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2019-06-06 第198回国会 参議院 内閣委員会 22号 公式Web版

  1. 令和元年六月六日(木曜日)    午前十時二分開会     ─────────────    委員の異動  六月四日     辞任         補欠選任      石川 博崇君     西田 実仁君  六月五日     辞任         補欠選任      佐藤  啓君     野上浩太郎君      山東 昭子君     宮本 周司君      豊田 俊郎君     猪口 邦子君  六月六日     辞任         補欠選任      石井 準一君     進藤金日子君      野上浩太郎君     中西  哲君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         石井 正弘君     理 事                 藤川 政人君                 和田 政宗君                 相原久美子君                 矢田わか子君     委 員                 有村 治子君                 石井 準一君                 猪口 邦子君                 岡田  広君                 進藤金日子君                 中西  哲君                 舞立 昇治君                三原じゅん子君                 宮本 周司君                 牧山ひろえ君                 木戸口英司君                 榛葉賀津也君                 竹内 真二君                 西田 実仁君                 清水 貴之君                 田村 智子君    国務大臣        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣少子化        対策))     宮腰 光寛君    副大臣        内閣府副大臣   左藤  章君        厚生労働副大臣  大口 善徳君    大臣政務官        内閣府大臣政務        官        安藤  裕君    最高裁判所長官代理者        最高裁判所事務        総局総務局長   村田 斉志君    事務局側        常任委員会専門        員        宮崎 一徳君    政府参考人        内閣官房内閣人        事局人事政策統        括官       植田  浩君        内閣官房内閣人        事局人事政策統        括官       長屋  聡君        内閣府大臣官房        審議官      三浦健太郎君        法務大臣官房審        議官       筒井 健夫君        厚生労働大臣官        房審議官     田畑 一雄君        厚生労働大臣官        房審議官     八神 敦雄君        厚生労働大臣官        房審議官     諏訪園健司君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○成年被後見人等の権利制限に係る措置の適正  化等を図るための関係法律の整備に関する法律  案(第百九十六回国会内閣提出、第百九十八回  国会衆議院送付)     ─────────────
  2. 石井正弘

    ○委員長(石井正弘君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、石川博崇君、佐藤啓君、山東昭子さん及び豊田俊郎君が委員を辞任され、その補欠として西田実仁君、野上浩太郎君、宮本周司君及び猪口邦子さんが選任されました。  また、本日、野上浩太郎君が委員を辞任され、その補欠として中西哲君が選任されました。     ─────────────
  3. 石井正弘

    ○委員長(石井正弘君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣人事局人事政策統括官植田浩君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 石井正弘

    ○委員長(石井正弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 石井正弘

    ○委員長(石井正弘君) 成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 和田政宗

    ○和田政宗君 自由民主党・国民の声の和田政宗でございます。  では、早速質問に入っていきたいというふうに思っております。  成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化を図るというようなことが法律の案でございますけれども、この法改正の意義について、まず大臣の見解を聞きたいというふうに思います。
  7. 宮腰光寛

    ○国務大臣(宮腰光寛君) 今回の法案は、平成二十八年五月施行の成年後見制度の利用の促進に関する法律に基づき、成年後見制度を利用している方々の人権が尊重され、不当に差別されないよう、いわゆる欠格条項を適正化することを目的としております。  多くの欠格条項の存在により、同程度の判断能力であっても、成年後見制度を利用している人のみが各種の資格、職種等から一律に排除され、能力を発揮する機会が失われていることが問題となっております。  今回の改正によりまして、成年後見制度を利用していることを理由として一律に排除するのではなく、各資格、職種等にふさわしい能力の有無を個別的、実質的に審査し、判断する仕組みとすることで、誰もがその能力を発揮し、社会参加できるための第一歩になるものと考えております。
  8. 和田政宗

    ○和田政宗君 ありがとうございます。  では、欠格条項の見直しの関係についてまず聞いていきたいというふうに思っております。  個別審査規定についてですけれども、本法律案による改正によって多くの資格等で個別審査規定が新設されることになり、審査基準の実態、各資格、職種の信頼性を担保しつつ、本人の能力に応じたきめ細やかな審査を行う必要があるというふうに考えますけれども、これについてはどうでしょうか。
  9. 宮腰光寛

    ○国務大臣(宮腰光寛君) 今回の法案におきましては、成年被後見人等に係る欠格条項を設けている各制度について、心身の故障等の状況を個別的、実質的に審査し、制度ごとに必要な能力の有無を判断する規定、個別審査規定へと適正化することとしております。  議員御指摘の、個別審査規定の整備や運用に関しましては、それぞれの法律を所管する府省庁において、各資格等の性質や業務の実態等を勘案し、資格等に対する信頼性を確保しつつ、本人の能力を適正に審査、判断できるよう適切な対応がなされるものと考えております。また、その際には、今回改正の趣旨や、障害者権利条約、障害者差別解消法等を踏まえ、必要な環境整備や合理的配慮の在り方と併せて検討されることが必要と認識しております。  内閣府といたしましても、個別審査規定の整備や運用が適切になされるよう各府省庁に要請を行ったところでありますけれども、今後、法改正後にも改めて各府省庁に要請を行い、周知徹底を図ってまいりたいと考えております。
  10. 和田政宗

    ○和田政宗君 この法改正に当たりまして、法律の専門家を始めとして、現場の運用を始めとして、行政書士の方々なども中心にお話を実は聞きました。  その中でこういった意見がございまして、将来的に再度欠格条項が設けられることに対する懸念というような意見がございました。これは、成年後見制度の創設等が行われた平成十一年の法改正の際、併せて欠格条項の見直しが行われたわけですけれども、当時、百五十八あった欠格条項は百十六に減少したものの、その後は各省庁による見直しがほとんど行われずに二百程度にまで増加したという経緯がございます。  将来的に欠格条項が再度増えることのないよう、関係省庁等への周知を徹底する必要性があるという意見もございますが、これについてはいかがでしょうか。
  11. 宮腰光寛

    ○国務大臣(宮腰光寛君) 今回の法案は、成年後見制度を利用している方々の人権が尊重され、不当に差別されないよう、いわゆる欠格条項を適正化することを目的とするものでありまして、今後、成年被後見人等に係る欠格条項を新たに設けることは、こうした法案の趣旨に照らして適当でないと考えております。  こうした考え方については、内閣府に設置されておりました成年後見制度利用促進委員会の議論の取りまとめにおきましても、各府省庁においては、本法案が成立して以降、新たに欠格条項を設けないよう留意することとされたところであります。  内閣府といたしましても、既に各府省庁に対し新たに欠格条項を設けないようお伝えしたところでありますが、法改正後にも改めて依頼、周知を行うこととしております。  なお、利用促進委員会の取りまとめでも言及されたとおり、その後継組織であり、厚生労働省に設置された成年後見制度利用促進専門家会議におきましても、今後しっかりと動向を注視していくことになるものというふうに考えております。
  12. 和田政宗

    ○和田政宗君 ありがとうございます。  では、次に、成年後見制度自体についての論点を幾つかお聞きをしていきたいというふうに思います。  後見、保佐、補助の三類型のうち、保佐と補助の利用が少ないところがございますけれども、現状について政府の見解をお述べいただきたいというふうに思います。
  13. 筒井健夫

    ○政府参考人(筒井健夫君) お答えを申し上げます。  御指摘ありましたとおり、成年後見制度の利用状況を見ますと、平成三十年におきましても全体の利用の約八割が後見類型となっており、保佐、補助類型の利用の割合は少ない状況にございます。  その原因につきましては、そもそも保佐、補助の制度が十分に知られていないこと、それから、成年後見制度を利用するメリットが実感されていないため、本人の能力が著しく低下し、社会生活において大きな支障が生じないと制度が利用されないことなどが指摘されております。
  14. 和田政宗

    ○和田政宗君 であれば、そういったところの周知も含めて、せっかくの制度でございますので、そういったところが利用できる、それによって助かる方もいらっしゃるわけでございますから、その辺りはしっかりとやっていただければというふうに思います。  次に、専門職後見人、専門職後見監督人の報酬ですけれども、管理する資産額に応じて決定されるケースが多く、実務の量と比較して高額過ぎるのではないかというような、そういったケースもあるという意見がございますが、これについては見解はいかがでしょうか。
  15. 筒井健夫

    政府参考人(筒井健夫君) 民法上、後見人及び後見監督人の報酬につきましては、個別の事案に応じ家庭裁判所の判断において定められるものとされております。  委員から御指摘がありましたような意見があることは承知しておりまして、第三回の成年後見制度利用促進専門家会議における最高裁判所の報告によりますと、後見人等への報酬の在り方について最高裁判所専門職団体との間で議論がされており、今後、後見人等が行った具体的事務の内容に応じて報酬額を決定するという基本的な方向性に基づき各家庭裁判所が検討を進めることにつきましては、専門職団体からも一定の理解が示されたとのことでございます。もっとも、最高裁判所の報告によりますと、専門職団体から後見人等が行う事務の内容やその評価の方法等について様々な意見が出されており、いまだ共通認識は形成されていない状況にあるとのことでございます。  このように、今後は各家庭裁判所において、以上のような最高裁判所専門職団体との議論の状況等も踏まえ、後見事務の内容に応じた報酬の在り方について更に検討が行われるものと承知しておりますが、法務省といたしましても、利用者がメリットを実感できる制度の運用を進める観点から充実した検討が行われることを期待しているところでございます。
  16. 和田政宗

    和田政宗君 平成三十年における成年後見人等による不正報告件数が二百五十件であり、被害額はおよそ十一・三億円に上ります。近年は減少傾向であるものの、成年後見制度への信頼を揺るがしかねないという、これもそういう状況であるという意見がございますけれども、これについて政府はどのように考えますでしょうか。
  17. 筒井健夫

    ○政府参考人(筒井健夫君) ただいま委員から御紹介がありましたとおり、最高裁判所事務総局家庭局の調査結果によりますと、平成三十年に報告がされました後見人等による不正事例は二百五十件ありまして、その被害総額は約十一億三千万円であったものと承知しております。  本来、被後見人等の権利を守る立場であるはずの後見人等による不正は成年後見制度に対する信頼を損なうものであり、法務省といたしましても、これを防止することは極めて重要な課題であると考えております。
  18. 和田政宗

    ○和田政宗君 その認識の下、しっかりとこれは防止をしていかなくてはならない、こういった不正は行われてはならないというふうに思っておりますので対応をお願いしたいというふうに思っています。  不正の防止策としては後見制度支援信託、後見制度支援預金等の活用というものがございますけれども、現在の活用状況と、これらによる資産管理についての長所、短所について説明を願います。
  19. 筒井健夫

    ○政府参考人(筒井健夫君) 御指摘ありましたとおり、後見人による不正を防止するために、家庭裁判所におきましては、親族後見人などが高額の財産を管理する事案では、日常的な生活を営むのに必要な金銭は預貯金等として管理し、それ以外の金銭は信託財産として信託銀行等に預け、その引き出しには家庭裁判所の発行する指示書を必要とするという後見制度支援信託の活用を促しているものと承知しております。  この後見制度支援信託の利用は、不正防止という観点からは有効ではあるものの、一部の金融機関の一部の店舗でしか取り扱っていないために、何か相談したいときに不安であることでありますとか、それまで取引のなかった金融機関と取引を始めるのに抵抗感があるといった問題点も指摘されているところでございます。  御紹介ありました後見制度支援預貯金につきましては、このような指摘も踏まえて、成年後見制度利用促進基本計画に従い、後見制度支援信託に並立、代替する制度として検討が開始されたものでございまして、平成三十年三月に、金融機関団体、各金融機関による自主的な勉強会であります成年後見における預貯金管理に関する勉強会が取りまとめた報告書におきまして、金融機関によって導入が比較的容易と考えられる預貯金に関する仕組みがモデル化して提示されたところでございます。現在、この後見制度支援預貯金は後見制度支援信託と並んで活用されつつありまして、今後、報告書の成果が様々な形で応用され、不正事案の発生の防止に役立つことが記載されているところでございます。
  20. 和田政宗

    ○和田政宗君 これも、利用する人がしっかりと利用しやすいというか、そこで悩んで結局利用しないということであったりですとか、苦難というか苦労というものがないようにしていただければというふうに思います。  次に、地域連携ネットワーク及びその中核機関の整備の促進について、三問ほど時間が許せば質問したいというふうに思います。  市民後見人や後見事務になじみの薄い親族後見人等を支えるために相談支援等を担う、いわゆる権利擁護センター、成年後見センター等の設置や、それらの機関を中核機関として構築する地域連携ネットワークによる支援が必要とされております。  平成三十年十月時点で、権利擁護センター等を設置済みの自治体は全体のおよそ二三%、中核機関は七十九、これは四・五%しか設置をされていないわけでございます。また、中核機関の設置予定時期についても未定とする自治体が全体の八割近くに上っております。  地域包括支援センター等既存の枠組みの利用、連携の在り方について、政府としてはどのように考えているか、答弁を願います。
  21. 八神敦雄

    ○政府参考人(八神敦雄君) お答え申し上げます。  まず、厚生労働省といたしましては、二〇二五年をめどに、重度な要介護状態となっても可能な限り住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい、医療、介護、予防、生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステム、この構築を目指しておるところでございます。  今御指摘ございました権利擁護支援の地域連携ネットワーク及びその中核機関につきましては、地域の実情に応じて様々な方法で構築が進められるものであり、新たに一から必ずしも構築をする必要はないと考えております。例えば、各地域において取組が進められてきた地域包括ケアシステムの各関係機関等のネットワークの中に、まず連携が必要な家庭裁判所や法律専門職団体等の司法との連携を加えていくということも想定をしてございます。  このように、地域連携ネットワーク及び中核機関につきましては、地域の実情に応じて、地域包括ケアシステムなどの既存の資源、仕組みを活用しつつ、これらと有機的な連携を図り、柔軟に構築をしていただくように自治体に働きかけをしてまいりたいと考えております。
  22. 和田政宗

    ○和田政宗君 では、家庭裁判所が地域連携ネットワークに参画する意義についてはどうでしょうか。
  23. 八神敦雄

    ○政府参考人(八神敦雄君) お答え申し上げます。  高齢化が進む中、地域におきましては、介護サービスが必要であったり、あるいは入院が必要であるにもかかわらず認知症により契約ができないといったケース、また消費者被害や虐待などの権利侵害のケース、こういった判断能力の低下などによる権利擁護ニーズ、これが増加をしてございます。こうした権利擁護のニーズに対応するためには、権利を擁護していく上で本人にとって最も適切な後見人等を選任するための家庭裁判所との連携が欠かせないというふうに考えてございます。  具体的には、中核機関等が家庭裁判所に対しまして、本人の意思をできるだけ丁寧に酌み取って、その生活を守り、権利を擁護していく最も適切な後見人等を推薦するといったことが大事だというふうに考えてございます。また、中核機関には、後見人が選任された後も、本人やその支援者、後見人とが円滑な人間関係を構築できるよう支援する、こういった機能も期待をされているところでございます。  このように、家庭裁判所が地域連携ネットワークに参画をする意義は、適切な後見人の選任、それから後見人の支援といったために日頃から中核機関との連携体制を整えるということにあるというふうに考えてございます。  今後、認知症高齢者の増加等によりまして権利擁護ニーズの更なる増大が見込まれるということから、こうした司法とも連携をした権利擁護支援の地域連携ネットワーク、これを全国で構築できるように取組を進めてまいりたいと考えております。
  24. 和田政宗

    ○和田政宗君 これ、是非そのように進めていただければというふうに思います。  今答弁の中でも、本人の権利擁護、またそのニーズということをおっしゃっておりましたけれども、こういったことが高齢化社会を更に迎えていく中で多くなってくる可能性というものはあるわけでございます。後見人の選任も含めまして、これは、被後見人の方々、まさに本人というような答弁の内容でございましたけれども、その方々がしっかりと安心して暮らせる、権利が守られる、そういったことがこの法の重要な要素であるというふうに思いますので、今答弁をいただいた方向性でお願いをできればというふうに思っております。  最後にお聞きしたいのは、制度利用者本人に加えて、今関係者のお話も答弁の中でございました。本人の家族など関係者を支援する取組、これはもう必要なわけでございますけれども、その必要性について政府としてどのように捉えているか、改めて答弁を願います。
  25. 八神敦雄

    ○政府参考人(八神敦雄君) お答え申し上げます。  御指摘ございましたように、本人に身近な家族などの関係者を支えるという取組は重要だと考えてございます。そのためにも、権利擁護支援の地域連携ネットワークとその中核機関の整備、大変重要だというふうに考えてございます。  後見人が日常的に本人を見守り、本人の意思や状況を継続的に把握し、適切に対応する体制として構築するチームをつくると。このチームの中には、福祉、医療関係者だけでなく、本人に身近な家族などの関係者も含まれております。家族などとともに、本人の意思をできるだけ丁寧に酌み取った意思決定の支援、身上保護を重視した支援をしていくということを想定をしてございます。  家族などが親族後見人の場合には、この地域連携ネットワーク及び中核機関が親族後見人等の日常的な相談に応じるということとともに、親族後見人が福祉、医療、地域などの関係者とともにチームとなって日常的に本人を見守り、適切に対応するといった体制をつくることができるように支援をするというものでございます。  また、本人を身近で支えてきた親族後見人が制度に対する理解不足のために結果的に不適切な金銭管理などを行わないようにするということのためにも、地域連携ネットワークの一翼を担う法律専門職団体は支援機能の一環として親族後見人に積極的に指導、助言を行うといったことも期待をされているところでございます。
  26. 和田政宗

    ○和田政宗君 法というのは何かを規制するというところがございますけれども、今回はまさに人権擁護の観点からの法律であるわけでありまして、私は、こういった法律というものは必要であるならばもっとしっかりと整備をされていくべきであるというふうに思っております。  成年被後見人及び被保佐人の人権が尊重されて、成年被後見人等であることを理由に不当に差別されない、こういったことが必要であるというふうに思いますので、しっかりとこれは我々国会議員も考えて、政府側と手を携えてやっていかなくてはならないというふうに思っております。  時間が参りましたので、終わります。
  27. 相原久美子

    ○相原久美子君 立憲民主党の相原久美子でございます。  御記憶の方もいらっしゃるかなと思います。四十七年前、実は、有吉佐和子の「恍惚の人」というベストセラー、本当に衝撃でした。もう四十七年前にこういうことを予見してきた。あの状況を鑑みまして、実は今、高齢の認知症ばかりじゃなくて若年の認知症も多々生まれてきていると、こういう現状の中から、我々、家族の問題であったり自分自身の問題でもある、そういうことも考え合わせながら、この成年後見人制度というものにしっかりとやはり私たち自身が関わっていかなければならない、そんな思いで質問をさせていただきたいと思っております。  最高裁判所の報告によりますと、平成三十年の十二月の末、この時点における成年後見制度の利用者数、これが実は二十一万八千百四十二人、これは成年後見、保佐、補助、任意後見等々も合わせてなんですけれども、前年比よりも三・七%増となっています。  この制度が導入されてから十九年が経過しておりますけれども、厚生労働省が五月二十七日の成年後見制度利用促進専門会議に提出した参考資料では、パンフレットやウエブサイトを作成して制度の概要等を周知しているという現状が書かれております。そして、課題としては、知的障害、精神障害、認知症等の利用対象者の数に比べて成年後見制度の利用数が少ないこと、特に保佐、補助及び任意後見の利用が低調であることから、これらを含めた成年後見制度全体の更なる周知を図る必要があると記載されております。  周知も必要だろうとは思いますけれども、周知がされているにもかかわらず利用が伸びないとすると、その要因は別のところにあるんではないかと思います。この間の取組による制度の周知の徹底というのはどの程度進んでいると考えているのでしょうか、お伺いいたします。
  28. 宮腰光寛

    ○国務大臣(宮腰光寛君) 議員御指摘の制度の周知につきましては、平成二十八年五月に施行されました成年後見制度の利用の促進に関する法律におきましても、制度に対する国民の関心と理解を深め、制度利用を必要とする人に十分利用されるよう周知啓発のために必要な措置を講ずることとされているところでありまして、重要な課題の一つであると認識をいたしております。  このため、平成二十九年三月に閣議決定した成年後見制度利用促進基本計画では、パンフレット、ポスター等による制度周知を行うとともに、各地域において制度の周知啓発などの広報機能も備えた地域連携ネットワークの中核機関を整備することとしておりまして、現在、関係省庁等が連携して取組を推進しているところであります。  今回の欠格条項の見直しにつきましても、制度の利用を理由として一律に資格等から排除されることなく、誰もが能力を発揮して社会に参加する第一歩となる非常に重要なことであり、広く周知啓発を行う必要があると考えております。  今後、仮に本法案が成立した場合には、関係省庁や地方自治体に対して通知を行うとともに、成年後見制度の利用促進を担う関係省庁ともしっかりと連携をし、周知啓発に努めてまいりたいというふうに考えております。
  29. 相原久美子

    相原久美子君 実は、二〇一六年に、この内閣委員会成年後見制度の利用の促進に関する法律案を審議いたしました。そのときに附帯決議が付されております。その附帯決議に基づいて、二点ほどお伺いしたいと思います。  まず一点目ですけれども、障害者権利に関する条約第十二条の趣旨に鑑み、成年被後見人等の自己決定権が最大限尊重されるよう現状の問題点の把握に努め、それに基づき、必要な社会環境の整備について検討を行うこと。この点についてですけれども、現状の問題点というのをどのように把握してきたのか、そしてその解決のために必要な措置を行ってきたのか、そして環境の整備等々についてどのような検討を行ってきたのか、お伺いしたいと思います。
  30. 八神敦雄

    政府参考人(八神敦雄君) お答え申し上げます。  ただいま御指摘ございました附帯決議に基づく問題点の把握、それに基づく社会環境の整備などにつきましては、成年後見制度を利用される当事者の方などにも御参加をいただきまして、当時、内閣府に設置されました成年後見制度利用促進委員会において精力的な議論が行われております。  こうした議論を踏まえまして、平成二十九年三月に閣議決定をされた成年後見制度利用促進基本計画におきましては、まず、問題点、現状の問題点といたしまして、一つは、近年、後見人による本人の財産の不正利用を防ぐという観点から親族よりも法律専門職などの第三者が後見人に選任されることが多くなっていますが、こうしたケースの中には意思決定支援や身上保護などの福祉的な視点に乏しい運用がなされているものもあるといったことや、また、制度の申立て動機を見ますと、預貯金の解約ですとか介護保険契約などが多く、また、先ほども御指摘ありました後見類型の利用者の割合が全体の約八〇%といった状況、こうした状況からは社会生活上の大きな支障が生じない限り制度が余り利用されていないことがうかがわれるといった指摘。また、三点目ですが、本人や親族、後見人への支援体制が十分に整備されておらず、事実上相談対応等を行っている家庭裁判所ではなかなか福祉的な観点から本人の最善の利益を図るために必要な助言を行うということが難しいといった問題点が指摘をされてございます。  こうした課題を踏まえまして、まず、現在、政府としましては、この基本計画に基づきまして、必要な社会環境の整備等についての取組を進めているところでございます。  具体的に申しますと、財産管理の側面だけではなく、本人の意思をできるだけ丁寧に酌み取ってその生活を守り、権利を擁護していく意思決定支援、身上保護の側面も重視をし、利用者がメリットを実感できる制度、運用への改善を進めると。また、全国各地域において権利擁護支援の地域連携ネットワークの構築を図る。また、不正防止を徹底するとともに、利用しやすさとの調和を図ると。  こういった施策につきまして、成年後見利用促進専門家会議の御意見もいただきながら、最高裁判所や法務省等の関係機関と連携の上、総合的、計画的に推進をしてまいりたいと考えてございます。
  31. 相原久美子

    ○相原久美子君 指摘されてきた問題点というのは、そうそう一挙に解決というのは難しそうな問題ばかりでございますけれども、しかしながら、先ほど申し上げたように、ちょっと私、自分で、ぼけるのは嫌だねという、ぼけるじゃなくて、恍惚と先ほど言いましたように、これはやっぱり人間として、平均寿命が百歳にもなってきたときに、本当に、私自身もそうですし、家族の問題でもあるという視点から考えますと、やっぱり社会環境、社会全体で考えていかなければならない問題なんだろうと思っておりますので、そういう意味では、当事者とかその当事者の家族だけの問題として小さな範囲で問題の指摘をし合うのではなくて、是非、大きな形で今後の日本のありようとして問題点を整理して、そして適切な対応を図っていただければと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  二点目になりますけれども、成年後見人等の事務の監督体制を強化し、成年後見人等による不正行為の防止をより実効的に行うため、家庭裁判所、関係行政機関及び地方公共団体における必要な人的体制の整備その他の必要な措置を十分に講ずること。これについてはどのような措置がなされてきたのでしょうか。
  32. 村田斉志

    ○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) お答え申し上げます。  この附帯決議におきましては、監督体制の強化のための人的体制の整備の観点と、まさにそれを用いての不正防止策を講ずるといったことがその趣旨として含まれているのかなと思いますので、この二点について御説明をさせていただきますと、家庭裁判所におきましては家事事件の事件数が増加傾向にございまして、特にこの成年後見関係事件の申立てが増加しているという状況にございます。  これを踏まえまして、近年、家庭事件への対応を充実強化するために、判断をする判事ですね、裁判官のほか、成年後見関係事件について書類の点検を行ったり関係の方に手続案内を行ったりする裁判所書記官を相当数増員するといった人的体制の整備を図ってきておりまして、附帯決議の後ということで申しますと、平成二十九年度以降、毎年、家庭事件処理の充実強化のために判事及び裁判所書記官の増員をお認めいただいているところでございます。  こうした体制の強化に基づきまして不正防止策も充実を図っているところでございまして、不正の報告を見ますと、不正件数、被害総額におきまして専門職以外の親族の方などによる不正が全体の九割以上を占めているというところがございますので、こうした不正の背景には、後見人としての責任や義務に関する理解不足、知識不足、こういったことがあるのではないかと考えられるところでございます。  そこで、家庭裁判所では、後見人に選任された親族の方などに対して、最高裁判所が作成したDVDやパンフレットなどを用いて後見人の役割等について御理解いただけるよう説明するといった取組を進めて、親族後見人等による適正な事務が確保されるよう努めております。  また、家庭裁判所では、後見制度支援信託、あるいは後見制度支援預貯金という仕組みを活用をしております。これは、御本人の金銭財産のうち通常は御使用にならない部分を金融機関に預けて、その払戻しには家庭裁判所の発行する指示書を必要とするという仕組みでございます。これでもって財産の安全を確保すると。  さらに、御本人の財産状況などからいろいろ難しい問題があってというような場合には必要に応じまして弁護士、司法書士などの専門職を後見人や後見監督人に選任するということもございまして、このような取組によりまして後見人による不正の防止に努めてきているところでございます。  実際、不正の報告があった件数は、平成二十六年には八百三十一件でございましたが、平成二十八年には五百二件、平成三十年には二百五十件という形で減少をしているという効果が出ているところでございます。
  33. 相原久美子

    ○相原久美子君 不正の事案は減少しているということのようですけれども、対応を図っていただいている結果だとは思います。しかしながら、この不正の金額、十一億と先ほど御指摘ございました。相当大きな金額になります。そしてなおかつ、認知とかなんとかになりますと、やっぱり、施設に入るとかなんとかということによって使われるお金、それがなかなか家族も周知していないというところもあるようでございます。  もちろん、親族による不正事案の方が多いということでございますけれども、どちらにしても、専門職にしても親族にしても、ここは本当にしっかりとやっぱり認識を持っていただかなきゃならない。そのためのやはり取組、是非強めていただければと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  ちょっと飛ばしまして、障害者権利条約との整合性についてお伺いしたいと思います。  障害者の権利に関する条約の第十二条には、法律の前にひとしく認められる権利が定められております。その第二項では、締約国は障害者が生活のあらゆる側面において他の者との平等を基礎として法的能力を享有することを認めること、第三項では、締約国は障害者がその法的能力の行使に当たって必要とする支援を利用する機会を提供するための適当な措置をとること等を具体的に提示をしております。  政府は、この第二項、第三項に規定されております法定能力は、具体的に法律上のどの能力を指すとしているのでしょうか。それから、現状の成年後見制度が同条約に違反しないと解釈をしているわけですけれども、例えば第二項の、障害者が生活のあらゆる側面において他の者との平等を基礎として法的能力を享有することを認めることに違反していないと解釈し得る理由を分かりやすくお答えいただければと思います。
  34. 筒井健夫

    ○政府参考人(筒井健夫君) ただいま委員から御指摘がありました障害者の権利に関する条約第十二条の二は、条文を御紹介いただきましたように、あらゆる側面において他の者との平等を基礎として法的能力を享有することを認めると定めておりまして、ここで言う法的能力とは、我が国では権利能力、つまり、私法上の権利及び義務の帰属主体となることができる資格を指すものと理解しております。  一方、同条約の十二条の三は、御紹介いただきましたように、締約国は障害者がその法的能力の行使に当たって必要とする支援を利用する機会を提供するための適当な措置をとると、こういう条文でございまして、ここで言う法的能力とは、我が国では行為能力、つまり、単独で有効に法律行為をすることができる法律上の地位又は資格をいうと理解されております。  その上で、成年後見制度は、行為能力を制限して本人の支援を行うものでございますけれども、権利能力、つまり、権利義務の帰属主体となる資格を制限するものではございません。このため、成年後見制度は障害者の権利に関する条約第十二条の二に反するものではないと考えております。
  35. 相原久美子

    ○相原久美子君 この法的能力でございますけれども、我が国においてはまだまだ様々な分野におきまして若干保障されているとは言い難い状況がかいま見られます。是非、いろいろな法律の部分でそこをチェックしながら対応するような努力をいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。  今回の法案でございますけれども、私は、欠格条項、この見直しに対しては大賛成でございます。しかしながら、やはり、この成年後見制度の利用促進の第十一条に、成年被後見人等の人権が尊重され、成年被後見人等であることを理由に不当に差別されないようということで規定されていたものを正すということなんだろうと思います。  今回の法案の改正で、実は個別審査規定について判断基準を府省令で定めるということとしていますけれども、その制定の内容等々についてはやはり障害者の権利条約ですとか障害者差別解消法に反しない内容としなければならないと考えますけれども、その点についてお伺いしたいと思います。
  36. 宮腰光寛

    ○国務大臣(宮腰光寛君) 今回の見直しは、成年後見制度を利用している方々の人権が尊重され、不当に差別されないよう欠格条項を適正化するものであり、百八十八の法律に規定されている資格、職種、業務等を幅広く見直しの対象としております。  議員御指摘の個別審査規定につきましては、関係省令の整備も含め、各府省庁においてその資格、職種、業務等の性質や業務の実態等を勘案して個別に検討されるべきものでありますが、こうした検討に当たりましては、今回の改正の趣旨を踏まえ、成年後見制度の利用者を実質的に排除するような内容とはしないこと、障害者権利条約や障害者差別解消法の趣旨を踏まえ必要な環境整備や合理的配慮の提供にも留意すること、必要に応じて医師の診断書を求めるなど客観的な事実に基づく判断がなされるようにすることなどが非常に大切なポイントであると考えております。  内閣府といたしましても、関係省令の整備を含め、個別審査規定が適切に整備されるよう各府省庁に要請を行ったところであり、各省庁において各資格、職種、業務等ごとに適切な対応がなされるものと考えております。法案が成立した際には改めて各省庁に周知徹底したいというふうに考えております。
  37. 相原久美子

    ○相原久美子君 時間が参りましたので終わりたいと思いますけれども、今年の四月からこの事務が厚生労働省の方に移管されるということでございます。是非、これからも審議者が発言されますけれども、この審議の内容をしっかりと厚生労働省も受け止めていただいて、大臣も是非引継ぎをよろしくお願いしたいと思います。  終わります。ありがとうございました。
  38. 木戸口英司

    ○木戸口英司君 国民民主党・新緑風会、木戸口英司です。  成年被後見人等についての欠格条項は、成年後見制度の創設時に既に国会で指摘されながらも、長らく放置されてきた問題です。本法案が提出されてから審議入りに一年以上を要したことを含め、国の不作為と言わざるを得ません。また、その間、霞が関等における各省庁、これ国会でもありましたけれども、国家公務員の障害者雇用の水増し問題も発覚しております。  成年被後見人等欠格条項見直し法の早期制定を求める要望書が、全国手をつなぐ育成連合会、日本発達障害ネットワーク、全国肢体不自由児者父母の会連合会、日本肢体不自由児協会、日本ダウン症協会、日本自閉症協会、DPI、障害者インターナショナル日本会議から出されております。強い要望、切実な願いだと思います。また、成年被後見人であることで雇い止めをされたのは違憲だとして訴訟を起こした方もいらっしゃいます。障害のある方の社会参画の促進に向けて国全体で改めて取り組んでいかなければならないことを強く申し上げ、質問に入りたいと思います。  成年後見制度を創設した平成十一年の民法の改正時、当時百五十八あった欠格条項については、主に法務省が中心となって削除したことにより減少したものの、百十六もの規定が残されました。参議院法務委員会は、当時の委員会附帯決議で、「成年被後見人又は被保佐人であることを欠格事由とする百十六件の資格制限規定については、更なる見直しを行うこと。」と指摘しており、政府においても更なる見直しの必要性について認識があったものと考えます。しかしながら、その後、各省における欠格事項の削減見直しは進まず、逆に二百程度まで増加したということになっております。  結局、今回の全般的な見直しのための法改正に至るまでに約二十年が経過したということでありますけれども、ここに至る経緯、理由について、まず大臣の御説明をお願いいたします。
  39. 宮腰光寛

    ○国務大臣(宮腰光寛君) 成年被後見人等の欠格条項の見直しにつきましては、平成十一年の民法改正時に百五十八法律のうち四十二法律について削除されましたが、その際に法務省から各省に示された見直し基準では、各資格等の根拠法令に十分な個別審査規定がない場合、大量の書面審査を必要とするなど欠格条項による画一的な審査を必要とする場合等には欠格条項を存置できることとされておりまして、各省庁において判断した結果、百十六法律については欠格条項が存置されたものと承知をいたしております。  議員御指摘のとおり、平成十一年の参議院法務委員会の附帯決議におきましては、成年被後見人又は保佐人であることを欠格事由とする百十六件の資格制限規定について更なる見直しを行うこととされましたが、実際には逆に欠格条項を規定する法律が増加しておりまして、この背景には類似の前例を参照するということなどがあったのではないかと考えられます。  その後、平成二十六年の障害者権利条約の締結があり、また、多数の欠格条項の存在が成年後見制度の利用をちゅうちょさせているのではないかとの御指摘等があったことから、平成二十八年に議員立法で成立した成年後見制度利用促進法において、欠格条項の見直しについては関係法律の改正などの必要な法制上の措置を法施行後三年以内をめどとして講ずるとされました。この利用促進法に基づき、成年後見制度利用促進基本計画や成年後見制度利用促進委員会の御議論を経て、各省庁所管の資格等における欠格条項を一括して見直すとの方針が示され、内閣府において昨年の通常国会に本法案を提出したものであります。
  40. 木戸口英司

    ○木戸口英司君 今回一括して見直しがされるということは非常によかったと思いますけれども、やはりここまで時間が掛かったということ、その点しっかり踏まえて、これまで様々この制度によって非常に厳しい立場に置かれた方々に思いを寄せながら今後の制度の推進にしっかりと取り組んでいただきたいと、そのように考えます。  本法案による改正で、多くの資格、職種で個別審査規定が新設されます。これは先ほど来質疑があるところでございますけれども、資格を制限する対象については、新たに、心身の故障により業務を適正に行うことができない者などの規定で措置されることになりますけれども、心身の故障により業務を適正に行うことができないと判断する基準をどのように考えていくことになるでしょうか。  心身の故障という文言により、障害や疾病を持つ方について一律にその資格、職種の適性がない者としてみなされてしまうという懸念もないでしょうか。一方で、その資格や職種の信頼性や業務の正確性などを担保するため、本人の能力、資質などを適切に審査する必要もあります。  個別審査の適切な審査基準の在り方について、大臣にお伺いいたします。
  41. 宮腰光寛

    ○国務大臣(宮腰光寛君) 今回の法案では、成年被後見人等に係る欠格条項を設けている各制度について、心身の故障等の状況を個別的、実質的に審査し、制度ごとに必要な能力の有無を判断する規定、個別審査規定へと適正化することとしております。  個別審査規定は、基本的に、心身の故障により業務を適正に行うことができない者としておりまして、心身の故障のある者を一律に排除するものではなく、個別的、実質的な審査を行った結果、業務を適正に行うことができない者と判断された場合に限り欠格とするという相対的な規定であります。したがいまして、心身の故障のある者全体に対象が広がるものではありません。  また、こうした個別審査規定について、議員御指摘のとおり、取引等に係る第三者を保護し、各資格、職種等の信頼性を確保する必要性もあります。  こうした観点も踏まえ、個別審査の判断基準については、各府省庁においてその資格、職種、業務等の性質や業務の実態等を勘案して個別に検討されるべきものでありますが、こうした検討に当たりましては、今回の改正の趣旨を踏まえ、成年後見制度の利用者を実質的に排除するような内容とはしないこと、障害者権利条約や障害者差別解消法の趣旨を踏まえ、必要な環境整備や合理的配慮の提供にも留意すること、必要に応じて医師の診断書を求めるなど客観的な事実に基づく判断がなされるようにすることなどを含め、資格、職種、業務等ごとに適切な対応がなされるものと考えております。
  42. 木戸口英司

    ○木戸口英司君 非常に大事な点でありますので、しっかりと、またオープンな形でこういったことが議論されていくことを望みたいと思います。  欠格条項により、一度その職業を離れた人でも、本法案成立後の個別審査では過去の経験、実績を踏まえた評価を行うことができると思います。一方、個別審査規定の心身の故障という文言だけを見て障害のある方を一律的に排除するような個別審査機関が出てこないとも言い切れないと思います。  今回の改正を形式的なものにとどめず、障害を持つ人がその能力に応じて活躍できる社会を実現するためには、法改正の趣旨を個別審査を実施する各機関、団体などを中心にきちんと周知する必要があると考えます。国民に対しても、欠格条項が削除されたため、成年後見制度を利用したからといって資格や職種から一律に排除されることはない旨、政府による積極的な周知、広報が求められるところですけれども、この点について大臣の見解を求めます。
  43. 宮腰光寛

    国務大臣宮腰光寛君) 委員から御指摘もありましたけれども、今回の法改正の趣旨について、個別審査を実施する各機関団体、さらには国民に対して幅広く周知をしていくことが重要であると考えております。  このため、仮に法案成立した際には、内閣府から関係省庁に対し、所管制度における個別審査を実施する各機関団体等への周知徹底を要請するとともに、各都道府県に対しましても周知を行い、その際、自治体首長地域住民にも幅広く御理解いただくことを依頼する。さらには、現在、成年後見制度の利用促進を主に担当しております厚生労働省とも連携して、厚労省が実施する市町村セミナーや市町村向けのニュースレター等において取り上げていただくことなど、これから積極的な周知啓発に努めてまいりたいと考えております。
  44. 木戸口英司

    ○木戸口英司君 それでは、基本的なところを厚生労働省にお聞きしますけれども、この法令上の欠格条項の見直しということ、今ずっと指摘してきましたけれども、実際に成年後見制度を利用する方が社会参画するための環境整備を進める必要ということは、今大臣からもお話ありました。  例えば、制度を利用している方が勤務している職場において御本人が抱えている障害、疾病への理解が進めば、その方も円滑に業務をこなすことができるということは当然であります。こういった職場の理解の増進、障害者が働くに当たっての環境整備について、今までそれぞれ取組はあるんだろうと思いますけれども、今回の見直し法も踏まえながら、厚生労働省の取組状況等をお伺いいたしたいと思います。
  45. 大口善徳

    ○副大臣(大口善徳君) 委員御指摘の点は大変重要なことと厚労省も認識をしております。  成年後見制度を利用される方の中には、障害者の方が一定程度おられます。障害者の社会参加を促進するためには、その雇用を促進することが一つの有効な方法であると考えています。  この障害者の雇用促進に当たっては、障害者がその能力や適性を十分発揮しながら、障害のない人とともに生きがいを持って働けるよう職場環境づくりを努めていくことが必要であり、そのためには障害者に対する職場の理解を深めることが前提になると考えています。  このため、厚生労働省といたしましては、精神・発達障害者しごとサポーター養成講座、これ、ハローワークで平成二十九年秋から行っておりますが、このサポーター養成講座による職場の上司や同僚の方の理解を促進をする。また、独立行政法人高齢・障害・求職者支援機構、JEEDと言われていますが、が作成した雇用マニュアルや雇用事例集等の周知等の取組を行っているところでございます。  また、障害者が働くに当たって、環境整備としましては、障害者が働きやすくなるよう雇用環境の整備を図る事業主に対する各種助成、これは雇用保険二事業に基づくもの、あるいは納付金制度に基づくものがございます。また、職場適応が困難な方に対するジョブコーチによる職場適応支援等を行っているところでございます。  今後とも、障害者に対する事業主の理解の促進や環境整備を図ることで障害者雇用を一層推進してまいりたいと考えています。
  46. 木戸口英司

    ○木戸口英司君 そういう障害を持つ方々というのは、お一人お一人やはりその状況、置かれる立場、また違うわけでありまして、また、そういった方々お一人お一人とまた触れ合う、一緒にいる我々側もまたその中でいろんなことに気付きながら、それを一緒にまた参画を進めていくということ、そういうことだろうと思うんですが、やはり国としてしっかりとその周知、また様々な促進の策を講じていくということはやっぱり基本になると思いますので、この点、この見直し法を機会にまた一つ大きな進展が進むようにお願いをしたいと思います。  資料をお配りしておりますけれども、この成年後見人等と本人との関係別件数をお配りしております。  成年後見制度の現状と制度利用の促進についての質問に移りますけれども、成年後見人等と本人の関係別件数について、このデータでは平成三十年のデータになっておりますけれども、成年後見人等としての親族が選任された件数が二三・二%、残りの七六・八%で親族以外の第三者が成年後見人等として選任されています。さらに、その九割以上が弁護士、司法書士等の専門職の方です。  そのような中、最高裁判所は、厚生労働省の専門家会議において、後見人となるにふさわしい親族等の身近な支援者がいる場合はこれらの身近な支援者を後見人に選任することが望ましいとの考えを示しています。  現在、専門職後見人が選任されることが多い理由と、専門家会議でこのような考えを示した背景、経緯についてお伺いをいたします。
  47. 村田斉志

    ○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) お答え申し上げます。  まず、専門職の選任が多い理由でございますが、後見人等の選任に関しましては、事案に応じた適切な後見人の選任という観点から裁判官がそれぞれの事案におけるいろいろな事情を総合的に考慮して判断しておりまして、この事案はこれ、この事案はこれというのを明確にしてそれを統計的に把握するというようなところはなかなか難しいところがございますので、その点は御理解をいただきたいのですが、一般論として申し上げますと、やはり、一つには、高齢者や障害者の方の単身の世帯が増えていて成年後見人等の候補者となるべき親族の方が身近にはいないと、こういう事案も増えているのではないかということが一つは考えられます。  また、もう一つの理由といたしましては、財産管理が複雑困難である場合、あるいは不正防止の必要性が高いといったような事案におきましては、そういう後見事務上の課題があるということで、その課題の解決のために専門職の方を後見人として選任するということになって、親族よりも専門職が選任される場合が結果として多くなっているというふうに考えられるところでございます。  他方、委員御指摘の考え方を示したというところの経緯、背景でございますけれども、この後見人の選任の在り方につきましては、成年後見制度利用促進基本計画におきまして、後見人による財産管理の側面のみを重視するのではなく、確かに、この財産管理の側面を重視いたしますとどうしても法律専門職の選任という方向に傾きやすいというところがございますので、そちらのみを重視するのではなくて、身上監護や本人の意思決定支援の側面も重視して、家庭裁判所が本人の利益保護のために最も適切な後見人を選任することができるようにするための方策を検討すると、こういうことにされたところでございます。  これを踏まえまして、最高裁におきまして、これまで専門職として選任されることの多かった弁護士、司法書士、社会福祉士の方々が所属する各専門職団体と後見人の選任の在り方等について議論を行ってまいりました。その結果、これらの団体との間で、後見人の選任につきましては、事務処理上の課題の専門性や不正防止の必要性ももちろんこれは考慮が必要ではございますけれども、その上で、後見人となるにふさわしい親族等の身近な支援者がいらっしゃる場合にはこれらの身近な支援者を後見人に選任することが望ましいという基本的な考え方について、認識の共有を図ることができました。そこで、各家庭裁判所に対して、今後の運用の参考とするためにこの考え方について情報提供を行ったというところでございます。
  48. 木戸口英司

    ○木戸口英司君 やはり、財産管理を超えて、この身上監護に期待が大きいということはそのとおりだと思います。  また、利用者本人や親族と面識がない専門職後見人が選任され、御本人や親族と後見人との間でトラブルとなるなどの事案も間々あるということ、御本人の事情をよく理解している親族が選任されることで御本人もより安心して制度を利用できるということ、それはもうそのとおりだと思います。  一方、今指摘があったとおり、核家族化が進んでいることから、将来的には親族がいない、縁がないという高齢者、障害者も多数出てくるということ、そういう中でこの専門職、市民の後見人の需要がますます増えてくるということもこれ言えるんではないかと思いますけれども、この点について政府の認識をお伺いいたします。
  49. 八神敦雄

    ○政府参考人(八神敦雄君) お答え申し上げます。  今後、認知症高齢者の増加ですとか、単身世帯の高齢者の増加が見込まれる中、成年後見制度の利用の必要性が高まっていくことから、ただいま御指摘ございましたように、後見人等の担い手の確保といったことが大変重要になってまいります。特に、制度の利用者が現状より大きく増加した場合には、例えば、専門職後見人は専門的業務により特化をし、市民後見人や親族後見人でできる業務は本人に身近な方たちで行っていただくといった役割分担ということも考えられます。  このためには、一点目ですが、本人にとって身近で話しやすいなどの利点がある市民後見人が養成されて選任をされるということが重要と考えております。今後、地域共生社会の重要な支え手でもある市民後見人が選任をされるような取組を進めてまいりたいと思います。  また、二点目でありますが、現在、家族、親族が後見人に選任される割合が低下している、この原因の一つには、不適切な財産管理の事例が生じていることによるという指摘がされております。こうした不適切な財産管理を防ぐ取組を進めることが重要であります。具体的には、地域連携ネットワークやチームでの見守り体制を整備することで親族後見人等が孤立することなく日常的に相談などを受けられるようになれば、不正の発生も未然に防ぐという効果が期待をされます。  こういった取組を進め、後見人になるにふさわしい親族がいる場合には、こうした親族、家族を支援し、後見人に選ばれるということも併せて必要と考えてございます。
  50. 木戸口英司

    ○木戸口英司君 ちょうど昨日、新聞でこの成年後見制度についての報道があったんですが、これを見ますと、厚生労働省のこれ調査ですね、本人の面接に毎月訪れる後見人の割合、社会福祉士六〇%、親四五%に対し、司法書士二四%、弁護士四%と法律の専門家で低いと。  これだけで評価はできないところでありますけれども、身上監護に対する期待ということに対して言うと、ここにもいろいろ課題があるんだろうと思います。これは指摘にとどめたいと思いますけれども、今後、サービス、被後見人の方々の求める制度の在り方ということを丁寧に検討していかなければいけないという実態がここにあるんだろうと思います。  そこで、選任された成年後見人等が仮に本人や親族と面識のない専門職後見人や市民後見人であっても、行政などが関係機関との連携の下、相談対応等を継続的に行うなどのバックアップ体制を構築することで後見人と本人や親族との間の信頼関係の構築等を支援するような仕組みも必要だと考えます。  現在、政府が各自治体での構築に向けて取組を進めている地域連携ネットワーク、そういった支援の担い手となり得ると考えますけれども、今後この地域連携ネットワークに期待される役割、機能について説明をお願いしたいと思います。
  51. 八神敦雄

    ○政府参考人(八神敦雄君) お答え申し上げます。  地域連携ネットワークに期待される役割、機能といったことでございます。  まず、平成二十九年三月に閣議決定をされました成年後見制度利用促進基本計画におきましては、全国どの地域においても必要な方が成年後見制度を利用できるよう、各地域において地域連携ネットワーク及び中核機関を整備をすることとしてございます。  この基本計画におきましても、地域連携ネットワーク及び中核機関に求められる具体的な機能として、成年後見制度の広報や相談機能、後見人となるにふさわしい人を推薦するなどのマッチング機能、また後見人に対する支援機能といったものが挙げられてございます。  また、御指摘のように、後見人と本人や親族の間の信頼関係を構築するためのバックアップということ、大変重要だと考えてございますが、地域連携ネットワーク及び中核機関には、身上保護も重視をした運用が行われるよう、身近な関係者と後見人がチームとなって日常的に本人を見守り、本人の意思や状況を継続的に把握し、必要な対応を行う仕組みをつくるといった役割が期待をされてございます。  厚生労働省としても、引き続き、地域連携ネットワーク及び中核機関の整備を推進してまいりたいと考えてございます。
  52. 木戸口英司

    ○木戸口英司君 もう時間がなくなりましたので、最後、指摘にとどめたいと思いますけれども、先ほど示した資料、弁護士、そして司法書士、そしてそれに続く社会福祉士という、こういう順番になっておりますけれども、その中で、この新聞報道にあるとおり、本人の面接、毎月訪れる後見人の割合、社会福祉士が非常に高くなっていると。  私、社会福祉士の方々とちょっと懇談したときに、成年後見制度、是非、自分たちもどんどん選任してほしいと。やはり福祉、介護サービス等、非常にたけた職種であろうかと思いますし、また、先ほど市民後見人の必要性ということもありました。この養成に対して今後力を入れていくということ、これも強く要請したいと思います。  また、厚労省においては、後見人の利用促進策ということで、本人の意思決定を尊重した支援のガイドライン作りに今後取り組むということもお伺いしておりますので、この点、今日の質疑を踏まえたガイドライン作りということを進めていただくことをお願いし、質問を終わらせていただきたいと思います。
  53. 竹内真二

    ○竹内真二君 公明党の竹内真二です。  我が党の大口善徳衆議院議員、そして高木美智代衆議院議員などが中心となって、平成二十八年に成年後見制度利用促進法が成立をいたしました。翌年には、この同法に基づき、成年後見制度の利用促進基本計画が閣議決定をされるなど、様々な利用促進策が進められてきたと思います。その一環として、今回、欠格条項の見直しに取り組んでいるものと承知をしております。  障害のある方、認知症の方々が財産の管理や日常生活に支障が生じた場合に社会全体でどのように支えていくのか、ますます重要になってきております。  そこで、まず、制度利用促進の観点から、成年被後見人等の欠格条項の問題点についてどのようにお考えか、宮腰大臣にお伺いいたします。
  54. 宮腰光寛

    ○国務大臣(宮腰光寛君) 議員御指摘のとおり、御党の、今日は私の隣に座っておいでになります大口議員、それから高木議員が中心となって作成を進められ、平成二十八年五月に施行された成年後見制度利用促進法において、成年後見制度を利用している方々の人権が尊重され、不当に差別されないよう、いわゆる欠格条項について検討を加え、必要な見直しを行うこととされました。  具体的な見直しの在り方等に関しましては、平成二十九年九月から十二月にかけ、有識者等で構成される成年後見制度利用促進委員会において議論がなされ、欠格条項の問題点に関しましても様々な御指摘があったところであります。  例えば、ノーマライゼーション等を基本理念とする成年後見制度を利用することで逆に資格等から排除される結果となるのは疑問である、成年後見制度は財産管理能力に着目した制度であり、各資格等に求められる能力と質的なずれがあるのではないか、同程度の判断能力であっても成年後見制度を利用している者のみが資格等から一律に排除され、能力を発揮する機会が失われているのではないか、欠格条項が数多く存在していることが成年後見制度の利用をちゅうちょさせる要因の一つとなっているのではないかなどの御指摘であります。  今回の欠格条項の改正は、これらの問題点を踏まえ、欠格条項による資格等からの一律的な排除という扱いを改め、個別的、実質的な能力審査の仕組みへと見直しを行うものであります。
  55. 竹内真二

    ○竹内真二君 そうした問題点を踏まえて、今回、欠格条項が削除される一方で、心身の故障との文言が入る個別審査規定が必要に応じて設けられます。これによって、実質的に資格や職種から排除されてしまう方が見直し前よりも多くなるのではないかと多少の疑問が残ります。  障害があるだけで、その程度、症状にかかわらず一律に心身の故障とみなされ、個別審査で排除されてしまうことなどはないとは思いますけれども、大臣の御見解をお願いいたします。
  56. 宮腰光寛

    ○国務大臣(宮腰光寛君) 今回の改正は、成年被後見人等であることを理由に一律に各資格、職種等から排除する規定を廃止するものでありますが、同時に、取引等に係る第三者を保護し、各資格、職種等の信頼性を確保する必要性もあります。そこで、各資格、職種等の業務を適正に行うことができない者を個別的、実質的な審査の結果に基づき判断することができるよう、個別的な審査規定を置くことは必要であると考えております。  個別審査規定には、基本的に、心身の故障により業務を適切、適正に行うことができない者としておりますが、これは心身の故障のある者を一律に排除するものではなく、個別的、実質的な審査を行った結果、業務を適正に行うものができない者と判断された場合に限り欠格とするという相対的な規定であります。したがいまして、心身の故障のある者全体に対象が広がるものでは決してありません。  加えまして、個別審査規定に関する具体的な運用等については、必要な環境整備や合理的配慮の在り方と併せて、それぞれの法律を所管する各府省において本法案による改正の趣旨等も踏まえた適切な対応がなされるものというふうに考えております。
  57. 竹内真二

    ○竹内真二君 個別審査において、心身の故障により業務を適正に行うことができないとする判断基準については個々の法律ごとに適切に検討されると伺っておりますが、具体的にどのような審査で判断するのか、政府の見解をお願いいたします。
  58. 三浦健太郎

    政府参考人(三浦健太郎君) お答え申し上げます。  省令の内容につきましては個々の法律ごとに今後検討を行うこととなってございますが、これまでの障害者に係る欠格条項の見直しの経緯や前例も踏まえますと、一つのイメージといたしましては、精神の機能の障害により、それぞれの業務を行うに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者といった……済みません、大変失礼いたしました。大変失礼いたしました。申し訳ございません。  今回の法案では、成年被後見人等に係る欠格条項を設けている各制度について、心身の故障等の状況を個別的、実質的に審査し、制度ごとに必要な能力の有無を判断する規定、個別審査規定へと適正化することとしてございます。  具体的な審査の方法につきましては、その資格、職種、業務等の性質や業務の実態等を勘案して個別に検討を行っていただくことになりますが、例えば、現在でも行われておりますように、公務員等におきましては、採用時の試験、面接のほか、日々の業務における上司による業績評価、能力評価を行うこと。士業等、国家資格等においては、資格取得等に資格試験や医師の診断書を求めるほか、資格の更新や定期的な講習会、研修会の際に必要な対応を行うこと。営業許可等におきましては、許可の際の行政機関による審査のほか、定期的な業務報告、事業報告書の提出や、必要に応じ報告聴取や立入検査、調査等を行うこと。法人役員等においては、役員の選任を担う社員総会、評議会、経営管理委員会などが個別ケースごとに判断をすることなど、各資格、職種、業種等において様々な方法が想定されるところでございます。
  59. 竹内真二

    ○竹内真二君 さらに、大臣にお聞きしますけれども、心身の故障により業務を適正に行うことができない者について関係省令で定めるものと規定されていますけれども、当該省令の内容はどのようになるのか、省令においては今回削除した成年被後見人、被保佐人と規定することはないのか、伺いたいと思います。
  60. 宮腰光寛

    ○国務大臣(宮腰光寛君) 関係省令におきましては、あくまで今回の改正による各法律の規定、心身の故障により業務を適正に行うことができない者の規定の範囲内で具体化を図るものでありまして、無制限に幅広く決められるものではありません。  こうした点を踏まえ、欠格条項の対象範囲が適正なものになるよう内閣府から所管省庁等に対して要請を行ったところでありまして、それを踏まえ、各所管省庁等においては適切な対応がなされるものと考えておりまして、御懸念のような成年被後見人、被保佐人と規定することは想定をいたしておりません。
  61. 竹内真二

    ○竹内真二君 もう一点、大臣、各省庁からの通知や自治体の条例など、法律以外で定められている欠格条項、これについてどのような対応を行うのか、伺いたいと思います。
  62. 宮腰光寛

    ○国務大臣(宮腰光寛君) 政省令、通知などに基づく欠格条項につきましては、今回の法改正の考え方を踏まえ、所管の各府省庁において見直すべきと考えておりまして、関係府省庁に対して既に昨年三月十三日付けの通知で必要な対応を要請をいたしております。さらに、自治体の条例などに基づく欠格条項につきましても、今回の法改正の考え方を踏まえまして、今後、自治体に対して必要な対応を要請をしてまいりたいと考えております。  関係府省庁、自治体の御理解、御協力を得て、成年被後見人等の権利が実質的に確保されるようにしっかりと努めてまいりたいと考えております。
  63. 竹内真二

    ○竹内真二君 次に、成年後見制度の利用を促すために、基本計画で地域において重要な役割を果たすとされているのが地域連携ネットワークとその中核機関であります。  まず、そもそも、なぜこの地域連携ネットワーク、中核機関をそれぞれ構築する必要があるのか、地域での制度の利用促進に関して政府が認識している課題、問題意識と併せて御説明願いたいと思います。
  64. 大口善徳

    ○副大臣(大口善徳君) 成年後見制度の利用者数について、近年増加傾向にあるものの、平成三十年十二月末時点では約二十一万八千人となっております。これは、認知症高齢者等の数と比較いたしましても著しく少ないと指摘があるわけでございます。  この理由につきましては、平成二十九年三月に閣議決定されました成年後見制度利用促進基本計画では、近年、この後見人による本人の財産の不正を防ぐという観点から親族よりも法律専門職等の第三者が後見人に選任されることが多くなっているわけでありますけれども、第三者が後見人になるケースの中には、意思決定支援や身上保護等の福祉的な視点に乏しい運用がなされているものがあるということであります。そして、制度の申立て動機を見ますと、預貯金の解約や介護保険契約、施設入所等が多く、また後見類型の利用者の割合が全体の約八割を占めていると、まあぎりぎりになってやっと利用すると、こういう状況であります。これらの状況から、社会生活上の大きな支障が生じない限り、制度が余り利用されていないことがうかがわれるわけでございます。  本人や親族、後見人への支援体制が十分に整備されておらず、事実上の相談対応等を行っている家庭裁判所では、福祉的な観点から本人の最善の利益を図るために必要な助言を行うことが難しいなどの問題点が指摘されています。  これらを踏まえまして、基本計画では、全国どの地域においても必要な方が成年後見制度を利用できるよう、各地域において地域連携ネットワークや中核機関を整備することとしています。  具体的には、権利擁護支援が必要な方を発見し、支援につなげる。より早い段階から任意後見の活用、あるいは保佐、補助類型の活用を含め、住民が身近な地域で相談できるような相談窓口をつくる。事案に応じた適切な後見人が選任されるよう、後見人候補者を選定し、家庭裁判所に推薦するマッチングを行う、受任者調整を行うことが大事。そして、身上保護も重視した運用が行われるような、本人に身近な関係者と後見人がチームとなって日常的にその御本人を見守って、そして本人の意思や状況を継続的に把握し、本人らしい対応ができるよう必要な対応を行う仕組みをつくることなど、こういう総合的、計画的に推進するためには、やはりこの地域連携ネットワーク、そして中核機関を構築する必要があるということでございます。
  65. 竹内真二

    ○竹内真二君 この中核機関なんですけれども、厚生労働省の調査では、平成三十年十月時点で、整備済みの自治体、先ほどもありましたけれども、全国で七十九、僅か四・五%と。  全国どの地域においても成年後見制度の利用が必要な人が必要な制度を安心して利用できる体制の構築を急がなければならないわけですが、自治体に対し積極的に整備を促す必要があると思いますけれども、いかがでしょうか。
  66. 大口善徳

    ○副大臣(大口善徳君) 委員御指摘のとおり、中核機関を設置済みの市町村数は、平成三十年十月一日時点で、全千七百四十一市区町村のうち七十九自治体であり、中核機関と同等の機能を有する権利擁護センター等を設置済みの四百十三自治体を含めても全国で四百九十二自治体と、全国市区町村の四分の一程度となっています。しかしながら、平成二十九年度に、市区町村長の申立てを実施した実績があり、成年後見制度に関する取組や関係機関等の連携が一定程度進んでいると思われる市区町村を含めると、全市区町村の三分の二程度、千百四十三自治体となっております。  中核機関が平成二十九年三月に閣議決定された成年後見制度利用促進基本計画に位置付けられてからまだ、まあ二年たったところでございますけれども、交付税措置については平成三十年度から講じられたということを踏まえますと、現在、設置に向けて具体的な取組を検討している自治体は多いものと考えております。  五月の二十七日に開催した成年後見制度利用促進専門家会議、私も参加させていただいたわけでありますが、その議論を踏まえて、基本計画の期間内である二〇二一年度、令和三年度末までに全千七百四十一自治体で中核機関、権利擁護センター等を含む、を整備すること等を盛り込んだKPI、成果指標を設定することにしました。  厚生労働省では、今年度予算において、新たに中核機関立ち上げ支援や市町村職員等に対する国の研修を盛り込むなど、予算を三・五億円に大幅に増額して計上するとともに、全国会議や市町村セミナーの開催、ニュースレターの発行等を通じて自治体に働きかけを行うなど取り組んでいるところでございますけれども、新たに設定したKPIを踏まえ、更なる取組の強化を図ってまいりたいと考えております。
  67. 竹内真二

    ○竹内真二君 もう一点、大口副大臣にお聞きしますけれども、この意思決定支援の在り方なんですが、基本計画では、後見人が本人の特性に応じた適切な配慮を行うことができるよう、意思決定支援の在り方についての指針の策定に向けた検討を進めると、こうなっております。  現在、厚生労働省、最高裁判所家庭局、そして専門職団体、連携して検討を進めていることと承知しておりますが、この点に関する政府の今、取組状況をお聞きしたいと思います。
  68. 大口善徳

    ○副大臣(大口善徳君) 後見人等による意思決定支援というのは極めて大事であると、こう考えております。委員御指摘のとおり、今、最高裁判所の呼びかけにより、最高裁判所、厚生労働省、専門職団体において、後見人等が本人の特性に応じた適切な配慮を行うことができるよう、後見人等による意思決定支援の在り方についての指針、ガイドラインの策定に向けて協議を始めたところでございます。  厚生労働省といたしましては、これまで、平成二十九年三月に障害福祉サービス等の提供に係る意思決定支援ガイドラインを、また、平成三十年六月に認知症の人の日常生活、社会生活における意思決定支援のガイドラインを作成したところであります。  今回、最高裁判所と連携してこの後見人等による意思決定支援の在り方について指針の策定に努めるとともに、その成年後見制度における意思決定支援の取組を研修などによって全国に推進してまいりたいと考えております。
  69. 竹内真二

    ○竹内真二君 次に、もう一点、重要な、不正の防止の問題なんですけれども、後見人等による不正というのは近年減少傾向にあるものの、平成三十年の報告件数二百五十件、被害額、先ほどもありましたけど、十一億三千万円。そして、ただ一方で、この制度の実務などをよく理解していないがゆえに不正を行ってしまったと、そういう親族後見人の方もおられると聞いております。  では、この後見人等を監督する家庭裁判所においては、後見人等によるこの不正防止のためにどのような取組を行っているのか、説明を願います。
  70. 村田斉志

    最高裁判所長官代理者(村田斉志君) お答え申し上げます。  最高裁判所が報告を受けました不正の状況を見ますと、専門職以外の親族などによる不正が全体の九割以上を占めているというところでございまして、その背景には、後見人としての責任あるいは義務に関する理解不足、知識不足といったところがあるのではないかと考えているところでございます。  したがいまして、家庭裁判所では、後見人に選任された親族の方などに対して、最高裁判所で作成いたしましたDVD、あるいはパンフレット、こういったものを用いまして、後見人の役割、いろいろな様々な留意点がございますので、こういった点について御理解いただけるように説明をするといった取組を進めておりまして、親族後見人等による適正な事務が確保されるように努めているところでございます。  また、これ以外の取組といたしましては、家庭裁判所後見制度支援信託あるいは後見制度支援預貯金という仕組みを活用しておりまして、これは御本人の金銭財産のうち通常使用しない部分を金融機関に預けまして、その払戻し等に家庭裁判所の発行する指示書を必要とするという仕組みでございますので、これでもって財産の確保を図っております。  また、御本人の財産状況等から課題が多いとなりますと、必要な場合には弁護士司法書士などの専門職後見人後見監督人に選任することもございますけれども、この点については御本人がメリットを感じられるようにというところの調和も考えながらやっておるところでございまして、このような形で後見人による不正の防止に努めているというところでございます。
  71. 竹内真二

    ○竹内真二君 済みません、最後にもう一問あったんですけれども、ちょっと時間が参りましたので要望だけにとどめたいと思いますけれども、やはり今回、欠格条項の見直しを契機に、改めて成年後見制度の利用促進というものを、周知啓発をしっかり大臣にリーダーシップを発揮していただいて行っていただきたいことを御要望いたしまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  72. 清水貴之

    ○清水貴之君 日本維新の会の清水です。よろしくお願いをいたします。  この成年後見制度の利用者数がやはりそれほど多くない、広がっていないのじゃないかという話をまず最初させていただこうと思っていたんですが、これまでの質問でも大分出ましたので、これは飛ばさせていただいて、次の、制度の利用料ですね、後見人に支払う報酬なんですけれども、これについて質問させていただきます。  これがやっぱりかなり負担が大きいのではないかというふうに感じます。経済状況に応じて毎月の額が変わってくるということで、例えば、財産額が一千万から五千万だと月額大体三万から四万、これ、そのうちの一番下の一千万だとしますと、月に四万円掛かるとすると、年間これだけで五十万円掛かるわけですね。そうすると、二十年利用したら一千万の財産が全部なくなってしまうということになります。こうなりますと、やはりなかなか利用しようと思っても、いや、やっぱりお金も掛かってしまうし、どうしようと思ってしまう方も多いというふうに思います。  この報酬について、本当にこれがふさわしい額なのかどうなのか、まずこの点から質問をしたいというふうに思います。
  73. 村田斉志

    ○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) 成年後見制度の利用者から、今委員の御指摘がありましたような、後見人等の報酬が後見事務の内容に見合わず高額だと、そういう事案があるというような御意見があるということは我々としても認識をしているところでございます。  この報酬額は、裁判官が個別の事案ごとにいろんな事情を総合的に考慮して判断すべき事項ですので、なかなか最高裁判所から一律に基準を示してこうしろというようなことができるものではないのは御理解を賜りたいんですけれども、もっとも、やはり後見人等への報酬の在り方は、後見人等を選任する際にどういった役割をそもそも期待するのかと、どういう役割を果たしていただくのかという評価の問題ですので、後見人等の選任の在り方とも密接に関連する極めて重要な事項であるというふうに考えております。  そこで、最高裁判所におきましては、成年後見制度の重要な担い手でございます弁護士、司法書士、社会福祉士が所属する各専門職団体と基本計画を踏まえた後見人の選任及び報酬の在り方について議論を行ってきたところでございまして、これを踏まえまして、各家庭裁判所での今後の検討のたたき台とするために資料を作成して、各専門職団体からいただいた意見書と併せて、今年の一月に各家庭裁判所にその情報提供をいたしました。今後は、各家庭裁判所におきまして、御指摘のような御意見もあるということ、あるいは最高裁と専門職団体とでした議論の状況を踏まえまして、後見事務の内容に見合った、これに応じた報酬の在り方ということについて更に検討が行われるというふうに承知しております。  最高裁といたしましては、今後も引き続き必要な情報提供を行うなどして、各家庭裁判所での検討を支援して、利用者がメリットを実感できる制度、運用への改善に努めてまいりたいというふうに考えております。
  74. 清水貴之

    ○清水貴之君 今の話ですと、報酬の見直しとかいろいろ進めているそのグループというのが専門職団体の皆さんという、これはその制度を受ける側の立場でみんなその中身を決めていっているわけですね。これ、利用者側の視点が入っていないんじゃないかと。やはりサービスをこれ使う側の視点というのが大事だと思うんですが、やっぱり、受ける側からしたらそれは報酬はもちろん高い方がいいに決まっていますから、なかなか下げようとか、そういう発想にはいかないんじゃないかというふうに思うんですね。  その利用者側の視点というのは僕は必要じゃないかと思うんですが、いかがでしょう。
  75. 村田斉志

    ○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) 御指摘の点はやはり重要なものと考えておりまして、最高裁判所と専門職団体といたしました議論の状況につきましては、厚生労働省が事務局をされている成年後見制度利用促進専門家会議におきまして、この検討の状況の報告を行わせていただきました。そこで、この会議には利用者サイドの、利用者を支援する立場の方々がたくさん委員になっておられますので、こういった方々から御意見をいただいて、これも踏まえて検討を進めているところでございます。  今委員からいただいたような御指摘も踏まえまして、今後、報酬の在り方に関する協議の持ち方についても必要な検討を行ってまいりたいというふうに考えております。
  76. 清水貴之

    ○清水貴之君 この改定なんですけれども、これ、報道などによりますと、今までの定額から、サービス、利用したその中身によって報酬というのを決めていこうという、そういった話が進んでいるというふうに聞いたんですが、その辺りはそのとおりでよろしいでしょうか。
  77. 村田斉志

    ○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) これまでは、財産管理の困難さという点から財産額を考慮要素として非常に重く見ていたというところがあろうかと思いますけれども、財産額が多くても利用者が後見人にしていただいたことにメリットを感じるかどうかというのはちょっとまた次元の違う問題というところがございますので、より利用者にメリットを感じていただけるためには、実際後見人がどういう事務をされたのかと、そこの評価をしてこれを報酬に反映させていくという考え方が重要ではないかというふうに考えているところでございます。
  78. 清水貴之

    ○清水貴之君 そうなると、今度は、いろいろとサービスを本当に使いたい方、使った方の負担が増えてくるということに、今まででしたら高額な資産を持っている方の負担が大きかったわけですが、そちらが減ってきて、本当にサービスを使った方の負担が増えるということになりますと、本当に必要な方に本当にこの支援が届くのかというふうなことも思ってしまうわけですが、この点についてはいかがでしょうか。
  79. 村田斉志

    ○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) 確かに、御本人の資産が必ずしも多くはないけれども課題を抱えているという方もおられるわけでございまして、こういった方についての支援をどうするかというのは非常に大きな課題であるというふうに思っております。  そういった場合に、専門職の方を後見人としてお願いせざるを得ないという場合には、それに対して何か公的な支援が可能なのかという点も含めて検討をする必要があるかということで関係省庁とも検討させていただいておりますし、また、場合によっては市民後見人の方々にその支援をお願いするといった場面の拡充といったことも必要かと考えられますので、そういった点も含めて検討を進めさせていただいているというところでございます。
  80. 清水貴之

    ○清水貴之君 その辺り、助成制度もあるというふうに聞いておりますが、ただ、この助成制度、市区町村の八割ぐらいは実施をしているけれども、ただ、これやはり何か要件がいろいろとあって、これも本当に使い勝手がいい、本当に支援が必要な方に届いているのかなという感じもいたしております。  この助成制度についての説明をいただけますでしょうか。
  81. 諏訪園健司

    ○政府参考人(諏訪園健司君) お答えいたします。  介護保険制度におきましては、成年後見制度利用支援事業といたしまして、低所得の高齢者等に対しまして成年後見制度の報酬や申立て費用に対する助成事業を実施しているところでございます。  少し補足して申し上げますと、この本助成事業につきましては、市区町村の申立てに限らず、本人の申立て、あるいは親族からの申立て等についても対象となるものでございます。また、家族のある方も対象となり得るものでございます。さらに、生活保護を受給している方に限らず、多くの市区町村ではその他低所得の高齢者においても助成対象としているなど、各自治体が地域の実情に応じて設定しているところでございます。  厚生労働省といたしましては、全国どの地域に住んでいても成年後見制度の利用が必要な人が制度を利用できるようにすることが重要と考えておりまして、この助成事業につきましては、未実施の市町村に対しては、当該事業を実施していただくこと、本人、親族申立てを契機とする場合も対象とすることなどにつきまして、本年三月の全国課長会議の場で検討を依頼したところでございます。  今後とも機会を捉えて自治体に働きかけを行ってまいりたいと、このように考えているところでございます。
  82. 清水貴之

    ○清水貴之君 あと、先ほど裁判所の方からの説明もありましたとおり、じゃ、この制度を利用した、また報酬の話になってしまうんですけれども、本当に、月幾らお支払をすると、その対価ですから、それなりにちゃんといろいろと見てもらったりとかサービスを受けたということでしたらこれも納得いくんでしょうけれども、これ、厚労省の研究班の調査によりますと、本人に面接に訪れる後見人の割合というのが、毎月必ず訪れる後見人の割合というのは、社会福祉士さんで六〇%、親だと、家族だと四五%、司法書士だと二四%、弁護士さんだと四%という数字なんですね。弁護士さんでしたら、もうほとんど本人にも会いに行かない、でも、毎月財産額によってもう何万円かの報酬を一方的に支払うことになる。こうしますと、やっぱり、サービス、サービスと言うとあれかな、後見制度を使っている方、制度を使っている方からしますと不満というのも高まってくるんだと思います。  この辺りも、やはり利用する側の視点に立っていないんじゃないかなというふうに思いますけれども、こういったところも、まあこれも民民の契約ですから、どこまで、じゃ、これをルールを定めて、週に一回会いに行きなさいとか月に一回行きなさいとか決めることがふさわしいかどうかはこれは分かりませんけれども、でも、しっかり会って話をした上で中身を決めていく、これまでの話にありましたとおり、本人の意思確認をした上でいろいろと進めていかなければいけないことも多いと思うんですね。ですから、ここの後見人と被後見人の交流、こういったことにもしっかりと目を配っていくべきではないかなと思いますが、これについて御意見をお聞かせください。
  83. 村田斉志

    最高裁判所長官代理者(村田斉志君) 成年後見制度の利用者から、専門職後見人が本人に余り面会に来てくれないとか意思決定支援が必ずしも十分にされていないんではないかと、そういう御意見があるということは最高裁判所としても承知をしているところでございます。  成年後見制度利用促進基本計画におきましては、この点については、後見人の選任の仕方の問題という面もあるであろうということからだと思いますけれども、後見人による財産管理の側面だけではなくて、意思決定支援や身上監護の側面も重視して、家庭裁判所が本人の利益保護のために最も適切な後見人を選任することができるようにするための方策を検討するというふうにされたところでございます。  ですので、この趣旨を踏まえまして、最高裁判所は各専門職団体後見人の選任の在り方等について議論を行ってまいりました。その結果、事務処理上の課題の専門性、あるいは不正防止の必要性等ももちろん考慮は必要なんですけれども、その上で、後見人となるにふさわしい親族等の身近な支援者がおられる場合にはその方を後見人にすることが望ましいと、その方がより御本人に寄り添った形の後見ということにもなりやすいのかなというふうに考えられますので、そういった基本的な考え方について認識の共有に至りました。  これを各家庭裁判所に対して今後の運用の参考とするために情報提供を行ったところでございまして、このような形で現場を支援することによりまして、各裁判官が個別の事案に応じて本人の利益保護のために最も適切な後見人を選任していくようになっていくものというふうに考えているところでございます。
  84. 清水貴之

    ○清水貴之君 もう一点、これも確認なんですが、この後見制度、制度は利用し始めると、原則やめることができない。後見人の方、一度選任をすると、着服などのそういった悪質なことがない限り解任をできないというふうに認識をしているんですが、この辺りも今後どうなんでしょう、変えていこうという、この辺もやはり制度を利用する側の立場に立っていないというふうな仕組みになっているんじゃないかなと思います。この辺りも見直すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
  85. 村田斉志

    ○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) 制度利用者の方々から、今委員から御指摘がありましたように、後見人に不正行為等がない限り後見人を解任することができないといった点につきまして運用の改善を求める御意見があるということは承知をしているところでございます。  先ほども御説明させていただきました最高裁判所と各専門職団体の議論の中では、当初の後見人等のその選任の仕方のみならず、後見人の交代、途中交代といったことに関しましても議論しておりまして、途中の交代ということに関しましては、本人のニーズや課題、状況の変化等に応じて柔軟に後見人の交代、あるいは、逆に申しますと、追加の選任といったことを行うことも考えていこうということで、この基本的な考え方について認識の共有に至って、各家庭裁判所に情報提供を行っております。例えば、最初は課題が多いので専門職の方をお願いしても、課題がなくなればこれはもうその後は親族の方にお願いすると、こういったことも考えられるところでございます。  このような柔軟な後見人の交代を実現するためには、また別の視点としては、中核機関等が本人の見守りや後見人の支援を行って、そこで得た情報を家庭裁判所に提供していただくと、そうすると、その情報に基づいて適切な形で後見人の交代等を図っていくということもできるようになっていくのかなというふうに考えておりまして、今後、各家庭裁判所におきまして、基本計画の趣旨や最高裁判所と専門職団体との議論の状況なども踏まえて、柔軟な後見人の交代等について関係機関と連携しつつ検討を更に進めていくものというふうに考えております。
  86. 清水貴之

    ○清水貴之君 最後に大臣、今、中核機関の話が出ました。この中核機関、やはりなかなか市町村での設置が進んでいないという話があります。この点の整備についての御意見、最後にお聞かせください。
  87. 宮腰光寛

    ○国務大臣(宮腰光寛君) まず、今回の見直しは、数多くの欠格条項の存在が成年後見制度の利用をちゅうちょさせる一因となっているとの指摘を踏まえたものでありまして、今後は、制度を利用したことを理由として資格、職種、業務等から一律に排除されることはなくなることから、こうした点を心配することなく、成年後見制度を利用いただけるようになります。  今後、成年後見制度利用促進基本計画に基づき、全国どの地域に住んでいても適切に制度を利用できるよう、各地域において権利擁護支援の地域連携ネットワークやその中核機関を整備することが重要と考えておりまして、このような取組を今後も着実に進めていただきたいというふうに考えております。
  88. 清水貴之

    ○清水貴之君 以上で終わります。ありがとうございました。     ─────────────
  89. 石井正弘

    ○委員長(石井正弘君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、石井準一君が委員を辞任され、その補欠として進藤金日子君が選任されました。     ─────────────
  90. 田村智子

    ○田村智子君 日本共産党の田村智子です。  障害者等の人権を守るための成年後見制度が公務職場で働く権利などを自動的に奪ってきたことは本当に重大で、今回の改正によって欠格条項を削除するのは当然のことだと考えます。  一方、政府はこの法案の提出理由として成年後見制度の利用の促進ということを挙げているんですけれども、これ利用が進まない大きな要因は、今も指摘のあった費用負担の問題だと私は考えます。  成年後見制度は、元々、財産管理が中心で、各家庭裁判所が決める後見人報酬は利用者の財産額に応じた定額制というのが一般的です。  昨日、六月五日の毎日新聞の報道でも、東京家裁の場合は、毎月の基本報酬は二万から六万円で、業務の難しさによって最大五〇%割増しする、業務が少なくても支払われるという問題点を指摘し、認知症当事者と家族の団体の代表を務める方の声として、成年後見制度は使い勝手が悪い上に資産が目減りする、会員には使わないように勧めている、こういう声も紹介をしているわけです。  実際、私も障害者のグループホームの視察に行った際に、もう高齢の保護者の方からお話をお聞きしました。親亡き後にこの子が困らないようにと成年後見制度を利用することにもしたと、困らないようにともう私自身の生活は節約に節約に節約を重ねてこの子のための預金をしてきたんだと、そうしたら、預金の額が大きいからといって、その報酬額が、自分から見ると本当に高額の報酬額が毎月支払われていると。日々の生活に必要な支援というのは後見人の仕事ではないというと一体何のための制度なんですかということを切々と訴えられて、本当に胸が痛むような思いだったんですね。  まず、厚労省、こういう現実をどのように認識されていますか。
  91. 八神敦雄

    ○政府参考人(八神敦雄君) お答え申し上げます。  親族ではない専門職の後見人の方が例えば本人にほとんど会わないようなケースがあるというような指摘があるということは、私どもも承知をしてございます。一方、身上保護や意思決定支援を適切に実施をするためには、後見人の方が本人との面談等を行って、本人の生活状況や希望、意思を把握をして支援をするということが必要だと考えてございます。  厚生労働省としては、成年後見制度利用促進基本計画に基づきまして、最高裁判所とも連携しつつ、利用者が制度のメリットを実感できる制度とするための身上保護、意思決定支援の取組を推進したいと考えてございます。  具体的には、意思決定支援に関する取組としまして、平成二十九年三月ですが、障害福祉サービス等の提供に係る意思決定支援ガイドラインを、また、平成三十年六月には認知症の人の日常生活、社会生活における意思決定支援のガイドラインを策定をしたところでございます。  また、こうした取組も踏まえまして、最高裁判所の呼びかけにより、最高裁判所、厚生労働省、専門職団体におきまして、後見人等が本人の特性に応じた適切な配慮を行うことができるよう、意思決定支援の在り方についての指針の策定に向けて協議を始めたところでございます。  また、権利擁護支援の地域連携ネットワークの中核機関等の整備を推進するということで、今年度予算におきまして、新たに中核機関の立ち上げ支援、市町村職員等に対する国の研修を盛り込むなど、予算を三・五億円に大幅に増額をして計上、また、全国会議や市町村セミナーの開催、ニュースレターの発行等を通じて自治体に働きかけるといったことを取り組んでいるところでございます。
  92. 田村智子

    ○田村智子君 最高裁にも認識と取組をお聞きいたします。
  93. 村田斉志

    ○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) 成年後見制度の利用者から委員御指摘のような報酬についての問題点の御意見があること、あるいは先日の新聞報道についても、我々としても認識をしているところでございます。  報酬額につきましては、裁判官が個別の事案ごとに様々な事情に基づいて判断をするという点で、一律にこうしろというような指示ができるような性質でないということは御理解をいただきたいんですが、その上で、御指摘のように非常に重要な問題であるということはそのとおりであるというふうに思います。  そこで、最高裁判所は、今のところ制度の重要な担い手になっております弁護士、司法書士、社会福祉士が所属する各専門職団体と、基本計画を踏まえた後見人の選任及び報酬の在り方について議論を行いまして、これを踏まえて各家庭裁判所での今後の検討のたたき台とするための資料を作成して、各専門職団体の意見書と併せて、今年の一月に各家庭裁判所に情報提供をいたしました。  こういったことを踏まえての報酬の在り方について今後更に検討が行われていくというふうに思いますし、また、委員御指摘のようなケース、事例につきましては、専門職の方が後見人に一旦選任されたとしてもずっとその方がやり続ける必要があるのかということが問題になるケースもあろうと思います。  当初、財産管理あるいは身上について行政サービスにどうつなげていくかとかいった、そういった課題が解決したのであれば、その後は親族の方に後見人としてサポートしていただければ足りて、報酬の問題が発生しなくなると、こういうケースもあろうと思いますので、そういった柔軟な後見人の交代といったことについても併せて専門職団体とも意見交換し、また各家庭裁判所にも情報提供しているところでございます。  更に申し上げますと、今後、中核機関の設置が進んでいくことになりますと、むしろそちらの方からサポートが受けられると、これによって専門職の方が必ずしも選任されなくても済むといった場面も増えてくるのではないかと思われますので、そういった対応を今後検討していく必要があるかなというふうに考えております。
  94. 田村智子

    ○田村智子君 何かもう、一度決めたらもうその人がずっと成年後見だというふうに思い込んでいるところもあると思うんですね。是非今の御答弁のようなことを周知もしていっていただきたいと思いますのと、ただ、親族が後見人になったら、じゃ問題解決するかということなんですけれども、これ問題提起にとどめますが、親族を後見人にというときには、一律に後見信託にして財産管理を信託銀行で行うようにという判断、あるいは後見監督人の選任、このどちらかという判断を一律にやっているんじゃないのかなと思えるような状況もあるわけですよ。そうすると、これまた手数料といいますか、その報酬が発生したり、様々な煩雑な手続が求められたりとか、果たしてこれでメリットになっているんだろうかという問題も残ってきますので、やっぱり成年後見制度を利用して安心だと、よかったと実感できる制度になるように本当に改善を図っていただきたいというように思います。  続いて、宮腰大臣にお聞きしたいんですけれども、今回の法改正によって国家公務員等の欠格条項から成年被後見人等が除かれることになる、そうすると、いわゆる知的障害、発達障害者の方にも国家公務の職場で雇用拡大を進めていくということになっていくと思うんですけれども、いかがでしょうか。
  95. 宮腰光寛

    ○国務大臣(宮腰光寛君) 本法案は、欠格条項を規定する各資格、職種等について、成年後見制度を利用していることを理由として一律に排除される仕組みを改め、個別的、実質的な審査によって各資格、職種等の特性に応じて必要となる能力の有無を判断する仕組みへと見直しを行うものです。これによりまして、本法案の成立後は、成年被後見人等であっても国家公務員となるための選考試験等を受けることが可能となり、障害のある方にとって門戸が広がるという側面があるものというふうに考えております。  公務部門における障害者雇用につきましては、昨年十月に決定した公務部門における障害者雇用に関する基本方針等を踏まえ、政府全体で受入れ体制の整備、職場環境の整備等に取り組んできております。  国家公務員制度担当大臣としても、厚生労働省や人事院等の関係機関と連携しながら、各府省において障害者雇用が適切に進むよう引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
  96. 田村智子

    田村智子君 昨年、障害者雇用の水増し問題というのが発覚して、各省庁は急遽、障害者の採用計画も立てて、今年四月には行政機関全体で約二千五百人が採用になったと聞いています。障害者が働ける環境の整備なしに数合わせだけをすることのないようにというのは障害当事者の団体から本当に強く要望されていたんですけれども、そこがどうなっているかは私、大変危惧をしております。  五月二十九日、国家公務員労働組合連合会、国公労連が、霞が関公務員相談ダイヤルというふうに労働相談に取り組んだんですね。半年ごとの電話相談活動なんですけれども、今回の特徴の一つは障害者枠で採用した人に対するパワハラだというんですね。  霞が関省庁は、障害者雇用枠の水増しを解消するために多くの障害者を受け入れ、体制、業務内容、障害者への理解の普及啓発などを整えないままに非常勤職員として採用した。その結果、無視されたり、大声で叱責されたり、上から目線のパワハラなどが横行している実態が分かったというふうに取りまとめが行われているんです。  具体の事例、紹介します。知力を伴わない肉体労働ばかりさせられる。採用当時から見下した感じがあり、相談役となる課長補佐もばかにした言動をしている。例えば、カットソーなどを着ていると、結婚もできないのに頑張るねと言われたり、あるマニュアルを渡され、あなたが分かれば誰でも分かるよねと言われたりした。課全体がそういった感じであり、相談したくても誰にもできない。また、別のケースですけど、直属の上司は配慮してくれているが、周囲の人からは無視されたりしている。前の職場でも、女性非常勤職員から大きな声でばかにされたり無視されてきた。また別の人は、何か相談事があればこちらにというものがあるが、同じ職場の職員が相手なので相談できないと。  宮腰大臣、こういう声、どう受け止めますか。
  97. 宮腰光寛

    国務大臣宮腰光寛君) いわゆるパワハラにつきまして、障害者に限らず、働く方の尊厳や人格を傷つけ、職場環境を悪化させるような行為はあってはならないものでありまして、障害のある職員を含めた全ての職員が働きやすい職場環境を整備することは極めて大切なことと認識しております。  このため、公務部門における障害者雇用に関する基本方針等を踏まえまして、障害のある職員がそれぞれ意欲と能力を発揮し活躍できるよう、各府省における障害のある職員本人からの相談を受け付ける相談員や、障害のある職員をサポートする個別支援者を選任し、また、障害のある職員とともに働く職員向けに障害者雇用に関する理解促進を図るためのセミナーを開催するなど、政府全体で受入れ体制の整備、職場環境の整備等に取り組んでおります。  国家公務員制度担当大臣としても、本年三月末に、各府省において障害者雇用を着実に進めるための支援策、制度等を盛り込んだ公務部門における障害者雇用マニュアルを作成し、各府省に配付するなど、各府省の職員の障害者雇用への理解促進に努めております。  今後とも、厚生労働省人事院等の関係機関と連携しながら、各府省において障害者雇用が適切に進むよう、またその環境をしっかりと整備ができるように取り組んでまいりたいと考えております。
  98. 田村智子

    ○田村智子君 今お話のあった基本方針なんですけれども、確かに個別支援、必要だというふうにしているんですけど、じゃ、それをやる人をちゃんと付けているのかということだと思うんですね。  先日、私、厚労省の長時間勤務の実態取り上げましたけれども、超多忙で長時間労働だと。もちろん、先ほどの見下すようなとかというのはこれ論外なんですけれども、やっぱり物すごい忙しい中で、じゃ、相談に乗りましょうというふうな気持ちになれるかということが起きてくるわけですよ。過密労働があって、長時間労働があって、業務量にふさわしい人員がそもそも配置をされていないと。障害者枠で障害者の方が雇用されたと、その方の相談に乗れるという余裕がその職場の中に生まれるかということなんですね。  個別支援が必要だというのならば、そのために必要な人の配置、そのために必要な財政の手当て、これやっていくべきだと思いますが、いかがでしょう。
  99. 宮腰光寛

    ○国務大臣(宮腰光寛君) 職場におけるパワハラというのは決してあってはならないということであります。障害のある方に限らず、全ての職員がやりがいを持って生き生きと働くことができる職場づくりは極めて大事であると認識をいたしております。  その上で、障害を持つ方が安心して継続的に業務を担うことができる職場づくりのためには、これまで以上に障害者の方と一緒になって業務を遂行していくことについての理解を促進することや、職場全体として、これが大事だと思うんですが、既存の業務のやり方を前提とせずに、業務のやり方の見直し、具体的には新しい技術の活用などでありますけれども、業務そのものを減らしていくことが重要であると考えております。  現在、政府全体として職場の理解促進や相談支援体制の充実等に取り組んでおりまして、国家公務員制度担当大臣としても、引き続き、障害のある方も含めた全ての職員が存分に能力を発揮できる環境づくりに努めてまいりたいと考えております。  今回、大量採用させていただいて、各府省庁でまだスタートしたばかりであります。状況がどうなっているかについて、関係省庁などと一定の時期にやはり状況を把握してみるということが大事なのではないかなというふうに思っておりまして、相談の上で状況把握、まずしてみたいというふうに考えております。
  100. 田村智子

    ○田村智子君 終わります。
  101. 石井正弘

    ○委員長(石井正弘君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  102. 石井正弘

    ○委員長(石井正弘君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、相原さんから発言を求められておりますので、これを許します。相原久美子さん。
  103. 相原久美子

    ○相原久美子君 私は、ただいま可決されました成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲民主党・民友会・希望の会、国民民主党・新緑風会、公明党及び日本維新の会・希望の党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。  一 成年後見制度の利用促進を図るため、地域連携ネットワークの整備等、同制度の利用者や親族後見人等を支援する体制を構築することにより、利用者の意思決定支援・権利擁護及び不正の発生の未然防止を図るとともに、制度の運用上の課題の把握・開示、関係機関における情報共有など、制度の透明性を高めるよう努めること。  二 成年後見制度を、同制度の利用者がメリットを実感できるものとするため、高齢者及び障害者の特性に応じた意思決定支援の在り方などを始めとした制度全般の運用等に係る検討において、高齢者及び障害者の意見が反映されるようにすること。  三 成年後見人等の事務の監督体制を強化し、成年後見人等による不正行為の防止をより実効的に行うため、家庭裁判所、関係行政機関及び地方公共団体における必要な人的体制の整備その他の必要な措置を十分に講ずること。  四 市区町村が実施する成年後見制度の利用の促進に関する施策についての基本計画の策定や、地域連携ネットワークの構築に資する中核機関の整備などの取組に対し、適切な支援を講ずること。  五 障害者の権利に関する条約第十二条の趣旨に鑑み、成年被後見人等の自己決定権が最大限尊重されるよう、現状の問題点の把握を行い、それに基づき、必要な社会環境の整備等を図ること。  六 障害者の権利に関する条約第三十九条による障害者の権利に関する委員会からの提案及び一般的な性格を有する勧告が行われたときには、障害者を代表する団体の参画の下で、当該提案及び勧告に基づく現状の問題点の把握を行い、関連法制度の見直しを始めとする必要な措置を講ずること。  七 成年後見制度利用促進専門家会議等を始めとして、障害者の権利に関する条約の実施及びその監視に当たっては、同条約第四条第三項及び第三十三条第三項の趣旨に鑑み、障害者を代表する団体の参画を一層推進していくこと。  八 障害者を代表する団体からの聴き取り等を通じて成年被後見人、被保佐人及び被補助人の制度利用に関する実態把握を行い、保佐及び補助の制度の利用を促進するため、必要な措置を講ずること。  九 本法による改正後の諸法において各資格等の欠格事由を省令で定めることとされている場合には、障害者の権利に関する条約や障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律に抵触することのないようにするとともに、その制定に当たっては、障害者の意見が反映されるようにすること。  十 障害者の社会参加におけるあらゆる社会的障壁の除去のための合理的配慮の提供について今後も検討を行うこと。  十一 本法成立後も「心身の故障」により資格取得等を認めないことがあることを規定している法律等について、当該規定の施行状況を勘案し今後も調査を行い、必要に応じて、当該規定の廃止等を含め検討を行うこと。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  104. 石井正弘

    ○委員長(石井正弘君) ただいま相原さんから提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  105. 石井正弘

    ○委員長(石井正弘君) 全会一致と認めます。よって、相原さん提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、宮腰内閣府特命担当大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。宮腰内閣府特命担当大臣。
  106. 宮腰光寛

    ○国務大臣(宮腰光寛君) ただいま御決議をいただきました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重してまいりたいと存じます。
  107. 石井正弘

    ○委員長(石井正弘君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  108. 石井正弘

    ○委員長(石井正弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時八分散会