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2019-03-04 第198回国会 参議院 予算委員会 3号 公式Web版

  1. 平成三十一年三月四日(月曜日)    午前九時開会     ─────────────    委員の異動  二月七日     辞任         補欠選任      福島みずほ君     小西 洋之君      河野 義博君     平木 大作君  二月八日     辞任         補欠選任      杉  久武君     三浦 信祐君      井上 哲士君     大門実紀史君      倉林 明子君     山下 芳生君  二月二十五日     辞任         補欠選任      足立 信也君     森 ゆうこ君  三月一日     辞任         補欠選任      吉川ゆうみ君     井原  巧君      青木  愛君     舟山 康江君      徳永 エリ君     櫻井  充君      石橋 通宏君     相原久美子君      熊野 正士君     竹内 真二君      片山 大介君     石井 苗子君      山下 芳生君     武田 良介君  三月四日     辞任         補欠選任      中野 正志君     堀井  巌君      櫻井  充君     浜口  誠君      舟山 康江君     青木  愛君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         金子原二郎君     理 事                 石井 準一君                 高橋 克法君                 二之湯武史君                 長谷川 岳君                 山下 雄平君                 森 ゆうこ君                 蓮   舫君                 谷合 正明君                 辰巳孝太郎君     委 員                 青山 繁晴君                 朝日健太郎君                 有村 治子君                 井原  巧君                 宇都 隆史君                 大野 泰正君                 太田 房江君                 こやり隆史君                 滝沢  求君                 中泉 松司君                 中西  哲君                 中野 正志君                 長峯  誠君                 堀井  巌君                 丸川 珠代君                 三木  亨君                 元榮太一郎君                 和田 政宗君                 青木  愛君                 大島九州男君                 大野 元裕君                 櫻井  充君                 田名部匡代君                 浜口  誠君                 舟山 康江君                 相原久美子君                 小西 洋之君                 杉尾 秀哉君                 伊藤 孝江君                 竹内 真二君                 平木 大作君                 三浦 信祐君                 浅田  均君                 石井 苗子君                 藤巻 健史君                 大門実紀史君                 武田 良介君                薬師寺みちよ君    国務大臣        内閣総理大臣   安倍 晋三君        財務大臣        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(金融)        )        麻生 太郎君        総務大臣        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(マイナ        ンバー制度))  石田 真敏君        法務大臣     山下 貴司君        外務大臣     河野 太郎君        文部科学大臣        国務大臣     柴山 昌彦君        厚生労働大臣        国務大臣     根本  匠君        農林水産大臣   吉川 貴盛君        経済産業大臣        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(原子力        損害賠償・廃炉        等支援機構))  世耕 弘成君        国土交通大臣        国務大臣     石井 啓一君        環境大臣        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(原子力        防災))     原田 義昭君        防衛大臣     岩屋  毅君        国務大臣        (内閣官房長官) 菅  義偉君        国務大臣        (復興大臣)   渡辺 博道君        国務大臣        (国家公安委員        会委員長)        (内閣府特命担        当大臣(防災)        )        山本 順三君        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(経済財        政政策))    茂木 敏充君        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(沖縄及        び北方対策、消        費者及び食品安        全、少子化対策        、海洋政策))  宮腰 光寛君        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(クール        ジャパン戦略、        知的財産戦略、        科学技術政策、        宇宙政策))   平井 卓也君        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(規制改        革、地方創生、        男女共同参画)        )        片山さつき君        国務大臣     櫻田 義孝君    副大臣        財務副大臣    鈴木 馨祐君    政府特別補佐人        内閣法制局長官  横畠 裕介君    事務局側        常任委員会専門        員        藤井 亮二君    政府参考人        内閣府大臣官房        審議官      渡邉  清君        内閣府政策統括        官        海堀 安喜君        警察庁生活安全        局長       白川 靖浩君        復興庁統括官   末宗 徹郎君        総務大臣官房政        策立案総括審議        官        横田 信孝君        総務省自治行政        局選挙部長    大泉 淳一君        外務大臣官房長  下川眞樹太君        外務省総合外交        政策局長     鈴木  哲君        財務省理財局長  可部 哲生君        文部科学省初等        中等教育局長   永山 賀久君        文部科学省高等        教育局長     伯井 美徳君        文部科学省科学        技術・学術政策        局長       松尾 泰樹君        文部科学省研究        振興局長     磯谷 桂介君        文化庁次長    中岡  司君        厚生労働大臣官        房長       定塚由美子君        厚生労働大臣官        房政策立案総括        審議官      土田 浩史君        厚生労働大臣官        房審議官     八神 敦雄君        厚生労働省医政        局長       吉田  学君        厚生労働省子ど        も家庭局長    浜谷 浩樹君        林野庁長官    牧元 幸司君        経済産業大臣官        房審議官     島田 勘資君        資源エネルギー        庁電力・ガス事        業部長      村瀬 佳史君        国土交通省土地        ・建設産業局長  野村 正史君        国土交通省水管        理・国土保全局        長        塚原 浩一君        国土交通省自動        車局長      奥田 哲也君        国土交通省港湾        局長       下司 弘之君        国土交通省航空        局長       蝦名 邦晴君        防衛省防衛政策        局長       槌道 明宏君        防衛省整備計画        局長       鈴木 敦夫君        防衛省地方協力        局長       中村 吉利君        防衛省統合幕僚        監部総括官    齋藤 雅一君    説明員        会計検査院事務        総局第三局長   森   裕君    参考人        日本銀行総裁   黒田 東彦君        前内閣総理大臣        秘書官      中江 元哉君        毎月勤労統計調        査等に関する特        別監察委員会委        員長       樋口 美雄君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○参考人の出席要求に関する件 ○平成三十一年度一般会計予算(内閣提出、衆議  院送付) ○平成三十一年度特別会計予算(内閣提出、衆議  院送付) ○平成三十一年度政府関係機関予算(内閣提出、  衆議院送付)     ─────────────
  2. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  まず、理事の補欠選任についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に森ゆうこ君を指名いたします。     ─────────────
  4. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  平成三十一年度総予算三案審査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     ─────────────
  6. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  平成三十一年度総予算三案審査のため、必要に応じ日本銀行総裁黒田東彦君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  また、本日の委員会に前内閣総理大臣秘書官中江元哉君、毎月勤労統計調査等に関する特別監察委員会委員長樋口美雄君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  9. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 平成三十一年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。  本日及び明日は基本的質疑を三百三十一分行うこととし、各会派への割当て時間は、自由民主党・国民の声九十分、国民民主党・新緑風会六十分、立憲民主党・民友会・希望の会五十分、公明党四十五分、日本維新の会・希望の党三十七分、日本共産党三十七分、無所属クラブ十二分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。     ─────────────
  10. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 平成三十一年度一般会計予算、平成三十一年度特別会計予算、平成三十一年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。  これより基本的質疑に入ります。櫻井充君。
  11. 櫻井充

    ○櫻井充君 おはようございます。国民民主党・新緑風会の櫻井充です。  児童虐待によって幼い子の命が奪われました。心から御冥福をお祈りしたいと、そう思います。  これ非常に大事な問題だと思っていて、安倍政権でどのように取り組もうとしているのか、総理の御決意をまずお伺いしたいと思います。
  12. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 千葉県野田市で十歳の女の子が死亡し両親が逮捕された事案について、このような形でお亡くなりになったことは誠に痛ましく、あってはならないことであります。子供たちの命を守るのは、私たち大人全員の責任であります。子供を守るとりでとなるべき学校や教育委員会、児童相談所といった周りの大人たちが心愛さんの悲痛なSOSを受け止められなかったことは、本当に悔やんでも悔やみ切れないところであります。  昨年七月に緊急総合対策を取りまとめたにもかかわらず、今回の事件が繰り返されたことは本当に残念です。政府として深刻に受け止めておりまして、二月八日に関係閣僚会議を開催し、新たな対応を指示しました。これに基づき、通告元の秘匿等に関する新たなルールを既に発出したところでありますが、また、把握している全ての虐待ケースの緊急点検を今週中、八日までに完了することとしております。さらに、現在三千名の児童福祉司を来年度に一気に千名増員し、二〇二二年度には五千名体制とすること、児童心理司を八百名増員すること、全ての児童相談所に保健師を配置することなどを内容とする児童相談所の体制の抜本的強化などを直ちに実行するよう、厚生労働大臣を始め各府省庁に指示をいたしました。  また、今国会に提出を予定している児童福祉法等の改正案において、体罰禁止の法定化、そして、ちゅうちょなく一時保護に踏み切れるよう、介入担当者と保護者支援担当者の分離、児童相談所における弁護士等の配置促進、そしてDV対策との連携強化など、実効性のある対策を盛り込むよう準備を急がせているところであります。  何よりも子供の命を守ることを最優先に、あらゆる手段を尽くしまして、児童虐待の防止、児童虐待の根絶に向けて全力を尽くしてまいります。
  13. 櫻井充

    ○櫻井充君 ありがとうございます。  大事なテーマなのできちんと取り組んでいただきたいと思うんですが、その中で若干何点か建設的に意見を述べさせていただきたいと、そう思っています。  今回の野田市の場合のまず所長の対応について担当大臣にお伺いしたいと思いますが、どういう点が問題だったというふうに総括されているんでしょうか。
  14. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 今回の事案については、二月十三日に厚生労働省の検証委員会において関係自治体からのヒアリングを実施しています。一時保護の解除に当たって児童相談所は調査を十分に行ったか等々の事実関係を把握して、その背景も含め検証するよう伝達しています。  さらに、二月十九日には、厚生労働省と文部科学省の両大臣をトップとする合同プロジェクトチームにおいて本事案についての検証を行うことになっております。その中で、今の柏の所長の対応は適切だったのか、これも検証をしっかり進めたいと思っております。
  15. 櫻井充

    ○櫻井充君 済みませんけれど、まだきちんと総括されていないんですか。
  16. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) じゃ、二月十三日のヒアリングの中身、それをお答えします。  一時保護の解除を行うに当たって児童相談所は調査を十分に行ったか、あるいは一時保護解除の際の継続指導の内容、期間の設定はどうなっていたのか、あるいは実父母宅へ戻ってからの対応について、児童相談所が直接会っていない期間についての判断理由は何だったのか、あるいは関係機関の適切な役割分担はできていたのか、この事実関係を背景にして、その背景なども含め検証をするよう伝達をしております。そして、今、両副大臣で本事案の検証を行っております。
  17. 櫻井充

    ○櫻井充君 済みません、総括しているんですか、していないんですか。
  18. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  現時点で判明している事実に基づきまして先ほど大臣から御答弁申し上げましたけれども、課題として私どもとして認識していますのは、一時保護の解除が適切だったのか、その際、児童相談所が調査を十分に行ったのか、あるいはその一時保護解除の際の継続指導の内容、期間の設定はどうだったのか、その経過の中でその辺は守られていたのか、それから、実父母宅へ戻したわけですけれども、その戻った、戻す判断が適切だったのか、それから、戻ってからの対応について、児相が直接会っていないわけですけれども、その会っていない期間について判断理由は何だったのか、あるいは関係機関に適切な役割分担はできていたのか、これが課題だというふうに認識しておりまして、この課題意識に基づきまして、しっかりと今後事実関係を確定し、検証してまいりたいということでございます。
  19. 櫻井充

    ○櫻井充君 総括していないということなんだと思うんです。  僕は、この中でもう一つお伺いしておきたいことがあります。  児童相談所の所長が、体に傷がないから虐待を受けていないという発言をしているんですが、これは適切だと思われますか。
  20. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  児童虐待の対応に当たりましては、身体的虐待があった場合、外傷の程度のみでリスクを判断するのではなくて、全体の状況のアセスメントを行い、総合的に判断することが必要であるというふうに考えております。  柏の児童相談所長も適切でない旨の発言をしておりますけれども、現時点においては適切ではなかったのかというふうに考えております。
  21. 櫻井充

    ○櫻井充君 大臣、この問題、どのぐらい認識されているのか、ちょっとお伺いしたい点があります。  虐待って四種類ありますが、その四種類を挙げていただけますか。
  22. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) これは法律にも位置付けられておりますが、児童虐待は、身体的虐待ではなくて、だけではなくて、性的虐待、ネグレクト、いわゆる育児放棄、心理虐待の四つの類型があります。
  23. 櫻井充

    ○櫻井充君 ありがとうございます。  今一番増えているのは、その中で心理的虐待なんです。体に傷を負いません。こういう場合、どうやったら早期に発見できるとお考えですか。
  24. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) 早期発見のためには、その関係機関が連携して対応することが必要であるというふうに思っております。  学校、保育所などでの気付き、あるいは児童相談所で面会する場合に当たっては医師の判断の下にその傷、あざの程度を見る、こういったことが必要だというふうに考えております。
  25. 櫻井充

    ○櫻井充君 根本的に間違っています。傷、あざとおっしゃいました。僕は心理的虐待について聞いているんです。
  26. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  児童相談所には児童心理司もおります。児童心理司におきまして、心理的な面も含めてカウンセリング、それから調査、分析をする必要があるというふうに、してまいるということでございます。
  27. 櫻井充

    ○櫻井充君 総理、ちょっと提案させていただきたいことがあるんです。(資料提示)  これは東京都のホームページにあるんですが、歯科医師が早期に発見できるんですよ。なぜかというと、虫歯を指摘されている、まず虫歯の数が違うんです。虫歯を指摘された後に、虐待を受けている子供たちというのはほとんど治療に行っていないので、未処置の歯の数が多いんですよ。  ですから、私はこのプロジェクトチームに歯科医師をもっと積極的に関与させるべきだと思いますが、総理の御所見をお伺いしたいと思います。
  28. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私も初めてこの表を拝見させていただきましたが、こういう顕著な違いが出てくるということは、虐待を未然に防止する上においても今この印象としては有用ではないかと、こう考えたところでございまして、検討させていただきたいと思います。
  29. 櫻井充

    ○櫻井充君 前向きな御答弁をいただきまして、本当にありがとうございます。  それからもう一点、私の知り合いの児相で働いていた子なんですが、最後は石油を掛けられました。そして、後ろでお父さんはたばこを吸っていて、自分は殺されるんじゃないかと不安を感じて、その後行けなくなってしまいました。こういう場合に警察がもっと積極的に関与すべきであって、児童相談所の中に警察官が配置されるべきではないのかと、歯科医師もそうなんですが、配置するようなことを考えてはいかがでしょうか。
  30. 山本順三

    ○国務大臣(山本順三君) 児童相談所への警察職員の配置についてでございますけれども、平成三十年四月一日時点で全国で三十四名の現職警察官が配置をされており、また警察OBについては百八十九名が配置されているところでございます。  緊急総合対策及び二月八日の閣僚会議の決定においても、児童相談所に警察職員や警察OBの職員配置を進めることが示されたところでもございますので、今後、厚生労働省等からの要請に応じて可能な限り協力するよう、警察を指導してまいりたいと思っております。
  31. 櫻井充

    ○櫻井充君 ありがとうございます。  ただ、そこで一点気になるのは、警察OBというのはどのぐらいの権限があるんでしょうか。
  32. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  児童相談所に警察OBが配置された場合には、基本的にはその児童相談所の職員としての権限になります。ただ、警察OBとしての知識、経験を生かしまして、警察との連携がより円滑に進むのではないかというふうに考えております。
  33. 櫻井充

    ○櫻井充君 要するに、OBはOBなんですよ。現職の警察官を増やすべきだと思いますが、大臣、いかがですか。
  34. 山本順三

    ○国務大臣(山本順三君) 今御指摘のとおり、現職の警察官を増やすという方向も我々は考えておるところでございますけれども、何せ総定員がございますから、そことの調整をしっかり図りながら、これから前向きに努力をしてまいりたいと思っております。
  35. 櫻井充

    ○櫻井充君 ありがとうございます。  これ、国家公務員の総定数って、こうやっていろんな分野で大切なことがあるにもかかわらず、これがネックになっている場合があるんですが、これを変更するというお考えは、総理、ないでしょうか。
  36. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 三重県を視察した際、児相全てではないんですが、その管理センター的な場所には三重県の試みとして現職警察官が常駐をしており、他の児相にはOBが配置をされているんですが、そこと連携を取りながらということでございますが、今、櫻井委員がおっしゃった総定員、地方公務員もそうなんですが、との関わりにおいて果たしてどうなんだということでございますが、総定員ということで縛りも受けているわけでありますが、ただ、その中で、この新しい状況、事態にどう対応していくか、柔軟に対応していくかということについては、我々も真剣に取り組んでいきたいと思っております。
  37. 櫻井充

    ○櫻井充君 ありがとうございます。  あともう一点、僕は、虐待をした親のカウンセリングが必要だと思うんですが、この体制についてはどのように整備されるんでしょうか。
  38. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  児童虐待防止に関しましては、発生予防、早期発見、それから児童虐待発生時の迅速、的確な対応、被虐待児童への自立支援を総合的に行うことが必要であるというふうに考えております。  保護者に対しましては、様々な保護者指導、保護者支援プログラム等を児童相談所あるいは民間機関において対応を行っているところでございます。
  39. 櫻井充

    ○櫻井充君 それでは、これまでこういう分析されているかどうか、どういう考え方の親が虐待を行っているのか、調査されたことがおありですか。
  40. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  厚生労働省が地方自治体の職員用に作成いたしました子ども虐待対応の手引きにおきましては、保護者が子供を虐待するのは、一つは、子供時代に大人から愛情を受けていなかったこと、二つ目、生活にストレスが積み重なって危機的状況にあること、三つ目、社会的に孤立化し、援助者がいないこと、四つ目、親にとって意に沿わない子であることなどの要因が複合的にかみ合って起こるものというふうに考えられているというふうに分析されております。
  41. 櫻井充

    ○櫻井充君 それって外的要因だけであって、本人がその結果どういう考え方の持ち主になったのかという分析が絶対的に必要だと思うんですよ。つまり、今のような要因を持っている方々はいっぱいいらっしゃるけど、だけど、その人たちの中で虐待していない人もいるんですよ。  私は心療内科の医者として申し上げておきたいことがありますが、やはり不登校になる、それから拒食症になる、そういう子供たちの考え方に共通しているところがありますから、虐待を行ってくる親にも共通の考え方があると思っていて、それをきちんと分析しないとカウンセリングできないと思うんです。  この点について、大臣、いかがですか。
  42. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 私も委員がおっしゃっているとおりだと思います。やはりその親のいろいろな心理的な要因、こういうものをきちんと分析しないといけないと思っております。  やはりそこはカウンセリングなども通じてという対応が必要だと思いますが、保護者側のリスク要因、これは妊娠、出産、育児を通して発生するものや、保護者自身の性格や精神疾患等の精神的な不安定な状態から起因するものがあると考えておりますので、そこは、委員のおっしゃることは私も共有しております。
  43. 櫻井充

    ○櫻井充君 人は行動するときにちゃんと物を考えて行動してきているので、その方をちゃんと分析することが大事だと思っています。  それから、先ほど総理から二千人増員というお話がありましたが、お手元に資料をお配りしています。資料一、見ていただきたいんですが、平成十二年と比較して児童虐待の相談件数、七・五倍に増えているんです。だけど、児童福祉司の数は二・四倍でしかないと。本当にこの体制で十分だとお考えでしょうか。
  44. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  平成二十九年度における児童福祉司一人当たりの虐待相談対応件数は約四十一・四件でございます。このため、こういった児童虐待の対応をより適切に行うために昨年十二月に新プランを決定いたしました。  新プランにおきましては、児童福祉司一人当たりの業務量を、児童虐待相談とそれ以外の相談、これ非行、養護、障害、ほかの相談もございます、現在これを合わせますと五十ケース相当でありますけれども、この配置基準を四十ケース相当となるよう見直しを行うことにいたしております。
  45. 櫻井充

    ○櫻井充君 一人本当に四十件が適切だという根拠はどこにあるんでしょう。
  46. 浜谷浩樹

    ○政府参考人(浜谷浩樹君) なかなか厳密に適当な相談件数というのを定量的に示すのは困難でございますけれども、少なくとも現時点におきまして五十ケース相当を四十ケースにすることによりまして一人当たりの業務負担を軽減いたしまして、より適切な、きめ細やかなケースワークを行うようにしてまいりたいということでございます。
  47. 櫻井充

    ○櫻井充君 現時点よりは良くなることは期待したいと思いますが、抜本的な改革は、本当の原因がどこにあるのかということをきちんと分析した上で対応するということだと思っています。  総理、改めて総合的対策について、今私が提案させていただいたことも御勘案いただきたいと思いますが、いかがでしょう。
  48. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 児童虐待を根絶をするためにできることは全て行うとの姿勢で対応していきたいと思っております。  様々な、当然そのためには分析が必要でしょうし、この現体制に課題はないか、我々が示した新たな体制を強化した状況に課題はないかということについては、櫻井委員が様々な御指摘をいただきました。そうした御指摘もしっかりと念頭に置きながら、常に改善のためにどうすればいいかということは検討しなければいけないと。  あと、また非常に重要な御指摘もいただきましたので、しっかりと検討していきたいと思います。
  49. 櫻井充

    ○櫻井充君 本当に前向きに御答弁いただきまして、ありがとうございます。  前回も、妊婦加算、すぐに廃止していただいたことに改めて感謝申し上げておきたいと思います。  次に、医師の働き方改革についてお伺いしたいと思います。  なぜ医師の労働時間はこれだけ長いんでしょうか。
  50. 吉田学

    ○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。  総務省の平成二十九年就業構造基本調査によれば、医師の一週間の就業時間が六十時間以上である者の割合が約四割となってございまして、他の職種と比較してもぬきんでて長時間労働だというふうに受け止めております。  私どもが、厚生労働省が平成二十九年度に行いました勤務医に関する調査におきましては、時間外労働が発生する主な理由を聞いておりまして、急変した患者等への緊急対応、カルテ等の書類の作成、整理、手術や外来対応等の延長などがそこの調査では挙げられております。  また、長時間労働の構造的な原因につきましても、これは複数の課題が絡まっているかと思いますけれども、医療機関における業務や組織のマネジメントが不十分である、あるいは、医師や、診療科による医師の偏在、あるいは医師そのものの医療機関における非常に足らないという部分、あるいは地域医療提供体制の機能分化、連携が不十分な地域が存在していることなど、複雑に絡み合っているというふうに思っております。
  51. 櫻井充

    ○櫻井充君 済みませんけど、長時間労働をしている医者が多く存在している施設はどこですか。
  52. 吉田学

    ○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。  非常に、どういう切り口で見るかということかと思いますけれども、私どもこれまで手元でいろいろと今働き方について分析をしている中では、細かい数字についてはちょっと省略させていただきますが、大学病院でありますとかあるいは救急病院など非常に高度な医療を行っている病院において医師の長時間労働が、まあ総じて言えば多いというふうに把握しておりますが、個々の医療機関あるいは地域によってそれぞれきめ細かく私どもとしては分析し、対応する必要があると考えております。
  53. 櫻井充

    ○櫻井充君 済みません、資料二を見ていただきたいと思いますが、これは厚生労働省からいただいた資料なんですよ。これで明らかに大学病院と救急やっている病院の医者の労働時間が長いことが分かるわけですよ。  何で大学病院で働いている医者の労働時間、長いんですか。
  54. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) 大学病院で働く医師は、今も御紹介をいただきましたけれども、重篤な疾患を有する患者に対して高度な医療を提供する役割を担っていることから、入院、外来、あるいは救急診療等の診療時間が長い傾向にあります。  また、あわせて、大学病院で働く医師は、診療のみならず、例えば医学部学生や若手医師に対する指導や助言、また、新しい診断、治療法の開発に係る臨床研究や治験の実施など、教育及び研究の役割も併せて担っていることから、診療時間外の勤務時間も含め全体の勤務時間が長い傾向にあると承知をしております。
  55. 櫻井充

    ○櫻井充君 根本的に違っていませんか。大学病院の医者の使命って一体何ですか。
  56. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) 大学病院は、医師、歯科医師の養成を行う医学部等の教育研究に必要な施設としてそもそも設置をされており、将来の医療を担う優れた医師、看護師等の養成、先進医療など先端的な医療の研究開発、高度救命救急センターによる重症患者の受入れや臓器移植など質の高い医療の実施など、地域医療の中核的機関などの機能を一体的に担っていると認識をしております。
  57. 櫻井充

    ○櫻井充君 本当ですか、大臣。地域医療の中核ですか。特定機能病院は地域医療の中核を担わなきゃいけないんですか。
  58. 吉田学

    ○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。  特定機能病院、今御指摘いただきました点、医療法に規定がございます。地域における、あるいは全国的に高度専門的な医療を提供するという形で私どもとしては位置付けているところでございます。
  59. 櫻井充

    ○櫻井充君 一般的な地域医療を担うわけではないんですよ。  そして、もう一つ、大学で働いている医者のバイトの件数って一体どのぐらいですか。
  60. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) 多くの医師が、特に国立大学病院で働く医師の多くが兼業を行っているという現状は承知をしております。  実は、この問題につきましては、委員から御指摘をいただき、実態調査を行わせていただきましたけれども、兼業をしている教授の率は、抽出調査、数大学を抽出しての調査でありますけれども、実に七七・三%から一〇〇%でありまして、主な兼業先は地域の他病院の非常勤医師や他大学の非常勤講師ということでございました。
  61. 櫻井充

    ○櫻井充君 なぜそうやって、教授だけではありません、もっと一般の職員も、一般の医師もバイトをしなければいけないんでしょうか。
  62. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) 主な理由といたしまして、国立大学病院で働く医師の給与が民間病院などで働く医師の給与と比べて低い現状があります。例えば、開設者別常勤医師一人当たりの平均給与、これ平成二十八年度のデータでありますけれども、一般の医療法人が約一千五百二十万円であるのに対し、例えば東大病院などでも約一千万円ということでございました。  文部科学省といたしましては、こういった各大学における医師あるいは大学院生の処遇について、兼業の背景や副収入の実態を踏まえつつ、病院での勤務実態に応じた例えば手当を措置するなどのケースも見られますので、そういった事例も促進していただけるよう、大学病院がその機能を果たしていくことができるように適切に対応していきたいと考えております。
  63. 櫻井充

    ○櫻井充君 済みませんが、その統計、絶対間違っていますよ。これはバイトをしている額を含めただけの話であって、大学から受け取っている給料をちゃんと出してくださいよ。一千万なんかもらっていませんよ。もらえているのは教授だけです。  若手はどうですか。今、大学院生という話がありました。年間五十三万五千円の授業料を払っているんですよ。大学から給料をもらっていないじゃないですか。こんな数字、絶対おかしいですよ。もう一回答弁してくださいよ。
  64. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) 確かに、今紹介をさせていただいた事例は全ての職員ということではございません。特に、正規の職員とあと助手等の給与格差ということが指摘をされている実態は承知をしております。
  65. 櫻井充

    ○櫻井充君 正直申し上げて、私は、大学で働いていたときに一番、まあ僕はまだまだ全然ぺいぺいのまま外に出されましたが、十五万でした。今、多分二十万ぐらいだと思いますよ。  大学院生は、先ほど申し上げたとおり、給料、大学からもらっていません。こういう人たちが約今一万人いるんですよ。この処遇改善してくれない限り、この働き方改革、僕は絶対改善しないと思うんです。そこはなぜかというと、運営交付金、資料をお渡ししていますが、毎年ずっと減額されていって、結局給料は上げられる環境にないんですよ。  ですから、そういう意味合いで、まず大学の職員の処遇を改善していただかない限り、この長時間の労働時間は改善しないと思いますが、この点についていかがですか。
  66. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) まず申し上げたいのは、来年四月施行の働き方改革関連法の趣旨も踏まえて、先ほど紹介をさせていただいた正規職員と非正規職員との間の不合理な待遇があれば、必要な見直しがしっかりと行われなければいけないというように考えております。先ほど申し上げた諸手当の工夫ということについても、しっかりと横展開をさせていただきたいと思います。  その上で、今委員から御指摘にありました運営費交付金、これ確かに独法化に伴って漸次減らされてきているという実態がございます。ただ、これも御指摘のとおり、国立大学法人に対する国費による支援、これ運営交付金も大変重要な財源であるというように考えております。  こうした中で、麻生大臣ともしっかりと折衝をさせていただき、これ二〇一九年度予算案では、この国立大学運営費交付金については、対前年度同額の一兆九百七十一億円を確保しておりますし、あわせて、国土強靱化枠ではありますけれども、本来これに加えられるべき施設整備費についてもプラスで七十億円確保させていただきました。
  67. 櫻井充

    ○櫻井充君 済みませんけど、現状が低いんですよ。現状が低かったら相当増額してもらわないと困ると思いますけど、どうですか。
  68. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) 運営費交付金の在り方については、これまた一つの大きな論点になります。これからの大学改革と併せてこの運営費交付金の在り方ということについてはしっかりと議論をしなければいけないと思っておりますけれども、一般論としては、委員御指摘のとおり、運営費交付金をもっと、私としては、文部科学省としては拡大をする必要があるのではないかと考えております。
  69. 櫻井充

    ○櫻井充君 麻生大臣、大学の研究費等も含めて増額していただきたいんですが、いかがでしょう。
  70. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) そっちの方から入ってくるとは思っていなかったので。  我々、基本的にはこれは科学技術予算関係ということで総くくりということになるんですけれども、平成三十一年度においては少なくとも前年度比で一・五%増額するなど、その規模については適切に確保してきたと思って、元々が低いじゃないかという御指摘なんだと、櫻井先生の御指摘なんだと思いますが、これは具体的には、理研の予算につきましては、平成二十六、七年度予算から毎年増額をさせていただいているほか、これは公的支出として運営交付金プラス補助金というのもありますので、大学というものは、何だっけ、国立大学法人化か、というのをさせていただいた以降、むしろこれ増額をしてきておりまして、在学者、いわゆる一人当たりの公的支援額は世界でもトップレベルの水準にあると、それなりの配置をしてきているつもりなんですが、公的資金をしっかり行っている中でありますが、いろいろ御指摘もありまして、これは研究力への懸念があることも承知をしておりますし、今言われたような御指摘もあります。  国民負担によりまして公的支援を行う以上、公的支援が高い成果につながるようにその使い方をより質の高いものに改善していく課題があるんだと思っているんですが、いずれにいたしましても、研究者の自由な発想に基づく研究を支援する科研費を大幅に増額するなど、資金の重点配分をするということにさせていただいておりますが、今言われたような問題、これはちょっと今の科研費と少々別な分野に入る話なんだと思いますので、この点につきましては、これは大学病院等々につきましての運営費というのは何でこれだけ赤字なのかと、大病院でも黒字の病院もありますからね、そういったところで、運営のところについて研究していただかなきゃいかぬという点もいろいろこれ考えにゃいかぬところだと思いますので、これちょっと少々時間をいただかなきゃいかぬところだと思っております。
  71. 櫻井充

    ○櫻井充君 今、まあ検討していただけるということで、ありがとうございます。  これ、科研費の実は大きな問題がありまして、研究費、これ科研費で応募して一体どのぐらいの研究者が受け取れているか御存じでしょうか。もし担当大臣分かればお答えください。
  72. 磯谷桂介

    ○政府参考人(磯谷桂介君) お答え申し上げます。  科研費につきましては、先ほどの麻生大臣からのお話がありました趣旨でございますけれども、実際には毎年約十万件ぐらいの応募がございまして、二万五千件ぐらいが新規採択ということでございます。
  73. 櫻井充

    ○櫻井充君 要するに、四分の一なんです。二五%です。そうすると、この科研費に応募するために相当いろんな資料を書くんですよ。この資料を書いている時間がみんな無駄な時間になっているんですよ、大臣。ですから、科研費を増やしたからいいというものでは私はないと思うんですけど、いかがですか、大臣。
  74. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 今言われた点は間違いなく正しいと思っております。少なくとも、それに係ります事務費というので研究者が研究するのに事務の補助という問題がありまして、その事務の補助に関するいわゆる人員、いわゆる事務職員というのの絶対量の不足という点も、これはみんなすっかり忘れられているんで、科学者だけが書いているわけじゃない、事務補助をやるのが大変な人たちがおりますので、そういった人たちに対する配慮等々が足りないのではないかという御指摘を含めて、これは間違いなくそういった点もあります。また、何となく偉い先生方の方に配分が多く行っちゃって若手のところに行かないじゃないかとか、そういった点もいっぱいありますよ、これは。  だから、そういった点も含めて、中でどうやって配分しておられるかという点に関しましては、ちょっと私どもも少々いかがなものかという感じがしないでもありませんが、そこまで立ち入るのはちょっと財務省の所管を超えておりますので、そこまではちょっとさせていただいているわけではありませんけれども、そこのところも研究していただかにゃいかぬかなとは思っております。
  75. 櫻井充

    ○櫻井充君 大学の教授のお給料って幾らぐらいですか。
  76. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) 済みません、ちょっと御通告をいただいていないのですぐには出ないんですけれども、先ほど説明をさせていただいたとおり、様々な給与のタイプがあると思いますし、また国立、私立の別等々でも違うのではないかなと思いますので、精査をしてお答えをさせていただきたいと思います。
  77. 櫻井充

    ○櫻井充君 大学の教授の給料って平均すると約一千万ぐらいなんですよ、麻生大臣。だから、偉い人たちがいっぱい取っているわけでも何でもなくて、絶対的に足りないんですよ。そこだけ認識しておいていただきたいと、そう思います。  この大学病院でのバイトのことが実は地域医療の担い手を減らしている原因になっていまして、資料を見ていただきたいと思いますが、詳しいやつは資料三、資料四でお配りさせていただいています。  全国的に見たときに、平成十六年から二十五年にかけて医師は増員されてきています。二十五年度で全国平均を見てみると、常勤で医療施設の医者が充足しているところは四六・四%しかないと、つまり半分しかないんです。一方で、非常勤医師を常勤換算した場合は九四・五%ですが、非常勤医師と常勤医師での働き方は全然違ってきています。  ここをもう少しきちんとしないと、医者の労働時間というのは短くならないんじゃないでしょうか。
  78. 吉田学

    ○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。  先ほど委員から御指摘ありましたように、現在、医師の方々の労働時間が非常に長い。それに対して、二〇二四年の四月から、昨年の働き方改革法に基づいて時間外労働の規制というものが掛かるという中で、現在、厚生労働省において医師の働き方についての検討会を設けてございます。  今御指摘いただきましたような点も含めて、どういう形で、それぞれの地域において、またそれぞれの医療機関においてきちっと労働時間が適正化されるかということについては、検討会での議論を踏まえ、私どもとしても全力で取り組んでまいりたいと思っております。
  79. 櫻井充

    ○櫻井充君 済みませんが、常勤の医師と非常勤の医師とだと、病院にとっての労働力だとどのぐらい違うと思いますか。
  80. 吉田学

    ○政府参考人(吉田学君) 大変恐縮でございます。突然の御質問でございますので、うまく網羅的にお答えできるかというふうにございますけれども、常勤の方あるいは非常勤の方において、それも非常勤の中でどういう形でその医療機関における重要な部分を担っていただいているのか、また、そこの分野においてどのような常勤の方とのチーム、役割分担がされているかということによってそれぞれだと思いますけれども、総じて言えば、非常勤の方については常勤の方にはないようないろいろな御苦労があるというふうに思っております。
  81. 櫻井充

    ○櫻井充君 済みません、これって急な質問も何もないと思うんですよ。これ、根本的な問題ですよ。これの資料だって、別に厚生労働省が作ってくれた資料なんですから。  そうすると、この常勤医、非常勤医というのは、一体誰を換算してこういう数字になっているんですか。
  82. 吉田学

    ○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。  お示しいただきました数字につきましては、厚生労働省から委員の方にお示しをしたもの、これにつきましては、私どもが医療法に基づきまして個々の医療機関に立入検査をした結果の集計をしたものでございます。その換算につきましては、非常勤という形で把握されている方々について、当該病院の常勤の方の勤務時間に換算をするという計算をさせていただいた上で、このデータ、提出をさせていただいております。
  83. 櫻井充

    ○櫻井充君 私がお伺いしているのは、その非常勤と言われる人たちの医師の構成要素、つまりどこから派遣されている人たちですか。
  84. 吉田学

    ○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。  改めて確認をさせていただきたいと思いますが、私ども厚生労働省において、公式な統計として、非常勤の方々の派遣元といいましょうか、元がどういうお立場にあるかというデータについては少し精査をさせていただきたい、今手元にはございません。
  85. 櫻井充

    ○櫻井充君 じゃ、済みません、これは予算委員会に資料を請求したいと思います。よろしくお願いします。
  86. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 後刻理事会で検討させていただきます。
  87. 櫻井充

    ○櫻井充君 その上で、ちょっとここの先のところに、総理、ちょっとお伺いしたいことがあります。  二十年後の日本というのは一体どういう国になっていると総理は思われるでしょうか。
  88. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) この二十年後の日本ということを考えると、二〇四〇年ということでございますから、大変高齢化が更に進んでいくわけでございますし、生産年齢人口も減少していく状況が続いていくということでありますし、その中におきまして、医療という面で考えれば、団塊の世代の皆さんがいわゆる更に後期高齢者となっていくという中において、医療費あるいは介護費等々がこれは更に伸びていくことが、まあだんだん伸びていった後減っていくわけでありますが、が予想されるということであろうと、こう思います。それに堪え得る状況をつくっていかなきゃいけないと、こう考えております。
  89. 櫻井充

    ○櫻井充君 総理、ちょっとこの側面からお伺いしたいことがありますが、日本は今技術立国として世界に冠たる国になっていると思うんですが、二十年後、本当に技術立国として日本は世界の一流国でいられるとお思いですか。
  90. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) その点が非常に重要なところでございまして、そのために、先ほど麻生大臣からもお答えをさせていただいたところでございますが、科学技術関係予算を今年度と比べて一〇%増加するなど予算の充実にも努めているところでございまして、基礎研究も重要でございますので、そうした予算の充実を図っていきたいと、こう思っておりまして、知の拠点たる大学の機能強化も極めて重要であると考えております。
  91. 櫻井充

    ○櫻井充君 ありがとうございます。  それで、ここでちょっと衝撃的な数字を見ていただきたいんですが、アメリカの学者の方々と共著論文を書いている数です。いろんな日本の研究者の方々は大体はアメリカに留学されて、そして、そこで研究を行った上で日本に持ち帰ってきて、その後研究し続けているんです。全分野で見ていただくと、日本がアメリカの学者の方々と共著論文書いているのは、四位からこの十年間で八位まで下がってきているんです。数理計算など、ここは、システムの開発で非常に大事な点は実はもうベストテンから外れているんですよ。基礎医学の分野は日本は得意と言われていてももう八位なんです。  こういうような研究の実態を考えてくると、私は日本の将来かなり厳しいんじゃないかと思いますが、この点についていかがでしょう。
  92. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) ありがとうございます。  今の国際共同研究、また国際共著論文の伸び悩み、また、そもそもの論文の質、量双方の観点での国際的な地位の低下、これが私どもの大変大きな課題となっております。  先ほど総理や麻生大臣から御答弁いただいたとおり、科学研究費の大幅な拡充ということが極めて重要だと思いますが、それに加えて、そもそも働き盛りである若手研究者への重点配分ですとか、あるいは御指摘のような海外で研さんする機会の拡充、こういったことがこれから極めて重要だと考えております。  なかんずく今御紹介をいただいた、とりわけソサエティー五・〇に向けた人材育成やイノベーション創出、こういったことを行っていかなければいけません。ただ、これは大学自身が改革をしてもらわなければいけないというように思っておりますので、この教育、研究、ガバナンス改革を一体的に進めるための政策パッケージを、済みません、僣越ながら柴山イニシアティブと名を付けさせていただいて、進めさせていただきたいというように考えております。  このイニシアティブを踏まえて、特に研究力向上については、世界をリードする研究人材、流動性の確保、継続的な挑戦を支援する研究資金の改革、生産性向上のための環境の実現、こういったことを人事給与マネジメント改革と併せてしっかりと進めていきたいと考えております。
  93. 櫻井充

    ○櫻井充君 資料七を見ていただきたいと思うんですが、これ、論文の数は日本はほぼ横ばいでして、世界は大体六割ぐらい伸びているんですよ。中国に至っては三〇〇%も伸びているんです。  それから、資料五のところにアジア太平洋のロボコンの資料がございますが、十七回の開催で日本が優勝したのは僅か二回です。中国が優勝五回、それからベトナムが七回だったと思いますが、もうこういう状況なんです。  資料八は、日本の論文数がなぜ減っていったのかというと、国立大学の論文数が減っているからなんですよ。  将来のことを考えていったら研究開発にもっと力を入れるべきだと思いますが、大臣、いかがですか。
  94. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) 大変重い御指摘だと思います。  全くおっしゃるとおり、これから我々、科学技術、また研究力の強化ということにもっと予算、そして人材のリソースを割いていかなければいけないというように考えております。科学技術基本計画の改定に当たっても、こういった視点をしっかりと重視をしていきたいと考えております。
  95. 櫻井充

    ○櫻井充君 その上でですが、資料の九見ていただきたいんですけど、先発薬メーカーの世界のシェアです。これ、このまま行ったら、恐らく二十年後、日本の先発薬メーカーは海外で商品を売れなく、売らなくなっちゃうんじゃないかという危機感を感じていますが、この点についていかがでしょう。
  96. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 私も、日本において製薬企業が革新的新薬を生み出すための環境を整備して創薬大国の実現を目指すこと、これ本当に重要だと思っています。  今、厚生労働省としては、医薬品産業の競争力を強化を目指して総合的な取組を進めています。三点申し上げたいと思いますが、一つは医療ビッグデータやAIを活用した創薬支援等の研究開発環境の整備、そして医薬品審査プロセスの迅速化などの薬事規制改革、そして優れた知見を有する大学などのアカデミアや大学発の医療系ベンチャー企業との連携支援、これらを日本創薬力強化プランとして取りまとめて、平成三十一年度予算では約五百七十億円を確保しています。  こうした取組によって、今委員の御指摘がありましたが、我が国の医薬品産業におけるイノベーションを強力に推進していきたいと思っております。
  97. 櫻井充

    ○櫻井充君 総理、お願いがあります。今、客観的な数字をもってお示ししました。このまま行くと貿易立国ではもうなくなってしまう、そして科学立国ではなくなってしまう危機感を私は抱いていて、是非こういった分野に対して予算の増額をお願いしたいと思いますが、いかがですか。
  98. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど答弁をさせていただきましたが、資源の乏しい我が国にとって、イノベーションの力、そしてイノベーションを生み出す研究力が国の、国力の源泉だろうと、こう考えておりますので、この観点から、先ほど申し上げましたように、科学技術関係予算を今年度と比べて一〇%増加するなど予算の充実も努めてきたところでございますが、さらに、民間資金の活用など研究力向上を目指した改革に積極的に取り組む大学への支援を強化していきたいと考えております。  どうしても国の資金だけでは、これは研究費あるいはイノベーションのための基礎的な研究も含めて十分ではございませんので、民間の資金もこれは活用していきたいと、こう考えているわけでございまして、そうした方向に促していく取組も行っているところでございますが、また、科研費など、これ若手研究者への、先ほど麻生大臣が答弁させていただいたのはこの収入ということではなくて科研費でございますが、科研費など若手研究者への大胆なシフトといった取組も進めているところでございます。  先ほどの、ロボコンの状況はお示しをいただいたような状況になっているんです。私も、二〇一三年の八月十五日に、アジア・太平洋ロボットコンテストで優勝した金沢工業大学の優勝チームと世界大会を前にお目にかからさせていただきましたが、一層、こうした分野の若者あるいは若手研究者こそ我が国、未来の我が国の力の源泉だろうと、このように思っております。  限られた政策資源の中で重点化、有効活用を図りながら、科学技術立国日本の発展に向けて全力で取り組んでいきたいと、こう思っておりますし、また、製薬メーカーの開発力、既に世界各国で新しい薬を創薬をする国自体が非常に減ってきているわけでございますが、日本の企業におきましても研究力を、これ、研究力を向上させるためには、言わば企業の規模ということも大切になってくるわけでございまして、そういう中で更に努力がなされることを期待しているところでございます。
  99. 櫻井充

    ○櫻井充君 ありがとうございます。  やはりこういう数字見ていると、将来本当に大丈夫なんだろうかというふうに危惧しておりまして、是非、小泉政権で米百俵の精神だというのがありましたが、ああいう精神をもう少し大事にしていただきたいと、そう思います。  もう一つ、学校の先生の働き方改革についてお伺いしたいと思いますが、今、精神的なことを理由にどのぐらいの方がお休みされているんでしょうか。
  100. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) 働き方改革に関係してでございますけれども、精神的な疾患というか、これにより休職をしている教員の数が、ちょっとお待ちください、通告をいただいております。あっ、済みません、失礼しました。一般職の公務員、ごめんなさい、失礼いたしました。  文部科学省の実施した公立学校教職員の人事行政状況調査によりますと、精神疾患による病気休職者数は、平成十九年度以降約五千人前後で推移する中、平成二十九年度は教育職員の〇・五五%に当たる五千七十七人となっております。
  101. 櫻井充

    ○櫻井充君 五千人もの学校の先生が休まれているんですが、その原因は一体どこにあるんでしょうか。
  102. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) 先ほど来、働き方改革が非常に大きな問題となっております。特にいわゆる保護者対応、モンスターペアレンツ対策などの心理的なストレスによるものも大変増えているというように聞いております。
  103. 櫻井充

    ○櫻井充君 実は、その保護者に対する対応と、それから中学、高校になると部活の問題と、大きなところは二つあるわけです。  私、この間、学校の先生休職されるので診断書を書かせていただいたんですけど、二年目の先生で、やはり親のところに板挟みになって苦しんで、上司に相談したら、あなたの指導法が悪いんだと言われて、それが決定的になりました。  こういう対策というのは、学校全体で何らかのマニュアルなりを作ってみんなで対応するようなシステムが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
  104. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) 御指摘のとおりだと思います。  学校が子供への安全配慮義務等に関し全ての責任を必ずしも負うものではないという法的な整理も前提にして、やはり、保護者対応、学校ができること、できないことを明確にした上で教育委員会において対応を引き受けることとしたり、あるいは学校において対応する場合であっても教師が一人で抱え込まずに組織として対応できるよう、そのための全国自治体で苦情対応マニュアルですとか学校をサポートするチームの設置事例、こういったことが進められると伺っておりますので、そういったことを取りまとめて周知をするですとか、教育委員会における取組をしっかりと、事業支援等をしていきたいと考えております。
  105. 櫻井充

    ○櫻井充君 大臣、そうやって各自治体でやっているように答弁されますが、じゃ、一体幾つの自治体がそういう取組されているんですか。
  106. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) 必ずしも全ての自治体で取組が進んでいるわけでは当然ありません。保護者や地域からの要望等に関する教育委員会における取組、これは実は、二十六自治体の苦情等マニュアル、二十一自治体の専門家チーム設置事例などの取りまとめをさせていただいたところであります。  いずれにいたしましても、こういった取組がしっかりと横展開できるよう、私どもとしても支援をしていきたいと考えております。
  107. 櫻井充

    ○櫻井充君 これは、国がきちんとしたマニュアル作って、それで各自治体に対してこういうことでやるべきだと、私はそう示すべきだと思いますが、いかがですか。
  108. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) 先ほど説明をさせていただいたとおり、モンスターペアレンツ、大変非常に大きい問題ではあるんですけれども、御指摘のマニュアルの作成については、様々な対応もあることから、各自治体の作成状況をしっかりと把握し、その状況や自治体のニーズも踏まえて、国としても精査、検討をしていきたいと考えております。
  109. 櫻井充

    ○櫻井充君 文部科学省で学校の先生の働き方改革に取り組んでいるはずですから、もう少し積極的に私は文部科学省が主導でやっていただきたいと思います。  最後に、日銀の金融緩和政策についてお伺いしたいと思いますが、これ、出口戦略はどうされるおつもりでしょうか。
  110. 黒田東彦

    ○参考人(黒田東彦君) 将来のいわゆる出口の局面では、当然、金利水準の調整、それから拡大したバランスシートの扱いが主な課題となると思います。その際には、超過準備に対する付利金利の引上げあるいは保有国債の償還などによって対応することが考えられますが、何といっても、市場の安定を確保するためにも、出口の進め方はいずれかの時点で適切な戦略や方針を策定することは重要であると思っております。  したがいまして、適切な時期、現時点ではまだ物価安定の目標の実現までなお相当時間を要する状況ですので具体的な検討には至っておりませんが、適切な時期に御指摘のような出口に向けた戦略、方針について金融政策決定会合で議論して、適切に情報発信していきたいと考えております。
  111. 櫻井充

    ○櫻井充君 いつ目標達成できるんでしょうか。
  112. 黒田東彦

    ○参考人(黒田東彦君) 現在の政策委員会の委員の中央見通しによりますと、二〇二〇年度の消費者物価の上昇率が一・五%程度になるという見通しでございます。したがいまして、現在のこの見通し期間の中で二%に達するのはやや難しいかなというふうに思っております。  ただ、現時点で物価安定目標に向けたモメンタムは維持されていると思いますので、現在の金融緩和政策を粘り強く続けていって物価安定の目標を達成したいというふうに考えております。
  113. 櫻井充

    ○櫻井充君 何で金融緩和で物価は上昇しないんですか。
  114. 黒田東彦

    ○参考人(黒田東彦君) この点につきましては、二〇一三年四月以降の量的・質的金融緩和の中でいろいろな動きがあったわけですが、その長い期間で見ますと、やはり石油価格の百二十ドル程度から三十ドル割るぐらいに低下したということが一番大きく効いたと思いますが、現時点で金融緩和を行ってもまだ物価が十分上昇していないということについては、累次の金融政策決定会合の報告でも申し上げているとおり、景気の拡大あるいは労働需給の引き締まりに比べて物価がなお弱めの動きが続いているわけですが、これは、一つには、やはり長期にわたる低成長やデフレの経験などから賃金や物価が上がりにくいことを前提とした考え方あるいは慣行がまだ根強く残っているということ、それからもう一つは、そういう下で企業の慎重な賃金、価格設定スタンスがまだ明確に転換するに至っていないということであろうと思います。さらに加えて、企業の生産性向上余地が大きくて、最近のデータでも、G7の中で日本が一番実は労働生産性が伸びているという状況にあります。そういったことや、近年の技術進歩といったことも最近の物価の上がりにくさにつながっているというふうに認識しております。  もっとも、これまでの強力な金融緩和の効果もあって、現在、日本経済は既にデフレではない状況にはなっておりますので、マクロ的な需給ギャップがプラスの状況を続ける下で、先ほど申し上げたような物価上昇を遅らせているいろいろな要因というのは次第に解消していくと見ておりますので、これによって人々の予想物価上昇率も徐々に高まるというふうに考えております。  こうした下で、二%の物価安定の目標に向けて消費者物価上昇率も徐々に高まっていくことが展望できるというふうに考えております。
  115. 櫻井充

    ○櫻井充君 就任時は本当に元気だったんですが、答弁、随分声が小さくなられました。  二十年後って日本はどうなっているとお思いですか。
  116. 黒田東彦

    ○参考人(黒田東彦君) 日本銀行の金融政策決定会合におきましては、足下の年度、それから先行き二年度にわたって経済見通し、物価見通しを発表しております。その内容は先ほど申し上げたとおりで、実体経済は潜在成長率をやや上回る程度の成長を続けていく、その下で物価も次第に、二〇二〇年度で一・五%ぐらいの上昇になっていくということであります。  二十年間先、二十年の先といいますと、先ほど総理も答弁されたように、二〇四〇年ということになりますと、人口の高齢化であるとか、特に二〇二五年以降、いわゆるベビーブーマーの後期高齢者になっていくということ、そういったことがありますが、その一方で、最近の労働生産性の上昇に見られるように、我が国のイノベーションとかあるいは省力化投資というのはかなりのテンポで進んでおりますので、そういったプラスの面も今後伸ばしていく必要があるし、他方で人口の減少や高齢化といったマイナスの面もあるということであろうと思いますので、これは私の個人的な見解でありまして、日本銀行として二十年間の経済見通しを出す立場にはございません。(発言する者あり)
  117. 櫻井充

    ○櫻井充君 意味不明です。笑っている場合じゃないという話がありましたが、本当にこれじゃ問題は大きいと思います。  最後に、これで大震災から八年がたとうとしています。復興庁がどうなるんでしょうか。この点について地元自治体の方々が本当心配されているので、最後に御答弁いただきたいと、そう思います。
  118. 渡辺博道

    ○国務大臣(渡辺博道君) 先日、私から総理に、復興・創生期間における東日本大震災からの復興の基本方針の見直し案について御説明を申し上げました。その際、総理から、後継組織については、現復興庁と同じような司令塔として、各省庁の縦割りを排し、そして政治の責任とリーダーシップの下で東日本大震災からの復興を成し遂げるための組織とするよう御指示をいただいたところでございます。  総理の御指示に基づきまして基本方針案を修正し、今月上旬には後継組織の在り方を含めて復興・創生期間後の復興の基本的方向性を盛り込んだ基本方針を閣議決定をしたいと、そのような準備をしているところでございます。
  119. 櫻井充

    ○櫻井充君 ありがとうございます。なるべく早く打ち出していただきたいと、そう思います。  最後に、総理に改めてお願いがあります。  今、問題はいろいろございます。御答弁は結構です。将来を見据えた最終的取組をしていただきたいと。今、一番難しい時期だと思いますが、今ここで何をするかによって本当に十年後、二十年後の日本が決まってくると思いますので、先を見た政治を行っていただきたいということをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。  どうもありがとうございました。
  120. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 以上で櫻井充君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  121. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 次に、舟山康江君の質疑を行います。舟山康江君。
  122. 舟山康江

    ○舟山康江君 国民民主党・新緑風会の舟山康江でございます。  私からは、昨年九月に日米間で交渉開始が合意されました日米貿易協定、日本では日米物品貿易協定と言っておりますけれども、この貿易協定についてお伺いしたいと思います。  まず、この交渉開始の時期、半年近く合意からたっておりますけれども、つい先般、先月二十七日に、アメリカ側の通商代表部ライトハイザー代表が下院公聴会において、三月にも訪日し日本との交渉を始めたいと、そんな意向を示した模様だと聞いておりますけれども、これ、担当の茂木大臣、いつぐらいから交渉が始まるんでしょうか。
  123. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) ライトハイザー通商代表の下院の歳入委員会での公聴会での発言については承知をいたしております。  日米物品貿易協定の交渉日程、いつ開始するかにつきましては、場所を含めてこれから調整いたします。
  124. 舟山康江

    ○舟山康江君 三月にもと先方は言っておりますし、所要の国内手続を経た後という意味では、もうアメリカ側は国内手続が終わっております。そういう意味では、いつでもこれ始められる状況なんですけれども、受け身で向こうが言われた日程を設定すると、こんな理解でよろしいんでしょうか。
  125. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) 決してそういうことではありません。しっかりコミュニケーションを取りながら、お互いにとって最もいいタイミングで交渉をスタートしたいと思います。
  126. 舟山康江

    ○舟山康江君 多分、アメリカ側の思いとしては、米中貿易交渉も延期に次ぐ延期でなかなか合意のめどが立っていない、米朝交渉も御覧のとおり当分凍結と、こんな状況の中で何か成果を上げたい、日米でしっかりやっていきたいと、そう思っていると思いますけれども、毅然として対応いただきたいと思います。  そして、続きまして、物品貿易交渉と言われておりますけれども、改めて確認します。  交渉における対象分野は物品だけという理解でよろしいんでしょうか。総理、まずお答えください。
  127. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 詳しくは茂木大臣から答弁させますが、昨年九月の日米共同声明では、物品貿易と併せて早期に結論が出るものについても交渉を行うこととされております。  具体的に何を対象とするかについては、茂木大臣とライトハイザー代表で今後協議し、合意したもののみが入ることになります。  いずれにせよ、今後の日米交渉は、昨年九月に私とトランプ大統領との間で合意をした日米共同声明に沿って行い、日本の国益をしっかりと確保していく考えであります。
  128. 舟山康江

    ○舟山康江君 茂木大臣に確認したいと思いますけれども、大臣は、この九月の記者会見の中で、あくまで物品貿易に限定されたものでありまして、投資、サービス等のルールを含まないものとお答えされていますけれども、そういった理解でよろしいんでしょうか。
  129. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) 今総理の方から御答弁があったように、基本は物品貿易、グッズであります。そして、この物品貿易と同じタイミングで結論が出るものも対象に含み得るということでありますけど、じゃ、その分野に入るものについては、まさにこれから私とライトハイザー通商代表との間で合意をしたもののみが入る。そういった中で、例えば金融であったりとか保険であったりとか、サービス分野で制度改正等々が必要なものはどう考えてもそんな早い時間でできませんから、それが対象になるということは想定いたしておりません。
  130. 舟山康江

    ○舟山康江君 そうしますと、物品が中心と言いながらもそのほかの分野も合意ができたものはということは、これ大臣の記者会見での答弁は撤回すると、そんなことでよろしいんでしょうか。
  131. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) 今申し上げたように、私とライトハイザー通商代表との間で合意したものが入ります。私が合意しない限り二人の間の合意にはなりませんから、先ほどの答弁のとおりであります。
  132. 舟山康江

    ○舟山康江君 いや、私が申し上げているのは、明確に投資、サービス等のルールは含まないものと大臣、表明されているんですよね。物品だけなんだと、FTAじゃない、これは入らないんだということをおっしゃっていましたけれども、入る可能性があるという意味では、この発言は違っていたということでよろしいんでしょうか。
  133. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) まず、舟山先生、私は、物品だけだとは一度も申し上げておりません。きちんと記者会見においても、基本は物品であると、そして、それ以外にも、物品と同じタイミングで早期に結論が出るものについては交渉の対象になり得る、そして、交渉の対象になり得るものについては私とライトハイザー通商代表との間で合意したもののみが通商の対象になると、このように明確に申し上げております。
  134. 舟山康江

    ○舟山康江君 官邸のホームページ、確認いたしました。そこには、大臣の発言として、あくまで物品貿易に限定されたものでありまして、我が国がこれまで結んできた多くのFTA、御案内のとおりそのFTAとは異なりまして、投資、サービス等のルールは含まないものでありましてと明確に大臣はおっしゃっているんですよ。違うじゃないですか。
  135. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) 長い文脈を全体読んでいただければそうでないことは分かると思いますが、先ほどの説明のとおりでありまして、サービスであったり、金融、保険等、交渉に時間の掛かるものは交渉の対象にされないと、そのようなことでございます。(発言する者あり)
  136. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  137. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
  138. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) 物品貿易、それからサービス貿易があるわけであります。物品貿易全般、そしてサービス貿易、ルール等々を含めて全体について行うものが包括的なFTAである。そのような包括的なFTA、日米物品貿易交渉の中では行うことはないということでございます。
  139. 舟山康江

    ○舟山康江君 結局、国民に対して物品だけなんだと強調したかった、FTAとは違うということを強調したかったがためにそういう言い方をされて、逆に誤解を生んでいるんじゃないんでしょうか。  アメリカの発表の交渉分野につきましては、パネル、御覧いただきたいと思います。(資料提示)  明確に二十二項目交渉するということを書いてあります。交渉目的も関税及び非関税障壁の両方に対処しということで、これはもう公表しているんですね。  こういうことの中で、この違いというのはどのように捉えればいいんでしょうか。大臣、お願いします。
  140. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) 交渉目的のあの要旨、二十二項目でありますが、一般的にUSTRが、TPA、貿易権限を取るために、交渉権限を取るために作っているものでありまして、私とライトハイザー通商代表との間では、昨年九月二十六日の日米共同声明に沿って交渉を進めると、そのことで全くそごはございません。
  141. 舟山康江

    ○舟山康江君 かなり具体的なんですけれども、そうしますと、こういったことを幾らアメリカが国内で公表していても受けないと、物品貿易以外のことは基本的には受けないということでよろしいんでしょうか。その対応方針、総理、お答えください。
  142. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 米側がそういうものを出しているというのは、TPAをですね、との関係上出しているんだろうと、こう思うわけでありますが、いずれにせよ、この日米共同声明に沿ってこの交渉を行うわけでございますが、基本的な考え方は、ただいま茂木大臣から述べさせていただきましたように、物品、この貿易、基本的には物品貿易について議論していくわけでありますが、早期に結論が出るものについては交渉も行うと。  しかし、それはですね、それはライトハイザー代表と茂木大臣が協議をして合意したものであるわけでありまして、ですから、そこでこちらが、これはもう言わばその中には入れないんだということでこちら側が拒否すれば、それは当然入らないわけでございます。まず、あくまでも合意したものであると、こういうことでございます。
  143. 舟山康江

    ○舟山康江君 だんだん言い方のトーンが下がってきているんですよね。最初は物品だけと、ほかのものは入らないと言いながら、合意ができれば入ってきますよ、実際に共同声明の中にも物品だけなんということは全く限定されていないんですよ。だから、最初ごまかしていたということがここに来て結局どんどん広げていくということになるんじゃないかと思います。  そして、もう一つお聞きしたいのが、九月の交渉開始の合意以降、国民に対してどのような情報提供をされたのか。大臣、お答えください。
  144. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) まず、その前に、先ほどの二十二項目見ていただいても一般的だというのはよく分かると思うんですね。十六項目めを見てください。腐敗行為の防止ですよ。そんなことを日本と米国の間で交渉するなんということはとても想定できないんじゃないかなと私は思っております。  そして、九月までの私とライトハイザー通商代表との間の協議におきまして合意した事項につきましては、九月二十六日の共同声明に全て反映をされております。そして、共同声明以降は、現在まで米国とは具体的な交渉は行っておりません。
  145. 舟山康江

    ○舟山康江君 私がお聞きしているのは、国民に対してですよ。どういう内容で何を目的に交渉していきたいというような中身について、国民に何か情報開示されていますか。
  146. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) 今申し上げたように、あの共同声明に全て反映をさせていただいていると。今回の交渉の目的、これは、日米間での貿易、投資を互恵的な形で更に拡大し、世界経済の自由で公正かつ開かれた発展を実現すること、これが明記をされているわけであります。  さらに、共同声明には、基本的に物品を対象とするとパラの三で書いてあります。その中で、特に、農林水産品については過去の経済連携協定で約束した譲許内容が最大限である、この日本の立場が明記をされているわけでありますし、また、この協議中は共同声明の精神に反する行動を取らない、そして、その趣旨は、交渉中は自動車について二三二条の追加関税が課されることはないということについて日米間で明確に確認をされております。  このように、日本として国益に沿って交渉を進める環境、しっかりと整えることができていると考えております。
  147. 舟山康江

    ○舟山康江君 もう少し丁寧に国民に対して、これだけ大きな相手国ですよ、何も言っていないじゃないですか。ホームページなんか何の更新もされていないんですよ。日米のあの首脳会談の状況の写真しかない、中身は何もないというのは余りにも不親切じゃないでしょうか。  そうしましたら、もう一回確認ですけれども、例えば為替条項とか中国排除条項とか、薬価に関しても随分いろいろ言われております。こういったものは言われても毅然としてはねつけると、こういった理解でよろしいんですか。
  148. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) 国益に反するような合意をするつもりはございません。為替については、御紹介しております共同声明にも盛り込まれておりません。また、日米首脳会談、私も麻生副総理も同席をしておりますが、為替の話は全く出ておりません。
  149. 舟山康江

    ○舟山康江君 しっかりと交渉いただきたいと思いますけれども、相手国は、相手国はいっぱい出しているんですよ。それに対して、こちらは何の情報も出さずに、結局こういうふうに決まりましたと、これまでの交渉というのは全てそういうことだったと思うんですよね。余りにも情報が少な過ぎます。  パネル、御覧ください。  これ、国際交渉における情報開示について、アメリカ、これ、日EUのときもそうですけれども、パブコメを求めたり公聴会を行ったり、いろんなことやっているんですね、影響調査報告書を出す。  日本は何にもしておりませんけれども、その必要性はどのようにお考えでしょうか。総理、お願いします。
  150. 安倍晋三

    内閣総理大臣(安倍晋三君) 過去の情報開示について、必要があれば詳細について茂木大臣から答弁をさせますが、一般に、外交交渉の経緯を広く開示することは相手方との信頼関係を損なうおそれがあり、また類似の交渉に不利益を及ぼす、もたらすおそれもあるため、困難と考えています。  他方、こうした中でも、政府としては、交渉の進展に応じて、公開できる情報についてはできる限り国民の皆様に提供をしていく考えであります。日米交渉についても、茂木大臣からその都度、可能な範囲で説明が行われるものと考えております。
  151. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 九月二十六日の、昨年でありますが、日米首脳会談、そこでの共同声明に至る段階におきまして、私とライトハイザー通商代表、二回にわたって協議を行っております。その協議につきましては、その後の記者会見等々で丁寧に私の方から説明もさせていただいておりますし、ホームページ等でも御紹介をいたしております。そして、その過程において合意した内容につきましては共同声明に盛り込みをさせていただきました。  その後、具体的な交渉、アメリカがTPAを取るプロセスがあったり、さらにはライトハイザー通商代表も様々な通商協議抱えておりますんで、日程的になかなかまだ調整をできていないということで、具体的な交渉行っておりませんので公表する内容はございませんが、また今後、交渉を行っていく過程におきまして必要なことがあれば、もちろん相手との関係もあります、そして、交渉というものは基本的にはこちらの情報をできるだけ出さずに相手の情報をいかに多く取るかということで競争、交渉優位というのは決まっていきますから、そういった国益も考えながら、そこの中での情報公開というのは行っていきたいと思います。
  152. 舟山康江

    ○舟山康江君 交渉事ですから、手のうちを明かさないという必要性はよく分かります。全て、一々全て情報開示しろと言うつもりはありません。ただ、交渉に入る前に、国民の声、それから国会の思い、立法府の声、そういったものを聞く努力というのはするべきだと思いますけれども、それをやっているわけですよ、他国はですね。なぜ日本はやらないのか。それ、必要じゃないでしょうか。
  153. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) 米国につきましては、一般的な手続について、目的にしてもいろんなものをやっているわけでありまして、先ほども申し上げたように、じゃ、日米で交渉するときには、本当に先ほどお示しいただいたような腐敗行為の防止について日本とアメリカがこれから協議するということは誰も考えないと思うんですよ。一般的なフォーマットであるということは、これを見たって、誰が見たって明らかなことなんじゃないかなと、私はそういうふうに思います。  そこの中におきまして、日本もアメリカも、交渉の途中の段階におきましてはそれは同じような形で、同じレベルで情報公開、国民に対する説明を行っていきたい。同時に、これまでも国民の皆さんの様々な懸念、特に農業、農林水産関係者の皆さんの御懸念、こういったものを踏まえて、今回の共同声明におきましては、農業分野、これを特出して、過去の経済連携協定で約束した譲許内容が最大限であると、こういう具体的なところまで盛り込みをさせていただいております。
  154. 舟山康江

    ○舟山康江君 ちょっとお答えいただきたいのは、交渉開始前に、アメリカであればこれ全てですよね、交渉開始前にいろんな意見を聞いて、それで交渉の方針の中に盛り込んでいくと、当然だと思いますけれども、それをされないんですかと、国会に対してもそういったことをやらないんですかということの質問です。お答えください。
  155. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) 恐らく、我が国、累次の経済連携協定を進めてまいりました。TPP12、そしてTPP11、さらには日EU・EPA、そういった交渉を進める中でも、国会におきましても長時間にわたって丁寧に御答弁を申し上げ、様々なことについて発信もしてまいりました。  また、全国レベルで様々な説明会等を行いまして、地域の声、さらには農林水産業も含め様々な団体の声もこれまでもしっかり聞いてまいりましたし、これからもそうしてまいりたいと考えております。
  156. 舟山康江

    ○舟山康江君 日米交渉に際して、それ、されているんでしょうか。先ほどから腐敗防止ばっかり言っていますけれども、医薬品等とか政府調達、為替、こういったものも入っているんですよ。それに対して国民の声を聞かれているんですか。
  157. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) ですから、医薬品について申し上げましたら、恐らく、医薬品については何ら交渉するという話は全く出ておりませんけれど、こういう分野、制度改革が必要になるんですよ。そんな半年、一年でできるような話じゃありません。それがスコープに入ってくるということは考えられないという話を申し上げているわけであります。  そういったものが仮に入ってくるということであれば、その必要な分野についてはしっかり声を聞いていきたいと思います。
  158. 舟山康江

    ○舟山康江君 そうしますと、今回の交渉に当たってパブコメとか公聴会とか、そういったことを行うつもりはないという理解でよろしいんですか。
  159. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) これまで様々な声は聞いてまいりました。これからも必要に応じて、国民の皆さんの声、業界の皆さんの声、しっかりと聞きながら交渉を進めていきたいと思っております。
  160. 舟山康江

    ○舟山康江君 一般的には、やはり交渉に当たっては国論だって味方になるわけですよ。そういう中で、守るもの、攻めるもの、国民の意見、明確にすべきだと考えますし、それが交渉力強化につながると思います。  国会決議も今回やっておりません。これは国会の問題かもしれませんけれども、こういったことも含めて、国会の中で是非与党の皆様にも御協力いただいて決議等も出していく必要があるんではないかと思っております。  そして、実際にもう既に動いているのがTPP11、そして日EU・EPAです。それぞれもう協定が発効されました。どのような影響、どんどん攻めていくんだと、メリットがあるからやったということですけれども、既にどのようなメリットが出ているのか。これ、経産省が一番中心になると思いますので、まず経産大臣からお答えください。
  161. 世耕弘成

    ○国務大臣(世耕弘成君) 例えば、TPP11については、十か国、対十か国全体で九九・九%の関税撤廃が実現されるということになっています。例えば、カナダについては、乗用車では五年目で撤廃が実現しますし、自動車部品については日本からカナダへの輸出の九割弱が即時撤廃ということになります。また、ベトナムは、工業製品輸出額の七二・一%が即時撤廃をされますし、特に日本の自動車産業の関心の高い三千㏄を超える自動車について十年目で撤廃するということも実現しています。  EU、日EUについては、工業製品が最終的に一〇〇%関税が撤廃されます。乗用車については現行一〇%の税が掛かっていますが、八年で撤廃されることになりますし、自動車部品については貿易額で九割以上が即時撤廃ということになりました。  効果は、これまだ発効して間がありません。特に、工業製品については、やはり部品点数が多かったり、何か協定が発効したから翌日から部品買い換えるというわけにはなかなかいきません。サプライチェーンの再構築とかということもきちっとやらなければいけませんので、一定程度の時間が掛かるだろうというふうに思いますが、一定の期間で見れば、毎月の貿易統計で見れば、それはいろいろ凸凹がありますし、特に一月に関しては、去年非常に大きく伸びているということもありますし、今年は全世界非常にマイナスになっているということもありますから、単月で、しかもまだ発効して間もない一月ではなかなかTPP自体の効果はまだ工業製品に関しては把握することは難しいと思っていますが、長い目で見れば、必ずサプライチェーンが組み替えられて日本からの輸出が増えるということにつながっていくというふうに考えています。
  162. 舟山康江

    ○舟山康江君 輸出が増える可能性という意味ではメリットだということだと思いますけれども、一方で、農業に関してはもう既に出ている影響はありますでしょうか。
  163. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) TPP11は委員御承知のとおり昨年の十二月三十日、日EU・EPAは今年二月一日に発効したばかりでございますので、TPP11や日EU・EPAの農林水産業への影響の評価はこれからであると考えております。  TPPや日EU・EPAにおきましては、農林水産分野につきまして必要な国境措置を確保するとともに、農林漁業者が安心して再生産に取り組めるように、総合的なTPP等関連政策大綱に基づきまして万全の対策を講じることといたしております。  今後とも、協定発効の動向を注視をしながら、意欲ある農林漁業者の方々が安心して再生産できる環境をしっかりと確保できますように、政府一体となって必要な施策を講じてまいりたいと存じます。
  164. 舟山康江

    ○舟山康江君 パネルを御覧ください。  このTPP11が十二月三十日に発効いたしまして、一月、この一か月で相当大きく牛肉の輸入量が増えました。TPP参加国では何と六割も増えました。全体では四割増ということなんですけれども、この影響は何かあるかどうか、農林大臣、お答えください。
  165. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 必要であればまた茂木大臣にもお答えをしていただきたいと思いますが。  本年一月の国産枝肉販売価格は前年同月に比べて上昇しておりまして、一月の牛肉輸入量の増加が国産の牛枝肉卸売価格に影響を与えている状況にはございません。
  166. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) 増加している八割はオーストラリアからであります。そして、委員も御案内のとおり、オーストラリアとの間では既に日豪のEPA、これが発効しておりまして、冷凍牛肉の関税率二六・九%は一緒でありますから、TPP11の発効、牛肉に関してですね、これと豪州からの輸入増そのものは直接は関係しないと思います。
  167. 舟山康江

    ○舟山康江君 これ、でも、明確に相当大きな伸びですよね。量は少ないですけれども、カナダは何と五倍に伸びております。  そして、セーフガード、これ結局TPP11で見直しをしなかったというところでセーフガードの発動もできなかったということですけれども、この辺り、大臣、再交渉等することはないんでしょうか。セーフガードの発動基準の見直し等、TPPの見直し規定がありますけれども、どのようにお考えでしょうか、茂木大臣。
  168. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) 六条で規定しております見直しに当たる状況ではないと考えております。
  169. 舟山康江

    ○舟山康江君 これ、確かに牛肉に関しては国内の消費量等も伸びておりますので、今直近では価格の影響がないということは承知しておりますけれども、ただ、このペースでもし増え続ける、関税はまた四月には更に下がりますから、そういう中で影響が本当にないと言い切れるのでしょうか。  農水大臣、もう一度お願いします。
  170. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 先ほどもお答えをいたしましたけれども、TPP11及び日EU・EPAは発効したばかりでございまして、両協定の農林水産業の影響評価はこれからであると考えております。  いずれにいたしましても、農林水産省といたしましては、農林水産業者が安心して再生産に取り組めますように、総合的なTPP等関連政策大綱に基づきまして万全の対策を講じてまいりたいと存じます。
  171. 舟山康江

    ○舟山康江君 一般論とすれば万全の対策と言いますけれども、ただ、この伸びというのは私はただ事じゃないと思うんですよね。この一か月間、ずっと過去数年間見ると圧倒的に大きく伸びておりますけれども、この状況を総理、どのように御覧になりますか。
  172. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) この貿易統計の分析については、先ほど茂木大臣からも答弁いたしましたが、必要であれば詳細については答弁をいたしますが。  このTPPについて考えるときには、まさに我が国の誇る農林水産品、また中小企業の、また小規模事業者の皆さんが未来に向かって伸びていくための国家百年の計であると考えておりますので、まだ一か月のこの数字だけで、もちろんちゃんと注視していく必要はありますし、分析も行っていますが、この政策の根本自体がどうなのかということではないんだろうと、こう考えております。むしろ、このチャンスをつかむように攻めの農林水産業を進めていきたいと、また皆さんと一緒に進めていきたいと思っておりますが、ただ、こういう数字が出れば、畜産業、畜産農家の皆さんが不安に思われるのはこれは当然のことだろうと、こう思っております。  だから、こうした不安にもしっかりと向き合っていくことでありまして、TPPの発効に伴いまして既にもうこの牛・豚マルキンによるセーフティーネットを強化しましたが、さらに、先般の二次補正によって三千億円を超えるTPP対策予算も盛り込んだところでございまして、今後とも、貿易動向については常に注視をしつつ、総合的なTPP等関連政策大綱に基づいて、畜舎などの施設整備、機械導入など、畜産農家の皆さんの体質強化の取組を政府としてきめ細かく支援をしていく考えであります。
  173. 舟山康江

    ○舟山康江君 日EUについては多分これから影響が出てくるのかなと思いますけれども、乳製品についてもEUからの輸入急増、ワインもそうですけれども、見込まれますので、その辺はしっかりと注視いただきたい、対策を持っていただきたいと思っております。  そして、今、まさに攻めの農業という言葉を総理お使いになりました。生産農業所得が増えているということ、昨年秋の総理の施政方針演説でもおっしゃっておりましたけれども、この背景、何が要因だったのか、総理のお考えをお聞かせください。
  174. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 安倍内閣におきましては、農業を成長産業化させ、農家の所得向上を実現させるために、農政全般にわたる抜本的な改革を進めてまいりました。この間、農家の皆さんの努力によって、主食用米から需要のある麦、大豆等への転換、また業務用、加工用向け野菜の生産拡大、果樹における品質向上や海外市場の開拓等、需要に応じた生産や付加価値向上の取組が着実に進んでいるものと考えております。この結果、生産農業所得は三年連続で増加をしまして、過去十九年で最も高い三兆八千億円に達しております。  また、こうした農家の取組を支援するに当たっては、経営規模の大小や法人か家族経営かの別にかかわらず、地域の農業の担い手となる方々であれば幅広く対象としてきたところでございますが、今後とも、農家の手取り所得が増加するように力を入れていきたいと思っております。
  175. 舟山康江

    ○舟山康江君 次のパネルを御覧いただきたいと思います。  確かに、生産農業所得、これは基本的には量掛ける価格ですから、これを御覧いただくと、まずこの緑の棒グラフですね、価格は確かに上がっておりますけれども、生産量が激減していると、こういった厳しい現状があります。そして、もっと深刻なのが、耕地面積も農業従事者も販売農家も大きく減少している。足下が弱体化しているんですよね。量が少ないから価格が上がっている、これ健全だというような理解でしょうか。私は違うと思いますけれども、総理のお考え、お願いします。
  176. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) どう捉えていくかということだろうと思っていますが、大切、たくさん作っても収入が落ちたらこれは農家にとってはどうしようもないわけでございまして、やはりこれは所得が大切なんだろうと、こう思っております。  他方、恐らく舟山先生は食料自給率等との関係で量がそんな減っていて大丈夫かという、そういう観点もお持ちなんだろうと、こう思うわけでありますが、農家、一戸一戸の農家にとってはより付加価値の高いものを作り、生産、収入が増えるということが極めて私は大切なのかなと、こう考えております。
  177. 舟山康江

    ○舟山康江君 販売農家等が減っている現状について、また耕地面積が大きく減少している現状については、総理、どのようにお考えでしょうか。
  178. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 販売農家が減っている、これはそもそも基本的に農業従事者の平均寿命、あっ、平均寿命じゃなくて、平均年齢が六十六歳となっている中において高齢化に伴うものもあるんだろうと、こう思うわけでございますが、同時に、四十歳代以下の新規就農者も四年連続二万人を超えているわけでございまして、そういう中において、より若い皆さんにもっと農業に魅力を感じていただけるようにしていきたいと、こう思っております。  この面積についての評価については、これは今一概に私は申し上げることができないのでございますが、もし必要であれば農林水産大臣から答弁をさせたいと思います。    〔委員長退席、理事二之湯武史君着席〕
  179. 舟山康江

    ○舟山康江君 総理、もう一度お伺いします。  農業の役割というのは一体どこにあるのか。もちろん食料生産だと思いますけれども、やはりそこに農家がいて地域をつくっていると、こういった役割があると思うんですね。そういった意味では規模拡大だけが農業の姿ではないと私は思っていますけれども、総理はどのようにお考えでしょうか。
  180. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) それはもちろんそのとおりでございまして、農業の役割というのはただ生産面だけで捉えているわけではもちろんございません。地域において地域の多面的な機能を持っているわけでございまして、食料を安定的に供給するとともに、地域や環境を守り、そして水源を涵養し、防災・減災にも大きな役割を果たしているわけでございます。  まさに地域を守っているのは私は農林水産業だと、こう思っているわけでございまして、多面的な機能を果たしているということをしっかりと評価をしていく。ですから、ただ単にこの攻めていくことだけでいいというふうには考えていないわけでございまして、様々な例えば棚田が果たしている役割はあるわけでありますが、しかし、生産性は、農業の生産性ということに関してはそれはそれほど高くないかもしれませんが、しっかりと役割を果たしている。ただ、それを、同時に、棚田を観光面で活用するという工夫等もなされているわけでございますが、いかに維持をしていくかということについては、みんなで知恵を出し合いながら、しかし、国としても国としての役割を果たしていかなければ、守るためにもですね、役割を果たしていかなければならないと考えております。
  181. 舟山康江

    ○舟山康江君 やはり、でも、ただ、小さな規模の条件の悪いところを守っていくためにはコストが掛かる、なかなかもうからない。そういうところで、規模拡大だけじゃない、小さなところに配慮する視点が私はちょっと安倍政権下の農政では若干弱いと思うんですよ。もう少しそこを大きくしていかなきゃいけないと思いますけれども、もう一度お願いします。
  182. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 中山間地域への直接支払制度等も含めた総合的な支援策を講じていきたいと、こう考えているところでございます。  私の地元も、山陰側というのはもう中山間地域でございますし、そこでただ単に生産性を上げるといっても中山間地域ですからなかなか難しいというのは私もよく承知をしておりますが、しかし、そこで頑張っている皆さんが地域を守ってきた、その誇りとともに皆さん生きているわけでありまして、そういう皆さんもしっかりと支援していきたい、具体的に支援をしていきたいと考えております。
  183. 舟山康江

    ○舟山康江君 そういう中で、米について、戸別所得補償、直接支払、これを廃止されました。これはなぜでしょうか。
  184. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 戸別所得補償制度の件でありまするけれども、まず、担い手への農地の集積ペースを遅らせる面があったこと、米について十分な国境措置がある中で他の農産物の生産者や他産業、納税者の理解が得難いこと、さらには、主食用米の需要が年々減少する中で米への助成を基本にするのでありますれば米の過剰作付けを招くなど、我が国の農業の課題に対しまして適切に対応する政策とは言えなかったことでありまして、このために旧戸別所得補償制度を廃止をいたしまして、需要のある作物の生産振興による農地のフル活用ですとか担い手への農地の集積、農地の基盤整備など前向きな政策を強化をしてきておりまして、今後とも、こうした政策により農業の所得向上にも取り組んでまいりたいと存じます。
  185. 舟山康江

    ○舟山康江君 それはちょっと誤解ですよ。担い手への集積も着実に進んでおりましたし、まさに先ほど総理がお答えいただいたように、小さい規模の農家も大事にするという観点で所得補償というのが必要だということで行ってきたんですけれども、そういったものの必要性は現場に行くと多くの皆さんが言っていますけれども、その声はどのように捉えていらっしゃいますか。
  186. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 農林水産省といたしましては、大規模の農業経営のみならず、家族経営はもちろんのこと、小さな農業をやっている皆さんも大切にしていると存じております。  そのために日本型直接支払制度等々の施策も講じてきておりますので、これからもそういった農業生産者の皆さんのための政策というものもしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
  187. 舟山康江

    ○舟山康江君 続きまして、輸出入について、攻めの農業のもう一方、輸出、輸出拡大についてお聞きしたいと思います。  パネルを御覧ください。  輸入量の全体と輸出量、グラフにいたしました。下の折れ線グラフが輸出額です。これについて御説明いただけますでしょうか、農林大臣。
  188. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 輸出拡大のことについてであろうかと思いますが、少子高齢化によりまして国内の食市場の規模は今後縮小すると見込まれる一方で、世界に目を向けますれば、アジアを中心に食市場の規模は大きく拡大すると見込まれております。国内のマーケットに加えまして海外のマーケットが獲得できれば、輸出に取り組む農家だけではなく、広く国内の農家が生産拡大できる環境が整いまして、農業の所得向上や食料の自給率を押し上げる方向にも働いていくことが期待できるのではないかと存じております。  引き続き、農林水産物、食品の輸出拡大に向けまして、海外での需要拡大、輸出拠点の整備、諸外国の輸入規制の撤廃、緩和に向けました働きかけ等々を進めてまいりたいと存じます。
  189. 舟山康江

    ○舟山康江君 これ、輸出も伸びていますけれども、輸入も伸びているんですよ。輸入の伸びの金額だけで今の総輸出額を大きく上回っている、この現状はどのように御説明されますか。
  190. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 輸入が伸びているということでありますが、一部輸入が今伸びている部分というものもございまするけれども、しっかりとそういったことも捉えながらこれから対応もしてまいる所存でございます。(発言する者あり)
  191. 二之湯武史

    ○理事(二之湯武史君) もう一回。  吉川農林水産大臣。
  192. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 輸出、輸出じゃなくてですね、これからの担い手の育成ですとか確保、農業生産の基盤整備の施策を通じまして国内農業の持続的な発展を実現をしてまいりたいと存じておりますが、輸入関連に関しましても十分注視をしながら国内対策をしっかり進めてまいりたいと存じます。
  193. 舟山康江

    ○舟山康江君 輸入の伸びの額だけで今の総輸出額を大きく上回っているんですよ。輸出するから大丈夫と言いながら、輸入が多いんですよ。そちらの影響を本当に考えないと、輸出輸出と、こういった幻想だけを振りまいても駄目だと思いますし、次のパネル御覧いただければ、増えているのは加工食品の水産物なんですね。純粋の農産物に関しては、何と輸出の二十九倍、輸入の方がずっと多いんですね。その現状もきちんと見ていかないと、輸出するから大丈夫ということはおかしいと思いますけれども、総理、どうでしょうか。    〔理事二之湯武史君退席、委員長着席〕
  194. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 加工食品が非常に伸びていますが、この加工食品のもとも、日本の言わば農産物を加工している可能性もあるということでございまして、それと、いずれにいたしましても、日本の人口は減少していくわけでございますから、どうしても国内だけ見てみれば農産品の市場は縮小せざるを得ないという状況になるわけでございますが、一方、海外の、特にアジア太平洋地域の人口は増えていきますし、そして、生活水準も収入が上がっていきますから上がっていく中において、日本のような少し値段は高いけれどもおいしくて安全な食品というのは当然競争力を持つものと、こう考えているわけでございまして、将来を考えれば、こうした経済連携協定を結ぶ中において、そうしたチャンスをつかむよう我々も努力をしていく必要があるのではないかと。  また、輸入が増えているということに関して言えば、果たしてそれで価格が下がっているのかということを注目していく必要があるでしょうし、あるいはまた、そこで市場を我々の日本の生産者あるいは業者が失っているかどうかということについてもよく見ていく必要があるのではないかと、こう思っております。
  195. 舟山康江

    ○舟山康江君 経済連携で輸出が増えるというよりも、輸入が増えるリスクも考えなきゃいけないわけですよ。そちらのいいところだけ言うのはおかしいわけですし、何か今、私は本当に政策が何かおかしな方向に行っていると思うんですね。政策決定におけるその仕組み、立法府の在り方、そこについて、総理、お答えいただけますでしょうか。どのように立法府が政策決定に絡むべきか、お答えください。
  196. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政策決定におきましては、例えば、決めた政策、予算であれ、そしてあるいは法案であり、あるいは条約であれ、それは国会で御審議いただき、その国会で可決をして成立をしなければ、そうした政策も絵に描いた餅になるわけでございますから、国会においてしっかりと御審議をいただく中において国民の皆様の理解も進んでいく、あるいは国民の皆様の御支持もいただけるものと、こう考えております。
  197. 舟山康江

    ○舟山康江君 これ、先ほどの国際交渉のときと同じですよ。本来はボトムアップ、現場の声聞いて、議員の声聞いて、ちゃんと議論をして決めるべきものが、上で決めたものを全部下ろしてくるトップダウン型になっています。規制改革推進会議もそうでしょう。そこが決めている、だからずれているわけですよ。ずれているわけですよ。(発言する者あり)
  198. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 御静粛に。御静粛に。
  199. 舟山康江

    ○舟山康江君 そういったこの政策決定が大きく変わってしまったことに対して、総理、どうお考えですか。規制改革推進会議、どんな権限があるんでしょうか。
  200. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) この図で示していただいておりますが、民間委員の皆さんにも様々な見識を生かしていただいております。  この絵を見ますと、顔はよく描かれている、ちょっと意地悪そうな、意地悪そうな顔に描かれておりますが、例えば規制改革会議におきましては、農業は食料の安定供給や地域経済を支える重要な産業であります。このため、農業政策については、現場を重視し、現場の農業者の声にしっかりと耳を傾けながら、規制改革推進会議を含む様々な関係者あるいは関係機関の多様な御意見も踏まえて政策決定を行っているところであります。特に、法案や予算の御審議をお願いする国会の場においては、農政については常に真剣な御議論をいただいていると認識をしております。  政府が立法府や国民の声を無視しているという御指摘は当たらないと考えておりますし、この言わば法案を出してくる前におきまして、これは与党ではございますが、例えば自民党におきましても、農林部会等、大変、まあ農林部会の皆さんは、例えば、まあ御党もそうなんでしょうけど、地元に帰って地元の声を伺った上でこの部会等で、ですから月曜日の部会は荒れると、こう言われているんですが、金、土、日に帰って声を聞いて、何やっているんだという、こういう御批判もいただきながら、その中で更に政策に磨きを掛け、そうした、例えばTPP等々であれば、一般の皆さんにとっては、消費者の皆さんにとっては値段が下がる、価格が下がってよりこの選択肢が増えるという面もありますが、一方、日本の食を支える農業者あるいは中小企業の皆さんには様々な御心配もあるでしょうから、そうした皆さんの声も政府としても聞いておりますし、与党においてはじかにそういう声も聞きながら、毎週毎週、毎日毎日、そういう御批判もいただきながら、御議論も重ねた上で我々も法案を出させて、あるいは条約を出させていただいておるわけでありまして、さらに、その上において、こういう場において舟山委員のような専門的な知識を持った皆さんの御意見もいただきながら議論を深め、そして最終的にこの決議をしていただいているということではないかと思っております。
  201. 舟山康江

    ○舟山康江君 実際、でも、非常に形骸化しているんですよ。種子法のときなんかそうでしょう。言われて、与党の議論なんて形骸化していたじゃないですか。(発言する者あり)
  202. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 御静粛に。
  203. 舟山康江

    ○舟山康江君 外国人労働者の問題だって、与党で議論したときに、もうこれで、部会長一任で決まっちゃったじゃないですか。そういうことが多いんじゃないでしょうか。  もっときちんとボトムアップでやるべきだということ……(発言する者あり)
  204. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 御静粛にお願いします。
  205. 舟山康江

    ○舟山康江君 これは絶対に必要だと思いますけれども、是非その辺、そうであれば与党の皆さんも頑張ってください。そして、規制改革推進会議からのトップダウン、やめてくださいよ。的外れな指摘が多過ぎますよ。その辺が政策の間違いにつながっていくと思っております。  続きまして、次の……(発言する者あり)
  206. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 御静粛に。
  207. 舟山康江

    ○舟山康江君 時間がありませんので、次に移ります。  消費税に伴うキャッシュレス化、消費税の還元事業について、まず財務大臣に、いわゆる消費者還元対策ですね、キャッシュレス対策、これについての事業の目的をお伺いします。
  208. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) ポイント、まず還元事業の話なんだと思いますが、これは基本は需要というものの平準化というものに対しての対応の一環として、大企業は御存じのようにいわゆる資産内容等々資本が極めて大きい等々の理由から価格引下げ交渉というのを含みます消費喚起というものに対してそれを実行できる体力がありますけれども、中小企業、また小規模企業は自ら対応することに限界があるというまず大前提、それを踏まえて、消費税率の引上げを受ける中小・小規模事業者を支援というので、引上げ前後の需要を平準化するということを基本的な目的としているというふうに御理解いただければと存じますが。
  209. 舟山康江

    ○舟山康江君 需要平準化と言いながら消費税の引上げ率以上に還元する理由と予算執行の合理性をお答えください。
  210. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 時間が来ておりますので簡潔に。
  211. 世耕弘成

    ○国務大臣(世耕弘成君) これはあくまでも税制ではなくて、また税の還付でもありませんので経産省としてお答えさせていただきたいと思いますが、今回は、消費税の増税による需要の平準化に加えて、非常に今、昨今、国際経済状況が不透明であるということを鑑みて消費税率の引上げ分以上に消費を喚起をしていく観点と、そして、日本はまだキャッシュレス比率が二〇%、お隣の韓国は九〇%という中で大変遅れているということでキャッシュレス決済を浸透をさせていく、そういった政策目的も踏まえて五%のポイント還元という形で設定をさせていただいております。
  212. 舟山康江

    ○舟山康江君 需要平準化と言いながらキャッシュレス化を進めるその合理性について、財務大臣のお考えをお答えください。(発言する者あり)
  213. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 時間をオーバーしているけど、並行しているんですよ。いいでしょう、時間は調節してもらえればいいんだから、後の時間で。
  214. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) よろしいですか。  御質問は時間が過ぎておりますので、少々答える立場にないんですけど、もう一回言っていただけますか、座ったままで結構ですから。座ったままで結構ですから。
  215. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 質問の趣旨について、内容。舟山さん、もう一回ちょっと質問してください。お願いします。
  216. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 超過して質問したのはそちらですから。座ったままでいいですよ。質問時間じゃありませんから、どうぞ。
  217. 舟山康江

    ○舟山康江君 平準化対策と言いながらキャッシュレス化を進めるということの予算の執行の合理性です。平準化対策なんですよね、増税の、増税による。それが目的という中で、なぜキャッシュレス化というものが目的になるのかですよ。
  218. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) それは私どもの財務省の判断ではなくて、これは経産省としての判断だと思いますけど……(発言する者あり)基本的に、しゃべっている最中は言わない、しゃべらぬでください。静かにしましょうや、質問している方なんだからね。  その上で、私どもとしては、基本的な立場としては先ほど申し上げたとおりです。  その上で、このキャッシュレスの話につきましては、今の目的も併せて私どもとしてはきちんとした対応をさせていただく中で、経済というものが、少なくとも反動減とかそれから駆け込み需要とかいうことになって前回のときにはいろいろ問題が起きましたから、私どもはその対応として政府全体として考えた中で、経産省の中から先ほどの御意見も出て、それはそれなりの効果がある、長期的に見ればキャッシュレス化という方向というのは一つの方向ですし、それによって需要が喚起される、海外からの顧客等々の対応もできる等々は非常に大きなメリットがあるだろうということも考えさせていただいたということであります。
  219. 舟山康江

    ○舟山康江君 質問をしているのに質問を聞いていないで、上からそういう言い方をするのは大変心外だということを申し上げ、今、パネルを御覧いただきたいと思いますけれども……(発言する者あり)
  220. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 御静粛に。
  221. 舟山康江

    ○舟山康江君 形態によって相当税率が違うと、分かりにくいということだけ御指摘させていただきまして、質問を終わります。
  222. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 以上で舟山康江君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  223. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 次に、森ゆうこ君の質疑を行います。森ゆうこ君。
  224. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 統計不正の問題について聞こうと思ったんですけれども、姉崎さんは、電話、事務所にありまして、月曜の午前中は調子が悪いと、そして、代わりの厚生労働省藤澤統括官は今朝急に具合が悪くなったということでございまして、まあお見舞いを申し上げるしかありません、お大事にと。で、西村統計委員長も、そして樋口監察委員長も私の時間には合わないようでございまして、是非時間を合わせて来ていただきたいというふうに思います。  仕方がないので、別な質問からスタートします。  総理、米朝首脳会談の結果についての総理の御認識はいかがでしょうか。そして、今後の対応についてお聞かせください。
  225. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先週、ハノイで行われた第二回米朝首脳会談の終了後、直ちにトランプ大統領と日米電話首脳会談を行い、その結果について説明を受けました。  朝鮮半島の非核化を実現するとの強い決意の下、安易な譲歩を行わず、同時に、建設的な議論を続け、北朝鮮の具体的な行動を促していくとのトランプ大統領の決断を全面的に支持いたします。  日本にとって最も重要な拉致問題については、トランプ大統領から、初日の最初に行った一対一、いわゆるテタテの会談の場において、拉致問題について金正恩委員長に提議をし、この私の考え方、拉致問題についての私の考え方を明確に伝えたとの説明がありました。また、その後の少人数夕食会でも拉致問題を提議し、首脳間での真剣な議論が行われたとの説明がございました。  この問題については私自身が金正恩委員長と向き合わなければいけないと、こう思っているところでございます。
  226. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 今の最後のところなんですけど、具体的にどのように会う準備を進めているんですか。
  227. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは、具体的にどのようなということにつきましては、これまさに交渉の中身についてでございますので、そのことについては発言を控えさせていただきたいと思います。
  228. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 拉致問題について、何か進んだんですか。
  229. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 拉致問題等に、拉致問題につきましては、今までも大使館ルート等を通じまして、を生かしました様々な接触等を行ってきているところでございますが、中身につきましては発言することは控えさせていただきたいと思います。
  230. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 いや、中身については教えてくれないといっても、何も進んでいないから聞いているんですよ。もっと具体的に前へ進めていただきたい。  次に、戦没者遺骨収集事業について、厚生労働省、御説明ください。
  231. 八神敦雄

    ○政府参考人(八神敦雄君) お答え申し上げます。  まず、さきの大戦では約二百四十万人もの方々が異郷の地で亡くなられ、そのうち帰還を果たした戦没者の御遺骨は約百二十八万柱となってございます。深い海に眠られている御遺骨や相手国の事情等により収容が難しい場合を除きましても、約五十九万柱の御遺骨が帰還を待っているという状況でございます。  近年の収集の状況でございますが、戦没者の遺骨収集の推進に関する法律が施行をされた平成二十八年四月以降の取組でございますが、情報収集のための現地調査に延べ六十九回、遺骨収集に五十六回派遣を行い、合わせて二千百五十四柱の御遺骨を収容し帰還をさせてございます。  遺骨収集の派遣団でございます。御遺族やボランティアの学生の方々等が御参加をくださっておりますが、戦後七十三年を経まして、交通の便の良い場所の調査、収容作業がだんだん減り、だんだん困難な場所に移ってきてございます。長時間の悪路の移動、慣れない食事、環境の悪い宿泊場所、暑さなど、過酷な環境下での作業に献身的に取り組んでいただいておるところでございます。  また、こうした御帰還をされた御遺骨につきましては、千鳥ケ淵の戦没者墓苑等におきまして、遺骨引渡式を挙行してございます。御遺族、関係団体の代表の方々、関係各省の政務、また政党代表等、国会議員の皆様とともに厳粛にお迎えをしておるところでございます。平成二十八年度は七回、二十九年度は九回、三十年度は本日までに七回の遺骨引渡式を実施をしたところでございます。
  232. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 私もできるだけ出席をさせていただいております。戦後七十三年、まだ異国に眠っている人々がいる。戦争とは政治の最大の失敗である、戦争を起こさないこと、これが政治の最大の使命であるということを肝に銘じるために出席をさせていただいております。  総理、今の御報告を聞いて御所感ありましたら。
  233. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 現在私たちが享受しているこの平和と繁栄は、祖国を思い、そして家族を案じつつ、戦場で倒れ、あるいは戦後遠い異郷の地で亡くなられた戦没者の尊い犠牲の上に築かれたものであると認識をしております。  お尋ねの戦没者遺骨引渡式は、遺骨収集団が送還した戦没者の御遺骨を厚生労働省に引き渡す場であり、戦没者遺骨収集に関係する団体の代表者、政党代表及び関係国会議員、御遺族、戦友の参列を得て、帰還した御遺骨を丁寧にお迎えする式典と承知をしております。  戦没者の御冥福をお祈りし、そして尊崇の念を表することは極めて重要であると考えております。  内閣総理大臣として毎回供花をしておりますが、また、八月十五日の全国戦没者追悼式には主催者として式辞を述べるとともに、毎年五月の千鳥ケ淵戦没者墓苑拝礼式にも可能な限り出席をし、献花を行っているところでございます。  今後とも、いまだ収容されていない御遺骨を一日も早くふるさとにお迎えできるように、国としての責務を果たしていくため全力を尽くしてまいりたいと、このように考えております。
  234. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 総理も私も同じ世代です。戦争を知らない子供たちは、戦争を知らないおじいさんとおばあさんになりました。戦争を、実感がないからこそ戦争を起こさせないようにするという本当に真摯な気持ちで政治に臨まなければならないと思いますが、さきの大戦で一番大変な被害を受けた沖縄の人々の今回の県民投票、結果をどう受け止められているんでしょうか、総理。(資料提示)
  235. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 沖縄に米軍基地が集中をしているというこの現状については、これは容認することができないと考えているところでございまして、今後とも沖縄の負担軽減のために、基地負担軽減のために全力を尽くしていきたいと、こう考えているところでございます。今回の県民投票の結果を受けまして、我々も更に沖縄の基地負担の軽減に力を尽くしていきたいと、こう考えております。  同時にですね、同時に、学校やあるいは住宅に囲まれた世界で最も危険と言われる普天間基地の固定化は、断じてこれは避けなければならないわけでございます。日米が合意をしてから相当の年数が経過をしているわけでございますが、次の、これをもはや先延ばしにすることはできないと、このように考えているところでございまして、普天間基地の全面返還に向けて更に努力を重ねていきたい、そして沖縄の基地負担の軽減に更に力を尽くしていきたいと考えております。
  236. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 真摯に受け止めるという言葉はやめたんですか。
  237. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 森さん、もう一回ちょっと質問してください。
  238. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 真摯に受け止めるという言葉はやめたんですかと言ったんです。
  239. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほどそう申し上げたと思います。
  240. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 二ページ目に資料を付けておりますけれども、圧倒的な反対の沖縄県民の意思、そして思い、示されました。でも、次の日に埋立工事を強行する。次の日ですよ、その神経を疑いますね。  これ、何でちょっと止めるぐらいのことできなかったんですか、総理。
  241. 岩屋毅

    ○国務大臣(岩屋毅君) 事業を行っておりますのは沖縄防衛局でございますので、私の方からお答えをさせていただきますが、今総理がおっしゃったように、私ども、沖縄の負担軽減を一日も早く目に見える形で実現をしていかなければいけないというふうに思っております。沖縄県さんとも累次にわたって対話の機会は持ってきておりますし、私も玉城知事さんとは就任後四度お目にかからせていただきました。  これからも、丁寧な説明を行って御理解をいただきつつ、沖縄の負担軽減、ひいては普天間基地の全面返還に向かって一歩ずつ前に進ませていただきたいというふうに思っております。
  242. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 公共工事の観点から伺います。  来年度の当初予算、辺野古基地移設事業は幾らですか、総額。
  243. 岩屋毅

    ○国務大臣(岩屋毅君) 平成三十一年度予算案においては、契約ベースで約七百七億円、歳出ベースで約六百十一億円を計上しているところでございます。細目は必要ですか。  その内訳は、環境影響評価等に要する経費として、契約ベースで約三十四億円、歳出ベースで約三十七億円。埋立工事に要する経費といたしまして、契約ベースで約四百五億円、歳出ベースで約二百七十一億円。キャンプ・シュワブ再編成工事に要する経費といたしまして、契約ベースで約二百六十六億円、歳出ベースで約三百一億円、その他の事務経費、手数料等といたしまして、契約ベースで一億円、歳出ベースで一億円を計上いたしております。
  244. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 これまで掛かった経費の総額、そしてこれから一体事業費は総額幾ら掛かるのか、お示しください。
  245. 岩屋毅

    ○国務大臣(岩屋毅君) これまでの執行の総額は千二百七十億円だと思いますが、全体の経費が幾ら掛かるかという御質問ですか、それはこの段階では確たることは申し上げられません。先般、軟弱地盤の改良工事が必要だということも申し上げておりますが、詳細な設計が済み、また概要が分かり次第、報告をしてまいりたいというふうに思っております。
  246. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 いや、ここ予算委員会なんですけど、総額幾ら掛かるか分からない、いつできるか分からない、質問していませんけど、まだ、そんな公共事業の予算ってあるんですか。一体幾ら掛かるんですか。いつになったらできるんですか。見通しぐらい言わないと駄目なんじゃないですか。
  247. 鈴木敦夫

    ○政府参考人(鈴木敦夫君) お尋ねの件でございますけれども、普天間飛行場の移設に係る経費につきましては、平成二十一年に約三千五百億円以上という全体見積りを出しました。  また、既に支出いたしました普天間飛行場の移設に係る平成十八年度から平成二十九年度までの支出済額でございますが、これは先ほど大臣からお話ございましたように、約一千二百七十億円でございます。その内訳を申しますと、環境影響評価等に要する経費として約百八十六億円、埋立工事に要する経費として約七百五十二億円、キャンプ・シュワブ再編成工事に要する経費として約三百三十二億円となってございます。  今後につきましては、先ほど大臣からお話ございました。今後、沖縄防衛局におきまして、地盤改良に係る具体的な設計の検討等を行うなどしております。これに当たりましては、より合理的な設計、施工が早期返還に資するということから、十分な検討を行うこととしております。そのため、現時点で確たることを申し上げることは困難でございますけれども、しかるべきにしっかりと御説明をさせていただきたいと考えてございます。
  248. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 しかるべきときとはいつですか。
  249. 鈴木敦夫

    ○政府参考人(鈴木敦夫君) 今回の設計等につきまして十分な検討を行い、より合理的な設計、施工、これがきちっと検討が終えた時点ということでございます。
  250. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 いや、総理、指示しないでくださいよ。  ちゃんと答えてください、いつまでなのか。公共事業でしょう。軟弱地盤については前から、三年前から指摘されているんですよ。それをないないと言って、設計もできなくて、これ本当にできるんですか。「もんじゅ」なんかと一緒なんじゃないですか。さんざん税金使って結局できないということなんじゃないんですか。いつできるんですか。幾ら掛かるんですか。本当にできるんですか。
  251. 岩屋毅

    ○国務大臣(岩屋毅君) 今先生、三年前から軟弱地盤が分かっていたとおっしゃいましたが、そうではありませんで、最初に二十四本のボーリング調査を行いました。その中にN値ゼロ、完全なN値ゼロが一本、それに近いものが三本ございましたが、ボーリングを行った地点が数が少なかったものですから、それだけでは判断をし難いということで追加の五十二本のボーリング調査を行った結果、大浦湾側には確かに軟弱地盤があると。したがって、改良工事が必要だということになりましたが、衆議院の審議のときにお答え申し上げたんですけれども、七十メートルのサンドコンパクションあるいはサンドドレーンという工法を使えば十分安定的な工事は可能だと。しかも、七十メートルをやらなければいけないのは全体の数%にとどまると、約七割は四十メートル以下の施工で済むということを私ども確認をいたしておりますので、工事はできます。  しかし、詳細な設計が終わらなければ、工事費や工期について、この段階では確たることは申し上げられませんけれども、分かり次第御報告をさせていただきたいと思います。
  252. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 資料の四ページを御覧ください。  このシュワブ二十六地質調査報告書、結果、結論、右側のページ、防衛省、読んでみてください。何が書いてありますか。
  253. 岩屋毅

    ○国務大臣(岩屋毅君) この四ページの右側ですか。  前述したように、C―1護岸計画箇所付近には大きくくぼむ谷地形が形成されており、そこには非常に緩い、軟らかな堆積物、これは谷、何と読むんでしょうか、済みません、砂質土、粘性土が堆積している。N値は、上位の砂質土Avf2、済みません、ちょっと専門用語で余り、s1層でゼロから十八(平均五・四)、下位の粘性土Avf2―c1層でゼロから十三、平均一・六を示し、N値ゼロを示すものも多い。以上のことから、特に当該地においては、構造物の安定、地盤の圧密沈下、地盤の液状化の詳細検討を行うことが必須と考える、でございます。
  254. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 防衛省、これはいつ提出した報告書ですか。
  255. 鈴木敦夫

    ○政府参考人(鈴木敦夫君) ただいまの報告書につきましては、平成二十八年三月にまとめられた報告書でございます。そして、公表されましたのは平成三十年三月ということでございます。これは、平成二十九年二月になされました情報開示請求に基づくものでございます。
  256. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 だから、二十八年に分かっていたんですよ。だけど隠していたんですよ。  事務方でいいですから、今の資料の左側、下の方、何て書いてありますか、この黄色いところ、谷地が形成されのところ、読んでみてください。そして説明してください。
  257. 鈴木敦夫

    ○政府参考人(鈴木敦夫君) 黄色い部分だと思いますけれども、谷地形が形成され、非常に緩い、軟らかい谷埋堆積物、砂質土、粘性土が階層四十メートルで堆積しているということでございます。  ただ、先ほど大臣から申し上げましたように、そもそもこのときの報告書では、この内容のみでは地盤の強度を十分に評価できる段階にはございませんでした。したがいまして、その後五十二本の追加ボーリング調査を行ったということでございます。
  258. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 いや、これ非常に、当初想定されていないような特徴的な地形、地質が確認されたと。非常に緩い、軟らかい、これ何と読むのかしら、谷埋堆積物、砂質土、粘性土が層厚四十メートルと非常に厚く堆積しと、こう書いてあるんですよ。これ、分かっていたということでしょう。
  259. 岩屋毅

    ○国務大臣(岩屋毅君) 最初の二十四本のボーリングの中に確かにそういう地点があったということは分かっていたことではありますが、先生から出していただいた資料を見ていただいても、大浦湾側の中央部分を含め、ボーリングをした箇所、あっ、ボーリングをしていない箇所が大きく広がっておりました。したがって、まだボーリング調査としては不十分だということで倍以上の追加のボーリング調査を行って、その地盤の全体像を把握しようと努めたところでございまして、最初の結果を隠していたということではございませんので、御理解をいただきたいというふうに思います。
  260. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 よく分からなくて検査しているのに、調査しているのに工事を始めちゃったということですか。
  261. 岩屋毅

    ○国務大臣(岩屋毅君) 大浦湾側はまだ工事着手しておりません。辺野古側といいますか、南側から着手をしているところでございます。
  262. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 いや、この報告書が出された、今の報告書が出された次の月の四月二十五日ですか、護岸工事を始めたんじゃないんですか。
  263. 鈴木敦夫

    ○政府参考人(鈴木敦夫君) 御指摘も含めまして、現在実施中の辺野古側の埋立工事等につきましては、埋立承認に基づき施工することができるため、工事を進めることに問題ないというふうに考えてございます。  埋立てに関する工事については、埋立承認願書の設計の概要の記載の内容に沿って適切に進めているところでございます。(発言する者あり)
  264. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) それじゃ、鈴木整備計画局長。
  265. 鈴木敦夫

    ○政府参考人(鈴木敦夫君) 今申し上げましたように、大浦湾側の一部護岸、K9護岸の一部だと思いますが、これにつきましても、この埋立承認に基づき施工することができるため、工事を進めることにしておるということでございます。  これにつきましては、先ほど申し上げたとおり、埋立承認願書の設計の概要、この記載の内容に沿って適切に進めているというところでございます。
  266. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 ちょっと答弁の意味が分からないんですけど。軟弱地盤と、可能性が濃厚であるという調査結果が平成二十八年三月に提出されました。でも、詳細に調べることもなく、いきなり護岸工事始めてしまいました。こんなこといいんですか。公共事業ですよ。全体の設計、本当にそれでできるのか。そういうのが確認できなくて、何で巨額の予算が付けられるんですか。おかしいじゃないですか。
  267. 鈴木敦夫

    ○政府参考人(鈴木敦夫君) 今回、こちらの委員御指摘の報告書、ここに出ておりますのは大浦湾側でございますが、この軟弱地盤の地域とは全く違った大浦湾側の護岸、ここにつきまして、地盤については全く問題がない地点というところにつきまして工事がなされたということでございます。
  268. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 全然答えになっていないんですけれども、承認撤回、沖縄県知事の埋立承認の撤回の理由に軟弱地盤のことが入っていましたよね。
  269. 岩屋毅

    ○国務大臣(岩屋毅君) 沖縄県さんの指摘の中には入っていたと思います。この件に関しては、今、私ども、国交省に行政不服審査法に基づく撤回処分を取り消されたいという審査請求を行っておりまして、必要な書類を国交省さんには提出をさせていただいているところでございます。
  270. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 私は今、去年の十月の執行停止の手続の話をまずしていますが、そのときの添付資料出していただきましたが、この中には軟弱地盤の調査結果は入っていないんですけど、どういうことですか。
  271. 鈴木敦夫

    ○政府参考人(鈴木敦夫君) 御指摘の執行停止の申立書、それからあと審査請求につきましての添付書類というのがございます。全体で二百を、二百件を超えるようなものでございますけれども、そのうちの大部につきましては提出させていただいておりましたけれども、残りにつきましては、今いわゆる開示、不開示、これの作業をしているところでございますので、これが終わり次第提出させていただきたいと思います。
  272. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 いや、CDいただきました。タイトルは見れます。しかし、中身が見れないところが幾つかある。でも、タイトルを見てもこの軟弱地盤の調査結果報告書という、この既に平成二十八年に出してある、提出した、これは入っていないんですよ。なぜですか。
  273. 鈴木敦夫

    ○政府参考人(鈴木敦夫君) 現在におきまして開示できるものについては、既にいわゆる明認作業というか、開示、不開示の決定がなされているものにつきましては提出させていただいているというふうに認識してございます。  それ以外につきましては、今その作業をまさに行っているところでございますので、その結果次第、直ちに御提出させていただきたいと思っております。
  274. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 開示できないものの中にこの調査報告書が入っていたということですか。それで出したということですか。
  275. 鈴木敦夫

    ○政府参考人(鈴木敦夫君) 御指摘の部分につきましては、ちょっと今確認をさせていただいておりますけれども、いずれにいたしましても、開示できるものにつきましてはいわゆる明認作業といいますか、開示、不開示部分をはっきりさせた上で開示させて、提出させていただいているというものでございます。  それ以外につきましては、その作業が終わり次第提出させていただきたいというふうに存じております。
  276. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 私、一週間掛けてこの問題、防衛省といろいろレクを重ね、いろんな資料を出してもらった。でも、肝腎なものは出さないんですよね。  その軟弱地盤の十二月に報告された調査結果報告書、そしてそれに基づくコンサルの成果物、出してくれないんですよ。これじゃ審議できませんが、国土交通大臣、あっ、今の、今のいつ出してもらえますかね。
  277. 鈴木敦夫

    ○政府参考人(鈴木敦夫君) ただいま、ちょっと、委員の御発言からでございますけれども、私どもちょっと整理させていただきますと、最初の二十四本のボーリング調査等々につきましては出させていただきました。それについての、基づきますところの審査請求書ですとか執行停止の申立書、これについての添付書類、これについてのお話を私させていただきました。  ただ、今の、ただいまございましたように、コンサルであるとかボーリング調査という言及ございましたが、これらは新しいものでございます。十二月に受け取っているものでございますけれども、昨年のですね、これにつきましては、ただいま審査請求中ということでございますので、その観点から提出を控えさせていただいているというもので、ちょっと性格が違うものでございます。(発言する者あり)
  278. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 質問してください。ちょっと待ってください。(発言する者あり)
  279. 岩屋毅

    ○国務大臣(岩屋毅君) そうですか。いやいや。  今、局長から説明させていただいたように、既に出しておりますのは最初の二十四本の調査結果でございまして、その添付書類の中でまだ整理ができずに公開できていないものがあるということを局長から説明させていただいたわけでございます。  で、審査請求中なので出せないと申し上げましたのは最新のボーリング調査でございまして、まさに地盤の問題も審査の対象の一つになっておりますので、これについてはその公表を控えさせていただくと。  ただ、沖縄県さんが二十一日に意見書を発表して、既にそれをホームページに公表しておられます。そういう中で、私どもの国交省に出した書類の一部が既に公知のものとなりつつありますので、今お話しできるものについてはお話をさせていただいておりますけれども、全体についてはやはり審査請求の結果が出なければしっかり公表できないということでございます。
  280. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 後でちょっと、よく分かっていらっしゃらないようなので休み時間に説明させていただいて、資料を出していただきたいと思います。  委員長、よろしくお願いいたします。
  281. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) いいですよ。(発言する者あり)だって、いや、後で質問するわけでしょう、改めてね。(発言する者あり)  理事会で、じゃ協議をさせていただきます。
  282. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 国土交通大臣、まあいいや、これ、この話、またぐちゃぐちゃになるから後でします。  それで、結局、軟弱地盤の深度は何メーターだったんですか。最大深度。
  283. 岩屋毅

    ○国務大臣(岩屋毅君) 当初、最大深度は九十メートルなのではないかという見込みでしたけれども、詳しく調査した結果、七十メーターを超えた下の部分にはかなり固い粘土層があるということが確認をされましたので、最大深度七十メートルということで施工ができれば安定的な施工ができるというふうに確認をさせていただいているところであります。
  284. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 それはコンサルの成果物に書いてあるんですか、そう書いてあるんですか。
  285. 岩屋毅

    ○国務大臣(岩屋毅君) そうです。しっかりと専門家の知見を得て、また沖縄防衛局においても確認をさせていただいたところです。
  286. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 おかしいですね。衆議院では九十メーターって答弁をしているのに、認めているのに、何で訂正するんですか。  これ、出してもらわないと。だって、出してもらったものさえ改ざんされているんだから、いつも。まず出してください。予算の審議ですよ。今大臣たちが言っていることは本当なのかどうか、現物見ないと分かりません。出していただきたい。
  287. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 後刻理事会で協議をさせていただきます。
  288. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 辺野古の新基地建設ができても普天間は返ってくるわけではありません。  返還八条件とは何ですか。
  289. 岩屋毅

    ○国務大臣(岩屋毅君) 普天間飛行場の返還につきましては、平成二十五年に日米両政府で作成し公表した沖縄における在日米軍施設・区域に関する統合計画において、辺野古への移設及びこれに関連する諸条件を合わせた八項目が返還条件として示されております。これをして返還八条件と言っているところでございます。(発言する者あり)詳細が要りますか。かなり長くなりますけれども、よろしいですか。  飛行場関連施設等のキャンプ・シュワブへの移設、二番目に、航空部隊、司令部機能及び関連施設のキャンプ・シュワブへの移設、三番目に、普天間飛行場の能力の代替に関連する航空自衛隊新田原基地及び築城基地の緊急時の使用のための施設整備、そして四番目に、普天間代替施設では確保されない長い滑走路を用いた活動のための緊急時における民間施設の使用の改善、五番目に、地元住民の生活の質を損じかねない交通渋滞及び関連する諸問題の発生の回避、六番目に、隣接する水域の必要な調整の実施、七番目に、施設の完全な運用上の能力の取得、八番目に、KC130飛行隊による岩国飛行場の本拠地化でございます。
  290. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 今おっしゃっていただいた中で、これを満たす見通しがまだ立っていないものがありますよね。それだけお答えください。
  291. 岩屋毅

    ○国務大臣(岩屋毅君) おおむね八条件全てを満たせるものというふうに考えておりますが、米側との調整が必要なものは中にございます。例えば、普天間代替施設では確保されない長い滑走路を用いた活動のための緊急時における民間施設の使用の改善がそれに当たると思います。
  292. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 今の話、もう少し詳しくお願いします。  要するに、辺野古は滑走路が短いんですよ。だから、長い滑走路、普天間と同じぐらい機能を発揮するために、緊急時に長い滑走路を使わせてもらわなきゃいけないんです。それは具体的にどこですか。もうちょっと、今国民の皆さん聞いていらっしゃるんだから、もっと分かりやすく、何をしなきゃいけないのか、答えてください。
  293. 岩屋毅

    ○国務大臣(岩屋毅君) 今申し上げた普天間飛行場代替施設では確保されない長い滑走路を用いた活動のための緊急時における民間施設の使用の改善という項目につきましては、実際に緊急事態が発生した際における事態に応じた臨機の対応に関する事柄でございますので、現時点で具体的な内容を定めることは困難でございますけれども、緊急事態においては、民間航空機、自衛隊機及び米軍機による飛行場の利用ニーズが増大し、錯綜する可能性があることから、その円滑な利用調整を行うために、武力攻撃事態等における特定公共施設等の利用に関する法律など、必要な法的枠組みが既に整っておりますので、事態に応じて適切な調整を図ることが可能だと考えておりますが、それがどこに当たるかということについては現時点で決まっているわけではございません。
  294. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 その条件満たすというところが全然話が進んでいないのに、辺野古の基地だけを進めてどうするんですか。  あらかじめ許可をもらっておかなきゃいけないでしょう。それ、那覇空港じゃないんですか。
  295. 岩屋毅

    ○国務大臣(岩屋毅君) これは、先ほども申し上げましたように、事態に応じて調整をして確保をするということになるわけでございますから、どこかに決まっているということではございません。それで特段の問題は生じないというふうに思っております。
  296. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 いや、沖縄の人たちはみんな知っていますよ。那覇空港、あの滑走路を使わないと辺野古は使えないということなんですよ、できたとしてもね。  だから、非現実的な、できもしない軟弱地盤、そして返還八条件もある。これ、できないのに何か無理やり推し進めようとしている。しかも、大工事ですよ。七万七千本の砂ぐいを打ち込む。ジュゴンのすむ、そしてサンゴのすむ沖縄の海、辺野古の海。  総理、NHK「日曜討論」のサンゴの話、ここに出ている、あそこのサンゴについては、これ、移しております、あそこというのはどこですか。
  297. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) この、どこかということでございますが、埋立海域については、米軍キャンプ・シュワブの北側、これ大浦湾側ですね、と南側、辺野古側に分かれておりまして、このうち南側海域全体については、周囲の海域に影響を与えないよう、埋立海域を全て護岸で締め切った上で埋立てを進めています。  そして、サンゴに関しては、護岸で締め切ると周囲の海から切り離され、海水の出入りが止まってその生息に影響が生じるため、海域を締め切る前に南側の埋立海域全体を調査し、生息していた保護対象のサンゴは移植したと、こう聞いているところでございます。  なお、今答えた、聞いていただければ御理解いただけると、こう思いますが、これは言わば南側海域でございます。南側海域が言わばあそこということでございまして、そこはつまり、締め切っておりますので、締め切ればサンゴに大きな影響が与えられますので、締め切る前に当然動かす。そして、北側海域については締め切っておりませんので、まだそれは行われていない。  また、この移設の許可申請を出して、沖縄県に対して出しているところでございますが、まだその申請を、県より不許可となっていると、このように聞いております。
  298. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 いや、あそこのサンゴについては、これ、移しております、これ聞いた国民の皆さんは、「日曜討論」で、これ七万四千群体もあるのに全部移したんだなと思うんですよね。  で、防衛省に伺いますが、本当は県に約束した、承認を得るときに、約束した文書では工事を始める前に移植しなきゃいけないということになっていたんですけど、工事を始める前に移植しましたか。
  299. 岩屋毅

    国務大臣(岩屋毅君) 今工事を行っておりますのは、先生御承知のように、辺野古側、南側でございまして、総理から今御答弁ありましたように、そこのサンゴは移植をさせていただいております。  それから、大浦湾側には七万四千群体の移植が必要なサンゴがございますが、これは全部移植する予定で、まずは三万九千群体、沖縄県にその移植の申請を出しておりますけれども、二度にわたって断られているという状況にございます。
  300. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 いや、質問に答えてください。工事を始める前に移植しましたか。これが約束ですよ。今、肝腎なところを答えなかったじゃないですか。
  301. 岩屋毅

    ○国務大臣(岩屋毅君) 辺野古側、南側の埋立工事に着手する以前に移植を済ませております。
  302. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 いや、護岸工事とかいろんな工事、同時並行でやっているんですよ。約束が違うって県側は怒っている。これも承認取消しの理由の一つなんですよ。  それと、サンゴ移植の許可が出ていないと言っていますけど、何か今の言い方だと沖縄が意地悪しているみたいに言い方ですけど、違いますよね。なぜ許可が出ないんですか。
  303. 岩屋毅

    ○国務大臣(岩屋毅君) 沖縄県さんに聞いていただかないと分かりません。
  304. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 何を言っているんですか。なぜ許可が出ないか、防衛省はきちっと把握しているはずでしょう。
  305. 鈴木敦夫

    ○政府参考人(鈴木敦夫君) 県による埋立承認の撤回を事由としているというふうに理解してございます。
  306. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 全然今答弁違うじゃないですか。どうしたんですか。
  307. 岩屋毅

    ○国務大臣(岩屋毅君) 移植が必要な、これは防衛省が勝手に申し上げているんじゃなくて、部外の専門家による環境監視等委員会の指導、助言を踏まえて、大浦湾側には七万四千群体のサンゴ、これを移植する必要があると。それを移植する必要がないともし沖縄県さんがおっしゃっているんだったら、その理由は我々には分からないと言ったわけです。  ただ、今局長がお答えしたのは、確かに沖縄県さんは今、承認撤回をされている最中で、審査請求、私どもはそれを取り消してもらいたいという審査請求しておりますが、その審査の最中であるので認められないということなのかなと考えているところでございます。
  308. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 いや、理由分かっているはずですよ。移植先と言ったところにサンゴがあって、そこでは移植できないから、だから不許可だったんですよ。どうですか、防衛省。
  309. 鈴木敦夫

    ○政府参考人(鈴木敦夫君) 必ずしも委員の御意図を体しているかどうか分かりませんけれども、お話ございましたように、移植ですね、移植につきましては、その工事、その部分が、今回の辺野古湾側で申し上げれば、そこを閉じるわけでございます。この前に、当然、その中に生息を確認した保護対象のサンゴにつきましては移植を事前に行っているというものでございます。  それから、大浦湾側の方につきましてのサンゴ、小型サンゴにつきましても、これは工事をする前に移植する必要がございますので、二度にわたり県側にその許可を申請をしているところでございますが、先ほど申し上げたような事情によりまして、県の側からは不許可というふうになっているというのが事情でございます。(発言する者あり)
  310. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 速記止めて。    〔速記中止〕
  311. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
  312. 岩屋毅

    ○国務大臣(岩屋毅君) 先生が指摘をされた、移植をしようと思ったところに既にサンゴがあるので移植ができないから認められないというような話は、私どもは承知をしておりません。
  313. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 じゃ、続きは午後からお願いします。
  314. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。  午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時五十三分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  315. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) ただいまから予算委員会を再開いたします。  平成三十一年度総予算三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。森ゆうこ君。
  316. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 午前中の件はどうなりましたか。(発言する者あり)
  317. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) ちょっと、森さん、済みません、もう一回質問してください。お願いします。森ゆうこさん、もう一回。
  318. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 沖縄県の承認撤回、これを国土交通大臣が執行停止したときに、審査のための書類を提出しているリストをいただきましたが、その中に既に終わっている、これ二十八年三月に提出されている地質調査、この報告書が添付されておりません。  沖縄県が承認撤回を申し出た最大の理由は軟弱地盤です。当然、地質調査、もう出ているんですから、これ添付していなきゃおかしいんじゃないんですかという質問です。
  319. 鈴木敦夫

    ○政府参考人(鈴木敦夫君) 先ほど御指摘いただきまして、今、リストの中にはその件名そのものとしては出てきておりません。いろんないわゆる添付書類としての種類ごとに一覧表ございます。その中には顕示的に明らかに分かるような形でその資料は入ってございませんが、その内容等につきましてはこの中に入っているというふうに承知しておりますが、具体的にちょっと今どこに入っているかについては、今精査させていただいているというところでございます。(発言する者あり)
  320. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 鈴木整備計画局長。
  321. 鈴木敦夫

    ○政府参考人(鈴木敦夫君) 昭和、平成ですね、失礼しました、平成二十八年三月の二十四本のボーリング調査報告書につきましては、平成三十年三月に沖縄に、沖縄県に提出しております。沖縄県は、この報告書のデータを使い撤回理由を作成しております。  このようなことを踏まえ、沖縄防衛局としては、審査請求書につきましては、沖縄県に提出したボーリング調査報告書の内容を踏まえて沖縄県の主張に反論する検討結果を作成したので、証拠としては添付しておりません。執行停止申立書につきましては、地盤の話は言及してございませんので、添付してございませんというところでございます。(発言する者あり)
  322. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 森ゆうこさん、同じ質問してください。(発言する者あり)いや、質問を続行してください。森ゆうこさん、質問を続けてください。(発言する者あり)質問を続けてくださいって。いやいや、今のを指摘すればいいです。はい、どうぞ。森ゆうこさん。
  323. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 さっきの答弁と違うじゃないですか。
  324. 鈴木敦夫

    ○政府参考人(鈴木敦夫君) 私申し上げましたのは、今申し上げたとおりでございます。形式的にその二十四本のボーリング調査報告書がそれぞれの添付書類として入っているかと申し上げれば、それは入っていないということでございます。  ただ、当然その中身につきましては、特に審査請求書におきましては、地盤改良の話が撤回事由に入ってございますので、そうした要素というものが入ってございます。ただ、そこがどこに反映されているのかについては、まさに精査させていただいて御説明させていただきたいということを先ほどの答弁で申し上げた次第でございます。(発言する者あり)
  325. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) いや、また改めて質問すればいいじゃない。森ゆうこさん、質問でやってください。(発言する者あり)森ゆうこさん、続けて質問してください。疑問に思うなら質疑でしてください。
  326. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 質問したら、するたびに全然違う答えをする、大切な資料はなかなか出さない、出してきても改ざんされている、こんなのじゃ国会の議論できませんよ。  総理、総理、もし御自分がおうちを建てられるときに敷地に軟弱地盤が見付かったら、そのまま何の地盤工事も行わず、設計も変更せず、工事させますか。
  327. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 何の地盤工事もしないということではなくて、その工事をするんですよね。その方法は既に確立された方法があるということではないでしょうか。
  328. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 いや、それじゃまともな公共工事にならないじゃないですか。  国土交通大臣、執行停止処分をしたときに、最大の理由が軟弱地盤でした。ということは、今、お話ですと、添付しなかったけれども、この地質調査、軟弱地盤が指摘された、このことについては審査をされたと、そういうことでよろしいですか。
  329. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 今、委員、執行停止の理由の一つが軟弱地盤とおっしゃいましたが、恐らく埋立承認の撤回の理由の一つが軟弱地盤だということかと思いますけれども、お尋ねの執行停止の決定は、沖縄防衛局より審査請求と執行停止の申立てを受けたことから、行政不服審査法上の審査庁といたしまして、執行停止手続におきまして沖縄防衛局及び沖縄県の双方から提出された書面の内容を検討いたしまして、行政不服審査法の規定に基づき適切に対応したものであります。  ただ、その書面の中身につきましては、私ども審査庁からは説明は控えさせていただきたいと思います。
  330. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 そもそも行政不服審査法というのは国民個人ですよ。個人に成り済まして、私人に成り済まして執行停止、除外項目に入っていますよ、適用除外に。おかしいんですよ、全てがね。  とにかく、一体幾ら工事に掛かるか分からない、いつまでにできるか分からない。辺野古ができたとしても、普天間が返ってくる確証がない。今、やめるチャンスじゃないですか。一回立ち止まって考えられてはいかがですか、総理。
  331. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 誤解されているようなんですが、先ほどの八条件というお話がございましたが、当然、辺野古が完成する中において、この八条件は全て満たされるものと確信をしているところでございまして、当然、辺野古が完成し、この移駐が可能となれば、それは当然、普天間基地は全面返還されると、このように思っております。  一日も早く全面返還を実現するためにしっかりと進めていきたいと、このように考えております。
  332. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 真摯にとか沖縄の皆様に寄り添ってとか、でも、全く中身がありませんね。まあ引き続き追及したいと思いますが。  科学的特性マップ出してください。  原発のごみについて伺います。  この科学的特性マップの意味を教えてください。説明してください。
  333. 世耕弘成

    ○国務大臣(世耕弘成君) これは、特に場所を決めてというのではなくて、日本地図全体の上で最終処分に当たってどういう特性があるかということを色分けをしてお示しをした、そういう図であります。
  334. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 地図の色、どういう意味があるんですか。
  335. 村瀬佳史

    ○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。  緑色のところは、輸送面、好ましい特性が確認できる可能性が相対的に高い地域。オレンジのところは、好ましくない特性があると推定される地域でございます。シルバーのところは、好ましくない特性があると推定される地域のうち将来の掘削可能性がある観点で色分けされているものでございます。
  336. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 原発のごみの最終処分場がどこに造れるのか。黄色いところは駄目ということなんです。濃い緑のところは可能性があるという地図です。  今、ごみの現状はどうなっていますか。どんな形に、どこに、どれぐらい保管されているんでしょうか。
  337. 村瀬佳史

    ○政府参考人(村瀬佳史君) 最終処分までに、まず、使用済燃料として原子炉のプール等で保管されているものでございます。その後、六ケ所再処理工場に持ち込まれてガラス固化体ということに、最終処分される形態に処分されていくということになってございます。(発言する者あり)
  338. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 続けてどうぞ。
  339. 村瀬佳史

    ○政府参考人(村瀬佳史君) 量でございますけれども、現在、使用済燃料の管理容量でございますけれども、貯蔵量が一万八千トンウランでございます。
  340. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 資料の十二ページです。今、使用済燃料がどのようになっているのか。  貯蔵容量二万四千トンに対して一万八千トンあると。七五%、もう貯蔵容量達しているということで、ここに余裕年数というのが書いてあるんですが、余裕年数とはどういう意味ですか。
  341. 村瀬佳史

    ○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。  具体的には、電力会社などが保有しております使用済燃料のための管理容量から実際に貯蔵しております貯蔵量を除くことで空き容量といたしまして、その上で、燃料を取り替える際に、仮に全ての炉が一斉に稼働したと仮定いたしまして新たに発生する使用済燃料の量で割りまして、この量が、空き容量が何年で利用されることになるかということを機械的に試算した年数でございます。
  342. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 十三ページを御覧ください。私が作っていただいた資料ですけれども、ちなみに、我が新潟県、世界最大の柏崎刈羽原発、この余裕年数は何年ですか。
  343. 村瀬佳史

    ○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。  先ほど申し上げた機械的計算方式で計算いたしますと、柏崎刈羽原発の年数の試算は三年程度ということになります。
  344. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 再稼働するとごみは増えるんですよね。
  345. 村瀬佳史

    ○政府参考人(村瀬佳史君) 再稼働いたしますと、使用済燃料、燃やした後に使用済燃料が出てきますので、それを処理いたしますとガラス固化体が発生するという意味ではおっしゃるとおりでございます。
  346. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 今のは最終処分場も見付からないという状況もいろいろあるんですが、核燃料サイクルというのはうまく回っているんですか。
  347. 村瀬佳史

    ○政府参考人(村瀬佳史君) 現在、六ケ所で竣工に向けて作業が進めておりますけれども、いわゆる六ケ所の再処理工場につきましては、二〇二一年の上半期に向けての操業に向けて審査が進んでいるところでございます。
  348. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 核燃サイクルもちょっと行き詰まっているという中で、この最終処分場も全く見付かっていない。スウェーデンは何か結構自治体で手を挙げているところがいるらしいと。今どんなふうに最終処分場を見付けようとしているのか、また、その実施事業の状況など教えてください。
  349. 世耕弘成

    ○国務大臣(世耕弘成君) まだ今具体的にどの土地を見付けるということはやっていない。過去は各自治体が自ら手を挙げるという方式を取っていたわけですが、それを改めまして、国が前面に立ってやっていくということにしたわけであります。今その中の第一歩として科学的特性マップというのを示させていただいて、そして、その特性マップに基づいて今全国できめ細やかに説明会を実施をして、まずこの問題、最終処分という問題について国民の理解を深めていただくというステップを踏んでいるという段階であります。
  350. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 九ページと十ページに関連の資料がありますが、この十ページ、回数、開催場所は書いていただいたんですが、参加人数、どうしても答えてもらえないんですが、答えていただけます。
  351. 村瀬佳史

    ○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。  参加人数は、五十会場で合計九百九十七名、約千名でございます。
  352. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 いや、その五十会場に区分けして何人ずつという表を作ってねと言ったんですけど、なかなか答えていただけなかったと。  これぐらい答えればいいんじゃないかと思うんですけどね、大臣。何か都合悪い。
  353. 世耕弘成

    ○国務大臣(世耕弘成君) いや、都合悪くないんです。  大体平均すると一会場二十名程度、多いところで五十二名、少ないところで四名です。  これはちょっといろいろ経緯がありまして、一時期これ、我々はっきり言って失敗をいたしまして、そういう意図はなかったんだけれども、お願いをして委託をしていた業者が少し動員を掛ける、一部報酬があったというようなこともありました。  私はそのときにもう閣僚でありましたので、そうやってお金を掛けて人数たくさん集めるとか、あるいは派手派手しい行事じゃなくて普通の公民館とか会議場で手作りでやっていくべきだ、そのときに人数が少なかったとしてもそれはそれで受け止めて、さらに、どうやって募集をすればいいかやり方をもっと、例えば平日にビジネスマンが来やすいようなところでやるとかショッピングセンターでやるとか、そういう工夫を続けていくということが重要だというふうに思っています。  今はっきり言って胸が張れるような人数ではありませんけれども、これは鋭意改善をしていきたいというふうに思っています。
  354. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 原発のごみの処分、処分先がないんですよ。だから、今、統一会派を組ませていただいている国民民主党では、本当に真面目にバックエンドの話、議論していますよ。これこそが責任ある政治だと思いますけど、総理、いかがですか。
  355. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) この最終処分については、相当量の使用済燃料が既に存在をしているとともに、日本のみならず、国際社会共通の課題であります。原発の再稼働の有無にかかわらず、次の世代に先送りはしてはいけない重要な課題であり、積極的な国際協力の下に国が前面に立って取り組む考えであります。  こうした観点から、安倍内閣としては一昨年に科学的特性マップを公表したところでありますが、引き続き、広く国民の皆様の理解を得ながら一歩ずつ着実に進めてまいりたいと思います。
  356. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 原発のごみの先も決めないで再稼働しようなんて無責任じゃないですか。
  357. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今申し上げたことと併せて申し上げれば、現在多くの原発が停止する中で、震災前に比べて一般家庭で平均一六%電気代が上昇し、国民の皆様に経済的に大きな御負担をいただいている現実があります。資源に乏しい我が国にとって、こうした経済的なコストに加え、気候変動問題への対応あるいはエネルギーの海外依存度を考えれば、原発ゼロということは責任あるエネルギー政策とは言えないと考えております。  こうした中で、高い独立性を有する原子力規制委員会が科学的、技術的に審査し、世界で最も厳しいレベルの新規制基準に適合すると認めた原発のみ、その判断を尊重し、地元の理解を得ながら再稼働を進めていくというのが政府の方針でございます。  いずれにせよ、徹底した省エネ、再エネの最大限の導入に取り組み、原発依存度を可能な限り低減をしていくということが安倍内閣の一貫した方針でございます。
  358. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 よく分かりました。ごみの捨て場所も確保できないのに進めていくということがよく分かりました。  重要なベースロード電源として相変わらず原発を位置付けるということは、野党のどの党もそれには反対であるというふうに私は理解しておりますけれども、二〇三〇年のエネルギーの割合ですね、原発比率二〇から二二を実現すると基本計画には書いてあるわけですけれども。  次の資料、十四ページ。そうすると、試算していただきました、二〇三〇年四月一日、これについて御説明ください。
  359. 村瀬佳史

    ○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。  御指摘いただいたとおり計算してございまして、仮に四十年以下のものが全て動いていたものが上でございまして、さらに加えて、既に動いているものを加えたものが下の数字になるわけでございます。
  360. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 いや、パネルにしていないので、数字読み上げてください。
  361. 村瀬佳史

    ○政府参考人(村瀬佳史君) 上の数字が一七%、下の数字が一九%になります。
  362. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 いや、二〇から二二に足らないんですけれども。ということは、新設、増設を考えているということですか。
  363. 世耕弘成

    ○国務大臣(世耕弘成君) この二〇三〇年のエネルギーミックスというのは、基本的に、どの原発を動かしてどうなるからというのを積み上げてつくった数字じゃないんですね。あくまでも日本のエネルギー政策全体を見て、電力を安定確保して、そして自給率を高めて、CO2を抑えて、そして電気料金をできる限り低く抑える、そういう中で出てきたバランスが二〇から二二%ということになります。現時点では、この新設、リプレースというのは、これは全く想定をしておりません。  先ほどの数字は森議員から御要望いただいた前提を置いて計算をさせていただいていますけれども、我々は余りミクロから積み上げたわけではないので余りこの議論はしたくないんですけれども、例えばですね、例えば、今廃炉はしないという方向で各電力事業者が取り組んでいる原発が原子力規制委員会の審査を経て再稼働し、かつ、稼働率ですね、一基当たりの稼働率、これ震災前七割でありましたけれども、今、最近稼働している原発では大体八割を稼働率超えてきていますので、例えば八割程度まで稼働率が向上すると前提をして、そして一部の炉については法令で認められた四十年を超える運転期間延長を行う。これも当然、規制委員会のオーケーをもらうということが大前提になりますけれども、そういったことを前提にして計算をすれば達成可能な水準だというふうに考えております。
  364. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 どっちなんですか。一つ一つ積み上げて計算したということじゃないんですか。ただし、寿命を延ばすと、四十年じゃなく六十年にすると、そう言えばいいじゃないですか。
  365. 世耕弘成

    ○国務大臣(世耕弘成君) ですので、これは積み上げてつくった数字ではない、二〇から二二というのはですね。ただ、議員の御指摘でもありますから、それが本当に裏打ちのある数字なのかどうかということで、可能性として、今申し上げた前提条件を足し込めば二〇%から二二%、二〇三〇年は達成可能であるということを申し上げているわけであります。  二〇から二二というのはあくまでもマクロでつくった数字でありまして、ミクロで、この原発を再稼働させてということは前提にしていませんが、どうしてもその二〇から二二が実現可能性があるのかと聞かれるわけですから、それに対して、今申し上げた前提、すなわち原子力規制委員会の審査を経て既存の原発が再稼働して、稼働率が七割が直近の現状も踏まえて八割程度まで向上して、そして一部の炉については法令で認められた四十年を超える運転期間延長を規制委員会の審査をしっかりとパスをした上で行うことを前提とすれば、達成可能であるということを申し上げているんです。
  366. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 まあ何だかよく分からないですね、この二〇の二二というのも。全然責任のある数字じゃないということですよね。  原発、これだけ大きな事故を起こして、野党は真剣にバックエンドまで考えていますよ。その上で原発に頼らない未来を目指すというふうに頑張っているわけですよ。皆さん、安倍内閣、一体何年続いているんですか。  それで、私たち新潟県では、去年、残念ながら我々の候補は惜敗しました。投票日の当日、私は、新聞を開けてこの一面広告を見たときには、ああ、負けたと思いました。自民党が応援する候補、脱原発の社会を目指します。いいんですか、総理。
  367. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 自民党が推薦をしている候補でございますが、まさに地方分権でございますから、新たに市長として就任してその認識の下に進めてもらいたいと思いますが、我々の政策も、できる限り……(発言する者あり)えっ、市長……(発言する者あり)両方あったんで、ちょっと済みません。(発言する者あり)えっ、市長、市長でしょう。(発言する者あり)市でしょう。(発言する者あり)あっ、首長のですね、はい。  ということなんですが、そこで、可能な限り原発依存度は我々下げていく、低下させていくというのが安倍政権の方針でもあるということは申し添えておきたいと思います。
  368. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 TPPのときと一緒ですね。TPP断固反対、うそつかない自民党。今年夏、参議院選挙がありますが、私は、自民党の候補は脱原発なんて言葉、使ってもらいたくありません。答えはいいです。  次、違法ダウンロードの問題を、著作権法改正の質問をいたします。  大臣、今回、著作権法改正の目的をお話しください。そして、今の法案の状況も教えてください。
  369. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) 現在、著作権改正法案は、閣議決定を目指して検討中の段階でございます。  そして、その目的ですけれども、インターネット上における著作権侵害が深刻化している現状を踏まえて、海賊版被害の拡大を防止するための措置等を講ずることを目的としております。
  370. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 今、法案の状況、どうなっていますか。
  371. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) 一番最初に申し上げたとおり、閣議決定を目指して現在法案審査中、与党における法案審査のプロセスにあります。
  372. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 平成二十四年の改正、音楽、映像のダウンロードの違法化、そして突然出てきた刑事罰化、この効果についてはどうですか。
  373. 中岡司

    ○政府参考人(中岡司君) お答えいたします。  御指摘の平成二十四年の改正におけます音楽、映像分野のダウンロードの刑事罰化の効果につきましては、法施行から一年後に文化庁委託事業として調査研究を行っております。その中では、平成二十四年十月一日の法施行を契機といたしまして、ファイル共有ソフトにおいて流通する有償著作物等と考えられます音楽、映像ファイル数が大幅に減少し、その後も効果が維持されていることや、アンケート調査の結果、ファイル共有ソフトからのダウンロードにつきまして、ユーザーの約七割程度がダウンロードを控えるようになったということなど、一定の抑止効果が見られたことが確認されたところでございます。
  374. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 その調査は一年しかやっていないんですよね。  それで、摘発はあったんですか。
  375. 白川靖浩

    ○政府参考人(白川靖浩君) お答えいたします。  これまでのところ、警察において、違法な音楽や映像のダウンロードした者について著作権法違反で検挙した事例は承知しておりません。
  376. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 摘発の実態はないということで、私も刑事罰化に反対して、何というのかな、恣意的に捜査が行われないように大分訴えた経緯がございます。  ただし、今回、ネットで話題になっていますスクショ、スクショも違法になるのか。そのケーススタディーとして、私もスクショをしたものを、スクリーンショットしたものを資料としてパネルにいたしましたが、これ、ケーススタディーとしてお答えください。改正案において、この提出資料は違法か否か。
  377. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) 結論からいうと、違法ではありません。  まず、今回のダウンロードも、前回と同様に、当該ソフトあるいは画像等が違法にアップロードされたという確定的な認識が必要となっております。そしてまた、これ、私的使用の目的でダウンロード、これには御指摘のとおりスクリーンショットも含まれますけれども、今回、パネルを作成するためにそのような行為を行っていただいたということで、今回、これは私的使用の目的とは判断されず、そもそも今回の議論とは直接関係しないというように考えております。
  378. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 いや、でも、このパネルを私が、私が一般人で、何か講演会とか勉強会でお金を取って、そしてその資料として使ったらどうなりますか。
  379. 中岡司

    ○政府参考人(中岡司君) お答え申し上げます。  先ほども大臣の方から御答弁いただきましたが、パネルを作成をしたり講演会で使用するために著作物をダウンロードするということでございますが、これは私的利用ではなくて、そういうふうに使用されているということでございますので、有償、無償を問わず私的使用の目的とは判断されませんで、今回のダウンロード違法化の議論とは直接関係しておりませんので、基本的には承諾を取っていただくということでございます。
  380. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 承諾、誰に取ればいいんでしょうか。私は、ただ、違法ダウンロードと検索して、画像検索して、ヒットしたやつをスクショしてこういうパネルにしたんですよ。誰に確認すればいいんですか。
  381. 中岡司

    ○政府参考人(中岡司君) お答え申し上げます。  基本的に、そういう著作権者が分かっている場合ということでございますけれども、そういうものでないものにつきましては特段そういう処理は必要ないというふうに考えております。
  382. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) 今委員が質問された行為はちょっと二つありまして、ダウンロードをする行為とその取得した資料を用いて何かをするというこの二つの側面があります。  今我々がダウンロードについて処罰を検討しているというのは、まさにその前段のダウンロードをする行為そのものを、どういう要件があるときに処罰に、あるいは民事的な違法性を帯びるかということを議論させていただいたもので、今おっしゃった、対価を取って何かに使うというのはその次の段階のことですので、その次の段階のことは今回のダウンロードのまた枠外の別の規制のことだということであります。  あくまでもダウンロードそのものは私的使用の目的と判断されなければ違法とはならないと、そういうことでございます。
  383. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 なかなか難しいところなんですけど。  それで、つまり、違法であることを知っているというのは、これどういうふうに定義するんですか。違法であることを知っているというのは、どうやって捜査、あるいは裁判のときにどのように扱われるんですか。
  384. 中岡司

    ○政府参考人(中岡司君) お答え申し上げます。  違法ダウンロードを、いわゆる違法にアップロードされた著作物であることを知っているかどうかということでございますけれども、その知っているということにつきましては、基本的には権利者の方でそれを証明をしていくということになります。
  385. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 でも、この間の刑事罰化は摘発がないという中で、裁判にまだ使われたことがないわけですよね。この違法であることを知っているというのが裁判の中でどういうふうに使われるのかとか、これちょっと分からない部分がたくさんあると思います。  そして、海賊版対策ということで始まったやつなんですけれども、その被害者である漫画家、その著作権者から、今回の改正についてはもう大反対の声が私のところへ、皆さんのところにも来ているでしょうか、寄せられているんですけど、一体どうしてこんなことになっちゃったんでしょうか。
  386. 中岡司

    ○政府参考人(中岡司君) お答え申し上げます。  先ほど来大臣の方からも答弁いたしましたけれども、まだ法案は現在検討中でございます。法案の中身といたしましては、審議会の審議を踏まえまして現在作成をしておるわけでございますけれども、ダウンロードをされたいわゆる利用者の方々が過度に心配されませんように、私どもといたしましては、そういった主観要件につきまして厳格に限定をするだとか、様々な工夫をして検討しているというところでございます。  そういったところにつきまして、丁寧に今後御説明をさせていただいて御理解を得ていきたいというふうに考えております。
  387. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 その審議会の中でこういう案を取りまとめる間に、ステークホルダー、その関係者、当事者からの意見集約が足りなかったんじゃないか、僅か二か月でこの審議会通っちゃってということに対しても不信感が募っております。  国家公安委員長、これで海賊版を取り締まれるんでしょうか、この今、改正案で。
  388. 山本順三

    ○国務大臣(山本順三君) 警察におきましては、関係機関等と連携しながら著作権侵害事犯の取締りに努めており、平成二十九年中、海賊版事犯を含む著作権侵害事犯を百七十二件検挙をいたしておるところでございます。  今後とも、国内、国外併せて、こういった対応についてより取組を強力に推し進めていくように警察としては対応していきたいと思っております。
  389. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 いろいろ意見交換していても、肝腎の海賊版サイトを取り締まることにはなかなかつながらない。それでいて、一般国民、高校生も含め子供たちも含め、ネットを使わない人たちが中心なのかよく分からないけど、とにかく広く犯罪者と網を掛けてしまうということは私は極めて問題だと思うので、与党の皆さん、しっかりと与党審議していただきたいというふうにお願いしておきたいと思います。与党の皆さんにお願いしておきます。  それでは、森友の問題に移ります。  明日、あさってか、籠池理事長の初公判があるということなんですが、総理の受け止めをお願いいたします。
  390. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) そもそも、そのことを私、存じ上げておりませんし、特定の事件についてコメントすることは差し控えたいと思います。
  391. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 かつてはすばらしい教育者だと、奥様も名誉校長をされていた学園の理事長ですけどね。  それで、財務省にお聞きします。  国有地払下げにおける鑑定評価書の位置付け、教えてください。
  392. 可部哲生

    ○政府参考人(可部哲生君) お答えいたします。  国有財産の処分に当たりましては、鑑定評価書等に基づいて適正な価格で処分をするという方針でございます。
  393. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 国交省には、鑑定評価書の信頼性について御説明ください。
  394. 野村正史

    ○政府参考人(野村正史君) お答えいたします。  不動産鑑定評価に関しましては、不動産鑑定評価に関する法律というのがございます。そこで、例えば不動産鑑定評価に当たっては不動産評価基準によるべし等々の定めがございます。これらに基づいて不動産鑑定士は評価を行うということとされております。
  395. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 財務省にもう一回お聞きしますが、国有地を払い下げるときには鑑定評価をしなければいけませんよね。
  396. 可部哲生

    ○政府参考人(可部哲生君) 鑑定評価を要しないような軽微な事案もございますけれども、原則として、鑑定評価を取って適正な価格で処分をすることといたしております。
  397. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 資料十六ページ、御覧ください。森友学園に売却した土地の鑑定評価額の変遷をまとめました。  別の学校法人、九億三百万円でした、平成二十四年七月十二日。これ、法人は七億で買いたいと言っていたらしいんですが、何で駄目になっちゃったんですか。
  398. 可部哲生

    ○政府参考人(可部哲生君) 御指摘のとおり、当時、別の学校法人がこの本件土地を購入したいという御要望はございまして、鑑定評価を行いましたところ、その鑑定評価額は当時、平成二十四年でございますけれども、認識されておりました地下埋設物の撤去費用などを踏まえて九億三百万円とされておりまして、それを買わないという判断をされたのはその別の学校法人の経営判断であると思います。
  399. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 いや、もうちょっと正確に言ってください。予定価格に達しなかったからじゃないんですか。
  400. 可部哲生

    ○政府参考人(可部哲生君) 今委員が御指摘にございました予定価格に達しなかったということでございますが、この九億三百万円という価格においては、先方の別の学校法人が購入をしなかったということでございます。(発言する者あり)
  401. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  402. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
  403. 可部哲生

    ○政府参考人(可部哲生君) ただいま委員お尋ねがございました経緯でございますけれども、取下げの経緯といたしましては経済的な状況変化による経営判断であったというふうに伺っております。
  404. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 この九億三百万円のときのごみの価格は幾らでしたか。
  405. 可部哲生

    ○政府参考人(可部哲生君) 約八千四百万円でございました。
  406. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 あれ、ごみの値段は八億じゃなかったんですか。
  407. 可部哲生

    ○政府参考人(可部哲生君) ただいま委員から言及がございました八億円余りというのは、その後の森友学園に対する国有地売却において計算された価格でございます。  この鑑定につきましては、ただいま冒頭ございました別の学校法人が購入をされなかった、その後に、平成二十五年四月、大阪航空局から処分依頼がございまして、それについての取得要望を受け付けた結果、森友学園から取得の要望がございました。  ここで有償貸付契約を締結をいたしまして、その後、開校に向けて小学校の建設工事を進める中で新たな、従来認識されておりませんでした地下埋設物が発見されたことから、その地下埋設物の撤去処分費用の見積りを航空局に依頼をいたしまして、その撤去費用が八億二千万円であったと、当時、鑑定評価額九億五千六百万円からこの八億二千万円を差し引いた一億三千四百万円で売却をしたと、こういうことでございます。
  408. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 その八千万円のごみの値段が八億になった、その根拠としたものは何でしたっけ。
  409. 可部哲生

    ○政府参考人(可部哲生君) 一回目の鑑定のときの埋設物の処理費用、これは平成二十二年の地下埋設物調査などのみに基づいて当時の鑑定士の方が独自に試算をされたものでございます。  それに対しまして、ただいま申し上げましたように、森友学園における地下埋設物の撤去費用の算出が行われましたのは、翌年に開校することを予定して小学校の建設工事を進める中で、従来認識していなかった地下埋設物が発見された。その地下埋設物の撤去処分費用を改めて見積もったということで、八億二千万円ということでございました。  さらに加えまして、当時、相手方からの損害賠償請求のおそれがあるなど切迫した状況の中で、将来にわたって一切の国の責任を免除するよう瑕疵担保責任を免除する特約条項を付すということも併せて行った中で、八億二千万円であったということでございます。
  410. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 その八億のごみの根拠となる証拠物件としてこの予算委員会に提出されたのが今私が持っております写真集ですけど、これは、辰巳孝太郎先生がデジタルフォレンジックを使って、これおかしいじゃないかと、写真使い回していないか、おかしいねという指摘をしてきて、とうとう認めたんですよね。
  411. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 本年の一月三十一日に設計業者から、本件土地に関して大阪航空局から行っていた問合せについての回答書を受領しております。  御指摘の試掘報告書につきましては、従来から本委員会におきましても、工事写真ナンバー七とナンバー十、ナンバー十一が同じ試掘穴の工事写真ではないかという指摘をいただいておりました。  試掘報告書において、工事写真のナンバー七というのは試掘穴の3番、工事写真のナンバー十とナンバー十一は試掘穴の4番を写した写真であるとされておりますけれども、今般の回答書におきまして、これら三枚の写真について、同一の試掘穴の写真と思われますと、写真の引用を誤ってしまい御迷惑をお掛けしたと思っておりますなどと説明をされております。  ただし、この回答書では、試掘穴3番と試掘穴4番の写真の選定は間違えたものの、試掘穴3番と試掘穴4番の掘削深度やごみの層を記載した説明内容については誤りはないとされております。  いずれにいたしましても、平成二十八年当時、地下埋設物の撤去処分費用の見積りに用いるために設計業者から入手した資料の一部に誤りがあったことは遺憾であると考えております。
  412. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 でたらめじゃないですか。そんなでたらめな資料が証拠となって八億円引かれたんですよ。おかしいでしょう。  この問題、引き続き辰巳孝太郎先生がおやりになると思いますが、私は、衆議院の宮本岳志衆議院議員にお願いしまして、先生が入手されたすごい資料をいただいて、実はこれ、九億五千六百万円の鑑定価格から、売り払った後、二か月後に十三億になっているんですね、十三億に。  それで、次のページ御覧ください。十三億で鑑定してもらって、何したか。お金を借りました。R銀行です、R銀行。この森友の審議のときも何か出てきましたね、R銀行。これ、質権設定承認申請書、右側には大阪航空局長の判こがばあんと押してあります。つまり、承認したということですよね。  これは何ですか。左の金額見てください。一千万円のお金が借りられるという承認書ですよ。ということで、あっ、十億、ごめんなさい、十億、ごめんなさい、十億のお金が借りられるという、それの承認をしているわけですよね。これについて御説明ください。
  413. 蝦名邦晴

    ○政府参考人(蝦名邦晴君) お答え申し上げます。  ただいま御指摘の質権についてでございますけれども、本件土地に設定されたわけではございませんので、第三者が行った本件土地の価格の評価とは関係がございません。  その上で、質権設定承認について御説明を申し上げますと、御指摘の質権は、森友学園が金融機関から借り入れた借入金債務等を担保するために、売買代金返還請求権という森友学園が国に対して有していた債権に対しまして、森友学園と金融機関との間で設定されたものでございます。  この売買代金返還請求権は、国が売買契約の解除等をした場合に、森友学園が国に対してそれまで支払っていた売買代金の返還を請求できるという内容の債権でございます。この売買代金返還請求権に質権が設定された場合、国の側から見ますと返還金を支払う相手方が森友学園から金融機関に変わることになりますので、この弁済先の変更の承認を行ったものでございます。  このように、大阪航空局は、売買代金返還請求権の弁済先が変更されることを承認したものでございまして、森友学園が金融機関から借入れを行うことを承認したわけではないということを御理解賜れればと思います。
  414. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 いや、でも、これ、この土地を担保に、あるいはそこに上物もありますけれども、十億借りれる、そこに局長の判こが押してある。二か月前にはただ同然で払い受けた土地を、でも、ごみも撤去していないって話ですよね、口裏合わせしていて。それなのに何で十億も借りれるんですか、おかしいなというふうに思いますが、ちょっと鑑定書に戻らせてください。  財務省は、森友への売払い価格はどのように決まったのかということで、鑑定評価額そして参考価格を基に決めたんでしょうか。
  415. 可部哲生

    ○政府参考人(可部哲生君) 先ほど御答弁申し上げましたように、九億五千六百万円の鑑定評価額、そこから大阪航空局の方で積算をいたしました埋設物撤去費用を控除して一億三千四百万円で売却したということでございます。
  416. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 いや、そうじゃない。売払い価格を決めたのは鑑定評価書が出てからなんですか。
  417. 可部哲生

    ○政府参考人(可部哲生君) 御指摘のとおりです。
  418. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 今の説明、うそじゃないですか。  会計検査院、そうですか。鑑定評価書が出てから財務省は値段決めたんでしたっけ。報告書の八十三ページの上の方ですね、どうなっています。
  419. 森裕

    ○説明員(森裕君) お答えいたします。  近畿財務局から鑑定評価業務の委託を受けた不動産鑑定業者の不動産鑑定士は、本件土地の正常価格九億五千六百万を鑑定評価額としておりました。この正常価格というのは、市場性を有する不動産について、現実の社会経済情勢の下で合理的と考えられる条件を満たす市場で形成されるであろう市場価値を表示する適正な価格をいうものでございます。  一方、この鑑定評価書に付記されておりました意見価額、これが、予定価格でございますが、これにつきましては、不動産鑑定士は、近畿財務局から仕様書で示された地下埋設物撤去・処分概算額を所与の条件として地下埋設物の撤去工事を行った場合の目安であるとしております。そして、参考事項として記載された意見価額は、鑑定評価額とは異なるものであり、鑑定評価額を定める場合のように中立性や信頼性の水準を確保することを求められるようなものではないと承知しております。  そして、近畿財務局において、鑑定評価額と大きく異なる額を予定価格として決定していたのに、国有財産評価基準に定められている評価調書の作成を失念し、評定価格を定めておらず、評価内容が明らかになっていないということで、評価事務の適正を欠いていると認められたということでございます。
  420. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 じゃ、ちょっと分けて聞きましょう。  財務省、鑑定評価書、山本鑑定と言われるんですが、この鑑定評価書が提出されたのは何月何日でしたか。二十八年ですけどね。
  421. 可部哲生

    ○政府参考人(可部哲生君) 平成二十八年五月三十日でございます。
  422. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 いや、財務省からいただいた資料で作ったんですけど、三十日ですか。三十一じゃないんですか。
  423. 可部哲生

    ○政府参考人(可部哲生君) 大変失礼いたしました。五月三十一日でございます。
  424. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 この金額で、つまり九億五千六百万円、そして意見価格が一億三千四百万円ということを審査を了承したのはいつですか。審査調書を作ったのはいつですか。
  425. 可部哲生

    ○政府参考人(可部哲生君) 正確な日付はただいま手元にございませんけれども、六月の初めに予定価格を設定いたしております。
  426. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 私は審査調書のことを聞いています。何月何日ですか。
  427. 可部哲生

    ○政府参考人(可部哲生君) 大変恐縮ですが、手元に審査調書がないものですから、後刻調べて御報告を申し上げます。
  428. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 時間取らないでください。  会計検査院の八十三ページですけれども、先ほどの価格、これは二十八年五月二十四日に審査調書を作成していたが、予定価格の決定を担当する統括国有財産管理官は、評価調書の作成を失念したとしていて、評定価格を定めないまま、五月三十一日に一億三千四百万円を予定価格として決定していた。つまり、鑑定評価書が提出される前に近畿財務局の中でこの価格を設定し、そして予定価格として決めたということなんですよ。鑑定評価額を基になんか全然決めていないじゃないですか。勝手に決めて、森友が買えるお金で決めたということじゃないですか、これ。改めて読んで気が付いたんですよ。(発言する者あり)
  429. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) ちょっと質疑の内容をもう一回説明、よく、詳しく。(発言する者あり)いや、もう一回質疑してください。(発言する者あり)お願いします。質疑をもう一回やってください。分かりにくかったそうですから。
  430. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 鑑定評価書が提出される前に売払い価格決めたんでしょう。
  431. 可部哲生

    ○政府参考人(可部哲生君) 先ほど申し述べましたように、鑑定評価書で鑑定評価額をいただき、そこから廃棄物の処理費用を控除いたしまして予定価格を決定いたしました。
  432. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 会計検査院の見解はどうですか。
  433. 森裕

    ○説明員(森裕君) 先ほど先生からお話のありました検査院の報告書の八十三ページで、二十八年五月二十四日に審査調書を作成していたが、予定価格の決定を担当する統括国有財産管理官は、評価調書の作成を失念したとしていて、評定価格を定めないまま、五月三十一日に一億三千四百万円を予定価格として決定したとしております。
  434. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 私の言った方が正しいじゃないですか。何で財務省の説明が違うんでしょうか。財務大臣、財務省、どっち。
  435. 可部哲生

    ○政府参考人(可部哲生君) 予定価格を決定するには鑑定評価額が前提として必要でございますので、鑑定評価額を確定的にいただいて、それから埋設物の処理費用を控除して予定価格を決定をさせていただきました。
  436. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 いや、事前に鑑定士と打ち合わせしたことないと前言っていたんですよ。その話も違うし……(発言する者あり)いや、財務省がそう言っていたのにその話も違うし、さっき、何か五月、六月五日、何日かと言ったけど、それも違うし、鑑定評価書が提出される前に勝手に予定価格を決めていたというのは、これは、総理、ファクトですからね。また引き続き森友の問題をやりたいと思います。  最後に、アベノミクスについて聞きたいと思いますが、先ほど櫻井さんからもお話がありましたけど、日銀総裁、物価上昇二%の目標が達成できなかったのはなぜですか。
  437. 黒田東彦

    ○参考人(黒田東彦君) 二〇一三年以降これまでに、二%の物価安定の目標は実現できておりません。  その背景としては、まず、二〇一四年以降の原油価格の大幅な下落などによって実際の物価上昇率が低下し、人々の予想物価上昇率が下押しされたことが大きな理由と考えております。また、長期にわたる低成長やデフレの経験などから、賃金、物価が上がりにくいことを前提とした考え方や慣行が根強く残る下で、企業の慎重な価格設定スタンスが明確に転換をするに至っていないということも影響していると思います。加えて、これも先ほど来申し上げていますとおり、企業の生産性向上余地の大きさや近年の技術進歩なども最近の物価の上がりにくさにつながっているというふうに認識をいたしております。
  438. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 異次元の金融緩和って一、二年だと思いましたよね、そう宣言されましたし。  弊害はどこに現れているんですか。グラフ見てください。いつまで続けるんですか。
  439. 黒田東彦

    ○参考人(黒田東彦君) この大幅な金融緩和という結果として、日本経済はデフレでない状況になりましたし、企業の収益も極めて高い水準にあり、雇用もほぼ完全雇用といった状況にあることは御承知のとおりであります。  その下で、こうした強力な金融緩和によるいわゆる副作用というものについては、二つよく挙げられます。一つは国債市場における市場機能の低下、もう一つは金融仲介機能の低下であります。  このうち、市場機能の低下については、確かに大規模な国債買入れに伴って金利形成が硬直化するという問題がありました。そこで、昨年七月、市場金融、金融市場の調節あるいは資産買入れをより弾力化していくということを決定いたしまして、その後の国債の値動きなどを踏まえますと、こうした措置は市場の機能度の改善を図るという点でおおむね所期の成果を上げていると認識しております。  また、金融仲介機能という点では、確かに低金利環境や金融機関の間の厳しい競争環境が続く下で、金融機関収益の下押しが長期化するという懸念がございます。その結果として、金融仲介が停滞方向に向かうリスク、あるいは金融システムが不安定化するリスクがあるというふうに認識しておりまして、現時点では金融機関が充実した資本基盤を備えていることなどからこうしたリスクは大きくないと思いますが、確かに先行きの動向には十分注意していく必要があるというふうに考えております。
  440. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 いや、地銀リスク大変だと思いますけど、どうですか。
  441. 黒田東彦

    ○参考人(黒田東彦君) 御指摘のとおり、地域銀行の基礎的収益力というものが、人口あるいは企業の減少などに加えまして、低金利環境が長期化して趨勢的に低下していると。ただ、そうした中でも、先ほど申し上げたように、現状、地域銀行は十分な資産と資本と流動性を備えておりまして、銀行貸出しなどの金融仲介活動に引き続き積極的に取り組んでおります。  ただ、これも先ほど申し上げたとおり、確かに今後も地域の人口減少などの構造要因が地域銀行の収益力の押し下げ要因として継続的に働くと見込まれますので、これによって将来的に金融機関の資本基盤やリスクテーク能力が制約を受けて金融仲介機能に悪影響を及ぼすことがないか、しっかりと点検していくことが必要というふうに思っております。  金融政策の運営に当たりましても、物価安定の目標の実現になお時間を要すると見込まれる中で、現在の強力な金融緩和を粘り強く続けていくことが必要だと考えておりまして、日本銀行としては、今後とも、金融政策運営の観点から重視すべきリスクの点検、御指摘の点も含めて、それを行うとともに、経済、物価、それから金融情勢を踏まえながら適切な政策運営に努めてまいる所存であります。
  442. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 いや、バランスシートひどいんじゃないですか、大丈夫ですか。アベノミクス失敗だったんじゃないんですか、総理。
  443. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 金融政策については、日本銀行の黒田総裁の手腕を信頼をしておりますので、具体的な政策についてはお任せをしているところでございます。  しかし、この大胆な金融政策を行わなければデフレが続いていたと思います、今でも、今でもね。そうするとどういう状況が起こっているかといえば、デフレの長期化によって賃金が上がらない。そして、就職状況どうですか。我々が政権取る前、大胆な金融緩和やる前、デフレ経済、デフレ不況の中で正規雇用五十万人を奪われていたんですよ。それ、今逆に正規雇用百三十万人増えているじゃないですか。そして、昨年十二月一日時点で、十二月一日時点において大学生の就職内定率は過去最高となっている、こういう実績を上げているんです。  確かに、二%の物価安定目標には届いていないのは事実であります。でも、大切なのは、政治の場において大切なのは、働きたい人が働ける状況をつくっていく、つまり雇用なんですよ、雇用。金融政策によってしっかりと雇用を改善できるというのが私たちの考え方であります。事実そうなっているということは申し上げておきたいと、こう思っておりますし、デフレではないという状況をつくったことによって、前回の、前回の景気回復局面においては、これは過去最長だった、前回の最長期間は名目GDPは二・五%しか成長していませんが、この六年間では一一%以上、言わば四倍以上成長しているわけでございます。  そういう意味においては、しっかりとアベノミクスの政策の効果は出ている、日本銀行の金融緩和における政策効果も出ているということは申し上げておきたいと、このように思います。
  444. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 開き直らないでください。  見てください、この日銀のバランスシート。こんなの短期間でやるべきことだったわけでしょう。失敗したんですよ。その理由は消費税増税ですよ、一目瞭然です。国民の生活良くなっていない。だから、消費税、考え直すべきですよ、やめた方がいいですよ、消費税増税は、やるべきじゃない。人々の暮らしは全然良くなっていませんから、全然良くなっていませんから。どうですか。やめてください。総理、総理、答弁してください。今は私のまだ時間の範囲ですよ。
  445. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 時間が来ております。
  446. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) お出しになっている図であります消費支出の推移でありますけれど、これ、二〇一六年後半以降はプラスで推移をしております。そして、消費税の引上げ、これは財政再建をしっかりと進める、さらには教育の無償化を始めとする人づくり革命を進める、そして社会保障の充実、このために不可欠なものだと思っております。  もちろん、しっかりした対策を取ることによりまして、引上げに伴う影響、これもしっかり乗り越えていきたいと思っております。
  447. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 以上で森ゆうこ君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  448. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 次に、有村治子君の質疑を行います。有村治子君。
  449. 有村治子

    ○有村治子君 自由民主党の有村治子です。どうぞよろしくお願いいたします。  これは、平成の改元時に、すなわち昭和六十四年の一月七日に、当時の竹下内閣、小渕官房長官が、あしたから平成という時代になりますというふうに記者会見をされたとき使われたその現物の複写でございます。(資料提示)  現在、この複写は、国立公文書館で発行されている公文書館でしか買えない土産物として大変人気があります。内平らかに外成る、地平らかに天成ると。まさに国内外、天地共に幸せな平和な時代が達成されますようにと国民の理想が込められた元号でございます。私たち、一万一千七十日を平成という日々を重ねたことになります。  この元号にまで込められた平和というかけがえのない価値、平和とは一体どういう状況を指すのか、あるいは、平和をつくり固め成すということは、私たちがどういう行動をすべきなのかということを考えたとき、平和というのは、単にミサイルが飛んでこないというだけではなくて、虐待やいじめで子供たちが自殺することのないような、かけがえのない命を守り続けることも、これも平和の具体的実践だと思うようになってきました。  昨日はひな祭りであります。本来であれば、五歳の結愛ちゃんや十歳の心愛ちゃんが、三月三日のひな祭り、五月五日のこどもの日、祝ってもらえるようなかけがえのない命であったはずであります。同じ年頃の子供を持つ親としても、結愛ちゃんや十歳の心愛ちゃんが自らの親によって、虐待をすることによって命を落とした、また、このお二人だけではなく、日々、毎日のようにこの虐待事案が新聞に載るようになりました。本当に私自身も親の一人として心がかき乱されます。  現在、自由民主党では、児童虐待のこの対策のために、政府と一丸になって提出法案の中に何を書き込むべきか、特にしつけという名の下で体罰が行われている、そしてそれは虐待に直結するようなときが少なくないということが焦点になっております。自民党内での勉強会を加速させて、私たちのこのオレンジリボンをしっかりと国民共有の運動にしていきたい。その前線に、自由民主党、立っていきたいという決意を持っております。  もしかして虐待かなと思われた方は、是非、全国で共通ナンバーであります、いちはやく、一八九、これは最寄りの児童相談所に届く全国共通のダイヤルでございます。皆様とともにこの一八九をしっかりと広げて、子供たちの命を守れる平和な日本を打ち立てていきたいと思います。  それでは、質問に入らせていただきたいと思います。  元号についてです。平成も残すところあと二か月となりました。間もなく新しい元号が発表されます。御即位を、三十年を迎えられた今上陛下は四月三十日に御譲位をあそばされ、法律用語で言えば退位でございますが、五月一日には皇太子殿下が神武天皇から数えて第百二十六代の皇位を継承されることになります。  そこで、官房長官にお伺いします。  この元号の歴史についてお尋ねします。元号はいつから始まり、どのくらいの歴史があるのか、平成の元号というのは幾つ目の元号になるのか、また元号の意義について、日本政府の御見解をお聞かせください。
  450. 菅義偉

    ○国務大臣(菅義偉君) 我が国における公式の元号は、いわゆる大化の改新に当たって大化の元号を立てたことに始まると考えられ、現在の平成まで二百四十七の元号が用いられております。  我が国の元号は千四百年の歴史を有しており、単に年を表示する手段としてだけでなく、長い歴史の中で日本人の心情に溶け込み、日本国民の心理的一体感の支えにもなっていると考えられます。  今後とも、元号が広く国民に受け入れられ、日本人の生活の中に深く根差していくことを心から願う次第であります。
  451. 有村治子

    ○有村治子君 大化の改新の大化以来、二百四十七の元号があり、千四百年の歴史があるとお答えをいただきました。  国民の理想を込めた漢字二文字と天皇陛下の御即位から何年という数え方をする元号は、世界広しといえでも、今の時代、使っているのは日本だけでございます。元号があるということは、どこかの国から元号をいただくのではなく、日本独自の文化圏を持ってきた、独立した国を、文化圏を営んできたという証左でもあります。これからも大事にしたいものだと思っております。  今般の皇位継承によって皇室に注目が集まっています。御代替わりの儀式や皇室の御活動について学ぶ良い機会にしたいと思っております。子供たちが歴史や文化、あるいはその皇室の、それから国民との紐帯ということに関心を持つことは、日本人としての誇りを持ち、美しい日本人の心を育むことになることにつながります。だからこそ、御代替わりについて的確に学べる教材を作成してほしいという、そういう要望が教職員団体などからも上げられていると思います。  この点について文部科学省の御見解をお伺いします。
  452. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) お答えをいたします。  学習指導要領におきましては、天皇の国事に関する行為などを取り上げ、天皇についての理解と敬愛の念を深めるようにする等と記述しております。  天皇陛下の御退位と皇太子殿下の御即位は、今お話がございましたとおり、我が国の歴史にとって極めて重要な節目でありまして、子供たちがその趣旨や天皇についての理解を深めることができるようにすることは非常に意義深いと考えております。このため、平成の御即位の際と同様に、今回の天皇陛下の御退位と皇太子殿下の御即位に際しても各学校における指導を促す観点から通知を発出することを検討しております。  あわせて、天皇についての理解を深める指導を行う場合の参考となるように、例えば、皇太子殿下の御即位の日が祝日となることですとか、あるいは皇位継承に関連する国事行為が行われることなどに関する資料を内閣府などと連携しながら周知をしていくことについても是非検討したいと考えております。
  453. 有村治子

    ○有村治子君 今大臣からおっしゃっていただきました、平成の元年のときの改元の通知もというふうにおっしゃっていただきましたが、大臣、それ実際に御覧になられましたでしょうか。  私自身読ませていただければ、次のとおり決定しました、よろしく取り計らってください、よろしくお願いしますという連続でありまして、何をどうすべきか、どういう思いなのかという哲学はほとんど書かれていませんでした。つまるところ、国旗を揚げてほしいということが一行あっただけでございます。  そういう意味では、やはり常に国民とともにあるということを歴代の天皇陛下は極めて大事にされてきて、そういう天皇陛下を国民は、ずっと百二十六代万世一系を保ってきた、その国民との紐帯ということにも分かりやすく、また、右だ左ではなくて、憲法九条ばかりが言われますけれども、一条から八条までは天皇陛下のことについて記述をされている憲法でございます。そのようなイデオロギーフリーの日本の歴史、文化としての側面のところを、内閣官房、内閣府と御相談の上で、小中学生あるいは家庭学習、地域学習で学べるような形に御努力をいただければ有り難いと存じます。  それでは、地方創生の観点から、ナンバープレートについてお伺いをさせていただきたいと思います。パネルの表示をお願いいたします。  なお、今御覧になっていただく資料一、二、三、四は、私、有村のホームページのトップから同じ資料をダウンロードしていただくことができますので、関心がある方は有村のホームページを見ていただけば有り難いと思います。  これは、昨年の秋から自動車ナンバープレートに御当地の図柄を入れることができるようになったという国土交通省の大変すばらしい試みでございます。走る広告塔という自動車のナンバープレートのその特性に注目をして、地方の観光名所や歴史名所ということ、人々が大事にされているアイコンをナンバープレートにできるとても良い企画だというふうに思っております。  しかし、地方創生の観点から大事なんですが、例えば地方創生担当大臣、片山さつき大臣は比例区、全国区の選出でいらっしゃいます。私自身も比例区、全国区、北海道から沖縄まで全国四十七都道府県を選挙区とする議会人が与野党に現在九十六名いらっしゃいます。この比例区、全国区、すなわち全国を選挙区とする候補あるいは議員は、これらの白黒の御当地プレートを入手することができますか。総務省にお伺いします。
  454. 大泉淳一

    ○政府参考人(大泉淳一君) お答え申し上げます。  白黒のナンバープレートというのは、交付手数料を支払うことで入手できると存じております。これにつきまして公職選挙法を所管する立場で申し上げますと、御指摘のモノクロのナンバープレートの入手については、特段問題はあるとは考えておりません。
  455. 有村治子

    ○有村治子君 白黒プレートは特に問題がないというふうに、選挙を所管される総務省、お答えいただきました。  白黒の、このモノクロのプレートは、大体地域によって七、八千円で買うことができます。それに千円以上の寄附をすれば、白黒ではなくて、今御覧のように全国のカラープレートを入手することができます。カラーの方が格段に見やすく、やはり御当地のPR度合いも強くなります。  そこで、改めて伺います。  これらのカラープレートを、参議院比例区、全国区、北海道から沖縄まで全てを選挙区とする議会人や候補が入手することはできますでしょうか。
  456. 大泉淳一

    ○政府参考人(大泉淳一君) お答え申し上げます。  今委員の方から寄附という言葉がございました。公職選挙法におきましては、カラー版のナンバープレートの入手に必要なものが寄附であれば、これは公職選挙法の寄附禁止の規定に問題が生ずるおそれがあると考えられます。
  457. 有村治子

    ○有村治子君 今総務省からお答えがあったように、このカラープレート、こちらの方がはるかに訴求力が強いわけですが、その入手条件が寄附になってしまっている現在の立て付けでは、公職選挙法が禁じる寄附行為に抵触するおそれが出てきてしまうという現実があります。  選挙で選ばれる首長や議会人は、地域振興のために御当地PRを率先してしたいはずでございます。制度設計をされた国土交通省に悪意があったとは思いませんけれども、しかし、公職選挙法上疑義が出る以上、地方創生を積極的に進めようという機運からすれば、このブレーキは外すべきだと考えます。  現在のままでありますと、参議院比例区の議会人や候補者のみならず、実は都道府県知事や都道府県議会議員や市区町村長、市区町村議員に至る、またその候補に至るまで安心してカラープレートを入手することができません。  そこで、国土交通大臣に伺います。  寄附ではなくて、白黒のプレートと同じように交付代金として一律に金額を明示し、公職選挙法に抵触する疑念を解消すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
  458. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) ナンバープレートの交付手数料は、ナンバープレートの交付に要する実費を考慮いたしまして国土交通大臣が認可することとされております。  図柄入りナンバープレートの制度は、海外の事例も参考にしながら、走る広告塔としての図柄入りナンバーの取付けのみならず、趣旨に賛同する方々から寄附金をいただき、これを国民的イベントや地域振興などに活用することで更なる盛り上げを図っていこうとするものでございます。  一方、委員御指摘の国会議員や地方議会議員などの公職にある者によるフルカラーの図柄入りナンバーの取得については、公職にある者が国民、住民の代表として広く国民的イベントや地域振興に向けた取組を推進していく立場にあることを踏まえまして、改善方策につき検討してまいりたいと考えています。
  459. 有村治子

    ○有村治子君 実はこれ、京都府議会や滋賀県議会議員の、議会でも大変問題になっていることでございますので、今国交大臣の決断でしっかりと改善をしていくと明言をしていただいたことは、全国の首長や議会人あるいはその候補の皆さんも喜んでおられると思います。  ちなみに、去年十月からこの交付が始まった御当地プレートですが、一番人気で交付件数が多いのはどちらでしょうか。
  460. 奥田哲也

    ○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。  発行枚数が一番多いものは福山ナンバーでございます。
  461. 有村治子

    ○有村治子君 私が事前通告したときに伺ったのは、二つあったというふうに伺いました。実は、熊本県のくまモンのプレートと、それから今おっしゃった広島県福山の広島カープのプレートでございます。さすが市民球団広島カープを支えるのは我ら福山、広島カープファンだという自負がおありになるプレートだと思います。  実は、熊本も広島も、くしくも熊本地震や西日本水害から復興されている途上の両県でもあります。そういう意味では、復興に向き合う両県に思いをはせ、御当地プレートをもっともっと告知されて盛り上げて、地方創生や地域振興を進めていきたいと思いますので、引き続き国土交通省におかれましては、このPR、こういうことができるんだということそのものを是非積極的にお進めいただきたいと思います。  それでは、話題を変えまして、日韓関係、防衛についてお伺いをさせていただきます。  昨年末、能登半島沖で一体何が起こったのでしょうか。
  462. 齋藤雅一

    ○政府参考人(齋藤雅一君) お答え申し上げます。  昨年十二月二十八日に動画でも公表したところではございますが、同月二十日午後三時頃、平素の警戒監視及び情報収集の一環として、海自P1哨戒機が日本海の我が国の排他的経済水域、EEZでございますが、この内を飛行中、韓国駆逐艦及び韓国警備救難艦を確認したことから、写真撮影等を実施していたところ、突然その駆逐艦から火器管制レーダーの照射を受け、海自P1哨戒機は直ちに安全確保のための行動を取ったところであります。
  463. 有村治子

    ○有村治子君 火器管制レーダーの照射はなぜ危険な行為だと言えるのでしょうか。
  464. 齋藤雅一

    ○政府参考人(齋藤雅一君) お答え申し上げます。  火器管制レーダーの照射は、火器の使用に先立って実施する行為であり、他国の航空機に向けて合理的な理由もなく照射することは、不測の事態を招きかねない極めて危険な行為であります。
  465. 有村治子

    ○有村治子君 攻撃の前段階である極めて危険なレーダーを照射した韓国が一方的に、日本側が事実を歪曲した、自衛隊が低空脅威飛行をした、無礼だと日本に謝罪を要求しました。その反面、全く瑕疵がない日本は韓国に抗議したものの、再発防止と真実の究明だけを求めている形であります。  何があったの、次はやらないでくださいねと言うだけでよろしいのでしょうか。国民感情としても、国際社会の公正さから照らしても、納得できないことでございます。我が国の排他的経済水域内で行われた韓国のこの蛮行をこのままうやむやにすれば、日本はレーダー照射しても文句すら言わない、反論すらしない国なんだという間違ったメッセージを国際社会に送ることにもなりかねません。  そこで、防衛大臣に伺います。  次のレーダー照射事件を生まないためにも、韓国に対しては毅然とした態度で抗議をし、謝罪を求めることこそ日本のあるべき姿ではないでしょうか。なぜ謝罪を求めないでいるのでしょう。
  466. 岩屋毅

    ○国務大臣(岩屋毅君) 本件については、ただいま事務方から説明をいたしたとおりでございます。  で、私どもの見解は、一月二十一日に公表した最終見解のとおりでございます。要すれば、火器管制レーダーの照射を受けたということは明らかであって、韓国側にはこの事実を認め再発防止を徹底してもらいたいということでございます。このことは当初からしっかりと抗議をして、強く再発防止を求めてきたところでございまして、その姿勢に何ら変わりはありません。  また、韓国側が主張している低空飛行の問題についてでございますけれども、これも累次申し上げているとおり、海上自衛隊の哨戒機は平素の活動などにおいてしっかりと飛行の記録、経路、高度などを取っております。指摘にあるような低空脅威飛行などということは全くないと。そもそも、海上自衛隊の哨戒機が韓国の艦艇に脅威を与える意図も、その理由もないということでございます。  これを最終見解で示しているところでございまして、韓国側にはこの見解を受け止めて、冷静かつ適切な対応を取っていただきたいというふうに思っております。  一方、我が国周辺の安全保障環境を考えましたときに、日韓、日米韓の安全保障協力というのは非常に重要だと思いますので、韓国との防衛交流については適宜適切に行っていきたいと考えておりまして、実際に実施すべき交流は行っているところでございます。
  467. 有村治子

    ○有村治子君 尊敬する岩屋防衛大臣に盾突く意図はありませんけれども、日本のラインから謝罪を求めるという言葉は出ていません。両大臣からも出ていません。  なぜやられた方なのに謝罪を求めるということを言わないのか、もう少し私たち国民に分かるような形でお話しください。
  468. 岩屋毅

    ○国務大臣(岩屋毅君) 強く抗議をし、再発防止を求めるということで、私どもの主張は先方にしっかりと伝わっているというふうに考えております。
  469. 有村治子

    ○有村治子君 伝わっているとすれば、なぜ彼らが日本の対応が無礼だと言い、そして日本に謝罪を求めると言い続けるのかどうか、大変不可解でございます。  戦後最悪、救いようのない日韓関係と言われる現況でございます。戦後、日本は平和国家として努力し、日韓基本条約、また慰安婦問題に関しても、日本と韓国が国として誓った国際合意に従って河野談話に盛り込むべき文章を韓国側の希望に応じて書き換えてまで、これは近年になって石原信雄元官房副長官が証言をされていらっしゃることでございますが、河野談話という本来日本の主権が、日本の行政が発するべき文言に、事前に韓国からのリクエストを聞いて、その文言を入れてまで日韓の約束を堅実に履行し、日韓関係を重視してきました。  その一方で、韓国ではむしろ反日教育が近年強化され、反日であれば何でもいいという風潮が、文在寅政権のみならず、司法にも、韓国の国会にも、また驚くべきことに韓国軍にすら蔓延しているようでございます。  多くの日本国民が、韓国のこの現状に一体韓国はどうしちゃったのと、韓国は一体いつまで謝り続けることを求めるのかといういら立ちもこの三か月強まっています。  そこで、外務大臣にお伺いします。  日韓関係がここまで、歴史始まって以来最悪、戦後最悪だと言われる原因はどこにあるとお考えでしょうか。反日姿勢を強め、それを政権の浮揚や民族間の連帯のために積極的に利用しているかのような韓国の現状を外務大臣としてどのように認識されるでしょうか。
  470. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) 昨年一年間に日韓両国の間の人の交流が一千万人を超えました。韓国から日本を訪れる人の数は七百万人を超え、日本から韓国へ訪れる方は二百数十万ですが、前年と比べると二割以上増えているわけでございます。  こうした国民の交流が続いていくということは、お互いの国、お互いの国民をよく知る上で非常に有効なことだと思っておりますし、昨年の前半は日韓双方で未来志向の日韓関係を新たに築くためのタスクフォースあるいは有識者会議というものを立ち上げて、様々な提言もいただいているところでございます。  残念ながら、韓国の大法院において元朝鮮半島出身労働者に関する判決が出されました。これは日韓請求権協定に反する状況でございまして、これが今日まで放置されているというのは非常に問題なことだと思っております。この日韓請求権協定というのは、日本と韓国の両国関係の言わば一番の法的基盤になっているものであって、これを損なうことがあってはならないというふうに思っております。  現在、韓国側で李洛淵国務総理を中心にこの問題に対応すべく努力をされていると承知をしておりますので、我々としては、不当に日本企業に不利益が生じないように韓国側にしっかりとした対応を求めているところでございます。
  471. 有村治子

    ○有村治子君 両大臣の本当に日本を背負っての御活躍を心から念じます。  実は、六年前、日本は中国によって火器管制レーダーの照射を受けています。その状況を御説明ください。
  472. 齋藤雅一

    ○政府参考人(齋藤雅一君) お答え申し上げます。  平成二十五年一月三十日水曜日午前十時頃、東シナ海において、中国海軍ジャンウェイⅡ級フリゲート一隻から、海上自衛隊第七護衛隊「ゆうだち」、これは佐世保の船でございますが、が火器管制レーダーを照射されました。  なお、一月十九日土曜日午後五時頃、東シナ海において、中国海軍ジャンカイⅠ級フリゲート一隻から、海上自衛隊第六護衛隊「おおなみ」、これは横須賀でございますが、搭載ヘリコプターに対する火器管制レーダーの照射が疑われる事案が発生しておりまして、これは平成二十五年二月五日に公表をいたしております。
  473. 有村治子

    ○有村治子君 今のお話から見ますと、中国に続いて韓国からも照射を受けた、今回が初めてではないということでございます。  しかし、この中国の事案が起こった翌年、その中国の青島において、太平洋側の西側を成す主要な海洋国家の海軍のトップが西太平洋海軍シンポジウムを開いております。  このそれぞれの国の海軍のトップが集まるシンポジウムについて御説明ください。
  474. 槌道明宏

    ○政府参考人(槌道明宏君) お答えいたします。  西太平洋海軍シンポジウムと申しますのは、西太平洋地域の海軍参謀総長等の参加を得て開催されております多国間海軍協力のための枠組みでございます。一九八八年以降、本会議が二年ごとに開催されております。  構成メンバーでございますけれども、日本のほか米国、オーストラリア、中国、韓国、ロシアを含む二十一か国がメンバー国となってございます。
  475. 有村治子

    ○有村治子君 今日の配付資料の資料二を御覧になってくださいませ。  今おっしゃっていただいたように、この太平洋岸の西側の海軍のトップが集まるメンバー国は、まさに、日本、アメリカ、韓国、中国、ロシア、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、フィリピン、シンガポール、マレーシア、ベトナム、フランスなどがこの加盟国でございます。この加盟国で、実はCUESという海上における衝突を回避するための行動規範というのが加盟国二十一か国全会一致で採択をされています。  このCUESとはどのようなものでしょうか。
  476. 槌道明宏

    ○政府参考人(槌道明宏君) CUES、QUESでございますけれども、これは各国の艦艇が洋上において予期せず遭遇した場合におきます不測事態防止のために準拠すべき行動や信号を定めたものでございます。二〇一四年四月の西太平洋海軍シンポジウム本会合におきまして、メンバー国二十一か国に全会一致で採択されました。  具体的には、洋上において予期せず遭遇をした場合における安全のための手順や通信方法などが定められているものでございます。
  477. 有村治子

    ○有村治子君 まさに、太平洋を囲む各国海軍間の信頼醸成を目的にし、日本は海軍というよりは海上自衛隊の幕僚長が、海幕長が参加しているんですが、海上での偶発的な危険や危機、紛争の前を回避するための手段を共有する行動基準でございます。  このCUESでは、意思疎通のために各国は英語でコミュニケーションを取りましょう、意思疎通をしましょう、また、軍艦と飛行機の間で使用する無線の周波数をあらかじめ定めています。加えて、無線による英会話が困難な場合に備えたコード信号まで取り決めています。  この各国海軍のトップが集まり合意した安全のための共通ルールにおいて、資料二の右側御覧になってください、このCUESが避けるよう勧告していることがこの安全に対する処置、仮訳というところでございます。船長は、誤解されるおそれのある動作を取る前に、起こり得る結果を考慮する必要があると。後先考えなさいよということを戒めています。慎重な指揮官が回避する動作はということで、一番に書いてあるのが砲、大砲の砲ですね、ミサイル、射撃管制レーダー、その他の武器を向けることによる攻撃の模擬をみんなで避けようというふうに勧告をしています。  その紛争が起こったときの怖さを一番よく知っている海軍の各国のトップが集まり合意した安全のための共通ルールにおいて、CUESが避けようとしている最初が射撃管制レーダーの照射でございます。このレーダーの照射というのは、そもそもミサイルや砲撃を命中させるためにその攻撃目標の正確な方角や距離を測定するものですから、極めて危険な挑発行為であるというふうに各国が共通認識を持っていることになります。  このCUESが全会一致で合意されてからの五年間、加盟国二十一か国の中でこの約束を破るレーダー照射が行われたという報道はありますか。
  478. 齋藤雅一

    ○政府参考人(齋藤雅一君) お答え申し上げます。  御指摘の報道は、承知いたしておりません。
  479. 有村治子

    ○有村治子君 すなわち、中国やロシアでさえこの合意を守っている。二十一か国。また、このオブザーバー国には、インドやパキスタン、イギリス、スリランカなどのほかの大洋、オーシャンのですね、主たる海洋国もこの会議には参加をしておりまして、この西太平洋側の動きが事実上世界のスタンダードをつくるような平和の取組になっています。その合意に韓国が今回初めてそれを冒涜したということになります。  韓国は、この国際的な約束に背いてレーダー照射を行ってしまいました。まさか友好国である韓国が日本にレーダー照射するとは誰が想像していたでしょうか。自衛隊P1の乗組員は驚きながらも、すぐに韓国の駆逐艦にレーダーを向けた意図を聞くために英語で交信を試みています。韓国は応答することをせず、結果、交信は無視された形になりました。  そのことで韓国は当初、海上の通信環境が悪かったと、だから自衛隊からの呼びかけが聞こえなかったと言っています。実際のところ、当時の通信環境はどうだったのでしょうか。    〔委員長退席、理事二之湯武史君着席〕
  480. 齋藤雅一

    ○政府参考人(齋藤雅一君) お答え申し上げます。  当日の現場海域は晴天で雲も少なく、通信環境は極めて良好でした。  また、海自P1哨戒機は、韓国駆逐艦に呼びかけた同じ通信機器、この通信機器につきましては、飛行前、飛行中、それから飛行後に正常に作動していたことを確認済みでございますけれども、この通信機器を用いて埼玉県の陸上局と通信を行っていたほか、現場から約二百四十キロメートル離れた位置を飛行していた航空自衛隊の練習機がこの韓国駆逐艦に対する同機の呼びかけを聞き取っていたことも確認をいたしております。
  481. 有村治子

    ○有村治子君 なるほど、現場海域から二百キロ以上離れたところの航空自衛隊機もこの音声を明確に聞いていたということが分かりました。  自衛隊は、このときどのようなチャンネルを使って韓国との交信を試みていたのでしょうか。
  482. 齋藤雅一

    ○政府参考人(齋藤雅一君) お答え申し上げます。  海自P1哨戒機は、火器管制レーダーの照射を受けた後に、国際VHF、百五十六・八メガヘルツと、それから緊急周波数、これは二つございまして、百二十一・五メガヘルツ及び二百四十三メガヘルツの三つの周波数を用いて呼びかけを行ったところでございます。
  483. 有村治子

    ○有村治子君 すなわち、三つのチャンネルを使って交信を試みていたわけですが、韓国はこれに対して、国際的に定めている周波数を聞かず、通信装備をセットしていなかったとしています、主張しています。しかし、これは韓国海軍の通信員たちが通信任務をするその基礎すら手入れせずに軍艦を乗り回していたということになります。こんな苦しい釈明があるんだろうかと首をかしげざるを得ません。  この自衛隊のP1のパイロットの乗組員はどのような交信をしたのでしょうか、教えてください。
  484. 齋藤雅一

    ○政府参考人(齋藤雅一君) お答え申し上げます。  海自P1の乗組員でございますけれども、先ほど申し上げました周波数帯で、それぞれ英語で、コリアン・サウス・ネーバル・シップ・ハル・ナンバー・ナイナーセブンワン、ディス・イズ・ジャパン・ネイビー、ウイ・オブザーブド・ザット・ユア・FCアンテナ・イズ・ディレクテッド・ツー・アス、ホワット・イズ・ザ・パーパス・オブ・ユア・アクトといった呼びかけを行ったところでございます。
  485. 有村治子

    ○有村治子君 まさに今のように、流暢な英語でなくても分かりやすい英語をやるということでございます。  韓国が公開された韓国側の動画の中は、ほとんどが日本側が発信した動画をそのままコピーで使われているんですが、韓国オリジナルの映像も、十秒ほどでしょうか、韓国だけがお出しになった映像があります。  その中では、韓国駆逐艦の中での自衛隊の交信メッセージ、つまりあちらの船からどんなことが聞こえていたかというのも、明確にその音が入っております。どのような音声が入っていますか。
  486. 齋藤雅一

    ○政府参考人(齋藤雅一君) お答え申し上げます。  実際に韓国側が公表いたしました動画では、韓国駆逐艦内において、海自P1哨戒機の乗組員の呼びかけ内容、コリアン・サウス・ネーバル・シップ・ハル・ナンバー・ナイナーセブンワン、ディス・イズ・ジャパン・ネイビーを明確に聞き取ることができます。
  487. 有村治子

    ○有村治子君 そのとおり。私もユーチューブで公開されているものを何度も聞きましたが、今おっしゃったフレーズを二回明確に繰り返しているのが韓国が出してきた証拠の動画から聞き取ることができます。  このときに韓国は、通信当直が聞き間違えたんだと次の釈明を出してきました。しかし、そもそも、今おっしゃったように、ネイビーと海洋警備局、コースト、ネイビーとコーストという英単語すら聞き取れないレベルの人が韓国駆逐艦の通信員を担っているとすれば、それ自体おっかないことでございます。  このCUESは、英語が苦手な乗組員の場合の通信方法も定めています。どのようなものでしょうか。
  488. 槌道明宏

    ○政府参考人(槌道明宏君) CUESにおきましては、原則として全ての音声による交信が英語で行われると定めておりますが、そのことに加えまして、音響信号や発光信号などの必要な各種の手段についても定めているところでございます。
  489. 有村治子

    ○有村治子君 今証言いただいたように、英語ができない方でもコミュニケーションがしっかり取れるようにという手だてをあらかじめ二十一か国は決めているわけでございます。しかし、このコード信号を使うことすらなかった韓国は、そもそも緊張を回避しようという数々の手段全てを全く習熟できていないか、自ら全ての手段を放棄したことになります。  この今回のレーダー照射は、まさか文在寅政権の指示であったとは思いたくないです。もしそうだとしたら、それこそ外交の甚大な問題になっていきます。政権の指示ではないとすると、韓国の海軍が相当軍紀が乱れているということになります。本来、指示命令系統に従って冷静に事を遂行するはずの武人が、組織の命令系統に反して、後先を考えることなく、反日の感情に駆られて思わずレーダーを照射してしまったということでございます。  日本はレーダー照射の韓国の実態を公表しています。これが韓国のその駆逐艦特有のレーダーだと証言できるのはなぜでしょうか。
  490. 齋藤雅一

    ○政府参考人(齋藤雅一君) お答え申し上げます。  防衛省の専門部隊で海自P1哨戒機に照射されたレーダー波の周波数、強度、受信波形などを慎重かつ綿密に解析した結果、海自P1哨戒機が写真撮影等を実施した韓国駆逐艦の火器管制レーダー、STIR180でございますが、これからのレーダー波を一定時間継続して複数回照射されていることを確認をいたしております。  なお、近傍に所在していた韓国警備救難艦には同じレーダーは搭載されておらず、韓国駆逐艦からの照射の事実は、防衛省が昨年十二月二十八日に公表した動画の内容からも明らかであると考えております。
  491. 有村治子

    ○有村治子君 今証言をされたSTIR180というのは、オランダが開発をした射撃指揮レーダーでございます。このオランダの射撃を指揮する、誘導するレーダーというのを大韓民国の海軍は購入をして、そして搭載、使用をしているのは広開土大王級駆逐艦、まさにこの軍艦でございます。しかし、このレーダー照射が国際社会の平和構築や安全確保の各国の努力をじゅうりんする事態だと韓国政府は痛感するからこそ、韓国は子供だましの釈明を並び立ててでもレーダー照射など一切なかったとすることしかなかったというのが実情ではないでしょうか。  本来、国民の安全と乗組員の命を守るために誰よりも冷静な判断力を求められるのが軍人であります。その軍人たちが武人としての理性や職責、慎重さを発揮することなく他国の経済水域で火遊びをしているというのは、別の意味でも恐ろしいことだと思います。  駆逐艦というのは、英語でデストロイヤーといいます。デストロイ、すなわち相手をせん滅せしめると、相手を壊滅的に打撃を与えるだけの火力、武器を持っているわけでございます。最先端の武器を様々搭載した駆逐艦を操っている韓国の海軍が、この程度の練度、この程度の習熟度、この程度の覚悟しかないという現実を世界中の安全保障のプロがみんな知ってしまったことになります。  韓国が国際社会で定められた行動規範に背き、国際社会をも挑発するような行為を取ったという事実は、韓国の国益や国際的信用を減じました。韓国御自身にとっても大変痛いはずであります。何という愚かなことをしてしまったんだ、我が軍はと、韓国の心ある政治家や国民の皆さんは内心思っておられるのではないでしょうか。  CUESを採択したこの西太平洋海軍シンポジウムは、二年に一度開催されていると伺っております。次の海軍シンポジウムは、どこで、いつ開催されますか。
  492. 槌道明宏

    ○政府参考人(槌道明宏君) お答えいたします。  西太平洋海軍シンポジウムは、次回は二〇二〇年に開催される予定でございます。(発言する者あり)フィリピンの予定でございます。
  493. 有村治子

    ○有村治子君 来年、フィリピンで必ず二十一か国の海軍のトップが集まるというときに、誰もこの紳士協定を破っていないわけですから、日本がこのことを提起しないわけがありません。レーダー照射を受けた日本だからこそ、国際ルールをみんなが遵守する価値を訴え、シーレーンの安全を守っていくことがそれぞれの国益であり、国の繁栄の基だと、それをみんなで守っていこうとイニシアティブを取れるのは我が日本だと思いますが、防衛大臣の御見解をお伺いします。
  494. 岩屋毅

    ○国務大臣(岩屋毅君) 今、西太平洋海軍シンポジウムの取組、それからCUESについて、先生と事務方の質疑によって詳細に説明をしていただいた、また説明をさせていただいたところでございます。  CUESは、極めて、法的な拘束力はないものの、洋上における不測事態の発生を予防し、回避するための非常に有益な国際的な取組でございます。したがって、CUESの会合があれば、参加国がこのCUESの取決めに従って行動することをしっかりと申し合わせるということが必要であることは論をまたないところでございます。  私どもとしても、そういう主張はしっかりとしてまいりたいというふうに思っております。
  495. 有村治子

    ○有村治子君 やはり緊張の中の船乗りでございますから、運用上の偶発的なミスはあるかもしれません。しかし、あったときに、本当に済みませんでした、偶発的なミスでしたと言えばよかったのに、韓国は、日本が事実を歪曲させた、日本に謝罪はと、そういうふうに言ったから、日本も証拠を出さざるを得なかった。かなり、穏便に事なきを得ようと日本はかなり情けを掛けたつもりでありますが、それを全て韓国がメッセージを誤ったという意味では、本当にこの海軍の行動のみならず韓国の外交の初動が果たして的確であったのかどうか、検証が待たれるものだと思っております。  総理は、常々、国民の安全や命を守るために努力する自衛官や海上保安庁、警察や消防諸官の献身的な努力をたたえ、彼らの士気の高さや練度、また誠意に対して国民的な敬意が向けられるように誰よりも努力をされてきた方でございます。同時に、総理は、シビリアンコントロールという下に置かれる自衛隊の最高指揮者でもあられます。  少なくとも、安全保障上は友好国だと思っていた韓国から突如極めて危険なレーダーを照射されても、海上自衛隊のパイロット始め自衛官諸官は見事に冷静沈着に事に当たり、そして英語で交信をし、証拠を取り続けました。日頃のたゆまない訓練の成果を発揮し、時速八百キロ、九百キロという飛行中にあっても練度の高さを示した自衛官を、私は心の底から誇りに思います。危険にさらされながらも自衛官が機内の撮影や録音を続け、その映像を公表した日本政府の対応も、国民世論の八五%が支持しています。とても心強いことだと思います。  そこで、総理に伺います。  レーダー照射問題に対して実に的確に対応した自衛隊、また、それを支持している国民世論に対して総理はどのような真心のお言葉を掛けられるでしょうか。
  496. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 昨年末に公表した動画などからも明らかなように、今般の事案において、哨戒機の搭乗員の諸君は火器管制レーダーの照射という、通常では考えられない、まさに照射をされたら次にミサイルが飛んでくるかもしれないという状況に置かれたわけであります。極めて緊張した環境の下であっても、関係法規をしっかりと守って冷静沈着かつ適切に対応してくれたと、こう考えています。  日本の海上自衛隊もそうなんですが、海上自衛隊や米海軍だけではなくて、大体この海のきずなというのがありまして、海のこうした軍事的組織の人々はお互いにまさにある種のきずなを持っているわけでありまして、お互いプロですから、そういうプロの皆さんは、今回の出来事、何が真実であるか、これもう実はみんな分かっているんです、実はですね、我々もしっかりとその証拠を示していますから。  その中にあって、まさに自衛隊の諸君は大変尊敬を高めたんだと、こう思います。国民を守るため、強い責任感を持ってプロフェッショナルとしての誇りを胸に黙々と任務を果たしている自衛隊の姿を国民はしっかりと見てくれていると、こう思います。自衛隊員は、国民の命と平和を守るため、二十四時間三百六十五日、極度の緊張感の中、最前線で警戒監視に当たり、今この瞬間も日本の広大な海と空を守っています。自衛隊の諸君の献身的な対応に改めて敬意を表したいと思います。
  497. 有村治子

    ○有村治子君 今総理が御答弁されましたように、海の中での仲間意識、アライアンスというのは、先ほどの西太平洋の海軍のシンポジウムも、元々あの考え方は米ソから始まったというふうに伺っております。すなわち、偶発的なことが紛争に発展したときの怖さということを一番よく分かっている人たちがそういう偶発的なエスカレーションがないように平和を保っていこうと一番努力している、それをじゅうりんしたのが韓国だというのは大変もったいないことだと思っております。  総理は、このレーダー照射問題を始めとする日韓関係の緊張に関して、今明確におっしゃっていただきましたけれども、基本的には答弁を直接されるということは余りなくて、外務大臣、防衛大臣が的確に事に当たっているとの答弁を繰り返されてきました。各種世論調査においても国民の圧倒的大多数が防衛省の見解を信じ、支持し、また政府には毅然とした態度で発信してほしいと願っておられるにもかかわらず、明確なメッセージを必ずしも発してはおられません。ぶれずに論戦に向き合い、数々の難題に向き合ってきた安倍総理らしくないと思っておられる国民の方も一定いらっしゃいます。  その一方で、総理は、在韓米軍の地政学的な重要性と米軍が日本と韓国双方に駐留することの戦略的重要性をいち早く、また誰よりも深くその重要性を理解されているトップリーダーだと思います。  日韓関係を悪化させても構わないと言わんがばかりの態度を取り続けている韓国に対して、総理は何ゆえに自らの信条を抑えてまでも黙っておられるのでしょうか。その沈黙を続けられることによって一体どんな国家国民益を実現しようとお考えになられているのか、お伝えいただきたいと思います。
  498. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) この事案につきましては、先ほど申し上げましたように、我々は真実を語っているわけであります。真実を語る方が必ず私は強いと、こう思っておるわけでありますし、またエビデンスもお示しをしているわけでございまして、韓国軍艦によるレーダー照射事案等については、専門的、技術的な観点から日韓の防衛当局間で協議が行われたところであります。    〔理事二之湯武史君退席、委員長着席〕  私の考え方としては、こういう事案は現場同士がしっかりと、これ、現場はみんな真実を知っているわけですから、現場同士が話合いをして、そして再発防止に取り組んでいくということが一番正しい道だろうと、こう考えていましたし、今でもこう考えているところでありますが、残念ながらそういう対応が取られて、韓国側が取っていない、これ極めて残念でありますが、今までは、このため、岩屋防衛大臣や防衛省が政府の認識や今後の対応を累次明らかにしているところであります。  私が重ねて申し上げるまでもなく、可能な限り情報公開を行ってきており、また韓国側には我が国の立場は、もう先ほど大臣からも答弁したように十分に伝わっているわけでありまして、まあ伝わっているというよりも、現場は事実は何かを知っているはずですから。そして、今、先ほど申し上げましたように、これはもう国際的に各国の海軍はみんな真実は何かは知っていると、こう考えています。  他方、韓国との間におきましては、北朝鮮への対応については、日米そして日米韓の緊密な連携が極めて重要になっているわけであります。そして、韓国には多くの日本人が仕事等で居住をしているわけでありまして、この韓国で頑張っている日本人の皆さんの安全を確保するということも私の使命でもあります。  そういう意味におきましては、そういう点では韓国との協力も不可欠というふうに考えているわけでございまして、そういう中でこうした問題を適切に処理をしていきたいと、こう思っているところでございます。
  499. 有村治子

    ○有村治子君 御指摘のとおり、日米韓の連携が崩れたときに一番喜ぶのは誰かということを考えれば、これは恐らく中国、北朝鮮、ロシアということを考えます。日本と韓国がそれぞれ冷徹に自分の国益ということを考えれば、けんかばかりしている場合じゃない。特に、史上二回目の米朝会談があのように明確な果実もなく決裂した、あるいは妥協がなかったということを考えると、日韓が双方でできる相乗効果ということに目を向けていくことが重要かと思います。  そこで、憲法改正について、憲法についてお伺いをさせていただきます。  国際情勢の変化などを踏まえ、日本がどう自らの平和と安全をつくり固め成していくのか。総理、政府の最も重要な責務とは何でしょうか。
  500. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 最も重要な責務とは、国民の生命、財産を守り抜いていくことであろうと、こう考えているわけでございます。  その点から申し上げれば、国民の生命、財産、そして幸せな暮らしを守り抜いていく、そして、そのためにも領土、領海、領空、我が国の独立を守り抜いていくことであろうと、このように考えております。
  501. 有村治子

    ○有村治子君 総理が今最後におっしゃったように、日本の独立を守ることは国民の命や平和な暮らしを守る上での根幹的に重要な価値だと私も思います。政府が国民に対して果たすべき最も基盤となる責務だと認識をいたします。  それでは、内閣法制局長官に伺います。  国の独立を守るという極めて重要なこの価値は憲法に書かれているのでしょうか。我が国の独立といった文言は憲法にありますでしょうか。
  502. 横畠裕介

    ○政府特別補佐人(横畠裕介君) 憲法に、御指摘の日本の独立を守るという文言はありません。
  503. 有村治子

    ○有村治子君 私たちが生きる上で極めて根幹的な国の独立を守るということは、死活的な重要な価値であるにもかかわらず、憲法には一切書かれていないということが分かりました。  平和という私たち全員にとってかけがえのない価値については、平和主義が現憲法の特徴だと言われるほど明確に書かれています。平和と同時に、国民の安全、これもまた私たちが生きていく上で極めて大事な価値でございますが、では、この国民の安全については憲法に書かれているのでしょうか。
  504. 横畠裕介

    ○政府特別補佐人(横畠裕介君) 今御指摘の安全という文言でございますけれども、前文の中に一か所記述がございます。
  505. 有村治子

    ○有村治子君 百条以上ある憲法の中でたった一か所、安全について書かれてあるということでございます。  その唯一安全について書かれている箇所、具体的に教えていただきたいと思います。その一文を読み上げていただけますでしょうか。
  506. 横畠裕介

    ○政府特別補佐人(横畠裕介君) 憲法前文第二段の「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」という部分でございます。
  507. 有村治子

    ○有村治子君 今長官が証言されたように、現在の憲法によれば、私たちが生きていく上で最も重要な我らの安全と生存を平和を愛する諸国民の公正と信義に依拠することになります。  そして、この前文は時々問題になるわけですが、それ以外の箇所で安全について記述されているところは憲法に一切ないということが明らかになりました。公正と信義といった諸国民の善意だけに私たち自身の安全や生存を委ねてしまうことで、果たして私たちは安心して生きていけるのでしょうか。  そこで、総理にお伺いします。  先ほどレーダー照射の話もありましたが、日本を取り巻く安全保障環境を考えた場合、そんな美しい善意に満ち満ちた近隣諸国ばかりに日本は囲まれているのでしょうか。総理に伺います。
  508. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我が国を取り巻く安全保障環境についてでありますが、北朝鮮の核・ミサイル開発、そして中国の透明性を欠いた軍事力の強化、東シナ海や南シナ海における力を背景とした一方的な現状変更の試み、大量破壊兵器等の拡散や深刻化するテロの脅威、またサイバー空間や宇宙空間などの新たな領域における課題の顕在化など、様々な要素により厳しさと不確実性を増していると認識をしております。  先ほど申し上げましたが、政府の最も重大な責務は国民の命と平和な暮らしを守り抜くことでありまして、これは独立国家として第一義的に果たすべき責任であり、自らの主体的、自主的な努力によって、その自らの主体的、自主的な努力によってその責任を果たしていくことが安全保障の根幹であります。我が国の平和と繁栄を確固たるものとしていくために、安全保障の基盤を強化すると同時に、平和外交を一層展開していく考えでございます。
  509. 有村治子

    ○有村治子君 すなわち、占領時代はピストル、ミサイルは飛んできませんが、主権がないことで、ミサイルが飛んでこないだけで平和と言えるのかといえば、そうではありません。まさに、私たちの生命の安全、安心ということを考えれば、国の独立ということも極めて大事な価値だということを改めて自らに言い聞かせます。  憲法は、国家の土台、統治の原理原則を定めた根本規範でございます。国の成り立ちや仕組み、理念などを含めた国の形を表現し、国家の根幹的な価値を明記したものだと言われます。同時に、憲法が国民のみならず国家が守らねばならない価値を定め、政治権力を縛る規範であるとするならば、国家の最重要責務として国の独立と国民の命、安全を守ることを国家に課すということを憲法上明確に書き込むことが重要だと私は考えております。  次に、幼児教育、保育についてお伺いをさせていただきます。  私は、初当選以来、自らの子育てもしておりますけれども、保育、幼児教育をライフワークにして取り組んでまいりました。  今年十月からは、消費税のアップ一〇%とともに、幼児教育、保育の無償化が実現をしていきます。三歳―五歳の教育、保育を無償化するという一大政策の効果や社会的な効用ということを考えると、幼児教育の無償化と一言でくくるのではなく、幼児教育と保育の無償化というふうに名称を統一して発信していただくことが重要だと考えますが、大臣、いかがでしょうか。
  510. 宮腰光寛

    ○国務大臣(宮腰光寛君) 幼児教育、保育の無償化は、子育てや教育に係る費用負担の軽減を図るという、一つには少子化対策、それから生涯にわたる人格形成の基礎やその後の義務教育の基礎を培う幼児教育の重要性に鑑み、未来を担う子供たち、子育て世代に大胆に投資をするものであります。  この無償化は、認定こども園や幼稚園、認可保育所に通う約三百万人の子供に加え、待機児童問題による代替的な措置として認可外保育施設などに通う保育の必要性のある子供を対象としております。  こうした実態に鑑み、委員御指摘のように、幼児教育、保育の無償化として政府を挙げてその意義や内容を広く周知をしてまいりたいと考えております。
  511. 有村治子

    ○有村治子君 担当大臣から明確にそのような御答弁をいただいたことを大変有り難く思います。報道では幼児教育の無償化という言葉ばかりが躍っておりますので、幼児教育、保育の無償化と、実態に即した言い方のその徹底にお力をいただきたいというふうに思っております。  この幼児教育、保育を無償化する際、施設が保護者から副食費、おかずですね、おかずの実費を徴収するという新たな作業が出てくるわけでございますが、この文言をめぐっては既に保育の現場から警戒感や懸念が出ています。実費というと、実際に掛かったコストというニュアンスが多くて、例えばインフルエンザで登園ができなくて、給食を例えば五日間食べられなかったときの費用がちゃんと差し引いてもらえるんじゃないかというようなイメージを想起させます。  実費徴収という言い方ではなくて、施設による給食費の徴収という名称を統一していただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
  512. 宮腰光寛

    ○国務大臣(宮腰光寛君) 幼児教育、保育の無償化に当たりまして、食材料費につきましては引き続き保護者に御負担いただくこととし、あわせて、副食費の免除対象をこれまでの生活保護世帯と一人親世帯から年収三百六十万円未満相当の世帯に拡充した上で、給食費として施設に徴収いただくことにいたしました。  委員御指摘のとおり、この取扱いにつきまして、施設や保護者の方々に混乱を招かないようにすることが極めて重要であると認識をいたしております。このため、給食費の徴収などの表現といたしまして、その目安となる額などをお示しする周知用資料を作成、配付するなど、利用者にとって分かりやすく丁寧な周知、説明に努めてまいりたいと考えております。
  513. 有村治子

    ○有村治子君 施設での給食というのは、子供の貧困などを考えますと、その子たちが唯一、一日の上でバランスの取れた、また心通う人と一緒に食べられる温かい唯一の食事であったりいたします。そういう意味では、現場の混乱を除去していただく給食費ということで、食育を引き続きみんなで拡充できればというふうに思っております。  今回、三歳から五歳まで全ての子供の幼児教育、保育を一気に進め、子育て世代の経済的な負担を大幅に軽減していくことになります。広く国民の理解を得て支持をしていただくためにも、園児一人当たりの公費投入額は年間これくらいですというような形で発信をし、公費によって我が家の経済的負担がどのくらい軽減されているのか、それぞれの御家庭の規模に即して分かりやすく示すべきだと思います。  そこで、大臣に伺います。  幼児教育、保育の無償化によって、三歳、四歳、五歳の園児さんたちには一人当たり年間幾らぐらいの公費が投入されることになるのでしょうか。また、三歳、四歳、五歳のこの三年間で合計幾らぐらいの公費が投入をされ、子育て世代の実質的な負担軽減になるのか、お聞かせください。
  514. 宮腰光寛

    ○国務大臣(宮腰光寛君) 委員御指摘の子供一人当たりの公費負担につきまして、例えば認可保育所に通う三歳から五歳までの子供一人当たりの一年間の公費負担額は、ひとしく六十六万程度となります。その上で、今回の無償化に合わせ、食材料費のうち副食費の免除対象を年収三百六十万円未満相当の世帯に拡充することから、これらの世帯の子供一人当たりの一年間の公費負担額は七十二万円程度となります。これを三歳から五歳までの三年間続けることで、年収三百六十万以上相当の世帯に対しましては子供一人当たり百九十九万円程度、年収三百六十万円未満相当の世帯に対しましては子供一人当たり二百十五万円程度の公費を投入をして子育てを支援してまいります。  こうした点につきましても、幼児教育、保育の無償化の意義とともに、国民の皆さんに分かりやすく発信してまいりたいと考えております。
  515. 有村治子

    ○有村治子君 本当に国民、子育て家庭の皆さんのハートに響く発信を引き続きお努めいただきたいと存じます。  幼児教育、保育の無償化から、来年には、総理が所信でもおっしゃったように、高等教育の無償化まで、教育に係る経済的負担の軽減策が大きく一本の柱としてつながろうとしています。  総理に伺います。  国家の意思として教育の無償化を拡大し実現をしていく総理の御決意、哲学についてお伺いをいたします。
  516. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 子供たちこそこの国の未来そのものであり、家庭の経済事情にかかわらず、子供たちの誰もが自らの意欲と努力によって明るい未来をつかみ取ることができる社会をつくり上げていくことが重要であります。  このため、高い成果を上げている義務教育に加えまして、子育てや教育に係る費用負担の軽減を図るという少子化対策と、生涯にわたる人格形成やその後の義務教育の基礎を培う幼児教育の重要性に鑑み、本年十月から、三歳から五歳までの全ての子供たちの幼児教育、保育を無償化することとしております。また、義務教育の基礎の上に社会を生き抜く力を育成していく高校教育についても、就学支援金を拡充して、来年四月からの私立高校授業料の実質無償化の着実な実施に向けてしっかりと取り組むこととしております。  そして、最初に申し上げましたように、家庭の経済事情に左右されずに自分の進んでいきたい道に頑張る子供たちが進んでいくことができるように、高等教育、真に必要な子供たちの高等教育の無償化を行ってまいります。これは、その子供たちがもちろん自分たちの未来を描くことができるようになるだけではなくて、そういう子供たちは必ず社会において大きな貢献をしてくれることは間違いないんだろうと、こう思うわけでございます。  そういう意味におきましても、まさに私たちが新たな時代を切り開いていくために、この幼児教育の、そして保育の無償化、そして私立高校の無償化、私立高校授業料の実質無償化、さらには高等教育の、真に必要な子供たちへの高等教育の無償化、また給付型奨学金等でも支援をしていくわけでございまして、しっかりと充実をしていきたいと、こう考えております。
  517. 有村治子

    ○有村治子君 主権者たる国民の皆さんの税金、血税を使ってこの若い世代を応援していくという国家の意思を示して、それを具現化していくことになります。けれども、年度途中からやっていくということでは相当現場にも混乱がある中で、それを乗り越えていかなければなりません。みんなで協力して、これをやってよかったと言っていただけるような施策に私たちも努力をしていきたいと思います。  それでは次に、厚生労働省、統計問題についてお伺いをいたします。  不適切な調査、統計が放置されてきたことは職務の怠慢だと特別監査委員会の追加報告書が結論付けました。私自身も、自民党としても、このようなことが長年放置されたことを大変遺憾に思っております。特別委員会はチェック体制の不備も指摘しています。そのとおりだと思います。  しかし、チェック体制の確立というのは、果たして現場だけで達成できるものなのでしょうか。平成十三年に省庁再編で厚生省と労働省が一緒になって誕生した厚生労働省の現在の姿というのは、果たして本当に国民の期待やあるいは信頼に応えられるような健全な省庁規模だと言い切れるのでしょうか。今、一府十一省で日本の行政は動いておりますが、予算を見れば、厚生労働省の所管、国家予算の三分の一を一省庁単体で占めているような状況でございます。  組織図を見て、私がざっと見ただけでも、厚生労働省の所管は、医療やがん、結核対策、虐待事案、難病対策、感染症対策、水道行政、食品安全、労働行政、雇用安定、保育や子育て支援に母子保健、障害者福祉、介護保険に高齢者支援、戦没者遺骨収集、保険、年金、資産運用に統計などなど、実に十一もの局があり、九十三の課が業務を遂行しています。  厚生労働省は、御案内のとおり、与野党の対決型になる閣法の提出法案も多い。国会審議時間も圧倒的に多く、厚生労働大臣の平成二十七年通常国会の答弁回数は、実に二千九百四十三回に及んでおります。ほかの大臣が数百、千を超える程度なのですが、大臣は二千九百回を超えています。しかも、これは思い付きの答弁ではなく、一つの答弁を練り出すために何時間ものスタッフの時間が掛かっているのは御案内のとおりでございます。幾ら歴代の厚生労働大臣が優秀な政策通で超人的な健康に恵まれており、忍耐強い優秀な職員に囲まれているとしても、毎年毎年このような危険な状況が続くというのでは、これは構造的な問題だと言うべきではないかと思い始めています。  ほかの先進国の行政組織を見ても、これだけ多くの職務、職責を一つの省に課している例というのはおよそ見当たりません。厚生行政と労働行政あるいは子供家庭省ということで、二つないしは三つ、四つの省に分けてほかの先進国はやっています。  そこで根本大臣に伺います。  根本大臣、厚生労働省の職員及び大臣御自身は余りにも忙しく、仕事を余りにも多く抱え過ぎているのではないでしょうか。
  518. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 委員今御紹介いただきましたように、厚生労働省、国民生活の保障、向上と経済発展を目指すために、社会保障あるいは雇用労働政策など、総合的、一体的に推進すること、これが我々の使命であります。そして、保健医療、介護、福祉、年金、子育て、雇用労働など、極めて広範でかつ国民生活に密着した行政分野を担当しております。  その点で、極めて課題も多岐にわたりますし、率直に言って業務量も増えております。職員も、私も含めて多忙を極めている、これは事実であります。
  519. 有村治子

    ○有村治子君 原因究明、再発防止を、国民世論も与野党も内閣御自身も望んでおられます。そして、それは時の大臣の首を取れば済む、解決に向かうというそんな易しいことではないということもみんなが分かっています。  そこで大臣、厚生労働省が恒常的に抱える構造的な課題に対して、それぞれ省庁再編の平成十三年からの歴代大臣経験者の知見を集めて、またほかの先進国の行政組織の布陣についても徹底的に事例を研究してはいかがでしょうか。それこそが国民が願う、根本厚生労働大臣、現大臣のお務め、政治主導ではないでしょうか。
  520. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 厚生労働省、平成十三年の発足以降、統合のメリットを生かして、例えば仕事と家庭の両立支援施策と子育て支援施策、障害者に対する障害者福祉、いや、福祉サービスと企業等での雇用の促進、企業福祉のサービス基盤整備と人材の確保、こういう社会保障政策と雇用労働政策、これを一体的、横断的に実施しています。  今委員御指摘のように、諸外国の例を見ますと幾つかのパターンがありますが、社会保障と労働政策、あるいは社会保障と年金、労働政策、あるいは社会保障と年金、労働政策、そういう形で分かれている先進国が多いと思っております。  一方で、これからの厚生労働省の組織あるいは体制をどう考えるか。厚生労働省には、社会保障改革と働き方改革、あるいはその両方をやりたいんだという熱い思いを持ってこの役所に入ってきた若手職員も増えています。そして、社会保障部局と雇用労働部局の両方を経験した職員も増えています。  委員御指摘あるいは御提言のように、歴代、やっぱりこれは実際大臣やってみないとこれはなかなか、実感として私やっぱり体感はなかなかしにくいんだろうと思います。その意味では、歴代の厚労大臣、あるいは様々な御意見をお聞きしながら、私なりに厚生労働省改革に何が必要かを考えていくとともに、私が先頭に立って、厚生労働行政の重みに対応したしっかりとした組織の在り方、組織のガバナンス、これを確立していきたいと思います。そして、全力を尽くして国民の皆様の信頼回復に努めていきたいと思っております。
  521. 有村治子

    ○有村治子君 今大臣がおっしゃったように、メリット、統合のメリットをおっしゃいましたが、やはり現役閣僚でいらっしゃいますから、デメリット、こんなにぱつぱつなんですということは、なかなか本音と建前のギャップがあり、おっしゃれないのが現実だと思います。だからこそ、やはり大臣をやった人しか分からないあの重みや苦しみや、シナジーやあるいはデメリットを率直に、もう与野党抜きで話していただく、それを日本の貢献につなげていただくという御努力を続けていただきたいと思います。  そこで、安倍総理に伺います。  機動的な問題解決能力を持ち、国民が望む政策を実行するための行政組織はいかにあるべきかというのは、洋の東西を問わず、為政者であれば必ず考えることでございます。かつて小泉総理は、郵政民営化是か非かというような観点で国民に信を問われました。しかし、郵政事業よりもはるかに大きな予算、権限を持ち、業務も国民生活に直結するのが厚生労働行政でございます。世論調査においても、国民が政権に望んで、取り組んでほしいという政策のトップ又は上位は必ず厚生労働行政の充実でもあります。  統計問題を受け、これだけ与野党の懸念も世間の関心も高い今だからこそ、安定した厚労行政を行える組織の適正規模を探求し解決を図っていくことこそ本質的な再発防止ではないでしょうか。  もう一つの観点を申し上げます。  業務改善、働き方改革のレベルだけでは、厚生労働省、本当に頑張っているけれども、負担は半減はいたしません。この過重負担や蓄積疲労によって今後もミスを起こしかねない。しかし、そのミスが大臣の不信任案や問責決議の引き金になったり、ひいては政権の基盤を揺るがしたり政権交代の主要論点になってしまうとすれば、これは安定的な国家経営の観点からもゆゆしき問題ということになっていきます。  総理、御案内のとおり、実際、十二年前には、いのしし年の参議院選挙で社会保険庁の不祥事が消えた年金という一大攻撃材料になりました。総理が陣頭指揮、私自身もたすきを掛けて、ほとんどの私の同僚議員は議席を去っていきました。  そういう意味では、省庁再編にエネルギーが掛かりますけれども、まずは厚生労働省、行政に焦点を当てて、持続可能で制度疲労を起こさない、そして職員を疲弊させない、国民の期待を裏切らない行政組織を打ち立てることこそ行政改革の本丸ではないでしょうか。  総理の御所見を伺います。
  522. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かにおっしゃるように、厚生労働省は、保健医療、介護、福祉、年金、子育て、労働と非常に広範な範囲であり、かつ国民生活に密着した政策を担当しておりまして、厚生労働行政は国民生活に直結する分、誤りが起こった場合の影響は重大で深刻となるわけでございまして、予算につきましても、この三十年度の場合が三十二兆円ですか、第一次安倍政権のときは二十兆円台だったわけでございますが、これ相当大きく伸びている。かつまた、この働き方改革も含めて、大きな時代の変わり目でありますから、大変法案の本数がこれすごく多いわけですね。  ですから、確かに厚労大臣というのは物すごく大変なんだろうと、こう思いますし、塩崎厚労大臣が、なるべく早く帰さなきゃいけないというんで省内を、十時ぐらいかな、みんな帰っているかどうか、ということは十時まで大臣がいるのかということでもあるわけでございまして、そういう意味におきまして、どういう組織がいいのかということであります。  ただ、この組織論というのは非常にエネルギーを費やすことにもなり、目の前のこの仕事をこなしていく上においてはですね、そうすると、その組織の人がそっちに集中してしまっても、頭が、頭と気持ちが、これはならないものでありますから、まずは、この今回起こった統計問題など、重要な、重大な事案が発生しておりますので、組織のガバナンス、業務の高度化、専門化、業務量や業務の適正化といった視点で、これらの問題に対して原因、背景を明らかにした上で、一つ一つ再発防止を徹底していく必要があると、こう考えておりまして、適切な規模はどうあるべきか等々についてはこれは重要な課題であろうと、こう思っておりますので、常に検討していかなければならないと、このように思うわけでございまして、党においては党の立場でまた御検討いただきたいと、こう思う次第でございます。
  523. 有村治子

    ○有村治子君 ありがとうございます。  私も言葉を選んで、省庁再編をしてくださいと申し上げているわけではありません。的確な行政組織はいかにあるべきかということに対して、行政も、また私たち立法府も国民の皆様も意識をしていただけるということが第一歩だというふうに思っております。  最後に、女性活躍についてお伺いします。  世界経済フォーラムが発表しているジェンダーギャップ、これは世界で百四十九か国中百十位と、世界に比べて女性活躍が遅れている、特に政治分野についての女性活躍の遅れが足を引っ張っているということが分かります。国会議員が少ない、女性議員が少ないということでございますが、実は、来月には統一地方選挙がありますけれども、女性の政治参画が遅々として進まない理由には、立候補する時点、すなわち、選挙においてアンフェアな壁があるのではないかというふうに私は思い始めています。総理に通告はしていませんが、後でお伺いをしたいと思いますので、聞いていてくださいませ。  例えば、分かった、あんたを支持してやるとよということで、食事を一緒に食べようとかお酌を強要されたりとか、あるいは、少子化対策を言うならまずは結婚してからだろうとか、おまえは結婚しているのか、じゃ、おまえに入れないぞというようなことは日常茶飯事、私自身も経験をいたしました。また、夜遅くまで仕事をしていると、男性の議員は御苦労さまとなりますが、女性の議員ですと、御主人と子供を犠牲にして家族に迷惑を掛けて平気なのと、かわいそうだねというような、なかなか本人も自覚がある中でそれを言われると、正直ぐっとくるところもございます。でも、これは女性だけに課せられるハンディであって、そして、後ろから腰に手をやられて、その手がだんだん下がっているということもみんな経験している、与野党問わず経験していることでございます。  しかし、候補者に対して何をやっても許されるという風土が本当に健全な民主主義社会の発展にいいのかどうかということを考えれば、これは与野党を超えて、地方議員も含めて、候補者ほどこれを、大変な思いを直面している、その議会人を増やしたいというのであれば、こういう具体的な候補者に対するアンフェアな事例はしっかりと集めて公表して、みんなで候補者に対するハラスメントを避けるべきだと思います。  女性活躍担当大臣の御答弁を求めます。
  524. 片山さつき

    ○国務大臣(片山さつき君) 委員御指摘のとおり、今の男女共同参画基本計画においても、政治的意思決定において男女共に積極的に参加し責任を担う社会ではなくてはいけないと我々は決めて進んでいるわけでございまして、それとともに、そもそもハラスメント行為自体があってはならない、人権侵害でございますから。今委員が御指摘されたようなこと、私も政治に入って十四年目になりますが、もう本当に、はっきり言ってありますよ。その上に、内閣府が、我々として昨年度実施いたしました女性の地方議員四千名へのアンケートの結果で、何と三割が女性として差別されたりハラスメントを受けた経験があり、それが議員活動上課題となっていると答えているという現実がございます。  それから、内閣府、総務省共同で女性地方議員との意見交換会等も行いましたが、たくさんの事例が出てきているのは事実でございまして、今年は統一地方選がございます。その貴重な機会も生かして、昨年には政治分野における男女共同参画推進法も施行されまして、十二月には全党、我々手分けをして候補者擁立のお願いに回っておりますが、そういったことも含めて、せっかくの機会でございますので、情報収集、そしてその結果の分析、さらに女性議員同士のネットワークや横連携といったことも含めて、今までの単なる参照事案ではなくて、一歩進めた、まさに民主主義の根幹を守るためのこういったハラスメント対策を行ってまいりたいと、かように考えております。
  525. 有村治子

    ○有村治子君 国会においても女性議員は少ないです。しかし、その中で、今日ここにいらっしゃる女性議員を御覧になっていただいても、皆さんキャラクターが強いというか、たおやかというか、やっぱり、そのハラスメントを悔しいと思ったのを、本当にその困難を乗り越えて、涙を拭って、それをよろい、甲冑、かぶとに替えて、たおやかにここに生き残れて、環境適応した人だけがここにいます。だけど、そんな、そんな肉食系の女性議員だけでいいのかどうかということを考えると、やっぱり、障害をお持ちの方あるいは普通に子育てをしている方、いろんな経験がある方ということの多様な議会になっていくためにも大事です。  同時に、人口減少、過疎に悩む地域では議員のなり手も不足しています。議会の存続自体が難しい地域が高知県などでは出てきました。そういう意味では、総務省さんにおいても、女性活躍というだけではなくて、若い人にも、男性にもこのハラスメントはあります。公正で明るい選挙を実施するというのは民主主義の根幹、地方創生の土台であります。恐らく、総理の最初のときも、小泉進次郎さんもこのようなハラスメントがあったと思います。  民主主義の発展に尽くすという意味での、ハラスメントを決別する総理の一言をいただきたいと思います。
  526. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かに、特に地方議員においては大変女性の議員の方が少ない状況でありますし、候補者そのものがなかなか少ない。今度の統一地方選挙におきましても随分無投票のところが多いんですが、山口県におきましても、そういうところはなるべく女性の候補を出そうとするんですが、いろんな問題がある。  今、やはり有村委員が御指摘されたような女性特有のこの壁、あってはならない壁があったんだろうと、こう思います。これ、なかなか男性分かりにくいところがあるので、これはしっかりと我々そういう壁を取り除いていき、もっと多くのこの有村さんがおっしゃったところの肉食系以外の方々、これ私が言っているのではなくて有村さんがおっしゃったところのですね、そういういろんな方々が、多様な方々が活躍できる場にしていきたいと、このように思っております。
  527. 有村治子

    ○有村治子君 自由民主党、有村治子の質問を以上で終わります。  ありがとうございました。
  528. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 以上で有村治子君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  529. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 次に、堀井巌君の質疑を行います。堀井巌君。
  530. 堀井巌

    ○堀井巌君 自由民主党の堀井巌です。  本日は貴重な質問の機会をいただきまして、先輩諸氏、また同僚諸氏に感謝を申し上げます。  まず冒頭、児童虐待問題について一言申し上げます。  今日は、ちょっとラジオでお聞きの方には大変恐縮なんですけれども、私の今右胸にオレンジリボンのバッジを付けております。これは、今から十五年前の二〇〇四年、栃木県小山市で三歳と四歳になる二人の兄弟が父親の友人から再三にわたって暴行を受け、橋の上から川に投げ込まれて幼い命を奪われるという痛ましい事件をきっかけに児童虐待を防止していこうという運動が始まりました。その運動に使われているものでございます。  昨年三月にも、東京都目黒区で五歳の幼い女の子の命が虐待によって失われました。また、本年一月、千葉県野田市で十歳の女の子が虐待によって死亡するという大変痛ましい事件がありました。このような悲しい事件を二度と繰り返してはならない、そのためには児童虐待の防止に向けた社会的な機運を高めなければなりません。  今、厚生労働省から私いただいてまいりましたが、(資料提示)厚生労働省では、このいちはやくという三桁の番号で、二十四時間三百六十五日、誰でも、近所やあるいはどこかで児童虐待かもしれないということを、現場を見付けたりしたら、すぐにこの電話をすれば全国の最寄りの児童相談所に電話がつながるという取組が始められたと聞いております。  やはり、こういったことを国民全体でみんなで共有をして、一丸となってこの児童虐待の防止に取り組んでいかなければならないというふうに思います。このいちはやくという番号も含めて、この児童虐待防止に向けた取組、厚生労働大臣にお伺いしたいと思います。
  531. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 全ての子供について健やかな成長、発達や自立等が保障されるように、児童虐待防止に関しては、発生予防、早期発見、児童虐待発生時の迅速、的確な対応、被虐待児への自立支援などを切れ目なく講じていくこと、これが私は重要だと思います。  これまで、平成二十八年、二十九年度の児童福祉法改正、昨年七月の緊急総合対策の決定、そして同年十二月の新プランの決定など、総合的な対策を累次講じてまいりました。また、今委員御指摘のいちはやくは、平成三十年度補正予算で無料化に必要な費用を計上し、平成三十一年度予算案ではSNSを用いた相談手法を活用する場合の補助などを計上しており、こうした取組を通じ、早期発見、迅速な対応につなげてまいります。  さらに、子供の命を守り、社会全体で子供を見守り児童虐待防止対策を進めるため、今年二月の緊急総合対策の更なる強化、徹底を行うとともに、児童福祉法等改正法案を国会に提出すべく準備を進めています。  具体的には、体罰の法定化や、ちゅうちょなく一時保護に踏み切れるよう、介入担当者と保護者支援担当者の分離、児童相談所における弁護士等の配置促進、DV対策との連携強化など実効性のある対策を盛り込むように、早急に準備を進めています。  何よりも子供の命を守ることを最優先に、あらゆる手段を尽くして、児童虐待の根絶に向けて全力で取り組んでいきたいと考えています。
  532. 堀井巌

    ○堀井巌君 ありがとうございました。  厚生労働大臣を始め厚生労働省の役割、また児童相談所の役割、これは地方自治体になりますけれども、もちろんそういった役割も重要でありますし、我々社会全体でこの問題に取り組んでいく必要があると改めて感じております。  次に、外交問題について幾つかお伺いをしたいと思います。  まず、喫緊の話題からお伺いをいたします。  まず、総理に米朝首脳会談についてお伺いいたします。  二月二十七日と二十八日、ベトナム・ハノイにおいて、二回目となる米朝首脳会談が開催されました。合意に至らなかったということであります。私自身は、これが完全な非核化の道筋を得ないまま経済制裁が解除されるというような譲歩が行われなかったことは、これはやはり多とすべきではないかと考えているところであります。  安倍総理におかれては、トランプ大統領と事前で会談をされ、事前電話会談されまして、また、会談が終わった後に電話等でやり取りもされたというふうに伺っております。  まず、この米朝首脳会談の安倍総理の受け止めをお聞かせいただきたいと思います。
  533. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先週ハノイで行われました第二回目の米朝首脳会談の結果につきましては、その直後にトランプ大統領から電話がございまして、エアフォースワンからの電話であったわけでありますが、そこで電話首脳会談を行い、その結果について報告を、説明を受けたところでございますが、朝鮮半島の非核化を実現するとの強い決意の下、安易な譲歩を行わず、同時に、建設的な議論を続け、北朝鮮の具体的な行動を促していくとのトランプ大統領の決断を全面的に支持をしたところでございます。  もちろん、残念ながら、朝鮮半島の非核化というところで大変大きな一歩というか、大きな成果を上げるということではもちろんなかったのでございますが、安易な譲歩をするということは、まさにこれは日本の安全に関わる、直接関わることでありますから、そういう意味におきましては、トランプ大統領が、安易な譲歩は行わず、同時に建設的な議論を続けていくと、そして、その中において北朝鮮に具体的な行動を促していくというこのトランプ大統領の決断を日本は全面的に支持をしているところでございます。  同時に、事前に電話首脳会談を行ったときにも、昨年と同様に、拉致問題について、しっかりと私の考え方、この拉致問題の解決に向けた考え方について金正恩委員長に伝えてもらいたいと、昨年も伝えていただいたんですが、ある意味、更にしっかりと伝えていただきたいというお話をさせていただきました、時間を取って話をしてもらいたいと。  その結果、最初に、一番最初に行われた会談、一対一のテタテの会談、これは、首脳が会談を行う場合、一番重要なことをお互いに話し合うわけでございますが、その場でトランプ大統領から先方にこの拉致問題について、私の考え方について伝えていただいたわけであります。さらには、その後の夕食会の席におきましても引き続きこの問題について提議をし、そして、この少人数の夕食会で提議をし、そして首脳間での真剣な議論が行われたとの説明があったところでございます。  この後は私自身が金正恩委員長と向き合わなければならないと、こう考えているところでございます。御家族の皆様も御高齢となる中で、一日も早い解決に向けて、あらゆるチャンスを逃さない、逃すことなく果敢に行動していきたいと考えております。
  534. 堀井巌

    ○堀井巌君 ありがとうございます。  拉致問題についてもう一度だけお伺いをさせてください。  今おっしゃられたように、米朝首脳会談の中で拉致問題についてきちんと取り上げてもらって、はっきりと北朝鮮側に伝えてもらったと、これはやはり日本の外交努力の成果だったというふうに思います。今、総理は、これからは総理自身が金正恩委員長と向き合ってやっていくということですが、これは直接対話も含めてこれから取り組んでいくと、そういう理解でよろしいでしょうか。
  535. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) これ、当然、言わば拉致問題というのは日本と北朝鮮との間の問題でありますから、日朝で話をしなければ解決には至らないと、こう考えておりますので、言わば日朝の首脳間の対話に結び付けていきたいと、こう考えている次第でございます。  どういう中身かということについては、詳細については申し上げることができないわけでございますが、拉致被害者の御家族の皆様には、またこの後ですね、機会がうまく合えば少しお話をさせていただきたいと、このように考えております。
  536. 堀井巌

    ○堀井巌君 是非とも、拉致問題の解決に向けて総理の最善の努力を期待したいと思います。  次に、日中関係についてお伺いをしたいと思います。  昨年、総理は十月の二十五日から二十七日まで、多国間の会議という出席を除いて、二国間という関係では七年ぶりとなる、日本の総理大臣として七年ぶりに中国訪問をされて日中の首脳会談を行われました。これは、日中にはもちろん、非常に相互依存関係が進んでいる、一方で様々な難しい問題、安全保障を始めとした難しい問題がある中で、首脳同士がきちんとした話合いを持っていくということは極めて重要だというふうに思うわけであります。  今年はG20が六月の末にあります。もちろん、そういった場でも首脳会談というのは当然模索されていくことになるというふうに思いますけれども、望むらくは、昨年、安倍総理が中国に行かれましたので、習近平主席にまた日本にお越しいただくことも含めて、日中関係、特にこの首脳同士の往来というものがより活発化することを期待いたしますが、この日中関係について総理の見解をお願いします。
  537. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 昨年十月に日本の総理大臣としては約七年ぶりに中国を公式訪問し、日中関係は完全に正常な軌道に戻ったわけでございます。  日中両国が安定的な関係を築くことは地域の平和と安定に資するわけでございます。共に責任を果たしていく共通の基盤はできていると考えています。習近平主席と確認した今後の両国の道しるべとなる三つの原則の上に、主張すべきはしっかりと主張しながら、首脳間の往来を重ね、日中関係を新たな段階へと押し上げ、日中新時代を切り開いていきたいと、こう考えているところでございます。  また、先般訪問した際、訪問し会談を行った際には、新潟産のお米が中国への輸出について解禁されたわけでございまして、今後、経済関係においてもウイン・ウインの関係をより広げていくことは日本の経済成長にも大きなプラスになっていくものと、こう期待しているところでございます。
  538. 堀井巌

    ○堀井巌君 ありがとうございます。  やはりこの首脳間の関係が密になるというのは、その首脳会議が、首脳会談が行われるときには、やっぱり両国がこれを実りあるものにしようということでやはり外交努力をする、それがやはり両国間の関係発展に私はやっぱりつながっていくという意味で、今後の御尽力を期待したいと思います。  もう一点、恐縮ですが、日ロ関係についてお伺いをいたします。  今、総理は、この日ロ関係で相当の努力をされておられます。今我々はこの平成の最後の年にいるわけでありますけれども、振り返ってみますと、平成元年、一九八九年にはベルリンの壁が崩壊しました。そして、二年後の九一年にソ連が消滅をしたわけであります。もちろん、これは歴史でありますので、過去を振り返ってどうだということは言えないわけですけれども、ひょっとしたら、今、日本人の多くの人たちが、ひょっとしたら、あのソ連が消滅をした直後の時期、九〇年代の初めの頃にこの難しい日ロ関係の北方領土問題を解決して平和条約を締結するということが成功裏に終わっていればという思いがある国民の方も多いと思います。私もその一人であります。もちろん、当時の政治に携わる方、また外務省の関係の方々、みんな努力はされたと伺っています。努力はしたけれども、そのときは残念ながらその形にならなかった。  しかし、今、ようやく日本も政治の混乱期、すなわち毎年総理大臣が替わると、そのような時期を越えて、今安定した政権がつくられているわけであります。私は、これは国民の方々がこのような安定した政権を選択をされたわけでありますけれども、その中の期待の一つとして、やはりこの歴史上困難な問題、この困難な問題に、今安定した政権のリーダーであるからこそ、やはり歴史的な責任として、使命としてしっかりとその問題の解決に向けて取り組んでもらいたいというその期待があって私は今このような政権があるんだというふうに受け止めております。  ここで、総理の、この北方領土問題を解決して平和条約を締結するというこの日ロ関係に向けた今の御決意をお伺いしたいと思います。
  539. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) この日ロの平和条約、領土問題の解決というのは、戦後七十年以上解決されてこなかった問題であります。もとより困難な課題ではないわけでございますが、しかし、この時が経過するということはどういうことかといえば、元島民の皆様もどんどんお年を召されるわけでございます。そして同時に、このロシア側は、ロシアの、ロシア人、住んでいるロシア人、今一万七千名の方々が四島に住んでいるんですが、その方々もこう歴史を積み上げていくことになってしまうわけでありまして、この更に年を経ていくことによって歴史のかなたに行ってしまうという危険に直面をするわけでございます。その中において、もう次の世代に安易に先送りするわけにはいかないと、こう私は決断をしているところでございます。  六月のG20大阪サミットにプーチン大統領をお招きをし、併せて首脳会談を行います。日本国民とロシア国民が互いの信頼関係、友人としての関係を更に増進をし、お互いに、相互に受入れ可能な解決策を見出すための共同作業を力強く進め、平和条約交渉をでき得る限り前進させていきたいと。  この問題は、相手があることであり、七十年以上解決されなかった中においては、これは両国が受入れ可能な案でなければ解決できないんだということでもあるわけでありまして、いずれにいたしましても全力を尽くしていきたいと、こう考えております。
  540. 堀井巌

    ○堀井巌君 ここで、外交の関係で、私の少し経験談から総理にお伺いをしたいと思います。  私は、昨年の十月まで外務大臣政務官ということで任命をいただきまして、大変貴重な経験をさせていただきました。そこにおられます河野外務大臣の、上司でありました河野大臣の命を受けて、いろいろと諸外国に出かけることもございました。特に、このアジア諸国を歴訪していろいろ感じたことがございます。  まず、パキスタンに行きました。あと、インドに行きました。この国、両国はカシミール地方の領有をめぐって対立はしておりますけれども、両国共に日本に対しては極めて大きな信頼と期待を寄せているということが印象的でありました。パキスタンはもう九〇%以上の車は日本車であります。インドとも今、日本とは連携強化図っておりますし、日本の新幹線が建設されようとしているわけであります。  また、もう少し東に行きまして、バングラデシュとミャンマーという国がございます。ここは、いわゆるムスリム系の方々がミャンマーの西部に住んでおられて、その方々が難民として今バングラデシュの方に逃げている、七十万人以上と言われます。非常にまだ劣悪な環境の中で難民キャンプで過ごしておられます。私も、河野大臣の命を受けて幾たびか両国に伺いました。難民キャンプにも行きました。また、河野大臣も難民キャンプにも何度も行かれておられます。  これら、この両方の国、もちろん対立があるわけでありますけれども、両方の国が誰について信頼をするかといえば、これは日本であります。欧米の国だと、どちらかの国はオーケーと言うけれども、どちらの国はいや、その仲介であればという思いがあるわけですけれども、やっぱり日本は両方の国から信頼を受けているということでありました。  インドネシアに行きましたときに、昨年は二〇一八年の日本・インドネシア国交樹立六十周年でありましたけれども、そのときの記念大使になられた方で、仲川遥香さんという日本人の女性の方がいらっしゃいます。元々AKB48の方でした。今、ジャカルタ48ということでインドネシアに拠点を移されました。インドネシア語を勉強して、インドネシア語でツイッターで発信をしたと、物すごい人気になりました。今、女性のツイッターのフォロワーの世界ランキングで七位でございます。日本人では当然一位であります。ヒラリー・クリントンさんが十一位ですから、ヒラリー・クリントンさんよりもツイッターのフォロワーの数が多いわけであります。これは、本当に一つの現代における日本のソフトパワーの一例ではないかというふうに思います。もちろん、その仲川さんの努力も、語学を覚える努力もあってのことだというふうに思っております。  東南アジア諸国では、もう日本に対する好感度は本当に他の国と比較しても明らかに違う、圧倒的にナンバーワンという国が多いわけであります。これらは大変有り難いことではあるんですけれども、他方で、平成元年の日本、そして今、平成三十一年の日本、比べたときに大きな変化があります。  アジア諸国、先ほど申し上げましたパキスタンからずっとインドを経て、ASEAN諸国があって、中国、そして韓国、日本、これらの国々のGDP全部足したときに、平成元年はその三分の二は日本でありました。中国はその一〇%ぐらいでありました。圧倒的に日本だったわけであります。しかし今は、五〇%、半分は中国であります。二〇%が日本であります。明らかにこの日本の立ち位置というのが、経済的な影響力というのは変わっているわけであります。当然、今申し上げた東南アジアの諸国、経済的には中国への依存度の方がはるかに大きいわけであります。そういった中で、いかにこの日本がしっかりとしたこれからの何十年間の外交をやっていくのかというのが今我々に問われている課題ではないかというふうに思います。  しかし、私は、感じるのは、東南アジアの諸国、これはずっとこれまでの歴史を積み重ねる中で得てきた日本という国に対する信頼、これはやっぱり先人の方々の努力だと思いますけれども、こういった信頼や期待というのをしっかりと礎にしながら、また諸外国と連携をしてこの地域の平和と繁栄を守っていくと、やっぱりそういう考え方が大事ではないかというふうに私は感じたわけでありますけれども、安倍総理、この平成の最後の年に、この日本の外交、どのように見ておられて、その課題と今後の方針について少し所見をお伺いできればと思います。
  541. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) この平成の三十年間を振り返りますと、国際情勢は冷戦の終結に伴い大きく変化をし、我が国を取り巻く安全保障環境は激変をいたしました。  この失われた二十年の間、デフレで経済は低迷し、数年前までは行き過ぎた円高によって多くの企業が工場を海外に移転をし、下請企業は仕事がなくなって倒産し、我が国の国際社会における存在感は低下をしていたということではないかと思います。  平和安全法制によって、日本の外交、安全保障の基軸である日米同盟はお互い守り合うことのできる同盟となったわけでありまして、当然、守り合うことのできる同盟はそのきずなを強くします。私とトランプ大統領とのまた強固な信頼関係の下、日米同盟はかつてないほど盤石、そして、平和安全法制に基づく取組等を通じて更に日米同盟を強化し、アジア太平洋の平和と繁栄をリードしていく考えであります。  そして、北東アジアを真に安定した平和と繁栄の地にするためには、近隣外交を力強く展開をし、そして戦後外交の総決算を進めていかなければならないと考えています。  北朝鮮との間では拉致、核、ミサイルの問題を解決をし、不幸な過去を清算して国交正常化を目指していきたいと思います。ロシアとは領土問題を解決をして平和条約を締結し、中国とは首脳間の相互往来を通じあらゆる分野で両国民の交流を強化し、関係を新たな段階に押し上げ、日中新時代を切り開いていきたいと思っております。そして、インドから太平洋へと至る広大な海と空を、国の大小にかかわらず、全ての国に恩恵をもたらす平和と繁栄の共通の基盤としていかなければならないと、こう思っております。  このビジョンを共有する、多くの国々はこのビジョン、共有しているわけでございまして、ヨーロッパにおいてもイギリスやフランス、あるいはオランダもそうでありますが、こうした基盤を共有する国々とともに、アジア太平洋地域を法の支配による自由で安全な繁栄する地域にしていきたいと、こう考えております。  また、委員が、堀井委員がおっしゃったように、東南アジアの国々は大変日本にいい感情を持っている。ただ、いい感情を持っている国々に対して日本は安心する傾向があるわけでありますが、こういう日本にいい感情を持っている国々には更に親密な関係にしていくという努力を重ねていく必要があるんだろうなと。例えば南米もそうなんですが、そういう国々と、見落としている親日国等々ともしっかりとこのきずなを強くしていく努力をしていきたい。  そういう意味におきましては、堀井委員にも議員外交を展開をしていただいております。どうしても外務省だけだと見落としをすることも多いわけでありますが、政治家特有の社交術と勘とによって多くの国々、そういう落としているかもしれない国々、あるいは議員外交、議員同士の関係の強化、国民同士の交流を深めていくことが大切だろうと、こう思っております。
  542. 堀井巌

    ○堀井巌君 ありがとうございます。  次に、安全保障についても少し触れたいと思います。  平成元年の防衛白書というのを借りて読んでみました。何が書いてあるか。もうソ連の動向が三十七ページ以上にわたり詳細に記述されていました。他方で、例えば中国については四ページ弱であります。こんな表現になっております。国防支出は限られており、装備の近代化を始めとして、早急な近代化は困難な状況にある、こういう認識が平成元年だったわけであります。当然、今、平成三十一年、恐らく明らかに認識は異なるわけであります。今、最新の防衛白書を見ますと、北朝鮮そして中国の軍事力について詳細な記述がなされているわけであります。  そこで、まず防衛省の方にお伺いをしたいんですけれども、平成の初めとそして現在において、まず日本の防衛費がどうなっているのか、大体何倍ぐらいになったのか、そして、例えば中国の防衛費については幾らから幾らになったのか、どのぐらいの割合で増えているのか、教えてください。
  543. 槌道明宏

    ○政府参考人(槌道明宏君) 中国が公表しております最新の国防費につきましては、今日の時点では、二〇一八年度、平成三十年度でございますので、そのことを申し上げますと、約一兆一千七十億元でございます。そこから三十年遡りますと、一九八八年、昭和六十三年になりますけれども、そのときは約二百十五億元でございます。すなわち、この公表額で見ましても、過去三十年間で約五十一倍に増加をしているということになります。  他方、我が国でございますけれども、SACO経費等を含みます防衛関係費につきまして、その同じ昭和六十三年度の当初予算は約三兆七千三億円、そして平成三十年度の当初予算は約五兆一千九百十一億円でございますので、過去三十年間で約一・四倍でございます。
  544. 堀井巌

    ○堀井巌君 中国は五十一倍の軍事費の伸びであり、日本は防衛費は一・四倍でありました。そして、もう量的にも、もちろん今公表されている数字だけでも日本の三倍以上あるいは四倍とも言われる軍事費が中国の今の軍事費の姿であります。今そのような安全保障環境にあるということをやはりしっかりと認識した上で、これからの安全保障について考えていかなければならないと私は思うわけであります。  また、最近では、サイバーあるいは宇宙といった分野での対応というのもこれは課題になってきているというふうに認識をしております。  昨年の十二月に、政府においては、新たな防衛計画の大綱、これからの十か年の見通しを、政策を示したものを策定をされました。また、これからの当面の五年間の計画であります中期防衛力整備計画も策定、改定をされました。  これらの中で、どのような考え方でこれから防衛力整備を図っていくのか、防衛大臣に伺いたいと思います。
  545. 岩屋毅

    ○国務大臣(岩屋毅君) その前に、先ほどの中国の軍事費ですが、元で申し上げましたのでちょっとぴんとこないと思うんですが、円換算にいたしますと、公表されているだけで約十七兆七千百十二億円という規模でございます。  それから、昨年の暮れに作らせていただいた防衛計画の大綱、中期防でございますけれども、まず、冷戦期ですね、遡ってみますと、昭和五十一年に策定された最初の防衛大綱の下では、当時の国際情勢を背景に、限定的かつ小規模な侵略までの事態に有効に対処すべく、防衛力の存在、存在していることによって侵略を抑止するという考え方でございまして、北方重視、冷戦時代ですから北方重視とも評される防衛体制を構築してきました。  他方で、その後のグローバルなパワーバランスの変化、我が国周辺国による軍事力の近代化、軍事活動の活発化など、我が国を取り巻く安全保障環境の変化を踏まえまして、南西地域の防衛に重点を置いて、陸海空自衛隊の統合運用の考え方をより徹底した防衛力の構築へと進んでまいりました。  そして、現在、国際社会のパワーバランスは大きく変化しつつございまして、我が国を取り巻く安保環境は格段に速いスピードで厳しさと不確実性を増しております。特に、自衛隊の運用も当然、宇宙、サイバーに依拠しておりますし、電磁波という能力を持った国々も増えてまいりましたので、この宇宙、サイバー、電磁波といった新たな領域が死活的に重要になってきていると。  そこで、陸海空だけではなくて、この新しい領域を加えた多次元統合防衛力の構築を進めていくということを今度の大綱の基本的な考え方にしているところでございます。
  546. 堀井巌

    ○堀井巌君 ありがとうございました。  次に、平和安全法制について伺いたいと思います。  ちょうど三年前の九月に、まさにこの参議院のこの第一委員会室において平和安全法制に関する法案が採決をされ、可決をいたしました。  法律制定の際には、戦争法案だとか、地球の裏側の戦争にも関与するといったような根拠のない批判も多かったように思います。しかし、成立から三年以上が過ぎた今、そのようなことはもちろん全く起こっておりません。世界中のどの国の方々と話をしても、今、日本が戦争をする国になっているというふうに理解している国は全くありません。  国際社会において、今、この地域においての安全保障上の懸念は、北朝鮮による核・ミサイル開発であり、また中国の膨張する軍事費というのが国際社会共通の懸念であるわけであります。  その一方で、この平和安全法制を通じて、日米同盟がしっかりと強化をされる、それを礎にこの地域の平和と安定が守られている、守られるということに対する期待も周辺諸国からは極めて大きいわけであります。  そこで伺います。この平和安全法制が成立して以降、日米のきずなというのは具体的にどのように深まっていったのか、その点についてお聞かせいただければと思います。
  547. 岩屋毅

    ○国務大臣(岩屋毅君) 平和安全法によりまして、特に日米同盟という観点から申し上げますと、あらゆる事態に対し日米が互いに助け合うということが可能になったというふうに考えております。言ってみれば、助け合うことのできる同盟という形により深化をしてきていると考えております。そのきずなを強くすることで今や同盟の抑止力は大きく向上しており、このことは、我が国のみならず地域の平和と安定に大きく寄与することができるようになっていると考えております。  例えばでございますけれども、平和安全法の下で自衛隊は米国の艦艇や航空機に対する防護を実施することができるようになりました。昨年は米軍に対しまして計十六回の警護を実施をしております。この回数は一昨年の二件から大幅に増加をしております。また、自衛隊の部隊が弾道ミサイル対処などを行う場合に、その部隊とともに現場に所在して同種の活動を行う米軍の部隊に対して、物品、役務の提供を実施することができるようにもなりました。  このような形で同盟がより強化され、そのことが我が国の平和そして地域の安定に大きく寄与することができるようになったというふうに考えております。
  548. 堀井巌

    ○堀井巌君 ありがとうございます。  同盟が、きずなが深まるということは、私は、別の言葉で言うと、やっぱり抑止力が高まるということなんだろうと思います。日本に対して軍事的な挑発を行おうとする仮に国があったとすれば、その国から見たときに、日米同盟の連携が深まれば、これはより一層挑発を行ったときに自分たちが受ける痛手が大きくなる、結果として挑発を行うことをやめようという意味での抑止力向上につながっているというふうに私は理解をいたしております。  安倍総理におかれては、これまでこういった平和安全法制の成立、そしてまた今回の防衛大綱の策定、また中期防衛整備計画の策定、この我が国の安全保障に関する重要な政策を進めてこられましたが、将来にわたり我が国の安全を守っていく決意をお聞かせいただければというふうに思います。
  549. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 安倍政権は、六年前の政権発足以来、現実を直視した安全保障政策の立て直しを進めてまいりました。  我が国初となる国家安全保障戦略を策定するとともに、戦略実行の司令塔として国家安全保障会議を設置をし、政治のリーダーシップの下、安全保障上の課題に前例にとらわれず取り組んできたところでございます。こうした体制の下に、今御紹介をいただいた平和安全法制を整備をした、助け合うことのできる同盟はそのきずなを強くする、それはまさに抑止力を強化していく国であります。日本を攻撃しようとする相手国は、果たして攻撃したらアメリカは報復するのかどうかということを見るわけであります。  確かに、五条において共同対処することになっておりますが、どういう共同対処をするかということまでは書いていない。その中において、まさにきずなのない、信頼関係のない同盟関係というのはただの紙になっていくわけでありまして、その意味におきましては、強固なきずなを持つ同盟国にチャレンジはするのはやめておこうということになるわけでありまして、それはまさに先ほど防衛大臣からも答弁をさせていただきましたが、十六回にわたって米艦あるいは航空機等の防護を行った、この状況を多くの国々が注視をしているわけでございまして、まさに日米同盟はそこまで深化したんだということを理解をしているんだろうと、こう思うところでございまして、その意味におきましては日米同盟はかつてないほど強固なものとなったと、こう確信をしております。  しかし、これまでの成果に安住することはできないわけでありまして、国際社会のパワーバランスは大きく変化をしつつあり、安全保障環境は当初想定していたよりも格段に速いスピードで厳しさと不確実性を増しています。特に、宇宙、サイバー、電磁波といった新たな領域の利用の急速な拡大は、陸海空における対応を重視してきたこれまでの安全保障の在り方を根本から変えようとしています。このため、昨年末、新たな防衛大綱を策定し、従来の延長線上ではない真に実効的な防衛力の構築に向け、従来とは抜本的に異なる速度で変革を図っていく考えであります。  今後とも、安全保障の現実から目をそらすことなく、真正面から向き合い、国民の命と平和な暮らしを守り抜いていく決意であります。
  550. 堀井巌

    ○堀井巌君 ありがとうございました。  私、地元で高齢者の方々を前にして福祉の話だとか社会保障の話をしたことがございました。とあるときでありますが、質問何かないでしょうかと言ったときに、とある高齢者の方が手を挙げられました。社会保障の話、福祉の話ありがとう、しかし、将来、自分たちのこの国の領土、領海がなくなってしまうようであれば社会保障も何もないじゃないか、国会議員として活動する以上そのことはしっかりと念頭に置いてやってくれ、このような言葉をいただいたことを改めて思い起こしております。今後もそのような思いでこの安全保障について関わっていきたいというふうに思っております。  次に、外交力の強化のための方策について幾つかお伺いをしたいと思います。まず、国際機関で働く日本人の職員の数について伺いたいと思います。  今、国際機関における日本人職員の数というのは大体どのぐらいであるんでしょうか。せっかくでありますので、平成の最初の頃とまた今とを比べてお答えいただきたいと思います。
  551. 鈴木哲

    ○政府参考人(鈴木哲君) お答えいたします。  国連及び国連関連機関の専門職以上の職員の数について申し上げます。平成三年一月時点で三百八十二名でございましたが、平成二十九年十二月時点では八百五十名、その間、約二・二倍になってございます。
  552. 堀井巌

    ○堀井巌君 それ、国連の中の職員全体での割合、日本人職員の割合という点ではどうでしょうか。
  553. 鈴木哲

    ○政府参考人(鈴木哲君) お答え申し上げます。  職員の今の割合では、全体の職員の中で二・四四%でございます。
  554. 堀井巌

    ○堀井巌君 ありがとうございます。  人数は非常に増えているというふうなことは大変有り難い、好ましいことでありますけれども、国連関係機関の職員の数全体も増えていますので、その割合でいうと、実はいろいろレクのときに伺いましたが、増えていないということであります。  もちろん、今外務省の方では二〇二五年にこの国連関係機関の専門職の職員、千名にするということで相当な努力をしていただいておりますが、是非これは取組を続けていただきたいというふうに思うわけであります。  そこで、外務大臣にまずお伺いしたいんですけれども、国家公務員の方々、もちろん外務省職員、あるいは他の役所の職員の方々で国際機関にチャレンジするような方々、これもどんどんと励まして送り出せるようにしたらいいのではないかというふうに思うわけであります。  というのも、WHOの西太平洋地域事務局のトップに、この度、葛西健さんという日本の医師の方が就任をされました。これはこの地域全体で三十三か国、十九億人の公衆衛生を担う、まさに世界保健機関の大事なポジションでありますけれども、この方は元々、日本の大学、医学部を出て厚生労働省に入省をされた方であります。そこからWHOに行かれて、そして今、そのトップの座に就かれたわけであります。  やはり日本人職員が国際機関で活躍するためにも、国家公務員の方々でそういったところにチャレンジしたいという方々がいらっしゃったらどんどんとそれを奨励するようなことも大事じゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
  555. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) 外務省として、二〇二五年までに国連関係機関日本人職員の数を千人まで増加したいと思っております。  一番大きな問題は、そもそも英語力がないものですから、応募をしてくれる日本人の数が圧倒的に少ない。これは柴山文科大臣にお願いをして英語力強化の柴山プランというのを早めに立ち上げていただいて、日本人全体の英語力の底上げというのをやらなければならないと思っております。  外務省としては、JPOの予算を少しずつ増やして、JPO、形で派遣をする人数を増やし、また、現職の国家公務員がJPOとして国連機関に派遣されるという制度を復活をしようと思っております。また、中堅レベル以上の日本人の職員を将来の幹部候補として送り込むということもやりたいと思っておりますし、外務省職員に修士号や博士号を取らせ、将来、国連の機関あるいは国際機関で活躍をする、そういう準備をさせるということも予算に盛り込ませていただきました。  公務員、国家公務員だけが国際機関に行けばいいというものではありませんが、国家公務員の中から早めに国際機関向きの人材というのを見出して、幹部ポストを取れるようにしっかりと努力をしてまいりたいと思っております。
  556. 堀井巌

    ○堀井巌君 もう一点、お伺いいたします。  青年海外協力隊員の方々に、私、諸外国でお会いしました。皆さん一様に本当にそれぞれの任地の国で活躍されています。評価も極めて高いです。ただ、皆さん一様におっしゃるのは、二年間の任期を経て、諸外国では、その任地では物すごく評価されるんだけれども、卒業後、じゃ国際機関に転職しようとすると、修士号がなかったりとかということで残念ながら行けないということで国内に戻らざるを得ないという方もたくさんいます。  しかし、語学力の面でも相当程度訓練を積んできておられますし、また、現地で生活をする、厳しい状況の下で生活するということも十分に実証されている、また能力もあることが実証されている方々であります。こういった方々が、国際機関に行きたい、しかし修士号がないという場合に、しっかりとそういったものを取らせてあげて、そして国際機関にどんどん応募するような、そういう道筋もあってもいいんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
  557. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) 国際機関の多くが最低条件として修士号を挙げている、そういうポジションが多いものですから、なかなかこの日本のシステムと合わないという現実は確かにございます。  その中で、おっしゃるように、青年海外協力隊の任期を終えた方の中で引き続き国際機関を志望される方が少なからずいらっしゃいます。そうした希望を踏まえ、JICAではこれまでも修士号を取得するため様々な大学院と連携をして、こうした協力隊員の、将来、国際機関に行きやすくするための修士号の取得のための支援を行って、ある程度の成果を上げてきております。  予算は非常に限られているものはございますが、これからもこうした取組はしっかりと地道に続けていきたいと思っております。
  558. 堀井巌

    ○堀井巌君 ありがとうございます。  外交力強化に関して、ODAについて一問お伺いをしたいと思います。これは、総務大臣と外務大臣、両方から一言ずつ御答弁いただければと思うんですが。  私、政務官におりましたときに、昨年の二月ですけれども、中古の消防自動車を十台、これは救急車とか水槽付きポンプ車とか、十台、ペルーに船で運びまして、そして現地で供与いたしました。大変喜ばれました。日本の消防自動車というのは非常にメンテナンスがいい、日本で耐用年数を終えてもこれは十分使えるということで、現地の方から大変喜ばれました。  また、何よりも喜ばれたのは、東京消防庁や消防関係機関の方々が一緒に、車と一緒に現地に行きまして、二週間、日本の消防技術を教えた。それが現地の方に本当に喜ばれたわけであります。まさに、日本の世界に冠たる消防技術を教えるというソフトパワーの面目躍如だったというふうに思います。しかも、ODAに係る金額は船賃とその技術を指導に行く方々の飛行機代、それで済むわけであります。  世界中の国々から、この日本の中古消防自動車、是非供与してもらいたいというような声がたくさんございます。これは是非、総務省と外務省、連携して進めていけば、日本のもったいない精神も相手にも伝わると思いますけれども、いかがでございましょうか。まず、総務大臣、外務大臣、それぞれ一言お願いします。
  559. 石田真敏

    ○国務大臣(石田真敏君) 議員御指摘のように、国内で更新対象となった消防車両をアジア、アフリカあるいは中南米などの開発途上国へ無償で寄贈することは、これらの国々における消防力の向上に寄与するだけでなく、目に見える国際協力として非常に有効な取組であると認識しておりまして、このような認識の下で、消防庁におきましては、消防車両の提供元である地方公共団体に対しまして寄贈への協力を要請してきたところでございます。  また、外務省とも連携しつつ、車両寄贈や操法指導の経費に対するODAを拡充することで、中古消防車両の外国への寄贈を推進しております。  その結果、相手国からの要請に基づきまして、今議員は平成二十九年にペルーへ当時の外務大臣政務官として訪問していただきましたけれども、二十八年にはケニア、そして、今年度はベトナムへ消防車両の寄贈と併せまして現役の消防吏員を派遣をいたしまして、現地での操法指導を行うことができたところでございます。  御指摘のように、日本の消防車両は非常に高性能かつ耐久性がございますし、メンテナンスが行き届いているということで高い評価をいただいておりますし、また、消防吏員の操法指導についても非常に高い評価をいただいておると聞いておりまして、今後も開発途上国への中古消防車両の寄贈や操法指導の推進にしっかり取り組んでまいりたいと思っております。
  560. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) ODAとして大変コストパフォーマンスに優れたものでございますので、これからも積極的にやってまいりたいと思います。
  561. 堀井巌

    ○堀井巌君 外交分野に関して最後の質問で、在外公館の国有化の問題について伺いたいと思います。  諸外国を訪問したときに、在留邦人の方々といろんな意見交換をします。皆さんが一番心配されるのは、治安情勢が悪化したとき、あるいは大震災がその地域で、現地で起こったときにどこへどうやって逃げるか、安全を確保するかということであります。もちろん、頼りにされるのは、一番頼りにされるのは我が国の主権をしっかりと行使できる大使館であったり、総領事館であります。  この場所について、今国有化をされている、すなわち所有権を日本が取得している割合はどのぐらいで、賃貸はどのぐらいかというのをお答えいただけますでしょうか。
  562. 下川眞樹太

    ○政府参考人(下川眞樹太君) お答え申し上げます。  平成三十年度四月一日現在でございますが、我が国の大使館、総領事館等の事務所、そして公邸、これを合わせまして四百六十三施設ございます。このうち、百九十六施設が国有、二百六十七施設が借り上げでありまして、国有施設の割合は約四二%でございます。  過去三十年間、四十二の在外公館施設を新たに建築あるいは購入しまして国有化進めてまいりましたけれども、並行して在外公館の実館を増やす中でどうしても借り上げ物件というものも増加してきておりますため、国有化率は平成元年の四四%から平成三十年度四二%とほぼ横ばいというのが実態でございます。
  563. 堀井巌

    ○堀井巌君 私、調べましたら、アメリカは大体国有化率が七〇%、イギリスが大体六〇%ぐらいだと聞いております。国有化をすることの意味というのは、賃貸ですとなかなか、ふだん在留邦人の方々が避難をするためのスペースというのはお金が掛かるから賃貸だとなかなか借りにくいんだけれども、自分たちで一定のスペースをきちんと確保すれば、これはいろんな形で、特に危機管理対応としてふだんから備蓄だとか様々な用途にも使い得るということで、これ、国有化というのは在留邦人保護の観点からも一つの私は基準、メルクマールではないかというふうに思います。  麻生財務大臣におかれましては、この点についても、元外務大臣としても、また元総理としても御認識いただいていろいろ積極的に対応していただいていると思いますけれども、財務大臣として一言お願いいたします。
  564. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) これはおっしゃるとおりなんで、今言われましたように、パーセントが下がっておるのは事実でありますけれども、私どもとしては、これはいわゆる長期的にやっぱりコストを、例えばみすぼらしいから直そうというと、それは何となく、自分たちのものじゃありませんから、相手が、いや、俺はこれでいいとか言われたらそれこそ全然というのは、これは実は幾つもあります。  そういった中で、基本的に私どもとしては国有化を進めていく必要があると思っておりまして、例えば平成三十一年度、バチカンの大使館を、こうしておりますが、これは買いたいと言っても、まず、バチカンって御存じかと思いますが、土地が全くありませんので、新しいところを買おうって、場所がありませんから、結果的に、その土地を買うというのはこれちょっとなかなか大変なんですけど、バチカンはそういう、うまいこと話が付いてきちんといくことにしておりますけれども、引き続き、こういったようなものはいざというときにそこのところに邦人をかくまう、若しくは避難の場所にする等々、プールがあればそこに水が貯蓄、貯水できる等々いろんな意味がありますので、こういったようなものというのは、いろんな意味で私どもとしては考えないかぬというような事態のある地域というのは、安全なところばかりじゃありませんので、そういったことも含めて、基本的にそういった方向で事を進めようと思っております。
  565. 堀井巌

    ○堀井巌君 ありがとうございました。  次に、地域活性化について、地方の話題についてお伺いをしたいと思います。  今地域で、これ、日本全国どこでも津々浦々そうだと思いますけど、皆さんが一番心配しているのは、人口減少、少子高齢化、この課題どのように克服するか、この点が非常に大きな問題だろうというふうに思います。  昨年、国立社会保障・人口問題研究所が、二〇一五年と二〇四五年、三十年後を比べて人口がどのぐらい減るかというのを市町村ごとに計算をいたしました。シミュレーションしました。残念ながら、ワーストワンは私の地元の奈良県の川上村というところでございました。八割減という数字が出たわけであります。もっと残念なのは、ワースト五つのうち三つが奈良県の村でありました。  この川上村というのは、昭和三十年代には八千人を超えた村であります。今一千三百人を切っております。もっと前は、明治の時代には、ここは日本三大美林の吉野杉の産地でありまして、この吉野杉で財を成した方々が、例えば明治の時代、日本女子大学でありますとか同志社大学の創立のために多額の寄附したりというような社会貢献もされた地域でございます。しかしながら、今このような人口の数字が出ているわけであります。  じゃ、今、私も何度もその村に行きますけれども、村の雰囲気はどうかというと、もちろん、村の方々みんな、絶対にこういう予測どおりにはさせないぞ、予測を外すぞということでみんな一生懸命努力をしておられます。  その中で、非常に希望の光というべき現象があります。これが地域おこし協力隊の存在であります。  川上村には平成二十五年から地域おこし協力隊の若い人たちが都会からやってきて、三年間ぐらいそこに住んでということを始めました。累計で二十五名の方が住んでいます。二十五名の方がやってきました。十一名の方がもう既に三年の任期を終えてもう卒業されたんですけれども、実はそのうちの七名が村に定住をしています。村で結婚された方もいらっしゃいます。お子さんもおできになったりしております。非常にこれは村の様子にいい意味での変化が生じています。  また、この地域おこし協力隊の人は、何とか村の新しい産業を起こそうということで頑張っています。今現役の方の一人の方は非常にデザイン性に優れた家具を一生懸命作っています。そして、これ、国際博覧会にも出展をするようになりました。  丸太というのは一立米一万円ぐらいであります。私の体が丸太としたら、大体これ、七、八百円であります。ところが、これをきれいに集成材、きれいにスライスをして、そして貼り合わせて造形をしていってデザイン性のある椅子を作ると、これは海外で何十万円で売れるようになるわけであります。こういった工夫をしているのもこの地域おこし協力隊であります。  これは総務省が、またこれは政府を挙げて進められている施策だと思いますけれども、是非、この地域おこし協力隊、この施策を進めてほしいと思っておりますが、いかがでしょうか。
  566. 石田真敏

    ○国務大臣(石田真敏君) 今議員御紹介のございました奈良県の川上村、私、大臣就任後、昨年の十月にお伺いをさせていただきました。  本当に役場の皆さん始め熱心に取り組んでいただいておりまして、地域おこし協力隊の方、現役の方とそれからOBの方とお話をさせていただきまして、今御紹介いただきましたように、私も、吉野杉を使って器を作っておられる方とか農家民宿をやっておられる方とか、いろんな方のお話をお伺いをいたしまして、一番印象に残ったのは、その中の、移住して、もう御家族で移住してこられた方が、やはり東京のブラック企業に勤めていたんだけれども、生活環境を変えたいと思って来たんだと、そういうことを言っておられました。  そういうことから見まして、今も御紹介ありましたけれども、やはりこれから持続可能な地域社会つくっていくためには、この地域おこし隊、協力隊あるいはOBの皆さん方、不可欠な人材だなということを強く実感をしたところでございます。  六年後に我々は八千名まで増やすために、青年海外協力隊の経験者、あるいはシニア層の方、あるいはJETプログラムを終了した方など、応募の裾野の拡大に取り組んでまいりたいというふうに思っております。  また、隊員の定住、定着を一層推進するため、各地の事業引継ぎ支援センターと連携して、隊員による事業承継を支援するほか、隊員の起業に向けた金融面での支援を新たに実施し、起業支援を更に充実させていきたいと思っております。実際に川上村でも、たるでしたかね、事業承継されたという方がおられまして、そういう実例も出ておるところでございます。  ただ、残念なのは、隊員の方と自治体や受入れ地域とのミスマッチ、こういうことも生じているのも事実でございますので、それを防ぐため、隊員として活動していただく前に二泊三日以上で地域協力活動を体験していただくおためし地域おこし協力隊を来年度から創設して、こういうミスマッチをできるだけなくしたいと、そのように思っているところでございまして、地域おこし協力隊、創設から十年を迎えているわけでございまして、これまでの課題を検証しつつ、これからもしっかり取り組んでまいりたいと思っております。
  567. 堀井巌

    ○堀井巌君 是非よろしくお願いいたします。  それと併せて、やはりこれ、地域の今担い手というのはやっぱり市町村であります。これ、市町村が様々な福祉サービス、また地域活性化のための政策を行おうとすると財源が大事であります。是非これ、安倍政権においては、地方の市町村あるいは都道府県の地方一般財源の確保に努めていただいていると思いますけれども、その点についての御見解、決意をお聞かせください。
  568. 石田真敏

    ○国務大臣(石田真敏君) 御指摘のように、地方団体が社会保障などの必要な行政サービスを提供しつつ安定的な財政運営を行うためには地方の一般財源総額を確保すること、これは全く重要であるということを十分認識をいたしておりまして、この平成三十一年度の地方財政対策におきましては、幼児教育の無償化を始めとした社会保障関係費の増加等を踏まえまして、適切に歳出を計上いたしまして、一般財源総額を前年度から〇・六兆円増の六十二・七兆円確保したところでございます。  その中でも、地方交付税総額を〇・二兆円増の十六・二兆円確保するとともに、臨時財政対策債を〇・七兆円減の三・三兆円と大幅に抑制することができたところでございまして、今後とも、昨年閣議決定された新経済・財政再生計画に沿って必要となる歳出を適切に地方財政計画に計上いたしまして、一般財源総額をしっかり確保してまいりたいと思っております。
  569. 堀井巌

    ○堀井巌君 ありがとうございます。  地域活性化に関連して、消防関係について二点まとめてお伺いいたします。  まずは、この消防団をどうやって支えていくかというところであります。私も、この正月にも幾つもの消防の出初め式に出ました。本当に地域の方々、ふだんはいろんな仕事をされている方が地域を守るために消防団として活動されているその姿を、雄姿を見るにつけ、本当に頭が下がる思いでありました。しっかりと消防団の方々を支えていくというのがやはりこの地域を守っていくという上では重要だと思っております。その点について総務大臣の見解をお伺いしたいと思います。  もう一点は、あの二〇一一年の東日本大震災のときに東京消防庁の方が命懸けで放水活動をされているのを、これは我々日本人であればみんな忘れることはできません。しかし、今、新たな技術革新の中で、もしあのような状況が今後発生したときに、例えばコンビナートの大火災や何かが発生したときに、例えば無人のロボットで消火をするといったような技術革新によって、この消防を担う人たちの命を守っていく、また効果的な消火活動を行っていくという取組も重要ではないかと思いますけれども、その点についても総務大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
  570. 石田真敏

    ○国務大臣(石田真敏君) 消防団の重要性というのはもう本当に語るまでもないかと思いますけれども、私は、今後ますます多様化、大規模化することが懸念される災害に対して、特に広域的な大災害、大規模災害が発生した場合、常備消防で十分に一遍に対応し切れないわけでありまして、その際には、まず初期の対応というのは地域に密着している方々にそれぞれの地域で行っていただく、そのリーダー的な役割を果たしていただけるのは、私は恐らく地域コミュニティーにとって欠かせない存在である消防団、ある程度の訓練もされた消防団の皆さんだろうというふうに思っております。  ですから、消防団の必要性は今後ますます重要になってくるんであろうと思っておるんですが、一方で、全国の消防団員数は年々減少傾向にあるわけでございます。そうした状況の中で、消防団を核として地域防災力の充実強化を図る必要があるとの観点から、平成二十五年に地域防災力充実強化法、これは皆さん方のお力で成立をさせていただきました。  また、私も、就任以来、被災地をお伺いをさせていただきまして、消防団の皆さん方といろいろとお話を聞かせていただきました。そういうことも踏まえまして、この地域の防災力を全国的に強化するということから、平成三十年度二次補正予算及び平成三十一年度当初予算案におきまして、対前年比で二・六倍の消防団関係の予算を確保をお願いをしているところでございます。  とりわけ、消防団の装備を充実させ、災害対応能力を強化したいとの考え方から、消防団の救助活動用資機材等の整備を進めるための補助金を創設したところでございます。あわせまして、消防団や自主防災組織等、地域の様々な組織が連携した地域防災力の向上のための取組について、財政的な支援を行うモデル事業を実施し、地域コミュニティーの活性化にもつなげてまいりたいというふうに思っております。  こういう消防団の充実と同時に、今御指摘のありました常備消防の方の機能強化ということ、これはもう非常に重要でございますし、今の様々な革新的技術、こういうものを使って今後も遺漏なきように対応していく、そういう取組を進めてまいりたいと思っております。
  571. 堀井巌

    ○堀井巌君 消防団に関連して、地域の災害対応ということであれば、地域における地元の中小の建設業の方々の存在、またその資機材というのは、災害発生時に極めて重要だというふうに思います。ただ、私も地元で伺いますと、今、人手不足であったり、あるいは業務量が非常に変動するので、なかなか事業を継続することが困難であるという皆さん状況にあったりするわけであります。  山本防災・国土強靱化担当大臣にお伺いしたいんですけれども、こういった中小の地域に密着した建設業の方々についてどのような期待をしておられるか、お伺いしたいと思います。
  572. 山本順三

    ○国務大臣(山本順三君) お答えをいたします。  地域の建設業は、まさに災害が発生したときには、もう最前線に立っていろいろと対応をいただく。例えば消防が入ろうが、あるいはまた自衛隊が入ろうが、地元の建設業者が道路の啓開しておかないととても対応できないということは我々も目の当たりにしたわけでありまして、地域社会の安全、安心の確保を担う地域の守り手、これは国土交通大臣がよくお使いになりますけれども、地域の守り手として重要な存在であると認識をいたしております。  とりわけ建設業関係法人は、災害対策基本法に基づく指定公共機関となっているほか、各都道府県と災害協定を結んでいただいておるということでございまして、災害応急対策の円滑な実施に努めているところでございます。  例えば、昨年六月の大阪北部地震では、破損した家屋の屋根、これ、ブルーシートを掛けるということで皆さん方にはお手伝いいただきましたし、また、あの三十年の七月豪雨、これも各県との協定に基づいて、土砂とかあるいは瓦れき、道路啓開など災害復旧支援活動に従事していただいたというふうなことでございます。  一方で、今委員お話しのとおり、特に中小建設業においては近年大変な人材不足ということが課題になっておりまして、昨年十二月に見直しをいたしましたけれども、国土強靱化基本計画、これでは人材の確保、育成に向けた取組、環境づくりを進めていくということで、その方向性を明確にしているところでございます。また、事業規模約七兆円の防災・減災、国土強靱化三か年緊急対策、この実施によりまして、防災にも役立つし、また建設業全体の活性化にも結び付いていくということも期待されておりまして、いずれにしても、地域の建設業が災害時の応急復旧活動の担い手として今後とも重要な役割を果たしてくれることと期待をいたしているところでございます。
  573. 堀井巌

    ○堀井巌君 この地方の最後に、総理に一言だけお伺いできればと思います。  全国千七百のそれぞれの市町村で、その地域を守るために皆さん本当に一生懸命努力をしておられます。さっき言った奈良県川上村もそうであります。是非、この地方を守り抜くということについての御決意を一言だけお伺いできればと思います。
  574. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに、ふるさと、地方があってこそ美しい日本なんだろうと、こう思っております。地方創生は安倍政権の最重要課題の一つでございまして、今後ともしっかりと進めていきたい。そのためにも、若者が地域に定住する、そういう政策を進めていきたい。そのためには何が必要かといえば、やっぱり仕事がなければならないんだろうと、こう思っております。  我々、この六年間、地方創生を進め、また経済成長に力を注いできた結果、四十七全ての都道府県で有効求人倍率が一倍を超え、また、地域を支える農林水産業でありますが、農業の農業生産所得もこの十九年間にあって一番高い水準になっている。そうしたものを押し上げてきた一つは、農林水産業プラスやっぱり観光なんだろうと、こう思うわけでございます。今後とも、地域ならではを一千億円規模の地方創生推進交付金などを活用して全力で後押しをしていきたいと、こう思っています。  また、地方に魅力ある地方大学づくりを進めていくことも、地方から若者が東京にあるいは大都市部に来るのは、大学に入学する際に大都市部に来てそのまま残るということが多いものですから、地方にやっぱり魅力ある大学をつくっていきたい。そしてまた、さらには仕事をつくっていく。その中においては、地方へ移住し起業、就業をスタートする際に最大三百万円を支給する新しい制度によって、地方にこそチャンスがあると考える若者たちの背中を後押ししていきたい。  川上村にこそチャンスがあると、こう多くの人たちが思うような支援をしていきたいと、こう思っております。
  575. 堀井巌

    ○堀井巌君 ありがとうございました。  次は、経済問題、成長戦略について幾つか具体的なことをお伺いしたいと思います。  まず、キャッシュレスポイント還元でございます。これは、自民党の経済成長戦略本部でも、キャッシュレス社会の実現のために、また消費税が増税されるときの負担の激変緩和のために重要だということで取り組んでいるわけでありますが、正直申し上げますと、国民の方々からすると、ちょっとまだ何をやろうとしているのか分からないということだというふうに思います。  そこで、まず経済産業大臣にお伺いをしたいと思います。  これ、予算を見ますと二千七百九十八億円となっていますが、そのうち諸経費として六百八十三億円が計上されております。これ、事務費とかそんなにあるのか、ちょっと過大ではないかというふうにも見えるわけでありますが、その内訳、必要性をお伺いしたいと思います。  あわせて、このポイント還元原資として千七百八十六億円が計上されておりますけれども、これはどのような根拠で計算されたんでしょうか。
  576. 世耕弘成

    ○国務大臣(世耕弘成君) このキャッシュレスのポイント還元で、総事業費は二千七百九十八億円なんですが、その中で諸経費六百八十三億円を計上しています。  これは、まず、恐らく今、既存の中小の小売事業者に声を掛けるだけでも百万店舗ぐらい、これがさらに、新たにキャッシュレスに参加する人たちもいるので、かなりの数、個別の店舗を訪問して周知、勧誘ということをしていただかな、これキャッシュレス決済事業者にやっていただきます。また、その後も端末を入れ替えるとか、そういった作業も必要になる場合がありますし、またポイント還元始めた後もフォローアップをしていただかなければいけない。そういったところに、そのそれぞれの小売店に対する、もう百万、二百万の規模の小売店に対するきめ細やかで丁寧なハンズオン、これをやってもらうための支援として三百億円強を計上しています。  また、システム開発も必要です。基本的には今のキャッシュレス事業者のシステムに乗っかるんですけれども、そのシステムに中小の小売事業者を引き出して、今回の事業に参加してくれている人たちを引き出して五%ポイントを還元するというシステムを追加で改修しなければいけません。これが百四十億円ぐらいであります。  いわゆる、一部のマスコミは何か宣伝費に四百億円掛けるなんてことを報道したんですが、そんなことはなくて、いわゆる一般の広告宣伝費という意味では六十億円強であります。  そのほかにも、コールセンターですとか、あるいは加盟店を新たに登録をするための手続費用等を、事務費用を入れて百八十億円ということで合計六百八十三億円の諸経費を計上しています。  これ、全体に対して大体二四%ぐらいになります。これが過大かというと、この手の事業、例えば平成二十六年度補正で行われたプレミアム商品券事業も大体事務手数料というのが、事務経費が二〇%ぐらい掛かっていますので、そんなに過大というわけではないと思っています。できる限りこれを圧縮して、しかしこれでいいというのではなくて、できる限り圧縮をして一円でも多くポイント還元に回すようにしたいと思います。  また一方で、消費者への還元分の千七百八十六億円でありますけれども、これ非常に算定難しいです。消費者の行動ですから、なかなか正確に読み取るのは難しいんですけれども、まずは中小・小規模事業者の小売のマクロデータ、これは統計から出てまいります。これに対して、主な決済事業者にヒアリングをした現在のキャッシュレス比率、そして今回参加が見込まれる比率、そして今回の施策によってキャッシュレスが伸びる比率、これをそれぞれ掛け合わせまして千七百八十六億円という数字を算定をさせていただいているところであります。
  577. 堀井巌

    ○堀井巌君 ありがとうございます。  必要性、よく分かります。ただし……(発言する者あり)私はよく分かりました。ただ、やっぱり地方の中小・小規模事業者の方々、やっぱりまだまだ不安に思っているところがあるんじゃないかと私は思っております。  キャッシュレス決済、これは、キャッシュレス社会をつくっていくのは大事だけれども、資金繰りに困るのかなとか、いろんな不安があって、これは一般的な広報というだけではなくて、やっぱりしっかりとした皆さんに周知を図ることによってこの事業がより一層理解されていくんじゃないかと思いますけど、一言だけお願いします。
  578. 世耕弘成

    ○国務大臣(世耕弘成君) 特に、今回キャッシュレスに参加をしていただく中小・小規模の小売事業者の立場でいくと、三つほど心配をされている点があると思っています。ただ、これは結構誤解も多いんですね。  例えば、一つは端末入れ替えなきゃいけないんじゃないか、導入費用が高いんじゃないかというイメージがありますが、これは、この間総理も行っていただいたお花屋さんですと、QRコードを飾るだけでいいんです。あるいはスマホがあれば対応もできますし、あるいはそれでもどうしても端末入れ替えなきゃいけない、あるいは追加の費用は嫌だという方には実質端末負担はゼロになるような補助を行っていきたいと思います。  手数料が高い、これはある意味高いです。ですので、我々は、今回参加をする方は、キャッシュレス決済事業者が三・二五%まで手数料を引き下げることを前提に三分の一を補助をして、実質二%の手数料に持っていきたいと思いますし、もう今QR事業者なんかは手数料ゼロというところが結構ありますから、これまた今後陣取り合戦でかなりキャッシュレスの競争も厳しくなっていく中で手数料は下がっていくだろうと思っています。  三つ目の誤解は、入金までに時間が掛かるんじゃないかという不安もあるわけであります。ところが、これも最近の新興のクレジット決済事業者やキャッシュレス事業者は最短翌日振り込みというような状況になっていまして、ここも競争によってかなり短縮されていくと思いますし、万が一資金繰りに困る方にはセーフティーネット対応などでしっかり資金繰りは応援をしていきたいというふうに思っています。
  579. 堀井巌

    ○堀井巌君 経済産業大臣、もう一つだけちょっと別の件でお伺いしたいと思います。  観光戦略を今、日本は取り組んでいて、三千万人昨年は外国人客が超えました。これは非常にすばらしいことだと思いますが、目標に達成していないのが、二〇二〇年に外国人の方にお金を八兆円使ってもらうという目標に対して今はまだ四・五兆円であります。言い換えれば、東京とか京都とか大阪とか、そういう大観光地ではお金使っているけれども、まだ全国津々浦々に浸透していないんじゃないかというふうに思うわけであります。  この隙間であります、八兆円と四・五兆円の隙間のこの三・五兆円、ここを伸ばしていくことというのは、すなわち全国津々浦々の地域においてその消費が喚起される、もっと言えば地場の産業がそこで潤う、更に投資もしていく、成長戦略につながるんだというふうに思うわけであります。  ここをどのようにしようとされているのか、お伺いしたいと思います。
  580. 世耕弘成

    ○国務大臣(世耕弘成君) 確かに、インバウンドの方々の買物、いわゆる爆買いとかブランド物を銀座で買うとか、そういった需要がある程度少し落ち着いて下がってきている、中国経済の状況も影響していると思います。そういう中で、今こそ地方においてしっかりお金を落としてもらうということは極めて重要だと思っています。その中の一つの重要な施策がやっぱりキャッシュレスだと思います。  訪日観光客、帰りにアンケートを取りますと、かなり不満の上位に、各国別で見ても、キャッシュレスが使えない、特に地方で使えないという不満が出ますし、さらに、例えば一番買物の量が多い中国人あるいはタイの人に帰りにアンケートをすると、じゃキャッシュレスがあればもっと買物したかと聞くと、かなり、八五%ぐらいの人がもっと買物をしたと答えるわけでありまして、やはりキャッシュレス化を地方でも推進をするということが非常に重要ですから、今回のポイント還元の施策を機会に地方でもキャッシュレスを一気に普及させたいと思います。  あとは、やはりIT技術といろいろ組み合わせたようなプロモーションとかいうのも必要だというふうに思っています。例えば地方で、我々だって海外で地方都市へ行ったら、どこで食事したらいいかなんて分からないわけでありますが、例えばそれを案内するような英語のアプリをしっかりと開発をしていくとか、そういったことが非常に重要だと思います。もう既に兵庫県の城崎温泉では、やはり東京のマーケティング会社と連携をして英語のウエブサイトを構築をしたら、やはり一気に宿泊者数が増えているというような実績も出てきています。こういう取組を全国に広げていきたいと思っています。
  581. 堀井巌

    ○堀井巌君 今度は、農林水産物のちょっと輸出について総理にお伺いしたいと思います。  私の地元の奈良県のとある町で、農家の方で、〇・五反、すなわち五アール、十メーター掛ける五十メーターのハウスを一つ造っていられる方がいます。その中に何作っているかというと、夏に丸ナスというナスビを作ります。そして、秋から今度はイチゴ、奈良県でいうと古都華とかあすかルビーというものに植え替えます。  十メーター掛ける五十メーターのこの五アールの中で、このナスビの売上げが二百万円なんです。そして、イチゴの売上げが百五十万円。一年にそのハウスの中で売上げ三百五十万円になっているわけです。ここで仮に米を同じ面積で、五アールで米を作ったら、取れて五俵であります。大体六十キログラムの俵が五つ。これで売りますと大体七万円ぐらいになります。  もちろん、野菜だとかそういったものは手は掛かります。しかし、それだけの売上げを上げる農家の方々にとってみると、今度はそれを是非より高い単価で様々な消費地に持っていきたいという意欲も湧いてくるわけであります。その中の一つのやっぱり方向性がこの輸出拡大ということにつながっております。  今、この安倍政権の輸出拡大に向けた取組、これ非常にそういった意欲ある農家の方には期待も大きいわけでありますが、その点についての総理の御見解をお伺いしたいと思います。
  582. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日本は少子高齢化が進み、日本の人口は残念ながらしばらくの間は縮小していくわけでございます。当然、国内の食市場の規模は縮小すると見込まれますが、一方、アジアを中心に食市場の規模は大きく拡大すると見込まれているわけでございます。  また、生活水準も上がっていく、収入も上がっていく中においては、日本の少し高いけれども安全でおいしい食品にとっては大きなチャンスがやってくるんだろうと思います。世界への挑戦は手間暇掛けてこしらえた質の高い日本の農林水産物にとっては大きなチャンスでありまして、国内のマーケットに加えて海外のマーケットが獲得できれば農林水産業の未来は開かれていくと、こう考えております。  このため、安倍内閣では、農林水産物・食品の輸出拡大に向けて、海外での需要拡大、輸出拠点の整備、諸外国の輸入規制の撤廃、緩和に向けて働きかけ等を強力に進めてまいりました。この結果、輸出額は六年連続で過去最高を更新をしまして、昨年はとうとう九千億円を超えまして、一兆円の目標も見えてまいりました。  その中で、輸出につきましては、柿、これは奈良の柿でございますが、毎年いつも持ってきていただいておいしく食べさせていただいておりますが、「柿食えば景気良くなる奈良の町」と一句詠まさせていただいたわけでございますが、これ、柿の輸出額は六年前の二倍以上に増えました。また、奈良はこれイチゴも、まあ栃木県もイチゴおいしいんですが、奈良も大変イチゴがおいしいということでありまして、イチゴは十倍以上に拡大をしております。そうしたものを、千葉県の八街のピーナツもそうでありますが、そうしたものを、どんどんその地域のいいものを、挑戦していけば、それは相当拡大をしていくのではないか。  その中で、TPP11や日EU・EPAの発効を契機に、この流れに更なる弾みを付けて、輸出額一兆円目標の達成に向けて、おいしくて安全な日本の農林水産物を世界に売り込んでいく。で、なるべくこれ高く売って、農家の手取りが増えていく、この工夫も必要なんだろう、ただやみくもに輸出するということだけではなくて、農家の手取りが増えるように力を入れていきたいと、このように考えております。
  583. 堀井巌

    ○堀井巌君 今度はもう一点だけ、林業について吉川農林水産大臣にお伺いします。  地域において、じゃ、何で地域活性化やろうかと思ったときに、やっぱり、日本の国土の七割は森林であります。しかも、その森林資源は今増えてきているわけであります。どの地域においても、何とかこの林業で地域を再活性化したい、みんな思っているわけであります。  この林業の成長戦略についてどのように取り組んでいかれる御決意か、お伺いしたいと思います。
  584. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 林業の成長産業化に向けたお尋ねと存じますが、現在、人工林を中心に森林資源の本格的な今利用期を迎えていると思います。そこで、我が国におきましては、この森林資源を切って、使って、植えるという形で循環利用をしてまいりたいと思います。林業の成長産業化の、森林の適切な管理の両立を図り、地域を活性化させていくことが極めて重要であると考えております。  このために、川上につきましては、本年四月から施行されます森林経営管理制度に基づく経営管理の集積さらには集約化、路網整備ですとか高性能林業機械の導入によります林業の生産性向上、さらには緑の雇用事業等を通じた人材の育成確保を図ることにいたしております。  さらに、川下でありますけれども、これに関しましては、公共建築物を始めとするこれまでの余り木材が使われてこなかった中高層などの建築物の木造化、内装木質化の推進を図ってまいります。そしてまた、加工の生産性向上や流通全体の効率化も図ることといたしておりますし、付加価値の高い木造製品の輸出拡大、そして、先ほどから堀井先生がおっしゃっておりますように、デザインや技術的に優れた木製品、木を使った地域活性化の取組などの表彰、先ほど御紹介をいただきました川上村での地域おこし協力隊も、一昨年ですね、二〇一七年、ウッドデザイン賞ですとか様々な賞をいただいていると思います。そういったことにこれからも取り組んでまいりたいと思います。  そういう取組をしながら、林業の成長産業化と森林資源の適切な管理を図ることで地域を活性化させ、次世代へこの豊かな森林を引き継いでまいりたいと存じます。
  585. 堀井巌

    ○堀井巌君 経済財政運営について、残りの時間で伺っていきたいと思います。  アベノミクスについて、今日もいろいろ質疑がありました。しかし、消費者物価指数のこれまでの長いトレンドで見ますと、九〇年代後半からアベノミクス開始までの期間というのは大体マイナス〇・四から〇・二%ぐらいで推移しておりました。そこから消費者物価指数はプラスにずっと転じております。これは非常に、長期的なトレンドで見たときに、やはり重要な変化だろうと私は評価するわけであります。  また、もちろん、今物価の安定目標二%、達してはいません。これは、二十年にわたる長いデフレから完全に脱却して二%になる、容易なことではありません。しかしながら、例えばヨーロッパの欧州中央銀行、あるいはアメリカの米国連邦準備銀行も同じように、日本と同様、物価安定目標二%掲げて、みんな日米欧で協調してやっているわけであります。私は、こういった協調した取組が、例えば為替の今のこの百十円見当での安定にもつながっていると思うわけでございます。そういった観点から質問をさせていただきたいと思います。  それは、まず何かというと、やはりこの長期的な安心を、将来についての長期的な安心が見えたときに、国民の方々は貯蓄から消費に回っていく、あるいは企業の方も内部留保から新たな投資に回っていくというふうに思うわけであります。まず、その中で重要なのは、社会保障についての安心だろうと思うんです。若い人たちに対しては、今度は幼児教育、保育の無償化が始まります。これは非常に大きな安心につながると思います。もちろん、高齢者の方々に対する安心も大事であります。  この社会保障の、長期的な持続可能な社会保障についてどのようなビジョンを持って対応されるおつもりか、厚労大臣に伺います。
  586. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 社会保障は、古くは救貧や防貧を基本的な考え方としておりました。今、人生百年時代、求められる社会保障の姿は、国民誰もがより長く元気に活躍できて、全ての世代が安心できる全世代型社会保障だと考えています。特に、団塊ジュニア世代が高齢者となり現役世代の減少が進む二〇四〇年頃を見据え、更なる社会保障、働き方改革に取り組んでいきます。  今、私を本部長とする二〇四〇年を展望した社会保障・働き方改革本部を立ち上げて、具体的な検討を進めております。三本柱で進めています。  高齢者を含め、働く意欲がある方々が多様な就労、社会参加ができる環境を整備する、その基盤としてのより長く元気に活躍できる人材の確保。予防、健康へのインセンティブ措置の強化などにより健康寿命の延伸を図る。労働力の制約が強まる中で医療・福祉サービス改革を進める。ロボット、AI、ICTの活用などにより生産性の向上を図るとともに、データヘルス改革などにより新たな産業の創出を図る。本年夏をめどに健康寿命延伸プランと医療・福祉サービス改革プランを策定。そして、二〇四〇年を見据えた社会保障全般にわたる改革を着実に進めてまいります。
  587. 堀井巌

    ○堀井巌君 ありがとうございます。  茂木経済再生担当大臣に伺います。  この経済運営については、経済再生なくして財政健全化なし、これが今の安倍政権の基本的な考え方だろうというふうに思います。この考え方の下で、どのように経済運営、今後やっていかれるのか、まず基本的な考え方を伺いたいと思います。
  588. 茂木敏充

    ○国務大臣(茂木敏充君) 国の財政をどうしていくかと。恐らく、日本でいいますと、大宝律令、奈良時代からずっと考えられてきた課題だと思っておりますが、安倍内閣におきましては、経済再生とともに財政健全化にも全力で取り組むということで、国、地方を合わせた税収、二十八兆円増加をしておりますし、新規国債の発行額、これも合計で十二兆円減少しておりまして、アベノミクスによりまして、経済だけではなくて財政面でもしっかり成果は上がっていると思っております。  二〇二五年にプライマリーバランスを黒字化していく、同時に債務残高の対GDP比、これも安定的に引き下げていくと、こういったことにしっかり取り組んでいきたいと思います。
  589. 堀井巌

    ○堀井巌君 ありがとうございます。  やはりこれ、財政運営に関する長期的な安心感というのも、これもやはり将来にわたって投資を行ったり消費を行ったりすることに非常に大きく寄与するというふうに思います。やっぱり私は、この財政健全化ということについて、ずっと安心をしてもらう、プライマリーバランスの黒字化も含めて、やっぱり財政健全化をしっかりとやろうとしているんだという、その意思というのは極めて重要ではないかというふうに思うわけでございます。  その点について、今度は財務大臣から御見解を一言お願いします。
  590. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) これはもう堀井先生、物すごく大事なところです。  この財政健全化に確実に進んでいるというマーケットの安心感があるから、日本という国の国債というものはこれだけ、借金とGDPの比率でいえば、かつて、GDP五百で、赤字公債を発行した九二年は借金は二百五十兆だと思いますが、あの頃、金利は五・七五だったんだと思いますが、今は千兆になって〇・〇幾つということになっているのは、だっておかしいでしょうよ、どう考えたって。借金がこれだけ増えて、資産は、売上げは同じようなのにもかかわらず借金だけぼんぼん増えたら、普通は金利が上がんなきゃって、おかしいんですが、そこが上がっていないという最大の理由は、日本という国に対する信頼というものが一番大きいんだと思います。  理由は幾つかあります。もちろん、私どもとしてはきちんとしたそういう対応でやっているというメッセージがきちんと伝わっていること。それから、何だかんだ言いながら、私どもの国債というものは、外資、いわゆるドルとかユーロとかいうものではなくて、日本国の国有の金だけ、国の金だけです、すなわち円でやっております。自国の通貨だけで国債を消化している国は、アメリカ、それからスイス、日本、あとデンマークかどこかだと思いますが、それ以外はないと思いますんで、そういった意味では極めて信頼が高いと。それから、過去、これまで日露戦争の借金に遡って日本はきちっと今まで払い切ってきたという歴史がありますんで、そういった意味での信頼は極めて高い。  加えて、今、度々御説明申し上げておりますように、この六年間見ましても、少なくとも税収は増え、そしてGDPは増え、片方で新規国債発行額は十四兆減ってきているという事実がありますので、そういったものがこういったものを安心しているというんであって、私どもとしては、長期に見まして私どもはきちんと経済を腰折れしないように財政再建をさせながらきちんと借入金の返済をやっていくというようなことを、いろんなことを言われてもきちんとこの方向でやっていくということだと思います。
  591. 堀井巌

    ○堀井巌君 ありがとうございました。  最後に、統計問題について私から一言申し上げたいというふうに思います。そして、総理のお考えを伺って終わりたいと思います。  今回の毎月勤労統計調査の問題は大変ゆゆしき問題であります。これは何としても信頼確保に、回復に努めていただかなければならない問題であります。  私は、昭和六十三年に、当時の自治省というところに入省しました。最初に長野県庁に行って、そのときに統計担当でありました。十年たちまして、静岡県庁で統計担当の課長をやりました。統計の仕事をやってきて、人の手を介しながらこの統計データを集めていくというこの作業、これはヒューマンエラー、エラーとの闘いでもあります。人の手を介するがゆえに、どうしてもこのエラーが出てしまう。これをゼロにしていくために、信頼回復のために私はこれをゼロにしていくための仕組みをしっかりとつくっていく、これが何よりも重要だと思っています。  人の手を介すよりもデータ、電子データでやり取りできるのであれば、そのようなシステムを組めば、そこにおけるエラーはなくなっていくわけであります。やはり信頼回復のためには、そういった統計の事務の作業の改革も含めて様々な取組をやっぱり行っていく必要があるというふうに思っております。  最後に、総理から、この統計問題についての信頼回復、お伺いしたいと思います。
  592. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 高い専門性と信頼性を有すべき統計分野において長年にわたって誤った処理が続けられ、それを見抜けなかった責任については重く受け止めております。今回のような事態が二度と生じないよう徹底して検証調査を行い、信頼を取り戻すことが何より重要であります。  公的統計の信頼を回復し、品質確保、向上を図るためには、議員御指摘のとおりミスを最小化することが必要であります。そのためには、統計作成プロセスにおけるICTの積極活用を始め、予算、人員など必要な統計リソースを的確に確保することが重要であり、統計委員会における検証結果も踏まえ、総合的な対策を講じていきたいと思います。
  593. 堀井巌

    ○堀井巌君 ありがとうございました。
  594. 金子原二郎

    ○委員長(金子原二郎君) 以上で堀井巌君の質疑は終了いたしました。(拍手)  次回は明五日午前九時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時十四分散会