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2019-03-28 第198回国会 参議院 財政金融委員会 7号 公式Web版

  1. 平成三十一年三月二十八日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  三月二十七日     辞任         補欠選任      岩渕  友君     小池  晃君  三月二十八日     辞任         補欠選任      馬場 成志君     大家 敏志君      元榮太一郎君     松川 るい君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         中西 健治君     理 事                 長峯  誠君                 羽生田 俊君                 三木  亨君                 風間 直樹君                 藤巻 健史君     委 員                 愛知 治郎君                 大家 敏志君                 西田 昌司君                 林  芳正君                 藤末 健三君                 古川 俊治君                 松川 るい君                 宮沢 洋一君                 宮島 喜文君                渡辺美知太郎君                 長浜 博行君                 大塚 耕平君                 古賀 之士君                 熊野 正士君                 杉  久武君                 中山 恭子君                 小池  晃君                 大門実紀史君                 渡辺 喜美君    国務大臣        財務大臣     麻生 太郎君    副大臣        財務副大臣    鈴木 馨祐君    事務局側        常任委員会専門        員        前山 秀夫君    政府参考人        外務大臣官房参        事官       田村 政美君        財務省主税局長  星野 次彦君        財務省関税局長  中江 元哉君        財務省国際局長  武内 良樹君        農林水産省生産        局畜産部長    富田 育稔君        経済産業大臣官        房審議官     安藤 晴彦君        経済産業大臣官        房審議官     大内  聡君        経済産業省貿易        経済協力局貿易        管理部長     飯田 陽一君        経済産業省商務        情報政策局商務        ・サービス政策        統括調整官    江崎 禎英君        環境大臣官房審        議官       松澤  裕君    参考人        日本銀行理事   前田 栄治君        日本銀行理事   内田 眞一君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○関税定率法及び関税暫定措置法の一部を改正す  る法律案(内閣提出、衆議院送付) ○参考人の出席要求に関する件 ○国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に  伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案  (内閣提出、衆議院送付)     ─────────────
  2. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日、岩渕友君が委員を辞任され、その補欠として小池晃君が選任されました。  また、本日、馬場成志君及び元榮太一郎君が委員を辞任され、その補欠として大家敏志君及び松川るい君が選任されました。     ─────────────
  3. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  関税定率法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、財務省関税局長中江元哉君外九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 関税定率法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 風間直樹

    ○風間直樹君 おはようございます。よろしくお願いします。  今日は、関税法の改正についてまずお尋ねをいたします。  最初に、暫定税率の件でお尋ねをしたいんですが、答弁は参考人で結構ですので。  この暫定税率の設定期間の長期化というのが、これは大体例年議論されるわけですけれども、暫定税率は政策上の必要性から一年ごとに見直しをされています。今回の改正案で延長される、四百十一品目あるわけですが、このうち百八十一品目が現行の税率で二十年以上延長され続けているというふうに聞いております。  この事実は間違いないかどうか、まずお尋ねします。百八十一品目というのは間違いないでしょうか。
  7. 中江元哉

    ○政府参考人(中江元哉君) お答えします。  御指摘のとおりでございます。
  8. 風間直樹

    ○風間直樹君 この延長の理由を財務省の資料で見ますと、国内産業保護等の観点から関税率、つまり基本税率が設定される中、消費者利益の確保、国際約束の履行等の観点との調整を図るべく、暫定的特例として暫定税率及びそれに伴う諸制度が設けられていると、暫定的特例として設けられていると。  しかし、それが、百八十一品目に関しては二十年以上延長されているということなんですが、これはどうしてなんでしょう。消費者利益の確保、国際約束の履行等の観点との調整と書いてありますが、ちょっとこの辺、具体的に教えていただけますか。品目の例を挙げていただいても結構ですので。
  9. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 適用期限が延長されているお手元の書類、この書類をそちらもお持ちなんだと思いますけれども、年度改正に当たって基本税率にするとかいう話なんというのは、総じてこれ農産物が多いのは御存じのとおりだと思いますので、トウモロコシとか麦芽とかいうのに関しましては、これは一定数量以内の輸入には低い税率というのを適用している。そして、需要者利益の確保というのを図ると同時に、その数量を超える輸入につきましてはこれは高い税率を適用して国内生産者の方を守る、保護をするというのを図っておりますので、関税割当て制度の対象として低い税率を暫定税率によって設定しているのと高いのと、そこのところの違いで、そこの数量を低く設定しております分の余った分に関しては、どうしてもそこは、暫定税率というので、基本税率にするとそこのところはいろいろまた別の問題が惹起されるということだと思っております。
  10. 風間直樹

    ○風間直樹君 今の大臣の御答弁を私なりに要約すると、要するに、国内産業保護の観点から、一定数量以上の例えば農産物が輸入品として入ってくる場合、数量を超えた部分については高い関税を掛けると、こういうことでよろしいでしょうか。
  11. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 基本的にそういうことであります。
  12. 風間直樹

    ○風間直樹君 分かりました。ありがとうございます。  そうしましたら、一応確認しておきますが、農産物以外でこの百八十一品目というのは例えば具体的にどんなものがあるんでしょうか。
  13. 中江元哉

    ○政府参考人(中江元哉君) ちょっと全て網羅はできていないんですが、例えば、紙巻きたばこであれば三十年を超えていたと思います。
  14. 風間直樹

    ○風間直樹君 もうこれ、紙巻きたばこといえばこれは麻生大臣の御専門でいらっしゃいますので、大臣、この紙巻きたばこ、いわゆる葉巻というやつだと思うんですけれども、私吸わないのでよく分からないんですが、これはどうしてこの暫定税率で二十年以上続けているんでしょうか。
  15. 中江元哉

    ○政府参考人(中江元哉君) ちょっと突然のお尋ねで必ずしもはっきりあれなんですが、これ、国際的な交渉、特にアメリカですね、そういう交渉での経緯でこういうふうになってそれが続いているという、そういうことだったと記憶しております。
  16. 風間直樹

    ○風間直樹君 よく分からない答弁なんですけれども、局長、これ通告していますので、きちっと答弁いただけるように準備をしていただきたいんですが、またそれは追って確認をいたします。  紙巻きたばこにせよ、先ほどの麦だとかそういったものにせよ、工業製品ではないですよね。この百八十一品目の中に工業製品に、あるいはそれに類するものというのはあるんでしょうか。
  17. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 昨年の改正で銅、鉛、亜鉛の地金をこれ基本税率化していまして、その前の年は発泡酒とかそれから蒸留酒とかいうものに関しましてもこれは基本税率化しておりますので、そういったものがあるんだと存じますが。
  18. 風間直樹

    ○風間直樹君 分かりました。ちょっと事務方の御答弁聞く限りでもまだよく分からない部分がありますが、ちょっと時間の関係がありますので、また追ってここはお尋ねするとして、次の質問に移りたいと思います。  次は、国際観光旅客税の使途についてお尋ねをしたいと思います。  これは鳴り物入りで導入された税でして、たしか昨年の秋頃でしたでしょうか、この委員会でも法案審議をいたしました。  それで、今日お尋ねするのは、この旅客税が使われている中のうち、旅行環境整備のために使いますという説明が法案審議のときにあったんですけれども、導入から少し時間がたちましたので、今現在、旅行環境整備にこの税を使っているその具体例について幾つか教えていただけますでしょうか。
  19. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 国際観光旅客税を充当する事業ですけれども、これは日本で、幾つか決められておりますけれども、三つの分野ということで、まず快適に旅行できる環境の整備、それから日本の魅力に関する情報入手というものを容易化すること、そして地域固有の文化、自然等々、観光資源の整備等による地域での体験滞在の満足度の向上等々、三つの分野に限定をするということが国際観光振興法とか関係閣僚会議で決定された基本方針で定められております。  その上で、平成三十一年度の予算におきましては、こうした方針に基づいて、国際観光旅客税の税収を大体五百億円ぐらいだと見込んだ上で、出入国管理におけます顔認証ゲートやら、また税関における電子申告ゲート等々を用いた出入国手続の高度化、それから無料WiFi等々、多言語案内といった受入れ環境の整備、そして文化財や国立公園を活用した観光コンテンツの拡充などに充てることによって、二〇二〇年度の訪日外国人旅客数約四千万人というのを見込んだ上で、その目標に向けた取組を加速することといたしておりまして、財務省等々におきましては、電子申告ゲートの整備で三十億円等々が配分されております。
  20. 風間直樹

    ○風間直樹君 これ事務方で結構なんですけど、ストレスフリーで快適に旅行できる環境の整備のために使うと。今大臣答弁されたように、例えば空港におけるそういった設備ですとか、具体的な事例でこの税を充てているものがあると思うんですが、ちょっと事務方からその辺御答弁いただけますか。
  21. 中江元哉

    ○政府参考人(中江元哉君) お答え申し上げます。  例えば、税関におきましては、円滑な入国を図るために、この税を活用いたしまして空港の税関検査場に電子申告ゲートを配備することとしておりますが、これを導入することで、旅客はスマートフォンのアプリを活用して事前に税関への申告項目を登録する、そうすると、手荷物の受取の待ち時間を利用して電子的な申告が行えるようになる、さらに、検査等を要しない旅客については、この電子申告ゲートにより迅速な通過が可能になるというようなことがあろうかと思います。  また、ほかの高性能な検査機器の導入というのもございまして、例えばボディースキャナーですとか蛍光のエックス線分析計等々がございますが、これらにつきましては、身辺、体に接触することなく検査が可能でありますし、お土産等の検査の際に開披することなく短時間の検査が可能になるというような利点が考えられております。
  22. 風間直樹

    ○風間直樹君 最近、私、海外出張などから帰国するときに空港で気付くんですけれども、成田とか、あと羽田ですね、入国審査、今までほとんど列に並んでパスポートのチェックを受けるというのが通常だったんですけれども、どうもここ最近、特にその自動化ゲートが増えているように感じます。あれもこの税を使った一例というふうに理解してよろしいんでしょうか。
  23. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 正確ではありませんけれども、今回のこの法律がやる前からあれは結構スタートをさせていただいておりますので。  いわゆる税関のところに長い行列というのは、外国人パスポート、日本人パスポートは分けて、一応、例えば羽田とか成田とかはそうなっておりますけれども、その中で、顔認証ゲートというのはそれほどまだいろいろやらせていただいているわけではないと思いますけれども、機械によります検査、いわゆる麻薬とかそういったものを含めまして、金属探知機等々いろいろありますけれども、そういったものに関しては、これは結構前から少しずつやらさせていただいておったものが少しずつ普及しているのであって、このところ急激にそれが増えてきておりますので、ちょっと私どもとしてはその対応に追われておりますので、検査機器を今後増やしていこうというので、今、空港八つか九つか、それを主に使われる成田とか羽田とか福岡とか大阪とかいうところでこれ数は増えているはずだと思いますので、その一連の関係で少し増えてきた中で昔より窓口の数が増えておるというのが、今風間先生が言われた結果なんだと思っておりまして、この税によってやっているというわけではないと思っております。
  24. 風間直樹

    ○風間直樹君 分かりました。ありがとうございます。  ちょっと余談ですけど、私、帰国して入国審査の自動化のゲートを利用しようとすると、いつも駄目なんですね、はねられちゃいまして。まあ、不審人物ということではないと自分では思っているんですけれども。  多分、私の理解では、パスポートを複数持っていますので、いわゆる一般旅券、普通のパスポートと公用と持っていますので、多分ここにいらっしゃる先生方も、まあ大臣は余りああいうゲートを利用されることはないと思いますが、複数のパスポートを持っている人はあれ使えないのかなと、ちょっと余談ですが、そんなことを感じています。  それから次に、同じ国際観光旅客税につきまして、これ、その使い道については第三者機関を設けてしっかりチェックをさせるという御説明があって法案が可決されました。無駄遣いを防止し、使途の透明性を確保する仕組みとして、行政事業レビューを最大限活用し、第三者の視点から適切なPDCAサイクルの循環を図ると説明資料には書かれています。  この第三者チェック体制の詳細について御説明をいただけますでしょうか。
  25. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 国際観光旅客税をいわゆる充当する事業につきましては、これ、今の国際観光振興法の快適な旅行環境整備など三つの分野に使途を限定すると同時に、受益と負担の関係から負担者の納得が得られ、かつ先進性や費用対効果が高い取組に充当することなどを基本とする旨がこれ規定をされております。  したがいまして、そうした規定を踏まえまして、毎年度の予算編成で、これは民間有識者の意見も踏まえつつ中身をしっかり精査させていただくと同時に、これはいわゆる行政事業レビューとか政策評価等を活用して、これは第三者の視点から適切ないわゆるPDCAを行うことなどによってきちんとした対応をさせていただきたいと思って、まだこれ事業が始まっておりませんので、私どもとしてはそういう対応でやらせていただきたいと思っております。
  26. 風間直樹

    ○風間直樹君 済みません、大臣、事業が始まっていないというのはどういうことなんでしょうか。この第三者チェック体制がまだ稼働していないという、動いていないということですか。
  27. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) いや、これ一月七日からスタートしておりますので、一応始まったばっかりなので、まだ一月のちょっと四月なものですから今申し上げたような答えを申し上げましたんですが、少なくとも概算決定までの間に観光戦略実行推進タスクフォースとか観光戦略実行推進会議等々において民間有識者の御意見等々を聴取させていただいております。
  28. 風間直樹

    ○風間直樹君 これ事務方でいいんですけれども、この第三者のチェック機関というのがちょっと実態、イメージがつかみにくいもので、例えば、その名称はこういう名前にしていますとか、メンバーにはこういう方がいますとか、大体どれぐらいの頻度でチェックの会合を開いていますとか、そういったことをちょっと御答弁いただけますか。
  29. 中江元哉

    ○政府参考人(中江元哉君) 済みません、ちょっと直接の担当ではないんですけれども、一部いただいておりますのでお答え申し上げると、観光戦略実行推進タスクフォースですとかあるいは観光戦略実行推進会議におきまして、民間有識者からの御意見も踏まえつつ検討を行い予算を編成する旨のことが示されているわけでございまして、こういうタスクフォースはこれまで二十一回開催されていろいろ有識者を含めて議論が行われてきたというふうに承知しておりますが、これらの会議における民間有識者の御意見を踏まえつつ予算編成を行いましたので、今後とも、今のような御提言を踏まえて適切に対応していくということだと思います。
  30. 風間直樹

    ○風間直樹君 分かりました。  詳細はまた追って質疑させていただきますが、いずれにしても、これ、鳴り物入りで様々な賛否がある中で可決された税金ですので、その使途については第三者のチェック機関にお任せするだけでなく当委員会でもしっかり今後チェックをしていきたいと思います。  以上で質問を終わります。ありがとうございました。
  31. 古賀之士

    ○古賀之士君 国民民主党・新緑風会の古賀之士です。  まず、財務大臣にお尋ねをいたします。  今日から北京で、一か月ぶり、閣僚級の交渉が再開と伝えられております米中の貿易交渉について、その見通しをお尋ねをいたします。と同時に、G20の首脳宣言におけます保護貿易と闘うという、この文言の復活の可能性はあるのかないのか、併せてお答えをお願いいたします。
  32. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 二十八、二十九ですから今日、明日ということで、アメリカからはライトハイザーとスティーブン・ムニューシンと二人の担当大臣が行き、向こうは劉鶴が出てくるんですかね。そういった話で、貿易協議を行うというんで、建設的な意思疎通ということでこのところ何回もやっておられますので、これは世界全体としても結構米中間での事態の推移というのは見守っていきたいんですが、これがどんな結果になるかにつきましては、なかなかアメリカの要求している話と中国がこれだけはと言っている話と基本的なところが、いわゆるブラックボックスの中身を開けろとか特許のあれを全部外へ出してこっちに渡せとかいう話は、それはとてもじゃないけどのめる話じゃありませんので、そこらのところはなかなか交渉としては難しいだろうと思っておりますので、今それがどういった形になっているかというところに関しましてはちょっとなかなか見通しを申し上げられる段階にはない。易しくないからこれまで何回もやっていてもなかなか事は進んでいないという背景なんだと思っております。  それで、今もう一点ありましたいわゆる保護貿易主義と闘うという文言の話ですけど、これは主に貿易に関する文書の話なんで、主に外務省等々がこれ中心になって各国との調整を進められておられるんだと承知していますけれども、首脳宣言の中においてその特定の、保護貿易と闘うという特定の文言が入るかとかいうことについてはちょっと予断を持ってお答えをするというのはいたしかねますので。  私どもとしては、G20のいわゆる財務大臣・中央銀行総裁会議というのをやらせていただきますけど、保護貿易主義がどの国にも利益にならないということは繰り返し主張してきたところでありまして、その点に関しましては自由で公正なルールに基づく貿易というものを私どもとしては引き続き主張してまいりたいと考えております。
  33. 古賀之士

    ○古賀之士君 ありがとうございます。  少なくとも、G20は御存じのように日本で、そして首脳は大阪で、そして財務大臣及び中央銀行は福岡でそれぞれ行われることになっております。したがって、保護貿易、特に行き過ぎた保護貿易に関して一定のくぎを刺すことができるかというのは、ある意味、議長国である日本の責任というのはもう極めて重いというのは重々御存じのとおりでございます。しっかりとその辺の国際協調に向けた定番、あるいは枠組み、こういったものを盛り込んでいって、日本のプレゼンスをしっかりと発揮できるようお願いをいたします。  では、テーマであります関税定率法についてお話を伺います。  まず、財務省の参考人に伺います。  沖縄のお話ですが、沖縄における選択課税制度、この過去十年の実績、そして延長というお話があるようですが、この延長の必要性が果たしてあるのかどうか、お答えをお願いします。
  34. 中江元哉

    ○政府参考人(中江元哉君) お答え申し上げます。  この御指摘のありました沖縄における選択課税制度は、沖縄振興特別措置法に基づきまして、国際物流拠点産業集積地域の保税工場において製造される製品につきまして、原則は原料課税でございますが、その原料課税か製品課税かを選択できる制度でございます。  そして、この制度の利用実績については、平成十七年に四件ございますが、過去十年間における利用実績はございません。  それで、今般、選択課税制度、これ国際物流拠点産業集積地域における税制上の特例の一つでありますが、内閣府と沖縄県において事業者へヒアリングをしていただきました。その結果、この選択課税制度につきましても、この地域への進出を検討している企業の誘致の観点からメリットとなっていることが確認されたというふうに伺っております、承知しております。また、実際、この地域への進出企業数も、平成二十五年の五十四社から直近調べでは百二十六社へ増加しているというふうに承知いたしております。  そのため、今般の改正案におきましては、こうした状況を踏まえまして、また、内閣府から延長要望をいただきました。それに基づきまして選択課税制度の適用期限を二年延長する内容といたしております。
  35. 古賀之士

    ○古賀之士君 今のお話ですと、過去十年の中では平成十七年に四件あるというお話で、それ以降は全くその選択課税制度は使われていないと、ただ、企業の誘致として誘致数が、数が多くなってきているので、それなりのメリット、効力はあるのではないだろうかという御説明だと伺いました。  ただ、企業の誘致はほかの要因で来ている可能性もあるので、この選択課税制度を、今お話がありました延長する必要性というのは、使わなくてもあるのかどうかというのをちょっと御説明をお願いできますか。
  36. 中江元哉

    ○政府参考人(中江元哉君) 済みません、説明がちょっと分かりにくかったことをおわび申し上げます。  この選択課税制度は、おっしゃるとおり、まさにこの地域の税制上の特例の一つでありまして、ほかにもいろいろな制度が、優遇措置がございます。ただ、内閣府と沖縄県が事業者にヒアリングをした結果、この税制上の特例の一つであります関税の選択課税制度についても企業の誘致という観点からはメリットとなっていると。企業を誘致する際に、こういうものもありますというふうに恐らくセールストークをされているんだと思うんですけれども、そういう観点から、誘致の観点からはメリットとなっているというふうにヒアリングの結果をいただいております。そういうことを申し上げたということでございます。
  37. 古賀之士

    ○古賀之士君 ありがとうございます。  その辺につきましても、必要性が本当にあるのかどうか、また議論を深めていきたいと思っております。  次は、豚コレラです。  御心配や、それから非常に懸念を抱いている方も多いと思いますが、この豚コレラの拡大をこれ念頭に置いた場合、豚肉に係る緊急措置の発動の可能性というのはあるんでしょうか、ないんでしょうか。
  38. 富田育稔

    ○政府参考人(富田育稔君) お答えをいたします。  昨年九月から我が国で発生が始まりました豚コレラでございますけれども、昨日までに十三例が確認されておりまして、殺処分の対象となった頭数は、関連農場を含めまして約五万六千頭となってございます。これは、全国の豚の飼養頭数、これが約九百万頭おりますので、それからしますと〇・六%程度ということになります。また、豚肉の市場価格の方を見ますと、豚コレラ発生に起因すると見られます大きな変動はなく、おおむね平年並みで推移しているところでございます。  これらのことからしますと、現時点では豚肉の需給に大きな影響が生じておらず、豚肉の輸入が急増するような状況にはないと考えております。  豚肉の関税緊急措置の具体的な発動の可能性ということでございますが、今年度一月までの輸入量は七十七万三千八百三十六トンということでございますが、本年度第四・四半期の発動基準数量が百五万四千二百七十九トンであることからしますと、三月末までにこれを超過するという状況にはないのではないかと考えてございます。  いずれにしましても、引き続き今後の需給動向等を注視してまいりたいと考えております。
  39. 古賀之士

    ○古賀之士君 市場も、そして対応する側も冷静な見極めを是非お願いしたいところだと思います。極めてまだ割合が低いということで、安心をいたしました。  次は、車のエアバッグの材料に使われるヘキサメチレンジアミンに関するお尋ねです。  財務省の参考人に伺います。  この国内生産四割とも言われるヘキサメチレンジアミンですが、これ無税化する根拠というのはどういったところでしょう。
  40. 中江元哉

    ○政府参考人(中江元哉君) お答え申し上げます。  このヘキサメチレンジアミンは化石燃料由来の化学物質でございまして、これを原料とするナイロン繊維は自動車のエアバッグ等に使用されております。  それで、この国内ナイロン繊維メーカーは、原料でありますヘキサメチレンジアミンについて、国内の消費量の約六割を輸入に依存する一方、残りの約四割を自社生産しているということでございます。自社製品分では足りない分を輸入に依存せざるを得ない、そういう状況にあるわけでございます。  そうした状況の中で、一つには、近年ヘキサメチレンジアミンの価格が上昇していること、また、海外におきましては相対的に安い、安価な原料でありますポリエチレンテレフタレートというものを使用したエアバッグの生産に向けた動きが見られること、こういうことを踏まえまして、国際競争力を維持する観点から、今般関税率を無税とすることとしたものでございます。
  41. 古賀之士

    ○古賀之士君 今お話に出ましたヘキサメチレンジアミンとそれから代替品のポリエチレンテレフタレート、これってどんな違いが今あるのか、もう一度教えていただけますか。
  42. 大内聡

    ○政府参考人(大内聡君) お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、エアバッグ基布の原料としては、従来から使われているヘキサメチレンジアミンを原料としたナイロン66と最近新興国の一部で使われているポリエチレンテレフタレート、PETがございます。  この二つを比較しますと、ナイロン66で作られたエアバッグ基布は、コストが比較的高いものの、エアバッグを膨らませる際の高圧ガスへの耐性が高い、あるいはさらに柔らかくてコンパクトに折り畳めるといった特性を有していると認識しております。このため、日本のメーカーは、安全性や機能性等の観点から引き続きナイロン66を用いてエアバッグ基布を製造する予定であると聞いております。
  43. 古賀之士

    ○古賀之士君 つまり、日本は、若干コストが高いものの、質の高い材料を使ってエアバッグを生産しているということになるかと思います。これは直接この関税とは関係がありませんけれども、エアバッグ一つ取っても、非常に日本は材料にこだわりを持って質の高いエアバッグ部品を供給しているということは大切な視点だと思いますし、また、これを発信していくことも大事なことだと思っております。ありがとうございました。  時間が迫っておりますので、幾つか予定している質問を飛ばしまして、今注目を集めておりますサトウキビを原料にしましたバイオポリエチレンの国産化の見通しというのは現状どうなっているのでしょうか。
  44. 江崎禎英

    ○政府参考人(江崎禎英君) お答えをいたします。  バイオポリエチレンにつきましては、現状、レジ袋などの素材として使われております。ただ、これは国内で製造している企業は存在しておりません。したがいまして、全量輸入によって調達をしております。ちなみに、これを生産している企業は世界でも一社だけでございます。  日本国内にもバイオエタノールからポリエチレンを製造する技術、これは存在しておりますけれども、原材料の調達コストなどの問題で産業化には至っておりません。ただし、今後、使用の拡大や技術革新によりまして国内で産業化する可能性はあると考えておりまして、需要の喚起に努めますとともに、経済産業省としましても、バイオプロセスを通じた物づくり、これを実現する基盤技術の研究開発を支援しているところでございます。  他方で、技術開発の動向とか競合する素材の開発動向、こうした複雑な要因が関与をしておりますため、産業化の具体的な時期を見通すことは難しいというのが現状でございます。  こうした状況を踏まえまして、今般の関税暫定措置法では暫定的に無税とさせていただいているところでございます。  以上です。
  45. 古賀之士

    ○古賀之士君 では、時間がありませんので、結びの質問を財務大臣にお尋ねをいたします。  昨日、百一兆円という過去最大の予算が成立しました。一方、歳入にもそれなりの対策、対応が必要かと思っております。今日は関税定率法ですので、税関の業務量及び定員、予算に対するお考えをお伺いをいたします。
  46. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) これはいろんなところで御質問をいただくところですけれども、税関業務を取り巻いております環境につきましては、これはいわゆる目に見えるところで訪日外国人の数が六年前は八百万、今年は三千万を超えるというような事態になっておりますので、そういった急増に対しまして、例えば福岡でいえば、金の地金の密輸が最も多いのは福岡ですから、そういったことを考えますと、これいろいろな問題があることはもう確かなので、私どもはこの金の地金の密輸とか、覚醒剤のいわゆる不正薬物等々の押収量がぼんと増加、一トンを超えておりますというような話が出たり、またいわゆる国際テロというものが、オリンピック等々考えると、G20含めまして、これは極めて大事なところでありますので、こういった困難な課題に対応する必要があると認識しておりますので、やっぱり迅速な通関とかまた水際での取締りというのは極めて大事だと思っておりますので、これは先ほど御説明をいたしましたように、検査機器の活用を図りながらやらなければいかぬとは思っておりますけれども。  人材という、物理的な話としてこれはある程度絶対量が必要なものだと思っておりますので、急に主計局の人間をいきなり税関に回してちょっとやれというような、そんなことできるような種類の現場ではありませんので、平成三十年度までに、このところ四年連続でいわゆる三桁の純増というのを確保してきたところで、減らしているところでここだけは逆に増やさせていただいております。増加する税関の業務量への対応というものをやらねばなりませんので、平成三十一年度の予算におきましても、三十年度と同数の二百九人の純増というものを計上させていただいて、九千六百十七人になるんだと思っております。  予算につきましては、総額一千六十一億円というのを計上させていただいておりますけれども、税関の取締り検査機器の整備等々、必要な予算を確保させていただいておりますが、今後ともこの業務運営というものを一層効率化を図っていくというのは当然ですけれども、とにかく入ってこられる方の絶対量がもうすごい勢いで増えてきておりますので、ある程度物理的なものは人でカバーせねばならぬというところがあろうかと思いますので、この点につきましてはいろいろやらさせていただいて、今後とも努力をさせていかねばならぬと思っております。
  47. 古賀之士

    ○古賀之士君 時間が参りましたので終わります。  税関の絶対量の枠自体を考えていかれたり、あるいはまたその専門性も非常に御理解があるということを承りました。本当にありがとうございました。是非前向きに御検討いただけますようお願いをいたします。  終わります。ありがとうございました。
  48. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 日本維新の会・希望の党、藤巻健史です。  日中貿易戦争なんですが、昨年九月に、アメリカが中国からの二千億ドルを超す輸入量に対して一〇%から二五%税率を引き上げるという話がありましたけれども、想像するに、これは法律に基づいていると思うんですけれども、アメリカには特定の国に対してのみ税率を上げるというような法律があるのかどうか、教えていただければと思います。
  49. 中江元哉

    ○政府参考人(中江元哉君) お答え申し上げます。  委員御指摘の特定国に対して関税の引上げを可能にするアメリカの、米国の法律について、必ずしも全てを承知しているわけではございませんが、例えば米国通商拡大法第二百三十二条は、国家安全保障を阻害するおそれのある輸入がある場合に、特定国からの当該輸入品に対する追加関税の賦課を可能とするものでございます。  また、米国通商法第三百一条、いわゆる三〇一条ですが、外国政府による不公正な貿易慣行を対象として、当該特定国に対する追加関税の賦課を可能とするものであると承知いたしております。
  50. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 日本には同じような法律というのはあるかどうか、ちょっとお聞きしたいんですが。要は、特定の国に対しての関税率を上げるとか、そういう法律があるのかどうか、お聞きしたいんですけれども。
  51. 中江元哉

    ○政府参考人(中江元哉君) お答え申し上げます。  現行の関税関連法におきましては、特定の国を対象に税率を上げる枠組みとして、例えばアンチダンピング関税、これ、いわゆる不当廉売関税と言われているものですが、などといった枠組みが整備されております。これらは国際ルールに沿って整備されている枠組みでございます。  ここでちょっと答弁止めますと、ちょっと誤解を招いてもあれですので、よろしいですか。仮にこれらと別途の措置を講ずる場合には、立法措置といいますか、新たな法的措置を行うことも視野に入れつつ、対外的な効果、影響を始め様々な観点を踏まえた対応を検討していく必要があろうかと考えております。
  52. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 韓国との問題が大分混乱してきていますけれども、いわゆる徴用工問題ですね、徴用された方々に対する訴訟において日本企業の資産差押えが起こっていると思うんですけれども、それにやっぱりいろんな対抗処置を考えなくちゃいけないと思うんですけれども、アメリカが中国にやっているような関税引上げというのは一つの方法だと思うんですよね。それを実際発動するかは別として、そういうような、うちは、日本はそういうことだよということを示すということは韓国に対してもすごいプレッシャーになるかと思うんですけれども、いざというときにそういう法律がなければもう向こうも甘く見ちゃう、日本のことを甘く見ちゃうと思うんで、要するに韓国を念頭にそういうような法律を考える気があるのかどうか、大臣にお聞きしたいと思います。
  53. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) この旧朝鮮半島出身労働者のいわゆる問題につきましては、これは今、日本政府が韓国政府に対して、いわゆる韓国には、日韓請求権協定違反という状態がなっておりますので、それに基づいて協議を要請しているというのが今の状況でありますけれども、この協議要請に加えて、今後の対応についての対抗措置を聞いておられるんだと思うんですけれども、どのタイミングで何を行うかといった具体的な内容というものにつきましては、これは手のうち明らかにするような話になりますので、これは差し控えさせていただきます。  今関税局長が答弁したように、この現行の関税関連法というのは、これは御存じのようにWTO等々の国際ルールというものに沿って整備をされているものですから、別途の措置を講ずる場合ということになりますと、これは対外的に効果、影響、様々な問題を考えて検討する必要があるというのは確かだと思いますので、これはどのようなものをやりますか、これはいろいろ検討が進められているのは事実ですけれども、その内容についてここで述べることは差し控えさせていただきます。
  54. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 手口を明らかにするというのはおっしゃるとおりだと思うんですけれども、ここに、法律に、日本の法律に例えばスペシファイ、ある国をスペシファイして関税を上げるというようなことが書いていないということは、我が国では関税を引き上げるという政策は今現在では取れませんよという手口を明らかにしちゃうようなことじゃないかと思うんですよね。国際問題に関しても、アメリカでそういう法律がある以上、日本も同じような法律を早めに作って用意しておくのがいいんじゃないかなと思います。これは感想ですけど、一応感想を述べさせていただきました。  次に、米中貿易戦争、いろいろ混迷していますけれども、落としどころはどこにあるか、大臣のお考えをいただきたいんですけどね。実は、その下に、関税を引き上げる代わりに元を引き上げたらどうか、引き上げろというのがアメリカの最終ゴールではという、これ、私のメモのつもりだったんですけど、何か質問通告に書いちゃったんですけれども。  で、最初に申し上げておきますけど、実は私は別に、関税と為替というのは代替ですから、今私は、中国というのは大変な国になりましたけど、それというのは、やっぱり一番の原因というのは、一九八〇年に一人民元百六十円あったものが、今、円でいうと対十六円ですから、一ドル百円が一ドル千円になったようなもので、こんなに為替が安くなればそれは世界の工場になるのは当たり前で、中国というのはそれでもうぐいぐい伸びていって、今はインターネット等で伸びているわけですけれども、そのきっかけは、意図的に通貨を安くした、まあ今でもペッグ制で資本規制しているわけですけれども。それで、アメリカがその認識があって、このままいったらやっぱりどんどんどんどん世界の貿易国をなってしまうということで、人民元をもうドルとペッグするのをやめろと、これが私は最終目的じゃないかなと。そのためにいろいろプレッシャーを掛けて、何はともあれ人民元が弱過ぎる、それをもう通常のレベルに戻すということがアメリカの最終目的じゃないかなと。どのマスコミにも書いていないですけれども、私自身はそう思っているんですが、いかがでしょうか。
  55. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) これは、米中の協議の話の内容について、これは日本は当事国じゃありませんので、協議を行われているところなので、ちょっとコメントをするというのはいかがなものかと思いますけれども、少なくとも今世界の中で貿易というか、いわゆるGDPが一番と二番という経済大国ですから、これは建設的な意思疎通というのをやっていかないとえらい話になるということははっきりしておると思います。  余り経済が分かっておられぬ方もおられるんだと思いますが、例えば二〇〇九年のときでしたかね、あれ、リーマン・ブラザーズの後、中国はドルを売ってユーロに替えると言ったんですよ。何考えているんですかと。一番銭持っている、ドルを持っているのはおたく、二番目に持っているのはうちよと。その一番と二番の持っている二人がドルを売ったらドルは下がるんだから、自国の持っている資産を下げるような発想というのはどういう構造でそういう発想になるのかと思って、ああ、経済が分かっていない人というのはこういう人なのかと真面目に思いましたよ、あのときは。そう言いましたけれども。だから、そういった意味では、今は大分それ以降から随分学習されたと思いますから、その種のことの話はなくなったと思いますね、それ以後は、少なくともこの種の発言は。  しかし、現実問題として、人民元というものが今言われたようにぼんと下がったのは事実ですし、日本は、一九八五年から二百四十円が百二十円、百十円まで円は上がったというのは、まあ一時期七十円台まで下がりましたけれども、ドルは。そういった意味では、時代によって随分上がり下がりが激しいことは確かだと思いますけれども、この種のことに関して中国の思いというものはなかなか、そのままいくと楽だ、輸出に関しては。しかし、それは同時に、中国の国内にとりまして、輸入している物価については上がりますから、そういった意味ではどういったものが起きていくのか。ちょっとなかなか、他国の通貨政策、為替政策についてコメントするのはいかがなものかと存じ、差し控えさせていただきます。
  56. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 最後の部分だけちょっとコメントをお返ししたいんですけれども、日本というのは、確かに一九七二年の三百六十円からずっと基本的には円高の方向に行って、七十円、二〇一二年ですか、に七十円台まで行っちゃったわけなんですけど、それによって私は日本の国力というのはどんどんどんどんおっこっていっちゃったなと思っていて、それを中国が見て同じ間違いはしまいと思ったのが、だからこそ人民元を安くしてそのままペッグで据え置いたというのが現状ではないかなというふうに思っています。それはコメントなんですけれども。  次のちょっと質問に入りますが、関税は税収を上げるのが目的なのか、それとも国内産業を守るのが目的なのか、それをちょっとお聞きできればと思います。
  57. 中江元哉

    ○政府参考人(中江元哉君) お答え申し上げます。  一般的に、関税には、国内の産業を保護するそういう機能と、国に対して関税収入という財政収入をもたらす機能の二つの異なる機能があるとされております。  現在の先進国の関税は、一般に国内産業を保護する手段としての性格の方が強いと考えられているわけですが、個別品目に係る関税率の水準などの関税政策に当たりましては、消費者に与える影響などの観点も含めて総合的に勘案することが必要と考えております。
  58. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 ちょっと次の質問に入る前に、先ほどの大臣の答弁に対してもう一つちょっとコメントがあったのであれなんですけれども、人民元安、通貨安は輸出にはいいけれども、高くなるとインフレ懸念があるとおっしゃったんですが、日本の場合は確かにそうなんですよね。円が余りにも安くて、高くなると、また逆に戻すと問題だと。  何が言いたいかというと、アメリカからのプレッシャーでどんどんどんどん円を強くしていったわけですけれども、日本には強くしてもいい一応メリットがあるわけです、あったわけです。なぜかというと、完全雇用ですから、完全雇用のときにインフレが加速していっちゃう、そのときにはやっぱり円を、自国通貨を強くしなくちゃいけない、そういうメリットがあった。だから、アメリカから円を強くしろというプレッシャーに対して、日本にもそのインフレを抑えるというメリットがあったからこそ円高を受け入れていった。それはなぜかというと、完全雇用だったからだと思っているんですね。だから日本は円高へ行っちゃったと思うんですけれども。  中国は、人民元を安くしておいたままでも、先ほど大臣はインフレのプレッシャーがある、高くなっていく、安いままだとインフレのプレッシャーあるとおっしゃいましたけど、あの国はやっぱり非常に人口がありまして、完全雇用によるインフレというのは起こりにくいんですよね。だから、きっと私は通貨を安いままにした、インフレになるリスクが低いので通貨を安くできたんだろうというふうに思っています。だから、あの国というのは、やっぱり通貨を安くして世界の工場になろう、インフレを心配することなく通貨を安いままにして経済成長していったのかなと私は思っています。  次の質問に入りますけれども、何が申し上げたかったかというと、やっぱり為替というのは極めて日本の経済について重要だということだと思うんですね。  それで、先ほどちょっと関税と為替というのは代替だというふうに申しましたけれども、一ドル百円のときに一ドルのものを輸入すると、これは国内販売価格は百円です。関税を掛けると百十円になるわけです。しかし、一ドルのものであっても、一ドル百円が一ドル百十円になると、まさにこれは輸入物価一ドルのものは百十円になるわけです。要するに、関税を引き上げない、関税を掛けなくても、別に円安になれば同じ効果はあるわけですよね。だから、私、TPPの議論なんか聞いているときいつも思うんですけど、農家の方が自分たちを守るために関税を引き下げるなと言いますけど、それよりは、引き下げてもいいから円安にしろと言えばいいと私はいつも思っているんですけどね、その方がよっぽど簡単だと思っているんで。どうして関税ばっかりなのか、本当に関税と為替とは代替だということを分かるべきだろうといつも私は思っているんですが。  そこで、質問に入りますけれども、私、今回の、今回って、暗号資産の譲渡益とそれから為替の為替益、これは今、全部雑所得になっているけれども、そんなこと必要ないんじゃないのということをずっと言っていました。雑所得というのは、最高税率五五%掛かるし、損益通算できないし、翌年へも繰越しができないということで、一番シビアな所得区分なんですね。ですから、外貨預金がそんなところに入っている限り、ほとんどの方はドル預金なんかしないんですよ、余り税金関係ない人は別として。  となると、外貨預金が、若しくは暗号資産もそうなんですけれども、雑所得に入っている限り、利益が雑所得に入る限り、その分野の発展はないわけです。だからといって、別に利子所得にしろとか不動産所得にしろと、それは頭おかしいんじゃない、どうかしているんじゃないという話になりますけれども、学者の先生が、別に雑所得じゃなくても譲渡所得という理念もある、考え方もあるというふうに学説でおっしゃっているわけです、それも特に大家の先生が。  だとするならば、別に雑所得にとらわれずに譲渡所得にして、金融資産は全部二〇%の源泉分離にしてしまえばいいじゃないか。そうすればドル預金をする人はたくさん増える、だから異次元の量的緩和なんか、出口のない異次元の量的緩和やらなくても円安ドル高は進む、日本経済、デフレから脱却できる、若しくは、暗号資産という資産価格が上がれば、バブルのときみたいに資産価格上昇で資産効果で景気が良くなるということで、要するに、雑所得からそれらのものを譲渡所得で金融資産として二〇%に分類するだけで日本経済はむちゃくちゃに良くなると私は思っているんですよね。  ということであるならば、関税引き下げて、関税はもう全部撤廃しちゃっていいよと、その代わり、ドル預金の税制を変えることによって円安に乗って相殺しますと。そうすると、先方の、向こうの関税も撤廃せざるを得ませんから、物すごく輸出も伸びるし、日本経済は良くなるし、万々歳じゃないかと。そういうふうに税制区分を変えることによって関税も要らなくなると、こういうふうに思うんですけど、いかがでしょうか。
  59. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 藤巻先生、これ幾つか言われたんですけど、為替差益の課税方式というものを変更することで円安を進行させることができるのじゃないかという話をしておられるんでしょうけれども、為替レート等々について、これ、いわゆる市場動向とかファンダメンタルズとかいろんなもので決定されるものなんであって、税制によってその水準に影響を与えるということはいかがなものですかなと、基本的にはそう思います。  加えて、円安になれば輸入品に関しても関税を課す必要性が減って関税率を下げられるというのが二つ目の御指摘なんだと思いますけれども、いわゆる関税率の水準については、これは短期的な為替動向とかいうような話でいわゆる一義的に決まるものではありませんので、これは中長期的な観点を含めまして、国内生産者に対する保護という点も考えにゃいけませんでしょうし、輸入品の需要とか消費者に与える影響というものを踏まえた上で設定されるべきものなんだと考えております。  その上で、御提案のように、外貨預金の為替差益というものをいわゆる二〇%の源泉分離課税と、これはこの前の財金でも似たようなことを言っておられたと記憶しますけれども、その対象とすることについては、これは、所得税は所得が高い方に多くの税を負担していただくという所得再配分の考え方に基づいて、全ての所得を合算して累進税率を適用する総合課税というものを原則としておりますので、その再分配機能というものを損なってまでそうした為替取引を強く政策的に支援する必要があるだろうかというものにつきましては、全然別の課題として考えにゃいかぬところだと思っております。
  60. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 時間が来ましたので終わりますけれども、最後に一言だけ。  税制で変わらないのじゃないかとおっしゃいましたけれども、暗号資産が雑所得に変わることによっておととし大暴落をしたわけで、やっぱり税制によって物が変わるということは一つ申し上げておきたいことと、あと、やっぱり所得再分配だけを考えると全員が平等に貧乏になっちゃいますので、国力を上げてみんなが平等に豊かになっていくことも考えるべきだろうと私は思います。  以上です。終わります。
  61. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 大門です。  関税法、また、後の世銀の関係については必要な改正だというふうに思っておりまして、賛成でございます。既に同僚議員からもいろいろ指摘があったところをしっかり対応していただきたいと思います。  ダブって質問しても仕方ありませんので、今日は税法に関連して確認しておきたい二つのことを、二つに質疑も分かれますが、聞いていきたいと思います。  一つは、所得税法第五十六条のことでございまして、もう長いこと取り上げてまいりました。財務省ともいろいろ相談をしながら進めてきているところではあります。現時点での到達点とこれからの方向をこの時点で一旦お聞きしておきたいということでございます。  まず、初めて委員の皆さんもお聞きになる方いらっしゃると思いますので、星野さん、所得税法五十六条とはどういう法律なのか、また、趣旨を簡単に説明をしていただけますか。
  62. 星野次彦

    ○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。  所得税法第五十六条は、納税者と生計を一にする親族がその納税者の営む事業に従事したことなどにより対価の支払を受ける場合は、その対価の金額は、当該納税者の所得の計算上、必要経費に算入しないこととする規定でございます。これは、親族間の恣意的な所得分割による租税回避を防止する観点から、所得税の計算上、親族への給与の支払は必要経費に算入しないこととするものでございまして、昭和二十四年にいわゆるシャウプ勧告が出ておりますけれども、その中で、所得税の課税単位を個人とすべきという指摘とともに、家族従業員を雇用することによる所得分割を抑制する措置を併せて導入すべきとの指摘があったことを踏まえまして、昭和二十五年の税制改正において規定が創設されているところでございます。  この規定に関連して、所得税法では、この規定を原則としつつも、第五十七条におきまして、事業に専従する親族である場合の必要経費の特例等の規定を設けております。この五十七条には、一つは、青色申告者については帳簿等により家計と事業の分離や給与支払の実態を確認できることから、家族従業員への給与の実額による経費算入を認めております。  他方、白色申告者につきましては、青色申告者と異なり、資産、ストックの状況まで記帳が求められておらず、同様の確認を行うことが困難であることなどを踏まえて実額による経費算入を認めていないのですけれども、実際の給与支払の有無にかかわらず、概算的な定額の控除を認めて配慮を行っているという、そういう体系になってございます。
  63. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 要するに、お店をやっておられるような、お父ちゃん、お母ちゃんでやっているようなお店とか事業所の場合、お母さんの給料は、一緒に住んで家族従業員だから、白色申告の場合は基本的に認めなくて、白色専従者控除ですか、で概算で引くというのが今の現状ということですね。  そういう問題がずっとあって、これは戦後の状況の判断があってそういうふうになったと思うんですが、長い間その問題が国会でもいろいろ取り上げられてまいりまして、もう二十年、三十年前からこれについての議論があったわけでございます。  で、いろいろ時代も変わってまいりまして、家族従業員といえど、いえどといいますか、実際に働いているのになぜ認めてくれないんだというような議論があって、あと、特にお母さんたちの労働をどう考えるかという点で、女性の人権あるいは男女共同参画というような、その文脈でも議論になってきた問題であります。  ただ、財務省的に言いますと、人権とかいろんなこと言われても、財務省は先ほど言われたような考えでやっていると、簡単に言えば、もういろいろそうおっしゃるなら青色申告にしてくれ、そうしたら引けるんだからと、その一点張りで長い間来られた問題でありましたが、もう十年前になりますけど、二〇〇九年の三月二十四日の麻生内閣、与謝野財務大臣のときに私が質問させていただいて、そういう考え方、今のその財務省の考え方というのは間違っているんじゃないかという点を三つの点で指摘をさせていただいたわけであります。  まず、とにかく働いている実態があるとしたら、あるならば、それを税法ごときがですね、はっきり言って、人が働いていることを税法ごときが否定する、認めないというような偉そうな話は何なんだと、実際に働いていればそれは認めるべきではないかという基本的な認識が一つですよね。  もう一つは、青色申告なら認めますというのも、それは戦後のいろんなまだ記帳が普及しない時期なら財務省の理屈としては、大蔵省の理屈ではあったと思うんですけれど、しかし、その目的は、先ほどおっしゃったように、意図的に所得分割をして、つまりお母さんは、お母ちゃんはそれほど実際にお店の手伝いとか事業所で働いていないのに、意図的に所得を分割するために、税金を安くするためにやるんじゃないかというようなおそれがあって認めずに、青色だけ認めてきたというようなことを言ってきたわけですけれども、考えてみれば、所得分割なんというのは青色だってあることですよね。実際、調査入ってみないとそれは分からないわけね、労働の実態があったかどうか。だから、青色と白色関係なく所得分割の問題はあり得るし、大抵の方は一生懸命きちっとやっているわけですけれども、だから青にしろという話もそれは違うんじゃないかということを申し上げて、つまり所得分割の防止と青色申告とは関係がないということを申し上げたわけです。  もう一つは、そういいながらも白色申告者も記帳の義務化がずっと進められてきておりまして、戦後間もなくの状況とは違うわけですね。大抵の人は帳面ぐらい付けているわけです。給料の支払のも付けているわけですよね。  そういうふうに状況変わってくる中で、もうその戦後間もなくの話でずっと認めないというのは違うんじゃないかというのを、今からもう十年たちますね、二〇〇九年三月二十四日のこの委員会で与謝野財務大臣にお聞きしましたら、与謝野大臣はもうさすがだなと。この前もいろいろ申し上げましたけど、大変優れた方でありまして、財務省が用意した答弁書読まないで私の議論を聞いていただいて、ちょっと考えさせてくれと、ちょっと研究させてくれということになりまして、本当にその後、事務方に指示をされて、当時は加藤主税局長、そして星野さんが担当課長でございましたけれど、本当に研究をして、諸外国の、海外の例なども含めて、あるいは、もっと極端に言えば、もしこれを廃止したらどれぐらいの税収減になるかという、そこまで試算もされたり、いろんなことをやったわけであります。  そういう流れがあって、その後、民主党政権になりましたけれども、民主党政権のときは政府税調の検討項目の中にこの五十六条問題が入りました。そしてまた安倍内閣になったわけですけれども、安倍内閣になってからは私は特に質問を時間取ってやっておりませんけれど、今日この場にもおられますけれど、副大臣、政務官になられた方に要請したときは、引き続き検討しなきゃいけないことだというふうなことは答弁をいただいてきたところでございます。  それで、資料をお配りいたしましたけれど、今現在、この五十六条を廃止してほしい、白色申告であれ何であれ、実際働いている人たちの給料は認めるべきだという自治体請願がもう五百十六にまでなっております。下の方に、税理士会、税理士団体ですけれども、これも、北海道、千葉、関東信越、東京、東京地方、北陸、近畿青年、中国、四国、九州北部税理士会、全国女性税理士会もこの五十六条については見直すべきだという意見書を上げてきていただいているし、弁護士団体も意見書を上げてきていただいていると、ここまで来ているわけであります。  いろいろ御検討いただいているのは存じておりますけれど、星野さん、現在の検討状況とこれからの方向を少し教えてもらえますか。
  64. 星野次彦

    ○政府参考人(星野次彦君) この五十六条の問題につきましては、ただいま大門先生からもるる経緯も含めて御説明がございました。平成二十一年の三月に先生から問題提起があって、与謝野大臣の答弁がございまして、その後、当委員会でもやり取りがございました。  この問題自体、青色申告者と白色申告者の記帳水準の違いを勘案して経費算入の在り方に現在の制度は違いが設けられているということではございますけれども、五十六条の見直しの検討に当たっては、白色申告者について、制度上どの程度の記帳を求めているか、また実際の記帳状況はどうかといった点を踏まえる必要があると考えております。  この問題が提起されまして、二十三年度の税制改正が行われまして、平成二十六年以降、全ての白色申告者に一定の記帳義務が課せられたというところが制度的な変化でございますけれども、現時点の制度を見ても、白色申告者には資産の記帳が求められていないといった課題がありますし、また、実態面を見てみますと、白色申告者の中には記帳や帳簿等の保存が不十分であるものが見受けられるといったような実態であるということを承知しております。青色申告者と白色申告者の記帳レベルにはやはり依然として違いがあるというふうに考えております。  また、ここ数年、所得税改革として、控除の見直し、全体の控除の見直しなどを進めてきております。平成三十年度税制改正におきましては、働き方の多様化を踏まえて、働き方改革を後押しするなどの観点から、特定の収入のみに適用される給与所得控除等の一部を振り替えていくと、個人事業者を含め、どのような所得にも適用される基礎控除に振り替えるといった見直しを行ってきております。この控除の拡大に併せまして、例えば与党の税制改正大綱の中で、適正な記帳の確保に向けた方策を講じつつ、事業所得等の適正な申告に向けた取組を進めるといったことが要請されているところでございます。  以上申し上げましたとおり、五十六条の見直しについては、白色申告者による記帳や帳簿等の保存の状況、また所得税改革の一環として適正な記帳の確保に向けた方策を講じることとされていることを踏まえまして、引き続き丁寧に検討を行うべき課題であるというふうに考えております。
  65. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 与謝野さんがここにおられたらどう言われるかなと思うんですけれど。  私たちは、基本的な私の問題提起をしたのは、記帳の前に、実際に働いていると。働いていない人まで認めるべきとか、そんなこと言っていないんですね。実際に労働している人が、一日何時間という人がいて、その経費を認めないことはおかしいんじゃないかという当たり前の提案をしてきているわけですけどね。  それを、財務省的に言えば、分かりますよ、財務省的に言えば記帳で。しかし、その資産を帳面に付けなきゃ給与の支払、分からないですか。関係ないですよね、資産の記帳とね。給料の支払実態が財務省的にはきちっと分かるようにしていてくれればいいんじゃないかということになるわけでありまして、星野さんのその論理を、まあそればっかりと思っていらっしゃらぬのは分かってはおりますけれど、余りそればっかり強調しますと、だったら戦後、青色申告認めたときに、青色申告の記帳レベルが高まってから給与認めたんですか。違うでしょう。制度とともに、あめとむちじゃないですけど、制度とともに最初認めたはずですよね。だから、白色の記帳を義務化したときに、やっぱり義務化するならそれなりの特典をきちっと認めるというのが当たり前だったんですけど、今の話だと、記帳の程度がもっと伸びてこないと認めないというのは、それはちょっと今までの財務省のいろんな制度と、かえってちぐはぐですよね、話が。  そういうこともありますので、そこばっかり思っていらっしゃらないのは分かっていますから、星野さんらしく真面目に強調されたんだと思いますけれども、その論理でいくと永遠に解決しないということになりますので、当初指摘された原点に戻ってほしいなというふうに思います。  これはひとしく、与謝野さんのときと同じように、やっぱり政治家が、財務省はもう頭固いですから、政治家が判断していくマターだと私は思っておりまして、そうはいっても、財務省であれ、与党の皆さん、自民党の皆さんであれ、まれに野党の意見、共産党の意見でも、それは正しいということで取り入れていただいたことがございます。それは、この前ここで申し上げた証券税制を一〇%から二〇%にするときの話ですよね。  もう一つは、現場的にはありまして、まだありまして、認可外保育園の消費税を非課税にするときですね。あれは二〇〇五年だったと思いますが、ここで私が質問したら、自民党の尾辻先生がいらっしゃって、さっきの質問は大変重要だと思うということで、すぐ自民党の税調に尾辻先生が提案していただいて、素早く認可外保育所の消費税が非課税になったんですね。認可保育所は非課税だったんですけど、認可外は課税されていたんですよね。それをすぱっとやっていただいたことがあるわけです。  だから、本当に宮沢先生に答弁を求めたいぐらいなんですけれど、本当に、今、認可外保育所を回ると、私が質問したことはもう忘れられていて、もう尾辻さんの名前ばっかり出てきますね。だから、これ宮沢先生がやっていただくと宮沢先生の銅像が建つんじゃないかと思いますので、全国の商売やっているお母さんたちが喜ぶと思いますので、是非政治家として検討していってほしいと思いますが。  最後に、麻生大臣、これは麻生大臣のときの与謝野大臣の英断から始まった問題でございますので、是非、麻生大臣のときに検討から具体的に一歩踏み出していただきたいなと思っているんですけれども、いかがでしょうか。
  66. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) これは本当、長い話ですな。本当、もう大分前からこの五十六条の話等々、また五十七条等々。これは昔から、この青色申告、白色申告、いろいろ話があるんですけれども。  今まで星野の方から説明をさせていただいたところなんですけれども、これは与党税制改正大綱の中で、適正な記帳の確保に向けた方策を講じつつ、事業所得等の適正な申告に向けた取組を進めるということにされておりますので、青色申告をしていない事業主の記帳レベルを引き上げていくということが重要なことははっきりしていますけれども。  いずれにいたしましても、これは以前から所得税法第五十六条を見直すべきとの御指摘を受けておりますので、これは引き続き丁寧に検討させていただきます。
  67. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 終わります。
  68. 渡辺喜美

    ○渡辺喜美君 自由貿易を国是とする我が国が報復関税を検討せざるを得ないという状況になったんですね。恐らくこんな事態は初めてだろうと思いますよ。お隣の韓国、文在寅政権は相当特異なイデオロギーを持っている政権であります。御案内のように、反日統一思想とでもいうべき革新的イデオロギーに基づいて、慰安婦問題はちゃぶ台返しをする、レーダー照射の事後対応しかり、そして、司法権の独立と言いながら実際の独立はない徴用工問題しかりであります。  麻生大臣が、ついせんだって、衆議院の財金で、恐らくアドリブだとは思いますが、政治家としての御答弁をされた。非常にこれは効き目があったと思いますね。問題は、その実効性が問われて足下を見透かされないようにしていくことが大事であります。  人、物、金、こうした流れの中で、例えば今、韓国は非常に経済が苦しい。学生さんは就活が大変なんですね。日本と真逆ですよ。そういう中で、例えば日本に就活に来る学生がいる。麻生大臣の御答弁にもありましたが、ビザの発給を制限する、こういうことは可能ですか。
  69. 田村政美

    ○政府参考人(田村政美君) お答え申し上げます。  委員御指摘の韓国人を対象とする査証につきましては、現在、一般旅券を所持する韓国人は、九十日以内の短期滞在の目的により日本に入国しようとする場合に査証免除の対象となっております。  我が国としましては、韓国による日韓請求権協定違反の状態を解決すべく、韓国政府に対し協定に基づく協議を要請し、協議に応じるよう重ねて求めているところでございます。韓国側は、当然誠意を持って協議に応じるものと考えております。この協議に加えまして、どのタイミングで何を行うかといった具体的な内容につきましては、我が方の手のうちを明かすことになるため、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。  いずれにしましても、日本企業の正当な経済活動の保護の観点からも、国際裁判や対抗措置も含め、あらゆる選択肢を視野に入れて適切に対応していく考えでございます。
  70. 渡辺喜美

    ○渡辺喜美君 誠意を持って対応してくれるとおっしゃいましたけれども、革新的イデオロギーを持った政権ですから、そんな甘い考えを持たない方がよろしいと思いますよ。  続いて、物でありますが、例えばフッ化水素をサムソンが半導体の洗浄に使うんだといって申請してきたら、これは拒むことはまず無理でしょうね。一方、北朝鮮は、米朝首脳会談が失敗に終わったことを受けて、また元の路線に行きつつある。北のミサイルは、一番の難関がヘッドですよ。ヘッドの部分は特殊な素材が使われておるわけですね。日本はそういう素材を作る技術は持っている。  もし、こういうのが韓国経由で入っていったらどうするんですか。そこまで審査、ちゃんとやっていますか。
  71. 飯田陽一

    ○政府参考人(飯田陽一君) お答えいたします。  ただいま御指摘のございました大量破壊兵器等に転用のおそれのある貨物の扱いでございますけれども、この輸出につきましては、現在、外国為替及び外国貿易法に基づきまして、経済産業大臣の許可が必要ということになってございます。  許可申請が出た場合の取扱いでございますが、これは一般論でございますけれども、個別の取引ごとに審査を行いまして輸出許可の是非を判断するということになるわけでございます。
  72. 渡辺喜美

    ○渡辺喜美君 とにかく膨大な数の審査をやっておる。ところが、こういういまだかつて想定していない事態が発生しているわけですから、これは余り甘く考えない方がいいですよ。この政権は今までの政権とはかなり違います、文在寅政権はね。  一番手っ取り早くできそうなのが金ですよ。麻生大臣も、送金停止とかという具体的なところに言及しておられます。現行ルールで可能ですか。
  73. 武内良樹

    ○政府参考人(武内良樹君) お答え申し上げます。  外為法第十六条第一項では、条約等国際約束の誠実な履行、国際平和のための国際的な努力や我が国の平和及び安全の維持を要件として、送金を含む支払について許可制とすることは可能とされております。  ただ、韓国への対抗措置については、政府としてあらゆる選択肢を視野に入れて適切に対応していく考えでございますが、どのタイミングで何を行うのかといった具体的な内容については現段階では明らかにできないことを御理解いただきたいと思います。
  74. 渡辺喜美

    ○渡辺喜美君 とにかく、足下を見透かされないことが大事なんですよ。アドリブとはいえ、大臣が国会で発言しておられるんですから、このことは非常に重いですよ。これは事務方としても心して掛かっていただきたい。  それから、直接投資、今、事後の届出制になっておりますが、これを事前規制に変更して、内容の変更、中止を求めるということは可能ですか。
  75. 武内良樹

    ○政府参考人(武内良樹君) お答え申し上げます。  現行の外為法は、対外取引を原則自由としつつ、我が国経済の円滑な運営、国際的な平和及び安全、公の秩序の維持の観点から、漁業、皮革等の製造業、武器、麻薬等の製造業等、一定の業種に対する対外直接投資について財務大臣への審査付事前届出義務を課しており、財務大臣は、必要がある場合には投資の変更、又は中止の勧告、命令を行うことが可能とされております。  御指摘のように特定の国に対する投資をすべからく事前審査に付することにつきましては、特定の観点から特定の業種を指定していく現行法の基本的な考え方とは大きく異なるところでございますが、韓国との関係でどのようなタイミングで何を行うかについては、具体的な内容について現段階では明らかにできないことを御理解いただけたらと思っております。
  76. 渡辺喜美

    ○渡辺喜美君 現行ルールでは非常に難しい、ハードルがあるということなんですね。  そうすると、先ほども議論があったように、関税法改正というのはかなりハードルが高い。どうですか、大臣、こうした議論を踏まえて、大臣の口から出た話でありますから、もう一度御答弁をお願いします。
  77. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) それこそ手のうちを明かすことになるの極みですな、今のお話は。  ですから、そういった意味では、先ほど申し上げましたように、この間申し上げましたように、こういったようなものが考えられるということだけ相手に認識してもらっておかなきゃいかぬところは確か。いざやるということになったら、そういう状況になったら、そのときに対応させていただきたいと存じます。
  78. 渡辺喜美

    ○渡辺喜美君 とにかく、実行可能なんだというメッセージを出していく必要があるんですよ。  日本には、古来、言霊信仰という信仰があるんですね。口から出た言葉には魂が宿る。この魂の宿った言葉が国民の心にすとんと落ちれば非常にハッピーになるという思想ですね。ところが、この言葉に魂がこもっていないということになりますと言葉が空中浮遊してしまう。実行可能なんだという魂を入れた検討をやっていただきたいと思います。  以上、終わります。
  79. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  関税定率法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  80. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、風間君から発言を求められておりますので、これを許します。風間直樹君。
  81. 風間直樹

    ○風間直樹君 私は、ただいま可決されました関税定率法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲民主党・民友会・希望の会、国民民主党・新緑風会、公明党及び日本共産党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     関税定率法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。  一 関税率の改正に当たっては、我が国の貿易をめぐる諸情勢を踏まえ、国民経済的な視点から国内産業、特に農林水産業及び中小企業に及ぼす影響を十分に配慮しつつ、調和のとれた対外経済関係の強化及び国民生活の安定・向上に寄与するよう努めること。  一 輸入消費税の脱税を目的とした金の密輸入を阻止する観点から、税関においては、警察庁等の関係省庁との連携及び情報共有を強化しつつ、一層厳格な水際取締りを行うこと。  一 最近におけるグローバル化の進展やTPP11、日EU・EPAの発効等に伴い、税関業務が増大し、複雑化する中で、適正かつ迅速な税関業務の実現を図り、また、G20大阪サミット等の重要な国際的行事を迎える中、覚醒剤等不正薬物・銃器を始めとした社会悪物品等の国内持込みの阻止など水際におけるテロ・治安維持対策の遂行により、国民の安心・安全を確保するため、取締検査機器等の整備に努めるとともに、高度な専門性を要する職務に従事する税関職員の定員の確保、処遇改善、機構の充実及び職場環境の整備等に特段の努力を払うこと。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  82. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) ただいま風間君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  83. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 全会一致と認めます。よって、風間君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、麻生財務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。麻生財務大臣。
  84. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。
  85. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  86. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  87. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、財務省国際局長武内良樹君外一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  88. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  89. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に日本銀行理事前田栄治君及び同理事内田眞一君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  90. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  91. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  92. 長浜博行

    ○長浜博行君 まず最初に、本法の提案理由説明の中にありましたSDGsについて伺います。  SDGsは、持続可能な開発目標を設定をする、誰一人取り残さない、持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現、これを二〇三〇年までの期限として十七の国際目標を掲げているという、こういうテーマでございます。  SDGsに関して、財務大臣としてどのように認識しておられるのか、教えてください。
  93. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) SDGs、サステーナブル・ディベロップメント・ゴールズというので、あれは頭文字取ってSDGsという単語を使っておりますが、持続可能な開発目標ということで、これは二〇一五年の九月に国連で採択をされたいわゆる国際社会全体の開発目標というように理解をさせていただいております。  その上で、今御指摘のありましたように、誰一人取り残さない社会の実現ということに向けて、経済とか社会とか、また環境をめぐる広範な課題に取り組むものであって、世界中の人づくりとか国づくりに貢献するという観点から、これは重要な目標であろうと認識をしております。  このSDGsにおけるターゲットの中に、例えばユニバーサル・ヘルス・カバレッジ、UHCというものを推進するということで、これは世界銀行と日本政府が特に主にやっておりますし、質の高いインフラの推進、これは日本が提案した言葉がこのまま使われるようになりましたし、それから債務持続可能性の確保ということも、これは貸し出された国が借金漬けになってというような状況を起こさないためにというようなことでこの種の言葉を使わせていただいておりますが、これらはG20の財務トラックの優先課題と既に掲げているものでもあります。  こうした課題への取組を通じて、G20の議長国を今年拝命しておりますので、リーダーシップを発揮しながら、この達成に向けて引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
  94. 長浜博行

    ○長浜博行君 今、最後の部分で言及がありましたけれども、SDGs達成に向けて、ここが提案理由の中に入っていた、本年のG20議長国として日本が国際社会で発揮すべきリーダーシップという言及があったわけでありますけれども、その部分に関して、G20議長国として日本が国際社会で発揮すべきリーダーシップとは何でしょうか。
  95. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) これ、今も申し上げさせていただきましたけれども、このユニバーサル・ヘルス・カバレッジ等々含めまして、この問題に関しましては、既にG20で新たに保健大臣と財務大臣と共同でこの会議を開催するという、これは世界で初めてやらさせていただいておりますし、質の高いインフラという言葉も、これは元々は中国の質の悪いインフラというものに対して対抗して使い始めた言葉ですけれども、これは最近は中国も質の高いインフラというようなことを自分たちで言っていますから、あの人たちの質の高いのと我々の質の高いのとレベルが違うんじゃないかとか、いろいろ意見があるのは確かですけれども、一応そういうことを言うような形までなりつつあるというような形には思っておりますが、引き続きこれは言わなきゃいかぬと思っております。  それから、債務の持続可能性の確保という点ですけれども、この点につきましても、スリランカの例とかいろんな例、各国例がありますけれども、借金漬けになった結果、そのあれが九十九年間の租借になっちゃったり、いろんな形の問題が出てきているのは指摘をされておりますところなので、こういった中での問題を私どもとしてはきちっと引き続きオープンな席でやってまいりたいと考えております。
  96. 長浜博行

    ○長浜博行君 UHCは、世界中の全ての人が生涯を通じて必要なときに基礎的な保健サービスを負担可能な費用で受けられることという、こういう原則がユニバーサル・ヘルス・カバレッジだと思いますので、是非この分野に関して議長国としてのお役を果たしていただければというお願いも申し上げたいというふうに思います。  次に、この増資に併せて行われるIBRDの政策面での改革をどのように評価をされているのか、教えてください。
  97. 武内良樹

    ○政府参考人(武内良樹君) お答え申し上げます。  今回の増資に併せてIBRDの政策面で様々な改革が合意されたところでございますけれども、中でも、IBRDの融資が真に支援が必要な所得の低い国に重点的に行われるよう、所得の高い国に対する支援に関する改革が盛り込まれたことは、日本としても高く評価しているところでございます。  具体的には、IBRDの卒業政策を厳格に適用していくこと、卒業所得基準以上の国に対する融資の割合を縮減していくこと、こうした国々に対する金利を引き上げること等が盛り込まれているところでございます。  日本としましても、世銀がこうした改革を着実に実施していくよう、取り組んでまいりたいと思っているところでございます。
  98. 長浜博行

    ○長浜博行君 卒業基準所得を超えた場合における政策面における、特に先ほど申し上げましたSDGsの十七の国際目標のうちの特に二つの目標に関して、集中的に強調するというか、そういったところはございませんか。
  99. 武内良樹

    ○政府参考人(武内良樹君) お答え申し上げます。  まさにSDGsの目標について、それを右に置きながら世銀が活動していくことは、世銀の今度の増資の中でも合意されているところでございます。我が国としましても、それらについて重点を置いて取り組むよう、引き続きウオッチしていきたいと考えてございます。
  100. 長浜博行

    ○長浜博行君 具体的に言えば、十七の目標のうちの十三番、気候変動、それから五番、ジェンダー等の国際公共財への融資の重点化が指摘されていると思いますが、それでよろしいですか。
  101. 武内良樹

    ○政府参考人(武内良樹君) お答え申し上げます。  SDGsの目標の中にはそれらももちろん入ってございますので、それらも含めてウオッチしてまいりたいと考えてございます。
  102. 長浜博行

    ○長浜博行君 増資に併せて行われるIBRDのガバナンス面での改革をどのように評価されておられますか。
  103. 武内良樹

    ○政府参考人(武内良樹君) お答え申し上げます。  増資に併せて行われるIBRDのガバナンス面での改革、すなわち投票権シェアの調整においては、日本のシェアは増資前の六・八九%から六・八三%に微減するものの、増資前と同じ投票権シェア第二位を維持しているところでございます。これは、中国を始めとする経済成長著しい国が投票権シェアを伸ばす中、投票権シェアの調整に当たっては、経済規模に加え、過去のIDAに対する地道な貢献を十分にしんしゃくすべきとの日本の主張が適切に反映されたものと評価しているところでございます。
  104. 長浜博行

    ○長浜博行君 そうすると、投票権割合の減少は特に影響がないという理解でよろしいですか。
  105. 武内良樹

    ○政府参考人(武内良樹君) 引き続き、日本としてのプレゼンスを十分に維持できる投票権割合を持っているというふうに理解してございます。
  106. 長浜博行

    ○長浜博行君 出資に関する法律上の措置について教えてください。  出資においては法律方式と予算方式とあるようでありますが、この本法案に関しては法律方式ということを取っておられるようですが、これはどう違いますんでしょうか。
  107. 武内良樹

    ○政府参考人(武内良樹君) お答え申し上げます。  国際開発金融機関に対する出資には国会の授権が必要となるところでございますが、その授権の方式には、法律に出資の限度額を規定する法律方式と予算総則において限度額を規定する予算方式とがあり、世銀グループへの出資は法律方式となっているところでございます。  これは、世銀グループに所属する機関への増資については、その規模、世界全体の経済協力における重要性等に鑑み、増資の都度、限度額を明記した法律を国会に提出し、国会の審議を経た上で国会の授権を行う。他方、地域的な国際開発金融機関への出資については、その地域性、増資の頻度に鑑み、当初の出資は法律によるが、二回目の出資については予算により行うとの昭和五十六年四月九日の衆議院大蔵委員会の理事会、昭和六十年六月六日の参議院の大蔵委員会の理事会の了解事項に基づいているところでございます。
  108. 長浜博行

    ○長浜博行君 そのあえて分けている理由を教えてください。
  109. 武内良樹

    ○政府参考人(武内良樹君) お答え申し上げます。  そのときの整理といたしましては、繰り返しになりますけれども、世銀グループの場合には、世界全体の経済協力における重要性等に鑑みて法律方式としたところでございます。他方、地域的な国際開発金融機関につきましては、その地域性、増資の頻度に鑑み、当初は出資は法律によるが、二回目の出資については予算により行うというふうに了解されたというふうに理解しております。
  110. 長浜博行

    ○長浜博行君 本法の第二条の二第十二項の意味について御説明をください。
  111. 武内良樹

    ○政府参考人(武内良樹君) 御指摘の第二条の二第十二項についてでございますけれども、世銀グループへの出資は、先ほど述べたとおり法律方式を取っており、増資の都度、出資額を上乗せしていくために法律に必要な規定を追加するという形を取ってございます。  第二条の二第十二項は、二〇一一年の前回増資時の出資への授権をいただくために追加したものでございます。そして、今回の増資では、第二条の二第十三項を追加し、出資への授権をいただこうとしているものでございます。
  112. 長浜博行

    ○長浜博行君 そうしますと、追加出資の都度、その法定の金額の範囲内において更に出資することができる旨のいわゆる授権規定というふうに理解してよろしいんでしょうか。
  113. 武内良樹

    ○政府参考人(武内良樹君) お答え申し上げます。  委員御指摘のとおりでございます。
  114. 長浜博行

    ○長浜博行君 我が国の出資総額は、この本法が成立をしたとして、どのぐらいになるんでしょうか。
  115. 武内良樹

    ○政府参考人(武内良樹君) IBRDに対する日本の出資については、前回増資までの合計で日本円で約二兆二千億円でございます。
  116. 長浜博行

    ○長浜博行君 ごめんなさい、ドルベースでお願いします。  そうしたら、今まさにおっしゃられた、この我が国の出資総額、つまり実際に払い込んだ額と未払分と言ったらいいんでしょうか、請求払い資本の割合というのはどういうふうになっているんでしょうか。
  117. 武内良樹

    ○政府参考人(武内良樹君) 既に授権をいただいている部分についてで申し上げますと、前回までの増資の合計で日本円で約二兆二千億円の授権をいただいているわけでございますけれども、このうち約二兆六百億円はいわゆる請求払い資本でございまして、実際にはまだ払い込んでいないものでございます。つまり、二兆二千億円のうち二兆六百億円は請求払い資本ということになってございます。
  118. 長浜博行

    ○長浜博行君 そうすると、この本文の中にも書いてある部分でありますけれども、実際に払う金額と、それから払わなければいけない、しかし払う必要がないと、こういうことに関しては大変分かりづらい説明だというふうに思うんですけれども、予算的にすれば、実際に払い込んだ額が重要なのか、あるいは請求払い資本を含めたトータルが重要なのか、その点はどうでしょうか。
  119. 武内良樹

    ○政府参考人(武内良樹君) お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、授権いただく額につきましては、その全部は実際には支払われていないわけでございます。他方で、授権された額が大事であると申しますのは、それをいわゆる信用のバックとして世界銀行が債券等を発行しているところがあるところでございます。何かあればいつでもそれらの額が世銀として手当てできるということが世銀の信用の裏付けとなっているところでございます。  したがいまして、国会にお諮りする場合には、いざとなったときに必要な額についてあらかじめ授権をいただくことが大事だと考えてございます。
  120. 長浜博行

    ○長浜博行君 そうすると、例えば追加出資ということで考えた場合は、新たなる財政支出の可能性はあるんでしょうか。
  121. 武内良樹

    ○政府参考人(武内良樹君) 請求払い部分についてでございますか。請求払い部分について、実際に世銀の方から、これは実際問題としてどのような場合に起こるかと申しますと、IBRDが市場で資金調達を行う際に発行するIBRD債の償還が困難になるという状況で、極めて例外的な場合でございまして、これまで請求されたことはないものでございます。  他方で、仮に万々が一そういうことがあった場合には、その部分、必要な手当てをする必要はあると考えております。
  122. 長浜博行

    ○長浜博行君 確率論では言えないと思うんですが、その想定外の万が一の場合というのはどのぐらいの起こり得る可能性というふうに判断をするんでしょうか。あるいは、もうこれは言葉だけの問題で、そういうことは起こり得ないということで一般の国民は理解をしてよろしいんでしょうか。
  123. 武内良樹

    ○政府参考人(武内良樹君) お答え申し上げます。  これは、委員おっしゃられるとおり、絶対にないということはないかと思いますけれども、他方で、世界銀行等の国際開発金融機関の場合には優先弁済権がございまして、ほかの債権者に比して真っ先に返してもらえるというような権限もございます。そういった中で、IBRD債が実際に返済されないということはほとんど考えられないのではないかと考えております。
  124. 長浜博行

    ○長浜博行君 IBRDの場合は、資金源はやっぱり債券、世銀債券が主体となると思いますけれども、加盟国の出資金はその全体の中における割合とすればどれぐらいのものなんでございましょうか。
  125. 武内良樹

    ○政府参考人(武内良樹君) お答え申し上げます。  IBRDのバランスシートを見ますと、負債、資本の合計が約四十四兆円でございます。そのうち、IBRD債で調達しているものが約二十三兆円、それで加盟国の払込み済み分が約二兆円、それぐらいの数字であります。
  126. 長浜博行

    ○長浜博行君 IBRDの職員数について伺います。  全職員数は何人で、その中で日本人職員はどのぐらいいらっしゃるんでしょうか。
  127. 武内良樹

    ○政府参考人(武内良樹君) お答え申し上げます。  世銀グループ全体で申し上げますと、約六千人を超えるぐらいの数字でございます。そのうち世銀で働く日本人職員は、二〇一八年十二月末現在で二百十三名でございます。
  128. 長浜博行

    ○長浜博行君 これは、出資シェアと比較して職員のシェアは多いんでしょうか、少ないんでしょうか。
  129. 武内良樹

    ○政府参考人(武内良樹君) お答え申し上げます。  日本の出資シェアに比べますと、世銀のグループで見ますと、日本人のシェアというのは三・四%でございますので、先ほど六%ちょっとという投票権のシェアに比べますと少ないところでございます。
  130. 長浜博行

    ○長浜博行君 そうしますと、例えば日本人職員を増やしていこうという、スタッフ増加への政府の対応といいますか、何かされておられますんでしょうか。
  131. 武内良樹

    ○政府参考人(武内良樹君) お答え申し上げます。  世銀やIMFなどの国際機関において活躍する日本人職員を増やすことは重要でありまして、このためにも政府としても優秀な人材を育成するとともに、国際機関における日本人の採用を支援していくことが重要であると考えてございます。  このため、国際機関での採用を念頭に、必要な学位を取得するための奨学金の支給、IMFにおける経済分析手法を習得できるようなワークショップの開催などの取組を行っているところでございます。  また、採用を支援するため、日本人職員の採用につなげるべく、当初の二年間程度の人件費を日本政府が支援する、あるいは世銀やIMFの幹部をヘッドとしたリクルートミッションを毎年日本で開催することを要請するなどの取組を行ってきているところでございます。
  132. 長浜博行

    ○長浜博行君 開発金融総局担当の副総裁は日本人、現在もそうかどうか分かりませんが、そういうふうにも伺っておりますが、第十三代の……
  133. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 時間を過ぎておりますので、おまとめください。
  134. 長浜博行

    ○長浜博行君 それでは、これで終わります。ありがとうございました。
  135. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 国民民主党・新緑風会の大塚耕平でございます。  大臣、私、愛知県地元なんですけれども、地元では自民党、公明党の皆さんを含めて与党の皆さんとも同じ会合で御一緒することが結構ありますが、最近そういう会合で自民党の議員の方のスピーチとか聞いていた中で、やっぱり日本はちょっとどんどん世界から取り残されつつあって、このままじゃ大丈夫かという気がする、だからもっと日本は頑張らなきゃ駄目だと、こういうスピーチをされて拝聴する機会が何回もあったんですけれども、それはそれで私も同感の部分もあって、最近やっぱり、大臣のお立場で聞くのも恐縮ですが、自民党さんの中、あるいは財務省の中でもいいんですけれども、そういう認識が徐々に広まりつつあるという印象を大臣御自身も持っておられますか。  つまり、日本はこのままだとだんだんちょっと世界の潮流から取り残されるとか、あるいは日本だけ貧乏くじを引かされるみたいな、そういうことも含めて、ちょっとそういう論調が党内あるいは財務省内でも強まってきているというような印象を大臣御自身はお持ちになられますか。
  136. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 日本が国際社会の中で孤立化しているかというような御質問でしょうか。少なくともこの六年間で、最初、G20の会合は、あれはロシアでしたか、やったときには、確かにそういった確率は私どもとしては結構持ったところでありますけれども、この一、二年、間違いなく、一番最初にジャパンとぱっと最初に振られるような状況というのはえらく増えてきているように思いますので、このところ極端にそういった流れになってきているというのはこの一、二年間で感じたことはございません。
  137. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 孤立化という意味ではなくて、例えば技術革新とか、世界がトランプを始めややそれぞれ自国ファースト的になっている中で、日本だけが何か気前のいい、人のいい、しかも余り争い事を好まない国として、気が付いたら取り残されているというようなことになりはしないかと、こういう文脈でおっしゃっておられる方が多いんですね。決して孤立化という意味ではないんですが。  そういう観点で、実は、二年前に国際開発協会への出資の件で、この法案審議の際に附帯決議の中に、ちょうどこれトランプが出てきた直後でしたから、まあ従来どおり出資するのはいいけれども、やはり本当に日本だけが貧乏くじ引かされていないか、気前のいいサンタクロースになっていないかということについて、ちゃんと国会にそういう情報を提供するべきであるということで附帯決議に付けさせていただいて、今大臣お手元に持っておられる今回のこのIBRDに対する増資に関連した主要国の動きの資料を事務局から出していただけました。これはこれで一歩前進だと思います。委員長ほか委員の皆さんにもお配りされていると思うんですが。  ここに、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、カナダ、イタリアがどうかということが書かれているんですが、例えば、アメリカは予算教書に盛り込まれている、IBRDに対する増資ですね、それからイギリスは予算に盛り込まれていると。これは、ここまで明言されているということは、これはこれで事実なんでしょうけれども、ただ、イタリアなんかは増資を今後行う予定とか、いろいろ書いてあるんですが、大臣は、この資料を事務方の皆さんがお作りになるときに報告を受けられたり、あるいは、いや、予算教書に盛り込まれているというけど、どこだそれはとか確認をされたりしたとか、そういう経緯はございますか。
  138. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) これ、何回もあります、これまでもこういったのがありましたので。
  139. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 そういうことであれば、これまでもあったということであればなおさらのこと、今後もより充実したこういう資料を出していただきたいんですが。  やはり私、こういう国際機関への出資に関しては、こうやって国会に現時点での各国の状況が出されるようになったのはこれは一歩前進なんですが、その後どうなったかと。例えば、アメリカなんかは議会で予算が結構変わりますから、予算教書に盛り込まれたけど結局議会で削られたとか、いろんなことが起きますので、今後、やはりこのIBRDのみならず、国際機関への出資に関しては、同様のまず事前情報を御報告いただくと同時に、事後的に、それぞれの国が予算が決定した、そして、あるいは今回でいうと、IBRDの決算書が出た後に事後的に実際どうだったかという情報も整理をして報告をやはり事務方の皆さんから委員会にしていただくように希望したいんですが、いかがでございましょうか。
  140. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 一番問題はアメリカですな、ここは最も言うことと議会との意見が割れますので。これまで出資が一番滞ったのはアメリカ。国連も払っていなかった時代が一時期ありましたし、ユネスコ等々、いずれもそういったのが随分ありましたんですが、このところに関しましては、今回はデービッド・マルパスというのがこれの総裁になりますので、これはアメリカから出しますので当然これはやりますし、これもやると言って、世銀のまだ総裁になっておりませんけれども、なる予定、ほかに対抗馬が出ませんでしたので、四月で多分これなるんだと思いますけれども、今回の場合は間違いなくそこのところは、財務省の財務官が世銀の総裁になりますので、きちんとした対応が出てくるんだと、今回はそう思っておりますけど。  アメリカの場合は、これまでも、これ以外のも出資のときに、IMFとかその他のことに関しましても随分もめたことが過去にありますので、この数年間見ましても、きちんとフォローをさせていただかにゃいかぬと思いますので、御要望の点については十分に対応させていただきます。
  141. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 ありがとうございます。是非的確に御対応いただきたいと思います。  その上で、さらにお伺いしたいんですが、アメリカは、御承知のとおり、トランプになってからもう幾つもの国際機関から現に脱退しています、国連関係の機関も含めてですね。そうすると、そこに対する今まで出資していたものは、アメリカはやめちゃっているわけですから、日本はそこに引き続き出資し続けたり協力をするという、こういう流れが今あるわけですね。  ほかの国際機関の話までは今日はいたしませんが、このIBRDについても、今はアメリカはこれも参加して、現にこれから総裁が出るからいいんですが、じゃ、アメリカ以外のことも含めて、日本がこういう国際的な潮流の中で貧乏くじを引かないためにどういう点に留意をしなくてはならないかという観点から、二、三お伺いをしたいと思います。  例えば、大臣のお手元にやはり役所のこの説明資料おありだと思うんですが、これは各委員、皆さん、これで説明をされていると思うんですが、例えば政策面の改革ということで、「所得の高い国(中国、ブラジル等)への支援の伸びは全体の伸びを下回る約四五%に抑制。」と書いてあるんですね。ということは、これまだ中国にIBRDは支援をするということになっているんですね、この説明上は。  日本はそこにこれからまた増資もするわけですよ。ところが、お金に色はないですから、これが巡り巡って空母や揚陸艦の予算に回されては、一体何のために日本が増資しているか分からないわけでありますので、大臣がもし御認識をしておられればお伺いしたいですし、御認識なければ、武内局長後ろにおられるので、ちょっと情報を聞いていただいて御答弁いただきたいんですが、中国への支援の伸びは全体の伸びを下回る約四五%に抑制ということは、今後、前年比四五%以上の支援をIBRDは中国にするということですか。
  142. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) これは、デービッド・マルパスという人が今回の世銀の総裁に立候補するに当たって最初に支援を求めてきたのが日本だと思いますが、出資比率も高い日本に来たということだと思いますけれども。  私どもとして、デービッド・マルパスという人は、これは御存じかと思いますけど、えらく反中の意識のやたら強い人で、ちょっとアメリカじゃ珍しく極端でしたから、ほおっと思っていたんですけれども、昔から、民主党の時代からそういう人だったので、今回のときもこの点についてははっきりさせておいてもらわにゃいかぬと言ったらもうノープロブレムと言って、それは極めて明確なところになっておりましたので、そこのところは私どもも、何も日本だけが言っているんじゃなくて、少なくとも卒業してもらおうというようなところが幾つもありますので、その中でも中国は一番ということを申し上げてきておりますので、この点に関しましてはそういった方向で事は進んでいくだろうと。少なくとも、今までのジム・キムに比べればはるかにはっきりしていると思っております。
  143. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 やはり、今の中国の状況、そして立ち振る舞いからしたら、当然卒業してもらうのが筋だと思いますし、しかし、ここには、中国への支援の伸びは全体の伸びを下回る約四五%に抑制と書いてあるんですね。ちょっとびっくりです、これは。  是非、そういうところも含めて大臣から事務方の皆さんに要所要所で御指導いただかないと、国際機関ないしは他国と交渉していると何となく非常にエスタブリッシュメントな気分になっちゃって、従来どおりの要求をされて、それが日本として当然ですねみたいなことを官僚やシェルパの皆さんはされる傾向が私はあると思っていまして、それはそれでいいことなんですが。しかし、そういうときにきちっと物を言って、場合によっては断ることは断る、そして、そこで嫌なことを言われても、いや、それが仕事なんだという国際交渉の仕方をしていただかないと、いや、本当に何か何のために増資して日本のお金を出しているんだか分からなくなりますので、是非御指導をよろしくお願いしたいと思います。  その上でもう一つお伺いしたいのは、今回、その増資額の一割がドル建てで、しかも、このドルの部分は出資国債でも払込みを可能にしたという説明を受けましたが、これはどういう背景でこうなったのかをお聞かせください。
  144. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) IBRDへの払込資本の話だと思いますけれども、この払い込まれるいわゆるお金、通貨のことですけれども、これは市場で信用力がある、例えば円とかマルクとかユーロとかいろいろあるんだと思いますけれども、その自由利用可能通貨というのは指定されているので、米ドルとか円というのはこれに該当をするということだと存じます。  払込みの方法なんですけれども、これまではアメリカ・ドル以外は、自由利用可能通貨につきましては、IBRDの財務上必ずしも直ちに必要とされないという場合がありますことから、出資国債、出資の国の債券での払込みは認められていたんですが、その一方で、一割につきましては、市場で最も流通しているアメリカ・ドルというものを現金で払うということを決められておりました。  それに対して、今回の増資においては、IBRDの決定でこの部分の米ドルも出資国債で払い込むということも認められておりますので、一割の部分も出資国債ということで払い込まれるというのが認められたということですが、これは、必要であれば迅速に米ドルに現金として換金できるということができるということと、出資側にとりましては、出資する際に直ちにいわゆる米ドルの現金を準備するという必要がなくなりましたので、その国にとりましては資金繰り、外貨準備の資金繰りに余裕を持たせることができるということで、IBRDにとりましても出資国側にいたしても、双方でメリットがあるということでこういうふうになったのだと理解をいたしております。
  145. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 この説明を事務方の皆さんから聞いたときに、背景どうですかと、どういう背景でこうなったんですかとお伺いしたら、必ずしも十分な情報は持っておられなかったので私の想像を申し上げたんですけどね。  これ、やっぱり水面下で国際機関のヘゲモニー争いが当然行われているわけで、当然中国は影響力を強めたいと思っていると。そういう中で、アメリカはやはり基軸通貨を維持したいと思っているし、中国は基軸通貨になりたいと思っている。しかも、アメリカはできるだけ中国にも出資させようとして負担を負わせようとすると。負うのはいいけれども、中国にしてみたら、これ交渉事ですから、出資を自分たちも負う場合にどういうメリットを取ってくるかと。アメリカはまたそれにかぶせて、そのうちの一部はドルで払えというのは、これはアメリカの国益にかないますから。多分、僕が中国の交渉官だったら、分かりましたと、じゃ、全体の一割はドル建てということにするのは結構だけれども、その部分は自国の出資国債で払えるようにしてくれというと、これはこれで中国としても得る部分があるわけですね、レンミンビーの地位の問題も含めて。  だから、多分、そういう水面下のいろんな交渉があった結果だけを日本は聞かされて、こうなりましたのでこうしてくださいと言われるような説明のされ方ではもう今後は駄目じゃないですかということは申し上げておきました。  だから、これが、さっき申し上げたように、もう世界は相当変わってきている中で日本だけが情報過疎に置かれていないかと。在外公館や国際機関との交渉の矢面に立つ人たちも、情報を取るソースも含めて、一体自分たちの知らないところで何が起きていてこういうことになったのかということについてより緊張感を持って情報収集していただかないと、なぜこうなったのかということを我々聞いても、いや、よく分かりませんということでは、これは本当に気が付いたら日本だけが貧乏くじ引いていたということになりかねませんので。  今のは想像の話ですので、実際はどうだかは分かりませんので、一応そのことだけお伝えをして、あと、もし感想があればお伺いして終わりにしたいと思います。
  146. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 基本的に、今言われたように情報収集ということで、これは、その中の事務局に日本人の職員がいる、中国人の職員がいる等々のものもあるんだとは思いますけれども、この種の話は、かなり一部の人間で限られた情報だけで動く場合と、みんなで共有して何となくオープンでやる場合と二通りありますので、ちょっと何とも申し上げられませんけれども、情報収集ということに関しましては、これはもう常にこの業界というか、この種の世界ではこれが一番の力になりますので、情報収集能力、信用力、この二つだけは引き続き持っておかにゃいかぬので、信用力は日本はあることは確かなので、情報収集能力に関しましては引き続き更に努力をさせねばならぬところだと思っております。
  147. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 終わります。
  148. 中山恭子

    ○中山恭子君 日本維新の会・希望の党、中山でございます。  国際復興銀行、IBRD、つい世銀と言ってしまいたいところなんですが、世銀の融資と聞きましたときには、素直に有り難いという思いがいたします。さきの東京オリンピックの頃、昭和三十九年以前からですが、羽田までの高速道路ができ、新幹線が開通しました。これらが可能になりましたのは、世銀からの融資があったからでございます。そして、このときから日本の経済発展が始まりました。現在も、IBRDの途上国支援というものが世界の各地域の経済発展に大きく寄与していると考えております。  今回の増資につきましては、これまでにも各委員の方々からいろいろ御指摘がありますけれども、IBRDの増資、これはどのようなタイミングで増資が行われているものなのでしょうか。前回の増資はいつだったでしょうか。
  149. 武内良樹

    ○政府参考人(武内良樹君) お答え申し上げます。  今回のIBRD増資は、二〇一五年に合意された持続可能な開発目標、SDGsの達成に必要な途上国の膨大な資金需要を踏まえ、国際的な開発支援の中核的な機関である世界銀行の資金基盤を強化し、途上国支援強化をしていくために行われるものでございます。すなわち、SDGsの達成に向けての必要な額を確保するということで合意されたところでございます。  もう一つ御質問をいただきました前回についてでございますけれども、前回のIBRD増資は、リーマン・ショック後の世界的な経済危機への対応のために二〇一一年に実施しているところでございます。
  150. 中山恭子

    ○中山恭子君 世界の経済情勢に合わせて動いているということだと考えております。  今回、先ほど長浜委員からもお話ありましたけれども、この増資によって世銀の方では政策を非常に大きく変えていくということが先ほどの資料でも発表されております。私自身も、大塚委員からお話がありましたが、中国への支援がまだ続いているのかという非常に不思議な思いと、なぜ止められないのかなという、そういう不思議な思いがございます。  ただ、今回のこの増資で、所得の低い国、インド、フィリピン、インドネシア、スリランカ等への支援を大幅に増加するということでございまして、オリンピックの頃に日本が受けた支援を考えますと、これらのアジア諸国がこの支援によって大きく変化し発展していくということは期待できると考えておりますが、この辺の世銀の支援政策についてどのようにお考えか、お知らせください。
  151. 武内良樹

    ○政府参考人(武内良樹君) お答え申し上げます。  世界銀行、今回の増資に当たりましては、政策面で、今委員からも御指摘がありましたように、より貧しい国にたくさんお金が行くようにということで配慮しているところでございます。そして、その実際の融資の内容でございますけれども、それにつきましても、SDGsの達成のためということで、例えばユニバーサル・ヘルス・カバレッジだとか、質の高いインフラだとか、債務の持続可能性の確保だとか、そういった貧しい国々が真に助けられるような支援に重点が置かれるものと考えているところでございます。
  152. 中山恭子

    ○中山恭子君 さらに、この出資金、出資とそれから投票シェア、投票権が出資シェアと絡んでいるということでございますが、先ほどは世銀の場合にはまだまだ第二位のポジションを維持しているということですけれども、IMFの方についてはもう三位の中国とほぼ同じくらいの出資シェアになっていると思いますが、IMFについてはどのようにお考えでしょうか。
  153. 武内良樹

    ○政府参考人(武内良樹君) お答え申し上げます。  世銀については第二位と申し上げました。IMFにつきましても、日本の出資シェアは六・四八%と、二位でございます。ちなみに、中国は現在六・四一%ということでございます。
  154. 中山恭子

    ○中山恭子君 次の出資の場合には中国にも抜かれるのかなという印象が非常に強くございます。そのためには、日本の経済をしっかりと成長させていくということが非常に重要になってくると考えておりますが。  今日、世界銀行とそれからIMFの人の表を配付いたしました。これ、財務省資料ですけれども、世銀グループの中では日本が二百十三人、それからIMFが六十一人だったと思います。個人的には、私自身、一九七五年から七八年まで、もう既に四十年以上も前のことですけれども、三年間、IMFで勤務いたしました。その頃に比べれば随分増えたなという印象でございます。ただ、日本人職員、当時は旧大蔵省と日銀からの出向者がほとんどでございまして、直接IMFが採用した日本人というのはごく僅かでございました。現在、そういうIMFや世銀が直接採用する職員というのが増えて、随分と増えてきているとは思いますけれども、先ほどの出資シェアに比べるとまだまだ日本人職員は少ないと言えるのだと思っております。  世銀やIMFの日本人職員の中で、特に先ほどからIMFの動きや世銀の動きをきちんと察知できていないのではないかというようなお話がありますけれども、きちんと情報を得て、IMFの動き、世銀の動きを、日本として動きそのものに参加するためには、世銀やIMFの中でその主要なポストに日本人が就いているということが重要であろうと考えております。  今、財務省から相当の数の人数が出向していることとは思いますが、例えば世銀の中で主要なポストというのはどのような形で日本人が持っているのか、お知らせください。
  155. 武内良樹

    ○政府参考人(武内良樹君) お答え申し上げます。  世界銀行における幹部職員について、日本人がどれぐらいいるのかという御質問でありました。  例えば、世銀グループで見ますと、局長級以上のポストというのが二百八十八名ございます。そのうち日本人職員は八名で、日本人の割合は二・七八%でございます。また、課長級で申し上げますと、千七百七十二名いるところ日本人職員は二十名ということで、割合としては一・一三%と、非常に低いのが現状でございます。
  156. 中山恭子

    ○中山恭子君 例えば、世銀でも地球環境ファシリティー事務局長を石井菜穂子さんが務めているとか、相当頑張って働いてくださっている若い職員、私から見ると若い日本の職員が、頼もしく思っておりますけれども、例えばIMFでも専務理事を日本が取っているというふうに聞いて、すばらしい動きだと思いますけれども、なおなお少ない。  こういった世銀グループやIMFで重要なポストを拡大するためにどのような施策が必要だとお考えでしょうか。
  157. 武内良樹

    ○政府参考人(武内良樹君) お答え申し上げます。  世銀やIMFなどの国際機関において活躍する日本人の職員を増やすのは大変に重要なことでございますし、なかんずくその幹部のポストにもできるだけ多くの日本人が就くことが大事なことかと思っております。  他方で、日本人の場合には、国際機関での昇進に必要な学位を取っている人の数が少ないこと、あるいはIMFならIMFとしての経済分析手法、独特のものがございますけれども、そういうものを習熟している者が少ないこと、そういったことが一つの人数がなかなか増えない理由かと思っております。  そういった中で、採用を支援するために、例えば、日本人職員の採用につなげるべく、当初の二年間は人件費を日本政府が支援し、それでその後は正規に雇ってもらって中での昇進を図っていくような試みなどもしておりますし、それから、世銀やIMFの幹部がヘッドとしてリクルートミッションに来ていただくことを、毎年日本に来ていただくことを要請しているところでありますし、そういった努力を引き続きやっていきたいと思っております。
  158. 中山恭子

    ○中山恭子君 まず、やはり日本での就職の在り方と国際機関の職員の採用の在り方が全く違っているというところが大きな問題なのだろうと考えております。  日本では、大学卒業してすぐにもう社会に出て就職していく。ただ、国際機関、特にIMFや世界銀行でのいわゆる幹部職員というものは、当時でもほとんどPhDを持った人々でございました。いわゆるキャリアと言われる職員たちですが、エコノミストとかロイヤーとか、このメンバーは採用されてすぐにもう個室を持ち、セクレタリーが付きます。日本の職場とは全く違うわけでございまして、その職員たちというのはほとんど、ほとんどというか、全員でしょうか、PhDを持っておりました。PhDなしでそういった幹部職員に採用されるということは、今はどうでしょう、ほとんどないのではなかろうかと考えております。  では、日本では、大卒で就職して、そこから例えば出向する場合にも、私自身のときもそうでしたが、大卒、マスターも持っていない、PhDも持っていない大蔵省職員は、IMFが採用するときに、それをどうやってPhDを持った人々と同等の、給与も含めてですが、ポジションを与えるのかというのは、秘書課とIMFの人事課の間で大きな議論があって、最終的にはPhDを持つ職員と同じ待遇を取ってくれましたけれども、でも、あのときの苦労といいましょうか、いろんな議論を考えますと、日本での就職が大卒、場合によっては修士持っているかもしれませんが、そういう人を財務省が採用してIMFに出向させるという場合、PhDがないまま出向する。  今、留学生を大変大事にしているというお話でしたけれども、留学の期間が二年間だとすると、マスターを持ってアメリカに行って二年でPhDを取れということは大変難しい。学士で向こうに行ってPhDを二年ではもう決して取れない、無理な話でございます。  であれば、こういう職員、国際機関、非常に日本にとっても重要な経済国際機関に日本人を採用させるというためには、数年間の留学期間を特別に設けるとか、又はそれ用の人材を当初からプラスアルファで採用しておくとか、そういったことが非常に大事な、採用自体を変えていく、留学制度を変えていく必要があると考えておりますが、これについてはどのようにお考えでしょうか。局長か大臣か、お答えいただけたらと思います。
  159. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 財務省に限りませんけれども、今、国際機関に継続的に派遣するということは、これは国内に戻ってからも大いに役に立つような時代になりつつあるように思いますね。昔は英語屋といったら大体アウトですから。ほとんど出世することはありませんでしたから。事実でしょう、役人経験者がおられますから、よく御存じのとおりですよ。なりませんでしたから。それが事実だと思いますけど、今は少なくともそういったものは変わってきたなとは思ってはおります。  いずれにいたしましても、将来にわたって、税制とか財政とか国際金融とか、そういった多様な業務を担う人材というのを我々としてはいろいろな形で採用させてもらって育成をしようとしておりますので、国際機関に送り出すための人材を確保するというだけで焦点を絞っているというわけではありません。そういったわけではないんですが、少なくとも採用させていただくときに当たって、国際的な分野で活用する、これ、興味があるないというのは非常に大きなところなんですけれども、そういった分野に関心の高い優秀な人材の採用に今精力的に取り組んでいるというところだろうと思っております。  少なくとも、今言われましたように、BAじゃなくて、MAでも怪しいですね、やっぱり最低PhDみたいな話になってきているように思いますし、いろんなところでPhDというものの値打ちというのが国際機関の中においては一つのスタンダードとして使われているものなものですから、これをやっぱり持っていないと、その分だけ最初から、はなから学卒と高卒ぐらいの初任給の差が出るとか、いろんな形が出ますので、そういった意味では、MAを持っておいた上でPhDという話になっていかにゃいかぬところなんだとは思いますけれども。  少なくとも、今後とも、経済学とかそういった意味で専門的な知見を持った職員の養成というのに取り組んでいるんですけれども、いわゆる技術屋の方は結構PhDというのは日本でもこのところ猛烈増えてきております。会社の採用を見ましても、間違いなくPhDを持った人の社員というものの給料が違ったりしていますから、PhDとかMAというのは結構それなりに技術屋の方には出てきているとは、最近の採用を見てもそう思いますけれどもね。事務屋の方は、文系の方はなかなかさようなわけにはいっていないような感じがしておりますので、そういった意味では、なかなかそれに対する需要がないということもあるし、会社側もそれを求めていない、社会もそれを求めていないというところもあるんだと思いますけれども。  少なくとも、国際機関の中においてはこの学歴というのは結構大きな差だと思っておりますので、いわゆる職員の採用というものをこっちからやっていくときには、その種のものを含めてやらせることを考えないとなかなかうまくいかないんだと思っておりますので。これは、ただでさえ言葉というものもありますし、加えてもう一つ学位というものが付いてきますので、なかなかそこのところは難しいとは思いますけれども。  中山先生が出られた頃と比べりゃ、今は少なくとも数%台まで上がってきていますので、そういった意味では結構なものになってきていると思いますけど、引き続きこれは努力をしていかねばならぬところだと思っております。
  160. 中山恭子

    ○中山恭子君 経済がこれだけ国際化して、全て国際社会の中での政策取りというのが非常に大事になってきますし、その場合、何といっても人でございますので……
  161. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 時間が過ぎておりますので、おまとめください。
  162. 中山恭子

    ○中山恭子君 はい。  十分気を付けて採用などをお考えいただきたいと思っております。  ありがとうございました。
  163. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 この時間は、G20に関係して、この間、注目が集まっておりますデジタルエコノミーへの課税問題を質問させていただきます。  先ほど配付した資料の二枚目以降なんですけれども、デジタルエコノミーというのは、IT、通信情報関連で広い概念の、そこに携わる産業、経済の問題ですが、ネット通販とかSNSとかインターネットビジネスなどをめぐる課税問題でございます。  デジタル課税と言われておりまして、特にこの間は、アメリカの大手のIT企業、GAFAと言われておりますが、GAFA、Gはグーグル、Aはアマゾン、Fはフェイスブック、最後のAはアップルと、これを略称してGAFAと呼ばれておりまして、このGAFA、アメリカの大手ITが市場を独占して情報を握っている、利益を独占しているということが問題になってきておりまして、これは政府や与党の中でも議論が進んでいるようでございます。自民党の中でも、党の競争政策調査会ですか、検討を始められて、提言を発表するというふうに進んでいると報道がされております。とにかく、このGAFAによるデータの独占とか優越的地位の濫用の問題もありました。あと、個人情報、プライバシーの侵害、そして税逃れの問題がこの間問題になってきたわけでございます。  その中で、今年の六月のG20大阪サミットに向けて、こういうデジタルエコノミー、IT大手に対する課税が大きくクローズアップされて、議長国が日本でございますので、日本の対応も含めて注目が集まっているというようなことだと思います。G20に向けてどう対応していくのかというところが問われているわけでございますけれども、まず、政府参考人で結構ですが、基本的な問題をお聞きいたします。  このデジタルエコノミーにおける課税問題で何が今議論になっているかといいますか、何が問題になっていて、どう議論を進めようという段階になっているか。G20では、今年中間まとめをして、来年に解決策、打開策を示す方向に進んでいるとお聞きしておりますけれど、資料二ございますが、キーコンセプトに係る国際課税原則の見直しというところに、配っておきましたけれども、論点のポイントですね、分かりやすく簡潔に説明をしてほしいと思います。
  164. 星野次彦

    ○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。  デジタルエコノミー、経済の電子化に伴う課税上の課題につきましては、ただいま委員からも御指摘ございましたとおり、昨年、G20におきまして、二〇二〇年までにコンセンサスに基づく解決策を追求することが合意をされておりまして、現在、OECDを中心として国際的に議論が進められているところでございます。  近年、経済のデジタル化が進展したことによりまして、外国企業が自国内に恒久的施設、いわゆるPEを有さずに事業を行うことができるようになってきているわけでございます。しかしながら、現在の国際課税制度、原則では、外国企業の事業所得に課税するためには自国内にPEが存在することが必要とされております。  このため、PEなく事業を行っている外国企業の事業所得にどのような形で課税できるようにするかといった点、これが中心的な課題でございますけれども、この点について議論を行っているところでございます。
  165. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 三枚目の資料でございますけれども、なかなか今は課税がしづらいというのは説明あったとおりなんですが、じゃ、どうしていくかということで、これは、OECDが今年二月に公表した経済の電子化に伴う課税上の課題に関するコンサルテーションペーパーだから、検討事項というんですか、協議事項というようなことだというふうに思います。  このペーパーの概要も若干触れてもらいながらで結構ですけれど、真ん中辺りにありますが、具体的に三つの提案が紹介されております。これは大変大事な中身でございますので、この三つの提案を中心にちょっと解説をお願いしたいと思います。
  166. 星野次彦

    ○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。  先日御指摘がございました、配付されております、OECDが経済の電子化に伴う課税上の課題に関するコンサルテーションペーパーということで複数の考え方も含めて公表しておりまして、経済界等の民間部門からも意見を聴取したところでございます。  このコンサルテーションペーパーでは、解決策として二つの柱が提示をされております。一つ目が、市場国又はデジタルサービスのユーザーがいる国に多国籍企業の所得に対する課税権を配分するように国際課税原則を見直すものでございます。二つ目が、他国が多国籍企業の所得に低い税率しか課していない場合又は全て無税にしているといったような場合に、税源浸食を受けている国に課税権を認めるというものでございます。  特にこの一つ目の柱につきまして詳しく申し上げますと、各国の非居住者たる企業に対する課税権の根拠、あと課税権の決定ルールをどうするかという、これはネクサス原則と呼んでおりますけれども、これと、課税対象の所得の算定及び配分を決める利益配分原則、これについて三つの案が出ております。  一つ目がユーザーパーティシペーションというものでございまして、これはイギリスから提案されているんですけれども、検索エンジンやソーシャル・ネットワーク・サービスの使用といった電子化されたビジネスに対するユーザーの貢献、これに着目して、ユーザーの参加に根拠を求めるという考え方が一つ。それから二つ目が、これはアメリカが提案しているものですけれども、マーケティング活動ですとか、あと投資を行うことによって、例えば顧客基盤をつくるといったようなことで何らかの市場をつくっていく、そういうマーケティングによって発生した無形資産、これに着目するという考え方、マーケティングインタンジブルと呼ばれておりますけれども、その考え方が二つ目。それから三つ目が、インドなどの開発途上国が唱えておりますけれども、一定の売上高といった重要な経済的存在、これを認定するという、このいずれかの考え方又は複数の考え方を踏まえて改定することが検討をされております。  今回公表された各提案につきまして、民間部門から出された意見も取り入れながら、日本も参加して、OECDを中心に更に検討を進めていくこととなっているところでございます。
  167. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 なかなか分かりにくいところがあるんですけど、この二つ目のマーケティング上の無形資産、これがこれから重要になるかと思うんですけれど、まずこの意味なんですけど、何に課税するかというところの意味なんですけれども、この無形資産というのは、ちょっと平たくというか分かりやすく言うと、その企業のブランド力といいますか、あるいはその顧客データとか、そういう無形資産のことかなと思うんですけど、これなかなか規定をするのが難しいところもあるかと思うんですけれど、もうちょっと踏み込んで言うとどういうふうに課税しようということになるんでしょうかね、この無形資産というのは。
  168. 星野次彦

    ○政府参考人(星野次彦君) どこの範囲になるかということについては、これはまだ議論をしている最中でございまして、どこまでかということはなかなか申し上げられないんですけれども、例えば、その上のユーザーの参加と比較をしますと、イギリス提案のその一つ目の方は高度な電子化されたビジネスに限定した議論になっているわけですけれども、この二番目につきましては、マーケティング上の無形資産ということで、先ほど申し上げましたけれども、企業が利益を上げるために顧客基盤などのそういったマーケットをまさにつくっていかないといけないと、したがって、特定の市場に密着、特化した企業のマーケティング活動や投資に着目をして、それによって生じた利益に対する課税権を市場国に対して配分をするという考え方でございます。  その範囲が具体的にどうかというのは、まさにこれからその範囲を詰めていくというようなことで、OECDで今議論が更に続けられるということだというふうに理解をしております。
  169. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 全体としてこの問題は、巨大なIT企業を抱えておりますアメリカと、中国もそうですね、アリババグループがありますので、そういうところがやっぱりこういう国際課税のルールを作るのに今まで否定的だったわけでありますよね。その中で、アメリカがこのマーケティング上の無形資産を中心に提案もしてくるというのは、アメリカも含めた提案が示されてくるというのは一定前進じゃないかなというふうなことは思うわけでありますけれども。  アメリカの対応については、これも新聞報道ベースしか分からないんですけれども、この今御説明あった、マーケティングなどを通じてつくられた無形資産に着目して、そこから得られる収益に課税ということになりますと、アメリカ、中国などの市場規模の大きい国ほど税収も増えるということもあるかということもアメリカが考えている、念頭にもあるかと思うんですが、このアメリカの姿勢の変化といいますか、その辺は財務省としていかがお考えでしょうか。
  170. 星野次彦

    ○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。  評価についてなかなか申し上げることはあれですけれども、現時点でのアメリカの議論に対する参加の状況を申し上げますと、OECDの中で、例えばアメリカの財務相、フランスとともに電子経済タスクフォースの共同議長を務めているというようなことで、先ほど申し上げたこの二つ目のマーケティングインタンジブルの考え方を提示するといったようなことで貢献をしておりますし、例えば、昨年十月にムニューシン・アメリカ財務長官は電子経済課税に係るステートメントを出しておられまして、その中で電子経済課税の問題について、早期に進捗を図るため、OECDでの努力を継続するよう指示したということで述べておりまして、議論に積極的に参加をしている状況と認識をしております。  日本としても、アメリカ、あと各国とも協議をしながら、引き続き国際的な議論に貢献してまいりたいと考えております。
  171. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 やっぱりこの国際課税の問題は何度も、多国籍企業が税逃れしているということを、きちっと税を取るべきだということで、BEPSの問題も含めて何度もこの委員会で取り上げさせてきていただいておりますけど、その流れで見ますと、今回のこのコンセンサスは今までなかった話でございますので、大きく前進してきているんではないかというふうに思います。  ただ、課税権が奪われている国々にとっては国際課税ルールが決まるまで待てないということもありまして、フランス、イギリス、イタリアですかね、独自に課税へ踏み出しております。フランスでは、年間六百四十億円、日本円にすると。最初は四億ユーロですかね、これも済みません、報道ベースなんですけれども。最初は四億ユーロ、その後五億ユーロ、つまり六百四十億円になるような課税策を独自で打ち出してきているということでございます。こういう独自の取組も、日本もそうですけど、課税権奪われておりますので、独自の取組もあるかと思います。  資料の最後に配付したのは、日本にも相当このGAFAが、商売やっているということで大きなシェアを占めているということでございます。GAFAは日本に拠点を持っていますが、合同会社ということで決算報告は公表されないと、フェイスブックは日本に株式法人持っているようですけれども、基本的に決算報告は公表されないとか、売上高、法人税額、基礎的なデータさえ明らかにされていないということがあります。  したがって、こういうところが日本のユーザー相手にやっているビジネスについては課税できないということで、逆に言えば、日本が受け取るべき税収が、巨額の税収が海外に流れているという問題で、日本としても税収確保のために努力していく必要があると思います。  最後に麻生大臣にお聞きしますが、G20の議長国としてこの国際課税ルールを一歩前に進めるまとめ役の努力をしていく必要があると思いますし、また日本独自としても、自身としても、この問題いろいろ取組を強化する必要があるかというふうに思いますが、その両面で頑張っていく必要があるかと思うんですけど、麻生大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
  172. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) これはもう経済の電子化という大きな話なんですけれども、これ、日本が六年前から主張してこれは始まったんですけれども、これに伴う課税上の課題について二〇二〇年までにグローバルな長期的解決策を取りまとめろということで、OECDとかそれからG20とかにおいてこれ議論を進めさせていただいておるのが今現状です。  今先生御指摘のありましたように、これ、フランス等がもうOECDというかEUの中で先頭を切ってこれ走って今出しているんですけれども、これ、あくまでもこれは一か国でやったってとても対応できる話じゃありませんから、いわゆるグローバルな長期的な解決というやつを実現するまでの暫定的な措置とでもいうんですかね、そういったような段階のところだというように私どもは承知をしておるんですけれども。いわゆる、フランスではデジタル企業の売上高に三%の税を課すという、まあ大デジタル企業課税法とか、いいかげんな名前がくっついているぐらいいいかげんな話なんですが、ばくっと、これしかというのでやり始めたので。一応閣議で承認もされていますし、そういった意味では議会に提出したんだと聞いておりますけれども。  少なくとも日本としては、G20の議長国なんですが、これ、来年のG20というのは御存じのようにサウジアラビアでやるものだから、とてもこの種のことが対応できるあれはないからとにかく今年中にやれという話は、これは先進七か国の財務大臣からやたらこの話は来ている話だったんで、今まで余りこの話に乗ってきていなかったアメリカも、これ態度がころっとこの数年、まあ一年ぐらい、変わってきているように思いますので、国内におきましても、これ他国の動向を注視しつつ、いろんなことをやっていかにゃいかぬと思っていますが。  OECDとアメリカとも随分ずれがあったように思いますけれども、そこの調整をするのは日本しかないということで今いろいろやらさせていただいているという状況でありまして、数年前に比べりゃえらく前に進んできたとは思いますけど、まだまだ、とても大きな話なものですから、百二十か国、三十か国ぐらいまでこれ入ってくるところまでなりましたんで、大分逃げられないところにぐっと来ているとは思っておりますけれども、きちんとしたものをやるまでもう少しちょっと時間をいただいて、丁寧に詰めさせていただきたいと思っております。
  173. 大門実紀史

    ○大門実紀史君 終わります。
  174. 渡辺喜美

    ○渡辺喜美君 日本は世界一の借金大国だという宣伝はよくなされるわけであります。  お手元に、IMF、日本からも財務省の出向者が行っておりますが、これは、昨年十月にIMFが発表した国別の各国政府の資産と負債のバランスシート番付表であります。これは一般政府、中央政府プラス地方政府。実はIMFはもう一枚別のこういう番付表を発表しておりまして、そちらの方は統合政府、つまり中央銀行も含めたもので作っておるんですが、ここでは中央銀行を入れないグラフを出しております。これを作ったときには恐らく二〇〇%でこの中に入るだろうと思ったんでしょうね。ところが、どっちも二〇〇%に入らないというわけで、日本だけが突出をしてしまっている。  世界一の借金大国というのはよく聞くんですが、実は世界一の資産大国でもあるというわけですよ。こんなどでかい資産を持っている国はどこにもないですね、これ。アメリカ、日本の三つ下ですか。日本、ポーランド、アメリカ。アメリカはこの程度なんですね。  実は、国家財政のバランスシートというのは日本がかなり早く作り始めております。私が一年生のときに財投改革というのをやったわけでありますが、その頃から内々バランスシート作りが始まっていた。しかし、バランスシートを公表されているのに大々的に宣伝されたことが全くない。一方、正しいアプローチをIMFはしていると思いますね。やっぱり資産と負債というのは両建てできちんと発表していくということが大事なんですよ。  いかがでしょうか、大臣、このグラフ御覧になって、どういう御所見をお持ちでしょうか。
  175. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) これ、渡辺先生御指摘のこの資産の話ですけれども、これ、比較貸借対照表という、いわゆるバランスシートを見ました場合に、金を借りている額の実態より、それに見合う資産があるかないかと。町の小さな工場が一千万借りているといえば大変でしょうけれども、それに見合う資産があるということになりますと、大きな企業が一千億借りていても、それに見合う資産が二千億あればという話で、バランスシートというのはそういうものだという話を言っておられるんだと思うんですけれども。  これは間違いなく、総資産というものから総債務を引いたネットの債務のGDP比という話で踏まえて、財政に問題がないということの御主張をしておられるのだと思いますけれども、ただ、これ、日本が持っております公的資産の、所有する資産というのは、この中には道路とかダムとかいろんな公共財産というものがありますので、こういったものは御存じのように流動性はありませんし、売却は困難、不可能ということになろうと思いますし、また、金融資産というものにつきましても、これは年金資産とかその他外為の持っております外貨準備などいろいろありますのは御存じのとおりなんで、これを換金して財源に活用するということもこれはできぬということになりますので、そういった点を留意していく必要があると、これはIMFの報告書にも書いてあるところだと思っております。  したがいまして、財政政策においてグロスの債務残高の評価というものが重要であることには変わりはないということも指摘をされているというのがこのペーパー出された背景だと思いますが、日本につきましては、グロスの財務統計がGDPの二倍程度というのは、これは他の先進国に比べましても極めて厳しい状況にあるということはもう間違いないところなんで、私どもとしては財政健全化というものに向けて引き続きやり続けていくということで、これをもってもうバランスシートはいいんじゃないかというような簡単なものではないと考えております。
  176. 渡辺喜美

    ○渡辺喜美君 先ほども申し上げたように、IMFは統合政府、中央銀行を入れたバランスシートも発表しておりまして、そちらの方ではネット債務はゼロになっております。それが世界標準の考え方ですよ。グロスばっかり強調するというのは、もう増税をやりたい意図がありありだと。日本の財政は危機だというのはフェイクニュースですよ。もうこういうフェイクにだまされちゃいけないんですよ。是非、与党の皆さんはこの点をよくお考えをいただきたいと思います。  次に、時間がありませんので、中国入ります。  お手元に中国の債務残高の推移というのが書いてある。相当やばいですね、これ。日本が金融パニックを起こす直前とほぼ同じくらいの比率になっている。民間債務、GDP比率で二一三%。大体額にすると民間企業が二千四百兆円ぐらいですかね、家計が七百三十兆円ぐらい。これ、相当やばいと思います。シャドーバンキングとか社債のスプレッドとか商業銀行の不良債権比率も出ておりますが、ドル建ての社債の金利なんというのは七パーとか八パーなんですね。これ、ジャンクですよ。こういうジャンクを出して一種の錬金術をやらざるを得ない、そういう状況に置かれております。いかがですか、日銀の見解は。
  177. 内田眞一

    ○参考人(内田眞一君) 先生御指摘のとおり、中国の民間債務はGDP比で見て二〇〇%と、非常に高い水準に達しております。この点、中国当局もリスクを認識しておりまして、近年は債務抑制に向けた各種政策を実施しているところでございます。そうした対応、特に御指摘ありましたシャドーバンク規制等もありまして、この資料にもございますけれども、一部民間企業で社債スプレッドが拡大しているということでございます。ただ、昨年秋以降は、経済が減速します中で、中国当局が民間企業、とりわけ中小企業の資金繰り支援などの対策を実施しておりまして、スプレッドの拡大には歯止めが掛かっております。  このように中国当局もリスクを認識した上で抑制策を実施しているということでございますが、御指摘のとおり、水準は引き続き高いということですので、注視が必要な状況かと思っております。
  178. 渡辺喜美

    ○渡辺喜美君 国際金融のトリレンマというのがありまして、自由な資本移動、固定相場制、そして自由な金融政策、この三つは全部は成り立たないんですね。このうち二つだけ。  中国の場合には、御案内のように、自由な資本移動は相当規制をしておる、自由な金融政策はない、この間も量的緩和はやらないという発表をしましたね。つまり、固定相場制ですよ、実質は。これを守るということからほかの政策手段が限られているというのは、このやばさに相当輪を掛けてやばいと思いますが、いかがですか。
  179. 内田眞一

    ○参考人(内田眞一君) 先生御指摘のように、資本規制を行う下で国内の政策を実施しているということは事実であろうと思います。もちろん、その中で景気それから金融の状況を踏まえて政策を実施しているということでございますけれども、中国の経済の影響というのは非常に私どもにとっても大きいということですので、引き続き注視してまいりたいというふうに思います。
  180. 渡辺喜美

    ○渡辺喜美君 とにかく、これは、日本が不良債権が破裂をして金融パニックを起こして、十年間債務削減に苦労したんですね。そうしたらリーマン・ショックが起こっちゃったというわけでありまして、とにかく中国がはじけるともうリーマン・ショックの比じゃないですよ。こういうときに増税をやろうという無謀なことは撤回をしていただきたいと思います。  以上、終わります。
  181. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  182. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  183. 中西健治

    ○委員長(中西健治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時五十三分散会