたいと思います。
  24. 伊原和人

    ○政府参考人(伊原和人君) お答え申し上げます。  人生百年時代を迎える中におきましては、年金などの所得保障の在り方のほか、より長く健康で暮らし続ける、より長く希望に応じて働き続ける、あるいは地域において社会参加をし続けると、こういった要素をトータルに考えて社会保障あるいは働き方改革に取り組んでいくことが必要だと考えております。  厚生労働省におきましては、こうした観点から、団塊ジュニア世代が高齢者となりまして高齢者数がピークを迎える二〇四〇年頃を見据えまして検討を進めております。具体的には、大臣を本部長とする二〇四〇年を展望した社会保障・働き方改革本部におきまして、高齢者を含めて働く意欲のある方々が多様な就労、社会参加ができる環境の整備、さらに、先ほど先生から御指摘ありました健康寿命の延伸、そして労働力の制約が強まる中での医療・福祉サービス改革による生産性の向上、この三つのテーマを検討テーマとしまして、先月、具体的な改革のビジョンを取りまとめたところでございます。  今後、人生百年時代を見据えまして、こうした改革を着実に進めてまいりたいと、このように思っております。
  25. 熊野正士

    ○熊野正士君 今答弁、ありがとうございました、ございましたけれども、その人生百年時代というのを議論するのであれば、もっと多様な生き方というものを前提にしなければならないというふうに思います。多様な老後が考えられる現代社会において、一律に毎月毎月五万円赤字で二千万円必要といった数字だけが独り歩きをしてしまって国民の不安をあおる結果となってしまったことは、政府としても大いに反省すべきであるというふうに思います。  今、高齢者の方が不安に思っていらっしゃることが三つあると。お金と健康と孤独ということで、金、健康、孤独で3Kと言われているそうですけれども、今回の市場ワーキング・グループでも議論になっておりますけれども、日本では、貯蓄率が低下しているであるとか、あるいは退職金がちょっと減っているであるとか、更に言えば、そもそも退職金もらえない方もいらっしゃるわけでございますので、今不安を抱えていらっしゃる高齢者の方々、またこれから高齢期を迎えようとしていらっしゃる方々を念頭に置きながら、この人生百年時代の金融の在り方、あるいは資産寿命の延伸、こういったことをしっかり議論してほしいと、そう思いますけれども、大臣、いかがでございましょうか。
  26. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 今御指摘がありましたし、厚労省の方からも答弁があっておりましたけれども、今回のこの報告書というのをすっと読むと、いわゆる月々五万円、年金では不足しますよという大前提がまず決めているような、置いてあって、生活費として足らないということは今までの年金の話とちょっと話が違うんじゃないかという不安で、五万円掛け、六十五で退職して亡くなるまで三十年として、それを三十掛けますと、五万円掛け十二か月、六十万掛けの三十年というあれで約二千万ぐらいのという話が多分単純に出てきているのは、これは平均として単に出しておりますけれども、いかにもそれが前提かのごとく受け取られないような表現になっているというところが一番問題なんだと思っておりますので、私どもは、いわゆる作業部会、いわゆるワーキング・グループとして、いわゆる事務局を対応させていただきました金融庁としての対応は、これはもういわゆる説明とか配慮とかそういったものに欠いたのではないかと、先ほど三井局長の方から申し上げたとおりであります。  したがいまして、これを反省いたしまして、誤解や不安というものを、不安を感じるというのが一番問題なんで、誤解は後で解けますけど、不安はなかなか、誤解が解けても不安というのは残りますんで、そういった意味合いにおきましては、不安を生じさせないような丁寧な説明というのが必要なのではないかと思っておるところでもありますので。  いずれにいたしましても、老後の生活を抱える支柱になりますのがこれ基本的には年金制度だと思っておりますんで、それプラス、今言われましたように働き方の改革だとか、健康寿命と言われましたけど、予防で、元気な方とそうじゃない方は大分考え方もまた生活も違ってまいりますんで、そういった意味では、健康づくりとかそういったいろんな問題を含めまして、御指摘のありました金融サービスの在り方につきましても、私どもとしては、今後、高齢者の方々に寄り添った説明というものを丁寧に心掛けていきたいと考えております。
  27. 熊野正士

    ○熊野正士君 大臣の方から高齢者に寄り添ったというふうな御発言いただきました。是非高齢者に寄り添って、この金融サービスの在り方について是非議論をしていただきたいなと思います。よろしくお願いします。  今回の報告書をきっかけとして、年金制度そのものに対する国民の不安が噴出をしております。年金百年安心プランと言っていたじゃないかとか、全然百年安心ではないじゃないかとか、そういったことでございます。  この年金の問題というのは、国際的にも様々に議論をされ、共通の課題だというふうに認識しておりますけれども、これまで日本においてもこの年金制度については長年議論をされてきたというふうに承知をしておりますし、その間、政権交代もございました。年金制度改革というのが大きな争点になったこともありました。  そこで、ちょっと政府に確認の意味で伺いたいんですけれども、今多くの方が、国民の方が不安に思っているこの年金制度の将来にわたる持続可能性、それから、今のこの年金制度に至る変遷であるとか議論のポイントについて御説明をお願いしたいと思います。
  28. 度山徹

    ○政府参考人(度山徹君) お答え申し上げます。  一九九〇年代以降、特に急速な少子化が進行する中で、人口推計、大体五年に一度やっておりますが、それが見直されるたびに将来必要となる保険料水準が上昇すると、で、過重な負担を避けるために、例えば厚生年金の支給開始年齢の引上げなど、かなり大きな改正を余儀なくされてきたところでございます。そういう中で、負担や給付の姿が見えないということが国民の不安につながる一方で、国際的には、ある程度負担の上限というものを意識をして、その中で給付をデザインするという形の改正が行われるようになってまいりました。  私どももそういうことをよく勉強いたしまして、それで二〇〇四年の大きな改正につながるわけですが、この改正は、まず、一三・五八%だった保険料の水準を一八・三%という上限を決めた上でそこで固定をする、基礎年金の国庫負担、三分の一だったものを二分の一という形で引き上げる、積立金も将来の支払に支障を生じない範囲で活用をすると。こういったものを年金の財源と考えた上で、この財源の範囲の中に給付が収まるように給付水準を自動調整をするマクロ経済スライドという仕組みを調整すると、で、毎回、財政検証でおおむね百年間の負担と給付のバランスを取ると、このような形で仕組みの改正を行ったということでございます。一方で、公的年金、老後生活の基本を支えるという大事な役割を持っておりますので、マクロ経済スライドによる調整も所得代替率五〇%までの調整よということにしてこの機能を保持をするということにしたところでございます。  社会保障・税一体改革のときに与野党の枠組みを超えた三党合意が結ばれまして、それによって例えば国庫負担二分の一の財源の恒久化あるいは特例水準の解消というものが行われ、これによって二〇〇四年の改革の財政フレームが完成をしたということでございます。同時に、アベノミクス以降、物価や賃金が上昇傾向となる中で、今日、マクロ経済スライド調整も徐々に機能するようになってきた、このように理解をしております。
  29. 熊野正士

    ○熊野正士君 ありがとうございます。  今私が大変懸念しておりますのは、今回のこの不安が広がったことで、若者のいわゆる年金制度への不信が強まるんじゃないかということです。  これまでも何人かの方とお話をさせていただくと、もう年金払いたくないという方、結構いらっしゃるんですね。でも、そういう方々は、結局、将来無年金になったりするわけです。また、これ、年金というのは一種の保険ですから、障害年金であるとか遺族年金とか、そういった意味でいうと、けがとか病気とかされて本当は障害年金もらえるんだけれども、掛けていなくてもらえないという方もたくさんいらっしゃいます。  そういった意味でいうと、今回、不信感が高まっているわけですけれども、特に若い方々に年金、公的年金の重要性というものをしっかりと訴えてほしいと思いますが、いかがでしょうか。
  30. 度山徹

    ○政府参考人(度山徹君) 人生百年時代と言われますけど、百年前というのはちょうど第一次世界大戦が終わった直後という時代でありまして、このような長期間の社会経済の変化というものを個人一人の力で対応するというのはどんなに頭のいい方でも難しい問題だろうと、このように思いますし、また、人生を生きていく中では、いろいろ個人の責に帰すことのできない様々なリスクというもので、お話のあったように、障害や死亡ということで所得を喪失してしまうというリスクもあると。こういうものに対して、公的年金というのは、まず社会全体で、それから時代、世代を超えて支え合うということでこの難しい保障を実現をしている仕組みだと思います。  同時に、昔は老親の扶養は家族が担っていたわけですが、それが産業化に伴って徐々に家族から社会的な扶養に移っていったと。逆に、年金制度が存在することで親と離れて暮らすとかいうことが可能になっているということで、若い人にも実はメリットのある仕組みであるということも理解が必要かと思います。  その上で、これから人生百年時代という言葉に象徴されますように、人々がより長く多様な形で働く社会というものに変化をしているというふうに思います。このような変化に、例えば短時間労働者の適用拡大など……
  31. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 簡潔にお願いします。
  32. 度山徹

    政府参考人(度山徹君) 制度的にも対応いたしまして、若い方々にとっても、これから送ることになる長期化する高齢期の経済基盤を充実できるように私どももしっかり議論をしていきたい、このように考えております。
  33. 熊野正士

    ○熊野正士君 終わります。ありがとうございました。
  34. 渡辺喜美

    ○渡辺喜美君 要求もしておりませんが、厚生省審議官殿がいらっしゃるんでちょっと確認をさせてください。  今朝の報道で、月に五万円の赤字となり、三十年で二千万円が必要とする試算の根拠は厚生労働省が示した資料だったことが分かった、昨日の野党ヒアリングでは、厚労省がよく使っている資料だ、総務省の家計調査でオープンになっており、よく知られている収支の差だと厚生労働省年金局吉田一生企業年金・個人年金課長がおっしゃったということなんですが、これはそのとおりでよろしいですか。
  35. 度山徹

    政府参考人(度山徹君) よくお尋ねがあるのでこのように答えておりますが、多様な老後生活の希望やニーズというものに関して、公的年金は基本的には老後生活の基本を支えると、同時に、そのいろんな御希望に対してはいろんな形で、特に貯蓄などの資産を活用した対応がされているというのが社会の実態であろうと思います。  家計調査のデータは、そのような多様な高齢者世帯の一つの平均値ということでございますので、当然、いろんなレベルの生活を送っていらっしゃる方の平均ということですので、その平均が、何といいますか、公的年金プラス貯蓄を活用した、年によって差はいろいろ、まちまちでございますけれども、そのような形で営まれているというふうに私どもはそのデータを読んでおりますし、よくそういう説明をさせていただいております。  逆に、よく言われるように、二十六万円が必要で収入が二十一万円しかなく、五万円が不足をしていると、そういうふうに考えたことはありませんで、そういう説明もしてきていないということでございます。
  36. 渡辺喜美

    ○渡辺喜美君 いろいろ理屈は付けられるんですが、要は厚労省が使っている資料だと、それを今回の市場ワーキングチームのレポートに反映をさせたということなんですかね。
  37. 三井秀範

    政府参考人(三井秀範君) お答え申し上げます。  審議会のレポートの中では、その議論の過程では様々な試算や考え方が提出されましたが、レポートの中、報告書の中では、この資料は確かに引用してございますが、これに対して、毎月の赤字額は約五万円となっている、この毎月の赤字額は自身が保有する金融資産より補填することになるという記述をしてございます。  これがあたかも足りないという印象がございますが、これは、ある瞬間、輪切りの資産と、ストックですね、ストックとフローの状態を示したものでございまして、これがずっと三十年、二十年続くわけではないにもかかわらず、後ほどこの二十一ページのところで、これをまた、ただでさえ適切でない書き方に上乗せする形で、二十年、三十年の人生があるとすれば、単純に五万円掛ける二十年、三十年ということで千三百万円から二千万円の、この不足額の総額は単純計算で千三百万から二千万になるというふうに書いて、その後確かに、各々であるとか足りる方があるとかいろいろ書いていますが、そうしたことで各種施策を書いているということで、このデータそのものは客観的でございますが、この報告書でそれを文章化するところで大変不適切な文章が挿入されてしまったことで大変誤解や不安を招いたということで、適切でなかったというふうに反省してございます。
  38. 渡辺喜美

    ○渡辺喜美君 まず、厚労省も似たような考えなのかもしれませんが、資産額の平均値で、これを基準にしているんですね。平均値というのは、御案内のように、べらぼうな金持ちもいますので、世間の常識よりはかなり高めに出るんですよ。だから、こういう場合に世間の常識に近い数値は中央値なんです。大体どれくらいのところが数が一番多いかと。中央値でいくと、これは金融商品保有額、金融広報中央委員会、七十代以上の中央値は七百万円ですよ。二千五百万とか、そういうレベルとはまるっきり違う。これが世間相場なんですね。そうすると、二千万円足りないとか、そういう話では済まなくなるわけです。  ところで、話全然変わってきちゃいますけど、麻生大臣はどちらの大臣室で執務されていますか。金融大臣室か財務大臣室か、どっちにふだんおられるでしょうか。
  39. 麻生太郎

    ○国務大臣麻生太郎君) どこにいるかという御質問ですか。  財務省の方にいる比率の方が高いと存じます。
  40. 渡辺喜美

    ○渡辺喜美君 財金分離が行われてもう随分たつんですけれども、麻生大臣になって、金融庁大臣室は財務省二階に移動しているんですよ。だから、多分、金融担当秘書官財務大臣室におられる。ということは、どうも財務省の意向が金融庁のいろんな分野にじわじわと反映されているかもしれないと、そういう思いが自然にいきますね。  アマチュア無線の世界で月面反射という技術がありまして、とんでもないところに電波飛ばして交信する技術なんですが、恐らくこの市場ワーキングチームのレポート、全然関係ないところに電波飛ばして、ここから透けて見えるのは、やっぱり公的年金制度を充実させるには増税しかないと書いてあるような気がするんですけれども、大臣、いかがですか。
  41. 麻生太郎

    ○国務大臣麻生太郎君) 遠くに飛ばして何とかという例えもいかがなものかと存じますが、私どもとしては、基本的には、年金の制度のお話でしたら、これは厚生労働省の所管ということになろうと思いますので、そちらの方に聞いていただいたらよろしいんだと思いますが、年金という制度を平成十六年に改正して、私どもの考え方はもうくどくど述べる必要もないと存じますが、それが基本だと考えております。
  42. 渡辺喜美

    ○渡辺喜美君 とにかく、社会保障の財源として消費税使うという国は日本しかないですよ。社会保障の財源、言わば目的税化している、そんな国は。まあドイツでたかだか四%ぐらい基礎年金に充当している例はありますけれども、それしかない。日本のパラダイムがいかにおかしなパラダイムになっているかと。いかがですか、大臣
  43. 麻生太郎

    ○国務大臣麻生太郎君) 今、諸外国という中で、ドイツも、たしかフランスも同じような制度になっておりますでしょう、私の記憶ですけれども。付加価値税収の一部をこれは社会保障目的として支出している、するということを法定しているのは、たしかフランスにおいても、社会保障法典におきまして、付加価値税収の一部をいわゆる疫病保険等々に充当することが法定をされておりますということが書いてありますので、そうなんだと思いますが、私どもとしては、全額社会保障目的税としているのは、諸外国の事例は確認しているわけではございません。
  44. 渡辺喜美

    ○渡辺喜美君 フランスはたかだか〇・三、四%です、今大臣が述べた分野に充当しているのは。だから、日本のこの社会保障制度の充実のために消費税を上げるという考え方は根本的に間違っています。それだけ主張しておきます。  その上で、黒田総裁にもお越しいただいたので、過去三回ぐらいのバズーカは、前にも指摘申し上げたように、これは増税支援の側面が非常に強いんですね。この間のG7でも、世界経済の下方リスク、米中の問題もある、ブレグジットの問題もある、そういう世界情勢も考えれば、今FRBは大体年三回ぐらい利下げするだろうというもう相場観ができていますね。さあ、日本銀行どうするんだ。いかがですか。
  45. 黒田東彦

    ○参考人(黒田東彦君) 御指摘のとおり、最近の海外経済につきましては、米中間の貿易摩擦の影響、あるいはそれを含めた中国経済の動きなど、下方リスクが大きい状況にあるということは私どももそう見ております。こうした海外経済の動向につきましては、あしたからの金融政策決定会合においても当然政策委員の間でしっかり議論していく必要があるというふうに考えております。  その上で、一般論として申し上げますと、日本銀行は毎回の決定会合におきまして、経済、物価、金融情勢を踏まえ、物価安定の目標に向けたモメンタムが維持されているかどうかを点検しながら金融政策を運営しております。日本銀行としては、海外経済の変動が我が国の経済・物価見通しや二%に向けたモメンタムにどのような影響を及ぼすかという点も踏まえた上で、適切な政策運営に努めてまいる所存でございます。
  46. 渡辺喜美

    ○渡辺喜美君 前に私、逆イールド、長短逆転について御質問しましたところ、非常に楽観的な見通しを語っておられました、そのときは。アメリカの二年物国債と十年物国債の逆イールドが発生した。今、それどころではないんですね。御案内のように、FFレート二・二五から二・五の間ですか、で誘導目標やっている。ところが、十年物は何と二%飛び台ぐらいになっているんじゃないんでしょうか。これって相当不吉な予感がするんですが、いかがでしょうか。
  47. 黒田東彦

    ○参考人(黒田東彦君) 御指摘のとおり、米国におきまして、十年物国債の利回りがフェデラルファンドレートを下回っているということは承知しております。これが俗に逆イールドと言われることでございまして、過去、米国においては長短金利の逆転が起きた後に景気後退入りしたことがかなりありまして、一部で将来の景気後退リスクを指摘する声も聞かれるわけでございます。  ただ、昨今の長短金利の逆転現象につきましては、FRBのFOMC自体も、FRBの資産買入れによっていわゆるタームプレミアムが低下して長期金利の水準が押し下げられているということを勘案しますと、過去の経験則が当てはまるとは限らないというふうに言っております。  いずれにいたしましても、FRBは、米国の経済・物価動向などを見極めながら、適切な金融政策運営を行っていくものというふうに考えております。
  48. 渡辺喜美

    ○渡辺喜美君 FOMCが、今日ですか、十八、十九にかけて行われる。FRBの決定次第ではECBも金融緩和に踏み切るだろうと読む向きが多いですよ。  そうすると、これ、日本銀行が今、イールドカーブコントロール、マイナス〇・二%をゼロにした、八十兆円の買取りを三十兆円まで減らしたというのは、もうこれ明らかに金融引締めであって、おまけに増税やるというわけですよ。もうこれ変えないと。再々延期があるんじゃないかと思っていたところが、もう延期なしで増税やると。財政も緊縮、金融政策も引締め、とんでもないことになりますよ。いかがですか。
  49. 黒田東彦

    ○参考人(黒田東彦君) このイールドカーブコントロールというものは二〇一六年の九月に導入したわけでございますけれども、これが引締め的ではないかという御指摘ありましたけれども、私どもはそのようには考えておりません。  二〇一六年九月の長短金利操作付き量的・質的金融緩和の導入以降、我が国の長期金利は海外の金利が大きく上昇するような局面でもゼロ%近傍で安定的に推移しておりますし、貸出金利も二〇一六年九月以降一段と低下しております。金融機関の貸出態度は引き続き積極的でありまして、貸出残高も拡大を続けております。  このように、イールドカーブコントロールの枠組みは極めて緩和的な金融環境をつくり出し、企業や家計の経済活動をしっかりとサポートしているというふうに認識しております。  いずれにいたしましても、先ほど申し上げたとおり、毎回の金融政策決定会合において、経済、物価、金融情勢を踏まえて適切な金融政策を運営してまいる所存でございます。
  50. 渡辺喜美

    ○渡辺喜美君 アメリカの長期金利が相当低下してきているというのは、恐らく米中貿易戦争というのが相当長期化するだろうということを織り込んできている可能性もあります。今月決着が付くのか付かないのか分かりませんけれども、これは相当覚悟して掛かっていかなければならない。それから、十月には合意なきブレグジットが起こる可能性が残念ながら高くなってきた。この辺りの評価をどうされておられるでしょうか。
  51. 黒田東彦

    ○参考人(黒田東彦君) まず、いわゆる米中貿易摩擦につきましては、米国政府が先月、中国からの輸入品に対する新たな追加関税を公表いたしまして、米中貿易摩擦をめぐるリスクは確かに高まっております。IMFも、先日、米中相互の関税引上げによって世界経済がどの程度下押しされるかについての試算を公表するなどしておりまして、こうした下振れリスクを注視しております。  また、英国のEU離脱に関しましても、メイ首相が保守党党首を退任するなど、今後の帰趨は引き続きなかなか見通し難く、不透明感の高い状況にあります。そうした中でも、英国とEUが新たにどのような経済関係を築いていくかは、世界経済にとって確かに極めて重要であるというふうに考えております。  こういったリスクにつきましても、明日からの金融政策決定会合においても政策委員の間でしっかりと議論していく所存でございます。
  52. 渡辺喜美

    ○渡辺喜美君 取りあえず、財政金融一体政策が今正念場に来ていると思いますね。  これは、もうとにかく日本銀行が追加緩和の手段がないなどと言わせないようにしていただきたい。麻生大臣には、令和が輝ける成長時代になるような、そういう政策を取っていただきたい。  令和というのは万葉集から取ったと。実は、万葉集というのは美しい和歌集というだけではないんですね。要は、当時の独裁的支配権を振るっていた藤原氏に対する、藤原氏が隠蔽した歴史、そういうものに対する告発の書であると古代史作家の関裕二さんは語っておられます。
  53. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 時間が参りましたので、質問をおまとめください。
  54. 渡辺喜美

    ○渡辺喜美君 今の藤原氏は誰か。財務省ですよ。ですから、このことを肝に銘じて、財政金融一体政策、やっていただきたいと思います。  以上、終わります。
  55. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 午後二時に再開することとし、休憩いたします。    午前十時四十六分休憩      ─────・─────    午後二時開会
  56. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、西田昌司君及び石川博崇君が委員を辞任され、その補欠として佐藤啓君及び竹内真二君が選任されました。     ─────────────
  57. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に金融庁監督局長栗田照久君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  58. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  59. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 休憩前に引き続き、財政及び金融等に関する調査のうち、金融審議会市場ワーキング・グループ報告書等に関する件を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  60. 蓮舫

    ○蓮舫君 立憲民主党の蓮舫です。  麻生大臣、この日曜日の十六日に、都内で年金への不安を訴えた二千人規模のデモがありました。ニュースでも報道されましたが、御存じですか。
  61. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) テレビで見たかといえば、テレビで見たことはございません。
  62. 蓮舫

    ○蓮舫君 世の中、年金に大変敏感になっている、だからこそ、国会でこうやって議論をすることがとても大事になっていると思うんですが。  麻生大臣は、この報告書が発表された翌日、四日、最初は、人生設計を考えるなら手伝ってやる、今のうちからいろいろ考えていかなければいかぬと肯定する発言。その三日後の六月七日、表現が不適切と言いながらも、撤回はしていません。その後の十日の決算委員会で、私の質問に対しても撤回はされていません。ところが、その翌日の十一日、いきなり突然、受け取らないとなりました。こうした大臣の対応が年金の不安をあおったという御自覚はおありですか。
  63. 麻生太郎

    ○国務大臣麻生太郎君) 年金の不安をあおったという自覚はありません。年金を、私はこの一連の、あおるのではなくて、逆にこういった話をこのままずっと置いておく方が不安を更にあおるのではないかと思ってやらせていただいたんですが。  御指摘の六月四日の会見では、老後の資産形成について、私自身の問題意識についての御質問でしたでしょう。したがいまして、高齢化社会におきましては、個々人がしっかりと自らの人生設計を考えて、金融サービスとかそういう提供をする人はその手伝いをしていくといったことを考えながら行動していかなきゃならないという基本的な考え方をこのときしゃべっております。  一方、この報告書につきましては、あたかも公的年金だけでは生活費として月々五万円不足するかのように述べておりますので、世間に著しい誤解と不安というものを与えたというので、これまで政府の取っております政策スタンスとは違うということになろうと思いますので、このため、七日の記者会見でも、表現自体が不適切である旨を申し述べさせていただきましたと同時に、公的年金が老後の生活設計の柱であり、持続可能な制度をつくっているという見解もこの際はっきり述べさせていただいております。  しかし、その後も公的年金が老後の収入の柱ではないかのような誤解や不安が国民の皆様に広がっていると、状況は変わらなかったので、こうした誤解や不安を一日でも早く払拭するために必要な対応として、十一日の記者会見で、担当大臣として正確な報告書としては受け取らない旨をはっきりさせたということでありまして、今申し上げられたようなことを考えているのと逆な方向で考えさせていただいておりました。
  64. 蓮舫

    蓮舫君 十日時点でこの報告書をお読みになられていませんでしたが、その後、読まれましたか。
  65. 麻生太郎

    ○国務大臣麻生太郎君) この三十ページにわたる報告書のことでしょうか。  読ませていただきました。
  66. 蓮舫

    蓮舫君 読んだ上で、不適切な記述はどこですか。
  67. 麻生太郎

    ○国務大臣麻生太郎君) この中で、例えば十ページに残っておると思いますが、まず十ページのところで毎月の赤字額と、まず赤字と書いてありますが、赤字額は五万円となっている、この毎月の赤字額は自身が保有する金融資産より補填することとなるという表現とか、そういった表現がまず一番最初に不適切と思ったところであります。  また、二十一ページの後段のところで、長寿化に伴い資産寿命を延ばすことが必要ということで、不足額の総額は単純計算で一千三百万から二千万円になるということで、これは、この金額はあくまで平均の不足額から導き出したものでありということが書いてあると思いますけれども、長く生きることに応じて資産寿命を延ばすことが必要になってくるものと考えられる等々、いずれもその後の説明につきましては、当然不足しない場合もあるとかいろいろ書いてありますけれども、いずれにいたしましても、こういったような表現は、今申し上げましたように、いわゆる不安とか誤解とかを与えることになるということだと存じますが。
  68. 蓮舫

    ○蓮舫君 不足五万円というのが誤解や不安を与えた、これ、衆議院の大串さんの質問にもそのとおり答えているんですが。  資料に付けさせていただきました。資料一枚目、これは総務省の統計局の家計調査年報二〇一七年、家計の概要です。これは、不足分五・五万円とここには明示してあります。つまり、政府の姿勢そのものじゃないんですか。
  69. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) この資料は、この資料だと思いますが、これは、私どもの資料、出さしていただいたものの資料では、不足という資料は使っていないと思うんですね、この資料は。この額のところはこっちの資料だと思いますので、こちらの資料のところでは貯蓄等で対応と書いてありまして、不足と書いてあるところはないんだと、違うと、そこは異なっていると存じますが。
  70. 蓮舫

    ○蓮舫君 いや、総務省の資料では不足と明確に書いてあって、金融庁のワーキング・グループのところではそれを赤字と書いたのが不適切で、不足なのが不安を生んだというから大臣は受取を拒否をしたと。  二枚目の資料は、これは厚労省です。厚労省の今年二月の社会保障審議会の企業年金・個人年金部会で使われた資料で、これ全く金融庁のワーキング・グループで使われた資料と一緒なんですよ。だから、金融庁のワーキング・グループの報告書を取り消しても、厚労省でも総務省でも不足五・五万円と明示して、政府の方針そのものじゃないですか。
  71. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 私どもは、重ねて説明申し上げますが、月五万円というものは、家計調査におけます高齢者世帯の平均的な収入といわゆる支出の差、いわゆる貯蓄の活用の実態というものを示したものだと考えております。二千万円は、この額の、いわゆる五万円掛け三百六十か月分に相当する額を単純に計算した結果出されたものだと思っております。  高齢者のライフスタイルというのはもう御存じのように様々ですから、これらの数字を比較した単純な議論にはそもそも意味がなく、ミスリーディングなんだというように私どもは考えております。  加えて、高齢者世帯が保有しておられます貯蓄や退職金を活用しているということには全然触れずに、公的年金だけでは老後の生活に月五万円、また三十年で二千万円不足や赤字であるかのように表現したということは、これは誤解や不安を招くということになったんだと思っておりますので、極めて不適切ということを申し上げております。
  72. 蓮舫

    ○蓮舫君 四枚目の資料を付けさせていただきました。厚労省の資料に基づいて試算をしたのが不適切。でも、一方で金融庁も試算をしていましたね。これは、四月十二日のワーキング・グループで金融庁が仮定と前置きをして試算を示しました。最大三千万円、資産形成額が要る。これは何ですか。
  73. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) この御指摘の資料は、これはワーキング・グループの議論の参考として、いわゆる退職後の支出と収入についての一定の仮定を置いた上で、仮にそのような生活を行った場合、どの程度の資産形成が想定されるかについての試算を行ったものであります。資料にもこれは記載がありますように、各個人によって退職後の支出及び収入は大きく異なるため、一律に必要な資産形成額を示すものではないと書いてあります。  いずれにいたしましても、今回の報告書は国民に著しく誤解とかいうものに加えまして、誤解が解けても不安が残れば意味がありませんので、不安を与えたということでは、公的年金は老後の生活をある程度賄うものであるとのこれまでの政策スタンス、政府の取っておりました政策スタンスとは異なるということでありまして、政府としては、我々といたしましてはこのような報告書というものは正式な報告としては受け取らないということを今回はさせていただいたということであります。
  74. 蓮舫

    ○蓮舫君 この報告書も私たちも、老後の年金が収入の大半、柱であるということは否定はしていないんです。この報告書も否定はしていません。一方で、否定をしたのは、その二千万円という試算が不適切だった。  一方で、金融庁が出しているのは掛け算じゃないんです。これは、六十五歳から三十年生きるときに九千万から一億一千万要る、そのうち、標準的な厚生年金が八千万円、それに私的年金や退職金やローンなどを加味をして三千万円ぐらいまで資産をつくらなきゃいけないんじゃないかという試算です。じゃ、これも不適切ですか。
  75. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) この資料は、最終的には金融庁の正式な資料にはならなかったと存じます。したがいまして、今のはその段階で、この文書は正式な、途中経過の文書をお持ちなところなのであって、これは正式な金融庁の公文書とはなっていないのであって、不適切であったとするならば……(発言する者あり)よろしいですか、しゃべらせていただいて。  いわゆる公的年金は退職後の生活をある程度賄うものであるという政策のスタンスと異なる主張をする意図があったものではありませんで、我々は、報告書にも記載されていない資料ではありますけれども、この資料が退職後に三千万円が不足するような誤解とか不安を招くものであれば、これも同様に不適切ということになろうかと存じます。
  76. 蓮舫

    ○蓮舫君 確認しますが、この報告書、ワーキング・グループの、大臣は受け取らないかもしれませんが、公文書じゃないですか。
  77. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 公文書として、いわゆるホームページ等に今全部載っておりますから、あれ別に受け取らなくても、それはその文書として残っていることは事実であります。私ども、それを取り消して全部隠蔽するつもりはございません。隠蔽するつもりはございませんから、そういう話があったという経過報告は載せてあるのをそのまま載せさせていただいておりますが、これを政府として、これを政策のいわゆる基にして、この資料を基にして新たに政策を検討するとかいうことを考えていないと、私どもはそのつもりはございませんので。
  78. 蓮舫

    ○蓮舫君 公文書ですね。公文書で、ホームページに今も載っている、誰もが見ることができる。それを受け取らないから、なかったものにすることができるんですか。
  79. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 私はなかったものにすると申し上げていることはないのであって、私どもとしては、この報告書というものはホームページに掲載しておりますので、公文書の隠蔽をしているつもりは全くございませんので、そのまま載っておるというのは事実であります。
  80. 蓮舫

    ○蓮舫君 去年は、改ざんして隠蔽して、今度は、あるものをなかったとして、隠蔽するつもりはないから公文書だけど受け取らないで、政府の方針とは違うと。ちょっと何言っているか全然分からないんですけれども。  厚労省に聞きます。  人生百年時代において、年金受給を、今の六十五歳よりも、六十七、六十八、六十九、更に引き上げていくことを決めましたか。
  81. 上野宏史

    ○大臣政務官(上野宏史君) 決めたという事実はありません。
  82. 蓮舫

    ○蓮舫君 じゃ、高所得者について基礎年金の給付を停止をする、それで高齢化で増加する国庫への負担を軽減すると決めましたか。
  83. 上野宏史

    ○大臣政務官(上野宏史君) 決めたという事実はありません。
  84. 蓮舫

    ○蓮舫君 どちらも政府スタンスではありません。  六十五歳以上に年金受給年齢を引き上げる、高所得者の基礎年金はなくす。これは、麻生財務大臣が諮問をした財政制度等審議会の大臣に対する財政健全化に関する建議です。こちらでは政府と違うスタンスの中身が書かれているものは受け取っている、一方は受け取らない。この二重基準、どこにあるんですか。
  85. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 私が申し上げておりますのは、この騒ぎ、一連の不安、誤解等々いろんな話が起きておりますから、少なくとも私どもは、こういったようないろいろ誤解やら不安というような話というものが広がるという状況を私どもは一日も早く、これは違いますので、事実と、そういった意味では、きちんとするために、こういった話をこれ置いておいたまま、これが公式文書として今後使用されていくような形になるということは、私どもの政府の方針とは基本的に違っておりますので、違った記載になっておりますから、我々としてはそこのところをきちんとしておく必要があろうというのがまず基本的な態度です。  その上で、これをこのまま、文書として隠蔽するつもりはありませんけれども、これを基にして更に議論を進めていくかのような話になるのはいかがなものかと、私どもはそう思いましたので、この際、こういった文書は受け取らないということを申し上げております。
  86. 蓮舫

    ○蓮舫君 政府の方針とは違う、政府スタンスとは違う、国民に誤解を与える、両方一緒なんですよ、二千万円足りない、三千万円足りないとして、なかったことにしたワーキング・グループの報告書と。それと、六十五歳よりも年金給付年齢を上げていく、高所得者の基礎年金はなくしていく、これも誤解を生みますよ。でも、その報告書は受け取っている。受け取る、受け取らない、この基準の違いは何ですかと述べているんです。
  87. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 重ねて申し上げるようで恐縮ですけれども、今回の一連の話というものにつきましては、明らかに我々は、五万円という資料を提出されたのは厚生労働省、その後それを掛け算して出した二千万というようなものを出したのは金融庁、そしてその結果としていろんな形で不安を招くような形になったという形になっておりますから、そういった意味では明らかに、内容は、これページ読まれたんだと思いますが、いろいろいいことも書いてあるんだと思いますが、全体としてこれが、導き出した結論が、いかにも五万円不足とか二千万円の預金がなければというような話で生活不安をあおるというような形になったというところが我々としては全く意図するところとは違いますので、私どもとしては、今回はこのような形で意見をそのまま上に上げてこられても私どもとしては受け取ることはできないということを申し上げております。
  88. 蓮舫

    ○蓮舫君 有識者に諮問をして受け取った報告書というのは、極めて専門性が高いんです。受け取った時点で当時の政府のスタンスとは違ったとしても、今後の政策をつくっていくときの大切な軸になるんです。それを、時々の都合の良い、都合の悪いで、あったものにする、なかったものにするという、これは二重基準で、むしろ政府の信頼あるいは年金の信頼を失墜させると私は思っています。  確認ですけれども、このワーキング・グループの報告書、二千万円の記述以外の方向性は政府の方針ですか。
  89. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 一番の問題は、全体として不安を招いたというところが最大の問題なんだと思いますが。  私どもとしては、年金というものは、老後の生活の安定とか安心とかいうもののためにこういった年金という制度をつくり上げたんだと思っております。したがいまして、高齢化が更に進む、少子化が進んでいくという状況ではということで平成十六年度に変更をさせていただいた、改正をさせていただいた。その背景もそういったところにありますので、安全、安心、そういったもののためには、こういったものがきちんと理解をされないまま別の方向なものに導き出されるような書きぶりになっているところが問題なんだと、私はそう思っております。
  90. 蓮舫

    ○蓮舫君 いや、不安をあおったのは、あるものをなかったとした麻生大臣の姿勢ですよ。そこがあおっているんじゃないですか。記述がどうとかじゃない。本来だったら、受け取って、二千万円が誤解だったら説明をして、それでも不安がなくならないんだったら、国会、予算委員会を開いて審議をして前に進めていくのが政治じゃないですか。それがないからおかしいと指摘をしているんです。  今、記述がおかしいと言いました。この老後、人生百年時代だから足りなくなってくるリスクがあるから、年金は収入の柱だけれども賄えなくなるリスクがあるから、私的年金等の投資をしようという方向性になっているんですね。その方向性は政府のスタンスですか。
  91. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 私どもは、金融庁の立場といたしましては、少なくとも、日本の年金に限りませんけれども、個人が持っている預金、そういったようなものの内容が、現預金の比率が極めて高いと。先進国の中で最も高いのが、現預金が一番高いのは日本ですから、そういった意味では、むしろ資産等々でということで、つみたてNISAとか、いろんな形でいろんなものを勧めておりますのは事実であります。  そういった方向に私どもとしては、預金というものは極めて金利水準も、昔みたいに五%、六%付く時代ではありませんから、そういった意味では、私どもとしては、もっと安全な資産というものを持たれたらいかがですかということを申し上げてきているのは事実であります。
  92. 蓮舫

    ○蓮舫君 そうすると、この報告書の全体の流れというのは政府のスタンスなんですね。  これで、最後、安心の資産、預金は金利も低いから、そうじゃなくて運用していくことを丁寧に勧めて、それで金融関係の方々への注意喚起も行っている、よくできたその部分では報告書だと思っているんです。  その中で勧められているのは、iDeCo、個人型確定拠出年金ですね。元々国民年金の二階建て部分を賄う私的年金なんですが、その後法改正が行われて、厚生年金加入者も共済年金加入者も入れるようになった。それを政府は税制優遇で推奨してきた。  このiDeCoのホームページを見ると、資料三に付けさせていただきました。ホームページトップ、iDeCoの特徴は、高齢無職世帯の収支差五・五万円と、金融庁報告書と全く同じ指摘から始まり、だから投資をと促して国の税制優遇の説明。つまり、この報告書はiDeCoの書いてある説明と全く一緒なんです。報告書そのものをなかったことにはやっぱりできないと思いますが、いかがですか。
  93. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) この報告書はなかったと言うつもりもございませんから、私どもはそのままホームページに載せてありますと申し上げております。したがって、隠蔽するつもりも全くありませんし、そのまま載せてありますのはもう御存じのとおりであります。  ただ、私どもが申し上げているのは、今回出されたこの報告書の内容につきましては、今のところのいい部分はあるかもしれませんが、全体として言われることは、月々五万円不足する、二千万円の預貯金がなかったら生活できないかのごとき誤解を与えかねないような不安をあおったというところに、全体の記述が最終的にそこに帰結しているように思われる、そういったものは私どもとしては受け取るわけにはいかないということを申し上げております。
  94. 蓮舫

    蓮舫君 リスクがあるから、iDeCo等を活用して私的年金、あるいはいろいろな投資をして備えましょうという方向は政府のスタンスなんです。  ところが、二年前なんですけれども、大臣は、二〇一六年六月十七日、北海道小樽市の自民党支部の会合で、金は使わなきゃ意味がないと発言しています。これ、九十歳になって老後が心配と訳の分からないことを言っている人がテレビに出ていて、いつまで生きているつもりだよと思ったと、この発言が大きく報道されたんですが、ここで大臣は、金は使わなきゃ何の意味もない、金ってそういうものだと持論を展開されました。今でも高齢者に金は使えという、その持論ですか。
  95. 麻生太郎

    ○国務大臣麻生太郎君) お金というものは、私どもは昔からずっと申し上げておりましたが、これは見るものでも触るものでも眺めるものでもないと思っております。私は、お金は使われてしかるべき、金は天下の回り物だと子供のときから教わりましたんで、私どもはそう思っておりますんで。  この当時の文脈を見ていただければお分かりになると思いますが、経済の浮揚には消費拡大が必要という文脈の中でしゃべっておりますよね、前後は捨象されておられますけど。全世帯の四分の一を占めております高齢化世帯というものが過度な将来負担を持たずに積極的に消費をしていただけるよう意識を切り替えていくことが重要でありということもしゃべっておると思いますが、そのような環境を整えるべきとの趣旨で申し上げたものであって、高齢者をいかにも侮蔑しているような言い方に聞こえますけど、そのようなつもりはございません。
  96. 蓮舫

    蓮舫君 消費をどうやって伸ばしていくのか、GDPの六割を占めていますから、それは与野党問わず努力をしなければいけないところだと思うんですけれども、政府の方針としては、まずはこの報告書の軸もそうなんですけれども、節約しろ、ためろ、長く働け、これむしろ消費を冷やすと思っているんです。  そうじゃなくて、消費を伸ばすためには、やっぱり将来の安心の社会保障をしっかり充実させる、審議をする、議論をする、不安を潰していく、安心に変えていく、そのことによって初めて消費が生まれると私たちは考えているんで、そこはもう大臣と違う考え方のところなんですけれども。  ところで、確認をします。政府の方針として、年金、百年安心なんですか。
  97. 麻生太郎

    ○国務大臣麻生太郎君) 基本的に、我々は、この制度というものは百年間安心というのを大前提にして、そのかなりの部分を年金で賄える、全部が全部というわけではありませんけれども、かなりの部分を賄えるという前提でこの百年制度というのを平成十六年か何かにさせて、十七年か、させていただいて、百年安心というのは、そのとき年金制度の破綻というのがよく言われている頃でもありましたので、私どもは、平成十六年度に導入させていただきましたマクロ経済スライド等々の仕組みなどによって年金の持続可能なということが確保されたというためなんだということだと思っておりますんで、百年の年金制度というものが安心がうそだったんではないかというようなつもりは全くございません。
  98. 蓮舫

    蓮舫君 いや、ちょっと途中で論調が変わりました。前段の部分では百年安心というのはかなりの部分が賄える、つまり年金をもらえる側にとっての安心なんですか。
  99. 麻生太郎

    ○国務大臣麻生太郎君) 度々この話もさせていただいておりますが、年金というものの制度の安心もありましょうし、年金をもらわれる方のかなりの部分が安心できるということを申し上げていると思いますが。
  100. 蓮舫

    蓮舫君 二〇〇九年四月二十七日参議院本会議、麻生総理大臣の答弁です。政府として百年安心と公式にうたったことはありませんと明言しています。  つまり、二〇〇四年、平成十六年の年金法改正は、百年程度を見通して、長期的な給付と負担の均衡が維持される仕組みにした、それ、仕組みの説明なんです。一方で、受け取る側が百年安心とは違うと切り離してきているんです。それは今の説明と矛盾しますが。
  101. 麻生太郎

    ○国務大臣麻生太郎君) 百年の年金、百年という意味の制度としてまず間違いないというのが一点。もう一点、もらわれる側の立場にとりましても、かなりな部分のものが賄えるという表現をずっと使わせていただいていると思いますが。
  102. 蓮舫

    蓮舫君 そもそも、今の年金制度は持続可能性があると大臣はお考えですか。
  103. 麻生太郎

    ○国務大臣麻生太郎君) あると思っております。
  104. 蓮舫

    蓮舫君 二〇〇八年三月号の月刊誌、その五月には夕刊紙の連載で麻生大臣は同じ主張を展開しています。政府がどんなに百年安心とうたっても、自戒を込めて言えば、もはや信用する人は誰もいないのだ。今もこのお考え。
  105. 麻生太郎

    ○国務大臣麻生太郎君) 安心する人の数が少ないという当時の話だったと思いますので、私どもとしては、そういったことを言う人がおられますけれども、私どもは、それを解消するために平成十七年度の改正をさせて、十七年か、の改正をさせて、十六年か、の改正をさせていただいたんだというように理解しております。
  106. 蓮舫

    蓮舫君 済みません、平成十六年の改正からこれ四年たっているんです。時差がありますよ、間違えていませんか。つまり、百年安心の改正をして四年たって、自戒を込めて言えば、もはや百年安心を信用する人は誰もいないのだと限定しているんですよ。
  107. 麻生太郎

    ○国務大臣麻生太郎君) おかげさまで、その四年間の間に積立年金というのは、御存じのように、年金の積立金の話ですね、GPIFの話ですけど、四十四兆円増えております、御存じかと思いますが。  蓮舫議員のときにはこれ何兆円増えたんだか知りませんけれども、少なくとも前の内閣のときに比べてこれ十倍ぐらい増えていると思いますが、そういった意味では、かなりのものができ上がりつつあるのは確かだと思っておりますが。
  108. 蓮舫

    蓮舫君 いや、直近では十四兆溶けていますよ。それは長い目で見なければいけないから、そこは自画自賛するところじゃないんです。  つまり、ここで、月刊誌で麻生さんがおっしゃっているのは、国民皆年金はもはや死語、未納問題の解消は難しい、年金財政は破綻していると指摘しているんです。GPIFのことなんか一行も、一言も触れていません。今も同じ認識ですか。
  109. 麻生太郎

    ○国務大臣麻生太郎君) 基本的にそのような今の私の気持ちを聞かれれば、私は今、年金が破綻すると思っていることはございませんし、そういった意味で、少なくともGPIFの増え方を見ましても、間違いなく今、年金はより安心なものになってきていると思います。
  110. 蓮舫

    ○蓮舫君 私、麻生大臣が当時提言をされた内容を否定はしていないんです。一つの考え方だと思っています。つまり、基礎年金全額税方式を提案しているんです。基礎年金部分を消費税で賄う、そうすると、国民年金保険料は払わなくて済むようになる、厚生年金のサラリーマン負担もなくなる、企業の事業主負担もなくなる、その分、賃金に上げられるんじゃないか、そうなると、消費増税しても金は使われるんじゃないか。  こういうことを堂々と提言していこうという、私、これは、年金百年安心の不安が渦巻いてる中で一つの、一つの持論だと思っているんですが、この論文を発表した直後に麻生さんは総理大臣になられた。でも、年金改革はやられなかった。なぜですか。
  111. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) あのときの経済状況は何だったか御記憶かと思いますが、少なくとも、世界はリーマン・ブラザーズの破綻によって一挙に経済は金融収縮の方向に走っていった時代でありまして、とてもではありませんけれども、私どもとしては、たしかあのときは補正を三回組んだと思いますが、補正を三回組ませていただくという異常な事態でありましたので、私どもは、経済というものに関しては景気浮揚というものに全力を挙げたときだったというのが、その経済的な背景が一番大きな理由だったと記憶します。
  112. 蓮舫

    ○蓮舫君 リーマン・ショックで年金制度改革ができなかった、でも、今はアベノミクスがうまくいっていて、社会保障制度を立て直す消費増税の話も出ているのに、麻生副総理は自分の持論は全く出しておられません。非常に残念です。  年金制度というのはやはり抜本的に議論をしていくものだと思っているんですが、私たちとしては、例えば年金そのものを増やす仕組みが今できないのであれば、支出を何とか見直すということができるのではないかといって、マクロ経済スライドの影響が小さくなるようにと総合合算制度の導入を提案しました。医療、介護、教育、保育、障害に関する自己負担の合計額に上限を世帯で設定をして、低所得者の家計に過重な負担を掛けない制度設計なんです。ところが、安倍内閣はこの導入を見送りをした。なぜですか。
  113. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) これは三党合意もあったと記憶しますが、少なくとも、私どもは、今の話は厚生労働省の所管の話になろうかと思いますので、金融担当とか財政に聞かれても、ちょっと今の答えに、即答いたすことはいかがなものかと存じますが。
  114. 蓮舫

    ○蓮舫君 副総理としていかがですか。
  115. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 副総理でも担当しているところがございますので、所管のところに関しましては、いろいろなことに関して私どもがむやみに口出しているというように思われるかもしれませんが、そんなようなことはございません。
  116. 蓮舫

    ○蓮舫君 都合が悪いとあるものをなかったことにして、都合が悪いと担当が違うと縦割りを主張する。ちょっと余りにも誠実な対応ではないと思うんですけれども、私たちはこの総合合算制度の導入を提案しているけど、今の政権は、それを導入を見送ったのは、財源である〇・四兆を軽減税率の財源に回したからなんですよ。私は、やっぱりこれはおかしいと思っています。  そして、今、国民の年金に関する関心が高いのでしっかり議論をさせていただきたいんですが、厚労省、これ財政検証がまだ公表されていませんが、いつ出します。
  117. 上野宏史

    ○大臣政務官(上野宏史君) 財政検証については今事務的に丁寧に議論をしておりまして、その結果が出次第、公表するということにしたいと思います。
  118. 蓮舫

    ○蓮舫君 いつですか。
  119. 上野宏史

    ○大臣政務官(上野宏史君) 検討が終了次第、速やかに公表したいと思います。
  120. 蓮舫

    ○蓮舫君 五年前の財政検証では、経済再生ケースで実質GDP成長率をかなり高めに設定をして、実際には平均でも追い付いていません。賃金上昇率も足下の実績とは離れています。実態を表す数字を置かないと年金財政に大きな影響が出ます。  これ、政務官、選挙の前ですか、選挙の後ですか、出すのは。
  121. 上野宏史

    ○大臣政務官(上野宏史君) 繰り返しになりますけれども、現在作業中でありまして、丁寧に議論した上で、結果が出次第、速やかに公表したいと思います。
  122. 蓮舫

    ○蓮舫君 麻生財務大臣、財政審も、財政検証の内容は保守的な経済前提を置くことを含めて国民を説得できる試算結果を示すことが必要。大臣からも、厚労省に一日も早くこれを出していただく、百年安心かの点検をしなければいけませんから、それを早急に要請していただけますか。
  123. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 財務大臣として、厚生労働大臣にそれを要求しろと言っておられるんですか。
  124. 蓮舫

    ○蓮舫君 財政審として政府に要請が、財務大臣に答申されています。当然、その役割を担っておられます。
  125. 麻生太郎

    ○国務大臣麻生太郎君) この話につきましては、私ども、受け取らないと言ってきました後、財政審の間で今から新たな議論をされるんだと存じますが、それがいつどのような形でされるかについて、私どもは今の段階で存じていることはございません。
  126. 蓮舫

    蓮舫君 いや、去年の財政審の諮問結果で既にこれは出されているんですよ、政府に強く要請すると。
  127. 麻生太郎

    ○国務大臣麻生太郎君) 今の質問、先ほどと同じだと思いますが、厚生労働省の方の所管になりますので、厚生労働省でそれを検討されるということじゃないでしょうか。
  128. 蓮舫

    蓮舫君 違います。平成三十年十一月二十日の財政審が、三十一年度予算の編成に関する建議で財務大臣に出しているんですよ、年金の財政検証の内容は保守的な前提を置けと。それは、受け取った財務大臣としては、政府の中で調整をする仕事をするのが仕事じゃないですか。
  129. 麻生太郎

    ○国務大臣麻生太郎君) 今言われましたことは、私ども、財政審というか金融庁というか、財政審の中において厚労省含めていろいろ検討していくという、金融庁だけでやっているわけではございませんので、厚生労働省と一緒にその種の、財務大臣として、済みません、財務大臣として厚生労働省と一緒に検討させていただくということだと存じますが。
  130. 蓮舫

    蓮舫君 この二〇〇八年の月刊誌の最後のまとめで麻生大臣は、政治家官僚の関係で、官僚にも優秀な人がたくさんいる、国民の代表たる政治家は使用者で、官僚内閣の使用人、使用者が使用人の悪口を言っているようではその組織はうまくいかない、使用人を使いこなせない政治家が悪いと。  今回の報告書では、今日冒頭で金融庁の担当者が、配慮がなかったと謝罪とおわびをしました。取りまとめに当たった責任は役人に押し付けて、自分は謝罪もおわびもしない。当時自分が言っていたことと真逆なことを今担当大臣としてされていますが、改めて最後に伺います。謝罪をするおつもりありますか。
  131. 麻生太郎

    ○国務大臣麻生太郎君) 今回、申し上げましたように、この点につきましては、先ほどもというか、この間も申し上げましたけど、金融庁も真摯に反省しており、国会の場でもおわびを申し上げているところでもありまして、私の方からも、この種のことが問題になるような、不安をあおるような結果になったことに関しまして、私どもとして、今後、政策遂行の参考としないと判断してこの報告書を受け取らないということにさせていただきましたけれども、私といたしましては、本件について役人だけに責任を押し付けているというような考え方はございません。
  132. 蓮舫

    蓮舫君 いかにも押し付けています。そこはもう一度よくお考えになったらいいかと思います。  終わります。
  133. 古賀之士

    ○古賀之士君 国民民主党新緑風会の古賀之士です。  済みません、まず資料の七、御覧いただきたいと思います。今日は多くの質問をさせていただきますので、短いお答えで簡潔にお願いをいたします。  資料七、今日のこれ日経新聞ですが、アパート施工のTATERU、国交省から業務停止処分を受けると報じられております。  資料の八、御覧いただければと思いますが、西京銀行第三者割当ての中に、線引っ張ってあるところに株式会社インベスターズクラウドとあります。これが現在のTATERUであります。融資のこの様々な問題を含めますと、このTATERUと当該銀行というのはかなり親密な取引先、深い関係にあったということが理解できると思うんですが、融資の条件として、TATERUとアパート管理委託契約を結ぶよう念書を書かされたという顧客もいると。  資料の九、もう一枚めくっていただきたいんですが、当行行員の関与はないと当該銀行は話しておりますが、金融庁としてこれ検査を行っていたんでしょうか。それと、新たな処分を行う考えというのはおありでしょうか。
  134. 栗田照久

    政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。  個別金融機関に関する検査の実施状況ですとか監督対応についてコメントすることは差し控えさせていただきたいと存じますけれども、金融庁におきましては、投資用不動産向け融資に係る管理体制につきまして横断的なアンケート調査を行い、検査も活用しつつ、深度あるモニタリングを実施することとしております。  こうしたモニタリングを通じまして、銀行の業務運営体制ですとか法令遵守、あるいは顧客保護に関して問題が確認されれば、必要に応じ適切な監督上の対応を行ってまいりたいというふうに考えてございます。
  135. 古賀之士

    ○古賀之士君 是非、それこそ顧客の不安ですとか、新たに融資を受ける方々、こういった方々が健全な金融機関と一緒になって関係が結ばれることを切に希望しておりますので、よろしくお願いをいたします。  では、次は政府税制調査会についてお尋ねをいたします。  資料、一番最初の一、御覧いただければと思います。  政府税調では、六月の十日、第一回老後の資産形成等に関する専門家会合が行われているなど、老後の資産形成に関する公平な税の在り方を検討していると聞いております。具体的には、これどのようなことが課題となっているんでしょうか。また、金融審ですね、最近ずっと問題になっておりますけれども、この報告書と連動したものと考えていいのでしょうか、財務省参考人に伺います。
  136. 星野次彦

    政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。  所得税に関しましては、三年余り前、平成二十七年の十一月に政府税制調査会におきまして論点整理を取りまとめまして、特定の企業に所属しないフリーランスなどの新たな働き方が増加するなど、いわゆる働き方の多様化といった経済社会の変化に対してできる限り公平な税制とするべく、諸控除の一体的な見直しなどの改革を進めてきたところでございます。  そして、委員御指摘の老後の備えに関する税制につきましても、我が国の現状を見てみますと、確定給付企業年金、それから企業型確定拠出年金、個人型確定拠出年金といった仕組みがそれぞれの制度趣旨に応じまして段階的に整備拡充されてまいりましたが、近年、働き方やライフコースが多様化する中で、働き方の違い等によって税制の適用関係が異なるということ、また、各制度それぞれで非課税枠の限度額管理が行われているなどの一定の課題もあると認識をしているところでございます。  このため、働き方やライフコースの違いなどによって有利不利が生じにくい、できる限り公平な税制としていくことにつきまして、昨年秋、政府税制調査会におきまして議論を開始していたところでございます。
  137. 古賀之士

    ○古賀之士君 つまり、金融審の報告書と連動したものではないという理解でよろしいんですね。
  138. 星野次彦

    ○政府参考人(星野次彦君) ただいま申し上げましたとおり、こうした政府税調の議論、金融審の報告書と連動したものなのかというお尋ねでございますけれども、三年余り前から税制における検討が進められてきた働き方の多様化等に対して公平な税制を目指す所得税改革の一環ということでございまして、御指摘のような金融審のワーキング・グループの報告書と連動して行っているものでは全くございません。
  139. 古賀之士

    ○古賀之士君 それでは、それに関連しまして、資料の二をおめくりいただきたいと思いますが、老後の生活等に備える資産形成を支援する公平な制度のあり方等に係る海外調査が行われたとございます。この調査の報告書というのはいつ頃出てくるんでしょうか。
  140. 星野次彦

    ○政府参考人(星野次彦君) 御指摘の海外調査は、ただいま申し上げた政府税制調査会におけます老後の備えに関する公平な税制の在り方の議論を行うに当たりまして、政府税調委員から、まずは検討の参考として諸外国の調査を行ってはどうかとの御提案がありまして、本年四月末から五月上旬にかけて、北米と欧州において、働き方の多様化の下で企業年金、個人年金等に関してどのような税制上の工夫を行っているかに主眼を置きまして政府税調委員が調査を行ったものでございます。  この海外調査につきましては、六月十日の政府税調の専門家会合において調査を行った委員から調査の概要が報告され、その場で他の委員から出た指摘も踏まえまして、事実関係の確認も含めて更に精査を行い、報告書の取りまとめに向けて作業を進めることとされたところでございます。  報告書の取りまとめの時期につきましては、調査を行った政府税調委員を中心としてこれから取りまとめに向けた作業が進められるところでありまして、現時点で確たることを申し上げることは困難ではございますけれども、六月十日の専門家会合では、出張を行った委員から、諸外国では、働き方やライフコースの多様化が進む中、各種企業年金、個人年金に共通の非課税拠出限度額を設けるなど、働き方によって税制支援に大きな違いが生じないよう配慮する仕組みが整備されているといった事例が紹介されたところでございます。
  141. 古賀之士

    ○古賀之士君 もう少し具体的にちょっとだけでも教えていただきたいんですけれども、何せ、先ほど星野参考人がおっしゃったように、日本の場合は様々な確定拠出年金があったりiDeCoがあったりしますので、今おっしゃられた目的が企業年金、それから個人年金、こういったものに関するものでしたら、日本が参考にできるようなものが、何か具体例、一つでもいいので、概略、あったら教えていただけないでしょうか。
  142. 星野次彦

    ○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。  今委員から御指摘ありましたとおり、日本の制度というのは、確定拠出年金、確定給付年金等々について、どういった働き方をしているかということによって制度の利用可能性、また限度額について区々に分かれているわけでございますけれども、先般行った調査によりますと、例えばイギリス、カナダですとかアメリカでは、先ほど申し上げたように、各種の企業年金、個人年金に共通の非課税拠出限度額を設けるといったような横断的な仕組み、働き方によって税制支援に大きな違いが生じないように配慮する仕組み、こういったものが整備されているといったところが日本の制度と違っているということでございまして、こういった事実関係について更に精査をしていきたいというふうに考えております。
  143. 古賀之士

    ○古賀之士君 後ほどまたそれについては御質問させていただきますけれども、日本よりも海外の方がよりシンプルで分かりやすく、例えば掛金なども一定というか、ばらばらではないというようなイメージをお持ちのようですので、是非今後の参考にされてください。よろしくお願いいたします。  ただ、資料の三をちょっと御覧いただきたいんですが、政府税調のホームページを見ますと、専門家会合の資料一覧の中に、一部の会議資料を掲載する予定はありませんと書かれておられます。なぜ会議資料を掲載しないんでしょうか。金融審の騒動の直後だけに、これはあらぬ疑いが掛かるかもしれませんので、是非これお答えいただきたいと思います。
  144. 星野次彦

    ○政府参考人(星野次彦君) 六月十日の専門家会合の中で、海外調査を行った委員から調査の概要を御報告いただいた上で、委員間で制度の詳細や実務の運用の確認といった技術的なやり取りを率直に行っていただいたところでございます。これは海外調査の報告書の作成に向けた準備作業という位置付けでございまして、この場で各委員から出た指摘も踏まえまして、今後、報告書の取りまとめに向けて、更なる事実関係の確認も含めて作業を行うこととしております。このため、現時点において更に精査が必要である海外調査の資料は非公表としたところでございます。こういった取扱自体は、金融審の報告書をめぐる状況とは特に関係はございません。  いずれにいたしましても、海外調査の報告書につきましては、政府税調において取りまとめられた際にしかるべく公表されるものと承知をしております。
  145. 古賀之士

    ○古賀之士君 わざわざホームページに書かれてあるぐらいですから、そこは信用したいところなんですけれども、今が今だけに、できるだけオープンにといいますか、公表できるものは公表していただければと思っております。  お待たせをしました、財務大臣に伺います。  全体として、今税調でも更なる今度新しい取りまとめなども行う予定でありますけれども、これちょっと大きなテーマになり過ぎるかもしれませんが、老後の資産形成に関して、税の在り方というものに関しては、大臣は現状どのようにお考えでしょうか。
  146. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) これは今星野参考人の方から答弁もありましたけれども、所得税とかいろいろあるんですけれども、所得税について平成二十八年の政府の税制調査会でこれ論点整理を行ったときに、フリーランスなど多様化が進む働き方に対してできる限り公平な制度とするべく、諸控除の見直し、いろいろな控除の見直しなどの改革を進めていくということをやってきたのは御存じのとおりであります。  したがいまして、古賀先生御指摘のとおり、老後に備えますいわゆる企業年金とか、また個人年金とか、いろいろそういった税制につきましても、これはいろいろ今働き方が変わってきていますので、そういった意味では、ライフコースとかいろいろな表現をしていますけれども、生き方、そういったものの違いや多様化が進むという中で、どのような働き方を選んだ場合でも、この働き方だから税金が高くて、こっちだったら税金が安いとかいうのでちょっと仕事を選択するというのはいかがなものかという感じも私ども率直にいたしますので、同じような老後に向けた備えを行うことができるというように、公平というんですかね、公平な仕組みにしていくというのが一番大事なので、これは、我々として考えなきゃいかぬ大事なところがこれだけいろいろ増えてきましたから。入社してから退職するまでずっと同じ会社の人がだんだんだんだん減ってくるというような時代でもありますし、副業なんという話も出てきておりますので。  したがいまして、昨年の政府税制調査会においていろいろあれを検討させていただくということで、先ほど御質問のあった海外調査というのをさせていただいて、たしか二班に分けて行ったと思いますけれども、年金とか、個人年金、企業年金ありますけれども、大きな違いが起きないような配慮がされているという例が、いろいろ仕組みとして事例が紹介されたと承知をいたしております。  したがいまして、こういった先進国というか諸外国の例を引きながら、我々としては、今後、日本の老後の備えにつきまして、いわゆる税制につきまして、働き方の違いによって公平、不公平が起きないというようなことにしていくように、そういった観点から引き続きこれを検討していかねばならぬところだと思っております。
  147. 古賀之士

    ○古賀之士君 御指摘のように、多様化という中で、例えば企業の場合ですと、定年制を採用しているのは、ある調査によればおよそ九割の企業だと、それが大体六十歳定年だと、そのうち、今度また六十五歳の定年制を採用しているのが一七%ぐらいだと言われているはずです。そういったことを考えると、まだまだこれから雇用の状況や退職の環境というのはどんどん変化をしていく。それに合わせた形で、あるいは先を見通した形でこれからの税調ですとかあるいは年金の対策を考えていかなければならないと私も思っておりますので、是非その辺をお願いをいたします。  ですから、逆に言うと、昨今話題になっていますその報告書ですけれども、受け取っていないというお話ですが、読まれたというお話もございました。ですから、例えば活用していく、全否定ではないので、あるいは必要な部分に関してはこれはちゃんと考えていかなきゃいけない、そういうおつもり、大臣、ございますか。
  148. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 度々、先ほど蓮舫先生でしたかな、何か質問の中にも出ていましたけれども、私どもはこれを隠蔽するつもりは全くありませんので、こういった報告書が出されたということはそのまま、ホームページにもそのまま載せてありますんで。私どもは、その中で、いろいろ書いてある内容というのは参考になるところもいっぱいありますんで、そういった意味では当然使わせていただくことになります。  ただ、何でこれを私が受け取らないかということを申し上げておりますのは、少なくともあの報告書をそのまま正式に上の審議会の総会決議で上がって、そのまま、その間また更に時間が掛かりますけれども、その間、この話がずっと不安をそのまま残したまま続いていくというのはいかがなものかというのが私の率直な実感でもありますんで、そこらはきちんとこういったものを基にして、私どもは、五万円不足します、千万円要ります、二千万円要ります、三千万円要りますという話をこのまま置いておくというのはいかがなものかということに感じましたので、この問題は受け取らないということを申し上げさせていただいておりますんで、全然別の観点からこういったものをきれいに整理して文章をきちんとされた上で、今言われたような点はきちんと残した上で、新たなそういったものをまたこの作業部会で作られる等々、いろんなことがこれから考えられるんだとは思っております。
  149. 古賀之士

    ○古賀之士君 分かりました。ですから、無駄にしないという言い方はちょっと言葉は荒いかもしれませんけれども、今後の参考にもされるし、必要な部分は活用されるという理解でよろしいですね。  では、そのワーキング・グループのことについて伺います。  金融庁の参考人に伺います。  ワーキング・グループの委員の選定というのはどのように行われているものですか。
  150. 三井秀範

    ○政府参考人(三井秀範君) お答え申し上げます。  金融審議会委員及びワーキング・グループの委員は、法令上、学識経験者のある者のうちから内閣総理大臣が任命すると、こういう立て付けになってございます。  このワーキング・グループの人選、具体的な人選でございますけれども、これは、議論のテーマに応じまして、金融審議会の会長がこのワーキング・グループの座長と相談の上、お決めいただいているということでございます。
  151. 古賀之士

    ○古賀之士君 つまり、委員というのは内閣総理大臣が委嘱をするという形でよろしいんですね、そうしたら。
  152. 三井秀範

    ○政府参考人(三井秀範君) お答え申し上げます。  最終的には、これ、内閣府の下に置かれた金融庁の審議会ということになりますので、そのようになります。
  153. 古賀之士

    ○古賀之士君 それでしたら、この一連の問題に関してのやはり内閣総理大臣、総理のやっぱり説明責任というのは必要になってくるんだと思います。  ちなみに、私どもが再三要求をしております予算委員会でございますけれども、衆議院では現時点では百九日間開かれておりません。参議院も八十四日間開かれておりません。通常の国会は、もう釈迦に説法ですが、百五十日間でございます。これ、どれだけ予算委員会が開かれていないか。しかも、金融庁の管轄ではありますけれども、総理が任命をされた、なおかつ、この様々な問題というのは、これからも質問させていただきますが、厚労省にも掛かっている、一部文科省にも経産省にも総務省にも。これは、やはり大きな一つ年金の問題というものを捉えていくと、やはり多くの閣僚も出席して予算委員会でしっかりと議論をしていく、審議を尽くしていくと、これがやはり筋だと思っております。これを一言付け加えさせていただきます。  では、その中でのメンバーについても一言申し添えておきますが、消費者サイドという方の立場、それから働く皆さんたちの代表という立場、それから実際の年金受給者の気持ちに立っておられる方、あるいは既にもう老人ホーム等の施設に入られている方、こういった方々のお声をきちんと反映できる方々が果たしていたのかどうか、こういったことも一つ今後の問題点として指摘をさせていただきます。  では、次は資料の四、御覧いただきます。  年金機構のアニュアルレポート二〇一七では、所得の全てが公的年金、恩給の高齢者世帯として五二・二%とあります。この黒い四角で囲ってあるところですね。公的年金の受給している高齢者世帯の五割を超える方が公的年金と恩給だけで生活していますと表現しています。この文章から、これ、当該世帯は金融資産の取崩しをしているように読めないんですね。つまり、もうそれだけで暮らしていると、これは事実なんでしょうか。それから、年金受給者の半分がもう年金だけで生活できているという理解でよろしいんでしょうか、厚労省の参考人に伺います。
  154. 高橋俊之

    ○政府参考人(高橋俊之君) お答えを申し上げます。  御指摘いただきました日本年金機構のアニュアルレポートの記述でございますけれども、このグラフのタイトルに公的年金、恩給が総所得に占める割合というふうに書いてございますように、公的年金、恩給を受給している高齢者世帯のうち、所得が公的年金と恩給だけの高齢者世帯が五割を超えていると、こういうことの表現でございます。  この数字は国民生活基礎調査の統計で前年一年間の所得の種類別に金額等を調査しているものがベースになってございまして、金融資産の取崩し額については含んでいないところでございます。
  155. 古賀之士

    ○古賀之士君 いや、普通に素直に読めば、これ所得の全てが公的年金、恩給で暮らせている方が五割以上いらっしゃるというふうに、これストレートに見ればそう思うんですけれども、じゃ、そうじゃないんですね。お願いします。
  156. 高橋俊之

    政府参考人(高橋俊之君) 確かに、この下のところの記述だけを見ますと少し誤解も招きやすいかなという感じがいたしますが、先ほど申し上げましたように、この表、五二・二という大きな数字の下、公的年金恩給が総所得に占める割合ということで、一年間の所得に対する割合ということで書いてある説明でございまして、貯蓄の取崩しというのは入っていないという説明でございます。
  157. 古賀之士

    ○古賀之士君 そういうふうに理解をされる方は、私は極めて少ないという印象を今持ちました。  じゃ、逆に言うと、所得の全てで実際に、いわゆる年金や恩給だけで暮らしている方というのは実際何%いらっしゃるんですか。
  158. 高橋俊之

    政府参考人(高橋俊之君) この調査は所得がどうなっているかという調査なので、残念ながら、貯蓄の取崩し額も含めてどういうふうに生活をしておられるかと、その現状につきましての調査というのがないわけなんでございますが、近いものでは公的年金加入状況等調査というのがございまして、六十五歳以上の方について現在どのような収入があるかというのが聞いてありまして、年金ですとか貯蓄、退職金の取崩しですとか、資産の運用とか自分で働いているとか、こういうのを複数回答、三つまでの回答をいただくような調査のスタイルというのはあるんですが、御指摘いただいたような割合がこの調査では出ていないものでございますので、今後よく現在の調査も参考にしながらいろいろな説明をしてまいりたいと考えてございます。
  159. 古賀之士

    ○古賀之士君 つまり、端的に言うと、現状、厚労省さんが持っているデータの中で、純粋に年金、恩給だけで生活しているデータはないという理解でよろしいですか。
  160. 高橋俊之

    政府参考人(高橋俊之君) 現状ではそのような集計はございません。
  161. 古賀之士

    ○古賀之士君 じゃ、どうやってほかの省庁さんは、年金のデータですとか、あるいはそれぞれの様々なデータの参考に、ほかの部分をされるんでしょうか。これは別に厚労省さんの今の参考人を責めているわけではなくて、今後の年金の在り方やそれから必要な情報データを取っていく上でこういうことが日常的にあれば、これは正直言ってどんどんどんどん数字が狂っていくんですね。そして、それが公文書となって、いつの間にか独り歩きをしていく。そして、タイトルだけ見れば、ワンワードの中で見れば、もう所得だけで生活している人、わあ、すごい、五割以上いるんだと思う方がやっぱり一般的だと思うんですよ。  だからこそ、こういうデータというものに関しては是非お取組をいただけないでしょうか。つまり、今後の年金を考えていく上で、老後を考えていく上で、資産形成を考えていく上で物すごく土台になるデータだと思うんですが、今厚労省さんはお持ちでないということが分かりましたので、検討していただけますでしょうか。
  162. 高橋俊之

    政府参考人(高橋俊之君) 御指摘の点は大変に重要な点だと思いますので、どういったことができるか検討してまいりたいと考えてございます。
  163. 古賀之士

    ○古賀之士君 もう繰り返しになりますけれども、だからこそ、やっぱり厚労省さんの場合は厚労大臣に出てきていただいてやっぱり御答弁をいただいた方がいいと思いますし、様々な面でも、やっぱりこの問題は総理始め全ての閣僚の皆さんたちが出席をされた予算委員会などでしっかりと審議をしていただきたい、そういうふうなことを改めて申し上げておきます。  それでは、時間もありませんのでちょっと質問を少し飛ばさせていただきますが、この報告書の中の三十二ページの中に、金融リテラシーの向上として、より一層取組を工夫、強化していくべきであるとしていますが、この点について質問させていただきます。  今日は文科省参考人にもお越しいただいております。  現在、学校においてどのような教育がこれ行われていまして、金融教育ですね、金融リテラシー、工夫、強化していくのか、あるいは学習指導要領に取り入れられているんでしょうか。
  164. 矢野和彦

    政府参考人(矢野和彦君) お答え申し上げます。  児童生徒が、各学校の段階におきまして、その発達の段階に応じて金融や契約に関する基本的な仕組みや考え方を身に付けていくことは非常に重要だと考えております。  現在、学習指導要領やその解説に基づき、経済における金融の仕組みや働き、契約の重要性とそれを守ることの意義、家計管理の重要性やリスク管理の必要性、クレジット、住宅ローン、保険、株式などの具体的な事例による生涯を見通した経済の計画への理解等について指導が行われているところでございます。  また、新しい学習指導要領におきましては、家庭科におきまして、小学校で売買契約の基礎について触れること、中学校でクレジットなどの三者間契約について扱うことを規定するとともに、高等学校におきましては、学習指導要領のこれは解説でございますが、家計管理の理解に際して、預貯金、民間保険、株式、債券、投資信託等の基本的な金融商品の特徴や資産形成の視点について触れるよう指導することを明記することなど、学習の一層の充実が図られているというところでございます。  文部科学省といたしましては、引き続き、各学校における金融教育の一層の充実が図られるよう努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。
  165. 古賀之士

    ○古賀之士君 ちょっと具体的にお尋ねしますが、例えば、今金融庁さんが一生懸命やっている例えばiDeCoですとか確定型の拠出年金などでの例えば投資信託とか、あるいは株という話が今出てきましたけれども、株は一体何年生で習うんですか。それから、投資信託とか、いわゆる実学としてそういったことを習うケースというのはあるんでしょうか。
  166. 矢野和彦

    ○政府参考人(矢野和彦君) まず、何年生で習うかということでございますが、これ今申し上げたのは高校の家庭基礎ということでございますので、高一、高二辺りでありまして、なおかつ、債券、投資信託、民間保険、株式等について触れるようにするということとされております。具体的な金融商品について特に言及しているものではございません。
  167. 古賀之士

    ○古賀之士君 ありがとうございました。  では、一方、職場におけるこういった金融教育というのはどうなっているんでしょうか、金融庁の参考人に伺います。
  168. 中島淳一

    ○政府参考人(中島淳一君) お答えいたします。  金融庁としては、きっかけがない、方法が分からない、時間がない等の理由から資産形成を始められない方々に対して、身近な場である職場で資産形成を学び、金融リテラシーを向上できるような環境を整えることが望ましいと考えております。  こうした観点から、職場において、例えば資産形成の意義や長期、積立て、分散投資及びつみたてNISAなどを学べる場を提供することについて、各府省、地方公共団体あるいは民間企業等に対し働きかけを行っているところであり、引き続きこうした取組を続けてまいりたいと考えております。
  169. 古賀之士

    ○古賀之士君 やはりお話を伺っていますと、実際机上の中ではいろいろ勉強されているようですけれども、実際に金融商品を買ったりとかしたりする模擬をやったり、あるいはそのリスクですとかを学ぶというのはなかなか難しいという現状があるようでございます。  そこで、随分前に私も質問させていただきましたけれども、麻生財務大臣もそれこそイギリス版をやられたことがあるというモノポリーですね。これ、モノポリーはもう八歳ぐらいからできるボードゲームですけれども、世界で三億セットぐらい売られております。この中には、何と十歳に満たない子供たちが抵当という言葉を使います。抵当という言葉があります。もちろんタックスという言葉もあります。税です。もう税のことも抵当のこともこれで勉強できるんです。この発祥の地であるところでは、これ使って算数をやり、町の歴史を習って、金融リテラシーをしっかりと勉強していく。しかも、これ地代を取ったりするわけですから、不動産関係もかなり詳しいことをやる。  それからあと、皆さんたちもやられたライフゲーム、人生ゲームですね。人生ゲームにも株という言葉がもう出てきます。それから、覚えていらっしゃいますか、赤いお札のような、あれ手形ですよね、手形ですよ。これ、学校で習わないんですよ。  今こそ、この百年安心とかそういう年金のことですとか老後のことを含めて学校の中で、麻生大臣、麻生大臣のところも地元でグループで学校を経営していらっしゃるじゃないですか。そういうところでも、やっぱり身近な存在としてこういう金融リテラシー、リスクを含めて、怖さも含めてやっていく。もっと言うならば、この財政金融委員会で、多士済々の方々がいらっしゃるわけですから、それこそ超党派の議連でもつくって、しっかりと幼い頃から金融教育をやっていく、金融リテラシーをやっていく、そういうことがやはり必要になってくると思いますし、そのためにはやっぱり党派を超えてやっていく。なおかつ、今働いていらっしゃる皆さん方のためにも、子供たちがそういうことをやっているんですよというところからでもいいのでやっていく。  そういう金融リテラシーをすることによって、もう正直な話、百年の安心の年金というのは、これについてもう本当に、いや、本当なのかなと多くの方がやっぱり思っていますよ。だから、柱の一つだと、大きな柱の一つだと。  だから、普通に私は、もうこれ事実として認めていいと思うんですよ。それだからこそ、やっぱり一生懸命やる、こういうことをやっていく、前向きな提案型としてやっていく。よく大塚代表代行が言われますけれども、正直な政治、偏らない政治、そして現実的な政治ということであるならば、やっぱり先読んでそういうことをやっていくことがやっぱり私たちの、国民の不安を少しでも減らしていく大きな大きな所作だと思うんですけれども、時間もなくなってまいりましたので、麻生大臣のコメントをいただければと思いますが、いかがでしょうか。
  170. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) モノポリーね、懐かしいゲームですな。それ今、日本語であるんですか。私らのときはもうそんなものは日本語もありませんでしたので、英語はそれから入ったかなと思う記憶ですな。本当、昔の昔の頃の記憶ですけれども。したがいまして、それは英語を最初に、実物として最初に習った英語はそれかなという記憶がありますけれども。  いずれにしても、そういったものが子供のゲーム感覚として入ってくる、教育としていきなり手形とか言われても何となく理解ができませんし、資産なんて言われたら何のことか訳が分かりませんから。そういった意味では、今みたいなようなものというのは、日本の教育にそういうものをするといったら、またいろいろ面白いものを考えるのが今の若い人たちなんだと思いますので、そういったものは一つの教育、金融教育としては一つの手口、やり方かなという感じはいたします。
  171. 古賀之士

    ○古賀之士君 是非、本日御列席の委員の皆様方もこの辺も前向きに考えていただいて、やはり日本の将来をどういうふうに考えていくのか。厳しい経済状況というのはもう国民の多くの皆さんたちは分かってきていると思いますので、そこから、じゃ、何を生み出していくのか、何を創造して、共に頑張っていったら、いや、こういうすばらしい未来が待っていますよということをやっぱりお示しする時期に来ているんじゃないかと思っております。  時間が来ました。質問を終わります。
  172. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 日本維新の会の藤巻健史です。日本維新の会・希望の党を、会派を代表して質問させていただきたいと思います。  まず、三井局長にお聞きしたいんですが、なぜ謝罪されたんですか。私、試算内容とか言い回し、確かに乱暴だというような指摘があるのは存じ上げていますけれども、謝罪をした理由が、やっぱりさっきの麻生大臣の話だと国民に不安を与えたという話だったみたいですけれども、不安を与える資料というのを政府は出しちゃいけないんですか。やっぱり不安があろうとも事実を出して、やはりこれ、年金の運営が余りうまくいっていないというのはきっと事実だと思うんですよね。ですから、その事実を出して、それをどうやって年金を改革していくかというふうな建設的な努力に向けるのが政府の役割であって、不安なものは全て出さないというのはおかしいんじゃないですかね。だからこそ、逆に謝るというのは、不安なものを出したから、国民が不安になるようなものを出したから謝るというのは、それは筋が通っていないんじゃないかと私は思うんですが、いかがでしょうか。
  173. 三井秀範

    ○政府参考人(三井秀範君) お答え申し上げます。  この報告書では、個々の記述や数字にとどまらず、その前提の記述部分で、あたかも生活費として月五万円、三十年で二千万円足らないかのようなことと取られかねない記述となっておりまして、それがその全体の施策の出発点のような記述になっているところでございます。  その後では、高齢者の生活はまちまちであるとか足りている人もいるかもしれないとか様々なことが書いてあったとしても、現状、報道等でこれが、月々五万円足りない、あるいは三十年で二千万円足りないからかくかくしかじかであるというふうな取られ方がする書き方をしてしまっているというのは、この審議会をサポートしている事務方として、その原案を準備する事務方の対応が大変配慮を欠いたものであるというふうに率直に思った次第でございまして、その点についておわびを申し上げた次第でございます。  先生おっしゃるとおり、その記述の雑なところを真摯に反省しまして、こうしたことがきちんと国民の皆様に誤解や不安の生じない形で丁寧な議論が行っていただけるような、こういう事務局の在り方というものに向けてしっかり対応してまいりたいというふうに存じます。
  174. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 記述がもっと正確であったとしても、この内容であれば国民はやっぱり年金にすごい不安を持ったと思うんですよ。  まず、次に厚生政務官にお聞きします。  これ、質問する前に言っておきますけれども、これ、予算委員会開かれないでこの場で年金問題について話そうというときに、副大臣、私は請求しましたよ、要求しましたよ。出てこられないで、政務官に任せるというのは余りにも失礼じゃないですか、この委員会に対してと私は思いますし、これは重要な問題だと思うんですけれども、それでも、私が政務官出せ出せという、出てきてくださいというふうに何度も要求したにもかかわらず政務官しか出てこなかったというのは、極めて私は遺憾に思います。  それで、政務官にお聞きいたしますけれども、有識者が九十五歳までに二千万円必要だというその報告書ですけれども、国民はもっときっと年金に期待していたと思うし、つい最近まではもうちょっと年金で大分生活をカバーできるんじゃないかなと思っていたと思うんですが、なぜこんなに年金が不安、国民が不安になるような年金になってしまったのか、その辺の理由をお聞きしたいと思います。
  175. 上野宏史

    ○大臣政務官(上野宏史君) 公的年金制度でありますけれども、老後生活の基本を支える機能を果たしており、今後とも国民生活の安心につながる重要な機能を果たし続けられるようにすることが重要であるというふうに考えております。  少子高齢化が進展をする中、この機能を維持していくために、まさに平成十六年の制度改正によって、将来世代の負担を過重にすることを避けるため、将来の保険料水準を固定をして、その範囲内で給付水準を調整をするマクロ経済スライドを導入をして、おおむね百年間の負担と給付を均衡させる仕組みに改革をして、制度を持続可能なものといたしました。  このマクロ経済スライドでありますけれども、将来の年金の給付水準は調整をされていきますけれども、モデル年金の所得代替率で五〇%を確保するということとされており、このような措置はまさに公的年金が老後生活の基本を支える機能を有するということに鑑みて設けられたものであります。  今般の報告書の内容は老後の生活の基本を支えるという公的年金の意義や役割を変えるというものでは全くなく、今後とも信頼できる年金制度の確立に努めていきたいと思います。
  176. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 今聞いておりますと、マクロ経済スライドがうまくワークしていないというふうな回答に聞こえたんですね。  午前中聞いていますと、審議官のお話、審議官だったかな、お話聞いていますと、何か少子化のせいだというような回答だったと思うんですが、年金がここまでちょっと国民が不安を持つような状況になったというのはそのせいなんですか。私は、やはり政府、運用が間違えていたんじゃないかと思うんですけどね。  お聞きしたいんですけれども、平成三十年度、これ予算ベースなんですけれども、年金支給額が五十五兆円、支給が五十五兆円、それから現役世代が支払っていただく保険料が三十八・五兆円、そして国庫負担が十二・七兆円なんですよ。そうすると三・九兆円足りないんですけれども、その三・九兆円というのはどこから持ってきたんでしょうか。
  177. 上野宏史

    ○大臣政務官(上野宏史君) 今委員御指摘をいただいた公的年金制度全体の予算額でありますけれども、これは共済年金を含んでいるものであります。  まさに平成三十年度ベースで、年金支給額が五十五・一兆円、保険料収入が三十八・五兆円、国庫負担額が十二・七兆円となっております。その収支差約三・九兆円でありますけれども、年金積立金管理運用独立行政法人の納付金などにより賄うということとしております。
  178. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 そうなんですよね。やっぱり積立金というのが非常に重要なわけで、これ、積立金が枯渇してしまったらば年金制度なんてもう崩壊ですよ。いかに積立金を増やしていくかということが重要なわけで、この数年間ずっと積み崩しを続けてきているわけですよね。ですから、これちゃんと積み立てていかなければ、これ一番重要な問題だと思うんですけどね。  お聞きいたしますけれども、これ、学問上、運用利回りが名目成長率よりも高くないと、これ年金積立て積み上がりませんよね。特に名目成長率より高いということは、これ、名目成長率というのはきっと労賃と連動していますから、賃金が上昇していますから、それよりも運用利回りを高くしないと積立金は減っていってしまう、年金は持続ではないと、こういう理解していますけど、それは正しいですか。
  179. 上野宏史

    ○大臣政務官(上野宏史君) 年金財政における給付と負担は賃金に連動することから、運用利回りについては、名目運用利回りから賃金上昇率を差し引いた実質的な運用利回り、いわゆるスプレッドと説明している部分、これが、積立金の運用が年金財政に貢献する部分となります。  一方、専門委員会における検討結果、社会保障審議会の年金部会の下に設置をした専門委員会における検討結果としては、長期的には賃金上昇率は労働者一人当たり経済成長率により決定されるというふうにされておりまして、運用利回りと労働者一人当たり経済成長率の差が年金財政においては重要な要素となるというふうに考えております。  なお、年金財政は、運用利回り、物価、賃金といった経済要素に加えて、人口、平均寿命や労働者数等の様々な要因から影響を受けるということでありまして、運用利回りだけで年金制度の持続性を論ずることはできないというふうに考えております。
  180. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 運用を論ずることはできないんですが、スプレッドが大きくなければ決して存在はできないと思うんですよね。スプレッドがゼロであればまず運用不可能ですよ、そんなものは、年金なんというのは。簡単に言えば、要するに、運用利回りの方が名目成長率より高くなければ年金というのは持続性がないということに尽きると思うんですね。もう一回言いますよ。運用利回りの方が名目成長率よりも高くなるということが年金にとって重要であるということだと思います。  次の質問、これちょっと頭の中に入れながらちょっと聞いていただきたいんですけれども、それはちょっと横に置いておいて、政府参考人にちょっとお聞きしますけれども、日本、アメリカ、イギリス、韓国、シンガポールですけれども、あと中国、このGDP、名目GDPですね、これが、一九八八年と今を比べると今何倍になったのか、各々の国についてお教えください。
  181. 林伴子

    ○政府参考人(林伴子君) お答え申し上げます。  各国の二〇一八年の名目GDPの自国通貨建て金額を一九八八年と比較いたしますと、日本は一・四倍、米国は三・九倍、英国は三・八倍、韓国は十三・一倍、シンガポールは九・二倍、中国は五十七・七倍となっております。
  182. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 もう日本は断トツの経済成長びりですよね。  ということは、一番考えられるのは、まずは株は上がっていないだろうなと。これは普通ですよ、経済が大きくなっていない、株価上がるわけないわけですけれども、じゃ、日本とアメリカの株価、三十年前、ニューヨーク・ダウと日経平均、各々何倍になったのか、教えていただけますか。
  183. 佐々木清隆

    ○政府参考人(佐々木清隆君) お答え申し上げます。  一九八八年末と直近の株価を比較いたしますと、ニューヨーク・ダウ平均は約十二倍、日経平均株価は約〇・七倍となっております。
  184. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 これ、もし年金で株価に全部運用していたとすると、もしそれアメリカ並みに日本の株が上がっていれば、経済が成長してそして株がアメリカ並みに上がっていれば何にも心配要りませんよ、全部運用していれば。そんな幾ら少子化になろうと何だろうと万々歳です、年金。もう手厚い、何倍かの年金もらえるぐらいなんじゃないんでしょうかね。ですから、要は、それから、景気が悪いということは長期金利低いですからね。やはり、景気が悪い、経済が悪いがゆえに年金の持続性がない、これが一番のポイントではないかなと思うんですが、麻生大臣はどうでしょう。
  185. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) これは御存じのように、これは公的年金制度のお話ですけれども、これは、今、御存じのように、その後の、一九八八年でしたけど、一九八九年は三万八千九百十五円付けていますからね、あのときは。更に額はもっと、それに比べればもっと低いということになるんだと思いますが。  少なくとも、この公的年金制度というものについては、これは我々としては、現役世代というものが負担になるということにならないようにするために制度を大幅に切り替えて、あのときまでは給付額を決めて必要な負担水準を決定しているという制度から、少なくとも今のやり方は、負担をまず固定して、そしてその範囲に収まるように給付水準を決定するというふうに平成十六年度に改定をさせていただいたのは御存じのとおりですが、そういった形で保険料に上限を求めた、決めた上で、マクロ経済スライドという制度を導入して給付と負担をバランスさせるというような形を図っております。これによって制度の持続可能性をしっかり確保したんだと、私どもはそう思っております。その上で、公的年金制度というものは、これは将来にわたって、モデル世帯で、サラリーマン世帯で現役世代の平均手取り収入の五〇%以上を確保するんだということにしておりまして、五年ごとの財政検証においてもこれを確認させていただいております。  さらに、アベノミクスの取組によりまして経済再生を図って、もはやデフレではないという状況をつくり出した結果、今年度はマクロ経済スライドに調整を行わさせた上でも〇・一%の増額決定ということになっております。年金積立金には、今御指摘になりましたが、この六年間で四十四兆円の運用益が出ておりますのも御存じのとおりで、公的年金の安定に寄与しているものだと私どもは考えております。  このように、年金制度につきましては、持続可能性があり、また老後生活の基本を支えます機能を果たしていると考えておりますが、そうした機能を果たし続けられるようにしていく、継続させるというためにも、経済運営というものにつきましては、委員もおっしゃるように、万全を期していかねばならぬ大事なところだと思っております。
  186. 藤巻健史

    藤巻健史君 いろいろおっしゃいましたけど、やはり年金がうまくいくためには経済が良くなくては、これは経済悪かったらみんな将来が不安になるんですよ、当たり前の話でね。やはり経済を良くしていただくことが年金の安定に一番いいこと、必要なことだというふうに思うんです。  マクロ経済スライドも、これはテクニカル的な問題で、もっと私は年金の運営で考えるべきことはあると思うんですけど、これちょっと後で言いますけれども、申し上げますけれども。  ちょっと離れますけど、二〇一〇年、トロント・サミットでPBの黒字化を国際公約に政府はいたしました。ほかの国はもっとほかの五歩ぐらい進んだ目標を掲げたわけですけれども、五歩遅れのPB黒字化、プライマリーバランスの黒字化という目標を掲げたんですが、プライマリーバランスの黒字化が達成すると財政というのは再建されるんですか。
  187. 麻生太郎

    ○国務大臣麻生太郎君) これは、日本の財政というのは、プライマリーバランス、いわゆるPBと言われるものの赤字がずっと続いておるんですが、債務残高の増加に歯止めが掛かっていないという状況にありますので、財政再建の第一歩としては、まずこの赤字を削減するということがこれは不可欠な条件だと思っております。  その上で、GDPの約二倍程度にまで膨れ上がっておりますこの公的債務残高というものを確実に減らしていくというためには、これはPBを、プライマリーバランスを単年度で黒字化するだけではこれは不十分であって、黒字化後も安定的に収支改善を図って、その上で利払い費を含む、利払い費を含む財政収支というものを黒字化するというのが我々この財政再建を図っていく上で不可欠な要素のものだと思っております。
  188. 藤巻健史

    藤巻健史君 いろいろおっしゃいましたけど、プライマリーバランスの黒字化というのはおっしゃるとおり第一歩なんですよ。その後に、これはドーマーの法則といって、長期金利よりも名目成長率の方が高ければ、長期金利よりも名目成長率の方が高ければ、プライマリーバランスが黒字化した後、財政は、赤字は縮小していくという話なんですね。  要は、どういうことかというと、名目成長率というのは税収です。それから、名目金利というのは支払利息の方です。支払利息の方が大きければ、税収増よりも大きければ、たとえPBが黒字化しても赤字は拡散していっちゃうわけですよ。いいですか。ということはどういうことかというと、財政黒字化をするには、PB黒字達成の後、長期金利よりも名目成長率が高いというのが財政の持続可能性の必須条件なんです。  先ほども申し上げた、じゃ、年金の持続性の必須条件、運用利回りの方が名目成長率よりも高い、これが年金の持続性の必須条件なんです。矢印の方向が違うんですよ。特に昔、二〇一〇年代というのは、二〇一〇年とかその辺はほとんど、七割から八割ぐらいが国債で運用していたんですから。長期金利というのは年金でいえば運用利回りですよ。運用利回りの方が名目成長率よりも高くなければ年金は持続可能ではない。そうすると、財政の方は幾らたっても財政再建できないということになっちゃうんです。だって、必須の矢印が逆なんですから。どうなんでしょう、大臣。ああ、いいです。ちょっと先にほかの質問しますからいいです。  という、今、じゃ、矛盾点だけを指摘いたしました。要するに、財政の持続性とそれから年金の持続性とは矢印が逆だぞと、どっちかが持続すればどっちかが駄目になっちゃうよという話をしたんですが、それでちょっと先に、大臣よりも、ごめんなさい、厚労政務官に聞きたいと思うんですけど。  資料にお渡しした年金の積立運用額の構成比が出ていますけれども、二〇一三年の方ですね、平成二十五年。これ、当時は国内債券が五五%で外国債券が一一%で運用しているというふうに書いてありますけれども、この外国債券、これ、為替ヘッジをしていたんですか、していないんですか。
  189. 上野宏史

    大臣政務官上野宏史君) 今委員から御質問いただいた件については、GPIFの投資行動に関することであり、市場への影響も考慮して、お答えは差し控えたいというふうに思います。  その上で、平成二十九年度においては、GPIFの平成二十九年度業務概況書に記載をしているとおり、運用受託機関を評価するために個々の運用受託機関に示しているベンチマークにおいては為替ヘッジなしのベンチマークを採用しているところであります。
  190. 藤巻健史

    藤巻健史君 ベンチマークはそうかもしれませんけれども、きっと、特に二〇一三年辺り、もうお役人の仕事でしたから、まずリスク取りたくないんですよ。きっと外国債券も為替ヘッジ付きなんですね。為替ヘッジが付くということは、理論上は円の利回りと同じになるわけですよ。もしそれが正しいのならば、六六%が要するに長期国債、日本国債で運用していたようなものだと私は思います。  そうなると、二〇一四年までは日本国債に集中投資した。現在でも約半分が、四五%ですか、四五%が債券投資。これがもし、外国債券が為替ヘッジをしていたらば、ほとんど円の利回りでしか運用できていないわけですよ。それで、つい最近、二〇一〇年辺りからもう長期金利は急落していまして、明らかに、長期国債、国債で運用している、債券で運用しているのであるならば、名目成長率、がたっ減りなんです、全く低いんですよ。それだったらば、積立金がどんどんどんどん減ってしまうのは当たり前だと思うんですがね。要するに、そんなのは当たり前の話であって、どうしてそういうこんな超低金利の国債に、債券に運用していたんですか。  普通に考えれば、民間の人間だったらば当たり前に、こんなことをしていたらばもう収益上がらなくなって立ち行かなくなるぞと、民間だったら、そんなことをしていたら運用者は首になっちゃうぞと思って、やっぱりポートフォリオを変えますよ。それをそのまましないで、こんなに、もう全然名目成長率よりも低い債券投資を半分もやっていたということは、民間出身からすると考えられないような資産運用なんですけれども、いかがでしょうかね、厚生省、お願いします。
  191. 上野宏史

    大臣政務官上野宏史君) 委員から二〇一四年までの投資についての御質問をいただきました。  年金積立金の管理運用は、厚生年金保険法等で、専ら被保険者の利益のために、長期的な観点から安全かつ効率的に行うことというふうにされており、年金財政上必要な利回りを最低限のリスクで確保することが必要であるというふうに考えております。こうした考え方の下、運用に特化をした専門の法人であるGPIFにおいて、専門的な知見に基づき基本ポートフォリオを定め、運用を行っております。  基本ポートフォリオにおける各資産の構成割合については、長期的な経済・運用環境の変化に即し適切な分散投資を行う観点から、全体としてのリスクを抑えつつ、年金財政上最も適切な組合せが算出されるものと理解をしております。  御指摘いただいた二〇一四年以前の基本ポートフォリオについてでありますけれども、こうした観点の下、当時の経済・運用環境等を踏まえてGPIFにおいて適切に策定された結果であると理解をしています。
  192. 藤巻健史

    藤巻健史君 被保険者の利益のために安全な運用をしていたと。被保険者の損失のために、官僚安全のための運用をしていたとしか思えないんですけどね。  要するに、官僚の皆さんは損をしちゃいけないから、たとえこんな超低金利の、二〇一四年までかもしれませんが、それ以降、特にそれ以降、二〇一四年以降、極めて低い利回りの債券投資を続けている。これはいつまでたっても損はしないから、それは官僚の方々は責任取らなくて済みますよ。でも、そんなの、積立金がどんどんどんどん減っていって、将来年金が破綻して、損をかぶるのは国民なんですから。  どうして、こんなに超低金利が見え見えで、しかも日銀が今後超低金利を続けると言っているのにもかかわらず、五割も債券投資を続けているんですか。そこがおかしい、年金の運用でおかしい。そんなことをしていたら年金潰れるというのは、普通、自明なんじゃないですか。そこを考えるのが当たり前だと思うんですが、いかがですか。
  193. 上野宏史

    大臣政務官上野宏史君) 先ほどお答えをしたとおりでありますけれども、基本ポートフォリオにおける各資産の構成割合というのは、長期的な経済・運用環境の変化に即して、また適切な分散投資を行う観点から、全体としてのリスクを抑えつつ、年金財政上最も適切な組合せが算出をされるものと理解をしております。  その上で、二〇一四年にポートフォリオの変更がありました。デフレから脱却をして、長期的に見て物価が上昇していく想定の下で、国内債券に偏っていた従来の基本ポートフォリオから株式等への分散投資を進めたものであります。長期的に見れば、この変更によって、変更前の基本ポートフォリオを維持をした場合と比べて年金財政上必要な積立金額を下回るリスクが少なくなることから、この見直しも含めて適切なものであったと考えております。
  194. 藤巻健史

    藤巻健史君 もう全く分からなかったんですけど、まあそれはいいですけどね。  次に、ちょっと時間がないので日銀総裁にお聞きしたいんですけど、去年の暮れでポートフォリオを見ていますと、国内債券二八%、二八・二%、外国債券一七%。これ、もし先ほども申し上げましたように為替をヘッジをしているならば、約四五%が国内債券の利回りと同じ、ほぼゼロ%に近いわけですよ。  これ、日銀の異次元の量的緩和、長期国債の爆買い、当然のことながら値段は上がる、金利は下がっていますけれども、この異次元の量的緩和のせいで、年金の積立金はあるべき姿よりもよっぽど低くなっちゃったんじゃないですか。大体、これだけの、半分近くの債券投資をしているときに、日銀は異次元の量的緩和によって長期金利引き下げているんですよ、どんどんどんどん。年金、国民の資産をどんどん減らしているんじゃないですか、日銀は。いかがでしょうか。
  195. 黒田東彦

    参考人黒田東彦君) 御案内のとおり、我が国の公的年金制度は賦課方式を基本としておりまして、将来の年金の給付水準というものは、確かに将来の日本経済の規模におおむね連動しているというふうに認識をいたしております。この先も給付水準を維持するためには、やはり政府と民間が連携して少子高齢化に伴う課題に対処して、我が国経済を持続的な成長軌道に乗せていくための取組を続けるということが一番大事であると思っております。日本銀行といたしましても、賃金、物価が共に緩やかに高まる好循環をつくり出し、経済の持続的な成長を実現するよう、金融政策を運営していくことが重要だと考えております。  その上で、金融緩和と年金運用の関係について申し上げますと、長期や超長期金利が過度に低下した場合、積立金の運用利回りに影響を及ぼし得る点には注意が必要であります。ただし、年金は、御案内のとおり、国内の株式など国債以外の金融資産も運用対象としておりまして、経済が全体として改善すれば年金収支の改善にもつながる面がございます。日本銀行強力金融緩和の下で、企業収益が過去最高水準で推移するなど実体経済は大きく改善しておりまして、こうした点も併せて評価する必要があるというふうに考えております。
  196. 藤巻健史

    藤巻健史君 長い目で見ればそういう話もあるかとは思いますけれども、異次元の量的緩和を続けていくことによって、注意しなくてはいけないという、総裁がそうおっしゃるものがどんどん増えてきているわけですよ。  まず、超低金利ですから、ゾンビ企業が生き延びて構造改革が進まない、全く、日本で。そして二番目に、地銀が危なくなってきている。それは、日本の地銀の一番の主力投資先というのは国債、それがほぼゼロ%、もうかるわけない。そして、長期国債の爆買いをしたおかげで長期国債の値段が上がる、金利が下がる、すなわち長期金利が余りにも下がって長期と短期の金利差がなくなってしまった。銀行のもうけの柱というのは長期と短期の金利差なんですから、それがほぼなくなったらば地銀がもうかるわけないんですよ。そういう問題がある。そして、今度は年金。  もう異次元の量的緩和を続けることによってどんどんどんどん副作用ができてきているわけですよね。これについてはどうお考えですか。
  197. 黒田東彦

    ○参考人(黒田東彦君) 年金財政の点につきましては先ほど申し上げたとおりであります。  強力な金融緩和による弊害、いわゆる副作用につきましては、市場機能の低下あるいは金融仲介機能の低下ということが指摘されることが多いわけであります。もっとも、昨年の七月以降、市場調節あるいは資産の買入れをより弾力的に運営していることもありまして、国債市場や株式市場の機能度は引き続き維持されているというふうに考えております。  また、金融仲介機能という点でも、我が国の金融機関は充実した資本基盤を備えていることなどから、現時点では低金利環境の継続により金融仲介が停滞方向に向かうといったリスクは大きくないというふうに判断をいたしております。この五、六年間、御承知のとおり、金融機関の貸出しは伸びておりまして、この状況に現在のところでは変化はございません。  日本銀行といたしましては、物価安定の目標の実現になお時間が掛かるというふうに見込まれる中、現在の強力な金融緩和を粘り強く続けていくことが必要と考えておりまして、今後とも金融政策運営の観点から重視すべきリスクの点検を行うとともに、その点検の内容としては、先ほど申し上げたような幾つかの副作用の点についても十分点検をし、経済、物価、金融情勢を踏まえて適切な政策運営に努めてまいる所存でございます。
  198. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 副作用がどんどんどんどん増えてきているということは間違いないことだと思います。  ちょっと時間がなくなってきたので、次の質問、自分で答えちゃいますけれども、中央銀行の中で金融政策で株を買っている中央銀行というのは日銀以外ないんですよね。普通、株みたいな危ないものを持っちゃいけないんですよ、ボラティリティーがあってね。ほかの中央銀行は金融政策では全く持っていない株、それを日銀は買い集めて、ETFで買い集めて、来年末には日本最大の株主になろうとしている。それから、国債市場においてはもう抜群のモンスターで、小さな海の中の鯨ですよ、日銀。  これこそまさに計画経済そのものであって、計画経済がうまくいくと思っていらっしゃるんですかね。私はやっぱり、財政危機があったから、財政破綻をしないために異次元の量的緩和で財政ファイナンスやって何とか何とか危機を先送りしてきたけれども、ついにいろんな副作用が出てきて、計画経済ってやっぱり駄目だなと私は思っているんですけど、そういう感覚というのはありませんか、総裁。
  199. 黒田東彦

    ○参考人(黒田東彦君) 委員御指摘の計画経済の内容は必ずしもつまびらかにいたしませんが、国家が経済活動を統制する経済と、通常、計画経済というのはそういうふうに言われているわけですが、そういった意味であれば、日本経済がそういう状況になっていないというふうに考えておりまして、委員の御指摘は当たっていないと思っております。  確かに日本銀行は国債市場全体の四割程度の国債を保有しておりますが、同時に、金融緩和が市場機能に与える影響を緩和するための措置も講じております。また、その下で、現在、国債市場の機能度は全体として維持されているというふうに認識をいたしております。また、ETF買入れを通じた日本銀行の株式保有割合も株式市場全体の四・八%程度にとどまっておりまして、市場の機能度に大きな影響を与えているとは考えておりません。
  200. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 時間がないので、次の、いつも聞いている、要求していることなんですが、日銀の出口に入ったときに日銀は赤字にならないのか、債務超過にならないのかのシミュレーションを是非提出していただきたいんですけどね。  アメリカの中央銀行、FRBは、たしか二〇一三年四月、二〇一五年の暮れに利上げをしましたから、約二年半前にシミュレーション結果を出しているわけですよ、二〇一五年以内に利上げをすればFRBは赤字になることはありませんよ。それを日銀は、もう二年半前にFRB出したのを、全く出そうとしないわけですよ。  私、想像するに、これ、また数字を出すと国民が不安になってパニクるからなんですよ。年金二千万円問題と同じ、国民が不安になることは出さない、そういう態度でいいんでしょうか。やっぱり私は、ショックはショックなんだけど、しようがないんですけれども、やっぱり実態を示して、国民にどうやったら、何とかそのショックを和らげる手段があるのか、そういうことをみんなで英知を出し合うという方が正しいんじゃないですか。何にももう国民は知る必要がない、大丈夫だ、何とかすると、最後の最後に、インパール作戦みたいに最後行き着くところまで行っちゃってぼんじゃ、国民かわいそうですよ、余りにも。大本営発表じゃないんですから、やっぱりきちんと情報は出すべきだと思うんですが、それでもシミュレーション結果を出す気はありませんでしょうか。
  201. 黒田東彦

    ○参考人(黒田東彦君) いわゆる出口の際に日本銀行の収益がどうなるかにつきましては、将来における経済・物価情勢あるいは金融環境に加えて、その下で日本銀行がどのような手段をどのような順序で用いるかなどによっても大きく変わり得るわけであります。  物価安定の目標の実現になお時間が掛かることを踏まえますと、現時点で収益に関する具体的なシミュレーションの数字を示すことは、市場との対話という観点からもかえって混乱を招くおそれがあるというふうに考えております。  もっとも、日本銀行としては、金融政策運営の考え方について人々の幅広い理解を得ていくことは極めて重要であると考えておりまして、今後とも、その時々の状況に応じてしっかりと説明してまいりたいと思います。
  202. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 分かりました。要は、年金二〇〇〇年問題と同じように、国民に不安になるような資料は決して外に出さないと、こういう理解を私はいたしました。  ありがとうございました。
  203. 小池晃

    ○小池晃君 日本共産党の小池晃です。  金融審議会市場ワーキング・グループ報告書を大臣は受け取らない、政府とスタンスが違うからとおっしゃるわけですね。しかし、そもそもスタンスが同じだったら審議会に諮問する意味がないと思うんですよ。政府と違った角度も含めて、現状を第三者の目でこれ分析して、あるべき政策方向を示す、これが審議会の目的じゃないんですか。スタンスが違うと言ってこれはもう受け取らないと、それじゃ、審議会の人たち、やっていられないじゃないですか。
  204. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) これも度々同様の御質問をいただきましたんで、同様な答弁をさせていただくようで恐縮ですけれども、この報告書というものは、いろいろないい意味での指摘があるということも事実です、間違いなく。それも申し上げております。  しかし、この報告書をよく読むと、いかにも公的年金だけでは生活費として月々五万円不足するかのように述べておられます。これが世間に著しい誤解とか不安とかいうことを与えるようなことになりましたから、これまでの政府のスタンスとは異なるということで、我々としては、こういった公的年金が老後の生活設計の柱ではないかのような話は、国民の皆様に広がったということは、これは間違いなくいかがなものかと思いますんで、それを一日も早く払拭するためには、これを置いておいたまま更に審議を重ねていくということになると更なる不安やら誤解やら招くことになりますんで、私どもとしてはこの報告書は受け取らないという対応をさせていただいたということであります。
  205. 小池晃

    ○小池晃君 その五万五千円という数字が全く根拠のない数字であるというのならともかくなんですが、この五万五千円という数字は、先ほどからもあるように厚生労働省、その元は総務省の家計調査ですね。  お配りしている資料の一枚目にワーキング・グループに厚労省が出した資料が出ているわけですが、ここには実収入と実支出の差は月五万五千円程度と、ここにはっきり書いてあるわけであります。厚労省の企業年金・個人年金課長も会議で、実収入と家計支出の差は月五万五千円程度と、今後、実収入の社会保障給付が低下することから、取り崩す金額が多くなるというふうに言っているわけですね。  厚労省にちょっと聞きますけれども、実収入と実支出の差、これは五万五千円、この差を見れば、五万五千円不足していたという、そういう認識はもちろんお持ちだと思うんですが、いかがですか。
  206. 度山徹

    ○政府参考人(度山徹君) 午前中も御質問があってお答えしておりますが、引退した後の高齢期の生活というのは、従来から、多様な高齢期の生活に対する希望やニーズがある中で、公的年金でその全てを賄うという考え方ではなくて、公的年金を基本に置きながら、それに現役期に構築した資産を活用するもので営まれるものという考え方に立っております。  このような考え方の下、家計調査のデータはよく使うデータなのでありますが、多様な希望やニーズが反映された支出について、公的年金に加えて五万円、月々貯蓄を活用することで言わば定期的な収入以上の支出を行っている、それが高齢者の引退された後の家計の実態だということで私どもこのデータを理解をしているところでございまして、そのような御説明をさせていただいているところであります。
  207. 小池晃

    ○小池晃君 いや、だから、それは分かるんですよ。それ、ちゃんと報告書に書いてあるじゃないですか。  このワーキング・グループの報告書、今日二枚目の資料見てください、ここにはっきり書いてあるわけですね。高齢夫婦無職世帯の平均的な姿で見ると、毎月の赤字額、先ほど何か赤字という言葉が間違っているというような御答弁ありましたけど、毎月の赤字額約五万円となっている、この毎月の赤字額は自身が保有する金融資産により補填することになるとちゃんと書いてあるんですよ。だから、それは、五万五千円不足分があるけれども金融資産を取り崩して対応しているということはワーキング・グループ認めているわけでね。  大臣は、先日の参議院の決算委員会の私の質問に対して、高齢者の家計においては貯蓄や退職金を活用していることに触れていないと、触れていないというふうにこの問題、報告書の問題点指摘されていたんですけど、ちゃんと触れているじゃないですか。金融資産の活用についてちゃんと言及しているじゃないですか。何が問題なんですか。
  208. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 度々これもお答えしていると思いますけれども、この公的年金、これ十ページの話でしょう、十ページの話ですね。これは、あたかも公的年金だけでは生活費として月々五万円足らないかのように述べていますが、ここのところが私どもとしては著しい誤解、不安を与えることになったんだと思っているということを申し上げております。  ですから、現実問題としては、こういう表現をしているところが問題なので、我々は国民の老後の所得の中心となる公的年金については、これは老後の生活をある程度賄うものとして将来にわたり持続可能な制度を確保しておりますので、政府として今後とも公的年金制度の持続性をしっかりと確保していくと同時に、高齢所得者を含めた、低所得者の高齢者の方々へは、今年の十月からか、年間最大六万円の年金生活者支援給付金を支給するなど、いろいろさせていただいておりますけれども、いずれにしても、こういったようなことではないので、現実問題としては今厚生労働省の方が答えられたとおりだと思っております。
  209. 小池晃

    ○小池晃君 あのね、微妙に違いますよ。微妙というか、かなり違いますよ。  要するに、厚生労働省は五万五千円、差額があると言っているけれども、そこは金融資産で補填するから不足というのは正確でないんだということを言ったわけですよ。ところが、金融審議会ワーキング・グループの報告書にはちゃんと金融資産で補填すると書いてあるんですよ。ということはですよ、これ問題ない記述じゃないですか。今は、何か五万五千円ということ自体に誤りがあるというように、これ違うことをおっしゃっている、大臣は。  これ、はっきり言って、きちんとこの問題について、もちろん私はワーキング・グループの報告書全体、肯定しませんよ、もう投資をあおる、認知症の人にどんどん投資するみたいなのね。この結論自体は全く私は同意しませんが、しかし、少なくともここの記載に関して言えばですよ、この十ページの記載に関して言えば、ただ単に五万五千円欠けているというんじゃなくて、そこは金融資産で補填するとちゃんと丁寧に書いてあるじゃないですか。何が問題なんですかという話。  それから、問題の二千万円をめぐる記述、先ほども話題になりましたけど、この二十一ページ。これも御覧いただきたいと思うんですが、これ何て書いてあるかというと、赤でアンダーライン一応振っておきましたが、夫六十五歳以上、妻六十歳以上の夫婦のみの無職の世帯では毎月の不足額の平均は約五万円であり、まだ二十年から三十年の人生があるとすれば、不足額の総額は単純計算で一千三百万円から二千万円になる。この金額はあくまで平均の不足額から導き出したものであり、不足額は各々の収入、支出の状況やライフスタイル等によって大きく異なるとちゃんと書いてあるんですよ、これも。  大臣は、先ほど質疑の中で、単純な議論には意味がないとおっしゃった。でも、これ、単純な議論じゃないですよ。単に平均値だけでは見れないと、個人差もあると、支出の状況、ライフスタイルによって違うと、極めて正確なこれ叙述じゃないですか。どこにこれ問題があるんですか。
  210. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) これも度々申し上げておりますけれども、今申し上げて……(発言する者あり)今日は初めて。この前似たような質問をいただきましたので。トーンが同じだからいつも似たように聞こえるのかもしれませんけど。済みません。  私どもの感じでは、今の話は、少なくとも今これは書いてある話によってどういう不安が起きているかといえば、世の中は明らかに不足しているという話がわあっとずっと行っておりますから、それではいかにも年金というものが全く立ち行かなくなるような、年金では全然全く駄目なような感じに受け取られるような形の不安をあおる、誤解を招いたというところが最大の問題と思っていますから、私どもはそういった考え方ではないということを申し上げてきているということであります。
  211. 小池晃

    ○小池晃君 読み取った国民が悪いんですか。国民に責任転嫁ですよ。  ちゃんと、だって、私ちょっと金融庁を擁護するつもりは更々ないけれども、いろいろと文句を言われているけど、ちゃんとそういったことについても、貯蓄で対応しますとか、平均値だけでは見れませんとか、個別の状況を見ているんですとちゃんと書いてあるのに、何でこれを、何かとんでもない、もう全く間違っているかのように言って受け取らないという対応はおかしいんじゃないですかと。  大臣、これ、自分の部下が作ったものにもっと誇りを持ちなさいよ。もっと誇りを持ってちゃんと堂々と、だから、誤解があると言うんだったらちゃんと堂々と、誤解はここですと、国民の皆さん、ちゃんとここにこれは書いてありますというふうに説明すればいいじゃないですか。
  212. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 少なくとも、私どもはこういったような形が、いろんなことが書いてあるのは、度々申し上げておりますけど、これも、書いてある内容にいいところもありますし、正しいというところも、私ども賛成しているところもいっぱいございます。  しかし、その上で申し上げれば、今申し上げたような五万円の話と二千万円の話は著しく誤解を与える結果になっている、不安をあおっているという状況は、我々としてはこれは看過すべきものではない、私どもはそう思っておりますので、少なくとも、こういった話によっていろんな形で不安をそのままどんどんどんどん増長して広まっていくような話は、これは方向としてはいかがなものかと思いますので、一旦きちんとした形でこれは対応させていただいた上で、この話はきちんとしておかないと、少なくともその点だけは、いかにも足りないかの話だけがずっと行ってしまうというのは、更なる不安をあおるということになりますのは避けたいというのが一番のところです。
  213. 小池晃

    ○小池晃君 更なる不安をあおるのは避けたいと。しかし、大臣の対応に世論はどう反応していますか。共同通信の世論調査では、麻生大臣の報告書受取拒否表明は問題だと、七一・三%です。毎日新聞では、受取拒否に納得できないが六八%です。産経でも、七二・四%は適切でないです。  誤解を解くために、不安を解消するために受取を拒否したんだとおっしゃるけれども、受け取らないという対応がこれ不安や誤解を解消しましたか。現実見てください。今の世論を見たら、大臣の対応は国民の不安や誤解を解消するものになりましたか。
  214. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 今の段階で、私どもが直ちに、そういう世論調査というものがどれくらい信頼性があるものかよく分かりませんけれども、私どもとしては、今のお答えはお答えとして拝聴させていただきます。  拝聴はさせていただきますけれども、私どもとしては、私の判断としてはが正確だと存じますが、私の判断としては、きちんとした対応として、これは、今の段階で受け取った、更に上の金融審議会の方に上がって、総会で上がってきちんとした公文書を更に格付したような形になりますと、私どもとしては不安を更にあおるという結果に招くと、私どもはそう思って、私の判断でそのようにさせていただいたというように思っております。
  215. 小池晃

    ○小池晃君 さすがに今度の対応が不安を解消した、誤解を解消したとは言えないわけですよ、大臣だって。これ実態として見れば、受け取らないという対応にみんな怒っているんですよ。この中身以前に、こういう金融庁としての対応に、ここにみんな不信を持っているんですよ。  今後、年金の水準が下がっていくだろう、公的年金ではますます暮らしていけなくなるだろう、これは間違いない事実じゃないですか、ごまかしようのない。赤字と表現するかどうかというのはささいな問題ですよ。本質的な問題ではないですよ。高齢者の生活、平均値で測れない、そのとおりですよ。しかし、多くの高齢者が現実に既に年金だけでは暮らせない実態がある、これはもう紛れもない事実ですよ。やっぱりそういったことははっきり認めた上で、これからの年金をどうするんだということを国民に対して率直に訴えるというのが為政者として取るべき態度であって、これをもう受け取らないからなかったことにすると。  大臣は、先ほど隠蔽するつもりはないとおっしゃった。しかし、本日、閣議決定、何やりましたか。正式な報告書として受け取らないので、報告書を前提としたお尋ねには答えませんと、そういう閣議決定をやっているんですよ、質問主意書に。結局、隠蔽じゃないですか、これ。こんな対応が国民は納得すると思いますか、大臣。
  216. 麻生太郎

    ○国務大臣麻生太郎君) 今の閣議決定のお話ですけれども、私どもはこれ隠蔽していないと思っておりますのは、少なくともこの種の話は、今まで従来どおり金融庁の中ではホームページにもきちんと載せておりますし、そういった意味では別にその内容を隠しているつもりはありませんし、どこかの政党だかどこかの会社みたいにきっちりなかったことにというのでもないですよ、私どもは、出ていますから、そのまま。隠してもおりませんし、取り消してもおりませんから、それはそれ自体として残っていますよ。  ただ、これを政府文書としてやるということはしないと申し上げております。
  217. 小池晃

    小池晃君 自民党の国対委員長でしょう、なかったことにすると言ったのは。どこかの政党じゃないですよ。  結局、だって、答弁拒否しているじゃないですか、質問主意書には。何で、じゃ、これ答えないんですか。おかしいじゃないですか。大臣、今、ちゃんと明らかにしていると、ホームページにもあります、だったら堂々と質問主意書に答弁すべきじゃないですか。これは受け取らなかったんだからお尋ねには答えることを差し控える、これおかしいじゃないですか。この閣議決定、撤回してください。
  218. 麻生太郎

    ○国務大臣麻生太郎君) 撤回するつもりはありませんし、今申し上げたように、受け取らないということになりました以上は、これは政府として、親の審議会金融審議会のいわゆる総会において決定されることもないということだというふうに理解しておりますので、作業文書としてこれは残っているというのは事実でありますけれども、それを政府としての立場としてお答えすることはないと申し上げております。
  219. 小池晃

    小池晃君 もうさんざん答弁しているじゃないですか。この今の記述について言っているじゃないですか。これね、こういうやり方は私は本当に逆効果だと思いますよ、不安と不信、誤解という点ではね。そのことを申し上げたいと思いますし、中身です、問題は。  今回の月五万五千円、二千万円貯金必要というのは、これ公的年金全体ですから、これは厚生年金も含むわけですね、国民年金ももちろん含まれます。しかし、国民年金について言えば、現在の平均受給額は、事業年報を見ても月五万一千円ですね。ですから、明らかにもう赤字は月五万五千円じゃ済まないわけです、国民年金でいえば。  資料四枚目見ていただきたいんですが、マクロ経済スライドでこれからどうなっていくのか。自動的にこれどんどん削減されるわけで、五年前の財政検証の数字でいっても、これ二〇四三年まで基礎年金部分は削減が続きます。全体としては二割以上、この表にあるように、所得代替率でいうと六二・七%から五〇%まで下がるわけですから、二割低下する。しかも、マクロ経済スライドによる給付抑制の影響、最も大きいのは緑の棒グラフの基礎年金部分です。基礎年金の給付水準が、抑制がより全体よりも掛かってまいります。  厚生労働省、聞きますが、確認ですが、マクロ経済スライドで基礎年金の給付水準は二〇四三年まで低下が続いていって、最終的には今の給付水準よりも三割低下するということでよろしいですね。
  220. 度山徹

    政府参考人(度山徹君) 何で給付を測るかということはありますが、今資料にお示しのあるいわゆる現役の平均的な手取り収入に対する割合という意味でいうと、この表にありますとおり三六・八%から、ちょっとケースによっては微妙に異なりますが、二六・〇%に低下するということになります。
  221. 小池晃

    小池晃君 だから素直に言ってほしいんだけど、三割、約三割、給付水準低下しますね。
  222. 度山徹

    政府参考人(度山徹君) 済みません、算数弱いんでぱっと割り算できないんですが、その程度だと思います。(発言する者あり)
  223. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  224. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 速記を起こしてください。
  225. 度山徹

    政府参考人(度山徹君) 大変失礼いたしました。  済みません、にわかに正確な数字をお答えすることが難しいということで申し上げましたが、およそ三割程度になると考えられます。
  226. 小池晃

    小池晃君 あのね、年金担当の審議官が算数に弱いからと、国民の皆さんが今、年金の水準がどうなるのか心配しているときに、国会の答弁で算数には弱いからと言って答える、これほど私、国民を愚弄した話ないと思いますよ。こんな厚生労働省日本の年金任せておいていいんですか。これ、大問題じゃないですか、こういう答弁が出てくること自体がね、私そう思いますよ。  この金融審議会のワーキング・グループの議事録では、駒村康平委員、こう言っています。六二・七%の所得代替率が、一九七四年生まれぐらいからは五二%、五〇%に下がる、六三%のものが五〇に下がるということは年金の実質水準が二〇%下がるということだ、特に基礎年金については、対賃金比で三六・八%が二六%まで下がるということは三〇%実質年金が下がるということを意味している、今のマクロ経済スライドを受けると、社会保障給付の十九万円は恐らく十五万円ぐらいまで、団塊ジュニア世代から先は下がっていく、月々の赤字は五・五万円ではなくて、団塊ジュニアから先の世代は十万円ぐらいになってくるのではないか、こういうふうにおっしゃっている。  私、このとおりだと思うんですが、これ正確な指摘だと思いますが、厚労省、いかがですか。
  227. 度山徹

    政府参考人(度山徹君) まず、マクロ経済スライドの調整は年金の名目額を下げない範囲で行う仕組みとなっておりますので、これにより年金の額が下がるということはございません。  その上で、人口構成が安定的であれば経済の成長の果実を年金水準にも反映できる、その結果所得代替率がキープできるということになるわけですが、人口構成が変化することに対応するために成長の果実の全ては年金に反映せずに、部分的にその人口構成の変化への対応に充てようとする、これがマクロ経済スライドの言わば設計思想ということであります。  御質問にあったような将来の年金水準の計算をされる方たくさんいらっしゃるわけですが、私の理解としては、これは成長の果実の一部を人口構成の変化への対応に充てるという、今申し上げましたマクロ経済スライド設計思想を抜きにした言わば静態的な計算になっているというふうに思っておりますので、年金の財政検証の前提とも異なりますし、私どもとしてはこのような計算で将来の年金水準を説明してはおりません。
  228. 小池晃

    ○小池晃君 駒村康平さんというのは、年金審議会、厚生労働省の審議会にいっぱい出ている有識者ですよね、見識持っている方ですよ。その人が言っていることを頭から全く否定すると。ひどいですよね。これ、本当に、この金融審のメンバーにしても年金審議会のメンバーにしても、こういう言われ方をしているようなところに、じゃ、出ていって意見言うかということになりますよ。本当に私、あきれました。こういうことをはっきり認めないから年金不安というのは強まっているんじゃないですか。  大臣、私、このマクロ経済スライド続けていったら、基礎年金水準、本当にどんどん下がっていく。基礎的な生活、基礎的消費支出にはるかに及ばない、そういう水準になっていくんですよ。だから、駒村さん言っているように、これ、五万五千円の赤字が十万円ぐらいになるとおっしゃっている。そうすると、これ、三十年間になるとこれ三千六百万円ですよ。その世代というのは、今四十一歳から若い人ですよ。まさに就職氷河期世代ですよ。その就職氷河期世代の人が三千六百万円の貯蓄をしようと思ったら、毎月十二万五千円ぐらい貯金しないとやっていけないんですよ。そんなことが今の若い世代にできるわけないじゃないですか。  こういう深刻な数字を抱えているんですよ、政府は。だったら、それをしっかり示して、堂々と国民に対して、こういう年金なんですと、このまま進んでいっていいんでしょうかということを正面から問うべきじゃないですか。  しかも、財政検証を出そうとしない。先ほどからも議論ありましたが、様々なオプションについての試算を行っているため出せないというわけですが、前回、五年前の財政検証のときもオプションやりました。マクロ経済スライドのフル適用、厚生年金の短時間労働者への適用、被保険者の期間の延長、こういうオプション試算もやって六月三日に公表したんですよ、五年前は。  もう、ちょっと政務官に聞くわ、じゃ。財政検証のやっぱりオプション試算をやるから時間が掛かっているという説明なんですけど、じゃ、今後の制度改正に関わる部分を除いた少なくとも今後の年金給付水準を示すために最低限必要なデータは、これはもうあるわけですよね、そろっているわけですよね。イエスかノーかで答えてください。
  229. 上野宏史

    ○大臣政務官(上野宏史君) 財政検証本体の結果について公表すべきというお話だと思ってよろしいですか。  前回の二〇一四年財政検証におけるオプション試算、これは社会保障審議会の年金部会等においても、改革の必要性や効果についての共通認識を形成する上で非常に重要な役割を果たしたというふうに評価をされています。  このように、年金財政の現状と今後の見通しを理解をして、それに基づいて今後の制度改正の議論を進めるためには、財政検証本体だけではなくて、制度改正の議論に資するオプション試算も一体で示す必要があるというふうに考えています。
  230. 小池晃

    ○小池晃君 いや、だから私が聞いたのは、オプション試算と一体だから時間が掛かると言うけれども、前回はオプション試算もやったけれど六月にちゃんと発表しましたよねと。じゃ、そのオプション試算の部分を除いた言わば基本的な部分、法定財政検証の部分というか、法定財政検証の中にも制度改正は入ってくるのかもしれません、しかし、基本的な将来の年金の財政の見通しについての最低限必要な基本的なデータはそろっているはずでしょうと。これ、そろっていなかったら大問題ですよ、現時点で。当然そろっているでしょうということを聞いているんです。
  231. 上野宏史

    ○大臣政務官(上野宏史君) 先ほどもお答えをいたしました、制度改正の議論に資するオプション試算も一体で示す必要があるというふうに考えています。  さらに、財政検証本体とオプション試算の相互の数値の整合性の検証など、数値の点検作業を慎重に行う必要があることから、財政検証本体のみを先に出すということは困難であると考えています。
  232. 小池晃

    ○小池晃君 現在のこの金融審議会のワーキング・グループの報告書も認めない、財政検証も出さない。選挙が終わるまでこのまま行くんですか。大臣、これだけ年金の問題に国民の不安が高まっているときに、さっきはそれは厚労省の仕事だからとおっしゃったけど、副総理でしょう、内閣全体の副責任者でしょう、麻生さんは。だったらば、これだけ国民の中で年金に対する将来不安が高まっているんだったら、これは直ちにやっぱり発表すると、少なくとも選挙の前に出すと。  昨日、自民党の全国幹事長会議で安倍総理は、もう年金の財政は確固たるものであるというふうに言っているんですよ。だったら、堂々とこれやればいいじゃないですか。そういう指示を、これは財務大臣でも金融担当大臣でもいいんですけど、副総理としてやっぱりきちんと内閣に、政府にこれは求めるべきじゃないですか。
  233. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 基本的には、この年金の問題というのは非常に大きな問題であるのはこれははっきりしておりますんで、これは厚生労働省としてもきちんとした対応をするべく今努力をされておられる最中なんだと思っておりますんで、私どもとしては、少なくともこの年金の話というのは、少なくとも年金制度というのは、現在の年金制度に変えさせていただいて、平成十六年度の改正でやらせていただいてきちんとしたものができ上がったと、私ども自身は基本的にそう思っております。  その上で、今いろんなものを足して計算をしているという最中でありますんで、それに少々時間が掛かるのは、なるべく早くするべきというのは、これは皆そう思った上でなおかつ時間が掛かっておるという実態でありますんで、これはなるべく早くやるようにということは、申し上げるという、言えばいいというものじゃありませんので、きちんとした対応を目下厚生労働省でしているものだと思っております。
  234. 小池晃

    ○小池晃君 やっぱりなるべく早くじゃ駄目でしょう。だって、参議院選挙という、これはもう期日が決まった国民の審判を仰ぐ選挙があるわけですよ。その中でやっぱりこの問題をちゃんと議論できる土台をつくるのは、私は政府の責任だというふうに思いますよ。選挙までに出させる、言ってください。
  235. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 厚生労働省の中で真剣に議論をしていただく中で、選挙前にできるかできないかは私の段階で申し上げる段階にはないと存じますが。
  236. 小池晃

    ○小池晃君 こういう対応が不安をあおると、私はもう一回申し上げたいと思います。  そして、誤解を招くから、誤解を招くから報告書は受け取らないと言うけど、私は、はっきり言って一番誤解を招いているのは百年安心だと思いますよ。今日だって大議論になっているじゃないですか、百年安心の意味をめぐって。みんな言うことが違うわけですよ。国民の多くは、やっぱり百年間安心して年金で暮らしていけるというふうに受け取っているんですよ。いや、そうではないんだと、これは年金の財政が維持できるんだというだけの話なんです、ということなんですというふうに説明するわけでしょう。  大臣ね、やっぱり百年安心という言い方はもうやめた方がいいんじゃないですか。麻生さん、百年安心という言葉こそが私は金融庁の報告書なんかよりよっぽど不安をあおっていると、誤解を招いていると思いますよ。もう百年安心という言い方は政府としてはやめるというふうにしてくださいよ。どうですか。
  237. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 百年安心というネーミングが気に入らぬという話ですね、今のお話は。百年年金という名前はもう少し別の名前にした方がいいと。どういう名前が御希望なんだか分からないので、私どもちょっとお答えのしようがないんですが。  少なくとも、百年の年金という、安心とかいう言葉がいろいろと誤解を招いているというようなお話だと思いますが、私どもは、少なくとも平成十六年度の改正というものによって現役世代の負担が、平成十六年以前のものですと、先ほども申し上げましたように、少なくとも今までのやり方は、給付額を決めた上で必要な負担水準を決定するというやり方では少子高齢化の時代に合わないということで、いろいろ御議論をいただいて、まずは負担を固定して、その範囲内に収まるように給付水準を決定するという方式に変えさせていただいたのが平成十六年ですよね。そのときに百年というものの話が出てきたんだと、私の記憶ではそうなんですけれども、そういったものに合わせてやらさせていただいたんだと思いますが、そのときにマクロ経済スライド等々のものをいろいろやらせていただいたというのは御存じのとおりであります。  少なからず、現役世代の平均の年間手取りというものの約五〇%以上を収入で確保すると、その上で、私どもとしては五年ごとに財政検証も加えて今後おおむね百年間の見通しを確認することとされております、五年ごとの検証で。  御指摘の百年安心は、このように公的年金制度の持続可能性というものをしっかり確保されているということを示すものと、私どもはそう理解をしておりますので、引き続き、こうした趣旨を皆様に理解していただけるように、丁寧に説明してまいりたいと考えております。
  238. 小池晃

    ○小池晃君 だから、そういうふうにくどくどと説明しなきゃいけないような言葉はもう使わない方がいいんじゃないですかと言っているんですよ。気に入る、気に入らないの話じゃないんです。百年安心というのはこういう意味なんですということをあれこれあれこれ言わなきゃいけないというのは、さっきの金融審議会の報告書の記載がどうのこうのよりもよっぽど誤解を生むんじゃないですかと。  だから、私は、こういうふうに変えろとか、ああ変えろと言っているんじゃない、百年安心という言い方はもうやめた方がいいんじゃないですかと。大臣自身が、自民党の席からもそうだという声が出ていますよ、大臣だって総理のときに、麻生さん、総理のときに、政府として公式に百年安心をうたったことはありませんと言っているじゃないですか。だから、もうこの際、百年安心なんて言い方はやめて、もうちょっと正直にきちんと説明するようにしたらどうですかと言っている。イエスかノーかで答えてください、大臣の政治家としての見解。
  239. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 内閣総理大臣のときは、この前の制度、平成十六年以前の話でしたよね、あれは。(発言する者あり)いや、大臣だと、総理大臣と言われましたから。違うでしょう、副総理として言った話になっていませんか。総理のときはこっちの、上の、十六年以前の話ですからということを申し上げているんですが。百年という言葉、今言われましたんで、私どもはそう思っておると申し上げているんですが。
  240. 小池晃

    ○小池晃君 私が指摘したこの政府として公式に百年安心をうたったことはありませんという答弁は、これ二〇〇九年ですよ、二〇〇九年。二〇〇九年四月二十七日の参議院本会議ですよ。  だから、大臣としてはもう、政府としては公式に百年安心言っていないと言うんだから、この際、だってこれだけ議論になっているんだから、もうやめた方がいいんじゃないですかということを言っているわけです。いかがですか。やめた方がいいんじゃないですか、百年安心。
  241. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) これを、今、私の一存で百年安心という言葉を取り下げるということを希望されておられるんですか。  そういうことはいたしません。
  242. 小池晃

    ○小池晃君 本当に何かもう嫌になっちゃいますけどね。だから、こういうことこそ私は国民の年金不信をあおっているというふうに思いますよ。  やっぱり、これだけの問題があるんであれば、きちんとこれを国民に対して示して、こういう年金制度のままでいいんだろうかということを正面から問うべきなんですよ。私は決算委員会でそう言ったんです、総理に。やっぱりこんな頼りにならないような年金のままでいいんですかと。やはり今、富裕層に対してきちんと負担を求める、あるいは大企業法人税についてきちんと負担を求める、そういったことで年金財政立て直すということをやるべきじゃないですかと言ったらば、安倍総理は、日本経済は相当のダメージを受ける、全くばかげた政策だと、こうおっしゃったんですね。そうですか。私は、こんな景気後退局面で消費税を上げることこそばかげた政策だというふうに思いますよ。日本経済に相当なダメージを与えるわけですよ。  しかも、私が言った金融・証券減税の問題なんかは、今日も最後に資料入れてありますけど、一億円、所得一億円を超えると所得税の負担率が下がっていく、逆転現象があるじゃないかということは繰り返し、大門議員なども繰り返し指摘をしてまいりました。与党からもありました。  このグラフ自体は、このグラフ自体は財務省が作ったわけでしょう。このグラフは財務省作ったんですよ。作ったんですよ。だから、何でこれを、私は安倍首相から信憑性がないとかばかげた政策だと言われなきゃいけないのか。与党からも出ている、財務省だってこれやる必要があると言っているでしょう。どこがばかげた政策なんですか。  やっぱり、根本的に税制の在り方、社会保障の在り方、考えるときなんじゃないですか、今。そういう議論をやりましょうよ、この報告書をしっかりと示して。どうですか。
  243. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 総理の話になっておりますけれども、所得税の最高税率を引き上げることで、たしか七兆円でしたか、何か出せるという話でしたよね、あのときは。私のあのときの記憶で、たしかそんな話をされておられたんで、ちょっと確実な記憶じゃないんですけれども。  私どもとしては、少なくとも、法人税とか所得税とか、いわゆる企業行動とか個人の経済活動に与える影響というのを考慮しないでいわゆる増税を行えば、これは経済が萎縮して税収も下がりかねないのではないかというのが基本的な考え方なんだと思っております。  その上で、我々としては、企業のいわゆる法人税の話をさせていただければ、間違いなく積極的な賃金引上げとか設備投資とかいうようなことに取り組んでいただいていると、そういったところでは成長志向の法人税改革に取り組んできておりますので、租税特別措置を縮減するとか削減したり、また廃止等による課税ベースの拡大によって財源はしっかり確保してきていると思っていますよ。  そして、所得税につきましては、再分配機能ということなんだと思いますが、これは最高税率も引き上げましたし、また所得税の基礎控除の見直しもしましたし、また金融所得課税の見直しも一〇%から二〇%になっておりますし、など取組は既に講じてきたんだと思っておりますので、私どもは、今後の税制の在り方というまでは、確かにいろいろ改正を見極めていかなきゃならぬところはいっぱいあるんだとは思いますけれども、私どもは、今の経済情勢を踏まえつつ、検討する必要があるというものにつきましては検討していくのは当然のことだと思いますけれども、今御指摘のように、所得税を、法人税を、何とか税を直ちに引き上げるという形を考えているわけではありません。
  244. 小池晃

    ○小池晃君 そんな乱暴な話をしているわけではありませんので、この続きは予算委員会でやりましょう。  やっぱり今日の議論をやって、予算委員会やらなきゃ駄目だということをつくづく感じましたので、よろしくお願いします。
  245. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十一分散会