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2019-04-18 第198回国会 参議院 法務委員会 8号 公式Web版

  1. 平成三十一年四月十八日(木曜日)    午前十時三分開会     ─────────────    委員の異動  四月十七日     辞任         補欠選任      岡田 直樹君     自見はなこ君      片山さつき君     佐藤  啓君      伊波 洋一君     糸数 慶子君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         横山 信一君     理 事                 福岡 資麿君                 元榮太一郎君                 有田 芳生君                 伊藤 孝江君     委 員                 佐藤  啓君                 自見はなこ君                 徳茂 雅之君                 長谷川 岳君                 丸山 和也君                 柳本 卓治君                 山谷えり子君                 小川 敏夫君                 櫻井  充君                 石井 苗子君                 山口 和之君                 仁比 聡平君                 糸数 慶子君    国務大臣        法務大臣     山下 貴司君    副大臣        法務副大臣    平口  洋君    大臣政務官        法務大臣政務官  門山 宏哲君    最高裁判所長官代理者        最高裁判所事務        総局総務局長   村田 斉志君        最高裁判所事務        総局人事局長   堀田 眞哉君        最高裁判所事務        総局経理局長   笠井 之彦君        最高裁判所事務        総局民事局長   門田 友昌君        最高裁判所事務        総局家庭局長   手嶋あさみ君    事務局側        常任委員会専門        員        青木勢津子君    政府参考人        人事院事務総局        職員福祉局次長  柴崎 澄哉君        法務大臣官房サ        イバーセキュリ        ティ・情報化審        議官       古田 康輔君        法務大臣官房司        法法制部長    小出 邦夫君        法務省民事局長  小野瀬 厚君        出入国在留管理        庁長官      佐々木聖子君        厚生労働省労働        基準局安全衛生        部長       椎葉 茂樹君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(内  閣提出、衆議院送付)     ─────────────
  2. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) ただいまから法務委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日、伊波洋一君、岡田直樹君及び片山さつき君が委員を辞任され、その補欠として糸数慶子君、自見はなこ君及び佐藤啓君が選任されました。     ─────────────
  3. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  裁判所職員定員法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、法務大臣官房司法法制部長小出邦夫君外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 おはようございます。自由民主党、元榮太一郎でございます。今日も山下大臣、平口副大臣、そして門山大臣政務官、どうぞよろしくお願い申し上げます。そして、最高裁の皆様もよろしくお願いします。  まず、裁判官の定員について伺いますが、裁判所において事件の適正迅速な処理が行われるということは、国民の裁判を受ける権利の観点からも不可欠でありまして、その人的な体制の整備が行われるということは非常に重要だと思います。  昨年四月十日の法務委員会におきまして、裁判官の理想的な人数規模はどのくらいなのかということを質問させていただきましたが、その際、最高裁からは、平成二十四年の定員法の審議においては、平成二十四年時点から四百人程度の裁判官の増員が必要だと、こういうような趣旨の答弁があったんですが、昨年の平成三十年においては、平成二十四年との事情の違いから、その時点において理想的な人数は答えられないと、このような答弁がありました。  そこで、改めてお聞きしますが、現時点で理想的な人数というのは算出できないものなのでしょうか。仮に算出できないという場合には、裁判官の人的体制として現在の定員数で十分足りていると考えているのか、最高裁の認識を伺います。
  7. 村田斉志

    ○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、平成二十四年の定員法審議におきましては、合議率や手持ち事件数に関する司法制度改革審議会当時の考え方に平成二十四年当時の事件数や手持ち件数を当てはめて試算いたしますと、更に四百人程度の裁判官の増員が必要であると御説明をしたところでございます。  その上で、現時点での理想的な人数のお尋ねでございますが、民事事件につきましては、典型的な専門訴訟の増加のみならず、非典型的、非類型的な損害賠償請求事件が複雑困難事件として大幅に増加しているという事情や、家庭事件につきましても、子をめぐる事件等を中心に複雑困難化していることに加えまして、成年後見制度利用促進基本計画等の影響もございまして、成年後見関係事件が著しく増加しているほか、地域連携ネットワークの関係機関の一員として地方公共団体等と連携しながら協議を進めていくことが求められるなど、平成二十四年当時に想定していなかった様々な事情が生じているというところでございまして、それらに適切に対応していく必要もあるところでございます。そのため、現時点におきまして平成二十四年当時と同様の考え方を基に試算を改めて行って今後必要な裁判官数を算出するということは適切ではないというふうに考えております。  そこで、その裁判官の人的体制として、では、現在の定員数で十分足りているのかという御質問でございますけれども、本年度におきましては、先ほど御説明いたしましたような民事訴訟事件の審理充実の必要、そして家庭事件処理の充実強化のために、充員の見込みも踏まえた上でございますけれども、判事四十人の増員が必要と考えておりまして、これをこの度お願いしているというところでございます。  適正迅速な裁判を実現するために必要な人的体制を整備することが重要と、これは委員の御指摘のとおりでございまして、これまで相当数お認めいただいた増員を活用して、審理運営の改善、工夫等ももちろん引き続き行いつつ、今後も社会情勢の変化やこれに伴う事件の質的変化、あるいは法改正の状況等を踏まえまして、必要な人的体制について検討してまいりたいと考えております。
  8. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 ありがとうございます。  平成二十四年当時想定していなかった複雑困難な事件が増えているということは、現時点では当時想定した四百人という人員以上に増員が必要であるということになるのかと思います。  しかし、現実には、お手元の資料にもありますとおり、平成二十四年から平成三十年までの間に二百二十八人しか増員しておりません。この平成二十四年当時の民事事件の審理期間というのも七・八か月というのが平均だったわけですが、平成二十九年には八・七か月と長期化しているということですから、やはり理想的な人員数と現実の数が懸け離れているということの表れではないかと思っています。  その裁判官の人員を理想的なものに近づけるためには、裁判官、判事の供給源である判事補の任官希望者を増加させることも大変重要だと思いますが、この判事補の定員に対する現在員の割合は、十年前は八八%程度でしたが、年々減少しておりまして、昨年は八二%まで減少しています。  任官希望者の減少の原因はいろいろあるかと思いますが、やはり全国均質の司法サービスという観点で、全国転勤を伴うということもその要因の一つだと言われていると思います。民間企業ではいろいろな多様性のある働き方が認められるようになってきています。裁判官についても、希望する一部の裁判官で結構なので、例えばエリア限定で採用して通勤可能な範囲に転勤を限定するということで、それだったら任官しようじゃないかなと任官希望者の増加が期待できたり、又は退官者の減少も期待できるのではないかなというふうに思うのですが、この点はいかがでしょうかという点と、また、もしできないのであれば、例えば結婚、出産、子供の進学などの節目において、個々の裁判官から転勤できないというような要望があった場合にどのような対応が可能なのかについて御教示ください。
  9. 堀田眞哉

    ○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) お答え申し上げます。  希望する一部の裁判官について、報酬等の処遇に差を付けた上で通勤可能な範囲での異動に限定する仕組みを設けるということは、裁判官の中に処遇の異なる二つの類型をつくることになりますが、これにつきましては、裁判官の職権行使の独立性やその職務の特殊性の観点から問題がないかどうかや、このような仕組みを設けることによって、裁判官に真にふさわしい能力、資質を有する者を確保していくことができるかどうかなど、慎重に検討すべき点が少なくないものと考えているところでございます。  一方、裁判所といたしましては、全国津々浦々に均質な司法サービスを提供するという使命を果たすため、希望者の少ない遠隔地の裁判所には若手の裁判官を配置することで対応しているという実情がありますものの、裁判官にとっても仕事と家庭生活の両立は重要でございますことから、本人から任地や担当職務についての希望を聴取いたしました上で、異動の時期をずらすなど、子育て等の事情にも最大限の配慮をするとともに、一定の勤務年数を経た後は、できる限り通勤可能な範囲での異動とするよう努めているところでございます。
  10. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 対象人数を本当に絞っても結構ですので、多様な働き方も御検討いただきたいというふうに思います。  次に、裁判官の勤務時間の把握について伺います。  こちらも昨年の法務委員会で御質問させていただきました。勤務時間を把握しているかどうかということなんですが、職権行使の独立性という理由から、日々の事件処理の方法などについても、他人の指揮監督を受けることはなく、その自律的判断に委ねられているため、勤務時間については特段把握せず、業務量を調整することで対応していると、このように最高裁から御答弁をいただきました。  しかしながら、やはり平均審理期間が延びている等々の数字からしますと、裁判官の負担というのが増加しているように見受けられますので、万が一、長時間労働によって労働災害が起きてしまう、こんなことがあったりすると、裁判所に対する信頼はもちろんのこと、司法に対する信頼も失われかねないというふうに思います。  やはり、心身の健康を管理するというような観点で、この在庁時間等、勤務時間の把握をやはり進める必要があるのかと思うんですが、前回の質疑から何か変わった取組が行われたのかどうか、伺いたいと思います。
  11. 堀田眞哉

    ○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) 裁判官は職権行使の独立が定められておりまして、日々の事件処理の方法等についても他人の指揮監督を受けることはなく、その自律的判断に委ねられておりまして、勤務時間を個別具体的に把握、管理するということはなじみません上に、裁判官の職務の特質からいたしますと、同じ時間の勤務をいたしましても、担当する事件の内容や困難さにより、その負担には相当の違いがあるものと承知しております。  もとより、裁判官の職責の重大さに照らしまして、裁判官が心身共に健康な状態で職務に当たることができるようにすることは重要であると考えております。  そのため、事件数及び事件処理状況を踏まえて各裁判所に適切に人員を配置するとともに、各地の裁判所におきましては、個々の裁判官が休日や夜間にどの程度仕事をしているのかや、裁判官の手持ちの事件数や内容も含めた負担の程度について、部総括裁判官を始めとする周囲の者が様々な形できめ細かく把握するように努め、必要に応じてその働き方について指導、助言したり、事務負担を見直したりするなどいたしまして、裁判官の心身の健康に配慮しているものと承知しております。  最高裁といたしましては、今後ともこのような取組が行われるよう、各地の裁判所に伝えてまいりたいと考えているところでございます。
  12. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 裁判官の心身の健康には細心の配慮をお願いしたいというふうに思います。いろいろなテクノロジーも進化していますので、そういったものを活用すれば、少なくともその在庁時間を含めた管理はできるのかなというふうに私は思っております。  そして、またまた裁判官の供給源ということで考えていきたいのですが、弁護士任官制度があります。こちらは平成三十年十二月時点で在職する弁護士任官の裁判官は六十三人ということでありまして、今弁護士の数が四万一千人を超えていることからしますと、やはり少ないかなと。裁判官が二千七百人ほどいる中で僅か二%にすぎないということで、絶滅危惧種というような状態になっております。  そこで、弁護士から任官する裁判官が増加しない理由と増加させるための取組について伺います。
  13. 堀田眞哉

    ○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) 現在の複雑で多様な事件に裁判所が適切に対応するためには、多様な給源から裁判官の人材を得ることが重要であり、弁護士として豊富な実務経験を有する優れた法律家が裁判所部内で裁判官として活躍することは有意義なことと考えておりまして、最高裁といたしましても弁護士任官の推進を図ってきたところでございます。  委員御指摘のとおり、弁護士任官者数が増加していないというところでございますが、それは事務所経営上の要因など様々な理由により応募者が増加していないことによるものと考えられるところでございます。  最高裁といたしましては、日弁連とも協議を重ねまして、平成三年と平成十三年に選考要領の見直しを行い、当分の間、応募に必要な弁護士としての経験年数を引き下げるなど、任官をしやすくするための努力をしてきたところでございます。また、弁護士任官者に対する研修や配置についても工夫をし、弁護士任官者が裁判官の仕事にスムーズに移行できるよう様々な配慮をしてまいりました。  さらに、弁護士がその業務を行いながら裁判官の権限と同等の権限を持って調停手続を主宰いたします調停官制度が平成十六年一月からスタートをしておりまして、この制度によって、裁判官への任官を考えている弁護士にとっては裁判官の職務、執務形態への一層の理解を深める機会が得られますとともに、事件や顧問先の引継ぎなどについて検討を進めることができると考えられるところでございます。  今後とも、優れた弁護士が多数任官するよう、引き続き改善に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。
  14. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 それこそ弁護士は全国転勤というのは余りしない仕事柄ですから、弁護士任官を増やす一つの施策、選択肢としても、エリア限定採用というものは検討の余地があるのかなと思いますので、是非とも御検討いただきたいと思います。  あとは、最後ですが、裁判手続のIT化による裁判官の生産性の向上について伺っていきます。  裁判手続等のIT化については、現在、法務省や最高裁の担当者らも参加している民事裁判手続等IT化研究会において検討が進められていると思います。  これを受けて、最高裁の大谷長官は、今年一月の新年の言葉において、現在検討が進められている民事訴訟手続のIT化についても、手続の在り方を全体的に見直し、裁判の質の更なる向上を図る契機として取り組んでいくべきものと言えます、裁判官は、職員とともに、このような取組の意義を理解してこれを自らの課題として引き受け、真に望ましいIT化、ひいてはあるべき民事訴訟の実現に向けて、各庁で行われている取組に積極的に関わっていってほしいと願っていますと述べておりまして、裁判官や裁判所職員が主体的にIT化に取り組む姿勢が示されているものと思います。  弁護士の世界では、この裁判のIT化によって生産性が劇的に向上するということが期待されておりまして、例えばeコートでして、ウエブ会議等を活用して裁判所への出頭が不要になるケースが増えるというこのeコートが実現すれば、全国津々浦々の裁判所に出頭している弁護士は大幅にその負担が軽減されます。  これは、裁判所も例外ではなく、今回の裁判手続等のIT化を含め、ビッグデータやそういうAIといったものを活用しながら裁判官の執務における生産性の向上も目指していくべきなんじゃないかなと私は思っております。そして、それがまた、今判事や判事補の人手不足というものを補う可能性の一つだと思っております。  そこで最高裁に伺いますが、この裁判手続等のIT化を含めた新しいシステムなどの導入によって、今後生産性向上が期待される裁判官の業務について御説明いただきたいと思います。
  15. 門田友昌

    ○最高裁判所長官代理者(門田友昌君) お答えいたします。  民事裁判手続等のITにつきましては、委員から御紹介がございましたとおり、現在、有識者による研究会での検討が進められておりまして、最高裁におきましても、その研究会に参加するなどして関係諸機関とも連携しながら鋭意検討を進めているところでございます。  委員から御指摘ございましたIT化後の裁判官の業務の在り方につきましては、IT化に関する法制面の検討や具体的なシステム設計等も踏まえて検討することになりますので、現時点では具体的なイメージまでは描けておりません。  もっとも、民事訴訟手続へのITの導入は、当事者や弁護士の方々など訴訟手続の利用者の皆さんの利便性の向上はもちろん、裁判所の業務の最適化、生産性の向上にも結び付けていくべきことは委員御指摘のとおりでございますので、今後ともその点を十分に意識して検討を進めてまいりたいと考えております。
  16. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 ありがとうございます。  やはり世界に胸を張れる司法国としてこの日本が発展していく上で、やはりその大事な人的インフラである裁判官の数をどのくらい必要なのかということは非常に重要なことだと思いますので、その具体的理想、イメージの把握も含めまして更なる推進をお願いして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  17. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 立憲民主党の小川敏夫です。  平成十年代に大きな司法制度改革が行われました。その中で裁判官も大幅に増員するということになりまして、十年掛けて判事補を私の記憶では四、五百人増員したと思うんですが、この増員について裁判所の方で具体的に数字を教えていただけますか。
  18. 村田斉志

    ○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) お答え申し上げます。  裁判所は、司法制度改革審議会におきまして、訴訟の迅速化、専門化への対応のため、当時から、今後十年間で裁判官約四百五十人プラスアルファの増員が必要であるとの意見を述べまして、平成十四年度から計画性を持って増員をしてきたことに加えまして、平成十七年度以降は裁判員制度の導入に向けた体制整備のための増員も行ってきたところでございます。  具体的には、平成十四年度から平成二十三年度までで判事を四百十二人増員しております。また、判事補につきましてはこの期間に……(発言する者あり)済みません、判事補はこの期間に合計で百九十五人増員をしております。
  19. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 私聞いたのは人数だけなので、最後の十秒ぐらいのことを答えてくれればそれでよかったんですが。  そのように大幅に増員した。もう増員したんだから、その平成二十三年の時点で判事の増員計画が終わって、もうそれで十分なはずなんですよね。ところが、平成二十四年から、先ほど元榮委員が出された資料のとおりなんですけれども、平成二十四年から更に毎年何十人か判事を増員していると。つまり、当初予定していた増員計画以上のものを、こうして毎年毎年判事を増員しているんですけれども、これは、なぜそういうことになったのか。  本来の増員計画は達しているのにその後判事を増員することになったのかというのは、判事補と判事の仕組みがあって、判事補と判事がそれぞれ定員が別々に固定されていると、決められているという制度の仕組みから生じていることなんですよね。  もう少し分かりやすく説明しますと、実際の数字ではなくて物事を分かりやすくする説明ですけれども、判事補が毎年五十人入ってくる、ずっと五十人入ってくると。十年たつと判事補が判事になると。大体、判事補が二十代でなると、三十代で判事になる、それから四十代、五十代、六十代の六十五歳で定年になるから、判事の方が圧倒的に人数が多いんですよね。それまでずっと長い間判事補の採用が五十人でやってきた、一方で、辞める裁判官が、定年まで迎えた判事、それから途中で退官する人、あるいは不幸にも亡くなられた方で、判事が辞める人数が大体五十人ぐらいということで、判事補が判事になるときにはちゃんと判事補が判事になる人数分の空きが出たから、ちょうど釣り合っているから、ずっとまあそこら辺は平和に来たわけです。  ところが、この平成の増員計画で判事補を五百人増員すると。毎年、それまで五十人だった判事補を百人にしちゃったと。十年間は判事補の定員を増やすだけでよかったわけですよ。ところが、十年たった後に増員された百人の判事補が判事になるときに、ここで問題が生じた。なぜか。判事補と判事の定員が別だ、判事の方は辞める人が五十人、椅子が五十人足らないんですよ。判事補だけ増員しちゃって、判事補の定員はこれ、判事の定員はこれ、いっぱいになっている。判事で辞める人が五十人だったら、十年迎えた百人の判事補が判事になれないんですよ。それで、増員計画がまさに終わった、平成二十三年で終わった、平成二十四年からもう増やしてしまった判事補を受け入れるために判事の定員を増員しているんです。これが実態なんだと私は思いますよ。ただ、裁判所はそういうふうに言わないで、常に事件の複雑化云々かんぬん言うけれどもですね。  そういう仕組みなんですよ。だから、本来の司法制度改革で議論をして行った増員計画はもう平成二十三年に達成していると。あとは、ただ判事補と判事という、何かそれぞれ別個に定員を決めているというその制度のひずみから、判事補が判事になれないことじゃいかないということで判事を順々増やしていると。しかし一方では、判事補減らさないから、何か知らないけど、本来必要以上に毎年毎年裁判官が増員になっちゃっているというおかしなことがずっと続いているわけで、もう、ですから七年、八年続いている。毎回毎回言うんですけれども。  どうです、私のこの指摘に対して御意見は。
  20. 村田斉志

    ○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) お答え申し上げます。  判事の増員は、まずは事件動向、事件処理状況、それから制度改正、こういったものを踏まえまして、事件を適正迅速に処理するのにどのぐらいの人員が必要かという観点から検討しておりまして、その中で委員御指摘のような充員の見込み、これも踏まえまして毎年の増員をお願いしているところでございます。したがいまして、もちろん充員の見込みについても考慮はしておりますけれども、今回の改正案につきましても、判事の増員を行えない場合に判事に任命し得ない判事補が出るということのみを増員の理由としてお願いしているものではございません。
  21. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 まあ、それのみを理由としているんじゃないというんだから、それも理由になっているわけですね、要するに。  常に事件の複雑化云々かんぬん言う。事件の増大って余り言わないんですよね。事件は減っているんです。民事通常第一審、いわゆる地方裁判所の民事事件、平成二十一年は二十一万四千五百十二、平成三十年は十三万八千六百八十一です。事件は激減しているんです。  それから、事件が複雑化するということでした。いただいた資料を見ました。複雑困難な事件が増えたという表の中で、見ましたら、交通損害賠償というのがあって、複雑困難な事件が七千件増加したというけれども、その七千件の増加は交通損害賠償事件がほとんど全部なんですよね。まあ交通損害賠償事件がそもそも複雑な事件かというと、私ぴんとこないんですがね。  ただ、じゃ、なぜこの交通損害賠償事件がこんなに増えたのといいますと、交通事故、例えば死者は昔は一万人で大変な騒ぎだったけど、毎年毎年交通事故の死者が減っている、重大な交通事故減っているんですよね。だけど、この交通事故の賠償の裁判だけ増えていると。これは、損害賠償で弁護士費用を付保するという保険が始まって広がったから、簡単に弁護士を付けて裁判を起こすようになったからという事情だと思うんで、少なくとも、交通損害賠償事件が七千件増えたからそれを複雑困難な事件に入れてしまって、複雑困難な事件が七千件増えたよと言うのは少し理由としては軽いんじゃないかと、理由付けとしてはおかしいんじゃないかということを指摘させていただきます。  私の方で、じゃ、複雑困難な事件が増えたかどうかということを別の角度から見て、それじゃ、地方裁判所の民事事件で複雑困難な事件なら多分証人調べも多いでしょうと、増えたんでしょうということで、証人調べの人数を調べていただきました。平成二十一年は二万三千七百五十五件、平成三十年は一万九千九百八十六件。つまり、実際に民事裁判で証人調べをする事件を複雑困難という物差しで測りますと、やっぱり大幅に減少しているんです。これは毎年そういう傾向で来ている。  にもかかわらず、平成二十四年から事件が増えましたよ、困難化しましたよと言ってこうやって判事を増員しているんだけれども、少なくとも、事件の困難化、事件の増大ということは、あっ、事件の増大は言っていないんだね、そもそも増えているからね、事件の複雑困難化というのは理由にならないんじゃないかと私は指摘させていただきます。  あるいは、例えば、刑事事件の数もこのところ減っているし、少年事件はかなり劇的に事件数も減っています。まあ少子化ということもあるでしょうけれども、事件数は減っていると。  それで、裁判所からいただいた資料で増えているものとして、家事事件で増えていると、すごい増加の資料をいただきました。審判事件が増えていると。確かに審判事件が増えているけれども、じゃ、どういう審判事件が増えているの。この審判事件の中には、後見人の選任もあるでしょうけれども、それから後見人を監督するという、それも一件の審判事件です。それから、もっと単純なのは後見人の報酬を決める手続、これも報酬を決めるということだけで一件の手続です。それからもう一つ、後見人じゃないけれども、今増えているのは相続放棄。相続人が家庭裁判所に出向いていって、私は相続放棄しますと言うと、それを裁判所が聞いて相続放棄にするという、その相続放棄の申入れというのがある、これも一つの審判事件ですよね。  審判事件が家庭裁判所で大幅に増えたよ増えたよと言うけれども、その増えたのが私が今お話しした四つじゃないですか。いかがでしょうか。
  22. 村田斉志

    ○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) 御指摘のとおり、主として増えております審判事件は後見関係事件や相続放棄といったところが顕著であろうというふうに思います。
  23. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 家庭裁判所ですと、なかなか事件が長引いたり大変なのはやはり離婚とか相続とか、あるいは子の親権を争う、これも一つの広い意味では離婚に関係する事件でしょうけれども、そちらの方だと思うんですけれども、こちらの方の事件数の推移はいかがなんでしょうか。
  24. 村田斉志

    ○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) 離婚に関する調停事件は、増加傾向にあったところがここ数年は横ばいで、ある意味高止まりをしているという状況でございます。それから、子をめぐる事件に関しましては増加傾向にございまして、特に面会交流事件については著しく増加しているというところでございます。
  25. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 毎年のように判事の定員が増加する法案が出されてきて、私も毎回同じようなことを指摘しているんですけれども、過去には一回、民進党時代でしたか民主党時代でしたか、一度反対したこともありましたけれども、まあ今回は賛成ということですけれどもね。  何か私は、どうも裁判所が、本当に公正な姿勢が求められる裁判所がどうも苦しい説明をしなくちゃいけないというのが、私はこの法案の審議でいつも感じることなんですよね。あっさりと、判事補を増やした、その増やした人数が判事になれないと困るから、やむを得ないから増やすと言ってくれればすごく分かりやすいんだけれどもね。  あるいは一方で、司法制度の改革で裁判官を増員すると。裁判官を増員するといっても、司法修習終わった人間を判事補で採用するところから始めなけりゃいけないから、判事補を増やしたのは当然なんですね。だけど、その判事補が判事になった。そこで、判事を増員したのなら、本来判事補の方もなだらかに減員していって全体としてバランスが取れるようにしなくちゃいけないんだけれども、今回は四十人増やして二十五人判事補を減らすということで若干その傾向がありますけれども、今まではただ一方的に増やすだけだったと。  ですから、先ほどの議論の中でも判事補が定員を余らせているじゃないかと。まあこれはある意味、自主的に多過ぎないように、つまり判事補をフルに増員したまま、十年間で四百人増員したんですけど、本来ならもうそこで四百人増員したんだからいいのに、増員した判事補の定員をそのまま維持しているものだから、十年計画で毎年四十人、五十人増やしたのを更にそのまま放置しておくと、本来目標にした四百人、五百人の増員が更に十一年後以降も続いてどんどんどんどん増えていっちゃうと。だから、おかしいから、判事補を、事実上定員は削らないけど、事実上採用しないということで、判事補の定員空いている状態になっていると思うんですがね。しかし、判事補の定員が空いていたって、それを判事には流用できないからおかしなことになっているわけでして。  どうでしょうね、そこのところはもっと統一的に、毎年毎年、裁判所から苦しい説明を聞いて判事を増やすというのは、私も、もう何というか、飽きたと言っちゃ失礼だけど、どうして改善されないのかなという、そういう歯がゆい思いでいるわけですけれども。結局、判事補と判事という、同じ裁判官なのに言わば身分を分けて、しかも定員を判事補と判事と別々に決めているという、この硬直した仕組みがそもそもいけないんじゃないかと。  考えてみますと、何で同じ裁判官なのに判事補というものが必要なのか。検事は別に初めから検事ですよね。判事補と判事、今の法律ですと、判事補は一人前の判事、一人で裁判をする権限を持たないというので、裁判官としての権限が違うというのだけれども、それはそれで権限の分野で規定すればいいので、判事補と判事というふうに別々の職名を付けて別々に定員を決めるというこの仕組みが、そもそもこうしたゆがみといいますか、融通が利かない硬直した状況を生んでいるんじゃないかと思うんです。  ですから、ここは、判事補と判事というのをやめて判事という一本にしちゃって、全体をまとめた定員にしたらどうでしょう。これは法務大臣にもお尋ねしたいけど、まず、そういう考えについて裁判所はどうでしょう。
  26. 村田斉志

    ○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) お答え申し上げます。  現行法におきまして、判事と判事補に任命資格や職権に違いがあるというのは委員の御指摘のとおりでございますが、そうした判事と判事補を一本化するか、定員を一本化するかどうかはまさに立法に関わるものでございますので、その当否につきまして最高裁判所としてのお答えはいたしかねるというところでございます。
  27. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 裁判所が自分でその裁判所法を決めたわけじゃないので、まさに立法した立法に従って組織があり、運営されているわけですから。  そうすると、立法する役目は法務省なり法務大臣の方にあると思うんですが、どうです、法務大臣も法曹ですから、そもそも裁判官なのに判事補と判事という、その職名を、あっ、これ職名、官名か、を分ける必要があるんでしょうかね。この際、これを機会に判事補もやめて、初めから、初任から判事にして、その権限の違いは別に法律で定めればいいので、判事一本にしちゃって、定員も判事一本に決めればもっと合理的な対応ができると思うんですが、この私の意見についてはいかがでしょう。
  28. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) お尋ねですのでお答えいたしますが、判事と判事補というのは現行の手続法上も様々な職権が違いがございます。今はその法制を前提として様々な手続法においても裁判体が組まれているということで、それを統一化するということについては慎重な検討が必要であろうというふうに考えております。  他方で、今回審議をお願いしている裁判所職員定員法につきましては、例えば家事事件であるとか成年後見事件などの激増も踏まえて定員増をお願いしているところでございまして、そういったところからのものでございまして、これが判事と判事補の一本化ということに直ちに結び付くものではないのではないかと考えております。
  29. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 判事補が判事と職務権限が違うといっても、特例法を作って、いや、判事補の中でも、本来はできないんだけど、五年たてば判事の権限を持つことができるという特例判事補なんというものができているわけで、そんなんだったら、別にすっきりみんな判事にしちゃえばいいだけでね。  事情は違うかもしれないけれども、一期生の参議院議員は参議院議員補だと言われたら、みんな怒りますよね。弁護士だって、おまえ、弁護士に登録して十年間は弁護士補だと言われたら、みんな気分悪いですよ。裁判官だって、何で裁判官だけ判事補と言うのかね。  私は、慎重な検討と言ったから検討する中には入っているのかもしれないけど、慎重でもいいから、とにかく前向きに検討していただきたいと述べて、終わります。
  30. 櫻井充

    ○櫻井充君 国民民主党・新緑風会の櫻井充です。  ちょっと小川さんみたいな専門家ではないので一般的な質問をさせていただきたいと思いますが、まず最初に、司法制度改革で法曹人口を増やしました。これは、一体なぜ法曹人口を増やしたんでしょうか。
  31. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  司法制度改革の議論を行いました司法制度改革審議会におきましては、我が国の法曹人口が先進諸国との比較において極めて少なくて、社会の法的需要に現に十分対応できていない状況があるという指摘がございましたほか、これから専門的知見を要する法的紛争の増加や弁護士人口の地域的偏在の是正の必要性などが指摘されておりまして、こういったことによって法曹需要が量的に増大するとともに、質的にますます多様化、高度化することが予想されるということで、司法制度改革の意見書におきましては、あるいはそれを受けた平成十四年三月の閣議決定、司法制度改革推進計画におきましては、平成二十二年頃には司法試験の合格者数を年間三千人にすることを目指すべきであるとされたところでございます。
  32. 櫻井充

    ○櫻井充君 そうやって増やしていくと、裁判の件数というんでしょうか、それが増えていくというのは当然のことじゃないかと思うんですが、その点について簡潔にお願いします。  弁護士の数が増えれば、結局はそこで仕事をしていくことになる。生活しなければいけないことになれば裁判の件数は増えていくことになるかと思いますが、それについていかがですか。
  33. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  司法制度改革審議会の意見書等あるいは議論の経緯……(発言する者あり)はい。  いずれにしても、司法制度改革審議会の議論の中では、先ほども申し上げましたように、専門的知見を要する紛争の増加や弁護士人口の地域的偏在の是正の必要などが指摘されてございまして……(発言する者あり)
  34. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 答弁は、質疑者の趣旨を体して、簡潔かつ明瞭に行うようお願いいたします。
  35. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) 結論的には、弁護士の人口が増加することによりまして、裁判所に提起される事件数が増加するということももちろんあり得るというふうに考えております。
  36. 櫻井充

    ○櫻井充君 今のことだけですよ、聞いているのは。ほかのことは要らないんで。前回の委員会でも指摘したはずですよ。十五分しかないんです、僕ら。くだらないこと言わないでほしいんですよ。  なぜこういうことを聞いているのかというと、家庭裁判所での離婚調停の期間が長くなってきているんですよ。そのことによって、夫婦以上に困っているのは子供たちですからね。そういう意味合いで、これをどうやって短縮していくのかと、このことについて今日は主眼を置いて質問をしたいんですよ。いいですか。  それで、離婚調停についての、離婚の件数も増えていますが、離婚調停に掛かっている期間というのは今どのぐらいですか。
  37. 手嶋あさみ

    ○最高裁判所長官代理者(手嶋あさみ君) お答え申し上げます。  ここ数年の全国の家庭裁判所における離婚調停事件の平均審理期間は、五か月から六か月弱となっております。
  38. 櫻井充

    ○櫻井充君 これ、平成十九年度はどのぐらいかお分かりですか。
  39. 手嶋あさみ

    ○最高裁判所長官代理者(手嶋あさみ君) 大変申し訳ございません。手持ちの数値としては平成二十年がございますので、それを答弁させていただいてよろしいでしょうか。  平成二十年、四・三月となっております。
  40. 櫻井充

    ○櫻井充君 つまり、司法制度改革が行われてもこうやって審議時間は延びているんですよ。この点について、どうやってこれを解決していこうとお考えなんでしょうか。
  41. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  42. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 速記を起こしてください。
  43. 手嶋あさみ

    ○最高裁判所長官代理者(手嶋あさみ君) 家庭裁判所といたしましては審理の充実等に努めているところでございますが、平均審理期間の長期化につきましては確たる要因まで申し上げることはできないところなんですが、一般的には、少子化の進行、家族観や当事者の権利意識の変化を背景に、特に子の監護をめぐる問題や財産分与等について対立が深刻で解決が容易でない、あるいは子の監護等について慎重な調査が必要となる事件というのも増加していると言われておりまして、これらの事情も審理期間を長期化させる要因の一部になっているのではないかと存じます。
  44. 櫻井充

    ○櫻井充君 大臣、ちょっとお伺いしたいことがあります。  今回のこの法案の最後の理由のところに何て書いてあるかというと、下級裁判所における事件の適正かつ迅速な処理を図るためと書いてあるんです。迅速な処理を図るためにこうやって判事の員数を増加する等の措置を講じたいと言っているわけであって、こうやって現実的な数字でもう延びているわけですよ。  延びているところが、もう分野があるわけであって、これに対してどういう対策を取るんでしょうか。だって、そのためにこれやっているんでしょう。今回のこの議論はそのためにやっているはずですよね。そうすると、具体的にお答えいただきたいんですが。
  45. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) まず、御指摘でございます。  確かに期間は延びておりますが、この期間が延びている原因等について、これ、一には裁判所の分析にかかるところでございますが、それを踏まえて対応していきたいと考えておりますが、例えば離婚でございますと、先ほど御指摘あったように、財産分与あるいは監護あるいは養育費等、これ平成二十三年改正によって明記されたところでございますが、そういったところも長期化の一つとして考えられるのではないかと考えております。  だとすれば、これは事件のある意味論点の複雑化ということであれば、これはやはり定員を増やしていくということが一つの効果的な対応なのではないかというふうに考えております。  いずれにしても、その定員の内容につきましては、最高裁の検討結果を踏まえまして、我々としても検討をした上で、裁判所の判断も尊重しながら今回御提案させていただいているところでございます。
  46. 櫻井充

    ○櫻井充君 今の大臣の御答弁だと、やはりその複雑化しているものについて、定員を増やすというのが対応の一つだと、まあ確かにそうしかないんだと思うんですよ。要するに、一人の人が処理する件数は、複雑になればなるほど少なくしてあげなければ早く審議できませんよね。  一方で、件数が増えてきていて、今度は午前中なら午前中に一件、午後なら午後に一件ずつしかできないということになってくると、数そのものが増えていたとすれば、なかなか速やかに対応できなくなるんじゃないんですか。こういうことについてはどうやって解決されようとお思いなんでしょうか。
  47. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) まず、数が増加する原因につきまして、ここは、やはりこれは調停なり審判、これは受ける権利というのは国民の権利でもございますので、その原因をしっかり踏まえた上で対応していくということになろうかと思います。その分析については、最高裁からの見解も踏まえた上で法務省としても対応してまいりたいと考えております。
  48. 櫻井充

    ○櫻井充君 いや、その審理をする件数を一日何件やられているのかよく分かりません。この件数を増やさないと、その掛かってくる審理期間というのは短くならないんじゃないんですか。
  49. 村田斉志

    ○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) 一日に審理できる事件数は、裁判官一人で担当しておりますと、なかなか物理的な限界がございます。他方、家事調停のような事件でございますと、調停委員と裁判官の役割分担というようなことで、同時に複数の事件、場合によっては十件程度の事件を同時に進行させながらということも行っておりまして、そういった工夫もしているところでございます。
  50. 櫻井充

    ○櫻井充君 しかし、そういう工夫をしてもこうやって延びてきているわけですよ。  一番僕が犠牲者だと思うのは、子供だと思うんです。その子供さんのために、とにかく一日も早く解決してあげるべきですよ。私は今、不登校とか引きこもりの患者さんを診療していますが、みんな、家族、ほとんどの方が仲悪いです。仲が悪い中で子供なりに苦しんできているから学校に行けなくなったりしている人たちいっぱいいるんですよ。子供たちの中には、もう早く離婚してもらってすっきりしたいという人たちもいます。  ですから、そういうことを考えてきたときには、なるべく早くその調停というんですか、審理期間短くして終わらせてあげることが大事なことだと思っているんです。子供たちの次のステップのことを考えていったら、これは別に両親はどうでもいいんですよ。両親は好きで結婚して、好きで別れたことなんだから。だけど、そこの間に挟まっている子供たちのことを何とかしていかなきゃいけないわけですよね。離婚調停して、養育費だって何だって、これは子供のためですよ。だから、その子供さんの立場に立ったら、この審理期間をもっともっと短縮するべきだと、短縮できるようにするべきだと、私はそう思うんです。  大臣、この点はやはり重く受け止めていただいて、こうやってどんどんどんどん調停期間、審理期間というんですか、延びていますから、現実は。これをもう少しきちんとした対応取っていただいて、早くできるようにお願いしたいと思いますが、大臣、いかがですか。
  51. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 審理期間につきましては、これは裁判体の判断ということも尊重しなければなりませんが、いずれにせよ、法務省としても、しっかり原因を把握した上で適切な対応を取ってまいりたいと思っております。  ただ、これは手持ち事件数が今、平成二十九年で百九十件ぐらいになっておるということでございまして、そういったこともあるのではないかというふうに考えておりますので、今回の定員法についてお願いしているところでございます。あっ、ごめんなさい、これは民事第一審訴訟でしたね、申し訳ありません。家事事件についてはまた別途ではございますけれども、やはり手持ち事件の増加は認められるというふうに考えております。
  52. 櫻井充

    ○櫻井充君 済みません、資料請求しておきたいと思いますが、その今お話があった手持ち事件というんでしょうか、一体どのぐらいの件数で、どうやって増えてきているのかどうか、それについての資料を請求したいと思います。
  53. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議いたします。
  54. 櫻井充

    ○櫻井充君 もう一つ、法曹人口が増えていったとは言っていますが、先進国と比較して日本の法曹人口というのは決して多くないと思うんですが、この点についていかがですか。
  55. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  司法制度改革審議会意見書によりますと、平成九年当時の数字で、法曹人口、日本は約二万人でございました。そのとき比較された外国の法曹人口でございますが、アメリカが九十四万人、イギリスが八万人、ドイツが十一万人、フランスが三万六千人というような数字でございます。
  56. 櫻井充

    ○櫻井充君 これは少なくても済む話なんでしょうか。要するに、何かというと、日本人は割とお互いの話合いで済ませるところがあるので、それなので、裁判の件数が少ないから法曹人口は少なくて済むことなのか、それとも、潜在的にあるんだけれど、その法曹人口が少ないから結果的には余り裁判をしないということになっているんでしょうか。
  57. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  司法制度改革審議会の意見におきましては、基本的には、これから法的紛争がどんどん増加していく、あるいは弁護士人口が地域的に偏在して、それを是正するなどにより、その当時、日本の法曹人口が先進諸国として極めて少なかった、それが今後どんどん法的紛争が増加していき、弁護士の必要性が高まるということで、諸外国並みの法曹人口が必要になるであろうと、そういうような予測の下の議論だったというふうに認識しております。
  58. 櫻井充

    ○櫻井充君 そうすると、どのぐらいを目標にして法曹人口を増やしていこうとお考えなんですか。
  59. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  司法制度改革審議会の議論におきましては、平成三十年頃までに、先ほど申し上げました、先進国の中では法曹人口が国民一人当たりで見て最も少ないフランス並みである実働法曹人口五万人に達することを見込んで、先ほど申し上げました平成二十二年頃には司法試験の合格者数を三千人とすることを目指すべきであるとされたものでございます。  ただ、御案内のとおり、この三千人の合格者目標数というのは、既に二十五年五月に、これ現実性を欠くということで撤回されておりまして、現在は、平成二十七年六月に出されました法曹養成制度改革推進会議決定におきまして、法曹人口調査報告に基づきまして、現在年間千五百人程度を輩出できるよう必要な取組を進めて、さらに、必要な法曹人口の在り方についても引き続き検討していくということになっているところでございます。
  60. 櫻井充

    ○櫻井充君 そうやって増やしていったら、先ほど、増えていけば裁判の件数も増えていく可能性があるんだと御答弁いただきました。それに合わせて裁判官の数というのも増えているんですか。つまり、弁護士さんの数が増えている割合と同じような形で裁判官の数というのは増えているんでしょうか。
  61. 村田斉志

    ○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) 裁判官の採用数につきましては、ここ十年では、一年平均、一年に当たり九十人程度ということになっておりまして、弁護士数の増加と同じ割合というところではございません。
  62. 櫻井充

    ○櫻井充君 そうすると、弁護士の数が増えてきている中で裁判官の数がその割合に達していなければ、当然審理時間って長くなるんじゃないんですか、一般的に言えば。そういう意味合いでいうと、その弁護士の数だけ増やせばいいという代物ではないんじゃないのかなと、そう思います。  ですから、裁判というんですか、司法制度全体のことを考えていった上で、改めて定数を考えていただきたいと、そのことを申し上げて、質問を終わります。  ありがとうございました。
  63. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 公明党の伊藤孝江です。よろしくお願いいたします。  まず、今回の増員の理由の一つとされている民事訴訟事件の審理充実のための増員というところについてお伺いをいたします。  今回、この中でも、先ほども指摘がありましたけれども、典型的専門訴訟事件、建築、交通、医事、労働、知財、行政等ということで、専門部であったりあるいは集中部であったりが裁判所で設けられているような事件だということかと思いますけれども、この専門訴訟事件の増加への対応が必要だからということを増員の理由として挙げられております。  ただ、この典型的専門訴訟事件にどう対応していくのかというところについては、裁判官の人数というところもあるかも分からないですけれども、そもそもその裁判官がこういう専門的なそれぞれの事件についての基となる基礎的な知識とかがあるかというと、当然そうではないと。医療とか建築とかいろんな専門分野についての知識がないというのが普通だと思いますので、まずこの裁判官のスキルを上げていくという点について、専門訴訟事件を担当する裁判官の選任、またその育成についてどのようにされているのか、お教えいただけますでしょうか。
  64. 門田友昌

    ○最高裁判所長官代理者(門田友昌君) お答えいたします。  専門的事件について適正な裁判を実現するためには、裁判官としての基本的な力量の上に一定の専門的知識や紛争の背景、実態についての的確な理解と把握が必要と考えられますが、これらにつきましては、まず、個々の裁判官において、当該専門的事件を担当する中で自己研さんを積んで獲得するのが基本であるというふうに考えております。  また、裁判官の研修を担当する司法研修所におきましては、このような自己研さんを支援し、専門性を獲得、深化させる目的で専門的事件に関する各種の研究会を毎年実施しておりまして、その成果は研究会の参加者が各配属庁で報告するなどして全国の裁判官に還元されております。  これらの研究会が個々の裁判官による自己研さんの契機となりまして、更に自ら自己研さんを積むことにより専門的事件に対応できる裁判官が育成されるものと考えております。
  65. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 今のお話だと、基本的には自己研さんがベースになり、また、一旦例えば建築の専門部に配属された裁判官がそのままずっと建築の専門部を移るというわけではないという人員の配置も考えたときに、結局は本当に専門的な知識をなかなか付ける機会がないまま裁判官としても、もちろん専門の方に聞きながらという形にはなるかと思いますけれども、事件に対応しているという現実もあるのではないかなというところを一つ指摘をさせていただければと思います。  また、この増員に関して、審理期間が短くなるという効果があるということも御説明の中でされているかと思います。この平均審理時間をいただいた資料からしますと、複雑困難類型で十三・八か月、その他の事件類型で七・一月ということで、ただ、この審理期間からすると、専門訴訟で十三・八か月というのは、私の感覚からいくと必ずしも不当に長期だというふうな感覚はないと。専門的な事件を本当にその背景からきちんと説明をして、専門的な論点をきちんとした主張をかみ合わせて争点を整理をしてということを考えると、十三・八か月が長いかと言われると、もちろんもっと早くできるのもあるかもしれないけれども、決して不当に長いというところまでは言い難い。  私の感覚では、やはりその訴訟が長引く原因は、専門訴訟だろうが一般事件だろうが、裁判官の訴訟指揮に及ぶところが大きいと思います。なかなか主張がかみ合わない、きちんとした証拠が出てこない、それをいつまで待つのか、どういうふうに進めていくのか。その全体としての見通しをなかなか立てない、記録を読まずに弁論準備に来る、そういう裁判官がいるのも事実です。これは手持ち事件が多いというところかも分かりませんけれども、裁判官が訴訟指揮をしてくれれば、当事者であったり弁護士が仮に長引かそうとかいろいろしたとしても、ちゃんと審理期間を一定程度に収めることはできるというふうに考えます。  この平均審理期間が今現状として長いという受け止めをされているからこそ、短くできますというアピールをされているんだと思いますけれども、現状のこの平均審理期間について最高裁としてはどのような受け止めをされているのかということについて御説明ください。
  66. 村田斉志

    ○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) 平均審理期間につきましては、裁判自体が両当事者との共同作業でもございますし、また事件の複雑困難化といった質の変化もございますので、これらのいろんな要素が反映されたものというふうに思います。そういう面では、委員御指摘のとおり、専門訴訟の審理期間が不当に長期化しているというところまでは考えておらないところでございます。  他方で、専門訴訟も含めまして民事訴訟事件全体の平均審理期間の中で、二年を超える未済事件の割合が平成三十年末で八・六%残っているというところを踏まえますと、なお改善の余地があるものというふうに考えております。  この点につきましては、委員の御指摘にもございましたとおり、体制の整備をして裁判官の訴訟指揮、訴訟運営が合議体によってその知恵を集めてなされるということも期待し、そうした形で争点中心型の審理の実践を努めていくことによって質の高い判断が合理的な期間内に行えるようになっていくというふうに考えておりますので、そういった努力を引き続きしてまいりたいと考えております。
  67. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 期間に関しては、一年掛かったというのでも長い、長過ぎるだろう、この事件でというのも当然あると思いますし、どれだけ掛かったから長いか短いかというものではないというところは、二年だから駄目だということではなく、その中身を見ていただいて、もちろん駄目なものはもっとどういうふうにしていったらいいのかというのを考えていただかないといけないかと思いますけれども、そういうしっかりとした分析もしていただきたいと思っております。  合議体による審理の充実強化の必要性も挙げられていますけれども、これは現状において、本来であれば、例えば合議体で審理をしたいけれどもできないというような事件が数多くあるということなのかどうか、その点について御説明ください。
  68. 村田斉志

    ○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) なかなか数字でお示しするところは難しいところでございますけれども、合議体を組むためには三人の裁判官が必要になりますので、各一人一人の手持ち事件数が多いということになりますと、なかなか合議体で扱う事件の割合を増やすのは難しいという部署もあろうかというふうには思っております。
  69. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 この数をちょっとお聞きしたいんですけれども、全国の裁判所、またその支部数、そのうち裁判官が常駐していない支部、合議事件を扱わない支部がどのぐらいあるのか、教えていただけますでしょうか。
  70. 村田斉志

    ○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) 全国の裁判所の支部といたしましては、高等裁判所の支部が六つございます。それから、地方裁判所及び家庭裁判所の支部は二百三ございます。なお、東京高等裁判所におきましては、今申し上げた支部のほかのものとして、特別な支部として知的財産高等裁判所がございます。このうち、裁判官が常駐していない支部は四十四庁、そして合議事件を扱わない支部は百四十庁でございます。
  71. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 合議事件を充実させるということも増員の理由ということでされているんですけれども、今回、実質の増員というのは十五人に、裁判官の増員は十五人になるんだと思います。この全国で十五人裁判官を増やして、今お話をされた合議体による審理の充実強化に与える影響というか効果についてどの程度お考えなのかということをお話しいただけますでしょうか。
  72. 村田斉志

    ○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) お答え申し上げます。  複雑困難な事件につきましては、先ほども申し上げたところでございますけれども、様々な経験、知見を持つ三人の裁判官による議論が行われる合議体で審理を進めていくということが一つの方策として考えられるところでございます。  そういう意味で、事件処理にたけた判事の増員をお願いしているところでございまして、その増員ができました場合には、裁判長、それから右陪席裁判官が担当する単独事件の方の手持ち事件数の減少を図ることができるかと思います。  それによりまして、今度はその複雑困難な事件の方に向けて合議体で審理できる状況になりますので、より適切にそうすべきものは合議に付すという形の体制を整備することができるのではないかと考えておりまして、そのため今回の増員をお願いしているところでございます。
  73. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 裁判官の手持ち事件が減るというのは、もちろん充実した審理につなげていく一つの方策ではあると思いますので、しっかりとその配属についてもまた御検討いただければと思っております。  もう一点、今回の増員の理由として、家庭事件の処理の充実強化のための増員というのも挙げられております。その中で、子をめぐる事件の割合が、いただいた資料でも平成二十一年が約二〇%だったのが平成三十年では約二六%、先ほど来の話でも、家庭環境の違いであるとか少子化の影響であるとか、いろんな影響の中でその紛争が激化している部分、増加している部分が子をめぐる事件に関してはあるというお話でした。  この子をめぐる事件、面会交流であるとか親権とか監護権とか養育費とかあるかと思いますけれども、こういう部分を調停あるいは審判、訴訟で本当にしっかりと充実した対応をしていく、また、できる限り早い段階でいろんな方向性を見付けて解決していくというのを考えると、裁判官ではなく、必要なのは家裁の調査官だと思いますけれども、この調査官の人数に関しては、定員に関してはずっと増加がされていない、また欠員は少しずつ増えていると、そういうような状況にあるというのが私の認識です。  この調査官をそもそも増員しないということについての理由を御説明いただけますでしょうか。
  74. 村田斉志

    ○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) お答え申し上げます。  家裁調査官につきまして、その役割が重要であることは委員の御指摘のとおりでございまして、増員につきましては、平成十二年度から平成二十一年度までは合計七十三人の増員を行って体制整備をしてきたところでございます。  今回、家裁調査官の増員をお願いをしておりませんが、その理由といたしましては、確かに家庭事件は増加傾向にございますし、複雑困難化というところもございますが、増えているところの一番大きなところが成年後見関係事件でございまして、この成年後見関係事件には家裁調査官が関与する部分というのは限定的だというところがございます。  また、家裁調査官の活躍の場面の一つの大きいところは少年事件でございますけれども、少年事件の方が、平成二十年には十七万件余りであったものが平成三十年には六万五千件余りということで、十万件以上減少しているというところがございます。  そういったところを考え併せますと、事件の複雑困難化、それから、特に子をめぐる事件について調査官を最大限活用すべきだというところはごもっともでございますけれども、そこを考慮いたしましても、なお現有人員の有効活用によって適正迅速な解決を図ることができるというふうに判断したところでございます。
  75. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 ごもっともと言っていただけるのは有り難い話ですけれども、調査官が、じゃ、実際にどれだけしっかりと各事件に関わっていただけるかというと、本当に大切なお仕事です。また、時間が掛かる調査官の調査でもあります。  実際の例えば調停なり面会交流一つ取っても、御両親とそれぞれ面会もし、例えば子供さんに会いに家庭訪問もしないといけない。これも、一回行ったからって子供がちゃんとしゃべってくれるわけではありませんから、複数回行く。学校とか幼稚園とかに行く。その上で、必要があれば試行的面会交流という形で実際にセッティングをしてやったりとかする。そういうのを踏まえた上で報告書も書くというのを考えると、調査官が入るということだけで、当然一か月、二か月で済む話ではないですし、ただ、面会交流にしろ、親権、監護権にしろ、その後の家族の在り方というのを考えたときに、できる限り双方に、特に子供さんにとっても少しでもたくさん納得をしていただけるようにするためには、早くどっちかに決めるとか、早く回数決めるとか、早く時間決めるとかではなく、できる限り自発的にそれに応じてもらえるように納得をしていただける調査をしないといけない。それを、各調査官が事件の関与の仕方として、それだけの時間を掛ける調査ができているのかどうかというところなんですね。  調査官がいない庁ももちろんありますし、なかなか調査官が決まっても対応していただくことができないというぐらいの多さも抱えていらっしゃると。それを考えたときに、審判事件、成年後見の審判は少ないからとか少年事件が減ってきたからということではなく、子をめぐる事件に関して調査官がきちんと関与できているのかどうかという、その実態調査であったり分析だったりをすべきだというふうに考えますけれども、その点、いかがでしょうか。
  76. 村田斉志

    ○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) 委員御指摘のとおり、家裁調査官の人的体制の整備を検討する上では、事件動向もそうでございますけれども、家裁調査官の関与の実情、これをきめ細かく把握することが必要だというふうに考えております。  実際にどのような方法をしているかというところでございますけれども、事件数のみならず、家裁調査官にどのような形で裁判官から調査の命令が出ているかというところも含めまして統計データを分析しているほか、いろいろな協議会、家裁調査官の協議会、それから裁判官も一緒の協議会、書記官も含めての協議会といったものを中央レベルでもあるいは行っておりますし、下級裁判所と最高裁の意見交換の機会も多く持っております。  こうした中で、各庁の家裁調査官の事務処理の実情がどうであるかということの把握に努めているところでございまして、引き続きこうした手法によって実情把握をしていきたいと考えております。
  77. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 以上で終わります。ありがとうございました。
  78. 石井苗子

    ○石井苗子君 日本維新の会・希望の党の石井苗子です。  本日は、私も専門家ではないので、この資料を読みまして自分なりに疑問を感じたことを質問させていただきます。  裁判所職員定数の人数の改正ということなんですけれども、それが及ぼす社会的な影響という点についてお伺いしたいと思います。  最高裁判所は、資料によりますと、平成三十一年度予算の概算要求ですが、書記官二十四人、事務官三十三人の増員要請を行っています。政府予算案では裁判官以外の職員十三人の減員とされ、今回の法改正に至っているわけなんですけれども、参考資料の八ページによりますと、三十九歳以下の裁判官以外の職員では、女性の割合が五〇%を超えております。ワーク・ライフ・バランス、仕事と私生活の両立という意味におきまして、この推進のための定員上の措置の必要性が高いとされております。  平成二十七年の国会以降、ワーク・ライフ・バランス推進を理由といたしまして増員要求をしてまいりました。ところが、毎年三十五人から三十六人の減員となっています。少なくなっています。今年はその幅、減員の幅が抑えられてはいるものの、裁判所職員のワーク・ライフ・バランスの推進に支障は生じていませんか。最高裁の方にお伺いします。
  79. 村田斉志

    ○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) 委員御指摘のとおり、裁判官以外の裁判所職員につきましては、平成二十七年から平成三十年まで毎年三十五、六人の減員となっておりますけれども、この減員数は、同時に、技能労務職員等を七十人程度減員をした分との差引きの数でございます。  この技能労務職員等七十人の減員につきましては、その事務を外注化するというようなことも含めまして、事務の合理化、効率化をしたことによるものでございますので、これによって、こうした減員、結果としての減員になっているということによって、裁判所職員のワーク・ライフ・バランスの推進に支障が生じているというふうには考えておりません。
  80. 石井苗子

    ○石井苗子君 要するに、アウトソーシングしているということですよね。外注しているということなんですけれども、その外注しているアウトソーシングの幅を見ますと、足りていないなと思うんですよね。合理化を図って事務負担が増えているわけではないと、今のお答えですと、推進に支障はないというふうに判断させていただきましたので、そのアウトソーシングとか合理化という点についてこれから質問させていただきます。  日本維新の会はペーパーレスというのを一番最初にやった政党ではございますけれども、なかなかこれ大変でございます、浸透するまで。その合理化が図られているかどうかというところですが、現在、オンラインでの訴えの提起とか、あと、書面提出というんですか、これはオンラインではできないということでよろしいんですよね。オンラインでは現在できませんか。
  81. 門田友昌

    ○最高裁判所長官代理者(門田友昌君) お答えいたします。  民事訴訟一般につきましては、現行の法、規則の下ではオンラインの申立てはできないということになっております。
  82. 石井苗子

    ○石井苗子君 そこでなんですが、デジタル・ガバメント推進方針というのを読まさせていただきました。  デジタルガバメントというのは大変新しい言葉でございますけれども、決してロボットがやっているわけじゃございませんで、人間がデジタルガバメントをつくるということでございますが、平成二十九年の五月三十日でございまして、高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部・民官データ活用推進戦略会議決定というのがございます。国民、事業者の利便性を向上させるために、そこに重点を置いて行政の在り方そのものをデジタル前提で見直すという意味でございますね、デジタルガバメントの実現。  二ページ見ますと、法務省の手続のオンライン化と書いてありますが、法務大臣にお伺いいたします。どの程度進んでいらっしゃいますでしょうか。先ほど、今はできないとおっしゃいましたが、オンライン化されている比率というものを、主要な手続でどのくらいできているのかというデータがあったら教えていただきたいと思います。
  83. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) まず、お尋ねの比率につきましては、法務省における申請というのは手続多岐にわたりますので、比率自体は手元にないのでございますが、法務省におけるオンライン化の現状について、法務省が所管する各種手続のうち、民事、商事に関する登記申請、不動産登記の申請であるとか商業・法人登記の申請あるいは供託の申請などのほか、出入国管理に関する乗員上陸許可の申請など、三十を超える手続においてオンライン利用が可能となっております。  そして、各種手続のオンライン化に際しましては、今後も業務効率化の効果やコストなどを勘案した上で検討しておりますが、さらに法務省においては、昨年六月に定めた法務省デジタル・ガバメント中長期計画に基づき、様々な諸事情を勘案しつつ各種手続の更なるオンライン化に向けて検討を進めているところでございまして、例えば外国人の在留資格に関する手続においては、本年七月から在留期間更新許可手続についてのオンライン化を開始する予定でありまして、さらに、在留資格認定証明書の交付申請、在留資格「特定技能」に関する手続などについてもオンライン化に向けての検討を進めているところでございます。  法務省としては、引き続き、御党の御指摘等も踏まえながら、国会の議論も踏まえながら、利用者の利便性向上等の国民目線に立ってオンライン化の推進にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
  84. 石井苗子

    ○石井苗子君 ありがとうございます。  最高裁判所にお聞きしますけど、司法府もデジタル化を進めているという、必要性があるという認識でよろしいですね。ということでありますと、訴訟やそれから準備書面というのがあると思うんですが、これ、オンラインで提出することにおいて、質問したいのは、実務上、オンラインで提出することにおいてどのような支障があるかということを教えていただきたいと思います。
  85. 門田友昌

    ○最高裁判所長官代理者(門田友昌君) お答えいたします。  委員御指摘の訴状などの書面のオンライン提出につきましては、書面を提出される方の本人確認ですとか情報セキュリティーの確保などの点において検討すべき課題があるものと認識しております。もっとも、訴状などの書面のオンライン提出を可能とすることは、当事者の皆さんの利便性の向上という観点からは望ましいものであると考えております。  現在、民事訴訟手続のIT化につきまして、有識者による研究会の検討が進められておりまして、訴状などの書面のオンライン提出につきましてもこの研究会で議論が行われているところでございますので、利用者の利便性の向上という観点からも引き続き検討に関わってまいりたいと考えております。
  86. 石井苗子

    ○石井苗子君 最高裁でもIT化の検討を進めていただきたいと思うんです。  もっと具体的な質問しますけれども、テレビ会議システムについてなんですが、利用環境の制約もあって利用が進んでいない、このように書かれております。利用環境というのはどういうことでしょうか。ハード面で通信機器がないということなのか、あるいはテレビ会議をする部屋がないとかそういうことなのか、具体的にどんな制約があるのか、教えてください。
  87. 門田友昌

    ○最高裁判所長官代理者(門田友昌君) お答えいたします。  テレビ会議システムは、現在では、全ての地方裁判所の本庁及び支部に加えまして、一部の簡易裁判所に整備されておりますけれども、システムの構造上、裁判所と裁判所との間でのみ接続が可能なものとなっております。そのため、弁護士事務所等と裁判所とを結んでテレビ会議を行うということはできないというのが現状でございます。  そうしたことから、テレビ会議を利用する場合には、テレビ会議システムの備えられた最寄りの裁判所までいらしていただかなければならないということがございますので、この点をもって利用環境の制約というふうに言われているのではないかと存じます。
  88. 石井苗子

    ○石井苗子君 少し、もうちょっと、あと一歩進めばできることだと思うので、検討していただきたいと思います。時間の制約や人材の、先ほど人数ということであればかなり節約できると思うんですが。  最後の質問は、二〇二二年度頃の本格運用と書いてあるんですが、これを目途にして民事裁判手続をウエブ上で行うことを目指しているという、これは報道で知ったんですけれども、当事者双方が希望する場合に裁判所に出廷しないで期日を迎えるようになれれば負担が軽減されるので、訴訟のIT化が望ましいことの一例ではないかと私は思うんですが、この件につきまして、法務省において実際に検討をされているのかどうか、報道ベースだけなのか、最後にお伺いします。
  89. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 御指摘のような報道があったことは承知しております。  まず、民事裁判手続のIT化については、現在、法務省において、諸外国の状況を調査するとともに、担当官が有識者による研究会に参加するなどして精力的に検討は行っております。この中では、一定の要件の下で、当事者が現実に裁判所に出頭することなく、裁判の期日をインターネット上で行うことができるようにすることも検討の対象となっているものと承知しております。  また、検討スケジュールについては、昨年六月に取りまとめられた未来投資戦略二〇一八にもあるように、二〇一九年度中の法制審議会への諮問を視野に検討を進めております。当事者が現実に出頭を要しない期日の実現について、二〇二二年度頃からの開始を目指しているところでございます。  法務省としては、引き続き、利用者の目線に立って、迅速かつ効率的な民事裁判を実現できるよう検討を進めてまいりたいと考えております。
  90. 石井苗子

    ○石井苗子君 ワーク・ライフ・バランスも兼ねて、よろしくお願いいたします。  終わります。ありがとうございました。
  91. 山口和之

    ○山口和之君 日本維新の会・希望の党の山口和之でございます。  本日は、国民審査と裁判の公開について質問させていただきたいと思います。  まず、裁判所は、最高裁判所の国民審査の判断材料としてどのようなものを国民に提示、提供しているのか、お教え願います。
  92. 村田斉志

    ○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) お答え申し上げます。  最高裁判所におきましては、国民審査の対象となる最高裁判所裁判官に係る情報開示の充実を図るための方策といたしまして、最高裁判所ウエブサイトに最高裁判所の裁判官というコーナーを設けております。ここに各裁判官の略歴、信条、趣味などを記載しております。このほか、このコーナーには、各裁判官が関与した判決の事件名、裁判年月日、判示事項、また全員一致であったか、あるいは多数意見、少数意見であったかなどを掲載しておりまして、ここから判決全文にも直接アクセスできるようにして、そういった情報を提供しているところでございます。
  93. 山口和之

    ○山口和之君 いろいろ取り組まれていると思うんですけれども、しかし、残念ながら国民審査は機能不全に陥っていると思われます。その最大の原因は、ほとんどの国民が最高裁判所での裁判官の働きぶりを目にしたことがないため、そもそも名前も顔も知らない、何をどう審査したらよいのかも分からないからではないでしょうか。  裁判官の働きぶりを目にできるものとしては裁判傍聴がありますが、平日の日中に裁判所に行ける人は限られますし、傍聴席も限られています。そういった制限を解消できるのが諸外国でも行われている裁判中継でございます。これが実現すれば、多くの国民が裁判官の働きぶりを目にできるようになります。  ただし、裁判中継となると、プライバシーや警備の面での問題をクリアしなければなりません。裁判がテレビやネットで中継されている諸外国においてプライバシーや警備の問題がどのようにクリアされているのか、裁判所は調査、把握しているのでしょうか、お教え願います。
  94. 村田斉志

    ○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) お尋ねの点につきましては、最高裁判所におきまして必ずしも各国の状況を網羅的に把握しているわけではございませんけれども、我々の把握している限りのところで申し上げますと、口頭弁論期日などの裁判手続のテレビ放送、あるいはインターネットによる配信、これを一定の要件の下で認めている国がありまして、そういったところにおきましては、委員御指摘のプライバシー等への配慮などから、一つは法令によりまして撮影可能な範囲を裁判手続の一部に限定している例、あるいは一定の類型の犯罪に関する裁判に限定したりしている例がございます。また、撮影した審理につきまして、プライバシーに係る部分等について非公開の処理、一定の処理をした上でインターネットで録音あるいは録画を配信するといった例が、そういった工夫がされているものというふうに承知しております。
  95. 山口和之

    ○山口和之君 最高裁判所の国民審査に関して必要十分な判断材料を国民に提供するためにも、また裁判の公開をより推し進めるためにも、せめて最高裁判所の審理はテレビやネットで中継すべきと考えます。  どうすればそれが実現できるのか、裁判所の認識をお聞かせ願います。
  96. 村田斉志

    ○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) 御指摘の点につきましての、そのインターネットあるいはテレビでの中継、こういったものにつきましては、それぞれの国の法制度や審理の在り方、あるいは裁判手続を公開することについての国民の受け止め方などがそれぞれ様々、それぞれの国々の背景を有しているものというふうに考えられるところでございます。  我が国でこれを導入するかというところにつきましては、裁判の公開の在り方を始めとしまして、訴訟事件における審理の在り方全体にどういった影響が及ぶかというのを考える必要があるのと、また、当事者あるいは被害者といった方々のプライバシーや、その形での事件の公開を望まないというような心情もあるのかなというところもありまして、そういった点にも配慮する必要があるかというふうに考えております。そういう意味では、検討しなければいけない問題も多いものと認識しております。これらの諸要素を慎重に検討すべきというふうに考えているところでございます。
  97. 山口和之

    ○山口和之君 国会法五十二条一項では委員会を原則非公開と定めています。そのようなルールの下、現在では、本日の参議院法務委員会を始め衆参両院のほとんどの委員会はインターネットで中継されております。  昭和二十二年の国会法制定時に非公開にすべきと考えられた委員会でさえ中継ができていることを考えれば、昭和二十一年の憲法制定時に公開すべきと考えられた裁判に関して中継ができないはずはないと思います。生中継が難しければ録画中継でも結構ですし、また、最初は一部の裁判に限定しても結構です。是非裁判所には裁判中継の実現をお願いしたいと思います。  以上で終わります。
  98. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。  私は、裁判所職員の定員を抜本的に増員すべきだと一貫して求めてまいりました。  最高裁は、政府の定員合理化計画に協力するのだということで、二%掛ける五年、つまり一〇%、この定員削減を現に行ってまいりまして、今日取り上げますのは、資料一枚目にお配りいたしましたが、裁判所の運転手さんが一体どんな状況になっているかということなんです。少年事件を取り扱っている家庭裁判所の所在地ごとに自動車運転手さんの配置状況がどうなっているか、最高裁に資料をいただきました。  御覧のとおり、これ全国で百五十二庁あるんですが、うち半数に上る七十二庁において運転手の配置がなくなっているんですね。それはこの四年、昨年までの四年間の間に五十一人も減らしてしまっているからなんですよ。その結果、一人しかいないという庁もたくさんありますが、そこは、所長裁判官の送迎などで精いっぱいということで、今日、先ほど伊藤孝江議員から家庭裁判所調査官の家庭訪問を始めとした出張調査の重要性、専門性というお話がありましたが、それは、もう官用車はないということで公共交通機関で行かなきゃいけない。そうすると、地方ではバス停で、田んぼの中の、真ん中の、一時間以上も時間を潰さなきゃいけないと、それが現実なんですよね、今。そういう実態ありますよね、最高裁。
  99. 村田斉志

    ○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) 官用車を使えない場合において、公共交通機関を家庭裁判所調査官等が利用しているというところは御指摘のとおりでございまして、なかなか公共交通機関が不便な場所におきましては、そういった待ち時間が生じているというような実態もある程度はあろうかと思います。
  100. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 ですから、本当に家庭裁判所の機能、これは地高裁もそうですけれども、その機能を本当に果たしてもらおうと思ったら、必要な人員、予算というのは確保しなきゃいけないんですよ。  それで、家庭裁判所においては、少年を、押送と言いますけれども、運ぶということが、連れていくということがあります。非行少年が例えば逮捕をされたということであれば、身柄付きで家庭裁判所に全件送致をされてくるわけですね、在宅で審判に呼び出すということももちろんありますけれども。その際に、その少年の鑑別を行うことが必要である、鑑別措置相当だという決定をした場合には、家庭裁判所の責任において少年鑑別所に送るというのが、少年法二十六条だったと思いますが、の規定なんですね。  その仕事は、従来、家庭裁判所の運転手さんが運転する車で行っていたわけですけれども、これがどんどん減員されて、実際にはなくなるわけですから、タクシーを使うということになって、まず地方ではそのタクシーの手配をすること自体が大変というような地域だってあるわけです。逃走防止のために職員を同乗させようということになれば、大型のタクシーということが手配できない、あるいは、少年とあるいはその家族と顔見知りというようなこともあり得て、プライバシー保護、あるいは少年の心情への配慮ということを考えたときに、これ、少年事件の扱い方がこんなことでいいはずがないというのが少年法二十六条の趣旨なんじゃないですか。このタクシー利用が、これ、最高裁、好ましいと思っていらっしゃるんですか。
  101. 村田斉志

    ○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) お答え申し上げます。  少年事件における少年の護送事務につきましては、その性質あるいは各庁の実情を踏まえまして、御指摘のとおり、タクシーを利用する場合もございます。  各庁でタクシー業者と契約をした上でこれを行っているわけですが、その契約の際には、契約業者に対してもちろん守秘義務を課しまして、また、契約の履行に際しては厳格な監督を行うことでその守秘義務の履行の徹底を図るといったことで、プライバシー保護の工夫をして適切に運用されるものと認識しております。  また、逃走防止という観点を考慮をしましても、必ずしもその裁判所職員である運転手を確保しなければならないというふうには考えておらないところでございます。
  102. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 いや、その少年の様子、その移動中の。例えば何時間も掛かるというような押送だってあるようです、全国で。そうすると、その時間中の車内でのその少年の様子、あるいは同乗している裁判所職員とのやり取りとか、あるいはやり取りがないとか、あるいは困難な事案で少年が何か発語を始めるというようなことだってあり得るわけで、それは全部タクシーの運転手さん聞くわけですよ。契約上、プライバシー保護だとか守秘義務だとか課しているからといって、それでいいんですか。  これまでこうした職員のことを技能労務職員というふうに最高裁呼んでいらっしゃいますけれども、その削減は業務を効率化する、外注化するということによって裁判所の業務には支障を来さないんだと答弁され続けてきましたけれども、もうこれ限界じゃないですか。  実際、例えばこの表を御覧いただければと思いますが、東京の立川支部、これ大きな裁判所ですけど、ここでも二人しかいないんですよ。この立川支部では、今申し上げている少年の押送は五人、六人を押送することもあって、マイクロバスを使ってこられたようですけれども。あと、二人というのは五十四歳と再任用の六十一歳の方で、このまま後補充がなかったらもう押送要員が確保できなくなる。それは、全国のこの一とか二とかになっているところは全部そうなるんですよ。このまま政府の定員削減計画に協力するんだといって、行(二)職員、技能労務職員の後補充はしないということを言い続けたら、そうしたらもう近い将来そうなるでしょう。  これ、今年度で政府の定員合理化計画の今期の計画は終わります。来年度、一体どうするのか。これ絶対作っちゃならない、そんな目標を立てさせちゃいけないと私は思いますが、最高裁がこれに協力するというのはあってはならないんではありませんか。
  103. 村田斉志

    ○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) 平成三十二年度以降の政府の定員合理化計画につきましては、その内容もまだ不明でございまして、政府からの協力要請もされていないというところでございますので、現時点におきまして説明できる段階にはないというふうに考えております。  他方、国家公務員の定員をめぐる情勢の厳しさ、これは増しているという中で、引き続き裁判部の充実強化は図っていかなければいけないというところもございまして、そことの見合いも考えながら、国家の一機関として他の行政官庁と同様に事務の効率化等必要な内部努力を行っていく必要はあるかというふうに考えております。
  104. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 公務員の果たしている役割の重要性についてこそ、最高裁も政府も国民に訴えるべきです。そうやって予算確保すべきですよ。加えて、裁判部だけで裁判ができていると思ったら大きな大間違いですよ。それは裁判官のおごりです。この運転手さんたちも含めて裁判所職員が担っているからこそ公正な裁判ができるのであって、この限界をそのまま更に進めていくなんということは絶対に許されないと申し上げておきたいと思います。  続けて、そうした限界を超えた定数削減の下でお一人お一人の職員さんに掛かるストレスというのは、これは極めて重大なものがあって、長期病休九十日以上の方の数というのは、二〇一七年の八月末で九十二人だったのが、一八年の八月、一年後は百四十一人と大きく増えていて、およそ全職員の〇・六五%に当たるようです。このうち、精神行動障害の方が百七人に上ると。  私、六年前にこのテーマで質問をしたことがあるんですが、そのときも〇・六五%程度だったんですよ。つまり改善されていない。現場の感覚でいうと、もちろん復職される方もいるんだけれども、メンタルで倒れてしまう人が更に増えるという状況なんですよね。  その下で、資料二枚目に、労働安全衛生法の関係で、ストレスチェックと面接指導、それから集団分析、それを職場環境の改善のために活用するという厚生労働省の資料をお配りしましたが、このストレスチェックについて、まず最高裁、全司法労働組合に対しても、それから昨日、私に対しても、このストレスチェックの受検率については各裁判所ごとにどんなふうになっているかというのは把握していないと答弁をされました。これとんでもない話であって、受検率を個別裁判所、つまり職場ごとに把握していなければ、その集団的分析を職場の改善に生かすなんてあり得ないじゃないですか。これ、本当なんですか。
  105. 堀田眞哉

    ○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) お答え申し上げます。  裁判所ごとの受検率については、把握はしてございます。ただ、裁判所におきましても、人事院の示されている指針と同様にストレスチェックの制度を効果的なものとするために全ての職員がストレスチェックを受検することが望ましいと考えているところでございまして、こういった環境づくりにつきましては、まず裁判所全体で行う必要があると考えておりますことから、裁判所ごとの受検率よりも裁判所全体の受検率を重視して取り組んでいるところでございます。
  106. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 裁判所全体の受検率って、日本中の受検率を重視するというのは、これ、ストレスチェックと集団的分析と職場環境改善に生かすというこの方針そのものを損なうんじゃないですか。  これ、厚生労働省、この制度の趣旨、私は、労使対等で準備をして、安心してストレスチェックを受けてセルフケアを行っていくために、これ実施者、医師や保健師などに実施してもらって、かつ、集団的分析を職場改善に生かすために、衛生委員会だったり職場単位で議論するというのがこれ趣旨なんだと思うんですが、いかがですか。
  107. 椎葉茂樹

    ○政府参考人(椎葉茂樹君) ストレスチェックの制度の目的でございますけれども、労働者御自身のストレスへの気付きを促す一次予防を主な目的とするものでございます。また、委員御指摘のように、集団分析等からストレスの原因となる職場改善につなげるものという目的でございます。
  108. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 人事院にもおいでいただいていますけれども、各府省においては、九〇%以上のストレスチェック受検率という府省は幾つありますか。
  109. 柴崎澄哉

    ○政府参考人(柴崎澄哉君) 平成二十九年度におきまして職員のストレスチェックの受検率が九〇%以上となっている府省庁は、三十九府省庁のうち二十府省庁でございます。
  110. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 つまり、取組によって、私、各府省、国家公務員全体においてのストレスというかメンタルヘルス問題というのは改善がそんなに進んでいるとは僕は思わないけれども、もっと抜本的にやらなきゃいけないと思うけれども、ともかく受検率は九〇%を超えてきているわけですよ。  最高裁、受検率、幾つですか。
  111. 堀田眞哉

    ○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) 裁判所全体で平成三十年度で五五%でございます。
  112. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 受検率が五五%にとどまっているというのは、つまり、この健康安全の管理について最高裁の取組がどれだけ、ちょっと申し訳ないけど、時代遅れかということを物語っているんではありませんか。  各府省においては、健康安全管理委員会というのを職員の意見を聞くために必要な措置を講じなければならないという義務規定の必要な措置の一つとして掲げ、例えば厚生労働省なんかは労使対等の形で、オール厚労省版は使用者四人、労働者側六人、本省版では使用者側が四人で労働者側が三人という形で委員会を置いて取り組んでいるんですね。これ、最高裁もそうした取組を各裁判所ごとにやるべきじゃありませんか。
  113. 堀田眞哉

    ○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) お答え申し上げます。  人事院の方で出されております通知におきましても、職員の意見を聞くための措置としては、委員会の設置のほか職場懇談会の開催等も例示されていると承知しているところでございますが、裁判所におきましては、裁判所職員健康安全管理規程に基づきまして、各裁判所において職員が参加する健康管理懇談会等を開催いたしまして、職員の健康管理に関する意見を聞いているところでございます。その結果を職員の健康の保持増進に関する取組に活用し、その成果も上がっているものと認識しております。  このような状況からいたしますと、裁判所において健康に関する委員会を設置するよりも、今後とも健康管理懇談会の充実、改善を通じて、職員の意見を踏まえながら職員の健康管理に努めるということが重要と考えているところでございます。
  114. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 時間が来たから終わりますけれども、これまでやっていた取組では駄目なんだということが長期病休者の実態やストレスチェックの受検率によって明らかなのであって、集団分析結果を職場にちゃんと明らかにすることさえ私は多くの職場でされていないんだと思います。  最高裁がそうした態度を根本から改めるということを強く求めて、質問を終わります。
  115. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 沖縄の風、糸数慶子です。  裁判所における男女共同参画について伺います。  今年二月六日に最高裁判事を退官された鬼丸かおるさんの後任に男性が、三月十九日で退官された岡部喜代子さんの後任も男性となり、最高裁判事は九年ぶりに十五人のうち女性が僅か一人、弁護士出身の宮崎裕子さんだけとなりました。最高裁の女性判事が三人から一人に減少したという情報に正直耳を疑いました。  女性活躍は第二次安倍政権の最重要施策の一つであります。二〇一五年にはいわゆる女性活躍推進法が施行され、昨年五月には政治分野の女性活躍推進法が施行され、私たちも大いに期待したところであります。ところが、昨年十月に発足した第四次改造内閣の女性閣僚は、女性活躍や男女共同参画などを担当する片山さつき大臣ただ一人。歩調を合わせるかのように、最高裁の女性判事も僅か一人。これでは、時代錯誤、世界標準から何周も遅れていると言わざるを得ません。  安倍総理は、二〇一四年のOECD閣僚理事会の基調演説で、私も含めて男たちの存在が女性の活躍を阻んできた、だから二〇二〇年までに社会の指導的地位の三割は女性が占めるという目標を設定したと述べられましたが、もうお忘れになったのではないでしょうか。  最高裁大法廷が二〇一五年に合憲判断した夫婦別姓訴訟では、女性の裁判官三人全員を含む五人の裁判官が違憲としました。その際に、女性の裁判官が少な過ぎるという意見が相次ぎました。  しかし、今回の減少は、多くの女性たちが衝撃を持って受け止め、全国から抗議の声が上がっております。あらゆる分野における女性活躍に司法分野が入っているということは言うまでもありません。女性の権利を世界基準にしようと全国のNGOで結成された女性差別撤廃条約実現アクションは、先月十九日、総理と最高裁長官宛てに要望書を送っております。司法における男女平等の確立を図る上で不可欠な要件として、最高裁判事の任命において女性判事が少なくとも三割となるよう求めています。このような声をどのように受け止められているのでしょうか。  最高裁判事の任命権は内閣にあり、当然に、内閣は最重要施策として女性活躍を掲げ、数値目標を設定しているわけですから、その責任は内閣にありますが、下級裁判所については最高裁に指名権があるわけですから、女性割合を増やす責任は最高裁にあるわけです。  最高裁は、女性割合が一定程度必要という認識はお持ちだと思いますが、なぜ必要なのか、その理由をどういうふうに認識されているのか、お伺いいたします。
  116. 堀田眞哉

    ○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) お答え申し上げます。  下級裁判所の裁判官について申し上げますと、最高裁としては、裁判官としてふさわしい資質、能力を備えた人については、男女を問わずできる限り任官してもらい、男女共に裁判官として活躍できるようにすることが重要であると考えております。  近年、司法修習終了者に占める女性割合は二割程度であります一方で、司法修習を終了して判事補に採用された者に占める女性割合は三割前後となっており、裁判官に占める女性割合は着実に増加しております。  今後とも、裁判所における女性の活躍に努めてまいりたいと考えております。
  117. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 なぜ女性が必要なのか、分かりやすく示している新聞の記事を資料としてお配りをしております。  これは、東京新聞もございますが、性暴力の被害となる、あるいは不利益を被る側の圧倒的多数は女性です。夫婦別姓訴訟判決においては、女性判事が自分たちの体験から意見を出したこと、大変意義深かったと毎日新聞にも紹介がされております。  そのようなことを改めて申し上げまして、次の質問に入りたいと思います。  毎年お尋ねしておりますが、現在、裁判官、調査官、書記官など、裁判所の職員に占める女性の割合と管理職に占める女性の割合をお伺いいたします。
  118. 堀田眞哉

    ○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) 平成三十年十二月一日現在における裁判官に占める女性の割合は約二二・二%でございます。同じ年の七月一日現在の数字になりますが、裁判官以外の裁判所職員については、書記官が約三五・五%、家庭裁判所調査官、これは家庭裁判所調査官補も含みますけれども約五三・九%、事務官が約四二・一%でございます。  裁判官以外の裁判所職員の管理職でございますが、平成三十年七月一日現在における数字で申し上げますと、最高裁の課長相当職以上に占める女性の割合は約一三・五%、下級裁判所の課長、最高裁判所の課長補佐相当職に占める女性割合は約二七・三%、係長相当職に占める女性割合は約四四・八%でございます。
  119. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 僅かではありますが、女性の割合が増えているということについては評価をしたいと思います。ただ、国際的に見ても日本の女性割合は低く、この増加のスピードもスローであるということを指摘しておきたいと思います。  次に、家事事件の増加に伴う家庭裁判所の充実について伺います。  一昨年十二月、昨年四月の法務委員会の質疑におきまして、家事事件の増加に伴う家裁の充実について伺いました。  訴訟事件件数の中で家事事件のみが増加傾向にあり、その事件内容も複雑化、当事者やその子供の中には精神的課題を抱えた人も増えており、紛争の自律的解決としての調停合意に向けて困難な状況もあることから、専門性を持つスタッフの果たす役割が大きいと期待されている、家事事件の増加に伴い、調査官、医務室技官を増員する必要があるのではないかと伺いました。残念ながら、現有人員の有効活用によって全体として適正迅速な処理を図ることが可能であるとの答弁がありました。  その後も裁判官以外の職員は削減されております。迅速はともかく、適正な処理は行われているのでしょうか。現場から聞こえてくるのは、裁判所の人的体制、物的充実を求める声ばかりであります。  そこで、今回も裁判所、とりわけ家裁の充実について伺います。  まず、家庭裁判所の調停などには当事者出頭などが基本となり、高齢者や障害を有する方々も当事者となりますので、車椅子やつえをついて家庭裁判所に来庁することになります。この点で全国の家庭裁判所の庁舎のバリアフリー化はどの程度進んでいますか。庁舎内の案内、誘導をする職員体制は整っているのでしょうか。家事事件に関する相談体制の必要性も指摘されておりますが、家事手続の相談の人的体制は整っているのか。それぞれお答えください。
  120. 村田斉志

    ○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、家庭裁判所を含めまして裁判所には高齢者の方あるいは障害のある方も来庁されることが少なくございません。そうした方が裁判所を利用されるに当たって支障が生じないよう、適切な対応に努めております。  まず、庁舎のバリアフリー化でございますけれども、家庭裁判所を含む全ての裁判所庁舎におきましてバリアフリー化に取り組んでおりまして、例えば、まず全ての庁においてスロープの設置などによりまして敷地の外から受付に至るまでの段差の解消をし、また点字ブロックを整備したり多目的トイレを整備するといったことを行っております。  また、家庭裁判所におきましては乳幼児を連れて御来庁される方も多いというところでございますので、多くの裁判所において、トイレにベビーキープあるいはベビーシートといったものを備えております。  それから、案内、誘導についても御指摘ございました。当事者からあらかじめお申出をいただいた場合などに、その方の御意向あるいは障害の内容、程度なども踏まえて、案内、誘導を含めて必要な対応を行っているところでございます。  また、相談体制でございますけれども、家庭裁判所の手続を利用しやすいものとするために家事手続案内というものを行ってございます。この家事手続案内では、受付担当窓口に専用のブースを設けて、そこに書記官を配置するなどの方策を取ることによりまして、家庭内や親族間における問題を解決するために家庭裁判所の手続を利用できるかどうかと、そして利用できる場合にはどのような申立てをすればよいかといったことについて説明、案内をしておりまして、この案内の重要性を踏まえまして必要な人的体制を整備しているところでございます。
  121. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 昨今、家族に関わる問題について、権利擁護、利益保護を図る必要性から民法その他の法改正が行われているところで、一層、家庭裁判所の後見的役割が増えているように思います。成年後見事件等の増加に伴い家庭裁判所の業務が増えており、書記官の業務量も増大していることから、書記官の増員は不可欠です。  今国会には特別養子制度に関する民法の改正が提出予定法案となっております。特別養子制度の利用促進のため対象年齢が拡大されることになれば、家庭裁判所の事件数も増大し、家裁調査官や書記官の増員の必要性もあるかと思います。  家庭裁判所の役割に対する社会的ニーズが拡大し、一層困難、複雑な事件にも対応を迫られることと思いますが、適正に対処できるのでしょうか、改めて伺います。
  122. 村田斉志

    ○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) お答え申し上げます。  家庭裁判所では、家事事件の事件数が増加傾向にございまして、特に成年後見関係事件の申立てが増加しているという状況も踏まえまして、これまでにも、その対応を充実強化するために、事件処理にたけた判事や家事事件を担当する裁判所書記官を相当数増員するといった人的体制の整備を図ってきたところでございますが、成年後見関係事件が増加する中で、適切に監督を行い迅速に処理をしていくというためには、委員も御指摘ございましたが、裁判所書記官についても体制を強化する必要があると考えておりまして、この度は裁判所書記官十五人の増員をお願いしているというところでございます。  また、別の御指摘の、今国会に特別養子縁組制度に関する法改正が御審議されるという状況にございます。これを踏まえた人的体制の整備につきましては、今後の国会での審議の状況を踏まえまして対応を検討してまいりたいと考えておりまして、法改正がされた場合にはその制度の見直しに適切に対応できるよう、これまで増員してきました現有人員の有効活用を図りますほか、法改正の趣旨を踏まえまして必要な人的体制の整備に努めてまいりたいと考えております。
  123. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 過去の答弁で、現有人員の有効活用によって全体として適正迅速な処理を図ることが可能ということでしたが、裁判の迅速化、この合理化の追求には限界があります。裁判の迅速化、合理化によって人員削減をすべきという理屈が通らない分野であると強調してまいりました。  繰り返しになりますが、家事事件は、金銭と感情の絡む紛争であるため、紛争のポイントを見極めた上で丁寧な事案の進行を行う必要があります。当事者の納得を得た解決でなければ、事件終了後、履行が確保されません。  迅速、合理化な事件処理が紛争解決として必ずしも妥当しないと申し上げてまいりました。これまで私、再三にわたって裁判所職員の増員の必要性を、その理由を挙げ求めてまいりましたが、残念ながら、その根拠を示した納得のいく御答弁をいただけませんでした。裁判官の増員には賛成をしておりますが、その他の職員を削減するということは反対ということを申し上げてまいりました。  国民に身近な裁判所が人員不足、予算不足では、期待に応えることはできません。裁判所としてあるべき姿、あるべきビジョンを簡潔に示していただきたいと思います。
  124. 手嶋あさみ

    ○最高裁判所長官代理者(手嶋あさみ君) お答え申し上げます。  家事事件におきましても、養育費に関する紛争など迅速な解決が求められる事案もあるところでございますことから、そのような事案においては迅速、合理的な事件処理が紛争解決に資するところでもあるところでございます。  他方で、御指摘のとおり、家事事件は身近な紛争が多いことから、当事者双方が納得の上で妥当な解決をすることが重要であるというふうに認識しております。そのためには、調停委員や裁判官が当事者双方から丁寧に事情を尋ねたり意見を聞いたりして当事者の思いを酌み取ることが必要でありまして、事案によりましては期日を重ねることが必要な場合もあるというふうに思われるところでございます。  このように、家庭裁判所におきましては事案に応じた適正な審理に努めているものというふうに認識しておりますが、今後とも、家庭裁判所におきまして適切な審理、判断がされるよう、最高裁判所といたしましても必要な支援に取り組んでまいりたく存じます。
  125. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 先ほど申し上げましたが、裁判官の増員には賛成しておりますが、その他の職員を削減することには反対ということを申し上げまして、質問を終わります。  ありがとうございました。
  126. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  127. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  128. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時五分散会