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2019-05-16 第198回国会 参議院 農林水産委員会 10号 公式Web版

  1. 令和元年五月十六日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  五月十五日     辞任         補欠選任      こやり隆史君     松下 新平君      長峯  誠君     礒崎 陽輔君  五月十六日     辞任         補欠選任      松下 新平君     徳茂 雅之君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         堂故  茂君     理 事                 上月 良祐君                 藤木 眞也君                 田名部匡代君                 紙  智子君     委 員                 礒崎 陽輔君                 岩井 茂樹君                 進藤金日子君                 高野光二郎君                 徳茂 雅之君                 野村 哲郎君                 平野 達男君                 松下 新平君                 小川 勝也君                 鉢呂 吉雄君                 藤田 幸久君                 徳永 エリ君                 森 ゆうこ君                佐々木さやか君                 里見 隆治君                 儀間 光男君    国務大臣        農林水産大臣   吉川 貴盛君    副大臣        農林水産副大臣  高鳥 修一君    大臣政務官        農林水産大臣政        務官       高野光二郎君    事務局側        常任委員会専門        員        大川 昭隆君    政府参考人        農林水産大臣官        房長       水田 正和君        農林水産大臣官        房総括審議官   光吉  一君        農林水産省消費        ・安全局長    新井ゆたか君        農林水産省生産        局長       枝元 真徹君        農林水産省経営        局長       大澤  誠君        農林水産省農村        振興局長     室本 隆司君        農林水産省政策        統括官      天羽  隆君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○農地中間管理事業の推進に関する法律等の一部  を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)     ─────────────
  2. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日、長峯誠君及びこやり隆史君が委員を辞任され、その補欠として礒崎陽輔君及び松下新平君が選任されました。     ─────────────
  3. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  農地中間管理事業の推進に関する法律等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、農林水産大臣官房長水田正和君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) 農地中間管理事業の推進に関する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 岩井茂樹

    ○岩井茂樹君 自由民主党の岩井茂樹でございます。  本日は、農地中間管理事業の推進に関する法律、その改正案について質問をさせていただきます。今日、てんこ盛りなので、この法案に一本に絞って質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。  元号が令和に変わりました。新しい元号にふさわしい農業はどのようなものか、これを機会にもう一度しっかり考えることが必要かと思っております。  令和の令、これは使役の意味があるそうで、令和で和せしむということで、平和にするとか調整を図るというような、そんな意味があるとも聞いております。一方で、令和の令というのは今まで元号に使われたことが一度もないという話があって、また令和の和というのは過去に二十回既に元号に使われているということで、新しいものと昭和の面影を持った古い和という両方入った元号ではないかなと思っております。まさに保守の精神、守るべきものは守りながらも変えるべきものは変えていくという、そんなものがにじみ出た元号だと感じております。  実はこれ、農政改革においても全く同じだと思っておりまして、変えるべきもの、そして守るべきもの、この両者をどうやって適切に考えていくかというのが大切だと私も思っております。大切なのは、何を変えて何を守っていくのか、その調和を図っていくこと、現状をしっかりと把握をして変えるべきものと守るべきもののバランスをしっかり取っていく、これが政治の役割だとこの委員会を通しても感じているところであります。  平成二十五年十二月に制定されました農地中間管理事業推進法も、農業者の高齢化や耕作放棄地の拡大が進展する中で、大切なもの、つまり、農産物という経済的価値のほかに多面的で公益的な価値、機能を併せ持つ農業を、それ自体をどうやって守っていくか、このために制定されたものだとも感じております。  農地中間管理事業推進法が制定されてから五年が経過をいたしまして、今回の法改正の意味、これは、今回の法改正は変えるべきものと守るべきもののバランスを再調整する作業だとも感じております。守るべきものまで変えてしまっていないのか、反対に、もう少しここを変えた方がいいんではないかというようなこと、それを確認をする、守るべきものと変えるべきもののバランスを調整をする、そんな審議だと感じております。  先月、本委員会が栃木県足利市で視察を行い事業の運用状況を伺った際にも、そこには農地の集積、集約化に成功に導いた立て役者の方がいました。自ら農業を営み、地域の農地の利用状況を熟知している農業委員でありました。このように、熱意あふれる現場のキーマンの存在、そして現場での活躍が農地の集積、集約化を実現するためには大変重要であるというのを肌身をもって感じたところです。  本改正案は、このような現場レベルでの取組をより一層重視し、地域での話合いを活性化させる方向を目指すものになっていること、また、現場が動きやすいように事業の手続を簡素化する方向になっていることは、私自身評価をしているところです。  その上で、守るべきものが守られているか、反対に、まだ足りないものはないのか、運用で困ることが起きていないかという点を中心に、短い時間でありますが、質問させていただきます。  各論に入る前にまず確認をしておきたいのは、我々が目指すものは、農林水産業の成長産業化など、変えること一辺倒ではなくて、多面的機能の発揮、農村の振興、地域の活性化、これら守るべきものがあるということが重要な点だと感じております。農林水産業・地域の活力創造プランにおいても、産業政策と地域政策、これ車の両輪でやらなければいけないという話になっておりますし、総理も、農は国の礎であり、美しい田園風景を守ることは政治の責任であると、これ繰り返して答弁をされているところであります。  そこで質問です。担い手への農地集積によって、農村の人口減少、コミュニティーの弱体化が進むとの懸念もあります。政府が目標とする担い手の農地集積率八割を達成したときの我が国の農業と農村の姿について、農林水産大臣はどのように思い描いていらっしゃるのか、お考えをお聞かせください。
  7. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 農業人口の減少、高齢化が進む中で、これから地域農業を担う方が意欲を持って生産活動を行うためには、農地の分散確保を解消をし、担い手が使い勝手のよい形で農地を利用することで効率的な農業を展開することが必要であると考えております。このため、担い手への農地集積目標を設定をいたしまして、農地バンクによって農地の集約化を進めようとしているところでございます。  目標が達成されますと、全国の大宗の農地におきまして、スマート農業の展開も含めた効率的な農業が展開される基盤が構築されるため、農業全体の成長産業化や、新たに農業を営もうという方々の参入増にもつながります。地域にとりましても、農業人口が減少する中で、担い手に農地が引き継がれ、農地が放棄されず維持されていくことにもなるのではないかと考えております。
  8. 岩井茂樹

    ○岩井茂樹君 ありがとうございます。  まさに、やはり究極的な目的というのは、我が国の歴史、伝統、文化にも一緒に歩んできたこの農業というものをどうやって守っていくか、継続的に維持していくかということでありますので、その集約化が、あくまでもこれは手段であって目的にならないように、是非しっかりと取り組んでいただければと思います。  次に、農地集積、集約化における農地中間管理機構の実績と課題について御質問いたします。  担い手の農地集積率は、平成二十九年度末の時点において全国平均で五五・二%、なかなか目標に及んでいないのが現状にあります。  そこで質問なんですが、担い手の農地利用面積シェアが上昇しているものの、その伸びが鈍化している理由、また農地集積、集約化における農地中間管理機構のこれまでの実績及び課題について端的にお答えください。
  9. 大澤誠

    ○政府参考人(大澤誠君) お答えいたします。  委員御指摘のとおり、平成二十六年度の農地バンクの発足以来、それまで停滞していました担い手への農地の集積につきましては、当時の四八・七%から、平成二十九年度には五五・二%まで上昇しております。これは農地バンクが一役買っているというふうに私どもも認識しております。  ただ、これも委員の御指摘のとおり、近年、集積率の伸びが鈍っているということも事実でございます。これは、この要因分析を今回の見直しに際していたしましたけれども、既に農地の集積、集約化の機運があった平場の水田地帯での取組が一巡して、中山間地域など、新たに地域の話合いから始めなければならない地域が多くなっているということではないかと思っております。委員のお言葉で、よれば、立て役者、キーマン、こういうところの不足が一因となっていると考えております、話合いの活性化が行われない一因となっておると考えております。  そこで、今回の見直しにおきましては、このように、新たに地域の話合いを活性化させるという課題に対処するために、農地バンクとJA、農業委員会など、地域でコーディネーター役を担ってきた組織が一体となって農地集約化のための地域の話合いを推進していくと、こういう構想を持っております。
  10. 岩井茂樹

    ○岩井茂樹君 集約化が進まない理由の一つが、中山間地などのなかなか農地集約が進まないところがあるということだというお答えだと思います。  平成二十五年に成立した農地中間管理事業の推進に関する法律、これが参議院の農林水産委員会で可決をしたときに、その附帯決議第六項目にも、平たん地と格差を考慮し、中山間地等直接支払制度と連携するなど創意工夫を凝らして事業展開が可能となるように措置をすることということで、しっかりと政府に求めているところであります。  これを踏まえて、この附帯決議第六項目、これを念頭に置きながら中山間地域でどのような事業を今まで展開をしてきたか、また今後の推進策についてお伺いいたします。
  11. 大澤誠

    ○政府参考人(大澤誠君) この附帯決議を受けまして、中山間地域における農地集積を進めるために様々な措置を講じてまいりました。  一番大きいのは、平成二十九年の土地改良法改正によりまして、農家負担や同意によらない基盤整備事業、こういうものを創設いたしまして、その中でも、特に中山間地域の面積要件を緩和したところでございます。  また、運用上も、特に中山間地域には果樹地帯も非常に多うございます。こういうところでどうやってこの農地バンクを機能させていくかということを関係局とも相談をいたしまして、果樹園地の集積を重点的に進めるモデル地区、こういうのを関係局が共同して設定をするとともに、果樹産地につきましては、人・農地プラン、単独の話合いというよりも、やはり産地の協議会がキーマンとしての役割を果たしているという認識の下に、この産地協議会と農地バンクが連携した場合に、農林省の補助事業であります果樹の改植等の支援する予算、これを優先配分すると、こういうような措置を講じてきたところでございます。今回の見直しの中で更に強化したいと思っております。  具体的には、何よりもこの地域の徹底した話合い、これを、人・農地プラン作成に向けて関係者が一体となって、地域主導で農地の利用の在り方を検討する体制をつくっていくと、これがまさに中山間の一番求められていることだと思いますけれども、それを後押しするために、予算面におきましても、地域集積協力金を中山間地農業ルネッサンス事業に新たに位置付けまして、その六割を中山間地域の優先枠として設けることといたします。また、中山間地域における農地の最低集積要件、事業を活用するための最低集積要件を平場の五分の一に緩和したところでもございます。  これらの措置を組み合わせることによりまして、中山間地域における農地集積、集約化の取組を重点的に推進してまいりたいと考えております。
  12. 岩井茂樹

    ○岩井茂樹君 今のお話、様々な、例えば中山間地の面積要件の緩和をしてきたり、これからにおいては、例えば協力金に関して言えば優先枠の設定とか、これも要件の緩和という話が入ってきている。ある意味、中山間地域での事業推進が必要だとすごく認識をされていて、それに対してインセンティブを今回も少し増やしているという、そんな認識でいるんですけれども、この点については評価をしたいと思います。  中山間地というちょっとキーワードが出たので、そこで少し深掘りしたいと思うんですけれども、まず基本的な定義を押さえたいと思います。  中山間地域というのはどのように定義されているか、御説明願います。
  13. 室本隆司

    ○政府参考人(室本隆司君) 中山間地域の定義に関する御質問でございますが、食料・農業・農村基本法の第三十五条では、山間地及びその周辺の地域その他の地勢等の地理的条件が悪く、農業の生産条件が不利な地域を中山間地域等としてまず規定しております。  この中山間地域等につきましては、一つは、農林統計に用いられる地域区分における、都市的地域、平地農業地域、中間農業地域、山間農業地域の四つの区分がございますが、このうち中間農業地域と山間農業地域、この二つを合わせた中山間地域に加えまして、この先ほど申し上げた「等」には、山間地及びその周辺の地域には該当しませんが、特定農山村法、山村振興法、過疎法、半島振興法、離島振興法、こういった地域振興立法の指定を受けている対象地域が含まれております。
  14. 岩井茂樹

    ○岩井茂樹君 ありがとうございます。  今の御説明、ざっくり言うと、例えば耕地に傾斜地が多いとか林野率が高いとか、高齢化が進んでいる、人口減少が進展をしているというような、そのような指標によって平場と比べると条件が不利な地域であるというふうに定められているのではないかなと感じました。  その中で、耕地の傾斜地について少し、ちょっと地元の話でもあるんですけど、更にちょっとここ深掘りしたいんですけれども。  静岡県に三島市という市がございまして、東京から新幹線で四十分から五十分、伊豆半島の玄関口の一つでありまして、箱根の山々の麓に位置しております。この地域は若い農業者も多く、古くから、箱根の西側、標高大体五十メートル以上の斜面に広がる畑では大根やバレイショなどの露地野菜が栽培をされており、箱根西麓三島野菜ということでブランドとして大変人気が実はございます。また、三島馬鈴薯という地理的表示、GIも取得するなどチャレンジ精神も旺盛で、若手農家の皆さんも非常に頑張っている。  ただ、この地域、斜面で露地野菜を栽培しております。でも、中山間地域に認められていないのが現状です。現地に行くと分かるんですけれども、箱根山麓だけあって傾斜地は大変多くて、どう見ても平地農業地域にはこれ見えない、そんなふうに私は感じます。現場の農業者からは、斜面地の圃場が多くあり、点在する小規模な農地を持つ地権者をまとめて、農地整備事業で定められている平地の実施要件である、これ平地はたしか十ヘクタールということでありますけれども、それ以上の農地を集約するの、これ実際は傾斜地なので非常にハードルが高い、困難だという、そんな声が実は聞こえてまいります。  条件不利地域とされている中山間地域と平場の境界はどこなのか、明確に定義することはなかなかこれ難しいんではないかと感じます。境界は、様々な条件が連続的に徐々に変化していくものであって、きれいにこうやって線引きができるものでもないと思います。平場と区分される地域であっても、実際には傾斜地が多く農地集積や基盤整備事業がやりづらい、言わば準中山間地域と言うべきところが実は全国にも結構あるんではないかなと思います。  そこで質問いたします。  今回の法改正は、農地の集積を加速化するものだと認識しています。平場であろうが中山間地であろうが、あまねくその推進を図るものだと認識をしております。もし地形的に平場でなく集積が困難なのに、中山間地域にも指定されず農地の集積が進まないエリアがあるとすれば、これは速やかに対応を図っていくべきだと私は思っております。中山間地域の指定がなくとも、傾斜地の多い地域あるいは基盤整備事業の対象範囲に傾斜地を一定割合含む場合などには、平場と異なることを加味した要件緩和や中山間地域に準ずる措置など、柔軟に支援を行っていただきたいと思うんですけれども、この点に関して、高野政務官、よろしくお願いします。
  15. 高野光二郎

    ○大臣政務官(高野光二郎君) 岩井茂樹委員の質問に答えさせていただきます。御質問ありがとうございます。  委員の御地元、三島市は都市的地域に該当しますが、傾斜地において、御紹介がありました箱根西麓三島野菜や三島馬鈴薯等のブランド農産物の生産やGIを進めていると承知しております。GIの取組を支援をする地理的表示保護制度活用総合推進事業については、自然条件等の条件不利性にかかわらず統一的に支援することから、中山間地域に対する特例措置を設けず、全国同一に一律となっているところでございます。  農林水産省といたしましては、地域の農業者が創意工夫を発揮し、地域の所得向上や活性化に向けてチャレンジしていただいている取組にはこれまでも多様な施策により支援を行ってきており、今後とも、チャレンジ精神旺盛な若手農業者の前向きな取組についてしっかりと支援をしていきたいと思います。  なお、中山間地域に準ずる地域ということでございますが、現場の意見も踏まえ、中山間地域等直接支払交付金の交付対象農地であれば、中山間地域の交付単価を適用することといたしております。中山間地域以外であっても、実施要領上、地域の実態に応じて都道府県知事が指定する地域を交付対象地域にできるとしております。また、地方農政局長等が特に必要と認める地域では、受益面積要件の緩和など特例を設けることができるとされておりますので、よろしくお願いします。
  16. 岩井茂樹

    ○岩井茂樹君 ありがとうございます。  中山間地域の、ちょっと話、少しずれるんですけれども、一方で農林水産業の成長産業化を目指している我が国であります。日本が目標に掲げる農林水産物・食品の輸出額、年一兆円、これ達成をするためにも、このようなポテンシャルの高い耕地はこれフル活用していく。そのためには、集約化も含めあらゆる支援を惜しまない、こんな姿勢が私は大事だと思っています。  加えて、三島市周辺は道路などのインフラも整備をされておりまして、少し行けば農水産物の輸出拠点と期待されております清水港もあったり、何といっても地元の農家の方々がブランディングをしたり大変頑張っている。問題は、先ほどお話ししましたけど、この地域が傾斜地なのになかなか中山間地として要件の緩和が受けられないこと、この辺り、是非柔軟な対応をしていただきたいと思います。  次の質問に移ります。  それでは、人・農地プランの実質化に向けた推進役への支援策、この辺をちょっと念頭に質問をさせていただきます。  もう一つの課題であります、新たに地域の話合いから始めなければならない地域が多いという点についてでありますけれども、先ほども申し上げましたように、農地が動くためには、人と人との関係、そして顔の見える関係が大事であると思います。五年前の制度創設時、規制改革会議等から、その指摘で、政府原案には人・農地プランが位置付けられていなかったところを国会修正によって法定化された、その経緯もあると認識しています。もちろん、地域外から担い手を誘致することも大事でありますが、その場合も外から誘致することへの地域内での話合いがベースになると考えます。  法律制定時の参議院農林水産委員会におけるこれまた附帯決議、今度は第一項、ここにも、人・農地プランの作成、見直しを強力に推進すること、農地中間管理機構は人・農地プランの内容を尊重し、事業を行うこと、人・農地プランと関連する各種予算措置を適切に確保すること、そして人・農地プランのより円滑な実施を図るための法制上の措置の在り方について検討し、そして措置を講じることと政府に求めています。  これを踏まえまして、この附帯決議第一項、人・農地プランをどのように尊重して事業が推進されてきたのか、また本改正において地域協議の実質化が図られ、協議の場における農業委員会の役割も明確となっておりますけれども、この改正によってどのような効果が生まれるか、御説明ください。
  17. 大澤誠

    ○政府参考人(大澤誠君) 法律制定時の国会におきます修正及び御指摘いただきました附帯決議を踏まえまして、この農地バンク事業の運営におきましては、その事業規程におきまして、事業の重点地区あるいは貸付先の決定に当たりまして人・農地プランの内容を考慮すると、こういうことを定めております。そういうことも含めまして、プランを尊重して実施してきたつもりでございます。  他方、これまでの人・農地プランの中には、やはり、先ほど幾つかお話をしましたように、農地の出し手が特定されていないというようなものもかなり多く見られまして、プランはできたんだけれども、その中身がなかなか実質的になっていないというような状況にあったわけでございます。  そこで、今回の見直しにおきましては、話合いをどうやって実質化させるかという点を最重点の見直し項目として考えております。  その方策としては、これは法律に努力規定的に書いてございますけれども、まず地域の現況を地図によって関係者に示す、これによってその地域の過去、現在、それから将来について思いを致していただきまして、関係者がやはりこれは真剣に議論しなきゃいけないと。その地図の中には、可能な限り年齢別の構成、農業者の年齢別構成や後継者の確保状況、こういうことをいろんな工夫をもって示すことによりまして、地域の話合いを真剣に行っていただくということをやっていこうと。  それから、人的資源におきましても、やはり市町村のコーディネーター役としての農林関係職員の減少という問題もありますので、新たに農業委員会を話合いのコーディネーター役として位置付けると。これは農業委員会からも要望を受けていたことでございます。これを位置付けます。  こういうような改善を行うことによりまして、人・農地プランの実質化を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
  18. 岩井茂樹

    ○岩井茂樹君 今お話あった人・農地プランの実質化というところがまさに肝でありますので、ここについてはしっかりと進めていただきたいと思います。  さて、次に、円滑化事業を農地中間管理事業に統合する、これについて少し質問したいと思います。  本改正において、農地利用集積円滑化事業を農地中間管理事業に統合一本化することで、地域の関係組織が一体となって農地集積、そして集約化を推進する体制を構築すること、これが目指されていると認識しています。  一昨日の農水委員会の参考人の意見陳述でもありましたけれども、この統合一体化の背景には、二つの事業が併存すること、これによっていろんな問題が起きるということも、そんな話も出ておりました。  そこで、この円滑化事業についてまずちょっと振り返ってみたいと思うんですけれども、円滑化事業の果たしてきた役割、そして統合一体化の目的、趣旨について説明願います。
  19. 大澤誠

    ○政府参考人(大澤誠君) お答えいたします。  農地利用集積円滑化事業につきましては、この農地バンク創設以来、この事業の実績が全体としてピーク時の三分の一程度に減少しております。全国的には農地バンク事業への移行が進んでいると評価しております。  他方で、一部の道県におきましては、農地バンクというよりも、この円滑化事業を中心に回っているようなところがあります。そういうところにつきましては、ブロックローテーションや新規就農者と結び付けまして特色ある取組を行って、形式的に農地を仲介するというだけではなくて、そういうような特色のある取組とともに行うことによりまして、現在でも非常に農地の集積、集約化に寄与しているものというふうに認識しております。  こういう状況の下で、先ほど委員から御指摘もありましたように、担い手からは、農地のリストが仲介する機関で統一されていた方がやはり利用する農地の集約化のチャンスが更に広がるというような御指摘もございましたので、我々としては、活発に活動されている円滑化団体、一部は私も直接お伺いして意見交換をさせていただきまして、どうやったら、その活発に活動されている方々をプライドを傷つけず、事業においても引き続き活発に活動していただきながら、農業者の要望でございます農地のリストを統一していくということがどうやったらできるかということを現場とともに考えさせていただきました。  これは一つの円滑化団体の方のアイデアでもあったんですけれども、今回の見直しにおいては、こういう実績のある団体が農地バンクの配分計画案を作成できることにしたらいいんじゃないかと、こういう御要望もありましたので、それを採用いたしまして、あるいはその他幾つかの措置をとることによりまして、旧円滑化団体の事業を一体、農地バンクの事業として実施できるようにすることとしたところでございます。
  20. 岩井茂樹

    ○岩井茂樹君 今回は統合と一体化ということでありますので、旧体制も捨てることでなくて、しっかりといいところを酌み取ってやっていただければと思います。  次の質問に移ります。  農地利用集積円滑化事業が中間管理事業に統合一体化され、制度的には農地集積の取りまとめ事務、これは農地中間管理機構と市町村行政が担うことになりますけれども、高度な専門知識、そして事務処理能力が要求をされる上に、これ、時間と労力むちゃくちゃ掛かるという話も聞こえてきました。  この点に関して、現場の声として地元のJAさんからは、円滑化事業の実施に当たり事業推進と事務処理を担う専門職員を農地利用調整推進委員として配置して対応してきましたけれども、多くのJAでは、本来行政が担うべき中間管理事業の取りまとめ事務も実質的にやってきたんだと。一方で、市町村行政の担当職員、これ、町の方、行政の方からは、今後の農地集積の取りまとめ事務を主体的に行うことへの不安や否定的な意見、これが多く聞こえてきているという、そんな話もあるんです。  そこで質問なんですけれども、このような状況を踏まえると、法律改正後も、法的位置付けと予算措置の中でなし崩し的にJA、例えばJAが取りまとめ事務を担わざるを得ない、そんな状況になるんではないか、そんな危惧持っている方が結構いるみたいです。その辺りの不安に対して、農水省の見解をお聞かせください。
  21. 大澤誠

    ○政府参考人(大澤誠君) 先ほどの答弁させていただいた中で、その円滑化団体の中で活発に活動されている方と直接意見交換をさせていただいたというお話をいたしました。省を挙げまして、私は現地に一回行って、東京で一回お会いしたということですけれども、そのほか、審議官、担当課長、担当室長ですね、複数回、特にその活発に行われている道県を中心に意見交換を、現場に赴き、させていただいているところでございます。  先ほどは、法律上の措置についてアイデアを受け取らせていただいたというお話をいたしましたけれども、その後も意見交換を続けさせていただいておりまして、例えば、円滑化団体、円滑化事業については、農地バンクが農家から手数料を取っていないのに、実は高度なサービスをやっているということもありまして手数料を取っていると、これをどうしていくんだと、これもなかなか難しい問題でございます。農家の立場からすれば手数料がない方がいいのかもしれませんけれども、その分やっぱりサービスが弱くなっては困るということもありますし、そういうところを一つ一つ今解決しようと思っているところでございます。  その中に、やはりこの業務委託ですね、業務委託の手数料、これは国が補助をして機構から業務委託先にも支援できるようになっておりますけれども、その額をどうしていくんだと、特に特色ある取組をしているときにどうするんだとか、そういう論点もございます。  私どもも、今議論している円滑化団体だけではなくて、そういう不安を持っておられるJAの方がいらっしゃいましたらどこでもお伺いしたいと思っておりますので、個別にそういうものは解決していきたいという思いでございます。
  22. 岩井茂樹

    ○岩井茂樹君 現場の声、しっかりと聞いて取り組んでいただきたいと思います。  これ、最後の質問になります。  実績を有する円滑化団体、旧円滑化団体、その位置付けについて少し触れたいと思います。  本改正案は市町村や農業委員会に期待する役割が大きいものとなっておりますけれども、地域によっては、これまでの農地利用集積円滑化団体として実績を上げてきた市町村やJAなどが農地利用調整のノウハウをこれ有していると思います。中心的な役割を発揮する、そんなところもあると思うんですけれども、それに関して本改正は、農業委員及び農地利用最適化推進委員については地域協議の場への出席等について法律に明確化されることになっております。ただ、JAなどの地域の関係組織については、これ明記がございません。  政府は、円滑化団体として実績のあるそのような組織について、今後、農地集積、集約化を進めるに当たってどのような役割を期待をしているのか、また、その活動をどのように支援をしようと考えているのか、最後にお伺いいたします。
  23. 大澤誠

    ○政府参考人(大澤誠君) お答えいたします。  円滑化団体につきましては、先ほど少しお話ししましたとおり、約九割の円滑化団体は実質的に事業を、今、現状ではほとんど行っていないところでございます。他方で、農地バンクから業務委託を受けて窓口業務等々を行っているところは、これは全体の六割ぐらいございます。それから、以前と同様に特色ある取組を行っているところ、これは五つの道県ぐらいに集中してございます。  今回の見直しにおいて、法律上のJAの位置付けについては、そのようにJAの実態が多様なものですから、その多様さに合わせた位置付けを与えようというふうに考えてございます。  まず、特色ある取組を行っているものについては、改正後の農地バンク法第十九条におきまして、先ほどもお話ししましたとおり、市町村以外の者が新たに配分計画案を作成できることといたしております。それは、具体的には、その者は省令に落ちておりますので、省令において、特色ある取組を行っている旧円滑化団体を配分計画案の作成主体として位置付けるつもりでございます。  そのほか、先ほどのようにノウハウを持っておられる方がいらっしゃるJA、こういうところにつきましては人・農地プランの中でコーディネーター役として活動していただきたいんですが、これにつきましては条文上は既に措置されておりまして、農地バンク法第二十六条第一項におきまして、農業者その他の区域の関係者はなるべく協議に集まってくださいという規定がございます。この中でやっていこうと思っています。  支援措置につきましては、先ほどお話ししたような機構の関係の業務委託に関わる支援あるいは人・農地プランの作成に関する支援、こういう中で対応してまいりたいというふうに考えてございます。
  24. 岩井茂樹

    ○岩井茂樹君 これは、冒頭の変えるべきもの守るべきものという話の中で、いろんな状況の中で、変えていかなければいけないから進んでいる話だと思います。ただし、やはりそれを進めるに当たっては、守るべきものもしっかり守っていただきたいという思いと、産業政策と地域政策、これしっかりと分けて考えながら、しかもバランスを取ってやっていくということが大変重要だと思いますので、引き続きしっかりと取り組んでいただければと思います。  以上で終わります。
  25. 進藤金日子

    ○進藤金日子君 自由民主党・国民の声の進藤金日子でございます。  本日は質問の機会与えていただきまして、理事の皆様方、委員の皆様方、本当にありがとうございます。  早速入りたいと思います。  これまでの質疑におきまして、G20新潟農業大臣会合や農業大臣会合参加国要人との二国間会談の結果につきまして吉川大臣から御答弁いただいているところでございます。  そうした中で、農業大臣宣言の中に、我々は、国際獣疫事務局、OIEを含む国際機関への支援と情報共有の強化及び特にアフリカ豚コレラや高病原性鳥インフルエンザ等の越境性動物疾病に対処するためのOIE基準の実施が重要であることを再確認するということを明記いたしております。また、二国間会議におきましても、中国及び韓国との間でアフリカ豚コレラなど越境性動物疾病への対応や旅客による違法な持込み防止について各国で協力していくことを確認し、さらには、OIE事務局が所在するフランスとの間で、アフリカ豚コレラについて、情報共有の強化など国際社会が一致団結して対処することが重要であることを確認しております。  これ、農林水産省におきましては、越境性動物疾病の蔓延防止につきまして日頃から外交ルート等を通じて注意喚起や相互確認などを行っているというふうに思いますけれども、このG20大臣会合の宣言に明確に盛り込むということと、吉川大臣が直接、中国、韓国及びフランスの担当大臣に申入れを行い、相互に認識を確認して共有したということは、私は、大いに評価されるべきことでありまして、今後の事務的な調整等の円滑化に大きく貢献するということを確信いたしているわけであります。是非とも、豚コレラの早期終息とともにアフリカ豚コレラ等の防止に全力を尽くしていただきたいというふうに思います。  さて、お手元に配付した資料を御覧いただきたいと思います。  実は、一年半前の平成二十九年十二月五日の本委員会の質疑で同じ資料をこれ提示いたしました。当時の農林水産大臣は齋藤健大臣でありまして、齋藤大臣は、私が今回配付した資料、これ御覧になりながら次のように答弁されたわけであります。私、進藤の資料につきまして、「食料安全保障対策が広範にわたって推進されていることが一目で分かるいい資料だと思っていますので、これも踏まえて活用させていただこうかと思っております」と冒頭述べられて、最後に、「現場にこれらの施策が浸透して、何のためにやるのかということがよく理解されるということが重要であると思っていますので、品目ごとの課題や活用できる施策について分かりやすく説明を行う努力はこれからより一層強化していかなくちゃいけないのではないかと思っております。」と答弁されているわけであります。  この図につきましてまた少し、これ、吉川大臣は初めてだと思いますので少し説明申し上げますが、カロリーベースの食料自給率の向上を図るためには、この図の中の白の部分、白色の部分を青色に変えていかなければならないわけであります。そして、黄色の部分、これは、国産の畜産物でも海外からの輸入飼料で生育した牛や豚等の畜産物は自給率にカウントしないので、輸入部分と同じ扱いになっているわけでありまして、この黄色の部分を青色に変えなければならないわけであります。  この白色と黄色を青色に変える政策が配付資料の右に整理しているものでありまして、これ全て現行制度であります。ここには、主に供給側の対策、いわゆる食料自給力を高める政策を列記しているわけであります。需要側の政策は、この中の四の③番、青字にちょっとしたんですけれども、食育の推進だとか国産農産物消費拡大対策、そして、この等の中には食品表示の適正化なども含まれるというふうに思っております。この需要側の政策につきましては、これ省庁の枠を超えて更に整理が必要だと思っております。  私自身、最も危惧するのが、国産の農産物の需要があるのに、国内の生産体制の弱体化で需要に見合う供給ができずに結果的に輸入に頼らざるを得なくなって、輸入の増加により更に国内の生産体制が弱体化していく。まさにこの負のスパイラルの中で自給率が落ち込むこと、これ一番危惧しているわけであります。  そこで、吉川大臣にお尋ねいたします。  食料自給率の向上と食料供給力の強化に向けて、国民の理解を深めつつ施策をスピーディーかつ着実に実施して、成果を可視化して、見える形にして、国民全体で課題認識を共有しながら目標の達成を目指すべきと考えますが、大臣のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
  26. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 食料自給率、食料自給力を維持向上させていくためには、その水準や関連する施策について、国民に分かりやすく説明しながら着実に施策を講じていくことが必要であると考えております。  特に、需要面におきましては米の消費の減少が進む一方で、生産面におきましては農業従事者の高齢化ですとかあるいはリタイアなどが進む中で、食料自給率等の維持向上に向けてどのような政策を講じていくことが必要があるかにつきまして、農業者を始め国民の理解を得ることは大変重要であると考えているところであります。  このため、政府といたしましては、需要の旺盛な海外への農産物の輸出促進ですとか、水田のフル活用による消費者ニーズに対応した麦、大豆の生産拡大や飼料用米の推進、担い手への農地の集積、集約化等の各種の施策を食料・農業・農村基本計画に基づき講じているところでもございます。また、平成三十年度の食料・農業・農村白書におきまして、食料自給率について品目別に生産努力目標の達成状況をレーダーチャートを用いて示した上で課題解決に向けた取組の記載も予定するなど、様々な工夫も重ねていく所存でもございます。  引き続き、必要な政策努力を積み重ねますとともに、国民の皆様の理解が進みますよう分かりやすい情報提供に努めてまいりたいと存じます。  この進藤先生のお作りになられた資料、大変分かりやすいと思います。極めて高い私も評価をさせていただきたいと思います。
  27. 進藤金日子

    ○進藤金日子君 大臣、今答弁なさいました、しっかりとやはり国民の理解を得ていくと。そして、具体的にやはり数字に出てくるような、そういった取組、是非ともお願い申し上げたいというふうに思います。  また、私の配付資料の米の部分を御覧ください。一番下のところですね。これ、五十四年前、一九六五年、昭和四十年、振り返りますと、これ、全体で一人一日当たりの供給熱量、約二千四百六十カロリーあったわけであります。現在とほとんど変わりないんですね。ところが、その米の消費量が現在の約二倍あったんです。その分、畜産物と油脂類の消費が少なかったわけでありまして、こうしたこともあって、当時の食料自給率は七三%ありました。  我が国は高齢化とともに人口減少社会に突入しておりまして、国内の農産物の市場規模は縮小していくことが見込まれている一方で、世界人口は増加していきます。世界の農産物市場を拡大することが見込まれているわけでありますが、それゆえに、海外への販路を積極的に開拓して、輸出の増大を図って農業振興を図っていこうというのが現在の政策の流れというふうに理解しております。  ここで、米の輸出について考えますと、単に輸出額を増やすという視点だけじゃなくて、食料自給率の向上という視点からも私は評価すべきだと思います。実はこれ、米の輸出量が増えていけば食料自給率は向上するわけであります。配付資料でいえば、一番下の米の部分が一〇〇%を超えて右に張り出していくんですね。張り出していくと、これ自給率向上ということになるわけです。  自給率の向上というのは、黄色と白を青に変えていく、これ基本なんです。基本なんですが、米の部分の青色が枠外にはみ出していくことによっても食料自給率向上するわけですから、私自身は、米の輸出を食料安全保障の観点から改めて位置付けし直すことも一案ではないかなと考えております。  それでは、法案の中身に直接関連することにつきまして質問をさせていただきます。  人・農地プランの実質化を進める上で、農林水産業・地域の活力創造プランにおいて、二〇二三年度までに担い手の農地利用が全農地の八割を占める農業構造の確立を目標としておりますけれども、気候条件や地形条件、稲作や野菜、果樹、園芸などの作目によっても農地利用の形態が異なるわけであります。  こうした中にありまして、現在、全国で一万五千を超える区域におきまして人・農地プランが作成されているわけでありますけれども、今回の人・農地プランの実質化に当たっては、これらプランごとに農地利用集積の具体的な目標を設定すべきではないかと私考えるわけですが、御見解お聞かせ願いたいと思います。
  28. 大澤誠

    ○政府参考人(大澤誠君) 大変いい点を御指摘いただいたというふうに考えてございます。  ここは実は、今後、法案もしお認めいただきましたときに、具体的に運用するときにどうするかというところの肝となる重要な論点の一つだと思っております。  いろんな観点があると思っております。一つは、まずこの担い手への農地の集積、集約化を具体的に進めていくに当たっては、全国一律の進め方というのはこれはあり得ないと思っております。ですので、地域の気象条件、地形条件、栽培等に応じて具体的な方法を考えていくと。それだからこそ我々は人・農地プランに注目し、その最活性化を図ろうとしているところでございます。  他方で、今までの人・農地プラン、五割が出し手さえも位置付けられていないということを御紹介いたしましたけれども、そこも、これを必ずやらなきゃいけない、あれを必ずやらなきゃいけないという、ある意味で指導をしたときに、それは結果的に、そういう細かいことを書くということになったときに、それが結果的に形式的なプランが多くなってしまったという反省もあるわけでございます。  ですから、そういう中でどういう道があるのかということが、今のお答えとしては、できる限り地域の実態に沿った、かつ具体的なものになることにしようということでございますけれども、なかなか一律に全プランで集積目標を作れとまでは言えないのかなとは思っておりますけれども、さらに、この委員会の御議論なり各現場の意見を聞きながら、その辺のバランスがどこにあるのか、これは考えていきたいというふうに考えています。
  29. 進藤金日子

    ○進藤金日子君 ありがとうございます。  次に、関連しまして、先ほど農地集約とスマート農業の展開ということで大臣から御答弁いただいたわけでございますが、私は、このスマート農業を展開していく上で、農地集積だけじゃ駄目なんですね、やはり集約しないとスマート農業のメリットというのはこれは発揮できないんだろうというふうに思います。  そういった意味におきまして、スマート農業の普及、定着を見据えて、農地利用集積だけではなくて農地利用集約の目標というのもある程度設定すべきだというふうに考えるんですが、御見解お聞かせ願いたいと思います。
  30. 大澤誠

    ○政府参考人(大澤誠君) お答えいたします。  先ほど、今までの人・農地プランの指導の中で細かいことまで要求していたということは御説明したんですが、逆に、この集約化については一切、抽象的に書くことは可能だったかもしれませんけれども、具体的な指導という形ではなかったわけでございます。農地バンクが、何年かやって、ここで見直しというふうになりますと、やはり集積だけを進めていく段階から集約化の段階にやはり移っていくべきだろうというふうに考えてございます。  そういうふうに考えまして、昨年末に政府で取りまとめました農林水産業・地域の活力創造プランにおきましても、この人・農地プランの中では、中心的経営体への農地の集約化の将来方針を記載するということは必須化するという方向を出しているところでございますので、そういうような形で、これもまた、どこまで数値化するかどうかとか、そういう議論はまたこれから詰めなければいけませんけれども、少なくともこの集約化の方針を作るということにつきましては、これを必須化していきたいというふうに考えてございます。
  31. 進藤金日子

    ○進藤金日子君 ありがとうございます。  今、大澤局長御答弁のように、やはり画一的にやっていくというのはこれ良くないんだろうというふうに思います。なるべくその地域の実情に応じて、地域の中で目標がきっちり設定できるような仕組みをつくっていくということ、これ重要なのかなというふうに思っております。  特に、水田農業におきましては、農地利用の集積と集約、これはやっぱり重要であります。更に私は促進すべきだと考えているわけでございますが、この際、兼業農家を、農地の出し手のみとして捉えるのではなくて、農村地域を支える地域の担い手として位置付けるべきではないかというふうに思うわけであります。その意味におきまして、兼業農家を産業政策としての農政の障害と捉えるのではなくて、半農半Xで地域を支える、まさに農業を営みながら多様なXの収入で家計を支え、地域を支え、農地を農地として維持していく貴重な存在として政策的な位置付けを見直すべき時期に来たんじゃないかなと私は考えるわけであります。  このような視点に立てば、人・農地プランにおいて集積、集約により色塗りされている部分を、これをある意味二次元的な存在というふうにしますと、色塗りされていない部分って、これ全て色塗りすべき予備軍という位置付けになってしまうわけですね。それは良くないんだと思うんです。それは良くないんだと思うんです。やはり三次元的な、私はこの兼業農家のところは三次元的な存在というふうに捉えなきゃならないのかなというふうに思うんですが、例えば、仮にX軸を農地、Y軸を水としますと、そのX、Yを構成するのは、これ二次元的な農業生産基盤になるわけです。その上に兼業農家を含めて各経営体が成り立っているというふうに捉えられるわけであります。その中で色塗りされていない部分は、半農半Xというよりは私はもう半農半Zだと思っているんですが、Z軸を生かしてこの農を継続して次世代に地域とともに農地を引き継いでいく存在というふうに捉えるべきではないかなというふうに思うわけです。  ただし、このZ軸って単独では立っていられなくて、あくまでも農村、農業生産基盤のX、Y軸があって、基盤があって立っているわけであります。このXとYで構成される農業生産基盤、これ色塗りしないといけないから差し出してくれと、そうなったらZ立っていられません。もう人がいなくなってしまうんです。そうすると、ひいては地域がこれ駄目になってしまうということになるわけであります。私は、このZが農業関連である場合、六次産業化ということで積極的に支援はしているわけですけれども、必ずしもZが農業関連でなくても、農業を営む方々には何らかの支援が必要だというふうに思うわけです。  私は、現在の政策の方向として、中心経営体への農地利用の集積、集約を否定しているわけではないんです。これは更にやはり進めないといけないんです。ただ、その過程において、今極度に人口が減少して高齢化が進展している農村地域の現状と将来を見据えれば、私は、この安定的な兼業農家の存在を政策的に否定するべきではなくて、ある意味積極的に肯定していくべき時期に来ているんじゃないかなと考えるわけです。  その際、専業も兼業も区分なく、経営規模の大小もかかわらず各種施策の対象としているという言い方よくなさいますけれども、実はこれ、対象から除外じゃなくても、制度適用にハードルが掛けられているので支援が届かないという実態があるわけです。つまり、経営面積拡大や所得向上といった経営拡大する方々へ各種制度が重点化されているのであって、経営を維持するとか、あるいは経営まで至らなくても生産継続するという方々には制度が適用されにくくなっている、こういう実態なんだろうと思います。こういう実態を、今後の更なる人口減少、高齢化の進展といった要素を含めてしっかりと見詰め直すべきではないかなというふうに思います。  今回の法改正による人・農地プランの実質化に当たりましては、中心となる担い手が育成された地域農業を引っ張っていくことが農政の中心であるべきで、これはそうなんです、そういうふうに考えるんですが、これから経営発展が見込まれる方々だけではなくて、過去に経営発展を遂げて経営継続する方々にも必要な支援を行っていく、さらに、半農半Zで地域を守っている、これからも守っていくと見込まれる農家にも必要な支援を行っていくべきではないかなというふうに思います。  この場合の兼業農家支援は、日本型直接支払とは別の地域政策に、これ別の地域政策に近い形の政策オプション、もしかすると、これ検討が必要なのかもしれません。  そこでお尋ねします。実質化される人・農地プランにおきまして、地域を支えている兼業農家の位置付けどうなるのか、これをお聞かせ願いたいと思います。
  32. 大澤誠

    ○政府参考人(大澤誠君) 大変重要な問題でございますので、ですが、取りあえず今回の改正に伴う人・農地プランについてお答えをいたします。  まず、委員の御懸念のように、担い手でなければ全て将来の出し手の予備軍と、こういう考え方は取りません。まさに地域で議論していただいて、私ら、どういう位置付けが出てくるのか、むしろ楽しみにしているところもございます。幾つか見ているところでも、そういうふうに二つに色分けするんじゃなくて三つに色分けしているところもございます。  我々、そこで注目しておりますのは、じゃ、そこがどうなのかと。ただ、何といいますか、現状固定的に、あと年を、失礼な言い方かもしれませんけれども、年を取っていくだけなのか、それとも、やっぱり何かやりたいんだと、そこについて支援ももし必要ならできればやりたいんだという形で、何らかのその改善の、規模拡大にもちろん限らないんですけれども、そういう意欲をお持ちなのか、そういうところについてなかなか我々のところにも声が具体的に届いていないところがあると思います。これは我々も反省しなきゃいけないところかもしれません。ということで、我々は、まずこの人・農地プランの実践の中でどういうものが出てくるのか、これは十分見ていきたいと思います。  ただ、そういうことをまず我々の方でも何か発信しないと、ともすれば出し手と受け手、二者択一じゃないかと思われるかもしれませんので、ちょっと今、どういう言葉にするか詰めているところなんですけれども、少なくともこの現状を固定的に考えて、今担い手がいないんだというだけで思考停止することなく、例えば戦略作物を導入するにはどうするかという、これも人・農地プランの重要な話合いの契機だと思いますし、ただ、自分で全部考えるということじゃなくて、誰か別の、これはもうほかの、地域外の方かもしれませんし関連産業の方かもしれませんけれども、そういう方が代わって、その農業者に代わって生産技術を、新しいもの、技術を導入したり統一したりしていくとか、あるいは、よく集落営農の中でもあるように、必ずしも農業だけではなくても地域の組織化を行っていくとか、実際どういうふうに地域の将来を考えていくのか、これを地域の話合いを起こすことによりまして具体的な例をもう数多く出して、その中から国の政策というのを考えていく、こういうふうに考えているところでございます。
  33. 進藤金日子

    ○進藤金日子君 私、地域によってはこの中心経営体と安定兼業である経営体の耕作地が混在している場合に、両者を地域の担い手として位置付けまして、これ農地中間管理機構を通じて双方の耕作地を集約化する、このようなケース出てくるんじゃないかなと思うわけです。そうなりますと、今年度新設された機構集積協力金の集約化タイプ、ああいうのもこれ使っていけるんじゃないかなと。そうなれば、まさに半農半Zの方々を、これ僕は、農地中間管理機構と集約化というハードルはあるわけですけれども、しっかりと支援可能になってくる道あるんじゃないかなという気がするわけです。是非、そこは実態、この制度運用の中で詰めていっていただければなというふうに思うわけです。  そこで、改めて私自身、人・農地プランの実質化とは何かを明確にすべきだと考えるんですが、やはり中心となる担い手に農地利用の集積と集約を計画的に進めるためだけのプランとの理解では、これは、こういうことはないというふうに局長今言われているんですが、やっぱり現場では一斉に兼業農家潰し強行される懸念があるんですね。そして、画一的な目標数値を神格化して、数字を伸ばすために制度的な要件を追加したり、あるいは伸びない理由を膨大な作業を投じて追求したり、こうした状況を私はつくり出してはならないと思います。  もちろん、目標の旗を下ろすと、この目標の旗を下ろすということについては、大澤局長、再三答弁されているわけですが、これは現場に間違ったメッセージを送ってしまうということになりかねないので、私はこの全国目標の旗は下ろすべきではないというふうに考えるわけでありますけれども、あくまでも私は、全国目標は目標として、先ほど局長答弁のように、地域の実情に応じたきめ細かい目標設定、取組、必要なのかなというふうに思います。  人・農地プランの実質化というのは、図面で、これは平野先生の持論でございますが、図面でやっぱり可視化しながら地域全体で今後の農地利用の在り方を総点検して、可能な限り中心的な担い手に農地利用の集積、集約をしていくと。一方で、兼業農家でも営農継続の確実性が見込まれれば積極的にプランに取り入れていくんだと。要は、その地域ごとに今後の農地利用の在り方を検討して、農地利用継続の最大化を目指すんだということだというふうに思うわけです。そして、誰がどの農地を当面いつまで利用するのかを農業用の用排水路や農地周りの管理の在り方も含めてこれ具体的に図面に落としていく必要があるというふうに考えるわけです。  その上で、この中には、多面的機能支払交付金との連携だとか、土地改良法改正によって新たに法制化された土地改良区の准組合員制度あるいは施設管理准組合員制度、また関係団体との連携協定、こういうことも関わりあるわけですから、そういうのももう図面に入れていくということを是非やっていただくべきじゃないかなというふうに思います。そして、この図面、これ適宜見直さなければならないわけです。私は、それゆえに、公的機関である農地中間管理機構に農地を預けて、図面を管理してもらった方がよいのだと理解を得ていくことが重要なんだろうというふうに思うわけです。  特に、現在大きな問題になっている所有者不明土地問題にも、これ対処していかなければなりません。  平成二十九年度末の調査で、相続未登記等の農地が全農地の二割、約九十三万四千ヘクタールあるという調査結果があるわけであります。現在、この問題への対応が関係各省で検討されておりますけれども、いずれ、相続登記の義務化だとか相続放棄ということを、これ法的裏付けを整備するとか、そういったような動きがあるわけであります。私は、こうした手続も農業委員会等との連携の中でこれ農地中間管理機構が代行していくということになれば、相当これはメリットが出てくるんだろうというふうに思うわけであります。  そして、兼業農家が混在している中心経営体の農地利用が集約化できないといったことも、これは農地中間管理機構を通じて解消していくんだと。中心経営体も兼業農家も農地利用が集約される姿をつくっていくと。これ、二十年、三十年といった長いスパンを見て、プレーヤーが替わっても、農地中間管理機構を中心に、農業委員会もJAさんも土地改良区もしっかり中に入って地域の農地利用の図面を最適化していく、こうしたことを継続していくシステムこそが人・農地プランの実質化ということではないかと私自身は考えるわけであります。  農地の集積、集約を進めていくことは、もちろんこれ重要であります。それのみならず、繰り返しになりますが、地域農業、兼業農家も排除しないで、効率的、安定的な状況を保持したまま確実に次世代に引き継いでいくこと、これこそが人・農地プランの実質化ということだと私は理解しているわけであります。  人・農地プランを作成している地域において、これは、例えば区域全農地をですよ、全農地を中間管理機構に預けて中心経営体に七〇%集積、集積なんだけれども、残りが地域を支える兼業農家だとしても、それぞれの経営体の農地がしっかり集約されている、制度化されて集約されている、こういうことができれば、これは、地域全体では農水省の言うところの定義では集積率は七〇%かもしれませんけれども実態的な集約率が一〇〇%なんだと、そういった姿をつくっていく、そして、各経営体には後継者がちゃんといるんだと、そういう姿を是非つくっていくことが私はこの実質化の契機に進めていくことなのではないかなという気がしております。  そういった中で、平成三十一年三月六日付けで全国農業委員会のネットワーク機構から出されている農地利用の最適化に関する意見というのがございます。これは、農地利用の最適化の取組について現場の農業委員会が直面している課題につきまして農業委員会法第五十三条に基づいて意見提出されたもので、これは重いものだというふうに思います。  この意見書について、今後の対応を含めた具体的対応状況をお聞かせ願いたいと思います。
  34. 大澤誠

    ○政府参考人(大澤誠君) お答えいたします。  委員御指摘のとおり、全国農業委員会ネットワーク機構より、三月六日にこの意見が提出されたところでございます。  意見の内容は多岐にわたっておりますけれども、大きく分けると三つございます。  一つは、人・農地プランの実質化など、今後の、今回の見直し内容に関するその具体的な進め方、早く示してくれとか周知してくれとか、そういう関係のもの。二つ目は、遊休農地の解消など、農業委員会の従来からの業務であります農地利用の最適化に関する事務の円滑化、これについては、法務省など関係省庁との関係も出てくるような御指摘もございます。それから三つ目は、これは、政府全体で現在検討しております土地所有権の放棄などですね、これを、特に農地に関しまして、それについての御意見など、そういう現代的な課題についての御意見。こういう、大きく分けて三つの意見をいただいているところでございます。  一つ目の今回の見直し内容に関する意見につきましては、これは、法律成立後、この具体的な進め方に関するマニュアルを速やかに示したいということで、この国会の議論なども参考にしながら具体的な案を今練っているところでございます。  それから、農業委員会の本来業務といいますか、従来からの業務に関する御意見につきましては、御意見は、現場が実務が円滑に進むという観点で、例えば登記実務との連携等々にわたるものでございますので、これについても関係省庁と相談して対処してまいりたいというふうに考えてございます。  それから、土地所有権の放棄を認める制度といった土地所有権のより根本的な問題につきましては、これは二〇二〇年に抜本的見直しを行うという政府全体の方針がございまして、それに向けまして、現在、法制審議会の検討が開始されたところでございますけれども、これは、いわゆる民間の委員の方々だけではなくて、役所もメンバーとして入っております。農林水産省も、これはその審議会の前身であります研究会の段階からメンバーとして参加しておりまして、農地をどうやって利用を維持増進させていくかという観点から、いろいろな意見を言いながら積極的に関与しているところでございます。
  35. 進藤金日子

    ○進藤金日子君 ありがとうございます。  今るる御答弁いただいたんですが、しっかりとまた丁寧に対応いただければというふうに思います。  次に、今回の法改正を契機としまして、農地中間管理機構と土地改良区との関係につきまして、これ、双方の役割分担を踏まえて具体的に連携することが私は望ましいというふうに思うんですが、その具体的に連携することが望ましい事項は何なのか、また連携強化に向けた誘導策等はあるのか、これについてお聞かせ願いたいと思います。
  36. 大澤誠

    ○政府参考人(大澤誠君) お答えいたします。  土地改良区は、水利施設の管理、換地業務を通じた農業者の営農上の希望や不安、米、野菜などの営農エリアの調整など、地域農業に密接に関わる団体であると認識しております。今お話ししました様々な論点を含めて、農地集積のきっかけづくりという観点から、農地バンクと連携していただくことが望ましいと考えております。  この関係で私も各地を見ておりますけれども、例えば栃木県の佐野市におきましては、水利施設の老朽化というので水管理に多大な労力を要していたということで、土地改良区の方々が危機意識を持ちまして、アンケートをまず実施したと、これがきっかけとなって基盤整備、農地バンクの活用に結び付けたと、こういう例がありますので、こういうのを参考にしながらやっていきたいと思っております。  推進手法といたしましては、我々としては、今回の見直しで更なる土地改良区との連携強化を図るため、まず機構集積協力金の中で農地整備・集約協力金という制度を創設いたしまして、非公共事業であります農地耕作条件改善事業に取り組む場合の農家負担を軽減する措置を講じたところでございます。  二つ目としては、人・農地プラン作成に当たりまして、この土地改良区もそのコーディネーターとして推進体制に積極的に入っていただく主体の一つとして位置付けたところでございます。  こういう、従来からも土地改良事業につきましては連携の強化を行っておりますけれども、そうした従来の施策と新たな施策を組み合わせまして更に良い関係を築いてまいりたいと思いますし、国としても、この連携強化に向けて、全国土地改良事業団体連合会など、関係の全国団体とも意見交換を今しているところでございます。
  37. 進藤金日子

    ○進藤金日子君 ありがとうございます。  この連携、極めて重要だというふうに思います。先般の参考人の中でも、秋田県の農業公社の佐藤博理事長、秋田が進んでいる要因として、やはり土地改良区との連携、あるいは土地改良事業を契機にして中間管理機構としっかりとタッグを組んで集積を進めている、あるいは集約を進めているということもあったわけでございますので、是非、今の御答弁のことを具体的なところ、また、土地改良サイドにもしっかり周知して、お互いに連携できるような環境づくりしていかないといけないというふうに思います。  最後になりますが、これは、儀間委員、高野政務官いる前で恐縮なんですが、東京農業大学の初代学長、有名な横井時敬さん、横井時敬教授、これ、農学栄えて農業滅ぶという言葉、有名な言葉があります。やっぱりこれは、農業栄えて地域滅ぶじゃ駄目なんですね。やっぱり、農業栄えて地域滅んだら駄目です、我が国の国土を維持できないということになりかねませんから。  やはり、今後、農地中間管理機構を通じて農地の集積、集約を進めていくことはもちろんですけれども、繰り返しになりますけれども、それのみならず、地域農業、兼業農家も排除しないで、効率的、安定的な状況を保持したまま確実に次世代に引き継いでいく、これこそが私はこの人・農地プランの目指すべきところじゃないかな、そこが実質化じゃないかなというふうに思うわけです。  是非とも、大澤局長の御答弁にあったように、これから模索するところはあると思いますが、是非、地域農業が次にしっかりと引き継げるような、そういった人・農地プランの実質化を進めていくということを強く要望申し上げまして、私の質問を終えたいと思います。  どうもありがとうございました。
  38. 小川勝也

    ○小川勝也君 立憲民主党・民友会・希望の会の小川勝也でございます。  本題に入る前に、二つのテーマについて質問させていただきたいと思います。  まず、一点目は、政務三役の在京当番についてであります。  御案内のとおり、文部科学省の政務官が在京当番にもかかわらず地元にいて、問題ないというふうに強弁をしている問題であります。これは、電車や自動車を使えば一時間以内に戻れるからということであります。  私たちは、東日本大震災を経験をいたしました。自動車や公共交通機関が使えないにもかかわらず、各省のトップ、責任ある立場の人は会議に参加をしなければいけませんので、これは多分、二〇〇三年の自民党政権のときに閣議了解をされている案件であります。  いろいろと詰めてみますと各省によって運用が違うようでありますので、農林水産省でのいわゆる取決め、現状をお伺いをしたいというふうに思っています。  一点、在京当番の制度はどのように運営をされているのか。在京当番はどのような形で決定され、どのように政務三役で共有されているのか。そして三点目、現大臣になってからの政務三役の在京当番の一覧表を当委員会に提出をしていただきたい。三点についてお答えをいただきたいと思います。
  39. 水田正和

    ○政府参考人(水田正和君) お答え申し上げます。  委員御指摘のいわゆる在京当番でございますけれども、二〇〇三年、平成十五年十一月の閣議了解におきまして、緊急事態への備えといたしまして、大臣が東京を離れる場合には、あらかじめ副大臣又は政務官が代理で対応できるよう態勢を整えておくということとされているところでございます。  これを受けまして、当省におきましても、この閣議了解にのっとりまして、大臣が東京を離れる場合には、副大臣及び大臣政務官室との間で日程を調整の上、在京当番を決定いたしまして、その結果を副大臣、大臣政務官に伝えて対応しているところでございます。  引き続き、農林水産省としては、この在京当番の制度を適切に運用してまいりたいというふうに考えているところでございます。  今資料の提出の要求ございましたけれども、整理をさせていただきまして、ちょっとお時間を頂戴したいというふうに考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
  40. 小川勝也

    ○小川勝也君 まともに対応している省庁はそうしていて当たり前でありますので、別に褒めもいたしませんし、拍手も送りません。  次の質問をいたします。ネオニコチノイド系農薬及びいわゆる小麦等に使われます除草剤グリホサートについてであります。  前の委員会でも大臣にいろいろと質問をさせていただく中、根本厚生労働大臣としっかりと議論をしてほしいという旨、お願いをさせていただきました。私は、つい先日の決算委員会で、根本厚生労働大臣、そして宮腰消費者・安全担当の国務大臣に対して質疑をする機会をいただきました。御案内のとおり、この両テーマは、当委員会で何度も何度も議論されています。  ネオニコチノイド系農薬につきましては、蜂の蜂群崩壊というところからニュースになりましたけれども、今は世界的に見て神経毒性が事実として認定されつつあり、また発達障害の原因になっているということが明らかになっているわけであります。  先日も、この委員会でも、決算委員会でも、データをお示しをして、御理解をいただくよう質疑をさせていただきましたけれども、EU諸国に比べて規制がめちゃくちゃに甘いわけであります。ですので、何とか、その基準を視野に入れつつ、早急に独自の検査、調査をして、基準改定に臨んでいただきたいというお願いであります。  グリホサートにつきましても、私だけではなく、複数の委員がこの委員会で質問させていただいております。発がん性の疑いがアメリカの裁判所でも、そしてWHOでもしっかり認定をされているいわゆる除草剤でありまして、使えるものは何でも使わせていただく私でございますので、見ていただきたいんですが、進藤委員のこの資料、我々の小麦の自給率はどのくらいかというふうに見ますと、大変な数字であります。  我々の国産小麦にも、この小麦の除草剤グリホサートは使われています。そして、我々の国は世界でも冠たる小麦の輸入国でありまして、当然、私の知識が間違っていなければ、うどんにする小麦はオーストラリアから輸入するわけであります。しかし、それ以外の小麦は、アメリカ、カナダからたくさん輸入しているわけであります。アメリカは日本をお得意さんにしておりますので、何とか適切にアメリカの小麦を日本に輸入してもらいたいと。で、アメリカの農業は規模が大きくて、いわゆる除草剤で葉っぱが枯れた方が収穫しやすいというのが多分このグリホサートを使った理由のスタートだろうというふうに思います。  しかし、たくさん輸入していて、発がん性物質が入っていて、この小麦は、子供たちが、パンも食べる、お菓子も食べる、ケーキも食べる、そして、赤ちゃんが離乳食終わったら、そこから死ぬまで食べ続けるわけです。ですので、このグリホサートの基準というのは甘過ぎる。そしてなおかつ、平成二十九年に基準を六倍緩くしているわけであります。  これはゆゆしき事態でありますので、吉川農林水産大臣、私の最も信頼する政治家が農林水産大臣在任中に、しっかりと根本大臣と宮腰大臣と相談の上、何らかの手だてを打ってほしい、重ねてお願いをする次第であります。  大臣、お願いします。
  41. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 農薬につきましては、防除の効果があり、かつ人の健康や環境に対して安全と認められたものだけを登録をして使用できるようにすることが最も重要であると考えております。  今御指摘をいただきましたネオニコチノイド系農薬、さらにはグリホサートにつきましても、発達神経毒性や発がん性などの様々なデータを基に食品安全委員会による安全性評価が行われ、こうした評価を基に厚生労働省で残留基準値を設定をいたしております。  これらを基に、使用方法どおりに使用すれば人の健康上の問題がないことを確認し、登録を行っているところでございまするけれども、昨年成立をいたしました改正農薬取締法に基づきまして、ネオニコチノイド系農薬やグリホサートを含む全ての農薬について最新の科学的知見に基づいて再評価を行うことといたしておりまして、その結果に応じて、必要な場合には登録の見直しなどの処置を講じていく考えでもございます。  御指摘をいただきましたように、引き続き、厚生労働省等の関係省とも連携をしながら、またさらに、関係大臣とも連携をしながらこの農薬の安全確保を図ってまいりたいと存じます。
  42. 小川勝也

    ○小川勝也君 世界でがんの発生は増えていますけれども、我々の国は世界に冠たるがん大国であります。国民の健康を守りたいという閣僚であるならば、国民のがんの発生率をどうやって減らしていこうかというふうに考えるのが、これ当たり前のことであります。世界一商売のしやすい国にしたいという政権であれば仕方ないかとも思いますけれども、国民の体や子供たちの体を実験台にしている、そんな農政は私たちは許すわけにはまいりません。子供の将来や国民の健康、体を第一番に考える政治を私たちは求めたいと思います。  そして、今大臣から答弁がありましたように、グリホサートにつきましては、即刻中止という選択も当然あるわけでありますけれども、有意な諸外国の中には三年以内に禁止をするというすばらしい決定をした国々もあります。私たちの国は、消費・安全局長は別なところで答弁をしたようでありますけれども、前の消費・安全局長は衆議院で答弁したようでありますけれども、いわゆる農薬取締法が変わったので、二〇二一年度にはネオニコチノイド系農薬についてもグリホサートについても見直したいというふうに御答弁があったようであります。  私は、そんな悠長に構える必要はない、ここまで世論が盛り上がっているので、臨時に素早く、今、フレキシブルに対応すればいかがかと思いますが、局長、いかがでしょうか。
  43. 新井ゆたか

    ○政府参考人(新井ゆたか君) 改正取締法に基づきます再評価と申しますものは、各農薬メーカー等に必要なデータを集積するということでございますので、二〇二一年度から開始をしていくということでございます。  しかしながら、当然ということでございますけれども、私どもは厚生労働省と連携しながら常時各国の最新の知見というのを収集しておりまして、そのような中で再評価を行うことが必要であるということになりますれば、いろいろな諸手続を取っていくということでございます。  いずれにいたしましても、厚生労働省、それから食品安全委員会と連携を取りながら進めてまいりたいと考えております。
  44. 小川勝也

    ○小川勝也君 文字どおりの官僚答弁ですね。  私たちの国は、何回も何回もいろんな面で痛い目に遭っています。例えば、カネミ油症問題、イタイイタイ病、それから予防注射を原因とした肝炎の蔓延、あるいは建築関係でいうとアスベスト被害、疑われたり心配していたのにもかかわらず、止まるのが、ブレーキが遅い、これが我々の国の特質であります。しっかりと早く対応すれば防げた命、守れた命も守れなくなる。そして、今日も、この日も、いわゆるネオニコチノイド系農薬の影響によって発達障害になる子供が増えているというふうに考えたら、そんな答弁はできないはずだと思います。  もう一点、心配なことをお伺いをいたします。  ネオニコチノイド系農薬は、神経毒性があるというふうに言われています。発達障害の原因になるというふうに言われています。そして、もう様々な形で、平成五年程度から我々の国で様々な形で使われて、埼玉県の調査によっては河川で検出できるところまでもう来ているということであります。  最も身近に使われている例は何かというふうに考えましたら、ペットのノミ取り剤というふうに言われています。私は今、残念ながら、現在、ペットを飼っておりませんので、ノミ取り剤をどういうふうに使っているのかという詳しい知見は持っておりませんけれども、かわいいわんちゃん、かわいい猫ちゃんは家族の一員であり、ハグや抱擁、頬ずりの対象であります。本当に子供たちがそんなことでいいのかという心配を私はいたしております。  農林水産省が担当なのか、環境省が担当なのか、あるいは厚生労働省が担当なのか、消費者庁が担当なのか。こういう子供や家族をペットのノミ取り剤から守るということは、どこの省庁で議論されているんでしょうか。
  45. 新井ゆたか

    ○政府参考人(新井ゆたか君) お答え申し上げます。  ペット用のノミ取り剤等を始めといたしまして、犬猫用の医薬品を製造販売しようとする者は、医薬品医療機器法等に基づきまして、農林水産大臣から動物用医薬品としての製造販売の承認を受ける必要がございます。その際には、人への安全性等に関する事項を含めまして、薬事・食品衛生審議会薬事分科会動物用医薬品等部会におきまして審議をいたしまして決定しているところでございます。
  46. 小川勝也

    ○小川勝也君 これもまた、その審議会はネオニコチノイド系農薬の専門家がそろっている審議会であるわけがありませんので、今回、私の指摘を踏まえて、再度御確認をいただければというふうに思います。  残留農薬はどのぐらい食べればという議論でありますけれども、ペットのノミ取り剤、これをいわゆる処置してからどのぐらいで効果が減っていくのかということと、どのぐらい近くに行けば暴露の危険性があるのかということを改めてしっかりと調査をしていただくと同時に、国民にも必要な情報を提供していただければというふうに思います。  それでは、法案の審議に入らせていただきます。  また、ある物を利用させていただく私といたしましては、岩井委員が提出したこの五年前の附帯決議の十五番を見ていただきたいと思います。  これは、私たちが五年前の法案審議に当たっての一番の懸念でありました。いわゆる官邸農政ということで、産業競争力会議や規制改革会議からこの法案が作られて、あるいは農林水産省が作らされて我々の国会に提出したというふうに思っていたからであります。ですから、そのときに、「アドバイザリー・グループである産業競争力会議・規制改革会議等の意見については参考とするにとどめ、現場の実態を踏まえ現場で十分機能するものとなることを第一義として、制度の運用を行うこと。」、こういうふうに一項入れているわけであります。  すなわち、産業競争力会議や規制改革会議の言いなりになって法案を作ってくる農林水産省に対して、いわゆる与党側も含めた我々のせめてもの抵抗がこの文章だったわけです。官邸農政の言うこと聞くなよ、参考にとどめろよというのが与野党の、我々の知恵であったわけであります。  ですから、当時の懸念につきましては、私は、先日の参考人質疑のときに安藤参考人に質問させていただいたとおり、担い手に集積という名前の下に、平らな使い勝手のいい農地を使い勝手のいい形にまとめて、将来は企業が参入しやすいようにしろというのが多分このアドバイザリーグループの目標、目的だったろうというふうに拝察をしたわけであります。その後、安藤参考人の言葉を借りれば、水田農業とか耕地農業、耕作農業については大した魅力を感じないことが分かったので、その意欲は五年間で低下したのではないかと、こういうお答えでありました。  当初の狙いについて、あるいは五年間の推移について、私の今の考え方と農林水産省の捉え方、どのように違うのか、御答弁をいただければと思います。
  47. 大澤誠

    ○政府参考人(大澤誠君) お答えいたします。  まず、規制改革会議との関係、今回の見直しにおきます規制改革会議との関係でございますけれども、本法案は、まず、これ順序としますと、農地バンクの当事者そのものを始めといたしまして、市町村、JA等の円滑化団体、関係機関、担い手など現場の様々な意見を十分聞き取りまして見直しの内容を検討を進めてきたところでございます。平成二十九年二月以降、延べ千五百三十一団体と四百十回の意見交換を実施したところでございます。  規制改革推進会議との関係では、そのようにしてこの検証の資料をまず作った上で、昨年十一月八日及び十五日の農林ワーキング・グループにおきまして、農林省からこの現状を説明しました。それで、十五日には見直しの内容を説明いたしました。これは、規制改革会議に先立って見直しの内容を説明したところでございます。それを受けまして、同月の十九日に農林水産省の説明した見直し内容と同様の内容の答申が規制改革会議から出されたということでございます。  そういう経緯から踏まえまして、私どもとしては、この附帯決議も十分踏まえまして、現場の意見を聞きながら、案をまず作り、それを規制改革会議にも御説明したというのが経緯でございます。  その法制定当時の狙い、これ規制改革会議の狙いにつきまして私答弁する立場にないわけでございますけれども、少なくとも、国会の審議を経て、修正を経た法案につきましては、やはり担い手に農地を、まず、出し手からまず農地バンクが取りあえず集めて、それを担い手に転貸するわけですけれども、当初はなかなかまとまった形にはならない。それを、長期の貸借期間を持つ中で、このタイミングを捉えて徐々に担い手に集めていくと、これが私らが当初から狙いとしておりました農地バンク法制定の狙いでございます。  そのためには、まずは農地を集積しなければいけないということで、第一段階では集積に力を入れてきたところでございますが、朝から御議論いただいておりますとおり、このバンク創設以来、担い手への農地集積は伸びたものの、近年、集積率の伸びが鈍っているというふうに分析をいたしまして、その原因としても、平場の農地、取組が一巡したので、これからは新たに地域の話合いから始めなければならない地域が多くなってきたと。そういうところで、これをどう活性化させるかということで、農地バンクとJA、農業委員会など地域でコーディネーター役を担ってきた組織が一体となって話合いをする体制を整備したい、これが今回の法案の狙いでございます。
  48. 小川勝也

    ○小川勝也君 五年間で血のにじむような努力をされてきた地域があることは拝察をいたします。しかし、我々に言わせれば、出だしがよこしまだったわけでありますので、いつまでたってもきれいな軌道には戻らないんじゃないかというふうに思っております。  先ほど、進藤委員から有意義なお話を伺いました。我々の思いとほとんど変わりません。しかし、そういうことに全く思いをはせない人たちが、地域の歴史や哲学や事情や、あるいは崇高なモラルや、そういうことを一切抜きにして、とにかく平らで使い勝手のいいところに集めろというふうにやってきたので、その地域のにぎわいや集落や人口をどう守っていくのか、そんなことを全く考えない人たちが中間管理機構みたいなのをつくって集めろと言ったわけであります。  そして、安藤先生の言葉を借りれば、地域のことを一番よく知っているのは集落であり、基礎的自治体であり、県からの距離はどんなに頑張っても近づかない。これは、この中間管理機構法案の宿命であります。一部、秋田県を始め極めて御努力をされてうまくいっている例があろうかと思いますけれども、全国の様々な集落においてはどんなことが起きているのかというのは推して知るべしであります。  そしてまた、今、大澤局長からいみじくも御答弁がありましたように、数字を大事にしてまいりましたので、とにかくやってくれ、数字を上げてくれということでけつをたたいて、そして、いい、まとまりやすいところだけまとめて現在に至っておりますので、ここから先はまさにイバラの道であります。  そして、平らなところで集積された農地は、水田であれ畑であれ、これからのスマート農業、ドローンを利用したり、あるいはGPSを利用したり無人トラクターを利用したりすれば、すばらしい農業が展開できるのはこれは当たり前のことであります。しかし、問題は、それ以外の農地とそれ以外の担い手であります。ここが一番大事なのに、そうじゃない真ん中のおいしいところだけ議論して、やれ、やれと言ったのがこの法案のスタートだったんじゃないですか。ただでさえ農村の人口流出は止まらないのに、そこを我々はどうやってとどめるのかということをずっと考えてきたのに、そんなことを全く無視した、いわゆる銭金と効率だけを考える人たちに作ってもらったのがこの法律であります。  さはさりながら、法律があります。動いていますので、我々は、そんな中でも与党と一緒に議論をしながら、その中においても農村が元気になりますように、あるいはにぎわいを取り戻せますように、そして、中山間を含めて、条件不利地も含めて、その地域を守る担い手がたくさん存在するように提案もさせていただかなければならないわけであります。  先ほど申し上げましたように、平場はもう放っておいても大丈夫なんですよ。一番大変なのは、もう中山間。ただでさえ人がいないのに、先ほど与党側からも質問がありました。これは農業だけではなくて全業種、全業態、全地域が圧倒的な人手不足になります。で、中山間の担い手をどうしていくのかというのは、これは本当に大変なことであります。  もっと言うならば、私は、大臣とゾーニングの話もさせていただきました。本当に耕作しにくい条件不利な中山間の農地の中には、残念ながら諦めて森林に変えていく場所もつくらなければなりません。しかし、これは、日本の食料自給と、そして地域の活性化のためにこの中山間農地はどうしても守るんだという農地をゾーニングして、そこには、やはりしっかりとそこに営農していただく、耕作をしていただく方をつくっていかなければならないんじゃないかという提案をさせていただきました。  大臣には、私のこの地域を守りたいという思い、農村集落の人口を維持したいんだという思いに対してどのように賛同していただけるのかということと、私だけではなくて、吉川大臣も農林水産省も、中山間にどうやって担い手、営農、新規参入含めて頑張ってもらえる、そんな状況をつくっていこうか一緒にお悩みいただいているんだと私は確信をするものでありますが、前の答弁と重なる部分はなるべく割愛をして、新しい答弁があれば、中山間に対する思いもお伝えをいただければと思います。
  49. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 小川委員から御指摘をいただいております、この中山間地域におけるマンパワーが不足をして担い手の確保が厳しくなっている、難しくなっているということでありますが、今後の農地利用につきまして地域の話合いを進めるに当たりまして、一部中山間地域のように、今、地域内で担い手が見付からない場合や、あるいは地域の外の農業者等の経営ノウハウを活用したい場合などには、地域の合意の下で外部の人材の活用も検討することが重要であると考えておりますし、また、既にそのような事例も出てきていると存じております。  今回の見直しにおきましては、この農地プラン策定に向けた地域の徹底した話合いによって、地域主導で将来の農地利用の在り方と地域外からの参入も含めたこの担い手の確保について方向を出してもらうこととし、また、中山間地域における要件緩和など、予算面での対応も行ったところでもございます。  こうした中で、地域の意向がある場合には新たな農業参入者が地域に積極的に参入できますように、優良事例の横展開等も進めてまいりたいと考えております。
  50. 小川勝也

    ○小川勝也君 机の上で幾ら議論しても結論の出ない大変厳しい問題だろうというふうに思います。中山間の小さい農地をブルドーザーでいわゆる凸凹の大きな畑にしても生産性が上がるわけではありませんので、本当に悩ましい問題だろうというふうに思います。  そして、先ほども議論させていただきましたけれども、農村人口はどんどんどんどん減る一方であります。ましてや、子供が少ない、十八歳人口が少ない、十八歳で地域から離れてしまう、二十二歳で戻る場所がない、これが農村の本当につらいところであります。  しかし、農村には、先ほど申し上げましたように、すばらしい哲学がありました。それは、長男は戻ってくる、あるいは定年になったら農家になる、あるいはおやじが耕作できなくなったら後を継ぐ、こういった思いを持っていわゆる農家の子供として生まれた方もたくさんおられるんだろうというふうに思います。そして、現に、親の体の調子が悪いので田舎に帰りたいと思っておられる方もたくさんおられるでしょうし、あるいは早期勧奨退職という制度も各社にあるようでありまして、六十歳を待たずして早く辞めて帰ると退職金の割増しがあるという時代もありました。  そんなことも含めて、農村に今いる人は少なくても、農村で生まれた人はたくさんいるわけであります。私は、この制度が議論されたときに、このいつかは帰りたいなと思う人たちの帰農、Uターンのインセンティブが弱くなるんじゃないかというふうに心配をいたしました。すなわち、じいさんが耕していた離れた畑、子供のときよく付いていったよなと。ところが、今回は、先祖伝来の土地を集約化されてしまったり、あるいは換地してしまったりして、いわゆるノスタルジーとか、あるいは感情的な面が大分薄くなりました。それに、俺のうちの土地だけ荒れ放題にするわけにはいかないよな、そんな思いが、責任感がある農村の方々にとって、ああ、機構に預かってもらって担い手がちゃんとやってくれているんだな、帰らなくていいんじゃないかと、こんなインセンティブも出るんじゃないかというふうに心配したわけであります。  農村というところは、人々の営みというのは、いわゆるこのアドバイザリーグループの方々のように、効率化とか、もうかる、もうからないだけの尺度で測らないのが我々の営みであります。そういった人の心にも寄り添わないと農政というのは私はできないと思います。  大澤局長からはどういう御答弁いただけますでしょうか。
  51. 大澤誠

    ○政府参考人(大澤誠君) お答えいたします。  地域によって大分状況は違うかもしれませんけど、一般的に申し上げますと、やっぱり農地バンクにつきましては、これ時々お叱りを受けるんですけれども、何でも借りるということをやっているのではなくて、むしろ、受け手が見付からないと借りませんというような状況で、かえってお叱りを受けているような状況でもございまして、ですので、息子が帰ってこないからまず農地バンクに預けよう、それで農地バンクが預かっているという状況ではないのではないかなというふうに、これは様々な局面から議論しなければいけないと思いますけど、現状としてはそうなっていると思いますし、逆に、相続未登記の問題、昨年議論させていただいたときもそうだったんですけれども、もう息子が帰らなくて本当に農地バンクに預けるしかないというのは、本当にそういう部分はございますけれども、そういうところについては、昨年、措置も一定程度させていただいたようなところでございます。  それからあと、定年前も含めて、あるいは定年したときに帰農する、Uターンする方、こういう方が農地バンクを使えるのかどうかと、そういう問題も少し検討してみたんですけれども、それも、制度的には少なくとも問題は全くございません、農地バンクの借受け公募に応募すればできるという仕組みになっておりますし。ただ、どのくらいの方がいらっしゃるのかとちょっと調べてみたんですけど、なかなか出てきませんで、といいますのは、そういうUターンの方でも、どうも住所を移されて、少し研修されてからやられるということのようなので、地域外からの参入というのは数字としては把握しているんですけど、どうもそこには入っていないんじゃないかなということがあります。  ですので、ちょっと現場の実態をもう少し調べなければいけないと思いますけれども、先生のおっしゃるような、定年帰農で帰ってきたいのに、それを無理やり農地バンクが取っちゃったと、それはまた事情もいろいろあるかもしれませんけど、それは一般的には余りよくない話だと思っておりますので、そういうところについては注意してまいりたいというふうに考えております。
  52. 小川勝也

    ○小川勝也君 現場と遠いところの議論でありますので、どこまで把握をしていただいているのか、当然、クエスチョンマークが付きます。  秋田県からは、非常にこの集約率の高いマップを見せていただきました。それは、やはりこの地域で出さないのはおまえさんだけだぞというふうに三人に囲まれて出したのかもしれないし、それは我々は分からないわけであります。そんないろんなことが起きている可能性は否めないというふうに思います。  それで、参考人の方から、やはりいい事例をお伺いをいたしました。どこまでおさらいをしていただいたか分かりませんが、佐藤参考人から教えていただいた由利本荘地域の事例であります。  当然、水田地帯ではありますけれども、メガ園芸団地ということで、リンドウ、それからアスパラ、小菊、だから、集約化された水田のほかに、そういった地域のいわゆる目玉商品、競争力のある作物をみんなで取り組むことによってその担い手以外の人たちもその集落で営農するという、私はこのモデルケースだろうというふうに思います。ですから、全国の農地中間管理機構が集約をした後もその地域の人口を減らさないためには、集約された農地はまさに作業効率がアップするわけでありまして、それ以外の特産品やいわゆる高収益作物とのタイアップが重要なんだろうというふうに思います。  当然、一義的には、地域が今まで取り組んできたこと、それからJAがいろんな取りまとめをする、そして機構も何らかのお手伝いをする、農林水産省もそのアドバイザリーグループの一人としていろんなことを言うようなことがあるんだろうというふうに思います。  そういう流れによって、新規参入の人も、あるいはUターンの人も、ここにやろうと思えば経営のモデルがありますよというような形があるのが私は望ましいんじゃないかなというふうに思っておるんですけれども、これまでの取組や、あるいは今後への抱負など、あったらお聞かせをいただきたいと思います。
  53. 大澤誠

    ○政府参考人(大澤誠君) 由利本荘の事例を取り上げていただきましてありがとうございます。  我々もこの事例は非常にいい事例だと思っておりまして、関係者がいろいろ役割分担をして、得意分野、得意分野で役割を発揮したという意味で非常にいい事例だと思っております。  具体的には、まずこの園芸メガ団地の形成というのは、やはり県の強いリーダーシップでJA等とも議論をしながらつくってきたということで、まず県が方針を作ったというところがございます。それから、各地域になりますと市町村が調整役を取っているということと、土地改良区がやはり基盤整備の旗振り役をやっていたと。  農地バンクにつきましては、これらの主体的な取組を前提にしまして、むしろ手段の、いろいろな説明役といいますか、特に水稲作物地域と園芸団地との土地の調整、こればらばらに出てきちゃいけませんので、そういう土地の調整、その際には農地バンクが使えますよということをよく説得あるいは説明をしていただいたと。  ですので、農地バンクがともかく利用権を、成績を稼ぐためにやったということでは全くなくて、そういういろいろな方針から、地域の合意からの、あるいは基盤整備からの積み重ねがあって、それに手段を提供するという形でやってきた事例だと考えております。  こういう事例はほかにも、地域もたくさんございますので、我々としては、これは横展開すべき第一の候補だと考えております。
  54. 小川勝也

    ○小川勝也君 私は、この面的集積という物理的なことよりも、今御答弁をいただきました、あるいは私からも提案をさせていただきましたけれども、ソフト面、この集約された大きな農地を誰がやるかというよりも、そこをサポートする、それ以外の農地で地域の集落の収益をどう上げていくのかということが一番大事なところだというふうに思います。集約をしたところの経営効率が上がるのはこれ当たり前のことでありますので、そこだけに着目すれば人いなくなる。だから、そのプラスアルファの部分をどう育てていくのかというのがこの法律や制度の成功の鍵だというふうに思いますので、そこには農林水産省は、この法律を変えたというだけではなくて、まだまだ働かなきゃならない点がたくさんあるんだろうというふうに思います。  そして、進藤委員から有意義な提案がありました。それは農業生産にとどまる必要はないんですよ。例えば、これから御提案があるでありましょう、例えば棚田の美しさを見に来てくださいと、蛍もいますよ、それから工芸品がこの地域にはありますよ、あるいは、当然のことながら、六次産業化で加工されたものもお土産で買っていってください、そしてお祭りも面白いですよ、あるいはギターの工房があるので見ていってください、もう何でもいいんですよ。だから、農業にとどまらず、その地域の魅力を最大限に発揮していく、その中心に集約された効率的な経営ができる農地があると、これがあるべき姿なんだろうというふうに思います。  ソフト面というのは農林水産省が最も苦手にしてきた分野でありますけれども、せっかく、人がいない、そして、これは、この言い方は余りしたくありませんけれども、他分野、他業種との人口、人の取り合いですから、農業分野、農村地域はこんなにも面白いんだと、こういう戦いに農林水産省は旗を立てて私は参画をしていただきたいというふうに思います。我々は少なくとも、ここに境界線はありますけれども、全員農村の応援団です。農村が元気になるためなら、みんないろんなことにお手伝いをしたいというふうに思います。  一番難しいのは、先ほども議論がありましたように、農地の問題であります。北海道はいわゆる、私の言葉で言うと、トーナメント。どんどんどんどん農業が進歩していく中で、経営効率の悪い人、ノウハウがうまく発揮できない人、そして、だらしない人、ばくちに手出す人がどんどんどんどん離農していって周りの人がその農地を確保していくという、順繰り順繰りのトーナメントをやってきました。今、その農地のいわゆる受渡し方法は、基本、売買でありました。売買で、結局農家をやめる人は、農地を隣の人に売って金銭をもらって、清算をして、その集落から出ていく、これが北海道の方式のメジャーな例でありました。  これがいい悪いは別にして、ですから私は、この農地制度の中で門外漢、部外者としてずっとずうずうしい失礼な意見を申し上げてきました。なぜ農家をやらない人が農地を持っているんですかと、ずっと議論をしてきたことであります。いわゆる戦後の農地解放の意味するあの出来事は何だったんですか。農地を所有するだけで耕作しない人が持っていたらおかしいじゃないかと、だから今耕作している人に持たせなさいというのが農地解放でありました。しかし、今やその理念は、いわゆる耕作者主義がなくなって、いつまでも持つことが可能です。ですので、今集積された農地は何筆になっているのか。地域のいろんな人たちの所有している農地を、いわゆる担い手が耕作をするという状況であります。  そして、私は、現行民法に問題ありというふうにずっと思っておりますが、それは何かというと、現行民法におきましては、全てのものに価値がある、全てのものは有価値であるという前提にのっとっているので、そごが出てきているわけであります。ですから、建築物、この廃屋どうしようか、土地も評価がないし建物も誰も住まない、むしろ除却するのに金が掛かる、これが民法の想定外の出来事でありました。そして今、農地についても同じ状況が起きています。誰もやる人がいないので持ちたくない、これは当然予想された帰結であります。  政府が省庁横断的に議論に取りかかっていることは私は承知をいたしております。ですので、農地であるか宅地であるかは別にして、自分が所有や相続を放棄する、したいという方に対するお答えをどうしていくのか、政府はしっかり解を求めていかなければならないというふうに思っています。  そして、現行民法は、いわゆる相続人が奥さんと子供であればその分け方をきれいに決めています。家族の話合いで別な結果が出ることもありますけれども、いわゆる家族で相続をするということになると、また筆がどんどん分かれます。そして、所有される方、登記される方の所在地もまちまちになってまいります。そして、時系列的に申し上げますと、時間がたてばたつほど農地一枚当たりの筆数がどんどんどんどん増えていくことになります。  そのことにいつまで我々は許容するのかということであります。ですから、政府の議論がスタートした今こそ、革命的な、しっかりと将来に責任の持てる農地制度、私は農林水産省は提案すべきだろうというふうに思います。一気に取り上げてしまえということは言いませんけれども、責務を果たさない人は所有しない、このぐらいのことはあってもいいんじゃないかと私は思います。  例えば、地域に住んでいない、神社のお祭りに来ない、草刈りに参加をしない、あるいは所有をしていてそういう行事に参加できなければ、私は、地代をもらって、耕作者、すなわち担い手に耕作をしてもらうんじゃなくて、逆に金を払うぐらいの方が現代にとっては適切なんではないかというふうにずっと申し上げてまいりました。  今の相続、登記、あるいは耕作者主義がどう変質するのか、あるいは荒廃農地を所有する人たちにはどういう罰則がふさわしいのか、そして、相続に対してはどういう形になっていけばいいのか、政府全体で議論している最中というふうには伺っておりますけれども、農地に関して農林水産省はどういう立場で議論に参加をするおつもりなのか、お伺いをしたいと思います。
  55. 大澤誠

    ○政府参考人(大澤誠君) お答えいたします。  昨年の法改正もそうですが、様々な形で農地法あるいは農地関係法制の中で、共有者が全員同意でなくても、あるいは一人いれば一定の措置がとれるというような形で、一歩一歩我々としては進んでいるつもりでございますけれども、そこについては詳細は省略させていただきまして、現在の政府全体の状況、その中での農林水産省としての考え方をお答えいたします。  まず、政府全体といたしましては、現在、先ほどもお話をいたしましたとおり、法務省が研究会の方向性というのを出しまして、それに基づいて今法制審議会で議論がされているところでございます。  法務省の研究会の中では、例えば土地所有権の放棄につきましては、このまとめの中でも、土地所有権の放棄を認める制度を創設するに当たって、放棄の要件、効果、帰属先機関の財政的負担、モラルハザードの防止などを検討と、こういう形でこの放棄を認める制度をどうするかという検討をしているところでございます。また、相続登記の申請を義務付けることについても検討がされているところでございます。  あわせて、国土交通省等におきましても、土地基本法の見直し等々行われておりますけれども、その中では、所有者の管理の、どこまで管理が求められるのかと、こういう議論も一般の土地として議論はされているところでございます。  その中での農林水産省のスタンスですが、これは、我々としては、今の農地法の二条の二に、農地について所有権又は賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利を有する者は、当該農地の農業上の適正かつ効率的な利用を確保するようにしなければいけないと。これ、責務規定でございまして、具体的な義務が発生するわけではございませんけれども、ほかの土地にない責務規定があるということはまず事実でございますので、これをどうやったら十分に発揮できるようになるのかということで、具体的に言いますと、人口減少の中で農地が適切に利用されることがむしろ公共の福祉にかなうんだと。  ですので、憲法上の問題でも公共の福祉としてカウントされるんだという基本的な考え方の下に、利用者にとって使いやすい制度見直しになるようにやるということで、個別のものについてはちょっとコメントできませんけれども、そういう基本的な考え方で臨んでいるところでございます。
  56. 小川勝也

    ○小川勝也君 先ほども問題点指摘させていただきましたけれども、現行民法は権利が強くて責務が小さいというふうに言われています。農地というのは、地目いろいろありますけれども、我々国民にとっては最も大事な地目でありますので、その責務がしっかりと確保されないで、今後どんどんどんどん年代が進んでいく、そして、担い手、耕作者に不利が生ずることがないようにお願いをしたいというふうに思います。  最後の質問になろうかと思いますけれども、先日の参考人質疑のときに、安藤参考人から、米価が下がったときの地代の下げ交渉、あるいはもう事実地代ゼロの賃貸借も生じている、そういった農家の方々からのクレームをいわゆる機構が請け負うことになるのではないか。そして、先ほども御答弁いただきましたように、平地のいわゆる集積が一段落進みますと、これからは、中山間や条件不利地域でいうと、いわゆる数字がどんどんどんどん上がっていくという状況は五年で終わって、数字は上がらないんだけれどもトラブル処理やクレーム処理だけを機構が担わされるという時代が透けて見えるわけであります。  そんな機構の将来はどういう形で運営されるのか、あるいはフェードアウトというのはあるのか、あるいは機構廃止法案は近い将来、遠い将来出るのか。この機構の存続、未来についてはどういう見通しを持っておられるのか、お伺いをしたいと思います。
  57. 大澤誠

    ○政府参考人(大澤誠君) まず、地代の問題につきましては、これは、個別に処理しておりますと、それこそ担当の方も頭を個別に使わなければいけないということですので、ルール化をするということが非常に大事なことだと考えております。現状におきましても、当該地域における整備状況等が同程度の農用地等の賃料水準を基本として、農地バンクが相手方と協議の上、決定すると。ある意味では、いろいろなところに配慮した書き方になっておりますけれども、なるべくルール化していく、これが一番大事なことだと思っております。  例えば、関東地方において、我々確認したところでは、少なくとも茨城県、群馬県、埼玉県、千葉県におきましては米価と連動した地代とするということをルール化して契約に入れ込んでいる例等もあるところでございます。これがいいのかどうかというのはまた検証が必要だと思いますけれども、いずれにしろ、ルール化をして少しでも事務を簡素化していくという精神で臨んでいきたいというふうに考えております。  賃料の未払につきましては、これは現在、調べたところ全国でも現状では〇・三二%にすぎませんので、現時点では大きな問題とは考えておりませんが、また仮に賃料未払があれば、その催促をもちろん行いますけれども、回収努力も行うと。その際には、弁護士への相談等が必要になると思いますので、その弁護士の相談費用については、これは国の助成により措置、対応できるという枠組みにしているところでございます。  いずれにしましても、農地バンク、このフェーズアウトということよりも、むしろ多くの農地を多くの所有者の方から担い手の方が直接借りるということになりますと、逆に、今、農地バンクが事務が多くなるんじゃないかという懸念がそのまま一人の農家の方に移ってしまうだけでございますので、我々としては、むしろ問題を統一的に処理して、担い手が直接契約することに比べて負担が楽になると、大幅に軽減できる、これが農地バンクのメリットの一つだと思っておりますので、それが十全に果たされるようにはしなきゃいけないということで、事務の簡素化、ルール化、こういうことを努めてまいりたいというふうに考えています。
  58. 小川勝也

    ○小川勝也君 冒頭申し上げましたように、北海道では売買が主だったので、この法案の意図を五年前もなかなか理解することができませんでした。それから、安藤参考人から指摘がありましたように、県一つというのはなかなか農村の現状、集落の現状まで配慮が行き届かないんじゃないかという懸念をずっと持ち続けました。そして、今日指摘させていただいたように、集積が大事なんじゃなくて、集落やその地域が何をもって集落を元気にしていくのかという主体が一番大事ですし、機構も農林水産省も、それをもろ手を挙げてバックアップをしていただきたい、そのことをお願いを申し上げ、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  59. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午後零時二分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  60. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、松下新平君が委員を辞任され、その補欠として徳茂雅之君が選任されました。     ─────────────
  61. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) 休憩前に引き続き、農地中間管理事業の推進に関する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  62. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 午前中の審議もお疲れさまでした。国民民主党・新緑風会の徳永エリでございます。  進藤先生、そして小川先生、質問というか御意見を聞かせていただきまして、改めて、与野党を超えて、農業、農村への考え方、そして官邸農政への怒り、もちろんカンフル剤になって農業者の皆さんが頑張って、官邸農政の中でもそれなりに成果が出ているところもあるとは思います。でも、やっぱり先の見えない何とも言えない不安感を抱いていることは間違いないと思いますから、これが正しいと思わずに、しっかりこれからも議論して、修正すべきところは政府にもしっかりと修正をしていただくように、先生方とともに頑張っていきたいなと改めて思いました。  そして、今この委員会が始まる前に少しお話をさせていただきましたけれども、この点に関してはどうなのかということなんですが、農業者戸別所得補償制度であります。  私たちは、小規模家族経営農家、そして大規模もしっかり守っていくためには、この直接払い、岩盤対策、これが絶対必要だというふうに思っているんですが、ここはちょっと違うと進藤先生もおっしゃっておりましたが、どこが違うのかよく分かりませんが。実は、四月十八日の衆議院農林水産委員会での農地中間管理事業の推進に関する法律等の一部を改正する法律案に対する立憲民主党提出の修正案に反対する自民党の野中厚委員の討論の内容について、大臣の御見解をお伺いしたいと思うんです。  お手元に資料を配付させていただきましたけれども、この反対討論の中で、野中厚議員はたしか農林水産大臣政務官をされていたんじゃないかと思いますけれども、「旧戸別所得補償制度の実施時には、農地の利用集積が停滞し、米価も下落しました。」というふうにおっしゃっているんですね。  これ、大臣、本当に旧戸別所得補償制度の実施時には農地の利用集積は停滞して米価が下がったんでしょうか。同じ御見解をお持ちかどうか、お伺いしたいと思います。
  63. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 旧戸別所得補償制度の実施時期におきまして、担い手への農地の集積率につきましては、平成二十二年度から平成二十五年度は年平均で〇・一五ポイントの増加にとどまっていることに対しまして、制度見直し以降の平成二十五年度から平成二十九年度は年平均で一・三ポイント増加をしております。平成二十二年産の米の相対取引価格につきましては、前年度に比べまして一千七百五十九円減少をいたしておりまして、一万二千七百十一円となったものと認識をいたしております。  野中委員の発言に、特に私は異論は持っておりません。
  64. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 僅かであっても、この制度を導入してから増加したというお話もございました。後ほど資料で御説明したいと思いますけれども、米価も下落したわけではないと思っています。  野中委員、先ほどお話ししましたこととともに、「さらに、需要が年々減少している中で、旧戸別所得補償制度のように、主食用の米の生産への助成を基本にするのであれば、米の過剰作付を招き、需要のある作物への転換は進まず、農家の所得向上にはつながりません。 また、農地の集積、集約も進まなくなります。」と、こう言い切っておられるんですね。  お配りした資料を御覧いただきたいと思うんですが、めくっていただいて、資料二、農業者戸別所得補償制度の目的と実績について。そして、資料三、もう一枚おめくりいただきたいんですけれども、(4)のところです、農地権利移動面積の増加。大規模化のメリットが働いたことで、それまで減少傾向にあった農地の権利移動面積の減少に平成二十二年に歯止めが掛かり、平成二十三年からは増加に転じ、農地の集約が着実に進んだというデータがあります。それから、(5)、過剰作付面積の減少。交付金が支払われることで、経営の見通しが付きやすくなり、過剰作付面積が減少し、需給が引き締まることで米価の安定に寄与したというふうになっております。  そして、もう二枚おめくりいただきまして、資料の五でありますけれども、米の販売価格の推移を見ていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。まあ一旦下がりましたけれども、それでも一万六千五百一円、一俵当たり一万六千五百一円まで米価が上がっています。そこからは、政権が替わってから下がり、また少し上がっていますけれどもここまでは行っていないということで。  何よりも、この戸別所得補償制度が導入されたときに、私たちが稲作地帯に行きますと、農家の皆さんは、いやいや、先が見通せるようになったと、所得が増えることになったから、だから息子が帰ってきて後を継いでくれることになったんだと。だから水田の面積をもっと広げたいんだけど、北海道ですから、売買ですから、売ってくれないか売ってくれないかと言っても、なかなか売ってくれないんだよね、誰か水田を売ってくれる人いないだろうかというふうに言われましたし、それから、息子が継ぐことになったので、トラクターも新しく買い換えよう、コンバインも新しく買い換えよう、投資も伸びたんですよね。本当に農村地帯が明るかったというのは、私たち実感しているんですよ。  私、日曜日と月曜日、玉木代表と一緒に空知と上川の農村地帯回ってきて意見交換してきたんですけど、みんな不安ですよ。去年は作況が悪かったから米価が下がらなかった、だから何とかなっている。でも、米の直接払い交付金十アール七千五百円がなくなって、小さな規模の農家ほどやめていっていると言うんですよ。大規模はまだ米価でもっているけれども、小さなところがどんどんやめていっていると言うんですね。  これ、万が一過剰作付けが起きて、今年、米価ががあんと下がったらどうするんですか。もう経営していけない、もうみんなやめちゃいますよ。本当に大変な状況で、先の見えない、本当に不安に今稲作地帯が包まれているというのが現状です。  だからこそ、やはり安心して経営を続けていける岩盤対策、農業者戸別所得補償制度、加入した七割の方が評価している。この制度を、同じものをやれとは言いません、でも、農家の皆さんが安心して営農を続けられるようなそんな制度、直接払い、諸外国もやっているわけですから、ここをしっかりと与野党議論してやっていかなければいけないというふうに思っています。  野中委員のこの討論ですけど、私やっぱり事実に基づいていないと思います。事実じゃないことを事実であるかのように言うというのは、これゆゆしき事態だと思っていますから、ここはもう猛省を求めさせていただきたいというふうに思います。  それでは、法案審議に入らせていただきます。  安倍総理は、平成二十六年の一月二十二日のダボス会議でこう言いました。民間企業が障壁なく農業に参入し、需給の人為的コントロール抜きに作りたいものが自由に作れる時代がやってくると。そして、米の減反廃止宣言も行ったわけでありますね。  その後に、産業競争力会議、それから規制改革会議の意見によりまして、民間企業の農業への参入障壁である農地法、農協、農業委員会、こういった改革が次から次へと行われ、弱体化を図っていく中で、この農地中間管理事業も、企業参入の促進、規模拡大、効率化、コスト削減を図るために農協や農業委員会、市町村の権限を弱め、実質的には排除したような形で農地の貸し手と借り手の間に農地中間管理機構が入って進めていくことになり、企業参入の促進によって家族経営農家、小規模経営の農家、そして農村コミュニティーが崩壊するんではないかと私たちはとても心配をいたしました。  審議のときにその指摘をさせていただいて、そしてその不安が現実にならないようにと当時野党は原案に対する修正案を提出させていただいて、原案にはなかった、地域における農業者の徹底した話合いを積み重ねていく必要性を訴え、人・農地プランの内容を尊重して事業を行うこと、また、法律案附則の検討規定を修正して、五年後を目途として農地中間管理事業及びこれに関する事業、また国の財政措置の見直しの検討と必要な措置を講ずることを求め、修正と附帯決議を行いました。  それを、今回の改正で、やっぱり皆さんのおっしゃっているとおりでありました、ですから今回は全て見直しましたというふうに農水省は私たちに説明して歩いたわけであります。人・農地プランの強化が必要です、農協や農業委員会、市町村、土地改良区など、農地の出し手と借り手をコーディネートする組織と一体となって推進する体制を構築しますと、現場の意見を反映しました、ですから賛成してくださいと言われても、素直にいいですよとはなかなか言えません。  機構法の審議の段階で指摘していた課題に対応したということで、だったら最初から現場の意見あるいは委員会審議における野党の意見をしっかり聞いていただければよかったわけで、そうすればもっと実績も上げられたかもしれませんし、予算も効果的、効率的に使えたかもしれません。まあ、今更何を言ってんだというのが私たち野党の正直な思いであります。  そもそも、農地が地域の信頼関係で動くとすれば、中間管理機構など経由する必要はなく、市町村レベルで全て行えばよかったと。農地利用集積円滑化団体、円滑化事業に任せておけばよかったんじゃないかと思いますが、大臣、いかがお考えでしょうか。
  65. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 農地バンクは活動範囲も広域であるため、長期間の借受けが中心であり、また、かつ担い手にとりましては多くの貸し手と直接交渉する必要がなく、当初は借受け農地が散在をしていても、地域の話合いの進展に合わせた再配分により集約化が進む、また、地域に担い手がいない場合には地域外の担い手を探すことも可能であるというメリットがございます。  実際、農地バンク創設以降、担い手への集積率は上昇に転じておりまして、平成二十九年度は五五・二%まで上昇しているところでもございます。加えて、農地バンクを活用して担い手に八割以上の農地を集約化した優良事例も出てきておりますので、以上のことから、農地バンクは必要だと私どもは思って、考えているところでもございます。  今回の見直しに関しまして、こうした農地バンクのメリットを更に多くの地域で生かすために、人・農地プランづくりを核として、市町村、農業委員会、JA、土地改良などとの連携体制を構築をいたしまして、地域レベルでの利用調整との連携も強めたところでもございます。
  66. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 全く意味が分からないんですけど、うまくいっていないから今回見直したわけですよね。機構事業をスタートさせたからには、二〇二三年までに何とかして担い手の利用面積を全農地の八割まで引き上げようという、その目標達成のために政府も努力してきたんだと思います。地域も、もう事業が始まったんですから、何とか頑張らなきゃと思って努力したんだと思います。  しかし、事業開始後四年間における担い手利用面積の増加は政府の面積の達成に必要な目標面積の約四〇%にとどまり、しかも、農地集積のペースが減速傾向にあるということは皆さんも理解していると思います。  なぜ順調に集積が進まないのか、もう一度、課題や理由について政府の見解をお伺いします。
  67. 大澤誠

    ○政府参考人(大澤誠君) 農地バンクの創設、五年前の国会での審議における修正も踏まえまして、我々必死になって運営してきたわけでございますけれども、それで五年後の見直しということを、その規定においても修正を加えられたわけでございますが、そういう中で、今回、我々政府の中で、できるだけ事実とデータに即して要因を分析しようという精神で臨んだわけでございます。  そうした中で、特徴的に出てまいりましたのが、やはり機構の実績の中を分析しますと、集落営農法人に転貸した面積というのが、これは二十七年度と二十八年度、二十九年度を比べると極端に下がってきたわけでございます。  それを基に、我々としては、やはり過去、最近鈍っている原因としては、集積、集約化の機運が以前からあった平場の水田地帯、ここが引っ張ってきたのが、そこが一巡してしまったんじゃないかなということですので、従来から話合いは大事だとは思っておりましたけれども、更に高度な、今まで話合いの機運さえなかったところから始めなきゃいけないというふうに思った次第でございます。  それからあと、手続に対するいろいろな不満、これもございました。そういう点を踏まえて、今回については見直し案を考えたわけでございます。
  68. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 今、集落営農法人の転貸が極端に下がってきているという話がありましたけれども、事業が始まった平成二十六年から平成二十九年までの機構の転貸面積は累積で約十八万五千ヘクタール。そして、この累積転貸面積には、既に利用権が設定されている農地について、従来の契約を解除した上で、機構を経由して元の耕作者に貸し付ける、付け替え、出し手と受け手が同じケースが含まれていると。  この集落営農法人ってまさにそこだと思うんですよね。だから、本当の意味の実績ではないと思うんですよ。ですから、事業を通しての新転貸面積、つまり本物の実績について伺いたいと思います。
  69. 大澤誠

    ○政府参考人(大澤誠君) 今御紹介した集落営農法人への転貸というのは、まだ集落営農にとどまっておりまして法人じゃなかったものが、これを機に法人化したものが入っていますので、それが、何ですか、新しいものではないということでは必ずしもないと思いますが、データとして見させていただきますと、平成二十九年度までの農地バンクの転貸面積全体は十八・五万ヘクタールでございます。そのうち、新たに担い手に集積された面積は七・一万ヘクタールでございますが、それ以外の農地、新たに集積された面積でないものにつきましても、先ほど来議論されております担い手同士の農地の交換でありますとか、そういうことも含まれておりますし、何よりも、十年間以上の長期間の借受けを農地バンクはしたということですから、これから十年の後に何が起こるか分からないと、例えばリタイアとかですね、そういう際に新たに担い手に貸せるという潜在的な農地でもございますので、新規に新たに担い手に集積された面積だけが農地バンクの成果だということはないと思っております。
  70. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 そういう理解をしなきゃいけないんですね。  さっきのお話ですけれども、小さな農家が、北海道でもありましたけれども、小さな高齢者農家が何軒かあって、自分たちだけではなかなか営農を続けていくのも大変だと、地域にいる若い経営者の人に中心になってもらって、みんなで機構に農地を出して、そして、機構から農地を出した分を受け取って、法人をつくって、集積協力金を元にしていろんな投資もしてと、こういうケースですよね。元々それぞれ農地だったわけですから、機構を通して法人をつくったからといって、それが果たして法人の実績になるのかどうかというのは微妙なところだと私は思うんですが。  いずれにしても、新転貸面積は約七・一万ヘクタールということで、政府の集積目標に対する機構の寄与度は僅か一一・八%となっています。二〇二三年までに八割集積の目標を達成するためには、あと五年、あと五年しかないわけですけれども、年間どのくらいの新規集積、転貸面積が必要ということになるんでしょうか。
  71. 大澤誠

    ○政府参考人(大澤誠君) これは大変難しい質問でございまして、今、農地バンクできてから実績として公表したのは四回でございますので、実績公表ベースでいくとあと六回分あるわけでございますが、今、ですから、五五・二、目標集積率が八〇だとしますと、それ差引きして、単純な算式でいくと二四・八%というわけです。ですから、あと六年あるとすると、六年間で割るとあと四・一%ということでは、単純に六で割れば四・一%ということですけれども、我々が考えておりますのは、そんな急に何か上がって、それから集積率がまた平準化するということはあり得ないと思っておりますので、現実的には徐々に徐々に集積率を上げていかなければいけないと思っています。  ただ、そこにはいろいろなシナリオがありますので、あと何万ヘクタールあればいいんだと政府が目標を示すという段階でないことはちょっと御理解いただきたいと思います。単純に計算すれば年間四・一%ですが、初期は少なくともそんなに上げなきゃいけないとまでは思っていません。徐々に上げていくということを考えています。
  72. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 大変に厳しい状況だと思いますけれども、今回見直しもしたわけですから、徐々に上げていっていただければいいんですけれども。  そして、平成二十五年六月に閣議決定された日本再興戦略では、農林水産業を成長産業にするためとして、今後十年間で全農地面積の八割が担い手によって利用され、産業界の努力も反映して担い手の米の生産コストを四割削減、そして法人経営体数を五万法人とすると記載されています。二〇二三年八割集積だけではなく、米の生産コストを四割削減、法人経営体数五万法人とする、こういった目標も掲げているわけですけれども、これは果たして達成できるのか、現状はどうなのか、御説明いただきたいと思います。
  73. 天羽隆

    ○政府参考人(天羽隆君) 私の方から、お米の生産コストの低減について御説明をさせていただきます。  お米の生産コストの削減につきましては、今ほど先生から御指摘ございましたとおり、平成二十五年六月の日本再興戦略におきまして、担い手の米の生産コストを二〇二三年産までに二〇一一年産の全国平均から四割削減するというのが目標でございます。  二〇一七年産の担い手のお米の生産コストは、個別経営体で六十キログラム当たり一万九百九十五円、組織法人経営で六十キログラム当たり一万一千八百五十九円ということでございまして、二〇一一年産の全国平均に比べて、それぞれ三割程度低い水準ということでございます。
  74. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 農水省から資料をいただきました。生産コスト低減に向けた具体的な取組という資料、本当はお配りできればよかったんですけど、ちょっと遅くに手に入ったものですから。  ここには、今後十年間、平成三十五年まで、担い手の米の生産コストを現状全国平均一俵一万六千一円から四割低減、一俵九千六百円にし、所得を向上すると書いてあるんですよ。この全国平均は平成二十三年の全国平均なんですけれども、実は、この担い手の米の生産コストと全国平均の生産コストって、これ資料別なんですよね。平成二十三年、全国平均は一万六千一円になっていますけど、担い手の生産コストは一万一千八十円になっているんです。ここから三割下がったという説明をしているんですね。だから、四割下げる目標を達成するのはもしかしたら可能かもしれませんけれども、でも、私たちは、こういう資料を出されると、この全国平均の一万六千一円から九千六百円までどうやって下げるんだと。これ以前、櫻井議員と柄澤統括官と相当議論になったことがあるんだと思いますけど、これじゃ分かりませんよ、これ。誤解しますよ。こういう資料をやっぱり出しちゃ駄目だと思いますよ。どうですか。
  75. 天羽隆

    ○政府参考人(天羽隆君) ただいまの日本再興戦略における目標の記述ぶりでございますけれども、これは、この目標を最初に決定をしたこの日本再興戦略において、まさに今先生がお読みいただいたとおりなんですけれども、今後十年間で、資材、流通面での産業界の努力も反映して担い手の米の生産コストを二〇一一年全国平均比四割削減するという、まさに目標を決めたときからそういう記述になっておるということでございます。
  76. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 じゃ、私たちが今までずっと誤解していたということなんでしょうか。何度かこの議論しましたけれども、私、昨日初めて、あっ、なるほど、そういうことだったんだというふうに分かりました。しかも、この担い手、認定農業者は十五ヘクタール以上の層ということですから、面積が。こういうことも、まあチェックしていなかった私たちも悪いんでしょうけれども、改めて、あっ、こういうことなのかというふうに理解をさせていただきました。  それから、農地の番人と言われた農業委員会は、この農地中間管理機構、権限が奪われて、事実上この事業から排除されていたと言ってもいいと思うんですけれども、この農業委員会が、農地利用最適化推進委員とともに法律にその役割が明記されました。予算も付きましたよね。よもや、人・農地プランの実効性の確保に当たって、うまくいかなかったときに農業委員会だけに責任を押し付けるようなこと、そういった運用にならないですかね。市町村、農業委員会、農協、土地改良区など関係団体との連携、もちろん国や都道府県もこれまで以上にしっかりやっていかなければいけないと思いますけれども、これ、目標が達成できなかった場合の責任はどこにあるんですか。誰が取るんですか。
  77. 大澤誠

    ○政府参考人(大澤誠君) 人・農地プラン、これは、法律上はその農業者等による協議の場でございますけれども、それを設置するのは市町村というのが法律上の役割でございます。ただ、法律で位置付けているという意味で、国の意思というのも示されているわけでございます。  農業委員会については、今回の法改正案におきまして、そのコーディネーター役として法定化を、法律で位置付けることとしておりますけれども、これについては、農業委員会というのが非常に法的な存在でございまして、法律で権限が決められているということから、その農地利用の最適化が役割ですので、抽象的には、頭で考えれば入っているということではあるんですけれども、なかなか、市町村がやっているということもありまして、協議の場に明記されていないとなかなかそこに入っていきにくいという団体の意見もありまして、今回それを実質化、法定化しようということでございますので、決して農業委員会だけに責任があるとか、そういうことでは全くございません。  むしろ、今回、政府として決めた中に、これはもう地域レベルでの話合いを活性化させていこうということですので、それぞれの方が一体となってやっていくと、それに国もできる限りの働きかけをというか、予算的な措置も含めてやっていこうということで、一体となってやっていこうという考え方でございます。
  78. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 やっぱり農業委員会というのは、農地の番人、地域からの信頼も高いということで、やはり排除してはならなかったんだと。しっかりとその法律上、役割も位置付けて、明確化して、これからはコーディネーターとして一生懸命頑張っていただこうということで、決して、うまくいかなかったら農業委員会が、もう法律上役割も明記したし予算も付けたのに何なんだと、責任取れということにならないということを改めて確認させていただきたいんですけど、大丈夫ですね。
  79. 大澤誠

    ○政府参考人(大澤誠君) 排除をしていたということかどうかはちょっと、法制定当時は違う仕事をしていたのであれですけれども、先ほどお話ししたとおり、この農業委員会に責任を、言い方はちょっと悪いかもしれませんが、押し付けるためにこんなことをやっているわけでは全くございません。
  80. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 とはいえ、農業委員会の皆さんが地域を回っていると結構心配をしておりまして、その点を確認をさせていただきました。大丈夫ですね。  次の質問に行きます。  これまで、機構への集積を進めるために、機構の活用を要件として、農地中間管理事業、それから機構集積協力金交付事業、農地中間管理機構関連農地整備事業、そして農地耕作条件改善事業など、いわゆる農地の集積、集約のためのインセンティブとしてこういった事業を行ってきたんだと思います。こういった機構関連事業に対するこれまでの政府の評価、それから今回の五年後見直しにおける改善点について御説明いただきたいと思います。
  81. 大澤誠

    ○政府参考人(大澤誠君) お答えいたします。  先生御指摘の事業の順に御説明いたします。  まず、農地中間管理機構事業につきましては、これは推進事業等とございますけれども、これは農地バンク事業の推進のための都道府県あるいは農地バンクの活動に必要な経費の約十分の七を補助する仕組みでございますので、まさにこの農地バンクの運営を支えているものだというふうに評価しております。  機構集積協力交付金事業につきましては、これは農地の出し手、今までですが、農地の出し手や地域に対して、この機構への集積等を要件として補助するものでございまして、農地バンクを通じた農地の集積、集約化を促進したものというふうに考えております。幾つか例、いい例が挙がっておりますけれども、例えば佐賀県の嬉野市では、機構集積協力金、地域に落ちたお金を地域の合意によって担い手の大型農業機械を購入するのに使ったということで、コストが非常に下がり、その空いた労働時間を野菜の新規作付けにつなげたというようなこともございます。  これにつきましては、出し手への補助金ということが全体の農地の利用集積、集約化に、地域に対する補助金と比べてやはり効果が少し違うということを鑑みまして、出し手に対する補助金はそういうものとしては徐々に削減していき、地域の中で、話合いで、例えば出し手にも出せると、あるいは受け手にも出せると、こういう地域に対する補助金を増額し、かつ中山間地域の要件を緩和する方向で見直すこととしております。  それから、農地中間管理機構関連農地整備事業につきましては、これは土地改良法の改正で導入されたものですが、農業者の費用負担によらずに基盤整備を行うことによりまして、基盤整備と一体となった農地集積を促進しております。始まって一年ちょっとでございますけれども、例えば高知県北川村では、この事業を活用しましてユズ生産の担い手確保を目指しているというような、前向きな取組は中山間地域でも行われているところでございます。  農地耕作条件改善事業につきましては、畦畔除去など簡易な条件の農家負担を軽減することによって地域の多様なニーズに応じた農地集積を促進しているということで、これは私が見たところでは、例えば鳥取県大山町におきましては、山の中の農地の除れきだけを行う事業というのをやりまして、そこで大根を栽培できるようになったと。これは今まで平場でやっていた法人の方が高地でもできるということで、要するに周年栽培ができるようになったというような効果もあるところでございます。
  82. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 となりますと、この関連事業は一定の効果、成果はあったという御評価なんだと思います。これからもしっかり現場の声を聞きながら、必要な事業は継続をしていただくようにお願いしたいと思います。  それから、都道府県ごとに集積率を見ますと、私の地元北海道は九割を超えているわけであります。都道府県の中でも、東北、北陸、九州地方は五割、六割と非常に高いということ。集積率の高いところも更に引き上げる取組を今後していくのか、それとも、中山間地など集積の難しいところ、集積率の低いところへの取組を集中強化して集積率を上げていくのか、どのような方針で今後五年間農地集積を進めていくのか、お伺いしたいと思います。
  83. 大澤誠

    ○政府参考人(大澤誠君) 地域の現況の課題に応じて、それぞれ集積ないし集約化を進めていただきたいという考えでございます。  集積に関しましては、やはりこれ、何度もこの委員会でも議論していただいております中山間地域等の問題でございますので、ここはやはり人・農地プランを進めていくと、それで地域の将来の設計図をまず描いていただくと。そのためには、少しの取組でもいいので、やはり取り組んでいただくということが大事ですので、我々も機構集積協力金の要件緩和等をいたしておりますので、そういう形で小さな変革から大きな変革につながっていくようなことをやっていきたいと。ですから、こういう今まで集積が進んでいない地域についてはまず集積を行って、条件によっては面的集約まで行っていくというのが基本的な考え方でございます。  既に集積が進んでいる地域におきましては、これは、なおそういう方々の意見を聞きますと、担い手同士の農地の交換をやってなるべく集約につなげていきたいというような意見が非常にございました。こういう意見を踏まえまして、今回の協力金の見直しの中では新たに集約化タイプというのをつくりまして、担い手同士の農地の交換に一定の協力金が出ると、こういう仕組みを導入しておりますので、ここの地域におきます重点的な目標は集約化でございます。
  84. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 基本的な方針は分かりました。  前回の委員会でも、今日も質問がございましたけれども、やはり非常に難しいのは中山間地なんだと思います。条件が悪いということもありますけれども、西日本の農家の方に聞きますと、離農した方であっても、やっぱり自分の農地は、先祖伝来の農地は絶対手放したくないと、人には貸したくないと、もう荒廃して山になっても貸したくないと、こういう方もいるわけでありまして、そういう農地への執着というか、こだわりといいますか、そういったものを理解につなげていくというのもなかなか難しいんじゃないかと思いますけれども、先ほど小川委員からもほかの皆さんと違った答弁でというお話がありましたが、この中山間地域における担い手の確保、集積、集約、どのように進めていくのか、大変に難しいと思いますが、改めてお伺いします。
  85. 大澤誠

    ○政府参考人(大澤誠君) 大変難しい課題であること及び今後重点的に行わなければいけないということについては、私ども全く同感でございます。  同じような話になって恐縮でございますけれども、何よりもやはり地域の話合いが大事だと思っておりますし、ここはいろいろまた具体的に進めるかどうか考えておりますけれども、いろんな先生方にも、例えば今、地域おこしの中ではフューチャーデザインという考え方があるという、私も詳細は余り存じ上げませんけれども、ともかく新しい考え方があれば、それをまず学んでやるということで臨んでおります。  特に、フューチャーデザインといいますのは、むしろもういっそのこと、五年後、十年後じゃないですよ、五十年後をまず考えて、五十年後の自分になったときにあなたはどうしますというふうな形でやるような考え方だというふうに聞いております。  聞いてみたところ、なかなかすぐに応用できないかなとは思ったんですけれども、ともかく地域の問題を、将来をどうしたら皆さんで共有できるか、こういう考え方で臨んでいきたいというふうに思っております。  あと、予算面では、先ほどから繰り返し申し上げておりますとおり、中山間地域の要件緩和、これをできる限り使っていただきたいというふうに考えてございます。
  86. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 機構法第八条第三項第三号、機構は、受け手が見込まれない農地は借り受けないこととされています。  私の友人も、これは何度か農水省の皆さんとお話ししましたけれども、同期の参議院議員なんですが、親から棚田を相続していまして、長いこと農協に預けて、収穫した米だけもらっていたと。中間管理機構に出したらと言ったら、いや、出してみようかなということで申し込んだところ、借り手がいないから駄目だと返されたということでありました。機構がもっと条件の悪い農地も借り受けて借り手を積極的に探していかないと、中山間地の集積はなかなか進まないんじゃないかなというふうに思うんですけれども。  例えば、北海道の函館にフランスのブルゴーニュのワイナリーが進出してきているんですね。今年からブドウの生産始めるんですよ。ワイナリーとともに、例えばオーベルジュをつくるとかレストランをつくるとか、そういうことも考えられるわけで、むしろ条件の悪いところ、もうわざわざ来なきゃいけないようなところの方がいいというような場合もあって、これも法人をつくって、日本の農業者もその法人の中に入ってやっているわけですけれども、日本人が法人の中に入って一緒にやるのであれば、外国人に農地を売るみたいな話ではなくなってくるので、是非こういうことも考えていった方がいいんじゃないかなというふうに思うんですね。  そのためには、やっぱり情報発信が必要なんだと思うんですよ。中山間地に限らず、機構の転貸先を見ると地域内の経営体が大半を占めているということですから、地域内の担い手が不足するような地域、こういったところでは地域外からも担い手を確保しやすくするように、機構を市町村段階だけではなく県段階に創設したという経緯もあるんだと思います。ここをしっかり重視をして、もっと機構が積極的に借り入れて、地域外あるいは海外、こういったところとのマッチングも図るべきだと思うんです。  農地を所有していても、この農地中間管理機構、この制度を知らないという人もいるんだと思います、特に都会には。田舎に農地はあっても、でも所有者は都会に住んでいて、この情報を知らないからそのままになっているということも結構あると思うんですね。  この農地中間管理事業の制度のPRをどのように今農水省行っているのか、それから他地域の情報はそれぞれ県単位でどのようにやり取りをして収集をしているのか、この点についてお伺いをしたいと思います。
  87. 大澤誠

    ○政府参考人(大澤誠君) お答えいたします。  PRにつきましては、地域外、県全体の情報というのはもちろん農地バンクで持っているわけでございますけれども、県を越えるものの広域的な情報共有、こういうことも大事だというふうに思っておりまして、手段としては、まず国として毎年数回、全都道府県の機構担当者を集めて研修会という名目でやっておりますけれども、その中で機構間の優良事例の横展開等々、情報の共有というのをやっておりますし、それから機構の関係者を一堂に集めた農業参入フェアというのも毎年開催しておりまして、地域外の者への情報発信、機構間の情報交換、こういうこともやっております。  せっかく、広域で調整するということを我々も農地バンクの機能の一つと思っておりますので、この点につきましてはさらにまた強化策を考えていきたいというふうにも考えております。
  88. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 単に農地面積というだけじゃなくて、その地域の気候もあると思いますし、それから土壌というのもありますし、何の作目を栽培するかによっても、まずはその適地というものがあると思いますから、そういったこともしっかり勘案しながら情報発信進めていくと、中山間地も必ずしも集積が困難だと言い切れないところもあるんじゃないかなと思いますので、しっかり取組を進めていただきたいというふうに思います。  それから、農地中間管理機構に集積された農地は必ず農地として利用されるのかということを確認したいと思います。  農村地域工業等導入促進法では基盤整備から八年たっていない優良農地も転用できるということでありましたが、この中間管理機構に集積された農地は、転用され、農業以外に使われるということは考えられるんでしょうか。
  89. 室本隆司

    ○政府参考人(室本隆司君) 中間管理機構関連農地整備事業を実施した農地について農産法に基づき施設整備を行う場合、中間管理権の存続期間中は転用できないということになっております。これはどういう背景かというと、農産法に基づく国が基本方針というのを作ることになっておりまして、その基本方針の中で、中間管理権の存続期間中は機構関連事業を実施した農地について施設を導入する地区に含めてはならないというふうな方針を国が示しているということでございますので、基本的には中間管理権の存続期間中は転用はできないという、そういう扱いでございます。
  90. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 中間管理権が切れて元々の所有者に農地が戻ったときに、その際には恐らく転用できるんだと思うんですよ。ですよね。ですよね。できないんですか。
  91. 室本隆司

    ○政府参考人(室本隆司君) 今の御質問ですが、今申し上げた国の基本方針の中では、中間管理権の存続期間が満了した農用地についても、やむを得ない場合を除いて産業導入地区には含めてはならないという、そういう方針を示しておりまして、原則、農村産業法による転用は認めないというのが基本的な方針になってございます。  ただ、やむを得ないという条件が幾つかございます。それについては、例えば市町村内に市街化区域等が存在する場合はその当該区域の土地に優先的にその産業導入地区を設定してくださいと、それが無理であるという場合には、これは一つのやむを得ない条件になるのかなということでございます。それから、施設の整備によって農地の分断とかあるいは蚕食が生ずる場合、例えば優良農用地の真ん中に農業用施設を導入するような場合、これ、周辺の土地の効率的な利用に支障が生ずる可能性がございますので、こういうのは駄目だと、逆にですね。それから、産業導入地区として設定する面積規模、これが必要最小限であることというふうな、そういうふうな要件の全てに該当する場合、この場合にはやむを得ない場合というふうに考えられるということでございます。
  92. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 ありがとうございます。  農家負担なしで基盤整備しているわけですから、税金が入っているわけですから、だから簡単に転用されては困るなと思いましてここを確認させていただきました。  それから、農業経営基盤強化法第七条では、農地中間管理機構の事業の特例として、売買ができるとしています。この特例について、またこれまでの売買の実績についてお伺いします。
  93. 大澤誠

    ○政府参考人(大澤誠君) お答えいたします。  農地バンクが特例で行う農地売買等事業の実績につきましては、農地バンクの創設年度であります平成二十六年度から二十九年度までの平均のデータがございますが、平均で買入れ面積、売渡し面積共に約七千ヘクタールとなっておりまして、そのうち北海道が占める割合が約八割というふうになっております。  この事業につきましては、将来的に農地を買い入れて規模を拡大したい農業者がすぐに買入れ資金を用意できないような場合に、農地バンクがまず農地を買い入れて、農業者が買入れ資金を工面できるまでの間一時貸付けを行って経営安定した後に売り渡すと、こういうような仕組みとなっておりまして、そういうニーズがある方々に使われているというふうに承知しております。
  94. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 特例ということなので特別なことかと思っていたんですけど、基本的に農地中間管理機構はリースが基本なので、売買するから特例なんだということで、売買したい人は中間管理機構として売買することもできるということですね。こういった情報も意外と伝わっていなくて、現場でそういう話をすると、いや、中間管理機構は売買できないよというふうに自治体の職員の方にも言われますので、ちゃんとこういった情報も届けていただきたいと思います。  時間なくなってきたので、ちょっと最後の質問に行きたいと思うんですけれども、平成二十七年の農業協同組合法等の一部を改正する法律で、農業生産法人から農地保有適格法人へと名称が変更になりました。議決権要件、役員の農作業従事要件が見直されました。平成二十一年の改正では、関連事業者の議決権は一事業者当たり十分の一以下とする制限を廃止し、法人と連携して事業を実施する一定の関連事業者の議決権を二分の一未満に制限を引き上げましたが、平成二十七年改正では、関連事業者の要件を廃止、農業者以外の者の議決権が事実上は引き上げられたような形になったんだと思います。事実上、農業者以外の者が農地を所有しているということにもなるのではないでしょうか。  農地法では、農地所有適格法人の役員要件として、役員の過半が法人の行う農業に従事する構成員であること、原則年間百五十日以上であること、役員又は重要な使用人に一人以上が法人の行う農業に必要な農作業に従事、原則六十日以上にすることが規定されています。本法案では、基盤強化法において、農地法の特例として、認定農業者である農地所有適格法人、この親会社の役員が、百五十日の方ですね、出資先の農地所有適格法人子会社の役員を兼務できることとし、当該役員は常時従業者たる役員とする措置を追加することとしています。  一昨日の紙委員の質問で、えっと思ったんですけど、資料の最後を見ていただきたいんですけれども、私たちは、農業に常時従事すると聞いたときに、農作業というふうに思っていたんですよ。ところが、そうではないということなんですね。農業という場合には、企画管理事務を含めた農業に常時従事する者ということで、この農業というのと農作業というのが違うと。これも意外とみんな気が付かなかったということで、農業といっても、企画管理事務、こういったことができればいいということが分かりましたので、改めて確認をしておきたいと思います。  それでいいんですよね、局長。
  95. 大澤誠

    ○政府参考人(大澤誠君) そのとおりでございます。
  96. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 もうこういう本当に分かりづらいことやめてほしいし、誤解しそうなことは丁寧に説明していただきたいと思うんですけれども。  それで、農地所有適格法人における役員の常時従事要件は原則年間百五十日ということになりますが、親会社の役員が子会社の役員を兼務する際に、親会社及び子会社のそれぞれにどの程度の期間従事することを要件にするのか、お伺いしたいと思います。
  97. 大澤誠

    ○政府参考人(大澤誠君) 今回、法改正として御提案させていただいているものでございますけれども、その場合に、親会社、子会社、そのグループ会社の場合に両方を兼務するというような場合でございますが、兼務する場合でも親会社の農業には百五十日以上常時従事する必要がまずございます。  加えまして、子会社でどれくらいの従事が必要かということにつきましては、これはまだ今現在検討中でございまして、どういう検討をしているかといいますと、既にこれは農業者の方々の、北海道も含む要望に、求めによって案を作っているわけでございますので、そういうようなニーズがある会社に、少なくとも今でも百五十日プラス百五十日で二社までは兼務できるわけですから、実際にその二社兼務されている方が本当は子会社に実際どれくらい働いているんだろうかと、先ほどの御指摘にもありましたように、いわゆる農作業に加えて管理業務とかそういうものも含めましてどれくらい業務しているのかということを、北海道だけじゃありません、複数社ございますので、それを聞きまして、それで実際上必要、何というんですか、必要上十分な日数を決めたいと思っておりまして、ここはまだ今検討中でございまして、省令において示したいというふうに考えてございます。
  98. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 農地を守る、耕作放棄地をつくらない、荒廃農地をつくらない、そういう観点からも、農地中間管理事業がもう始まって四年たつわけですから、今回の見直しが有効に働いて、是非しっかりと集積をして農地を守ってもらいたいと。当初の本当の目的である企業参入は、なかなか土地利用型農業がもうからないということで、思ったほどいかなかったんだと思います。だから、今回は、ここからはしっかり農地を守るんだという思いで集積をしていただきたいというふうにお願いしたいと思います。  その先なんですが、それこそ先日、北海道の農村回って歩いて言われたのは、ある稲作農家の方が三十ヘクタールやっていた、最近離農した方から三十八ヘクタール買うことになったと。一ヘクタール百万円だそうですよ。三千八百万、農協から融資を受けたと。その方五十七歳なんですけど、七十歳までに返してくださいと言われたんですって。そうすると、さっと計算すると月二十万ぐらいずつ返さなきゃいけないんですよ。今は米の値段が高くてある程度収入もあって返すことができますけれども、これ本当に米価が下がって経営が厳しくなったら借金返せない。やめるとなったときに六十八ヘクタールもの農地を誰が引き受けるんだ、引受手があるんだろうかと。農水省に聞いたら、これから新規就農者を育てますと言うんですけど、新規就農者がいきなり六十ヘクタールなんかできるわけないんですから。  だから、本当に、集積、集約、規模拡大はいいですけれども、未来を考えたときに本当にこの方向でいいのかどうかということも、今日のいろんな委員の先生方の御意見もありますが、今真剣にしっかり考えなければ大きな間違いを犯すんじゃないかということを大変に危惧をしているということを申し上げまして、質問を終わらせていただきたいと思います。  ありがとうございます。
  99. 里見隆治

    ○里見隆治君 公明党の里見隆治でございます。  一昨日に続きまして、法案について質問をさせていただきます。  もう既に一昨日から今日の午前中、そして徳永先生に至るまで様々論点をいただいておりますけれども、私、その中の大きな論点の一つは、繰り返しになりますけれども、人・農地プランの実質化という点だと認識しております。  改めて、まず最初に大臣にお伺いした上で議論を深めていきたいと思いますけれども、これまで地域によっては人・農地プラン、十分な機能を果たしてこなかったという点、これはまあ反省もし、また要因分析もし、評価もし、そしてそれを踏まえて今後それをどのように改善していくのか、まず大臣の基本的な御認識をお伺いいたします。
  100. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 現在、九割以上の市町村におきまして、約一万五千の人・農地プランが作成されておりますが、プランの中には農地の出し手が記載されていないものが半数を占めるなど、実質的な話合いに基づくものとは言い難いものが相当あると認識をいたしております。  これは、プランに農地の出し手として記載されると即農業からの引退を迫られるんじゃないかと、そういうように誤解をされたことや、市町村の農業関係職員が減少をしてプランのコーディネートが十分にできていなかったこと、さらには新規就農対策などの支援措置を活用するためだけにプランを作成している実態があったこと等によるものと考えております。  これらの問題を解消をしていくためにも、地図を活用して、地域の話合いにおいて農業者が地域の現況等を関係者で共有をして議論することを優先をし、農地の出し手の記載までは義務化はしないということであります。話合いのコーディネーターとして農業委員会を位置付けまして、市町村の人手不足を補うなどの改善を行うこととしております。機構の協力金を地域タイプ中心にするなど、支援措置と人・農地プランとの関連を強化するなどの見直しを行うことといたしております。
  101. 里見隆治

    ○里見隆治君 ありがとうございます。その上で、農水省の各局長等にお伺いしたいと思います。  これもこれまで繰り返し述べられてきた点ですけれども、農地の集積を推進していく上で地域の合意形成が不可欠でございます。その意味で、人・農地プランの実質化が今回の見直しのポイントでございます。地域にあって市町村、農業委員会、JA、また機構等の関係者が参加して徹底的に議論をすることが必要です。  たまたま、これは農業の話ではないんですけれども、昨日、元慶応大学塾長の清家篤先生のお話を伺いまして、この議論の仕方、何か違う考えを持った人が話合いをするときにどういう議論をするべきかと、そんなお話の中で、ああ、これはなるほどなと思いましたのが、ルールを話し合うとなかなか考え方の違いがかえって争点になって話がまとまらないと。しかしながら、お互いに少しずつゴールといいますか、まさに今の地図というのもそれに相当するかと思いますけれども、ゴールのイメージを擦り寄せていくと、そして、同じイメージ、ゴールをつくっていくという作業の中で、なかなか隔たりのある考え方の人が歩み寄っていけるのではないかと。なるほどというふうに思ったわけですけれども、まさに、様々な立場の方がこうやって議論して、そして地図を基に将来像を描いていくと、そういった作業、これもそれに当たるものだと思います。  そうした中で、これは単に地域の皆さんにお任せをするだけではなくて、公的なセクターがどの程度関与していけるのか、またリードしていけるのか、余り無理やりな、強制的な介入という形ではなく、合意形成をどうやって促していけるのか、そこをどのように行政側、また機構の方で準備できていけるのかということが大事だと思います。単に参加者が集まって議論するだけではないと。その環境を整えていく、そして論点や方向性を整理して、合意形成に至らせるようなリーダーシップを発揮させていく。  そのために、まずその単位単位の市町、特に小さな町役場等、これで非常にそういったことを手当てできるような十分な人材が整備されているのかということは、これは心配の声が上がっております。これは一昨日の秋田県農業公社の佐藤参考人もおっしゃっていました。これはもう皆様、それぞれ地域でもお話伺っているところだと思いますけれども、市町村にあっても、特に広域合併していない町村を中心に、やはりマンパワーの不足から職員が一人何役もこなしている状況にある、今後この円滑化事業を単独で活発に推進していくにはやはり現実的には無理があるということだということを陳述されておりました。  こうした、現場でまだまだ体制に不安があると。そうした中で、農水省として、こうした環境整備、また体制づくり、どのようにお取り組みいただけるか、お伺いいたします。
  102. 大澤誠

    ○政府参考人(大澤誠君) 先ほど大臣からも御答弁いただきましたとおり、今回、人・農地プランがなかなか実質化しない原因の一つに市町村のマンパワー不足がございます。今回、ほかのJA、農業委員会などと一体となった、あるいは土地改良区の体制整備をいたしますけれども、やはりその中でも市町村に対する支援というのも大事だというふうに考えてございます。  そこで、今回の見直しでは、人・農地プランづくりの支援策というのは拡充をしております。市町村に対しましては、農業者の年齢とか後継者の確保をそもそも把握するためのアンケート、あるいはそれを地図に落とす作業、これについての経費を助成することとしておりますけれども、その際には、単に市町村の職員が働くだけではなくて、アルバイトを雇う費用、こういうものも見ることにいたしております。  それから、まず、コーディネート役がそもそも合併等で少なくなっているというような場合には、例えば普及指導員のOBなどをコーディネーターとして派遣するというような仕組みを、これは既に整備しておりました農業経営相談所の事業を活用いたしまして、そういうふうな市町村に人材派遣を行うと、こういう事業も用意しておりますので、こういうものを使いながら推進してまいりたいというふうに考えてございます。
  103. 里見隆治

    ○里見隆治君 地域や農地の状況をよく知る農業委員、また農地利用最適化推進委員の役割、これは、これもずっと議論されているところでございます。私ども、委員会として視察をした足利市の小曽根町、ここでもやはり積極的に活動いただいている農業委員、また農業利用最適化推進委員の皆様の積極的な活動があったということは、我々共有し、拝見をしてきたところでございます。こうした中で、これらの委員の皆さんが積極的に活動できるように、国も財政的に是非支援を更に進めていただきたいと思います。  そうした中で、これ、ちょっとお聞きしたところでは、農業委員会の活動に対する報酬の中で、成果に応じた上乗せ措置の農地利用最適化交付金、この交付に必要な条例、これ条例ですから国が何か押し付けるわけにはいきませんけれども、実は農業委員会の三割についてまだ整備をされていないというふうに聞いております。これ、もし条例を整備されていれば、上乗せ措置が発生するということで、これはやるということを決めればうまくインセンティブになっていくと思うんですけれども、まだ三割が整備されていないと。  この点は、この条例整備を促していくような環境整備、押し付けではないけれども、こうしたことを促していくということは農水省としてもお取り組みいただくべきだと考えますけれども、いかがでしょうか。
  104. 大澤誠

    ○政府参考人(大澤誠君) 御指摘のとおり、農地利用最適化交付金の活用には、前提として、市町村が報酬条例を変えていただきまして、成果払い的なものをこの農業委員会に支払えるようにしていただく必要がございます。  ここにつきましては、平成二十九年一月時点では、まだ全体の五%、八十九委員会しか整備されていなかったわけでございまして、我々は危機感を持ちまして、当時の副大臣であります礒崎副大臣の御指示、リーダーシップの下に、総務省と連携しまして市町村への働きかけを強化してきたところでございます。総務省と連携した条例のひな形の通知の発出、あるいは未整備地域の働きかけ等を行いまして、その結果、その八十九委員会から整備済みの委員会は、先生の御指摘より少し残念ながら低いんですが、本年三月末時点で約六割、整備見込みまで含めますと七割ということで、三割はまだその見込みもないという、そういう状況でございます。  今回の農業委員会の交付金につきましても、人・農地プランにおける活動を考慮した形で交付する仕組みに変えたところでございますので、それを周知しながら、今までのこの働きかけを更に強化して、整備済みの市町村を増やしていきたいというふうに考えてございます。
  105. 里見隆治

    ○里見隆治君 まさに今、礒崎副大臣のリーダーシップという話が出ました。礒崎前副大臣は、もちろん地方行政も御存じですし、農政もやっておられたということで、これ、まさに省庁を超えて、そういう地方自治行政とそして農政、これが相隔てなく進めていくべき分野だと思いますので、そうした自治体の立場でのお取組ということも是非進めていただきたいと思います。  これから、この人・農地プラン、また地域で話し合っていくという中で、これ地域で話し合っていくといっても、何か独善的といいますか、地域の中だけで凝り固まってはいけないと。これも多くの皆さんが御指摘いただいているところで、いかに新しい方を受け入れていけるような、そうした場を提供していけるのかと。  そうした中で、これは農水省としてもお取り組みいただいている新規就農者に対する様々なインセンティブでございますが、その一つに青年等就農資金、これも何回か論点になっております。この償還期限を今回十二年以内から十七年以内に延長するということを法案に盛り込んでいただいております。  これについて、私、地元で関係者にお伺いをしましたら、償還期間を十二年から十七年に延ばしても、農業者というのは一定の覚悟を決めて融資を受けるんだから、それはもう十二年だからやらない、しかし十七年だからやるというような、そんなことではないんだというお声もありました。  これ、その方はもう意気込みを持ってやるからということだろうと思いますけれども、ただ、法案にこうやって盛り込んでいるというからには、十七年にしたという考え方があろうかと思いますので、その点、確認をしておきたいと思います。
  106. 大澤誠

    ○政府参考人(大澤誠君) 今回のこの青年等就農資金の償還期限の延長につきましても、これは地域の農業者からの意見から発案したものでございまして、その延長を求める方々は、やはり十二年ですと、特に施設園芸の鉄骨ハウスとか畜産経営の畜舎などを導入する場合に、普通それらの施設については耐用年数が十七年でございますが、それよりも償還期間が短いということになると、これは全体の額を償還期間で割りますので、そうすると単年度の償還額が出ます。ですので、単価が高い施設を導入すれば毎年の償還額が多くなるということですので、資金計画を作った際にこれではなかなか難しいとして、なかなか難しかったというような方々もいらっしゃるし、無理して借りられればその経営発展に支障が出てくる場合もあると、こういうような御意見を伺ったところでございまして、そういうこともありまして、多分、使用控えといいますか、があったのではないかなと思います。融資上限は三千七百万円にしているわけですが、この資金の平均融資実績は八百万円となっておりまして、十分資金のメリットを使えていない状況にあったわけでございます。  そういうこともありますので、償還期限の延長をすることによりまして、より単価の大きい施設の導入等に必要な融資についても、この資金の活用が促進される効果があるのではないかというふうに考えてございます。
  107. 里見隆治

    ○里見隆治君 ありがとうございます。  たまたま私がお会いした方はそういうコメントでしたけれども、今のような趣旨をしっかり現場でも御説明をいただき、また融資の相談についても丁寧に御対応いただければというふうに考えております。  では次に、ちょっと論点を移しまして、中間管理事業の推進、これをどういうふうにこれから使ってもらうのかと、そのための推進方策についてお伺いをしたいと思います。  まず、賃料についてでございます。  これ、それぞれ、これは市場が決めるというよりも、市場だけではない様々な環境、また人間関係もあるかもしれません、様々な要素によって決定されていくというふうに思いますけれども、中間管理事業を推進して更に集約化を実現していくためには、この賃料決定の公平公正なルール作り、また透明化が必要だというふうに考えます。農地の出し手と受け手の間に立つ事業として取り組むべき事案ではないかと思います。  この賃料に関しましては、実はこれも一昨日の参考人の質疑の中で、参考人の東大の大学院の安藤先生がおっしゃっていました。これはむしろ、その価格決定というよりも、一方では地代無料というようなことがあってなかなか価格設定が成立しないんじゃないかという非常に難しい問題提起でございました。  もう皆さん御存じのとおりでございますけれども、確認をいたしますと、この地代の統一に立ちはだかる壁ということにおいて、農地の交換を行って面積集約を実現するために地域内での地代の統一が不可欠だという御指摘の上で、数千円程度の違いであれば何とか調整はできるけれども、問題は地代無料の貸し借りが増えていることだという御指摘でございます。これは農地の需給バランスを考えればやむを得ないと、言わば借り手がいないということですね。しかし、通常は低い方の地代に統一していくということだけれども、さすがに無料に統一するということはできない、こうした課題を御指摘されているわけでございます。  こうした賃料の問題を含めて、この取引に当たってのルール作り、またその透明化について、政府の考え方を問いたいと思います。
  108. 大澤誠

    ○政府参考人(大澤誠君) 農地バンクの担い手にとってのメリットの一つに、多数の所有者の方々とそれぞれ条件を交渉しなくてもいいというのがあると思いますので、我々は、先ほども答弁させていただきましたけれども、このルール作り、賃料も含めた公正公平なルール作りとその透明化、これは非常に大事なことだと思っております。  使用貸借、賃料を取らない使用貸借の場合も実態として出てきておりますけれども、これは私どもの理解では、それこそ山に近い地域等々でなかなか借り手がいないときに、もう自分たちではできなくなったので、もうともかく、ただでもいいから借りてくれというような状況の場合ということで聞いておりますので、ただに統一するということになかなかいかないかもしれませんけれども、それはそれなりに必要性があっての状況なのではないかなと思っておりまして、参考人質疑の中でも議論があったということですので、我々も更に研究を進めたいと思っております。  現状の賃料水準につきましては、これは事業規程のモデルの中で、当該地域の同程度の農用地等の賃料水準を基本として、農地バンクが相手と協議して決定しろと、農地バンクが協議をするということが明記されておりまして、そういうルールに従ってやっております。  それで、この農地の賃料についても、契約、この配分計画等々の公告の際に賃料についても記載するということにしておりまして、賃料決定の透明化も努めているところでございます。
  109. 里見隆治

    ○里見隆治君 もう一つ、この中間管理事業を推進していく方策の一つとして、これも何人かの先生から既に出ている論点ですが、中間管理事業とそれから基盤整備、土地改良、これを一体的に推進していくと、これは大変重要な視点だと思います。  これも、徳永先生も先ほど御指摘されていましたけれども、例えばこれ、農地中間管理機構の関連農地整備事業とかあるいは農地耕作条件改善事業、こういったものをなかなか難しい地域ほど要件を緩和するとか柔軟な活用を促していくと、そうした工夫によって更にこの一体的な推進、これを進めていくべきと考えますけれども、いかがでしょうか。
  110. 室本隆司

    ○政府参考人(室本隆司君) 委員がおっしゃるとおり、基盤整備と農地バンク事業、これは連携を強めていくということは非常に重要なところだと思っております。私どもも、この集積、集約を基盤整備において一層推進するために、様々な要件緩和をこれまで行ってきております。  ちょっと二つぐらい事例を紹介しますと、一つは、平成三十年度に、元々、平場で二十ヘクタール、中山間で十ヘクタールというふうな要件を、これを半分にして、さらに農業者の負担がない農地中間管理機構関連農地整備事業というのをつくりまして、平成三十年度に三十五地区、令和元年度、本年度ですが、四十六地区の合計八十一地区で既に事業に着手しております。  それから、圃場整備よりももう少し小規模な、畦畔を撤去したり、先ほど除れきという話がありましたが、そういうものを単品単品でもできるような事業として農地耕作条件改善事業というのがございますが、これについても、農地整備・集約協力金、これと連携することで最大で農家負担をゼロにできるというふうな制度を本年度からスタートさせておりまして、御意見にあるとおり、できるだけ、特に中山間については可能な限り要件緩和を今後とも図っていきたいと考えてございます。
  111. 里見隆治

    ○里見隆治君 ありがとうございます。  まさに一番難しい地域、中山間地域の対策ということを論ぜざるを得ないわけですけれども、これも何回か出てきたとおり、中山間地、農地の出し手ばかりが多く、受け手が少ないと、こういった地域で機構は行き先のない農地の受皿としての役割の発揮を期待されていると思いますけれども、なかなかうまくいかないと。そういう中での工夫、またインセンティブ、これを行政としてもつくらなければ進まない、そうした領域だと思います。  これは、予算措置も含めて政府としてしっかり取り組んでいただくべきだと考えますけれども、副大臣、この点についていかがでしょうか。
  112. 高鳥修一

    ○副大臣(高鳥修一君) 里見委員にお答えをいたします。  中山間地域につきましては、平場の土地利用型農業の地域に比べ、担い手への農地集積が遅れている状況であるため、委員御指摘のとおり、中山間地域の対応を強化する必要があると認識をいたしております。  このため、今般の見直しでは、人・農地プラン策定に向けた地域の徹底した話合いによって、地域主導で将来の農地利用の在り方とその担い手を生み出していくということにいたしました。  さらに、予算面では、地域集積協力金を中山間地域、中山間地農業ルネッサンス事業に新たに位置付けをしまして、六割を中山間地域の優先枠として設けたところでございます。さらに、中山間地域における農地の最低集積要件を平場に比べて五分の一に緩和をしたところでございます。これは、地域集積協力金を利用しやすくしたということでございます。  これらの措置を組み合わせることで、中山間地域における農地集積、集約化の取組を重点的に推進してまいりたいと考えております。
  113. 里見隆治

    ○里見隆治君 地元で新規参入者が期待できない条件不利地域において、農地を守り、農業を持続する者に対する支援を求める声をいただいております。  これは、例えば、一つの声を御紹介しますと、中山間地域の最大のネックは、これも対策でお話しいただいておりますけれども、畦畔の除草作業の手間、費用、そして鳥獣対策、この二点を挙げておられました。そして、その方いわく、このために大手の担い手は全く入ってこない、そのためには条件不利地農家への手当てを充実して地元の近隣から担い手を得るしかないと、そうした声が上がってきております。これはもう本法案だけでの対応とは限らず、様々な政策を駆使して御対応いただく必要があると思います。  これは大臣にお伺いをしたいと思いますけれども、本来的な中山間地域への対策、これを強力に進めるべきと考えますけれども、大臣のお考えをお伺いいたします。
  114. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 中山間地域に対する対策でありますけれども、この中山間地域につきましては、平地に比べて人口減少ですとか高齢化が進行するなど厳しい状況にありまして、農地バンク事業の活用に加えて、農業生産活動そのものをしっかりと下支えすることが最も重要であると認識をいたしているところでございます。  このため、中山間地域等直接支払交付金による農業の生産条件が不利な地域における農業生産活動を継続するための支援ですとか、多面的機能支払交付金による地域の共同活動として行う農地周りの草刈り等に対する支援に加えまして、深刻な鳥獣被害に対応するため、侵入防止柵の設置やICTを活用した効率的な捕獲わなの導入など、地域ぐるみで行う総合的な取組に対する支援を実施しているところでもございます。  引き続き、これらの施策を通じまして、中山間地域の農業振興に向けた取組をしっかりと支援をしてまいりたいと存じます。
  115. 里見隆治

    ○里見隆治君 この中山間地域の対策について、ちょっと別の角度から指摘をし、最後、質問として終わりたいと思うんですけれども、この中山間地域の担い手確保のために、また農山村地域の振興という観点から、棚田地域の振興というのは非常に重要だと思います。  実は昨日も進藤金日子先生から御説明をいただいたんですけれども、今、有志の議員の皆様で棚田地域の振興について議員立法で法案を、これは各党様々な御意見を、これが集約でき、是非立法化をして振興につなげていけばと、私もそれに賛同する一人でございます。  この中山間地域の担い手確保と、これはもう確保だけではなくて、まさに農村を守っていく、地域を守り、そして振興していくというもっと大きな広い観点から重要な政策だと考えます。  棚田そのものの意義、これまた大臣にもお伺いをし、御答弁いただきたいと思いますけれども、棚田の趣旨としては、農業生産活動だけではなくて、美しい景観や国土保全などの多面的機能、またこれだけではなく、棚田を保全しようとする活動それ自体が、地域のコミュニティーづくり、またその地域だけではなく、都市農村交流、また定住する方だけではなくて移住、また交流人口を増やしていくと、そうした取組の核となっていく非常に重要な要素であるというふうに認識をしております。非常に地域振興に果たす役割も大きいものと考えます。  これ、一つ具体的な例を申し上げますと、高鳥副大臣のお地元近くだと思いますけれども、新潟県の十日町に池谷・入山という棚田で非常に重要な有名な地域ございます。ここの取組をお伺いをしますと、これは非常に交流にも、また地域振興にも役立っている一つの例でございますけれども、都市住民ボランティアとの協力や協働によりスタートをした、これは震災復興が一つの契機となっているということですけれども、この震災復興と集落の存続を目指した活動が、まずは地域おこし協力隊の活動を通じて自発的な地域づくり団体へと発展したと。非常にいい好事例であります。このNPO法人では、若者を雇用して、また米の直販、また移住、定住に向けた支援への取組と、非常に地域振興、農業振興にもなっているし、またかつ地域の後継者づくりにもなっているという大変いい事例でございます。こうした取組を全国に広げていければと、そんな思いでございます。  こうした棚田の重要性、これをいま一度認識するべきと考えておりますけれども、大臣に御所見を伺いたいと思います。あわせて、この御認識とともに、せっかくの意義のある棚田でありますので、今現在、そしてこれから、農林水産省また大臣としてこの中山間地域における棚田という観点も含めてどのような御支援をいただけるのか、これも併せてお伺いしたいと思います。
  116. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) ちょうど先月でありましたけれども、農林水産省の消費者の部屋というのが毎週テーマを変えてやっておりますが、その中で、全国の土地改良の優良事例を御紹介をさせていただきました。その折に、全国でも有数なこの棚田に対しての展示もございまして、大変美しい姿を描いた絵といいましょうか写真集もございましたので、私もそれを拝見をさせていただきました。  棚田は、美しい景観、伝統文化、教育、国土保全という多面的な機能を有しておると存じております。農業生産活動を主体としつつ、地域住民等の共同活動によって守られている国民共通の財産でもあると認識をいたしております。  このような棚田でしっかりと農業が営まれますとともに、棚田の持つ多面的な機能を生かした地域振興の取組が推進されますように、私どもといたしまして、農林水産省といたしましては、日本型直接支払により草刈りや水路管理等の共同活動も支援をいたしております。平成二十七年度からは、棚田など傾斜度が大きい田畑、田や畑を対象とした追加支援も講じております。農山漁村振興交付金によりまして、地域資源を活用した交流拠点整備や農泊のためのコンテンツの開発等の取組に対する支援も行っております。さらに、平成二十九年度には中山間地農業ルネッサンス事業も創設をいたしまして、棚田を含むこの中山間地域において地域の特色を生かした多様な取組を総合的、優先的に支援も行っているところでございます。  今申し上げましたこうした様々な施策を活用いたしまして、棚田の保全を通じた地域振興に向けた取組も強力に支援をしてまいりたいと存じます。
  117. 里見隆治

    ○里見隆治君 ありがとうございます。  これ、棚田という、単なる地域が、その地域を、また六次産業化等を含めて経済をも、また農村そのものも動かしていくという、非常に好事例だと思います。私の地元愛知県では新城市というところに四谷千枚田という一つの名所がございますけれども、是非こうした好事例を横展開して、逆に中山間地から新しいモデルの農村の発展形態というものを発信していくと、それぐらいの意気込みでお取組をいただければと思います。  これは一つの例でございますけれども、私どもが論じているのは単なる、単なるというと申し訳ありませんけれども、農地だけではなくて農村地域、それをしっかりと振興していくということだと思います。今回の法改正を通じて、私も地元で、また全国でしっかり取組を進めていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。  以上で質問を終わります。
  118. 儀間光男

    ○儀間光男君 維希の儀間でございます。  しんがりから二番目に立ちますけれど、午前中から質疑応答を聞いていて、打順が遅れると遅れるほど質問やりづらいなと実感いたします。私が準備してあったのを皆さん出ました。棚田まで出ましたからね。まあ、みんな同じ思いしているんだというふうに、でも、異口同音という言葉がありますから、表現を少しずつ変えながら、自分の質問要項を見直して、法律の見直しじゃなしに自分の原稿を見直しながらやっていきますから、たどたどしくなりますが、どうぞお答えいただきたいと思います。  質問の要旨は改正法ですが、これを、農地中間管理事業を活用した農地利用集積推進の現状と課題という研究論文が出ているんですね。それを見ますというと、要約しますというと、三つの課題がある。  平成二十五年六月十四日に閣議決定された日本再興戦略において、日本の農業が十年後に目指す姿として次の三つが考えられる。一番目には、担い手が利用する農地面積を全農地の八割だと。これは一昨日からも私も質問していました。それから、新規就農者が定着する農業者を倍増し、四十代以下の農業従事者を四十万にする。現在二十万、拡大していく。さらに、法人経営体を五万にする。現在、二〇一〇年現在で一万二千五百十一法人になっています。こういうのを押さえながら、見直し、法律の見直し、政府が設定した目標の見直し、こういうものを少しやっていきたいと思います。  この法律の見直し、私は基本的に非常に賛成。理由は、スタートの段階で五年後と、五年後に見直すということでありましたから、これを見直すこと、見直しを続けていい法律にすればいいと思う。時間の移ろいとともにこの中で更にまた変えていかなければならない等々も出てくると思いますから、見直しすることについてはそんなに抵抗は、違和感はありませんから。  ただ、問題は、目標設定がされていて、これが見直しはなかなかされていない。現状こうだということだけはあるんですが、達成が非常に厳しい、難しいと思われる方もまだまだ見直しにはしないんですね。この辺、どなただったかな、皆さん同じことをおっしゃっていたから、見直しできない最終年度に来て、これができない場合、誰が一体責任を取るんですか。ここにいらっしゃる大臣はもう総理大臣になられてここにいらっしゃらないかもしれない。ここにいらっしゃる可能性のあるのは大臣政務官だけですね。高鳥先生もどこかの大臣に行ってるかも分からぬ。ということで、十年後、一体この法律に、この目標に誰が責任を持つのか。責任のある目標を設定してもらわないと、これを提示された受けの農家側が大変困る、戸惑う、あるいは無理を強いられる可能性だってあると。そういうことのないように、見直しをちゃんとやっていただきたいと思いますが。  中山間地、たくさん出ましたね。出し手は多いけど受け手がない、これをどうするのか。機構から借り受けた農地が機構で保有のままになっている中山間地関係の土地があるのかないのか、あるとすると、面積は把握されているのかどうか。そして、もし受け手が見付からぬときはどうするんでしょう、お返しするんですかね。その間預かった分の経費等は精算するんですか、それとも機構持ちにするのか。その辺ちょっとまず問いたいと思います。
  119. 大澤誠

    ○政府参考人(大澤誠君) お答えいたします。  中山間地に限ったデータはないところでございますけれども、全国的な数字でしたらございます。  平成三十年三月三十一日時点におきまして、農地バンクが転貸をしないで農地バンク自身が管理している農地面積、これにつきましては全国で四千二百二十七ヘクタールございます。これは全借入面積の二・二%に相当する数字でございます。  受け手が見付かっていない農地につきましては、農地バンクは、二、三年の間、草刈りなどの保全管理を行いながら受け手を探すことになります。仮に受け手がこの二、三年の間でも見付からない場合には、最終的には、これ、農地バンクが借りている権利を中間管理権と言っておりますけれども、その農地バンクは中間管理権を解除することになります。ということは、元の所有者に農地が戻ってくるということになります。  そういう状況でございます。
  120. 儀間光男

    ○儀間光男君 必要経費は機構持ちになるわけですか。
  121. 大澤誠

    ○政府参考人(大澤誠君) 草刈り等の保有している段階での保全管理につきましては機構が持つことになりますけれども、これにつきましては、その七割相当を国が補助する仕組みがございます。
  122. 儀間光男

    ○儀間光男君 七割補助、結構ですが、これとて税金ですから、返さなきゃならない土地は余り多く預からぬように、努力は必要ですね。そういうことだと思います。  さて、今、里見委員からありましたが、この法律と棚田法をまだ皆さん恐らく見ていない、提案されていませんから見ていませんが、進藤金日子先生が中心になって棚田法案を議員立法で出そうと準備していて、私もレクチャーを受けたんですが、現法案と棚田法、地域振興法が出るというと、接点がたくさん出ると思うんですね。  棚田の持つ意義というのは、今も話あったように里山の保全など、水路の涵養、あるいは最近では観光事業、私に言わせると、ひょっとすると内水面の養殖業、金魚やコイを養うとか、こういうことだって出てくるのではないか。棚田の、地域振興ですから一枚一枚じゃないんですよ。ひょっとして、観光用に六次産業も含んでやるとすると、その棚田地域全体を受け手として借りて、そこで内水面のコイや金魚や、こういう構想だって、日本の国、識者が多いですから、アイデアマン多いですから、出てくる可能性がある。  そのとき、まだできていませんから、できていない法律を云々する話はないと思うんですが、必ず接点出ますから。そのとき、その地域ごとになった場合、これはやはり中間機構が仲介して、棚田地域から出してと言われて希望する業者に渡すということになると思うんですが、この辺の感触はどんなですか。僕も今感触でしか言っていませんから。
  123. 室本隆司

    ○政府参考人(室本隆司君) まず、棚田に関しての御質問ですのでちょっとお答えいたしますが、先ほど大臣からも答弁ございましたが、委員の御指摘のとおり、棚田は、農産物の供給のみならず、国土保全や水源の涵養、良好な景観の形成など多面的機能を有しているということで、棚田地域の支援は極めて重要な政策課題だと農水省としても考えてございます。  支援については、日本型直接支払とか中山間地域農業ルネッサンス事業、こういったものを活用して、今、棚田という切り口ではございませんが、いわゆる中山間地域ということで支援をしてございます。特に傾斜の強いものについては、更に上乗せ措置を講じて支援しているということでございます。  観光資源としての活用ということについても、例えば、これは委員の御地元だと思いますが、沖縄県の国頭村の奥集落というのがございまして、ここで棚田のオーナー制度というのをしっかりやっていただいているということで、農作業体験とかグリーンツーリズム、こういった取組も幅広にやっていただいておるということでございます。  省全体としては、今農泊ですね、農泊を、特にインバウンドをターゲットにして農村地域に呼び込もうというような戦略で様々な支援をさせていただいておりますが、これについても、棚田を核として、その周辺の地域資源と連係プレーを取りながらその地域全体の活性化を図っていこうということで、今後ともよりしっかりと支援をしてまいりたいと、こう思っております。  養鯉池だと思いますが、コイを飼ったり養殖をしたりですね、というものについては、これは今の農地のままでは、農地の扱いとしてはできないと。ですから、基本的に、そういう養鯉池として使っていただくのであれば、一旦転用をしていただくということが必要になろうかと思います。  そういうこともしっかり、どういった対応ができるか含めて、今後、省としても考えていかなければいけないという認識は持ってございます。
  124. 儀間光男

    ○儀間光男君 ありがとうございます。  やっぱりまだ条文見ていませんからおっしゃるんですが、私が聞いたのは、感触でいいからと言ったのは、この接点ですよ。  例えば、今ほかの事業をやるんだったら農地転用していただくと、こういう話ですが、あの法律を見てみますと棚田の定義があって、たとえ他の事業をやっていても、観光に寄与する、景観を損なわない、六次産業として成り立つ、そういう環境が確保されるんだったら棚田と定義するとあるんですよ。進藤先生、そうでしたね。そうなんですよ。同意していただいた。そういうふうになっているんですよ。だから、それとの整合性が出てくるわけですね、今の話。  だから、接点として必ず難しい面が出てくるんですが、これも棚田地域振興法にいう、定義する棚田が出てきたときに、今さっき言ったように、地域ごと利用できるわけですから、地域で一枚一枚持っていてしようがないから、この地域は、地域の地主、田んぼの主集まって出そうよという話になったときに、皆さんの方だと思うんですが、その辺はどうなんですか。
  125. 室本隆司

    ○政府参考人(室本隆司君) 棚田地域振興法案は、進藤先生の方で今議員立法として検討されているということは承知してございますが、役所としてまだ答弁できる段階ではないと思ってございます。それが議員立法として提出されるという段階になれば、また私どもとしてもどういうふうな対応が可能かということを検討することになろうかと思います。ちょっと答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
  126. 儀間光男

    ○儀間光男君 ありがとうございました。  今の答弁が正確なんですよ。見てもない法律を、あなた、どうのこうの、私責めるつもりないですから、感触で言いなさいというのは。  ということは、五府省か六府省で棚田に関する事業をみんな持っていらっしゃる。農林水産省も持っていらっしゃる。だから、協議会をつくるようですが、五府省が持っている棚田事業の予算を剥がしてあっちへ持っていくのかどうか分かりませんが、そういう極めて難しい接点が出てくることが容易に予想されるだけに、法律が出て可決、成立したら棚田法と相談してみますと、本当はこう言った方がよかったんです。だから、是非そういうことを念頭に置いてこの法律も運用していただきたいと、こう思います。  次に、農地の集積、これもたくさん出ましたね。人・農地プラン、これに基づいていろいろやっておりますが、同プランの中の農地の出し手、それから、農地の出し手がたくさんおられるわけですが、その人たちのその位置付けがはっきりしていない、位置付けが絶対必要ですよね。  数字を見ますというと、これは農水省の資料を参照にしていますけれど、三十年三月末現在で農地の貸し手が位置付けられていない、これが四九%、さっき大臣も答弁されていましたが、それから、位置付けられているのが五一%。半数近くの出し手が身分保障さえ位置付けられていないというような状況にあるんですよ。それを、農地の出し手をどのように把握していらっしゃるか分かりませんが、市町村の認識を調べたところ、余り位置付けが、市町村の認識は余りできていないのが六三%、できているが三%、ほとんどできているが二三%で、余りできていないという数字が六三って大きいんですよ。  これを見ると、これからどうするのか、集積、集約化を進める上でこれ改善の余地があると思われるんですが、改善策を示していただけませんか。
  127. 高鳥修一

    ○副大臣(高鳥修一君) 儀間委員にお答えをいたします。  今ほど委員御指摘のとおり、現在の人・農地プランは農地の出し手が記載されていないものが半数を占めるなど、実質的な話合いに基づくものとは言い難いものも相当あると認識をいたしております。  これは、プランに農地の出し手と記載されると即農業からの引退を迫られるように誤解をされたこと、市町村の農業関係職員が減少し、プランのコーディネートが十分にできていなかったこと、それから新規就農対策など支援措置を活用するためだけにプランを作成している実態があったこと等によるものと考えております。  これらの問題を解決するために、地図を活用し、地域の話合いにおいて農業者が地域の現況等を関係者で共有して議論するようにすること、それから、話合いのコーディネーターといたしまして農業委員会を位置付けまして市町村の人手不足を補う等の改善を行うこと、それから、機構の協力金を地域タイプ中心にするなど、支援措置と人・農地プランとの関係を強化すること等の見直しを行うことといたしております。  なお、個々の農地の出し手につきましては、過去の反省から記載自体は義務化いたしませんが、地域の現況等を地図等により共有する中で、例えば将来的に貸付け等が見込まれる農地の総面積を示すなど、地域の話合いが実質的に進む代替策につきましても、地域の好事例に学びつつ指導してまいりたいと考えております。
  128. 儀間光男

    ○儀間光男君 これ完全実施しないと、これも目標となかなか合ってきませんから、絶対に見直しをやるということは必要になってくるというふうに考えるものであります。頑張っていただきたいと思います。  それから、次に移りますが、政府は、平成二十五年、二〇一三年ですが、これも目標なんですよ。六月十四日に閣議決定された日本再興戦略、日本再興戦略において、新規就農者の定着を倍増していくと。十年間で、四十歳以下の農業従事者を二〇二三年までに四十万人に拡大する。これから十年先ですよ、四十万人に拡大する。そういうような目標を設定しております。  そして、農水省の資料を参考に見てみますというと、農地面積は減少の一途。これは一昨日やりましたけど、基幹的農業従事者は、二十八年が百五十八万六千人、二十九年度が百五十万七千人、三十年が百四十五万一千人。見ますと、二十八年から二十九万、八万強の人たちが減っています、従事者が。それから、二十九年から三十年はおおむね五万人。こういうふうにして減っていくんですね。農地も減るし、従事者も減っていく。そして、基幹農業従事者の平均年齢は、これを見ますというと、二十八年度が六十六・八歳、二十九年が六十六・六歳、三十年は前年同様の六十六・六歳。年取っていないんですね。かといって、若くもなっていない。  これは、僕は意味するところがたくさんあると思うんですよ。若返りが停滞しているように見えるんですが、その代わり新規農業者の若年層で多くの就農者が出て、高齢化するのが止まっているのではないかなと予想するんですが、いかがですか。
  129. 大澤誠

    ○政府参考人(大澤誠君) 御指摘のとおり、更に分析は必要ですけれども、四十代以下の、先ほど議員の方から御指摘のありました、二〇二三年に四十代以下の農業従事者を四十万人に拡大するという目標が日本再興戦略には定められておりますけれども、この数字を見てみますと、四十代以下の農業従事者数は、二〇一〇年、平成二十二年までは一貫して減少しておりまして、近年における底の二〇一〇年の数字は三十・六万人だったわけでございますが、近年は増加傾向に反転をしておりまして、現状の最新の数字であります二〇一七年、平成二十九年の数字では三十二・六万人というふうになっております。そういう意味で、二万人ほど増えてきておりますが、目標達成のためには更なる努力が必要ではないかなと思っております。  全体の基幹的農業従事者等の平均年齢が上がっていないこととの因果関係というのは若干複雑でもありますので、その一因になっているとは思っておりますけれども、こういうような全体の展望については、この秋から、食料・農業・農村基本計画の見直し作業を秋頃を目途に諮問した上で審議会において議論をすることとされておりますので、その中でこの数字を含めた全体の農業構造関係の数字の実績の評価あるいは関連する目標をどうしていくか、こういうことについても議論してまいりたいというふうに考えてございます。
  130. 儀間光男

    ○儀間光男君 冒頭言ったように、こういう目標数字は達成できないという、言葉当たるかどうか分かりませんが、中間決算をして、数字をチェックして、これ、どうしても駄目だということを直しておかぬと。  一昨日の委員会後に参考人質疑がありました。私、一昨日の質問で、農林水産物の輸出を二〇年一兆円で、十年後は五兆円にしようという目標があるんですよ。五兆円ですよ。それには、一昨日言ったんですが、革命的な技術革新による単収のアップ、それから農地面積の拡大、アップ、今、四百四十四ヘクタールというんですが、これを守り止めるんじゃなしに拡大していかぬと、五兆円ってすごいんですよ。国内の需要にも応えていきながら、国内で、幾らですか、正確な数字は分かりません、確認していませんが、三兆幾ばくかでしょう、農林水産。高く見て四兆にしておきましょう。そうしたら、輸出五兆と国内へ出すものが三兆、四兆となると、九兆、十兆の話になるんですよ。今の体制ではこれ無理と見た方がいいんですが、なかなか見直しはしないようです。  参考人質疑のときに、東大の安藤教授にこの件をそっくり聞いてみた。そうすると、先生も、これは無理だと、自分の認識では無理だと思うと、書き直しておかぬと、責任取る人いますかという、安藤先生でしたね。  これ、教授が言ったからそれが当たっているとは私言いませんよ。参考人ですから、参考意見として取る、それを我々がこの場でどう生かしていくか、決めるのは有権者から選ばれたこの場ですから、我々ですから。参考人の意見を聞きながら、大事にしながら、決めていくのはここ、修正を加えるのは行政。そういうところで謝らぬと、謝っていかぬというと、本当に先ほど誰かがおっしゃったように、いずれきつい思いをしますよと。ところが、十年後たつと、さっき言ったように、こちらはほとんどいらっしゃらない。僕もいません。生きてはいるかもしれませんが。  だから、そんなような状況ですから、統計の数字とか目標とか、中間決算をして、無理だなというものは潔しとして修正を加えたりいろんなことをやらぬと、法の、改正法案もそうでしょう、補強していく。これも補強してきて、責任の持てることをやっていただきたい、こういうふうに思うんですが、感想いかがですか。
  131. 大澤誠

    ○政府参考人(大澤誠君) いろんな局にまたがっている部分もありますけれども、まとめてお答えいたします。  日本再興戦略では、やっぱり農業の成長産業化、農業の所得向上、そういうことを実現するという観点から明確なKPI、担い手への八割集積なり、法人五万人目標、四十代以下の農業者四十万人ということがございます。  これらの目標値は意欲的な水準に設定されていることもありまして、計画ほどに進捗していないというようなものもあることは事実でございますが、他方で、目標に向かって、目標をどんどん下回っているというよりも、目標に向かって伸びているということがあることも事実でございます。  我々の務めとしては、引き続きこの農業者の所得向上が一層図られるように、今回の先生の御指摘にもありました農地バンクの五年後見直しのような政策手段の必要な見直しも行いながら、目標達成に向けて全力を挙げてまいりたいというふうに考えてございます。
  132. 儀間光男

    ○儀間光男君 前の項で質問しました四十歳以下の四十万人、これは僕、政府資料を見ましたよ。スピードは全然遅いんですが、間違いなく上向いているんですね。毎年伸びている。だから、今のスピードだと十年でできませんね、二十年掛かる。そこを僕心配して言っているんです。間違いなく伸びているんですよ。ところが、皆さんが計画したスピードと実際のスピードが違う、伸び率がね。その辺を先読みする必要があるんじゃないかと、こういうことを御提言申し上げておきます。  次に、平成三十年の十一月二十七日に改訂されました農林水産業・地域の活力創造プラン、この中でもやや同じことが言えるんですよ。二〇二三年までに農業資材、流通面での産業界の努力なども反映して、今、米だけの話になっているんですが、生産コストを二三年までに全国平均で四割削減を示しております。  生産コストは、農家だけでコストを下げることは非常に難しい、それはよく分かっている。だから、産業界も資材提供する、その辺もきちんとやらぬといかぬと思うんですが、何はさておいても、米を含めて農産物の生産コストを低く抑えていく、その中でいいものを作る、そして消費者に供給をしていくということは、このコストを下げるということは農家のためにもいいんですが、最後は、生産コストの最後は全部我々消費者が負担するんです、機材の購入費も含めて全部そうなんです。  だから、米のコストを下げるのも大事、農産物コストを下げるのが大事。例えば畜産でいうと飼料、それを自給にする。今、半分程度輸入に頼っていると。豚など六〇%ぐらい輸入飼料だと思うんです、六〇%余ったかも分かりませんね。牛で四六、五〇%近く。そういうことを自給で、自分で供給できる。大手の畜産なんかは自分で企業秘密にしながら自前の餌作っているんですよね。その自給率を高めていってコストに反映させていかないというと、農家だけでのコストは非常に難しいので。  その辺含めて、これは僕は米って言ったんですが、米も含めて農産物、今言う畜産も含めて、もっともっとどの辺をコストを下げるのに残された部分があるのか、この辺あるとするなら説明をしていただきたい。
  133. 天羽隆

    ○政府参考人(天羽隆君) 生産コストの引下げについて御質問をいただきました。  先生御指摘のとおり、平成二十五年六月の日本再興戦略、これはそのまんまの目標が平成三十年十一月の農林水産業・地域の活力創造プランの中で引用されていると、掲げられているわけでございます。そこでコスト削減目標を掲げておりますが、その中で、労働費ですとか農機具費、肥料、農薬費といった経費をどれだけ削減するかという内訳は設定されておりません。  おりませんが、その上で申し上げますと、省力栽培技術を導入して、労働時間の削減をして労働費を削減するですとか、収量を増加して六十キログラム当たりのコストを削減するですとか、農地の集積、大区画化による面積当たりの機械台数、労働時間の削減などに加えまして、産業界の努力を通じた肥料、農業機械等の生産資材費の低減、これらに一体的に取り組んでいく必要があるというふうに考えております。
  134. 儀間光男

    ○儀間光男君 もう終わりますけれど、どうぞ不断の努力を期待して、いいものを、農産物を、水産物を出していただきたい。  終わります。ありがとうございました。
  135. 紙智子

    ○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。最後のバッターになりますので、よろしくお願いいたします。  農地利用集積円滑化事業の農地中間管理事業への統合一体化という問題について、まず聞きたいと思います。  農地利用集積円滑化事業は、農地の利用集積を進めて、農業者が規模を拡大できるように、市町村段階に設置する農地利用集積円滑化団体が農地をまとめて使いやすくし、農地の所有者から委任を受けて、その者を代理して農地の貸付けなどを行う事業だということです。それで、市町村は基本構想を策定をして、農用地の利用の集積目標を決めて実施することになっています。同時に、この基本構想は、地方自治体、地方自治法の自治事務であって、県の方針は参考にはするけれども、地域の実情を踏まえて独自に設定することができると。  そこでお聞きしたいんですけれども、この農地中間バンクに統合するということに今回しようということなんですけれども、農業経営基盤強化法に規定されている農地円滑化事業の規程が農地中間バンク法に移行するのかどうか、移行するものがあれば説明をしていただきたいと思います。
  136. 大澤誠

    ○政府参考人(大澤誠君) お答えいたします。  先生御説明のとおり、農地利用集積円滑化事業の業務については、法形式的にいきますと、農用地の借入れ、貸付け、こういうところが業務になっております。この業務につきましては既に農地バンクの業務の中に権限として盛り込まれておりますので、移行に当たって特段の措置は必要なかったという整理でございます。  他方、業務として重なっていない部分が幾つかいろんな段階でございますので、それにつきましては農地バンクが担えるように所要の規定を設けております。  これは、大きく三点ほどございます。  一つは、研修等事業というのがございます。これは農地利用集積円滑化団体にはできることになっておりましたが、農地バンクはそういう規定がございませんでしたので、これは農地バンクが実施できる規定を加えることといたしました。  二点目でございますが、農地利用集積円滑化事業の事業実施区域は市街化区域外を対象にしておりますが、農地バンクの改正前の事業実施区域は農業振興地域でございますので、この農地バンクの事業実施区域を市街化区域外まで拡充をいたしました。  最後の三点目でございますが、農地利用集積円滑化事業の対象となる農用地等には、開発して農用地又は農業用施設の用に供される土地とすることが適当な土地というものが含まれます。これにつきましても農地バンクの対象に追加をいたしました。  以上でございます。
  137. 紙智子

    ○紙智子君 今、研修という問題と、それから市街化区域外という話と、あと農用地の話と三つありましたけれども、それ以外は廃止ということに、なくなるということですよね。
  138. 大澤誠

    ○政府参考人(大澤誠君) 今御説明しました事業の範囲とかそういうことでございますけれども、先ほどから御説明しておりますように、一部の特色ある事業を行っている農地利用集積円滑化団体につきましては、農地バンクの配分計画の原案を作成できる主体に追加して加えると、こういうものも含まれているというふうに理解しております。
  139. 紙智子

    ○紙智子君 最初聞いたときに研修だけしか聞かなかったんだけど、それでも二つ加わって三つということなんだけど、結局それ以外のものは移行するというのはないということですから、そういう意味では、統合というふうに言うんだけれども、それ、統合というのかなというふうに思います。  それから、農業委員会の関与について少し聞きたいんですけれども、基盤強化法の第十一条の十一の四のところで、市町村は農地売買等事業に関する事項が定められた円滑化事業規程について承認しようとする場合は農業委員会の決定を経なければならないというふうに書いてありますよね。それから、十一条の十三の三でも、農業委員会の決定を経なければならないというふうに定めています。  それで、農業委員会ってやっぱり地域をよく知っているわけなんですけど、この農業委員会の決定がなぜ必要だというふうになっているのでしょうか。
  140. 大澤誠

    ○政府参考人(大澤誠君) 御指摘のとおり、農地法上、円滑化団体が農地売買等事業によって農地の権利を取得する場合には農業委員会の許可は不要とされておりまして、届出でよいという取扱いをまずしております。この届出でいいという規定を、との関係で、この円滑化団体が農地売買等事業を本来の目的に沿って適切に行うことを事業規程を基に確認する観点から、この農業委員会の決定というのを必要にしてきたという法律上の整理があったというふうに承知しております。
  141. 紙智子

    ○紙智子君 円滑化事業は農業委員会の関与が明確になっているというふうに思うんですね。  それで、機構法です、今度は。機構法の第二十六条についてなんですけれども、農業委員会などの協力規定を今回新設したと、協力規定ですね。それで、基盤強化法で言う決定、農業委員会の決定ということと何が違うんでしょうか。
  142. 大澤誠

    ○政府参考人(大澤誠君) ちょっと先ほどの答弁を補足させていただきますと、その事業規程の関係でのこの農業委員会の決定ということについては先ほど御説明したとおりですけれども、個々の権利移動を実際に行う場合には、円滑化団体であれ農地バンクであれ、通常、市町村の集積計画、これを使います。集積計画を使うときには、まず農業委員会の関与があります。  先ほどお話しした農業委員会の農地法上許可を不要とするというのは、農地法の三条許可の話でございまして、これは実はほとんど使われておりません。ですから、そういう意味では、ほとんど使われていない規定について例外を設けるために整理を行ったというのが先ほど御説明したものでございまして、実際の運用上は、市町村の利用集積計画を通じて、農地バンクであっても円滑化団体であっても農業委員会の管理が従来からあったということで、以上が先ほどの答弁の補足でございます。  それから、今の御質問の二十六条三項でございますが、改正後の二十六条三項、農地バンク法の二十六条三項は、人・農地プラン作成に当たって、市町村とともに、地域の話合いの場に農業委員、農地利用最適化推進委員がコーディネーター役として主体的に参加するという旨、そういう趣旨で法律上規定しようとしているものでございます。  それから、その基盤法の十一条の十一及び同法の十一条の十三の規定は、円滑化団体が農地売買等事業を本来の目的に沿って適切に運用することを確認する観点から措置しているものということでございます。  それぞれの農業委員会の役割に応じた規定ぶりとなっているということでございますが、どちらの規定も、農地が農地として効率的に利用されるために一定の農業委員会の主体的な関与を求めるというような、同様の趣旨だというふうに考えております。
  143. 紙智子

    ○紙智子君 農業委員会は情報を提供すると、それから農業委員や推進委員は話合いに参加する規定ということで新設をしたということですよね。  基盤強化法は、権利が一時的に団体に行くということで決定が必要というふうに聞いていたんですけど、そういうことでいいんですか。
  144. 大澤誠

    ○政府参考人(大澤誠君) 最初の御質問にありましたこの三条許可に関連するものについてはそのとおりでございますけれども、それは、実際上はほとんど使われておりませんで、先ほども御説明したように、利用集積計画、市町村の利用集積計画を通じて権利移動を、権利を設定するというのが、これは農地バンクであっても利用円滑化団体であっても通常のルートでございまして、そちらについては両方とも農業委員会の関与が従来からあり、今後ともあるということでございます。
  145. 紙智子

    ○紙智子君 ちょっと分かりにくいんだけど。  円滑化事業では、この農業委員会の主体性に関与する規定があったというふうに思っているわけですよ。今回の見直しでは協力を求めるという規定になっていて、ちょっとこれ弱まっていないかなというふうに思うわけですね。  それから、基盤強化法から農地中間管理機構に移行した条文というのは研修と、あと二つのこと言われていましたけれども、これでは、やっぱり農地利用集積円滑化事業を統合一体化したという話になっているんですけれども、事実上、円滑化事業のこれ廃止になるんじゃないのかというふうに思うんですけれども、どうですか。
  146. 大澤誠

    ○政府参考人(大澤誠君) 協力というのは、やはりそれは、人・農地プランというのは、農業委員会が関与して、いいとか悪いとか許可をする性質ではありませんので、そういう意味で、コーディネーター役として参加していただいて掘り起こしてもらいたいという趣旨で協力ということを書いているわけでございますが、法律上の権限としてはそれは決定とかそういう方がきつそうに見えますけれども、実際上、農地を実際に流動化させるためには、こういう協力をしたり参画したりするということは極めて重要だというふうに我々は、こう言ってはなんですけど、許可業務的な判こを押す業務よりも、実際に現場に入って人の気持ちを変えていくというのは非常に重要なことではないかなというふうに思います。  それから、統合一体化でございますけれども、これしかないということではなくて、最初、冒頭に申し上げましたように、一番重要な業務であります農地の賃貸借に関する規定は既に両方に措置されているので改めて移行の規定を設けていないだけでございますので、研修だけとかそういう指摘は少し違うのではないかなというふうに考えております。
  147. 紙智子

    ○紙智子君 そういう解釈ということあるんだけれども、やっぱり、元々でいうと、農業委員会の権限というか持っていたものを相当低めたというのがその基にあって今回のというのはありますから、現場の実情に合わせて、やっぱりそういうふうに実情を踏まえれば、もっと関わってもらってというふうになったんだというのは分かりますけれども、そういう解釈でもって言っているんだけれども、実際上はやっぱりその先の段階で低めたという問題はあるわけですよね。  それで、農地中間バンクを活用しているところもあれば、この円滑化事業を活用している地域もあるわけですよ、今も。それで、農地の集積をやっぱり上から画一的に進めるのではなくて、地域の実情に応じた形で推進できるように、円滑化事業を廃止する必要ないんじゃないのかなというふうに思うんです。むしろ、連携するところは連携するなど、地域の実情に委ねるべきだというふうに思うんですけれども、これ、大臣いかがですか。
  148. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 円滑化団体につきましては、現在、九割の団体が実績がほとんどない一方で、一部の道県におきましてはブロックローテーションや新規就農と結び付けた特色ある取組を行っているものと認識をしております。  このような実態に鑑みまして、今回の見直しにおきましては、特色ある取組の実績のある団体につきましては、農地バンクの配分計画案を作成できるよう措置し、旧円滑化団体の事業を農地バンクの事業として実施できるようにすることとし、また、円滑化事業の実績のほとんどない団体につきましては、既に業務委託等で農地バンク等の連携が進んでいることに鑑みまして、業務委託による連携ですとか人・農地プランの策定に当たっての協力者として位置付けるとしたところでもございます。  このように、今回の見直しにおきましても、我々といたしましては、むしろ円滑化事業の実態と地域の実情に合った見直しを行ったと考えているところでもございます。
  149. 紙智子

    ○紙智子君 そう言われるんですけど、政府の規制改革推進会議で、従来からずっとおられる委員の方がいて、統合一体化を強く求めていると、この議論の中でですね。しかし、新しい委員の方は、円滑化事業というのは廃止ではなくて、やっぱり中間バンクと連携が必要なんだというふうな発言をされている。しかし、農水省の結論としては統合一体化になったわけですよね。どこでどういうふうになって、最終そうなったのかというのはあるんですけれども。活用しているところがあれば、これは地域に密着している円滑化事業を無理に廃止する必要性はないんじゃないかなというふうに思うわけです。  それで、農地中間バンクの農業委員会の位置付けについても聞くんですけれども、改正案では、先ほどもありました第二十六条、農業委員会に協力を求める規定なんですけれども、それ以外、農業委員会に関係する条文というのは何がありますか、教えてください。
  150. 大澤誠

    ○政府参考人(大澤誠君) お答えいたします。  機構法におきましては、まず、農地バンクが定めた配分計画を都道府県知事が認可した場合に、都道府県知事はこの状況把握のため関係農業委員会にその旨を通知するという規定が機構法十八条第五項にございます。  また、農地バンクが配分計画を定める際に、市町村等、これからはこの旧円滑化団体も入りますけれども、に対して配分計画案の作成の協力を求めることができる規定がございますけれども、その協力の際に、市町村等は必要があると認めるときは農業委員会の意見を聴くこととされております。これは機構法の十九条第三項でございます。  さらに、関係団体との連携を強化するため、農業委員会ネットワーク機構その他の団体は農地中間管理事業の実施について農地中間管理機構から必要な協力を求められた場合にはこれに応ずるように努めることとされております。これは機構法の二十四条でございます。
  151. 紙智子

    ○紙智子君 農地中間バンクにおいて、農業委員会の位置付けというのは、なかなか、元のところに戻るのかなと思うとそうでもないというふうに思うんですよね。  農用地利用配分計画を定める場合に必要があれば農業委員会の意見を聴くと、新設する今度の第二十六条では農業委員会に協力するように求めているわけです。  なぜ農業委員会の位置付けが弱いのか。これ、今も言いましたけれども、規制改革会議、産業競争力会議が求める農地中間バンク法ということでやってきたからだと思うんです。規制改革会議は、農地利用配分計画の作成や都道府県知事の許可等の過程において農業委員会の法的な関与は要しないというふうに言っていたわけです。産業競争力会議は、農地集約を早くやるためには農業委員会の許可は不要とすべきなんだというふうに言っていたわけです。しかし、農地バンク事業をやってみると、地域の話合いをもうこれ再活性化しないといけないと、そうしないと農地の流動化が進まないと思ったので今度は第二十六条で協力するように求めたということだと思うんですね、経過は。  一度は関与を排除しながら、なかなかうまくいかなくなったら協力を求めると。今度は農業委員会を機構の下請機関にするということになるんじゃありませんか、局長。
  152. 大澤誠

    ○政府参考人(大澤誠君) 下請。今回、るる御説明しておりますとおり、人・農地プランを基に地域の話合いを活性化して、そこから担い手への農地の集積というのを、ともすれば、なかなか、担い手の人が声高に地域の中で俺が借りたいと言っても、絶対にそれは貸してくれるわけではありませんし、片や、今の農地の所有者の方々は本当のところは五年後、十年後に不安を持っておられるかもしれないけれども、それをやっぱりほかの人にはなかなか言えないと。  そういうところで皆さんなかなか次の一歩を踏み出せないという中で、この人・農地プランということを、この地図を使っていきましょうとか、そういうようなことを言いながらその実質化を少しでもさせていこうと、これがやはり鍵ではないかという考え方で今回の改正をと思っておりますので、この人・農地プランを活性化するというのは一番大事なことだと思っています。その一番大事なところにこの農業委員会の協力あるいはその参画というのを位置付けているわけでございますので、私どもは、農地バンクの下請に農業委員会がなるというふうには毛頭、そういう意図で今回の改正を提案させていただいているわけではないということは申し上げておきたいと思っております。
  153. 紙智子

    ○紙智子君 多分そう言うだろうなと思いますよ。そうですなんて認めたら、えらいことだと思いますけれども。  それで、大臣にお聞きするんですけど、やっぱり農地を維持するとか流動化していくという、この問題というのは農地行政上もすごく大事な、重大なそういう事業なんだと思うんですよ。それを推進するときに、今まででいえば、過去、法制上というか、農業委員会の、一番やっぱり詳しく地元を知っている農業委員会の意見を聴くのは必須条件というふうに法令上なっていたんですよ。必須条件だったわけですよ。それを外して、聴くこともできるというふうに変えて、実際にはその規制改革会議の話もあって外した経過があるわけで、やっぱり大事な事業進めるときに最も実情に詳しい農業委員会を機構の下請機関にするようなこの農地の行政というのはおかしいんじゃないかと思うんですけれども、いかがですか。
  154. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 今、大澤局長からも紙委員には答弁をさせていただきましたけれども、今回の見直しでは、今後取り組む必要がある地域で話合いを活性化させるために、人・農地プランの実質化を図ることといたしております。この作成に当たってコーディネーター役として主体的に参加するのは市町村とともに農業委員会でございまして、その旨法律で規定をしたところでもございます。  よって、農業委員会の役割というのは今回の見直しにおきまして大変大きなものになりますし、私どもも御期待をしているところでもございます。
  155. 紙智子

    ○紙智子君 前回、二〇一三年のときに農地中間バンク法を審議したときは、農水大臣が林芳正農水大臣だったんですよね。それで、当時、大臣は、農業委員会については、農家の皆さん、現場からいろんな意見をいただいていると、その意見をしっかり踏まえて、見直しが必要であれば対応しないといけないというふうに言われていました。  農地集約事業というのは、やっぱり農家にとっても地域の農業の在り方にとっても重要な事業ですから、これは農業委員会がもっと、いや、重要なんだ重要なんだってさっきから話されているんだけれども、やっぱりちゃんと主体的に関与できるそういうものとしてきちんと保障する必要があるんじゃないかということを指摘しておきたいと思います。  それから、次、遊休農地の対策、耕作放棄地の問題についてお聞きするんですけれども、遊休農地対策、耕作放棄地について、農地法の第三十五条に農地中間管理機構による協議の申入れを定めています。これは、農業委員会が農地の利用意向調査を行った場合に、農地の所有者等から農地バンクを利用する意思表示があったときには、農業委員会が機構に通知をして、機構は所有者に対して中間管理権の取得に関する協議を申し入れるということになっているわけです。  その上で、第三十五条の二、ただし書というのがありますけれども、そのただし書の意味を説明をいただきたいと思います。
  156. 大澤誠

    ○政府参考人(大澤誠君) 農地法第三十五条第二項につきましては、遊休農地の利用意向調査におきまして農地の所有者等から農地バンクを活用する意思が示されたときには、速やかに農地バンクは所有者等に対し協議を申し入れることを規定しているのが三十五条二項の本文でございますけれども、先生御指摘のただし書におきましては、その当該農地が農地バンクの事業規程において定める基準に適合しない場合において、その旨を農業委員会及び当該農地の所有者等に通知したときは、この限りでないということが定められております。
  157. 紙智子

    ○紙智子君 今の答弁ですと、農業委員会が遊休農地の再生は十分可能だというふうに判断をして機構につなごうというときに、機構が受け入れない場合もあるということなんでしょうか。
  158. 大澤誠

    ○政府参考人(大澤誠君) お答えいたします。  機構につきましては、この農地中間管理事業規程、これはモデル例を国が示しておりますけれども、そのところで農地中間管理権を取得する農用地等の基準というのがございまして、これについては、再生不能と判定される遊休農地など、農用地等として利用することが著しく困難な農用地等については農地中間管理権を取得しない、あるいは、この借受け募集者の数とか応募内容等から見て、当該区域内で機構が農用地等を貸し付ける可能性が著しく低い場合には農地管理権を取得しないというふうに規定されております。  それらの基準は、これ、現在の農地中間事業法の第八条第三項第三号に記載されている内容とほぼ同様のことでございます。ただし、同事業規程には、こうした事態を避けるためにも、機構は日頃から借受け希望者に関する情報を幅広く収集し、募集に応じてもらえるように働きかけるということも併せて記載されております。  ちなみに、先ほどの答弁、若干条文の内容について間違ったことを申しまして、訂正させていただきますが、この農業委員会の判断について、ただし書については農業委員会のことを申し上げましたけれども、本文については、この協議を申し入れることについて農業委員会が関与しているということはございませんので、その部分、訂正させていただきます。
  159. 紙智子

    ○紙智子君 今ちょっと説明あって、同じ三十五条の三に、農地円滑化団体にも同じ規定があるんですよね。しかし、三十五条の二のようなただし書というのは、この農地円滑化団体の方はないわけです。  農地中間バンクの場合は、農業委員会が遊休農地の再生を求めてもこれ拒否できるけれども、円滑化団体もこれ拒否できるんでしょうか。
  160. 大澤誠

    ○政府参考人(大澤誠君) これは、農地中間バンクに関する規定は三十五条の四項におきまして円滑化団体について準用されておりますので、この点については同様でございます。拒否できるということでございます。
  161. 紙智子

    ○紙智子君 ちょっと、事前に事務方から聞いたのは違う回答なんだけど。
  162. 大澤誠

    ○政府参考人(大澤誠君) 失礼しました。先ほどのは全て間違いですので、訂正します。  先生の御指摘のとおり、これは、でございます。
  163. 紙智子

    ○紙智子君 つまり、基盤強化法の第十一条の十四で拒むことができないことになっているんですよね。つまり、どういうことかというと、農業委員会が遊休農地の再生は可能だと判断すれば、円滑化団体は受け入れるんだけれども、農地中間バンクは受入れを拒否できると。円滑化団体は受け入れるけれども、拒否できるということなんですよね。遊休農地対策、耕作放棄地対策ということでいえば、そういう意味では、中間バンクでいうとならないんじゃないのかと。  しかも、改正案は、地域で自分たちで耕作放棄地を解消したら受け入れてあげるという改正になっているわけです。自分たちでやりなさいと、それで余り大変でないようだったら受け入れてもいいと、こういう話でありまして、これでは本当に地域の実情に合った流動化というのは困難だと思うんですね。  それで、ちょっと残り時間僅かになりましたので、飛ばします。  それで、農地中間バンクと市町村、農業委員会、農業の関係なんですけれども、農地バンク事業は、都道府県が実施方針、基本方針を定めて、機構は事業計画を作成して実施すると、そして、機構はその業務の一部を市町村に委託することができる。市町村は体制も少ないわけです。業務量が増えることになります。農業委員会は、先ほども言いましたけれども、機構の、言ってみれば言われることをやっていかなきゃいけない、下請になりかねないと。  そうすると、日本再興戦略が示した農地面積の八割が担い手によって利用されるという目標を達成するために、県が目標を持って、市町村や農業委員会にその目標達成が迫られていくことになると。地域の自主性よりも国の目標達成が市町村に押し付けられることになるんじゃないですか、大臣。
  164. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 済みません、ちょっと失礼します。
  165. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  166. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) 速記を起こしてください。
  167. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 大変失礼をいたしました。ちょっと通告との関係で混乱をしておりました。  今の御指摘に対しましては、国の数値目標を押し付けることはしないということでございます。
  168. 紙智子

    ○紙智子君 そういう意味ではいろいろ問題があると思っていまして、先日、参考人質疑もありました。宇田参考人が、和歌山で地域を再生させるのは、農地だけの話ではなくて、集落全体でどんな将来を設計するのかの話合いが大事なんだと言われたんですね。  農地を流動化、集約することは大事だけれども、それだけが先にありきということではないと。地域の維持や再生という角度から農地の流動化や地域の話合いを支援していくことが必要だし、本当に、生活もできる、家もある、地域で頑張れるという、そういうところをしっかりとつくっていくという支援が全体大事だということを申し上げて、質問を終わります。
  169. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  170. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 私は、国民民主党・新緑風会を代表し、農地中間管理事業の推進に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、反対の立場から討論いたします。  農地中間管理機構は、もうかる農業を掲げて企業の農業参入を推進してきた安倍政権が最初に手掛けた農政改革であり、産業競争力会議や規制改革推進会議などで、農業に全く関係ない、施策の結果責任を全く取らない、あるいは我田引水、利益誘導、利益相反などと指摘される人々が方針を決め、現場を無視して推し進める官邸農政の象徴的存在です。制度創設から五年たってみると、当初から懸念されたとおり機構だけでは十分に機能せず、結局は市町村、農業委員会、農協、土地改良区などの関与がないと農地集積は進まないことが明白となり、この改正案が提出されたのだと思います。  地域で農業、農村を守ってきた関係者の声を代弁します。だから言ったじゃないか。政府は集積が進んだと言いますが、平成二十九年度末における機構の累積転化面積は、たかだか十八・五万ヘクタール、このうち新規集積分といえば、僅か七万ヘクタールであります。この七万ヘクタールも現場が汗をかいたおかげです。  機構は必要なかったのではありませんか。機構関連でこれまで一千億円を超える国費が投入されており、全く税金の無駄遣いです。今だけ金だけ自分だけ、安倍総理のお友達だけ。農村を守るどころか破壊している官邸農政を、政府はまず深く反省するところから始めるべきであります。  以下、反対の理由を述べます。  第一の理由は、機構がその役割を果たしていないことです。条件不利地域など、集積、集約化の難しい農地について、機構が一旦預かり、担い手を探して渡すことが期待されていますが、中山間地など、現状全くできていません。改正案でも手続の改善は盛り込まれていますが、集積が困難なところ、さらには耕作放棄地をどうしていくのかという解決策が全くありません。  第二の理由は、企業の参入促進の障害になるとして法律制定時には排除された農業委員会が改正案で明確に位置付けられることはよいのですが、一方、政府の目標どおり農地集積が進まないとき、農業委員会が責任を押し付けられることにならないか、また、農協などになし崩し的に本来機構が担うべき業務が押し付けられるのではないかと懸念されます。人・農地プランの実質化をうたうのであれば、関係機関の連携体制の構築を含め、政府が責任を持つべきです。  第三の理由は、参考人の指摘があったように、米価が下落した場合に、地代の未収問題の頻発、出し手への地代の支払や契約の更新など、今後、業務量の増大に機構が耐えられるのかという構造的問題が残されている点です。機構の仕組みの簡素化は果たして十分なのか、懸念が拭えません。  以上が主な反対理由ですが、そもそも政府は、食料安全保障、自給率の向上、国土保全を実現するために、守るべき農地を明確にすべきであります。食料・農業・農村基本計画策定の際、二〇二五年時点で確保される農地面積を四百四十万ヘクタールと示しており、これを政策にきちんと位置付け、施策の基本とすべきであります。  集約化、効率化だけでは農業、農村は守れません。兼業農家、家族経営、小農、帰農など、多様な農業が営まれるように支援を行うべきであると改めて強く訴えます。具体的には、戸別所得補償制度を進化させたものを導入し、多面的機能支払など直接支払を充実させ、農業、農村、農地を守ることです。この守りをしっかり固めた上で、初めて輸出やもうかる農業を推進する施策を提案するのが筋であります。  官邸農政は、農協、農業委員会を弱体化し、種子法を廃止するなど、地方自治体が地域の農業資源を守ろうとする自主的な取組を全て壊してきましたが、矛盾が噴出し、今回、地域の現場の声を受けてこの改正案が出てきました。安倍政権は、これまでの過ちを認め、方針転換を図るべきであるということを申し上げ、私の反対討論といたします。
  171. 紙智子

    ○紙智子君 日本共産党を代表して、農地中間管理事業の推進に関する法律等の一部改正案に対する反対討論を行います。  第一に、反対する理由は、安倍官邸農政の基本を維持するものだからです。  安倍政権は、日本再興戦略で示した農地面積の八割を担い手に集積するために農地中間管理事業をつくりましたが、農地集積が目標どおり進まず、地域の話合いを再活性化するなど、改善を余儀なくされました。しかし、農産物の自由化に合わせて担い手の生産コストを下げることや、企業の参入を促進すること、農業委員会の関与を極力減らすこと、耕作放棄地は置き去りなど、中間管理機構が持つ本質的な問題は変わっていません。  第二は、農地利用集積円滑化事業を廃止するからです。  円滑化事業は、市町村が基本構想を策定し農用地の利用の集積目標を定めて実施するもので、基本構想は自治事務であって、県の方針を参考にはするが、地域の実情を踏まえて独自に設定することができます。日本再興戦略で示した目標を市町村に押し付けてはなりません。参考人からは、円滑化事業で頑張っているところはこれからも頑張ってもらう道を残しておくべきだという意見が出されました。円滑化事業を廃止する必要はなく、中間管理事業と連携するなど、地域の実情に委ねるべきです。  第三は、農地事業は農地行政で最も重要な事業ですが、農地の番人である農業委員会の役割を弱め、農地中間管理機構の下請機関にするものだからです。  規制改革会議や産業競争力会議の求めに応じて農業委員会を排除しましたが、農地集積が目標どおり進まなくなると、農業委員会に協力を求めるといいます。初めは排除し、うまくいかなくなったら協力を求める、こんな御都合主義はやめるべきです。農業委員会の関与を高めるべきです。  第四は、土地持ち非農家の増加や高齢化、農産物価格の低迷で耕作放棄地、荒廃農地の再利用が課題になっているのに、耕作放棄地対策、中山間地対策がないからです。  第五は、全国的に農業経営を展開できる認定農業者をつくり、農地所有適格化法人の中でグループ経営を行う際に役員要件を緩和して労務管理を広域で行うなど、アグリビジネス化を推進しています。国連は家族農業十年を提唱していますが、家族農業への支援を強化すべきです。  参考人からは、農業と農村を再生させるためには、農地だけでなく集落全体をどうするか地域で話合いを進めながら、所得補償など農家の生活を保障することが大事だと言われました。地域の維持、再生という角度からの対策が必要であるということを申し上げて、反対討論とします。
  172. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) 他に御意見もないようでありますから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  農地中間管理事業の推進に関する法律等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  173. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、田名部君から発言を求められておりますので、これを許します。田名部匡代君。
  174. 田名部匡代

    ○田名部匡代君 私は、ただいま可決されました農地中間管理事業の推進に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲民主党・民友会・希望の会、国民民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会・希望の党及び日本共産党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     農地中間管理事業の推進に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   農業者の減少及び高齢化、農地面積の減少が進む中、農業の生産性を向上し、持続可能なものとすることが不可欠である。そのため、担い手の育成・確保を図りつつ、担い手への農地の集積・集約化を加速化させること等により、農用地の利用の効率化及び高度化を一層促進することが重要である。   よって政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に万全を期すべきである。  一 地域における農業者等による協議の場において作成する人・農地プランが、単に支援措置を活用するためのものではなく、地域の農業の将来像を見通すことのできるものとして実質化されるよう、地域の農業事情に精通した市町村、農業委員会等が、農業者等の協議において調整能力を発揮しうるよう、その活動に対して十分な支援を行うこと。    また、農業者等による協議の場が適時適切に開催されるとともに、その協議の場に地域の農業者はもとより、新たに農業経営を営もうとする者等多様な農業者等が参画し、十分な議論を行い、関係者の合意が形成されるよう留意すること。その際、これらの取組に対して十分な支援を行うこと。  二 農地利用集積円滑化事業の農地中間管理事業への統合一体化に当たっては、これまで旧円滑化団体が実績を有している地域において混乱が生じないよう、旧円滑化団体の機能が存続し、効果を発揮していることを明確化した上で、本改正内容を丁寧に周知すること。  三 農地中間管理機構が、農用地利用配分計画案の提出等の協力を求めることができる対象として追加される市町村が指定するものの基準については、各地域における農地の集積・集約化の取組等を踏まえ、旧円滑化団体を位置付ける等、地域の実情に即した実効ある体制を整備すること。  四 中山間地域等の条件不利地域においては、農地の受け手不足等、平坦地との格差により農地の集積・集約化を進めることが困難であることに鑑み、当該地域の実情を考慮した事業運用を図るとともに、関連施策との連携を図る等効果的な支援措置を講ずること。  五 複数の市町村にわたる農業経営改善計画の認定等に当たっては、申請する農業者に混乱を生じさせず、円滑な認定等が行われるよう、農林水産省、都道府県及び市町村が相互に協力・連携する体制を整備すること。  六 農用地利用改善団体が農用地利用規程に利用権の設定等を受ける者を認定農業者及び農地中間管理機構に限定する旨を定めようとするため、農地の所有者等の同意を得るに当たっては、極力、全ての農地の所有者等の同意が得られるよう努めること。  七 認定農業者及び認定新規就農者に関する情報の利用等に当たっては、本法の施行に必要な限度を超えることのないよう十分に配慮すること。  八 新規就農者の定着状況について把握・分析し、その結果と現場のニーズ等を踏まえながら、新規就農に係る支援措置を講ずること。  九 農地転用の不許可要件として追加される、地域における効率的かつ安定的な農業経営を営む者に対する農地の利用の集積に支障を及ぼすおそれがあると認められる場合について、具体的な事項を早急に示し、転用期待の抑制につながる実効性あるものとすること。  十 この法律の施行後五年を目途として、施行状況等の勘案を行うに当たっては、施行直後より、農地及び農業経営をめぐる多様な状況、農地の集積・集約化によるコストの低減効果等について、常時、きめ細かく把握し、分析すること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ皆様の御賛同をお願い申し上げます。
  175. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) ただいま田名部君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  176. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) 全会一致と認めます。よって、田名部君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、吉川農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。吉川農林水産大臣。
  177. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) ただいまは法案を可決いただき、ありがとうございました。  附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。
  178. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  179. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時四十二分散会