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2019-06-03 第198回国会 参議院 決算委員会 9号 公式Web版

  1. 令和元年六月三日(月曜日)    午前十時二分開会     ─────────────    委員の異動  五月二十二日     辞任         補欠選任      青山 繁晴君     福岡 資麿君      元榮太一郎君     中西 祐介君      川田 龍平君     又市 征治君  五月二十三日     辞任         補欠選任      井原  巧君     石井 浩郎君      木戸口英司君     矢田わか子君      宮崎  勝君     杉  久武君  五月三十一日     辞任         補欠選任      宮本 周司君     小川 克巳君      杉  久武君     熊野 正士君  六月三日     辞任         補欠選任      石井 浩郎君     三木  亨君      小川 克巳君     宮本 周司君      古川 俊治君     元榮太一郎君      又市 征治君     宮沢 由佳君      矢田わか子君     柳田  稔君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         石井みどり君     理 事                 岩井 茂樹君                 豊田 俊郎君                 西田 昌司君                 伊藤 孝恵君                 竹谷とし子君                 仁比 聡平君     委 員                 石井 浩郎君                 小川 克巳君                 島村  大君                 そのだ修光君                 中西 祐介君                 二之湯 智君                 馬場 成志君                 福岡 資麿君                 藤井 基之君                 藤末 健三君                 古川 俊治君                 松下 新平君                 三木  亨君                 宮本 周司君                 元榮太一郎君                 小川 勝也君                 風間 直樹君                 宮沢 由佳君                 古賀 之士君                 矢田わか子君                 柳田  稔君                 秋野 公造君                 熊野 正士君                 石井 苗子君                 行田 邦子君                 高木かおり君                 吉良よし子君    国務大臣        財務大臣     麻生 太郎君        総務大臣     石田 真敏君        法務大臣     山下 貴司君        外務大臣     河野 太郎君        文部科学大臣   柴山 昌彦君        厚生労働大臣   根本  匠君        農林水産大臣   吉川 貴盛君        経済産業大臣   世耕 弘成君        環境大臣     原田 義昭君        防衛大臣     岩屋  毅君        国務大臣        (内閣官房長官) 菅  義偉君        国務大臣        (国家公安委員        会委員長)        (内閣府特命担        当大臣)     山本 順三君        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(経済財        政政策))    茂木 敏充君        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(少子化        対策))     宮腰 光寛君        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(男女共        同参画))    片山さつき君        国務大臣     鈴木 俊一君    副大臣        財務副大臣    鈴木 馨祐君        国土交通副大臣  大塚 高司君         ─────        会計検査院長   柳  麻理君         ─────    政府特別補佐人        人事院総裁    一宮なほみ君    事務局側        常任委員会専門        員        笹嶋  正君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官       二宮 清治君        内閣官房まち・        ひと・しごと創        生本部事務局次        長        丸山 雅章君        内閣官房まち・        ひと・しごと創        生本部事務局次        長        川合 靖洋君        内閣官房内閣人        事局人事政策統        括官       植田  浩君        内閣府大臣官房        審議官      福田 正信君        内閣府政策統括        官        増島  稔君        内閣府男女共同        参画局長     池永 肇恵君        内閣府子ども・        子育て本部統括        官        小野田 壮君        警察庁刑事局長  露木 康浩君        警察庁交通局長  北村 博文君        総務大臣官房地        域力創造審議官  佐々木 浩君        総務省自治行政        局公務員部長   大村 慎一君        総務省自治行政        局選挙部長    大泉 淳一君        総務省自治税務        局長       内藤 尚志君        総務省総合通信        基盤局長     谷脇 康彦君        総務省統計局長  千野 雅人君        法務大臣官房政        策立案総括審議        官        西山 卓爾君        法務省矯正局長  名執 雅子君        法務省保護局長  今福 章二君        出入国在留管理        庁長官      佐々木聖子君        外務大臣官房審        議官       桑原  進君        外務大臣官房参        事官       田村 政美君        外務大臣官房参        事官       船越 健裕君        財務省主計局次        長        阪田  渉君        文部科学大臣官        房総括審議官   瀧本  寛君        文部科学大臣官        房審議官     矢野 和彦君        文部科学省高等        教育局長     伯井 美徳君        文化庁次長    村田 善則君        厚生労働省医政        局長       吉田  学君        厚生労働省健康        局長       宇都宮 啓君        厚生労働省医薬        ・生活衛生局長  宮本 真司君        厚生労働省雇用        環境・均等局長  小林 洋司君        厚生労働省子ど        も家庭局長    浜谷 浩樹君        厚生労働省社会        ・援護局長    谷内  繁君        厚生労働省社会        ・援護局障害保        健福祉部長    橋本 泰宏君        厚生労働省老健        局長       大島 一博君        厚生労働省保険        局長       樽見 英樹君        厚生労働省年金        局長       木下 賢志君        厚生労働省人材        開発統括官    吉本 明子君        厚生労働省政策        統括官      藤澤 勝博君        経済産業大臣官        房長       糟谷 敏秀君        国土交通省道路        局長       池田 豊人君        国土交通省自動        車局長      奥田 哲也君        環境省水・大気        環境局長     田中 聡志君        防衛省防衛政策        局長       槌道 明宏君        防衛省整備計画        局長       鈴木 敦夫君        防衛省地方協力        局長       中村 吉利君        防衛装備庁長官  深山 延暁君    説明員        会計検査院事務        総局第一局長   三田  啓君        会計検査院事務        総局第二局長   原田 祐平君        会計検査院事務        総局第三局長   森   裕君    参考人        日本銀行総裁   黒田 東彦君        日本銀行企画局        長        加藤  毅君        日本銀行業務局        長        林 新一郎君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○平成二十九年度一般会計予備費使用総調書及び  各省各庁所管使用調書(その1)(第百九十六  回国会内閣提出、第百九十八回国会衆議院送付  ) ○平成二十九年度一般会計予備費使用総調書及び  各省各庁所管使用調書(その2)(第百九十六  回国会内閣提出、第百九十八回国会衆議院送付  ) ○平成二十九年度一般会計歳入歳出決算、平成二  十九年度特別会計歳入歳出決算、平成二十九年  度国税収納金整理資金受払計算書、平成二十九  年度政府関係機関決算書(第百九十七回国会内  閣提出) ○平成二十九年度国有財産増減及び現在額総計算  書(第百九十七回国会内閣提出) ○平成二十九年度国有財産無償貸付状況総計算書  (第百九十七回国会内閣提出)     ─────────────
  2. 石井みどり

    ○委員長(石井みどり君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る五月三十一日までに、青山繁晴君、元榮太一郎君、川田龍平君、井原巧君、宮崎勝君、木戸口英司君及び宮本周司君が委員を辞任され、その補欠として福岡資麿君、中西祐介君、又市征治君、石井浩郎君、矢田わか子君、熊野正士君及び小川克巳君が選任されました。     ─────────────
  3. 石井みどり

    ○委員長(石井みどり君) 平成二十九年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、平成二十九年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、以上二件を一括して議題といたします。  まず、財務大臣から説明を聴取いたします。麻生財務大臣。
  4. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) ただいま議題となりました平成二十九年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管の使用調書(その1)及び平成二十九年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)の事後承諾を求める件につきまして、その概要を御説明申し上げます。  平成二十九年度一般会計予備費予算額三千億円のうち、まず、平成二十九年十月六日から同年十月三十日までの間において使用を決定いたしました金額は六百三十九億円余であり、その内訳は、衆議院議員総選挙及び最高裁判所裁判官国民審査に必要な経費等の七件であります。  次に、平成三十年三月二十三日から同年三月二十六日までの間において使用を決定いたしました金額は二百三十二億円余であり、その内訳は、大雪に伴う道路事業に必要な経費等の二件であります。  以上が、予備費使用総調書等についての概要であります。  何とぞ御審議のほどよろしくお願いを申し上げます。
  5. 石井みどり

    ○委員長(石井みどり君) 以上で説明の聴取は終わりました。     ─────────────
  6. 石井みどり

    ○委員長(石井みどり君) これより平成二十九年度決算外二件及びただいま説明を聴取いたしました予備費二件を一括して議題とし、質疑を行います。  なお、本日の平成二十九年度決算外二件の質疑は准総括質疑でございます。  質疑のある方は順次御発言願います。
  7. 西田昌司

    ○西田昌司君 おはようございます。自民党の西田昌司でございます。  四月四日の最初の質疑に続いて、もう一度政府のこの財政の状況、また消費税の是非につきましても質問させていただきたいと思います。  まず、内閣府に質問させていただきますが、先般もこれ財政金融委員会でも私、質問したんですけれども、さきのGDP速報、一―三月期の速報は、景気は穏やかに回復という判断ということなんですけれども、私は全く納得ができていないんですね。といいますのは、結果的にはプラス〇・五という形ですけれども、要するに内需も減り外需も減りと。公共事業と住宅がやや下支えをしていますが、結局、内需が大幅に減ったために輸入が激減したと、結果として、マイナス項目のマイナスですからプラスになってGDPの数値を押し上げたということであると思うんですね。  これで景気を回復という判断するのは私はあり得ないと思うんですけれども、なぜそういう判断になったのか教えていただきたい。
  8. 増島稔

    ○政府参考人(増島稔君) お答え申し上げます。  委員御指摘の二〇一九年一―三月期のGDP一次速報では、実質成長率は前期比プラス〇・五%、年率に換算いたしますとプラス二・一%と二四半期連続のプラス成長となっております。  内訳を見てまいりますと、公共投資が昨年度補正予算などの執行を背景に五四半期ぶりにプラス、住宅投資が三期連続のプラスとなる一方で、中国経済の減速などを背景といたしまして輸出が二期ぶりのマイナス、設備投資につきましても製造業を中心に先送りの動きが見られることなどから、今期は小幅なマイナスとなっております。また、個人消費につきましてはおおむね横ばいの動きとなっております。  確かに、委員御指摘のとおり、今期につきましては、輸入のマイナスが輸出のマイナスを上回る減少となったために外需が実質成長率を〇・四%押し上げることとなっておりますけれども、それを除いた内需だけを見ましてもプラス成長となっております。  いずれにいたしましても、景気判断を行うに当たりましては、GDP成長率も含めまして様々な指標やその背景にある要因を総合的に分析いたしまして、単月や一四半期の動きだけではなくて景気の基調的な動きを見て判断をしておるところでございます。その意味では、内需の大半を占めます個人消費や設備投資は振れを伴いながらも増加基調が続いております。公共投資や住宅投資も増加をしております。  こうしたことから、緩やかな回復という景気の基調は変わっていないと、こういうふうに判断をしております。
  9. 西田昌司

    ○西田昌司君 役人答弁ですからそういう話になるんですが、結局、この資料の③と書いてあるのを見ていただきたいんですが、内需が減ってきている一番大きな原因というのは、要するに個人消費がなかなか伸びない。個人消費が伸びない原因というのは、失業率とかはもちろん改善されてきております、それから名目の給与もだんだん上がってきているんですけれども、実際の実質給与、これは残念ながら安倍内閣が誕生してからも右肩下がりで下がり続けているという現実があります。  このグラフ見ていただいたら分かりますように、この青の実質賃金、これはずっと下がり続けているわけですね。下がり方がやや止まったとはいえ、下の労働分配率、これが大幅に下がっている。つまりは、企業側が非常に利益を上げているわけですね。企業側が利益を上げているのにそれが賃金に生かせていない、これが最大の日本の今問題であるわけなんです。安倍総理も何度も、官製春闘だと言われるぐらい財界の方には給与アップをお願いされているわけですけれども、実質なかなかこれが増えていないわけですね。  ですから、ファンダメンタルズの話されているんだけれども、要するに雇用環境、失業率は下がって求人倍率もいいと、これはそのとおりなんですけれども、実際には実質賃金が減少しているわけで、賃金が下がって消費は増えないと思うんですが、いかがですか。
  10. 増島稔

    ○政府参考人(増島稔君) お答え申し上げます。  消費を取り巻く環境を見ますと、委員からも御指摘ございましたように、生産年齢人口が減少する中でも雇用が大幅に増加をいたしまして、最近の有効求人倍率は一・六三倍と、一九七〇年代前半以来四十五年ぶりの高水準、失業率も二・四%と約二十六年ぶりの低水準となっております。  賃上げにつきましては、連合の調査でも、今世紀に入って最も高い水準の賃上げが五年連続で実現をしておりまして、今年も賃上げの流れは続いているということでございます。  確かに、一人当たり実質賃金について見ますと低下しているのは事実でございますけれども、一人当たりではなくて、国民みんなの稼ぎでございます総雇用者所得、こちらの方は名目、実質共に二〇一五年半ば以降増加傾向が続いております。こうした雇用・所得環境、これが改善していく中で、個人消費については名目、実質共に二〇一六年後半以降増加傾向で推移しております。  先行きにつきましても、こうした雇用・所得環境の改善が続く中で、引き続き、持ち直しが続くと期待しておるところでございます。
  11. 西田昌司

    ○西田昌司君 要するに、雇用形態がどんどん変わってしまっているんですね、平成になってから。グローバリズム、新自由主義経済で、要するにコストカットして企業は利益を上げて、その上げた分を配当に回していくのがいいというような経済モデルになってきていますから、ここを変えない限りどうしようもないわけですね。皆さん方の、そういうような認識を持っていない、今のような答弁では私は全く駄目だと思っています。  それから、米中貿易摩擦、これもこの先行きの経済で非常に大きな懸念材料でありますが、米中経済摩擦だけでなくて、今度はメキシコの国境問題で、これも関税を上げるというような話出ていますよね。こういうように、今、トランプ政権で関税を次々上げていくという形が出ています。特に米中貿易摩擦は日本にとっても大変大きな影響あると思うんですが、当然、これは日本にとっては悪い影響を与えると思うんですが、どういう認識ですか。
  12. 増島稔

    ○政府参考人(増島稔君) お答え申し上げます。  米中間の通商問題につきましては、現在、米中間の追加関税対抗措置について、再び税率の引上げなどの動きが見られているところでございます。これによりまして、対象となる財の両国間の貿易が縮小し、また、サプライチェーンを通じて両国に部品などを供給している国・地域の輸出も減少することなどから、日本経済を含む世界経済に悪影響が生じることを懸念しております。  いずれにいたしましても、通商問題の動向やその貿易などへの影響について一層注視してまいる所存でございます。
  13. 西田昌司

    ○西田昌司君 そういうふうに先行きは非常に景気に懸念材料が多いと思うんですが、そこで茂木大臣にお伺いしますが、今のような状況で考えてまいりますと、この先、日本は景気が、世界経済も含め、良くなるとは思えないわけです。  先行きについて大臣はどういう御認識をお持ちですか。
  14. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) 西田理論、まあMMT、モダン・マネタリー・セオリーならぬMNT、モダン西田セオリー、何度かお聞きをいたしているところでありますが、恐らくその前提になる現状認識についてお聞きいただいているんだと思うんですが、我が国経済、御指摘のように、中国経済の減速などから今輸出の伸び、これが鈍化しておりまして、また、製造業を中心とした生産活動に弱さが見られるのは事実でありますが、雇用・所得環境の改善であったりとか高水準にあります企業収益など、日本経済を支える、その大半を占めているファンダメンタルズ、これはしっかりしていると、このように考えているところであります。  また、先ほどありました賃金の問題についても、政府参考人の方から雇用者所得の、総所得の話ありましたが、一人当たりの実質賃金についても、確かにいろんな人が労働参加をすると、例えば労働時間の短い高齢者等の労働参加の増加、さらにはエネルギー価格の上昇などから上昇傾向とはなっていないのは事実でありますが、高齢者雇用の増大の影響を受けない、世帯主の年齢が六十歳未満の世帯について見てみますと、名目でも実質でも世帯収入は増加をしているところであります。  もちろん、今は米中摩擦が単に貿易摩擦から技術覇権と、こういう問題にもなってきております。一方、米国とメキシコ、せっかくUSMCAと、こういった形でまとまったかと思いましたら、移民問題等々でまた追加関税が課されるということでありまして、これ、例えば今、日本の企業のサプライチェーン、これはグローバルに展開しておりまして、かなりメキシコに生産拠点を持っている、そういった企業も多いわけでありまして、その影響、こういったものも注視をしていかなければならない、そんなふうに思っておりますが、日本経済全体を考えてみますと、需要面でいいますと、今影響の出ております輸出、これはGDP全体の大体一八%程度であります。一方、供給面で見ますと、この輸出によって影響を受ける、中国経済によって影響を受ける製造業が二割、一方、非製造業が八割という形でありまして、そこの中では、情報通信、運輸、職業紹介などサービス産業というのは極めて堅調であると、このことは間違いないと思っております。  今後につきましても、西田先生の方からも様々な提言もいただいております、防災・減災、国土強靱化のための緊急対策、これは事業規模でいいますと三年間で七兆円程度と、こういったものを含みます平成三十年度の補正予算、そして令和元年度の予算の執行によります公共事業の増加も見込まれるところであります。  さらに、今後、日本の成長力を高めていく、このためにはどうしても日本経済の基礎体力、潜在成長率を引き上げていくことが必要になってくるわけでありまして、今世界で進んでおりますAI、IoT、ビッグデータ、こういった第四次産業革命の技術革新を経済の現場、そしてまた我々の日々の生活に積極的に取り入れる、こういったことによって、自動走行もそうですし、ロジスティックもそうですし、さらには医療、様々な分野で世界最先端の取組、こういったものをしっかりと進めていきたいと思っております。
  15. 西田昌司

    ○西田昌司君 そういう取組はもちろん有り難いんですが、私はもう少し深刻に日本経済考えなきゃならないところがあると思っています。  といいますのは、世帯所得で六十歳以下のところは増えていると。ところが、どんどん年寄りが増えてくるわけですよね。しかも、人生百年と言われてきたら、もうなかなかその所得そのものが、今度使うところがなかなか、安心して使えないわけですよ。だから消費も落ちてくるという、潜在的にそういう日本は構造になっておりますから、この先そんなに楽観した形では私はないと思っています。  そこで、そもそも財政出動をしてもう少し景気を刺激していただければいいんですけれども、これから財務省に伺いますが、とにかく財務省は経済・財政再生至上主義でありまして、とにかく何か言うと、いや、これ以上国債の残高増やすと破綻すると。破綻すると言うんですけれども、一体どうしたら破綻するのかということで、今日はこの資料を皆さん、見ていただきたいんですよ、一番と二番。  この資料は非常に大事なことを示していまして、この一番の資料というのは、これ、戦後、一九四五年から現在までの国、地方の長期債務残高、それから長期金利、インフレ率、経済成長率の推移なんですが、見ていただければ分かりますように、この赤い地方、国の長期債務残高、いわゆる国債、公債の残高ですが、これはずっと増えてきていますが、実は昭和四十年辺りから初めてこれ出てきたんですね。三十年代は国債は確かになかったわけです。  そのときは高度経済成長と言われていた時代でありますが、このときの成長率は非常に高かったんですが、これをちょっと、もう一つの二番の方を見ていただくともう少し分かりやすいんですが、名目経済成長率、これが非常に高かった、二桁の成長をしていたと。その代わり、長期金利も一〇%近い金利があったわけですよ。ところが、今どうなっているかというと、これは完全にもうゼロ%の方に近づいていっています。一方で、国と地方の、そこの国債の、長期債務残高はずっと一方的に増えていっています。  財務省が説明するのは、これをどんどんどんどん出していくと、いずれこれは経済破綻する。経済破綻とは何かというと、要するに通貨の信認がなくなってインフレになっちゃうんだと。特に、インフレになる原因というのは、名目成長率よりも金利の方がどんと上がってしまうと、そうすると大変なことになっちゃうんだという話なんですが、現実起こっているのは、この一番が一番分かりやすいですけれども、決して発散しないんですね。成長率も金利も大体同じ線でずっと推移しているという現実があります。そして、さらに、その金利も、高度経済成長のときには高かったけれども、今はどんどん低くなっていっておりますね。一方で、国債残高は増えていますけれども、全く金利が上がるという兆候すら見えないわけですよ。  そして、インフレになると言うんだけど、インフレになったのは、確かにこれ見たら分かりますように、一番の図にありますように、戦後、一挙にこういうふうにインフレになっていますが、これは財政で破綻したんじゃなくて、そもそも財政じゃなくて、戦争に負けた、戦争に負けたときに、まず、空襲で工場など大都市部は皆、焼け野原ですから、もう極端な供給力不足というのが原因だったと思うんですよ。ですから、財政の話でインフレになるということは先進国では考えられないわけですね。  だから、そういうことを含めて財務省にお伺いしますが、このグラフを見ても、財務省が今まで言ってきたような、これ以上国債残高を出せばいつか破綻するんだ、今はいいけどいつか破綻するとかいう話があるけれども、それは全く、あなた方が言ってきた説明は事実でないということを証明しているんじゃないんですか、どうですか。
  16. 阪田渉

    ○政府参考人(阪田渉君) お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、昭和四十年代以降、債務残高が増加してまいりましたが、ハイパーインフレや長期金利の急騰は生じておりません。これは、日本については、これまで債務残高が累増する中でも、預金などの潤沢な国内の家計金融資産の存在などを背景に、低い金利水準で安定的に国債が国内で消化され、財政に対する信認が確保されてきたということであると考えております。  ハイパーインフレは、諸外国を含め過去の例に照らせば、戦争を背景とした極端な物不足や財政運営及び通貨に対する信認が完全に失われた場合などにおいて発生するものと考えております。  現在の日本においては、先ほど申し上げた状況を踏まえれば、ハイパーインフレが直ちに発生することは考えにくいと思われますが、少子高齢化など経済や社会の構造が変化する中で、こうした状況がいつまで続くとは限らず、例えば家計の貯蓄率はこれまでおおむねプラスでございましたが、趨勢的には低下してきておりまして、今後、高齢化の進展などにより更に低下が続く可能性があると考えております。
  17. 西田昌司

    ○西田昌司君 また今もおかしな説明をしましたね。要するに、潤沢な民間貯蓄があったから国債が安定的に消化できたからハイパーインフレにならないんだと、こういう説明しているわけですよ。財務省いつもこう言っているんですが、これは事実と違うんじゃないですか。  先般も私は日銀に説明を求めましたけれども、もう一度聞きますが、新規国債発行で得た資金を予算化して国内で執行すれば、その分当然国内の民間貯蓄が増えるわけですよ。民間貯蓄で国債をそもそも消化しているんじゃなくて、国債の消化は、日銀の当座預金が、それぞれの金融機関、そこから日銀の当座預金が国債に振り替わるだけの話で、民間貯蓄から国債を消化する資金になっているわけじゃないわけなんですね。  そもそも、今のその事実をちょっと日銀側、説明してください。民間貯蓄から国債は、個人向け国債は知りませんよ、新規普通の国債発行というのは日銀当座預金のいわゆる民間銀行からの振替にすぎないわけですから、民間貯蓄とは関係のないという話をちゃんと説明してください。
  18. 加藤毅

    ○参考人(加藤毅君) お答え申し上げます。  今委員がおっしゃいましたとおり、銀行が国債を保有するケースということについて申し上げますと、政府が国債を発行し、かつその資金を国内で支出するという場合には民間貯蓄は増加するという形にはなりますので、そういう意味では民間の預金が増える形でそこはファイナンスされている形になるというふうに認識しております。
  19. 西田昌司

    ○西田昌司君 じゃ、今財務省の阪田次長が説明した話とは事実が違うということでいいですね。  財務省が説明しているのは、民間貯蓄が潤沢にあるから国債が消化できるんだと言っているんだけど、それは本末転倒な話じゃないか、あなたの言っている説明は。今、日銀が言っているのがこの金融界の常識、現実なんですよ。財務省が言ってきているのは、それ逆さま言っているわけですよ。まさにあなた方が言っているのは天動説を言っているわけ、天動説なんですよ。お金があるから借金ができると思っている。違うんですよ、借金するからお金が出てくるんです。これが地動説なんですね。MMTの議論というのはまさにこの真実を言っているにすぎないわけなんですよ。  ですから、だから、もう一度、そうそう、地動説じゃなくて天動説が正しいわけね、財務省が言っていたのは、失礼、お金があるから借金ができるということなんですけれども、地動説が正しいわけなんですね。だから、それでもう一度、財務省、どうですか。
  20. 阪田渉

    ○政府参考人(阪田渉君) お答え申し上げます。  ISバランスの恒等式でございますが、それはそのとおりでございまして、財政赤字、国債発行の増は最終的には国内民間の純貯蓄若しくは海外の資金でファイナンスされるということになると思われます。すなわち、海外を捨象して考えれば、委員御指摘のように、結果的に財政赤字、国債発行の増と国内民間純貯蓄が等しくなるわけでございますが、実際には我が国の経済は世界に開かれておりまして、国債発行による財政支出もその全部が国内にとどまるわけではなく、その場合には国内民間純貯蓄は国債発行の増を下回る可能性があると思います。  また、国債発行の増加に伴い、結果として国内民間部門の貯蓄が一定程度増加するとしても、民間の貯蓄が国債を引き受けるかどうか、すなわち、例えば金融機関が国債を購入するかどうかについては、財政に対する信認が維持されているかどうかにもよるものと考えております。
  21. 西田昌司

    ○西田昌司君 またそういうへ理屈を言うんですよ。  じゃ、阪田さんに聞きますが、要するに日本で赤字財政、赤字国債出して海外に行っちゃうと言うんだけれども、そもそも日本は経常収支黒字国なんですよ、そもそも、これは。要するに、日本の方が海外からどんどんお金をもらっている方なんですよ、これは、海外に借りているんじゃなくて。だから、そもそも今言っているような話の前提の事実がないということ。  それからもう一つは、要するに、民間銀行が国債を買わなくなったら、当然それは信認がされていないという話になりますよ。しかし、そういう事態がどういうことになるのかということですよ。皆さん方、よく考えてくださいよ。要するに、国債を民間銀行が引き受けない、若しくは売るということでもいいですよ、そういうときには、当然その売ったお金、それは日銀当座預金という、原則として当座預金には利息が付かないんですよ。ところが、国債は持っているだけで金利が付くんですよ。金利が付くものを売って、金利が付かない当座預金に振り替えるなんということをするはずがない。した場合には、当然そのお金を何かの資産に換えなきゃならない。株に換えるのか、例えばドルに換えるのかと、こうなるわけですよね。そうしたときに、当然、為替のリスクもあるし株価のリスクもある。恐ろしくてそういうもの買えないわけですよ。だから、日銀の当座預金、これはその分は国債に換えたいと、持っておきたいという話になるんですよ。  そうじゃないですか。日銀さん、どうなりますか。今の財務省が言っているような説明の事態が起こり得ることなんてあり得るんですか。今私が言った説明の方が正しいでしょう。どうなんですか。
  22. 加藤毅

    ○参考人(加藤毅君) お答え申し上げます。  現在、確かに銀行の方は日銀当座預金とそれから国債を持っているということでございます。委員がおっしゃるとおり、もちろん株やそれから外債を取るということに対するそれなりのリスクはあるわけですけれども、やはり国債に対する信認というのが失われ、かなり、例えば極端に言えば大きく価格が変動するというリスクを感じた場合にはやはり銀行としてそれを持ちにくくなるという意味では、やはり国債の信認がある中でそれを保有できるということには必要なことだと考えております。
  23. 西田昌司

    ○西田昌司君 日銀の方が正直にしゃべっていますよね。それは株を持つようにそれは国債も持つんです、当然なんですよ、これは。これが主権国家というものなんです。  それで、財務省がとにかく悪気なく勘違い、また悪気があって説明したのかどうか知りませんが、間違った説明を国民にやり過ぎているわけです。先ほど言ったように、要は、民間貯蓄で国債はファイナンスされているんじゃなくて、逆さまだということです。赤字国債出した分が民間貯蓄を増やしているという事実、そしてハイパーインフレなど起きたためしがない。  ここに、一番に書いてあるこのハイパーインフレの原因を私申し上げますが、これは財務省に質問通告しておきましたけれども、終戦直後、国家予算の三割以上が終戦処理費という項目で埋められている事実があるんですよ。これ、ほとんどの方知らないんですが、それ、どれぐらいの金額、予算に占めて、三割程度は何年ぐらい続いていたのか、教えてください。
  24. 阪田渉

    ○政府参考人(阪田渉君) お答え申し上げます。  委員お尋ねの終戦処理費でございますが、これは昭和二十一年度から昭和二十六年度まで一般会計予算に計上されていたものでございます。  終戦処理費の内容については、終戦後に日本が負担した連合国軍の日本占領に要した諸経費でございまして、具体的には占領軍用建築物の建設費、資材購入費、労働者給与などが含まれていたものと承知しております。  終戦処理費が各年度の一般会計予算の総額に占めていた割合でございますが、最初の昭和二十一年度は三二・二%、二十二年度は二九・九%、昭和二十三年度は二二・六%、二十四年度は一六・九%、二十五年度は一六・四%、二十六年度は一一・九%であったものと承知しております。
  25. 西田昌司

    ○西田昌司君 今お聞きいただいたように、これ非常に大きな問題なんですよ。ほとんど誰も今までこれ議論していませんがね。  要するに、終戦直後、三割のお金をGHQに払ったわけですよ。要するに、国家の復興のためにはお金使われていなかったんです。だから、戦後、物すごく貧しい時代が続いたんですよ。ハイパーインフレになるのも当然で、工場や道路が潰れているのに復興のための経費ないんですから。全部GHQに取られていたわけですよ、これは。そして、その結果起こったのがこのインフレなんですよ。  そして、今、二十六年まで言いましたけれども、要は、二十五年に朝鮮戦争が起きて、アメリカの政策が百八十度変わっちゃうと。日本を戦後懲らしめておけと、そういう膺懲の意味でこの終戦処理費は負担させられていたわけですよ。ところが、この昭和二十五年の朝鮮戦争を契機に、もう一度日本を反共のとりでとして親米の側に引き寄せなきゃならないと、そこから様々な援助は始まっているわけですね。そこから、だから高度経済成長の始まりが来たということなんですよ。財政で破綻したんじゃなくて、戦争でこれ破綻して、ハイパーインフレつくらされたんですよ、これは、はっきり言いまして。このことを是非皆さん方に知っておいていただきたいんですよ。  と考えると、今財務省が言っているような、財政出動、赤字国債をどんどん増やしたからといって、このハイパーインフレなど起きるはずがないわけなんです。といいますのは、日銀が、この中央銀行が、この長期金利とそれから名目経済成長、これがずっと同じようになっているのも、これ当然、日銀がハイパーインフレなどにならないように金利調整をしているわけですよ、これ、景気動向を見ながら。  だから、このことを考えますと、今、日本というのは非常にまだデフレ状況を完全に脱却していません。その証拠に、日銀の黒田総裁にお聞かせいただきますが、日銀は政府と政策協定して物価上昇率二%というのを掲げたわけですよ。掲げて、そのために異次元金融緩和というのをやってきたと。先ほど言ったような、ああいう、民間銀行の持っている国債をどんどん日銀が買い上げることによって当座預金を増やしていくと。当座預金、手持ちのつまり貨幣を増やせば銀行が貸し出しやすいだろうと思ってやったんだけれども、銀行に幾らお金を供給しても、要は借り手の方の需要がなければこれは借りないわけですよ。  だから、二%に達成できなかったのは、黒田総裁が一生懸命銀行の方にお金を供給したけれども、結局借り手不足だったというのが原因じゃないんですか。いかがですか、黒田さん。
  26. 黒田東彦

    ○参考人(黒田東彦君) 御指摘のとおり、日本銀行は、二〇一三年の四月に量的・質的金融緩和を始めまして、その後も必要に応じて金融緩和の幅を拡大してまいりました。そうした中で、全体として日本経済が改善して、マクロ的な需給ギャップも、この数年プラスの状態が定着するまでに改善してきていることは事実であります。  ただ、これも委員御指摘のとおり、銀行の融資というものは、金利が下がって低い金利で貸し出せるようになったとしても、もちろん、そのような低い金利でも、民間の資金需要がなかなか出てこなければ確かに銀行の融資が伸びないということになり得るわけですけれども、御案内のとおり、この量的・質的金融緩和を実行して以来、民間の融資というのは二%程度伸びています、それから地域金融機関は三%ぐらい伸ばしておりまして、そういう意味では、低金利を実現することによって言わば資金需要を掘り起こすというか、そういう効果はあったと。それによって企業活動も盛んになり、経済全体も改善したと。  ただ、残念ながら、労働需給の引き締まりとか企業収益の大幅な増加にもかかわらず、賃金、物価が弱めの状況が続いているということは事実でありまして、今後ともしっかりこの金融緩和によって経済の回復と、そして賃金、物価の緩やかな上昇というものを支えてまいりたいと考えております。
  27. 西田昌司

    ○西田昌司君 日銀は金融政策としてできることを全てやっておられると思いますよ。私はそれを認めているんですよ。しかし、残念ながら、金融政策だけで解決できる問題じゃないという、こういう側面があるということなんですよ。  一つは、先ほど言いましたように、労働分配率が非常に低くなってしまっていると。給料がなかなか思った以上に伸びていない、これ一番大きいわけですよね。これは日銀の政策ではできないわけですよ、これは。これはほかの政策を駆使していかなきゃならないわけですね。  それから、需要をつくっていくのは、これは日銀は、借り手がなければ貸出しできないんですから、銀行はね、需要をつくるのは誰かといえば財務省なんですよ。財務省が、公共事業だけじゃなくて福祉の話もそうですよ、しっかりそれを全世代型に今度やっていこうという安倍内閣の方針で出されていますが、これはいいことだと思いますが、もっと老後も、それから子育ての環境も、子供幾ら産んでも大丈夫だということをすれば、もっと積極的に産みたいなと思っている人はたくさんいるし、育てたいなと思っている人はたくさんいるわけですよ。しかし、これは金融政策でできないんですよ。これは財政政策なんですよ。だから、財政政策をなぜストップさせてきたかというと、プライマリーバランスに縛られてきたからなんですね。だから、ここが私は最大の問題だと言っているわけです。  そして、プライマリーバランス、プライマリーバランスと言ってくるけれども、要するに、このグラフを見ていただいたら分かりますように、破綻しないんですよ、そもそもが。破綻できないんですよ。破綻するというのは、先ほど言ったように、民間銀行が国債を持たない、そういう状態のときはそれは破綻ですよ。しかし、今言ったように、国債を売って、金利の付かない当座預金で置いておくばかはどこにもいません。何かに換えなきゃならないんだから、あれば国債を持たざるを得ないわけですよ。  だから、それを考えると、日本はまさに、このMMTが言っているのはこういうことでありまして、要するに、デフレ状況下、金利が低い、こういう状況下では積極的に財政出動することが国全体のためになると。そのことを証明しているのがこれなんです。  このグラフで言っているのは、昭和三十年代は高度経済成長でしたから国債はあえて出さなかった。出すともっとインフレ率が上がってしまうわけですよ。一〇%以上の高いインフレ率だった、そして金利も一〇%近かったわけですね。ここで国債発行しちゃうと、それはもっと大変なことになっちゃうと。だから、ここは、ですから税で、皆さんのお金で回していたと。だから均衡財政だったんですよ。ところが、今は違う状況になっているわけですね、これ。均衡財政では間に合わないわけですよ。だから、積極財政をすべきじゃないかと。  これは元々、麻生大臣が下野されているときに、私たちと一緒にお話をしたときに盛んにおっしゃったことなんですよ。麻生大臣、今こそもう一度、麻生大臣が平成の是清になると昔おっしゃったんですから、そういう積極財政路線をやるべきときに来ているんじゃないですか。いかがですか。
  28. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 質問予定がありませんので、思い付くままに申し上げますので、少々いいかげんな答弁で数字が違うかもしれませんが。  少なくとも、今回のデフレ不況というものは、間違いなく、昭和二十年、敗戦この方、デフレによる不況をやった国は少なくとも先進国ではありません。日本だけです。したがって、今回の不況に陥ったときに、多くの人が通常のこれまでのインフレ不況と同様の不況だと思ってそれなりの対応をした。それが、今回のデフレによる不況対策が、デフレやったことがないから、当然、不況対策をやった人もいないんですが、結果としてこのデフレ不況が必要以上に長引いてしまったという背景は否めない事実だと思います。  したがって、政権が、奪還をした後、我々はこのデフレーションによる不況からの脱却、正確には資産のデフレーションによる不況からの脱却、そういったものから何とかせねばならぬということから今回のを一応やらせていただいたんですが、少なくとも日本銀行との間に、日銀の金融政策との間に、共同声明できちんとした対応をさせていただき、金融は緩和、結果としてデフレーションという状況から間違いなく脱却するところまでは来た。  この不況を、更にということをやって少なくともそこそこの景気状態に持っていくためには、これは金融だけでできるわけではないので、財政も出る。なぜ財政が必要かといえば、先ほど言われましたように、あの当時は間違いなく景気が世の中良かったから、資金需要があった、設備投資意欲もあった、消費も上がった等々のものが重なっていますから、そこに政府が財政出動すれば資金をそれ取り上げることになって、クラウディングアウト、クラウディングアウトって説明しなくてもお分かりだと、という状況に起きかねませんから、そういったことが起きないようにするという配慮もありまして、そこそこのもので回っていったんだと思いますが。  今回はGDPに占めます三つの要素のうちの、三大要素のうちの個人消費と設備投資が伸びておりませんから、三番目の政府支出を増やすということによってGDPをある程度維持していかねばならぬという状況に陥っていると思っておりますので、私どもは麻生内閣の最後のときにも三段ロケットで補正予算を三回やらせていただいて、その残りの三年間はそれをかなり大幅に、野党の時代のときにはそれをうまいこと利用されたんだと思っていますが、今回政権を奪還させていただいたけれども、それも全部使われ切っておりますから、そういったものも含めまして私どもは財政をということで、少なくともこの六年間そういった方向で、財政緊縮という一本やりの方向ではないというように御理解いただければと思っております。
  29. 西田昌司

    ○西田昌司君 ですから、民主党、まあ自民党のときも財政緊縮路線だったんですけど、そのときよりはましになっているのは事実ですよ。しかし、まだまだ足りないということを申し上げているんですね。  そこで、厚労省に聞きますが、この実質賃金のグラフを作ってくれたのは厚労省なので聞きますが、消費税、これを二%上げるということになっているんですよ、今ね。しかし、実質賃金が伸びていない、むしろ下がり基調のときに更にこの二%の消費税上がると、実質賃金は下がるんじゃないんですか。簡潔に答弁ください。
  30. 藤澤勝博

    ○政府参考人(藤澤勝博君) お答え申し上げます。  実質賃金が低下傾向に今ございますことについては、その背景としまして、デフレからの脱却に取り組む中で物価が上昇していること、また、景気が回復をし、雇用が増加する過程において、正規雇用労働者などと比較をして、相対的に賃金水準の低いパートで働く方の比率が上昇していることなどが考えられるところでございます。  一方で、今後の名目賃金の傾向がどのように推移するかは定かではございませんので、今後の実質賃金の動向について明確にお答えすることは困難だというふうに考えておりますけれども、なお、消費税率の引上げによりまして物価が上昇すれば、単純計算で申し上げればその分実質賃金は押し下げられることになりますけれども、厚生労働省といたしましては、最低賃金の引上げであったり、あるいは中小・小規模事業者の生産性向上や下請企業の取引改善などに取り組んで、より多くの人が経済成長の果実を享受できるよう賃金引上げの環境整備を進めていきたいと考えております。
  31. 西田昌司

    ○西田昌司君 もう時間がないのでこれで終わりますが、最後に、こういう状況の中で、やっぱり私は十月の消費税延期は、凍結すべきだと思いますが、大臣のお考えを聞きたい。  それと、今日は余り言えなかったんですけれども、これ皆さんに是非、私が作った四番の資料、MMT何か、これ是非読んでいただきますと、これ頭がすっきり分かりますので、是非お願いしたいと思います。  最後に大臣に、その十月の消費税、私は凍結すべきだと思いますが、いかがですか。
  32. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 何でしたっけ、MMTにNくっつけてニューMMTだか西田MMTだかは別にして、そういった御説は財金でも伺いましたし、この前もこの話は伺っておりますし、知らないわけではありませんし、そういう世論が、世論じゃないね、そういういわゆる理論、理論と言うべきかどうか、ちょっとそれも分からない、一つの理屈ですな、というのがアメリカで話されて、それが意外と受け売りしている人が世の中に結構いて、全くそれを否定されているというのがアメリカでもありますけれども。  いずれにいたしましても、そういったものを含めて、そういった御意見があるというのは分かっておりますが、少なくとも私どもは、今置かれている状況というのをきちんとやっていくためには、これは我々は、今国債の話も出ましたけれども、国債の格付を含めて検討しておかなきゃならぬ大事なところで、今の国債の格付を、これ更に延ばしたら国債の格付が下がるぐらいのことは覚悟しておいてもらわないかぬ。  そうなった場合は、それがどういった影響を与えるかという点も、影響を十分に検討しておく必要があるかと思っておりますので、私どもといたしましては、この話は、少子高齢化というものに対応していくためにみんなで全世代型でやっていくという、きちんとした社会保障体制を今後とも維持していくために、この消費増税は必要なものだと思っております。
  33. 西田昌司

    ○西田昌司君 終わります。
  34. そのだ修光

    ○そのだ修光君 自由民主党のそのだ修光です。  今日は、この決算委員会で質問の機会をいただいたことを本当に心から感謝を申し上げます。  今、この第一委員会室、私は衆議院の方で、十何年ぶりなんですよ、正直言って、質問するというのが。衆議院のこれは予算委員会等でしたから、参議院の場は初めてであります。どうかよろしくお願いいたします。  まず、先日、川崎で大変痛ましい無差別殺傷事件が起きました。犠牲となられた亡くなられたお二人、本当に御冥福をお祈り申し上げ、残された家族の悲しみはいかばかりかとお察しを申し上げます。そして、負傷された方が一日も早い御回復を、お祈りするばかりであります。  犯人は自殺をしてしまいました。なぜこのような事件を起こしたのか、理由すら追及はできないわけであります。時を一にして、先週、我々は、自殺対策調査研究推進法案、議員立法で成立をさせました。このような道連れ殺人の研究もこれ必要だろうと思います。また、犯人は引きこもりだったという情報も出ております。社会から孤立をしていた様相も伺えるわけであります。  人を孤立させない、自殺に追い込まない対策が必要であると考えますが、厚生労働大臣のお考えを聞かせていただきたいと思います。
  35. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 今回の川崎市における事件、これは大変痛ましい事件であり、怒りすら感じます。今回の事件でお亡くなりになったお二人の御冥福をお祈りするとともに、負傷された方の一日も早い回復を祈念いたします。  この事件の詳細については、現在捜査中であり、事件の背景を含めて事実関係が明らかでない中で今回の事件に関連するという形でのお答えは差し控えたいと思いますが、その上で、自殺対策については、一般論として申し上げると、自殺の背景には様々な社会的な要因があって、その要因に応じた施策を推進しております。  具体的には、今委員からお話がありましたが、自殺総合対策大綱、これは、平成二十八年度の自殺対策基本法の改正や、あるいは我が国の自殺の実態を踏まえて抜本的に見直して、今、自殺総合対策大綱に基づいて自殺対策を推進しておりますが、今委員から御紹介のあった要因等々の分析も含めて、政府として、関係省庁と連携して、この自殺総合対策大綱に基づいてしっかりと取り組んでいきたいと思います。
  36. そのだ修光

    ○そのだ修光君 ありがとうございます。  我々の責務は、やっぱり命を守る、国民の命を守るということが政治の究極の目的だと私は思っておりますから、このことも政策的にしっかりと整えて、今回のような悲惨な事故が起きないようにやっていただきたいと思っております。  次に、白血病など血液がん治療に効果が期待される新薬キムリアが先月二十二日から保険適用をされました。投与は一度のみで、従来の治療薬に効果が得られなかった患者への効果が期待をされております。ただし、一回当たりの薬の価格としては最高額の三千三百四十九万円。大変な高額であります。  私自身は、薬剤費の伸びの原因は、多剤処方、残薬問題など様々なところにあり、一概に高額薬剤が薬剤の伸びに影響するわけではないと私は思っております。  しかし一方で、高額薬剤の保険適用について、保険財政への圧迫を懸念する声もあるのも事実であります。高額薬剤の保険適用、考え方について政府から御見解をお伺いをいたします。
  37. 樽見英樹

    ○政府参考人(樽見英樹君) お答え申し上げます。  キムリアでございますけれども、お一人様の患者さん当たり約三千三百四十九万円と高額でございますけれども、難治性の白血病等に対して一回の投与で治療可能という画期的な製品でございます。困難な病気と闘う患者さんにとって治療できる可能性が増えるということは非常に喜ばしいことであり、このような効果が高く革新的な製品を国民に届けることは、保険医療の質の向上という点で大変重要というふうに考えております。  御指摘のように、非常に高額な製品による医療保険財政への影響を懸念する意見があるというのは事実でございます。  キムリアにつきましては、現時点の対象患者数は年間約二百二十人程度というふうに予測されておりまして、医療保険財政への影響は限定的というふうに考えておりますけれども、今年の四月から費用対効果評価というものを本格実施をしておりまして、これの対象とするということを決めたところでございます。また、当初の予測を超えて市場規模が拡大した場合には、速やかに薬価を改定する、引き下げるという、そういう仕組みも導入されておりまして、こうした仕組みを組み合わせて実施していくということによって、適切な価格設定というものを行っていきたいというふうに考えております。  一方で、こうした新しい技術を保険で広く使えるようにしていくためにも、効率化できるところは最大限効率化する、無駄は省いていくということが重要であるというふうに考えています。御指摘の多剤処方や残薬の解消につきましても、診療報酬上、薬剤師と処方医が連携して取り組むことを評価するといったような方法で改善を進めてきているところでございます。  今後とも、医療の質の向上と、こうした無駄の排除、効率化といった両面にわたって取組を進めてまいりたいというふうに考えております。
  38. そのだ修光

    ○そのだ修光君 ありがとうございます。  確かに、本当に無駄を省いて、助かる命は必ず助けられるようにやっていかなきゃならないと思っております。今度のこの保険適用も本当に喜ばれておられる皆さんおられると。本当、今話をされたとおりにしっかりやっていただきたいと思っております。  次に、介護保険制度についてお伺いをいたします。  平成十二年度に介護保険制度が開始をされてから約二十年が経過をしております。  かつて衆議院議員として自民党の社会部会で制度の創設に関わった経験を振り返りますと、当時の議論では、介護保険は地方の雇用、経済対策にという考え方もありました。しかし、現在、介護現場では、全国あまねく大変な人材不足に悩まされております。介護報酬改定のたびにマイナス改定の圧力が掛けられ、介護現場は戦々恐々とならざるを得ない状況であります。改定をめぐる議論の中でマイナス改定ということが流れれば、更に人材が離れてしまいます。  保険財政を緊縮すれば介護現場から人がいなくなる、人がいなくなれば必要なサービスは提供されません。保険料を払ってサービスを受けられず、これでは持続可能な保険制度であるとは言えないと思うのであります。介護保険を将来にわたって持続可能なものとするために、長期的な視点を持った改革を行っていかなければならないんではないかと思っております。今日は、持続可能な介護保険制度に向けて前向きな検討ができればと思っております。  平成十二年度から介護保険制度の規模も大きく拡大をいたしました。事業の総費用額は、平成十二年度が三・六兆円から平成三十年度には約十一兆円と、実に三倍以上の規模となりました。そして、今後、団塊の世代が七十五歳を超えるようになれば介護保険のニーズは更に高まると予想をしております。  政府は、社会保障の将来推計において、年金、医療、介護の各社会保険の保険料の見通しを公表をしております。このうち、六十五歳以上の方々の介護保険料については、二〇二五年には月額七千円台の前半、二〇四〇年度には九千円台の前半にまで上昇を見込まれております。  そこで、まず政府に確認させていただきたい。高齢化率、平均寿命、人口など、高齢者に関する主な指標に関して、介護保険制度創設時の数字と当時の段階での将来見通しの説明をお願いしたいと思います。その上で、それに比べて現在の状況がどう違っているのか、そして現在の状況を政府としてどのように認識をしているのか、教えていただきたいと思います。
  39. 大島一博

    ○政府参考人(大島一博君) お答えいたします。  介護保険が、法律ができましたのが平成九年、それから施行になりましたのが今委員御指摘の平成十二年でございまして、将来人口の推計が五年置きに行われています。平成九年と平成十四年というのがございます。平成九年の方をまず比較の対象にしまして、そして現在の数字の方は、平均寿命の直近値、直近の値が平成二十九年ですので、平成九年と平成二十九年を時間の基点にして比較したいと思います。  まず平均寿命でございますが、平成九年のときは男性が七十七・一九歳、女性が八十三・八二歳でした。その当時、二十年後の、つまり平成二十九年の平均寿命がどうなるだろうかという予測値ですけれども、社会保障・人口問題研究所が出しておりまして、男性が七十八・四八歳、女性が八十五・四八歳ということで、男性は七十七から七十八・五へ、女性は八十四から八十五・五へという、そういう予測値でした。  そして、実数ですけれども、現実の男性の平均寿命は今八十一・〇九歳、それから女性は八十七・二六歳ということになっておりますので、二十年前の予想値に比べ、男性は二・六歳、実際が上回っております。女性も一・八歳ほど予想値より実際の平均寿命が上回っているという状況になっております。  それが影響しておりまして、高齢者の数ですけれども、平成九年は千九百七十六万人でした。当時の二十年後の予想値は三千二百八十二万人でした。そして、現在の高齢者の数は三千五百十五万人ということで、長寿化の影響というふうに考えられます。高齢化率も同様に平成十九年時点は一五・七%で、二十年後の予想値は二六・一%でしたが、実際、今の平成二十九年の高齢化率は二七・七%となっております。  人口は、平成九年当時、一億二千六百万人でした。当時の二十年後の予想値は一億二千五百六十万人でしたが、実際には一億二千六百七十万人ということで予想値より若干多いということで、これもやはり長寿化が一番大きな原因と考えられます。  こうした状況になっておりまして、当時、平成九年時代の二十年後の見込みよりも平均寿命が大きく延びたということでございまして、それにより高齢者人口も増え、高齢化率も予想よりも高くなっております。  介護保険制度の社会的な重要性が高まるということになっていると考えますし、より一層制度の安定性の確保に向けた努力が求められているというふうに認識いたします。
  40. そのだ修光

    ○そのだ修光君 今答弁でいただきました予想を上回る伸び率というか、高齢化が進んでいるということであります。  今回の制度の持続可能性を考えるに当たっては、一つの方策となり得るのが被保険者範囲の見直し、つまり、具体的には被保険者の年齢を引き下げることではないかと考えております。介護保険制度を創設する際には、被保険者の年齢につきまして様々な案が検討をされてきました。結果的には四十歳以上の方に被保険者とする制度に落ち着いた記憶があります。  そこで、お伺いします。制度設立時にどのような理由で四十歳以上とされたのか、その理由を確認させていただきたい。そして、介護保険の被保険者の年齢設定に関わる状況について、制度創設当時に比べて現在どのように変化をしているのか、説明をしていただきたいと思います。
  41. 大島一博

    ○政府参考人(大島一博君) まず、介護保険の二号保険者を四十歳以上とした理由でございますが、大きく二つございまして、一つは、介護保険制度が対象とする老化に伴う、加齢に伴う介護ニーズというものは高齢期のみならず一定程度中高年期においても生じ得るということで、具体的には脳卒中とかリウマチとか、こういった疾患、加齢に伴う疾患というのは中高年でも生じ得るということが一つの理由でございます。  それから、もう一つの理由といたしましては、四十歳以降になると、一般に老親、親が年老いて親の介護が必要となるということで、家族という立場から介護保険制度による社会的支援という利益を受けるという可能性が高まるという、この二点を勘案した結果となっております。  それから、現在、当時と現在の違いでございますが、当時、第一子を出産する年齢が今よりも若かったと、今その年齢が上がってきているということがございます。介護保険が施行されました西暦二〇〇〇年のときには、六十五歳の母親の第一子の平均年齢は大体四十歳でありました。それは、一九六〇年の第一子の平均出産年齢が二十五歳ということでしたので、それから四十年たって、お母さんは六十五になり子供が四十歳になったということが介護保険施行当時の親子の状況でございました。  現在は第一子を出産する年齢が上がってきておりますので、母親が六十五歳以上になったときの第一子の年齢は若くなっている、低年齢化しているという、そういう状況はございます。
  42. そのだ修光

    ○そのだ修光君 制度も時を経ればいろいろと変わって、状況が変わるわけですよね。状況が変わってきたら、それに合わせてやっぱり政策も変えていかざるを得ないと私は思っております。  介護保険の被保険者の範囲については、本当にこれまでもいろんな議論をされてきていると承知をしております。介護保険の被保険者年齢の引下げについて、これまでの議論を踏まえて政府としてどのような課題があると認識をしているのか、そしてまた、次期介護保険制度見直しに向けて被保険者範囲の見直しを検討することについてどのように考えているのか、教えていただきたいと思います。
  43. 大島一博

    ○政府参考人(大島一博君) 今、介護保険の被保険者年齢の引下げにつきまして御質問いただきました。  この被保険者の範囲につきましては、介護保険制定時以降、大きな課題といいますか、できれば年齢を引き下げたいという方向で議論を重ね、まだいまだ実現に至っていないという、そういう状況でございます。  まず、これまでの振り返りでございますが、介護保険制度の被保険者の範囲につきまして、年齢や要介護になった理由を問わずに介護を必要とする全ての人が利用できる普遍的な制度とすべきであるという観点から、拡大する方向での議論がございます。それからもう一つは、制度の支え手を増やす、それによって財政的な安定性を高めるという観点からの範囲の拡大の議論がございます。それともう一つは、今申し上げましたとおり、第一子を出産する年齢が高齢化しておりまして、母親が六十五歳以上になったときの第一子の年齢が低年齢化しているということも、そういった範囲を拡大する考え方を支援する一つでございます。そういった理由から四十歳と、今言う年齢の引下げを検討すべきという意見があるというふうに承知をしているところでございます。  一方で、その被保険者年齢を四十歳未満の方に広げるということにつきましては、課題といいますか、理解を求めるべき点が何点かございます。  一つは、若年者本人でございますが、介護サービスを利用する可能性が低いということで、保険料を負担する被保険者の範囲が拡大し、保険料を新たに負担しなければならないということについての理解が得られるであろうかというのが一点目でございます。それから二つ目としまして、この二号保険料は労使折半になっておりまして、半分を本人、半分を事業主が負担をすると、そういう仕組みになっておりますので、事業主側の理解を得るということも必要になってまいります。それから三点目といたしまして、障害者団体の中におきまして、今の障害者福祉制度と介護保険制度との間の関係整理をどうするのかといったことにつきまして心配や懸念をする御意見が多くございます。  したがいまして、こういった幾つかの課題を十分に議論をして合意を得るということが必要になってまいりますので、次期介護保険制度改正につきましては、今年の十二月に方向性を定めて来年の通常国会にできれば法案を提出したいと考えておりまして、この短期の間でのこうした議論の積み重ね、それから一定の結論を出すということはなかなか現実には難しいのではないかなと感じておりまして、より中長期の観点でこうした重要な視点につきまして議論を重ね、こういった保険制度の長期の安定化ということにつきまして丁寧な議論を重ね、望ましい方向での結論を得られればというふうに考えております。
  44. そのだ修光

    ○そのだ修光君 今局長に答えていただきましたけれども、介護保険の持続可能性を考えた場合に持つべき視点が、私は二つの面があると思われます。  今局長からも話がありましたけど、私自身は、一つは、介護保険制度の中だけで考えても、これはもう限界があるのではなかろうかと。被保険者年齢の引下げに関しても、単に年齢を引き下げて介護保険料を負担してもらうだけでは、今言われた若者世代の理解を得られるということは難しいと思われる。そのために、自分自身が受けるであろう介護給付だけではなくて、家族を含めて受け取ることのできるメリットが社会全体にもたらす効果など、保険料の負担と給付の関係を積極的に示して、その負担が負担に値するという考え方が広がっていかなければならないと思っております。  もう一つは、社会保障制度を持続可能なものにするには少子化対策を進めていく必要があるということです。  現在、合計出生率はやや上向きに転じたとはいえ、年間の出生率は百万人を割っております。これは、団塊の世代や第二次ベビーブーム世代の半分に満たない数であります。厳しい状況にあることには変わりありません。  政府としては、近年、消費税財源の使途に少子化対策を加えて社会保障四分野として、先ほど麻生大臣からも話がありました全世代型社会保障を推進をして、子ども・子育て支援新制度の実施や幼児教育、保育の無償化などの具体的な施策を講じているところでありますが、今後、少子化に少しでも歯止めを掛けるために、社会全体で子供や子育て世代を支えていくことの重要性を共有して、そのための仕組みを整えていく必要があると私は思っております。  この二つの面を考えた場合、ちょうど参考になると思われるのが慶応大学の権丈教授が提案をしている子育て支援連帯基金構想であります。  この構想は、簡単に紹介すると、年金、医療保険、介護保険の三つの公的社会保険制度が連帯をして、新たに設ける子育て支援連帯基金に拠出をするというものなんです。この基金を活用して子ども・子育て支援を進めることで少子化対策が実を結べば、それぞれの制度について持続可能性を確保するとともに、将来の給付水準の高まりにもつなげることが期待をできるんではなかろうかと。  そこで、お伺いいたします。年金、医療保険、介護保険制度をそれぞれの中だけで考えるのではなく、この構想のように、将来の社会保障の担い手である子供に着目した上で公的社会保障全体の持続可能性を高めようとする案も一考に値すると私は考えております。政府としては、少子化を克服するために、今後、財源確保も含めてどのように子育て支援施策を進めていくのか、お伺いをいたします。
  45. 小野田壮

    ○政府参考人(小野田壮君) お答えいたします。  我が国の持続的な成長にとりまして大きな課題が少子高齢化でございます。人口減少が進む中、少子化のトレンドに歯止めを掛けることが喫緊の課題となってございます。  少子化には様々な要因が絡み合ってございまして、また少子化対策はその効果が現れるまでに長い時間を要しますが、希望出生率一・八の実現に向け、粘り強く総合的な少子化対策を網羅的に推進することが重要と認識してございます。特に、子育てと仕事の両立や子育てや教育に係る費用の負担が重いことが子育て世帯への負担となり、我が国の少子化問題の一因となっております。  政府としましては、全世代型社会保障を推進し、社会全体で子育て世代を支えていくことが重要であるという認識の下、消費税の使い道を見直し、二兆円規模の恒久財源を子供たち、子育て世代に大胆に投資し、教育無償化や待機児童の解消に取り組むこととしてございます。  また、消費税財源以外の財源により実施することとされております子ども・子育て支援の更なる質の向上を図るための〇・三兆円超のメニューにつきましては、これまで保育人材の処遇の二%の改善などを実施してございます。この〇・三兆円超メニューにつきましては、骨太の方針二〇一八におきまして適切に財源を確保していくとされており、各年度の予算編成過程において安定的な財源確保に努めてまいります。子供たちを産み育てやすい日本へと大きく転換することで、希望出生率一・八の実現を目指してまいりたいと考えてございます。
  46. そのだ修光

    ○そのだ修光君 今答弁をしていただきました。財源はしっかり確保しているんだから、子供、しっかりできるんだという話で、そういう答弁をいただきましたけれども、いずれに見ても、これから先の将来、まあ財源の面も不安なこともありますし、やっぱり保険財政の中でしっかり整えられるところをしっかり整えていくというのがこれ大事なことではなかろうかと思っております。  今回、私が今、子育て支援連帯基金構想で注目すべき一つの点は、社会の連帯という考え方が背景にあるところなんです。これは、元厚労省の社会・援護局長の山崎史郎氏の著書の中でも、この構想の持つ制度間連帯による支え合うという考え方に注目をしていると言われている。そして、こうした新たな形態の支え合いによって社会保障が目指す社会連帯が強化されていくものと考えております。  もちろん、現行の公的社会保障制度は、それぞれ独自の歴史を持って複雑に発展してきたものであり、様々な利害が絡み合って、制度の大幅な変更については大変なエネルギーが必要だと承知をしています。しかし、平成二十八年度に子ども・子育て支援新制度の事業主拠出金の率を上げた際に、同時に、雇用保険の利率を同じ率だけ下げるという対応を取ったことがあります。このとき、政府の公式見解は両制度が直接リンクしたものではないというものでしたが、実態としては、制度を超えて連帯した例と私は言えるんではなかろうかと思っております。  最後にお伺いします。この子育て連帯基金構想のように、それぞれの社会保障制度に横串を通した上で全体の持続可能性を高める考え方について政府はどのように認識しているのか、お伺いをいたします。
  47. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 人生百年時代を迎えようとする今日、誰もが生き生きと暮らしていくためには、全ての世代がその能力に応じて共に支え合うという考え方、私は今後の社会保障を考える上で重要な視点だと思います。  先ほど、介護保険制度のこれまでの経緯を踏まえて、委員からいろいろな御質問がありました。私も介護保険制度導入のときに政務次官でしたから、そのだ委員があの時代から本当に熱心に取り組んでこられて、そして介護保険制度の創設に尽力をされたということの、そういう実績のあるそのだ委員からの御質問ですから、私も権丈先生の提案は、やはり社会連帯をベースにして、ある種、横串を刺すという提案で、私も権丈先生からも直接お話を聞いておりますし、著書も読ませていただきました。その意味では、これは非常にいいアイデアだと思います。  一方で、もうこれは委員が既に御承知ですが、それぞれの社会保障制度はそれぞれの趣旨、目的に応じて給付負担、これが決められております。それぞれの社会保険制度から他制度への新たな拠出を求めることについて、これは拠出を行う関係者の理解と納得を得る必要があるなどの課題があって、国民的な議論が必要と考えています。やはり、これは本質的にはいわゆる社会連帯の視野、あるいはスコープをどこまで広げるかということだろうと思います。  いずれにしても、全ての世代が安心できる全世代型社会保障の構築、これ、政府も大きく、今回、未来を担う子供たち、子育て世代への大胆な投資が重要だということで今、力を入れているところであります。幼児教育、保育の無償化、これはまさに、ある種、全世代型社会保障の観点ということですから、これは今委員が述べられたこととは考え方としては共通するものと思います。  とにかく、社会全体で総合的な子育て支援を進めていく。これからも、社会保障の持続可能性の確保に向けた検討も引き続き行いながら、更なる社会保障、働き方改革に取り組んでいきたいと思います。
  48. そのだ修光

    ○そのだ修光君 終わります。ありがとうございました。
  49. 小川勝也

    ○小川勝也君 立憲民主党・民友会・希望の会の小川勝也でございます。  今日が准総括質疑ということで、開会に先立っての理事会で翌週の総括質疑の日程までフィックスされました。この間、しっかりとした責任感を持って審議日程の確保に御尽力をされました与野党の筆頭理事に心から敬意を表させていただきたいと思います。  与党の西田筆頭理事は、令和になってからの初めての決算委員会、平成の総括の決算として有意義な決算審議にしたいという、そんなお話をいただきましたので、私は、冒頭、一枚目の資料に平成の主な出来事といういわゆる年表を付けさせていただきました。それぞれの議員の皆さんには、それぞれの時代を自分のそのときの苦悩や活躍と合わせていろんな感慨を持つことだろうというふうに思います。何が一番大きかったかと、いろいろそれぞれあろうかと思いますけれども、我々の国にとっては、平成三年のバブル崩壊、これはいろんな意味で大きなインパクトがあったのかなというふうに思っています。  私事ですが、一九八七年に社会に出まして、平成七年から議席をお預かりをしております。そして、この間は、失われた二十年などというふうに言われた時代もありまして、野党から与党も経験をさせていただきましたけれども、全ての責任をその当時の与党に押し付けるのではなく、議員として在籍をしておりました私も責任の一端を様々痛感をしているところであります。  決算の世界でいいますと、今回は二十九年度決算でありますので、後に三十年度、三十一年度という平成の決算はまだ続きますけれども、そんな平成で次の令和の時代に積み残してしまった大きな課題について、問題意識を持って質問をさせていただきたいと思います。  私の問題意識の一番目は、東京一極集中。これに伴って、地方の人口減少と活力の衰退があります。地方といってもいわゆるいろんな地方があるわけでありますけれども、私は北海道選挙区。地方というのは、札幌も地方でしょう、旭川も地方でしょう。それを取り巻く農村、漁村、それぞれのいわゆる二十四年間の変化も大変大きなものがあったと理解をしております。そして、もう一点は、就職氷河期世代の方々を放っておいてしまったというざんげであります。この二点についてお伺いをさせていただきたいというふうに思います。  まず、ぼうっとした数字で結構ですけれども、平成の間に首都圏への人口流入はどういった数字で表すことができるのか、いわゆる事務方にお尋ねをしたいと思います。
  50. 丸山雅章

    ○政府参考人(丸山雅章君) お答え申し上げます。  日本人移動者について見た地方圏から東京圏への転入超過数は、平成元年には十一・七万人でございましたところ、バブル崩壊後の平成六年には逆に東京圏から地方圏への流れができ、一・七万人転出超過する状況へと転じました。その後は、平成八年に再び地方圏から東京圏への転入超過となりまして、以後、二十三年連続で転入超過となっております。  この東京圏への転入超過が継続する状況におきましても転入超過数には増減がございまして、平成十九年に十五・五万人となり平成元年以降のピークとなった後、リーマン・ショックや東日本大震災の影響もございまして、平成二十年から平成二十三年頃には東京圏への転入超過が減少傾向を示しておりました。その後は再び東京圏への転入超過が増加する傾向となり、直近では平成三十年は十三・六万人となっております。
  51. 小川勝也

    ○小川勝也君 参考になりました。ありがとうございます。  実は、この東京への人口の増加の問題というのは、昭和の時代から、我が国にとって好ましくないことであるということで国会でもいろんな議論がなされておりました。  私の記憶によりますと、国会等の移転に関する特別委員会というのが衆参に設置をされ、当参議院においては、平成三年の八月から平成十五年の七月まで本院に存在をいたしました。すなわち、この一極集中を何とかしなければならないという昭和の思いを平成になってから国会の意思として衆参で議論をさせていただき、そして、平成十五年、もう見込みがない、諦めたということで、なくなったのだというふうに思います。  その後、問題意識は時によって強くなったり弱くなったり、あるいは、今が良ければそれでいいではないか、東京にいて経済活動をする、それでいいじゃないかという流れもあったやに思います。  今日、私、資料としていただいて持っておりますのは、まち・ひと・しごと創生総合戦略、二〇一八年に改訂をされておりますけれども、そういった東京一極集中を何とかしなければならないという思いで安倍内閣がつくったのがこのまち・ひと・しごと創生本部だろうというふうに思います。  このいわゆる平成を総括しての東京への一極集中、そして安倍政権の問題意識、まち・ひと・しごと創生本部でやってきた様々な施策について簡潔におまとめをいただき、担当大臣から御答弁をいただきたいと思います。
  52. 片山さつき

    ○国務大臣(片山さつき君) 平成を振り返って、大変貴重な御指摘をいただきまして、また、おっしゃるとおりに、東京一極集中には弊害があるという問題意識で取り組んできているわけですが、まず、人や情報の交流の直接性などの集積のメリットがあるから東京に集積しているわけですが、そのメリットを超えて生活環境面で弊害があるんじゃないか。まず、通勤時間が平均百四分と余りに長い、住宅が高い、それから保育サービス、高齢者介護サービス、双方において多数の待機者が挙げられる等いろいろございます上に、まさに国家全体のレジリエンスということともつながりますが、首都直下地震の東京を範囲とした巨大災害の被害とその将来と日本全体に対するダメージを考えると、やはり分散化をしていくということが日本の国家的なレジリエンス、持続可能性につながると、こういうところから、まち・ひと・しごとでこの四年間取り組んできているということでございます。
  53. 小川勝也

    ○小川勝也君 お取組は多といたしますけれども、必ずしも功を奏しているとは言い難い状況だろうというふうに思います。  今大臣から災害という言葉がありました。先日も東南海地震のリスクの発表がございましたけれども、東海、東南海、首都直下型地震、これは、ありていに言うと、必ず来るとも言われているわけであります。そして、阪神大震災もあり、東日本大震災も起こりました。  残念ながら、AIがここまですばらしい活躍をする世の中になっても、地震が起きる場所を特定するわけにもまいりませんし、起きる時期を予知することも不可能であります。一時期、国会においても、危機管理都市をつくったらどうだ、石井一先生を始めいろんな議論をさせていただき、参画をさせていただいたことを覚えています。  首都圏にもし直下型の地震が起きたときには、私も、東日本大震災の発災のときに防衛副大臣として様々な施策の遂行に当たらせていただきましたけれども、口々に、自衛隊の幹部ともお話をさせていただきましたけれども、もしこの地震が首都圏に起きたらもうお手上げだね、これは正直な話だろうというふうに思います。あの地域でさえも、お一人お一人の被災者の方に本当に満足をいただけるようなサービスが供給できない、そんな状況をつぶさに目の当たりにさせていただいて、まさに来ないことを祈るだけであります。  でも、この首都圏はまさに脆弱であります。平成から令和に積み残した課題でありますので、しっかりと、誰が政権を取っても、誰が内閣総理大臣になっても、ゆるがせにできない課題だというふうに思います。現在は、安倍政権そして閣僚の皆様もひとしく責任を感じていただいて、しっかりと大きな課題として認識をいただきたいと思います。  首都圏の側も大変でありますけれども、私の北海道、先ほども申し上げました、九五年から四回、参議院選挙を戦わせていただきましたけれども、それぞれ、地域、地方の風景は大きく変わってまいりました。東京のにぎわいはどこに行ってしまったのかというふうに、本当に寂しい地域を私は地盤として頑張ってまいりました。これは北海道の山村だけではない、農村だけではない、全国一律の課題だと私は思っております。  総務大臣の課題認識についてもお伺いをさせていただきたいわけでありますけれども、資料の二を見てください。人口が東京に集中をする、そして集中の度合いが高まる、そして出生率もどんどん少なくなっていくわけであります。後に指摘をさせていただきますけれども、十八歳から二十二歳のいわゆる若者が東京に出ていく、働き盛りの人たちが首都圏に出ていくということでいうと、地方の活力はどんどんどんどん失われていくわけであります。  この問題意識について、総務大臣にお尋ねをしたいと思います。
  54. 石田真敏

    ○国務大臣(石田真敏君) お答えさせていただきます。  私も、大臣になる前は和歌山の地元にもう毎週のように帰っておりまして、そして、私自身、生まれ育った地域見てその変化というものをつぶさに感じておりまして、大変な危機感、定点観測していますからよく分かるわけでございまして、肌身で感じてきたところでございまして、東京一極集中の限界というのも今議論なされておりますけれども、私は地方の疲弊の限界ということも申し上げているところでございまして、こういう問題について本当に即座に様々な取組をしないといけない、そういう思いでございます。  ただ、私が申し上げているのは、最近明るい兆しが二つあるということは絶えず申し上げておりまして、一つは、若い人たちの意識の変化ということで、有楽町にふるさと回帰支援センターございますけれども、地方創生ということが言われ出してから毎年一万人ぐらいずつ増えていって、訪ねてくる方がですね、そして去年は四万人超える方が見えて、そしてその中で二十代、三十代の方が五〇%を超えている、五十代以下が九〇%ということで、働き盛りの人が地方を目指しておられる、そういう現実があるということですね。ですから、そういう人たちが地方移住をしやすいようにしていくということは大事だと思います。  もう一つは、やはりソサエティー五・〇に代表される革新的な技術で、日本中どこにいても世界とつながる、そういう時代になりましたし、どこにいても最新のサービスを受けることができる、そういう時代になってまいりましたので、やはり地方において、働く場所、そして生活支援を受けられる、そういう状況をしっかり整えていくことで、若者の地方への回帰の意識とともに、私は持続可能な地域社会を目指していくことができるのではないかということで、我々総務省挙げて今そういう方向で取り組んでいるところでございます。
  55. 小川勝也

    ○小川勝也君 釈迦に説法ですけれども、国土管理、国土経営、そこに人がいないと本当にコスト的にも計算が合わないという時代になってまいりました。すなわち、農業分野でいうと、本当に集落に人がいないと野生鳥獣の天下になってしまいます。ですので、例えば社会資本の管理、メンテナンス、それを含めても、とにかく経済の現象に任せて、とにかく田舎から人がいなくなるだけいなくなればいいという施策はあり得ないというふうに思いますので、しっかりお願いをしたいというふうに思います。  資料の三を見ていただければというふうに思います。先ほどもちらっと申し上げました。東京に人口が流入していく、その結果ではありませんけれども、時代というのがあります。この資料で見ていただくと緑のところであります。すなわち、大学等に来るとき、青から緑にかけて、ここが首都圏に、東京に大学等が集中し過ぎています。  これは次のページを見てください。これはもう明らかであります。上が人数、下が比率であります。私は諸外国のことに特に詳しいわけではありませんけれども、アメリカ合衆国の有名大学は分散しておると聞いたことがあります。私たちの国は、やはりどうしても東京を目指す、京都を目指すという流れに、この図表がくっきりと表しているところであります。  文科省も、惰眠を貪っていたわけではないというふうに思います。いろいろと工夫を凝らしていただいて、私が知る範囲においても、東京二十三区内にあった有名大学が多摩地域を始めとする様々な場所にキャンパスを移した時代もありました。  しかし、これはいわゆる公式見解ではなく、ざれごとでありますけれども、こんな話を聞いたこともあります。田舎から東京の大学に出てくる子供たちは、別に、その大学に通うために来るのは当然であるけれども、東京に憧れてあるいは都心に憧れてその学びやに来るのであって、移転先のキャンパスに憧れて来たわけではないという流れから、実は笑い話でありますけれども、何々キャンパスというのは受験して合格するまで分からなかったという学生もいたようであります。  しかし、情報がどんどんどんどん豊かになってまいりますと、やはり二十三区内にキャンパスのある大学に行きたいということで、偏差値も如実にそのとおりになっているようでありまして、私が先ほど申し上げました有名大学も、また都心にキャンパスを戻すあるいは増やすなどの様々な施策を各大学工夫しているようであります。  そしてまた、二十三区内にいわゆる学生をもう増やさないようにという努力も今されておられるようでありますけれども、これはいい取組だと思います。私は、もし取組があるとすれば、もっと早い段階でしっかりと結果を出せるような施策がもっと早い段階に打てれば良かったなというふうに個人的に思います。  そして、今回の取組についての決意と見通し、併せて文科大臣にお伺いをしたいと思います。
  56. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) お答えを申し上げます。  もっと早くというお話がございましたけれども、平成十三年に当時の総合規制改革会議から出された答申などを受けまして、定員抑制をしておりました工場等制限法が廃止されるとともに、平成十五年以降は大学設置や定員増に関する抑制方針を撤廃をしてしまったところであります。  一方、今後十八歳人口が大幅に減少するということも見込まれる中で、今委員から御紹介いただきましたけれども、東京二十三区の大学の収容定員について、今後定員増が進み続けると地域間で高等教育の就学機会の格差が拡大しかねないということで、教育の質を担保するという観点からも、また地方大学の振興にも資するという観点からも、平成三十年度より収容定員増の抑制措置を講じるということとしたものであります。  ちなみに、この当該措置について定める地方大学・産業創生法については十年後の見直し規定が置かれておりますので、今後、施策の効果などを十分に評価して適切に対応していきたいと考えております。  そして、文部科学省としては、これだけが東京一極集中是正のための施策というわけではございません。地方大学の振興を図るというこのポジティブな動きが極めて重要だと考えておりますので、例えば、強みや特色を生かして地域と連携した人材育成や研究推進、地域貢献を行う国立大学や私立大学に重点的に支援を行うですとか、産学官連携による教育プログラムの構築、実施や、魅力ある就職先の創出への支援、さらには地域経済の発展に資する大学が持つ技術シーズの事業化の促進などにも取り組んでまいりました。  今後とも、地方大学それぞれの強みや特色を生かした魅力ある振興にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
  57. 小川勝也

    ○小川勝也君 これは恒常的に人を集めるという仕組みになっております。  それと、私がずっと考えておったのは、やはり東京一極集中を加速させたのは、再開発のラッシュも一つの原因になったのではないかというふうに思っています。記憶に新しいんですけれども、六本木、汐留、丸の内、品川、旧防衛省跡地、次にまた田町も再開発であります。そうすれば、いわゆるオフィスの容積が高まり、人を集め、それに関連して働くサービス産業の方もどんどんどんどん併せて集めることになります。  そして、ついででありますので、かつて私がこの決算委員会で取り上げました問題意識についても議事録にあえて残させていただきたいと思います。  それは、この棒グラフで見ていただいて分かるとおり、全国から東京あるいは西田筆頭理事のおられる京都に大学生が学びに参ります。そのときに、基本的にはお部屋を借りて家賃を払うわけであります。田舎の両親がせこせこためたお金を、いわゆる首都圏や京都圏の土地持ち、不動産持ちの方に家賃を払うわけであります。この矛盾は田舎にとっては大変厳しい課題でありますし、進学をしたい子供たちにとっても大きな障害となっています。併せて指摘だけさせていただきたいと思います。  そして、その新たに人を集める仕組みというのが、私の問題意識によりますと、いわゆる幼児教育の無償化、そして、我々も推進をしておりましたけれども、待機児童ゼロ、すなわち首都圏の方々が様々経済発展で女性も男性も働く、そうなったときに保育のニーズが高まってきたわけであります。  今回は幼児教育と併せての問題意識でありますけれども、様々な議論がありました。何とか確保するために、様々な恩典、特典を付ける。家賃補助が八万円になる。これはすなわち、全国で幼児教育を目指す学生やあるいは保育を学んだ学生を首都圏に更に集めるという、そんな結果を生みました。そして、誰もが気付くわけでありますけれども、首都圏で頑張っている保育士さんも、そこですばらしい出会いがあれば、そこで世帯を持ち、そこで出産をし、子育てをする。すなわち、先ほど一極集中はいかぬと確認をさせていただきながら、この施策はどんどんどんどん悪循環を生んでいる。首都圏に人を集め、そこにまた家族が生まれるので、また集めるということであります。  これも含めて、厚生労働大臣、問題意識ございますでしょうか。
  58. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 待機児童の解消、このためには、保育の受皿の拡大と同時に、それを支える保育人材の確保が不可欠であります。  東京都では、待機児童数、これが全国の約三割、そしてこれに対応するための保育の受皿の整備の拡大量、これも全体の約二割を占めている状態。ですから、保育人材の確保も他府県より厳しくなっており、御指摘のように他府県から人材を確保する例もあると聞いています。  国としては、大事なのは、それぞれの地域において人材確保ができるよう支援を進めることが重要だと考えています。具体的には、保育士の処遇改善あるいは新規の資格取得の促進、就業継続支援、そして離職者の再就職の促進、こういう総合的な支援に力を入れております。  例えば、新規の資格取得の促進として、保育士養成施設へ通う学生に修学資金等の貸付けを行っております。この修学資金は、貸付けを受けた都道府県等の区域内で五年間保育業務に従事すれば返還を免除することとしており、これは保育士の地元定着の効果もあると考えています。  私も福島県ですから、復興の地ですから、しかも、女子大で保育、そういう科もあって、私も実際に保育を学んでいる女子学生とお話をしたこともあります。そして、その大学では、やはり地元で保育士が、いろんな体験をしてもらう、高齢者施設に行ったり、子供の支援センターに行ったりということで体験してもらって、私も、私の地元でいえば、復興は自分の手で貢献したい、やりたいと、こういう若手の世代も育っておりますので、そこは先生とこれは同じ気持ちですが、是非魅力のある、地元の魅力を発見して是非定着をしてほしいと思います。
  59. 小川勝也

    ○小川勝也君 思いはよく分かるんですけれども、保育士さんの有効求人倍率は全国平均で三・二ということになっています。そして、そのパイを奪い合う、首都圏で、先ほど申し上げましたように、いわゆる二十歳前後の保育士を目指す方でありますので、全国一律のいわゆるプロフェッショナルのライセンスですので、ちょっと東京に行ってみたいという人がいてもおかしくないというふうに思います。しかし、奪われた方は悲惨な状況であります。これ、私、資料を今持っていますけれども、全国で保育士不足、首都圏に取られて参ったと、こういう話がたくさんあるわけであります。  そして、時間がなくなりましたので質問はいたしませんけれども、いわゆる私立幼稚園の先生も同じです。せっかく説明会をして来てもらおうと思った子が、何か東京に行くというふうに志を変えてしまったという恨み節もたくさんあるわけであります。  こっちが立てればこっちが立たないということもありますので、施策の遂行はいろいろなファンダメンタルズをしっかりと心配をした上で立てていただければというふうに思います。  次に、五枚目の資料を見てください。就職氷河期の方々、平成五年から二十一年までは本当に大変だったろうというふうに思います。  次のページ、六枚目見てください。これは、卒業して就職をしなかった方がこの青であります。その中にはいわゆる引きこもりという方も存在するかもしれません。  そして、七番を見てください。頑張って様々な施策を打っていただいたこともよく承知をいたしております。フリーター等の数は三十六万人の減少。そして、二の課題のところには、取り残された人々が一定数存在すると書いています。そして、課題の三ポツには、収入が低く、将来にわたる生活基盤やセーフネットが脆弱と書いてあります。  そして、八枚目見てください。つい先月三十日の新聞記事であります。どんどんどんどんいろんなことを考えて御努力をいただいておりますけれども、これは、私は決算の概念からいうと、斜め下の方に、「一八年度は予算枠の二割弱しか使われておらず、劇的な効果は見込めそうもない。」、こういう言葉も書いています。しかし、その上に、「急な対策 効果見えず」という辛辣な見出しでありますけれども、私は、どんなに苦しくても厳しくても、この施策は試行錯誤を重ねながら続けていただきたいという、そんな考えであります。  いわゆる厚生労働省の政務三役や役人、エリート官僚やハローワークという限定的な意見で施策を組み立てるのには限界があろうかと思うんです。本当にアニメが好きな人、オタクの人、フリーターから正社員への道をうまく見付けた人、幅広い観点からフレキシブルな施策決定に思い切ってかじを切ってほしい、これが私の要望であります。  厚生労働大臣に御答弁をいただきたいと思います。
  60. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) これまで、就職氷河期世代への支援、これは再チャレンジ支援総合プランということで平成十八年度から講じてまいりました。わかものハローワークやあるいは地域若者サポートステーションの整備、あるいは、こういう具体的な施策で、踏まえて、引きこもり状態のある方に対しては、ひきこもり地域支援センターの設置あるいは生活困窮者自立支援制度によって、年齢に関わらず支援に取り組んでまいりました。  今回、就職氷河期世代に対する総合的な支援プラン、これを新たに作ろうと思っていますが、まさしく、要は、就職氷河期世代でもフリーターは確かに減ってまいりました。ただ、長い間無業の状態にある不安定な就労の方々がおられる、そこは委員と同じだと思いますが、就職氷河期世代も少しきちんと分類をして、それで、引きこもっていてなかなか社会に出られないという方もおられるので、そこはすぐに新たな職に訓練して就けるタイプと、あと家の中で引きこもっている、まあここが実は寄り添って伴走支援しないと、時間も掛かりますから、そこは我々そういうことも視野に入れながらやりたいと思っております。  簡単に申し上げますと、行政機関や地域の経済団体の関係者によるプラットフォームを形成して、これは都道府県レベルと市町村レベル、これは様々な関係機関を入れて、そこで総合的にやりたいと思っておりますが、そのときに、引きこもりの経験をされて社会復帰した皆さんもいるんですよ、そういう家族もおられるので、そこはそういう方々の声も丁寧に聞きながら施策に反映していくということが大事だと思います。
  61. 小川勝也

    ○小川勝也君 終わります。
  62. 風間直樹

    ○風間直樹君 よろしくお願いします。  今日は、最初、行政監視に関する質疑をやりまして、その後、拉致問題についての質疑を行います。  二〇〇七年から本年まで、私、十二年間参議院でお世話になっておりますが、この十二年の間に実に様々なことがありました。行政監視という観点から、何が起こったかを挙げてみました。  二〇一〇年前後から、まず検察不祥事、栃木県の幼女四人連続誘拐殺人事件で冤罪になった菅家さんの事件、それから、厚生労働省の郵便不正問題で冤罪になった村木さんの事件、その後、事務次官になられました。それから、当時、西松事件というのがありまして、小沢一郎議員の秘書が逮捕され、これも冤罪だったと。その後、東日本の大震災で原発事故が起き、津波の可能性が予測されていたにもかかわらず、津波にかぶって全電源喪失となった。このとき浮かび上がったのが経産省と当時の保安院、そして電力会社との癒着でありました。さらに、この震災をめぐっては、その後、復興費の流用問題というのが起きています。  これ、いずれも、我が国の官僚機構をめぐる様々な癒着や不正、問題、行政監視、国会の行政監視あるいは我が国の政府に対する内部統制機能による行政監視が求められた事件です。  そして、自民党に政権が戻って後、森友問題、総理夫人付きの職員に関わる問題、あるいは佐川国税庁長官が辞任に追い込まれた公文書の破棄事件、そして加計問題、また財務省の福田事務次官によるセクハラ問題と。どの政党が政権与党になったとしても、やはりこの行政監視が求められる、様々な官僚機構による不祥事が起きてきたということだろうと思います。  それで、日本の小中学校、高校の教科書では、国会というのは一体何をするところだという記述が当然ありますけれども、これは立法機関であり、国権の最高機関ですという記述がほとんどです。私は、国会議員になってみて初めて、実は国会の役割というのはそれだけじゃないんだということを知りました。もう一つ、大変大事な役割がある。それが行政を監視すること。  諸外国ではこの行政監視についてどういう言葉でどういう概念が語られているのかなと思いまして、アメリカに長年住んでいる日本人のこうした問題に非常に詳しい方に聞いてみたら、風間さん、アメリカではそれはチェック・アンド・バランスという一言で説明をされています、連邦議会の最重要の役割の一つがチェック・アンド・バランスです、日本はどうなっていますかと、こう逆に聞かれました。  日本は議院内閣制ですので、国会での多数党が政府を構成します。この多数党が国会でも当然多数ですので、国会が本来、政府、行政に様々な法律の不誠実な執行という問題が生じたときに、それを監視をし、チェックをしなければいけないんだけれども、日本の国会ではなかなかそれが働きにくいというのを私は感じてきました。野党が少数だからであります。  では、国会でこの政府の行政を監視するその役割を担っているものは国会議員だけなのか。そうではありません。政府に対する内部統制機関があります。それが会計検査院であり、人事院であります。  検査院は、御案内のとおり、憲法でその独立性を明記された憲法機関であります。この検査院に対する主権者国民の期待は非常に強い。同時に、人事院も、国家公務員法でその内閣の所轄の下に置かれと、高い独立性を付与された組織であります。所轄ということの意味は、私なりに解釈をすると、人事院のトップ、総裁に対する任命は内閣総理大臣が行う、そして、この人事は国会同意人事であり、国会も責任を持ってその人が適格かどうかを判断する。しかし、人事院の総裁は、内閣の所轄の下にある組織のトップなので、任命権者である総理に対して、一切遠慮することなく、行政に法律の不誠実な執行があれば、それを国家公務員法に基づき適切にチェックをし、正す役割を負っているということであります。  こういう視点から、この決算委員会でここ数年にわたり様々な質問を会計検査院長、人事院総裁と行ってきましたが、どうも答弁を聞いていると、本当にこの人たちは、憲法上あるいは国家公務員法上、自分たちが高い独立性を与えられているということをしっかり自覚をして仕事をしているんだろうかと疑問に思うことが度々ありました。  そこで、今日はこの点をお尋ねしたいと思います。  まず、検査院長にお尋ねをします。  私は、この内部統制機関、検査院や人事院、どうも機能不全だなと。これまで冒頭に挙げたような問題に対してそれぞれの組織がどのように対処するかをお尋ねしてまいりましたが、どうも覚悟と責任を持って対処をするという姿勢に欠けるように感じてきました。  じゃ、何で機能不全になっているんだろうと問題を突き詰めていったところ、どうやら、検査院も人事院も六十歳前後で職員の皆さんが事実上退職をされ、その後再就職をするときに、そこに何らかの力関係が働いているんじゃないかということを感じました。つまり、度々指摘をしてきましたとおり、様々な省庁によるこれら機関の職員の再就職に際しての口利きの疑惑であります。  そこで、検査院長にお尋ねします。  さきの委員会でも質疑をいたしましたが、検査院職員の検査対象機関への再就職、これは国民の信用を失わせることは明らかです。この点、議論の余地はありません。これは一般常識のレベルの話だと思います。しかし、検査院長の本委員会での答弁によりますと、検査院の職員は他の一般職の職員と同様で、国家公務員法上合法だから再就職先の制限はできない、自粛すら無理というのが院長の考えのようであります。  検査院は行政監視的機能を有する憲法機関ですから、国民の信頼確保のために再就職について特に厳重な注意が必要だと思いますが、院長の認識をお尋ねします。
  63. 柳麻理

    ○会計検査院長(柳麻理君) 会計検査院の職員は一般職の国家公務員として国家公務員法の適用を受けており、会計検査院としては、当然のことでありますが、職員の再就職について、この国家公務員法の退職管理の規定を遵守し、職員の営利企業等への再就職あっせんは一切行っていないところであります。  国家公務員法では職員であった者が再就職すること自体を規制していないこと、個人の職業選択の自由を制限するおそれがあることから、会計検査院として、国家公務員法の規制を遵守した上で検査対象の団体等に再就職することをやめさせることは難しいと考えております。  また、会計検査院は、元職員が在籍する検査対象の団体等であっても、厳正な検査を実施して、不適切な事態があれば指摘をして検査報告に掲記しているところであり、検査に影響を及ぼすことはございません。  まさに、会計検査院は、先ほど委員御指摘のとおり、憲法上の機関として、政府の国民に対する受託責任と説明責任という観点から厳正に検査を行っているところであります。  会計検査院としては、今後とも厳正な検査を実施していくことは極めて重要と認識しており、国家公務員法を遵守することはもちろんのこと、検査に影響を及ぼすようなことや国民の信頼を損なうことがないよう、引き続き努力してまいります。
  64. 風間直樹

    ○風間直樹君 柳院長も検査官としての任期がそろそろ終わられるんだと思うんですよね。ですので、会計士の御出身でいらっしゃいますから、残りの任期、しっかりと……(発言する者あり)まだ終わらない。じゃない、会計士じゃない。失礼しました。残りの任期はあと数か月ですか、その間しっかりとやっていただきたいという気持ちを持っております。  それで、今御答弁いただいたんですが、今日も質疑で出ていましたけれども、大変不幸な事件があって、農水省の元次官の方が息子さんを刺殺されたと。この件がいろいろ報道されていますが、この方、次官を退職された後で、たしかチェコだったと思いますけれども、大使を数年間お務めになっていらっしゃるんですよね。これは、農水省に限らず、検査院の例えば事務総長経験者クラス、あるいは人事院も同様に事務総長経験者クラスが、その後、大使で海外に転出されるという事例が何件もあります。  私、これは何でだろうと不思議に思っていたんですが、霞が関一体の人事だということを示す一つのあかしなんだろうと。つまり、会計検査院の人事も、人事院の人事も、霞が関の他の役所と同様にこの霞が関全体の人事の一環に組み込まれているんじゃないかと。    〔委員長退席、理事西田昌司君着席〕  そうすると、憲法や国家公務員法で定められた、両機関に求められている内閣からの独立性というのは一体どういう話になってくるのかなという問題意識を私は持っています。  先般、検査院長と質疑をしましたときに、検査院職員の再就職の経緯について、これは今届出事項になっていないから、この経緯についてまでは検査院が調べることはかなわないんですというお話でした。確かにそうだと思います。  そこで、これは宮腰国家公務員制度担当大臣にお尋ねをするんですけれども、今、大使職に転出するという例を挙げましたけれども、この国家公務員法上の職員の再就職については、いつ国の機関を辞めて、最終官職が何であって、そして、いつ次の、例えば民間あるいは他の法人に再就職をして、その法人名と再就職をしたポストが何かという、これは届出事項になっていますが、それに加えて、どういう経緯でそこに再就職をしたかを届出事項とすることが、これ検討が必要になってくるんじゃないかなと私は思うんです。  法律の誠実な執行ということを先ほどから申し上げてまいりましたが、国民に対して、主権者に対して、行政も我々国会も法律を誠実に執行する義務がある。再就職の経緯が重要なのに届出事項になっていないということは、これは法律の誠実な執行の観点から、明らかに国家公務員法上の欠陥ではないかと思います。ですから、法整備が必要ではないかと思います。  また、公務員の再就職についても、これはハローワークの利用を基本として、そうでない場合には、癒着防止の観点から詳細な経緯、この報告を義務付けるのが合理的だと考えますが、宮腰大臣、御見解お尋ねします。
  65. 宮腰光寛

    ○国務大臣(宮腰光寛君) 国家公務員の再就職に関しましては、再就職の透明性の確保及び退職管理の適正化の観点から、国家公務員法において再就職情報の届出制度が導入されております。  平成二十九年の再就職規制に関する全省庁調査の結果を踏まえ、昨年一月から届出事項に、在職中に求職活動を始めた日、求職活動開始後の在職状況、職務内容、再就職先の連絡先、官民人材交流センター以外の援助を行った者の氏名、援助内容を追加をいたしました。これによりまして、あっせん規制違反や求職規制違反など、国家公務員法に規定する再就職規制違反を捉えていくことが可能となっております。
  66. 風間直樹

    ○風間直樹君 多分、宮腰大臣、この質問、今日の朝のレクで初めて御覧になったと思うんですね。いろんな質問がありますから、それはいいんです。ただ、できれば、答弁原稿を読まれるのもいいんですが、非常に私も十二年間の議員として痛感をしたことを大臣に象徴として今お尋ねしていますので、大臣もこれまで長年の議員経験をお持ちですから、その経験の中でお感じになることを御答弁いただければ有り難いと思います。  時間がないので、次に移ります。  次に、官房長官にお尋ねしますが、配付資料の一を用意しました。会計検査院法の改正案という、これは私の私案であります。ここに何を書いているかというと、検査院長に任命要件を設けたらどうかということを書いています。  検査院につきましては、先ほど来言っていますように、憲法上の独立機関ですけれども、なかなかこの職員の再就職問題に関して、歴代の検査院長の問題意識、非常に低いんです。先ほどの柳院長の本委員会の答弁を踏まえますと、私は柳さんという方は検査官として適格なのかどうかなというふうに実は思っています。確信が持てない。そこで、法律の誠実な執行、憲法第七十三条の第一項ですが、これを確保するために次の法改正の提案をしたいということです、官房長官。  検査院長の任命要件を検査院法に明文化する法改正を行うこと。現行の会計検査院法の第四条一項では、「検査官は、両議院の同意を経て、内閣がこれを任命する。」としか規定されていません。国家公務員法の人事官の任命要件に倣って、例えば、検査官は人格高潔で行政の民主的な運営に理解があり、かつ、会計検査に関し識見を有する者のうちから、内閣が両議院の同意を得てこれを任命するという法改正をすべきじゃないかなと思いますが、官房長官、いかがでしょうか。
  67. 菅義偉

    ○国務大臣(菅義偉君) 会計検査院は、憲法第九十条に基づいて、国の収入支出の決算は、全て毎年会計検査院がこれを検査することとされており、また、会計検査院法第二十条第二項に基づき、会計検査院は、常時会計検査を行い、会計経理を監督し、その適正を期し、かつ、是正を図ることとされております。  今委員から御意見がありました、まさに内閣が検査官を選任する際にも、当然、こうした業務を遂行することができる人格、識見を有する者を国会の両院に提示をし、国会の両院の御同意を得て、内閣で任命をしているところであります。内閣としては、その人格、識見を有する者を提示をさせていただいているということであります。    〔理事西田昌司君退席、委員長着席〕
  68. 風間直樹

    ○風間直樹君 確かに長官がおっしゃるとおりなんですね。  ただ一方、我々国会の方からこの現行の検査院法の規定を見ると、この人格高潔という部分と、それから民主的な運営に理解があるという部分と、会計検査に識見を有する者という部分については条文に入っていませんので、この点を、国会で同意人事の議論をする際に、これを判断基準として議論をするということに必ずしもならないんじゃないかと、こういう問題意識であります。したがいまして、私案を提出したわけですけれども、この点、また今後、政府と議論させていただきたいと思います。  検査院にしましても、人事院にしましても、この機能不全が非常に目を覆わんばかりだなと。特に私がそれを痛感したのは、昨年の森友問題のときに、この委員会から、委員会が終わった後に、検査院が、たしかあのとき警告決議だったでしょうか、何をやっているんだと、この森友問題の調査に関してですね、検査院の行った調査はけしからぬという決議を受け取った。このこと、非常に私は印象に残っています。  もう一つ、人事院で印象に残っているのは、今年の一月三十日、私が本会議で人事院総裁に質問をした際に、あのときは厚労省の統計不正問題についてお尋ねをしたわけですけれども、この問題について、今後、国公法の第十七条の調査権を活用する、あるいは様々な行政の不祥事に対してこの十七条を使う、その意思があるかないかをお尋ねしたところ、一宮総裁は、ありませんと非常に明快な答弁をされた。だったら、国家公務員法上、この十七条の調査権を人事院にわざわざ与えておく理由が国会としてはないということになる。この二つは、私にとりましては非常に胸に深く刻まれることでありました。  なぜ、この検査院や人事院、そして総務省の行政評価局、この三つが行政にある内部統制機能でありますけれども、これらが機能不全になっているのか、国会、決算委員会から指摘されるほどに。私は、最大の理由は、一生懸命それぞれの組織に入ってから約六十年頑張って国家国民のために尽くしてきた職員の皆さんが、六十前後で事実上の肩たたきに遭って退職されるというこの点にほかならないと思っています。  数年前、文科省の口利き天下り事件が発覚したとき、私は文科委員会で当時参考人として呼ばれた二人の方にお尋ねをしました。一人は当時直前の文科省の事務次官、そしてもう一人はノンキャリでこの口利きを采配してきた方。それぞれの方に、今お子さんがもしいらっしゃればお幾つですかとお尋ねしたところ、大体高校生前後という答弁でした。高校生前後、あるいはそれ以下のお子さんがいらっしゃる場合、国家公務員が六十前後で役所を事実上退職するとなると、その後の生活、なりわいをどうするかという問題がどうしても出てきます。この文科省のノンキャリの再就職差配をしてきた方が切実におっしゃっていましたけれども、自分は胸に手を当てて恥じる行いをしたとは思っていないと、なぜなら、文科省の退職する人間たちもその後も家族を養っていかなければならないからだと、こう言っていました。確かにそのとおりだろうと思いました。  ですから、これは、我々国会の責任としても、あるいは政府の責任としても、公務員を六十五歳までしっかり勤めてもらえるように、国家公務員法上はそうなっているわけですから、それを実現する責任を私は負っていると考えています。同時に、それを実現して、一方でもし行政に対して法律の不誠実な執行という問題が生じた場合には、そこは検査院、人事院あるいは総務省の行政評価局から、一切遠慮をせずに、それぞれが持っている法的根拠を武器としてこれらを是正してもらわなければいけない。  そういう思いで私案として作りましたのが、配付資料の二枚目と三枚目であります。  これはどういうことかというと、この再就職問題、解決してあげるためには、今のままの組織の立て付けでは無理だというところからスタートします。じゃ、どうすれば解決できるか。検査院も人事院も、国会にその組織を移して、国会の機関とすることにより、今ここに国会職員の方が大勢いらっしゃいますけど、この人たちは皆さん、全員六十五歳まで保障されているんです、ここで働くことが。だから、その後の憂いなく、再就職を心配することもなく、家族のなりわいを気にすることもなく、しっかりと国家国民に参議院の職員も衆議院の職員も奉仕していただける。検査院や人事院の職員にもそういうしっかりとした生活安定の保障を与えると同時に、それぞれの所管法上与えられている権限を政府に気兼ねすることなく発揮していただくべきではないかなというのがこの二つの配付資料のポイントです。  まず、二枚目の参議院人事行政監視院のポイント、時間の関係でざっと読みます。  最初の丸ポツ、人事行政監視院、これを参議院に置くわけです。そして、各行政機関等の業務の実施状況等の調査を、つまり行政監視を行ってもらう。  三つ目のポツ、人事行政監視院は、各行政機関等の長に対して資料の提出及び説明を求め、実地に調査できる。これは、国家公務員法第十七条、人事院が行使を拒否している強力な調査権のパワーアップということです。  次の次、人事行政監視院長は、人格が高潔で行政の民主的かつ能率的な運営に関し優れた識見を有する者の中から、参議院議長が参議院の承認を得て任命する。先ほど菅長官に質問した任命要件を入れるということです。  次のポツ、人事行政監視院長は、常に主権者国民に対して法律を誠実に執行するとの観点から職権を行う。ここが、果たして今意識をされて職権が行使されているんでしょうか。  次のポツ、人事行政監視院は、職務の中立公正を確保するため、公共の利益の実現に熱意のある者を独自に採用し、その後、定年制の実施を徹底し、関係法人等への職員の再就職を認めない人事制度を確立しなければならない。これが一番大事な部分だと思っております。  そして三枚目、参議院人事行政監視院プラス衆議院の会計検査院構想というものです。  今、検査院と人事院はそれぞれ独立性の高い組織として位置付けられていますが、機能不全に陥っているのではないかと思います。そこで、人事院を参議院に、会計検査院を衆議院にそれぞれ置いたらどうかというのがこの構想です。  二つ目のポツ、人事院と総務省の調査機能、検査院の検査機能は、行政の中立公正の確保のために不可欠、国会中心の行政監視システムに組み込むことが合理的である。つまり、今機能していないからです。  その下のポツ、三機関の機能を国会に移すことで、超党派で機関の働きぶりを見ることが可能になる、そして、天下りによる機能不全の問題は完全に解消します、これで。定年がもう保障されていますから。  そして、その下、二院制に基づき衆参両院の特徴を反映した仕組みとして、参議院は組織と人事、衆議院はお金に着目した行政監視を行うこととすると。  これによりまして、その下にありますように、国会の行政監視機能、飛躍的に高まります。我々、決算委員会や行政監視委員会でいろんな質疑、行政監視をしますが、選挙もある、地元もある、その行った質疑が、その後問題がどうなったか、なかなか我々議員も一〇〇%それをフォローできているとは言えません。ただ、そこに、我々が行った質問の問題意識を後々中長期的にフォローし、国会に対して報告を行う組織が人事行政監視院や衆議院の会計検査院という形でもしあれば、これは国会の行政監視機能は劇的に変化します。そういう意味です。  そして、その下、参議院は短期的な予算、決算の問題ではなく、長期的な行政の組織と人事の問題に重点を置いた審議を行うことが合理的であるということです。そして、衆議院の会計検査院は、予算議決に関し優越する衆議院に置くことが合理的であり、本来、予算審査として決算審査を行うべきであるという問題意識を書きました。  ポイントは、この私案は憲法改正を一切要しないということです。よく、人事院や検査院の立場、構うと憲法改正が必要になるという話を聞かれます。一切必要ありません。これは、衆参両院で議論をし、そこで決定することで実現ができることであります。このことを、今後政府にも是非御検討いただきたいと申し上げます。  時間の関係で最後の質問をさせていただきます。  外務大臣にお尋ねします。  ネイチャーの二〇〇六年の四月号は論説で、同年二月……(発言する者あり)時間ですか。分かりました。  残念ですけど、河野大臣、済みません、御臨席いただきまして、時間になりましたので、またの機会にお尋ねさせていただきます。  ありがとうございました。
  69. 石井みどり

    ○委員長(石井みどり君) 午後一時二十分に再開することとし、休憩いたします。    午後零時二十二分休憩      ─────・─────    午後一時二十分開会
  70. 石井みどり

    ○委員長(石井みどり君) ただいまから決算委員会を再開いたします。  この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、小川克巳君が委員を辞任され、その補欠として宮本周司君が選任されました。     ─────────────
  71. 石井みどり

    ○委員長(石井みどり君) 休憩前に引き続き、平成二十九年度決算外二件及び予備費二件を一括して議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  72. 矢田わか子

    ○矢田わか子君 国民民主党・新緑風会の矢田わか子です。  先週の川崎市における無差別虐殺の事件を始め、昨今、子供たちが巻き込まれる殺傷事件や交通事故が増えております。犠牲になられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、けがをされた方々の御回復を心よりお祈りしたいと思います。  そこで、本日は、同じく子供たちの命を守る政策課題としまして、児童虐待の問題を取り上げたいと思います。  現在、児童虐待防止法改正案が衆議院で可決されまして、参議院に送られてきております。ますます深刻化しているこの児童虐待、一日も早くなくなるよう、立法としても政府の強力な対策の推進を求めたいと思います。  児童虐待対策としては、平成二十八年に児童福祉法が改正されまして、児童相談所や市町村の体制、専門性の強化が打ち出されています。しかし、その後も死亡事故を含む深刻な虐待事件が続き、昨年から新たな対策強化について検討がなされ、昨年末には児童虐待防止対策総合強化プラン、策定されました。資料一、お配りしております。その目標値ということであります。  やはり対応が後手後手になったというような感がいたします。決算委員会ですので、この数年間、なぜ的確な対応ができなかったのか追及したいところではありますが、質問時間限られておりますので、今後の対応策について質問させていただきます。  この強化プランは児童福祉司や児童心理司を増員されるという方向ですが、それでも大幅に不足するのではないかというふうに思います。例えば児童福祉司、資料一にありますとおり、二〇二二年度までに現在の三千二百四十人から五千二百六十、約二千人ほど増員するという計画です。警察の経由を含め、児相に持ち込まれる通報や相談案件は急増しております。年間十三万件とも言われております。二千人ぐらい増やして本当に対応できるのかという疑問を持たざるを得ません。  現在では、どれほど忙しくても、命に関わる児童虐待事案も出ていることから、通報があってから四十八時間以内に実態を確認するという、現場に駆け付けるという、そういうルールが設けられています。しかしながら、このルール、必要なんですが、一方で児童福祉司を追い込む深刻な事態を生んでいると言われています。基本的に児相スタッフの大幅増員や業務の見直しを図っていく必要があると思いますが、見解を伺いたいと思います。  あわせて、児童相談所のスタッフが、家庭訪問や立入調査、出頭要請など、とてもシビアな対応を現場で強いられているということもあります。本当に的確な行動が取れる方、力とか専門性があるのかどうかという質の問題も問われています。さらに、児童福祉司の任用資格の拡大や児童心理司の増員にしても、例えば期限付の任用ということも増えていると聞いております。優秀な人材を本当に確保できるんでしょうか。こういう処遇の問題についてもお答えいただければと思います。
  73. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 委員の今のお話にありましたように、児童相談所の児童福祉司一人当たり、要は業務量を減らして、よりきめ細かにケースワークを行えることにする、こういうことが大事だと思います。その意味で、今お話にも出た新プラン、新プランにおいてはどういう考え方で作っているかということでありますが、児童福祉司一人当たりの標準的な業務量について、児童虐待相談及びそれ以外の相談を合わせて五十ケース相当だった配置標準を四十ケース相当となるように見直しを行うこととしました。  そういう観点で、具体的には、二〇一九年度からの四年間で、現在、資料を提出していただきましたが、三千人の児童福祉司を二〇二二年度には五千人体制とする、特にその前段として早急に一千人一気に増やすということにしております。また、児童心理司も二〇二二年度に八百人程度増員する、あるいは保健師を各児童相談所に配置する、こういうことで児童相談所の体制の抜本的な拡充を図ることとしています。政府としては、まずはこの増員計画を着実に実施していきたいと思います。  そして、今、質の話がありました。質を向上させるために、児童相談所の専門性の強化を図るために、今回提出した法案には児童福祉司及びその指導を行うスーパーバイザーの任用要件の見直し、これを盛り込んでおります。このほか、今年度予算では、平成二十八年度の改正児童福祉法により義務付けられた児童福祉司の任用後研修等の実施費用の補助、児童相談所職員等の研修センターを、今全国で一か所ですが、これを二か所に拡充する、あるいは、国が主催するブロック単位の児童相談所職員への研修の開催という方策を講じて、委員の今のお話の御指摘のような質の向上を図ることとしております。  さらに、処遇改善の話がありました。加えて、児童福祉司等は通告への対応あるいは介入的な対応や夜間及び休日の緊急的な対応に備える必要がありますので、精神的な肉体的な負担が大きい業務であること、あるいは専門性を有する人材の確保が求められること、これに対応できるように常勤職員に限定することなく児童福祉司等の処遇改善を図る旨、これを今年三月の関係閣僚会議において決定いたしました。  具体的には、今後、地方団体などの意見を踏まえながら、今年度予算の概算要求に向けて検討していきたいと思います。
  74. 矢田わか子

    ○矢田わか子君 根本大臣、私が申し上げているのは、体制強化して人数も増やすという方向はもちろん有り難いんですけど、本当にそれで足りますかということなんですね。二千人なんですよ、今、計画が、しかも二〇二二年度末までに。そんなので追い付くんでしょうかということを私は問うております。  児相は元々、子育ての相談機関であって、子供を守るという役割は定義されておりません。そういうところにこれだけの多くの相談が相次いで、全国に二百十しかない児相で本当に十三万件もの対応が処理できるのか。大臣、今五十人見ているところを一人当たり四十人に減らせますということなんですけど、児童虐待の相談、その子供の背景を考えれば、家庭の方々とのお話も含めて、四十でも、私は本当に一人当たり四十で対応十分できるのかなということを疑問に思います。  かつ、どうしても、児相の方々が現場に駆け付けたときによくあるケースでは、やはり威圧的な態度を親から取られてひるんでしまう、おまえに何の権利がある、帰れとか言われてひるんでしまうとか、余り長く、やはり福祉の仕事に就いてみたけれども、そういうことに慣れていない若い人たちは辞めていくケースも多いということも現場からもお聞きしております。  例えばということで内閣委員会でも申し上げましたが、やっぱり警察庁とのもっと連携の下で、児相が全国に二百十しかないけど、交番は全国に六千以上あるわけですよ。出張所も入れれば一万二千になりますよね。したがって、そういうところが地域の中にいらっしゃるわけですから、一八九が電話が入れば、すぐに、児相だけではなく、警察庁とも連携を取りながら、町の交番と一緒に動けるような、そんなことも是非考えていただければと思います。  この問題については、これから法案審議の中でしっかりと深めていただけると思いますので、もう一歩踏み込んだ対応を求めておきたいというふうに思います。  続きまして、地域医療情報連携ネットワークについてお聞きをしていきたいと思います。  本日は決算委員会の准総括の質疑ということですので、国の予算に大きな部分を占めるこの社会保障の関係に焦点を当てたいと思います。  まず医療費関係ですけれども、先般の厚労部会の中でも、私は、薬価の制度の課題だとか多剤、重複する投薬の問題等を取り上げさせていただきました。やはり、今膨らんでいる、年金以上に膨らむこの医療費の抑制策を抜本的に見直して、効果あるものを早期に対応していかなければいけないというふうに思います。  本日は、医療機関の間で診療データを共有し、重複医療を解消するという政策について質問します。  この目的で設置されたのが地域医療情報連携ネットワークであります。このネットワークについては、資料二をお配りさせていただきました。本当に機能すれば様々なメリットがあります。重複する医療を抑制するためにも、そして効率的な医療経営するためにも、また医療スタッフの負荷軽減にもなります。行政についても、当然のことながら、医療資源の活用や医療機能の分化、連携による医療費の適正化等ももくろまれているもの、構想はすばらしいものがあったと思います。そして、このネットワークの構築に大きな期待が寄せられて、二〇〇九年から二〇一七年までの間に五百三十二億円もの公費が投入されています。しかし、今日まで登録の患者、参加施設も低迷し、費用対効果が極めて低い運営が行われているという状況にあります。  資料三、日経新聞の記事を配らせていただきました。日経のその調査によりますと、全国二百十の地域ネットワークで登録した患者の数、全人口の僅か一%にとどまっているということです。本来医療を抑制するためのシステムが、逆に費用対効果で十分なパフォーマンスを発揮していないという実態があると思います。  なぜ利用が極めて低い状況にあるのか、そして、二〇二〇年度には、また新たに予定している全国共通のネットワーク、全国保健医療情報ネットワークというものがありますが、これとどう整合性を取っていくのか、今後の方針についてお聞かせください。
  75. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 地域医療情報連携ネットワーク、これは地域のまず自発的な取組として始まりました。  これまで、地域医療介護総合確保基金により支援を行って、例えば佐渡島、これはさどひまわりネット、これは島で、病院とか診療所が元々全体の一つの連携、対応でやってきましたが、さどひまわりネットについては、きめ細やかな情報連携によって質の高い医療を提供している、こういう事例もあります。一方で、情報共有が必要な事例が限られることやコスト負担が高いなどの要因から、参加する患者や医療機関などが限定的となっているという事例もあります。  地域医療情報連携ネットワークは、近隣の医療機関で情報共有、連携を促すものであります。今後は、地域の病病連携や病診連携の基盤となることを期待しております。このため、基金による支援は、連携の費用とその効果のバランスを勘案して、地域医療構想の実現に資するためのものに厳格化していきたいと思います。  一方で、また、地域医療情報連携ネットワークの取組と並行して、医療の質の向上を図るインフラとして、全国で保健医療情報を医療機関で確認できる仕組みの構築を進めておりますが、これまでの実証事業などによって、これについては、薬剤情報は重複投薬や多剤投与の減少に資するため、これは有用性が高いことが明らかになっています。  このような状況も踏まえて、先般成立した改正健康保険法によるマイナンバーカードを活用したオンライン資格確認の仕組みなどを活用して、薬剤情報を医療機関などにおいて確認できる仕組みを二〇二一年十月以降稼働させたいと思っております。
  76. 矢田わか子

    ○矢田わか子君 根本大臣、私は、今やっているものですら一%の登録しかなくて、正直なところ効果が何も出ていないじゃないかということを御指摘申し上げております。まずは既存のネットワーク、今のものをきちんと検証した上で、問題点をきちんと出して検証を進めた上で次に本来であれば進めるべきではないかというようなことであります。  特に、今回、五百三十億に及ぶこの補助金、続きがありまして、この補助金がせっかく出ていても、原則、サーバーなど設備投資以外に基金を活用してはならないとなっているところが、それ以外の設備維持だとか、場合によっては宣伝費だとか、場合によってはそのネットワークの構築をしていた職員の職員手当や旅費等にも使われているというような、そんなずさんな対応になっています。行政のチェックの体制の甘さというのも指摘されているわけです。  五百三十億です。それをしっかり活用もしていないのに次に本当に行っていいのかということも含めて、しっかり予算をきちっと付けて投資をする以上は回収できるという見込みの下で進めていただきたいと思いますし、できなかったのであれば反省点に立った上で次なる対策を打っていただきたいということを御要望申し上げておきたいと思います。  続いて、年金の問題に触れたいと思います。  年金も、今大きな問題が様々指摘されております。この老齢医療年金については、今までもこうした委員会の中で取り上げられてきておりますけれども、是非今日はそういった観点から公的年金、検証をお願いしたいと思います。  本年度、財政検証を行う年になっております。来年度からこの検証に基づいた制度の改定が行われるわけです。公的年金制度の安定的な維持に係るデータ、恐らく、前回の平成二十六年の財政検証に比べ、厚生年金加入者の増加以外は悪化しているのではないかと思われます。今後の政府のやっぱり真摯な検討、国民の皆さんの期待を裏切らない改革、是非とも進めていただきたい。  そこで質問です。従来から公的年金制度の課題とされてきたもの、次の三点について御答弁いただきたいと思います。  一つは、資料四を御覧ください、単身高齢者が今後増えていくことが予測される中で、特に国民年金のみの受給となる単身高齢者の生活、どのように保障していくのかという問題です。これは、無年金者や低年金者が多数おられることを考えると、将来的に生活保護の予算、大幅に増額必要となってくるのではないかと予想されます。  二つ目に、これと関連して、現在多くの非正規労働者が国民年金に加入をしています。国民年金にも報酬比例年金を導入し、年金受給額を増やしていくべきではないかというふうに思いますが、どうでしょうか。  三つ目には、国民年金の保険料の未納が若者、若年者を中心に増えています。全体として、資料五、お配りしました、納付率七〇%強、三割は納めていないというような状況です。私も周りの若い人たちに、これ納めたって僕ら最終結果もらえないんですよね、なぜ納めなければいけないんですかということが普通の会話的に行われるようになってきています。大変危機だと思います。今後どうやってこの公的年金への信頼性を確保していくのか、お答えいただければと思います。
  77. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) まず、今三点のお尋ねがありました。  単身高齢者について、あるいは低年金者についての問題であります。単身高齢者を含めた低所得の高齢者の方への生活保障については、社会保障と税の一体改革において、既に年金受給資格期間を二十五年から十年に短縮する、医療、介護の保険料負担軽減、これを実施しております。これに加えて、今年の十月の消費税率一〇%への引上げに合わせて、低年金等低所得者の方への年金生活者支援給付金の創設、これは月額最大で五千円、十二か月で最大六万になるわけですが、一方、プラス介護保険料の更なる負担軽減、これを行うことによって社会保障全体で総合的に単身高齢者、低年金者の対策を講じていきたいと思います。  それから、国民年金への報酬比例年金の導入についてということでありますが、国民年金制度については、創設以来、これは創設以来の議論ですけど、労働契約に基づき恒常的に賃金の得られる被用者と所得の状況が様々な自営業者の違い、源泉徴収される被用者とそうではない自営業者との間の所得捕捉の問題、これ、大きくこの二点がありますが、こういう問題がありますので、自営業者に対しては現行のような定額の保険料と定額の給付という国民年金の仕組みとしたという経緯があります。  一方で、被用者でありながら厚生年金に加入できず国民年金加入になっている雇用者、この雇用者については、年金等の保障を手厚くする観点から、短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大を進めていくことが重要だと考えております。  次に、国民年金の保険料のこの未納の問題のお尋ねがありました。  社会保険方式を取る公的年金制度においては、将来の年金受給のために保険料をしっかり納めていくことが何よりも重要だと思います。その上で、所得が低く保険料を納めることが困難な方に対しては免除制度を設けることなどによって、全ての国民が公的年金制度によりカバーされるようにしております。また、国民の基礎年金についても、国の負担を三分の一から二分の一にする、こういう対策もこれまで講じてまいりました。  こうした中で、国民年金保険料の収納対策、これは公的年金制度の周知や広報、公的年金制度を正しく理解していただくということが大事だと思いますし、口座振替やインターネットの活用などの納めやすい環境の整備、あるいは一定の所得がありながら保険料を納付していただけない方には督促等の強制徴収、そして経済的に保険料の納付が困難な方には免除の勧奨などを行っており、引き続ききめ細かく取り組んでいきたいと思います。
  78. 矢田わか子

    ○矢田わか子君 ありがとうございます。  大臣、資料五を見ていただけますと分かるとおり、納付率七〇%といっても、都道府県によってやっぱり大きく違います。特に首都圏地区、東京を中心とした首都圏地区や大阪なんかは、やはり六十数%しかないというような現実もあります。実質、若い人たちに対して、これ世代を超えて、保険であってきちっと支え合うためのものなんだということも含めて、もう一度抜本的に教育も含めやっていかなければいけないんじゃないでしょうか。  加えて、資料六を見ていただきますと、これ、納付している人たちの割合を書いたものなんですけれども、平成二十九年度、国民年金の第一号被保険者一千五百万人ということですけれども、このうち未納者が三〇パーとするならば、四百五十万人未納なわけです。ところが、一番上を見ていただきますと、国民年金の第三号者、いわゆる第三号被保険者と言われる方々、八百七十万人いるんですよね。これは御存じのとおりサラリーマンの夫の保険料に含まれているということで、このグループの人は保険料を払っていない方々です。基礎年金は、でも受給されるんです。  この不整合というんですか、四百五十万人払っていない人を取り上げるよりも、しっかりと自分の年金は自分で払うというふうにもうやっぱり制度の抜本的な見直しをしていかなければならない時期に来ているのじゃないかと思います。自分のものを払っていなくてもらっていらっしゃるのは、この一番上の層の八百七十万人です。その現実を直視していただいて、真剣な改革論議を進めていただきますよう御要請申し上げておきたいというふうに思います。  最後、一言だけ触れます。在職老齢年金です。  これも、資料七をお配りしておりますけれども、要するに、六十四歳、六十五歳までの人たちのこの年金のもらい方、そして六十五歳以上の方々の在職老齢年金、働けば働くほど、収入が増えれば増えるほど今は減らされる仕組みになっているということです。したがって、高齢者の方々、高齢者と呼んでいいのか、六十五歳以上を一つの国は線引きにしていますけれども、それ以上の方々が働いたときに、働いた分の今二分の一ですよね、の額が年金から減額されるという仕組みについて、やはり高齢者の方々の就労意欲を阻害しているのではないかというふうにも言われております。  いろんなデータを調べても、いまだに六十五以上ということでしかデータが、国のデータありません。本当にそこで線引きをしなければいけないのか。今、百年時代です。七十五以上どうなっているんだろう、八十五以上どうだろうというふうに見ようにも、ほとんどのデータが分析、調査もされていないという状況ですので、これからの年金制度を考える上で、高齢者の活用、そして抜本的な改革に向けても、こういうデータについても是非調査をしていただきたいということをお願い申し上げて、質問に代えます。  ありがとうございました。
  79. 伊藤孝恵

    ○伊藤孝恵君 国民民主党・新緑風会の伊藤孝恵でございます。  冒頭、私からも、川崎の殺傷事件で犠牲となられた方々の御冥福を心の底からお祈り申し上げますとともに、けがをされた方々、特に子供たちの心の傷、体の傷、両方が早く癒えますように、そのための仕事を我々も一致団結してしていきたいというふうに思います。  それから、我が子の命を守ってそして命を落とされた大変有能な外交官、そのお通夜が今日行われるということで、質疑時間の調整等に奔走された西田筆頭を始め、その調整も快諾をしてくださった野党の理事の皆様に、そして委員の皆様に御礼を申し上げます。  私からは、少子化対策について今日はお伺いしたいというふうに思います。  先週も、また大変残念な、櫻田前オリンピック担当大臣による、子供を三人ぐらい産むようお願いしてもらいたい発言は、日本中の失笑と失望を買いました。また、取りも直さず、河村元官房長官までもが、気持ちはよく分かる、婚礼の席に行くと激励の意味も込めてよく口にすると発言されたそうです。  このような産めよ増やせよ発言というのは、二〇〇七年には柳澤当時厚労大臣が、十五歳から五十歳の女性の数は決まっている、産む機械、装置の数は決まっているから、あとは一人頭で頑張ってもらうしかないと述べられたり、一四年には衆議院で大西議員が、早く結婚して子供を産まないと駄目だぞとやじを飛ばした。また、同年は、都議会で女性議員が少子化対策について質問していたら、早く結婚した方がいいとか、自分で産んでからだ、産めないのかなどと大変無恥なやじが飛んだというようなニュースもございました。さらには、昨年には加藤衆議院議員が、三人以上の子供を産み育てていただきたいと言ったり、二階幹事長までもが、この頃、産まない方が幸せじゃないかと勝手なことを考える人がいる、みんなが幸せになるために、たくさん産み、国も発展しようと述べられたと。本当にこれはもう枚挙にいとまがないわけであります。  政治が、遅くとも九〇年代から、本当、百歩譲って二〇〇〇年代の前半までに、子供を産み育てやすい環境整備のための予算を取ってくれたり知恵を絞ってくれたりしていたら、今の日本はこんなに子供が生まれない国になっていないんじゃないかというふうに私は常々思います。櫻田衆議院議員は一九九六年から、河村衆議院議員は一九九〇年代から、また、ほかに名前が挙がった方々もそれ以前からこの国会の中に議席を預かられていた方だというふうに、そういったお立場でいらっしゃいますが、自分が知恵を出してこなかったその結果を、激励という言葉で個々人の意識の問題に責任転嫁、責任放棄をしてくると、そういったことをしているという御認識をまず持っていただかなければならないというふうに思います。  宮腰少子化担当大臣にお伺いいたします。  人口動態調査において合計特殊出生率が過去最低の一・五七に低下をしました、いわゆる一・五七ショックというのがございました。それ一九八九年でしたけれども、翌年には政策用語としての少子化というのもできましたし、その後、少子化担当大臣というポストまでできました。今、宮腰大臣は第二十代目でいらっしゃるそうでございますけれども、歴代大臣も大変御努力されてきたとは思いますけれども、結果として、我が国には第三次ベビーブームというのは起こっておりません。生まれる子供の数も年々低下の一途をたどっております。これからも増加は見込めないでしょうというふうに言われております。なぜなら親になる世代の人口自体が減っているから、そういったことを言う識者もたくさんございます。  大臣、私、第二次ベビーブーム世代なんです。やっぱり、こういう私たちの、就職氷河期のこの私たちの雇用をつくって、そしてちゃんと所得を安定させて、子育て政策を先回りして整えて、そして、子供にお金が掛かるんだ、そういうことにもちゃんと対処をしていれば、こんな私たちのような世代に望めば産み育てられるんだというメッセージを送る、それが一番政治がやらなきゃいけなかったことなんじゃないかなというふうに私は思っております。  宮腰大臣は一九九八年当選でいらっしゃるというふうに伺っておりますけれども、あの大事な時期、私ちょうど就職した年です、あの大事な時期に日本の政治が有効な策を打てなかった、その原因についてどういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。
  80. 宮腰光寛

    ○国務大臣(宮腰光寛君) これはなかなか難しい問題だろうと思います。  私にも就職氷河期と言われる時代の子供がおります。第二次ベビーブームの時代、私、以前県議をやっておりましたけれども、高校が足りないということで、新設高校を例えば富山県であれば四校整備をいたしました。しかし、その先というのは、やはりなかなか戦略的に物が考えられなかった時期もあったんではないかなというふうに思っております。もちろん、収入の問題もあれば、あるいは家庭環境の変化にもなかなか対応し切れていなかったという問題もあります。  例えば富山県でいえば、女性の、女性のといいますか、共働き家庭の割合というのは一貫してほぼ全国トップレベルにありますが、一方で三世代同居が多いと。それから、持家比率あるいは一戸当たりの延べ床面積が全国でもトップレベルといったような状況にありまして、それなりに安定したところではあるんですが、それにしても、富山県においてもやはり出生率というのは全国と同じような状況になってきつつあると。そういうことについても長期的な視点がやっぱり不足していたということは言えるのではないかなというふうにも思っております。最近は三世代同居も富山県においても減ってまいりまして、これまでと同じ考え方ではなかなか対応ができないという問題も、傾向もしっかりと出てくるようになりました。  その上で、今回、幼児教育無償化、教育、保育の無償化などを含めて、第一子、第二子、第三子をそれぞれ欲しいという方々の思いに応えられるように、いろんなことをやっていく必要があろうかと思っております。現在、今年度中に策定予定の新たな少子化社会対策大綱、この取りまとめに向けて、三月に立ち上げた検討会において、いろんな観点から有識者の皆さん方の御意見を伺いつつ、新たな大綱の策定に向けて努力しているところであります。
  81. 伊藤孝恵

    ○伊藤孝恵君 大臣のおっしゃるとおり、やはり長期的な視点というのも欠けていたというのは本当に同感であります。また、理由は一つではなくて、複合的な要因で非常に難しいというのも同じくするところでありますけれども、だからこそ大切なのは、今大臣がどういうふうに過去のものを総括されて、そしてどういう手を打っていくか、そのためには定性、定量のファクトというのが要ると思います。  少子化対策費というのはいっぱいいっぱいあったと思うんですけれども、それらを総合的に見ているところってあるんですかというふうに事前に事務方にお伺いしたところ、これ結構省庁にまたがっているんですよというようなお話でした。  ただ、省庁にまたがっているから分からないというのではなくて、大臣、少子化担当大臣ですから、まさにこの少子化対策と言われるそういった予算をどういうようなものに使ったのか、それが効果があったのかなかったのか、これは増額すべきなのか減額すべきなのか、そういった、まさによく最近政府が言われているEBPMというのは、どこでどのようにされる若しくはされているんでしょうか、教えてください。
  82. 宮腰光寛

    ○国務大臣(宮腰光寛君) 少子化対策関連予算につきましては、平成十五年度から内閣府において取りまとめの上、少子化に関する施策に関する数値目標とともに、毎年度フォローアップを実施しております。  予算額につきましては、平成十五年度は約一・五兆円、平成三十年度は約四・六兆円、令和元年度は約五・一兆円となっております。これらの状況については少子化社会対策白書にも掲載をしておりまして、毎年国会に報告をいたしております。  こうした検証も踏まえまして、いろんな手を打っているわけでありますが、とりわけ大綱において基本目標のほかに主な施策の数値目標を設定をしておりまして、これについて大綱、検証の中で評価をしていくということとさせていただいております。
  83. 伊藤孝恵

    ○伊藤孝恵君 今、これは根本大臣、いやいや宮腰大臣というふうにそうやってお見合いをされていましたけれども、これが本当に残念だというか、やっぱり少子化対策費、それは全部宮腰大臣が見る、そしてその政策が確かなのか確かではないのか、そういった分析も含めてしっかり、安倍政権が取り組む一丁目一番地だというふうに総理もおっしゃっておりますので、これは本当にしっかりと集約してやっていただきたいというふうに思うんですね。  これ、ちなみに、予算は分かりました、この後何兆円予算で、何兆円規模で取り組んでいくというのも分かったんですけれども、これ何が、じゃ、理由でこういった少子化の状況になっているのかというのは、理由はもう全部挙げられているという状態なんでしょうか。理由を挙げないと消していけないと思うんですよね。それはいかがですか。
  84. 宮腰光寛

    ○国務大臣(宮腰光寛君) 具体的には、第一子、第二子、第三子ではそれぞれ阻害要因が異なるという調査の結果が出ております。例えば第一子については、欲しいけれどもできないというのが多くなっております。一方で、第二子、第三子になるにつれまして、子育てや教育にお金が掛かり過ぎる、仕事に差し支える、これ以上育児の負担に耐えられないというのが増えております。また、第二子については、夫の家事、育児への協力が得られないということも多くなっております。  子供の数に関する希望を実現するため、その実現を阻む要因を一つ一つ取り除いていくことが重要であります。このため、少子化社会対策大綱に基づきまして関係省庁が連携して取り組んでおりますが、二〇二〇年度までの三十二万人分の保育の受皿整備、あるいは不妊治療の助成、長時間労働の是正や同一労働同一賃金の実現等の働き方改革などの施策に取り組んでいるほか、幼児教育、保育の無償化、真に必要な子供に限った高等教育の修学支援などの円滑な実施に現在政府を挙げて取り組んでおります。
  85. 伊藤孝恵

    ○伊藤孝恵君 もうおっしゃるとおりです。一つ一つ取り除いていかなきゃいけないというふうに思います。  なので、是非、次回私が質問させていただいた際には、理由を全部述べられて、今おっしゃったような不妊治療だとか、お父さん帰ってこないだとか、育休単位の話だってあると思うんですね。そういうものを全部項目として挙げて、それについて、この人たちがこういう対策を打っていて、そこにはこの予算が付いていてという、明確に本当に道筋が付いていっているんだなというようなものをお出しいただけるようにお願いしたいというふうに思います。  大臣、済みません、通告しておりませんけれども、フランスのPACS制度、民事連帯契約なんというふうに言われますけれども、そういったものに関してはどういう考えをお持ちの大臣でいらっしゃるんでしょうか。
  86. 宮腰光寛

    ○国務大臣(宮腰光寛君) 若干の通告は聞いております。  フランスでは、無償の幼児教育、多子加算を前提とした経済的給付、それから多様な保育サービス、そして出産、育児休業制度などの両立支援策の充実により出生率の回復に成功しているものと認識をいたしております。また、同性間及び異性間での法律上の婚姻とは異なるPACS、いわゆる民事連帯契約、PACSと呼ばれるパートナー制度が存在する点も承知をいたしております。  他方で、我が国におきましては、法律婚のカップルから生まれる子供が全体の約九八%を占めておりまして、我が国においては法律婚を尊重する意識が国民の間に幅広く浸透しているということがうかがわれます。  いずれにせよ、個々人の結婚や子供に関する希望をかなえられるよう、引き続き、関係省庁と連携して、継続的かつ総合的な少子化対策を進めてまいりたいと考えております。
  87. 伊藤孝恵

    ○伊藤孝恵君 そうなんです。おっしゃるとおり、日本では婚姻内での出生にこだわる社会的文化というのがございます。なので、新生児に占める婚外子の割合というのは、二〇一六年のデータでも、大臣二%とおっしゃいましたけれども、たった二・三%なんですね。  スウェーデンやフランスなどでは、婚姻率の総体的な低さを事実婚や同棲の一般化が補っている。具体的には、フランスの二〇一六年の婚姻件数は二十三・三万件だったのに対し、PACSの登録は十九・二万件。また、婚外子の割合というのも、フランスだと五九・七%、EU全体でも四二・六%に上ります。  この非婚カップルに生まれる婚外子の出生率の高さが全体の出生率低下に歯止めを掛けたとも言われておりますし、もちろんベビーシッター制度とか子ども・子育て政策の充実をした上で婚外子へのサポートや社会制度を変えていったことも寄与しているんだというふうに思いますけれども、我が国って、少子化対策と言っていろんな方が一生懸命やっていてもなかなか効果が出ないと。こういう袋小路に入っているようなこの少子化対策の現状を鑑み、別にフランスをまねしましょうよと言っているわけではないんですけれども、選択的夫婦別姓の議論すら進まないというのがこの国会内の現状だというふうに思います。  少子化対策のあらゆる選択肢を議論していく、そういった空気というのは国会内にあるというふうに、大臣、思われますか。
  88. 宮腰光寛

    ○国務大臣(宮腰光寛君) 具体的なコメントは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、議論が全くなかったわけではないんではないかと思います。以前、国会の中でも、あるいは自民党の中でも、選択的夫婦別姓制度についていろんな議論があったということは承知をいたしております。
  89. 伊藤孝恵

    ○伊藤孝恵君 いろんな議論って、今どうなっているんでしょう。
  90. 宮腰光寛

    ○国務大臣(宮腰光寛君) 現状について私がちょっと申し上げる立場にもありませんし、よく存じ上げてもおりません。
  91. 伊藤孝恵

    ○伊藤孝恵君 では、片山女性活躍担当大臣に伺います。  今普及率が僅か一〇%のマイナンバーカードの旧姓併記に関するシステム改修費、私だったら伊藤孝恵(旧姓小林)というふうに書く、この小林というものをマイナンバーカードに記すためだけのシステム改修費というのに、平成二十八年度第二次補正予算で九十三・八億円、平成二十九年度当初予算で〇・二億円、同補正予算で百億円、計二百億円弱を計上しておりますけれども、これ、女性活躍推進に資するのはそんなシステム改修費なんだろうかというふうに思うんですね。  専任閣僚としての所感、教えていただければと思います。
  92. 片山さつき

    ○国務大臣(片山さつき君) 女性活躍推進の方の予算も私どもでまとめておりまして、令和元年度は約九兆円と、これはまさに育児の手当とか社会保障関係まで全部くくっていますから相当な金額になるんですが、マイナンバーへの旧氏併記につきましては、まさに私、規制改革の方も担当しておりまして、そういったところからも出てきたところで、女性活躍加速のための重点方針の二〇一六年のところで決定をしております。  旧氏の使用について、それを、旧氏を使用しながら活動する女性が増えている中で不便を感じているというお声が大きかったので、こういうことを具体的な取組として併記ができるようにしたということと、あとそれから、これは今でも、先般、女性がかなり多い割合を占めていると言われる職業をできるだけ徹底的に洗いまして、御本人が望めば旧氏で国家資格なり登録をそのままできるようにしたいんですがということを我々規制改革の方で投げかけたところ、例外なく全省庁、全関係者全て、じゃ、そういうことにしようという方向に今なっているということもお伝えしたいと思います。
  93. 伊藤孝恵

    ○伊藤孝恵君 今、選択的夫婦別姓は宮腰大臣には逃げられてしまいましたけれども、例えば、その選択的夫婦別姓のための戸籍システムを改修しますというふうに言われたら、まあそのぐらいのシステム改修費掛かるでしょうねというふうに思うんですけれども、旧姓を併記するためだけのシステム改修費に二百億円も使われてしまう、そういうものって今必要と。もっと、それこそ、それ、保育園造るお金に回してもらった方が、学童を充実するために回してもらった方が、私だったらベビーシッタークーポンをいただいた方が有り難いなというふうに思うというのが、そんなところが本音のところでございますけれども。  今、保守的な、何というんですか、女性活躍推進というのを議論するときに、極めて保守的な家族観を前提に、女性に旧来の家庭責任に加えて仕事も迫る、男性の働き方の基準は変えずに女性の意識が変わっていくことを望む、そんな女性活躍推進では困るというふうに思いますし、大臣も大きくうなずいてくださっておりますが、思うんですね。  今大臣が令和元年には九兆円規模というふうに御答弁されましたけれども、少子化対策同様この女性活躍推進についても、大事なのは、今、片山大臣が、過去をどうやって総括し、現在の政策をどう打ち出していくか、その予算の執行状況、内容の検証、まさにEBPMをしっかりやってもらう、それが大事なんだというふうに思います。  二〇一四年、成長戦略としての女性活躍推進において、二〇二〇年までに指導的立場の女性を三〇%にというふうに掲げられました。にもかかわらず、二〇一五年、第四次男女共同参画基本計画案、あらゆる分野における女性の活躍では数値目標は下方修正されております。  これ、何が足りなかったのか、これって分析できているのか、もしできているのであれば、それを今後どう改善していくのか、併せて御答弁ください。
  94. 片山さつき

    ○国務大臣(片山さつき君) 社会のあらゆる分野について二〇二〇年までに指導的地位に女性が占める割合を少なくとも三〇%という目標を立ててまいりまして、管理職的な部分では、民間企業の課長相当職以上に占める女性の割合を一〇%、国家公務員の同女性の割合を五%という目標を、二十二年の第三次男女共同参画基本計画においてはこのようにしておりましたんですね。  その後、進捗状況も含め二十七年に今の第四次男女共同参画基本計画を作ったときには、あらゆる努力を行えば達成し得る高い水準の具体的な目標として、同じ割合一〇%程度を、課長相当職の女性の割合を一五%、それから国家公務員の指定職相当の女性の割合を五%、課室長を七%というふうにしたもので、これは、よく御党の議員の先生方とテレビ討論とかで出たときに、若干ちょっと、どちらが間違いということではなくて、ディメンションの違う議論をしてしまうんですが、我々としては、下げたり、何か後退させるような意思が全くあったわけではないんですが、いずれにしても、達成できていないものがたくさんあることは私は認めざるを得ないと思っております。  また、直近の問題では、後で委員から御指摘があるかもしれませんが、四年に一度の統一地方選があったと。女性議員は立候補者も当選者も両方、増えるには増えたんですよ。ただ、諸外国と比べて一律にどうというナイーブな議論をしても仕方がないですが、国会議員の方は着実に増えつつも、まだ先進国より低いということですが、地方議員の方は、明確な目標設定もしているわけじゃないんですが、なかなか増えていくスピードが低いということで、今般、四年に一度のことですから、実態をある意味総括し、EBPMをするためにどういう状態だったのかを各政党にきちっと聞いて、あるいは新しく当選された女性議員の方にもきちっと聞いて、現状を再把握して何か政府としてもできることがあればということも考えている次第です。
  95. 伊藤孝恵

    ○伊藤孝恵君 是非、総括、お願いいたします。  後ほどまたそこには触れさせていただきますけれども、資料二の一を御覧ください。  これ、共働き世帯数の推移というグラフであります。この青文字が共働き世帯の推移です。右肩上がりです。赤文字が片働き世帯、お父さんが外で働いてお母さんが主婦をしているというような。これ、明確にXを描いております。よく見ると、この平成九年以降、一度も交わることなく共働き世帯が増えている。今や働くお母さん七割というようなニュースも出ておりましたけれども、こういうような状況の中で、私たち、よくワーク・ライフ・バランスなんて言われるんですけれども、私、ワーク・ライフ・コンフリクト、もう対立ですね、そういう世代だと思うんです。  仕事を続けていく中で、仕事場の中で責任が増して、時同じくして家庭の中でも育児や介護が生まれる。その両方とも大切で、両方とも一生懸命頑張りたいからこそ、時間的にも身体的にも精神的にも対立が起こる。同じくして、職場の中にも、子供を持つ、子供を持たない、それは極めて個人的な選択なので、ただ、子を持った、子を育てる女性が保育園からの電話一本で帰ってしまうと、じゃ残った者にしわ寄せが来る。あなたはいいかもしれない、でも私にはしわ寄せが来るというような、こういった対立も起こる。  こういうワーク・ライフ・コンフリクト世代の私たちからしてみれば、二〇一七年の男女共同参画白書を見ても、子供がいる夫婦の家事、育児の妻への偏りというのは国際的に見ても異常レベルだというふうに指摘があります。この男女の役割分担に関する無意識バイアス、それから、男性の長時間労働、女性の有業率には強い相関があることも白書の中で計数で示されております。  子供は女性だけでは育てられない。男性や家族、地域、行政、ありとあらゆる人の手を借りないと、本当に、私自身もそうですが、破綻いたします。国会がその当事者の声をどれほど拾えていたのか、産めるさがを持っている女性の毎日をどれほど想像できていたのかと、櫻田元大臣などの発言を聞いていると非常に絶望してしまうところがあるんですけれども。  資料二の二を御覧ください。  これ、男性育休がこの国には必要になってくると初めて国会にアジェンダを持ち込んだのは、昭和五十五年、当院の、参議院の女性議員でありました。昭和五十五年といえば、資料二の一に戻っていただくと、まだまだ共働き家庭も珍しかった時代です。こういうようなアジェンダを持ち込んできた。国会って、法律ってみんなが守るものですから、当たり前を、この国の当たり前をつくる場所だというふうに思いますので、このとき、周りの男性議員も当時の与党も、そうだ、なるほどといって、こういった男性も育児休業を取るということについてもっと議論をしてくれたら、今こんな産み育てにくい日本なのかなというようなことも想像いたします。  片山大臣に伺います。自民党内に男性育休の義務化を目指す議員連盟が今週にも発足するそうです。大変喜ばしいことだというふうに思います。ちなみに大臣、議連、入られるんですか。
  96. 片山さつき

    ○国務大臣(片山さつき君) 御指摘の議連については、企画をしている方々が早い時期に私のところに来られて、こういう運動をなさりたいということで御説明がありましたので、それは大変いいことで、我々は、義務化ということになりますと、これ全省庁の調整の中で、やはりまだまだ付いてこれない部分があるということを言ってこられる省庁が多いので、そこについて今私が明確なことは申し上げられませんが、私の所管として、ずっとまさにイクメン促進のための企業の優遇策あるいは企業の表彰ということをもう細かく細かく、さらに、重ねて重ねてやっておりますし、数値も公表して見える化を図っておりまして、上がってはきております。  国家公務員も民間も上がってはきておりますが、まだ取得の日数が少ないので、これではちょっとお父さんとして、妻の出産時の一番大変なときの様子を両方でシェアできる日数じゃないねということで、今度は日数をもう少し増やしていただいて、母側の肉体的に一番きついときを補えるようなぐらいになっていただければいいとか、まさに、女性活躍推進の方針を決定する、もう本当にあと数週間以内に決定のタイミングでございますから、様々な議論をしているところで、ちょっと今私は要求を受ける側なので議連には入っておりませんが、気持ちは全く同じかなと思っております。
  97. 伊藤孝恵

    ○伊藤孝恵君 義務というか、これ多分男性育休の権利化というか保障、保障化ということだというふうに思います。  日本生産性本部の二〇一七年統計では、男性新入社員の八割が育休を取得したいと回答している。それがこれから親になる世代の普通感覚なんだというふうに思います。国会の感覚もここにやっぱりチューンナップしていかなきゃというふうに思いますし、今大臣がおっしゃられたように、私たち、育休育休って、男性育休のことばっかり申し上げますけれども、コペアレンティングのそういったものをつくるには、まさにおなかが大きくて、その前後、男性産休の部分も非常に必要な概念だというふうに思います。  これ、資料の二の三から二の五を御覧ください。  民間企業、国家公務員、地方公務員の男性育休取得率の最新数字であります。見ていただきたいのは、その期間。例えば、民間企業の男性育休の取得率が五・一四%になったなんて政府は堂々とおっしゃいますけれども、その実、一か月未満が八三・一%、更に詳細を申し上げますと、五六・九%が五日未満のなんちゃって育休なんです。こんなの育休カウントしていただいたら困りますし、国家公務員は取得率は一〇%となっておりますけれども、詳細な日数は把握していないんだそうです。一か月以下が六八%というだけ。地方公務員に至っては、四・四%と言いつつ、期間詳細を取ったことがなく、このグラフのみ。六か月以下が七九・三%ということ以外は分からないそうです。  石田大臣と宮腰大臣に伺います。これ、少なくとも現状認識の調査だけでもまずは必要だと思うんですけれども、いかがでしょうか。
  98. 石田真敏

    ○国務大臣(石田真敏君) 総務省では、平成三十年度に実施をいたしました地方公共団体の勤務条件等に関する調査におきまして、平成二十九年度に新たに育児休業を取得した男性職員の承認期間について、六か月ごとの区分で調査、公表を行ったところでございます。  その結果、調査結果としては、平成二十九年度に育児休業を取得した男性職員の承認期間は、六か月以下が約七九%、六か月超一年以下が約一七%、一年超が約四%となっております。  平成三十年度中に新たに育児休業を取得した男性職員の承認期間について現在調査を実施しておりますが、今回の調査から承認期間については日数単位で把握できるようにしたところでございまして、公表についてもより細分化した単位で行うことができるよう検討してまいりたいと思います。
  99. 宮腰光寛

    ○国務大臣(宮腰光寛君) 従来、一週間以下については特に把握しておりませんでしたが、直近の平成二十九年度の調査からは育児休業取得期間が一週間以下の職員の割合も把握をしております。二十九年度中に新たに育児休業を取得した男性職員のうち、取得期間が一週間以下の割合は二〇・七%、一週間超一か月以下の割合は四七・三%、合計で六八%というふうになっております。
  100. 伊藤孝恵

    ○伊藤孝恵君 是非、現状認識の調査をしていただくとともに、内閣府は第四次男女共同参画基本計画を策定し、男性中心の労働慣行等を変革するとともに男性の育児参画を進める観点から、男性の育児休業の取得について令和二年までに取得率を一三%とする成果目標を設定しています。しかしながら、現状は目標達成の見通しは立っておらず、肝腎な取得期間の現状認識さえできていないという有様であります。  政府は、早急に、男性の育児休業の取得が進んでいない、短期間になっているなどの原因のみならず、取得した場合の効果を調査した上で、実効性のある取組のアイデアを出していかなければなりません。職場の無理解をどうするか、経済的不安を払拭する所得保障も最重要のポイントであります。まずは、どれくらいの期間、どれくらいの人が休業し、その結果どんなメリット、デメリットがあったかを定性、定量調査をしていただかないと、例えば育児・介護休業法などをいざ改正しようとなったときに、又は新たに理念法を制定しようとする、そういった場合にだって、政策決定のエビデンスがないというふうに思うんですね。  これ、根本大臣、調査お願いできませんか。
  101. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 調査……(発言する者あり)調査。  まず、私もこの子育て支援の問題、これは、平成五年に私は当選しましたけど、そこから厚生委員であるいは社会部会でやってきました。あのときに、エンゼルプランというのを平成六年、たしか初めてやった。あのときは、日本の場合は高齢化が急速に進むから、だから高齢者対策がずっと中心で来た。そして、やっぱり子育て支援、少子化対策が大事だということで政策的に打ち出したのが私はエンゼルプランだったと思います。  そして、育児休業については、年々上昇していますが、残念ながら五・一四%となって、いまだ低い水準にとどまっております。様々な政策打ってきていますけど。そして、なぜ育児休業を取らない、取れないか、これは平成二十九年度にアンケート調査しました。お分かりですよね。だから、そういうアンケート調査はして実態を把握していますから、政策は、確かに実態把握して具体的な政策を打つので、これは実態把握には努めていきたいと思います。
  102. 伊藤孝恵

    ○伊藤孝恵君 大臣、でも、資料二の六のように、「育児は仕事の役に立つ」という本から抜粋してきていますけれども、これ数字によってその効果、これはいいことなんだというのはエビデンスは導き出されているかというと、大臣のおっしゃるとおり、アンケート調査止まりなんですよね。もうちょっとしっかりこの男性育休について調査を、研究をしていただきたい。どうか前向きに御答弁をお願いします。
  103. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 男性育休の取得促進、これは本当に大事だと思いますよ。だんだん、先ほど、新入社員が八割育休取得したいと言っている、雰囲気はやっぱり変わってきたんだと思うんですよ。男性の認識だから、だから我々はイクメンプロジェクトとかいろんな政策をやってきた。だから、その意味では、社会環境の醸成も大事なので、これは育児休業取得をしっかり進めるために、しっかり取り組んでまいります。
  104. 伊藤孝恵

    ○伊藤孝恵君 終わります。
  105. 秋野公造

    ○秋野公造君 公明党の秋野公造でございます。お役に立てるように質疑をしたいと思います。  資料一にお示しをしておりますけれども、平成二十三年の二月、私は、北海道医療大学の浅香正博学長の御指導の下で、胃がんの原因はピロリ菌ではないかということを質疑をさせていただきまして、国がそれを初めて認める答弁も行っていただいたこともあって、その後の対応というのは極めて迅速でありまして、平成二十五年二月、このピロリ菌の除菌、適用を慢性胃炎まで拡大をして保険適用ということになったものであります。  すなわち、ピロリ菌に感染をした人は全員除菌を行うことができるようになったわけでありますが、胃カメラを飲まないと保険適用にならないようにさせていただいたことで、その成果は、資料の左上にお示しをしているとおり、四年間で約一割の減少を示したということであります。四十年間、胃がんで亡くなる方をどう努力をしても五万人から減らすことができなかった我が国が、大きく減らすことができた。二〇一七年は少し下げ止まったようにも感じましたが、二〇一八年のデータ、お伺いをいたしますと、速報値で、十一月までの段階で千名減っているということでありますので、そういった意味では、大きな成果を上げているというのは、左下、国立がん研究センターが高齢化を背景にまだまだ胃がんで亡くなる方は増加をするといった予想を大きく覆す形で成果を上げたというのは、裏面に浅香先生の読売新聞に対する取材を付けておりますけれども、そのとおりであります。  右上は、開腹手術、おなかを開ける手術が減って、そして内視鏡で切除する手術が増えているといったようなことも早期発見につながっているということでありましょうし、右下御覧をいただきますと、国はまだがん検診にピロリ菌検査を追加していない状況でありますが、既に平成二十九年の段階で三割を超える自治体の首長さんがピロリ菌の検査を導入をしていると、そういったような状況であるということを考えますと、国はそろそろ考え方というものを示す状況にあります。  平成二十八年には、胃内視鏡、五十歳以上の方に胃内視鏡検査を追加をする、こういったような決断もしていただいたわけでありますけれども、五十歳以上の方とピロリ菌に感染をしている方と、どっちがリスクが高いのかといったことは冷静に見なくてはなりませんし、多くの自治体で若年層に対する検診が行われているということは将来にとっては大きな意義があるわけですが、今リスクが高いところに介入ができているかといったことも冷静に見なくてはならないということだろうと思います。  国は、それぞれのリスクに応じたがん検診の導入にかじを切るべきではないか、そのように考えますが、見解をお伺いしたいと思います。
  106. 宇都宮啓

    ○政府参考人(宇都宮啓君) お答えいたします。  ただいま委員から御指摘いただきましたように、厚生労働省といたしましては、そういった御指摘を受けて、平成二十五年にヘリコバクター・ピロリ感染胃炎にも保険適用を拡大するなど、取組を進めてきたところでございます。  現在、がん検診のあり方に関する検討会におきまして、国のがん検診の指針の改正を見据えた検討を行ってございます。  厚生労働省としては、ただいま御指摘いただきましたように、今後、リスクによる層別化をより精緻化して、リスクに応じた検診が適切に行われることが重要であると考えてございまして、検討会での議論を踏まえながら更に検討してまいりたいと考えてございます。
  107. 秋野公造

    ○秋野公造君 リスクに応じた検診をしていただくということでありますが、もう一つ、遺伝性乳がん卵巣がん症候群、これはBRCA1あるいはBRCA2という遺伝子の変化で乳がんそして卵巣がんを発生をしやすいということで、アンジェリーナ・ジョリーさんの対応なども注目をされました。  まず確認をしますが、この遺伝性乳がん卵巣がん症候群については、二年前に診療ガイドラインが国の支援の下、整備されたという認識でよろしいですか。見解を伺います。
  108. 宇都宮啓

    ○政府参考人(宇都宮啓君) お答えいたします。  ただいま御指摘いただきましたとおり、厚生労働省では、平成二十九年に厚生労働科学研究費を活用いたしまして、遺伝カウンセリングや治療の手順書をまとめた「遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)診療の手引き」の作成を支援いたしまして、これらの方々に対する診療の質の向上に取り組んでいるところでございます。
  109. 秋野公造

    ○秋野公造君 この医学会などのガイドラインも拝見をいたしますと、こういった遺伝子を持っている方のうち乳がんを発症した方について、卵巣がん、卵管切除、それから対側の乳房の切除、こういったもの、資料の後ろに患者会も含めた要望書をお付けをさせていただいておりますけれども、今や学会においては、下の方にお示しをしておりますが、推奨の強さ1ということで、予防的に切除を行うといったようなことがもう推奨されているような状況であります。  中でも卵巣がんは、発見されたときにはステージ3が大半を示すということを考えると、早期発見の取組だけではなかなか命を守ることはできないということを考えますと、こういった生命の予後を大きく改善するような取組は保険適用にすべきではないかと私は考えますが、こういった、科学的な根拠がかなり整備されつつあるこのHBOCに対する予防的な外科的手術のうち、エビデンスがあるものについては保険適用を強く求めたいと思いますが、御見解をお伺いしたいと思います。
  110. 樽見英樹

    ○政府参考人(樽見英樹君) 治療を必要としている方に医療技術の進歩というものを適切に取り入れて必要な治療をお届けするということは大変重要なことというふうに思っているわけであります。  この新規の医療技術の保険適用ということについては、考え方を申し上げますと、治療と疾病との関係が明らかで、治療の有効性、安全性等が確立しているものというものについて、普及性あるいは社会的妥当性といったようなものも考慮して中医協において議論をいただいて判断しているということでございます。  御指摘の遺伝子異常を有する方の乳がんや卵巣がんの予防的手術ということにつきましては、こうした遺伝子異常というのが言わばがんの原因となる疾病というふうに捉えて、それに対する治療というふうに位置付けられるかという課題があると思っています。また、御指摘のように他の方法で早期発見が可能かどうかということも論点だろうというふうに思っておりますので、これにつきましては、エビデンスを確認しながら、関係者の意見を聞きながら慎重に検討を続ける必要があるというふうに考えているところでございます。  ただ一方で、がん患者、がんの患者の方の予後を改善させる治療の在り方という観点もあると思います。そういう観点から医療保険においてどのように取り扱うのかということについては、学会等の要望に応じて、疾病と療養の関連性やエビデンスの状況というものを踏まえて、中医協において検討してまいりたいと思います。
  111. 秋野公造

    ○秋野公造君 ありがとうございます。  遺伝子異常があるだけでは、健康保険上、保険適用とはしないということでありますが、がん患者の予後を改善させる治療の在り方ということで、どうか検討を前に進めていただきたいと思います。ありがとうございます。  後から同僚の竹谷議員からもお話があるかと思いますが、この点について主治医あるいはカウンセラーからの説明といったようなものは非常に重要かと思います。ゲノム医療も含めた実装が近づいている中で、HBOCを始めとした患者あるいは家族、どこまで説明をするかということも大事であろうかと思いますけれども、この説明の重要性が増しております。  カウンセリングに関わる人材の養成についてお伺いしたいと思います。
  112. 宇都宮啓

    ○政府参考人(宇都宮啓君) お答えいたします。  ゲノム医療を推進していくためには、検査でHBOCが判明した場合に適切に説明するなどの対応ができるよう、遺伝カウンセリングに関わる者の育成が重要でございます。  厚生労働省では、現場の幅広いゲノム医療従事者を対象としまして、がんゲノム医療に関する相談に対応できるよう、研修を実施してございます。また、人材の適切な配置を推進するため、平成三十年度より、がんゲノム医療中核拠点病院におきまして遺伝カウンセリングの実施体制を整備することを求めてございます。  今後とも、ゲノム医療を推進するため、カウンセリング等の人材の育成に取り組んでまいりたいと考えてございます。
  113. 秋野公造

    ○秋野公造君 よろしくお願いをしたいと思います。  胃がんに話を戻したいと思いますが、先ほど保険適用の後にピロリ菌の除菌が順調に行われているといったことを申し上げました。その質を保つためには、新たな抗菌薬の開発とか胃酸分泌抑制剤、こういった開発なども必要なわけでありますけれども、耐性菌を出さないということも重要であります。  資料二、一枚目の裏側を御覧いただきますと、カラーで色刷りをしております。浅香先生からいただいたものでありますけれども、一次除菌と呼ばれるクラリスロマイシンの耐性がやっぱり保険適用の後に増加をしておりまして、上げ止まったようにも感じますけれども、二次除菌、赤でお示しをしております、こちらにつきましては、耐性は少ないながらも、有意差を持って増加をしてきている状況であります。  強力な胃酸分泌抑制剤も出てきて治療効果は上がっているはずでありますが、ちょっとこの増加率は気になるところでありまして、耐性菌の把握といったものは国として必要ではないかと思います。国立感染症研究所などの関与も必要かと思いますが、このピロリ菌の、感染症法にも位置付けられておらず、その位置付けも含めて国の把握を求めたいと思いますが、御見解をお伺いしたいと思います。
  114. 宇都宮啓

    ○政府参考人(宇都宮啓君) お答えいたします。  ただいまお話ございましたように積極的な除菌治療の実施が学会から推奨されておるということで、厚生労働省としてもヘリコバクター・ピロリ感染胃炎に対する取組など進めてきたところでございます。  一方で、御指摘いただきましたように、近年、除菌に用いる薬剤の一つでございますクラリスロマイシンへの薬剤耐性が出現しているということがまさに指摘されているところでございまして、厚生労働省としては、まずはヘリコバクター・ピロリの薬剤耐性に関する現状を把握することが重要だと考えてございます。  今後、専門学会や国立感染症研究所等と連携いたしまして、必要な調査の実施を検討してまいりたいと考えてございます。
  115. 秋野公造

    ○秋野公造君 ありがとうございます。どうぞよろしくお願いをしたいと思います。  もう一つ、耐性菌が気になる結核についてお伺いをしたいと思います。  我が国の結核対策は順調に進んでおりますが、まだ世界の中では中流行国に位置付けられておりまして、近年の感染は外国人からの集団感染という形であります。これが、耐性菌が我が国に入って、流入をいたしますと、様々な取組の効果が減じてしまうわけであります。  五月二十日の決算委員会におきまして、ヨランダ台風が発生をして、フィリピンで結核治療を受けている、そんな診療情報なども全て失われてしまって、様々な支援を求めて対応いただいたところでありますが、日本の優れた技術であるTBLAMP法、こういったことを活用することによって結核の耐性菌、高流行国などで起きたものが日本に入ってこないようにしていく、そういったことは両国にとって益するものであると思います。  このとき外務省の皆様方に御提案を申し上げまして、無償資金協力で支援をして建て替えをした国立東ビサヤ病院、こういったところで、日本の誇るTBLAMP法を活用して耐性菌ができない取組などに活用していくことは非常に有用であると考えますが、御見解をお伺いしたいと思います。
  116. 桑原進

    ○政府参考人(桑原進君) お答え申し上げます。  五月二十日の決算委にて河野外務大臣から答弁したとおり、TBLAMP法については、同方法を用いた結核診断方法に関するフィリピン国内のガイドラインが二〇一九年二月に定められたところでございます。  これを踏まえ、今後、マニラ以外の地域への導入支援を進めていきたいと考えており、委員御提案の東ビサヤ地域医療センターを含む東ビサヤ地域に対しては、来月にも現地ニーズ調査を行い、フィリピン側の結核検査を行う体制の構築状況等を確認する予定でございます。その結果を確認し、導入を支援してまいりたいと考えております。
  117. 秋野公造

    ○秋野公造君 ありがとうございます。よろしくお願いをしたいと思います。  もう一つは、外国人材の労働がこれから進んでいくわけでありますが、この感染予防をどう進めていくかということが重要であります。結核高蔓延国からの入国者を対象に入国前のスクリーニングを検討しているということでありまして、昨年、私からも、この結核スクリーニングについては感度の高い遺伝子検査も導入してはどうかと御提案をさせていただきましたが、その後の検討結果についてお伺いしたいと思います。
  118. 宇都宮啓

    ○政府参考人(宇都宮啓君) お答えいたします。  御指摘のように、現在、訪日前に結核検査を受診していただいて、結核を発症していないことを確認する入国前スクリーニングを導入することとしてございます。現在、その実施に向けて、厚生労働省、法務省、外務省の間で調整を行っているところでございます。  具体的な実施方法につきましては現在検討中でございますが、訪日前の結核検査については、問診、診察、それから胸部レントゲン写真撮影を行って、そこで結核の疑いがあれば喀たん検査を行うことを考えてございます。この喀たん検査において、一般的に、塗抹検査か、ただいまお話しいただきました遺伝子検査のどちらかが行われるとともに、感度の高い培養検査が行われておりまして、現状としては培養検査の結果が最も重視されているところでございます。  ここで、御提案いただきました遺伝子検査につきましては、塗抹検査と比べて結果が早く判明するということ、また、このLAMP法という簡便な遺伝子検査も開発されているということは承知してございます。一方で、検査環境が十分でない国では通常の遺伝子検査を実施することが困難なところもあることから、限定ということではなくて、検査を実施する現地の医療機関が選択して塗抹検査又は遺伝子検査を実施できるように柔軟に検討してまいりたいと考えてございます。
  119. 秋野公造

    ○秋野公造君 法務省にお伺いをしたいと思います。  この入国前のスクリーニングを実施する対象についてお伺いをしたいと思います。
  120. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 当庁といたしましても、結核スクリーニングの適切な実施は重要であると考えておりまして、現在、厚生労働省等関係省庁とその実施に向けた検討を進めているところです。  御下問の結核スクリーニングの対象者につきましては、昨年二月に開催された厚生科学審議会結核部会において、我が国における外国生まれの結核患者は、フィリピンを始めとする上位六か国、すなわちフィリピン、中国、ベトナム、ネパール、インドネシア及びミャンマーで八割を占めており、これらの国から入国する長期滞在者に対し優先的に入国前スクリーニングの実施を検討することとされていることなども踏まえまして、関係省庁とともに適切に検討し、実施をしてまいります。
  121. 秋野公造

    ○秋野公造君 どうぞよろしくお願いをしたいと思います。  命を守る議論を続けているわけでありますけれども、私のおじは長崎原爆にて被爆死をしました。まだ十六歳で、長崎大学医学部を目指しておりまして、まだ原爆が落ちたときはおじは生きていたようであります。友人たちの足にしがみついて、連れていってくれ連れていってくれと言って、誰も連れていくことができず、そのことをいまわの際まで悔やんでおられる、そんな御友人のお言葉を聞きながら育ちました。  おじが被爆死した近くに城山小学校の被爆遺構がありまして、過去に国の文化財として保護すべきと申し上げまして、国は即座に史跡として対応してくださり、そのおかげで、パグウォッシュ会議のダナパラ会長を始め幹部全員が、外務省の賢人会議の皆様も全員が足を運んでくださり、被爆者の皆様方とともにお迎えをすることができたというのは非常にうれしいことであります。当時の熱線、爆風、こういったもののすさまじさをリアリティーを持って感じていただくということは非常に重要なことだと思います。  この城山小学校は被爆遺構の中に入ることができて、中を守っているのは被爆者の方々であり、対話を行うことができ、その周りを次代を担う小学生が守ってくださっています。  核兵器を二度と使わせない、この思いは、我が国だけの価値ではなく、世界の価値とするべきだと考えます。そう考えると、我が国はこの城山小学校、被爆遺構を世界遺産登録を目指すべきであると強くお訴えをしたいと思いますが、見解をお伺いしたいと思います。
  122. 村田善則

    ○政府参考人(村田善則君) お答え申し上げます。  世界文化遺産につきましては、近年、世界遺産委員会やその諮問機関であるICOMOSにおける審査が厳格化する傾向にあることから、その登録に向けては万全の準備を進める必要があると考えてございます。  先生から御指摘をいただきました旧城山国民学校を含みます長崎原爆遺跡の保護に関しては、委員から国会で御質問をいただくなど、大変な御尽力をいただいていると承知をいたしてございます。この遺跡につきましては、今先生からお話がございましたとおり、平成二十五年に登録記念物に登録され、その後、さらに平成二十八年に史跡に指定されるなど、第二次世界大戦末期における原爆投下の歴史的事実や戦争の悲惨さを伝える遺構として貴重な遺構であると承知しております。  今後、世界遺産登録を目指す場合には、まず世界遺産暫定一覧表に記載されることが必要となるものでございます。文化庁としては、地方公共団体からの御要望があれば必要な助言等を行うなど、真摯に対応をしてまいりたいと考えております。
  123. 秋野公造

    ○秋野公造君 ありがとうございます。どうぞよろしくお願いをしたいと思います。  鈴木大臣、今日は本当にありがとうございます。  八月九日、長崎原爆の日はオリンピック閉会日でもあります。長崎を最後の被爆地にしたい、私たちはあの悲惨さを繰り返すことがあってはならない、そう強い意思を持っています。クーベルタン先生は、オリンピックの目的を、スポーツを通じて平和な世界の実現に寄与すると語られました。大臣から長崎の思いを伝えていただきたい、そのようにお願いをしたいと思いますが、御見解をお伺いしたいと思います。
  124. 鈴木俊一

    ○国務大臣(鈴木俊一君) 秋野委員御指摘のとおり、二〇二〇年東京オリンピックの閉会する日は八月九日でございまして、この日は長崎において原爆が投下された日であるわけであります。我が国は唯一の戦争被爆国でありまして、政府としても平和の大切さを訴えていくことは重要であると、そのように認識をいたしております。  大会組織委員会が取りまとめました二〇二〇年東京大会の開会式、閉会式の全体コンセプトには、積極的に平和をつくり上げていく姿勢を示すということが含まれております。そして、現在、開会式、閉会式につきましては、大会組織委員会が先ほどの全体コンセプトを踏まえまして、野村萬斎さんを中心に四つの式典、オリパラの開会式、閉会式、四つの式典全体の総合的な演出企画を行う東京二〇二〇総合チームにおいて検討を進めているところでございます。  私の立場としては、この式典の演出企画は東京二〇二〇総合チームにお任せをするという、そういう立場ではございますけれども、委員からの御指摘のあった点に関しましては私としても重く受け止めたいと思っておりますので、委員のお考えについて大会組織委員会にお伝えをさせていただきたいと思っております。
  125. 秋野公造

    ○秋野公造君 ありがとうございます。どうぞよろしくお願いをしたいと思います。  オリンピックの前にはラグビーワールドカップもあります。これも成功させていかなくてはならないわけでありますけれども、これも市民生活とどう両立をさせるかということが重要であります。  大分市の佐藤市長さんに対して、市民、特に女性の皆様方が、このラグビーワールドカップが開催されたときの渋滞対策を万全にとお話をされているところにちょうど居合わせたわけでありますけれども、大分合同新聞の記事によりますと、サッカーのワールドカップなどのときにも市内が大渋滞となりまして、せっかくすばらしい大会であるにもかかわらず市民生活にも影響が出てしまったといったような記事も読ませていただきました。  このラグビーワールドカップに向けても地元も万全の体制を議論しておりますけれども、例えば、県外から来られるお客様などが高速道路を降りて市内の駐車場に移動しようとすると、どうしても市民の生活の動線と重なって渋滞が懸念をするということがあるわけでありますけれども、私自身も調査を行いますと、資料の一番最後のページでありますけれども、会場の近くにちょうど松岡パーキングエリアがありまして、将来はスマートインターなども検討してほしいと思いますけれども、この例えば松岡パーキングエリアから車を降ろすことができれば会場に極めて近くて市民生活への影響を最小限に抑えることができるのではないかと、そんな議論になったわけでありますけれども、このラグビーワールドカップに限りこの松岡パーキングエリアの出口を開ける、こういったことを国土交通省に御提案申し上げたいと思いますが、御見解をお伺いしたいと思います。
  126. 池田豊人

    ○政府参考人(池田豊人君) ラグビーワールドカップ二〇一九の会場となります大分スポーツ公園総合競技場周辺の渋滞対策につきましては、現在、大分県など関係機関から成る推進委員会におきまして、パーク・アンド・バスライドを中心にした対策を検討しているというふうに承知をしております。また、パーキングを活用して近隣の大規模集客施設にアクセスした事例もございまして、御質問の大分松岡パーキングエリアを会場の出入りに活用することにつきましては技術的に可能であるというふうに考えております。  国交省としても、今後、地域からの御要望を踏まえ、本パーキングエリアの活用につきましてNEXCO西日本に伝えますとともに、必要な協力を行ってまいりたいと考えております。
  127. 秋野公造

    ○秋野公造君 ありがとうございます。よろしくお願いをしたいと思います。  次に、血液製剤の安定供給についてお伺いをします。  血液製剤の安定供給は極めて重要なことでありますが、人口減が進みまして、この血液製剤を運んでくださる卸売業、こういったことがもう撤退をいたしますと、日本赤十字社がこの血液製剤を直送する例がちょっと増えているようでありまして、特に離島、半島、こういったところでは、今までできていたこと、医療が行うことができなくなる。そうなりますと、大量出血、こういった緊急時の対応が非常に心配なところであります。  私、過去には、大量出血時に用いられていたフィブリノゲン製剤、これが様々な経緯で先天性の疾患のみに適用が限定されてしまっていたところを、専門家の先生方や薬害HIV被害者の大平勝美さんや花井十伍さんなどを交えて、真に必要なときにフィブリノゲン製剤を使うことができるように平場で議論を進め、国においても未承認薬検討会議で適用拡大を議論すると、そういう御決断をいただいたところでありますが、肝腎の血液製剤が適時に適量を確保することができなくなりますと、こういった努力も半減をしてしまうという状況であります。  お伺いをしたいと思いますが、仮に離島、半島などにおいて血液製剤に関わる卸業などが撤退するようなことがあって、この当該地域、私がイメージしているところは県立病院などもあるんですが、この当該地域で日赤自体が事業所を、これまでどおり血液製剤を必要時に必要量を届けることがかなわなくなった場合に、この血液製剤安定供給のために、例えば日赤が当該地域に卸売販売業の許可を得た出張所を設置することは薬機法上可能でしょうか。具体的にどういった要件が求められるか、お伺いをしたいと思います。
  128. 宮本真司

    ○政府参考人(宮本真司君) ただいまの委員の血液製剤の安定供給につきましての御質問にお答えさせていただきます。  地域におきます輸血用血液製剤の供給体制の在り方につきましては、地域の実情を踏まえた医療提供体制を構築する中で併せて検討されるべきものと考えております。  輸血用血液製剤につきましては日本赤十字社が医療機関への供給を担っており、お尋ねの委員御提案のような出張所を既に設置している地域もあると承知しております。  一般論としましては、薬機法上、事業者がその業務を行おうとする営業所の所在地の都道府県知事から卸売販売業の許可を受けることによりまして、輸血用血液製剤を供給することが可能となります。  卸売販売業の許可につきましては、医薬品を適切に貯蔵、保管等をするために、業務を行う上で適切な面積が確保されているか、あるいは冷暗貯蔵のために必要な施設を設けているかなど、営業所の構造設備などについて満たすべき基準あるいはその考え方が省令や通知などで示されているところでございます。  また、卸売販売業の許可を受けた場合につきましては、その業許可を受けた者が遵守するべき事項といたしまして、営業所の管理の方法として、薬剤師を置き、保健衛生上支障がないよう薬剤師に営業所を管理させること、医療機関への供給等の業務につきまして、当該営業所に勤務し、当該卸売販売業者と使用、雇用関係にある従業者が定められた手順に従い実施することなどを求めているところでございます。  なお、こうした体制が整備される中にありましても、夜間の大量出血など緊急の際には、輸血用血液製剤を医療機関の間で融通することは法に抵触するものではないと取り扱っているところでございます。  地域におきまして必要な輸血用血液製剤が安定的に提供できるよう、引き続き日本赤十字社には必要な助言を行ってまいりたいと考えております。
  129. 秋野公造

    秋野公造君 終わります。ありがとうございました。
  130. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 女性がん患者様への相談支援について伺います。  がんは生涯の中で多くの人が罹患する病気になっています。治療方法が開発され、がんになっても治療して社会生活を送り続けることができる人もたくさんいらっしゃいます。がん患者様にとって、治療方法の理解や時にその選択について、さらには経済的な問題や、家族との生活や仕事との両立など、病気のこと以外にも考えるべきことがあり、不安や悩みを抱え込んでしまう場合もあります。  患者様に寄り添い、何でも相談できる支援が必要ですが、それに応える国の取組はどのように進んでいますでしょうか、厚生労働省に伺います。
  131. 宇都宮啓

    政府参考人(宇都宮啓君) お答えいたします。  女性特有の悩みを含めまして、がん患者の方々の様々なニーズに対応できるよう、身近に相談できる体制整備が重要であると考えてございます。  厚生労働省といたしましては、第三期がん対策推進基本計画におきまして新たにがんとの共生を三本の柱の一つに掲げてございまして、全国四百二十八か所のがん診療連携拠点病院等に設置されている相談支援センターの機能強化を図ることとしてございます。  具体的には、例えば、相談支援センターに配置される相談員に対する研修会につきまして、がん患者の抱える就労、外見ケア、妊孕性の問題等に適切に対応できるよう内容の充実を図ること、あるいは全国の相談支援センターの担当者が集まる都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会情報提供・相談支援部会で各地の取組や課題の情報共有を行うことなどということに取り組んでいるところでございます。
  132. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 資料の一は、年代別、性別のがん罹患者数であります。こちらを見ていただきますと、五十代までは男性よりも女性の方ががんに罹患する人数が多いということが分かります。  今御答弁の中にも、女性特有の悩み、妊孕性やアピアランスに対応する相談ということがありましたけれども、妊娠、出産、子育ての真っただ中にある世代であります。また、家事や介護の担い手であったり、夫も仕事で忙しい年代でもあります。御本人が仕事をしている場合もあります。  そのような世代の女性にとって、がんに罹患したときに治療後も妊娠して子供を持つ可能性を残すための妊孕性に関する選択肢や、かつらやメークの仕方といった治療と社会生活を両立させる上でのアピアランスの課題を解決する方法、また、治療費や生活を支えるための社会保障福祉サービスを知ること、その手続など、幅広い様々な相談事が生じてきます。先ほど秋野委員が質問したBRCA変異陽性の方の課題、治療の選択の相談ということも出てきます。  そうした女性特有の多様な悩み、これに応える拠点が国立がんセンター東病院にレディースセンターと女性看護外来として開設をされました。こうした相談できる場所が全国でも増えてほしいという期待の声が寄せられています。この東病院の取組を国として評価をしていただき、横展開に向けて必要な取組をしていっていただきたいと思います。  厚生労働省、いかがでしょうか。
  133. 宇都宮啓

    政府参考人(宇都宮啓君) お答えいたします。  ただいま委員から御紹介いただきました国立がん研究センター東病院のレディースセンターでは、幅広い年齢層の女性がん患者の方々が安心して治療を受けられるよう、女性特有の妊娠、出産に関する相談支援などを実施していると伺っているところでございます。  女性のがん患者への相談支援につきましては、こういったレディースセンターといった形での取組を含めまして、各地でがん相談支援センターを中心として女性のがん患者に寄り添った特色のある取組が行われていると伺ってございます。  御指摘いただきましたレディースセンターを含めまして、これらの事例をがん相談支援センターで相談に当たる看護師などに紹介し、共有しながら、これまで以上に効果的な相談支援体制の構築に取り組んでまいりたいと考えてございます。
  134. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 是非よろしくお願いいたします。  次に、不登校の経験や発達障害などがあり全日制高校に通うことが難しい生徒が通信制高校とサポート校を利用する場合の経済的負担の軽減、この必要性について伺いたいと思います。  様々な理由で中学校までに不登校となっている生徒がいます。文科省に伺います。中学校の在籍生徒数、そして、そのうち不登校となっている生徒数をお答えください。
  135. 矢野和彦

    ○政府参考人(矢野和彦君) お答え申し上げます。  文部科学省において行いました平成二十九年度の児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査によりますれば、中学校在籍生徒数は三百三十五万七千四百三十五人であり、そのうち不登校生徒数は十万八千九百九十九人、三・二%となっております。
  136. 竹谷とし子

    ○竹谷とし子君 不登校になる事情というのは様々あると思います。これについて、全て中学校の先生にこうした問題を解消してくださいというのは非常に酷なことであると思います。様々な特性を持った生徒に対して学びを支援をしていく必要があると思います。  不登校になった後に、高校進学も難しい状況になると推察をいたします。多くの日本の企業が採用条件を高卒以上としていると思います。高校を卒業しなければ就職も難しくなります。高校を卒業すること、あるいは卒業後に社会に参画して自立する力を身に付けるため、子供の特性に応じた学びの支援、これに力を入れていくべきであると思います。  まず、財政面の支援として、国及び地方で公立高校教育にどれぐらい支出をしているのか、また、そのうち通信制高校への支出は幾らか、それぞれの在籍生徒数とともに文科省に確認をさせていただきます。
  137. 矢野和彦

    ○政府参考人(矢野和彦君) お答え申し上げます。  地方教育調査というのがございまして、同調査によりますと、平成二十八年度における公立の高等学校への国及び地方の公費支出額は約二兆六千五百億円となっておりまして、公立の高等学校在籍者数は、学校基本調査によりますと、これ平成二十八年五月一日現在でございますが、二百三十万人となっているところでございます。  また、地方教育調査によりますと、今委員がお尋ねになりました公立の通信制高等学校教育への国及び地方の公費支出額は約二百億円となっており、公立の通信制高等学校在籍者数は、学校基本調査によりますと、平成二十八年五月一日現在で約六万三千人となっているところでございます。
  138. 竹谷とし子

    ○竹谷とし子君 今御答弁いただきました支出、これ一人当たり平均一年間という計算をいたしますと、公立高等学校、平均で一人当たり百万円以上年間で支出をされているということでございます。一方で、通信制高校については約三十万円強ということになるかというふうに思いますけれども、通信制高校に通う場合には、施設また学校の先生の人数なども変わってきますので、それだけ支出額は低くなるということであると理解をしております。  次に、厚生労働省に伺います。  資料四にありますように、放課後デイサービス、これが非常にニーズが高まってきておりますけれども、これにつきまして、その目的、また利用者数をお答えください。
  139. 橋本泰宏

    ○政府参考人(橋本泰宏君) 今御指摘いただきました放課後等デイサービスでございますが、この事業目的というのは、児童福祉法に基づきまして、学校に就学している障害児について、授業の終了後又は休業日に、生活能力の向上のために必要な訓練、社会との交流の促進その他の便宜を供与する事業でございます。  その基本的役割につきましては、この事業のガイドラインにおきまして、子供の最善の利益の保障として、支援を必要とする障害のある子供に対して、学校や家庭とは異なる時間、空間、人、体験等を通じて、個々の子供の状況に応じた発達支援を行うこと、それから、共生社会の実現に向けた後方支援としまして、放課後児童クラブや児童館等の一般的な子育て支援施策を、専門的な知識、経験に基づきバックアップすること、それから三つ目といたしまして、保護者支援として、子育ての悩み等に対する相談等を行うことというふうにされております。  それから、人数でございますが、平成二十九年度のデータで申し上げますと、放課後等デイサービスの利用児童数は月平均で約十七万人となってございます。
  140. 竹谷とし子

    ○竹谷とし子君 このサービスにつきまして、平成二十九年度、二千四百八十九億円支出をして、御利用者の一人平均で年間約百四十万円以上の公費で負担をされているということで、学校教育と別に子供の発達支援のために高校生までこれ利用できることとなっております。非常に学校教育と併せて手厚く支援をされるようになってきているというふうに思っております。  一方で、発達障害がある生徒で、通信制高校に学びながらいわゆるサポート校というものに通学して学習支援を受け、高校生活を送って卒業する生徒たちが今多くいます。  資料の五は、私が視察をさせていただきましたサポート校のカリキュラムの例であります。週五日間、全日制の高校のように学んでいました。こちらで教えていらっしゃる先生たちは教員資格も持っていると伺いました。不登校や発達障害などがあり、ほかの高校で学ぶことが困難である、自己肯定感が低い、そうした子供たち、生徒たちが、このサポート校では、その障害や心、体調の不安に対して十分配慮をしてもらい、学ぶ環境を整えてもらっています。  一九九二年にこちらは創立されて、二年目には英検の級取得者が二百名を突破するなど、検定を取得するということにも力を入れて、高等教育への進学も数多くしているということでございました。高校を卒業して社会に出るための支援というのは大変有り難いなというふうに私は思いました。  サポート校には公的な支援が入っていませんので、通信制高校への納入金とは別に、授業料と施設費合わせて年間約三十万円が保護者の負担であるということでございました。これを少しでも軽くするために通信制高校とサポート校の連携によって修学支援制度を適用できる場合について、文科省、説明をお願いいたします。
  141. 矢野和彦

    ○政府参考人(矢野和彦君) お答え申し上げます。  通信制高校の生徒を学習面や生活面等で支援する民間施設、いわゆる今委員御指摘になったサポート施設でございます、と通信制高校が教育活動等に関し連携する際は、両者の間において、その多様な活動も踏まえ、協力提携内容に応じ費用徴収や費用負担等も定められるものと認識しております。  文部科学省といたしましては、通信制高校の適切な管理運営の確保の観点から、当該連携関係について文書による取決め等を交わすなど、通信制高校が連携施設との適切な協力連携関係の確保に努めるとともに、生徒、保護者に対し適切かつ明確な説明が行われるようにすることが重要と考えております。  また、通信制高校のサポート施設に通う生徒について当該サポート施設に関しての支援はございませんが、在籍する通信制高校の授業料について高等学校等就学支援金による支援対象となっているところでございます。
  142. 竹谷とし子

    ○竹谷とし子君 ありがとうございます。  このサポート校に見学に来た中学校卒業の生徒が、ほかの高校では学ぶ気が湧かなかったけれども、ここでなら自分も頑張れそうな気がするということで入学を希望したけれども、この授業料と施設費について家庭の中でどうしても負担ができないということで泣く泣く断りの電話をしてくるということが過去に何件もあったそうであります。大変残念なことであると私は思います。  ほかの学校には不登校や発達障害があるために通うことが難しい、しかしここでだったら頑張れるのにと思ったのに経済的な理由で断念する。しかも、高校に対する公的な支出額、公立高校に対する一般的な国の支出額を考えれば、十分、国としては負担できる金額ではないかと私は思います。  人材不足から外国人材に頼るために法律を改正するというような日本の状況から、日本で暮らしながら光が当たらず力を発揮することができない人たちがいる、こういう人たちを置き去りにするというのは本末転倒であると私は思います。是非、大臣のリーダーシップで、誰も置き去りにしない教育を日本の中で実現していただきたいと思います。大臣、お願いいたします。
  143. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) 今委員が御指摘になられました通信制のサポート校について、金額的な、予算的な面という側面よりも、むしろこのサポート施設の中に極めて多種多様なものが存在し、そして、法令に基づき設置されているものではなくて、実態等の把握についても困難な面があるということが非常に大きなネックとなっていることを是非御理解をいただきたいと思います。  恐らく、委員が視察をされたサポート校は、今お示しいただいたカリキュラムなど大変充実した内容のものであろうかと思うんですけれども、そうでないものもあると。母体も、学校法人でない、株式会社が設立したもの等もありますし、まあ株式会社だからいけないということは申し上げるつもりはないんですけれども、非常に多様なものがあるということも事実であります。  一方で、通信制高校が、今御指摘のような不登校の経験者だとか特別な支援を要する指導などの学びの場としての機会を提供するという、多様な学びのニーズの受皿として果たしている機能というのもごもっともでございますので、文部科学省といたしましては、通信制、定時制課程におけるこのような多様な生徒などの学習ニーズに応じた指導方法等を確立し、普及を図るための調査研究などを行っているところでありまして、今後とも、こうした取組への支援を通じて、通信制高校における教育をどのように充実していったらいいのか、どのようにチェック機能を果たしていけるのかということについて研究をしていきたいというふうに考えております。
  144. 竹谷とし子

    ○竹谷とし子君 是非御支援をよろしくお願いいたします。  続きまして、交通違反反則金の納付手続の電子化について質問をさせていただきます。  資料六をお配りしておりますが、各種の国庫金の事務の電子化の取組状況と、交通違反反則金については、この資料を見ていただきますと、電子納付ができない状況でございます。この年間の処理件数について、日本銀行に伺いたいと思います。
  145. 林新一郎

    ○参考人(林新一郎君) お答えいたします。  お尋ねのありました交通反則金の年間処理件数でございますけれども、平成二十九年中に警察庁が反則行為として告知した件数は六百二十一万件であり、正確には把握しておりませんけれども、そのうち書面処理件数は六百万件程度と見ております。
  146. 竹谷とし子

    ○竹谷とし子君 六百万件といいますと、非常に膨大な量でございます。これについて電子納付をできるようにしてもらえないかという声が国民からありました。これだけ電子納付をされていないという、この表の中ではそういう状況でございます。  この仮納付手続を電子化する場合の課題について、警察庁に伺いたいと思います。
  147. 北村博文

    ○政府参考人(北村博文君) お答えを申し上げます。  まず、現在の交通反則金の納付手続について申し上げます。  信号無視や一時不停止などの一定の交通違反につきましては、取締りの現場でいわゆる反則切符と併せて仮納付書が交付されます。この仮納付書を用いて、七日以内に金融機関の窓口で交通反則金の仮納付をすることができます。また、これをせずに、都道府県警察本部からの通告を受けて本納付をすることもできます。そして、交通反則金を納付すれば、交通違反について公訴を提起されないこととされております。  この交通反則金の仮納付手続を電子化するに当たって留意すべき点、三点申し上げますと、一点目に、仮納付書は取締りの現場で警察官から交付されること、二点目に、取締りの事務は都道府県警察が行っておりますが、仮納付される交通反則金は国に納められること、三点目に、銀行窓口などで仮納付する場合の手数料は日本銀行が支払っていることでございます。  以上を踏まえまして、交通反則金の仮納付手続の電子化に当たっての課題を申し上げます。  まず、現場で警察官が交付する仮納付書に電子納付のための番号を付与したりコンビニ納付のためのバーコードを印字したりすると同時に、即座にこれらの番号などに対応した納付金額等のデータを電子納付のためのサーバーに送信、登録するための端末装置、また中央装置を整備する必要がございます。システムなり端末機材を調達するということが必要になります。  他方、先ほど申し上げましたように、交通反則金は国に納付されますので、都道府県警察においてこれら装置の費用を負担することは適当ではございません。また、国におきましても、厳しい財政状況の中で都道府県の事務に用いる機材を調達する費用を負担するのは困難でございます。さらに、コンビニ納付などで新たに手数料の支払が必要になるということも考えられますが、この費用を都道府県又は国が負担することも同様の理由で不適当又は困難でございます。  また、交通反則金は交通違反に対する一種の制裁金でございます。現在、罰金の支払も電子化されておりません中で、厳しい財政状況にある国、地方の負担におきまして交通違反者の利便の向上のための予算に、またその場合には、財源といたしましては現在交通安全施設等の整備に充てられている経費を振り向けるということにつきましても慎重な検討が必要であると考えてございます。
  148. 竹谷とし子

    ○竹谷とし子君 内閣府においては政府のデジタル・ガバメント実行計画を所管をされております。警察庁からは今のように電子化というのが非常に難しいという課題が提起をされておりますので、これをいかに解決していくかということについて内閣府にリーダーシップを取っていっていただきたいということを要望して、質問を終わります。  ありがとうございます。
  149. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。  今日は、イージス・アショアの配備問題についてお尋ねをしたいと思います。  この間、防衛省が適地調査というのを行ってこられました。その結果について、原田防衛副大臣が、五月の二十七日に秋田県、二十八日に山口県を訪ねまして、地域住民の健康などに影響はないなどと報告をし、秋田市の陸上自衛隊新屋演習場、そして山口県萩市、阿武町のむつみ演習場を配備先とすることに理解を求めたという経過があります。この件について、毎日新聞が例えば「秋田・山口 反発なお」と大きな見出しで報道しておりますし、阿武町長は、地元の理解とは何ぞやということが欠落していると、改めて厳しく反対の意思を示しております。  この問題について、読売新聞の五月二十日付けの記事は、防衛省は両演習場に配備することを最終的に決めたと書いてあるんですね。これ、地元が猛反対しているのに最終的に決めたというのは私あり得ないと思うんですが、まず、岩屋防衛大臣、最終的に決めたんですか。
  150. 岩屋毅

    ○国務大臣(岩屋毅君) 最終的に決めたわけではございません。  山口県、それから秋田県、両方にこれまでの詳しい調査結果について説明をさせていただきました。  双方から、このデータについて検証する時間をもらいたいということでございましたので、そのまた反応を受け止めた上で、引き続き丁寧に御説明を重ねて御理解をいただいてまいりたいと思っております。
  151. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 決めていないと、引き続き丁寧に説明して理解を得たいとおっしゃるわけです。  このどちらの候補地も、候補地として名前が挙がって以来、大きな不満、不安と怒りの声が噴き上がってきました。阿武町では、町の存亡に関わる危機という声が地域丸ごとの揺るがぬ固い意思になってきたと思います。圧倒的多数の署名が寄せられています。そして、イージス・アショア配備に反対する町民の会に参加する町民は有権者の過半数に至っております。  萩、阿武でも秋田でも、イージス・アショアの配備というのは、生活となりわいのど真ん中に超強力レーダーと迎撃ミサイルの発射基地、巨大基地を新設しようというものなのであって、大臣、住民合意なしに配備ありきで押し付けるということなどもちろん許されないし、そもそも絶対あり得ないと思いますが、いかがですか。
  152. 岩屋毅

    ○国務大臣(岩屋毅君) イージス・アショアの配備候補地としてむつみ演習場を選定して以来、花田町長さんを始め阿武町の皆様が御不安や御懸念を持たれているということは、防衛省としてしかと受け止めております。  五月二十四日には花田町長さんが防衛省を訪問されまして、そのときは副大臣に対応をさせたのでございますけれども、私も阿武町民からの要請についてしっかりその後報告を受けております。  住民の方々を対象とした説明の機会を今後いただいてまいりたいと思っておりまして、これは秋田県についても同様でございますけれども、そういう説明を通じて地元の皆さんの御不安や御懸念を払拭できるように丁寧で分かりやすい説明を重ねてまいりたいというふうに思っております。
  153. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 そのような防衛省による説明で払拭できるような思いではないんですよ。  お手元にお配りした資料、一枚目から三枚目を御覧いただきたいと思いますけれども、これ、昨年、平成三十年九月十一日付けで阿武町議会に提出をされましたイージス・アショアの陸上自衛隊むつみ演習場への配備計画の撤回を求める請願書です。  三枚目、御覧いただいたら、肉筆、直筆でそれぞれ御署名がございますけれども、阿武町のこのむつみ演習場に隣接する、近接すると言った方がいいでしょうか、地区の十六ある全ての自治会と、それから全ての農事組合法人、うもれ木の郷、福の里、あぶの郷、飯谷笹尾、そして、うもれ木の郷女性部四つ葉サークルのそれぞれ代表者の方々がこうして町議会に請願をされたわけですね。  二枚目にその請願文がありますけれども、最後の部分、我々はこの地を愛しこの地を次世代につなぐ義務があります、それは農地を耕し今日まで努力し続けてくださった先人に対する責任でありますと。陸上配備型イージスシステムはその継続を妨げることになるのだという思いなんですね。阿武町議会は全会一致でこの請願を採択をいたしました。  そして、先ほど防衛大臣がおっしゃった阿武町長、花田町長の発言、行動というのは、まさに住民の総意なんですよ。その重みについて防衛大臣の認識はいかがですか。
  154. 岩屋毅

    ○国務大臣(岩屋毅君) 先ほども申し上げましたように、阿武町の皆様のそういった御不安、御懸念というものは、防衛省としてしかと受け止めております。  これまで、地域の皆様の御要望にも沿う形で、かなりあらゆる角度から入念な調査を行っておりまして、その分析結果をお地元に説明をさせていただいたところでございますけれども、更に住民の方々への説明をしっかりと行って、そういう町づくりに対する御不安、御懸念というものを払拭できるように誠心誠意努力をして、御理解をいただいてまいりたいと思っております。
  155. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 私、防衛大臣の今の御答弁を伺っても、大臣と、それから政権のと申し上げた方がいいかもしれないけれども、地元の住民の皆さんの思いとのもう本当に埋めることのできないずれというのを痛感しますね。  これまで丁寧な説明してきたというふうにおっしゃいますが、この請願書の二段落目、請願理由の二段落目御覧ください。  昨年の六月十七日から以降、地元説明会が行われてきたわけですが、それについて、具体的、論理的、科学的とは懸け離れ、細かな説明を求めると機密事項だという答弁に終始し、不安と不満の気持ちが募る、そうありますよね。その後の二回目、三回目の説明を受けても払拭できるものではありませんでした、福賀地区は、人口減少、後継者不足等が深刻化する中で、地域振興や移住、定住の足かせになるといった不安や心配のほか、隣接する牛舎では酪農による乳製品を始め、広大な農地で栽培される農作物等に対する風評被害も懸念される、多くの住民からの不満と不安の声は三度目の説明会を受けた今でも深刻な状況ですと述べています。  そして、昨年十月十五日に第四回目の地元説明会が行われました。そこでの花田町長の発言は、つまり配備に反対する最大の理由は町づくりの方向性と全く相入れないからだという厳しいものなんですね。  そこで、まずこの点について具体的に政府の認識をお尋ねしたいと思います。  阿武町は人口三千四百人余りの小さな町です。町長は、昨年秋に私どもしんぶん赤旗の日曜版のインタビューにお答えになりまして、こうおっしゃいました。長い間、町民を主役に、自然を生かし、住んでみたい、住んでよかったと思われる町になるように取り組んできたと。高校三年生までの医療費無料化など子育て支援、ジャズフェスティバルの誘致、そして細かなプラスチック片まで取り除いて鳴き砂の浜を復活させようという事業などの努力を重ねてきて、その努力が実ってきていると。  Iターンが増え、転入から転出を引いた社会増減で見ると、阿武町の社会増、その増加率というのは、全国の過疎自治体の約八百のうち、上から十七番目になるんですね。この取組、町づくりの取組というのは、阿武町民にとって大きな誇りであり、希望なんです。  最近、NHKも、四月二十三日の時論公論で、他の多くの自治体と同様、少子高齢化という課題に直面している阿武町、移住者を呼び込むIターン事業を積極的に進め、町の存続を図ろうとしてきました、この十年でおよそ二百五十人が移住するなど実績も上げてきましたと紹介をしているんですが、私、UJIターンの先進地と言うべきだと思います。  そこで、まち・ひと・しごと創生担当として、片山さつき大臣、こうした取組と成果をどのように評価をしておられるでしょうか。
  156. 片山さつき

    ○国務大臣(片山さつき君) 御指摘のとおり、山口県の阿武町では、空き家の改修や情報提供窓口の設置、そのほか地方創生推進交付金を活用して様々進められて、人口の社会減が減少傾向にあり、まさに御指摘のように、全国のそういった同じ悩みを持つ地方自治体の中では非常にいいパフォーマンス、それも前向きに取り組んでおられることに大変な敬意を表しておりますし、我々もいろいろな御相談に乗って地方創生の施策を一緒に進めているところでございます。  また、UIJターンにつきましては、市町村独自のUIJターン政策をこの四月一日より成立しました予算において、まさに地方創生に資するような創業をしていただいて戻っていただいた場合は最大三百万円、またそういった企業に就職された場合は最大百万円等の新たな国の予算の施策も出ておりまして、こういったところも当然、阿武町も萩市も今後活用していかれるということは当然でございまして、UIJターン施策に我々も全力を上げて取り組み、阿武町そして萩市も取り組んでいる、それを応援していると、こういう認識をしております。
  157. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 そうですよね。つまり、全国の自治体を励ます取組なんですよ。  その花田町長が、町に移住してくる人たちは自然の中での健康な暮らしを人一倍志向している人たちだとおっしゃっています。その努力をぶち壊しにしてしまうのがイージス・アショアの配備なんですね。実際、Iターンで来られた方は、日本の農村の原風景が残る美しい村だから移住したと、イージス・アショアとの共存はできない、配備されたら出ていくと、絶対に反対という声を上げておられるわけですね。  そうした下で花田町長は、片山大臣、新たな移住者が来なくなるばかりか、今いる人たちが出ていくおそれすらあると、これは町の存亡に関わる問題だと危機感を募らせているんですが、私、当然だと思うんですよ。大臣、どう思われますか。
  158. 片山さつき

    ○国務大臣(片山さつき君) 私は、まだ直接このお話を阿武町長からお伺いしたことはないんですけれども、地方創生に取り組む全ての千七百四十一市区町村は様々な政策を活用し、私どもが国として設けている地方創生に関する財政の矢ですとかあるいは情報提供や人材支援の矢を御活用になって独自の取組をしておられまして、この阿武町においても市町村独自のもの、そして国のものを活用した相互のUIJターンの取組が功を奏しているところだと思いますので、何か我々に御相談があればしっかりとそれをお聞きするということなのかなと、かように考えております。
  159. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 是非、花田町長に直接お話聞いてもらいたいなと思いますね、片山大臣も。  農林水産業についてお尋ねしたいと思うんですが、地元の農業は、今日、コシヒカリを始めとする良質な米、県内出荷量の九割を占める千石台大根や山口あぶトマトなどの農産物のほか、水産物のブランド産品も多くて有数の特産地になっています。この一帯は阿武火山群ということでジオパーク構想も推進が今されているわけですけれども、その火山群によってつくられた地形が魚礁になって豊かな漁業の拠点にもなってきた。一方で、水の困難とかそれから土壌の問題などで農業には大変な厳しさもあってきたわけですけれども、その下で今日をつくり上げてきた地域住民の長年の苦労というのは、これ並々ならぬものです。  お手元の資料の六枚目、七枚目を御覧いただきたいと思うんですが、これはむつみ演習場から直線で四キロ、萩市の旧むつみ町にある千石台出荷組合のパンフレットですが、これ表紙になっているのは、その大特産地であるここの地域を視察に来られた山口県知事と組合員の皆さんの写真なんですね。  一枚めくっていただきますと、「千石台のあゆみ」にこう書かれております。徳川幕府時代に毛利藩によって開墾され、年間穀物が千石取れていたことから千石台と名付けられた。戦後の苦労は大変なものですよ。日本の海外進出とともに荒地となってきて、昭和二十年の終戦を機に入植が始まり、当時の状況はササとススキに覆われ、電気も水もない中、くわと鎌での人力開墾で、その苦労は想像を絶し、当初の入植者は七十数名でしたが、昭和三十八年なんですが、これ、大雪を機に離農が始まり、その後も高齢化や後継者不足により現在では十八戸になっていますと。その苦労が、近年、新規就農者を幾人も迎えて、今は半数以上が二十代、三十代の出荷組合に発展しているんです。山口県内最大規模の露地野菜産地になっているんですね。  農水大臣、農水省もこれずっと長く支援をしてこられたわけですが、先ほどの阿武町議会への請願書にあるように、我々はこの地を愛しこの地を次世代につなぐ義務があります、それは農地を耕し今日まで努力し続けてくださった先人に対する責任でありますと。この思いを、大臣、どう思われますか。
  160. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 今、仁比委員から様々なお話をいただきましたように、山口県の北部に位置しまして、日本海に面する萩市や阿武町におきましては、基幹作物であります米に加えまして、冷涼な気候を生かした野菜等の生産が行われております。地域の農業の担い手として、新規就農者の確保ですとか育成にも力を入れていると承知をいたしております。また、水産物につきましても、周辺水域が好漁場でありまして、様々な魚種が漁獲をされております。  これらの農産物や水産物の中には、今お話にありましたように、千石台大根、山口あぶトマト、萩の瀬つきアジなど、地域の特性を踏まえてブランド化が図られた品目もありまして、第一次産業も重要な位置付けにあると考えております。
  161. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 というような、生活となりわいのど真ん中にイージス・アショアを造ると。  そうすると、防衛大臣、こうした町づくりの取組をぶち壊してしまうことになるというのが地元の怒りじゃないですか。これ、どう認識しているのか。配備ありきで推し進めるなどは全くあり得ないと思いますが、もう一回、岩屋大臣、いかがですか。
  162. 岩屋毅

    ○国務大臣(岩屋毅君) 先ほども申し上げましたように、阿武町の住民の皆様のそういう御不安、御懸念については、私どもとしては、しかと受け止めております。  今般の調査結果の説明においては、言うまでもなく、レーダー波による人体への影響、周辺水環境への影響、それから、こういった装備は実際に稼働しないような安全保障環境をつくることがまず第一でございますけれども、万が一、実際に迎撃をするような場合に立ち至ったときに、ブースターの落下位置の問題あるいは攻撃目標となるリスクといった点について、その影響の有無や住民の皆さんの安心、安全につながる措置を客観的かつ具体的にお示しをさせていただいております。  先生言われる阿武町の町づくりというものに影響を与えることがないような配備を、もしお認めいただければ、させていただかなくてはならないというふうに考えておりますので、まずはこの調査、検討の結果について丁寧に説明を尽くしてまいりたいというふうに考えております。
  163. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 本当に思いが伝わらない政権だと思います。  今防衛大臣がおっしゃった、四項目の適地調査の中身を客観的、具体的に示したんだというふうにおっしゃるけれども、それ自体が町づくりに重大な影響を与えるんだということ、議論を進めたいと思います。  内閣担当大臣とそれから農水大臣、お急ぎであれば御退席いただいて結構です。  その下で、今防衛大臣がおっしゃったレーダーの強い電磁波が住民の健康に悪影響を与えるのではないかと、これが重大問題なんですね。  まず防衛省に確認をいたしますが、海上自衛隊のイージス艦では乗組員の安全のために、レーダーの発射時、照射時には自衛官は甲板に出ることを禁止されていると思いますが、これはどんな取組ですか。
  164. 深山延暁

    ○政府参考人(深山延暁君) お答え申し上げます。  イージス艦がレーダーを稼働する際は、万が一にも問題がないように通常は安全上の理由で立入りを制限しておりますが、レーダーの照射を適切に管制することによりまして、レーダーの稼働中であっても甲板上での作業やヘリコプターの発着艦等の作業を実施することができております。乗組員からの健康被害も生じていないところでございます。
  165. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 イージス艦の甲板の上での作業で自衛官も様々な配慮をしなきゃいけないということになっているわけですね。  ところが、イージス・アショアに導入を決めたレーダー、これイージス艦のレーダーより格段に強力で、しかも世界にまだ一つもないということだと思うんですね。ですから、実際に影響の調査もしようもないわけですが。  総務省にお尋ねをいたしますけれども、昨年秋に萩、阿武の地元の講演会がありまして、そこで環境電磁工学が専門の多気昌生教授が総務省の電波防護指針について、まずイージス・アショアの人体への影響について、配備されるイージス・アショアのレーダーのデータは持っていない、実際に見ないと分からないとお話しになった。これはもう当然のことだろうと思うんです。さらに、参加者から心臓のペースメーカーへの影響について聞かれて、ペースメーカーは電波防護指針の対象外、誤作動が起きるかどうかは別途、つまり総務省の防護指針とは別に検討しなければならないと述べられたことは、これ衝撃でした。    〔委員長退席、理事西田昌司君着席〕  まず総務省、政府参考人に確認しますが、そのとおりですね。
  166. 石田真敏

    ○国務大臣(石田真敏君) 自衛隊のレーダー等の無線設備が人体への安全性を確保しているかにつきましては、防衛大臣において必要な基準を定めることとしておりまして、私の方でお答えする立場にはございません。  電波防護指針について申し上げれば、これは科学的知見を基に携帯電話の基地局などについて電波が人体に与える影響がないようにする基準を定めるための考え方をまとめたものでございまして、国際的ガイドライン等の基準値にも準拠しております。このため、一般論として申し上げれば、電波防護指針の基準値を満たすように設置されるのであれば人体への直接的な影響はないものと考えております。
  167. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 つまり、大臣がそうお答えになったので、そうしたら大臣に聞きますけれども、ペースメーカーや体内埋め込み型のAEDあるいは補聴器といった住民が使用している電子機器への影響というのは、これは総務省の電波防護指針には対象になっていないということですね。
  168. 谷脇康彦

    ○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。  電波防護指針は、今大臣から御答弁申し上げましたように、電波が人体に好ましくない作用を及ぼすことがないように基準値を定めているものでございます。したがいまして、電波防護指針では電波が心臓ペースメーカー等に与える影響については考慮をしていないところでございます。
  169. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 そうしたものなんですね、総務省の防護指針は。  今、先ほど大臣が、イージス・アショアなど防衛省が使うものについては防衛相が必要な基準を定めるんだと、だから答える立場にないというふうにおっしゃったんですが、そういうお立場からすると当然だとおっしゃるのかもしれませんが、今回、防衛省は適地調査だとして電波環境の調査を行っているわけです。それに基づいて人体やあるいはペースメーカーに影響はないんだということを結論付けて、地元に押し付けようとしているんですね。  総務大臣、これは、電波防護指針を所管する総務省として検証し、防衛省の行った調査のデータを共有して責任を持っているんですか。
  170. 石田真敏

    ○国務大臣(石田真敏君) 自衛隊法の第百十二条、電波法の適用除外というところで、第四項でございますけれども、「防衛大臣は、無線通信の良好な運行を確保するため、自衛隊がそのレーダー及び移動体の無線設備を使用する場合における無線局の開設及び検査並びに当該無線局で無線通信に従事する者に関し必要な基準を定めなければならない。」とされているわけでございまして、先ほど答弁申し上げましたように、防衛大臣におきまして必要な基準を定めることとしておりますので、私の方でお答えする立場にはないということでございます。
  171. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 結局、今回の電波環境調査というのは、言わば防衛省独自のものにすぎないということなんです。  その説明資料の中からお手元の十枚目を御覧いただきたいと思うんですが、半径二百三十メートルより離れた場所では人体への影響がなく安全という結果になりましたと結論がありますが、これ、防衛省、なぜそう言えるんですか、説明ください。
  172. 鈴木敦夫

    ○政府参考人(鈴木敦夫君) 人体への影響につきましては、電波法令に基づく計算式を用いて、人体に影響を及ぼさない保安距離を算出を行ったところでございます。その結果といたしまして、半径二百三十メートルより離れた場所では人体への影響がなく安全という結果になったというものでございます。これは、電波防護指針の基準を超える区域にはなっていないというところでございます。
  173. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 いや、何とも木で鼻をくくったような答弁なんですけれども。  計算式の問題に入る前に、安全という結果になったということの意味について、お配りはしませんでしたけれども、これの説明資料の前のページに、実測調査を行ってこのように判断するんだということが書いてあります。陸自が現に保有している中距離地対空誘導弾の対空レーダーで実測調査を行ったというだけであって、実機での検証はしていないし、これ配備するまでできないわけですよね。  そのことはお配りしている十二枚目の資料においてもこれ明らかでありますが、まず、実測調査というのはそういうものですね。
  174. 鈴木敦夫

    ○政府参考人(鈴木敦夫君) 陸上自衛隊の対空レーダー、中SAMでございますが、これを用いた実測調査は、むつみ演習場とその周辺の住宅を含む合計八か所で電波の強さを測定いたしました。  具体的には、演習場内におきましては、中SAMから見通しの利く二か所で測定を行って、電波の強さが距離に応じて小さくなることを確認しております。また、演習場外におきましては、御地元から人家や学校があるところで測定してほしいといった御要望をいただいてあることを踏まえまして、調整の上で住宅地に近い場所で測定を行ったというものでございます。
  175. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 今のような実測調査なるものをされて、その上で、全ての計測地点において実測値は机上計算値を大きく下回る結果となりましたということを導いておられるんです。机上計算値というのは、つまり机の上で計算したと。その数値を中SAMの実測値であれば下回るということになった。  結局、何を防衛省は説明されたいかというと、机上計算値と実測値の関係ということですよね。机上で計算したものよりも実測値が低くなるということになりましたと、だからイージス・アショアのレーダーでも同様になると想定しているというのがこの調査の結果でしょう。そういうことですね。
  176. 鈴木敦夫

    ○政府参考人(鈴木敦夫君) 今御指摘いただきましたように、この中SAMのレーダーの実測調査、それから机上計算を用いまして、机上計算の値よりも実測調査は下回るというもの、こうした一般的な性格というものを確認させていただきました。そうしたことを用いまして、イージス・アショアについても適用していくというものでございます。
  177. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 そのようなものにすぎないわけです。  しかも、計算式というのが、先ほどの資料の十枚目にありますが、あのSイコール、難しいのでもう略しますけれども、難しい計算式が書いてありますね。それの分子になっているP、G、Dという数字があるわけですね。これはどこにも説明がないけれども、その下の計算値は、二百五十八万千六百五十九という値がここ書かれているわけなんですが、このP、G、Dという数字はそれぞれ何を意味しているんですか。具体的な値を私示さないと意味分からないと思いますが、いかがですか。
  178. 鈴木敦夫

    ○政府参考人(鈴木敦夫君) この計算式に用いますところのP、G、Dシータでございますけれども、これにつきましては、Pにつきましてはレーダーに供給する最大電力の時間平均値ということでございまして、レーダーは相手目標を捉えるためにアンテナから放出される電波というのは瞬間的にオン、オフを繰り返しているため、最大出力の時間平均を取ったものというものがこのPという値でございます。  Gはアンテナ利得というものでございますけれども、これは、アンテナに入力された電力をどの程度効率よく集中させて放出できるかということを数値化したものでございます。  それから、Dシータというものにつきましては、電力指向性係数というものでございますが、これは、メーンビームに対しましてサイドローブがどのくらいの大きさであるかを数値化したものというものでございます。  P、G、Dシータ、それぞれの具体的な個別の値につきましては、レーダーの捜索能力などの性能を明らかになるため、お答えは差し控えさせていただきますが、今委員から御指摘ございましたように、このP、G、Dシータ、これを掛け算したもの、積につきましては、二百五十八万一千六百五十九という値ということで公表させていただいているというところでございます。
  179. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 いや、ここを明らかにしないと説明にならないじゃないですか。住民も自治体も検証のしようがないじゃないですか。防衛省が出した数字を信じろと言っているだけということになるわけですよね。  これ、あれですか、そのP、G、Dシータの値というのは、これイージス・アショアの諸元なんですか。
  180. 鈴木敦夫

    ○政府参考人(鈴木敦夫君) これは、今度導入いたしますところのイージス・アショアのレーダーの値というものでございます。
  181. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 そうすると、イージス・アショアのそのP、G、Dの諸元というのは、これはもう定まっているわけですね。
  182. 鈴木敦夫

    ○政府参考人(鈴木敦夫君) もちろん今開発中でございますけれども、そうした能力を目標にしてレーダーを造っておるという意味においては、捜索能力ということの性能は決まっておるというものでございます。  ただし、先ほど申し上げましたように、そうしたレーダーの捜索能力、こうした能力が明らかになるため、お答えは差し控えさせていただきたいというものでございます。
  183. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 よく分からないんですね。  そのP、つまり最大電力の時間平均値と先ほどおっしゃいましたけれども、これ、イージス・アショアは、あれですか、向こう千五百キロも先まで探知するというようなことができるという能力を目標にするということなので、これは相当な出力ということになるんでしょうが、これがどこまで上がるのか、どこまで強いのかということが分からなければ、住民あるいは研究者、自治体は検証のしようもないわけですが。  例えば、これ数学的に明らかですけれども、Pが仮にスイッチが切られているというときは、この電波防護指針の基準を超える区域という、この危険区域の円の図がこの説明資料にありますけれども、この危険域というのはこれなくなりますよね。逆に、その出力が強ければ強いほどこれがどんどん大きくなると、そういう関係になるんでしょう。    〔理事西田昌司君退席、委員長着席〕
  184. 鈴木敦夫

    ○政府参考人(鈴木敦夫君) こちらにつきましては、そのPにつきましては、オン、オフでございますので、オフのときには電波は出ませんが、オンのときには電波が出ていると。こうしたものの平均値を取って、こうした値を、積を、P、G、Dシータ、こうしたものを掛けまして、こうしたものを分母で割りまして、その結果として出てきた値としていわゆるその保安距離というものが出てくるというものがこうした一般的に電波法令に基づく計算式というものでございまして、この件に限らず、全てのものに対してこうした対応をさせていただいているというものでございます。
  185. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 飛んでいる飛行機だとかあるいはヘリコプターなどに対しては、これはもっと遠い距離まで影響を与えてしまうということをこの説明資料の中でもお認めになっているんですけれども、これ、つまり、発射された弾道ミサイルを探知するというその主力のビームですか、これはそういう重大な影響を与えるわけですよね。  これ、何メーターという計算でしたか。
  186. 鈴木敦夫

    ○政府参考人(鈴木敦夫君) 必ずしも御指摘の点が把握していないかもしれませんけれども、今説明申し上げているところは、人体に影響を及ぼさない保安距離と、こういうものを算出するときのいわゆる計算式におきまして、こうしたP、G、Dシータというものを用いて具体的にこうした保安距離というものを算出しているというものでございます。  こうした考え方は電波法令に基づく計算式一般的に使われているものでございまして、自衛隊がほかに持ちますレーダーその他についてもこうした考え方におきまして対応させていただいているというところが御説明をさせていただいた趣旨でございます。
  187. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 結局、その計算式、計算式とおっしゃるだけで、そこに入力する前提の値はこれは秘密だ、それは答えないと、説明しないというわけですね。  これ、防衛上の秘密だということなんですか。
  188. 鈴木敦夫

    ○政府参考人(鈴木敦夫君) P、G、Dシータのこの三つにつきますところの一つ一つの具体的な値につきましては、レーダーの捜索能力などの性能が明らかになるため、お答えは差し控えさせていただきますが、これらの三つの値を掛けたもののいわゆる積の結果といたしましては、二百五十八万一千六百五十九という数字を明らかにさせていただいているというところでございます。
  189. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 その説明では住民の皆さんの納得は決して得られないということは、もう明らかだと思います。  その説明の前提になった実地、実測調査についても、その前の九ページ目の資料お配りしましたけれども、先ほど大臣からもお話のあった八か所といううち、西台の展望台駐車場という位置があります。このレーダー、この位置の実測は、レーダーの位置からすると山によって遮蔽されるというようなことが前提になっているんでしょうが、この駐車場よりももっと上がったところ、ここに白菜の大きな畑があります。私も現場訪ねてきましたけれども、演習場まで歩いて二分ほどでもう入ってしまうようなところです。演習場から見通せるところなんですよね。その地元の生産者は、ここで調査をしろと。だって、もう一日中その畑に出て家族で作業されているわけですから。その声に防衛省は応えませんでした。  これ、なぜそこでやらなかったんですか。
  190. 鈴木敦夫

    ○政府参考人(鈴木敦夫君) お答え申し上げます。  今回、むつみ演習場とその周辺の住宅地を含む合計八か所でこの中SAMの電波の強さの測定を行いました。これにつきましては、御地元の方から人家や学校があるところを測定をしてほしいといった御要望をいただいたことを踏まえまして、調整の上でこうした八か所を選んだものと理解してございます。
  191. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 だから、おかしいというんですよ。人家や学校とおっしゃいますけど、住民は人家や学校にずっとこもっているわけじゃないんですよ。みんな町に出て、山に入って働くんですよ、学ぶんですよ。  この今の図面でも、もしレーダーが稜線に近いところに向かうということになったときには、先ほどおっしゃったサイドローブも含めて、この西台の展望台よりももっと上の辺りというのは、これ、別の結果が出るでしょう。これ、別の結果があり得ますよね。
  192. 鈴木敦夫

    ○政府参考人(鈴木敦夫君) ある地点におきますところの電波の強さと申し上げますのは、距離ですとか向きですとか遮蔽物の有無等で決まるため、一概に申し上げることは困難でございますけれども、一般論で申し上げれば、レーダーの方向に近い山の稜線部分で測定を行った場合、遮蔽物がなければ、電波の強さというのはそうした遮蔽物を含んだところの地域に比べては大きくなるものと考えております。  ただ、今回出ましたとおり、イージス・アショアを設置した場合につきまして、こうした場合の保安距離というものが二百三十メートルでございますので、これは全てここのむつみ演習場内に収まりますので、むつみ演習場外であれば、こうした保安距離の以遠、より遠いところに存在するということでございますし、更に申し上げれば、そうした電波につきましての広がりというものを抑えるために電波の吸収、防護壁というものがございます。これに対して、電波吸収体ですね、吸収壁を設けるというようなことを、設置いたしますので、そうしたことを考えますと、人体等への影響はないというふうに理解してございます。
  193. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 そんな説明で到底納得は得られませんということをもう一度申し上げておきます。  もう一つ重大なのが、迎撃ミサイルの部品落下の危険です。  ミサイルは、発射した後に一つ目のブースターが燃焼して切り離され、二段目、三段目と点火、それから切り離しということが繰り返されるわけですが、これ、資料八枚目の地元のはぎ時事の記事にも、「課長発言はショッキング」という見出しが躍っております。これ、昨年十月の四回目の住民説明会で、防衛省の戦略企画課長が、二段目、三段目のロケットの落下場所について、絶対に陸上に落ちないとは言えないが、弾道ミサイルが我が国領域に直撃することと比較すると被害の度合いも比べ物にならないと述べて、これ、住民そして町長の激怒を買ったわけですね。  海上に落ちるといったって、漁船や客船だってあるわけですね。地上なら住宅があるわけですよ。これ、大臣、一〇〇%海に落ちるとは言えないわけですね、二段目、三段目。
  194. 岩屋毅

    ○国務大臣(岩屋毅君) 今のお尋ねにつきましては、一段目のブースターではなくて、二段目、三段目のロケットの落下場所に係る御質問だと思いますが、防衛省の担当者も、現地の説明会において説明ぶりが必ずしも、先生御指摘のその配付文書にありますその説明会においては説明ぶりが必ずしも適切ではなく、誤解を生んだことをおわび申し上げたと承知をしております。  いずれにしても、このブースター、一段目、二段目、三段目、あるいはノーズコーンにつきましても、住民の皆様に御迷惑が掛かることがないように適切に運用を行ってまいりたいと思います。
  195. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 結局、一〇〇%海に落ちるということは言えないわけでしょう。  これ、大臣、だから、課長の発言を陳謝すると言ってみたところで、地上に落ちることがあり得るということでしょう、大臣。
  196. 岩屋毅

    ○国務大臣(岩屋毅君) 私どもは、弾道ミサイルのその飛翔経路あるいは迎撃ポイントによって二段目、三段目のロケット及びノーズコーンの落下位置は変わっていくものですから、確定的にお答えすることは困難でございますけれども、高い高度で仮に迎撃する場合であっても、むつみ演習場周辺に落下することは想定しておらず、陸地から相当離れた海上に落ちるものと考えております。  また、一段目のものにつきましては、SM3というその迎撃ミサイルは、一段目ブースターの燃焼中に燃焼ガスを噴射するノズルの向きを変更することによって迎撃ミサイルの進行方向を制御する機能がございますので、この機能を用いて飛翔経路をコントロールし、演習場内に落ちるような運用を行ってまいりたいと考えております。
  197. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 いや、そんなふうに計算どおりに落ちますか。むつみ台というのは台地ですからね。これ、転がり落ちると、あるいは地上に落ちると、これはもうとんでもない惨事を招くということになるわけですよ。  NHKのインタビューで元海上自衛艦隊司令官の香田洋二さんが、迎撃能力のテスト中で、ブースターがどこに落ちるかという検証の段階には至っていないというふうにおっしゃっています。これ、共同開発中ですけれども、どこに落ちるかの検証というのは行われていないんじゃないですか。  さっきの電磁波の調査は、中SAMを受注している三菱電機が受注した調査だと。今度のイージス・アショアで使うSM3の新しいミサイルは、これ三菱重工が共同開発をしていると。  そういう中で、外務大臣、おいでいただいて、一問お尋ねしたいと思いますけれども、トランプ大統領が、米国兵器の大量購入、これは米国の貿易赤字の解消につながるものだと繰り返しおっしゃって、この間の来日のときにもそういう趣旨の発言をされているじゃないですか。  今お話しのような、技術的にも一体どうなっているのかということを住民にもまともに説明ができない、こういう兵器を爆買いするというやり方というのはもう本当にやめるべきだと思うんですけど、外務大臣はいかがですか。
  198. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) トランプ大統領の発言の逐一について何か申し上げることは避けたいと思いますけれども、我が国を取り巻く厳しい安全保障環境を受けまして、高性能な装備品について早期導入が求められる傾向にございます。そのため、結果として、近年、アメリカからの装備品の調達が増加傾向にあると承知をしております。
  199. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 そのようにおっしゃって、日米一体で基地の強化、増強をする、そのために米国製の高額な兵器を爆買いする、辺野古でも本土でも民意を踏みにじってそうしたやり方を進めるというのは、これはもう絶対にやめるべきだということを強く指摘して、今日は質問を終わります。     ─────────────
  200. 石井みどり

    ○委員長(石井みどり君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、又市征治君、矢田わか子君及び古川俊治君が委員を辞任され、その補欠として宮沢由佳君、柳田稔君及び元榮太一郎君が選任されました。     ─────────────
  201. 高木かおり

    ○高木かおり君 日本維新の会・希望の党の高木かおりです。今日は決算委員会で質問の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。  では、早速質問に入らせていただきたいと思いますけれども、通告に従いまして、法医学者の養成について伺っていきたいと思います。  先日、死因究明等推進基本法が参議院の方では可決をされました。これは元々、平成二十四年に成立をし、二年間の時限立法だったために失効したまま、平成二十六年に失効したままになっていたということで、今回改めて参議院の方では先日可決されたという状況でございます。これにつきましては、是非私も推進に尽力をしていきたいというふうに思っているわけなんですけれども。  やはり、この死因の究明というのは本当に非常に重要であるというふうに思っておりまして、遺族の方々の、死因を解明して気持ちの整理を付けていくという作業、やはり解剖するという点については、自分の身内に置き換えて考えると、ただでさえ悲痛な思いであるさなか解剖するという決断をしなければならない、こういったことも大変つらいものではありますけれども、不審なままで亡くなった方々、そういった観点から考えますと、やはり先ほど申し上げたような遺族の方々の気持ちを整理するという点以外にも、過去に起こった例えばパロマガス事件ですとか、こういった事故死ですとか、それ以外に時津風部屋での力士の暴行事件、こういったことも、結果的に原因が明らかになったことで今後こういったことを防止するということができる。要は、亡くなった方だけではなくて今を生きる方々のための対策になるという意味で、この死因究明というのは非常に私は重要であるというふうに思っていると、そういった点から今日は質問を進めさせていただきたいと思います。  今、日本では年間百二十万人以上の方々が亡くなっているということですが、この死因究明の現状、今どのような状況でしょうか、お答えください。
  202. 露木康浩

    ○政府参考人(露木康浩君) お答えいたします。  今先生お尋ねのあったうち、私ども警察で取り扱っているものについてお答えを申し上げます。  昨年、平成三十年中の警察における死体取扱総数は十七万百七十四体でございました。そのうち、刑事訴訟法に基づく司法解剖、死因・身元調査法に基づく解剖のほかに、これは警察が主体となって行うものではございませんけれども、監察医解剖、また、いわゆる承諾解剖が実施された数字がございます。これが合計で昨年二万三百四十四体でございました。解剖実施率は、警察死体取扱総数を分母といたしますと一二・〇%ということになってございます。
  203. 高木かおり

    ○高木かおり君 今、数字の方もお答えいただきました。  冒頭申し上げましたように、やはりこの死因究明をするという中で、お医者様の下で亡くなっていないという中には、犯罪死の場合、それ以外にも、独り暮らしの方がおうちで亡くなった場合、それから戸外での不審死の場合と、様々な場合が考えられるわけですけれども、今、この死因究明をする、今日のテーマですけれども、法医学者の方々の人材不足といったことも言われているわけです。  こういった中で、解剖の実績というのは、私ちょっと調べてみたんですけれども、平成十五年で八・九%、平成二十四年一一・一%、そして平成三十年一一・九%。最初の平成十五年から平成三十年までで約三%解剖率が増えているだけなんですね。けれども、平成十七年、これがパロマ事件が起こった最後の年になりますけれども、このときが九・一%、時津風部屋の暴行事件、これが平成十九年でしたけど九・五%、そして平成二十一年、皆さん御記憶にございますでしょうか、保険金殺人ということで、木嶋佳苗事件というのがございました。当初は病死とされていましたけれども、結局は殺人事件に発展していった、この事件が平成二十一年で一〇・一%。  これ、ちょっとつらつらと言いましたけれども、ほとんどこの解剖率というのは横ばいである、少し増えただけというような状況なんですね。こういった状況で、それほどこの平成十五年から平成三十年度の間、大きな違いが見られないこの状況、この現状をどのように考えておられるでしょうか、お答えください。
  204. 露木康浩

    ○政府参考人(露木康浩君) お答えをいたします。  今、解剖率については先生から御指摘があったとおりでございます。このうち、警察、第一義的には捜査機関ということでございますので、犯罪死見逃し防止という観点から、解剖というものが非常に重要な手段であり、必要な場合には確実に実施すべきものであるというふうに考えてございます。  解剖につきましては、各都道府県警察におきまして、それぞれの事案に即して死体や現場の状況、各種検査の結果等を勘案し、医師の意見も参考にしてその解剖の要否を判断しているところでございます。  警察庁といたしましては、引き続き、解剖すべき死体については確実に解剖が実施されるよう都道府県警察を指導してまいりたいと考えております。
  205. 高木かおり

    ○高木かおり君 今、犯罪死の見逃しということもおっしゃっていただきましたけれども、今日は、この犯罪死の、事件性のある、見逃しということが多く起こっているのではないかというふうに大変私は危惧をいたしまして、この御質問をさせていただいているんですけれども。  日本では、検視によって犯罪性の有無を判断すると。解剖するかしないかの、そういったことでふるいに分けているということなんですが、検察官や警察官の方々は、今までの経験ですとか五感によってこの外表検査、見た目ですよね、を行って、異状死した遺体なのか犯罪性があるのか、そういったことを判断されているんだと思うんですけれども、でも、やはりその見た目だけ、外表検査だけ、それだけではなかなか判断をするというのは難しいのではないかなというふうに思うんですね。  例えば、見た目、それから遺体からする臭いとか、そういったことでも判断するということなんですけれども、例えば青酸カリを、要は毒を盛られて、そういった場合は口からアーモンド臭がするというようなことも言われていますけど、必ずしもそういったことが起こるとは限らないという中で、本当にこの犯罪、事件性、こういったことの見逃しがないのかどうかというふうに思うわけです。  そもそも、警察の方では、もちろん検察官の方々、警察官の方々、たくさん経験も積んでおられると思うんですけれども、先ほど申し上げたように、やはり医学的見地から判断できるお医者様ではないということで、冒頭申し上げたような、例えばパロマのガス事件、これは犯罪性はないと判断されて、ずっとそのままに約二十年間ほったらかしにされた、それによって多くの被害者が出てしまったという、かなり前の事件ですけれども、これもそうですし、やはり相撲部屋の暴行事件、これも余りにもおかしいのではないかと言われながらも、解剖に至らなかったために被害者がたくさん出てしまった。もっと早い段階で法医学者が解剖をしていれば、原因を突き止めていればそういった事件が予防できたのではないかと、そういうふうに言わざるを得ないんじゃないかというふうに思うわけです。  このギャップをどう埋めていくのか、今もってこれ十分なのか。先ほどの解剖率も横ばいだという、少ししか増えていないというお話をさせていただきましたけれども、警察庁は今後どのような対策を考えておられるのか、お答えいただけますでしょうか。
  206. 山本順三

    ○国務大臣(山本順三君) お答えをいたします。  警察は犯罪の捜査その他公共の安全と秩序の維持に当たることを責務といたしておりまして、届出を受けた死体等について犯罪性の有無等を正確に見極めることは大変重要であるというふうに認識をいたしております。  警察におきましては、死体取扱いについての専門的な研修を受けた検視官を平成二十一年度以降大幅に増員をいたしまして、それと同時に、検視官を積極的に現場に臨場させ、死体観察や死者の周辺捜査を徹底させているほか、法医学者を含めた医師と連携して必要に応じ各種検査、解剖を実施するなど、犯罪死見逃し防止のための取組を推進をしているところでございます。  引き続き、必要な体制の整備、装備資機材の充実、解剖経費等必要な予算の確保等、犯罪死の見逃し防止のための取組を一層推進するよう警察を指導してまいりたいと思っております。
  207. 高木かおり

    ○高木かおり君 今御答弁いただいたように、今の段階では、その検視官の能力の向上、これは有効な解決策の一つだとは思うんですけれども、やはりこの検察官、検視官ですね、検視官の方々、やはりずっとそこにいらっしゃってそのお仕事に従事されるというんだったらまだどんどん経験値を積んでいけると思うんですけれども、お聞きしたところによると数年で異動をしてしまうですとか、まだまだその研修の期間等も少ないんではないかなというふうに私は思います。  そういった意味で、やはりこの犯罪死、事件性のあるもの、これをしっかりと見逃しを防ぐためには、やはり法医学を学んだ解剖医の高い専門性、これが必要なのではないかなというふうに思っております。  今日は、法医学の重要性について、厚労省の方にも伺っていきたいと思います。  今日、資料をお配りをさせていただいております。「虐待見極め 診察チーム」という題名が書かれたこの新聞記事でございますけれども、千葉大学病院には臨床法医外来がございまして、子供が虐待されているかどうかを専門的に見極め、命を守ろうとしていると。子供の診療が専門の小児科医と、けがや死亡の原因を鑑定する法医が協力をし合って、より正確に鑑定しようとする、そういったものであるということでございまして、今、昨今、本当に深刻な事件が虐待等で相次ぐ中、児相、児童相談所が虐待かどうか判断するのを支えていこうという取組ということで、大変すばらしいと私は思うんですけれども、この児童虐待の有無を判断するために、児童相談所に法医も含めた医師の配置、これは進めていくべきだと思いますけれども、御見解、大臣、お願いいたします。
  208. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 児童相談所において医学的な知見を踏まえた対応ができるように、児童相談所における意思決定に医師が日常的に関与し、児童福祉司等と共に対応できるよう体制整備を推進すること、これは重要だと考えています。  例えば、平成三十年三月に発生した目黒区の児童虐待事案、これについては、社会保障審議会の下の専門委員会が取りまとめた報告書がありますが、その報告書の中で、医療機関から児童相談所に対して児童虐待に係る情報提供が行われていたにもかかわらず、情報を踏まえたアセスメントが不十分であったこと、これが問題点として指摘されております。  このような指摘を踏まえて、今、今度の国会に児童福祉法等の改正法案を出しておりますが、これまで医師又は保健師を児童相談所に配置する、今までは医師又は保健師となっておりました、法律上。これを医師と保健師の両方の配置をすることとしております。  さらに、医師の配置に当たっては、どの分野の医師を配置するかについては各地方公共団体が判断することとなりますが、御指摘の法医学の医師、これは虐待の判断の観点から重要な役割を果たし得るものと認識しています。今委員が紹介されたその記事、私も読んでおります。  さらに、今年の三月十九日に関係閣僚会議で決定した児童虐待防止対策の抜本強化においても、小児科医、精神科医、法医学者など事案に即した専門性を有する医療機関関係者との連携体制の強化を図ると、これは政府の関係閣僚会議で決定をいたしました。  今後も、虐待の早期発見等における法医学者も含めた医療との連携、これに努めていきたいと思います。
  209. 高木かおり

    ○高木かおり君 大臣、ありがとうございました。思いが共有できているということに大変うれしく思っております。  児童相談所の医師は、やはり小児科医が大半だと思いますし、もちろんそうあるべきだと思うんですね。ですけれども、今日お配りした新聞記事にも載っていますけれども、法医学者が得意とする分野と小児科医が得意とする分野と、それがしっかりと連携をできることによって、より児童虐待というものを未然に防ぐことができるという意味では大変重要な部分だと思っております。  この臨床法医学は、千葉大を始め、そのほか兵庫医科大、それから和歌山県立医科大などでも行われてはおりますけれども、まだまだ法医の数が少ないということで、広がりには欠けているというふうに思います。こういったことが全国的にも広まっていくことを大変望んでおりますので、お願いをしておきたいと思います。  親や子供本人が、虐待を隠そうとして残念ながらうそをついてしまい、うそをつかざるを得ないような状況であることが多々ございます。法医は、体の傷痕、それからそのうそを見破るということ、虐待を防ぐためには最初の窓口となるこの児童相談所、これは本当に重要な拠点でございまして、何とか虐待を見抜くことが必要だと。  もちろんこれはもう共通認識だと思うんですけれども、児童相談所の医師の専門性向上のために、これ研修を実施することが重要だと私は思っておりますけれども、この点について、大臣、取組について御見解お願いいたします。
  210. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 研修、大変大事だと思います。  厚生労働省としては、児童相談所の医師等を対象とした研修、これに対して補助を行っております。それから、子どもの虹情報研修センター、これ今全国でここだけなんですが、ここの研修を開催するなど、児童相談所の医師の資質の向上に努めております。  この子どもの虹情報研修センター、この記事にも書いてありますけど、この中でも、今回の千葉大の取組、これは先駆的だと、こう評価しておりまして、この研修センター、そういう知見も集積していますから、そこでの研修をしっかりしていただこうと、こう思っております。  また、先ほどの、三月に関係閣僚会議で決定した抜本的強化という閣僚会議での決定、これに基づいて、関係団体の協力を得た研修の充実など、必要な財政支援の拡充をこの閣議の決定の中でも決めております。  加えて、今年度の調査研究事業において、法医学に関する研修の実施など、こういう先進的な自治体の取組、これを収集して、さらに今後どのような取組ができるか検討していきたいと思います。
  211. 高木かおり

    ○高木かおり君 是非進めていっていただきたいと思います。  今日は時間がないですので児童虐待防止に法医学の有用性についてのみ伺ったわけなんですけれども、厚労省としては、ほかにも解剖によらない死亡時画像診断の普及、こういったことも行っているとお聞きしております。もちろん、やはりそれだけでは不十分ではありますけれども、このAi、死亡時画像診断の普及というのも併せて進めていっていただけると、よりこの虐待の早期発見につながっていくのではないかというふうに期待をしておりますので、どうぞよろしくお願いをいたします。  次に、内閣府に伺いたいと思いますが、災害における死因究明の重要性なんですけれども、大規模災害が発生したときに、御遺体の本人確認のために法医学者が非常に重要な役割を担っているということなんですが、災害時における法医学者の重要性について、千葉大の岩瀬教授が本人確認以上の役割があるというふうにおっしゃっているんですね。  例えば、東日本大震災、このときに、法医学者の人数に比べたら、当然ですけれども犠牲者の方々がたくさんいらっしゃいましたので、全ての御遺体を確認できたわけでは当然ございません。けれども、そのときに、溺死という死体検案書を、多過ぎて判断が全てにおいてできなかったということで溺死というような死体の検案書を書かざるを得なかったという状況もあると聞いているんですが、もしも全ての御遺体を確認していたら、あの時期の東北の気候を考えると、中には溺死だけではなくて凍死の方もいらっしゃったかもしれない、これはあくまで臆測になってしまいますけれども。そうすると、現在、溺死ということで津波対策に力を入れて、それの対策に税金を投入しているわけなんですけれども、もしかしたらまた違った理由で亡くなられた方がたくさんいらっしゃったかもしれない、災害時の寒さ対策、こういったことにもっと力を入れるべきかもしれないということが起こってくるわけです、これは確認のしようがございませんけれども。  そういったことを考えると、防災の観点から考えますと、死因究明に関わる法医学者が大変やはりこういった点でも重要だと考えるんですが、内閣府の見解はどうでしょうか、お答えください。
  212. 山本順三

    ○国務大臣(山本順三君) 今般の法案でも規定されておりますとおり、死因究明の推進というものは、災害等の被害の拡大及び予防可能な死亡の再発の防止等に寄与すると言われることでございまして、そのために行われることが極めて重要であるというふうに認識をいたしております。  東日本大震災やその後の様々な災害において多くの方が亡くなられておりますけれども、亡くなられた方の死因を的確に把握することは、同種の災害が発生したときの対策を検討する上で、議員御指摘のとおり、一般に重要であるというふうに認識をいたしておりますし、私も東京大学の岩瀬教授の本、少し読ませてもいただきました。  これまでも、死因究明等の質の向上のために、検索する医師等の検案の技術向上を図る研修会の開催、それから、災害時の迅速、的確な対応のため、大規模災害を想定した各種訓練の実施等の取組が行われてきたところでございます。  今後とも、大規模災害等が発生した場合に亡くなった方の死因を的確に把握することができるよう、関係省庁や関係機関と連携して、これからの取組を推進してまいりたいと思っております。
  213. 高木かおり

    ○高木かおり君 是非よろしくお願いしたいと思います。  やはり、この防災の観点から考えますと、例えばこの死因究明センターのようなものも必要なんじゃないかなと。これはかなりハードルが高いかもしれませんけれども、そういった拠点というのも必要になってくるんではないかというふうに思います。是非また今後検討をいただけたらなというふうに思います。  ここまで法医学者の重要性、いろいろな部分で法医学者の方々が必要な場面を御紹介してきたわけなんですが、様々な省庁からも伺った中で、たくさん法医学者の活躍する場はあるにもかかわらず、現在、法医学者の数が約百七十名しかいないと。法医学教室のある大学の数も八十二大学、今日資料も添付させていただいておりますけれども、大変少ないなというふうな印象であります。  犯罪の見落としですとか、冒頭申し上げたような様々な観点から申し上げますと、法医学者の、今日のテーマ、法医学者の養成ということでございますけれども、今国会で成立する見通しでありますけれども、死因究明等推進基本法、こちらにも法医学者の養成が盛り込まれてはおりますが、文科省、文科大臣に伺いたいと思います。  文科省は、この点について基礎研究医養成活性化プログラムを作成されておられると思います。法医学の重要性を認識していると思うわけなんですが、最後に、法医学者の養成について今後どういうふうな見通しを考えておられますか。お答えいただけますでしょうか。
  214. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) 文科省では、医学生が卒業時までに学ぶべき内容を示した医学教育モデル・コア・カリキュラムを平成二十九年三月に改訂をして、新たに死因・身元調査法解剖に関する学修目標を設定するなど、死因究明などに関する学修目標や内容を充実させました。  そして、死因究明等推進計画、これは平成二十六年の六月に閣議決定されたものでありますけれども、各大学における法医学教育の充実などを要請するとともに、法医学を含む死因究明等に係る教育及び研究の拠点整備に取り組む国立大学に対して支援をしているところです。  そしてまた、今委員から御紹介をいただきました、大学を対象とした補助事業である基礎研究医養成活性化プログラム、これは私立大学も含めてでありますけれども、法医学分野における優れた基礎研究医を養成する取組も支援をしております。これも平成二十九年度から五年間にわたって支援をするということで、計画的に行っているところであります。  こうした取組を通じて、医学部における死因究明などに関する教育が更に充実するよう各大学の取組を促してまいります。
  215. 高木かおり

    ○高木かおり君 ありがとうございます。  法医学者の数が少ないということなんですけれども、いろいろと補助事業等で、これ今後養成に向けて取り組んでいただけるということだとは思うんですけれども、やはり大学に関して言えば、この法医学者の方々も、同じく今後のキャリアパスが見通せないということがなかなか法医学者になろうというきっかけにならないということで、その点をどういうふうに改善し支援していくかということが重要になってくるのかなというふうに思っております。  現在は、この研究教育と解剖という実務が一緒になってしまっているということで、法医学研究所等をしっかりとつくって、研究と実務を切り離していくことも考えるべきではないかと、こういった意見も出ているということで、そうすべきだと断定するわけではございませんけれども、やはりそういったことも是非検討をしていっていただきたいというふうに思います。  また、細かいいろいろな話は今後また文教委員会の方でさせていただきたいなと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。  時間がなくなってきてしまいました。本日は、海洋プラスチックごみ対策と、それからふるさと納税についてお聞きをしたいというふうに思っていたんですけれども、あと残り僅かとなってしまったので、続いて海洋プラスチックごみ対策について伺っていきたいと思います。  来月に迫ったG20では、海洋プラスチックごみ対策、これが大変重要な議題の一つになっていると理解しております。  昨年六月にカナダで行われた主要七か国首脳会談では、使い捨てプラの使用削減などを掲げる海洋プラスチック憲章への署名を米国と共に見送ってしまったということがございました。  G20におきましては、是非議長国として、国際的にも本格的にこの先頭を切っていくことを私としても望んでいるところでございますが、日本は技術的に進んでいるとお聞きはしておりますが、廃プラスチック類のリサイクル施設等、この処理施設の整備を進めて国内資源循環体制を構築しているということなんですけれど、この進捗状況について伺えますでしょうか。
  216. 原田義昭

    ○国務大臣(原田義昭君) いよいよ今月になりました。今月の十五、十六日に長野県軽井沢町でG20史上初の環境・エネルギー関係閣僚会議が行われるところでございます。  海洋プラスチックごみ問題の解決には、G7のような先進国のみならず、むしろ最も量を排出していると目される新興国及び途上国もしっかり含めた世界全体での取組が不可欠だと、こういうふうに考えているところであります。  我が国としても、先月の三十一日に決定いたしました海洋ごみ対策の基本方針、プラスチック資源循環戦略、さらに海洋プラスチックごみ対策アクションプランというものをしっかりまた立てまして、これに基づいて、関係省庁と連携しながらこの海洋プラスチック問題対策を強力に進めたい、こう考えております。  具体的には、廃棄物処理等による回収、適正処理の徹底、ポイ捨て、不法投棄、非意図的な海洋流出の防止、陸域での散乱ごみの回収、海洋に流出したごみの回収等々、たくさんの分野について私ども取り組んでいるところであります。  G20では、G20各国の具体的な取組を促進するとともに、イノベーション、科学技術、科学的基盤を国際協力で強化する、そういう枠組みをしっかりとまた構築してみたいと、こう思っております。
  217. 高木かおり

    ○高木かおり君 ありがとうございます。  これ、本当に海洋プラスチックごみ問題は生態系にも影響する、もしかしたら人体にも影響してしまうような大きな問題だと思っておりますので、しっかりと私たちも含めて取り組んでいかなければならないと思っておりますので、どうぞよろしくお願いをいたします。  時間が来ましたので、これで終わります。ありがとうございました。     ─────────────
  218. 石井みどり

    ○委員長(石井みどり君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、石井浩郎君が委員を辞任され、その補欠として三木亨君が選任されました。     ─────────────
  219. 石井苗子

    ○石井苗子君 日本維新の会・希望の党の石井苗子です。本日の准総括、私が最後を務めますので、よろしくお願いをいたします。  五月二十八日の朝に、子供を含めて十九人の男女が巻き込まれた殺傷事件について、お亡くなりになられた方にお悔やみを申し上げるとともに、被害に遭われた方々には心からお見舞いを申し上げます。  本日は、政府の犯罪の再犯防止政策について質問させていただきます。  五月二十八日の痛ましい事件を鑑みましても、政府として犯罪の再犯防止政策、これ喫緊の重要な課題だと思います。通告たくさんしておりますけれども、まず再犯率について、検挙者の中の再犯者が占める割合、パーセンテージで結構でございますので、簡潔に数字でお示しください。加えて、再犯率は上昇傾向にあるのかないのかもお答えいただきます。法務大臣、お願いいたします。
  220. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) お答えいたします。  刑法犯により検挙された人員に占める再犯人員、再犯者の人員の比率、いわゆる再犯者比率は、平成二十九年は四八・七%でございました。近年、この比率は上昇しているところでございますが、その理由は、再犯者の人員自体、実数は減少しているんですが、それを上回るペースで初犯者の人員も減少しているため、比率としては上昇しているということになっております。
  221. 石井苗子

    ○石井苗子君 ありがとうございます。  四八・七%、これが上昇していくと、もう本当に再犯率は高いと。ところが、これは極めて高い数字なんですが、経年別に見ると、例えば法務総合研究所犯罪白書というのがございまして、二年以内から五年以内の再犯率を満期釈放、仮釈放と経年で計算していきますと、下がっているという結果になるんですね。しかしながら、検挙者の中で再犯割合となりますと、依然として高い四八・七%。これはもう計算の方法ではないということを今日申し上げたいんです。  資料を見ていただきますと、政府が再犯防止推進計画というのを立てておりまして、政府が再犯防止のために何をやっているかについて書かれた資料でございます。見ていただきますと、真ん中に七つの重点分野というのがございます。基本の下ですね。ありとあらゆることが書かれてあって、一番下に、世界一安全な日本の実現と書いてある資料でございます。  有識者会議で決定した七つの重要点、これらの中で質問いたします。現在の日本社会において特に頑張らなくてはいけない重点項目はどこでしょうか。そして、どの重要点が一番難しいでしょうか。達成が進んでいない要因は何か、お答えいただきます。法務大臣、お願いします。
  222. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) お答えいたします。  犯罪をした者等が再犯に至る要因というのは多面的かつ複合的でございまして、その再犯を防止するための課題も就労や住居の確保を始め様々でございます。そのため、再犯防止推進計画においては、こうした課題を整理し、その中でも特に重点的に取り組むべき課題として、就労や住居の確保を始めとする七つを重点課題としたものでございます。これらの重点課題は相互に密接に関係しておりまして、犯罪をした者等の再犯を防止するためには各課題に対する施策を総合的に推進することが不可欠であると考えております。  そのため、法務省としては、いずれの課題についても力を入れて取り組むべきものと考えておりまして、推進計画に盛り込んだ一つ一つの施策を関係省庁の御協力も得ながら着実に実施することにより、いずれの重点課題についてもしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
  223. 石井苗子

    ○石井苗子君 今御答弁があったように、どれを取ってもみんな重要なんですということと同時に、なかなかどうしていいか分からないんですということでもございます。  それで、自治体との関連、私もよく自治体に行くんですが、自治体との関連とか連携を結んでいくのが大変難しいということなんですが、それでは予算についてお伺いいたします。  再犯率が四八・七%だとして、再犯防止推進法の予算はどのくらい付けているのかを平成二十八年度からの推移でお示しください。
  224. 西山卓爾

    ○政府参考人(西山卓爾君) お答えをいたします。  平成二十八年度以降の法務省における再犯防止関連予算の当初予算額でございますが、平成二十八年度が約三百三十二億円、二十九年度が三百六十一億円、三十年度が三百八十一億円、令和元年度が約七百十九億円になっております。  なお、令和元年度の当初予算額が大幅に増加しておりますけれども、この理由につきましては、矯正施設の改築、改修など矯正施設の環境整備等に係る経費が前年度と比べまして約三百三十五億円増加したためでございます。  以上でございます。
  225. 石井苗子

    ○石井苗子君 数字だけお答えいただきたかったんですけれども、皆さん御承知のように、三百三十八億円増加しております。これがどうしてこんなに増えたのかということなんですけれども、改修、改築予算だけでしょうか。耐震工事をされていらっしゃるんでしょうか。もう一回お答え願います。
  226. 西山卓爾

    ○政府参考人(西山卓爾君) こちらの令和元年度の矯正施設の環境整備等に係る経費の大幅増額の部分は、臨時特別措置として認められました防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策、これが平成三十年十二月の閣議決定でございます、この分の経費が含まれたことによるものでございます。  内容としましては、老朽化あるいは耐震のための対策というふうになっております。
  227. 石井苗子

    ○石井苗子君 再犯防止推進法の予算ですから、改修工事ばかりではなく、どこに使っていくかということで再犯防止の成果を出していくことが重要だと考えます。再犯防止の効果が上がれば矯正施設を縮小していってよいはずなんですが、大型施設を改修していくというのはちょっと違和感を感じざるを得ません。  再犯防止に向けた総合対策の結果として、直近の二十八年では、先ほどの計算でいきますと、二年以内の再入率一七・三%と順調に下がってきておりますという、示した数字も出ております。これは、この計算は、日本の人口が少なくなっているんですから再犯率や犯罪率も下がって当然ですというような計算でしかありません。大事なのは、この犯罪の種類を見ていただきたいんです。経年の計算方法でそうなっているということではなくて、下がっているということでなくて、犯罪分野別で見ると、高齢者の窃盗と覚醒剤の分野で下がっているというふうに書いてあるんですが、新たに刑務所に入所する者の三〇%以上が覚せい剤取締法違反です。しかも、受刑した方の二年以内の再入率は高くなっています。この二つの分野でです。  覚醒剤犯罪が身近なところで起きて、再犯率も高いと感じていらっしゃる国民の方も多くいらっしゃいます。どうしてこんなところで覚醒剤の事件がと思うようなことがございました。経産省と文科省の職員が相次いで覚せい剤取締法違反で逮捕され、お二人とも省内の机、デスクから、引き出しから覚醒剤や注射器が見付かったということです。  どうしてお役所のようなところで覚醒剤が見付かるのかと国民の方々は非常に驚いて、極めて異常な事態ではないかと思われるんですが、文科大臣はどのような再発防止に取り組んでいらっしゃいますでしょうか、お答えください。
  228. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) まず、一連の不祥事によって国民の信頼を失った文部科学省において、再びこうした行政に対する国民の信頼を失う事案を職員が引き起こしたことをおわび申し上げます。  文部科学省といたしましては、今おっしゃった原因究明、捜査当局が行う捜査に全面的に協力をするとともに、この事態を深刻に受け止めまして、綱紀の粛正を徹底をし、再発防止と国民の信頼回復に向けて全力を挙げてまいります。  あわせて、管理職による全職員への面談、メンター制度の更なる充実、心身の健康保持のための研修の充実、カウンセラーなどの外部専門家の配置の充実など、職員の抱えている公私を問わない悩みなどの相談を受ける体制の抜本的な強化によって、職員が心身共に健康な状態で職務に専念できるようにしてまいりたいと考えております。
  229. 石井苗子

    ○石井苗子君 経産省の方は、ストレスのために庁舎内で覚醒剤を使っていたと、トイレなどでということで、非常に不衛生だったわけですが、極めて異例なことでしょうが、経産大臣はどのように再発防止を。
  230. 世耕弘成

    ○国務大臣(世耕弘成君) 経産省の職員が、五月二十四日、覚せい剤取締法違反、輸入と使用によって起訴をされたということは誠に遺憾でありまして、おわびを申し上げたいと思っています。  この職員については、五月三十一日付けで懲戒免職処分といたしました。あわせて、今回、経産省の職員がこのような事態に至ったことを極めて重く受け止めまして、事務方のトップである事務次官について訓告処分といたしました。  また、独自調査も経産省として、もう本人も起訴されまして身柄も保釈をされておりますので、経産省として独自の調査を行いました。この職員に直接確認を行いまして、本人から覚醒剤の輸入及び使用を認める書面も提出をされました。また、上司等に対してもヒアリング調査を行いましたけれども、この職員は、数年前からうつ病で、病気休暇を取得することが多く、接触の機会が少なかったわけですけれども、出勤をしていた日においては特に変わった様子や言動を感じることはできなかったということであります。また、トイレや休憩などの離席についても、一般的な職員と同様で、この職員だけが何か頻繁に行っているとか何か変わった雰囲気で行っているというようなことはなかったという結果が出ているわけであります。  いずれにせよ、このようなことはもうそもそもやってはいけないというのは当たり前のことでありますので、こういった事態が生じることがないように、省内の会議などを通じて法令遵守の徹底を図るなど、職員の服務規律の遵守について引き続き徹底をしていきたいというふうに思います。  ストレスという話が出ましたが、経産省の中では私も先頭に立って働き方改革を進めています。国会対応業務の合理化とかいろんなことをやってきております。平成二十八年度から、職員に対する年一回のストレスチェック制度というのも導入、実施をしてきて、健康の保持増進のための体制を整備してきました。  また、今年の四月からは、長時間の残業をやっている職員については、毎月健康状態に関する質問票を送って、その回答に応じて健康管理医による面接指導など、個別に必要な対策を講じる体制を整備してきているところであります。  こうした取組をしっかりと行って、二度とこういうことが起こらないように努めてまいりたいと思っております。
  231. 石井苗子

    ○石井苗子君 じわじわと忍び寄る覚醒剤の犯罪の恐怖というのをこんなところでもというふうに思われている国民の方が多いと先ほど申し上げましたけれども、私は病院で勤めておりますけれども、年に一回のストレスチェックテストというのは全く意味がございませんで、ストレスというのは人間の体温のようなもので、今日のストレス、一か月のストレス、三か月のストレスの変移と見ていかなければいけなくて、それは周りが知っておくことではなくて本人が知らなきゃいけないことでございます。  つまり、テストを拒否することもできるようなストレスチェックではなくて、職員のストレスが、職員たちが把握しているかということをまず普及して、そこから対策を立てていかなければならないということを申し上げて、次の質問。  政府は、平成二十六年に犯罪対策閣僚会議というのを開きました。「犯罪に戻らない・戻さない 立ち直りをみんなで支える明るい社会へ」と宣言をしていらっしゃいます。「立ち直りをみんなで支える明るい社会」の「みんな」とは何でしょうか。これ、どんな人がみんなの中にまだ入っていないのかというのを考えていかなければならないと思いますが、私は、セラピスト、治療者というのがみんなの中にまだ少ないのではないかと思っております。覚醒剤等の場合は犯罪者であると同時に薬物依存症であることが多いのですが、犯罪に戻らない、戻さないという点の、その犯罪防止がどのように行われているかという点につきまして厚生労働省にお伺いします。  日本で行われている薬物依存症の治療法、どのようなもので、効果があるか、専門的なことは要りませんが、簡単に御説明できる方いらっしゃいますか。
  232. 橋本泰宏

    ○政府参考人(橋本泰宏君) お答え申し上げます。  薬物依存症は、適切な治療と支援によって薬物を使わない生活、いわゆる回復ということは可能でございます。薬物依存症から回復するためには、家族や支援者の協力を得ながら、患者本人に合った治療や支援を実施していくということが重要でございます。  そのため、患者が適切な医療、支援につながることができるよう、依存症に関する相談体制や医療体制の整備や推進等をしているところでございまして、現在我が国で行われている治療法ということでは、今、一般的に申し上げまして、主に認知行動療法などの心理療法が行われているというふうに考えております。
  233. 石井苗子

    ○石井苗子君 認知行動療法というのは薬物依存症だけに使われる治療法ではないのでありまして、なかなか薬物依存症というのは回復できないのではないかと思っていらっしゃる方が多いのですけれども、短くて五年、長い方は十年、またそれ以上も掛かるという方がいらっしゃいます。  日本は認知行動療法で長い時間を掛けてやっていくということなんですが、これ、レクのときに一つ探してきてくださいとお願いしたことがあったんですが、アメリカではこの薬物依存症の治療法として何か一つでも例を挙げていただけますかとお願いしたんですが、御用意していらっしゃいますでしょうか。
  234. 橋本泰宏

    ○政府参考人(橋本泰宏君) 今おっしゃっていただいた点につきまして、事前の御説明の際、電気療法というふうなことをお伺いしましたので、ちょっとそれについて、私どもの方で、薬物依存症センターになっております国立精神・神経医療研究センターの方に問い合わせてみたんですが、そういったところでは、依存症の治療で電気療法を用いる例というのはなかなか海外でもないのではないかというふうなことでございました。
  235. 石井苗子

    ○石井苗子君 アメリカの例を一つ探してきてくださいとお願いしたんですけれども、電気療法がないということだというお答えだけでしたけれども、やはり治療法ということをよく考えて再犯防止の対策を考えていく必要があると思うんですが、再犯防止のその核ですけれども、出所者にまず居場所と出番と支援と、この三つが核なんですけれども、そこでお伺いします。  立ち直りをみんなで支える明るい社会へというところに戻りますが、政府は、二〇二〇年までに、犯罪や非行をした者の事情を理解した上で雇用している企業の数を平成二十六年の三倍にするという数値目標を立てました。達成状況、いかがでしょうか。法務大臣にお伺いします。
  236. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) お答えいたします。  平成三十一年四月一日時点で、犯罪や非行をした者の事情を理解した上で実際に雇用していただいている協力雇用主の数は、平成二十六年同日時点の四百七十二社の約二倍である九百四十五社に残念ながらとどまっている状況でございます。  そこで、対策といたしまして、本年二月から三月に、刑務所出所者等の雇用促進について御理解をいただくための広報啓発活動の一環として、私自らが経済三団体のトップと直接お会いし、御協力を求めたところでございます。  また、昨年度実施した協力雇用主に対するアンケート調査によれば、雇用が伸び悩んでいる背景には、例えば、まあ遺憾ながら、保護観察所からの連絡不足や協力雇用主に対する支援制度の周知不足、雇用後のサポート体制への不安などの要因があることが明らかとなりました。  今後、このような協力雇用主の声やニーズを踏まえ、各保護観察所においても協力雇用主制度と協力雇用主に対する各種支援制度について丁寧な説明に努め、新たに登録した協力雇用主や雇用実績のいまだない協力雇用主に対して重点的に求人提出の働きかけを行うなどして、再犯防止推進計画に盛り込まれている取組を着実に実施しながら、政府目標の達成のため全力で取り組んでまいりたいと考えております。
  237. 石井苗子

    ○石井苗子君 その雇用数の登録は増えているんですが、なかなか雇用してもらえないというのは、これタイミングの問題があると思うんですね。  これも調べたところ、やはり送り出しの方に問題があったんじゃないかと。特定の雇用主にいつもお願いしていることが多いと。ですから、多くの雇用主の方は声が掛かれば検討したいと思っていらっしゃる方もいるので、その場所と出番、みんなで支えるということであれば、幅広く、雇用してもらえる人にお願いする、いつもお願いしている人ばかりに再度お願いするのではなくて、幅を広げていただきたいと思います。  それと同時に、閣議決定されました、帰るべき場所がないまま刑務所から社会に戻る者の数を二〇二〇年までに三割以上減少させる。いつも三〇%というのが非常に不思議なんですけれども、三割以上減少させると書いてございますが、これは達成率はどのくらいになっておりますでしょうか、法務大臣。
  238. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 御指摘のものは、平成二十六年の宣言、「犯罪に戻らない・戻さない」宣言でありまして、そこにおきましては、帰るべき場所がないまま刑務所から社会に戻る者の数を二〇二〇年までに四千四百五十人以下に減少させることを政府目標として掲げていたものでございます。  そして、直近の数値であります平成二十九年における、帰るべき場所がないまま刑務所から出所した者の数というのは三千八百九十人ということで、目標を下回っている状態でございまして、これまでの推移を踏まえれば、これは目標の達成が見込まれるのではないかと期待しているところでございます。  法務省では、刑務所出所後に帰るべき場所がない者について、民間が運営する更生保護施設や自立準備ホームに保護の委託を行っているところではございますが、これら施設等における受入れを促進するなどして、引き続き、帰るべき場所がないまま刑務所から社会に戻る者の減少を図ってまいりたいと考えております。
  239. 石井苗子

    ○石井苗子君 そうなんですよね。国の取組方として、民間でお食事なんかも作っていただけるという施設に、全国、都道府県に今一か所以上あって年間で約八千人の委託をしているということなんですが、平成二十三年度からNPO法人で宿泊設備を持っている民間のところなんですが、この平成三十一年の四月一日で四百十一あったんですけれども、これ全国にどのように分布しておりますか、四百十一。これ、この間は分からないとおっしゃったんですけれども、お分かりになりますでしょうか。
  240. 今福章二

    ○政府参考人(今福章二君) 各県に一つずつ以上は自立準備ホームは今登録されております。今全てを読み上げるのはちょっと恐縮でございますので、多いところで、一番多いところは福岡の二十七などとなってございます。  以上です。
  241. 石井苗子

    ○石井苗子君 これ、是非増やしていっていただきたいと思います。居場所と出番と支援という意味で犯罪防止推進の中に入れていっていただきたいんですが。  資料の中に五つの基本方針というのが真ん中にあります。犯罪被害者の存在を十分に認識し、③のところです、犯罪を犯した者に犯罪の責任や被害者の心情を理解させ、社会復帰のために自ら努力させることの重要性を踏まえて実施と、ここに書いてあります、③が。しかし、四八・七%の再犯率ということは、これ平成二十九年でございますから、いかに被害者の心情を理解するということが難しいかということの表れだと私は思うんですが、どのようにして犯罪被害者の心情を理解させていますか。法務大臣、お答えください。
  242. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) お答えいたします。  委員御指摘のとおり、再犯防止のためには、被害者の心情をその罪を犯した者にもしっかりと理解させる、そして更生を促すことが極めて大事でございまして、この再犯防止推進計画にも盛り込んでおりますように、我々も全力で努めているところでございます。  まず、矯正施設におきましては、被害者の命を奪い、またその身体に重大な被害をもたらす犯罪を犯し、被害者やその遺族等に対する謝罪や賠償等について特に考えさせる必要がある者に対し、被害者の視点を取り入れた教育を全施設で実施しております。これは、このプログラムは、犯した罪の大きさ、被害者やその遺族等の心情等を認識させ、被害者等に誠意を持って対応していくとともに、再び罪を犯さない決意を固めさせることを目標として実施しております。  指導方法は、例えば具体的に言えば、被害者や御遺族の方の手記や視聴覚教材等を活用した指導やグループワークのほか、被害者やその遺族等の方々の心情や苦しみ、実情等を受刑者等に理解させるため、被害者や御遺族の方々、犯罪被害者支援団体のメンバーなどをゲストスピーカーとして施設に招き、講話を実施していただいているところでございます。  今後とも、犯罪被害者団体等の皆様の御協力を得て、新たな被害者を生むことのないよう、指導内容、方法の一層の充実に努めてまいりたいと考えております。
  243. 石井苗子

    ○石井苗子君 ありがとうございました。  一番最初に、私は、セラピストをもう少し予算を割いて考えていって犯罪の再犯防止を推進計画の中に入れるべきじゃないかと申し上げたんですが、どのような人が、犯罪を犯した人がその犯したことの責任の重さというのを感じることができるかということなんですけれども、私はワシントン州立刑務所の教誨師の家にずっと住んでおりまして、そこでボランティア活動で刑務所に何度も行ったことがあります。  驚いたことがありまして、いかにその犯した犯罪の罪の重さがという教育がここでよくやっていらっしゃるのは分かるんですが、私が驚いたのは、自分はなぜ犯罪を起こす気持ちになるのか、何についてどこが一番弱いのかということを、セラピストや心理学者が来て、人間の中の犯罪に手を伸ばしたがるその要因というものをレクチャーしていくという中で、もちろん囚人の方が聞いていらっしゃるんですけれども、そこの職員の方とか警備の方までずっと聞いていらっしゃるわけです。犯罪に手を染めてしまう自分の中にある危うさというのはどこにあるかというのが各々が全部知っている、学んでいるという姿勢、これは今までとは全然違うやり方だったんですね。自分も誰しも何かのきっかけで犯罪を犯すかもしれない危険を人間はまぶして生きているのだというようなセラピーなんですね。それが、自分はどの時点で何について弱いのかというのが分かって出所していかないと、また世の中の中でいかに出番や居場所や支援をもらっても、自分は何に弱いのか、さっきのストレスもそうですけど、何のストレスに弱いんだということを知って学んで出ていくという教育をするんです。  その意味において、どのような人が心理療法を行っているのかというのを、現在の日本ではどのような方が心理療法を行っているか、大臣、御存じでいらっしゃいますか。どなたか御存じの方。
  244. 名執雅子

    ○政府参考人(名執雅子君) 刑事施設において主に改善指導を担当している職員といたしましては、教育専門官二百八十一名を令和元年度は配置しております。また、臨床心理士等の資格を有する処遇カウンセラーも非常勤の指導者として関与しております。また、調査専門官として公認心理師等の資格を持っている者も二百十六名、刑事施設に置いております。
  245. 石井苗子

    ○石井苗子君 公認心理師というのは去年合格した方ですよね。そうなんですけれども、実に、これはもう毎年試験をやって、どんどんそういうことの専門家をつくって、大臣がお決めになったことだと思いますのでやっていっていただきたいと思いますし、私がお伺いしたところだと、刑事施設の職員や臨床カウンセラーがやっているということなんですね。非常におつらい仕事を一生懸命していらっしゃると思うんですが、心を痛めるということはどういうことか、被害者の命を奪うというのはどういうことかを学ばせている。謝罪の場所について考えるとか、必要がある場合は被害者の視点を取り入れた学習をするということ、ちょっと私が申し上げていることとは、視点が今のままだと再犯率四八・七%というのは下がってこないと思うんです。  最後に、時間になりましたので、質問させていただきますが、今後予算をどこに付けていくかということなんですけれども、法務省にお聞きいたしましても、再犯防止教育についてお伺いしましても、犯罪と向き合うカリキュラムを作って実施しているメンバーは、刑事施設の職員が中心となりグループワークをやったり、民間協力、例えばダルクのようなものを通して実施を行ったりしているということで、大変な努力をしていらっしゃるんですが、なかなか進まない、心理療法は進まないんだということなんです。再犯防止の推進はどのようにしていらっしゃるのですかと言っても明確なお答えがない。努力をしているんですが、なかなかすべが分からないということなんですね。  ですから、これは、例えば覚醒剤の治療の専門家というのはどういう人が選抜されて、どういうふうに全体を把握しているのかということも踏まえて……
  246. 石井みどり

    ○委員長(石井みどり君) 時間を超過しておりますので、発言をおまとめください。
  247. 石井苗子

    ○石井苗子君 時間が来ました。この後、どのようなところに予算を付けていっていただくかということを考えていっていただきたいと思います。  時間が来ましたので終わります。済みません。ありがとうございました。
  248. 石井みどり

    ○委員長(石井みどり君) 他に御発言もないようですから、平成二十九年度決算外二件の本日の質疑はこの程度といたします。  予備費二件につきましては、質疑を終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  249. 石井みどり

    ○委員長(石井みどり君) 御異議ないと認めます。  速記を止めてください。    〔速記中止〕
  250. 石井みどり

    ○委員長(石井みどり君) 速記を起こしてください。  これより予備費二件を一括して討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  251. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 私は、日本共産党を代表して、二〇一七年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書の承諾に反対の討論を行います。  反対の理由の第一は、建設アスベスト訴訟の訟務費の支出の問題です。  建設アスベスト訴訟は、二〇〇八年に首都圏で約四百人が提訴したのを皮切りに、全国で次々新たな集団提訴が行われました。二〇一二年に東京地裁判決で国の責任が断じられ、原告が勝訴いたしました。しかし、国は、責任を認め謝罪することもなく、早期解決に応じることもなく、原告が求める補償基金による救済制度をつくることもなく控訴し、さらに上告し、今日に至るまで裁判を争い続けております。その間に多くの原告が、解決を見ることなく中皮腫、肺がんなどで命を落としております。既に高裁判決も含め十度連続で国の責任が断じられており、国は、訴訟で争い続けるのはやめ、早期解決を図るべきであります。  反対理由の第二は、米軍横田基地騒音訴訟の訟務費の支出の問題です。  横田基地周辺の住民は、飛行差止めと騒音被害の賠償を求め、繰り返し裁判を闘ってきました。累次の判決も、横田基地の騒音は違法状態であるとして、繰り返し国に賠償を命じてきました。国がやるべきは、控訴して争うことではなく、騒音が違法状態であることを認め、違法な騒音をまき散らす米軍機の飛行を差止めすることです。  昨年のオスプレイの配備により横田基地の周辺の騒音は大きく増加し、昨年度は二〇〇四年以来の騒音回数を記録しています。  さらに、問題は、日米地位協定第十八条第五項(e)で、本来その金額の七五%を日本政府が米国政府に対して求償し、お金を取るべきであるのに、米国側が一円も応じず、日米地位協定さえ守られていない状況が続いていることです。米国政府へ損害賠償金を求償し、控訴をやめるべきです。  以上の理由から、二〇一七年度予備費は承諾できないことを申し上げ、反対討論といたします。
  252. 石井みどり

    ○委員長(石井みどり君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  253. 石井みどり

    ○委員長(石井みどり君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  平成二十九年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、平成二十九年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、以上二件を一括して採決を行います。  これら二件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕
  254. 石井みどり

    ○委員長(石井みどり君) 多数と認めます。よって、これら二件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。  なお、これらの案件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  255. 石井みどり

    ○委員長(石井みどり君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  次回は来る十日午後一時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時十四分散会