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2019-04-16 第198回国会 参議院 法務委員会 7号 公式Web版

  1. 平成三十一年四月十六日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  四月十一日     辞任         補欠選任      中西  哲君     片山さつき君  四月十二日     辞任         補欠選任      青山 繁晴君     岡田 直樹君  四月十六日     辞任         補欠選任      糸数 慶子君     伊波 洋一君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         横山 信一君     理 事                 福岡 資麿君                 元榮太一郎君                 有田 芳生君                 伊藤 孝江君     委 員                 岡田 直樹君                 徳茂 雅之君                 長谷川 岳君                 丸山 和也君                 柳本 卓治君                 山谷えり子君                 小川 敏夫君                 櫻井  充君                 石井 苗子君                 山口 和之君                 仁比 聡平君                 伊波 洋一君                 糸数 慶子君    国務大臣        法務大臣     山下 貴司君    副大臣        法務副大臣    平口  洋君    大臣政務官        法務大臣政務官  門山 宏哲君    最高裁判所長官代理者        最高裁判所事務        総局刑事局長   安東  章君    事務局側        常任委員会専門        員        青木勢津子君    政府参考人        金融庁総合政策        局審議官     水口  純君        金融庁総合政策        局参事官     中村  修君        法務大臣官房司        法法制部長    小出 邦夫君        法務省刑事局長  小山 太士君        出入国在留管理        庁長官      佐々木聖子君        外務大臣官房参        事官       森野 泰成君        厚生労働大臣官        房審議官     田中 誠二君        厚生労働大臣官        房審議官     田畑 一雄君        厚生労働大臣官        房審議官     八神 敦雄君        厚生労働大臣官        房審議官     渡辺由美子君        厚生労働大臣官        房審議官     山田 雅彦君        国土交通大臣官        房建設流通政策        審議官      北村 知久君        国土交通大臣官        房技術審議官   宮武 宜史君        観光庁審議官   金井 昭彦君        防衛省地方協力        局長       中村 吉利君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○法務及び司法行政等に関する調査  (特定技能在留資格に関して政省令事項を含  む法制度の全体像に関する件) ○裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(内  閣提出、衆議院送付)     ─────────────
  2. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) ただいまから法務委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る十二日までに、中西哲君及び青山繁晴君が委員を辞任され、その補欠として片山さつき君及び岡田直樹君が選任されました。     ─────────────
  3. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、金融庁総合政策局審議官水口純君外十三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 法務及び司法行政等に関する調査のうち、特定技能在留資格に関して政省令事項を含む法制度の全体像に関する件を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 自由民主党の長谷川岳です。よろしくお願いいたします。  今回、まずは技能実習制度について伺いたいと思います。  技能実習、様々な課題がございました。特に外国人を守る制度設計を強化していくということと、もう一つは、都市部への集中を防ぐために対象業種の見直しあるいは実習計画の職場の実情に応じた柔軟化なども必要ではないかという声もございますが、まず、法務省にその考え方を伺いたいと思います。
  7. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 技能実習制度におきましては、第二号又は第三号の技能実習に移行して技能実習を続ける場合は、技能実習法施行規則に定める移行対象職種に該当する必要がありますところ、この移行対象職種の在り方等につきましては、制度の趣旨に鑑み、送出国の技能ニーズや受入れ業界の技能移転に関する考えを踏まえながら、より実態に合ったものになることが望ましいと考えております。  実習内容につきましては、平成二十九年十一月施行の技能実習法の下、複数の技能等を有する者を養成するとのニーズに応えるため、複数職種の技能実習を可能にしたところです。今後も、引き続き人材育成に関する現場の声を運用に反映するための努力を行う必要があると考えております。  この点、本年三月十九日に、制度を共管いたします厚生労働省において、厚生労働大臣政務官を主査とする技能実習の職種のあり方に関する検討チームが設置をされ、より実効的な技能実習が可能となるよう検討が開始されたところであり、出入国在留管理庁としても、その構成員として検討に加わっているところでございます。
  8. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 今日は厚生労働省にも出席をいただいておりますので伺いますが、特に、技能実習制度、農業法人等の六次産業化に対応した制度になっているかどうか、あるいは季節性の高い地域においての労働対応できているかどうか、あるいは、離島に行きますと、海洋土木一つにしてほしいといった声も多く聞かれます。そういった、繰り返し言うようですけれども、都市部の集中を防ぐために、地域の実情に応じた対応というものを更に厚生労働省にも伺いたいと思います。
  9. 山田雅彦

    ○政府参考人(山田雅彦君) 技能実習制度に関しては、現場で一人の労働者が幾つかの作業を行っているけれども技能実習は作業単位の実施となっている、それから、今先生が御指摘されたような御意見、そういった声が聞かれているところであります。  先ほど佐々木長官の方から御説明ありましたとおり、三月十九日から、自民党の法務部会の決議を受けて、上野厚生労働大臣政務官を主査とする技能実習の職種のあり方に関する検討チームを設置いたしまして、そういった様々な現場の声を踏まえてより実効的な技能実習が可能となるように、技能実習計画の内容について、業界団体、地域等からの要望を聴取しているところであります。  今後、検討チームとして論点と対応の方向性を整理した上で、関係者等の御意見も伺いながら取りまとめを行ってまいる所存です。
  10. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 しっかり実情、地域の声を聞いていただくようにお願い申し上げたいと思います。  それでは、入管法に関してですが、入管法は、大きく人の出入りと、もう一つはやはり今日はお金の出入りというものが大きく課題になると思います。ですから、今日は大きくその二つを中心に伺いたいと思います。  まず、入管法でございますが、本年三月までに特定技能、九か国との間で二か国間の取決めの作成を目指すとされておりましたが、現在の状況について伺いたいと思います。
  11. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 本日までに、外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策で示されました今御指摘の九か国のうち、四か国との間で協力覚書の署名、交換を行うに至りました。具体的には、三月十九日にはフィリピン、同月二十五日にはカンボジアとネパール、同月二十八日にはミャンマーとそれぞれ協力覚書の署名、交換を行いました。  法務省といたしましては、引き続き、残りの国についてもできるだけ早く覚書を作成することができるよう関係省庁とともに取り組んでいるところでございまして、ベトナムとモンゴルとの間では内容について実質合意に至っており、モンゴルについては近日中に署名に至る予定でございます。
  12. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 特定技能に係る試験の実施状況について伺いたいと思います。
  13. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 特定技能制度の一部の分野におきましては、既に技能試験及び日本語試験が実施されております。具体的には、介護分野の技能試験及び日本語試験について、いずれもフィリピンで四月十三日、十四日に実施済みでありまして、宿泊分野の技能試験についても四月十四日に国内で実施済みです。また、外食業分野の技能試験については、四月中に国内二か所で実施予定です。  ほかの分野の技能試験につきましても年度内の試験実施を検討中でございまして、準備が整い次第、速やかに試験を実施していく予定と承知をしております。
  14. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 特定技能制度では転職が認められているために、転職により地方圏から大都市圏に外国人材が移住し、地方の人手不足が深刻化することを防ぐための措置に対してどのように対応するのか、伺いたいと思います。
  15. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) この制度の運用に当たりまして、御指摘の大都市圏への集中を防ぐ対策が重要であると認識をしております。そのためには、まず、地方において、生活しづらいので地方から大都市に移動するということを防ぐために、外国人の受入れ体制の整備が重要でございます。  昨年末に関係閣僚会議で了承されました総合的対応策におきましても、暮らしやすい地域社会づくりのための施策としまして、地方公共団体を対象に、一元的相談窓口の整備の支援、特定技能外国人の受入れ支援等の先導的な取組に対する地方創生推進交付金による支援なども盛り込まれております。  この状況でございますが、一元的相談窓口に係る外国人受入環境整備交付金につきましては、一次募集で六十八の自治体から申請があり、現在二次募集中です。また、地方創生推進交付金につきましては、本年四月に第一回の交付決定が行われたと承知をしておりまして、その優良事例としてポータルサイトで紹介することが予定をされています。  また、外国人に地方で就労することの魅力を感じていただくということも必要でございまして、大都市に比べて家賃や生活費が掛からないことなど地方で就労するメリットや、外国人を地方で定着させるためのノウハウの周知などの取組を行ってまいります。  さらに、法務省において、分野別、地域別の受入れ数を把握し定期的に公表することを予定しておりまして、各分野の所管省庁が設置し、受入れ機関が参加する分野別の協議会において、この状況を踏まえ、地域ごとに偏りのない受入れに向けた取組が行われることが期待できるものでございます。
  16. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 外国人の方々が日本で生活するに当たって、在留手続、雇用、医療、福祉、出産、子育て、子供の関係など、様々な事柄について疑問や悩みを持つことになります。そうした場合に、適切な情報、相談場所に迅速に到達することができるように一元的相談窓口を全国の地方公共団体に設置することを国が支援することが総合的対応策に盛り込まれました。  この取組を進めるための外国人受入環境整備交付金の申請件数、現在の、その決定結果について伺いたいと思います。
  17. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 交付金の対象となる地方公共団体、全国で百十一団体でありましたところ、整備費につきまして三十七団体、運営費につきまして六十二団体から申請があり、この整備費又は運営費のいずれか、あるいは双方について申請されたのが六十八団体であります。  これらの地方公共団体からの申請につきましては全て交付決定を行っておりまして、交付の決定を受けた地方公共団体におきまして、その交付金を活用して、既に相談窓口に、環境整備に取り組んでおられると承知をしております。  この地方公共団体が相談窓口を整備するに当たりまして、整備計画を策定をしたり、あるいは受け取ることとなる交付金を予算に計上して議会の承認を得るなど所要の手続を行う必要があると承知をしておりまして、そのような事情から一次募集の申請期間中に申請に至らなかった団体もあると承知をしておりまして、こうした団体にも交付金を活用していただけますよう、整備費及び運営費につきまして、本年の四月一日から六月二十八日まで相当の期間を置きましてそれぞれ二次募集を行っております。
  18. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 受入れの環境整備交付金の二次募集を行っていますけれども、二次募集までに対象とならなかった市町村というのがあるんですね。  例えば、これ大臣に伺いますが、G20の観光大臣会議が行われる倶知安町、これ外国人比率が一一・九%です。それから、占冠村、ここは千五百二十八人という、村全体は、それ自体が千五百人の町ですが、四百十四人なんですね、外国人割合が二七%。それから、ニセコも九・五%と非常に高い数値出しておりまして、そういった比較的規模の小さい、しかし外国人比率の極めて高い市町村というのが今回二次募集の対象となっていないという状況でありまして、是非この点は、三次募集を行う際において、仮に行う際には、是非こういった要件の緩和も含めて、やはり市町村の対応ができるような環境をつくっていただきたい、そのように思いますが、大臣、是非お願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
  19. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) まず、前提として、二次募集の現状を御紹介いたしますと、そもそもの交付金の対象となる地方公共団体は都道府県、指定都市のほか外国人が集住する市町村としており、外国人が集住する市町村については一定の外国人住民数の基準を設けておりまして、交付対象団体というのが百十一団体となっております。  そして、交付金の二次募集においては、現在、現時点で整備費について約五十の団体、運営費について約二十の団体が二次募集において申請の意向を有しているということでございまして、これから審査を行いますが、仮にこれらの団体についても交付が決定されるということになりますと、一次、二次合わせて、整備費においては約九十、運営費においても約八十超の団体に交付されるということになりまして、順次地方公共団体において一元的相談窓口が整備されるものと承知はしております。  他方、この交付金について、現在その対象となっていない地方公共団体について、先ほど長谷川委員も御指摘ありましたように、対象基準の在り方も含めてしっかり検討しなければならないということで、現在意向調査を行っているところでございます。  今後、二次募集の申請状況や地方公共団体に対する意向調査結果、あるいは地方公共団体における一元的相談窓口の設置状況、あるいは近隣の地方公共団体にもしっかりと活用していただくであるとか、あるいは地方創生推進交付金の活用をされている自治体も基準に当たらないところもあると聞いております。そういったことも踏まえながら、交付対象とする地方公共団体の基準については、御指摘も踏まえてしっかり検討してまいりたいと考えております。
  20. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 小さい自治体こそ皆総力を挙げて外国人受入れを頑張ろうとしておりますので、仮に三次募集を行う際には、そういった要件について是非検討をお願いしたいというふうに思います。  それでは、続いて、法務省のポータルサイトでありますけれども、生活・就労ガイドブックを掲載しているようでありますけれども、記載が難しい箇所も見られます。外国人の方に日本のルール、習慣を理解してもらうことが目的だと思いますが、ちょっと詳し過ぎる記述、難しい表現では伝わらないというふうに思います。  外国人の方にも分かりやすい易しい日本語で対応する必要があると思われますが、伺いたいと思います。
  21. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 今御指摘のように、生活・就労ガイドブックについての内容をもっと分かりやすくするべきとの御指摘は真摯に受け止めさせていただきます。  法務省としましては、易しい日本語への変換につきまして、専門家に相談をしながら速やかに対応を進めてまいります。
  22. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 大卒者等、特定活動として就労を認める新たな資格について、いつからどういった人を対象にどういった条件で認めるのか、検討状況について伺いたいと思います。
  23. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 留学生の方は、我が国の教育機関における教育を通じて高度な専門性や日本語能力を有し、加えて、地域住民等と交流することにより我が国を深く理解してくださる貴重な人材です。  留学生の就職支援につきましては、日本再興戦略二〇一六や、昨年末の外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策においても取り上げられているものでございます。  これらを踏まえまして、本邦の大学や大学院を卒業した留学生について、日本語能力試験N1レベル等の高い日本語能力を有すること、日本人と同等額以上の報酬を受けることなど一定の条件の下で、その就労できる業務内容を現行のものよりも幅広く認めることとし、特定活動の在留資格に係る告示についてのパブリックコメント手続を終了したところでございます。  出入国在留管理庁としましては、パブリックコメントに寄せられた御意見も参考として、本制度を本年五月末には実施できるよう、鋭意準備を進めてまいります。
  24. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 中小企業に就職する外国人留学生の在留資格変更手続を簡略化したということでありますけれども、事実関係を伺いたいと思います。
  25. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 中小企業に就職する外国人留学生の在留資格変更手続の簡略化につきましては、これも、昨年六月のいわゆる骨太の方針や、昨年十二月の総合的対応策等において、手続負担の軽減等により在留資格変更の円滑化を行うこととされていたものでございます。  留学生が国内の企業に就職をする際、在留資格変更手続で受入れ企業に関する資料を提出する必要がございますが、中小企業は大企業よりもその資料提出の負担が大きいとの声がありました。  そこで、雇用管理の優良な中小企業を厚生労働大臣が認定する制度を利用して、当該中小企業に就職する留学生の在留資格変更手続においては大企業と同様の提出書類の簡素化を図ることとし、本年三月から実施をしております。
  26. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 高度人材ポイント制の特別加算の対象大学の拡大について、事実関係を伺いたいと思います。
  27. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) これは、昨年六月に閣議決定をされましたまち・ひと・しごと創生基本方針二〇一八等におきまして、地方における外国人材の活用を図るため、日本の大学等を卒業した外国人がその専門能力を十分に発揮できるよう、高度人材ポイント制におけるポイントを特別に加算する大学を拡大するなどの見直しを行うこととされていたものです。  本年三月、法務省告示の改正を行いまして、特別加算の対象となる国内の大学を十三校から百校以上に拡大をしました。この見直しによりまして、我が国で留学を終了した優秀な外国人の国内就職と定着を促す効果が期待できると考えております。
  28. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 今年七月から在留資格手続のオンライン化が始まると聞いておりますが、これを利用するとどのようなメリットがあるか、伺いたいと思います。
  29. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 御指摘のとおり、本年七月から、外国人を適正に雇用しているなど一定の要件を満たす所属機関の職員の方等が、外国人からの依頼に基づき、在留期間更新許可申請等の手続をオンラインで行うことができるようになります。オンラインで手続を行っていただくことで、申請のために地方出入国在留管理局の窓口にお越しいただくことなく、会社等のパソコンから二十四時間三百六十五日利用が可能となるものでございます。  今後とも、出入国在留管理庁では、窓口混雑の緩和や利便性向上に取り組んでまいります。
  30. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 四月から出入国在留管理庁になりましたが、特にこの出入国在留管理庁における円滑な出入国審査と厳格な出入国管理に向けた取組について、改めて長官に伺いたいというふうに思います。
  31. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) まず、円滑な出入国審査の取組でございますけれども、入国審査官の機動的な配置や上陸審査場案内の充実、自動化ゲートの運用等を行ってきたところです。  また、入国審査のためのバイオカートにつきまして、現在、合計十七空港で運用を行っているところでございまして、今年度は、羽田空港、博多港、それから対馬の比田勝港に新たに配備する予定です。  さらに、日本人の出帰国手続のための顔認証ゲートにつきましては、既に羽田、成田、中部、関西、そして福岡空港の上陸と出国の両審査場に導入をしておりますが、今年度中には、観光等の目的で入国した外国人の方の出国手続にも顔認証ゲートを利用できるよう所要の準備を行っています。この顔認証ゲートにつきましては、新たに新千歳空港及び那覇空港にも配備をする予定でございます。  同時に、厳格な出入国管理のための取組といたしまして、顔画像や指紋といった個人識別情報を活用した厳格な入国審査を行っております。また、航空会社に対してPNRという乗客予約記録の報告を求めまして、出入国管理インテリジェンス・センターにおいてその情報を分析することにより、不審者を発見する手法の活用等を行っています。さらには、上陸審査時に外国人から提供を受ける顔写真と関係機関から提供を受けたテロリスト等の顔写真との照合を実施するなどしています。  昨年、訪日外国人旅行者数が三千万人を突破し、過去最高を記録したことに加えまして、本年はG20サミットやラグビーワールドカップが開催されることなどを踏まえ、引き続き、円滑な出入国審査と厳格な出入国管理、高度な次元で両立させることができるよう努めてまいります。
  32. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 今、法務省において出入国管理基本計画が策定されているところ、今般新たに出入国在留管理基本計画を策定すると承知しておりますが、その理由について伺いたいというふうに思います。
  33. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 昨年十二月に成立しました入管法等改正法によりまして、法務省が出入国に加えて外国人の在留の公正な管理を図る任務を負うことが明記され、この基本計画の名称も出入国管理基本計画から出入国在留管理基本計画に改称をされました。  また、外国人材の受入れ環境整備のため、法務省が内閣官房とともに総合調整機能を果たすこととなり、この新たな任務の遂行に係る基本方針を明らかにする必要があります。加えまして、出入国在留管理庁の設置等、出入国在留管理行政を遂行する体制が強化されたことを踏まえまして、主要な課題と対応方針について整理する必要がございますことから、新たに出入国在留管理基本計画を策定することとしているものでございます。
  34. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 特定技能の在留資格の外国人、やはり確実に適正な報酬を得ることをどのように確保するかというのが課題でありますが、考え方を伺いたいというふうに思います。
  35. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 特定技能外国人に対する確実かつ適正な報酬の支払を確保するため、この特定技能雇用契約の基準といたしまして、特定技能外国人の報酬を当該外国人の同意を得て預貯金口座に振り込む方法とするか、あるいは口座振り込み以外の方法により報酬の支払をする場合には、その支払事実を裏付ける客観的な資料を提出し、出入国在留管理庁長官の確認を受けることを要するとしております。  その上で、特定技能外国人の受入れ後、受入れ機関は四半期ごとに出入国在留管理庁長官に対して報酬の支払状況に係る届出を行うことが義務付けられておりまして、その際の提出書類といたしまして、賃金台帳の写しのほか、支払方法が口座振り込みの場合は当該振り込みの明細書の提出を求め、それ以外の方法の場合は、特定技能外国人の給与明細の写し及び報酬支払証明書の提出を求めることにより、支払われるべき報酬額を確認するのみならず、実際の支払状況についても確認することとしております。
  36. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 特定技能においての適正な報酬を得る様々な施策を打っていただきましたが、技能実習生にも反映していただくように努力をいただきたいというふうに思います。  それでは、皆様にも今日は資料を一枚配らせていただいておりますが、人の出入りとやはりお金の出入りという部分でいうと、外国人が利用する基礎的な金融サービス、これは金融庁さんに作っていただきまして、様々な形での課題について伺いたいというふうに思います。  外国人が我が国で生活していくに当たって、預貯金口座の開設、送金、様々な場面においてお金の出し入れが発生いたします。大きく分けてポイントは、入国時における手続、お金の出入り、それから日本の滞在中、それから帰国時と、大きくこの三段階において課題が生じると思われます。  また、利便性を向上させる一方で、マネーロンダリング、いわゆる資金洗浄や地下銀行の金融犯罪、不正取引をどう防ぐかというのも重要でありますが、そこで、外国人の受入れ、共生に関する金融機関の関連施策について伺いたいというふうに思います。  まず、入国の対応事項についてお尋ねしたいと思います。  まず、やはり何といっても、日本語におけるコミュニケーションが難しい外国人への対応というのがあると思いますが、本人確認、口座開設に必要な手続、書類等の明確化及び周知、特にこの周知はどのようにいたすのか、伺いたいと思います。
  37. 中村修

    ○政府参考人(中村修君) お答えいたします。  今後、外国人材の受入れが進展していくことを踏まえまして、金融庁としては、金融機関の多言語対応がまず重要となるというふうに考えておりまして、例えば、絵や記号で指さししながら意思疎通を図るコミュニケーションボード、翻訳アプリ、それから通訳サービスなど、様々なツールを活用して日本語が得意でない外国人とのコミュニケーションに努めていただきたいと考えておりまして、多言語対応を更に充実させるよう、本年一月三十一日に全国銀行協会宛てに要請文を発出しておりまして、これを受けまして、各業界団体の方から会員銀行等に対して通達が発出されております。  加えまして、受入れ企業の口座開設支援というものが重要となりますことから、当庁におきまして、外国人の受入れ関係者向けのパンフレットというものを作成しております。この中で、外国人を受け入れた企業や学校が会話や手続等をサポートするようお願いしておるところでございます。  また、今後、このパンフレットに加えまして、分かりやすい日本語という御指摘ありました、外国人向けに平易に書かれたパンフレットというものも多言語で作成し、配布することを考えております。このパンフレットの中には、御指摘ありました本人確認など口座開設に必要な手続、書類の明確化、周知についても記載されておりまして、これによって外国人が円滑に手続できますよう受入れ関係者に周知していきたいというふうに思っております。
  38. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 回りますと、金融機関の支店あるいは担当者ごとの外国人顧客対応のばらつきを感じますが、どのように対応しておりますか。
  39. 中村修

    ○政府参考人(中村修君) お答えいたします。  各金融機関における外国人顧客への対応に支店や担当者ごとのばらつきが生じないようにするために、金融機関にガイドラインですとか規定等を整備するよう一月三十一日に要請しているところでございます。金融庁としまして、その後、フォローアップしておりまして、四月九日時点では、ガイドラインや規定等を整備済み又は整備予定と回答した金融機関、全体で八七%でございました。  このように、一部の金融機関におきましては、まだこのガイドラインですとか規定の整備とか、対応がまだ検討中又は未着手というところがございます。これにつきましては、引き続きしっかりと対応を促してまいりたいというふうに考えております。
  40. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 入国直後で銀行口座開設時において電話番号を持たない外国人の方がいらっしゃると思いますが、それどう対応されますか。
  41. 中村修

    ○政府参考人(中村修君) お答えします。  入国後間もないということで、自宅の電話、携帯電話の契約ができていない外国人に対しまして、現状も多くの銀行では職場、学校等の電話番号の記載ですとか、口座開設後に電話番号を届けてくれということで対応するなど柔軟な対応は取られているというふうには承知しておりますけれども、今後外国人の受入れが進展していくということを踏まえまして、本年一月三十一日に、このような電話番号を持たない外国人に対して配慮して柔軟な対応を行っていくよう要請しておるところでございまして、これにつきましても、金融機関における取組状況をしっかりとフォローアップしてまいりたいと思っております。
  42. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 次は、滞在中について伺いますが、手続、住所変更、カード紛失時など、明確化しなければなりませんが、それはどう対応をしていきますか。
  43. 中村修

    ○政府参考人(中村修君) お答えいたします。  先ほど御答弁申し上げました金融庁において作成しました受入れ関係者向けのパンフレット、これにつきましては、既に四月十二日に当庁のウエブサイトにおいて掲載しておりますが、この中におきまして、住所変更ですとか在留期限、在留資格などが変わったとき、それから退職ですとか退学、あるいは転職などをしたときには金融機関に対して届け出る必要があること、あるいは通帳やキャッシュカードとかをなくした場合にも金融機関に届け出る必要があること、それから、受入先のサポートというものもこちらの手続面においても重要でございますので、受入先に外国人に対して必要なサポートをすること、こういったものをパンフレットの中に記載しております。  外国人が円滑にこうした手続をできるよう関係者に周知しておりまして、これについてしっかりと対応していきたいというふうに考えております。
  44. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 海外への送金手段、それから手数料についてどのように対応されているか、伺いたいと思います。
  45. 中村修

    ○政府参考人(中村修君) お答えいたします。  外国人が海外送金する際には、銀行ですとか金融庁の登録を受けました資金移動業者を利用することができます。銀行を用いた場合は世界各国に送金できる一方、資金移動業者を用いた場合には、送金対象国は限定されますものの、比較的安価な手数料で海外送金ができるというふうに考えております。  当庁としましては、四月十二日にウエブサイトで公表しました受入れ関係者向けのパンフレットにおきまして、こうした海外送金手段がありますよということを周知を図っております。また、金融庁の登録を受けた資金移動業者の一覧をそこのパンフレットに記載しまして、違法な無登録な資金移動業者を利用しないよう注意喚起を行っております。  また、外国人を含めまして海外送金における利便性向上を図る観点から、各金融機関の経営陣に対しまして、顧客の更なる利便性向上に向けた創意工夫ある送金サービスの提供を促していきたいというふうに考えております。
  46. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 その件について伺いますが、この資金移動業者、基本的に事前の利用登録がされているというところでございますが、ここはやはりしっかりと明確に、より明確にする必要があるというふうに思いますし、国内の送金、海外送金等の管理はどう対応するのか、更に伺いたいというふうに思います。
  47. 水口純

    ○政府参考人(水口純君) お答え申し上げます。  資金移動業者におきましては、金融庁のマネロンのガイドラインを踏まえまして、国内送金、海外送金のリスクを特定、評価し、本人確認や送金目的の確認を徹底するなど、いわゆる評価に応じた低減措置というのを講ずる必要がございます。例えば、現金持込みの送金などのリスクの高い取引に関しましては、例えば資金源を把握できるような追加的な情報を入手したり等々、取扱いを厳格化したり、若しくは取引のモニタリングを強化するといったリスクに応じた対応が必要となります。  金融庁におきましては、海外送金件数の多い事業者を含めて、昨年七月以降、オンサイトの検証を六社、ヒアリングの検証を十四社実施してございますけれども、今後とも、マネロン対策の定期的な調査結果といったものも勘案しながら、引き続き、検査を含めたモニタリング等を通じて更なる強化を促していきたいというふうに考えてございます。
  48. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 帰国時の対応について、それでは伺いたいというふうに思います。  帰国時には口座や利用登録を解約すべきでありますが、口座解約の要請についてどのように対応するのか、伺いたいというふうに思います。
  49. 水口純

    ○政府参考人(水口純君) お答えいたします。  今、口座解約の要請のお話がございましたけれども、金融機関におきましては、金融庁のガイドライン等も踏まえまして、まず、その外国人に対する継続的な顧客管理ということで、口座開設時の在留期間の確認、在留期間中の取引モニタリング、さらに、先生の御指摘ございました帰国時における口座解約を徹底する必要がございます。  帰国時における口座解約につきましては、まず、金融庁におきまして、昨年十二月にマネロン等対策の取組事例集というものを金融機関に周知いたしましたほか、本年四月に当庁のウエブサイトに掲載したいわゆる外国人の受入れ関係者向けのパンフレットやこれまでの金融機関のモニタリング等を通じて、在留期間の管理というものを徹底するように促してきたところでございます。さらに、全国銀行協会の方でも、金融庁と連携しながら、本年三月に、外国人のマネロン対策のいわゆる留意点というものを取りまとめて金融機関に周知したというふうに承知してございます。  今後、金融庁では外国人向けパンフレットというものを作成してまいりますけれども、その際にも、帰国時の口座解約というものを周知するとともに、引き続き、金融機関に対しては、在留期間の管理を徹底するようしっかりと促していきたいと考えてございます。
  50. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 特に帰国時の口座の売買等があるというふうに聞いておりますので、この口座解約しなければならない取組の周知、広報について更に伺いたいというふうに思います。
  51. 中村修

    ○政府参考人(中村修君) お答えいたします。  外国人の受入れ、共生に関する金融関連の様々な施策につきましては、利便性の問題、それからマネロン対策、金融犯罪の問題、それらも含めまして外国人に対して広く周知できるよう、先ほど来説明してきております外国人の受入れ関係者向けのパンフレットですとか、これから作成いたします外国人向けに平易に書かれたパンフレットでしっかりと周知を図るようにしていきたいと思います。  現状、受入れ関係者向けのパンフレットをウエブサイトに掲載しておるところでございますけれども、今後、製本版も作成いたしまして、金融機関を通じて、外国人を受け入れる企業ですとか学校ですとか、それから自治体の窓口、それから登録支援機関など、外国人の受入れに関わる機関にも配布していくということで、しっかりと周知を図っていきたいと思っております。
  52. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 銀行協会にだけ頼らずに、これ、地方自治体、それから受入れ機関、登録支援機関というふうに二重三重に重なるように、情報が重なるように徹底していただきたいですが、さらに、金融庁にそこの確認だけさせていただけますか。
  53. 中村修

    ○政府参考人(中村修君) お答えいたします。  まさに先生おっしゃるとおりでございまして、金融機関のルートだけでなく、受け入れる企業、それから登録支援機関、自治体、様々な関係者と連携を取りつつ、この問題について周知が図られるよう取り組んでまいりたいと思います。
  54. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 最後の質問でございますが、地下銀行と金融犯罪にはどのように対応していくか、そこは非常に重要でございますので、しっかりとお答えをいただきたいと思います。
  55. 中村修

    ○政府参考人(中村修君) お答えいたします。  外国人材の受入れが拡大する中で、金融庁としても、外国人が金融犯罪に巻き込まれたり又は関与することのないようしっかりと対策を講じていく必要があると考えております。  具体的には、金融庁におきまして、先ほど来御答弁申し上げているパンフレットなどで、地下銀行利用の問題点ですとか、口座売買が犯罪であることなど金融犯罪を防止するための注意喚起、それから情報提供などを行っていきます。  それから、金融機関において、窓口等で気付きを得た犯罪の端緒、これを速やかに報告するなど、警察当局との連携を徹底したり、もちろん、金融庁に入ってきました、様々な形で得ました銀行口座の不正利用の情報などを警察当局に速やかに提供するなど対応策を現在も取っておりますが、これからもしっかりと対応していきたいと思います。  引き続き、警察庁とも定期的な情報共有、意見交換を行いながら、金融犯罪への対策をしっかりと進めてまいりたいと思っております。
  56. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 大臣、最後に一言お願いします。  金融庁と、人の出入り、お金の出入り、連携を是非取っていただきたいというふうに思いますが、一言お願いします。
  57. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 外国人が利用する基礎的な金融サービス、これは稼働状況の把握もそれで相当できることでございます。そういったことも含めて、外国人材が安心して住めるように、また不正なことには利用されないようにということは、金融庁を始め関係省庁と共同してしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
  58. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 終わります。ありがとうございました。
  59. 有田芳生

    ○有田芳生君 おはようございます。立憲民主党の有田芳生です。  新しい制度が四月一日から施行されましたけれども、非常に拙速だと言わざるを得ません。去年の後半の国会で、技能実習生の多くの問題が初めて社会問題となりました。技能実習生の労働条件、労働環境、そして失踪、そして死亡事案などなど、どうしてこういうことになるのかということが問題になって、それに対して政務官を中心にプロジェクトチームができて、そしてその結果が出されたのが三月の末。  本当にこの総括でいいんだろうかということはこれから議論していかなければなりませんし、今日の資料配付を拝見しますと、仁比委員がそこの点は質問されるように思いますけれども、そういう技能実習制度のきちんとした総括なしに新しい制度への移行というのは、全然違う次元だとおっしゃるんでしょうけれども、やはり問題抱えているというふうに言わざるを得ないんですよ。  どんな正しいと見える理論とか制度にしたって、はるかに現実の方が複雑ですから、そこからこぼれ落ちていく問題が出てくる。それはもうやむを得ない。言ってみれば、制度や理論にしたって仮説だと思うんですよね。だけど、非常に豊かな現実の中から問題点が発見されれば、それをいち早く是正をしていくようなプロセス、それが今あるかどうかというのが問われているんだというふうに思うんです。そういう視点から質問をしたいというふうに思います。何しろ、問題を抱えているにしても、もう制度がもう始まっているわけだから、そこに何か課題があれば、それを克服、前に向けるような、そういう立場で質問しなければならないというふうに思っております。  いろんなことを聞きたいんですけれども、介護に主に絞っていきたいのは、やはり、宿泊にしても外食にしても農業にしても、あるいは建築にしても、本当に大切な労働だというふうに思いますが、何よりも、介護というのは人間を相手にするわけですから、そこで問題が生じてくれば、あえて言えば命にも関わってくるような課題だというふうに思いますので、まず厚生労働省に伺いたいんですけれども、十四業種の中で介護職は五年間で六万人これから受け入れるという方針ですよね。一番多いですよね。それはどういう根拠で六万人という数字が出たんでしょうか。端的にお答えください。
  60. 八神敦雄

    ○政府参考人(八神敦雄君) お答え申し上げます。  介護分野の受入れ見込み数につきましては、向こう五年間で三十万人程度の人手不足が見込まれると。こういった中で、介護ロボット、ICTの活用等による五年間で一%程度、二万人程度の生産性向上、それから、処遇改善ですとか高齢者、女性の就業促進等により追加的に二十二から二十三万人の国内人材の確保、こういったことを行いましてもなお不足をすると見込まれる五万人から六万人、これを五年間で受け入れるという形で試算をしたものでございます。
  61. 有田芳生

    ○有田芳生君 各種報道でも出ておりますけれども、十三日、十四日にフィリピンのマニラですか、初めて試験が行われたということですけれども、その詳細を教えていただけますか。何人の応募があって実際には何人が受験をされて、あるいは、もし分かればその受験された方々の感想、そして、これからほかの国、例えばベトナムであるとか、そういうところでも試験を準備されているのか、そういうところについて教えていただけますか。あるいは、更に加えれば、日本でもそういう試験は準備されているんでしょうか。
  62. 八神敦雄

    ○政府参考人(八神敦雄君) お答え申し上げます。  まず、介護分野におきましては、今委員から御指摘ございました四月の十三日、十四日のこの二日間にわたりまして、フィリピンのマニラにおきまして、介護技能評価試験、それから介護日本語評価試験を実施をしたところでございます。介護技能評価試験と介護技能日本語試験につきましては、どちらも百二十五名の受験の申込みがございました。試験を実際に受けたのは百十三名、受験率は九〇・四%といったところでございます。試験を受けた方の感想というところまではちょっと把握はしてございません。  そのほかの国につきましても、今試験ができるようにということで準備をしています。また、国内につきましても検討をしているというところでございます。
  63. 有田芳生

    ○有田芳生君 なぜフィリピンから始まったんでしょうか。あるいは、ほかの国でも準備されていると今おっしゃいましたけれども、具体的にはどういう国なんでしょうか。
  64. 八神敦雄

    ○政府参考人(八神敦雄君) ほかの国とは今いろいろと交渉、協議をしているところでございますが、技能実習移行というのが介護の場合は見込めないということでございますので、試験で、こういった形で応募を見込めるところから実施をしているというところでございます。
  65. 有田芳生

    ○有田芳生君 質問は、繰り返しますけれども、フィリピンで十三日、十四日に行われて、ほかの国でも準備をされていると二度おっしゃったけれども、じゃ、どこの国ですかという質問なんです。
  66. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  67. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 速記を起こしてください。
  68. 八神敦雄

    ○政府参考人(八神敦雄君) 失礼いたしました。  フィリピンを含めまして九か国を念頭に置いてございます。ほかの国につきましては、今、進められるように準備をしているというところでございます。
  69. 有田芳生

    有田芳生君 三回目か四回目の質問ですけれども、ほかの国とおっしゃったから、具体的に、フィリピン以外には、ベトナムが入るんですか、インドネシアが入るんですか、九か国と言うならばどこの国なんですかということをお聞きしているんです。
  70. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  71. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 速記を起こしてください。
  72. 八神敦雄

    政府参考人(八神敦雄君) 失礼をいたしました。  ほかの国を申し上げますと、九か国申し上げますと、ベトナムフィリピンカンボジア中国インドネシア、タイ、ミャンマーネパールモンゴルの九か国を念頭に置いてございます。
  73. 有田芳生

    有田芳生君 専門家である審議官ともあろう方がそういう基本的な方向性さえ分かっていないというところにも、やはりこの制度が余りにも拙速であって、現場の方々、法務省も含めて、厚労省も含めて、こういう設計をするのは非常に急がれたので大変だというふうには思うんですけれども、これからもきちんとした対応をしていただきたいというふうに思います。  それで、何よりも、先ほども言いましたけれども、介護が一番大事だというのは、ほかの分野だって大事なんだけれども、直接人間に関わることですから、やはりしっかりとした人間関係の中で介護職で受け入れる体制をつくっていかなければいけないと思うんですよね。  例えば、介護だったら、これは日本人でもそうなんですけれども、おじいちゃん、おばあちゃんに対して御飯食べましたかと聞いたって、もう認知症が進んでいる方なんかは、ああ、食べましたよという人もいれば、食べていないのに食べましたよというようなことは、単に言葉だけではなくて、全人間存在としての対応の中で理解を、認識をしていく非常に複雑なプロセスだというふうに思うんですよね。  さっきフィリピンで試験されたことは伺いましたけれども、皆さんに資料をお配りしておりますけれども、介護日本語評価試験例題、幾つかあるんですけれども、二つ御紹介をしておきました。  例題の一は、タンさん、この箱を更衣室に持っていってください、それが一、二、三、四と質問があって、着替えをするところ、会議をするところ、食事をするところ、運動をするところ。例題二は、加藤さんは車椅子を使っています、車椅子というのは何だというので、一、食べるために使う道具などなど、四つ問題が出ているわけですよね。こういうことは、もう基本基本というのか、前提だと思うんですよ。  これは、千葉県の方の特別養護老人ホーム施設長のお話ですけれども、この介護日本語評価試験の例題を見て、まるでミニテストだ、これに合格したからといって即戦力として働いてもらうのは不安だと、そういう声がある。これは千葉だけではなくて、この評価試験のサンプル問題見た方々は、やはりこんなことで介護というのはできるのという不安と疑問を持っていらっしゃるんですけれども、こういう対応、認識で大丈夫なんですか。
  74. 八神敦雄

    ○政府参考人(八神敦雄君) お答え申し上げます。  まず、対人サービスであります介護分野につきましては、介護現場での就労に当たりまして、日本語によるコミュニケーション能力の向上を図るということは重要でございます。利用者の心身の状況に関する言葉、あるいは利用者の介助に関する言葉など、介護固有の日本語に関する理解といったものも求められると考えてございます。  このため、介護分野の特定技能での入国に当たりましては、国際交流基金が実施する日本語基礎テストにより日本での生活、就労に必要な水準を確認するといったことに加えまして、十四業種の中で唯一でございますが、上乗せで介護日本語評価試験といったものを課すということにより、介護現場で介護業務に従事する上で支障のない程度の日本語能力の水準を確認をするということにしてございます。この介護日本語評価試験につきましては、日本語教育の有識者や職能団体等に御議論いただき、介護施設へのヒアリングも実施をして作成をしたものでございます。  特定技能の在留資格は、こうした日本語能力とともに、受入れ業種で適切に働くために必要な知識、技能といったものを試験等によって確認することを通じまして、入国に当たって一定の専門技能を担保する仕組みでございます。  加えて、入国後でございますが、介護の技能向上のための研修ですとか介護の日本語学習を支援するためのウエブコンテンツの開発など、今年度予算でも盛り込んでいるところでございます。  入国した外国人材が円滑に就労、定着できるように、受入れ環境の整備を進めてまいりたいと考えてございます。
  75. 有田芳生

    ○有田芳生君 即戦力を求めているんですよね。即戦力になるためのこの介護日本語評価試験ですよね。そう理解していいですか。
  76. 八神敦雄

    ○政府参考人(八神敦雄君) 特定技能で入国される方はそういう、すぐ働けるということで考えてございます。
  77. 有田芳生

    ○有田芳生君 ミニテストだという現場の声がある。  じゃ、皆さんの資料には入れておりませんけれども、こういう問題がある。トイレで山田さんは排せつが終わりました。山田さんはうまく立てません。あなたは山田さんに声を掛けます。何と言いますか。これ例題で出ていますよね。四つ回答があるんですよ。よく聞いておいてくださいよ。立てない人に何て声を掛ける。一、頑張って自分で立ってみてください。二、済みませんが自分だけで立てませんか。三、手すりを握って立ってみましょうか。四、手すりを握れば自分で立てると思います。  審議官、どれが正解ですか。
  78. 八神敦雄

    ○政府参考人(八神敦雄君) 今の御質問で申しますと、手すりを握って立ってみましょうかという三番というふうに理解しております。
  79. 有田芳生

    ○有田芳生君 今後ろから渡された紙の下に正答三と書いてあるから、それは三なんですけれども、だけど、手すりを握って立ってみましょうかということだけではなくて、今いろんな介護の分野なんかでも、自力でやはり行動できるように様々な努力はされているわけですよね。だから、その中には、頑張って自分で立ってみてくださいということだってあり得るでしょう、その人の状況を見て。あるいは四の、手すりを握れば自分で立てると思いますよ、これだって間違いじゃないですよね。違いますか。
  80. 八神敦雄

    ○政府参考人(八神敦雄君) 先ほど試験の説明で申し上げましたが、有識者の方々等に御議論をいただいた上で問題を作ってございますので、基本、この先ほど申し上げたものでは、三番目の、手すりを握って立ってみましょうかというのがこの問題での正答だというふうに認識をしてございます。
  81. 有田芳生

    ○有田芳生君 だから、有識者が介護の実際の現場を分かっていないんですよ。いろんなパターンがあるわけだから、これだけが正答だなんというのは言えないわけで、そして、この三でなければ間違っているなんということになれば、優秀な能力を持っている人だって落ちることだってあり得るわけで、やはり、理論とか制度なんかより現実の方がよっぽど豊かなんですよ。  だから、企業だって、品質管理をやるときだって、最終的に出てきた商品を一つ一つ点検はしないですよね。そのプロセスの中で何か間違いがあれば改めていくわけだから、そういうことを、これは厚労省だけではなくて、もうあらゆる分野でやはり問題を発見するような努力をしていただきたいというふうに思います。  そして、最初に戻りますけれども、五年間で六万人何とか集めたいということで試験は進むんだけれども、実際には、これまで技能実習生というのは、一年間、日本に来てN4レベル、ややゆっくりの会話であればほぼ理解ができるレベルなんだけれども、一年たってN3レベル、つまりは日常会話や新聞の見出しが理解できるレベル、それに合格しない場合は帰国しなければいけなかったですよね。  ところが、今度の新しい制度だと、四月から、N3に不合格でも更に二年の在留を認めることになったのは、これは何が何でも計画どおりに六万人を集めるためにハードルを下げたんじゃないですか。
  82. 八神敦雄

    ○政府参考人(八神敦雄君) お答え申し上げます。  技能実習の関係でございますが、介護分野の技能実習生につきましては、サービス提供に当たり、利用者の方や職員間でのコミュニケーションが求められるということですから、他の職種と異なり、日本語能力として、今委員御指摘ございました、入国時にN4、入国一年後までにN3の取得を求める告示を二〇一七年九月に公布をしてございます。  この告示を踏まえまして、ベトナム、フィリピン政府が介護職種の送り出しに必要な国内制度の整備を進める中、政府間の意見交換の場におきまして、入国一年後にN3を取得できない場合の帰国のリスクといったものについて懸念が示され、両国からの送り出しが開始されない状況が続いてございました。  こうした状況を踏まえまして、昨年六月の骨太方針におきまして、技能の移転による国際協力という技能実習制度の目的が果たされるよう、まずは相手国からの送り出しの開始に向けて、介護の質にも配慮しつつ、介護の技能実習生について、入国一年後の日本語要件を満たさなかった場合にも引き続き在留を可能とする仕組みについて検討を進めるとされたということで、これを踏まえてやったものでございます。  今の六万人のためにということとは別でございますので、御理解いただければと存じます。
  83. 有田芳生

    ○有田芳生君 だから、言葉はあっても、現実は多くの問題がこぼれ落ちていくわけですよ、発見されるわけですよ。  だって、技能実習で来て一年後にN4からN3に試験合格しなかった人たちが二年更にいることができて、その人たちが日本語学習が向上する保証はあるんですか。
  84. 八神敦雄

    ○政府参考人(八神敦雄君) お答え申し上げます。  技能実習二年目、三年目につきまして御質問ございました。介護サービスの質を確保するということは私ども大事だと思ってございます。技能実習で来られた方、入国一年後までの合格が義務付けられる技能実習評価試験におきまして日本語の実技試験、学科試験を実施し、基本的な介護技能を担保するとともに、受入れ施設の下に日本語学習を行うということを条件として求めるといったことで、技能実習の方々の二年目、三年目認めると、こういう条件を付けているということでございます。
  85. 有田芳生

    ○有田芳生君 うまくいってほしいとは思います。せっかく日本に来た人たちですから、技能、日本語も向上する中でそれぞれの希望がかなえられるような、そういう環境をつくってほしいというふうに思います。  もう時間が来てしまいましたので、これは大臣にどうしても提案をしたいことがあるので。  実は、今日の資料の中で、しんじゅく多文化共生プラザ、先週行ってまいりました。そこには入管の外国人総合相談支援センターも同じ場所にあるんですけれども、非常に優れた取組がなされているというふうに思いました。  今日は時間がないので詳細をもう語ることができませんけれども、前質問したときに、大臣に、ベトナム語の通訳なんというのはもう非常に少ないんですよ、しかも言葉としても難しいから。ベトナム人の技能実習生や、これからもベトナム人がいっぱい来てもらうときに、じゃ、生活相談なんかをどうするんですかと質問したときに、大臣は、忘れもしないけれども、最近は自動翻訳機もあるからというふうに語られました。確かにそうだとは思うんですけれども、やはり、人間と人間のコミュニケーションですから、面と向かって話ができるような状況が必要だというふうに思うんですよね。  資料の一番右だけ見てください。これ、しんじゅく多文化共生プラザにあるんです。タブレット端末を利用した通訳システムで、新宿には八台あります。年間三百六十万円。そして、どこでも通訳というんですけど、二十四時間、百五十言語で対応できます。ボタンを押すと向こうから人が出てくるんですよ。で、会話ができるんですよ、やってみましたけれども。そこでいろんな相談ができるという、これをもう全国に広げるべきだと思うんですよね。  だから、そういうことについて、もう時間来たので、小川委員にお願いしなきゃいけないんで、もう終わらざるを得ませんけれども、やはりこういうことをモデルケースとして全国に発信していくということが大事だと思うんですよ。百十一か所の自治体でもいろんな取組をされるんだけれども、こういうモデルケースがあるんですよということを知ることで、やはりイメージとして理解できるというふうに思うんですよね。  大臣、いかがですか。このタブレット端末、本当にいろんな言語で、本当に実際に人間が出てきて、中国語のところを押すとニーハオなんて言って、こっちが日本語で言うと話ができるんですよ。だから、こういうシステムを、自動翻訳機ではなくて、広げていくというのは、これは積極的にやっていただきたい。いかがですか。
  86. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) まず、ICT技術を活用したこういった取組というのは非常に我々も見ていかなければならないと思っておりますし、委員御指摘のタブレット端末を利用した、この通訳者と画面を介して顔を合わせながら相談を行う方法など、好事例、これについてもしっかりと横展開をしていきたいというふうに思っております。  また、翻訳機を使う際も、機械だけ置くというのではなくて、その窓口の人間がちゃんと目を見ていろいろ話すであるとか、あるいは外国人の生活について総合的なガイドブック、これも多言語化を進めておりますので、そういったものを示しながらしっかりと、寄り添った人間的な対応の好事例についてしっかりと共有できるような体制も整えていきたいと考えております。
  87. 有田芳生

    ○有田芳生君 終わります。
  88. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 立憲民主党の小川敏夫です。  まず、我が国の国内で働いている外国人労働者について、どうも、人数にしても、あるいは就労の状況についても、その実情の把握が余り十分じゃないんじゃないかと、十分にできていないんではないかというふうに私は思っていますので、そんな観点から質問させていただきます。  私が関心を持ちましたのは、アベノミクスは全く成功していないというのが私の考えですけれども、その一つの根拠として、勤労者の実質賃金が下がっている、安倍政権になって三%、三ポイントぐらい下がっているんですけれども、そうしますと、安倍総理はこういうふうに言うわけです。一人一人が下がっても、働く人の人数が増えたから、雇用者が増えたから、全体としてそれが増えているからいいんだというふうに言うわけであります。その雇用者が増えているというのは労働力調査の雇用者数だと、これに平均賃金を掛けると総雇用者所得ができるという計算なんですけれども、その労働力調査の雇用者は外国人も含んでいるわけです。  そうすると、私、アベノミクスで働く人が増えた増えたと、経済が良くなったと言うんだけど、どうもその中身は、一つは、介護や福祉の現場で働く人が、その分野で働く人がこの十年間で二百六十万人増えている。別に景気が良くなったから増えているんじゃなくて、高齢化社会という社会の変化からそういう雇用が拡大したと思っているわけでありまして、決してアベノミクスの成果ではないと思っているんですけれども。  もう一つは、増えた増えたというその労働者、雇用者の中に外国人が相当増えているんじゃないかというのが私が思っているところなんです。  それで、一体外国人労働者はどのくらい増えているんだろうかというふうに関心を持って調べようとしたところ、どうも私が感じるところ、的確に十分に把握できない。あるのは、厚労省において、外国人労働者を雇用した場合には届け出るという制度があるそうで、国の方で外国人労働者の数を知りたいと思ったときには、それが唯一の制度であるように思います。  ただ、これは、雇用者が雇用した場合に届け出るというだけでありますので、届けられない状態で働いている外国人労働者もすごく多いのではないかというふうに思います。ただ、それが統計上全く表れないので、その結果、私は、雇用者が増えたその大きな一要素を成す外国人労働者の数が反映されないので、アベノミクスが必要以上にうまくいっているかのような誤解を与えているのではないかというのが私の考えです。  まず、厚労省に数だけお尋ねしますけれども、外国人労働者を雇用した雇用主が届け出る、その届け出られた外国人労働者の数は現時点ではどのくらいなんでしょうか。
  89. 田畑一雄

    ○政府参考人(田畑一雄君) お尋ねの件でございますけれども、労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律の第二十八条に基づきまして、全ての事業主は、外国人労働者の雇入れ、離職時に、氏名、在留資格、在留期間などを確認し、当該事項を厚生労働大臣に届け出ることが義務付けられております。これによれば、我が国で就労する外国人労働者数は、平成三十年十月末現在で約百四十六万人であります。
  90. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 外国人で在留資格を持っている人の在留者の数は二百七十万人ぐらいと聞いたんですが、その数字でよろしいでしょうか。
  91. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 平成三十年十二月末現在の在留外国人、二百七十三万一千九十三人でございます。
  92. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 在留者、在留資格いろいろ種類がありますから、就労ということで来た人は当然働いているし、技能実習で働いている人もその働いている数に入っている。そのほかに、留学生などは就労の許可を受ければそれで働くことができるし、ほとんどの多くの人が実際に就労しているというような状態でありますし、そのほかの在留資格でも、就労の許可を受ければ就労できるという状況があります。  ただ、家族の帯同で来ているように、小さなお子さんのような人はそれは就労しないでしょうけれども、ただ、実際に在留者が二百七十三万人ですか、いるというと、これを的確に把握した数字がないから、それをどうするのと言ってもできないんだけども、私の直感からいうと、二百七十三万人のうちの百四十六万人だけが働いているというのは少ないんじゃないかと。もっと私は、感覚的な感じでいえば、二百万人以上働いているんだけれども、結局統計に表れていない外国人労働者がいるのではないかというふうに思うわけですが、これはもう、今的確にそれを調査した数字がないから調べられないんですよね。
  93. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 入管とその在留資格と連動した形での統計ということで申し上げますと、今委員御指摘のように、その二百七十三万のうち、まず、そもそも就労を目的とした在留資格というのがあります。技術・人文知識・国際業務ですとか技能ですとか教授ですとか教育、これで在留する方は三十五万六百八十人です。ですので、この方々はそれを目的として来られていますので、恐らく働いている、目的どおりに働いていらっしゃるはずです。  それから、先ほども御指摘ありましたように、技能実習の在留資格、技能修得を目的としたものでございますけれども、雇用契約を結んで就労していますので、これを就労者と数えると、三十二万八千三百六十人です。  これに加えまして、就労を目的とした在留資格ではございませんが、就労することができる在留資格というのが身分資格としてございます。例えば永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等及び定住者、これらは働くことが許容されていますが、実際に働いていらっしゃるかどうかはこの在留資格上の数字からは分かりません。これらの就労可能な在留資格として数を足し上げますと、百十四万三千九百六十一人。これに加えまして、特別永住者の方が三十二万一千四百十六人。仮にこの数を足し上げますと、二百十四万四千四百十七人となります。
  94. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 仮にという答弁があるように、それは要するに、実態を調査して的確に把握できている数字ではなくて、一つのそういう考え方だというふうにお伺いしますけれども。まあ私自身も直感で言っただけですから、根拠がある数字じゃないので。  私が言いたいのは、結局、雇用主が雇用しているよといって届け出た外国人の数、そうすると、当然、適法に在留資格を得ている、就労する資格を得ている人についてのみ、そして届け出るというそうした義務を果たした企業に働く労働者しか数が把握できていないというふうに思うわけで、もう少し、もっと外国人労働者が実際にどのくらいの数働いているのか、どういう職種なりどういう環境で働いているのかということを、実態を把握するということが政府の対応として必要なのではないかと私は思うわけであります。  とりわけ、これから外国人労働者が増える。そうすると、やはり日本で働いて我が国の産業の発展に寄与してもらうというためには、やはりそれなりの支援もして気持ちよく働いてもらうということで、お互いがプラスになるような方向で働いてもらわなくちゃいけないと。そうした外国人労働者の支援をこれから考えるに当たって、そもそも外国人の労働者が働いている実態なり実情なり、そうしたものをできる限り的確に把握しなくてはいけないというふうに思うわけであります。というのが私の考えなんですけれども。  それで、一つ大臣に基本的なことをお尋ねしますが、出入国管理法が出入国在留管理になったわけです。これ、そもそもこの管理って何を管理するんでしょうかね。つまり、これまでの出入国管理ですと、出国、入国というある意味では点の人の出入りを扱うから、出入国の事務を管理するのかなというふうに思うんだけれども、今度、在留を管理するというふうに法律がなったわけですよね。在留というのは、外国人が在留しているという、点ではなくて滞在する、時間的に長い期間ですよね。それを管理するというのは、じゃ、その在留する外国人を管理するということなんですか、ここでいうその管理。そうじゃなくて、在留に関わる事務を管理するというだけの管理なんでしょうか。
  95. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) まず、在留管理というのは、もとより、在留状況をしっかり把握した上で、それに必要な対応をしていくと。ですから、支援、例えば特定技能であれば、必要な支援等がきちんとなされているかどうかということも把握、で、必要な措置をとるでしょうし、あるいは、その在留資格から離れて資格外活動あるいは不法就労等をしているということであれば、そういった対応をしなければならないというふうに考えております。  いずれにしても、委員御指摘のとおり、在留状況のしっかりした把握、その上に立った管理というのは非常に大事でございまして、法務省においては、これまでも在留資格変更許可や在留期間更新許可等に係る情報を把握しておりましたし、また、入管法に基づく中長期在留者からの所属機関に関する届出や、所属機関から中長期在留者に関する届出などもしていただいて、中長期在留者の受入れ状況は把握しているところでございます。  それのみならず、やはり厚生労働省からの様々な情報提供、これも緊密な連携をする必要があると考えております。  そうした中で、厚生労働省からの外国人雇用状況届出情報の提供というのも非常に重視しておりまして、この情報によって雇用主や雇用開始時期等を把握することが可能となっておりまして、在留外国人の就労状況の把握が行われているところでございます。  もっとも、一部について、法務省が把握する外国人に関する情報と厚労省から提供される情報が突合できない事案があるというところがございまして、それについて法務省と厚生労働省との間で情報共有を行うことにより、届出を行っていない雇用主を把握して、それらの雇用主に届出義務を着実に履行させるための仕組みを昨年度から開始いたしました。  加えて、昨年末の関係閣僚会議で了承されました総合的対応策において、より一層適切な雇用管理、在留管理を図るため、外国人雇用状況届出事項に在留カード番号、これを追加することが盛り込まれておりまして、これ現在、両省においてその実施に向けた調整を進めておりまして、これがかないますれば、相当精度の高い在留状況が把握できると考えております。  法務省としては、こうした情報を活用して、より正確な外国人の就労状況の把握を含めた在留状況の把握、そして必要な管理等を行ってまいりたいと考えております。
  96. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 大変長い答弁いただきましたけど、要するに、大臣の答弁の前半部分、在留の管理というと、様々な在留に関わる許可とかそうした事務的なことが私は指しているんじゃないかなと思って、外国人を管理するという、人を管理することじゃないと思うんですよね。  ちょっと回りくどい質問しましたけど、私が一番感じているのは、外国人労働者が我が国で働く、その外国人労働者を支援する責任を持っているのはどこの役所なんだろうと。  法務省は、今出入国なり在留の関わる事務をしっかり管理すると、在留資格のないのに就労した、今違法な就労が、人がいれば見付けてそれを拘束して強制退去するとか、そうした事務は行うかもしれない。でも、あくまでも在留に関する事務を行うだけで、入ってきているその外国人労働者を支援するというのは、どうも法務省の事務ではないのかなと。  働いているんだから、それを守るのは厚労省かなというと、厚労省は労働基準法違反とか具体的な労基法の問題があればそれに対応するけれども、あくまでも厚生労働省の事務はその範囲であって、それを超えて外国人労働者を支援するような施策を取るというわけでもないと。  何かこれからたくさん外国人労働者を受け入れるんだけれども、その外国人労働者の支援ということに焦点を当てた、そういう職責を担う省庁がいないので、何かそれぞれが、その省庁が持っている役割なり権限の範囲で、まあお互い連絡取り合ってやっていこうやみたいな感じしか受け止められないんですよね。そういう観点から、ちょっと法務省の管理とは一体何なのかというふうにお尋ねしたわけであります。  具体的に、例えば今回、外国人材の受入れ・共生のための総合対応策というのが昨年の十二月に公表されました。そこで、最初に、多文化共生総合相談ワンストップセンターをつくるというような案が提案されていますけれども、でも、これなんかよくその実態が現れていると思うんですね。すなわち、ワンストップセンターというのは、普通は、そこに行けばその相談者が抱えている物事が全て解決するというのが本来ワンストップセンターなんですよね。でも、ここでいう、ワンストップセンターというけれども、実はワンストップセンターじゃなくて相談窓口なんですよね。相談を受けて、必要なら、あなた、じゃ、労働基準監督署に行きなさいと、もし必要なら、じゃ、あなたは保健所に行きなさいと。言わばどこの役所に行ったらいいかという個々的な相談を受けてそれを応対するというだけであって、そこに労働基準の問題、あるいは保険の問題、医療や健康に関する問題、そうした外国人労働者が様々に生活する上で、働く上で抱える様々な問題を、そこに行けば全て解決するような役所じゃないんですよ。あるいは、そういう組織じゃないんですよ。そういうふうにやる組織が日本にはないんですね。私はそれが言いたいんです。  労働基準法違反があれば厚労省の労基署に行きなさい、保険なら保険の窓口に行きなさいと、そういうふうに各役所がそれぞれ関わる分野がありますねと。じゃ、それを総合的に連絡を取り合いましょうというだけなので、私としてはそういうのでは本当に身が入らないかなと。そういう仕組みだから、外国人労働者の数なりその就業の実態というものの実情把握が結局はできない、各役所が役所の部分的にその分野で扱う業務に関しての人数なりそこら辺は把握できるけど、決して全体ではないと、そういうふうに思っているわけであります。  それで、ですから、そこをどこがやるのかなと。私は、出入国在留管理庁というのをもっと、管理だけじゃなくて、そうした外国人の支援もつかさどるようなそういう組織に改編して、人も予算ももっと付けて温かく迎えるようなそういう組織にしていったらいいかと思うんですが、それは私の考えですけれども、大臣はそれについて何か御意見はございますか。
  97. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 出入国在留管理庁に対する貴重な応援をいただいたと、叱咤激励をいただいたと感じております。  まず、在留管理、支援につきましては、在留管理のみならず、出入国在留管理庁には在留支援課というふうな支援をする課も設けているところでございます。また、そうしたところでしっかりと支援をするということと、あと、一元的相談窓口、確かに窓口ではあるんですが、そういった場において、基本的な安心、安全な生活、就労のために必要な基礎的情報について、例えば生活・就労ガイドブック、こういったものを既に日本語、英語で制作しておりまして、現在多言語化も進めているところでございますので、そうしたものを通じて支援をしていくということも考えているところでございます。
  98. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 ワンストップセンターと、中身はワンストップセンターじゃないんだけど、ワンストップセンターと名付けた相談窓口をつくって予算が付いているようですけれども、これでは決して十分じゃないと思うんですよね。  本当にこれからどんどんどんどん外国人労働者に頼らざるを得ないような我が国の実情を踏まえれば、本当にもっと、これは法務省だけじゃなくて政府として、外国人労働者の管理ではなくて支援の方を中心とした、そうした組織、枠組みをしっかりつくるべきではないかなというふうに思いますが、そこに至るまでの間、やはり法務省、入管在留庁が主役となってそうした役割を果たしていただきたいというふうに思っているわけであります。そうしたことを述べさせていただいて、今日の質問は終わります。
  99. 櫻井充

    ○櫻井充君 国民民主党・新緑風会の櫻井充です。  今日はちょっと具体的な手続をお伺いしていきたいと思います。それで、一つ例に、ホテル業、旅館業についてお伺いさせていただきたいと思います。  ホテル、旅館関係で外国人労働者の数、上限を二万二千人と定めていますが、その内訳、根拠を教えていただきたいと思います。
  100. 金井昭彦

    ○政府参考人(金井昭彦君) お答えいたします。  宿泊分野における受入れ見込み数につきましては、訪日外国人旅行者数の増大により発生する我が国全体の宿泊需要の増加等を踏まえまして、五年後に見込まれる人材不足数に対し、生産性向上によるカバーや国内雇用の増加による対応を行ってもなお不足が見込まれるものとして、全国で二万二千人と算定したものでございます。
  101. 櫻井充

    ○櫻井充君 そんなの聞いていませんよ。積算根拠、二万二千人とした積算根拠。昨日、おとといかな、レクしてちゃんとそういうの聞いているじゃないですか。無駄な時間使わないでくださいよ。  内訳教えてください。
  102. 金井昭彦

    ○政府参考人(金井昭彦君) お答えします。  先ほど申し上げましたように、向こう五年間で十万人ほどの人手不足が見込まれるとしておりますけれども、この十万人に対しまして、毎年二・八%程度の生産性向上を図るとともに国内人材の確保のための取組を進めることによりまして、労働の効率化、これは五年間で約五万人程度を見込んでおります。及び……(発言する者あり)
  103. 櫻井充

    ○櫻井充君 私が聞いているのはそういうことじゃないんですよ。地方とかに、じゃ、これで来るんですか。そんな大ざっぱな数字だけ言って、アバウトに何とかがどうだからという、そんなくだらない、本当に、はっきり申し上げておきますけど、もう空論ですよ、こんなの。  現実何人足りないんですか。実際、金曜日にこの入管法の勉強会やった際に、地元の南三陸町のホテル観洋の方が来られて、うちに回ってくるんですかと現実的に聞かれたんですよ。だから、ちゃんとここに行くのかどうかを聞いているのであって、そんなアバウトなことは聞いていませんよ。  もう一度、そういう積算はしているのかしていないのか。例えば、宮城県なら宮城県の観光業での人手不足は何人で、だからこそこういうものを全部積み上げてやっているんですか。そのことについて、それだけ答えてくれればいいですから。
  104. 金井昭彦

    ○政府参考人(金井昭彦君) 先ほど申し上げました数字につきましては、全国レベルでの数値を基に計算をしておりまして、各地域における状況につきましては、四月一日に宿泊分野特定技能協議会というのを設立しました。この協議会において、具体的な更に把握、そしてどのぐらい足りないか、その方策についても検討することにしております。
  105. 櫻井充

    ○櫻井充君 順番逆じゃないですか。こうやって、もし二万二千人超えたら一体どうするんですか。その地域によってですよ、全部積算してみたら二万二千人超えていたらどうするんですか。
  106. 金井昭彦

    ○政府参考人(金井昭彦君) 地方におきましての需要につきましては、外国人旅行者も増加しておりますので、極めて地方における宿泊施設における人材の確保というのは重要だというふうに認識しておりまして、それにつきまして、地方における優良事例なども集めまして、そういう地方への誘導策について全力を挙げていきたいというふうに思っております。
  107. 櫻井充

    ○櫻井充君 委員長、お願いがあります。二十五分しかないんです。毎回十五分しかなくて、それでも何とかやりくりしているんですよ。ちゃんと答弁させてくださいよ。審議できないじゃないですか。地域の実態ですよ、これは。地域の代表者として、宮城県に外国人労働者が入ってくるようにするのは当たり前の話じゃないですか。  いいですか。今の全く答弁になっていませんよ。積算して二万二千人を超えたらどうするのかって聞いているんだよ。それについてだけ答えてくださいよ。
  108. 金井昭彦

    ○政府参考人(金井昭彦君) 地域における実情については、今後更に精緻をして把握していきたいと思います。それを踏まえて協議会でもしっかり協議をして、必要とあればその後の対応についても検討したいと思っております。
  109. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 今、二万二千を超えたらどうなるのかというお問いですので、制度所管庁としてお答えをします。  どれだけの方が各分野に入って、入国、在留をされているかということの実態は、出入国在留管理庁において定期的に把握をいたします。今回の制度上、五年の見込み数を上限として運用するということが基本方針において定められていますので、二万二千に近づきつつあるところでその制度所管庁に言わば注意喚起をして、五年間の上限に近づいているということを把握をして、その協議会でもし何らかの対応策が取れるなら取っていただく。入管としては、この数値を上限としますので、それ以上の受入れは認めないということでございます。
  110. 櫻井充

    ○櫻井充君 大臣、今の答弁聞いていただいたと思います。要するに、二万二千人を超えさせないので、人手不足が解消しなくても、結局そこで打切りですよ。これで本当に地方の人手不足は解消するんですか。
  111. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 現時点で、宿泊分野に限って言えば、三万人の人手不足が生じているものと推計しております。  そして、制度全体のお話ですと、重ねて短く申し上げますと、分野別運用方針に記載された今後五年間の受入れ見通し、これは超えられない、大きな経済変動がない限りは超えないということにしておりますので、外国人の特定技能の受入れとしては二万二千人ということになろうかと思います。  その他、そこで人手不足が解消されるのかということについては、業所管庁において、生産性の向上あるいは労働効率化ということをしっかりと図っていただいて、人手不足の解消に全力を挙げていただくというふうに考えております。  宿泊につきましては、ホテル、会議用のホテルもありますけれども、例えば、宮城あるいは東北には様々な観光需要があろうかというふうに考えております。  そうしたことから、そういったところに働こうという外国人の方がしっかり行き届くように、協議会でもしっかりと自主的な取組を進めていっていただきたいと思いますし、我々関係省庁としても、それを後押ししていくような政策を打ってまいりたいと考えております。
  112. 櫻井充

    ○櫻井充君 済みませんけど、インバウンドが増えるから人手が足りなくなるわけでも何でもないんです。現時点で足りないんです。そこは僕は認識違うと思いますよ。つまり、インバウンドで観光客が増えてきていて人手不足になるんだと、それは東京なんかはそうかもしれません。田舎は違いますよ。  今でも、鳴子のあるホテルの方から言われたのは、経理の人がいない、それから板前さんもいないと。これは、板前さんいないというのはもう全国各地いろんなところで言われていることですよ。だけど、経理の人もいないんですよ。  じゃ、外国人労働者でこの経理の人って賄えるんですか。私、昨日かおとといレク受けた際には、サービス業、ホテル業の中でいうと、経理という人たちは入っていないんですよ。つまり、何か幾つか分野言われました、接客とかなんとかというふうに言われましたが、経理など入っていないんです。  繰り返しになりますが、外国人観光客が増えてくるから人手不足になるなんという話じゃないんです。田舎は若い人たちがどんどんどんどんいなくなってきているから、退職されるとその後補充できないんですよ。こういう現状をどう受け止めるかですよ、大臣。僕はずっとこの委員会で言っていますよね、本当に地方に来るんですかと。ですから、こういうことをやってくるんであれば、宮城県なら宮城県の枠を決めた方がいいと思うんですよ。東京は東京の枠を決めてくださいよ。  なぜならば、外国人の方々の人口増、一番は東京ですよ、当たり前だと思います。そういうことを考えてきたときには、今の二万二千人を県ごとに枠決めたらどうですか。そういうやり方をしない限り、私は地方の人手不足って解消しないと思いますけど、いかがですか。
  113. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) まず、都道府県ごとに受入れ枠を決めるべきだという御指摘につきましては、これは客観的な、例えばそういった、どの県にどれだけ不足がある、充てるべきかというふうなところについて、客観的指標が果たしてできるのかという部分がございます。  また、加えて、都道府県において、今後五年間において全く人手不足、例えば大規模な宿泊施設ができる場合もありましょうし、そういった様々な変化に対応できるのかというふうな疑問もございます。  そうした中において、地方における人手不足の平準的な解消ということについては、これは先ほど国交省からも答弁ありました協議会における現状の把握、地方ごとの把握において、それで自主的な取組をまずしていただくと。そこで浮き上がってきた問題につきましては、我々規制官庁としても、あるいは業所管庁である国交省などと協力いたしまして適切な政策を打ってまいりたいと考えております。
  114. 櫻井充

    ○櫻井充君 最後のその適切な政策って何ですか、じゃ。  それから、四月一日に各県ごとに人材不足の数字出すと先ほど答弁しましたよね。そのことを考えてきて、ちゃんと客観的数字は出るんですよ、何人足りないかは各県ごとに出るんですよ。  もし仮にそれが二万二千人を超えていたとしたら、比例応分で配置していただくとか、そういうことをしなかったら、首都圏にだけ集まりますよ、本当に。これは外国人に限ったことじゃないんですよ、はっきり申し上げれば。日本人だってそうでしょう。今、田舎を捨ててというか、田舎よりも都会の方が給料がいいからといって、都会に人が集まるんですよ。外国人労働者だって同じですよ、多分。東京の方が給料いいんだもん。  だったら、何も全然地縁も血縁もないところに来て、外国の方が都市名何知っていますか。仙台なんて多分ほとんどの方が知りませんよ。この間、ミャンマーの方とも、もう日本に来て三十四年たつ方と話をしたときに、日本に、仙台に来るときに、仙台ってどこの国なんだろうと、そう思ったと言っていました。今は三十四年間ずっと仙台にいてくださっていますけどね。つまり、海外から出てこられる方々が、東京や大阪や京都しか知らないはずなんです。我々だって、例えばフィリピンでマニラとか主要都市は知っているけど、あと知らないのと同じことですよ。知らない町に来ると思いますか。  ですから、そういうことをやってくるためには、最後に適切な政策というふうにおっしゃったので、それから検討されるのであれば、県ごとの割り振りも、最低数で結構です、最低数の県の割り振りをしていただいた上で、余った分はあと自由にと、そのぐらいのことをやらないと私は地方に行かないと思いますが、いかがですか。
  115. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) まず、この人手不足の具体的な状況について、まず協議会でしっかりと把握をしていただきたいというふうに考えております。そして、人手の中にもどういう種類の人手が足りないのか、先ほど櫻井委員御指摘の経理の関係、これは、やはり外国人というよりは、あるいはICT技術を活用したそういった生産性向上で対応していくということになろうかと思います。そういった総合的なこの対応の在り方、これを協議会でもしっかりと検討していただいて、また、協議会には我々関係省庁もオブザーバー的に参加させていただきますので、情報をしっかり共有しながらそのニーズに応じた適切な政策を取っていきたいと考えております。
  116. 櫻井充

    ○櫻井充君 ニーズに応じたということなので、ここで多分議論しても明確な答弁はいただけないのでしようがないとは思います。ですが、繰り返し恐縮ですけれど、地方に来るようにちゃんとしてくださいね。  それから、今日はもう本当に愕然としました。積算根拠は余りにいいかげんだと。こんないいかげんなので三十四万五千人という上限を定めたことについて、私は本当におかしいと思いますが、大臣、この点についてどう思われます。
  117. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) この積算根拠につきまして、これは十四分野におきまして、受入れ見込み数を業所管庁において生産性向上や国内人材の活用も含めて積算していただいたものと考えており、私自身は不合理なものとは考えておりません。
  118. 櫻井充

    ○櫻井充君 これが五年後どういう数字になっているのかによってどちらの言い分が正しかったのかということはよく分かると、私はそう思っています。  それで、旅館業、技能実習生三年間終わったら、今度は特定技能一号に移行されるものだと思っていますが、旅館業の方々というのは技能実習生は一年間だけなんですよ。一年間だけの技能実習もあります。三年間の技能実習もあります。そうすると、この方々を特定技能一号で雇いたいと思ったら試験をやらなきゃいけないんですが、レクの際に教えていただいたところによると、二年ぐらいやっていないと受からないような試験にするんだそうですよ。  これ、おかしな話でして、三年間やらないと技能は十分獲得できないところの人たちは三年間の技能実習生なんです。こういう業種は一年の技能実習なんですよ。だったら、この人たちが受かるような条件は、一年間の技能実習が終わった時点で特定技能一号に変更しない限り、一回帰国したりとかしなきゃならないんです。だって、説明によると、二年間ぐらいの実習期間が必要だと、経験が必要だと。だったら、技能実習生で一年来て、自国に帰って一年経験してまた来てくださいという話ですよ。おかしくないですか。このまま継続してちゃんと雇用できるようにしていくためには、こういった技能実習生の期間に応じた取組が私は必要だと思いますが、その点について、ちょっとこれは大事な点なので、大臣、どう思いますか。ここも僕は今回のことでおかしいと思っているんですが、いかがですか。
  119. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) まず、特定技能と技能実習、これは別の制度でございまして、技能実習が終わったから自動的にということではございません。ただ、特定技能で必要とされる日本語の能力あるいは技能の水準、これが三年間の技能実習を終えたレベルであればそれが判断できるであろうということで試験を免除にしているということでございます。  御指摘の、確かにこれらの宿泊分野の技能というのは一号で修了するというところでございますけれども、では、宿泊分野におきましては、試験によってこの特定技能の中に入っていただく、そしてその試験を受けられる方は、必ずしも技能実習の一号を終えた方のみならず、例えば留学生でそういった様々な日本語能力を持ち、そして、あるいはそういったことでそれを使って宿泊分野でやりたい、そのために試験に合格すべく勉強してこの特定技能の試験に受かっていただくといったような人材も考えているところでございます。  そうした様々な外国人材に試験に挑戦していただいて、この特定技能という資格を得ていただければと思っているところでございます。
  120. 櫻井充

    ○櫻井充君 今、大臣、自動的にという話ではないということでしたが、試験免除なんですよ、試験免除。試験免除だったら自動的じゃないですか。あとは試験受けなきゃならないんですよ。  だけど、大臣、考えてくださいよ。一年間、あるホテルでやりましたと。そして、ここで人間関係もでき上がってこの人でいいなと思うのであれば、その人に継続してやってもらいたいと思うのは当然のことじゃないですか、違いますか。別に、留学生が勉強して試験を受けて、それで旅館業なりホテル業に入られることを否定しているわけでも何でもないんです。私は、経験を積んで、そこの旅館やホテルがその人でいいということになったら、スムーズにちゃんと移れるようにしていった方が合理的だと思っているんですよ。またこの方々がどこか自国に戻って、田舎で、そこで働いてくださった方がまた戻ってくるかどうか分からないじゃないですか。  そういう意味合いでいったら、繰り返しで恐縮ですが、一年の技能実習生の人たちは一年の技能実習で、これで技能をちゃんと獲得できるから一年間になっているんですよ。例えばクリーニング分野の、たしか病院なんかのリネンなんかもそうなんですが、一年なんですよ。一年なんですよ、大臣。この人たちに僕は、技能実習生三年にしてくださいということを業界から要望されていましたが、だけど、一年間で技術は修得できるから一年なんだという説明だったんです。  じゃ、一年で技術を修得できる人たちに対して二年の実務経験を有する人じゃないと駄目だとか、そういうことをやったら継続できないでしょうと言っているんです。継続できるようなことをもう少しお考えになったらいかがですか。
  121. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 今回の特定技能一号の在留資格の考え方でございますけれども、宿泊分野を含め、その基本方針において、その技能水準を分野横断的に相当期間の実務経験等を要する技能であって、特段の育成、訓練を受けることなく直ちに一定程度の業務を遂行できる水準の技能ということを業横断的に、分野横断的に定めています。  その試験方針を法務省が定めておりますけれども、その中で、その特定技能一号の在留資格の技能水準とはこういうものだということで定めておりますのが技能検定三級相当でございます。
  122. 櫻井充

    ○櫻井充君 私の言っていることに答えてくださいよ、手を挙げるのなら。私は、継続してやれるようにした方がいいんじゃないですかと言っているんですよ。それに向けて答えてくださいよ。今のなんか全然関係ないことをだらだらだらだら言っているんですよ。こっちもずうっとだらだらだらだら質問させてもらいますよ、こんなのだったら。
  123. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) ですので、継続するかどうかは、先ほど大臣の答弁もありましたように、それは別といたしまして、三年程度の職能を有する技能を特定技能一号の水準として定めているというものでございます。
  124. 櫻井充

    ○櫻井充君 おかしいんですよ。要するに、継続するのはそれはさておきと言われているんだから。私が提案していることなんか一切無視ですよ。  大臣、考えてください、これは。そこのところで一年間働いて、この人を使いたいと思っている企業いっぱいあると思いますよ、旅館だってホテルだって。ましてや、そのリネン関係の人たちと話をすると、やっと覚えたんだと、これで一年間で帰られることが困るんだという話をしていたからこそ、こうやって期間延長することになったんですよ。  だったら、繰り返しで恐縮ですが、三年間じゃないと技能を覚えられない人たちがいるんでしょう、それはそのとおりだと思います、一年ごとに試験もありますしね。ですから、三年間で終わって自国に帰ってまたその技術を伝達するという、これが今までの考え方でした。だけど、三年間ないところもあるんですよ。必要ないんですよ。一年間あれば十分なんですよ。一年間、十分だから、技能実習生の制度は一年です。制度が違う、当たり前の話です。制度が違うことは当たり前ですよ。  でも、それであれば、制度が違うものについて、三年間技能実習が終わったら今度は特定技能一号に移れる、無試験で移れるというのは、違う制度から違う制度に来る、全然言っていることにつじつま合っていませんからね。もう一回考えて、これはもう答弁結構です、是非考えていただきたいんですよ。その地域でなじんだ方々が継続して働けるように僕はするべきだと、そう思います。その方がその本人にとってもその企業にとってもいいはずですから、これは要望だけしておきます。  それから、こういうことも言われたんですが、この方々が受入れ企業になりますと。今まで技能実習生で受け入れている人たちは、それなりにちゃんとルートがあります。だけど、これから外国人労働者の枠が増えますから、新規に参入したいという方々がいらっしゃるんです。この新規に参入したいという方々は、一体これ、旅館業において、ホテル業において、どういうことをやっていったら新規参入できるんでしょうか。
  125. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) まず、受入れ機関になられる方たちが受入れ機関の要件を満たしていただく必要があります。特定技能雇用契約の適正な履行に関する基準、それから受入れ機関、会社、この今のお話であれば旅館ですが、その機関に関する基準、それから適切な支援に関する基準、これらの基準をまず満たしていただく必要があります。  その上で、恐らくどのようにリクルートをすればいいのかということも御懸念かと思いますので、例えば、これは分野によっても事情はまちまちだと思いますけれども、海外との関係を有しているネットワークを使ってリクルートをする、あるいは民間の職業紹介所を介して人材を紹介していただく、そして、その方が今回の特定技能の在留資格の基準を外国人材として満たしていただく、こういう基準を満たしていただく必要があります。
  126. 櫻井充

    ○櫻井充君 理屈はそうなんですよね。  これで、今二つルートをおっしゃいましたが、中小企業がどうやって海外とアクセスできるんですか。非現実的な答弁ですよ。だからみんな困っているんじゃないですか。大手のところはそれでやれるかもしれないけど、ノウハウがないところはできなくて困っているんです。ですから、そういうものをどうやって解消するんですかと。  それから、もう一つ、民間の人材派遣会社というお話がありましたが、かなりあっせん料高いんですよ。このあっせん料が高いからまた困るんですよ。そうすると、今度は給料を勢い下げざるを得ないとか、いろんなことが出てくるわけですよ。成功報酬なんか、これ、日本人なんかの人材あっせん業など登録料を取っていないところは報酬の例えば三割とか、そういう形で今度はあっせん料を徴収するという、そういうやり方になってきています。  だったとすると、本当に中小企業が外国人材を受け入れるということは可能なんでしょうか。大臣、どう思いますか。
  127. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 中小企業というのは、これ外国人に限らず、日本人の人手の確保というのも大変御苦労であろうというふうに考えております。特に外国人に関しては、これはやはり協議会において、全国的に中小企業も含めた平準化等の施策も考えていただく必要があろうかと思いますし、我々も必要な助言あるいは指導等もしてまいりたいと考えております。  ただ、これは、特定技能については、どこに就職するかというのはこれは外国人との契約によるものでございますので、そういった中小企業において人材が確保できるような受入れの方法についてもいろいろと、業所管庁であります、特にホテルに関しましては、国交省とも協議しながら検討してまいりたいと考えています。
  128. 櫻井充

    ○櫻井充君 もう時間で終わらなきゃいけないんですが、今回のこの議論だけでよく分かったことは、余りに非現実的だということですよ。田舎の企業が本当に外国人を受け入れられるのかというと、私はかなり難しいんじゃないかということを感じました。  それから、これ、委員長や理事の先生方にお願いがありますが、こんな答弁されているんだったら何の質問もできないですよ。今まで十五分間、それは少数会派だからしようがないです、それはそれで妥協してまいりましたが、こんな答弁を続けられるのであれば、質問時間を大幅に、大幅に増やしていただきたい。そのことだけ御要望申し上げまして、質問を終わります。  ありがとうございました。
  129. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議いたします。
  130. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 公明党の伊藤孝江です。よろしくお願いいたします。  今日は、まず、法廷通訳の関係について御質問をさせていただきます。  日本語が通じない外国人が被告人やまた証人として裁判に出廷する場合、刑事訴訟法で通訳を付けることが義務付けられております。刑事訴訟法で、「国語に通じない者に陳述をさせる場合には、通訳人に通訳をさせなければならない。」と規定されているところではありますけれども、これ以外に具体的な明文規定というのがないというのが現状であります。  通訳人を付けずに開廷することができないということになっているわけですけれども、この四月一日現在で、全国で今六十二言語、三千七百八十八人が登録されているというふうに聞いております。ただ、この人数ですけれども、訪日外国人や在住外国人が増えている中で、二〇一二年からで考えると約二百八十人が減っているというのが全体としての人数の現状だというふうに承知をしております。  ちょっと済みません、通告をしていない点なんですけれども、まず、この法廷通訳人が減っている原因について、最高裁について、どのように考えているのか、お教えいただけますでしょうか。
  131. 安東章

    ○最高裁判所長官代理者(安東章君) お答え申し上げます。  突然の御質問でございますが、裁判所におきましては通訳人候補者名簿を作成しておりまして、先ほど委員の方から御紹介ありましたのはその名簿のことでございます。これにつきましては、具体的な事件において裁判体が適切な通訳人を速やかに選任できるように作成しているものでございます。  その内容、登録に当たりましては、通訳能力、誠実性、意欲、公平性、中立性など、通訳人としての適性を、地裁の裁判官が面接を行うなどして適性を審査しているところでございまして、名簿に載せるに当たってそのような審査がされること、また、名簿の抹消という制度もございまして……(発言する者あり)
  132. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 済みません、通訳人が減っている原因について教えていただけますでしょうかという質問です。分からないなら分からないという形で答弁いただければと思います。
  133. 安東章

    ○最高裁判所長官代理者(安東章君) お答え申し上げます。  一概にお答えをできるものはないということでございます。事件処理に支障のない人員を確保しているとは考えておりますが、今後も事件動向を見ながら通訳人の確保に努めていきたいと考えております。
  134. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 この法廷通訳ですけれども、担い手となる人数の不足で、また高齢化、そのほかにも、報酬が仕事に見合わない低い額であるとか算定基準が不明確であるとか、また、裁判員制度が始まって特にその重い負担が課せられているというような多くの課題が指摘をされている制度でもあります。ただ、今日は、この法廷通訳の質の確保という観点で御質問をさせていただきたいと思います。  この法廷通訳は、裁判所が事件ごとに依頼をして選任されることになっております。そのときに、裁判所がリストを作って、通訳人候補者名簿ですね、この候補者名簿に登録されている中から選ばれることになるんですけれども、まず、この通訳人候補者名簿に登録をするための要件について御説明いただけますでしょうか。
  135. 安東章

    ○最高裁判所長官代理者(安東章君) お答えいたします。  先ほど途中までお答えいたしていたところですが、各地裁の裁判官が面接を行うなどして、登録を希望する者に対して、通訳能力、誠実性、意欲、公平中立性などの適性を審査しておりまして、そういったところの適性が要件ということでございます。
  136. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 意欲や誠実性を面接するということですけれども、外国語を必ずしも理解をしていない裁判官がしかも面接をするというところなんですが、このときに、語学能力、通訳の力という、そもそもというそこの部分について日常会話以上のものが当然求められるかと思うんですけど、まず、この名簿に載せる際にその裁判官が通訳力を確認をするということですか。
  137. 安東章

    最高裁判所長官代理者(安東章君) 今委員から御指摘がありましたとおり、通訳能力に関しても審査を行っているところでございます。  具体的に申しますと、通訳人候補者名簿に登録を希望する者に対しまして、民間の語学能力検定の結果や民間での通訳での経験、在外生活の経験等を確認しますとともに、裁判官による面接におきましては、刑事手続について説明したDVDあるいはハンドブックを用いまして、刑事手続でよく用いられているやり取りを中心に通訳を実施させまして、そこが滞りなく行われているかを確認するなどして審査していると、そのように承知しております。
  138. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 そもそも、その裁判官というのは、通訳の能力をしっかりと確認、判断をできる語学力がある裁判官が全て担当しているということですか。
  139. 安東章

    最高裁判所長官代理者(安東章君) 必ずしも当該外国語言語能力を有しているということではございませんで、先ほど申し上げましたとおり、当該外国語についてのDVDですとかハンドブックの外国語部分を和訳させると、そういった形で確認をしているということでございます。  ちなみに、判事のクラスの者が対応するようにしております。
  140. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 今のをお聞きして、本当に、まずその名簿に載せるという時点で不安になるというのが最初のスタートになるんですけれども、この法廷通訳人の身分というのはどういうことになるのかについて、まず簡潔に教えてください。
  141. 安東章

    最高裁判所長官代理者(安東章君) 法廷通訳人という資格あるいは職業職種があるわけではございませんで、通訳人は、通訳が必要な事件ごとに裁判体が選任すると、そういった関係でございます。
  142. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 これはボランティアということですか。
  143. 安東章

    最高裁判所長官代理者(安東章君) 例えば鑑定人等と同じようなことになりますが、裁判所の方で命令をするということで、それに従って職務を行っていただくということでございます。
  144. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 法廷通訳を本職として法廷通訳で生活をしているという人は実際にほぼいないんだろうというふうに思いますけれども、急な対応が事件によって求められる、また、平日の日中に裁判所に行くとか接見に行くという形で時間を融通できる方でなければならないというようなことを考えると、そもそもの環境的に誰でもできるわけではないというところがあるかと思うんですが、どういう方が法廷通訳、例えば学生さんであるとか留学生であるとか、どういう方がなっているのかということについて御説明いただけますでしょうか。
  145. 安東章

    最高裁判所長官代理者(安東章君) お答えいたします。  現実に通訳人候補者名簿に登録されている通訳人候補者の方々ですが、通訳業をされている方、それから各語学大学の講師ですとか先生の方、それから会社員あるいは主婦といった方まで多岐にわたっているものと承知しております。
  146. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 その方々が、まず先ほどの裁判官の面接の後候補者名簿に記載をされて、その後事件に実際に受任されるということになるんだと思うんですけれども、名簿に登録されてから事件に選任されるまでの間にどのような研修がなされるのか、この受講が必須なのか、またその内容と実施される頻度等についてお教えいただけますでしょうか。
  147. 安東章

    最高裁判所長官代理者(安東章君) まず、先ほどの裁判官等による面接の結果、通訳人としての適性を備えていると認められる者につきましては、導入説明を行っております。そこにつきましては、通訳人の役割の重要性を御説明するほか、正確性が通訳の基本であって、逐語的に通訳をすること、質問にかみ合っていない答えであってもその答えのまま通訳をすることなどの注意事項を説明いたします。それがまず、導入説明というものにつきましては、全ての事件で通訳人と選任されるまでに受けているということでございます。  それからもう一点でございますが、各地裁におきましては、通訳人候補者のうち法廷通訳の経験がない者などを対象といたしまして、法廷通訳基礎研修を実施してございます。ですので、初めて通訳人を務めるまでにこの研修を受講する通訳候補者もいるものと承知してございます。  この研修では、標準的な自白事件の模擬記録を用いまして模擬通訳実習を行うなどいたしまして、その際、法廷通訳の経験が豊富な外部講師を招いておりますので、そのアドバイスも受けながら通訳の実践的な知識技能を習得できるというふうにしてございます。  この法廷通訳基礎研修ですが、開催回数は、東京地裁では年三回、大阪地方裁判所では年に二回、その他の地方裁判所では年に一回となってございます。
  148. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 その今の回数が、まず六十二言語全てにおいて行われるということかどうかということと、あと、今、基礎研修についても受ける者がいるという説明だったかと思うんですが、必ずしも受けないままで事件を受任する人もいるということでよろしいんでしょうか。
  149. 安東章

    最高裁判所長官代理者(安東章君) 二つ御質問ございます。  まず、一つ目の基礎研修の回数につきましては、東京地裁で三回とありますのは三言語につき一回ずつということでございまして、六十二言語につき全てやっているわけではございません。  それから、通訳人、先ほど申しました、初めて通訳人として選任される前に必ず基礎研修を受けるのかということにつきましては、そのようなことではございません。
  150. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 研修を受けないまま事件を受任する人もいるということなんですけれども、普通の日常会話の単なる通訳というだけではなく、その法廷という特殊な場で、被告人の本当に人生、被告人に関わる人に対しても、その人生を左右しかねない本当に大切な通訳、もちろんどれも大切ですけれども、法廷通訳という重要性がある中で、そのような体制で研修をやっていますといって十分なのかどうかというところには本当に疑問があるところです。  最初の裁判官の面接、また、この受任前の研修をした上で、語学力とか通訳の能力を理由に通訳人候補者名簿に登録しないというような割合がどの程度いるのかということについて教えていただけますでしょうか。
  151. 安東章

    ○最高裁判所長官代理者(安東章君) まず、面接、裁判官による面接等の結果、通訳人候補者名簿に登録されないという割合でございますが、希望者のうち、今の割合につきましては統計としては把握してございませんが、今回、委員からの御指摘も踏まえまして、取り急ぎ一部の庁に確認いたしました。  そうしたところ、平成三十二年におきまして、東京地裁において通訳人候補者として登録を希望した者のうち登録が認められなかった者は十二名中七名、それから、千葉地裁においては五名中一名でございました。また、大阪地裁においては、平成三十年に通訳人候補者として登録を希望した六名はいずれも登録が認められたものと聞いております。いずれも平成三十年の数字でございます。
  152. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 最初は平成三十二年度とおっしゃったかと思うんですが、三十年の間違いということで確認させていただいてよろしいですね。はい。  その通訳人候補者名簿に登録するに当たり、またその後においても、結局、通訳としての語学、特にその法廷で求められる法律の専門用語であるとか、またそういう特殊な状況の中で逐語の通訳ができるかどうかという、そういうような法廷通訳人としての通訳能力を客観的に評価をするという機会が一切ないというのが現状だというふうに言わざるを得ないと思います。  海外では、例えば法廷通訳として登録するためには試験制度がある。また、ある国では、通訳の技能に加えて指定の教育機関で刑法や外国人関連法の科目を履修して初めて法廷通訳として登録ができるという国もあります。  まず、この日本で試験制度など客観的な能力評価をするための制度が導入されていない理由についてお教えください。
  153. 安東章

    ○最高裁判所長官代理者(安東章君) なかなかお答えが難しいところでございますが、先ほど申し上げましたとおり、通訳人候補者名簿の登録に当たって裁判官の方で面接審査をしていること、また、その結果、通訳人候補者名簿に登録が認められない方がいるということ、それから、後ほどお話が出るかもしれませんが、研修の過程で基礎研修の修了認定という制度がございます。その基礎研修で三分の一の方が修了認定を得られないということで、そういった情報は共有されているということでございまして、そういった中で、刑事裁判官が、実務経験に照らしてどのような事件を対処できるか、通訳できるかというところを判断していると、そのように考えているところでございます。
  154. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 先ほどの、その面接などの結果、名簿に登録をしない、断っているというか認めない人がいるということで、すごく厳格な基準で判断をされているかのようにおっしゃられているように聞こえるんですけれども、決してそうではない。  そもそも、一定程度の能力がある人を前提に募集をして、その上で試験をしてより高度なものを求めて、そこに至らないから認めませんというふうにしているのであれば、確かに厳格な基準の中でやっているということだと思いますけれども、この法廷通訳に関しては、いろんな、会社とか大学とか役所とかいろんな、法務局とか、いろんなところに募集をというか置いておいて、どなたでもどうぞと、通訳ができる方はどなたでもどうぞという前提で声を掛けて、来ていただいた人を全て対応するということですから、その名簿登載を認めなかったことが必ずしも十分な能力を確保し切れているのかどうかというところについては、やっぱり疑問を持たざるを得ないというふうに私自身は考えております。  客観的な能力評価をする仕組みがない中で、裁判所としては通訳人を実際の事件において選任しなければならないというのが今の現状です。  裁判所が通訳人を、この事件にどういう人をというのを選任する基準について教えていただけますでしょうか。
  155. 安東章

    ○最高裁判所長官代理者(安東章君) 通訳人の選任は個々の裁判体の判断事項ということでございますので、事務当局として基準をお答えする立場にはございませんが、一般論として申し上げますと、具体的な事件で選任する際には、事件の難易度、通訳人の経験などを考慮しまして、ふさわしい通訳人を適切に選任しているものと認識してございます。  その関係で、通訳人候補者名簿には、使用可能言語のほか、それまでの裁判所における研修の受講歴、あるいは過去に担当した通訳事件の概要などの情報を書き込むようにしてございます。こうした情報を見ながら各裁判体では個別事件における選任を判断していると、そのように認識しているところでございます。
  156. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 今、研修も実施しているということでおっしゃられていましたけれども、この名簿に登録をした後にする通訳人の質の維持向上のための研修について、その内容や頻度などについて御説明いただけますでしょうか。
  157. 安東章

    ○最高裁判所長官代理者(安東章君) 先ほども若干御説明いたしましたが、毎年裁判所では、通訳人候補者を対象としまして、通訳言語や通訳経験の多寡などに応じた研修を全国の高裁、地裁で実施しております。  研修には三種類ございまして、対象者のレベルに応じて、通訳経験がない者などを対象に法廷通訳基礎研修、ある程度経験のある方を対象に法廷通訳セミナー、経験が更にある方につきましては法廷通訳フォローアップセミナーというものを実施しております。先ほど申し上げたとおり、これらの研修では、模擬記録を用いて模擬通訳実習を行うということで、通訳経験が豊富な外部講師からの指導を受けるということにしております。  それから、裁判官と外部講師におきまして、受講者が対応可能な事件の難易度、これについて評価をしまして、研修修了認定を行ってございます。先ほど申し上げましたとおり、平成三十年度の法廷通訳基礎研修を受講した通訳候補者のうち、研修修了認定が得られた者は約六七%であったというふうに認識しております。  通訳人候補者名簿にはこうした研修の受講歴も掲載されるということになりますので、各裁判体はこういったものを見て選任をしているということでございます。
  158. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 研修も必ずしも一〇〇%受けているわけではなくというところで、研修でもちろん十分かと言われると、どの仕事でも研修だけでは十分でないというのはもうあるんだと思うんですが、この法廷通訳が実際に正確な通訳としてなされているのかどうかというところについて、その正確性の担保というところについてお聞きをしたいと思っています。  私の経験上でも、やはり通訳に関しては疑義が生じるところがあるというのもそうですし、周りから聞いても、特に語学が分かる方、英語とか中国語とか韓国語とか、語学が分かる弁護士も今多いですから、そういう方が実際に弁護人に立ったときに、通訳が余りにもひどくてその場で注意をしたというようなことも本当に数多く聞かせていただいているというのも実情だと思っております。  ただ、ほとんどの弁護士にしろ被告人にしろ家族にしろ、日本語と、使っているその本国の言葉と両方を分かる人ばかりではありませんし、その場で指摘をすることができなければ、誤訳をしたまま事件が進んでいってしまうということもあるというふうに思っています。  自白事件、最初にも、まず簡単な自白事件からというような趣旨でおっしゃられた部分があるかと思うんですけれども、じゃ、自白事件であれば通訳が簡単なのかというと、なかなかこれも一概にも言えない。いろんな情状証人なり、本人の気持ちの部分であったり、状況的なものだったり、そのニュアンスがより大切な部分というのも自白事件にはあると思います。事実としてあるのかないのかであれば、ある意味簡単な通訳なのかもしれないですけれども、ニュアンスをしっかりと伝えることができるのかどうかというのも難しいと思いますし、本当にそういう部分では、自白事件の方が簡単だというふうには一概には言えないというのがまず一つある。  また、実際に法廷通訳をされている方たちにお聞きをしても、自分一人しかその場にいないプレッシャーというのはもう本当にすごいと。自分が通訳を少し言いよどんだだけでもやはり裁判官に対する心証に影響を与えるんじゃないかというような、もちろんそれが法廷通訳としての責任の重みだと思いますけれども、そういうようなものを考えたときに、複数いてもらう、あるいはチェックをする機能がある方が自分にとってもやっぱりすごく有り難いという声も法廷通訳の方からもお聞きするところでもあります。  正確性の担保というところについてどのように現在考えておられるのかということをお聞きしたいんですけれども、よろしくお願いいたします。
  159. 安東章

    ○最高裁判所長官代理者(安東章君) お答えいたします。  名簿登録前の面接、研修についてはお答え申し上げたとおりでございますが、個別の事件におきまして実務の実情を申し上げますと、例えば、尋問のやり取りの中で問いと答えにちぐはぐな点がある、あるいは発言と通訳の長さが異なる点があるなどしますと、裁判官や訴訟当事者において通訳に問題がある可能性に気付くものと思われますし、また、弁護人におきましては、被告人の言い分をよく把握しておられるでしょうから、これが適切に裁判所に伝わっていないということに気付くこともあろうかと思います。  こうした場合、裁判所は、弁護人の話なども受けまして、通訳人にその場で確認を求め、訂正すべき点は訂正させ、曖昧な場合にはもう一度問いをやり直させるといった形で対応しておりまして、このような対応を即座に取れば、通訳に関する疑問は通常はその場で解消されるのではないかと思っております。  また、今申し上げたような通訳の関係で進行に多少滞りが生じたような事例につきましては、その候補者名簿にそのような記載を残すことになりますので、そういった通訳人に次お願いする裁判体におきましては、例えば事前に来ていただいて手続の説明をしたり、どういったところが通訳に難しいところがあるかとお聞きしたりして、通訳人や被告人の様子をより注視するなどの対応を取っていると、そのように認識しているところでございます。  また、複数選任についてもお尋ねもございました。  通訳人を何名選任するかということにつきましては、各裁判体の判断事項ということでございますのでお答えする立場にございませんが、一般論として申し上げますと、各裁判体は、審理日数の長短ですとか通訳の難易度、通訳人の意向などを考慮して適正な数の通訳人を選任しているものと承知しているところでございまして、通訳人の方々の意向は様々でございまして、複数選任を希望する方もおられればお一人での通訳を希望する方もおられると、そのように聞いております。
  160. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 通訳の方の希望というよりも、正確性をどう担保するかというところですので、希望を聞いてそうしますという話ではないというところはまず一点押さえていただきたいですし、事後的に研修する仕組みも含めて今後しっかり検討していただきたいのと、まず、その法廷通訳の方がどこまで正確な通訳をされているのか、できているのかというところについての実態調査に関しては、やっていただきたいというのは強く思うところです。  今回、特定技能の資格の関係で外国人が増える、またそれ以外にも当然、技能実習、また在日、訪日の外国人が増えているというような現状の中で、この法廷通訳の方が減っているというお話を最初にさせていただきました。  今現在、通訳人登録をされている中で、例えば今回の特定技能の資格との関係でいうと、新たに日本語試験を実施する九か国だけで見ても、去年四月の時点での人数ではありますけれども、モンゴル語、ネパール語が各十九人、これは全国でという人数です、ミャンマー語が十三人、カンボジアは一人ということになっております。  それ以外にも外国人が増え、また地方にも外国人が増えていくというようなことを考えたときに、今の法廷通訳の体制で、そもそも外国人が関係する事件が増加することに十分対応できるのだろうかというところを疑問に思わざるを得ないと。この外国人が関係する事件の増加に向けた対策の必要性についての御所見と、あわせて、法廷通訳人を確保するための具体的な取組についてお教えいただけますでしょうか。
  161. 安東章

    ○最高裁判所長官代理者(安東章君) 今後、外国人を被告人とする事件数がどのように動向するかということにつきましては、注視しながら通訳人の数と質の確保に努めてまいりたいと考えてございます。  先ほど質のところについて御質問ございましたので少しお答えいたしますと、裁判所としましては、先ほど申しました通訳人候補者に関する情報を適切に裁判体で共有できるような環境整備、これに更に努めていきたいと思っておりますし、通訳経験のある講師や通訳人の方々の御意見を伺って研修の内容を見直していくということを考えております。  また、通訳の正確性を確保するためには、裁判所、検察官、弁護人の方の配慮も必要かと思ってございます。例えば、公判廷において通訳しやすい平易な質問を心掛け、問いと答えが食い違った場合には改めて質問し直すなどの工夫が行われているところですので、こういった工夫についても、裁判所において、検察官、弁護人と認識を共有する取組を進めていきたいと考えてございます。こういった形で通訳人の質の確保等に努めてまいりたいというところでございます。
  162. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 外国人の増加に向けた対策というのを何か講じられていますかという質問をさせていただいたんですけれども。
  163. 安東章

    ○最高裁判所長官代理者(安東章君) 本日お答えできる範囲でということでございますけれども、現在、各庁において、通訳人候補者の開拓ということで、例えば大学と連携を取ったり、そういったことを始めているところでございまして、そのような取組を今後進めていきたいと思っているところでございます。
  164. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 注視している暇はないんだと思うんですよね、既に増えていますし。  先ほども紹介した、例えば極端なところでいうと、カンボジア語で法廷通訳ができる人は全国で一人と。もう、注視して実際に事件が起きたら探しましょうかとか、そういうものではありませんので、しっかりとそこは、もう事前に対策を組まないといけないということは、本当にもっともっと危機感持って対応していただきたいというところだと思っております。  この法廷通訳の質の確保について、最後に大臣の御所見をお願いいたします。
  165. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 外国人である被告人や当事者の権利を保障しつつ適正迅速な裁判等を実現するということは、これは裁判を受ける権利の保障の観点からも極めて重要であって、有能な通訳人を確保し、正確な通訳が行えることは必要でございます。今後、外国人を当事者とする事件数が増加したとしても、通訳人候補者の不足や不正確な通訳などにより、外国人を含む被告人や当事者の裁判を受ける権利が妨げられるような事態はあってはならないと考えております。  通訳人の確保及び法廷通訳の質の向上については、先ほど来、最高裁判所から答弁があったとおりでございます。個別の通訳人の確保につきましては、各裁判体の専権事項という、判断事項というところでございますが、現在、裁判所におきましては、通訳人を対象とした研修やセミナーの取組を行い、また、実際の通訳人の選定に当たっても、事件内容に応じ適切に運用しているものと承知しております。  ただ、法務省としても、これは、法廷通訳の質の確保が図られるということは極めて大事なことでございますので、裁判所が行っている取組や裁判実務における運用の状況を関心を持って注視してまいりたいと考えております。
  166. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。  続きまして、今回の政省令のところで一点お伺いしたいと思っております。  今回、パブリックコメントを受けて、登録支援機関の登録に関しまして、支援責任者と支援担当者が選任されていることを要するところ、それらを兼任できるということを入管法規則に明記することとなったというふうに承知をしております。この支援責任者と支援担当者のそれぞれの役割について、簡潔にお願いできますでしょうか。
  167. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 支援責任者は、支援の進捗状況の管理や支援担当者の監督その他支援に係る様々な事項の統括管理などを行うことを役割とする者です。支援担当者は、支援責任者の監督の下で、実際に一号特定技能外国人支援計画に沿った支援を行うことを役割とする者です。  この支援担当者は、受入れ機関については特定技能外国人が活動する事業所ごとに置き、登録支援機関については支援を行う事務所ごとに置くこととされています。
  168. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 実際に外国人の支援を行う者と監督する者というふうに分かれるんだと思うんですけれども、これを兼任することを認める趣旨というものがどういうものなのかと、また、その要件についてありましたらお教えください。
  169. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 支援責任者と支援担当者の兼任は、例えば士業の方などが、支援責任者でありながら自ら実際の支援も行う比較的小規模な支援体制を取る場合などに想定されるところでございます。  これは、あくまでも、その支援責任者と支援担当者が兼任することによって支援を適切に実施することができないような場合には、特定技能外国人の受入れあるいは登録支援機関としての登録も拒否されますので、あくまでも事情を一件一件把握しながらその兼任を認めるかどうかということを決めますので、一律にこういう場合は兼任ができますという要件はございません。
  170. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 今、例えばという趣旨で、恐らく士業などの方がというふうな御説明だったかと思うんですけれども、兼任を認めるのはこの士業の方のみということですか。確認をさせていただければ。
  171. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) そうではありません。例として申し上げたものでございます。
  172. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 士業にしろ企業にしろ個人にしろ、一人でやっているところでも大丈夫という趣旨ということ、趣旨というか意味ということなんですかね。
  173. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 先ほど申しましたように、責任者と担当者を兼ねることによって支援、兼ねたとしても支援体制がきちんとしているということを判断をした上で認めるものでございます。
  174. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 そもそもその登録支援機関というのが、受入れ機関が自ら外国人の支援を例えばすることができないというか体制を取ることができないというときに登録支援機関に一部あるいは全部委託をするということなんだと思うんですけれども、この外国人の支援に関して、その委託をされた登録支援機関が更に先に委託、再委託などをすることができるかどうかという点についてはいかがなんでしょうか。
  175. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 登録支援機関、入管法におきまして、特定技能外国人支援計画に基づき支援業務を行わなければならないとされておりまして、更にその業務を他者に委託することを許容するという文言はございませんので、受入れ機関から委託を受けた登録支援機関がその委託に係る支援業務を外部に委託することは認められません。  ただし、といいますか、もとより、その業務の履行補助者として例えば通訳などを活用するということは想定をされています。
  176. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 再委託はできないということであれば、その登録支援機関が、一人であろうが二人であろうが、自ら外国人の支援をやっていくというのが条件になるんだと思うんですけれども、そもそもの登録支援機関が外国人への支援を適切に実施をして、その適切に実施する体制があることが登録の要件になると。  従業員がいないというか、一人で全部やっていますというような場合に、登録支援機関としての外国人支援の役割を実際に一人で果たすことができるのかどうか。先ほど通訳は使うことができるということでしたけれども、実際にできるかどうかというところについてはどのようにお考えなんでしょうか。
  177. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) これは二段階で判断、確認をすることとしておりまして、まず一つは登録支援機関としてその要件を満たすかどうかということと、実際に外国人の受入れに当たってその登録支援機関が支援をするという状況でよいかどうかということの二段階で審査をすることになります。  ですので、例えばお一人が責任者と担当者を兼ねて、全てを全部一人で支援をしますという内容の申請がありましたときに、例えばこの外国人材、特定技能一号の外国人材が仮にお一人であれば、多分一人で全てを支援するということは可能な場合があると思います。ただ、例えば五十人の支援を一人でしますということになりますと、それは支援の体制が取られていないので、その登録支援機関では無理という判断をすることになると思います。
  178. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 そうしたら、そういうその実態的にできるかどうかという可能性なり能力を見た上で登録支援機関として支援責任者と支援担当者の兼任を認めるかどうかを判断するということで、済みません、確認、よろしいんですね。
  179. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) お話のとおりです。
  180. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 以上で終わります。ありがとうございました。
  181. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。    午後零時二十五分休憩      ─────・─────    午後一時三十分開会
  182. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) ただいまから法務委員会を再開いたします。  この際、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に防衛省地方協力局長中村吉利君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  183. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  184. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 休憩前に引き続き、法務及び司法行政等に関する調査のうち、特定技能の在留資格に関して政省令事項を含む法制度の全体像に関する件を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  185. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 沖縄の風、糸数慶子です。  急遽の通告になりましたが、沖縄県北谷町で起きたアメリカ海兵隊員による女性殺害について伺います。  今月十三日、北谷町のアパートでアメリカ海兵隊の男性が女性を殺害し、その上自殺するという悲惨な事件が起きました。男性は夜間外出禁止の規則に違反して犯行に及んだとのことです。しかも、この女性は保護対象となっていたとのことで、防ぐことができた事件ではないかと言わざるを得ません。二〇一六年四月にうるま市で発生した元海兵隊員の米軍属による女性強姦殺人事件が起きて僅か三年でまたこのような事件が起きたことに怒りを禁じ得ません。復帰後、米軍関係者から民間人が殺害されたのはこれで十四件目となります。  政府が把握している今回の事件の概要と、政府として今後どのような措置をとられるのか、伺います。綱紀粛正では事件を防げないことは、繰り返される事件が示しております。御答弁をお願いいたします。
  186. 中村吉利

    ○政府参考人(中村吉利君) お答え申し上げます。  委員御指摘の件でございますが、四月十三日土曜日の早朝、沖縄県北谷町桑江のアパートにおきまして、在沖海兵隊所属の米海軍兵が日本人女性を殺害した後、自殺したと見られる事案が発生したと、こういった報告を受けているところでございます。  現在、捜査当局におきまして事実関係等を捜査中でございますが、このような事案が発生したことは極めて遺憾でございまして、亡くなられた方に対し哀悼の意を表するとともに、御遺族の方には心からお悔やみを申し上げます。  事案の発生を受けまして、米側に対しましては強く抗議を行うとともに、地域住民の方々に不安を与えることがないよう、綱紀粛正、再発防止等の徹底について強く申入れを行っているところでございます。  なお、関係自治体に対しましても情報提供を行っているところであり、引き続き、新たな情報が得られた際には速やかにお伝えをしてまいりたいと思っております。  いずれにいたしましても、防衛省といたしましては、米側に対し隊員の教育や綱紀粛正について更なる努力を求めていくとともに、地域住民の方々に不安を与えることのないよう、日米間で協力して事件、事故の防止に全力で取り組んでまいりたいと考えております。
  187. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 綱紀粛正では事件を防げないと先ほども申し上げましたが、残念な答弁です。  この事件を通報したのは、女性の幼い娘さんだったということです。凄惨な現場に残されたお子さんのことを思うと、胸が張り裂けそうになります。精神的ケアを始め、その残されたお子さんをどう守っていくのか、伺います。
  188. 中村吉利

    ○政府参考人(中村吉利君) 繰り返しの答弁になって恐縮でございますが、今回の事案は大変痛ましく、極めて遺憾でございます。御遺族の方には心からお悔やみを申し上げたいと思っております。  事案に関しましては、現在、捜査当局におきまして事実関係等を捜査中ではありますが、防衛省といたしましては、捜査の結果を踏まえ、御遺族の心情に配慮しながら、関係機関と連携して適切に対応してまいりたいと考えているところでございます。
  189. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 事件の発生した北谷町には、キャンプ桑江、キャンプ瑞慶覧など海兵隊の基地、また、隣の嘉手納町には米軍嘉手納空軍基地があります。多くの米兵、軍属が基地に出入り、居住しており、事件、事故、トラブルが相変わらず繰り返されております。新基地建設なども、こういう状況から考えていきますと、本当にもってのほか、事件をなくすには基地の撤去以外にはあり得ないということを申し上げまして、次の質問に入ります。  今月一日、改正入管法の施行とともに関係政省令が施行されました。関係政省令によって、法律だけでは分からなかった特定技能の在留資格による新たな外国人労働者の受入れ制度の全体像がある程度分かるようになりました。本日は、特定技能外国人の受入れ制度について、新たに明らかになった点を踏まえて質問いたします。  特定技能の在留資格が認められる産業上の分野についてでありますが、出入国管理及び難民認定法別表第一の二の表の特定技能の項の下欄に規定する産業上の分野等を定める省令によって、特定技能の在留資格が認められる分野として十四分野が定められました。これは基本方針で特定産業分野として定められた十四分野と同じです。今後、新たな産業分野が追加される予定があるのか、答弁を求めます。  また、この十四分野は入管法改正の成立前に業界から外国人労働者の受入れの要望があった分野と全く同じです。業界から人手不足なので外国人労働者を受け入れたいという要望があれば、特定技能の在留資格が認められる産業上の分野として定められると考えてよろしいのでしょうか。それとも、業界から要望があったにもかかわらず施行規則に規定されなかった分野はあったのでしょうか。併せてお答えください。
  190. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 特定技能に関して、受入れ分野の追加、これは法令上排除されてはおりません。しかしながら、特定技能制度における外国人の受入れというのは、生産性向上や国内人材確保のための取組を行ってもなお当該分野の存続、発展のために外国人の受入れが必要となる分野に限り行うこととしており、受入れ分野の追加はこうした分野のみに限って認められるということになります。  また、受入れ分野の追加については、業界から要望があれば直ちに認めるというものではなくて、政府基本方針等に基づき新たな受入れ分野に係る分野別運用方針を作成する必要があり、その前提として、有効求人倍率、雇用動向調査、その他の公的統計、業界団体を通じた所属企業への調査等の客観的な指標等を示す必要がございます。  法務省は、これらの指標等を踏まえ、厚生労働省等の制度関係機関と協議し、受入れ分野として追加するか否かを判断することとなります。その上で、関係閣僚会議や閣議に諮るなど所定の手続が必要でございます。その上で、特定技能の在留資格に係る制度運用に関する基本方針を変更するとともに、当該分野に係る分野別運用方針を策定し、最終的には、法務省令の改正により新たな分野が追加されるということになります。  このように、受入れ分野の追加に当たっては、業界の要望のみならず、客観的な指標等に基づき、人手不足対策として外国人を受け入れる必要性等について十分な検討、検証が行われることとなっております。
  191. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) お尋ねの後半につきましてお答えを申し上げます。  今回、業界から要望があったにもかかわらず分野として認められなかったものがあるかというお問いでございますけれども、業界団体からの要望につきましては、まずは各分野所管行政機関において把握されるものであり、法務省として必ずしもその全てを把握しているわけではございません。  なお、今般受入れが認められた十四分野につきましては、ただいま大臣から答弁ありましたように、業界団体の要望を言わばそのまま受け入れたものではなく、その後、各観点からの検討が重ねられた上、今回の定義に当てはまる分野として認められたものでございます。
  192. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 分野別運用方針において特定技能二号が設けられたのは、十四分野のうち建設及び造船・舶用工業の二分野のみであります。しかし、この二分野の分野別運用方針には、特定技能一号の受入れ見込み数は示されているものの、特定技能二号の受入れ見込み数が示されていません。両分野における特定技能二号の受入れ見込み数はどのようになっているのか、答弁を求めます。
  193. 北村知久

    ○政府参考人(北村知久君) お答え申し上げます。  まず、建設分野でございますけれども、特定技能二号は熟練した技能を要する業務に従事する外国人を受け入れるものですが、建設分野において熟練技能者として活躍するためには、相当程度の資格の取得と実務経験が必要でございます。このため、建設分野では、特定技能二号として受け入れることとなる外国人に対しまして、まず技能検定一級相当の技能を有することに加えまして、班長としての実務経験を求めることとしております。  基本的には、制度開始五年度以降、特定技能一号の修了者のうちから要件を満たした者が特定技能二号に移行するものと考えておりますので、本格的な受入れは五年後の令和六年度からとなり、受入れ数は特定技能一号修了者数の数%程度だというふうに見込んでございます。
  194. 宮武宜史

    ○政府参考人(宮武宜史君) 造船・舶用工業分野についてお答え申し上げます。  特定技能二号の外国人材は高い専門性を有する者であり、また、造船・舶用工業分野におきましては溶接業務のみを対象とすることから、多数の者の受入れは想定しておりません。  具体的には、造船・舶用工業分野において特定技能二号として受け入れることとなる外国人に対して、特定技能二号試験において熟練した技能を有することを確認することに加えまして、監督者としての実務経験を二年以上求めることとしております。したがいまして、受入れ数は特定技能一号修了者の数%程度と見込んでおります。
  195. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 分野別運用方針において特定技能二号が設けられている二分野について、技能を認定する試験の実施は予定されているのでしょうか。
  196. 北村知久

    ○政府参考人(北村知久君) 建設分野におけます特定技能二号の技能試験につきましては、毎年実施されています技能検定の一級を活用することに加えまして、令和三年度に建設分野特定技能二号評価試験を開始する予定としております。
  197. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 では次に、在留期間についてお伺いいたします。  今回改正された入管法施行規則では、特定技能一号で我が国に在留した期間が通算して五年に達しているときは、相当の理由がないとして、在留期間の更新が認められないと規定されております。  在留して五年というと、日本語や仕事を覚えて、日本での暮らしにもすっかり慣れた頃です。五年以上の在留期間を希望する特定技能外国人や受入れ機関も多いと思われます。また、二号技能実習を修了した外国人は試験を受けることなく特定技能一号に移行できることとされているため、二号技能実習を修了した外国人は特定技能一号と合計して八年、三号技能実習まで修了した外国人は特定技能一号と合計して十年、我が国に滞在可能となります。  このように、現在の制度でも、外国人労働者が五年以上我が国に在留することが想定されているわけですが、そこでお伺いいたします。  特定技能一号の外国人の在留期間の上限を五年とした理由は何でしょうか。そして、特定技能一号の在留期間を五年以上にすることは検討しているのでしょうか、お答えください。
  198. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 本制度は、閣議決定されました骨太の方針二〇一八において、「以上の政策方針は移民政策とは異なるものであり、外国人材の在留期間の上限を通算で五年とし、」とされたことを受けまして、一号特定技能外国人が本邦に在留することができる期間を通算して五年以内としているところであり、現時点で当該期間を五年を超える期間にするということにつきましては検討しておりません。
  199. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 この施行規則の規定によりますと、一つの分野で特定技能一号の在留資格で我が国に五年在留した外国人は、仮に他の分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能を有していても、もう特定技能一号では在留できないことになります。  別の技能を有していれば、新たに特定技能一号の在留資格を認めてもいいと思いますが、どういう趣旨でこのような規定を設けたのでしょうか。答弁をお願いいたします。
  200. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 先ほど申し上げました趣旨で、本制度、一号特定技能外国人の在留期間、上限五年としているところでございます。  そのため、一号特定技能外国人、いずれの分野におきましても、この一号特定技能外国人である限り、従前の特定産業分野と異なる分野の業務に従事する場合であっても、この特定技能一号の在留資格をもって在留することができる期間は通算で五年を超えることはできません。
  201. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 次に、上陸基準省令について伺います。  いわゆる上陸基準省令も改正され、特定技能についての我が国への上陸基準が定められました。上陸基準省令で、特定技能二号には、技能実習の在留資格で在留していた者は、技能実習に基づく活動により本邦で修得、習熟又は熟達した技能等の本国への移転に努めるものと認められることという基準がありますが、技能実習で得た技能等を母国へ移転するよう努めるということがどうすれば認められるのか、ここのところは大変分かりにくいわけですが、具体的な例を挙げて説明していただきたいと思います。
  202. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 技能移転の方法や程度といいますのは様々でありますところ、技能移転を行ったと認められる程度あるいはその方法につきまして一律に定めることは困難でありますことから、ただいま御紹介いただきましたように、省令におきましては、技能実習により修得した技能等の本国への移転に努めるものと認められることを要件としております。  実際にどのようにこれを確認するかということでございますけれども、特定技能二号の申請に際しまして、技能実習制度の趣旨を理解しており、技能実習により修得した技能等を本国への移転に努める旨の申告、それから、おおむねどのような方法で移転をし得るかの構想を外国人本人が作成した書面をもって確認することとしております。
  203. 糸数慶子

    糸数慶子君 次に、特定技能技能実習との関係についてでありますが、分野別運用方針を見ますと、十四の分野別運用方針のうち宿泊分野以外の十三分野で、当該分野の第二号技能実習を修了した者は試験を受けることなく特定技能一号の基準を満たすとされています。  今回の入管法改正によって、第二号技能実習を修了した技能実習生は、第三号技能実習への移行と特定技能一号への移行という二つの選択肢が与えられることになりますが、三号技能実習への移行が選択されなくなり、あるいは三号の技能実習生が特定技能一号に移行することが想定されるのではないかと思われますが、この点について法務省の見解を伺います。
  204. 佐々木聖子

    政府参考人(佐々木聖子君) 委員お話しのとおりでございまして、技能実習二号を修了した技能実習生が技能実習三号に在留資格を変更するか、あるいは特定技能一号に在留資格を変更するかは、我が国で在留するそれぞれの方の目的に照らした御本人の自由な選択に委ねられているところでございます。したがって、必ずしも技能実習二号を修了した外国人の方全てが特定技能一号へ移行するわけではないと考えております。  また、技能実習三号で在留中の方が実習修了後に帰国されるか、あるいは特定技能一号に在留資格を変更されるかにつきましても、御本人の自由な選択に委ねられます。
  205. 糸数慶子

    糸数慶子君 報酬について伺います。  新しく制定された省令の一つである特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令について、これにおいては、特定技能外国人と受入れ機関の雇用契約について、外国人に対する報酬の額は日本人が従事する場合の報酬の額と同等以上であるという基準が明確に定められています。しかし、同省令では、題名のとおり、一号特定技能外国人支援計画の基準についても定められています。同省令第三条には、支援計画の内容として様々な事項が掲げられており、特定技能一号外国人に対する支援が期待されますが、当然、それらの支援にはコストが掛かります。  報酬の額を日本人と同等以上とし、さらに、少なくない支援のコストを掛けると、特定技能外国人に掛かるコストは、当然ながら日本人労働者に掛かるコストを上回ることになります。このような負担が義務付けられているにもかかわらず、特定技能外国人を受け入れるインセンティブはどこにあるとお考えでしょうか。政府の見解を伺います。  また、受入れ機関としてコストはなるべく掛けたくないと考えるのでしょうから、支援のコストを圧縮したり削減したりする方向になりがちではないのかと考えられます。そのため、支援計画の基準がちゃんと守られるのか疑問がありますが、併せてこの点についての認識を伺います。
  206. 佐々木聖子

    政府参考人(佐々木聖子君) 今回の受入れ制度日本人と同等以上の報酬を外国人材の方に払うということが大前提でございますが、さらに、今御紹介いただきましたように、特定技能一号外国人に対する職業生活上、日常生活上又は社会生活上の支援を義務付けることとしておりますことから、そのような意味におきまして、日本人を雇う場合に比して一定のコストが掛かることになります。  そこで、それでもなおかつ外国人材を受け入れるインセンティブでございますけれども、今回の受入れ制度、深刻な人手不足に対応するため、様々な努力をしてもなお人材を確保することが困難な状況にある産業上の分野において一定の専門性、技能を有し即戦力となる外国人材を受け入れる制度でありまして、このような制度の趣旨からいたしますと、受入れに当たって必要なコストを負担してもなお即戦力となる外国人材の確保を必要とする分野の機関にあっては、特定技能外国人の受入れ制度を活用していただけるものと考えております。
  207. 糸数慶子

    糸数慶子君 以上で終わります。
  208. 石井苗子

    ○石井苗子君 日本維新の会・希望の党の石井苗子です。  今日は、総合対応策について、書いていないことかもしれませんが、根本的な質問をまず大臣に三つほどさせていただきます。  基本的な考え方なんですけれども、先ほどから話題になっておりますけど、七年前に外国の方の観光客の数というのは八百三十六万人だったんですね。これ、二〇一二年ですから震災後なんですよ、統計的には。たった七年間でこれが三倍になりまして、今三千万人とかで、今度は四千万人にしていこうと。こういう計画の中、先ほどからお伺いしていますと、在留していらっしゃる外国の方というのは二百六十四万人で、そのうち働いていらっしゃる方が百六十万人と、こういうふうな傾向にある中、一方で、日本は人口減少と少子高齢化がこれ進んでいるわけです。  だから、今後、地域社会において特定の技能のお持ちの在留資格を持っている外国の方を受け入れるというのは、これは一つの意義あることだと思いますが、実際同じ地域で、文化や行動様式が全く我々と異なっているわけなので、こういう方々と一緒に暮らすにはどうしたらいいかと。予測不能なことが起きてくるんだという心構えも必要だと思うんですけれども、大臣にここでお伺いしますが、根本的な質問と先ほど申し上げましたが、大臣は、多文化共生を実現する上で何が最も重要だとお考えでしょうか、個人的にお願いします。
  209. 山下貴司

    国務大臣(山下貴司君) 外国人材を適正に受け入れ、共生社会の実現を図る、それも、もちろん我が国の文化もしっかり尊重していただくということも当然でございますが、外国人文化も尊重すると、そういったことによって、日本人外国人が安心して安全に暮らせる社会の実現に寄与するということを目的とするものでございます。  政府としては、在留資格を有する全ての外国人を孤立させることなく社会を構成する一員として受け入れていくという視点に立って、外国人日本人と同様に公共サービスを享受し、安心して生活することができる環境を整備していくと、これがまず一つ大事なんだろうと考えております。  また、その環境整備に当たっては、受け入れる側の日本人が、共生社会の実現について理解し協力するよう努めていくというだけでなくて、受け入れられる側の外国人も、共生の理念あるいは日本の風土、文化を理解するよう努めていくことが重要であるというふうに考えておりまして、これらは総合的対応策の理念ということで記載されているところでございます。  そもそも、外国人材、外国人が我が国で暮らすに当たって、我が国のルール善意で知らなかったということも多いものですから、そういったこともしっかりとお伝えして共に暮らしていただくというのが大事でありましょうし、法務省としては、関係省庁と緊密に連携し、外国人を、日本で働き、学び、生活する方々として迎え入れ、国民外国人との双方が尊重し合えるような多文化共生社会の実現に向けて万全を期してまいりたいと考えております。
  210. 石井苗子

    ○石井苗子君 孤立しないことという言葉が響いたんですけれども、私は、受け入れる側の日本人意識改革というのも、これが最も重要だと個人的には考えております。外国で暮らしてみますと、今までの日本社会というのは、外国の方とうまくやって暮らしていくことに慣れていないですよね、もう明治維新以来、慣れていないと思うんです、いい悪いじゃなくて。  そうすると、景気が悪くなってきたり仕事がなくなってきたりすると何が起こるかということなんですが、これはヨーロッパなどの傾向なんか見ますと、仕事がないのは外国の方が来て仕事を取ってしまったからだというような排斥運動みたいなのが起きてきているというのがヨーロッパでもあるんですけれども、こういった差別意識をなくして、外国の方を自分たちの社会の一員として受け入れようとするように地域の住民の方々の意識改革というのを促すには、大臣はどうしたらいいかと思っていらっしゃいますか。
  211. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 委員御指摘のとおり、外国人に対する日本人の例えば偏見や差別、これをなくさなければならないと、そのために、互いの文化や言語、生活習慣等の違いを理解し、尊重することが重要であると考えております。  これにつきましては、まずは啓発、例えば啓発ビデオや啓発冊子等を用いた様々な啓発活動を取り組んでおります。ヘイトスピーチ等に対する取組もその一つでございます。そして、人権相談、これも多言語に対応してしっかりと受け止める必要があるであろうということで、多言語に対応した外国語人権相談ダイヤルや外国人のための人権相談所等の窓口により、外国人からの人権相談に適切に対応するということが必要であると考えておりまして、これも、しっかりとこれらの取組をやってまいりたいと考えております。  総合的対応策につきましては、外国人に対する差別の解消を含む共生社会実現のための受入れ環境の整備というのが盛り込まれておりまして、先ほど申し上げた法務省の人権擁護機関等について、例えば、心のバリアフリーを進める取組について地方公共団体等と連携した啓発活動などを更に推進することとしておりますし、さらに、総合的対応策において、外国人が抱える職業生活上、日常生活上、社会生活上の問題点を的確に把握し、外国人材の受入れ環境整備に関する施策の企画立案に資するよう、外国人に対する基礎調査を実施することとしております。  この基礎調査については、現在法務省においてその内容及び実施方法について検討を行っているところであって、今後この基礎調査をする中で、その結果、例えば外国人に対する差別や偏見、そういったものが浮き彫りにされ、それに対する解消策も浮かんでこようと考えておりますので、そうした施策の企画立案を進めてまいろうと考えております。  外国人が不当な差別を受けることがあってはならないということ、そして、我が国で共に暮らし、働き、学ぶ仲間であるというふうな思いを持って、こういった取組を迅速かつ着実に進めることが肝要かと考えております。
  212. 石井苗子

    ○石井苗子君 御丁寧な答弁、ありがとうございます。  差別がないようにしていくということは根本的に大切なことなんですけれども、私はこれ、新しい時代をこれからつくっていくことになるのかなと。先ほどから御質問もありましたけれども、受け入れながらも帰っていただく、受け入れながらも帰っていただくというような、何かそういう制度なのかなというような感じもしております、個人的には。  総合的な対応策としては、私は、多文化共生という言葉がありますが、これを実現するためには、特に不正が行われないような仕組み、制度、これしっかりつくっていかなければいけないと思うんですね。  社会保険のことをお話ししたいと思うんですけれども、これは総合対応策二十二ページの方から書いてございます。  社会保険などの不正がマスコミで報道されると、外国の方に対する憎悪などというものが生まれてしまうと。これ、差別につながってくると思うんですが、ここをしっかりと制度的に決めていかなければならないと思うんです。テロリストのことも大変心配ですけれども、私は、日本の、丁寧で早くて安全でどこでも受けられる医療サービスというのは、これ非常に魅力的なんですね。ここは私たち日本人も、これから制度をどうしていこうかと、高齢社会を迎えているわけですから。ここのところで不満が出て、マスコミの報道で心ないような批判が外国の方に向いてしまうことのないように制度をつくっていくことが大切かと思うんです。  総合的対応策では国民健康保険や国民年金の保険料滞納について言及されていらっしゃいますが、在留外国人の方が税金や社会保険を滞納すると、在留を認めないということになるんでしょうか。更新しないというふうに書いてありますが、この滞納期間や処分の内容など、どのような方策を探ることになっていくのか、私のその制度という意味でお答えいただけますでしょうか。
  213. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 石井委員御指摘のとおり、外国人材の適正な受入れと共生社会実現のためには、まず、外国人にも納税や社会保険制度上の義務をしっかりと適正に履行してもらうことが重要であると考えております。  そこで、昨年末に関係閣僚会議で了承された総合的対応策においても、外国人による納税義務や社会保険制度上の義務の履行を促進するための施策が盛り込まれているところであります。  具体的には、特定技能外国人の在留資格変更許可申請等に際して、地方出入国在留管理局において、外国人本人及び受入れ機関の納税義務や社会保険制度上の義務の履行状況を確認することとしております。そして、納税義務や社会保険制度上の義務を履行せず、一定程度の滞納等があることを把握した場合には、地方出入国在留管理局において、まずは当該外国人又は受入れ機関に義務を履行するように指導し、それでも義務を履行しない場合には、在留資格の変更や在留期間の更新を認めないこととしております。  もっとも、これ、外国人本人に帰責性がなく、単に受入れ機関の義務が不履行であったということであるということの場合には、例えば、登録支援機関等の支援を得て、その外国人が他の適正な受入れ機関との間で雇用契約を締結すれば在留が認められるようになるというふうに考えております。  また、特定技能外国人の義務履行のための支援につきましては、この特定技能制度については、受入れ機関や登録支援機関が一号特定技能外国人に対して納税や社会保険の手続に関する情報を提供するほか、必要に応じて関係行政機関の窓口まで同行し、手続の補助を行うなどの支援をしているところでございます。  また、そのほかの外国人につきましても、生活・就労ガイドブックというものを日、英で既にホームページ上にもアップしておりまして、この多言語化も図っておりまして、そうしたところの情報提供を通じてでも、その義務の履行について、やり方について情報を提供していきたいと考えております。
  214. 石井苗子

    ○石井苗子君 ありがとうございました。  社会保険料の例えば納付済みという証明書を提出されない場合、こういった場合は、ルール的には逃げてはいけないことになっているわけですから、そのルールは分かるんですけれども、失踪したり分からなくなったりと、そういった場合は何か方策はお持ちでしょうか。
  215. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) それぞれ社会保険等の義務の履行につきましてルールがあるのは今申し上げたとおりです。  それを履行していただけなかった場合、今のお話ですと、御本人自体がいらっしゃらなくなったような場合という、失踪ですね、それは、受入れ機関からいなくなられたということの情報を得て、私どもとしましては、必要に応じて関係機関とも協力の上、もしもその失踪した外国人がほかのところで発見をされたという場合には、在留資格の取消しですとか退去強制手続などを取ることになります。
  216. 石井苗子

    ○石井苗子君 それぞれ分野が分かれているということも了解しておりますが、それでは、厚生労働省にお聞きいたしますね。  国民健康保険につきましては、総合対策の中の二十三ページに書いてあることなんですが、在留資格の本来の活動を行っていない場合、そういう可能性がある場合ですね、市町村から法務省に通知する枠組みが書いてございます。この通知する対象をこれからは海外療養費や出産一時金の支給申請時などに拡大するとなっておりますが、まず一番目、現在、四月一日以降ですけど、現在はどの範囲が通知対象となっているんでしょうか。次に、市町村の窓口担当者の方が外国の方の活動に疑問を持ったとします、例えば。そうすると、外国の方、その本人やそのほかの関係者などに、どの範囲にどのような情報の提供をどうやって求めることができるのか、そのやり方が分からないんですけれども、この二つ、ちょっとはっきりさせていただけますか。
  217. 渡辺由美子

    ○政府参考人(渡辺由美子君) 今御指摘のございました通知の制度でございますけれども、これは昨年の一月から試行的に実施をしておりまして、試行の段階では、通知の対象は高額な医療を受けている人、具体的には、例えば高額療養費の申請など市町村の窓口に来た人、そういう方が対象になっておりますが、先生御指摘のありました、今年の一月から拡大をしておりまして、海外療養費の支給申請を行った場合、あるいは出産育児一時金の支給申請を行った場合にも対象とするということで拡大をしております。  また、実際にどういうことを聞けるかということでございますけれども、現行法では、まず、基本的には市町村は御本人に対して聞くということになりますので、窓口に申請に来られた方に対して、住所ですとか在留資格、在留期間、あるいは資格取得年月日等々について聞き取りを行うということになります。  これまでは、市町村でございますので、例えば隣の税務課とかそういったところからの税務情報で、在留資格が経営・管理なんだけれども給与所得が税務上あるとか、そういう情報があればそういうものをつなぎ合わせて通報するということにしておりました。  ただ、今、実は今国会に厚労省として健保法の改正法案を出しておりまして、市町村のもう少しこういう調査権限を強めるということで、この法案の中ではこういう資格調査についての権限を広げることにしておりますので、そうなりますと、例えば在留資格が留学であった場合に、留学先の学校とか、そういうところにも照会をできるという、そういう法的な改正もするべく法案を出しているところでございます。
  218. 石井苗子

    ○石井苗子君 私、一番最初にその仕組みや制度をきちんとつくっておかないとという質問をしたんですが、今のお答えですと、申請に来た外国の方本人にまず聞き取りをされると。次に、調査を行った後、その勤務先だったり、留学生だったら就労先だったり就学先だったりというところに聞くということでありましたね、御説明が。  そうすると、この情報を今度求めた場合に、求められた側というのは、その情報を提供する義務、義務ですよ、義務は設定されていますか。義務はありますか。
  219. 渡辺由美子

    ○政府参考人(渡辺由美子君) 現行法の下では、仮に被保険者が回答しなかった場合に特に罰則は設けられておりませんので、その意味では回答は任意ということになります。
  220. 石井苗子

    ○石井苗子君 任意ということは義務がないということですよね。義務はない。となると、これはどうして義務がないんでしょうか。強制すると、その外国の方を殊更差別というか区別していることになってしまうから義務がないんでしょうか。
  221. 渡辺由美子

    ○政府参考人(渡辺由美子君) 御指摘の点、外国の方に限らず、日本人であっても、特にその罰則というものは設けられていないということでございまして、これは、基本的には市町村は保険者として被保険者の管理をしているということでございますので、その保険者として、被保険者以外の情報、例えば在留資格とか、そういったことについて聞いたことについて、国保の保険者として罰則を掛けるというところまでは行かないという、そういう考え方に基づくものでございます。
  222. 石井苗子

    ○石井苗子君 後でちょっと確認したいんですけれども、日本の人だって同じなんだという御回答なんですけれども。  ちょっと質問の形を変えまして、私が不思議に思ったことなんですが、よく報道されている、海外での出産の事実を偽装した出産一時金の不正な受取というのがあるんです、受給なんですが。これ、どういう手口でやっていらっしゃるのかちょっとお聞きしたいんですけど、年間何件ぐらい事件が起きていらっしゃるのか、お持ちでしょうか。
  223. 渡辺由美子

    ○政府参考人(渡辺由美子君) まず、件数そのものについては、不正件数という形での集計はしておりませんので把握はしてございませんが、私ども、個別の市町村にヒアリングをした中では、やはり現地の医療機関から発行されている出生証明書、こういったものを偽装するというケースがあったというふうに伺っております。  こうしたこともございまして、今年四月一日に私ども厚労省の方で通知を出して、こういった出産育児一時金の審査について強化を図ったところでございまして、具体的には、出生が海外渡航中のものであるということについて、パスポートや航空券などの写しをしっかり出してもらうとか、あるいは、出産に関して現地の公的証明とか医療機関による証明書類を確認する、さらに、保険者としてそういった書類を受け取ったときに、現地の公的機関、医療機関に保険者から照会を後から行いますよということを本人に同意書を求める、これは現在、海外療養費でこういう運用をしてございますが、これを出産育児一時金についても行うという、そういう改正をこの四月からしております。
  224. 石井苗子

    ○石井苗子君 出産一時金のことについては分かりました。  そうしますと、この総合的対応策の中でまた一つ疑問があるんですけれども、日本でも多いんですけれども、成り済ましというこの問題なんですが、ほかの人の保険の証書を流用して成り済ましをするということなんですが、この対策として本人確認書類の提示を求めることができるようにすると、そう書いてございますが、現時点でそうなっておりますか。
  225. 渡辺由美子

    ○政府参考人(渡辺由美子君) 現時点でも、医療機関の判断で、患者に対して本人確認書類の提示を求めることは妨げられておりませんで、幾つかの医療機関でも実際にそういうふうにやっているところもございます。  ただ、今回は、こういったことについて、これもやはり国籍による差別ということにならないように、外国人、日本人かかわらず医療機関の判断でできるということをきちっと示すということで、これにつきましては、厚労省の方において、今後でございますけれども、具体的に、例えばどういうものを本人確認書類として使うのかとか、あるいは、例えば乳幼児であれば例外にするとか、そういう例外事項とかも含めて、少し整理をした形できちっと通知をしたいというふうに考えております。
  226. 石井苗子

    ○石井苗子君 これ大変難しいんですよ、日本でも成り済ましということはございまして。  ただ、これ、日本でもそういうことがあるから外国の方だって同等に、人権という立場からしたら差別をしてはいけないということなんでしょうけれども、国籍という意味でいけば、外国の方は、投票権もちろんないですし、政治活動もしてはいけないことになっているわけですね。  これ、一つの目的がある場合に、これ差別と、整理整頓といいますか、制度として持っていき、そういうことが起こらないように取り締まっていくということは、私は少し別にしてもいいのではないかと思うんです。  病院で勤めておりますけれども、一々確認なんかしませんし、どちらかというと、病院は患者が増えてくれた方がいいわけなので、一々確認しないわけなんです。こういうことが人権という意味で続いていってしまうのもどうかなと。さっき一番最初に言いましたように、外国の方は本当に日本の制度を使って悪いことをしているというような報道やマスコミがあると、これ別な次元に問題が拡大してしまいますので、しっかりとやっていってほしいんですが。  この総合的対応策の中で、医療機関が必要と判断する場合には本人確認書類の提示を求めることができるとされております。同じ国の同年代の人の健康保険証を持ってきた場合には、これは余り必要と判断することはないというふうに読めると思うんですけれども、本人の確認書類の提示要求を義務化する、あるいは本人の確認書類を提示しなければ全額自己負担にして、提示した後で返金するというような、これ、実効性が強くある方法なんですが、こうしたことが取れないんでしょうかね。不正使用に対する姿勢がちょっと甘いと思わぬ方向に行ってしまうような気がするんですが、ここの辺りは厚生労働省の方はどのように考えていらっしゃいますでしょうか。
  227. 渡辺由美子

    ○政府参考人(渡辺由美子君) 御指摘のように、本人確認書類の提示を保険診療の前提とするということにつきましては、我が国の国民皆保険の下では、基本的には、その患者さんがどの医療保険者に属しているかという、保険証があれば受けられるという、こういう仕組みが基本だということと、それから、やはり我が国の社会において、まだまだこの本人確認を行う手段というものの普及状況が必ずしも行き渡っていないということ、それから医療機関の事務負担等々もございまして、現時点でこれを強制的にするということは現実的でないと考えております。  ただ、二〇二一年三月からになりますが、これも現在法案を提出してございますけれども、マイナンバーカードを保険証として利用してオンラインで資格確認をするという、その基盤の整備の法律を出しておりまして、御案内のとおり、マイナンバーカードには写真がございますので、これが普及していけば、結果的に本人確認の手段になり得るというふうに考えております。
  228. 石井苗子

    ○石井苗子君 それを言おうと思っていたんです。私は、マイナンバーカードの普及というのが必要だというふうに前から訴えているような人間ですので、写真とちゃんと、これは普及という意味においても、制度として、何かを守るためには一つ目的を持って制度をつくるということは、法務省の、ここ法務委員会ですけれども、これは正しいのではないかと、理由があればよしとするという制度をつくってもいいのではないかと思います。  質問はこれで終わらせていただきます。  ありがとうございました。     ─────────────
  229. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、糸数慶子君が委員を辞任され、その補欠として伊波洋一君が選任されました。     ─────────────
  230. 山口和之

    ○山口和之君 日本維新の会・希望の党の山口和之です。  本日は、まず、前回できなかった親族相盗例について質問させていただきます。  刑法二百四十四条の条文上には、既に婚姻関係が破綻し何十年も別居しているような夫婦間で額の大きな窃盗事件が起き、被害者が厳罰を求めて告訴したとしても、加害者の刑を免除しなければならないということになっています。このようなケースで刑の必要的免除を認めるのはなぜでしょうか、教えてください。
  231. 小山太士

    ○政府参考人(小山太士君) お答え申し上げます。  刑法二百四十四条一項の規定は、配偶者、直系血族又は同居の親族に対して窃盗等の罪を犯した者について刑の免除を定めるものでございます。その趣旨でございますが、これは、親族間の一定の財産犯罪につきましては、国家が刑罰権の行使を差し控え、親族間の自律に委ねる方が望ましいという政策的な考慮に基づき設けられたものであると解されております。  いろいろな事実関係あるわけでございますが、刑法二百四十四条一項の定める者との間で行われた窃盗等につきましては、こうした趣旨は妥当するところでございまして、刑法の謙抑主義の観点からも、不合理なものとは言えないと考えているところでございます。
  232. 山口和之

    ○山口和之君 親族関係を理由に刑を免除するかどうかは、個別の事案ごとに裁判官が任意に決めることができるようにすれば十分ではないかというふうに思います。  刑法二百四十四条一項は、窃盗などの犯罪については、一定の親族関係という形式的な要件さえ満たせば、被害額がどれだけ大きくても、また被害者がどれだけ加害者に対する処罰感情を強く持っていても、加害者の刑を必要的に免除するというもので、極めて不合理であると感じます。  この規定については、せめて任意的に免除できるという形に見直すべきではないかと思いますが、山下大臣にはどのようにお考えでしょうか。
  233. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 刑法二百四十四条一項の規定の趣旨は、先ほど刑事局長が申し上げたとおりでございます。また、山口委員御指摘のように、任意的免除とする考え方もあり得るところは事実でございます。  他方で、最高裁判所の決定、これは平成二十年二月十八日付けの決定でございますが、これによれば、刑法二百四十四条一項の趣旨について、親族間の一定の財産犯罪については、国家が刑罰権の行使を差し控え、親族間の自律に委ねる方が望ましいという政策的な考慮に基づくものというふうにされているものでございます。  このことからすれば、配偶者等一定の親族に対して窃盗等の罪を犯した者について、刑の免除を必要的とすることにも一定の合理性があるのではないかと考えられますので、現時点でこれを見直す必要はあるとは考えておりません。
  234. 山口和之

    ○山口和之君 国家によってむやみに家庭の平穏が害されるということはあってはなりませんが、被害者の犠牲の上に成り立っているような家庭の平穏は保護に値しないのではないでしょうか。被害者救済の見地から、刑法二百四十四条の見直しを始め、司法分野、行政分野を通じて、法は家庭に入らずの持つ強過ぎる影響力を弱める必要があると感じます。山下大臣及び法務省には、是非とも検討いただきたいと思います。  次に、特定技能の対象になっている介護の日本語要件に関して質問いたします。  外国人による介護の議論は、この数年間、国会で何度も取り上げられてきました。そして、そのたびに、介護サービスの質が保てるのかということが問題となりました。在留資格「特定技能」が始まる前、平成二十九年十一月一日から在留資格「技能実習」の対象に「介護」が追加されていますが、利用者は、技能実習生の介護サービスの質についてどのように感じているのでしょうか、厚生労働省にお伺いします。
  235. 八神敦雄

    ○政府参考人(八神敦雄君) お答え申し上げます。  技能実習「介護」に対する利用者の感じ方ということでございますが、まず介護分野の技能実習につきまして、現時点で技能実習生の介護サービスに関する利用者の受け止めといったことにつきまして、まず網羅的に把握したというものはございません。  一方、技能実習生の介護サービスに関する利用者の受け止めにつきまして、あくまで例でございますけれども、昨年末に入国をした技能実習生が就労している施設、厚生労働省の者が視察をした際でございます、実習生から介護を受ける利用者から聞き取ったというところでございますが、日本人よりも優しくて気が利いて、困っていることはないなどの声が聞かれたということはございます。  一方でありますが、本年一月二十九日から二月二十七日まで実施をいたしました介護職種の技能実習生の日本語要件に関する改正告示、このパブリックコメントにおきましては、利用者家族、利用者御本人ではございませんが、利用者家族の声といたしまして、介護者と被介護者の間での言語によるコミュニケーションは非常に重要であり、そのためにN3は必要条件であるといった意見も見られたところでございます。
  236. 山口和之

    ○山口和之君 外国人による介護サービスの質が疑問視されたのは、主に日本語能力の面からでした。そのため、技能実習に介護を追加するに当たっては、介護サービスの質を担保するとともに利用者の不安を招かないようにするために必要なこととして、利用者が安心してサービスを受けるのに必要な程度の言語能力が担保されていることが必要とされ、来日時N4程度、入国一年後N3程度との要件が定められました。しかし、厚労省は、制度開始から僅か一年余りで、入国一年後N3程度という要件を撤廃することに決めたと伺っております。  なぜ、こんなにも早く要件を撤廃することにしたのでしょうか。平成二十九年の法改正時に国会で行った法律事項になっていない事項に関する議論は、行政に対する拘束力のない無意味なものだったのでしょうか、お教え願います。
  237. 八神敦雄

    ○政府参考人(八神敦雄君) お答え申し上げます。  介護分野の技能実習生につきましては、サービス提供に当たりまして、利用者の方や職員間でのコミュニケーションが求められるといったことから、他の職種と異なりまして、日本語能力として、今委員御指摘のように、入国時にN4、それから入国一年後までにN3の取得を求めるという告示を二〇一七年九月に公布をしたところでございます。  この告示を踏まえまして、ベトナム、フィリピン政府が介護職種の送り出しに必要な国内制度の整備、これを進める中で、政府間の意見交換の場におきまして、入国一年後にN3を取得できない場合の帰国のリスクといったことにつきまして懸念が示され、両国からの送り出しが開始されないという状況が続いたところでございます。  こうした状況を踏まえまして、昨年六月の骨太方針では、技能の移転による国際協力という技能実習制度の目的が果たされるよう、まずは相手国からの送り出しの開始に向けて、介護の質にも配慮しつつ、介護の技能実習生について入国一年後の日本語要件を満たさなかった場合にも引き続き在留を可能とする仕組みについて検討を進めるということとされたところでございます。  介護の質につきましては、委員御指摘のとおり重要と考えております。質につきまして、入国一年後までの合格が義務付けられる技能実習評価試験において、日本語の実技試験、学科試験を実施し、基本的な介護技能を担保するとともに、受入れ施設の下に日本語学習を行うということを条件として求めるといったことを通じまして、質をしっかり確保してまいりたいと、このように考えてございます。
  238. 山口和之

    ○山口和之君 入国後一年までにN3程度を達しなければ帰国を余儀なくされるという従来のルールはハードルが高く、ベトナムやフィリピンといった送り出し国の政府からも実習生のリスクに配慮して再考するよう求める声が上がっていたことは、事情もある程度承知しております。  しかし、そもそも国際協力、技能移転の趣旨の技能実習は、介護サービスの質の低下、利用者の不安の増加というリスクを負ってまで行う必要はないと思います。N4程度の一年目の技能実習生でも介護サービスの質は低下しない、利用者も不安を感じないというような実績があって初めて入国後N3程度との要件を撤廃するという判断が可能となるはずです。全くそのような実績もない中での要件撤廃は、非常に問題があると言わざるを得ません。  また、直近の国会審議を無視するような形での今回の要件撤廃は、委任立法自体の正当性を失わせるものであって、国会が行政を監視できていないということを示すものであるということになります。そういう点からしても大いに問題があると思います。厚生労働省を始め行政の方々には、三権分立と国会の役割について改めて真剣に考えてほしいと思います。  技能実習において入国一年後N3程度との要件が撤廃されるとしても、介護における日本語能力の必要性は変わっていません。技能実習に対しても、特定技能の外国人に対しても、日本語能力向上のための支援が必要です。それぞれに対する日本語能力向上のための支援がどうなっているのか、厚生労働省にお伺いします。
  239. 八神敦雄

    ○政府参考人(八神敦雄君) お答え申し上げます。  外国人介護人材の日本語能力の向上は、職場への円滑な定着を図るとともに、利用者に提供されるサービスの質の確保といった観点からも大変重要であるというふうに考えてございます。  これまで介護分野の技能実習生に対して、監理団体が実施する入国後講習で活用できる「介護の日本語」の共通テキストでありましたり、実習開始後の継続的な日本語学習を支援するためのウエブコンテンツなどの開発を進めてきたというところでございます。  さらに、今年度予算でございますが、新たな在留資格「特定技能」が創設されましたことを踏まえまして、更に増加が見込まれる外国人介護人材の受入れ環境を整備をし、円滑に就労、定着ができるようにするため、介護技能や介護の日本語等の向上のための研修等の実施といったことに対する支援、あるいは自律的な日本語学習を行えるようにするためのウエブコンテンツの拡充、また、介護業務の悩みなどに関する相談支援などの取組を行うこととしてございます。  こうした取組を通じまして、外国人人材が安心して日本の介護現場で就労、定着ができ、また介護の質といったものが確保できるよう、国内の受入れ環境の整備といったことをしっかりと進めてまいりたいと、このように考えております。
  240. 山口和之

    ○山口和之君 技能実習「介護」、特定技能「介護」によって介護サービスの質が低下した、利用者の不安が増大したというようなことにならないように、しっかりと日本語能力向上の支援を行っていただきたいと思います。  日本において、他国に介護人材が流れていってしまう、あるいは違う職種の、介護じゃない職種の方がいいというふうに、介護が選ばれるようにするためには、質の高い介護というのを日本の中で展開しなければなりません。是非とも、我が国は課題先進国ですので、モデルとなれるような、見本となるような介護を実現していただきたいと思います。よろしくお願いします。  以上で終わります。
  241. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。  今日は、三月二十八日に法務省が公表いたしました技能実習制度の運用に関するプロジェクトチームの調査・検討結果という報告について、大臣に基本点をただしておきたいと思います。  お手元に資料をお配りをいたしました。最初の二枚が法務省の概要ですけれども、この報告は、一般紙においては、例えば、失踪実習生七百二十一人に対し不正疑いとか、ずさん運用七百五十九人というふうに見出しで報じられているわけですね。  これは、対象とされた失踪技能実習生五千二百十八人のうち七百五十九人というのは、既に不正行為措置済みであったものも加えた数字ということなわけですが、これ、五千二百十八人のうちの割合を計算すると、単純に言うと一四・五%ということになります。最低賃金違反は五十八人で、これは一・一%ということになります。  そもそもこの調査は、平成二十九年の失踪実習生に対する聴き取り、二千八百七十人の分のこの聴き取り票を野党が閲覧、分析をして、最低賃金違反はこれおよそ七割に上るではないかという厳しい指摘が国会内外の大きな焦点になる中で、大臣御自身が徹底した反面調査を行うと言われて取り組まれたものなんですよね。  これ、こうした概要を発表されたといいますか、報告をされたのは、つまり最低賃金違反は七割ではなかったんだと、そうおっしゃりたいわけですか。
  242. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) このプロジェクトチームの調査・検討結果につきましては、これは反面調査を行うということをお約束したということについて、我々の可能な限りにおいて調査、検討した結果を公表させていただいたものでございます。  ですので、まず、聴取票と今回の結果が異なる点については、これは原資料というものがやはり違っているのだろうと思います。というのは、最低賃金違反が約七割といった御指摘というのは、聴取票を閲覧した先生方において、失踪技能実習生からの聴取票の記載を閲覧した結果として述べられているものと承知しておりますが、今回のプロジェクトチームの調査では、失踪技能実習生の供述内容をそのまま記録した聴取票によってではなく、可能な限り賃金台帳やタイムカードといった客観資料を入手して、控除額やそれを差し引いた後に実際に支払われていた賃金の額などを調査したものということでございます。その結果、最低賃金違反、又はその疑いのあることが判明したものが五十八人であったという結果を客観的にファクトとしてお示ししているというものでございます。  加えて、旧聴取票には、例えば月額給与の項目がございましたけれども、これが額面賃金額と手取り賃金額のいずれを示すのかが必ずしも明らかではなかったと。また、労働時間の項目も、所定労働時間と実労働時間のいずれを指すのか明らかでないなどの一義的ではない聴取項目が存在したということでございます。  そうした反省も含めて、今回、新たな聴取票の様式に十分な聴取項目を設けるなどの改善策を講じることとしたというところでございます。
  243. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 今大臣が、客観資料を入手し、それらに基づいて、実際に払われた金額だとかあるいはファクトだとか、そうした御答弁というのは、私ちょっと到底納得がいかないですよね。  今日、具体的にただしたいと思いますが、そもそも原資料が違っていると、野党の分析とおっしゃるけれども、この報告書の公表前日に、私に法務省から説明がありました。恐らく他の会派の議員の皆さんにもあったと思いますけれども、そのときの概要には、最低賃金未満が七割といった状況は認められずという文章があったんですよね。これ、後にそこは削られたようですけれども。あるいは、資格外活動を立件された者の就労状況に関する調査結果からは、就労先において技能実習当時よりも高額の報酬を受領する者が八割近くに上ることなどが判明したことから、より待遇の良い就労先を確保できる可能性が失踪の誘因になっている側面がうかがわれるなどという、公表報告書にはない記述が当時あったわけです。より高い賃金を求めて失踪するんだと。  それで、大臣は、八七%でしたか、に上るという答弁を秋されましたけれども、そうした不心得な者たちだと。七割と野党が、最賃以下七割だというふうに指摘したのは、これは間違いだという形で幕引きを図ろうとする意図が先にありきの取りまとめをしようとされたのではないのか。私は重大な問題だと思うんですね。  可能な限りの調査で、ファクトを使うんだとおっしゃいましたけれども。そこで、まず聞きますが、この調査実施状況の項目の③、④というふうにあるように、協力拒否、倒産、所在不明が、これ調査対象の実習実施機関ですけれども、これ合わせて三百八十三機関四百七十五人の失踪者のものがあるわけですよね。これ、こうした事案こそ深刻な権利侵害が疑われるべきだと私は思います。だって、実習先の実体がないとか、あるいはもう倒産しているとか行方不明だとか、あるいはあるのに調査を拒否すると。こういうところほど疑って掛かるべきなのに、ここは違法行為の有無だとかの判断の対象にそもそもしておられないでしょう。  これ、法務省プロジェクトチームとしては、今後どう取り組んでいくんですか、この二つの件について。
  244. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 今回、失踪事案調査の対象実習実施機関等で技能実習生が在籍中の機関に対しては、これはもう外国人技能実習機構又は地方出入国在留管理局において、平成三十一年度末までに技能実習法ないし入管法に基づく実地検査等を行う方針でございます。もとより、委員御指摘の疑念も否定できず、今回調査拒否をした実習実施機関に対しては、速やかに実地検査等を実施してまいりたいと考えております。  倒産、所在不明等につきましては、若干その対象自体が消滅あるいは不明であるという事情がございますが、協力を拒否した、調査拒否をしたところについては実地検査等を実施してまいりたいと考えております。  また、調査拒否などにより調査ができなかった機関から技能実習計画の認定申請や特定技能の在留資格に係る申請がなされた場合には、この外国技能実習機構や地方出入国在留管理局において、これらの調査への対応姿勢を十分踏まえた慎重な審査を行う予定でございます。
  245. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 新たな実習申請があったら、これは慎重に審査というか、もうこれやめさせる、絶対駄目だというのが当たり前ですよ。  今後、速やかに実地検査を機構がやるという御答弁を今日初めてされましたけれども、速やかにって、これいつまでにやるんですか。これ、その結果報告を国会にすべきじゃありませんか。
  246. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) これは平成三十一年度末までにというふうに申し上げたところでございます。また、調査拒否をした実習実施機関に対して、機構が、これは機構においてノースケジュールでやっていただくわけでございますし、また私どもも可能な限り早急に実地検査等を実施してまいりたいと考えております。
  247. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 いや、速やかに調査をすると言いながら、結局今年度中というみたいな話じゃないですか。この場の答弁だけできれいに格好付けようと思っても、これ徹底して追及をされますよ。  もう一つ、今回の調査の大問題だと私は思いますが、この概要の(三)調査結果というところをよく委員の皆さん御覧ください。軽微な書類不備に係るものを除くとされていますね。長官、これ、軽微な書類不備除くって、これどれだけ除いたんですか。
  248. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 軽微な違反ということで除いたのは二千余りでございます。
  249. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 全体、五千二百十八人、四千二百八十の機関について、二千六十人分除いているじゃないですか、はなから。これ、書類不備について、資料の五枚目に報告書を抜粋をいたしましたが、二千六十人、千七百八十八機関なんですね。これ、書類不備には重大というのが二百二十二人分あって、軽微というのが二千六十人あるというんですが、これ、どのような不備なんですか。
  250. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) まず、重大な書類の不備でございますけれども、実習実施機関にそもそも賃金台帳が備え付けられていないもの、又は保存期間の満了前に賃金台帳を廃棄したものなど、労働基準法令による書類の作成保存義務の履行において重大な不備があるおそれのものを指しています。  一方で、軽微な書類の不備とは、賃金台帳の必要的記載事項の一部に不記載が認められるなど、労働基準法令による書類の作成義務の履行において軽微な不備があるおそれのものを指しています。
  251. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 記載事項に不備があるというおっしゃり方しかしないんですが、お手元に、今お話のあった使用者が義務付けられる法定帳簿というのはどんなものかということで、資料の最後に労働基準監督署のホームページからお配りをいたしましたが、労基法百七条による労働者名簿、労基法百八条による賃金台帳、あるいは出勤簿などがあるわけですね。  これ、タイムカードなどもここに含まれることになるわけですが、これの不記載ということについてレクを受けましたら、例えば賃金の計算期間が書かれていないとか、所定内労働時間と恐らくそれに対応する基本給、それから残業時間と残業手当、出勤日数がそもそも書かれていないとか、休日出勤の日数や時間、したがって休日出勤手当が明らかになっていないとか、不記載というのはそういうことですね、局長。
  252. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) いろいろな不記載ありましたけれども、今御指摘いただきましたようなところで、特に賃金計算期間の不記などが多かったです。
  253. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 いや、とんでもない話じゃないですか。それが軽微なんですか。  厚労省においでいただいていますが、この賃金台帳というのは三年の保存期間が罰則付きで義務付けられているものなわけですよ。今お話しのような賃金計算の基礎になるような事実関係というのが帳簿に書かれていないというのは、これ重大な権利侵害がそもそも疑われる事実だと思います。使用者としてそれをきっちり書いて残していくというのは、これは極めて基本的なものなんですよね、義務なんですよね。  実際、そもそも調査対象になっているのは、失踪した実習生のうち、捕捉をされて聴き取りを行って、その中で明らかに違法がないとは認められない者ですよね。我々野党が分析した中で、七割が最賃違反じゃないかという実態がそこに書かれているところに立ち入っているわけでしょう。その賃金台帳に書かれるべきことが書かれていないということであれば、これは実習生、元実習生の言っていたとおりなんじゃないのか、賃金台帳の方が間違っているんじゃないのかと、あるいは虚偽なんではないのかと疑うのがむしろ当然だと私は思います。  ところが、これを、今回の調査においては、客観的資料である、さっき大臣もおっしゃいました、ということで信用して、問題ないと。この軽微だと、書類不備、軽微だとして、これ違法判断の対象にさえどうやらしておられないようにも思うんですが、厚労省、労基署が調査をするというときには、そんなやり方で調査を終わるというのはあり得ないと思うんですが、いかがですか。
  254. 田中誠二

    ○政府参考人(田中誠二君) 労働基準監督署が事業場の監督指導を行うに当たっての一般的な取扱いということでお答えをさせていただきますが、例えば、賃金台帳に記載すべき賃金額や労働時間数などについて労働者の主張と使用者の主張にそごがある場合は、当該台帳の内容のみをもって法違反の有無を判断するのではなくて、タイムカード、日報などの労働時間の実態が記録された資料を見たり、現在就労している労働者からの聴取を行ったりすることにより実際の労働時間数を把握した上で、本来支払われるべき賃金が適正に支払われているかどうかを確認し、法違反があった場合には是正を指導しているところでございます。
  255. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 いや、当然のことなんですよね。ところが、今回の調査は、実習機関の方、不正行為が疑われている方から聞いて、それでよしとしているんじゃないのかと。  抜粋資料の直接調査という報告書六ページのところに、実際実地調査に臨んで、賃金台帳やタイムカードなどの写しを入手するとともに、実習実施機関の役職員で事情を知る者から事情を聴取するという調査手法が書いてあります。加えて、現在も技能実習生がいる場合、その実習生から事情を聴取するということも行ったようなんですが、これは、千五百五十五機関のうち何件に当たるんですか。
  256. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 実地調査を実施した千五百五十五の実習実施機関のうち、調査場所に技能実習生が存在し、実習実施機関の協力が得られ、実際に現役の実習生から事情を聴取できましたのは、今回取り急ぎ集計した速報値として申し上げますと、約半数の約八百六十機関となっています。
  257. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 つまり、半分は実習先の方の一方的な言い分だけということじゃありませんか。  しかも、この実地調査に至っていない、電話・書面調査にとどまっているものがたくさんあるわけですね。これ、そのとどまっているものだけで五〇・九%に上りますよ。二千百七十七機関ですよね。  その一つの様子が次のページに出てきますが、つまり、基本的に実地調査を行うものとしたんだけれども、訪問を打診して、業務の都合などで日程調整が折り合わなかったというような相手に対しては電話、書面にしたというんでしょう。これ、違法が疑われているんだから、これ無通告で入るというのがこれは当然だと思いますけれども、こうした日程調整が折り合わなかったからということで電話にした、これ何件あるんですか。
  258. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 電話・書面調査を実施したものは二千百七十七機関で、このうち、当初実地調査を予定していたものの、予定が折り合わない等の理由で電話・書面調査に変更したものは、今回取り急ぎ集計した手元の速報値で申し上げますと、約百六十機関でございます。
  259. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 そういう形で、失踪者まで生み出した実習先の実態が明らかにできたなんて思う方がおかしいんじゃないですか。  大臣が冒頭、可能な限りの調査をしたという、その可能な限りというのはその程度の話なんですよ。調査は緒に就いたばかりだと言わなければならないと思います。  そうした中で、厚労省、もう一問。八百数十件の通報がされています。八百三十四件ですね。加えて、先ほどの軽微という書類不備の問題も通報を受けているようですが、これは今後どういうふうに取り組んでいくんですか。
  260. 田中誠二

    ○政府参考人(田中誠二君) 労働基準監督機関では、通報を受けた全数について順次適切に監督指導を実施しておりまして、その結果、労働基準関係法令違反が認められた場合には、是正指導を行うことを徹底しております。  労働基準監督機関に対する通報は、法務省において聴取票や関係書類の精査を行った上で、相互通報制度に基づき、労働基準関係法令違反の疑いがあるものとして行われているものであり、厚生労働省としては、これらの通報に基づいて適切に監督指導を実施してまいります。
  261. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 これ、大臣にお尋ねしたいと思いますが、今のような厚労省の調査が徹底して行われるということはこれから前提にしなきゃいけないと思いますけれども、この小括という報告書十八ページのところを見ますと、その結果が入管当局に回報される、答えが返ってくるわけですよね。これ、書類不備、軽微という問題についても徹底した調査が恐らくされるんだろうと思うんですが、そうした労基当局の調査も踏まえて、この実習制度において何でこんな失踪が生み出されているのか、ここの原因を徹底して究明して、それが起こらないような構造的な問題を打開していく、そうした対策を打つと。これは、外国人共生の司令塔だとまでおっしゃる法務省の責任。労基だとか、あるいは先ほど出た機構だとかに任せることなんてできないじゃないですか。  これ、これからも調査が続くわけだから、徹底した調査をして、期限を切って国会に私は報告すべきだと思いますが、いかがですか。
  262. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) まず、通報した、不正が疑われる事案についての労働基準監督署等の関係機関の調査結果を待ちたいと、これが一点。  二点目は、これは実態把握のための失踪技能実習生からの聴取、これについても書式の不備等などがあったのではないかということで、これは書式を変更した上で、詳しくその失踪に至った経緯、動機等を聴き取るということで、その失踪原因についてつまびらかに把握していきたいと考えております。そして、その上で必要な施策、対策を取ってまいりたいと考えております。
  263. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 今の段階でもう公表までして、報告書を、で、これの時点でこれのプロジェクトチームはこれで終わりであるかのような態度を示しておきながら今のような答弁では、到底無責任だと言わざるを得ないと思うんですね。  これから考えるというみたいな話をされるけれども、私が問題にしなければならないと思うのは、徹底して不正行為をただすとともに、それを通じて実際に権利侵害を受けた元実習生の権利救済、回復を図るということですよ。  その点で外務省にお尋ねをしたいと思うんですが、失踪者は特定されているわけです。これ、強制帰国の手続で、母国、例えばベトナムに多く帰国をされていますけれども、そのみんなは、適正な実習ができなかったことによって巨額の借金を背負ったままという人たちがたくさんいるんですよね。  その被害を生み出した不正、権利侵害を、ともかくも日本政府がこんなふうにして正そうとしていますと。で、調査に入ったら、例えば所在不明でしたとか賃金台帳がありませんでしたとか、到達点を、個別、お手紙なんかにしてお伝えし、その下で権利侵害を更に明らかにしていく。例えば、給与明細なんかをまだ手元に持っておられる方だってあるかもしれませんし、破産した企業だったらば、賃金確保法に基づく救済だって、いろいろ大変でしょうけれども救済もあり得るわけじゃないですか。そうした方策も併せてお伝えする、あるいは現地で相談会を行うと。  私、ベトナムに関しては、これやったらどうかと思いますが、いかがですか。
  264. 森野泰成

    ○政府参考人(森野泰成君) 在ベトナム日本大使館では、技能実習生として訪日するベトナムの若者が様々なトラブルに巻き込まれないよう、従来よりセミナーの開催やホームページにおける情報掲載等を通じて正しい情報発信に努めてきております。  最近の例では、本年一月に、ベトナム労働・傷病兵・社会省等と協力いたしまして、技能実習、留学についての正しい情報発信と題するセミナーを開催しております。同セミナーの様子はベトナム国営放送のニュースでも取り上げられまして、技能実習生として訪日を希望する多くのベトナム人が、制度に関する正しい情報を認識するきっかけとなったものと考えております。  また、ベトナム大使館のホームページにおきましては、給料未払や長時間労働等のトラブルがあったときに一人で悩んだり失踪したりしないよう呼びかけるとともに、対処法を案内しております。  外務省といたしましては、今般の調査結果報告書を踏まえまして、関係省庁やベトナム政府とも協力、連携しつつ、適切な情報発信を引き続き行っていきたいと考えております。
  265. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 時間が来たので終わりますけれども、適切な情報提供を、私、個別に、だって相手は分かっているわけですから、ベトナム語で、母国語で伝えていくというやり方をして初めて実際の権利の回復というのが、道が開かれると思います。  多額の借金を負わされて、低賃金、劣悪な環境でも声を上げられないできた、その実習生の構造的な問題を正すということは、特定技能一だったり留学生だったり、外国人労働者問題をめぐるこれからの状況の根本的な問題になると思いますから、PT報告で幕を引くなんということはあり得ないということを強く申し上げて、次回に質問を続けたいと思います。  ありがとうございました。
  266. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。     ─────────────
  267. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案を議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。山下法務大臣。
  268. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。  この法律案は、下級裁判所における事件の適正かつ迅速な処理を図るため、判事の員数を増加する等の措置を講ずるとともに、裁判所の事務を合理化し及び効率化することに伴い、裁判官以外の裁判所の職員の員数を減少しようとするものでありまして、以下その要点を申し上げます。  第一点は、民事訴訟事件及び家庭事件の適正かつ迅速な処理を図るため、判事の員数を四十人増加し、判事補の員数を二十五人減少しようとするものであります。これは、判事の定員を十五人増員するとともに判事補の定員から判事の定員へ二十五人の振替を行うことにより、執務態勢の強化を図ろうとするものであります。  第二点は、裁判官以外の裁判所の職員の員数を十三人減少しようとするものであります。これは、家庭事件の適正かつ迅速な処理、事件処理の支援のための体制強化等を図るため、裁判所書記官を十五人、裁判所事務官を四十四人それぞれ増員するとともに、他方において、裁判所の事務を合理化し及び効率化することに伴い、技能労務職員等を七十二人減員し、以上の増減を通じて、裁判官以外の裁判所の職員の員数を十三人減少しようとするものであります。  以上が、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案の趣旨であります。  何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
  269. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後二時五十九分散会