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2019-03-14 第198回国会 参議院 予算委員会 9号 公式Web版

  1. 平成三十一年三月十四日(木曜日)    午前八時五十七分開会     ─────────────    委員の異動  三月十三日     辞任         補欠選任      石上 俊雄君     田名部匡代君      大野 元裕君     矢田わか子君      徳永 エリ君     古賀 之士君     佐々木さやか君     熊野 正士君      片山 大介君     片山虎之助君      藤巻 健史君     山口 和之君      大門実紀史君     紙  智子君  三月十四日     辞任         補欠選任      大沼みずほ君     藤木 眞也君      丸川 珠代君     中野 正志君      竹内 真二君     平木 大作君      山添  拓君     倉林 明子君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         金子原二郎君     理 事                 石井 準一君                 高橋 克法君                 二之湯武史君                 長谷川 岳君                 山下 雄平君                 蓮   舫君                 森 ゆうこ君                 谷合 正明君                 辰巳孝太郎君     委 員                 青山 繁晴君                 朝日健太郎君                 有村 治子君                 井原  巧君                 宇都 隆史君                 大沼みずほ君                 大野 泰正君                 太田 房江君                 こやり隆史君                 滝沢  求君                 中泉 松司君                 中西  哲君                 中野 正志君                 長峯  誠君                 藤木 眞也君                 三木  亨君                 元榮太一郎君                 和田 政宗君                 石橋 通宏君                 小西 洋之君                 杉尾 秀哉君                 青木  愛君                 大島九州男君                 古賀 之士君                 田名部匡代君                 矢田わか子君                 伊藤 孝江君                 熊野 正士君                 平木 大作君                 三浦 信祐君                 浅田  均君                 片山虎之助君                 山口 和之君                 紙  智子君                 倉林 明子君                薬師寺みちよ君    国務大臣        内閣総理大臣   安倍 晋三君        財務大臣        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(金融)        )        麻生 太郎君        総務大臣        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(マイナ        ンバー制度))  石田 真敏君        法務大臣     山下 貴司君        文部科学大臣        国務大臣     柴山 昌彦君        厚生労働大臣        国務大臣     根本  匠君        農林水産大臣   吉川 貴盛君        国土交通大臣        国務大臣     石井 啓一君        防衛大臣     岩屋  毅君        国務大臣        (内閣官房長官) 菅  義偉君        国務大臣        (国家公安委員        会委員長)        (内閣府特命担        当大臣(防災)        )        山本 順三君        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(沖縄及        び北方対策、消        費者及び食品安        全、少子化対策        、海洋政策))  宮腰 光寛君    副大臣        財務副大臣    鈴木 馨祐君    大臣政務官        農林水産大臣政        務官       高野光二郎君    事務局側        常任委員会専門        員        藤井 亮二君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官       藤原 通孝君        内閣官房皇位継        承式典事務局次        長        兼内閣府皇位継        承式典事務局次        長        三上 明輝君        内閣官房内閣参        事官       吉岡 秀弥君        内閣官房日本経        済再生総合事務        局次長      平井 裕秀君        内閣官房まち・        ひと・しごと創        生本部事務局地        方創生総括官補  伊藤 明子君        内閣府大臣官房        総括審議官    嶋田 裕光君        内閣府政策統括        官        海堀 安喜君        内閣府地方創生        推進事務局審議        官        村上 敬亮君        内閣府子ども・        子育て本部統括        官        小野田 壮君        内閣府子ども・        子育て本部審議        官        川又 竹男君        総務大臣官房政        策立案総括審議        官        横田 信孝君        総務省自治税務        局長       内藤 尚志君        法務省入国管理        局長       佐々木聖子君        外務大臣官房国        際文化交流審議        官        宮川  学君        文化庁次長    村田 善則君        厚生労働大臣官        房生活衛生・食        品安全審議官   宮嵜 雅則君        厚生労働大臣官        房年金管理審議        官        高橋 俊之君        厚生労働大臣官        房審議官     佐原 康之君        厚生労働大臣官        房審議官     本多 則惠君        厚生労働省医政        局長       吉田  学君        厚生労働省健康        局長       宇都宮 啓君        厚生労働省労働        基準局長     坂口  卓君        厚生労働省職業        安定局長     土屋 喜久君        厚生労働省子ど        も家庭局児童虐        待防止等総合対        策室長      藤原 朋子君        厚生労働省老健        局長       大島 一博君        厚生労働省年金        局長       木下 賢志君        厚生労働省政策        統括官      藤澤 勝博君        国土交通省国土        政策局長     麦島 健志君        国土交通省道路        局長       池田 豊人君        防衛大臣官房審        議官       深澤 雅貴君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○平成三十一年度一般会計予算(内閣提出、衆議  院送付) ○平成三十一年度特別会計予算(内閣提出、衆議  院送付) ○平成三十一年度政府関係機関予算(内閣提出、  衆議院送付) ○委嘱審査に関する件     ─────────────
  2. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  速記を止めてください。    〔速記中止〕
  3. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。  平成三十一年度一般会計予算、平成三十一年度特別会計予算、平成三十一年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、社会保障・内外の諸情勢に関する集中審議を行います。  昨日に引き続き質疑を行います。大沼みずほ君。
  4. 大沼みずほ

    ○大沼みずほ君 自由民主党の大沼みずほでございます。昨日に引き続き、早速質問に入らせていただきます。  今年三月、日本で初めて乳児用ミルクの発売が始まりました。(資料提示)二〇一三年、当選直後最初の参議院厚生労働委員会で、液体ミルクの導入を日本で検討してはどうかと提案させていただきました。その頃は私も授乳中でありまして、余り母乳の出が良くなかったものですから、粉ミルクを併用していました。七十度以上のお湯で粉ミルクを溶かし、氷水で二十分ぐらい掛けて冷やすのは、子育てをしている中で、主人にとっても、また私にとっても負担でした。  そして、東日本大震災の際、被災地に諸外国から液体ミルクが無償で提供され、日本国内においても液体ミルク製造に向けての要望の声が大きくなってまいりました。その後、自民党の有志で乳児用液体ミルクの普及を考える会を立ち上げ、日本で液体ミルクの製造販売するための方策を議論してまいりました。そして、一昨年、私も厚生労働大臣政務官に就任して、すぐ液体ミルク製造に向け取組を加速するよう指示をいたしました。政務官在任中の昨年八月、改正省令を公布し、今年の一月に江崎グリコさんと明治さんの二社に厚生労働大臣の承認が出て、三月に発売の運びとなりました。インターネットで署名活動を行っていた末永恵理さんや、食品製造会社、関係省庁など多くの皆様の御協力でようやく実現に至りました。  液体ミルクというのは、衛生上も、またその手軽さからも、震災時には特に効果を発揮するだけでなく、仕事をする女性にとってもミルクを作る時間の短縮に結び付き、育児に参加する男性にとっても便利なものです。国連児童基金、ユニセフでも、無菌状態の液体ミルクの方が粉ミルクよりも衛生的であるとして推奨しています。災害備蓄用として今後各自治体が備蓄していくことはいいことですが、北海道胆振東部地震の際は、液体ミルクが、使用したことがないのでよく分からないものということで、なかなか使用されなかったという話も聞いております。ふだん使い慣れているものだからこそ、被災した際も安心して使うことができるのだと思います。  このような中、赤ちゃんの授乳と離乳食に関する国の指針が十二年ぶりに初めて改定されます。母乳だとアレルギーにならないだとか、粉ミルクは肥満になるなど、科学的知見に基づかない情報も散見される中、母乳育児に過度にとらわれることに伴う負担感を減らし、必要に応じて液体ミルクなどを利用することも大切です。液体ミルク及び授乳に関する正確な知識の普及により、子育て世帯に安心感を与えられるような取組を進めていくことが大事と考えますが、厚生労働大臣のお考えを伺いたいと思います。  また、今国会では、子ども・子育て支援法が審議入りしました。子育て世帯の負担を軽減していくこと、液体ミルクのように一つ一つではありますが、子育て環境の向上をこつこつ地道にやっていくことが大事です。子育て世代の政治家の一人として、これからも子育て支援に取り組んでまいりたいと思います。総理のお考えもお伺いしたいと思います。
  5. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 大沼議員におかれては、液体ミルクの普及に向けて、国民の皆さん、あるいは被災地の皆さんの心に寄り添って、そして母親の視点から母親に寄り添って取り組んでいただいた、これまでの御尽力に感謝をしたいと思います。  液体ミルクについては、大沼議員が先ほど、政務官のときに的確に指示されて、そして平成三十年八月に国内で製造販売を可能とするための規格基準を策定しました。その後、厚生労働省、消費者庁において、販売に必要な承認などの手続を経て、今年の三月五日に販売を開始するようになりました。液体ミルクの使用を含めて、子育て中の方が安心して授乳できるよう、正しい知識の普及啓発を行っていくことが重要だと考えています。  先ほど御指摘がありましたが、現在、厚生労働省では、授乳などを取り巻く最新の科学的知見を踏まえて、保健医療従事者向けに、授乳、離乳の支援のポイント、これをまとめた支援ガイドの改定を進めております。その中で、今お話のあった災害時の備え、災害時にも水、燃料を使わずに授乳できるため、災害時の備えとしての活用、これ液体ミルク可能ですから、こういうことも含めて記載する予定であります。また、新たに平成三十一年度の事業として、授乳、母乳の実践に当たって一般向けの分かりやすいリーフレット等の普及啓発資材、これも作りたいと思っております。  今回改定することになる支援ガイドを通じた普及啓発を進めることによって、授乳における不安やトラブルに対し、母親などの気持ちや感情を受け止め、安心して子育てができるように取り組んでいきたいと思っております。
  6. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 子供たちこそこの国の未来そのものであり、家庭の経済事情にかかわらず子供たちの誰もが自らの意欲と努力によって明るい未来をつかみ取ることができる、そういう社会をつくり上げていくことが重要と考えております。  このため、今回の消費税率引上げにより生み出される財源を思い切って投入をし、幼児教育、保育の無償化に加えて、二〇二〇年度からは真に必要な子供たちの高等教育を無償化するなど、これまでとは次元の異なる政策を実行することにより子育てや教育に係る負担を大幅に軽減し、日本を子供を産み育てやすい国へと大きく転換してまいります。  大沼みずほ議員が取り組んでこられたこの液体ミルクの普及につきましても、今回解禁をされた液体ミルクについて、災害用備蓄としての活用を含め、その普及啓発等を進めていくこととしております。
  7. 大沼みずほ

    ○大沼みずほ君 ありがとうございます。  やはり、子育て世帯は様々な負担感を今感じている世帯が多くあるように感じます。温かな子育て世帯への国からの支援策を今後も拡充していっていただければと思いますし、私も子育て世帯の母親として、しっかり今後も取り組んでまいりたいと思います。  これで質問を終わります。誠にありがとうございました。
  8. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 以上で大沼みずほ君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  9. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 次に、中泉松司君の質疑を行います。中泉松司君。
  10. 中泉松司

    ○中泉松司君 おはようございます。自由民主党の中泉松司でございます。  本日は、貴重な質問の機会をいただきましたこと、理事の先生方、そしてこの委員会室におられる先生方に心から感謝を申し上げます。限られた時間でありますので早速質問に入らせていただきますけれども、総理以下、今日は何とぞよろしくお願いを申し上げます。  初めに、児童虐待について触れさせていただきます。  私も今、この胸にオレンジのリボンを付けさせていただいておりますけれども、オレンジリボン活動として取組を党でも進めております。いち早く虐待を見抜くために、一八九ダイヤルという取組を厚労省で進めていただいております。これは、全国どこであっても一八九にダイヤルをすることで最寄りの児童相談所に直通でつながるというものであります。虐待かもしれないと思ったら、すぐに、いち早く一八九にダイヤルをしていただけるようにと活動しておりますけれども、是非この活動、ダイヤルも国民の皆さんに理解をいただけるようにお願いをしたいと思います。  昨年の三月に東京都目黒区で五歳の結愛ちゃんが、そして今年一月に千葉県野田市で十歳の心愛ちゃんが虐待により命を落としております。痛ましい虐待事案が続く中、そんな中にあっても、まだ報道等を見ますと虐待かもしれないという案件が報道されておりまして、心を痛めております。先日も、これは虐待かどうかとまだ判断は付いていないのだと思いますけれども、五歳の男の子が雨の中走り回って、三歳のやけどをした女の子を助けるために、町じゅうを走り回って助けを求めたという報道もありました。  先日の予算委員会審議でも、野党の先生から、子供の虫歯の数と放置されている割合が虐待に関連しているのではないかという話がありまして、総理も前向きな御答弁をいただいております。実際、歯科医師さんに伺っても、是非取り入れるべき観点だというお話を私もいただきました。  例えば、海外では医師免許の更新時に虐待についての研修を義務化している国もあるとも聞きますし、国内でも、全国の都道府県、市町村の例を見れば、先進的に取り組んでいる例は幾らでもあるんだろうと思います。  ちなみに、秋田県でも独自の取組として、秋田県には県内三か所児童相談所がありますが、県内三か所全てに現職の警察官、OBではなく現職の警察官を配置をして、情報共有の円滑化や現場の対応力に大きく寄与していると伺っています。また、虐待かどうかの判断が難しいケースについて大学病院の法医科学者に診断を依頼したり、行政、警察、児相の職員などを対象に法医学の基礎的知識を学んだり、法医学の観点から見た虐待を見抜きやすい撮影の、けがの撮影の方法等といった講習を実施するなど、医療との連携を私の地元でも進めております。  こういった全国各地の取組があると思いますけれども、厚労省としてまずこの全国各地の取組を把握されているのか、お伺いをいたします。
  11. 藤原朋子

    ○政府参考人(藤原朋子君) お答え申し上げます。  児童相談所における児童虐待対応件数の増加が続く中、専門的な知識、技術を要する困難な事案も増加をしております。委員から秋田県での取組などを今御紹介をいただきましたように、自治体における効果的な取組を把握をすることは非常に重要だというふうに考えてございます。厚生労働省におきましては、自治体における主なこうした取組について把握に努めているところでございます。  ごく一部ですけれども、幾つか御紹介をさせていただければと思いますけれども、まず、市町村の中で子ども家庭総合支援拠点と子育て世代包括支援センター、こういった相談窓口がございますけれども、この窓口を一本化をして、職員が一緒に家庭訪問、ケース検討を行って切れ目のない支援を実施をしている事例ですとか、県と市町村の連携という観点からは、児童相談所と市町村が関わっている虐待ケースについて共同台帳で管理をし、効率的な情報共有を行っている事例ですとか、あるいは多職種の活用という観点からいいますと、児童相談所の初期部門に保健師を配置をいたしまして、母子保健や医療機関との連携を円滑に図るといったことで乳幼児への対応を適切に、より適切に実施をしている事例ですとか、それから虐待をしてしまっている保護者の方への支援ということでございますけれども、なかなか公的な機関の介入を拒否しているような保護者については、民間団体に委託をすることによってスムーズに保護者の支援プログラムを、支援を実施をすると、こういった事例を把握をしているところでございます。  引き続き、自治体での効果的な取組の把握に努めてまいります。
  12. 中泉松司

    ○中泉松司君 ありがとうございます。  私も秋田県の出身ですので、地元のことは理解をしているつもりですし、地元に聞けばいろんなことを教えていただけます。全国では、今お話があったように様々な取組をしている、先進的な取組をしている自治体も、そしてまた民間NPO等もあるんだろうと思います。そういった全国の取組というのは、私は四十七都道府県全てを知っているわけではありませんけれども、ここの委員会室におられる先生方、それぞれの地域や業界から出てきておられますので、様々な見方、見地はあるんだろうと思います。  そういった全国の取組の中から効果が高いと思われるものはしっかりと横展開をする、国の政策に取り入れていくという観点が必要ではないかと思いますけれども、この考えについて厚労大臣にお伺いをいたします。
  13. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 中泉委員が、秋田県、地元をよく歩いて、そして最前線の現場の声を聞いて把握して、そして様々な事例を今御紹介いただきました。今、政府委員からも全国の優良事例を紹介していただきました。  児童虐待対応件数の増加が続いている中で、専門知識、技術等を要する困難な事案も増加しておりますので、児童虐待防止に効果的な取組を全国展開する、これは極めて重要だと思います。  厚生労働省では、各自治体における先進的な事例、もう既にお話をしましたが、横展開できるよう、全国会議の場を活用して自治体の取組を紹介しております。このほか、子ども家庭総合支援拠点の先進事例や一時保護所の権利擁護の取組事例などについても、参考となるものを調査研究として取りまとめて周知をしております。優れた事例を参考に、次のような国としての政策に反映させていくことが重要だと考えています。  例えば、必要に応じて調査研究やモデル事業の実施、あるいはその取組を推進すべきものは必要な予算措置を講ずる、制度的に対応すべきものは法令改正を行う。しっかりと個々の優良事例を点検し、そしてそれを施策に反映し、しっかりとした取組をしていきたいと思っております。
  14. 中泉松司

    ○中泉松司君 前向きな御答弁をいただきまして、ありがとうございます。  先ほど申し上げましたように、全国では優良事例がたくさんあると思います。そういったところ、これは与野党の垣根を越えてしっかりと取り組むべき課題であると思いますので、是非ともよろしくお願いを申し上げます。  それでは次に、人口減少社会にどう向き合うかという観点に立って質問をさせていただきたいと思いますけれども、限られた時間でありますので、幾つか象徴的だと思っていることに関して質問をさせていただければと思います。  御案内のとおり、秋田県は全国で最も人口減少社会に突入しているといいますか、一番最前線でその人口減少社会と向き合っている県であります。世界全体の人口が増加傾向にある中で、この秋田県はその最前線ということでありますので、ある意味では世界で一番最先端でその課題と向き合っている自治体ということも言えるんだろうと思います。何とかしなければいけません。  初めに、過疎地における医療についてお伺いをいたしたいと思います。  先般、私のふるさと秋田県のある村で、大変悲しい残念な出来事が起こりました。体調不良で休んでいた村唯一の医師、これインフルエンザだったようでありますけれども、来院した患者の皆さんに対して、看護師に電話で指示をして薬を処方したという話です。これが医師法第二十条における無診察治療等の禁止に触るのではないかということで、一部報道にも取り上げられ、また地元の議会でも議論になりましたけれども、これが医師法第二十条に触るのかどうかといった議論を今日はしたいのではありません。そもそも医師がきちんと確保できていればこういった問題は起こらないわけでありますけれども、残念ながら、これまで取組を進めていますけれども、医師確保対策はなかなか進んでいないというのが現状であります。  重要なことは、これから人口減少が進むにつれて、全国、地方であればどこでもこういった事例が起こり得るということだと思います。起こらないように何ができるか、そして起こるとしたらどういったルールをもってその状況に向き合うべきか、しっかりと考えていく必要があると思います。  そこで、今回のような出来事に関して、今後こういったことが起こらないようにどういった取組を考えておられるのか、厚労大臣にお伺いをいたします。
  15. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 委員御指摘のように、地方の医師が少ない地域においてオンライン診療がより活用され得ると考えております。  オンライン診療というのは、遠隔医療のうち、医師、患者間において、情報通信機器を通じて患者の診療及び診断を行い、診断結果の伝達や処方などの診療行為をリアルタイムにより行う行為であります。このオンライン診療によって、医師が物理的な距離の制約を受けずに患者の診察を行うことができると考えられます。  現在、オンライン診療については、平成三十年三月に発出しましたが、オンライン診療の適切な実施に関する指針について見直しに向けた議論中であります。今年一月から検討会を開催して議論を開始しており、委員の御提案のような事例を踏まえ、例えば医師不足地域でのオンライン診療の一層の活用などを含め、検討していきたいと考えています。
  16. 中泉松司

    ○中泉松司君 今、指針に関しては見直し中だということでありますけれども、先ほど申し上げましたように、医師確保対策は、これをやっていないわけではなくて、各地域で一生懸命頑張っているけれどもなかなか効果が上がっていないというのが現実だろうと思います。そういった中にあって、今のルールであればバツということであっても、これからそのルールをしっかりと議論をした上で見直すことによってこういった状況を打開していかなければ、この地域を次の世代に渡していくということがなかなか難しいと思いますので、是非ともよろしく御検討の方をお願いいたしたいと思います。  次に、農政についてお伺いをいたします。  人口減少が進み、担い手が減少する中で、我が国の今後の農政においては、平野部や条件が良いと言われる地域では農地の集積などを通じた効率化が重要です。一方で、条件が不利と言われる中山間地域など、農地の集積、担い手の集約が難しい地域において集落を維持するための取組も非常に重要となります。平野部などで効率化、コスト削減といった取組で収入を求めていく産業政策と、集落の持続可能性を求めていく地域政策は、どちらか一方だけで我が国の農業政策として成り立つわけではなくて、両輪としてしっかり機能しなければいけないものであります。  前回、私、このテレビ入り質疑の際も、当時の大臣とこの認識を共有できましたが、今も農水省とその認識は共有できていると私は思います。全体として、中山間地域の維持発展に向けた今後の取組について、今日は高野政務官に来ていただいておりますので、御答弁をよろしくお願いいたします。
  17. 高野光二郎

    ○大臣政務官(高野光二郎君) 御質問ありがとうございます。  中山間地農業の振興については、一昨年一月の予算委員会におきまして中泉委員から御質問いただき、日本型直接支払制度など多様な施策を講じ支援していくことを、当時の山本有二大臣と今も農林水産省、しっかりと共有をさせていただいております。  例えば、委員の御地元の秋田県由利本荘市においては、中山間地域等直接支払交付金を活用して、農地の維持管理を進めつつ、アスパラガス、リンドウなど高収益作物を導入し、所得向上を図っておりまして、成果を上げておられます。  まず、中山間地域等直接支払交付金については、高齢化の進展、新規就農者を含む担い手の確保といった課題を踏まえ、平成三十一年度当初予算においては三つの試行的な加算措置を導入することといたしております。一つは、UIJターンなど、新たな人材を確保すること、二つは、福祉、生活サービスなど、農業者が住みやすく、集落の持続可能性を高めるための取組を行うこと、三つ目は、人手不足に対応するため、IoT、ドローンの活用などスマート農業を推進することなどをしております。秋田県におきましても、大変有望でございますので、是非チャレンジをしていただきたいと思います。  さらに、中山間地域の特色を生かした多様な取組を総合的、優先的に支援する中山間地農業ルネッサンス事業については、全国の要望を踏まえ、平成三十一年度当初予算においては対前年度四十億円増の四百四十億円を計上するとともに、優良地区の横展開を図るためモデル的な支援を強化しているところでございます。  中泉委員御指摘のとおり、我が国の農業政策として、競争力強化を図る産業政策だけではなく、もっと大事なのは、日本型直接支払制度など農村に活力を取り戻すための地域の政策を積極的に講じ、中山間地域の維持発展に努めてまいりたいと考えております。
  18. 中泉松司

    ○中泉松司君 ありがとうございます。  先ほど御答弁いただきましたとおり、ルネッサンス事業、来年度予算では増額をいただいておりますし、毎年これ、優先枠という形でありますけれども、ニーズが非常に多くてすぐに埋まっているという話も伺っています。  また、モデル事業、三つの新たなモデルというお話をしていただきましたが、これもあくまでモデルを今回テストするということだと思いますけれども、非常に重要な観点であると思います。伺ったところ、目安として四十七都道府県一つずつぐらいはいけるように、それぞれの地域の取組によってばらつきがあるのかもしれませんけれども、そのぐらいの取組を考えていただいているとも伺っておりますので、是非ともそういったものが今後の中山間地対策の取組に進んでいけるように、よろしくお願いをいたしたいと思います。  次に、農地の集積について、これも中山間地に関わる話ですけれども、お伺いをいたします。  両輪の片方を担うと先ほど答弁もいただきましたけれども、いわゆる中山間地域は我が国の耕地面積の四〇・六%を占めています。食料の安定供給のみならず、天然のダム機能、クーラー機能など、多面的機能の観点からも重要な地域と位置付けられていますけれども、人口が減少する中で思うように農地の集積や担い手への集約が進んでいないというのが、先ほども申し上げましたけれども、実情であります。  実際、全国を回って視察等でお邪魔をいたしましても、田んぼであったんだろうなというところの真ん中に大木がそびえ立っているのを見たりすると悲しい気持ちにもなります。やっぱりそういったところが中山間地歩いていると多く見かけるのが私の感想でもあります。  放っておけば状況は悪化するだけでありまして、これからいわゆる誰が担っていただけるのか、そして担っていただける方に集積していくことができるのか、取組を考えていかなければいけないと思いますけれども、農水省としての見解をお伺いいたします。
  19. 高野光二郎

    ○大臣政務官(高野光二郎君) 委員御指摘のとおり、中山間地域においては担い手やまとまった農地の不足等が障害となっておりまして、平地と比べ農地の集積、集約化が進んでいない実態になっております。  担い手を確保するためには、地域外からの参入も視野に入れ、総合的な施策を講じていく必要があると考えております。今国会に提出予定の地域再生法改正案には、いわゆる農地付きの空き家を活用した移住促進策を盛り込んでいるところであります。これと農林水産省の新規就農支援策等を組み合わせることによりまして、UIJターンを含めた総合的な人材の確保を推進してまいりたいと思います。  また、まとまった農地確保のため、中山間地域に適した事業を活用していただくことも重要だと考えております。例えば、高知県北川村では、農地中間管理機構関連の基盤整備を活用してユズ生産の担い手の確保を担っています。平成三十一年度予算では、機構集積協力金による中山間地域の農地の最低集積要件を平地の五分の一に緩和をしたところでございます。  これらを活用して、平地だけではなく、中山間地域でも農地の集積、集約化が実現できるということを示していきたいというふうに考えております。  農業、とりわけ中山間農業に精通されている中泉委員にこれからもいろいろ御指導いただきたいと思います。よろしくお願いします。
  20. 中泉松司

    ○中泉松司君 御答弁ありがとうございます。  国の目標でも、中山間地も含めて担い手への集約ということを掲げています。これ、是非総理にもこの機会に頭に留めておいていただきたいんですけれども、二〇二三年までに全耕地面積に占める担い手への集約の割合を八割にするということを今国では目標にしております、まあ御存じだと思いますけれども。  先ほど申し上げたように、いわゆる中山間地域は全国で四〇・六%、四〇%ちょっとあります。二〇二三年までに八割の集約をする、集積を図っていくということであれば、少なくともその残りの六割の部分を一〇〇%集積、集約できたとしても、その中山間地と言われるところの、少なくとも四〇%の半分以上は集約をしていかなければ、これ物理的に考えても目標が達成できないということになります。  けれども、その中にあって、今全国を回っていても、地元を走っていても思いますけれども、そしてまた関係者からお話を聞いても、平野部であれば、条件がいいところであれば幾らでも借り手は付くという話も聞きますが、一方で、なかなか条件が厳しいところは借り手が付かないんだよねというお話も伺います。  そういった意味で、事前に農水省に問い合わせましたけれども、いわゆる中山間地というのがどこからどこまで中山間地なのかというのはなかなか線引きが難しいということで、それは私も理解をいたしますけれども、だから中山間地としてどのぐらいの集積が図られているかというのは数値では示すことはできない、これも理解はしますが、少なくともなかなか厳しい現状であるということだけは間違いないと思いますので、先ほど申し上げられたような様々な取組を通じて、しっかりとその目標に少しでも近づくことができるように取組を進めていく必要があると思いますので、よろしくお願いをいたします。  それでは、ここから総理にお伺いをいたします。  このように、今時間の関係で、これ挙げたら切りがありませんので、医療のこと、農政のことに関して、地方の実情も踏まえて御質問をさせていただいたところでありますけれども、人口減少に伴って出てくる課題というものは大変多くありまして、間違いなくこれは我が国にとって大きな課題になるものだと思います。  農政や医療、それと一緒に人口減少問題ということではなくて、人口減少という大きな下地がある中で様々な問題が出てきているというのが考え方として持つべき視点なのではないかと私は思っています。  「世界がもし一〇〇人の村だったら」という本、御存じでしょうか。うなずいていただいてありがとうございます。二〇〇一年に日本でも本になっていますけれども、アメリカのとある学者が世界の六十三億人を最初は千人に縮尺をして、千人のうちこういうパーセンテージだという話をして、それがインターネットを通じていろんな人の手が加わって、最終的に百人だったらという話になっているものです。世界がもし百人の村だったら、男性は四十八人、女性は五十二人、世界がもし百人の村だったら、三十人が子供で七十人が大人、そのうちの七人がお年寄りですといった具合で、私も初めてこれ大学生かそのぐらいに読んだんですけれども、分かりやすいなというふうに思った記憶があります。  私の地元秋田県は、昭和三十一年が人口のピークでありまして、昭和三十一年、百三十五万人いました。おととしの四月、二〇一七年の四月に百万人を切り、現在は九十八万人を切って九十七万人台に突入しています。県の単純な試算を見ますと、二〇四〇年には七十万人になると言われています。  先ほどの例に合わせて、秋田がもし百人の村だったら、子供は十五人しかいなくて八十五人が大人で、そのうちの二十人が老人だということを今言いたいのではありません。秋田がもし百人の村だったら、その百人が今九十八人になって、これから二十一年掛けて七十人になるんです。百人の村が七十人になったときに百人分の農作物を作っていれば、三十人分余ります。米なんかに例えてしまうと、米は元々百十人分ぐらい作っていますので、そういった意味では、それを減らしてきつつあるという努力をしているんですが、食べる量が減っているということではなくて、食べる人がこれから減ってきます。  これは秋田だけではなくて、長い目で見ると、いずれ日本でも同じことになります。日本がもし百人の村だったら、それが七十人になったら。先ほどの作物でいえば、じゃ、三十人分作るのをやめるか、それとも野菜など七十人分にも足りない食物を作るのか考えなければいけませんし、その三十人分消費者を確保するために、ほかの村に売ることだってできます。これが輸出です。  今四千万人を目指して、ついに三千百十九万人まで来た外国人観光客、これも一時的にではありますけれども、村に入ることになります。村の食べ物を食べて村で消費をしてもらいます。村人が増えたことと同じようなことになります。外国人労働力だって観光客より長くいますけれども、永続的ではありませんけれども、同じように消費をしてくれます。  そもそも七十人の村で百人分の生産性を維持向上するのであれば、その三十人分ほかの村から人を借りるのか、それとも今以上に機械に頼っていくのか、そういったことを考えていかなければいけません。  全てをこれで例えられるわけではありませんけれども、人口減少が進むと言われる秋田に暮らしていて、そしていろんな人と話をしていて、人口減少に向き合うということはこういうことなんだろうと私は思います。  人口減少は全ての課題につながっていて、農業、医療のみならず外国人観光客、労働力の増やそれに伴う生産性の向上、それぞれの政策という考え方ではなくて、総合的に人口減少社会に向き合っていくべきではないかと考えますけれども、総理の御見解をお伺いいたします。
  21. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに中泉議員が指摘された点が今後の日本が取るべき道を示しているんだろうと、こう思います。  農業につきましても、今委員がおっしゃったように、人口減少の中においては、やはりこれは新たな販路として輸出を進めていく、その中で経済連携を進めていくわけでございますが、確かに日本の人口は減っていくんですが、今、中泉委員がおっしゃったように、隣の村、アジア太平洋地域は人口が増えていくし、生活の水準も上がっていく。今まで売れなかった日本の少し高い作物が売れるようになってきたというチャンスを生かしていきたいと思います。  今委員がおっしゃったように、人口の減少については、地域のコミュニティーや経済や社会保障など、あらゆる面で大きな影響を及ぼしていくのは事実であります。その中で様々な今挙げられたような課題が出ていく。そういう課題にどう対応していこうか、どう対応していくかがまさに政治の責任なんだろうと、こう思います。  既に厚労大臣や農水大臣から答弁をさせていただきましたように、そうした課題に対しては先端技術を生かしながら対応していく。医療においては遠隔の医療やあるいはAIを活用していけば、地域にあって、たとえお医者さんがそこにはいなくても、遠隔で最高水準の医療を各地域で受けることができるようになっていく。学校においてもそうですね。遠隔の授業において極めて高いレベルの授業も受けることができるようになっていくということを活用しながら、そうした人口減少を補っていく努力もしていかなければいけない。  と同時に、増やしていく努力も大切だろう。その中においては、やっぱりポイントはいかに若者たちを地方に呼び込んでいくかということではないかと思いますが、先ほど委員がいろんな地域の成功例を横展開していくべきだ、私もそう思います。  例えば、岡山県の西粟倉村では、若者たちの起業を村ぐるみで応援をした結果、人口が十五年間ずうっと減り続けて二割減って千五百人を切った村でありますが、昨年初めて人口増に転じ十人増えたということでございます。二〇三〇年の推計人口も、直近で十年前の推計と比べて一割以上上方修正をした。まさに未来は変えられるということを示しているんだろうと思います。  西粟倉村のチャレンジを後押ししたのは、政府が進めてまいりました地域おこし協力隊の制度でありまして、最初の三年間一定の収入が確保される間に新しいビジネスを軌道に乗せて定住につながっているわけでありまして、安倍内閣におきましては政権交代前の十倍以上、五千人規模へと大幅に拡大をしておりますし、また、十年前、東京から地方への移住相談はその半分近くが六十歳代以上でありましたが、足下では九割が五十歳代以下の現役世代で、三十歳未満の若者の相談は五十倍以上に増加をしております。若者がだんだん地方にこそチャンスがあると思うようになり始めてきた。これを是非生かしていきたい。  秋田県においても、まさに魅力満載の地域ということでありますから、そういう地域を、新しい政策で若者を引き付けていく、中泉議員にも大いに活躍をしていただきたいと、このように思います。
  22. 中泉松司

    ○中泉松司君 私の質問の足らざるところを総理が補足していただいたような話で、本当にありがとうございます。  考え方として、私もいわゆる人口減少を肯定するのでは全くなくて、ただ、傾向としてそういうふうな方向に向かっているのに対応した上で反転攻勢を考えていかなければいけないということだと思っています。ですので、これ、何も脅すとか、こういう世の中になる、秋田がなくなる、日本がなくなるという話をしたいのではなくて、あくまで方向の前提として、私たち政治家の側も、そして国民の皆様の側も、前提としてしっかり共有するということが大事だと思っています。  例えば、地元で外国人観光客の取組の話なんかをすると、いやいやいや、外国人入れているよりも日本人の観光客大切にしなさいよみたいな話もすぐ一方で出てくるのは、これは当たり前の話だと思うんですが、やっぱりその前提をしっかり共有することによって見え方というものも変わってくるんだろうと思います。もちろん、様々なその政策を政策的に議論をして判断をするということも大事でありますけれども、一方で、人口減少という観点から見たときに、同じ政策もまた違った見え方もできるんだろうと思いますので、そういった様々な観点を通してしっかりと国民に政策を練り上げて説明をしていくということが肝要だろうと思っております。是非とも、そういった意味で御指導もいただきたいと思いますし、私も頑張っていきたいと思います。  時間が大変なくなってきまして、最後に、我が国の国防について、地上イージス、イージス・アショアについて一言これは触れておきたいと思います。  秋田県では、山口県、秋田県が配備候補地として選定をされ、今現在調査中ということであります。調査中なので、今この調査中のことに対して私から何か申し上げるつもりはありません。年度内にしっかりと調査をし、そして省として整理をして、しかるべきときに御説明をいただくということであると思いますので、まずは一義的にはそのことを待ちたいと思います。  ただ、地元でいろんな議論を見ますと、イージスそのものに対して賛成、反対なのか、それとも秋田、山口に配備することに対して賛成、反対なのか、ごっちゃになった議論というのがされているんだなというふうに思うのも、感想として率直なところあります。  秋田、山形に関しては、今、あっ、秋田、山口です、大変失礼しました。秋田、山口に関しては、今調査中ということでありますけれども、調査中であってもできることというのは私はあるんだろうと思います。それが、地元の理解を得るということを考えたときに大切な、地元の、住民の代表である知事、市長が言っていることをしっかりと丁寧に受け止めるということです。  例えば、知事、市長共に、ほかに適地はないかしっかりと検証してほしいということも言われていますし、市長であれば、調査結果を秋田市として検証するための時間を十分に取ってもらいたいだとか、又は、机上の計算だけではなくて、実際にそのレーダーがどういう影響があるものなのか、実際のレーダーを使って検証してほしいという話もありました。その実際のレーダーを使って検証してほしいという話は防衛省も速やかに対応していただいて、それは全く同じものではありませんけれども、同タイプのものを使って、机上とミックスさせて精度を高めるといったこともやっていただいております。  知事が、十分な保安距離や緩衝地帯が確保できるかという指摘をしています。これは、今の言われている演習場だけを考えたときに、なかなか高いハードルだと思いますので、知恵を絞っていかなければいけない、そういう課題なんだろうと思います。  まずは、この住民の代表である首長の方々の指摘に対してきちんと対応し、知恵を絞っていくという努力をしていただくべきだと思いますけれども、防衛大臣のお考えをお伺いいたします。
  23. 岩屋毅

    ○国務大臣(岩屋毅君) このイージス・アショアにつきましては、現在、人体や周辺環境への影響も含めて、電波環境調査あるいは地質調査という調査をやっております。新屋演習場では済んでおりまして、今はむつみ演習場の方で実施をしております。  委員御指摘のように、候補地の知事さんや市長さんなどからいただいている様々な御意見、要望については、しっかりとこれを受け止め、御理解を得られるように、一つ一つ丁寧に誠心誠意対応してまいりたいというふうに考えております。  調査結果については、精査をした上で、年度を越えましたら説明をさせていただけるというふうに思っております。  それから、知事さんや市長さんなどの御指摘を踏まえて、今委員が御指摘ありましたような、保安距離、緩衝地帯をしっかり確保すること、周辺の地下水に影響を与えないように必要な設備を整備すること、演習場施設の警備体制などを強化して万全のセキュリティー対策を講じることなどにしっかりと応えていきたいというふうに考えているところでございます。
  24. 中泉松司

    ○中泉松司君 お約束の時間が参りましたので、質疑を終了させていただきますけれども、しっかりと私も与党の立場としても御提言を申し上げたいと思いますし、これからも取組をしっかりと進めていただきますようにお願いを申し上げまして、質問を閉じさせていただきます。  ありがとうございました。
  25. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 以上で中泉松司君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  26. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 次に、片山虎之助君の質疑を行います。片山虎之助君。
  27. 片山虎之助

    ○片山虎之助君 皆さん、おはようございます。日本維新の会の片山虎之助でございます。  いつも同じことを言いますが、分かりやすい質問を心掛けますので、分かりやすいかどうか分かりませんが、分かりやすい答弁でよろしくお願いします。  申し訳ないんですが、通告にないことをまず最初にお尋ねいたします。  最近のメディアで、安倍首相の自民党総裁四選論がにぎやかですね。いやいや、本当に、今日も出ていましたけれども。三選されたのは去年の九月ですよね。そうすると、まだ半年ですっけ、半年ですね。今、もう歴代の総理の在任記録を次から次へ塗り替えるというか超えていっておられますよね。そういうときに、三選して半年で早々に四選論が出ることに私はちょっと驚いているんですが、衆議院か何かの委員会で質問があって、総理は、それは自民党のことだから自民党でしっかり議論するので御心配なくと、こう言われましたよね。それ、御心配なんですよ。  自民党総裁というのは、即、今は内閣総理大臣ですからね。国の動きを握るわけなので、関心を持つなといって、みんな持ちますよ。それは私は仕方がない、しかも、これだけ長くやって、いろんな実績も積まれているので。しかし、長いことは確かに長い。いいのか悪いのかという、賛成と反対両方出るのは当たり前なんですよ。どういう私は決着をするのか、私個人のことは言いませんけれども、しかし、最終的には、私は、決めるのは国民の意向、意思だと思うんですよ、自民党のというより。  そういう意味で、民意というものが最終的な私は決め手になるんじゃないかと私個人は思っているんですが、総理、御感想があればお聞きしたい。
  28. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 既に、自民党の規約によって三選ということで、それ以上、四選ということは禁じられておりますので、自民党総裁としてこのルールに従うのは当然のことであろうと思いますし、今委員がおっしゃったように、三選を果たしたばかりでございまして、この任期、最後の任期、私にとって最後の任期を全力で結果を出していくことに集中していきたいと、こう思っているところでございます。
  29. 片山虎之助

    ○片山虎之助君 自民党の規約でしょう。憲法だって変わるんですよ、必要なら、それだけの必要性とみんなの同意があれば変わるので、それ以上のことは申し上げませんけれども、ひとつしっかりと御判断していただきますようにお願いします。  そこで、質問に入りますけれども、まずは統計不正というんですか、不適正処理というのか、そのことについてお伺いしたいと思いますけれども。  私は、この問題は衆参で大議論を予算委員会中心にやっておりますけれども、私、根っこには霞が関の劣化があると思っているんですよ。この何年間の状況を見るときに、霞が関の、本当に劣化したなと、このように思いますよ。  公文書の改ざんでしょう、組織的な。あるいは、防衛大臣おられますけれども、防衛日報の、あれ隠蔽というんでしょうか、あの問題。あるいは裁量労働制の調査のずさんさ。まあ小学生か中学生ですよね。そういうことは、昔の私は霞が関にはあんまりなかったと思うんですよ。うそはつかない、いいかげんなことはしない、しっかりと誠実にやる。それなりの優秀さやそれなりの真面目さを私はみんな持っておったと思うんですけれども、いつの間にかこういうことになっている。これは、官僚制度、公務員制度の金属疲労でしょうかね。  それから、この間、賃金構造基本統計の検証を、厚労省で駄目だから、官房長官の指示か何か知りませんが、総務省でやった。それを見ますと、遵法精神がないと書いてある。遵法精神、何と書いていましたかね、事なかれ主義の蔓延、遵法精神の欠如、それから、幹部は現場についての認識がない、現場とのコミュニケーションもない、こんなことでうまくいくわけがないですよね。  総理、御感想というか、最高責任者ですから、御感想じゃなくて、自戒も含めて御意見を賜ります。
  30. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 行政をめぐる様々な問題について、国民の信頼を揺るがす事態となってしまったことに対し、行政府の長として大きな責任を痛感しており、率直におわび申し上げます。  行政の信頼回復のためには、公務員一人一人が国家国民のため心を尽くして身を尽くす、全体の奉仕者としての高い倫理観と使命感を持ち、職務の遂行に当たらなければなりません。ただいま委員がおっしゃったようなこと等をしっかりと胸に刻み、公務員が行政のプロとして高い誇りを持ってその専門性を存分に発揮し、適切に役割を果たしていく必要があると思います。  そのためには、国民の代表たる政治家がその責任と権限の下、強力なリーダーシップを発揮しなければならないと考えております。行政府の長として、一層身を引き締めて政権運営に当たることにより、国民の皆様の信頼を取り戻してまいりたいと考えております。
  31. 片山虎之助

    ○片山虎之助君 それをどうやるかなんですね、信賞必罰を含めて。  それから、私は、さらにもう一つあるのは、政と官の関係が変化してきているんですよ。政と関係は、これは役割分担なんですよ。物を決めるのは政ですよ、当然、当たり前で。しかし、選択肢を出すのは官で、政が決めたものを誠実に実務的にきちっと執行していくというのがまた官の役割なんですよね。  ところが、この何年間かの長い歴史の中で政と官の関係が変わったというか、今は政治主導ですから、政が強くなって官が萎縮して、そんたくが得意になってということで言われていますよね。全体の奉仕者なのか政権の奉仕者なのかという、そういう議論まである。私は、これはやっぱり問題だと思うんですよ。そういうのは中立で、国民あるいは全体のために奉仕をする、そういう精神をもう一遍回復する。それはどうやるんだと、政と関係の。それを官だけにしたら、またこれ、いろいろ問題起こしますよ。そういう意味で、これについてもお考えあれば。
  32. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど御指摘をいただいた統計の問題については、そもそも法律そしてルールそのものを逸脱をしていたわけであります。公務員である以上、遵法精神の下、しっかりとルールにのっとって行っていくということは当然のことであろうと。取らなければいけないサンプルを取っていなかった、あるいはそれを復元しなければいけないという常識を、しっかりとその下で復元をしなかったということもあるわけであります。  他方、この政と官との関係でいえば、橋本行革において政治のリーダーシップ、官邸の主導ということで体制をつくったわけでございますが、まさに政治のリーダーシップというのは、選挙によって国民に信を問い、そして政策を訴え、その政策を実行していくという責任を負うわけであります。そして、その責任の下に政策を実行していく、各、官の役割としては、その政策をしっかりと、優秀な官僚たちが更に政策を細かくつくり、練り、実行していくということなんだろうと、こう思います。その結果は、問われるのはまた政が選挙によって問われるということになるんだろうと、こう思うわけであります。  もちろん、官の役割というのは、当然、国民の奉仕者として常に政治的に中立でなければならないわけであるということは言をまたないのでございますが、政治の責任としては、選挙で信託を得ると同時に、選挙でお約束したことを実行していく責任、そして、その結果は選挙で問われるということではないかと思います。
  33. 片山虎之助

    ○片山虎之助君 今、私は政と官の関係がすごく変わってきているなと思いますが、やっぱりこれを適正に返す。それじゃ具体的にどうするのか、なかなか難しいんですけれど、何をどうするのか。しかし、そういうことを心掛けていただくということも必要なんで。統計のような地味で目立たなくて、しかも割に困難な学究的な仕事についての評価というのがあってもいいんですよ。権力の近くで権力につながるような仕事というのは派手でいいですよ、力もあるし。しかし、そこのところのバランスなり、そうでないと官の中でいろんな分断が起こる。  それで、統計というのは大切な仕事ですよ。私も総務大臣やらせていただいて統計を所管して、統計の重要性というのは十分分かりましたがね。政策のインフラだとか行政のインフラだとかという、それ、恵まれているかというと恵まれていないんですよ。人間だって減っていますよ。まあこれは、減るにはいろんな事情があるから。半分になっている、昔に比べると、統計に携わる職員が。予算なんかも、増えるときはもちろんありますけれど、全体ではそう増えていない、キャリアパスもない。人を育てる、育成するような仕組みにもなっていない。口だけ言ってもそれは駄目なんですよね。統計にみんな誇りを持って、統計がやりたいと、そういう何らかのことを考える必要があると思いますよ。だんだん統計が信用できなくなったら、どっかの国と同じようになる。だから、そういう統計独特の今回事情もあってこういうことになったんですよ。  大体、十五年間も間違ったままにする。間違っているもの直せばいいんですよ。全数調査の必要がなきゃ抽出調査で直せばいい、抽出調査で直して補正、修正を掛ければいい。ところが、それを十五年間もやらない。途中でばれるとというか分かると、今度はうそを言う。申し継ぎもしない、申し送りもしない。こういうことでは、そういうことを仮に統計の人が、まあやったということになっているわけですから、私は統計についてもう一遍考えていただく必要があると思いますよ。口で言ったって、総理、直りませんよ。いかがですか。
  34. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 詳細については総務大臣から答弁させますが、今回の統計をめぐる問題を受けまして、統計委員会において点検検証部会を設置をし、先月から審議を進めていただいているところであります。  今回の不適切な措置にどのような背景があったのかについて、統計職員の業務の実態や予算、人員等のリソースの配分の状況、また調査方法等の統計業務の在り方を含めて検証を行い、そうした結果も踏まえつつ、総合的な対策を講じてまいる所存でございます。  詳細については総務大臣から答弁させます。
  35. 石田真敏

    ○国務大臣(石田真敏君) 公的統計の信頼を回復し、品質確保、向上を図るためには、統計に関する専門性を有する人材の確保、育成が重要でございまして、また、その際には、研修などの対策を個々に講ずるのではなく、御指摘のとおり、採用、登用、育成といったキャリアパス全体を捉えて総合的な対策を講じていく必要があると考えております。  このような観点から、昨年四月に作成されました統計人材の確保・育成方針では、計画的な採用、OJTや研修を通じた能力開発、研修の受講履歴等の情報管理と人事配置への活用、府省間、国、地方間、学界、国際機関などとの交流等の総合的な対策について政府全体を通じて進めていくことを定めたところでございます。具体的な取組としては、人事管理の中に研修を位置付け、統計研修において優秀な成績を収めた者には昇給などの処遇改善を図っているところでございます。  また、統計委員会からも昨年の七月に、人材確保、育成のための取組について統計リソースを重点的に配分する必要がある旨建議をいただいておりまして、公的統計の信頼性を確保するため、これらの取組を更に推し進めてまいりたいと思っております。
  36. 片山虎之助

    ○片山虎之助君 じゃ、総務大臣、よろしくお願いします。  それから、統計には何種類もあるんですよ。基幹統計は皆さん御承知のように五十六で、一般統計が二百三十三、業務統計というのが四百あるんですよ。それ以外に加工統計というのもあるんです。それから、統計周辺のいろんな統計まがいのものある、外部委託もある、物すごいんですよ。それが、一般統計や基幹統計は総務省がチェックしますよ、承認を与えるんです。あとは勝手にやれるんですよ。勝手にはおかしいけど、予算も勝手に取る、あとは勝手にやる。  だから、それをやっぱり整理しないと、受ける民間や何かはもうくたびれますよ、いっぱい来るんだから、役所から。それはちゃんと付き合わなきゃいかぬ。だから、私は、統計全部の重複や無駄や、それをきちっとどこか整理するところが要ると思うんですよ。あるいは、それが総務省なり統計委員会の仕事かもしれませんけれども、統計というものをもう一遍見直す。やり方も、今までと同じことを繰り返しているんでもないでしょうが、そう見えるわね。  だから、例の賃金統計だって別のやり方やったらいいんですよ。税務調査でやったものでパターンをつくって、それをマイナンバーカードやその他の情報で補完して直していくような、いろんな統計の仕方を研究したらどうでしょうか。そういう私は努力しているのかなと思いますけれども、これはどなたになるのか、どうですか。
  37. 石田真敏

    ○国務大臣(石田真敏君) 統計調査を取り巻く環境が厳しさを増している中で、統計の品質確保、向上を図るためには、報告者の負担軽減や調査業務の効率化を進める必要があると考えております。そのためには、議員御指摘のとおり、ICTを積極的に活用し、オンライン調査を推進するとともに、行政記録情報や民間企業等が保有するビッグデータ等を統計の作成に活用することも有効と認識いたしております。  このため、昨年閣議決定されました公的統計基本計画におきましては、オンライン調査の更なる推進とともに、例えば、所得に関する税情報を賃金動向の把握の補完情報として活用することなどについて研究を進めることとされているところであります。また、総務省では、家計調査において、レシート読み取り機能を備えたオンライン家計簿を順次導入するとともに、ビッグデータ等の活用に関しまして、産官学連携の協議会を設けて研究を開始するなどの取組を進めているところでございます。  統計委員会からは、昨年七月に、こうした取組について統計リソースを重点的に配分する必要がある旨建議をいただいておりまして、このような取組を更に進めてまいりたいと考えております。
  38. 片山虎之助

    ○片山虎之助君 とにかく、先ほど言った統計全体の管理というのかチェックというのか、それは是非やってくださいよ。それから始まると思うよ。それから、細かいあれはいろいろあるんで大変だとは思いますけれども、そういうことが是非必要だと思います。よろしくそれをお願いしたいと思います。  それからもう一つは、衆議院にも参議院にも決算監視委員会だとか行政監視委員会というのがあるんだから、これと統計がつながるような、統計でよく言うあれがありますよね、EBPM、エビデンス・ベースド・ポリシー・メーキング、これをやろうということになっているんですよ。だから、これもやろうという掛け声だけじゃなかなかいかないので、そういうことをチェックするどこかが要るんですよ。私は、国会が、統計問題についてもかましたらいいと思う。だから、いろんな実態解明も予算委員会でばっかりやったら、予算委員会はほかにやることがあるんだから、たくさん。だから、少しはやってもいいですよ、そういう監視委員会で、行政監視が大きい目的なんだからやるということを、そういう、国会全体も考えたらどうでしょうかね。そういうふうに思います。  それから、データ利用は情報公開が一番いいという説があるんですよ。外国なんかはかなりなところまで情報公開でデータを開示している。日本で一遍にというわけには私いかないと思いますけど、研究の価値はあると思いますが、いかがですか。
  39. 石田真敏

    ○国務大臣(石田真敏君) 御指摘のとおり、統計の作成に当たりまして、各種データが適切に利用されることを確保していく上で、統計の作成過程を透明化したり、情報保護に配慮しつつデータそのものの二次的な利用を促進したりすることが必要であると考えております。  このため、平成二十九年度には、全ての基幹統計調査を対象に、ユーザーの目を通して改善を促進し利便性向上にもつなげるため、統計の作成方法等の情報がどの程度公表されているか共通の基準で検査を実施し、本年度もフォローアップを行ったところでございます。また、昨年四月には統計等データの提供等の判断のためのガイドラインが策定をされまして、外部から各種データの提供要請があった場合に各府省が適切に適応できるように、対応できるようにしたところであります。  総務省としては、国民の信頼を回復し、公的統計の品質確保、向上を図る観点から、これらの取組を引き続き推進してまいりたいと考えております。
  40. 片山虎之助

    ○片山虎之助君 予定より時間をどんどん取っていますので、次の課題に入らせていただきますが。  外国人材の受入れの問題、法務大臣も来られていますけれども、四月施行といって頑張りましたよね。早いんじゃないか、拙速じゃないかと、生煮えじゃないか、政省令丸投げじゃないかって、まああんまり評判は良くなかったけど、四月施行になりましたよね。準備、進んでいますか。
  41. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 入管法等改正に関しましては、現下の人手不足の深刻な状況に鑑みて、喫緊の課題として成立をさせていただいたところでございます。  そして、四月一日の施行に向けて今精力的に準備を進めているところでございまして、まず、昨年十二月二十五日に、これは法令に基づいて新制度の運用に関する基本方針、そして分野別運用方針を閣議決定いたしました。そして、この法令の実施に必要な政省令についても三月十五日に公布する予定でございます。  さらに、新たな制度のみならず、外国人材の受入れ・共生の全体的な総合施策、これ百二十六の施策と、関連予算だけでも二百十一億の施策でございますが、この受入れ・共生のための総合的対応策、これを昨年十二月二十五日に策定いたしまして、政府を挙げて取り組んでいるところでございます。  また、外国との二国間取決め、これは悪質ブローカーの排除ということからも非常に重要でございますが、外国人材の送り出しが想定される主な九か国との交渉を今行っているところで、今月中の政府間文書の締結を目指して、何か国かとも鋭意作業を進めているということでございます。  また、広報につきましても、二月六日以降、全国四十七都道府県全てにおいて順次地方説明会を実施しており、本日現在、三十九か所で実施しております。また、受入れ機関等からの相談は三月一日から既に受け付けているところでございます。  そうしたところで精力的に準備を進めておりますので、四月一日の制度の開始に向けて万全の準備、対応を行っていきたいと考えております。
  42. 片山虎之助

    ○片山虎之助君 万全か何か知りませんけど、あなたはそうやらんといかぬのだろうけどね。  今言った都道府県に制度の説明会でも、行った人の話によると、答弁の半分ぐらいは検討中だったというんですよ。説明のない説明会であって、説明会なんてやめたらいいじゃない。  それから、今、各国の準備と言うけれども、進んでいませんよ、そんなには。私は、少し聞いたり調べたり、あれは。だから、それは時間的に無理なのよ、四月というのは。まあ、しかし、これは決まったんだから仕方がありません。だから、我が党は与党との修正協議で三年見直しを二年見直しにしたんです。それから、いろんなことをやりましたよ、修正協議で合意したんだけれども。  その中に、もう一つは都市集中なんですよ。岡山で去年、岡山市ですよ、政令市ですよ、七十万の。岡山市で千五百人去年転出しているんですよ。マイナスが立っているんです、岡山市ですら。そのうちの千三百人は外国人なんです。そういうのは、地方都市で日本語を勉強して、情報を仕入れて大都市に行くんですよ。抜かれて行くのか自分で行くのか知りませんが、それがチェックできませんよ。  皆さんの方では今いろんなことを言われたけれども、何とか方針も極めて抽象的、一般的ですよ。そういう大都市圏をどうやって止めるんだっていったら、業界ごとにつくってもらう協議会で自粛規制を要請をすると。そんな生ぬるいことで止まるわけがない。総理、いかがですか。うなずいておられる。
  43. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) この新たな外国人材の受入れが大都市圏等に過度に集中しないようにすることは極めて重要な課題であると認識をしております。  大都市圏への集中を防止するためには、地方における外国人の受入れ体制の整備が重要であり、昨年末に関係閣僚会議で了承された外国人材の受入れ・共生のための総合的対策、対応策においても、暮らしやすい地域社会づくりのための施策が掲げられており、具体的には、外国人の相談等の一元的な窓口であるワンストップセンター整備の支援、そして、外国人の受入れに関して地方公共団体が行う先導的な取組に対する地方創生推進交付金による支援などを行っていくこととしております。  また、外国人に地方で就労することの魅力を感じていただくために、地方の企業等に対する外国人の地方定着を促進する優良事例の紹介、地方で就労するメリットの外国人への周知などの取組を行っていくこととしております。  さらに、受入れ機関等が参加する分野別の協議会を設けまして、地域ごとの人手不足の状況等を把握をし、地域ごとに偏りのない受入れに向けた取組を行います。過度な集中が認められた場合には、受入れ機関に対して受入れ自粛の要請を行うなど措置を講ずることとしておりまして、これらの取組を推進することによって、大都市圏等に外国人が過度に集中することを防止していく考えであります。
  44. 片山虎之助

    ○片山虎之助君 いろいろ言われました。インセンティブを与えたらどうですか。例えば何らかの試験に地方で取ると通りやすい、東京は通らない、なかなか。あるいは、最近は大都市圏から地方に行くと助成金出すんでしょう、地方創生か何かで。補助金出したらどうですか、少し。何らかのインセンティブを与えることによって止めないと、自粛要請やその他では止まりませんよ。これは同じことになる。一番今人手がなくて困っているのは地方なんですから、人がいない、若い人がいない。その地方の救済でもあるんですよ。それを地方からまた外国人材も全部行くようじゃ、問題だと思いますよ。  それから、総理、一番問題は、日本にはこういう外国人材受入れ、共生の基本的な方針がないことなんですよ。移民政策をしないというのはいいですよ。しかし、受入れ、共生は国としてどうだということは決まっていないんです。だから、どうやるかといったら、自治体がやるんですよ。自治体で進んでいるところと進んでいないところありますよ。物すごい差がある。  だから、これから、もう今三百万近いんですから、二百六、七十万人おるわけですから、もっと増えますよ、これから。そのときに、基本的な国としてのそういう人材受入れの共生の方針がないと、全部苦労は自治体にさせて、金もおまえらで出す、国は時々応援してやると、そんなことじゃ、これからの国際化時代、人手不足、人口が減る時代にやっていけませんよ。人材も来ませんよ。いかがですか。
  45. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) お答えいたします。  まず、まさに片山先生がおっしゃるとおり、外国人との共生社会の実現に向けて、政府と地方公共団体が一丸となって取り組むべきであるというのは、政府も共有しておるところでございます。  そこにおいて、先ほど御紹介させていただきました、昨年十二月の関係閣僚会議において定められた外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策を取りまとめたところでございます。  この対応策は、労働環境、教育、医療、住宅など生活の様々な場面を想定して、合計百二十六に及ぶ具体的な施策が盛り込まれており、そして関連予算の総額は二百十一億円で、これに加えて地方創生推進交付金等も御活用いただくことを含んでおります。  まずはこうした取組に政府を挙げて全力で取り組む、そして地方公共団体にもしっかりとこうした施策を活用していただくことを政府が支援させていただく、そういったことで、政府そして地方公共団体一丸となって、外国人材の受入れ、共生のための施策にふさわしい日本をつくってまいりたいと考えております。
  46. 片山虎之助

    ○片山虎之助君 だから、ここまで関係の自治体がやれと、国としてはこれ以上だ、そのためには国もこういう支援をすると。知的な支援もいいですよ、物的なというか、財政的な支援もいいけども、そういう何かの基本法が要るんじゃないですか、外国人材受入れの基本法。総理、いかがですか。
  47. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 基本法が必要ではないかとの御指摘ですが、まずはこの総合的対応策、非常に網羅的なものになっております。これを政府を挙げて、また地方公共団体の声もしっかりと耳を傾けて、協力して、一丸となって実現していくということに全力を傾けたいと考えております。
  48. 片山虎之助

    ○片山虎之助君 まあ、法務大臣とか慣れていないんだよね、こういうことは。本来の職掌とは違うわね。そりゃ、あなたのところは一番関係あるんだからやったらいいんだけども、そのためにはオール省庁というのか、オール内閣というのか、そういう仕組みをつくらないと、何とか庁ができるだけじゃ私は駄目だと思うんですよ。総理、どうですか。
  49. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) もちろんこれは、主管するのは法務省で主管をするわけでございますが、昨年十二月には外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策、まさにこれ総合的な対応が大切だと思っています、それを取りまとめました。  労働環境あるいは教育、それは、そしてまた医療、住宅など生活の様々な場面を想定して約合計百二十六に及ぶ具体的な施策を策定をしたわけでございまして、そういう中におきましては、さらに、この施策の中には、外国人の相談等の一元的な窓口であるワンストップセンターの整備の支援や外国人受入れの先導的な取組に対する地方創生推進交付金による支援といった、地方公共団体の取組を政府が支援するものも含まれているわけでございまして、先ほど法務大臣が答弁をしたところでございますが、このように法務省が責任を持つわけでございますが、これにつきましては総合的な、各省庁が総合力を生かしていくことも当然大切であるという観点から、対応策を各省庁を入れた中において取りまとめたところでございまして、しっかりと対応していきたいと。  片山先生が御指摘された重要性については十分に私も理解をしておりますし、山下大臣も同じ岡山県の後輩で今頑張っておりますから、また御指導を賜りたいと、このように思います。
  50. 片山虎之助

    ○片山虎之助君 ちょっと時間の関係もありますので、次は幼児教育無償化の問題に入りたいと思いますが。  我々は、教育を無償化すべきだというのが党の大方針。憲法の中にもそういう条項を是非入れてほしいと改憲の大きな項目としておりまして、そういう意味ではもう一歩も二歩も前進で、大変結構なことだと思っていますが、思っていますが、今回の幼児教育の無償化については地方団体とトラブりましたよね。  言わないからですよ。決めておいて一年もほっておくというようなことは私はあるかって言ったんですよ。だから、関係大臣会合をやって、地方六団体のうちの三団体も入って、それで決まったんでしょう。結局は、初年度はただにしたんですよ。地方負担なしにしたんですよ。それはいかにも、中心は地方なのに、地方をないがしろにしているんじゃないですか。どこの責任なんだろう。内閣府ですか。文科省かな。どうぞ。
  51. 宮腰光寛

    ○国務大臣(宮腰光寛君) 幼児教育、保育の無償化は、実務を担う地方自治体と国がよく連携して進めていくことが大変重要であると認識をいたしております。今回の消費税増収分の使い道の変更について、地方自治体の皆様に対して丁寧な説明が足りていなかったのではないかとのお声があることは承知をしております。  私としては、そうしたことを真剣、真摯に受け止めながら、昨年の予算編成過程におきまして、私自らが全国市長会や全国町村会を訪問をし、関係する市町村長の方々と直接何度も意見交換をいたしました。また、関係閣僚と全国知事会、全国市長会、全国町村会の代表者とで教育の無償化に関する国と地方の協議の場を、協議を二回開催し、消費税増収分の使い道を変更して幼児教育、保育の無償化に充てることの意義や財政負担の在り方について丁寧に誠実に説明を尽くしてまいりました。  その結果、幼児教育、保育の無償化の財政負担の在り方などについては、地方三団体は、それぞれの団体における所要の手続を経て、組織として御了解をいただきました。  引き続き、実務を担う地方自治体の皆様の御意見をしっかり伺いながら、今年十月からの実施に向け、準備や周知に万全を期してまいりたいというふうに考えております。
  52. 片山虎之助

    ○片山虎之助君 問題がいろいろあるんですよ。問題がいろいろあるというのは、そういう地方団体の相談の過程である程度地方団体の自主性を認めると、範囲の、無償化の範囲を。だから、五年間がばらばらになるんですよ。  これはどの程度そろえられるかという問題が一つと、もう一つは、ゼロ歳から二歳までは所得制限なんですよ。住民税非課税世帯だけなんですよ。教育だから三歳から、教育中心でいくから三歳からはただだけれども、三歳までは、ゼロ歳から二歳は、これはむしろ少子化対策的だからということかもしれませんが、私はお金の問題じゃないかと思っているんですよ。いかがですか。
  53. 宮腰光寛

    ○国務大臣(宮腰光寛君) まず、五年間の経過措置のお話でありますが、今回の幼児教育、保育の無償化に当たりましては、待機児童問題によりやむを得ず認可外保育施設を利用せざるを得ない方々についても負担軽減の観点から対象とすることといたしました。原則、指導監督基準を満たす認可外保育施設が対象となりますが、基準を満たさない施設が基準を満たすために五年間の経過措置期間を設けることとしております。  この経過措置を含む今回の法案の内容につきまして、全国知事会、市長会、町村会と丁寧な協議を行いまして、認可外保育施設の質の確保、向上を図るための取組を拡充するとともに、認可外保育施設につきまして、市町村が条例により対象施設の範囲を定めることを可能とする仕組みや経過措置について法施行後二年をめどに見直すことを盛り込むことといたしました。  また、ゼロ―二歳につきましては、三歳から五歳までの幼稚園、保育所、認定こども園等の費用を無償化するとした上で、ゼロ歳から二歳までにつきましては住民税非課税世帯に限って無償化を、あっ、しばらく、ちょっとお待ちください。(発言する者あり)  今回、ゼロ歳から二歳までの子供につきましては、待機児童の問題もあることからその解消に最優先で取り組むということにいたしまして、住民税非課税世帯を対象として進めることにいたしました。  更なる支援につきましては、少子化対策や乳幼児期の生育の観点から、安定財源の確保と併せて検討することとしております。
  54. 片山虎之助

    ○片山虎之助君 また別の機会にやりますよ、いろいろあるんだけれども。  そこで、総理、地方創生を大変力を入れて七年間もおやりになって、地方創生は成功しているとお思いですか。もうイエスかノーかだけで結構です。
  55. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 地方創生は着実に成果は上げつつあると、こう思っています。  例えば、四十七の全ての都道府県で有効求人倍率一倍を超えたわけでございますが、今回の景気回復期と前回の景気回復期、小泉政権で始まって安倍政権そして福田政権まで続いたのを比べますと、やはり全ての、今回は日本銀行の地域別業況判断においても九つの地域全てで最初の一年間を除いてもこの五年間プラスになっているんですが、前回は東海地方と関東地方だけだった。  この違いは、やはり例えば大企業、輸出産業、そして製造業中心の景気回復だったんですが、今回は、やはり地方創生を進めていく中において一つ大きな力となったのは、例えば観光、地域の良さを引き出していく、あるいは農業の輸出等もあってこうした結果につながっていると、こう思っておりますが、まだまだ恐らく片山委員の御印象は不十分だということだろうと思いますが、しっかりとまた進めていきたいと、こう思っております。
  56. 片山虎之助

    ○片山虎之助君 地方創生というのは、簡単に言うと、人口が増えるないしは下げ止まって、地方の産業、社会経済活動が活発になって地方の税収が増えることなんです。簡単に言うと、それに私は尽きると思っている。ところが、実際は税収の偏在がいよいよ拡大しているんですよ、東京を始めとする大都市圏と地方との。それから、ふるさと納税があれだけみんな一生懸命やるかというのは、税収が要るんですよ。ちょっと景品競争が度が過ぎますけどね。これはやっぱり私は、総理、税収の偏在が止まらないじゃないですか。人口の集中も止まりませんよ。これは外形的に極めてはっきりしているんだから。  そこで、今回は、政府は税収の偏在是正のために是正措置をとりましたよね。法人関係税を消費税や譲与税にして地方に再配分するんですよ。それは、一遍地方税にしたものを国税にするんですよ、国の税金にするんですよ。国の税金にしたものを一定の手続で国が配分するんですよ。  私は、地方自治からいうとやっぱり引っかかるんです。気持ちは分かりますし、必要はありますよ。あんまり大都市圏だけがそんな税収増えるのはおかしい。おかしいけれども、地方税を国税にして、国が手続を取って国が配分する。譲与税は交付税ですからあんまり恣意は入らないけれども、何か引っかかる。だから、ほっておいても地方で税収が入るようにせないかぬ。それはふるさと納税みたいな奇手であんまり死に物狂いになっちゃおかしいんですよ。奇手なんです、あれは。いいんですよ。私は悪いとは一つも思わない。思わないけれども、そこでやっぱり地方創生というのをもう一遍考えてもらわないと、このまま行くと、また偏在するとまたやるんですか。今度はほかの税をやるんですか。今は法人関係税やっているでしょう。いかがですか。
  57. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 地方創生を推進し地方団体が安定的に行政サービスを提供していくためには、税源の偏在性が小さく税収が安定的な地方税体系の構築が必要であります。  今般、特別法人事業税及び譲与税を創設することとしたのは、地域間の財政力格差の拡大や経済社会構造の変化等に対応し、企業の事業活動の実態以上に大都市部に税収が集中する構造的な課題に対応しようとするためであります。  今回の新たな偏在是正措置によって、現在直面している課題への対処は行われることになるものと考えております。  なお、中長期的に経済社会情勢が大きく変化する場合や税制全体の抜本的な見直しが行われるような場合には、あるべき地方税制の観点から検討を行うことも必要になると考えております。
  58. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 時間が来ています。片山君、時間が来ています。
  59. 片山虎之助

    ○片山虎之助君 ほかの閣僚の皆さん、どうも失礼いたします。この次やります。  終わります。
  60. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 以上で片山虎之助君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  61. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 次に、山口和之君の質疑を行います。山口和之君。
  62. 山口和之

    ○山口和之君 日本維新の会・希望の党の山口和之でございます。  少し心配事があります。十五分いただければ十分、大丈夫ですというふうにお伝えしたんですが、どうも十分でなさそうなので、答弁の御協力をよろしくお願いいたします。  まず、根本厚生労働大臣に伺います。  東日本大震災、福島第一原発事故から八年経過いたしました。まだまだ風評被害は根強く、健康への不安は大きいところでございます。福島の平均寿命と健康寿命を世界一にできれば風評被害は完全に払拭されてしまうと思うのですが、大臣としてはどういうふうに思われるでしょうか。お願いします。    〔委員長退席、理事二之湯武史君着席〕
  63. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 平均寿命や健康寿命、これはその地域の健康状態を反映する指標ですから、地域の健康イメージにも影響を与えるため、その延伸に向けて取り組むことは重要だと思います。そこは私と同じ思いだと思います。  厚生労働省では、第二次健康日本21において、平成二十五年から、健康寿命の延伸、健康格差の縮小などの目標を掲げて国民の健康の増進を総合的に推進しています。その一環として、健康づくりの優れた取組を表彰する「健康寿命をのばそう!アワード」、これを実施しています。  平成二十八年度に、福島県が震災後に全国に誇れる健康長寿県を目指して開始した健康づくりの事業が受賞しました。これは福島県の健康イメージの向上に寄与して考えております。今、福島県の皆さん、本当に懸命に努力しておられます。その意味で、このような好事例が福島県内で更に広がって健康寿命の延伸が図られるよう、厚生労働省としても応援していきたいと思います。
  64. 山口和之

    ○山口和之君 ありがとうございます。  日本人の死因の第一位はがんで、第二位は心疾患、第三位は脳血管疾患と。がん対策については、平成十八年の基本法ができて大きく前進したところだと思っております。昨年末にようやく脳卒中、循環器病対策基本法もできたところでございます。福島では脳卒中や循環器病による死亡率が高いため、この基本法の成立は福島にとっても極めて重要だと思いますが、大臣はどう思われますでしょうか。
  65. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 昨年十二月十日に、山口議員も尽力されて、循環器病対策基本法、これが成立しました。この法律は、脳卒中や心血管疾患について、予防や急性期からリハビリテーションやケアを含めた慢性期まで幅広い対策を総合的に推進するためのもので、我が国にとって極めて重要だと考えています。  今後、国で基本計画を定めた上で、地域の実情などを踏まえた循環器病対策の推進に向け、各都道府県も計画を策定する予定です。  国としても、福島県を始め各都道府県での対策が円滑に進むように予防や研究を進めていきたいと考えています。
  66. 山口和之

    ○山口和之君 どうもありがとうございます。  福島の復興が日本の再生の鍵だと思っておりますので、根本大臣には、福島県出身の、在住の厚生労働大臣として御尽力をいただきたいと思います。  次に、健康で居続けるためには予防医療が大変重要なんですけれども、実は介護も非常に大切です。  突然ですが、総理に伺いたいんですが、良い施設の介護サービスのイメージを教えてください。
  67. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 介護サービスは、サービスを受けられる方々が尊厳を保持し、そしてその有する能力に応じて自立した日常生活を営むことができるよう、それぞれ能力というか、自立度に対する身体的能力は違うんだろうと思いますが、それぞれに応じた対応をしていくことが重要だろうと思いますが、適切に提供されることが重要と考えておりまして、これを体現している介護サービス施設が良い施設であると考えております。
  68. 山口和之

    ○山口和之君 パネル一、資料の一を見ていただきたいと思うんですが、(資料提示)これは、左側が従来の介護施設の風景です。右側がこれから新設される特養の設備と言っていいでしょうか、これ、なんですけれども。自分は全国いろんなところを見に行ったりするんですけれども、そこの施設が、ここはいいぞと、ここはいい施設かな、頑張っているなというところをどこで見るかというと、テーブルのところに椅子があるかないかで自分、見ます。  椅子があるということはどういうことかというと、乗り移る機会があるんです。ずっと車椅子でいるわけではないということなんです。いろんな椅子があったところは、いろんな椅子があるところは、テーブルで御飯を食べるときの椅子、それからくつろぐときの椅子、立って、しゃがんで、乗り移ってというふうに何回もできるわけなんです。ところが、ほとんどの施設は車椅子です。だから、テーブルに全く椅子のない施設まであります。これで自立できるかといったら、難しいところです。  これ、右側を見ていただけると、特養が何件目かオープンされたところで、三件目ですかね、の特養の写真なんですけれども、椅子は必ず置くと言っていました。それから、お風呂はおうちに、特養なんですが、おうちに帰る可能性がある、だからお風呂は個浴にしていると。機械浴を自慢するんではなくて、個浴を自慢しているところです。それに、トイレで排せつします。だから、全室個室なんですが、個室にトイレが置いてあります。要介護五であってもトイレで排せつしますということをしております。  次のパネルを見ていただきたいんですが、これは有名な、我々の中では有名な川越研究のデータの結果ですが、要支援状態から要介護状態にだんだん重度化していくんですが、起き上がりがやりにくくなってきて、片足立ちができにくくなってきて、歩行ができにくくなってきて、寝返りができにくくなってきて、乗り移りができにくくなってきて、食事ができにくくなって、介護状態がどんどん落ちていくわけなんですけれども、この乗り移る機会がない、歩く機会がない、立ち上がる機会がないといったら、落ちるのは当たり前なんですね、これ。誰が考えてもそうなんです。これ、もう二〇〇三年に出されているデータです。  次の質問に入りますけれども、総理にお伺いしたいのは、介護老人福祉施設、特養と介護老人保健施設、老健の総理の中でのイメージを教えていただければと思います。
  69. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 介護老人福祉施設、いわゆる特別養護老人ホームでありますが、については、要介護度が三以上などの介護ニーズの高い方々が入所する施設であり、日常生活上の世話が行われる上で、入所者の方ができることを伸ばしつつ生活の質の改善を目指す施設であると承知をしております。  介護老人保健施設については、リハビリテーションや必要な医療を利用者の状態に応じて提供することを通じて、要介護者の方の在宅への復帰を目指す施設であると承知をしております。
  70. 山口和之

    ○山口和之君 ありがとうございます。  次のパネル、資料を見ていただけるといいんですが、新規開設の特養、ここの特養の開設から半年後の成果です。  この左側を見ていただくと、歩行改善状況とありますが、全部車椅子を使っていた人が半分いたんですが、半年後には二〇%です。一番下の方に、見ていただくと、歩く機会は八〇%を得ております。特養ですよ。  次に、便失禁の改善状況です。最初はもう便失禁、七〇%の方が便失禁です。要するに、おむつにしていますということです。ところが、半年後にはほぼ一〇〇%に近く、九八%、九九%の方がトイレで排せつしているんです。こういう施設もあるんです。こういう施設を全国に広めることが大事だと思います。  次のパネルを見ていただけると、次のパネルの新規開設の特養。じゃ、この特養はどういうふうにいい成果を出しているかと見ますと、この右下を見ていただけると分かるんですが、要介護状態の悪化した人は、全部で六十三名ですね、入ってきた方、特養に入ってこられた方六十三名の中の、悪化した方は九名、一四%、維持した方は二十四人の三八%、何と改善は四八%です、三十人の四八%。どういうことかというと、今まで何していたのということです。特養に来たら、重度の人ですから、あとはその人らしい生活を送ればいいねだけではないんです。やっぱり改善する可能性のある方がたくさんいらっしゃるということです。  次のパネルを見ていただき、スライドを見ていただきたいと思います。スライドじゃない、資料を見ていただきたいんですが、八十七歳の要介護五の方です。この方は最初どうだったか。胃瘻造設して寝たきり状態でここの特養に入ってきました。結果、どうかというと、排せつは全てトイレで、食事は常食ですよ。施設に行ったらおかゆなんですよ。おかゆってどういうことが起きるかというと、おなかいっぱいになるんですが、栄養が足りなくなるんですよ。そういう状況から、常食が食べれるんです、好きな御飯が食べれるんです。歩行器で移動しているんです。  こういう例も全国あると思いますが、とっても大事なことですので、もし見逃していたらこの方どうかというと、ベッドの中でずっと寝ている人になってしまうということです。    〔理事二之湯武史君退席、委員長着席〕  次に、このように改善していく方はたくさんおります。ですので、特養というのはついの住みかと言われて、実は理学療法士とかというのは必須配置ではないんです。介護保険料を同じように払っているのにもかかわらず、在宅の方は通所リハビリテーションが受けられるし、訪問リハビリテーションを受けられるんです。ところが、特養に行った方々は、機能訓練指導員という方がいて、そこで少しやるぐらいなんです。それでいいのかということです、これだけ改善するのに。そこはちゃんと考えていただきたいと思います。  一方、老健あるんですけれども、老健もこれ、いい老健と悪い老健というのがあって、いい老健、私の考えるのはショートステイをたくさんやっているところです。在宅で生活しているとどうしても機能が落ちてきます。その落ちた機能をショートステイでブラッシュアップしてまた在宅生活ができるようになる、なぜかというと、老健というのはプロがそろっているところだから。ところが、老健に行ってみますと、皆さん見ていただくと分かるんですが、やっぱりテーブルに椅子がないんですよ。こんなので日本が救えるかというふうに思っていただきたいと思います。  総理が先ほど自立支援ということを言っていただきました。二〇二五年問題に間に合うように、総理がおっしゃっていました、以前に。二〇二五年問題に間に合うように、予防・健康管理と自立支援に軸足を置いた新しい医療・介護システムを二〇二〇年までに本格稼働させていきます、介護でもパラダイムシフトを起こしていきますと、力強い発言をしていただきました。これでかなりの頑張っている施設は同意をしました。これは日本が大きく変わるというふうに、本当に希望を持ちました。  そこで、この介護パラダイムシフトを起こす理由について、改めて発言の趣旨を伺いたいと思います。総理、お願いします。
  71. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 自立支援に軸足を置いた介護を進めるためのインセンティブ措置の一環として、平成三十年介護報酬改定において、デイサービス利用者の日常生活動作が維持改善されたことに対する評価を導入したところであります。  今後、全世代型社会保障の構築を進めていく中で、例えばこうしたインセンティブ措置の強化についても、その効果や影響の検証を進めて、二〇二一年度に実施予定の次期報酬改定の議論の中で検討をしていきたいと、こう思っておりますが、このパラダイムシフトを起こすと、こういうふうに申し上げたことにつきましては、高齢者が自分でできるようになることを助ける自立支援に軸足を置き、本人が希望する限り、むしろ介護が要らない状態までの回復を可能な限り目指すことにより利用者本人の生活の質を向上させていくことでありまして、パラダイムシフトを起こすというのは、こういう考え方の下に様々な制度を見直していく必要があるとの趣旨で申し上げたところでございまして、冒頭申し上げましたような考え方で進めていきたいと、こう考えているところでございます。
  72. 山口和之

    ○山口和之君 見逃して要介護状態が悪化していくという、これはプロとしては恥ずかしいことなんです。ところが、全然気付いていない方がたくさんいらっしゃいます。このパラダイムシフトを起こすということは日本を助けることに大きく貢献していくと思っていますので、是非お願いしたいと思います。  では、あと一分なので、パネルを見ていただきたいと思います。  実は、あと、二〇二〇年までにシステムをつくって二〇二五年に間に合わせようと思うと、そう簡単にはいかないんですよね。科学的介護ということを国は出しておりますけど、データを集めて教科書を作って、これはいいやり方ですよと言って説明してもなかなか難しいです。  これ、資料を見ていただくと分かるんですが、これは自立支援型通所介護の施設での介護度の変化です。一番右側の維持改善を見ていただくと、五千人中四千百人は維持改善です。悪化は九百二十五人です。改善率で見ると、要介護三、四、五の方が改善率が非常に高いわけです。  この施設がこの二十五年から二十七年の間にどれだけの費用対効果があったかというと、実は十三億円あったと。だったら、もうインセンティブにしっかり働かせていただきたいと思います。
  73. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 山口君、時間が来ておりますので。
  74. 山口和之

    ○山口和之君 以上です。よろしくお願いします。
  75. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 以上で山口和之君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  76. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 次に、倉林明子君の質疑を行います。倉林明子君。
  77. 倉林明子

    ○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。  昨年も年金不祥事が発覚をいたしました。扶養親族等申告書の未提出、委託業者によるデータの入力ミスがありまして、昨年二月時点では百三十万人、二十億円に上る過少給付が発生いたしました。年金が減っていて驚いた高齢者が年金事務所に殺到するという事態になったわけです。中には数万円も減額となりまして、高齢者に混乱と生活への支障を来しました。  これ、影響、どういうことだったんでしょうか。
  78. 高橋俊之

    ○政府参考人(高橋俊之君) お答え申し上げます。  昨年でございますけれども、例年の扶養親族申告書の様式を若干変更いたしまして記載事項が増えたと、そういうことがございまして、それと委託業者の入力漏れ等ございまして、昨年の二月の源泉徴収税額が適正に計算されなかったという事案でございます。  その際、扶養親族申告書を提出いただく場合といただかない場合で所得税法に規定しております税額の計算方式が違いまして、提出いただかないと、本来五%のところが一〇%になると、また本人分の基礎控除でございますとか公的年金等控除相当分が適用されないと、こういうことでございまして、源泉徴収税額が非常に大きくなったという事例でございます。  これにつきましては、その後、三月、四月に訂正をした次第でございます。
  79. 倉林明子

    ○倉林明子君 五パーが一〇パーになって倍ほど天引きされたというだけじゃないんです。(資料提示)  これ、厚労省が作った扶養家族一人というときの月額二十万のモデルなんですけれども、これ、扶養親族等申告書を提出した場合だと千百四十八円源泉徴収。ところが、提出しないと幾らになるか。一万四千五百四十九円ということで、およそ十二倍にも天引きされる分が増えたという事態なんですね。  これ、マイナンバーの導入等で申告書の様式が大幅に変わった、混乱したり勘違いしたりして提出できなかったという人がこれだけあったわけですね。申告書の提出にかかわらず控除するよう求めてまいりましたけれども、税制上困難だという答弁だったわけです。  じゃ、どう改善するんでしょうか、端的に。大臣、どうぞ。
  80. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 厚生労働省から財務省に税制改正要望を行いました。その結果、平成三十一年度税制改正の大綱において、二〇二〇年からは扶養親族等申告者が提出されなかった場合も、(発言する者あり)書も提出されなかった場合も税率を五%とすること、受給者本人の基礎控除、公的年金等控除を行うこと等の内容が盛り込まれており、このような、こういう改善を図ることとしております。
  81. 倉林明子

    ○倉林明子君 これは二〇二〇年分の支払からこういう改善がされるということになったわけです。これは良かったと思っているわけですけれども、今年についてはまだ改善されておりませんで、二月の年金支給、これ間に合わなかったという方が受給者四十二万人と伺っております。年金受給者には不利益がないよう、確実な給付を求めておきたいというふうに思います。  それで、次に、これ高齢者の就労状況の推移をグラフにしたものであります。  総理は盛んに雇用が増えたというふうに宣伝されるわけですけれども、これ、増えた分の七割は六十五歳以上の高齢者なんです。注目していただきたいのは、二〇一三年度以降、六十五歳以上の就労人口が右肩上がりに増えているんですね。  昨年、東京都内の私立高校で勤務していた六十八歳の男性、これ新聞資料をお配りしておりますので御覧いただきたいと思います。警備員として夜勤あります。勤務中に心筋梗塞で亡くなりました。三日連続の勤務というのもありまして、帰宅できないので冷凍したお弁当を六つも持って仕事に入ったこともあったというんですよ。私、月百三十時間の残業をしていると、これ妻は労災申請していますけれども、高齢者が過労死するほど働いていた、こういう実態に大変衝撃を受けました。  高齢者の就業率の現状や、これ欧米諸国と比べて日本どうなのか、簡潔に御説明ください。
  82. 土屋喜久

    ○政府参考人(土屋喜久君) お答え申し上げます。  独立行政法人労働政策研究・研修機構が作成をしております二〇一八年版のデータブック国際労働比較において、我が国と欧米諸国について、二〇一六年の六十五歳から六十九歳の就業率を比較しております。これによりますと、我が国の六十五歳から六十九歳の就業率は四二・九%、男性が五二・九%、女性が三三・四%となっておりまして、欧米諸国の数値よりも男女共に高い数値となっております。
  83. 倉林明子

    ○倉林明子君 極めて高いんです。  総理、日本の高齢者はなぜこんなに就業率が高くなっているのか。
  84. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我が国における六十五歳から六十九歳の者の就業率は四二・九%であり、他の欧米諸国と比べて、今答弁させていただいたように、高い水準にあります。  例えば、労働力調査によれば、六十五歳以上の方が非正規雇用として働く理由についても、自分の都合の良い時間に働きたいからという理由が、家計の補助、学費などを得たいからや正規の仕事がないからという生活苦に相当する理由をこれは上回っているのも事実であります。  また、高年齢者雇用確保措置の進展により、希望者全員が六十五歳まで働ける企業が七割以上、さらに六十六歳以上になっても働ける企業が三割程度ある中で、高齢者を活用する理由については、身に付けた能力や知識などを活用したいためが挙げられており、高齢者の活用が企業においても必要とされています。  今後更に少子高齢化、人口減少が進む中で、我が国の成長力を確保するためにも、人生百年時代の到来を見据えながら、元気で意欲あふれる高齢者の皆さんが、希望すれば、年齢にかかわらず学び、働くことができる環境を整えることが必要であると、こう考えております。  このため、未来投資会議において、生涯現役時代の雇用制度改革について検討を開始しておりまして、七十歳までの就労機会を確保できるよう、この夏までに計画を策定し、実行に移す考えであります。
  85. 倉林明子

    ○倉林明子君 日本の高齢者の働く意欲ということで、そういうのを内閣府も意識調査しているんですね。これ見ますと、六十歳以降に就労を希望する理由、これで一番多いのが、生活費を得たいから、七六・七%に上っております。つまり、年金だけじゃ暮らせないんですよ。そういう実態があるわけです。  日本の高齢者が働く理由の一番は、生活費が足りない、あるいは医療、介護への不安があるからなんです。先ほど紹介いたしました亡くなった高齢者も、まさに生活のために働いていたわけです。働けるうちはいいんですよ。しかし、病気になった途端に働けなくなった、そうなったら生活保護しかないと、これ実態なんです。  そこで、パネルの三を用意いたしました。生活保護世帯数全体、これ一番上ですけれども、ほぼ寝たきりになっております。ところが、高齢者世帯、赤で示しております、右肩上がりとなっているんですね。これ、高齢者世帯全体なんですけれども、とりわけ高齢単身世帯の伸びというのが顕著になっておりまして、四年間で何と十四万世帯、これ二割も増加しているんです。今でも無年金と月額十万円未満の低年金者が合わせて一千二百万人超えております。これ、老後破産状態かその予備軍という高齢者が増大しているんじゃないかと思うんです。  総理、背景に年金だけじゃ暮らせない、こういう高齢者が増えているということじゃないでしょうか。総理。
  86. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 言わばこの年金につきましては、例えば国民年金につきましては、国民年金プラス、日々の生活を保障する国民年金の場合はそれに更に、それまでに言わば個人で資産を形成をしていくということを含めて老後の安定を確保していくということを想定しているところでございますが、いずれにいたしましても、この年金につきましては、給付と負担のバランスによってこれは給付が確保されるわけであります。  この給付と負担のバランスを取りながら、老後の不安に対応する年金制度を確かなものとしていきたいと考えております。
  87. 倉林明子

    ○倉林明子君 いや、年金だけでは暮らせない高齢者の実態があると、だからこそ低所得者対策、無年金対策というのも政府はやってきた、そう受け止めてはいるんですよ。  そこで、私は、政府が改善策としてやってきたその低所得者、無年金対策というのも検証する必要があるなと思っております。年金の受給資格期間を二十五年から十年間に短縮いたしました。これ、一歩前進だと思います。これによって、保険料の支払期間十年そして基礎年金のみ、こういう人の場合、受け取る年金額は月額幾らになるでしょうか。
  88. 木下賢志

    ○政府参考人(木下賢志君) お答えいたします。  委員御指摘の国民年金保険料を納めた期間が十年で保険料を免除された期間あるいは厚生年金保険料を納めた期間がない場合につきましては、老齢基礎年金の額は平成三十一年度におきまして月額一万六千二百五十二円となります。おおむね、基礎年金満額六万五千八円の四分の一となります。
  89. 倉林明子

    ○倉林明子君 少ないんですよね。さらに、受給資格期間の見直しというのは、無年金者を減らせても、それだけでは低年金の解決にはならない水準だというのが今の答弁でも明らかだと思います。  また、政府は、今年十月から、消費税一〇%増税と引換えに低年金に上乗せをする年金生活者支援給付金、これ支給するということにしております。これは、保険料の支払期間十年、免除期間なし、こういう人の場合、上乗せされる月額というのは一体幾らになるでしょうか。
  90. 木下賢志

    ○政府参考人(木下賢志君) お答えいたします。  国民年金保険料を納めた期間十年と保険料を免除されている期間がない場合におきまして、老齢年金生活者支援給付金の額は平成三十一年度におきまして月額千二百五十円となります。
  91. 倉林明子

    ○倉林明子君 保険料納付期間が十年だと、年金そして生活者支援給付金、これ上乗せされても受け取れるのは一万七千五百円、これ月額ですよ。これでは、私、根本的な貧困打開策にはならないというふうに思うんです。総理、どうですか。
  92. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど答弁をさせていただいたところでございますが、今回、消費税の引上げに伴いまして低年金者に対する給付を行うことにするわけでございますが、これは様々な、言わばその方の置かれている状況において行うわけでございますが、これは今回の消費税の引上げに伴い行うものでございまして、言わばこの消費が増える、消費が、消費税によって、そのときの消費に伴い発生する支出に対応していくものであり、この限られた財源の中で対応していくものであるということを御理解をいただきたいと、こう考えております。
  93. 倉林明子

    ○倉林明子君 いや、これ、増税の負担の方が本当にはるかに重いんじゃないか、そういうふうに指摘せざるを得ないと思うんです。  そこで、パネル四を見ていただきたいと思うんです。この間、厚生年金、国民年金、新規裁定、ここでは、実は名目でも平均見ると、受け取れる金額減っているんですよ。消費者物価指数は、この間四・三%上昇しているだけじゃないんですね。実際、介護保険料、国民健康保険料、七十五歳以上になれば後期高齢者保険料、これら負担引上げがこの間ずっとされてきているわけですね。  つまり、実質的に手元に残る年金というのは、このマイナスよりも更に大きく減り続けているんですよ。ここに、さらに、二〇一九年度も年金受給額は実質マイナス改定になると先日発表されておりますが、二〇一九年度の年金受給額、これ、改定の指標となる前の年度の物価は一%、プラス一%でした。これに対して、実際の二〇一九年度の年金、これ何パー改定になりますか。
  94. 木下賢志

    ○政府参考人(木下賢志君) お答えいたします。  この二〇一九年度の年金改定のまずベースとなりますのが、平成十六年度の年金改正によりますマクロ経済スライドを導入いたしまして、それは、保険料の上限を、将来水準を固定をして、その範囲で給付水準を調整するという仕組み、これ委員言われているところでございますけれども、そういった将来の負担を過重にすることを避けつつ持続可能なものにしたということでございますが、さらに、二十八年の制度改正におきまして、名目は下限を維持しながらも、マクロ経済スライドの未調整分を持ち越して早期に調整する仕組みというものを、いわゆるキャリーオーバー制度というのを導入いたしまして、平成三十年にその分の〇・三%のキャリーオーバーが発生いたしました。  そういったことをベースにいたしまして、二〇一九年度の年金改定額は、物価変動率が一・〇%、そして名目手取り賃金変動率が〇・六、マクロ経済スライドの調整率がマイナス〇・二、そして先ほど申し上げたキャリーオーバー分がマイナス〇・三でありますので、名目手取り賃金の〇・六%から〇・二と〇・三を引いて、プラス〇・一ということになります。
  95. 倉林明子

    ○倉林明子君 今の説明、つづめて言うと、物価は一%上がっているんだけれども、年金は〇・一%しか増えないと、そういうことですよね。  つまり、賃金の伸び悩みの影響、そして、今回、キャリーオーバーということで調整分持ち越しというのが初めて行われることになりまして、〇・九%目減りするということになるんです、物価に比べてね。月十万円の年金だったら、月九百円減らされたのと同じなんですよ。高齢者所得の七割は年金なんです。高齢になるほど、その割合というのは高まります。実質年金を毎年切り下げれば、貧困な高齢者を私は増やすことになると。繰り越した分も含めて、こういう年金の自動引下げ装置になっているマクロ経済スライド、これ実行は凍結すべきだと思います。総理、どうですか。
  96. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) マクロ経済スライドをどうして導入したか。  これは、年金の持続可能性の問題、持続可能性な制度とするためにやったものですから、これを今回、平成二十八年、年金法改正、導入しましたよ、これは将来世代の年金給付をきちんと確かなものにして、一方で給付を、負担を過重にしない。これは、全体の、年金というのはお互いの支え合い、助け合いですから。しかも、これは長期的に将来の世代のことも考えて給付と負担のバランスを考えていかなければならない。しかも、名目で下限措置は維持したまま、今回、キャリーオーバーも含めてこのマクロ経済スライドを導入いたしましたが、実はそういう趣旨でありますから、マクロ経済スライドを廃止するということは考えておりません。(発言する者あり)
  97. 倉林明子

    ○倉林明子君 私、これ、さっき答弁ありましたけど、名目でも平均で減っているんですよ。名目で減らさないと言いながら、マクロ経済スライドを掛けていくとこれは下がるんですよ、もっと。だから、下がる仕組みはやめたらどうかと。  マクロ経済スライドの説明を求めているんじゃないです。こんな自動引下げ装置は発動をやめろって言っているんですよ。
  98. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) それで、発動をやめろと、こういうことでございますが、なぜ発動をやめないかということについてはですね、これは、なぜマクロ経済スライドを導入したかということをお話ししないと当然これは御理解をいただけないわけでありまして、これは現役世代と高齢世代のバランスを確保しつつ年金制度の持続可能性を高めるため、将来の保険料水準を固定し、その範囲内で給付水準を調整する仕組みとして導入されたものでありまして、これを発動しなければこれは将来のこれは言わば年金が確保できなくなるわけでございまして、まさに将来世代の年金を確保すると同時に、今回は、この物価が、賃金が上がった、また物価が上がっていく中においてですね、それには残念ながら完全に追い付いてはいかないわけでございますが、調整をさせていただいたわけでございますが、ただ、プラス〇・一の改定になったということについては、これはまさにしっかりと賃金も物価も上昇した結果であろうと、昨年の物価上昇等の結果であろうと、こう考えているところでございます。
  99. 倉林明子

    ○倉林明子君 いや、高齢者の生活の目線で見れば、買えるものが少なくなるんですよ。生活実態が後退するんです。年金目減りしているんですよ。高齢者の生活の実態を私は見るべきだと思う。このマクロ経済スライドは今後二十年以上に及ぶというのが政府の試算になっているはずです。今でさえ高齢者の生活は年金だけでは持続不可能になってきております。  それで、その上、二〇二一年から何が始まるか。これは、たとえ物価が上がっても、現役世代の賃金が下がれば、それに連動して年金をカットする、こういう新ルールも始まるということになります。これは高齢者の生活を脅かす、私は、消費税の増税も、そして際限のない年金カットも断固やめるべきだということを強く申し上げたいと思います。  そうなると、財源どうするのかという声が必ず出てまいります。私、財源というなら、繰り返し我が党も提案してきておりますが、史上最高の利益を上げる大企業、そして資産を何倍にも増やした富裕層、ここに応能負担を求める、こうすれば数兆円規模で財源つくれるはずなんですよ。アメリカから武器の爆買い、これについても中止するなど、浪費にもメスを入れることが必要だということを強く指摘をしておきたいと思います。財源は消費税しかないと、こういうのは弱い者いじめにほかならないと指摘をしたいと思います。  そこで、将来、これ、今の高齢者の問題だけじゃなくて、将来年金を受け取る人たちにも大きな懸念があるということを日本総研の星貴子研究員がレポートで発表しているんですね。これ、どういうものかといいますと、就職氷河期に社会人となった世代が高齢期に入る二〇四〇年前後、低年金高齢者が爆発的に増えると、こういう推計が出されているんです。現在増え続けている不安定、低賃金の非正規雇用の若者、こういう人たちが年金を受け取るときに国民年金のみだとか、厚生年金が受け取れても僅かのプラスアルファにしかならない、こういう世代が二〇四〇年前後で年金を受け取る側に回っていくわけですね。  総理に聞きたいんですけれども、今の高齢者にとっても、そして将来世代にとっても、私は頼れる年金制度にはなっていないと思うんだけれども、いかがですか。
  100. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 正規と非正規の労働者の理由なき格差については、これを解消し、若者が将来の明るい希望を持てるようにしなければならないと考えております。このため、同一労働同一賃金を実現し、どのような雇用形態を選択しても納得が得られる処遇を受けられ、そして多様な働き方を自由に選択できるようにしていくとともに、非正規から正規へのキャリアアップ助成を拡充するなど、正社員転換や処遇改善をより一層進めていく考えであります。  その上で、こうした若者が将来年金受給者となった場合においても年金額をしっかり確保していくための仕組みがマクロ経済スライドであるということであります。それは、先ほど申し上げましたように、マクロ経済スライドを今発動させて、今受け取っている方々のこれは受給額を調整をさせていただきますが、しかし、それは将来にわたって、言わばまさに百年安心を確保していく上において、将来の受給者の受給すべき年金の積立金を、今ここでこれを減らしていくということがないようにしていくという将来世代との公平性を確保し、年金の安定性を維持するためのマクロ経済スライドとして導入させていただいたところでございます。  かてて加えて申し上げますと、かつてこのマクロ経済スライドは、例えば一%物価あるいは賃金が上がっていたときに〇・九%これマイナスになったんですが、今回はこれは〇・二だけになった。これなぜかといえば、これは六十五歳以上の方の労働者が増えた、就労者が増えた結果、就労者が増えればマクロ経済スライドのマイナス分は縮んでいくということでございまして、そういう意味におきまして……
  101. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 簡潔に答弁をお願いします。
  102. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) みんなで支えていくというのがこの年金制度の仕組みであるということも申し上げておきたいと、こう思う次第でございます。
  103. 倉林明子

    ○倉林明子君 要は、非正規の雇用の労働者って六割いるんですよ。そして、そういう人たちは、今もらっている賃金も低いんだけれども、そのまんま年金生活に入ったら、マクロ経済スライドでようけもらえるようになんかならぬのですよ。低年金の方たちがもう増えるばっかりになるんじゃないかということを指摘しているんです。こんな事態が続きますと、将来、膨大な数の無年金及び低年金、生まれますよ。年金制度にこういう働かせ方を続ければ大穴を空けるということに私はなりかねないと強く指摘したい。  そして、減らない年金、頼れる年金、この転換こそが求められているというふうに思います。そうしてこそ、年金制度への信頼を取り戻すことができます。年金削減政策というのはやめて、最低保障年金、これを制度としてもう導入考えるべきじゃないですか。総理、どうですか。
  104. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 繰り返しになりますが、このマクロ経済スライドは、将来世代の負担をこれ過重にすることを避けつつ、制度を持続可能なものとするための、将来の保険料水準を固定し、その範囲内で給付水準を調整する仕組みであります。これによって、物価等の上昇率ほどに年金額は上昇しないこととなりますが、現役世代と高齢世代のバランスを確保しつつ制度の持続可能性を高める仕組みとなっており、平成三十一年度は年金額がプラス〇・一の改定となっているところであります。  最低保障年金については、仮に全ての高齢者にそれまでの保険料納付実績とは別に一定額の年金を保障するとなると、多額の税財源が必要となり、また……
  105. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 時間が過ぎておりますので、答弁をおまとめください。
  106. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 保険料を支払っている方々と払っていない方々との間の公平性をどう担保していくかといった課題がありまして、既に長期にわたって年金制度が運営されている中で、導入には難しい点があることが政権交代までの様々な議論の中で明らかになったところであると、このように思っております。  その上で、低所得の高齢者の方々への対策については、既に年金受給資格期間の二十五年から十年への短縮や、医療、介護の保険料負担軽減を実施したほか、今年の消費税率の引上げに合わせて、低年金の方々への年金生活者支援給付金の創設、介護保険料の更なる負担軽減を実施するなど、社会保障全体で総合的に講じることとしております。
  107. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 終わりです。
  108. 倉林明子

    ○倉林明子君 年金削減続いている高齢者、そして将来の人たちにとっても納得できる答弁ではなかったと指摘をして、終わります。
  109. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 以上で倉林明子君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  110. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 次に、紙智子君の質疑を行います。紙智子君。
  111. 紙智子

    ○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。  安倍総理は、施政方針演説で、農こそ国の基ですと言いました。しかし、安倍政権のこの六年間の農政は、ドミノ的に市場開放を進めて日本の農業と国民に犠牲を強いるものだと思います。  自民党は、TPPについて野党のときに六つの選挙公約を掲げ、TPP断固反対と言って選挙を戦い、与党になると一転してTPP交渉に入りました。農林水産物の重要五品目は守ると言いながら、米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、砂糖の重要五品目も関税撤廃は二八・六%です。国会決議を守っていないんじゃないかと批判されると、それは国会が判断することとごまかして、アメリカ抜きのTPPは考えられないと言いながら、アメリカが離脱したらアメリカ抜きにTPP11を主導しました。  そして、TPP以上の水準の通商交渉は認めないと言いながら、日欧EPAでは、パスタ、チーズや林産物、ワインなど、TPPを上回る譲歩をしました。今、日米間で四月にも日米貿易交渉を始めようとしていますけれども、アメリカがTPP離脱後に始めた日米貿易協議を、日米FTA交渉と位置付けるものではなく、その予備交渉でもないと言ったことに整合性を持たせるために、日米貿易交渉を物品交渉なんだと、あれはTAGだと言いました。  こういうごまかしが、日本の国民、農家に不安をあおっているんじゃありませんか、総理。
  112. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 交渉を行っておりますのは茂木大臣でございますので、大臣を呼んでいただければ詳細に御説明をさせていただいたわけでございますが。  農林水産品については、既に先般の日米共同声明において、過去の経済連携協定で約束した内容が最大限である、この大前提を米国と合意をしたところであります。この点が最大のポイントでありまして、当然この前提の上に、今後、農林水産業に携わる皆様の不安にしっかりと寄り添いながら米国と交渉を行っていく考えでありまして、そして我が国の基である農林水産業を必ずや守り抜く決意でございます。
  113. 紙智子

    ○紙智子君 TPP11と日欧EPAが発効しました。総理は、所信表明のときに、体質改善、経営安定化に万全を尽くすというふうに言われました。ところが、牛肉の関税が三八・五%から二七・五%まで下がって、輸入が急増しています。オーストラリアやカナダからの輸入量は、一月が前年同月比で一・四倍、二月も増えています。TPP影響試算では当面輸入の急増は見込み難いというふうに言っていたわけですけれども、急増したんじゃありませんか。農家が不安になるのは当然じゃないでしょうか。総理。
  114. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 近年、牛肉の需要が拡大している中、一月のTPP11発効国からの牛肉輸入量は三万二千九百五十三トンで、前年度同月比一五六%と増加をいたしております。これは、TPP11の発効に伴う関税の引下げ、二つ目に為替の影響によりまして、輸入業者が昨年十二月の牛肉の通関を控え本年一月に繰り越したという特殊要因によるものではないかと考えられております。  実際に、二月のTPP11発効国からの牛肉輸入量は二万二千四百八十九トンでございまして、対前年同月二万二千二百五十トンに比べますと一〇一%と落ち着いた水準となっております。  なお、本年一、二月の国産牛枝肉卸売価格でありますけれども、前年同月に比べて上昇をいたしておりまして、TPP11からの一月の牛肉輸入量の増加が国産牛の枝肉卸売価格に影響を与えているとは考えておりません。畜産農家の方々には安心して生産に取り組んでいただきたいと思っております。
  115. 紙智子

    ○紙智子君 関税が下がるときを狙ってためておいて、下がった途端にやるという形なんですよ。ですから、また四月から下がるわけですから、今安定していると言うけれども、この後また増えますよ。輸入が増えれば価格が下落して、農家はますます不安になるんですよ。  それで、次に、日米貿易交渉についてお聞きします。  昨年の日米共同声明で、日本の農林水産品について、過去の経済連携協定で約束した市場アクセスの譲許内容が最大限であるというふうに書いてありますよね。  そこで、このパネルを見ていただきたいんですけれども、TPP加盟国の方が青色です。(資料提示)このTPPで合意した牛肉の関税の下げ幅なんですが、最初三八・五%なんですけれども、段階的に関税率を引き下げていって、最後のところ、十六年目は九%にすると。これ以上は譲らないということで、総理、よろしいんでしょうか。
  116. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 昨年九月の日米共同声明におきまして、農林水産品につきましては、過去の経済連携協定で約束した内容が最大限との日本の立場が明記をされております。日米首脳間でこの点について文書で確認したことは非常に重たいものと認識もいたしております。  個別の品目の合意内容につきましては、経済連携協定と異なるものもございますけれども、農林水産品について全体として最も水準が高いものはTPPであるという理解でもございます。
  117. 紙智子

    ○紙智子君 総理に元々聞いていたので。  譲らないということでいいんですね。
  118. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま農水大臣から答弁をさせていただいたように、過去の経済連携協定で約束した内容が最大限である、この大前提を米国と合意をしたところでございます。  いずれにいたしましても、日本の国益をしっかりと確保していく考えであります。
  119. 紙智子

    ○紙智子君 まあそういうふうな答えするだろうなと思いましたけれども。  それで、もう一度パネル見てください。アメリカの関税水準は三八・五%です、赤色の方ですね、次。その青い方のTPP11は、二〇一八年、去年十二月に発効して、牛肉の関税率は三八・五%から二七・五%に下がりました。今年の四月からは二年目に入るんですね。そうすると二六・六%に下がります。来年四月になりますと二五・八%に下がると。  それで、今、日米の関係で、仮に来年度日米が合意することになったら、アメリカの関税水準は初年度は三八・五%なんですけれども、二七・五%に下がると。スタート年度が一年遅れるわけですけれども、そうすると、TPP加盟国の二五・八%とアメリカの関税率二七・五%の差というのは一%を超えるんですね。ずっと追っていって、十六年目どうなるかというと、加盟国、TPPの方が九%になるときアメリカは一二・六%ということで、アメリカの関税が高くなるわけですよね。  それで、米国食肉輸出連合会が、関税削減率の引下げテンポが先行するTPP加盟国よりも後れを取って不利になると、したがってTPP水準以上を求めたいというふうに言っているわけですよ。過去の経済連携協定の水準も、これ、守ることできなくなるんじゃないですか。総理、いかがですか。
  120. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど申し上げましたように、日米の間で共同声明において、これはまさに日本と米国は交渉した結果、この共同認識に立ち、この共通認識に立ち合意をしたということでございますが、それは過去の経済連携協定で約束した内容が最大限であるということを合意をしたところでございまして、この大前提の下に、今この関税が下がっていくスピード等を勘案しながら比較をされたんだろうと、こう思うわけでございますが、今後、これを大前提にしっかりと国益を確保していく交渉を行っていくということになるわけでございまして、詳細、どう交渉していくかということにつきしては、これから交渉するわけでございますから、この場でお答えすることは差し控えさせていただきたいと、こう思う次第でございますし、いずれにいたしましても、交渉自体は茂木大臣が交渉していくということになります。
  121. 紙智子

    ○紙智子君 TPP水準と言うんですけれども、TPP水準と同じだったらアメリカはTPPから離脱した意味がないんですね。  トランプ大統領は、TPPから離脱したときに、TPP交渉から永久に離脱すると、アメリカの産業振興と労働者の保護につながるあらゆる二国間の交渉を追求するんだというふうに言っていました。TPP水準以上をこれ必ず要求してくると思うんですけれども、守れるんですか。
  122. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) そこが、まさに今委員がおっしゃった点も、言わばこの共同声明を出す段階でのポイントであったわけでございますが、その中において過去の経済連携協定で約束した内容が最大限であるという合意にこれは至ることができたと、こう考えておりまして、この合意を大前提に交渉を行っていくということでございます。
  123. 紙智子

    ○紙智子君 アメリカは、アメリカでの自動車生産を増やすこと、そしてアメリカ農業の輸出拡大をすることが必要なんだと言っているわけですね。TPPそのものが日本の農業に重大な犠牲を負わせるものなわけですけれども、その合意も守られる保証も何もないと、これからがんがん来るわけですから。そういう無謀な日米の貿易交渉は中止するように強く求めておきたいと思います。  さて、次に、安倍総理がドミノ的に市場開放を進めている間に、日本の食料自給率、生産基盤がどうなっているか。食料自給率というのは、言わば国民を飢えさせないためにどれくらい国内で賄えているかということを示すものですけれども、この食料自給率と生産基盤の推移のパネルを見てほしいんですね。  この食料自給率はカロリーベースで三八%です、今。直近で二〇一七年のところですけれども、青い線ですね、三八%です。これはですね……(発言する者あり)そんなことないですよ、何、上に向かっていくはずのが下がっているわけですから。で、関税率が。  それで、三八%なんですけれども、これ前年度と同じで、過去二番目に低い水準なんです。二〇一六年のときにどうして三八%に下がったのかと聞いたら、台風被害によって北海道の生産が減少したためだと説明しました。ところが、北海道の生産が回復しても食料自給率は回復していません。  販売農家戸数は、見てほしいんですけれども、二〇一〇年の百六十三万戸から百十六万戸に三〇%減っているんですね。それから、農地です。四百五十九万ヘクタールから四百四十二万ヘクタール、約二十万ヘクタール減っているわけです。生産基盤がこれ弱体化しているということなんですね。  総理、これを深刻に受け止めているのかどうか。そして、国の食料自給率の目標を四五%に上げようというんだけれども、食料自給率をどうやって引き上げるつもりなのか。お答えください。
  124. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 我が国の農業を支える農業従事者は、長期的にわたりまして減少傾向が続いております。平均年齢が六十六歳を超えるなど高齢化が著しく進んでおりまして、昭和一桁世代のリタイアなどによりまして今後大幅な減少が見込まれます。また、耕地面積も平成三十年は四百四十二万ヘクタールと、前年に比べまして二万四千ヘクタール減少もいたしております。  こうした状況を正面から受け止めまして、農業の活性化は待ったなしとの強い危機感の下に、米の生産調整の見直しですとか、農地バンクによる農地集積ですとか、輸出促進、若者の新規就農の支援など、農政全般にわたる抜本的な改革を進めてまいりました。これによりまして、四十代以下の若手新規就農者は統計開始以来初めて四年連続で二万人を超えるなど、着実に成果も出始めてきております。  こうした施策を更に力強く展開していくことが必要だと考えておりまして、消費面でも、民間企業との連携による米の消費拡大など、国産食材の消費拡大にも取り組んでいきますし、引き続きまして、こうした生産面、消費面での取組に更に力強く進めることによりまして、農業の持つ食料の安定供給の機能がしっかり発揮できるようにしてまいりたいと存じます。
  125. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 既に大臣から答弁をさせていただきましたが、安倍内閣では、農業をめぐる非常に厳しい状況が続いていることは私も認識をしておりますし……(発言する者あり)この、こうした、今おっしゃった生産基盤の弱体化ということでございますが、こうした状況を正面から受け止めまして、農業の活性化は待ったなしとの強い危機感の下に農政全般にわたる抜本的な改革を進めてきたところでございますが、今後も若い皆さんが農業に夢や希望を託せるような、そういう農業に変えていきたいと考えております。
  126. 紙智子

    ○紙智子君 食料自給率どうやって上げるのかという話もされないし、その生産基盤の問題も、どういうふうに受け止めて、厳しいという話はしているけれども具体的な話がないわけですよ。  それで、日経新聞で、ある農機具メーカーの社長はこう言っています。日本の食料生産基盤は既にかなり厳しい状況にあり、それがどんどん進行している、生産基盤の弱体化で食料問題になってくる可能性があり、国民にとって人ごとじゃなくなると言われているんですね。  総理は、やっぱり自分たちに都合のいい数字を使って、過去最高とか史上最高というのを連発してきました。でも、国民の命に関わるこの食料を生産する生産基盤、これは史上最低なんですよ。食料自給率は、米の凶作でタイ米を緊急輸入した一九九三年度の三七%を除くと、これも史上最低を更新しているわけです。そのことを深刻に受け止めるべきだと思います。  食料自給率を高めて強固な生産基盤をつくるために何が必要かということで、やっぱり多様な農業の担い手が必要です。とりわけ、農業生産の九八%を占める家族農業を支援することが大事だと思うんです。  そこで、国連が今年から家族農業の十年を呼びかけました。国連の定義では、家族農業というのは農業労働者の過半を家族労働力で賄う農林漁業としています。企業的農業、つまり資本的つながりによって結合した社会集団とは区別してこの家族農業を支援するように求めているわけです。  なぜ家族農業なのかというと、国際社会は十年前にリーマン・ショックで世界的な経済危機に陥って、石油価格や穀物の国際価格が高騰しました。国際的な食料危機に直面したわけです。貧困、格差、飢餓が拡大をして、環境悪化したと、そういうことの反省から、家族農業の役割が欠かせないというふうになっているわけです。  それで、家族農業の十年のパネルを見ていただきたいと思うんですね。  国連は、国際連合家族農業十年に向けて五つの取組を提起しました。全部読みませんけれども、アンダーラインで示したところを見たいと思います。二番目、全ての国家に対し、家族農業に関する公共政策を策定云々とあります。それから、四番目のところは、政府及び国際的なまた地域的な機構はということで、ここは国連家族農業の十年の実施を積極的に支援するというふうに書いてあるわけですね。ですから、日本でも我が事としてこれ取り組むべきではありませんか、総理。
  127. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 農林水産省におきましては、地域農業の担い手を育成するために、経営改善の意欲のある農業者に対しまして、規模の大小ですとか法人、家族の別にかかわらず、今、支援もいたしているところでもございます。大規模化を目指さない中小規模の農家の方たちも、六次産業化ですとか、あるいは高付加価値による農業者の所得を向上していく手段を用いて、地域農業の担い手となるように幅広くまた支援もしているところでもございます。  さらに、中小規模の農家を営む関係者の幅広い参加により、草刈りですとか水路の管理など、地域の営農を支える活動を日本型直接支払制度により支援もいたしているところでもございます。  国連家族農業の十年におきましては、各国に対して、家族農業に関する政策を各国と共有をすることなどを求めているところでございまするけれども、我が国といたしましても、本年五月に新潟で開催をいたしますG20農業大臣会合等の国際会議の場におきましても、これまでの我が国の経験を発信をしてまいりたいと存じます。
  128. 紙智子

    ○紙智子君 私、総理に聞きたいわけですね。  それはなぜかというと、二〇一四年のときも一度やっているんだけど、そのとき総理は家族農業は自民党の政策だというふうにおっしゃっていて、ところが、ほとんど何もやっていなかったんですね。ですから、今回、十年というわけですから、是非取り組んでいただきたいということで、一言どうぞ。
  129. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) そのときの答弁は、正確に言いますと、家族経営が地域において地域の文化や伝統も継承してきた、これはまさに共産党の主張というよりも自民党の主張だというふうに、自民党こそ家族経営を大切にしてきたと、こう申し上げてきたところでございますが、先ほど農水大臣から答弁させていただきましたが、農地バンクの創設によって農地集積を進めるなどとともに、日本型直接支払制度を創設をし、中山間地域に対する直接支払など、地域を元気にする施策も進めてきたところでございまして、こうした観点から、まさに、規模拡大をしていくということと同時に、しかし家族で経営をしている方々もしっかりと支援をしていくという、この日本型の家族経営もしっかりと支援をしていきたい。  これは、最初に申し上げましたように、元々自由民主党が強く主張し、守ってきた政策でもあろうと、こう思っております。
  130. 紙智子

    ○紙智子君 家族農業は、一定の土地でどれだけ収穫できるかという土地生産性で、大規模経営よりも小規模経営の方が高いと。それから、米生産や果実の生産でも、中小規模の経営の方が農業所得率が高いんですね。しかも、コミュニティーとして、地域経済、祭り、神事を含めた伝統的な文化を発展させてきたと。ところが、どこに行っても、さっき大事にしていると言うんですけれども、補助金は大規模化とか法人化が条件になっているんですね。  中小規模で頑張っている家族農業の経営の支援を強化すべきだと思いますけれども、一言どうですか。
  131. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさにこれ、大規模化だけではなく、六次産業化や高付加価値化により農業者の所得を向上していくことも重要であると考えております。大規模化を目指さない中小規模の農家の方たちも、このような手段を用いて地域農業の担い手となるよう幅広く支援をしております。  また、我が国の美しい田園風景、そして食を支えるためには、中小規模の農家を含む関係者の幅広い参加により、草刈りや水路の管理など、地域の営農を支える活動が維持されることも重要でありまして、これについては日本型直接支払制度により支援を行っているところであります。  私の地元なんかは棚田等もあるわけでございますが、これは当然大規模化はできないわけでございますが、地域の景観を支えている、こういうものをしっかりと支援をしてまいりたいと思います。
  132. 紙智子

    ○紙智子君 そうであるならば、規模拡大とか法人化を条件にしないでほしいということを改めて申し上げたいと思います。  次に、JR北海道の存続問題についてお聞きします。  JR北海道は、北海道経済を支える農林漁業と道民の生活を支えています。物流の基軸であるJR北海道の存続が求められています。  二〇一七年の衆議院の予算委員会で、総理は、我が党の本村伸子議員の質問に、JR北海道を支援すると言われました。今もこれは変わりませんか。
  133. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) ちょっと、まず具体的な中身を私の方から申し上げたいと思いますが、JR北海道は、地域の人口の減少や高速道路等、他の交通インフラの発達によりまして、路線によっては輸送人数が大きく減少し、大量高速輸送といった鉄道の特性を生かすことのできない路線を抱え、厳しい状況に置かれております。  JR北海道におきましても様々な経営努力を重ねてきておりますが、国土交通省といたしましても、JR北海道の厳しい経営状況に鑑みまして、経営安定基金の運用益の下支え、経営安定基金の自主的な積み増し、また平成二十三年度から八年間で六百億円の補助を含む設備投資に対する総額一千八百億円の支援を行うなど、これまで累次にわたる支援を行ってきたところであります。  加えて、国土交通省では、昨年七月に監督命令を発出しまして、JR北海道に徹底した経営努力を求めるとともに、これを前提としまして来年度からの二年間で総額四百億円台の支援を行うこととしておりまして、こうした方針に変わりはございません。  国土交通省としましては、北海道における持続可能な交通体系を構築していけるよう、地域において鉄道の存続を支える取組に対しまして引き続き必要な支援を行ってまいります。
  134. 紙智子

    ○紙智子君 ちょっとパネルを見ていただきたいんですけれども、これ、今いろいろ長々と言われたんだけれども、今一番焦点になっている話をしたいと思うんですね。  それで、このパネルの点線部分というのは、JR北海道が、全路線の半分以上、千二百三十七・二キロを維持困難な区間と発表した区間なんですよ、点線のところが。ここのところの日高線ですね、この日高線、北海道の日高本線は、二〇一五年に高波の被害を受けて以来、不通になっているんです。四年間続いているんです。日高地方の皆さんは早く復旧してほしいと願っていると。  ところが、今年の一月二十八日に開かれた沿線の七町長の会議に、JR経営陣に代わって北海道の幹部職員が、路線の廃止を受け入れるのであれば二〇一五年から放置してきた護岸復旧に着手すると言ったんですよ。この四年間放置してきて今更何言うんだと怒りの声が広がっています。  路線の廃止を条件にして復旧してやるというのはおかしいんじゃないですか、総理。これ、国土交通じゃなくて、総理。
  135. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 具体的な路線の話でありますので、私の方から答弁いたします。  日高線につきましては、平成二十七年一月の低気圧による高波の影響によりまして線路脇の盛土の土砂が流出する被害が発生をしまして、鵡川駅から様似駅間の運転を休止していますが、そのたびも、度重なる台風等によりまして護岸の倒壊などの被害が発生をしております。  これを受けて、平成二十七年四月以降、JR北海道は、被災箇所の被害の拡大防止及び道路や民間家屋等に対する……
  136. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 簡潔に、答弁は簡潔にお願いします。
  137. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 被害防止のために、大型土のうや消波ブロックの設置等の応急対策工事など、必要な対策を講じていると承知をしております。  こうした中で、平成二十九年二月、JR北海道は、鵡川駅から様似駅間の鉄道事業の廃止を正式に地元に申し出ております。  また、その二年後……
  138. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 答弁は簡潔に。
  139. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) JR北海道は、本年一月の日高線臨時町長会議において、過去の災害により被災している鉄道護岸の補修及び維持管理について……
  140. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 時間がありませんので、簡潔にお願いします。
  141. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 地元と協議したい旨を北海道庁を通じて関係自治体に示したところと聞いております。  こうした経緯を踏まえますと、日高線の存廃に関する在り方と鉄道護岸の補修や維持管理に関します地元との協議につきまして、直接の関係はないものと考えております。
  142. 紙智子

    ○紙智子君 関係ないことないですよ。地元は受け入れていないんですからね。それを、何で廃止することを条件に直してやるという話になるんですか。これ、おかしいと思いませんか。これがね、これが国の方針なんですか。総理、答えてください。
  143. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 既に石井大臣から答弁をさせていただきましたとおり、本件については、国土交通省も参画した上で、地域の関係者により丁寧な議論をしていただくことが重要であると考えております。
  144. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 紙さん、時間が来ています。
  145. 紙智子

    ○紙智子君 より丁寧な議論と言うんですけれども、今私が聞いたのは、廃止を前提にして直してやるということがおかしいでしょうと。国の立場からいったら、そういうことはやめなさいと言わなきゃいけないんじゃないですか。国の役割は路線をむしろ守っていくということにあるんじゃないですか。  本当に許されないというふうに強く怒りを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
  146. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 以上で紙智子君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  147. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 次に、薬師寺みちよ君の質疑を行います。薬師寺みちよ君。
  148. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。本日もよろしくお願いいたします。  まず、総理に質問させていただきたいと思います。  総理は、国難とも呼ぶべき少子高齢化だということで、今後三年間掛けて社会保障制度改革最大のチャレンジと位置付けて取り組んでいただくように私聞き及んでおりますけれども、しっかりと全世代型社会保障とは何かということをまず国民の皆様方にも御理解いただかなければならないと思っております。  この全世代型社会保障制度でどのような効果が期待されているんでしょうか、御答弁いただけますでしょうか、お願い申し上げます。
  149. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 少子高齢化、そして人生百年の時代にあって、我が国が誇る社会保障の在り方もまた大きく変わらなければならないと考えております。我が国の社会保障制度を、お年寄りだけではなくて、子供たち、子育て世代、さらには現役世代まで広く安心を支えていく全世代型社会保障へと今後三年掛けて改革を進めていきます。  これは安倍内閣の最大のチャレンジでありまして、茂木大臣を担当大臣として、関係者、関係省庁と緊密に連携しながら、省庁横断的な幅広い視野を持って取り組んでもらうこととしております。一厚生労働省だけではなくて、働き方もございますから、これは、厚生労働省と同時に、産業の在り方、経営者側の考え方をも変えていかなければならない、働き方改革も進めていかなければならない。あるいは教育の在り方も含めて、これはまさに人生百年時代に向けて思い切ってこの全世代型に変えていく。そのために、今回、省庁横断をしながら、省庁横断型で政策をしっかりパッケージとして進めていかなければならないと、こう考えております。
  150. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  ですから、負担感だけが若い世代に感じられるような政策ではなく、しっかりと若い世代の皆様方にも恩恵があるような社会保障制度でなければならないと私も考えております。  そこで、今日は、ケアラーの問題につきましてももう一度取り上げさせていただきたいと思います。(資料提示)  実は、このケアラー、私、先日の予算委員会でも討議させていただきました。その際、NHKの放送が何と真夜中の二時だったんです。二時にもかかわらず、翌朝から私どもの事務所の電話が鳴りやまないんです。そんな時間でさえも起きてケアラーである皆様方は介護していらっしゃる、これが現実だと。そして、ヤングケアラーの皆様方からもお声をいただきました。兄弟に障害を抱えた者がある、自分がしっかりしなければと、真面目でなければならないということで成人迎えました。でも、この思いをどこかにぶつけたかった、でも、どこもそれを受け入れてくれることはなかった。  ですから、こういったケアラー、見えないケアラーの皆様方の声を一つ一つ拾い上げていくということが、私はこの全世代型社会保障制度を考える中でも大変重要だということを再確認いたしましたので、総理にもう一度御答弁をいただきたいと思います。もっと高いレベルで私は議論を進めていくべきだと思っておりますが、いかがでいらっしゃいますでしょうか。
  151. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 介護を必要とされる方やその家族などについて社会全体で支えることは重要であると考えております。  加えて、介護を行う本人に、方本人に着目した支援も重要であることから、昨年度、市町村や地域包括支援センター向けの家族介護者や家族介護者支援の充実を図るためのマニュアルを作成し、全国に周知をしたところであります。  さらに、家族介護者あるいはケアラーへの支援については、社会全体で要介護者とその家族を支えていく機運の醸成を図るとともに、それに向けてどういった対応が考えられるか、まずは厚生労働省によく研究をさせたいと、こう考えておりまして、今後の議論については、この研究を踏まえ検討してまいりたいと思います。    〔委員長退席、理事二之湯武史君着席〕
  152. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。  私も、その際にも申し上げましたけれども、多分自分がケアラーだということに気付いていらっしゃらない方も多いんです。例えば、土日、遠く離れた両親の具合を見に行く、でも、両親は元気だから自分は介護をしている意識はない。でも、それを、通勤をしている中で結局は自分がどんどん疲労していっていることに気が付いてしまって、結局は自分の勤務できないぐらいに健康状態を害してしまう方もいらっしゃいます。仕事を辞めて一人で親の介護をしていらっしゃる方々もいらっしゃいます。学校に通いながら、子供であるにもかかわらず、大人がやらなければならないような介護、おむつを替えたりということを日常的にやるがために遊べない、勉強ができない、そんな時間が持てない、そういうお子さん方も多い今、しっかりと、私は、厚生労働省にもこのケアラーの問題、中心として据えていただきたいと思っておりますので、根本大臣にはまたそれはよろしくお願いしたいと思っております。  ところで、このケアラーの問題にもかかわらず、実はこのケアを受けることができないというような世帯も今この日本社会の問題となっております。単身世帯の問題です。  実は、この社会保障制度を考える上でももう無視できないような数字となってきております。未婚率、離婚率の増加、さらには高齢化に伴いましてパートナーと死別をしてしまった。単身世帯がこの社人研の調査によりましても、二〇一〇年、三割を超えているんです。二〇四〇年には何と四割になってしまう。  今まで社会保障というのは家族モデルで組み立てられてまいりました。しかし、この四割にも至る単身世帯の皆様方を無視できない中で、単身世帯も標準とした社会保障制度として私は検討も行っていくべきだと考えておりますけれども、大臣、どのようにお考えになられますでしょうか、お願い申し上げます。
  153. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 御指摘のように、単独世帯は年々増加して、今後も増加が続くと推計されています。これは、高齢者層における増加が要因であると考えられます。今、我々、二〇四〇年を見据えて、要は団塊ジュニア世代が高齢者となりますし、高齢者数がピークを迎える、これが二〇四〇年代。そして、これから現役世代が急減する時期になると見込まれます。そのため、高齢者を中心とした単独世帯の増加は大きな課題であると考えています。大事なのは、地域住民や地域の多様な主体が参画して、世代や分野を超えてつながる地域共生社会を実現していくことが重要だと思います。    〔理事二之湯武史君退席、委員長着席〕  二〇四〇年を展望して、独り暮らしの高齢者も含め、誰もがより長く元気に活躍できる社会、この社会の実現を目指して、三本柱、多様な就労、社会参加と健康寿命の延伸、そして医療・福祉サービス改革といった政策課題について検討を進めています。  多様な就労、社会参加の一環として地域共生、地域の支え合い、これを重要なテーマの一つとして掲げております。やはりこれから大事なのは、家族のつながりや地縁が希薄化する中で、地域のセーフティーネットが弱体することも課題であり、地域共生に向けた取組をどのように進めていくのか、今の議員の御提案を含めてしっかり検討していきたいと思います。
  154. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  時間の関係上、質問の順番を変えさせていただきたいと思います。  麻生大臣にもお尋ねをさせていただきたいと思います。  実は、今単身社会の問題も語っていただきましたけれども、自助、共助、公助、様々なものをマトリックスのように組み合わせながら、この社会保障制度というものを組み立てていかなければなりません。平成三十一年度、今年度予算案につきましても、一般歳出の五五%が社会保障関係費でございます。ですから、それを無条件に伸ばしていくわけにもいかない、一方で、命の切捨てにもなってはならない。  ですから、社会保障制度というものを更に中身は充実させながら歳出も抑えていかなければならないという大変難しいかじ取りというものが今財務省に求められているかと思いますけれども、そこにつきまして大臣のお考えをいただけますでしょうか、お願い申し上げます。
  155. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) これは薬師寺先生御指摘のとおり、もう急速な高齢化というものを背景にして、この社会保障関係費というのはまだずっと増加をしておるというのは御存じのとおりです。御指摘のとおりに、持続可能な社会保障制度というものをきちんと構築して、かつ必要な給付を維持していくためにも、これは制度の重点化とか効率化というのは、これは不可避だと思っております。  安倍内閣では、これまでも薬価制度の抜本改革とか、それから改革工程表などに沿って様々な改革努力を積み重ねてきておりまして、引き続き社会保障関係費の実質的な増加を、高齢化していくという増加分に相当する伸びに収めるというようなこととか、新経済・財政再生計画における方針というものを今着実にこの六年間達成してきていると思っております。  他方で、今おっしゃいましたように、消費税率引上げによる増収分などを活用して、例えば低所得者の医療、介護の保険料負担の軽減とか、保育士また介護人材、障害福祉関係の人材等々の処遇改善、また、よく言われます難病とか、それからいわゆる小児の慢性特定疾患とか、そういったものへの対応とか、児童養護施設ですかね、そういったものの小規模化するとか地域分散化するとか、今いろいろ地域によって大型のものよりそういった地域の小型分散化というのがよく言われておりますが、高機能化の社会的な養育の推進等々ありますし、加えて、年金受給者資格というものを、二十五年だったものを十年へと短縮を行うなど、国民全体が安心できるような制度の構築等、いろいろ詰めさせていただいていると思っております。  いずれにしても、世界に冠たる社会保障制度というものを次の世代に確実に引き渡していくためには、いろいろな改革というのをこれやらねばならぬ部分と、もっと合理化せないかぬとか、分散化しております人口等々の移動が大分起きておりますので、そういったものに合わせてやっていかないかぬとか、必要となる改革というのを進めてまいりたいと考えております。
  156. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  国民の皆様方にも御協力いただかなければならない部分も生じてくるかと思いますけれども、決して命の切捨てにならぬようにお願いをしたいと思います。  ところで、皆様方にも是非御理解いただきたいものがございます。今、がんになるというのは二人に一人。がんはかなり治療成績も良くなってまいりまして、しっかりとがんが克服できるというところまでやってまいりました。しかし、残念ながら、治療成績が伸びていない世代の皆様方がおります。AYA世代のがんでございます。  AYA世代というのは、これは英語で言う思春期と若年成人という頭文字を取ったものでございますけれども、何と日本にも毎年二万人罹患していらっしゃる方がいらっしゃるということが分かっております。しかし、病気の治療だけではないんです。こうやって十代の後半から三十代の皆様方というのは、勉強もしなければならない、就職も考えなければならない、そして、治療によってもしかしたら将来子供を持つということができないかもしれないということも危惧されてまいります。  しっかりと様々な面で、治療というだけではなく精神的にもそして生活面でもサポートしていく必要がございます。ですから、是非多くの省庁が連携しながら、このAYA世代のがん克服に向けて私は連携をしていただきたいと思いますけれども、大臣、御意見いただけますでしょうか。お願い申し上げます。
  157. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 薬師寺議員今お話しいただいたように、若くしてがんと診断されたAYA世代のがん患者、これは、治療だけではなくて就学や就労など、他の世代とは異なる不安や悩みを抱えております。やはり個々に応じた支援を提供できる環境を整備することが重要だと考えています。  厚生労働省として、第三期がん対策基本計画、これは平成三十年三月に閣議決定しました。このがん対策基本計画に基づいて、様々なAYA世代のがん患者支援を推進しています。具体的には、例えば就学や就労など多様なニーズに応じた情報提供、これは、小児がん拠点病院のがん相談支援センターにおいてAYA世代のがん患者に対する治療や就学、就労支援等に関する相談及び支援を実施していますが、こういう情報提供と、小児がん拠点病院などの専門的な診療を実施できる医療提供体制の整備、これに取り組んでおります。  これからも、関係省庁とも連携しながらしっかりと取り組んでいきたいと思います。
  158. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  今もオリンピックを目指している水泳選手がまさにこの問題に悩んでいらっしゃるかと思います。ですから、しっかりと、ああいう世代でもがんに対して打ち闘うような力を厚生労働省の方でもバックアップしていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。  このがんというものにつきまして、今、治療の中心となっているのがゲノムでございます。このゲノム医療というものを我が国でも広がすために様々な施策を今厚生労働省でも考えてくださっております。しかし、このゲノム情報というのは大変機微な情報でございます。まさに一人だけの情報ではございません。人種の情報、そして家族の情報、様々なものがその中に含まれてくるわけでございます。  今、大きな問題として、このゲノム情報、その調査結果が海外企業に渡り、日本には詳細な結果が返されないかもしれないということが危惧されております。日本人のゲノム情報はしっかりと国内で蓄積し、そしてしっかりとそれを治療に、そして新しい治療薬の開発に私は利活用していただくべきだと思っております。  果たしてこれは健康だけの問題なんでしょうか。これは、日本としての危機管理の問題であると私は考えております。政府そして我々立法府、総力を挙げて、このゲノムデータにつきましてその管理方法につきましても考える必要があるかと思っておりますけれども、総理の御意見いただけますでしょうか。
  159. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 委員御指摘のこのゲノム医療については、個人のゲノムを解析し、その体質や病状に適したより効果的、効率的な疾患の診断、治療等を可能とするものと承知をしています。さらに、解析したゲノム情報等を集約、利活用することで、新たな治療薬が開発されることなども期待されています。  一方で、委員が御指摘のように、適切なデータ保護、また管理要件等が設定されなければ、ゲノム検査が我が国の医療保険適用となったとしても、日本人のゲノム情報が海外に流出をし、そして日本の創薬に活用できない、あるいは悪用されるおそれがあるといった指摘が、課題があると認識をしております。政府としても、こうした課題に対して、関係者とともに必要な対応策を検討してまいりたいと思います。
  160. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  ここは是非、私は強く考えていただきたいと思います。今起こっていることではなく、将来日本人が抱えるべき問題というのもその中に含まれている可能性がございます。  大変このゲノム情報につきましては、これから医療の中心となるだけではなく、悪用される、先ほど総理もおっしゃいましたけれども、可能性もございます。このゲノム情報、今、がんのみならず難病そして認知症等々にも応用される、そのために解明が進められているところでございます。  このゲノム情報と申しますのは、その情報の使い方によっては差別にもつながりかねません。実際に遺伝的ながんの変異を持った家系というものがございます。そういう方々に効くお薬というものがございます。じゃ、それを検査することによって、その家系ががんにかかりやすいというものが分かる。それを分かることさえも気にしてしまって、その検査を受けない方が今いらっしゃいます。もし検査を受けてそれが分かったとしても、そのお薬を飲んでいるだけでその家系だよねということが分かってしまう。だから、検査をしてもお薬を飲まないとおっしゃる方々がいらっしゃいます。  それだけ将来に向かって差別というものを考えていかなければ、せっかく治療法ができても、検査法ができても、利用していただけないことになってしまうわけです。しかし、今、全くそういった差別につきましても法整備がなされておりません。研究、医療提供体制の整備はもちろんです。しかし、このゲノムに関しては社会環境というものがいまだ整備をされておりません。ゲノムと申しましても、ほとんどの皆様方はそれは何だろうと。遺伝と言えば分かるんですけれども、遺伝子と言われてもなかなか御理解いただけない。  ですから、しっかり教育、啓発まで含めて、私は、国民的にもこのゲノム、これ、でも医療を受けるために、インフォームド・コンセントはまさに自分が受ける医療についても御理解いただきたいと思いますけれども、積極的に私はこの社会環境整備も含めて国でも整備を推し進めていただきたいと思いますけれども、総理の御意見いただけますでしょうか。
  161. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) ゲノム医療を将来にわたって発展させていくためには、研究開発の推進や医療提供体制の整備を行うとともに、遺伝子異常が見付かった患者やその血縁者が差別などの不当な扱いを受けることがないように、ゲノムに関する教育や普及啓発、社会環境整備を行っていくことが重要であると考えています。  現在、超党派の議員連盟においては、教育や社会環境整備を含めたゲノム医療の推進について議論がなされていると承知をしております。政府としても、私が本部長である健康・医療戦略推進本部の下に設置をした有識者会議において、国民がゲノム情報に基づいて不利益を被ることがないよう、差別の防止について議論を行ってまいりました。国民に安心してゲノム医療を受けていただくため、引き続き必要な施策を検討してまいりたいと思います。
  162. 薬師寺みちよ

    ○薬師寺みちよ君 終わります。ありがとうございました。
  163. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 以上で薬師寺みちよ君の質疑は終了いたしました。(拍手)  これにて社会保障・内外の諸情勢に関する集中審議は終了いたしました。     ─────────────
  164. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) この際、平成三十一年度総予算三案の審査の委嘱についてお諮りいたします。  本件につきましては、協議の結果、次のとおり決定いたしました。  一、審査を委嘱する委員会及び各委員会の所管は、お手元に配付のとおりとする。  一、審査を委嘱する期間は、特別委員会については三月十九日の一日間、常任委員会については三月二十日の一日間とする。  以上でございます。  ただいま御報告いたしましたとおりとすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  165. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  次回は明十五日午後一時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    正午散会