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2019-06-04 第198回国会 参議院 内閣委員会 21号 公式Web版

  1. 令和元年六月四日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  五月三十一日     辞任         補欠選任      小野田紀美君     石井 準一君      中西  哲君     野上浩太郎君      小西 洋之君     牧山ひろえ君      舟山 康江君     榛葉賀津也君  六月三日     辞任         補欠選任      西田 実仁君     石川 博崇君  六月四日     辞任         補欠選任      野上浩太郎君     佐藤  啓君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         石井 正弘君     理 事                 藤川 政人君                 和田 政宗君                 相原久美子君                 矢田わか子君     委 員                 有村 治子君                 石井 準一君                 岡田  広君                 佐藤  啓君                 山東 昭子君                 豊田 俊郎君                 野上浩太郎君                 舞立 昇治君                三原じゅん子君                 牧山ひろえ君                 木戸口英司君                 榛葉賀津也君                 石川 博崇君                 竹内 真二君                 清水 貴之君                 田村 智子君    国務大臣        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣消費者        及び食品安全、        少子化対策、海        洋政策))    宮腰 光寛君        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(規制改        革、地方創生、        男女共同参画)        )        片山さつき君        国務大臣     茂木 敏充君    副大臣        内閣府副大臣   左藤  章君        外務副大臣    あべ 俊子君        厚生労働副大臣  大口 善徳君    大臣政務官        内閣府大臣政務        官        安藤  裕君        法務大臣政務官  門山 宏哲君    事務局側        常任委員会専門        員        宮崎 一徳君    政府参考人        内閣官房まち・        ひと・しごと創        生本部事務局次        長        高橋 文昭君        内閣官房ギャン        ブル等依存症対        策推進本部事務        局内閣審議官        兼特定複合観光        施設区域整備推        進本部事務局次        長        徳永  崇君        内閣府政策統括        官        小野田 壮君        内閣府男女共同        参画局長     池永 肇恵君        消費者庁政策立        案総括審議官   高田  潔君        総務省自治行政        局選挙部長    大泉 淳一君        法務大臣官房審        議官       保坂 和人君        出入国在留管理        庁在留管理支援        部長       丸山 秀治君        文部科学大臣官        房審議官     玉上  晃君        厚生労働大臣官        房審議官     田中 誠二君        厚生労働大臣官        房審議官     本多 則惠君        厚生労働大臣官        房審議官     八神 敦雄君        厚生労働省社会        ・援護局障害保        健福祉部長    橋本 泰宏君        国土交通省総合        政策公共交通        政策部長     城福 健陽君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○内閣の重要政策及び警察等に関する調査  (子供貧困対策に関する件)  (日米貿易交渉情報開示に関する件)  (性暴力被害者救済措置の充実に関する件)  (スーパーシティ構想に関する件)  (アスベスト対策の抜本的見直しに関する件) ○成年被後見人等の権利制限に係る措置の適正  化等を図るための関係法律の整備に関する法律  案(第百九十六回国会内閣提出、第百九十八回  国会衆議院送付)     ─────────────
  2. 石井正弘

    ○委員長(石井正弘君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、小野田紀美さん、中西哲君、小西洋之君、舟山康江さん及び西田実仁君が委員を辞任され、その補欠として石井準一君、野上浩太郎君、牧山ひろえさん、榛葉賀津也君及び石川博崇君が選任されました。     ─────────────
  3. 石井正弘

    ○委員長(石井正弘君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  内閣の重要政策及び警察等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局次長高橋文昭君外十三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 石井正弘

    ○委員長(石井正弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 石井正弘

    ○委員長(石井正弘君) 内閣の重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 牧山ひろえ

    ○牧山ひろえ君 立憲民主党・民友会・希望の会の牧山ひろえでございます。  衆院内閣委員会では、五月三十一日、子どもの貧困対策推進法改正案を委員長提案として衆院本会議に提出することを全会一致で決めました。今週中に衆院を通過して、そして今国会で成立する見通しとなっております。  本日の一般質問では、この子供の貧困対策について取り上げさせていただければと思います。  子供の貧困対策大綱は五年ごとに見直すことになっており、子供の貧困をめぐる社会経済情勢の変化を踏まえて、今年度中には最終案を取りまとめる方針とされております。  第一期の大綱では教育支援に重きが置かれ、幼児教育や保育の段階的無償化と、それから高校生の奨学給付金事業が一四年度に実施されて、児童扶養手当の多子加算額倍増や子供の生活、学習支援事業などを通じて、大綱に記載された指標は教育分野を中心にある程度の改善を見せていることは御承知のとおりです。  なんですが、過去一年間で、一人親世帯の一割から二割が電気やガス、水道、電話などのライフライン、また家賃などの滞納経験がございまして、二人親世帯でも四%から五%、未払経験があったという、そういった調査結果がございます。過去一年間で必要な食料が買えなかった経験が二人親世帯で何と一五%、そして一人親の二世代世帯では三五%もの世帯割合に上ります。また、医療機関に子供を受診させられなかった経験が地域によっては一五%を超えているわけです。  こういった状況を見ますと、今後の子供の貧困対策に当たりましては、子供、保護者の現在の生活の基盤を支えること、すなわち生活の支援や経済的支援は優先度の高い政策課題と言えるのではないかなと思うんです。子供の実態に応じて、教育支援だけではなくて生活支援、経済的支援、こういったことを、適切な支援の仕組み、支援の組合せ、ベストミックスというか、これが望まれると考えますが、この点に関する政府の御認識を大臣にお伺いできればと思います。
  7. 宮腰光寛

    ○国務大臣(宮腰光寛君) 御指摘の子供や保護者の現在を支えることにつきましては、将来の貧困の連鎖を防ぐこととなる重要な視点であると認識しております。  そのため、政府といたしましては、子供の貧困対策に関する大綱、これは平成二十六年八月の閣議決定でありますが、この大綱に基づきまして、教育の支援だけでなく生活の支援、保護者に対する就労支援、経済的支援も重要と考えて、各種の施策を総合的に推進してまいりました。いわゆる大綱の四本柱と言えるものであります。  現在、子供の貧困対策に関する有識者会議において、生活支援なども含めて新たな大綱の作成に向けた議論がなされておりまして、こうした御議論も踏まえながら新たな大綱の作成に向けて検討をいたしまして、今後とも政府を挙げて子供の貧困対策を総合的に推進してまいりたいと考えております。
  8. 牧山ひろえ

    ○牧山ひろえ君 是非よろしくお願いいたします。  例えば、高校生の多数がバイトをし、それをお小遣いにするわけではなくて、学校の費用ですとか、あるいはそのアルバイトしたお金で生活費に充当している、こういった事実がございます。そもそも、このような状況をかわいそうというのではなくて、私はあってはならない事態ではないかなと思うんです。  通告しておりませんが、関連ですので大臣の御認識をお伺いいたします。高校生の多数の人がアルバイトしていると。
  9. 宮腰光寛

    ○国務大臣(宮腰光寛君) そうですよね、高校生のアルバイト、いろんなタイプがあると思いますし、今委員が御指摘のようなアルバイトもあれば、それから社会体験の一つとして、制度として行っておいでになるところもあろうかと思います。  生活費に充てて、一部を充てているということでございますが、そうですよね、必ずしも一概にアルバイトを、高校生のアルバイトを全て駄目だというわけには私はいかない部分もあるのではないかというふうに思っております。  例えば、私の地元の富山県などでは、就職体験の一つとして、高校二年生のときに、受け入れる企業のところに何日か夏休み中に行って職業体験をやっているという部分もありますので、生活費の一部に充てるということについてはやっぱりいろいろ問題あると思いますが、高校生のアルバイト全体あってはならないということではないのではないかなというふうにも思っております。
  10. 牧山ひろえ

    ○牧山ひろえ君 私が申し上げているのは、もう本当に職業体験としてその子供があらゆる面で成長するためのアルバイト、そういうことにとどまらずに、もう勉強したくても、とにかく生活のために仕事に追われてなかなか勉強が身に入らないぐらいの、そういうことを申し上げているんです。そういうことをしている子供も少なくないという今現状がございますので、是非そういったところにも目を向けていただければと思います。  現金給付、ライフライン、医療、住居等の支援、そして家庭、子供、若者の生活基盤保障は極めて重要だと思っております。対策大綱見直しに関する政府の有識者会議でも、子供の貧困の原因は世帯収入の少なさであり、親の経済支援の位置付けを高める必要性を説く声が出されました。子供の貧困を解消する基盤である世帯全体の暮らしの底上げ、家族丸ごとへの支援の拡充が急務であると考えます。  この生活支援、経済的支援、別の表現で申しますと再分配の見直しに関連して、一つ問題提起させていただきたいと思います。  配付させていただきました資料を御覧いただいてもお分かりになりますとおり、再分配前後の子供の貧困率を見ますと、ゼロ歳から二歳においては二・五%、そして三歳から五歳においては一・一%、再分配後の貧困率の方が再分配前より高くなっております。つまり、税や保険料等の負担の方が受けているサービスよりも大きくなっている。三歳未満児の約八割が家庭で育てられています。家庭や世帯の経済状況が子供に与える影響がほかの世代に比べても大きいというわけです。であるのに持ち出しが多いという現状は非常に問題ではないかなと思うんです。  このようなことに鑑み、乳幼児期への支援の強化が必要だと考えますが、当局はどのようにお考えでしょうか。
  11. 小野田壮

    ○政府参考人(小野田壮君) お答えいたします。  現在、新たな大綱の作成に向けまして御議論いただいております子供の貧困対策に関する有識者会議におきまして、乳幼児期の支援に関しましては、生まれてから小学校に入るまでの時期、特に乳幼児期からの支援は今後特に重点を置くべきといった御意見、あるいは、妊娠期や乳幼児期からの早期の支援に加え、義務教育終了後の若者支援も含め、ライフステージごとの支援が切れ目なくつながる地域の仕組みづくりなどを方針に盛り込む必要があるといった意見などが寄せられてございます、出てございまして、その重要性について様々御指摘をいただいているところでございます。  引き続き、有識者会議での御議論を注視しつつ、新たな大綱も踏まえて、対策をしっかりと検討してまいりたいと考えてございます。
  12. 牧山ひろえ

    ○牧山ひろえ君 第二期大綱では、特に乳幼児期の貧困への重点アプローチが必要ではないかなと思います。  改正案では、貧困対策に関する計画の策定の努力義務を市区町村に課することになっております。実態に即したきめ細やかな対策を講じるには、より身近な市町村の役割は大きいと言えます。その役割を十分に果たしていただくためにも、国と都道府県が基礎自治体の取組を支援する協力体制を今まで以上に強く構築していくことが重要と考えますが、この点に関しましての当局の御方針、お考えをお示しいただければと思います。
  13. 宮腰光寛

    ○国務大臣(宮腰光寛君) 子供の貧困対策を推進していく上では、子供たちの一番身近なところで活動されている基礎自治体の役割は大変重要なものであるというふうに考えております。そのため、これまでも、子どもの貧困対策の推進に関する法律や子供の貧困対策に関する大綱に基づき、各地域において効果的な取組を実施していただけるよう、地域子供の未来応援交付金による地域ネットワーク形成支援を始め、地域における自治体の取組を支援してまいりました。  現在、新たな大綱の作成に向けた議論を行っている有識者会議におきましても、例えば大阪府箕面市を始め基礎自治体における子供の貧困対策に関する取組の好事例を紹介していただいておりまして、大変参考になるものもあると感じております。  こうした議論も踏まえ、今後も地域の実情に即した取組を実施していただけるよう、基礎自治体の取組について引き続き支援を強化をしてまいりたいというふうに考えております。
  14. 牧山ひろえ

    ○牧山ひろえ君 是非よろしくお願いいたします。  一方で、各地の基礎自治体では、国の地域子供の未来応援交付金などを活用し、実態調査ですとかあるいは施策推進のモデル事業などを実施しているんですね。この応援交付金は年間で四億円程度とお伺いしたんですけれども、子供の貧困対策の重要性と比較して、地域の支援という視点からいっても果たして十分と言えるのかなと思うんですね。  今後の予算獲得の方針も併せて、当局としての所見をお示しいただければと思います、大臣。
  15. 宮腰光寛

    ○国務大臣(宮腰光寛君) 地域における子供の貧困対策を効果的に進めるためには、地方自治体がまず実態を把握し、福祉部門、学校、NPOなど地域における多様な関係機関、団体の連携協力を得つつ、地域の実情に応じた施策に取り組むことが重要です。  地域子供の未来応援交付金につきましては、子供の貧困の実態把握や連携体制の整備に取り組む自治体を支援するため、令和元年度当初予算と平成三十年度補正予算を合わせて約四億円を確保するとともに、平成二十八年度から三十年度までに二百七十三の自治体に対し約七億円を交付してきたところであります。この間にも、平成三十年度から当初予算化されたことを始め、複数年度にわたる取組の実施を可能とするなど、自治体にとってこの交付金を柔軟に活用できる改善を行ってまいりました。  必ずしも執行率が良くないという御指摘だと思いますけれども、今回の衆議院における議員提出法案の可決なども受けて、この後、衆議院で法案が本会議で可決されれば参議院に回ってくるのではないかと思いますが、仮に成立した場合には、その法案の趣旨も、改正の趣旨も踏まえてしっかりと取り組んでまいりたい。とりわけ、予算の確保とともに、先進事例、事業例の周知なども通じて、この交付金が積極的に活用されるよう自治体の取組を促していきたいというふうに考えております。
  16. 牧山ひろえ

    ○牧山ひろえ君 できれば、応援交付金だけではなくて、支援を行う際の国としての自治体が財政的に困らないための財源確保が重要だと思いますので、是非御留意いただければと思います。  地域のNPOなどは、官民共同の子供の未来応援基金などを活用し、子供食堂ですとかあるいは学習支援、居場所事業などを展開しています。子供の貧困対策には多様なプレーヤーが主体的あるいは有機的に関わっていくことが重要でありまして、そのような意味でも草の根NPOの支援には大きな意味があります。ですが、内閣府は、五月十三日、貧困状態にある子供を支援する民間団体の六割超が資金不足に直面しているとの調査結果を公表しました。  内閣府はこの現状につきましてどのような御感想をお持ちでしょうか。また、こういった状況についてどのような方針で今後取り組まれる御方針でしょうか。
  17. 小野田壮

    ○政府参考人(小野田壮君) お答えいたします。  平成三十年度調査研究におきましては、全国各地で子供の貧困に関する支援活動を行っている団体にアンケート調査を行い、約五百の団体から回答を得て分析を行いました。今回のアンケート調査の結果では、一年間の事業費が三百万円未満で活動する団体が約七割と、小規模での支援を行う団体が多い傾向にあること、また、地方公共団体や学校との今後の連携を希望する団体が多いこと、また、活動資金や人材の確保に課題を抱えている団体が多いことなどが分かりました。  貧困の状況にある子供たちの支援にこうした団体が重要な役割を果たしていることも踏まえ、内閣府では、子供の未来応援国民運動を推進してきてございます。委員御指摘の民間資金による子供の未来応援基金を活用したNPOの取組支援、支援を希望する団体と支援をしたい企業や個人とのマッチングなどを実施してきているところでございます。  今回の結果を、こうした子供の未来応援国民運動を始め、今後の子供の貧困対策に関する施策にしっかりと生かしていきたいと考えてございます。
  18. 牧山ひろえ

    ○牧山ひろえ君 子供の貧困対策の推進に関しましては、予算の確保が当然ですが非常に重要となってまいります。内閣府は、主務官庁としての働きかけを是非積極的に行っていただければと思います。  第一期の大綱に基づいた現状の対策は、一人親、生活保護世帯、社会的養護の子供などをメーンターゲットにしており、対象を絞り込んでいる傾向がございます。もちろん、こういった世帯は厳しい状況にある可能性が高いとは言えますが、支援の必要があるのはこういったカテゴリーに限らないと思うんですね。例えば、両親のいる多子世帯や離婚未満の実質一人親世帯もあるんです。  沖縄子ども調査で、食料を買えなかった経験を尋ねましたところ、二人親世帯でも二五%があったというふうに回答しています。こういった支援が必要な二人親世帯も数多くいるわけです。  ですが、再分配前後の子供の貧困率を見ますと、二人親世帯においては全て再分配後の方が再分配前より貧困率が高いというふうになっております。このことに象徴されるように、現在の枠組みでは支援の手が結局行き届いていない層が確実にあるということが分かります。  ターゲットを絞り過ぎるのではなくて、二人親貧困世帯や海外にルーツを持つ子供たち、そして障害を持っている子供たち、こういった子供たちもいます。貧困が複合する状況などもございます。  このようにいろんなケースがあるわけですから、できればいろんなケースを見て、多様な貧困状態にある子供たちへの支援も是非大切にしてほしいと願っていますが、この点につきまして大臣の御所見をお伺いできればと思います。
  19. 宮腰光寛

    ○国務大臣(宮腰光寛君) 御指摘のとおり、貧困の状況にある子供が経済的な問題だけでなく様々な事情が重なって困り事を抱えるケースがあることにつきましては、新たな大綱の作成に向けて議論を行っているこの有識者会議においても御意見をいただいているところであります。例えば、先日、五月十三日の有識者会議におきましても、有識者の方からのヒアリングで、二人親貧困世帯に対する支援の重要性について私も直接お話を伺ったところであります。  こうした状況に対しまして、政府といたしましては、自治体、企業、NPOなどが連携し、子供たちを支えるネットワークを構築し、一人一人に寄り添ったきめ細かな支援が必要であると考えておりまして、有識者会議の御議論も踏まえつつ、全ての子供が夢に向かって頑張ることのできる社会の実現を目指し、子供の貧困対策を推進してまいりたいというふうに考えております。
  20. 牧山ひろえ

    ○牧山ひろえ君 最近、見えない子供、若者、インビジブル・チルドレン・アンド・ユースという表現がよくなされます。乳幼児も含めた自分では声を上げられない子供たち、若者たち、いわゆる見えない子供というのが最も困難な状況にございます。  一人親などの外形的な条件で単純に線引きするのではなくて、家計や困窮の具体的な状況によってきめの細かいサポートを行い得る制度設計が必要だと思います。苦しんでいる子供たちの声を聞き逃さないことは、私たち大人の責任ではないかなと思うんですね。  政策目的を本気で達成するためには、できるだけ具体的な、できれば数値を伴った改善目標を設定するのが常識と言えます。ですが、第一期の大綱において、指標は設定されてはいても、改善目標は設定されておりません。  そこで質問ですが、政府が本気で子供の貧困対策に取り組むおつもりならば、第二期の大綱においては当然改善目標を設定すべきと考えますが、いかがでしょうかという質問と、もう一つ、もし改善目標の設定に消極的ならば、改善目標を設定することにどのようなマイナス点が逆にあるとお考えでしょうか。
  21. 小野田壮

    ○政府参考人(小野田壮君) お答えいたします。  子どもの貧困対策の推進に関する法律の法案審議の際も同様の議論が行われたところでございますが、結果として改善目標は設定しないこととされ、全会一致で成立したと承知してございます。  この背景といたしまして、子供の貧困率につきましては、その算定基礎となる所得に、現金で支給されず現物で給付される支援策が全く反映されないなどの課題が指摘されたと承知してございます。  こうした議論も踏まえまして、現行の子供の貧困対策に関する大綱におきましては、子供の貧困に関する二十五の指標を設定しているところでございます。この指標に基づきまして、施策の実施状況や効果を検証、評価するという形を取らさせていただいているところでございます。  こうした検証、評価をしっかりと行いながら、指標の改善充実に向けて取り組んでまいりたいと考えてございます。
  22. 牧山ひろえ

    ○牧山ひろえ君 大綱にて数値目標を設定すれば、政府には達成する責任が生じます。予算を組んで具体的な施策を進めさせる根拠にもなります。それによって子供の貧困対策が劇的に改善する可能性があるわけです。第二期の大綱では、指標ごとの改善目標を是非設定していただければと思います。  続きまして、海外の事例として、子供の幸せ、ウエルビーイングが満たされていない状況、これはイコール子供の貧困、こういった考え方がEU諸国では一般的だそうです。低所得層だけの問題ではないわけです。そこから導き出される子供の貧困問題のゴールは、全ての子供がウエルビーイングが実現する状態というふうになります。私はこの考え方に賛成しておりまして、我が国の政策目標としても取り入れるべきではないかなと思うんですね。この子供のウエルビーイングを実現するためには、子供たちの幸せを阻害する要因について、所得だけではなくて多元的に把握する必要があると思います。  例えば、EUでは、EU―SILKという物質的剥奪指標を使っているそうです。洗濯機、カラーテレビ、電話、自家用車、家庭で暖房が使用できる、それから光熱水費の支払能力がある、ローン返済ができる、二日に一回はお肉か魚が食べられる、家計に必須の支出の支払能力がある、こういった指標を用いて、所得以外で多元的に子供の状況を把握する努力をしているわけですね。  改善目標を定めることに関連して、子供の貧困に関する全国調査の実施についても衆議院の附帯決議に含まれています。  そこで質問ですが、いずれ実施されるべき全国調査においては、子供の苦しみを多面的そして具体的に実態把握できるように調査項目を工夫するべきだと考えております。また、全国調査に当たっては、長期的な検証が必要ですので、単発ではなくて定期的な調査実施が必要ではないかなと思うんです。そしてさらに、自治体間の比較が可能な共通の方式で実施するべきだと思うんです。  全国調査に関しこういった提言をさせていただきますが、こういった私の今申し上げたことに関する当局の御見解を、是非大臣、お聞かせいただければと思います。
  23. 小野田壮

    政府参考人(小野田壮君) 委員御指摘の全国的な調査の件でございます。  貧困の状況にある子供たちは多様かつ複合的な課題を抱えているため、実効的な子供貧困対策を行うためには、各地域において適切にまずもって実態を把握することが重要だと認識してございます。  現在も地域子供の未来応援交付金を活用いただき各地方自治体で実態調査を行っていただいておりますが、こうした地域ごとの実態が全国的に把握できるよう、各自治体の先行事例や好事例等を踏まえ、効果的な実態調査についても検討してまいりたいと考えてございます。
  24. 牧山ひろえ

    ○牧山ひろえ君 大臣にもお答えいただきたかったんですが、いかがでしょうか。
  25. 宮腰光寛

    ○国務大臣(宮腰光寛君) 今、政策統括官から御答弁を申し上げたわけでありますが、いずれにせよ、衆議院で提出されたこの法改正案の附帯決議の最後の項目の中に調査をしっかりするべきであるというふうに書かれておりまして、それ厳粛に受け止めさせていただきたいと思っております。  仮に法律が成立をし、その後の調査ということになりますと、ただ単なる調査であってはいけない、基礎自治体、市町村が本気になって貧困対策に取り組む契機になるような調査でなければいけないのではないかと。アンケートを出して、ただ数字はこうですよといったような調査ではなくて、真剣にこの調査が取組につながっていくものにしなければいけないのではないかというふうに思っております。その調査の仕方については、成立を待ってしっかりと検討させていただきたいというふうに思っております。  目的は、やはり一人一人の子供たちが現状あるいは将来も見据えて貧困からの連鎖を断ち切ることができるように、何よりも大事なのは一人一人の状態をしっかりと改善をしていくということであると思っておりますので、そういうきっかけになるような調査にしなければいけないのではないかというふうに考えております。
  26. 牧山ひろえ

    ○牧山ひろえ君 子供の貧困対策というのはそれなりに多彩なメニューが既に用意されていますけれども、対象となっている方のほぼ全てが利用されているわけではないんですね。なので、子供の貧困対策はその実態が見えづらい、あるいは捉えづらい側面があって、周知が難しいとの指摘もございます。  この点に関しましては、当局はどのように現状認識をお持ちでしょうか。それから、今後、この点に関しどのような改善を進めていかれるのか、大臣、御方針をお示しください。
  27. 宮腰光寛

    ○国務大臣(宮腰光寛君) 貧困の状況にある家庭や子供は、そもそも貧困であるという自覚がないことや、仮にあったとしても周囲の目を気にして表に出せないなど、その実態は御指摘のとおり見えにくく捉えづらいと言われております。こうした子供たちに支援を確実に届けるためには、自治体や企業、NPOなどが連携し、一人一人に寄り添ったきめ細かな支援を行うことが必要であります。  内閣府におきましても、これまでも、官民、官あるいは公、民が連携して、子供の未来応援国民運動を引き続き展開し、企業や個人の寄附金から成る子供の未来応援基金等を通じたNPOなどの民間団体の支援や、地域子供の未来応援交付金による地域ネットワークの形成に向けた自治体の取組の支援などを進めていきます。  やはり、鍵を握っているのはやはり自治体であるというふうに、基礎自治体であると思っております。その子供の状況も、あるいは家庭の状況も、あるいは周囲の状況も、実は一番把握しているのは地方自治体でありまして、そこ一人一人に目を向けて、その一人一人の子供の状況がどうあるのかということをやはり国や都道府県ではなかなか把握するのに無理がある、あるいは、ネットワークの形成も基礎自治体が中心になってやっているところはうまくいっているところも多いというふうに思っておりますので、今後とも、この基礎自治体である市町村を中心にしてこのネットワークがしっかりと形成され、またそれが機能するように取り組んでいきたいというふうに考えております。
  28. 牧山ひろえ

    ○牧山ひろえ君 是非どの子供にも目を向けられるようにお願いいたします。  終わります。
  29. 矢田わか子

    ○矢田わか子君 国民民主党・新緑風会の矢田わか子です。今日は、一般質問の機会、ありがとうございます。  まず冒頭、日米の貿易交渉の透明化について茂木大臣にお伺いをしていきたいと思います。  四月の中旬以降、ライトハイザー米通商代表と閣僚級のいわゆる物品貿易協定、TAG協定ですね、TAGの交渉を進めておられるというふうに思います。進捗の状況につきましては、良いスタートが切れていると、そういうふうに抽象的な言い回しをされておりますが、しかしながら、先日、東京での首脳会談の際の記者会見で、トランプ大統領、ツイッターなどから、参議院選挙後の八月は重大な交渉結果が発表されるというふうに臆測が飛び交っております。  茂木大臣、先週の五月三十一日、新聞社主催の国際会議で日米貿易交渉について触れられています。国益と国益がぶつかる大変厳しい交渉であるというふうにした上で、自動車、農業の関税をめぐる日米の立場にはなお隔たりがあることを表明されています。しかし、この交渉状況、全くいまだもって不透明で、資料一、おまとめしましたけれども、昨年九月の日米共同声明の合意内容が守られているのかどうか、関連する自動車産業、それから農業分野で政府への不信感が募っている状況です。  さきの日米首脳会談では、トランプ大統領がアメリカの保護主義を貫く姿勢をより強め、日本側に対してかなり強く譲歩を迫ったのではないかと言われている中で、交渉経過、やはり透明化することが求めているのではないかと思われます。私たちはこのことを憂慮しまして、現在、国民生活や国内産業に大きな影響を与える重大通商交渉においては、国民に対する情報提供の努力義務を政府に課すという法案まで準備をしている状況です。  資料一の方を見ていただきますと、上の段のところに日米貿易交渉の主な経過ということをまとめておるわけですが、アメリカでは、例えば二〇一八年十二月六日、十二月十日含めて公聴会を開催しているということや、今年度に入ってから、四月十五、十六日には交渉開かれておりますけれども、その前段の二月、ライトハイザー通商代表、下院の公聴会の中でもいろいろと説明はされているわけであります。  私たち日本側は、こうしたアメリカの状況、報道を受けて、ああ、こんなふうになっているのかということを知るしか今手段がないわけであります。特に、この我が国に大きな影響を及ぼすTAG協定、皆さん注目しておりますので、この交渉状況について、やはりできるだけ情報を開示し、透明化すべきと考えます。  去年の十一月末のこの内閣委員会の中でも、私は茂木大臣に御要望をさせていただいております。是非、今後の交渉に臨まれる姿勢と情報公開について見解をお願いしたいと思います。
  30. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) お答えいたします。  冒頭、トランプ大統領の発言について、重大な発表があると、こういうふうにおっしゃいましたけど、トランプ大統領、ウィル・アナウンス・サム・シング・ホイッチ・ウィル・ビー・ベリーグッド・フォー・ボース・カントリーズと言っておりまして、両国にとって何らかいいことが発表できるんではないかなと、若干ニュアンスは違っていることをおっしゃっているんじゃないかなと思います。  その上で、日米の物品貿易協定についてでありますが、昨年八月及び九月に私とライトハイザー通商代表で閣僚協議進めまして、昨年九月の日米首脳会談におきまして、交渉を開始することで合意をいたしました。  この日米首脳会談での共同声明には、両国が交渉を行うに当たって、農林水産品について、過去の経済連携協定で約束した市場アクセスの内容が最大限であるとの日本の立場が明記をされているわけであります。先生の資料にも、そのことはアーティクルのファイブのところに赤字で書いていただいたところであります。また、日米両国は、信頼関係に基づいて議論を行うこととし、その協議が行われている間、共同声明の精神に反する行動は取らないことも明記をされているところであります。これ、先生のところですと、略としてあるところに書いてあることでありますけれど。そして、これは自動車で二三二条の追加関税が発動されないということでありまして、このことは安倍総理からトランプ大統領に対して直接確認をいたしております。  米国は米国で、結局、貿易権限法、交渉をするためにはそれが必要でありますから、それを取るための一般的な手続、これを議会に諮るということになっておりまして、こういったことを交渉しますと。書いてあることも、二十二項目に及びますが、必ずしも日米でやるというよりも、ほかの国ともやる場合の一般的な事項を書いていると、このように理解をしているところであります。  そして、その後、本年四月に二回訪米いたしまして、私とライトハイザー通商代表との間で協議を行いました。その中で、物品貿易について、昨年九月の共同声明、今申し上げた、これに沿って協議を進めることを確認いたしました。さらに、デジタル貿易についても交渉を進めていくことで合意をいたしました。Eコマースを始め、このデジタル貿易の分野は日米が世界の中で最も進んでおりまして、考え方にそごはございません。早期に日米両国が世界をリードする議論が進められるということで、この分野についても協議を行うということにしたわけであります。  また、五月二十七日、日米首脳会談が東京で行われたわけでありますが、その前々日、五月二十五日にもライトハイザー通商代表と協議を行いました。率直な意見交換を行い、双方の立場、考え方に対する理解を更に深めることができたと考えております。  現時点でそれぞれの立場が一致しているということではございません。また、こういった交渉、一般的には、ナッシング・イズ・アグリード・アンティル・エブリシング・イズ・アグリード、つまり、全てが決まるまで部分的な合意はないと、これが交渉の大原則でありまして、そういった観点から、現在、個別に合意していることはないわけでありますが、今後、日米のギャップを埋めていくためにお互い努力を行うこととし、来週、農業品、工業品についての日米の実務者レベルの協議を行うこととしております。  このように、具体的な議論、まさにこれからであると考えております。
  31. 矢田わか子

    ○矢田わか子君 茂木大臣、でも、五月二十六日の一時三十九分に、トランプ大統領のツイッターで、日本との貿易で大きな進展があったと、あったというふうにもう書いていらっしゃるわけです。七月の選挙が終わるまでしばし待つことになるが、その後、日本への輸出が増えることを期待しているとまで書かれると、やはり日本国民は、それは公開されますので、ツイッターで発信されますので、心配になるということは分かっていただきたいというふうに思います。  おっしゃったとおり、確かに個別の合意は何もないんだと、大臣が今こうおっしゃってくださっても、こんなふうに書かれてしまうと、皆さんのやはり情報公開を求める声は日増しに大きくなるばかりです。したがって、申し上げているとおり、私たちの党はそういう情報公開を求めるというふうな立法まで今準備をしている状況なわけですけれども、是非、情報公開についていま一度在り方を検討していただきたいと思いますので、御要請を申し上げておきたいと思います。  続いて、米中貿易戦争が我が国に与える影響について、外務副大臣来ていただいておりますので、お聞きしていきたいと思います。  現在、資料二に示しましたとおり、米中双方は追加関税の引上げを行い、まさに貿易戦争の様相を呈してきております。中国経済の専門家の中には、アメリカの中国製品に対する追加関税やファーウェイに対する輸出禁止措置などによって中国は相当な打撃を受け、マイナス成長に陥るどころか政治経済体制の崩壊にもつながりかねないものになると推測しています。中国の指導者層は何とか乗り切れるという、その判断をしているようでありますが、実体の経済は相当に厳しいようであります。  G20でもこの問題が解決しないとなると、我が国経済は製造業を中心に相当厳しい状況に追い込まれることが予想されます。日本政府としては、米中間の関税引上げ応酬で双方から一番大きな影響を受ける国として、米中それぞれをいさめ、自由貿易体制維持の立場からも物申す働きをすべきと考えますが、外務省としての見解を伺います。
  32. あべ俊子

    ○副大臣(あべ俊子君) 委員にお答えいたします。  米中間の貿易摩擦、日本を含め国際社会の大きな関心事項になっているところでございます。この貿易制限措置の応酬、どの国の利益にもならない。我が国は、いかなる貿易上の措置にもWTO協定と整合的であるべきというふうに考えているところでございます。こうした日本の基本的立場につきましては、これまでも、安倍総理からトランプ大統領、習近平主席を始め、米国及び中国の双方に対しまして様々なレベルで伝えてきているところでございます。  いずれにいたしましても、我が国といたしましては、米中両国が対話を通じ建設的に問題解決を図ること、これを期待しておりまして、引き続き米中間でのやり取りの推移を注視してまいります。
  33. 矢田わか子

    ○矢田わか子君 注視しているだけでは私は駄目だと思います。  経産省が発表している主要産業の生産予測調査、六月の予測では前年比マイナス四・二%、過去最大のマイナスになるというふうな予測がもう既に出ているわけですよ。自動車ではマイナス一〇%、スマホを中心にした情報通信機器でももう約マイナス一一%ということで、落ち込むという予測まで出てきております。傍観しているお客様の立場では今もうないというふうに思います。  G20がある中で、やはり日本が、きちんと米国に対しても中国に対してもそんな応酬し合っているような場合ではないという、日本だけではないんですけど、世界経済にやはり与える影響をきちんと主張する中で、いさめる役割をやはり果たしていただかなければいけないというふうに思いますので、是非御要請を申し上げておきたいと思います。  あべ副大臣についての質問はこれまでです。委員長、御退室を。
  34. 石井正弘

    ○委員長(石井正弘君) あべ外務副大臣におかれましては御退席いただいて結構でございます。
  35. 矢田わか子

    ○矢田わか子君 次の質問に移りたいと思います。  こうした米中の貿易戦争が激化する中で、是非茂木大臣にお伺いしたいんですけれども、こんなふうに大きな影響が及ぶということを考えると、それをもっと自覚していくべきではないかと思います。  茂木大臣は経済再生の担当大臣であります。この日本の経済を再生させるという大きなミッションを帯びていらっしゃる大臣であります。この問題について、中国の経済の減速より世界や日本の経済への更なる影響が懸念されるということにも触れられている、述べられているというふうに報道されておりますが、それだけでは私はやや楽観視し過ぎているのではないかと思われます。  この経済を、日本の経済を底上げする、再生する担当大臣として、この米中の貿易戦争を機に我が国の経済が停滞若しくは後退していけば、経済再生や財政再建どころの話ではなくなるわけであります。的確な情勢認識と対応策を打ち立てていただきたいと思いますが、見解をお願いします。
  36. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) 経済統計には様々な数字があります。今引用された数字もありますが、直近の法人企業統計、企業の設備投資、一―三月期はプラスの六・一%と、いい数字も出ているところであります。  そういった中で、米中摩擦、ここに来て、いつ頃どういう形で収束していくのか。これは、貿易問題だけでなく、技術移転、そして国有企業の在り方にも関わる問題になってきておりまして、不透明感が高まっているというのは事実だと思います。ただ、米中双方によります追加関税のエスカレーションは、米中両国のみならず、世界経済にとっても決して望ましいことではなく、米中間での協議の進展、期待したいと思っておりますし、こうした日本の立場につきましては、米中両国に様々なレベルで伝えているところであります。  米中摩擦の経済的な影響、どうなっていくかということでありますが、例えばIMFの試算によりますと、米中間の全ての貿易財に、仮にでありますけど、仮に二五%の関税引上げが行われた場合、アメリカのGDPを年率で〇・三から〇・六%引き下げる、また中国のGDPを年率〇・五から一・五%押し下げる影響がある、こんな予測も出されているところでありまして、こういった世界経済への影響、また日本経済に与える影響についても注意をしていきたいと思っております。  同時に、こういったマクロの経済の影響だけでなくて、これは委員も御専門の分野だと思いますが、グローバルなサプライチェーンを通じた各企業への影響も見ていく必要があると考えております。例えば、中国からアメリカに輸出している製品の主要部品を日本が供給しているパターンであったり、あるいは日本企業が中国に生産拠点を設けてそこからアメリカに輸出している、こういった製品もあるわけであります。こういったグローバルなサプライチェーンを通じた影響についても、日本企業の今後の対応であったり、経営への影響をきめ細かく注意をしていきたいと思っております。  なお、中国経済の先行き、米中摩擦など海外経済のリスクには細心の注意を払っていく必要はありますが、日本経済全体で考えてみますと、需要面でまず見てみますと、輸出はGDPの大体一六%を占めます。そして、輸入とのネットでいいますと、GDPへの影響はほぼゼロという形になります。一方、供給面で見ますと、製造業、これは比較的今こういった影響を受けやすいんですが、これ製造業は生産全体の二割程度でありまして、八割を占める非製造業、特にそこの中でも情報通信、運輸、職業紹介などのサービス産業は堅調に推移していることは間違いありません。その上で、日本経済の成長力を更に高めていく必要があるわけでありまして、経済の基礎体力とも言える潜在成長率を大きく引き上げていくことが重要だと考えております。  今、世界では、御案内のとおり、AI、IoT、ビッグデータ、こういった第四次産業革命の技術革新が進んでおりまして、日本においてもこれを現場に積極的に取り入れていく、自動走行、ロジスティックス、健康、医療など様々な分野で積極的な取組、これを進めていきたいと考えております。
  37. 矢田わか子

    ○矢田わか子君 ありがとうございます。  おっしゃられたとおり、グローバルサプライチェーン、まさしくグローバルに商売をしている企業が増えてくる中で、実際に今回のこの米中の対立、私が出身の会社でもファーウェイに対する部品提供をやめるというふうなことで、生産拠点も中国からタイとかベトナムに移すような企業も増えてきているわけです。  したがって、やはり多くの企業がこうした影響を受けるというふうなことも御認識をいただきまして、是非、世界経済が及ぼす日本への影響を最小限に食い止めるべく、アメリカと同盟国ですということをPRするのもいいと思うんですが、私はアメリカべったりではやっぱり怖いなという一面もあると思っておりまして、中国等も含めて均衡な外交をやはり意識して経済を守り立てる策を是非茂木大臣には打っていただきたいと思いますので、御要望を申し上げておきたいというふうに思います。ありがとうございました。  続いて、少し質問が変わりまして、性暴力被害者の救済と犯罪抑制のための法改正について質問をしていきたいというふうに思います。  今年の三月、名古屋地裁の岡崎支部で、実の娘と性交し準強制の性交罪に問われた父親に無罪の判決が言い渡されました。性暴力の根絶を願う者にとっては衝撃的な判決となりました。  この無罪判決の背景には、刑法で定められた犯罪の要件の一つである抗拒不能に関し、二年前の刑法の改正、これ百十年ぶりの改正だったわけですが、この際にこの要件の見直しがされなかったということがあると思います。要するに、抗拒不能が消えなかった、取消しできなかったということであります。この抗拒不能は被害者が抵抗できない心理状況を意味しますが、非常に曖昧な要件で、裁判では広く解釈される傾向にあると思います。今回の判決では、必ずしも抵抗できない状態ではなかった、認められないと判断されたわけであります。また、今回の判決では、監護者の性交等罪が十八歳未満を対象としていることも影響しています。  現在の我が国の刑法、性暴力が有罪になる要件としては、同意がないことと、この抗拒不能の二つを必要としているわけであります。しかしながら、世界に目を転じれば、スウェーデンやドイツ、イギリスやカナダなどは、暴行や脅迫がなくても、当事者の同意がなければ犯罪とする不同意性交罪が設けられています。まさに我が国としてもそのような方向で法改正されることを期待しておきたいというふうに思います。  法務省、この問題に関して、現在、刑法の見直しのワーキンググループを設置し調査検討を続けておられるわけですが、現時点での検討状況をお聞かせください。
  38. 門山宏哲

    ○大臣政務官(門山宏哲君) お答えいたします。  委員御指摘のように、平成二十九年の刑法一部改正法附則第九条におきましては、広く性犯罪に係る事実の実態に即した対処を行うための施策の在り方に関する検討が求められており、法務省においては、その検討に資するよう、平成三十年四月に性犯罪に関する施策検討に向けた実態調査ワーキンググループを立ち上げ、実態等の把握を進めているところでございます。同ワーキンググループにおきましては、これまで、例えば犯罪被害者支援を行う弁護士、性犯罪被害の当事者、犯罪被害者心理学の専門家からのヒアリング等を実施するなどしたところでございます。  現段階におきまして、お尋ねの抗拒不能の要件も含めどのような事項について検討を行うかについて確定的に申し上げることはできませんが、性犯罪被害者の心理など実態調査を着実に進め、適切に対処してまいりたいと考えております。
  39. 矢田わか子

    ○矢田わか子君 性犯罪の被害者の方々がこの国会に来ていろいろと意見交換させていただいていますけれども、実際に抗拒不能って、結局、義理の、義理になられた父親だとか、本当に実の親も含めてですけれども、覆いかぶさってきたときに、もう怖くて動けない、抵抗なんてできなくて何が起こっているのか分からない、そんな状況の中で性交罪、性交罪というか、そういった行為を強いられているような人たちもいるわけです。  したがって、あえて申し上げましたけど、二年前の改正のときも百十年ぶりの改正ということで、極めて私は古い法律としてそのまま残ってしまったものの一つではないかというふうに思っています。是非、現実にその目を転じていただいて、被害者、加害者、それからいろんな専門家を含めて今ヒアリングしていただいているというお答えですけれども、もう早期に、法律が変わるのが余りにも遅過ぎる、スピード感を持って対応できるように、法務省としても検討を更に進めていただきたいというふうに思います。  一方で、私どもは、もう何年前、三年前に、この性犯罪の加害者に対する厳罰を科すとともに、そういう被害者になられた方を救いたいという思いで、今、性暴力被害者の支援に関する法律案を提出している状況にあります。平成二十八年の五月に提出をし、この八回の国会で何も審議がないという状況が続いているということであります。犯罪予防の対策をすること重要ですけれども、一方で、被害者にやはり的確な支援をするということが大事だと思っております。  被害者の救済にとって重要なことは、まず第一に、被害者の人権が守られ、尊重されること。公表することで様々な誹謗中傷を受けるケースがありますが、徹底した人権保護施策を講じることが重要であります。第二には、被害者が被害に遭ってすぐに対応できる体制を取ること。アルコールや薬物を使った性犯罪が増える中で、犯罪立証のために、又は性病の感染、妊娠のリスク、取り除くために、病院を拠点とするワンストップセンター、そういったワンストップセンターの充実強化を図ることが必要です。そして第三には、心身に深い傷を負った被害者が生活復帰、社会復帰できるように様々な支援をしていくことも大事だと思います。  このように、性暴力という特殊な犯罪の被害者を救済し、支援していくためには、私たちはやはり、野党一致でですが、今出している新しい立法、是非審議してほしいというふうに思っております。  政府としては現行法や現行の規制、救済制度で十分であると考えておられるのか、今後の対策案についてお聞かせください。
  40. 片山さつき

    ○国務大臣(片山さつき君) 御指摘のとおり、性犯罪や性暴力が被害者に与える精神的、肉体的な長期にわたるような傷ということを考えますと、これは当然、その心身の回復のための支援体制をきっちりつくり、そして相談しやすい体制をつくらなくてはいけないということは当然でございまして、第四次共同参画基本計画、それから第三次犯罪被害者等基本計画におきましてもこういった部分を盛り込んで努めているところでございまして、ワンストップ支援センター、御指摘いただきましたが、内閣府でも性犯罪・性暴力被害者支援交付金によって整備を促進しておりまして、初めの目標は二〇二〇年度までに全都道府県設置ということだったのが、昨年前倒しでその数の方は実現はできたわけでございますが。  私も先日、東京都内のこのワンストップ支援センター、視察させていただき、御苦労されている関係者とのお話も本当に膝詰めでさせていただき、まだまだこれで十分ということはないなと。医療面との連携もすごく大事でございます。必要性を痛感しておりまして、支援拡充ということを視野に、これから概算要求等もあるわけですから、まだ一割強増やせただけの段階が昨年度から今年度の状況なので、二十四時間三百六十日化及び体制の充実等を視野に入れて、できるだけの対応をさせていただきたいということでございます。  また、加えて、DV被害者のための支援の方も、私の下の検討会の報告書を先週出させていただき、各方面からも非常に反響をいただいて、こちらも似たような部分がございます。やはりこういった関連で、性暴力被害者も含めて、DVも含めて、生きづらさや困難を抱える女性に対する支援の取組ということを内閣の下にきっちりと体制をつくって充実させていただきたいと考えておりますので、そういった面も含めて強化拡充を図ってまいりたいと考えております。
  41. 矢田わか子

    ○矢田わか子君 片山大臣、ありがとうございます。  おっしゃったとおり、ワンストップセンターが前倒しで全部の都道府県に整備をしていただきました。二十四時間三百六十五日体制。各都道府県に私は一つでいいとは思っていません。この立法を、資料三、私たちが作ったものをお出ししておりますけれども、やはりこういった受皿でですね、きちんとつくっていただいて、東京もそうですが、大阪にもSACHICOというワンストップセンターありますが、もう本当いっぱいいっぱいで皆さんやっていらっしゃいます。二十四時間体制で、いつでもそういう方が来ていいよというふうなことで、医療体制との連携も含めてやっていらっしゃいますので、是非予算の拡充も含めてしっかりと支援をしてほしい。しかも、最近は、そういう若年者層、子供に対する性犯罪、性暴力が増えているという傾向も踏まえての御対応をお願い申し上げたいと思います。  続きまして、在外投票におけるマイナンバーカードの活用についてお聞きをしていきたいと思います。  去る五月二十八日の東京地方裁判所で、海外在住の日本人の有権者が最高裁判所の国民審査を投票できないのは違法行為だ、憲法違反だという判決が出されました。海外在住者の高い権利意識に裁判所が応えた判決であったと思います。これに関連し、国政選挙の在外投票そのものについて、在外有権者にとって投票しづらい状況にあることも指摘しておきたいと思います。  国外の長期滞在者、徐々に増えております。今、永住者合わせて百三十五万人ですけれども、長期で滞在する人は八十七万人いらっしゃるというふうに言われております。在外投票に関して、より便宜を与える施策が求められております。国外長期滞在者は、多くはビジネスマンであります。いずれ日本に帰国する方々、政治への関心も高いというわけであります。議員を選出する投票は、憲法で保障された最も基本的な国民の権利であります。その行使に当たって、政府は最大限の便宜を付与すべきであります。  資料四を御覧ください。  現在の在外投票のシステムは極めて複雑、煩雑であります。これまでも、出身の電機産業の海外赴任者から、余りにも手続が面倒、領事館まで行くことも大変だというような不満が届いております。今日、マイナンバーカードの幅広い活用が検討されていますが、マイナンバーカードを在外投票に結び付け、便宜を図るという施策を真剣に検討すべき時期に来ているというふうに思います。  エストニアという国では、携帯電話から全ての選挙に投票ができるという仕組みが整っておりまして、世界中どこにいても投票を実行できるシステムがあります。日本でもこの制度が実現すれば、現在の国外滞在者のみならず、今国内も、単身赴任者だとか、学生になって首都圏に来られて、わざわざ帰ってまで投票しないという方々も多くいらっしゃる中で、もっと投票率の向上にもつながるというふうに思います。  この在外投票のデジタル化についてどこまで検討されているのか、御説明をお願いします。
  42. 大泉淳一

    ○政府参考人(大泉淳一君) お答え申し上げます。  在外投票の投票環境の向上に取り組むことは大変重要なことと考えております。そういう意味で、これまでは海外に居住してから在外公館に出向いて登録申請を行っていたわけでございますが、昨年の六月から、出国時に在外選挙人名簿への登録申請ができるようになっております。  また、投票につきましては、今御指摘がありましたインターネット投票などがございますが、昨年八月に、総務省に置かれました投票環境の向上方策等に関する研究会において議論がなされまして、一定の対応策を講じることにより、実現に向けた技術面、運用面の大きなハードルはクリアできるというような提言をしております。  在外インターネット投票は選挙人の利便性向上に資するものと考えておりますが、同時に、システムのセキュリティーの確保、安定稼働のための対策に万全を期す必要がありますことから、総務省では、今年度、研究会において示された方式をベースとしまして、システムのプロトタイプを構築した上で、その後、実証用端末を用いて、市町村選挙管理委員会とも連携して、選挙事務フローの確認を含めた実証実験を行うことといたしております。  また、更に進んで国内ということもございましたけれども、仕組み的には、今考えている在外インターネット投票において検討しているシステムの基本的な仕組みにおいて、国内のインターネット投票についても応用は可能だというふうに提言はされております。  ただ、一方で、海外在留者が約百万人であるのに対しまして、国内の有権者数は約一億人、先ほどは十八歳以上の海外在留邦人でございますが、それが国内では一億人とかなり多いということ、そういうことで、一斉アクセス時の安定稼働対策、システムの維持のコストなどを検討する必要があるほか、国内では、在外投票と異なりまして、投票管理者、投票立会人の下での投票が原則ということとなっております。これらの者が不在となる投票を特段の要件なくに広く認めるという是非についても議論が必要であるというようなことが課題として挙げられております。  総務省といたしましては、こういった点も踏まえまして、まずは在外インターネット投票につきまして着実に検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。
  43. 矢田わか子

    ○矢田わか子君 ありがとうございます。  在外投票についてということですけれども、国内については、いきなり一億人全員に対してインターネット投票をしろと言っているわけではなくて、マイナンバーさえあれば、御自身がいらっしゃる地域の区役所なりに行って身分提示をし、で、もう住民票はここにあるんですということで導き出していただいた結果に基づいて、そこで立会人の下で事前投票なりできるような仕組みを考えてほしいという要望であります。  一足飛びではないんですけれども、いずれにしても、もう少し便宜を図るようなことを、マイナンバーが出てきたわけですから、是非検討いただきたいということを御要請申し上げておきたいと思います。  続きまして、IRについてお聞きをしていきたいと思います。  時間の関係上、IRの準備状況はちょっと飛ばさせていただいて、今、カジノの管理委員会が七月スタート予定だったのが遅れているということをお聞きしましたので、なぜ遅れているのかお聞きしたかったんですが、今年の秋に確実にされるということですので、ここでも十分に論議をしてきて、やっぱりその三百三十三にも及ぶ項目が明らかになっていなかったというふうなこともありまして心配していることもありますので、しっかりと準備を進めていただきたいという御要請に変えたいと思います。  それに関連して、ギャンブル依存症の対策についてなんですが、この委員会でも何度も取り上げてきましたけれども、現在のパチンコや公営ギャンブルの売上げ、徐々に減少はしてきているものの、依然として大きな市場があり、パチンコは二十兆円ということであります。また、遊技人口も一千万人弱の規模を誇っております。また、競馬に関しても、GⅠレースのテレビコマーシャルが頻繁に行われ、売上げを伸ばそうという勢いであります。  そこで、パチンコや公共ギャンブルを中心にしたギャンブル依存症への対策、引き続き強力にやはり推進していくべきだということは言うまでもありませんが、その中で、相談支援、普及啓発活動などで業界団体の自主規制や独自取組に任している部分があります。  その活動は評価すべきものでありますが、一方で、若い層に向けたものとして、パチンコやギャンブルにのめり込まないように自制心を持って楽しんでくださいという報道、あるいは、資料五、ちょっとお配りしたんですけれども、これは啓発週間ポスターということで、全国の公営競技施行者のホームページに掲載されているものであります。「ギャンブル等依存症って? 思い当たったらパーキングで回復を」というふうに書いてあるんですね。これは、依存症などで家庭上の問題、生活上の問題が起こったら、少し脇道に外れて頭を冷やして、その後問題がなければまた本線に戻って楽しんでください的な、そんな言い回しではありませんか。これではまるで、中高生からすれば、ギャンブルはそんなに注意してかかるものではないという考えに陥る可能性があります。  私の息子、高校生、見せましたけれども、ああ、そうなんや、本線はギャンブルやっていいんやなと、ちょっと戻って考えて、本道はギャンブルしていいというふうな受け止めをやっぱりしたようでありますので、そんな注意してかかるものではないという啓発の仕方でいいのかということでもあります。  行政が中心となって必要な予算、スタッフを確保して、高校生などが禁止施設に入ることを取り締まる警察の強化、これもずっと求めてきておりますけれども、そういうことも併せてやっていくべきだと考えます。  さらに、依存症の人を社会復帰させる事業を展開しているやっぱり民間の支援団体、しっかりと支援していくべきではないかというふうに思いますが、見解をお願いしたいと思います。
  44. 宮腰光寛

    ○国務大臣(宮腰光寛君) 政府におきましては、昨年のギャンブル等依存症対策基本法成立以降、担当大臣である私の下で、関係省庁が一体となって対策を推進するための体制を整備しておりまして、本年四月には基本法に基づく最初の基本計画を閣議決定をいたしました。  今後、基本法と基本計画に裏付けられた措置を講じていくこととなりますが、基本計画には関係事業者による取組もしっかり盛り込んでおりまして、例えばパチンコにおいては、十八歳未満の可能性があると認められる者に対する身分証明書による年齢確認を今年度中に原則化することとしております。また、相談、治療、回復支援に係る取組として、自助グループを始めとする民間団体が行うミーティング等の活動支援策の改善、活用促進を図ることも盛り込んでおりますほか、青少年等に対する普及啓発も推進するなど、重層的かつ多段階的な取組を推進することとしております。  ギャンブル等依存症により不幸な状況に陥る人をなくし健全な社会を構築するため、必要な予算措置も含めて、基本計画に基づき、政府一体となってしっかりと対策に取り組んでまいります。
  45. 矢田わか子

    ○矢田わか子君 今、IR解禁まだされていない、民間賭博だって解禁されていない状態でこういう状況なんです。だから、何度もお願いしておりますとおり、このギャンブル依存症対策については立法までしました。立法したやっぱり責任があると思います。きちんと対策を打っていただきますように重ねてお願いを申し上げておきたいと思います。  加えて、ゲーム依存症への対策の強化についてもお願いをしたいと思います。  先月のWHOの総会で、初めてこのゲーム依存症がゲーム障害という疾患に加わることが承認されました。我が国では、厚生労働省が発表されている数値を追うと、成人は約四百万人を超える人、中高生でも九十三万人がゲームなどのネット依存のおそれがあるという推計をしております。  現在のところ、政府としては、ゲーム依存症、ネット依存症に対する予防対策、救援、治療対策を本格的に進めようとはされていないという認識があります。ゲーム障害、依存症のある行動で日常生活に障害を来す精神疾患の一種とされたことをやはり重く受け止める必要があると思います。今後の対策について、厚生労働省より見解を伺いたいと思います。  また、一部の青少年が課金型のネットゲームにのめり込む問題も指摘されています。  資料六をお配りしましたが、消費者庁としてもこの問題を重視し、こんな、こういうパンフレット、オンラインゲーム高額請求、利用する前に理解することが大切ですというような、このパンフレットを出されておりますが、今後の対策について併せてお聞かせください。
  46. 橋本泰宏

    政府参考人(橋本泰宏君) ゲーム障害についてのお尋ねをいただきました。  ゲーム障害の対策というのは大変重要な課題であるというふうに私ども認識しておりまして、ゲーム障害等の依存症が疑われる方の相談支援につきましては、現在、都道府県政令指定都市が設置する精神保健福祉センターでの取組が始まっているところでございます。  また、ゲーム障害につきましては、委員御指摘のとおり、正しい知識の啓発ですとか、あるいは相談窓口の設置、人材の育成、診断、治療法の開発など、大変多岐にわたる対応を要しますので、現在その実態の調査を進めているところでございます。  今年の一月から三月にかけまして、十歳から二十九歳まで、約九千人の方を対象に、ゲームの使用の状況ですとか、あるいは生活習慣、心身の状況に関するアンケート調査を行いまして、今それの検証を行っているところでございます。今年の秋頃を目途に公表したいと考えておりまして、また、今後はより幅広い年齢層を対象とする実態調査も行う予定でございます。  私どもといたしましては、こういった実態調査の結果等を踏まえ、必要な対応について検討させていただきたいと考えております。
  47. 石井正弘

    ○委員長(石井正弘君) 時間ですので簡潔にお願いいたします。
  48. 高田潔

    ○政府参考人(高田潔君) はい。  お答えいたします。  各地域の消費生活センターには、オンラインゲームへの依存を背景としているかは不明であるものの、オンラインゲームの決済トラブルについての相談が寄せられているところでございます。そのため、これまでに国民生活センターにおいて、委員御指摘のとおり、子供に関わる消費者トラブルの防止を図る観点からの啓発の中で、オンラインゲームに関する注意喚起を随時実施してきております。  消費者庁におきましては、今後とも、厚生労働省等と連携し、注意喚起などに取り組んでまいります。
  49. 矢田わか子

    ○矢田わか子君 ありがとうございます。  ギャンブル依存もそうですが、若いときから始めた人ほど重症化すると言われています。ゲームも同じだと思います。是非とも対策強化をお願いし、質問とさせていただきます。     ─────────────
  50. 石井正弘

    ○委員長(石井正弘君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、野上浩太郎君が委員を辞任され、その補欠として佐藤啓君が選任されました。     ─────────────
  51. 清水貴之

    ○清水貴之君 日本維新の会の清水です。  片山大臣、引き続きどうぞよろしくお願いをいたします。  大臣への質問の前に、一点、選挙制度について総務省に質問をしたいと思います。  表を作って、資料を作ってお渡し、お配りをさせていただいているんですけれども、この春の統一地方選挙から先月行われた足立区の区議選に関してですね、三件ほど被選挙権、もう皆さん御存じのとおり、三か月の居住歴、居住実態がないのに立候補して、結局その得票数、得た票が無効になるというケースが続いています。この具体的な内容なんですけれども、全候補者、NHKから国民を守る党という党の候補者になります。  一番上が兵庫県です。これ二件兵庫なんですけれども、伊丹市の選挙区、兵庫県議選なんですが、統一地方選挙の前半戦でした。二千九百九十二票を得たんですが、落選をしています。居住実態は、県内には住んでいた、尼崎と宝塚、伊丹以外のところに住んでいたが、いずれも三か月未満で引っ越しをしているので、この居住実態といいますか、被選挙権というのはなかったと。これは、事前に選管から、被選挙権がないことがもう選管も分かっていて本人に伝わっているんですが、結局選管としてはそれを受理して、立候補して、結局票は得たけど無効になっている。これ、本人のコメント、候補者のコメントですが、所属する党の活動を周知するためだと言って立候補しているわけですね。  続いて、統一地方選挙の後半戦は、これも兵庫県の播磨町というところの町議選ですけれども、百十票を得て、この方も落選をしていますが、居住実態、届出住所というのは宿泊したことのない、その町の中にあるホテルを住所として届け出ました。実際は大阪の豊中市に住んでいました。受理の時点でこれも選管がおかしいということを気付いて居住実態がないことを確認したんですが、結局受理をして立候補してということになりました。この候補者は、立候補は公選法の不備、こういった不備ですね、を指摘することが目的だと言って立候補しているわけですね。  最後に、足立区議選が先月行われまして、二十六歳の女性候補なんですが、この方、五千五百四十八票、これ四十五人当選の中で八位の得票数なんです。ですから、当選ラインをもう楽々クリアしているんですが、結局無効ということになっています。居住実態というのは、足立区内のカプセルホテルを住所として届出をしていました。これは住民票も区外にありました。この方のコメントとしては、区外の人に立候補を認めないのはおかしいじゃないかと、法律的におかしいじゃないかということを言っているわけですね。  これまでも、こうやって居住実態が問題になるケースというのは様々ありましたけれども、今回のケース、これ違うなというふうに思うのは、今までは、本人は、立候補者は、いや、住んでいますよということを主張するわけですね。でも、いろんなところから指摘があって、住んでいないじゃないかということを言われて、水道を確認したり電気を確認したりして、結局裁判になったりして争うというケースだったんですが、今回は、本人ももう住んでいないことは分かっているし、選管側もそのことを理解しているし、でも受理せざるを得なくて、結局投票したその有権者の方々の票が完全に死に票になってしまっているところは、私大変、有権者のやはり一票一票というのは大変大きなものですから、問題があるのではないかというふうに思っております。  ちょっと説明が長くなりましたが、これについて総務省の見解をお聞かせいただけますでしょうか。
  52. 大泉淳一

    ○政府参考人(大泉淳一君) ただいま委員の御指摘ありましたそれぞれの事例につきましては承知はしておるところでございます。  個別の地方選挙についてのコメントは差し控えさせていただきますけれども、公職選挙法の規定、あるいは判例などに基づきまして一般論として申し上げさせていただきますと、立候補届出に関しまして、過去の判例、これは最高裁判例でございますけれども、選挙長、これは立候補届の受理をする人ですが、選挙長は形式的審査権は有するが実質的審査権はないものと解されておりまして、立候補届出書に記載された住所に当該候補者が実際に居住しているか否かを選挙長としては審査できないこととされております。また、それに基づいて却下をすると、立候補を却下するというような規定もございません。  一方で、被選挙権を実質的に有するか否かについては、これは公選法におきまして、開票に際し、開票管理者が開票立会人の意見を聞いて決定するということとされておりまして、このときには、被選挙権のない者に、ない候補者に対する投票は無効とするというふうな規定がございます。  なお、このように、住所の有無の認定につきましては開票手続において決定するというふうになってはおるんですけれども、投票期間中に当該候補者に被選挙権がない旨を選挙管理機関又は選挙事務関係者が一般選挙人に対し公表することは、被選挙権を有していたと否とにかかわらず、選挙の自由、公正を害し選挙の規定に違反するという判例が高裁判例ではございますけれどもあるというような状況でございます。  いずれにいたしましても、各選挙管理委員会におかれましては、あるいは選挙長、開票管理者におかれましては、公選法の関係規定や過去の判例等を踏まえて対処されたものと考えておるところでございます。
  53. 清水貴之

    ○清水貴之君 ということは、もうこの今の制度というのは、もう全く問題がないというような認識ですか。
  54. 大泉淳一

    ○政府参考人(大泉淳一君) 委員先ほどまた御指摘のとおり、今まで、居住要件と被選挙権の関係というものは、実は、あるなしにつきまして、最終的に訴訟などにも持ち込まれて争われてやって解決していたというところではございますけれども、今回の、住所要件を充足しないこと、したがって被選挙権を有しないことを認識しつつ立候補するような、これはイレギュラーな事例というふうに考えられますが、これについては法律の想定するところではなかったのではないかと考えております。  その上で、このような事態への対処方法としてどのような方法があるのかということにつきましては、また考えてまいりたいと思っております。
  55. 清水貴之

    ○清水貴之君 考えてまいりたいという前向きな答弁をいただきましたので、先ほどおっしゃった判例とかも、高裁の判例はちょっといつか私調べていないんですが、最高裁の判例は、これもう六十年近く前の判例なわけですね。  今言っていただいたとおり、今回のケースはやはり違うというふうに思うんです。本人も分かっているし、選管もその時点でもう分かっているわけですね。もう明らかにおかしいけれども、でも、これ有権者としては、ポスターが貼られて立候補されたら、この人が被選挙権持っているか持っていないかということは全く分からないわけです。ですから、その前で分かっているんだったら、やっぱり止める手だてとか何かするべきじゃないかと、こういうルール改正とか法改正、若しくは運用で何とかするべきじゃないかと。  地元の神戸新聞なんかは、なかなか詳しく選管とその候補者のやり取りなんかを書いているんですけど、まあ選管としても非常に困るわけですね。もうこれはもちろん判例があるわけですから、何とか説得じゃないですけれども、いろいろ言い合ったりはするんですけれども、受理せざるを得ない状況が生まれるわけですね。こういったことをやはりどこかでしっかりとルールづくりをしていかないと、今後もこういったケースは広がっていく可能性があります。これもう先ほど申した一つの政党の全ての候補者ですから、しかも目的があってやっていますから、意図的なわけですね。  こういったところ、改めてですけれども、しっかり見ていく必要があるんじゃないかと思いますが、いかがでしょう。
  56. 大泉淳一

    ○政府参考人(大泉淳一君) 先ほど申したとおり、このようなイレギュラーなことでございますので、その想定外の事態に対してどのような対応ができるか、あるいは法的なものが必要なのかにつきましても検討してまいりたいと思います。  一点だけ付言しますと、住所につきましては、選挙基準日について、被選挙権の住所については、三か月の住所については、選挙の期日において満たしたかどうかという判断になりますので、立候補時点では満たしていなくても最終的には満たしたと、被選挙権があったというような事実認定になる可能性もございます。このような難しさもございまして、今後また検討をしてまいりたいと思います。  一方で、投票の方は選挙人名簿に登録することが大前提でございますので、これは選挙の期日前でも、告示前で分かるというふうになっております。
  57. 清水貴之

    ○清水貴之君 最後に言われたことは、でも、まあそれも分かることだと思うんですね、事前にね。ですから、それはちょっとまた、またケースが違うんじゃないかというふうに思います。これ、明らかに違うと分かっているケースというのに関して言っておりますので、是非進めていただけたらなというふうに思います。これだけの票が、有権者の方の一票が無駄に、無になってしまっているわけですから、これは非常に大きな問題じゃないかというふうに考えております。  片山大臣、済みません、お待たせをいたしました。  続いて、スーパーシティ構想についてお伺いをしたいと思います。  AIやビッグデータを活用してということで、地方創生にも資するということで、私の地元の神戸市などでもそうですが、非常に大きな期待を抱いている自治体も多いと思います。  この構想が進められているのは理解をしておりまして、これ、三月のこの内閣委員会でも大臣に質問をさせていただきました進捗状況などですが、大臣の答弁としましては、総理からも早期実現の御指示をいただいたところで、現在、法律の最終的な段階の詰めを行っているところですという話がありましたが、なかなかいろいろと難しいところもあるようで、この国会では提出ということには、国家戦略特区の改正法ですね、なりませんでしたが、大臣、この現時点での進捗状況、若しくは進めるに当たっての思いなど、まずはお聞かせいただけますでしょうか。
  58. 片山さつき

    ○国務大臣(片山さつき君) 御指摘のいわゆるスーパーシティ法、特区法改正案等ですね、につきましては、四月十七日の国家戦略特区諮問会議で、速やかに閣議決定をした上で国会への提出を行うことについてお諮りし、了承をいただいたと、これは総理が議長でございます。  現在、政府部内の調整はもう終えて、与党の調整プロセスが最終段階で、先ほど政審、総務で了承されたという報告が入ってまいりまして、ただ、公明党さんの方は今日の午後のようで、いずれにしても最終段階ということでございます。  よくいろいろ御質問を受けるんですが、このスーパーシティ構想の法案は、メニューとして想定しているものは非常に広くてというか、限定がほとんどありませんで、よく大都市向けなのかと聞かれると、そういうことではなくて、例えば行政手続をワンスオンリー化したり、遠隔教育や遠隔医療の導入とか、あるいはキャッシュレス、物によりますがキャッシュレス。ということは、これは人口減少や高齢化に悩む地域においてこそいわゆる生活インフラや基本機能の維持に貢献するというか、二〇四〇年、二〇五〇年に人口半減というような予測が出ている中ではこれしか方法はないのかなと。そういうようなことで、むしろそのぐらいの規模の都市から大変大きな数の御相談が来ているという状況はあります。  もちろん、神戸市のような政令市級の大きなところにも御関心を持っていただいておりますが、超大型都市部だけを念頭に置いたというようなものではなくて、各々の地域の社会課題の解決に資するように、住民の意向を踏まえて、最先端の技術を実際の暮らしに導入する試みがやりやすくするようなという形のものでございまして、御指摘のように地方創生にも非常に貢献すると期待をしております。  今後は、御関係者の理解を得つつ、速やかに閣議決定をした上で国会への提出を目指してまいるということについては、総理の御決定、諮問会議での決定と変わりはございません。
  59. 清水貴之

    ○清水貴之君 その法案の今度中身といいますか、進め方についてなんですけれども、まだ提出がされていないのでこれからいろいろとまた変わってくるところもあるかもしれませんが、現時点で出てきている話で気になる点が二点ありまして、当初の話でしたが、自治体が自主的に、自治体側のこれは発議といいますか発意で国の規制に特例を設けることができるというような制度設計だったんじゃないかというふうに思うんですけれども、今の話を聞いているところでしたら、地元での合意を得た上で規制改革案を総理の方に要望をすると、総理が各閣僚に検討を要請し、閣僚がそれを認めるかどうか、こういったことを決めていくという話になっています。  ということは、今までの、最初の構想の地元からの底上げというよりは、やはり国が許認可権を持っていてということになってきますので、なかなかこれ今までの制度と大きく変わってこない部分があるのではないかなというふうに思ってしまうんですけれども、これについていかがでしょうか。
  60. 片山さつき

    ○国務大臣(片山さつき君) スーパーシティではAIやビッグデータなどの最先端技術を活用した複数分野にわたる先端的サービスが同時に実装されるというものなので、これを実現するために必要となる規制改革も当然数が多くなってきますから、同時、一括、迅速に進めることが不可欠でございます。その御認識は委員の御指摘と変わらないと思うんですが。  従来の規制改革では、事業計画を御検討中に各省調整を行い、その段階で実はかなり多くの事業が断念したり、非常に時間が掛かったり、若しくは個別に内容の修正を受けているというようなことに現状今まではなっております。このようなプロセスに一体的解決を必要とする複数の規制改革案を持ち込むということにしますと、その事業計画案も各省との調整の中でばらばらになってしまいますから、一体的な実現の見通しはなかなか立たないということになってしまう、これが現状でございます。  そこで、今般は、内閣府も加わって、実現すべき複数の規制改革を含む事業内容全体を一体的につくって、それを検討の俎上に上げるというかテーブルの上にオープンにするということで、各種規制所管省との調整ができていない段階で全部フルオープンにして、こういうトータルコーディネートです、こういう町です、町づくりですということが出てまいります。  そして、さらに、その事業計画の案とその実現に必要な特例措置の提案につきましては、特区の制度を担当する大臣、これは私のところですが、ごめんなさい、特区の制度を担当する大臣と、その大臣としての内閣総理大臣が一体的に受け取った上で各規制所管大臣に対して必要な特例措置の可否について検討を要請するということを初めて入れております。これは今までになかったものでございます。加えまして、各規制所管大臣が御判断をなさるに当たっては、必ず事前に特区諮問会議の意見を聞かなければならないと。また、特区諮問会議は必要に応じて規制所管大臣に勧告を行うことができ、その内容が全て公表されるということになっておりまして、これら一連のプロセスは今までに全くなかったものでございます。  つまり、全体通じてこれは、この制度は、スーパーシティを支える複数の最先端サービスとそのための規制改革を同時かつ一体的に実現することができるよう、現行の法体系との整合性を確保しながら政府部内で検討されたということでございます。  ですから、住民の御意向の確認につきましては今後これからということになってまいるわけですけれども、恐らく政省令に検討の場が入るということになると思うんですけれども、そこが入ってくるということも含めて、今申し上げたように、相当その地域の住民の御意向を踏まえて、ありたき未来を実現しやすくはなっているのではないかというふうに我々は考えているところです。
  61. 清水貴之

    ○清水貴之君 今お話があった、またその住民合意もそれも非常に難しいと思うんですね、多岐に本当にわたる話になりますから。じゃ、その住民合意をどうするのか、ここでもまたいろいろと利害関係が生まれてきます。調整も難しい話になりますでしょうし。  大臣、繰り返しになりますけれども、やはり法体系のいろいろ問題もあるというのもおっしゃられました。それも問題点として指摘されて、理解はするんですけれども、やはり下からの、下からという言い方は悪いですね、地方からのやはり底上げで、発意の下進んでいくと、そういった意見を尊重するというその仕組みを特に大事にしていただけたらなというふうに思います。  もう一点、MaaSについてもお聞かせをいただけたらというふうに思います。これ、次世代の交通システムといいますか交通制度といいますか、様々なこれもビッグデータを活用して、もう本当に効率的にその交通網を使っていこうというような話だというふうに認識をしているんですが、このMaaSが、少子高齢化とか都市への人口集中、こういったものをどう解消していくというふうに考えていますでしょうか。
  62. 城福健陽

    ○政府参考人(城福健陽君) お答えを申し上げます。  MaaSは、モビリティー・アズ・ア・サービスの略称でございまして、既にヨーロッパの幾つかの都市では実用化されておりますけれども、移動に当たりまして、乗り継ぎ利用する鉄道、バスなどの複数の交通手段の経路検索、予約、キャッシュレスの決済などを事前にワンストップで行えるようにすることで、一つのサービスとして捉えようとするものでございます。  これによりまして、目的地までのシームレスな移動が可能となり、移動の利便性が向上いたします。さらに、このシームレスな移動サービスに利用しやすい定額制の料金などを設定することで、そういった工夫をすることで価格面での利便性の向上も期待できるものと考えております。  このようなMaaSによります移動の利便性向上は、公共交通の利用の増加などにつながり、都市部での交通渋滞の緩和、あるいは地方部での生活交通の維持確保に資するとともに、地域の交流人口の拡大などにより地方創生に貢献することが期待できるものと考えております。  このため、国土交通省では、有識者懇談会でMaaSの今後の展開に向けて議論を行いまして、本年三月に取りまとめを行ったところでございます。この取りまとめでは、MaaS相互間の連携、そして都市、地方、あらゆる地域で利用できるとともに、物販や観光など多様なサービスも利用できる日本版MaaSを目指すこととされております。あわせて、その実現には、大都市、地方都市や過疎地といった課題の異なる地域類型に対応しつつ、交通事業者間のデータ連携、あるいは運賃、料金の柔軟化、キャッシュレス化などに取り組むことが必要とされております。  私どもといたしましては、この取りまとめも踏まえまして、今年度、地域の課題に対応した実証事業の支援、あるいはデータ連携のためのルール作りなどを行うことといたしておりまして、地方創生に貢献する日本版MaaSの実現に積極的に取り組みたいと、このように考えております。
  63. 清水貴之

    ○清水貴之君 今、国土交通省さんから答弁をいただきました。交通ですから主体は国土交通省さんなのかもしれませんが、今回は答弁も最初は何か内閣府さんでという話もあったそうですし、特区という、そういう形から見ると、特区とか地方創生で見ると内閣府になるでしょうし、これ、調べますと、経済産業省さんも自動車課というところでこれ進めていますし、総務省も通信という意味でいろいろ出てくるわけですね。  結局、これもまたお願いをしておきたいのは、もう、やはり縦割りではなくて、もう一体としてこれも進めていく話ですので、この辺りをしっかりまとめながら、効率よく進めていただけたらと思います。  もう一点、外国人材、地方創生と外国人材という観点で質問させていただきたいんですけど、ちょっと時間がもう余りありませんので、済みません、最初の方はちょっと飛ばさせていただいて、日本語学校ですね、地方創生の一つとして日本語学校を誘致する、そんな自治体も出てきている中で、日本語学校、今増えていますと、前回質問させていただいた日本語学校で学んでいる学生さんたちの就労管理とか、この辺りに問題があるんじゃないかという指摘もさせていただきました。  留学生三十万人計画というのがありますので、一生懸命進めていらっしゃるのは分かるんですが、そのうちの大体九万人ぐらいがこの日本語学校の生徒さんだということですから、かなりの割合を占めているわけですね。そうしますと、日本語学校、本当にしっかりと日本語を学ぶ、その質が担保されているのか、もう就労のために来ている学生の受入れ機関になっている、いない、いるんじゃないのかどうか、この辺を見ていく必要が大変重要じゃないかというふうに思っております。  日本に来て日本語を学ぶ、日本の文化を学んでもらう、そのための日本語学校ですから、こういった視点でしっかり見ていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
  64. 丸山秀治

    ○政府参考人(丸山秀治君) お答え申し上げます。  留学生の受入れを行うことができる日本語教育機関につきましては、学校教育法の適用があるか否かにかかわらず、法務大臣が告示をもって定めることとしております。これにつきましては、当該告示は、出入国及び在留の適正な管理の観点から、留学生の受入れ機関として適切か否かの観点から行っているものでございます。  まず、日本語教育機関を告示するに当たりましては、法務省におきまして、校地、校舎及び教室の面積など、いわゆるハード面を中心に確認し、文部科学省及び文化庁において、校長、教員などの資格や授業科目など、いわゆるソフト面を中心に確認しております。告示後にこれらに変更が生じた際にも、同様に告示基準への適合性の確認を行っています。  また、告示後において留学生の在籍管理や運営状況などに問題があることが判明した日本語教育機関に対しましては、地方出入国在留管理局において実地調査を行うことなどにより、日本語教育機関としての適格性を確認しているところでございます。  以上に加えまして、今委員より質の確保といった趣旨の御質問かと思いますけれども、以上に加えまして、法務省におきましては、昨年末に関係閣僚会議で了承されております総合対策を踏まえ、総合的対応策を踏まえまして、日本語教育機関の告示基準を改正し、告示基準適合性に係る定期的な点検及び地方出入国在留管理局に対する定期的な報告を日本語教育機関に義務付ける方向で検討しております。  日本語教育機関の告示基準の改正につきましては、現在、パブリックコメントで寄せられました御意見を踏まえまして最終的な検討を進めておりまして、できれば本年六月末までに公表したいと考えております。  法務省としましては、このような枠組みの下で、必要に応じて実地調査も行いつつ、日本語教育機関の実態の把握をより一層適切に行ってまいりたいと思います。
  65. 清水貴之

    ○清水貴之君 文科省さんにもお聞きしたかったんですが、ちょっと時間がなくなってしまいましたので、ここまでとさせていただきたいというふうに思います。  ありがとうございました。
  66. 田村智子

    田村智子君 日本共産党田村智子です。  四月十五日の決算委員会で、日本研究力の低下について平井大臣と議論をいたしました。その中で、国立研究開発法人大学では若手研究者の多くがプロジェクト型の非正規雇用となっていることを指摘し、やはり無期転換を行って安定した環境研究ができるようにということを求めたわけです。  労働契約法では、有期雇用契約が通算五年を超えた場合、無期転換権が労働者に与えられます。しかし、研究職や大学教員については、研究開発能力強化法で通算五年ではなく十年とする特例が設けられました。決算委員会の場では、平井大臣に、十年を待たずに無期転換することは可能なんだから、日本の科学技術発展のために若手研究者の安定雇用をと要求したわけですけれども、今日はその続きで、この十年特例の対象について厚労省文科省にお聞きいたします。  今年二月、この二省の連名で大学等及び研究開発法人研究者、教員等に対する労働契約法の特例についてというパンフレットが作成され、厚労省労働基準局長名で、所管する法人にこの内容を周知するよう求める事務連絡も各省に発出されています。  そのパンフレットの抜粋を資料配付しました。裏のところに、最後のところになるんですけど、「特例の適用にあたって留意すべき事項」という囲みの記載があって、この中で赤字かつアンダーラインで強調している部分があるんですよ。「大学等と有期労働契約締結した教員等であることをもって一律に特例の対象者となるものではないことに留意する必要があります。」と。この実は特例というのは議員立法で作られまして、しかも、何か徹夜国会の後に僅かな審議で文科委員会で上げたという経緯もあったんですけれども、私は、語学を教える非常勤講師も特例の対象になるのかということをただしたんですが、法案提出者は誰もこれに答えられず、文科省も明確な答えをしなかったんですよ。  この間、研究に携わることがほとんどなく、学生への教育を行うことを主とする教員が、大学学部に所属していることをもって、特例だからだと、五年を超えても無期転換をやらないと、こういう事例が多々あったんです。  今回こういうパンフレットを作ったのは、こういう事態を受けてのことなのかどうか、文科省にお聞きします。
  67. 玉上晃

    ○政府参考人(玉上晃君) お答えいたします。  お尋ねの通知につきましては、働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備に関する省令の公布、施行に伴い、研究者、教員に対する無期転換ルールの特例等についての留意事項を記載した平成二十五年十二月十三日付け通知の一部を改正したものでございます。  本改正では、無期転換ルールの特例の適用やその運用について、大学、労働組合等から特に質問を受ける事項についても解釈の明確化を図ったところでございます。
  68. 田村智子

    ○田村智子君 そういう経緯だということを御答弁いただきました。  この数年、非常勤講師の皆さんが全国的な運動を展開したこともあって、教員であっても一律に特例を適用せず、無期転換という法の趣旨にのっとった対応をする大学も増えてきました。しかし、通算五年で無期転換を申し込んでも、かたくなに、一律に特例だからだとはねのけるという適法とは言い難い対応を行っている大学もまだあるというふうにお聞きしているんです。  このパンフレットにあるとおり、大学の教員であることをもって一律に特例の対象となるのではないと、このことを大学当局に是非周知していただきたい。また、当事者からの相談があった場合には、雇用主である大学に対して指導、助言など積極的な対応もすべきだと思いますが、厚労省に確認いたします。
  69. 田中誠二

    ○政府参考人(田中誠二君) 御指摘の無期転換ルールは、有期労働契約の濫用的利用を防いで、有期契約労働者の雇用の安定を図るために設けられた制度でございます。厚生労働省としては、こうした制度趣旨をしっかりと周知徹底をしてまいりたいと思っております。  特に、無期転換ルールの適用を意図的に避ける目的で雇い止めを行うことは、労働契約法の趣旨に反して望ましくないというふうに考えております。こうした事案を把握した場合には、引き続き、都道府県労働局において必要な啓発指導を行うなど、適切に対応してまいります。
  70. 田村智子

    ○田村智子君 是非よろしくお願いいたします。  次に、子供に関連する施設でのアスベスト被害についてお聞きします。  長野県飯田市の私立保育園で、昨年十二月、園児の在園中にアスベスト飛散が疑われる工事が行われていたと、これ、五月十八日にまず毎日新聞がデジタル版で報道をし、各社が一斉に報道いたしました。私も、ニュースで聞いて、まだこんな工事が行われているのかと本当に怒りを禁じ得なかったわけです。  この保育所では、天井裏の鉄骨に毒性の強いアモサイト、いわゆる茶石綿が吹き付けられていたのに、業者はアスベスト飛散防止対策を取らないまま天井板を剥がす工事を保育中に行ったんです。防じんマスク、防じん服という作業員の姿に、保護者がこれは異様だと思ってアスベスト工事ではないのかと指摘をした、これで発覚に結び付いたんですよ。その後も、保護者から事前の調査、届出、掲示などの不備を相次いで指摘されて、保育園は工事を一旦中止し、県も労働基準局も現地に入り、労働安全衛生法や大気汚染防止法に基づく行政指導が行われているとお聞きします。  一九九九年にも、文京区立の保育園で、保育園を行っている横で飛散対策が取られないままアスベスト除去工事が行われるという事件が発生し、これも社会的に大問題となりました。この事案では損害賠償訴訟も提起され、文京区が責任を求め、子供たちへの長期にわたる健康診断などを含む対策が提示されて、これ和解で終結をしているわけです。  国会でも、与野党問わずアスベスト暴露を防ぐ対策については何度も質問行われています。私も何度も質問してきました。それなのに、アスベストが使われていることを知りながら、保育中に暴露、飛散防止対策さえやらずにアスベスト除去工事が行われてしまった。何でこういうことが繰り返されるんでしょうか。まず厚労省政務官。
  71. 大口善徳

    ○副大臣(大口善徳君) 田村委員にお答え申し上げます。  この事例につきましては、大変私ども遺憾に思っておりまして、あってはならないことだと、こう思います。  厚生労働省といたしましては、保育所等におけるアスベスト対策につきましては、平成二十八年の九月に発出した四部局連名の通知、また、毎年度、これは全国の都道府県等を集めて開催される全国会議、ここにおきましても、今年も三月三十一日に行われましたが、周知徹底をしているところなんでございます。従来からアスベストに関する注意喚起や使用実態の把握及びその除去等のお願いをしているわけであります。  また、アスベストの除去等に要する費用につきましては、これ保育所等の整備交付金の対象となっておりまして、こうした補助制度を積極的に活用してアスベストの除去等の早期処理に努めるよう、自治体に対して保育所等へ指導をお願いしているところでございます。  現在、その原因や経緯につきまして、県から、県が今調査中ということでございますので、しっかり、現時点における事案の詳細については承知しておりませんけど、しっかりこれは把握をさせていただきまして、そして、アスベストの除去等については子供や職員の健康に関わる重要な課題であると認識しておりますので、厚生労働省といたしましては、県を通じて事案の把握をするとともに、今後とも自治体を通じてアスベスト対策に係る注意喚起や補助の制度の活用について一層周知徹底を図ってまいりたいと、このように思っておりますし、しっかりこの原因、経緯の詳細を把握して通知を出していきたいと考えています。
  72. 田村智子

    ○田村智子君 是非踏み込んでいろいろ調べていただきたいし、私、ちょっと幾つか提起もしたいと思っているんですけれども。  これ、報道でも、保育園の発表を受けてだと思うんですけれども、今のところ健康被害見られないなんて報道されたんですよ。これ、とんでもないですよ。アスベストの被害って二十年、三十年後ですからね、実際に現れてくるのは。また、県も、飛散期間が短いため一般論として健康被害の可能性は低いと見られると言うんですけれども、これ専門家は、一か月半は暴露が疑われる環境に子供たちは置かれていただろうと、こう指摘をしているんですよ。子供たちの暴露に対して、余りにもこれ危機感が薄いんじゃないかというふうに思うんです。  実は、じん肺・アスベストセンターなどの専門家が、今回、保育園や工事業者、設計事務所、この三者が県に提出したてん末書、現場の写真などの分析もしているんです。私もお話をお聞きしました。聞けば、今もまともに対策が取られているのかは大変不安なんです。アスベスト飛散を防ぐために、作業現場全体をシートで厳重に覆い、周りよりも気圧を下げる負圧対策を取るということは、これ当たり前のことなんですね。ところが、こうした養生をした作業記録がないわけなんです。作業現場はビニールのシートで覆っているだけというふうに見られるんです。  これ、作業現場は本来、労働者への暴露の防止ということで、負圧を行うのはもちろん、養生シートというのはプラスチックシート、破損しないようにプラスチックシートで、床は〇・一五ミリ以上の厚さ、二重に敷くことが求められます。壁についても、厚さ〇・〇八ミリ以上でこれは一重、これが最低基準なんですよ。これすらやっていないようだというふうに指摘されています。  現在、この保育園は別の保育園の旧園舎に園児を移して、撤去工事どうするかという準備しているんですけれども、果たして園児への継続的なフォローもなされるのだろうかと、大変私は心配しています。  これ、東京の先ほど指摘した事案、あるいは神奈川の藤沢市でも同じような事案が起きているんですけれども、このときには第三者も入って対策の検討というのが行われています。今回も、是非、行政や第三者も入って現状の把握、必要な対策の検討、園児への長期間にわたる経過観察などを含めた対応を行うべきだというふうに思いますし、厚生労働省からそういう対応をすべきだというふうに求めていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
  73. 大口善徳

    ○副大臣(大口善徳君) 保育所は、子供の安心、安全に過ごすべき場所であり、アスベストの飛散を伴う改修が行われたことは極めて遺憾であります。  こうした事案につきまして、一義的には都道府県の環境部局による指導がなされることになっており、今回の事案についても適切に安全確認などの対応が行われていると報告を受けているわけでありますが、その上で、保育所の対応に問題があれば、保育担当部局において児童福祉法に基づき文書の指摘や改善勧告などの対応が図られるものと考えております。  さらに、御指摘の第三者委員会の設置につきましては、これは県において必要に応じて設置をされるというふうに承知をしております。
  74. 田村智子

    ○田村智子君 それで、専門家はあらゆる分野に私今入るべきだと思っているんですよ。  この長野の飯田市の例では、実は保育園も工事事業者も設計事務所も、吹き付けアスベストの存在を分かっていたんですよ。分かって工事に入っているんですよ。しかも、二〇一二年にもこの保育園は耐震工事を行っていて、このときもアスベストの除去工事をやりました。これも対策が不十分で、このときも保育中の子供が暴露したおそれがあるわけですよ。このときも同じ事業者なんですよ。設計会社は同じなんですよ。国は、保育所等に対してアスベストの有無の実態調査も行い、そのフォローアップと併せて何度も注意喚起しているはずなんです。それなのに、こういう事案が繰り返し発生している。  厚労省としても、専門家の意見も入れながら、これまでの繰り返しではない抜本的な対策、これ検討していくべきだというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
  75. 八神敦雄

    ○政府参考人(八神敦雄君) お答え申し上げます。  厚生労働省におきましては、社会福祉施設等における吹付けアスベスト等使用実態調査ですとかフォローアップ調査を二〇〇九年から実施をし、その調査の結果を公表するとともに、社会福祉施設等のアスベストの除去等について、都道府県等を通じて指導を行ってきたところでございます。  しかしながら、今御指摘ございました保育園は、過去の耐震化工事においてもアスベストの除去を怠ったという経緯があるにもかかわらずアスベストを再び飛散をさせたということは、先ほど副大臣からもありましたように誠に遺憾でございます。  厚生労働省では、これまでも、調査結果の公表に併せて、都道府県等に対しアスベスト使用状況の調査、未実施の施設等に対する指導の徹底とアスベスト対策に万全を期すように依頼をしてきております。現在集計中のフォローアップ調査、この結果を公表する際にも所轄庁に対してその趣旨を再度徹底をしてまいりたいと考えております。
  76. 田村智子

    ○田村智子君 今回のケースでは、園はアスベストの存在を把握していたので、設計事業者に対応は大丈夫かと何度も尋ねたというんですよ。それでもこういう事態になっちゃった。やっぱり、不適切な事業者をどう排除するのかということを真剣に対策取られるべきだと思うんですね。  じん肺・アスベストセンターの皆さんは、これやっぱり事前調査、それからアスベストの除去工事について、もうライセンス制度を取るべきじゃないのかという提案をされています。これ、これまでも、これは分かっていてやった不適切な工事なんですけど、アスベストが調査をやっても見落とされていたというのは、これいっぱいあるんです。学校でも何度も繰り返して、私も何度も質問したわけですよ。  また、やはりこのアスベストをちゃんと見る、それから飛散させないような対策を取る、これは専門性の高い困難な仕事だということをちゃんと認めて資格とライセンスの制度をつくるべきではないか、これ一点目、提起します。  そして、もう一つです。不適切や違法な工事が行われた場合の罰則、これ余りに軽いと思うんですよ。労働者の暴露を防ぐための石綿則、ここでは懲役六か月以下又は罰金五十万円以下となっているんですけど、これも私軽いと思うし、ほとんど適用されていないともお聞きしています。  大気汚染防止法でも、届出違反は懲役三か月以下、罰金三十万円以下、工事の際に何も対策を取らなくても懲役六か月以下又は五十万円以下なんですね。しかも、この大気汚染防止法の場合ですと、故意にやった場合は罰則なんですよ。だけど、故意じゃなかったというふうに言われれば、これは罰則にもならないんですね。  やっぱり、アスベスト被害がもたらす影響の大きさを考えると、この罰則は見直すべきだというふうにも思います。あるいは、こうした仕組み、不適切業者を排除する方法、これ検討必要だと思いますが、いかがでしょうか。
  77. 田中誠二

    ○政府参考人(田中誠二君) 建築物の解体、改修を行う場合には、労働安全衛生法に基づきます石綿障害予防規則に基づいて、当該解体、改修を行う事業者に対し事前に石綿の使用の有無を調査することを義務付けております。  この事前調査の実施については、指針において、石綿に関し一定の知見を有し、的確な判断ができる者であることとし、具体的には所定の講習を受講し修了した者等であることとしております。  また、石綿を含有する建築物の解体、改修を行う場合には、作業に従事する労働者が石綿に暴露することのないよう、吹き付け石綿などがある場合は、労働基準監督署に届け出るとともに作業場所の隔離等の措置を講じること、石綿含有建材を湿潤な状態とすること、解体等の作業に従事する労働者にマスクを着用させることなどを事業者に義務付けております。  今後、石綿含有建材を使用する建築物の解体等が増加すると見込まれることから、昨年七月から有識者による検討会を開始しまして、適切な能力を有する事前調査者を着実に育成、確保するため、能力習得のための講習制度などを整備して、事前調査者の具体的な要件などを明確に法令等に位置付けること、必要な措置の確実な実施を確保するため、作業の実施状況等を写真等で記録、保存させ、これらを基に監督指導などを行っていくこと等を検討しているところでございます。  今後、事業者に対する指導を徹底するとともに、有識者による検討会における議論を踏まえてしっかり対応していきたいと考えております。
  78. 田村智子

    ○田村智子君 ちょっと時間がなくなったので、もう一点、提起だけしておきます。  化学物質については、気中濃度測定など必要なリスク把握とそれに応じた対策を取る、対策を行うようになっているんですけれども、アスベストについてはそうなっていないんですよ。厚労省は、アスベストについては結果が出るまでに時間が掛かる、義務付けは望ましくないというふうにお答えになっているんですけれども、イギリスでは気中濃度測定が義務付けられて、現場ですぐ結果が出て、対策に反映させているんですよ。これは、問題は、そういう体制をその工事の現場で取るかどうかという問題だけなんですよ。やっぱり、私は、これアスベストについてもやっていくべきだということを問題提起をしておきます。  保育所などの社会福祉施設について、最後、もう時間になっちゃったので、宮腰大臣にお聞きしたいんですけれども、社会福祉施設については、保育所など、二〇〇九年に実態調査を行われていて、その後もフォローアップ調査行われていると。だけど、取組が不十分だとして総務省が勧告も出すというふうにもなって、二〇一七年には改めて調査を行った。その結果、保育所二万七百三か所のうち、これは四百七十二か所は措置済み、除去されていたり封じ込められているよと。一千二百五か所はアスベストの飛散のおそれがない、八十五か所は措置未実施、調査未実施は二千九百五十九か所に及ぶわけなんですよ。  私、調査したところも果たしてその調査結果は本当かと疑っています。だって、見落としがいっぱいこれまでもあるわけですから。やっぱり、専門家による調査ということが私どうしても必要だと思うんですよ。  アスベストというのは、二〇〇六年に製造、使用を禁止されましたけれども、それまでは耐火材として建築基準法で使用が義務付けられていたので、古い建物にはまずあるんです。企業主導型保育とか認可外保育などは、新設のものも古いビルの中につくられているものはいっぱいあるわけですよ。だから、アスベスト対策というのは、保育所の老朽化を見ても、いよいよこれから対策が本当に求められてくるというように思うんです。せめて子供への施設については専門家による調査を行って、レベル3という封じ込め、これは建材、壁材とか、封じ込められているからいいというんですけど、エアコン設置とか何かケーブル通しますとかいうとき穴空けるわけですよ、飛び散るわけですよ。だから、封じ込めといっても危険性はゼロではないんです。  だから、こういうレベル3も含めて、使用状況がどうかということを把握する、記録する、それがちゃんと申し伝えがやられていく、そして絶対に子供たちが暴露しない体制を様々な工事をやるときに行う。これ、特に専門家を入れてということを子供に対する施設については行うべきだというふうに思うんですけれども、これ宮腰大臣にも見解を求めたいと思います。
  79. 宮腰光寛

    ○国務大臣(宮腰光寛君) 今委員からるるお話がありましたけれども、二〇〇六年にアスベストの製造や使用が禁止されたと。当時、私も記憶に残っておるんですが、自民党の中で佐田玄一郎先生が中心になって緊急対策を取りまとめられて、直ちに実行に移すということをやっておいでになったのがよく記憶に残っております。その当時から比べると、ここ最近やはり危機感が薄れてきたのではないかというようなことも実感をいたしております。今回のような、在園時にこのような報道の例があっては、これは絶対にあってはならないというふうに考えております。  実効性のある対策を取っていくためにどのようにすればいいのか、都道府県との連携ということもありますし、既に相当部分は対策、除去が終わっているということもありますので、今後、厚労省や文科省ともよく相談をしながら、実効性ある対策をどう取っていけばいいのか、ちょっと検討させていただきたいと思います。
  80. 田村智子

    ○田村智子君 あと一分あるので。  大口副大臣、今私が言った専門家の関与、専門家による調査、ここは本当に踏み込んで是非検討いただきたいと思うんですけど、最後、一言お願いいたします。
  81. 大口善徳

    ○副大臣(大口善徳君) 今、実態調査、フォローアップ調査をしております。そういう中で、今後、アスベストの除去等の取組が確実に進むように、必要に応じて、所轄庁、自治体における福祉部局だけじゃなくて建設部局とも連携をした施設への指導の取組を検討したいと考えておりますし、数値も出していきたいと思います。
  82. 田村智子

    ○田村智子君 終わります。
  83. 石井正弘

    ○委員長(石井正弘君) 本日の調査はこの程度にとどめます。     ─────────────
  84. 石井正弘

    ○委員長(石井正弘君) 次に、成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律案を議題といたします。  政府から趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明を聴取いたします。宮腰内閣府特命担当大臣。
  85. 宮腰光寛

    ○国務大臣(宮腰光寛君) 成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  本法律案は、成年後見制度の利用の促進に関する法律に基づく措置として、成年被後見人等の人権が尊重され、成年被後見人等であることを理由に不当に差別されないよう、成年被後見人等に係る欠格条項その他の権利の制限に係る措置の適正化等を図ることを目的としたものであります。  次に、本法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。  本法律案は、成年被後見人等を資格、職種、業務等から一律に排除する規定等を設けている各制度について、心身の故障の状況を個別的、実質的に審査し、制度ごとに必要な能力の有無を判断する規定へと適正化するとともに、所要の規定を整備するものであります。  このほか、施行期日及びこの法律の施行に関し必要な経過措置等について規定することとしております。  なお、本法律案は、衆議院において、建築基準法の改正規定の一部及び建築士法の改正規定の一部の施行期日を、平成三十年十二月一日から令和元年十二月一日に改めること等を内容とする修正がなされておりますので、御報告いたします。  以上が、本法律案の提案理由及び内容の概要であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
  86. 石井正弘

    ○委員長(石井正弘君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時七分散会