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2019-05-28 第198回国会 参議院 農林水産委員会 12号 公式Web版

  1. 令和元年五月二十八日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  五月二十三日     辞任         補欠選任      長浜 博行君     藤田 幸久君  五月二十四日     辞任         補欠選任      青山 繁晴君     礒崎 陽輔君      石川 博崇君    佐々木さやか君  五月二十七日     辞任         補欠選任      平野 達男君     高橋 克法君      山田 俊男君     徳茂 雅之君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         堂故  茂君     理 事                 上月 良祐君                 藤木 眞也君                 田名部匡代君                 紙  智子君     委 員                 礒崎 陽輔君                 岩井 茂樹君                 進藤金日子君                 高野光二郎君                 高橋 克法君                 徳茂 雅之君                 野村 哲郎君                 小川 勝也君                 鉢呂 吉雄君                 藤田 幸久君                 徳永 エリ君                 森 ゆうこ君                佐々木さやか君                 里見 隆治君                 儀間 光男君    事務局側        常任委員会専門        員        大川 昭隆君    参考人        信州大学工学部        特任教授     鮫島 正浩君        全国国有林造林        生産業連絡協議        会会長      高篠 和憲君        愛媛大学名誉教        授        泉  英二君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○国有林野の管理経営に関する法律等の一部を改  正する法律案内閣提出、衆議院送付)     ─────────────
  2. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、長浜博行君、石川博崇君、青山繁晴君、平野達男君及び山田俊男君が委員を辞任され、その補欠として藤田幸久君、佐々木さやか君、礒崎陽輔君、高橋克法君及び徳茂雅之君が選任されました。     ─────────────
  3. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) 国有林野の管理経営に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。  本日は、参考人として信州大学工学部特任教授鮫島正浩君、全国国有林造林生産業連絡協議会会長高篠和憲君及び愛媛大学名誉教授泉英二君に御出席をいただいております。  この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。  本日は、御多忙のところ本委員会に御出席をいただき、誠にありがとうございました。  ただいま議題となっております法律案につきまして、それぞれのお立場から忌憚のない御意見を賜りたいと存じますので、よろしくお願いいたします。  本日の議事の進め方について御説明いたします。  まず、鮫島参考人、高篠参考人、泉参考人の順序でお一人様十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、各委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。  なお、意見の陳述、質疑及び答弁のいずれも着席のままで結構でございます。ただし、御発言の際は、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、よろしくお願い申し上げます。  それでは、鮫島参考人からお願いいたします。鮫島参考人
  4. 鮫島正浩

    参考人(鮫島正浩君) ただいま御紹介をいただきました信州大学工学部特任教授の鮫島正浩でございます。  お手元に私の意見陳述の要旨が配付されているかと思いますので、それに従って陳述をさせていただきたいと思います。  まず最初に、簡単に自己紹介をさせていただきます。  私は、工学部の人がなぜここにと思われるかもしれませんが、今年の三月まで東京大学大学院農学生命科学研究科に在職しておりまして、三十六年間勤務いたしておりました。それで、教授、それから副研究科長、それから評議員等を歴任した後、退職して、現在は信州大学工学部の物質化学科というところで特任教授をしております。それからあと、日本学術会議の今連携会員をやっておりまして、林学分科会というのがございまして、そこを担当しております。  専門分野は林産学、基本的には木材とか、それから林産物、キノコ等に代表される特用林産ですね、そういうものを扱う分野でございます。ただ、だんだん領域も広がってきて、バイオマス全体を面倒見るということでバイオマス利用学、さらに、基礎学としては、森林生物化学と書いてありますが、バイオテクノロジーをベースにいろんなことをやろうと思っています。  学協会といたしましては、日本木材学会、これが私のベースの学会で、理事、会長を歴任して、現在は監事をしております。それから、日本エネルギー学会、これはバイオマス関係で、バイオマスエネルギーの関係をやっております。それから、協会としては、日本木材保存協会の会長を今やっております。この協会は、木材を長く安全に使っていくということで、木材の防腐、防蟻、それから耐候、そして耐火も最近含めるようになりましたが、木材利用において安心、安全を確保する、こういう役割を担っております。それから、バイオインダストリー協会ということで、これはバイオテクノロジーをいかに利用していくかと、そういう分野でございます。  それから、社会貢献といたしましては、林政審議会の委員を十年間担当させていただきまして、そのうち二〇一五年から一八年まで四年間会長を務めております。その中で、現在の森林・林業基本計画、これ二〇一六年に策定されたものですが、その取りまとめは林野庁様と一緒にやらせていただいた、そういう経緯がございます。それから、あと内閣府の環境未来都市推進委員会の委員も担当しております。  それで、ミッション、私の使命ということでございますが、木材及びバイオマスの需要拡大に向けたイノベーションの推進、それから木材及びバイオマス利用に基づく地域社会と地域経済の活性化、これがミッションでございます。そういうこともありまして、現在、農林水産技術会議の下に「知」の集積と活用に関する協議会がございまして、そこにこの関係のプラットホームを立ち上げて、推進を進めているという状況でございます。  前置きはそのくらいにさせていただきまして、次に陳述の内容ということでございますが、まず最初に我が国の森林・林業・木材産業の現状と課題ということでございます。  ここに書いてございますように、我が国の国土面積の七割は森林で覆われていて、これはフィンランドスウェーデンとほぼ同じ森林率、それから面積的にもほぼ同程度ということでございます。それで、現在我が国は、森林蓄積、これは資源として利用可能な、木質資源として利用可能な蓄積量は五十億立方メートルを超えて、さらに年間八千万立方メートルが増加していると、こういう状況にございます。それで、この量というのは我が国の現在の一年間の木材総需要にほぼ匹敵するということで、それは大変な量でございます。  そして、一方で、平成二十九年度の国内での国産材の生産量というのは三千万立方メートル弱ということで、自給率大分上がってきたというものの三六%ちょっとを超えたぐらいということで、これは同じ森林国であるフィンランドスウェーデンなどに比べるとかなり低くて、それぞれの国は、我が国よりも二倍ぐらいの、二倍以上の国産材生産を行っていると。こういうことを鑑みると、我が国というのは、更に国産材生産を増やすということと、それからその下流にある木材産業や木材需要というのにもまだまだ大きな展開性がある、発展性があるということが言えるかと思います。  それで、我が国の人工林の多くというのは、戦後の再造林や高度成長期における拡大造林によって形成されたというのは御存じのとおりかと思いますが、現在一千万ヘクタール程度ございます。そして、その面積の半分以上が樹齢五十年を超える樹木によって構成されている状況にありまして、まさに木材の収穫期、主伐期を迎えていると、そういう状況にございます。  ということから、主伐と再造林を適切に組み合わせて人工林の世代交代を行っていく、そういう段階に今なってきているわけですが、そのためには森林機能の維持とそれから国産材の安定供給ということを併せて考えていく、そういうことが重要な課題になっているということでございます。  これらを踏まえて、平成二十八年五月に改正された森林・林業基本計画においては、二〇二五年、令和七年でございますが、国産材供給量の目標を年間四千万立方メートルを定めて、木材総供給量に対する自給率を五〇%以上、これを目指している状況でございます。  一方、森林には、木材生産以外にも、国土保全、水源確保、地球環境の維持を始め、様々な多面的な機能というのがございます。また、森林の多くは振興山村地域等の過疎地域に分布しているということから、これらの地域に住む人々の生活基盤や地域の将来にとっても適切な森林経営管理というのが重要な課題と言えます。したがって、国産材生産の増大においては、森林資源の提供者である地域の理解を得て、地域の環境維持や地域の活性化とのバランスをよく考えていくということが必要になります。  次に、国有林野の管理経営の課題ということで、国有林野というのは、面積は七百五十八万ヘクタールで、国土の二割、そして森林面積全体の三割を占めておりますが、その九〇%の面積は保安林に指定されておりまして、これは水源の確保だとか山地災害の防止、それから生物多様性の保全、良質な社会空間や人の健康、レクリエーション等への貢献などの公益的な価値が非常に高いということになります。  その中にあっても、国有林の面積の三割、つまり二百二十一万ヘクタール人工林であって、この面積というのは実は我が国の人工林面積の二割を占めております。そして、平成二十九年には年間四百四十万立方メートルの木材が国有林から供給されて、これは国産材供給量全体の二割近くに相当するということでございます。そういうことから、国産材の安定供給のために国有林野の人工林を活用してこれを推進していくということは、それから、そのために必要な法的な整備を進めていくということは大変重要な課題ということになります。  一方、国有林の成立の経緯、それからその機能、それから地域特性というのは極めて多様で、それで、国有林をめぐる歴史をたどりますと、そもそもその事業は企業的に運営するための独立採算制を前提とする特別会計によって経理されてきたという経緯がございます。ただ、御存じのように、木材の素材の価格が下落して経営状態が悪化し、国有林野の事業の抜本的な改革というのを一九九八年、平成十年に公益的機能の維持増進ということを旨に方針が打ち立てられたということがございます。その後、平成二十五年、二〇一三年に国有林一般会計化に至って、その公益的な位置付けというのが明確になったと言えます。  以上を踏まえますと、今般の法律改正においても、国有林事業の公益的な位置付けは、これは担保しなければいけないし、その価値の維持向上に資するものでなければならないと言えます。  第四番目といたしまして、今般の法案の意味付けと課題ということでございますが、まず、そもそも現在の森林・林業の改革というのは、民主党政権時代の平成二十一年十二月に我が国の森林・林業の早急な再生を指針とした森林・林業再生プランというものが策定されて、さらに、翌年に同プランの実現に向けた改革内容を森林・林業再生に向けた改革の姿として取りまとめた、この辺りがスタートになっているわけです。  そして、これに同調するように、木材の需要拡大を目指して、平成二十二年、二〇一〇年の五月には公共建物等における木材利用の促進に関する法律が制定され、そして、これらを踏まえて、平成二十三年、二〇一一年の七月に森林・林業基本計画が策定されて、そこでは、二〇二〇年の目標値として、国産材の供給量の目標値として三千九百万立方メートル、そして二〇三〇年の、これはあくまで参考値ですが、目標として五千万立方メートルを国産材で賄っていくという、そういう目標を掲げております。  さらに、二〇一一年の八月には電力事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法が制定されて、その後、各地で木質バイオマス発電所の建設や運用が始められるようになったということで、この十年間に木材の需要というのは千九百万立方メートルくらいから二千九百万立方メートル以上、一千万立方メートルも増加するに至ったわけです。  それで、このような木材供給量の増加というのを支えるためには森林資源の持続的な安定確保というのが求められるわけですが、その中で、森林整備の推進と主伐後の再造林の徹底というのを図っていく必要がございます。その必要性を受けて、平成二十八年に策定された森林・林業基本計画では、このさきの基本計画を五年間先送りする形で、二〇二五年の目標値を四千万立方メートルにするとともに、主伐と再造林を一体化し、これを推進していく方針が打ち立てられたということになります。  それで、民有林につきましては、既に新たな森林管理システムの構築というもので森林経営管理法が昨年策定されて本年から施行されているということであり、それから、御存じのように、森林環境税、森林環境譲与税の導入も行われております。  これに対して、国有林については、森林・林業基本計画の中では、林業の成長産業化への推進への貢献の役割を積極的に果たすと記載されているにもかかわらず、これを推進するための制度、それから動かすための法整備がまだなされていないという状況にあります。その意味におきまして、今般の国有林野の中長期的な管理経営ビジョンに基づいた上での国有林からの木材安定供給を推進する、この法律の制定は必要であると言えます。  ちょっと時間超過しちゃったんですが、課題としては、ここに書いてあるとおり、国有林野の多面的な公益的な機能を担保するということが前提にございますので、これを重視して慎重にこれは対応していく運用面での配慮が大事ということになります。そのためには、無理のない範囲で、規模で試行的に事業を始めて、綿密な制度設計を行い、さらに、実効性のあるルール作りやチェックを行った上で事業展開を図るべきであるというふうに思っております。そして、各地域の持っている国有林のキャパシティーと特性を考慮しつつ、事業の成果が地域の森林整備や地域の活性化につながっているかどうか、地域の民有林事業との協調関係が取れているかどうかについて、持続的な検証を行っていく必要があると思っております。  ちょっと時間超過で申し訳ございませんでした。
  5. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) ありがとうございました。  次に、高篠参考人にお願いいたします。高篠参考人。
  6. 高篠和憲

    ○参考人(高篠和憲君) 今御紹介いただきました全国国有林造林生産業連絡協議会の会長の高篠と申します。  生まれは東京なんですけれども、北大の、今は森林科ですけど、昔の林学科を卒業しまして、卒業の論文は、雪崩とか雪と森林との関係でどういうふうに造林をしていったらいいかなというような大げさな論文を書きましたけれども、卒業後、コンサルに入りまして、地すべりや治山の設計、砂防ダムとか擁壁とかそういうような設計を三年間ぐらいやりましてから、気持ちを切り替えて家内のやっておりました林業会社に勤めるようになりまして、今になっております。  当会社は、戦後からも国有林中心に造林と生産、伐採と、そういう両方やっている企業でございましたけれども、戦後植えた木が今回大きくなりまして、五十年、六十年たっていよいよ伐期が来たかということで、こういう法律の話になってきたかなと思っております。  当時、戦後の拡大造林ということで非常に造林が増えていまして、当社も北海道ではナンバーツーぐらいの仕事をさせていただきましたけれども、その木が大きくなって、逆に育林、あるいは新しく植えるところが少なくなりまして、私ども四十人ぐらいの作業員がいるんですけれども、今は造林よりも伐採の方が増えてきております。その伐採の方も、当時非常に苦しい時期もあったんですけれども、間伐、生産の請負というのが始まりまして、CO2対策その他で間伐をもっともっと進めようということで、それから、請負になりましてから少し経営が楽になってきましたけれども、今その木が大きくなりまして主伐だよと。太い木もなってきましたので、これを有効利用しなければならない時期に来ております。  ところが、自然の木というのは百年、二百年でどんどん大きくなって価値が出るんですけれども、人工林、北海道の場合はトドマツ、カラマツ、エゾマツというのが主体なんですけれども、どうも植えた木は五十年ぐらいがもういいところで、だんだん腐ってきたり、いろいろと寿命が近いのかなという感じで、どんどんこれから切らないといけないのかなと。  また、あと、今まで間伐をやっていまして、生産工場の方もどんどん技術が上がりまして、太くなくても合板とかいろいろ建築材に、二十センチぐらいの細い木でもどんどん使えるということで、ところが、その木が逆に今の時期になってくると不足してきているんですよね。ある工場においては、ちょっと在庫が少なくて仕事が取れないような状況も起きています。  そういう意味で、またあと太い木は太い木なりにこれから合板とか、いろんな木、CLTという直交集成材というか、いろんな開発で、どんどんどんどん利用していかなければ世界に勝てないかなと。今、鮫島先生もおっしゃっていましたけれども、自給率が五〇%を目指してということで、外国の材に負けないようにということで、今現在三六・一%まで上がってきたとはいっても、まだまだ日本の木使われていないと。国民はみんな日本の地元の木を使いたいと言っているわけですけど、やはり外材の方が少し安いというところで、この外材に勝てるためには、やはり効率よく生産していかなければ我々もコストが掛かると。  今、私ども、少し小面積で皆伐するような仕事も増えてきたんですけれども、皆伐と間伐では経費がもう倍ぐらい違うんですよね。非常に安くできる。そして安全にできるんですね。間伐ですと、いろんなところに木を引っかけちゃったり、掛かり木というので事故も起きていますけれども、ある程度は小面積、たくさん切るとやっぱり自然保護上災害とかが起きてきますので、やはり大面積の皆伐はこれからもないとは思いますけれども、そういうところで、安全にするためには、今労働災害も林業の場合は多くて非常にイメージが悪いんですけれども、その辺も含めていいことになるかなというふうに期待しております。  今回の政策に関しましては、政策というか法案に関しましては、結論から言いますと、私どもは非常に期待しているかなということです。要は、買う方ですから、木を買わなきゃいかぬわけですからちょっと先行的な投資は必要ですけれども、五年、十年という長い目で仕事を確保できるということは、非常に作業員の確保とか機械化の、林業は高性能機械がどんどん増えているんですけれども、そういう先行投資にも、やはりコストが下がって仕事ができるということは我々のプラスになろうかと思います。  ちょっと申し遅れましたけど、我々がいる団体は、全国の国有林の仕事に携わっている全国の造林、素材生産業者、約五百社ぐらいが組織されております。それで、私は三十年から会長職を務めておりますけれども、皆さんの技術を努めて、そして今は、いろいろ間違いのないように行動規範、安全や技術の向上ということで、非常に会員集まって、いろいろな技術研修、意見交換などをして活動をやっている団体でございます。  そういう中で、今回の国有林さんの成長産業化、意欲と能力のある業者にこれからこういう主伐を中心として長い期間でやっていただけるということが、私どもに、急にはできないと思いますけれども、地域にいただければ、特に北海道は昔炭鉱ではやっていて地域にいっぱい人がいたんですけれども、私どもの三笠市というところも、札幌から一時間半ぐらいのところなんですけれども、炭鉱で六万ぐらいいた人口が今八千人しかいません。これにこういう新しく林業の力が増えれば、雇用も増えて人も増えてくるかなと非常に期待しております。  その中で、我々も今問題がいっぱいあります。作業員がやはり思ったより確保できていないです。二年前に、たまたまいいチャンスで北大生の女子と農業高校の女子が二人も入っていただきまして、今現場でチェーンソー持ったり現場監督の見習として活躍していますけど、その後全然入ってきてくれていないです。もう非常に募集しているんですけど、これから労働確保が非常に問題となりますけれども、今回で新しい仕事が増えるかなと。  今までの請負あるいは入札で落としている仕事以外に新しく、いわゆる、皆さんグラフで見られているかと思いますけど、日本の人工林の蓄積量って、今、五十年、六十年ぐらいのところがピークになって、釣鐘型になっているんですよね。それで、もう新しく植えるところは少ないわけですから、これからの間伐もだんだん減ってくるというところで、今国有林さんがやっているのは、その主伐の大きいやつを少しでも生産して、活用して、そしてその切った後にはしっかり植えていこうという方針の今回の法案ですから、そこで新しいまた造林の仕事も増えるかなと。  それで、生産と造林と、今回法案のこの中では伐採の方に関してのあれがメーンなんですけれども、その後しっかり造林もさせようということで、私どもの会社でも造林をやった後はしっかり、生産で伐採した後の育林とか造林はしっかり、うちらでも仕事を取って、国有林さんでもそれを発注すると言っていることで非常に期待しております。  今、伐採の方は非常に機械化が進んで、オペレーターなんかもどんどん難しい機械をうまくやって人も来てくれるんですけど、山の中に背中しょって苗木を運んだり刈り払いとかは非常に重労働なのでなかなか人が集まらないんですけれども、しかし、そこである程度の賃金確保ができれば人は集められるかなと。  ただ、今のところの現状、私ども、新規で来た先ほど言った大学生なんかでも、みんなと合わせると年収三百万も行かないんですよね。そういう人たちは、やはりこれから林業見直しされて、四百万、五百万という普通のゼネコンさんと同じような給料をあげていかないと人は来ないかなと。そのためにはやはり我々がしっかり力を付けて、そして新しい仕事に、これからバイオマスやら新しいそういう川下の方の仕事も期待されておりますんで、そこで林業、そして林産業が発展すればのこの一つのステップかなと思って非常に期待しております。  今、これから、主伐となりますと低質の悪い木も出るわけですよね。それを今バイオマスが非常に期待してくれて、もっともっと、今も少し、かなりもう発電とかいろいろな、何というんですか、ボイラーの熱暖房が今、大はやりというかあちこちで声が上がっています。そういう意味で、紙は紙としての北海道は結構生産があります。それと一緒に、今まで山に捨ててきた末木なんかもこれからは、少し経費が掛かりますけれども、それを集めてきて無駄にせずにエネルギーとして使っていくということで、非常に有効利用、プラスになるかなと思います。  そういう意味で、何とか日本の森林を守りながら、そして維持して、外材に負けない地元のいい木をみんなが使って喜んでいただける、そういう取組に我々も頑張らなければ、いろいろな課題が出るかと思いますけれども、やはりようやく林業やそういう林産業が見直されてきて、担い手も含めてこういうことで進んでいくということで、非常に期待して、我々もそれに対応していこうという覚悟でおります。  以上、取り留めのない話でございましたけれども、意見陳述とさせていただきます。  よろしくお願いします。
  7. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) ありがとうございました。  次に、泉参考人にお願いいたします。泉参考人。
  8. 泉英二

    ○参考人(泉英二君) 元愛媛大学の泉でございます。ちょっと一週間ほど風邪で倒れておりまして、今日は途中でせき込んだり鼻声とかいうようなことで、いろいろと失礼なこともあるかもしれませんが、どうぞよろしくお願いしたいと思います。  私は、昨年の森林経営管理法に際しましては、衆議院の方で、この法案は余りに憲法違反にも十分なる強権性を何点もセットしている法律であると、この強権性をここまで織り込んだ法律ということについては、やはりまさにやり過ぎであるということで、廃案を主張させていただきました。  本日は、この国有林野管理経営法改正案ということで、この法案に対しての私の意見をこれから述べさせていただきますけれども、この国有林野管理経営法の改正案に、特にこの第二章の二という樹木採取権という二十二条文を一挙に織り込むという、このことについては私は極めて否定的でございます。  この間、衆議院の方で農林水産委員会を中心に議論が重ねられております。私もそのことを大分フォローさせていただきました。とても各委員の先生方もよく頑張って勉強していらっしゃって、しっかり質問もされていたというふうなことで、その点は大変高く評価させていただいております。  それに対する政府、林野庁等の答弁ということにつきましては、非常にまともな答弁もあれば、まさかという、まさかという答弁もあるというようなことで、ちょっと今日は、まず最初に、一番目に、樹木採取権の法的構造の問題点。  一番目、PFI法における公共施設等運営権、コンセッション制度と樹木採取権制度の関係について。  政府答弁。国が国有林野の管理経営の主体であるということに変わりはないわけでございます、PFI法に基づく公共施設等運営権のように、施設の運営を事業者に委ねる仕組みとは基本的に異なっている仕組みということでございます、これが林野庁長官の答弁でございます。これはいかにもコンセッションとは無関係なものであるという印象付けを行っている。要するに、組立て方が全く異なっているという。  ただ、樹木採取権に関する二十二の条文ですけれども、このうちのみなし物権論を含めて十四条文というものは、もうPFI法からのそのままの引き写しでございます。ですから、今回の樹木採取権の二十二条の組立ての下敷き、根本にはPFI法というものがある、それの特例法なんだと。PFIで全部いけるんだったら、何も新法は必要ありません。それではこの森林、国有林問題扱えないというところの特例的なことを定めるがゆえに、それが法律事項ということになってその法律を改正するというような形の根拠をつくるという。ですから、もしPFI法に基づくコンセッション制度とは全く無関係ですと言ってしまって、果たして法律事項どうなるのか。  さらに、その後の林野庁の説明、さらに衆議院での立花参考人の発言がございますけれども、次に述べてありますが、まるっきり新しいものではなく、立木販売というものを発展させた形だと立花さんは理解して、現行制度の延長と理解していると。また、政府も、いや、実は大したことないんですよと。そんなでっかいものじゃありませんと。大ロット、長期、長期間、大ロットと触れ込んでいましたけど、結局蓋開けてみると非常にしょぼい格好になっている。ですから、皆さんが御心配されるようなことがございませんと言っちゃった。そうすると、今の現行制度のシステム販売の延長であるといった程度だったら、新法の法律事項にならない。ですから、もし林野庁の説明でやり、そういう運用をそこまでおとしめるということならば、法律が成り立たないということになる。  ですから、やはりこれはあくまでコンセッション制度の特例法なんだということでしか理解、これは、ですから結局、竹中さんたち未来投資会議に向けては、ああ、国有林野でもやりましたよと、切り開きましたと、大成果ですと。竹中さん、絶対今回の話怒っていないはずなんですよ、切り開いたから。それで、他方で、国会や国民に対しては、そんなもの、コンセッションなんかやりません、じゃありませんよ、そんなものじゃとてもないですというふうな形での説明。それだったら法律は作れませんということ、まず第一点はそこでございます。  二番目、契約期間最長五十年。  これは、ちょっと私も議事録読ませていただいて、一般的な人工林の造林から伐採までの一周期が五十年程度であることから、その存続期間の上限を五十年としていると。  もし、今回、素材業者に造林もさせて保育もさせるということで五十年ありますよということだったら、別にこの話はおかしくはない。今回は、造林から資金的には全て国がやります。結局、伐採は、要するに樹木採取権というのは伐採と販売をさせるだけなんです。そこの、それの期間を五十年間占拠させる、排他的、独占的に占拠させる権利というのを五十年という根拠にどうして育林が五十年掛かりますということが関係するのか、この理由を見て私は、それでそれを納得されている議員の先生方がいらっしゃるときにもう私は驚いたんですけれども。  次、樹木採取区の指定の目的です。  やっぱりわざわざこういう新法を作ってそういうことをやるんだったら、それはやはり国有林野の、国有林野事業の経営をいかに合理化するとか効率化するとか、そういったことを目的とならなくちゃいけない、国有林野管理経営法を改正するならば。ところが、このわざわざ新しい条文は一体何のためか。効率的かつ安定的な林業経営の育成を図るため。そのような目的のために、だから、この目的条項を見たときも私はちょっと口をあんぐりした次第でございます。  それから、意欲と能力のある林業経営者について。  これ、ちょっとびっくりしたんですけれども、新たな森林管理システムの考え方では森林組合という名前が一切抜けている、それから自伐林家の名前も全部抜けたと、最終的には、というようなことが特徴だったと思います。素材生産業者だけを今後の林業の担い手として位置付けて、そこに施策を集中するという、素材生産をやっている森林組合、素材生産を本当にやれる自伐林家というものは対象から外しませんよと、だけど言葉は全部抜けていた。それが、今年は、今回は全部、森林組合、素材生産業者、自伐林家等と三点セットで来ています。  森林組合さんはちょっとさておきまして、果たして自伐林家がこの国有林野の樹木採取権に参与、関与できるのかという、まずもって意欲と能力のある林業経営者に自伐林家が果たしてなるのか。  私は、そういう意味では、自伐林家をそういうふうな形で育成していく、やっぱりこれから地域に定着し、山村をやっぱりちゃんときちんと管理し、それからそこで副業を持って生活していくような人たちというものがやはり山村にしっかり残っていく、そのときには自伐型林業というのは一定の有効性はあると。ところが、この方々が非常にフィールドがないということで悩んでいるときに、この国有林野というものも一つのフィールドとしてそういう方々に提供していく、そこにおいて、こういう方々も入り込めるような契約条件というものを是非提示できるような形ならば実はあると思う。そうでなければ、ただ、入口は開けてありますよと、どうぞ頑張って入っておいでという程度では絶対に入れないということでございます。  それから、次に、法改正案の背景説明における各種の問題点。今は、次に。  一番目、短伐期皆伐再造林方式。  戦後造成された人工林が本格的な利用期を迎えているわけで、この森林資源を切って、使って、植えるというような形で循環利用していくことが今後の森林・林業施策の主要課題であると政府は位置付けているわけです。  このことはもう言いたくないぐらいですね。四十六年生以上を高齢級というようなこととかも、要するに、科学的に全て否定されている話を、林野庁は何回指摘されてもそれをやめない。五十年サイクルで林業を回すということがいかにもったいないことであるかと。いかにその公益的機能、環境機能といったような形での全てを豊かにしていく、百年、百五十年というような形の中で豊かに回していくということが、日本が誇る、世界に誇る、人工林の長伐期多間伐施業という日本が世界に誇るその仕組みをつくってきている。それを誰でもできる粗雑な、もう経済効率のみという。  ところが、そういう形で皆伐していきますと、もうどんどん、昔、河川でしたけれども、今は道を入れて皆伐しますから、もう崩れる崩れるというような形で、このことは、恐らく学者の中のかなり、特に自然科学系の学者はほとんど否定します。だから、そういうふうな形で科学的に否定されている短伐期皆伐再造林方式と、今再造林して果たしてどうなるのかと。鹿対策に一ヘクタール当たりまた百万円を追加すると、そういう形のことを日本は今やれる財政状況にあるのかというようなことでございます。  それから、次、公益的機能重視。  これは、もうとにかく、国有林野の伐採ルールにのっとり、一か所当たりの皆伐面積の上限を五ヘクタールとし、尾根や渓流沿い等には保残帯を設置すること等を遵守させます。これが、皆さんが五十年で回していくときに環境機能が非常に損なわれるのではないですかということを心配されます。それに対する、全てこの回答です。  国有林野の伐採ルール、これ果たしてどこにあるんだという、一生懸命調べてみましたけれども、なかなか出てこない。参議院の今回いただいておりますこの参考資料、ここにも国有林の伐採ルール、ところが、どこにも上限五ヘクタールとか尾根や渓流沿いはどうこうというような話は出ていないんですね。どうも、これ、かなり危ない答弁だというように私は思います。  それから、国有林の現場管理体制について。  国有林では、全国の森林管理ごとに、これ、議事録等には、森林管理ごとに約八百の森林事務所を設け、森林官約四千人が日常的な巡視や伐採、造林等の事業の監督の業務を行っている。  これで皆さん、ああ、今後いろんなこともちゃんとチェックしてくれるだろうなというふうに思われますけれども、複数の国有林現場OBから私聞いた話ですけど、現在、森林官、もう事務仕事が極めて多忙だと。もう契約がどうだ、ああだこうだという、そういうふうな形において日常的な巡視等は今全くできていないという。さらに、ある方からは、結局、国有林においても誤伐、盗伐はかなり発生していますよと。それをチェックはできていませんというような形も言われております。  次のページ行っていただきます。  じゃ、国有林、やっぱり議論する前提として国有林の現状って一体どうなっているんだという。  これ、ちょっと、元札幌市役所の鈴木直樹さんという方に頼んで作っていただいたデータですけれども、これで衝撃的なのは、国有林の人工林蓄積量というのは、平均すると一ヘクタール当たり二百二十四立方メーター、民有林平均は三百五十三立方メーター。国有林は、あらゆる齢級において民有林よりも圧倒的にぼろな山、薄い山、人工林が、しかないんだという。こういう悲惨な形、まずこれはどうしてこうなっているのかと、このことはまた別途原因究明ありますけど、ここで、例えば一ヘクタール皆伐しても六十万ぐらいの収入しか得られない。それに対して二百二十万のものを掛けていくというような形において、果たしてそういうことがあり得るのかと。  国有林はどこへ行こうとしているのか。  国有林野事業における立木の伐採量、この数年間で国有林は非常に伐採量を増やしています。特に、そこで、この上のえんじ色というのはこれは皆伐です。皆伐はもう二倍に増えている。皆伐の方が効率はいい。  それで、もう結局、これはどうしてこういうことになっているかというと、国有林野事業の債務返済、債務返済に縛られまくっている。もう本当にそういう意味で、現在、国有林はどんどん増伐に増伐を重ねていますけれども、それは何も山のために、山を良くするために切っているわけではない。債務を毎年、できれば五百億円は収入を上げたいというような、一兆三千億円をこれから三十五年間で返済しなければならない、その義務の下において結局ただ単に意味なく切っているという。あとは、再造林は恐らく三割ぐらいじゃないでしょうか。放置しても、天然林化という言葉がありますし、針広混交林化という便利な言葉もみんなそういうふうな形で、場合によっては複層林化という言葉も使うかもしれません。  では、国有林をどうすればいいのか。  結局、一九九八年の国有林野事業の抜本的改革の理念に立ち返る。そのときには、約四兆円近い累積債務がありました、国鉄と国有林です。それで、約三兆円、国民が負担したわけです。そのときに、結局、林野庁の国有林から国民共通財産としての国有林へ大転換したんです、もう林野庁の国有林ではないという。もう我々国民がこれだけ、三兆円も負担したわけですので。国有林野事業の抜本的改革の基本的考え方とは、国有林を国民の共通財産とし、国民の参加により、かつ国民のために管理経営し、国有林を名実ともに国民の森とすることである。  さらに、この年に作られました国有林野事業改革特別措置法も、公益的機能の維持増進を旨とする管理経営への転換。もう要するに、これまで木材生産中心だったことをもうやめますと、全ては公益的機能のために国有林は存在します、ついては複層林施業であり、長伐期施業でありというふうな形に今後は転換していきますと、そういうふうに一九九八年に宣言しているわけです。  この道筋が、当時一兆円を特別会計に残したことによって、これの返済のために崩れているんです。それがこの上のところです。平成二十二年、行政刷新会議の事業仕分です。このときに、実は仕分側から、どうされますかと、もう無理ですよね、木材を売って戻していくのは、もうついては特別会計やめて一般会計化して、この負債、債務も全部一般会計に承継するのはどうだと言われたときに、林野庁はそれを断っているという。それで、その後も、同じ枠組みでとにかく返し続けるということで、どんどんどんどん国有林の中身が悪くなっているという、こういう実態があるという。  もう時間が過ぎましたので、ここの辺で、途中で止めさせていただきますけれども、終わり辺りはまた後でお時間があれば読んでおいていただければと。どうもちょっと時間をオーバーしました。失礼いたしました。
  9. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) ありがとうございました。  以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。  これより参考人に対する質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  10. 岩井茂樹

    ○岩井茂樹君 自民党の岩井茂樹でございます。  本日は、鮫島参考人、そして高篠参考人、泉参考人と、お三方それぞれの立場で大変示唆に富む御意見をいただいていると思います。法案審議にこの御意見をしっかりと役立てたいという思いで、恐らく今日六名質問されますので、なるべく幅広くバランス良く御質問できればという思いで少し御質問させていただきます。  お話をいろいろ聞く中で、人工林が主伐期を迎えているという話や、現場サイドでいうと人手がなかなかない、北海道大学の女性の方がというお話もありましたし、あとは地域の活性化ということも考えなければいけないとか、何といってもお三方で共通のキーワードとしては、多面的な公益機能を持っているということに対してどう考えるかということも大変重要な視点ではないかなと思ったんですが、少しちょっと広い意味で最初お三方に御質問したいんですけど、林業のそもそも成長産業化という言葉がありますけれども、これについてどう考えていらっしゃるかということと、それを進める上で、じゃ何が本当に必要なのかという御意見をそれぞれ、まず鮫島参考人からお聞かせください。
  11. 鮫島正浩

    ○参考人(鮫島正浩君) ただいまの御質問、林業の成長産業化ということでございますけど、これは非常に実は幅の広い言葉で、私は下流の方に位置しておりますので、やはり木材の需要拡大を図って、林業としてのやはり経済的な価値を高めていくということがまず一つ絶対あると思うんですね。そういう意味では、やっぱり出口をしっかりつくってあげれば、当然そこには素材、原料というものが必要になっていくわけなので、まず私の立場としては下流をしっかりつくってあげる。  それは、やはり木材の需要拡大ということになると、今盛んに政策でも打っておりますけど、CLTを使ってビルを、木材のビルを造るとか、公共建物とか、それから、耐火性能を上げて都市でも木材を使えるようにするとか、いろんな需要を上げていくということがあると思うんですね。それから、新素材、セルロースナノファイバーもありますし、それから最近、リグニンというこれも注目されていますし、それからエネルギー、バイオマスエネルギーとして使うと、いろんなやっぱりそういう需要をたくさんつくっていくということと、さらに、私はすごく注目すべきものは輸出だと思うんですね。やっぱり国内需要というのはあくまで限られているので、もうそろそろ日本も北欧、スウェーデン、フィンランドと同じように海外にまでやっぱり視野を伸ばしていく、そういう段階にあると思っています。  これは、下流側でとにかく需要をつくると。そうすると、そこに、やはり今度は、今豊富な国内の資源がある、これは五十億立方メートルあって年間八千万立方メートル以上も増えているということを御説明しましたが、それをやはりきちっと持ってくるということですね。それが林業の成長産業化ということにおいて一番重要で、特に上流側とのつながり考えた場合は、やはり安定供給、それから持続性の担保、さらにその先には、やはり特に国有林の場合は公益的な機能ということでございますが、そこはやはりきちっと担保して、長くきちっと続けられていくということが一番大事かと思います。  以上でございます。
  12. 高篠和憲

    ○参考人(高篠和憲君) それでは、成長産業化ということで、我々も実は産業成長を実に期待しておるんですけれども、現状ではまだ、先ほどお話ししたようにまだ厳しいところがあります。  そういう意味で、今回の法案の中でコスト、効率化をしてコストを削減というのが一つの利益にもつながるかということで、我々もそれに応えていかなければならないかと思いますけれども、そのためには、やはり今鮫島先生が言ったように、川下の方で木が高く、高付加価値化がまず一番だと思います。そして、私どもが経費を節減、だから、どんどん高性能林業機械とかそういう設備投資。それで、労務費の方も本当はもっと上げたいんですけれども、コストが掛かるということで、間伐とか、そういういろいろな手間の掛かる作業をやはり効率よく、我々が木を切っていくというための、やっぱり間伐とかそういうんじゃなくて、少し大ロットとかそういうのを今回期待しているというところですよね。  特に、やはり、例えば僕らが、例えば製材が一立方五万とか、そういうことで商売しているとしたら、水の比重に関しますと、百グラム換算にすると五十円ぐらいなんですよね。百グラム五十円といったら大根ぐらいの値段でしょうかね。五十年も六十年も百年もたった木が百グラム五十円ぐらい、それが五百円に売れれば、十倍ぐらい売れればもっといいんですけれども、そういう、木もピンからキリまでありますから、それでも少しでも高く売れるということが我々生産者としても成長産業につながるかなとは期待しておりますけれども。  そういう意味で、山元の川上の方では少しでもコストを下げて利益を生み出して雇用者に還元し、そして売れる方では高く、少しでも高付加価値というところではいっぱい問題点がございますけれども、何とかそれで私どもは成長産業の林業がいいねという企業にならなければ人も来ないかなというふうに思っています。  以上です。
  13. 泉英二

    ○参考人(泉英二君) この林業の成長産業化というキャッチフレーズであり、最近復活してきていますけれども、木材の自給率五〇%というキャッチフレーズであり、私、そのもの自身を否定するわけではございませんけど、そのものが目標となるという、目標管理の対象としてそれをするということには反対です。  やはり、森林・林業というところは、やはりその持続性という極めて重要な、やっぱり下手な取扱いをすると元々の大切なところを壊してしまうという。ですから、ここをしっかりと充実させていって、結果的に自給率が五〇%になったり、林業が成長産業化するということはもう全然問題ないわけですけれども、これが独り歩きして、結局、ここをどんどんその場限りで処理してしまうと。結果的に、後で見てみたら、とんでもないことを日本はやっちゃったということにならないかと、私はそのことを非常に今危惧しておりまして、ですから、成長産業化、自給率五〇%を唱えることはいいけれども、それはあくまで結果として、いい結果としてじゃなければいけない。自らの基盤を掘り崩していくようなやり方、ですから五十年で切るのが当たり前だ、それはいいことなんだ、資源が成熟したんだ、切ればいい、これはもうはっきりと間違いだと言っておきたいんです。それがいいことだとは思ってくださるな、成熟はしていないんだ、まだ半熟なんだと。これから百五十年まで百年間掛けて森林は成熟していくという。  だから、その点で、このやり方というのは非常に、今の林野庁の方針は、若い頃に早く、ぼろでもいい、安きゃいいというやり方の方に非常に劣化しているんです、やり方が。済みません。
  14. 岩井茂樹

    ○岩井茂樹君 ありがとうございます。お三方それぞれの御意見、大変参考になりました。  それで、泉参考人のお話の中、目的とその手段が間違ったらいけないよというようなことだと思います。そもそも、そのような流れができたというのは、たしか泉参考人の資料の中にも未来投資会議という言葉が入っておりました。一部の中では、今回の法改正というのは未来投資会議の議論が出発点になっているということ、これ、問題視されている議員の先生方いらっしゃると思いますけれども。  そこでちょっとお伺いしたいんですけれども、鮫島参考人が林政審議会の経験が、たしかプロフィールで先ほどありました。その林政審の中で、どのような議論があって、どのような評価というのをされているかというのを、ちょっと御披露いただければと思います。
  15. 鮫島正浩

    ○参考人(鮫島正浩君) 鮫島でございます。  ただいまの御質問なんですが、確かに、私、林政審議会で会長を務めている間にこの話が起こってきたという経緯がございます。それで今、岩井様から御紹介あったように、そもそも未来投資会議、未来投資戦略の二〇一七、ここにまず始まっているかと思います。  これは平成二十九年の六月九日に閣議決定されたということで、その後の審議会、九月六日に開催されているんですが、まずそこで、国有林野において民間事業者が長期、大ロットで伐採から販売までを一括して行うということで、現行より有利な立木資産の売却の手法の可能性ということを、民間事業者にこれについて改善提案を募集するということを行うということがそこで決まって、そこから始まったかと思います。それで、その後、実際にそういうことを行って進捗があったことに林政審議会では報告を受けてきております。  それで、実際、今回の大きな動きになったのというのは、未来投資戦略の二〇一八の中に、いろいろ意見を伺った上でこれは実際に動かせるようにということで、そのための法案を次期通常国会、現在の国会になるわけですが、そこに出すということで林政審議会の方に、それに向けて審議会としての意見を取りまとめてほしいという要請がございまして、現会長の土屋先生が施策部会長をやっていたということで施策部会で集中審議するのがいいだろうということで、昨年の十一月に二回、集中審議、施策部会で行っています。  その取りまとめが昨年十二月十七日の林政審議会の会議で報告されたということになっております。その中でいろいろな意見が出されて、それからそれに対しての林野庁の回答というのもそこで資料として提示されておりまして、いろいろな御意見ございます。  それで、その中で、先ほどの泉参考人の意見にも出てきておりますが、やっぱり国民の森であると、森林であるということと、それからやはり公益的な機能、そういうものを重視していくということに対しては非常に皆さんやはり気を遣われて意見が出てきております。ですから、今回進めるに当たっても、そこの原則の中でやはりきっちり説明をできるようにするということは大事かなという議論ではないかなと思います。  それから、実際運用した段階でいろいろなやはり問題が発生するんじゃないか、課題があるんじゃないかということで、その辺もきっちりやってほしいということで、運用面でのやはりチェック機能だとかそれからルール作りとか、その辺についてもいろいろ懸念はあるから、そこはしっかりやってほしいという意見も出されました。  それから、やはり国有林であるから国がきちっと責任を持って監督できる、そこをしっかりやらないといけないということですね。その辺についての要望もございましたし、さらに、じゃ請け負う業者はどうするかということに対して、やはり公明性とか透明性の担保、そういうことに対して、それから、やはり地域への影響ということを考えたら、市町村、地域の意見も聞くべきじゃないかと、それから、あとは下流を見た場合、サプライチェーンとの関係をどう捉えるか、そういう意見が出されました。  ですから、意見は委員によってたくさん、立場も違うのであるんですが、やはりこれを運用していくときに、やっぱりどこまでしっかりできるのかということですね、そこをやっぱり考えていただきたいということではないかなと思います。  以上でございます。
  16. 岩井茂樹

    ○岩井茂樹君 もっと質問したいんですけど、時間が参りましたので、これで終わります。  以上です。
  17. 小川勝也

    ○小川勝也君 立憲民主党・民友会・希望の会の小川勝也でございます。堀川林業のある北海道の選出でございます。  二十四年間国会議員をやらせていただいておりまして、様々な法案の審議に参加をしてまいりました。反対のときには血相を変えて反対をすることもあるわけでありますが、今回の法案は大変悩ましい法案であります。なぜならば、いわゆる国有林が荒れていて、そしてやっと伐期を迎えて、その国有林からの材を何とか活用して山元に利益を、あるいは雇用をということで長年取り組んできたからであります。ですので、川中、川下のしっかりとした整備それから連携、林道、作業道をしっかり造って搬出コストを下げるべきだ、高性能林業機械を導入すべきだということを国会でも申し上げてまいりましたし、林野庁とも様々な議論をしてまいりました。  しかしながら、今日は泉参考人から大変ためになる話を聞いたわけでありますけれども、我々の思いのほかに、未来投資会議から横やりが入って、我々のこの性善説の思いをどういうふうに横から邪魔する勢力が意見を加えたのか、そして、林政審あるいは林野庁がどういうふうに抵抗して、条文には書いていない、いわゆる後で破裂するような爆弾がどこに仕込まれているのかということを表、裏、斜めから見透かしてこの法案を見なければならないというつらい立場にあります。そんな思いを吐露させていただきながら、幾つかお話をお伺いをしたいというふうに思います。  国有林というふうに一言で言っても、北海道から九州、沖縄まで様々違いがあります。私どもの北海道は国有林の面積が非常に大きく、あるいはドイツのフォレスターによりますと、ここは切りやすい木材の畑だという表現もあったようであります。ですから、国有林の全てを今回の法律の対象にするということではなくて、ゾーニングをしてふさわしいところをということであれば当然考えの中に入ります。  北海道の国有林に詳しい高篠参考人にお伺いをしたいというふうに思いますが、しっかりゾーニングをして、今、今回の法律をやっぱりその法律の趣旨のとおりにしっかりと伐採をし、搬出をし、そしてその後再造林をするにふさわしい国有林は北海道にどの程度あるというふうにお考えか。そして、併せてお伺いをしたいのは皆伐の面積の上限であります。幾ら何でも五ヘクタールは大き過ぎるじゃないかという意見があります。山を知り尽くした高篠参考人に、その皆伐の面積の上限についても併せてお伺いをしたいと思います。
  18. 高篠和憲

    参考人(高篠和憲君) なかなか厳しい意見出ましたんですけれども、まず、面積的あるいは分析的に数字をぴしっと出せないんですけど、いろいろ御意見の中で、一ヘクタール、三ヘクタール、五ヘクタールとかいう意見がありますけど、実際、私ども、場所にはっきり言ってよると。いわゆる山の例えば頂上辺りなんかは風強いわけですから、そういうところを切ってしまうと後での影響が出てくるとか、一概に言えないんですけれども、やはり五ヘクタール、ちょっと多いかもしれないんですけど、私としては、五ヘクタールを一気じゃなくて、小面積の一ヘクタールあるいは未満のやつをその地域の中で伐区を決めて分散させると。一つ一つは皆伐なんですけれども、風の影響とかそういうところが少ないような決め方、あるいは場合によったら徹底的な皆伐でなくて本数少し残す。そういう伐採方法も実は三年ぐらい前に北海道の仕事で三年ぐらい実験をやって、今そのデータを集めている場所があります。  そういうふうに、五ヘクタールと言っても、全体が五ヘクタールを細かく分ければ、その辺のエロージョンといいましょうか、自然に対する影響は少ないのではないか。実際、少し大きめにやったところは、風が当たってまた新しい木が倒れちゃったという例も若干あります。そういう意味で、はっきり五ヘクタールだ、三ヘクタールだってちょっと言いづらいんですけれども。  それと、先ほどの最初の質問の、おっしゃるとおり、北海道は比較的に本州以南から比べるとそういう適地があるという確信はあります。北海道でも、日高とかそういう地域では傾斜が急で、ここはやらない方がいいよなというような地域もありますけれども、緩いところで条件のいいところで、今回、例えば林野庁の方で考えているのは、全国でスタートは十か所ぐらいできればなというところで、それだったら北海道はかなりの面積、こちらだったらできますよという申込みはできるかなと思っています。そういう意味で有利かなと。  一気にあちこちでというふうにはいかないと思います。徐々に始まるので、私の地域であるかどうかは、当たるかどうかは分かりませんですけれども、そういうところを少し少しやっていけば、大ロットとかといっても一年でそんなにたくさんできるわけでないし、我々も雇用も一気に増やせるわけでないので、その辺の現状を考えて発注されるのではないかなと期待しております。  以上です。
  19. 小川勝也

    小川勝也君 この流れで鮫島参考人にお伺いをしたいと思いますが、今御答弁をいただいた高篠参考人はやはり林学の基礎がしっかりしている経営者でありますので、風であるとか地形、傾斜、あるいは、最近は北海道にも集中豪雨が来ます、ですので、災害に強い伐採、施業の仕方もしっかり考慮に入れなければいけないというふうに思います。  これは当然、全国でその配慮をするわけでありますけれども、林野庁及び業者及び林政審議会の中で、そういった山々の特色をしっかり配慮した施業というのはこの法律の運用で可能だとお考えでしょうか、参考人にお伺いしたいと思います。
  20. 鮫島正浩

    参考人(鮫島正浩君) 最後の部分ちょっと聞こえなかったんですけど、もう一度最後の部分だけ。
  21. 小川勝也

    小川勝也君 ですから、自然災害とその場所に応じた施業の仕方、ここは五ヘクタールなんか当然無理だ、ここは皆伐に適さないというようなゾーニングの仕方を、林野庁、業者、林政審などでしっかりグリップを掛けるような法律の運用は可能だとお考えですか。
  22. 鮫島正浩

    ○参考人(鮫島正浩君) では、お答えいたします。鮫島です。  それをやらなきゃいけないと思います。可能だと思います。というか、それをやっていただかなければ困ると思います。  それで、やはり国有林の場合というのは、非常に地域の特性、それから森林の種類も、それから位置付けというのも非常に多様だと思うんですね。ですから、やはりゾーニングをきっちりやって、今回の法律で適用する、していい場所というのを、やっぱりそこの絞り込みというのが物すごく大事だと思うので、ですから、その運用に当たってでは、やはり専門家の意見をきっちり聞いて、それでやはりゾーニングをしっかりやって、場所の指定、それからやり方ですね。  それで、確かに私も素人ではあるんですけど、五ヘクタールというと随分広いなと、やっぱり二ヘクタールぐらいなのかなというふうには思っているんですけど、その辺はいろいろ事情によって変わるので、そこはやはりきっちりした基準づくりをこれからやっていっていただきたいということで、この法律の場合、やっぱり重要なのはどうやってそれを運用していくか、そこのところは本当に時間を掛けてきっちり議論していただきたいというのは私からの要望です。
  23. 小川勝也

    ○小川勝也君 さらに、高篠参考人にお伺いをしたいというふうに思います。  やはり効率的な施業だけではなくて、流通面もしっかりコストをカットして、川下そして消費者、ユーザーに効率的に材を提供することが私は大事だと思っています。私は個人的に、外材で建っているいわゆる戸建て住宅、これのシェアを国産材にもたらしたいという思いでずっと活動を続けてまいりました。ですので、川中のいわゆる効率化も重要だというふうに思います。  そんな中でちょっと意地悪な質問なんですけれども、その流通の整備が遅れている間に真っ先に大規模バイオマス発電が稼働してしまったので、さっき二十センチ以上も使えるのにというふうに御答弁がございました。我々が見聞きする話の中では、三十センチを超える材が切り刻まれてバイオマス発電の原材料になっていると、複数の木材・林業関係者が嘆いています。当然、いわゆる間伐材とか曲がったやつとか、あるいはC材とか、バイオマス発電施設があって有り難いというふうに思うことがあるんですけれども、やっぱり大型バイオマス発電施設がいい材を集めてしまうという弊害が全国で私は聞いています。  このことに対する意識と、そして付け加えでありますけれども、残念ながら製材の立地に恵まれない地域では、丸太のまま中国に輸出をしたり、あるいは北海道から本州に丸太のまま移送したりして、これは山元や雇用に対しては私は非常に残念なことだというふうに思っています。あわせて、高篠参考人の感想もお伺いをしたいと思います。
  24. 高篠和憲

    ○参考人(高篠和憲君) 一部でそういうことがあるとは聞いているんですけど、私どもの周辺ではかなり、木はやはり無駄に使わない、その目的に合わせてということで、北海道の場合、商社もそうですけれども、製紙会社も非常に強いから、製紙会社は製紙会社でしっかり、紙の原料はこちらよと、それから、ちょっと落ちるやつはバイオマスに使ってもいいよと、しっかり区分けしているという形で私ども取引しているんですけれども、違う地域、あるいはそういうところで、東北に行けば高く売れるから売ってしまえとか、あるいは海外も行っているのもあるのかもしれませんけど、そういう意見は、情報は少しは聞いておりますけれども、私どもの周りでは、やはり国有林材は無駄に使わないで、少しでも高付加価値、用途に合わせて。  その中で、さっきも申し上げましたように、細くても、今製材技術が進んで、合板でも十センチ台でも使えるだとか、そういうふうにありますので、それまでうちらとしてはバイオマスに持っていくという気が全然ないわけで、それを使っているという人は、やっぱり効率的にもう区分けが面倒くさいからこっちへ売ってしまえという方も中にはあろうかと思いますけれども、やっぱり私はそれではいけないなと。  太いやつは太いやつ、細いやつは細いなりにやっぱりしっかり区分けして、販売も、国有林もそういうふうにやっているはずなんですけれども、中には、選別が面倒くさいから、この中にちょっといいのが入ったけれども、それを分けると非常にコストが掛かるから、一緒にこれは原料材で買ったから。でも、中には、業者でも、原料材で買ったけれども、その中に、これ節がちょっとあるんだけれども、いいから、これはこっちに分けて高く売ろうという、そういう努力されている業者もいっぱいいます。  だから、それが全てそういう方が多いというふうに言われると、我々も林業として、なりわいとして申し訳ないし、私どもも、先ほど小川先生言っていたように、国産材で家を建てる、そういう動きが今全国各地でやって、自分の、木を見て、この木でうちの柱建てるということで、非常に売れているようです。それが高付加価値につながっている話も聞きます。  私どもでも、一時、三、四年やったことあります。お客さんに山見に来てもらって、製材工場見てもらって、あんたの柱が、あそこに建った柱がこれだよということで、高付加価値にはならなかったんですけど、取りあえず使っていただいたと。  そういう意味で、そういうPRが我々ちょっと少ないかなと。やはり地元の材で、家を建てるときには近くの木を使いましょうということがやはりいいわけですから、それがもっともっと林野と一緒になって進めて、我々の木が高くても売れるようにということでもっともっと、我々も力が足りないなと思っております。  以上です。
  25. 小川勝也

    ○小川勝也君 私は、この法律のあるなしにかかわらず、植林、造林の担い手がいないということが最大のネックだろうというふうに思っています。有為な人材がいても、やっぱり地ごしらえと植林の作業は筆舌を尽くし難い作業でありますので、木が高く売れても人は集まらないというふうに思います。その点につきまして、泉参考人、そして高篠参考人の御意見もお伺いをしたいというふうに思います。
  26. 泉英二

    ○参考人(泉英二君) その話がこちらに振られるとは思わなかったものですから。  造林の担い手がいないということは、これは本当に、いろいろ今回、どんどん皆伐をして再造林するするといったときの話としては、もういつでも出てくる問題でございます。  この問題を、ですから、すぐに、一つは外国人労働者の導入につなげてしっかりやっていったらいいじゃないかというような話にもつながりますしということですが、私自身、確たる成算のある考えを持っているわけじゃありませんが、私は今、都市部においても、かつての森林ボランティア活動というのは大分ちょっと年齢的に、少し今転換期に出てきて、全ての結局国民の皆様方が今回森林環境税に拠出、世帯当たり一千円という、非常にそういうふうな形で御理解いただいてる中で、必ずしも経済原理だけではない形での、その国民参加のありようといいましょうか、そういうちょっとところもやっぱり是非仕組みとしてつくっていくというようなことは、もう一度新しい形で、森林環境譲与税の使途としては、都市住民から取るわけですので、基本的には多くを。都市住民にいかに森に入っていただいて戻すのかというようなことなどのそのやり方で、造林作業とかいうことは、私も老人ですけれども、老人にも、先ほど、非常に若い方でお金をもうけようとする方々にはしんどくても、年寄りにとってはかえってというふうな話もまだまだあるんではないかというふうなこともちょっと思ったりもいたします。
  27. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) 高篠参考人、時間が来ておりますので、御簡潔によろしくお願いします。
  28. 高篠和憲

    ○参考人(高篠和憲君) はい、じゃ、大急ぎで。  今、造林の方はやはりおっしゃるとおりで厳しいんで、人が集まらない。ある会社で、もう集まらないから、もう会社やっていけないからということで、もう最初から年間三百万、四百万払うぞと言ったら人が四人来てくれたという会社もあるわけですよね。やはり給料は高くない。それだけ汗かく仕事ですから、ほかの人より逆に高く出さないと、まあそのためには、やはり林野さん、あるいはそれを発注される方も、労務費の単価を思いっ切り見直してくれるというのが一つだと思いますけれども。  それ以外にも、各地で、今コンテナ苗とか、早く成長して下刈りの回数を減らすというか、それから、あと、造林の草刈りの機械をどんどん改良しているということ、あるいはそのうちドローンか何かで、もう下の操作で草刈りできるような、そういうことができると相当省力化できるかなと、汗流さなくても。  そういうことも、技術の進歩も含めていろいろやらなきゃいかぬけれども、やはり今働く人は非常に厳しいです。かといって、すぐ外国人労働者というふうになっているんですけど、私どもも取り入れなきゃ駄目かなと思うんですけど、やはり教えてすぐというと、やっぱりけがされることが非常に多いと聞いているんで、そう簡単には、すぐ採用したいというふうにも、やっぱり日本、地元である程度分かっている人に訓練させてから地道にやれということで、非常に慎重にやらざるを得ないかなという状況です。  以上です。
  29. 小川勝也

    ○小川勝也君 終わります。
  30. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 今日は、三人の参考人の先生方、大変ありがとうございます。  今回は樹木採取権という新しい権利が設定されるわけですけれども、この樹木採取権について、まず鮫島参考人と泉参考人に伺いたいと思います。  法律第八条の十六の関係なんですけれども、この樹木採取権は物権とみなされて、不動産に関する法律の規定が準用されることになるということで、民法上のその規定が準用されて、譲渡、そして抵当権、一般承継、滞納処分、強制執行、仮差押え、仮処分など、そのような権利が行使されるということで、これがちょっと私なかなか理解できませんで、先週末、林野庁に質問を投げかけておりましたところ、昨日回答が来たんですけれども。  例えば抵当権ですけれども、その樹木採取権を得た業者さんがいろんな支払が困ったときに、借りていたお金の返済が滞ったときに、それは抵当権ということで、具体的には、その樹木採取権は競売に掛けられて、そして、その抵当権者がその順位によってその自分の債権を押さえていくということが回答としてあったんですけれども。そうすると、これ、樹木採取権、一番長いので、最長で五十年と、大体十年をめどということなんですけれども、このような様々な権利の行使というのはなかなか、それで森林がどうなるんだろう、国有林がどうなるんだろうということで、まだ具体的にすとんと私、腑に落ちない部分がありまして、このような権利が行使されることによって一体国有林はどうなってしまうんだろうという疑問が解消できないまま、更に林野庁とやり取りをしてみたいなという段階なんですけれども、この新たな樹木採取権について、泉参考人、そして鮫島参考人、お考えがありましたらお聞かせいただきたいと思います。
  31. 泉英二

    ○参考人(泉英二君) やはりこの樹木採取権、その中でみなし物権という形にこの樹木採取権、単なる伐採と販売ということなんですね、ということで、それをそのような形でみなし物権化するということには基本的に無理があります。ただ、どうしてそういうことをせざるを得なかったのかというと、やはり新しい法律を作るためなんです。  要するに、これ、こういう形のものをしないと、要するに国有林に対して普通の賃借権でやっていくんだと、何も新しい法律が必要がないんですよ。要するに、新しい法、みなし物権というものを今回、全く新しいんですよと、そういうものを作らなくちゃいけないんですよ、だから法律を作らなくちゃいけませんという組立てなんですけれども、実態は単なる賃借権に近いものでしかない、これは。  ですから、そこに、これ、ですから先ほど申し上げました法律事項、五十年ということも同じで、どうしてそんな無理、無駄な長期間をやったのか。これはびっくりさせるんですよ。要するに、五十年間というのは余りないです、だから新しいんです、すごいんですという、だから法律事項なんですという。  ですから、ここで結局新法を作るということにおける無理がこういうところでやっぱり出てきているという。みなし物権ですから結局担保権になりますし、これ担保に入れられますしというような形になるわけですけれども、この権利は担保に入れるものかというと、もうあり得ないですよね。  でも、本当はこの組立ては、元々公共施設等運営権というものなんかはみなし物権なんですけれども、それは必ず巨大なファンドからお金を借りるという、そのときには物権化しておかないと貸してくれないという。ですから、結局PFI法は、公共施設等運営権をみなし物権としているんです。  これは、公共施設等運営権の場合には、みなし物権とするのは、巨額を借りるということのためには絶対必要なんですね。それで、使用料からこれを返していくという仕組みをつくるわけですけれども、それに対して今回のことも、実は、狙いは、竹中さんたちの方の本来の狙いはそれはあるんです。もう外資を含めてこれを入れ込む、そのためのみなし物権だと。ところが、林野庁が矮小化しちゃうんですよ、運用、運営で。ということになってくると、何なのこれはという話が出てきてしまっているという。  要するに、この二つの流れが、竹中平蔵さんから来るような流れと林野庁の流れは全くこのことに関しては異なっている。そこの矛盾がそういうふうな形で出てきているのではないかという。
  32. 鮫島正浩

    ○参考人(鮫島正浩君) まず最初に、私は法律の専門家でないので、十分なお答えができるかどうかということはちょっと不安な面もあるんですが。  それで、私は、今回の法案でまず感じたことは、もうシステム販売があるじゃないかと、システム販売と一体何が違うのかなというのが最初思ったことなんですね。  でも、いろいろ話を聞いているうちに、国有林野である以上、やはり中長期的な管理経営ビジョンに基づいていないといけないということで、それをしかも安定にやはり木材を供給するという、この辺を考え合わせると、年度を超えた契約というのが絶対必要で、恐らく今のシステム販売のやり方では、やはりそういう中長期的なビジョンに立つということができないんじゃないかなと思うんですね。  ですから、そういう意味では新しい仕組みをつくらなければいけないと。そのときやはり法的な整備をしないと動けないということで、今回の法案が出てきたのではないかなと思います。  それで、あと、五十年というのがあくまで最長なんですね。五十年という設定自身ももちろんそれは議論はあると思うんですが、契約は五年なんですね。五年という契約というのは、これは普通の契約。ただ、五年だとやはり短いですね。ですから、やはり十年を基本とするという考えがあると思うんですね。ですから、ちょっと五十年ばっかりが強調されちゃうとあれなんですが、やはりそこにはいつでもチェックも入ってきますし、やはり見直しということが当然あるんで、そこをまず持ってきちゃうというのは私はどうかなと思います。  ただ、どこかに制限付けなきゃいけないんで、じゃ八十年がいいかというと八十年は長過ぎるし、二十年というのは何の根拠で二十年なのかということで、一応、これも議論あると思うんですが、森林の一つのローテーションとしての単位を五十年として見たということで、いや、それでは短過ぎるという議論もあるかもしれないですけど、やはり八十年、百年、そういう長い年月見ることも一方では大事ですが、やっぱり責任ということを考えた場合、五十年というのが一つの責任の範囲じゃないかなというふうに思います。  ということで、あと、みなし物権ということがございましたけど、やはりこれは泉参考人が言われたように、やはりそこに融資をしたり、そういうことをしたり、物を動かすときに何か必要なことなのかなというふうにも思ったわけです。ただ、この辺についてちょっと私専門家じゃないので正確にはお答えできません。  以上でございます。
  33. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 ありがとうございます。  この樹木採取権というものを十年とか最長では五十年とかというふうに設定しなくても、今回は樹木採取権実施契約という形で五年更新でやっていくという部分ももう一つあるわけですが、その一つだけで加工業者の皆さんがきちっと中長期的な目標を立てて事業が行われ、そして大切な国産の木材の供給が効率的になされるようにできなかったのかなという疑問があります。  やっぱりこの樹木採取権、会社が合併したとしてもそれ引き継がれるわけですよね。今、昔と違ってMアンドAというのはもう日常的にどんどん起きているわけで、実際には、木材を扱っている会社を全く何の関係もないMアンドAを強力に推し進めているような会社が買収をして、そしてその権利を得ていくというようなことは容易に想像できるわけでして、その辺がちょっと私としてはどうなのかなということでまだ納得できていない部分であります。  一方で、地元の森林組合やそれから業者さんからも、木材の供給が滞っているということで、せっかく育った国有林、公有林というところから木材を供給してほしいという御意見もいろいろいただいているものでありますので、先ほどの小川先生ではありませんけれども、この法案非常に悩ましい部分があるという、私もそういう立場であります。  皆伐の問題なんですけれども、先ほど五ヘクタールでは大き過ぎるのではないか、あるいは三ヘクタール以上ないと効率的な作業ができないとかいろんな話があるわけですけれども、皆伐してしまうと、鹿、獣害ですね、再造林で植林したときに鹿の餌場になってしまって、その鹿対策をしなければいけないということは泉先生のレジュメにも書いてありますし、また環境団体からも具体的な例を挙げてそういう心配が寄せられております。  そういうことで、やはり皆伐をするにしても効率化、ある程度効率化が必要で、一定のスペース、ヘクタールというか、皆伐が必要な部分もあるんですけれども、先ほど高篠さんからお話のあったように、環境も考えて業務を行っていく業者さんばかりではないと思いますので、その辺についてどう考えるのか。具体的にはもうちょっときちんとした規制というものも、この際、この法案の成立を期するならば、きちんとそういう規制も数字を明確にしていくべきではないかというふうに思いますけれども、高篠参考人の御意見を伺いたいと思います。
  34. 高篠和憲

    ○参考人(高篠和憲君) 我々が例えば契約して、そのMアンドAとかいろいろ状況変わったらどうなのかという御意見もありましたけど、その辺に関しましては、多分そうなってきたら会社の条件が変わると思うんですね。今回、それがただの入札参加というのと違うわけで、その業者がその地域でどれだけの活躍しているか、あるいはどれだけの雇用をしているかという、そういうのも見られるわけで、それが、やはり資本が変わればその条件は変わるから、そうなってきたら契約はそこで終わってしまうんではないかなと僕らは思いますんで、やはり、そういう外国資本や違う業者、商社とかでかいところが来るということは僕らは余り心配していないです。かなりその地域で、あるいは地域でも小さければJV、ジョイントベンチャー組んだりして、そうやって契約させてもらうかなという感じです。それが崩れれば、そのときは一回契約破棄になるかなというような覚悟でおりますね。  そういう意味で、やはり、私も法律の方は詳しくはありませんので、その後どうなるかということはあれですけれども、その辺は林野と、逆にそういうことを我々もいろいろ意見を言って、こういうやり方でいきましょうよ、五十年だとしても十年だとしてもこういう森づくりをしましょうよという、そういう意欲のある業者と林野と組めばいいことであって、それができないんだと、もうただ切ればいいような業者はやっぱり選ばれない。それぐらいの自信とお互いのやっぱりフィフティー・フィフティーでやるべきだと思っております。  ちょっと答えになっていないかもしれませんですけれども。
  35. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 ありがとうございました。  高篠さんのような、本当に森をしっかり守っていこうという業者さんばっかりだといいんですけれども、結局は、実際にはそういう事業を行っているところを、その事業はその子会社として継続させながら、全然全く関係ないところが買収して、傘下にして事業を進めていく、そして、その場合には樹木採取権というのは継続して引き継がれていくわけですので、その辺のところをもう少し、性善説に立たない、どんな企業も参入してくる可能性があるというところを、もう少し私は林野庁がしっかりと考えて対応すべきだということでございます。  どうもありがとうございました。
  36. 里見隆治

    ○里見隆治君 公明党の里見隆司でございます。  本日は、三人の参考人の先生方、誠にありがとうございます。  私からはまず、前回、政府にも同様の観点から質問したんですけれども、木材生産と、それから先ほど鮫島参考人からもお話がありました公益的な機能、多面的な公益的な機能とのバランスについてお伺いをしていきたいと思います。  鮫島参考人からいただいている資料、また、先ほど御説明にもありましたとおり、森林には、木材生産以外に国土保全、水源確保、地球環境の維持、こうした目的、多面的な公益的な機能があるということでございます。このバランスをうまく取っていくということが必要だという鮫島参考人の御意見でございましたので、もう少しそこを、どうすればバランスを取っていけるのかという観点でもう少し掘り下げてお伺いをまずしたいと思いますが、その上で、どちらかというと、これは泉参考人から先ほどいただいた御意見では、今の国の政策方針では、むしろバランスが崩れているんじゃないかというお話でしたので、まず鮫島参考人に、うまくバランスを取るにはどうしたらいいのかということについてお伺いをし、その後、泉参考人に、さらにその点についてどのような問題点を考えておられるのかということを続けてお伺いをしたいと思います。
  37. 鮫島正浩

    参考人(鮫島正浩君) ただいまの御質問についてなんですが、先ほどもちょっと申し上げたんですが、やはり国有林というのは地域によって相当やっぱり違うわけですし、それから地域の中でもそれぞれその場所によってやはり違う、それで五つの分類もされているわけですし、そういう中でやっぱり一番大事なのは、やっぱりゾーニングがきちっとできているかどうか、そこではないかなと思うんですね。  今回の場合、やはり人工林の中である面積を指定してそこで施業するということなので、その場所の選定というのが一番私はまず一つ重要で、これはやはり国の責任できっちりやっていただきたいということかなと思います。  ですから、バランスという意味では、それぞれの国有林にはそれぞれの意味付けがあるわけなので、そこをやはり専門家の意見を聞いて、ここでやりましょうという場所の選定ですね、そこをしっかりやっていただきたいということですね。  それからもう一つ、バランスということで量的なものがあるんですが、今回の場合は、面積的に言うとそんなにやはり大きくない、むしろ皆伐の面積を何ヘクタール、五ヘクタールで本当にいいのかとかいう個々の問題は当然あるんですが、全体量としてはそんなに大きくない。特に木材の利用の立場からいうと、決してそんなに、数千立方メートルですから、そんな大きな量じゃないんですね。むしろ、そういう意味では下流とのつながりというのをどういうふうに設計するか、そこも重要なところじゃないかなと思います。  ちょっとそれは別の話なので、このくらいにさせていただきます。
  38. 泉英二

    参考人(泉英二君) 里見委員の御質問は、民有林も国有林も含めたような一般的な話としての木材生産と例えば公益的機能の話、そうではなくて、今回の国有林人工林のこの取扱いに限定してということで。
  39. 里見隆治

    ○里見隆治君 もちろんこれ、国の森林経営という意味では民有林を無視するわけにはいきませんけれども、今議論をさせていただいているのは国有林を主に考えております。
  40. 泉英二

    ○参考人(泉英二君) 総論ではなくて各論として、この国有林における木材生産のありようと、多面的機能の中に実は木材生産も入っちゃいますので、これを公益的機能と申し上げますと、これが全くバランスが欠けているということは、これは先ほど御説明しましたように、木材生産に関してはただ借金返済という全然別論理で動いているだけなんです。ノルマが課されています、それをただ果たすだけという。このときに、じゃ、これはもう効率を考えて、いかに小面積のところでお金をたくさん上げて債務返済の方へ回していくかという。それに対して、国有林については公益機能重視でいきますということは、一九九八年以来現在に至るまで、木材生産は重視しませんという、建前上はこれは今でも貫かれています。これは、同じ一つの国有林という制度の中に全くベクトルが違うエネルギー、要するに動力が違うのが二つやっていて、それがもうがしゃがしゃに矛盾し合っている、干渉し合っているというのが現状だという。  ですから、そういう意味では、ここはもう国有林の赤字問題、累積債務問題、一兆三千億円あるわけですけれども、この問題をどうするんだというのはこれも全く別途、極めて重要な課題になっていくという、木材生産一般論ではなくてと。  ちょっと話を変えさせていただきます。本来は、林学、私ども学んだ林学というところは、林業、木材生産がいい形でできていけば、そうするとそれは必然的に公益的機能も非常に高いレベルで発揮されるという。要するに、林業生産と公益的機能は幸せなカップリングしているんだというのが私ども林学のもの。日本の森林法制は、森林・林業基本法も森林法もこの幸せなカップリングということに基づいて法体系が組み立てられている。ですから、林野庁さんもこの法体系に基づく政策しかできない。そうすると、林業を振興すれば環境機能も、森林の環境機能も良くなるという全ての前提条件が成り立っているという、で、林業振興、林業振興という産業政策でいくわけです。  恐らく、このやり方自身も現在全面的に限界に来ていると。ということは、結局、日本の森林法制自身も、森林・林業基本法を含めまして限界に来ている。だから、国有林野の問題も、先ほどの累積債務一兆三千億円問題含めまして、もう手の付けようのない状況の中にあるというところで、是非、これはもう国会であり国民でありということが徹底して、もうこの機会に、このコンセッション方式がどうかという議論だけではなくて、そういうふうな意味では、今後の日本の森林、国有林をどう持っていくのかということについては、議論を是非開始していただきたいと思う次第でございます。
  41. 里見隆治

    ○里見隆治君 泉参考人からの非常に中長期的な御意見、大事な点だと思います。  その上で、まさにこの国有林野をどういうふうに位置付けていくかというその位置付け方、それを一般会計とのひも付けの中で公益性をいかに大きく捉えていくか、その捉え方によって意見が異なってくるんだろうということを私も今お二人の意見から感じた次第でございます。  そうした中で、林野庁も今、この林野を守っていくという中長期の公益性の観点、多面性の観点と、それから一つの経営主体として、経営主体として、成長産業としてこの林業を経営していかなければならないというそうした立場、その二つの性格を期待されているところだと思いますけれども、そうした中で、先ほど鮫島参考人からは、ゾーニングをして稼ぐところは稼いでいくと、そして公益性を守るところは守っていくというお話だろうかと思いますけれども、鮫島参考人からは、先ほどの御意見の中で、これは、制度は制度としてつくった上で、もう少しこの運用の段階においては、ルール作り、チェック機能の導入という意味で、さらに制度に加えての配慮が必要であるという御意見を頂戴をいたしました。もう少しこのルール作り、チェック機能の導入という点で詳しくお考えをいただければと思います。
  42. 鮫島正浩

    ○参考人(鮫島正浩君) 本当にこの法律というのは、悩ましいという御意見ございましたけど、私はやっぱり法律がないと多分何も動かせないから法律を作るんだと思っているんですね。一方、やはりこれをどうやって動かしていくのかというのは、実は、本当に悩ましいというのは、おっしゃられることよく分かるんですね。  やはり物事を進めるときというのは、ベネフィットとリスクというのは必ず共存します。それで、今の範囲ですと、今試行的に、それほど大きなものじゃなくて限定的なやり方なので、やはりベネフィットが少ないと言うとちょっと語弊があるんですが、割と限定的にやられているからリスクも初期の段階ではそんなに大きくはないだろうと。  ただ、逆にそこできっちり制度を動かしてみて、そこでやはりどういう問題が発生し得るのか、逆にどういうベネフィットがこれを展開すると得られるのかということをきっちり見ていくということが大事なんじゃないかなということで、運用に関わる詳細なルール作り、それからやはりチェック機能と、それから場合によっては見直しもしなきゃいけないと思うんですが、そういうことをやはり試行しながらつくっていく、その中にやはりいろんな人の意見を盛り込んで、専門家の意見を盛り込んだり、あるいは事業者の意見を盛り込んだり、地域の意見を盛り込んだり、議論しながら進めなきゃいけないと、そういうふうに思っています。  ですから、できたんだから、さあ行こうということではなくて、そこのところをきっちりやっていただきたいというのが私の思いでございます。よろしいでしょうか。
  43. 里見隆治

    ○里見隆治君 ありがとうございます。  もうあと一問程度の時間だと思いますので、最後は高篠参考人にお伺いをしたいと思います。  先ほどの意見陳述の中で、女性で大学また高校を卒業された方が御活躍だということ、非常に明るいニュースだと思いますが、それにしても年収がまだまだ期待どおりにいかないという中で、先ほども御質問された先生いらっしゃいましたけれども、今後の人材確保という観点、特に、女性を雇用されているということは、これから期待されている機械化とかAIの活用とか、あるいはもっともっと労働安全面での配慮が必要な分野だという、こうした観点をもっと機能強化をしていくという中で、女性でも入ってきやすい職場づくり、人材確保という観点で、経営者のお立場で今後何が必要とお考えなのか、また、国から何らかの、こういった制度面ではない、税制、予算含めての支援があるとすれば、どのようなことを期待されているか、その点をお伺いしたいと思います。
  44. 高篠和憲

    ○参考人(高篠和憲君) どうも御質問ありがとうございます。  非常に苦労している部分で、まず女性を入れたというのは会社のイメージアップもあって、女性もいるんだからこそ、会社、しっかり、ブラックじゃないよねという部分も言えていると思います。いろいろなところでやはり林業関係は遅れていた、要するに、三法も最近はもう義務化ですけれども、ずっと、最初はやはり皆さん、例えば退職金制度をやっていない会社があったり、社会保険もちゃんと入っていない会社もありましたけれども、そういうのはいろいろ経費が掛かります。それを克服して更にイメージを良くして、林業を、そして、一番は事故率が高いというのをもっと下げていかなきゃいかぬのですけど。  それで、若い人が来るときには必ず父兄、親のオーケーが要るわけですけど、親があそこは危ないからやめなさいというのが一番怖いわけで、それで、今、あちこちの企業ではインターンシップを取り入れて、どんどん若い人に体験してもらって、面白いよ、林業面白いよ、森の中で働くのは楽しいよというところからスタートさせて、それで、有給休暇もちゃんとあるし、日曜日も土曜日も休みだよというふうなことをしていかなきゃいかぬのかなと。実際、雨降って休みのときもありますので、それをどういうふうに雇用をうまく見せていくというところが今は頭が痛いところです。  これからは、やはりそう若い人ばっかりでなくて、もう幅広く、場合によったら、定年の方でも元気な人いっぱいいますので、あるいはボランティアも含めてどんどんどんどんやってもらわないと、人は増えていかないかなと。  それと、あともう一つ、何でしたっけ、質問の、新しいことでしたっけ。もう一つ、何でしたっけ、お願いします。
  45. 里見隆治

    ○里見隆治君 今お取り組みになることについて、国から、また公的な支援について御期待があればという点、お願いいたします。
  46. 高篠和憲

    ○参考人(高篠和憲君) はい、どうも。  高性能機械を買うときとかそういうので、林業のいろんな補助金とかそういうの、一時期あったんですけど、今のところ、ちょっとなくて。あと、緑の担い手制度というのがございまして、一年目、二年目、三年目で勤めた方にいろいろな補助があるということはほかの業界からも羨ましがられているんですけど、そういうやつばっかりでなくて、いろいろなところでまだまだ、給料が少ない分をカバーしてくれる補助はいろんなところでまだまだあれば、我々も助かります。それで、そんなもの要らないよというぐらい給料を出せば人は集まってくるんですけど、やはりそれに頼っている部分はかなりあります。  あと、今は我々ばっかりじゃなくてトラックで運送する方の人たちも少なくなっているので、そちらの方にも補助、もちろん林道が良くなってくれてでっかいトレーラーも山の中入ってくれるような道路、北海道はフルトレーラーという連結のトレーラーって余りないんですけど本州は結構あるということですけど、そういう運送会社へのやはり補助みたいなものがあると、人も、そういうトラックの導入も進んでいくかなと。  今、バイオマスではかなりの補助があるので、それもちょっと最近心細くなってきているので、その辺ももう一回見直して、いろんなところでもバイオマスで、ボイラーを入れるときに補助というのを手厚くあればいいかなと思っております。  以上です。
  47. 里見隆治

    ○里見隆治君 ありがとうございました。  以上で終わります。
  48. 儀間光男

    ○儀間光男君 ありがとうございます。維希の儀間でございます。  今日は三名の先生方、どうもお忙しい中ありがとうございました。示唆に富むお話をたくさんいただきまして、感謝を申し上げたいと思います。  まず、今度の法案の関係もそうでしょうけど、今主に議論になっているのは伐採と再植栽が中心に、国有林のですね、それが議論今されているわけでございますけれど、私に言わせると、先ほどゾーニングの話があったけど、伐採と植栽のゾーニングの話だったように思います。  私、山全体、森全体のゾーニングがこの伐採期に至って必要ではないかというふうに思うんですね。例えば、これは国有林ですから、国有林の植栽されているところはほとんど山の頂上に近い高いところですね、あるいは渓や山脈、そういうところが非常にあって、危険も伴い、生産性も非常に悪い。今度の法律ができることによって、先に施行されている民有林との連携で、作業の連携などで非常に良くなる部分もあると思うんですが、この山全体のゾーニングとして、泉先生にお伺いしたいんですが、先生、先ほど植栽してほったらかされる可能性があるというような危惧された部分もありました。  私は、国有林は、植栽して今度は再植栽するにも、杉やヒノキではなしに、あるいは自然に戻るような広葉樹などを植栽をしていって、山の難しいところは自然に返して、国有の持つ分、まだ木材も産出していこうとする政策であるならば、それは民有林と連携のしやすい、民有人工林等の連携のしやすい、平場とは言わぬけど、より安全で作業のできる、より生産性の効率の高いところに土地を求めて、産地を求めて、そこに植栽をしていただいて、今あるところは自然林に戻すべきである。山の自然環境を整えて、山にすむ動植物をしっかりさせていくということが非常に肝要だと思うんです、山全体の公益性からしても。その辺、泉先生、少しお教えいただければ有り難いと思うんですが。
  49. 泉英二

    ○参考人(泉英二君) 今の御質問の趣旨が全部捉え切れているかどうかがちょっと不安なんですけれども、少しずれたりしたらまた、お許しいただきたいと思います。  私は、今林野庁が、五十年で全部成熟して皆伐して戻していくという、このやり方は絶対駄目だと申し上げます。ただ、ただですね、じゃ日本の森林あるいは日本の国有林が存在している場所が、本来それぞれの場所でどういう目標林型を私どもは設定するのかという、目標林型って、将来こういう森につくっていきましょうということ、このことについては、私は必ずしも全てが杉、ヒノキで長伐期の山が全部なればいいとは全く思っておりません。  ただ、その点で、それこそそういうふうな意味では、山の団体とさっきおっしゃいましたけれども、私、ちょっとこれ実はさっきはしょったんですけど、この最後の私の意見陳述のページのところで、累積債務の処理の在り方、それから国有林の管理経営の在り方、その二番目の国有林の管理経営の在り方で、林野庁による国有林の一体的管理、林野庁は、国有林は約八百万ヘクタール弱ですけれども、これは絶対に分割しません、一体的に管理します、林野庁がということでこれまで全て来ておりますけれども、この辺りについてもやはり大きな課題で、むしろその地域的管理みたいな形というのも、当然、国有林の中は、かなりは旧幕藩有林ですけれども、明治期の、明治の初年に部落有林野をかなり召し上げてしまった、地域から召し上げたということの国有林がかなり多いわけです。  そういう意味でも、本当にその目標林型どうするのかということ自身が、その地域の方々のための、要するに国民のための国有林ですから、地域の、地域住民のための国有林であるべきはずですので、そういったところでは、先ほどの儀間議員のお話のところ辺りについては、やはりかなりステークホルダー、要するに利害関係者がやっぱり集まりながら議論を重ねる。  要するに、ヨーロッパ、ドイツ語圏三国のやっぱりフォレスターというのは、その利害調整を現地で行うと、専門家として、それで、ここの森はこういうふうに持っていくと、そうするとというような形のところに持っていく。しかも、ドイツのフォレスターはそこに予算権限を持っていますから、専門知識だけじゃなくて予算まで持っていますので、非常に強大な力を持ってそこをリードしていくという形になるわけですけれど、何かやはりそういった形のところを、八百ある森林事務所というものごとにでもそういうふうな形のものをつくっていって、みんなが納得して、そうしたら自分たちも協力しようというふうな仕組みを、国有林を舞台として森づくりが展開していけばというようにも思う次第です。  ですから、そこでみんなで目標林型決めたらいいじゃないかというような形のところでございます。
  50. 儀間光男

    ○儀間光男君 ありがとうございました。  要するに、山全体を、植生も含めて、今先生おっしゃったようなことでゾーニングが必要だろうということ、何となく分かるような感じがするんですが。  それを受けて、経営者の立場から高篠参考人、いかがなんでしょうか、国有人工林と民有人工林の関わりでですね。
  51. 高篠和憲

    参考人(高篠和憲君) 先ほどの御質問国有林、急であったり奥地があるということで、それを自然林に戻したらという、私自身も実はそう思っていまして、やはり海外と戦う、戦うといったら大げさですけれども、勝負していくために、やはり効率の悪い急傾斜地で人工林化して再生していくというのはやっぱり効率悪い。そういうところは、逆に急傾斜であればまた災害も起きやすいわけですから、やはり自然林に戻してというのは非常におっしゃるとおりで、だから、採算が悪いところは、無理してそこで木を切ったり植えたりはしなくても、もう、じゃ、我々もそれで広葉樹を一生懸命増やそうということで少し実は動いています。中には直接植えることもあるけれども、天然の方は苗がうまくいく。植えた木は、ちょっと広葉樹は難しい。人工林も、針葉樹の場合は杉、ヒノキ、トドマツなんかは植えてもかなりうまく、五十年とかそういう周期で大きくなるという技術はある程度できたと思います。  そういう意味で、これから民有林とも提携して、民有林でもやりやすいところもこういう方式をどんどん取り入れて、やっぱり無駄なく再利用していく。いわゆる森の中でも、畑的な部分と自然を維持するための、国民的な癒やしの部分も含めて、山を守る、森もそういうふうに。  一応、国有林では、我々がもらっている施業の地図では機能分離というのがされていまして、ここはもう天然のところですよ、手を付けられませんよ、ここは木材の再生する部分ですと色分けはしっかりしているので、そういう中で、国有林さんも機能分類しながらここはこうしていこうという計画を持ってやっているわけで、その色分けをちょっと変えて、ここはちょっと急だからというような御意見で天然林化しようかというのもやっぱり進めていくべきだと、そういうふうに思っています。  僕らも余り民有林の方は仕事はしていないんですけれども、民有林でもそういう考えを、これからやっぱり官民一緒になってそういう山づくりを、林野庁さんは特に主導的に民有林の方もそういうふうに、いい森づくり、そして再生するところは、できるところはすると。  そういう意味で、北海道は、そういう条件が、先ほどのお話もありましたように畑的な緩いところもありますので、そういうところは積極的に更新していきながら再造林して山づくりをしていくというところでは、いい場所は結構あろうかと思っております。  以上です。
  52. 儀間光男

    儀間光男君 ありがとうございます。  引き続き高篠参考人に聞きたいんですが、今、木材の国内自給率が三六・何%ですね。あと国内需要に応えていないという形になるんですが、あわせて、この成長戦略の一環として考えると、総理が言っている一兆円貿易、農林水産物の、そのことも考え合わせて、海外マーケットとの関係、海外マーケットへどういうふうな進出というか、競争というか、国際競争、それは国内需要も満たしていないんだからそれどころじゃないなんとおっしゃると身も蓋もないわけですが、将来、やっぱり国内自給率を高める中で海外マーケットも視野に入れていかないとなかなか成長していかないと思うんですけれど、その辺どう経営者としてお考えか。
  53. 高篠和憲

    ○参考人(高篠和憲君) 取りあえず、一部、木材の少ない中国、韓国とかというところにはやはり杉とかが随分売れるようになって、それは一つの戦略だと思っておりますけど、私が考えるのは、高付加価値でもっと日本にはいい木があるよということで、先ほどの広葉樹ですよね。広葉樹は、もう自然保護の関係やら、やっぱりこれからもちょっと守ろうという雰囲気になって、まあ知床の問題から発しまして、今ほとんど、国有林でも育てる方で、大きくなるのを待っている方で、伐採はほとんどないんですけど。でも、たまに出ますと、北海道でいけばナラとかカバとかが非常に世界でも有数の木なんですよね。それを我々は本当はもっと利用したい。  二十年ぐらい前までは、それを切って海外に、あるいはウイスキーのたるやら家具とかで、日本の特に広葉樹というのは世界一だと思っているんです。それを本当は商売したいです。それは本当に高く売れます。もう人によっては、そういう厚板を作ったり突き板にしたりして海外に出して内装材とかでやっている方もいますけど、何しろ国有林は今そういうふうに、広葉樹は切らない、ほとんど木切っていませんので。本州にもケヤキといういい木がございますよね。そういうやつはもう世界に売りたいです。そういうやつを上手に選別して、あるいは枝打ちしたりいろいろ、手を掛けてはいないんですけど、これからは掛けて高く売れば、まだまだこれはいい商売にはなるかと。  ただ、今はちょっと太らせているなと、昔、戦後いっぱい切っちゃったやつを反省して、今は温存しているときだなと思っておりますけれども、そういう意味で期待しております。
  54. 儀間光男

    ○儀間光男君 ありがとうございました。  鮫島参考人、これが最後の質問になるかもしれませんから、二題お願いしたいと思うんですが。  今、高篠参考人がおっしゃった、また質問しましたけど、海外マーケットと向き合うときに、先生のレポートも見させていただきましたが、北欧では森林関係組合は四団体だと。日本は八百団体あって、それでいろいろ弊害が海外マーケットを求めたときに出るんじゃないかという御心配、それを詳しくというか、時間ないので端的でもいいんですが、御説明いただいて、もう一つは、この会計は、昭和二十二年は特別会計でやってきて、もうけも出して一般会計を補ってやってきたんですが、三十九年の木材自由化から国内需要が減ってきて、でも平成十年で下げ止まりして、十五年からは少し上昇ぎみにあるという資料あるんですが、平成二十五年に一般会計にしましたね。これが持つ意味何だったのか、公益性との位置付けとの関係で何だったか、二つをお願いしたいと思います。
  55. 鮫島正浩

    ○参考人(鮫島正浩君) まず最初の御質問なんですが、ヨーロッパも北欧もそうですし、オーストリアもそうですし、いわゆる森林国というのはそれぞれの国で改革をしてきているはずなんですね。それは多分一九八〇年代ぐらいに随分改革して、やはり北欧でもやっぱり大規模集約化をされていて、それで、スウェーデンなんかでも元々林家というのはそんなに大きくなくて、それをまとめて大きな組合にしたり、それからあと会社にしたりして大きくまとめて、それで大規模集約化をしたという経緯があると思います。それで、結局、大規模集約化した結果、効率化ができて非常に収益が上がるようになって、今は日本にも北欧それからオーストリアからは相当量の木が来ています。  それで、彼らはやはり非常に徹底していて、やはりビジネスどうつくるかということを研究して、日本の規格なんかも全部研究してそれに合うようにしています。ですから、日本も海外でビジネスをしようとするんだったら、それぞれの国の規格をやはりきちっと知って、そこにちゃんとマーケットインする形でやらなきゃいけないということで、国際競争力を付けるにはやっぱり相当まだまだ時間も掛かるし努力も必要だけど、最終的にはそれをやらなきゃいけない。それで、スウェーデンにしろフィンランドにしろ、要するに、木材、国産材生産もやっていますけど、実は輸入もいっぱいしているんですね。そこで加工して出すということで、それをもう全体を一体化させて、その中でそれぞれの国産材の取扱いをしているということで、相当やはりいろいろな努力しなきゃいけないと思います。ただ、それはやっぱりやっていかなきゃいけないということですね。  それで、あと、一般会計化の話というのは、まさに一九九八年、平成十年のやはり公益化ということの一つのゴールとしてようやくその一般会計化が平成二十五年にできたということなんですね。ですから、やはり国有林野のいわゆる公益的機能をまずベースに考えるというのは、今回の法案ができてもそれは変わってはいけなくて、必ずそこに、ベースにあるということなんですね。  ただ、やはり、とはいっても、森林の中には当然資源があるわけで、それを利用していくということも当然考えなきゃいけないし、それが結果として債務返済につながるんだったら、それもそれでいいことだと思うんですね。  ですから、いろいろ厳密に考えると矛盾がないわけでもないのかもしれないんですが、やはり全体考え合わせて、それぞれに国民に理解されるような形で私はいい落としどころをつくっていくべきではないかなと思っています。  以上でございます。
  56. 儀間光男

    ○儀間光男君 終わります。ありがとうございました。
  57. 紙智子

    ○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。  三人の参考人の皆さん、今日は本当にありがとうございます。  私、ちょっと議論聞きながら改めて感じていることは、先ほど泉参考人からのお話にもあったんですけれど、資料も出されていたんですけれども、我々自身がどれだけ国有林の実態を正確につかんでいるのかなというところがまず一つあって、その資料の中で見ても、実際の蓄積量が、これ、民有林の平均と国有林ということでさっき示されていましたけれども、実は国有林の方がそんなに蓄積されているわけじゃないという、そういう実態なんかも含めて、やっぱり正確にちゃんとつかんで落ち着いて議論しなきゃいけないなということが一つです。  それで、なぜかしら、何か、みんなの意識というか、いや、国有林、木は切るところに来ていて、だからどんどん切っていかないと大変だみたいな、何か焦りのような、そういうものがあるんだけれども、実際には、別にどこにも木は逃げていくわけではなくて、落ち着いてやっぱりそういう状況をつかんで、どういう山づくりをしなきゃいけないかというところをもっとやっぱりちゃんと議論をしなきゃいけないんだけど、そこが余りされていないじゃないかということを一つ感じています。  それで、その上でなんですけど、実は、これは三人の方にお聞きしたいんですけれども、先ほども話がありましたけれども、やっぱり国有林の今回のこの管理経営法案のきっかけというのは、林野庁も認めていましたけれども、二〇一七年の五月の未来投資会議で竹中平蔵氏の提案が始まったと。それで、この会議の中で、成長戦略と構造改革を進めるということで、未来投資会議というのは言ってみればその司令塔という役割なんですけれども、その中で出された提案について、林野庁はそれに対して何か見解言ったんですかと聞いたら、先週、その質問に対しては、いや、出さなかったという答弁だったわけですね。  それで、その後、六月の時点では、その提案は出していない、見解出していないわけですけれども、方向性が未来投資会議二〇一七年ということで閣議決定をされたと。  去年、二〇一八年の五月に、竹中氏が再び、国有林野への新たな民間手法の導入の必要性についてという提案を出して、今後は国有林などの分野でいわゆるコンセッションのような考え方を導入して大胆に改革の仕組みをつくることが不可欠ではないかという発言があり、会議の最後のところで、安倍総理が、国有林の一定区域も含めて長期、大ロットで事業を行うことができるように、農林水産大臣は法整備に向けて取り組んでほしいというふうに指示を出したと。  それで、その間に林政審もやられていて、土屋会長ですかね、衆議院の方で参考人で言われていたのは、トップダウンでやられているという問題と同時に、それでも最小限のその議論はできたというふうに言われたそうなんですけれども、ちょっとこの経過を見ますと、国民の共有の財産である国有林がそういう形で、扱いで議論されて決められていくということで果たしていいのかということを私は強く考えるわけなんですけれども、そのことについて、三人の方からまずは御意見伺いたいと思います。
  58. 鮫島正浩

    ○参考人(鮫島正浩君) いろいろな重要なことを、意見を言われているんじゃないかなと思うんですが。  まず、質問に入るかどうか分からないんですが、国有林の蓄積量が少ないというのは、一つは、私は、地域、場所の問題があるんじゃないかなと思います。国有林はやはり北に多いということで、当然南には民有林が、九州なんかは多いわけで、そうすると、アベレージで見るとやはりこういう結果になるんだと思うので。あと、国有林、やはり奥山もありますし、いろいろ考えるとやはり量だけで議論はできないかなと、個別にきちっと見なきゃいけないなと思います。  それから、山づくりの議論が少ないんじゃないかということなんですが、私は、山づくりの議論は林野庁さんを始め相当やっぱり議論されていると思います。  それから、先ほどの儀間議員の御質問の中にもあったんですが、今の人工林というのは、これから、今一千万ヘクタールあるんですが、これ、百年後ぐらいを想定するんだと思うんですが、六百六十万に減らすという方向で、やはり戦後、奥山まで造林をして、本来そこに人工林持っていくような場所じゃないところまで人工林になっているということで、これは育成複層林に移行していくという、そういう施策も森林・林業基本計画の中にはちゃんと盛り込まれています。  ですから、そういう意味では、山づくりの議論は一方でされているということであると思いますし、これは、足らないと思うんだったらもっと議論をしていただいて、徹底的にやっていただきたいというふうに思っています。  それから、長期、大ロットということなんですが、下流の人間、私、木材とかバイオマス利用するための立場の人間ですけど、そこから見ると、今計画しているものは決して大ロットではありません。あくまで試行です、これは。今の規模でやるんだったらそんなに大きくないから、試行ということで、ここでやはりいろいろ経験を積んでいただきたいというぐらいの気持ちで見ております。ですけど、これが、要するに、更にどんどん大ロットで展開していくとなると、やっぱりこれはちょっと余り急ぎ過ぎない方がいいというふうに私も思っています。  それから、長期といっても、五十年という話が出るとまあ長期なのかもしれないですけど、五年です。五年というのは、どんなプロジェクトもやるにしても最低期間五年なんですね。ですから、決して長期ではなくて、何かをやるには五年、そしてもう一回で十年、これは基本的な単位だと思います。現在の再生可能エネルギーのものも二十年まで見ているわけですね、あれも。でも、小規模なやつは十年とかですね。大体、ですから、そういう意味では妥当なところかなと思います。  それから、トップダウンということなんですが、トップダウンはいつも付き物で、森林・林業再生プランのときも菅首相のトップダウンで、私から見たら突然始まった議論だと思っているんですね。でも、そういうことを言う人はいていいんじゃないかと思うんですね。それをどう受け止めて、どう議論して、どう展開するかということが一番私は大事だと思います。ですから、最初にそういうことを言ったというのは事実かもしれないけど、それは余り気にしなくていいというのは私の思うところです。むしろ、この議論をきっちりやるということだと思うんですね。それで、今やはり議論を更にきっちり継続していくということが大事かなと思います。  ということで、以上でございます。
  59. 高篠和憲

    ○参考人(高篠和憲君) ちょっとお答えにならないかもしれないんですけれども、感想的に。  国有林では、人工林の場合、僕らが聞いているのは伐期六十年と聞いていて、北海道の道有林の場合は五十年と聞いているんですよね。その辺も含めて、我々にとって、先ほど議論の中で、泉参考人の方から、五十年じゃなくて百年、百五十年と長く見ていかなきゃならないでしょうという御質問もあったんですけど、今我々の現実では、長期に太くして売ろうと思って皆さん造林しっかり頑張ってきたんですけど、そのいい例が、今、林業協会というか、いろいろマスコミにも出ていらっしゃる速水林業のオーナーが、私どもも見学行ったんですけれども、長伐期でいいヒノキを作るといって、百年と長くやっていたんだけど、全然売れないわということで、今は杉を四十年、五十年、早くに切って売っている方に方針変えたよと言っているんですよね。  我々自身も、東北でも私ども見学してましたけれども、三十センチ、四十センチと大きくなった木を高く売りたいんですけれども、いや、そんな木、太い木は重いし、別に今は製材機械いいから、どんどん切れるから太くなくていいよと、逆に二十センチ台の方が高くて三十センチ台が低いというような現実があるんですよね。  それとあと、人工林の場合は、私どもどうも、切っているんですけど、六十年、七十年たった木は、本当、先ほど私言ったんですけど、ちょっと腐れが多くて、高い木の比率、我々はパルプ率、原材料率というんですけど、山から出てきたやつがひどいときは六〇%がもうパルプ原料材、あるいはバイオマスに向けるしかないというような木が、もう節だらけ、あるいは腐れが入ってくるような木が結構あって、やはり五十年というのは一つのサイクルかなと。やはり、五十年でやはり人工林は植えて育ててというふうに回していけば、その中でちゃんと仕事動いていくんじゃないかと。中には、はりとかで太い木が欲しい、高く売りたいというのはあるんですけど、実際は今集成材の技術とかもあるので、太い木要らないよと今はなっているんです。でも、やはり一本の無垢でどんといい柱をやってみたいというのは私ども今でもそう思っていますけれども、現実はそうではないかなと。  それに含めて、我々も議論をかなり林野さんとはしているつもりなんですけれども、林業そのものは議員さんとかそれほど余りお願いもしていないし、PRが悪いんですけれども、やはり林業のことをもっともっと深く知ってほしいなというふうにはいつも思っています。それはちょっと答えにならないかもしれないですけれども。  そういう意味で、いろんなところで今こうやって関心が出てきたので、皆さんで議論をして、いい方向で、それにうちらも対応したいと思っておりますので、よろしくお願いします。
  60. 泉英二

    ○参考人(泉英二君) 竹中さんのようなところから下りてきていることについてどう思うかということでよろしいんでしょうか。
  61. 紙智子

    ○紙智子君 そのことと、それから、国有林に対する扱いということについて。今、下ろされてきて、そういう人が、言う人がいてもいいんじゃないかって話ありましたけど、そういうことでもってこの流れで閣議決定されて今法律として出されてきているという、そういう国有林野そのものの扱いについて。
  62. 泉英二

    ○参考人(泉英二君) 国有林の何の扱いを。
  63. 紙智子

    ○紙智子君 何というんですか、どう山づくりをするかということも含めて、要するにトップダウンで下ろされてきたものを議論していくという、そういうことでいいのかどうかということなんですけど。
  64. 泉英二

    ○参考人(泉英二君) それでは、まず、未来投資会議等からの強い力でという今回のこと、これがあったことはもう事実だと思います。  それで、政府、林野庁の方におかれてはかなり苦慮されたと思います、私。やはり、林野庁という、林業にとっては最大組織ですけど、林野庁にとっては国有林は一番ランクの高い位置付けになり、二番目に治山、林道、森林整備という公共事業、三番目が民有林と、これ十年ぐらい前までずっと言われている、国有林はもう林野庁にとっては最も重要な問題ということ。  ですから、恐らく今回非常に苦労されて、それで法案自身も半分ぐらい骨抜きにして、それから、運用というところでどうして十年十年とそう言うのと。そんなの今頃から十年と言っていていいのぐらい、いろんな運用について情報を出しまくりというような形というので、結果的に、恐らく一番しんどいと思われたストレートなコンセッション方式ということはほぼ、運用も含めて、法案の条文及び運用を含めてある程度抑え込めたということで、良かったと思っていらっしゃるんじゃないんでしょうかね。  ただ、私は、実は竹中さんの方もそれほど不機嫌じゃないんじゃないかと思うのは、やっぱり道は開いたんですね。道は開くんですね、今回。道は開いた上で、政権が替わってしばらくしたらこれを廃止するのか、はたまた省令、政令で更に強化してうまく使っちゃおうというような形の方が強まるのかということは、これは今後の運用次第という。それはもう国会にかけなくても政令、省令でできますということで、今、十年と言っていますけど、あれ根拠がないわけですというようなこと。五年でやっている、その契約を交わしますという、それももう、どういう制度を変えることも実は国会を通さなくて変えられるわけです。ですから、そういうところに向けて今回道を開くんだということはやっぱり大きく残ることだろうということ。  それから、国有林の問題、もうやはり一般論、総論というような形の段階かどうかということについては、事態は、国有林、それから民有林も去年の場合というような形を含めて、今、去年、今年を通じて日本の林政は戦後恐らく極めて大きい転機に来ているという、そこの転機に当たっていろんな問題、課題が噴出してきている。  先ほど、五十年で皆伐論ということについても、高篠参考人とか、いろいろ私ども意見がちょっと違っているようにも見えるかもしれませんが、いろいろ話し合えば余り違っていないとは思うんですけれども、そういうところがどうもオープンに議論されない。  なかなか担当している林野庁さんが、これまでやはり自然保護運動から始まる様々な社会的な運動を、非常に痛め付けられてこられている省庁ですので、どうもオープンに議論してみんなにもっと問題を投げかけていくという姿勢に欠けていると、全部自分でしょい込んでしまって苦労していらっしゃると。それはやっぱり全部、森林・林業基本法だ、森林法だ、国有林野管理経営法だ、全部に縛られた形の中で御苦労されているということを、ぼつぼつ、この林政大転換期に当たってもう一度大きく見直していただくということを是非参議院の皆様方にもお願いできたらということでございます。
  65. 紙智子

    ○紙智子君 ちょっとあと二つ聞こうと思ってたんですけれども、時間が来てしまっているので、御意見をこの後の議論に生かしていきたいと思います。  どうもありがとうございました。
  66. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人の皆様に一言御礼を申し上げます。  本日は、長時間にわたり御出席をいただき、誠にありがとうございました。貴重な御意見を賜ることができました。委員会を代表しまして厚く御礼申し上げます。誠にありがとうございました。(拍手)  本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十九分散会