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2019-05-23 第198回国会 参議院 財政金融委員会 11号 公式Web版

  1. 令和元年五月二十三日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  五月十六日     辞任         補欠選任      難波 奨二君     長浜 博行君  五月十七日     辞任         補欠選任      元榮太一郎君     山本 順三君  五月二十日     辞任         補欠選任      愛知 治郎君     有村 治子君      長峯  誠君     山東 昭子君      松川 るい君     吉田 博美君      大門実紀史君     辰巳孝太郎君  五月二十一日     辞任         補欠選任      有村 治子君     愛知 治郎君      山東 昭子君     長峯  誠君      吉田 博美君     松川 るい君      古賀 之士君     大島九州男君      辰巳孝太郎君     大門実紀史君  五月二十二日     辞任         補欠選任      長浜 博行君     藤田 幸久君      大島九州男君     古賀 之士君  五月二十三日     辞任         補欠選任      松川 るい君     徳茂 雅之君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         中西 健治君     理 事                 長峯  誠君                 羽生田 俊君                 三木  亨君                 風間 直樹君                 藤巻 健史君     委 員                 愛知 治郎君                 大家 敏志君                 徳茂 雅之君                 西田 昌司君                 林  芳正君                 藤末 健三君                 古川 俊治君                 松川 るい君                 宮沢 洋一君                 宮島 喜文君                 藤田 幸久君                 大塚 耕平君                 古賀 之士君                 熊野 正士君                 杉  久武君                 中山 恭子君                 小池  晃君                 大門実紀史君                 渡辺 喜美君    国務大臣        財務大臣        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(金融)        )        麻生 太郎君    副大臣        財務副大臣    鈴木 馨祐君    大臣政務官        内閣府大臣政務        官        長尾  敬君    事務局側        常任委員会専門        員        前山 秀夫君    政府参考人        金融庁企画市場        局長       三井 秀範君        金融庁監督局長  栗田 照久君        法務大臣官房審        議官       筒井 健夫君        財務省主計局次        長        神田 眞人君        厚生労働大臣官        房審議官     吉永 和生君        厚生労働省社会        ・援護局障害保        健福祉部長    橋本 泰宏君        農林水産大臣官        房審議官     山北 幸泰君        経済産業大臣官        房審議官     新居 泰人君        経済産業大臣官        房審議官     成田 達治君        経済産業省商務        情報政策局商務        ・サービス政策        統括調整官    江崎 禎英君        中小企業庁事業        環境部長     木村  聡君    参考人        日本銀行副総裁  雨宮 正佳君        日本銀行副総裁  若田部昌澄君        日本銀行理事   前田 栄治君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○参考人の出席要求に関する件 ○財政及び金融等に関する調査  (景気の現状認識と財政出動の必要性に関する  件)  (金融緩和政策の金融機関経営に与える影響に  関する件)  (信用保証協会の業務運営に関する件)  (医工連携事業化推進事業に関する件)  (日本銀行の財務の健全性に関する件)  (国債補完供給制度の要件緩和に関する件)  (所有者不明不動産問題に関する件) ○情報通信技術の進展に伴う金融取引の多様化に  対応するための資金決済に関する法律等の一部  を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)     ─────────────
  2. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、難波奨二君及び元榮太一郎君が委員を辞任され、その補欠として山本順三君及び藤田幸久君が選任されました。     ─────────────
  3. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に長峯誠君を指名いたします。     ─────────────
  5. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、金融庁企画市場局長三井秀範君外十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  7. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に日本銀行副総裁雨宮正佳君、同副総裁若田部昌澄君及び同理事前田栄治君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  9. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 財政及び金融等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  10. 西田昌司

    ○西田昌司君 おはようございます。自民党の西田昌司でございます。  まず、麻生大臣にお聞きしたいと思うんですけれども、先日、GDP速報が発表されまして、非常に私、衝撃を受けたんですね。  個人消費が減り、それから設備も減り、そして輸出も減りと、肝腎なところは全部減っております。ところが、公共事業などがプラスで押し上げているんですけれども、最後に輸入が大幅に減りまして、結果的にGDPはプラスだという話になっているんですけれども、これはまさに内需そのものがどんどん減っちゃっていると、しかも内需が減っているから輸入も減っちゃったと、こういうことだと思うんですね。これで、要するに輸入というのはそういう内需から引く控除項目ですから、控除項目がマイナスになると、マイナスのマイナスでプラスになったというだけの話で、これは計算式だけの話で、実態は要するに景気がどんどんどんどん縮小していると、そういうふうに考えられるわけであります。  つまり、インフレ状況ではなくて完全にデフレ状況に陥ってきていると、こういうことだと思うんですが、麻生大臣はまずこれについてどういう御感想をお持ちなのか、お聞きしたいと思います。
  11. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 二十日の日に発表されたGDPの、二〇一九年一―三月のGDPの話をしておられるんだと思いますが、成長率は御存じのように〇・五ということになりまして、年率では二・一%プラスということになったんで、言われますとおり、これ二四半期連続プラスとなったということは事実だと思っております。  今、結果につきましていろいろあるんだと思いますけれども、これはもう中国の経済というのは減速しつつあるという背景で、いわゆる生産用の機械というのが今止まっておりますし、電子部品とかデバイス等々の財貨の関係する輸出がマイナスとなったということは確かだと思いますけれども、製造業等々、一部それに関連して先送りが見られるといったことから設備投資もマイナスになった、もうおっしゃるとおりなんだと思いますが。  他方、昨年度の補正予算等の執行等々を背景に、いわゆる公共投資がプラスとなったこと等々によってGDP全体としてはプラスになったというようなことだと思いますが、こういった状況で今言われたような分析も成り立つんだと思いますけれども、雇用とか所得とかそういった面を見ますと、これは間違いなく水準が極めて高い状況で推移しております。企業収益等々が続いておりますので、いわゆる内需というものを支えるファンダメンタルというのは、今から予算も執行されてきますし、今までと同様しっかりしているんだと私どもは考えております。  今個人消費とか設備投資のマイナスというのは、これは間違いなく、前期の反動減というのは間違いなくあると思っておりますので、そういった意味では内需の増加傾向というのを、私どもとしては崩れているという感じではありませんし、米国等々を見ましても、IMFのあれを見ましても、今年度後半から確実に上がってくるというようにIMFも論評しておりますので、そういったことを考えながら我々としては引き続き内外の経済状況というものをしっかりと注視して、経済運営というのをより一層しっかりしたものにしていかにゃならぬと思っております。
  12. 西田昌司

    ○西田昌司君 今の麻生大臣の答弁によりますと、内需は落ちてきているんだが、片一方で雇用等が安定していると、だから引き続きファンダメンタルズはいいんだと、こういう話なんですが、私はそれはとんでもない話だと思いますね。  つまり、雇用の話も、失業率が低いとかいろいろ言うんですけれども、この間の一番問題は、要するに労働分配率がどんどん下がっているわけですよね。企業の収益はいい。企業の収益はいいけれども労働分配率が下がっているから、その分、国民側に分配されていませんから個人消費は伸びないんですよ。この個人消費が伸びない原因というのは、まさにこの経済の仕組みそのものがバブル以降そういうコストカット型に変わってきているところが最大の問題でありますから、失業率が幾ら低くても、個人消費が伸びなければ、これ先行き全く良くないんですよ。  しかも、しかもですね、昨日はOECDのまた経済見通しも発表されましたけれども、これは経済は大減速と。中国とアメリカとの貿易戦争、摩擦というよりももう戦争のような感じの対立がありますから、先行きに関しましても、どこを見ても良くなるというのが見えていないわけですね。  この状況で私は消費税をやるというのは本当にもうとんでもない話であると思います。ですから、今ここで、消費税議論というのはもう一度政府内でもこの経済状況を見て議論をしてもらわなければなりませんし、私は党内でも役員会でもう一度議論すべきだということを言っているわけでありますけれども。  麻生大臣は、元々経済に関しましても一家言お持ちでありましたし、非常に鋭い洞察力でこの日本を引っ張っていただいたわけですよ。今ここで、今までの、いわゆる財務大臣として、法律上消費税は決まっていますからやらなきゃならないと言うのじゃなくて、一議員として、今までの麻生大臣がずっと経済について持っておられた知見で見れば、この状況で消費税を上げるなんということはあり得ないと私は思いますよ。ですから、そういう今までの知見を踏まえた上で、財務省というその役所の代表という立場ももちろんおありですけれども、そこを含めてこの消費税増税やめるべきだと私は思いますが、いかがでしょう。
  13. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 私、今ここに一個人で呼ばれているわけじゃありませんのでね、そこのところを勘違いせんといて。私、財務大臣としてここに呼ばれていると思いますので。別のことを言うとまた別な面白い話を作られるだけであほらしいので、そういうことを言うつもりはありません。  今いろんな御意見があっておったという話が、意見があるというのは、何も今に始まった話じゃなくて昔からある話ですから、ずっと、消費税上げる話は、平成元年からずっと同じ話で同じ議論が、ほぼ似たような話がずっと繰り返されておるんだと理解をしております。  その上で、今、世界経済とかいろんな、全国見ましても、これは、米中の話というのはちょっと今どうなるか予断を許さないというのははっきりしておりますけれども、少なくとも米国というものを中心として緩やかに経済は回復しておりますので、今年度前半はともかく後半はという話は、IMFも、この間のG20の会議でも、いずれも同じことを述べておりますので、緩やかな回復が続けている。  中国におきましても、今いろいろ長期的には問題かと思いますけれども、中国においても、少なくとも、鉄鋼生産約八億トンというもののうち、世界中ですよ、そのうち中国だけで八億トンというような生産量を持っていて、日本とかインドとかフランスとかアメリカの持っている鉄鋼のあれが全部余っちゃうという話になるんですが、今のところそういった影響がこの数か月出ていない。理由は簡単で、中国でそのものを使っているからですな。少なくとも丸棒だ鉄鋼だというものを中国で国内で消費している。すなわち、中国では財政出動しているということの裏付けだと思いますので、そういった意味で、それは先になったらまた問題になると思いますよ、こういうようなことをやっていると。問題になると思いますが、当面はそういった形になってきておると思いますので。  私どもとしては、こういったような情勢を考えて、今我々が置かれている状況というのは、少子高齢化という中長期的には最大の日本にとっての問題でもありますので、この問題を解決していくときに、そこに付随しております社会保障関係費の急速な拡大ということはこれは避けて通れない問題なので、これを、勤労世代と言われる世代が減っていく中にあってこういったものを放置しておくわけにはいかぬということで、全世代型の社会保障の構築というのに向けて、今、この社会保障の安定的な財源というものを確保していくためにこの消費税というのはどうしても必要なものだと思っておりますので、今年の十月、予定どおり一〇%に引き上げさせていただきたいと考えておるところであります。  いわゆるこの引上げにとっていろいろ景気がという話が必ず出てきているところですけれども、五月も後半になってきておりますけれども、少なくとも今、前回のような駆け込み需要が住宅等々で起きているかといえば、どの数字を見てもこれ駆け込み需要が起きている数字は全くありませんので、そういった意味では、私どもとしては、それなりの対策というものが御理解されつつあるのかなというように考えておりますので。  いずれにいたしましても、中国と米国の話等々、海外の事情というのは十分に考えておかなければならぬところだとは思っておりますけれども、経済運営等々に万全を尽くしてまいりたいと考えております。
  14. 西田昌司

    ○西田昌司君 事実の捉え方が違うとこうなってしまうので、非常に残念であります。この問題はまたいずれ、もう一遍詰めたいと思いますが。  日銀の副総裁に私お聞きしたいと思うんですけれども、今、財政問題で言われているんですけれども、財務省が言っている財政の問題は基本的に事実認定がまたこれ異なっているんです。そこで、今日はそれを明らかにしたいと思うんですが。  まず、サラ金ありますね、皆さん方。サラ金というのは、銀行からお金を借りてそれを貸しているわけですね。そういうビジネスモデルになります。ところが、銀行は、皆さん方から集めたお金をそのまま出しているわけじゃないわけなんですね。ここに信用創造というのが出てきます。サラ金とこのいわゆる民間銀行、同じ両方ともものを借りているように見えますけれども、仕組みが違うんですが、そこのところ、副総裁、説明していただけますか。
  15. 雨宮正佳

    ○参考人(雨宮正佳君) お答え申し上げます。  今御指摘のとおり、金融機関というのは、基本的には貯蓄超過主体から投資超過主体に対して資金の融通を行うというのが仕事でありますので、これについて言いますと、銀行のみならず、ノンバンクですとか株式市場、債券市場で資金仲介する様々な金融機関によって行われておるわけであります。ただし、こうした様々な主体の中で決済性預金口座というものを提供している銀行だけが、その与信行動により、自ら貸出しと預金を同時につくり出すことができるわけであります。  私が例えばノンバンクに行って金を借りるときには、ノンバンクはどちらかで調達してその金を私に貸してくれるわけですけれども、銀行は私に金を貸すときには、私の預金口座に記帳すると、で、後から預金が発生するという格好になります。これを信用創造と言っておるわけでありますけれども、この点で銀行はノンバンクなど他の金融機関とは異なる機能を持っているというふうに理解しております。
  16. 西田昌司

    ○西田昌司君 ということでありますから、要するに中央銀行に決済口座を持っていると信用創造がどんどんできると、こういうことでありますね。  それで、国債の新規発行も実は中央銀行を通してこれやっていきますから、同じように国債を新規発行して銀行が引き受けると、そして、その調達したお金を政府が財政出動するという形でやった場合、結局は、今言いましたように政府の負債は増えます、国債として。  ところが、当然のことながら、民間貯蓄が、政府の予算が執行されて政府が出した政府小切手が銀行から取り立てられて日銀に回ってくるわけでありますけれども、当然、民間貯蓄が増えると、こういう理解でいいですね。
  17. 雨宮正佳

    ○参考人(雨宮正佳君) 国債発行による財政支出が預金通貨の創造につながるかどうかは、国債の最終的な消化形態によっても変わってくるわけでありまして、国債が個人や投資家に、最終投資家に消化されれば、それは預金の創造にはつながらないわけでありますけれども、銀行が保有している分について申し上げますと、それは信用創造を通じて預金が増加するという格好になります。
  18. 西田昌司

    ○西田昌司君 ですから、今言いましたように、政府が、財務省がずっと言ってきたのは、国債をどんどん出せば借金がどんどん増えちゃって大変だというんですけれども、政府の負債は増えていますが、民間貯蓄がどんどん同時に増えていくんですから、だから、これは全く財務省の説明はおかしいんですよ。  それで、財務省の説明が正しいとすると、いわゆる個人向け国債、僅かですけれども出ております。個人向け国債は、個人の預貯金が国債と振り替わるわけでありますから、いわゆる信用創造的な形にはならないわけですね。この貯蓄が債券に変わってしまうわけでありますから、この預金がですね。  ですから、その場合には限度額は個人の貯蓄の額ということになりますけれども、いわゆる銀行が引き受けている新規国債の発行にはそういう個人貯蓄の限度額というものが、民間貯蓄がその発行の限度額とかいうことにはならないと思いますが、副総裁、いかがですか。
  19. 雨宮正佳

    ○参考人(雨宮正佳君) お答え申し上げます。  ただいま申し上げたように、銀行のバランスシートあるいはマクロ経済全体のバランスシートを見ますと、投資には貯蓄が対応し、負債には何らかの金融資産が対応するという事後的な対応関係と申しますか、恒等関係は必ずあるわけであります。  したがって、御指摘のとおり、金融機関が国債を保有し財政支出が行われれば、それに対応する預金通貨は事後的には同額発生しているわけでありますが、これはあくまで事後的な対応関係でありまして、そのプロセスで例えば政府の財政の持続性とあるいはインフレ懸念というようなものが発生して金利なり為替なり資金の流れがどう変わるかということとは、これはまた別の問題であるというふうに考える必要があるように思っております。
  20. 西田昌司

    ○西田昌司君 事後的にとおっしゃるけれども、結局、政府が予算化したら、当然それは消費になったり所得になったりして、結果的には誰かの貯蓄が増えるわけですよね。そうでしょう。だから、事後的にと言うけど、それはいわゆるタイムラグの話でありまして、結果的には同額の、政府の負債と同額の民間貯蓄が増えるということじゃないですか。そうでしょう。
  21. 雨宮正佳

    ○参考人(雨宮正佳君) 御指摘のとおり、投資が発生すればそれに対応する貯蓄が発生するわけでありますが、問題は、銀行であれ、あるいは個人投資家であれ、その発生した貯蓄をどういう金融資産に割り当てるか、何で運用するかというところがポイントになるわけであります。その際、例えば財政の持続可能性に対する信頼ですとか、あるいは将来の経済や物価に対する、変動に対する懸念といったことを背景に、国債に対する需要がどうなるかといったことによって様々な変動が生じるということかというふうに理解してございます。
  22. 西田昌司

    ○西田昌司君 答弁、かなりごまかしてしまうんですね、そこでね。単純に、要するに政府が財政出動すれば民間貯蓄が増えるというのは、これはもうどこまでも否定できない事実ですよ。問題の次の財政がどうだとか信認がどうなんとか言っているけれども、そもそも、日銀がすごいことを発明してくれたんですよ。  要するに、国債をどんどんどんどん出していく、民間ではそんなことをしちゃうと通貨量が増えてインフレになるんじゃないかと、こういう話だったんですよね。まさにそう思ってやったわけです、日銀は。爆買いしたわけですよ、国債の。ところが、現実には通貨量は増えない。要するに、信用創造がどんどんやっていかないと実際の通貨量は増えないわけですよ。だから、思ったとおりのインフレにならなかったと。それよりも、どんどんこのインフレ率を抑えるというか、利子率を抑える技術を発明しちゃったわけですよ、日銀が。要するに、たくさん買って、そしていわゆる短期市場の金利がゼロになっちゃったわけですね、融通する必要なくなっちゃいましたから。長期についても国債のこの率を調整しまして、いわゆるイールドカーブコントロール、長短含めてインフレさせない仕組みをつくっちゃっているわけですよ、つまり。  要するに、いわゆるハイパーインフレになろうと思っても、あなた方がそういう見事な装置をつくってくれたから、それでコントロールできるんじゃないですか。今、現にコントロールしているんじゃないですか。どうですか。
  23. 雨宮正佳

    ○参考人(雨宮正佳君) 私どもとしては、物価安定目標の実現のために強力な金融緩和措置を講じているわけでございまして、今の段階では、こうした金融緩和がそれぞれの経済主体の前向きな経済活動に結び付いて需要が増加し、需給ギャップ等が改善することを通じて物価安定目標に近づいていくということを目指して金融緩和を続けているわけでございます。
  24. 西田昌司

    ○西田昌司君 それで、信用創造で一番大事なのは、要するにお金を何かに使うという需要がなければ借らないということなんですよ。これはもう常識なんですよ。だから、幾ら金利が低くても先行きが見通せなかったら、返済できないと思ったら借らないんです、借らないんです。だから、需要創造ができない。ところが、政府の財政出動は、需要そのものを予算によってつくってしまっているわけですよ。貯蓄を増やすだけじゃなくて、需要そのものを使って増やしている、これが財政出動ですよ。これを財務省がPBバランスなんか言い出したために止めちゃっているんですよ、麻生大臣。  是非ここを、麻生大臣、元々、どんどんこの需要創造をすべきだという意見だったはずですが、消費税を上げるんだったら、上げてもいい環境をつくるためには、まさに財政出動をどかんとやらなきゃならないと思いますが、いかがですか。
  25. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 今おっしゃっていることは、決してあながち丸々間違っていますよなんて否定するつもりはありませんよ。私どもを励ますつもりは、一面確かですから。  しかし、物事はいろいろ多面性がありまして、これを出すことによってどういう評価を日本という国が得るか。例えば、格付の問題にしても何の問題にしても、これは響いてきますから。そういった意味では、全体のことを考えなければならないのであって、確かに政府の借金であって国民の借金じゃないという指摘は正しいですよ、間違いなくそう思いますから。それは事実ですけれども、ただ、現実考えておかにゃいかぬ。だからといって、国がどんどん日銀に肩代わってどんどん借金をしていくといった結果、マーケットにおいてどんな信用、どんな格付、どんな円の位置付け等々、いろんなものを考えにゃいかぬ。波及するところがでかいので、全体としてバランスを見ながらよくやっていかないかぬというのが財政当局の難しいところだと思っています。
  26. 西田昌司

    ○西田昌司君 もうこれで終わりますが、財務省のホームページには、自国建ての通貨でやっている国債は絶対破綻、デフォルトしないと格付変更されたときにも堂々と反論されているという事実をここで伝えておきたいと思います。  終わります。
  27. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 立憲民主党の藤田幸久でございます。  久しぶりで財政金融委員会で質問させていただく、理事、皆さんの御配慮に感謝申し上げます。  私は、農林水産委員会で農林中金の問題を取り上げてまいりました。と申しますのは、最近、アメリカの経済新聞なんかで、この農林中金に関する記事が多数出ております。例えば、二月十九日のウォール・ストリート・ジャーナルでは、日本の農家の預金がアメリカ企業の財務の健全性と連動していると書いてございます。同じ二十六日付けのこの新聞では、CLO、ローン担保証券の格付と一つの銀行への依存が双子の脅威であるとも書いております。  一方で、資料の一枚目を御覧いただきたいと思いますが、農林中金の経常利益は、これはマイナス金利の下、二〇一四年度をピークにして、二〇一七年度には千七百十億円、二〇一八年度は第三・四半期が前年度同期で五割に落ち込んでいます。  そんな中、農林中金は、昨年、CLOへの投資を三兆円近く増やしております。この件について、農水委員会で私の質問に対して吉川農水大臣は、金融庁とともにCLO投資の拡大がシステミックリスクに発展をして金融システムの安定が損なわれないように三月に規制強化を行ったということであります。  麻生大臣は金融担当大臣、吉川大臣と同じような認識、姿勢であるというふうに理解していいのかどうかについてお答えをいただきたいということと、このCLO投資の拡大がシステミックリスクに発展する可能性は十分にあると考えておられるのか、見解をお答えをいただきたいと思います。
  28. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) いわゆるコラテラライズド・ローン・オブリゲーションでしたっけね、たしかCLOのあれだと思いましたけれども、これを農林水産省と連携をいたしながら、農林中央金庫に対して、このCLOへの投資を含めてこれモニタリングを行っているのは当然なことであります。  金融庁では、本年三月に、金融危機時の反省を踏まえまして、証券化商品市場を通しまして金融市場というものの危機の連鎖を未然に防止する枠組みの一つとして、これはCLOに限りませんけれども、金融商品の証券化商品への投資に関する規制の強化というものを既に行っているところであります。  お尋ねのこのCLO投資の拡大がシステミックリスクに発展していくかどうかということに関しては、これは現時点において日本の金融システムは総体として安定をいたしておりますんで、農林中央金庫を含めまして日本の金融機関が保有しておりますCLOというものは高格付のものが主に中心だと承知をいたしております。  他方で、このCLOの裏付けとなります資産は、御存じのようにこれは格付が低い企業向けのいわゆる貸出金でありまして、景気後退局面というものにおきましては、これは裏付け資産の悪化を通じてCLOというものを保有しております金融機関の損失に与える潜在的なリスクというものについては、これはもう国際的に指摘されているのは御存じのとおりであります。  こうした中で、システミックリスクに発展する可能性について予断を持ってお答えするということはこれは困難ですけれども、金融庁におきましても、このCLO投資の拡大等々によって金融システム全体の安全性が損なわれるということがないように、これは内外の経済情勢、市場動向等々を十分に注視していきながら、金融機関との対話を通じてリスク管理というものを高度化を促すなど等々、必要に応じて適切な対応を行ってまいりたいと考えているところであります。
  29. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 それで、三枚目の資料をちょっと御覧いただきたいと思いますが、それで、突然でもありますけど、お分かりと思いますが、雨宮副総裁、この三枚目の資料でございますけれども、例えば上から二つ目、イエレン前FRB議長は、米国内で信用力が低い企業向けの融資であるレバレッジド・ローンや低格付社債の発行が拡大していることに懸念を示したと。それから、上から三つ目、これはイングランド銀行のカーニー総裁ですけれども、二兆ドルのレバレッジド・ローン市場を十年前の世界的金融危機のきっかけとなったサブプライムローンになぞらえ、拡大に警鐘を鳴らしたと。で、下の方から二行目ですけれども、サブプライムとの類似性は完璧ではないが、十一年前に見られたノー・ドックの引受けに向かっていると述べたとありますが、同じ中央銀行のトップとして、このアメリカ及びイギリスの総裁あるいは元議長がおっしゃっていらっしゃるこの認識については同じですか、違いますか。
  30. 雨宮正佳

    ○参考人(雨宮正佳君) お答え申し上げます。  近年、先進国を中心に低金利環境が続く下で、投資家による言わば利回り追求の動きが見られておりまして、欧米のクレジット市場でこうしたレバレッジド・ローンといった企業債務の残高が増加してきております。  私、先々週末もBISの総裁会議に出てまいりましたが、そうした場でも、こうした国際金融市場におけるデットの積み上がりということが一つの検討の課題になっているということは事実でございます。
  31. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 時間の関係で、農水省の質問、ちょっと後に飛ばします。  近年、農林中金はいわゆるダイレクトレンディングへの投資を増額させています。これは、銀行が貸出しできないような無格付の中小企業に対して事業法人、つまりファンドが貸与を行う商品で、銀行が与信管理できないような貸付先に対して、ファンドを通せば銀行が実質的に与信を持つという極めて矛盾したシステムであります。  金融庁は、十六日の本委員会で、現時点で金融システムに影響があるところまでの問題ではないという答弁をしておりますけれども、ダイレクトレンディングというのは金融監督当局の貸出抑制の指導が及ばないとされておりますので、その意味ではCLO以上に危険性があるんではないかと思いますけれども、麻生大臣の見解を伺いたいと思います。
  32. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) これは、御指摘のありましたように、ダイレクトレンディングというものは、これ一般的にはですよ、一般的には、銀行と比較して厳しい規制を受けぬといったようなファンドなどによって、主に無格付の中堅・中小企業に対象としてはいわゆる貸し付けてありまして、このリスク特性というのを踏まえた投資方針の策定とか、ファンドによるモニタリングが適切に行われていることがリスク管理において重要ないわゆる金融商品であるというように承知をいたしております。  一方で、先ほど出ましたCLOは、一般的には銀行などによる主に格付が低い企業向けの貸付けを裏付け資産として作り出された証券化商品であるので、こちらにつきましても、格付のみの依存にすることではなくて、裏付け資産の質などを踏まえた投資方針の策定とか、また定期的なモニタリングがリスク管理において重要になるということはもう当然のことだと承知をいたしております。  農林中央金庫を含めました日本の大手金融機関が行う有価証券運用に関しましては、これは金融庁が実施しておりますモニタリングにおきましては、CLOとかダイレクトレンディングといったような金融商品のリスクの特性というのを踏まえまして、リスクテークというものに見合った適切な管理体制が整備されているかというところも併せて検討させていただいているところでありまして、いずれにいたしましても、金融機関との対話を通じてリスク管理の高度化を促すなど、必要に応じて適切な対応を行ってまいりたいと考えているところであります。
  33. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 追加した質問でございますけれども、世界的なシステム上重要な銀行、G―SIBの規制というのがございますけれども、今、日本ではメガバンク三行と野村証券のみがこの規制下にあります。これらの金融機関と農林中金と、ある意味では同様の規模を有するわけでございますので、いわゆるこのG―SIBに、規制下に入るべきではないかと思いますが、金融庁、これは局長で結構でございますので、答弁をいただきたいと思います。
  34. 栗田照久

    ○政府参考人(栗田照久君) 今ありましたグローバルなシステム上重要な銀行、ジーシブなどと読み習わしておりますけれども、それにつきましては、グローバルな活動、規模、相互関連性、代替可能性、複雑性の基準に基づいて金融安定理事会、FSBにおいて選定され、公表されているものだと承知しております。日本からは三メガが選定されているということでございます。  個別金融機関のG―SIB選定過程についてコメントすることは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、金融庁といたしましては、引き続き金融システムの安定性が損なわれないよう、内外の経済・市場動向を注視するとともに、金融機関との対話を通じてリスク管理の高度化を促すなど、必要な対応を取ってまいりたいというふうに考えております。  なお、農林中金につきましては、G―SIBではございませんけれども、国内のシステムの重要な銀行、D―SIBというふうに言っておりますけれども、として指定しておりまして、資本水準を上乗せして求めるなどの規制を適用しているところでございます。
  35. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 時間の関係で次に参ります。  このマイナス金利で地域銀行が大変な状況になっております。これは、いろいろ最近新聞記事出ておりますが、四枚目に朝日新聞の記事を付けました。三月末の地域銀行の決算では、七割の銀行が減益又は赤字であります。それから、利ざやが減少しています。一部の地銀では利ざやがマイナスに陥っていると。それから、日銀の金融システムレポートでもかなり書いておりまして、例えば、二〇二八年度の利ざやが二〇〇九年度に比べて約一%縮小するという試算もされています。それから、貸出手数料といった本業だけだと約半数の地銀が赤字になると言われております。  今まで金融庁や日銀の答弁ですと、人口や企業数の減少などをこの原因としておりますけれども、やはり日銀の低金利政策が長期化して利ざやが減少しているという状況があると思うんですけれども、利ざやが減少している状況では有望な融資先を開拓し、融資を増やすことは難しいと思いますが、これについて麻生大臣の見解を伺いたいと思います。
  36. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) これは、地域銀行、約百六行と言われますけれども、そういった経営環境は厳しい状態が続いておりまして、貸出金利を見ましても下がってきておるというのは事実でありますが、一定の収益を確保するために、地域銀行の貸出残高というのはむしろ増えております。  その上で、地域銀行をめぐる厳しい経営環境の背景として、これは、人口が減っているとか企業数が減っておるとか倒産したとか、いろんな背景ありますけれども、超低利の金利というものの継続の影響というのだけではなくて、これは顧客と言われる借りる側の人の資金需要と、今、金があっても借りないという状況ですから、そういった意味では一般的な金融市場の動向と、また地域経済を含めまして国内外のマクロ経済全体の動向等、様々な要因が影響を受けているものだと思っております。  いずれにしても、こうした厳しい経営環境の下でも、例えば銀行で適切なアドバイスとかファイナンス等々を提供することで企業の生産性を図ったり、地域経済の発展に貢献するといったなどを通じて、これは持続可能なビジネスモデルというものを自ら構築して金融仲介機能を発揮していることが大事なんだと私どもは考えております。  したがいまして、金融庁といたしましても、適切なモニタリングを通じてアドバイスするとかファイナンスする点で等々、地域銀行の独自の取組というものをこれは促してしかるべきだと思っておりますし、そうした取組をサポートするために業務の範囲規制に関する規制緩和などの環境整備に引き続き努めてまいりたいと考えております。
  37. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 済みません、質問に答えていただいておりません。  私の質問は、利ざやが減少し続ける中では融資を増やすことは難しいのではないかという部分についてお答えをいただきたいと思います。
  38. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 増えておると申し上げました。  御理解いただいていないようなので、数字で申し上げます。  貸出残高を見ますと、二〇一二年の二百十九兆円から二〇一七年二百六十一兆円と、プラス四十二兆円貸出残高が増えております。貸出し利ざやは、御存じのように一・五五が一・一一と〇・四四減っているにもかかわらず、貸出残高は増えておるというのが実体の数字であります。
  39. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 その有望な、特に地方における融資先が増えていないという実態があると思いますが、改めて伺いたいと思います。  それから、日銀の低金利政策によってリスク性資産の保有を増やしてきたわけでございますので、地銀の自己資本比率も減ってきております。国内基準行の自己資本比率が二〇一七年度では九・五九%と、二〇一二年度に比べて一・五%減少しています。自己資本比率の低い銀行ほど貸出しに消極的な傾向が見られるために、貸出しで抑制を通じて実体経済に悪影響を及ぼすということが想定されると思います。  麻生大臣は十六日のこの委員会で、地銀平均の自己資本比率が約一〇%のレベルであって、システム総体としては安定していると発言しておりますけれども、実際にこの先ほど申しました数字を見ても放置できない状況にあるのではないかと思いますが、見解を伺いたいと思います。
  40. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 地域銀行の自己資本比率というのは、これは貸出金の増加等というものを背景にして低下傾向にありますものの、地域銀行全体の自己資本の総額は増加をいたしております。こうしたことを踏まえますと、現時点において地域銀行の資本基盤というものは充実をしておるのであって、日本の金融システムは総体としては安定しているものだと考えております。  また、自己資本比率の高低にかかわらず、総体として地域銀行の貸出総額と、残高というものは増加傾向にありますが、地域銀行におきましては、貸出しなどの金融仲介機能を十分に発揮することによって地域企業の生産性を図るとか、また地域経済の発展に貢献していくということが求められているんだと思っておりますが、繰り返しになりますが、金融庁といたしましては、こうした観点から地域銀行の自主的な取組というのを引き続き促してまいりたいと考えております。
  41. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 全体であっても、いろんな地域においてこの実は自己資本比率の低下というものが、いろいろな悪影響が出てきておると思っておりますけれども、また改めて質問いたします。  そこで、日本の銀行のアメリカ市場への投資が随分と増加しております。資料の五ページ、御覧いただきたいと思いますけれども、日本の銀行は金利の高い米国などに資金を還流させておるわけであります。日銀の金融システムレポートによれば、アメリカにおける日本の銀行の国際与信のシェアは二五%以上に拡大しております。ゆうちょ銀行や農林中金がリスク性資産への投資を拡大をし、CLO等の海外クレジット投資残高が二〇一八年までに七千億ドルを突破したということも明らかになっています。  日銀のマイナス金利政策によるジャパン・マネーの米国還流が、アメリカの株高、国債金利上昇、ドル高を可能にして、財政赤字の尻拭いまでしているという構造になっていると思います。黒田日銀総裁は十四日の本委員会で、CLOを含むクレジット投資が増えているのは先進国では一般的な現象であると答弁しておりますが、日銀の金融政策の結果、この日本の米国クレジット投資に関する寄与度が高まっているということは間違いないのではないかと思いますが、副総裁、お答えをいただきたいと思います。
  42. 雨宮正佳

    ○参考人(雨宮正佳君) 先ほど申し上げましたとおり、諸外国の中央銀行総裁も言及しておりますとおり、今、先進国全体で低金利が続く中で利回り追求の動きが見られておりまして、クレジット市場で様々な債務の残高が増加しているという傾向は、世界共通、先進国共通で見られるということかと思います。そうした中でも、我が国の大手金融機関を中心に、CLO、先ほどから話題になっておりますCLOを含む海外クレジット投資残高が増加基調にあるということは認識してございます。  ただ、その背景は、先ほど来御議論がございますけれども、国内での低金利環境の長期化ということもございますが、それに並びまして、やはり人口減少ですとか企業数の減少、あるいは成長期待の低下といったことを背景とする資金需要の伸び悩みを受けて、金融機関が有価証券運用等で積極的なリスクテークを行っているといったこともございますので、様々な要因が背景にあるものというふうに認識してございます。
  43. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 いや、様々な要因というのは、そういう答弁をしておりますけど、やっぱりメーンはこの低金利政策ということであり、かつ、先ほどの質問、つまり、イエレン前議長、カーニー総裁の話もそうですけれども、これだけ中央銀行のイギリスやアメリカの方々がこれだけはっきり言っているということは、様々な原因で、つまり、CLO投資等に行っているその危険性をこれだけの方が発言されているのに比べれば、日銀の方は非常に何かのんびり構えているなと、これで本当に大丈夫なのかなという気がいたしますが、本当にそうですか。
  44. 雨宮正佳

    ○参考人(雨宮正佳君) 先ほど大臣の方から御答弁ございましたけれども、私どももこうした状況については点検を重ねてきております。現段階では、本邦金融機関が保有するCLOは格付が最上位のものが中心でありますとか、あるいは裏付け資産のモニタリングやストレステストなど、リスク管理は相応にしっかり行っているというふうに認識してございます。  もとより、昨秋以降ですか、市場の動向に応じてはこうしたクレジット商品の価格が大きく変動するといったこともございますので、こうした金融機関による投資動向については今後とも注視していきたいというふうに考えております。
  45. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 ここで金融庁の局長に伺いますが、私が農水委員会でこのCLO等の質問しましたところ、格付をうのみにせず、このリスクの所在の把握が重要であると。リスクの所在が重要である、格付をうのみにせずということからしますと、このいわゆるリスクの所在の部分がダイレクトレンディングも含めまして非常に危ういのではないかと。それが、アメリカあるいはイギリスの中央銀行総裁等がおっしゃっている、しかも、いわゆるサブプライムローンとの比較についてまで言及されている。  そうすると、サブプライムローン以降、実は、CLOを欧米の金融機関は下げたんです。ところが、農林中金だけ増やしてきているんです。まさにその所在の問題についての認識が違うわけですが、それについて、所在の関係から問題ないんですか。
  46. 栗田照久

    ○政府参考人(栗田照久君) CLOにつきましては、その格付というのが一つの判断指標にはなると思いますが、今御指摘のように、高格付であれば全てよしということではなくて、ほか、どういう実際、実質的なリスクを持っているのかということを金融機関としてよく見ていただく必要がありますし、その点について我々もよく見ていく必要があるというふうに考えております。  具体的には、要するに、CLOの原債権になっているような貸出しがどういう質のものか、どういう条件が付いているのか、そういう点も含めて、できるだけきめ細かく我々としてはモニタリングしていきたいというふうに考えてございます。
  47. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 また日銀の副総裁にお伺いしたいと思いますが、アメリカの国債債務利払い費は、ほかのG7諸国に比べて非常に増えてきています。かつ、巨額になっています。国家債務に対する利息の利払いが一日千五百億円というような数字もあります。  資料の六を御覧いただきたいと思います。これまた見てびっくりしたんですけれども、これ、一応円に換算しました。そうすると、日本が八兆一千四百十七億円、アメリカは五十二兆九千六百五十億円ぐらいになります。これ、増え続けていきます。これ、大変な実はアメリカの債務でありますけれども、日銀がマイナス金利政策を止めた場合、日本からの資金の流入がストップして、これはアメリカの財政、経済は大変なことになると。最悪の場合に第二のシステミックリスク、世界恐慌の引き金になるという話まで実はアメリカの新聞なんかに出ておりますけれども。  ということは、今の異次元金融緩和政策を続けると、今日指摘しました地銀なんかも大変になってきておりますし、日銀が国債の四十数%を持っているので国内の流動債が減っていると。ですから、マイナス金利政策の弊害が明らかになってきているわけですが、一方で、これを止めると世界的に危機的な状況に陥ると。ですから、続けるにしても止めるにしても、進むも地獄、引くも地獄じゃありませんけれども、今非常にいろんな意味で重要な局面になっているし、大変重要な状況にあると思っておりますけれども、こういう中でのマイナス金利政策についてどう対応すべきかについて、日銀のお答えをいただきたいと思います。
  48. 雨宮正佳

    ○参考人(雨宮正佳君) まず御理解いただきたいことでございますけれども、私どもでは、目標である物価安定の実現にはなお時間が掛かるというふうに考えております中で、物価の安定という使命を果たすため、現在の強力な金融緩和を粘り強く続けていくことが必要であると考えております。  その上で、例えば御指摘のありました出口の際の影響でございますが、まず御理解いただきたいことは、仮に出口に到達するということは、日本経済がいよいよ物価安定の下での安定的な成長経路をしっかり確保したということでございますので、世界第三位の経済がそうしたしっかりした安定成長経路を確実にするということは、これは世界経済、アメリカも含めまして世界経済にとってもプラスに寄与するということは基本だろうと思います。ただし、その上で、御指摘のありましたとおり、金利水準の調整ということを行う場合には、それが内外の市場にどのような影響を与えるかといったことも十分配慮しながら進めていく必要があるというふうに考えております。  いずれ先行き物価安定の目標の実現に近づく際には、この出口に向けた戦略や方針について、内外の市場参加者に対し適切に情報発信していくことが大事であると思いますし、そうしたしっかりとしたコミュニケーションを続けながら安定を確保しつつ、しっかりとした対応を取るということは可能であるというふうに考えております。
  49. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 昨年の七月だろうと思いますが、日銀の政策決定会合で金融緩和政策変更ないと決定したところ、欧米の新聞がほっとしたというような見出しの記事が出ました。つまり、日銀がこれ金融緩和政策をやめると金利差がなくなるので、アメリカの財政が大変になってしまうということで、実際に見出しが出たぐらいです。  つまり、日銀の政策決定会合の動向が、これ世界が注視していて、したがって、今のいろんなマイナス金利政策が国内で様々な財政、経済等に関していろんなマイナス要因が出ていますけれども、一方でこれをやめると世界が大変震撼してしまうと、そういう状況に日銀の政策決定会合があると、そういう認識お持ちですか。
  50. 雨宮正佳

    ○参考人(雨宮正佳君) 今、世界の金融市場、為替市場はグローバル化しておりますので、日本だけではなく、各国の経済情勢あるいは政策運営が大きな広がりを持つということは御指摘のとおりでございますし、そうした点は私どもとしてもしっかり念頭に置いて、適切な政策運営と丹念な市場とのコミュニケーションに努めてまいりたいというふうに考えております。  ただし、私どもの仕事は、あくまで日本経済の物価安定、物価安定の下での健全な国民経済の発展でございますので、米国経済の面倒は米国政府とFRBが見るべきだというふうに考えてございます。
  51. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 麻生大臣、今、日銀はそういうふうにおっしゃっていますけれども、実際に日本の金融政策が、実はアメリカの、先ほど資料を示しましたように、相当お金がアメリカに行っているわけです。聞きますと、ヨーロッパにも相当行っています。これだけアメリカ及びヨーロッパにお金が行っているということは、この日本の政策がそれだけ他国の特に財政赤字に対して尻拭いといいますか、下支えをしているわけですから、これはやはり、これだけグローバル化しているということは、先ほど日銀は、日本経済はうちがやる、アメリカ経済はアメリカが勝手にやれみたいな話でしたけれども、それ以上に重みを持っておると思いますので、そういう意味での金融政策をやっていただきたいと思いますが、それについてコメントがあればお答えをいただきたいと思います。
  52. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 日本銀行が自国の物価安定、自国の経済、金融等々に多大なる責任を持って優先順位の一番としてもらわなければ困るのであって、それは当たり前の話を今副総裁の方からあったんだと思いますが、加えて、国際社会の中で非常に大きな影響力を持つようになってきているというのはこの数年間はっきりしていると思っておりますので、それに対応して私どももいろんなことから、私どもとしてIMFに、少なくともIMFに、あの金融危機が起こりました十年前にIMFに金を十兆円ローンするというふうなこともやっておるわけですから、今に始まったことではなく、昔からそのような対応をしてきたと思っております。
  53. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 終わります。ありがとうございました。
  54. 古賀之士

    ○古賀之士君 国民民主党・新緑風会の古賀之士です。  まず、麻生大臣にお礼を述べさせていただきます。  今年三月の本会議において代表質問をさせていただいた際に、国税庁の軽減税率の相談ダイヤルが有料であるということを指摘をいたしました。そうしましたところ、四月の二十二日からその有料相談ダイヤルが無料、フリーダイヤルとなりまして、麻生大臣始め関係各位の皆様方に、対応を本当にありがとうございました。多くの小売それから飲食始めとする特に中小企業の皆様方にとっては、この無料ダイヤルというのは朗報だと思っております。感謝申し上げます。  それでは、質問に移らせていただきます。  まず、資料の一、御覧いただきたいと思います。信用保証協会についての理事長等の選任方法についてお伺いをいたします。  まず、役員について、この資料にありますとおり、五十の協会における選定プロセス、公募形式が十四、それから第三者委員会形式が三十六の協会となっております。公募の形式ですとか審査のプロセス、それから第三者委員会の構成や審査のプロセスについて国はチェックをしているんでしょうか、そして、選定プロセスをホームページ等で公開している協会がどれぐらいあるんでしょうか、経産省参考人にお伺いします。
  55. 木村聡

    ○政府参考人(木村聡君) お答え申し上げます。  信用保証協会は、公的機関といたしまして透明性や公平性を確保することが求められてございます。中小企業庁といたしましては、その役員につきましても、適切な手続に基づきまして能力本位で適材適所の人材が選任されることが望ましいと考えてございます。このため、平成二十六年十月に保証協会向けの監督指針を改正させていただきまして、関係する地方公共団体からの理事選任につきましては透明性の高い手続を経なければならないということとさせていただいたところでございます。  中小企業庁といたしましては、各保証協会の業務方法書の認可等を通じましてそうした手続の整備状況について確認を行っているところでございます。平成二十六年十月の監督指針改正前に公募や第三者委員会といった透明性の高い手続を通じた選任を行っていたのは四協会でございましたが、監督指針の改正を経た現在では、五十一の保証協会全てが透明性の高い手続を講じているところでございます。  また、中小企業庁は実際に各保証協会で役員が選任された際に報告を受けてございまして、仮に業務方法書に沿った手続が行われていなければ、法律に基づく検査により確認し、必要な指導を行いますなど、保証協会の健全な運営の確保に向けた適切な監督を行っているところでございます。その結果、中小企業庁としてでございますけれども、監督指針の改正後におきまして選任手続上の問題があった事案は把握しておりませんで、各保証協会では所定の手続が適切に実施されているものと認識しているところでございます。  御指摘ございました理事長、会長の選定プロセスのホームページ等での公表状況につきましては、現在、五十一の保証協会のうち十三の保証協会が選定の手続を保証協会自身あるいは関係する地方公共団体のホームページで公表しているものと承知しているところでございます。  以上でございます。
  56. 古賀之士

    ○古賀之士君 今述べていただいたとおり、資料一にも、下のところにアンダーラインで引かせていただいておりますが、この関係地方公共団体の理事については公募や複数の候補者からの選定等の透明性の高い手続が経られたものとして選任が行われるようにしているかと、まさにそこだと思います。  一ページおめくりいただいて資料の二を御覧いただきたいんですが、これは琉球新報の電子版で二〇一五年の五月のものですけれども、ここに、沖縄県の信用保証協会の次期会長候補として、見出しに宮城氏軸に調整というふうに書いてあります。つまり、信用保証協会の理事長それから会長人事に当たっては、第三者委員会の設置の前から県の役人の方が本命であるというふうに、実質これ漏れているわけですよね。これって、言葉は悪いですが、出来レースの疑いもあると。こうした点をどのように考えていらっしゃいますか。
  57. 木村聡

    ○政府参考人(木村聡君) 先ほど御答弁申し上げましたとおり、それぞれ適切に選任が行われているというふうに認識をいたしておりますけれども、信用保証協会法上は、主務大臣は、保証協会を監督し、必要あらば報告させ、仮に業務方法書等に違反する場合には、同法の目的を達成するために必要な限度において役員の解任等の必要な措置を命ずることが可能となってございます。引き続き適切に監督してまいりたい、このように考えてございます。  以上でございます。
  58. 古賀之士

    ○古賀之士君 是非チェックをもう一度きちんとしていただければと思っております。  資料の三を御覧ください。金融担当大臣でもいらっしゃる麻生大臣にお伺いいたしますが、この信用保証協会の理事長、会長について、自治体出身者の継続代数とそれから自治体出身者の継続年数を書いてある表なんですが、例えば今、強調されている太字のところですけれども、大阪それから兵庫では十九代継続して、なおかつその継続年数が七十年というふうになっております。監督指針に形だけ従っているだけのようで、これ実際、これ内容が本当に伴っているのかというように思える部分も中にはあるんですが、麻生大臣はどのようにお考えでしょうか。
  59. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 今資料を拝見しましたけれども、この信用保証協会の話ですけれども、これ、中小企業・小規模事業者の金融の円滑な運営というのを図るためにこれは重要な役割をこの信用保証協会というのは担っておるんですけれども、地域経済とか中小企業とか小規模事業者の活性化というのを第一に考えてもらわにゃいかぬところなんで、公的機関としての信用保証協会というものの透明性とか公平性というのを求められているということがおっしゃりたいところなんだと思うんですが、この理事長、会長につきましても、こうした理念を踏まえてこれは適切な対応というものが、適材適所に配置されるということが望ましいんだと考えておりますので。  これは、平成二十六年度の十月に監督指針というのを改正して、信用保証協会に対して、関係する地方自治体からの理事長、会長の選任に対しては透明性の高い手続を実施するということを求めております。今たしか石川県がきちんとだと思います、記憶しますけど、石川県以外の信用保証協会も、理事長、会長が地方自治体出身であるかどうかにかかわらず、適切なプロセスというものを経て選任されているんだと承知をしておりますが、いずれにいたしましても、中小企業庁や関係公共団体と連携をいたしまして、この客観的かつ公正な事務運営が確保されるようにしておきませんと、妙な形になると癒着とか天下りとか話になってきますので、適切な指導監督を行ってまいりたいと考えております。
  60. 古賀之士

    ○古賀之士君 是非そのように適切な対応をよろしくお願いをいたします。  今大臣の御答弁にもありましたとおり、石川県はこれゼロ、ゼロという形なんですが、そのほかは一桁というのがもうほとんどありませんで、どうかしますともう数十年にわたっているものがほとんどでございますので、よろしくお願いをいたします。  では、その信用保証協会の業務について伺います。  例えば、神奈川県と横浜市、川崎市、それから愛知県と名古屋市、それから岐阜県と岐阜市のように県と市の両方に信用保証協会があることについてどのように考えていらっしゃるでしょうか。また、先行して実は合併をしているのが大阪府と大阪市です。この効果の検証などを経産省は行ったのでしょうか。お尋ねです。
  61. 木村聡

    ○政府参考人(木村聡君) お答え申し上げます。  信用保証協会は、各地域の経済と雇用を担います中小企業の資金繰りの円滑化を支援している信用保証協会法に基づく認可法人でございます。  現在業務を行っている信用保証協会は、例えば、関係する地方公共団体や商工団体等の発意によりまして、その業務の対象区域を含む定款を作成した上で信用保証協会法に基づく認可を受けて設立されてきたものでございまして、現在全国に五十一ある保証協会はそれぞれ適切に業務運営を行っているものと承知をいたしてございます。  大阪府と市の保証協会の合併について御指摘がございましたが、信用保証協会の合併につきましては、信用保証協会法におきまして、定款に合併に係る規定があるときは理事の決定によって合併することができることとされ、保証協会におけます諸手続や主務大臣による認可に係る規定等が整備されているところでございます。  中小企業庁といたしましては、現在、県と市に保証協会が併存する地域におきまして合併に向けた検討が行われているということは承知しておりませんけれども、今後、仮に具体的な動きがあれば、法律の規定に沿って適切に対応してまいりたいと、このように考えてございます。  また、御指摘ございました大阪府信用保証協会と大阪市信用保証協会の合併の効果についてでございますけれども、合併後の保証協会が、事務所面積の見直しによります賃料削減効果でありますとか、あるいは重複業務に従事する職員の配置転換等によります人件費削減効果があったという評価をしているとの報告を受けているところでございます。  中小企業庁といたしましては、今後とも関係する地方公共団体とも連携しながら、各保証協会が安定かつ効率的に組織運営を行っていけるよう適切に監督してまいりたいと、このように考えてございます。  以上でございます。
  62. 古賀之士

    ○古賀之士君 是非、こういった信用保証協会の理事長、会長の選任はもちろんなんですけれども、具体的にこういった合併が行われているところもあるわけですので、是非その辺を無駄のないように、そしてあらぬ誤解や疑いが掛けられないような形で業務の効率化を是非図っていただきたいというふうに思っております。  それからあと、みちのく銀行以外の金融機関、信用保証協会に提出する書類、これ偽造事案の件でございますけれども、みちのく銀行以外の金融機関に、信用保証協会に提出する書類の偽造事案はほかにはなかったのでしょうか。こちらは金融庁の参考人の方に。
  63. 栗田照久

    ○政府参考人(栗田照久君) お尋ねのございました金融機関が信用保証協会に提出する書類を偽造していたというみちのく銀行の事案に関しまして、他の銀行、金融機関から提出されました過去五年間の不祥事件等届出書を確認させていただきましたところ、みちのく銀行以外にも同様の事案が認められたところでございます。  金融庁といたしましては、今後とも、引き続き金融機関に対しまして適切な金融仲介機能の発揮を促すとともに、金融機関の業務の動向をきちんとモニタリングしてまいりたいというふうに考えてございます。
  64. 古賀之士

    ○古賀之士君 そういった書類の偽造事案は、これ非公表、公表というのは何かガイドライン等あるんでしょうか。
  65. 栗田照久

    ○政府参考人(栗田照久君) 何か問題になるような事件が起こりましたときにこれを公表するか非公表とするかの判断については、一義的に金融機関自らが判断すべきものだというふうに承知しております。  我々金融庁といたしましては、金融機関における情報発信の状況等を含めまして、問題が発生した場合の対応が十分なものか、適切なものになっているかについて確認するなど、実態把握に努めているところでございます。
  66. 古賀之士

    ○古賀之士君 つまり、各金融機関に対してもう公表か非公表かを委ねているという状況だと思いますので、これ、場合によっては非公表にしていて、顧客に重大な影響や、それから場合によっては被害を被る可能性やおそれがあるということもあり得ますので、その辺もしっかりと監督していただいて、場合によっては受ける影響の大きさなども勘案していただいて、是非、金融機関のその公表、非公表に関しては是非対応をしっかりしていただきたいということを改めて通告なりしていただけるようお願い申し上げます。ありがとうございました。  では、次の質問に移らせていただきます。  次は、INCJ、通称インクジェーと申しますが、それとジャパンディスプレイ、JDI、及び時間がありましたら日本版のスチュワードシップ・コードについてお話を伺いたいと思っております。  まず、資料の四を御覧ください。これはジャパンディスプレイの二〇一八年度の第四・四半期の、そして通期の決算説明会の資料なんですが、構造改革の概要と書いてございます。  五月の十五日の決算説明会の資料では、この下の段に書いてありますように、一千人規模の早期希望退職を上期中に募集とあります。大変厳しい現実です。こういった状況もある中で、産業革新機構、INCJが、つまり行政が深く関わっている会社でこうした事態に至っているということを経産省はどのようにお考えでしょうか。
  67. 成田達治

    ○政府参考人(成田達治君) お答え申し上げます。  今委員御指摘ありましたように、ジャパンディスプレイ、JDIにつきましては非常に厳しい経営状況ということで、御指摘ありましたように千人規模の早期希望退職を募集するという状況でございます。  一般論としまして、競争の激しい分野におきましては各社で事業体質の強化に向けた様々な対応が行われるということは承知しております。そういった場合に、仮に人員削減などの構造改革を実施するに当たりましては、その企業におかれては、労働関連法令の遵守を大前提といたしまして、従業員、地元などの関係者にしっかりと経営方針や構造改革の必要性などを説明し、地域経済への影響にも配慮するなど、丁寧な対応を行うことが重要と考えております。
  68. 古賀之士

    ○古賀之士君 やっぱり、公的な機関である産業革新機構ですとかINCJが私たち従業員を守ってもらえるという部分というのはあったと思うんですよね。こういう厳しい現実をしっかりと改めて認識していただきたいと思っております。  この決算説明会の資料四でございますけれども、上の段に減損損失(特別損失)七百五十二億円、うち石川県の白山工場分で七百四十七億円となっております。もちろん、この全てが公金というわけではないんですけれども、実はこの石川県の白山工場というのはできてまだ二年半なんですよね。この二年半という期間の短さを考えると、これ、機構やINCJからジャパンディスプレイを通じて、これ税金、公金がもうどんどんどんどん使われているという印象があります、そういう思いが出てきます。その一方で、下段に書いてありますように一千人規模の早期希望退職を募集という、この辺についてはどうお考えですか。
  69. 成田達治

    ○政府参考人(成田達治君) このJDIにつきましては、設立されました二〇一二年当初、この時点におきましては、日本の高い技術力を結集して、当時、急成長が見込まれていたモバイル向けの液晶パネルを中心にグローバル市場で競争力を高めていくと、そういう戦略を持っていたわけでございます。  その後、二〇一四年以降、特に二つのこと、一つはモバイル市場におきまして量産可能な技術力を持つ有機ELがコストを下げて急速に参入してきたこと、それからもう一つは、新興勢力が液晶の技術力を高めてモバイル市場に参入したことなどを背景に、ディスプレー市場におきまして多額の投資競争が発生し、結果として非常に激しい価格競争など競争環境が激変したという状況に至っているというふうに考えております。その結果、JDIは売上高や営業利益が減少するとともに、株価も低迷することとなったということであります。  こうした中、JDIそれからINCJにおきましては、二〇一六年十二月の中期経営計画におきまして、単独で事業展開を図るのではなく、グローバルパートナーを確保しながら必要な資金力を確保する必要があると、そういった戦略を明確にして、それ以来、グローバルパートナーの確保に向けた検討を続けてきたと承知しております。  現在、いわゆるSuwaコンソーシアムと言われるパートナーと協議を継続しておりますけれども、こういった形で経営を安定化させていくといったようなことに取り組んでいるという認識でございます。
  70. 古賀之士

    ○古賀之士君 確かに今お話があったように、今現状はグローバルパートナーを見付けていくということなんですが、ただ、本来、事の発端は、これジャパンディスプレイという会社をそれぞれの日本の主たる産業が出資をして、そして日本の技術を守り、そしてそれを世界にという思いからやはり発足したという大前提があるかと思うんですね。そのスタートが、いつの間にやらといいますか、確かにその厳しい経済環境や世界的な状況はあると思いますけれども、結果的に、グローバルパートナー、つまり、いわゆる今の現状は中国や台湾に、これもちょっと言葉は悪いかもしれませんが、売却してしまうというような形にならざるを得ないような今状況になってきています。しかも、その売却あるいは条件がかなり厳しい、私どもにとっては厳しいような条件じゃないのかなということをちょっとこれから質問させていただきます。  Suwaコンソーシアムとの戦略的提携及び資本増強策の概要というのがあるんですけれども、このINCJは、Suwaから資金が入るまでのブリッジローン、つまりつなぎ融資を行って、Suwaからの資金が入った後にコミットメントラインと言われております一千七十億円をINCJの長期ローンに振り替えることで財務的安定性を確保すると書いてございます。  この点について、資料の五、御覧ください。コミットメントラインの期限は、これ、この日経新聞の電子版の記事は去年の八月に書かれているもので、新たな期限も一年間とすると。アンダーラインを引いているところです。ということは、コミットメントラインの期限は今年八月の頭のようですが、台湾側のTPKは、意見の相違がある、年内に妥結したいと。つまり、こっちでは、記事では今年八月が頭、しかし台湾側は年内と。  これ、時間軸の違い、捉え方がかなり時期的なずれがあるように思えるんですけれども、どう考えていらっしゃいますか。
  71. 成田達治

    ○政府参考人(成田達治君) お答えいたします。  委員御指摘ございましたように、現在、Suwaコンソーシアムとの資本業務提携につきましては、JDIの方から、五月十八日に、Suwaとの間で、当社の事業、財務基盤の更なる強化、安定策を含めて協議を継続しているということ、それから、今後、各出資予定者側の内部の機関決定等、開示すべき事項が生じた場合には速やかに公表するということで協議が継続されているというふうに認識しております。現在、その状況を見守っているということでございます。
  72. 古賀之士

    ○古賀之士君 あと、懸念することがちょっとあるんですよね。ちょっとじゃない、相当あるんです。  台湾のこのTPKというのは、中国の企業とも御存じと思いますが提携していると思います。この点、東芝メモリのように中国のこれ独禁法当局の審査が長引いたりするケースがあるわけですよね。こうするとどんどんどんどん時間的な問題が出てくると、これ大丈夫なのか。それから、あとアメリカです。これ、対米の外国投資委員会のこれ対象になるんじゃないかというおそれもあると思うんですけれども、これについてはどのようにお考えですか。
  73. 成田達治

    ○政府参考人(成田達治君) 今御指摘がございましたように、独禁法の審査であったりとか他国の規制におきましても、十分に関係者の間で認識を共有しながら協議の継続が行われているというふうに認識しております。  それから、後段で御質問のありました米国の規制でございますけれども、米国の対内直接投資審査手続など、他国の行政手続に関することでございますので、これについてのコメントをすることは差し控えたいというふうに考えております。
  74. 古賀之士

    ○古賀之士君 時間がなくなってまいりましたので、なかなかスチュワードシップ・コードまで行けないと思いますが、資料の六を御覧いただきたいと思います。概要ではこれハーベストテックとの業務提携というふうに大きく書いてあるんですけれども、内容は事業の立ち上げに向けて協議開始を基本合意となっております。つまり、もう協議を始めればそれでもう結果に関しては関知しないよというふうにも読めるんですね。  資料の七、次のページちょっと御覧いただきたいんですけれども、こちらの真ん中のところの右側ですね、ハーベストとOLEDの業務提携というところがあるんですけれども、この合意内容に、失礼しました、資料六の後の七ですね、資料の七ですね。失礼しました。別のページを見ていただきたいんですが、資料の七のこの一番下の欄のところですね。ここには、合意内容に法的拘束力はありませんともされているわけです。これ、結局は有機EL事業の提携が立ち上がらず、これじり貧になってしまう、そういうおそれもあって、その際にはどんどんどんどん公金、つまり税金が更に投入され続けていくという懸念も出てくるわけなんですね。  これを最後の、済みません、質問にさせていただきます。どのように今お考えでしょうか。
  75. 成田達治

    ○政府参考人(成田達治君) お答えいたします。  御指摘ございましたOLEDの業務提携基本合意につきましては、JDIの方から四月十二日に適時開示ということで、その中で、当社すなわちJDIとハーベストテクノロジーは蒸着方式OLEDディスプレーの量産計画に関する業務提携の実現に向けて引き続き協議を行う旨を合意したといった開示がなされていると承知しております。  あわせて、先生御指摘のとおり、OLED業務提携基本合意での規定事項には法的拘束はないという開示がなされておりますけれども、その同じ開示におきまして、その最終的な内容に関して現在協議中ということで、当該内容が決定次第、速やかに開示するといった開示がなされていると考えております。  いずれにしましても、こういった協議、引き続き継続しているという認識でございますので、その状況を見守ってまいりたいというふうに考えております。
  76. 古賀之士

    ○古賀之士君 時間が来ましたのでまとめますが、是非、厳しい状況の中でどこまで公金をというのは大変難しい、悩ましい問題だと思いますけれども、それこそそういった面も含めると日本版のスチュワードシップ・コードのことも検討していただきたいと、ほかの事例も公的機関でもあるわけですので、考えていただければと思っております。  終わります。ありがとうございました。
  77. 熊野正士

    ○熊野正士君 公明党の熊野正士です。よろしくお願いをいたします。  今月の十二日だったんですけれども、ニュースがありまして、日本の研究力が、科学技術の研究力が低下しているということで、引用回数の論文を分析すると、百五十一分野で八十でアメリカがトップ、七十一で中国ということで、この二か国で全て第一位を独占しておりまして、日本は一位がなくて、第三位が二つの分野ということでございました。五位以内を調べましても、一九九七年のときには八十三分野で日本が五位以内に入っていたんですが、二〇一七年では十八分野ということで、この研究力の低下ということが指摘をされております。  そういった中で、若手研究者を中心に研究開発予算というのを増額していただいていると承知しているんですが、そもそもこの研究開発予算について税金を投じている意義についてまず御説明いただけたらと思います。
  78. 神田眞人

    ○政府参考人(神田眞人君) お答え申し上げます。  まず、我が国は人口が激しく減少してまいりますので、経済社会を維持発展させるためには生産性向上が必要であり、そのためには技術力を高める必要があります。また、中国など新興国の台頭の中、国際競争が激化している、かつ経済発展の質が知識集約型にシフトしているところ、これにキャッチアップしなければならない。更に言えば、人口問題あるいは気候変動といったグローバルリスクが世界的な課題となる中、日本は課題先進国として世界に貢献できる役割が大きいとも考えております。  科学技術への投資は、こういった経済社会の激変がもたらす様々な課題を解決し得るイノベーションを生み出し、日本、ひいては世界の新たな未来を切り開いていく重要な未来への投資であり、そうした点に血税を使わせていただくことの意義があると考えておりまして、実際、日本の政府研究開発投資の規模は、減税も加えて対GDP比で見ますと〇・八%でございます。アメリカ〇・七一%、イギリス〇・六八%、ドイツの〇・九二%と比べても、決して遜色のない規模を確保しております。  他方、投資の質の向上、これにも取り組んでいく必要もございます。例えば、高等教育部門における研究開発費百万ドルに対するトップテン論文数を見ると、日本は〇・一五、他方、ドイツは〇・二六、イギリスは〇・七一であり、日本は極めて低い。また、民間企業の研究開発費に占める大学に投ずる割合、これは日本の〇・七%に対して、ドイツ三・五%、イギリス一・七%と低いなど、民間投資の活用もまだまだ不十分であります。  こうした研究生産性の低さ、民間企業等のオープンイノベーションが進まない背景には、研究開発のフロンティアが、先生御案内のとおり、今、学際・分野融合的な領域、あるいは国際協力の中で形成されているにもかかわらず、依然として我が国は硬直的、閉鎖的、内向的であり、新陳代謝がないことにもあると考えられます。こうした構造を改革しない限り、投資に対する高い成果を得ることはできませんし、けだし、一般会計の三二%、三十二兆円を国債、つまり次世代への借金でファイナンスしている以上、より効果的なものに絞り込むことも必要であります。  したがって、厳しい優先順位、めり張りを付けつつ、新しい分野への転換が促進され、質の低い研究開発が温存されないように資源配分を行っていくことなどを通じて、より意義のある投資にしてまいりたいと存じます。
  79. 熊野正士

    ○熊野正士君 御丁寧にありがとうございました。  イノベーションというふうなお話もございました。いわゆる医学の分野でおきますと、基礎研究の部分、それからその出口に近い実用化に向けた研究というのがあるわけですけれども、そういった中で、医工連携事業化推進事業というのがございます。この意義と、それから予算額についてお示ししていただいてよろしいでしょうか。
  80. 神田眞人

    ○政府参考人(神田眞人君) お答え申し上げます。  先生御指摘の先端医療機器の開発、これは中小企業の物づくり技術が生かせる領域でありますが、その事業化に当たっては、医療現場のニーズ等を踏まえた医学分野と工学分野の連携を促進していくことが重要でございます。そのため、技術を有する中小企業と大学や医療機関などとのコンソーシアムによる現場ニーズに応える医療機器の開発、事業化の取組に対して開発資金の補助等を行い、物づくり企業と大学、医療機関等による医工連携の取組を国として支援しているものであります。  お尋ねの事業費につきましては、令和二年度までに本事業実施により開発した医療機器等の実用件数百件とすることを目標とする中、今年度予算においては約二十七億円を計上してございます。これは言わばシードマネーでございまして、収益性、事業拡大が見込まれる分野である以上、将来的には民間の自律的な取組によってイノベーションが生まれ、市場の拡大、獲得につながっていくことを期待しておりますが、いずれにいたしましても、本事業を含め、これらに係る予算については、その事業の効果、効率性等を十分に踏まえて、毎年度の予算編成において適切に対応してまいりたいと存じます。
  81. 熊野正士

    ○熊野正士君 ありがとうございます。  これは経産省主導でやっている事業というふうに承知をしておりますが、これ、平成二十六年から始まっているというふうに聞いております。いろいろと成果も上がっていると思いますので、その辺のことについて、経産省の、どう評価しているかということについて御答弁お願いします。
  82. 江崎禎英

    ○政府参考人(江崎禎英君) ありがとうございます。お答えを申し上げます。  医療機器市場でございますけれども、全世界的に現在拡大傾向にありますが、残念ながら日本の医療機器産業は、欧米企業の後塵を拝しているのが実情でございます。しかしながら、高齢化に伴います疾患や、例えば千グラム以下の超低体重児の乳児に対する人工呼吸器のように、これまで見過ごされてきた医療ニーズへの対応など、日本の中小企業が有するきめ細かく優れた技術を活用する機会が拡大するものと期待されております。このため、経済産業省におきましては、医工連携事業化推進事業におきまして、物づくり技術を有する中小企業と医療機関などとの連携による医療現場のニーズ、これに応える医療機器の開発、実用化を実施しているところでございます。  具体的には、研究開発費助成に加えまして、事業化に向けた専門家からの助言、さらには情報提供などを実施しております。これまで、平成三十年三月まででございますが、百七十六件の医療機器開発を支援し、これまでに七十一の医療機器が上市、すなわち製品化に至ったものでございます。  こうした取組によりまして、自動車産業や産業機械分野など異業種からの参入、さらにはベンチャー企業の参入を実現するとともに、専門家の助言によって出口を見据えた開発に着手できたといった声もいただいているところでありまして、引き続き中小企業の医療機器分野への参入促進に取り組んでまいりたいと考えております。
  83. 熊野正士

    ○熊野正士君 ありがとうございます。  どうしても研究者は自分の興味のあることしか研究しないので、それが本当に実用化につながるかどうかというのは別の部分、まあそれはそれで大事な研究だと思いますけれども、医療ということに関して言えば、ニーズがあって、いわゆる医療者側というか患者さんを含めた医療としてのニーズがあって、そのニーズにどう例えば日本の物づくりの技術を生かしていくかと、中小企業中心にその物づくりと融合させていくというふうなことだと思います。  それがある一定の成果を上げていらっしゃるということで、事例集なども私拝見をさせていただきました。その中に、軟骨伝導補聴器というものが取り上げられておりまして、中小企業のそういう技術を生かして、いわゆる難聴の方に対する補聴器の開発ということだと思いますけれども、この軟骨伝導補聴器開発の経緯というものについてちょっとお話ししていただいてよろしいでしょうか。
  84. 江崎禎英

    ○政府参考人(江崎禎英君) ありがとうございます。お答えを申し上げます。  まずは、軟骨伝導補聴器といいますのは、耳の軟骨部分、これに振動子を接触させることで内耳へ直接音を伝達する軟骨伝導の原理、これを活用した世界初の補聴器であり、外耳道閉鎖症、耳の穴が塞がっている方ですね、そして耳垂れ、こうした症状によって通常の補聴器を使うことができない難聴者の方に適した医療機器でございます。  この補聴器の特徴でございますけれども、耳の穴を塞がないため、圧迫感がございません。さらには、装用のための手術も不要であるため身体への負担が少ないことに加えまして、スピーカー型のイヤホンを使わないため、小型化、低消費電力化を実現しております。さらに、この技術でございますけれども、耳の穴を塞がないために、外部の音を遮断することなく耳軟骨を通じた質の良い音、これが届くとともに、外部への音漏れが一切発生しません。このため、実は、補聴器から更に発展して、健常者の日常生活を豊かにする新たなオーディオ機器への応用も期待されているところでございます。  この補聴器の開発経緯でございますけれども、奈良県立医科大学、ここで発見されました軟骨伝導の原理を基に、物づくり中小企業の金型技術、これを活用しまして、国内補聴器メーカーとコンソーシアムを組むことによって現場のニーズに応える医療機器の開発が実現したものでございます。
  85. 熊野正士

    ○熊野正士君 ありがとうございます。  今御説明していただいたんですけれども、お手元の資料を見ていただけたらと思います。  一枚目の上の方に外耳道閉鎖症という写真を付けさせていただいておりますが、もう耳が塞がった、外耳道が塞がった状態で、なおかついわゆる耳介というものがない、いわゆる小耳症といいますが、そういうのが合併していることが非常に多い病気でございます。したがって、こういう方は、いわゆる耳の穴の中に入れる通常の補聴器が使えないということです。こういった患者さんは今までどうしていたかというと、下にあるこの骨導補聴器ということで、もうカチューシャ型でやるわけです。  次のページめくっていただくと、これはこれでいい補聴器であると思うんですけれども、課題としては、問題点としては、締め付けますので、そこのところから発赤が起こったりびらんが起こったりという、そういったいわゆる弊害があるということで、この新しい軟骨伝導の補聴器というものが非常にこういった患者さんにとって有効じゃないかなと、画期的なイノベーションではないかなというふうに思うところですけれども。  厚労省の方に伺いたいんですけれども、この外耳道閉鎖症という難病ですけれども、非常に画期的であると思いますけれども、厚労省の見解をお願いしたいと思います。
  86. 吉永和生

    ○政府参考人(吉永和生君) お答え申し上げます。  軟骨伝導補聴器につきましては、軟骨伝導という従来の補聴器とは異なった音の伝導経路を用いておりまして、従来の補聴器に比べ、装着のための手術を受ける必要がない、装着による圧迫感が少ないなど、使用する方に負担が少ないものと聞いてございます。  厚生労働省といたしましては、現在、疾病の専門家によります診療ガイドラインの作成等を行う研究を進めるなど、外耳道閉鎖症を含む難治性聴覚障害に対する良質かつ適切な医療の確保に向けた取組を行っているところでございますけれども、今般の経済産業省の医工連携事業化推進事業において、民間企業の方々との連携によりまして軟骨伝導補聴器が開発されたことにつきましては、治療方法等に関する患者の選択肢を増やす可能性がある画期的な成果であると認識しているところでございます。  こうした取組は、患者数が少なく、治療方法の開発が進みにくい難治性聴覚障害を持っている方にとって非常に有り難いものではないかと。このような取組と併せまして、厚生労働省としても、良質かつ適切な医療の確保に向けて研究を更に進めてまいりたいと考えているところでございます。
  87. 熊野正士

    ○熊野正士君 ありがとうございます。  実はこれ、耳の穴が塞がっているので、手術をしていわゆる耳道形成すればいいじゃないかというのもあるんですけど、なかなかやはり難しい。技術的にも難しくて、またすぐに再閉塞というふうなこともあるようですので。もう是非これを、こういった病気で苦しんでいる、もう子供の病気ですので、特に。子供にとって、こういう病気で苦しんでいる方が、この新しい軟骨伝導の補聴器で救っていただきたいなというふうに思います。  お付けした資料の三ページ目に、実は、先ほど御紹介していただきましたけれども、県立奈良医大の方で臨床試験が実は行われておりまして、耳鼻科の学長の細井先生とかあるいは西村先生が中心にやられているんですけれども、三ページ目の下のところに、感想ということで、この補聴器は小耳症、下のところですけれども、などの方にとって画期的なものだと思いますと。手術による侵襲がなく、感染のリスクが低く、調整がうまくいけば簡便。上記にも書きましたが、人と話したいという気持ちが高まり、積極性も生まれると思いますと。数々の感動を与えてくださっていますといった声とか、次のページですけれども、これは小学校の男の子ですけど、下のところですが、見た目は気導式補聴器と変わりませんが、聞こえは良くなりました。本人も手術をしなくてよく聞こえるようになり、とても喜んでいます。ふだん補聴器を装着していると困ることはほとんどなく、普通に生活しています。使い勝手も簡単です。ちょっと飛ばして、本当に軟骨伝導補聴器と出会えて良かったです、感謝しております。こういった声が寄せられております。  一番最後のところには、この論文も英語論文として発表されております。  こういった形で、このイノベーションを何とか、こういった軟骨伝導補聴器を先ほど言いました外耳道閉鎖症の人に使ってもらいたいんですけれども、ただ、現在のところ、この軟骨伝導補聴器を福祉用具として補助を受けるには特例補装具として申請するしかないというふうに厚労省に聞きました。でも、この特例申請であると、ちょっと自治体によってばらつきがあるそうです。そういう声もお聞きをしました。やっぱり、同じ病気で苦しむ子供さんにとって、差別があってはいけないなというふうに思います。そういった意味も含めて、厚労省の見解をお願いしたいと思います。
  88. 橋本泰宏

    ○政府参考人(橋本泰宏君) 補聴器等の補装具でございますが、JIS等の定められた規格を踏まえまして、その性能等を補装具の種目、購入等に要する費用の額の算定等に関する基準という厚生労働省の告示の方に定めてございます。しかしながら、現在、軟骨伝導補聴器はこのJIS等の規格が定められておりませんので、この告示には位置付けられてございません。ただ、今先生御指摘いただきましたように、軟骨伝導補聴器が有効であるというふうに医学的に判断された方に対しましては、市町村の方で、身体障害者更生相談所の判定に基づいて特例補装具という形で支給決定することが可能でございます。  この補装具費の支給決定に当たりましては、障害の状況ですとか生活環境等を総合的に検討して、必要性を個別に判断して支給決定をするということになるわけでございますが、今御指摘いただきましたように、自治体間で取扱いに大きな違いが生じないようにしていくという必要があるものと考えてございます。このため、補装具費として軟骨伝導補聴器を支給した自治体に対しまして支給決定の詳細に関する調査を行っていく、そしてまた、支給の判定を行います身体障害者更生相談所の研修会等において軟骨伝導補聴器に関する対応事例を共有していく、それから、市町村に対しまして、軟骨伝導補聴器を特例補装具として支給することができるということを明確に示すQアンドAを発出して周知を図る、こういった対応を行うことによりまして適切な支給決定が行われるような取組を進めてまいりたいと考えております。
  89. 熊野正士

    ○熊野正士君 是非よろしくお願いしたいと思います。  この医工連携事業で製品開発されるわけですけれども、この事業の中では、製品開発のみならず、事業化された製品を販売していくところまでしっかり応援しているというふうに聞いております。専門家の助言等も行っていただいているというふうに聞いておりますけれども、その辺りを詳細をお聞かせ願えますでしょうか。
  90. 江崎禎英

    ○政府参考人(江崎禎英君) ありがとうございます。お答え申し上げます。  お尋ねありました医工連携事業化推進事業でございますけれども、これは開発を促進するための資金的支援だけでなく、専門家による、伴走コンサルと呼んでおりますけれども、着実な事業化に向けた支援を行っているものでございます。具体的には、事業戦略、事業コンセプトの設計から薬事、知財、販売戦略まで、医療機器の事業化プロセス全般について専門家による助言を実施するものでございます。  実際この支援を受けた企業からは、専門家のアドバイスによって法規制、これへの対応方法がよく理解できたと、そして事業戦略を再構築することで上市、市場化の時期を早めることができたなどの評価をいただいており、事業化の加速に有効に機能していると認識しております。  ちなみに、先ほどお尋ねいただきました軟骨伝導補聴器の開発事業におきましては、法律の専門家のサポートの下に行いました、PMDA、この薬事戦略相談の結果、世界初の技術であるにもかかわらず臨床試験なしで薬事認証を取得することが可能となりまして、早期に事業化を実現したものでございます。  経済産業省としましては、引き続き、製品開発の支援を行うとともに、伴走コンサルの活用などを通じて画期的な製品開発に向けた取組を支援してまいりたいと考えております。
  91. 熊野正士

    ○熊野正士君 ありがとうございます。  これ聞きますと、世界初の日本の技術なんですけれども、この病気で苦しんでいらっしゃるのは、アメリカにもいらっしゃるし、インドネシア等でも何か先生がアピールをしていらっしゃるそうです。是非、そういった海外に向けてもよろしくお願いしたいと思います。  最後に質問ですけれども、こうした画期的なイノベーションをもたらす研究開発事業ということで、財務省の方としても、先ほど答弁していただきましたけれども、更にこの研究開発が進むように予算をしっかりと付けていただきたいというふうに思いますけれども、御答弁よろしくお願いいたします。
  92. 鈴木馨祐

    ○副大臣(鈴木馨祐君) 科学技術全体ということで申し上げれば、今非常に厳しい財政局面ですけれども、かなり重点的に確保をしているところでありまして、例えば科学技術関係予算全体ということでいえば、前年比一〇・四%増の今四兆二千三百七十七億円という状況になっております。その一方で、先ほど財務省からも答弁いたしましたように、例えば引用の論文数であったりとか、あるいは様々な企業からの大学への資金がなかなか行っていないとか、そういった問題もある中であります。  そうした中で、やはり、例えば学際的な、あるいは分野横断的なそういったことということでいえば医工連携であったりとか、あるいはニーズに基づいたそうした産学連携ということで考えれば、先ほどおっしゃった軟骨伝導型の補聴器ということもあろうかと思います。そういった意味で、いろんな形で日本発のイノベーションに向けてしっかりと予算が効果的に、意味がある使い方をされるようにしっかりとこれからも努めていきたいと思います。
  93. 熊野正士

    ○熊野正士君 ありがとうございました。終わります。
  94. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 日本維新の会の藤巻です。よろしくお願いいたします。日本維新の会・希望の党を、会派を代表して御質問させていただきます。  今日は日銀の財務の健全性についてお聞きしたいんですが、若田部副総裁、前回、私がFRB、アメリカの中央銀行であるFRBの純利益が利上げを始めてからぐっと減ってきていると、二〇一六年には十兆円の純利益があったものが、二〇一八年は七兆円に下がってきて、三兆円も減ってきたと、この理由は何かというふうにお尋ねしましたら、当然のことながら、FRB当座預金、これ日銀当座預金に相当する部分ですね、JPモルガン・チェースとかシティバンクがFRBに預金しているその預金金利を引き上げてきたから。要するに、これは金利引上げの唯一の手段、異次元の量的緩和をやった以上、ここに金利を、付利金利を上げていくのが唯一の手段ということで、FRBもそれを採用しているわけですね。それがゆえに純利益が減ってきたというふうに御回答なさいました。もちろんそうだと思います。  じゃ、日本は大丈夫か。アメリカのFRBの純利益は現在十兆円ある。日銀の純利益は一・三兆円で、十分の一しかない。これで本当に日銀当座預金の金利を上げて、日銀は財政はもつのかという質問をさせていただいたときに若田部副総裁は、これは支払金利は上がるかもしれないけれども、保有国債、これは長期金利ですけれども、上がっていく、だから受取利息も増えていく、だから大丈夫ですよという御回答をされました。  じゃ、そこでお聞きいたします。FRBはどうなんでしょうか。FRBの受取利息というのは、二〇一六年、千百十一億ドル、約十三兆円ぐらいですね。そして、二〇一八年、千百二十三億ドル。十二億ドル、約千四百億円ぐらいしか増えていないわけですよ。支出の方、支払利息の方は三兆三千億円増えています、二〇一六年から一八年まで。当然支払金利増えますから、当然三兆三千億円の支払金利増える。しかし、それを相殺する受取利息の方はたった千四百億円しか増えていないわけですよ、日本円に換算して。これは当たり前の話でね、アメリカだって日本だって、FRBであろうと日銀であろうと、保有国債はほとんどが長期国債なんですから。長期国債であれば、それは長期金利が上がったからっていったって受取利息増えるわけないんですよ。それでも、この前の御回答、確かに金利引上げのときには支払金利、日銀当座預金の付利金利を上げていく、損は大きくなるかもしれないけれども、受取利息が増えるから大丈夫だ。まだ同じような回答されるんでしょうか。お聞かせください。
  95. 若田部昌澄

    ○参考人(若田部昌澄君) まず、FRBの利息収入につきましては、委員御指摘のとおり、二〇一五年以降千百億ドル程度で安定的に推移してきているということは、これは事実でございます。  その背景につきましては、FRBの保有債券残高が再投資によっておおむね維持されてきた、つまり、額の部分がまず一定であったということに加えて、日本とは異なりまして、FRBの場合は利上げを開始した時点では長短金利差が相応にございました。その後、米国の長めの長期金利が総じて安定的に推移したことから、保有債券の利回りが安定していたためと理解しております。つまり、残高が大体一定であって、そしてそれに掛かる長期金利というのも大体安定的であるので、利息収入も安定的に推移してきたということです。  ここで、FRBが利上げをしたときには、アメリカにおいて長短の金利差が相応にありましたので、その長短金利差が縮小するような形で行われたと。日本の場合はその長短金利差というのはもうほとんどございませんので、これから先上がる場合には長期金利が上がる、つまり短期金利が上がると同時に長期金利も上がるというような場合を想定しておりますので、そのような形で先日はお答えさせていただいたと。つまり、その出口、いわゆる出口においては、長期金利が上がることによってその再投資をする部分の利息収入というのは増えるではないかということを考えていると、そういうふうに申し上げた次第でございます。
  96. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 今、副総裁は、長期金利が安定していたから収入が増えなかったとおっしゃいますけれども、長期金利、二〇一六年の平均長期金利一・八四%ですよ。二〇一八年の長期金利の平均二・九一%ですよ。一%上がっていますからね。それでも安定的だったとおっしゃるんですか。  一%金利が上がっても全然収入増えていない。平残は同じだったとおっしゃいましたよね。金利は上がっているんですよ、一%も。でも、収入増えていない。当たり前ですよ。だって、長期国債というのは満期が来るまでそのレート、昔のままのレートなんですから。それが長期国債なんですから。ほとんどが長期国債だったから、満期が来ていないから収入が上がっていない、それは当たり前の話でしょう。今、長短金利差を広げた、それ、長短金利差が開いたところで、満期が来なかったらそんなの関係ないじゃないですか、古いレートなんだから。  要は、若田部副総裁が、前回に同じですよ、日銀も同じ、この前お聞きしました、五十四兆円しか来年満期来ないんですよ、一年間、四月一日からね。五十四兆円分しか、五百兆円ぐらいでしたっけね、国債の、四百九十から五百兆ぐらい持っている国債のうち、五十四兆円分しか新しい利回りに変わらないわけですよ。長短金利差、上げようが下げようが関係ないじゃないですか。だって、もう持っているものは満期が来るまで変わらないんですから。受取利息が増えるなんて聞いたことない。変動金利なら、変動金利資産ならいいですよ、別の話ですよ。でも、長期国債であれば変わらないんです。五十四兆円分しか上がらない。だから、収入増えないんじゃないんですか。それを、支払金利は増えるけれども、受取金利が上がるから日銀の財務大丈夫なんて、これ詭弁じゃないですか。どうしてそういう結論が出るか、私は非常に疑問なんですけど、どうでしょう。
  97. 若田部昌澄

    ○参考人(若田部昌澄君) 今御質問になったのは、出口の際において、付利金利を引き上げれば、日銀当座預金に関わる支払利息が増加して収益を下押しすることになるということでございます。これは委員御指摘のとおりです。ただ、その下押しのタイプというのは、まさに付利金利の引上げのペースやあるいはバランスシートの規模などによってこれまた大きく変わってくるものでございます。  もちろん、他方、経済・物価情勢が好転し付利金利を引き上げるという場合には、ちょっと先ほど申し上げましたように、長期金利も相応に上昇すると考えられますので、先ほど申しましたように、日本銀行の保有国債についてはより高い利回りの国債に順次入れ替わっていくため、受取利息は増加いたします。その際、再投資による受取利息の改善の効果というのは、これまた償還を迎える国債及び新たに買い入れる国債の年限構成や金利水準、再投資の規模などに依存するということでございます。  その場合にどのような、実際にいわゆる出口を行ったときに付利金利の引上げで実際の収益がどうなるかというのは、これまたその際の経済・物価情勢や金利環境に加えて、日本銀行がどのような手段でどのような順序で用いるのかということにも大きく変わるものであります。また、バランスシート全体についてもこれは考える必要があるということでございます。  ですので、その意味の形で、金利がこのようになったからといってこうであるというようなことについてお答えするというのは余り適切でないというふうに考えております。
  98. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 よっぽど私の説明が悪いんでしょうかね。  長期国債しか持っていないんだから、長期金利はそんなに、長期国債は保有しているんだから収入はそんなに増えるわけないって何度も申し上げているのに、上がります上がりますと言われたら、こっちも、こんなの単なる、数字をベースにできない単なる議論になっちゃっているわけですよ。  それならば、是非、シミュレーション結果を出していただきたいと思うんですよね。FRBは、これ、スタッフペーパー出しています、公開しています。要は、金利が上がったときに、FRBの人は、収入がどう変わるか、そういうのをちゃんと出しているわけですよ。日銀はそういうシミュレーションやっていないんですか。FRBはやっているけれども、日銀はやっていないんだったら、それは非常に怠慢なんですけど、やっているならば、そこまでそんな数字的にどうしたって納得ができない説明をされるんだったらば、大丈夫だというシミュレーションを出してくださいよ。どうですか。
  99. 若田部昌澄

    ○参考人(若田部昌澄君) 様々な市場の動きなどが日本銀行の収益に与える影響については、これは既にほかの委員にもお答えしていることでございますが、内部的に確認を行っているということは事実でございます。  その上で、いわゆる出口に向かうというときに日本銀行の収益がどうなるかにつきましては、先ほど申し上げたように、将来における経済・物価情勢や金利環境に加え、その下で日本銀行がどのような手段をどのような順序で用いるかなどによって大きく変わります。ですので、非常に多様なシミュレーションがあるということでございます。  ただし、FRBがその収益のシミュレーションを出したというのは、まさにFRBが出口戦略を取るということを公表し、それと併せて、市場参加者の金利見通しなどを使ってそのスタッフペーパーを書いたということでございまして、日本銀行の場合はまだそのいわゆる出口ということを議論する段階にはないということが一番大きな理由です。  物価安定の目標の実現にこれはまだ時間が掛かりますので、そのことを考えた上で、現時点で収益に関する具体的なシミュレーションの数字を出すということは、まさにアメリカのFRBの例にも鑑みて、市場との対話という観点からもかえって混乱を招くおそれがあるというふうに考えています。  もっとも、日本銀行としましては、金融政策運営の考え方について人々の幅広い理解を得ていくことは重要であると考えておりますので、今後ともその時々の状況に応じてしっかりと説明していきたいと思います。
  100. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 しっかり説明してくれないからそういう危惧しているんですよ。さっきのは何ですか、長期国債の方から受取利息がある。全然、それは小学生でも分かるじゃないですか、そんなこと。私の説明、よっぽど悪いですか、本当に。  これ、シミュレーションを出せと言っているのは別に私だけじゃなくて、二年前、平成二十七年二月二十五日、私も所属していたんですけれども、国民生活のためのデフレ脱却及び財政再建に関する調査会で、菅野さん、当時はJPモルガン・チェースのチーフエコノミストでしたけれども、日銀出身ですよね、為替課長とか調査統計局の審議役とかをやっていらっしゃったと思いますけれども、彼がこの調査会、参議院の調査会に来て、したがって、日銀はこのストレステストの結果を国民に公表すべきだ、どういうリスクがあるのかを国民に知らしめた上で、追加緩和をするのかしないのか、そしてどの時期に量的緩和の縮小に向かうのかを説明すべきだというふうに思っておりますと明言されているわけですよ。エコノミスト、私、彼だけじゃないですよ、何人も聞いていますよ。  ここまで来たのならば、これは最後の最後までボクシングやらも打ち合って、ノックダウンされてもう再起不能になるのか、それとも将来のことを思ってタオルを投げ入れる、ここでストップさせる。もうその選択、まあそうしたところで大変な私は日本経済に対してダメージが起こると思いますけど、その選択の時期に来ているんじゃないですか。それを、シミュレーション結果を見せていただければそれ判断できますけれども、大丈夫だ大丈夫だと言って、何か全然理屈になっていない理屈を言って、精神論を言われても困るんですよ。  これ、委員長にお願いしたいんですが、シミュレーション結果を出すように請求していただきたいと思います。
  101. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 後刻理事会で協議いたします。
  102. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 じゃ、次の問題に行きますけれども、日銀は邦銀に保有債券の時価会計を一生懸命推薦していますけれども、依頼というか指導しておりますけれども、日銀自身はなぜ時価会計をやらないで原価償却法、簿価会計なんでしょうか、お教えください。
  103. 若田部昌澄

    ○参考人(若田部昌澄君) まず、先生も御案内のとおり、会計基準を整備する役割を担っておりますのは、これは財務会計基準機構の中に設置されております企業会計基準委員会でございまして、日本銀行は銀行が用いる会計手法について指示しているわけではございません。  そう申し上げた上で、日本銀行では有価証券の評価方法については中央銀行としての財務の特性や保有の実態等を踏まえた方法を採用しています。この中央銀行というのは、アメリカの連邦準備制度理事会も欧州中央銀行、ECBも同様に行っている手法でもって行っているということです。  具体的には、国債については、一部の例外を除くと、昭和四十八年以来売却を行っていないことなどを踏まえて償却原価法を採用しております。
  104. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 要するに、それ昔の話であって、確かに民間金融機関も満期まで持つものは簿価会計でいいことになっていますよ。ということは、逆に言うと、日銀は今買っている大量の国債を、インフレになろうと金融引締めがなろうと、ずっと保有しているということですか。売るんじゃないんですか。もし満期まで全部持つつもりであるならば、それ、お金じゃぶじゃぶのままですよ。今と反対のことをできないということですよ。  それ、やる気ないんですね。要するに、幾らインフレ率が上がっていっても、お金回収する気はない、世の中にお金じゃぶじゃぶのままだ、こういう考え方でよろしいんでしょうか。
  105. 若田部昌澄

    ○参考人(若田部昌澄君) 金融政策にとって何が望ましいかというのは、日本銀行が独自にこれは判断するものでございますが、今の御質問は、あくまでその有価証券の評価方法について中央銀行がどのように行っているかということについての御質問だと思います。  その意味におきましては、先ほども申し上げましたように、米国の連邦準備制度理事会も欧州の中央銀行であるECBも同様に、日銀同様に、その有価証券の評価方法については償却原価法を採用しているということでございます。
  106. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 それは思うに、例えば株、株は、この前も申し上げましたけれども、日本銀行だけですよ、金融政策で株持って、それも日本最大の株主になるというね。そんな、ほかの、FRBも持っていないでしょう。それから国債、国債も、例えば私が金融マンだったときは三か月国債までで、ほとんど長期国債なんていうのは成長通貨を供給する以外買わなかったですよ。だから、持っているのはほとんど短期国債だったから、時価会計する必要なかったんですよ、満期までで。事態が変わっちゃっているんですよね。だから、当然のことながら時価会計しないといけないと思います。  日銀が簿価会計だからといっても、もし実質的に債務超過になったら、市場は当然のことながら時価会計やりますよ。これは当たり前の話です。簿価会計で大丈夫だというんだったら、山一証券だってリーマンだって潰れていないんですから。みんな時価会計をして、日銀といえども、中央銀行といえども、財務内容がおかしくなったといえばお金はすっと逃げていくわけです。要するに、円が暴落していっちゃうということなんです。ですから、簿価会計、ここでこの会計については終わりますけれども、こんな簿価会計やっているから日銀の債務状況は大丈夫だという話にはならないと思います。  で、お聞きしますけれども、今莫大なる国債を日銀は持っていますけれども、長期金利が幾らまで上がると評価損が生じるんでしょうか。
  107. 若田部昌澄

    ○参考人(若田部昌澄君) 日本銀行では、保有国債の評価方法について償却原価法を採用しているというのは先ほど述べたとおりでございます。そのため、長期金利が上昇し、国債の市場価格が下落したとしても、決算上の期間損益において評価損失が計上されることはございません。  その上で申し上げますと、平成三十年九月末において日本銀行が保有する国債には七・二兆円の含み益がございました。また、同時点の長期国債の保有状況を前提として、国債の金利がイールドカーブ全般にわたり一%上昇するという場合の影響を試算すると、長期国債の時価総額は二十九兆三千億円程度減少するということになります。こうした下で、平成三十年九月末時点での国債保有状況を前提として、あくまで機械的に計算しますと、国債金利が〇・二%強上昇すると、保有長期国債の時価が簿価を下回る計算になります。  ただ、繰り返しになりますが、日本銀行においては国債保有の評価方法について償却原価法を採用しておりますので、決算上の期間損益において評価損失が計上されることはございません。
  108. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 時価会計、何度も申し上げますけれども、時価会計だから大丈夫だって、もう自己満足でしかありませんよ、そんなもの。一発で市場は、簿価会計で大丈夫なんていうのは自己満足でしかなくて、やっぱり全て危ないと思えば時価会計でするのが市場ですからね。  それと、申し上げますけれども、今一%上がると二十九兆円とか評価損が出ると言いましたけど、今、内部留保というか、資本金一億円と内部留保は八・四兆円しかないんですよ、これ。一%上がったらば、たった一%に上がったらば物すごい評価損が出るんですけど、それを見て、日銀の信用とか日銀券の信用というのは失墜しないと思っていますか。やっぱり、中央銀行が債務超過になったり、たとえ時価評価であってもですよ、簿価会計になれば、簿価会計で債務超過になったらとんでもない話で、さっきみたいに、短期金利が上がっていけば簿価会計上でも債務超過になる可能性は十分あると思うんですけどね。でも、時価会計であっても、これだけの債務を持っていて長期金利が上がってきたらば、評価損がむちゃくちゃだということになって、世界の人間は、投資家は大慌てしますよ。大丈夫ですか。
  109. 若田部昌澄

    ○参考人(若田部昌澄君) これはそもそも論になりますけれども、委員御指摘のように、中央銀行の財務が悪化することによって、それが通貨の信認あるいは中央銀行の政策遂行能力を毀損することを懸念する見方があるということについては私どもも認識してはおります。ただ、これは中央銀行、特に管理通貨制度で不換紙幣を発行している中央銀行においては、そもそも継続的に通貨発行益が発生してまいりますので、やや長い目で見るならば必ず収益が確保できる仕組みになっております。ですから、民間の企業体と、それと中央銀行の違いというのはそこにあるということです。  また、中央銀行は、自身で支払決済手段を提供できます。国債を購入するためには、日銀当座預金にあるその銀行の口座に振り込むと。日銀が人件費やその他の経費を払うときにも同じように日銀が支払うことができるということになっていますので、収益が振れても債務不履行に陥るということはなく、金融政策や金融システム安定のための政策遂行力には影響がないというのが、これが中央銀行の中央銀行たるゆえんだと考えます。  いずれにせよ、管理通貨制度の下では、通貨の信認を担保するものは適切な金融政策運営によって物価の安定を図ることでございまして、これはまさに日銀法に書かれているとおりでございます。日本銀行としては、ただ、財務の健全性についても留意しつつ、適切な経済政策運営を努めていく方針でございます。
  110. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 今、副総裁は、通貨発行益が長い間には必ず確保できるから日銀の信認は保たれるとおっしゃいましたけど、今問題になるのは、先ほど来問題にしているのは、通貨発行損が出てくる、巨大な通貨発行損がしばらくの間ずっと続くということ、それでも信認が確保できるのかという話ですよ。  いいですか、通貨発行益、当然のことながら受取利息と支払利息の差ですからね。昔みたいに発行銀行券だけだったなら、負債がね、日銀当座預金、私の頃でも四兆円から六兆円ありましたよ、ほぼゼロ。発行銀行券であれば通貨発行益ありますよ。国債から受取収入があって、発行銀行、金利ゼロなんですから。  今問題なのは、三百九十兆もある日銀当座預金に金利を払う。さっき言いましたように、三百九十兆あれば一%ならば三・九兆円、受取利息は一・二兆円、物すごい通貨発行損が巨大に発生するわけですよ。それがプラスの通貨発行益になるまで日銀保っていないと思うんです。時間軸の問題ですよ。  そんな損を垂れ流している、債務超過になったところが、いずれ十年後に通貨発行益が出るから日銀大丈夫なんて、誰が思います。そんな長くないと言うんだったら、さっき申し上げたようにシミュレーション出してくださいよ。シミュレーション出していただいて、通貨発行益がすぐ出てくるんなら、私だって納得しますよ。どう考えて、通常、私の悪い頭だったらば、通貨発行益というのは相当先ですよ。それまで日銀保っていられるんですか。
  111. 若田部昌澄

    ○参考人(若田部昌澄君) これはまたそもそも論になりますけれども、中央銀行において債務超過というのをそれほど心配する必要がないというのが元々の話でございますので、管理通貨制度の下でまさに不換紙幣を発行しているところで、やはり長い目で見れば通貨発行益が発生すると。このことが私は国民にも理解されているというふうに考えますので、そのことについて我々が懸念しているということはございません。
  112. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 国民は理解できていないと思うから、だからこそシミュレーション結果を出していただきたい。そうすれば納得しますよ、そういう結果を見れば。出さないということは、出すと大変なことになっちゃう、もうどうしようもないから出さないんじゃないんですか。
  113. 若田部昌澄

    ○参考人(若田部昌澄君) シミュレーションそのものにつきましては、先ほど申し上げましたように、出口がまだ、そこに近づいていないという段階においてそのことを発表するということについては、市場に混乱をもたらすおそれがあるということで、これまでもシミュレーションの発表というのは控えさせていただいております。  しかし、それも踏まえた上で申し上げたいのは、中央銀行において債務超過であるとか、あるいはそれによる破綻みたいなことを心配するということは、懸念は当たらないのではないかと、そういうふうに考えております。
  114. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 過去、債務超過になった中央銀行はありますか。
  115. 若田部昌澄

    ○参考人(若田部昌澄君) 海外において中央銀行が債務超過になった事例は存在します。  例えば先進国の例と、比較可能な先進国という例でございましたらば、一九七〇年代に旧西ドイツのブンデスバンクにおいて、マルク高が生じたために保有外貨資産に多額の評価損が発生したことから債務超過となった事例がございます。その後は当期利益を処理に充当して債務超過を解消しました。この間も、旧西ドイツにおけるインフレ率というのは第二次オイルショックの影響で多少、五%程度にも上がったことがございますが、七八年二・七%、七九年四%、一九八〇年五・四%と、それから後はインフレ率も非常に低位で安定したということでございますので、この間も中央銀行に対する信認は維持されており、物価や金融システムの安定の面で大きな問題は生じていないというふうに考えます。  つまり、歴史的な事例を見ても、中央銀行が債務超過になったということにおいて、日本が比較可能な先進国においてそれが大変大きなインフレになったというようなことはないということでございます。
  116. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 私、ブンデスの例はちょっと存じ上げなかったんですけれども、マルク高でそういうことになったということは、スイス・ナショナル・バンクなどと同じだと思うんです。つい最近はスイス・ナショナル・バンク、確かに債務超過になっていますよ。同じようにスイス・フラン高になって、どんどんスイス・フラン高が進行していくから介入をやったわけですよ、スイス・フラン売りのユーロ買い。ユーロをたくさん持っちゃった。でも、介入が止まらなくてどんどんどんどんスイス・フランが強くなって、ユーロが安くなっていった。でも、そういうようなのはきっと、ブンデスも同じだと思いますけど、そういう場合には、逆に通貨が、ドイツ・マルクにしろスイス・フランにしろ安くなればユーロが、例えばスイス・フランでいえば保有のスイス・フランが値段が上がる、債務超過がすぐ解消されるわけです。それはマーケット分かっているからですよ。  一時的に通貨が高くなって債務超過になるんだったら、逆転すればすぐ戻ると。そういうことによって通貨がクラッシュすることはない。通貨がクラッシュすれば、すぐ債務超過が改善、純資産になるわけですから。そういうことがマーケットは分かっているから、中央銀行は大したことないわけですよ。  今の日銀の状態はそれとは全く違いますからね。しかも、財務が、財政赤字が極めてでかいわけです。要は、財務、どうなっちゃうのと。要するに、債務超過になったときどうなるのか、誰がお金を入れてくるのか。国が入れる、国は赤字ですから。これが黒字だったら大したことないんですよ、政府がお金を入れることによって純債務になるんですから。でも、国は大赤字なんですよ。
  117. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 時間が参りましたので、おまとめください。
  118. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 はい。じゃ、終わります。  大赤字なんですから、それどうやっちゃう。まさにネズミ講、ポンジーゲームじゃないかという話になるわけで、これはもう大変なことになるんだと私は思います。これは後、続けてやりたいと思います。  ありがとうございました。
  119. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午後零時八分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  120. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、松川るい君が委員を辞任され、その補欠として徳茂雅之君が選任されました。     ─────────────
  121. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 休憩前に引き続き、財政及び金融等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  122. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 大門です。  今日は日本銀行、日銀中心に質問したいと思いますけれど、本題に入る前に一つだけ。財務省の関係で、十七、十八の各新聞に一斉に報道された問題でありますけれど、一点だけ財務大臣に伺いたいと思います。  小規模校の統廃合問題ということでございまして、資料をお配りいたしておりますけれど、財務省は十六日に、全国の小規模校について統廃合による解消を進めるという提言を財政制度審議会に提出をいたしました。普通は、財政審で審議されて、建議になって、予算案とか法改正になったところで国会で質疑、議論がされることなんですけれど、これについてはちょっとおかしいなと思うことがありますので、財務省の提案の仕方、中身がですね、ちょっと取り上げておきたいといいますか、見解をただしておきたいと思います。  財務省は、この資料、二枚あるのはこれは財務省のインターネットで公開されている資料ですね、財政審のなんですけれども。この提言、財務省が提言したものですが、これは、小規模校についてデメリットだけを挙げて、統廃合すべきだと、解消すべきだという、そういうこと、そういう結論で財政審に提案しているわけですが、これ、報道を見た地方の学校関係者とか自治体からいろいろ懸念とか示されているわけですが、問題はこの資料でありまして、デメリットだけ、これ文科省が言っているよと、文科省の資料なんですけれども、デメリットだけ挙げて、解消すべきだとやっているんですけど、しかし、実は文科省はこの小規模校のメリットについても言及しているわけですね。目が届きやすい、人間関係が深まる、通学時間が短いと。だから、文科省は、もちろんデメリットもありますが、メリット両方を言っているにもかかわらず、財務省はこのデメリットのところだけ取り上げて、解消だというふうなことを審議会の人たちに提言していると、これはちょっと違うんじゃないかと。  財務省というのは、いろいろありますけど、立場違いますけれど、ただ削る削るだけじゃなくて、必要なものには出すと、無駄なものには出さないというふうに総合判断するところじゃないのかと、ですよね。その結果が立場違ってもそれが姿勢だと思うのに、一方的に文科省のデメリットの資料だけで解消すべきだということを財政審に財務省が提言するというのはちょっと違うんじゃないかと。やっぱりメリットもデメリットも含めて総合判断をしていただきたいという提案をすべきじゃないかと思うんですけれど、これはちょっと行き過ぎの財務省のフライングじゃないかと思うんですが、財務大臣、いかがですか。
  123. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 少子高齢化、地域や過疎化等々いろんな理由があって、今、御存じのように、小中学校の規模というのは学級数というのが激減をしてきておるというのは事実です。大体、小学校で十二学級というのは二クラス六学年、三クラス六学年、まあ十二から十八ぐらいが適正規模だと言われておるんですけれども、現実問題、それ未満というのが中学で五二、小学校で四四%というのが、今現実としてそういうことになっておるというのを踏まえた上で、文部省の諸調査におきましては、これ集団の中でいわゆる児童生徒というのは切磋琢磨する教育活動ができない等々の話やら、教員一人当たりの事務負担が重くなるといった運営上の課題が指摘をされているものと承知をしておりますが、同時にメリットと言われた、今先生の言われた話で、一人一人がリーダーを務める機会が多いというメリットがあってみたり、また学校運営上は児童生徒の家庭の状況を把握しやすいといったメリットがあると。  事実、私らが、私というのは昭和十五年生まれですから敗戦の年に学校へ入ったんですけど、全校四人ですから、私の場合は。二年生になって全校十何人になりましたかね、そういう学校に行きましたので。小さな学校へ行くと私みたいに立派なやつになるとは言いませんよ、それほどずうずうしいことは言わないけど、現実問題として悪いばっかりの話じゃねえというのは、事実、自分としてもそれはそう思っておりますので。  御指摘のとおり、財政審の資料におきまして、統廃合の余地というのがあるとは考えていて、実現に至っていない学校が存在するという実態につきましては、これはいろんな点から小規模校の統廃合を図るべきと指摘をしたものであるというのは事実であります。  しかし、いずれにしても、これは、児童生徒にとって社会性とか規範性を身に付けられるような教育環境を整えていくことは重要であると承知しておりますので、今言われましたように、メリットもあるではないかという点も踏まえつつ、なかなか現実問題としては難しいという現実等々も踏まえて、教育上の効果、統廃合を判断して、これは更に検討していかねばならぬところだと思っております。
  124. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 是非総合的な見地で、これ、物の無駄とか経費の無駄じゃなくて、人間の問題ですからね、本当にきちっと総合判断をお願いしたいと思います。  いずれにせよ、午前中の西田さんの話にもありましたけど、何というんですかね、こういう何でも削ろう削ろうみたいなこの緊縮財政、緊縮政策ですよね。だから、藤井先生とかおっしゃるように、これがプライマリーバランス亡国論ですか、もうそういうものが、すぐこういうのが出てきちゃうんですね、この財務省に。ですから、かえって、かえってといいますかね、緊縮財政が経済をかえって悪くしていると思いますし、暮らしも圧迫しているということで反発が広がって、この前のMMTの議論とかにつながってきているんだというふうに思います。  ただ、若干、MMTといいますか午前中の議論でいいますと、全体としてそういう緊縮政策というのはまずいと、問題だというふうに思いますが、ただ、日銀の財政ファイナンス容認という点だけは長年この場で日銀政策を議論してきた者の一人として違うのかなと思っておりますので、あるところまでは西田さんと一緒なんですけど、違うところになると、どちらを相手に議論するかとなると三角関係みたいなところがありますけれど。  今日は、その財政ファイナンス容認論は違うという意味といいますか、財政ファイナンスを容認していくとやっぱりリスクが大きいという点で、一つは、インフレリスクはあるんですが、このインフレリスクの問題は、何といいますか、こうすれば、ああすればいいというような知的シミュレーションといいますか、それだけじゃなくて、生の今の経済の世界ですね、つまりグローバル経済、グローバル市場の下でのリスクというのをやっぱりきちっといつも念頭に置いておく必要があると。こういうときはこうやればいいんだ、ああやればいいんだというような、何というか、閉鎖経済とは言いませんが、クローズの世界で考えるようなシミュレーションでは済まない世界がグローバル市場にはあるということでございます。  今日は、国債の供給の補完制度ですけれども、一言言っておきますと、財政ファイナンス容認論、高インフレになっても抑えられる、止めることができると。そうしますと、国債価格をインフレになりますと維持しなければならなくなりますけれども、そうするときに、名目金利を何か人為的にといいますかね、政策で抑え込もうとすると、実質金利が低下する。そうなると、このグローバル化の中で考えなきゃいけないのは、円建ての資産がリターンが下がりますからフライトする、資本逃避が起きると。そうすると、円安が進んでまたインフレにつながるというような、そういう悪循環に入らないとも限らないというふうな、グローバル化の中でのこのファイナンスとか、自国の中だけではなくて、そういうことも見ておく必要があるのかということは思いますけれど。  今日はもっとリアルな生のお話で、去年の五月と十二月に取り上げたんですけど、海外マネー、まさにグローバルの中で現実に起きていることですが、海外マネー、ヘッジファンドを含めた海外マネーが、日銀の保有している、主に保有している国債の空売りを仕掛けているという問題を取り上げましたが、それに、後で申し上げますが、日銀の制度そのものが利用されているという問題を取り上げましたけど、その後の動きも含めて質問したいと思います。  資料をお配りいたしましたけれど、まず、先月の二十五日の政策決定会合で日銀が決定を行われた、債券市場に関わる決定を行われた中で、別紙というものがございます。別紙というものが配られまして、強力な金融緩和の継続に資する措置ということでございます。これは、この中の三番目にあります国債補完供給、SLFの要件緩和とございます。これについて質問したいと思いますが、まず改めて日銀の方から、この国債補完供給制度とは何かということを簡潔に概略説明してもらえますか。
  125. 前田栄治

    ○参考人(前田栄治君) お答えいたします。  国債補完供給制度でございますけど、これは、市場において、国債市場において個別の国債銘柄の需給が逼迫した場合に、国債決済の円滑確保に資する観点から、日本銀行が保有する国債をその市場参加者に対して一時的かつ補完的に供給することを目的として、翌営業日に日本銀行に戻すことを条件に売却するものでございます。  少し具体的に申し上げますと、例えば、顧客、投資家に対して特定の銘柄、十年債、三百五十回債みたいなものを売り渡す約定をしている証券会社が、当然証券会社が手元に持っていればそれを渡せばいいんですけど、持っていない場合に、まずは自助努力によって市場調達していただくと。ただ、できない場合に、私どもの国債補完供給が利用され得るところと、こういうものでございます。
  126. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 分かりやすい説明、ありがとうございます。  今回の決定会合では、このSLFの様々な緩和措置がとられたわけでございますけれど、もう一枚めくっていただいた資料四というところでございますが、の二に、銘柄別の売却上限額の撤廃ということで緩和措置がされております。これは上限を、貸付上限額を撤廃するということでございますが、日銀の保有残高の一〇〇%又は一兆円、いずれか小さい額という扱いだったものを、この一兆円の上限を撤廃したと、するということでございますね。  これは何のために今回撤廃するということなんでしょうか。
  127. 雨宮正佳

    ○参考人(雨宮正佳君) お答え申し上げます。  日本銀行が大規模な国債買入れを継続する下で、長期国債の先物の現物決済に用いられますいわゆるチーペスト銘柄という特殊な銘柄ございますけれども、そうした銘柄も含めまして、市中の流通残高が少ない銘柄が増加しております。こういうある特定の銘柄が少なくなりますと、そういった受渡しに不便が生じ、国債市場全体の流動性が低下する、市場機能が低下するという問題がございます。これに対応するためにこの国債補完供給制度ということを提供しているわけでございますけれども、近年、この国債買入れを継続する下で、市場参加者から更なる要件緩和を要望する声が聞かれておりました。  これ、こういう制度を考えるときには、この二つの両立、言わばトレードオフを考える必要があるわけでありまして、一方で市場機能がきちんと流動性等も含めた機能が発揮できるようにするということ、一方で市場の規律が失われないように、日本銀行がそのサービスを提供することによって市場のディシプリンが低下する、あるいは悪用されるということでは困るわけでありますので、この二つを両立する必要があるわけであります。  今回につきましては、私どもとしては、最近の国債市場の流動性の低下の状況を踏まえますと、ここで思い切った措置を講ずることが適当であると。同時に、私どもはこれは市場実勢よりもやや高めの品貸料を課しておりますし、基本的には利用はオーバーナイトであるということですとか、あるいは昨年以降、これはあくまで一時的かつ補完的に供給するものであるという、先ほど御説明申し上げたようなことを再度確認するといった言わば歯止めがあることを前提に今回の上限の撤廃ということを決定したものでございます。
  128. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 もっと全体像を申し上げますと、日本銀行が大量に国債を買って市中にある国債が少なくなってきたということですね。で、これが決算期含めて国債で決済するときのいろいろ不都合が起きるんで、一時的に貸してあげて買い戻すということが基本でありますけれど、それで今までだんだん増やしてきたんですね、上限。これは日本銀行がたくさん買えば買うほど上限増やしてきたということになるわけですが、今回その上限をもう取っ払っちゃうと、撤廃しちゃうと。この意味なんですけど、これは、事務方とも議論させてもらいましたけど、要するにいろんな副作用問題と言われる問題も起きていて、いろんなことが新たな、日銀がこれだけ買いますと、保有しますと起きていると。そういう中で、はっきり言って、いろんなことが起きても対応できるように、そのために撤廃したんだと。  つまり、一兆円を三兆円にじゃ駄目なんですか、五兆円になぜしないんですかと。今までも段階的に上げてきましたよね。いきなり撤廃ですから、その意味は何かというふうに聞いたときに、いろんなことに備えるためというように事務方からは聞いているんですけど、大きな意味でいいますと、正常化といいますか、出口といいますか、あるいは今ここまで日銀が国債保有すると副作用が指摘されていろんなことが起きると、そういういろんなことに対応するためにも上限はなくしておこうという、大きな意味ではそういうことではないんですか。
  129. 雨宮正佳

    ○参考人(雨宮正佳君) お答え申し上げます。  先ほども申し上げたとおり、私ども大規模な国債買入れを継続しておりますので、だんだん日本銀行の保有残高が増えるにつれて市場の流動玉というのがだんだん不足してくるわけであります。私ども、物価安定目標の実現にはなお時間が掛かるということを前提にいたしますと、この大規模な金融緩和を更に長期間続ける必要があるということを考えますと、これは政策として必要ではございますけれども、これが市場機能等に与える副作用については配慮すべきであると、市場機能の低下に歯止めを掛けるような措置は講ずるべきであると考えているところであります。  今回、最近の市場動向あるいは市場参加者の声、あるいはこうした制度の海外での運用事例ですね、フェデラル・リザーブですとかバンク・オブ・イングランドの運用事例も踏まえまして、今回は上限を撤廃するという措置が適当と判断したところでありますので、備えると先生が御指摘の意味は、これからなお金融緩和を継続すると、そういう中で市場機能に与える影響をできるだけ小さくするという意味で備えるということでございます。
  130. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 次の資料なんですけど、どれだけこのSLFが膨らんできたかということの落札金額と実施回数というのを、右下のグラフですね。急速にこの国債補給、供給、SLFが膨らんできているわけですね。それと、二〇一八年の数字も日銀に出してもらったら、最新の数字が二十二兆二千七百七十三億ということで、これよりも増えているということでございます。これそのものが私はもう異常な事態になっているというふうに、日銀が市中の国債を買うからこんなことになってきて、決済のときにこれだけ融通しなきゃいけないと。  問題は、去年の十二月、その前の五月にも取り上げましたが、このSLF制度が、国債の補完供給制度が、本来の目的といいますかね、だけではなくて、海外のヘッジファンドとか海外の投機マネーとか、国内も含めてなんですけど、そういう国債の空売りに悪用されているんではないかと、活用されているんじゃないかということを指摘して、これは私だけじゃなくて、いろんなエコノミストの方も指摘した問題を去年の十二月に取り上げたわけであります。要するに、日銀が国債の価格を維持しようとしますと、金利を下げるために国債を買うと。そうすると、投機筋が国債を売って下落を仕掛ける。その際、空売りで、借りて売ると。どこから借りたのかというと、何と日本銀行から借りていると。その国債で売りを仕掛けたということですね。  だから、変な話でございまして、国債価格を支えるために国債を買う日銀がいて、逆に、反対に国債を売って国債の下落を仕掛けて空売り含めてもうけようという投機筋があって、その空売りをする投機筋に国債を貸しているのは日銀と。何かもう全体図として、日経新聞によるとこれはいびつな構造と言っていましたけど、私はもうあのとき言いました、これはもう滑稽だと、悪い冗談かと、こんなことをやっていて、日銀と投機筋でという指摘をしたわけですけれども、それが、十二月の時点で黒田さんは、いや、投資家はしっかり理解しているはずだという答弁をされていたわけですけれど。  私、その十二月の質問のときには入手できなかったんですが、その後、実は日本銀行は、私の質問をしたときには既に、資料の六枚目、七枚目にありますが、要するに、こういう空売りの問題点を指摘したときに黒田さんは、投資家はしっかりしているはずだというふうに私にはお答えになったんですが、そのときにはもう既に、この資料、通知を市場参加者に出していたということですね。要するに、このSLFを前提にした空売りを含めた取引が行われている疑いがあるということを日銀はもう認識されていて、こういう通知を出して、ペナルティーまでかざして強い姿勢を示してきておられるというふうに思うわけですね。だから、やっぱり問題意識はあったのではないかというふうに思うわけですけれども。  そこで思うのは、今回のこの緩和措置、上限の撤廃ですね。これはさらに、日銀も問題意識を持っておられたということが分かりましたけれども、この投機筋の空売りに利用されるというリスクは否定はできないと思いますが、どういうふうに対処されていかれるのでしょうか。
  131. 雨宮正佳

    ○参考人(雨宮正佳君) まず初めに、この間の国債補完供給の利用状況だけちょっと一言だけコメントさせていただきますと、委員御指摘のとおり一七年、一八年と増えていますが、これ、そのときの金利情勢によって相当大きく変動いたしまして、御指摘のとおり、先行き金利が上がりそうだ、逆に言うと国債の値段が下がりそうだというと仕掛けてくるわけでありまして、それが一昨年とか昨年は多かったんですけれども、昨年の夏以降は、実は七月に月間五兆近く行った後は最近一兆を割っておりまして、この間は収まっているということだけ申し上げておきます。ただし、これだけ我々が国債を大量に買っていますから、基調的には増える方向だろうというふうには思っております。  それで、基調的にはこうした利用が増えるということを前提にではありますけれども、国債の需給、あるいは、フェイルと申しますが、券面がなかなか手に入らなかったということ、いろんな原因で起きるわけでありますけれども、少なくとも我々としては、我々のこの国債補完供給制度の利用を前提とした我々のオペへの応札は受け入れられないという方針ははっきりしておりまして、先ほど先生が御指摘になったとおり、我々のオペのオファー通知においてこういうものは駄目ですよということを明示するようにしたというのも、そういう意識、考えの結果であります。  今般の要件緩和措置の実施後もこうした取扱いは変わらないところでありますし、今後とも利用金融機関も十分理解が進むよう努めてまいりたいというふうに思っております。
  132. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 全体像を見ると、本当に日銀がやってきたことがこういうことを招いているといいますか、全体が自業自得だなといいますか、行き詰まっている現れが、行き詰まっていることそのものが投機筋に利用されているということでありますので、本当に日銀が、事実上のファイナンスと私も思っておりますけれど、それが大変な事態になっているということは本当によく、いろいろ考えてはおられると思いますけど、何度も申し上げるように、こういういろんな投機筋の働きかけも含めて、こういうリスクがいっぱい押し寄せてきますからね、いろんな仕掛けが来ますので、そういうことに慎重に対応しながら早く正常化の道に踏み出していただきたいということは申し上げておきたいと思います。  最後に、これは、国債の空売り規制そのものは金融庁の管轄になりますけれども、麻生金融担当大臣にお伺いしたいのは、やっぱり金融庁としてもこの国債の空売り、今もう海外の売買は増えておりますから、保有はまだ、保有も増えておりますけど売買も増えておりますので、この国債の空売りに対する規制、これは国際的にも今課題になっておりますが、金融庁として更に強めていっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  133. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 国債の空売りに関しての話ですけれども、これ、現状で今その多くがこれは国内の機関投資家によって取引をされております、若しくは保有されておりますので、空売りによります価格のいわゆる急変動のリスクというのは必ずしも高いと思っているわけではありません。  その上で、円で取引されているということもありますけれども、いずれにいたしましても、空売りの規制というものが国債のいわゆる流動性に与える影響というものやら、関係者のコストの負担に対するいろいろなことも留意しておく必要があろうと思っておりますので、したがって、現時点で規制を導入する必要性はちょっと早急にあると思っているわけではなくて、その件に関しては慎重に検討する必要があろうと思っております。  いずれにしても、日本銀行は約四十数%の国債を保有しておるという状況にもありますし、海外で約六%、七%ぐらいだと思いますが、いずれにしても、今後とも適切に国債市場の状況というのをよく把握した上で、その上で、私どもとしては、必要があれば日本銀行とも連携をしつつ、適切に対応してまいりたいと考えております。
  134. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 終わります。
  135. 渡辺喜美

    ○渡辺喜美君 五月二十日にGDP速報値が出されました。プラス〇・五%ということでありますが、その内情は数字のマジックであります。輸出がマイナス二・四%、それ以上に輸入がマイナス四・六%でありますから、マイナスの輸出からマイナスの輸入を引いてみたところ、プラスになっちゃったというわけなんですね。  〇・五%のプラスのうち、この外需寄与度、つまり輸入が増えてプラスになったというのが大半、〇・四%分がこれであります。あとは公共事業、補正予算の公共事業が積まれたのが〇・一%、それから、輸出が減ったり内需が悪かったりして在庫積み増し分が〇・一%。つまり、民需、家計消費とか設備投資とか、そういったところは軒並み駄目だというのがこの前のGDP速報値の結論であります。  というわけで、増税は予定どおりおやりになるというわけでしょうが、ここで増税をおやりになりますとアベノミクスはなかったものになりますよ。これは、アベノミクス御破算増税と言っても過言ではありません。増税掲げたままダブル選挙をおやりになるんだそうでございますが、余計なお世話かもしれませんけれども、増税掲げてダブル選挙をやりますと自民党負けますよ。それでもよろしいんでございましょうか。大臣、いかがでしょうか。
  136. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 解散を聞いておられるんですか、増税を聞いておられるんですか。どっちを聞いておられるんです。
  137. 渡辺喜美

    ○渡辺喜美君 質問通告はGDP速報値についての質問通告でありますが、大臣のアドリブで何をお話しになられても結構でございます。
  138. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) この種の言葉に引っかからないように注意をしておけとやくやく言われてきましたので、何でも言って大丈夫ですよなんて話は全く通じない世界にいるんだというのは四十年で身にしみましたので、今のようなお話に引っかからないように努力しつつ、まずGDPの速報値からお話をさせていただければと思います。  先日の二十日の日に発表されております話は、二四半期連続でプラスの成長になったということなんですが、その内容につきましては今おっしゃられたとおりで、製造業につきましていろいろな話等々が、設備投資におきましてこれは先送りの動きが見られる等々が出ているのは事実であります。公共投資が昨年度のこの補正予算の執行等々で今からまた更に出てくることになろうと思いますし、実質GDPはプラスになったということだと理解をしております。  他方、世界全体で見ましても、この間のG20の会議、フランスの財務大臣等の会議等々見ましても、IMF含めて、これは今年度後半から経済は伸びるという予想は、これは世銀も同じことを言っておりますので、そういった意味におきましても、世界経済は、これはアメリカ中心に、緩やかではありますけど確実に回復をしておると思っております。  中国においていろいろ言われておりますけれども、少なくとも、中国もいわゆる引締めをやめて緩和の方向にやった結果、いろんな形で仕事が出始めて、鉄鋼が一番話題になっておりました。鉄鋼も少なくとも海外で話題にならなくなっていたのは、鉄鋼の生産はそのまま続けて海外に影響が出ないというのは、国内で鉄鋼需要が出ている、ということは国内での公共工事がいろいろ進んでいる、その内容まで分かりませんけれども、そういったようなことなんだと思っておりますので、私どもとしては、その対応というのは、長期的にはいろんな問題あろうかと思いますけど、短期的には、いろんな問題としておりました中国の問題は少し解消されつつあるように思っております。  こうした中で、日本の経済の中に見ました場合、これは雇用者の報酬は引き続き伸びてきておりますし、最低賃金も時間当たり千円というような話が出てきたり、いろんな話が出始めておると思っておりますので、ファンダメンタルズというものはこれまで同様しっかりしていると考えておりますので、それによって今回一〇%に引き上げさせていただくという予定は予定どおり実行させていただきたいと思っておりますし、それによってアベノミクスが崩壊するというようなことはないと思っております。
  139. 渡辺喜美

    ○渡辺喜美君 お手元にCRB指数のグラフを配ってあるかと思うんですね。リーマン・ショックというのは、御案内のように二〇〇八年のたしか九月十五日に起きております。その後、麻生内閣が誕生するわけでありますが、この頃でさえ、リーマン・ショックの一番底でさえ、国際商品先物指数は二〇〇ポイントを割っていないんですよ。二〇〇の上を行っているんですね。ところが、二〇一五年から一六年にかけて二〇〇ポイントを割り、その後、たった一度も二〇〇ポイントを上回ったことがない。世界経済は明らかに減速過程に入っているということがこれを見ればすぐ分かるわけであります。  したがって、過去二回、消費増税を凍結したというのは大正解なんですよ。ここへ持ってきて、景気動向指数が悪化という六年何か月ぶりの数字になっていると。それでも増税をおやりになるというわけでありますから、これは、残念ながらアベノミクスがなきものになるということだけは申し上げておきたいと思います。  法務省に来ていただいておりますので、お尋ねいたします。  所有者不明不動産の問題、先週、法律案が通りましたけれども、国会の質疑聞いておりますと、何か今年度予算のペースでいくと三百年ぐらい掛かりそうだと、こういう印象を受けます。来週から例のブロックチェーンの、暗号資産の取引規制の法案の審議が始まりますけれども、その前に、ブロックチェーン技術を応用してどんぴしゃり当てはまりそうなのは、実は不動産登記の世界ではないかと思うんですね。  土地台帳、旧土地台帳というのは、昔は地租の基本になった。これは税務署が管理しておりました。これが昭和二十二年に地方税になった。そして、昭和二十五年、シャウプ勧告でもって自治体と法務省にこの旧土地台帳が移ったんですね。自治体に移ったのは固定資産課税台帳になっています。法務省に移ったのが表題部になっているわけであります。  この表題部が相当不正確な伝統をそのまま継続してきてしまっておるというわけで、二百三十万筆ですか、所有者不明の表題部があると。こういうところにブロックチェーン技術を応用されてはいかがでしょうか。
  140. 筒井健夫

    ○政府参考人(筒井健夫君) お答え申し上げます。  現在、法務省におきましては、先ほど御紹介がありましたけれども、今国会には表題部所有者不明土地に関する対策の法案を提出し成立させていただいたところでございますけれども、その他所有者不明土地問題の解決に向けた対応につきまして、民法、不動産登記法などの見直しを行うために、法制審議会におきまして現在、鋭意検討を行っているところでございます。その中では、不動産の登記情報を他の公的機関との情報連携により最新のものに改めるなどの方策につきましても重要な検討課題の一つとされているところでございます。  この情報連携に当たりましてどのような技術を用いるかにつきましては、ただいま御指摘いただきましたブロックチェーン技術も含めまして、最新の情報通信技術の活用も視野に入れて検討を進めることが重要であると考えておりまして、現在のシステムとの整合性も踏まえながら適切に検討してまいりたいと考えております。
  141. 渡辺喜美

    ○渡辺喜美君 地図情報システムというのはもう別のシステムでおありになるんでしょうが、私の聞いておりますのが、公図と称しているものは相当不正確であると、明治時代に作られたようなものがいまだに残っているんですね。正確なものが半分ぐらいしかないというわけでありますから、これはもう令和の大検地が必要だなとつくづく思いますよ。  結局、そういう形で分散されてしまった台帳、固定資産税課税台帳とかそういうものを、農地台帳、森林台帳、そういったものを突合をすることによって結構進んでまいります。こういうものをブロックチェーンでつなぐということは、令和の大検地を行おうとすれば、これはもう一番いい方法と考えますが、大臣、いかがでしょうか。
  142. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 所有者の不明土地の問題という話につきましては、これは目下いろいろ各省庁一体となって検討が進められているんですが、これは各種台帳の相互連携というのが挙げられておりますんで、この登記簿の各種の台帳というものに関しまして、土地所有者情報というのを円滑に把握する仕組みというものについて、これは法務省を含む関係省庁で、主にこれ法務省を主体としてやってもらっているんだと思うんですが、これをいろんな形でどのような問題というのは、これはおっしゃるようになかなか難しい話でして、明治というのは聞こえがいいんで、ずっともっと前から話は込み入った話なんで、これなかなか、県境まだ確定しねえとかいろいろな話があるほどなかなか難しい話だと思いますんで、これは、今すぐ大検地をやりますって、令和の大検地とかネーミングは格好いいですけど、なかなかやることは難しいなというのが正直な実感です。
  143. 渡辺喜美

    ○渡辺喜美君 難しいから放っておくと、この問題、相当こじれますよ。もう既に九州と同じぐらいの面積、あと何十年かで北海道と同じになるというわけですね。土地というものは残念ながら魅力ある資産でなくなってしまっているというわけでありますから、これは本腰を入れて令和の大検地は進めていく必要があろうかと思います。  もう一つ、グラフを配ってありますが、これはフタコブラクダと言われる非常にいびつなものであります。何でこんな具合になるのか、御説明をいただきたいと思います。
  144. 栗田照久

    ○政府参考人(栗田照久君) 委員御指摘のこのフタコブラクダの金利帯別貸出残高につきましては、我が国におきましてはローリスク・ローリターンの貸出しが非常に多いと。片や、ハイリスク・ハイリターンの貸出しも少し貸金業者を中心としてあると。ところが、その間にありますミドルリスク・ミドルリターンの層の貸出しが非常に少ないという御指摘だと理解しております。  このミドルリスク・ミドルリターン層への貸出しが少ない理由といたしましては、低金利環境が継続する中で、金融機関が収益を維持するためにより低い金利での貸出しを拡大しているということが非常に大きいのではないかというふうに考えております。また、別の見方をすれば、金融機関において、足下の財務内容は必ずしも健全とは言えないんですが、将来の成長見込みのあるような中小企業に対して、ある程度のリスクを取って、そのリスクにふさわしい金利で貸出しをするということが十分行われていないのではないかということが挙げられるというふうに考えております。
  145. 渡辺喜美

    ○渡辺喜美君 金貸しはリスク取って何ぼの世界ですから、リスクを取る金貸し業が行われていないというのがこれで分かるわけであります。  引き続き、この問題は議論させていただきます。ありがとうございました。
  146. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 本日の調査はこの程度にとどめます。     ─────────────
  147. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 情報通信技術の進展に伴う金融取引の多様化に対応するための資金決済に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。麻生内閣府特命担当大臣。
  148. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) ただいま議題となりました情報通信技術の進展に伴う金融取引の多様化に対応するための資金決済に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。  近年の情報通信技術の進展に伴い、金融取引が多様化してきている中で、金融の機能に対する信頼向上及び利用者保護等を図ることが喫緊の課題となっております。このような状況を踏まえ、本法律案を提出した次第であります。  以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。  第一に、仮想通貨の呼称を暗号資産に変更するとともに、暗号資産の流出リスクへの対応等、暗号資産交換業者に関する制度を整備することといたしております。  第二に、暗号資産を用いた証拠金取引やICOと呼ばれる資金調達等、新たな取引に関する制度を整備することとしております。  第三に、金融機関の業務に、顧客に関する情報をその同意を得て第三者に提供する業務等を追加することといたしております。  第四に、店頭デリバティブ取引における証拠金の清算に関し、国際的な取引慣行に対応するための規定を整備することとしております。  その他、関連する規定の整備等を行うこととしております。  以上が、この法律案の提案理由及びその内容であります。  何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願いを申し上げます。
  149. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時四十五分散会