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2019-03-20 第198回国会 参議院 法務委員会 4号 公式Web版

  1. 平成三十一年三月二十日(水曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  三月十三日     辞任         補欠選任      島村  大君     片山さつき君      元榮太一郎君     青木 一彦君  三月十四日     辞任         補欠選任      徳茂 雅之君     山田 修路君  三月十五日     辞任         補欠選任      青木 一彦君     元榮太一郎君      山田 修路君     徳茂 雅之君  三月十九日     辞任         補欠選任      徳茂 雅之君     小川 克巳君  三月二十日     辞任         補欠選任      小川 克巳君     徳茂 雅之君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         横山 信一君     理 事                 福岡 資麿君                 元榮太一郎君                 有田 芳生君                 伊藤 孝江君     委 員                 岡田 直樹君                 徳茂 雅之君                 長谷川 岳君                 丸山 和也君                 柳本 卓治君                 山谷えり子君                 小川 敏夫君                 櫻井  充君                 石井 苗子君                 山口 和之君                 仁比 聡平君                 糸数 慶子君    国務大臣        法務大臣     山下 貴司君    副大臣        法務副大臣    平口  洋君    大臣政務官        内閣府大臣政務        官        白須賀貴樹君        法務大臣政務官  門山 宏哲君    最高裁判所長官代理者        最高裁判所事務        総局民事局長   門田 友昌君    事務局側        常任委員会専門        員        青木勢津子君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官       十時 憲司君        警察庁長官官房        審議官      下田 隆文君        総務大臣官房審        議官       吉川 浩民君        法務大臣官房政        策立案総括審議        官        西山 卓爾君        法務大臣官房司        法法制部長    小出 邦夫君        法務省民事局長  小野瀬 厚君        法務省刑事局長  小山 太士君        法務省矯正局長  名執 雅子君        法務省保護局長  今福 章二君        法務省人権擁護        局長       高嶋 智光君        法務省入国管理        局長       佐々木聖子君        公安調査庁次長  浦田 啓一君        外務大臣官房審        議官       大鷹 正人君        外務大臣官房審        議官       高橋 克彦君        財務省理財局次        長        富山 一成君        文部科学大臣官        房審議官     丸山 洋司君        厚生労働大臣官        房審議官     田畑 一雄君        特許庁総務部長  米村  猛君        国土交通省航空        局次長      岩崎 俊一君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○平成三十一年度一般会計予算(内閣提出、衆議  院送付)、平成三十一年度特別会計予算(内閣  提出、衆議院送付)、平成三十一年度政府関係  機関予算(内閣提出、衆議院送付)について  (裁判所所管及び法務省所管)     ─────────────
  2. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) ただいまから法務委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る十三日、島村大君が委員を辞任され、その補欠として片山さつき君が選任されました。     ─────────────
  3. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に元榮太一郎君を指名いたします。     ─────────────
  5. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  委嘱審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官十時憲司君外十八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  7. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 去る十四日、予算委員会から、三月二十日の一日間、平成三十一年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、裁判所所管及び法務省所管について審査の委嘱がありました。  この際、本件を議題といたします。  裁判所及び法務省関係予算につきましては既に説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  8. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 おはようございます。自由民主党、元榮太一郎でございます。  山下大臣、平口副大臣、門山政務官、どうぞよろしくお願い申し上げます。  まず、スクールロイヤー拡充の必要性について文科省にお尋ねします。  私の地元千葉県野田市において、今年一月に栗原心愛さんが亡くなった痛ましい児童虐待事件を受けて、文科省は先月から再発防止策を検討する省内の作業部会でスクールロイヤーの配置拡充を議論しているとのことです。  弁護士は、法律実務家として多くの利害関係者を調整する仕事を行っていることから、強硬な親に対応するだけではなく、子供や教師からの相談にも乗ることで虐待やいじめの芽を摘むということが期待できます。  今回の事案では、父親が学校や教育委員会に対して名誉毀損で訴訟を起こすなどと迫ったそうですが、弁護士が一人支援するだけで状況は随分違ったのではないかなとも思われます。  そこで、文部科学省にお伺いいたしますが、今回の事案では弁護士への相談はなかったのでしょうか。また、学校の法律問題を相談できる顧問弁護士はいなかったのでしょうか。
  9. 丸山洋司

    ○政府参考人(丸山洋司君) お答えを申し上げます。  委員お尋ねの弁護士への相談でございますが、今回の事案では、野田市に市の顧問弁護士が一名いたものの、当該弁護士を含めて弁護士への相談は行っていないと市の教育委員会から報告を受けているところでございます。
  10. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 やはり今後、今回のような事案に対応するためにはスクールロイヤーの拡充が必要だと考えます。  資料一の記事を御覧いただきたいのですが、報道によりますと、スクールロイヤーについての必要性を感じる自治体も多いそうですが、予算の問題などにより二の足を踏む自治体も少なくないそうです。スクールロイヤーの先行事例である港区、人口約二十六万人が住む自治体でありますが、十一年間で二百二十六件の法律相談が寄せられたそうです。平均すると一年間で約二十件ということになりまして、一か月に二件程度の相談であれば、実働二、三時間で収まることも多いのかなというのが弁護士としての実感であります。そうしますと、実働二、三時間ですと月額五万程度の顧問料で収まりますということですから、二十六万人の自治体で一年間六十万円程度ということであれば、全国でも約三億円ぐらいで収まるというような皮算用ができますので、政府としては、全国の自治体に対してバックアップするということはそう難しくない話とも思われるのですが、いかがでしょうか。文科省の御見解を伺います。
  11. 丸山洋司

    ○政府参考人(丸山洋司君) 委員お尋ねのスクールロイヤーの活用についてでございますが、学校が虐待やいじめ等の児童を取り巻く問題について、弁護士に相談をし、法的なアドバイスを受けることは有効であるというふうに考えております。  文部科学省では、法律の専門家である弁護士がその専門的知識、経験に基づきまして、学校において法的側面からのいじめ予防教育を行うとともに、教員からの法的相談に対応する体制の整備を行う等の先進的な取組を開発するために、いじめ防止等対策のためのスクールロイヤー活用に関する調査研究を実施をしているところでございます。  具体的には、虐待やいじめ等の児童生徒を取り巻く問題への法的な助言、法的側面からのいじめ予防教育、いじめ問題への法令に基づく対応状況の確認を行いまして、調査研究結果の施策への反映を通じまして、いじめの防止や問題の効率的な解決に資することを目指すものでございます。  虐待事案におきますスクールロイヤーの活用が期待されていることを鑑みまして、文部科学省といたしましては、今年度実施をしております調査研究の成果も踏まえつつ、適切に対応してまいりたいと考えております。
  12. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 ありがとうございます。  柴山文部科学大臣からは予算的な手当ても含めて法務省ともしっかりと連携をしていきたいと考えている旨の発言があったということですが、文科省と連携してスクールロイヤーを拡充する必要について、山下法務大臣にお伺いいたします。
  13. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 法律実務家として様々な法的問題を取り扱い、多くの関係者の利害を調整する仕事を行っている弁護士が、委員の御指摘のとおり、子供や教師からの相談にも乗ることで虐待やいじめの芽を摘む役割が期待できるとの御指摘はごもっともだろうと思っております。  そうしたことから、いわゆるスクールロイヤーを活用し、学校現場における問題について弁護士が法的な観点から関与をすることは、児童虐待の有効な対策の一つとして有効であるとともに、法曹有資格者の活動領域の拡大という観点からも有意義であると考えております。  スクールロイヤーの活用の在り方については、法務省としても、今文部科学省で検討をしっかりされておられるということでございますので、その検討を踏まえつつ、日本弁護士連合会の協力も得て、必要な協力を行ってまいりたいと考えております。
  14. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 ありがとうございます。是非とも強力な推進をお願い申し上げます。  続きまして、子どもの人権SOSミニレターについてお伺いいたします。  全国の法務局、地方法務局では、学校におけるいじめや体罰、家庭内での虐待など、子供の人権問題に対する取組として、平成二十年から、全国全ての小中学校の児童生徒を対象に子どもの人権SOSミニレターを年一回学校を通じて配付して、手紙による相談に応じています。  お配りしていますこれが実物なんですが、資料二、資料三ですが、一つ目が小学生用でありまして、少し平たい、小学生向けの易しい文章になっております。資料三が中学生用ということで、中学生向けとなっているわけですが、こちらでお手紙を作ってのり付けして郵便ポストに入れると法務局に届くというようなものであります。  今般、この取組について、全国の小中学校の保健室や図書室に常備してもらうことを始めたと聞いております。このSOSミニレターですが、二〇一七年では全国で一万六千五件の相談がありまして、このうち五百二十二件が虐待に関する相談だということで、児童生徒が身近な人に相談しにくい、こういうような虐待やいじめの兆候を早期に把握するという、そんな効果につながっています。  この子供が投函したレターが虐待に関するものだった場合に法務局としてはどのような対応を取るのか、また、これまで年一回学校に配付していた取組についてはどうなるのかについて、法務省に伺います。
  15. 高嶋智光

    ○政府参考人(高嶋智光君) お答えいたします。  法務局において親から暴力を受けているなどの児童虐待が疑われる事案のSOSミニレターを受け取った場合は、速やかに事実関係を確認するとともに、学校、児童相談所、警察などと連携して、被害者の安全を確保するということを最優先としまして、事案に応じた適切な措置を講じているところでございます。  このSOSミニレターは、御指摘のように、毎年五月頃から全国の小中学校の児童生徒に、全児童生徒に配付しているところでありますが、これは引き続き、この取組は実施していくつもりであります。  また、常備の点でございますが、この常備は既に一部の学校で実施していただいているところでありますが、今後、対象となる学校を順次拡大していき、全国での常備を目指していきたいというふうに考えております。  いつでも子供たちがミニレターを入手することができる環境づくりに努力してまいりたいと考えております。
  16. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 ありがとうございます。児童生徒の悩みを酌み取る最良の手段の一つとして、拡充をお願いしたいと思います。  次に、弁護士費用保険についてお尋ねします。  私は、いざというときの弁護士費用が保険から支給されるという、この支払の平準化につながる弁護士保険を拡充することが大事かなと思っておりまして、平成二十九年三月の当委員会においても、この弁護士費用保険の普及のために日弁連のパンフレットを法務局等の窓口に置いて周知することについて質問いたしましたところ、当時の盛山副大臣から、どのようなことができるのか検討させてもらいたいという御答弁をいただきました。  その後、法務省として、この弁護士費用保険の拡充や周知の方法についてどのような検討をされたのでしょうか。
  17. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  法務省といたしましても、国民の司法へのアクセスを容易にするための方策として、この弁護士費用保険が普及することは有意義であると認識しております。  この弁護士費用保険は、自動車保険などの特約として各損害保険会社等から販売されているところ、日本弁護士連合会の調べによりますと、同連合会と協定を結ぶ会社の販売する弁護士費用保険販売件数は、平成十七年が約九十三万件でございましたが、平成二十九年には約二千六百九十四万件と大幅に増加しておりまして、交通損害賠償訴訟の件数も増加しているものと承知しております。  このように、日本弁護士連合会等の取組により弁護士費用保険の普及が進んでいる状況にあると認識しておりまして、法務省といたしましては、引き続きこのような状況を注視してまいりたいと考えております。
  18. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 交通事故、まあ、損害賠償の分野では自動車保険のいわゆる弁護士費用特約の利用が大幅に増加しているということは承知しているんですが、それ以外の分野では全くと言ってもよいほど弁護士費用保険が普及していない、このように見受けられるんですが、この点について法務省の認識を伺います。
  19. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) 弁護士費用保険につきましては、近年、保険の適用対象の範囲が交通事故だけではなく、それ以外の日常生活における偶発的な事故や更に広い法的トラブルにも拡大された商品も販売されておりまして、先ほど申し上げました平成二十九年度の弁護士費用保険販売件数はその適用対象が拡大されたものも含んだ件数であると承知しております。  ただ、その内訳は把握していませんので、委員御指摘の交通損害賠償以外の分野において弁護士費用保険が全く普及していないかどうかにつきまして現時点でお答えすることは困難でございます。
  20. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 今回の質問に関して何人かの弁護士に聞いてみたんですが、やはり弁護士の現場でも交通事故の弁護士費用特約以外の弁護士費用保険を見たことがない、適用したことがないと、こんな話も聞きます。  交通事故の特定分野だけ普及していると、そういうような実感を持っているんですが、法務省としては、弁護士費用保険の販売件数にとどまらず、法律分野ごとの内訳の具体的な把握にも努めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  21. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) 繰り返しになりますけれども、弁護士費用保険につきましては、損害賠償保険会社等と協定を締結している日本弁護士連合会が、その協定に基づきましてその販売件数を把握しているものと承知しております。  この弁護士費用保険があくまで民間事業者が販売しているものであるという性質上、先ほど申し上げました日本弁護士連合会によって公表された販売件数の総数に加えまして、具体的な法律分野ごとの内訳を法務省独自で把握することは難しい面がございますが、いずれにいたしましても、この日本弁護士連合会等の取組により弁護士費用保険の普及が進んでいる状況にあると認識しておりまして、法務省といたしましては、この弁護士費用保険が交通損害賠償の分野以外にも今後広く普及していくかどうかについて関心を持ちまして、その状況の把握に可能な限り努めてまいりたいと考えております。
  22. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 いや、政府として弁護士費用保険をしっかり応援していきたいというようなメッセージの下に内訳を伺えば、教えていただける可能性は極めて高いなというふうに思います。  いずれにしても、やはり二割司法という言葉が言われて久しいわけで、やはり本当に泣き寝入りをしていたり、この司法が活用できない方々がまだまだたくさんいる。そこを少しでも減らす可能性のあるこの弁護士費用保険というのは、やはり政府としてバックアップしていく必要が私はあるのではないかなと思いますが、この弁護士費用保険の重要性についてどのようにお考えかという点で、弁護士でもある門山法務大臣政務官に、意気込みも含めてお伺いしたいと思います。
  23. 門山宏哲

    ○大臣政務官(門山宏哲君) 先ほど当局からもお答えさせていただいたとおり、国民の司法へのアクセスの改善というのは重要であると考えておりまして、その観点から、弁護士費用保険の普及はとても有意義であると考えているところでございます。  弁護士費用保険は、日本弁護士連合会や民間事業者等の取組によって普及が進んでいる状況にあるとは考えておりますけれど、法務省といたしましても、そのような取組をしっかりと見守ってまいりたいと考えております。
  24. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 大変心強い御答弁、ありがとうございます。是非お願いします。  次に、民事訴訟における送達についてお伺いいたします。  金銭の支払や離婚などを請求する裁判を起こしますと、まずは提出した訴状を被告に送達することになります。これを被告が受け取らない場合には、つまり訴状の送達ができない。こういう場合には、原告は裁判所書記官から住所や就業場所の調査を求められます。被告の自宅がオートロックのセキュリティーマンションの場合では、原告にとって、マンションの共用部分などに立ち入っての調査は難しいことが少なくありません。  そこで、最高裁判所にお尋ねしますが、裁判所が求める住居等の調査に関して、最高裁で何らかのガイドラインを定めたりはしているのでしょうか。
  25. 門田友昌

    ○最高裁判所長官代理者(門田友昌君) お答えいたします。  委員御指摘の住所等の調査に関しましては、送達をすべき場所の選定や公示送達等の要件該当性の判断に関わる事項でございまして、個々の事案ごとに具体的事情を踏まえまして裁判体や裁判所書記官が判断すべき事項ということになります。  そのため、最高裁判所事務総局においてその調査方法について特定の方向性を示すことは難しいことから、ガイドライン等は定めておりません。
  26. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 ある弁護士によれば、オートロックのセキュリティーマンションでの調査に関し、裁判所書記官によっては、マンションのほかの住民がオートロックを解錠して建物内に入るときに一緒に入ることを示唆されたり、集合ポストの中の郵便物の確認を指示されたりすることがあると、こういうような話を聞きました。  このようなマンションでは、集合玄関部分より内側の共有部分への立ち入っての調査に関しては、住民や家主の許可がなければ建造物侵入罪に該当する可能性もあると、このように思います。オートロックの余り普及していなかった頃であればこのような問題は生じなかったのだと思いますが、近時のマンションではオートロックは当たり前の設備になっています。  裁判所書記官が実務で使っている書籍が司法協会から出ておりまして、「民事訴訟関係書類の送達実務の研究」、こういうような文献があります。これは平成十七年頃の裁判所職員総合研修所における研究を報告したものですが、オートロックのマンションなどに関する調査に関する記述、これも多少はあるんですが、近時のセキュリティーの高いマンションの実情にこの送達実務が付いてこれていないのではないかな、このような印象も受けます。  そこで、最近の実情を踏まえて、司法権を担う国家機関として、法令遵守の観点から、住所等の調査において許可なく集合玄関部分より内側の共有部分に立ち入ってはならない、そのような調査はしてはいけない、こういうような一定の指針を作成することの必要性について、最高裁の御見解を伺いたいと思います。
  27. 門田友昌

    ○最高裁判所長官代理者(門田友昌君) お答えいたします。  訴状の送達は、訴訟の係属という重大な効果を生じさせる非常に重要な手続であることから、相手方の手続保障の観点からも、住所等については適切に調査を尽くすことが必要であると考えております。  もとより、委員御指摘のとおり、法令に違反する行為をしてはならないということは当然でございますが、いかなる調査が必要かにつきましては個々の事案ごとに異なりますので、最高裁判所事務総局において一定の指針等を示すことは難しいと考えております。
  28. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 裁判実務では、正確な統計は取られていないものの、感覚として二割近い事件でこの住所等の調査が必要になっているという声も聞きます。また、現場の弁護士からは、やはり裁判所によっては違法と思われるような無理を言ってくるケースが多いので、指針の作成など、何とかしてほしい、このような強い要望が上がっています。  裁判所書記官の方は非常に実務に精通していらっしゃると思いますが、現地調査をしたことがない方がほとんどだと思うんですね。やっぱり、現地調査をする弁護士やそのスタッフは、非常に苦しい状況の中でこの送達の実務を行っていますので、是非この点についても御認識いただいて、前向きな御検討をいただきたい。やはり司法に対する信頼に関わる問題だと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  そしてまた、さらに、送達に関する質問なんですが、これも現場の弁護士からの声でありますが、最近、外国送達が増えてきているということで、この外国送達はかなりの時間が掛かってしまい、事件の長期化につながっているという声があります。  例えば、外国人の賃借人が賃料未払のまま自国に帰ってしまったと、こういうような事案では、所在の調査や海外への送達で手続が長期化してしまい、別の人に貸すことができないまま長期にわたって家賃収入が得られなくなってしまったと、こういうようなケースなんですが、今後、我が国における在留外国人は増えていくことが見込まれます。そうなると、外国人が被告になる事件も必然的に増加します。相手が外国人の場合、自国に帰ってしまいますと、訴状の送達は外国の住所に宛てた送達、いわゆる外国送達を実施しなければならないと思います。具体的には、民事訴訟条約に基づく指定当局送達、ハーグ送達条約に基づく中央当局送達、領事送達、こういうような方法で実施されます。  そこで、最高裁にお尋ねします。  いずれの方法でも、最高裁や外務省、相手国の中央当局など複数の機関を経由して送達を行うため、かなりの時間を要することになると思いますが、一般的にどのくらいの期間を要するのか、実情をお答えください。また、改善に向けての施策は考えていらっしゃるのか、その点についてもお伺いいたします。
  29. 門田友昌

    ○最高裁判所長官代理者(門田友昌君) 外国送達に要する期間につきましては、嘱託してから結果が返ってくるまでの期間は、嘱託先の国やどのような送達方法、ルートを取るかによって異なりますけれども、最高裁判所が外務省等に通知した日から最高裁判所が嘱託庁に送達結果を通知するまでの所要期間は四、五か月程度が多くなっております。  また、改善に向けての施策についてお尋ねがございましたが、先ほど申し上げました四、五か月という期間の大半は、受託国における手続に要する期間でございますので、その点を御理解願えればと存じます。
  30. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 受託国における手続に要する期間があるということは認識しておりますが、やはり送達は原告にとって大きな負担となっていますので、受託国への働きかけを含めた短期化に向けて、更なる努力をお願いしたいというふうに思います。  審理の短縮、短期化ということでいろいろと御尽力されていらっしゃると思いますが、この送達も含めて、受付から最後の判決、そして事件の終了に至るまで、この期間の短縮の中でやはり送達という部分も大きな時間的なものを含むと思いますので、是非とも御尽力、御検討いただきたいと思います。  現在検討中の裁判手続のIT化の検討の中でも、送達の電子化などについては検討されていると伺っていますが、やはり最初の訴状が送達されるという送達の場面においては、この電子化が適用される場面というのは限定されると思いますので、従来のこの送達をより迅速、的確に行うということは非常に重要になってくる、この点については変わらないことだと思いますので、是非ともこの送達という点に注目して、更なる御検討をいただきたいということをお願いいたしまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  31. 有田芳生

    ○有田芳生君 立憲民主党の有田芳生です。  三月十二日の法務委員会で、私はヘイトスピーチ解消法の意義と限界について質問をいたしました。その冒頭で、三月九日に京都で行われたヘイトスピーチのデモについて、大きく問題として取り上げました。  それはなぜかといえば、とにかく、街宣、デモをやれば必ず、必ずどぎついヘイトスピーチをやる人物、大阪地裁の決定によれば、生野区にある、あるNPO法人の近く、六百メートル以内でデモを、集会をやってはいけないと通告されたにもかかわらずそれを破って、大阪地裁は、今度それをやれば一日に六十万円支払えと、そういう決定をやった人物が、三月九日には京都でたった四人で、しかも路上は一人だけ歩いてデモをするという異様な状況がありました。  そのことについて警察庁にお聞きをしたのは、その一人の人物のデモなるものに対して百人以上もの警察官が周りを手をつないで取り囲んで、外から見れば守って、そして街宣車の方は発進しましたから、そこを河原町で百人以上の警察官が白昼走って追いかけるという、外国人観光客から見ても、日本人の観光客から見ても、住人からしても、何事が起きているんだというような異常な事態がありました。私もなるべく現場に行くようにしておりますけれども、そういうことは初めての、前代未聞の警備だったというふうに判断しております。  前回お話を伺ったときに、例えば解消法ができる前に、岡山県で在特会の当時会長が、拉致を理由にしてヘイトスピーチのデモと街宣をやったんだけれども、そのとき、岡山県警の警備というのは物すごくソフトな、スマートなやり方だったと私は判断しております。  例えば、新宿などで今でも行われているのは、ヘイトスピーチをやることを中心とするデモがあれば、それに反対する人たちが来ると、前回もお話をしましたけれども、横断歩道、青信号が止められてしまうんですよね。新宿の場合なんかは三十分ぐらい止められる。だから、歯医者の予約した人たちも、歯医者に行けないのどうしてくれるんだと言われたって、止められたままという。だけど、銀座で行われるときにはそういうことが行われていないなど、やはり、各地の警備の仕方というのはまちまちなんですよね。  解消法ができてもう三年たつにもかかわらず、統一されたスマートな警備がなされないものだから、東京オリンピック・パラリンピックがやってくるときに、堂々と警察が守るような形でヘイトスピーチが行われているというふうに見られてしまう。非常に不幸なことだと思います。  ですから、お願いをしたいのは、前回問題点だけを指摘しましたけれども、やはり統一して、誤解されないような警備の在り方というのを検討していただきたいんですが、警察庁、いかがでしょうか。
  32. 下田隆文

    ○政府参考人(下田隆文君) お答えいたします。  警察におきましては、デモの状況、そして時々の情勢等を踏まえまして、現場における混乱、そして交通の危険の防止等のため、必要な警備体制を構築し、中立性、公平性を念頭に置いて警備活動を実施しているところでございます。  具体的な警備のありようでございますけれども、個々のデモの状況であるとか様々な地理的状況、地理的な事情などによるものでございまして、一律にするということはなかなか困難ではございますけれども、例えば、デモ参加者、そしてデモに抗議される方、双方に対する警備措置を講じるということもあるものと承知をしているところでございます。  いずれにいたしても、今後とも、引き続き適切に警備を行ってまいりたいと考えてございます。
  33. 有田芳生

    ○有田芳生君 適切じゃないから言っているんですよ。もうこれ以上聞いたってしようがないので、次に行きます。  選挙が近づいておりますけれども、地方選挙でヘイトスピーチを、もう存在そのものがヘイトスピーチだと裁判でも認定された人物を責任者とする団体が、神奈川でも、あるいは大阪でも地方選挙に出ようとしております。  先ほど、大阪で問題になった、大阪地裁の決定が出、さらには京都でそういうデモをやった人物も選挙に出る可能性があるんですが、総務省にお伺いします。  選挙においても、ヘイトスピーチ解消法二条に当たるヘイトスピーチが行われた場合、それは選挙という場で許されるんでしょうか。総務省にお答え願います。
  34. 吉川浩民

    ○政府参考人(吉川浩民君) お答えいたします。  公職選挙法におきましては、選挙運動のために行う演説に関し、同時に開催できる箇所数などの制限はございますが、内容については原則として特段の制限はないところでございます。  しかしながら、同法に定める虚偽事項の公表罪等に触れる場合や刑法に定める名誉毀損罪等に触れる場合などについては、それぞれの法律による処罰の対象となるものでございます。  個別の言動がいわゆるヘイトスピーチ解消法に規定する本邦外出身者に対する不当な差別的言動に当たるかどうかにつきましては、同法の観点から、発言の内容や前後の文脈、言動がなされた状況等を踏まえ総合的に判断されるものと承知しております。
  35. 有田芳生

    ○有田芳生君 そういう教科書を聞くつもりで質問をしているんではなくて、具体的問題、新しい課題が出ているときに、総務省としてどう対応していくのか。例えば、法務省と連携を取って何らかのヘイトスピーチ対策というのは行う予定はありますか。
  36. 吉川浩民

    ○政府参考人(吉川浩民君) 選挙においてヘイトスピーチ解消法に規定するヘイトスピーチが許されるか否かということについては、同法の解釈により判断されるものと承知しております。  なお、公職選挙法の考え方等につきましては、法務省からの照会等に際して適宜お伝えしているところでございますし、法務省と様々な情報の共有を図っているところでございます。
  37. 有田芳生

    ○有田芳生君 あのね、ニュージーランドで五十人が殺される事件が起きましたよ。今でも報道されているでしょう。あの実行犯は、インターネット上のヘイトスピーチに影響されて差別思想を学んで、そしてああいう事件を起こしたと本人が言っているんですよ。そのことが今、日本でもずっと解消法があっても続いているから、新しい課題に敏感に対応してほしいという質問なんですよ。  じゃ、総務省、伺います。  「ヘイトスピーチ、許さない。」という法務省がポスター作っております。そういう啓発活動をこの三年間努力してくださっています。そういうものを例えば候補者の説明会で配るというような努力、していただけませんか。
  38. 吉川浩民

    ○政府参考人(吉川浩民君) お答えいたします。  選挙管理委員会は、選挙を公正かつ適正に管理すること、あるいは政治的中立性が求められる機関でありまして、候補者の政見等について介入、干渉することは許されないものと考えております。  ただ、選挙に全く近接しない時期などにおきまして、ヘイトスピーチ解消法の趣旨を踏まえ、法務省が行う啓発活動の内容を一般的に周知すること等については、選挙の結果に影響を与えるおそれや候補者の政見等についての介入、干渉に当たるおそれがないなど、選挙の自由、公正が阻害されない限り差し支えないものと考えております。
  39. 有田芳生

    ○有田芳生君 具体的な、地方自治体から総務省にそういう要請ないですか、ヘイトスピーチに関する啓発をやってほしいと。あるんですよ。それ、抽象的なことを言っていただいても意味がないから、もう法務省にお伺いをいたします。  前回もお伺いしましたけれども、去年質問する中で、法務省の中で、ネット上のヘイトスピーチ、人権侵害とかあるいは選挙時におけるヘイトスピーチに対して、どうするのかという内部的な検討をなさっているというふうに去年の委員会で伺ったと思うんですが、どういう検討がされたんでしょうか。
  40. 高嶋智光

    ○政府参考人(高嶋智光君) 二点御質問がありましたので、お答えいたします。  まず第一は、インターネット上で行われているヘイトスピーチ、不当な差別的言動に関してであります。  この元々の人権侵犯事件としての調査救済手続というのは、人権の侵害された又はそのおそれのある個人の救済ということを目的としておりますので、従来、特定の者に対するもののみ、そういう不当な差別的言動を削除要請等の措置の対象としてきておりますけれども、問題は、多数の者に向けられた不当な差別的言動は特定個人に向けられたものではないのではないかという、こういう疑義がございました。  そこで、検討しておりましたが、しかし、多数の者に向けられた差別的言動でありましても、その範囲が特定されていて、特定の者に対する差別的言動であると評価できるものがあるのではないか、具体的事案によってはあるのではないか、そういう場合には、やはり人権侵犯事件として立件し、調査することが必要ではないかという結論に至っております。  ただ、その場合、どのような言動がこれに当たるのかというのはなかなか難しい問題ございまして、個別の事案ごとに判断すべきものでありますが、一般論として申し上げますと、当該差別的言動が当該集団等に属するものであれば、精神的苦痛等を受けるような性質のものであったと言えるか否かということを社会通念に照らして客観的に判断するという、こういうことになるのではないかということを今考えております。  法務省の人権擁護機関としては、以上の考え方に基づいて、インターネット上の不当な差別的言動について適切に対処をしてまいりたいと考えております。  それから、もう一点の質問でございますが、選挙運動時における不当な差別的言動であります。これは、かねて選挙運動の中で行われるいわゆるヘイトスピーチが許されるのかという問題が、指摘がございました。  選挙運動等の自由の保障というのは民主主義の根幹を成すものでございますので、これは十分に尊重される必要がありますが、他方で、本来違法と評価されるべきヘイトスピーチはどうなのかという問題があります。  人権侵犯事件におけます違法性の判断というのは、人権を侵害された者の救済という目的に照らして、その生じている結果や行為態様、具体的なスピーチ等の内容等を合目的に総合的に判断して行うということになりますところ、本来違法と評価されるべきヘイトスピーチが、不当な差別的言動が選挙運動等として行われたからという一事をもって直ちにその違法性が否定されるものではないというふうに考えております。  法務省の人権擁護機関としては、選挙運動等の形で行われた不当な差別的言動により人権を侵害されたとする被害申告等があった場合には、選挙運動等の自由にも十分配慮しつつ、これらの言動、それから態様等を十分調査し、人権侵犯性の有無を総合的に判断し、立件すべきものについては立件して調査し、適切に対応をしていく方針であります。
  41. 有田芳生

    ○有田芳生君 そういう到達点について、自治体とか関係機関に周知する御予定はありますか。
  42. 高嶋智光

    ○政府参考人(高嶋智光君) お答えいたします。  ヘイトスピーチに関する取組を推進するに当たりましては、これまでも関係省庁やヘイトスピーチと実際に向き合っておられる地方公共団体と緊密な連携を取ってきたものでありますし、これからもそれが重要であるというふうに認識しております。  これまでは、関係省庁、地方公共団体が構成員となっている人権教育・啓発中央省庁連絡協議会ヘイトスピーチ対策専門部会の場を活用するなどして関係省庁や地方自治体との意見交換や情報共有を図ってきたところであります。  今後も、ヘイトスピーチ対策専門部会や地方における関係機関とのネットワークを活用しまして、委員から御指摘のあった、選挙時及びインターネット上の不当な差別的言動への対応を含めて、ヘイトスピーチの問題に関する当省の考え方をしっかりと共有してまいりたいと考えております。
  43. 有田芳生

    ○有田芳生君 少しずつではあっても前に更に進めていっていただきたいとお願いします。  次に、皆さんに資料をお配りしておりますけれども、法務教官、緋村タケルなる者が、お示ししましたようなツイッターで書き込みをしております。私は法務教官をしておりますが、自分の担当する寮でも宣伝しまくっています、副読本と併せて、保護者に差し入れを要求する子が急増中です、少年院に入るような少年は余り勉強していない分、変に染まっていないので、洗脳じゃなくて教育しやすいですと。この、何を宣伝しまくっているかというと、作家の百田尚樹さんの「日本国紀」という本です。そして、この副読本というのは、その解説本だという女性ジャーナリストとの対談本です。  それを、法務教官として、洗脳であるかのようなことで、保護者に差し入れを要求する子が急増中という、この経過について、これ一月二十六日付けの書き込みですけれども、こういう人物は存在したんでしょうか、そして調査はどのような経過、結論が出たでしょうか。
  44. 名執雅子

    ○政府参考人(名執雅子君) 本年一月二十八日に外部からの指摘を受けまして、この不適切な書き込みを行った職員を特定いたしました。特定された職員は在院者と接触させないこととした上で、本人始め本人の同僚職員、また在院者にも事実関係を確認するなどして調査を行ったところです。  この職員は書き込みを行った事実を認めました。また、他国に対して批判的な他者のツイートに同調する形で、差別を肯定する内容を書き込んでいたことも判明しております。  この職員につきましては、在院者に対する矯正教育について誤解を招く内容を書き込んだことについて少年院の法務教官の信用を傷つけ、また、差別を肯定するような不適切な内容を書き込んだことについて国家公務員としての名誉を損ない、また、この不適切な内容を書き込んだことで差別を助長するようなことを起こしたということで、この職員につきましては、国家公務員法に基づき厳正に処分を行う方針としております。  少年院の矯正教育に携わる法務教官には、その職務内容に照らしまして、通常以上に人権に関して配慮ある言動が求められるところ、このような不適切な書き込みを行いましたことは誠に申し訳なく、当局としても重く受け止めているところでございます。
  45. 有田芳生

    ○有田芳生君 最後にお聞きをします。  二月六日付けで私のところに内部告発の手紙が来ました。この当該人物がいる施設のすぐ近くの消印ですけれども、矯正局が二月四日付けで、ソーシャルメディアの私的利用に係る注意喚起についてという通知を出された。その段階では、もうそれだけで終わってしまうのではないかと。この恐らく関係者は、本内容の問題点は少なくとも二点あると考えていると。一つは、特定の思想を過度に強調させている点、二つ目に、少年院の教育を洗脳と考えている点。  ですから、単に私的にSNSの使用の仕方を注意しなさいということだけではなくて、もっと全ての職員に対応を取られるというふうに聞いているんですけれども、それ、最後にお聞かせください。
  46. 名執雅子

    ○政府参考人(名執雅子君) 委員御指摘のとおりでございます。  当局におきましては、この者がそのSNSの適切な私的利用の在り方についての知識を有していなかったというだけではなくて、不適切な中傷、差別的発言を行うこと、また少年院の教官としてのその職務の在り方ということについて、決して許されないものという意識が不足していたと認識しております。  そこで、まずは今委員御指摘の二月四日付けのソーシャルメディアの私的利用に係る注意喚起を行ったところでありますが、この誹謗中傷、差別的発言がもたらす害悪について、全ての矯正職員が理解を深めていく必要があると認識しておりますので、三月上旬、まずこの職員が所属する施設の職員に対しまして、人権擁護局の協力を得て、インターネット上の人権侵害、名誉毀損、プライバシーの侵害、ヘイトスピーチの問題等の内容が盛り込まれました人権研修を実施しております。また、今後、各矯正管区が主催する会議の機会を捉え、全矯正施設の代表者に対する研修を行い、その内容をそれぞれが自庁の職員に伝達するようにいたします。また、今後、新採用職員の研修、幹部職員養成のための研修の内容にも、国家公務員の服務として、このソーシャルメディアの私的利用による信用失墜行為の禁止に加え、人権問題としてヘイトスピーチを始めあらゆる中傷、差別的発言がもたらす害悪等を盛り込むことといたしました。  少年院始め、矯正施設における処遇は収容下で行われ、強制性も内在することから、人権に関しましては極めて慎重であるべきであり、人権意識の重要性について繰り返し注意喚起、研修等を行ってまいりたいと思っております。
  47. 有田芳生

    ○有田芳生君 ありがとうございます。終わります。
  48. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 立憲民主党の小川敏夫です。  まず、商標に関してお尋ねしますけれども、問題点を若干説明いたしますと、商標法三十一条で、「商標権者は、その商標権について他人に通常使用権を許諾することができる。」と規定しております。これは非常に分かりやすい規定なんですが、ただ、その三十一条にただし書がありまして、「第四条第二項に規定する商標登録出願に係る商標権については、この限りでない。」というふうに規定しておりまして、第四条二項に規定する商標権については他人に通常使用権を許諾することができないというのが商標法の規定でございます。その第四条第二項に規定する商標権の中で、通常使用権を許諾することができないという中に、公益に関する団体であって営利を目的としない団体が持つ商標権ということになります。  それで、お尋ねいたします。お尋ねするのは文科省政務官でございますが、JOCあるいは東京二〇二〇委員会はオリンピックに関連する様々な商標を登録しておりますが、この商標を第三者、企業ですけれども、これに使用を許諾している。昨日、私、タクシーに乗ったら、あるタクシー会社のもうドアの横面にオリンピックのエンブレムがありましたし、テレビのコマーシャルにもたくさん出ている。でも、これって、この商標法に違反して、本来他人に使用許諾できないものをこのJOCや東京二〇二〇委員会は使用を許諾している、まさに商標法違反行為をやっているんじゃないですか。
  49. 白須賀貴樹

    ○大臣政務官(白須賀貴樹君) 御質問ありがとうございます。  組織委員会とライセンス契約を締結したスポーツ企業は、大会エンブレム等を使用することができるものと承知しております。そして、大会エンブレム等の使用につきましては、商標権のほか、著作権や民法上のライセンス契約に基づく方法があると承知しております。  組織委員会からは、スポンサー企業との契約内容につきましては秘密保持契約があるため明らかにはできませんが、大会エンブレム等の使用に当たっては現行法に沿って適切に契約していると聞いております。  以上です。
  50. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 いやいや、だって商標法ですよ。そのエンブレムは商標登録しているわけでしょう。それを、使用させてはいけない、使用権を許諾できないと、こう商標法の規定に明文に書いてある。今法律に適合するって、この商標法の規定にどうやって適合するんですか。
  51. 十時憲司

    ○政府参考人(十時憲司君) お答え申し上げます。  組織委員会によれば、ライセンス契約は組織委員会と各企業間で秘密保持契約を結んでいるため、相手方の企業の合意を得なければ開示できないという旨をお聞きしておるところでございますが、いずれにいたしましても、組織委員会の方からは、組織委員会とスポンサー企業の間におきまして現行法に沿って適切に契約されているという報告を受けているところでございます。
  52. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 答弁になっていないよ。  現に、だって登録商標しているエンブレムを企業が使用することを許諾しているじゃないですか、一業種に一企業というような、そんな基準でやっているらしいけれども。そのライセンス契約の中身をどうするこうするなんて聞いていないよ。ただ、明らかに登録商標であるエンブレムの使用を許諾しているじゃないですか。商標法は許諾しちゃいけないと書いているんですよ。  何で現行法に適合しているんですか。もう一回説明してくださいよ、分かりやすく。
  53. 十時憲司

    ○政府参考人(十時憲司君) お答え申し上げます。  大会エンブレム等の使用につきましては、商標権ということのほかに、著作権あるいはその民法上の個別のライセンス契約に基づく方法があるということで承知をしておりまして、組織委員会からは、内容については明らかにはされておりませんけれども、こういった様々な方法の下で適切に契約をしているということでございますので、商標法上の契約、通常使用権の設定という形が取られているかどうかは私どもは承知をしておりません。
  54. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 あのね、登録商標をしている商標ですよ。その登録商標をしているエンブレムを現に使わせているじゃないですか。何で商標法に違反しないんですか。(発言する者あり)
  55. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  56. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 速記を起こしてください。
  57. 十時憲司

    ○政府参考人(十時憲司君) お答え申し上げます。  商標権あるいは商標法の解釈につきましては私ども内閣官房の所管するところではございませんが、実例に即して申し上げますと、例えば熊本県で保有しているくまモンの商標につきましては、くまモンについては商標が設定されておりますけれども、これとは別に、著作権等に基づいてライセンス契約を締結をして販売あるいは使用をされているというふうに伺っているところでございます。
  58. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 あのね、じゃ、簡単に聞きますけれども、その登録商標をしているオリンピックのエンブレム、これを使っている者がいる。これは著作権法上どうやって許諾されるんですか。(発言する者あり)
  59. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  60. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 速記を起こしてください。
  61. 十時憲司

    ○政府参考人(十時憲司君) お答え申し上げます。  著作権につきましては、例えば大会組織委員会がオリンピック、パラリンピックのエンブレムを作成した際にこれについての著作権が発生しているかと思いますが、この権利について、それに基づいてスポンサー企業とライセンス契約を行っているというふうに承知をしているところでございまして、私ども内閣官房におきましては、現行のこうした著作権法あるいは民法等に基づいて適切に契約を行っているということで、特段の問題が生じているという事実も聞いておりませんし、報告も受けておりませんので、特段の問題はないものということで考えているところでございます。
  62. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 民法のどの規定によってこの商標法の違反が合法化されるんですか。
  63. 十時憲司

    ○政府参考人(十時憲司君) お答え申し上げます。  大変恐縮でございますが、それぞれの法令のどの条文、どういう形で契約をされているか、その根拠はどうか、そこについて適法性があるのかという詳細につきましては、私ども、細かくは報告を受けておりませんし、お答えすることは、ちょっとこの場ではお答えいたしかねるということでございます。
  64. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 私は契約内容を聞いているんじゃないですよ。民法の規定によって合法化されていると言うから、だから、民法のどの規定によって合法化されるかと聞いているんですよ。
  65. 十時憲司

    ○政府参考人(十時憲司君) お答え申し上げます。  大変恐縮でございますが、私どもの方ではそこまでは把握をしておりません。(発言する者あり)
  66. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  67. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 速記を起こしてください。
  68. 十時憲司

    ○政府参考人(十時憲司君) お答え申し上げます。  組織委員会とスポンサー企業の間の契約については明らかにはされておりませんが、一般的なライセンス契約の事例として申し上げますと、契約した者に対して、差止め請求を行わないとか損害賠償請求を行わないという旨の契約内容を結ぶことによってライセンス契約としているような例があるというふうに承っているところでございますが、いずれにしても、本件ライセンス契約につきましては、民間団体と民間企業の私契約の問題でもありまして、そこまで議員のおっしゃるような形で政府として特段深く関与すべき問題ではないという認識でございます。
  69. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 あのね、事実を聞いているんじゃないんで、あなたが答えた著作権法なり民法の規定によってこの商標権違反にはならないと言うから、だから、具体的に著作権のどの条文で、あるいは民法のどの条文で、この商標権の規定が適用されないんだというふうに聞いているんですよ。
  70. 十時憲司

    ○政府参考人(十時憲司君) お答え申し上げます。  今ほども御説明申し上げましたように、当該ライセンス契約は、民間団体と民間企業の私契約の問題でございまして、政府として関与すべき問題ではないと考えておりまして、著作権法、商標法あるいは民法の適用条文、解釈、違法、適法性につきましては、それぞれの所管のところに委ねたいと思っておりまして、私どもといたしましては、組織委員会の方からは現行法に沿って適切に契約をしているということをもって、それから、特に現状、問題が生じていないということをもってこれ以上の関与は必要ないと考えているところでございます。(発言する者あり)
  71. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  72. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 速記を起こしてください。
  73. 十時憲司

    ○政府参考人(十時憲司君) お答え申し上げます。  当該ライセンス契約については、秘密保持条項に基づき明らかにされていないため、これに即して申し上げることはできませんが、一般的な例で考えますと、商標法に基づく差止め請求権の放棄ですとか、著作権法に基づく使用許諾、こういったことに基づいてライセンス契約を行っているものではないかと考えられます。
  74. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 つまり、使用許諾をしているんじゃないと。ただ、使っているのを見て、こっちで差止めしないよと。差止めしないよと言って使うのを黙認していれば、それ使用許諾じゃないの。もしそれが使用の許諾じゃないといったら、じゃ、使っているのは許諾を受けないで使っていることになるわけですよ。許諾を受けないで他人の商標を使えば、これ商標権侵害で懲役十年以下の刑罰ですよ。  つまり、商標を使わせておいて、使用許諾ではありません、ただ使用を禁止しない、そういう約束ですというのは、これは通らない話じゃないですか。使うのを止めないよというのなら、それは通常の理解じゃ使用を許諾しているわけですよ。それが使用の許諾じゃないというんだったら、使っているのは許諾を受けないで商標を使っているんだから、商標侵害で懲役十年以下の刑事事件なんですよ。おかしい理屈を言っているわけですよ。  結局、この法律の明文の規定に明らかに違反して、何か当たり前のごとく違法か合法かの認識もないままこの協賛金をもらって、協賛企業には登録商標を使わせてやるよというのが実際行われている。だけど、役所の立場上、それ違法だって言えないから四の五の言っているだけじゃないですか。  経産省、何かこの通常国会に、この商標法の規定を改正する法案をこの国会に出すようなことを考えていると、予定しているということですけど、経産省、どうですか。
  75. 米村猛

    ○政府参考人(米村猛君) お答えを申し上げます。  まず、商標法上の、現行商標法上の扱いでございますけれども、おっしゃっているところで、許諾をすることができないとなっているわけですが、この効果といたしましては、商標法上の保護が受けられないということになりますので、何らかいろんな工夫を皆さんされているということは、お話は聞いているところでございます。  今回、法律を国会に今お出しをしているところでございまして、これは、例えば地域の振興ですとか、いろんな場面で公益著名な商標について、例えばマグカップに付けたいですとか、いろんなところで広めたいということについてのニーズがございますので、これについては表立ってできるようにということで、いろんなニーズも踏まえまして、現在法律を提出しているところでございます。
  76. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 まあ時間がないので終わりますけどね。  だから、この国会でこの問題を指摘されて、慌ててこの国会でオリンピックのことを言わないでほかのニーズがあるようなことを言っているけど、実際にはこのJOCがやっていることを後付けで合法化するために法改正するわけですよ。  だけど、明らかにこの対応が、政府の対応が、別に私、オリンピックを邪魔する気はないし、けち付けるつもりはないんだけど、しかし、フェアなオリンピックをやるような団体が明らかに法律違反をやっている、これはおかしいじゃないかということで指摘したわけですよ。しかも、この明文の規定に違反している、登録した商標を、エンブレムを使わせちゃいけないと商標法に書いてある、それを今堂々と協賛企業に使わせている。この違反行為に関して、やれ脱法行為的に、脱法行為というか脱法行為的説明でごまかして、ごまかしている間に法律改正して合法化しようというそのやり方は、政府の対応はおかしいですよ。堂々と、そうした過ちを認めて、堂々と非は認めてやったらいかがですか。  政務官、どうぞ、最後に、座っているだけじゃつまらないから。その答弁聞いて終わります。
  77. 白須賀貴樹

    ○大臣政務官(白須賀貴樹君) 御指摘の点を踏まえて検討していきたいと思います。
  78. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 終わります。
  79. 櫻井充

    ○櫻井充君 国民民主党・新緑風会の櫻井充です。  前回の質疑の際に、少年の犯罪は減っているけれど家庭の中での暴力が増えてきていると、そういう指摘をさせていただいて、資料も提出いただきました。大臣もこの資料を見ていただいて、現実、家庭内での暴力というんでしょうか、非行が増えているということは認識していただいたと思います。  一体何が原因でこういうことが起こっているというふうにお考えでしょうか。
  80. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 御指摘のとおり、少年による家庭内暴力事件の認知件数は年々増加しておるわけでございます。  この原因については様々考えられる、家庭内における家族の関係の変化であるとか、あるいは逆に、今まで法は家庭に入らずというところがあったのが、やはりこういったことについて、やはりこういった認知ということですから警察にも相談するという動きが出ているのか、その点については様々これからもしっかりと検討してまいりたいと考えております。
  81. 櫻井充

    ○櫻井充君 結局、正しく原因が分析されなければ正しい処方箋をちゃんと行うことができなくて、結果的には対策を立てたけれど何の役にも立たないという話になると思うんですよ。  だって、一般的に、例えば家庭内で子供さんが暴力を振るうということは、親子関係が決して良くないから振るわざるを得なくなっているような気がしますけどね。この点については、大臣、どうお考えですか。
  82. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 御指摘のとおり、原因についての把握は極めて重要であります。親子関係が若干変化してきているということは、それもやはり原因の一つとしてはあるんだろうと考えております。
  83. 櫻井充

    ○櫻井充君 ありがとうございます。  その上でもう一つ、このことについての分析や対策はどの省庁が取ることになるんですか。
  84. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) まず、法務省としての取組、これについて御説明をさせていただきますと、法務省においては、例えばまず少年鑑別所、ここにおいて、法務少年支援センターとして地域における非行、犯罪の防止に向けて少年やその保護者に対する支援を行っておりまして、少年による家庭内暴力についての相談があった場合には少年本人や保護者の心理検査やカウンセリング等を実施しているところであります。また、ちょっと前後しますが、個別の事件においてそういった家庭内暴力事件に至った理由をしっかり、事件化され、刑事事件となった場合ですね、あるいは少年事件としてなった場合に、その一つ一つの事件について丁寧に背景を把握するというのは当然でございます。そういったことに基づいて、あるいはそれに至る前でも少年鑑別所はそういうことを法務少年支援センターとしてやっている。  また、保護観察所では、家庭内暴力を行った保護観察対象者に対して暴力の防止に向けた指導を行い、家族関係を改善するための家族調整を行っておりますが、そういった家族調整の過程でそういったその事件の背景となっている関係等も調整していく、把握し調整していくということになります。  また、少年院ということになりますと、これにおいても家族関係指導を実施しておりまして、例えば保護者参加型プログラムを実施しているところであります。  そういった取組の中で、家庭環境を調整をしつつ原因をしっかりと把握するという中で、関係省庁とも緊密に連携しつつ、引き続き家庭内暴力の問題を抱える少年や保護者に対する指導、支援に取り組んでまいりたいと考えております。
  85. 櫻井充

    ○櫻井充君 ありがとうございます。  ただ、今御答弁あったように、鑑別所に入るとかそういう話から先は法務省なんですよ。でも、その前は違いますよね。  今関係省庁とおっしゃいました。どこがこれは主たる省庁になるんですか。
  86. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 我々の認識では、例えば児童相談所であるとかあるいは学校等の関係機関、そうなりますと厚生労働省あるいは文部科学省あるいは地方自治体ということになろうかと思いますが、我々としては、そういった関係機関とも連携して、我々ができる限りの御協力をさせていただきたいというふうに考えております。  また、少年鑑別所で御紹介しました法務少年支援センター、これについては必ずしも事件になる前の段階でも地域の社会における少年や保護者に対する支援を行っているということを付言させていただきたいと考えます。
  87. 櫻井充

    ○櫻井充君 これは本当に大事な問題だと思っていて、昨日、実は議論した際に、じゃ、どこが対策つくるんですかと言ったら、法務省の方が頭を抱えていらっしゃったんですよ。やっぱり法務省一つの問題ではないと思うんです。  ですから、これ、厚生労働省、今お話があったとおり文部科学省など、各関係省庁ときちんとした形でチームをつくっていただいて対策を取っていくべきだと、私はそう思いますが、いかがでしょうか。
  88. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) チームという形かどうかは別にして、連携をしながらやる必要があるんだろうと思います。それはしっかりと議員の御指摘も踏まえながらやらせていただきたいと思います。
  89. 櫻井充

    ○櫻井充君 ありがとうございます。  それで、このことが、今回、一つ大臣の所信の中にもありましたが、再犯防止につながっていくことになるんだろうと、そう思っているんです。原因が分からないまんま何かをやっていても再犯防止をすることはできないからです。  ちなみに、今週の月曜日、体重が二十五キロまで痩せた摂食障害の子を入院させたんですけど、七年間治療を受けていて、一向に良くなりませんでした。でも、今改善の兆しが見えているんです。何を変えたのかというと、親子関係を変えただけの話です。親子関係を変えて、彼女が今まで親に対して不信感を抱いていたけれど、その不信感が払拭されて、自分は親から大切にされているんだと彼女がそう思って、それから自分は生きたいと思って、今一生懸命食べる努力をしてもらっていますというか、ちゃんと食べてくれているみたいですが。ただ、親は親でどう思っているかというと、お父さんなんかは、私はこんなに一生懸命子供のために育ててきたのに、子供にそう思われていたとは思わなかったという話をされているんです。お母さんも同じようなことをお話しされていました。  つまり、親子の間でのその関係性というんでしょうか、各々の立ち位置で考え方がちょっと違っているんですよ。見方が違うと言った方がいいのかもしれません。だけど、私がやったことはたった一つ、そこの調整をしただけなんです。ですから、家庭内で起こっていることが、例えばこの子の場合には摂食障害という形で自分の苦しさを親に対してずっと訴えてきました。そのことが分からなかっただけの話。伝わらなかったと言った方が適切なのかもしれません。一方で、家庭内で暴力を振るう子たちも、子供が暴力的になっているのはどういうことかというのはこれからまた分析していかなきゃいけないと思いますが、結局親に対する何らかの不満があるからこういう話になっていくんだろうと、私はそう思っているんです。いろんな形になっています。  暴走族の子たちとも話をしたことがありますが、やはり親子関係というか親に対する不満があって、不良と言われる人たちですが、決して考え方がゆがんでいるような人たちじゃありません。むしろ純粋な人たちが多くて、こうあるべきだという教育を受けてきて、だからそれに従ってやってきておかしいと感じていて反発してくる。どうでもいい人たちって反発しないんですよ、はっきり申し上げて、余りきちんとした考え方を持っていないから。だから、どういう性格の人たちがなってくるのかとか、そういうことをきちんと分析しないと、僕は再犯の防止とかいろんなことができないんだと思っているんです。  その上でお伺いしたいと思いますが、今年度の予算で再犯防止の内訳はどのようになっているんでしょうか。
  90. 西山卓爾

    ○政府参考人(西山卓爾君) お答えいたします。  法務省においては、再犯防止対策の推進に必要な経費として、平成三十一年度政府予算案に約七百十九億円を計上しております。そのうち約百三十四億円は再犯防止対策を推進するための施設内処遇及び社会内処遇の充実強化に係る経費であり、そのほかの約五百八十六億円は矯正施設の改築、改修など矯正施設の環境整備等に係る経費でございます。  前者の内訳について具体例を挙げて申し上げますと、施設内処遇の充実強化に係る経費については、例えば出所後の速やかな就労に結び付けるための処遇等の充実に係る経費として約十一億円を計上しております。また、社会内処遇の充実強化に係る経費については、例えば更生保護サポートセンターの拡充を始めとした保護司関係経費として約五十一億円を計上しているところでございます。  今後とも、法務省においては、再犯防止対策の推進に必要な予算の確保に努め、再犯防止推進計画に基づく施策を着実に実行していくこととしております。
  91. 櫻井充

    ○櫻井充君 施設の整備を行ったって再犯は防止できないと思いますよ。幾ら立派な建物になろうが何しようが変わらないんじゃないですか。その人たちの考え方が変わっていかない限り僕は同じことの繰り返しなんだと、そう思うんですよ。  こういったカウンセリングなりそれから家族に対するカウンセリング等、こういった分野については予算は幾ら計上されているんでしょうか。(発言する者あり)
  92. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  93. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 速記を起こしてください。
  94. 名執雅子

    ○政府参考人(名執雅子君) 失礼いたしました。  対象者の特性に応じた指導、支援の強化の中にこの分が含まれております。この額は、十七億、約十七億円でございます。  申し訳ありません。
  95. 櫻井充

    ○櫻井充君 これのうちの、例えばそのカウンセリングを行う方の人件費ってどのぐらいになるんですか。
  96. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  97. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 速記を起こしてください。
  98. 名執雅子

    ○政府参考人(名執雅子君) お答えいたします。  申し訳ありません。ちょっとその人件費の内訳を持っておりません。申し訳ありません。
  99. 櫻井充

    ○櫻井充君 私は随分前に、もうちゃんと月曜日に、いや、正確に言うと金曜日に紙渡して、それから月曜日に説明させていただいて、その中で私は、とにかくカウンセリングが大事なんですからねと、ですから、内訳の中でこれがどうなっていますかというのをちゃんと通告しているはずなんですよ。つまり、もう一つ申し上げておきたいのは、この分野が大事かと思っているかどうかによって僕は決まってくると思うんですね。  大臣、お願いがあります。  私は、患者さんと向かい合っていて、御本人の考え方が変われば、今私は麻薬中毒の患者さんの治療をさせていただいていますが、本人の考え方が変われば薬物やることないんですよ。ですから、そういう意味合いで、その本人とちゃんと向き合って考え方を変えてあげれば、僕はそれが一番の、というか、それしか再犯防止ってまずないんだと思っていて、この分野にもっともっと力を入れていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  100. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 委員御指摘のとおり、カウンセリング等、これは非常に大事であろうと思います。委員のお話にもあった、これは拒食症の方ですか、家族調整の結果改善したと。同じように、家族調整や考え方を変えることによって、再犯に向かう方向を更生に向けてやることはできると考えております。  その意味で、我々としても、例えば公認心理師が新たに立法ができてできましたけれども、そうした方々の活用であるとか、カウンセリングにしっかりと力を入れてまいろうということを再犯防止推進計画でも中身には取り込んでいるところでございますので、しっかりとやらせていただきたいと考えます。
  101. 櫻井充

    ○櫻井充君 済みません、ありがとうございます。よろしくお願いします。  その上で、今度は、保護観察処分を受けている方の就業率と、それからその予算について教えていただきたいと思います。
  102. 今福章二

    ○政府参考人(今福章二君) お答えいたします。  現在、保護観察所におきましては、ハローワークと連携をいたしまして、刑務所出所者等総合的就労支援対策というのを取り組んでおりますが、その結果、平成二十九年度におきましては、三千二百五十五人の対象者の就労支援を実施しましたところ、そのうち二千百二十三人の就職がかなっております。これを計算しますと、就職率は六五・二%ということになります。  以上でございます。(発言する者あり)  失礼いたしました。現在、この就労支援という観点からは、この協力雇用主の存在が不可欠でございますので、この協力雇用主さんに実際にお雇いいただいたときにお支払いできる刑務所出所者等就労奨励金支給制度というものを設けております。そしてまた、民間の事業所に就労支援を委託する更生保護就労支援事業というものも実施しておりまして、寄り添い型の就職活動の支援に努めておるわけですが、これらの予算といたしまして、平成三十一年度は八億円を計上しているところでございます。
  103. 櫻井充

    ○櫻井充君 この中で、うまくいった方とうまくいっていない方と、それはどこに差があるんでしょうか。
  104. 今福章二

    ○政府参考人(今福章二君) この詳しい分析は今ないわけでございますけれども、しかし、例えばこの協力雇用主さんの方に伺いましたりしたところによりますれば、やはり、単に就労の能力あるいは就労意欲があるというそれだけではなくて、他の社会生活上の問題、委員御指摘のような家族における問題、そういったものを、複雑な多様な問題を抱えていてなかなか就労に結び付かないというような方もおられるというふうには認識しております。
  105. 櫻井充

    ○櫻井充君 今羅列されましたが、大事なことは、正しい分析がなされているかどうかだと思うんですよ。正しい分析がなされていなければ、今のような格好で、まあ六割ぐらいですとか何割ですという話にしかならないと思っていて、大臣、お願いは、やはりうまくいっている方々とそうでない方についてきちんと分析すべきだと思いますが、その点についていかがですか。
  106. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 本当に原因をしっかり分析して、それに対して対策を取ることが極めて重要でありますので、それをしっかりやってまいりたいと考えます。
  107. 櫻井充

    ○櫻井充君 ありがとうございます。  協力雇用主の方が、今回私もお願いして、一人御紹介いただきました。麻薬依存症の患者さんでして、やはりその依頼主はすごく心配されて私のところに電話を掛けてきたので、私の方でカウンセリングを行うから大丈夫だから雇ってあげてくださいということになりました。  やはり、その犯罪において、協力雇用主で雇用したいと思っても、手に負えるか負えないかという判断ってすごく難しいと思うんですよ。そうすると、その雇用主だけではなくて誰かがバックアップしていくような体制をつくっていかないと私はなかなか難しいのかなというのが今回の実感でして、是非そういう体制も御検討いただきたいと、そう思います。  その調査研究の意味で、予算に計上されていたんですが、法務に関する調査研究という予算が計上されていました。これは一体どういう研究されているんでしょうか。
  108. 西山卓爾

    ○政府参考人(西山卓爾君) お答えいたします。  法務総合研究所では、犯罪の防止、抑止に有用な施策の立案や矯正、更生保護等の法務省の業務に資する研究を行い、その成果を犯罪白書等として取りまとめて公表しているところでございます。  犯罪白書は、昭和三十五年から、刑事政策の基礎資料として毎年の犯罪動向と犯罪者処遇を分析するとともに、刑事政策上重要な課題を取り上げて特集を組んでおります。また、犯罪白書以外でも、犯罪動向や犯罪者処遇等に関する個別のテーマについて実態調査を行い、海外の情報を収集し、それらの資料を様々な角度から分析して成果を取りまとめているところでございます。
  109. 櫻井充

    ○櫻井充君 資料をいただいたので、ぱらぱらですけど見させていただきました。その中で意外だったのは、少年が、犯罪を犯した少年が、原因はどこにあると考えていますかというと、九割方自分自身にあると、すごく真面目なんですよね、人のせいにするわけではなくて、自分自身が起こしたことなので自分が責任を取らなければいけないと、そこまできちんと考えているわけです。  一方で、出所した後に、うまくいっていると言ったらいいのかどうか分かりませんが、その後立ち直っている人たちの中でいうと、家族関係がいい人たちの方が圧倒的に立ち直っている割合は高いという数字もそこの研究の中から、数字からいただきました。ただ、その本人が、どういう考え方の人たちが例えば犯罪を犯しているのかとか、そういう調査が全くなされていないんですよ。つまり、今申し上げたとおり、元々真面目な人たちなんです、最後は自分に責任があるというふうに言ってきていますから。  そういう意味合いで、是非お願いは、犯罪のこういう再犯防止のところでやっていくとすれば、どういう子が犯罪を犯していて、それから再犯を犯すのはどういうふうに、残念ながら変わっていけなくて、家族関係がどうだったのかとか、そういう調査をしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
  110. 西山卓爾

    ○政府参考人(西山卓爾君) 委員の御指摘も踏まえまして、毎年いろいろな調査を研究、検討しながらやっているところでございますので、委員の御指摘も踏まえて今後の調査に生かしたいと、そのように考えております。
  111. 櫻井充

    ○櫻井充君 どうもありがとうございます。  最後に、大臣、前回のここの質疑の中で、法科大学院が必要だという中で、浪人している人たちが、相当長い間浪人している人たちがいるからだみたいな趣旨の発言をされているわけですよ。  だけど、法科大学院ができて、ここ卒業しなきゃいけないということになったら、最初から二浪することですよ。元々大学卒業して受けられている人たちが法科大学院卒業しなきゃいけなくなったら、元々二浪することじゃないですか。ましてや、法科大学院を卒業した後に浪人している人、いるんでしょう。それから、合格率が違うという話されましたが、あの当時は五百人ぐらいしか弁護士さんになれなくて、法科大学院ができてから千五百から二千ぐらいで調整されているはずなんです。合格率上がるの当たり前ですよ、だって枠広げたんですから。  そういう意味合いで、この間の理由に僕はならないと思うんですよ。浪人生が多いから法科大学院をつくりましたと、ここはどうお考えですか。
  112. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 私の答弁は、合格率が極めて低く、司法試験合格までに長期間、多数回の受験を要するような状況となっていたことを指摘したものでございますが、これは、この際に、私としては、受験競争が厳しい状況にあって、受験者の受験技術優先の傾向が顕著となってきたことや、質を維持しつつ大幅な法曹の人口の増加を図ることに大きな困難が伴うこと等の問題点、これを前提にお話しした次第でございます。  当時、法曹人口の増加を図るということが検討されておったんですが、その人口増加を図る、質を維持しつつ図るというために新たに法科大学院を中核とするプロセスとしての法曹養成制度が導入されて、この二年の間に、アメリカでもロースクールということで普通の大学を卒業した後で法曹養成コースがあるわけでございますが、そうした課程を経て高度の専門的な法律知識を有することはもとより、幅広い教養と豊かな人間性を基礎に十分な職業倫理を身に付けるということを、そういったものを、法曹を確保するというために、そういったロースクールの教育機関が質を維持しつつ人数を拡大するためには必要であろうという趣旨で申し上げたところでございます。
  113. 櫻井充

    ○櫻井充君 済みません、それを言うと、旧の制度で受かった人たちは豊かな人間性や、あと何だったかな、知識を身に付けていない人になりますよ。ここにいらっしゃるじゃないですか、立派な弁護士さんが。ちょっと僕は今の答弁にも問題があると、そのことを指摘させていただいて、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  114. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 公明党の伊藤孝江です。よろしくお願いいたします。  今日は、まず、少年法の適用年齢引下げに関する検討状況についてお伺いをさせていただきます。  この少年法の適用年齢については、十八歳未満とすること、また、非行少年を含む犯罪者の処遇を充実させるための刑事法の在り方などについて法制審に諮問をされており、既に議論が進められているところでもあります。  まず、一点、確認をさせていただきます。  民法で成年年齢が十八歳になるという形の法改正がなされました。ただ、大人として自立をするための保護と支援が必要であるという考え方はそのまま当然維持をされており、これは保護政策の一環でもある少年法にも共通するものでもあります。民法と少年法、その趣旨も異なりますし、成年年齢の引下げがそのまま論理必然として少年法の適用年齢の引下げにつながるものではないということはこれまでに確認されているところでもありますけれども、改めて大臣の御所見をお願いいたします。
  115. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 民法の成年年齢と少年法における少年の上限年齢が論理必然的に同じでなければならないというわけではないと私も考えております。他方で、民法の成年年齢は、少年法における少年の上限年齢を検討する上で重要な要素の一つにはなると考えております。  少年法における少年の上限年齢の在り方は、刑事司法全般において、可塑性に富み成長過程にある若年者をどのように取り扱うか、また、どのように改善、更生、再犯防止を図るかという問題に関わるものであるということから、先ほど委員御指摘の法制審議会において、その少年法における少年の上限年齢の在り方とともに、若年者を含む犯罪者に対する刑事政策的措置の在り方について調査審議をしていただいているところでありまして、法務省としてもその議論を見守っているところでございます。
  116. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 その法制審の審議にも関連するところで今日は二点お願いをさせていただきたいことがあるんですけれども、まず一つ目なんですが、現在、法制審の審議の中では、適用年齢の引下げをするのかしないのか、するとしたらどうするのかというところの方向性としてはまだ確定という形ではなく議論を進められているというふうに認識をしております。  仮に、単純に少年法の適用年齢が十八歳に引き下げられた場合、この場合、現行の十八歳、十九歳で保護処分を受けている者のうち、それぞれどの程度が公判請求をされるのか、罰金となるのか、起訴猶予になると予想されるのか。公判請求の場合に、その結果、執行猶予になるのか、懲役になるのかという、その予想についてシミュレーションをまず、予想というのか、例えば過去三年分の少年事件、十八歳、十九歳の子に対して、現行ではこうなったけれども、適用年齢を下げた場合は大人として刑法を適用すればこうなりますよというそのシミュレーションをまず明らかにしていただきたいと。現行の法制度の適用対象外とする検討をする以上、今のままであればこうなる、適用しないとすればこうなるというシミュレーションを示すべきだと。  ただ、これも法制審でも示されておらず、私も何度かお願いをさせていただきましたけれども、適用しない場合にどうなるかということは示すことはできませんということで、これではもうとても検討ができないというふうに思うんですけれども、改めてこのシミュレーションを示していただきたいというふうに考えますが、いかがでしょうか。
  117. 小山太士

    ○政府参考人(小山太士君) お答えをいたします。  委員のお尋ねの点につきましては、個別の事案についての裁判所の判断等によることになるものでございまして、少年の上限年齢を十八歳未満に引き下げた場合に、成人として扱われる十八歳及び十九歳の者がどのような処分を受けることになるかというのを具体的にシミュレーションすることは困難であることを御理解いただきたいと思います。  いずれにいたしましても、現在、法制審議会に設けられた部会におきまして、少年の上限年齢とともに処遇を充実させるための施策につきまして、その有効性等を含めて調査審議をいただいているところでございまして、まずはその議論を見守らせていただきたいと考えております。
  118. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 このシミュレーションの点でもう一つです。  今は仮に引き下げてそのまま成人と同じ刑法が適用される場合ということでお聞きしましたけれども、十八歳に適用年齢を引き下げた場合に新たな制度を適用する、つくって適用するということも検討されているということもお聞きをしています。新たな制度を適用するということを考えられるのであれば、その新たな制度が明らかに、明らかにというか、ある程度固まる時点でこれも、この制度を適用したらどうなるのかという、将来的なことですけれども、そのシミュレーションを示していただきたいという点についてはいかがでしょうか。
  119. 小山太士

    ○政府参考人(小山太士君) 現在、重ねてになりますけれども、法制審の方で、犯罪者に対する処遇を一層充実させるための刑事法の整備の在り方としていろんな制度を検討されておりまして、各制度についてはその対象者についても含めて、現在、調査審議をしていただいているところでございますので、まずはその議論を見守らせていただきたいと考えております。
  120. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 その議論を見守ると先ほどからおっしゃっていて、もうそれは結構なんですが、議論が充実したものとなっているのかどうかという点についてまずしっかりと検討していただきたいですし、法制審の中で充実した議論がなされていなければ、そこでどのような答申がなされてもやっぱり納得できないということになると。そういう点では、法制審の中ででき得る限りの充実した議論をすることができるように、そこをしっかりとリードしていただかなければ意味がないというふうに思います。  そういう点では、本当にこの十八歳、十九歳、仮にこの少年法の適用がなくなった場合、あるいは、なくなるけれども新たな制度を適用する場合にどうなるのかということを示すことなく、今と比較をしろと言われても到底無理な話だと思いますので、その点は改めてきちんと御検討いただきたいというふうに思っております。  もう一つ、そのシミュレーションの点と、お願いをさせていただきたいところをもう一点挙げさせていただきます。  現行少年法に関して、世論の中で、例えば少年が守られ過ぎているとか刑が軽過ぎるというような声があるということも承知をしております。法改正を仮に行うということに当たっては、そういう世論の動向、世間がどのように評価をするのか、納得をするのかというのも一つの材料として検討するということもあるかと思います。  ただ、この現行少年法に関しては、もう本当に余りにも誤解が多いと、一般的にはですね、誤解をなされている点が多いと言わざるを得ないと思っております。  まず、少年事件が凶悪化している、増加しているという声も上げられますけれども、本当に大幅に減少しているのはもうこれは統計上も明らかなことでもあります。また、少年法が軽過ぎるという点についても、これも何をもって軽いと見るか、厳しいと見るかというのはありますけれども、まず、故意の犯罪行為で被害者が死亡するという重大な結果が生じた場合、この場合は少年も原則として成人と同じく地裁の刑事裁判で裁判員制度を受ける、で、刑罰を科せられる。また、このときに、十八歳、十九歳の少年に対しては、十八歳未満と違って、死刑を禁じたり軽減する特別な規定もありません。成人の犯罪では起訴される事件は全体の三分の一ですけれども、少年事件は原則として全ての事件が家裁に送致をされます。  何をもって厳しいか軽いかで、その自由刑を、自由を奪われると。例えば懲役のようなものを厳しいというようなことで評価をするのであれば、例えば実際に覚醒剤の初犯の事件があったという場合、少年ではまず少年院に入れられるというか、少年院に行くことになるでしょうし、でも、他方、大人であればこれは執行猶予になる場合がほとんどだと思います。もうその辺りもかなり誤解をされているところがある。  むしろ刑事手続より少年事件の方が厳しい場合も多いですし、少年院での教育や効果も余り知られていないと。世論を法改正の検討のための一つの材料とするのであれば、この誤解を解かなければ何の意味もありません。  少年法の適用年齢は、少年の立ち直りや再犯防止に有効であるかどうかという観点から検討すべきという柱を動かしてはならないと考えます。イメージだけで年齢引下げを語る傾向が強い現状の中で、今のままの世論調査などで世論を理由にしたり、また成年年齢と同じにする方が分かりやすいというような、そういう理由で少年法の適用年齢を決せられるべきではないと考えております。  現行の少年法の趣旨、また、よくあるそういう誤解について国民に正確な情報提供がなされ、少年法に対しても理解が進むように国として取り組むべきと考えますけれども、いかがでしょうか。
  121. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 委員御指摘のとおり、少年法上の手続やどれくらいの人数がどのような処分を受けているのかといった処分状況について正確な情報提供を行うということは極めて重要であると考えております。  現状、法務省においては、少年法上の手続等について法務省のホームページに掲載しておりますほか、犯罪白書において統計や処遇内容などを掲載し、法務省ホームページからも閲覧ができるようにしております。また、法制審議会、少年法・刑事法、これ少年年齢・犯罪者処遇関係の部会でございますが、この部会の統計を含む配付資料や議事録等を法務省ホームページに掲載しているところではあります。  ただ、やはり正確な情報提供、どのように国民の皆様にお知らせするかというのは極めて大事ですので、委員御指摘の少年の処分状況について、国民の皆様により理解していただけるように情報提供に努めてまいりたいと考えております。
  122. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 ありがとうございます。  適用年齢の件を議論するなと言っているわけではもちろんありませんので、しっかりと法制審で議論をされるということであれば、それが充実したものとなるように法務省としてもリードしていただきたいというふうに思っております。  では、次の質問をさせていただきます。  無期刑の受刑者に対しての仮釈放の点でお伺いをいたします。  この仮釈放の制度そのものは、先ほど来も話に出ています再犯防止という観点からも必要な制度というところになるかと思うんですけれども、まず、この仮釈放の制度の意義、効果についてと、この仮釈放の制度が無期刑の受刑者と有期刑の受刑者にとって違いがあるのかどうかという点についてお伺いをいたします。
  123. 今福章二

    ○政府参考人(今福章二君) お答えいたします。  仮釈放制度は、出所者の実社会への適応を促して社会へのソフトランディングを図るという刑事政策上極めて重要な意義を有しております。そして、出所後に保護観察官や保護司が指導監督や補導援護を行うことで再犯を防止するという効果があるとも認識をしております。この点、無期刑受刑者につきましても違いはなく、同様の意義や効果を有していると認識しております。  しかしながら、無期刑受刑者につきましては、重大な犯罪をしたことにより、終身にわたって刑事施設に収容され得ることを踏まえ、その仮釈放の判断は、地方更生保護委員会が仮釈放の許可基準に照らして、個別の事案ごとに特に慎重かつ適正に判断しているものと認識しております。
  124. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 今日、資料を配付させていただいております。法務省のホームページを出典とするもので、無期刑の執行状況及び無期刑受刑者に係る仮釈放の運用状況についてという平成三十年十一月付けの資料です。  この一ページ目に、各人数ですね、無期刑の受刑者の、今何人いるのか、毎年新たに何人無期刑の受刑者として入ってこられたのか、仮釈放がどれだけ認められたのか、仮釈放が認められた人の平均受刑在所期間がどのぐらいか、死亡した無期刑受刑者数はどのぐらいかという表になります。  この運用状況を見ると、無期刑の在所者数と比較をして、無期刑の仮出所者数、右から三つ目の欄になりますけれども、本当にもうごくごく僅かしかいないと。仮釈放が認められた人よりも一番右の欄にある死亡した無期刑の受刑者の方が多いということになっています。  二ページ目に、それぞれ各受刑者の在所期間がありますけれども、十年未満の人、もちろん新たな人たちはいますけれども、十年以上、二十年以上、三十年以上、四十年以上、五十年以上というところまで刑務所に収容されているままということがあると。  この運用状況に関して、有期刑の受刑者が仮釈放を認められる割合と無期刑の受刑者が仮釈放を認められる割合との比較について、まず御説明いただけますでしょうか。
  125. 今福章二

    ○政府参考人(今福章二君) ただいま委員が御紹介いただきましたとおり、平成二十九年末における無期刑在所者数は千七百九十五人のところ、同年中に仮釈放された無期刑受刑者は八人、その平均受刑在所期間は約三十三年二月となっております。  無期刑受刑者と有期刑受刑者の仮釈放制度の運用状況を一概に比較することは困難ではございますけれども、参考までに申し上げますと、平成二十九年末における有期刑在所者数は四万四千九百七人のところ、同年中に仮釈放された有期刑受刑者は一万二千七百四十九人でございます。
  126. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 その比較の割合についてどう違うかというところの御説明いただけますか、有期刑と無期刑の場合。
  127. 今福章二

    ○政府参考人(今福章二君) この比較が難しゅうございまして、有期刑の方につきましては必ず刑期の終期というものがございます。その終期が来たときに、刑務所を出る仕方に仮釈放と満期釈放の両者しかないものですから、全体の中の仮釈放は幾らかというふうな計算が成り立つわけであります。それが現在、先ほど申し上げたものでいきますと五八%ほどとなるんですが、無期刑受刑者につきましては終期が刑法上ありませんから、そういう計算が成り立たないということで、単純な比較が難しいところでございます。
  128. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 有期刑の方と同じように単に人数で計算すればいいのかなという気はするんですけれども、まあ、有期刑の方が五八%ぐらいが仮釈放が認められているということで、無期刑の方との大きな違いは分かるかと思います。  この仮釈放ですけれども、いろんな要素があって認められると、最終的にそういう結論になるわけですけれども、その中の要素の一つとして、期間については十年以上ということを一つの目安とするということにされております。  まず、この期間を十年以上とされていることの趣旨について御説明いただけますでしょうか。
  129. 小山太士

    ○政府参考人(小山太士君) お答えをいたします。  刑法二十八条におきましては、「懲役又は禁錮に処せられた者に改悛の状があるときは、」「無期刑については十年を経過した後、行政官庁の処分によって仮に釈放することができる。」とされているところでございます。  この規定の十年となりました制定経緯をひもとかせていただきますと、明治十三年制定の旧刑法におきましては、仮出獄が可能となりますのは、当時存在しました無期徒刑という刑について十五年経過後とされておりましたところ、明治四十年に現行刑法を制定した際に、無期の懲役又は禁錮の刑につき、これを十年としたものでございます。  その理由でございますが、当時の政府提出案の理由書によれば、改悛の状がある囚人であるならば長期間在監させる必要がない、在監期間を長くすると囚人を自暴自棄に陥らせる弊害があるなどとされているものと承知しております。この規定が現在も維持されているところでございます。
  130. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 元々は十五年と期間の要件としてはされていたものを十年にして、受刑者に希望を与える、改善の意欲、更生をしっかりと進めていこうという趣旨だったということだとお聞きしますけれども、今現在、先ほどの資料の表を見ていただくと分かるように、仮釈放が認められた方の平均受刑在所期間は、最新の平成二十九年で三十三年二月というふうになっております。この期間が三十三年二月であることについてどのように評価されておるんでしょうか。
  131. 今福章二

    ○政府参考人(今福章二君) まず、受刑者の仮釈放を許すか否かにつきましては、地方更生保護委員会の専権に属しておりまして、個別の事案ごとに、三人の委員から成る合議体におきまして、御指摘の法の規定も含めた仮釈放の許可基準に照らしまして、この許可基準と申しますのは、悔悟の情、改善更生の意欲、再び犯罪をするおそれ、保護観察に付することが改善更生のために相当であるか、そして社会の感情が仮釈放を是認するかということでございますが、これらを考慮して判断しているところでございます。  無期刑受刑者につきましては、重大な犯罪をしたことにより終身にわたって刑事施設に収容され得ることを踏まえまして、その仮釈放の判断は、この仮釈放の許可基準に照らしまして、先ほども申し上げましたが、個別の事案ごとに特に慎重かつ適正に行われております。  お尋ねの無期刑仮釈放者の平均在所期間は、地方更生保護委員会による個々の事案についての判断の積み重ねの結果であると承知しております。
  132. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 先ほど期間としては十年をまず一つの目安とすると言われていた趣旨が何ら生きていないんじゃないかと。特に四十年、五十年入所しているというような状況を踏まえると、それを見ている周りの人たちからすると、とてもじゃないけれども、今後の改善更生への意欲というのがもうそれこそそがれかねない状況であると思いますし、四十年、五十年、刑務所の中でいた場合に社会になじめるのか、守ってくれる親族がまだいるのか、いろんなことを考えたときにもう出ない方がいいと思っても決しておかしくはないと思います。この期間の点について本当に再度考えていただきたい。  この期間に関してですけれども、平成十年六月十八日に最高検次長の検事通達がなされております。これは、特に犯情悪質等の無期懲役刑確定者に対する刑の執行指揮及びそれらの者の仮釈放に対する検察官の意見を適正にする方策についてというものです。これは、検事長らに対し、特に犯情等が悪質な者については、相当長期間にわたり服役させることに意を用いた権限行使等をすべきであるとして、特に犯情等が悪質な者の事件、マル特無期事件を選んだ上で刑の執行を指揮するよう指示しているものです。  ここで言う相当長期間とは具体的にどのくらいの期間を言うのか、また、特に犯情が悪質な者の事件というのはどのような事件を指すのかについて教えてください。
  133. 小山太士

    ○政府参考人(小山太士君) 御指摘の通達でございますが、これは、無期懲役の判決を受けた者の仮釈放の適否につきまして、矯正施設の長や地方更生保護委員会から意見照会を求められた場合における検察官の対応等を定めたものと承知しております。  御指摘の通達では、特に犯情が悪質な者については、従来の慣行等にとらわれることなく、相当長期間にわたり服役させることに意を用いた権限行使等をすべきであると指摘しているところでございます。  もっとも、一般に犯情とは、例えば犯罪の動機、手段、方法、被害の大小等の犯罪事実そのものの内容、あるいはこれと密接な関連を持つ情状を指すものとされているところでございますが、こうした犯情につきましては個々の事件ごとに様々でございまして、その内容を一概に申し上げることは困難でございます。  また、御指摘ございます刑法二十八条で無期懲役刑につきましては十年を経過した後に仮釈放することができるとされておりますところ、お尋ねの通達における相当長期間にわたり服役させる場合とは、時期経過後、比較的早期に仮釈放を許すべきではない場合との趣旨で用いられておりますものの、これにつきましても個々の事件ごとに犯情が異なりますので、これを一概に申し上げることは困難でございます。
  134. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 その無期刑とされた中の事件で、当然、その中でも犯情についていろんな重さに程度があると思います。その程度において、重いものについては長期になるようにという指示をしただけですということであれば、そんなの当たり前の話ですから、もう出す意味もないと。  わざわざこの通達を出して、慣例にとらわれることなく相当長期という意見を付すべきだというのは、もうあえて長期間収容すべきだという姿勢を示したとしか言いようがないと。この通達があるから、相当長期にわたった無期刑の方の収容が認められてしまっているんじゃないかというふうに考えざるを得ないと。  わざわざこの通達を出した意図について教えていただけますでしょうか。
  135. 小山太士

    ○政府参考人(小山太士君) 御指摘の点でございますが、重ねてになる部分もあるかと思いますが、仮釈放は、刑の執行中の者が一定の期間を経過し、改悛の状がある場合に、その犯情等も考慮して仮に出所させる制度でございます。  その際に検察官は犯情等を考慮して意見を述べるものとされておりますところ、御指摘の通達は、個々の事案に即した適切な刑の執行のため発出されたものであると承知しております。
  136. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 残念な答えかなと思うんですけれども、最後に大臣にお伺いをいたします。  無期懲役の受刑者に対しても、更生保護、社会復帰、改善更生の意欲等々、本当に大切なことであるというふうに考えております。今のこの仮釈放制度の運用が無期懲役者からそういうものを奪ってしまっているというふうな現状と言われても仕方がないようなこの運用状況の中で、無期懲役の方にとっての仮釈放制度の在り方について大臣の御所見をお願いできますでしょうか。
  137. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) まず、仮釈放一般に関しましては、仮釈放は、再犯を防止するとともに、実社会への適応を促して社会へのソフトランディングを図るという刑事政策上極めて重要な意義を有するものであります。  ただ、無期刑受刑者に関しましては、これは重大な犯罪をしたことにより終身にわたって刑事施設に収容され得るということでございまして、その仮釈放の判断は、これは独立した判断権を持つ地方更生保護委員会が個別の事案ごとに特に慎重かつ適正に判断しているものと認識しております。  そういった現状の運用、これは個別判断の結果の積み重ねであるというところでございまして、先ほど保護局長からも答弁ありましたが、私としても、今後とも仮釈放審理が適正に運用されるよう努めてまいりたいと考えておるわけでございますが、無期懲役に関しては慎重な判断が必要であるという部分はやはり指摘せざるを得ないんだろうと考えております。
  138. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 しっかりと法の趣旨も踏まえた検討をこれからしていただけるようにお願いをいたします。  以上で質問を終わります。
  139. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時五十八分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  140. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) ただいまから法務委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、平成三十一年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、裁判所所管及び法務省所管を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  141. 石井苗子

    ○石井苗子君 日本維新の会・希望の党の石井苗子です。  今日は、委嘱審査ということなので、予算とその適切な配分ということに注目して質問させていただいております。先ほど、午前中からもたくさん出てまいりました再犯防止対策推進予算についてお伺いいたします。  七百十九億円と計上されておりまして、その中で五百八十六億円、もうすごいほとんどが設備の改善とか投資とか、設備投資に使われるということなんですけれども、これは大体、五百八十六億円、配分の先とかお分かりになりますでしょうか、なったら説明していただきたいんですが。私ども刑務所を視察に行ってまいりましたので、耐震工事とか、何にどのくらい掛かるのか、すごく設備は良くなってきたかなという感じがして帰ってきたんですけれども、どこが必要でしょうか、改善。
  142. 西山卓爾

    ○政府参考人(西山卓爾君) 申し訳ございません。今手元に資料がございませんので、後ほどまた御説明に上がりたいと思います。
  143. 石井苗子

    ○石井苗子君 予算とその適切な配分というところで、やっぱり国民の皆様にも、ああ、刑務所というのは設備がこれほど悪くなっているんだな、老朽化しているんだなと、予算こういうふうに充てるんだなというのも分かっていただきたいし、この再犯防止対策推進ということであれば、再犯防止には居場所と出番をつくることが大切だと言われております。居場所というのはその人がどこに住むか、出番というのは仕事です。  社会の中での出番という、すなわち仕事をつくる就労支援というのが大変重要になってくると思うんですね。私たちも視察に行きましたときに、その就労支援ということについて御尽力いただいている方々にお会いしてまいりました。  お聞きしたいことは、就労先を見付けるためにどのような支援体制が組まれているかということなんです。  協力雇用主というのがいらっしゃいます。全国にどのくらいいらっしゃって、実際に協力していただいて仕事を、就労することができる会社がどのくらいあって、会社です、何%ぐらいの会社が全体の中から引き受けていいよと、就労支援というのをしてくれているのかと。協力雇用主に、会社に就職してもらうように奨励する措置というような、何かそういう手だてがあるのかということをお聞きしたいと思います。  先ほど、三千五百二十二人中二千百二十三人、六五%以上というような、何か成績がいいようなことをおっしゃっていましたけれども、実際に出所者を雇用する会社というのはどのくらいを目標にしていて、現在、四月時点でどのくらいの会社が引き受けたのかというデータをお聞きいたします。
  144. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) お答えいたします。  まず、就労支援の全体像について少しだけ御説明させていただきますと、法務省では、平成十八年から、保護観察所、矯正施設及びハローワーク等の連携体制を強化して就労支援を実施してまいりました。そして、平成二十六年度からは、保護観察所が民間の事業所に委託し、きめ細やかな寄り添い型の就労支援を行う事業を始めてまいりました。そして、翌年度である平成二十七年度からは、これは刑務所出所者等を雇用して指導に当たる協力雇用主、御指摘の協力雇用主に対し年間最大七十二万円を支給する刑務所出所者等就労奨励金支給制度を導入し、効果的に活用するなどしながら協力雇用主の負担等の軽減に努めてまいりました。  こうした取組の結果、先ほど委員御紹介いただきましたのは、平成二十九年度は三千二百五十二人の保護観察対象者に対して就労支援を実施し、二千百二十三人が就職に結び付いておりまして、さらに、矯正施設入所者に対する就労支援実施については、これ四千五百三十九人に対して支援を実施して、千二十九人の就職に結び付いている。合計でいえば、七千七百九十四人の刑務所出所者等に対する支援を行って、三千百五十二人の就職に結び付いているということでございます。  他方、問題点として、委員御指摘の協力雇用主、これが今、三十年の四月一日現在の数字ではございますが、登録は二万七百四社でございます。しかし、実際に雇用されている協力雇用主の数が八百八十七社にとどまっており、この数を引き上げることが重要な課題となっております。
  145. 石井苗子

    ○石井苗子君 そうなんですね、人数で見るのではなくて、会社という単位で見ること、組織という単位で見ることが大事かと思っております。二万七百四社でしたね、で、八百八十七社というのは、これは非常に少ないと思います。  これ確認したいんですが、出所していらっしゃる方というのは、世間一般的には前科があるというような言い方をしております。間違いではないんですけれども、非常にばっさりとそういう言い方で表現するんですが、その方々を雇用するというのはかなり大変な会社側としては努力が必要か、心構えが必要とするんですが、それにしては、七十二万円だったと思うんですけれども、奨励金というのが最高額で七十二万円だそうですが、この金額では出所者を雇用しようとする会社というのは極めて少ないのではないかと私は思うんですが、いかがでしょうか。
  146. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 御指摘ではあるんですが、ただ、協力雇用主になりたいと、雇いたいと思っている雇用者に最近アンケートを取らせていただいたんですが、やはり更生に協力したいという思いの方が相当多いということがございます。あと、やはり人手不足というのもございます。そういった、ただ、そういったところも相まって、興味を持っておられるところはかなりある。  他方で、アンケートにおいて指摘されましたのが、そういった七十二万円の就労支援金があることがまだ周知が十分でないということも考えられますし、また、こういった仕組みがあるのだということについてまだまだ情報提供が十分ではないのではないかというところも反省点としてございますので、こうしたことをしっかりとお伝えさせていただいて、協力雇用主が実際雇用していただく方を増やしてまいりたいと考えております。
  147. 石井苗子

    ○石井苗子君 協力雇用主の方と、たしかお話をする機会があったと思うんですよね。おっしゃっていたことが、もうちょっと刑務所内でのトレーニングのレベルを上げてくれとおっしゃっていました。ノートを見たら書いてあったんですね。だから、もう少しそのレベルが少しマッチングしないといけないんじゃないかと。  先ほどの予算でサポートセンター拡充五十一億円というようなのがありましたから、もう少しトレーニングのレベルを上げる。今の現代にマッチしたようなトレーニングもあるし、もう一つ、職種のタイプが変わってきておりますよね、デジタル化したりして。そういうふうな、再トレーニングじゃなくて、私もトレーニングしているところを見てまいりましたけれども、アパレル関係でも結構なんですけれども、例えばもう少しデジタルの勉強をするとか、トレーニングをそちらの方にシフトしていくことにサポートセンターに予算を付けていく。何か御計画はありますでしょうか。
  148. 名執雅子

    ○政府参考人(名執雅子君) 委員御指摘のとおり、出所者のその雇用の先というものが何を求めているかというそのニーズに応じた職業訓練というものも刑務所の方できちんと訓練できるように、また仕事とのマッチングが図れるように努力してまいりたいと思います。
  149. 石井苗子

    ○石井苗子君 計画はない。
  150. 名執雅子

    ○政府参考人(名執雅子君) 新年度の予算案におきましては、委員今おっしゃっていただきましたパソコン等の技術ということも含めまして、ビジネススキル科の拡大、また現在、介護福祉科の職業訓練の拡大、建設機械保全訓練科の新設などについて検討をしているところでございます。
  151. 石井苗子

    ○石井苗子君 予算をそういうところに付けて、是非やっていくようにシフトしていただきたいと思います。  再犯防止対策推進予算につきまして、次は大臣に人権上のことをお聞きしたいと思うんですが、再犯防止するためには、刑事司法手続を離れた後に、前科のある者としてありますが、住所や、先ほどの居場所という意味で、住所というのを把握するということは人権上どのくらいの問題があるのか、現在のところの大臣の所見をお伺いいたします。
  152. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) これ、刑事司法手続を離れた者ということになりますと、例えば満期出所者であるとか、あるいはそういったもう刑事手続の対象とはならないというところでございます。こういった方々にも、本来であれば関係機関等と連携しつつ息の長い支援を実施するための取組というのは大切であり、可能な限りで進めているところでございます。その支援の過程において、法務省等の関係機関が支援対象者の住所等を把握することはございます。  ただ、こうした支援は、対象者が既に刑事司法手続を終えていることから、その同意の下に実施をしているところでございます。刑事司法手続を終えた者について法務省の関係機関が一律にその住所等を把握することについては、プライバシー権との関係を含め、どういった法律根拠に基づいて許容されるかといった問題がございますことから、慎重に検討をしながら行っているところでございます。
  153. 石井苗子

    ○石井苗子君 保護観察中であれば住所などを届出することができるとなってありますよね、把握できるということですね。それ以外には、再犯を防止するという意味においてというか、その目的で居場所を把握することはできないというふうに理解して、基本的に、刑期が終われば、国家権力が住所を把握するということは人権上の問題があるというふうに私は理解しているんですが、一般の住民としては安心して暮らせないのではないかというような考えもあります。性犯罪者の住所とかですね。  前科というふうにくくるのは私はちょっと嫌なんですけれども、出所された方の住所とか居場所を把握することは、場合によっても必要になってくるのではないか思うんですが、現在のところ、そういうことを検討されていることはございますか。検討されていらっしゃいますか。
  154. 名執雅子

    ○政府参考人(名執雅子君) 法務省におきまして、警察において犯罪の防止、犯罪を生じた場合の対応を迅速にすることができるようにするための協力といたしまして、警察庁に対しまして、重大事犯者を中心とした一定の罪を犯した受刑者に関する情報は提供しているところでございます。  これは、平成十七年六月以降、刑事施設の長から警察庁に対し、十三歳未満の者に対する強制わいせつ、強制性交、わいせつ目的略取誘拐等に係る受刑者について、釈放予定日のおおむね一か月前に、釈放予定日、入所日、帰住予定地等の情報を提供しているところでございます。
  155. 石井苗子

    ○石井苗子君 確認ですけど、それは警察にですね、警察に提供していると。  普通の人が、うちの隣の人はどんな人なんですかと警察に聞きに行くということはほぼないと思うんですね。何かあるときに、何かあってから、何か変なことがあってから警察というのが出てくると思うんですが。  何が言いたいかといいますと、イタリアという国は精神病院をなくしております。これ、バザーリア改革ということで、精神病院がございません。非常に最初は反対に遭ったんですが、これを国会で決定いたしました。  つまり、住民中心ということであれば、そこに自分が住んでいるときに隣はどんな人がいるのかということを自分から聞かなくてもいいようになっているんですね。隣はこういう人が来ましたということを向こうから知らせてくれるシステムがあるわけなんです。  日本は逆に、警察にこっちから聞きに行かなければ分かりませんというような国の体制になっておりますが、これは一足飛びにこうなるとは思えませんけれども、やはり予算の中でカウンセリングに十七億円しか付いていないというのは、櫻井先生もおっしゃっていましたけれども、こういった出所された人に必ずカウンセリングが付くということで、そのカウンセラーが権限を持ってその自治体にちゃんと報告して、自治体から、こういう人が来ましたということを隣近所の人が知っていて、必ずその観察官の方に連絡ができる、警察ではなくて観察官の方に連絡ができるというようなシステムに変わっていくように、サポートセンター、五十一億の拡充の予算でやっていけないかなと思っておりますが、これは予算のときにまた、決算で私は申し上げたいと思っております。  続いての再犯防止対策推進予算についてですけれども、これ窃盗と性犯罪の再犯防止についてお伺いをいたします。  窃盗することに依存して繰り返す窃盗癖というのを持つ人たちがいらっしゃいますが、このような窃盗癖から、盗みを繰り返すということに関して改善指導というのがあるんですが、刑務所の中でこの改善指導というのを何をしているのか。もう一つは、性犯罪の再犯防止のプログラム、これ改善指導ですね、どんなことをしていらっしゃって、効果があるかどうかというデータがあったら教えてください。
  156. 名執雅子

    ○政府参考人(名執雅子君) まず、最初にお尋ねの窃盗につきましては、手口、動機、背景事情等が多種多様でありまして、委員御指摘のとおり、必ずしも経済的な利益を得ることを目的とすることなく、衝動的に窃盗を繰り返す者が存在することについては承知しておりまして、その再犯防止を図るために、その背景にあります精神障害等にも目を向けつつ指導を行っているところでございます。  刑事施設におきましては、この窃盗癖に特化した標準的なプログラムというものはありませんけれども、各刑事施設において、その収容対象者の特性等に応じて、例えば高齢者で罪名が常習累犯窃盗の者、また窃盗受刑者のうちギャンブルの問題を有している者、また若年期から窃盗事犯を繰り返しているような者に対して、その問題性に対応した窃盗防止プログラムを実施しております。  また、性犯罪再犯防止指導につきましては、刑事施設において、強制わいせつ、強制性交等を行った者の中で、性犯罪の原因となる考え方に偏りがある者あるいは自己の感情や行動を管理する力に不足がある者などに対して、再犯につながる問題性の大きさを判定して、その度合いに応じて性犯罪再犯防止指導を行っております。  これは、具体的な内容としましては、受刑者にグループワークの中で性犯罪につながる要因を検討させるとともに、その要因に対処するための知識、スキルなどを身に付けさせ、それを出所後の生活で実践するための計画を作成させております。こうした指導を通じて、再犯につながる問題を自覚させつつ、問題への具体的な対処方法を習得させるということで再犯防止を図っております。  この効果ということなんですけれども、性犯罪の再犯防止指導の効果につきましては、平成二十四年の十二月に、このプログラムの受講の有無による再犯状況の分析結果を取りまとめて公表しております。性犯罪受刑者二千百四十七名を対象といたしまして、統計学の専門的手法などを用いて出所後三年間の再犯率を分析した結果、その処遇プログラムを受講しているグループ千百九十八名については再犯率二一・九%、受講していないグループ九百四十九名については再犯率二九・六%であり、統計学上一定の再犯抑止化効果があると認められております。  ただ、ここにとどまることなく、矯正施設としましては、今後ともより効果の上がる指導が行えますように、プログラムの内容の方法を見直し、検討に努め、性犯罪者の再犯防止に資する様々な他の方策との連携にも努めてまいりたいと考えております。
  157. 石井苗子

    ○石井苗子君 私の質問は、こういうことをやったらいいと思いますというガイドラインを読んでいただくことではなくて、指導の方法を、プログラムの内容を聞いたわけです。この統計の取り方も、プログラムの内容の中で何人がどのプログラムを受けて、そして出たときに、パーセンテージじゃなくて、ゼロ%じゃなきゃいけないんですよ。それが再犯防止なんですね。  つまり、認知行動療法というプログラムを使っているということを調べて知っておりますけれども、認知行動療法というのは衝動を抑える心理学のプロのやっているプログラムでございまして、非常に学会などでも交流分析学会とか多岐にわたってやっているんですが、実際に刑務所のプログラムで認知行動療法が使われて、その効果がどのくらいあってというような実質的なもののデータがありません。認知行動療法をやるプロを雇わなきゃいけない。これはカウンセリングの人件費十七億円の中で積極的に、もし再犯防止ということの衝動を抑えるプロを、これから刑務所の中でプログラムの中で人を使って予算を充ててやるんだとしたら、ここに力を入れていかないと、真剣に本気で再犯防止を、こういった衝動のコントロールということでプロを入れているとは思えないわけでして。  公認心理師というのができたんですから、認知行動療法が何たるやをよく知っている人で試験に合格してきたわけですから、是非、実質的にそういう人を使うプログラムにして、そこに予算を充てるように努力をしていただきたいんですが、大臣、いかがでしょうか。
  158. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 御指摘を踏まえて、しっかり検討させていただきたいと思います。
  159. 石井苗子

    ○石井苗子君 たくさんありましたけれども、質問はまた後日に回させていただきます。  ありがとうございました。
  160. 山口和之

    ○山口和之君 日本維新の会・希望の党の山口和之でございます。  本日は、まず前回積み残しである死因究明から質問させていただきたいと思います。  今配付しております資料です。これ、先週の土曜日の新聞の記事ですけれども、タイトルが、介護施設、死亡事故千五百四十七人、一七年度、厚労省が初調査というタイトルの新聞記事です。  この記事によると、二〇一七年度に全国の特養と老健で少なくとも千五百四十七名の入所者が事故により死亡していたとのことです。このこと自体にも驚いたのですが、もっと驚いたのは、特養や老健は省令に基づいて施設内で起きた事故について市町村に報告する義務があるのに、こうした調査が行われたのは二〇一七年度が初めてであり、しかも、事故の内容は調べていないようであるということです。  事故の都度、一件一件迅速な死因究明が行われていれば、防げる事故があって、助かった命もあったはずです。非常に悔やまれるところです。厚労省には、今回の調査を機に、しっかりと事故の内容を調べ、死因の究明を行う体制をつくってほしいと思います。  また、事故が第三者の過失による場合や実は故意による死亡だった場合には、犯罪が見逃されているということにもなります。そうなると、刑法、刑事訴訟法が適切に運用されていないということにもなり、大問題となると思います。  死因究明は法務省にとっても非常に重要だと思いますが、山下大臣は法務行政にとっての死因究明の意義についてどうお考えでしょうか。
  161. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 死因を究明すること、それは亡くなった方のある意味最後の言葉を聞くようなものであると思っております。  そうした死因究明自体は、死者やこの遺族にとっての生命の尊重と個人の尊厳の保持につながるものであると考えておりますし、犯罪の見落としを防ぎ、また公衆衛生の向上にも資するということであります。  そういった重要な意義を有するものと承知しておりまして、亡くなった方御本人やその御遺族、そして社会全体にとっても重要なことであるというのが私の認識でございます。
  162. 山口和之

    ○山口和之君 本日は予算の委嘱審査ということですが、死因究明について、法務省の予算としては次年度、どのような項目にどれぐらいの予算が計上されているのでしょうか。
  163. 小山太士

    ○政府参考人(小山太士君) お答えをいたします。  死因究明について、法務省の平成三十一年度予算案におきましては、検察庁において、犯罪に起因することが明らかな死体及びその疑いのある変死体について、医師に鑑定嘱託して司法解剖を実施した場合の鑑定医に対する謝金や検察官の検視に要する経費等として、約一億五千万円を計上しております。
  164. 山口和之

    ○山口和之君 今御説明いただいた予算が死因究明のために十分かはしっかりと検証し、不十分ということであれば次々年度の予算に反映させていかなければなりません。死因究明は重要な公益ですので、予算措置がおろそかにならないように、よろしくお願いいたします。  死因究明は極めて重要なんですけれども、実は現在、死因究明に関する法律は存在しません。二〇一二年に成立した旧死因究明等推進法が二年間の時限立法であったため、二〇一四年の九月に失効したからです。死因究明に関する法律は刑事司法制度の適正な運用のためにも必要不可欠と思いますが、山下大臣はどのようにお考えでしょうか。
  165. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) まさに委員御指摘のとおり、死因究明は刑事事件における実体的真実発見や適切な捜査、公判の遂行にとって極めて重要であると考えております。捜査機関において刑事訴訟法に基づく検視、司法解剖を適切に実施していくことは必要であると認識しております。  死因究明に関しては、死因究明等推進計画に基づいて政府全体として関連施策の推進に取り組んでいるところでございます。死因究明制度全体の在り方については、他省庁の所管に及ぶ事項も含まれておりまして、全体像について法務大臣として全体的にお答えするわけにはなかなかまいらないんですが、いずれにせよ、法務省としては、関係省庁と連携しながら、死因究明等の推進に関する施策の実施や必要な協力を積極的に行ってまいりたいと考えております。
  166. 山口和之

    ○山口和之君 私も参加している、各党の代表者が集まって超党派連絡会議というものの中で、現在、死因究明等推進基本法の成立を目指しているところでございます。この法律は、刑事司法制度の適正な運用のためにも、安全、安心な国民生活のためにもなくてはなりません。何としても今国会で成立させたいと思っておりますので、法務委員会の皆様にも是非力添えをいただきたく存じます。よろしくお願い申し上げます。  次に、身体拘束を受けている者への医療提供体制について質問いたします。  刑事収容施設における医師の配置等はどうなっているのでしょうか。刑事収容施設の医療提供体制について、その概要及び次年度の予算措置をお教え願います。
  167. 名執雅子

    ○政府参考人(名執雅子君) 刑事施設における常勤医師につきましては、平成三十年度は二百三十六人の定員でございました。平成三十一年度の政府予算案におきましては、少年施設から刑事施設に振り替えることにより一人拡充した二百三十七人を計上しております。  また、予算につきましては、医薬品等の矯正施設内部で使用する経費、また外部医療機関の診療経費等、また医師、准看護師等の養成等経費として五十億円を計上させていただいております。
  168. 山口和之

    ○山口和之君 では、入管の収容施設における医師の配置等はどのようになっているのでしょうか。入管の収容施設の医療提供体制について、その概要及び次年度の予算措置をお教え願います。
  169. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) まず、常勤医師の配置等についてでございますけれども、現在、東日本入国管理センターに二人、大村入国管理センターに一人の定員が配置をされておりまして、これらの施設を含みます大規模収容施設では、常勤又は非常勤の医師が定期的に庁内診療を行っております。  また、平成三十一年度予算案におきましては、これら各収容施設の状況に鑑みまして、東日本入国管理センターの医師の定員一人を東京出入国在留管理局に振り替えることを予定しており、この結果、常勤医師の定員は東日本入国管理センターに一人、大村入国管理センターに一人、東京出入国在留管理局に一人となる見込みです。  また、来年度の医療関係体制でございますけれども、予算要求といたしまして、非常勤医師等委託経費五千九百万円、それから入院・通院医療経費一億三千三百万円、それから薬品等の購入経費といたしまして一億二千五百万円を計上しておりまして、いずれも対前年比増となっており、医療体制の充実強化を図ることとしております。
  170. 山口和之

    ○山口和之君 刑事収容施設に関しては、刑事収容施設法六十二条で内部医師の原則が定められておりますが、その趣旨はどこにあるのでしょうか。また、入管難民法令で同様の規定はないのはなぜでしょうか。
  171. 名執雅子

    ○政府参考人(名執雅子君) まず、刑事施設について御答弁申し上げます。  刑事施設の被収容者は、行動の自由を制限され、生活全般において規制を受けておりますことから、その保健衛生、医療は身柄を強制的に拘束する国の重要な責務でございます。  委員御指摘の刑事収容施設法第六十二条第一項は、被収容者が負傷し若しくは疾病にかかっているとき又はこれらの疑いがある場合や、飲食物を摂取しない場合においてその生命に危険が及ぶおそれがある場合には、その責務の表れの一つとして、刑事施設の職員である医師による被収容者に対する診療等の実施について規定しているものでございます。  被収容者の中には、他の収容者との集団生活や作業を始め、矯正処遇、各種の義務からの逃避、収容施設からの離脱等を目的とする詐病を訴える者もいるなど、特殊で困難な場合もありますので、日常的、継続的に収容者と接し、刑事施設における被収容者の実情を的確に把握していることが必要となりますことから、この収容者の特殊性に十分理解を有する医師と処遇の職員が相互に緊密な連携を保つことが不可欠であります。そのために、刑事施設の職員である医師が診療等を行うことを原則としております。
  172. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 一方、入管でございます。  入管法第六十一条の七におきまして、「被収容者の処遇に関し必要な事項は、法務省令で定める。」こととされており、これを受けまして、被収容者処遇規則に入管収容施設の被収容者の処遇の在り方全般を定めております。  そのうち、医療に関する規定につきましては、被収容者処遇規則第三十条におきまして、「所長等は、被収容者がり病し、又は負傷したときは、医師の診療を受けさせ、病状により適当な措置を講じなければならない。」と定められており、これが刑事収容施設法第六十二条と同じように被収容者に対する適切な医療の実施を求めているものと認識しています。  そこで、内部の医師につきましては、私どもの施設、常時開設しているものではない施設がありますことや、収容定員が十人ほどの収容施設もありまして、刑事収容施設法が定めるように全ての収容施設に医師を配置することは困難ですが、近隣の医療機関との協力関係の構築や非常勤医師の確保に努めているところでございます。  いずれにいたしましても、被収容者に対する医療機会を増やすため、医師の確保に努めるなど、医療面を含めた被収容者の適切な処遇に当たり、所要の体制整備に引き続き努めてまいります。
  173. 山口和之

    ○山口和之君 外部の医師じゃなかなか大変だよというところは聞いておりますので、そこら辺の配慮というのは絶対必要だと思いますので、どうぞよろしくお願いします。  刑事収容施設及び入管の収容施設において、医師の不在時に被収容者から救急車の要請があった場合はどのように対応していることになっているのでしょうか。また、医師の不在時に当局以外の要請により救急車が来た場合、どのように対応することになっているのでしょうか、お教え願います。
  174. 名執雅子

    ○政府参考人(名執雅子君) まず、刑事施設の対応からお答えいたします。  医師の不在時等において被収容者の負傷又は疾病に罹患したと疑われる場合には、医師に連絡し、対応について判断を仰ぐこととなっております。生命の危険が発生した場合など、緊急を要すると認められるときは、直ちに救急車の出動を要請し、外部医療機関へ救急搬送するなどの措置をとっているところでございます。  仮に、刑事施設以外からの要請により救急車が刑事施設に来た場合には、刑事施設の職員が救急隊員に救急車の出動要請の事実を確認し、必要に応じて救急搬送の要否について説明することになると承知しております。
  175. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 入管でございます。  体調不良を訴える被収容者に対して時間帯により医師の診察を受けるいとまがない場合は、体温測定等の結果に異常が見られなくとも安易に重篤な症状にはないと判断せず、ちゅうちょすることなく救急隊の出動を要請するようにという指示を全国の施設に対して出しています。  なお、当局が要請したものではない救急隊が臨場した場合で当該被収容者が体調不良を訴えている場合には、今ほど申し上げましたように、安易に重篤な症状にはないと判断せず、救急隊につなぐことになります。  しかし、当該被収容者が、例えば同日、収容施設内で医師の診察を受けその指示を受けているような場合には、その指示内容や診察後の被収容者の状況も救急隊にお伝えし、その上で救急隊が対応を判断されるものと承知をしております。  いずれにしましても、医療の提供に万全を期すよう最大限努めているところであり、引き続き対応いたします。
  176. 山口和之

    ○山口和之君 残念ながら、身体拘束を受けている者への医療提供体制はまだまだ不十分と言わざるを得ません。人権大国日本として人権外交をアピールするためには、この点を早急に改善する必要があります。山下大臣に是非御対応をよろしくお願いいたします。  以上で終わります。
  177. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。  外国人労働者受入れ問題についてお尋ねをいたしますが、失踪実習生の実態調査とその総括、そして、権利回復ができないまま技能実習生からの移行である特定技能一による四月からの受入れ拡大はあり得ないと繰り返し申し上げてまいりました。ところが、政府は、三月十二日の法務委員会で、PT調査の内容も昨年下半期の失踪実習生の数も三月末まで明らかにできないと、九割はうまくいっているという大臣の認識も変わらないなどと言って押し通そうとしておられるわけですね。政府のそうした硬直した姿勢の下で、現場では実習生への深刻な権利侵害が続いております。  そこで、まず、長野県諏訪市、上伊那郡にある、Kと今日はイニシャルで申し上げておきますが、K協同組合に関わる問題についてお尋ねをいたします。  資料を、法人登記簿をお配りをいたしましたけれども、この協同組合が監理団体として技能実習生を受け入れている有限会社で、とんでもない権利侵害があっております。まずは社長のパワハラですね。なぜか社長の自宅に実習生が住まわされている。その実習生が激しい声でどなられ続けている録音がありまして、私も聞きました。出ていけ、もう要らない、おまえとは住みたくない、出ていけ、おまえら全部やり直せ、どれだけ高いと思っているんだと、ひどい有様なんですが、何を全部やり直せと言っているかというと、これ、ペットの餌やりや掃除なんですね。  この有限会社は金属加工の会社で、実習生の作業はフライス盤の加工のはずです。ところが、社長の趣味でペットの通信販売を行っている。ホームページには、経営者が趣味を兼ねて、鳥だけではなく小動物や魚、爬虫類、餌、器具を販売しております、趣味を共にできる方をお待ちしておりますとありますけれども、それで、金属加工の実習生たちが早朝、それから夜遅くに鳥の世話をする、夜は社長の家の掃除や餌やりをさせられてきた、休日もそういうことがある。それが気に入らないといって余りにもどなりつけるというので、これ逃げ出してしまったわけです。  これ、まず法務省、金属加工とペット飼育、これおよそ実習計画違反だと思いますが、いかがですか。
  178. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 個別の事案につきましては、プライバシーの保護及び今後の調査への影響の観点からお答えすることは差し控えさせていただきますが、一般論として申し上げますと、受入れ企業が技能実習生に対して技能実習計画とは異なる作業を行わせていた場合、技能実習法違反となり、事案の内容に応じまして、改善を求める勧告、指導、改善命令のほか、技能実習計画の認定の取消しを行うことになります。  また、その他の法令違反行為が認められた場合につきましても同様に、事案の内容に応じて、改善を求める勧告、指導等の必要な措置を講ずることとなります。
  179. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 そうした違法の下で権利侵害を受けてきた実習生が逃げ出して、先々週、技能実習機構に相談をし、先週の月曜日、申告をいたしております。  その中で、取り組まれるんだろうと思いますけれども、この登記簿にある監理団体、この協同組合の、名前は伏せてありますけれども、代表理事、この人物と、それから今申し上げている有限会社の社長というのは、これ同一人物なんですね。全くの一体。これ、適正な監理などあり得ない。  御丁寧にも、このK協同組合の、これ入国して最初一か月の研修というのがありますけれども、講習というのがありますが、これの研修センターというのはペットショップの隣にあって、その期間も餌やりをさせられているというような実態にあるんですが、これ、適正な監理などあり得ないのではありませんか。
  180. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 事案につきましては、一般論で申し上げますと、適切な調査をした上で、技能実習法等入管法令に沿って適切な対応をいたします。
  181. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 いや、適切な監理なんてあり得ないわけですよ。  私、この相談があっている実習生たちの在留カードを拝見をして、まだ二十一歳、あるいは二十代のベトナムの若い女性たちですよね。本当につらいですけれども、そのうちお一人は、昨年の七月の末上陸許可を受けた一年目の実習生、つまり技能実習一号というんですが、政府・与党がしきりに、これによって適正化していくんだ、あるいはされているんだと言っている技能実習適正化法の下で入国をしているわけです。監理団体は、つまりこの協同組合はその下で許可を受けているわけですよ、入管の。あっ、入管のというか技能実習機構と、それから入管あるいは厚労の。  これ、何でこんなひどい組合が監理団体として許可され、実習計画が認定され、実習に至ってしまっているんですか。
  182. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) それぞれの場で調査等を尽くしておりますけれども、入国後、事後的に実地検査などをしたときに問題が発生をしましたら、技能実習機構、それから情報提供を受けた厚労省、それから入管も含めて必要な対応をし、最終的には認定の取消し等々に至るという手順で行ってはいます。
  183. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 局長が言っているのは手順の問題なのであって、それはそういう仕組みですよね。けれども、こうしたひどい権利侵害が問題になってきて、これを適正化する、そのために監理団体が監理を行うんだというのが皆さんがつくってきた仕組みじゃありませんか。それが機能していないでしょうと。監理団体を幾ら許可制にしたと胸を張ってみたところで、現にこういう現実があるじゃないですか。そうした不正を排除することができるんですかと。現にできていないじゃないですか。そして、事後的に正すって、それはそういうことありますよ。  だけれども、先々週もう相談しているでしょう。一週間前には申告しているじゃないですか。けれども、残っている実習生がいます。その実習生たちや、それからこのK協同組合が受け入れているほかの会社に実習している人たちが掃除をさせられているんですよ、今日も。この有限会社には十二人の実習生がいたそうですが、四人がそうした中で逃げざるを得なくなったという。  私は、ちょっと大臣先ほども手挙げられたけれども、伺いたいのは、この実習生たちは、今労働組合につながって実習機構も相談に乗ってくれていると、申告も受け付けてくれているという形になっていますから、これはまだ法務省も失踪者とは言わないんだろうと思うんだけれども、そうした支援にたどり着かなかったら新たな失踪者が生み出されていくということになるでしょう。この有限会社でも、十二人の実習生のうち四人が逃げざるを得なくなったというんですね。  不適正な実習によって実習が継続できないという相談や申告がされたときは、直ちに調査を遂げて、残る期間、別の適正な実習先につなげていくという仕事。それからもう一つは、その間、それ、確かに調査だとか不正認定だとか次の実習先探すって、一定の期間が必要なんですよ。その期間、安心して生活できるシェルターを保障することが重要だと、大臣、思いませんか。
  184. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) まず、幾つか御質問がありましたので。まず、いや、これはもう個別のお話についてはちょっとお答えを差し控えさせていただきますが、先ほど申し上げたように、新法の下で、まず事前の許可申請であるとか認定において適合性についてしっかり審査をさせていただく。その許可の後、仮にそういった不正不当な事実が分かれば、これはそういうことが把握すべく外国人技能実習機構が定期的に又は事案に応じて臨時に現場に赴いて、不適正な行為や取消し事由に該当する行為がないか否かを確認して、相談、申告を受け付ける、不適正なところは排除すると、場合によってはですね、取消しということで。そういった仕組みをつくっているわけでございますから、まずはこの仕組みの適切な運用に基づいてやらせていただきたいと考えております。  そして、技能実習の継続が困難となった場合に速やかに調査を行うということについては、これは御指摘のとおりでございまして、継続が困難となった場合には監理団体等は技能実習生の転籍を支援しなければならないということになっております。この監理団体自身がそういった支援をしていない場合、これについては、これはもう外国人技能実習機構において、技能実習生本人の実習継続意思などを確認した上で、技能実習の継続に向けて新たにその監理を行うこととなり得る監理団体の情報を提供するという支援を行っておるところでございます。  そして、三点目のシェルター等でございますが、シェルターというのがどういう機能を持つかということについてはいろいろ中身の問題がございますが、法務省では、人身取引被害者や難民認定申請中の者など、保護するべき外国人に対しては民間の支援者等と協力してシェルターを確保するなどの取組を行っております。技能実習生につきましては、シェルターというか、実習先の変更の支援を行うだけではなくて、変更がなされる間の保護を図る観点から、全国規模で、これは一時宿泊先と呼んでおりますが、その提供の支援を行っているということでございます。というのが、今現在技能実習生について行っているところでございます。
  185. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 大臣も私の提起している課題が重要であるということはお認めになっておられるんだと思うんですよ。その構えやよしなんですけれども、現場で一体どうですかと。最後におっしゃった一時宿泊だって、ホテル借りて泊まってもらうということなんですけどね、必要な数あるいは日数、できるわけもないですよ、予算。だから、実際は、労働組合だとかNPOの保護なしには権利の申告などというのはできないことが実際なんですよね。それも含めて、入管それから技能実習機構の体制を抜本的に強化をしなければ、幾ら速やかにやると言ったところで、先々週この人相談して、今日まで解決していませんから。そうすると、収入もない、一体どうするんだということになっていくじゃないですか。それが今の実習生の実情なんですよ。  ちょっと時間がそんなにあるわけじゃないので、本人からの手紙を全部紹介するわけにはいきませんけれども、余りにも罵られるので、OTIT、実習機構のことですね、OTITに訴えると言ったら帰国させると脅される、一年間電話を使うこともできませんでした、何もしていないのに怒られてばかりで、私も腹が立ち、ですから書類を持って逃げました、これ以上いたら電話を取り上げられ、誰にも助けを求められなくなるのが怖いと考えたと。なるほどそのとおりだなと思いました。私はもちろん怖いです、でも帰国させられるか逃げるかなら逃げますと言っているんですね。なぜなら、日本に来るまでにたくさんのお金が掛かっています、借金がたくさんあります、今帰国したら、借金の元金が残ったまま二年間何もできなかったことになります、どうか私を助けてくださいというのが、この労働組合を通じて機構に訴えられている手紙なんですよ。  ベトナムの在日大使館が、ベトナム青年がだまされないようにと真剣に呼びかけているという件は秋の国会で御紹介をしましたけれども、こうした実態が後を絶たないからなんですよね。  外務省にお尋ねをしたいと思いますが、そうした中でどう取り組んでおられるか。  昨年十月の十三日に、ベトナム中北部のハティン省で在ベトナム大使館後援の技能実習や留学に関するセミナーが開かれたと。ここで、一等書記官が多数の関係者を前に、技能実習生の失踪者数、刑法犯の検挙件数はワースト一位です、ベトナムの若者は夢や希望を抱いて訪日しており、決して最初から犯罪をしようと思って日本に行っているのではなく、犯罪をせざるを得ない状況に追い込まれています、ベトナム、そして日本において悪徳なブローカー、業者、企業がばっこしており、ベトナムの若者を食い物にしていますと、日本の外交官がベトナムの青年たちや送り出し機関に訴えているんですね。  こうした報道なんですけれども、どういう取組なんでしょうか。
  186. 高橋克彦

    ○政府参考人(高橋克彦君) お答えいたします。  今委員御指摘のとおり、ベトナム人留学生や技能実習生による犯罪が発生をしておりまして、この背景には、ベトナム人から保証金や違約金を徴収する悪徳ブローカーの介在が指摘をされております。  技能実習それから留学生に関していろいろな覚書を結びまして悪質な仲介業者の排除に努めておりますけれども、一方におきまして、ベトナム人の技能実習や留学生による犯罪等の問題については、日本国内のみならずベトナム双方において適切な対策を講じることが必要と認識をしておりまして、在ベトナム大使館の取組はこのような認識の下で行ったものでございます。  昨年十二月に策定された総合的対応策においても、外国人材の受入れのための悪質なブローカー等の排除、徹底して行うことが明記されておりますので、外務省としては、在ベトナム大使館と協力し、また国内関係機関、ベトナム政府と一緒に情報共有を行いながら、不適切な仲介業者からの留学ビザ申請の受入れ停止など、悪質なブローカー排除に向けて引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
  187. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 私、まず、遅まきながら真剣に取り組もうとする変化を私は感じておりまして、そこはまず評価をしたいと思います。  ただ、ベトナム青年の自己責任であるかのように呼びかけるだけでは駄目なんですよね。今、ビザの関係など外務省でできることについてはお話しになったけれども、全体のこの実習生の受入れ、これは出稼ぎ留学生だったり、これからの特定技能一の関係にも密接に関わってくる問題だと思うんですけれども、この外国人労働者受入れの不適正に対して、情報を共有するという立場だけで問題は解決しないんじゃないんですかと思うんですよ。  前回、三月十二日の委員会で入管局長は、私が送り出し機関は調査したのかと、失踪実習生に関わる、と問うたのに対して、外国に所在するために直接の調査というのは困難というふうに御答弁になったんですね。けれども、この送り出し機関は我が方の法制度でだってちゃんと把握をされているわけです。  ちょっと時間がありませんが、端的にお答えいただければ。  まず、二国間取決めに基づいて我が国が不正情報を通報、共有するということをやっています。その送り出し機関について、ベトナム政府が調査、指導、認定の取消しと、これが取決めに書かれていることですけれども、これやったのは何件、どんなものがあるんですか。
  188. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 本年の三月十四日現在、ベトナムとの二国間取決めの枠組みで我が国からベトナム側に通報した件数については約三十件です。通報事案の主な内容は保証金や不当な金銭の支払の要求などに係るものでありますが、その後のベトナム側の対応等につきましては、個別案件になりますので詳細についてお答えは差し控えますけれども、通報後も二国間取決めに基づく定期協議の場で必要な情報共有を行うなど両当局が連携をしておりまして、ベトナム側による調査等の必要な対応が取られているものと承知をしています。
  189. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 その二国間の覚書によると、ベトナムの認定送り出し機関の取消しの情報を日本側が受領した場合には、当該情報を日本において公表することとなっているんですね。今答弁できないということは、つまり取り消された例はないという、そういう理解をするほかないと思うんですが、そうですか。
  190. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 今のところ、そういう状況です。
  191. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 だから、取り消されていないんですよ。やっているんですよ、今だって。  そういう下で、次の資料は、私は、これ、外国人受入れに関わる団体というのは職業安定法に基づく職業紹介の事業の認可などを受けなければなりません。その下で、この一件だけ、この保証金を取って、言うことを聞かないと返還されないぞと思わせて支配力を行使して、禁じられている労働者供給事業を行ったとして処分された例として大阪労働局のこの例を挙げました。  これは技能実習生ではないんですよ、技能という労働者だと思いますけれども。監理団体だとか送り出し機関も、こうやって職安法違反でこれ処分すべきじゃないですか。厚生労働省、いかがですか。
  192. 田畑一雄

    ○政府参考人(田畑一雄君) 職業安定法第四十四条とか、職業安定法に違反する疑いがある事案を把握した場合には調査を行いまして、法違反があった際にはその是正指導を行うとともに、悪質な法違反に対しましては行政処分を行うなど厳正に対処しているところでございますし、また今後もそういった姿勢で臨んでまいりたいと思っております。
  193. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 厳正に対処すると言うけれども、技能実習制度の監理団体や送り出し機関がこのようにして処分をされた例はないんですよ。これ、二国間とか多国間だとかいって調べられないなんて言っている場合ではないと私は思います。二国間取決めをこれまで積み重ねてきたと、その経験も踏まえて、この送り出し機関や監理団体が少なくとも不正な高額手数料を徴収したような場合には厳正に処分されるように、法的拘束力を持った二国間協定にもう発展をさせるときだと思います。  本来、大臣とここで議論をさせていただきたいと思っていましたけれども、時間が参りましたので、それはまた次回に譲らさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
  194. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 沖縄の風、糸数慶子です。  まず、所信質疑の冒頭で言及いたしました、辺野古新基地建設をめぐりアメリカ・ホワイトハウスへの署名活動を呼びかけたハワイ在住のロバート・カジワラさんへの調査の問題について質問いたします。  カジワラさんは、御自身のその講演会あるいは集会に参加するために二月の十九日から三週間滞在されましたが、入国の際、入管で一時足止めをされ、講演会で何を話すのかとかデモをするのかなど細かく聞かれ、さらに、沖縄では警察官二名が中城村役場にカジワラさんの過去の滞在先家庭の情報を求め、役場が家族の了解を得て情報を提供したということです。  これについて沖縄県警は、特定の個人に対する加害行為や嫌がらせなどトラブルが起きる可能性があれば、安全確保のために注意を喚起し、不測の事態への対応について指導を行うことがあるというふうに説明しておりますが、これは事実でしょうか、伺います。
  195. 下田隆文

    ○政府参考人(下田隆文君) お答えいたします。  沖縄県警察におきましては、報道機関の取材に対しまして、個別具体の警察活動については回答を差し控えるとした上で、あくまで一般論として、警察は関係者の安全確保の観点から必要に応じて防犯指導等を行うことがある旨説明したものと承知してございます。
  196. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 今の御答弁ですと、安全確保のために個人の情報を収集するということは監視に当たらないというその見解を示されているようですが、そうであれば最初から本人に説明をしておくべきではないでしょうか。そもそも本人から嫌がらせや懸念があるとして相談されていたのでしょうか。
  197. 下田隆文

    ○政府参考人(下田隆文君) お答えをいたします。  個別具体の警察活動につきましては、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。  なお、沖縄県警察におきましては、報道機関の取材に対しまして、中城村役場やカジワラ氏の親族宅を訪問した事実があるとは説明しておらず、あくまでも一般論として、警察は関係者の安全確保の観点から必要に応じて防犯指導等は行うことはある旨説明したものと承知してございます。
  198. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 個別の事件に対してはお答えになれないということだと思いますけれども、秘密裏に警察活動を行ったことで、ロバート・カジワラさんが署名活動を始めたため、日本政府は私を殺人者のように扱っていると思わせてしまっている、そのこと自体が警察による嫌がらせあるいは基地反対運動を萎縮させるためにやっていると思われても仕方がないということを申し上げ、次の質問に入りたいと思います。  無期懲役について伺います。  先ほど伊藤議員の方からも質問がございましたが、無期刑の受刑者、これに関しましては、改悛の状があるときは、刑の執行開始から十年が経過した後、行政官庁の処分によって仮釈放ができると刑法第二十八条で定められています。一九九〇年代後半以降、特に二〇〇〇年代に入ってから、無期刑受刑者の仮釈放者数が減り、刑務所内で死亡する人が増え、無期刑の事実上の終身刑化が進んでいます。  法務省は二〇〇九年三月六日、保護局長通達を発出していますが、法務省が公表するデータを見ても、無期刑の事実上の終身刑化に変化があったとは考えられません。また、無期刑受刑者の仮釈放審理に関する事務の運用の実態は全く明確になっていません。そこで、無期刑の事実上終身刑化のその実態と保護局長通達の運用に関して、改めて質問いたします。  まず、いわゆる最高検マル特無期通達の全文をお示しいただきたいと思います。お示しできないのでしたらその理由も明らかにしてください。
  199. 小山太士

    ○政府参考人(小山太士君) お尋ねの通達でございます。これは平成十年六月十八日付けの最高検察庁、最高検次長検事通達のことと思われます。  当該通達の一部につきましては、検察官が特に犯情悪質なものとして意見を述べるべき対象者や意見を述べる場合に記載すべき具体的事項についての記載がございまして、これらを公にした場合には受刑者の更生意欲等に悪影響を及ぼす等の弊害があり得るところでございますので、通達の全文を明らかにすることは御容赦をいただきたいと考えております。
  200. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 最高検マル特無期通達によってマル特無期と指定された受刑者は今までに何人いるのでしょうか。
  201. 小山太士

    ○政府参考人(小山太士君) お尋ねでございますが、この点につきましては、刑の執行に支障を及ぼすおそれがあることなどから、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。
  202. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 保護局長通達に基づき仮釈放審理が開始された無期刑受刑者及び仮釈放が認められた無期刑受刑者の数を、年別、地方更生保護委員会別に明らかにしていただきたい。
  203. 今福章二

    ○政府参考人(今福章二君) お答えいたします。  平成二十年から平成二十九年までの十年間における無期刑受刑者に係る仮釈放審理の状況についてでございますが、地方更生保護委員会別に申し上げますと、当該期間中の審理件数は、まず北海道地方更生保護委員会が十五件、東北委員会が二十六件、関東委員会が八十件、中部委員会が三十二件、近畿委員会が十六件、中国委員会が五十件、四国委員会が二十一件、九州委員会が五十五件、合計が二百九十五件となっております。  それに対しまして、仮釈放の許可件数は、北海道委員会が六件、東北委員会が五件、関東委員会が三十四件、中部委員会が六件、近畿委員会が三件、中国委員会が六件、四国委員会がゼロ件、九州委員会が五件、合計が六十五件となっております。
  204. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 まず、国際的に見て、我が国のこの無期刑受刑者の仮釈放の少なさは際立っています。例えば、ドイツでは、最高刑が終身刑で、原則として十五年服役後に仮釈放となります。また、フランスでは、服役から十五年が経過すると受刑者から仮釈放の申請が可能となり、仮釈放者の平均服役期間は十九・五年であります。フィンランドでは、無期刑受刑者も十二年を経過すると順次仮釈放となり、平均服役期間は十四年で、無期刑受刑者の服役期間が二十年を超えることはありません。  このように、他国の状況を鑑みても、我が国の無期刑の事実上の終身刑化とも言える仮釈放状況は、憲法第十三条、自由権規約第七条、第九条第一項に違反すると申し上げ、次の質問に入りたいと思います。  まず、我が国の死刑制度について伺います。  山下大臣は所信表明で、法の支配等の普遍的価値を各国に浸透させるべく、リーダーシップを発揮し、司法外交を進めていく、さらに、我が国の成熟した社会を体感していただくと述べられました。  二〇二〇年、日本は、国際連合犯罪防止刑事司法会議、いわゆるコングレスのホスト国になり、東京オリンピック・パラリンピックが開催されることから、我が国が国際的な注目を集めることと思います。とりわけ、先進国で死刑制度を存置する極めて数少ない国としても注目されるのではないかというふうに思います。  これまで私は、死刑が執行されるたびに本委員会で抗議をしてまいりました。昨年七月六日、七人が死刑執行され、多数の死刑執行が世界でも衝撃を持って受け止められました。  日弁連によりますと、百四十二か国が法律で廃止される、あるいは十年以上死刑を執行していない事実上の廃止国であり、うち百六か国が全ての犯罪について死刑を廃止しております。OECD加盟国のうち死刑を存置しているのは日本、韓国、アメリカだけですが、韓国は十年以上死刑執行していない事実上の死刑廃止国であり、アメリカは十九の州が死刑を廃止し、四つの州が死刑執行モラトリアムを宣言しているため、死刑を国家として統一して執行しているのはOECD加盟国の中で日本のみということであります。  死刑廃止は国際的な潮流であり、国連の各人権機関は、死刑執行を続ける日本に対し、執行の停止と死刑廃止の検討を行うよう度々勧告をしております。  大臣は、死刑制度の正当化の一つに国民世論を挙げ、必要性を主張されていますが、人権に関わる問題を世論に委ねたままでいいのかと、とても疑問であります。  フランスは、死刑存続の国民世論が六割を超えながら死刑が廃止されました。これは、一九八一年に死刑廃止を公約に掲げ大統領となったミッテラン大統領が指名した弁護士出身の法務大臣は、世論の理解を待っていたのでは遅過ぎるとして死刑廃止を提案し、議会の決定を経て死刑制度が廃止されました。その後、世論は死刑廃止が多数を占めています。世論は変わるのだということを強調したいと思います。  また、イギリスでは、娘を殺害したとされる男性が死刑を執行され、その後、真犯人が判明しました。いわゆるエバンス事件として知られていますが、この冤罪事件がきっかけで死刑が廃止されました。冤罪の可能性が否定できないからです。  このような中、死刑制度を存置し、死刑執行を繰り返す我が国に対して、人権後進国というレッテルが貼られるのではないか、また国際社会に日本の主張は理解されないのではないかというふうに思いますが、山下大臣の御見解を伺います。
  205. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 死刑制度の存廃については、これはもう国際機関における議論の状況や諸外国における動向等を、これを参考にしつつも、基本的には各国において国民感情、犯罪情勢、刑事政策の在り方等を踏まえて独自に決定すべき問題であると考えております。  国民の世論の多数が、極めて悪質な凶悪な犯罪については死刑もやむを得ないと考えており、さらに、多数の者に対する殺人や強盗殺人等の凶悪犯罪がいまだ後を絶たない状況等に鑑みると、その罪責が著しく重大な凶悪犯罪を犯した者に対しては死刑を科することもやむを得ないのであり、死刑を廃止することは適当ではないと考えております。  死刑の執行に関しての御指摘もございますが、申し上げるまでもなく、死刑は人の生命を絶つ極めて重大な刑罰でございますので、その執行に際しては慎重な態度で臨む必要があるものと考えております。  ただ、それと同時に、法治国家においては、法の定めるところに従って確定した裁判の執行が厳正に行われなければならないことも言うまでもないところでございます。特に死刑の判決は、極めて凶悪かつ重大な罪を犯した者に対し裁判所が慎重な審理を尽くした上で言い渡すものでございますので、法務大臣としては、裁判所の確定した判断を尊重しつつ、法の定めるところに従って慎重かつ厳正に対処すべきものと考えております。
  206. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 外務省に伺います。  我が国の刑事司法制度は数十年にわたって国連などから深刻な懸念の対象になっています。  国連規約人権委員会が二〇一四年八月、日本政府に対し、いわゆる代用監獄制度を廃止し、起訴前保釈のようないわゆる勾留代替措置や、取調べにおいて弁護人の援助を受ける権利を保障するよう勧告しました。  二〇一三年には国連拷問禁止委員会が、被告人の自白で得られた証拠への過度の依存に懸念を示しました。また、拷問禁止委員会は、日本が国連被拘禁者処遇最低基準規則に合致させるべく、拘禁条件を改善するよう勧告しています。  規約人権委員会は、一九九八年に被収容者の基本的権利を制限する厳しい所内行動規則への懸念を表明しましたが、被収容者はいまだに人間の尊厳に対する尊重とは相入れない、不合理に制限的な所内規則の下に置かれています。こうした規則は、日本が批准する自由権規約の下における日本の義務と一致しておりません。  日本政府は、拷問禁止委員会や規約人権委員会に対して定期報告書を提出していません。提出期限は、各々、二〇一七年五月三十一日及び二〇一八年七月三十一日になっています。主要な国連人権機関との誠実かつ建設的な対話を行うべきではないかと思いますが、なぜ定期報告書を提出していないのか、外務省に伺います。
  207. 大鷹正人

    ○政府参考人(大鷹正人君) お答え申し上げます。  我が国は、拷問禁止条約ですとか自由権規約を始めといたします各人権条約の締約国といたしまして、政府による報告、回答の提出の重要性について十分認識しております。  他方、これらの条約につきましては、広範な内容を扱いますことから、検討、協議すべきこと、そして、それらが関係省庁間、多岐にわたる関係省庁間の間で協議、検討が必要であることといったことで作業もかなり膨大に上るということで、各報告、回答の作成に多くの時間を要するということが背景になっている状況でございます。  ただ、政府といたしましては、引き続きこれらの条約の政府による報告、回答の提出に向けて鋭意作業を進めてまいりたいというふうに思っております。
  208. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 二年以上の時間が経過しております。是非、膨大な作業は要するかもしれませんけれども、改めてやっていただきますように強く要望したいと思います。  次に、通称使用と選択的夫婦別姓について伺います。  旧姓の通称使用についてでありますが、政府の規制改革推進会議は二月二十六日、十四の重点事項の一つとして、各種国家資格における旧姓使用の範囲拡大の決定をしました。現在、保育士や介護福祉士などの国家資格で旧姓での登録が認められていないため、仕事の継続性の観点から、旧姓使用の範囲の拡大を検討するもので、六月の安倍総理への答申に盛り込む予定だと伺っております。  選択的夫婦別姓が実現しない中、通称使用が拡大されることは歓迎しますが、通称では限界もあります。前にも御紹介いたしましたように、旧姓の通称使用としているそのケースですが、教員である母親はパスポートに旧姓が付記されたのに、母親の旧姓を名のっているお子さんのパスポートには認められなかったということで、海外に連れていくために結局はペーパー離婚をされました。旧姓が名のれないために法律婚から事実婚にされたわけです。現行民法が事実婚の推奨をしていると言わざるを得ません。  そこで、山下大臣に伺いますが、法務省は選択的夫婦別姓導入の民法改正より旧姓の通称使用、つまり民法上の氏と通称のダブルネームを持つことを推奨するということでよろしいのでしょうか、伺います。
  209. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 政府においては、先生御指摘のとおり、今日における女性の活躍や社会の多様化等を踏まえ、旧姓使用の拡大に向けた取組を進めてきたところでございます。引き続きこの取組を進め、国、地方、企業などがそれぞれの部門において旧姓の通称使用を拡大するための措置を適切に講じていく必要があるものと認識しております。  このように、旧姓の通称使用を拡大することにより、婚姻に伴う氏の変更による不利益が一定程度は緩和され得るということは、平成二十七年十二月の最高裁大法廷判決においても判示されているところであります。  しかしながら、選択的夫婦別氏制度の導入については、旧姓の通称使用が拡大してもなお議論の対象となり得るものと考えております。
  210. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 九六年、法制審議会が選択的夫婦別姓導入へのこの民法改正を答申した経緯とその主な理由は何だったのか。なぜ法制審は選択的夫婦別姓を答申したのか。答申を受け止め、引き継ぐべき法務大臣でございます。その御見解を改めて伺います。
  211. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 選択的夫婦別氏制度の導入をも含む民法の婚姻に関する規定の見直しは、法制審議会の民法部会身分法小委員会において、平成三年一月から検討に着手されたものと承知しております。この背景には、昭和五十二年の女性の地位向上のための国内行動計画の策定や、昭和五十九年の国籍法改正、昭和六十年の女子差別撤廃条約の批准及び男女雇用機会均等法の制定等の社会状況の変化があったと指摘されております。  以上のような経緯も踏まえて、法制審議会は平成八年二月に選択的夫婦別氏制度を導入すること等を内容とする民法の一部を改正する法律案要綱を答申いたしました。この選択的夫婦別氏制度についての答申がなされた理由の一つとしては、婚姻により氏を改めることによる社会生活上の不利益や不都合を解消するという点が挙げられておりました。  委員御指摘のように、法制審議会から平成八年に答申を受けているところでございますが、他方で、先ほど少し御紹介した平成二十七年十二月十六日の最高裁大法廷判決においては、夫婦同氏を定める現行制度は合憲であるとの判断が示されたところであります。この判決においては、選択的夫婦別氏制度の導入の是非については国会で論ぜられ判断されるべき事柄であるとの指摘がなされております。また、選択的夫婦別氏制度の導入の問題は我が国の家族の在り方に深く関わる事柄であり、平成二十九年の世論調査の結果を見ても、いまだ国民の意見が分かれているという状況にございます。  法務大臣としては、最高裁判決における指摘をも踏まえ、今後とも引き続き、国民各層の意見を幅広く聞くとともに、国会における議論の動向を注視しながら慎重に対応を検討してまいりたいと考えております。
  212. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 時間が参りましたので、通告した無戸籍の問題は次に回しますが、国会で議論すべきだというふうに今大臣も答弁されました。そのために毎回質問をさせていただいておりますけれども、なかなか進みません。  世界の状況を見ても、やはり選択的夫婦別姓、流れでございます。是非とも改めて考えていただきますようにお願いを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  213. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 以上をもちまして、平成三十一年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、裁判所所管及び法務省所管についての委嘱審査は終了いたしました。  なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  214. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時二十分散会