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2019-05-14 第198回国会 参議院 財政金融委員会 9号 公式Web版

  1. 令和元年五月十四日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  五月九日     辞任         補欠選任      松川 るい君     野上浩太郎君  五月十日     辞任         補欠選任      野上浩太郎君     松川 るい君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         中西 健治君     理 事                 長峯  誠君                 羽生田 俊君                 三木  亨君                 風間 直樹君                 藤巻 健史君     委 員                 愛知 治郎君                 大家 敏志君                 西田 昌司君                 林  芳正君                 藤末 健三君                 古川 俊治君                 松川 るい君                 宮沢 洋一君                 宮島 喜文君                 長浜 博行君                 大塚 耕平君                 古賀 之士君                 熊野 正士君                 杉  久武君                 中山 恭子君                 小池  晃君                 大門実紀史君                 渡辺 喜美君    国務大臣        財務大臣        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣金融)        )        麻生 太郎君    副大臣        内閣府副大臣   田中 良生君        財務副大臣    鈴木 馨祐君    大臣政務官        内閣府大臣政務        官        長尾  敬君    事務局側        常任委員会専門        員        前山 秀夫君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官       大角  亨君        内閣官房内閣審        議官       藤本 康二君        内閣府大臣官房        審議官      黒田 岳士君        金融庁総合政策        局長       佐々木清隆君        金融庁監督局長  栗田 照久君        消費者庁審議官  高島 竜祐君        財務省主税局長  星野 次彦君        財務省国際局長  武内 良樹君        国税庁次長    並木  稔君        厚生労働大臣官        房審議官     八神 敦雄君        厚生労働大臣官        房審議官     諏訪園健司君        農林水産大臣官        房審議官     山北 幸泰君        経済産業大臣官        房審議官     島田 勘資君        中小企業庁事業        環境部長     木村  聡君    参考人        日本銀行総裁   黒田 東彦君        日本銀行理事   前田 栄治君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○参考人の出席要求に関する件 ○財政及び金融等に関する調査  (消費税率引上げの判断に関する件)  (金融機関のローン担保証券保有に関する件)  (企業食事補助制度に対する税制措置に関す  る件)  (金融分野における認知症施策推進に関する件  )  (暗号資産に係る課税関係に関する件)  (消費税率引上げに伴う価格設定に関する件)  (消費税率引上げの金融政策に与える影響に関  する件) ○金融機能の早期健全化のための緊急措置に関す  る法律の一部を改正する法律案内閣提出、衆  議院送付)     ─────────────
  2. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。  政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官大角亨君外十三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に日本銀行総裁黒田東彦君及び同理事前田栄治君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  6. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 財政及び金融等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  7. 愛知治郎

    ○愛知治郎君 おはようございます。自民党の愛知治郎です。どうぞよろしくお願いいたします。  本日は、時間も限られておりますので、消費税についてお伺いをしたいと思っていたんですが、その前に、先週のこの財政金融委員会でも大分議論になったMMTについて確認をさせていただきたいと思います。  私は、いろんな意見あると思うんですが、私はこの考えは取り得ないと思っておるんですが、改めて大臣の見解を伺いたいと存じます。
  8. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 今、愛知先生お尋ねの、何というか、現代金融理論ですかね、モダン・マネタリー・セオリーと通称よく言われているMMTという話なんですけれども、極端な言い方すれば、自国で通貨を発行しているという国は通貨を限度なくプリントできますから、そういった意味ではデフォルトに陥ることはねえと、だから政府債務残高がどれだけ積み上がっても問題ないんじゃないかという考え方を、極端な言い方すればそういう考え方に基づいたのがえらく格好よく理論付けされているように見えるんですけれども、そういったものが西田先生に限らずいろんな方々が唱えておられるやに聞いておりますのは私ども知らないわけではありませんが、こうした考え方に基づいて、これに対して米国では、例えば昔からこういったことに詳しい、FRBではグリーンスパンとかサマーズとか、最近でも今のFRBのパウエルとか、そういった著名な経済学者また市場関係者等々からは、そういった話は、これは為替市場とかマーケットに対する影響を全然考えていないという点とか、また、下手すればえらい勢いで、どなたかがお好きなハイパーインフレの話になりかねぬというおそれがあるなど、否定的な見解が示されているんだというように承知を私どもはしております。  いずれにしても、我々としては、グローバルな経済とかインターナショナルな世界の中で、金融市場というものの中で、いわゆる、何ですかね、経済とか財政とか金融とかいうのを行っている日本として、市場から受け入れられているということではないような理論とか、今、理論が別に確立したわけでもないし、どこで実験したわけでもない、そういったような議論になっていろいろやっておられる理論に基づいて日本の金融市場とか財政とかいうものを運用して実験場にしてみるといったような気持ちは全くありません。  引き続き、私どもとしては、新経済とか財政再生計画とかいろんなことを申し上げてきておりますので、そういったものの歳出と歳入両面の改革というのを引き続き実行して、二〇二五年度までにまずはプライマリーバランスというものをきちんとして、債務残高の対GDP比というものを引下げというものを目指してまいりたいというように考えております。
  9. 愛知治郎

    ○愛知治郎君 ありがとうございます。  この点では疑ってはおらなかったんですが、非常に冷静な見方をしていただいているということで安心をいたしました。  実は、いろんな議論があって、私は不勉強でこのMMT全部分かっているわけではないんですが、少なくとも、いろんな文献、いろんなお話を聞いているときに数字が全く出てこないということに不安を覚えているところであります。インフレにならない限り際限なく歳出拡大をしていいんだという話ではありますが、じゃ、どの程度のインフレになったらこれは止めなくちゃいけないのか、問題なのかということ、数字が全く出てきません。  それに、その危機的な状況、まずい状況になったときに、じゃ、どうするのか。政府支出を、財政支出を止めるのか、大増税をするのか、また自国の通貨の発行をそれ以上止めるのかという話でありますけれども、そういったことをすればまさに経済は大混乱しますし、デフォルトも起こるんだと思いますが、そういった数式モデルのようなものは全くないので、まだ議論の俎上にすら上がらないような考え方なのじゃないかと思うんですが。  いずれにいたしましても、これは、我々の国としては財政規律をしっかり守ってこれからも財政運営をしていく、そういう考えで引き続きしっかりと取り組んでいかなければいけない、そう考えています。  その最たるもので、やはり消費増税、国民の皆さんにお願いをしなくてはいけないんですけれども、これも改めて伺います。消費税率の引上げ、既定路線でありますけれども、どういった状況でもなりふり構わずというのでは確かにありません。どのような事態に至ったときに、どのような場合に延長する可能性があるのか、改めて見解を伺いたいと存じます。
  10. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 消費税につきましては、これまでも総理の方から度々述べられておられるとおり、通常、リーマン・ブラザーズのあの破綻の騒ぎというのは二〇〇八年から九年の話でしたけれども、巨大な金融収縮というような事態が起きかねないようなえらいものだったと記憶しますけれども、一JPモルガンという投資銀行の破綻だけであれだけの騒ぎになっただけですけれども、御存じのように……(発言する者あり)失礼しました、リーマン・ブラザーズのあれになってそうなったんですけれども、あのほかにもフレディマックだ、クレディ・スイスだ、いろいろ出ましたから、あのときは。  それですけれども、最後にとどめを刺したのはリーマン・ブラザーズだったと思いますけれども、ああいったような形でもない限りはということがこの間からずっと申し上げてきている定義なので、世界的な経済危機とか、まあ大震災とかいうのもそういうようなものになるかもしれませんけど、いずれにしても、引上げというのは困難とされるような事態でありますので、それちょっと予断を持ってこういったものならということを申し上げるというわけにはいかないと思っております。
  11. 愛知治郎

    ○愛知治郎君 よく言われるリーマン・ショック級が起こらない限り既定路線は堅持するということでありますけれども、まさにこのリーマン・ショック、相当な事態だったと私も記憶をしておりますし、当時まさに麻生財務大臣は総理大臣でありましたから、一番このときの状況をよく分かっているんだと思います。  私は、大変な時期に総理をやられていたんだと思うんですけれども、その代わりに、このリーマン・ショックが起きたときの対処ですね、これは最悪の中のベストを尽くされたんだと思います。しっかりとした対策を打ったおかげで最小限に抑えられたと思うんですが、その状況ですら、最善を尽くした状況ですら相当な影響がありましたし、経済は大混乱をいたしました。こういった状況にならない限り上げるということですから、今の状況は普通に全く問題なく上げられる状況なんだと思います。  この点について改めて、そのリーマン・ショック、一番経験をされている大臣、この状況について、今、先ほど少しお触れになられましたけれども、こういう状態にならない限り、少なくとも今はそういう状態ではないんだということを改めて認識を伺いたいと存じます。
  12. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) サブプライムローンというちょっと怪しげな金融商品というのがずっと出回ったのが二〇〇六年、七年、八年、そんなところからだったと記憶をします。何となく、この種のものにえらいまぶして、いろんな商品として、金融派生商品として世界に売られた、で、それがえらい買われた、まあバブルという時代もあったんだと思いますが、買われたという時代だったんだと思いますけれども、日本の場合はそれが余り買われなかった、日本の銀行は。あれが日本にとっては非常に大きな幸いだったんですけど、何であの種の話に日本の銀行が引っかからなかったのかといえば、堅かったというよりは多分英語が余り分からなかったからだと、僕はそう思っているんですけれども、あれ、何回読んでもそんなによく分かるあれではありませんでしたから、そういったので買わなかったのは賢明だったんだと思いますが、結果として、これはえらい勢いで売られまして、多くの国では国家の中に四つある銀行全部倒産で、結果的にそれを国家が補償してというような形になるような国々がヨーロッパにたくさん出る。  そういった事態になりましたので、やっぱりアメリカのサブプライムローンとか住宅ローンとか、この問題を契機に起きて混乱が生じたんだと思いますけれども、やっぱりいろいろな意味で、住宅金融公庫みたいなものであったフレディマックといったかな、ファニーメイとかフレディマックとか、ああいったようなものまでばたばた、そこそこ救ったんですから、アメリカ政府としては。最後にはリーマン・ブラザーズのところで、もうとてももたぬということでこれ放り投げたみたいな形になって、結果としてあれが世界に巨大な影響を与えるというのは、アメリカのFRBとしてもそれほどの大きなものになると予想していなかったんだと思いますが、結果としては金融危機というようなものが起きたということだと思っておりますので、私どもとしては、こういったような市場混乱の極に達するようなことになるんだったら、あれは最後まで、アメリカ政府としてはほかのもそこそこ助けたんだから、リーマンも助けとけばよかったじゃないかということになるんだと思いますが。  いずれにしても、日本としては、あのとき対応するために、政府としては補正予算を三回組んで、通常予算と併せて一回成立させて、当初予算と一回させて、そこそこ迅速に対応したんだと思いますけれども、少なくとも、ああいったような状況になって、日本として、九七年のアジア通貨危機の経験がありましたので、これはもうえらい勢いで取付け騒ぎが起きるのははっきりしていますので、取付け騒ぎの行き着く先が日本ということになりかねませんので、こっちはこっちでいろいろやらにゃいかぬことがありますので、むしろ、そういったようなことをきちんと対応できるIMFという組織に対して日本が一千億ドルの金をローンして、IMFで、それらの金融危機、国際金融危機というものの対応をIMFに、それだけの金があるんだからやるというのを日本が最初に言って、俺たちが出すんだからアメリカも出せという話をG7のときにやって、いろいろやらせていただいて、その後、G7をもう一回という話だったので、G7ではもう対応ができませんよと、アメリカはどう思っているか知らぬけど、日本と中国と韓国と足したGDPがイギリス、ドイツ、フランス足したGDPよりでかいという事実を知っているんですかと言ったら、知らぬという話だから、もう是非、これが事実。  したがって、そのようなものを入れたところでという話をしてG20というものができ上がったんですけれども、その中にも日本、インドやらオーストラリアやらがアジアから入っていった形になりましたけれども、それらの国々の間できちんとした形の対応ができて、やっぱりみんなで国際的な金融規制というのをやらないと、とにかくいいかげんなことになって、結果として、一行でもでかい企業がこれをやりますと、それが倒産したときの波及効果というのは世界規模で影響を与えるというのはもう答えが出ていますので、私どもとしては、国家的にこういったもののときの対応というのを十分に考えてやるという姿勢をやるために、G20というのは継続的に開催されてしかるべきということを申し上げて現在に至っておるというように御理解いただければと存じます。
  13. 愛知治郎

    ○愛知治郎君 ありがとうございます。  なぜこういう質問したかというと、度々使われるこのリーマン・ショック級にならない限りということでありますけれども、リーマン・ショックを一番よく分かっている麻生大臣の御本人から、これはリーマン・ショック級の事態だと言われればそれはしようがないと私は納得しますし、国民も納得すると思うんですが、少なくとも現在はそういう状況ではないと。  ちなみになんですけれども、昨日ですか、景気動向指数が前月差でマイナスとなり、基調判断が悪化をしているへと下方修正されたそうでありますけれども、この点についての認識を伺いたいと存じます。
  14. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) これは、景気動向指数というものについては、これは毎月の生産とか雇用とかそういった経済指標を統合したものなんですけれども、いずれにしても、その基調判断というのはあらかじめ機械的に決められている表現がありますので、あれは、そういった意味では悪化を示しているものになるんだと思います、数字はめていきますと。  それはそれなりのあれなんですけれども、政府としては、いわゆる月例経済報告というのにおきまして様々な景気指標というのを動きを見させていただいて、その背景を理解した上で景気の基調を判断しているというのが我々の基本的な姿勢なんですけれども、このところ輸出の伸びが鈍化してきた中国の関係もあり、鈍化してきましたし、一部の業種がそれに合わせて生産活動を抑えることになりますので弱さが見られてきたという背景から、いろいろな減速などの影響があるものと認識しておりますけれども。  一方に、世界的に見まして、アメリカの場合は極めて景気は順調に伸びていますし、雇用も伸びましたし、失業率も史上最低と言われ、下がりましたし、いろんな意味で回復を続けておりますし、中国も今年に入って下げ止まりというような形で、中国も、将来的にはどうか知りませんが、今は少なくとも金融はもう一回再び緩和に振りましたし、いろんな意味で、中国の姿勢が引締めから緩和にまた振りましたんで、そういった意味では動きが下げ止まった動きだと思っておりますので、そういった意味での対応というのは少しずつ現れてくるだろうと思っておりますので。  日本の経済の中においても、予算もおかげさまで通りましたので、こういったものが少しずつ今から出てくるので、この一―三月が一番難しかったときだと思っていますが、その数字が出てきたのは今だと思っておりますので。少なくとも、内需というものを支えるファンダメンタルズと言われるようなものは、日本の場合、かなりしっかりしておると思っておりますので、少なくとも海外の経済動向というのは十分に注視しておかにゃいかぬところだとは思いますけれども、日本としての内需やら雇用やら企業の収益等々を見ている分に関しましては、経済運営等々につきましては、今急激にどうのこうのというような状況でない。悪くなってきている、まあ景気は常に波がありますので、そういった波の中の一環だと思って、急激に悪くなっているという理解をしているわけではございません。
  15. 愛知治郎

    ○愛知治郎君 ありがとうございます。  先ほどこの委員会が始まる前に雑談で聞いた話で恐縮なんですけれども、私の尊敬する林先生が一言おっしゃられておりましたが、今回の景気動向指数、マイナスであるけれども、九九・六ではあるが、リーマン・ショック当時は七〇%そこそこだと、大分数字が違うなということでおっしゃられておりました。当時とは状況が随分違うんでしょうけれども、冷静な分析が必要だと思います。  いろいろと質問させていただきたいこと山ほどあったんですが、時間がもう来てしまいましたので、また改めて、機会があれば質問をさせていただきたいと思います。  ありがとうございました。
  16. 風間直樹

    ○風間直樹君 よろしくお願いします。  今日は、日本の金融機関で保有残高が拡大しているCLOと言われるローン担保証券について、マーケットの概況と各金融機関の保有状況等を中心にお尋ねをします。  ゴールデンウイークの十連休が明けまして、報道テレビ番組等で、新しい令和の時代の日本のマーケットがどうなっていくのかという特集番組を随分やっていました。私も連休明け、そういった番組を見ていたんですが、その中に非常に興味深い番組がありました。NHKの番組でしたけれども、あるイギリスの機関投資家が、連休明けの日本マーケットに対して空売りをすべく、連休直前にこの空売りの発注をしていたと。で、連休が明けてどうなったかと、そういうドキュメンタリータッチの番組をやっていました。  私は、面白いことをする機関投資家がイギリスにいるものだなと思って、ちょっと笑みを浮かべながらその番組を見ていたんですが、番組を見進めるうちに、これはひょっとすると容易ならざる事態になるのかもしれないというふうに認識が少し変わりました。その理由というのがこのCLOなんです。  この機関投資家が東京にやってきまして、有楽町かいわいを歩いている様子が番組で映し出されていたんですが、そのバック、背景にあったのが農林中金、どうやらこの機関投資家、イギリス人の方のようですけれども、この方が農林中金のこのCLOを担当する部署の責任者に会いに行って面談をした、そんな様子もテレビで放映されておりました。  私も今回、このCLOという商品初めて知ったんですが、こちらの配付資料にありますように、これは野村証券のウエブサイトからの引用ですけれども、CLOは、和訳はローン担保証券と。資産担保証券の一種である。金融機関が事業会社などに対して貸し出している貸付債権、ローンを証券化したもので、ローンの元利金を担保にして発行される債券のことをいうと。金融機関にとっては、元来流動性の劣る貸出資産をローンより市場性の高い債券の形態にすることができるので、より機動的に資金を調達することができるというメリットがある。実際には、金融機関がローンを特別目的会社に譲渡し、特別目的会社が債券を組成し、投資家がこれを購入する。そして、ローンからの元利金を投資家が受け取るという仕組みが一般的であると、こういう説明がなされています。  これ、今後のマーケットの状況によってはちょっと注意が必要な事態になる可能性があるのは、世界中で発行されているこのCLOの最大の買手が農林中金だということ。後で詳しくお尋ねをしますが、報道等によりますと、農林中金の今運用資産が約六十三兆円あると言われているんですが、その一割に当たる六兆八千億円をこのCLOで運用しているというふうに言われております。また、全世界で発行されているCLOの発行残高に対して農林中金が保有している割合が約二三%と言われていますので、相当、このCLOの発行会社にしてみると農林中金は最大のお客さんということになると思います。  この辺の事情は、私もいろいろ資料を調べた中で、今年二月十九日付けのウォール・ストリート・ジャーナルの日本版が非常に詳しく、農林中金に密着したレポートを出しています。これを読みますと、去年、アメリカのマーケット、十月から十二月にかけてかなり下落をし、クリスマスイブには暴落をしましたが、明けて今年の一月、アメリカ国内の資金の借り手企業が厳しい状況に置かれた時期が数週間あったと。そのときに投資不適格級企業向けの市場の一部に問題が生じていた。まあ資金繰りができなかったということですね。そこに救世主として現れたのが日本の農林中金だという、こういう書き方でこの記事が始まっています。  こんなフレーズがありまして私はちょっと驚いたんですが、農林中金のCLO市場での影響力の大きさは、不在時、農林中金の不在時に痛感させられる。事情に詳しい複数の関係者によると、提案中の新たなCLO発行案件について農林中金が大口購入を検討していた間、市場は休止状態に陥った。農林中金が交渉の席に着くとようやく市場が動き始め、CLOの大規模発行が進んだという。農林中金はこれに対してコメントを差し控えるとしたともあります。  こうした記事を読んでいますとちょっとあるイメージが浮かぶんですが、どうも農林中金というのは、世界のこのCLO発行マーケットにおいて、日本の国債発行市場における日銀のような存在に近づいていると。保有残高にしても非常に割合が大きいですし、こういう中で、もしこのCLOという商品に万一のことがあった場合、果たして農林中金の財務は大丈夫かと。農林中金の場合は、御案内のとおり国内の各地域の農協、JAから上がってくる資金を一括して運用している組織ですので、ここに万一のことがあれば国内の各地JAにも甚大な影響が及ぶということだろうと思います。  そこで、質問に入りたいと思うんですけれども、まず、これ、金融庁の事務方で結構ですが、このCLOのマーケットの規模がどの程度なのか、また各国別の保有状況はどれぐらいか、教えていただければと思います。
  17. 佐々木清隆

    ○政府参考人(佐々木清隆君) お答え申し上げます。  昨年十一月に公表されておりますイングランド銀行の金融安定報告書によりますと、CLOのグローバルの市場規模は七千五百億ドルと推計されております。また、同報告書では、各国別保有状況につきまして、アメリカの銀行と保険会社で二千五百五十億ドル、英国の銀行と保険で百五十億ドル、英国を除きます欧州の銀行と保険で四百五十億ドル、日本の銀行で七百五十億ドル、その他、国名は示されておりませんけれども、ヘッジファンド、年金基金等で三千六百億ドルと推計されております。
  18. 風間直樹

    ○風間直樹君 ありがとうございます。  次に、この七千五百億ドルのうち、我が国金融機関の個別保有額及びCLO発行残高に対する保有比率を教えてください。
  19. 佐々木清隆

    ○政府参考人(佐々木清隆君) 今お尋ねいただきました我が国金融機関の個別のCLOの保有額あるいはグローバルな発行残高に対します保有比率につきまして、個別具体的なお答えは差し控えさせていただきたいと存じます。  なお、一般論で申し上げますと、金融庁では、CLOを含みます有価証券運用を始めとする金融機関のリスクテークの状況、リスクテークに見合ったリスク管理体制の整備が行われているかなどを日々のモニタリングの中で把握するよう努めております。
  20. 風間直樹

    ○風間直樹君 これは、公表を差し控えるというのは、金融庁としては数字は把握しているんですか。
  21. 佐々木清隆

    ○政府参考人(佐々木清隆君) お答え申し上げます。  今申し上げましたとおり、お尋ねの農林中金含めまして大手の銀行七銀行につきましては、通年検査の対象といたしまして統一的な目線でモニタリングを行っております。  モニタリングの詳細についてはお答えを差し控えたいと思いますけれども、そのモニタリングの中では、現在の低金利環境下におけます過度な収益追求行動に伴うリスクに対しまして、個々の金融機関の商品への投資状況の把握のみならず、経営陣のリスク認識、リスク管理状況についてもモニタリングを行っているところでございます。
  22. 風間直樹

    ○風間直樹君 ちょっとね、まだ質問をしていないことに先んじてお答えになっているので、きちんと質問を聞いて、それに対する答弁をしてください。二番目ぐらい先の質問に今御答弁いただいたと。緊張されていますか、大丈夫ですか。  数字は把握されているんだろうと思いますが、一応報道資料から持ってきた数字を配付資料に載せました。二〇一八年末時点での国内主要金融機関のCLOの残高。農林中金が六兆八千億、三菱UFJフィナンシャル・グループが二兆五千億、ゆうちょ銀行が一兆円、みずほが五千億、三井住友トラスト・ホールディングスが三千億、三井住友銀行が七百七十五億と。これ、見てみますと、上位三行、農林中金、三菱UFJ、ゆうちょ、この辺の保有額が突出していて、中でも農林中金の場合は群を抜いているということであります。  先に進みますが、金融庁が今年一月に大手七銀行グループに対して一斉調査を行ったというふうに報道されていますけれども、その内容、そして結果についてお尋ねします。  今、先んじて、予告答弁というんですか、していただいた内容を聞いていると、余り詳しくは言えませんよということのようですけれども、言える範囲でお答えください。
  23. 佐々木清隆

    ○政府参考人(佐々木清隆君) お答え申し上げます。  繰り返しで恐縮でございますけれども、農林中金、あるいは今御指摘いただきました大手の金融機関七銀行グループについては、通年検査の対象といたしまして統一的な目線でモニタリングを行っております。  その中で、先ほど申し上げましたとおり、CLOを含みます個々の金融商品に対する投資状況、そしてそれに関連いたします経営陣のリスク認識、リスク管理状況についてモニタリングを行っているところでございます。その中で、個別の数字については言及を控えますけれども、個々の金融機関のこうした投資の実態についても把握しているところでございます。
  24. 風間直樹

    ○風間直樹君 これ、各銀行のこのCLOの管理状況とか保有するCLOの質ですね、格付がされているそうですけれども、さらに、問題が発生した場合の金融システムへの影響について、この辺も当然、調査の中である程度把握をされているんだろうと思いますが、この辺はいかがでしょうか。
  25. 佐々木清隆

    ○政府参考人(佐々木清隆君) お答え申し上げます。  個別金融機関ごとのCLOの管理状況、保有するCLOの質、その詳細についてはお答えは控えたいとは思いますけれども、一般論として申し上げますと、CLOを始めとする証券化商品への投資に当たりましては、商品が複雑であるということに鑑みまして、各銀行において、証券化商品の格付のみに依存することなく、適切な価格評価や商品内容の把握を行うとともに、市場流動性を検証するなど、適切なリスク管理体制の構築が求められていると考えております。  特にCLOは、格付が低い企業向けの貸出しを裏付け資産とした証券化商品と言われておりまして、景気後退局面において、裏付け資産の悪化を通じてCLOを保有する金融機関に損失を与え、金融システムに与える影響のリスクについて国際的にも指摘されているところでございます。  金融庁といたしましては、現時点において日本の金融システムは総体として安定していると考えておりますけれども、CLO投資の拡大がシステミックリスクに発展し、金融システムの安定性が損なわれないよう、内外の経済・市場動向を注視するとともに、先ほど申し上げました点につきまして、金融機関との対話を通じてリスク管理の高度化を促すなど、対応を行っているところでございます。
  26. 風間直樹

    ○風間直樹君 私もかつて商社におりまして、当時は財務省だったのかな、が年に二回ぐらい検査に入るわけですよ。このときのその検査を受ける側の負担の大きさというのはよく分かっています。もう大騒ぎ。当局は、やはり求める資料がきちっと管理、保管されているのかも厳格に調べますし、それに応ずる社員の負担というのは非常に大きいものがありました。ですので、今御答弁はかなり抽象的にさらっといただいていますけれども、一方で、実際、金融庁が各行に検査に入っているときには、こんな答弁ではない、非常に徹底した検査をされているということを私もよく承知をしております。  それで、お尋ねしますが、先日の農水委員会で立憲民主党の藤田議員が同じ問題を質問しました。そのときに、このCLOのリスク管理について尋ねていらっしゃるんですけれども、答弁の中で、農林中金を中心にこのCLOは高度なリスク管理が行われるものに限定して保有しているという趣旨の答弁が複数回ありました。格付が最上位クラスのものに限定しているという答弁もありました。この格付の最上クラスというとトリプルAという格付だそうなんですけれども、当然、農林中金としても、格付機関が発行しているこのCLOに対するトリプルAという格付の意味というのは理解されていると思いますが、これはどういうふうに理解をされているんでしょうか、トリプルAについては。
  27. 佐々木清隆

    ○政府参考人(佐々木清隆君) お答え申し上げます。  格付とは、格付会社が金融商品等の債務履行能力について意見を表明したものでございます。また、一般的に、格付の中でも相対的にトリプルAとは最上位の格付に相当し、信用力が最も高いというふうに解釈されております。
  28. 風間直樹

    ○風間直樹君 それは分かっているんですけどね、誰でも。トリプルAが一番高いわけですから、それは分かっているんですけど、このCLOという商品の場合のトリプルAという格付の意味はどういう意味なのか、それをどのように把握されているのか。
  29. 佐々木清隆

    ○政府参考人(佐々木清隆君) お答え申し上げます。  CLOの各トランシェと申し上げますけれども、その中でトリプルAが付されておりますものにつきまして、これは民間の調査結果によりますと、これまでのところデフォルトの実績はないと認識しております。  ただ、いずれにしましても、金融庁といたしましては、先ほど申し上げましたとおり、金融機関がCLOに投資する際には、格付のみに依存することなく、商品内容等の把握を行うなど適切なリスク管理体制の構築が求められると考えております。
  30. 風間直樹

    ○風間直樹君 私は、このCLOの質疑をするときに、このCLOという担保証券の個別の中身をきちっと見て精査をしないと、どの程度のリスクがあるかというのは、これ正確には分からないと思っています。  その評価なり審査なりは、まさにその購入をする当事者である国内金融機関が、担当者がしっかりやっているはずなんですが、ただ、マーケットというのは、あのリーマン・ショックのときもありましたように、やはり機嫌でその表情を大きく変えるわけですね。ですから、将来においてマーケットの機嫌が大きく不機嫌の方向に変わった場合、今安全だとされているこのCLOについてもリスクの程度が大きくなることも想定されますので、ちょっとそこをより細かくお尋ねをしたいと思ってこういう質疑をしています。  それで、これはちょっと記事の記述ですが、レバレッジド・ローン、CLOのようなレバレッジド・ローンは、投機的格付企業への貸出しではあるが、日本で例えると東証一部上場企業並みの大企業で、かつ正常先を債務者とするものと。格付機関がそれら債務者やローン条件を確認して債務者格付とローン格付を付与しており、裏付け資産の信用リスクは大きく異なると。これは農林中金のコメントなんですね。  このCLOの性質については、今御紹介した内容だと理解してよろしいでしょうか。つまり、投機的格付企業への貸出しだけれども、日本でいえば東証一部上場企業並みの大企業で、かつ正常先を債務者とするものと、こういう理解でよろしいんでしょうか。
  31. 佐々木清隆

    ○政府参考人(佐々木清隆君) お答え申し上げます。  CLOは、今御指摘のとおり、信用力の低い企業向けの融資、いわゆるレバレッジド・ローン、これを裏付け資産とした証券化商品でございます。この信用力の低いとは、一般的に投資非適格、すなわち格付でいいますとダブルB以下を指すと言われておりまして、ただ、その投資非適格の企業の中でも、御指摘のような一部上場企業のような企業、日本でいいますとですね、こういったものがアメリカの企業も含まれておるということでございます。必ずしも、従来、金融庁の検査の中で資産査定ということを行ってきておりますけど、その中での不良債権に区分されるということでは必ずしもございません。
  32. 風間直樹

    ○風間直樹君 分かりました。  金融庁が三月に規制の変更をされたということなんですけれども、ちょっとその内容についてお伺いしたいと思います。リスク・リテンション規制も強化したということですが、ちょっと簡単にこの規制強化の内容について御説明いただけますか。
  33. 佐々木清隆

    ○政府参考人(佐々木清隆君) 今お尋ねのCLOを含めまして、先般の金融危機以降、国際的に金融規制が強化されてきております。その中で、前回の金融危機で問題となりました証券化商品につきましては、その基となる資産の組成者にその一定の割合を促す効果を持ついわゆるリスク・リテンション規制、これを三月末に導入したところでございます。  具体的には、証券化商品の基となる原資産の組成者が同資産の信用リスクの五%を保有していること、この確認を証券化商品等に投資します投資者、金融機関などが確認をするということを求めるものでございます。仮に、その原資産の組成者、オリジネーターが五%のリスク、これを保有していないという場合には、原則、投資する側の金融機関はその証券化商品に対して自己資本比率計算において高い資本を求めると、こういった規制が三月末に導入されているところでございます。
  34. 風間直樹

    ○風間直樹君 分かりました。  そうすると、ローンの組成者、ローンを組む会社そのものが自分が組むローンの五%を保有していない場合は、このローンを購入する人は自己資本の積み増しをしなければならない、こういうことですね。これは一定のリスク管理だろうというふうに理解をいたします。  さて、残りの時間、黒田総裁にもちょっとお尋ねをさせていただきますが、総裁、こういう議論をしていまして、私、非常に隔世の感があるんですけれども、私は総裁に比べて随分若輩でございますし、社会経験もまだ未熟でありますけれども、社会に出て企業に就職したのが一九九〇年でございます。そのとき、私の場合商社に入りましたけれども、財務ですとか資金管理をする部門に配属をされました。そのときにいろいろ見ていて、ああ、なるほどなと感心したことが幾つかありまして、取引先の信用程度について極めて厳格な管理を私がいた企業ではしておりました。信用管理のランキングをまとめた冊子が各課、各グループに一冊常備されていまして、そこに大手町かいわい、丸の内かいわいの日本を代表する企業を中心にずらっと企業名が並んでいて、その企業に対する、私のいた会社が付けている格付が全部並んでいました。  格付によって当然取引できる規模の金額が違ってくるわけですけれども、恐らく今、どうなんでしょう、こういう状況も様変わりしているんじゃないでしょうかね。私は古巣に余り最近行っていませんので詳しい状況は分かりませんが、当時の金利、長期プライムレートで七%から八%の時代でした。ですから、きちっとした与信管理を行って信用程度に基づいて取引をしていれば、企業として痛手を被ることは余りないと。多分、今日質疑をしました農林中金も当時はそうだったろうと思うんです。もう長プラで七パー、八パーあれば十分利ざやは稼げますから、こういうCLOのようなちょっとリスクが高い商品に目を向けること、必要性はないと。  先日、農水委員会での当局の答弁見ていますと、これは金融庁の答弁ですけれども、金融機関の経営については自己判断でやってくれと。まあ当然のことを言っているんですけれども、(発言する者あり)済みません、ちょっと……。
  35. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 私語を慎んでください。静かにしてください。今質問中ですので、私語を慎んでください。
  36. 風間直樹

    ○風間直樹君 金融庁のこの答弁に見られる姿勢には、低金利の中だけれども、その中で企業が稼ぐための判断は自分でやってしっかり経営してくれと、こういう趣旨のことを言っています。  この委員会でも度々こういう議論が出るんですけれども、果たしてそうなのかなと。やはりこれは、いろんなマーケットの状況ですとか環境がある中で、やはり金融機関の稼ぐ力を決める大本というのは私は金利の状況だろうと思っていまして、それは日銀がやはり金利政策の中で決めている。  今の低金利の中で、農林中金のような非常に運用資産が大きくて、それゆえに運用先を求めてもう苦心惨たんしている、こういったところと、一方で、地方の地銀のように、体力がそもそもなく、低金利で稼げないので、今全国のハローワークに行くと地銀の首を切られた五十代以上の人があふれていますよ。  こういう状況の中で、現在、金融緩和がこのCLOに関して言えば国内各行の投資増につながっているんじゃないかと考えるんですが、総裁の認識はいかがでしょうか。
  37. 黒田東彦

    参考人黒田東彦君) 御指摘のように、近年、我が国の金融機関は、国内の低金利環境の長期化もありまして、有価証券運用においてリスクテークを行っております。こうした下で、大手金融機関を中心に今議論になっておりますCLOを含む海外クレジット投資残高は増加基調にあるというふうに認識しております。現状、本邦の金融機関が保有するCLOは、先ほど来の議論でもありましたように、格付が最上位のものが中心であるほか、裏付け資産のモニタリングあるいはストレステストを行うなど、リスク管理は相応にしっかり行っているというふうには認識しております。  ただ、委員御指摘のとおり、昨年秋以降、海外ではクレジット商品の価格が大きく下落する局面も見られておりますので、我が国の金融機関による投資動向についてはやはり今後とも注視してまいりたいというふうに思っております。
  38. 風間直樹

    風間直樹君 日銀の金融緩和が国内各行に与えている影響、もう少しちょっと誠実にというか、まあ総裁は誠実でいらっしゃるんですけれども、真摯に目を向けていただいて、御配慮いただくべきかなと思うんですが、その点いかがでしょう。
  39. 黒田東彦

    参考人黒田東彦君) 二〇一三年の四月にいわゆる量的・質的金融緩和導入以降、金利を、特に短期金利、長期金利も含めて低位にすることによって経済を活性化し、それを通じて賃金、物価が徐々に上がっていくということを狙いとしてやってきているわけでございます。  そうした下で、デフレではないという状況にはなりましたが、まだ二%の物価安定の目標には道半ばということでありますので、現在の金融緩和を当分持続する必要があるというふうには思っておりますが、他方で、委員御指摘のような副作用というか、同時に金利が低下する、あるいはかなり長期にわたって低金利の状況が続くという中で金融機関の預貸利ざやが減少するというようなことが起こっており、それが特に地域金融機関の収益状況に影響を与えているということはよく認識をしております。  また、今回議論になっておるような、大手金融機関海外クレジット投資残高を増やしているという状況もよく認識をいたしております。  ただ、現状、地域金融機関も実は三%程度貸出しを増やしておりまして、金融機関の信用仲介機能に影響が出るようなことに今の時点ではなっていないと。ただ、このまま五年、十年と続くと、特に地域における人口減あるいは企業の数の減少といったことを踏まえますと、やはり地域金融機関の収益状況には困難が生ずるおそれがあるということは私どももよく認識しておりまして、この点につきましては、金融庁ともよく連携をしつつ、適切な対応を取っていく必要があるというふうに思っております。  また、大手金融機関のこの……
  40. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 総裁、申合せの時間が来ていますので、簡潔におまとめください。
  41. 黒田東彦

    参考人黒田東彦君) はい。  CLOを含む海外クレジット投資残高自体は増加基調にありますけれども、実はアメリカ金融機関も相当このクレジット投資残高を増やしておりまして、そういう意味では、ある意味で日本アメリカも、あるいは欧州もそうですけれども、従来に比べるとやや低金利環境が続いているという下で、大手行、大手金融機関を中心にそういったものの投資が増えているというのはかなり一般的な現象のように思っております。ただ、これもよく注視してまいりたいと思っております。
  42. 風間直樹

    風間直樹君 ありがとうございます。終わります。
  43. 古賀之士

    ○古賀之士君 国民民主党新緑風会の古賀之士でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。  まず、金融経済事情全般について、幾つか質問をさせていただきます。  まず、金融庁参考人に伺います。十連休明けに起きました金融機関のトラブルの概要及びどのような政策対応を実際に行ってこられたのか、お尋ねをします。お答えください。
  44. 栗田照久

    政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。  十連休後におきまして、一部の金融機関インターネットバンキングですとか残高照会アプリにアクセスが集中いたしまして、接続しづらい状態が発生したということでございます。また、楽天銀行におきまして、五月七日十二時頃から二十三時頃までの間、インターネットバンキングにログインができない、取引が行えないという状態が発生したということでございます。  金融庁におきましては、金融機関システムトラブル等に際しましては必要に応じて状況報告等を求めているところでございますけれども、特に楽天銀行に関しましては障害の程度が大きかったということもございまして、障害発生後、速やかに状況の報告、発生原因の究明及び再発防止策の策定、実施を求めているところでございます。
  45. 古賀之士

    ○古賀之士君 是非、再発防止につきましてしっかりとした対応をよろしくお願いを申し上げます。  通告をしておりませんが、金融庁参考人に伺います。  今日未明に入ってきたニュースで、不正融資問題で経営難に陥りましたスルガ銀行が新生銀行に支援を仰ぐという報道がなされております。これ、一般論でもちろん結構です、通告なしでございますので。  公的資金の残っている、この場合は新生銀行ですが、国にスチュワードシップ・コードの適用又は準用を求めていく、それはあるのでしょうか。特に、ほかの銀行との今回は業務提携を行いますので、なおかつ国は間接的に株主にもなっております。したがって、株主総会での議案提案権ですとかあるいは意見陳述権を活用する可能性などがあるかどうか、それについてお答えください。
  46. 栗田照久

    ○政府参考人(栗田照久君) まさに個別の金融機関の提携の話であり、かつ正式に発表されたものではないというふうに承知しておりますので、個別の状況についてコメントすることは差し控えさせていただきたいと存じますけれども、新生銀行につきましては、現在国が資本注入をし、様々の計画の提出などを求めているところでございまして、そのような計画の履行を我々が見ていく中で、もし必要があれば我々として必要なことは申し上げていくということだというふうに考えております。
  47. 古賀之士

    ○古賀之士君 是非、今後そういった支援の話が進んでいく段階において、先ほど申し上げましたけれども、国が間接的に株主になっております。御存じとは思いますけれども、預金保険機構ですとか整理回収銀行で一七%、二〇%弱の株主になっているということですので、是非そういった株主総会ですとかに積極的な御発言と注視をしていきながら、場合によってはスチュワードシップ・コードの適用などの可能性も含め、御検討いただけたらと思っております。  それでは、資料の一、御覧をいただいて、先ほど御質問の中にもありましたが、財務大臣にお尋ねをいたします。  米中は今関税の制裁や報復合戦、そして、資料にもありますように六年二か月ぶりに景気動向指数の悪化に引下げ、それから、今日は日経平均の株価も大幅に下落をして二万一千円割れという情報も入ってきております。  財務大臣、世界経済、日本経済への影響を現時点でどのように分析されていらっしゃるでしょうか。
  48. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 基本的に、今話題になっております直近の話題といえば、これは米中間のいわゆる貿易の話が大きくなっているんだと思っておりますんで、これは国際社会におきましてもいろいろな意味で関心事項になります。  日本の場合、直接の影響というよりは、むしろ部品の納入をすることには、サプライチェーンの中の一環として製造業が影響を受けるということになりますんで、こういったような状況ですので、世界経済にこれが直ちにどう影響するかというのはこれ一概に申し上げることは困難なんですけれども。  いずれにしても、この種の貿易制限措置というものは、これはどの国の利益にもならないということははっきりしておりますんで、いずれにしても、米中両国が今から時間を掛けていろいろな会話をやっていくんだと思いますんで、一応決裂した形みたいなことになって、両方とも報復関税という形に今事は進みつつあるとは思っておりますけれども、そういったのが、これもいずれも利益になりませんので、どこかのところで折り合っていかざるを得ないということにならざるを得ぬと思っているんですけれども、そういったものが、今少なくともスティーブン・ムニューシンとライトハイザーという二人の責任者と、向こうも劉鶴が出てきていましたんで、今まで表に出るのをやめていた劉鶴が正面切って出てきて、今度の交渉に出てきておりますんで、きちんとした対話を両方でやっていくということに関して、両方とも分かった人が出てきて話を始めたという感じがしておりますんで、私どもとしてはその行方を関心を持って見守っていかざるを得ぬ。  それで、アメリカ自体はといえば、もう御存じのとおり、アメリカ自体の雇用を見ましても失業率は史上最低になりましたし、雇用は上がってきておりますし、いろんな意味での景気はいいように思いますんで、そういった意味での内容は決して悪くないんだと思っております。
  49. 古賀之士

    ○古賀之士君 それに関する質問については、また後ほどお伺いをいたします。  次は、サラリーマンのお小遣いと昼食の事情、ランチ事情について少しお尋ねをいたします。  資料の三、それから資料の六の一番下のグラフを御覧いただきたいと思います。  資料の三は、日経平均とサラリーマンの平均小遣い額の関係が記されております。二〇一一年まではある程度相関しております。つまり、日経平均が上がれば昼食代の庶民の価格も上がると。ここ数年は、ただ、株価が上昇しているにもかかわらず、お小遣い額はほぼ横ばいとなっております。  また、資料六の一番下の図を御覧いただければと思いますが、会社員のこれ全国平均の昼食代でございます。男性が平均で五百七十円、女性が五百八十六円となっております。いずれも最近は減少傾向にありまして、この数字を見る限りには、政府の経済政策の恩恵が国民の懐、少なくとも胃袋まで及んでいないんではないかと、その証左とも言えるというふうな結果になっておりますが、財務大臣、このグラフを見てどのようにお感じになられますか。
  50. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 今何か頼りにならないと言われた新生銀行の資料なんですけれども、この銀行一行の資料をもって直ちにそれがどうのこうのということもちょっといかがなものかと思いますが、お小遣いの原資になる賃金の引上げ、これはもう極めて重要な話です、これは間違いなくそうだと思っておりますんで。私どもとしては、賃金の引上げ等々に積極的な企業というものを税制面からも支援をしていくのと同時に、また労使会議とか財政諮問会議等々で我々の方から連合に代わって賃上げ交渉を経営者側に申し込んでいる。過去に例がないと思いますけど、この六年間、間違いなくそういったことをしてきているんだと思いますが、最低賃金を引き上げる等々の話も取り組んできたところで、結果として賃金アップが連合の調査でも五年連続続いているということでもあり、その流れは今年も続いておるというように理解をしております。雇用者数の伸びも加味したところでの総雇用者所得につきましては、これは雇用が大幅に増加しております中で名目でも実績でも増加が続いておりますんで、賃金環境というのは確実に改善してきているんだと理解しておりますけれども。  いずれにしましても、この消費の動向については、これは少なくともGDPのペースで見ますと二〇一六年の後半以降は増加傾向が見られますんで、二〇一三年の水準は上回っているということは持ち直していることだと思いますんで、いろんな意味で、これは、このお弁当の質がどのようなことを意味するか、この資料だけではちょっと判断いたしかねますけれども、あらゆる政策を動員して経済の好循環というのの中の基本であります賃金のアップというか、労働分配率を上げるとか、そういったようなことはずっと下がってきた傾向にあるのは確かなんで、そういったようなものを含めてこれは考えていかねばならぬところではないかと思っております。
  51. 古賀之士

    ○古賀之士君 ありがとうございます。  確かに、賃金が上がっているというデータもございます。その一方で、今こちらにお示ししているように、なかなかその平均の昼食代を全国平均で見るとむしろ減少傾向にあると。恐らく、賃金のその統計のデータがどういった形態の企業やあるいは中小零細まで含んでの統計になっているのかどうか、こういったものも加味していかなければならない部分もあるかと思っております。  それと、食事代のほかに、資料の四を御覧いただきたいんですが、消費税のお小遣いへの負担感が書かれております。これは、平成の一番最初に三%消費税が導入された際は一年たちますと負担感が大幅に減っているのに対しまして、八%に増税したときは、これまでその増税、八%になってから四年たっているんですけれども、その負担感というのがほぼ変化がないと。  この状況をどのように財務大臣はお感じになっていらっしゃいますでしょうか。そして、この秋にもと予定をされている消費税の引上げの際にこれは留意することになるのでしょうか。よろしくお願いいたします。
  52. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) これは、御指摘の調査について詳細を承知しておりませんので、またこういった民間の調査というものについてコメントはちょっと差し控えさせていただきますけれども、御質問の中でお答えさせていただければ、消費税が導入をされました一年後の負担感が大幅に減少したとのこの御指摘ですけど、これは多分全く新しく導入されたいわゆる消費税というものに対する負担感というものがいわゆる当初においてより大きく表れたということが考えられるんだと思っておりますが、八%への引上げ以降の負担感が変化がないというこの指摘につきましては、これは税率に変化がなかったことも考えられるのではないかと思っております。  いずれにしても、本年十月の消費税の引上げに当たりましては、これはほぼ全ての方が毎日購入しておられる何らかの飲食料品等に対しての軽減税率制度を実施するということにしておりますし、またこれによって買物の都度に通します痛税感というものの緩和も実感していただけるものと考えてもおります。  また、消費税率の引上げによります増収分というものを幼児教育の無償化とか、年金生活者支援に年間最大約六万円を支給するとか、また所得が低い高齢者の介護保険料を軽減するとか、そういった形でいろんな形での社会保障の充実、安定化に充てることにしておりますんで、低所得者と言われる方々に対してこうした受益の面という、負担の面だけではなくて受益の面も併せて評価していただけるということではないでしょうか。
  53. 古賀之士

    ○古賀之士君 ありがとうございます。  八%の増税から今まで四年たっても、痛税感といいますか負担感がほぼ変化がないという状況を踏まえていただいて、今後についてはまた検討していただければと思っております。  今大臣から御指摘がありました負担感に配慮するための軽減税率でございますが、皆さんがどういう形で昼食を取られていらっしゃるかは存じ上げませんが、一般的には、これ外食で例えば食堂やレストラン、ラーメン、中華料理食べに行くときには、これ引き続き消費税導入されれば一〇%。軽減税率が適用できるのは恐らく食料品で、自分で買って調理をしてお弁当を持参するか、あるいは持ち帰りの弁当を持っていく場合に、基本、軽減税率が適用できるということでございますので、その辺は、負担感という部分では、もし外食を中心に、外でよく食べに行かれるサラリーマンやオフィスレディーの方もいらっしゃると思いますが、そういった方々には該当しないということだけは申し添えておきたいと思っております。  それでは、その昼食のことも含めてですが、念のため確認をさせていただきます。世界の、米中の関税の報復制裁合戦、それから景気動向指数の悪化の引下げ、こういったものも含めて、リーマン・ショック級ではないというお話でございましたけれども、麻生財務大臣、今の現状ではリーマン・ショック級の経済状況ではないと、したがって予定どおり消費税は引き上げるということで、認識でよろしいでしょうか。
  54. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) いろいろな方々が、与党内部でもいろいろ言っておられる方もいらっしゃるように私ども間接的に伺っておりますんで、直接的にそういったお話を伺ったわけではありませんが、今、私どもとして、リーマン・ショック、ものがなければという総理のお言葉どおり、この十月、予定どおり引き上げさせていただきたいと思っております。
  55. 古賀之士

    ○古賀之士君 それでは、再び昼食のお話にさせていただきますが、NHKで「サラメシ」というテレビ番組がございます。この中に「永田町・霞が関のサラめし」という実は回もございまして、まず、財務大臣が実際に御覧になったり読んだりしたことがおありになるかということのお尋ねと、それと、この中に現法務大臣や現経産大臣のサラめしも御紹介が出ております。御自身も出演の依頼があれば出てみたいとお思いになりますでしょうか。
  56. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 「サラメシ」という番組に出る気があるかと聞いておられるんですか。  ありません。
  57. 古賀之士

    ○古賀之士君 御覧になったことはございますか。
  58. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) これはたしか松本純が政務官でしたかね、何かでこの番組があるという話を聞いたことがあるだけで、その番組を見たことはございません。私はほとんど、テレビは努めて見ないように努力しておりますので。
  59. 古賀之士

    ○古賀之士君 民放出身者の私でございますんで、是非よろしくお願いいたします。それでNHKの番組を御紹介するのも変な話なんですが。  ここで、では、ちょっとその辺のもう一度おさらいをさせていただきたいんですが、国税庁の参考人にお伺いします。企業による従業員への食事の支給につきまして、税務上は取扱いどのようになっていますでしょうか。
  60. 並木稔

    ○政府参考人(並木稔君) お答えいたします。  企業が従業員に対して食事を支給した場合の経済的利益は、原則として給与所得として課税対象となりますが、食事の支給は福利厚生的な性格があることや、少額のものについては強いて課税しないという少額不追求の観点から、一定の要件を満たすものについては課税しないということとしております。  具体的には、従業員が食事の価額の半額以上を負担し、かつ企業の負担額が月額三千五百円以下である場合には、その経済的利益はないものとして取り扱っているところでございます。
  61. 古賀之士

    ○古賀之士君 更に伺います。過去二十年間における今度は通勤手当の非課税限度額の推移と食事補助の非課税限度額の推移について、どうなっているでしょうか。
  62. 並木稔

    ○政府参考人(並木稔君) お答えいたします。  交通機関等を利用している従業員に支給する通勤手当の非課税限度額について、過去二十年間ということで、平成十二年以降の一か月当たりの非課税限度額を申し上げますと、平成十二年一月一日から平成二十七年十二月三十一日までは十万円、その後、税制改正によりまして、平成二十八年一月一日以降は十五万円となっております。  また、企業が負担する食事の支給に関する非課税限度額につきましては、過去二十年間ということで申し上げますと、平成十二年以降の一か月当たりの非課税限度額は三千五百円となっているところでございます。
  63. 古賀之士

    ○古賀之士君 つまり、通勤手当は平成二十八年、十万円から月額十五万円まで非課税の限度額、一方、食事の補助に関しては、この二十年間、一月当たり三千五百円のままという理解でいいと思います。  資料の七、御覧いただきたいんですが、これは昨年の読売新聞の記事ですが、企業の食事補助を政府が支援という報道がなされております。現在、どのような検討を行っていらっしゃるんでしょうか。
  64. 藤本康二

    ○政府参考人(藤本康二君) 報道に関連してのお尋ねでございますけれども、現時点で関係省庁が食事補助に関する税制改正の要望に取り組んでいるという事実は承知しておりません。  健康・医療戦略推進本部におきましては、アジア健康構想に向けた基本方針を決定いたしまして、その方針の下で、医療、介護、疾病予防、それから健康維持に関わるサービスなどの海外展開を進めております。ここに健康な食事というのも重要なテーマとして含まれており、様々な民間の取組が国内外を一緒になって取り組み始めていると、進み始めているという状況でございます。  こうした多角的な取組を支援することを通じて、国内外の健康な食事の普及やそれを支える民間サービスの振興を図ってまいりたいというふうに考えてございます。
  65. 古賀之士

    ○古賀之士君 つまり、資料の七にお出しをしました読売新聞のような事実は今はないということでよろしいですか、理解として。
  66. 藤本康二

    ○政府参考人(藤本康二君) そのように承知しております。
  67. 古賀之士

    ○古賀之士君 一方で、今御説明があったように、アジア健康構想という視点で、その基本方針の中には配食のサービスですとか食育ですとか、いわゆる医療に向ける前の健康を維持する、あるいは予防の措置のためのアジアベースでの考え方は今お取組があるという理解でよろしいですね。
  68. 藤本康二

    ○政府参考人(藤本康二君) 御指摘のとおりでございます。
  69. 古賀之士

    ○古賀之士君 ということになると、また財務大臣にお尋ねをいたしますが、これ、アジアに向けて日本の健康増進、それから食事、それから食育、和食を含めた恐らく日本の良さも含めてこれからアジアに売っていこうということだと思うんです。その一方で、民間企業で我が国の食事補助、現時点ではこれ政府では支援をする予定も見込みもないという現実も今分かりました。  これ、先ほど御指摘があったように、通勤手当は月額十万円から十五万円に。ところが、食事の補助については三千五百円のまま二十年間続いている。こういったことも踏まえますと、税制上の措置というものを幾らかでもこれ考えていただくというのは決して無にはならないと思いますし、しかもこれ、アジアに売っていこうと、我々の和食の良さや食育やそれから配食のサービスなどをしっかりとやっていこうということですので、その辺についての財務大臣のお考えをお尋ねいたします。
  70. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) これは、企業が従業員に対して行いますいわゆる食事の支給については、これは本来、給与所得ということになるんですが、それの課税を、対象となっているところの福利厚生的な性格とか、またいわゆる少額なものについては特に課税しないとか、そういった少額不追求の観点から今まで非課税とされているんだと、そういうように理解をしておるところなんですが、今言われたようにこれ消費者とか物価の動向ですかね、また給与の支給実態等々を考えながら判断することが適当だと考えているんですが、ほかにもちょっと、古賀先生、考えておかにゃいかぬのは、企業から食事の支給を受けていないという方も多いんで、その人たちの不公平感も考えておいてもらわぬと、そういう企業とそうじゃない企業とに差が、格差が付きますよ、これは。  それから、従業員が食事の半額以上を負担することが非課税の要求となっているということなんで、企業の食事補助の非課税限度額の引上げということをやること、今三千五百円を一万円とか、いろんな形でということになるんでしょうが、従業員の負担額が増えるという場合もありますのでいろいろ配慮せにゃいかぬところだと思いますので、これちょっと、判断をするということが今ちょっと簡単に、じゃ、交通費は一・五倍だからこっちも一・五倍で一万円にするかとか、八千円にするかとか、そういう簡単な話じゃないんで、もうちょっと慎重な判断をせにゃいかぬところかなと思います。
  71. 古賀之士

    ○古賀之士君 ありがとうございます。  おっしゃるとおり、職場環境の違いによってなかなか食事を提供できる機会がなかったり、どうしてもそこに違いが出てくるというのも重々理解しております。  ですから、例えば、企業によってはその範囲の中で食事券を配って外で自由に使える制度を設けたり、あるいは企業の中での、近隣の周辺にお願いに上がって、うちの会社の食券が使えるようにしてもらえませんかと各企業さんが働きかけを行ったりと。それから、どうしても車などで遠出をする場合も、それに見合う形での何か食事券に近いもので食事に特化できるような券を、チケットを発行するというようなことも、これからキャッシュレスの時代においてはかなり可能性としてはあると思うんですね。また、それがビジネスチャンスにも広がってくるかと思っておりますので、是非御検討を、更なるまた研究をお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  72. 熊野正士

    ○熊野正士君 公明党の熊野正士でございます。  本日は、認知症施策について質問させていただきたいと思います。  今年の夏までに認知症施策推進のための大綱を取りまとめるというふうに聞いております。金融庁も関連省庁としてこの策定作業に今尽力されているというふうに承知しておりますけれども、金融庁がどういった分野でこの認知症施策と関係してくるのか、どういう課題に取り組んでいるのかということについて、具体的な施策も含めて簡潔に御答弁いただければと思います。
  73. 栗田照久

    政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。  まさに御指摘のとおり、政府全体といたしまして、認知症について総合的な施策を一層強力に推進するため、大綱策定に向けて現在取り組んでいるところでございます。  金融庁といたしましては、金融機関の窓口において認知症の方と関わることが多いということなどを踏まえまして、認知症当事者の視点に立った生活環境の整備などに取り組んでいくこととしております。  具体的には、認知症の方への理解を深め、適切に対応できるよう、金融機関におきまして、認知症サポーターの積極的な養成あるいは店舗への配置、それから、高齢化が進展する中で、認知症の方も含めました成年被後見人の方の財産を守るために成年後見制度支援信託やこれに代替するような預貯金スキームの導入などを促してまいりたいというふうに考えてございます。  また、認知症の発症に備える民間保険や、認知症の人やその監督義務者などを被保険者とする民間の損害賠償責任保険が普及していくよう、各保険会社の取組を後押しするなどの取組を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
  74. 熊野正士

    ○熊野正士君 ありがとうございます。  認知症の方が保有する資産というのが二〇三〇年には百五十兆円にもなると、そういう試算もありますので、資産の保護とか活用ということについてしっかりと備える必要があると思いますけれども、今回、今日私が問題にしたいのは、先ほど御答弁ありましたけれども、認知症の方の立場に立ったお金の使い方ということでございます。  認知症のような判断能力が低下した人の財産管理については、安全性を高めるほど本人が使いたいときに使えないとなります。認知症の方の財産管理を支援する仕組みとしては後見制度と、成年後見制度がありますけれども、この後見制度を使うと、安全性は保たれるけれども自由度は低下してしまうと。一方で、家族信託といった制度もありますけれども、この場合だと、本人、家族の自由度は増すけれども不正を防ぎにくいといったデメリットもあります。  こうした背景の下、三菱UFJ信託銀行が今年の三月に新商品を販売したと。代理人を立てて、スマートフォンなどを使って情報見える化して、安全に支出を管理できるようにした上で、そういった安全性を確保した上で、認知症御本人がお金の使い方が決めると、決められることができると、そういったものであります。  認知症の人が自分らしいお金の使い方を継続できるように、認知症の人の立場に立った取組というのが必要だと思うんですけれども、この点、金融庁の見解を求めたいと思います。
  75. 栗田照久

    政府参考人(栗田照久君) 金融機関におきましては、認知症の方、それから高齢者、障害のある方など様々なお客様がおられるわけでございまして、そうしたお客様の個々の事情に寄り添った対応が求められているということが公共性を有する金融機関の重要な役割ではないかというふうに考えております。  そのような視点から、まさに先生御指摘のとおり、金融機関が様々な商品開発をするですとか、あるいは窓口の対応で工夫をしていくということは非常に重要なことであるというふうに考えておりまして、金融庁といたしましては、いろいろな好事例の共有などを通じまして、各金融機関に対しまして認知症の方に寄り添った対応をより一層行っていくよう促してまいりたいというふうに考えてございます。
  76. 熊野正士

    ○熊野正士君 よろしくお願いしたいと思います。  次に、認知症の方の財産管理について、成年後見制度ということで先ほど申し述べましたけれども、これができたのが二〇〇〇年ということです。二〇一六年にはこの利用促進の法律施行されておりますけれども、ただ、活用状況がそんなに高くございませんで、今のところ約二十万件ということでございます。  この成年後見制度の課題と今後の対策ということについて、厚生労働省の方に答弁を求めたいと思います。
  77. 八神敦雄

    政府参考人(八神敦雄君) お答え申し上げます。  成年後見制度につきましては、認知症の方など判断能力が不十分な方の財産管理や契約行為を支援する重要な制度であるというふうに考えてございます。  成年後見制度の利用者数でございますが、近年増加傾向にはございますが、今御指摘ございましたけれども、平成三十年の十二月末の時点で約二十一万八千人と認知症高齢者の方の数と比較して著しく少なく、社会生活上の大きな支障が生じない限り制度が余り利用されていないという指摘もございます。  また、成年後見制度の運用につきましてですが、後見人による本人の財産の不正使用を防ぐという観点から、親族よりも法律専門職の方などが後見人に選任されることが多くなっておりますが、そうしたケースの中には、意思決定支援、身上保護などの福祉的な視点に乏しい運用がある、また、後見人等への支援体制が不十分で、福祉的観点から必要な助言を行うことが難しい家庭裁判所が相談対応しているといった、利用者が制度を利用するメリットを実感できていないケースも多いといった指摘がなされておるところでございます。  こうした指摘、課題を踏まえまして、平成二十九年三月に閣議決定をされました成年後見制度利用促進基本計画におきまして、利用者がメリットを実感できる制度、運用の改善、全国どの地域においても必要な人が制度利用できるための権利擁護支援の地域連携のネットワークづくり、また不正防止の徹底と利用しやすさとの調和といったことにつきまして、今後の施策の目標として掲げて取り組んでいくということにしてございます。  厚生労働省といたしましては、事案に応じた適切な後見人等が選任をされるようにするための中核機関の整備など、関係省庁裁判所地方公共団体、関係団体等と連携をしながら、更に成年後見制度の利用促進に向けた施策を着実に推進してまいりたいと、このように考えてございます。
  78. 熊野正士

    ○熊野正士君 次の質問に移りたいと思います。  品川区では、地元の地域の信用金庫と社会福祉協議会が連携をして財産管理を支援する動きも出ていると聞いております。これは成年後見制度を普及させるであるとか充実させていくということのようですけれども、いわゆる信用金庫というのが地域に密着したという、そういったメリットを生かしながらのこういう取組だということだと思いますけれども、こういった点、厚生労働省としてどう評価しているのか、お尋ねしたいと思います。
  79. 八神敦雄

    ○政府参考人(八神敦雄君) お答え申し上げます。  今御指摘ございましたように、品川区におきましては、区内の各信用金庫と区の社会福祉協議会が協力をし合って様々な取組が進められてございます。具体的には、信用金庫のOB、OGの方が中心となりまして後見人等を引き受けることですとか、成年後見制度の普及、相談を行う一般社団法人しんきん成年後見サポートを設立をするとともに、区の社会福祉協議会がその後見業務担当者の養成に協力をしているといったことを伺ってございます。  こうした取組は、地域の金融機関と社会福祉法人、行政、司法が連携をすることによって、判断能力が低下した方が安心して成年後見制度を利用して財産管理をできるようにするものであると、厚生労働省としても、地域の支え合いに基づく非常に先進的な取組だというふうに評価をしております。既に市町村等にも紹介をさせていただいているところですが、更に広く紹介をしてまいりたいと考えております。
  80. 熊野正士

    ○熊野正士君 ありがとうございます。  この財産管理とかお金の使い方ということに関しては、やっぱり一番は当事者の方々の声をしっかり聞いていくということが大事だと思うんですけれども、それで、ちょっと金融庁に確認のためにお伺いいたしますけれども、そういった当事者の声であるとか、家族の方あるいはその専門家の方々、有識者といった、そういった方々の声が今回の大綱の策定にきちっと反映されているのかどうか、その点をちょっと確認したいと思います。
  81. 栗田照久

    ○政府参考人(栗田照久君) まさに御指摘のとおり、認知症に関する当事者の御意見を踏まえるということが非常に重要でございますので、例えば認知症施策推進のための有識者会議というものがございまして、そこには日頃から認知症の方と接しておられる有識者の方が来ておられまして、そういう方の御意見をいただいて検討を進めているところでございます。  また、今後、認知症の当事者団体の方との意見交換も予定しておりまして、そういう御意見を踏まえながら必要な対策を講じてまいりたいというふうに考えてございます。
  82. 熊野正士

    ○熊野正士君 是非、そういった方々の声がしっかりと反映されるように取組を進めていただきたいと思います。よろしくお願いします。  次の質問に移りたいと思います。認知症の人の損害賠償保険について質問させていただきたいと思います。  二〇〇七年に、JR東海が、認知症患者さんの列車事故に関しまして、認知症の御主人の介護をしていらっしゃった奥様とそれから息子さんに対しまして損害賠償訴訟が起きました。最高裁の判決ではお二人の損害賠償義務というのは否定されたわけですけれども、この裁判が非常に大きく報道でも取り上げられました。今後、認知症の人を介護している家族に損害賠償請求されるんじゃないかと、そういった懸念が広がったと思います。  これからますます認知症の患者さんが増えて第三者に対する加害事故も増加する可能性があるという中で、金融庁として、お聞きをしますと、認知症の人の民間の損害賠償責任保険の普及の後押しをしているというふうに聞いております。  現在、認知症の人の損害賠償保険を販売している会社というのはどれぐらいあるのか、まずお伺いしたいと思います。
  83. 栗田照久

    ○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。  この個人賠償責任保険でございますけれども、これは認知症の方及びその家族などの監督義務者が負う損害賠償責任をカバーするものということでございまして、この保険につきましては、企業向けの損害保険に特化しております損害保険会社を除きますと損害保険会社は二十七社あるんですけれども、そのうちの二十二社において販売がされているというふうに承知しております。
  84. 熊野正士

    ○熊野正士君 二十二社で販売をされているということです。しっかりとこういったことを普及をしていくことは大事かなと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  この損害賠償保険に関して、自治体として取り組んでいるところもあります。神戸市が市全体としてこの認知症保険を組み入れた制度を実施しております。  厚生労働省の方にお伺いしたいと思いますけれども、この神戸市における認知症保険の枠組みといいますか取組といいますか、それについて御説明をお願いしたいと思います。
  85. 諏訪園健司

    ○政府参考人(諏訪園健司君) お答え申し上げます。  神戸市では、認知症の早期診断、早期発見を推進するための診断助成制度と、認知症の方が事故を起こした場合に救済する事故救済制度を組み合わせました認知症神戸モデルを創設されたものと承知しているところでございます。  その概要について御説明いたします。  一つは、診断助成制度でございまして、これは、認知症の疑いの有無や認知症かどうかということ及び病名を診断するための検診、検査を自己負担なしに行う仕組みでございます。  もう一つは、事故救済制度でございます。これは、認知症の方が起こした火災や傷害などの事故に関して全市民を対象とする見舞金を支給するほか、認知症の人が対象となる賠償責任保険に市が加入し、事故で賠償責任を負った場合、一事故最高二億円まで支給する仕組みと伺っております。  なお、神戸モデルの実現に必要な費用として、市民税均等割に一人当たり年間四百円を上乗せして財源確保されたとお聞きしているところでございます。
  86. 熊野正士

    ○熊野正士君 ありがとうございました。  認知症の神戸モデルですかね、神戸モデルとして、事故の救済制度というのはもちろんあるんだけれども、それプラス、神戸モデルでは認知症の早期発見、早期診断のためのそういった助成制度もあって、二つ大きな柱があるというふうに理解をいたしました。また、損害賠償に関しては、いわゆる全市民を対象にして賠償責任の有無にかかわらずもう見舞金が給付されるということのようでございます。  これは神戸市として、市全体として、自治体として取り組んでいらっしゃるわけですけれども、先ほど申しましたけれども、これからますます認知症の患者さんが増えてまいります。さらに、第三者に対する加害事故というのも増えていく可能性があります。こういった問題を考えると、個人レベルで、先ほども二十二社の保険会社が、そういう民間の会社が保険を販売しているということですけど、民間、個人レベル、家族レベルで対応していくということももちろん大事だと思うんですけれども、社会全体として対処していくという意味でいえば、神戸市のような取組というのも注目に値するのかなというふうに考えております。  なおかつ、早期診断、早期発見という部分を神戸では取り入れているわけですけれども、なかなか、今、認知症の早期発見、早期治療というのは、早期に介入した方がいいというのは分かっているんだけれども、なかなか早期に認知症を見付けられないという問題もありますので、そういった意味でいうとこういうのは非常に大事な取組じゃないかなというふうに私自身は考えているんですが、その辺、厚生労働省、どういうふうに評価していらっしゃるのか、今後の展開等も考えていらっしゃるのか、その辺をお聞きできればと思います。
  87. 諏訪園健司

    ○政府参考人(諏訪園健司君) 委員御指摘のとおり、早期診断、早期対応のための診断助成制度と事故救済制度という二本柱で、これを組み合わせた神戸モデル、これにつきましては、自治体として、認知症になっても安心して暮らしていける町を目指すという意欲的な取組として進められているものと承知しているところでございます。  この神戸モデルの制度導入直後の状況につきまして神戸市にお伺いしましたところ、診断助成制度については約八千件の申込みがあったということでございます。  今後とも、その実施状況を注視させていただきますとともに、他の自治体における事例収集も行い、分析、研究してまいりたいと、このように考えているところでございます。
  88. 熊野正士

    ○熊野正士君 是非よろしくお願いします。  以上です。ありがとうございました。
  89. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 日本維新の会の藤巻です。日本維新の会・希望の党の会派を代表して質問させていただきたいと思います。  まず、暗号資産の税制についてお聞きしたいんですけれども、先週九日のこの委員会で黒田日銀総裁に、私、暗号資産についてどう思うかというふうにお聞きしたんですけれども、そのときに黒田日銀総裁が、その値動きが極めて激しいということもあって支払決済には余り使われておりませんで、ほとんど投機の対象となっておりますと答えられたわけです。  日銀総裁がこう答えられているわけですけれども、私、実はデータを集めて、今の暗号資産というのは支払手段ではなくて、やはりその値上がりを目的として取引している人が大部分だということを示そうと思ったんですよ。それであるならば譲渡所得ではないかというロジックで行こうかなと思ったらば、いみじくも日銀総裁が断定してくださったわけで、そうであるならば、これ支払手段じゃなくて資産ですから、そういう意味でいうと、値上がり益を目的に取引している商品であるわけですから、当然のことながら、そして今度、この通常国会においては暗号資産と名前も変わりますし、それから金商法の縛りも入ってくるわけですから、金商法の規制下にある暗号資産に関しては、金融所得課税の一環として外貨預金の為替益も含めて全部一緒くたにして、損益通算もできて、そして二〇%の源泉分離にするのが一番合理的ではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
  90. 星野次彦

    ○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。  当委員会でもこれまでいろいろ御議論があったところでございますけれども、委員ただいま御指摘されましたように、資金決済法等の一部改正法案では、金融庁によれば、法令上の呼称は国際的な動向も踏まえまして仮想通貨から暗号資産に変更するものでございますけれども、その定義を変更するということではございませんで、資金決済法上、暗号資産は引き続きこれまでの仮想通貨と同様に対価の弁済のために不特定の者に対して使用することができる財産的価値として規定されることとなります。  また、消費税法を見ましても、支払手段に類するものとして位置付けられているということでございまして、外国通貨と同様にその売却益等は資産の値上がりによる譲渡所得とは性格を異にするものと考えておりまして、一般的に雑所得に該当するという現行の取扱いを変更する必要はないと考えております。  委員が御指摘されましたように、暗号資産の売却益を二〇%の分離課税の対象にするということにつきましては、これまでも申し上げているとおり、所得税は総合課税を原則としております。所得が高い方に多く税を負担していただくという所得再分配の考え方に基づいて、全ての所得を合算して累進税率を適用するということでございます。こういった原則を変えて、再分配機能を損なってまで暗号資産取引を強く政策的に支援するということで二〇%の分離課税に位置付けるということが適当か、必要かという課題があると考えております。
  91. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 定義は支払手段であろうと、立法事実というか、事実として、黒田日銀総裁がおっしゃったように、支払手段としては使われないわけですよ。それをきちんと税制に反映するべきではないかと私は思うんですよね。  今までの星野局長その他の国税担当者の方と議論してきた経緯としますと、私、最初は明らかに資産性を否定していたと思うんですよ、国税当局は。段々議論しているうちに資産性を認めた、認めているけれども、でも譲渡所得に起因する資産ではないというところに今ロジックが来ているんじゃないかと思うんですが、これも何回か申し上げていますけれども、租税法の大家と言われる金子宏先生、この先生が、これ租税法は学説の中でも一番権威のある学説と言われておりますけれども、その金子宏先生が今年の「租税法」の改訂版、二十三版か何かで、これ、きちんと解釈論のレベルで譲渡所得にも一理あるとおっしゃっているわけですよね。  雑所得というのは、十ある所得分類のうちの九つに当てはまらないものが雑所得という法律の建前になっているわけですから、金子先生が譲渡所得であるとおっしゃったらば、それはそうじゃないよと否定する責任というのは、立証責任というのは国税当局にあると思うんですけれども、是非金子先生の、あの先生は大したことがないとか学説的に間違えているということを、国税当局に否定していただかなくちゃいけないと思うんですが、是非否定していただければと思いますけど、どうでしょうか。
  92. 並木稔

    ○政府参考人(並木稔君) お答え申し上げます。  これまでのお答えの繰り返しになるところもございますけれども、いわゆる租税法に関しましては、委員御指摘の金子宏教授始めとした大学教授のほか、多くの有識者の方による研究が行われておりまして、様々な学説があることと承知しておりますけれども、国税当局としては、個々の学説について見解を述べることは差し控えさせていただきたいと思います。  その上で、いわゆる暗号資産の譲渡益に係る所得区分につきましては、国税当局としての見解を申し上げれば、所得税法上、譲渡所得は資産の譲渡による所得と定義されておりまして、当該所得に対する課税は、資産の値上がりによりその資産の所有者に帰属する増加益を所得として、その資産が所有者の支配を離れて他に移転するのを機会にこれを清算して課税する趣旨と解されているところでございます。  この点、いわゆる暗号資産については、資金決済法上、対価の弁済のために不特定の者に対する使用することができる財産的価値と規定されておりまして、消費税法上も支払手段に類するものとして位置付けられていることから、外国通貨と同様、いわゆる暗号資産の譲渡益は資産の値上がりによる増加益とは性質を異にするものと考えられるところでございます。  このため、国税当局としては、いわゆる暗号資産は、資産ではあるものの、譲渡所得の起因となる資産には該当せず、その譲渡による所得は一般的に譲渡所得には該当しないものとして取り扱っているところでございます。
  93. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 今のお話聞いていると、定義が支払手段だから支払手段の税率を適用するというふうに聞けるんですけれども、事実として、定義はそうかもしれないけれども、実際に暗号資産は支払手段として使われていないわけですよ。日銀総裁がそうおっしゃっているんですからね、きちんと。データもきっとあるかと思いますけれども。だとすると、現実に合わせて税制は変えていくべきじゃないんですか。若しくは、定義が悪いんだったら定義を変えるべきなのが国のやることじゃないかと私は思いますけどね。  それからもう一つ申し上げると、学説はいろいろあるけれども、それは聞くけれども国税の感覚はこうだということは、例えば学説があっても学説よりも我々の方が偉いんだと、我々が税制決めるんだというふうに聞こえてしまうんですけど、違いますか。学説がもし、じゃ、金子先生の学説に集約していったら国税は変えていただけるんですか。それとも我々の方が偉いんだから絶対に変えないというふうに、スタンスになるんでしょうか。
  94. 並木稔

    ○政府参考人(並木稔君) 繰り返しになりますけれども、租税法に関して多くの有識者の方による研究が行われて様々な学説があることは承知しておりまして、国税当局としては、その学説についての見解を述べることは差し控えます。  他方で、国税当局としては、いわゆる暗号資産を譲渡した場合について、先ほど申し上げたとおり、暗号資産は、資金決済法上、対価の弁済のために不特定の者に対して使用することができる財産的価値と規定していることなどによりまして、その譲渡益は資産の値上がりによる増加益とは性質を異にするものと考えられることから、暗号資産は、資産ではあるものの、譲渡所得の起因となる資産には該当せず、その譲渡による所得は一般的に譲渡所得には該当しないものとして取り扱っているとの考え方を、まさに課税上の取扱いを示す当局としてその見解を明確にお示しできているというふうに考えているものでございます。
  95. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 今の答弁を聞いていますと、やっぱり資金決済法の定義を変えればいいだけの話じゃないですか、それ実態に変えればいいだけじゃないですか。実態は変えても定義は定義だと、こうおっしゃるんでしょうかね、と疑問を思います。  次に、関連して今度は金融大臣にお聞きしたいんですけれども、三月十日の朝日新聞に元ソニーCEOの出井さんのインタビュー記事が載っていたんですね。IT化遅れ、気が付けば米中に敗北というタイトルだったんですけれども、その中で、質問が、平成の時代から得られる教訓はという記者の質問に対して、インターネットという時代になぜ乗れなかったのかを考える必要があります。平成の間に、アメリカではGAFA、グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンですけれども、それが、中国ではBAT、百度、アリババ、テンセントが台頭しました。そして、人工知能、AI、ブロックチェーン、仮想通貨といった新しい技術が台頭しています。インターネット時代に気付かなかった平成の愚を繰り返してはいけませんと書いてある。ちょっと略しますけれども、こうした技術でどんな未来をつくるかを考え、実現する制度を国が早急に整える必要がありますと言っているわけですよ。  出井さん、経済界では重鎮ですよ。経済界の重鎮の出井さんが、これからはAI、ブロックチェーン、仮想通貨という技術が台頭して、それが重要だと言っているんですよね。それを税制で殺して、日本の飯の種を奪っていいんでしょうかね。  私は、やっぱりどういうふうに税制が国を一番成長させるかということを考えるべきであって、それは、仮想通貨の税金が、これは配当所得であるとか給与所得なんて言ったらそれはばかという話であって、でも、学説的に認められる一つの学説なんですよ。それであれば、その幾つか認められているうちの学説の中で、何も定義にこだわることなくて、どうやって日本を成長させるか、そのための税制は何が必要であるかということを考えて税制って考えるべきじゃないですか。日本の将来を殺すための税制じゃなくて、日本の将来を生かすための、我々の飯の種をどうやってつくるかというのが税制というものだと、税金だと私は思いますけどね。  もう一つ言うと、今度、暗号資産ということで名義も変わりますし、資産という価値、ここでみんなが取引しているということは、これ資産価格の上昇、資産効果と極めて関係あるわけですよ。  一九八五年から九〇年のバブルというのは何であんなに経済が狂乱したかというと、土地の価格、それから株の価格が上がった、資産価格が上昇したからあれだけの狂乱経済になったわけで、狂乱し過ぎでしたけどね。この前も何回か申し上げていますけれども、消費者物価指数は、今、日銀で決めている二%よりもよっぽど低かったわけです、〇・三とか〇・四%。でも、狂乱したんです。それは資産価格が上昇したからなんですよ。要するに、資産価格が上がるということは、日本経済にとってもう簡単にデフレ脱却して、非常にいい効果があるわけです。  だとしたら、今、若者の間では、暗号資産、非常に人気ですよ。彼らが買って非常に豊かになって金使えば、まさに資産効果が出るわけで、その点からしても日本に貢献するし、それから、日本が税制を改正して外国からの技術をどんどん導入するようになれば、これ日本に技術が蓄積されるわけですから、これだけのものを税制で殺してはいけないと私は思うんですが、その辺について、大臣、お聞きできればと思います。
  96. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) これも度々申し上げておりますけれども、暗号資産に活用されておりますブロックチェーンの技術等々を含めまして、これはフィンテックと言われるファイナンシャルテクノロジー等の新しい技術分野においては大きな可能性があると、これは前々から申し上げているとおりです。技術の安全性というものを確保しつつ、これは利用者の利便性、かつ利用者の安全性も要るかと思いますが、向上につながるよう様々な主体がその活用にチャレンジしていくと、これ大変大事なところだと思っております。  他方、暗号資産の税務上の取扱いということについては、これは、委員会は売却益を雑所得ではなくて譲渡所得とすべきだということの御指摘をいただいているところだと思いますが、こうした所得税の所得区分については、これは所得の性質において分離されるべきものであって、一義的には特定の政策目的により判断されるべきものではないと考えております。  また、委員からは、暗号資産の売却益を株式と同様二〇%の分離課税だというのの対象にすべきという御提案をいただいておりますが、これは、株式の分離課税、売却益の分離課税というのを対象としておりますのは、所得税の再分配機能を一定程度損なってもなお家計の株式等への投資を後押しする、貯蓄から投資という政策的要請を前提としたものであります。したがいまして、暗号資産をこれと同列に論ずることができるかといえば、なかなか難しいのではないかと考えておるのが現状です。
  97. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 今大臣はブロックチェーンの重要性をとうとうと述べられましたけれども、ブロックチェーンと暗号資産というのはコインの表と裏の関係ですよ。特に、パブリック型の暗号資産というんですかね、これは、なかったらば、暗号資産がなければパブリック型のブロックチェーンは成立しないですよ。だって、中央管理者がいないんですから誰かが管理しなくちゃいけない、それはマイナーが管理しているんですから。ということで、ブロックチェーンがよろしいと、非常に未来があるということを認められるんだったらば、暗号資産も一緒にやっていかなかったら、それは分かっていないというふうに言わざるを得ませんよね。だとするんだったらば、税制考えればいい。  それも、先ほどから何度も言っていますように、先ほど大臣は性質によって分類が違うと言っていましたけど、それは分類が違っても、学説では、譲渡所得だという学説あるし、それも最高権威者がそうおっしゃっているわけですから、これをわざわざ一番日本にとって不利な税制にとどめておく必要は全くないと私は思います。  ちょっとほかの質問もあるので、今日の暗号資産に関してはここにしておきますけれども、次、日銀総裁にお聞きしたいんですが、MMTについて。  やはり九日のこの委員会で私が、MMTを日本では実行しているんじゃないかというふうにお聞きしたわけですね。ハイパーインフレというのは、アメリカにおいては有識者が大反対しているわけです。基本的にはハイパーインフレになるから大反対しているわけですよ。私は、日本はまさにMMTを実行しているというふうに思っていますけれども。  そのときの黒田総裁の答弁というのは、日本はMMTを実行しているんではないと。その理由、二つありましたよ。一つは、日本は財政再建に努力しているからMMTではないとおっしゃいました。もう一つ、それから、今、日銀がやっていることは国債引受けではないからMMTではないというふうにおっしゃったわけですよ。  大きく二つ質問があるんですけれども、財政再建が達成されていないのに、努力目標さえ設定すればそれはMMTでないと言えるんですか。努力目標は単なる努力目標で、確かに財政再建がどんどん成っているならば、それは、やっぱりMMTはそういうこと関与していないんだから日本でやっていることはMMTでないということが言えるかもしれませんけれども、単に努力目標で、現実問題として財政はどんどんどんどん悪化しているんですから、やはり私はMMTだと思います。  それからもう一つ、黒田総裁は、今やっていることは、確かに一回マーケットを通していますから、国債引受けじゃないとおっしゃっていますけど、これ単なる、マーケットは一回買うのは、日銀トレードという、単に一瞬ちょっと持ってあげているだけですよ。これ、まさに私の友人の外国人に言わせると、一二〇%財政ファイナンスだと言っていますよね。私が見たってそう思いますよ。単なる、サッカーでいうと、直接フリーキックか、一回人に当てて入れる間接フリーキックかだけであって、ゴールはゴールなんですよね。  これ、私も実はロンドンにいるとき、まだそのときは邦銀にいましたけれど、日本の銀行で、当時のロンドンというのはユーロ円債というのを発行日に買っちゃいけなかったんです。それは日本国内の市場と外国の市場を分けるということで、ユーロ円債を日本企業が発行しても、その日に買っちゃいけない。我々トレーダーは何やったかというと、外資系の証券会社に頼んで、二日後にこのちょっとだけ値段高いところで買うから、取りあえず買っておいてよと言ったわけですよ。ちょっとだけ高い、これはもう契約書はないですよ、我々トレーダーの間ではダンと言えばそれで決まっちゃうわけですから。そういう口約束をして、ほんのちょっと高いところで二日後に買うわけですよ。それは、ちょっと私は当時、チーティングじゃないかと思いましたけど。  今、日銀と財務省がやっていることはまさにそれであって、単にマーケットを一瞬通らせて、仲介料みたいなものを銀行に渡して、証券会社に渡して買っているわけで、これは私は一二〇%のまさに財政ファイナンス。特に、この前も申し上げましたけど、平成二十九年度で百四十一兆円発行されている国債を日銀が九十六兆円も買っているんだったら、これこそ財政ファイナンスじゃなくて何だと私は思うんですが、その辺について、この二点についてお聞かせ願えればと思います。
  98. 黒田東彦

    ○参考人(黒田東彦君) 例えば政府債務残高の対GDP比率の上昇ペースが二〇一三年以降緩やかになっているということなどを踏まえますと、政府において財政再建に向けた取組が進められているというふうに認識しております。もっとも、政府も述べているとおり、これまでのところ、債務残高の対GDP比が着実に低下する状況には至っておりません。このため、政府では引き続き、経済再生なくして財政健全化なしとの方針の下で、デフレ脱却と経済再生の実現と歳出歳入改革の加速、拡大に取り組んでいるというふうに認識しております。  一方、日本銀行による長短金利操作付き量的・質的金融緩和は、二%の物価安定の目標を実現するという金融政策上の目的で実施しているものでありまして、政府による財政資金の調達を助けることを目的とする財政ファイナンスではありません。この点は、二〇一三年四月に導入した量的・質的金融緩和の公表文でも明確にしているほか、これまでも繰り返し述べてきたところであります。  したがいまして、私どもが行っていることがMMT理論を実行しているということはないというふうに考えております。
  99. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 財政ファイナンスか否かというのは、目的じゃなくて結果で見るべきだと思うんですよね。今、日銀の総裁は、デフレ脱却のために行っているからこれは財政ファイナンスではないとおっしゃったんですけど、それは、火事で、これは放火ではなくて失火なんだから火事ではないと言っているのと同じでしょう。火事は火事なんです、放火だろうが失火だろうが。デフレ脱却でないから財政ファイナンス、そんなロジックないと思いますけどね。私は、まさに今やっていることはMMTが主張している財政ファイナンスそのものを実行していると私は考えます。  もう一つちょっと、ちょっと今、せっかくですから脱線して申し上げますと、財政赤字の対GDP比、これ、日銀が撤退したらべらぼうに上がりますよ。だって、金利急騰しますからね、きっとね。そうしたら、とんでもないことになるんですよ。借金の対GDP比を小さくするなんという目標は、それはもう日銀が未来永劫に国債市場に、まあ私は計画経済だと言っていますけど、計画経済にどっぷりつかって、国債市場でモンスターでない限り、対GDP比の債務残高なんというのは低くなりっこないですよ。それは要するに今後ずっと計画経済をやるということで、そんなことはあり得ないんでね。もし日本が自由主義社会、市場経済を標榜するんであれば、どこかで爆発すると私は思いますけどね。  ちょっと時間がないので次の質問に入りますけれども、今後一年間で満期の来る日銀保有国債の額を教えていただきたいんですけれども。
  100. 前田栄治

    ○参考人(前田栄治君) お答えいたします。  本年三月末時点で日本銀行が保有している長期国債、これ額面ベースで約四百四十九兆円ございますけれども、それのうち一年以内に満期が到来する長期国債の金額は約五十四兆円でございます。
  101. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 そうすると、また日銀総裁にお聞きしたいんですけれども、付利金利を上げると私は日銀の債務超過になるんではないかというふうに、この前の九日聞きました。総裁は、確かに付利金利を上げると支払金利が増えるかもしれない、日銀の支払金利が増えるかもしれない、しかし、資産の方の国債も上昇してきて、金利上昇して金利収入が増えるから債務超過になることはないとおっしゃったんですけど、五十四兆円、もし金利が一%上がると、今、日銀当座預金って約四百兆ありますから、一年間で四兆円ですよ、上がっちゃうんですよ、支払金利。そして、収入増えるといっても、満期が来て新しい金利に直る、一%平行移動してイールドカーブがパラレルシフトするとしても、五十四兆円しかないということは、収入の方は五千四百億円しか増えないんですよ。  今、収入一兆二千億円でしょう。一兆二千億円が一兆七千億円になるかもしれないですよ、収入。でも、支払は、一%上がれば三・八兆円増えていっちゃうわけですよ。これ、二%上がったらどうなるかと、債務超過になる可能性は十分あると思うんですが、いかがでしょうか。
  102. 黒田東彦

    ○参考人(黒田東彦君) 出口の際に付利金利を引き上げれば、日銀当座預金に係る支払利息が増加し、収益を下押しすることになるということはそのとおりでありますが、その収益下押しの程度は、付利金利の引上げペースとかバランスシートの規模等によって大きく異なってまいります。  他方、将来、経済・物価情勢が好転し、付利金利を引き上げる際には長期金利も相応に上昇すると考えられますので、日本銀行の保有国債については、より高い利回りの国債に順次入れ替わっていくために受取利息は増加します。また、その際、再投資による受取利息の改善効果は、償還を迎える国債及び新たに買い入れる国債の年限構成や金利水準、再投資の規模等に依存します。  出口の際に付利金利引上げで実際の収益がどうなるかは、その際の経済・物価情勢や金利環境に加え、日本銀行がどのような手段をどのような順序で用いるかによって大きく変わり得るものでございます。また、バランスシート全体について考える必要があります。したがいまして、日本銀行の将来の財務について、特定のシナリオを前提とした試算値をお答えすることは適当でないというふうに考えております。
  103. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 もう言い訳としか聞きようがないんですけどね。  もう一度言いますよ。日本銀行の保有する負債、日銀当座預金三百九十兆円。一%金利を上げると三・九兆円です。黒田総裁は、保有している国債の利回りも上がるから収入も上がるんだとおっしゃっていますけれども、ほとんどが長期固定金利ですよ。上がらないんですよ、ほとんど。上がる可能性のあるのは、今おっしゃった五十四兆円、満期が来て新しい金利に変わる五十四兆円分しかないわけです、あと固定金利なんですから。固定金利で買ったものの利回りが上がるわけないですからね。五十四兆円分しか上がらないんですよ。  五十四兆円分というのは、一%で五千四百億円ですよ。それも、付利金利はあした上げれば一年間ずっと上がりますけど、五十四兆円乗り換えるって、あした全部乗り換えるんじゃないんですから、まあ平均すれば、一年間で平均すれば五十四兆の半分、約二十七兆円ぐらいです。二十七兆円の一%が上がったら、二千七百億円しか収入は上がらないわけですよ。  どうすればその収入の方が金利上昇とともに上がるんですか。固定金利なんですから、全部、ほとんど。固定金利というのは、満期が来るまで収入が増えないということなんですよ。新しくなるのはたったの五十四兆円、それも一年間で半分ずつ、まあ平均していけば平残で約二十七兆円、それが一%だから二千七百億円ですよ。負債の方は一%当たり三・九兆円上がるんですよ。二%上がったら、もう途端に債務超過じゃないですかと思うんですが、いかがでしょう。
  104. 黒田東彦

    ○参考人(黒田東彦君) 先ほどお答えしたとおりでありまして、一方的に一%とか二%とか付利金利を突然上げるということを前提にして、他方で長期国債の保有が金利の高いものに順繰りに入れ替わっていくということを含めて、再投資のやり方とか、その他もういろいろな変数があるわけでして、御指摘のような試算を委員がされるのは結構ですけれども、私どもはそういった試算をするつもりはございません。
  105. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 これはもうそう答えざるを得ないからそう答えているんだと思いますけれども、どういうシナリオで考えたって債務超過になると思うんですけど、債務超過にならない事例を、じゃ、教えてください、いろんな設定で。どうなれば金利が上がっているときに債務超過にならないのか。
  106. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 時間が来ておりますので、質疑をおまとめください。
  107. 藤巻健史

    藤巻健史君 はい。  じゃ、そういうことで、まさにそれは詭弁です。是非、シミュレーションの結果をお教えください。  以上です。終わります。
  108. 大門実紀史

    大門実紀史君 大門です。  今日は消費税の問題を取り上げたいと思いますけれど、もう既にございましたが、昨日発表された景気動向指数含めて、この間本会議でも申し上げましたが、景気の悪化どう見るか、あるいはこのまま本当に消費税増税をやるのかということなんですけど、まさにもう昨日の数字を見ても、不景気に自ら突き進むようなことになるんではないか、もうやめるべきだというふうに思うわけですが、既にもう議論があって、お聞きしても同じ答弁書を読まれるだけかというふうに思いますので、ちょっと違う角度といいますか、麻生大臣自身の見通しといいますか判断を、答弁書に書いたような話かと思いますが、お聞きしたいというふうに思います。  麻生大臣は、このまま増税しても景気は、いろいろ手を打ったんで、さっきの答弁にあったとおり、いろいろ手を打ったんで景気は悪くならないと、このまま強行しても景気は悪くならないとお考えなのか、あるいは、景気は一旦悪くなるかもしれないけれど、それは回復する、元へ戻るというふうにお考えなのか、麻生財務大臣としての見通しをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
  109. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 私の個人的な見解を聞かれても余り意味がないとは思いますけれども、私は基本的に、私の個人的な見解を言わせていただければ、少なくとも、今、前回と比べてもう駆け込み需要が起きてなきゃおかしいですよね。今起きてますか。今、経済全体で見て、駆け込み需要はまだ起きていないと思うんですね。これは前回とは全く違っていると思っておりますんで、そういった意味では、いわゆる景気が急激に消費税の値上がりと同時に下振れするであろうというようなことを今考えているわけではありません。
  110. 大門実紀史

    大門実紀史君 後でその話は、資料に基づいて駆け込み需要やりたいと思うんですが。  今後、これ、そうはいっても、今回の悪化というあの判断というのは、あの悪化が景気の後退に、次の判断ですけど、ならなかった例は今までなかったということになりますから、ほぼ確実に景気後退の局面に入っているというのは今までのデータからいって言えると思うんですけど、その場合、更にそういうことがはっきりした場合、あれですかね、追加の経済対策を取るということも視野に入るんでしょうか。
  111. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今景気というのは、駆け込み需要は大体前回は六か月前から、もう今五か月ということになっておりますんで、そういった意味では、ないということを申し上げておるんですが、少なくとも、中国経済がとかアメリカとの、米中との関係がとかいろんな、EUのブレグジットがどうたらとかいろんな話出ていますけれども、中国に関して言わせていただければ、少なくとも昨年の末から方針を変えて、もう一回金融は緩和、景気を刺激策という方向に大きくかじを切っておりますから、そういった意味では、中国経済にとってこれは長期的になりますと更にその借金が増えてきますんで、どうなるかというのは別にして、当面の目標として少なくとも中国はそういう方向にかじを切りましたから、少なくともその影響は次第に減ってくるであろうと思っております。  また、日本の場合も、予算がおかげさまで通っておりますんで、この予算の影響は今から出てくるところだと思っておりますから、そういった意味では、この秋頃になるという形になると、そのときの状況というのは、今言われているような大きな問題はかなりの部分落ち着いてきていると思っておりますんで、そういった意味では、前回八%に上げたような大きなような影響が出てくることはないであろうと思っております。  同時に、アメリカのファンダメンタルズ、決して悪くありませんし、IMF等と世銀の予想も本年後半からはいずれもプラスという予想をしてきておりますんで、そういった意味から見ましても、今回の景気、消費税によって急激な景気が下がるかということではないんであって、景気は常に波がありますんで、その意味では、波がある程度下がってきているときなのかもしれません。それは急激に下がるか普通のものなのか、物によって違うとは覚悟しておかないかぬとは思っておりますが、景気が少なくとも今上昇してきているというような感じを持っているわけではありません。
  112. 大門実紀史

    大門実紀史君 じゃ、具体的な議論の中でまたこの話聞きたいと思いますが。  実は、先週の金曜日の本会議で、お手元に配付いたしましたけれども、消費税引上げに伴う価格設定についてのガイドラインについて質問いたしまして、実はこれ、先月の決算委員会でもこの前の本会議でも質問して、二回にわたって質問したんですけれども、このガイドラインというのは、後で説明しますが、要するに、現場の混乱、あるいは中小事業者を支援すると言ってきた対策のはずなんですが、かえって苦境に追い込むんではないかというふうな具体的な問題を引き起こす危険性を指摘してきたわけでありますけれども、決算委員会でも、茂木大臣も世耕大臣も二回ともまともにお答えならないで、何といいますかね、その場しのぎといいますか、はぐらかしといいますか、答弁書読むだけということだったんです。  通常、質問、質疑というのは、意見の対立があって立場の違いがあってそれぞれ見解が違うと、これはこれであり得ることで、それはそれで仕方がないんですが、この問題に関して言いますと、増税賛成であろうが反対であろうが、現場の消費者、中小事業者の立場で実際こういうことが懸念されないのかということは真摯に議論すべきことを二回も質問したのにまともに答えられないということで続いているんで、答弁の中身が余りにちょっとひどいんですよね、堂々巡りみたいなことばかり言って。それで、今日はそのひどい答弁書を書かれた事務方に来ていただいて、そもそもこのガイドラインというのは政治主導じゃなくて役所主導で作られてきておりますので、本当に真剣に考えていないのかどうか聞いてみたいなというふうに思うわけでございます。  まず最初に、改めて、このガイドラインの資料を付けてありますけれど、趣旨と中身を改めて簡潔にちょっと説明してくれますか。
  113. 大角亨

    政府参考人(大角亨君) 我が国におきましては、消費税が一九八九年に導入されて以降、税率引上げ時に一律一斉に価格が引き上げられるものとの認識が広く定着しております。実際、二〇一四年の消費税率引上げの際にも、引上げ時に価格が一斉に上昇し、引上げ前後に大きな駆け込み需要、反動減が発生したところでございます。  これに対しまして、一九六〇年代から一九七〇年代前半に付加価値税が導入され、税率引上げの経験を積み重ねてきている欧州諸国では、税率引上げに当たり、どのようなタイミングでどのように価格を設定するかは事業者がそれぞれ自由に判断しております。  こうした我が国の過去の経緯、諸外国での事例を踏まえまして、消費税率引上げ前後において事業者はそれぞれの判断によって柔軟な価格設定が行えるように、また消費者は安心して購買ができるようにとの観点から、昨年十一月、御指摘の価格設定ガイドラインを公表したところでございます。
  114. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 やっぱり今ございましたとおり、書いてもございますけれど、このガイドラインの目的というのは、先ほどもございましたが、消費税増税に伴う駆け込み需要と反動減、これを平準化すると、こういうことが一番の目的でございます。そして、そのモデルとされているのがヨーロッパということであります。  ヨーロッパは、付加価値税の税率引上げに当たって、事業者がどのタイミングで自社の製品あるいは小売の価格を上げるかどうかというのはそれぞれの経営判断に任されているわけでございます。それはなぜかといいますと、基本的な仕組みとして、付加価値税というのは、日本の消費税も同じでございますが、結局、売上げに掛かる税金マイナス仕入れに掛かる税金を引いて納めると。言ってしまえば、売上げマイナス仕入れの粗利益に税金が掛かるのと同じことになるわけでありまして、したがって付加価値税と、粗利益付加価値税と言われるわけですね。  ですから、要するに、お客さんからもらえようがもらえまいが、粗利益掛ける税率で納めてくださいよと、税務署に納めてくださいよという税金でありますので、ヨーロッパは最初からそれははっきりしていますから。要するに付加価値税もコストなんだと、一つのコストですから、そのコストを経営上どこで価格に転嫁するかは経営判断に任されてきているという、そういう流れにあるわけですね。  ですから、ヨーロッパの場合は税率引上げの日に一斉にみんなで価格を上げるということは起こらないで、それぞれ経営判断で自由に設定してやっていると。ですから、駆け込み需要、反動減も発生していないということでありまして、そのまねをしようということに急になったわけでございます。  書いてあることは、このガイドラインに書いてあるのは、要するに日本もヨーロッパに見習って、消費税率引上げの期日前に、十月一日なら十月一日に一斉に上げるんじゃなくて、その前に上げてもいいですよ、その後に値下げしてもいいですよと。要するに、後で計算上の消費税を納めてくれれば、価格設定は自由にやっていいですよということに今度しようということですね。したがって、今まで増税のときに一斉に還元セールみたいな、二%引き、三%引きというようなことを抑制的にしていたわけですが、今度はそれもどんどんやっていいというようなことがこのガイドラインの二枚目、三枚目辺りにいろいろ書かれているということでございます。  そうやれば、駆け込み需要と反動減の大きな落差が少なくなって平準化されるということだと思うんですけれども、これはもう何年か前から財務省出身の学者の方が、ヨーロッパではそうやっているから日本でもこうしたらというふうなことを提案されてきたのは知っておりますけれど、ヨーロッパでやっているからといって、いきなり日本でこれが当てはめていいのかという問題でございます。  資料の一番後ろに、先ほど麻生大臣のお話もございましたが、駆け込み需要とか物価の動向、消費の動向が、その参考にした、これ財務省の資料ですけれども、ドイツやイギリスと日本との消費税、付加価値税率の引上げ前後の物価と経済の動きの表になったものでございます。  何が言えるかといいますと、一段目の物価の動向を見ていただきますと、ドイツやイギリスはインフレ状態でございます。日本はデフレです。ですから、ドイツ、イギリスでは、増税前から物価が上がってきて、増税後に若干引き下がりますけれど、そしてまた物価上昇すると。これはインフレだからでございます。それに対して日本は、ずっと物価がデフレでフラットに来て、増税で上がって、またデフレですからフラットになると、こういうことになるわけですね。  したがって、インフレとデフレではそもそも消費者の行動パターン、事業者の行動パターンが全く違います。大きな違いがあります、もうこれ初歩的な問題なんですけどね。にもかかわらず、このヨーロッパをいきなり日本で、デフレの日本で当てはめようと。  これは、このヨーロッパのことを見習うというか、まねするに当たり、内閣官房はこのデフレとインフレとの違いというのは考慮されたんでしょうか。
  115. 大角亨

    ○政府参考人(大角亨君) 小売価格の設定につきましては、仕入れコストのほか、取扱商品の需給の状況や自社のコストの状況等を踏まえまして小売事業者が自由かつ自主的に判断するものであるというふうに考えております。  欧州諸国におきましては、付加価値税率引上げの前後においても、こうした認識の下で、需給の状況も含めどのように経済状況を認識し、どのようなタイミングでどのように価格を設定するか、事業者がそれぞれ自由に判断しているものと考えられます。これに対しまして我が国においては、税率引上げ時に一律一斉に価格が引き上げられるものとの認識が広く定着しているものと認識しております。  こうした我が国の過去の経緯、諸外国での事例を踏まえまして、事業者による自由な価格設定が原則であることを再確認する価格設定ガイドラインを公表したところでございますけれども、確かに物価の動向によりまして事業者の経営判断に違いがあると、こういったことは考えられるところでございますけれども、事業者それぞれの判断による柔軟な価格設定が原則と、こういった考え方そのものについてはインフレ下かデフレ下によって異なってくるものではないというふうに考えております。  いずれにいたしましても、こうしたガイドラインの考え方につきまして、事業者から消費者まで広く周知、広報を行っていくことによりまして、需要変動の平準化を図ってまいりたいと考えております。
  116. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 肝腎なところをほとんど答えていないんですけど、わざわざこの資料を用意したので、これよく見てもらいたいんですけどね。  二段目、二段目が消費ですね、駆け込み需要との関係ですね。日本は反動減が大きいと。ドイツやイギリスは、若干駆け込みと反動減はありますが、すぐ戻っていくということがあるわけですね。  これはやっぱり大きな違いがあるわけです、インフレとデフレではですね。インフレの下では、もうそもそも物価も上がりますけど実質賃金も上がる状況ですから、付加価値税が増税されても実質可処分所得は減らないで、消費も落ち込まなかったということがあるわけですね。インフレのときでしたら、付加価値税の税率引上げに当たって、いつどのように、いつ上げてもインフレですから上げやすいというのがあります。したがって自由に決めやすいと、まさにですね。中小事業者でも、インフレですから経営判断で上げやすいと、タイミングで上げやすいということですね。  じゃ、デフレの日本で同じことはできるのかということですけど、デフレ下では税率引上げは、今までそうですけど、デフレだったものですから、税率が引上げだという理由でみんなで上げないと、デフレのときは上げにくいということがあって一斉に上げてきたということがあるわけですね。まあそういうふうな指導もされてきたわけです、今までは。にもかかわらず、いきなりデフレの日本でヨーロッパでやったようなことと同じことができるのかということになるわけです。  もちろん今度は、政府がいつ上げてもいいよというようなこと、お墨付きを与えますから、価格決定力のある大手の事業者ならば税率引上げ前に上げたりするということは、まあ政府のお墨付きですから、上げることはできるかも分かりませんが、中小事業者はこのデフレの下でただでさえ価格引下げ競争にさらされているわけですよね。そういう人たちが税率の引上げ前、例えば十月の前に上げるということは可能なのかということなんですね。そこが私申し上げているデフレとインフレとは違いますよと、決定的に違いますよということなんですけれど、中小事業者がデフレの下で、政府がこう言われたからといって、こういうことをやってもいいよと言ったからといって、税率引上げ前に上げることが可能だというふうに本当に内閣府は判断しているんですか。
  117. 大角亨

    ○政府参考人(大角亨君) いずれにいたしましても、小売価格の設定は、先ほど申し上げましたが、仕入れコストのほか、取扱商品の需給の状況や自社コストの状況等を踏まえて小売事業者が自由かつ自主的に判断すると、こういったことが原則なんだろうというふうに考えております。  大手の事業者でありましても、価格の引上げをするということに関しましては、当然その合理的な理由というものが必要であります。合理的な理由がない場合には便乗値上げという形で消費者庁さんの方から適切な指導が行われると、このように考えておりますけれども、合理的な理由をもって引き上げられると、こういったような状況であるといたしませれば、それと同業種の中小企業者においても同様な状況、同様に近い状況であろうというふうにも考えられるところでございます。  いずれにしましても、本ガイドラインは、こういった各事業者が自らの経営判断等によりまして自由に価格設定ができると、こういったことの原則を再確認させていただいたものでございます。
  118. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 いずれにしましてもじゃないんですよ。そうならないということを言っているわけで、もうちょっとリアルに答えられないのかな。これ考えたんでしょう、これ、いいことだと思って。もうちょっとちゃんといろんなことを検討していないの、いろんなケース。  合理的な理由がなければ便乗値上げと、今までそうですよね。今までは、例えば四月一日に税率が三%上がると、そのとき三%上げるのは合理的な理由があると、税率が上がるんですから。だから、そのときに四%、五%上げたら便乗値上げになると、合理的な理由がないというふうに判断されてきたわけですよね。今度は税率を上げる前に上げていいということになるんですよ。もう合理的も何も、合理的かどうかは全て経営判断に任せるというのがヨーロッパの方式なんですよね。だから、合理的な理由がなければ便乗値上げというのはもうなくなるわけですよ。経営判断なんだということを言うわけだから。でしょう。  だから、その合理的な理由がなければ便乗値上げというのは、このことによってもう価格は、税率引上げ日とは別個に自由ですよと言った途端、その事業者が合理的と思えば合理的になるんですよね、経営判断と言っているんだから。逆に言うと、上げ過ぎたら物が売れなくなって自分に返ってくると、こういうことも含めてもう市場経済に任せるということになるわけですね。だから、合理的な理由がなければ便乗値上げなんということもなくなるということがどうして分からないのかと思うんですね、こんな当たり前のことが。  これ、消費者庁が何か便乗値上げに対応するということなんですけど、聞いてみたら、今まで消費者から訴えがあったら、ただ各省庁に情報流しただけでフィードバックもしていない、聞きっ放しというようなことで、本会議でも申し上げましたけど、消費者庁に、そもそも今度は便乗値上げという概念はなくなるわけですけど、今度は、便乗値上げじゃないかと来ても、便乗値上げかどうかと判断する物差し、何もないわけですよ。経営判断ですと言われたら終わりなんですね。前と違うんですよ。  前は、何度も申し上げますが、期日日に、税率を上げる期日日を基に便乗値上げしたかどうかを判断したんだけど、今度はもう期日前に引き上げていいということになるから、そういうことはなくなるということなんですよね。なぜそれ分からないのかと思いますけれども、分からないですか、今、ここまで言っても。言っている意味分かりませんか。
  119. 大角亨

    ○政府参考人(大角亨君) 今回のガイドラインですね、価格設定につきまして、従来、便乗値上げの抑制を求めてきたわけでございますけれども、これは消費税率の引上げ前に需要に応じて値上げを行うなどの経営判断に基づく自由な価格設定を妨げないと、こういうことを明確にしたものでございます。  これは、コストの上昇や需要の増加などの合理的な理由、こういったものがある場合に企業の経営判断に基づく価格設定を妨げないと、こういった従来からの考え方を明確にしたものでございまして、今後とも、そうした合理的な理由のないいわゆる便乗値上げにつきましては、消費者庁において適切に監視し、対応していくものと考えております。
  120. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 全然駄目ですね。よくこんなの作ったね、そんなことしか言えないレベルで。いや、本当なんです、だからああいう答弁書しか書けないわけね。もっとまともな答弁書書きなさいよ。こんなのじゃ議論にならないじゃないですか、国会で。  資料の、もっと具体的なことは三枚目ですけど、今度、消費税の増税後に還元セールというか、消費税還元という言い方をしちゃ駄目だけれども、今まで消費税増税後に大手スーパーなんかが値引きセールやったことが問題になって、余りそういうことやらないでくれと抑制的に働いてきたわけですが、今度は、消費税とさえ言わなければ、さっき言った考え方がありますので、もう自由にやってくれということで、いわゆる値引きセールがむしろ奨励しているようなガイドラインになっているわけですね。  これをどう考えるかなんですけど、これも具体的に考えてもらいたいんですけれども、せっかく、私たちはほとんど効果ないんじゃないかと思いますが、今までは中小の商店に五ポイント還元する、キャッシュレスならばという、中小商店を支援しようというのがつくられましたよね。これ、どこまで効果があるかは別として、そういうふうなことをやろうという、中小の商店にとってはないよりあった方がいいと、助かるという面あるかも分かりません。  ただ、今度、その後にこのガイドライン出してきちゃったわけですね。このガイドラインを出しますと何が違うかというと、せっかく中小に五ポイント、キャッシュレスなら還元していいですよと、応援しますよと言っておいたのに、この還元セール、特に大手のスーパーなどが還元セールどんどんやっていいということになると、それに太刀打ちできるような話になるのかということなんですね。  もしこれ大手がやらなければ、中小だけ五ポイント還元なら何か効果があったかも分かりませんけど、このガイドラインを出して、大手はどんどん値引きセール、消費税還元とさえ言わなければ二%、三%でも値引きセールやっていいですよということになっているわけだから。これ、せっかくそういう五ポイント還元の制度をつくっても、大手がどんどんどんどんこのセールやり始めたらそんなものひとたまりもないんじゃないかと本会議で申し上げましたけれども、キャッシュレスのお客さんだけ五ポイントですよなんて、大手スーパーが大々的にセールやっている近くの中小の商店が、地方なんかは大体地元の商店街がもう壊滅状態で、イオンとかちょっと先に大きなところがあって、そういうところでも今度はポイント還元で、キャッシュレスだけど中小の商店にちょっとでも役に立てばというのが、今度また大々的にその近くのイオンがセールやっていいということになるわけですよ。  そんなことやったら逆効果じゃないかといいますか、五ポイント還元も何も役に立たないといいますかね、相当これは、この消費税増税後の値引きセールを奨励しているということそのものが、もう何といいますか、やっていることがちぐはぐといいますかというふうな、何といいますかね。  こういうこと、経済産業省もこのガイドラインに、ポイント還元の制度をつくった経産省も関係しておりますけれど、こんなこと、経産省として検討したんですかね、これ、こういうことは逆効果になるんじゃないかということを。
  121. 島田勘資

    ○政府参考人(島田勘資君) 委員御指摘のとおり、今年度の予算におきまして、消費税の増税以降、中小・小規模事業者の小売店、サービス店でキャッシュレスで購入いただいた場合に五%のポイント還元をさせていただくというような制度を設けさせていただきました。  まさにこれ委員御指摘のとおり、消費税増税のときの駆け込み需要あるいは反動減、さらには大企業が様々な対策を講じる中で、必ずしも体力的に強くはない中小事業者に対してもしっかりと国の方で支えていくということを趣旨として導入をするものでございます。五%のポイント還元以外にも例えば、いろいろな支援策を講じることにしてございますので、これでしっかりと支えていけると考えております。
  122. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 最後に麻生大臣、ちょっとお聞きしたいんですけど、いろいろ立場は違っても、いろいろ支援しようと思ってやってきたつもりもあると思うんですけど、ちょっと混乱しているんじゃないかと思うんですね、これ。こんなガイドラインですと、何か政府の増税対策といいますか緩和措置といいますか、これもう何かこのガイドライン出てきたときに大混乱になると私は思うんですけど、ちょっとこれ、本当にこんなので役に立つのかというふうに思うんですけど、いかがですか。
  123. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) このガイドラインによってそれが混乱に拍車を掛けるのではないかという御心配ですかね。これ、取り方の問題なのでちょっとどうなのか、消費者の反応がどう出るかというのは現場でちょっとやってみないと分からぬなという感じはしないでもありませんけれども。  御心配のされているのは、これは主に経済産業省で特にやっておられるんだと思いますけれども、この点に関しましては、現場の反応、判断がいろいろ取り方によっても違ったり、消費者の取り方も小売の人の取り方も違う可能性が十分あるので、いろいろ商工会議所を中心にして三万回ぐらいいろいろあっちこっちで講習会を開いたりさせていただいておりますので、それなりのものは出てくるんだとは思っておりますけれども、最初のうちある程度の混乱が起きる可能性があり得るということはある程度覚悟しておかにゃいかぬなとは思っておりますけれども、いずれにしても、大混乱に陥ってどうのこうのというようなことにはならぬと思っております。
  124. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 終わります。
  125. 渡辺喜美

    ○渡辺喜美君 先ほど来御議論がございますように、景気動向指数、これが悪化をしております。CI、コンポジットインデックス、大体去年の十一月ぐらいから一致指数はマイナスが始まった。三か月後方移動平均、これはもう完璧に去年の十一月からマイナス傾向が続いているというわけであります。  お手元にお配りした、いつもの景気動向指数の推移というグラフ、これを見ても明らかなように、これは一月分までしか書いてありませんけれども、去年の十一月が山で、明らかに景気後退局面に入っているということが示されております。それでも、大臣、増税をなさるおつもりでしょうか。
  126. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) この景気動向指数というのを今例に引いておられますけれども、これは毎月の生産や雇用などの経済指数を統合したものでありますので、その判断につきましては、これはもうあらかじめ決められた表現というものを機械的にはめていきますので、悪化を示しているということになったものだと承知をしておりますが。  政府といたしましては、これは、いわゆる景気判断というものは、月例経済報告というものにおいて様々な経済指標の動きを注視をして、その背景というものを理解した上で景気の基調というものを判断することにしておりますので、これで目下、今、五月の分析が進められているのだと承知をしておりますが、確かに輸出の伸びが鈍化してきておりますし、間違いなく一部の業種の生産活動等々にいわゆる弱さが見られるというのはもう間違いない事実だと思いますが。  先ほどどなたかの御質問にお答えしましたように、昨年末から中国も対応を少し変えている、対応というか、かなり二兆元も減税したりしていますので、いろんな形で中国経済の減速等々の影響があったので、それを対応してやはり変えてきているなと思いますけれども、いろんな大きな変化が見られますし、また、経済全体として、やっぱりアメリカが中心になりますけど、アメリカは今、間違いなく失業率が史上で、最近では最も低い失業率になっていますし、雇用も極めて高い形になってきておりますので、不動産中心とはいえかなり景気が上がってきているというのははっきりしておりますし、地方においても今、下げ止まりの話をさせていただいたところですので、日本経済を見ましても、雇用等々、企業収益等々、いずれも極めて高い水準のものなので、内需を支えておりますいわゆるファンダメンタルズというものは極めてしっかりしていると思っていますので、私どもは、引き続き海外の情勢というものは十分注意を払いながら万全を期していきたいと思っておりますので、消費税につきましては、従来どおり、この十月に予定どおり上げさせていただきたいと考えております。
  127. 渡辺喜美

    ○渡辺喜美君 過去二回、消費税増税が延期をされております。このグラフにも書き込んでございますが、一回目は一四年の十一月、景気が相当下方への局面変化を示しているところですね。二回目は一六年の六月、景気が足踏み状態になっていると。  実は、このCIの景気の基調判断というのは六種類あります。改善、足踏み、上方への局面変化、下方への局面変化、悪化、そして下げ止まり。悪化というのは、実は一番よろしくないものですよ。この六種類の中で一番よろしくない基調判断が今回行われたということなんです。一回目の増税延期のときには下方への局面変化というやつです。二回目の増税延期は足踏みというやつなんです。それでも増税なさるおつもりですか。
  128. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 二〇一四年の十一月のいわゆる消費税の引上げの延期の際には、これはもう八%への引上げによって個人消費が大きく落ち込んでいたということもありましたので、そういった理由は大きかったんだと思っております。  また、二〇一六年の消費税の引上げの延期の際、これはもう明らかにアジアの新興国やら資源国の経済が減速しましたし、世界経済が様々なリスクに直面しておりましたので、内需の下振れというものもしかねないという状況になっていたと判断しておりますが、今回は確かに、いわゆる悪化の話やら、また、英国がEU離脱するとか、中国のアメリカとの交渉がどうたらとか、中国経済自体がどうたらとか、いろいろリスクというものに対する注意をしておく必要があろうかと思いますが、先ほども申し上げましたように、世界経済全体で見た場合においては米国を中心として緩やかな景気は回復し続けているという認識に変わりありませんし、日本の雇用を見ましても、所得環境を見ましても、企業の収益見ましても高水準のものになっておりますので、ファンダメンタルズはしっかりしておると思っておりますので、先ほど申し上げましたようなとおり、十月に一〇%引き上げさせていただきたいと考えております。
  129. 渡辺喜美

    ○渡辺喜美君 再三議論がなされておりますように、貿易摩擦、米中交渉最終決裂の場合に、IMFの試算では、中国、マイナス一・五%、米国も返り血を浴びてマイナス〇・六%。日本が返り血を浴びないということは考えられませんね。  過去二回の増税延期の決断は、私は正しかったと思っております。二回の増税延期があったからこそ、何とかここまで踏みとどまってきたんですよ。ところが、今回、この悪化という最悪の局面において増税を強行すると。それはおかしいですよ、誰が見たっておかしいんですよ、これは。  黒田総裁にもお越しいただいております。前回、私の質問に答えて、いろんな事情で物価安定目標に向けたモメンタムが損なわれるということになれば、迅速に追加緩和を考えると、こうおっしゃられました。ところが、残念ながら、再三申し上げますように、イールドカーブコントロール、YCCというのは金融引締めであります。二枚目のグラフを見ていただければもう歴然としていますね。二十兆から始まって、保有長期国債八十兆台まで行きました。大変結構だったと思います。黒田バズーカ第二弾、これで八十兆に引き上げたわけであります。  ところが、YCCを導入するようになってどんどん下がってきて、今三十兆円台。例えてみれば、八十キロまでスピードを出したのを三十キロまで減速をしてしまっているという状況ですよ。これがずっと続くわけでしょう、もうYCCを変えるという話は出ていないわけですからね。ですから、そうすると、増税が予定どおり実行される、もうこれは明らかに物価安定目標のモメンタムに影響を及ぼすということになりませんか。
  130. 黒田東彦

    ○参考人(黒田東彦君) 今年の十月の消費税率引上げ時の家計のネット負担額は二〇一四年の前回引上げ時に比べて小幅なものにとどまると見ておりまして、加えて、政府は消費税率引上げ前後の需要変動を平準化するための様々な措置を導入しておりまして、こうした対応も消費税率引上げの経済への影響を軽減するものというふうに考えております。  ただ、そう申し上げた上で、税率引上げの影響はその時々の消費者マインドや雇用・所得環境などによって変化し得るものであることにも留意する必要があると考えておりまして、いずれにいたしましても、金融政策の運営方針については、従来から申し上げているとおり、今後ともその時々の経済、物価、金融情勢を踏まえつつ、毎回の金融政策決定会合において適切に判断していくわけでありまして、仮に物価上昇のモメンタムが失われるというようなことがあれば、ちゅうちょなく追加緩和を検討するということでございます。
  131. 渡辺喜美

    ○渡辺喜美君 とにかく、今の段階でまだ正直にお話しできないのかもしれませんけれども、相当日本経済はやばい状況に差しかかっているということだけははっきりしてきております。  過去二回、消費増税延期が行われましたけれども、この増税延期は金融政策に何か影響があったでしょうか。
  132. 黒田東彦

    ○参考人(黒田東彦君) 日本銀行では、もちろん、政府の政策による影響を含めまして、先行きの経済・物価情勢の中心的な見通し、あるいは様々なリスク要因を点検して、総合的に判断しながら金融政策を運営してきております。  したがいまして、御指摘の二回の消費税引上げが延期されたことの、それだけを取り出して、それが金融政策にどのような影響を与えたかということを示すことは難しいと思いますが、当時もそうした要素も考慮しながら毎回の金融政策決定会合において適切な判断を行っていたというふうに考えております。
  133. 渡辺喜美

    ○渡辺喜美君 二回目の増税延期が行われた後なんですね、YCCの導入というのは。そこから時速が急激に減速してきてしまっているというわけであります。  この前の決定会合で、二〇二〇年の春頃までしっかり緩和を続けるという意味の御決定をされたようでありますが、もしこの間モメンタムに影響を及ぼすようなそういう事態が発生したときに、現状維持でいくんですか、それとも追加緩和をおやりになるんですか。
  134. 黒田東彦

    ○参考人(黒田東彦君) 先ほど申し上げましたとおり、物価上昇のモメンタムが失われるようなことがありましたら、ちゅうちょなく追加緩和を検討するということであります。  なお、御指摘のフォワードガイダンスは、従来は二〇一九年十月の消費税率引上げを含んだ不確実性に鑑みて、当分の間、現在の極めて低い長短金利を維持するというふうに申し上げていたんですが、今や一番大きく懸念されていますのはやはり世界経済の動向でありますので、世界経済の動向、それからもちろんこの消費税率引上げの影響等、各種の不確実性に鑑み、当分の間、少なくとも二〇二〇年春頃まで現在の低い金利を続けるということでありまして、この文言は別に二〇二〇年春に必ず政策金利の見直しを検討するということを意味しているわけではありませんので、当然物価動向その他経済状況に応じて、当然二〇二〇年春を越えて現在の極めて低い長短金利が続けられるという可能性も十分あると考えております。
  135. 渡辺喜美

    ○渡辺喜美君 この前、超長期の金利が下がっても余り経済活動に影響は出てこないという御答弁をされておられます。生保とか年金から見るとリターンが減ってしまう、消費者マインドに影響が出るんじゃないか、こういう悪影響のことを言っておられますけれども……
  136. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 時間が参りましたので、おまとめください。
  137. 渡辺喜美

    ○渡辺喜美君 要は長期の経済成長を確実にすることが大事なのであって、目先のリターンを優先するというのは角を矯めて牛を殺すということであることを申し上げて、質問を終わります。
  138. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 本日の調査はこの程度にとどめます。     ─────────────
  139. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 金融機能の早期健全化のための緊急措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。麻生内閣府特命担当大臣。
  140. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) ただいま議題となりました金融機能の早期健全化のための緊急措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。  預金保険機構の金融機能早期健全化勘定に属する剰余金につきましては、会計検査院の平成二十七年度決算検査報告におきまして、適時に国庫に納付したり、預金保険機構の財務の健全性を維持するために活用したりするため、必要な制度を整備するなど抜本的な方策を検討するよう、意見が表示されました。  また、これまでに、衆議院本会議及び参議院決算委員会それぞれにおきましても、同じ趣旨の議決等がなされております。  本法律案は、これらの議決等を踏まえ、預金保険機構の金融機能早期健全化勘定に属する剰余金を活用するため、金融機能早期健全化業務が終了する日より前にその剰余金を国庫に納付することができることとするとともに、金融機能早期健全化勘定から金融再生勘定に繰入れをすることができることとするものであります。  以上が、金融機能の早期健全化のための緊急措置に関する法律の一部を改正する法律案の提案の理由及びその内容であります。  何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願いを申し上げます。
  141. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時五十分散会