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2019-05-30 第198回国会 参議院 法務委員会 16号 公式Web版

  1. 令和元年五月三十日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  五月二十三日     辞任         補欠選任      徳茂 雅之君     石井 準一君  五月二十四日     辞任         補欠選任      石井 準一君     徳茂 雅之君      宇都 隆史君     片山さつき君  五月二十七日     辞任         補欠選任      徳茂 雅之君     山田 俊男君  五月二十八日     辞任         補欠選任      山田 俊男君     藤井 基之君      蓮   舫君     小川 敏夫君  五月二十九日     辞任         補欠選任      岡田 直樹君     青山 繁晴君      藤井 基之君     徳茂 雅之君  五月三十日     辞任         補欠選任      青山 繁晴君     岡田 直樹君      仁比 聡平君     山添  拓君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         横山 信一君     理 事                 福岡 資麿君                 元榮太一郎君                 有田 芳生君                 伊藤 孝江君     委 員                 青山 繁晴君                 岡田 直樹君                 徳茂 雅之君                 長谷川 岳君                 丸山 和也君                 柳本 卓治君                 山谷えり子君                 小川 敏夫君                 櫻井  充君                 石井 苗子君                 山口 和之君                 仁比 聡平君                 山添  拓君                 糸数 慶子君    国務大臣        法務大臣     山下 貴司君    副大臣        法務副大臣    平口  洋君        文部科学副大臣  浮島 智子君    大臣政務官        法務大臣政務官  門山 宏哲君    最高裁判所長官代理者        最高裁判所事務        総局総務局長   村田 斉志君        最高裁判所事務        総局人事局長   堀田 眞哉君        最高裁判所事務        総局経理局長   笠井 之彦君        最高裁判所事務        総局刑事局長   安東  章君        最高裁判所事務        総局家庭局長   手嶋あさみ君    事務局側        常任委員会専門        員        青木勢津子君    政府参考人        警察庁長官官房        審議官      田中 勝也君        警察庁長官官房        審議官      高田 陽介君        法務大臣官房政        策立案総括審議        官        西山 卓爾君        法務大臣官房審        議官       山内 由光君        法務大臣官房司        法法制部長    小出 邦夫君        法務省民事局長  小野瀬 厚君        法務省刑事局長  小山 太士君        法務省訟務局長  舘内比佐志君        出入国在留管理        庁長官      佐々木聖子君        外務大臣官房審        議官       岡野 正敬君        文部科学大臣官        房審議官     森  晃憲君        国土交通省道路        局次長      榊  真一君        環境大臣官房審        議官       上田 康治君        防衛省地方協力        局長       中村 吉利君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○法務及び司法行政等に関する調査  (法曹養成の在り方等に関する件) ○民法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆  議院送付) ○参考人の出席要求に関する件     ─────────────
  2. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) ただいまから法務委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、宇都隆史君、蓮舫君及び岡田直樹君が委員を辞任され、その補欠として片山さつき君、小川敏夫君及び青山繁晴君が選任されました。     ─────────────
  3. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、警察庁長官官房審議官田中勝也君外十三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 法務及び司法行政等に関する調査のうち、法曹養成の在り方等に関する件を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 徳茂雅之

    ○徳茂雅之君 おはようございます。自由民主党の徳茂雅之でございます。  まず、一昨日、川崎市で発生しました大変痛ましい事件に関し、犠牲になられました方々に御冥福を申し上げるとともに、被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げたいと思います。  法務行政の重要な役割は、やはり犯罪をなくす、そして安全、安心な社会をつくり上げるということだと思います。法務委員会の委員としましてもしっかり取り組んでまいりたい、このように思います。  今回、法曹養成の在り方についてということでございます。当委員会、各委員の皆様、多くの方が法曹御出身ということであります。恥ずかしながら、私も学生時代は法学部に在籍しておりまして、せっかく法学部でありましたので法曹を目指せるコースの科目を選択いたしました。その結果としまして、六法が必修になりまして大変つらい思いをしたという記憶がございます。当時、旧司法試験制度でありまして、現役で合格するのもかなり厳しいということで、最終的には公務員を志向したということでございました。その後、法曹養成については、司法制度改革ということで、点からプロセスへ変えていくということで、法科大学院制度、それから新司法試験制度ができたわけであります。  今、今国会でも文科委員会において連携法について議論されておりますけれども、今日は幅広く法曹養成について御質問させていただきたい、このように思います。  まず、今の法曹養成について一つ心配していますのが、若い人が法曹界に対する志望、希望、ちょっと少なくなってきたんじゃないかな、このような印象でございます。法曹といいますと、イメージは、しっかりと安定した、しかも専門性を生かした、人に対してやりがいがある仕事であると。そして、安定して高収入であるということもあろうかと思いますけれども、最近少し希望が減ってきているなというふうに思います。やはり、こういった若い人が法曹に対して志望する、幅広い裾野から法曹人材を採用していく、こういったことが重要じゃないかなと、このように思います。  そこで、法務大臣にまずお尋ねしたいんですけれども、できるだけ幅広い法曹人材を採用していく、採っていく観点から、若い世代に法曹の魅力をしっかり伝えていく必要があるんじゃないかというふうに思いますので、まずは大臣の見解をお伺いしたいと思います。
  7. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) より多くの有為な人材に法曹を志望してもらえるよう、法曹の魅力や役割を若い世代に発信する取組を進めることは大変重要であると私も認識しているところでございます。  そこで、法務省としては、例えば小中学校等に検察官を講師として派遣し、法曹の役割等についての法教育授業を実施したり、大学生や法科大学院生を対象に検事の仕事内容等に関する説明会を開催したりするなどの取組を進めてきたところでもございます。このほか、裁判所においても、裁判官が出張講義を行ったり、庁舎見学に訪れた学生、生徒と質疑応答したりするなどの取組を行っておりますし、日本弁護士連合会においても、高校生や大学生等を対象に、弁護士からその仕事内容などについて直接説明を聞く機会を設けるなどの取組を行っていると承知しているところでございます。  こうした法曹関係者による取組は、法曹の魅力についての若者の理解を広め、更に深めていくために効果的なものと考えております。今後とも、法曹三者の方々とも協力しながら、若者を始めとする幅広い世代に対して法曹の魅力を伝えていくため、法務省としても必要な取組をしっかりと進めてまいりたいと考えております。
  8. 徳茂雅之

    ○徳茂雅之君 大臣も法曹出身ということでありますので、是非大臣、率先して魅力を伝えていただきたい、このように思います。  司法修習を終えても裁判官あるいは検察官に任官されないと、さらに弁護士登録もしないという方が増えてきています。一括登録時点で五年前は約五百人ぐらいが登録されなかったということで、一年たっても弁護士に登録されていない方も多数おられるというふうに承知しています。  やはり法曹の魅力を高めるためには、法曹有資格者の活動領域をもっともっと広げる、そのことによって、もっと仕事に対するやりがい、あるいは進路、こういったところを広げていくことが重要じゃないかというふうに思いますけれども、今後の活動領域の拡大について、その状況、それから取組について、法務省にお伺いしたいと思います。
  9. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  法曹有資格者が国の機関や地方自治体あるいは企業など、社会の様々な分野で活躍することは、法曹の魅力を高める観点からも重要であると認識しております。  法務省では、平成二十七年六月の法曹養成制度改革推進会議決定を踏まえまして、文部科学省とともに法曹養成制度改革連絡協議会を開催しておりまして、法曹有資格者の活動領域の拡大の取組状況等に関する情報共有等を行ってきたところでございます。例えば、昨年二月には企業の分野、昨年十二月には海外展開の分野における法曹有資格者の活動領域の拡大を主たる議題として取り上げ、関係機関、団体に出席いただいた上で、ヒアリングの実施や情報共有、意見交換等が行われたところでございます。  そうしたところ、平成十八年に百四十六人であった企業内弁護士の数は、平成三十年には二千百六十一人へと大幅に増加しておりまして、また、国の機関や自治体に任期付公務員として勤務する弁護士につきましても、平成十八年には四十人にとどまっておりましたが、平成三十年には二百七人と大きく増加しております。  このように、社会の様々な分野で活躍する法曹有資格者の数は着実に増加しておりまして、法曹有資格者がその専門性を様々な場面で発揮することができるような環境が定着しつつあるものと認識しております。  法務省といたしましては、今後も社会の様々な分野において法曹有資格者の専門性を活用する流れが加速されるよう、関係機関の協力を得て、引き続き必要な役割をしっかり果たしてまいりたいと考えております。
  10. 徳茂雅之

    ○徳茂雅之君 是非、活動領域がこれだけ広がっているんだよということを若い人に伝えていただきたいなと思います。  三月の本委員会におきまして、民法改正に伴いまして三年後に成年年齢が引き下がると、消費者被害をしっかり防いでいく必要があるということで、法教育の重要性について質問させていただきました。法教育というのは、もちろん消費者被害を防ぐだけではなくて、将来の法曹志望、この裾野を広げる上でも重要なことだろうというふうに思っております。また、先日は、裁判員制度創設十年ということで、最高裁に対して裁判員制度の運用状況について質問をさせていただきました。  法曹の人材の養成に当たっては、やはり学校教育、それから司法、裁判をつかさどる最高裁含めた組織、それから法務省の連携が極めて重要だというふうに考えておりますけれども、今後どのように取り組んでいくのか、法務省にお尋ねします。
  11. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  法科大学院を中核とするプロセスとしての法曹養成制度を充実させ、法曹養成制度改革を着実に推進していくためには、司法試験制度を所管しております法務省、法科大学院制度を所管しております文部科学省及び司法修習を所管する最高裁判所とが十分な連携を図ること、これは委員御指摘のとおり大変重要であると認識しておりまして、これまでも必要な取組に努めてきているところでございます。  その一環といたしまして、法務省では、先ほど申し上げました法曹養成制度改革連絡協議会を文部科学省とともに定期的に開催いたしまして、最高裁判所を始めとする関係機関の参画を得て、法曹養成制度をめぐる諸課題に関する取組の進捗状況等について情報交換や認識共有を図ってきたところでございます。  また、今回の法曹養成制度改革に関する改正法案におきましては、連携法において、新たに法務大臣と文部科学大臣は法科大学院の収容定員の総数その他の法曹の養成に関する事項について相互に協議を求めることができる旨の規定を設けることとしておりまして、法科大学院における教育課程の編成や教育水準の在り方とそれを踏まえた司法試験の在り方との相互関係などの事項について協議することにより、法務省と文部科学省との連携をより一層密にすることとしております。  また、この法案が成立した後には、法務省としては、法科大学院教育と連携した司法試験の在り方を検討するために、司法試験委員会と連携したしかるべき会議体を設置して、文部科学省、最高裁判所等を構成員として検討を進めていくことを予定しているところでございます。  今後とも、法務省といたしましては、新たな法曹養成制度の適切な運用や新しい制度の円滑な導入に向けまして、文部科学省及び最高裁判所とも十分に連携、協議してしっかり対応してまいりたいと考えております。
  12. 徳茂雅之

    ○徳茂雅之君 ありがとうございます。  今話に出ました法科大学院の設置状況、これ見ますと、創設当初は地方にもかなり設置されていたわけでありますけれども、その後、募集停止が続きまして、今ほとんど政令市にしか存在しないということであります。例えば、四国には一校もございません。  今回の連携法改正で、法曹養成連携協定、これを結ぶことで地方の法曹コースから法科大学院へ進学するというコースもできるようになったわけでありますけれども、これまで地方といえば余り法曹需要がなかったんじゃないかということかもしれませんが、人口減少、高齢化が進む中で、例えば高齢者に対するいろんな面での被害、法律相談を身近にできる環境を整えることは極めて重要だろうというふうに思います。  日弁連でも、ゼロワン地域の解消ということで努力に努めてきておられるようでありますけれども、法務行政をつかさどる法務省として、法曹人材の地域的な偏在に対してどのように取り組んでいこうとしているのか、お尋ねします。
  13. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  国民の司法アクセスを確保、拡充するという観点から、都市部にとどまらず、広く全国各地の国民が弁護士に対してアクセスしやすい環境を実現していくことは重要だと理解しております。  これまでも、日本司法支援センター、通称法テラスにおいて、司法過疎地域に地域事務所を設置し、常勤弁護士を配置するなどの司法過疎対策を実施してきたと承知しております。また、個別の法律事務所ごとの求人募集に加えまして、全国各地の弁護士会において都道府県単位で司法修習生等を対象に合同就職説明会を開催したり、日本弁護士連合会において、司法過疎地域に公設ひまわり基金法律事務所を設置、運営したり、また、求人求職専用のホームページで全国各地の法律事務所の求人情報を広く提供するなど、必要な情報提供を行っていると承知しております。  今後とも、法務省といたしまして、国民の司法アクセスの確保、拡充という観点から、法テラスの取組に対する必要な連携、協力を行うとともに、日本弁護士連合会や各地の弁護士会の取組、これも注視してまいりたいと考えております。
  14. 徳茂雅之

    ○徳茂雅之君 ありがとうございます。  地方においてもしっかりと法曹、司法にアクセスできる、そういう環境を整えるように努力していただきたいと思います。  また、ローカルな法曹人材の確保とともにグローバルな人材確保、これも重要だろうというふうに思います。社会経済がグローバル化する中で、国境を越えた取引、これが進展しております。海外で事業を展開する日本企業、これもたくさんありますが、その場でいろんな紛争に巻き込まれるケースも、リスクも高まってきているということでございます。  こういった国際紛争、これを適切に処理をするためには、国内法令に精通しているだけでなくて、外国法あるいはその外国の商慣習、こういった国際法務に精通している人材、この養成が重要だろうというふうに思いますが、どのように取り組んでいかれるのか、お伺いします。
  15. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  社会経済の高度化やグローバル化の進展を受けて、日本企業の海外展開や国境を越えた取引が増加し、国際的な紛争処理などの国際分野における法曹の一層の活躍が期待されております。このような観点から、今後、国際的な分野に幅広く対応できる多様かつ専門的な法曹人材を育成し確保していくことは、委員御指摘のとおり、極めて重要な課題だと認識しております。  こうした観点から、現行の法曹養成プロセスの中核であります法科大学院においては、外国法や国際的な案件への対応を扱う実務的な科目が開講されていると承知しておりまして、また、司法試験の選択科目や司法修習のプログラムにおきましても、こういった国際的な分野に関わるものがございます。また、法曹資格を得た後にも、例えば国際機関や在外公館に勤務して国際会議や国際交渉の第一線で活躍する者が着実に広がっておりまして、新たなキャリアパスとして国際的な活動範囲はこれまで以上に広がっていくと考えられます。  また、国際化に対応した我が国の紛争解決機能の強化の観点から、政府を挙げて国際仲裁の活性化に取り組んでいるところでございますが、こういった国際仲裁事件におけるプレーヤーとして世界各地で活躍できる法曹人材の必要性も今後一層高まるものと見込まれます。  このほか、法務省といたしましては、日本企業の海外展開を支援するとともに、国際的法曹人材の活躍にも資する観点から、毎年、東南アジア諸国に法曹有資格者である弁護士を派遣しまして、現地の法律の運用や法的問題の実情などの調査を行い、その結果を公表するなどの取組も進めているところでございます。  法務省といたしましては、国際的な紛争の解決に関わる人材も含めて、多様な法曹人材を数多く輩出できるよう、また、そのような人材が国際分野で十分に活躍することが可能となるよう、文部科学省等の関係省庁と連携して、必要な取組をしっかり進めてまいりたいと考えております。
  16. 徳茂雅之

    ○徳茂雅之君 ありがとうございます。  本委員会で京都に視察した際に、国際調停センター、こちらを訪問いたしました。その際、国際調停というのは、裁判や仲裁に比較してコスト、時間の面で優位であるということで、国際紛争を解決する手段としては世界の潮流になりつつあるんだというような御説明がありましたが、我が国日本では、まだまだ端緒、緒に就いたばかりだったということでございます。国際調停の分野というのはアジア諸国がかなり進んでいるということでありますけれども、これからどんどん成長が期待できる分野でもありますし、日本がこれから世界にキャッチアップできる、そういう分野でもあろうかというふうに思っております。  そこで、国際仲裁と併せて今後のその実施拡大に向けた取組が重要だろうと、このように考えております。そのためには、ハード面、ソフト面でのインフラ整備とともに、外国法弁護士、外国法事務弁護士における国際調停の調停代理の拡大、今まで制度上できなかったと思いますけれども、この取組が重要じゃないかというふうに思っております。  法務省においても法改正を検討しているということでありますけれども、具体的にその必要性と内容についてお尋ねしたいと思います。
  17. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  委員御指摘の国際調停につきましては、時間や費用の点において短時間で低コストな紛争の解決ができ、国際仲裁と並ぶ企業間の国際的な紛争解決手法として注目を集めており、我が国におきましても、国際調停を専門に扱う機関が設置されるなど、その利用の促進に向けた動きが進みつつある状況にあるものと承知しております。  他方、現在、国内で実施される国際調停の手続につきましては、外国法事務弁護士等の代理が原則として認められておらず、国内外の企業が国内における国際調停を利用しやすいものとするには、外国法に精通する外国法事務弁護士等に対してその代理を依頼できるようにすることが重要との指摘がされてきたところでございます。  これを受けまして、昨年九月の外国法事務弁護士による国際仲裁代理等に関する検討会におきまして、この点の規定の整備を行うよう取りまとめがされたところでございます。これを受けまして、法務省におきましては、外国法事務弁護士等につきまして、この国際仲裁代理の範囲の拡大とともに、事業者間の契約、取引紛争を対象とする国際調停事件の手続の代理を認めることなどを内容とする外弁法の改正を検討しているところでございます。  法務省といたしましては、国際仲裁や国際調停の利用促進の観点から、外国法事務弁護士等による国際調停代理の規定の整備をも内容とする外弁法の改正について、速やかな法案の提出に向けて引き続き準備を進めてまいりたいと考えております。
  18. 徳茂雅之

    ○徳茂雅之君 ありがとうございます。  最後に、司法外交についてお尋ねします。  いよいよ来年、京都で京都コングレスが開かれます。一年を切ったということであります。日本は、来月にはG20、そしてその翌月にはTICADということで国際会議が続き、そして来年、京都でコングレスが開かれるということでございます。また、本年はラグビーのワールドカップ、来年は東京オリパラということで、多くの外国人観光客も含めて我が国を訪れるだろうと。その際に、日本の刑事司法の取組、これをしっかりとアピールすることが重要だろうというふうに思っております。  今日は、京都コングレスのバッジとユースフォーラムのバッジを付けさせていただきました。やはり若い人にしっかりと参画していただくこと、これ法曹人材を確保する上でも重要だというふうに思いますが、現在の準備状況、それからユースフォーラムの取組についてお尋ねします。
  19. 山内由光

    ○政府参考人(山内由光君) 先生、バッジを付けていただき、誠にありがとうございます。  京都コングレスでございますが、京都コングレスにおきましては、犯罪防止、刑事司法分野におきます国連の指針となります政治宣言、これが採択されることになります。そのためのホスト国といたしましては、その政治宣言を取りまとめるために、世界各国及び国連と現在協議を進めているところでございます。  また、京都コングレス、会議に参加された皆様に、是非とも我が国の安全、安心な社会、これを体感していただく絶好な機会であろうというふうに認識しておりますので、再犯防止でありますとか法教育など、我が国のこの刑事司法分野における取組を世界に発信するために、例えばパネルディスカッション形式などといったサイドイベントの準備、これを進めているところでございます。  また、我が国の最先端のセキュリティー技術など、これをコングレスの会場で展示していただこうというために、経済界への働きかけも併せて行っているところでございます。  さらに、本年九月から来年の三月にかけましてコングレスの議題に関連いたしました公開シンポジウムなどを開催していこうと思っておりまして、こういった形で京都コングレスに向けた機運を高めていこうとしていくところでございます。  先生御指摘のユースフォーラムでございます。  青少年の参画につきましては、ユースフォーラムという形で京都コングレスの開催される前の週に当たります四月十三日から十五日までの三日間、ここにおいて、このような日程でユースフォーラムを開催していく予定になっております。現在、大学とか教育関係者などにこの京都コングレス・ユースフォーラムの参加、これを呼びかけているところでございます。  こういったユースフォーラムの機会を通じて、是非とも未来を担う若者に、犯罪防止、刑事司法に関する具体的な施策を自らの身近な問題として考えていただいて理解を深めていく、それと同時に、世界から集まった同世代の若者とこういった話題について真摯に議論をするといったことによって多様な価値観に触れていただきまして、またパートナーシップを築いていただきまして、国際感覚を持った人材の育成にとって有意義であろうというふうに考えている所存です。
  20. 徳茂雅之

    ○徳茂雅之君 時間が参りましたので、以上で終わります。     ─────────────
  21. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、仁比聡平君が委員を辞任され、その補欠として山添拓君が選任されました。     ─────────────
  22. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 立憲民主党の小川敏夫です。  法曹養成制度について、一言で言うとひどい状況になっていますので、いろいろ聞きたいこと、言いたいことがたくさんあるんですけれども、五十分いただいても尽くせるかどうか、尽くせないんじゃないかと思いますけれども。  最初に、今、新たなその法科大学院受験、在学中から司法試験を受験することができるというこの制度について、私としては納得できない部分がありますので、そこの点について集中的にお尋ねしたいと思います。  文部科学省、法務省と、この法案の事前の説明の際に、法科大学院を中核とする法曹養成制度改革についてという資料をいただきました。  そこで、現行は、法学部を四年間、あと二年コースですと法科大学院を二年間、それから司法試験の期間があって、それから司法修習一年をやって、結局法曹資格を取れるのが大学に入ってから七年と半年ちょっと後であると、これが現行制度。そのとおりだと思いますが、これが新しい制度になって、法学部が三年、飛び入学の場合ですね、それから法科大学院が二年、しかも法科大学院在学中に司法試験が受けられてしまうと。合格すれば、卒業と同時に、あっ、修了ですか、法科大学院の修了と同時に司法修習に入れるから、それから一年間司法修習をすると、六年後に法曹資格が取れると、すばらしい案でしょうと、こういう説明でございました。  確かに、そういう新しい制度ができて、学部三年、大学院二年、在学中合格で司法修習一年で、六年で法曹資格が取れるという仕組みができるということはそのとおりであります。ただ、これは、三年コースを歩んで三年で法科大学院に行けた人が大学院の在学中に司法試験に受かったという場合であります。そういう人だけの話であって、既に法科大学院を修了した人、あるいは、この法律が施行する前に、来年法科大学院を修了する人などは全く無関係でありますし、それから、この法科大学院に在学中に司法試験に受からなかった人の場合はやはりこの現行制度と変わらないわけであります。と思ったら、現行制度と変わらないんじゃなくて、実は現行制度よりも不利益な扱いを受けてしまうことになるんですね。  なぜかといいますと、簡単な説明しましょう。今、司法試験は五月から行われて九月で合格発表、十一月に司法修習が始まります。ですから、司法試験に受かったらすぐに、間を置かずに司法修習に入れるということでありますけれども、今度は、司法試験に受かっても、司法修習が開始されるのは、九月に司法試験が終わっても、司法修習が今までは十一月に始まるのに、今度は翌年四月になるんですよね。なぜかというと、在学生で合格した人が司法修習生になるためには法科大学院を修了しなくてはいけないと。合格者が法科大学院を修了した人を待っていると翌年四月にするしかないので。  ということで、この優秀な恵まれた人を早く法曹にするというために、優秀でないとは言わないけれども、それ以外の方は結局、司法修習が、今なら司法試験に受かったその年の十一月に司法修習生になれるものを、今度は、そういう人たちも含めて、司法試験が受かった後、五か月間時間が空いて翌年四月になるということで、法曹になる時期が五か月間みんな遅れてしまうんです。  私は、これは一部の優秀な人だけを優遇するけれども、それ以外の人に大変に不利益な扱いになるんじゃないかということでこの点を問題視にしているわけなんですけれども、大臣、この点、私の不公平感を感じているこの問題についてはいかがでございましょうか。
  23. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 今回の法案においては、連携法の改正により法科大学院教育の充実が図られるということに伴って、法科大学院在学中の者であっても司法試験受験に相ふさわしいレベルの者を養成されることを前提として、更なる時間的、経済的負担の軽減を図るため、法科大学院課程の修了を待たずして早期の司法試験受験を可能とする、法科大学院在学中受験資格を新たな司法試験受験資格として認めるものでございます。  現行では、委員の御指摘ではありますが、一律に、法科大学院修了後、修習開始まで八か月間の無職の空白期間、これギャップタームと呼んでおりますが、これを一律に全ての受験生に課すということになります。新しい制度によりますと、この期間が短縮又は解消されるということになりますので、減少している法曹志望者の回復につながるというふうに考えておるところでございます。
  24. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 いや、今大臣の御答弁、余り長々とその制度の説明はいいんですけれども、今の仕組みですと一律に八か月の空白期間があるような趣旨でしたけど、ちょっとその意味が分からないんですが、そこの点に絞ってちょっと説明していただけませんか。
  25. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 今の制度ですと、まず、例えば在学中に本来司法試験合格レベルまで達していた学生も、このロースクールの修了まで待って、そして卒業して、一旦無職になって、そして五月に司法試験を受けて、そして発表待ちまでずっと無職のままでいて、それで合格すれば司法修習ということで採用されるということで、約八か月間の無職である期間、ギャップタームが生じるというところでございます。その点を申し上げたところでございます。
  26. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 ちょっと話のすり替えがありますよね。まず、大臣のお話のすり替えがあるのは、在学中に司法試験に受かるという方は非常に少数なんですよ。在学中に受からない方は圧倒的多数。圧倒的多数の人は恩恵を受けないんですよ。  じゃ、聞き方を変えましょうか。  在学中の大学院生がその年の秋に司法試験に合格すると。今、現行制度のまま十一月に司法修習を開始しちゃうと、その人たちは大学院を修了していないから司法修習生になれないわけですよね。だから、そういうその在学生が司法修習生に合格しても、司法試験に合格しても、すぐ司法修習を開始しちゃうと司法修習生になれないので、その合格した在学生を待つために修習開始を翌年の四月にしちゃっているわけですよ。ここは間違いないですよね、ここまでは。
  27. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 修習開始につきましては、修習についてはこれは最高裁が御判断することでございます。ですので、法務省として確たる答弁はしかねるところではございますが、仮にそうであるとしても、司法試験というのは例えば選択科目は一科目ということで、ただ、ロースクールのプロセス教育によれば、一科目だけ選択科目でやれば足りるというものではなくて、本来であればその他の選択科目についても展開科目として履修をしていただきたいところではあると。  司法試験がそこで、例えば秋ということで結論が出ると、その卒業するまでの間、選択していない他の科目も腰を入れて履修できるのではないかというところでプロセスとしての教育が深まるのではないかというふうに考えているところでございます。
  28. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 全然関係ないことをしゃべって私の質問に何にも答えていないんですけどね。そうやって、何か関係ないことをくちゃくちゃしゃべって論点をそらさないでほしいんですよ。  私、難しいことは何にも言っていませんよ。今の司法試験なら、九月に合格発表があって十一月に司法修習が始まるんですよ。今度は、九月に合格発表あっても司法修習は翌年の四月になるんですよ。この説明資料に書いてあるじゃないですか。  だから、在学中に合格できた人は、一年早く受験しているんだから、五か月分遅くなったって七か月得しているわけですよ。だけど、それ以外の人はみんな、やっと受かってすぐ入れるところが、今度は五か月遅くなっちゃうんですよ。この客観的事実は動かない事実ですよ。それを何か、司法試験受験期間中は八か月のロスがあるとか、何かいろんな関係ないことをくちゃくちゃしゃべって話をそらさないでくださいよ。  そうでしょう。だって、今私が言っていることが、じゃ合っているかどうか、簡単なことですよ。今は、九月に司法試験に合格したら全員十一月に司法修習に入ると。今度は、司法試験が仮に九月に合格しても翌年の四月なんでしょう、司法修習が始まるのは。どうですか、大臣。
  29. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 委員御指摘の、法科大学院修了後に司法試験に合格した方々に対してはまさにそのとおりでございます。それによって、現行制度との比較において、法科大学院課程の修了から司法修習開始までの期間が三、四か月程度長くなる結果ということになるのはもう事実でございます。  他方で、今回は法科大学院教育の充実を前提に、在学中受験資格を導入して、法曹志望者の、またその他の3プラス2でありますとか、法曹志望者の時間的、経済的負担を最大限軽減することによって、より多くの学生が在学中受験が可能になる制度設計をするということでございますので、総体的に見てこの制度の合理性について御理解賜ればというふうに考えております。
  30. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 いやいや、理解できないんですよね。  三、四か月延びるという、そういう曖昧なこと言わなくていいんですよ。だって、今十一月なんだから、それが翌年の四月に延びるんだから、五か月でしょう。それ以外何物でもないですよ。  それで、在学中に受かる優秀な方、これは本来なら、卒業して、卒業した年の九月に受かって、それで十一月に司法修習に入れる、卒業した年の十一月に司法修習になれると。今度は、新しい制度は、在学中に合格した人は卒業したと同時に司法修習生になれるわけですよ。だから、そういう優秀な方は今の制度よりも七か月早く入れる、司法修習生になれるということなんです。だけど、それ以外の方は、十一月に司法修習生になれるものが翌年の四月になってしまうから、全員、それ以外の方は五か月間司法修習生になるのが遅れてしまうと、法曹資格を取れるのが五か月間遅れてしまうという、こういう仕組みなんですよ。私は、この仕組みは余りにもこれではおかしいと思うわけであります。  例えば、今現在、今現在というか、質問の趣旨は、じゃ、その恩恵を受ける、在学中に司法試験に合格する、そして、首尾よく修了と同時に司法修習生になれるという優秀な学生が合格者千五百人のうちの何人ぐらい出るんだろうと、これは想像でしかありません。ただ、一つの参考資料は、今現在、法科大学院を期間みっちり修了した人が、受験資格を持って最初のその試験、つまり大学院を修了したその年の受ける試験で合格する人が大体五百人ぐらいですよ。  そうすると、じゃ、今度は修了じゃなくてそれより一年前、在学中に受かるというと何人出るのか。まあ大学院修了までみっちり法科大学院で二年間と司法試験までの期間を勉強した人が五百人受かるという今の中で、今度は一年間と若干勉強した人が何人受かるのか。私は、個人的な想像では百人ぐらいじゃないかなと思うんです。そんなに簡単に在学中の人が受かるわけじゃないわけですよ。くどいようだけど、大学院を修了するまでみっちり勉強した人でさえ五百人しか受からないんだから。  私は、一つの例え話をさせていただきます。ここは、法務大臣、例え話ですからね、例え話としてお答えいただければいいし、あるいは文科副大臣にも、例え話ですから、率直な御感想をお聞かせいただければいいんですけれども。  百五十人の学生がいました。これは司法試験の合格者が千五百人ですからね、百五十人という分かりやすい数字にした。そのうち優秀な人が百人いた。いや、立派だね、偉いよ、じゃ、みんなには七万円ずつ御褒美あげようといって、残った千四百人はどうするんですかって、いや、あんたたちは五万円ずつ払いなさいと。こういうようなことをやったらこれは不公平だと私は思うんですけれども、どうですか。大臣、それから副大臣、大変、一般話として不公平だと思いませんか。
  31. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 今のはあくまで例え話という前提でございますので、それについてのコメントは、要はそういう制度ではないということでございます。  そして、今回のこの司法試験の改正は、これ法科大学院改革を踏まえたものでございます。優秀な学生というものをしっかりとこの法曹養成の課程に来ていただけるように、それは大学の学部レベルでの改革もございます。  そして、このロースクールにおいてもカリキュラムの改革もあるということで文科省からも聞いておりますが、そういったことの中で、在学中に受験し、かつ合格する方々、これ具体的な数字を予測するのは困難でございますけれども、これは多く輩出してもらえるのではないかと期待しているところでございます。
  32. 浮島智子

    ○副大臣(浮島智子君) 例え話なんでコメントはとても難しいとは思うんですけれども、学部の早期卒業、これを前提とした3プラス2の標準的な運用ということで、時間的、経済的負担、これを軽減することが大きなニーズとなっていると思います。  私も思っているのは、法科大学院のためではなくて、これは学生のためであるということを前提にしていきたいと思っております。
  33. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 私は、今、七万円配る、五万円を取り上げるという話をしました。  これを、今度は法律の話です。優秀な学生、千五百人のうち百人ぐらいはいるかもしらぬ優秀な学生には、あなたよかったね、七か月早く司法修習に入れますよと。でも、それ以外の千四百人は、合格したね、でもあなたたちも五か月待ちなさいと。何で五か月待つのと。いや、優秀な学生百人が四月にならないと司法修習生になれないからといって待たせるわけですよ。これ、客観的な事実ですから。それを、いろんな制度の仕組みを云々かんぬん言う。  だから、そういう制度の仕組みについて、それは、優秀な学生に早く法曹へ出すという、その仕組み自体は私は別に異論はありませんよ。それによって優秀な人材が法曹に入ってくることは大歓迎であると。だから、その人たちが早く法曹になれるなら、それは社会に活用してもらうから、それはいいんだと。  だから、そういう仕組みをつくるのはいいんだけど、だけど、何でそれ以外の人たち、恐らく司法試験合格者のほとんどの人間が司法修習生になるのが五か月遅れて、法曹になるのが五か月遅れるという、そういう不利益を被るんだということを私は指摘したわけです。  最高裁にお尋ねします。  当然、今回のこの法律案につきましては、事前に法務省、文科省とも最高裁、意見交換していると思うんですが、この司法修習の採用の在り方ですけれども、今現在、法務大臣も先ほどおっしゃられたように、司法修習の開始は法科大学院の修了の時期に合わせて四月になるということが予定されておるんですけれども、最高裁もそういう予定でいるということでよろしいんでしょうか。
  34. 村田斉志

    ○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) 今回の制度改革後の司法修習の開始時期につきましては、その前提となる新たな司法試験の合格発表時期や法科大学院の修了時期等を踏まえつつ、今回の制度改革の趣旨に照らして、法科大学院教育と司法修習との有機的連携の観点、あるいは司法修習を終えた方が法曹有資格者として活動をできる限り早期かつ円滑に開始できるようにという点に配慮しながら、今後適切に検討してまいりたいというふうに考えております。
  35. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 何か全然具体性がないんですけれども。  ただ、今度の法律の仕組みから、在学生が合格した場合でも、在学生が司法修習生になれるのは法科大学院を卒業した者に限ると書いてあるわけですよ。これ、もうそうなっているんだから。だから、在学生、在学中に司法試験を合格しましたね、はい、立派ですね。はい、でもあなたは、司法修習生は残念だけど来年だよといったんじゃ制度の意味が全くありませんから、だから、論理必然的に、在学生が在学中に合格した、その人たちが早く司法修習生にするためには、秋に司法修習生を開始しちゃったら間に合わないんだから、法科大学院を卒業、三月に修了する、その直後の四月に司法修習生が採用する、開始するということでなくちゃ、制度の趣旨がないわけですよ。  だから、最高裁はいろんな制度の趣旨、いろいろ連携を考えてこれから検討すると言うけれども、だけど、在学生で合格した、その人を修了と同時に司法修習生にするというと、もう四月しかないんですよ。実際に四月を予定しているじゃないですか。だって、文科省、法務省が、大学院修了と同時に司法修習が開始するとちゃんと書いて、私どもに法案説明来ているわけですよ。大臣も先ほど、そのとおりだとおっしゃられました、三、四か月遅くなると。三、四か月じゃなくて本当は五か月なんですけどね。  ですけど、いずれにしろ、在学中に合格した者を優遇をするというためには、在学中、そして在学中に合格した者も法科大学院を修了しなくちゃ司法修習生になれないという、そういう決まりをつくったら、結局、在学生が司法修習を修了したその直後に司法修習生を開始するという、もうそれしか結論はないんですよ。  それからもう一つ、司法試験の時期をいろいろ考えるといったって、これも、何かいつでもいいような話かもしれないけれども、論理必然的に時期が限定されるんですよ。だって、基本的には法科大学院を修了したら受験資格を取れるというんだから、三月に終わったら四月以降じゃないと司法試験は始めるわけにはいかないと。そうじゃないと非常に無駄があるわけですよね。  三月にロースクールを修了した人を対象に司法試験を始めるんだったら、まさかそれは、それから半年後の秋から年末に司法試験をやるというのは非常に不合理でしょう。やっぱり、今、三月に大学院を修了した、そして五月に司法試験があるというのは、時期的に非常にスムーズで合理的なんですよ。五月に司法試験をやれば、採点だ、発表だ、あるいは最終の口述試験だとやれば、発表は秋になるんだから。何か、いろいろあれこれ連携して何か司法試験の時期をいろいろ考えるの、司法修習の時期を考えるのといったって、落ち着くところは結局は秋の司法試験合格発表で、四月の修習開始しかないんですよ。  だけど、私が指摘する、それによって在学中に合格した一部の合格者は非常に優遇されているけれども、そのために、司法修習生が秋から四月に遅れるということによってそれ以外の千人以上の一般の受験生は不利益を被るんだということを指摘したわけで。  今、法務省は、法案説明の前にはこうやってそういうことを明らかに説明しておきながら、具体的に私に指摘されたら、いや、それは最高裁がお決めになることですと。最高裁に聞いたら、いやいや、これはこれから検討するからですなんて言って真正面から答えるのを逃げているわけで。逃げたって、実際にこの法案が通ったらそういうふうにやるに決まっているんだから。だから私は指摘しているわけです。  それで、私はこういう制度がつくること自体何の異存もないんですよ。その在学生、在学中に合格する人を、そういう優秀で能力がある人が早く法曹になるという仕組みをつくるということについては何の異存もないんです。だけど、その人を、つくるために、それに伴って、それ以外の大勢の方が不利益を被るということが私はおかしいんじゃないかということを指摘しただけです。  それで、最高裁、私、端的にお尋ねしたいんですけれども、解決方法は、私が考えるところ一つあるんですよ。つまり、司法修習の開始を年に一回全員一律とするからそういうことになっちゃうんですよね。だから、司法修習の開始を、例えば普通の学生は司法試験が終わったら、今は十一月に入るから、それはそれでいいじゃないですか。在学中に合格した人は十一月はまだ司法修習生になれないんだから、じゃ、その人たちは法科大学院を修了したその直後の四月に司法修習生になりなさいと。年二回制にすれば不利益を被る人がいないと思うんですよ。  それで、一つ最高裁にお尋ねしますけど、これまで、あの司法制度改革でいろいろ司法試験制度が変わったその過程の中で、修習生を採用する、年に二回採用した時期があったんじゃないですか。
  36. 村田斉志

    ○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) 今の法科大学院ができまして新しい司法修習が開始された当初は、それまでの修習との併存期間がございましたので、修習開始時期が一年の中に二度、違う修習があるという期間がございました。
  37. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 つまり、それまでずっと司法修習は四月に開始するという仕組みでした。それが、期間が変わって秋に修習を開始するという仕組みができたけど、前の四月から修習生に採用するというのもあったから併存したわけですね。  だから、やれるじゃないですか。司法修習生を何も年に一回全員一律に採用しなきゃならないという必然性はないので、裁判所が工夫すればですね。まあ、私はそれでもちょっと嫌な気はしますよ。何か優秀な方百人だけ特別に四月に採用すると、その人たちは何かエリートコースのA級修習生で、十一月に採用する千四百人ぐらいは一般の修習生だと、何か差別ができるような気もして余り気持ちが良くないところもありますけれどもね。  ただ、そういう技術的な工夫で法曹に優秀な人材を集めるという、この大学院在学中に受験させるという仕組みについては私は反対がないんですけれども、それによって不利益を被る人が多数出るのはおかしいからという、そういうことを踏まえれば、司法修習生の開始時期も、そうした不利益を被る人がないような方向で対応していただければ私は解消できるんじゃないかというふうに思うんでありまして、それについて、検討しますというお話ですと全然中身がない答弁ですので、どうでしょう、基本的には、そうした修習開始時期を年に一回ということではなくて、そうではない仕組み、年に二回に分けた採用もあり得るというような、そういう前向きな検討をするというようなことまで、あくまでも検討ですから、やると約束する答弁は今するのは難しいでしょうけれども、そういうことも踏まえてしっかり検討するというような御答弁はいただけませんでしょうか。
  38. 村田斉志

    ○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) 御提案につきましては、それぞれ修習時期を異にする二つの修習が併存することになりますので、それぞれの修習のカリキュラムをどうするか、それから、それぞれに対して司法研修所等の人的、物的態勢にどういう影響があるかといった辺りを総合的に考慮しつつ慎重に検討する必要があるというふうに考えておりますけれども、いずれにせよ、先ほど申し上げましたとおり、前提となる司法試験の実施時期等が決まっていないことから、修習開始時期もはっきり先ほど申し上げられなかったような状態でございますので、今回の制度改正の趣旨を踏まえつつ、適切に検討してまいりたいというふうに申し上げさせていただきます。
  39. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 大分時間を費やしましたけれども、今度は、今、文科委員会で審議される法案ではないんですけれども、司法修習の時期ですけれども、時期というか司法修習の期間ですね、かつては二年だったと、それが一年半になり、今は司法修習の期間が一年なんですね。  短縮された背景には、法科大学院で、それまで司法修習で行っていたトレーニングの前段部分、こうした実務に関するものは法科大学院でしっかりとトレーニングするということがある。つまり、従来司法修習生でやっていたうちの前段部分は法科大学院でしっかりとトレーニングして学んでくるんだ、だから短くていいんだということで一年になったというような理解で私はおります。  もう一つは、修習生が余り増えたら負担が大変だからと。修習生が三千人になるというプランでしたからね、そちらもあったんでしょうけれども、その修習の中身についてはロースクールでそうしたことを学ぶからだということが大きな理由だったと思いますが。  ただ、今度は在学中と、つまり、ロースクールでみっちりトレーニングしない人でも合格して入ってくる。どうもそうしたトレーニングが、合格した後にもやるんだという答弁かもしれませんけれども、大分中身が薄くなってしまうじゃないかと。  それから、より決定的なことは、そうしたトレーニングを全く受けない予備試験で受験資格を取って受かってくる人は、法科大学院でのトレーニングは受けていないわけですから、過去に司法修習生の段階で行っていた実務、トレーニングを、あらかじめ前段部分を学んでいるとかトレーニングしているということはないわけですよ。  そうすると、そうした予備試験合格者が増えてくれば、ロースクールで学んでいるからいいでしょうという話になってこないとすると、じゃ、司法修習の期間が一年でよかったのか。やはり、しっかりとした修習生を法曹として送り出すためにはもう少し長くていいんじゃないかというふうに思うので、一年ではなくて、修習を少し延ばす、もう少し長期間にするという、そういうような点での検討は法務大臣、それから裁判所においては検討しているんでしょうか、あるいは検討するお考えはありますでしょうか。
  40. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 法務省としては、現在の法科大学院教育と司法修習の役割分担、これは適切と考えております。  我々の頃は、そういった法科大学院はなかったんですが、今の法科大学院では、例えば事実が多く書かれている中から論点を抜き出す教育とか、そういったことも適切になされていると。これは、我々、修習の例えば前期修習などでされておったところでございますが、そういった役割を法科大学院が担っていることは事実でございまして、そうした役割分担、適切に機能しているんであろうと考えております。  そうした中で、こういった法科大学院教育を通じたプロセス教育、それを踏まえた上での司法修習ということでありますれば、現在も司法修習の在り方や実施内容を大きく改めるような司法修習制度の見直しをすることは想定していないところでございます。  委員御指摘のように、予備試験が今後どんどん多くなるのではないかという御指摘ではございますが、今回の法曹養成の改革におきまして、ロースクール経験者がそれなりの実績を上げることを期待しておるところでございますので、今後、予備試験が増えるからということで修習を延ばすということは考えていないということでございます。
  41. 村田斉志

    ○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) 修習期間につきましては、求められる法曹を養成するためにどのような法曹養成課程を設けるべきかという観点から、法曹となるための時間的、経済的負担も考慮しつつ決められるべき全体の制度設計の中の一局面というふうに認識をしておりまして、司法修習を所管する立場から申し上げますと、現在の修習期間は、二年あるいは三年間の法科大学院教育を受けた者、あるいは予備試験を受けた者についてはそれと同等の能力を有する者ということで予備試験を合格した者、これらを前提として、法律実務教育に必要な期間として、元々、修習期間は一年間というふうにされているものと理解しておりまして、この点につきましては現在もその考え方は基本的に生きておりまして、今回の制度改革がされた後につきましても、その点については変わらないのじゃないかなというふうに認識しているところでございます。
  42. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 言葉は丁寧だけど、中身的には全く私の要望はむげに断られたというような答弁でありましたけど、でも、理念的には、法科大学院でしっかりトレーニングしているはずだ、予備試験の合格者は法科大学院と同等レベルのはずだと、だから変わらないという論理かもしれませんけど、だけど、予備試験の人はそんな実務のトレーニングをやっていないというのは客観的事実ですから。だって、やる場がないんだから。法科大学院に学んでいる人は、そうしたカリキュラムの中で入るかもしれないけれども、予備試験の人はただ単に試験に受かればいいんだから、そうしたトレーニングなんかしていないわけですよ。  ですから、今の実際の実情の中では、ロースクールに行って受験資格を取る人よりも、若くして予備試験に受かった人の方が優秀だと、何か主流扱いされているような風潮もありますけど、そうした人たちが、実は大事な、つまり法律知識の法律屋じゃなくて、幅広い教養や倫理観を備えた法曹だという、質の良い法曹を生み出すための必要なトレーニングやそうした教育を受けていないというのは大変いびつな構造になっていると思うんですよね。ですから、そうした対応もしっかりするべきではないか。  どうも、大臣の御答弁、これからは予備試験を、今度のこの新しい在学中受験制度ができれば、予備試験受験生も減るんじゃないかという予測のお話がありましたけど、私はもう少しうがった見方していまして、予備試験を、そうした受験生を減らすために、優秀な人材が予備試験に流れるのではなくてしっかり法科大学院に結び付けるために、法科大学院の利益、それから、そうした若い人材が裁判所や検察庁に入ってくるようにという、そうした利害から優秀な人材を確保しようということ、そして、予備試験ということではなくて、むしろそういう優秀な人材が予備試験じゃない道に行こうという、予備試験いじめみたいな感じでこういう仕組みをつくったんではないかといううがった見方も私は心の片隅には思っています。  実際、例えば経済的に困難な人という方がいらっしゃれば、それは本来の制度の趣旨で予備試験を受けるでしょうけれども、そうじゃない優秀な学生ですと、今現在、大学四年生で予備試験に受かる人もいると。だけど、今度は、大学四年で予備試験が受かる人もいても、大学四年で予備試験受かっても、司法試験に受かるのは卒業した翌年のことであると。そうすると、今度は、四年生になる前の三年生で法科大学院に進んでしまうと。一年を経て二年目に入れば司法試験受けられると。  つまり、大学に入学してから五年目で司法試験受けられるわけですよ。そうすると、現在の四年生が予備試験受かって、しかし司法試験受かるのは大学に入って五年目だから、同じなんですよね。優秀な学生は四年生で予備試験を受けなくたって、今度は三年コースで法科大学院に行けば五年目に司法試験受けられるから、だから予備試験受けなくたっていいよと、早くちゃんと法科大学院にいらっしゃいと。こういう仕組みで、私は、結局、予備試験退治のためにこういう制度も考えたのではないかといううがった見方も心の片隅にあります。  ただ、そうはいっても、しかし、そういう制度もつくっても、大体、予備試験という制度があれば学生は両方取りますよ。つまり、三年コースを進んで法科大学院行って在学中に司法試験受けられるという制度をつくっても、しかし、予備試験が併せて併存して受けられるんだから、予備試験も受けるんじゃないですか。両方受かれば大変いいし、どっちか受かればどっちか受かった方で司法試験にチャレンジするということになるから、決して予備試験合格者がなくなる、受験生がなくなるとか激減するということには結び付かないとは思うんですが。  ただ、いずれにしろ、予備試験の人間は、合格者は法科大学院の修了者と同程度の能力、研修を学んでいるはずだといったって、現実にはロースクールで学ぶようなカリキュラムを予備試験で合格する人は受けていないわけですから、そうすると、司法修習生の前段教育を法科大学院で既に行っているはずだという論理は予備試験合格者については私は成り立たないと思うと。そうすると、そうした人たちに対する司法修習の在り方も考えるべきではないかと。そうすると、私は言いたいのは、司法修習生というものを年に一律に、年に一回にまとめて採用するということにこだわらずに、もっと柔軟な扱いもできるのではないかなというふうに思うところであります。  あと、今日はもうこの点だけにちょっと議論してきたので、この点に関連して多少お尋ねします。  こういう優秀な人材を法曹に確保するという仕組みはいいんだけれども、しかし一方で、法曹の理念として、司法制度改革の理念として、やはり点で選抜するのではないと。法曹というものは、法律知識や法律の勉強だけで足りるものではなくて、幅広い倫理観や幅広い判断力、そうしたものを広く養うと、そうした能力を、力を身に付けた人が法曹になってもらいたいというのが大きな理念だったと思います。  そうすると、このまず法学部を三年で終えてしまって法科大学院に行くという、当然これはそこでしっかり勉強しなくちゃいけないということになると、どうも勉強にばっかり走ってしまって、そして法科大学院に進んでも、やはり優秀な人間、成績がいい人間しか在学中の受験ができないというと、どうもそっちの受験のための勉強にばっかりに走ってしまって、本来求められていた豊かな人間性を備えた法曹というところから外れて、また点数ばっかりの法律屋が出てしまうんではないかという懸念もあるわけでありまして、つまり、こういう成績がいい人については優遇するという仕組みが、逆にそういう優遇を受けようという努力でまた点数取りの勉強に走ってしまうということを私はすごく懸念しているんですけれども。  それで、一つ文科省の方にお尋ねなんですけれども、これは文科省じゃないかな、法科大学院ですね、失礼しました。じゃ、文科省じゃなくて法科大学院。受験資格のことですから、済みません。  法科大学院の所定の要件を満たした人に、在学中であっても受験資格を与えるわけですよね。法科大学院の在学中の人に受験資格を与えるといっても、一律にその最終学年になったら与えるわけじゃないですよね。ですから、じゃ、法科大学院の在学者に対して受験資格を与えるという場合のその与える要件は何ですか。一律なんですか、その最終学年になったら一律に与えるんですか。そうじゃなくて、成績がしっかりと、少なくともそこら辺のところの要件的な判断基準があると思うんですが、そこのところを教えてください。
  43. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) まず、法務省からお答えしますが、これは在学中受験資格の取得に当たって修得が必要となる、これは所定科目単位の取得が必要になってまいります。その具体的内容については法務省令により定めることとしておりますが、その法務省令の具体的内容につきましては、今回の法科大学院改革に伴う法科大学院の教育課程の見直しの状況等と並行して検討し、具体的には決定するということになりますが、現在のところ、法律基本科目や選択科目相当科目として開講されている科目等について一定の単位数を定めるということを検討しております。
  44. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 ですから、曖昧、まだ具体的に決まっていないというけれども、でも大臣がおっしゃられた、現在のところ法律科目の単位を修得していると。つまり、法律科目なんですよね。ですから、幅広い法曹、豊かな倫理観、あるいは豊かな判断力をしっかりと身に付ける、実務を身に付けるというのが法科大学院の本来の教育の在り方だった。だけど、そういう豊かな教養あるいは倫理観あるいは判断力とか、そういう、これまでで言えば、点で選抜するんじゃない、今度はプロセスでそういう豊かな法曹を育てるんだという、そのプロセスに相当する部分は入らなくて、結局法律の基本科目ができればいいという、本来反省したはずの点での選抜にまた戻ってしまうんじゃないかと。つまり、法律科目の単位だけ、あるいは、それに準ずるような科目だけ単位を取った人が受験資格得られるんだったら、みんな受験資格を取るためにその法律科目だけ勉強するじゃないですか。法律科目だけ勉強したんじゃ、何だ、点の選抜じゃないか、豊かな法曹を育てるという法科大学院の理念が結局またそうした法律科目の勉強ばっかり、点数取りになっちゃって、その趣旨が後退してしまうんではないかというのが私の懸念です。  だから、優秀な人材を早く発掘して、それを育てて、早く法曹に送り出すというのは大変大事、私は何ら反対もしないけれども、しかし、それが結局、本来の幅広い人間性を備えた、倫理観を備えた、豊かな判断力を持った、そうしたまさにプロセスとして目指すべき法曹を養成するという姿から離れてしまう部分が出てくるんじゃないかというのが私の懸念であります。  そこのところはこれから決めるというんだから、また決めるときにしっかりと議論したいと思いますけれども、私は、やはり元々、この今の問題は何かと言えば、司法制度改革で目指した、点での選抜じゃない、法律屋の法律知識の選抜じゃないと、豊かな法曹を育てるための制度なんだということの理念が大変残念ながら壊れていると。  文部大臣が文科委員会で認めました。ロースクールの生徒を、ロースクールをたくさん設置し過ぎて、法科大学院でしっかり学べば七割、八割が法曹になれるという仕組みを全くぶち壊したということは文科大臣も反省の弁を述べておりましたけど、そうした理念が壊されてしまった今の現状の中で何をやるべきかは、いい人材がよそに行っちゃうから何とかいい人材をつなぎ止めようということじゃなくて、まあそれも大事かもしれないのは分かるけれども、やはり本来の理念、まさに点での選抜ではないので、プロセスとしての教育をして、幅広い豊かな法曹を育てるという理念にしっかりとまたそれを戻る、ああ、戻るじゃない、できていなかったんだから戻りようがないのか、それを目指すと、外れてしまった道をしっかりそういう理念に目指す道に行くんだということが私は大事だと思う。  といったときに、優秀な在学生には受験資格を与えるけれども、その受験資格を与えるための勉強は実は法律科目だけだというと非常な大きな疑問がある。これからのそうした、実際、具体的なことはこれから決めるということでありますので、そうした私のような意見もあるということを踏まえて、豊かな法曹を育てるような仕組みをしっかり構築していただきたいということを述べまして、私の質問を終わります。
  45. 櫻井充

    ○櫻井充君 国民民主党・新緑風会の櫻井充です。  前回に引き続いて、いわゆる人質司法の問題について質問させていただきたいと、そう思います。  その前に、一昨日、川崎で本当に許し難い事件が起こりました。お亡くなりになられた皆さん、それから御遺族の方々に衷心より哀悼の誠をささげたいと思いますし、犠牲になられた皆さん、一日も早く回復できるように心からお祈り申し上げたいと、そう思います。  罪を犯した方は、加害者の方は自殺されましたので、勾留されることはありませんでした。こういう方々がもしあそこで逮捕されていて、そして勾留されていたと、仮に長期間勾留されていた場合に、国民の皆さんはこのことについて批判するかというと、恐らく批判される方は誰もいらっしゃらないんだろうと、そう思います。むしろ、証拠隠滅のおそれがないからといって釈放するようなことがあったとしたら、何でこんな危ない人を釈放するんだと、むしろそちらの方で抗議されることになるんだろうと、そう思うんです。  そうすると、長期間勾留するという意味合いは、証拠隠滅のおそれがあるという観点もあるかもしれませんが、一方で、社会の秩序を維持していくためという観点から正当化されるところがあるんではないのかと、そういうふうに思っていますが、その点について大臣はどうお考えでしょうか。
  46. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 現行の刑事訴訟法におきましては、一般に、勾留の目的は逃亡及び罪証隠滅の防止にあると解されているところでございます。  御指摘のように、治安の維持や公共の安全それ自体を理由として勾留するような制度を導入することにつきましては、将来の犯罪を予防するためとして身体拘束が過剰になされることにならないかなどの指摘もあり得るところでありまして、慎重な検討を要するものと考えております。  ただ、もっとも現行法においても、裁判所は保釈請求があったときには原則として保釈を許可しなければならないと、これ権利保釈と呼んでおりますが、この権利保釈の除外事由として、例えば事案の重大性に関する事由であるとか、常習性等に関する事由であるとか、被害者等の安全に関する事由などが掲げられているところでございまして、御指摘のような観点も、そういったこの権利保釈の除外事由ということで、指摘されている事案の重大性や常習性に関わる事情として一定程度考慮され得るものと考えております。
  47. 櫻井充

    ○櫻井充君 ありがとうございます。  そういうふうに解釈していただければ有り難いと思うんですが、要するに、国民の皆さんからしてみると、証拠隠滅のおそれという観点よりは、やはり社会の治安維持の方に重きを置かれている方が随分いらっしゃるんじゃないかと、そう思うんです。  いや、私は、日本の司法制度そのものがそういう観点に立ってやってきたことについて、いや、法律上はそうじゃないかもしれません、でも、結果的には治安維持に寄与してきたと、そう思っていて、この方向性は間違っていないと思うし、これが、いろんなことを言われるかもしれないけど、私は、日本の社会の維持のためには必要な行為だと、そう思っています。  ただ一方で、例えば村木さんのような場合について申し上げれば、結果的に彼女は無罪でした。彼女のような方が仮に釈放されたとして社会の治安維持に対して何らかの影響を及ぼすのかというと、決してそういうことはないんだろうと、そう思うんですよ。そうすると、罪状をなかなか認めてくれないと、そうすると、証拠隠滅のおそれがあるといって長期勾留をしていると、こういう場合については、人質だ、人質司法だというふうに言われてしまうんではないのかと、そう感じているわけです。  そうすると、ある程度の長期勾留について、一概に、一緒くたにして考えることではなくて、今申し上げたとおり、社会秩序の維持を、それを目的と、法律上はそう書いてありませんが、例えば区別する在り方として見ると、そういう区別の在り方の中でその勾留の在り方というのを考えていくということは一つの視点ではないのかと思うんですが、その点について、大臣、いかがでしょうか。
  48. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 現行の刑事訴訟法において、勾留の目的、逃亡及び罪証隠滅の防止にあると解されているところでございます。  先ほど申し上げた治安の維持や公共の安全、それ自体を理由として勾留するような制度ではないということでありますが、先ほど申し上げた権利保釈の除外事由として、一定程度そういったその事案の重大性、常習性、被害者等の安全に関する事由ということで判断されているというところでございます。
  49. 櫻井充

    ○櫻井充君 法律の判断については今大臣が御答弁されたとおりだと思っているんです。ただ、そこの中に意味合いとしてこういう点もあるんじゃないのかということを申し上げています。  つまり、そのことを行うことによる社会的な価値といったらいいんでしょうか、それが何らかの、私はそれがあると思っていて、それがあると思っていて、それは、繰り返しになりますが、社会の治安維持のためだというふうに私は理解しています、もあるんじゃないかと思っているわけです。  繰り返しになりますが、村木さんのような方を仮に釈放したときに社会的に何か問題が起こるのかと、治安維持について問題があるのかというと、問題がないことだけは、これは御答弁いただかなくて結構ですが、認めていただけるんだと、そう思います。この場合には、罪状を認めていただけないので、証拠隠滅のおそれということで結果的には長期間勾留されることになりました。これはこれで一つの考え方です。  ただ、前回申し上げたとおり、こういうやり方をしていることによって日本のいわゆる人質司法だと海外から批判され、一部報道によると、海外の投資家の方々が二の足を踏むんではないのかという危険性をはらんでいるということになってくると、どういう人たちと区別をしていけばいいのかという議論をする必要性はあるんじゃないのかなと。  つまり、繰り返しになりますが、全般的なことを一くくりにして考えることではなくて、ある種差別化して、どこがどういうふうに違っているのか、社会としてどういうものが必要なのかという観点から考えていくような、これまでそういう議論をされていなかったことは重々承知しています。ですが、そういう観点で見ていくことも、これはなかなか大臣御答弁いただけないなら事務方でも結構ですが、そういう観点で考えていく必要性もあるんではないのかと思いますが、この点についていかがですか。
  50. 小山太士

    ○政府参考人(小山太士君) 大臣の御答弁、ちょっと重ねての部分も、ちょっと御説明させていただきたいと思いますけれども、現行の刑事訴訟法八十九条には、その事件自体で、被告人が死刑又は無期若しくは短期一年以上の懲役等に当たる罪を犯したものであるとき、それから、その重い前科があるときですね、前に死刑又は無期若しくは長期十年を超える懲役等に当たる罪につき有罪の宣告を受けたことがあるとき、あるいは、被告人が常習として長期三年以上の懲役又は禁錮に当たる罪を犯したものであるときにつきまして、権利保釈の除外事由としてございます。これ委員もう御存じかもしれませんけれども。  ですから、実際上、大臣も御答弁申し上げましたが、一定のそういう危険性があるといいますか、事案の重大性、常習性に係る事情として、そういう御指摘のような再犯のおそれ的なところもある程度は考慮され得る制度でございます。
  51. 櫻井充

    ○櫻井充君 あんまりぴんとこないんですけどね。  繰り返しです、もう一度改めて申し上げます。要するに、何らかの社会に対して危険性を持っている方について釈放しろということを申し上げてはおりません。しかし、社会に対して、まあ、多分何も問題起こさないであろうという方について、いろんな条件を付けてで結構ですが、いろんな条件を付けてで結構です、例えば通信傍受を行ってくるとかその方々の行動をちゃんと全部監視するとか、そういうことがあってもいいと思うんですけれど、社会的な秩序を維持、まあ社会的秩序を乱さないような方についてはある程度勘案した上で勾留期間、勾留するかどうかというのを決めていかないと、今申し上げたとおり、いわゆる人質司法だと言われかねないのではないのかと。危険性のある人について釈放したら、むしろそれは社会から問題視されるわけですよ。そういうことではなくて、そういうことではなくて、今までにない観点だと思っています。  それから、この観点で全部決めてくれなんて気は更々ありません。ですが、今まで行ってきたことに対する社会的な価値は何なのかといえば、その社会の治安維持という点では僕はすごく大きかったと思っているんですよ。  なぜ理不尽だと言われるのかといえば、理不尽だと言われるのかといえば、無罪になった方もいらっしゃいます、無罪になった方もいらっしゃいます。そういう方に対して必要以上に、必要以上に勾留期間が長いからそういう話をされるのであって、そこを何らかの形で解決していかないと、いろいろ日本の司法制度そのものが指摘されるんじゃないだろうかと、そういう不安からこちら側は申し上げています。別に全面的に日本の司法制度そのものを批判しているわけではありません。そこは誤解しないでいただきたいんです。一部、一部についてどうしても特出しされて批判されてきているところがあります。その部分をどう解決していくのかということで、新たな視点で提案させていただいているんです。  そういう意味合いで、そういう意味合いで、社会的な秩序を乱すような方でない方に関していって、それから証拠隠滅のことについて、別に釈放したとしてもその後の監視体制をきちんとするようなことをしていけば、その長期の勾留というのを妨げることができるのではないのかと、そう思うんです。これは、社会的秩序を乱すであろうというような犯罪者に対してまでやってくれなんて、しかも、逆に言えば、社会はそんなことを望んでいません。  ですから、こういうような考え方に立って検討することも必要ではないかと思いますが、これは大臣にお答えいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。難しい案件であることは分かっているんです。難しいことでありますし、昨日通告した中で事務方と話をして、急に、これでこうします、ああしますと言えないことは重々承知しています。ですが、方向性として、こういうふうに言った方がいいでしょうね、一つの視点としてどうなのかということについてだけ、大臣からコメントをいただければ結構です。
  52. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 御指摘ではございますが、治安の維持や公共の安全、それ自体を理由として勾留するという建前を取っておらないというところでございまして、そもそも勾留につきましては、司法判断を経て、個別の事案に即して裁判官が判断しているところであり、そこについて適正な判断がなされていると思っております。  諸外国からのいろいろな指摘はございますが、これに対しましては、我々は司法判断を前提としているものだということ、そして我が国の法制について丁寧に説明をしてまいりたいと考えております。
  53. 櫻井充

    ○櫻井充君 それでは、逆にお伺いしたいことがありますが、具体的にどういうふうにして、今のようないわゆる人質司法だと言われることに対して、何というのか、反論されていくんでしょうか。  つまり、私は、こういうことを言われないようにするためには、今のような考え方に立って少し改革していったら良くなっていくのではないのかと思って申し上げています。ですから、その改革は必要だという点では、改革しないで弁明されるだけなのかどうか分かりません、この点について問題意識は多分同じように持っていると思うんです。ですから、そこをどういうふうにすれば、じゃ、具体的に解決できるんでしょうか。
  54. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) まず、人質司法という批判に対しては、これは捜査機関が人質に取るということではなくて、これは別の独立した判断である裁判官がやっているものであること、そして、その判断におきましては、刑事訴訟法の規定にのっとって、限定的な理由においてその勾留を続ける理由が示されているということを、これは諸外国については丁寧に説明していく必要があろうと。そういったことから、我が国の法制について、例えば外国のプレスなどについて特に説明をするという機会も設けているところでございます。
  55. 櫻井充

    ○櫻井充君 今日はここで議論は終わりにしておきたいと思いますが、ですが、どういうふうにしたらその誤解を、何というんでしょうか、解決できるのか、誤解を払拭できると言った方がいいんでしょうか、そういうことについてまたこれからもいろいろ議論はさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  法曹養成のことについてお伺いしたいと思います。  対日要望書というのがありました。対日要望書というので、実は日本人の弁護士を数を増やすべきだとアメリカから言われたことがございます。アメリカ側から言われた中でいうと、遅くとも二〇〇〇年の四月の一日から合格者を千五百人以上にすることとアメリカ側から要求されてきています。その上で、日本は中間報告として二〇〇〇年にこういう答えをアメリカ側に返しているんですが、一九九九年度から千人程度増加したと。規制緩和推進三か年計画、一九九九年三月三十日閣議決定にあるように、司法試験合格者の千五百人程度への増加につき、現在、調査検討を進めていると。こういうふうに、アメリカから対日要望書というのは毎年毎年出されてまいりました。それに対してこういうふうに答えてきています。  日本の司法制度改革は、アメリカから言われたからこうやって改革が進んできたんでしょうか。
  56. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答え申し上げます。  委員御指摘のアメリカ政府からの法曹人口の増加に関する要望、これは累次出されたということは承知しております。また、最終的に司法制度改革審議会が三千人目標を掲げたわけでございますが、そのことについて議論を進めていた当時に、アメリカ政府から日本政府に提出されていた要望書、年次改革要望書では、これも法曹人口に関する言及がございまして、例えば平成十三年十月に提出された要望書には、合格者を年に三千人に増加させるための計画を策定することを強く要望するといった旨を盛り込まれていること、こういったことも含めて承知しております。  しかし、平成十三年六月に取りまとめられた司法制度改革審議会意見書は、その審議会において約二年間にわたる慎重な調査審議を経て取りまとめられたものでございまして、この審議会の議論では、法曹人口の在り方についても様々な角度から検討が加えられており、その議論の結果が審議会意見書として最終的に取りまとめられていると理解しておりまして、アメリカ政府からこのような要望があったということで、その要望をそのまま受け入れてこういう結論になったものとは考えていないところでございます。
  57. 櫻井充

    ○櫻井充君 いや、それは独立国家ですから全てそうだとは申し上げませんよ。だけど、例えば、まあこれは林産物の輸入から始まるんですけど、これとてアメリカ側から相当いろんなプレッシャーが掛かって、それで変わってきています。郵政の民営化も同じですよ。最後は郵政の民営化ではなくて、あるアメリカの企業の保険をちゃんと日本郵政で売ることになって、最終的な決着はここで済むのかもしれませんけれど、いろんなことが要求されてきたんです。いろんなことが要求されて、それで変わってきているんですよ。  だから、僕はゆがんできているんだと、そう思っているんです。日本社会に合わないような制度をアメリカ側から言われて、それをしようがない、のまなきゃいけないんでしょう、そういうことでどんどんどんどん進んできているんだと思うんです。  そうすると、例えば、裁判員制度という制度がありますが、なぜ裁判員制度って刑事だけなんですか。人の命を預かるような非常に難しい判断なんです。民事訴訟、じゃ、どうして民事訴訟は入らないんでしょうか。なぜ刑事、人の命を預かるような刑事訴訟だけを素人に判断させるということになるんでしょうか。非常におかしな話でして、非常におかしな話でして、なぜこういうことになっているんでしょうか。
  58. 小山太士

    ○政府参考人(小山太士君) 裁判員制度の導入でございますが、これは内閣に設置されました司法制度改革審議会が平成十三年六月に取りまとめた意見書において提言されたものでございますが、同意見によりますと、裁判員制度の対象事件につきましては、国民の関心が高く社会的にも影響の大きい重大な刑事事件とすることが相当であるとされた一方で、刑事訴訟手続以外の裁判手続への導入については、刑事訴訟手続への新制度の導入、運用の状況を見ながら、将来的な課題として検討すべきであるとされていたこと等を踏まえまして、刑事訴訟手続についてこの制度を導入することとされたものと承知しております。
  59. 櫻井充

    ○櫻井充君 こういうことを指摘される方がいらっしゃいますが、アメリカの陪審員制度というのがあります。アメリカの陪審員制度というのがアメリカの司法制度の民主性を表す最大の特色だと、そうおっしゃっている方もいるわけです。  だけど、この陪審員制度で一体どういうことが起こっているんでしょうか。アメリカ企業が日本企業を訴えた場合には、当然ですけどアメリカの国益にかなうように、陪審員の方々はみんなアメリカの方ですから。そうすると、日本の企業が圧倒的に不利になって、多額の損害賠償請求を迫られて、企業が大変な状況になっているということを、当然ですよ、アメリカで経験しているんですよ。もし民事訴訟でアメリカ企業が日本企業を訴えた場合にはどうなるか、逆に言えば、裁判員制度がある中で日本企業がアメリカ企業を日本国内で訴えたらどういうふうになるかは、火を見るより明らかじゃないですか。  つまり、アメリカではこういう経験をしてきているから、自分たちの御都合でですよ、特に年次改革要望書の中ではこういう裁判員制度の導入などについては全く触れていないんですよ。その代わり、その法曹養成だけ、人口だけはどんどん増やしていってくれと。恐らく、アメリカと同じような訴訟社会をつくりたいからということなんだろうと、そう思います。  繰り返しになりますが、こういう声があるわけですよ。おかしな制度なんですよ。なぜ刑事だけで民事に入ってこないのか、ちゃんとした理由がありません。ちゃんとした理由がない中で、私が調べている範囲で申し上げれば、アメリカにとっては決して有利な制度ではなくなってしまうので、それで刑事だけで収めるしかなかったということなんじゃないだろうかと、そういうふうに思っています。  全てがアメリカから言われたことだとは申し上げません。それは当たり前のことですよ。そんなの当然のことですよ。だけど、こうやって毎年毎年、対日要望書というのを突き付けられて、あるところなどは、何年後かの日本社会見るときに、対日要望書さえ見ればもう明らかになっていた時期があるんです。日本は対米要望書というのを出していました。対米要望書って何かというと、例えばパスポートをもっと簡単に発行してくれとか、もうつまらないことであって、アメリカの制度改革について触れているなんというのはほとんどなかったんですよ。  そういう意味合いでは、アメリカというのは僕はすばらしい国だと思いますよ、交渉事からすれば。自分たちの思うような制度に変えていきたいから、その対日要望書というものを使ってやってきている。それから、ACCJなどがロビー活動をきちんと行って、それで自分たちに有利になるような制度を導入させようとしてくると。そういう中で司法制度改革が僕は行われてきているところは絶対にあると思っているんです。その結果、一体誰が犠牲者になっているんでしょうか。これで犠牲者になっている方随分いらっしゃると思いますよ。  今、弁護士さんを目指す人たちが減ってきているというのも、魅力的な職業ではなくなってきていると。こんなに急激に弁護士さんの数が増えていったら、残念ながら安定した収入を得れるかどうかも分からなくなってきていると。こういう無理筋の改革を受け入れてきているから、こうなってきているんじゃないのかと思います。  ここで大臣にコメント求めるつもりはございませんが、しかし、日本には日本としてちゃんと合うような司法制度改革をやっていただきたいんですよ。そうしなければ成り立っていかないからです。それで、そのロースクールも、これは対日要望書の中からです、対日要望書の中に書き加えられていましたよね。
  60. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  61. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 速記を起こしてください。
  62. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) 対日要望書の中にロースクールに関する記載があったかどうか、ちょっと今手元に資料がございませんので、確認してまた御説明させていただきたいと思います。
  63. 櫻井充

    ○櫻井充君 じゃ、後で調べていただきたいと思います。  その上で、法科大学院卒業者、卒業した人の合格率と、それから予備試験を合格した人たちの司法試験の合格率というのは一体どのぐらいですか。
  64. 西山卓爾

    ○政府参考人(西山卓爾君) 平成三十年の司法試験につきまして御紹介いたします。  予備試験合格資格に基づく受験者の合格率は七七・六〇%、一方、法科大学院課程修了資格に基づく受験者の合格率は二四・七五%でございます。
  65. 櫻井充

    ○櫻井充君 これだけ合格率違うんですよ、大臣。予備試験を受けている方々はどんどん増えています。  それで、二十四年から申し上げれば、受験者数は、平成二十四年は予備試験合格に基づいての受験者は八十五人でした。それが年々増えていって、平成三十年には四百三十三人になっているんですよ。合格率も別に特別上がってきたわけではなくて、一番低いときでも六一%でしかないと。一方で、法科大学院卒業者の方々の合格率の一番高いのが平成三十年の二四%です。そうしてくると、果たして本当に法科大学院って必要なのかという話になるんだろうと、そう思います。親の家計からの支出も増えるわけですよ。何年間もその大学院に行かせたりとかなんとかですね。  大臣はここの委員会で、浪人する人たちを減らすためなんだというお話をされていました、それも一つだと、そういう趣旨の答弁をされた記憶が私はございます。ですが、そうやって見てみても、例えばその法科大学院で受験されている方々が四千八百人いるわけですよ、平成三十年で。千百八十九人しか合格していないということは、残りの方々が浪人したかどうかは分かりません。結局、法科大学院を卒業しようがしまいが、浪人する方々は多数いらっしゃるということについては紛れもない事実だと、そう思います。そうしてくると、親の負担だけが増えてくる、それから学歴要件を課されてしまうと、なれる人たちが限定的になってしまうと。  そのことを考えてくると、やはりもう少し予備試験そのものを一般的なものに限って、ちゃんと、何というんでしょうか、無意味なとまで、僕は無意味なもののように思えるような問題いっぱいありましたが、もう少し予備試験のところの間口を広げるようなことをやっていくべきではないかと思いますが、この点についていかがですか。
  66. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 予備試験の間口を広げるべきというところではございますが、予備試験については一般的に受験資格というのは制限ございませんので、既に間口は相当広いものと考えております。  他方で、法曹養成制度においてどうあるべきかということに関しましては、これは司法制度改革において、質、量共に豊かな法曹を輩出するために必要となる大幅な司法試験受験者増を、その質を維持しつつ図ることにつきまして、司法試験という点による選抜では困難を伴うことから、新たに法科大学院を中核とするプロセスとしての法曹養成制度が導入されたものと理解しておりまして、それは今一定の効果を上げているんだろうというふうに考えております。  そして、今回の法曹養成制度改革についての改正法案において、法科大学院教育の充実を図るということを通じて、法科大学院のプロセスを通じたこの法曹養成の意義、これがより効果を増すんであろうというふうに考えておりますので、そういったこの法科大学院の制度を中核とする法曹養成制度というのは維持されるべきであろうというふうに考えております。
  67. 櫻井充

    ○櫻井充君 法科大学院ができ上がる前に弁護士になられた先生方は、何らか問題があったんですか。
  68. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 私もその一人でございまして、問題があるかないか御批判を待ちたいと思いますけれども。  他方で、私の経験からいえば、それまでは司法試験はもう本当に点の選抜でございました。その中で、自学自習するということをメーン、あるいは予備校に行くということをメーンにしておったところでございます。その中で、例えば事実の中から法的論点を抽出する能力というものが必ずしも学部教育では十分に図られていなかったというふうな認識をしております。  そういった中で、今回、法科大学院教育によりまして、様々な事実の中から法的論点を抽出し、それを法的に論ずるというような教育というものがなされているということを実感しておりまして、そうしたことを一つ取っても、プロセスとしての法曹教育、こういったものが効果を持っているのではないかと考えております。
  69. 櫻井充

    ○櫻井充君 それは現場に行って学ぶべき点なんじゃないでしょうか。つまり、学生時代にそういうことを学ぶんでしょうか。  私は医学部を卒業しています。医学部の時代に学んだこと自体が、じゃ、どれだけ生きるかです。私は、済みませんけれど、三か月ぐらいたって、医者になって三か月目ぐらいに当直行きましたが、先輩からちゃんとマニュアル書いてもらって、風邪で来たらこの薬だとか、おなかが痛いとこの薬処方しろと、そういうふうに言われまして、一番最初に来た患者さんが膵炎でして、もうどひゃでした、全然もう対象外ですから。どうしていいか分かんなかったら、昼間に来てくださっていたので、それと同じ点滴をして、慌てて戻って本を見て、あっ、これで正しいんだと確認して、まあそういう生活ですよ。  だけど、何を申し上げたいかというと、学生時代にそういうことというのは学べないんですよ。だから、医者もこんな三か月目から当直に行くようなことをやめましょうといって、二年間の研修制度ができ上がったんです。  ですから、先ほど小川委員からのお話がありましたが、むしろ、そういうのは、実習期間延ばせばいいだけの話であって、大学で余り、実態で経験される、大学院とかで実態を経験することじゃなくて、机の上で学ぶようなことよりも、先輩がちゃんと付いてそこでいろんなことを教えてもらうようなシステムにした方が私はよほど合理的だと思いますよ。  しかも、先ほど、今、大臣が御答弁されたようなことは、現実、皆さん、最終的には身に付いているはずなんです。それはなぜかというと、別に大学院がなかったかもしれないけれど、現場に出てから、弁護士さんなら弁護士さんの業務をやられて、そこでいろんな経験をされて、ちゃんとそのノウハウなりなんなりを蓄積することになるわけです。だとすると、現場に出ることの方が大事ですよ、学んでいくことよりもね。机の上で勉強するよりも、そういうところに行ってやった方が私はよほど役に立つんじゃないのかと思うんですね、大臣。  そういう意味合いでは、私は昔の制度での弁護士さんだって何ら問題はないと思っているし、その意味合いでいうと、繰り返しになりますが、合格率は低いし、親の負担は増えるだけだし、今回、だから飛び級とかいろんなことを工夫はされていることは認めた上で、もうちょっと司法制度全体を考えていった方がいいんじゃないだろうかと。  それから、法曹養成、こうやって増加させろと言われてきたのは、アメリカからの要望もかなり強くて、当初日本が予定していた数字よりもはるかに多い数字を要求されて法曹養成の数が増えてきていますから。残念ながら現実はそうなっていませんけど。  そういう意味合いでは、もう一度、何というんでしょうか、どういう法曹養成が適切なのかということに立ち返ってもう一度議論していただきたいと、そのことをお願い申し上げまして、質問を終わります。  ありがとうございました。
  70. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 公明党の伊藤孝江です。よろしくお願いいたします。  今日は法曹養成の在り方についてということですけれども、この法曹養成、一般の例えば会社に就職をするというような形とは違って、試験を受けて資格を取得をして、試験を受けて修習があって、そこもきちんと国から管理というか教育もしていただくようなシステムがあり、で、その後、資格を取るということも含めて国が関与をするというのがこの法曹養成の特色の一つであるかと思うんですけれども、まず、この法曹養成の重要性について御説明いただけますでしょうか。
  71. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答え申し上げます。  法曹養成の重要性ということでございますが、やはり、それは法曹がこの司法権の運営に携わるものであるということだと思います。  司法は、具体的事件、争訟を法の正しい解釈、適用を通じて適正に解決して、違法行為の是正や被害を受けた者の権利救済を行い、あるいは、公正な手続の下で適正かつ迅速に刑罰権を行使して、ルール違反に対して的確に対処する役割を担い、これらを通じて法の支配を実現することが期待されているところでございまして、法曹はこういった司法の運営に直接携わるプロフェッションでありまして、国民の権利利益を保護し、自由かつ公正な社会を実現する上で極めて重要な役割を果たしております。  社会経済の進展に伴いまして、法曹に対する需要というものも量的に増大するとともに、質的にも一層多様化、高度化して、また社会生活の幅広い分野に広がっていくことが予想されます。  こういった法曹の果たす役割の重要性に鑑みますと、この質、量共に豊かな法曹を養成することは、この先ほど申し上げましたとおり、国民の権利利益を保護し、また期待と信頼に応え得る司法をつくり上げていく上で極めて重要なものであると考えているところでございます。
  72. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 質、量共に豊かな法曹を養成するということでしたけれども、この法曹養成というのは、何をもって質を豊かな、量を豊かな、まあ量はたくさんいるということなんだとは思うんですけれども、その質の例えば豊かなというところについては、何をもって養成をしているというふうに考えていらっしゃるんでしょうか。
  73. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) これも旧制度との関係で司法制度改革審議会意見書に書かれてきたところでございますけれども、やはり旧制度が点による、一点による選抜ということで受験競争が激化して、受験技術が偏重して、法曹となる者の資質に悪影響を及ぼすんじゃないかということで指摘されていたわけでございます。  それに比しまして、新制度の下ではロースクールを中核としたプロセスとしての法曹養成ということでございまして、先ほど来話が出ておりますように、先端的な領域も含めます幅広い法分野の知識でありますとか、創造的な思考力でありますとか、法的分析力、法律的な文書作成能力、そういった点を幅広くプロセスの中で教育できると。そういった教育を受けた者が質の高い法曹なのであろうと、また法曹倫理の観点もそうですけれども、そういったものを身に付けた者が質の高い法曹で期待される法曹なのであろうというふうに考えています。
  74. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 幅が広いとかいろいろ今御説明ありましたけれども、実務家として出発をする段階、裁判官なり検察官なり弁護士として、実務家として出発をする段階でのその知識量、また訓練量、そういうようなものについてどういう保証をしていると、これは旧制度でも新制度でも変わっていませんよという話なのか、今おっしゃられたように、旧制度にあった点の教育であれば悪影響しかないと、まあ悪影響しかではですね、悪影響があるということで、今はそこがもうなくなっていて、質の高い法曹を出発点においてはしっかりと確保できているんだというふうに考えておられるということですか。
  75. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  なかなかその法曹の質が、制度の変更あるいは時代の流れによって求められるものが異なるかどうかというのはなかなか難しい問題だと思いますけれども、ただ、言えるのは、法曹養成制度、それはそれぞれの時代ごとの社会の要請に応じて設計、構築されていくべきでありまして、それに応じて、法曹養成制度を運営、実施するに当たって国が担う役割というのもそれに応じて変化していくものであると考えております。  また、法曹が果たすべき役割や求められる質につきましても、やはり社会情勢に応じて変化していくものではないかというふうに考えているところでございまして、ただ、法曹が司法の運営に直接携わるプロフェッションであることに鑑みますと、先ほど幅広い分野の知識とか法曹倫理とかいろんなことを申し上げましたけれども、やっぱり司法権の担い手として不可欠な基本法に関する深い知識や能力などのいわゆる基本的な資質を備える必要がある、これはもう変わらない、当然のことでございまして、いかに社会が多様化して法曹に求められるもの、役割や質が変わるとしても、そういった基本的な知識、資質というものは変わるものではないというふうに考えているところでございます。
  76. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 済みません、ちょっと今の御答弁の確認なんですけれども、途中で法曹の質は時代によって求められるものが変わるというお話があったり、でも実際には何も変わっていませんとか、何かちょっとよく分からなかったので、法曹の質と、今、要は、このロースクールの問題に関連をして法曹養成の中でいろんな懸念が示されていることの一つは、法曹としての質を担保できているのか、維持できているのか、きちんとそもそも確保できているのかという、こういう観点だと思うんですね。その制度も、司法試験の制度も変わり、ロースクールなどの教育のやり方も変わってきて、また、求められる時代背景、経済状況等も変わってきているという中で、この法曹の質というのをどんなふうに考えて、それは変わっていないのか変わっているのか、何を目指していらっしゃるのかというところをちょっと教えていただいていいですか。
  77. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  なかなか難しい御質問でございますけれども、やっぱりプロセスとしての法曹養成、これが目指されたというところは、先ほども申し上げましたけれども、まず法曹に共通して必要とされる専門的資質、能力、これはもう当然必要になるものでございますが、それを、専門的な法知識の確実な修得、それを批判的に検討し、発展させていくまた創造的な思考力、また先端的な法領域について基本的な理解、また法曹としての責任感や倫理観を目指されて、そういった質を持った法曹が求められているということだと思います。  ただ、この新しい制度導入の前後で法曹の能力や質そのものを総体として比較するということは難しいものでございまして、これは、個々の法曹によって活動内容や事業形態が様々であることに加えまして、やっぱり資格を取得した後の法曹個々人の自己研さんあるいは実務経験等による面も大きいということなので、なかなか旧制度、新制度で質がどう変わったか、能力がどう変わったかということを申し上げるのは困難だと思います。  ただ、参考までに申し上げますと、法曹に必要な資質、能力を備えているかどうかを判定する目的で行われております司法修習生の最終考試、いわゆる二回試験の不合格者の割合を見ますと、新しい制度の導入前と新しい制度の導入後で大きな変化はないということでございます。
  78. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 もう禅問答みたいになってきたのでやめようかと思いますけれども、その法曹の質、当然、輩出をする側、教育をする側で考える観点と、ただ、先ほどロースクールは学生のためというところで、観点で考えていかないといけないという話もありましたけれども、法曹となると、裁判官、検察官、弁護士になるということは、当然それを利用する、また、裁判官であれば裁判を受ける権利、検察官であればきちんと調べをしていただけるのかどうか、どういう判断をしてもらえるのか、弁護士であってもそうだと思います。  その利用する側の国民にとってどうなのかというところですから、そういう意味では、今回の例えばロースクールの改革について、訓練期間が短くなる、その分知識が以前よりも少なくなってしまう、訓練を受ける場所が少なくなってしまう。それでは、学生にとってはいいかもしれないけれども、利用する側の国民にとってどうかという点での、その法曹の質というところの懸念が出てくるのは当然あり得る話だと思うんですね。この利用する側の国民の側に立っての法曹の質の担保という点について、しっかりと考えていただきたいというふうに思っております。  法曹希望者が減少をしているということも今回のロースクール法案の改正に向けての一つのきっかけなんだろうと思うんですけれども、そもそもこの法曹希望者が減少している原因についてはどのように捉えていらっしゃるんでしょうか。
  79. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  法曹志望者ということで、法科大学院の志願者についての数字を申し上げますと、制度設立当初、平成十六年度は七万二千八百人いましたが、平成三十一年度は九千百十七に激減しているところでございます。  こういったその法曹志望者の減少につきましては、二十七年六月の推進会議決定において、法科大学院全体としての司法試験合格率や、法曹有資格者の活動の場の広がりなどが制度創設当初に期待されていた状況とは異なるものとなっていることが挙げられておりまして、また、法務省が平成三十年に実施した法学部生に対する法曹志望に関するアンケートにおきまして、法曹志望に当たっての不安として、法曹資格取得までの時間的、経済的な負担が掛かるといった要因も挙げられているところでございます。  法曹志望者の減少につきましては、こういった複数の要因が影響しているものと考えているところでございます。
  80. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 もちろん資格を簡単に取ることができるかもしれないというふうに思えば、資格に挑戦する人も増えるという点もあるのかも分からないですけれども、例えば旧試験、今となれば旧試験という言い方になるんでしょうけれども、以前の試験は今の試験よりももっと時間も掛かっている人が多かったです。もちろん現役合格の人も一部いましたけれども、平均すると四年、五年、六年、七年という期間で、あるいは十年以上という人もたくさん合格までにいらっしゃった。  当然、その間、仕事をしながら、アルバイトをしながら、また支援をもらいながらというような形で、経済的にも困窮をしながらその試験期間を過ごしている人もたくさんいたと。それでも受験生の数でいうと、毎年、私が受けていた頃なんかはやっぱり二万人とかあった。  そういうことを考えたときに、経済的な事情で、また時間的な事情、当然、経済的なものに関してはしっかりとサポートをしていくのはこれから大事だということはもう大前提の上でですけれども、特に、時間的な要因として、今の試験制度では時間が掛かり過ぎだから嫌なんだと。それであれば、そういう人に受けていただくために時間を短くしていく、短くしていくという方向でやっていくのかどうかという点について、旧試験で、じゃ、なぜ受験生が多かったのか、今減っているのか。その時間的な負担についてというところで、どのように捉えていらっしゃるのかということを御説明いただけますでしょうか。
  81. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) 旧試験でございますけれども、受験者数が多かったということで、この理由ですけれども、受験資格の制限がまずない、受験可能期間や回数制限もなかったということでございます。それに対して、現行の司法試験制度は、受験資格が法科大学院を修了した者及び予備試験に合格した者に限られている上、受験可能期間も受験資格を取得して五年間という制限が掛けられております。  こういった司法試験制度上の相違点、これが受験者数の違いに関する大きな一つの理由として考えられるところだと思います。
  82. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 ここで受験者って絞られてしまうとそうやっておっしゃられるのかも分からないんですけど、そもそもの法曹希望者が、例えばロースクールに入学をしたいと考えていらっしゃる人自体もどんどんどんどん減ってきている。それが受験者の減少につながっているわけですから、受験者の減少で、年数制限がありますよというそういうような言い訳的な話ではなくて、本来的に減っているんじゃないのかという点について、その時間的な要因という重さなりというところをどう考えていらっしゃるのかというところをお聞かせいただけますでしょうか。
  83. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) これも繰り返しになるかもしれませんけれども、先ほど受験資格に制限がなかったということを申し上げましたが、現行の司法試験制度上の問題、あるいは法科大学院制度の問題といたしまして、先ほど申し上げましたとおり、司法試験合格率や法曹有資格者の活動の場の広がりが期待されたものとならなかったということと、先ほど申し上げましたアンケートにおきまして、法曹志望に当たっての不安として、法曹資格取得までの時間的、経済的負担が掛かるといった要因が現に挙げられているところでございまして、これが時間的な負担かなというふうに考えております。  それと、法曹志望者が減っているということにつきまして魅力が低下しているんじゃないかというような御指摘もあるところでございますが、法曹が司法権の担い手として重要な役割を果たしているということは変わりございませんで、その点での法曹の職業としての魅力、やりがいが低下したものとは考えておりません。むしろ法曹に期待される役割は増大しておりまして、弁護士を含む法曹有資格者の活動領域が拡大傾向にあると考えております。  また、経済状況が悪化して、法曹になっても元が取れないんじゃないかなというような御指摘もあるところでございますが、確かに法曹、弁護士人口が増加して、弁護士の就職、収入状況の悪化などが指摘された時期もございましたけれども、最近は法曹志望者の就職状況も改善状況にございまして、そういった時間的、経済的負担が今回の法改正により軽減されるということも踏まえますと、今申し上げました、法曹という職業が経済的に見合わないのではないかという評価も覆される、覆されつつあるんだろうと認識しているところです。
  84. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 何か、済みません、聞いていないことまでたくさん、法曹の魅力について語っていただきましたけれども、時間的に掛かってもやっぱりやりたかった人は、私ももちろんそうですけれども、やりたかったというか、そういう、私であれば弁護士という仕事に就きたいというのがありましたし、恐らく時間が掛かってもできる範囲の中でしっかりと挑戦をしていきたいというふうに思ってもらえる仕事であったことは間違いがないと思うんですけれども、先ほどおっしゃられた収入の面もそうですし、自分が通るのかどうかとか、また時間とか経済的とか、こういうような不安要素というのは恐らく旧試験のときも今も変わらないと。  どんな試験であっても、やっぱりそこにある程度人生の時間掛けてやっていく以上、これを選んで大丈夫なんだろうか、意味があるんだろうかというのは当然ある話ですので、経済的な理由、時間的な理由で、通るのかどうか、通った後就職できるのかどうか、もうかるのかどうか、ここの不安が解消されるということは多分どんな制度になったとしてもないんだろうなと。  その仕事を選ぶに当たっては、そこを乗り越えながらやっていく思いを持てるかどうかというところだと思いますから、そういう意味では、法曹としての魅力、先ほどおっしゃられた、収入を上げるとかということもそうなのかも分からないですけれども、そういうところをしっかりとアピールをしていかなければというか、理解をしてもらうことができなければ、いろんな不安を乗り越えてまでやりたい仕事というふうには選んでもらえないと思います。  いろんな、弁護士の例えば業務拡大ということで、先ほど来話に出ていました、例えばグローバル化で海外進出を助ける弁護士がいっぱい、たくさん必要になるんだとか、任期付公務員もたくさん増えていますよというような話もありましたけれども、実際それは、ロースクールを出たから、資格を取ったからできる仕事ではありませんし、やっぱりそういうことを扱っている事務所に入って、まずその事件に触れて、先ほど櫻井先生からもありましたけれども、そういう事件に触れさせてもらいながら、ボスから教えてもらう、先輩方から教えてもらう。あるいは、そういう事務所じゃなければ、弁護士会でそういうことを携わっている先生方と一緒に仕事をさせてもらいながら覚えていく。そういうようなことをしなければ、幾ら海外進出のための国際的な法律の勉強をロースクールでしたからといって、事件は来ないし、触れることもできないし、そもそも企業が求める弁護士、あるいは公務員として求められる弁護士は、弁護士としての経験がある人が欲しいのであって、何の経験もない人を欲しいかというと、やっぱり現実はそうではないと。  そういうものも見たときに、そのロースクールの充実と併せてしっかりとその後の就職も、本当にどうなっているのかというのも踏まえた教育のところも考えていただきたいですし、そこはもう、何というのかな、収入がちょっと増えたら希望者増えるでしょうみたいなことを簡単に言ってほしくはないと。また、収入がそんな簡単には増えないですし、私がレクでお聞きをしたときも、弁護士の収入が上がってきたという話の中で、売上高を示されました。いや、これ売上げだろう、経費引いてどれだけ自分の収入になるんだ、生活費に充てれるのはどれだけなんだと、そういうところも踏まえることなく、売上げがこれだけあるから大丈夫です、売上げ五百万だったらどれだけですか、もうけという話です。だから、そういうことも本当にきちんと見ることなく、弁護士の生活状況、しっかりと改善されていますよみたいなことを言っていただくというようなことは絶対に控えていただきたいというのを強く思うところでもあります。  この法曹資格を、最初にちょっとお聞きしたところとかぶるところではあるんですけれども、法曹資格を得やすくと言うと語弊があるかも分からないですけれども、なるべく障害を省いていって、希望する人が資格を取得をすることができるという方向に持っていくことと、その法曹を、裁判官も検察官も弁護士も、使う国民の側にとってそれがいいのかどうかというところのバランスをどう取るのかというところは、やっぱり最大限考えていかないといけないところだと思うんですが、この点、ちょっと大臣にお伺いできますでしょうか。
  85. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 確かに、法曹養成、国民にとって良いこと、これはもう大事なことでございまして、旧来は法曹の質の担保というところで、ともすれば合格者数を絞って質を担保しておった部分がございます。そうした中で、国民の司法アクセスということが十分ではなかった。  我々としては、この国民の司法アクセス、これ今後増えていくであろうと考えております。例えば児童相談所における弁護士の常置であるとか、あるいは成年後見、あるいは昨今では社外取締役に関して弁護士等の活躍も考えられている。そういった様々な広がりがある中で、法曹の量をある程度増やして質を確保するためにどうするかということで、ロースクールがプロセスとしての法曹養成ということをしていったのだろうと思っております。  そうした中に、これまでそのロースクールは一定の成果を上げてきたと考えておりますけれども、一方で、優秀な方々に志望してもらうためには経済的あるいは時間的負担というものを合理化していく必要があるんだろうということで、今回の改革において、一定の履修を行った者につきましては、その教育のカリキュラムの改革も含めて、それを前提として在学中の受験を認めるなど、そういった機会を広げるということによって、より国民にとって質の高い法曹へのアクセスが可能になるんであろうというふうに考えております。
  86. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 私自身も、ロースクールができたときに実務家教員として非常勤講師もさせていただきましたし、また、弁護士会の方でも修習の指導担当ということで修習生の指導もさせていただいておりました。  本当に、このロースクールを卒業した人たち、合格者の人たちがすごく頑張っているのもよく知っているつもりですし、でも、それでもやっぱりどうしても期間が短い分、どうしても勉強し切れないところ、分からないところというのがある。その上で、弁護士になる、裁判官になる、検察官になるとなったときに、今、OJT含めてしっかりとした研修体制というのがまだまだしんどい部分があるのかなというところを感じるところでもあります。先ほど来、実務としての研修という話もありましたけれども、本当にそういうところまで一体として法曹養成というのをしっかりと考えていただきたいなというのも思うところです。  今回のちょっと法案改正に関連して少しお聞きできればと思うんですが、まず、在学中に司法試験受けることができるということで、この司法試験の時期については現時点でどのように検討されているんでしょうか。
  87. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  司法試験の実施時期は法令で規定する事項ではございませんで、最終的には司法試験委員会の決定事項でございます。現時点で方針は決定していないということでございますが、今回の法改正の立案を担当する立場といたしましては、法科大学院における教育の実施を阻害せず、法科大学院教育と司法試験との有機的連携を図る観点から、一つの選択肢といたしましては、現状の五月の実施を少し後ろに倒して夏頃の実施とすることを想定しているところでございます。  もっとも、今回の見直しによる新しい司法試験の実施時期につきましては、法曹志望者あるいは法学教育関係者にとって非常に関心が高い事項であると認識しておりまして、法案成立後速やかに法務省に設置する予定にしております関係省庁、教育関係者、また法曹実務家等を構成員とする会議体においてしっかり検討することとしております。
  88. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 その設置される会議体の構成員、今少し言っていただきましたけれども、この構成員と、今後この会議体でどう議論を進めるかということについてお教えいただけますか。
  89. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) 会議体に参画するのは、文部科学省、最高裁といった関係省庁のほか、教育関係者や法曹実務家等を構成員として参画してもらうということを想定しております。  そこでの、会議体での議論の進め方でございますが、法科大学院の新たな教育課程の内容やカリキュラム編成、また、学生の学修到達度等の議論と並行いたしまして、法科大学院の教育現場、カリキュラムの現状や、法曹となろうとする者に必要とされる学識、能力などを踏まえた新たなカリキュラム編成の内容等に関する関係者の意見も十分に聞くということで、在学中受験資格の導入を前提として、そういった意見を聞いた上での司法試験の実施時期を含む司法試験の在り方について必要な検討がされていくんだろうというふうに考えております。
  90. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 この会議体の検討対象として、先ほど来議題にもなっています予備試験についても検討するということでよろしいんですか。
  91. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  予備試験の実施時期等を含みます予備試験の実施の在り方については、司法試験委員会の判断に委ねられているところでございます。  それで、予備試験の試験科目の範囲を定める法務省令の規定を設ける場合のほか、今回の司法試験法改正によりまして、予備試験に導入される予定になっております選択科目を具体的に定める法務省令の規定を設ける場合には、法務大臣が司法試験委員会の意見を聞かなければならないとされている、これが前提でございますが、法務省といたしましては、その会議体におきまして、先ほど申し上げましたとおり、司法試験の実施時期を含む司法試験の在り方について検討することとしておりますが、それと関連して、予備試験の実施時期等につきましても必要な検討がされるものと認識しておりますし、予備試験、論文式試験の選択科目、新たに導入される選択科目の詳細を定めるに当たっても、この会議体で必要な検討がされるものだというふうに考えております。
  92. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 この会議体で検討して司法試験委員会で決めるというようなお話、御説明かと思うんですけれども、今回の新しく法改正を踏まえての司法試験の実施時期が二〇二三年になるんですかね、最初が。これから逆算すると、当然、結論を出さなければならない時期というのがあるわけですよね。この司法試験についても、その司法試験の時期を例えば一つ変えるということになっても、受験生の負担であるとか、授業への影響であるとか、カリキュラムをどうするか、採点の期間をどうするのか、また、その間、休校措置をするのか、修習をいつから開始するのかというようなことも含めていろんなことに関係をすると。  そうなると、この司法試験の時期についても、早く決めなければロースクール側の対応ができないんじゃないかという反面、結論ありきで決められても困るというところの、そこをどうするかなんですけれども、ここはどのように議論を進めて、いつ頃をめどにというふうに考えていらっしゃるんでしょうか。
  93. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  御指摘のとおり、新しい司法試験が実施される年というのは令和五年で、ある程度間隔があるわけでございますけれども、やはり入ってくる学生あるいは教員のことを考えますと、この司法試験がいつ実施されるかということは、この法科大学院のカリキュラムにも大きな影響を及ぼすものであるということから、できる限り速やかに決定する必要があるものと認識しております。  したがいまして、法案成立後速やかに会議体を立ち上げて、関係者間で議論して、早急に方向性を示していくことが相当と考えているところでございます。
  94. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 ただ、先ほど来、試験科目等の話もありましたけれども、そういうのを考えたときに、早急に結論を出すというような問題でないことも確かなんですけれども、もうその結論ありきで会議体で決めますという話ではないんですよね。
  95. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) 司法試験の実施時期に関しましては、法科大学院の学修に影響を及ぼさない時期にしてほしいという要望、これは法科大学院協会の方からも出されておりますので、そういったいろんな意見を踏まえつつ、結論は速やかにというか遅れずに出したいと思いますが、しっかりいろんな意見を聞いて検討した上で決定したいというふうに考えております。
  96. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 しっかりそこはもう時間を掛けて検討もしていただきたいということもお願いをさせていただきます。  最後に大臣にお伺いをします。  この法曹養成の在り方で、当然このロースクールということで今文科が中心になっている部分というのもあるかとは思いますけれども、実際に実務として働き始める、またその前の修習というのを考えたときに、法務省の担う役割、また求められる観点というところは、法務省でしかできないこともたくさんあるかと思います。もっと積極的に法務省としてもこの法曹養成に関して、文科とも連携を取っていただけるような働きかけも含めてしていただきたいと思うんですけれども、最後によろしくお願いいたします。
  97. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) そういった法務省が果たす役割というのは非常に重要であろうと私も考えております。  そういったことから、法務大臣と文部科学大臣の相互協議の規定の新設等も図られているところでございますが、我々法務省としても、法曹有資格者の活動領域の拡大など、あるいはロースクール、私自身も学部において非常勤講師として法学部生教えたこともありますけれども、そうしたところの拡大であるとかそういったことも考えながら、法曹養成について法務省がしっかりとした役割を果たすということを今後も更に努めてまいりたいと考えております。
  98. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 以上で終わります。ありがとうございました。
  99. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午後零時十三分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  100. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) ただいまから法務委員会を再開いたします。  この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、青山繁晴君が委員を辞任され、その補欠として岡田直樹君が選任されました。     ─────────────
  101. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 休憩前に引き続き、法務及び司法行政等に関する調査のうち、法曹養成の在り方等に関する件を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  102. 山添拓

    ○山添拓君 日本共産党の山添拓です。  私も法科大学院出身の議員の一人として、今日は質問に立たせていただきました。  質、量共に豊かな法曹養成を掲げ、プロセスとしての法曹養成制度の中核を成す法科大学院が創設をされ十五年が経過しましたが、法曹志望者が激減し、見直しを余儀なくされております。今議論されている法案は、いわゆる3プラス2と、在学中受験で合格すれば、修了後すぐ司法修習に入れるようにと描いております。この法曹志望者の激減は、時間的、経済的負担の重さが主たる原因だとされています。  しかし、午前中も議論になっておりましたが、お配りしております資料の一ページから三ページ、文科省と法務省が実施をしました法学部生に対するアンケートでは、能力に自信がない、ほかの進路に魅力を感じた、適性があるか分からない、あるいは法曹の仕事に魅力を感じないなど、ほかの理由の方が上位で多数を占めております。  大臣、このことについてはいかなる認識でしょうか。
  103. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 今委員の配付された資料を見ておりますけれども、このうち、この自分の能力に自信がない、あるいは適性があるか分からない、あるいはほかの進路にも魅力を感じていると、この三つにつきましては、これは主観的な理由なんだろうというふうに考えております。この主観的な理由に関しましては、これは個々人の個人的な要因としての側面が強いのではないかと考えております。  他方で、大学卒業後法科大学院修了までの経済的な負担が大きいであるとか、あるいは合格率の問題であるとか、そういう時間的負担が大きい、これはある意味制度的な問題ではないかというふうに考えておりまして、今回の改正案では、そういった制度的な改正につきまして、この経済的、時間的負担の大きさというところの解消を一定程度図りたいということで御提案申し上げているところでございます。
  104. 山添拓

    ○山添拓君 資料の二枚目、三枚目が、法曹志望を過去には持っていたけれどもやめてしまったという学生や、あるいは一度も法曹を志望したことのない学生の不安や迷いを紹介したものです。ここでは、時間的、経済的負担というのはむしろ少数であります。  志望者を増やすというのであれば、法曹の仕事としての魅力や、あるいは法科大学院で学べば合格できるという、こういう見通しを持てるようにすることこそが求められているということを指摘しておきたいと思います。  時間的負担ということについて質問したいと思います。  この間、今大臣も指摘をされましたが、文科省が行った法学部生へのアンケートは、法科大学院修了までの時間的負担しか聞いておりません。修了後、受験と司法修習までの時間が空くという、政府がギャップタームと説明する時間的負担について、学生や法科大学院生、あるいは修了生に対して広く意見を求めた、こういう結果はあるんでしょうか。法務省、いかがですか。
  105. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  法務省と文科省で実施いたしましたこの学生に対するアンケートの時間的、経済的負担が重いということについての、その時間的な負担の件につきまして、具体的に、修了後受験して、さらに修習の資格を得るまでの時間的な負担だということを明言して答えをしているものではございませんが、この点につきましては、法曹養成制度改革顧問会議等の議論におきまして、委員やヒアリングの対象の弁護士から、まさにギャップタームについて、学生に対して心理的な不安感を強いる上に時間的な損失に加えて経済的な負担を課すものであり、問題が大きく、解消の必要性が高いなどの意見は出されていたということでございます。
  106. 山添拓

    ○山添拓君 顧問会議で当事者から聞かれたというのは、二〇一四年の一人からですね。
  107. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) 委員としては一人、それからヒアリング対象の弁護士は二人でございます。
  108. 山添拓

    ○山添拓君 これは五年も前のことなんですね。しかも、そこで聞かれたお二人の弁護士は、いずれもそのギャップタームがあるから法曹志望の障壁になったという意見ではないんですね。むしろ、二年、三年と法科大学院で学んだことがよかったと、こういう意見であったと思います。  これ、在学中受験というのは、中教審でも議論をされておりません。法案に盛り込むことになったきっかけは、昨年七月十八日、自民党の部会で提起されたことだと伺います。その後、在学中受験を導入した場合の法科大学院のカリキュラムや司法試験の内容への影響について、公の場で議論をしたという事実はありませんね。
  109. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  昨年七月以降、この在学中受験資格の導入につきまして、法務省といたしましては、文部科学省による法科大学院改革の進捗等を踏まえつつ検討を進めてきたところでございます。  その検討のプロセスにつきまして、そもそも法務省では、この司法試験制度の見直しに当たりまして特定の審議会での議論を経ることは予定されていないところ、今回の見直しでも同様でございます。  法科大学院制度を所管する文部科学省あるいは司法修習を所管する最高裁判所の協議のほか、この法曹養成の運営に深く関わる法科大学院協会、日本弁護士連合会との意見交換を様々に行いながら方針を決定したものでございます。
  110. 山添拓

    ○山添拓君 そういう事実はないわけです。  昨年十月五日の中教審の特別委員会で、二人の委員が在学中受験について発言をしております。  丸島委員は、法科大学院教育の充実に大きな支障を及ぼさないよう、現場の実情を踏まえて広く知恵を出し合い、あるいは工夫をするなど、様々な検討が重要であろうと思います、中教審のこの委員会を始め、関係者の皆様の意見を十分に聞き、それらを踏まえて検討されますように強く希望しておきたい、こう述べています。  あるいは、大貫委員、これは現在の法科大学院協会の理事長ですが、在学中受験を認める制度変更というのは、法科大学院教育に甚大な影響を与える、教育現場への影響に十分配慮されたい、こういう意見を述べております。  文科省に伺いますが、なぜ中教審で議論することとしなかったんですか。
  111. 森晃憲

    ○政府参考人(森晃憲君) 先ほど法務省から御答弁ありましたように、在学中受験資格の導入につきましては、司法試験法を所管する法務省において検討する事項でございまして、法務省では、司法試験制度の見直しに当たり特定の審議会での議論を経ることは予定していないということでございます。今回の見直しに当たっては、文部科学省や最高裁判所の協議のほか、法科大学院協会や日本弁護士連合会との意見交換を行いながら決定したと承知しております。  文部科学省としても、在学中受験資格の導入について法務省からの協議を受けて検討を進め、その検討プロセスは適切なものと認識をしております。  なお、今回のその在学中受験資格の導入につきましては、法科大学院における教育に大きな影響を及ぼすものであり、カリキュラムの在り方については中央教育審議会で専門的に議論する必要がありますけれども、司法試験法改正案の成立後に国会での審議を踏まえて議論すべきであるものから、中央審議会で事前に議題とすることは予定しておりませんでした。
  112. 山添拓

    ○山添拓君 ですから、法科大学院の教育内容に大きな影響を及ぼすと、だからあらかじめ中教審でも検討するようにという意見だったんですね。その意見は無視をしたということなんです。  法科大学院協会とは意見交換を行ったと先ほど来繰り返されております。文科省は、衆議院で、我が党の畑野君枝議員の質問に対して、法科大学院協会が在学中受験を了承したのは昨年九月だと答弁をされております。間違いありませんか。
  113. 森晃憲

    ○政府参考人(森晃憲君) 文部科学省と法科大学院協会との間では、在学中受験のみならず、断続的に様々な点でやり取りを行っておりまして、その全てをお答えすることは困難でございますけれども、例えば昨年十一月、本年三月に開催された臨時総会に担当課長が出席して、法科大学院、文部科学省もしましたと。  また、昨年九月の臨時の理事会、法科大学院協会の臨時理事会において、在学中受験の導入に関して、大学院としての教育が維持されること等を条件として御了承いただいたということでございます。さらに、本年三月の臨時総会において、今回の法改正について賛成されたというところでございます。
  114. 山添拓

    ○山添拓君 資料の四ページに、九月二十五日付けの法科大学院協会理事長名の書面を載せておりますが、ここに記された昨年九月十五日の臨時理事会でまとまった方針なのだと、こういう御説明かと思います。  一方で、先ほど触れました十月五日の中教審特別委員会で、法務省福原司法法制課長は、先ほどの丸島氏や大貫氏の意見を受けて、現時点で在学中受験の実現や、その具体的な方針を定めたということはございません、法科大学院の教育やカリキュラムに大きな影響を与えるということは理解しておりますので、意見を聞きながら検討を進めてまいりたいと述べています。  十月の段階で方針が定まっていないものを、九月に法科大学院協会が先取りして了承をするということなどできるはずがないじゃありませんか。
  115. 森晃憲

    ○政府参考人(森晃憲君) 文部科学省といたしましては、昨年夏以降、法務省から在学中受験資格について協議があり、法科大学院協会にも情報提供と意見交換を行ってきたと。この過程として、先ほども申し上げましたような経過をたどっていると、そういうことでございます。
  116. 山添拓

    ○山添拓君 いや、それでは説明になっていないですよ。先ほどもおっしゃったように、九月に了承を得たとおっしゃったんですよ。しかし、十月の段階で法務省はそんな方針はまだ固めていないと言っていますよ。これはどういうことですか。
  117. 森晃憲

    ○政府参考人(森晃憲君) 私どもといたしましては、法務省が検討を進めているということで、昨年夏以降、法務省から在学中受験資格導入について協議があって、そして法科大学院協会とも情報を提供して意見交換を行ってきた、そういうものでございます。
  118. 山添拓

    ○山添拓君 在学中受験を実現するという方針を具体的に定めたのは、では、いつなんですか。
  119. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) 七月以降、文部科学省あるいは関係団体、日弁連、法科大学院協会等々、多数回にわたりまして意見調整を続けた結果、制度設計を固めていきまして、最終的に制度全体として正式に説明できる段階になったのは、年が明けた一月の段階でございます。
  120. 山添拓

    ○山添拓君 法務省が法科大学院協会にそのことを説明したのはいつですか。
  121. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) 今年の二月の頭でございます。(発言する者あり)二月六日でございます。
  122. 山添拓

    ○山添拓君 私の手元には二月四日の法科大学院協会理事長の名義による法科大学院協会宛ての文書がありますが、この中では、在学中受験については方向性が決まっていることを聞いています、こう言っているんですね。  ですから、決まる前から、もう法科大学院協会は決まっていることを前提にしていたということになるんでしょうか。
  123. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) 検討の方向性については随時説明しておりまして、全体概要、制度の見直しの全体概要の説明を受けたのが二月六日ということでございます。
  124. 山添拓

    ○山添拓君 私は極めていいかげんなプロセスだと思うんですね。こうして二月の六日に全体概要の説明を受けたと言うんですけれども、そこから法科大学院協会がそれぞれの大学院の意見を集約していたのではとても間に合わない、私の手元には三月十一日付けの法科大学院協会の各校への意見照会の結果報告の文書もありますけれども、この中でも、この時点に至っても、今回の制度改革、その案というのは十分な議論を経ていない、こんな短時間での意見集約はとてもできないと、大学の中で先生方や実務家教員の意見を踏まえる、集約することもできないんだ、こういう意見が多数寄せられている状況であります。  もう一つ、二十三日の文教委員会での法案審議では、在学中受験について学会や弁護士関係の団体などからも意見を聞いたと、こういう答弁がありました。法務省に伺いますが、幾つの団体からどのような意見を聴取したんでしょうか。また、その中には在学中受験を積極的に進めるべきという意見もあったんですか。
  125. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  今回の在学中受験の実施に当たりましては、関係する学会や個々の弁護士会、研究者団体などの機関、団体のほか、個人あるいは有志の数名の連名による意見など、様々な形で意見書等が提出されているところでございました。  法務省が現時点で把握しているところによりますと、今回の法案に関連いたしまして、この在学中受験資格の導入に反対することに直接言及している意見書というのは十数通ございます。その中身の概要といたしましては、例えば、在学中受験資格を認めることは法科大学院を実質的に崩壊させるものであり、司法試験に合格さえすればよいという旧司法試験制度を復活させるものであるとか、法科大学院が司法試験の受験準備に費やされ、法科大学院が受験予備校化するなど、様々なものがあったというふうに把握しております。
  126. 山添拓

    ○山添拓君 そうして出された意見をどのように検討して今度の法案に反映されたということなんですか。
  127. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答え申し上げます。  今回の法案では、法科大学院教育の充実が図られることを前提にして、法科大学院課程を通じて所定科目単位の修得等、その教育を着実に履修した者について在学中受験をすることができることとしているほか、在学中受験資格で司法試験を受験し、合格した者が司法修習生として採用されるために法科大学院課程の修了を要件としているところでございまして、法科大学院を中核とするプロセスとしての法曹養成の理念を堅持することを前提に制度設計しております。  また、法科大学院協会や日本弁護士連合会の要望も踏まえまして、司法試験の開催時期を含む司法試験の在り方について、今後、関係者の参画を得て、会議体において検討することとしております。  このように、反対の御意見、御指摘も踏まえて、慎重に検討を行って制度設計を行った結果、本法案を提出させていただいたところでございます。
  128. 山添拓

    ○山添拓君 踏まえてとおっしゃるんですけど、法科大学院の教育の充実については、法律ができた後なんですよね。何らの具体的な方向性も示されておりません。結局、反対意見や様々な意見を聞いたと言いながら、それは物理的に聞いたかもしれませんが、それは何の反映もされていないと、これは意見を聞いたとは言わないと思います。  衆議院の法案審議の中で平口副大臣は、時間的な制約もあって、審議会等での議論を経ることなく立案作業を進めたのだと、緊急性ということで御理解いただきたい、こういった答弁をされております。  大臣に伺いますけれども、法曹志望者の減少や、それに伴う法曹養成制度の再検討というのは、これ今に始まった話ではありません。その上、問われているのは、プロセスの中核とされた法科大学院協会の教育の在り方に関わる問題です。これ、緊急性があるから拙速な議論であっても進めてよい、こういうお考えですか。
  129. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 拙速との御批判は当たらないんだろうというふうに考えております。  まずもって、司法試験の受験資格は法務省所管の司法試験法で規定されておりまして、在学中受験資格導入には司法試験法の改正が必要であると。この司法試験制度の見直しに当たって特定の審議会での議論を経ることは当然には予定されておりませんで、今回の見直しでも特定の審議会での議論を経ることは予定されておらず、他に意見調整のための適当な検討の枠組みも設けられていなかったところでございます。  そこで、法務省としては、法科大学院制度を所管する文部科学省や司法修習を所管する最高裁判所との協議のほか、法曹養成の運営に深く関わる法科大学院協会及び日本弁護士連合会等との意見交換を様々に行いながら、慎重に検討を進めて方針を決定してきたところでございまして、この手続はこれまでの取扱いと異なるところはございません。  そして、制度の円滑な実施には、適切な運用に向けた連携、協議が不可欠ということでございまして、細部にわたっては、法務省としては、法改正が実現した上で、関係省庁、大学関係者、法曹関係者等を構成員とする司法試験の在り方を検討するための会議体を速やかに立ち上げ、制度の円滑な実施に万全を期するとしております。
  130. 山添拓

    ○山添拓君 長く答弁されましたけれども、私が伺ったことには答えていただいていないんですね。緊急性があるからこういう手続を踏んだんだと副大臣は答弁されているんですけれども、大臣はそういう認識ですか。それとも、こういうやり方が、司法試験の時期や内容、教育に影響を与えるかもしれないけれども、そうした変革を与える際にも普通のやり方なんだと、こういうことですか。
  131. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 先ほど申し上げたように、今回の見直しにつきまして、特定の審議会での議論を経ることは予定されておらず、ほかに意見調整のための適当な検討枠組みも設けられていなかったところでございます。  他方で、法務省としては、文部科学省や最高裁との協議のほか、法科大学院協会や日弁連との意見交換を様々に行いながら、慎重に検討を進めて方針を決定したものでありまして、この手続はこれまでの取扱いと異なるところはないということであります。
  132. 山添拓

    ○山添拓君 同じ答弁であれば、繰り返していただく必要はないのですが。  今お聞きいただいたように、法科大学院協会に対しては決まったことであるかのように伝えながら、文科省の中教審の中ではまだ方針は決まっていないと言っている。こういう、相手によって言い方を変えて、しかし、だんだんに進めていってもう後戻りができないところまで来て、法科大学院協会としては、もうにっちもさっちもいかない、これに従っていくしかないんだというような状況になって、それではその中で少しでも改善させるためにはどうするか、そういう意見集約が更にされるというような、こういう経過をたどってきています。  それを、これ今でも、こんなやり方はおかしいと、衆議院の法案審議の参考人質疑でも、寝耳に水だと、とりわけ在学中受験については、それまで入っていなかったものが突然入ってきた、こういう声が出されているんですね。しかし、そのことに対して何らの問題意識もお持ちでないということなんでしょうか。  こういうずさんな経過で提出された法案であるために、一体どのような法曹を養成しようとしているのか、その根本的な点に懸念も広がっています。  例えば、衆議院の法案審議で参考人として意見を述べた須網隆夫教授が理事長を務める臨床法学教育学会は、在学中受験は法科大学院制度を崩壊させるとして、3プラス2の導入と相まって、最終学年の法科大学院教育は事実上無視される、学生たちは前年度から司法試験の受験準備を中心とした期間にならざるを得ない。大臣、聞いていますか。実質上、学部の三のみによって法曹養成教育を行うという、先進国ではほかに例のない、極めて貧困な法曹養成教育へと議論を転換せざるを得ないであろうと、こう厳しく批判しています。  大臣に伺いますけれども、今度の法改正は、優秀で法曹志望を大学二年に進級するときにはもう明確にしている者に限って最速で法曹資格を与える、それを可能にするためのものです。未修者や社会人対策は今後の課題としています。質、量共に豊かな法曹を養成するという従来の方向性にはそぐわないものなんじゃないですか。
  133. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 今回の法案につきましては、法科大学院を中核とするプロセスとしての法曹養成制度の理念を堅持した上で、法科大学院教育の充実と、法曹となるまでの時間的、経済的負担の軽減を図ろうとするものでございます。このように制度全体として時間的、経済的負担の軽減を図るということでございまして、更なる法曹志望者が増えるでありましょうし、また、今回の法改正後も、プロセス養成を通じて質、量共に豊かな法曹を養成していくという法曹養成の基本理念には何ら変更はないというところでございます。  御指摘の、未修者や社会人にとっても法曹養成のプロセスを魅力あるものとして、有為な法曹人材を輩出していくことは引き続き極めて重要な課題でございまして、今回についても、法案においても、法科大学院の入学者選抜の時期、方法等について未修者や社会人に対する配慮義務を規定しているところでございます。  また、文部科学省においては、今回の法改正の着実な実施に向けた取組と併せた改革として、今後、未修者教育の充実や社会人教育への支援を含む各種の取組を進めていくものと承知しておりまして、法務省としては、文部科学省と連携しながらしっかりと必要な協力をして行ってまいりたいと考えております。
  134. 山添拓

    ○山添拓君 言葉ではそうおっしゃるんですけれども、法案の中身としては全くそういうものになっていないと思うんですね。これ、いかなる法律家を育てるのか、その根本に関わる問題です。  私は、法務委員会、文教委員会、両方で合わせて議論をするということが必須の法案であったと思います。文教委員会との連合審査を改めてここでも求めたいと思います。
  135. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議いたします。
  136. 山添拓

    ○山添拓君 残りの時間で次の点に進みたいと思いますが、資料の四ページにありますように、法科大学院協会は九月二十五日付けの文書の中で、在学中受験を認める制度変更の目的について、3プラス2の最終学年での司法試験合格をメーンストリームとすることにより、現在予備試験に流れている層を法科大学院に誘導し、プロセスとしての法曹養成をより充実させることも狙いだとしています。  法務省に伺いますが、二〇一五年の法曹養成制度改革推進会議決定は、予備試験ルートで司法試験に合格した者について、試験科目の枠にとらわれない多様な学修を実施する法科大学院教育を経ていないことによる弊害が生じるおそれがある、こうしています。予備試験ルートによる弊害とは一体何ですか。
  137. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  予備試験、これは、司法試験を受けようとする者が法科大学院修了者と同等の学識及びその応用能力等を有するかどうかを判定することを目的とする試験でございます。予備試験の合格者については、一般的に法科大学院修了者と同等の学識等を有すると判断されたことになるものでございます。  しかしながら、予備試験合格の受験資格で司法試験に合格した者につきましては、プロセスとしての法曹養成の中核である法科大学院課程を経ておらず、試験科目の枠にとらわれない多様な学修を実施することを教育理念とする法科大学院教育を受ける機会がないことは確かでございます。そのため、予備試験を経由する者につきましては、法科大学院教育に期待されております創造的な思考力、法的議論の能力の育成や先端的な法領域についての理解、また社会に生起する様々な問題に対する広い関心の惹起といった点が十分に図られないといった弊害が生ずるおそれも考えられるところでございます。  もっとも、これらの点に関しまして客観的事実に即して具体的な弊害が生じている状況までは認められず、現時点では一般的な可能性にとどまっているというふうに理解しております。
  138. 山添拓

    ○山添拓君 何だかやっぱりどっちかよく分かりませんけれども、弊害があるんだかないんだかよく分かりませんが。  例えば、昨年十二月に司法修習を終えた七十一期の司法修習生から裁判官や検察官に任官された人、裁判官八十二名、そのうち二十二名が予備試験を経由した方々だと。検察官六十九名、うち十三名が予備試験ルートだと。いずれも予備試験合格者の割合が過去最高となっています。少なくとも予備試験ルートだから弊害があるということではないんだろうと思います。  最高裁は、六十八期の司法修習以降、それまでなかった修習開始直後の導入修習を行っています。導入修習を行うことにした理由と現時点での評価について御説明ください。
  139. 堀田眞哉

    ○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) 第六十八期より導入修習を行うことといたしましたのは、司法修習開始時における導入的教育の充実を図る必要性が指摘されたことなどを踏まえて検討した結果でございます。  導入修習は、修習開始段階で司法修習生に不足している実務基礎知識や能力に気付かせ、かつ、より効果的、効率的な分野別実務修習が円滑に行えるようにすることを目的としております。これまで、指導担当者との協議や司法修習生の声等を踏まえて、不断にカリキュラムを見直すなどしながら継続して実施してきておるところでございますが、指導担当者や司法修習生からはおおむね好意的な評価を得ているものと承知しております。
  140. 山添拓

    ○山添拓君 予備試験ルートであろうが法科大学院ルートであろうが、実務を担うに当たっては基礎知識や能力が更に必要だということで進められているものと伺っています。プロセスとしての法曹養成制度というのであれば、こうした一つ一つに丁寧に向き合って議論を進めるべきです。  ところが、司法試験や司法修習の時期や内容、法科大学院のカリキュラムなどは法律事項ではないと、理由にして、法案成立後の会議体で決めるのだといって、その会議体がいかなるプロセスを経るのか、それも現時点では具体的には示されておりません。これでは法曹養成のプロセス全体を見渡すことはできないと思います。  本来、司法試験や司法修習を含めた全体の制度設計を踏まえて国会で審議すべきだと考えますが、改めて大臣、いかがですか。
  141. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 今回の司法制度見直しにつきましては、例えば在学中受験資格の導入を含む司法試験制度の見直しについて、司法試験法等の改正によって、一つには、新たな在学中受験資格の内容、次に、その導入に伴う受験可能期間の起算点、司法試験の試験科目、司法修習生の採用要件といった制度の中核を成す内容については具体的に規定しておるところでございまして、見直しの根幹部分は明確になっているところであると考えております。  その上で、委員も御指摘のとおり、司法試験の実施時期や試験の出題内容等については、これは司法試験委員会において定めるものであり、また、司法修習の時期や内容等については最高裁判所において定めるものであり、それぞれ今回の法律改正が成った段階で司法試験及び司法修習の実施、運用に関する事項として決定される事項でございます。  したがって、法律で規定する事項ではございませんで、司法試験制度の設計を行った法務省の立場で、これらの実施、運用に関する事項について現時点で具体的に示すことは困難であるというところでございます。  しかしながら、制度の根幹については明らかにしているというところでございまして、これは委員御指摘のような新制度の実施、運用に関する事項が定められないことをもってこの全体の制度枠組みが不合理だというところではないというふうに考えております。
  142. 山添拓

    ○山添拓君 時間ですので終わりますけれども、何だか歯切れの悪い答弁だったように私は感じます。やっぱり今現場からいろんな懸念の声が上がっているという事態を踏まえて、私はこのまま法案を採決すべきではない、これではびほう策にもならないということを指摘をしまして、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  143. 石井苗子

    ○石井苗子君 日本維新の会・希望の党の石井苗子です。  今日は、法曹養成の話が多い中で、私は実際に法学部を御卒業なさった方々によって行われている実際の裁判について質問をさせていただきます。  本日は、ちょっと質問の前に前置きをいたします。私は、ここにいらっしゃいます伊藤孝江さんたちと一緒に、旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた方に対する一時金の支給などに関する法律、この成立に政治家として協力をしてまいりました。被害者の方に一律三百二十万円が五年間支払われ、医学的な根拠以外の証拠についても専門家の審査によって受給権の認定ができるという制度にいたしましたが、しかしながら、実際、現在実名を把握している被害者の方々も含めて、通告をこちらから行わないということにいたしまして、あくまでも被害者の方々から通告をしてくださるのを待つという立て付けになっております。  一方で、おとといの五月の二十八日、仙台地裁にて、旧優生保護法下で不妊手術を強制された女性二名の国家賠償請求訴訟、それぞれ請求額三千三百万円、もう一方は三千八百五十万円、判決で被害者の請求は却下されました。子供を産み育てるかどうかの意思決定をする権利、これはプロダクティブライトと言いますが、ここを侵害したと、憲法十三条に反した違憲であることというのは指摘されておりますが、原告の請求は棄却されました。  そこで法務大臣に、この裁判、個々一つ一つにお答えされることには限界があるということは重々承知しておりますが、判決に対する見解をお伺いいたします。
  144. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) まず、旧優生保護法に基づく強制手術等に関しまして、これは委員の御尽力もございまして、旧優生保護法一時金支給法が成立いたしました。そして、これを受けまして、例えば、総理において、政府としても、旧優生保護法を執行していた立場から、手術等を受けることを強いられた方々が心身に多大な苦痛を受けてこられたことに対して真摯に反省し、心から深くおわびする旨が発表されたところでございますが、その思いにつきましては私も政府の一員として同じでございまして、この機会に深くおわび申し上げるところでございます。  他方で、御指摘の訴訟につきましては、個別の現在係属中の訴訟に関する事項でございます。そういったことから、確かに結論において様々な法判断があり、原告らの請求をいずれも棄却する判決が言い渡されたということは承知しておりますが、この判断に対して私が法務大臣としてコメントするところは差し控えさせていただきたいと考えております。  いずれにしても、旧優生保護法国家賠償請求訴訟に関しましては、今後も、関係省庁と協議の上、適切に対応してまいりたいと考えております。
  145. 石井苗子

    ○石井苗子君 ありがとうございました。  私は、政治家になって初めて自分が何か仕事をしているなという実感を込めてやってきたんですけれども、憲法で保障された幸福追求権まで奪われて、救済法で三百二十万円の一時金しかもらえず、裁判でも賠償請求は認められないというのは、報道だけ一時的ににぎわっておりまして、これは余りにも残酷な状況にあると思っています。言葉を選ばずに言ったら、被害者の方は踏んだり蹴ったりだなという感じがしておりまして、一体何をやっているんだろうかと、私、個人的にそう思いましたので、せめてこの法務委員会で次の質問をさせていただきます。  今回の判決では、原告の請求は除斥期間を理由に退けられました。私の拙い理解で申しますと、被告が手術を受けてから二十年以上たっているので、請求する権利が消滅しているということだと思います。民法七百二十四条の不法行為の損害賠償請求権に除斥期間が設けられている理由は何でしょうか、お答えください。
  146. 小野瀬厚

    ○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。  委員御指摘のとおり、現在、民法第七百二十四条後段でございますが、不法行為のときから二十年という権利の消滅期間を規定しておりまして、判例はこれを除斥期間であると解しております。  このような期間制限が設けられましたのは、不法行為をめぐる権利関係が長期にわたって確定しなければ、この間に証拠が散逸することなどによって債務者にとって反証が困難になるなどの問題が生ずることから、被害者の認識にかかわらず、一定の期間の経過によって不法行為に基づく損害賠償請求権が消滅することとして法律関係を早期に確定させるためであるものと考えられております。
  147. 石井苗子

    ○石井苗子君 権利関係の早期安定と証拠が散逸することが除斥期間を設けた理由ということでありましたら、その規定にかかわらず、損害賠償請求権が認められた例を、あるかどうか、お答えください。
  148. 小野瀬厚

    ○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。  除斥期間の経過にかかわらず、不法行為に基づく損害賠償請求権が消滅したとは言えないと判断された最高裁判所の判例としましては、二つのものが挙げられます。一つは不法行為。具体的には、予防接種が原因で被害者が判断能力を欠く状態となり、かつ除斥期間が経過したときには法定代理人を有していなかった場合に、その後就任した法定代理人が六か月以内に損害賠償請求権を行使したという事例でございます。もう一つでございますが、被害者を殺害した加害者が死体を隠匿したために被害者の相続人が被害者の死亡を知らず、相続人が確定しないまま殺害のときから二十年が経過した場合に、その後相続人が確定したときから六か月以内に損害賠償請求権を行使したという事案でございます。
  149. 石井苗子

    ○石井苗子君 予防接種とそれから殺人事件、平成二十一年の、私が調べたものと同じだというお答えなんですけれども。  今回の民法改正で七百二十四条のこの除斥期間の規定が消滅時効の規定に改正されるわけですけれども、この理由は何でしょうか。
  150. 小野瀬厚

    ○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。  除斥期間は、時効の中断ですとか停止を定めた規定の適用がございませんので、期間の経過による権利の消滅を阻止することができません。また、除斥期間が経過したという相手方の主張に対して、そのような主張が信義則に違反し又は権利濫用に当たると主張することはできないというふうに解されております。  そのため、権利消滅期間が除斥期間であるとしますと、長期間にわたって加害者に対する損害賠償請求をしなかったことに真にやむを得ない事情があると認められる事案においても被害者の救済を図ることができないおそれがあるということでございます。この権利消滅期間を消滅時効期間と改めることによりまして、時効の中断、停止等の規定が適用されることとなりますため、被害者において加害者に対する権利の時効による消滅を防ぐための措置をとることが可能になります。また、消滅時効期間の経過により権利が消滅したという主張が加害者側からされたとしましても、裁判所は個別の事案における具体的な事情に応じて加害者側からの時効の主張が信義則違反や権利濫用になると判断することが可能になりますことから、被害者の救済を図る余地が広がることになります。  このようなことから、平成二十九年の民法改正におきましては、この現行の七百二十四条後段の権利消滅期間を消滅時効期間に改めることとしたものでございます。
  151. 石井苗子

    ○石井苗子君 そうなりますと、相手側といいますか、真にやむを得ない場合ということが存在するときに、時効の中断があるとか、被害者側に有利になる、被害者側の有利の幅が広がるということを今お聞きしたんですけれども、この七百二十四条の規定が改正されることによって、これ法務大臣、先ほどの続きなんですけれども、先ほどのその裁判、今も二十件ほどあるんですけれども、この改正によって何か変わる可能性があるかどうか。違憲の法律によって男女が生殖機能を強制的に国によって奪われるという人格権を侵害されたわけですから、これまさしく国、謝罪はいいんですけれども、今、法務大臣としては、取りあえず今国が勝訴しているからまあいいだろうというような、まさかそういうお考えではないと思うんですが、いかがでしょうか。
  152. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) まず、もちろん、先ほど申し上げたとおり、この優生手術等に関する私の思いというのは先ほど総理も述べたのと同じ、政府の一員として深くおわび申し上げるという思いには変わりはございません。  他方で、この民法改正に基づくものにつきましては、これは経過措置が定められておりまして、詳細については必要があれば事務方から御紹介いたしますが、これはもう完成した除斥時間に関してはこれは遡及されないというところでございます。その法適用がどうなるのかにつきましては、具体的な個別事件に関する法適用でございまして、私からお答えすることは差し控えさせていただきたいと考えております。
  153. 石井苗子

    ○石井苗子君 大臣からいろいろと御答弁いただきましてありがとうございます。  まあこの件はまた少し状況を見て考えさせていただきますが、次の質問に移らせていただくんですけれども、次の質問もやはり一般の方から私のところに意見書並びに電話が掛かってきたことでございます。  振り込め詐欺から始まった全国的に高齢者を狙った特殊詐欺事件、いまだに存在しております。広報活動で広く防犯を促していらっしゃるようですが、手口が徐々に残酷になってきているという現状を踏まえ、今後は高齢者が増えていくこともあり、核家族化は経済的な理由でそのままの状態であることの現状を踏まえて、オレオレ詐欺の犯人は掛け子や受け子と呼ばれているような末端の犯罪しか検挙されていないようであります。  法務省にこういった件について質問をしてほしいという御要望もありますので、まずお伺いします、警察庁の方に。現在の特殊詐欺という犯行の手口、どのようなものがあるか、整理して御紹介ください。
  154. 田中勝也

    ○政府参考人(田中勝也君) 最近の特殊詐欺の主な手口でございますが、親族、警察官、弁護士などを装い、交通事故の示談金や使い込んだ会社の金の補填金などを名目に現金をだまし取るオレオレ詐欺や、はがきやメールなどを利用して架空の事実を口実とした料金を請求して現金をだまし取るといった架空請求詐欺などが挙げられるところであります。オレオレ詐欺と架空請求詐欺の二つの手口で、認知件数でいいますと特殊詐欺全体の八四・八%を占めているところであります。  また、現金をだまし取る手段につきましては、口座への振り込みのほか、現金を送付させるもの、キャッシュカードを手交、手渡しさせるもの、電子マネーを購入させるものなどがあるところでございます。
  155. 石井苗子

    ○石井苗子君 大変巧妙ですね。中に弁護士を偽るというのがあったのでちょっとびっくりしたんですけれども、資質というのが弁護士のところで先ほど質問されていらっしゃいましたけれども、巧妙な手口です、キャッシュカードを目の前ですり替えるとかですね。  最近はアポ電と言いまして、先ほど私が言いました、だんだん手口が残酷になってきているというのは、もう詐欺の段階を逸脱しておりまして、行ったらとにかく殺してしまうというような形になってきていると。どうして少なくなっていかないのだということで、どんどんどんどんエスカレートしていくんでしょうかという質問だったんです、私が意見書をいただいたのは。  特殊詐欺の認知とか検挙状況ですね、これをまず確かめたいと思いますけれども、先ほど私がした、出し子だとか受け子だとか掛け子だとかというような末端なところではなく、その検挙状況というのをちょっと御説明していただけると有り難いんですが。
  156. 田中勝也

    ○政府参考人(田中勝也君) まず、平成三十年中の特殊詐欺の認知件数でございますが、約一万六千五百件、被害額は約三百六十億円でありまして、前年に比べましてそれぞれ約九・四%、約七・八%減少したものの、依然として高水準で推移しておりまして、深刻な情勢にあると認識をいたしております。  検挙状況でございますが、概括的に申し上げますが、平成三十年中の特殊詐欺の検挙状況につきましては、検挙件数が五千百五十九件、検挙人員は二千六百八十六人となっておりまして、前年に比べそれぞれ約一一・一%、約九・七%増加をいたしております。
  157. 石井苗子

    ○石井苗子君 いや、すごい数ですね、三百六十億円。  これ、なぜ上層部の方が捕まりませんか、非常に不思議なんですが。例えば暴力団とか、そこのところはどうなっていますか、教えていただけますか。なぜ捕まりませんか。
  158. 田中勝也

    ○政府参考人(田中勝也君) 特殊詐欺の被害が止まらない理由及び対策について御説明を申し上げます。  特殊詐欺につきましては、他人、架空名義の携帯電話や預貯金口座等が利用されること、犯行拠点を頻繁に移転させること、多くの者が役割分担をしており、末端被疑者を検挙しても組織の全容解明や組織中枢の検挙につなげることが極めて困難であること、対策に応じて被疑者側が犯行の手口を巧妙に変化させることなどの特徴があり、特殊詐欺の被害が高水準で推移している要因の中にはこういったことがあるものと認識をいたしております。  これに対しまして、警察におきましては、取締りにつきましては、犯行拠点の摘発等による実行犯の検挙やそこからの上位者への突き上げ捜査、犯罪に利用された携帯電話の利用制限などの犯行ツール対策といった取組に加えまして、特殊詐欺事件の背後にいると見られる暴力団、準暴力団、外国人犯罪グループ、暴走族等に対して各部門において多角的な取締りを行うとともに、これらを通じた情報収集を行うなどの取組を推進しているところであります。  また、予防につきましては、金融機関、宅配業者、コンビニエンスストア等と連携した顧客への積極的な声掛けを行う、金融機関と連携し、ATMでの利用実績のない高齢者についてATMでの振り込みや出金の限度額を設定していただく等、官民一体となった取組を推進しているところであります。
  159. 石井苗子

    ○石井苗子君 いや、私、それ質問していないので。次の質問のお答えになっていますよ。被害が止まらない理由を申し上げます、これ次の質問です。  私が聞いたのは、いろんな手口はあって、なぜ、その上部層などがどうして捕まらないんですかということについてのお答えが欲しいんですね、お電話もいただいているので。  なぜ暴力団組織の上部層などが捕まらないのでしょうか。
  160. 田中勝也

    ○政府参考人(田中勝也君) 先ほどの御答弁で冒頭に申し上げましたけれども、特殊詐欺につきましては、他人、架空名義の携帯電話や預貯金口座等が利用されること、犯行拠点を頻繁に移転させること、そして、多くの者が役割分担をしておりまして、末端被疑者を検挙しても組織の全容解明や組織中枢の検挙につなげることが極めて困難であること、対策に応じて被疑者側が犯行の手口を巧妙に変化させることなどの特徴がありまして、これが上層部の検挙になかなかつながらない一因かと考えております。
  161. 石井苗子

    ○石井苗子君 極めて困難であること、犯行の手口を次々と変えるのでなかなか捕まらないということでイタチごっこになっているから捕まらないんだと、なかなか上層部は、ということなんでしょう。  次の質問はお答えになってしまったみたいですけれども、特殊詐欺の被害が止まらない理由、じゃ、それ飛ばしまして、高齢者に対する注意喚起、啓発というのが、先ほどお答えもいただいておりますけれども、これどのように行っているのかということ、もう一回お聞きいたしたいのと、法務省に対して、こういったなかなか難しい、捕まらない、啓発運動はやっているという御答弁いただいているんですけれども、刑罰の目的というのは何なのかを法務省の方にもお答えいただきます。
  162. 田中勝也

    ○政府参考人(田中勝也君) 高齢者に対する注意喚起、啓発につきまして御説明申し上げます。  警察におきましては、高齢者の被害防止対策として犯人からの電話を直接受けないことが効果的であると認められることから、自動通話録音機や留守番電話機能の活用を呼びかけるとともに、高齢者に対する注意喚起のみならず、その子供や孫世代も含めて日常的に家族間で連絡を取り合うことで被害に遭わないようにするための広報啓発活動などを推進しているところであります。  今後とも、特殊詐欺の被害防止を図るため、必要な対策を推進してまいりたいと考えております。
  163. 小山太士

    ○政府参考人(小山太士君) 刑罰の目的についてお尋ねがございました。  この刑罰の目的、意義につきましては様々な考え方がございますが、一般に応報、すなわち犯罪を行ったことに対する報いとして科すものであるとの考え方や、犯罪を予防するために科すものであるとの考え方があるものと承知しております。  そして、犯罪の予防と言われる中には、犯人に刑罰を科すことによる威嚇力によって犯人以外の一般人の将来における犯罪を予防するという、これ一般予防と申しますが、この一般予防と、その犯人自身が将来再び犯罪に陥ることを予防しようとする特別予防というものが含まれるものと承知をしております。
  164. 石井苗子

    ○石井苗子君 まず、高齢者に対する注意喚起、啓発というところですけれども、家族が頻繁に連絡を取りって、もうそんな家族が頻繁に連絡が取れないところを狙ってくるわけですね。あと、留守番電話にしておいて、向こうで、私がレクで教わったのは、録音をしますと言うと犯罪を犯そうとしている人は切る場合が多いので、それで予防できるのではないかというと、これはもう電話の手段を、高齢者の方の自由を奪うということでございまして、録音をしているときに息子をかたるというような声が聞こえてきた途端に出てしまうという方もいらっしゃるわけです。  ですので、逆探知をするとか、必ずその電話を掛けているところを見付けることができるような装置にするというような、もうちょっと一歩踏み込んだ形の注意喚起といいますか予防ということができないのかと思うのと、もう一つは、予防には、今報いと、社会全体の予防と一般予防があるというふうにおっしゃいましたけれども、もう刑罰が余りにも軽過ぎるからという意見も意見書の中にはございました。その点につきまして、警告刑というものはですね、あっ、警告ではないですね、宣告ですね、宣告刑というものはどのようにして決めていらっしゃるのでしょうか。
  165. 安東章

    ○最高裁判所長官代理者(安東章君) 一般論としてのお答えになりますけれども、特殊詐欺を含めた詐欺罪の場合で申し上げますと、法定刑は一か月以上十年以下の懲役と定められております。ですので、詐欺罪が一つであればこの刑の範囲内で、複数の詐欺罪が成立する場合には併合罪として刑が重くなりまして、一月以上十五年以下の懲役刑の範囲内で宣告刑を定めることになります。  文献等によりますと、具体的な判断に当たりましては、類似の犯罪の量刑結果も参照しながら、組織性や計画性といった行為態様、被害額、また先ほどお話ございましたが、共犯がある場合には本人が果たした役割の大小などといった犯罪事実、犯罪行為に関する事情を基本としつつ、そのほかに被告人の反省や更生環境、事件の社会的影響などの一般情状も加味して具体的な宣告刑を定めていくものというふうにされております。
  166. 石井苗子

    ○石井苗子君 そうすると刑の重さ、量刑については一般予防は考慮されているんでしょうか、どうでしょう。
  167. 安東章

    ○最高裁判所長官代理者(安東章君) 先ほど刑の目的についても様々な考え方があるというお話でございましたが、一般予防の観点につきましても、これがどういった量刑要素に表れているかということにつきましては様々な考え方があり得るところでございます。  ですが、特殊詐欺について申しますと、少なくとも同種犯罪を抑止する必要性、あるいは当該事件の社会的な影響といった点で一般予防的な要素が考慮されることがあると、そのように評されているところでございます。
  168. 石井苗子

    ○石井苗子君 つまり、もっと厳罰化してくれという話なんですね、この意見している一般の方々は。そうすると、今の話だと、量刑で特殊詐欺を厳罰化することは可能だというふうに考えてよろしいですか。
  169. 安東章

    ○最高裁判所長官代理者(安東章君) 一般的な考え方につきましては先ほどお答えしたとおりでございます。各裁判官が個別事件で、一般予防の観点も含めまして事情を考慮しながら量刑判断を行っているものと承知してございます。  ですが、事務当局の方で個別の判断の当否にわたるようなところをコメントすることにつきましては差し控えさせていただきたいと存じます。
  170. 石井苗子

    ○石井苗子君 特殊詐欺の法定刑を引き上げるということに関して、じゃ、質問の形を変えて、議論はありますか。どうでしょう。
  171. 小山太士

    ○政府参考人(小山太士君) お答えをいたします。  今最高裁の御当局からも一部答弁ございましたが、刑法上、詐欺罪の法定刑は十年以下の懲役とされておりまして、これを併合罪加重した場合には十五年以下の懲役となります。また、いわゆる組織的犯罪処罰法がございまして、こちらの組織的犯罪に当たる場合、詐欺罪の加重類型といたしまして組織的詐欺罪が規定されておりまして、その法定刑は一年以上の有期懲役とされております。この懲役の上限は二十年でございまして、併合罪加重した場合には三十年となります。  このように、現行法におきましても相応に重い法定刑が定められておりまして、いわゆる特殊詐欺につき法定刑を引き上げることにつきましては、実際の処罰の状況等として、法定刑が低いがために適正な量刑が困難となっているような状況にあるのかといった検討課題があると考えております。  いずれにいたしましても、検察当局の方といたしましても、悪質な事情につきましては適切に主張を立証することで厳正な科刑の実現に努めているものと承知をしております。
  172. 石井苗子

    ○石井苗子君 日本の刑罰というのはアメリカと違いまして三百年の刑とかというふうに足し算でやるわけではないということぐらいは私は知っているんですけれども、人一人が亡くなった場合とその詐欺という場合、先ほどに、最初の手口は詐欺であって結局は殺人で終わるというような場合、これは一番重い刑で何年でございますか。
  173. 小山太士

    ○政府参考人(小山太士君) それは殺人に当たれば死刑がございます。
  174. 石井苗子

    ○石井苗子君 殺人に当たれば死刑があるというところなんですが、そこは分かっていますが、組織犯罪処罰法などで刑を加重していて、組織的な犯罪である特殊詐欺に適用される場合は厳罰化されていて現時点で検討を要さないというようなお答えがあったと思うんですが、大臣に最後にお伺いいたしますけれども、これだけ特殊詐欺の被害が相次いで、高齢者が生活費までだまし取られていき、最後には殺人に至るというようなことで、死刑というところを見て考えなさいというようなお答えではなくて、特殊詐欺対策として法定刑の引上げというのをやはり少し検討する余地があるんじゃないかと思いますけれども、その辺はどうでしょうか。
  175. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 組織的詐欺罪につきましては、先ほど局長も答弁したとおり、組織的犯罪処罰法においてその懲役の上限が二十年、あるいは併合罪加重でも三十年ということで、相応に重い法定刑が定められているということでございまして、直ちに法定刑を引き上げるような状況にあるのかということについては慎重に検討すべきであろうと考えております。  他方で、それが、その犯罪が生命、身体に対する侵害を含むものであるとすれば、それは例えば殺人罪等において適正に量刑評価され、最も重い場合には死刑ということになろうかというふうに考えておりまして、そういった具体的な法適用あるいは量刑の適用においては、検察も適正に厳正な科刑の実現に努めていると承知しておると考えております。
  176. 石井苗子

    ○石井苗子君 やはりちょっと、組織的犯罪の場合はというところで、先ほどなぜ捕まらないんですかというところが、多分、一般の方々はそこで、その間でもう少し守ってほしいし、抑止力になるような方法があってほしいというような御質問だったと思いますけれども、一般的な御説明をいただいたということで御返答ができると思います。ありがとうございました。  時間が来ましたので、質問を終わります。
  177. 山口和之

    ○山口和之君 日本維新の会・希望の党の山口和之です。  本日は、法曹養成の在り方等に関する件についての調査ということですので、まずは、どのような法曹を養成すべきかという観点から質問させていただきます。  初めに、山下大臣は、優秀な法曹のバロメーターは何であるとお考えでしょうか。お教え願います。
  178. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) この優秀な法曹であるか否かについては、個々人の能力、資質のほか、法律サービスを提供する業務形態や専門分野等において多様な評価がなされ得るということでありまして、一義的な判断基準を申し上げることは困難でございますが、例えば今回提案させていただいております法律案におきましては、例えば法科大学院における教育の充実というところで、学識及びその応用力や、あるいは専門的な法律に関する分野の学識及びその応用能力、あるいは実務の基礎的素養や弁論能力等を法科大学院において教育するようにということが定められているところでございまして、そうした能力が優秀であることということが評価の対象になると思われますし、また、司法制度改革審議会意見書におきまして、二十一世紀の司法を担う法曹に必要な資質ということで、豊かな人間性や感受性、幅広い素養と専門的知識、柔軟な思考力、説得、交渉の能力等の基本的資質に加えて、社会や人間関係に対する洞察力、人権感覚、先端的法分野や外国法の知見、国際的視野と語学力等が一層求められるとされているところでございまして、そうしたものの能力ということが優秀な法曹の一つの要素であろうというふうに考えております。
  179. 山口和之

    ○山口和之君 いろいろな基準があると思いますが、日本では、どうも聞くところによるとですが、短い勉強時間で司法試験に合格した者が優秀な法曹であるとされていることが多いと聞きます。そういった方の最終学歴は大卒又は大学中退ということが珍しくありません。しかしながら、国際機関では、一定レベル以上の職種に就く場合、規定上修士号が必要であり、事実上博士号も必要とされているとのことです。  日本で優秀とされる法曹が、ある程度事務で経験を積んだ後、海外での仕事を考えた際、国際機関に採用されない、要職に就けないといったことが起きているそうですが、このような状況について山下大臣はどのようにお考えか。また、このような状況があるとすれば、現状があるとすれば、法曹の博士号取得を推進することが国際司法における日本の貢献度及び影響力を高める上で必要と思われますが、その点について山下大臣のお考えもお聞かせ願います。
  180. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 一般論として、国際機関で勤務するに当たっての学位というのはポストあるいは機関によって異なるということで、例えば博士号、いわゆるPhD、あるいは修士号、これには、例えばJD、法務博士という学位がそれに相当するのかどうかという部分もございます。これはポストや機構によって異なるのであろうということでございまして、それが障壁になって国際機関に採用されないといった状況があるかどうかは一概には申し上げられないところでございます。  ただ、他方で、国際機関において日本の法曹が活躍できるようにすべきだという委員の御意見、これは我々も同感でございまして、まず、この博士号まで必要かどうかということにつきましては、これは本人のキャリアパスをどう考えるかという個人の問題でもございますので、それをシステム的に促進するというところまでは至っておりませんが、国際機関において日本法曹が活躍しプレゼンスを高めていくというところで、今国際機関の勤務を含む国際分野で活躍できる人材、これは、例えば法務省から、あるいは日弁連等の協力をいただきながら、国際機関やJICAの長期派遣専門家等として派遣したり、あるいは在外公館でも勤務をしているというところでございますし、また、この法曹養成プロセスにおきましても、そういった国際的に活躍できる素養を身に付けるための渉外業務や、あるいは国際機関における修習などもプログラムを用意しているところでございます。そうしたところを含めて国際機関で活躍できる人材育成に努めてまいりたいと考えております。
  181. 山口和之

    ○山口和之君 もちろん、博士号を取得するかどうか、国際機関で働くかどうかなどは、どのようなキャリアプランを選ぶかは個人が決めることであることは確かです。しかし、事実上博士号が必要とされたりしているわけですから、国としてそれを推奨する、支援するといった方向性を打ち出すことはできるはずだと思います。  今後、法曹養成においては、国内で活躍してもらうことだけではなくて、将来的に本人が希望した場合に国際機関でも活躍できることも検討してほしいと思います。よろしくお願いいたします。  次に、交通事故の対策について質問いたします。  今月の八日、大津市の県道交差点で乗用車と衝突した軽乗用車が保育園児らの列に突っ込んで、園児ら計十六人が死傷するという痛ましい交通事故が起きました。お亡くなりになった方々に対し心からお悔やみ申し上げますとともに、おけがをされた方々の一日も早い回復をお祈りいたします。  今日は警察庁と国土交通省にお越しいただきましたが、どうしたら交通事故をゼロにできるのか、お伺いしたいと思います。  まず、交通事故による死者数及び死傷者数の推移について、総数及び状態別に御説明願います。
  182. 高田陽介

    ○政府参考人(高田陽介君) お答えを申し上げます。  平成三十年中の交通事故死者数は三千五百三十二人、交通事故死傷者数は五十二万九千三百七十八人で、平成二十年と比較して死者数で三二%、死傷者数で四四%、それぞれ減少しております。  平成三十年中の交通事故死者数を状態別に見ますと、歩行中が千二百五十八人、自動車乗車中千百九十七人、二輪車乗車中六百十三人、自転車乗用中四百五十三人、その他十一人となっており、平成二十年と比較して歩行中で二八%、自動車乗車中で三一%、二輪車乗車中で三八%、自転車乗用中で三八%、その他で三五%、それぞれ減少をしているところでございます。  同様に、平成三十年中の交通事故死傷者数の状態別では、歩行中が五万三百四十三人、自動車乗車中が三十三万九千五百三十人、二輪車乗車中が五万四千四百四十一人、自転車乗用中八万四千三百八十三人、その他が六百八十一人となっておりまして、平成二十年と比較しまして歩行中で三一%、自動車乗車中で四二%、二輪車乗車中で五九%、自転車乗用中で四八%、その他で二一%、それぞれ減少しているところでございます。
  183. 山口和之

    ○山口和之君 交通事故による死者数及び死傷者数は着実に減っているということだと思います。是非、更に減少のペースを上げていただきたいと思います。  ただ、資料、お渡ししている資料ですけれども、交通事故に関するデータで気になることがあって、お手元に配付した資料の右下のグラフなんですが、主な欧米諸国の状態別交通事故死者数の構成率についてのデータですが、日本は交通事故死者数に占める歩行中の割合が三五%、自転車乗車中の割合が一五・二%となっており、それぞれ他の国々よりもかなり高い率となっております。  なぜこのようなデータになっているのでしょうか。このようになっている要因は何か、お教え願います。
  184. 高田陽介

    ○政府参考人(高田陽介君) お答えを申し上げます。  委員御指摘のとおり、二〇一六年における主な欧米諸国の状態別交通事故死者数の構成率を見ますと、我が国の歩行中及び自転車乗用中の占める割合は、これらの国と比較して高くなっております。これにつきましては、道路環境、都市構造、生活様式等、様々な要因が考えられるところでありますが、一概に御説明申し上げるのは困難であると認識しております。  なお、諸外国との比較はできませんが、我が国における歩行者と自転車が関連する死亡事故の特徴としては、歩行者と自転車側に法令違反が多いということなどが挙げられるところでございます。
  185. 山口和之

    ○山口和之君 日本では他国よりも乗用車乗車中の死亡事故が起こりにくいという可能性もありますが、他国よりも交通弱者である歩行者や自転車の死亡事故が起こりやすいという可能性もあります。  今、法令違反が多いという話でしたので、今までの対策がどちらかというと自動車とか免許を持っている人を中心にした交通事故の対策が重視されておって、歩行者や自転車の人、免許を持っていない人たちに対する、車社会に対する、車に対する対策はしっかり多分やられているんでしょうけれども、歩行者の方はまだ少ないような気もしないでもないところがあります。  いずれにせよ、このグラフでは他の国々と明らかに違う傾向が見られますので、しっかりと要因を分析を行っていただき、更なる交通事故対策につなげていってほしいと思います。  次に、大津市の事故は交差点で歩行者に死傷者が出ました。このような交差点での歩行者の死傷事故を減らすために、横断歩道は交差点からもう少し離れたところに設置すべきでないかといった意見も聞くことがあります。  警察庁としてはどのようにお考えでしょうか。
  186. 高田陽介

    ○政府参考人(高田陽介君) お答えを申し上げます。  御指摘のように、横断歩道を交差点から離して設置した場合には、歩行者の横断を待つ左折車が滞留するスペースが確保され、後続車が滞ることなく交通の円滑に資するといったメリットや、右左折車の速度が変わらないという前提であれば、右左折車にとって歩行者は視認しやすくなる、見やすくなるといったメリットがあると考えられます。  他方で、そのような場合には、横断歩道の設置地点での右左折車の走行速度が高くなり、重大事故の増加が懸念される、あるいは、歩行者が横断歩道で横断するために遠回りをしなければならなくなりますので、横断歩道を渡らない歩行者による事故の発生が懸念される、さらには、交差点を通過するために要する時間が長くなりますので、全ての信号を赤とする時間を多く取る必要が生じまして、交差点の処理能力が低下するといったデメリットもあると考えられます。  こうしたことから、横断歩道の設置位置については、個別具体的な場所ごとに道路構造や自動車交通量、横断歩行者交通量などを勘案して判断する必要があると考えております。
  187. 山口和之

    ○山口和之君 知り合いが、台湾でだと思うんですけれども、信号が青になったときに渡ろうとしたら、向こうの人におまえばかかと言われたという。日本人はどうしても青だと渡ってしまうというのがどうもありますよね。向こうで渡ろうとしたら死ぬ気かというふうに言われるわけで、そう考えると、やっぱり教育も含めてしっかりと横断歩道でどういう対策を取っていくかということを取らないと、やっぱり交差点の事故が多いわけですから、減らないわけになると思います。  今の横断歩道を少しずらすという案も、それが何メートルなのか分かりませんけれども、一応検討に値するのかなというふうにも思います。しっかりずらしてしまうのではなくて、ちょっとした差で避けられるのかもしれませんので、検討していただきたいなと思います。  また一方で、交差点での歩行者の死傷者、死傷事故を減らす対策としてはガードレールやポールの設置も考えられておりますが、それらの設置基準はどうなっているのか、国土交通省にお伺いしたいと思います。
  188. 榊真一

    ○政府参考人(榊真一君) お答えを申し上げます。  ガードレール等の車両用防護柵につきましては、交差点部への設置も含め、各道路管理者が、個別箇所ごとの道路や交通の状況、路外の状況等を踏まえ、その設置の必要性について検討することとされております。  国土交通省といたしましては、大津市で発生いたしました園児が犠牲となった事故も踏まえ、今後、専門家の意見も伺いながら、防護柵の設置に関するガイドラインの見直し等についても検討し、各道路管理者の判断が適切に行われますよう、技術的な助言等を行ってまいりたいと考えております。
  189. 山口和之

    ○山口和之君 ありがとうございます。  先ほども申しましたけれども、車対車、車の方に対する対策というのはたくさんやられているとは思うんですけれども、歩行者を守るという、弱者を守るというところをもう少し力を入れていただきたいなというふうに思います。  現在、交通事故による死者数は減ってきておりますが、まだまだゼロには遠い状況です。死傷者ゼロに向けて更なる交通事故対策を行っていく必要がありますが、どういった対策をしていくお考えでしょうか。警察庁、国土交通省にそれぞれお伺いいたします。
  190. 高田陽介

    ○政府参考人(高田陽介君) お答え申し上げます。  先ほどお答え申し上げましたとおり、我が国における交通死亡事故は、主な欧米諸国に比べ、歩行中又は自転車乗用中の死者が占める割合が高く、その多くに法令違反が認められております。  このような事故情勢等を踏まえますと、交通事故死者数の更なる減少のためには、道路交通環境の整備や車両の安全性の向上等の施策を推進していくほか、歩行者や自転車利用者がルールを遵守すること、あるいは運転者側が横断歩行者を保護することを徹底していくことなども重要であると考えております。  警察といたしましては、自治体等の関係機関、団体とも連携しながら、交通安全教育や広報啓発を行うとともに、運転者による違反行為に対する指導取締り等を推進するなどして、交通事故の抑止を図ってまいります。
  191. 榊真一

    ○政府参考人(榊真一君) お答えを申し上げます。  我が国の交通死傷事故の件数について、欧米諸国と比較した場合、死亡事故死者数に占める歩行者の割合が特に高いという点が特徴となっております。事故のない社会を目指していくに当たりましては、歩行者の交通安全対策が大きな課題であると認識をしております。  国土交通省におきましては、これまで通学路の交通安全対策に力を入れて取り組んでまいりましたが、今月八日に滋賀県大津市で発生をいたしました散歩中の保育園児が犠牲となった事故等を受けて、警察と連携して、過去五年間で子供が当事者となった交差点での重大事故の箇所や類似箇所を対象とした点検を始めております。今後、さらに、散歩などで園児が日常的に利用する道路等の効果的な点検や対策の方法を関係府省庁と連携して検討し、実施してまいります。  また、それに加えまして、歩行者の安全の一層の向上に向けて、身近な生活道路につきましては、幹線道路との機能分化を進めるとともに、歩行者及び自転車中心の空間にしていくことが重要であると考えております。  このため、生活道路におきましては、ハンプや狭窄などの設置を進め、車両の速度抑制を図りますとともに、歩道の拡幅や防護柵の設置等を進めるなど、安全な歩行空間の確保に努めてまいります。  あわせて、幹線道路においては、右折レーンの整備などの交差点改良、道路の拡幅やバイパス整備等による渋滞解消などの対策を事故の特徴や発生回数を踏まえて適切に講じていくことが重要であると思います。これにより、幹線道路の安全性の向上を図りますとともに、生活道路から幹線道路への車両の転換を促し、事故を総合的に削減していくことにつながると考えております。  国土交通省といたしましては、このような交通安全対策を都道府県警察や関係機関との連携により積極的に推進し、事故の一層の削減に努めてまいります。
  192. 山口和之

    ○山口和之君 関係府省庁で連携、どうしても縦割りのイメージがありますので、連携して、国が一丸となって交通事故による死傷者ゼロを目指してほしいと思います。是非よろしくお願いします。  日系四世の更なる受入れ制度についてお伺いしようと思ったんですけれども、ちょっと時間がないので、これ次回に回させていただいて、終わらさせていただきます。  ありがとうございました。
  193. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 沖縄の風、糸数慶子です。  まず初めに、米軍嘉手納基地や普天間飛行場周辺の河川において有害有機フッ素化合物、PFOSとPFOAが高濃度で検出されている件についてお伺いいたします。  京都大学医学部が、今年四月、米軍普天間飛行場がある宜野湾市の住民を対象に実施したPFOSの血中濃度調査で、全国平均の四倍の値が検出されたことが報道により判明いたしました。  PFOS、PFOAは、国内での使用は原則禁止となっている物質でありながら、水道水中の基準値は設定されておりません。これまで、防衛省、環境省共に、PFOS及びPFOAがWHO等の国際機関による耐容一日摂取量が確定していないため、日本における基準値が設定されていないとしてきました。また、防衛省は、衆議院での質疑におきまして、PFOS、PFOAが河川や地下水から検出されたからといって直ちに人の健康や生活環境に係る被害等の環境保全上の支障があると判断できないと答弁しております。  先日の報道では、那覇市内の公園の水道水から検出されたPFOSとPFOAの合計値が一リットル当たり二十六・八六ナノグラムとなったことが分かりました。先ほど申し上げましたとおり日本には基準はありませんが、米環境保護庁の生涯健康勧告値では、PFOS、PFOAの合計値は一リットル当たり七十ナノグラムを判断基準としています。しかし、それでは不十分として、独自のより厳しい基準値を設定する州もあると聞きます。例えば、先ほどの那覇市内の公園の水道水のPFOSは一リットル当たり二十四・八ナノグラムでしたが、ミシガン州では八ナノグラム、カリフォルニア州、ニュージャージー州では十三ナノグラムを基準値としているようであります。  在日米軍による環境保護及び安全のための取組は、在日米軍が作成する日本環境管理基準、JEGSに従って行われるとされています。日米地位協定の環境補足協定においても、米国は、JEGSを発出、維持すること、JEGSは漏出への対応、予防に関する規定を含み、両国又は国際約束の基準のうち最も保護的なものを一般的に採用するとされています。例えば、PFOSそしてPFOAに当てはめますと、さきに述べましたように、米国は米環境保護庁の勧告値があります。ミシガン州などのように米環境保護庁に比べより厳しい基準値を定めている州も存在しますが、それに当てはめると、那覇市内の公園の水道水は基準値を超えていることになります。  そこでお伺いいたしますが、米軍基地周辺の河川が高濃度のPFOS、PFOAによって汚染されている現状、水道水からの検出や周辺住民への影響を考えますと、まず日本国内における基準値を設定することが喫緊の課題であるというふうに考えますが、環境省、いかがでしょうか。お伺いいたします。
  194. 上田康治

    ○政府参考人(上田康治君) お答えいたします。  環境基準については、国内やWHO等の国際機関における毒性情報に関する科学的知見及び国内の水環境中の検出状況、生産、使用等の実態等を踏まえ、設定する物質を選定することとしております。このうち、科学的知見については、PFOS及びPFOAに関し、基準等を設定する際に基本となる耐容一日摂取量、すなわち人が継続的に摂取した際の健康影響が生じない限度量がWHO等の国際機関において確定しておらず、また、環境省が測定している国内の水環境中の検出状況についても増加傾向ではないと承知しております。さらに、国内における生産の実態については、PFOSは既に第一種特定化学物質に指定されたことにより、製造、輸入が原則禁止とされております。PFOAについては、第九回ストックホルム条約締約国会議の決議を受け、化審法において第一種特定化学物質としての指定に向けた検討を行う予定です。  以上のことから、PFOS及びPFOAのいずれについても、平成二十六年三月より、水環境リスクに関する知見の集積が必要な物質として要調査項目に位置付け、情報の知見収集に努めているところでございます。
  195. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 政府として早急に、米軍による土壌汚染、水質汚染へのその対応策を講ずる必要があるというふうに思います。  環境省及び防衛省におかれましては、沖縄の米軍基地周辺の環境汚染問題について今後どのような対応をなさるのか、基地内への立入調査、その他具体的な対策についてお伺いいたします。
  196. 上田康治

    ○政府参考人(上田康治君) お答えいたします。  在日米軍基地における環境問題については、必要に応じ、日米合同委員会の下に設置されている環境分科委員会の枠組みを通じて、関係省庁において密接に連携し、在日米軍と協議することとしております。  一方で、先ほども御説明しましたが、PFOS及びPFOAについては、WHO等の国際機関において、人が継続的に摂取した際の健康影響が生じない限度量が確定していないということでございます。このため、引き続き、環境省としましては、リスクに関する知見の集積に努めるとともに、先ほど御説明しましたが、要調査項目に位置付けて、それについても情報の知見収集、これに努めてまいりたいと思っております。
  197. 中村吉利

    ○政府参考人(中村吉利君) お答え申し上げます。  防衛省としての対応でございますが、防衛省といたしましては、米側に対しまして、現在、第一種特定化学物質に指定されておりますPFOS、これを含まない製品への早期交換などを要請をしているところでございます。米側におきましては、早期の交換に向けた作業を進めているものと承知をしているところでございます。  また、沖縄県が要請をしている嘉手納飛行場及び普天間飛行場への立入調査につきましては、米側に対しましてこの要請を伝達をし、働きかけを行っているところでございます。  加えて、沖縄県から北谷浄水場の設備改良について防衛省の補助が要望をされているところでございまして、米軍とPFOS等の因果関係は現時点で確定されているわけではございませんけれども、基地周辺住民の安心、安全な飲料水の供給に寄与することから、この事業に対しまして、今年度から補助金を交付をすることとしております。  いずれにいたしましても、防衛省といたしましても、沖縄県民の皆様がPFOSなどの検出に対し不安を抱いておられることは重く受け止めているところでございまして、皆様の不安を払拭できるよう、沖縄県、米側及び関係省庁と密接に連携してまいりたいと考えております。
  198. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 在日米軍による基地周辺の土壌や水質汚染の責任、そして原状回復義務は、一般的に考えれば発生源である米軍にあると考えますが、日米地位協定ではどのような取組になっているのでしょうか。
  199. 岡野正敬

    ○政府参考人(岡野正敬君) 一般論として申し上げれば、環境補足協定第三条一にも規定されているとおり、米国が発出し維持する日本環境管理基準、JEGSには、漏出への対応及び漏出の予防に関する規定を含む旨が明記されていることから、漏出、すなわち環境に及ぼす事故が現に発生した場合には米軍がJEGSを遵守すること、この帰結として米軍によって適切な対応がなされるということになっております。  日米間ではまた、二〇〇〇年に発出した環境原則に関する共同発表において、米国政府は、在日米軍を原因とし、人の健康への明らかになっている差し迫った実質的な脅威となる汚染については、いかなるものでも浄化に直ちに取り組むとの政策を再確認する、このように述べられているところでございます。
  200. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 私、これまで何度も申し上げてまいりました、質疑もしてまいりましたが、やはり米軍に対してはきちんとした原状回復義務を負わせない限り、具体的にその問題を本当に解決していこうというその姿勢が出てこないのではないかというふうに思います。  先ほど御答弁の中にもございましたけれども、基地周辺の市町村の方々、ほとんど、那覇や、それから米軍基地の周辺にある嘉手納、北谷、沖縄市、その辺りとは全然水質のPFOSの状況が違うわけですから、そういう意味でも、原状回復義務、これは米軍にきちんと負わせていく、そういう姿勢を日本政府が持っていない限り、なかなかこの問題の解決にはつながらないと思います。  今いろいろ答弁もございましたので、日米両政府、引き続き誠実な対応をしていただきますように強く求めて、この件に関する質問は終わりたいと思います。  次に、法曹養成の在り方について伺います。  法曹における女性の割合についてでありますが、本年四月十八日の裁判所職員定員法に関する質疑の中で、裁判所における男女共同参画について伺いました。その際、最高裁判事が現在僅か一人であるというその現状は時代錯誤だというふうに申し上げました。総務省によりますと、人口推計の二〇一八年一月概算値によりますと、男性はおよそ六千百五十万人、女性はおよそ六千五百万人と、女性の方が男性より多いことが分かります。しかし、法曹養成における女性の割合を見ておりますと、二〇一七年のデータで、法科大学院生においては約三一%、予備試験最終合格者においては約一八%、司法試験合格者においては約二〇%となっています。  法曹を目指す女性の割合は、法科大学院で見ると三割ですが、最終的な司法試験合格者は二割です。この三割と二割という差は一体どのような理由があると分析されているのでしょうか。法務省に伺います。
  201. 西山卓爾

    ○政府参考人(西山卓爾君) 法科大学院生に占める女性の割合につきましては、法務省としては把握をしてございませんけれども、参考として申し上げますと、平成三十年司法試験において、法科大学院修了資格に基づき受験した者に占める女性の割合は二八・九%、法科大学院修了資格に基づき受験し合格した者に占める女性の割合は二七・二%となってございます。  いずれにいたしましても、司法試験における合格者の判定は、実際の試験結果に基づき、法曹になろうとする者に必要な学識及びその応用能力の有無の観点から、司法試験考査委員の合議によって行われ、この判定に基づいて司法試験委員会において適切に合格者を決定しているものと承知しております。
  202. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 女性のその応用能力ということ、いろいろとその判断の対象になっているようでございますが、やはり積極的に、アファーマティブアクションということもあります。女性を育てるという意味でも採用していただくということを強く申し上げたいというふうに思います。  次に、司法分野における女性の割合について伺います。  裁判官、検察官、弁護士における女性の割合は、一九八〇年代から見ますと増加の傾向にあり、この点は評価されるべきかというふうに思います。第四次男女共同参画基本計画におきましては、検察官に占める女性の割合を二〇二〇年度末までに三〇%とすることが目標とされています。二〇一七年の検察官に占める女性割合を見ますと約二三%となっておりますが、二〇二〇年度末までにどのようにして三〇%の数値目標を達成させるおつもりでしょうか。  検察官における女性の割合を増やすためには、検察官が女性にとって魅力的な職となることが求められます。検察官になろうとする女性が将来設計を描きやすくなるような、また働いている女性検察官が働きやすいと感じられるような視点から、現在どのような対策が行われており、それを今後どのように改善していくのか、また新たな対策を行う予定はあるのか、法務省における女性検察官確保のための具体的な対策をお伺いいたします。
  203. 西山卓爾

    ○政府参考人(西山卓爾君) 検事に占める女性の割合についてですけれども、これまでの様々な取組等によりまして、平成二十八年三月現在で二二・九%、二十九年三月現在で二三・五%、三十年三月現在で二四・六%と順調に高まってきたところでございます。また、新しく検事に任官する者に占める女性の割合は、平成十九年度以降、毎年三〇%を超えておりまして、近年では、二十八年度で三七・一%、二十九年度で三五・八%、三十年度で三〇・四%となっておりまして、検事に占める女性の割合は今後更に増加していくことが予想されるところでございます。  さらに、検事につきましては、法務省・出入国在留管理庁・公安審査委員会・公安調査庁特定事業主行動計画、通称アット・ホウムプランと呼んでおりますけれども、これに基づきまして、育児休暇、配偶者出産休暇、育児参加休暇等の各種休暇制度を周知し、それらの取得を促進するとともに、早出遅出勤務の活用等により、個々の事情に応じた柔軟な勤務を可能とするなどの取組を行っております。  また、そのほか育児休業中の検事に対して職務への復帰に向けた有用な情報を提供するなどの支援を行い、子育て中の検事に対しては保育園等の情報を提供するなど、様々な形で女性検事の活躍推進及びワーク・ライフ・バランス実現に向けた取組を積極的に推進しているところでございます。  今後も、第四次男女共同参画基本計画を踏まえ、引き続き各種取組を継続したいと考えております。
  204. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 ありがとうございました。今後とも女性の活躍に対する御配慮をよろしくお願いしたいと思います。  次に、女性判事を増やすための最高裁判所における数値目標について伺いたいと思います。  四月十八日の質疑における最高裁判所の答弁では、司法修習終了者に占める女性の割合が二割程度である一方、司法修習を終了して判事補に採用された者に占める女性割合は三割前後となっており、着実に増加しているとのことでありました。着実な増加については評価されるべきであると思いますが、最高裁判所は、女性判事の割合として具体的な数値目標をお持ちでしょうか。  裁判官には、性別にかかわらず、ふさわしい資質そして能力を備えた者をという考え方があることは承知しております。しかし、現在、性暴力の被害者は圧倒的に女性が多数であることなど、裁判所で扱う様々な事件についてのそれぞれの特性を考えますと、やはり国民における割合と同じ割合の約半数を目指すべきではないかと思いますが、最高裁判所の御見解を伺います。
  205. 堀田眞哉

    ○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) お答え申し上げます。  最高裁判所といたしましては、裁判官としてふさわしい資質、能力を備えた人については、男女を問わずできる限り任官してもらい、男女共に裁判官として活躍できるようにすることが重要であると考えておりまして、女性裁判官の割合について具体的な数値目標を設けるということはしていないところでございます。  先ほど委員に御紹介いただきましたとおり、近年、裁判官に占める女性の割合は着実に増加しているところでございまして、今後とも裁判官としてふさわしい資質、能力を備えた女性にできる限り多く任官してもらえるよう努めてまいりたいと考えております。
  206. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 先ほども申し上げましたけれども、やはり国民の数を考える、あるいはまた、事件や事故の状況を見ていく、その中に、やはり今、性暴力の被害者が圧倒的に女性が多いということもございますので、今後ともやはり女性の割合を、約半数を目指すべきだというふうにあえて申し上げたいと思います。それを是非実現をしていただきますようにお願いしたいと思います。  そして、女性裁判官を確保するための取組についてお伺いしたいと思います。  衆議院文部科学委員会における法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律等の一部を改正する法律案での平口法務副大臣の答弁を伺っておりましても、裁判官については、近年、その採用、確保が厳しい状況にあるということでありますが、その理由としては、全国的に均質な司法サービスを提供するためとして、裁判官の全国的な異動が不可避であることなどが挙げられております。  裁判官の人材確保策として、最高裁は、司法修習生に対して裁判官の職業としての魅力を伝えるとともに、裁判官の異動の実情等について正確な情報を伝えるよう努めるなどの取組をしているとのことでありますが、裁判官の異動の実情の正確な情報とは、具体的にどのようなことを司法修習生に伝えているのでしょうか。裁判官も人であり、一人一人のライフステージに配慮が必要なことは当然であります。女性が働く場所を選ぶ場合には、特に妊娠、出産、子育ての時期に働く現場がどのような対応を取っているかという点も大変大切な情報であります。  現在、女性の裁判官の働き方に対して行われている配慮がどのようなもので、それについて司法修習の場などで伝える努力を行っているのか、さらには、今後女性判事を増加するそのための取組についてどのように考えているのか、最高裁判所に伺います。
  207. 堀田眞哉

    ○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) 御指摘のとおり、裁判官の場合は、全国に均質な司法サービスを提供するなどのため、全国的な異動を避けられないという点に特徴がございます。  そのため、異動に伴う負担をできる限り軽減することができるよう、本人から任地や担当職務についての希望を聴取するなどいたしまして、事情を正確に把握をした上で、その事情についてできる限り配慮するなどした上で異動を実施しているところでございます。  また、男女問わずでございますが、裁判官にとってもワーク・ライフ・バランスは重要であると考えておりまして、仕事と家庭の両立支援制度の周知をしておりますほか、例えば裁判官が育児休業等を取得する場合には、異動や配置換え等の措置を講じまして後任者を配置するなどして、できる限り育児休業等を取得しやすい環境の整備にも努めているところでございます。  司法修習生に対しましては、司法研修所の教官や実務修習における指導担当裁判官等から、自らの実体験に基づき、このような裁判官のワーク・ライフ・バランス等に関する正確な情報を伝えてもらうよう努めているところでございます。  今後とも、このような取組を行っていくことで、裁判官としてふさわしい女性にできる限り多く任官してもらえるよう努めたいと考えているところでございます。
  208. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 次に、法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律等の一部を改正する法律案の趣旨について伺います。  柴山文部科学大臣は、衆議院文科委員会で、本法律案において、法科大学院教育の充実、法学部三年プラス法科大学院二年と司法試験の法科大学院在学中受験の導入による時間的、経済的負担の軽減等を講ずることで、法科大学院への信頼を確保するとともに、法曹志望者の増加を図ると答弁をされております。  二〇〇一年の司法制度改革審議会意見書が提言されていたような法曹の在り方として、今後、国民生活の様々な場面において法曹に対する需要がますます多様化、高度化することが予想される中での二十一世紀の司法を支えるための人的基盤の整備としては、プロフェッションとしての法曹の質と量を大幅に拡充することが不可欠であるといった方向性は、本法律案によって法曹養成に掛ける時間が短縮されたとしても維持されるということでよろしいのでしょうか。  また、二〇〇一年から十八年が経過し、その間の法曹養成制度の運用状況の反省や法曹に対する需要の変化などによる制度の趣旨の変更はあるのでしょうか、文部科学省に伺います。
  209. 森晃憲

    ○政府参考人(森晃憲君) 法科大学院制度については、制度発足時、数多くの法科大学院が設置されて過大な定員規模となったこと、それから、修了者の合格率が全体として低迷していること、そして、数多くの学生が時間的負担が大きいと感じている、そういった課題がございます。また、司法試験合格者については、当面千五百人規模は輩出されるような必要な取組を進めるということとされておりまして、こうした状況を踏まえまして、今回の改正案については、法務大臣と文科大臣の相互協議の規定を新設して法科大学院定員管理の仕組みを設けたこと、それから、法科大学院において涵養すべき学識等を具体的に規定して法科大学院教育の充実を図ること、さらに、今御指摘がありました3プラス2の制度化と司法試験の在学中受験の導入によりまして、時間的、経済的負担の軽減を図ることとしております。  なお、今回の改正案におきまして、在学中受験の資格に基づいて司法試験を受験し、合格した者については、法科大学院の修了を司法修習生の採用要件としているため、法科大学院を修了するまでの三年間又は二年間の学修プロセスは確保されております。  さらに、法科大学院の最終年次に司法試験を受験した後、実務に即し、自身の関心に沿った学修を行うことが可能になるものでございますから、文部科学省といたしましては、司法制度改革審議会の意見書に掲げられたプロセスとしての法曹養成の理念を引き続き堅持しつつ、法科大学院教育の改善充実に取り組んでまいりたいと考えております。
  210. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 法科大学院司法試験連携法改正案において、法科大学院の定員管理によって予測可能性の高い法曹養成制度を実現するため、法務大臣及び文部科学大臣は、法科大学院の学生の収容定員の総数その他の法曹の養成に関する事項についての協議に関する規定が新たに設けられました。  この協議は、必要があるとき、必要があると認めるときに法務大臣と文部科学大臣が相互に求めることができるとされておりますが、例えば法務大臣から文部科学大臣に協議を求めるときとはどのような場合が想定されるのでしょうか。また、このような定員管理のための協議は、その時々の社会情勢等を反映させるため定期的に行う必要があると思われますが、定期開催は想定されているのでしょうか、法務大臣に伺います。
  211. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 御指摘の点の改正につきましては、これまでは文部科学大臣からのみ法務大臣に対して協議を求めることができるとされている部分について、法務大臣からも双方向で協議を求めることができるようにすることによって、法科大学院教育と司法試験がより一体的、連続的なものとなるよう、法務大臣と文部科学大臣との一層緊密な協力を確保するものでございます。  法務大臣から協議を求めることが想定される事項についてお尋ねでございますので、これについては、例えば法科大学院における教育課程等を踏まえた司法試験の在り方であるとか、あるいは法科大学院への法曹実務家教員の派遣の在り方などが考えられるところでございます。  法務省としては、これ、法曹養成プロセスをより充実したものとすべく、文部科学省との間の協議について、今後必要となる場面で積極的に行ってまいりたいと考えておりますが、定期的な協議の開催までは、これは必要に応じてやるということでございますので、そこまでは現段階では考えていないというところでございます。
  212. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 法曹人口については、二〇一五年六月の法曹養成制度改革推進会議決定において、当面一千五百人程度は輩出されるよう必要な取組を進めるとされました。  衆議院の文部科学委員会における法科大学院司法試験連携法改正案についての議論において、法務省は、司法試験について決められた一定数を合格させるという試験ではないと答弁されておりますが、それでは、司法試験以外に法曹人口を管理する方法はあるのでしょうか。  法曹養成制度改革推進会議決定による法曹一千五百人程度は輩出されるよう必要な取組を進めることと、司法試験による定員管理の可否との関係性について、法務省の御見解を伺います。
  213. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  委員御指摘のとおり、推進会議決定におきましては、今後新たに養成し、輩出される法曹の規模として千五百人程度は輩出されるよう必要な取組を進めることとされております。他方、委員御指摘の法務省の答弁との関係でございますが、司法試験委員会においては、この推進会議決定を踏まえつつ毎年の司法試験の合格者を決定しているものと承知しております。  ただ、司法試験の合格者は、あくまでも実際の試験結果に基づいて決定されるものでございます。実際の試験の結果と関わりなく一定数を合格させるものではございません。したがいまして、あらかじめ決められた一定数を合格させる試験ではないといった法務省の答弁の趣旨は、こういったことを説明したものでございます。
  214. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 中教審大学分科会の法科大学院等特別委員会においては、一定の期間において、平成三十年度の法科大学院の入学定員、二千三百人を総定員の上限として定めることとしております。  今後、法務大臣が文部科学大臣と法科大学院の定員について協議する際には、現状の法曹人口、司法ニーズの把握結果、訴訟件数の動向等の具体的な事項を基にされるのでしょうか。  法務大臣が、特に法科大学院の定員の増減の必要性について考える上での判断の基準となる事項についてお伺いいたします。
  215. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 法務省としては、法科大学院の収容定員の総数を定めるに当たって、法曹が活躍するフィールドと最も密接な関係を有し、司法試験法を所管する法務省において、主に法曹需要の状況や求められる法曹の質の観点から必要な関与をすることを予定しております。  この点についても、法務省は、これまでも、裁判事件数の推移、国の機関や地方公共団体に在籍する弁護士数の推移、企業内弁護士数の推移など、法曹需要等を踏まえた法曹人口の在り方に関する必要なデータ集積を継続して行ってきているところでございます。  したがって、法務大臣としては、法科大学院の収容定員の総数について文部科学大臣と協議を行うに当たっては、こういったこれまで集積してきた法曹人口関連データ等も踏まえつつ対応することを予定しているところでございます。
  216. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 まだ何点か通告しておりましたが、時間が参りましたので終わりたいと思います。ありがとうございました。
  217. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。     ─────────────
  218. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 民法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。山下法務大臣。
  219. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 民法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。  この法律案は、特別養子制度の利用を促進するために、民法等の一部を改正しようとするものであります。  現在、児童養護施設等には、保護者がいないことや虐待を受けていることなどが原因で、多数の子が入所しておりますが、その中には、特別養子縁組を成立させることにより、家庭において養育することが適切な子も少なくないと指摘されております。そこで、特別養子縁組の成立要件を緩和すること等により、この制度をより利用しやすいものとする必要があります。  この法律案は、特別養子縁組における養子となる者の年齢の上限を引き上げるとともに、特別養子縁組の成立の手続を見直すことにより、特別養子制度の利用を促進することに寄与するものと考えております。  その要点は、次のとおりであります。  第一に、この法律案は、民法の一部を改正して、現行法では原則として六歳未満とされている養子となる者の年齢の上限を、原則として十五歳未満にまで引き上げることとしております。  第二に、この法律案は、家事事件手続法の一部を改正して、特別養子縁組の成立の審判の手続に関する規定を見直すこととしております。具体的には、まず、特別養子縁組の成立手続を、養子となるべき者が特別養子縁組をするのに適する者であることを確認する段階と、養親となるべき者が養親として適する者であることを確認する段階の二つに分けることとしております。その上で、養子となるべき者の実父母は、第二段階の手続には参加することができないこととするとともに、第一段階の手続においてされた実父母の同意は、一定期間の経過後は撤回することができないこととしております。  第三に、この法律案は、児童福祉法の一部を改正して、児童相談所長は、自ら第一段階の審判の申立てをすることができることとするとともに、養親となるべき者が第一段階の審判の申立てをした場合には、その審判の手続に参加することができることとしております。  以上が、この法律案の趣旨でございます。  何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
  220. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。     ─────────────
  221. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  民法等の一部を改正する法律案の審査のため、来る六月四日午後一時に、早稲田大学法学学術院教授棚村政行君、日本女子大学人間社会学部社会福祉学科教授林浩康君及び児童養護施設子供の家施設長早川悟司君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  222. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時五十四分散会