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2019-03-18 第198回国会 参議院 予算委員会 11号 公式Web版

  1. 平成三十一年三月十八日(月曜日)    午前八時五十五分開会     ─────────────    委員の異動  三月十五日     辞任         補欠選任      相原久美子君     石橋 通宏君      川合 孝典君     大島九州男君      田名部匡代君     山本 太郎君      石川 博崇君     熊野 正士君      平木 大作君     新妻 秀規君      高木かおり君     藤巻 健史君      紙  智子君     仁比 聡平君  三月十八日     辞任         補欠選任      小川 克巳君     太田 房江君      佐藤  啓君     宇都 隆史君      藤井 基之君     三宅 伸吾君      小西 洋之君     川田 龍平君      山本 太郎君     田名部匡代君      熊野 正士君     宮崎  勝君      山添  拓君     武田 良介君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         金子原二郎君     理 事                 石井 準一君                 高橋 克法君                 二之湯武史君                 長谷川 岳君                 山下 雄平君                 蓮   舫君                 森 ゆうこ君                 谷合 正明君                 辰巳孝太郎君     委 員                 青山 繁晴君                 朝日健太郎君                 井原  巧君                 宇都 隆史君                 大野 泰正君                 太田 房江君                 こやり隆史君                 滝沢  求君                 中泉 松司君                 中西  哲君                 中野 正志君                 長峯  誠君                 丸川 珠代君                 三木  亨君                 三宅 伸吾君                 元榮太一郎君                 和田 政宗君                 石橋 通宏君                 川田 龍平君                 小西 洋之君                 杉尾 秀哉君                 青木  愛君                 大島九州男君                 大野 元裕君                 田名部匡代君                 徳永 エリ君                 山本 太郎君                 伊藤 孝江君                 新妻 秀規君                 三浦 信祐君                 宮崎  勝君                 浅田  均君                 片山 大介君                 藤巻 健史君                 武田 良介君                 仁比 聡平君                薬師寺みちよ君    国務大臣        内閣総理大臣   安倍 晋三君        財務大臣        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(金融)        )        麻生 太郎君        総務大臣        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(マイナ        ンバー制度))  石田 真敏君        法務大臣     山下 貴司君        外務大臣     河野 太郎君        文部科学大臣        国務大臣     柴山 昌彦君        厚生労働大臣        国務大臣     根本  匠君        農林水産大臣   吉川 貴盛君        経済産業大臣        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(原子力        損害賠償・廃炉        等支援機構))  世耕 弘成君        国土交通大臣        国務大臣     石井 啓一君        環境大臣        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(原子力        防災))     原田 義昭君        防衛大臣     岩屋  毅君        国務大臣        (内閣官房長官) 菅  義偉君        国務大臣        (復興大臣)   渡辺 博道君        国務大臣        (国家公安委員        会委員長)        (内閣府特命担        当大臣(防災)        )        山本 順三君        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(経済財        政政策))    茂木 敏充君        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(沖縄及        び北方対策、消        費者及び食品安        全、少子化対策        、海洋政策))  宮腰 光寛君        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(規制改        革、地方創生、        男女共同参画)        )        片山さつき君    副大臣        総務副大臣    鈴木 淳司君        財務副大臣    鈴木 馨祐君    大臣政務官        農林水産大臣政        務官       高野光二郎君         ─────        会計検査院長   柳  麻理君         ─────    最高裁判所長官代理者        最高裁判所事務        総局総務局長   村田 斉志君    事務局側        常任委員会専門        員        藤井 亮二君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官       藤原 通孝君        内閣官房皇位継        承式典事務局次        長        兼内閣府皇位継        承式典事務局次        長        三上 明輝君        内閣官房内閣参        事官       吉岡 秀弥君        内閣官房内閣人        事局人事政策統        括官       植田  浩君        内閣官房内閣人        事局人事政策統        括官       長屋  聡君        内閣府大臣官房        総括審議官    嶋田 裕光君        内閣府政策統括        官        海堀 安喜君        内閣府子ども・        子育て本部統括        官        小野田 壮君        宮内庁次長    西村 泰彦君        消費者庁審議官  橋本 次郎君        復興庁統括官   末宗 徹郎君        総務大臣官房政        策立案総括審議        官        横田 信孝君        法務省入国管理        局長       佐々木聖子君        外務大臣官房参        事官       齊藤  純君        外務省アジア大        洋州局長     金杉 憲治君        外務省アジア大        洋州局南部アジ        ア部長      滝崎 成樹君        財務省理財局長  可部 哲生君        国税庁次長    並木  稔君        厚生労働大臣官        房長       定塚由美子君        厚生労働大臣官        房生活衛生・食        品安全審議官   宮嵜 雅則君        厚生労働大臣官        房審議官     八神 敦雄君        厚生労働省健康        局長       宇都宮 啓君        厚生労働省医薬        ・生活衛生局長  宮本 真司君        厚生労働省職業        安定局長     土屋 喜久君        厚生労働省子ど        も家庭局長    浜谷 浩樹君        厚生労働省政策        統括官      藤澤 勝博君        農林水産大臣官        房審議官     小川 良介君        農林水産省消費        ・安全局長    池田 一樹君        農林水産省生産        局長       枝元 真徹君        農林水産省政策        統括官      天羽  隆君        経済産業省通商        政策局通商機構        部長       渡辺 哲也君        経済産業省商務        情報政策局長   西山 圭太君        中小企業庁次長  前田 泰宏君        国土交通大臣官        房技術審議官   五道 仁実君        国土交通省土地        ・建設産業局長  野村 正史君        国土交通省水管        理・国土保全局        長        塚原 浩一君        国土交通省航空        局長       蝦名 邦晴君        環境大臣官房環        境保健部長    梅田 珠実君        環境省水・大気        環境局長     田中 聡志君        環境省自然環境        局長       正田  寛君        防衛大臣官房長  武田 博史君        防衛大臣官房審        議官       宮崎 祥一君        防衛省防衛政策        局長       槌道 明宏君        防衛省整備計画        局長       鈴木 敦夫君        防衛省人事教育        局長       岡  真臣君        防衛省地方協力        局長       中村 吉利君        防衛装備庁長官  深山 延暁君    参考人        日本銀行総裁   黒田 東彦君        前内閣総理大臣        秘書官      中江 元哉君        統計委員会委員        長代理      北村 行伸君        元厚生労働大臣        官房統計情報部        長        姉崎  猛君        毎月勤労統計調        査等に関する特        別監察委員会委        員長       樋口 美雄君        毎月勤労統計調        査等に関する特        別監察委員会委        員        萩尾 保繁君        元毎月勤労統計        の改善に関する        検討会座長    阿部 正浩君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○参考人の出席要求に関する件 ○平成三十一年度一般会計予算(内閣提出、衆議  院送付) ○平成三十一年度特別会計予算(内閣提出、衆議  院送付) ○平成三十一年度政府関係機関予算(内閣提出、  衆議院送付)     ─────────────
  2. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  平成三十一年度総予算三案審査のため、本日の委員会に前内閣総理大臣秘書官中江元哉君、統計委員会委員長代理北村行伸君、元厚生労働大臣官房統計情報部長姉崎猛君、毎月勤労統計調査等に関する特別監察委員会委員長樋口美雄君、毎月勤労統計調査等に関する特別監察委員会委員萩尾保繁君、元毎月勤労統計の改善に関する検討会座長阿部正浩君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 平成三十一年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。  本日は、安全保障・内外の諸情勢に関する集中審議を行うこととし、質疑は往復方式で行い、質疑割当て時間は四百十四分とし、各会派への割当て時間は、自由民主党・国民の声六十二分、立憲民主党・民友会・希望の会七十二分、国民民主党・新緑風会八十四分、公明党六十分、日本維新の会・希望の党五十八分、日本共産党五十八分、無所属クラブ二十分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。  速記を止めてください。    〔速記中止〕
  5. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。     ─────────────
  6. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 平成三十一年度一般会計予算、平成三十一年度特別会計予算、平成三十一年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、安全保障・内外の諸情勢に関する集中審議を行います。  これより質疑を行います。長峯誠君。
  7. 長峯誠

    ○長峯誠君 おはようございます。自由民主党・国民の声、宮崎県選出の長峯誠でございます。  本日、質問の機会を与えていただきましたことに、衷心より御礼を申し上げます。  私が胸に付けておりますオレンジリボンは、児童虐待を根絶する決意を示すものであります。痛ましい事件が二度と繰り返されることのない社会を築いてまいりますことをお誓い申し上げ、質問に入らせていただきます。  まず、統計問題について一つ確認をさせていただきます。  パネルを御覧ください。(資料提示)  これは、サンプル事業所の全てを対象とした実質賃金指数です。これはもう既に公表されております。  二枚目のパネルをお願いいたします。  こちらは、共通事業所の集計値でございます。ここから求められる実質賃金を公表するのには時間を要すると厚労省は言っております。確かに、共通事業所のサンプル企業はどんどんどんどん入れ替わっておりまして、これを実質化しようと思うとやはり適切な統計処理は必要なんだろうなというのは素人の私にも理解ができます。  そこで、根本大臣、この実質化の公表に時間を要する理由を端的にお答えください。
  8. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 共通事業所は平成三十年にできた新しい概念であります。調査対象事業所を毎年部分的に入れ替えるという、精度を高めるためにそういう方式を取ったことから、調査対象事業所の一部に前年同月と本年同月共に回答したという意味で共通の事業所が含まれるようになりました。その意味では、労働者全体の賃金水準は本系列で見ますが、参考としてこの共通事業所の数値も参考値としてお示しをしていると、こういうことであります。  そして、この新しい共通事業所には二つの大きな特徴があります。毎年事業所の入替えがあるため、前年と今年の共通事業所と今年と来年の共通事業所は、これは中身が異なります、パネルにあるように。各月に二つの賃金額が存在して、何を基準として時系列で賃金を比較するのか、これが決めるのが非常に難しいのではないかという指摘をされております。さらに、本系列と異なって標本数が少ない、あるいは新しい概念なので安定性が必ずしもまだあるとも言えないという課題も専門家から提起をされております。  このような特性を持つ共通事業所の賃金の実質化、実質化というのは、物価の変動を除いて指数化して時系列の変化を見るというのが実質化の意味ですが、この共通事業所のこの特性に照らすと新たな課題でありますから、統計の専門家による論点の整理を精力的に行っておりまして、一定の時間を要しております。今月中をめどに中間的な取りまとめを行うよう、今精力的に努力をしているところであります。
  9. 長峯誠

    ○長峯誠君 しっかり検討して、誠意を持って対応していただきたいと存じます。  昨年四月、宮崎県えびの市の硫黄山が噴火をいたしました。この噴火に伴い火口から泥水が噴出しました。この泥水は近くを流れる長江川に流入し、さらに下流の川内川へと流入をいたしました。この泥水は強酸性でございまして、自然由来の硫酸やヒ素が含まれていたため、流域の千百ヘクタールの水田がその年の営農を断念いたしました。この地域は宮崎、鹿児島両県で唯一の特A米の産地でございまして、生産者の皆さんの落胆は察するに余りあるものがあります。  しかし、政府、特に農水省は、本当に心のこもった対応をしていただきました。共済金を特例的に支給していただいたり、各種交付金を利用していただいたり、何とか所得の穴埋めをしていただいたところでございます。改めて御礼を申し上げたいと存じます。  ただ、火山災害の厄介な点は終わりが見えないという点でございます。長江川の水質は改善傾向にあるものの、現在も硫黄山の噴火活動は続いております。長江川の水質改善のために石灰石で中和する試験を現在行っております。確かに中和効果は見られるのですが、いかんせん石灰石の風化が激しくて、もう石があっという間に小さくなっていっちゃうんですね。抜本的な水質改善のために技術的にどのような方法が考えられるのか、石井国交大臣にお伺いいたします。
  10. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 硫黄山の噴火の影響によりまして、えびの市等が管理いたします長江川、赤子川等において河川水が酸性化するなどの事象が発生をいたしました。このような酸性水への対応といたしましては、中和処理として石灰などを用いることが一般的でありまして、宮崎県が宮崎大学と共同で石灰石を用いた中和実証試験を実施をし、引き続き宮崎県において赤子川で現地試験等の実用化に向けた検討を行っているところと承知をしております。  国土交通省といたしましては、この取組を注視をいたしまして、地域の御意見を伺いつつ、関係機関と連携をいたしまして必要な技術的支援を行ってまいりたいと考えております。
  11. 長峯誠

    ○長峯誠君 現在では、この水質改善対策も、それから今年の営農に関する農家対策も宮崎県とえびの市で行っております。しかし、このようなめったに発生しない災害は、自治体だけでは圧倒的に知見が足りず大変苦労をいたしております。是非とも抜本解決へ向けて、省庁の垣根を越えて国の知見と財政的支援をいただきたいと存じますが、総理の御見解をお伺いしたいと存じます。
  12. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 硫黄山の火山活動により、川内川水系赤子川では現在も継続して水素イオンやヒ素の濃度が環境基準を超えており、赤子川等から取水している水田においては、来期も引き続き稲作を断念せざるを得ない状況であるものと承知をしております。  政府においては、硫黄山の火山活動が活発化して以降、関係省庁連絡会議を開催するとともに、水稲から他の作物への作付けの転換や代替水源の確保等の支援を行ったほか、水質悪化を軽減する沈殿池の設置のため、国有林野の土地の無償貸付け、そして自然公園法における手続の簡便化、無人化施工に当たって技術支援等の様々な措置を実施してきたところでございます。  引き続き、硫黄山周辺地域に居住されている皆様が前を向いてなりわいの再建に取り組めるよう、地域の皆様に寄り添いつつ、政府一体となって必要な支援をしてまいる所存でございます。長峯議員からも地元の要望等を政府に伝えていただいております。そうした声をしっかりと反映させていきたいと思います。
  13. 長峯誠

    ○長峯誠君 ありがとうございます。  次に、災害時の行方不明者の氏名の公表についてお伺いいたします。  災害時の行方不明者の氏名を公表すべきかどうかは議論が分かれております。公表すべきでないという理由は、個人情報保護や御家族の心情への配慮というものがございます。一方、公表すべきという理由については、仮に不明者の無事が確認できれば捜索活動の範囲を狭くすることができまして、捜索の人員や機材を効果的に投入できるというものがございます。  しかし、実は、公表すべきという意見は主にメディアから聞かれるものでございます。確かに国民の知る権利は大切です。しかし、行方不明者の氏名を知る保護法益というのは一体何なんでしょうか。不安のどん底にある御家族がインタビューを強いられることが本当に必要なんでしょうか。双方の利益を比較考量いたしますと、原則非公表、例外として、捜索の効率化に資する場合で、かつ、家族の同意が得られた場合のみ公表するというのが妥当ではないでしょうか。  この点、過去の答弁では自治体の判断に委ねるとされておりますが、災害に慣れていない自治体の場合は災害の大混乱の中で適切な判断ができず、結果として人権侵害につながる可能性がございます。したがって、国として原則非公表とするガイドラインを作成するべきと考えますが、山本防災担当大臣に御見解をお伺いいたします。
  14. 山本順三

    ○国務大臣(山本順三君) 今ほどお話があったとおり、個人情報の取扱いは各自治体が条例の規定を踏まえて判断するものでございます。また、災害の状況等は都度異なるものであることや、御家族の心情への配慮の必要性も踏まえれば、行方不明者の氏名公表について国がガイドライン等を定めるということはなかなか難しい、なじまないものではないだろうかと思っております。  なお、行方不明者の氏名につきましては、捜索活動の効率化につながるなど人命を救う観点から、必要があれば公表をすべきというふうに考えておりまして、国としても、被災自治体に対して必要に応じて過去の事例も踏まえた助言などを行ってまいりたいと、このように思っております。
  15. 長峯誠

    ○長峯誠君 実際は非公表にしている自治体がほとんどでございますけれども、やはりこういったことは国の方でしっかりガイドラインを策定していただければというふうに思っております。  次に、災害時の要配慮者利用施設についてお伺いいたします。  二〇一六年の台風十号によりまして、岩手県のグループホームで高齢者が犠牲になりました。これを受け、昨年、改正水防法と改正土砂災害防止法が施行されました。これにより、医療施設や福祉施設などは要配慮者利用施設と定義され、避難確保計画の作成と避難訓練の実施が義務となりました。  二〇二一年度までに一〇〇%の実施率を目指すということになっていますが、実際に避難計画を作成した施設は一七%、避難訓練を実施した施設に至っては六%にとどまっております。確かに、小規模なグループホームなどは、業務的にも人材的にもなかなか対応できないのかもしれません。積極的な支援を講じなければこの目標達成はかなり難しいと思います。どのように促進していくのか、石井国交大臣にお伺いいたします。
  16. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 国土交通省では、要配慮者利用施設におけます水害、土砂災害を対象といたしました避難確保計画の作成及び訓練実施を推進するために、避難訓練も含めました避難確保計画作成の手引の充実、市町村が適切に指導するための点検用マニュアルの作成等を行っております。  水害に係る避難確保計画の作成状況につきましては、平成三十年三月末時点で、対象となる五万四百八十一の要配慮者利用施設のうち約二割、八千九百四十八施設で計画が作成されており、そのうち約四割の三千三百五十一施設で訓練を実施をしております。  要配慮者利用施設の避難確保計画の作成及び訓練の実施につきましては、二〇二一年度末までに一〇〇%にする目標を掲げております。施設管理者等を対象にした講習会を全国で展開するなど、取組を加速してまいりたいと考えております。
  17. 長峯誠

    ○長峯誠君 昨年多発した災害により多くの被害が出ましたが、中には地域ぐるみで的確な避難行動を取り、人的被害が発生しなかった山本大臣の御地元の大洲市三善地区のような事例もございました。  想定外の災害が頻発する中で、自助、共助、公助のうち、やはり自助と共助が大変重要になってきます。国土強靱化や情報提供など、公助が精いっぱい頑張っても、一人一人の住民が適切な避難行動を取っていただかなければ被害を防ぐことはできません。  パネルを御覧ください。  県や市町村が作成するのが地域防災計画、自治体単位や学校区単位で住民自らが作成するのが地区防災計画でございます。この地区防災計画を作成することが自助、共助の意識の醸成に大いに役立つのです。住み慣れた自分の地域で、顔の見える関係の中で災害時のシミュレーションをし、それぞれの行動を決めていく、防災意識を喚起するのにこれほど効果的で即効性があって、かつ安上がりな方法はございません。  地区防災計画の策定を後押しするようなお考えはないか、できれば直接的な財政支援により後押しするお考えはないか、山本防災大臣にお伺いいたします。
  18. 山本順三

    ○国務大臣(山本順三君) 地区防災計画を立てるということは、今、長峯議員おっしゃるとおり、非常に重要なことであるというふうに思っております。  それを促進するために、実は一昨日、大阪で地区防災計画フォーラム二〇一九、これを開催いたしまして、実は私も出席をいたしましたし、今の三善地区の自治会長さんも出席をされておりました。内閣府といたしましては、地域の防災リーダーを中心に計画の策定に取り組みやすくなるように、アドバイザー派遣、そしてまたシンポジウム開催等による支援を行っているところでございます。  一昨日は、計画策定支援のためのネットワークでございますチクボウズ、これは、チクボウズというのは、地区防にコンマ、ちっちゃな小文字のz、地区防’zを立ち上げて自治体間の情報共有を図ったところであり、今後とも支援を続けてまいりたいと思います。今のそのパネルにも出ておりますけれども、現在四十二都道府県、百三十二市町村で三千二百六の地区での地区防災計画が今策定されているところでございます。
  19. 長峯誠

    ○長峯誠君 ありがとうございます。  次に、一一九番通報についてお伺いいたします。  私の妻が実家の長崎の母と電話で話していたときに、突然母のろれつが回らなくなりました。すぐに救急車を呼ぶように言いましたが、要を得ません。一旦電話を切って一一九番通報したところ、宮崎県の都城消防局につながりました。事情を話して、長崎の消防局に転送してもらいたいとお願いしたところ、そのようなシステムにはなっていないということでございました。そこで、長崎消防局の電話番号を教えてくださいと言ったところ、把握していないということだったんですね。仕方なくもう一回電話を切りまして、長崎の市外局番〇九五に続けて一一九って押してみたんです。しかし、NTT回線はそのような対応になっていないんですね。  その場は長崎の御近所の方に連絡を取って救急車を手配していただきましたが、多くの親子が離れて暮らすこの現代社会でこのような仕組みになっていることに大変驚きました。  せんだって党の議連でこの件を問題提起いたしましたが、その後どのような対応になったのか、お伺いいたします。
  20. 鈴木淳司

    ○副大臣(鈴木淳司君) 各消防本部では、区域外への一一九番通報を受信した際、管轄消防本部への転送や電話番号を案内するなどの対応を行っております。  消防庁では、転送等が円滑に行われますよう、昨年四月に、全国の消防本部の二十四時間対応が可能な連絡先一覧表を作成し、全消防本部に提供いたしております。また、委員の御指摘も踏まえまして、昨年十二月に改めて、連絡先一覧表の活用と転送等の実施につきまして周知徹底をしたところでございます。  引き続き、各消防本部におきまして転送等が迅速、確実に行われますように取り組んでまいりたいと思います。
  21. 長峯誠

    ○長峯誠君 ありがとうございます。  次に、公共事業発注の平準化についてお伺いいたします。パネルを御覧ください。  国は、発注平準化の取組を進め、着実に成果を上げてきております。ここで言うと青い線が国の取組になりますが、確実に平準化に向かっているんですね。しかし、地方自治体においてはまだまだ進んでおりません。  自治体関係者にその理由を聞くと、予算単年度主義があるのでと言います。しかし、会計法を所管する財務省はむしろ発注平準化を推進していると私は認識しておりますが、麻生大臣にお考えをお伺いいたします。
  22. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 市長をやっておられたので、それは繁忙期と閑散期の差が、閑散期の方が年初、そして繁忙期の方が年度末ということになっておりますのはもう御存じのとおりなので。これは、いわゆる人材とか機材とか資材とかいうものをうまいこと効率的に運用していくためにも、これはどう考えても平準化した方が経済効率がいいことになりますので、是非こういったようなことで平準化に取り組むということで、財政制度審議会においてもこうした議論がなされてきたところでありまして、国においては今青い線になってきておりますような形になっておるんですが。  地方自治体等々いろいろ言われますので、私どもとしては、早い話が、四月―六月に、予算が通る、まあ三月末に予算が通りまして四月からということで契約ということになると、その四―六が空くと。皆よく御存じのとおりなので、これを解消するために、私どもとしては、いわゆる国庫債務負担行為の二か年国債等々をうまいこと活用して、はい、十―十二の間に、若しくは一―三月、前年度の三月までに契約してくださいということをやっていただければ四―六から自然と行けるのではないかというので、私どもとしては大いに推進をしておりますので、地方もこれをうまいこと利用していただけるというのが、結構いろいろ国の方でやっておりますので、大分その、何というのかな、やり方が分かってこられたところもおありのようには思いますけれども、引き続き、これは長い間のそういう習慣にもなっておりますので、ちょっとこれは更にやっていかないと、人手不足の折、いろんな意味、これは是非今後とも進めてまいりたいと考えております。
  23. 長峯誠

    ○長峯誠君 そうなんです。財務省も推進しているんですね。さらに、国交省は、この三年間で四回にわたって総務省と連名で地方自治体に平準化しなさいと要請し続けているんです。なのに、なぜか進んでいないということなんですね。そこで、平準化を進めるために、私は見える化をすることを提案したいと思います。  私は、市長時代に、各課ごとの残業時間の一覧表を毎月部長会に提出させておりました。そこで、残業時間の長いトップファイブは、課長が理由書を書くというふうな仕組みにしていたんですね。その結果、残業時間を減らせとは一言も言っていないんですけれども、残業は見る見る減少していきまして、各課長がその課内の業務分担のマネジメントをしっかり行うようになったということだと思います。  これと同じように、全ての都道府県、市町村のこの平準化率を一覧表で公表すれば、平準化率の低い自治体では必ず議会から指摘されます。口うるさく要請しなくてもおのずと平準化率は上がっていくはずですが、この提案につきまして、石井大臣にお伺いいたします。
  24. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 施工時期の平準化は、建設現場の生産性の向上や建設業の働き方改革に資するものでありまして、その取組を促進していくことが極めて重要であります。このため、委員から御紹介いただきましたように、地方公共団体に対しましては、総務省と連名で平準化を進めるよう通知を行うとともに、先進的な取組をまとめた事例集の周知や、国、地方公共団体の発注見通しの統合、公表等に取り組んでいるところであります。  今般、建設業法及び入札契約適正化法の改正案を提出をさせていただきましたが、この中でも平準化の取組を規定をいたしまして、特に地方公共団体の取組を推進することとしております。入札契約適正化法の適正化指針に平準化を図るための方策を定め、地方公共団体からその報告を求め、公表することができるようになりますことから、総務省とも連携をいたしまして、具体的な取組を進めてまいりたいと考えております。
  25. 長峯誠

    ○長峯誠君 ありがとうございます。  次に、地方創生担当大臣にお伺いをいたします。  三十一年度予算の中に、わくわく地方生活実現政策パッケージという事業があります。これは、東京二十三区の在住者と二十三区への通勤者が地方へ移住、就業した場合、最大百万円を支援する、地方で起業した場合は最大三百万円を支援するというものです。  昨年、自民党の部会で初めて説明を受けたときは、地方創生の最終兵器が出てきたと大変驚きました。乱暴な言い方をすれば引っ越しただけでお金がもらえると、良く言えば政府の本気を示したとも言えますが、悪く言えばなりふり構わないとも言えるかと思います。でも、それだけ東京一極集中の是正が難しいということだと思います。地方創生がスタートしたときの目標では、東京の転入超過を二〇二〇年にゼロにするということでしたが、現実には、転入超過は十万人から十三万人に増えてしまいました。  今回のわくわくパッケージで、実際に移住する人の目標人数とそれに係る予算額はどうなっているのか、片山大臣にお伺いをいたします。
  26. 片山さつき

    ○国務大臣(片山さつき君) お答えいたします。  まさに、なりふり構わず地方創生やっておりますが、この地方創生の三本の矢の一つが人材、人でございまして、UIJターンによって地方創生推進交付金一千億円の一部を活用して起業、就業する者に最大三百万円を支給するということで、これは私、毎週末地方を回っておりますが、市長さんの方から、早くこれは出ない、つまりUIJターンをデスクを設けているところは御地元の宮崎県も都城も含めてあるんですけど、そこにお金が付けられる余裕はないんですね。  ですから、これができれば進むということでございまして、当面このUIJターンによる起業・就業者の来年度からの六年間の積算目標は六万人ということになっておりまして、是非頑張って進めてまいりたい。よろしくお願いいたします。
  27. 長峯誠

    ○長峯誠君 次に、中山間地農業ルネッサンス事業についてお伺いいたします。  この事業は、平成二十九年が四百億、三十年も四百億、新年度予算では四百四十億となっております。私は、本事業を提案した中山間地農業を元気にする委員会の副委員長として携わっておりました。その後も、現場で御意見を伺うと、この対象事業の拡大を求める声をよくお聞きしますが、今回の予算では対象事業と優先枠の拡大にはどのように取り組んでおられるのか、中山間地を多く抱える徳島・高知選挙区の高野政務官にお伺いいたします。
  28. 高野光二郎

    ○大臣政務官(高野光二郎君) 中山間地域農業のルネッサンス事業では、中山間地域の特色を生かした多様な取組を総合的かつ優先的に支援をしております。  平成三十一年度当初予算では、優先枠の対象といたしましてバイオマス利活用施設整備を追加するとともに、さらに、農地の生産性向上を図るため、まとまった農地を機構に貸し付けた地域等に対し協力金を交付する機構集積協力金において、中山間農地の農地バンクの最低利活用率の要件を平地の五分の一に緩和し、対象事業に追加することにより、担い手への農地集積が遅れている中山間地域への支援をしてまいります。  今後とも、地域の声を大切に、長峯誠先生の声を大切にして、現場に寄り添った多様な施策を推進しまして、中山間地農業振興を一生懸命頑張ってまいります。よろしくお願いします。
  29. 長峯誠

    ○長峯誠君 ありがとうございます。  次に、和牛受精卵の流出問題についてお伺いいたします。  和牛受精卵を不正に中国に持ち出そうとした男が大阪府警に逮捕されました。この男は過去に何度か運んだと証言しておりまして、二、三年後には中国産黒毛和牛が市場に出てきはしないかと大変心配をいたしております。受精卵を運ぶには凍結する必要がありまして、このパネルのような容器が必要なんですね。これ、手荷物検査で絶対発見できるはずでございます。流出防止対策が不十分であったと言わざるを得ません。  今般の事件を受けてどのように検査体制を強化したのか、吉川大臣にお伺いいたします。
  30. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 今回の事案を受けまして、船舶会社等に対しましては、輸送容器の外観を周知し、同様の貨物を輸出しようとする者がいた場合は動物検疫所に連絡するように要請もいたしました。さらに、国際定期フェリーが就航する港における動物検疫所の職員による見回りの強化も今行っているところでもございます。  引き続き、本件の再発防止に向けまして有効な対応を行ってまいりたいと存じます。
  31. 長峯誠

    ○長峯誠君 もうこれは法的対策も含めてしっかりと対応していただきたいと思います。  次に、豚コレラについてお伺いいたします。  家畜伝染病予防法では、殺処分した豚の評価額と同額の手当金が交付されることになっています。この手当金が営農再開の元手となります。しかし、今回の手当金は、平成二十二年の宮崎県の口蹄疫のときよりも金額が低いとか、衛生管理が不十分な農家は減額されるといった話を地元の生産者の皆さんからお聞きをいたしました。この点、家伝法の算定基準にのっとって支給されるので、口蹄疫のときと大きな違いは出ないはずなんです。  そこで、農家の方々に安心してもらうために、口蹄疫のときと今回と手当金の比較を具体的な金額を示してお知らせください。
  32. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 個別農家に支払われます手当金に関しましては個人情報のためお答えはできないところでありますけれども、この豚の評価額の算出に当たりましては、肥育豚であれば地域の市場価格を考慮いたしまして、また繁殖豚であれば血統による価値や導入時の価格、供用年数等を考慮するなど、適正に評価をいたしております。  肥育豚の生産費統計によりますと、平成二十二年の口蹄疫発生当時の肥育豚一頭当たりの生産費は約三万円、販売価格でありますけれども、これは三万一千円でありました。また、平成二十九年の生産費は約三万三千円、販売価格は約三万九千円でありますので、当時と比べて市場価格は高くなっていると思います。
  33. 長峯誠

    ○長峯誠君 これらの手当金は所得とみなされまして、税法上は所得税の対象になります。しかし、それは余りにも気の毒だということで、口蹄疫のときには議員立法で免税措置を実施いたしました。しかし、この措置は平成二十二年の口蹄疫に限定したものなので、今回の豚コレラには適用されません。  そこで、ここにいらっしゃる大野泰正先生を始め、地元議員の皆様方が免税措置の実現に向けて今一生懸命努力をされております。これらの免税措置をもう家伝法本体に位置付けて恒久化すべきと考えますが、吉川大臣の御見解をお伺いいたします。
  34. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 長峯議員御指摘のとおり、口蹄疫の折には、議員立法によりまして、手当金の交付に生じた所得に対する所得税等の免除が行われたと承知もいたしております。  発生農家の支援につきましては、手当金交付のほか、経営再開に向けた低利融資ですとか家畜防疫互助基金も用意をいたしております。これらの対策によりまして、豚コレラの発生で影響を受けた農家の方々が意欲を失わず速やかに経営再開できますようにきめ細かく対応もしていきたいと思います。  また、御指摘をいただきました点につきましてはいろいろな様々な形で検討も必要ではないかと、こう思っております。
  35. 長峯誠

    ○長峯誠君 私は、二〇〇〇年の口蹄疫のときには、県議会の口蹄疫対策の特別委員長でございました。二〇一〇年の口蹄疫のときには、全国一の豚の飼養頭数を誇る都城市の市長として陣頭指揮を執りました。岐阜県や愛知県の養豚農家の皆さんの苦しみが痛いほど分かります。今は絶望のどん底にあると思います。しかし、宮崎県児湯郡は、豚が一頭もいなくなったからこそ特定疾病が存在しないウイルスフリーの産地として再生をいたしました。  明けない夜はございません。全国の畜産関係者が皆さんを応援します。希望を持って頑張っていただきたいと思います。  以上で質問を終わります。
  36. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 以上で長峯誠君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  37. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 次に、三宅伸吾君の質疑を行います。三宅伸吾君。
  38. 三宅伸吾

    ○三宅伸吾君 おはようございます。自由民主党・国民の声の三宅伸吾でございます。今日は質問の機会をいただきまして、委員長を始め、ありがとうございます。  質問の前に、私のこの右に付けておりますオレンジ色のリボンのバッジのことについてお話を申し上げたいと思います。  このバッジは、児童虐待防止の運動の一環として付けております。国民の皆様も是非、児童虐待かもしれないと思ったときには全国の共通ダイヤル、児童相談所一八九、いちはやくにお電話をいただいて、一人でも児童虐待の被害者が減るように御協力をいただきたいと思います。  それでは、まず、今年イスラエルを訪問されました世耕経済産業大臣に質問をさせていただきます。  イスラエルは、私のふるさと四国とほぼ同じ面積でございます。周辺をアラブ諸国に囲まれ、日本と同じように厳しい安全保障の環境の現状にございます。一人当たりの国民所得、日本とイスラエル、大体同じでございます。しかしながら、日本とイスラエル、決定的な違いがございます。イスラエル国民にある根強い楽観主義であります。イスラエルの二〇一八年世論調査を見ますと、八〇%もの国民が、個人の置かれている状況について良好又はとても良好と回答いたしております。私も二年ほど前、イスラエルを訪問いたしました。まさに楽観主義に満ちあふれている国だと思いました。  パネルの一をお願いいたします。(資料提示)  イスラエルを訪問しましたときに、安全保障担当の大臣に、私の方からイスラエルに広く国民が共有をしております楽観主義の背景を聞いてみました。彼は、自信満々にきっぱりこう答えてくれました。可能性を信じること、個人と国家の将来を、運命は神に全てを委ねるのではない、イスラエルの楽観主義とは何か、テロの脅威、水の問題などがあるのに、イノベーションを通じて課題を克服しているというふうにおっしゃっておられました。  パネルの二をお願いします。  イスラエルに詳しいある識者は、次のように分析をいたしております。  歴史の荒波にもまれた経験に基づく楽観主義と不屈の精神、型破りの発想を促す教育法、横柄なまでに権威を恐れない態度、移民国家のダイナミズム、そして失敗を恥と考えずに繰り返しチャレンジする精神、この小国が世界有数のイノベーション大国になった重要な理由だと分析をされておられます。  世耕大臣、イスラエルの隠れた競争力ともされる楽観主義についてどのようなお考え、御感想をお持ちでしょうか。また、日本が学ぶべき何らかの示唆はございますでしょうか。
  39. 世耕弘成

    ○国務大臣(世耕弘成君) 私もイスラエルには大変注目していまして、十五年前に議員として、当時、河野太郎衆議院議員と一緒に訪問しました。また、官房副長官としては総理に同行して訪問して、あと二回、経済産業大臣としても訪問して、合計四回訪問をしています。  今回、今年一月、四回目の訪問では、日本企業百社にも同行いただいて、日・イスラエルの官民が参加するイノベーションネットワークの総会を開催するなど、日本とイスラエルの企業間連携の強化に取り組んでいるところであります。  スタートアップネーションというふうにイスラエルは言われておりまして、独自のイノベーションのエコシステムですとか、あるいは失敗に対して非常に寛容で起業家精神を奨励する文化ですとか、あるいは友人同士とか、あるいは軍隊、徴兵で軍隊にいたときに同じ部屋同士だった人が仲間として起業をするとか、いろんな仕組みがあるんだなというふうに思っています。イスラエルから学ぶべき点もあるというふうに思っております。  イスラエルは、この間行ったときは、イスラエルの閣僚とか経済人と、イスラエルはゼロから一を生み出すのが得意だと、日本は一から百にするのが得意、だから相互補完性があるという議論になったんですが、一方でちょっと悔しくて、やっぱりゼロから一を生み出すというのも日本、必要だというふうに思いますので、イスラエルからいろいろ学んでスタートアップの育成に取り組んでいきたいというふうに考えております。
  40. 三宅伸吾

    ○三宅伸吾君 世耕大臣、ありがとうございました。  是非、日本はゼロから百を生み出す国を目指して頑張っていただきたいと思います。  次に、安倍総理にお聞きします。  希望の社会科学、いわゆる希望学を研究されていらっしゃる東京大学の玄田教授は、希望を次のように定義をされています。希望とは、具体的な何かを行動によって実現しようとする願望であると、このように玄田教授は希望を定義されております。ただ、残念ながら、玄田教授の調査によりますと、アメリカ、イギリス、オーストラリア、ドイツ、中国、韓国と比べまして、将来に対する希望を持つ日本の方が極端に少ないというアンケート調査がございます。  パネルの五をお願いいたします。  政府の調査でも、自分の将来について不安を感じる、どちらかといえば不安を感じると、これ合わせますと、自分の将来について否定的に見ている方が七割近くを占めております。  全ての国民が希望を持てるような環境を整えるのが政治の役割だという方がいらっしゃいます。しかしながら、その一方で、国民の価値観はかつてない以上に多様化しております。また、財政も厳しい状況にございます。全ての方の希望をかなえるのは一段と難しい状況になっているのかもしれません。そういう中で、逆に絶望を未然に防ぐのがこれからの日本政治では大切だという指摘もございます。  安倍総理にお聞きいたします。希望をめぐる政治の役割についてお考えをお聞かせください。
  41. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど楽観主義についてお話があったと思います。よく悲観主義は気分で楽観主義は意志だということが言われていますが、我々この政権を取る前、言わば日本の人口は減少していくんだからもう成長なんかできないという議論が相当日本を覆っていたと思います。幾ら頑張ったってしようがないよねという悲観主義の中からは、言わば敗北主義の中からは決して希望は生まれてこないんだろうと、こう思うわけであります。言わばこの六年間は、この諦めへの、敗北主義への挑戦だったと、こう思います。  その中で、五百万人、確かに生産年齢人口は減少したんですが、我々は経済を一一・三%成長させ、名目GDPをですね、そして三百八十万人新たに就業した人が増えたということであります。  まさに、やればできるというところから希望が生まれてくるんだろうと、こう思いますし、そもそも希望を持つ上においては、自分の能力を生かすことができる社会かどうかということが大変重要なんだろうと思います。仕事がないという状況であれば、自分の能力を生かすことができない。ですから、まず政治の責任においては、若い皆さんがしっかりと仕事を持つことができるという社会をつくっていく。そしてまた、女性も男性も、お年寄りも若者も、また障害がある方も難病を持っておられる方にも、みんなにチャンスがあるんだという社会をつくっていくことによって、それぞれの皆さんが未来に希望を持つことができるのではないか、そういう社会をつくっていきたいと、このように思っております。
  42. 三宅伸吾

    ○三宅伸吾君 総理、ありがとうございます。  冒頭から日本について少し暗い質問をさせていただきましたけれども、実は私は、日本は謙虚に胸を張るべきすばらしい魅力を持った国柄だと訴え続けております。  二〇二〇年に東京オリンピック・パラリンピック大会が、二五年には大阪・関西万博が開催されます。大事なことは、いずれも国際的な選挙で他の都市よりも東京、大阪が多くの支持を得たという結果でございます。  昨年秋の大阪・関西万博の招致戦におきまして、我が国のある閣僚は、投票前、海外の要人にこのようにささやいたそうでございます。半年もの長い間の開催期間です、日本でなら毎日の食事、休日の観光にも飽きることがありませんよというふうに招致の運動をされたそうでございます。招致成功は、我が国の自然、文化、歴史、伝統、国民一人一人の礼儀正しさ、おもてなしの心など、日本の国柄が世界から信認を得た結果にほかなりません。国の将来に悲観論が渦巻く中、私たちは日本のすばらしさを再認識すべきだと確信をいたしております。  我が国の自然といえば、今年初め、アメリカの新聞、ニューヨーク・タイムズ電子版が、今年訪問すべき世界の五十二か所を発表いたしました。日本で選ばれたのは、ただ一か所でございます。世界で今年訪問すべき五十二の場所のうち唯一日本で選ばれたのは、この第七位に入りました私のふるさと香川県など、瀬戸内の島々でございます。当然、山口も含まれております。今年春は、世界的に知られる瀬戸内国際芸術祭も開催されます。  次お願いします。  この写真は、香川県三豊市父母ケ浜の写真でございます。すばらしい海岸とそこから眺める瀬戸の島々、夕日などを楽しむため、台湾を始め世界各国から多くの方が高松空港等に来られて、そしてバスに乗って小一時間掛け、この海岸沿いを訪れております。  次のパネルをお願いします。  これは、香川県さぬき市にございます瀬戸の島々を臨む野外音楽場でございます。  美しい自然も日本の魅力でございますけれども、我が国の天皇制度、皇室も国柄のとても大事なものだと私は思っております。  安倍総理にお聞きいたします。  天皇陛下にお招きをいただく春と秋の園遊会、私もほとんど参加いたしておりますけれども、安倍総理も胸に名札、ネームプレートを付けていらっしゃいます。内閣総理大臣安倍晋三という名札を私は何度も拝見いたしております。少なくとも二十年以上前からこのような名札を付けるということを歴代の総理はされているそうでございます。  お代替わりまで二か月を切りました。新天皇即位を間近に控え、皇室の役割、今上陛下そして新しい天皇陛下への総理の思いをお聞かせください。
  43. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 天皇は現行憲法において日本国及び日本国民統合の象徴と定められていますが、現行憲法が成立する以前より、我が国の長い歴史において、事実上、伝統的な象徴としてひたすら国民の安寧そして国民の平和を祈り続けてこられた御存在であると承知をしております。  今上陛下におかれては、御即位以来三十年を超える長きにわたって、まさに象徴として、国事行為のほか、被災地のお見舞い、国内各地はもとより戦地となった外国の御訪問など、一つ一つの御公務を心を込めてお務めになり、皇后陛下とともに国民に常に寄り添ってこられたことは大変有り難いことであります。  皇太子殿下におかれては、本年二月のお誕生日に際して、今上陛下のこれまでのお姿を心にとどめ、国民に常に寄り添い、人々とともに喜び、あるいは共に悲しみながら、象徴としての務めを果たしたいとのお気持ちを明らかになさったものと承知をしておりまして、大変有り難いことであると思っております。  政府としては、国民がこぞって祝意を表する中で、この度の皇位の継承がつつがなく行われるように準備を万全に整えてまいる所存でございます。
  44. 三宅伸吾

    ○三宅伸吾君 ありがとうございます。  この度のお代替わりは生前譲位、退位ということで、時間的な余裕というか、あらかじめタイミングが分かっているということでございますので、冷静な議論が様々な分野でできると思いますので、岩屋防衛大臣にお聞きしたいと思います。それは自衛隊、そして天皇陛下、皇室との今後の関係についてでございます。  天皇陛下が自衛隊の基地に足を踏み入れたことはないと思っていらっしゃる国民が多いように思います。その理由は何でありましょうか。パネルをお願いいたします。  いろいろなお考えがあろうかと思いますけれども、天皇陛下、皇室と実力行使部隊との関係についての解説を二つだけ御紹介申し上げます。まず一つは、戦後、天皇は軍隊との結び付きを一切切断した形においてのみその再生を図り得た。もう一つは、皇室と自衛隊の不自然な距離の背景、差別待遇には、戦前の軍に対する天皇の統帥権に全ての戦争の責任を押し付けた戦後の誤った歴史観に基づく過剰な配慮が見え隠れするという分析をされている方もいらっしゃいます。  天皇陛下が自衛隊の基地に足を踏み入れたことは実は何回かございます。東日本大震災の直後でございますけれども、陛下は宮城県の航空自衛隊松島基地を訪問されておられます。  外に目を転じますと、欧州の王室には軍歴を持つ方も多く、国王になっても、自国を守るという崇高な使命で精励する軍隊の活動を視察される方も少なくありません。  岩屋防衛大臣にお聞きします。天皇陛下、皇室と自衛隊の関係について、お代替わりを前に、新しい元号の下ではどのようになるでしょうか、お考えをお聞かせください。
  45. 岩屋毅

    ○国務大臣(岩屋毅君) 天皇皇后両陛下におかれましては、憲法に定められた国事行為のほかに、国内における各種の式典や行事へのお出まし、各種施設への御視察、内外の方々とお会いなさる等の御活動をされておられます。  また、皇族の方々におかれましては、それぞれの御活動状況には相違がございますけれども、それぞれのお立場から天皇陛下のこのような御活動をお助けされているというふうに承知をしております。  防衛省・自衛隊といたしましては、こうした皇室の御活動の一環として、国内あるいは国外に御訪問される等の際に政府専用機やヘリコプターなどによる運航を行っておりまして、これらの機会に陛下が自衛隊の基地等を御訪問なされたこともございました。  また、一部の皇室関連の政府式典におきまして、自衛隊が儀仗、堵列、まあ整列をするということですが、奏楽あるいは礼砲等の儀礼を実施させていただいております。  防衛省・自衛隊としては、こうした取組を通じまして、引き続き皇室の御活動をお支えをしてまいりたいというふうに考えております。
  46. 三宅伸吾

    ○三宅伸吾君 政府参考人が来ていればちょっとお聞きしたいんですけれども、現行法上、皇室の方は自衛隊に入隊できるのでしょうか。
  47. 岡真臣

    ○政府参考人(岡真臣君) お答え申し上げます。  自衛隊法上の規定ということでお答えを申し上げますと、自衛隊法第三十八条の中で、自衛隊員になることができない者、これを規定をしておりますけれども、その中には皇室の方が自衛隊員になることができないという規定はございません。
  48. 三宅伸吾

    ○三宅伸吾君 ありがとうございます。  岩屋防衛大臣、ちょっと話題が変わりますけれども、沖縄県普天間飛行場の代替施設として辺野古で新施設の建設が進んでおります。その地質ボーリング調査に関する詳細データを公表されたと聞いておりますけれども、その概要をお知らせください。
  49. 岩屋毅

    ○国務大臣(岩屋毅君) 全体について簡潔にできるだけ説明させていただきたいと思います。  私ども、二回にわたるボーリング調査の結果を踏まえて、その報告書を審査請求の関係から国土交通省に提出をしておりましたが、この度、予算委員長の御指示を受けまして公表させていただいたところでございます。  その要点の第一は、いわゆる軟弱地盤と言われる問題につきましては、実績のある従来から存在する工法、サンド・コンパクション・パイルあるいはサンドドレーン工法等を使って安全性を確保して行うことが可能であるという結論を得ているということでございます。  それから、その際に、水面下約七十メートルまで施工するものは、全体の七万七千本のうち数%、約三・五%と思っておりますけれども、で済むと。それから、全体の約七割は水面下四十メートル未満の地盤改良工事によって安定性を確保できると。また、その作業を行う船も国内にきちんと確保できると。それから、水面下、当初九十メートルまで軟弱層があるんではないかということで調べたんですけれども、水面下約七十メートルを超える深度では非常に固い粘土層に分類されるものがあるということが確認をされておりまして、水面下約七十メートルの地盤改良工事で安定性を確保できると確認をしているところでございます。  それから、約六百五十万立方メートルの砂が必要になるということでございますが、我が国の砂の年間採取量は約三千六百万立方メートルでございますので、本事業において必要となる砂の量は調達可能であるというふうに考えております。  さらに、もう一つは、地盤沈下するのではないかということに関しましては、埋立て終了後から二十年間で最も大きいところで約四十センチの地盤沈下が予測されると考えておりますけれども、これは、あらかじめ沈下量を考慮した造成後の高さの設定や、圧密促進工事と言われる沈下量を抑える工法を採用する、あるいは維持管理段階でのかさ上げなどの対策によって、安全性に問題なく飛行場を供用させることができると考えております。  そして、期間につきましては、この地盤改良に係る工事について、海上工事に約三年八か月、陸上工事に約一年と見積もっておりますが、これは同時に進めることも可能だと考えております。  したがいまして、今後、沖縄防衛局において地盤改良に係る具体的な設計等の検討を行い、合理的な設計、施工を行って、普天間飛行場の早期返還に資するように最大限努力をしてまいりたいと思っております。
  50. 三宅伸吾

    ○三宅伸吾君 ありがとうございます。  河野外務大臣にお聞きしたいと思います。  昨年秋、私、ケニアを訪問いたしました。日本の支援で東アフリカ最大の貿易港、モンバサ港の整備が進んでいるのを目の当たりにいたしました。その後、ルワンダも訪問いたしました。同国も、一九九四年の大虐殺事件を乗り越え、急ピッチな経済成長を遂げており、両国とも我が国の政府開発援助に対して感謝の念を表されておりました。  中国は、ケニアでも鉄道などの分野で大型の経済支援を進めております。ある報道によりますと、中国による支援の借金のカタに、日本が開発支援するモンバサ港の運営権が取られているという報道がございました。ケニア政府は、中国との支援契約を非開示にしているとのことでございます。もし報道が事実ならゆゆしき事態であり、誤報であることを期待いたします。  河野大臣にお聞きいたします。  この報道に対する見解と併せ、我が国の政府開発援助は債務の担保を取っているのですか。取っていないのであれば、その理由をお聞かせください。
  51. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) 先ほどのモンバサ港の運営権がケニアへの借金の担保となっているということの報道は承知をしております。我が国は、円借款を通じてモンバサ港の開発の支援をしてまいりましたので、こうしたことがあってはならないということで、ケニア政府に、報道の後、照会を行いました。ケニア政府からは、鉄道の借款計画とモンバサ港は一切関係がないという回答をいただいております。また、ケニアのケニヤッタ大統領も、こうした報道を否定するような旨発言をされております。  日本の対ケニア円借款の返済状況については特段今のところ問題もございませんし、世銀、IMFもケニア政府の債務状況は問題がないという評価になっておりますが、こうした報道のようなことがあってはならないことでございますので、しっかりと今後も注視していきたいというふうに思っております。
  52. 三宅伸吾

    ○三宅伸吾君 最後の質問でございます。柴山文科大臣にお聞きをいたしたいと思います。  政府はかねて、漫画等の海賊版サイト対策のため、著作権法の改正を目指してきました。その狙いには大賛成でございます。しかし、改正法案を準備しました文化庁の案には過剰規制と思われる部分があり、自民党の関連部会などでも一部の議員から強い反対論が出たところでございます。  柴山大臣にお聞きいたします。  著作権法改正を通じ海賊版対策を講じる方針に変化はないと拝察をいたしますけれども、今後どのような基本方針で改正準備作業に取り組まれますか。
  53. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) お答えをいたします。  今般の著作権法の改正について、文部科学省といたしましては、今委員から御指摘の深刻な海賊版被害への実効的な対策を講じること、一方で、国民の正当な情報収集などに萎縮を生じさせないことという二つの課題を両立すべく慎重に検討してまいりました。  しかし、結果としては、現時点においては十分な御理解を得られる見通しが立っていない状況でありまして、今国会への法案提出は見送ることとさせていただきたいと思います。  ただ、今御指摘になられたとおり、この被害、深刻な状況となっておりますことから、早急な対応が必要だと考えております。今後、国民の皆様の声をより丁寧に伺いながら、しっかりと検討を継続していきたいと考えております。
  54. 三宅伸吾

    ○三宅伸吾君 終わります。
  55. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 以上で三宅伸吾君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  56. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 次に、新妻秀規君の質疑を行います。新妻秀規君。
  57. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 公明党の新妻秀規です。  まず、プレミアム付き商品券について伺います。  平成三十一年度予算案には、今年十月の消費税率引上げの対応策の一つとして、公明党の提言が反映されまして、プレミアム付き商品券が盛り込まれております。これは、所得の低い方やゼロ歳から二歳の乳幼児がいる子育て世帯を対象として、消費税率引上げ直後に生じます負担増を和らげることが目的でありまして、こうした方々が希望すれば購入できるという仕組みです。  このうち、子育て世帯の対象者を確定するに当たっては、政府はこれまで、自治体の準備作業などを考えまして六月一日を一つの基準日と想定して検討してきたものと承知をしております。しかし、それでは、六月二日以降に子供が生まれた世帯はこの商品券を買う権利が得られないということになってしまいます。  さて、先週十三日、参議院予算委員会における我が党の佐々木さやか議員との質疑の中で、茂木大臣は、八月に生まれる子供については生まれて以降の手続になると答弁されました。  ここで茂木大臣に質問いたします。  ゼロ歳から二歳までの乳幼児がいる子育て世帯の負担を軽減するという政策目的を果たすために、消費税率引上げの十月一日より前に生まれたゼロ歳の子全てを対象にしていただけませんでしょうか。
  58. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) プレミアム商品券など個人に対する給付、対象者を限った施策を実施するに当たっては、対象者を特定するため、対象要件等を判定する一定の基準日を設けることが必要になってまいります。そのため、今回実施をいたしますプレミアム付き商品券の子育て世帯分については、地方自治体の準備作業に要する時間も勘案しつつ、まず対象世帯の大半をカバーします引換券の送付の第一弾の基準日、これを六月一日とすることを想定しております。  その上で、先週も御答弁申し上げましたが、私がかねてから申し上げているとおり、できるだけゼロから二歳児の子を持つ世帯を広くカバーできる制度としたい、そうした思いから、六月二日以降に生まれたゼロ歳の子供がいる世帯についても対象とできるように、自治体とも協議をしつつ、更に検討を進めてきたところであります。  このような検討を経まして、自治体において更なる御努力や第一弾以降の引換券の追加の給付などの追加的対応をいただくことによりまして、税率引上げ直前、すなわち九月三十日までに出生したゼロ歳の子供を持つ世帯の全てを対象にする方向で準備作業を進めております。  今後、こうした制度の内容や手続につきまして、自治体ともしっかり連携をし、きめ細かな周知を図っていき、対象となる方々に商品券が着実に行き届くようにしてまいりたいと考えております。
  59. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 ありがとうございます。  昨年一年間に生まれた新生児は約九十二万人です。それ考えますと、六月二日以降九月三十日までの約四か月間に生まれるお子さんの数は約三十万人と予想できます。これ、新生児の御両親は、自分はそのプレミアム付き商品券を買う権利である引換券をもらえるのかと不安に思っていたことと思いますが、今の大臣の答弁によりまして安心することができたと思います。改めて謝意を表したいと思います。  次に、SDGs、持続可能な開発目標について取り上げたいと思います。パネル一を御覧ください。(資料提示)  SDGsとは、誰も取り残さない社会の実現を掲げまして、二〇一五年の九月、国連で採択された国際社会共通の行動指針であります。  本日の集中審議のテーマは安全保障ですが、人間の安全保障という概念があります。これは、人間一人一人に着目をしまして、生存、生活、尊厳に対する脅威から人々を守り、そして、それぞれの持つ可能性を実現するために個人の自立と社会づくりを促していく、こういう考え方であります。SDGsは、この人間の安全保障の概念を基盤とした具体的な行動指針とも言え、このパネルに示します十七の目標から成り立っています。例えば左上、一番、貧困をなくそう、四番、質の高い教育、六番、安全な水とトイレ、十三番、気候変動対策、十四番、海の豊かさを守ろう、こうした具体的なものであります。  さて、総理を本部長とするSDGs推進本部は、本年六月のG20サミット、八月のアフリカ開発会議、TICADⅦ、そして初のSDGs首脳級会合に向け、昨年十二月にSDGsアクションプラン二〇一九を決定をしております。この中で、中小企業におけるSDGsの取組強化を掲げられております。  私は、第二回ジャパンSDGsアワードを受賞しました岐阜県の三承工業を訪問いたしまして、女性が活躍しやすい職場環境、低所得の方々にも購入可能な住宅の開発など、SDGsの理念に即した事業に大変に深い感銘を受けました。このパネルでいいますと、五番のジェンダー平等、十一番の住み続けられる町づくりなどに当たります。  総理、SDGsを推進していく上で、特に中小企業における取組強化には課題もあると思いますが、今後どのように具体的に取り組んでいかれるのでしょうか。
  60. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) SDGsの考え方を経営に取り込み、事業を通じて様々な社会課題の解決への取組を進めることは、これは中小・小規模事業者の皆さんにとって未来を見据えた成長戦略であるとともに競争力の大きな源泉ともなります。  他方、全国津々浦々の中小・小規模事業者の皆さんにとって、確かにこのSDGsという言葉は余り耳慣れないものなんだろうと、こう思います。具体的な事業としてどのように取り組めばいいのかということも分かりにくいということだと思います。  そのためには、政府としては、二年前から優れた取組を行っている企業等の表彰を行っておりまして、委員御指摘のような地域に根差したSDGsに取り組むモデルとなる中小企業を表彰しております。さらには、こうした先行事例を紹介するセミナーの開催やコンソーシアムを通じた情報共有に取り組んできたところでございます。  重要なポイントは、最初申し上げましたように、このSDGsを経営に取り込んでいくということは、社会への貢献であると同時に、これはまさに未来を見据えた成長戦略にもなるし、中小企業にとって競争力の源泉にもなるんだということをより多くの中小企業の皆さんにも知っていただくことが重要ではないかと思っています。  今後とも、積極的な情報発信を通じて先進的な取組を横展開を図ることで、全国津々浦々の中小・小規模事業者の皆様がSDGsに関する取組を通じて企業の成長につなげていけるよう取り組んでまいりたいと思います。
  61. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 是非、こうした取組を更に推進していただきますようお願いをいたします。  次に、アフリカ開発について伺います。  先ほど述べましたように、この八月には、アフリカ開発会議、TICADⅦが横浜で開催をされます。アフリカ大陸の開発に影響を与えている新たな課題として、前回のTICADⅥでは過激化、そしてテロ、武力紛争等が挙げられました。ここで、これらの課題の根本原因でありSDGsの目標でもある、一番、貧困対策、二番の飢餓対策、そして四番の教育、こうしたことに取り組むことは社会の安定化を図る上で極めて重要と考えます。  日本の政府開発援助、ODAの分野別配分を見ますと、輸送、通信、電力などの経済インフラが中心でありますが、さらに、教育、保健、上下水道など社会インフラ整備に取り組むことも重要と考えます。また、地域別の配分では、現状、アジアが中心でありますが、アフリカへの支援拡大も望まれるところであります。  ここで、TICADⅦを控え、民間投資のメカニズムなども活用し、アフリカにおけるSDGs、持続可能な開発目標の達成を目指し、今後どのように取り組んでいかれるのでしょうか。
  62. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) 今年のTICADⅦでは、アフリカでも誰一人取り残さない社会というものを目指して、アフリカと協調してまいりたいというふうに思っております。  日本はこれまでも、例えばこのゴールの三番、健康と福祉の分野では、TICADⅥでアフリカにおけるユニバーサル・ヘルス・カバレッジの推進を表明し着実に取り組んでまいりましたし、四番の質の高い教育をみんなにというゴールに関しては、小中学校を建設をしたり、あるいは理数科の教育支援によるアクセス及び質を向上させる、こうした努力をアフリカでやってきたところでございます。  TICADⅦでは、ODA支援だけでなく民間の投資というのを増やしていくというのがむしろ大事だというふうに考えておりますので、そうしたことの後押しをしながら、誰一人取り残さない社会をアフリカでしっかりとつくるべく努力をしてまいりたいと思います。
  63. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 是非、外務大臣がおっしゃったような取組を中心にTICADⅦに備えていただけたらと思います。  次に、海洋プラスチックごみの問題について取り上げます。  このパネルでは、十二番のつくる責任、使う責任、また十四番の海の豊かさを守ろう、こうした取組などに当たると思います。  さて、総理は、去る二月一日、我が党の山口代表の代表質問に対しまして、海洋プラスチックごみによる汚染につきまして、G7のような先進国のみならず、新興国も含めた世界全体の取組が必要とし、ごみの適切な回収、処分など対策に取り組む、このように決意を表明されました。しかし、G20には中国、インドなど新興国も多く、全参加国が合意できる枠組みづくりには困難が予想されるところであります。  G20において全ての参加国が合意できるような枠組みづくりに向け、どのように議論を進めていかれるのでしょうか。
  64. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) G7の海洋プラスチック憲章のお話がございましたが、国際的によく引用されている研究によれば、G7各国から海に流出するプラスチックの量は世界全体の二%程度にすぎないと推測をされています。地球規模の海洋汚染問題を解決するためには、G7のような先進国のみならず、プラスチックごみを多く排出する新興国も含めた世界全体の取組が必要です。こうした考え方は、これまでも積極的に国際協力を行ってまいりました。  例えば、バングラデシュでは、ごみ収集車の支援等を行った結果、ごみの回収率が四四%から八〇%に向上しました。ドミニカ共和国では、ごみが埋立地で野ざらしになっていましたが、日本の技術協力によって土を、土で覆う処分をすることで、市内で発生するごみの全量に当たる年間約三十万トンの海洋流出を防ぐことに成功しました。    〔委員長退席、理事二之湯武史君着席〕  重要なことは、プラスチックごみの海への流出をいかに抑えるかということであります。経済活動を制約する必要はこれはありません。新興国に過度な負担を掛けない枠組みをつくっていく。言わば経済活動を制約する必要はないわけでありまして、新興国の皆さんにもその中でそういう枠組みをつくっていくことが可能であり、我々もその中で協力をしていきたいと思っています。  引き続き、我が国が培ってきた経験と技術を生かし、ごみの適切な回収、処分に向けた国際協力を進め、全ての国々による具体的な行動につなげていきたいと思います。  同時に、海で分解されるバイオプラスチックの量産化といった革新的なイノベーションを加速するなど、世界の国々とともに海洋プラスチックごみ対策に取り組んでいきます。  G20大阪サミットにおきましても、この海洋プラスチックごみについて、このサミットを大きなきっかけに、新たな汚染を生み出さない世界の実現を目指して、新興国も含めた取組の促進にリーダーシップを発揮していく考えであります。
  65. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 この深刻化する海洋プラスチックごみに対する国際的な対策といたしまして、G20各国の科学アカデミーによる会議、サイエンス20、S20が今月の六日に開催されまして、データに基づく助言の必要性、また観測船、船による調査基盤の強化など、六つの提言から成る共同声明が採択されました。  S20によって取りまとめられました科学的知見をベースにしたこの提言をどのように受け止め、G20においてどのように活用していくのでしょうか。
  66. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) このイノベーションには、海洋プラスチックごみ対策を始め、地球規模課題を克服する大きな可能性があります。  本年のS20提言にもありますが、例えば、海で分解される、先ほど申し上げましたような、バイオプラスチックのような素材が量産されれば問題解決に大きく寄与することになります。先般、S20に参加した各国の研究者にも申し上げましたが、革新的なイノベーションを起こすためには世界の英知を結集していく必要があります。G20の議長国として、S20のような世界の科学界と連携しながら、新たな汚染を生み出さない世界の実現を目指してリーダーシップを発揮していく考えであります。
  67. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 是非、こうしたリーダーシップを発揮していただきたいと思います。  次に、このプラスチックごみ、これ国内でも大きな問題となっているんです。私が訪問した三重県と静岡県のごみ処理の事業者から、中国にプラスチックを出せなくなったため物がたまって大変だと、何とかしてくれないか、こういう切実な声を伺いました。中国はプラスチックごみの輸入を平成二十九年の十二月から段階的に禁止をしまして、東南アジアの国々も同じような対応を取っています。そのために、それまでは輸出されていた我が国のプラスチックごみが国内に滞留してしまっている、こういう状況であります。  先月の末、衆議院の予算委員会におきまして、我が党の同僚議員が事態の改善に向け政府の対応を求めましたところ、こういう回答でした。一つ、ごみ排出事業者に適正な処理料金を負担してもらえるよう啓発をする、二つ、プラスチックの高度なリサイクル施設などの整備に補助金を設けた、こういう答弁でありました。  現場の状況は大変に厳しいです。処分場の空きがないために数百キロトラックを走らせている、こういう声も聞きました。また、ごみ排出事業者への適正な負担の転嫁につきましてはなかなか難しい、こういうお声です。また、焼却や埋立てに向かうプラスチックごみも少なくない、こういう指摘もあります。  政府が取っている対策の効果はどうでしょうか。また、今後どのように対応されるんでしょうか。
  68. 原田義昭

    ○国務大臣(原田義昭君) お答えをいたします。  御指摘のように、今までは例えば中国に輸出というような形で相当持ち出していたような事実がございましたけれども、だんだん世の中変わってきました。まずは、しっかりまた日本の国内で内製化するというか、自分のところで処理をしなきゃいけない、こんな事情等になっているところであります。  私どもからすれば、昨年度からリサイクル設備の国内導入を支援しておりまして、これまで十一億円余りの設備補助をやっておったところでありますけれども、来年度、新しい予算においてはこれを大幅に拡充いたしまして、補正予算と合わせて九十三億円をこれに充てることにしております。六十億円の補正予算と、新しくは、三十三億円を今度は予定しているところであります。  また、廃プラスチックの処理を円滑に進めるため、処理業者が適正な処理費用を回収できるよう排出事業者との間できっちりとした料金負担の状況ができなければいけないと、こういうことであります。様々、私どものところに、今の状態でいいという方々と、もう非常に厳しい状況にあると、特に処理業者の方からですね。そういう意味では、私ども、おおむね適正な料金を設定できているという状況をつくるために、また、まだ値上げは困難という声もありますので、引き続きお互いの啓蒙活動に努力をしたいと、こう思っております。  いずれにいたしましても、国際的な資源循環の変化に迅速かつ適切に対応するために、我が国のプラスチック資源が適正に循環する国内体制を率先してつくりたいなと、こう思っているところであります。
  69. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 対策が強化されてきたのは評価するところですが、やはり現場の声に即して、是非ともこの現場の声に応える、そうした対策の検討も是非ともお願いをしたいと思います。  また、この日本から輸出されたプラスチックごみ、これは産業廃棄物にとどまらず、市町村が回収してきたペットボトルといった一般廃棄物も含まれています。我が国のプラスチックごみのリサイクルの状況には課題があると考えています。プラスチック原料として再生をする材料リサイクルや化学分解によって化学原料などにするケミカルリサイクルといった言わばリサイクルの本流よりも、燃やしてエネルギーに回収とかという熱回収が大きな割合を占めているのです。  今、環境省を中心に、プラスチック資源の循環戦略の検討が行われると聞いております。不法投棄や不適正処理だけではなく、このパネルの十三番の気候変動対策の観点からも、熱回収や熱回収せずに単に燃やして捨てること、こうしたことが安易に増えないようにプラスチックごみの資源循環対策を具体化していくことが重要と考えますが、どのように取り組んでいかれるのでしょうか。  また、あわせて、プラスチックごみの効率的な収集について伺います。  愛知県のごみ処理事業者から、こういう声伺いました。ごみの分別に当たって、容器リサイクル法の対象外となる自治体のごみ袋を取り除かなければいけないのが大きな負担になっていると、そもそもごみ袋もプラスチック製なので資源としてリサイクルできるはずだ、何とかならないか、こういう声だったんですね。  ここで、パネル二を御覧ください。  これは環境省のモデル事業で、富山市とか名古屋市など全国七都市で、プラスチック製品とペットボトルのような容器などをまとめてリサイクルをする、そういうモデル事業なんです。このパネル下側の表にありますように、この取組の結果、資源の回収量は向上をし、増加をし、回収した資源として再生した樹脂の品質は向上又は同水準、つまり問題がないと。事業全体の効率もアップをし、市民もこの分別方法でいいじゃないかという、そういう結果が出ているんですね。  今後、モデル事業の成果をどのように生かしていくのか、あわせて答弁をお願いいたします。
  70. 原田義昭

    ○国務大臣(原田義昭君) プラスチックの内製化、国内での処理におきましては、あくまでも循環型社会形成推進基本法において、3Rを中心に、まずはリデュース、そしてリユース、リサイクルと、それがどうしてもできないものについては、熱回収と言われましたけど、実質的には燃やす部分がたくさん増えてくるわけであります。基本はやっぱりこの3Rをまずきちっと守れるように努力をしなきゃいけない、こういうことでございます。  今御指摘の、容器包装という形で処理をしていて、ただ、それと併せて一般製品としてのプラスチックを一緒に処理できないかと。従来は、容器包装というのは特別にそこの部分だけを重点的に扱っていたところがあるんですけど、そのモデル事業として今まで議論をしてきたところでありますけれども、そのモデル事業の結果、なかなかいい結果が出たということでございます。容器包装のみと比べて回収量の増加、品質の維持向上が見られると、リサイクル工程の効率化によってコスト削減ポテンシャルが確認された、参加市民から分別でするよりも一括回収の方がやりやすいと、様々いい結果が出ておりますので、私どもからすれば、一緒にこの処理をすると、容器包装のみから一括処理をするという方向で進めていきたいなと、こう思っているところであります。  いずれにいたしましても、使い捨てプラスチックのリデュース、さらには再生素材やバイオマスプラスチックの利用拡大などの数値、年限入りの野心的なマイルストーンを進めると、あわせて、レジ袋有料化義務化や国内資源循環体制の構築など実効的な内容に進んでいきたいなと、こう思っております。
  71. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 是非、大臣がおっしゃった取組の推進をお願いをしたいと思います。  次に、先月一日に発効となりました日本と欧州連合の経済連携協定、日EU・EPAについて伺います。  これは自由貿易の拡大のため大きな前進でありまして、日本経済の成長とビジネスチャンスの拡大の観点から高く評価をしておりますけれども、不安な状況もあります。  例えば、日本は、EUへの農林水産品の輸出について約九八%の品目の関税撤廃を獲得いたしましたが、これらの品目の一部には、EU側の輸入規制を満たせずに、日本からの輸出が認められていないものも含まれています。特に畜産品につきましては、EUの動物検疫、衛生基準などが厳しくて、牛肉以外の全ての品目で輸出が禁止されている状況にありまして、豚肉、鶏肉、鶏卵及び牛乳、乳製品につきまして輸出の解禁に向けた協議が重ねられていると聞いておりますが、かなりの時間が掛かるのでは、こんな報道もあるところです。  こうした状況が続きますと、関税撤廃などの恩恵が薄くなってしまうのではないかと思うんです。EUへの輸出が禁止されている畜産品の輸出解禁に向けた見通し、さらに日本産の農林水産品に対するEU側の輸入規制の緩和、撤廃に向けた働きかけの加速化、また強化への決意を伺います。  また、あわせて、こうした外交の取組の成果を適時適切に、農林水産業に従事する方々、また食品産業の事業者を始めまして関係者に分かりやすい情報発信を行って、輸出額一兆円、攻めの農林水産業実現への後押しをしてほしいと思います。相談体制の充実にも取り組んでいただきたいと思いますが、併せて答弁をお願いいたします。
  72. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) この日本産の畜産物をEUに輸出できるようにするためには、もう既に委員御承知のとおりだと思いますが、品目ごとにEUに輸出できる国のリスト、いわゆる第三国リストに日本が掲載される必要がございます。  牛肉につきましてはもう二〇一三年に掲載をされておりまして、もう既にEUにはこれ輸出をされております。卵及び卵製品、乳及び乳製品につきましても、それぞれ本年二月二十一日及び三月六日に掲載をされたところでございます。これによりまして、三月二十六日以降は、例えばカステラなど日本産の卵、乳の使用割合が五〇%未満の条件を満たす一部の加工食品につきましては、直ちに今もう輸出できるようになります。また、卵及び乳製品、乳及び乳製品につきましても、EU向けの施設の認定がなされますと、輸出がこれがまた可能になってまいります。  一方、残された豚肉及び家禽肉についてでありますけれども、これは国内の豚コレラや高病原性鳥インフルエンザの発生によりまして、引き続き、今EUと協議も行っているところでございます。  さらに、EUにおきましては、東京電力福島第一原発事故に伴いまして、日本産の農林水産物・食品に対して放射性物質に関する輸入規制が設けられておりましたが、政府として粘り強く働きかけをしてまいりまして、徐々に規制緩和も進んでおります。例えば、二〇一七年十二月からは、福島県産を含む全ての米につきましては放射性物質検査証明書の添付が解除もされておりますので、引き続き、関係省庁とも連携をしながら、この畜産物の輸出解禁の早期実現ですとか農林水産物・食品の輸入規制の撤廃、緩和に向け積極的に取り組んでまいりたいと存じます。  さらに、併せて輸出促進についても今お伺いをされましたのでお答えをさせていただきますが、輸出される日本の農林水産物・食品の関税は、ほとんどの品目で御指摘いただきましたように即時撤廃をされるということになります。  EUは人口五億人で、所得も高く、日本食レストランも増えておりまして、EU市場へのアクセスが改善することは輸出拡大への大きなチャンスだと考えております。このチャンスを成果につなげていくためには、御指摘のとおり、それぞれの生産者にとってどのような利点が生まれたのか丁寧に説明をして、速やかに輸出に向けて動き出せるように支援することが重要だと考えておりますので、先月の発効に合わせまして、日EU・EPAの利点を簡単に紹介するリーフレットも作らせていただきまして、各種の事業者や団体等にも今周知もいたしております。  さらに、ジェトロにおきましては、従来からの無料相談窓口に加えて、EU向け輸出に必要な検査の支援も開始をいたしました。  こうした様々な取組によりまして、EU市場に挑戦する生産者の夢を一つでも多く実現をしてまいりたいと存じます。
  73. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 是非よろしくお願いいたします。  畜産業については別の大きな課題があります。先ほど長峯先生からもありましたけれども、豚コレラです。なかなか終息しません。我が党におきましても対策本部を立ち上げまして、現場の声を聞いて、政府に対しましては、感染の拡大を防ぐ対策の強化、また発生農家への経営再開、経営再建支援、また風評被害の防止、情報の迅速な発信を強く求めてまいりました。私も被害が発生した岐阜県を訪問いたしまして、畜産農家からこの風評被害の生の声を聞いてきたところであります。  以下、具体的に聞きます。  被災農家始め発生農場の経営再開への支援を迅速に漏れのないように実施をしてほしいのですが、これまでの実施状況はどうでしょうか。また、今後どのように取り組んでいかれるのでしょうか。
  74. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 豚コレラの支援につきましては、まず家畜伝染病予防法に基づく手当金の交付、さらには経営再開に向けまして、家畜疾病経営維持資金等の低利融資ですとか、家畜防疫互助基金も用意をいたしております。  さらに、先月の二十六日、二月二十六日には、新たな対策といたしまして、移動制限区域や搬出制限区域以外の農家でありましても、豚コレラの発生により経済的な影響を受けた場合には経営維持資金を借り受けられるように、対象に追加もさせていただきました。償還期限も七年以内に、据置きを三年以内に延長する拡充も行ったところでございます。  この豚コレラ発生時には、発生農家や周辺農家にこれらの支援策を説明をしますほか、本病の発生により影響を受けた生産者や中小企業者向けには県庁に相談窓口も直ちに設置をしていただきましたので、そういったことを今周知に努めているところでもございます。  この影響を受けた農家の方々が経営を続ける意欲を失わずに速やかに経営再開できますように、きめ細かな対応も更にしていきたいと、こう思っております。
  75. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 是非、取組の推進をお願いをしたいと思います。  さて、この豚コレラ、野生イノシシによる感染拡大が課題となっております。こうした野生イノシシによる感染拡大を防ぐために、ワクチンの使用、また柵の設置が進んでいると伺っています。これらの対策により、豚コレラの感染拡大の防止、根絶に向けてどのような効果が見込まれるのでしょうか。
  76. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 野生イノシシに対する拡散防止、個体削減のために、今までも防護柵やわなの設置等の支援も行ってまいりましたけれども、さらに、これから今御指摘をいただきました経口ワクチンを投与することといたしております。これは、感染個体を減らしていくことで、野生イノシシから直接あるいは人や物を介して養豚農家へ豚コレラが伝播するリスクを徐々に低下していくものと考えております。  しかしながら、この経口ワクチンにつきましては、欧州では二ないし三年間使用した事例ですとか、あるいは七年間使用した事例もあると聞いておりますので、我が国における使用は初めての試みでもありますことから、専門家の意見も今聞いておりますし、岐阜県や愛知県とも密接に連携して、工夫をしながら、間もなくだと思いますけれども、これも実施をしてまいりたいと存じます。
  77. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 この豚コレラでもう一つ恐ろしいのがアフリカ豚コレラなんですね。これは致死率が高い伝染病でありまして、中国、ベトナム、モンゴルで発生が確認されております。つまり、もうすぐそこまで来ているわけなんです。日本で発生をした場合、その影響は極めて大きいということが予測されます。  アフリカ豚コレラの水際対策をどのように徹底するのでしょうか。また、アフリカ豚コレラには有効なワクチンが存在しないと言われていますけれども、仮に国内に侵入した場合、封じ込めなどの対策はどのように行う方針でしょうか。
  78. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) アフリカ豚コレラの侵入リスクが御指摘のように高まっていると存じております。農林水産省といたしましては、この水際対策の更なる強化のために、例えば、広く国内外に向けた持込禁止品の周知、さらには探知犬の臨時的増頭による探知活動の強化、そして家畜防疫官による旅客に対する口頭質問の強化、さらには税関と連携した携帯品検査の強化など、様々な対策の強化を今行っているところでございます。  一方で、国内では、アフリカ豚コレラウイルスの侵入リスクに備えまして、肉を含む飼料は適正に加熱すること、野生動物の侵入を防止することなどの飼養衛生管理基準の遵守を徹底をいたしまして、農場の防御力の強化に今万全を期しているところでもございます。  さらに、アフリカ豚コレラに関する特定家畜伝染病防疫指針に基づきまして、異常豚通報時に豚コレラと併せてアフリカ豚コレラの検査も行うことといたしたところでありまして、今後、この指針に即しまして、発生時の早期通報ですとか、感染が疑われる豚の迅速な殺処分やあるいは移動制限により、封じ込めを図る考えでもございます。  今後とも、都道府県ともあるいは生産者の皆さんとも連携協力をして、実効ある防疫体制をしっかりと構築をしていかなければならないと存じております。
  79. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 万全の対策をお願いをしたいと思います。  次は、日EU・EPAについて再び伺いたいと思います。  ジェトロ、日本貿易振興機構の調査によれば、この日EU・EPA、三点の課題が指摘されています。一つ目、EPAを活用する日本企業の割合は五割にとどまっている、二つ目、大企業のEPAの活用率が六割を超えているのに対し、中小企業の活用率は四割に満たない、三つ、実用的な規定である自己申告制度の認知度が高くない、こうした指摘であります。  ここで、政府は、EPAの利用率の低さ、この要因をどのように分析し、その向上に向けてどのように取り組んできたのでしょうか。また、あわせて、人員や資金などの経営資源が限られる中小企業での利用を促すためにどのような取組や支援をしていくのでしょうか。併せて答弁をお願いします。
  80. 世耕弘成

    ○国務大臣(世耕弘成君) 今御指摘のように、EPAの利用率が四八%ぐらいということになっています。ただ、一方で、二四%ぐらいは利用を検討中という企業もあるわけであります。そういった中で、我々、いろんな要因分析もしておりまして、一つ大きいのは、やはり原産地証明の手続の煩雑さということであります。  TPP、CPTPPと日EU・EPAより前のEPA協定では、これ第三者に証明をしてもらわなければいけないというのが原則になっていまして、その第三者の機関との間で何度も手戻りがあったり時間が掛かるというようなことがありました。これ、CPTPPと日EU・EPAではここが改善をされていまして、自己申告ができるということになっております。この自己申告制度をやっぱり浸透させていかなければいけない。また、自己申告であっても、今度は逆に不慣れだとか、第三者のチェックがないから不安だというようなこともありますので、この辺も改善をしていかなければいけないというふうに思っております。  今、こういった自己申告制度の活用の方法も含めた関税率の調べ方ですとか原産地規則、自己申告の方法などを分かりやすく記載した解説書やパンフレット、これ十万部作成をして、全国のジェトロ事務所などを通して配布をさせていただいておりますし、百回以上セミナーも開催をさせていただいています。中小企業と大企業の間にかなり利用率に格差があるというのも事実であります。これはともかく徹底的に周知に努めなければいけないと思っています。  今、ジェトロは地方事務所を積極的に開設をしておりまして、もう一県を除いて全国にジェトロの事務所があります。和歌山もようやくおととし開設をされました。昔はジェトロの地方事務所のイメージというと、何となく商工会議所の皆さんの海外視察の手配をするとか、そういうのがあったんですが、今はもう若手の職員が張り付いて、逆に輸出案件の発掘に努めるというような形になってきております。  この辺をよくフル活用したいと思いますし、あと新輸出大国コンソーシアムということで、ジェトロだけじゃなくて、いろんな輸出に絡む商社とか金融機関とかが一体となってこの中小企業の輸出促進に取り組むというチャレンジもやらせていただいています。既に企業千八百社、中小企業を中心に御利用をいただいているところであります。  さらに、EU域内でいろんな展示会とか商談会というのも開催されています。こういったところへの参加を販路開拓のためにも後押しをしていきたいというふうに思っております。
  81. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 今の大臣がおっしゃったような取組を更に前に進めていただきたいと思います。  次に、水環境の向上のための浄化槽の整備促進について伺いたいと思います。  先ほどのSDGsでいいますと、六番目に、安全な水とトイレを世界中にとありますとおり、これは世界の目標でもある大切な取組でもあります。  浄化槽には二種類あります。一つは、単独処理浄化槽といいまして、ふん尿だけを処理するものであります。もう一つは、合併処理浄化槽といいまして、生活排水まできれいにするものであります。単独の方は、生活排水は未処理で垂れ流しということで、水環境上問題があるわけですね。しかし、国内の浄化槽の半数以上がこちらでありまして、合併への転換がなかなか、置き換えがなかなか進んでいないという課題があります。  さて、この合併処理浄化槽の設置は、所有者などの浄化槽管理者にとってはコストの負担が大きいということが課題なわけです。  環境省は助成制度の拡充を行いまして、これまでは浄化槽本体の設置のみが助成の対象であったわけですけれども、二〇一九年度、来年度予算では、台所とかお風呂とかこういうところから浄化槽までの、家の中の配管工事までも助成対象に加えることにしました。これは公明党が強く求めていたことであり、高く評価したいと思います。この助成制度の拡充について、是非とも周知に努めてほしいと思います。  しかし、一般の会社とか団体、また家庭は、その保有する施設とか、また家の汚水処理がどうなっているのか、すなわち下水道なのか浄化槽なのか、若しくは未処理のまま垂れ流しなのか認識していない場合の方がむしろ多いのではないかと思うんですね。ましてや、浄化槽が単独なのか合併なのか、これをきちんと把握している人はそれほど多くないかもしれません。こうした状況の中、どのようにして周知に取り組んでいかれるのでしょうか。
  82. 原田義昭

    ○国務大臣(原田義昭君) 今議員から、おおむね全体の状況については御説明いただいたところであります。  国としては、まさに単独処理浄化槽から合併処理浄化槽に進めていかなきゃいけない、こういう政策をずっと進めておるところでありますけれども、とりわけ御党がこの問題について非常に熱心であるということについては高くまた評価したいと思っております。    〔理事二之湯武史君退席、委員長着席〕  その上で、来年度、今要求しておる予算案においては、私どもからすれば、八十六億円の内数という大きな予算を要求しておるところであります。とりわけ今お話ありました宅内配管工事費用、これについては新しく制度として設けまして、特にこの部分については力を入れたいなと、こう思っております。  ただ、お話がありましたように、我々も自然に使わせていただいておるだけなものですから、うちのはどっちなんだと、単独なのか合併なのか、大方の方は分かりません。ただ、それを進める過程においては、行政関係の人を含め、やっぱりしっかり実態を把握するということは大事でありますから、御指摘のように、この制度の周知、今、実態はどうなっているか、どちらの方向に進んでいるかと、こういうことを進めなきゃいけないと思っております。  政策としては、浄化槽トップセミナーというものを実は新しくこの政策の中、取り組みました。実は事実上、この数年これについてはやっていましたけど、要するに、地方自治体の首長、また議会の指導者等も自分の自治体はどうなっているかと。そういう意味では、こういうものを、政策決定に関わる人たちへの直接周知や、説明会等を通じた浄化槽関係団体への周知徹底を図っておるところであります。  今後とも、単独処理浄化槽から合併処理浄化槽への転換が更に促進されるように、私どもからすれば、積極的な情報発信を行っていきたい、こう思っております。
  83. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 今大臣がおっしゃったとおり、是非とも前に進めていただきたいと思うわけですけれども、今大臣、この単独から合併への転換のためには実態の把握が重要だというふうにおっしゃいました。そのためにも、やはり浄化槽台帳の整備、これが大変重要だと思うんです。浄化槽の設置とか運営には大変多くの関係者が関わっています。なので、行政が中心となって関係事業者が持つデータを連携をさせて実態に即した浄化槽台帳の整備を行うことは大変に重要なわけであります。  しかし、都道府県の約二〇%、市町村の三五%で浄化槽台帳が整備されていないとされていまして、いまだに紙で台帳管理している、そういう自治体もあります。これでは多くの関係者の間の情報共有とか連携も難しいと思います。全国的には、紙からエクセルなど表計算ソフトへ、また表計算ソフトから浄化槽台帳システムへの移行を進めて、さらにはクラウド化によりまして関係者の間の情報の連携を図って業務の効率化を図っていくことが重要だと思います。  浄化槽の台帳整備、また浄化槽台帳のシステム化への移行に向けた自治体への支援にどのように取り組んでいかれるのでしょうか。
  84. 原田義昭

    ○国務大臣(原田義昭君) 今御指摘のとおり、まず実態を把握するには、そのための情報、マニュアルが、システムがしっかり整備されていることは必要であります。整備されている上でそのことを認識するということ、非常に大事なことであります。  環境省では、浄化槽台帳システムの整備に関するマニュアルの作成、導入に前向きな自治体への導入支援を行っているところであります。また、導入促進に向けた説明会の実施等により、自治体への普及にしっかりと取り組んでいるところでございます。  今お話ありましたように、今、都道府県また市町村レベル、それなりに整備されているところはあるんですけど、その整備の中身が紙媒体であったり、その表現の仕方が非常に複雑であるということですね。そういう意味では、これからその表現の在り方もしっかりまた指導していかなきゃいけないなと、こう思っているところであります。
  85. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 是非、今大臣がおっしゃった、本当にきめの細かい指導、取組をお願いをしたいと思います。  続きまして、教育の課題を取り上げたいと思います。  来年の四月から高等教育の一部無償化が更に拡充をいたします。つまり、大学や専門学校などを対象とした、返さなくてもよい給付型奨学金、また授業料免除、これが大幅に拡充をするわけであります。これは公明党が強く求めてきたものであり、実現への道筋ができたことを高く評価をしたいと思います。  しかし、この高等教育の一部無償化の対象とならず、また既に実施をしている高校無償化の対象にもならない教育機関があります。これは高校などの専攻科なわけです。  私が住む愛知県には、県立愛知総合工科高等学校という県立学校があるんですけれども、ここにも専攻科があります。私は、三年前の開学のときに訪問してまいりました。この高校の専攻科では、生産現場の牽引役となる人材の育成を目指すということで、質が高い授業と演習、実習を行いまして、専攻科の卒業生全員が希望どおりの就職を勝ち取る、こういうすばらしい成果を出しています。  さて、この返さなくていい給付型奨学金や授業料免除の対象にならない理由を文科省に尋ねたところ、これは、専攻科は中等教育ですよと、高等教育ではないですからということなんですね。じゃ、高校無償化の対象とならない理由は一体何ですかと聞きましたら、高校無償化は高校における学びの機会均等を趣旨、目的とするので、卒業後は対象としない、こういう回答だったわけなんです。さらに、専攻科は、日本学生支援機構、JASSOの奨学金の対象にもなっていません。  このような専攻科に対し、無償化の対象と加えるべく是非とも検討を行っていただきたいと思いますが、文部科学大臣、答弁をお願いします。
  86. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) 今御指摘をいただきました高等学校などの専攻科については、今お話があったとおり、高等学校等就学支援金制度及び高等教育無償化制度では支援の対象外となっております。  ただ、おっしゃるとおり、資格取得に対応した教育を行っている課程があるなど一定の社会的役割を担っている学校もあることから、今の御指摘も踏まえ、まずはその実態を丁寧に研究していきたいと考えております。
  87. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 是非前向きな検討をお願いをしたいと思います。  また、この返さなくていい奨学金、また授業料免除の対象外となっている大学相当の教育機関といたしましては、厚生労働省所管の国立看護大学校の看護学部、また職業能力開発総合大学校、また農林水産省所管の農業大学校、林業大学校、水産大学校などもあります。教育内容は大学と比べて決して遜色はありません。是非とも無償化の対象に加えるべく検討をしていただきたいと要望だけさせていただきまして、最後、外国人労働者の受入れ環境の整備について伺いたいと思います。  就労を目的といたしました新しい外国人在留資格の制度がもうすぐ、この四月から始まります。我が国では、在留する外国人は増加をしておりまして、この新しい制度によりまして更なる増加が見込まれるところであります。ここで大切なのは、在留する外国人の方々が安心して日本に住み、働くことができる環境づくりだと思います。  ここで、パネル三を御覧ください。  法務省は、このパネルのように、外国人受入環境整備交付金を予算計上いたしました。全国の都道府県、指定都市、これは政令市のことです、そして外国人が多く住む市と町、合わせて約百余りの箇所が対象で、在留する外国人に対し、こうした医療であったり教育であったり、そうした情報提供や相談を行うワンストップの窓口を整備をする、そうした自治体を支援するための交付金であります。この交付金はいわゆる手挙げ方式でありまして、対象となる自治体のうち、申し込んだところにのみ支給されるというふうに伺っています。  ここで、申請の締切りが過ぎまして、申請をしなかった自治体もあると伺っています。対象となる自治体の数と申し込んだ自治体の数はそれぞれ幾つでしょうか。また、まとめて行きます、申請をしなかった自治体はなぜ申請に至らなかったのでしょうか。  また、このパネルのように、この交付金は既存の取組の拡充にも使えるとのことなので、このことを知らずに申請に至らなかったという場合、締切り既に過ぎておりますけれども、できるだけの取組をしていただきたいところですけれども、どのように取り組まれるでしょうか。併せて答弁お願いします。
  88. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 委員におかれましては、日頃から外国人受入れ問題について本当に様々な有益な指摘をいただき、ありがとうございます。また、外国人受入環境整備交付金をお取り上げくださいまして、感謝申し上げます。  御指摘のとおり、この整備費、これはパネルにもありますように、平成三十年度補正予算であるがゆえに今年度中にということもございまして、本年二月十三日から受付を始めて三月十五日まで公募を行いました。この短期間の間ではございますが、対象となる地方公共団体は百十一団体であります。この短期間の間に公募に応募して申請した地方公共団体は三十七団体に達しております。  他方で、このパネルにもありますように、予算措置、例えば整備費については全額、運営費についても必要経費の二分の一、これは来年度予算になりますが、国の方が手当てをする。そして、残りの運営費の二分の一についても、当該地方公共団体の財政運営に支障のないよう、総務省において必要な財政措置が講じられるということで承知しておるところでございます。  また、委員御指摘のように、これは新設だけではなくて拡充もできるということで大変、我ながら言うのもなんですが、使い勝手のいい交付金になっております。そうしたことから、地方公共団体においては大変このお問合せも多いんですが、他方で、これは予算に計上して議会の承認を得るなど所要の手続を行う必要があるというふうに認識されている自治体も多いものですから、今回の申請期間内に申請に至らなかった団体も多い。  ただ、非常に引き合いが多うございますので、来年度、つまり今年の四月以降にも予算措置をして窓口の整備を実施したいとする地方公共団体も多数あると承知しておりますので、法務省としては、そうした地方公共団体の事情にも配慮しつつ、財務当局にもお諮りして、二次募集、これを行うことができるように考えていきたいと考えております。
  89. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 前向きな答弁、大変にありがとうございます。是非よろしくお願いします。  また、自治体によりましては窓口の設置とか運営がスムーズにいかない場合もあると思うんですね。自治体への支援に法務省としてどのように取り組んでいくのでしょうか。また、自治体が具体的にどのようにすれば支援が受けられるのでしょうか。
  90. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) お答えいたします。  地方自治体の不安というものにしっかり応える必要が法務省としてあると考えております。このため、法務省では、地方公共団体との円滑な連携を図るために、四月から地方出入国在留管理局に言わば受入れ担当、受入れ環境調整担当官を配置して、例えば一元的相談窓口の設置、運営に関する地方公共団体職員からの相談にも応じることとしております。要は、受入れ環境調整担当官が地方公共団体に対する言わば我が省の一元的相談窓口ということでございますので、地方公共団体からは何でもこの受入れ環境調整担当官に聞いていただきたいと考えております。  また、別途法務省においても窓口を設ける。その上で、並行して、法務省あるいは出入国在留管理庁では、地方公共団体職員等に対してこの相談窓口の相談業務に関する研修等を実施する、あるいはその地方出入国在留管理局の職員を地方公共団体の要望を踏まえて相談員として適宜派遣するなどの支援を行います。  また、法務省としても、総合的対応策、これ関係閣僚会議で昨年末に定められたものでございますが、生活、就労のために必要な基礎的情報について生活・就労ガイドブックを政府横断的に作成し、これは法務省のポータルサイトでも公開するというふうにしておりまして、これも地方公共団体職員の皆様にも活用していただいて、お願いしたいと思っております。  こうしたことで、総力を挙げて地方公共団体のお取組を適切に支援してまいりたいと考えております。
  91. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 是非よろしくお願いいたします。  また、このワンストップ窓口、せっかく設置しても、肝腎の在留される外国人の方々にこの制度が届かなければ意味がありません。対象自治体から域内に住む外国人への広報、周知を促すことはもちろんのことですけれども、法務省として、在留する外国人にこの相談窓口の設置、これをどのように周知していくのでしょうか。
  92. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 法務省としては、まず情報をしっかりとお一人お一人の在留外国人にお伝えすることが必要だということで、外国人の皆様が必要な情報に容易にアクセスできるように、四月一日を目途に、先ほど御紹介いたしました法務省の外国人生活支援ポータルサイト、これを立ち上げることとしております。  これを周知するその周知の手段として、例えばこの案内文書を作成して、入国手続であるとかあるいは在留更新の手続であるとか、そういった際に、諸手続の際に配るであるとか、あるいは一元的相談窓口で配布していただく、そういったことを通じて積極的な広報、周知に努めてまいりたいと考えております。  また、地方公共団体におかれても、こういった周知に努めるということを交付金の募集要項に入れておりますが、その取組についてもしっかりと支援をさせていただきたいと考えております。
  93. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 是非よろしくお願いします。  最後に、全国で今後設置されるこの窓口では、外国人の方々からの様々なお声、要望が蓄積されていくと思います。これは都道府県とか市町の関連部局にフィードバックされまして施策の向上に活用されるべきと考えますが、どうでしょうか。  また、各自治体の相談窓口では相談件数の積み重ねに伴うノウハウ、経験が蓄積されるわけですけれども、法務省は、複数の自治体を対象として行う研修などの場で各自治体の取組を報告してもらうなどして、できるだけ広い範囲で情報の共有に努めてほしいのですが、どうでしょうか。
  94. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 委員御指摘のとおり、各自治体が積み上げたノウハウ、これは本当に貴重な取組でありまして、良い好事例についてはやはり全国で横展開をしていただく必要があるんだろうと考えております。  一元的相談窓口は例えば各都道府県に一つということで考えておりますし、その県内で、都道府県内で広げていただく、あるいは窓口設置自治体も近隣の自治体にも御協力いただくということでございますので、そうした形で横展開を図りますし、また、法務省としても、好事例をしっかりと集約して、各研修の機会であるとか、あるいは本省からの通達等によって、好事例しっかりと展開していきたいと考えております。
  95. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 是非よろしくお願いします。  終わります。
  96. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 以上で新妻秀規君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  97. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 次に、大野元裕君の質疑を行います。大野元裕君。
  98. 大野元裕

    ○大野元裕君 国民民主党・新緑風会の大野元裕でございます。  今日は、同僚議員の皆様の御理解を得て、予算委員会での質問の機会をいただきました。  最初に、防衛大臣にお伺いをいたします。  先週、小生の方から、30FFM、SH60K、あるいはP1などに搭載をされておりますサブシステムを構成するコンピューターについて、他社製と同等若しくは劣るのに倍額程度すると、こういった調達があるけれども、30FFM一隻分だけで、そこで恐らく二億円程度の無駄があるという御指摘をさせていただきました。そのときに、防衛大臣の方からはしっかりと調達の在り方について検討をするというお話がございましたが、そこでお伺いします。  現在、どのような検討が進められているか、教えていただきたいと思います。
  99. 岩屋毅

    ○国務大臣(岩屋毅君) まず、その前に、大野委員からは、昨年、陸上自衛官が携行する衛生用品の一部に改善が必要ではないかという御指摘をいただいて、早速調べたところ改善すべき点があるということで、これをすぐに実行に移させていただきました。御指摘に改めて感謝申し上げたいというふうに思います。  その上で、ただいまのお尋ねですが、先週、大野委員から、コンピューターを搭載した艦艇や航空機のサブシステムについて、現在の調達方法では割高な構成品が組み込まれることになっているのではないかという御指摘をいただきました。私も、正直、装備品の中でもコンピューターの調達にはかねてから関心を持っておりましたので、早速、先週十五日、本件について深山装備庁長官と改めて議論をいたしまして、今後、この調達方法に改善の余地がないか、装備庁において検討するように指示をしたところでございます。  できるだけ早く検討を終えて、改善すべき点があれば改善してまいりたいというふうに考えております。
  100. 大野元裕

    ○大野元裕君 先ほど大臣の方からも言及がありました救命救急用具の対応も含めて、迅速な対応は率直に評価をさせていただきたいと思っています。  私ども国民民主党は、自衛官の安全、国民の命、守るための現実的な提案ができる唯一の野党だというふうに自任をしています。これからもおかしなことがあれば厳しく追及をさせていただき、そして積極的に提言をさせていただきたいと思っています。  さて、先般の米朝首脳会談に際しての我が方の米国に対する働きかけに関し、総理にお伺いをさせていただきたいと思っています。(資料提示)  朝鮮半島情勢は言うまでもなく我が国にとっては極めて重要であり、一方の当事国たるアメリカの大統領に対してこれらの問題について詳細かつ丁寧に働きかけるべきは当然だと思っています。  昨年、見ていただくと分かるんですが、六月十二日の米朝首脳会談に際しては、それに遡る二か月の間に日米首脳会談が六回、外務大臣の間の会談は四回も行われています。ところが、今年、二月二十七日の米朝首脳会談を前にしては、日米首脳会談では電話会談が僅かに一回、外務大臣との会談では三回行われたものの、電話会談が二回で直接は一回だけなんです。  昨年の我が国のアメリカに対する働きかけとは大きな差があります。この差はどのようなことを意味しているんでしょうか、教えてください。
  101. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) 一回目の米朝首脳会談の前と二度目の米朝首脳会談の前で、確かに、おっしゃるように、会談の数その他差があるのは事実でございます。  第一回の米朝首脳会談の前は、これはもう初めてのケースでございましたので、どういうことが起こるかというのが様々想定をされましたので、かなり突っ込んだやり取りをさせていただきました。  二回目は、一回目の経験があったことと、二度目はアメリカの方針がかなりはっきりしておりました。ここに出ていない様々なレベルでのやり取りもございましたが、その中で米国の方針はかなり明確でぶれがございませんでしたので、第一回目ほど綿密にこちら側の情報を入れ、また向こう側と協議をしということが要らなかったのは事実だと思いますが、確かに、御指摘をいただきましたように、回数が少なかったというのは現実でございます。  アメリカ側がかなりはっきりしていたということと細かいスモールディールに至る可能性がなかったということを考えれば、結果オーライというふうに言ってもよろしいかと思いますけれども、やはりこういう大きなものの場合は、もう少しきちんと会談の数あるいは会談の中身というものを詰めることができればより良かったというふうに思いますので、そうしたことができるような環境づくりを丁寧にやってまいりたいというふうに思っております。
  102. 大野元裕

    ○大野元裕君 非常に謙虚な御答弁をありがとうございます。  というのは、実は、先ほど、想定されることが去年は多かったけれども今年は少なかったと言いますが、我々は若干、やはり随分考えていたものとは違う結果だったなということも正直ありました。  そして、もう一つ、総理に最初お伺いしたのはなぜかというと、昨年五月、この委員会において総理がおっしゃっているんです。トランプ大統領とは顔を合わせてフェース・ツー・フェースでしっかりとお伝えをしていきたい、また電話会談等も活用していきたいと、こう思っています、米朝の首脳会談に向けて米国とともに準備をしっかり進めていきたいと、こう思っておりますというふうに総理が発言されているんですよ。私も、実はそのとき、そうだよなと正直思いました。  ところが、それに対して、このようにその回数が少なくなってしまうとどうなるかというと、もちろん、結果オーライかもしれません。他方で、アメリカとともに準備を進める重要性というふうに言及されましたから、アメリカに対しても、あるいは北朝鮮に対しても、国際社会に対しても日本の姿勢が後ろ向きになってしまったというメッセージを与えてしまうのではないかと、これを私は懸念をいたしました。  総理、その意味でも、今回こういった事前の準備になったことについてはどういう御見解をお持ちでしょうか。
  103. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かに、今、大野委員がおっしゃったように、事前に会って首脳会談ができれば、それがむしろ、これは会って直接お話ができますから、それが一番ベストであろうというふうに思います。  他方、様々な日程の関係もある中において、今回は電話会談という形にしたわけでございますが、先般は、昨年は、既に外務大臣から答弁をさせていただいたように、初めての首脳会談ということもあり、様々な点で確認、すり合わせが必要であったわけでございますが、既に昨年の複数の会談あるいは電話会談の中において基本的なラインができているということと、それをもう一度確認する上においては、今回確かに回数は少なかったわけでございますが、結果を見ていただければ、例えば我が国にとって最重要課題である拉致問題につきましても、テタテの会談において、機微な問題を扱う最も重要な場面においてトランプ大統領がこの拉致問題について言及をし、さらに少人数の夕食会でも拉致問題を提議をし、首脳会談での真剣な議論が行われたということでございますので、その意味におきましては、私の考え方をしっかりと先方に伝えていただいたということにおいて、電話会談を行い、また確認を行ったことが大変有意義であったと、こう考えているところでございまして、今回、直接会談を、フェース・ツー・フェースの会談が行えなかった、あるいは電話会談が少なかったことによるこの問題、弊害はないと、こう考えております。  また、核、ミサイルの問題につきましても、会談前には懐疑的な見方もあったのでございますが、実際には安易な譲歩を行うことなく、我が国の国益を踏まえて交渉を行ってくれたものと考えております。
  104. 大野元裕

    ○大野元裕君 総理がフェース・ツー・フェース、そしてしっかりというお言葉をされたので、恐らく、核、ミサイルのみならず拉致も含めて、様々な方が総理の活動あるいはそのアメリカ側との調整の在り方を注目していたと私は思います。これは、こういった問題は決して安倍政権の本気度が疑われるようなことになってはいけないし、国内向けのパフォーマンスだったなどと取られてしまっては絶対にいけないことだと私は思っています。  その意味で、もう一つ、同じような形で懸念される事案を取り上げたいんです。  国連の人権理事会があります。そこで十一年間連続して我が国が提出してきた、そして近年ではコンセンサス採択となってきた対北朝鮮の非難決議、今年は提出しない方向として、そして十四日の期限、もう過ぎてしまいました。  この決議は、例えば昨年の場合には、拉致問題及び全ての拉致被害者の即時帰国の重要性及び緊急性への留意、そして全ての拉致被害者の帰国が可能な限り早期に実現することへの期待が含まれています。  報道によれば、菅官房長官はこれで国際社会との足並みの乱れは生じないとおっしゃいましたが、我が国は当事者ですから、足並みではなくて、国際社会をリードしていく立場だと思っています。この決議の提案国にならないこと自体が、北朝鮮のみならず、国際社会に対する日本の立場が後退してしまったというメッセージになりかねないのではないかと思いますけれども、いかがお考えですか。
  105. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) 御家族も御高齢となる中で、一日も早い拉致問題の解決に向けて、チャンスがあれば、あらゆるチャンスをつかんでいきたいというふうに思っているところでございます。  そうした中で、今回の二回目の米朝首脳会談の結果、あるいは拉致問題を取り巻く様々な諸情勢といったものを総合的に判断をした結果、今回こういう判断をするということに至ったわけでございます。
  106. 大野元裕

    ○大野元裕君 その総合的判断はよく分かりませんけれども、報道によれば、北朝鮮との対話を実現するために融和的なメッセージを与えるというような報道がありました。私はそういった考え方は否定しません。ただ、二国間レベルで行うべきものとマルチの場で行うものは少し慎重さを私は変えた方がいいと思っています。  というのは、マルチで十一年間やってきた、EUとも一緒にやってきた、そういった場で誤ったメッセージを与えてしまうのは、相手は北朝鮮だけではありません。その意味では、マルチでは私は慎重に行うべきだと思っています。  その意味でも、外務大臣にお伺いしますが、六月にまた人権理事会の常会があります。そこで我が国としてこれはしっかりとしたメッセージを出すということを明言していただけないでしょうか。
  107. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) 拉致問題の解決に向けて様々なチャンスをしっかりと的確に捉え、一日も早い解決を目指す、そのために何がベストか、総合的にしっかりと判断をしてまいりたいというふうに思っております。
  108. 大野元裕

    ○大野元裕君 外国との交渉というものは極めて難しいものではありますけれども、そのときに慎重に場を選ぶということは私は大事だと思っていますので、よろしくお願いしたいと思います。  少し韓国の話は飛ばさせていただいて、最後にもし時間があればやらせていただきますので、ロシアとの方に移らせていただきます。  このロシアの問題も、恐らくとても機微で難しい問題であろうことは想像に難くありません。北方領土の解決を含む今の日ロ平和協定締結に向けた交渉についてお伺いしたいと思っています。  第二次安倍政権下では、新しいアプローチ、あるいは平和条約問題を解決する真摯な決意の表明などという言葉は聞きました。  他方で、報道等によれば、決して北方領土問題は明るい方向に向かっているようには私には見えません。二島先行での四島の帰属の問題解決は私も否定しませんけれども、二島放棄で終わってはいけない。このことについては既に本会議でも聞きましたので、別のことを聞きますけれども、北方領土が返還されても、そこにおける米軍のプレゼンスの問題、これが二国間で問題になっているという話がありました。この問題こそがプーチン大統領がおっしゃる環境醸成という意味を、しているのかどうか、それが主たるものなのかどうか、交渉の前進を阻害しているものなのかどうかをお伺いをいたします。
  109. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) 今まさに、平和条約の交渉を加速させようという首脳間の合意に基づいて平和条約交渉を行っているところでございます。その中で、我が国の方針あるいは考え方といったものを公の場で述べることは、我が国の手のうちを一方的にさらすことになりますので、差し控えさせていただきたいと思います。
  110. 大野元裕

    ○大野元裕君 国益を考えてください。  大臣、いつもそうおっしゃいますけれども、一方的にさらすんじゃなくて、一方的にさらしているのはロシアの方です。言いたい放題です。だからこそ、お答えいただけないのであれば、我々は大臣のお言葉ではなくてプーチン大統領やロシア側の発言を引くしかなくなってしまうんです。  昨年の末、プーチン大統領は、米軍基地問題について、日本が決められるのか、日本がこの問題でどの程度主権を持っているのか分からないと指摘して、平和条約の締結後に何が起こるのか、この質問への答えがないと最終的な解決を受け入れることは難しい。これ、言われっ放しですよね。我が国の主権などあたかもないような発言です。これは、大臣がお答えいただけるんならいいですけど、ロシア側の一方的な発言を我々引くしかないじゃないですか、中身分かりませんから。  ということは、仮にですよ、もしも北方領土の問題で、我が国の施政権が及ぶ北方領土であったとして、その場合にも日米安保が適用されないような、相手国との合意がなければ、そういったことがもし前提となるのであれば、民主党政権時代、初めてアメリカから引き出した、尖閣諸島に日米安保協定が適用になる、これとの整合性はどうなるんでしょう。つまり、我が国の施政権が及ぶのに当該国との協議が調わなければ日米安保の対象にならないとすれば、尖閣についても、アメリカから、おまえのところで中国との間できちんとできていないから安保条約の適用にならないよと言われてしまうのではないんですか。大臣、いかがですか。
  111. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) 条約の交渉は、別に公開の場でディベートをやっているわけではございません。交渉は、交渉の場でお互いが、両国が合意できる、そういうものをつくり上げて、両国の国会を、しっかりと批准をしていただくというために行っているもので、交渉の場以外で発言されたことで何か交渉が動くということではございません。私とラブロフ外務大臣との間で交渉の中身について外には出さないという約束でやっておりますので、そこのところはきちんと守って交渉を進めていきたいというふうに思っております。  様々な報道がなされていることは承知をしておりますが、一々その報道にコメントする必要もないというふうに考えております。
  112. 大野元裕

    ○大野元裕君 様々な報道ではありません。一方的な向こうからの報道であります。我が方はそれに対して何のことも、何もその反応ができていないという状況にしか私には見えません。なぜならば、交渉は確かにテータテートも含めて一対一のことなのかもしれませんけれども、その環境をつくるということはとても大事なことです。  私は、これまで六回にわたって、スホーイ爆撃機や超音速地対艦ミサイルの配備等、北方領土でロシア軍の軍備増強がなされていることを取り上げて、撤去を求めるべき、撤回させるべきだというふうに言ってきました。一九七〇年代に北方領土でソ連軍が基地を増強した際には、日本政府はあのときは毅然とした態度で明確に撤去を求めたじゃないですか。しかしながら、私が何度お願いをしても、安倍政権下では、我が国固有の領土たる北方領土に軍備増強がされたにもかかわらず、注視をしているとか抗議をしたとか、それ止まりです。  私が尊敬しているロシア専門家の青山学院の袴田先生は、ロシアは弱い態度を尊重しないと繰り返し述べておられます。ひいては国民の安全にもつながる交渉のレバレッジ確保につながるのですから、この機会に、ロシアがそのように言っているわけですから、是非こちらから、ロシア軍の装備あるいはミサイル、こういったものの撤去を求めるべきではありませんか。外務大臣に伺います。
  113. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) 我が方の立場と相入れない場合には、これまでも一貫してロシアに抗議をしてきているところでございます。今後とも必要がある場合には必要な措置をとっていきたいと思います。
  114. 大野元裕

    ○大野元裕君 今まで言えたのに、なぜ言えないんですかね。  総理に伺います。  ロシアが、軍備増強の撤回を求めてきた過去の我が国政府の立場から現下の政権では大きく立場が後退をして、撤去の話は私は聞いたことがありません。その間にロシアは付け上がっているんじゃないんですか。今月には国後、択捉での軍事演習、あるいは北方領土への上陸作戦が始まるなど、やりたい放題です。総理、なぜロシア軍の北方領土における、特に超音速のミサイル、これは地対艦ミサイル、とても脅威です、こういったものの撤去を、撤回を言えないんですか。
  115. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 北方四島におけるロシア軍による軍備の強化は、これら諸島に対する我が国の立場とは相入れず、我が国政府はこれまでもロシア軍によるこうした行為に対しては一貫して抗議を行ってきているところでありまして、今後も必要がある場合には抗議を行っていく考えであります。
  116. 大野元裕

    ○大野元裕君 総理、もう一回聞きますけど、抗議と撤回と違うんじゃないんですか。そういったものの具体的な撤回を求めるべきではないんですかと聞いているんですが。
  117. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) いずれにせよ、こうした問題の根本的解決のためには北方領土問題それ自体の解決が必要でありまして、引き続き、領土問題を解決をして平和条約を締結するとの基本方針の下にロシアとの交渉に粘り強く取り組んでいく考えであります。
  118. 大野元裕

    ○大野元裕君 いずれにせよで片付けられる問題では私はないと思いますよ。というのは、安倍総理が政権を取られて、これ丸六年の長期政権、国会においては大変残念ですけれども与党がとても多い、これ外交を進めるにはとてもいい環境だと私は思うんです。それにもかかわらず、安倍政権が最優先事項とおっしゃっていたはずの拉致問題については決して進んでいません。また、必ずや終止符を打つとの強い意思を相手方の大統領と共有したはずの北方領土問題については、十五日付けのプーチン大統領の発言見てください、勢い失われたんだそうです。  外交を進める上で理想的な環境があるにもかかわらず目立った成果がないからこそ私は申し上げているのは、こういった意味で、今までと違うものであっても、しかも昔やったことですから、決してこれから挑発するわけじゃない、昔の立場と同じようなものを、相手方に攻め立てられることなくしっかりとした環境をつくっていただきたいと申し上げているだけであります。ただ、なかなか申し上げていただけないので、ならば、せめて国内における行政府の長としての気概を伺っておきたいと思います。  総理、仮に行政に瑕疵がある場合、一般論で結構ですけれども、その瑕疵を償うべきは国民であって、誤りは国民の血税で償われるべきとお考えですか、あるいは行政が責任を持ってそれを担うべきとお考えか、教えていただきたいと思います。
  119. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政府として、行政において不適切な例えば事務が行われることのないように、また国民から納めていただいた税金が有効に活用されるよう適正な行政執行に取り組んでいく必要があることは言うまでもないと、こう考えております。  一般論として、行政の事務に何らかの瑕疵があった場合、その解決に必要な費用をどう賄うかについては、当該行政事務の背景、性格、経緯や公務員の故意や責任の有無、程度といった個々の事案ごとにそれぞれの解決策や活用可能な財源も踏まえて判断されるべきものであり、一概にこれお答えすることは困難でございます。
  120. 大野元裕

    ○大野元裕君 それでは、具体的な話で伺いましょう。  厚生労働大臣にお伺いいたします。  政府における障害者の雇用水増し問題ですけれども、本件では、定められた障害者を雇用していなかった省庁があった、こういう問題と、もう一つはそれを水増しによって覆い隠したという二つの問題があります。これは、厚生労働大臣、行政の瑕疵ですか。
  121. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 瑕疵という用語は個々の法令においてそれぞれの意味を持って使われていることから、国の行政機関における障害者雇用をめぐる不適切な取扱いについて、一概に行政の瑕疵に当たるかどうかというようにお答えすることは差し控えたいと思います。  このような事態について、御指摘の行政の瑕疵という言葉で説明するかどうかは別として、当然、あるべきことが行われていなかったわけであり、極めてゆゆしき事態であると認識をしております。
  122. 大野元裕

    ○大野元裕君 そうすると、総理、極めてゆゆしき事態だそうですけれども、総理に伺います。本件について、安倍内閣でどなたか辞職とか減給とか責任を取られましたか。
  123. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 障害のある方も含めて、誰もがその能力を存分に発揮できる一億総活躍社会をつくり上げることが重要であり、先般、多くの府省において法定雇用率を達成していないことが明らかになったことは遺憾であります。  政府としては、弁護士等の第三者による検証委員会の調査結果を踏まえ、去る十月二十三日に関係閣僚会議を開催し、公務部門における障害者雇用に関する基本方針を決定するとともに、私から各大臣に対し、今回の事態を深く反省し、真摯に重く受け止め、組織全体として障害者雇用を推進するという意識を徹底し、再発防止にしっかりと取り組むことを強く指示をしました。  これを受けまして、各大臣から各省事務方に対し、二度とこのような事態を生じることのないよう、また障害のある方の雇用の推進に全力で取り組むよう注意、指導が行われたところでありまして、さらに府省に対する報告徴収を可能とするなどの障害者雇用促進法の改正を準備させておりまして、各府省の責任体制の更なる明確化や、再発防止策の徹底を政府一体となって推進していくことで責任を果たしてまいりたいと思います。(発言する者あり)
  124. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  125. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
  126. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 処分をしたかということについては、処分をしていないということでございますが、それにつきましては、先ほど申し上げましたように、各省事務方に対して、二度とこのような事態が生じることのないよう、また障害のある方の雇用の推進に全力で取り組むよう注意、指導が行われたところであります。
  127. 大野元裕

    ○大野元裕君 総理、遺憾であるということは私もそこは当然の話だと思いますけれども、別に責任を取らせることを目的化しようと私は思っていません。ただ、その後どういう対処を行われたかは検証されるべきだと思っています。  そこで伺いますけれども、皆さんのお手元にお配りをさせていただいておりますが、裁判所の定員に関する法律を見ていてちょっと不思議だったんです。この定員の増の理由の一番下のところに一行だけ、障害者雇用の推進と書いてあって、それで定員が増になっています。  そこで、裁判所に伺いますけれども、障害者水増しの問題がなければ増員される必要がなかった方々が障害者雇用の理由で定員として上積みになっているというふうに御説明をいただきましたけれども、それで正しいですか、教えてください。
  128. 村田斉志

    最高裁判所長官代理者(村田斉志君) お答え申し上げます。  裁判所におきまして、対象障害者の確認、計上に誤りがありまして法定雇用率を達成しない事態を生じさせたということは、裁判所への信頼を揺るがすものでありまして、事態を重く受け止めるとともに、再発防止に向けた取組に努めなければならないと考えております。  平成三十一年末までに法定雇用率を達成できるよう障害者採用計画を策定したところでございまして、増員の関係でございますけれども、委員の御指摘のとおり、今回増員をお願いしております事務官四十四人のうち十四人は、法定雇用率を達成できるよう障害者雇用を推進するための増員をお願いしているところでございます。
  129. 大野元裕

    ○大野元裕君 ありがとうございます。  これ、裁判所だけではなくて、実は内閣全体でそうなんじゃないんでしょうか。内閣官房内閣人事局の資料によれば、障害者雇用のために別途八百七人の定員が積まれています。行政府においても、水増し問題がなければ増員される必要がなかった定員が上積みされているということで、宮腰大臣、よろしいですか。
  130. 宮腰光寛

    国務大臣(宮腰光寛君) 障害者雇用を促進するための定員につきましては、各府省が策定した採用計画に基づきまして、平成三十一年度に常勤職員として採用するために必要となる定員として八百七人の要求をいただきました。  公務部門における障害者雇用に関する基本方針において、必要となる定員については適切に措置することとされたことを受けまして、障害者の方々に安定的な雇用環境を提供する観点から、他の定員とは別に認めることとしたものであります。
  131. 大野元裕

    ○大野元裕君 重立ったものはこちらにお示ししたとおりでございます。  そこで、財務大臣にお伺いいたしますけれども、障害者雇用の促進というのは、優先度、とても高いことは多分共有できているんだと私は思っています。他方で、障害者の皆さんにその力を役所においても発揮していただく、これもとても大事です。しかしながら、障害者雇用を法で定めたとおりに行わず、さらに水増しによって覆い隠すという、先ほどの厚生労働大臣のお言葉によればゆゆしき事態、これを埋め合わせるために定員増を行って、本来使わなくてもよかった国民の血税をそこにつぎ込むというのは、これは適切なことだと財務大臣はお考えですか。
  132. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 障害のある方の雇用を含めてこれは活躍の場を拡大していくという、これ基本方針でありまして、各府省の採用計画などを踏まえて、三十一年度の定員審査というのを踏まえまして障害者雇用のための定員増が措置されたものだと承知をいたしております。  財政当局としては、こうした基本方針や採用計画に基づいて障害者の雇用が計画的に進むようにこれは予算面でも適切に手当てをしたところですが、今おっしゃいましたように、障害者雇用の問題につきましては、法定雇用を達成していないという状況があったことを受けて、政府としては障害のある方の雇用を進めて活躍の場を、活躍させていくということでありまして、障害者雇用が計画的に進むようにしっかりと対応していくところですが、必要となる経費というものにつきましては、これは歳出改革の取組を継続して予算全体を聖域なく見直す中で適切に手当てをさせていただいたところであります。  それでよろしいですか。
  133. 大野元裕

    ○大野元裕君 手当てをすることはいいんですが、適切かどうかを聞いているんです。  なぜならば、財務省主計局が出している平成三十年度の公務員人件費調査を基に計算すると、国家公務員常勤一人当たりの経費は人件費だけで九百十一万円です。八百七人分の定員増とすると、年間七十三億五千万円以上が国民に税金としてツケ回しされることになってしまいます。これ、定員ですから、恐らくこれは何年もの間続くだろうと思います。その分は国民の負担となったり、あるいは本来国民に行くべき行政サービスが削られる可能性があります。  財務大臣、かつて財務大臣は、厳しい財政事情を踏まえて、国家公務員の総人件費に関する基本方針に従い、給与制度の総合的見直しの実施や定員合理化等を行っていくことにより人件費の抑制を図っていく考えであると何度かおっしゃっています。  ただ、このことだけ、つまり、障害者雇用の促進、とても大事なんです。しかしながら、これで定員合理化の話が棚上げされて定員増によって血税が散財されるという、この発想自体は果たして正しいかどうかというのはいかがですか。
  134. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 大前提で、どういう試算で今言われた試算が出てきたのか知りませんけど、私どもの試算でいきますと定員措置八百七人に対する予算額は三十一億となっておりますので、先生のところと少し桁が違っているような感じがいたします。  その上で、障害者雇用以外の公務員の人件費の抑制とか、行財政改革の不断の取組というのは、これは重要なことはもう申すまでもないと思っておりますが、三十一年度の予算に当たりまして、当然のこととして、いわゆる計画的な定員の合理化等を通じた国家公務員総数の人件費の抑制をやらせていただいたり、また、行政事業レビューの実施による削減とか、社会保障分野で薬価とか制度改革とか歳出改革等々を重ねることで財政計画に定めた目安を達成しておるところでありまして、私どもといたしましては、基本的に、申し上げましたように、いろんな形でこういったものを収めていくという方向で考えてまいりたいと考えております。
  135. 大野元裕

    ○大野元裕君 数字については、私、公務員人件費調査、これ財務省主計局が出しているものを基にさせていただきましたが、改めてこれは精査させていただきます。  他方で、民間企業だとどうですか。民間企業において障害者雇用の義務が果たされなければ、一人当たり年間六十万円罰金を支払います。それによって、例えばコンプライアンスを始めとする企業の社会的責任が問われたり、あるいは社員の賞与などにも響くのかもしれません。しかし、企業は利益を志向しますから、簡単に全体の社員数は増やせません。障害者の方を雇用するために全体の雇用者数を活用するのじゃなくて、必要とする全体の従業員数の中で障害者の方にいかに輝いていただくか、こういったことを考えざるを得ないんじゃないんでしょうか。  ところが、政府では、雇用の義務は果たさない、その上に水増し偽装まで行った。そして、ゆゆしき事態とこれ厚生労働大臣もおっしゃいましたが、そういった状況にもかかわらず、政府が障害者雇用を率先して行うの名の下に、民間の常識とは余りにも懸け離れていて、定員は増やす、そのツケは国民に回す、これで発想としてよいんですか。これ、宮腰大臣、どうお考えですか。
  136. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かに大野委員の御指摘はそのとおりだと我々も受け止めております。長年にわたって、障害者の雇用は定めたとおり雇用が行われていなかったことが明らかになったわけであります。その反省の上に今度しっかりと対応していく。そして、まずは障害者の皆様、国が本来は率先しなければならないわけでありますから、各府省において障害者の皆様の雇用を進めていくということを決めていく。  他方、既に定員を削減していくということ、公務員の定数削減を進めていくべきではないかという考え方があるわけでございまして、我々は、今後、三十一年度中に新たに定める予定の定員合理化計画において、障害者雇用の促進をしっかりと進めつつ、今回の増員に見合う合理化を達成すべく業務の見直しによる効率化を徹底してまいりたいと、こう考えているところでございます。  今回は確かにこの増を行いますが、しかし同時に、本来もっと最初にやっておかなければならなかったことでありますが、やるべきことをしっかりと進めていく、そして、障害者の方々、いろんな障害を持った方々がおられますから、そういう方々がそれぞれの能力を発揮できるような、そういう業務をしっかりと見定めていく中において、またこの合理化も図っていく中において効率化を徹底してまいりたいと、このように考えております。
  137. 大野元裕

    ○大野元裕君 総理、最初に定めるべきとおっしゃいましたが、ただ、なかなか水増しやっているところを各政務の皆さんがそれ全部把握するなんて難しいじゃないですか。ただ、これが白日の下にさらされた後にどう対応するかという方が私は大事だと思っています。だからこそ、先ほどおっしゃった、これから対応するという話ですけれども、ただ、これ、その本気度というのはどうなのかなと私は若干疑問なんです。  厚生労働大臣にお伺いしますけれども、今回の障害者雇用水増し不正を受けて様々な対応を行う中の一つのポイントは、年度内に行われるはずの公務部門における障害者雇用マニュアル、この作成でした。このマニュアル、作って既に配付しているかどうか、教えてください。
  138. 宮腰光寛

    ○国務大臣(宮腰光寛君) 障害者雇用に関する基本方針、公務部門における基本方針におきまして、人事院が策定する国家公務員における合理的配慮に関する指針を踏まえ、委員御指摘のように、公務部門における障害者雇用マニュアルを年度内をめどに整備することとされております。  本マニュアルは、各府省の職員の障害者雇用に関する理解を深めるべく、基礎知識や制度の解説、活用方法等を盛り込んだ実践的な内容としたいと考えておりまして、合理的配慮指針が昨年十二月に人事院により策定されたことを踏まえ、現在、内閣人事局において、本年三月末までに整備することを目指して、厚生労働省及び人事院とともに作業を進めているところであります。  今後とも、本マニュアルの作成、周知を含む様々な取組により、障害のある職員が意欲と能力を発揮し活躍できる職場環境づくりに努めてまいりたいと考えております。
  139. 大野元裕

    ○大野元裕君 要するに、まだなんです。既に補正予算、これ、そこで障害者雇用及びそのための関連経費などが手当てされているんです。でも、実践的なマニュアルはなかったんです。障害者雇用の促進と受入れ体制の整備は後回しでも構わなくて、定員増だけが先行する。これじゃ、役所の言いなりじゃないですか。  私が先ほど申し上げたとおり、総理もおっしゃいました、発覚した後の対応が政務にとっては問われているんです。これは、定員増だけが先行されてしまって、そちらに血眼になる、これ役所に押し切られてしまったというような、そういう理解でよろしいんですか。  厚生労働大臣を始めとする内閣の責任はどこにあるのか、私には分かりません。でも、責任を取るだけが確かに仕事じゃない。だとすれば、まずきちんとマニュアルを作って、それに従って雇用を進めて、そして、定員増も最終的にはあり得るかもしれないけれども、これだけ本気だということを示すべきではないんですか。総理、いかがお考えですか。
  140. 宮腰光寛

    ○国務大臣(宮腰光寛君) 基本方針に基づきまして、これまでに、障害者団体等から御意見も伺いつつ、非常勤職員として勤務した後、選考を経て常勤職員となることを可能とするステップアップの枠組みや、常勤職員として採用予定の障害者が採用前に非常勤職員として勤務できるプレ雇用、これを導入するとともに、障害のある職員の人事評価に関する留意事項、あるいは非常勤職員として雇用する場合の雇用の安定確保等に関する運用指針を策定し、既に各府省にお示しをいたしております。  マニュアルにつきましては、先ほど申し上げましたように、今月末までにはしっかりと策定をいたしまして、障害のある職員が意欲と能力を発揮し活躍できる職場環境づくりに努めてまいりたいというふうに考えております。
  141. 大野元裕

    ○大野元裕君 我々、これ、予算を審議しています。定員は当然予算が関わります。障害者の方を雇用するときには、そのときの体制も必要でしょう。そうだとすれば、マニュアルと定員、両方なかったら、我々審議できないじゃないですか。  早く出してください。いつまでに出すんですか。
  142. 宮腰光寛

    ○国務大臣(宮腰光寛君) 三月末までには作成をして、提出をさせていただきたいと思います。(発言する者あり)
  143. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  144. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
  145. 宮腰光寛

    ○国務大臣(宮腰光寛君) 可及的速やかに策定をして、お示しをさせていただきたいと思います。
  146. 大野元裕

    ○大野元裕君 我々は国民の負託を受けて、憲法に従って予算の審議をさせていただいています。そのために必要なものがなければ予算を通すわけにはいきません、賛成だろうが反対だろうが。  是非、大臣、骨格だけでも早急に示すということを改めて御答弁ください。
  147. 宮腰光寛

    ○国務大臣(宮腰光寛君) 骨格とおっしゃいましたが、そういうことも含めて、できる限り速やかにお示しをしたいと思っております。
  148. 大野元裕

    ○大野元裕君 委員長にお取り計らいをお願いいたします。
  149. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 後刻理事会で協議をさせていただきます。
  150. 大野元裕

    ○大野元裕君 もう余り時間がないので少し進めますけれども、これ、総理にも御提案させていただきたいんです。障害者雇用のための定員増だけを先に先行させるのはやめていただけないでしょうか。その上で、求められた障害者雇用がなされる段階で障害者以外の方の新規雇用を一定割合で差し止めるとか解除するとか、これ、役所の方というのはとても優秀ですから、障害者雇用と人件費の抑制、両方達成できますよ。そして、これを是非進めていただくことによって、国民の納得感と、それから障害者雇用に安倍政権が前向きだということをしっかり見ていただけたらというふうに思っています。  皆さんの血税が無駄になったことは絶対に駄目です。その一方で、増税も検討されています。不正を隠すための水増し偽装が行われたり、あるいは障害者雇用が進まないこと、そして、その一方でその責任を国民の税金、血税で賄わせるというのは絶対に駄目だと思います。定員増だけはしっかりと確保する一方で、マニュアルすら作らない。障害者雇用が目的なのか、定員増が目的なのかが分からない。そんな、障害者の方々を無視し、その就業を阻害した役所は、今度は障害者を踏み台にして省益だけを増加させるということでは絶対に駄目だと思います。  是非、総理、最後に決意をお願いいたします。
  151. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 現下の厳しい財政状況に鑑み、不断に業務の見直しを行っていくことは不可欠であると認識をしておりまして、国の行政機関の機構・定員管理に関する方針に基づき、毎年二%、五年で一〇%以上の合理化を行う方針は堅持しています。  その中で、先ほど申し上げましたように、今後、三十一年度中に新たに定める予定の定員合理化計画において、障害者雇用の促進をしっかりと進めつつ、今回の増員に見合う合理化を達成すべく業務の見直しによる効率化を徹底してまいりたいと、このように考えております。
  152. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 大野君、時間が来ております。
  153. 大野元裕

    ○大野元裕君 はい。  定員、私の方から提案まで申し上げたんですけど、是非、障害者雇用とそれから定員の合理化について進めていただきたいと申し上げ、私の質問にさせていただきます。  ありがとうございました。
  154. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 以上で大野元裕君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  155. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 次に、山本太郎君の質疑を行います。山本太郎君。
  156. 山本太郎

    ○山本太郎君 自由党共同代表、山本太郎です。  会派、国民民主党・新緑風会を代表し、総理に全てお聞きをする前に、本日の委員会で野党側が要求していました参考人、玉城デニー沖縄県知事について、理事会で自民党が反対をいたしました。デニー知事を参考人としてお呼びできませんでした。  先日、我が会派、森ゆうこ議員の新基地建設に対する質疑に、防衛大臣は、沖縄に聞いてくれとの趣旨の答弁をしました。その後、理事会でデニー知事を参考人として要求、結局、自民党は反対。  委員長、玉城デニー知事の参考人出席、自民党が理事会で反対をした理由、教えてください、委員長。
  157. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 山本君、参考人の出席につきましては、あなたもかつて理事会に出席しておられたので、協議が調わない場合は一応出席できないということになっているわけであって、その賛否については、ある場合とない場合がありますから、合意するかどうかに懸かっているわけですから、合意に至らなかったので結果的には駄目だったということです。
  158. 山本太郎

    ○山本太郎君 ありがとうございます。  ただいまお答えをいただいたのはあくまでもルール、全会一致が原則ルールだということを主に説明していただいたと思います。  理由がないのに反対だなんてあり得ますか。合理的説明もできない反対なんてあり得ないじゃないですか。どうしてデニーさん呼べないのかって話なんですね。その際、野党は再度検討を求めましたが、委員長はそのまま仕切って参考人の話は打切り、公平公正な委員会運営とは程遠いと思います。  NHKのテレビ入りで沖縄の実情をデニー知事に話されると、官邸の、政権側の印象、立場が悪くなる、本当の反対理由、これじゃないですか、自民党。参議院自民党、官邸の下請、そういう仕事じゃないですか、今やっているのは。私はそう思いますよ。(発言する者あり)
  159. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 速記を止めて。    〔速記中止〕
  160. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。  ただいまの、不穏当な言葉があるとのこと、御指摘がありましたので、委員長といたしましては、後刻理事会において速記録を調査の上、適当な処置をとることといたします。
  161. 山本太郎

    ○山本太郎君 いやいや、だって、玉城デニー知事を呼ばない理由がはっきりしないんですよ。合理的説明できていないじゃないですか。反対理由、何ですか。政権に対して、これ打撃を与えたくない、デニーさんに本当のことをしゃべられたら困るという話以外見付からないじゃないですか。だから、官邸の下請じゃないですかということを言っているんですよ。  ここは立法府であり、行政を監視することも仕事です。行政監視の一環として、大きな問題を抱え、苦しみ続ける沖縄の皆さんに対して、基地問題当事者の代表、デニー知事にお話を伺い、少しでも解決に導こうとすることも立法府の仕事じゃないんですか。立法府にいながら、国民の代表でありながら、政権にそんたくすることが議員としての最優先課題ならば、それは自分のキャリアアップや就職活動のための仕事でしかないじゃないですか。そんなことのために、沖縄の声を直接聞き、解決の糸口を探る機会を奪わないでいただきたい。  再度、玉城デニー知事の参考人出席を求めます。
  162. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 後刻理事会で協議をさせていただきます。
  163. 山本太郎

    ○山本太郎君 では、始めます。時間ももう少なくなってきましたけれども、お昼休みまでですね。  今国会までで、総理、私の事務所で調べただけで十回ですね、十回、沖縄に寄り添うという言葉を発言されています。総理、これまで十回も御発言されたとおり、沖縄に寄り添うという気持ちは本物であると、それを確認させていただけますか。
  164. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 沖縄に米軍基地が集中をしているという現在のこの現状を我々は到底是認できるものではないわけでございまして、沖縄の米軍基地の縮小のために、この六年間、我々も全力を尽くしてきたところでございます。今後とも、その姿勢には変わりがないということを申し上げておきたいと思います。
  165. 山本太郎

    ○山本太郎君 ありがとうございます。  寄り添う、この寄り添うという言葉を調べてみると、ぴったりとそばへ寄るとあります。自分の感情を相手の気持ちと同化させるようにするようなこと、いかに相手の気持ちを酌み取れるか、それに自分の心を寄せていくさまが寄り添うということのようです。  沖縄県民投票の結果、辺野古に基地は要らないと圧倒的な民意がはっきりした翌日、埋立ての土砂を積んだトラックなど約三百台が資材搬入、ゲートを通過。琉球新報では、名護市安和にある桟橋で、工事車両五百八十三台が運搬船三隻に土砂を積み込んだと。沖縄県民投票では七二%が反対。超圧倒的、明確な結果を完全に無視した、聞いたことがない寄り添い方です。これ、本当にどうやって寄り添っていくのかということをこの後総理にも聞いていきたいと思うんですけれども。  先日、防衛省の方が、軟弱地盤に係る地質データを含む約一万ページにも及ぶ報告書などが防衛省から出されたんですね。これ、やっと出したかという話なんです。何か聞くところによると、防衛大臣が随分出されることに抵抗をしていたというお話を聞いています。  予算委員会が終盤に入ったこのタイミングで一万ページもの資料提供、出さないよりかはいいですけど、このタイミングですかって。もう終わりますよ、予算委員会。防衛省が提出を粘り続けたのは、本委員会での議論を避けたい意図があるとしか考えられない。この短い間に、もう三月、三月いっぱいでこの委員会終わっちゃうのに、一万ページ、これ詳細に検討するってむちゃくちゃ大変な話ですよ。  こういうこと、今までもありましたよね。森友学園の関係資料、ぎりぎりになって出してきた、大量に。ほかにもありましたよ。去年の入管法、そのときに、実習生の個人情報、マスクをして、黒塗りをして、いつもみたいに黒塗りをして出してくれればいいのに、それもせずに手書きで写せと。野党は、ふだん仕事をしなきゃいけない時間を削りながら、一枚一枚写経をするようなことをずっと続けていたわけですよ。余りにもあり得ないといいますか、これ国会の審議をまともにやろうという考えから懸け離れている。もっと正々堂々とやりましょうよという話なんですね。  この軟弱地盤に係る地質データを含むこの報告書、一万ページを超えるようなもの、今全国の心ある土木技師や関係者の方々が詳細に読み解いていってくれています。  これ、委員長に求めたいんですけれども、予算が成立した後も、この沖縄問題、軟弱地盤の問題もあります。これ、ひょっとして、変更、設置変更の内容というものを軟弱地盤という部分を隠しながら出していたというような疑いも持たれているわけです。なので、予算委員会が終わったとしても、その後、沖縄問題として集中の審議をしていただくことを御検討ください。
  166. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 後刻理事会で協議をさせていただきます。  山本太郎君。いいですか。
  167. 山本太郎

    ○山本太郎君 終わりですか。はい、分かりました。
  168. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。  午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時五十四分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  169. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) ただいまから予算委員会を再開いたします。  平成三十一年度総予算三案を一括して議題とし、安全保障・内外の諸情勢に関する集中審議を行います。  休憩前に引き続き質疑を行います。山本太郎君。
  170. 山本太郎

    ○山本太郎君 ありがとうございます。山本太郎です。午前の続きをやります。  資料の二、今年二月、朝日の記事。(資料提示)ジョージ・ブッシュ政権でパウエル国務長官の首席補佐官を務めたローレンス・ウィルカーソン元陸軍大佐インタビュー。  米海兵隊本部は、九〇年代前半、国内外全ての海兵隊基地や構成をどうするか見直し、検証作業を行い、この方もそれに関わりました。そして、沖縄海兵隊も検証の対象になった。部隊の実弾射撃訓練や飛行訓練、爆弾投下訓練をする地域として沖縄の適合性を調べ、運用は極めて難しいと判断。朝鮮半島有事の作戦計画などを始め、対中国、対東南アジアへの展開も含めて沖縄の海兵隊の戦略的な役割も調査。沖縄の海兵隊は戦力規模が小さ過ぎ、太平洋地域に前方展開させる戦略的価値はないとの結論。ただし、コスト面から調べた結果、海兵隊を当時の移転候補だった米カリフォルニアに移転させるよりも、日本側の費用負担があるので沖縄に駐留を継続させる方がコストは五〇から六〇%安くなることが分かった。この検証作業では、沖縄海兵隊移転による海兵隊への政治的な影響についても分析。海兵隊を米本土に移転すれば、米政府がそれを理由に海兵隊全体の規模を縮小させる可能性が高いという予測が出ました。結果、海兵隊本部は海兵隊の沖縄駐留を続けることを決めたと。  海兵隊が現在も沖縄駐留を継続している元々の判断をたどれば、何ら日米の安全保障とは関係ない。沖縄駐留を継続した方が必要経費を節約でき、何より海兵隊という組織の政治的な立ち位置を守ることができるという分析結果だったと語っていらっしゃいます。  さらに、辺野古の基地は中国など外部からの攻撃に脆弱過ぎるという問題があり、二、三発の精密誘導弾の攻撃を受ければ滑走路は跡形もなく消え去る。戦略的な観点でいえば、辺野古の基地建設は愚かな計画だとおっしゃっています。  総理に提案させていただきたいんですけれども、沖縄の海兵隊をカリフォルニアなどに移転していただき、日本が支払うはずの沖縄の海兵隊関係経費、これは移転後も継続して日本が支払う。財政がというならば、例えば米国債を毎度必要分だけ売却してその費用に充てればいいのではないでしょうか。沖縄の海兵隊、米本土への移転が実現するなら、辺野古基地建設は中止、普天間飛行場も返還できます。  総理、これこそが沖縄に寄り添うということではないかと思うんですけど、いかがでしょう。
  171. 岩屋毅

    ○国務大臣(岩屋毅君) 私どもとして、米国の退役軍人さんの私人としてのお立場での発言一つ一つについてコメントすることは控えたいというふうに思います。  その上であえて申し上げますと、報道されているのは一九九〇年代前半のお話ではないかというふうに受け止めております。冷戦の終結直後の時代と現在とでは安全保障環境は大きく異なっておりまして、米国の戦略も変わっております。実際、米国は、その後の安全保障環境の変化を踏まえて、オバマ政権の下で安全保障政策の重点をアジア太平洋地域にシフトさせるリバランスを示しておりまして、現在のトランプ政権もまた、米軍のインド太平洋地域への前方展開によるプレゼンスを維持するという方針を明確にしているところでございます。  沖縄は、米国本土やハワイ、グアム等と比較して東アジアの各地域に近い位置にあると、我が国の南西地域、約千二百キロありますが、そのほぼ中央に位置している、我が国のシーレーンにも近いと、こういう安全保障上極めて重要な位置にあるわけでございまして、普天間の代替施設を造って海兵隊の抑止力を維持するという考え方は米国政府とも累次にわたって確認をし続けてきているところございますので、御提案については余り賛同できかねます。
  172. 山本太郎

    ○山本太郎君 ありがとうございます。  九〇年代前半の話なんだと、このウィルカーソンさんがおっしゃっているのは、今は状況が変わっているという話なんですけど。じゃ、辺野古はどうなんですかと。いつ合意されましたって、それも随分前の話ですよねって。じゃ、このまま見直すことなくそのまま進んでいいんですかって。九〇年代前半の話は否定するけれども、この辺野古についてもその合意がされたのは随分前ですよ。見直しが必要なのは辺野古の方だと私は思います。  今年三月一日、総理との会談で玉城デニー知事が提案した米国務省、国防省、米軍関係者と日本の外務省、防衛省で構成されるSACO、これに沖縄県を加えたSACOウイズ沖縄、いわゆるSACWO構想、総理、実現のために動いてくださいませんか。
  173. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) SACO最終報告以降、計画に従い、既に沖縄の米軍基地の約二割が返還されていますが、日米で合意した計画が全て実現すれば、沖縄の米軍基地は本土復帰直前の状態と比べて半分になります。  さらに、安倍政権では、嘉手納以南の米軍基地について、面積にしてその七割の返還について具体的なスケジュールを日米で合意をしました、これは七年越しの課題であったわけでありますが。このうち、既に西普天間住宅地区等の返還を実現しております。  このように、政府としては、我が国を代表して米国政府と交渉しつつ、地元の皆様とは、普天間飛行場負担軽減推進会議や政府・沖縄県協議会等の協議の枠組みを活用して負担軽減の取組を進めてきたところでありまして、今後とも、このような枠組みによって沖縄の基地負担の軽減に一つ一つ結果を出していく考えでありまして、今までと同様、政府は我が国を代表して交渉していく考えであります。
  174. 山本太郎

    ○山本太郎君 今年三月、アエラの記事ですけれども、アメリカの元海兵隊政務外交部次長で政治学者のロバート・エルドリッジ氏のコメント。辺野古新基地建設について、昨年十二月、防衛大臣が、日米同盟のためではない、日本国民のためですと発言したことについて、日米同盟のためではないというのはそもそもSACOの前提を無視した発言ですが、百歩譲って日本国民のためというのであれば、なぜ使えない施設を造るのかと正直聞きたいと、莫大な予算を投じて使えない施設を造るのは国益上おかしな話です、なぜこんなに粘り強く辺野古にこだわるのか、同盟管理の失敗としか言いようがありませんと言及されています。これ、ここまで言われているんですよね。  これまで沖縄県民が民意を示し続けてきたのに、日本政府と米側、当事者の沖縄が参加する協議の場もつくらないというのもちょっとおかしいかなと思うんですけど、どうしてそこまでかたくななんですか。  これはあくまでも疑問なんですけれども、そこまで、元々海兵隊にいらっしゃった方々、この経緯を知っていらっしゃる方でも、どうしてそんな使えないものを造るのというような考え方なんですけど、それでもかたくなに推し進めるというのは、何かしらの利権とかに関わることなんですか、総理。(発言する者あり)
  175. 岩屋毅

    ○国務大臣(岩屋毅君) いやいや、私の発言に言及されましたので、そこは……(発言する者あり)いやいや、そこはしっかり答えさせていただきたいと思います。  私、記者会見のときだったと思いますが、その……(発言する者あり)いやいや、辺野古移設というのは半ばアメリカのためなのかという趣旨の御質問があったので、そういうことではないと、日本を守るために必要な事業としてやらせていただいているという文脈で申し上げたところでございまして、今後のことにつきましては、今総理からお話がありましたとおり、やはり政府が米国政府としっかりと交渉させていただくと同時に、沖縄とは、普天間飛行場負担軽減推進会議や政府・沖縄県協議会等の協議の枠組みを使って、丁寧にこれからも説明をさせていただきたいと思っております。
  176. 山本太郎

    ○山本太郎君 既に会議体があるんだというのは分かりました。でも、そうじゃないんですよ。SACOの枠組みに沖縄を加えての話合いの場を是非つくっていただきたいと沖縄の方から直接言われたと思います。  次は、総理。そういうSACWO的な構想、これを進めるためにも話合いの場をつくっていただくということはできないんですか、やっていただけないんですか、お答えください。
  177. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先般、玉城知事からお話をいただきましたが、その場でお話をさせていただいたんですが、先ほども申し上げましたように、このSACOについては、最終報告以降、計画に従って沖縄の米軍基地の約二割が返還をされておりますが、安倍政権におきましても、先ほど申し上げましたように、嘉手納以南の米軍基地について、面積にしてその七割の返還について具体的なスケジュールを日米で合意をしました。このうち、既に西普天間住宅地区等の返還を実現をしているわけでございます。  言わば、こういう形でSACOの場において日本政府としてもできる限り負担軽減に全力を尽くしてきたところでございまして、今後とも、日本国政府として日本を代表して米軍と交渉し、基地負担の軽減に更なる努力を重ねていきたいと、このように考えております。
  178. 山本太郎

    ○山本太郎君 同じ答弁書、二回読んでいませんか。  基地問題では事実上全く寄り添わない。理解できました。政権交代実現して、基地建設の中止、普天間返還、カリフォルニアなどへの移転を進めるしかないという結論しかありません。  では、基地以外だったら沖縄に寄り添っていただけるのかということを聞いてまいりたいと思います。  米軍基地が沖縄にあるから沖縄はおいしい思いをしている。現実を知らずにおっしゃる方も世の中にはいらっしゃいます。沖縄県の出している「沖縄から伝えたい。米軍基地の話。」という冊子。基地関連収入が県民総所得に占める割合は、復帰前の昭和四十年度には三〇・四%、復帰直後の昭和四十七年度には一五・五%、平成二十六年度には五・七%まで大幅に低下しているとあります。現在、基地関連収入が県経済へ与える影響は限定的だということが分かります。  二〇一六年一月発表、沖縄県による子供の貧困調査。子供の貧困率は二九・九%、つまり約三人に一人が貧困。これは厚労省調べ、子供の貧困率一三・九%と比較しても、沖縄の子供の貧困、二倍以上多いんです。  このときの沖縄県調査によると、経済的理由で過去一年間、必要な食料を買えないことがあった県内の子育て世帯は、一人親世帯で四三%、両親がいる世帯でも二五%だったと。基地があるから余分に金をもらって、沖縄は豊かなんだという主張自体が大間違いであることがはっきり分かります。  逆に、沖縄県は、米軍基地が整理、縮小され、返還後の跡地利用が進めば県経済に好影響を与えると考えている。既に返還された駐留軍用地の跡地利用に伴う経済効果を試算すると、那覇新都心地区、小禄金城地区、桑江北前地区の三地区合計では、返還後の跡地利用により、返還前と比べて直接経済効果が約二十八倍、雇用者数が約七十二倍になったと。もはや基地は沖縄の経済成長の足かせでしかなく、基地返還が沖縄の成長を加速させることははっきりしています。  現在、沖縄は、御存じのとおり観光も絶好調、二〇一二年三千九百九十七億円だった観光収入は、二〇一七年には六千九百七十九億円に。翁長知事時代、二〇一五年から一七年まで毎年、前年比ほぼ一〇%前後で上回る伸び。二〇一七年、沖縄の観光客数は同じ年のハワイの観光客数を抜きました。外国人客数、前年度よりも二六・四%増えた。  先ほど御紹介した沖縄県による貧困調査、一八年に実施した最新のものでは、前回調査に比べて子供の貧困、四・九九ポイント下がり、二五%と前回調査より改善。翁長知事時代の、県が子供の貧困対策を含め多くの振興施策を推進してきた効果が表れたもの。確実に着実に経済成長を続けている沖縄ですが、改善された子供の貧困も四人に一人という状態であり、国の大きな支援、応援、必要です。  安倍総理が基地問題で寄り添うことが難しいのであれば、別の面で積極的に寄り添ってくださいという提案をさせてください。  玉城デニー沖縄県知事の前職、衆議院議員でした。昨年五月十七日、衆議院内閣委員会でデニーさんは、沖縄を一国二制度にして関税をゼロにし、消費税をゼロにする、そのぐらい大胆な、これからの沖縄の将来を見越した、そういう提案もぜひ行っていただきたいと安倍総理に直接要望しました。しかし、このとき、残り時間僅かの中での要望だったので、総理からのお答えはございませんでした。この沖縄を消費税ゼロ特区に私は同意します。  景気回復、この道しかないというキャッチフレーズで選挙を戦ったアベノミクス。アベノミクスの目標、何でしたっけ。物価上昇率二%でしたよね。イザナギ超え、聞こえてくることありますけど、好景気実感できていない人が多数派です。現在、物価上昇率、インフレ率、何%でしょうか。六年たっても全然目標は達成できていません。  資料の六。参議院調査情報担当室の協力で、山本太郎事務所のリクエスト、消費税八%からゼロ%にした場合のシミュレーションをしていただきました。  左側のグラフ。消費者物価指数上昇率を見ると、このシミュレーションでは、消費税をゼロ%にした場合でも、つまりは年間二十二兆円規模の大減税策を行ったとしても、最大で一・六七%までしか物価は上昇しない結果です。総理と日銀の掲げるインフレ率二%にも達しない。消費者物価は極めて上昇しにくいもの、それがよく分かるシミュレーションだと思います。現在の安倍政権による財政支出程度では、いつまでたっても二%目標を達成できないとも言えます。  グラフ右側、年間の一人当たり賃金。消費税をゼロにすれば、強制的に引き上げられてきた物価が下がり、消費に対する足かせ、罰金がなくなり、実質賃金が上がり、生活は楽になります。消費税ゼロにすると、二〇一九年から二四年の五年間、一人当たりの賃金は約四十四万円上昇する結果に。  まさにこれこそデフレからの脱却、この道しかないという施策の一つだと思います。総理は、消費税増税、ひょっとしたら選挙前には凍結を判断するかもしれないと予測されるので、総理が全国的に消費税をゼロ%にするというのはなかなかハードルが高いのかなと思います。  二〇一五年の沖縄県の県民総生産は約四・四七兆円、名目GDPが約五百五十兆円ある日本全体の〇・八%程度です。沖縄だけに消費税を免税するにしても、その財政規模は、消費税ゼロという二十二兆円規模の減税の一%以下、二千億円程度もあれば済むと類推されます。これ、十分実現可能ではないでしょうか。  これまでも多大な負担を背負わされてきた沖縄に対して、更なる経済成長をしていただくためにも寄り添っていただきたい。デニーさんの提言を参考に、沖縄で消費税ゼロ特区、実施していただけませんか。総理、いかがでしょう。
  179. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大変思い切った御提案だとは思いますが、これは税制の制度的に沖縄だけゼロにするということは、これは制度的には大変難しいのではないかと、こう考えております。  一方、今、山本委員が御指摘になったように、この六年間において海外からの観光客が飛躍的に日本全体でも増えているところでございますが、沖縄でも順調に増えハワイを上回るというのは、今まで考えられなかったことが起こったわけでございまして、それに伴いまして、沖縄県における有効求人倍率は〇・五%前後であったものが、今史上初めて沖縄においては一%を超えたわけでございます。  今後とも、来年更なる四千万人目標がございますが、こうした観光を更なる沖縄の発展につなげていきたいと、そういう支援はしっかりと行っていきたいと、沖縄の発着回数もこれは相当増えていくわけでございますので、しっかりとそうした支援は行っていきたいと、こう考えております。
  180. 山本太郎

    ○山本太郎君 基地以外も寄り添わないんだなという部分ですね。それぐらい大胆なことをしていかないと底上げってできないわけですよ。当然だと思いますよ。だって圧倒的じゃないですか、子供の貧困を見ても。今経済的にどんどん良くなってきているといっても、今までのしわ寄せ、それで苦しまれている方々が多い。そこに対して大胆な施策をやっていただきたい。寄り添ってくださいよ。  総理御自身のお友達には必要以上にべったり寄り添っていらっしゃるじゃないですか。けれども、沖縄には結局、沖縄にはどんな形でさえあれ寄り添わないんだなって。腹心の友こそ、加計孝太郎さんの夢、獣医学部の新設には官邸で柳瀬総理秘書官がべったり個別指導、寄り添い実現させた。  その獣医学部は、そもそも国家戦略特区の創設により実現。その特区構想をアベノミクス特区としてぶち上げたのが、総理のブレーンとして長年お世話になる、金のにおいを巧みに嗅ぎ分けるミスターセイショウナゴン、竹中平蔵さん。竹中さんもメンバー、特区諮問会議では、外国人による家事代行を解禁、参入業者の一つに竹中さんが会長をするパソナの子会社を選定。その寄り添い方、利益相反何のその。  また、兵庫県養父市の農業特区では、竹中氏が社外取締役を務めるオリックスの子会社を選定。総理の竹中氏への寄り添いっぷりはこれだけにとどまらず、昨年改正された水道法、PFI法によって実施が可能になった水道事業のPFI、コンセッション、この政策も竹中さんが産業競争力会議で二〇一三年から推進したもの。イギリスではもうPFIの新規事業をやらないと言われるほど、PFI、時代遅れのオワコンですよ。それにもかかわらず、公共で民間をもうけさせる仕組みに邁進。  総理は、経団連を中心にする財界にもべったりと寄り添う。働き方改革のホワイトカラーエグゼンプション、いわゆる高プロ、外国人労働者の更なる受入れ、これは全て財界からの提言に基づくもので、より安い労働力をつくり出すための労働環境破壊行為。  そして、今度は、森友問題でやらかした奥様、安倍昭恵さんの尻拭いを人の命まで奪ってまでさせられた財務省にべったり寄り添い、御恩返しの消費税増税。  残念ながら、総理の沖縄に対しての寄り添うというお言葉のチョイス、完全に間違っています。次回からは、沖縄に寄り添うではなく、沖縄に押し付ける、沖縄を痛め付ける、沖縄のことは俺が決めると正しい日本語を使っていただきたい。  次に参ります。日本とロシアの交渉について。  資料の九。昨年の十一月十四日、北方領土交渉をめぐり、ロシア側が北方領土を日本に引き渡した場合にアメリカ軍の基地を置かないことをプーチン大統領が日米の首脳の間で公式に合意するよう求めていることが分かりました。テレビ朝日が報道しました。  ロシアが北方領土を引き渡した場合、米軍基地を置かない、これを日米首脳で公式合意するようプーチンさんから求められた件、総理、トランプさんにお話ししたんですか。了解されました。
  181. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) 日ロの平和条約は今、現に交渉が行われておりますので、政府の方針あるいは交渉の中身について公にするのはこれまでも差し控えてきているところでございます。
  182. 山本太郎

    ○山本太郎君 自分の言葉でお話しいただきたかったですよ、総理。だって、ドナルドとシンゾウの仲なんでしょう。  ロシア側にしてみれば、これ、事実上、主権を行使できない国家代表と名のる者と会談二十五回も付き合わされている状態ですよ。そう思いませんか。だって、米軍が基地造るのか造らないのかということに関して自分たちで判断できないんだから。権限のない店長と二十五回も話をさせるな、さっさとオーナー呼べといった気持ちは、ロシア側ではないでしょうか。領土交渉で他国の大統領の同意がなければ何も決められないという異常な現実、世界中に広く知れ渡った。ロシア側は、日本政府はアメリカ政府に対して一切の交渉能力はないと判断したと思います。  資料の十一。今年三月十五日付け、ロシア、コメルサント紙記事。モスクワでロシア産業界との会合でプーチン大統領の発言。日本との交渉は本当に行き詰まったのかと聞かれ、交渉は失速したと答え、さらに、日本はまず、通知手続によって同国内に軍事基地を創設する権利を持っている米国との条約から離脱しなくてはならないと指摘した上で、ちょっと飛ばします、安倍晋三は実際にウラジーミル・プーチンに対して、島が返還された場合はそうした基地は一つも造らせないと請け合ったが、認可しないための現実的な手段はないのだとプーチンさんが語ったことを報道されています。  これ、総理、プーチンさんに、北方領土返ってきても米軍基地置かせないという約束されたんですか。
  183. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 交渉がうまくいくかは静かに交渉できるかに懸かっているわけでありまして、交渉内容に関わることや我が国の交渉方針、考え方については、交渉に悪影響を与えないためにもこのような場でお答えすることは差し控えたいと思います。  いずれにせよ、プーチン大統領とは、シンガポールでの首脳会談において、領土問題を次の世代に先送りすることなく自らの手で必ずや終止符を打つとの強い意思を共有しているところでありまして、政府としては、領土問題を解決して平和条約を締結するとの方針の下に、引き続き粘り強く交渉していく考えであります。
  184. 山本太郎

    ○山本太郎君 いやいやいや、交渉に影響があるから私たちはその詳しいことは言えないという話なんですけど、全部外国の首脳とかそういうところから漏れているんですよ。というよりも、皆さん、お話しになっているんです。その話は、逆に言ったら、その交渉が前に進まない理由だということですよね。どうしてそれ言わないんですか。うまくいっていないから言えないという話なんじゃないですか。  ロシア側は、日本国内であっても米軍は自由に振る舞える事実、御存じなようです。島を返せば米軍が基地を造ったり演習をしたりするだろう、条約上、日本はノーとは言えない、完全にばれています。その意味、簡単に説明します。  資料の十二、パネル四。戦争に日本が負け、米軍が日本を占領、それから六年たった一九五一年、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約、いわゆる旧安保が結ばれ、それに伴う駐留米軍の法的地位が書かれた行政協定が翌五二年に結ばれた。占領から主権回復に向けてそれらの条約、協定を結ぶはずが、在日米軍に関して、その使用施設、その区域、裁判権、経費の分担など全て米軍の思いのままになるような形で米軍の実質的占領状態はその後も続いた。この米軍の占領状態に終止符を打つべく、総理のおじい様、岸信介さんは、一九六〇年、新安保条約とそれに伴う駐留米軍の法的権利を定めた地位協定を新たに結ばれた。  総理、現在、米軍が他国に攻撃をするために日本国内の基地から自由に出撃することは、日本政府の許可がなくてもできるんですかね。
  185. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは事前協議が必要であります。まず、事前協議において日本側が了承しなければならないということになっております。
  186. 山本太郎

    ○山本太郎君 常識では、自国内の基地から外国の自由出撃、認めることあり得ません。  例えば、米軍を中心とする有志連合に完膚なきまでにぶっ壊されたイラク。イラク戦争後も米軍はイラク国内に駐留。当然、米国とイラクの間にも地位協定結ばれますが、イラクは国外への攻撃禁止を明記するよう強く要求。米側も地位協定締結のためにこれに譲歩せざるを得なくなり、結果、イラク国内の基地などから他国への自由出撃は許されていない。自分たちの国の基地から外国軍の自由出撃、事実上認めることって普通じゃないってことが分かると思います。  今、事前協議が必要になるんだということだと思います。それは、おじい様がちゃんと事前協議をして日本側の意見もちゃんとすり合わせてということを作っていただいたことだろうと思うんですけれども、残念ながら、米軍が他国への出撃を日本から行う場合でも、米軍が新たな基地を造りたいと望んだ場合でも、現在日本側がノーと言うことは難しい。それがおじい様の作られた日米安保と地位協定であると。  占領の延長のような旧安保条約、日米行政協定を対等な日米関係に変えるんだと、岸・ハーター交換公文によって事前協議制度を創設。これにより、在日米軍が装備、配置などの重要な変更を行う場合、また日本国内の基地から国境を越えて他国へ出撃するような場合は、アメリカが日本と事前に協議することになった。対等な日米関係になったよねって話です。  しかし、実際は、裏で、アメリカ側が協議したくないときは協議しなくていいとひそかに合意していた。資料の十三。安保改定交渉に先立ち、その前年、一九五七年六月二十一日に出された岸首相とアイゼンハワー大統領の共同声明には、合衆国によるその軍隊の日本における配備及び使用について実行可能なときは、実行可能なときはいつでも協議することを含めて、安全保障条約に関して生じる問題を検討するために政府間の委員会を設置すると書かれています。事前協議をするのはアメリカ側が実行可能なときだけでいいと合意しているんですよね。  アメリカ国務省公式の歴史記録、フォーリン・リレーションズ・オブ・ザ・ユナイテッド・ステーツ、略してFRUS。この頭文字FRUSと打ってアクセス、その先まで検索できれば誰でもネットから今から御覧に入れる元資料にたどり着けます。対等な日米関係の象徴であったはずの事前協議制度。実は、米国が協議したくないときはしなくていい。その裏側です、資料の十四になりますね。  FRUSから一九五七年六月二十一日の記録。岸首相とダレス国務長官の交渉記録にも、その共同声明を出す直前、事前協議の定義をめぐってこんなやり取りがあったことが書かれている。ダレス国務長官、問題は、この共同声明の文言では、アメリカが軍を日本国内から朝鮮や台湾、グアムなどへ派兵する決定をしたとき、日本との協議が必要になるのかということなんです。岸首相、その点に関しては、実行可能な場合はいつでも協議するという言葉が入っているので問題にはなりません、というのも、そうしたケースではアメリカは協議が可能と考えないでしょうから。  つまり、他国に例を見ない自国の基地からの外国軍の自由出撃でさえ、アメリカが協議したくないときは協議なしで実行していいという話なんです。  これを裏付ける話として、資料の十五、パネルの六になります。外務省公開文書、日米相互協力及び安全保障条約交渉経緯、一九六〇年六月。東郷文彦外務省北米局安全保障課長は、行政協定については一九五八年十二月十六日の外務大臣とマッカーサー大使との会談の際も詳細討議されたが、アメリカ側は元々行政協定がそのまま存続することが新条約交渉の前提条件であり、もし行政協定の内容に立ち入って交渉するとなれば、交渉の前提が崩れる上に、一度手を触れれば二年、三年の交渉となり、条約交渉も見送るのほかなしと強調して、前途極めて困難なるを思わしめたと。アメリカ側は、元々、行政協定がそのまま存続することが新条約交渉の前提条件だという話。  資料の十六、パネルの七になります。先ほどのFRUSから。一九五九年四月二十九日、ダレス国務長官への報告で、マッカーサー駐日大使が岸首相と藤山外務大臣について報告。資料左側。彼ら、岸と藤山のことです、彼らの考える改定の多くは行政協定の見せかけ、アピアランスを改善するだけのものです。資料右側。私は行政協定の実質的変更を避けるように岸と藤山に切れ目なく圧力を掛けてきたし、岸と藤山はその見解を理解しています。岸総理が表向きには対等な関係築くために安保条約結ぶと言っていたものの、実ははなっから、その表向きの条文は変えても、その内容、以前と変わらないということになってしまったって話です。  そして、現実に、ここでの合意は、新安保条約が調印される約二週間前、一九六〇年一月六日、資料の十七、パネルの八ですかね、岸内閣の藤山外務大臣とマッカーサー駐日大使との間で、米軍の基地の使用に関しては旧安保時代の権利がそのまま引き継がれるという基地権密約になってサインされたと。  読みますね。「日本国における合衆国軍隊の使用のため、日本国政府によって許与された施設及び区域内での合衆国の権利は、」、ここから大事です、「一九六〇年一月十九日にワシントンで調印された協定第三条一項の改定された文言のもとで、一九五二年二月二十八日に東京で調印された協定のもとでと変わることなく続く。」。つまり、新しい地位協定、文言変わるけど、前の行政協定のまんまだからねって話なんですね。行政協定イコール地位協定だよってことです。  アメリカでは絶対にできない、絶対にできない市街地上空での米軍機の訓練飛行、小学校、幼稚園に窓枠などの危険物を落下させても、何もなかったようにすぐ訓練飛行を再開させる米軍、それに抗議できない日本、止められない日本、なぜですか。米軍機が学校、保育園の上を飛ぶたびに、運動場で遊んでいた子供たち、校舎に避難しなければならないような生活、普通ですか。アメリカ国内ではやれない訓練、なぜ米軍は日本でできるんですか。  総理、辺野古の建設に幾ら沖縄県民が反対しても日本政府がその声を受け止められない本当の理由、又は総理が北方領土交渉において二十五回会談しても何一つ交渉を進展させられない本当の理由、それ、おじい様がひそかに結んだ先ほどの基地権密約、米軍の日本国内での行動に日本側が歯止め掛けられない密約にあるんですよ。  おじい様の結んだこの密約、根本から見直して破棄する、米軍の行動を日本がきちんとコントロールできるようにする、日本国首相として沖縄県民の民意に応えて、また軍事主権を持つ独立国の首相として堂々と北方領土交渉、返還交渉に臨む。やっていただけませんか、総理。
  187. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) 日米行政協定と今度の地位協定においては、表現は変更されておりますが、施設・区域における米軍のいわゆる管理権の実質的内容が変わったわけではございません。  こうした経緯、考え方につきましては、昭和三十五年の日米地位協定締結に当たっての国会審議の場で繰り返し申し上げていることでございまして、これは当時国会で議論をされておりますから、密約でも何でもございません。
  188. 山本太郎

    ○山本太郎君 じゃ、何で密約文書が出てくるんですか。  総理、今言ったことをやっていただけませんか。基地権密約、これ破棄して、もう一回、日本、出直した方がいいでしょう。戦後レジームからの脱却なんじゃないですか。やってくださいよ。
  189. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政府として、米国において公開されたとされる文書の中身について一つ一つコメントすることは適当ではないと考えています。米国も一般に公開された文書につきコメントを行わないものと承知をしています。  この文書から離れて、施設・区域における米軍の管理権について申し上げれば、この管理権の実質的内容が、一九五二年に締結された日米行政協定と一九六〇年に締結された日米地位協定の間で異なるものではないことは、日米地位協定の締結に当たって、国会審議の場を含め、政府から既にこれは説明をしていることであります。  なお、いわゆる密約問題について、二〇〇九年から外務省において四千を超えるファイルを対象に徹底した調査を行い、その結果及び多数の関連文書を二〇一〇年に公表したところ、これは民主党政権時代でありますが、二〇一〇年に公表したところでありますが、この文書は、その結果及びこれらの関連文書の中には含まれておりませんでした。
  190. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 山本君、時間ありません。
  191. 山本太郎

    ○山本太郎君 総理自身がこの植民地状態から脱するという決意しないと、何も終わらないんですよ。おじいさんの作った売国条約をあなたの手で変えてくださいよ。それがあなたがやるべき仕事じゃないんですか。
  192. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 山本君、時間が来ております。
  193. 山本太郎

    ○山本太郎君 沖縄に基地は造らせない。  以上で終わります。(発言する者あり)
  194. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) ただいま不適切な言葉があるとの指摘がありましたので、委員長といたしましては、後刻理事会において速記録を調査の上、適切な処置をとることといたします。  以上で山本太郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  195. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 次に、石橋通宏君の質疑を行います。石橋通宏君。
  196. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 立憲民主党・民友会・希望の会の石橋通宏です。  今日は、まず、毎月勤労統計の不正問題について最初に取り上げさせていただきたいと思います。  総理も御存じのとおりだと思いますが、いまだ多くの国民の皆さんが、全く原因が分からないと、特別監察委員会の報告も信用できないという声が圧倒的多数であります。総理には是非その国民の声、受け止めていただかないといけないと。厚労大臣もそうです。今日はその観点で改めてお聞きしたいと思います。  今日は、参考人の皆さん、ありがとうございます。よろしくお願いをいたします。  まず、北村統計委員長代理にお伺いしたいと思います。  今日、お手元の資料四で改めて配付をさせていただいておりますが、さきの北村委員長代理を含む統計委員会委員五名の皆さんが連名でお出しになった意見書についてです。この意見書の一番重要なポイントは、やはり改めて、東京の大規模事業所の抽出が、まあ全数から抽出調査に切り替えられたと、平成十五年に決定され十六年からと言われていますが、この抽出がいかに検討されて、いかに決定をされたのか、ここが明確になっていないと、ここが明確にならないと駄目なんだという御指摘だったと思います。  北村さん、改めて確認させてください。これがもし正しく抽出率が設定されていなかったら、どういう影響があるから駄目なんでしょうか。
  197. 北村行伸

    ○参考人(北村行伸君) お答えいたします。  抽出といいますか、元々、統計委員会が統計、作成に基づいて全国、毎勤についてですね、統計の調査の仕様について規定しているわけなので、それについて従ってやっていなかったということは、もちろん統計法上の大きな問題というふうに思っておりますし、それが抽出調査になったという報告もなかった、さらにそれを復元することもやっていなかったということで、いろんな意味でのルール違反というのがありまして、それによって統計がゆがんで出ているということは、本来調査したかった統計数字にはなっていなかったということで、そこの前後関係を明らかにしていただきたいということと、その統計数字を回復するための手段を考えていただきたいということをお願いいたしました。
  198. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 重ねて確認します。  ここにお書きになっているこの意見書で読みますと、要は、抽出率が適切に統計上設定されていなければ、単純に復元すりゃいいって話じゃないんだと、それは当たり前だと思います。抽出率が適切に設定されていなかったら、復元したところで標準誤差の範囲内に収まりませんから、正しい復元はできません。そのことをおっしゃっているんだと思うんですが。  だとすれば、抽出率が適切に設定されたのかどうか。平成十六年だけではありません、その後も全てそうだと思いますが、抽出率がもし適切でなければ、厚労省はこの問題が発覚してから再計算しているわけです、その再計算結果を発表していますが、抽出率が正しくなければ、復元、再計算しても、その結果も正しくない可能性がある、そういうことでよろしいでしょうか。
  199. 北村行伸

    ○参考人(北村行伸君) お答えいたします。  抽出率といいますか、その元々全数調査だったものを抽出されているわけなので、抽出されたものが全数調査で得られる平均であるとか、その分布に近似できるものなのかどうかということを検定しなくてはいけないわけですけれども、それが適切になされているのかどうかということをまず確認しなければいけない。  それから、抽出調査で、そこから得られる標本の平均が全数調査で得られる平均と大きくずれていれば、それを三倍あるいはその抽出率の逆数を掛けて戻したとしても母集団の分布にはならないということなので、そこはきっちりと検討していただきたいということを申し上げました。
  200. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 大変重要な御指摘です。  樋口監察委員会委員長にお伺いしたいと思います。前回もお聞きしましたが、重ねてお聞きします。  平成十五年の五月までに、厚生労働省、当時の統計部内で抽出にすることが勝手に、公表せずひそかに決められたわけです。  そのときに、抽出調査、抽出率の決定に関わった当時の担当者、責任者、全ての皆さんが特定をされてヒアリングをされた。重ねて確認をしてください。それでよろしいですね。
  201. 樋口美雄

    ○参考人(樋口美雄君) お答えいたします。  東京都の大規模事業所を抽出調査していたことに関しまして、一月報告のとおり、係レベルでは、本委員会で調査、検証に必要であるという判断した企画担当の係及びシステム担当の係に対してヒアリングを実施しております。
  202. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 プログラムを作ったシステム担当の係も特定をされていて、ヒアリングをされた。確認です。それでよろしいですね。
  203. 樋口美雄

    ○参考人(樋口美雄君) システム担当の係については、ヒアリングを行っております。
  204. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 前回、先週、厚生労働委員会でこの問題を質問したんです。  ちょっと聞くところによりますと、その後、厚生労働省内でこのシステムを担当した人間を探し回っているというふうに話を聞きましたが、これは、じゃ、官房長、事実ではないですか。
  205. 定塚由美子

    ○政府参考人(定塚由美子君) 今委員長からもございましたが、十六年一月の抽出と復元については、当時の雇用統計課の企画調整係が企画立案を行っていたと。一方、当時の別のシステム担当係、具体的には労働統計処理室の担当係がプログラム作成などの実際の改修作業を行っていたということで、これはもう最近ということではなくて、しばらく前からこのことは承知していたところでございます。
  206. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 じゃ、探し回っているというのは事実ではないということですか。
  207. 定塚由美子

    ○政府参考人(定塚由美子君) 最近探し回っていたということは事実ではございません。
  208. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 それでは確認ができているんだと思いますが、これ、樋口委員長、是非教えてください。  そうすると、当時の企画調整係はこの抽出の率の決定に当たって、当然ですが、母集団からサンプリングを抽出率によって抽出をするコンピュータープログラムの作成を要請したはずです。同時に、復元のプログラムを要請しているはずなんです。別々に、まあ片方だけやって片方やらないということは考えられないんですが、当然ですが、企画調整係は抽出のプログラムと復元のプログラムと両方オーダーを掛けていた、仕様書、決定をしていたはずですが、そういう確認もされていますね。
  209. 樋口美雄

    ○参考人(樋口美雄君) 一月報告にも記載しているとおり、企画担当係とその係からの指示に基づきシステムを改修する係との業務の進め方についてでございますが、抽出替え等によりシステム改修の必要性が生じた場合には、企画担当係とシステム担当係が打合せをしながら、必要な作業を進めていくが、その際には全ての仕様をペーパーで仕様するわけではなく、口頭ベースで依頼することもあった等の供述を踏まえ、適切な復元処理がなされてなかったことの背景として、御指摘のような問題、そこのやり取りといったものが書面で仕様書を通して行われているだけではないというようなことを確認しております。  その点についていろいろ調べましたが、仕様書については残念ながら確認することができませんでした。
  210. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 仕様書、指示書がない、ペーパーがないというのは信じられません。そんないいかげんなプログラム策定を基幹統計でしているということ自体、もし事実だとしたらばゆゆしき話ですし、これは相当に問題の多い話だと思いますが。  重ねて、委員長、分からないのは、先ほど質問したとおりなんです。抽出するためのプログラムは要請していて、復元のための要請はしていなかったのか。復元のプログラムを作っていたんだとすれば、当然復元はするはずなんです。なぜプログラムの要請は抽出も復元もしていたのに、復元だけどっか行っちゃったのか、それは全く説明になっておりません。  樋口委員長、本当にそのところ、解明されたんでしょうか。担当の方、我々直接話聞けるでしょうか。是非そこは解明したいんです。樋口委員長、本当にその部分、解明されたんでしょうか。
  211. 樋口美雄

    ○参考人(樋口美雄君) 御指摘のところでございますが、平成十六年の一月調査分から東京都の大規模事業所について抽出調査とするシステム改修に関する仕様書について確認することができませんでした。  で、そこについては可能性が、幾つか可能性があります。ちゃんと仕様書でしていたのかどうかとかということもありますし、さらには、受けた方、プログラム編集の人、その人がどう受け取ったのかということもございまして、残念ながら、そこの点についてどれが主因であったかということについて確認できていないということでございます。
  212. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 確認できていないということを今委員長、答弁されましたね。確認できていないんです、こんな大事なことが。今日は北村さんおいでですが、統計委員会から指摘をされているようなことが今確認ができていないんだということを明確に監察委員長、答弁をされました。  重ねて、なぜこの辺、だって、中規模の事業所は抽出があって、抽出替えがあって、そして抽出に基づいて、当然ですが抽出復元をしているんですね、やっているんです。終わった後の復元は中規模についてはちゃんとやっているんです。大規模も、当然、東京は抽出に変えたわけです、戻ってきたやつを一緒に抽出に出すんです、東京は中規模も大規模もありますからね。何で区分けをして、わざわざ東京だけ大規模は復元しなかったんでしょうか。そこが全く解明されておりません。監察委員長、今分かっていないとおっしゃったので、これ分かっていないんでしょう。  資料の五を監察委員長も御覧ください。これ、別に平成十五年、十六年に限った話ではありません。東京の大規模事業所の抽出率の変遷、抽出替えというのは、こうして二年、三年ごとに定期的に行われておりました。これ、厚生労働省からいただいた資料です。ちゃんとそのたびごとに抽出率の変更の議論、検討されているんです。つまり、そのたびごとに抽出率を変えて、そして抽出プログラムの変更があって、当然そのたびごとに復元の話はしていなきゃおかしいはずなんです。  樋口委員長、この十六年以降、十九年、二十一年、二十四年、二十七年、三十年も含めて、これだけ、その都度どういう復元についての議論があったのかは、監察委員会、調査されたんでしょうか。
  213. 樋口美雄

    ○参考人(樋口美雄君) お答えいたします。  議員は、サンプル入替えのタイミングで抽出率を変更した場合にそれに応じてシステム変更が行われるという前提で御質問されているように思われますが、その点について委員会としては承知しておりません。  職員等に対するヒアリングでも、サンプル入替えの際のシステム改修のときに適切な復元処理がなされている、なされていないことに気付いた、気が付いたといった供述は得られておらず、監察委員会として御指摘の点について調査を行っておりません。(発言する者あり)
  214. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  215. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) じゃ、速記を起こしてください。
  216. 樋口美雄

    ○参考人(樋口美雄君) サンプル入替え時のプログラム改修を調査しなかったことについてお話をいたします。  今回の職員等に対するヒアリングからは、御指摘のような問題を指摘する供述は得られていません。むしろ、一月報告にも記載されているように、一度改修されたシステムのプログラムの該当部分は、それに関連するシステム改修がなされない限り、当該部分が適切にプログラミングされているかを検証されることはなく、長期にわたりシステムの改修漏れ等が発見されないことがあり得るということでありました。  今回、議員から質問されております点でございますが、厚労省の事務方から改めて聞いたところでは、通常、復元のプログラムを変更する際には、抽出率を変更すると自動的に復元率も変更されるように想定したプログラムになっており、議員が指摘されているような抽出率を変更するたびに復元率を変えなければいけないということにはなっていないとのことでございました。  この点について、もし詳細なことがあれば、厚労省の方に御確認いただければというように思います。
  217. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 今、先ほど監察委員長、供述がなかったから要は監察しなかったというふうに答弁をされた。それはそうです、隠している本人たちが言うわけありませんから。それをうのみにされて調査をしなかったということであれば、まさにこの監察委員会報告、何を監察されたんだろうかというふうに言わざるを得ません。  もう一点、樋口監察委員長に引き続きお伺いしたいと思います。  前回もちょっと出ました、日弁連が第三者委員会ガイドラインというのを出されております。今回、それに関わった弁護士さんたちが第三者委員会報告書格付け委員会という組織を立ち上げておられて、三月四日に、今回の特別監察委員会報告、追加報告の評価、格付結果を公表されております。お手元、参考までに資料の六でお配りをしております。  樋口委員長、これお読みになったでしょうかね。何と九人の委員全員がF判定、落第点です。話にならない、全く駄目だ、こんなもの何も評価できない、値しないと。九人全員というのは歴史的に二回目だそうですが、大変な、もう惨々たる評価です。樋口委員長、これ中身お読みになりましたか。  大変重要な御指摘がありますので、ちょっと確認したいんです、樋口委員長。御指摘の中に重要なポイントがありまして、例えば、樋口委員長、よろしいでしょうか。樋口委員長、よろしいでしょうか。よろしいですか。お聞きいただいていますか。  この御指摘の中に、一つは、これ監察委員会として、厚労省、関係者含めて全員に対して一連の、平成十五年以降全部だと思いますが、関係文書、メモ、資料、パソコンのメール、いろんな類いがあると思いますが、全部資料として提供求めたんでしょうか。確認だけです。
  218. 樋口美雄

    ○参考人(樋口美雄君) 委員会の方で議論をしまして、必要なものについて行っております。
  219. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 必要なものというのは何ですか。必要なもの、これとこれだけくれ、あとは要らないという、そういうことですか。
  220. 樋口美雄

    ○参考人(樋口美雄君) 必要な資料について提出を求めております。
  221. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 是非、監察委員長、必要な資料、何を判断されたのか、資料として提出をいただきたいと思います。  委員長、お願いします。
  222. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 後刻理事会で協議をさせていただきます。
  223. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 まさか厚労省が必要だと言った資料だけ受け取ったんじゃないでしょうね。
  224. 樋口美雄

    ○参考人(樋口美雄君) 違います。委員会で議論して決定しました。
  225. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 では、そういった要求した資料が全部間違いなく出されたという判断はされたんですか。
  226. 樋口美雄

    ○参考人(樋口美雄君) 存在するものについて全部確認をしました。
  227. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 では、本当にそれがそうか、関係者のパソコンのデジタルフォレンジック調査の要求はされたでしょうか。
  228. 樋口美雄

    ○参考人(樋口美雄君) 事実としてそれは行っておりませんが、必要なものについて調べました。
  229. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 デジタルフォレンジック調査もされていない、必要なもの出してくれ、それで出されたものを、はい、そうですかと受け取っておられる。これが監察委員会の調査の実態であります。  ちょっと確認なんですが、定塚官房長に伺いたいと思います。  資料の確認をお願いしておりましたが、厚生労働省内に、平成三十年一月分調査、第一種事業所部分入替え指定予定事業所についてと題する平成二十九年七月十三日付けの内部文書が存在しているでしょうか。
  230. 定塚由美子

    ○政府参考人(定塚由美子君) 毎月勤労統計調査全国調査及び地方調査第一種事業所部分入替えの実施及び指定予定事業所名簿の送付についてという資料が存在しております。
  231. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 それではありません。それは部外のやつですね。  内部で検討されていた、今私が申し上げた日付の資料があるはずですが、官房長、確認されていますか。
  232. 定塚由美子

    ○政府参考人(定塚由美子君) 今朝方、石橋事務所から伺いまして私どもの方で確認しましたのは、先ほど申し上げた資料、都道府県知事宛てに指定予定事業者名簿等を送付した資料でございます。
  233. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 それではない。ちゃんと探してくださいとお願いをしたはずですが、官房長、聞いていないですね。それは違います。  この資料、官房長がすぐに分からないということは、恐らく監察委員会にも提出をされていないと理解をします。  ちょっと済みません、樋口委員長、イエス、ノーで結構です、今私が申し上げた平成二十九年七月十三日付け、平成三十年一月分調査、第一種事業所部分入替え指定予定事業所についてという資料を、監察委員会、提出を受けた御記憶はあるでしょうか。
  234. 樋口美雄

    ○参考人(樋口美雄君) ただいまお話を伺ったばかりでございます、通告を受けたばかりでございますので、すぐには思い出せません。
  235. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 その前後の例えば当時の関係者、石原室長、手計室長補佐、そして担当係長の間でこの文書が頻繁にやり取りをメールでされていたようですが、そういったメールの記録は提出をされておりますでしょうか。
  236. 樋口美雄

    ○参考人(樋口美雄君) 今御指摘の点、どういったものであるか分かりませんが、必要なものについては確認をしております。
  237. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 官房長、メールの記録も含めて監察委員会には出しているということでよろしいですかね。
  238. 定塚由美子

    ○政府参考人(定塚由美子君) 私、今回、監察委員会の調査についてタッチしておりませんので、申し訳ありませんが、承知しておりません。
  239. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 資料の提出、監察委員会から求められた資料の提出について官房長はタッチしていないんですか。
  240. 定塚由美子

    ○政府参考人(定塚由美子君) 私が関与している、例えば官房関係の資料は私が関与しておりますが、そのほかの統計の資料等は統計部局から提出をしているところでございます。
  241. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 監察委員長に伺いたいんです。  この資料には、中身に、これ要は部分入替えを決めたんですね、なぜか。それで、部分入替えをして、そのときに、これ北村さんも関心がおありなのではないかと思いますが、部分入替えをした、そして抽出率を当ててみたんですね、二分の一入替えのところで。そうしたら、予想外に都道府県の抽出数が増えてしまったと。増えてしまって、何でかというと、全数の部分の五百人以上の事業所が多くの都道府県で増えてしまったと。そのときに、関係者の間で、東京で行っているような仕組みの導入が望まれるという議論がされていたようなんです。  樋口委員長、もしこういう文書が資料として出てきていたら、厚生労働省内で組織的に東京の大規模事業所の抽出というものが認識をされ、議論をされ、その拡大が検討されていたという経緯、お分かりになったんじゃないでしょうか。
  242. 樋口美雄

    ○参考人(樋口美雄君) 今のお話、初めて聞いておりますので、確認することはできません。
  243. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 北村委員長代理にもし伺えればなんですが、この部分入替えを決めたときに、相当、当時、統計部局内が混乱したようなんです。思うような抽出数にならなかった。びっくりしたんでしょうね。で、中には、抽出率をそのまま当てはめてみたら、母集団の少ないところでは、期待値が二、三であるはずなのにゼロないしは一しかなくなっちゃって、これじゃ統計上何にもできないということになって、どうしようどうしようといって、慌てて抽出率を上げようかという議論をされていたような経緯があるんです。  北村委員長、抽出率ってこんないいかげんに決めるものですか。
  244. 北村行伸

    ○参考人(北村行伸君) 標本抽出理論というのがございまして、それは、その全数の母集団の分布を見て、そのサイズごとにどれぐらいの企業を抽出すればいいのかという一応理論がありまして、それに従って抽出をするというのが統計委員会の考え方でございます。  ただ、実際の実査の場面では回答拒否の企業とかがいろいろ出てくる場合があるので、それについてはまた別途、それは標本以外のところの調整ということになるんですけれども、そういう意味で、抽出理論については一応それに従って抽出していただくということになっております。
  245. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 それに従って抽出をされていなかった可能性があります。昨年の一月にスタートした部分入替えに伴うサンプルです、これは中規模のところですが。これ、統計委員会としても重大な関心を持っていただけるのではないかなというふうにも思いますが。  是非、これ、先ほどお願いした、確認した資料です。これ、委員会への提出を求めたいと思いますし、その関連する、付随するメールのやり取りがあるはずです。当時のメール記録も、これ本来、監察委員会に資料として出ていなかったらおかしい資料だと思います。委員会に出していただきたい。そして、改めて、監察委員会に提出をされた、先ほどお願いした資料の中にこの資料が含まれていたのかどうか、メールも含めて。  委員長、お取り計らいをお願いします。
  246. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 後刻理事会で協議をさせていただきます。
  247. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 根本大臣に伺います。  これ、もしこれだけの重要な資料が監察委員会に提出をされていなかったとすれば、そして、官房長もどうやらこれ知らないと、恐らくは部局内での話で、部局内がこういった資料、メールのやり取りも、まあ監察委員会が何をお願いしたのか分かりませんけどね、厚生労働省が出していなかったとすれば、これ隠蔽に当たりますよ、大臣。もしその事実が発覚をすれば、厚生労働省が監察に必要な資料、データ、メールの類いも含めて意図的に出さなかったということになりますが、大臣、そのときは責任取られますか。
  248. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) まず、どういう資料を求めるか、あるいは誰から聞き取りを行うか、これは特別監察委員会が主体的に判断したということであります。  それから、今委員の話を聞いていますと、最初三分の一に抽出してそれを復元していなかった、実はこれが大きな問題だったと。抽出率はいろいろその後も、抽出率はいろいろ採用したと思いますよ。根っこの議論は、三分の一しかなかったものを復元していなかったからずっと低い水準、賃金水準になっちゃった。(発言する者あり)いや、実はここが本質なんですよ。だから、復元をしていない、三分の一を三倍に復元していないということと、ほかの抽出率をどう対応したか、それはまた全く別物で、本質は三分の一を全数に復元していなかった、これが実はこれの本質であります。  それから、ローテーションサンプリングも、今の抽出率の話がありましたけれども、ローテーションサンプリングするときに、するときにですよ、これは復元しないと、これはシステムがうまく動かないからあのローテーションサンプリングのときには復元したということであって、実は抽出率についても、そこは私はきちんと適切に対応していると思います。(発言する者あり)
  249. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) それじゃ、再度質問に答えてください。
  250. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 責任を取るかどうかと言うから、私はその判断、その前に、この問題の本質はどうかと、これを言わないと私が責任を取る取らないの議論にはなりません。そして、我々は、委員会の求めに応じて適切に資料は提出しております。  むしろ私の責任は、こういうものをきちんと解明して再発防止をする、これが私の責任だと思います。
  251. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 大臣、違うんです。私が確認しているのは、今申し上げたような、この事実の解明に必要な資料がもし出されていなかったとすれば、そして、あるはずの資料が、厚生労働省の誰の責任か分かりません、まだ、関係者が意図して出さなかったとすれば、これは重大な問題だと。そのときには、大臣、あなたとして責任取りますねという話なんです。
  252. 根本匠

    国務大臣(根本匠君) ローテーションサンプリングのときには、それぞれ適切な抽出率をやって、適切な抽出率でやりますから、それは私は、統計的な、専門的な統計的な話だと思います。そして、今委員は決め付けて、自分の言っている前提で、仮定で私に責任を取るかと言われるから、私はそれは、私はそれは、仮定の話ですから、何で私がそこで責任を取ると言わなければいけないのか。前提が違うと私は思います。
  253. 石橋通宏

    石橋通宏君 大臣、重ねて、先ほど来私は、これもし意図して隠されていたら、出されていなかったらというふうに先ほども申し上げたし、今、大臣、そういうふうに申し上げているんです。  意図的にもし出されていなかったら、隠されていたとすれば、これはもう監察委員会、まさに監察委員会報告成り立ちません。だから、そのときには、大臣、そのときには、改めてですが、再調査せざるを得ませんね。そのことも含めて私は責任を取るんですねという話をさせていただいているわけです。  ごまかされるので、ここは改めて資料の要求をさせていただきましたから、その資料の中身を見た上で、これは改めて委員会でしっかりと議論し、理事会でも御協議をいただければというふうに思います。これは是非、与党の皆さんにもお願いをしたいと思います。  それで、先ほどちょっと触れましたけれども、パネルの二をお願いします。(資料提示)  皆さんもう御存じのとおり、お手元の資料も二です、今回、昨年の一月の、要はこれがあの大きな問題でありまして、三つの大きな調査方法の変更があって、それで結果が大きく上振れをしていたということです。一の復元については、これは再計算をされたということですが、サンプル入替えとベンチマーク更新についてはいまだに修正されておりませんので、段差が残ったままになってしまっています。  資料の三、併せてお願いをします。パネル三です。  なぜこれが問題かというと、結局段差が残ったままになっておりますので、昔はちゃんと補正をしていたわけですね、ベンチマーク更新のときに。一番影響の大きいベンチマーク更新ですが、これを過去はちゃんと補正をしていたので、段差の解消ができていた。ところが、今回はこの補正をしない決定をした。そのために、この黒のところですね、現在の公表値も大きな段差が残ったままになってしまっていて、これがこのまま修正がなされないと、この段差、このまま残ったままになってしまうということで、統計の専門家も多くがこれじゃ信頼できないという意見を述べられているわけであります。  ということで、今日、阿部先生にお見えをいただいています。厚労省の毎月勤労統計の改善に関する検討会で座長をお務めになりました。今日はありがとうございます、出席をいただきました。  確認させていただきたいのですが、当時、二十七年の九月に出された検討会の中間的整理案ですね。もう議論を尽くされて、結論、中間的整理をされようとされていた。そのときに、整理案には、ベンチマーク更新のときの賃金・労働指数については、新旧ベンチマークの差に伴う労働者構成のギャップ補正、三角修正ですね、行うと明記をされています。そういう結論を導こうとされていた、専門家の間では。よろしいでしょうか。
  254. 阿部正浩

    ○参考人(阿部正浩君) お答えいたします。  毎月勤労統計は、定期的に標本の入替えとベンチマーク更新を行っております。その際、生じたギャップを遡及して補正するという取扱いを従来してまいりました。  二〇一五年の一月時点でも、標本入替え時に同様なギャップについて補正を行うということを行いましたが、これが利用者にとっては分かりづらいという御指摘があり、その当時の検討会が立ち上がったというふうに理解をしております。その際、国民にとって分かりやすく信頼性の高い統計を作成するということから、様々な観点から参集者を募り、検討会で議論したところでございます。  それで、検討会ではギャップ補正に関して様々な御意見があったことは事実でございます。それで、ベンチマーク更新については三角修正を行い、賃金指数等については変更するとしましたが、一方で、過去の増減率については変更しないというふうに整理したところでございます。その後は、議論の場が統計委員会に移り、厚労省が遡及改定しないという判断に至ったというふうに承知しているところでございます。  以上です。
  255. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 これ、検討会の専門家の皆さんとしては、せっかく専門家で議論し、結論を出されていたのに、それが後に厚生労働省でひっくり返ったということについて疑問を持たれなかったんでしょうか。  九月四日付け、阿部座長、メールの提出をいただきました。そこに、手計氏とのやり取りで、現在、検討会での集計結果等については官邸関係者に説明をしている段階でありますという内容で送られてきたと。違和感を持たれなかったんでしょうか。検討会で検討しているのに、なぜそれについて官邸関係者に説明をしていると。関係ねえだろうと思われませんでしたか。
  256. 阿部正浩

    ○参考人(阿部正浩君) お答えいたします。  九月四日の時点は、私、当時、大学の合宿に、ゼミの合宿に行っておりまして、実はそのメール読んでおりません。それで返事もしていないと思います。ずっとこの間、報道等で関係者のお話ですとか官邸の関与といったことはありますが、当時はそういった認識は全く持っておりませんでした。  以上です。
  257. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 阿部座長、失礼ながら、厚生労働省との大事なやり取りで検討会の立場で御覧になっていなかった、見ておられなかったというのは、ちょっと驚きの逆に答弁です。ちょっと関係者としての責任がどうなのかなと思わざるを得ませんが。  そうしたら、その後の九月十四日付け、同じく手計氏からのメールに、委員以外の関係者と調整をしている中で、サンプルの入替え方法について、部分入替え方式で行うべきとの意見が出てきた、これも関知されなかったんですか。
  258. 阿部正浩

    ○参考人(阿部正浩君) その関係者が具体的に誰を指しているのか、メールでは分かりかねましたし、その後のやり取りの中でも具体的にどなたかという名前は出ておりませんので、関知しておりません。  以上です。
  259. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 これも少し私、個人的にびっくりした、阿部先生、答弁です。  当時、検討会として大事なミッションを受けておられて、その検討で結論を出されようとされていた、その大切な経緯について関知しておられなかったということで、逆に検討会そのものの位置付け、お役目が、ちょっと疑義を挟まざるを得ない状況になるかもしれませんが、今日答弁いただきましたことには感謝申し上げたいと思いますが。  重ねて、その後いろんな曲折があって、結局ベンチマーク更新時に遡及改定をしないということが決まった。  委員会に統一見解を厚労省と総務省で出していただいております。これもお手元に資料として配っておりますが、北村委員長代理に是非確認をしたいんです。この厚生労働省と総務省の統一見解文書においては、結局、このベンチマーク更新時に遡及改定をしないということは、統計委員会の指摘や答申に沿った対応であるという結論が我々に説明をされております。  ただ、これ北村さんもよく御存じのとおり、過去にこのベンチマーク更新時の遡及改定をしないということについて、昨年の一月以前に一体統計委員会として正式、公式にちゃんと議論をされたのか、検討をされて結論を出されたのか、私よく分からないんですが、北村委員長代理、それ、統計委員会として正式に議論をされ、結論出されていたんでしょうか。
  260. 北村行伸

    ○参考人(北村行伸君) 私、平成二十七年以降、毎月勤労統計の担当をしておりまして、その中で、二十八年に統計委員会新旧データ接続検討ワーキンググループというのがございまして、その中でベンチマーク更新についての接続についての議論は一応いたしております。それはただ、毎月勤労統計を含むローテーションが入ってくるような統計について全般的な議論をしたということですけど。
  261. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 それはあくまで全般的な議論で、かつベンチマーク更新の具体的な議論はなされなかったと理解しておりますが、違いますかね。
  262. 北村行伸

    ○参考人(北村行伸君) 質問をちょっと今聞き逃して……
  263. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) じゃ、もう一度、石橋さん、質問してください。
  264. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 委員長代理、是非、当時、先ほど触れられたワーキングもそうですが、あくまでこれ一般的な議論であって、かつベンチマーク更新時に遡及改定しないということは特に判断されていないんじゃないですか。
  265. 北村行伸

    ○参考人(北村行伸君) もちろん、遡及改定はしないという議論はしておりませんが、するという議論もしなかったということです。
  266. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 結論出していないんです。つまり、統計委員会としてちゃんとした議論していなければ、結論も出していないんです、毎勤統計の話については。にもかかわらず、総務省、厚労省は我々委員会に対して、統計委員会の、これ、あたかもお墨付きをもらったような統一見解を出されている。これ、大問題じゃないですか。全く説明できていないじゃないですか。統計委員会は議論していないと、結論出していないと言っている。あたかもこの統一見解で統計委員会からお墨付きをもらったような、それはあくまで八月、去年の八月にもうやっちゃったからしようがないなと統計委員会が言われた、それだけの話でしょう。  それで、あたかも事前にお墨付きをもらったような統一見解、これ、成り立たないと思いますが、厚労大臣、違いますか。
  267. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) まず、この問題は、基本的には、ローテーションサンプリングというのは統計委員会の、統計委員会の判断の結果ですよ。それから、統計委員会では、サンプル数入替えの議論が、ローテーションサンプリング議論が中心であったと私も聞いております。  そして、それが中心だったのに、なぜ統一見解にしたか。統計委員会では、ウエート更新も課題の一つとされておりました。そして、我々は、元々この問題というのは、部分入替え方式と、それとウエート付け、これは一体のものとして考えておりましたので、これは厚生省の認識として示しております。  それから、まさに委員がおっしゃったように、三十年八月に統計委員会が、新旧ギャップについては新旧計数をそのまま接続すると、こう書いてある。それから、母集団の変更に伴う更新、これもここで明らかに統計委員会はしておりますので、我々は、これは標準的な考え方として統計委員会から判断をされているものであります。
  268. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 これ、ごまかしですよ、答弁、今の、大臣。それちゃんと答弁できないからごまかすなら、これ委員会に対する冒涜だと思います。事前の話をしているのに、また今、事後の話をされた。すり替え、ごまかし以外の何物でもありません。  これ、統一見解の検証を求めたいと思います。これは明らかに統計委員会、先ほど北村委員長代理のお話とそごがありますので、再度これ統一見解、出し直しを検討してください。
  269. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 理事会で検討させていただきます。
  270. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 今日、済みません、時間がないので、もう一つ、是非もう一点だけやりたいので今日これの話はここで終わりにしますが、安倍総理、聞いていただいたと思います。こんなずさんな監察委員会の結論、途中で資料も恐らく出されていない、大事な資料がひょっとすると意図的に隠蔽されていたかもしれないことも含めて、これ、改めて、監察委員会報告、話にならないと思います。全面的にスクラップにしてやり直すことを重ねて要求しておきたいというふうに思います。答弁求めません。  最後、もう一回、残りの時間で、前回の予算委員会で、総理おられませんでしたが、柴山文科大臣、留学生の不正問題について取り上げさせていただきました。  今日、お手元に実は、皆さん、週末にテレビを御覧になったかもしれません。そのうちの一つ、東京福祉大学で、深刻な、重大な不正問題、消えた留学生問題が発覚をしております。相当数の留学生が所在不明で除籍処分になっています。  お手元の資料九、ごく一部ですが、これが実態です。これ、昨年の八月ですが、お分かりになりますね。所在不明、所在不明、所在不明で、これだけの除籍になっています。  その次の資料の十、御覧ください。  過去三年間で何と千三百人以上の留学生が、これ全部研究生ですけれども、行方知れずです。除籍になっています。退学四百人以上です。  柴山大臣、これはとんでもない事態だとお思いになりませんか。即刻調査を指示していただきたい。
  271. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) 前回の予算委員会の後、東北福祉大学で留学生が……(発言する者あり)あっ、東京福祉大学で留学生が急増し、大量の所在不明者が発生したという報道があったことは、当然承知をしております。  私ども文部科学省では、各大学等に発出した通知に基づいて、この東京福祉大学からも外国人留学生の退学者、除籍者、所在不明者の発生に関する報告を毎月受けているところなんですが、平成二十九年度については、今委員から出されていた資料とは異なり、退学者数百九十三名、除籍者四百九十五名、所在不明者ゼロ名の計六百八十八名と報告を受けておりました。今の資料とはそごがあります。  それで、同大学に対しましては、除籍者等の事由、留学者の履修や出席の状況、教育施設・設備の状況等について追加で調査を行っており、その実態把握に努めているほか、文部科学省、法務省双方で把握している情報について情報共有を行い、早急に実地調査を行ってまいります。
  272. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 時間が来ております。
  273. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 はい。  これは是非委員会に報告をいただきたいというふうに思いますし、総理、答弁求めませんが、これ、総理の責任においてしっかりと、法務大臣にも含めて指示をお願いしたい。そのことを最後にお願いをして、今うなずいていただきましたので、確認をして、今日の質問、終わりにさせていただきます。  ありがとうございました。
  274. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 以上で石橋通宏君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  275. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 次に、川田龍平君の質疑を行います。川田龍平君。
  276. 川田龍平

    ○川田龍平君 立憲民主党の川田龍平です。  まず、先ほどの石橋議員が質問した毎月勤労統計問題について一点お伺いします。  昨年の障害者雇用率の水増し問題、また裁量労働制のデータ改ざんなど、また、それから、この毎月勤労統計問題などを受けて、総務省が一昨年に続きこの基幹統計一斉点検をした結果、調査すべきものをしていなかった、調査方法を勝手に変えた、挙げ句の果てにはこの調査の仕方まで、そのものまで間違っていたという、もうこれぼろぼろですよ。国の統計というのは、全ての国家予算、その配分を決定する基になる最も重要なデータの一つです。  一番大事なのは、各省庁が、これ十年前から気が付いていたにもかかわらず、見て見ぬふりをして先送りをしたことで問題を悪化させたことです。事なかれ主義で危険を隠蔽し、多くの被害を出した薬害エイズのときと全く同じです。  総理、この構造、今の政権で終わらせられないということでこれよろしいですね。終わらせられるなら、これ具体的な再発防止策をお答えください。
  277. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 毎月勤労統計で長年にわたって誤った処理が続けられ、それを見抜けなかったことや、この事案を受けて緊急に行った基幹統計の点検で手順の誤り等の問題が発覚したことについては、重く受け止めています。今回のような事態が二度と生じないよう徹底して検証調査を行い、信頼を取り戻すことが何より重要であります。  既に統計委員会において点検検証部会を設置したところであり、各府省が所管する統計を対象に徹底した検証を行ってきたところでございますが、しっかりと我々再発防止に取り組んでいきたいと、このように思っております。
  278. 川田龍平

    ○川田龍平君 その検証調査自体がぼろを出していると。本当にこの再発防止策、全くこれ検討されていないと言っていいと思います。今までそれやってきて、解決どころか悪化しています。もう少し具体的な解決策をお願いします。
  279. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 我々、再発防止策をしっかりとやっていきたいと思います。例えば、再発防止策としては、いろいろな、監察委員会からも提言を受けていますが、幹部職員も含め職員に対する統計の基本知識の習得や意識改革の徹底、あるいはガバナンスの強化、様々に研修の強化含めてしっかりと再発防止策に取り組んでいきたいと思っております。
  280. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 点検検証部会を設置をして先月から審議を進めていただいているところでありますが、今回の不適切な措置にどのような背景があったのかについて、統計職員の業務の実態や予算、人員等のリソースの配分の状況、そしてまた調査方法等の統計業務の在り方を含めて検証を行い、そうした結果も踏まえつつ総合的な対策を講じてまいる所存でございます。
  281. 川田龍平

    ○川田龍平君 これは政権としていつまでにやるということでしょうか。
  282. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、総務省でこれは行っておりますので、総務大臣、今日は呼んでいただいていないんですね。私自身は、ちょっとこれはお答えしかねますが、急な御質問でございますので。これはしっかりと、先ほど申し上げましたように、これは検証を行い、その検証の結果も踏まえて総合的な対策を講じてまいりたいと、このように思います。  いつまでということであれば、これは総務大臣の方に、総務省の方にあらかじめ御質問いただければ答弁させていただくことができたわけでございますが、今突然の質問でございますから、いつまでということはお答えしかねるということでございます。
  283. 川田龍平

    ○川田龍平君 総理の政権のときにはできないということでよろしいですね、これ。  総理、これ一つ目の質問に関連して伺いますが、これは、私が国会議員をしている理由は、二十四年前の薬害エイズ裁判での実名公表をきっかけに、二度と同じ苦しみを味わわせないようこの国を変えるためです。あのとき、政府は自分たち原告に対し謝罪し、その後、根本大臣が政務次官時代には薬害根絶の誓いの碑というものまで建てられました。なのに、あれから二十四年間、全く構造が変わっていません。  総理、もう一度伺わせてください。  二千人が被害に遭い、七百十四人が殺されたあの薬害エイズ事件を引き起こした真の原因とは何だったのか、覚えていますでしょうか。
  284. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) あのときには、まさに厚労省の中において事実関係が隠蔽されていたわけでございます。これは、まさにその反省の上に立ってこの薬事行政等を、また厚生行政等を立て直すという誓いの下に進めてきたわけでございまして、今回の出来事も、私たちも深刻に受け止めつつ、そしてまた長年にわたってそれを見抜けなかったということについても反省しながら再発防止に全力を傾けていきたいと、このように考えております。
  285. 川田龍平

    ○川田龍平君 全く信用ならないですよ。総理、薬害エイズを起こした最大の原因、今おっしゃったように、政府による情報隠蔽、そして不作為の罪なんですよ。そして、その構造は今も全く変わっていない。この情報隠蔽の構造は雇用統計の改ざん問題にとどまりません。もっと国民の命に関わる分野にまで及んでいます。  虫の神経を狂わせるネオニコチノイド系農薬、これは日本を含む世界各地で蜜蜂の大量死を引き起こしたり、発達期の行動に異常を起こすなどの論文が発表され、世界中で問題視されています。この農薬は、浸透性のため、野菜を洗っても洗い流せず体内に入ってしまうことから、人への影響を懸念して、韓国とオランダは二〇一四年に、ブラジルは二〇一五年、フランスと台湾は二〇一六年に使用を禁止し、EUでも昨年、ネオニコチノイド系農薬三種類の屋外使用が禁止されています。  ところが、日本政府は、国外に輸出する作物だけは相手国の基準に合わせて厳しくし、国内で国民が食べる作物に掛ける基準は緩めています。例えば、イチゴに掛けるネオニコチノイド農薬はEUの六十倍、ブドウは十倍、お茶に至っては六百倍も掛けさせ、その上、今度はドローンによる大量空中散布まで許可しようとしています。  また、昨年八月に、米国では、グリホサート農薬でがんになったとして農薬メーカーを提訴した男性に日本円で約三百二十億円の支払を命じた判決が大きな話題になりました。  先月も、ワシントン大学の研究チームがグリホサートにさらされると発がんリスクが四一%増えるという調査結果を発表し、WHO、国際がん研究機関が人体にとって恐らく発がん性があるカテゴリーに分類したこのグリホサート農薬を日本は、ネオニコチノイド農薬とともに使用基準を二〇一七年十二月に大幅に緩和しています。  この農業の使用基準というのは、それを食べる国民だけではなく、それを使用しなければならない農家の人々の命にも関わる極めて重要な問題です。薬や食品など国民の命に関わる分野に関しては、薬害エイズのときのように何かあってから対処するのではなく、取り返しが付きません。  EUを始め多くの国々が取っている予防原則に沿って進めるべきと考えますが、農林水産大臣のお考えと担当部局の見解を伺います。
  286. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) ネオニコチノイドの件につきまして、まず答弁を申し上げさせていただきます。  この農薬につきましては、防除の効果があり、かつ人の健康や環境に対して安全と認められたものだけを登録をいたしまして使用できるようにすることが最も重要であると考えております。  昨年成立いたしました改正農薬取締法に基づきまして、農薬の安全性を一層向上させるため、全ての農薬について、蜜蜂への今御指摘もございましたが、影響評価の充実を図った上で最新の科学に基づいて再評価を行うことといたしております。  ネオニコチノイド系の農薬につきましては、使用量が比較的多いことから優先的に再評価を行うことといたしておりまして、その結果に応じて、必要な場合には登録の見直しなど適切な対応を講じていく考えであります。
  287. 川田龍平

    ○川田龍平君 これはもう予防原則にのっとってやるべきと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
  288. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 予防原則にのっとってということはもちろんでありまするけれども、今申し上げましたように、この御指摘をいただきましたネオニコチノイド系の農薬につきましては、今使用量が比較的多いことなどから優先的に再評価を今行うことといたしておりますので、登録の見直しなど適切な対応も必要な場合に応じて講じていくことと考えております。
  289. 川田龍平

    ○川田龍平君 それでは、いつまでにやるという予定でしょうか。
  290. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 再評価の実施に当たりましては、登録から長期間を経過をしている農薬につきましては、新規の登録と同様、メーカーによる様々な試験の実施が必要になるために、これには約二年程度の期間が必要であると見込まれております。再評価の時期に関しましては、二〇二一年度からとしているところでもございます。
  291. 川田龍平

    ○川田龍平君 いや、二年も待てないですよ。一日も早く、これ予防原則にのっとって、今疑わしきは使わないということも進めなければいけないと私は思います。  もう一つ、遺伝子組換えより更に進んだ、農作物の遺伝子そのものに手を加え、容易に遺伝子を改変できるようになったゲノム編集について、今朝のNHKのニュースでもやっておりました。ここでも同様の問題があります。  これは出たばかりの新しい技術で、今後人体にどのような影響が出るか未知数のため、EU諸国やアメリカでも、これは有機認証委員会は遺伝子組換えと同じ規制を掛けるべきという立場を取っています。ところが、日本の環境省はまたもや逆の立場を取り、規制はしないという方針を打ち出しています。  薬と同じで、またどんな影響が出るか分からないものは野放しするのではなく、予防原則、予防的方策に沿って規制するのが国民の命を守る国の役目ではないでしょうか。少なくとも、ゲノム編集技術を使用しているという表示をするなど何らかの規制をすべきと考えますが、農林水産省、厚生労働省、環境省の見解をお聞かせください。
  292. 正田寛

    ○政府参考人(正田寛君) お答え申し上げます。  環境省におきましては、生物多様性保全を所管する立場から、ゲノム編集技術により得られた生物につきまして、遺伝子組換え生物の使用を規制しておりますカルタヘナ法上の取扱いを整理をしてきたところでございます。  その中で、細胞外で加工された核酸を組み込む遺伝子組換え生物につきましては、生物多様性保全上の観点から、カルタヘナ法で使用に際しての拡散防止措置や生物多様性影響の評価を義務付けることとしてございます。  近年、技術の革新が著しいゲノム編集技術の利用により得られた生物につきましては、同法等の規制等の整理が必要だったところでございまして、中央環境審議会の下で検討を進めて、本年二月に取扱いに関する通知を発出したところでございます。  この通知におきましては、法の対象となるもの、すなわち細胞外で加工した核酸を組み込むものかどうかにつきまして、この範囲を明らかにした上で、知見の蓄積と状況の把握のため、ゲノム編集技術で得られた生物のうち法の対象外とされたものにつきましても、ゲノム編集の方法や生物多様性影響に関する考察等について使用者等に情報提供を求めまして、国が作出経緯を把握することとしております。  本取扱いが適切に実施されますよう、現在、関係省庁において生物種や用途に応じたより具体的な対応が検討されているところでございまして、環境省におきましても、広く周知するとともに、知見の蓄積と状況の把握に努めてまいります。
  293. 池田一樹

    ○政府参考人(池田一樹君) お答えいたします。  ゲノム編集技術を用いた生物については、生物多様性影響の観点から環境省の中央環境審議会で議論され、遺伝子組換えに当たらない場合は、使用に先立ち生物多様性への影響の可能性などを国で把握、公表することとされたものと承知しております。  農林水産省といたしましては、生物多様性影響についてのカルタヘナ法を所管する省庁の一つといたしまして、農林水産分野での利用に当たりまして、生物多様性への影響の可能性などを把握するための情報の内容や具体的な提供の手続を検討するなど、環境省と連携をいたしまして適切な管理に向けて対応してまいりたいと考えてございます。
  294. 宮嵜雅則

    ○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。  厚生労働省におきましては、ゲノム編集技術を利用して得られた食品につきまして、現在、薬事・食品衛生審議会の部会において食品衛生法上の規制の取扱いを検討しています。  部会の報告書案については、本年一月から二月にかけてパブリックコメントを実施し、その結果も踏まえて本日開催されております部会において議論をいただいているところでございます。  検討している取扱いの案では、従来の品種改良技術を用いた食品と比べた安全性等の観点から、ゲノム編集食品のうち、自然界又は従来の品種改良技術でも起こり得る範囲の遺伝子変化により得られるものは、安全性審査を義務付けることまではせず、食品の開発者等からの届出を求め公表する、それから、自然界又は従来の品種改良技術を超える遺伝子変化により得られるものは基本的に安全性審査の対象とすることとしております。  人体への影響につきましては、このようなことから、従来と同様の安全性が確保されたものが流通することになります。  厚生労働省としては、引き続き、科学的知見に基づいて食品の安全性が確保されるよう、適切に取り組んでまいります。    〔委員長退席、理事山下雄平君着席〕
  295. 川田龍平

    ○川田龍平君 遺伝子組換え食品と違い、遺伝子そのものに人工的に手を入れるゲノム編集、これは影響がまだ未知数です。今までの、従来と同様というのは、何を根拠にこれは言っているのでしょうか。ゲノム編集がされたものがほかの自然のものと同じというのは、予防的方策として抜け落ちていると考えています。  現実問題として、アメリカではゲノム大豆が作られ出荷されて、アメリカ中西部では既に使われていることが分かってきていますが、日本に入ってきているかもしれません。これについて何か把握されていますでしょうか。
  296. 宮嵜雅則

    ○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。  米国において、最近、ゲノム編集技術を利用して得られた大豆から油を製造し、米国内で販売を開始した企業があることは承知しておりますが、これが既に日本向けに輸出されているという情報は把握しておりません。  先ほども申し上げましたが、我が国においては、ゲノム編集技術を利用して得られた食品についての食品衛生法上の取扱いについては、今月中にその方向性を明確化すべく、薬事・食品衛生審議会で検討いただいているところでございます。
  297. 川田龍平

    ○川田龍平君 これ、届出をすればそれで済むという問題ではなくて、届出をしなくても何の罰則もない。そして、これは届出をされたとしても、隣で作物を作っている人がもし使っていたとしても、それは隣の人も分からないと。本当に、このゲノム編集のされた作物というのも、それも見分けも付けない中で、これは、総理、このゲノム編集された食品についてどう考えるでしょうか。
  298. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国民の健康を守るために、安全性が確保された食品でなければ流通は許されないとすることが食品行政上の大原則であります。  ゲノム編集技術を利用した食品の取扱いについては、これまでも各般の取組や検討を行ってきておりますが、今後とも、最新の科学的知見に基づき適切に対応することにより、国民の食の安全に万全を期してまいりたいと考えております。
  299. 川田龍平

    ○川田龍平君 では、国民は、この人体にどういう影響が出るかはまだ分からないものと通常の食品のどちらを選ぶかの選択肢も与えられないということでしょうか。何を食べるか選ぶ選択肢は、食に関する国民の権利です。これも薬や農薬の問題と同じで、国民の命を守るためには徹底した情報公開と予防原則が不可欠です。  消費者が食べるものを選択する権利と予防原則の関係について、消費者庁はどう考えているのでしょうか。
  300. 橋本次郎

    ○政府参考人(橋本次郎君) お答えいたします。  ゲノム編集技術を用いた食品につきましては、現在、厚生労働省において食品衛生上の取扱いに関する検討がされていると承知しているところでございます。  消費者庁におきましては、関係省庁と連携しつつ、流通可能性等について情報収集に努めておりまして、今後、厚生労働省において明確化される食品衛生上の取扱いを踏まえ、表示制度についての必要な取組を検討いたしたいと考えているところでございます。
  301. 川田龍平

    ○川田龍平君 結局、このゲノム編集された食品というのももう既に入ってきているかもしれないと。本当にそれが分からない中で、この対応が大変遅いと思います。  私は、薬害エイズのときもそうでしたけれども、農薬についてもゲノム編集された作物についても、ほかの国で規制されているものが日本だけが規制されていないということにより流入されることが、おそれがあると思っています。私は、農薬の問題もこのゲノム編集の問題も、やはり原則、これは予防的な原則に立ってしっかり対策を取っていただきたいと思っています。    〔理事山下雄平君退席、委員長着席〕  次に、質問いたします。  二〇一二年六月二十七日、東日本大震災を受けて、被災した子供たちと妊婦を守るための議員立法、子ども・被災者支援法が全党一致で可決、成立しました。健康被害が出たときに、裁判をしなくても国に補償されるように、私もこの法案の成立に携わった議員の一人でした。しかしながら、あれから七年たった今、この法律は機能していません。この法律は忘れ去られ、後回しにされ、今もこの国が非常事態下にあるにもかかわらず、今も続く被災者たちの苦しみをなかったようにされています。  総理に伺います。  毎年三月十一日に行われていた東日本大震災に関する記者会見を二〇一七年からやめてしまった理由は何ででしょうか。
  302. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 東北の復興なくして日本の再生はなしというのが安倍内閣の基本方針でありまして、この思いは全く変わっていないわけであります。  発災から丸八年を迎えましたが、これからの大きな課題は震災を決して風化させてはならないということでありまして、これまで四十回にわたり被災地に伺ってまいりましたが、その思いの下、近年は、毎年三月十一日前後に岩手や福島など被災地に実際に足を運んで、被災された方々へのお見舞いを申し上げますとともに、復興が進む現地の姿と政府の取組を全国に発信するように心掛けてきているところでございまして、その前後において被災地において取材を受け、そしてそこから発信をしているところでございます。
  303. 川田龍平

    ○川田龍平君 そして、その被害者の実態について伺います。  東京都は、二〇一七年の三月に住宅提供が終了となった自主区域外避難者向けにアンケートを実施したところ、月収が十万円以下の世帯が二二%に、二十万円以下の世帯が過半数に上ることが明らかになりました。新潟県が行っている、原発事故に関する検証の一環として行っている調査でも、区域外避難者が経済的に困窮していることが明らかになっています。  こうした中、二〇一七年の三月に区域外避難者向けの住宅提供が打ち切られました。その後も、八割の人が避難継続を選択しています。そして、この三月、月収二十一万四千円以下の世帯を対象にした民間賃貸の家賃補助が打ち切られようとしています。  これを踏まえて質問しますが、現在、区域外避難者、何人、何世帯でしょうか。
  304. 末宗徹郎

    ○政府参考人(末宗徹郎君) お答えいたします。  県の方が民間賃貸住宅の家賃補助等を行っておりますけれども、その世帯で申し上げますと約千八百世帯、それから、国家公務員宿舎に入っておられる方が約百世帯と承知しています。
  305. 川田龍平

    ○川田龍平君 避難者に寄り添うと言っていながら、全く寄り添っていないんですよ。沖縄の県民投票についての答弁でも、真摯に受け止めるという言葉もそうですが、全く言葉と行動が伴っていません。  本日、籠池夫妻が傍聴に来ていますが、総理も高く評価していたお二人に対して、また森友問題に対して述べることはありますでしょうか。
  306. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 森友学園への国有地処分に関する決裁文書の改ざん等の問題については、国民の皆様の信頼を揺るがす事態になったことに対し、行政府の長としてその責任を痛感しており、国民の皆様に深くおわびを申し上げます。  真摯な反省の上に、今後とも、財務省及び国土交通省において、国民に対して、常に国民に対して丁寧に説明していくことが重要と考えているところでございます。
  307. 川田龍平

    ○川田龍平君 森友学園問題において、財務省が政治関係者の一人であった総理夫人の名前を消すために決裁文書を改ざんし、改ざんを強いられた職員が自ら命を絶ちました。  財務省の信頼、政府の信頼を失墜させただけでなく、結果的に一人の人間を自殺に追い込んでしまった。この政治的、道義的責任について、総理の見解を国民に向かってお答えください。
  308. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 既に何回か申し上げているところでございますが、先ほど御答弁したとおりでございまして、森友学園への国有地処分に関する決裁文書の改ざん等の問題については、国民の皆様の信頼を揺るがす事態になったことに対し、行政府の長としてその責任を痛感しており、国民の皆様に深くおわびを申し上げるところでございます。  真摯な反省の上に、今後とも、財務省及び国土交通省において、国民に対して丁寧に説明をしていくことが重要と考えております。
  309. 川田龍平

    ○川田龍平君 籠池夫妻と総理夫人のスリーショット写真を近畿財務局の職員に見せたことで神風が吹いたと籠池氏が証言しています。神風とは何のことでしょうか。  また、そのスリーショット写真を近畿財務局に提示して交渉した二〇一四年四月二十八日の交渉記録だけ出てきておりません。なぜこの交渉記録だけないのでしょうか。本当にないのでしょうか。  総理夫人は関係していないとなぜ言えるんでしょうか。総理夫人は名誉校長になるなど大いに森友学園に貢献したと考えますが、総理はどう捉えているんでしょうか。
  310. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) この森友学園の交渉記録につきましては、これは、押収されていた文書の写しを入手するなど捜査当局の協力を得まして、捜査当局というのは検察のことですけれども、存在が判明したものについては公表させていただいております。  今御指摘になりました平成二十六年四月二十八日につきましては、これはこれまでも答弁をさせていただいておりますので御存じのとおりだと思いますが、事務方において徹底して調べたものと、発見することはできなかったというのが現状であります。
  311. 川田龍平

    ○川田龍平君 なかったとは言わないんですよね。発見できなかったと。  総理はどう捉えているんでしょうか。
  312. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 文書の管理、保存については、各行政機関が責任を持って行っておりまして、財務省においては財務大臣から答弁したとおりでございます。
  313. 川田龍平

    ○川田龍平君 私は何度でも声を大にして申し上げます。政府が私利私欲のために情報を改ざん、隠蔽したことで、何の罪もない多くの人々が殺されていきました。薬害エイズのあの教訓、二度と同じ悲劇を繰り返さないための記念碑。いいかげんにしていただきたい。これは、安倍政権の末期などというレベルではありません。国家としての末期症状だと申し上げます。  国民の命と安全を危険にさらすようなそんな政府なら、今すぐ退陣していただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか、総理大臣。
  314. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) さきの選挙において、我々は国民から力強い御支持を得て政権を担うことになったわけでございまして、その際お約束したことをしっかりと実行していくことこそが私の責任ではないかと、こう考えているところでございます。
  315. 川田龍平

    ○川田龍平君 私も、この問題については本当に安倍総理がしっかり責任取っていただければ、このような国会でのずっと答弁というのはなかったのかなと思います。  私も、本当に、昨年の十二月三十日よりTPPが発効し、先月、二月一日からはEUとのEPAも発効したことで、海外より安い農産物や加工食品が今まで以上に入ってきています。食料の安全保障の観点はもちろんのこと、食の安全の観点から見ても問題がたくさんあります。  ほかの国を見ると、食料自給率が低下したスイスでは、二〇一七年に憲法が改正され、スイス国内の農業を守ること、食料の安全保障を明記しています。
  316. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 時間が来ておりますのでまとめてください。
  317. 川田龍平

    ○川田龍平君 フランスでも、昨年十月に、健康的で安定した食料供給に関する法律が成立し、食料主権の確保、健康に良い食品、環境を尊重する食品を奨励する、そして全ての人が平等に質の良い安定した食料供給を受けられることを目的としています。  そういった意味でも、栄養と食についてもっと質問したかったのですが、時間ですので終わります。  ありがとうございました。
  318. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 以上で川田龍平君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  319. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 次に、辰巳孝太郎君の質疑を行います。辰巳孝太郎君。
  320. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。  まず、総理にお聞きします。  今日は籠池夫妻が傍聴に来られています。総理も当初は大変教育熱心な方だと、こういうふうに天まで持ち上げておられたわけですが、一週間後にはしつこい人だと一変をされました。  総理、今の籠池さんの評価を聞かせてください。
  321. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、私は、裁判が、裁判中であるということは承知をしておりますので、論評は控えたいと思います。
  322. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 私は、裁判の中身についての評価を聞いているわけじゃないんです。かつて籠池さんは、安倍晋三記念小学院という名前まで冠してそういう小学校をつくろうとしたわけですね。そのことが今聞けないというのは非常に残念です。  森友事件が動いております。財務省が法人経営のノウハウを含んでいるとして小学校設置趣意書を黒塗りで情報開示したことは違法だと地裁が判断をいたしました。  財務大臣、何で黒塗りにして出したんですか。
  323. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) この森友学園が近畿財務局に提出した小学校設置趣意書のうち、当初は小学校名、これは開成小学校だという等々が出ていますが、一部を不開示としたことは違法であるとして争われた国家賠償請求訴訟の判決があったことは承知をしております。  平成二十五年の九月に、学校法人森友学園から取得要望書とともに近畿財務局にこの設置趣意書は提出されておるんですが、本件文書の開示に当たって、近畿財務局としては、公にすることにより学校法人の事業遂行に支障が及ぼすなど法人の正当な利益を害するおそれがあるものとして不開示情報に該当すると判断し、マスキングをした上で開示決定を行っております。その後、小学校名の名称について国会等でも議論になっていた状況の中で、森友学園の民事再生計画案が裁判所からの了承をされた後、管財人からの同意を得て開示を行っているところであります。  判決では国の主張が認められませんでしたが、判決の内容をよく精査をさせていただきます。学校、関係省庁と協議をし、今後の対応について検討させていただきます。
  324. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 いや、ですから、名前なんて隠しても経営のノウハウと全く関係ないじゃないですかと、何で隠したのかという話をしているんですね。  政府は、この森友事件に関して、まあ何でもかんでも隠蔽をしてきたわけであります。この森友事件を私は追及をしてきました。それは、政府が、第一回国会、つまり一九四七年以降、虚偽答弁、隠蔽、そして公文書改ざん、これを認めて謝罪をした、まさに前代未聞の事件であって、これは民主主義の根幹を揺るがす事件だからであります。  パネルを御覧ください。(資料提示)  森友事件はまだ終わっていないんです。終われないんです。なぜならば、真相解明に必要な重要な文書、二つだけ挙げます、これが出てきていないからであります。  一つ目は、四月の二十八日、先ほどもありましたけれども、この日に三くだり半を近畿財務局は森友学園に対して、もう契約の交渉はしないんだ、もう待てないと言ったにもかかわらず、この三日前に安倍昭恵さんとのスリーショットの写真を撮っていて、それを出した途端、本省に相談しますということになって、一か月後には協力をしますというふうに、まさに森友事件のターニングポイントになったこの日の応接録ですね、九百五十七ページの応接録は出していただきました。ところが、この日だけ、この日だけの応接録はまだ財務省は出しておりません。まだ見付かっていないということであります。  二つ目の資料は、近畿財務局と理財局とのやり取りの記録であります。これも、太田前局長は、やり取りの記録はあるということを既にもう国会で認めていただいております。この文書は一体どういう性格のものなのか。つまり、これは改ざんの経緯に関わる、そういう可能性のある文書であります。加計学園をめぐる省庁間の文書では、官邸の意向、総理の指示、あるいは安倍案件という言葉が記されていました。理財局が、近畿財務局の職員に改ざんを強要する過程で、抵抗する職員に一体どういう言葉を掛けて公文書の改ざんをさせたのか、どういう応酬があったのか、この近財と理財局との間の文書は記されている可能性があります。  二つ目のパネル、示してください。  我々が独自に入手した文書には、この文書についてどういう取扱いをするのかということが記されております。赤線で引きました。近畿財務局と理財局とのやり取りについては、最高裁まで争う覚悟で非公表とする、最高裁まで出せない文書がこのやり取りの文書であります。  総理、こういう文書、是非ちゃんと探して、出すように指示していただきたい。財務省、国交省、お願いします。
  325. 可部哲生

    ○政府参考人(可部哲生君) お答えいたします。  ただいま委員から御指摘がございました四月二十八日の交渉記録につきましては、改ざん前の決裁文書の経緯にも記載されておりましたことから、国会等におきましても強い関心を持たれると考えられましたため、特に注意をして職員からの聞き取り、個人のパソコン端末を調べ、また捜査当局の御協力も得て調査を行いましたが、記録は発見できていないところでございます。  また、委員から御指摘のございました近畿財務局と理財局とのやり取りの記録につきましては、先般も申し上げさせていただきましたけれども、行政機関内部のやり取りであり、率直な意見交換や議論が妨げられ、今後の意思決定に支障が生ずる可能性もあることから、情報公開法の考え方も踏まえて提出は控えさせていただいているところでございます。  最後に、パネルで御指摘をいただいた文書につきましては、当方では作成をしておりませんので、これにつきましてはお答えすることは難しいということでございます。
  326. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 改ざんの経緯を国会できちんと調査をする。我々、それ知る権利があるんですよ。それを出さないということは、まだ改ざんの反省、全くしていないということを言わなければなりません。  次のパネルをお願いします。  統計問題を聞いていきたいと思います。  今日は北村委員長代理が、統計委員会の委員長代理が来ていただいております。この五人の連名で出された意見書ですけれども、非常に厳しい意見が並んでおります。監察委員会の追加報告書には……
  327. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 辰巳さん、質問中なんですが、お二人、樋口さんと萩尾さんは御退席いただいてもいいですか。
  328. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 はい、結構です。
  329. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) じゃ、両参考人はお時間が来ておりますので、御退席いただいて結構でございます。どうも御苦労さまでした。
  330. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 監察委員会追加報告書は、一般に、復元がなされていれば統計学的に問題がないと書かれている、中略いたしまして、抽出調査に変更されていたとしても、適切な復元処理がなされていれば、統計としての精度は調査計画の範囲内に収まると考えられるという叙述がある、しかしこれは一般的に正しくない、抽出調査を行った場合、単に抽出率の逆数を乗じて集計すれば適切な復元ができるわけではないという記述があります。  つまり、報告書にある適切な復元というのは、これはあり得ないんだというふうに厳しく指摘をされているのではないかなというふうに思うんですね。  さらに、昨年の一月に、当事者がどういう統計技術的、学術的理由の下に不適切処理を始め、それを継続したのか、あるいは総務省統計委員会に隠して復元処理を始めたのかについての分析も評価もなく、再発防止を考える際に必要な情報が著しく不足していると、こうあるんですね。  北村委員長代理にお聞きしたいんですが、今回の追加報告書では、一応、再発防止どうするかということも書かれてあるんですよ。委員長代理おっしゃるのは、ここに示されている再発防止策は、結局これも調査が不十分である以上、実効性のあるものにはならないと、こういうことになるんじゃないですか。
  331. 北村行伸

    ○参考人(北村行伸君) お答えいたします。  再発防止策はいろんなレベルで考える必要があると思うんですけれども、統計委員会としては統計技術的な問題から御意見を述べさせていただいているということで、とりわけ重要だと思いましたのは、過去の資料、プログラムその他を保存しておくこと、それがされていないわけですから、そういうことが絶対起こらないような仕組みをつくっていただきたいということと、それから、学界では研究不正があった場合には第三者がチェックするような仕組みがあるわけですけれども、同様の仕組みを役所の統計にも導入したらどうかということを考えました。
  332. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 要するに実効性がないということだと思うんですね。  統計問題の焦点の一つは、統計手法変更に官邸の関与、影響があったのかどうかであります。  二〇一五年の三月に、総理秘書官から毎月勤労統計の手法について、過去の伸び率が変わらないよう専門家に聞いたらどうかなどの問題意識が伝えられて、その年の六月から検討会が開始をいたしました。六回まで開かれました。  検討会では、第五回までは、総理秘書官が言う部分入替え方式は採用しないが、過去の数字も変えない方法でいく方針だった。しかし、突如、第六回の検討会が開かれる二日前に、姉崎部長は総理秘書官から手法変更の示唆を再度受けて、その日に総入替えから部分入替えも検討するという文言に結論が変わって、六回で最終報告となるはずのものが中間的整理と変更されました。検討会はそれ以降開催されずに、その後、総理がトップの経済財政諮問会議、統計委員会などの議論を経て、総理秘書官の示唆どおりの手法に変更をされました。姉崎氏は、部分入替えは私が元々考えていたことなんですと言って、官邸の関与や影響を否定しております。  姉崎元部長に確認しますけれども、イエスかノーか、簡潔でお願いします。  九月の十四日、あなたは昼の早い段階で中江総理秘書官と会い、三月と同じ問題意識、つまり総入替えでなく部分入替えにしてはどうかと示唆をされました。しかし、それで結論部分を変えたのではなく、既に自分は九月の十一日か十四日のどちらかに手計課長補佐に指示をして、課長補佐は十四日の朝に姉崎さんから変更を示唆されたんだと供述している。イエスかノーかで簡潔にお願いします。
  333. 姉崎猛

    ○参考人(姉崎猛君) お答えいたします。  基本的に今委員がおっしゃったとおりかと思います。
  334. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 そうしますと、大変不可解なことがあるんです。  二月二十二日の衆議院でのやり取りで、小川淳也委員から同じ質問を実は受けているんですね。いつ指示を受けたのかと聞かれて、課長補佐は、政策統括官藤澤さんはその課長補佐に聞いたと、そしてその課長補佐はこう言ったというんです。普通であれば指示を受けたのは担当補佐だと思われますけれども、その担当補佐に藤澤さんが確認したところ、十一日又は十四日の何時頃に指示を受けたかについては記憶がない、また、その指示の理由とかあるいは自分がどのように受け止めたかについても記憶にない、そういうふうに申しております、こう答弁しているんですね。  ところが、三日後の二月二十五日月曜日には答弁がこう変わります。担当補佐によると、九月十四日の朝、当時の統計情報部長から、第六回検討会の提出資料に関し、サンプル入替え方法については引き続き検討することなどの修正指示を受けたとのことでございます。  答弁、土日を挟んで変わっているんです。何で変わったんですか。
  335. 藤澤勝博

    ○政府参考人(藤澤勝博君) 御指摘の点でございますけれども、私が当時の担当補佐に確認をいたしましたところ、四年前のことであり記憶が定かでないが、口頭で、私、これは担当補佐のことでございますけれども、直接指示があったのではないかとのことでございました。  また、その指示があった日付についても今御質問ございましたけれども、もし十一日の、これは九月の十一日の金曜日に指示があれば土日に作業していると思われるので、恐らく十四日月曜日の朝だと思う、十四日の朝に指示を受けたのだと思うというふうに本人から確認をしたところでございます。
  336. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 何で朝だと分かるんですか。
  337. 藤澤勝博

    ○政府参考人(藤澤勝博君) それは、今申し上げましたけれども、当時の担当補佐に確認をいたしましたところ、恐らく十四日、九月十四日月曜日の朝だと思うというふうに本人が申していることを私の責任で委員会で答弁を申し上げたところでございます。
  338. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 いや、ですから、初めは記憶がないと言っておいて、週を明けたら朝だと思うと、十四日の朝だと思う、おかしいでしょう。何で朝だという根拠、その根拠を示してください。聞きましたか、藤澤さん、何で朝だとあなたは思うのか、聞いたんですか。
  339. 藤澤勝博

    ○政府参考人(藤澤勝博君) ちょっと二月の委員会のそのやり取り、ちょっと、済みません、にわかには思い出せませんけれども、事前に衆議院の予算委員会の委員の方から御通告をいただいて、それで当時の担当補佐本人に確認をして、そういうふうに申しておりましたので、私の責任で二月の衆議院の予算委員会でそのように答弁をしたものだと思います。
  340. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 普通おかしいでしょう。記憶がないと言っているのに、二日たったら、いや、それは十四日の朝ですと。何で朝だと思うんだ、なぜそれを聞かないんですか。  これ、都合よく答弁変えているんじゃないですか。結局官邸の関与を躍起になって否定するために事実を都合よくころころ変えているということじゃないですか。  手計元課長補佐、姉崎元部長の証人喚問を求めたいと思います。委員長、お願いします。
  341. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 後刻理事会で協議をさせていただきます。
  342. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 手計課長補佐は、各委員に、第五回で出された意見を基に修正していった報告書案を各委員にメールで送り、それに意見を返してもらって報告書案を直していきました。そして、十四日、最終案ができ上がる過程でファイルが二つ存在するということが分かりました。十四時一分に保存されたものと二十二時三十三分に保存されたものであります。  十四日の十四時一分に保存されたファイルでありますけれども、結論は総入替え、文書名は中間的整理ではなく報告書のままであります。  双方比較をいたしました。十四時一分までのファイルで委員からの意見を踏まえた文書の修正は終わっているんです。つまり、結論部分を変えたのは十四時一分以降ということなんですね。  姉崎さんからの指示は、朝ではなくて、昼の早い時間に中江総理秘書官と会って、戻ってからのものなんじゃないんですか。中江氏の要求で結論部分を百八十度変えて、報告書のタイトルも中間的整理としたと、そういうことなんじゃないんですか。姉崎さん、どうですか。
  343. 姉崎猛

    ○参考人(姉崎猛君) お答えをいたします。  私が覚えている限りでは、私は、九月の十一日の金曜日か十四日の午前中に補佐に指示をしたと、こういうことでございます。
  344. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 時系列から見たら、そうはなっていないでしょう。そうなっていないじゃないですか。十四日の朝に課長補佐に指示をした、課長補佐は指示受けたと、その話も全く根拠がないじゃないですか。  これ、十四日に、結局、中江氏の意見を昼の早い段階に姉崎さんが聞いて、これを訂正をしたと。訂正を昼、その後に訂正をしたということになるんじゃないですか。これを否定できますか、姉崎さん。
  345. 姉崎猛

    ○参考人(姉崎猛君) お答えをいたします。  私は、九月の十四日に、まあ昼の早い段階で総理秘書官のところに六月のボーナス等の状況について御説明に行きまして、そのときに検討会にも触れましたので、総理秘書官からは、コストの問題よりは経済の実態をタイムリーに表すという観点から部分入替え方式みたいなのもあるんではないのかというコメントをいただきましたけれども、私はその総理秘書官からコメントをする前に部下に指示をしたと、こういうことでございます。
  346. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 だから、それが全く根拠がないわけですよ。結局、否定できないということですね。中江さんに会ってから指示をした、否定できないでしょう。
  347. 姉崎猛

    ○参考人(姉崎猛君) お答えをいたします。  繰り返しで恐縮ですけれども、私は十一日か十四日の午前中に指示をさせていただきました。
  348. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 それでは、確認したいと思うんですけれども、姉崎さんは元々十一月に未諮問基幹統計の確認がその年に行われると、年末に行われるということを知っていたので、この検討会で結論を出してしまうことは非常にリスキーだと、そこで確認してもらいたいということで中間的整理にしたと、こういう話だったと思います。  姉崎さん、この未諮問基幹統計の確認がその年に行われることを知ったのはいつなんですか。
  349. 姉崎猛

    ○参考人(姉崎猛君) お答えをいたします。  私の記憶では、統計委員会の基本部会というのがございまして、平成二十六年、前の年の平成二十六年の十一月か十二月に決まっていたというふうに思います。
  350. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 つまり、元々知っていたわけですね。  では、第五回の検討会でこの結論部分、あるいは報告書、もう第六回で終わるんだと、なぜそういう報告書案を作成されて第五回の検討会に提出をされたんですか。
  351. 姉崎猛

    ○参考人(姉崎猛君) お答えをいたします。  第五回は八月ですけれども、第四回目までの議論を踏まえて、議論のたたき台ということで、素案ということで、八月は報告書を出させていただきました。
  352. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 質問に答えていただきたいんです。  あなたはその年に未諮問基幹の確認作業があるということを知っていたからこそ中間報告にしたんでしょう、中間的整理にしたんでしょう。何で第五回までで、それがあるということを知っていながら、あなたは第六回で終わりだと、最終報告だと、そういう報告案をなぜ作ったのかということを聞いているんです。質問に答えてください。
  353. 姉崎猛

    ○参考人(姉崎猛君) お答えをいたします。  この検討会につきましては、有識者の方を集めて、一応一定の結論というか、考え方を整理をしようというふうに最初思っていたのですけれども、ただ、やはり統計委員会のことを考えると、決め打ちでもしも結論を出してしまったときに、統計委員会の委員の皆様方との考え方ともしも全く違っていたりするとまずいなということは、それはずっと前から考えておりまして、それで、そこはずっと考えながらやっていて、それで最終的に私の指示がすごく遅くなってしまったという、そういうことでございます。(発言する者あり)
  354. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  355. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
  356. 姉崎猛

    ○参考人(姉崎猛君) お答えをいたします。  第六回目で中間的整理をしましたのは、まさに委員が先ほど御指摘をされておりましたけれども、同年十一月以降に統計委員会で未諮問基幹統計の確認作業というのが控えていたものですから、その統計委員会の委員の意見を聞く前に断定的な結論を出すのはリスキーではないかというふうに考えて、六回目で結論としてサンプル入替え方法については引き続き検討する、そういうような結論にさせていただいたということでございます。
  357. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 ですから、あなた、未諮問基幹の作業は前年から分かっていたんでしょう。何で第五回で結論得て、そしてもう第六回で終わりということに元々したんですかと聞いているんです。質問に答えてください。
  358. 姉崎猛

    ○参考人(姉崎猛君) お答えをいたします。  第六回目では中間的な整理ということで、終わらせたわけではなくて、その後、その十一月以降に統計委員会に報告するというふうになっておりましたので、そこで報告をした上で、統計委員会の委員の意見、感触をつかんだ上で、年明け以降にまた検討会を開催をして結論的なことをしていこうというふうに考えていたわけでございます。(発言する者あり)
  359. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  360. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
  361. 姉崎猛

    ○参考人(姉崎猛君) お答えをいたしますけれども、第五回で終わりというか、そういうことは考えていなかったんですけれども……(発言する者あり)そういうことではなかったと思いますけれども。(発言する者あり)  ですから、今までも答弁させていただいておりますけれども、この検討会では、第四回目まではそのサンプル入替えの方式の在り方については議論が相対的に少なくて、それで、そのサンプルの、新旧サンプルの遡及改定につきましては、利用者の分かりやすさ、そういうような観点から、何というか、あえて手間を掛けてまで部分入替え方式にするよりも、まあ総入替え方式を維持するということがいいかなということで、そうした素案のたたき台を五回目では出させていただいたと。
  362. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 もう全く答弁になっていないですね。ちょっと時間の無駄になりましたので。  今日は、阿部座長に来ていただきました。  阿部座長は、報道によりますと、この第六回の検討会の直前に厚生労働省の職員とやり取りをして、当日はフリーハンドを与えてほしいと、こう言われたとあります。これ、どういう意味ですか。どういうふうに座長は受け取りましたか。
  363. 阿部正浩

    ○参考人(阿部正浩君) フリーハンドという言葉だったかどうかは記憶がないわけですけれども、ただ、そういった言葉だったとは思います。  その意味は、今後の統計委員会をうまく議論を進めていくために、ある程度の自由裁量権を厚労省に欲しいということであったのではないかと思います。
  364. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 辰巳君、時間来ています。
  365. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 これ、結局、姉崎さんの一存で、中江さんの示唆を受けた姉崎さんの一存で検討会が中間的整理になって、座長がいるのに検討会のフリーハンドを厚生労働省の役人に与えてほしいと、こんな話、むちゃくちゃな、一体何のための検討会かと言わなければならないと思います。
  366. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 時間が来ております。
  367. 辰巳孝太郎

    ○辰巳孝太郎君 引き続きこの問題取り上げて追及をしていきます。  ありがとうございました。
  368. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 以上で辰巳孝太郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  369. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 次に、仁比聡平君の質疑を行います。仁比聡平君。
  370. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。  政府は、辺野古でも、そして本土の各地でも、民意に背を向けて米軍基地の増強、整備を推し進めております。米軍の空母艦載機は、厚木から山口県岩国基地に移駐を完了して一年になりますが、深夜一時過ぎまであるいは夜明け前から、周辺住民がこんなはずじゃなかった、戦争でも始まったのかとたまらず声を上げる爆音を傍若無人にまき散らし、十二月には高知沖で空中給油訓練中に墜落して六人が亡くなりました。  岩国基地は、米軍オスプレイの拠点にもされ、さらにF35Bも配備され、米軍嘉手納基地とともに極東最大級の出撃拠点に変貌させられています。今政府は、その空母艦載機が空母の甲板に見立ててタッチ・アンド・ゴーを繰り返す激しい空母離発着訓練、FCLPの訓練基地を強引に鹿児島県の馬毛島に造ろうとしているわけです。まず、この問題についてお尋ねをいたします。  防衛省の資料をパネルにしましたけれども、(資料提示)御覧のとおり、馬毛島というのは、種子島から西に十二キロ、訪ねますとまさに指呼の間ですね、屋久島と三つの島で大隅諸島を構成していますが、トビウオを始めとした豊かな漁業の拠点としてにぎわい、代々の生活を支えてまいりました。希少な固有亜種のマゲシカも生息し、生物多様性の点でも貴重な宝の島です。住民の皆さんは、朝な夕な馬毛島を眺めて一日を振り返る、心のふるさとだとおっしゃっております。  ところが、政府は、八年前の二〇一一年、この島を勝手にFCLPの候補地にした。地元住民や自治体から猛反対の声が続いてまいりました。防衛大臣、地元自治体、住民の皆さんの同意、これは得られていませんね。
  371. 岩屋毅

    ○国務大臣(岩屋毅君) このFCLP、いわゆる空母艦載機の離発着訓練でございますけれども、私ども、馬毛島を候補地として検討を進めているところでございます。  本年一月に原田副大臣が、防衛副大臣が西之表市長や鹿児島県知事等とお目にかかり、現地調査の説明を行った上で、今調査を実施しているところでございます。  地元の御理解と御協力が重要であることは認識しております。引き続き丁寧に対応してまいりたいと考えております。
  372. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 説明したと、引き続き説明するというだけで、同意はつまり得られていないわけです。にもかかわらず、防衛省は、この島の九九%ほどを所有する地権者、ここにありますが、タストン・エアポート株式会社と水面下、ひそかに取得交渉を続けてきました。挙げ句、一月に突如、破格の百六十億円で仮契約という報道がされ、これ、まさに寝耳に水の話ですね。住民の怒りは爆発をしております。  今お話のあった日に、西之表市長に、仮契約ではないが、一月九日、互いに合意できている部分について確認する文書は取り交わしたと防衛省は認めておられますし、私もそう説明をされました。これ、大臣、仮契約でないというんだったら、これ、何なんですか。文書まで交わして何を合意をされたんですか。
  373. 岩屋毅

    ○国務大臣(岩屋毅君) 防衛省としては、御指摘のあった一月九日に、馬毛島の土地の大半を所有するタストン・エアポート社との間でその時点までに合意した内容を確認する文書を取り交わし、今後売買契約を正式に締結できるように今引き続き協議をしているところでございます。  協議中のことでございますから、その中身については控えさせていただきたいというふうに思います。
  374. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 いや、何でそんなことができるんですか。馬毛島を米軍機の空母離発着訓練場にするということは、これ、種子島の自然豊かで静かな生活を根底から覆すものですよ。屋久島や大隅半島、九州本土の住民の安全、安心にも重大な影響をもたらすことになります。地元の自治体の同意はないわけでしょう。同意もないのに頭越しに買収交渉を進める。今大臣おっしゃったけれども、正式に売買契約を取り交わすんだということで合意文書までこれ交わすというのはもってのほかじゃありませんか。  この馬毛島には、西之表市の港、あるいは市の管理する道路、市道があります。住民の入会地もあります。最近、古代の遺跡も発見されまして、種子島は鉄砲伝来の島ですけれども、種子島開発センター鉄砲館で、今月初め、馬毛島の暮らしの風景という特別企画も行われたんですね。  大臣御存じかどうか、市長は二月、市議会の施政方針演説でこうおっしゃっています。馬毛島は単なる無人島ではありません。種子島にとってかけがえのない同胞の島であります。種子島の地域住民の幸せのために島を出た旧島民が島を去ったかいがありません。地元住民の生命、財産を守り、市民の幸福に資する利用を図るべき首長として、今後国に対して市の意見、要望を明らかにしてまいりたいと述べておられる。  馬毛島はただの無人島ではないと、そのとおりですよ。これ、交渉中だから明らかにできないとおっしゃいましたけれども、それは交渉の中身そのものがうさんくさいからではないんですか。交渉中のこの地権者、タストン・エアポートは、二〇〇〇年以来、乱暴な島の根こそぎの造成、無許可の空港建設など、重大な違法乱開発を続けてまいりました。環境アセスも一切行われておりません。  これ、パネルにいたしましたのは二〇一一年の八月の朝日新聞の記事ですけれども、「馬毛島開発 野放し 市、業者に調査 拒まれる」という見出しですが、これ、三つの写真御覧いただきたいと思うんです。一番上はそうした乱開発が行われる前、それが一番下、二〇一一年の八月時点ではこんな無残な姿になってしまっている。  次のパネルを見ていただきたいと思いますけれども、この島の図面に色づけがされているのは、これは鹿児島県にいただいている資料ですけれども、馬毛島における伐採届状況というふうにありますが、森林法によって、森林の抜根、つまり根っこからもう取ってしまうというその開発許可を出したのは、県が出したのは、グレーの僅かな部分なんですよ。ところが、その隣の写真でも明らかなように、これ、根こそぎの乱開発がもう許可をはるかに超える形で行われ、これが土砂の流出、漁業に深刻な被害をもたらしてまいりました。こうした業者によって、県も市も長年、本当に大変な苦労を強いられてきているんですね。  鹿児島県は二月の県議会で、改めて、違法開発の疑いがあり、現地調査を申し入れたと答弁をしております。西之表市は、馬毛島にある市道がどうなっているか、現況確認のための立入りを求めているとおっしゃっています。  これ、防衛大臣、御存じですか。
  375. 岩屋毅

    ○国務大臣(岩屋毅君) まず、その大前提として、FCLPにつきましては現在硫黄島で暫定的に実証いたしております。岩国飛行場から約千四百キロと極めて遠く、硫黄島への往復の際にトラブルが発生した場合に緊急着陸用の飛行場が確保できないと、そういう問題もございまして、防衛省としては、このFCLP施設の確保は安全保障上も極めて重要な課題だと思っておりまして、恒久的な施設を整備したいと考えているところでございます。  それから、鹿児島県が、今先生御指摘あった県議会において、その開発行為について林地開発許可に基づく開発の状況等の現況確認のため現地調査の日程調整を申し入れている旨を答弁したということは承知をいたしております。開発行為に係る事柄については、一義的には開発事業者と鹿児島県において対応されるべきものと考えておりまして、コメントは差し控えさせていただきたいと思いますが、いずれにいたしましても、土地の取得に当たりましては、その状況等も踏まえ、関係法令等に基づき適切に対応してまいりたいと考えております。
  376. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 話をごまかしちゃ駄目でしょう。  何でFCLPかというお話がまず最初にありましたけれども、議員の皆さんにはお手元に資料を配っていますが、二〇一一年の日米合意において、その移設の問題について、長年にわたる問題の解決は同盟への極めて重要な前向きな貢献となるというふうにおっしゃっている。  そういう必要性があるんだというのを今大臣おっしゃろうとしているんでしょうけれども、だからといって、その是非、私は断固として反対ですけれども、この馬毛島のその開発が、これだけ違法乱開発が行われてきている。その問題をまるで国が全くの第三者であるかのように言うのは、これは話が違うんじゃないですか。だって、これ買収しようというわけでしょう。それ買収するというのは、環境や漁業の破壊、そうした乱開発のツケを引き受けるような交渉をやっているということですか。それ、違法開発による環境破壊に乗じてこれを取得して米軍基地にする、これ、およそ倫理に反することなんじゃありませんか。  私に対して防衛省は、国は第三者でコメントする立場にないとか、開発事業者の行為をどこまで承知して交渉に当たっているかは、交渉中であるから差し控えるべきだというふうに説明をいたしました。  これ、先ほど県議会の答弁だけはお認めになりましたけれども、違法に乱開発をされてきたものを、これは国がそれを引き受けて買い上げると、そんな交渉をしているんですか。
  377. 岩屋毅

    国務大臣(岩屋毅君) 先ほども申し上げましたように、開発行為に係る事柄については、一義的には開発事業者と鹿児島県において対応されるべきものだと考えておりますが、いずれにしても、土地を取得するに当たりましては、私ども関係法令等に基づき適切に対応してまいることは当然のことだというふうに考えております。
  378. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 関係法令に合わせてというのがどういう意味なのかと。  違う角度で聞きますけど、この地権者の資金繰りというのは極めて不透明なんです。何度も仮差押えを受けたり、破産を申し立てられたり、土地登記簿を見ますと極度額百四十億円という巨額の抵当権が付いているんですね。いかにもいわく付きです。ところが、衆議院の予算委員会で防衛副大臣抵当権などが付いたままの取得もあり得ると答弁をされ、島では、悪行の限りを尽くしてきたタストン・エアポートに破格の優遇をするのかと、住民の怒りの火に油を注いでいます。  これ、抵当権付きのまま取得もあり得るという答弁ですが、大臣、そんな例は過去ないでしょう。
  379. 岩屋毅

    国務大臣(岩屋毅君) 原田副大臣は、予算委員会の分科会でしたか、そういう答弁をしたというふうに私も報告を受けましたが、防衛省においては、土地を取得する際には、所有者との契約において、その土地の上に所有権以外の権利が設定されているときは、あらかじめこれらを消滅させた上で取得することとしておりまして、原田副大臣の答弁はあくまで一般論を述べたものというふうに承知をしております。  いずれにしても、先ほど申し上げたように、FCLP施設の確保は安全保障上の重要課題と防衛省としては考えておりまして、売買契約を締結できるよう引き続き協議を進めていきたいと思いますし、その際、関係法令等を遵守して行うことは当然のことと考えております。
  380. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 つまり、馬毛島について、この巨額の百四十億円、抵当権付きのまま買収することなどできないということですね、確認です。
  381. 岩屋毅

    国務大臣(岩屋毅君) 繰り返しになりますが、防衛省においては、土地を取得する際には、所有者との契約において、その土地の上に所有権以外の権利が設定されているときは、あらかじめこれを消滅させた上で引渡しを受けることとしており、これまでもそのようにしてきているところでございます。
  382. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 つまり、できないということなんですよ。  防衛省は、以前、この交渉で買収価格を四十五億円と提示をしたことがあります。これは報道されて広く知られていることなんですね。それが何で突如百六十億円なんですか。この巨額の抵当債権、これ百四十億、極度額ということですけれども、これとちょうど符合するんじゃないのか。乱開発で土地評価額が飛躍的に上がるわけもないじゃないかと。これは大問題になっているんですよね。  そこで、ちょっと麻生財務大臣に御感想を伺いたいと通告をしておりますけれど、国有財産の取得に当たって適正な評価を求めているというのが国有財産法なわけで、こういう事業者に破格の利得を得させるようなやり方は、これはないんじゃないかと思いますけれども、いかがですか。
  383. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) これは御存じだと思いますが、行政目的で新たに国有財産というものを取得する場合には、まずその財産を取得する各省庁においてこれ判断をしていただかにゃいかぬところなんであって、いきなり言われましても、お尋ねの事案のこの馬毛島ですか、の取得につきましては、現在防衛省が土地の所有者と話をしておられるんだと理解をしておりますので、私の方から確たることを、今の話を一方的に言われましても、私の方で確たるお返事を今この場で申し上げることはできません。
  384. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 これも財務省と相談をしながら防衛省はやっているんでしょうけれども、だけれども、こんな事態で適正な評価だなんて言えるはずもないし、こんなやり方で自治体、住民の納得あるいは同意、これ絶対に得られないですよ。これ、島では逆森友じゃないかというような声も上がっているわけですね。これ、いかなる軍事施設も反対というのは極めて固い意思です。  次のパネルは西之表市議会の二月議会での意見書です。  「これまで幾度となく馬毛島への米空母艦載機離発着訓練(FCLP)及び自衛隊施設整備に反対の決議を行い、頭ごなしの政府の対応に抗議してきた。」と。少し飛ばしますが、「これまで一貫して軍事施設整備に強く反対してきた。 自然豊かな種子島、美しい景観を眺望でき、農業と観光産業の振興を土台とした島の将来造りを目指している本市においては、国と地権者だけで、地元の意向を無視した土地の売買交渉を看過することはできない。」と述べられているわけですね。  安倍総理、これ同意どころか、これほど厳しく抗議されながら地元自治体の頭越しに交渉し合意するなど、およそ許されないじゃありませんか。交渉は直ちに中止をして、一切の経過を明らかにすべきではありませんか。
  385. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 鹿児島の馬毛島については、米空母艦載機の着艦訓練、FCLP施設の候補地として現在防衛省が土地所有者との間で売買契約の締結に向けた協議を行っているところでございますが、また本年一月に原田防衛副大臣が、地元の西之表市長と市議会議長、鹿児島県知事と県議会議長にお会いをして、事前に御説明を行った上で現地調査を行っているところと承知をしておりますが、我が国を含むアジア太平洋地域の平和と安定を確保するためには米軍による抑止力が必要不可欠であり、その中核になるのが米空母を始めとする米軍の前方展開兵力であります。米空母の運用能力を確保するためには、空母艦載機が洋上の空母に安全に着艦できるよう、事前に空母を模擬とした陸上施設で訓練を行い、パイロットの技量を維持、確認することが死活的に重要であります。  現在、当該訓練は暫定的に硫黄島で実施をされていますが、硫黄島は、空母艦載機の拠点である、先ほど答弁させていただきましたが、岩国飛行場から約千四百キロメートルと極めて遠く、硫黄島への往復の際に機体にトラブルが発生した場合に緊急着陸用の飛行場が確保できないため、安全面で極めて問題のある状況にあります。また、天候の影響により硫黄島で訓練できない場合に、訓練が住宅密集地である厚木飛行場で行われたこともありまして、一日も早い訓練施設の確保は安全保障上の重要な課題となっています。  このため、平成二十三年六月の日米2プラス2において、岩国飛行場から約四百キロメートルの位置にあり、離島のため騒音等の影響が少ない馬毛島を候補地とすることで合意をしたものでございます。これは、当時の民主党、菅内閣のときに合意したものでございますが。  訓練施設の確保は安全保障上の重要課題であり、地元の皆様の御理解と御協力を得られるよう、一つ一つ丁寧に御説明を行いながら進めていく考えでございます。
  386. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 いや、同意は得られていないと。  総理の答弁を前提にされておられるわけですが、勝手に候補地にしておいて騒音は少ないなんて、これ、とんでもない話ですよ。抑止力だとか前方展開能力だとかというようなことを言ってここに造れば、これ、岩国基地から一っ飛びで四百キロです。米航空部隊の自由度というのは、これ飛躍的に上がる。インド太平洋に近い佐世保など九州の港が空母の準母港にされるのではないかという懸念も専門家からは示されているわけで、これ、地元の住民、自治体を置き去りにして、そういって、日米合意だといって強引に米軍基地の増強を推し進めるというのはとんでもないことだと思います。  民主主義も地方自治も関係ないと言わんばかりのこの馬毛島の米軍基地化はきっぱり断念すべきだと強く求めて、次に、航空自衛隊築城基地、新田原基地について伺います。  パネルは、これ防衛省の資料ですけれども、政府は、この航空自衛隊の二つの基地に米軍の庁舎、米兵の宿舎、駐機場、倉庫、そして燃料タンクと弾薬庫まで造ると、来年度予算案で築城基地に百二十億円、新田原基地に百十五億円を計上をしております。さらに、築城基地の滑走路を、米側の要請だといって、戦闘機や大型輸送機が兵器を満載しても離発着できる二千七百メートルに延長すると、そのために海を更に埋め立てるというふうに言うんですね。  築城基地は、戦後、米軍に接収されました。朝鮮戦争に当たって米軍の出撃拠点にされ、米兵による事件、事故が引き起こされ、幾人もの女性たちが暴行に遭いながら、それを隠して生きていかざるを得なかったというつらい歴史があります。米軍から返還された後、専守防衛の自衛隊だからと基地の爆音被害にも耐えてきた人たちからも、こんな米軍施設の整備は絶対に許せないと強い声が上がっているんですね。  これ、大臣、どんなというか、そうした周辺住民の思いを御存じなんですか。
  387. 岩屋毅

    ○国務大臣(岩屋毅君) まず、先ほどの馬毛島については、引き続き関係自治体に丁寧に説明をしてまいりたいというふうに思っております。御理解をいただくべく努力をしてまいります。  それから、ただいまのこの築城あるいは新田原基地の米軍施設の整備は、やはり沖縄の負担軽減の一環でございまして、普天間基地の機能の一つである緊急時の受入れ機能を担っていただくべく、この築城と新田原に施設を整備しようとするものでございまして、最終的には普天間基地の全面返還につなげていくための大事な事業だというふうに考えております。  これにつきましても、地元自治体の皆様に丁寧に説明し、御理解をいただいてまいりたいと思っておりますが、既にこの件については御理解をいただいているわけですけれども、今後、どういう施設をどういうふうに造るかということについて、更に丁寧に説明をしてまいりたいというふうに思っております。
  388. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 まず、馬毛島の件について、住民の同意が得られることは絶対にないと改めて申し上げておきますが。  今、築城、新田原の件について、最後に大臣言われたように、地元に説明しているのはどのように施設を造るのかだけなんですよ。とにかく施設を造ると言っているだけなんですよ。だから、そもそもお伺いしたいと思いますが、この築城、新田原に移すという普天間飛行場が有している緊急時の航空機受入れ機能、この資料にあるじゃないですか、これ、どんな機能なんですか。どんな米軍の部隊がどんな使い方するんですか。そこ、ちゃんと説明してくださいよ。
  389. 岩屋毅

    ○国務大臣(岩屋毅君) 普天間飛行場が有する緊急時における航空機の受入れ機能は、緊急時に築城、新田原のそれぞれの基地において、十二機程度の戦闘機、一機程度の輸送機及び二百人程度の米軍人を受け入れられるようにするため整備するものでございます。  緊急時における使用でございますから、その事態の状況によってどういうものが来るというのは決まってくるわけで、あらかじめ確定的には申し上げられませんけれども、基本的には今のようなことを考えているところでございます。
  390. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 十二機だとか二百人程度だとかいうふうに言うけれども、これ、普天間の移設条件付返還の九六年SACO合意の翌年、九七年の二月に、本院、参議院の国際問題に関する調査会が米軍普天間基地の調査を行っています。  その際、普天間実施委員会のメンバーでもある司令官のキング大佐に我が党の上田耕一郎議員が、SACOの議論で、緊急時にはアメリカ本国から三百機のヘリコプターが来るということをアメリカ側が明らかにしたという報道について質問したところ、キング大佐は、三百機が必ずアメリカ本国から来るということではないが、三百機を受け入れる装備能力が必要だということだと答えている、それが調査会で報告をされているんですね。  本国から三百機、もちろんその要員が来る、米軍は実際にこうした計画を持っているんじゃないんですか。普天間行動計画に、普天間飛行場に関するSACO最終報告に書いてある緊急事態対処計画というのはそういうものであって、政府もそうした説明を受けてきたんじゃないんですか。
  391. 岩屋毅

    ○国務大臣(岩屋毅君) その今先生がおっしゃったやり取りについては詳細を承知しておりませんが、先ほど申し上げたように、緊急時に十二機程度の戦闘機、一機程度の輸送機及び二百人程度の軍人を受け入れられるようにするために整備をしていきたいと思っておりますが、ただ、その緊急時におけるその緊急時がどういう緊急時であるかということによって、やはりそれぞれの事態に応じて日米間で調整をしなければいけないだろうと思っております。  米側からは、基本的には空軍が使用することを想定しておりますけれども、事態の状況によっては、陸、あるいは海、あるいは海兵隊が使用する場合もあり得るという説明は受けているところでございます。
  392. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 つまり、あらゆる軍種がこの築城や新田原をこの緊急時というときには使うんだということが今のお話でうかがわれるわけですけれども、もう一つ、九六年の一月二十三日付けのアメリカの公文書があるんですね。これ、二〇一四年の三月に我が党笠井亮衆議院議員が明らかにしたものですが、沖縄の第一海兵航空団が米国防総省の当時キャンベル次官補代理に向け説明するということで作成された関係メモとスライド資料です。  このアメリカの文書にはこう書いてある。普天間基地の代替施設を朝鮮半島有事の作戦計画に備える航空、地上部隊の拠点として位置付けて、有事には航空機三百機が普天間を使用するとして、その内訳が明記され、有事の際は代替施設にも普天間基地と同等の役割を担わせるということを強く求めているわけです。  これ、米軍は、様々な事態に対してどう対応するかといろいろ考えているわけですよね。日本側もそういうこと考えて協議をしてきたんじゃないんですか。それ、やっていなかったら逆におかしな話なんであって、これ、さっきから大臣が十二機、二百人程度というふうに言うけれども、そんな保証なんてどこにもないんじゃないですか。施設造れば、それは米軍がどんどん使うということになるんじゃありませんか。
  393. 岩屋毅

    ○国務大臣(岩屋毅君) 緊急時というのは、例えば我が国に対する武力攻撃事態なども、あってはならないことではありますが、事態の中には含まれるわけでございまして、そういう場合には日米同盟に基づいてその緊急事態にしっかりと備えていくことは当然のことなんだろうと思います。  様々な安全保障上の事態にどのように備えるべきかということは、当然日米間で様々やり取りはしておりますけれども、その中身については控えさせていただきたいと思います。
  394. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 やり取りしているということをお認めになりながら、これ、自治体にも住民にも全く隠して事を推し進めるって、とんでもないじゃないですか。
  395. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 時間が来ておりますので。
  396. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 これ、本当に、こんな緊急時の判断にしても決めるのは米軍だということだと思います。世界一危険な普天間基地の苦しみはどこに移しても同じであって、無条件撤去、これを強く求めるべきだと私は主張して、質問を終わります。
  397. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 以上で仁比聡平君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  398. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 次に、浅田均君の質疑を行います。浅田均君。
  399. 浅田均

    ○浅田均君 日本維新の会、浅田均でございます。    〔委員長退席、理事二之湯武史君着席〕  まず、統計問題について質問させていただきたいと思いますが、何分、専門的で難しい内容を含んでおりますので問題点を整理させていただきますと、今まで議論になっているのは、一点目が、統計不正の内容そのものに関わること。それから二点目が、監察委員会の調査と報告について、追加報告も含めてです。それから三点目が、統計委員会の方針、すなわち、一点目が労働者全体の賃金の水準は本系列でやっていくと、それから景気指標としての賃金変化率は共通事業所の前年同月比を重視すると。この三点であります。  私がこれから取り上げるのは三点目の統計委員会の方針、すなわち景気指標としての賃金変化率は共通事業所を用いてやっていくということに関してであります。  これまでの議論は、主として一番目、二番目、統計不正の内容そのものについて、あるいは監察委員会の調査と報告についての質疑でございました。この点、今回私は質問しませんが、いわゆるそちら側で、政府側で第三者委員会とおっしゃっている監察委員会の報告は全く不十分で、追加報告書も出ておりますけれども全く不十分である、第三者委員会を立ち上げてもう一度調査すべきであるという意見を申し上げた上で質問に入らせていただきます。  まず、この本系列と比較した共通事業所の集計値の特性というものは、厚労省がこれまでの議論を整理するために作成したという御説明でございました。(資料提示)  それで、まず基礎的なことからお尋ねしたいんですが、これは本系列と共通事業所の集計値の比較です。最初、その共通事業所のサンプル数が書かれていなかったということも問題になりましたけれども、ここには本系列と共通事業所の集計値が記載されております。共通事業所のサンプル数が本系列の約四〇%ということでございます。  私は、単純に、このサンプル数を四〇%にすることによって、標準誤差率はサンプル数の平方根で標準偏差を割ったものですから一・五八倍になるという理解でございました。  ところが、この資料の中、七ページ目です、ここには持ってきておりませんけれども、資料の中には、労働者ウエートを同一にして比較すると、規模間で差異が見られるものの、一定のバイアスが存在する可能性があると書かれてあります。  そこで、専門家としての、北村委員長代理、お越しいただいておりますので、北村先生にお尋ねしたいんですが、この一定のバイアスが存在する可能性があるという考え方は正しいとお考えでしょうか。理由も併せて教えていただきたいと思います。
  400. 北村行伸

    ○参考人(北村行伸君) お答えいたします。  統計委員会では、共通事業所による前年同月比は、標本交代やウエート変更による断層を回避できることから、振れが小さく、同じ事業所の賃金がどう変化したかという労働者の実感に近い賃金率変化を捉えやすいというメリットがあるというふうに考えて、共通事業所の系列を新たに掲載していただくことを要求したという経緯がございますが、一方で、共通事業所系列は、標本数が少なくなるため標本誤差が生じ、また、新設事業所の影響等が含まれておりませんので標本に偏りがあるというデメリットもあるということも認識しております。  本系列は経済のダイナミックな参入、退出の状況を捉えられるんですけれども、共通事業所はそれを、残った企業ということですので、比較的業績のいいようなところが残る可能性があると、そういうバイアスもあって、それを含めて見ていただきたいということ、両方の系列を見ていただきたいと思っております。
  401. 浅田均

    ○浅田均君 先生、繰り返しお尋ねいたしますが、バイアスというのはいわゆる生き残りバイアスと言われているバイアスだけでしょうか。
  402. 北村行伸

    ○参考人(北村行伸君) 生き残りバイアスと言われているものだけではないと思いますけれども、逆にその参入のデータが取れないとか、それから、その事業所の中で雇用の状況が同じ企業であっても変わる可能性もありますので、例えば退職者が退職して、その人が、代わりに非正規の人が雇われるというようなこともありますので、いろんな形での誤差みたいなのも入ってくるということです。
  403. 浅田均

    ○浅田均君 ありがとうございます。  それで、この「共通事業所」の賃金の実質化をめぐる論点に係る検討会、これは二月に始まっております。パネル二をお願いします。ここに、その検討会が始まって、検討会の委員の先生方に御議論いただきたい論点の例について、これ、論点一から論点三まで検討項目が三点示されております。  この要請を受けて議論され始めた検討会の議論で、共通事業所には一定のバイアスがある可能性があるという意見と、共通事業所には偏りやバイアスがあることから、その利用には一定の限界があり、本系列の見直しを考えるという選択肢もあるのではないかという対立する意見が記載されております。  議論の整理ということで二つ書かれてあるんだと思いますが、一方で主張されているのはバイアスがあるのではないかという可能性、他方、バイアスがあると断定されております。厚労省はどちらの見解でしょうか、厚労大臣。
  404. 藤澤勝博

    ○政府参考人(藤澤勝博君) お答えを申し上げます。  今御指摘の資料は、三月十三日の参議院の予算委員会の理事会で配付をさせていただいた資料のことだと思いますけれども、それは元々、前日、三月十二日に開催をしました第五回の御指摘の検討会の資料として提出をいたしました、これまでの検討会での議論の整理の一のことだと思います。  この資料は、先生も今おっしゃったように聞こえましたですけれども、これまでの検討会において何人かの委員の先生方から出された意見を並べたものでございますので、それは異なる立場の御意見であったり、あるいは時点も異なるような御意見をこのように並べて記載をしたものでございます。  この検討会は厚生労働省は事務局を務めておりますので、幾つかの意見がございましても、幾つかの時点の幾つかの御意見がございましても、その特定の立場を取ることなく、委員による議論の状況を見守って、その促進を図っているところでございます。
  405. 浅田均

    ○浅田均君 厚労省は特定の議論には肩入れしないで後で判断されるというふうに聞き取れましたけれども、最後は、こういう対立する見解がある場合は誰がどこで判断するんでしょうか。
  406. 藤澤勝博

    ○政府参考人(藤澤勝博君) 検討会の中での議論は、座長の先生もいらっしゃいますので、何人かの先生方からの様々な御意見をその中でまとめていただけるものというふうに考えております。
  407. 浅田均

    ○浅田均君 そうしたら、座長がまとめるという理解でよろしいでしょうか。
  408. 藤澤勝博

    ○政府参考人(藤澤勝博君) まだこれからの議論の推移を見ていかないといけないと思いますけれども、検討会の中で何人かの委員の先生方がいろんなことを、いろんな御意見を開陳していらっしゃいますので、それらを検討の中でまとめられるものはまとめていただければというふうに考えているところでございます。
  409. 浅田均

    ○浅田均君 この第三者委員会とかいろいろ言うてますけれども、厚労省の中でそういう検討会を立ち上げると。だから、検討会を立ち上げた時点で、検討会の、何というか、仕組み設計、基本設計みたいなものが頭にあって、複数の意見があるときは最後どちらを取るとか、決定を、どういうふうにして決定していく、またその決定の過程を、議論を公開する、そういうことが必要だと思うんです。  確かに、検討会の議論の中身はホームページで見れますし、どういう議論が行われているかというのは私どもも知ることができるんですけれども、そういういろんな意見があって、それ最後座長がまとめられる。座長もまとめられないようなことは出てくると思うんですね。そういう場合に、厚労省としてどういう意思決定をなさるのかということを伺いたいんです。
  410. 藤澤勝博

    ○政府参考人(藤澤勝博君) 御指摘の検討会は全て公開でやっておりますので、いろんな方々も傍聴にいらっしゃっているという状況の下で委員の先生方が御議論をいただいているということでございます。  座長は議事を整理をしていただきますので、そういったところで、先ほど申し上げましたように、様々な委員の方がいろいろな御意見を開陳されていらっしゃいますので、それらを全体としてまとめていただけるものはまとめていただきたいというふうに考えております。
  411. 浅田均

    ○浅田均君 これ元々、統計委員会の委員長が景気判断の指標として賃金変化率というものを共通事業所でやっていきたいと、そういう意向を受けて厚労省で検討会をつくって始められた議論であるというふうに承知しております。  だから、最初、発端は統計委員会ですよね。厚労省としてのそういう検討会で意見をまとめて、それを統計委員会にまた上げるという理解でいいんですか。
  412. 藤澤勝博

    ○政府参考人(藤澤勝博君) 今後の議論の成り行きもございますけれども、私どもといたしましては、その検討会の一定の報告のようなものが出ましたら統計委員会にも御報告を申し上げることができればというふうに考えております。
  413. 浅田均

    ○浅田均君 ありがとうございます。  それでは、次の質問に行きます。  実質賃金と名目賃金についてお尋ねします。  この間も質問いたしましたけれども、民間企業に関しまして、私の知る限り三つの政府統計があります。国税庁の民間給与実態統計調査、それから人事院の民間給与実態調査、そして厚労省の毎月勤労統計調査。これらの給与は、標記が名目賃金であることに違いはないか、確認いたします。厚労省の方、財務省の方、どなたでも結構です。
  414. 藤澤勝博

    ○政府参考人(藤澤勝博君) それでは、厚生労働省で実施をしております毎月勤労統計でございますけれども、これ、雇用している労働者の人数、労働時間それから給与総額などを調査をしておりまして、月々の賃金、労働時間、雇用の水準の変化を迅速に把握をすることを目的としております。  御指摘の点は、毎月勤労統計で公表しております決まって支給する給与であったり、あるいは現金給与総額の賃金の実額のことをおっしゃっているんではないかと思いますけれども、それらは全て名目、額については全て名目値でございます。
  415. 並木稔

    ○政府参考人(並木稔君) お答えいたします。  国税庁が実施しております民間給与実態統計調査における給与につきましては、給料、手当及び賞与の一年間の支給総額そのものでありまして、委員御指摘のいわゆる名目賃金に当たるものでございます。  また、人事院に当方から確認をいたしましたところ、人事院の行う職種別民間給与実態調査では、調査対象となる民間企業従業員について、四月分の給与として個々に実際に支払われたいわゆる名目の額を調査しているものとのことでございました。
  416. 浅田均

    ○浅田均君 そうなんですよね。当たり前のことですけど、普通、給与とか手取りとかは名目です。そこに物価上昇率勘案してあなたの給料は何ぼですと、そんなことをやっておるところはありません。  今回の統計問題は、最初は統計不正についての議論から始まっております。全数調査を勝手に抽出調査に変えた、なぜそういうことが起きたのかという、そういう統計不正についての議論から始まりましたけれども、これは純粋に統計学上の問題です。  ところが、あるときから名目賃金とか実質賃金という問題が論点に加わってきているように感じております。確かに、その実質賃金の動向というのは勤労者世帯の生活水準を知る有力な指標になります。実質賃金の正確な測定から、財務大臣おられますけれども、総理大臣おられますけれども、経済政策をどうやっていくかということのベースの資料として使われていると思いますし、労働組合においても賃上げ要求にとってこれは不可欠なものとなっております。  しかしながら、この問題は、つまり実質であるか名目であるかという問題は統計不正とは次元の異なる問題であり、切り離して考える必要があると私は思うんです。だから、統計不正と名目賃金、実質賃金の問題を区別する必要があると考えますが、厚労大臣と財務大臣の御見解をお伺いいたします。
  417. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 委員のおっしゃるとおりだと思います。  この共通事業所の賃金の実質化をめぐる問題、これは、今回の事案の、不適切な事案と全く別の問題であります。その意味では、毎月勤労統計は全体の労働者の平均の賃金水準、名目も実質も出しております。  共通事業所の問題については、また後ほど質問があれば答弁したいと思います。
  418. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 毎月勤労統計の話ですけれども、これは御存じのように、本系列の実質賃金というのが公表されていますけれども、いわゆる参考系列、発表されて、公表されておりませんので。  いずれにしても、マクロ経済政策を運営させていただく私どもにとりましては、これは賃金だけの話じゃなくて、消費者、消費とか生産とか物価とかマーケットとかまあいろんなものを加えまして、企業への景況感のヒアリングなんというもの、いろんなものを複合的に考えて、結果的に経済財政運営に問題がありますので、この問題に関して問題が生じていると、これによって実質賃金に影響を与えているということはないと思っております。
  419. 浅田均

    ○浅田均君 それで、実質賃金を出せとか出さないの議論で混乱があったと思うんです。隠しているものを出せという要求と、これまで作成していなかった、それを作成するか否かという答弁、だから、尋ねている人と答えている人が全くかみ合っていないんですね。  先ほどの資料からお分かりになるように、検討会で議論されているのは共通事業所の集計値の実質化についてであります。何が言いたいのかといいますと、これまで作成していませんでしたと、現在作成するか否か検討中で、検討の中で以下のような議論があるという説明を根本厚労大臣は最初はっきりどうしてされなかったんですか。それされていたらもっと議論が整理されていたと思うんですが、いかがですか。    〔理事二之湯武史君退席、理事山下雄平君着席〕
  420. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 委員のおっしゃるとおりなんですが、要は、要はですよ、共通事業所系列というのはあくまでも、我々は、実質、労働者の全体の賃金水準を見るのは本系列、そして景気指標として参考にしているのは同一事業所の共通事業所系列、だから、これは、委員おっしゃるように、これは名目で見ている、これはですね。だから、元々共通事業所についてはいろいろ、共通事業所の特性でこれは本当に実質賃金をつくる、あるいは指数化になじむか、こういう課題がありましたので、あくまでも名目を見るということで共通事業所系列は我々出させていただいているということであります。
  421. 浅田均

    ○浅田均君 ちょっと待ってください。勘違いされているのと違います。共通事業所というのは賃金変化率ですよ。賃金変化率を指数化するに際してどういう問題があるかというのを検討会で検討しているんです。大臣、そこの認識がないですよ。
  422. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 共通事業所は、月々の賃金の動向、これを見るのが共通事業所系列で、これを実質化するかどうかということになりますと、これは共通事業所の性格の問題がありますので、果たして実質化というのは、指数化して見るものが実質化ということですから、これは果たして可能かという課題が提起されておりますので、これを専門家に今検討していただいているということであります。
  423. 浅田均

    ○浅田均君 大臣、問題発言ですよ。  実質賃金、名目で出てくるのをこれは本系列で見ていきましょうとされているわけですよ。共通事業所は前年同月の給料と比べて変化がどうしているか、賃金変化率を見るために共通事業所を使いましょう、そのための問題点はどういうことですかということで検討会を今やっていただいているわけですよ。その根本的な認識が残念ながら大臣には欠如していると言わざるを得ません。今の答弁見たら明らかです。もう質問はええです。(発言する者あり)いや、今日、マクロやりたいんですよ。  それで、前回も前々回も総理並びに財務大臣とマクロの議論をしたくて、根本大臣が邪魔をしたとは言いませんけれども、そこまで進みませんでしたので、今日は失礼ながら先へ進ませていただきます。  民間給与に関しまして、先ほど申し上げましたように、三つ政府統計があります。政府統計局をつくって各省の統計部門を一元化する必要があると私は考えております。我が会派も考えております。これは、以前にも総理大臣にお尋ねしたときの答弁は、否でありました。今、こういう統計不正、いろんなところでいろんな不正がありましたと、またそれに起因する実害や混乱が生じています。こういうのを見て、統計局をつくって、各省庁に分散している統計部門を一元化する、そういう必要性を総理大臣はお感じになりませんか。
  424. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 基本的に同じ御質問でございましたら大体同じ答弁になるので、大変恐縮でございますが、我が国の統計機構では、統計委員会が統計整備の司令塔機能を果たし、各府省が所管する統計調査についてチェックを行ってきました。さらに、統計機構の一体性を確保するため、昨年の統計法改正によって統計委員会の機能が強化をされ、他の調査との重複が合理的な範囲を超えていないかどうかも含め、統計委員会が自律的、機動的に政策提言やそのフォローアップを行うことができるようになりました。まずはこうした機能を十分に活用していくことが重要であると考えております。  こうした取組の一環として、今回の統計をめぐる問題を受けて、統計委員会において点検検証部会を設置をし、先月から審議を進めていただいたところであります。統計職員の業務の実態や予算、人員等のリソースの配分状況、また調査方法等の統計業務の在り方を含めて統一的な目で検証を行い、その結果も踏まえ、総合的な対策を講じてまいりたいと思います。
  425. 浅田均

    ○浅田均君 こういう問題を受けて、総理が統計局の必要性を感じるということを御答弁になりましたら、やっぱり現場見て、この現実の混乱を見て現実的に対応されているんやなという印象を持ったと思うんですが、何か残念ですね。前回こういう質問を聞いたからまた前回と同じような答弁になるというのは、何かそこで思考停止されているような気がします。これだけの問題が生じているわけですから、安倍総理、もう一考、再考をお願いいたしますが、いかがですか。
  426. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) ここで、では、組織を、今おっしゃっているような組織、統計局をつくればそれでいいのかどうかという考え方があるんだろうと、こう思いますが、先ほど答弁させていただいたように、昨年は統計法を改正し、権限を強化、統計委員会の機能強化をしたわけでございまして、今回、またこうした、昨年変えて強化をして、そしてその中において、長年にわたって統計の不正な調査が行われてきたわけでございますが、今後、先ほど答弁をいたしましたような統計職員の業務の実態や予算、人員等のリソースの配分状況等、また調査方法等の統計業務の在り方を含めて、まず統一的な目標、目で検証を行って、その結果も踏まえて総合的な対策を講じていきたいと、こう考えております。
  427. 浅田均

    ○浅田均君 総合的に判断して考えていかれる過程で私の声が耳に残っていることを願っている次第でございます。  それで、マクロ経済について、お待たせの財務大臣にお伺いいたします。もうしようもないこと聞くなと言わんといてくださいね。国債の金利と経済成長率はこれからどのように推移していくと予想されていますか。
  428. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 国債の金利とかいうものは、経済とか財政とか、そういったようないわゆる状況とか海外のいわゆるマーケット、そういったようなものの動向を背景に、これ、いわゆるマーケットにおいて決まるものなんで、将来の金利動向を見通すなんということは、これはなかなかお答えするようなことは、ような簡単な話ではないので、ちょっと困難だと思っております。  成長率につきましては、これは今年、本年の一月の二十八日でしたか、私どもとして閣議決定をされておりますので、経済見通しと経済財政の運営基本的態度においては、二〇一八年で実質〇・九、名目〇・九、二〇一九年度は実質一・三、名目二・四と見込まれているものだという具合に承知をいたしております。
  429. 浅田均

    ○浅田均君 経済財政諮問会議で出された成長ケースですよね、今の数字は。
  430. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 基本的に、経済財政諮問会議において出されたあの当時と今といろんなものが変わってきているではないかという御意見なのかもしれませんけど、今のこの段階で、ちょっとまだいろんなものが、未知数のものがいっぱいありますので、今の段階であれからこう変わりましたというようなことを申し上げる段階にはございません。
  431. 浅田均

    ○浅田均君 それで、この経済財政諮問会議に出されましたこの成長実現ケースあるいはベースラインケースというのを見た上で、あえて財務大臣にお尋ねしたいんですけれども、これは今突然思ったので通告しておりませんから、後にせいという場合は後にしますけれども、アメリカで今、MMT、未来はもっと大変だという新聞記事もありましたけれども、モダン・マネタリー・セオリーというのが議論されています。御承知のように、サンダース上院議員とかアメリカの民主社会主義者と自称する人たちが経済政策のバックボーンに据えているものであります。  内容は、自国通貨建てで政府が借金し、物価が安定している限り財政赤字は問題ないという非常に楽観的な、総理笑っておられますけれども、主張でございます。でも、当時、アベノミクス始められたとき、お金は輪転機で刷りまくれとおっしゃっていたのと割と似ているんですよね、これ。  財務大臣の御答弁からいいまして、この主張をどういうふうにお受け止めになられるでしょうか。
  432. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) いわゆるモダン・マネタリー・セオリーという、MMTでしたっけね、と言うんだと、セオリーでしたか、何かそう言うんだったと記憶いたしますけれども。この現代の貨幣、何でしょうね、貨幣理論というのが本当にあるのかどうかよく知りませんよ、この人たちが言う貨幣理論という話は、自国の通貨、まあ日本の場合のように自国通貨で持っていて、しかも国債発行いろいろしていますけれども、全部自国通貨だけでやっている国というのは世界中四か国ぐらいしかないと思いますけれども、その中で、通貨は限度なく発行できるんじゃないかと、だからデフォルトに陥ることはないと、政府債務残高がどれだけ増えても問題ないと。大体、極端な乱暴なことを言えば、そういうことを言っているんだと思います、あの方たちの話というのは。  しかし、そういった話ですけれども、私どもはそれはちょっといかがなものかという感じが率直にあるので。ちょっと時間もあれなので、これ、この話をするとちょっと全然別な話をしなきゃいかぬので、予算とはちょっと関係ないような気もいたしますので、今そういう話を知っているかと言われれば、知っております。
  433. 浅田均

    ○浅田均君 ポール・クルーグマンとかサマーズさんと全く同じ御意見なので、そういうふうに受け止めさせていただきました。  最後、一番面白い質問が総理にあったんですが、次回に取っておきますので。
  434. 山下雄平

    ○理事(山下雄平君) 以上で浅田均君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  435. 山下雄平

    ○理事(山下雄平君) 次に、片山大介君の質疑を行います。片山大介君。
  436. 片山大介

    ○片山大介君 日本維新の会・希望の党の片山大介です。  私は、まず皇室について質問させていただきたいと思います。  二週間後の四月一日に平成に代わる新しい元号が発表される、そして四月三十日には天皇陛下が退位されて皇太子様が新天皇に即位される。これから日本にとって歴史的な出来事が相次ぎます。  それで、まず、新元号についてお話を伺いたいと思うんですが、まず、選定に向けた準備も最終段階を迎えていると思います。  それで、まずパネルの一枚目を出していただきたいんですが、その公表の日付は一か月前の四月一日となっています。(資料提示)それで、四月一日、まずこの一番上にあるのが、各界の代表者から成る元号に関する懇談会、このメンバーはもう既に決まっていると思いますが、当日、この懇談会で複数の元号案が示され、意見を求める。そして、その後で衆参両院の正副議長から意見を求めて、その上で全閣僚会議で協議する。そして、最終的には閣議決定で新元号が決まり、そして国民への発表へとなる。こういう流れだと思いますが。  まず、それでこの元号の発表ですが、これは官房長官になるのか、総理になるのか。
  437. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 新元号のこの発表の方法等については、発表者も含めて現在検討中であります。  いずれにせよ、新たな元号が広く国民に受け入れられ、日本人の生活の中に深く根差したものとなるよう、国民に分かりやすい形で伝わるようにしてまいりたいと思います。
  438. 片山大介

    ○片山大介君 それで、総理は今もそのように言われました。新元号が国民に受け入れられ、生活の中に根差したものになるようにと述べられている。じゃ、発表当日、そのために何か考えていることはあるのか。首相談話も出されるんじゃないか、そんな話もありますが、そこら辺はいかがでしょうか。
  439. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今言った考え方の下にどういう形で発表していくのがいいのか、今委員がおっしゃったこと等も含めまして、現在検討しているところでございます。実際まだ本当に検討している最中でございます。
  440. 片山大介

    ○片山大介君 そして、この一連の中で、政府は情報管理の徹底にとても気を遣っていると聞きます。  私も元々記者だったので分かるんだけれども、スクープを狙っているマスコミもいるかもしれない。それで、今は平成の元号の発表のときとは違って、携帯などでどこでも簡単に連絡が取れるようになっています。だから、この情報管理についてどのように行うつもりなのか、教えていただけますか。
  441. 吉岡秀弥

    ○政府参考人(吉岡秀弥君) お答えいたします。  情報管理につきましては非常に重要な課題と考えておりまして、新元号の公表をするまでの情報管理についてしっかり対応するべく、今検討をしておるところでございます。
  442. 片山大介

    ○片山大介君 いや、検討が多いので、もう少し近づいたら、あと二週間あるので、その間に少し分かることは教えていただきたいなというふうに思います。  それで、皇位継承に伴う一連の儀式を次はちょっと説明していきたいんですが、これ、天皇陛下が最後の言葉を述べられる四月三十日の退位礼正殿の儀から秋篠宮様が皇位継承順位の第一位の皇嗣になられたことを示す立皇嗣の礼まで、大体一年間続きます。  このうち、ちょっと真ん中辺りで括弧にしたんですが、皇太子様が新天皇に即位されて最初に国民から一般参賀を受けられる、これはこの即位直後の五月四日にされたんです。これは平成のときとは違うんですけれども、これはどのような考えからなのか、教えていただけますか。
  443. 西村泰彦

    ○政府参考人(西村泰彦君) お答えいたします。  十月二十二日の即位礼正殿の儀に伴い、その後の十月二十六日に予定していた皇居一般参賀でありますが、御即位後なるべく早く実施した方が多くの国民が喜ぶのではないかとの声を受けまして、宮内庁において検討した結果、前倒しして五月四日に一般参賀を行うことと決定したものであります。  五月四日に決定した理由でありますけれども、五月一日の剣璽等承継の儀及び即位後朝見の儀など両陛下の御日程、また十連休にもなりましたので連休の間がよいだろうということもあり、そうした様々なことを総合的に勘案し、五月四日が一番よいのではないかという結論に至ったものであります。
  444. 片山大介

    ○片山大介君 私はこういう発想はいいと思います、前例踏襲じゃなくて新しい考えを取り入れた。その一方で、即位当日の五月一日、皇位とともに伝わるべき由緒あるものの代表として、宝剣だとか曲玉だとかを引き継ぐ剣璽等承継の儀には女性皇族は参列されず、これは平成のときの前例を踏襲しているんですよね。  それで、政府は去年、皇室制度に詳しい有識者四人から意見を聞いた。それで、その際には、前例踏襲を支持しつつも、同時に、国内外の通念とも調和し得る在り方として、未成年の男女も参列するのが望ましいという意見を出しているんですね。そしてさらに、現行の皇室典範では、女性皇族は皇位継承権を持たないものの、摂政やそして国事行為の臨時代行の資格は認められているんですよね。  だから、そうすると、やはり皇室の、何というんでしょう、重要な構成者として、こうした重要な儀式には参列させた方がいいんじゃないかと思いますが、どのようにお考えでしょうか。
  445. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 平成度に行われた儀式は、憲法の趣旨に沿い、かつ皇室の伝統等を尊重したものとするとの観点から、十分な検討が行われた上で挙行されたものと承知をしておりますが、剣璽等承継の儀における皇族の御参列の在り方については皇室の伝統を尊重したものであると、このように理解をしております。
  446. 片山大介

    ○片山大介君 だから、先ほどの一般参賀では新しい即した考えで、やはりこちらの方は今までの前例踏襲をしたという。ただ、やはりそういう意見もあることを考えていただきたい、そう思います。  そしてもう一つ、大切なことは、やっぱり安定的な皇位継承について、こちらも伺いたいと思います。  天皇陛下の退位特例法の制定に当たっては、国会の附帯決議で、特例法の施行後速やかに安定的な皇位継承策の検討を求めることが付けられました。  特例法の施行日っていつかというと、天皇陛下が退位される四月三十日なんです。そうすると、その検討というのはいつから始めるのか。今年のうちなのか、それとも秋篠宮様の立皇嗣の礼が終わる一年後まで待って行うのか。どのようにお考えになっているのか、教えていただけますか。
  447. 菅義偉

    ○国務大臣(菅義偉君) 安定的な皇位の継承を維持することは、国家の基本的に関わる極めて重要な問題であり、しかし、この男子継承が古来例外なく維持されてきたことの重みなどを踏まえながら、慎重かつ丁寧に検討を行う必要があるというふうに思っています。  また、女性皇族の婚姻等による皇族数の減少等については、皇族方の御年齢からしても先延ばしすることはできない重要な課題であると認識をいたしております。この課題への対応等については様々な考え方、意見があり、国民のコンセンサスを得るには、十分な分析、検討と慎重な手続が必要だというふうに思います。  ただ、いずれにしろ、今委員から御指摘がありましたように、衆参両委員会で可決された附帯決議の趣旨、それを尊重して、しっかりと対応していきたい、こういうふうに思います。
  448. 片山大介

    ○片山大介君 官房長官、いろいろとお話しいただいて有り難いんですが、やはりいつ頃からなのかという時期的なものを、今年のうちなのか、検討の時期をいつ頃から始めるのか。これ、国会の附帯決議で付いているものですから、そこをお答えいただけますでしょうか。
  449. 菅義偉

    ○国務大臣(菅義偉君) 御即位された後というふうに考えています。そんなに時間は待たないでというふうに思っています。
  450. 片山大介

    ○片山大介君 是非しっかりやっていただきたいと思います。  そして、この安定的な皇位継承なんですが、これ、以前にも出たと思いますが、過去にも政府の有識者会議で議論されたことがあります。それで、一つ目が小泉政権時代、二つ目が野田政権時代で、いずれも報告書をまとめたり、論点整理などが行われたけれども、そのままその議論は止まったままです。それで、当時、私は記者として取材をしていて、急いで行おうとしている感じがすごく感じました。だから、それは私はよくなかったというふうに、今もって当時のことを思い出すと思っている。ただ、あれからもう何年もたっているんですよね。だから、この課題というのはもう待ったなしの状況になってきている。  それで、今、皇太子様が新天皇に即位されると、皇位継承権のある皇族というのは三人しかいなくなります。秋篠宮様とお子様の悠仁様と、そして常陸宮様だけです。子供の代となると、もう悠仁様しかいなくなってしまう。  そこで、総理はこの皇位の安定的継承についてどのようにお考えなのか、お伺いしたいと思います。
  451. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 安定的な皇位の継承を維持することは、国家の基本に関わる極めて重要な問題であると考えております。そして、先ほど官房長官からも答弁させていただきましたが、男系継承が古来例外なく維持されてきたことの重みなどを踏まえながら、慎重かつ丁寧に検討を行う必要があると考えております。  また、女性皇族の婚姻等による皇族数の減少等については、皇族方の御年齢からしても先延ばしすることはできない重要な課題であると認識をしておりまして、この課題への対応等については様々な考え方、意見があり、国民のコンセンサスを得るためには十分な分析、検討と慎重な手続が必要であります。  いずれにいたしましても、衆参両院の委員会で可決された附帯決議の趣旨を尊重して、しっかりと対応していかなければならないと考えております。
  452. 片山大介

    ○片山大介君 総理はかつて、戦後間もなく皇族の身分を離れた旧宮家の皇籍復帰だとか、若しくは旧宮家の方が養子として今の宮家を引き継ぐなどのことを話されたことがあります。今はどのようなお考えをお持ちなのか、そうしたことも検討課題になるのかどうか、そこら辺はどのようにお考えでしょうか。
  453. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、私自身が私の私見を述べることは適切ではないと、こう思っておりますが、まさに、先ほど申し上げたことがこの基本的な考え方でございまして、男系継承が古来例外なく維持されてきたことの重みなどを踏まえながら、慎重かつ丁寧に検討を行う必要があると、こう考えております。
  454. 片山大介

    ○片山大介君 今回の陛下の退位特例法で大切なことは、与野党で合意されたことです、これ先ほどもお話があったように。これはとても重いと思います。だから、安定的な皇位継承についても是非丁寧に議論を尽くしていただきたい、そのように思います。  そして、与野党や国論が対立することのないように配慮しながらきちんと進めていただきたいと思いますが、それについて、最後、総理、お伺いしたいと思います。
  455. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど申し上げましたように、この問題につきましては、まさに国の基本に関わる極めて重大な、重要な問題でございますから、国民的なコンセンサスを得る必要があると、こう考えております。そういう中から、そういう考え方の下に慎重に検討しなければならないと、こう考えております。
  456. 片山大介

    ○片山大介君 続いて、ここからは、十月の消費増税一〇%と同時に始まる幼児教育、保育の無償化について伺いたいと思います。  これ、この無償化は、三歳から五歳までは全ての子供、またゼロから二歳は住民税非課税世帯の子供、対象になっています。そして、国と地方の負担割合も決まって、今は制度設計の最終段階になっています。  だけれども、その十月開始なのに、法案はまだもちろん通っていませんし、それから、その法案ができたのを受けて各自治体は条例などの整備、準備に時間取るようになります。これ、六月以降だと言われている。そして、何よりも、保育受けられるその保護者の人たちに案内をしなきゃいけない、これは夏休み前の七月までにやらなきゃいけない。これだけもうタイトなスケジュールになっているんですけど、これ本当立て込んでいる。  これ、本当に間に合うのかどうか、まず、この疑問がありますが、そこら辺、どうでしょうか。    〔理事山下雄平君退席、委員長着席〕
  457. 宮腰光寛

    ○国務大臣(宮腰光寛君) 地方自治体の準備が間に合うのかという御質問でございますが、御案内のとおり、今般の幼児教育、保育の無償化は、消費税率引上げによる増収分を活用して行うことから、その引上げ時期に合わせて二〇一九年十月から実施することといたしました。この幼児教育、保育の無償化の実施に関して、実務を担う地方自治体と国がよく連携して進めていくことが大変重要であると認識しております。  地方自治体、これまで国と地方自治体とで一緒になって事務フローを検討しているなど、その軽減に努めております。地方自治体の準備につきましては、昨年来、複数回にわたりまして国と地方自治体とで実務に関する議論を行う機会を設けたり、地方自治体職員向けの説明会を開催するなど、地方自治体の皆様とともに準備を進めてまいりました。  さらに、昨年十二月には、関係閣僚と地方自治体の代表から成るハイレベルでの協議の場を設置したところでありまして、十月からの円滑な実施に向け、引き続き地方自治体とよく連携して準備を進めてまいりたいというふうに考えております。
  458. 片山大介

    ○片山大介君 その国と地方の間で最後まで議論になったのが、無償化のこれ対象範囲なんですよね。これ、当初は、認可基準よりも緩い指導監督基準でさえも満たしていない認可外施設でも、五年の猶予期間を設けて無償化の対象にすることにした。でも、その実際の現場を預かる自治体の側から保育の質を心配する声があって、それで、協議の結果、全国の自治体ごとに条例を設けて無償化の範囲を絞り込むことができるようにした。  これ、まだその法案が通っていませんから、このことを知っている国民は余り多くないと思いますけど、こうすることは国の考える無償化に反することではないかと思いますが、そこはどのようなお考えでしょうか。
  459. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 認可外保育施設は、待機児童問題により認可保育所に入りたくても入れず、やむを得ず認可外保育施設を利用せざるを得ない方がいることから、代替的な措置として幼児教育、保育の無償化の対象としました。そして、原則、都道府県等に届出を行い、国が定める認可外保育施設の指導監督基準を満たすことが必要ですが、指導監督基準を満たさない認可外保育施設が基準を満たすように、満たすために、五年間のここは猶予期間を設けることにしました。  ただ、待機児童の状況が地域によって大きく異なることを踏まえて、今回の法案では、猶予期間中の措置として、地域の実情に応じた柔軟な運用ができるように市町村が条例によって定めることを可能とする仕組みを盛り込みました。これは、例えば、具体的には地域の全ての認可外保育施設が指導監督基準を満たしており待機児童のいない地域などで、市町村の判断によって議会の同意を得て条例を制定することを可能としました。  これは、地方自治体の協議を踏まえて設けた仕組みであり、引き続いて地方自治体の協議の場で認可外保育施設の質向上を始めとする様々な課題の検討を続けながら、十月からの幼児教育、保育の円滑な施行に向けて検討を進めていきたいと思います。
  460. 片山大介

    ○片山大介君 その利用する保護者への支援と施設の安全との兼ね合いは難しいと思いますが、今回のこの無償化に限って言えば、これを自治体に任せるのはちょっとおかしいんじゃないかというふうに私は思っています。なぜならば、これは国が突然言い始めたからなんです、この無償化はね。それで、先ほど最初に言ったように、ばたばたして、とてももう自治体は大変な状況になっているんですよね。  それで、同じサービスであっても、住んでいる自治体によって無償化になったり有料になったりとかと分かれるわけですよね。これは利用する住民目線で考えれば不公平にならないのか。ここら辺、どのようにお考えですか。
  461. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) これは、まさに自治体によっていろんな状況があるんですね。  地方自治体との協議の中では、うちは認可外保育施設については全部指導監督基準を満たしている地域なんだと、だからここは、満たしていますから、全ての施設が、だからこの自分の自治体では指導監督基準を満たす施設を対象とすると、条例によって、そこは柔軟な運用を認めてほしいと、実はこういう議論があって、そこは条例でそれぞれ判断できるようにしましょうということを協議の場で話し合った上で柔軟な運用を認めたと、こういうことであります。
  462. 片山大介

    ○片山大介君 今、大臣、指導監督基準のことを話されたんですけれども、施設やサービスによっては指導監督基準がないんですよ。例えばベビーシッター、これは認可基準はおろか、その指導監督基準すらないんですよ。だから、自治体によってばらばらな考えを持ってしまうと。  確かに、維新は、基本的にはその施設、それぞれの自治体に任せようと思うんだけれども、今回のこのような形でそれぞれ独自に条例を作らせるのであれば、せめて国の方はその公平性を担保した安全基準というのは作るべきだと思いますよ。それ、どうでしょうか。
  463. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 認可外保育施設の質の確保、向上を図ることは重要です。特に、ベビーシッターについては、委員が今お話がありましたが、ベビーシッターについては保育従事者の資格やあるいは研修受講などについて新たな基準の創設が必要と考えています。  今後、地方自治体と協議の場での議論を通じて、議論などを通じて、自治体の御意見も伺いながら、関係審議会で議論を行って詰めていきたいと考えています。
  464. 片山大介

    ○片山大介君 そうなんです。今言われたように、これからやると言っているんですよね。だから、これからそれもやった上で、それで自治体の条例を任せて、それで七月には保護者に案内掛けなきゃいけないと、これ大変だと思います。だから、是非それはきちんとやっていただきたい、そのように思います。  そして、こうしたことから分かることは、公的サービスの不備によって、それによって認可外施設に入らざるを得なかった、利用することを強いられている人たちに対して公平性が担保できていないことだと思うんですよね。そうすると、やはり、今よく言われているように施設整備の方が先なんじゃないかという話、これもっともだと思うんですが、これについてどのようにお考えでしょうか。
  465. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  議員御指摘のとおり、待機児童の解消は待ったなしの課題でございます。政府といたしましては、子育て安心プランに基づきまして、必要な保育の受皿、三十二万人分の受皿確保も並行して進めていく予定でございます。
  466. 片山大介

    ○片山大介君 それで、それを進めていただくんだけれども、今回のその無償化で更に待機児童が増える可能性はないのか、これよく議論になっています。  それで、内閣府はその可能性は少ないと言っているんです。その根拠としては、未就学児のうちの三歳から五歳については現在九〇%以上が何らかの施設に預けられたりサービスを受けたりしているから大丈夫だと、こういう話なんですけれども、でも、例えば東京都の保育ニーズ実態調査ってあるんですが、それを見ると、保育料が一万円とか二万円とか上がったときのニーズを予測しているんですが、保育料が上がると需要が低下するというような予測、立てているんですよね。  だから、逆に言えば、保育料が安くなれば、低くなれば、そして無償化になれば需要は上がると、これ考えられると思うんですが、ここら辺は検討されているのかどうか。
  467. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  まず、議員御指摘の東京都の調査でございますけれども、御指摘のように、保育料と保育需要の関係について調査結果がありますけれども、まず、この調査でございますけれども、保育料のみを保育所利用の決定要因と仮定した場合としておりますけれども、保育所利用の前提となります就労につきましては、例えば保護者の希望に合う勤務条件の職場が見付かるかどうかなど、様々な制約要因があるというふうに考えております。したがいまして、この調査結果のみを用いまして、保育料が安くなれば保育所利用が増えると判断することはできないというふうに考えております。  その上で、幼児教育無償化によります保育の潜在的ニーズへの影響につきましては、先ほど議員御指摘がありましたけれども、基本的に既にほとんどの子供が認可施設を利用できている三歳から五歳児を対象としていること、ゼロ歳児から二歳児につきましては住民税非課税世帯に限定していることから影響は限定的だというふうに考えております。
  468. 片山大介

    ○片山大介君 私が聞いているのは、そのシミュレーションをしているかという話です。今の説明はこれまでの経緯の説明で、ちょっと違うと思いますが。
  469. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) 委員、東京都の調査結果に基づくシミュレーションでございましょうか。(発言する者あり)はい。  繰り返しになりますけれども、定量的なシミュレーションというものはしておりません。しかしながら、定量的なシミュレーションはしておりませんけれども、待機児童の解消のために、子育て安心プランに基づきまして、保育の受皿三十二万人分を整備することとしておりますけれども、この保育の受皿の整備の三十二万人分につきましては、二十五歳から四十四歳までの女性の就業率が二〇二二年度末に他の先進国並みの八割まで上昇することを想定して必要な整備量を推計したものでございまして、今後、様々な要因によりまして保育ニーズの増大があったといたしましても、十分対応可能なものとなっているというふうに考えております。
  470. 片山大介

    ○片山大介君 いや、シミュレーションは、私、していないというふうに言っていただければよくて。  それで、今女性の就業率の話をしたんですが、じゃ、それに言えば、働く女性のおよそ六割が非正規従業員であるということはきちんと考えているのかどうかですよね。  それで、それは、保育料の安い認可保育所を落ちるのは非正規従業員の方が多いんですよ。それで、その非正規の人たちは、保育料の高い認可外施設までは預けられないからといって諦めている人が多い。そういう人たちが、無償化になれば、じゃ、働こうというニーズが出てくる可能性は高いと思いますよ。これどうですか、考えていますか。
  471. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  繰り返しになりますけれども、子育て安心プランによる必要な保育の受皿整備三十二万人分につきましては、二十五歳から四十四歳までの女性の就業率が二〇二二年度末に他の先進国並みの八割まで上昇することを想定しております。
  472. 片山大介

    ○片山大介君 さっきから質問かみ合わないんですが、これ非正規をシミュレーションしているかどうかを聞いているので、それはやっていないのであれば結構ですから、それは是非やってくれるようにしていただきたいと思う。  それで、要は、非正規従業員でも安心して認可保育所に預けられるくらいのそういった施設整備が必要なんですよ。それ、是非やるべきだと思います。総理、どうですか。
  473. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど答弁をさせていただいたところでございますが、基本的に三歳から五歳までは約九割の方々が既に預けられているという中において、ゼロ―二歳については住民税非課税ということもあり、今回思い切って一気に、消費税の引上げを機会に、その財源を活用して幼児教育の無償化、保育の無償化を進めるという判断をしたところでございます。この安定的な財源として消費税がふさわしいということでございます。  そこで、言わば、このどちらが、どちらかということではなくて、どちらもやらなければいけないと、こう考えておりまして、我々、保育の受皿づくりにつきましては、安倍政権になって二・五倍のペースで整備を進めているところでございますが、そこで、委員の御指摘は、この授業料を無償化にすれば、今まで、幼稚園、保育園の無償化を行えば今まで預けていなかった人ももっと預けるようになるだろうという、こういう御指摘なんだろうと、こう思うわけでございますが、そこで、我々といたしましては、先ほど答弁をさせていただいたわけでございますが、それをシミュレーションはしていないという答弁をさせていただいたんですが、就業率がまさに欧米並みに八割まで上がったとしても、それは、今まだそこまで行っていないわけではございますが、そこまで上がったとしても十分な受皿をつくっていこうということでございます。  いずれにいたしましても、待機児童ゼロを目指していくということは変わらぬ方針として、しっかりと地方公共団体とともに力を合わせていきたいと、こう考えております。
  474. 片山大介

    ○片山大介君 是非やっていただきたいと思います。  それで、今総理が言われたそのゼロ―二歳についてなんですけど、これは当面、今は住民税非課税世帯を対象にしています。総理は、このゼロ―二歳については待機児童の解消を優先させるとおっしゃっている。それじゃ、待機児童の解消はいつ頃までにといったら、平成三十二年度末という計画ですよね。ですから、およそあと二年後なんですけれども、そうすると、それが終わればゼロから二歳児の無償化の検討も始めることになるのか。これはどうでしょうか。
  475. 宮腰光寛

    ○国務大臣(宮腰光寛君) 今般の幼児教育、保育の無償化では、ゼロ歳から二歳までの子供につきましては、待機児童の問題もあることから、その解消に最優先で取り組むこととし、住民税非課税世帯を対象として進めることにいたしました。  更なる支援につきましては、少子化対策や乳幼児期の生育の観点から、安定財源の確保と併せて検討することにしております。
  476. 片山大介

    ○片山大介君 その無償化に、ゼロ―二歳まで広げたときのその額がどれぐらい掛かるのか、これ想定されていますか。
  477. 小野田壮

    ○政府参考人(小野田壮君) お答えいたします。  今般の幼児教育、保育の無償化につきましては、三歳から五歳までの幼稚園、保育所、認定こども園等の費用を無償化するとともに、ゼロ歳から二歳までにつきましては、住民税非課税世帯に限って無償化することとしたものでございます。  このため、今回の無償化の対象ではないゼロ歳から二歳までの子供たちを無償化した場合に要する費用につきましては、政府として試算を行ってございません。
  478. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 片山君、時間です。
  479. 片山大介

    ○片山大介君 最後。そのゼロから二歳の間で保育所に預けられないので就業継続できていない女性はすごく多いんですよね。ですから、是非そこの無償化頑張っていただきたいと思います。  終わります。ありがとうございました。
  480. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 以上で片山大介君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  481. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 次に、薬師寺みちよ君の質疑を行います。薬師寺みちよ君。
  482. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。よろしくお願いいたします。  政府は、G20、金融・世界経済に関する首脳会合開催に向けて、まさにその準備を加速しているところでございます。(資料提示)このG20、議長国を実は日本、初めて務めるということで、日本が主催する過去最大規模の首脳会合でございます。これから日本がどのような方向性でこの議論を主導していくのか、どのようなアジェンダ設定をしていくのか、世界中が注目しているところでございます。  総理、主要テーマ、そして期待される成果について教えていただけますでしょうか、お願い申し上げます。
  483. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) このG20は、日本は今までG7、8については経験があるわけでございますが、言わばG20、これだけ大きな規模の首脳会談は今回初めてとなるわけであります。六月のG20大阪サミットでは、主催国として世界経済の持続的な成長に向けたリーダーシップを発揮をしていきたいと考えております。  貿易においては、グローバル化による急速な変化への不安や不満が時に保護主義への誘惑を生み出し、国と国の間に鋭い対立をも生み出している状況でございますから、だからこそ、様々な不安や不満に向き合い、公正なルールを打ち立てることで自由貿易を進化させていくことが必要と考えています。  また、AI、IoT、ビッグデータが世界を一変させようとしている時代に、データこそ新しい付加価値の源泉であります。G20サミットでは、データガバナンス、電子商取引に焦点を当てて議論する大阪トラックの開始を提案し、そしてWTO改革に新風を吹き込みたいと考えています。  また、地球規模の課題につきましても、気候変動、そして海洋プラスチックごみ対策、そして質の高いインフラ、女性、国際保健等をテーマとして取り上げ、国際社会における取組をリードしていく考えでございます。
  484. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  私も、ドイツで行われましたG20のデジタル大臣会合で附属して行われました女性国会議員の会合にも出席をさせていただきました。そこで、デジタル社会で働く女性という課題で様々な議論が展開されました。このようなことをきっかけとして、また世界中で様々な動きが起こってくる。私はこれほど日本のプレゼンスを上げることはないと思いますので、成功させていかなければなりません。特に、そのG20はGDPで九〇%を世界で占めておりますし、貿易額は世界の八〇%、総人口も三分の二ということでございます。ですから、ここで何が発信されるのかということを世界中が今注目をしております。  そこに当たりまして、私が注目いたしましたのは、財務大臣・中央銀行総裁代理会議でございます。既に一月十七日にこの会合が行われたわけでございますけれども、ここで、黒田総裁も今日いらしていただいておりますけれども、黒田総裁が様々な人口動態に関する発言というものをなさってくださっております。  昨年、パリ・ユーロプラス主催のファイナンシャルフォーラムにおきましても、人口動態の変化と金融セクターの課題という話題提供もしてくださっておりますけれども、どのような影響が金融セクターにあるかということにつきまして、総裁の御意見をいただけますでしょうか。お願い申し上げます。
  485. 黒田東彦

    ○参考人(黒田東彦君) 一般論として申し上げますと、やはり、人口減少あるいは高齢化によって経済成長率が低下いたしますと、資金需要が伸び悩んで低金利環境が続くことになりやすいわけでございます。そうなりますと、金融セクターの収益への影響について注視していく必要があるというふうに思います。  他方で、人口動態の変化というものは、これに対応しようとする企業活動の前向きな変化やイノベーションを促すという面はございます。そうしますと、それを支えるための貸出しとか、あるいはMアンドAという新しい金融サービスへのニーズも生まれてまいります。  また、高齢者の増加ということは、実は、これまでは貯蓄が減るということばかり議論されていましたが、実は高齢者が増えていくことによってむしろ貯蓄も増える面もありまして、さらに言いますと、家計の資産運用ニーズが高まっていくということで、生命保険、あるいは年金、資産運用会社などにとってはかなり大きなビジネスチャンスの拡大にもつながり得るということであります。  したがいまして、これらを踏まえますと、金融セクターにとっては成長の機会ともなり得るというふうに考えております。
  486. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  実は、この会合の閉会式で、麻生財務大臣も、チャレンジをチャンスへという御挨拶をいただいたところでございました。まさに、この中で、高齢化社会の日本が経済を成長させるためにもしっかりとした政策を打ち出すことが重要だ、そこも私は注目いたしております。  金融システム、金融機関のビジネスモデルに変革を迫る可能性もあるということはもちろんのこと、やはり私どもとして更にイノベーションを促すという政策も必要かと思いますけれども、御意見いただけますでしょうか、お願い申し上げます。
  487. 黒田東彦

    ○参考人(黒田東彦君) 先ほど申し上げましたとおり、少子高齢化あるいは労働力人口の減少ということは、それ自体としては非常に我が国経済にとって大きな課題の一つであることは事実でございます。  もっとも、その中にありまして、資本の蓄積あるいはイノベーションを促すということによって、やや長い目で見た我が国経済のこの成長率を引き上げていくという可能性があるわけでございます。実際、最近の我が国の状況を見ますと、労働を代替する設備投資あるいはソフトウエア投資が活発化しておりまして、AI、いわゆる人工知能、新しいイノベーションも起こっております。  その結果もあると思いますけれども、この数年、G7の中で実は労働生産性が一番上昇している国は日本でございます。アメリカやドイツよりも労働生産性が上昇しているということでございます。  また、こうしたイノベーションを促進していくためには、やはり若年層に対する教育の充実、それから中高年層に対する再教育の機会の拡充ということが非常に重要だと思います。また、高齢者や女性の労働参加を促すことによって、生産年齢人口の減少をある程度抑制することも可能でありまして、実際、この五年、六年の間に、女性と高齢者の労働参加は非常に高まって、就業人口はむしろ増えているわけでございます。  このような問題意識の下で、政府も成長戦略の一環として生産性革命あるいは人づくり革命に積極的に取り組まれておられます。  今後とも、民間部門と政府が連携しながら高齢化社会に伴う課題に対処し、我が国経済を持続的な成長経路に乗せていくための取組をしっかりと続けていくことが大切であると思いますし、日本銀行としてもそれを側面から支えてまいりたいというふうに考えております。
  488. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  私もいろいろ調べておりましたら、日本銀行の総裁がこのような形で高齢化社会について発言をなさっていただくという機会がなかなかなかったように思っておりますので、更にこれから連携をしていただきながら、この日本の経済成長、特に女性の問題につきましても御発言いただけたらと思っております。  日銀総裁に対する質問はこれで終わりとなりますので、御配慮いただけますでしょうか、お願い申し上げます。
  489. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 黒田総裁、どうぞ御退室なさって、御苦労さまです。
  490. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ところで、このG20、財務大臣会合そして保健大臣会合ということを別々でやるのではなく、今回、合同セッションというものを持っていただける、これは初めてのことだと私伺っておりますけれども、どのような意図があるのか教えていただけますでしょうか、お願い申し上げます。
  491. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 全ての人々、世界中の全ての人々に対して、いわゆる基礎的な保健医療というものを支払可能な費用で提供する、えらく大層な話ですけど、これをUHF、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジという標語で、これは世銀の総裁等々が、キム、今回辞めておりますけど、キムという世銀の総裁、元々お医者さんですけれども、どうして世銀の総裁になったかよく知らないんですけれども、とにかく銀行に関する知識よりえらくこの種のことに詳しい人だったんですが、この人が言い始めたのに我々もその話をさせていただいたんですが。  お医者さんの話というのは、その話だけするけれども、日本の場合は、昭和三十五年だと思いますが、初めて国民皆保険という法律が、岸内閣のときにあれはできたんだと記憶しますけれども、それ以来この方、日本は世界で最も冠たるこのシステムをつくり上げた結果、平均寿命は御存じのように今世界一位だと思いますが、私が生まれたときはもう平均寿命は四十七とか八ですから、もうほとんど終わっておるという感じですよね、みんな、今は、だと思いますけれども。そういう時代だったのが今は八十歳ですから、七十年間で三十年間も、何というの、健康寿命というか平均寿命が延びた国なんて世界中で日本だけですから。  そういった意味では、これが成功したと言わずに何だというんで、これが何でできたのかというのをちょっと見習ったらどうだという話を言ったら、ちょっとそれ書いてみろと言うからまあ書いたら、それがそのままランセットという医療専門誌に載っかって、いきなりわあっと世界に広まったのが話なので、この種の話はとにかく保健大臣だけでしたって駄目と、財務大臣一緒にやらない限りはもう絶対その国で定着しませんよという話から、何となくあちらこちらの、IMFの総会だ、世銀の総裁だでこの話をさせられた結果、何となくこの種の話をやる会議としてG20でやろうじゃないかという話を持ち込まれて、我々がそれを受けたというのが早い話なんですけど。  とにかく、経済発展が、まだ昭和三十五年、岸内閣のときというのはそんな経済段階、伸びているわけではありませんから、その段階で日本は既にぼんとこれを持ち出しているというのであって、これは発展途上国であろうと何だろうと早い段階からこれをやっていかなかったら、高齢化した後じゃ間に合いませんよという話を申し上げて今回のことになったというのがその背景と御理解いただければと存じます。
  492. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  このユニバーサル・ヘルス・カバレッジも、日本の皆保険制度というものが世界でどのように見られているか、大変重要かと思います。特に、高齢化社会の中において持続可能な社会保障制度を構築していく、これは日本がこれから立ち向かわなければならない大きな壁だと思いますので、もちろん、我々のものを学んでいく、そして我々はそれの先に進んでいくという姿勢をお示しいただきたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。  ところで、今日は安全保障でございます。  世界の視点で安全保障という、語る上で、私ども外せないのが、国連機関でございます安全保障理事会の問題でございます。依然として、私ども日本というのは常任理事国ではございません。  そこで、これに今後、行財政改革にも積極的に私は改革の主軸として関与していただきたいと思っておりますけれども、まず大臣の御意見いただけますでしょうか、お願い申し上げます。
  493. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) この平成三十一年度予算、国連分担金二百十一億円、PKO分担金四百五十九億円をお願いをしているところでございます。二〇一九年度、日本は国連分担金、PKO分担金共に八・五六四%を負担をすることになっておりまして、国連分担金は、分担率が以前より下がったものの分担金は大きくなるということになっております。  日本は三番目の分担金の金額を負担をするということになりますので、この国連の行財政改革というのは日本の負担にも直結をすることになり、日本の財政にも影響を及ぼすことになるわけでございます。  今のグテーレス国連事務総長は、二〇一七年一月の就任以来国連の効率化ということに取り組んでいらっしゃっておりますので、このグテーレス事務総長の国連の行財政改革を我が国としてもしっかりと後押しをすると同時に、追加予算の抑制とかあるいは更なる効率化ということを求めるということは加盟国の中で先頭に立ってやってまいりたいというふうに考えております。
  494. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  やはり私ども、人を出すというのはもちろんのこと、しっかりと自分たちが負担したものがどのように活用されているかということを見ていかなければならない。「日本と国連」というレポートも私読ませていただきましたけれども、しっかりとした皆様方の活動によってどれだけ最近効率化されているか、もちろんそれは一番重要なことだとは思いますけど、日本がどれだけ発言権を持てるかというのは、どれだけの役目を果たしてきたかということも一つそのエビデンスとして挙げられるところだと思います。  実は、この日本というのは国連加盟国最多となる安全理の非常任理事国なんですよね。ですから、我々がこの十一回の間に何を果たしてきたかというのは、私はその発言権にも関わってくる部分だと思いますけれども、日本の果たした役目につきまして、大臣、どのように御説明いただけますでしょうか、お願い申し上げます。
  495. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) 日本はこれまで、国連加盟以来、十一回、二十二年間にわたり安保理に非常任理事国として参加をしてまいりました。二〇一六年からの任期を振り返りますと、例えばアフリカの平和構築に関する討論、あるいは北朝鮮に関する安保理決議の交渉といったことで日本は先頭に立ってやってまいりましたし、それ以外の案件につきましても、アメリカを始めとする常任理事国としっかりと緊密に連携をしながら、建設的に議論に参加をしてまいりました。  また、日本は非常任理事国として非常に多く安保理に参加をしておりますので、この安保理が今日的に課題にしっかりと効果的に対処できるように、この安保理の作業方法というものをしっかりと体系化していこうということで、それに日本は非常に大きく貢献をしてきたと言ってもよろしいかと思います。
  496. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  やはり日本として、国際協調はもちろんのことながら、今まで日本が発信してきた平和主義の立場から様々な国と連携をしていくということが重要かと思っております。  そこで、常任理事国入りを目指します日本、インド、ドイツ、ブラジル、四か国グループ、いわゆるG4というもので大臣も様々会合を開いていらっしゃるように私も報道で見聞きしておりますし、また二月にはミュンヘン安全保障会議にも出席をなさいまして、自由で開かれたインド洋というビジョンも推奨してくださっております。  このように様々、私は、大臣の、国を訪問していただいたり会合の中で常任理事国を示すというような意思を各国にも働きかけてくださっているのではないかと思いますけれども、今後の方針につきましても併せて教えていただけますでしょうか、お願い申し上げます。
  497. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) まず、このG4でございますが、外務大臣会合、昨年の九月に開催をいたしまして、今国連加盟国のほとんどの国が安保理改革を支持してくれております。にもかかわらず、実際の改革が進まない。これは、いろいろ声は上がるけれども、現実に文書に沿った交渉が行われないということが最大の原因というふうに考えておりまして、G4で様々なグループに手分けをして、テキストベースの安保理改革の交渉を始めようという働きかけをしているところでございます。  文書に基づいた交渉が進めば、安保理改革をやらなければいけないという多くの国の声が国連の中の世論となってそれを後押ししてくれるのではないかというふうに考えているところでございます。
  498. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  やはり、もう大国だけではなく、小国と言っていては申し訳ないですけれども、人口が少ない国の皆様方もそれぞれ一票をお持ちでございますので、しっかりと小さな国の皆様方にも是非その大臣の、特にG4が行おうとしている行財政改革というものを御理解いただいた上で御賛同いただければなと私も思っているところでございます。  やはり、このように国際社会の平和、安全ということを維持しながら貢献し続けるためにも、常任理事国入りを含む安保理改革というものを我が国は主導していただきたいと思っております。特に、アメリカの調査では、ほとんどの国民の皆様方が日本の常任理事国入りに賛成ということ、外務省の調査でも出ておりますし、設立後七十年が経過して、加盟国が二百国以上、大変これ、がたいが大きくなり過ぎてしまったがために、近年テロ、難民などの新たな問題に対応できていないのではないかというような批判もこの国連に対して出ているところでございます。  そこで、総理は、今後この安保理改革、我が国としてどのように主導していきたいとお考えなのか、お聞かせいただけますでしょうか。
  499. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 一九四五年に国連が創設をされて以来七十年以上が経過をして、加盟国は約四倍近くに増えていますが、また国際社会の構造は大きく変化をしておりますが、残念ながら安保理の構成はほとんど変化はしていない、安保理改革がいまだになされていないわけであります。  安保理が二十一世紀の国際社会の現実を反映をし、新たな課題により良く対応できるよう、今日の世界にふさわしい姿に変えていくために、多くの国々と協力をして日本は常任理事国入りを目指していきたいと、こう考えておりますが、首脳会談を行うたびに、安保理改革、そして日本の常任理事国入りについての理解と支持を求めているんですが、ほとんどの国は基本的に理解をしていただけますし、支持もしていただける。  ただ、なかなか、総論は賛成していただけるんですが、各論に入ると様々な思惑が交差をしてくるということでありますが、しかし、日本がしっかりとこれ、リーダーシップを取らなければ、安保理改革は決して実現できないだろうという認識と責任感を持って取り組んでいきたいと、こう考えております。
  500. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 終わります。ありがとうございます。
  501. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 以上で薬師寺みちよ君の質疑は終了いたしました。(拍手)  これにて安全保障・内外の諸情勢に関する集中審議は終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時十三分散会