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2019-05-28 第198回国会 参議院 外交防衛委員会 16号 公式Web版

  1. 令和元年五月二十八日(火曜日)    午前十時一分開会     ─────────────    委員の異動  五月二十一日     辞任         補欠選任      岩井 茂樹君     山本 一太君      堀井  巌君     末松 信介君  五月二十二日     辞任         補欠選任      猪口 邦子君     関口 昌一君      末松 信介君     堀井  巌君      高瀬 弘美君     河野 義博君  五月二十三日     辞任         補欠選任      関口 昌一君     猪口 邦子君      河野 義博君     高瀬 弘美君  五月二十七日     辞任         補欠選任      山田  宏君     朝日健太郎君  五月二十八日     辞任         補欠選任      佐藤 正久君     元榮太一郎君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         渡邉 美樹君     理 事                 宇都 隆史君                 中西  哲君                 三宅 伸吾君                 大野 元裕君                 高瀬 弘美君     委 員                 朝日健太郎君                 猪口 邦子君                 佐藤 正久君                 武見 敬三君                 中曽根弘文君                 堀井  巌君                 元榮太一郎君                 山本 一太君                 小西 洋之君                 白  眞勲君                 福山 哲郎君               アントニオ猪木君                 山口那津男君                 浅田  均君                 井上 哲士君                 伊波 洋一君    国務大臣        外務大臣     河野 太郎君        防衛大臣     岩屋  毅君    大臣政務官        外務大臣政務官  辻  清人君    事務局側        常任委員会専門        員        神田  茂君    政府参考人        外務大臣官房審        議官       石川 浩司君        外務大臣官房審        議官       飯島 俊郎君        外務大臣官房審        議官       桑原  進君        外務大臣官房審        議官       岡野 正敬君        外務大臣官房参        事官       船越 健裕君        外務大臣官房参        事官       齊藤  純君        外務大臣官房参        事官       森野 泰成君        外務省中南米局        長        中前 隆博君        財務大臣官房審        議官       住澤  整君        防衛大臣官房政        策立案総括審議        官        辰己 昌良君        防衛省防衛政策        局長       槌道 明宏君        防衛省整備計画        局長       鈴木 敦夫君        防衛省人事教育        局長       岡  真臣君        防衛装備庁長官  深山 延暁君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○投資の促進及び保護に関する日本国とアルゼン  チン共和国との間の協定締結について承認を  求めるの件(内閣提出、衆議院送付) ○所得に対する租税に関する二重課税の除去並び  に脱税及び租税回避の防止のための日本国とス  ペイン王国との間の条約締結について承認を  求めるの件(内閣提出、衆議院送付) ○所得に対する租税に関する二重課税の除去並び  に脱税及び租税回避の防止のための日本国とク  ロアチア共和国との間の協定締結について承  認を求めるの件(内閣提出、衆議院送付) ○所得に対する租税に関する二重課税の除去並び  に脱税及び租税回避の防止のための日本国とコ  ロンビア共和国との間の条約締結について承  認を求めるの件(内閣提出、衆議院送付) ○所得に対する租税に関する二重課税の除去並び  に脱税及び租税回避の防止のための日本国とエ  クアドル共和国との間の条約締結について承  認を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)     ─────────────
  2. 渡邉美樹

    ○委員長(渡邉美樹君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、岩井茂樹君及び山田宏君が委員を辞任され、その補欠として山本一太君及び朝日健太郎君が選任されました。     ─────────────
  3. 渡邉美樹

    ○委員長(渡邉美樹君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 渡邉美樹

    ○委員長(渡邉美樹君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に高瀬弘美君を指名いたします。     ─────────────
  5. 渡邉美樹

    ○委員長(渡邉美樹君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  投資の促進及び保護に関する日本国アルゼンチン共和国との間の協定締結について承認を求めるの件外四件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、外務大臣官房審議官石川浩司君外十三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 渡邉美樹

    ○委員長(渡邉美樹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  7. 渡邉美樹

    ○委員長(渡邉美樹君) 投資の促進及び保護に関する日本国とアルゼンチン共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とスペイン王国との間の条約の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とクロアチア共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とコロンビア共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件及び所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とエクアドル共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件、以上五件を一括して議題といたします。  五件の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  8. 中西哲

    ○中西哲君 おはようございます。自民党の中西哲でございます。  本日は、条約と協定の審議でございます。早速、外務大臣にお聞きいたします。  投資の促進及び保護に関する日本国とアルゼンチン共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして、現在、我が国は七十六の国と地域とで投資協定を結んでいるとのことでありますが、今回、アルゼンチンと本条約を締結する意義についてお聞きいたします。
  9. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) アルゼンチンは日本の国土の約七・五倍の広大な肥沃な国土を有しており、豊富な食料資源や鉱物エネルギー分野においても高い潜在力を有しております。特に、近年、外貨取引規制の撤廃など自由で開放的な経済政策を推進していることから日本企業の関心が急速に高まっておりまして、資源エネルギー分野を中心に今後投資の増加が見込まれるところでございます。  本協定は、投資の自由化、促進及び保護に関して包括的かつ詳細な規定を有しておりまして、法的安定性の向上など投資家にとって良好な投資環境の整備を促すとともに、両国間の投資及び経済関係の更なる緊密化に資するものと期待をしているところでございます。  日本とアルゼンチンは伝統的に友好協力関係を維持しており、近年、両国間の外交関係樹立百二十周年を迎えたところでございます。アルゼンチンは、G20のメンバーであるなど中南米地域の主要国の一つでもあり、我が国の中南米外交を推し進める上で重要なパートナーでもございます。  そのような中、この協定により、経済分野におけるアルゼンチンとの関係を強化することは、重層的な二国間関係の構築に資するものと考えております。
  10. 中西哲

    ○中西哲君 よく分かりました。  次に、所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とスペイン王国との間の条約の締結について承認を求めるの件ですが、これはクロアチア、コロンビア、エクアドルと同様の条約でございます。  スペインとは一九七四年に租税条約を締結しており、今回はその改定であるとのことであります。クロアチア、コロンビア、エクアドルとは今回が初めての租税条約の締結でありますが、その意義についてお聞きいたします。
  11. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) まず、スペインについて申し上げれば、委員から御指摘ありましたように、一九七四年に発効した現在の日・スペイン租税条約における投資所得に対する限界税率が近年の我が国の条約例と比して高い水準になっております。また、両国がそれぞれ租税条約の参考としてまいりましたOECDモデル租税条約が累次にわたり修正をされていることなどを踏まえ、両国で全面改正する必要性が認識されたことから交渉を開始し、合意、署名に至ったものでございます。  クロアチア、コロンビア、エクアドルからは、累次の機会にわたり租税条約の締結要望がなされていたところ、我が国とこれらの国との投資、経済交流が活発化する中、先ほど申し上げました観点も踏まえ、今般、これらの国との関係でも租税条約締結に向けた環境、準備等が整ったと判断したことから、締結に向けた交渉を開始し、合意、署名に至ったものでございます。
  12. 中西哲

    ○中西哲君 この五つの条約、協定、日本にとって大切なものであるという認識をしております。是非、締結に向けて我々も協力していきたいと思っております。  続きまして、前回の質問で積み残した件でございますが、防衛省にお聞きします。  まず、墜落したF35A戦闘機についてであります。  十七日に、丸茂航空幕僚長が記者会見で、F35の飛行再開のめどについて予断を持ってお答えすることは差し控えるとした上で、再開条件として飛行の安全の確保が前提になると述べたとの報道がありまして、質疑応答の記録も読みましたが、墜落原因の解明は相当長期化するのではないかというふうに思っております。  この十七日の会見後、墜落機の捜索で何か進展があったかどうかをお伺いいたします。
  13. 岩屋毅

    ○国務大臣(岩屋毅君) これまでの捜索状況につきましては先生御存じのとおりでございますが、現在、このF35Aの部品と見られるものが散在している一定の海域を捜索を続けているところでございまして、これまでに、フライト・データ・レコーダーの一部に加えまして、新たに、エンジンの一部と見られるもの、主翼の一部と見られるものなどを揚収、引き揚げているところでございます。しかしながら、それぞれ揚収物は非常に破損が激しくて、まだ海底には部品と見られるものが破片となって散在している状況でございます。これをできるだけ徹底的に引揚げをしてまいりたいというふうに思っております。  一方で、F35Aの事故の調査に当たりましては、こういった捜索、揚収活動に加えまして、これも以前に申し上げましたF35Aのデータリンク、一緒に飛んでいる機体の軌跡、航跡などを記録しているデータも残っておりますし、それから、地上レーダー等の各種記録もございますので、それらの分析、隊員からの聞き取り調査を今着実に進めているところでございまして、現時点において事故原因について確たることを申し上げられませんけれども、引き続き調査を進めて、事故原因の特定に努めてまいりたいというふうに思っております。
  14. 中西哲

    ○中西哲君 今、防衛大臣から御説明ありましたように、ばらばらに沈んでいるということで、相当長期化するんじゃないかという思いがあります。  現在飛行停止になっているんですが、F35の戦闘機パイロットの練度について、この戦闘機のパイロットは、例えば月に何時間はこのF35で飛ばなければいけない、飛行訓練をしなければいけない、こういう規定はあるんでしょうか。
  15. 岡真臣

    ○政府参考人(岡真臣君) お答え申し上げます。  御質問の点につきましては、航空幕僚長が定める規則がございます。この規則の中におきまして、F35Aを含め、航空機を操縦する場合には、同一の機種で過去六十日間のうちに一回以上離着陸を行っていなければならない旨定められているところでございます。
  16. 中西哲

    ○中西哲君 分かりました。いずれもちょっと心配な点があります。  次の質問に移ります。  前回積み残したんですが、三菱重工業が開発しました空対艦ミサイルASM3は昨年一月に全ての試験を終えたとの報道がございました。その開発費がどの程度掛かったのか、お聞きいたします。
  17. 深山延暁

    ○政府参考人(深山延暁君) お答え申し上げます。  平成二十二年度より、空対艦誘導弾ASM3でございますが、この開発を進めてまいり、平成二十九年度に開発を完了いたしましたが、これまでの総試作経費としては約三百四十億円を計上いたしました。
  18. 中西哲

    ○中西哲君 このF2搭載用の空対艦誘導弾ASMの1が、八〇式空対艦誘導弾、正式名称がですね、昭和五十五年に装備され始めて、ASM2、九一式空対艦誘導弾が一九九一年に制式化されました。  ASM3は、防衛装備庁が二〇一七年九月に開発が終了したと発表したんですが、ASM3の性能についてお聞きいたします。
  19. 深山延暁

    ○政府参考人(深山延暁君) お答え申し上げます。  ASM3の具体的な性能を明らかにすることは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、射程はASM2と同程度であるものの、飛翔速度は超音速を達成しております。また、パッシブセンサーのほかアクティブセンサーも保持しておるところでございます。
  20. 中西哲

    ○中西哲君 今、超音速で飛行できるとの答弁がございました。  ASM3ミサイルは、インテグラル・ロケット・ラムジェットエンジンを開発、実用化していると聞いております。これはどういうエンジンでしょうか。
  21. 深山延暁

    ○政府参考人(深山延暁君) お答え申し上げます。  お尋ねのエンジンにつきましては、最初にブースターとなる固体燃料で超音速に加速をいたします。その後、固体燃料が燃え尽きた空間、燃料が燃えますとミサイルの中に空間ができるわけですけれども、この空間を燃焼室として使用しまして、空気を酸化剤として利用しながら液体燃料をラム燃焼させると。入ってくる空気を、言わば普通のジェットエンジンでは羽根で空気を圧縮するわけですけど、その代わりにそうした高速の空気を利用するという考えでございますが、空気を酸化剤として利用しながら液体燃料をラム燃焼させてラムジェット推進を得るというものでございます。これによりまして、目標に命中するまで超音速飛翔を安定的に維持することができるようになっているところでございます。
  22. 中西哲

    ○中西哲君 国産の技術というのはすばらしいということの一例でございます。  戦闘機搭載用の空対艦ミサイルは、JSMミサイル等スタンドオフミサイルも一昨年の十二月に購入することを決めたとの報道があり、三十年度予算に計上されておりました。  国産の空対艦ミサイルも射程距離の延伸に取り組むべきだと提言しようと考えておりましたら、今年三月に岩屋防衛大臣がASM3ミサイルの射程距離を延伸する意向であるとのニュースがありましたが、その内容についてお聞きいたします。
  23. 岩屋毅

    ○国務大臣(岩屋毅君) 申し上げるまでもなく、近年、諸外国の艦艇に非常に射程が長い対空火器の導入が始まっております。これを踏まえますと、平成二十九年度に開発完了したASM3の更なる射程延伸を図る必要があるということで、研究開発に着手し、順次、航空自衛隊に導入していくこととしております。  この方針は、昨年の暮れに作りました中期防衛力整備計画の中にも、海上優勢の獲得、維持のために更なる射程延伸を図った新たな地対艦誘導弾及び空対艦誘導弾を導入するというふうに明記をさせていただいたところでございます。この射程延伸によりまして、自衛隊員の安全を確保しつつ諸外国の艦艇の能力向上に適切に対応することができるようになり、したがって抑止力を向上させることができるというふうに考えているところでございます。
  24. 中西哲

    ○中西哲君 今防衛大臣から、国産を導入すると、将来的にというお話がありました。  このASM3ミサイルの開発につきましても、三菱重工を主契約者として、主要な下請メーカーだけでも四十一社が協力していると聞いております。日本の防衛技術と産業を継続するため、大変重要な事業であると認識しております。  F35に、なかなか今までの契約では、国産ミサイルは積みづらい、恐らく積めないだろうという状況の中で、防衛産業が次はどうなるんだろうという不安を持っておりますので、是非この点を早急に進めていただきたいと思います。  次に、空対艦ミサイルより一足早く地対艦ミサイル、一二式の地対艦ミサイルの射程距離の延伸が行われております。軍事雑誌などでは、一二式地対艦ミサイルは約二百キロ程度の射程距離を持っているという記事がありますが、平成二十九年度から射程距離の延伸に取り組んでいるとのことですが、何年後に開発を終える見込みでしょうか、お聞きします。
  25. 深山延暁

    ○政府参考人(深山延暁君) お答え申し上げます。  周辺国は、近年、海上戦力を急速に増強しつつあることを踏まえますと、自衛隊員の安全を確保しつつ我が国への侵攻を試みる艦艇を効果的に阻止するためには、対艦誘導弾の能力を向上させていくことは必要不可欠であると考えています。  このため、御指摘のとおり、現有装備品である一二式地対艦誘導弾の後継として、方面特科部隊等に装備し、敵水上艦艇等に対処するために使用する一二式地対艦誘導弾改の開発に平成二十九年度より着手しております。これは令和四年度、二〇二二年度でございますが、令和四年度に開発完了の見込みでございます。この装備は、現有装備品に比べまして射程を延伸するとともに、他自衛隊との情報共有能力を向上することによりまして、海上優勢の獲得、維持を図るものでございまして、速やかに陸上自衛隊に導入できるように着実な開発に、進めてまいりたいと思っております。
  26. 中西哲

    ○中西哲君 一二式の前に八八式という地対艦ミサイルがありまして、それが順次一二式に替わっておりまして、続けてこの一二式改に替えていくんだろうと思います。是非、予定どおりの配備をお願いいたします。  次に、前回、次期戦闘機に搭載するべく開発が進められておりますジェット戦闘機のエンジンにつきまして、飛行試験はいつどういう方法で取り組むのか、お聞きします。
  27. 深山延暁

    ○政府参考人(深山延暁君) お答え申し上げます。  将来戦闘機につきましては、求められる推力も含めまして、いかなるエンジンを採用するかなど、現在防衛省において検討しているところでございまして、飛行試験などを含めた事業計画は決まっておりません。  一方で、御指摘の戦闘機用エンジン、XF9に係る事業を通じまして、国内技術の蓄積、高度化を進めてきておるところでございます。また、こうした技術は将来の戦闘機を開発し得る技術者に継承されていると考えておるところでございます。  今後、お尋ねのXF9エンジンをベースとした将来戦闘機用のエンジンを開発し搭載する場合のリスクやコスト、これを更に低減をしていくために、しっかりと必要な検討を進めてまいりたいと考えておるところでございます。
  28. 中西哲

    ○中西哲君 次のジェット戦闘機のエンジンの開発、これは日本の防衛産業の技術継承という意味では大変重要であると思っております。  去る十七日に、有志議員でつくっております国防議員連盟の勉強会がありまして、F2戦闘機、FSX開発における教訓という題で、景山正美元防衛省技術研究本部装備研究所長のお話がありました。大変私も勉強になりました。  そこで紹介された本が三菱重工の「主任設計者が明かすF―2戦闘機開発」という本でして、FSX開発チームリーダーであった三菱重工業の神田國一氏が生前書かれていた原稿を昨年十二月に出版した本でありました。神田さんは六年前の二〇一三年に病気でお亡くなりになったそうでございます。  F2戦闘機は米空軍のF16戦闘機をベースに製作するということが政治決着されまして、国産戦闘機を製作したいという日本側の夢はそのときは絶たれたわけでございます。この本には、当時F16を開発、製造していたジェネラル・ダイナミクス社、現在のロッキード・マーチンですが、とのやり取りが書かれております。この本を読んで改めて、F2戦闘機は、F16戦闘機を基にして開発されまして外見は似ておりますが、日本の技術を傾注した別物の戦闘機であるということを改めて認識した次第でございます。  F2戦闘機は、防衛省が三菱重工を主契約者として発注し、それにジェネラル・ダイナミクス社、川崎重工、富士重工等が加わり、連携して開発を進めたのですが、上記の四社で日米共同の設計チームを設けたのが平成二年、一九九〇年三月末だそうです。初飛行が設計チーム発足から五年六か月後の平成七年、一九九五年十月、それから、平成十二年、二〇〇〇年九月に防衛庁長官から部隊使用承認を取得するまでの苦労話が書かれております。  その中で、この神田さんがこの本を書いた動機として、一つ目は、米空軍が現在運用中の第一線戦闘機F15やF16のレベルで日本の運用要求を満たし得る戦闘機を日本が主導的に米国と共同で開発することに成功したこと、これによって、今後、FSXの能力向上と更なる改造の能力を習得したことを皆様に承知していただきたいと。  二つ目は、開発中の強度試験で主翼にひび割れがあったとか、いろいろ欠格戦闘機ではないかと言われたんですが、その部分を改善して、試作機だけでなく量産機も一号機から全機に適用して問題なく部隊運用が開始されたことを国民の皆様に知っていただきたいと、こういう話でございます。  そして、第三に、米国の評価、ランド社のマーク・ローレルの報告でも、ドキュメンタリー作家ジェフ・シアーの著書でも、結論はFSXの開発は日本にとって成功と書かれているが、それがほとんど知られていない、これを日本の関係者に是非知ってほしいという話がございました。  私もこの本を読んで非常に感動いたしました。この技術を是非F3に生かしていただきたいと思います。  ありがとうございました。
  29. 白眞勲

    ○白眞勲君 おはようございます。立憲民主党の白眞勲でございます。  まず、条約の審議の前に、昨日まで行われました安倍総理とトランプ大統領との首脳会談について、外務大臣を中心にお聞きしたいと思っております。  トランプ大統領は、安倍総理とのゴルフを終えた二十六日午後にツイッターでこうおっしゃっています。日本との貿易交渉で大きな進展を得つつある、特に農業と牛肉の分野だ、多くは七月の選挙後まで待つ、大きな数字を期待している、びっくりマークと投稿しているわけですね。  河野外務大臣にお聞きいたします。何でこの七月の総選挙後なんという言葉が出てきたんだろうなと。この意味、何なんでしょうか。
  30. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) トランプ大統領のツイッターについて私が確定的に申し上げる立場にはございませんが、この日米の貿易交渉につきましては、日米首脳会談の中で、昨年九月の日米共同声明に沿って茂木大臣とライトハイザー通商代表との間で議論が進められていることを歓迎し、日米がウイン・ウインとなる形での早期の成果達成に向けて、日米の信頼関係に基づいて議論を更に加速させようということで一致をしたわけでございます。  我が国は、日米共同声明を大前提に、日米双方にとってウイン・ウインとなる合意をしてまいりたい、そう考えているところでございます。
  31. 白眞勲

    ○白眞勲君 しかしながら、トランプ大統領から日本の七月の参議院選挙にまで話が及ぶというのは私はちょっと驚いたことなんですけれども、まさかと思いますが、米国農畜産物の分野で、参議院選挙の後にしてくれないかと、選挙に政権側が悪影響を及ぼすからその後に発表してくれないかと頼んだわけじゃないですよね。
  32. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) そのようなことはないと思います。
  33. 白眞勲

    ○白眞勲君 外国の賓客をおもてなしというのはとやかく言う必要はないんです。ただ、全て国民の血税であるということを考えますと、あくまでも国益ということを念頭にしなければならないのはこれは当然のことだと思うんですね。  このおもてなしがもし選挙前の譲歩を迫られる交渉は避けたいという政権側の都合だとしたら、逆にトランプ氏に貸しをつくったことになって国民を欺く行為になるのではないか、このような指摘もあるんですけれども、その点についてはいかがでしょうか。
  34. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) そのようなことはございません。
  35. 白眞勲

    ○白眞勲君 今の日米共同声明ということを河野外務大臣おっしゃったんですけれども、トランプ大統領はこうおっしゃっているんですね、記者会見で。TPPなんて関係ない、米国を縛るものでは全くないと記者会見で発言しました。  ということは、今後の貿易交渉では、日米共同声明で確認したTPPの水準が最大限であるということが関係なくなるんじゃないんでしょうか。この辺りの日本の主張をトランプ氏は拒否しているんじゃないんでしょうか。
  36. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) 残念ながら、アメリカはTPPから離脱をいたしましたので、アメリカがTPP協定に拘束されないというのは事実でございます。  いずれにせよ、昨年の九月の日米の共同声明にあるとおり、過去の経済連携協定で約束した内容が最大限でありまして、これを大前提に、茂木、ライトハイザー両閣僚の間でこれから合意に向けて交渉が行われることになります。
  37. 白眞勲

    ○白眞勲君 いや、しかしながら、この日米共同声明には、過去の経済連携協定、これTPPですよね、で約束した市場アクセスが最大限であるということが書かれているわけですね。ところが、今のトランプ大統領は昨日の記者会見で、それは米国を縛るものでは全くないと言ったら、全くこれは矛盾していませんか。これ、矛盾していないわけないと思いますよ。その辺どうでしょうか。
  38. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) アメリカはTPPに縛られないというのは、そのとおりでございます。
  39. 白眞勲

    ○白眞勲君 いや、縛られない。じゃ、TPPで定めた基準については従うということなんですね。
  40. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) 日米の貿易交渉につきましては日米の共同声明がございますので、それに沿った交渉が行われることになります。
  41. 白眞勲

    ○白眞勲君 矛盾していませんか、それ。  じゃ、どの点で一致しているんですか、その辺は。
  42. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) 日米の貿易交渉は日米共同声明の枠組みの中で行われることになるわけでございます。  トランプ大統領がおっしゃっているように、アメリカはTPPから離脱をしておりますから、TPP協定にアメリカは縛られることはないというのはそのとおりでございます。
  43. 白眞勲

    ○白眞勲君 いや、ですから、どこが一致しているんですかと聞いているんですよ。  つまり、経済連携協定に縛られるんですよ、これ、約束した最大限だということは。TPPが限界ですよと書いてあるわけですよ。TPPの部分が限界、もちろんアメリカはTPPに離脱していますから、TPPとは関係ないというのはそのとおりなんです。  しかし、TPPのその水準が最大限だということは日米共同宣言で言っているわけですよね。ということは、やっぱりTPPの宣言に準拠したものじゃなければならないということをもう一回確認したいと思いますが、その辺はどうなんでしょうか。
  44. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) 日米共同声明でそのとおり合意をしておりますから、その枠組みの中で交渉が行われることになるわけでございます。
  45. 白眞勲

    ○白眞勲君 いや、ですから、私が申し上げているのは、何度も何度も言わせてほしくないんですけれども、日米共同宣言ではTPPの水準までですよということが言っているわけですよ、最大限だというのはそういうふうに言っているわけですよね。だから、そこの部分での、じゃ、その範囲内だというんだったら、TPPにとらわれるわけではない、つまりTPPの水準にとらわれるわけではないということを言っているんじゃないんでしょうかということを、トランプ大統領は言っているんじゃないんですかということなんですよ。その辺はどうなんでしょうかということなんです。
  46. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) 日米は日米共同声明で合意をした枠組みの中で交渉することになります。他方、TPP協定という協定からアメリカは離脱をしておりますから、TPPが定めている様々なことについてアメリカがそれに拘束されないというのはおっしゃっているとおりでございまして、この二つは全然別物でございます。
  47. 白眞勲

    ○白眞勲君 いや、別物じゃないですよ、同じものですよ、TPPということで我々国民に説明しているんですから。そういう面でいうと、もちろんTPP水準という部分においては一致しなきゃいけないんじゃないんでしょうかということを言っているだけなんです。
  48. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) ですから、先ほどから繰り返し申し上げているように、日米共同声明では、TPPの枠組みの中で合意をする、それを目指して交渉することになります。他方、TPPという協定そのものにアメリカは拘束されない、そういうふうに先ほどから申し上げているところでございます。
  49. 白眞勲

    ○白眞勲君 この辺りはもう一回私もやらなければいけないと思いますけれども、TPPの水準が最大限であるということは関係なくなるわけではない、つまりそのTPP水準が最大限であるということは今でも間違いないということでよろしいんですね、じゃ。
  50. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) 日米の貿易交渉は共同声明の枠組みの中で行われることになりますので、その共同声明に書かれているとおりでございます。  他方、TPP協定そのものからはアメリカは離脱しておりますので、TPPがいろいろ、貿易ですとか投資ですとかいろんなことを定めておりますが、この協定にアメリカは拘束されないというのは、アメリカは既にこの協定から離脱をしておりますから、このTPPにアメリカは拘束されないというのはそのとおりでございまして、そこで言っているTPPというのはTPP協定そのものということでございます。
  51. 白眞勲

    白眞勲君 そうしますと、過去で、今言ったように、何度も、外務大臣が今確認されましたけれども、いわゆるTPPの水準が最大限であるということをもう一回ここで確認されたわけですから、今後、万が一TPP水準よりも譲歩を日本政府がすることはあり得ないということを言っているわけですね。
  52. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) TPPの枠の中で茂木、ライトハイザーの間で交渉が行われることになるわけでございます。それは共同声明に基づいてやるということは変わりはございません。
  53. 白眞勲

    白眞勲君 いや、私が聞いているのは、それを超えることはないということを確認できますねということなんです。
  54. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) そういうことでございます。
  55. 白眞勲

    白眞勲君 次に、北朝鮮について、トランプ大統領との認識についてお聞きいたします。  トランプ大統領記者会見で、北朝鮮ミサイル発射が国連安保理の制裁決議違反に当たるかと問われて、私の見方は違うとおっしゃって、逆に安倍総理は、安保決議に違反するものと。これ、全く正反対なんで、これどうなっているんでしょうか。
  56. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 米国政府は、常々、先日、五月九日の北朝鮮による短距離弾道ミサイルの発射については関連する安保決議に違反するものであるということをボルトン補佐官あるいは国防省も繰り返し申し上げており、日米の認識は基本的に一致をしております。  トランプ大統領の発言は、米朝首脳同士の信頼関係に係るやり取りの中で行われたものというふうに理解をしております。トランプ大統領が金正恩委員長との間で、相互不信の殻を破り、非核化の先の明るい未来を共有し、北朝鮮の行動を促すという新しいアプローチを取っているところでございまして、安倍総理はそれに対して敬意を表するということを申し上げているわけでございます。  そういう意味で、アメリカはこの米朝プロセスを引き続き続けていく意思がある、そういう意味合いでトランプ大統領がおっしゃったと理解をしております。
  57. 白眞勲

    白眞勲君 言っていることがさっぱり分からないんですけれども。  もう一回聞きますよ、いいですか。安保決議に違反しないと言っているんですよ、トランプ大統領は。そして、安倍総理は、安保決議に違反すると言っている。これ、全く正反対じゃないかということなんですね。  今の話、ごちょごちょおっしゃっていますけれども、ボルトンさんは、安保決議に違反するとおっしゃっている、しかし、私の見方は違うと言っている。つまり、ここが完全に違うんじゃないんですかということを私は言っているんですね。  ですから、どういう話合いが首脳会談で行われたか分かりませんけれども、そういう違うものを違うということを言うべきなんじゃないんでしょうか、その辺どうなんでしょうか。
  58. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) この五月九日のミサイルの発射については短距離弾道ミサイルであり、安保決議に違反しているという認識は一致をしております。  今回のミサイルの発射を受けて、引き続き安保決議の完全な履行を日米両国として進めていくというところも一致をしているわけでありますし、トランプ大統領は、金正恩委員長との明るい未来を共有し北朝鮮の行動を促すというアプローチは継続する、そういうことをおっしゃっていると理解をしております。
  59. 白眞勲

    白眞勲君 いや、一致していないですよ。私の見方は違うとおっしゃったじゃないですか、トランプ大統領は。記者会見で明確におっしゃっています。そして、安倍総理は、安保決議に違反すると言っているんです。それは、明るい未来がどうのこうのと言ったところで、その基本的な認識が違うんじゃないんですかということを言っているんです、私は。決議に違反するか違反しないかは非常に重要な部分ですよ。これについて私は聞いているんですよ。もう一回答えてください。
  60. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 日米両国の認識は一致していると考えております。
  61. 白眞勲

    白眞勲君 いや、一致していないから。一致していない理由を言ってください。
  62. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 一致していると申し上げているわけでございます。
  63. 白眞勲

    白眞勲君 一致している理由をおっしゃってください。違うと言っているじゃないですか。決議に違反する、片や決議に違反しない、これ完全に違うじゃないですか。何でそれが一致なんですか。
  64. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) トランプ大統領は、この米朝の合意のプロセスを進めるんだ、そういう意味でいろいろ御発言をしていると我々は理解をしております。(発言する者あり)
  65. 渡邉美樹

    ○委員長(渡邉美樹君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  66. 渡邉美樹

    ○委員長(渡邉美樹君) 速記を起こしてください。
  67. 白眞勲

    白眞勲君 一致していませんよね。一致しているという理由をおっしゃってください。
  68. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 日米間で累次協議をしている中で、我々は一致していると考えております。トランプ大統領の発言は、米朝プロセスを続けるんだ、そういう意思をおっしゃっていると我々は理解をしております。
  69. 白眞勲

    白眞勲君 全く一致していないのに、そういうふうにおっしゃっていますけれども。  総理は、会見で、日米の立場は完全に一致している、今もおっしゃいました。こんな基本的な立場でもそごが出ている中で、この調整どうなっているんですか。それを教えてください。
  70. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 日米、様々なレベルで協議をして、完全に認識は一致をしております。
  71. 白眞勲

    白眞勲君 まあ、ちょっと開き直りだというふうにしか私は思えませんけれども。  ちょっと本条約についてお聞きしたいんで、ちょっと言います。  アラブ首長国連邦ヨルダンとの投資協定は提出されていない、そういう中でアルゼンチンが提出された。これ、理由何ですか。
  72. 岡野正敬

    ○政府参考人(岡野正敬君) 外務省としましては、国会提出の準備の整った条約についてはできる限り早く国会の御承認を得るべく取り組んでいきたいと考えているところでございます。  国会に政府から提出する法案、条約については、政府全体の提出法案のバランス等を考慮の上、総合的な判断として決定されるものであります。今次国会に外務省から提出している法案、条約についても、そのような中で決定されたものでございます。  日・アルゼンチン投資協定につきましては、二〇一七年五月の先方大統領の訪日の時点で実質合意に至っていたことを含む交渉経緯等も踏まえて、先に御審議いただくべく今次国会に提出することとしたものでございます。
  73. 白眞勲

    ○白眞勲君 提出法案のバランスを考慮、総合的に判断した。だけど、それについてよく、一体何を意味するか分からないんですよね。提出法案のバランスを考慮したら、一番最初から、初めからやるのがあれじゃないですか、上から順番にやっていくのが、上の書類から順番にやっていくのが当たり前なんじゃないんでしょうか。私はよく分かりません。  そこで、ちょっとお聞きします。  これ、UAEやヨルダンとの投資協定というのは、これ国内手続は、その国の国内手続は終わっていますか。
  74. 中前隆博

    ○政府参考人(中前隆博君) お答え申し上げます。  アラブ首長国連邦及びヨルダンからは、国内手続を完了した旨、それぞれ外交ルートを通じ連絡を受けております。
  75. 白眞勲

    ○白眞勲君 だったら早くやるべきでしょう、こっちの方を。私はそう思いますよ。署名が終わったものは速やかに提出し、国会において審議を行っていく必要があるんではないんでしょうか。相手に失礼だと私は思いますね。  特に、大臣は、UAEやヨルダンとの投資協定、中東地域に頻繁に足を運んで、外交演説でも対中東政策を抜本的に強化すると表明したわけですから、こういうの、ちょっとおかしくないですか。大臣、どうですか。
  76. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) 両国との投資協定についてもなるべく早く国会で御審議をいただきたいと思っております。
  77. 白眞勲

    ○白眞勲君 審議いただければ、早く出すべきでしょう。出す前に、我々どうしようもないじゃないですか。国会に出してもいないのに、審議お願いしますというのはおかしくないですか。
  78. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) なるべく早い段階で国会に御提出をし、御審議をいただく予定にしております。
  79. 白眞勲

    ○白眞勲君 もう一つ。  租税条約についても全面改正されることになりましたけれども、スペインとですね、やはり私は、日本企業の拠点数が急増している、経済界からも改正要望が多い中国やインドネシア、タイ、こういった租税条約の改正交渉も、これどうなんでしょう、着手しているんでしょうか。それとも、着手していなければ早期に着手するべきだと思いますが、どうなんでしょうか。
  80. 飯島俊郎

    ○政府参考人(飯島俊郎君) お答えいたします。  政府といたしましては、相手国との経済関係、それから経済界からの要望、租税条約の締結、改正から生じる効果といった観点を踏まえまして、租税条約の締結あるいは既存の租税条約の改正を進めてきております。  委員が御指摘になられましたアジアの国との間でも、我が国と経済関係が緊密な国、地域との間では既に租税条約が締結されておりまして、その結果、我が国の租税条約ネットワークは、我が国からの対外直接投資残高の約九九%をカバーしているところでございます。  一方で、経済界からは、その他のアジア諸国との間の租税条約の締結等についても要望が寄せられておりますので、政府といたしましては、こういった観点を踏まえながら、アジア諸国との間におきましてもネットワークの拡充について引き続き検討してまいりたいと考えております。
  81. 渡邉美樹

    ○委員長(渡邉美樹君) 質問をおまとめください。
  82. 白眞勲

    ○白眞勲君 早くやるべきだということを言って、終わります。  以上です。
  83. 大野元裕

    ○大野元裕君 国民民主党・新緑風会の大野元裕でございます。  まず、質問させていただく前に、ちょっと気になったので中前局長にお伺いをしたいんですけど、先ほどの白先生との質疑のやり取りの中で、ヨルダンとUAEの協定について、中前中南米局長が現在の状況についてお答えになりました。どういうキャパシティーでお答えになったのでしょうか。また、今後、UAE、ヨルダンの協定出てきたときに、中前局長が責任を持ってこれからやられるということでよろしいですね。これ、御確約ください。
  84. 中前隆博

    ○政府参考人(中前隆博君) お答え申し上げます。  この条約の先方の国内手続の状況につきまして、今回アルゼンチンでお伺いしておりますので、審議をお願いしておりますので、それとの関連で、アラブ首長国連邦及びヨルダンにつきましても私が代わりましてお答えをさせていただく準備をさせていただきました。
  85. 大野元裕

    ○大野元裕君 済みません、私の質問に答えていません。  今後、UAEやヨルダンについても責任を持って中南米局長がおやりになるんですね。ちなみに、この質問は白さん質問通告しているそうなので、本来は中南米局長ではないと私は思いますけれども、お答えください。
  86. 中前隆博

    ○政府参考人(中前隆博君) これらの事項につきましては、中東局がお答えを申し上げると存じます。
  87. 大野元裕

    ○大野元裕君 外務省にお願いしたいんですけれども、責任を持って答弁できる方に答弁していただくのが国会とのやり取りの原則だと思いますので、これ以上追及はいたしませんけれども、是非そこについては今後お気を付けをいただきたいと思っています。  その上でお伺いをさせていただきます。  議題となっております租税条約については、我が党は賛成です。その上で、アルゼンチン共和国との投資保護協定についてお伺いいたします。  投資協定の背景として、外務省は、アルゼンチンに対しては日本企業の関心が高い、そしてマクリ政権発足以降、経済も安定し、また進出日本企業数が倍増しているということを挙げています。これ、一枚目と二枚目に資料で出させていただいています。また、外務省提供の資料では、ペソ下落に歯止めが掛かり、インフレ率も改善してきた、これ、途中までですね。  マクリ政権の基盤が強化された、そしてまた二〇一八年から若干変わってきた、こういう理解で、外務大臣、よろしいですね。
  88. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) アルゼンチンは日本の約七・五倍の肥沃な国土を有するとともに、マクリ政権発足以降は外貨規制の撤廃など自由で開放的な経済政策を推進していることから、日本企業はこの豊富な食料資源や鉱物・エネルギー分野に関心を有しているところでございます。  マクリ政権は、経済改革努力への支持を背景に二〇一七年の議会の中間選挙で勝利し、政権基盤の強化につながったと承知をしております。また、二〇一九年十月には大統領選挙が予定をされているところでございます。  ペソの下落、あるいはインフレといった課題については、アルゼンチンはIMFとの間で総額五百六十三億ドルのスタンドバイ融資枠に合意をするとともに、財政健全化やマネタリーベースの抑制など一連のマクロ経済安定化のための措置を講じていると承知をしております。  こういう中での本協定の締結は、法的安定性の向上などの投資環境の整備を通じ、経済分野におけるアルゼンチンとの関係を強化することに資すると考えているところでございます。
  89. 大野元裕

    ○大野元裕君 今大臣がおっしゃったとおり、実はアルゼンチン、利率、インフレ率等については大きな懸念があると私も思っています。  三枚目の資料を御覧ください、二〇一八年の十月に、確かにそういったスタンドバイ融資の合意があったんですが、実はその後課題になっているんじゃなくて、その後おかしな状況になっています。私の理解では、アルゼンチンは再びリセッションに入っていて、ドル建てのアルゼンチン短期債の利率は直近では二〇%を超えています。インフレ率は五〇%を超えました。二度目のデフォルトが懸念される状況になっていて、これ、大臣がおっしゃった合意は昨年の十月ですからね、その後おかしくなっているんです。そして、十月の大統領選挙では、これは、我が国政府としてはなかなか言いにくいと思いますけれども、報道によれば、マクリ大統領の再選すら不透明で、国内情勢が流動化しているという、こういった報道が数多くなされています。  外務省が言っている説明と前提、違うんじゃないんですか、大臣。
  90. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) ペソの下落、あるいはインフレの問題ということは認識をしておりますが、マクリ政権は自由で開放的な経済政策を推進をしてきているところでございますので、我が国政府としては、こういう開放的な経済政策を取る政権をしっかりと後押しをしていきたいというふうに考えているところでございます。
  91. 大野元裕

    ○大野元裕君 おっしゃっていること、違います。  私が言ったのは、開放的なことは分かりました、マクリ政権が改革をしたことも分かりました、十月に融資枠を取ったのも分かりました。でも、その後におかしくなっている。これについて我々は本来知らされるべきではないかと私は思いますし、課題はあるけれども融資枠取ったからって、これ十月時点ですからね、その後、見ていただくと分かるとおり、急激にインフレ率、あるいは急激に利率がおかしくなっていて、二度目のデフォルトすら懸念されているという状況ではないんでしょうかというふうに申し上げているんです。  別なこと聞きましょう。  大臣、日本の企業が二〇一七年時点で倍増した、これはそのとおりでございます。私もそのとおりだと思いますが、ただ、今年は二〇一七年ではないですよね。  去年の調査だと思いますが、今年の二月、ジェトロが発表した調査が最後の二枚に付いておりますので是非御覧をいただきたいと思っています。ジェトロが現地進出企業に調査して今年の二月に発表した報告書では、景況感は大幅に悪化、南米の中で最悪であります。DIは中南米で最低、そして、本協定締結の背景として外務省がおっしゃってきた、こういった日本企業の期待というのは実は地に落ちているというのがこのジェトロの報告の中から読み取れます。具体的には、悪化と回答した率がその前の年では九・八%だったのが四一・七%に一年間で急増しています。  投資環境面のメリットとリスクを考えるときに、外務省のこの説明の資料では、投資環境の透明性、法的安定性、予見可能性が向上したから早期締結したいと書いてありますけれども、実は、ジェトロの方というよりもこれ恐らく企業さんのそのままのアンケートですけれども、企業さんの方ではリスクの方が大きくなり投資環境は極度に悪化したと書いてございます。  大臣、これ説明違うんじゃないですか。
  92. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) 改革によって法的な安定性あるいは法的な透明性というところは向上しているんだろうというふうに考えております。ただ、経済でございますから、様々な法的な整備が行われる、あるいは政権が改革マインドを持って様々な改革が行われる中であっても、外国との為替あるいは金利差、こうしたものが発端となって様々な経済状況が変わるというのはあると思っておりますが、その中でもきちんと法律的な整備が行われ法的安定性が向上しているわけでございますから、経済状況が良くなればまた日本企業は進出の意欲を持つ、それだけの可能性がアルゼンチンにあるというふうに考えているところでございます。
  93. 大野元裕

    ○大野元裕君 可能性について誰も否定はしていません。大臣、経済がいいとか悪いとかという話、私、一切していません。そうじゃなくて、外務省が説明したことと現状と違うんじゃないんですかということだけしか聞いていません。  最後のページを見ていただきたいと思います。二〇一七年時点で切れば、確かに日本企業は倍増していて、そして期待も高かったんです。しかしながら、二〇一七年度の調査で、アルゼンチン一番下ですけれども、拡大したい若しくは現状維持だというのはこれ一〇〇%なんですよ、進出企業。ところが、二〇一八年一年間で、今度は縮小や第三国地域へ移転や撤退が増えている、急増しているんです。大臣、二〇一七年で都合よく切ればそのとおりですけれども、直近で切るとこういう状況になるんです。  私、申し上げているのは、経済いいとか悪いとか開放政策言っていることがいいとかじゃなくて、国会に法案を提出する以上、ファクトはファクトとしてきちんと出すべきではないですか。そうでなければ国民を、逆に言えば国会、我々は国民に選ばれていますから、国民を愚弄する詭弁だというふうにすら取られてしまいますよ。  大臣、アルゼンチン経済は現状で不安もある、でも、おっしゃるとおり可能性もある、だから審議してくれというのはこれは分かります、我々も。あるいは、いやいや、急激に悪くなったのでちょっと止めておこうと、これも分かります。ただ、大臣、都合のいいところだけ切り取って出してきて、そして審議してくれというのはこれはおかしくないですか。  大臣、是非、これファクトをもう一回出し直すべきだと思いますが、いかがでございますか。
  94. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) アルゼンチンの潜在的な可能性というのは大きいというのはそのとおりだと思いますし、政権が改革志向で様々な法的整備を進めているのも事実だと思います。  金利ですとか為替というのはこれは流動的に変わるものでございますから、残念ながら刻々と変わるものをどういうタイミングでお示しをするか、これは様々技術的にも考えていかなければならないところだと思います。
  95. 大野元裕

    ○大野元裕君 だったら、日本企業も注目とか、これ言い切らないでくださいよ。いいときだけ取り上げてきて、日本企業も注目、だからやってくれと、これはおかしいですよ。大臣がおっしゃるように、可能性否定していません。そして、アルゼンチンの重要性も私は否定していません。経済は流動的だ、これも全く否定していません。  ただ、議論をさせるのであれば、きちんとしたファクトを出してこないと我々審議できないんじゃないんですかというふうにしか、それを聞いているんですけど、大臣、いかがですか。
  96. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) 日本企業の関心が高いのも事実だと思います。企業の投資行動というのは最適なタイミングを捉えて行おうとするものでございますから、その時期がどうかというところはそれぞれの企業の判断でございますが、相対的に日本のアルゼンチンに対する関心が高いというのはそのとおりだと思っております。
  97. 大野元裕

    ○大野元裕君 ならば聞きますけれども、ジェトロが言っていることはこれはうそですか、じゃ。景況感は極度に悪化した、悪化と回答した企業は半分、投資環境のメリット、リスクでは大きくリスクが増えている、そして撤退も考えている、これ全部うそですか、大臣。
  98. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) その時点を取ればそうなのかもしれませんが、依然として大きな潜在的な要素というのは前向きというふうに考えております。
  99. 大野元裕

    ○大野元裕君 潜在的な可能性は一切否定していません。ここは大臣と私、共通しています。アルゼンチンの重要性も共通しています。ただ、出す以上、きちんとしたファクトを出してきて議論をするというのは当然の話じゃないんですかとしか私は聞いていないんです。  ジェトロの言っていることは、これ否定されるんですか、大臣。
  100. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) ジェトロのリポートが出されているときにはそのとおりなんだろうというふうに考えております。
  101. 大野元裕

    大野元裕君 この条約を今国会に出してきたのは今年の頭で、ジェトロのリポートの後であります。是非これは、私、審議をする上で、きちんとしたファクトを出していただいた上で、私、賛成です、アルゼンチンとの関係考えれば。  そうじゃなくて、このファクト自体がおかしいと申し上げているわけなので、これ委員長にお願いしますけれども、ちょっと、もう一度これ理事会を開くなりなんなりして、これ取扱い議論するべきだと私は思いますけれども、いかがですか。
  102. 渡邉美樹

    ○委員長(渡邉美樹君) 後刻理事会において協議いたします。(発言する者あり)  速記を止めてください。    〔速記中止〕
  103. 渡邉美樹

    ○委員長(渡邉美樹君) 速記を起こしてください。
  104. 中前隆博

    政府参考人(中前隆博君) お答え申し上げます。  御指摘のありましたアルゼンチンの最新の経済の状況でございますけれども、御提示いただきましたこの利回りの表にもございますように、アルゼンチン経済は、昨年の中頃からアメリカの金利上昇等を受けて流動的になっているという事実がございます。それは、私どもから御説明差し上げたこの二ページ目の資料の中ほどにも、二〇一八年四月以降の状況を御説明させていただいておるところでございます。そういう意味で、足下の経済につきましては、二〇一七年までの状況に比べまして不安定な状況が今のところ続いておるという状況はございます。  そこの部分につきましてきちんと、より詳しく御説明が足らなかった部分があったかと思われますが、今後きちんと御説明をさせていただきたいと思っております。
  105. 大野元裕

    大野元裕君 本件については、今ちょっと話をさせていただきましたように、ちょっと、少し理事会、筆頭理事間で協議をさせていただきたいと思っていますが、その一方で、今、利率の話、インフレ率の話はありました。  もう一つ、企業の期待が高まっているということについて、逆の説明もほかの政府機関から、政府系の機関から出ています。ここについて整理して、局長からで結構でございますので、答弁をいただきたいと思います。
  106. 中前隆博

    政府参考人(中前隆博君) 企業からの期待と投資についての見通しと、見方につきましては、一つには、その国自体のファンダメンタルズ、その基本的な可能性、ポテンシャルという部分と、それから御指摘の為替の状況等々がございます。  例えば、為替が落ちているときに、下げ止まったら今度は投資が、投資のチャンスになるというようなこともあるというふうに承知しておりますので、そういうことを見ながら、企業の方々が全体的に期待を持ちながら見ておられるということではないかと理解しております。
  107. 大野元裕

    大野元裕君 最後に、委員長にこれ、この取扱いについては是非御検討をいただきたい、まずは引き取っていただきたいと思っています。
  108. 渡邉美樹

    ○委員長(渡邉美樹君) はい。
  109. 大野元裕

    大野元裕君 そして、その上で、大臣に最後だけ、一つだけ。  こういった、その出すときのファクトについては、いいことも悪いこともあると思います。アルゼンチンに対するその可能性や重要性は私も共有していて、我が党としてはこれ是非賛成したいと思っている条約ですから、その前提については厳しく見ていただいて、いいことも悪いこともしっかりと報告をしていただけるよう、是非最後、御答弁をお願いいたします。
  110. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 以後、しっかりやりたいと思います。
  111. 大野元裕

    大野元裕君 以上、終わります。     ─────────────
  112. 渡邉美樹

    ○委員長(渡邉美樹君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、佐藤正久君が委員を辞任され、その補欠として元榮太一郎君が選任されました。     ─────────────
  113. 高瀬弘美

    ○高瀬弘美君 公明党の高瀬弘美です。よろしくお願いいたします。  投資条約租税条約についての質問に入る前に、日韓関係について大臣に四点ほどお伺いをしたいと思います。  先週、OECDで行われました日韓外相会談の内容と、特に日韓請求権協定に基づく仲裁委員会の開催の件、そして日本水産物輸入規制の措置に関するWTO上級委員会の判断の件についてのやり取り、さらに、それに関わるWTO改革についての意見の交換あれば、この四点について教えていただきたいと思います。
  114. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 日韓請求権協定に関しましては、担当されている李洛淵総理から、政府の対応には限界があるというような御発言もございましたので、我が方としては、仲裁付託をしたということをお伝えをし、仲裁に応じていただけるようにお願いをしたところでございます。  ただ、仲裁のプロセスを通告はいたしましたが、この仲裁のプロセスのほかに、韓国政府側がきちんと対応を出していただければ、この請求権協定にのっとった対応を出していただければ問題の解決はできるわけでございますので、そういう方策も十分にあり得ると、早急な対応を求めた次第でございます。  また、我が国の水産物輸入規制に関しましては、日本食品が韓国の安全性の数値基準を十分クリアしているものであるというパネルの事実認定に変わりはなかったことから、韓国政府は一刻も早くこの輸入規制を撤廃すべきだということを申し上げました。  また、WTOについても、様々な改革の議論が今回OECDと並行して行われたWTOの非公式会議で行われておりまして、その場でこの上級審の改革を含めたWTOの改革というのが必要だということを日本政府として申し上げました。
  115. 高瀬弘美

    ○高瀬弘美君 ありがとうございます。  大臣、通告しておりませんが、御感想としてお伺いしたいんですけれども、今回の外相会談を受けまして、G20までに日韓首脳会談を行う環境は整うというふうに感じられましたでしょうか。
  116. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 韓国政府がしっかりとした請求権協定にのっとった対応案を決めていただければ、様々な話をするのは日本側としてもちろん当然のことだというふうに思っておりますので、どういう状況になるか注視していきたいというふうに考えております。
  117. 高瀬弘美

    ○高瀬弘美君 ありがとうございます。引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。  それでは、租税条約について質問をいたします。  まず、基本的なところの確認をさせていただきたいと思います。条約の意義とこの必要性についてお答えいただければと思います。
  118. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) 租税条約は、国際的な二重課税の除去、脱税及び租税回避行為の防止を通じて、二国間の健全な投資、経済交流の促進に資するというものだというふうに考えております。  企業にとりましては、租税条約が締結されることで源泉地国における課税所得の範囲が明確化されることなどを通じて、法的安定性や予見可能性が高まるわけでございます。  また、政府としては、相手国との経済関係、我が国経済界からの要望、租税条約締結、改正から生じ得る効果といった観点を踏まえ、新規の租税条約の締結や既存の租税条約の改正のための交渉に引き続き積極的に取り組んでいきたいと考えております。
  119. 高瀬弘美

    ○高瀬弘美君 この租税条約自体は、海外で活躍する日本企業にとっても大変大きなメリットがあり、重要と考えております。  租税条約を結んでいるにもかかわらず相手国が条約上の義務を履行していない場合、とり得る措置としてはどのようなものが考えられますでしょうか。
  120. 飯島俊郎

    ○政府参考人(飯島俊郎君) お答えいたします。  一般に、租税条約には、締約国によって条約の規定に適合しない課税措置がとられた場合、当該締約国の国内的な救済手続とは別に、納税者の申立てに基づきまして、当該事案について両締約国の権限のある当局間での合意によって解決する枠組みといたしまして、相互協議手続が設けられております。  また、この相互協議手続の一環といたしまして、権限のある当局間の協議の開始から一定期間が経過しても合意が成立しない場合には、申立てを行いました納税者の要請に基づいて、当該事案のうち未解決部分を仲裁に付託する制度を設けている租税条約もあるところでございます。
  121. 高瀬弘美

    ○高瀬弘美君 租税条約の締結によりまして、ODA事業での税の扱いについて影響はありますでしょうか。
  122. 飯島俊郎

    ○政府参考人(飯島俊郎君) お答えいたします。  一般に、租税条約にはODA事業に対する特別な免税措置は規定されておりません。租税条約上は、ODA事業者も、相手国に所在する恒久的な施設を通じて事業を行っている等の場合には、他の事業者と同様に当該相手国において課税の対象となり得るものとなります。  他方におきまして、ODA事業につきましては、我が国は、その類型に応じて基本的に個別の事業ごとに相手国政府等との間で事業実施に関する国際約束を締結することとしておりまして、その国際約束におきまして、事業に従事する日本企業に対して課される所得税等の税に関して免税されるものを定めているところでございます。
  123. 高瀬弘美

    ○高瀬弘美君 ODA事業につきまして、受託をしております日本企業が相手国との間で税の問題に直面した事例があると思いますので、このことについて教えていただきたいと思います。  特に、免税であるはずなのに問題が生じているケース、こういうものがあると承知をしておりますので、そうした件についても教えてください。
  124. 桑原進

    ○政府参考人(桑原進君) お答え申し上げます。  ODA事業における免税の方式は、企業から一旦納付された税金を後で返金する還付方式と事前に税を免除する方式の二種類に分類されます。  ODA事業、主に無償資金協力と有償資金協力を受託した日本企業から寄せられる免税の問題の事例としては、還付方式を採用する国におけるVAT、付加価値税の未還付に関するものが多くございます。その原因としては、被援助国政府内における事業実施機関との情報共有不足や、納付された税を還付するための予算措置が確保されていないことなどがあると承知しております。
  125. 高瀬弘美

    ○高瀬弘美君 ありがとうございます。  今お答えいただいたようなケースございますけれども、ODA事業におきまして、ドナー国と途上国との間に今のような免税事項について問題が発生した場合、他国はどのような対応を取っているのか、外務省の認識を教えてください。
  126. 桑原進

    ○政府参考人(桑原進君) お答え申し上げます。  免税の確保に関しては、途上国内の手続の煩雑さなどから、他のドナーも国際約束で規定する税の還付に関する義務の不履行、遅延の問題を抱えていると理解しております。  こうした問題に対して各ドナーは、途上国側が義務を確実かつ迅速に履行するよう、受注企業や法律の専門家などとの連携を図りながら、途上国側の財務当局を含む関係機関との間で粘り強く交渉を行うなど、解決のための取組を行っていると認識しております。
  127. 高瀬弘美

    ○高瀬弘美君 ありがとうございます。  外務省の方で調査をされていまして、ほかの国がどういうふうにこの税の問題、ODAに関する税の問題に対応しているかという中に、アメリカの対応についての記述があったと思いますけれども、この部分、外務省の認識をお答えください。
  128. 桑原進

    ○政府参考人(桑原進君) お答え申し上げます。  一部のドナーにおいては、免税に関する問題が改善されない場合には、翌年度以降の当該国援助予算からの控除などの措置を行う場合もあると承知しております。
  129. 高瀬弘美

    ○高瀬弘美君 ありがとうございます。  一部の国においては大変厳しい対応を取ってこの税の問題には対応していらっしゃるということだと思います。  このODA事業に関しましていろんな税の取決めを事業ごとに行うというお話でございましたけれども、せっかく税の取決めが行われたにもかかわらず、この国際約束を守らずに、免税されるべきものについて実際は課税をされてしまい、現地で事業をされている受託日本企業が大変な御苦労をされているという問題があるというふうに理解をしております。  大臣も御存じのように、JICAの事業でありましても、現場で、現地で結局働くのはコンサルと呼ばれております土木や建設の専門家の方々という場合が多くございます。そして、このコンサルの方々というのは、内訳を見させていただきますと、その多くは中小企業であり、中には小規模事業者の方々もいらっしゃいます。  先ほど御答弁にありましたとおり、外交当局同士で合意があったとしても、財務当局ですとかその他の省庁にきちんと情報共有がされていないことによって、途上国において事業をされる際にこの税金の問題で大変に御苦労をされているというようなお話も伺っております。  今、外務省の方から他国の対応についてもございましたけれども、こういう事態への対応につきまして大臣の御所見はいかがでしょうか。
  130. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) この税金の問題は、ODAの実施を阻害する重要な案件というふうに外務省も認識をしておりまして、最近特にこの問題への対応を強化してきているところでございます。  この問題が引き続き解決されない場合には、新規のODA案件の停止を含めた強い措置を検討していきたいと考えております。
  131. 高瀬弘美

    ○高瀬弘美君 ありがとうございます。大臣から、これから厳しく対応されるというところをお伺いをいたしました。  大臣に、これも質問通告をしておりません、申し訳ございませんが、今いろんなODA事業を各地で御覧になっていると思いますけれども、そのODA事業を御覧になる際に、JICAですとか海外青年協力隊、JOCVの皆さんとの懇談の機会というのはいろんな場面であるかと思います。  ただ、現地で実際に作業をされていらっしゃるコンサルの方々、先ほど申し上げましたとおり、中小企業の方々、大変多くいらっしゃいますけれども、そういう方々の御苦労も含めて声を聞く機会というのが余りないというふうに私は思っておりますけれども、是非ともこういう方々の現場での御苦労についても大臣にも声を聞く機会を持っていただければと思いますが、いかがでしょうか。
  132. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) ODAあるいは国際機関、様々な国際的な場で働いている日本人の皆さんの声は積極的に伺っていきたいというふうに思っているところでございます。  ただ、日本のこのコンサルタント業界、特にこうしたODAに関するコンサルタント業界は国際的な競争力に著しく欠けている部分があると思っておりまして、この業界を今後どのように、何というんでしょうか、競争力の強化をしていただくのか、これは日本政府としても少し考えていかなければいけない課題というふうに認識をしているところでございます。
  133. 高瀬弘美

    ○高瀬弘美君 ありがとうございます。  大臣のおっしゃるとおりだと思います。是非、対話をする中で、外務省とともにこのコンサルの方々が今後どうしていくかということを見付けていかれることが一番いい形かと思いますので、引き続きの御対話をお願いしたいと思います。  質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。
  134. 浅田均

    ○浅田均君 日本維新の会、浅田均でございます。  ただいま議題となっております五つの条約、協定に関しましては、我が方は自由貿易圏の拡大が日本にとっては必要だという立場でございますので、いずれも賛成であるという旨申し上げておきます。  それから、続いて、引き続きの質問なんですが、徴用工問題について、先ほどもちょっと質問がありましたけれども、質問をさせていただきたいと思います。  問題を整理しておきますと、これは一月に日韓請求権協定に基づく協議要請をされたと。一月に協議要請をされて、それから四か月以上返事がなかったということで次の段階に入られて、五月二十日に請求権協定に基づく仲裁委員会への付託を通告されたということであります。これに対して、韓国側は、仲裁委員会の開催要求を保留している、すなわち仲裁委員もまだ選んでいないということでありますが、これで間違いないんでしょうか。  それと、もし韓国側がこの仲裁委員会の開催要求に同意しなかった場合、今後我が国はどのような手続を取るのか、併せて外務大臣にお答えいただきたいと思います。
  135. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) 仲裁委員の選任はたしか三十日以内ということでございますので、韓国側は今検討されているんだろうというふうに思います。また、請求権協定に基づく仲裁の付託はいたしましたけれども、その間に韓国側が請求権協定にのっとった対応策をきちんと出していただければ大きく問題解決に前進をするわけでございますので、仲裁の付託はいたしましたが、韓国側ではしっかりと文在寅大統領中心に対応策を御検討いただけるのではないかというふうに考えているところでございます。
  136. 浅田均

    ○浅田均君 協議要請をされて四か月間待たれたと。今回は、仲裁委員会へ付託を通告して三十日以内に仲裁委員を選ぶか、あるいは請求権協定にのっとって文在寅大統領あるいは李洛淵首相が適切な対応を取られるということを期待されておるわけでありますので、同意しなかった場合どうするのかというのはちょっと答えにくいという答弁になろうかと思いますけれども、それを承知であえて、どのような手続を取られるんですか、もし向こうが仲裁委員会に乗ってこなかった場合。
  137. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) 請求権協定に基づく協議をお願いをしたわけでございますが、先方、李洛淵総理が中心となって対応策の検討をしているということでございましたので、我が方としてはその対応策を待ちたいと思っていたわけでございます。  しかし、先般、今月の半ばに李洛淵総理が政府の対応には限界があるというような御発言を公でされましたものですから、残念ながらこれ以上待っていても対応がなされないという判断をして、まず協議から仲裁に移行したところでございます。李洛淵総理が対応に限界があると、こうおっしゃる以上、韓国側はトップの文在寅大統領の下で検討していただかなければならないんだろうというふうに思っているところでございます。  また、この仲裁申立て後の期間がたった場合については、我が方として手のうちを明かすということは公では差し控えたいというふうに思っているところでございます。
  138. 浅田均

    ○浅田均君 我が方はどう対応するかというのは差し控えたいと、答えることは差し控えたいということでありますので、あえてもう一回お尋ねしますけれども、日本にとってどういう選択肢があるんでしょうか。三十日以内に韓国が仲裁委員を指名しない、乗ってこないという場合に、日本としてどういう次のステップとして選択肢があるのか、お答えいただけませんか。
  139. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) 様々な選択肢があろうかと思います。それは、国際司法の場で解決を図るということも当然その中には含まれるんだろうというふうに思います。
  140. 浅田均

    ○浅田均君 様々な対応、選択肢があって、そのうちの一つとして今ICJのことも御発言いただきましたけれども、このICJの手続も、これ韓国の同意がないと実現しないわけですよね。なかなか、今までのやり取りを外側から見ていますと、向こうの主張は非常にかたくなであるというふうに私どもは受け止めるわけです。  それで、河野大臣、これからどういうふうにされていくのか、非常に大変な問題であるというのは承知しておりますけれども、それをちょっと聞かせていただいて、私どもも安心するのか、あるいはこれからもっとこういうふうにされた方がいいんではないですかというふうに提言するとかしたいと思っておりますので、ICJへ行く可能性が高いというふうにお考えでしょうか。
  141. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) 御提案があればいつでも承りたいというふうに思っておりますが、我が方がどのようなことを考えているかというのを公で申し上げるというのは、こちら側の手のうちさらしてゲームをすることになりかねないわけでございますので、それは差し控えたいと思います。
  142. 浅田均

    ○浅田均君 それは、外務大臣おっしゃること非常によく分かるんですが、韓国政府としてそういう発言はないんですが、この日韓請求権協定あるいはこの徴用工のような問題に関して調べていくと、一番問題になると思われるのが、柳井条約局長の一九九一年八月の発言というところになると思います。それで、もちろん韓国側政府もこれをよく理解していた上でいろんな作戦を講じているんだと思います。  それで、皆さん方にその一九九一年八月の当時の柳井条約局長の請求権に関する協定に関しての御発言を紹介しておきますと、柳井条約局長は参議院の予算委員会で次のように御発言になっているわけであります。「いわゆる日韓請求権協定におきまして両国間の請求権の問題は最終かつ完全に解決したわけでございます。」、これは河野大臣あるいは安倍総理の御発言と一致するところでありますが、その次に、「その意味するところでございますが、日韓両国間において存在しておりましたそれぞれの国民の請求権を含めて解決したということでございますけれども、これは日韓両国が国家として持っております外交保護権を相互に放棄したということでございます。したがいまして、いわゆる個人の請求権そのものを国内法的な意味で消滅させたというものではございません。日韓両国間で政府としてこれを外交保護権の行使として取り上げることはできない、こういう意味でございます。」というふうに答弁されておりまして、ここをこれからついてくると思うんですね。  これ、もう一度、この九一年の当時の柳井条約局長発言に関しての外務省の御認識、御見解を伺っておきたいんですが。
  143. 岡野正敬

    ○政府参考人(岡野正敬君) 個人の請求権を含め、日韓間の財産請求権の問題は、日韓請求権・経済協力協定により完全かつ最終的に解決済みであるというのが日本政府の一貫した立場でございます。  具体的には、日韓両国は、ただいま申し上げました請求権協定第二条一項で、請求権の問題は完全かつ最終的に解決されたものであることを明示的に確認しております。それとともに、第二条三項で、一方の締約国及びその国民の他方の締約国及びその国民に対する全ての請求権に関していかなる主張もすることはできないとしていることから、一切の個人の請求権は法的に救済されないものというのが政府の理解でございます。  その結果、我が国及び韓国並びにその国民の間の請求権の問題については、日韓請求権・経済協力協定により、韓国及びその国民の請求権に基づく請求に応ずべき日本及び日本国民の法律上の義務が消滅していると、その結果、救済が否定されることになるということで、法的に解決済みになっているというのが政府の一貫した立場でございます。  柳井答弁について御指摘がございましたが、当時の答弁は、そのやり取りの中での文脈の中で、国際法上の概念である外交的保護権との関係でどういうふうにして整理されるべきかという議論の中で説明があったものと理解しております。
  144. 浅田均

    ○浅田均君 確認ですが、外交保護権の行使としては取り上げることはできないと。だから、外国で何か損害を受けた人が訴えた場合、国がそれを言わば応援することはできないということを言われているだけであって、個人が請求することに関してノータッチであるよというふうに言われたにすぎないというふうに私どもは受け止めるんですが、間違いないですか。
  145. 岡野正敬

    ○政府参考人(岡野正敬君) 国と国との間の関係で外交保護権はどういうことかということになりますと、先ほど申し上げたとおりでございます。  実際、今御指摘がありましたように、ある国が他方の国に対して訴えることができるかどうかということでございますけれども、請求権協定の第二条一項及び第二条三項の規定を読めば明確に分かることは、日本及び日本国民が相手方の請求に応ずべき義務というのは消滅しているというのが我々の協定の解釈でございます。
  146. 浅田均

    ○浅田均君 それで、外交、国と国の間はそういう解釈が成り立つと思うんですけれども、それは必ずしも個人が請求することを禁じているということではないというふうに受け止められるので、今回のこういう状況に至っていると思うんですね。  だから、これから仲裁委員会あるいはICJへ進む可能性もありますけれども、そういうところをついてこられると思いますので、国としてもどういう対応を取られるのか、これは注目していくしかないんですけれども、そういうところをついてくるということを肝に銘じて、河野大臣あるいは所管、担当の方々におかれましては対応をよろしくお願いいたします。これから非常に重要な問題であって、これがうまくいかないと、どんどんほかのところに波及しますので、対応方よろしくお願い申し上げます。  それで、まだ時間がちょっとありますので、防衛大臣に一つだけ質問します。  この間の決算委員会で、弾薬とかどこで買ってどれだけ保管しているのかということをお尋ねさせていただいたんですが、自衛隊が保有している車両あるいは航空機、艦船等の燃料の購入先がどこであるのかというのと、それから、その燃料をどこでどのように保管しているのか、お尋ねいたします。
  147. 深山延暁

    ○政府参考人(深山延暁君) お答え申し上げます。  防衛省において使用する燃料は、原則として一般競争入札を経て調達先を決定しておるところでございます。  平成二十九年度を例に取りますと、主な調達先はJXTGエネルギー、中川物産、コスモ石油マーケティング、出光興産、伊藤忠エネクス株式会社などとなっておるところでございます。  こうして調達した燃料は、各自衛隊の駐屯地や基地において、関係法令等に基づき、燃料タンク等で適切に保管しているところでございます。
  148. 浅田均

    ○浅田均君 時間が来ましたので、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。
  149. 井上哲士

    ○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。  まず、昨日の日米首脳会談についてお聞きいたします。  先ほど来、トランプ大統領のTPPに縛られないという発言についても議論がありました。これ、一般論でトランプさんは述べたわけではないんですね。会談の冒頭でトランプさんは、八月に両国にとって良い発表ができるだろうと、こう述べました。そして、会談後の記者会見では、日本とは何年もの間、信じられないほどの大きな貿易不均衡があると、日本とはディールができると、こう述べたわけですね。  その後に、安倍総理が質問に答えて、八月に発表があるのかと聞かれて、これには答えなかったんです。そして、TPPの線は譲れないと言ってきたことは変わらないのですかと問われたことに対しては、過去の共同声明に基づくと述べるだけで明確なお答えがなかった。その後にトランプさんが、TPPは関係ない、私は何も縛られないと、こう言ったわけですね。  この流れを見れば、日本が大幅な譲歩をするけれども参議院選が終わるまで黙っておこうと、こう示し合わせたと思われても仕方がない流れだと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
  150. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) 全くそうは思いません。
  151. 井上哲士

    井上哲士君 これ、全く国民は納得しておりません。今朝の報道でも、いろんなところでそういうことがあったんじゃないかと、こういう声が広がっているわけですね。これを明らかにしないまま、私は、参議院選挙まで黙っておこうと、これ許されないと思います。  農産物の問題でどのような協議がされたのか、国民国会に明らかにするべきでありますし、今参議院では野党規則に基づいて三分の一以上で要求しておりますけれども、開かれておりません。このまま予算委員会から逃げ回って山積みする問題を明らかにしないまま参議院選挙に臨む、許されないことと思います。  官邸がなかなか応じないという話もありますけれども、是非、河野大臣、こういう問題も含めてきちっと国民国会の前に明らかにするためにも、予算委員会、応ずるということで官邸としても進めるべきじゃないですか。総理にそう言ってくださいよ。どうでしょうか。
  152. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 日米共同声明の枠組みの中で、茂木大臣とライトハイザー通商代表交渉をこれからするところでございますので、その時期について予断をすることはできないと思いますが、この貿易交渉を加速させよう、そういうことで首脳は合意をしたというふうに認識をしております。
  153. 井上哲士

    井上哲士君 そういう従来の説明では違うようなことを現に首脳会談の前、トランプさんが言って、そのことに対して国民が疑問を持っているわけですから、きちっと国民の前に明らかにしていただきたい。予算委員会の開催を改めて強く与党にも求めたいと思います。  その上で、国際的な課税の問題についてお聞きいたします。  多国籍企業国際的な租税回避を解決するBEPSが取り組まれてまいりました。その基本的な考え方は、価値が創造されたところで税金を払うべきということであります。租税回避の手段として代表的なタックスヘイブンに加えて、この間問題になってきたのがPE、恒久的施設なければ課税なしという国際的な課税原則を悪用した課税逃れでありました。  外資系のネット通販大手が、日本倉庫はあって巨額の売上げがあるけれども、一方、従来のルールでは、商品の保管、引渡しのみを行う場所はPE認定できないということになってまいりました。その結果、例えばアマゾンの場合に、二〇一四年の報告書では日本の売上げは八千三百八十七億円ですけれども、その九割をアメリカで計上して、アマゾン日本法人の二社の法人税額は十一億円だったと、こういうことになっております。  去年承認したBEPS防止措置実施条約では、こうしたPEの人為的回避を規制するために、このPEの定義を変更して、倉庫についてもPE認定して課税をするということも可能になりました。  今問題になっているのは、いわゆるデジタル課税と。つまり、PEの定義を広げても、そもそもそういうものがないということの場合に全く課税されないという問題だと思います。つまり、このPEなければ課税なしという国際的税務ルールそのものの見直しが必要になっていると思いますが、これ具体的にはどういうような事業がどのような問題になっているのか、財務省、お願いします。
  154. 住澤整

    政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、経済の電子化に伴いまして様々な課税の問題が生じてきております。そうした中で、BEPSプロジェクトの議論も踏まえまして、我が国におきましても、例えば海外からの電子的なサービスの配信に対する課税の問題でありますとか、ただいま御指摘がありました倉庫に関するPEの定義の見直しの問題、こういったことにも取り組んできているところであります。  そうした中で、今御指摘がありましたように、これまでの国際課税原則におきましては、自国内に物理的な恒久的施設、PEがなければ課税ができないという原則の見直しが問題になってきております。その背景として、経済デジタル化、電子化が進展している中で、外国企業が物理的なPEなしに事業を様々な市場で展開することが可能になっているという背景がございます。  そういった中で、御質問は、具体的にどのような産業において課税上の課題が発生しているのかという点でございますが、この点につきましては、まず検索エンジンですとかソーシャル・ネットワークサービスといった典型的な高度に電子化されたビジネスにつきまして、現行のPEなければ課税なしという課税原則がユーザーによる価値創造への貢献を適切に考慮していないという点で課税上の問題が生じているという見方がございます。  その一方で、こうした経済の電子化に伴う課税上の問題は、こういう高度に電子化されたビジネスに限定されずに、それ以外にも、価値のある無形資産、マーケティングインタンジブルズと呼ばれているようなものを持っている企業一般にも関係する問題であるという見方もございまして、多様な見方が存在するところでございます。
  155. 井上哲士

    井上哲士君 検索とかでSNSサービスを無料でインターネット利用者に提供する一方で、利用者の関心に応えた広告を表示して世界中の企業から広告料を得ていても、ユーザーがいるところではなかなか課税にならないと、そういうようないろんな問題があるんだと思うんですが。  この問題を解決する議論の中で、このBEPSの価値が創造されたところで税金を払うべきと、こういう基本的考え方そのものはどう取り扱われているんでしょうか。
  156. 住澤整

    政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。  BEPSプロジェクトにおきましては、経済の電子化に伴う課税上の課題について二〇二〇年までにグローバルな長期的解決策を取りまとめるということを目標といたしまして、OECDを中心として国際的に議論が行われております。  そうした中で、本年の二月にOECDが経済の電子化に伴う課税上の課題に関するコンサルテーションペーパーというものを公表いたしまして、民間部門からも意見を聴取するなど取組を進めております。  そういった中で、今御指摘のありました価値が創造された国で十分な課税が行えるように、商品ですとかサービスが提供された市場国、あるいはデジタルサービスのユーザーが所在している国に対しまして、そういったサービスを提供する多国籍企業所得に対する課税権を配分するような国際課税原則の見直しということが一つの柱として議論をされているところでございます。  また、もう一つ、この二つ目の柱といたしましては、他国がその多国籍企業所得に対して極めて低い税率しか課税をしていない、いわゆるタックスヘイブンと呼ばれるような国々に代表されるような事例に対する対応といたしまして、そういった国の存在によって税源浸食を受けている国に対して課税権を認めることで対応していこうという第二の柱、こういった方向についても議論が行われているということでございます。
  157. 井上哲士

    井上哲士君 今お話のあったコンサルテーションペーパーはお手元に配付しているわけでありますが、今のその第一の柱について言いますと、課税権の決定ルールや課税対象所得の算定及び配分のルールについて三つの概念が示されて議論がされていると思いますが、簡潔にこの三つの概念それぞれについて御説明いただけますでしょうか。
  158. 住澤整

    政府参考人(住澤整君) 簡潔に申し上げます。  この配付していただいている資料の真ん中辺に①から③ということで三つの案がございます。  このうち、ユーザーの参加とありますものは英国が提案している考え方でございまして、先ほど申し上げたSNSですとか検索エンジン等の高度に電子化されたビジネスにおいては、ユーザーが何らかの形で自らのデータを提供する等の貢献を行っていると、それによってその多国籍企業による価値の創造がなされているという、その点の貢献が十分に認識されていないという問題意識から、ユーザーのそうした参加により生じた利益に対する課税権をユーザー所在地国に対して配分するという考え方の提案でございます。  また、二番目のマーケティング上の無形資産、これは米国が提案しているものでございますが、企業が利益を上げるためには必ずその当該市場国におきまして顧客基盤などのマーケティング上の無形資産を形成する必要があるという考え方から、特定の市場に密着あるいは特化して行われる企業のマーケティング活動などに着目をいたしまして、そういった無形資産から生ずる利益に対する課税権を市場国に対して配分するという考え方でございます。  最後に、重要な経済存在と呼ばれている考え方、これはインドを始めとする途上国の案でございますが、これは外国企業であってもその市場国から定期的に収入を得ており、また、かつデジタル又はその他の手段で市場国と持続的な関係を構築していると認められるような場合には重要的な経済存在が認定されるという考え方で、市場国で課税できるような見直しを行うという考え方でございます。
  159. 井上哲士

    井上哲士君 巨大なIT企業を抱えて、これまではこうしたルールづくりに否定的だったアメリカが提案をしてきたということは前進と思いますが、一方、この二番目のアメリカ案では、課税対象となるのは多国籍企業の利益の一部にすぎないという指摘もありまして、途上国などはこの三番目の案、雇用市場の資産などの経済的実態に基づいて行うことが必要だという声が強くあるわけでありまして、今後、やはり公正な課税を実現をしていく上で、こういう第三の案の中に示された考え方もしっかり生かしていくことが必要かと思いますが、それも含めて、公正なデジタル課税を進める上で日本としてはどう取り組んでいくんでしょうか。
  160. 住澤整

    ○政府参考人(住澤整君) 現在、この三つの考え方につきましては、ある意味抽象的な考え方の提示にとどまっている段階でございまして、具体的にそれでは執行可能な制度とするにはどういう制度としていけばよいのかといったようなことも含めて、議論がこれからまさに行われていこうという段階でございます。  そういった意味で、その各案についての具体的な評価を申し上げられる段階にないことは御理解いただきたいというふうに存じますが、いずれにしても、価値の創造された国で課税するという基本的な考え方を重視しながら、本年の我が国はG20の議長国でございますので、解決策の合意に向けて国際的な議論に引き続き貢献してまいりたいというふうに考えております。
  161. 井上哲士

    ○井上哲士君 是非、公正なデジタル課税実現へと取り組んでいただきたいと思いますが。  もう一点、国際連帯税について大臣にお聞きいたしますが、貧困や環境問題などの地球規模の問題に対策する財源確保を目的としたもので、最近はSDGsの目標を達成するための資金確保としても議論がされております。大臣の所信でも強調されておりました。  是非実現をしていただきたいんですが、二〇一〇年の税制改正大綱以来、外務省からこの新設が出て大綱に盛り込まれておりますが、二〇一〇年の大綱では国際連帯税の検討を早急に進めますと、こうなっておりましたが、翌年からは今後真摯に検討を行いますという表現になりまして、かつ実際進んでおりません。  国際的には、まず第一歩として航空連帯税なども取り組まれ、導入されてきたわけでありますが、日本は去年、航空券への課税は創設しましたけれども、使途は観光基盤の強化などに、三分野に限定した国際観光税にとどまったということになっていまして、どうも政府全体としては姿勢が後退してきているのではないかという印象を私は持っております。  是非、これ実現に向けて政府全体で推進させるように転換させる必要があると思います。そういう政府全体の問題と、そして今後、今回、この問題での国際会議の議長国に日本はなっているわけでありますが、今国際的に何を突破して、実現のためにどう力を発揮していこうとお考えなのか、併せてお答えいただきたいと思います。
  162. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) SDGsの達成のためには年間二兆五千億ドルの資金ギャップがあるという推計もございます。そういう中で、二〇一七年、一八年、七千万人近い難民、避難民の方が出ていて、こうした方への人道支援、あるいは気候変動による自然災害の被害者への支援、様々なニーズがこれから増えていくことが予見されているわけでございます。  日本は、今年手を挙げて、革新的資金調達のためのリーディンググループの議長国になりました。グローバリゼーションの光と影の中で、光から影の部分にやはり何らかの手当てをする必要があるというふうに考えておりまして、まずは国際的な議論をしっかりと盛り上げてまいりたいというふうに考えているところでございます。  G7あるいはAPEC、様々な場でこの国際連帯税の問題提起をしてきておりますが、海外からも非常に多くの反響をいただいているところでございます。また、外務省の中にもこのための有識者会議を立ち上げて議論をしていただいて、少しいろんなものを詰めていきたいというふうに考えておりますので、日本の税制ということだけでなく、国際的にできればいろんな議論を経て統一した課税ルールというのを作っていきたいというふうに考えているところでございますので、息の長い取組になろうかとは思いますが、しっかり前進をさせてまいりたいというふうに考えているところでございます。
  163. 井上哲士

    ○井上哲士君 是非、公正なデジタル課税も、そして国際連帯税も推進をしていただきたいと思います。  以上、終わります。
  164. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 ハイサイ、沖縄の風の伊波洋一です。  本承認案については特段異論ありません。  辺野古新基地建設工事について伺います。  これまでも、井上哲士委員ほかの先生方がこの問題を取り上げています。三月に公表された検討結果報告書では、地盤改良の深度は、現有作業船の能力等を考慮し、最大深度は七十メートル程度にすると書いてある。その上で、C1護岸予定地直下のB27地点については、水深九十メートルまで軟弱地盤であることを把握しながら、ボーリング調査は実施せず、コーン貫入試験しか実施していない。そのコーン貫入試験では、水深七十メートル地点で換算N値三・六六、九十メートル地点で六・四四と、非常に固いとされるN値一五から三〇の範囲には届かなかったとされている。  そこで、別のS3、S20、B58の三地点の室内試験結果から推論し、ようやくB27地点でも地盤改良の砂ぐいが到達する最大深度の七十メートル地点が非常に固いと類推できる、したがって、水深七十メートルから九十メートルの地盤改良は必要ないと、防衛省には都合の良い結果が得られた、という流れがこれまでに明らかになりました。  この三地点からの推論ですが、政府は、軟弱地盤とされるB27地点の七十メートルから九十メートルの土層について、第一に、全体をボーリング調査、コーン貫入試験、音波探査により土層を分類し、B27地点は三地点と同じAvf―c2層に属すること、第二に、同じ土層に属することから、同じ地盤強度の傾向を示すこと、そのため、第三に、B27地点の水深七十メートルはAvf―c2層のGL四十メートル地点に当たるから、一軸圧縮強度は約二百六十で、結論として非常に固い粘土層に分類されると説明しています。  このような理解で間違いないですか。
  165. 辰己昌良

    ○政府参考人(辰己昌良君) 御指摘のB27の件でございますが、まず、土の層については、一般的にボーリング調査、それから物理試験、音波探査等によって土層がどうであるかを見極めます。その上で強度試験を行いますが、このB27は、先ほど御指摘のあったように、S3、S20、B58と並んで、これらの試験を総合的に判断した結果、Avf―c2層という非常に固い粘土層であるというふうに分類されているところでございまして、そういった評価を基に安定計算をした上で、護岸が安定的に造れるという評価に至っております。
  166. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 これまでB27地点に関しては、岩屋大臣を始め防衛省は、水深七十メートルより深いところの土層は非常に固い粘土層に分類されることが確認されている、と繰り返してきました。  ところが、検討結果報告書十六ページには、Avf―c層とAvf―c2層の地層境界は、C1護岸周辺ではCDLマイナス七十四メートル程度であり、GLから深度四十二メートル付近となる、と書いています。B27地点はC1護岸周辺です。この資料はお手元に配付した資料の四枚目の方にありますが、そこで質問です。  B27地点の深度七十メートル地点は、Avf―c2層ではなくAvf―c層ではないですか。もしAvf―c層だとすると、水深七十メートル付近の強度は、防衛省の主張してきた二百六十、N値一五から三〇の非常に固い粘土層ではなく、強度百六十、N値八から一五の固いにワンランク下がってしまいますが、違いますか。
  167. 辰己昌良

    ○政府参考人(辰己昌良君) 御指摘のように、報告書十六ページにおきまして、Avf―c層とAvf―c2層、これの境界でございますが、これはB27がありますC1護岸周辺ではCDLマイナス七十四・〇メーター程度という表記をしているところでございます。  こういうことも踏まえまして、我々としては、約七十メーターより深いところについては非常に固い粘土層であるというふうに説明をしてきたところでございます。
  168. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 実際は、皆さん、三枚目の資料ですね、この資料ですけれども、必ずしも提出された資料、報告された資料にはAvf―c層とc2層の差は、境界はほとんど明示的には示されておりません。このグラフを通して、こういう違いがあるからそこに差があるんだということが示されているだけにすぎません。  しかしながら、同時に、七十メートルまでしか工事ができないことも事実であります。今、回答は、まさにそのことは言わずに「程度」という話だったんですけれども、本来ならば、報告書の推論を前提にしても、水深七十四メートルのところまで地盤改良する必要があるのではありませんか。
  169. 辰己昌良

    ○政府参考人(辰己昌良君) 今回の報告書にもございますように、我々としては、いろいろな調査をし、土質調査をし、総合的に施工検討した結果、七十メーターまで地盤改良をすれば安定的に護岸の施工ができるということを申し上げているところでございます。  また、これまでの例から申し上げても、七十メーターの下の未貫通というか、そういう部分があったとしても、工事が行っているのは一般的であるというふうに聞いております。
  170. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 作業船による地盤改良の最大深度が七十メートルまでだから、七十メートルより深い土層は非常に固いと繰り返してきたのではないですか。やはり、これまでの答弁は七十メートルというふうに言っています。これは撤回して修正すべきではありませんか。
  171. 辰己昌良

    ○政府参考人(辰己昌良君) 繰り返しになりますが、この報告書にございますように、いろいろな調査をし、その上で七十メーターまで地盤改良すれば構造物の安定性を確保した上で工事ができるということを申し上げているところでございます。  そして、先ほど申しましたように、構造物の安定性は必ずしも十分に固く安定した土の層に達するまで地盤改良しなくても確保し得るものであり、これは過去の地盤改良の事例でも確認をされています。
  172. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 今の答弁は、何か、軟弱地盤の話は、これ軟弱地盤は、B27のところでは九十メートルまで軟弱地盤なんです。軟弱地盤なんだけれども、その途中で非常に固い層になっているということが、今お手元の資料のこのグラフで、試験をしてそうしているんだということがこれまでの説明の根拠なんですけれども、しかし、これでも、ここに書いてありますように、C1護岸は七十四メートルまではAvf―c層なんですね。  つまり、軟弱地盤のままなんですよ、これは。ですから、これは七十四メートルと言うべきところを七十メートルと言ってきたわけです、この間の答弁は。  そこで、委員長に、これまで、七十四メートルとせず、七十メートルより深いところや約七十メートルなどと繰り返してきた答弁を防衛省において精査させ、防衛省答弁における七十メートルという用語の意図を明確にするとともに、七十四メートルと訂正するよう、理事会において求めていただきたいと思います。
  173. 渡邉美樹

    ○委員長(渡邉美樹君) 後刻理事会において協議いたします。
  174. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 防衛省は、同じ土層だから強度の傾向も同じはずと言っていますが、論理が逆で、実測した数値から同様の特性、傾向を持つ同じ土層と推論できると仮定しているにすぎません。B27の地点の強度の推論は、論理としては成り立っていないのであります。  同時に、先ほど答弁があったこの七十メートル以下のところは地盤改良しなくても大丈夫だという根拠は、報告書にはどこにもないですよ、どこにもないです。ですから、その根拠が本当にあるのならばお示しをいただきたいと思います。
  175. 辰己昌良

    ○政府参考人(辰己昌良君) この件については、裁決でも、防衛省の報告書について、これが、地盤改良が行い得るという結果をいただいていますし、鑑定の中にも、そういうふうに施工していない部分があったとしても安定性は確保できるということも、そういう事例もあるので、今回の我々の報告書については適切であるという評価をいただいていると考えています。
  176. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 いや、なぜ地盤改良をせざるを得ないのか、これは軟弱地盤だからなんですね。軟弱地盤だから、地盤改良しなければこの構造物は安全ではないということから、五年を掛けてこれだけの新たな地盤改良をすることになったんです。そして、その範囲についての議論の中で、やはりAvf―c層というところは軟弱地盤だから改良しなきゃならない。しかし、Avf―c2層は、これは固いからやらなくても大丈夫だと。ところが、今お話ししているのは、まさにそのC1護岸の下に四メートルも軟弱地盤のまま残るということなんですよ。ですから、そのことについて、やはりデータをしっかり新たにしなきゃいけないんじゃないでしょうか。  防衛省は、今、大浦湾側の軟弱地盤の改良に向けた設計変更の業務を発注しております。この新たな業務の入札とその設計変更に当たって、B27地点において推論で出した強度のデータが提供されるのか、それとも実測データを提供するのか。この土木設計業務で改めてB27の地点の実測をすることになるのでしょうか。
  177. 鈴木敦夫

    ○政府参考人(鈴木敦夫君) お答え申し上げます。  B27地点につきましては、今御説明したように、さきのこの報告書の中におけます各種調査によりまして、同地点の土の層の分布状況ですとか各層の強度特性は明らかであると考えておりまして、これらの調査結果等を基に今後検討していくものというふうに考えてございます。
  178. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 従来から、B27地点は何かほかのところをやっているので分かっていると。でも、まさにこの報告書はB27地点を、B27地点というのはC1護岸そのものなんですね。その付近は七十四メートルまでなんですよ、Avf―c層がですね。  ですから、そういう意味では、これまでコストが掛かるからとしていたんですけど、どの程度追加コストが見込まれるんですか、そのB27を調査することです。そのことをしっかりと、ほかと同様にボーリング調査をしていくということについて、これがどれだけのコストが掛かるのか、明らかにしてください。
  179. 鈴木敦夫

    ○政府参考人(鈴木敦夫君) まず、御指摘の地盤改良の問題につきましては、先ほど御説明申し上げましたとおり、サンド・コンパクション・パイル工法等によりまして、その地盤改良の深さというのは、必ずしも十分に固く安定した土層、その土の層に達する深度まで施工しなくても構造物等の安定性を確保し得るものというふうに承知してございます。そうした例は、東京国際空港再拡張事業等、こうしたところでもやはり固く安定した土層までの地盤改良を行っていないというふうに承知してございます。  御質問でございますけれども、今累次申し上げたとおり、地盤調査に当たっては、どのような種類の土の層がどのように分布しているかですとか、土の層の強度を把握する必要があります。これらを把握するために、音波調査や所要のボーリング調査、この各ボーリング調査等の行った地点の間において地盤の特性を把握するコーン貫入試験、こうしたものを行うなどしたところでございます。  こうしたボーリング調査、コーン貫入試験及び各種の音波調査とか室内試験等からこのように地盤強度を評価するということは、一般的で適正なものというふうに考えてございます。こうした考え方に基づきまして、B27地点においても地盤の特性をしっかりと把握することができているというふうに考えてございます。
  180. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 今私は、どれだけのコスト掛かるのかと聞いたんですけれども、お答えになりませんでした。それはおいておきましょう。  しかし、今問題になっているのは軟弱地盤なんです。軟弱地盤、この軟弱地盤というのは普通の軟弱地盤じゃない。下の九十メートルのところに植物層が埋まっているんですよ。
  181. 渡邉美樹

    ○委員長(渡邉美樹君) 質疑をおまとめください。
  182. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 そういう意味では、防衛大臣にお伺いします、大浦湾の埋立ては今のままで本当にいいんですか。つまり、本来地盤改良をするべき場所が四メートルも残ります。漫画でもバナナの皮でつるっと滑りますけれども、四メートルの厚みで改良されないエリアが出ている、地盤崩れの原因になる可能性があるんですね。そういうままで本当に調査もしないで工事をしていいんですか、お答えください。
  183. 岩屋毅

    ○国務大臣(岩屋毅君) 先生御指摘のB27地点につきましては、今事務方から説明いたさせましたように、更にボーリング調査を実施しなくとも、強度特性は明らかであると考えております。  現在、沖縄防衛局において具体的な設計等の検討を行うこととしており、その設計業務の発注に向けた公告をした段階でございます。地盤改良についてはこれから十分に検討し、遺漏なきようにしてまいりたいというふうに思っております。
  184. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 いや、こういう答弁ではですね……
  185. 渡邉美樹

    ○委員長(渡邉美樹君) おまとめください。
  186. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 これだけの工事をやる責任を持っている大臣のお答えにはならないと思います。  やはり調査するべきですよ。ボーリング調査をして、本当の、明らかにこの現場を確認をした上で実施設計をやるべきだと思います。  以上です。
  187. 渡邉美樹

    ○委員長(渡邉美樹君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  188. 渡邉美樹

    ○委員長(渡邉美樹君) 速記を起こしてください。  この際、外務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。河野外務大臣。
  189. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) 先ほど大野理事との質疑の際に答弁いたしましたアルゼンチンの金利の上昇や為替の下落といった足下の経済状況につきましては、再度内容を精査した上で、後日理事会に資料を提出し、報告させていただきます。
  190. 渡邉美樹

    ○委員長(渡邉美樹君) 他に御発言もないようですから、五件に対する質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  191. 井上哲士

    ○井上哲士君 私は、日本共産党を代表して、日本・アルゼンチン投資協定、日本・スペイン、日本・クロアチア、日本・コロンビア及び日本・エクアドルの四つの租税条約に反対の立場から討論を行います。  本投資協定は、安倍政権が経済政策の柱とする成長戦略に基づき、日本の多国籍企業が海外で最大限の利益を上げるための投資を促進する協定です。日本の経済界は、国内にあっては法人税の減税や労働法制の改悪を要望し、国外においては日本の多国籍企業が多額の収益を上げられるよう条件整備を求めています。本投資協定は、こうした経済界からの強い要望も受けて、投資の更なる促進を行うものにほかなりません。  租税条約についても、日本の大企業とその海外子会社は、当該国内の外資優遇税制のメリットを十二分に受けつつ、投資に対する源泉地国課税の軽減によって税制優遇措置を二重三重に享受することが可能となります。  このように、四つの租税条約は、国際課税分野における日本の大企業優遇税制を国内外で更に拡大強化するものであり、容認できません。  以上、反対討論とします。
  192. 渡邉美樹

    ○委員長(渡邉美樹君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。(発言する者あり)  速記を止めてください。    〔速記中止〕
  193. 渡邉美樹

    ○委員長(渡邉美樹君) 速記を起こしてください。  これより採決に入ります。  まず、投資の促進及び保護に関する日本国とアルゼンチン共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  194. 渡邉美樹

    ○委員長(渡邉美樹君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。  次に、所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とスペイン王国との間の条約の締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  195. 渡邉美樹

    ○委員長(渡邉美樹君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。  次に、所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とクロアチア共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  196. 渡邉美樹

    ○委員長(渡邉美樹君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。  次に、所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とコロンビア共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  197. 渡邉美樹

    ○委員長(渡邉美樹君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。  次に、所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とエクアドル共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  198. 渡邉美樹

    ○委員長(渡邉美樹君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。  なお、五件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  199. 渡邉美樹

    ○委員長(渡邉美樹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時十分散会