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2019-04-23 第198回国会 参議院 法務委員会 9号 公式Web版

  1. 平成三十一年四月二十三日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  四月十八日     辞任         補欠選任      佐藤  啓君     片山さつき君      自見はなこ君     岡田 直樹君  四月二十二日     辞任         補欠選任      岡田 直樹君     長峯  誠君  四月二十三日     辞任         補欠選任      石井 苗子君     東   徹君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         横山 信一君     理 事                 福岡 資麿君                 元榮太一郎君                 有田 芳生君                 伊藤 孝江君     委 員                 徳茂 雅之君                 長峯  誠君                 長谷川 岳君                 丸山 和也君                 柳本 卓治君                 山谷えり子君                 小川 敏夫君                 櫻井  充君                 東   徹君                 山口 和之君                 仁比 聡平君                 糸数 慶子君    衆議院議員        修正案提出者   階   猛君    国務大臣        法務大臣     山下 貴司君    副大臣        法務副大臣    平口  洋君    大臣政務官        法務大臣政務官  門山 宏哲君    最高裁判所長官代理者        最高裁判所事務        総局総務局長   村田 斉志君        最高裁判所事務        総局人事局長   堀田 眞哉君        最高裁判所事務        総局家庭局長   手嶋あさみ君    事務局側        常任委員会専門        員        青木勢津子君    政府参考人        内閣府大臣官房        審議官      渡邉  清君        警察庁長官官房        総括審議官    藤本 隆史君        警察庁長官官房        審議官      田中 勝也君        個人情報保護委        員会事務局次長  福浦 裕介君        総務大臣官房審        議官       吉川 浩民君        法務大臣官房司        法法制部長    小出 邦夫君        法務省民事局長  小野瀬 厚君        法務省刑事局長  小山 太士君        法務省矯正局長  名執 雅子君        法務省保護局長  今福 章二君        法務省人権擁護        局長       菊池  浩君        出入国在留管理        庁長官      佐々木聖子君        厚生労働大臣官        房審議官     吉永 和生君        厚生労働大臣官        房審議官     山田 雅彦君        厚生労働省労働        基準局安全衛生        部長       椎葉 茂樹君        農林水産大臣官        房輸出促進審議        官        渡邊 厚夫君        経済産業大臣官        房原子力事故災        害対処審議官   新川 達也君        経済産業大臣官        房審議官     大内  聡君        国土交通大臣官        房建設流通政策        審議官      北村 知久君        国土交通省自動        車局次長     島  雅之君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○法務及び司法行政等に関する調査  (刑務所出所者等の就労支援に関する件)  (福島第一原子力発電所の廃炉作業への特定技  能外国人の受入れに関する件)  (選挙運動として行われるヘイトスピーチへの  対応に関する件)  (技能実習から特定技能への移行に関する件)  (調停委員の任命に関する件)  (犯罪被害者の実名報道に関する件)  (戸籍関係手続の届書の記載例に関する件) ○民事執行法及び国際的な子の奪取の民事上の側  面に関する条約の実施に関する法律の一部を改  正する法律案(内閣提出、衆議院送付) ○参考人の出席要求に関する件     ─────────────
  2. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) ただいまから法務委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、自見はなこ君及び佐藤啓君が委員を辞任され、その補欠として片山さつき君及び長峯誠君が選任されました。     ─────────────
  3. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房審議官渡邉清君外十九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 おはようございます。自由民主党の元榮太一郎でございます。本日も、山下大臣、平口副大臣、門山大臣政務官並びに政府参考人の皆様、どうぞよろしくお願い申し上げます。  今月一日、平成に代わる新しい元号を令和とする政令公布され、天皇の退位等に関する皇室典範特例法の施行日の翌日である五月一日から適用されることになりました。初めて国書を出典とする元号が採用されたことなど、新しい時代を象徴するすばらしい元号だと思っております。  ところで、政府は、国民生活への影響を最小限にし、各府省庁の事務手続の円滑な移行を図るため、改元に関する対処方針を確認し、四月三十日までに作成する行政文書については平成を用い、そして五月一日以降は令和を用いるということとされました。こちらの対処方針は裁判所には直接適用されるものではないかと思いますが、もちろん裁判手続においても混乱しないための手続が必要だと思います。  そこで、最高裁に伺いますが、裁判所でも当事者が混乱をしないための対処方針は作成されているのかというところと、また、裁判手続において、改元前に令和を使用しているケースや改元後に平成を使用している文書有効性について伺いたいと思います。
  7. 村田斉志

    最高裁判所長官代理者(村田斉志君) お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、裁判手続におきましても、改元に関して当事者が混乱しないための対応を取ることは重要なことであると考えております。  そこで、最高裁といたしましても、裁判所で使用する様式を定める通達におきまして、平成との記載、これはアルファベットのH又は平成の平だけなどアルファベット又は略語により表記したものを含みますけれども、こうした記載のある様式の取扱いについて、令和と記載すべき場合には、平成と記載されている部分を適宜の方法により令和と補正したものを使用するものとする旨の事務連絡を発するなど、改元に備えた対応を進めております。  また、新元号への円滑な移行に向けた関係省庁連絡会議におきまして、改元に伴う元号による年表示の取扱いについてという申合せがされておりますところ、これは政府の申合せではございますけれども、ここに示されました改元に係る政令施行時期と元号の取扱いをそろえるという考え方は裁判手続上の事務処理においても十分に参考にすべきと考えられることから、これを下級裁に対して情報提供するなど周知をしたところでございます。  二つ目のお尋ねでございますが、裁判手続におきまして、改元前に令和を使用して作成された文書及び改元後に平成を使用して作成された文書有効性につきましては、最終的には個別の事案に応じた裁判体の判断にはなりますが、これらの記載がいつの時点を表したものであるかを合理的に解釈することになると思われまして、元号の使用方法が異なるというだけで文書が無効なものとして扱われる例は極めて少ないものというふうに考えております。
  8. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 極めて少ないということで、安心をいたしました。  次に、相続財産管理人について伺います。  この相続財産管理人制度について、原告の負担になっているという声を弁護士から聞いています。民事訴訟において被告が亡くなってしまうと、その相続人を探すために、亡くなった被告が生まれてから亡くなるまでの戸籍を全部取得するという必要があります。そして、その調査によってようやく相続人が判明したとしても、その相続人らが相続放棄をしてしまうということがあります。こういうような場合は、原告は、相続財産管理人だったり特別代理人選任の手続を行うという形で訴訟を続けることになります。  ある弁護士の話では、この相続財産管理人選任の手続に際して、裁判所から三十万円だったり百万円というような予納金を求められたことがあるということです。民事訴訟では受益者負担という考え方がありますが、相続人の調査や相続財産管理人の選任が原告にとって大きな負担になっているというのが現状です。  今年の二月に、所有者不明土地問題の関係で、法務大臣は法制審議会に対して民法及び不動産登記法の改正に関する諮問をされましたが、その中で、不在者財産管理や相続財産管理制度の見直しについても検討を予定しているとお聞きしました。  そこで、訴訟手続における相続財産管理人制度の在り方について、法務省の見解をお聞かせください。
  9. 小野瀬厚

    政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。  委員御指摘のとおり、被告が死亡し、その相続人のあることが明らかでない場合に、家庭裁判所において相続財産管理人を選任した上で訴訟手続を進めることがあるものと承知しております。その意味で、相続財産管理人は訴訟手続においても重要な役割を果たしていると認識しております。  他方で、所有者不明土地問題を契機といたしまして、相続財産管理制度の課題が指摘されております。すなわち、相続財産管理人は相続財産に属する財産全般を管理することが予定されておりますために、相続財産管理人の選任請求をする者が、相続財産のうち例えば土地などの特定の財産に限って利害関係を有していても、財産全般を管理することを前提とした費用等の予納を強いられることになって、請求に当たっての負担が大きいとの指摘もございます。  所有者不明土地問題の解決のため、民法等の改正につきまして、本年二月十四日、法制審議会に諮問がされましたけれども、今申し上げましたような指摘を踏まえて、相続財産管理制度の見直しもその中に含まれております。  今後は、法制審議会に新たに設置されました民法・不動産登記法部会におきまして検討が進められることになりますが、その検討に際しましては、委員御指摘のような相続財産管理人が訴訟手続において果たしている役割も含めまして、様々な場面を想定して検討を進めてまいりたいと考えております。
  10. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 原告の負担が過大になっていると、こういうような実情も踏まえて御検討をお願いしたいと思います。  次に、少年法について質問いたします。  四月九日の質疑において、部会における意見の概要や少年院や刑務所を出た後の再入率などのデータの重要性について議論させていただきました。  少年法の適用年齢の引下げに関しては、日本弁護士連合会や児童青年精神医学会は、少年の更生の機会が奪われる結果として非行や犯罪が増加することに対する懸念を表明しています。  若年成年に対する矯正教育に少年法の良い部分を限りなく取り入れるなど、選択肢はいろいろあるかとは思うんですが、大事なことは、若年成年や少年が再起更生や、そして再犯防止の最大化ということが図れることだと思います。その効果を高める方向で、法務省においては、現場に対応している専門家の意見も限りなく取り入れる中で引き続き慎重な検討をお願いしたいと思っておりますが、山下法務大臣の御決意を伺いたいと思います。
  11. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 刑事司法において成長過程における若年者をどのように取り扱うか、また、どのように改善更生、再犯防止を図るかという問題は極めて重要な問題であると考えております。  現在、法制審議会の部会において、少年法における少年の上限年齢を引き下げることに加えて、若年者を含む犯罪者に対する刑事政策的措置の在り方について調査審議をしていただいているところでございます。委員御指摘の若年者の改善更生、再犯防止を図るための施策についてはまさしく重要な論点として議論されているところでありますので、まずはその議論を見守りたいと考えております。  もとより、法務省としては、現場で対応している専門職の御意見、これをしっかりと承るということで考えていきたいということでございます。
  12. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 今回の少年法の制度設計をきっかけに、この若年成年の再犯率、こういったものが間違いでも高まることのないような形でしっかりと対応していただきたいというふうに思います。  次に、刑務所における職業訓練について質問します。  出所者が再び犯罪に手を染めないためには、世の中のニーズに対応することで出所者の雇用に結び付けることが大切です。例えばIT業界では、システムバグを見付けるという重要な仕事もかなり人手不足です。また、物流業界ではトラック運転手が不足していることは有名ですし、さらに、本年二月に行った京都への委員派遣では、協力雇用主の中のお一方からは、矯正施設内での職業訓練が実際の採用に結び付いていない、そのため、資格取得の促進も含めて社会の需要に応じた職業訓練が必要であると、こういうような訴えもありました。  そこで、法務省に伺います。今後の職業訓練を社会の需要に応えたものにするため、どのような取組が必要と考えていますか。
  13. 名執雅子

    ○政府参考人(名執雅子君) 委員御指摘のとおり、職業訓練は、受刑者の就労、再犯の防止に極めて重要であると認識しております。  法務省といたしましては、有効求人倍率のほか、刑務作業契約企業や協力雇用主を対象としたアンケートや検討会を行ったり、各刑事施設に協力雇用主や各種業界団体、関係機関等を招聘した職業訓練見学会を実施するなどして意見をお聞きし、社会の雇用ニーズの把握に努めるとともに、これに応じた職業訓練の種目の拡充や内容の見直しを図っております。平成三十一年度においては、建設機械科や情報処理科など五十種目の職業訓練を実施しており、新たに機械保全科の職業訓練を新設し、ビジネススキル科、介護福祉科の実施施設を拡大するなど職業訓練の充実を図っているところでございます。  法務省といたしましては、引き続き雇用ニーズ等を踏まえた職業訓練の充実を図るとともに、東京、大阪矯正管区に設置いたしました矯正就労支援情報センター、通称コレワークを通じまして、受刑者等の雇用を希望をする企業に対し、受刑者が取得した資格の情報提供を始め雇用条件に適合する者とのマッチングを図るなど、出所後の就労につながる効果的なものとするよう努めてまいりたいと思っております。
  14. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 出所者の雇用の促進には、今御答弁いただいたコレワークの活用も重要ですが、やはり企業への周知というものが課題だと言われています。一方で、民間の人材紹介会社自体も人手不足ということで、エントリー人材、この人材が確保し切れていないというような指摘もあります。  そこで、一案なのですが、法務省と民間人材紹介会社の連携を一層推し進めてはいかがでしょうかということです。民間企業がこれまで培ってきたマッチングノウハウにより、人材不足で人材を求めている企業と出所者のマッチングを行ってもらうということなんですが、例えば、リクルートを始めとした大手の人材紹介会社には既に多くの求人企業があります。そしてまた、一般に、人材紹介手数料は転職者が早期退職してしまったりすると返金規定があるので、マッチングの制度と、そして早期退職を未然に防ぐインセンティブというものも設計、担保されているというふうに理解しています。  もう既に更生保護就労支援事業所というところでも、民間委託、民間の創意工夫が生かされていると思うのですが、更に推し進めて、官民の協働によって出所者の就職を支援し、再発防止を進めると同時に人手不足の解消にもなるということで、こういう大手の人材紹介会社も含めて、実証実験でもいいですので、何らかの形の検討をいただきたいというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。
  15. 名執雅子

    ○政府参考人(名執雅子君) コレワークにおきましては、全国の受刑者等の職歴、資格、帰住予定地等の情報を一括管理し、企業の求人ニーズに適合する者がいる矯正施設の紹介等を行っております。平成二十八年十一月に本格稼働を実施して以来、企業からの相談を合計二千二百三十一件受け付け、そのうち採用内定に結び付いた件数は、平成二十八年度は十四件、二十九年度は百七十七件、三十年度は三百四十九件、計五百四十件と着実に実績を伸ばしているところでございます。  現在、職業紹介事業者始め民間の方々が、そのノウハウを基に出所者等を就労につなげていただいていることは承知しております。日頃から民間の方々と意見交換を行うなど、現在も相互に勉強を重ねているところでございます。  島根あさひ社会復帰促進センターにおきましては、その運営に携わる民間企業が職業紹介事業のノウハウを活用し、受刑者を対象とした無料職業紹介事業を実施しており、平成二十六年の開始以来九十五件の就職につながっている例もございます。  引き続き官民の意見交換に努め、民間のノウハウを活用した就労支援につき検討をしてまいりたいと思っております。
  16. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 ここはまさに、人材マッチングというのは民間の創意工夫をフルに生かせる、そういうようなところだと思いますので、更なる推進をお願いしたいと思います。  協力雇用主についても国のサポートが重要だと思います。  雇用した出所者一人当たり最大七十二万円の奨励金が支払われると、この国の制度がありますが、法務省の調査によれば、刑務所からの出所者を雇用したことがある事業者のうち、この同制度を活用したことがあると答えたのは五七%だったということです。  出所者の雇用を促進するためには、協力雇用主はもちろんですが、幅広い事業者への周知が重要と考えますが、この刑務所出所者等就労奨励金の周知に関する今後の取組について、法務省に伺います。
  17. 今福章二

    ○政府参考人(今福章二君) 委員御指摘のとおり、法務省が昨年度行いました協力雇用主に対するアンケート調査の結果によりますと、刑務所出所者等就労奨励金支給制度を始めとする協力雇用主に対する各種支援制度につきましては、その広報が必ずしも十分ではなかったということが分かりました。  そこで、昨年度末に法務大臣がいわゆる経済三団体のトップに直接お会いをして、企業における刑務所出所者等の雇用の促進について経済界の御理解、御協力をお願いをしておりまして、これを受けまして、全国の保護観察所において、それぞれの地元の経済団体を訪問し、協力雇用主制度等、協力雇用主に対する各種支援制度について説明する取組を始めたところでございます。  また、保護観察所におきましては、本アンケート結果を踏まえまして、特に、新たになっていただいた協力雇用主や雇用実績のない協力雇用主の方々を対象に、研修等の機会を通じ、各種支援制度について丁寧に説明をすることといたしております。  今後も、各種支援制度について協力雇用主の方々に理解していただきますよう十分な説明に努めますとともに、これらを効果的に活用して協力雇用主の下での雇用の拡大を図ってまいります。
  18. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 今回のこの調査では、出所者が半年以内に辞めてしまうという回答が五割近くあったということです。無断欠勤や社会常識不足などの問題があったとの指摘もありますが、経済的支援だけではなく、保護観察官や保護司の訪問を増やしてほしい、こういうような要望も多く寄せられたということです。  そこで、法務省に伺いますが、これらの雇用主からの声を今後どのように生かし、出所者の雇用につなげていく予定でしょうか。
  19. 今福章二

    ○政府参考人(今福章二君) ただいまの委員御指摘のとおり、就労が継続しない者が多いという問題が見られ、刑務所出所者等の離職の防止は重要な課題であると考えております。  そこで、法務省といたしましては、保護観察所において、矯正施設における取組も踏まえつつ、更生保護就労支援事業所とも連携をし、刑務所出所者等の特性に応じたきめ細やかな就職支援により適職に就けるよう努めますとともに、就労を継続させるため、保護観察官や保護司による協力雇用主及び刑務所出所者等それぞれに対する就職後のフォローアップの充実に取り組んでまいりたいと考えております。
  20. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 ありがとうございます。  今回のアンケートでは、協力雇用主のうち奨励金を活用した人が五七%ということで、四三%はそういうのがなくても採用しているということで、社会貢献ということもあると思いますが、やはり人材不足ということで、企業側の需要はあると思うんです。  ですから、この人材のマッチングと、そして雇用の継続のところは、やはり民間の創意工夫も本当にフル活用して、しっかりとすばらしい制度に更に進化させていただきたいということをお願いして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。     ─────────────
  21. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、石井苗子君が委員を辞任され、その補欠として東徹君が選任されました。     ─────────────
  22. 有田芳生

    ○有田芳生君 立憲民主党の有田芳生です。  委員会において、この数回、通奏低音のように、答弁される方は余計なことをなるべく少なくして的確に語っていただきたいと、時間が限られておりますので、改めてお願いをしておきたいというふうに思います。  今日は、特定技能外国人の受入れ問題と、この間何度か質問させていただきましたけれども、選挙におけるヘイトスピーチの実態について、前半、後半の全国の地方選挙が終わりましたので、その課題についてお聞きをしたいというふうに思います。  最初に、四月十八日の朝日新聞朝刊がスクープでこういう記事を出しました。「原発に特定技能外国人 東電、福島廃炉に受け入れ」と。この報道を受けて、夕刊各紙が同じような報道を行いました。あるいは、翌朝にも同じような報道を行いました。例えば東京新聞、「廃炉に特定技能外国人 東電方針、安全策に懸念」、あるいは日本経済新聞の夕刊だと、「東電、原発に「特定技能」外国人」、「廃炉に特定技能外国人 福島第一 東電、受け入れ方針」、これは産経新聞ですが。  そのように大きく報じられておりますけれども、まず、法務省にお聞きをしたいんですけれども、東京電力からどのような問合せがあって、法務省はどのような回答をなさったんでしょうか。
  23. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) お答えいたします。  具体的な照会、回答について申し上げることは差し控えますが、通常、その受入れを検討している企業さんなどから問合せがあった場合に、その場で、これは大丈夫です、これは当たりませんということは申し上げずに、まずは具体的な活動内容を明らかにする必要があること、その上で、各分野を所管する省庁に対して具体的に相談いただきたいということをお答えをしています。
  24. 有田芳生

    ○有田芳生君 もう一度お聞きをしますけれども、東電からの問合せは、福島の廃炉に特定技能外国人を入れたいんだと、そういう問合せだったんですか。
  25. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 具体的にどういう、個別の企業からどのようなお問合せをいただいたかということにつきましては、お答えを差し控えさせていただきます。
  26. 有田芳生

    ○有田芳生君 だけど、それは非常に問題じゃないですか。技能実習生が知らないうちに除染に取り組まされていて、それが大きな社会問題になりましたけれども、そんなことはいけないでしょうということが議論になった延長上で、じゃ、今度は、技能実習生から特定技能外国人に変わったら廃炉に受け入れることも可能なのかどうかというのは、これは非常に重要な問題ですよね。だけど、そういう方向も認めるという理解でいいんですか。
  27. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 認めるということは何ら申しておりませんで、先ほどもちょっと一般論でお答えをさせていただきましたけれども、どういう作業をするのか活動内容を明らかにしていただき、その上で各分野を所管する省庁に対して相談をいただく、そしてまた、具体的な申請があったときは、私どももその活動内容を聞き取った上で関係省庁と協議をしていくという段取りになります。
  28. 有田芳生

    ○有田芳生君 ちょっと腑に落ちないんですが、東電は法務省に問い合わせた結果、これは法務省の回答として東電の広報担当者が語っているんですが、新資格は受入れ可能だと、日本人が働いている場所は分け隔てなく働いてもらうことができる、これ、東電の広報が公式に語っているんですが、どうなんでしょうか。
  29. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 先ほども申し上げましたけれども、その場でこの活動について、これはいいです、悪いですというようなお答えの仕方はしていないと思います。
  30. 有田芳生

    ○有田芳生君 そうすると、東電からは、廃炉に使いたいという、そういう問合せがあったということ、その理解でいいですか。
  31. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 日々いろいろなお問合せをいろいろなルートを通じていただいておりますけれども、特定のところから具体的などのようなお問合せがあったかということについては差し控えさせていただきます。
  32. 有田芳生

    ○有田芳生君 じゃ、もう繰り返しになるでしょうから、建設省にお伺いしますけれども、今度の特定技能外国人の仕事の中に、廃炉ということは規定されているんでしょうか。
  33. 北村知久

    ○政府参考人(北村知久君) お答え申し上げます。  建設分野において特定技能外国人が従事できる業務におきましては、昨年末に閣議決定された建設分野における分野別運用方針において、型枠施工、左官等の十一の職種を定めております。こういった中で、廃炉という名称の業務は規定してございません。
  34. 有田芳生

    ○有田芳生君 つまり、東電がそういう意思があったとしても、廃炉作業には取り組めないという理解でいいですよね。
  35. 北村知久

    ○政府参考人(北村知久君) ただいま御説明しましたとおり、十一の職種に限られてございます。  この廃炉の作業というものは具体的にどういった作業であるかということが私ども明らかでございませんので厳密なことは申し上げられませんけれども、少なくとも、内部にあるような例えば汚染物質を除去して処理すると、こういったようなもの、こういった廃炉作業につきましては、先ほど申し上げました建設分野の職種に当てはまりませんので、特定外国人を従事させることは原則としてできないというふうに考えてございます。
  36. 有田芳生

    ○有田芳生君 じゃ、更に聞きます。特定技能外国人は除染作業に関わることはできますか。
  37. 北村知久

    ○政府参考人(北村知久君) 繰り返しになりますけれども、先ほど申し上げましたような十一職種に当てはまらないような除染業務、こういったものについて特定技能外国人を従事させることは原則として認められません。
  38. 有田芳生

    ○有田芳生君 厚労省にお聞きをしますけれども、そうした廃炉あるいは除染作業などについては非常に危険な労働で、しかも、もし仮に外国人がそれに関わるとすれば、言葉の問題、専門知識の問題などなど大変な問題、課題が出てくるというふうに思いますけれども、危険労働に対してのガイドラインというのは、今、厚労省、どうなっていますでしょうか。
  39. 椎葉茂樹

    ○政府参考人(椎葉茂樹君) お答えさせていただきます。  我が国におきましては、労働者の安全と健康を確保するために労働安全衛生法が定められておりまして、同法に基づく労働安全衛生規則等により具体的な安全基準が定められているところでございます。これらは、第一原発における廃炉作業また除染作業に従事する労働者を使用する事業者に対しましても、当然適用されるものでございます。  また、委員御指摘のガイドラインでございますけれども、厚労省におきましては、平成二十七年に、廃炉作業等に従事する労働者の安全と健康を確保するために、東京電力福島第一原子力発電所における安全衛生管理のためのガイドラインを策定しているところでございます。さらに、除染作業等に従事する労働者の安全と健康を確保するために、除染等業務に従事する労働者の放射線障害防止のためのガイドラインを策定しているところでございます。
  40. 有田芳生

    ○有田芳生君 この問題については共産党の仁比委員が質問を準備されているようですので、次のテーマに移ります。  選挙におけるヘイトスピーチ、大変な状況が全国各地で起こりました。  三月十二日に法務省人権擁護局が、通達と言わせていただきますけれども、それを発して、それを受けて警察庁も通達を出されたということは前回の質問でも伺いましたけれども、話の流れからいって、もう一回、警察庁がどういう通達を出されたのか、簡潔にお答えいただけますか。
  41. 田中勝也

    政府参考人(田中勝也君) 御指摘をいただきました三月二十八日付けの事務連絡でございますけれども、この内容でございます。  不当な差別的言動が選挙運動等として行われたからといって直ちにその言動の違法性が否定されるものではないことを前提といたしまして、不当な差別的言動において、虚偽事項の公表罪や選挙の自由妨害等、刑事事件として取り上げるべきものがあれば法と証拠に基づいて適切に対処すること、不当な差別的言動に関しては、各都道府県を管轄する法務省人権擁護担当部門等とも必要な連携の下で対処すること等を各都道府県警察に対して求めているものであります。
  42. 有田芳生

    有田芳生君 それで、現実に何が変わり、どういう取組が新たに行われたのでしょうか。  つまりは、ヘイトスピーチが二〇一二年、一三年、特にそこら辺にしょうけつを極める状況がありました。その後、ヘイトスピーチ解消法がこの参議院法務委員会では全会一致で可決をされ、今は法律になっておりますけれども、当時も警察の警備状況というのはかなり努力をされておりました。ヘイトスピーチ、差別に反対する人たちに向かって警察が厳しい対応を取っていた時期もあれば、例えば岡山県警のように、これは解消法ができる前ですけれども、抗議をする人あるいはヘイトスピーチを行う人たち、警察官がそれぞれ交互にお互い問題が起きないような配置をしていた時期もありました。  あるいは、最近でいえば、選挙におけるヘイトスピーチではありませんけれども、名古屋で行われた非常にひどいヘイトスピーチの街宣活動に対しては、警察がそのヘイトスピーチをやっている方に向かっていると、抗議をする方ではなくてヘイトスピーチを行っている方に向かうというような体制を取っておられる。まあ非常に試行錯誤はあると思うんですよね。  ですから、この通達が出たことによって何が変わったんでしょうか。
  43. 田中勝也

    政府参考人(田中勝也君) 現時点におきましては、今回の統一地方選挙でのヘイトスピーチに対する事件検挙等はございませんけれども、いずれにいたしましても、警察といたしましては、刑事事件として取り上げるべきものがあれば、法と証拠に基づいて適切に対処することといたしております。
  44. 有田芳生

    有田芳生君 つまり、選挙においてもヘイトスピーチは駄目なんですよということを、法務省も警察庁も新たにそういう通達を出されたわけですから、例えば現場においてこんな発言がされていたとか、そういった記録というのは警察として取られたんでしょうか。
  45. 田中勝也

    政府参考人(田中勝也君) 関係の警察におきましては、それぞれの現場におきまして、必要に応じてその状況を見ているものというふうに思っております。
  46. 有田芳生

    有田芳生君 もう一回伺いますけれども、その候補者がヘイトスピーチを語ったかどうかという、そういう記録というのは取られていますか。
  47. 田中勝也

    政府参考人(田中勝也君) 警察庁において網羅的に把握しているところではございません。
  48. 有田芳生

    有田芳生君 新たな通達に基づいた、やっぱり新たな対応というのをお願いしたいというふうに思います。  これまでヘイトスピーチの現場においては、警備、公安の方々がその現場にいらっしゃるということがありましたけれども、私が確認したところ、今回の地方選挙においては、神奈川県川崎市あるいは相模原市で、警備、公安の方々だけではなくて刑事課の方も来ていらっしゃった。これは新たな変化だというふうに思いますが、それはどういう意味なんでしょうか。
  49. 田中勝也

    政府参考人(田中勝也君) 街頭演説につきましては、関係警察において、街頭演説の場所における各種の違法行為の発生などの不測の事態にも適切に対処できるよう、必要に応じ所要の体制を取っているものと承知しておりますが、個別の事案における体制や、そのような体制を取った理由の詳細につきましては、今後の対応に支障を来すおそれもございますので差し控えさせていただきます。
  50. 有田芳生

    有田芳生君 極右団体である日本第一党を名のる人たちが、全国、例えば新宿であったり練馬であったり、東京では、あるいは神奈川県相模原では三人立候補して、全員落選をいたしましたけれども、その現場において様々なヘイトスピーチが行われた。  例えば、それが名誉毀損とか侮辱に当たることになるならば、警察の方々はその現場にいて、その記録は取らなきゃいけないですよね。もう一度伺います。
  51. 田中勝也

    政府参考人(田中勝也君) 不当な差別的言動につきましては、選挙運動等として行われたからといって直ちにその違法性が否定されるものではありませんので、名誉毀損罪その他の犯罪の成立につきましては、個別具体の事実関係によって判断されるべきものと考えているところであります。
  52. 有田芳生

    有田芳生君 昨夜配信された神奈川新聞、「ヘイトスピーチ規制条例制定に前向き」、相模原本村賢太郎市長が誕生しましたけれども、ヘイトスピーチを規制する条例制定を検討すると、二十二日、昨日の就任会見で明らかにされました。  なぜかといえば、先ほども言いましたけれども、日本第一党という極右団体、存在そのものがヘイトスピーチである、差別に寄生しているという、そういうことが桜井誠党首、最高裁でも認定された者の率いる団体ですけれども、相模原においても、選挙権のない朝鮮人は出ていけと。これはもう文脈も何も、法務省のこれまでのガイドラインからいったって明らかなヘイトスピーチなんですけれども、そういうことが行われるから条例を検討するという、昨日就任会見をなされました。  東京都でも昨年の十月にヘイトスピーチ規制を盛り込んだ条例成立しているし、京都でも宇治でも、あるいは川崎市でもそういう条例が準備されている。そういう状況にあって、やはり新たな課題が出てきたということを、やはり総務省、もっと敏感になっていただきたいというふうに思います。  選挙公報におけるヘイトスピーチ、あるいは公選ビラにおけるヘイトスピーチ、もう明らかにひどいことが公選法に守られてまき散らされている。名前は言いませんけれども、関西で立候補した人物は、「ヘイトスピーチ? 差別? どんな批判も恐れず、日本のために戦い続けます」、もう文章の中には物すごいヘイトスピーチが明確に書かれている。経歴の中では、京都朝鮮学校襲撃事件を行った、徳島県教組を襲撃した、そういうことで実刑判決、それから奈良の水平社博物館抗議街宣をやった、そして懲役一年六月、執行猶予四年の有罪判決、それから千二百万円の損害賠償を命じる判決が最高裁にて確定と、自分でそういうことを書いているんだけれども、こういうことがもう公選法に隠れて、いや、公選法を利用して行われているんですよね。  この新しい事態をどう克服していくかというのは、これは法務省だけではなくて、日本政府ヘイトスピーチ許さないという立場に立っているわけだから、取り組んでいかなければいけないというふうに思います。  総務省、何度もお聞きしていますけれども、こういう現実をどう、ヘイトスピーチを許さないという立場から克服するような取組、これから検討されるんでしょうか。総務省
  53. 吉川浩民

    政府参考人(吉川浩民君) お答えいたします。  総務省といたしましても、ヘイトスピーチにつきましては、大きな問題意識を持って取り組んでいるところでございます。ただ、選挙の公正、自由、この確保の観点から、各選挙管理委員会におきましても、また総務省におきましても、おのずと慎重な対応が求められるというふうに考えているところでございます。
  54. 有田芳生

    有田芳生君 だけど、公選法に基づいて堂々とヘイトスピーチまき散らしているんですよ。これ、ちゃんと証紙も貼ってあるビラですけれども、物すごくヘイトスピーチを、各戸に配布するんですよ。その各戸の御家庭にはその被害者いるわけですよ。どれだけ傷ついているのかということを、これは実感としてやはり考えていただきたい。  この数年間、法務省の人権擁護局が物すごく努力をされて、徐々にではあるけれども前に前へと進んでいるときに、新しい課題が出たならば、やはり総務省選挙管理委員会などもいろんな努力、工夫をしていただきたいんですよね。何度も言いましたけれども、例えば候補者の説明会などには、「ヘイトスピーチ、許さない。」というような、そういう法務省の文書を配ることだって、これは選挙干渉にはならないでしょう。だから、そういう新たな課題に前向きに、法務省人権擁護局がこの数年間取り組んできた水準に少しでも近づいていただきたいんですよ。なぜそう言うかというと、被害者がいるからですよ、全国に。  もう時間ですからやめますけれども、例えば、ヘイトスピーチばっかりずっとやっている人物が新宿区から立候補しました。落選しました。日本第一党ではありませんけれども、落選した。この彼がどういう選挙運動をやっているかというと、もうデモができなくなった新大久保、在日コリアン、外国人が多いところ、その新大久保の駅前で街宣をやるということを公然と公選法に守られて通知をして、そして大久保小学校体育館を借りて選挙運動、説明会というのか演説会やろうとした。これはまあ、選管としたら、空いていたら貸さざるを得ないというのは分かりますよ。だけど、あえて大久保小学校を狙ったんですよ、六割が外国人にルーツを持つ子供たちがいるところですよ。そこにヘイトスピーチばっかりやっている人物が、公選法に守られて、体育館借りて語ろうとした。失敗しましたけどね、人が集まらないから中止になりましたけれども、そういう現実があるんです。  だから、最後、一言、人権擁護局長、こういう新しい事態に、やはり物すごく努力してくださったんで、だけど、広がって問題があるという状況の下で、今後の取組について一言お聞きをします。
  55. 菊池浩

    ○政府参考人(菊池浩君) お答えいたします。  いわゆるヘイトスピーチ解消法に規定する本邦外出身者に対する不当な差別的言動はあってはならないものと認識しております。ヘイトスピーチを解消するためには、社会全体の人権意識を高め、こうした言動が許されないとの認識が広く深く国民に浸透することが重要であると考えております。  法務省人権擁護局におきましては、ポスターや啓発冊子を活用した啓発活動でありますとか、あるいは委員御指摘の今般の事務連絡を発出するなどして、適切な対応を法務局、地方法務局に促したところでございます。  また、ヘイトスピーチの解消のためには関係省庁や地方公共団体との緊密な連携も重要であると考えておりますので、関係省庁や地方公共団体が構成員となっている会議の場などを利用して、これらの機関と連携してヘイトスピーチの解消に向けた施策を一層推進してまいりたいというふうに考えているところでございます。
  56. 有田芳生

    ○有田芳生君 終わります。
  57. 櫻井充

    ○櫻井充君 国民民主党・新緑風会の櫻井充です。  改めて、外国人労働者の問題について今日も質問させていただきたいと、そう思います。  まず、根本的なところからお伺いしていきたいと思いますが、技能実習生のことについて、今回、技能実習三年終わった場合には特定技能一号に無試験で移れるということになっていますが、技能実習期間が三年の職種もあれば一年の期間しかない職種もあって、結局、一年間終わったけれど、残念ながら無試験で移行することができないということになってきています。  そもそもですが、技能実習生の期間が一年であったり三年であったり職種ごとによって違うというのは一体どういう理由でしょうか。
  58. 山田雅彦

    ○政府参考人(山田雅彦君) 二号移行対象職種についてお答えいたします。  第二号技能実習については、運用要領によれば、習熟させる技能等に係る三級の技能検定又はこれに相当する技能実習評価試験の実技試験に合格を掲げるものであるというふうに規定されております。この二号の移行対象職種を追加するには、関係業界内の……(発言する者あり)
  59. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  60. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 速記を起こしてください。  答弁は、質疑者の趣旨を体して、簡潔明瞭に行うようにお願いいたします。
  61. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) まず、技能実習において、一号、これは一年間、そして二号、これは二年間ということになっております。ですので、その技能実習において一号までを認めている職種なのか、それとも二号までを認める、移行を認める職種なのかということで期間が異なっておるというふうに理解しております。
  62. 櫻井充

    ○櫻井充君 ありがとうございます。こうやって端的に答えていただければいいだけの話なんですよ。  それで、ただ、大臣、ここからなんですよ。要するに、一年間の人たちというのは、私が聞いている範囲でいうと、一年間でその技術を学べる人たちだから一年間にしていますと。二年、三年必要な人たちは、それは二年間や三年間きちんとやらないとその技術を修得できないから二年、三年になるんだと聞いていますが、その考え方でよろしいですか。
  63. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 私どもとしては、必ずしもそういう理解には立っておりません。  例えば、自来御指摘のありました宿泊業務につきましては、技能実習一号のみが認められているわけでございまして、技能実習期間は最長一年に限られております。  他方で、特定技能として宿泊分野において即戦力として活躍していただくためには、フロントや企画・広報、接客、レストランといった様々な業務についての幅広い業務知識が必要であり、言わばマルチタスクの業務に必要な技能を修得するために必要な期間があろうと考えております。これは、私どもとしては、技能実習一号の一年間では修得は困難であろうというふうに認識しております。ですので、私どもとしては、この一号、あるいは一号だけでは足らず、技能実習二号修了時に目標とするレベルまで身に付けていただく必要があるということでございます。  これに関しましては、まずは宿泊業を所管する国土交通省において、宿泊業務に関して、例えば技能実習二号を追加していただくということであれば、一号の一年に加え二号の二年になる、そして、二号修了時にマルチタスクのそういった技能が認められますれば、特定技能で求められる相当程度の知識又は経験を必要とする技能が認められるということができるのであれば検討していきたいというふうに考えておるところでございます。
  64. 櫻井充

    ○櫻井充君 今の宿泊業のところは分かりました。  ちょっとこれは多分通告していないのでお答えいただけないかもしれませんが、リネン業界、これも前から出してきていますが、リネン業界は実は一年の技能実習で、それで母国に帰らなきゃいけないというこれまで制度でした。それで、一年で帰られてしまうと仕事を覚えた段階ですぐいなくなるので三年間にしてほしいと言われましたが、残念ながらそうなっていないと。  例えば、それから水産業で申し上げれば、港のところで荷降ろしをするようなことでいってくると、技能実習生の制度がないわけですよ。それはなぜかというと、母国に帰って応用が利かないからという理由なので、魚市場で働くような、港のところの魚市場で働くような技能実習生というのはいなかったんですよ。  そうしてくると、何が問題なのかというと、今までは、母国に帰ってちゃんと役立つ人材をということで技能実習生という制度、これはそういう制度をつくったんだとは思っているんです。ただ、繰り返しになりますが、技能の習熟期間が何年なのかというのは業種によって違うというふうに私は聞いていました。で、ここからです、問題は。  今のようにしていただけるのでいいんですが、この間もちょっと大臣に申し上げましたが、この間私のところに来た国交省の役人のレクによると、宿泊業は二年ぐらいの実習期間がないと、二年ぐらいの実習期間がないと、今度は特定技能一号の資格を受けられるような受験資格がないと。つまり、三年間の技能実習期間ではないので、無試験で移行できるわけではないと。ですから、そうなってくると、田舎のホテルで働いていた人たちについて言うと、これで一年間で帰らなきゃいけないんですよ。じゃ、二年間の技能修得期間をどうやってやるんですか、経験するんですかといったら、母国に帰って一年間研修してもらって、研修というか実務経験を経た上で、今度は国内に来てもらうように、またそこで試験をやると。余りに非現実的なんですよ。余りに非現実的なんですよ。  田舎で働いていた人がもし母国に帰ったら、鹿児島の時給とそれから東京の時給で二百円以上の差があるわけですよ。そしたら、本当にまた鹿児島なら鹿児島に戻るでしょうか。やはり、慣れ親しんでいたから継続してもらえるかもしれないけれど、一回母国に帰って改めて日本に来てくださいと言ったら、今、SNSが発達した時代で、みんなで時給見ていますから、都会にまた戻ってくるに違いないんですよ。そうなってくると、田舎で働いた今までの技能実習生の方々がスムーズに特定技能一号の方に移れるように制度を変えていっていただかないと、今みたいな、今みたいな国交省の話でした。  こういうこと一つ一つについて、きちんと対応していただけるんでしょうか。
  65. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) まず、先ほど申し上げたように、技能実習二号やあるいは三号の移行対象職種につきましては、これは業所管省庁が検討していただくというところでございます。  もとより、技能実習制度と特定技能は制度趣旨が違うわけですけれども、委員御指摘の、せっかく技術を身に付けた、スキルを身に付けた外国人が、更にその技能を活用して日本で働きたいというふうなことに関して、それがスムーズにいくようにということはしっかりと検討してまいりたいと思っておりますし、そういった意味において、先ほど申し上げた技能実習二号や三号の移行対象職種について、業所管省庁がまず検討すべきところでございますが、法務省としてもその検討に協力してまいりたいと考えております。
  66. 櫻井充

    ○櫻井充君 いや、ですから、これ、法務省としてもとおっしゃいますが、入管法の所管省庁は法務省なんですよね。これ、改めてお伺いしておきますが、我が国の人手不足についてに関しては、これは法務省の所管なんですか。  つまり、今のような格好になってくると、話になってくると、人手不足というのは厚生労働省になりますよね。そうなってきたときに、人手不足に対してきちんと対応することになってきたら、この手の案件は厚生労働省がまとめてやるだけの話であって、あとは入管のことについてだけ法務省がやるという制度に変えた方がよくて、主たる省庁は私は厚生労働省になった方がいいんじゃないかと思っているときもあるんですよ。  それはなぜかというと、余りに現実的なことを知らな過ぎるから、法務省の人たちが。今の働いている、要するに職場環境も含めてですよ、それから地方の人手不足について余りに知らな過ぎるから。この人たちがやっているから、私はこれ、うまくいっていないんじゃないかと思っていて、今のような御答弁であれば、所管省庁を変えた方がいいと思いませんか。
  67. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 所管省庁を変えるべきとの厳しい御指摘でございますが、まずは、法律上の立て付けによりますと、昨年十二月に改正された法務省設置法におきまして、法務省がその任務に関連する内閣の重要政策について、基本方針に基づいて、行政各部の施策の統一を図るために必要となる企画及び立案並びに総合調整に関する事務をつかさどることとされておるところでございます。そして、外国人の受入れ環境の整備についても総合調整を行うこととされております。また、出入国在留管理庁も、この外国人の在留の公正な管理を図ることを任務とするというところでございます。  法律上そういう立て付けになっているということを前提に、法務省においては、まずこれ、外国人に関する政策を遂行する上では、外国人が本邦において行うことができる活動を画する在留資格、これが根本、根っこにあるわけでございます。その上で、法務省においては、従前から出入国の管理や本邦における外国人の在留、そして、例えばヘイトを含む人権の擁護等を所掌してきたものでございまして、そういった意味では、出入国在留管理庁を始め法務省に知見を有しているということでございまして、こういった外国人との共生社会の実現に向けた受入れ環境整備に関する総合調整機能を発揮して、関係府省庁と緊密に連携し、しっかりと施策を推進してまいりたいと考えているところでございます。
  68. 櫻井充

    ○櫻井充君 法律の立て付けは、そうやって法務省が中心になってやることになっているんですよ、この問題についてはね。であれば、もっとちゃんとやっていただきたいんですよ。  この間の佐々木長官の答弁も聞いてあきれたんですけど、もし仮に、二万二千人ですよね、ホテル業界、これ超えたらどうなんですかと。まず、こうおっしゃっていましたよ、答弁で。趣旨、こういう趣旨ですよ、近づいたら警鐘を鳴らしますと。はあという感じですよ。  これは新聞記事でしかありませんけれど、今後五年間で最大三十四万人というふうに言われていますが、見込み数でいうと百四十五万人ぐらい足りないんじゃないだろうか、必要なんじゃないだろうかと。そして、宿泊業でいうと十万人ぐらい必要なんじゃないかというふうに、この記事では推察、要は言ってきています。  そうしてきてみると、二万二千人に近づいてきたから警鐘を鳴らしますで終わる話じゃないんですよ。二万二千人の、十万人、仮に本当にこれがこの数字だとしたら十万人足りなくて、二万二千人であったら都心部に集まるのも当たり前で、田舎には、地方には来ないですよ、外国人労働者。大臣、こうやって、これから更に人手が足りなくなってくる。それなのに、三十四万人という上限を掛けていたら、地方に本当に人が来るんですか。  そしてもう一つ、これだけ人手不足の数と目標としている数が違うんであったとすれば、この点を改善していかない限りは埋まらないんじゃないかと思いますが、仮にこういう事態になったときには、ちゃんと人数の見直しはしていただけるんですよね。
  69. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 分野別運用方針に掲げたこの五年間の受入れ見込み数については、大きな経済事情の変化がない限りは変更しないということを方針としております。  その二万二千人を超える部分についてはというところでございますが、例えば宿泊に関しましては、国内人材の活用あるいは生産性の向上を進めていただくということをまず求めているところでございまして、業所管庁、分野所管省庁におきまして、それに努めていただきたいと考えているところでございます。
  70. 櫻井充

    ○櫻井充君 それは前もお伺いしました。でも、もしかして、それで間に合わない場合は一体どうなるんでしょうか。  いや、これまでも、安倍総理の御答弁の中では、例えば女性の方が社会進出していただくとか、それから高齢者の方に働いていただく、退職された方に働いていただくとか、そういうことで埋めてきたけれど、残念ながらそれで足りないから外国人労働者を雇うことにしたんですよね。つまり、外国人の受入れをすることにしてきたんですよ。  だったとすると、今の御答弁は今までもうやってきていることなんですよ、安倍政権の中で。だったとすると、それを更にやりますといったって、なかなか難しい話だと思っているんです。これは仮定の話だから答えられないのかもしれないけれど、もし本当に必要になったら、見直すことはあり得るんですよね。
  71. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 今、内閣の方針としては、五年間の分野別の受入れ見込み数については、大きな経済事情の変化がない限りは見直さないということで御理解を賜っていただいているところでございます。
  72. 櫻井充

    ○櫻井充君 それでは、その政策の結果、地方の人手不足が解消しない場合はどうなるんですか。
  73. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 地方の人手不足対策につきまして、今、政府は、まずは総合的対応策、これをしっかりやって、地方においても受皿になることは可能であるということを示し、また、地方の魅力を発信していくということ、そして、これ既に協議会、これが十四分野のうち十二分野、協議会が開かれておりますけれども、そうしたところで全国偏りのない受入れ施策についても検討していただき、我々もそれを受けて施策をしっかりとやっていくというところで、地方に、偏りを是正していきたいと考えております。
  74. 櫻井充

    ○櫻井充君 時間が来たので終わりますが、地方の魅力とおっしゃいます、だけど、時給がこれだけ違ってきている中でいうとなかなか難しいんじゃないかと。これは本当に、外国人労働者だけじゃなくて、日本人の人たちが自分のふるさとを捨てて都会に集まっているんですよ。地縁も血縁もない人たちがどうして田舎に行くんでしょうか。私は、ある程度の制限掛けていただかないと、前々から申し上げているとおり、一定数を地方に割り振るような制度とか考えていただかないと地方の人手不足は解消しないんじゃないかということを申し上げておきたいと思います。  最後に、委員長とそれから福岡筆頭には御配慮いただきまして本当にありがとうございました。そして、大臣にもきちんとした答弁していただいたことに感謝申し上げまして、質問を終わります。  ありがとうございました。
  75. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 公明党の伊藤孝江です。よろしくお願いいたします。  今日は、法的手続の中での外国人の人権を確保するという観点から、外国籍の調停委員についてということをテーマにお伺いをしたいと思っております。  調停制度自体は、市民の間の民事紛争、家事紛争について、当事者の話合いと合意に基づいて、裁判手続に至る前に解決を果たすということを目的とする制度ですけれども、外国籍の調停委員が今現在最高裁から任命をされないと、採用拒否をされているという問題に関しては、司法委員や参与員にも同じ問題はありますけれども、今日は調停委員に絞ってお聞きさせていただきます。  まず、民事調停事件、家事調停事件において、近年、外国籍の者が当事者となっている事件の推移、傾向についてお教えいただけますでしょうか。
  76. 手嶋あさみ

    ○最高裁判所長官代理者(手嶋あさみ君) お答え申し上げます。  民事調停事件につきましては、統計上、当事者が外国籍かどうかについて把握することができないシステムになっておりますため、最高裁において、外国籍の者が当事者となる事件数の推移については把握をしていないところでございます。  家事調停事件につきましては、外国籍の方が申立人や相手方、参加人、被相続人等となられている家事調停事件について、一年間に新たに申し立てられた件数で申しますと、十年前の平成二十一年には三千七百九十件、これは家事調停事件全体の約二・七%に当たりますが、これが平成三十年につきましては四千三百三十五件となっておりまして、同じく家事調停事件全体の割合で申しますと約三・二%となっております。
  77. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 まず、民事調停事件については、当事者なり関係者なりという形で外国人が関与する数自体を把握をしていないということで、そもそもそういうニーズがどうであるのか、どう対応していく必要があるのかという検討をする前提になる資料自体がもう今はないという、本当にそういう状況であるということは残念だなと思います。  家事事件、家事調停事件の方についてはこの十年間で増加をしてきているというお話だったかと思いますけれども、今現在、在留資格を拡大していったりであるとか、また事実上、中期、長期、日本に滞在をされる外国人の方が住まれているというような状況の中で、外国人の人権をどういうふうに守っていくのかというのは、本当にこれまで以上に向き合わないといけない課題だというふうに考えております。  私自身、調停委員、大阪家庭裁判所の方で家事調停委員を七年間担当させていただきまして、当事者が外国人の事件も担当させていただいておりました。例えば、親権を争うというような紛争の中で、日本人同士の場合と外国人が当事者になる場合というのは、当然、その子育てに対する価値観であるとか文化も全く違うと。例えば中国の方であれば、子育てを自分自身が引き取ってすることではなく、御両親に預けて自分はまた別の地域で働くということも、私が担当した方の中ではそういう地域から来られた方もいらっしゃると。  そういう中で、当事者にどういうふうに納得をしていただけるような調停を進めることができるか、また当事者に調停委員を始め裁判所を信頼をしていただくことができるかというのを考えたときに、これからのますます進んでいく多文化共生社会に向けては、調停委員の中に多様な人材を確保する必要があるというふうにまず考えますけれども、その点いかがでしょうか。
  78. 堀田眞哉

    ○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) お答え申し上げます。  調停委員の任用に当たりましては、法律の専門家ばかりでなく、豊富な社会経験や人生経験を持つ良識豊かな方や、法律以外の分野での専門的な知識、経験を備えた方を迎える必要があると認識をしておりまして、現在も、社会の多様な分野で活躍されている方が任命されているところでございます。  今後も、国際化の進展等の社会の変化に応じ、当事者が様々なバックグラウンドを持っていることも踏まえ、そのニーズに応えることができるよう、多様な人材を確保していく必要があると考えているところでございます。
  79. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 ただ、現実の中では、二〇〇三年以降、民事調停委員候補、家事調停委員候補として各地の弁護士会から推薦をした外国籍の弁護士に対しては、ことごとく最高裁判所の方では採用拒否をされている。その中には、私自身もよく本当に存じ上げている弁護士の方も複数というかたくさんいらっしゃいます。それこそ、先ほどおっしゃられた良識豊かで弁護士としての経験も豊富な、人柄も能力も問題がないというふうに、問題がないというか人柄も能力もふさわしいと、調停委員に、と思う弁護士です。この方たちが、所属弁護士会の推薦委員会の推薦決定も得た上で推薦をされている弁護士でもあります。  ただ、この方たちがことごとく断られているという一方で、外国籍であるということ以外の理由で採用拒否をした弁護士会推薦の弁護士、いますでしょうか。
  80. 堀田眞哉

    ○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) 調停委員は、地方裁判所や家庭裁判所からの候補者の任命の上申に基づきまして最高裁判所において任命をするという仕組みになっているところでございます。確認できる範囲におきまして、地方裁判所や家庭裁判所から任命の上申があった候補者について最高裁判所が任命しなかった例はございませんでした。  また、地方裁判所や家庭裁判所において、外国籍であることやそれ以外の理由で候補者の任命を最高裁判所に上申しなかったということはあり得るところでございますが、具体的に把握をしていないところでございまして、その件数についても承知しないところでございます。
  81. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 そもそも、その民事調停委員、家事調停委員になるに当たって日本国籍というのが資格要件として必要なのかというところで、法律上何の規制もないと、欠格事由としても規定はされていないというのがまず大前提としてあると思います。その中で、外国籍の調停委員を認めないという法的根拠について御説明ください。
  82. 堀田眞哉

    最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) 調停委員も非常勤の公務員裁判所職員でございますが、に当たりますところ、公権力の行使又は国家意思の形成への参画に携わる公務員となるためには日本国籍を必要とするというのが公務員全般に関する当然の法理であると解されているところでございます。公務員国籍要件の規定の在り方については、公務員に関する法体系全体のバランス等を踏まえました公務員全般の問題として検討される必要があると考えているところでございます。  民事調停委員、家事調停委員の法令上の権限、職務内容等といたしましては、裁判官とともに調停委員会を構成して調停の成立に向けて活動を行い、調停委員会の決議はその過半数の意見によるとされておりますこと、調停が成立した場合の調停調書の記載は確定判決と同一の効力を有しますこと、調停委員会の呼出し、命令措置には過料、過ち料の制裁があること、調停委員会は事実の調査及び必要と認められる証拠調べを行う権限を有していること等がございまして、これらによりますと、調停委員は公権力の行使又は国家意思の形成への参画に携わる公務員に該当いたしまして、その就任には日本国籍が必要であるというふうに考えているところでございます。
  83. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 今のその公権力の行使又は国家意思の形成への参画に携わる公務員というのは内閣法制局の見解で、法律上の明文でも何でもないというところがまず一点と、実際に調停委員がする仕事、業務というのが公権力の行使なのか、国家意思の形成なのかというところですけれども、到底そういうような仕事ではないというふうに思っています。当事者が合意を形成する、そこに向けて当事者からの意見を聴取をして、いろんな形で話合いをしていきながらその意見の調整を図っていく、そこの成立に向けての役割、説得をしたりであるとか聞いたりであるとか、そういうその意見の調整というのがもうメーンの仕事です。  この中に、当然、強制力を働かせるような、当事者の権利を制約するようなものは何もありませんし、そもそも当事者が納得をしなければ調停というのは成立をしない。調停委員会で成立をさせる、強制的に成立をさせるということはできないものですから、全然判決とはまた違うというところは訴えていきたいというふうに思っております。  実際に、かつて日本国籍を有しない弁護士が民事調停委員になっていたことがあるという事実があります。先ほど御説明いただいた採用拒否の根拠と、かつて採用していたことがあるということの整合性についてお話しいただけますでしょうか。
  84. 堀田眞哉

    最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) これは詳しい記録が残っておりませんので詳細が分からないところでございますけれども、かつて日本国籍を有しないと思われる方が民事調停委員に任命された例があったようでございます。  しかしながら、この事案につきましては、当時の経緯が不明でございまして詳細を把握することができません上、そもそも個別の任命手続の内容についてお答えするのは適当でないというところもございますが、相当に以前のもので調停委員制度も現在とは異なっておりましたほか、当該事案には極めて特殊な事情があったようでございまして、いずれにいたしましても、参考となるような先例として取り扱うことは相当でないと考えているところでございます。
  85. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 今、経過の手続が分からないという御説明でしたけれども、そもそも調停委員の仕事として、公権力の行使や国家意思の形成の参画に当たるのかどうかという観点でいえば、手続の問題ではなく、調停委員が行う仕事の話ですので、ポイントがずれた答弁になっているんじゃないかなというのを指摘させていただきます。  実際に、例えば司法修習生は、国家公務員という立場ではありますけれども、外国人も採用されております。また、司法分野においては、現に外国籍弁護士が就任している地位、例えば仲裁人、破産管財人、相続財産管理人などたくさんあります。これらと調停委員との相違について簡潔に御説明ください。
  86. 堀田眞哉

    最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) ただいま委員から御指摘のありました仲裁人、破産管財人、相続財産管理人などは、非常勤の国家公務員である調停委員とはその身分が異なるものでございまして、同列に論じることはできないと考えているところでございます。
  87. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 国家公務員である司法修習生との違いという点ではどうでしょうか。
  88. 堀田眞哉

    最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) 司法修習生も国家公務員の身分を有している者ではないというふうに理解しております。
  89. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 そういう考えであるということですね。了解しました。  当事者の母国の文化であるとか考え方、その通念というのを知って理解するということは、調停を進めていく上で、要は調停委員を、家庭裁判所あるいは簡易裁判所であるとか、裁判所を信頼をしていただく上で本当に大前提となる問題というか課題だというふうに思っております。ただ、外国籍の調停委員を採用して対応していただくという観点だけではなくて、今は、調停委員を、そういう例えば文化とか考え方を知るという点でサポートをする制度というのは実際には行われていないというふうに考えております。  私が調停委員をしていた当時、ほかのもちろん事件の調停委員の方たちも、やはり自分たちで、その国のことを知っている人に聞いたりであるとかいろんな形で勉強して、当事者の発想というか考え方というのを何とかして理解をしようという努力もさせていただいていたところですけれども、実際に、外国籍で、また外国にルーツを持つ方が当事者として関与をする場合に、しっかりとその調停制度を信頼していただいてそこで協議を進めていくことができるような何か具体的な取組というのを裁判所の方でされていることというのがあれば、教えてください。
  90. 手嶋あさみ

    最高裁判所長官代理者(手嶋あさみ君) お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、国際化の進展等の社会の変化に応じまして、外国籍や外国にルーツを持つ当事者の方々にとっても納得ができる調停の実現に努めていくということは大変重要であるというふうに認識をしております。  最高裁判所におきましては、調停事件における多様なニーズに対応できるよう、調停委員として様々な分野の知識や幅広い経験を有する多様な人材の確保に努めているところでございまして、委員にもそのような調停委員として御活躍をいただいたというものと認識をしております。  各家庭裁判所裁判官を含む調停委員会は、調停委員のそうした幅広い経験を生かし、当事者の国籍やバックグラウンドにも配慮した説明や事情の聴取を行い、そのような当事者が調停による自主的紛争解決ができるよう取り組んでいるものと承知しております。  あわせて、調停委員会におけるそうした調停運営を支援するため、最高裁判所としましては、例えば家事調停の分野におきましては、調停委員会が必要な外国法令等についての情報に容易にアクセスすることができるよう、文献情報などを取りまとめまして各家庭裁判所情報提供するなどの取組を行っているところでございます。  最高裁判所としましては、引き続き調停委員に多様な人材を採用するとともに、必要な情報提供を行うことなどによりまして、多種多様な事件や当事者に適切に対応することができるように取り組んでまいります。
  91. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 済みません、大臣に聞きたかったんですけれども、時間になりましたので、今日は終わらせていただきます。ありがとうございます。
  92. 山口和之

    ○山口和之君 日本維新の会・希望の党の山口和之でございます。  本日は、被害者の実名報道について質問いたします。  犯罪の被害者となった事実は秘匿したいと思うのが自然な、情報であり、これが公表されると平穏な生活を取り戻すことが困難になるケースが多々あります。そのため、取扱いにおいては慎重な配慮が必要でございます。  取扱いに配慮が必要な情報として、個人情報保護法における要配慮個人情報がありますが、まず、これがどういったものなのか、御説明願います。
  93. 福浦裕介

    政府参考人(福浦裕介君) 個人情報保護法第二条第三項に規定されております要配慮個人情報とは、本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実、その他本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないようにその取扱いに特に配慮を要するものとして政令で定める記述等が含まれる個人情報をいいます。
  94. 山口和之

    ○山口和之君 実は、個人情報保護法においては、犯罪により害を被った事実が要配慮個人情報とされております。その趣旨はどこにあるのでしょうか。
  95. 福浦裕介

    政府参考人(福浦裕介君) お答え申し上げます。  議員御指摘の、犯罪により害を被った事実とは、身体的被害、精神的被害及び金銭的被害の別を問わず、犯罪の被害を受けた事実を意味いたします。この犯罪により害を被った事実は、不当な差別や偏見その他の不利益が生じないようにその取扱いに特に配慮を要すると考えられますことから、要配慮個人情報とされているものでございます。
  96. 山口和之

    ○山口和之君 個人情報保護法においては、個人情報の取得や第三者への提供等が制限されていますが、報道機関が報道の用に供する目的である場合、それらの制限が課されません。その趣旨はどこにあるのでしょうか。また、報道機関が報道の用に供する目的である場合、要配慮個人情報についても、個人情報の取得や第三者提供等の制限が課されていない趣旨はどこにあるのでしょうか。御説明願います。
  97. 福浦裕介

    政府参考人(福浦裕介君) お答え申し上げます。  個人情報保護法では、報道機関が報道の用に供する目的で個人情報等を取り扱う場合については、要配慮個人情報の取扱いも含めまして、個人情報保護法第四章に定めます個人情報取扱事業者等の義務等に係る規定は適用されないこととなってございます。  ただし、報道機関におきましては、個人情報等の適正な取扱いを確保するために必要な措置を自ら講じ、その内容を公表するよう努めることとされてございます。これは、表現の自由を始めとする憲法が保障する基本的人権への配慮から、各主体による自律的な対応によることが望ましいと考えられるためでございまして、これは、要配慮個人情報の取扱いについても同様でございます。  以上でございます。
  98. 山口和之

    ○山口和之君 せっかく個人情報として保護を厚くしようとしているのに、報道機関が報道の用に供する目的さえ持っていれば取得や第三者提供等の制限が一切掛からないというのでは、保護が不十分ではないかと思います。今後、この点について見直しも必要だと思います。  報道機関が被害者の名前という個人情報を取得するのは、多くの場合、捜査機関からの発表によります。そこで、次に、捜査機関による被害者の実名発表について質問いたします。  まず、警察において犯罪事件の捜査状況等を公表しているのはどういった法令の根拠に基づくのでしょうか、お教え願います。
  99. 藤本隆史

    政府参考人(藤本隆史君) お答え申し上げます。  警察におきましては、国民の知る権利や報道の自由に関する要望を踏まえつつ、関係者のプライバシーの保護、公表することの公益性等の事情を総合的に勘案し、捜査状況等について適切な公表に努めているところでございます。  なお、捜査状況等の公表につきましては法令上一定の制約がございますが、公益上の必要性があり、相当な場合には公表することが認められているものと承知をいたしております。
  100. 山口和之

    ○山口和之君 では、警察において犯罪事件の捜査状況等を公表する場合、被害者名の実名を発表するかどうかは、どのような基準で誰が判断しているのでしょうか、お教え願います。
  101. 藤本隆史

    ○政府参考人(藤本隆史君) お答え申し上げます。  犯罪被害者等基本法に基づく第三次犯罪被害者等基本計画におきましては、「警察による被害者の実名発表、匿名発表については、犯罪被害者等の匿名発表を望む意見と、マスコミによる報道の自由、国民の知る権利を理由とする実名発表に対する要望を踏まえ、プライバシーの保護、発表することの公益性等の事情を総合的に勘案しつつ、個別具体的な案件ごとに適切な発表内容となるよう配慮する。」とされております。  警察といたしましては、事件に係る報道発表につきましては、都道府県警察において、犯罪被害者等関係者のプライバシー等の権利利益、公表することによって得られる公益、公表が捜査に与える影響等を個別の事案ごとに総合的に勘案して、発表の適否、その内容等について組織として判断、決定をしているところでございます。
  102. 山口和之

    ○山口和之君 それでは、被害者から実名を公表しないでほしいとの要望があった場合、警察においてはどのように対応しているのでしょうか、お教え願います。
  103. 藤本隆史

    ○政府参考人(藤本隆史君) お答え申し上げます。  一般的に申し上げることは困難でございますが、警察では、犯罪被害者の実名を公表するかどうかの判断に当たっては、先ほど申し上げた犯罪被害者等関係者のプライバシー等の権利利益、公表することによって得られる公益、公表が捜査に与える影響等を個別の事案ごとに総合的に勘案しておりまして、被害者御本人の御意向についても十分に尊重して判断がなされているものと認識をいたしております。  引き続き、事件の報道発表に当たりまして、適切な発表内容となりますよう配慮してまいりたいと存じます。
  104. 山口和之

    ○山口和之君 では、警察庁に聞いた内容を検察庁についてもお伺いしたいと思います。  まず、検察において犯罪事件の捜査状況等を公表しているのはどういった法令の根拠に基づくのでしょうか、お教え願います。
  105. 小山太士

    ○政府参考人(小山太士君) お答えを申し上げます。  検察当局におきましては、個々の事案に応じ、起訴時等に公訴事実の要旨等一定の範囲の事柄を公表することがあるものと承知しておりますけれども、刑事訴訟法四十七条におきましては、「訴訟に関する書類は、公判の開廷前には、これを公にしてはならない。但し、公益上の必要その他の事由があつて、相当と認められる場合は、この限りでない。」とされているところでございまして、その範囲で公表しているものと承知をしております。
  106. 山口和之

    ○山口和之君 では、検察において犯罪事件の捜査状況等を公表する場合、被害者の実名を発表するかどうかは、どのような基準で誰が判断しているのでしょうか、お教え願います。
  107. 小山太士

    ○政府参考人(小山太士君) 先ほど申しましたとおり、起訴時等に、公訴事実の要旨等一定の範囲の事柄を公表することがあるわけでございますが、その公表の範囲につきましては、個別の事件ごとに、当該事件記録を保管する検察官が、当該事柄を公表することの必要性に加えまして、関係者の名誉、プライバシーへの影響、捜査、公判への影響の有無等を考慮して、相当と認められる範囲で公表を行っているものと承知をしております。
  108. 山口和之

    ○山口和之君 それでは、被害者から実名を公表しないでほしいとの要望があった場合、検察においてはどのように対応しているのでしょうか、お教え願います。
  109. 小山太士

    ○政府参考人(小山太士君) 公表の範囲につきましては、先ほど申しましたとおり、個別の事件ごとに、当該事柄を公表することの必要性に加えまして、関係者の名誉、プライバシーへの影響、それから捜査、公判への影響の有無等を考慮しておりますが、被害者の氏名を公表するか否かにつきましては、その判断をするに当たりまして、被害者、あるいは御遺族がいらっしゃることも、事件もございますが、正当な権利利益を尊重するという立場に立ちまして、被害者等の意思を十分に考慮して適切に判断して対応しているものと承知をいたしております。
  110. 山口和之

    ○山口和之君 犯罪被害者の実名公表は、平穏な生活を取り戻すことが困難になるだけではなく、被害者の社会的評価を低下させることもあり得ます。  そのことについてお伺いしたいのですが、犯罪被害者の実名の公表に関して名誉毀損罪として立件されたケースはあるのでしょうか、お教え願います。
  111. 小山太士

    ○政府参考人(小山太士君) お尋ねではございますが、当省におきましては、お尋ねのような犯罪被害者の実名公表に関し、名誉毀損罪で立件された事案という観点での報告は求めていないことなどから、お答えすることが困難であることをお許しいただきたいと思います。
  112. 山口和之

    ○山口和之君 それでは、犯罪被害者の実名の公表に関して人権擁護機関に相談があったケースはあるのでしょうか、お教え願います。
  113. 菊池浩

    ○政府参考人(菊池浩君) お答えいたします。  法務省の人権擁護機関が取り扱う人権相談のうち、犯罪被害者に関するものにつきましては件数を把握しておりますが、これを更に相談内容別に細かく分類分けして数をカウントするということまではしておりません。  そのため、お尋ねのような犯罪被害者の実名公表に関する相談件数をお答えすることは困難であることをお許しいただきたいと存じます。
  114. 山口和之

    ○山口和之君 人権侵犯事件統計資料によれば、プライバシー関係で報道機関に関するものといった項目があります。この内容を分析すれば、犯罪被害者の実名の公表について人権侵犯を申し立てた人の人数が分かるはずです。せっかく統計を取っているのですから、犯罪被害者の実名の公表についても把握するように努めていただきたいと思います。  平穏な生活を取り戻すことを困難にする犯罪被害者の実名報道はそもそも本当に必要なのか、しっかりと検討することが大切だと思います。  山下法務大臣は、報道機関による犯罪被害者の実名報道の必要性及び捜査機関による犯罪被害者の実名発表の必要性についてどのようにお考えでしょうか、また、被害者の人権擁護の観点から、犯罪報道はどうあるべきとお考えでしょうか、お教え願います。
  115. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) お尋ねの、報道機関による犯罪被害者の実名報道の必要性や犯罪報道の在り方自体については、これはやはり報道を行う報道機関において判断されるべき事柄と考えておりまして、法務大臣としてはお答えする立場にないということでございます。  また、他方で、捜査機関における公表におきまして、これは、検察当局では、刑事訴訟法四十七条ただし書の趣旨に従って、先ほど刑事局長がるる述べました観点から相当と認められる範囲でその公表を行っているものというふうに私は考えているところでございます。  個別の事件において被害者の氏名を公表するか否かということにつきまして、もとより検察当局、捜査当局としても、被害者や御遺族の正当な権利利益を尊重するという立場に立って、被害者や御遺族の意思を十分に考慮して、適切に判断して対応しなければならないと考えておりますし、そのように対応しているというふうに考えているところでございます。
  116. 山口和之

    ○山口和之君 犯罪の被害者となった事実は要配慮個人情報とされているものの、捜査機関や報道機関からきちんと配慮されているようには思えません。まずは、実名を公表されることによって被害者がどれだけ不利益を被っているのか、捜査機関や報道機関が被害者の実名を公表する必要が本当にあるのかを分析するとともに、少なくとも、被害者が実名を公表しないでほしいと要望した場合には公表しないといった運用を確立することが大切と思います。山下大臣には、是非そういった方向で検討を進めていただきたいと思います。  以上で質問を終わります。
  117. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。  立憲民主党の有田理事に続きまして、特定技能外国人の原発労働についてお尋ねをいたします。  先ほども御紹介がありましたけれども、四月十八日の朝日新聞の記事をお手元にお配りいたしました。「原発に特定技能外国人」と、「東京電力が、廃炉作業の続く福島第一原発などの現場作業に受け入れることを決めたことが分かった。三月二十八日の会議で、元請けなど数十社に周知した。」という報道に、大変怒りと、そして驚きを覚えたわけですね。この記事を見て、恐らく多くの方々が、福島の収束、そして廃炉の作業の困難さ、そして被曝労働の実態ということを思い浮かべられたのではないかと思います。  質問に当たりまして、現場で頑張っておられる労働者の皆さんに心から敬意を申し上げたいと思うんですが、被曝労働の実態について、我が国で極めてずさんな安全管理ということが厳しく言われて、問われてきました。原発内の放射線量が高い汚染区域では、労働者は、皆さん御存じのように、放射性物質が付着したりしないようにと手袋、靴下を重ね着をし、全身を覆う防護服を着て長靴を履く、全面マスクを着けると。そして、一定量被曝するとアラームが鳴るアラームメーターを装着し、ポケット線量計あるいはフィルムバッジを身に着けて現場に入っていくわけですね。  実際には、高汚染区域では、被曝線量が高いためにすぐアラームが鳴ってしまうと。ごく短時間しか作業ができないので、構内の作業というのは数分刻みでの交代ということになり、ですから、下請労働者を中心にした人海戦術が行われています。この記事の中にも、今、福島の収束、廃炉の作業のために、一日四千人という労働者が働いているという紹介があるとおりなんですよね。  そうした中で、現実にはノルマも達成しなきゃいけないと。だから、アラームが鳴っても、すぐ交代したら効率が悪いから、アラームが鳴っているのを無視して作業を続けざるを得ない場合もあるとか、あるいは、アラームメーターをそもそも他人に預けて作業に臨むというようなことも実際に告発をされてきまして、つまり、記録上の被曝線量と実際の線量が違うという場合も頻繁に指摘をされてきたわけですね。  そもそも、この放射線というのはこれ五感で感じられるものではありませんから、だから、労働者が本当に安全に働いていくためには、危険性を事業者においてしっかりと労働者に徹底しなきゃいけないと。けれども、危険を警告すると労働者が逃げてしまうので、情報を隠蔽して被曝労働に従事させるという事態も続いてきました。そうした下で、大量の原発労働者が大量の放射線に被曝をすると、その中で労災、あるいはその労災が認められないということで争いになる事件も生まれてきたわけですね。  そこで、まず厚生労働省にお尋ねしたいと思いますが、先ほども労働安全衛生法上特別の危険とそこへの配慮が必要だという御答弁ありましたけれども、二枚目にお配りしたのが、平成二十七年八月二十六日に出された東京電力福島第一原発における安全衛生管理のためのガイドラインです。これ、中身はもう御覧になっていただいたとおりなんですが、つまり、私が聞きたいのは、東電の責任なんですよ。被曝労働というのはそうした厳しさがあるわけだから、一般に安全管理の基準が厳しく求められ、ガイドラインがあると。これをしっかり確立していく、安全管理体制を確立していくというのは、元方事業者と一体になった東電の責任だと。これ、東電に責任があるんでしょう。
  118. 椎葉茂樹

    ○政府参考人(椎葉茂樹君) お答えさせていただきます。  我が国におきましては、労働者の安全と健康を確保するために労働安全衛生法が定められておりまして、同法に基づく安全衛生規則等によりまして具体的な安全基準が定められているところでございます。これらは、福島第一原発における構内作業に従事する労働者を使用する事業者に対しましても当然適用されるものでございます。  上乗せといたしまして、厚生労働省といたしましては、廃炉作業等に従事する労働者の安全と健康を確保するために、東京電力福島第一原子力発電所における安全衛生管理のためのガイドラインを作成しているところでございます。この中で、委員御指摘の東京電力と元方事業者が一体となった安全衛生管理体制の確立や、リスクアセスメントやその結果に基づく措置の実施や安全衛生教育の実施、また工事の発注段階からの効果的な被曝低減対策の検討や実施などにつきまして、東京電力の第一義的な責任の下に、東京電力本社、発電所、元方事業者等が実施する事項を明確にした安全衛生管理体制の構築や安全衛生対策の実施につきまして徹底を図っているところでございます。  以上でございます。
  119. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 もう一点確認をしますが、朝日の記事の左の方に、「日本で実効性のある、国境を越えた一元管理の制度を早急につくるべきだ」と。つまり、被曝線量は労働者が自己申告することになっていると、国外の原発で働いた場合ですね、これ、自己申告ということになっていると。一元的管理ができないと駄目じゃないかという識者の指摘があります。  つまり、現在においては、国境を越えて働く原発労働者に一元管理の仕組みというのはこれはないんですね。
  120. 椎葉茂樹

    政府参考人(椎葉茂樹君) お答えさせていただきます。  電離放射線障害防止規則におきましては、事業者に対しまして、管理区域における被曝線量を測定するとともに、その線量記録を労働者に遅滞なくお知らせすることを義務付けているところでございます。  委員御指摘のように、帰国後、労働者がこの情報を新たな雇用主に知らせるという、そういう仕組みで線量限度を超えないよう管理をしていただくというふうになっておりまして、国際的なそういう一元的な仕組みはございません。
  121. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 そうした下で、東電は、三月二十八日の会議で、放射線管理対象区域に特定技能外国人を入れるんだと周知するという方針を示しているわけですよ。これ、極めて重大じゃありませんか。この協力会社というのは、ゼネコン、大手も含めてということだと思いますが、ここにそうした周知を行っている。しかも、記事の一番下の段を御覧いただくと、広報担当者は、日本語能力の確認は元請や雇用企業に求めているという説明をしているわけです。  先ほど、入国在留管理庁の長官は、個別の問合せ等について答弁を差し控えるというふうにおっしゃいましたけれども、それでは駄目でしょう。それは、こうした報道を含めた東電の方針を既成事実化することになる、実際に容認していくということになる。  そこで、個別お尋ねをしますが、東電が廃炉作業に当たる建設が主になるというふうに言っている建設。これについて、私、秋の国会から、それから十二月の閣議決定で示された十四分野ですね、これの建設、我々には全く説明しないまま原発労働をこれ積算していたのかと、とんでもない話だと思って昨日伺いましたら、どうやら様子が違うようなんですが、国土交通省、この建設について、原発構内での作業というのはどんな考えになるんですか。
  122. 北村知久

    政府参考人(北村知久君) お答え申し上げます。  建設分野において特定技能外国人が従事できる業務につきましては、分野別運用方針におきまして、型枠施工、左官等の十一の職種と定められております。  この廃炉作業というものがどういった作業であるかということ、現時点では定かではございませんけれども、少なくとも、例えば廃炉内部に留置されている汚染物質の除去とかそういったものの放射線の排除と、そういったような作業につきましては、これら建設分野のこの十一の職種に当てはまらないため、特定技能外国人を従事させるということは原則としてはないものだというふうに考えてございます。
  123. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 確認をしますけれども、つまり、核物質などを除去するなんというのはこれは建設業ではない、分野別でいう建設業ではないと。  これ、それ取り出した後で建物を解体するというのはできないんですか。
  124. 北村知久

    政府参考人(北村知久君) お答え申し上げます。  一般的に、建築物の解体ということでございますれば建設業に該当いたします。ただ、今回、この外国人の受入れにつきましては建設業全てではございませんで、分野別運用方針で定められた十一の職種に該当しておりますので、この中に解体は含まれてございませんので、現時点ではそういったものも対象にならないというふうに承知しております。
  125. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 あと、端的に答えていただきたいと思いますが、経済産業省、産業機械製造業や電気・電子情報関連産業、これについて受入れ可能なんですか。
  126. 大内聡

    政府参考人(大内聡君) お答え申し上げます。  一般論として、具体的な申請がなされた場合には、製造三分野においては、特定技能外国人の生活サポートなどの共通の規定に加え、特定技能外国人を受け入れる事業者の事業活動が製造三業種いずれかに当てはまること、それから、特定技能外国人の従事する内容が、それぞれの分野ごとに定めるメッキ、塗装、溶接といった業務区分に当てはまること、さらに、雇用形態が派遣でないことなど、分野別運用方針に規定される条件を満たすかどうかといった観点から、出入国在留管理庁において審査が行われるものと承知しております。  現時点で福島第一原子力発電所における製造三分野に該当する具体的な事業活動は承知しておりませんが、申請があった場合、個々の事案については法令に従って対応されるものと承知しております。
  127. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 昨日の説明と違うじゃないですか。なら、原発構内であり得るわけですね。原発構内でそうした関連産業などの、経済産業省の言う三業種の、これはあり得ない、想定されない、構内ではそういう作業はないんじゃないんですか。違うんですか。あり得るわけですね。
  128. 大内聡

    政府参考人(大内聡君) お答え申し上げます。  現時点で具体的な事業活動は承知しておりませんので、申請があった場合、出入国在留管理庁を主として……(発言する者あり)
  129. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 そうですか、だったらあり得るんだ。だったら隠していたんだ。  先にほかの業種聞きますが、自動車整備はどうですか。
  130. 島雅之

    政府参考人(島雅之君) お答え申し上げます。  自動車整備分野の特定技能外国人が行う業務につきましては、道路運送車両法に基づきます自動車の日常点検整備、定期点検整備及び分解整備としておりまして、廃炉作業はこれに含まれません。  したがいまして、自動車整備分野の特定技能外国人につきまして、東京電力福島第一原発での廃炉作業に従事させることは認められないものと認識しております。
  131. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 原発構内はどうですか。ちょっと時間もなくなってきたんだけど。
  132. 島雅之

    政府参考人(島雅之君) お答え申し上げます。  同様に、原発構内につきましても、今申し上げた自動車の日常点検整備等に廃炉作業は含まれておりませんので、これは認められないものと認識してございます。  以上でございます。
  133. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 厚労、ビルクリーニングはいかがですか。
  134. 吉永和生

    政府参考人(吉永和生君) お答え申し上げます。  ビルクリーニング分野での特定技能外国人の受入れが認められますのは、通常の建築物内部の清掃業務に従事する場合であって、かつ出入国管理法令、労働関係法令に関する不正行為がない場合でございます。  実際に特定技能外国人がビルクリーニング業務を行えるか否かにつきましては、具体的業務内容によって判断されるものでございますけれども、委員御指摘のような、福島第一原子力発電所内の建築物内部の清掃を行うに当たって通常の建築物内部の清掃業務の範囲を超えた原発特有の事情に応じた特殊業務がある場合につきましては、特定技能外国人が従事できる業務範囲を超えていることとなり、そのような業務への従事は認められないものと考えてございます。
  135. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 農水、外食はいかがですか。
  136. 渡邊厚夫

    政府参考人(渡邊厚夫君) お答え申し上げます。  東京電力がどのような内容で廃炉作業で受け入れる特定技能外国人対象業種に外食業が含まれると判断したのかは承知しておりません。  外食業分野の特定技能在留資格を持つ外国人が従事できる業務は、昨年暮れにお示しした分野別運用要領等にもあるとおり、飲食物調理、接客、店舗管理となっており、いわゆる原発内部における廃棄物の除去等の作業はその中に含まれないというふうに考えております。
  137. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 時間が来てしまいましたから、あとちょっと、次回に議論するしかないですけど、経済産業省が、昨日の私への説明をひっくり返してあり得ないと答弁をしなかったというのは、これ極めて重大なんですよね。  これ、東電が、それ以外の業種はないんですよ。にもかかわらず、そうした分野を挙げてあたかも特定外国人が受入れ可能であるような、そうした周知をしたというのはこれ極めて重大なのであって、これは誤った理解に基づいて協力企業に周知したこと自体を謝罪し、撤回をさせ、そして協力会社へのできないという徹底をすべきですよ。経済産業省は、これ考え改めるべきですよ。  そのことを強く申し上げて、事柄、ちょっとはっきりさせなければなりません。次回また質問させていただきます。
  138. 糸数慶子

    糸数慶子君 沖縄の風、糸数慶子です。  まず、旧姓使用について伺います。  旧姓を通称使用している研究職の方のケースを具体的に御紹介いたします。  この方は、パスポート旧姓併記をされておりません。消費者庁や内閣府での仕事もされておりますが、例えば内閣府の庁舎に入る際、旧姓名簿登録をされていても、パスポートや運転免許証といった公的な身分証明書が戸籍名だけなので警備員に理解してもらえず、すんなり入れなかったということです。また、学会で海外に行った際には、ホテルの宿泊はパスポートで同じ戸籍姓でしか予約できず、チェックインで旧姓を告げても旧姓を証明するものがなく、同一人物であると理解してもらえなかったと伺いました。  様々な場面で旧姓戸籍姓のダブルネームでトラブルになることは少なくありません。少なくとも、庁舎に入るときなど警備員とトラブルにならないよう各府省にも周知していただきたいと思いますが、今後の取組についてお伺いしたいと思います。
  139. 渡邉清

    政府参考人(渡邉清君) 内閣府男女共同参画局でございます。  旧姓使用に関連して御指摘を頂戴いたしました。  内閣府庁舎への入館に当たりまして、来庁された方が御不快な思いをされたといたしましたら大変申し訳なく存じます。円滑に入館できなかった事例を踏まえて、来庁者への適切な連絡と、それから入館登録の仕方などを整理した上で、関係部署と連携して取り組んでまいりたいと考えております。  旧姓使用に関しましては、社会における活動や個人の生き方が多様化する中で、働きたい女性が不便さを感じ、働く意欲が阻害されることがないよう、女性活躍の視点に立った制度等を整備していくことが重要でございます。こうした問題意識の下、マイナンバーカードへの旧姓併記の推進、旅券への旧姓併記の拡大に向けた検討、銀行口座における旧姓使用に向けた働きかけなどを実施していくこととしてございます。  最近の動き、御紹介させていただきますと、マイナンバーカードへの旧姓併記は、先般の政令改正により本年十一月五日から可能となりまして、旧姓が公的に証明されることで様々な場面で簡便に利用することが可能となります。また、規制改革推進会議におきましても、第三期後期の重点事項のテーマの一つとして、各種国家資格における旧姓使用の範囲拡大が盛り込まれてございます。  引き続き、女性活躍の視点に立った制度等の整備と適切な運用に取り組んでまいりたいと思います。  御指摘どうもありがとうございました。
  140. 糸数慶子

    糸数慶子君 前向きの答弁がございました。ダブルネームを持つと様々な場面で混乱が生じ、結婚で改姓したその側に煩雑な手続があります。通称使用が可能となっても選択的夫婦別姓は必要であるということを強く申し上げ、次の質問に入りたいと思います。  まず、戸籍関係手続の記載例について伺います。  今、参考資料としてお配りをしております婚姻届、離婚届、出生届の用紙は、これは法務省のウエブサイトからダウンロードしたものであります。  まず、婚姻届について伺います。  昨年九月に公表されました二〇一七年の人口動態統計を見ますと、五十八万一千八百十七件、九五・九%が夫の氏を選択し、妻の氏を選択したのは二万五千四十九件、四・一%であります。  民法七百五十条では、婚姻後の夫婦の氏は、夫か妻のどちらか一方の氏を名のることになっております。名前を名のる方が戸籍筆頭者となるだけで、戦前の家制度とは違うわけですが、いまだに筆頭者は男性がなるものとか、女性が筆頭者だと婿養子と誤解する人も少なくありません。  婚姻届の記載例を見ていただきますと、夫の氏を選択し、夫の本籍を新本籍としています。多数派をモデルにしたという理由かもしれませんが、夫の氏を選択するのが当然というメッセージを一般の人に伝えているのではないでしょうか。せめて夫婦同氏の原則の下で、記載例に妻の氏の選択の事例を示すなどをしてもいいのではないかと思いますが、法務省にお伺いいたします。
  141. 小野瀬厚

    政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。  民法第七百五十条は、夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称するとし、また、戸籍法第七十四条は、婚姻をしようとする者は、夫婦が称する氏を婚姻の届書に記載しなければならないとしております。  御指摘の当省のホームページでございますが、あくまでも記載の一例として、夫の氏を称することとした場合の記載例を掲載しているものでございまして、この記載例と異なる記載ができないということを示すものではございません。  もっとも、戸籍の届出をしようとする方に様々な情報を提供することには意義があるものと考えておりまして、その観点から、現在掲載しているものとは異なる記載例を掲載することについて検討してまいりたいと考えます。
  142. 糸数慶子

    糸数慶子君 是非、積極的に検討していただきたいと思います。  次に、離婚届について伺います。  離婚届の記載例を見ていただくと分かりますが、子の親権者を父とし、妻は元の戸籍に戻ると記載されております。先ほどの婚姻届では多数派をモデルにしたものとも言えますが、子の親権者について言えば、二〇一七年の人口動態統計では、八四・六%は子の母親が親権者、父は僅か一一・八%です。しかも、離婚後、妻は元の戸籍に戻ると記載されていますが、これは余り聞いたことがありません。  離婚届の記載の方は例外的な事例を記載例にしてあり、やはり男性優位の発想と誤解を招きかねません。記載例を改める必要があるのではないでしょうか、伺います。
  143. 小野瀬厚

    ○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。  民法では、婚姻の際に氏を改めた夫又は妻は、離婚によって婚姻前の氏に復し、また、協議離婚をする夫婦に未成年の子があるときは、夫婦の一方を親権者と定めなければならないとしております。  そこで、この御指摘の当省のホームページでは、これもあくまでも記載の一例として、婚姻の際に氏を改めた妻が離婚によって婚姻前の氏に復し、子の親権者を夫と定めることとした場合の記載例を掲載しているものでございまして、この記載例と異なる記載ができないということを示すものではございません。  もっとも、この記載例につきましても、戸籍の届出をしようとする方に様々な情報を提供することは意義があるものと考えられますので、その観点から、現在掲載しているものとは異なる記載例を掲載することについて検討してまいりたいと考えております。
  144. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 前向きな答弁、ありがとうございました。  私の知人で大学の教員の方は、やはりこういうことを具体的に事例を引いて学生の皆さんにちゃんと講義をしているということもあります。そういう意味で、講義でこの記載例を教材にするときは、誤解を招かないように丁寧に説明をするということでありました。  次にお伺いしたいのは、出生届についてであります。これは、父母との続き柄の欄でありますが、嫡出子、嫡出でない子のチェックについてであります。  二〇一三年九月四日、最高裁が婚外子の相続分規定を違憲判断したことから、相続分規定の差別はなくなりました。しかし、当時の谷垣法務大臣が戸籍法改正に意欲を見せられていたものの、一部の強硬な反対派によって戸籍法改正が阻まれましたために、差別的なチェック欄はそのまま残りました。この記載例も、多数派とはいえ、若干、嫡出子であることが当たり前というような印象です。  こちらも少数派への配慮をしていただくことが必要ではないかというふうに思いますが、法務省の御見解を伺います。
  145. 小野瀬厚

    ○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。  戸籍法第四十九条第二項第一号では、嫡出子又は嫡出でない子の別を出生届書の記載事項として定めております。  先ほど来記載例について申し上げておりますとおり、御指摘の当省のホームページでは、あくまでも記載の一例として、子が嫡出子である場合の記載例を掲載しているものでございまして、もちろん、嫡出でない場合にはこれと異なる記載ということになるわけでございます。  もっとも、戸籍の届出をしようとする方に様々な情報を提供することは意義があるものと考えておりまして、その観点から、現在掲載しているものとは異なる記載例を掲載することの必要性について検討してまいりたいと考えております。
  146. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 次に、出生届に嫡出子、嫡出でない子の記載を義務付ける戸籍法の規定は法の下の平等を定めた憲法に違反するとして事実婚夫婦らが提起していた裁判で、最高裁は、二〇一三年九月二十六日、規定を合憲とした上で、生まれた子が婚外子かどうかはほかの方法でも知り得るとして、規定は必要不可欠とは言えないと指摘をいたしました。また、櫻井龍子裁判官は、補足意見で、戸籍法の規定を含む制度の在り方についてしかるべき見直しの検討が行われることが望まれると指摘しました。要するに、司法は国会にその検討を託したわけですが、国会では法改正に向けて議論が行われていないわけであります。  これは、二〇〇五年に、子供の出生届を出す際に嫡出でない子という差別記載を拒否したために出生届を受理されなかった世田谷区の事実婚夫妻とその子が、区と国を相手に住民票の作成や慰謝料などを求め提訴していたものですが、その後、法務省でも様々に検討していただいたものと承知をしております。  お配りしてございます参考資料のとおり、二〇一〇年三月二十四日には、法務省民事局民事第一課長通知が出され、差別的なチェックをしなくても出生届が受理されることになりました。そのことは高く評価しております。  しかしながら、そのことは余り知られていません。母の氏を称する、あるいは母の戸籍に入籍するなどの届けをする人がどれくらいいらっしゃるのか分かりかねますが、少なくとも周知をしていただく必要があるのではないでしょうか。法務省にお伺いいたします。
  147. 小野瀬厚

    ○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。  先ほど申し上げましたとおり、出生届書の記載事項といたしまして、戸籍法第四十九条第二項第一号では、嫡出子又は嫡出でない子の別を記載することを求めております。  平成二十二年の通知でございますが、この法律の規定の趣旨を踏まえまして、出生届書に嫡出子又は嫡出でない子の別の記載がない場合には、届出人に対し、届書にこれを記載するよう補正を求め、また届出人が補正に応じない場合であっても、嫡出であるか否かについて戸籍や届書の記載等によって確認することができる場合には、当該出生届を受理することができるものとするものでございます。  この通知の取扱いにつきましては、従前から市区町村の職員に周知をしているところでございますが、今後とも、研修の機会等を通じまして、この通知の趣旨に沿った適切な対応がされるように努めてまいりたいと考えております。
  148. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 るる御検討いただくと前向きの御答弁がございましたが、法務省が示される記載例は様々にメッセージを出すことになりますので、是非とも、少数者への配慮、多様化を反映した御検討をしていただきたいというふうに思います。  改めて民事局長に伺いますが、婚姻届、離婚届、出生届、これをまとめていろいろと御検討していただくということ、改めてその御決意を伺いたいと思います。
  149. 小野瀬厚

    ○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。  先ほど来、幾つかの記載例につきまして申し上げましたとおり、戸籍の届出をしようとする方々に様々な情報を提供することには意義があると考えておりますので、この記載例につきまして、検討してまいりたいと考えております。
  150. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 ありがとうございました。終わります。
  151. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 本日の調査はこの程度にとどめます。     ─────────────
  152. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 民事執行法及び国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。山下法務大臣。
  153. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 民事執行法及び国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。  この法律案は、民事執行制度をめぐる最近の情勢に鑑み、債務者の財産状況の調査に関する制度の実効性を向上させ、不動産競売における暴力団員の買受けを防止し、子の引渡し及び国際的な子の返還の強制執行に関する規律の明確化を図るなどの目的で、民事執行法及び国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律の一部を改正しようとするものであります。  この法律案は、まず、民事執行法の一部を改正することとしており、その要点は、次のとおりであります。  第一に、債務者の財産状況の調査に関する規定を整備することとしております。具体的には、財産開示手続の申立て権者の範囲を拡大し、手続違背に対する罰則を強化するとともに、債務者の有する不動産、給与債権、預貯金債権等に関する情報を債務者以外の第三者から取得する手続を新設することとしております。  第二に、不動産競売における暴力団員の買受け防止に関する規定を設けることとしております。具体的には、最高価買受申出人が暴力団員等であること等を不動産競売における売却不許可事由とし、執行裁判所が警察への調査の嘱託をした上で、この事由の有無を判断する手続等を新設することとしております。  第三に、国内の子の引渡しの強制執行に関する規定を整備することとしております。具体的には、子の引渡しの強制執行は、執行裁判所が決定により執行官に子の引渡しを実施させる方法により行うこととし、その申立ての要件や執行場所における執行官の権限等に関する規定を整備することとしております。  また、この法律案は、国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律の一部を改正して、国際的な子の返還の強制執行について、その申立ての要件や執行場所における執行官の権限等に関する規定を、改正後の民事執行法に基づく国内の子の引渡しの強制執行に関する規定と同内容のものに改めることとしております。  以上が、この法律案の趣旨でございます。  何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
  154. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) この際、本案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員階猛君から説明を聴取いたします。階猛君。
  155. 階猛

    ○衆議院議員(階猛君) 国民民主党の階猛です。  民事執行法及び国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律の一部を改正する法律案の衆議院における修正部分につきまして、御説明申し上げます。  修正の要旨は、民事執行法及び国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律の一部を改正する法律の略称を平成三十一年改正法から民事執行法等一部改正法に改めることであります。  本修正により、仮に本法案が成立し、令和改元後に公布がなされた場合であっても、条文の文言とのそごが生じないこととなります。  何とぞ、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。  以上です。
  156. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。     ─────────────
  157. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  民事執行法及び国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、来る二十五日午後一時に、東京大学大学院法学政治学研究科教授松下淳一君、東北大学大学院法学研究科准教授今津綾子君及び元家庭裁判所調査官・特定非営利活動法人非行克服支援センター相談員伊藤由紀夫君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  158. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時七分散会