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2019-04-09 第198回国会 参議院 法務委員会 5号 公式Web版

  1. 平成三十一年四月九日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  三月二十七日     辞任         補欠選任      徳茂 雅之君     太田 房江君      元榮太一郎君     松川 るい君  三月二十八日     辞任         補欠選任      太田 房江君     徳茂 雅之君      松川 るい君     元榮太一郎君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         横山 信一君     理 事                 福岡 資麿君                 元榮太一郎君                 有田 芳生君                 伊藤 孝江君     委 員                 岡田 直樹君                 徳茂 雅之君                 長谷川 岳君                 丸山 和也君                 柳本 卓治君                 山谷えり子君                 小川 敏夫君                 櫻井  充君                 石井 苗子君                 山口 和之君                 仁比 聡平君                 糸数 慶子君    国務大臣        法務大臣     山下 貴司君    副大臣        法務副大臣    平口  洋君    大臣政務官        法務大臣政務官  門山 宏哲君    最高裁判所長官代理者        最高裁判所事務        総局総務局長   村田 斉志君        最高裁判所事務        総局経理局長   笠井 之彦君    事務局側        常任委員会専門        員        青木勢津子君    政府参考人        内閣官房内閣参        事官       杉山 徳明君        警察庁長官官房        審議官      田中 勝也君        総務大臣官房審        議官       吉川 浩民君        法務大臣官房政        策立案総括審議        官        西山 卓爾君        法務大臣官房司        法法制部長    小出 邦夫君        法務省民事局長  小野瀬 厚君        法務省刑事局長  小山 太士君        法務省矯正局長  名執 雅子君        法務省保護局長  今福 章二君        法務省人権擁護        局長       菊池  浩君        出入国在留管理        庁長官      佐々木聖子君        外務大臣官房審        議官       高橋 克彦君        厚生労働大臣官        房審議官     田畑 一雄君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○法務及び司法行政等に関する調査  (裁判所の安全対策に関する件)  (選挙運動として行われるヘイトスピーチへの  対応に関する件)  (高齢者の再犯防止に関する件)  (外国人材の受入れに関する件)  (児童虐待の防止に関する件)  (外国人技能実習機構による実地検査等に関す  る件)  (無戸籍者問題の解決に関する件) ○司法書士法及び土地家屋調査士法の一部を改正  する法律案(内閣提出)     ─────────────
  2. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) ただいまから法務委員会を開会いたします。  理事の補欠選任についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に元榮太一郎君を指名いたします。     ─────────────
  4. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣参事官杉山徳明君外十二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  6. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  7. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 おはようございます。自由民主党の元榮太一郎でございます。本日も、山下大臣、平口副大臣、そして門山政務官並びに政府参考人の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。  まず、裁判所の安全対策についてお伺いいたします。  お手元資料の新聞記事を御覧いただくとお分かりなんですが、今年三月二十日、霞が関にある東京家庭裁判所の玄関で、離婚調停のため来訪した女性が別居中の夫に刃物で首を刺され、搬送先の病院で死亡が確認されるという痛ましい事件がありました。被害者とその遺族の皆様方には心からお悔やみを申し上げたいと思います。  国民が裁判所を安心、安全な形で利用するため庁舎内の安全を確保することは、司法に対する信頼の大前提であると思います。平成二十九年六月にも、仙台地裁において、保釈中の被告の男が法廷に刃物を持ち込んで警察官二人を切り付けたという事件も起きています。それ以降、金属探知機による所持品の常時検査を実施している裁判所は増加していると聞いていますが、ここで最高裁にお伺いしますが、全国に四百五十六庁舎ある裁判所のうち、現時点で金属探知機による所持品の常時検査を行っている庁舎は幾つあるでしょうか。
  8. 村田斉志

    ○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) お答え申し上げます。  本日現在で常時検査を実施しております裁判所は、庁舎の数で申し上げますと全部で十九ございまして、具体的に申し上げますと、最高裁、東京高地裁、大阪高地裁、名古屋高地裁、広島高地裁、福岡高地家裁、仙台高地裁、札幌高地裁、高松高地裁、東京地家裁立川支部、東京家裁、横浜地裁、横浜家裁、さいたま地家裁、千葉地裁、千葉家裁、大阪家裁、京都地裁、神戸地裁、これら全部で十九庁舎でございます。
  9. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 ありがとうございます。  四百五十六庁舎のうち、常時検査を実施している庁舎は十九ということですが、危険物など持込みが認められない所持品が一年間にどのくらい発見されているでしょうか。例えば、東京高地家裁だけでも結構ですので、御説明をお願いします。
  10. 笠井之彦

    ○最高裁判所長官代理者(笠井之彦君) お答え申し上げます。  東京高地簡裁につきましては、平成三十年一月から十二月までの一年間で発見された持込禁止物は三千八百件余りでございます。この件数には録音機器やカメラ類なども含まれておりますが、ナイフ等の刃物類のみに絞りますと、発見件数はおおむね二千九百件余りとなっております。このナイフ等の中にははさみやペーパーナイフなども含まれておりまして、銃刀法などの法令違反に該当するものの発見数は五十件余りでございます。
  11. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 意外と多いと感じるのは私だけでしょうか。銃刀法などの法令違反に該当するものも年間五十件ということですから、ほぼ毎週一件見付かっているというところの計算であります。  このゲート式の金属探知機の価格は約百万円だと聞いております。当然、そこに対応する人件費も掛かってくるとは思うんですが、やはり、これだけ危険物等が持ち込まれているのであれば、全ての裁判所に設置すべきではないかと思いますが、ゲート式金属探知機の全庁舎への設置と、あと所持品の常時検査の全庁舎での実施に向けて、具体的計画について最高裁の御見解を聞きたいと思います。
  12. 笠井之彦

    ○最高裁判所長官代理者(笠井之彦君) お答え申し上げます。  常時入庁時の所持品検査を実施するか否かにつきましては、一般的に、取扱事件数、来庁者の状況など、各庁の実情に応じてその要否を判断しているものと認識しております。  また、常時入庁時の所持品検査を実施しているか否かにかかわらず、ゲート式金属探知機につきましては、検査対象者数が多く、ハンド式金属探知機を用いて検査を実施していたのでは時間を要する場合に整備しておりまして、現在、地裁本庁五十庁舎、独立庁舎を持つ家庭裁判所本庁十七庁舎及び裁判員裁判を実施している支部十庁舎の合計七十七庁に整備しております。  なお、その他の庁につきましては、ハンド式金属探知機を各庁の実情に応じて整備しておりまして、各庁においては、これらの機器を活用して、その必要に応じて庁舎出入口あるいは法廷出入口で金属探知機による検査を行ったりするなど、その危険の態様、度合いに応じた警備体制を取っております。  最高裁判所といたしましては、庁の規模や検査対象者の状況等を踏まえつつ整備の必要性を検討していくことが必要だと考えておりまして、各庁の警備の実情を踏まえながら、必要な体制の整備に努めてまいりたいと考えております。
  13. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 是非とも速やかな整備に向けて進めていただきたいと思います。  今回の東京家裁の事件では、被害女性は、家裁の建物内ではあるんですが、金属探知機の前、手前で待ち伏せされていたということで、裁判所の期日には本人が来るだろうというふうに目星を付けて待ち伏せをするような事態ということだったと思うんですが、こういった事態をできる限り未然に防ぐための対策について、最高裁から御説明を伺いたいと思います。
  14. 村田斉志

    ○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) お答え申し上げます。  当事者間で加害行為が行われるおそれがあるような事案につきまして、裁判所内での安全を確保するということは極めて重要というふうに認識をしております。  裁判所では、一般的には、当事者の申告等により加害行為のおそれがあると把握している事案につきましては、その内容に応じて、当事者にそれぞれお越しいただく時間ですとか、あるいは調停を行う部屋、これらを別々にするといったことをいたしまして、当事者同士が対面しないようにするなどの措置を講じていると承知をしております。  最高裁判所といたしましては、このような対策を確実に行っていくことが重要と考えておりまして、今後とも、必要な情報提供を行うなど、各地の裁判所の運用を支援してまいりたいと考えております。
  15. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 当事者にとっては一生に数度あるかないかの裁判所での事件だと思いますので、最高裁、裁判所の方から積極的に働きかける、情報を提供していくということを進めていただきたいと思います。  ところで、この裁判所の金属探知機などによる所持品検査は、法曹関係者の場合は、身分を証するバッジなどを提示すれば免除されるという運用になっていまして、弁護士の場合ですと、弁護士バッジで金属探知機なくて通れるということなんですが、例えばアマゾンのようなああいうECサイトで弁護士バッジと検索すると、もうずらっとレプリカが出てきます。  ということで、こういうレプリカなんかを見分けることがなかなか難しいような精巧なものもありますので、そういった意味では、非常にこれが抜け穴として悪用されてしまうと、裁判所に行くことが裁判所を利用する人にとってもリスクだと思いますし、いつかはこういったものが悪用される可能性もあるのではないかなと思ったのですが、法務省の御見解を聞きたいと思います。
  16. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答え申し上げます。  法務省といたしましても、裁判所構内の安全が確保されることは極めて重要であると考えております。  他方で、今委員から御指摘ございました弁護士バッジのレプリカにつきましては、これ、外観上もレプリカであることが明らかなものを、レプリカである旨を明示して、かつ悪用を禁じた上で販売することに対しまして何らかの規制をすることについては慎重な検討が必要であると考えております。  ただ、悪用の危険性が高い精巧なレプリカの販売につきましては、弁護士バッジの商標権を有しております日本弁護士連合会において、販売停止の要請などの適切な対応がされるものと承知しております。  また、弁護士でない者が弁護士であるかのように装って実際に弁護士バッジのレプリカを悪用した場合には、現行法でも対処が可能な場合があるものと考えているところでございます。
  17. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 私、実際に購入していないので、検索結果で画像を見るにとどまってしまっているんですが、一見してみると弁護士バッジっぽいように見受けられるので、本物、偽物の見分けが付かないものもあるような印象を受けております。そういった意味で、やはり今できる限りのそういう抜け穴を防ぐということについては、日弁連とも連携しながら、是非とも真剣に考えていただきたいというふうに思います。  次に、少年法の適用年齢の引下げについて伺います。  この少年法の適用年齢の引下げについては、現在、平成二十九年二月に、法務大臣から法制審に、少年の年齢を十八歳未満とすること、そして犯罪者処遇を充実させるための刑事法の整備の在り方について諮問をしたところでありまして、法制審に設けられた部会において調査審議中であるというふうに承知しております。  そこで、法務省に伺いますが、適用年齢の引下げについて、部会ではどのような賛成意見、反対意見が議論されているのでしょうか。
  18. 小山太士

    ○政府参考人(小山太士君) お答えをいたします。  法制審議会の部会におきましては、少年の上限年齢を十八歳未満に引き下げるべきとの立場からは、例えば、民法の成年年齢が引き下げられて、十八歳及び十九歳の者が監護権に服さず自律的判断能力を有する存在とされた以上、これらの者について、少年法の法原理により、犯した罪の責任を超えた処分や虞犯による処分に付することは法制度として整合しないこととなるのではないか、また、少年法の手続において保護者は重要な役割を担うわけでございますが、成年者とされた十八歳及び十九歳の者は監護権に服する存在ではないので、こういう保護者を観念し得ず、少年法の基本的な枠組みとは一致しないこととなるなどの意見がございました。  一方、少年法における少年の上限年齢を二十歳未満で維持すべきとの立場からは、例えば、法律の適用年齢は立法趣旨や立法目的に照らして法律ごとに検討すべきであるところ、民法の成年年齢は、将来の国づくりを担っていく若者の社会参加を促すというものであり、この趣旨は少年の年齢引下げには妥当しない、あるいは、少年法は有効に機能しているところ、少年の年齢を引き下げることとすれば、十八歳及び十九歳の者に対して健全育成の理念による処分、処遇が行えなくなるなど刑事政策上の懸念が生ずるなどの意見があったところでございます。
  19. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 少年法の目的は非行少年の更生ということですが、例えば少年鑑別所では、通常では最長で二十八日間の入所が行われて、専門職による丁寧なアセスメントが行われています。そして、審判に至るまでにおいても、家庭裁判所で家庭裁判所調査官やドクターによって生育歴についても詳細な調査が行われると。刑務所における処遇も受刑者の改善更生の意欲喚起を目的としているものの、健全教育の下に少年の更生を行うということを主眼とする少年法は、その目的そのものが違っているのではないかというふうに思います。  施設における実際の生活にも違いがありまして、例えば、刑務所では日中は刑務作業ということになりますが、少年院では教官が就寝時刻まで少年を指導監督し、少年の内面の自己変革を要求していくということです。ある弁護士は、二十四時間体制で生活指導をし、他の在院者の言動で自分自身の課題に気付く体験は刑務所にはできないのではないかという指摘もあります。  そこで、これらの処遇なんですが、少年の再犯防止にどのような効果があるのかというところについて、少年審判を受けた十八歳、十九歳の少年についての再犯率と、そして二十代の出所受刑者の再犯率、こちらについて教えていただきたいと思います。
  20. 西山卓爾

    ○政府参考人(西山卓爾君) 少年審判を受けた十八歳、十九歳の少年についての再犯率についてお尋ねがございましたが、年齢別の少年院出院者の再入院・刑事施設入所率のデータを持ち合わせてございません。  ただ、参考までにでございますが、平成三十年版犯罪白書によれば、少年院出院者全体の二年以内再入院・刑事施設入所率は、最近五年間、一〇から一二%台で推移しておりまして、平成二十八年の少年院出院者についての二年以内の再入院・刑事施設入所率は一〇・七%でございます。  他方、同じ平成三十年版犯罪白書によれば、出所受刑者の二年以内の再入率を年齢層別に見たとき、二十九歳以下の出所受刑者の二年以内再入率は、最近五年間、一〇から一三%台で推移しておりまして、平成二十八年の出所受刑者のうち二十九歳以下の者についての再入率は一〇・七%でございます。
  21. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 これらの比較検討というのは非常に大事だと思っておりまして、例えば十八、十九の年長少年だけに限って見ると、二年以内の再入率はもう少し低いというような調査結果もどこかで私も確認しております。そういった意味では、やはりこの十八、十九歳に引下げを、少年法の対象外にするということが本当にいいのかどうかというのは本当に慎重に検討していただきたいなというふうに思っていますし、あと、外国の例ですと、アメリカの司法省の調査によりますと、刑事裁判所に送致された少年は、少年裁判所に送致された場合より、より高い再犯リスクがあるという報告がされています。外国の話ではあるんですが、少年や若年成年にはやはり矯正教育こそが求められているということだと思うんですが、法務省の見解を伺います。
  22. 名執雅子

    ○政府参考人(名執雅子君) 刑務所出所者と少年院出院者との間では、対象者の犯罪、非行の程度、犯行に及んだ年齢、収容期間等に違いがありますので、両者の再入率の傾向のみをもって一概にその処遇効果を比較することは難しいと考えておりますが、少年院におきましては、先ほど委員御指摘のとおり、きめ細やかな矯正教育を対象者の個別の問題性に応じて行っておりますので、若年者の再犯防止に一定の効果を上げているものと思っております。  一方、刑務所における若年者の処遇につきましても、二十歳未満で受刑者になった者につきましては、個別的な処遇要領に基づき職業訓練や改善指導等を実施するほか、個別担任の職員を指定し、個別面接や日記指導等を行っております。また、二十六歳未満の若年受刑者につきましても、特技や適性の発見に努め、その可塑性に期待し、積極的な働きかけを行っております。  法制審議会の部会におきましても、若年受刑者については、刑事施設においても少年院の知見等を活用して、その特性に応じた処遇の充実を図ること等が検討課題とされているものと承知しております。法制審議会の議論も踏まえつつ、若年受刑者処遇の充実にも努めてまいりたいと考えております。
  23. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 これも外国の話になりますが、例えばドイツでは、選挙権年齢と民法の成年年齢を十八歳に引き下げた後も少年裁判法の適用年齢を二十一歳未満ということで維持しているということで、これは必ずしも国法上の統一が一番優先されるべきことではないという観点も大事だと思っておりますし、一つ質問を飛ばさせていただきますが、科学的な視点からも検討が必要だと思っておりまして、アメリカでは、少年法の適用基準となる年齢を十六歳や十七歳に引き下げたものの、その後十八歳に戻した州もあるということで、こちらについては、脳科学の研究の進展で、二十五歳程度までは脳が発達し続けるということなどの理由によって引上げになっているということであります。  また、国内においても、例えば一般社団法人日本児童青年精神医学会というところが児童青年精神医学の立場から、十八歳から十九歳の年長少年の更生と二十歳代初めの青年の更生は連続したものであるという観点などから、むしろ適用年齢は引上げの方向で検討すべきということで、引下げに反対するような意見も出されております。  若者で罪を犯す者の多くは、発達障害を持っていたり、そして虐待を受けて育ったりをして、これまでの生育に困難を抱えた者であるという人たちも多いということでありますので、前頭葉が発達し続ける二十五歳くらいまでは、例えば少年法の適用を拡大し、むしろ若年成年少年法のような法律の下で矯正を推進するというような方がよいとも思われるのですが、法務省の見解を伺います。
  24. 小山太士

    ○政府参考人(小山太士君) 法制審の部会におきましては、御指摘の脳科学の知見と少年の上限年齢の在り方に関する議論といたしまして、行動を制御する能力をつかさどる脳の部位の発達が二十歳代半ばまで続いているという脳科学の知見は、これらの者にどのような刑事政策的措置が有効かという検討の重要な要素になるという御意見がありました一方、現在の医学の状況によると、脳の発達の状況及びそれと犯罪との関係については有意な知見が出ていないという医師の意見を尊重すべきであり、処遇を考える際にそれを決定打として出すのは適切ではない旨の御意見もあったと承知しております。  いずれにいたしましても、今調査審議中でございますので、当局としてはその議論を見守りたいと考えております。
  25. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 大臣の御決意も聞きたかったところですが、継続してまた伺っていきたいと思います。  今日はありがとうございました。
  26. 有田芳生

    ○有田芳生君 立憲民主党の有田芳生です。  今日は、選挙運動を利用した差別の扇動であるヘイトスピーチについて質問をしたいというふうに思います。  全国の地方選挙の前半戦が終わりました。そして、後半戦に入ってまいりますけれども、やはり、公選法を利用した悪質なヘイトスピーチというものをどのように対処をしていくのかというのは、非常に極めて現代的かつ緊急な課題だというふうに思います。  具体的に言いますと、この前半戦でも、あるいは後半戦でも懸念されておりますのは、日本第一党という政治団体があります。在特会の前会長の桜井誠という人物が責任者であります。彼は、様々なところでヘイトスピーチで問題になってまいりました。例えば、存在そのものがヘイトスピーチで、差別に寄生しているということが最高裁でも認定をされた人物です。そしてまた、その政治団体の最高顧問には瀬戸弘幸という人物が就任をしておりまして、これはもう御本人が前々からずっとヒトラーの崇拝者であるということを自ら何度も語っておりまして、今度の地方選挙の街頭宣伝の中でも、ホロコーストはなかったんだというようなことをもう平然と言っているグループ、政治団体です。その日本第一党、全員落選しましたけれども、引き続き後半戦でも様々な選挙活動をやることが予想されております。  一方、そのヘイトスピーチの問題というのは、これは大臣などにも本当に、機会があれば皆さんにも聞いていただきたいんですけれども、私たちからはなかなか目が届かない、心が届かない被害者の思いというものは深刻なものがいまだ続いているんですよね。  ですから、例えばある在日コリアンなどは、今度の地方選挙の間、これまでは、例えば週末にヘイトスピーチのデモが行われるというようなことがありましたけれども、選挙期間中毎日ずっと、朝から夜までヘイトスピーチのデモが行われるというふうに感じているんですよ。ですから、例えば買物に行くこともちゅうちょをする、選挙運動をやっていると、その運動員がいればそこから逃げていく、あるいは、入学式だってチマチョゴリを着ていきたいんだけれども、どこでどんな選挙活動をやって遭遇するかも分からないから、そういうことを避けるように、彼らの選挙活動の状況というものをチェックをして生活をせざるを得ないというような、そういう現実があるんですよね。  それが、神奈川県川崎市だけではなくて、相模原であったり北九州市であったり、全国各地で、そういう人たちが立候補をしているところでは、被害者たちというのは本当に深刻な思いでいるんですよ。これからまた後半戦に入っていくということで、こういうことに対して本当に厳正な対処というものが、どんなことが可能なのかということを考えていかなければいけないというふうに思います。  そして、新たに就任された人権擁護局長にお聞きをしたいんですけれども、三月十二日に、法務省人権擁護局調査救済課補佐官の事務連絡として、全国の法務局に宛てて、選挙運動、政治活動等として行われる不当な差別的言動への対応についてという連絡が発せられました。これは、一言で言ってどういう中身を連絡されたんでしょうか。
  27. 菊池浩

    ○政府参考人(菊池浩君) お答えいたします。  委員御指摘のとおり、本年三月十二日付けで、法務省人権擁護局調査救済課補佐官名により、選挙運動、政治活動等として行われる不当な差別的言動への対応について、各法務局に対し事務連絡を発出したところでございます。  この事務連絡は、近時、選挙運動等に藉口して不当な差別的言動等が行われる場合があるとの指摘がなされていることを受けまして、選挙運動等の自由の保障は民主主義の根幹を成すものではあるけれども、不当な差別的言動は、それが選挙運動等として行われたからといって直ちにその言動の違法性が否定されるものではないことなどを通知したものであります。
  28. 有田芳生

    ○有田芳生君 要するに、煎じ詰めて言えば、その通知で書かれているのは、集団等が差別的言動の対象とされている場合であっても、その集団に属する者が精神的苦痛を受ける等具体的な被害が生じている又はそのおそれがあると認められるのであれば救済の対象にすると、そういう理解でよろしいわけですね。
  29. 菊池浩

    ○政府参考人(菊池浩君) お答えします。  ただいま委員が御指摘いただきましたのは三月八日付けの調査救済課長依命通知の内容でございまして、最初にお尋ねいただいた三月十二日付けの事務連絡の方は先ほど私が申し上げたとおりの内容でございます。  それでは、三月八日付けの依命通知の内容はどういうものなのかということについてお答えしたいと思いますけれども、この依命通知は、インターネット上における不当な差別的言動は集団や不特定多数の者に向けられたものが少なくないところ、これら集団等に対する差別的言動がどういう場合に削除要請等の救済措置の対象となるのかについて私どもの考え方を整理したものでございます。  具体的に申し上げますと、ただいま委員御指摘のとおり、集団等に向けられた差別的言動であっても、その集団等を構成する自然人の存在が認められて、かつその集団等に属する者が精神的苦痛を受けるなど具体的被害が現に生じているか又は生じるおそれがあると認められるのであれば、人権侵犯性が認められ、救済措置の対象となり得るというように考え方を整理したものでございます。
  30. 有田芳生

    ○有田芳生君 ありがとうございます。三月十二日付けを聞いて、次に八日付けを聞こうと思っていたものですから、混同しました。ありがとうございます。  そうしますと、そのインターネット上のそういう問題点ですけれども、当然、論理的に考えれば、街頭におけるヘイトスピーチというものも、具体的に被害者の側からすればそれはとんでもないという話になりますよね。  例えば、インターネット上でそういう集団等に対する差別的言動の対象であっても、被害が生じていると認められるのであれば救済の対象になるということを突き詰めていけば、当然、ネット上でそういう判断されるわけですから、街頭、例えば二〇一三年の二月ですけれども、大阪の鶴橋の駅前でヘイトスピーチを事とする人たちが集まって、当時十四歳の少女が、朝鮮人の皆さん、ここから出ていきなさい、出ていかなければ、あなたたち南京大虐殺知っているでしょう、鶴橋大虐殺をやりますよということを語った。それがもう国際的にニュースとして配信をされて、アメリカでもヨーロッパでもアフリカでも、日本は一体どうなっているんだという、そういうびっくりするような影響を与えたんですけれども、そういう類似の発言、例えば集住地区においてそういう発言をしたならば、やはりそれは救済の対象になるという理解でよろしいですね。
  31. 菊池浩

    ○政府参考人(菊池浩君) お答えいたします。  繰り返しになる部分があって恐縮でございますけれども、三月八日付けの依命通知というのは、集団等に向けられた差別的言動であっても、その集団等を構成する自然人が存在し、かつその集団等に属する者が精神的苦痛等を受けるなど具体的被害が生じているか又は生じるおそれがあると認められるのであれば、人権侵犯性が認められて救済措置の対象となり得るという考え方を整理したものでございます。このような考え方は、インターネット上の不当な差別的言動に限らず、街頭における差別的言動についても当てはまるものであると考えられるところでございます。  ただ、もっとも、個別具体の事件における人権侵犯性の有無につきましては、当該発言の内容であるとか前後の文脈であるとか、当該言動がなされた状況等を踏まえて総合的に判断する必要があると考えております。
  32. 有田芳生

    ○有田芳生君 更に伺いたいんですけれども、今回の選挙の最中にもあった発言ですけれども、例えば、犯罪朝鮮人は出ていけ、そういうことを発する人たちは、犯罪という限定をしているんだ、あるいは反日という限定をしているから問題ないんだという逃げの言い訳を常に行うんですけれども、しかし、更にお聞きをしたいのは、二〇一六年十二月に法務省人権擁護局参考情報の中でこう書かれている。  一見正当な言論であるかのように装うものもあり得るが、例えば、○○人は全員犯罪者だから日本から出ていけ、○○人は日本を敵視しているのであるから出ていくべきだとするものなど、付されている条件や理由がおよそ意味を成さず、本邦外出身者を排除、排斥する趣旨にほかならないものである場合には、合理的な理由もなく排斥することを扇動しているものとして本条に該当し得ることになると考えられる。  これは今も変わりありませんね。
  33. 菊池浩

    ○政府参考人(菊池浩君) お答えいたします。  委員御指摘の参考情報というところに記載しているとおりでございまして、その点についての考え方をその後変えたということはございませんけれども、一つ申し上げておきたいのは、その参考情報の中においても言及していますとおり、個別具体の言動がヘイトスピーチ解消法に規定する不当な差別的言動に該当するか否かということにつきましては、当該言動の文言のみならず、当該言動の背景、前後の文脈、趣旨等の諸事情を総合的に考慮して判断されることになると考えているところでございます。
  34. 有田芳生

    ○有田芳生君 参考情報に、具体的な例示も含めて、やっぱり問題だと、ヘイトスピーチ解消法の適用対象だということが書かれているので、やはりそれは、確かに文脈であるとかそういうことはいつも言われますけれども、個別具体的にやはりそういうことが今回も、この参考情報で書かれたようなことが選挙運動の現場で行われているということについては指摘をしておきたいというふうに思います。  さらに、この三月八日の救済課長による連絡が発せられましたけれども、三月十二日ですね、事務連絡が行われましたけど、これについて公明党のヘイトスピーチのプロジェクトチームが菅官房長官に申入れをされて、法務省がこういうことを発したんだけれども、それを警察庁とか選挙管理委員会とか、そういうところにも徹底すべきだという申入れを行って、菅官房長官は前向きに捉えるという趣旨の発言をなさっておりましたけれども、内閣官房、いかがですか、間違いありませんね。
  35. 杉山徳明

    ○政府参考人(杉山徳明君) 御指摘の申入れの内容につきましては、内閣官房から法務省、総務省、警察庁にお伝えいたしました。
  36. 有田芳生

    ○有田芳生君 そうすると、総務省、どういう対応されましたか。どう受け止めて、どういう広がりを持って取り組んでくださったのか。
  37. 吉川浩民

    ○政府参考人(吉川浩民君) お答えいたします。  総務省といたしましても、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消等に係るいわゆるヘイトスピーチ解消法の趣旨は重要であると認識しているところでございます。また、御指摘の官房長官への申入れにつきましては、総務省選挙部におきまして情報提供を受けたところでございます。  しかしながら、まさに統一地方選挙が行われておりますこの時期において、選挙管理委員会が立候補者等に対してヘイトスピーチの解消に係る啓発等を行うことについては、選挙を公正かつ適正に管理することや政治的中立性が求められる機関であります選挙管理委員会による候補者の政見等に対する介入、干渉と見られる疑念が出てくるところであり、対応については慎重に考えざるを得ないと認識しております。
  38. 有田芳生

    ○有田芳生君 ヘイトスピーチは駄目だと、ヘイトスピーチ解消法を徹底して理解して広げていきましょうというのが選挙の干渉になるわけないじゃないですか。  今だからしようがないけれども、例えば今後は、やはり政府挙げてこういう問題に取り組まなければいけないんだから、例えば候補者の説明会において、ヘイトスピーチとは何かとか、そういうものを啓発するということは当然やるべきことだと思うんですよね。今後の課題として検討していただきたいというふうに思います。  警察庁はどのように対応されましたか。
  39. 田中勝也

    ○政府参考人(田中勝也君) 御指摘のございました申入れにつきましては、内閣官房から伝達がございましたことを受けまして、警察庁におきましても、関係部門間で共有するとともに、三月二十八日付けで事務連絡を各都道府県警察に対して発出し、周知徹底を図っております。  警察におきましては、不当な差別的言動が選挙運動等に藉口して行われる場合には、関係省庁等と連携を図るなどし、適切に対処することといたしているところでございます。
  40. 有田芳生

    ○有田芳生君 対応をお願いしたいんですけど、例えば、具体的に言えば、川崎で日本第一党の候補者が演説をやっていて、それに抗議する人たちがいた。その選挙運動の支援者の一人が反対する人に襲いかかって公衆の面前でなぎ倒すということがありましたけれども、問題は、その後に、私服警官がその問題を起こした人物と笑って話している、これはもう映像にも残っているんですよ。そういうことはもう今後ないようにやはり注意していただきたいということを指摘しておきたいというふうに思います。  そして、今回の地方選挙においても、日本第一党の責任者は、例えば三月三十一日、相模原で、北朝鮮からやってきた連中が騒ぎまくっているというようなことを日本人に向かって言ったり、あるいは、この醜い姿、これが我々と同じ日本人であるはずがないんです、絶対に違います、朝鮮人の恐ろしいところです、これは四月六日、北九州市の黒崎駅前などなど、もう切りがないほどこういう発言が続いているんですよね。  人権擁護局としては、こういう実態について、調査、確認というのはされているんでしょうか。
  41. 菊池浩

    ○政府参考人(菊池浩君) お答えいたします。  選挙運動等に際しましてヘイトスピーチが行われたとの報道があることは承知しております。一般論といたしまして、選挙運動としてなされたものであると否とを問わず、不当な差別的言動の事案につきましては、関係機関からの情報提供や市民からの相談等により把握しているところでございます。  今般の統一地方選挙中の不当な差別的言動に関する情報提供の有無等につきましては、特定の政党や候補者の活動に対する予断を生じさせるおそれもあることから、現時点ではお答えを差し控えさせていただきたいと存じます。
  42. 有田芳生

    ○有田芳生君 全員落選して、選挙なんというのは通るつもりはなかったというようなことを言っている人物たちもいるんですよね。だから、公選法を利用して、選挙活動を活用して、ヘイトスピーチ、嫌がらせ、差別の扇動をやっているんです。  例えば、ヒトラー崇拝を自ら名のっている、ホロコーストはなかったと言っている瀬戸弘幸という日本第一党の最高顧問は、選挙が始まるときにこう書いている。初日の第一声をどの場所で行うかを話し合った結果、いろいろ書いているんですけれども、在日コリアンの集住地区でやろうと決めたと。そして、無事にそこで第一声を上げることができれば、次は、同じく別の、十分ぐらいのところの集住地区に練り歩いていってそこでも演説を予定していると。これが目的なんですよ。これが目的で、公選法に隠れてのうのうと差別の扇動、ヘイトスピーチ、人権問題を侵害するようなことをやっている。  だから、これに対して、やはり、これはもうオリンピック、パラリンピックを迎える日本というような建前だけではなくて、人間の尊厳を守る課題として、大臣も含めてもっともっと真剣に取り組んでいかなければいけないというふうに思います。  もう時間がないので指摘するだけにとどめますけれども、例えば、東京の練馬区の公共施設でこういう集団が集会をやった。いろいろ問題になったんだけれども、びっくりしたのは、その練馬区の担当の職員がこういう団体とは知らなかったという。だから、まだまだ徹底が足りないと思うんですよね。あるいは、京都市の左京区でも、体育館借りてこの集団が集会やって様々な問題になった。だから、各地の条例で公共施設の貸出しをどのようにやめるかということを物すごく苦労されているんですよね、川崎だって京都だって、全国各地で、宇治市だって。だから、そういう課題を今後の選挙も含めた大きなテーマにしていかなければいけないと思います。  最後に、人権擁護局長に伺いたいんですけれども、選挙戦の前半戦、そして後半戦がやってきますけれども、相談とか、あるいは立件したという数字は、選挙が終われば明らかにしていただけますか。それが一点。  最後に、大臣、もう短い時間でしたけれども、そういう現実が今私たちの日本に起きていると、ずっと続いているということについて御所見をお願いして、質問を終わります。
  43. 菊池浩

    ○政府参考人(菊池浩君) お答え申し上げます。  お尋ねの点につきましては、現時点でお答えを差し控える理由が特定の政党や候補者の活動に対する予断を生じさせるおそれもあることからということでございますので、そういうおそれがないと認められる段階においては検討させていただきたいと思います。
  44. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) まず、委員御指摘のヘイトスピーチ解消法に規定する本邦外出身者に対する不当な差別的言動は、私もあってはならないと認識しております。  そこで、社会全体の人権意識を高めて、こうした言動が許されないという認識を広く深く国民に浸透させていただくということが重要であるとの考えから、これまでも、いわゆるヘイトスピーチ解消法を踏まえて、例えば「ヘイトスピーチ、許さない。」というポスター、私の部屋にも貼っておりますけれども、いろんなところに貼っていただく、あるいは啓発冊子等を活用した啓発活動を実施してきたところではございます。  そして、御指摘の、選挙運動等に藉口した不当な差別的言動その他の言動により人権を侵害されたことに、人権侵害に関しましては、そういった被害申告等があった場合には、その言動が選挙運動等として行われていることのみを理由として安易に人権侵犯性を否定することがなく、内容、態様をしっかり十分吟味して、人権侵犯性の有無を総合的かつ適切に判断の上対応するよう、各法務局にも改めて周知したところでございます。  こうしたことを通じて、あらゆる場面においてヘイトスピーチが解消されるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
  45. 有田芳生

    ○有田芳生君 終わります。
  46. 櫻井充

    ○櫻井充君 国民民主党・新緑風会の櫻井充です。  まず最初に、外国人労働者の受入れについてお伺いしたいと思います。  この委員会での御答弁の中で、生産年齢人口が減少したことが外国人労働者の受入れの原因の一つだと、そういう趣旨の御答弁がございました。今の予測を見てみると、この先ずっと生産年齢人口の減少が想定されています。そうなってくると、今、たしか五年間でしたっけ、それで外国人労働者の受入れ数決めてきていますが、この先生産年齢人口が減ってくれば、それに伴って、ずっと外国人労働者を受け入れる数を増やすことになるんでしょうか。
  47. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) まず、生産年齢人口の減少のみが労働力不足ということにはならないんだろうと思います。例えば働き方の問題でございますね、そういったこともあろうかと思います。  まず、外国人労働者受入れの検討の前提としては、これらの生産性向上、こうしたことをしっかり図っていただくこと、そして、若者、女性、高齢者など、潜在的に働きたいと思っておられる方々の労働力の活用をしっかりと、国内人材の活用をしっかり図ることが重要であります。  ですから、こうしたことをしっかりとやっていただくことが大前提であるということでございます。
  48. 櫻井充

    ○櫻井充君 しかし、そういうことをやってきても埋まらないから、ここに来て外国人労働者を受け入れることになったんじゃないんですか。
  49. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 確かに、今回、外国人労働者の受入れは、そうした取組も含めて新たな外国人材の受入れという制度を設けさせていただいたものでございますけれども、これに関しては、この外国人労働者の受入れの在り方については、政府の基本的な方針というのは、専門的、技術的分野においては外国人労働者の受入れを積極的に推進するという方針の下、その専門的、技術的分野においての拡充を図ったというふうに考えておるところでございます。
  50. 櫻井充

    ○櫻井充君 いや、大臣、ちょっと答えていただいていませんが。そういう、例えば女性なら女性の労働者の数も増えていますよね、それから高齢者の方々、一時退職された方々の雇用も増えていますよね。そういうことを今までやってきたんじゃないんですか。そういうことを今までやってきても足りないから、外国人の労働者を相当受入れ拡大したということになっているんじゃないんですか。  そこのところを、もうちょっと質問にきちんと答えていただけますか。
  51. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 御指摘のとおり、そういった生産性向上であるとかあるいは国内人材の活用、これらを図ってきた、それでもなお深刻な人材不足の状況にあるということも、もちろんそれは理由でございます。
  52. 櫻井充

    ○櫻井充君 来週、入管法について議論させていただく場ができるそうです。そのときに改めてお伺いしたいと思いますが、繰り返しになって恐縮です。  そういう努力をしたけれど、結果的には生産年齢人口の減少に追い付かないから、だから外国人労働者を受け入れざるを得ないんだという趣旨の御答弁、ここであったと思っているんですよ。ですから、改めてその点について次回聞かせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。  今日は、まず一つ、高齢者の犯罪についてお伺いしたいと思います。  高齢者の犯罪が増えているというのは事実でしょうか。
  53. 西山卓爾

    ○政府参考人(西山卓爾君) 高齢者の犯罪について、平成三十年版犯罪白書によりますと、六十五歳以上の高齢者の刑法犯検挙人員は、平成十年以降毎年増加して二十年にピーク、四万八千八百五人となりまして、その後は高止まりの状況にあり、平成二十九年は四万六千二百六十四人であったところで、平成十年と比べますと約三・四倍に増加しているという状況でございます。
  54. 櫻井充

    ○櫻井充君 大事な問題だと思うんですが、なぜ高齢者の方々の犯罪が増えているんでしょうか。
  55. 西山卓爾

    ○政府参考人(西山卓爾君) 網羅的に調査を必ずしもできているわけではございませんけれども、ちょっと御参考まででございます。  犯罪が繰り返される理由について、特別調査の結果が平成三十年版の犯罪白書に記載がございまして、それによりますと、初犯者を含めた高齢犯罪者の犯行動機、背景として、頼るべき相手のいない生活困窮を理由とする、これ窃盗に関してでございますが、窃盗犯については頼るべき相手のいない生活困窮を理由とするものがあったり、あるいは、殺人については将来悲観、自暴自棄や介護疲れを理由とするものがあったり、あるいは、傷害、暴行に関しては計画性がなく衝動的に暴力に及ぶものなどが挙げられております。
  56. 櫻井充

    ○櫻井充君 大臣、これ原因が分からないまま数がずっと増えていって、対策立てようないと思うんですよ。つまり、どういうことを理由にこうやって犯罪が増えてきているのかということをまず原因分析をする必要性があると思いますが、その点についていかがですか。
  57. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) お答えいたします。  もとより、原因分析は重要であると考えております。そうした中で、先ほど審議官から御紹介させていただきましたとおり、罪名ごとに、例えば高齢者の犯罪動機、背景として、例えば窃盗においては生活困窮等を理由とするものであったり、そういった、例えば殺人であれば悲観、自暴自棄、介護疲れを理由とするなどの原因分析は行っているところでありまして、そういった分析結果を踏まえて処遇等も考えてまいりたいと考えております。
  58. 櫻井充

    ○櫻井充君 いや、今事務方からの答弁は、十分ではないけれどという話があった。で、一部の調査をしてみたらという話であって、事務方がそう答弁されたから私はそう申し上げているんです。  そしてもう一つは、とにかくきちんとした原因分析がなされない限りは対策ができないんだと思うんですよ。  これは、ある報道によると、その再犯している人たちは、刑務所に入っていると、年金が支給されるので年金がたまるらしいんです。ある程度年金がたまったところで出所して、また年金がなくなったら犯罪を犯してと。しかも、その犯罪を犯すのはかなり軽いような、例えばその辺で万引きしてくるとか、それから、捕まえてほしいので自分から万引きしましたと言ってくる方もいらっしゃると。  多分、これ、一部だとは思いますよ。一部だとは思いますが、現実そういう方がいらっしゃるんだとしたら、このことについての対策を取らない限り再犯は防げないんじゃないかと思っているんですよ。  そういう点で、もう少しきちんとした原因分析をされるべきじゃないかと思いますが、いかがですか。
  59. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) まず、原因分析につきましては、もとより現在でもしているところでございますが、今後も、閣議決定になりました再犯防止推進計画、これにおいても、やはり原因分析についてはしっかりやるという方針は示されておりますので、それに基づいてやっていき、また、やはり個別の事情、罪名ごとのみならず、個々人によっても原因は異なるんだろうというふうに考えております。  年金のことに関しましては、これはちょっと私の所管が外れますので、その点につきましては、回答につきましては厚生労働省などにお願いしたいと思っております。
  60. 櫻井充

    ○櫻井充君 いや、これ、ちゃんと通告したときは厚生労働省がいたんですよ。厚生労働省いたんですけど、だけど今日は来なかっただけの話ですので、それは政府側の答弁の問題だと私は思います。  それで、年金が止まる止まらないの問題じゃないんですよ、大臣、ここのところはね。年金を支給されて、たまったら生活がそれなりにできるようになるから、そこから出所して年金を使う、貯金していた年金、支給される年金を使い切って、なくなったらまた刑務所に入るということを繰り返しているだけの話です。だから、年金額の問題だけではありません。  そうなってくると、果たして刑務所という施設に一々こういう人たちを入れてくるのか、それとも、これがまた問題になるのは、法務省の所管じゃないと言われそうな気がするんですが、こういう方々を更生施設という名前にして入れるのか、それとも生活の場としても提供するのか。  つまり、安い年金生活者、給付されている生活者は、生活に厳しいのであれば、子供食堂ではありませんが、高齢者の食堂付きの住まいなどを提供してしまわないと、今刑務所いっぱいですよね、しかも、こういう高齢者の方々が入ってくると、その介護などする必要性もあったりとかすると結構手が掛かるわけですよ。  であったとすると、違う施設をつくっていくようなことを考えていかないと問題は解決しないんじゃないかと思いますが、いかがでしょう。
  61. 今福章二

    ○政府参考人(今福章二君) お答えいたします。  まず、高齢の受刑者の出所先につきましては、その確保が非常に重要と考えておりますけれども、これまでも法務省といたしましては、更生保護施設という民間施設がございまして、そこに委託をし、宿泊、食事の提供のほか、社会生活に適応させるための再出発の場所として委託をしているところでございます。  昨今、高齢の受刑者の対策といたしましては、平成二十一年度から更生保護施設に福祉の専門資格などを有する職員の配置を開始しておりまして、現在、更生保護施設が全体で百三施設であるところ、七十一施設にこれを配置しているところでございます。こういったところで、この退所後、更生保護施設から出た後、円滑に福祉サービスなどにつなげられるように調整も実施しているところでございます。  平成二十九年におきましては、仮釈放となった六十五歳以上の高齢者千百四十二人のうち、約四割に当たる四百五十九人が更生保護施設に帰住しているところでございます。
  62. 櫻井充

    ○櫻井充君 対策取っていることは知っているんです。だけど、対策取ったって結局高止まりしているんでしょう。だから、今の対策だけでは十分じゃないんですかということを申し上げているんですよ。  大臣、対策取られていることはよく分かっているんです。分かっていますが、しかし、残念ながらそれで減少していないんですよ。だから、減少していないということはやり方に問題があるんですよ。鬼平犯科帳じゃありませんけど、あの当時、犯罪者の罰則を厳しく幾らしたって結局犯罪が減らなくて、手に職を付けてあげないと駄目だからといってああいう施設をつくったから犯罪が減っていったと、江戸時代からそういうことをやっているんですよ。  ですから、繰り返しになりますが、今のように対策が取られていることは知っていますが、だけど減らないんです。ですから、ある程度上限、あるところで止まっているのは効果があるのかもしれないけれど、減っていかないのは十分ではないからだと思うんですよ。そういう意味合いで、繰り返しで恐縮です、改めてちゃんとした原因を分析して、それに向けて対策はつくっていただきたい、これは御要望だけ申し上げておきたいと、そう思います。  それからもう一つ、今、日弁連などの方で重要課題として取り組んでいるところに依頼者と弁護士の通信秘密保護制度というのがあるんだそうなんです。ちょっと私が勘違いしていて、通告の際にですね、弁護士さんの方に守秘義務がないのかと思っていたら、弁護士さんの方には守秘義務はあるんだそうですが、依頼者が弁護士さんに何かを相談した場合に、外国の場合にはその守秘義務というのが掛かっているんだそうですけれど、外国の弁護士さんと相談した場合には、日本の弁護士さんに相談した場合には、依頼者の方の通信などの制度に対しての守秘義務がないんだそうなんですよ。  ですから、外国人弁護士の方々に相談せざるを得ないような状況になってきているということであって、この依頼者と弁護士の間の通信秘密保護制度というものを、まず、どういう制度なのかについて御説明いただけますでしょうか。
  63. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  64. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 速記を起こしてください。
  65. 小野瀬厚

    ○政府参考人(小野瀬厚君) 失礼いたしました。  この通信秘密の保護制度につきましては、いろいろと御意見があるところでございます。例えば、日弁連の方で、弁護士と依頼者との通信秘密保護制度の確立に関する基本提言というものを出されておりますけれども、そこでは、民事、刑事等訴訟手続又は行政手続等のいずれの手続においても、情報の開示が法律上又は事実上強制される場合、弁護士及び依頼者の双方に法律上の開示拒絶権を認めると、このような制度として捉えられていると認識しております。
  66. 櫻井充

    ○櫻井充君 そうやって日弁連の方から、これは必要だというふうに声が上がっているわけですよね。これについて、法務省としてどうお考えでしょうか。
  67. 小野瀬厚

    ○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。  民事訴訟の場面について申し上げますと、この弁護士と依頼者との通信の秘密に関しましては、現行法でも様々な保護の規律がございます。例えば、弁護士は、依頼者との対話を通じて職務上知り得た秘密につきましては証言を拒むことができるとされておりますし、また、そういった秘密が記載されております弁護士作成の文書につきましては、作成した弁護士あるいは依頼者もその提出を拒むということができます。またさらに、弁護士と依頼者との相談の結果をまとめた個人用のメモのように、専ら自己の利用に供するための文書につきましても、その提出を拒むことができるとされております。  こういったような現行法で保護されている範囲を超えて更に証言拒絶権や文書提出拒絶権を認めるということにつきましては、民事訴訟手続におきます真実発見が困難となるおそれがあることなどの問題がありますことから、慎重に検討する必要があるものと考えております。
  68. 櫻井充

    ○櫻井充君 しかし、これ、いろいろQアンドAなどを読ませていただきましたが、結局、弁護士さんのところはまさしくそうなんですよ。だけれど、そのことを依頼した側の方の保護が十分ではないから、だから、ここのところ、権利を守るべきではないんですかという話と、それから、欧米の方の考え方とそれから大陸系の考え方にも随分差があって、証拠法の原則というのがあって、その証拠法の原則の中で秘匿特権を認めてきていると、そこのところが日本は不十分だというふうに言われているんですよ。  これで今日は時間がないので結構ですが、次回もう一回、ここをきちんと、一般質疑、相当取っていただけると思うので、大事なテーマだと思いますので、また質問させていただきますから、御検討のほどよろしくお願いいたします。  どうもありがとうございました。
  69. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 公明党の伊藤孝江です。よろしくお願いいたします。  私も、先ほどの有田先生とテーマとしては同じであります。選挙運動や政治活動に名を借りたヘイトスピーチが許されないんだということについて、改めて今日は質問させていただきたいと思っております。  今の時期、選挙の活動ということでヘイトスピーチがされている現状についても先ほどありましたけれども、もとより、選挙運動、政治活動についての表現の自由の保障というのは民主主義の根幹を成すものでありますので、最大限に尊重されるべきというところについてはそのとおりなんだと思います。ただ、制度を悪用して、選挙運動ということでヘイトスピーチを公然と行うという手法をそのまま許すわけにはいかないというところは考えております。  その中で、本年三月十二日、先ほども御紹介がありました法務省人権擁護局からの通知が出されました。選挙運動や政治活動中の言動であっても不当な差別的言動の違法性が否定されるものではないということを明確化して、人権侵犯性を適切に判断することを求めるというものであります。  公明党より、この通知について本当に高く評価をさせていただいた上で、しっかりとそれを周知を徹底していただきたいということで、内閣官房長官に対しても申入れをさせていただいたところでもあります。その申入れに対してどのような対応をしていただいているかということを中心に、今日はお伺いさせていただきたいと思っております。  この申入れの内容としまして、まず一点目、この三月十二日付け法務省人権擁護局事務連絡の内容を、警察庁及び国家公安委員会、地方公共団体、選挙管理委員会に周知徹底し、選挙運動等に名を借りた差別的言動に対する適切な対応を促すことということを内閣官房に対して申入れをさせていただき周知徹底をしていただいたということは、先ほども有田先生の方からも確認をしていただいたところでもありますけれども、まず法務省として、元々通知を出した際に当たり、警察庁及び国家公安委員会、地方公共団体、選挙管理委員会に対してどのように周知徹底をされたのかということについて、ちょっと確認をさせていただければと思います。
  70. 菊池浩

    ○政府参考人(菊池浩君) お答えいたします。  委員御指摘の本年三月十二日付けの事務連絡につきましては、委員からも御紹介いただきましたとおり、選挙運動等の自由の保障は民主主義の根幹を成すものであるが、不当な差別的言動は、それが選挙運動等として行われたからといって直ちにその言動の違法性が否定されるものではないことを確認すると同時に、あわせて、ついては、選挙運動等に藉口した不当な差別的言動その他の言動により人権を侵害されたとする被害申告等があった場合には、その言動等が選挙運動等として行われていることのみをもって安易に人権侵犯性を否定することなく、その内容、態様等を十分吟味して、人権侵犯性の有無を総合的かつ適切に判断の上対応するよう願いたいといったことを、法務局、地方法務局の人権擁護部門に伝えたものでございます。  この事務連絡につきましては、法務省が昨年十月に開催した人権教育・啓発中央省庁連絡協議会ヘイトスピーチ対策専門部会、この専門部会に出席した地方公共団体や警察庁、総務省等の関係省庁に対しまして、本年三月二十二日に参考送付したところでございます。加えまして、本年三月二十七日には、全国の法務局、地方法務局から管内の都道府県の人権担当部署にこの事務連絡を送付するとともに、その域内の市区町村にも情報提供をしていただきたいということを依頼したところでございます。
  71. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 そういう通知を受けた警察庁にお伺いしますけれども、警察庁における周知徹底とこの事務連絡を受けた対応について御説明願います。
  72. 田中勝也

    ○政府参考人(田中勝也君) 御指摘のございました法務省人権擁護局の事務連絡につきましては、警察庁において関係部門間で共有するとともに、本年三月二十八日付けで事務連絡を各都道府県警察に対して発出し、周知徹底を図っているところでございます。  警察におきましては、不当な差別的言動が選挙運動等に藉口して行われる場合には、関係省庁等と連携を図るなどしまして適切に対処することといたしているところでございます。
  73. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 ここで警察庁に対しての周知徹底ということで私たちが求めさせていただいたのは、やはり、一般の方たちがヘイトスピーチを見たり聞いたり、またデモに遭遇をしてというときに、どこかに通報しないとと思った際どこに通報するのかなというときに、まず法務局というのはなかなか現実としては浮かびにくい面があると。警察にという形で通報をすることが一般的には多いんだろうということから、じゃ、そのまず第一報の通報を受けた警察がどう対応していただけるのかということが大切だということで警察庁への通知を求めたものなんですけれども、その辺りについて、第一報の通報を受けた警察側でこういうふうに対応しましょうというような対応についてもし徹底されているようなことがあれば、お教えいただけますでしょうか。
  74. 田中勝也

    ○政府参考人(田中勝也君) 先ほど申し上げました本年三月二十八日付けの事務連絡の内容について御説明いたしますと、不当な差別的言動が選挙運動等として行われたからといって直ちにその言動の違法性が否定されるものではないことを前提といたしまして、不当な差別的言動において、虚偽事項の公表罪や選挙の自由妨害等、刑事事件として取り上げるべきものがあれば法と証拠に基づいて適切に対処すること、不当な差別的言動に関しては、各都道府県を管轄する法務省人権擁護担当部門等とも必要な連携の下で対処すること等を求めるものでございまして、都道府県警察におきましては、これに沿って対処が行われるものと考えております。
  75. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 次に、総務省に対してお伺いしたいんですけれども、選挙管理委員会における周知徹底と事務連絡を受けた対応について御説明ください。
  76. 吉川浩民

    ○政府参考人(吉川浩民君) お答えいたします。  御指摘の事務連絡につきましては、総務省選挙部におきましても参考として送付を受けたところでございます。  しかしながら、統一地方選挙が行われているこの時期におきまして、選挙管理委員会が立候補者等に対してヘイトスピーチの解消に係る啓発等を行うことについては、選挙を公正かつ適正に管理することや政治的中立性が求められる機関であります選挙管理委員会による候補者の政見等に対する介入、干渉と見られる疑念が出てくるところであり、対応については慎重に考えざるを得ないと認識しているところでございます。
  77. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 選挙を公正かつ適正に行うために選挙管理委員会があるんだと思うんですけれども、この選挙を公正かつ適正に行うという意味で、適正で、違法な選挙、違法な形の行動がなされないようにするというのも当然その中に含まれるんだと思うんですけれども、そういう意味では、ヘイトスピーチ解消法のやっぱり精神を尊重する、そういうような形での活動を求めることが一体何の問題があるのかと。適正に、適法にやってくださいねということを伝えるということについて、なぜそれが今できないのかということについて、総務省、改めて御見解をお願いいたします。
  78. 吉川浩民

    ○政府参考人(吉川浩民君) お答えいたします。  公職選挙法におきましては、文書図画による選挙運動に係る規制や選挙区内にある者に対する寄附に係る規制等、選挙の公正を確保するために一定のルールが設けられておりますが、選挙運動のために行う演説の内容については、原則として特段の制限はないということでございます。  なお、選挙に全く近接しない時期におきまして、ヘイトスピーチ解消法の趣旨を踏まえ法務省が行う啓発活動の内容を一般的に周知することなどについては、選挙の結果に影響を与えるおそれや候補者の政見等についての介入、干渉に当たるおそれがないなど、選挙の自由、公正が阻害されない限り差し支えないものと考えております。
  79. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 選挙に関係のない時期であれば、選挙活動だからということでヘイトスピーチが許されるものではないんだということを選挙管理委員会の方でもしっかりと周知徹底をするということでよろしいんでしょうか。
  80. 吉川浩民

    ○政府参考人(吉川浩民君) 総務省といたしましては、時期や手法についても考慮しながら、関係省庁に協力してまいりたいというふうに考えております。
  81. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 引き続きまた、その点についても注視していきたいというふうに思います。  今回のこの事務連絡、三月十二日付けの事務連絡を受けて地方公共団体や選挙管理委員会で具体的な取組をなされたという事例があれば、また問合せなどの反応についてもあれば、お教えいただけますでしょうか。
  82. 菊池浩

    ○政府参考人(菊池浩君) お答えいたします。  今回、事務連絡につきまして、これを法務局から都道府県に渡すに当たっては、域内の市区町村にも配付していただきたいということでお伝えをしているところでございますけれども、その事務連絡の通知を受けまして各地方公共団体がどのような対応を取ったのかということにつきましては、現時点では残念ながら承知していないところでございます。  引き続き、関係省庁や地方公共団体との意見交換ですとかあるいは情報共有を通じまして、それぞれの機関の対応状況等の把握に努めてまいりたいと考えております。
  83. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 私、地元の兵庫県の方に聞かせていただいたところ、県の方から、各市町、また選挙管理委員会、警察とも連携を取りながらということで、今回の通知を、これまでにもやっている取組ではあるんですけれども、今回の通知をきっかけに、またその辺りをしっかりとやっていくというようなことで対応していただいているということも聞いております。  そういう意味では、法務省がこの通知を出していただいたことの意味というのは本当に大きなものがあると思いますので、是非それを実効性のあるものにしていただくための取組をしていただきたいというふうに改めてお願いをさせていただきます。  今回、選挙運動、政治活動中の言動であっても不当なヘイトスピーチの違法性が否定されるものではないということの周知徹底で、また、それに対しての適切な対応という、総務省、警察庁についてお聞きさせていただきましたけれども、この他省庁の対応の現状を踏まえた上で、法務省として、ヘイトスピーチ解消法の精神をしっかりと広げていくと、選挙活動でも駄目なんだということを広げていくために、これから法務省としてどのように取組をされるのかということをお伺いしたいと思います。
  84. 菊池浩

    ○政府参考人(菊池浩君) お答えいたします。  ヘイトスピーチを解消するための取組を推進するに当たりましては、関係省庁や地方公共団体との緊密な連携が重要であると認識しております。法務省の人権擁護機関といたしましては、これまでも、関係省庁や地方公共団体が構成員となっている人権教育・啓発中央省庁連絡協議会ヘイトスピーチ対策専門部会の場を活用するなどして意見交換や情報共有を図ってきたところでございます。  御指摘の事務連絡につきましては、同専門部会の構成員等にも周知したところでございますけれども、法務省の人権擁護機関といたしましては、引き続き、関係省庁や地方公共団体との意見交換や情報共有を通じて、それぞれの機関の取組の現状を把握し、ヘイトスピーチの解消に向けた今後の連携協力に関する意見交換等を実施してまいりたいと考えているところでございます。
  85. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 一般的な啓発活動というようなところももちろんそうなんですけれども、今回の通知にある、選挙活動に名を借りたヘイトスピーチに対する対応というところをしっかりと一つのテーマとしてどのように対応するのかということを取り組んでいただきたいと思います。  済みません、質問は一つ飛ばさせていただきます。  公明党からの要望として、二点目、政府広報等を活用してヘイトスピーチに関する国民への啓発強化についてということも要望させていただきました。この点もまた、取組を改めてお願いをさせていただきたいと思っております。  そして最後に、選挙運動に名を借りたヘイトスピーチ根絶に向けて政府一体の取組を行う必要があるというのが現状だと思っております。この取組を行う必要性と、また大臣の決意についてということで、法務大臣にお伺いいたします。
  86. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) いわゆるヘイトスピーチ解消法に規定する不当な差別言動は、これはもうあってはならないということは私もしっかりと認識させていただいているところでございます。  このヘイトスピーチを解消するために、やはり社会全体の人権意識を高めて、こうした言動はもう許されないのだということを広く深く国民に浸透させるということが極めて重要であると考えております。そうしたことから、啓発活動、「ヘイトスピーチ、許さない。」というポスターを始め、様々な媒体を活用した啓発活動について実施をしているところでございます。  また、これは御党の御議論をも踏まえまして御指摘の事務連絡を発出させていただいたところでありまして、選挙運動等に名を借りた不当な差別的言動その他の言動により人権を侵害するということは許さないのだということ、これはもう明らかにしているところでございまして、その言動が選挙運動等として行われていることのみをもって安易に人権侵犯性を否定することなく、その内容、態様を十分吟味して、人権侵犯性の有無を総合的かつ適切に判断の上対応するよう改めて周知を各法務局にもしたところでございます。  我々法務省としてもしっかり取り組みますし、また先般、御党が官房長官にも申し入れていただいたということでございまして、これで我々も、関係機関との情報連携あるいは対応の連携、これをやはりスムーズにやっていきまして、ヘイトスピーチがあらゆる場面において解消されるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
  87. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 以上で終わります。ありがとうございました。
  88. 石井苗子

    ○石井苗子君 日本維新の会の石井苗子です。  新元号が発表されました四月一日に出入国在留管理庁が発足し、同日に改正入管法が施行されたと理解しております。いよいよ新たな在留制度がスタートしたわけですけれども、法務大臣にお伺いします。  施行までに準備しなければならないことがたくさんありまして、昨年度は私たち法務委員会ももういろいろと協議をしてまいりましたが、問題点の洗い出しをいたしまして、準備はおおむね完了して問題なくスタートしているということでよろしいでしょうか。
  89. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 入管法等、あるいは出入国在留管理庁の発足に当たりましては、当委員会の委員の皆様にも熱心な御議論をいただきまして、それらも踏まえて様々な準備をさせていただいたところでございます。そのこともございまして、出入国在留管理庁の発足及び改正入管法の施行から一週間がたっておりますが、これまでのところ、本庁及び地方出入国在留管理官署の業務を含め、全体としておおむね円滑に業務を開始できたものと認識しておるところでございます。  まず、出入国在留管理庁の発足に伴う各種施策の実施につきましては、同庁は、これまでの出入国及び在留に関する業務に加え、例えば、新たな在留資格の創設に伴う業務や外国人の受入れ環境整備といった新たな業務を含めて、円滑かつ効率的に実施する目的で組織及び人員を大幅に拡充して発足させていただいております。  例えば、新たな外国人材の受入れ制度につきましては、本年四月一日から開始しておりまして、登録支援機関の登録の申請や在留資格の変更申請等、受理を開始させていただきました。また、外国人の受入れ環境整備につきましても、四月一日から外国人生活支援ポータルサイトを法務省のホームページに開設させていただきまして、これは日本語と英語でございますが、外国人向けの生活・就労ガイドブック、これを掲載するなどしておりまして、この多言語化につきましても、例えば各大使館などを通じて多言語化にも取り組ませていただいておるところでございます。また、出入国在留管理庁の発足に伴って、新たに出入国在留管理基本計画の策定、これも必要ということで、既にパブリックコメントの募集を開始させていただいているところでございます。  従来業務と新規業務の適切な実施ということで、特に、増加する外国人に対する在留管理を的確に行うとともに、新たな任務である外国人との共生社会の実現に向けた受入れ環境整備についても総合調整機能を発揮して、関係府省庁と緊密に連携し、着実に進めていくということでございます。  私としても、これ五千四百三十二人の出入国在留管理庁職員とともに、出入国在留管理行政を取り巻く課題に対して今後も全力で取り組んでいく所存でございます。
  90. 石井苗子

    ○石井苗子君 そういったことを一つ一つ見直しをして検討していくというプラン・ドゥー・チェック・アクションということをやっていかないと、これ日本の国を挙げた大政策でございまして、各省庁にまたがっておりますので、これまでのように縦割りだということばかり言っていられないので、やっていっていただきたいと思っております。  それで、予算も二百十一億円ということでございますので、一つ一つ詳しく、今日だけじゃなくて、質問させていただきます。  外国人材受入れ・共生のための総合的対応策というのが、これ昨年の十二月二十五日付けでございまして、三ページなんですけれども、私が気になったところですけれども、生活者としての外国人に対する支援というところなんですね。これ非常に大きな予算が割かれておりまして、暮らしやすい地域の社会づくりというところ、とても大切だと思います。こちらに三十億円という予算が付いておりますが。  この在留手続、雇用、医療、福祉、出産、子育て、子供の教育など、生活に関わる様々な事項について相談できる一元的な窓口ということで、多文化共生総合相談ワンストップセンターという長い名前が付いておりますが、これが都道府県、指定都市、外国人が集住する市町村に約百か所つくるという、この約というところが百か所という切りのいい数字になっておりますけれども、四月一日現在、センター設置に向けた準備状況についてお伺いしますが、交付金の対象となる自治体はどのくらいで、それで、現在どのくらいの自治体が申請があって、その中で幾つぐらいが設置予定であるのかということをお聞きいたします。
  91. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 今御紹介をいただきました、昨年末の閣僚会議において了承されました外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策では、地方公共団体が外国人に情報提供及び相談を行う一元的相談窓口の設置、拡充について、交付金により財政支援することとされました。  この交付金の対象となる地方公共団体は百十一団体でありますところ、この整備費については三十七団体、運営費については六十二団体から申請がございまして、整備費又は運営費のいずれか、あるいは両方ともについて申請をされたのは六十八団体となります。  しかしながら、地方公共団体が相談窓口を整備するに当たりましては、整備計画を策定したり、受け取ることとなる交付金を予算に計上して議会の承認を得るなど所要の手続を行う必要があるものと承知をしておりまして、そのような事情から、一次募集の申請期間中に申請に至らなかった団体もあると承知をしております。その中には、本年四月以降に申請したいとの意向を有する団体が多くありますことから、四月一日から六月二十八日まで相当の期間を取って、整備費及び運営費の二次募集を実施をしているところでございます。  交付金の対象となったできるだけ多くの地方公共団体が交付金を活用して相談窓口の環境整備を進めることができるよう、適切に支援をしてまいります。  また、今お問いの、どれだけが準備が整ったのかということでございますが、整備費を申請したうちの十一団体は、既に平成三十年度中に一元的相談窓口の整備事業を終了し、また、運営費を申請されたうちの五十三団体は、本年四月一日から交付金を活用してこの窓口の運営を開始する事業計画であると承知をしております。
  92. 石井苗子

    ○石井苗子君 ちょっと少ないです。なぜ申請がこれほど少ないかなと思うんですけれども、外国の方の労働者がいらしても困ることにならないようにという不安がすごくあるんだと思いますね。  報告書、対策案を読みますと、自動アプリというようなものの普及ということも、本当に、日本に来ると日本語しか通じないというのは非常なストレスになっています。韓国ですと英語が通じるということもありまして、ですから、自動アプリ、これ十億円の予算付いていますので、こういったものを普及して、本当に自治体が困ることがないように、早く早く対処していってほしいと思います。  最後に一つ。これ、二十四ページ、外国人材、適正かつ円滑な受入れ促進に向けた取組というところで、悪質な仲介事業者の排除と、これ随分問題になりました、去年。特定技能一号の送り出し国、これ九か国ございまして、今年の三月三十一日までに、悪質な仲介事業者の排除を目的として政府間文書の作成を目指すとしていらっしゃいましたが、何か国と合意できましたでしょうか。  それと同時に、これ最後に法務大臣にお聞きするんですが、これ技能実習生の二の舞になっているじゃないかというような、ちょっと老婆心ですけれども、そういう指摘を受けないようにするためにどうお考えであるかというようなことを、二つまとめてお答えしていただきたいです。何か国と今まで合意できましたか。
  93. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 本日までに四か国との間で協力覚書の署名、交換を行うに至りました。  具体的には、フィリピン、カンボジア及びネパール、ミャンマーとそれぞれ協力覚書の署名、交換を行ったものです。残り五か国のうち、ベトナム及びモンゴルとの間でも実質合意に至っておりまして、署名に向けて調整中でございます。
  94. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 今長官から御説明させていただきましたように、九か国を目指して精力的に取り組んでおるところでございまして、六か国と合意又は実質合意ということになったということでございます。こうした取組を通じて、しっかりとやっていきたいと思っております。  技能実習制度との比較において、済みません、ちょっと最後の問いが聞き取れなかったのですが、まず、二国間取決めということであれば、技能実習におきましては十三か国やっておるところでございます。制度は違うわけではございますが、情報連携につきましては、外国としっかりとやっていきたいというふうに考えております。
  95. 石井苗子

    ○石井苗子君 目標とかなりちょっと差がある、九か国中四か国であって、ほかは今交渉中ということです。技能実習制度の二の舞になっているじゃないかという指摘を受けないようにしていただきたいというお願いでございました。  外務省、法務省、そして厚労省、そして警察庁まで、多岐、多省庁にわたってのことでございますから、横の連携もきちんとして、日本は悪質ブローカーの対策もちゃんとやっているということにしないと、これ先々また同じことの繰り返しかと言われないようにしていただきたいということをお願いして、質問を終わります。
  96. 山口和之

    ○山口和之君 日本維新の会・希望の党の山口和之でございます。  本日は、まず、児童虐待防止について質問させていただきます。  現在、児童虐待防止に向け、家庭内の体罰を禁止する法改正の準備が進められ、民法八百二十二条の懲戒権規定については、施行後二年をめどに検討を加え、必要な措置を講ずるとされております。  しかし、このような対策を行っても、法は家庭に入らずという格言に従って法制度の運用がなされていく限り、家庭内での虐待が明るみに出ることはなく、児童虐待を根絶することはできないと思われます。  児童虐待の防止のためには行政機関が積極的に家庭に介入していくことも必要だと思いますが、法務省としてはどのようにお考えでしょうか。
  97. 菊池浩

    ○政府参考人(菊池浩君) お答えいたします。  委員御指摘のとおり、児童虐待は文字どおり家庭内で発生するものでございますので、その兆候をいかに早期に発見するかということが重要となってまいります。  法務省の人権擁護機関の取組について申し上げますと、子供が誰にも知られずに相談できる子どもの人権SOSミニレター、これを全国の小中学生全員に配付し、法務局職員や人権擁護委員が相談に応じているほか、全国共通フリーダイヤルの子供の人権問題に関する専用の無料電話である子どもの人権一一〇番でありますとか、パソコン、携帯電話、スマートフォンから利用可能なインターネットによるSOS―eメール等による相談も受け付けているところでございます。  特に、子どもの人権SOSミニレターについて申し上げますと、切手を貼らずに最寄りの法務局へ送付することができる便箋兼封筒でございまして、児童生徒から寄せられたミニレターは、人権擁護委員や法務局職員が一通一通内容を確認して返事を書いているところでございます。親や学校にも相談できない子供の悩み事を早期かつ的確に把握することに資するのではないかと考えられるところでございます。また、人権擁護委員による地域活動を通して、児童虐待等の情報収集にも力を入れているところでございます。  法務省の人権擁護機関といたしましては、こうした様々な手段を通じて児童虐待の兆候を的確に把握し、関係機関と連携して子供の安全を守ることができるよう取り組んでまいりたいと考えております。
  98. 山口和之

    ○山口和之君 所信挨拶で、児童虐待防止対策に全力で取り組んでまいりますとおっしゃっておりましたので、山下大臣には、子供の命を守るためには、やはり行政機関が積極的に家庭に介入していくことが必要だと思います。是非とも、法務省でできることは全てやっていただきたいと思います。  児童虐待でよく問題となる親権を行う者による体罰のように、加害行為がなされても、加害者と被害者が一定の身分関係にあることを理由に処罰されない行為が存在します。新版注釈民法では、懲戒のためには、叱る、殴る、ひねる、縛る、押し入れに入れる、蔵に入れる、禁食せしめるなどの適宜の手段を用いてよいとされており、平成二十二年の第一回法制審議会児童虐待防止関連親権制度部会においても、懲戒権に関する民法第八百二十二条の規定は、正当行為による違法性阻却を規定する刑法第三十五条の適用場面において大きな意味を持っていると指摘されていることから分かるように、民法八百二十二条の下では、親権者による傷害、暴行は原則として処罰されないものとされてきました。  このように、一般的には処罰の対象となる行為が一定の身分関係を理由に処罰されないこととする法制度にはどのような意義があるのか、山下大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
  99. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) まず前提として、どういった制度なのかについて事務当局から説明させた上で答弁させていただきたいと思います。
  100. 小山太士

    ○政府参考人(小山太士君) 今御指摘のございました親権者の子に対する有形力の行使が犯罪の構成要件に該当する場合、これは一般論として申し上げますが、これが懲戒権の範囲内であることが違法阻却事由として考慮され得るところではございますが、その判断に当たりましては、これまでの裁判例によりますと、当該行為が実質的に違法性を有するか、すなわち社会的に相当な範囲内を逸脱しているか否かという観点から判断されているところでございます。  いずれにいたしましても、犯罪の成否は捜査機関により収集されました証拠に基づき個別に判断されるべき事柄でございまして、一概に申し上げることは困難であることは御理解いただきたいと思います。
  101. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 個別の事案についてはそのとおりでございますが、一方、制度論として、例えば暴行罪や傷害罪など虐待に当たる行為につきまして、一定の身分関係にあることをもって処罰されないというものではないというところでございます。
  102. 山口和之

    ○山口和之君 親権者による傷害、暴行はほとんどが懲戒のためのものとされていて、実際上は、大部分が親権者であるということのみを理由に処罰されないということがあるというふうに聞いております。このように、一般的に犯罪に該当する行為が、親権を行う者が行った場合には原則として処罰されないというふうになっていることは合理性が乏しいと思うところでございます。  懲戒権についての必要な措置は、この点を踏まえて検討していく必要があると思っております。よろしくお願いいたします。  次に入りたいと思うんですけれども、ちょっと時間があと一分となりましたので、また別な機会に続きをさせていただきたいと思います。  どうもありがとうございました。
  103. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。  外国人労働者問題について、三月二十日のこの委員会の質問で、お手元にお配りしていますが、長野県のK協同組合と今回も申し上げておきますけれども、ここが監理団体になって金属加工の技能実習として受け入れられているはずの実習生が、ペット飼育、餌やりや掃除を朝から夜まで、あるいは休日もさせられていたと。その実習生たちが社長に激しい声でどなられ続けているというこの問題について取り上げまして、私の質問は三月二十日でしたけれども、四月の一日にはNHKがニュース9で、この社長の激しい暴言、パワハラの様子について放送もいたしました。出入国在留管理庁が発足をして、先ほど来お話のあっている外国人労働者の新たな受入れ拡大が行われる日にそうした報道がされたわけですね。  技能実習機構が、やっとと言うべきだと思いますけれども、四月の三日にこの現地の実地検査を行いまして、実習生が保護をされました。ですので、技能実習機構や法務省、厚労省はこの実態について聞き取りももう既にしておられるはずだと思いますが。  そこで、まず大臣に、この事態についての認識と併せて伺いたいと思いますのは、つまり、実習外の作業をこの社長の指揮命令によって早朝から深夜まで、あるいは日曜日といいますか、休日もこれさせられているわけです。こうしたものについては、未払の賃金としてこれをしっかり払わさせないといけないと思いますが、いかがですか。
  104. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) まず大前提として、個別の事案の詳細については、今後の調査への影響あるいはプライバシーの保護等の観点から、お答えは差し控えさせていただきます。  その上で、一般論といたしまして、技能実習法令違反への対応について、あくまで一般論として申し上げれば、受入れ企業が技能実習生に対して技能実習計画とは異なる作業を行わせていた場合、技能実習法違反となり、事案の内容に応じて、改善を求める勧告、指導、改善命令のほか、技能実習計画の認定の取消しを行うこととなります。  また、賃金未払その他の法令違反が認められた場合についても同様に、事案の内容に応じて、改善を求める勧告、指導のほか、労働基準監督機関への通報等の必要な措置を講ずるということを考えております。
  105. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 労基への通報というのを講ずるとおっしゃっていて、これ、万が一この会社が払わないということになれば、賃確法などの取組も求められていくということになると思うんですが。  もう一点、大臣に確認をしたいと思うのは、前回も申し上げましたけれども、技能実習の一号、つまり一年目の実習生がこの中にいます。そうすると、二年目に向かう試験を受けなきゃいけないですよね。この件について、実習生からのお話によると、一年目の試験を会社で受けなければならない、できなければ帰国させると、その実習先の社長がまだ言っているという話があるわけですよ。試験で使うフライス盤加工ですけれども、その試験を受けていく、合格していくためには、その作業、その機械を実際使わなきゃいけないんだけれども、まだそれは教えてもらっていない、うまくできるかプレッシャーで怖いですと言うんですね。  実習継続が困難になったときに適正な実習先をきちんと確保していくという取組はもちろんやらなきゃいけない、法務省は。加えて、技能実習の二年目に進むにはそういう試験もあるわけですから、だからこれがちゃんと万全にできるように、是非ともこれやらなければならないと思うんですよね。  これ、実習生たちはベトナムから来ていますけれども、前回紹介した手紙の一節だけ。今帰国したら、借金の元金が残ったまま二年間何もできなかったことになります。やっぱりこの苦しみをこのままにしておいてはいけないと思いますが、大臣、いかがですか。
  106. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 先ほど大臣も申し上げましたとおり、個別の案件については言及を差し控えさせていただきますが、今委員御指摘のように、実習計画がきちんと計画どおりに行われて、なおかつ当初の予定どおり、一年目、二年目、三年目に進んでいくということがそもそもこの技能実習制度の前提でございます。その途上でそれが進まないそれぞれの事情がありましたときには、技能実習機構、それから制度所管庁である法務省、それから厚労省も協力をして実態の解明に努めるとともに、必要な支援、これは今御指摘の転籍支援ということも含めてになると思いますけれども、これを行っていくというのは当然でございます。
  107. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 その当然の対応をこの実習生たちにきちんと行ってもらいたいと思います。  そこで、私、前回の質問で、労働組合に彼女たちが相談をして、実習機構に相談をしたのは三月中旬であり、三月十八日に申告したと。四月一日にNHKのニュース9で報道され、実地検査が行われたのは三日なんですが、実はこれ、実習機構は昨年の六月くらいにこの実習先の実習生からの相談を受けていたというふうに聞きますけれども、これは本当ですか。
  108. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) これも個別の案件についてお答えを控えさせていただきますけれども、一般論として、申告がありましたならば、それはできる限り早期に、例えば関連する場所に実地検査を行うなど必要な対応を行っておりまして、制度を共管する厚生労働省及び外国人技能実習機構と連携の上、この技能実習生からの相談あるいは申告に適切に対応してまいりたいと考えています。
  109. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 私、とんでもない話だと思っているんですよ。七月の三十日、去年の七月三十日付けで、今回保護をされている対象になっている実習生が上陸許可を受けているんですね。つまり、新法、二〇一七年の十一月に施行された新法の下においてこのK協同組合が監理団体として許可をされ、その監理団体が受け入れる実習生として実際にベトナムの若い女性がこの会社に実習を始めているわけです。その処分を行ったのは入管なんですよ。ところが、その前の段階でこうした実態の相談が既に行われていたということなんですよ。これは余りにも無責任なのではありませんか。  今長官から、問題があったときには実地検査を行うんだというふうにおっしゃったけれども、実地検査を行ったのは四月の三日のことでしょう。その間に新たな実習生を送り込むことまでやってしまっている。ここにちゃんと反省をして、これ真剣な反省をして、少なくとも速やかな実地検査ができる体制を現場につくっていかないと、これ構えだけ言っていたって全然どうにもならないんじゃありませんか、大臣。
  110. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) まず、個別の事案ということではないのですが、技能実習生からの相談等の体制について、これを拡充する必要があるとの御指摘、これは基本的には私どももそう思っております。  一般論として、機構では、これ電話、電子メールなどの、手紙などによって現在八か国語での相談、申告が可能となっておりますが、とりわけ最も需要が見込まれるベトナム語に関しては、今月から、母国語相談の対応可能日を従前の週三日から週五日へと増やして相談体制の更なる拡充を図っているところでございます。また、地方事務所等における人員等も増やして、申告、相談受付等の体制を拡充していると承知しております。  ですので、法務省としても、共管する厚生労働省などと連携の上、こういった機構の取組についてもしっかりとバックアップさせていただきたい、強化させていただきたいと思いますし、法務省としても、その御指摘等を踏まえて、一般論としてそういった相談に迅速に対応できるように連携をしてまいりたいと考えております。
  111. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 速やかに不正な扱い、権利侵害を受けている実習生たちを保護しなければ、これは重大なことになるわけですよね。  ちょっと時間がありませんから、もう一件、別の角度で伺いたいと思いますが、西日本新聞の三月二十四日の記事を二枚お配りをいたしました。「ベトナム人狙い留学詐欺? 学納金一人百万円 七十人被害か」という大見出しで、日本語学校をかたる東京都内の会社が、日本への留学を希望するベトナム人から一人当たり約百万円の学納金を送金させた後、連絡が取れなくなっていると。被害者は七十人近くに上るとの情報もある。日本語教育振興協会は、詐欺の可能性が高いと見て法務省に通報するとともに事実確認を進めているということなんですね。  これ、外務省にお尋ねをしますが、二枚目の記事、だまされた留学仲介業者は十社以上との情報もあり、被害拡大が懸念されるというような状況なんですけれども、こうした出入国に関する事件については、これ、どんな認識ですか。
  112. 高橋克彦

    ○政府参考人(高橋克彦君) お答えいたします。  ベトナム人からの留学目的のビザ申請に際して、例えば在留資格認定証明書を偽造して何か申請するとか、そういう事例があったかというのを確認してみましたが、特にそういうものはございません。  いろいろな不正事案が生じているということを受けまして、在ベトナム日本国大使館では、必要に応じて、例えば留学ビザの申請者に対して面接を実施して、虚偽申請がないか、何か問題がないか等の確認は行っておりまして、こういう形での引き続きのビザ審査を適正に行って、事前にこのような事態が起こることの防止に努めていきたいと、そういうふうに考えております。
  113. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 その防止に努めていきたいというふうにおっしゃるそのポイントといいますか、それは実体がないわけだから、これが入国されるということには至らないはずなんですけれども、現に日本への留学を希望するベトナム人がこうして百万円というのを取られてしまっているということなんですよね。それは現実なんですよ。  この問題について、一枚目の記事の一番下の段に法務省のコメントがあります。法務省入管入国在留課は、学院は告示校ではなく、留学生受入れはできない、もし事実であれば刑事事件になるが、うちが介入できる話ではない。この最後の、うちが介入できる話ではないと、これ余りにも無責任じゃありませんか。これ、大臣、日本語学校をかたって留学の希望者が現に被害に遭っていると、これ全く問題にしないみたいな話だと、これは責任逃れじゃありませんか。
  114. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 今の記事でございますけれども、入管としてコメントをした部分につきましては、この実体がない日本語教育機関がまるで実体があるように装うなどして授業料等を受け取ったとすれば刑法の詐欺罪に該当する可能性があるが、入管当局としては犯罪捜査の権限はないという趣旨で申し上げたものと承知しております。  当然ながら、出入国在留管理庁におきましては、本事案について、関係省庁とも連携し、情報収集に努めているところでございます。
  115. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 もう時間が来たので、あとは次回に譲るしかありませんけれども、これ、留学生を送り出す母国の方の仲介業者というのは、ホームページ上でこの株式会社杉並外国語学院を知っているぐらいというようなところが、百万円などというような巨額の、高額の学納金名目でのお金をベトナム人青年たちから取るということになっているわけですよね。そんなことが許されているような二国間関係でいいんですかと。  先ほど来お話のあっている覚書、あるいは、私は法的拘束力のある二国間協定が何としても必要だと思いますけれども、そういう点についての認識を改めて次の機会にお尋ねをしたいと思います。  今日は終わります。
  116. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 沖縄の風、糸数慶子です。  この法務委員会の、質問通告をしながらできなかった無戸籍の問題についてお伺いいたします。  無戸籍児の実態調査は、二〇一四年以降に法務省でも行われ、ウエブサイト等でも公表されていると承知しております。  そこで、法務省に伺いますが、直近の調査結果の無戸籍者の数と、無戸籍であった方がその後に戸籍を作られたその件数をお示しいただきたいと思います。
  117. 小野瀬厚

    ○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。  平成三十一年三月十日現在、法務省が把握しております無戸籍の方の数は八百二十名でございます。平成二十六年九月より情報集約を行いまして、累計二千二百四十九名の無戸籍の方を把握いたしまして、既にそのうち合計千四百二十九名の方が戸籍に記載されております。
  118. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 山下大臣は、無戸籍が解消されない理由、どのように把握されているのか、伺います。
  119. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 無戸籍者問題が解消されない理由としては、例えば行政に対する不信感を有している、あるいは裁判手続が煩雑であると感じている、あるいは戸籍制度に関する知識が不足しているなど、様々な事情で解消のために必要な手続が取られないということがまず挙げられようかと考えます。  そこで、法務省としては、従来から無戸籍の方一人一人に寄り添った手続案内を強化することで無戸籍者問題の解消に努めてきたところでありますし、今後、子の出生前の段階での母親へのアプローチを強めるなどの取組を行うこととしております。  他方、民法の嫡出推定制度が無戸籍者問題の一因となっているとの指摘もなされているところでございます。こうした指摘を我々としても真摯に踏まえ、平成三十年十月から、嫡出推定制度を中心とした親子法制の在り方に関する研究会において、これは法務省の担当官も参加させていただきながら検討を進めているところであるということでございます。
  120. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 今お話がありましたが、二〇〇七年に、この無戸籍となる要因として大きな問題となったことがありますが、これは、最高裁が二〇一五年の十二月に、再婚禁止期間の百日を超える期間を違憲としたことで見直し論議が再燃いたしました。二〇一六年の法改正の際には、施行後三年を目途に制度の在り方についても検討することが附則に盛り込まれ、同規定についてもその見直しの検討が行われるというふうに思いますが、その進捗状況についてと、そして、今後どういうことをしていただくのか、お示しいただきたいと思います。
  121. 小野瀬厚

    ○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。  委員御指摘のとおり、女性の再婚禁止期間につきましては、平成二十八年六月一日に成立しました再婚禁止期間を短縮すること等を内容といたします民法の一部を改正する法律の附則において、法律の施行後三年を目途として制度の在り方について改めて検討を加えるものと定められております。  この女性について再婚禁止期間が定められた趣旨でございますが、女性が再婚した後に生まれた子について、嫡出推定が重複する事態を回避し、父子関係をめぐる紛争の発生を未然に防ぐことにありますことから、再婚禁止期間は嫡出推定制度と密接な関連を有するものでございます。  嫡出推定制度につきましては、先ほど大臣からの答弁にもありましたとおり、現在、嫡出推定制度を中心とした親子法制の在り方に関する研究会において制度の在り方について検討が進められているところでありますが、その中で、この再婚禁止期間の在り方についても議論がされているところでございます。  再婚禁止期間につきましては、国民の中にも様々な意見があるところでございますが、法務省としましては、今申し上げました研究会における議論の状況等を踏まえ、その在り方について適切に検討してまいりたいと考えております。
  122. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 嫡出推定制度を中心とした親子法制の在り方に関する研究会で議論が行われているということ、先ほど大臣もお答えがございましたが、二〇〇七年当時、家族法学者らが提起していた問題や、その提言とこの件は重なります。国会でも法制審議会で議論を始めてほしいという声は早くから上がっておりました。当時から問題や提言を政府で議論していれば、無戸籍問題の解消だけでなく、差別的な規定の見直し、それが行われていたのではないかということを考えますと、残念に思います。  次に、刑事訴訟法について伺います。  山下大臣、再審請求は何のためにあるとお思いでしょうか、刑事訴訟法ではどのように規定されているのでしょうか、お伺いいたします。
  123. 小山太士

    ○政府参考人(小山太士君) 法律の条文に関するものでございますので、私の方からお答えいたします。  刑事訴訟法四百三十五条におきましては、再審の請求は、「有罪の言渡をした確定判決に対して、その言渡を受けた者の利益のために、これをすることができる。」と規定されておりまして、その事由といたしまして、有罪の言渡しを受けた者に対して無罪を言い渡すべき明らかな証拠を新たに発見したときなどが定められております。  このように、再審制度は確定判決の存在を前提として、主として事実認定の不当を是正し、有罪の言渡しを受けた者を救済するための非常救済手続として設けられているものと承知をしております。
  124. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 今御答弁がありましたが、有罪が確定した人の利益のためにあるということでした。  ところで、日本で最初の再審無罪がどのような事件であったか御存じでしょうか。大臣に伺います。
  125. 小山太士

    ○政府参考人(小山太士君) 済みません、事務当局からお答えいたします。  法務省におきましては、この再審制度自体、明治十三年の治罪法に遡る制度であることもございまして、最初に再審で無罪となった事件がどのようなものであったかは把握しておらず、お答えすることが困難であることを御理解いただきたいと思います。
  126. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 把握されていないということですが、これは、日本で最初の再審無罪事件は、恐らく一九三四年、昭和九年の新潟の放火事件であろうと、これは昨年のNHK、「時論公論」という番組で紹介をしておりました。  通告はしておりませんが、山下大臣は、岡本梅次郎という名前を聞いたことはございますか。
  127. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 済みません、通告はありませんでしたが、正確なところは、ちょっと記憶ベースになりますので、ちょっとお答えは差し控えさせていただきたいと思います。
  128. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 実は新潟の放火事件を担当した検事で、戦後、最高検検事や広島高検検事長を務めた方であります。  私は、この番組で、この新潟の放火事件の捜査がずさんだったことから、検察が再捜査して自ら再審手続を取って無罪となったことが紹介されていました。さらに、当時の検事長や次席検事が、再審無罪となったことをよくやったとねぎらったということなんですね。この岡本梅次郎氏がそのことを「法曹」という雑誌で回想していたということを私も知りまして、これを、こういうことで国会図書館から取り寄せて読ませていただきました。  この番組の解説者は、自らのそのメンツのためにただやみくもに争うのではなくて、裁判の誤りを正し無実の人を救うという再審制度の理念を理解していた岡本梅次郎氏やその上司のありようを、事実に対する謙虚さが伝わってくるというふうに評しております。  先日の二十八日、熊本県の松橋町で男性を殺害したとして懲役十三年の刑が確定し服役した八十五歳の男性が無罪を言い渡され、検察が控訴せず、無罪が確定しました。いわゆる松橋事件です。ずさんな捜査だっただけでなく、これは、九〇年、平成二年の最高裁判決の七年後に無実を示す新たな証拠が明らかになったにもかかわらず、その証拠が検察によって隠されていたこと、地裁、高裁が再審を認めたのに、検察が抗告、特別抗告をしたため、無罪確定まで長時間を要したことなどが厳しく問われています。  そこで、その証拠の取扱いについて伺いますが、裁判員制度の導入などをきっかけに、裁判の前に検察が全ての証拠をリストにして弁護側に示す制度が導入されましたが、再審請求はその対象になっておりません。再審請求についても証拠開示を制度化すべきだと考えます。  今後、その制度の検討に向けた議論が行われるのか、山下大臣にお伺いいたします。
  129. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) まず、制度につきまして、再審請求審における証拠開示については、平成二十八年に成立した刑事訴訟法等の一部を改正する法律の附則九条三項において検討することが求められております。そこで、平成二十九年三月に、最高裁、法務省、日本弁護士連合会、警察庁の担当者で構成する刑事手続に関する協議会を設けておりまして、御指摘のような点も含めて協議、意見交換を行っているところであると承知しております。  再審請求審において、これは、先ほど御指摘の例もともかく、検察庁としては、実体的真実の発見と、あと適正手続の保障という職責を全うするために適正な法執行を行っているというふうに考えておりますが、お尋ねのその証拠の一覧表の交付を始めとする証拠開示制度を求めることにつきましては、刑事訴訟法等の一部を改正する法律案の立案に先立って行われた法制審議会新時代の刑事訴訟制度特別部会において議論がなされたと承知しておりまして、ここで導入しないということとされたところでございます。  法務省としては、そこで指摘された問題点を踏まえながら、これは、例えば手続構造が異なるなど、再審手続とですね、あるいは刑事訴訟とは手続構造が異なるというふうな指摘などもなされたところでございまして、そこで指摘された問題点を踏まえて、更に検討する必要があると考えております。
  130. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 残念ながら前向きの御答弁はありませんでしたが、やはり再審請求事件では、これは事実審以上に全証拠の開示義務を検察官に課すこと、これが大事だと思います、裁判所の再審決定に対して検察官の不服申立てができないなど、通常の抗告、特別抗告などとは別に制度設計をする必要があるのではないかと思います。検察のやみくもに争い続けるありようは、今後の大崎事件判決でも厳しく断罪されるものと思います。  私、本委員会で、死刑執行に対する抗議、長期勾留者の仮釈放などを求めてまいりました。これ、冤罪が否めないからであります。先ほども御紹介いたしましたが、岡本梅次郎氏も裁判に誤判はあるとした上で、誤判で死刑に処せられたらどうするかという問いに、万一疑いがあれば、死刑を執行しないで留保する方法があるはずだと述べていらっしゃいます。この発言に対する先輩の注意に対して、それくらいのことを言わなければ戦後の民主主義はあり得ないと述べていることを紹介いたしまして、時間になりましたので終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  131. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 本日の調査はこの程度にとどめます。     ─────────────
  132. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 司法書士法及び土地家屋調査士法の一部を改正する法律案を議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。山下法務大臣。
  133. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 司法書士法及び土地家屋調査士法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。  この法律案は、近時の司法書士制度及び土地家屋調査士制度を取り巻く状況の変化を踏まえ、司法書士法及び土地家屋調査士法の一部を改正しようとするものであり、その要点は、次のとおりであります。  第一に、司法書士及び土地家屋調査士について、それぞれ、その専門職者としての使命を明らかにする規定を設けることとしております。  第二に、司法書士及び土地家屋調査士に対する懲戒の手続に関する規定を見直すこととしております。具体的には、懲戒権者を法務局又は地方法務局の長から法務大臣に改め、戒告の処分をしようとする場合にも聴聞の手続を経ることとするとともに、懲戒処分について除斥期間を定める規定等を設けることとしております。  第三に、司法書士法人及び土地家屋調査士法人について、社員が一人であっても法人を設立することを可能とする等の措置を講ずることとしております。  以上が、この法律案の趣旨でございます。  何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
  134. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時六分散会