運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

2019-06-24 第198回国会 参議院 本会議 29号 公式Web版

  1. 令和元年六月二十四日(月曜日)    午後一時一分開議     ━━━━━━━━━━━━━ ○議事日程 第二十九号     ─────────────   令和元年六月二十四日    午後一時 本会議     ─────────────  第一 内閣総理大臣安倍晋三問責決議案(福   山哲郎君外三名発議)(委員会審査省略要求   )     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  議事日程のとおり      ─────・─────
  2. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) これより会議を開きます。  日程第一 内閣総理大臣安倍晋三問責決議案(福山哲郎君外三名発議)(委員会審査省略要求)  本決議案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、これを議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 御異議ないと認めます。  よって、本決議案を議題といたします。  まず、発議者の趣旨説明を求めます。福山哲郎君。     ─────────────    〔議案は本号末尾に掲載〕     ─────────────    〔福山哲郎君登壇、拍手〕
  4. 福山哲郎

    福山哲郎君 立憲民主党福山哲郎です。  私は、立憲民主党・民友会・希望の会、国民民主党新緑風会日本共産党沖縄の風各派共同提出の安倍晋三内閣総理大臣問責決議案について、その趣旨を説明いたします。  まず、決議案を朗読いたします。   本院は、内閣総理大臣安倍晋三君を問責する。    右決議する。  以上であります。  安倍総理、あなたはなぜ予算委員会に出てこないんでしょうか。参議院規則第三十八条二項によって、予算委員長は予算委員会を開かなければならないことになっています。七十五日間、総理の審議拒否が続いています。なぜ逃げ続けるのか。総理が、いつものお決まりの文句、国会でお決めいただくこととうそぶくことは目に見えています。しかし、そんなことを信じる国民はもはや誰もいません。なぜ、金子予算委員長や与党理事の諸君に規則に違反することを総理が強いるのでしょうか。  私も官房長官として官邸にいました。野党から開会要求があれば、イの一番に与党の国対から、扱いはいかがしましょうとお伺いが立てられます。総理は出たくなくても、与党仲間が追い込まれるなら、泥をかぶってでも出席せざるを得ない。それは議院内閣制の下に選出された総理の務めであり、あなたも衆議院議員なら百も承知のはずです。私が出ていくと言えば済むのです。総理が逃げ回っているから予算委員会が開会されないの一言に尽きるのです。  あなたに憲法を議論しろなどと言われる筋合いはありません。自分の仲間である与党議員規則違反をさせて、自らの都合で逃げまくる。それだけで宰相資格はありません。そんなに予算委員会に出席したくないのなら、総理をお辞めになればいい。あなたが総理であるゆえんは議院内閣制です。その議院内閣制破壊するような総理には、即刻お辞めいただきたい。  安倍政権のこの六年半は、立憲主義を壊し、国会行政監視機能を否定するものでした。  二年前、予算委員会で、私は、森友学園問題について初めてそんたくという言葉を使って総理に問いただしました。それは昭恵夫人に恥をかかせたのか、安倍総理に恥をかかせたのか、近畿財務局だって財務省だってそんたくするでしょう、そういう状況をつくったことが問題だと私は思う、だから、こういう不透明な手続が積み重なるんですよと申し上げた私に、あなたは随分むきになって、やじに反応しながらいつもの長答弁を続けた後、日本のですね、かつてそんなことあったんですか、そんなことあったんだったら、一つでもいいから例を出していただきたいと思います、私の妻が名誉何々になっていて、それをそんたくした事実が、事実がないのにまるで事実があるかのように言うのは、これも典型的な印象操作なんですよとあなたはたんかを切られました。  事実がないどころか、皆さん御存じのとおり、その後の安倍政権は、そんたくと改ざんと隠蔽の事実が次々と明らかになった二年間だったのではないでしょうか。  森友学園での財務省文書改ざん国会での虚偽答弁、やっとのことで出された文書の中に、何と、安倍昭恵総理夫人が森友学園を視察した直後に行われた森友学園と近畿財務局との交渉記録、財務省本省への相談メモだけはいまだに出てきていません。これもそんたくなのでしょうか。  また、加計学園をめぐっても、怪文書と言い捨てたものを、その存在を認める羽目になりました。面会を否定した総理秘書官が、実は加計学園関係者と三回も会っていました。  存在しないと言い張っていた自衛隊のイラク派遣日報や南スーダンPKOの日報が見付かる、毎月勤労統計の不正調査の横行など、安倍政権は、国民にも国会にも真実を語らない、不都合なものは隠すことが常態化していることを国民に知らしめることになりました。  立法府行政府の関係は、完全に壊れています。どの問題一つ取っても、本来なら内閣総辞職に値します。安倍政権は、自らに向けられた批判に対して、ひたすら否認するだけです。否認とは、精神分析用語で、不快な事実に直面した際に、証拠があるにもかかわらず、それを真実と認めず、拒否をすることをいいます。  そして、そのことが端的に現れたのが、現在も問題になっている金融庁審議会ワーキング・グループの報告書の受取拒否問題です。まさに否認そのものです。  老後に年金以外に二千万円が必要とされた問題で、ここまで国民の皆さんの関心が高まったのはなぜなのでしょうか。年金だけではとても老後の生活を過ごせない、高齢者は働きに出ざるを得ない、多くの国民の皆さんがアベノミクスの恩恵を全く実感できず、老後の不安を持っているからこそ、あの報告書の問題はここまで大きくなったのではないのでしょうか。  この報告書に関して言えば、安倍政権を最も体現しているお一人が麻生太郎副総理財務金融担当大臣であることは、誰の目にも明らかです。  自ら諮問したワーキング・グループ報告書の受取拒否はもはや論外ですが、これに加えて、先ほども述べた森友学園文書での文書改ざん、虚偽答弁の責任者その人であり、当時の福田事務次官セクハラ問題に関しても、セクハラ罪という罪はない、男の番記者に替えればいいなどという暴言を言われました。さらには、一度ならず二度までも、子供を産まない方が問題という発言を繰り返すなど、政治家としての資質に加え、人としていかがかと思います。その麻生大臣を任命し、かばい続けている安倍総理の責任は、余りにも重いと言わざるを得ません。  この麻生大臣のみならず、安倍内閣を構成する大臣副大臣、政務官に至るまで、暴言、失言のオンパレードです。東北だったからよかった、最後は金目でしょう、長靴業界はもうかったんじゃないか、それで何人死んだんだ、総理と麻生大臣をそんたくした、復興以上に重要なのは何々さん、もう耳を塞ぎたくなるような許し難い暴言の数々です。自民党は大丈夫ですか。一体どうなっているんですか。  そして、この任命権者は、もちろん安倍総理、あなたです。ところが、総理はそうした暴言を放った大臣たちも、まずはかばおうとしてきたのですから、もはや何をか言わんやです。  さて、総理、素朴な疑問です。  あなたは国民生活の実態に直接触れたことがあるのでしょうか。総理の言葉から生活感を感じ取ることができないのは、私だけではないと思います。  足下の実質成長率は減速傾向が明らかであり、個人消費輸出設備投資、いずれもマイナス、実質的にはゼロ成長近くになっています。五月の景気動向指数は、六年二か月ぶりに悪化へと引き下げられました。四月以降の食料品の値上げや消費増税が消費者心理を冷やしていることは間違いありません。十月から消費税を上げようとする一方で、自民党の議席を守るために参議院の定数を六増することを国民が理解するとは到底思えません。ましてや、二千万円も貯蓄が必要だと言われた国民が物を買う気分になるのでしょうか。まさに消費が萎縮することは間違いありません。  総理は、自分に都合の良い数字を並べ立てて、民主党政権を悪夢と言い募ることには関心があっても、日々の生活のために懸命に働き、なおかつ未来に希望がなかなか見出せない人たちの実態には何も関心がないのではありませんか。六年半にもわたる安倍政権の下で、トリクルダウンは実現しませんでした。企業の収益が上がり、内部留保がどれだけ積み上がろうと、働く者の実質賃金の上昇にはつながりませんでした。非正規労働者は増加をし続けています。一般事業所の実質賃金はいまだに出てきていません。富める者が更に富んだとしても、真面目に働いている人たちには全く目が向けられなかった、そんな冷たい六年半だったのではないでしょうか。日本社会に分断と格差という目に見えない大きな溝が広がっています。  次に、外交安全保障です。  総理、あの安保法制は一体何だったのでしょうか。F35を百四十七機、イージス・アショア、オスプレイなどを爆買いするために、政府与党はあの安保法制の成立に血道を上げたのでしょうか。トランプ大統領いわく、「いずも」型護衛艦を空母に改修してF35を載せ、地域を越えて両国が直面する様々な脅威を抑止するというのですから、専守防衛は一体どこに行ったのでしょうか。  何より、これらは防衛省自衛隊の現場が本当に求めている装備なのでしょうか。F35Aの墜落事故検証も曖昧なまま飛行が再開される。米国政府監査院ですら、昨年、F35の深刻な欠陥を指摘し、安全性に疑念を呈しています。そのF35を一兆二千億円も掛けて購入することが本当に必要なのでしょうか。自衛官安全確保はできるのでしょうか。  そして、イージス・アショアについても、グーグルアースを用いて考えられないような縮尺の間違いをした上に、住民説明会で防衛省職員は居眠りをしました。緊張感の欠如には言葉がありません。初めに新屋演習場ありきで事が進められたと言われても仕方がないのではないでしょうか。岩屋防衛大臣は、秋田県知事らに謝罪をしましたが、現地の住民の皆さんには会おうとしませんでした。不誠実な対応でした。  その住民をないがしろにする姿勢は、沖縄県民に対して寄り添おうとしない安倍政権と軌を一にしています。  昨日は沖縄慰霊の日でした。辺野古沖への新基地建設について、玉城デニー知事の知事選、補欠選挙、県民投票で、基地建設反対の沖縄県民の意思は明確に示されています。私の質問に対して岩屋防衛大臣が、県民投票の結果にかかわらず、あらかじめ土砂投入を継続すると決めていた、総理の了承をいただいていたと答弁したのには、本当に驚き、あきれました。県民投票の結果は関係ない、総理が工事強行をあらかじめ決めていたというのです。総理もこれを否定しませんでした。  これが民主主義国家の総理の姿なのでしょうか。あなたも選挙で選ばれているのではありませんか。県民投票の結果に対して謙虚さのかけらもない。究極の御都合主義です。このような姿勢では、沖縄の理解が得られるはずがありません。  昨年秋、総理は、領土問題を解決して平和条約締結する、私とプーチン大統領の手で必ずや終止符を打つと大見えを切られました。しかしながら、平和条約交渉は順調に進んでいるようには見えません。外交青書からは、北方四島日本に帰属するという当たり前の記述も消されました。外務大臣は、北方四島日本固有の領土と発言しなくなりました。ロシアに不法占拠されているとも言わなくなりました。これでは、相手国に逆のメッセージを与えてしまいます。目指していた今月の大筋合意は断念との見出しが出る始末です。先日、首脳会談の前にプーチン大統領は、北方領土を引き渡す計画はないとまで明言しました。自民党の皆さん、主権国家として本当にこんなことでいいのでしょうか。  安倍総理の外交に不思議なことがあります。首脳会談や外交交渉というのは、こちら側の主張は外に明らかにしつつ、先方が何を主張したのかはこちらからは公表しないのが一般的なルールです。そして、両国が合意したものだけはお互い発表し合うという形でやっているはずなのですが、安倍政権は、相手側から日本の主張を明らかにされ、さらには言われっ放しの状況が続いています。なぜ自らが相手国に言った主張を明らかにできないのでしょうか。  日米関係でも、八月には大きな合意ができると思うとトランプ大統領に一方的に暴露され、密約存在を疑わざるを得ない状況です。トランプ大統領ノーベル平和賞に推薦したことまで明らかにされました。米国とイランの仲介外交も、総理のイラン訪問中にタンカー攻撃事件まで起こりました。海外の論調も厳しく、選挙対策で近年最も失敗した調停外交などと言われています。  一方で、日朝関係も、国難突破解散、対話のための対話には意味がないとまで言っていた総理が、突如、金正恩委員長と条件を付けずに向かい合うと、従来の発言とは全く逆のことを言われました。しかし、首脳会談はいまだに実現していません。北朝鮮からは、ずうずうしいとまで返されている始末です。残念でなりません。外交の成果は乏しいと言わざるを得ません。  その他、安倍政権の下で、水道法漁業法、種子法等々、国家の根幹に関わる、日本地域社会を壊しかねない多くの法律が強行に通されました。  日銀が国債を大量に買い支え、株価維持に一役を担い、GPIFでも株を下支えする、株式を売却したくても相場が崩れるので売るに売れない、こんなことがいつまで持続可能なのでしょうか。  ここまで、るる問責の理由を述べてきました。しかし、最も問責に値する理由は、安倍政権が続くことで、未来に希望を持ち、国民が幸せを実感できる社会にはなると思えないことです。  あなたは、二〇一二年の就任会見で、頑張った人が報われる、今日より明日の生活が良くなると実感できる日本経済を取り戻すと言われました。また、内閣官房広報誌には、どれだけ真面目に働いても暮らしが良くならないという課題を克服するとありました。  六年半たった今、そのことが全く実現していないことは明白です。  事実を申し上げます。  民主党政権三年三か月間の実質賃金の平均賃上げ率は二・五九%でした。安倍政権下では一・一%にすぎません。また、安倍政権下で労働分配率は下がり続け、四十三年ぶりの低水準となっています。非正規雇用は、約三百万人増えて、全体の三七・九%に達しています。年収二百万円以下のワーキングプアも百万人以上増えています。そのため、二人以上世帯の貯蓄ゼロ世帯は、二〇一七年に何と三一・二%と、過去最悪になりました。これでどうやって二千万円貯蓄をしろというのでしょうか。  総理は、政治は結果だとよく言われています。結果を出せていないのなら、お辞めいただくしかありません。  良識ある参議院の皆さんが、与野党を超えて我々の問責決議案に何とぞ賛同されることをお願い申し上げ、趣旨説明とさせていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手)     ─────────────
  5. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 本決議案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。三原じゅん子君。    〔三原じゅん子君登壇、拍手〕
  6. 三原じゅん子

    三原じゅん子君 自由民主党三原じゅん子です。  私は、自民・公明を代表して、野党から提出された安倍内閣総理大臣問責決議案に対して、断固反対、断固反対の立場から討論を行います。  もう何度この光景を目にしたでしょうか。野党の皆さん、はっきり言って、もううんざりです。野党の皆さん、国民にとって大切な大切な年金政争の具にしないでいただきたい。お一人お一人の高齢者の皆様の生活への切実な不安をあおらないでいただきたい。猛省を促します。  では、問います。野党の皆さんは、年金を増やす具体的な政策を持っているのでしょうか。具体的な対案もないままにいたずらに国民の不安をあおる。  具体的に申し上げましょう。かつて民主党マニフェストで華々しく打ち上げた、できもしない最低保障年金。あれは一体何だったのでしょうか。さらに、民主党政権のあの三年間、年金の支給額は増えるどころか、何と引き下げられていたのです。はっきり言って、無為無策だったのです。  安倍内閣は全く違います。今年、年金支給額はプラスとなりました。年金給付の前提となる積立金も、アベノミクス効果によって六年間で四十四兆円運用益が出たのであります。年金制度は、安倍内閣の下で、間違いなくより強固で安心なものとなっています。  片や、民主党政権時代、年金積立金の運用益はこの十分の一。これは、年金の安定的な給付の前提になっている予定利回りを大きく下回り、年金の信頼性は民主党政権によって大きく傷つけられてしまったのです。そして、今また、できもしないのに、対案もないのに、ただ不安だけをかき立てる。野党の皆さん、もういいかげんにしてください。  私たち自民党、公明党、そして安倍政権は、年金で生活している皆様お一人お一人の不安な気持ちをあおるのではなく、その不安に真正面から向き合い、具体的な政策で対応してまいります。  無年金高齢者の問題に対しては、アベノミクス果実を生かして、払込期間を二十五年から十年に短縮し、六十万人を超える皆様に新たに年金を支給いたしました。年金額が少ない皆様のために、本年十月からは、財源をしっかり確保して、最大年六万円の給付金を支給し、しっかりと所得を底支えしてまいります。さらには、介護保険料も三分の一軽減いたします。  重要なことは、実行で、結果なのですよ、皆さん。  安倍内閣は、この六年間で正社員を百三十万人以上増やしました。民主党政権時代はどうだったか。増えるどころか、何と五十万人も正社員が減っていた。あの時代、仕事をしたくても見付からない。若者を始め多くの皆様がつらい思いをしていたのであります。  安倍内閣の下、この春、中小企業で働く皆様の賃金はしっかりと上がりました。賃上げ率は、この二十年間で最高水準です。民主党政権時代はどうだったか。賃金を増やすどころか、企業自体の倒産が今よりも四割以上多かった。連鎖倒産という言葉が日本中を覆っていました。まさに悪夢だったのであります。  政権交代から六年余り。民主党政権の負の遺産の尻拭いをしてきた安倍総理に、感謝こそすれ、問責決議案を提出するなど、全くの常識外れ、愚か者の所業とのそしりは免れません。野党の皆さん、もう一度改めて申し上げます。恥を知りなさい。  政府国会で説明責任を果たすべきは当然です。安倍総理は、昨年一年間で国会に二百七十時間以上出席されました。しかし、イギリスの首相は年間四十時間程度、ドイツの首相は三十時間余り。国際的に見ると、明らかに突出しています。我が国では、よほど個別の大臣と議論するような専門的な課題が少ないのか、それとも、野党が、国民の関心から程遠い、ただただ無意味な質問を繰り返し、国のトップである総理大臣の時間を浪費しているのか、答えは明らかであります。  野党の皆さんは、自分の都合のいいときだけ、参議院は言論の府だと主張しています。しかし、自分の胸によく手を当てていただきたい。この一年間、憲法審査会は、たった三分しか開かれていないのであります。  議論から逃げ回っているのは、一部野党の皆さん、あなた方自身ではありませんか。  野党の皆さん、もう御都合主義はやめましょう。  民主党の、具体策なきままにただ不安をあおるだけの口車に乗って、不安定な政治をもたらした結果がどうなったのか。有権者は痛いほど思い知らされました。総理大臣は毎年のようにころころ替わり、日本のプレゼンスは一気に低下した。民主党政権は、国民との約束を次々と踏み倒してきた。  有権者は、既に悪夢を経験しているのであります。テレビ映りだけを意識して、針小棒大のパフォーマンス。選挙目当てで国民不在。所属政党ころころ変える。対案なしで何でも反対。やること全てがブーメラン。もう悪夢は絶対見たくない。  皆さん、やじっている場合ではありません。冷静に、私たち国会議員に求められている責任を厳粛に自覚しましょう。  国民が求めているのは、足の引っ張り合いではありません。しっかりと政策論をしてほしい。実のある議論こそ求められているのであります。令和の新しい時代に入って、明日の日本をどうつくるのか、建設的な議論を行う真に国民のための国会を取り戻しましょう。  こんな光景は平成の時代で終わりにしたかった。本当に残念でありますが、そのためにも、こんな常識外れの問責決議案の試みは完膚なきまでに打ち砕かなければならない、次の世代野党のこんなやり方を絶対に引き継いではならないとの断固たる決意を持って、この問責決議案を否決すべきである、そのことを強く申し上げ、私の反対討論といたします。(拍手)
  7. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 白眞勲君。    〔白眞勲君登壇、拍手〕
  8. 白眞勲

    白眞勲君 立憲民主党・民友会・希望の会の白眞勲です。  ただいま議題となりました安倍総理に対する問責決議案について、賛成の立場から討論をさせていただきます。  まず初めに申し上げたいことがあるんですけれども、六月七日の防衛大綱が議題になった総理出席の本会議において、私が再質疑を行ったことは総理も御記憶かと思います。そのとき、新たな質問だとして、それについてはお答えしようがないと総理は実質的に答弁を拒否したことについて述べたいと思います。  そもそも再質疑とは、ある項目の質問があったとして、その目的を達し得ない場合にすることが認められている議員の当然の権利であります。したがって、総理のおっしゃる基本的に質問通告されたものについてお答えをするというのは間違いです。総理がお答えになった内容の意味が不明だったから私が再質問したのであって、総理はいつも丁寧に説明するとおっしゃっているわけですから、こういう点を踏まえて総理の猛省を促したいと思います。  それでは、以下、安倍内閣総理大臣問責決議案について賛成する理由を申し述べます。  今国会召集日、安倍総理は、施政方針演説において、経済財政社会保障外交安全保障にわたり総花的な方針を示されました。しかし、どれだけ実現できたのでしょうか。また、公文書管理問題等により生じた行政に対する国民の不信感に対し、誠実に信頼回復に努めるおつもりはあったのでしょうか。  昨年に引き続き、閣僚や中央省庁国民の信頼を失墜させる事態が多発しております。しかしながら、この半年で大臣副大臣が辞任はしているものの、その内容は自分の失言がもとで、省庁の不祥事で辞めた大臣は一人もいません。誰も責任を取ろうとしようとしないではありませんか。政治責任を取ろうとしないのではないんでしょうか。だから、我々は総理問責に賛成するのであります。  では、一体どんな問題、課題があるのか列挙してみますと、森友、加計問題、厚労省の毎月勤労統計調査の不適切調査の問題、沖縄の民意を酌んでいない辺野古問題、日米貿易交渉密約疑惑、拉致問題、日ロ交渉における北方領土問題イラン訪問中のタンカー被害、韓国軍レーダー照射問題、予算委員会開催拒否、アベノミクスの失敗、景気動向悪化、消費税増税、F35爆買い問題、「いずも」型護衛艦の実質空母化、防衛省のイージス・アショア配備をめぐる調査の不手際、それに加え、またぞろ、年金二千万不足問題での財務大臣金融審議会報告書の受取拒否の正当化などなど、挙げれば切りがありません。私が幾ら早口だとしても、これだけの問題を話し出したら、とてもじゃないけど持ち時間十二分では済みません。  安倍政権は、国民政治行政への不信感や将来への不安感など、どこまで増大させるおつもりなんでしょうか。この安倍政権において起きた様々な問題点は、まさに長期政権のおごりや緩みから露呈したものと言わざるを得ません。そこに本質的な問題があるのではないでしょうか。  では、なぜこのような問題が安倍政権ではぞろぞろ雨後のタケノコのように出てくるのでしょうか。私も不思議でしようがない。最近になって、そうか、なるほどという出来事がありました。  それは、先日の党首討論の際です。総理は、金融庁は大ばか者と激怒したとの報道を問われ、私はめったに激怒しない人間として、自民党では大体こう理解されていると述べられました。めったに激怒しないということは、ごくたまに激怒するということではないですか。その方が怖いんですよ。だから、怒られる前に役人たちはそんたくするんじゃありませんか。  ちなみに、このとき、大ばか者と言ったかどうかは直接答えていないじゃありませんか。ということは、やはりこれは事実なのかと思ってしまうんですけれども。  そもそも、人間というのはいつも激怒されていると慣れてきてしまうものなのです。ところが、めったに激怒しない総理が激怒したら、あるいは、総理は別に怒っていなくても、そばにいる部下から総理は怒っているぞと言われたら、これは、役人はもちろん自民党議員も相当びびるんじゃないですか。  総理、今日、この議場に入られたときに、自民党席から万雷の拍手で迎えられましたよね。私たちは違和感を感じました。総理は御存じないかもしれませんけれども、ほかの大臣では与党の皆さん、そこまで拍手しません。ぱちぱちぱちです。さらに、やじも明らかに、総理がいらっしゃるときは、私に対するやじというよりも、むしろ総理に対してアピールするために大声でやじを飛ばしているんじゃありませんか。  これら全て、総理や官邸からにらまれたらすごく怖い、役人も与党議員も蛇ににらまれたカエル状態。だからこそ、一生懸命せっせとよいしょをする。そして、今の政権に少しでも不利だと思ったことは隠す、ごまかす、なかったことにしてしまう。予算委員会規則に書いてあったってシカトして開かない、仮に開かれたとしても出ないなどとしれっと言ってのける。森友問題では、法律に違反してまで文書改ざんをしてしまう。  さらには、内閣における法の番人と言われている法制局長官までもが、外務省出身者に替わった後、憲法解釈を変更し、集団的自衛権ができる方向にしてしまい、さらに次の法制局長官もそれに追随し、昭和四十七年の政府見解を自分たちの都合のいいようにひっくり返す答弁を平然と繰り返してしまう。歴代の法制局長官と違うと言っても聞く耳を持たない上に、野党議員質問に際してもやゆした発言をするというとんでもない暴挙までしでかす。自民党の伊吹元衆議院議長も、姿勢や態度を批判するなんてことはあり得ない、少し思い上がっているのではないかと批判しているのであります。  まさに、みんなで寄ってたかって、わっしょいわっしょい、そんたくそんたくしてしまう。それこそが安倍長期政権の本質的な弊害と言えるのではないでしょうか。  あと、憲法について、総理は参議院憲法審査会の審議時間が三分だと指摘したとのことでありますけれども、違いますよ、総理。三分ではありません。二分です。大げさに言わないでもらいたい。  総理は、議論すらしないのはどうかとされていますが、議論しないのは与党の方ですよ。こちらが衆参合わせてこのテーマで行こうと提案したって、拒否したのは与党です。自分たちの意に沿わないことをやらないという点では、予算委員会開催しないのと一緒であります。  安倍総理の通算在任日数は、伊藤博文を抜いて歴代三位となったとのことです。これ自体はすごいことでしょう。しかし、宮澤喜一元総理は、一つの党が余りにも長く政権を掌握することは人心がうむ原因となりますと述べています。まさに今の取り巻く状況がそのようになっているのではないかと私は危惧しております。  私は、かつて子供の頃から、この日本という国は、政治はだらしないけど霞が関官僚がしっかりしているのだと言われておりました。でも、現状はどうでしょうか。公正中立に仕事をしなければならない霞が関官僚が、森友問題のように公正中立が疑われるような事態、国会に呼ばれても、まともに答えず、明らかにはぐらかす答弁、つまりは、政権の方を向いて国民に背中を向けている状態です。このような明らかにうそをついている者が出世をしてしまう。彼らは強い政権与党に守られている。まさに、世界に冠たる官僚機構が今音を立てて崩れ、その組織を変貌させてしまったのであります。  逆に、自分の良心をもって政権与党の意に沿わない発言をすると、冷遇されてしまうのではないでしょうか。去年二月の文科省事務次官前川喜平氏が授業の一環で講演したことをめぐり、文科省が市教育委員会に対し、前川氏を呼んだ狙いや講演の内容を問い合わせ、挙げ句に録音データの提供まで求めていたことが発覚したのがその典型的な例です。  このような状況を日本国の未来を担う子供たちはどのように見ているのでしょうか。ああ、うそをついてもいいんだと、まねするのが心配です。さらに、先生が出した大切な書類も、僕の考え方と違うと受取拒否、あり得ないでしょう。  もちろん、与党議員官僚がみんなごますり状態ではありません。例えば、自民党のある参議院議員の方が毎日新聞インターネットに、「日本はデフレ 消費増税凍結しなければ危機」というインタビューを載せています。それを見ますと、麻生太郎副総理財務大臣は、経済のファンダメンタルはしっかりしている、雇用はしっかりしていると言うが、これも解釈が違っている、失業率は確かに下がっているが、問題は中身だと述べておられる。なかなか、この空気の中でよくここまでおっしゃったと、私は賛美を送りたいと思います。  逆に、自民党内で、今この段階で何を言うか、おまえはKYだと言われてしまうのが心配です。中国の漢の時代、劉向が編さんした説苑という故事集に逆命利君という言葉があり、要は、上の命令に唯々諾々と従っているのは本当の忠義の士ではない、むしろ言うべきことは言う人が忠義の士であるという意味だそうで、まさにそれを思い出しました。  かつて、自民党の議員からは民主党はばらばらだと言われましたが、私からは、自民党だって実はばらばらじゃないかということを言って反論したことがあります。そうしたら、その自民党議員は何とおっしゃったと思いますか。うちはばらばらじゃないんだ、多様な意見があるんだと言うわけです。その多様な意見が、今、外に出すと怖いから、みんな心の中に収めているのではないか。かつての自民党はもっとにぎやかでしたよ。この同僚議員のように、はっきりと自分の信念を出したらどうでしょうか。  安倍総理は、国会答弁において、特に経済社会保障において、民主党時代に比べてこんなに良くなった、あんなに変わったと数字を並べて胸を張っておられます。  私が言うのもなんですけど、余り生産的ではないのではないでしょうか。時の為政者は、いい数字だけを見るのではなくて、問題点がないのか真摯な態度でチェックして、国民には、このようにいい数字もありますが、逆にこの部分が問題だから、我々はこの問題点を速やかに解消すべく努力をしていきたいという謙虚さが必要だったと思いますが、いかがでしょうか。  このように、与党議員官僚も、そしてマスコミまでも上ばっかり見ているヒラメ状態、うなずくだけのイエスマンにさせてしまったのは、我々野党の力不足も原因かもしれません。こういう状態、つまり長期政権を許してしまったことに対して、私どもは国民の皆様に率直におわびを申し上げたいと思います。  逆に言えば、選挙で決着を付けようじゃありませんか。緊張感のある政治をしていこうじゃありませんか。様々な課題について議論を深めていこうじゃありませんか。  我が党は、立憲主義に基づく民主政治と、多様性を認め合い、困ったことに寄り添い、お互いさまに支え合う社会を実現する政党です。そして、全ての人に居場所と出番のある社会を目指すことをモットーとしております。  以上、安倍総理に対する問責決議案に対し、賛成の討論をいたしました。  与党の諸君におかれましては、安倍総理がお辞めになっても御心配なさらず、安心して問責決議案に賛成の票を入れていただくことをお願い申し上げて、私の討論を終わります。(拍手)
  9. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 大塚耕平君。    〔大塚耕平君登壇、拍手〕
  10. 大塚耕平

    大塚耕平君 国民民主党新緑風会大塚耕平です。  会派代表して、ただいま提案のありました内閣総理大臣安倍晋三君の問責決議案に賛成の立場から討論を行います。  初めに、先週の日本海地震で被害に遭われた皆様を始め、東日本大震災ほか、過去の災害の影響でいまだに避難生活をしている皆さんに改めてお見舞いを申し上げます。国会として全力を尽くしてまいります。  国民民主党は、結党宣言の中に、正直な政治、偏らない政治、現実的な政治を追求することを明記しました。日本の政治にその三つが足りないと実感しているゆえです。以下、その観点から賛成理由を申し述べます。  第一に、正直な政治に照らし、安倍総理、閣僚及び霞が関の言動が、昨今余りにも不正直だからです。金融審議会の老後貯蓄二千万円報告書問題は、不正直さが幾重にも積み重なった結果と言えます。  そもそも、マクロ経済スライドを導入した二〇〇四年の年金制度を百年安心と表現していることが不正直です。去る六月十日の決算委員会で総理に申し上げたように、この百年安心は、制度の安心であって国民の安心ではありません。そのことを正直に認めないから今回の事態に至ったのです。  マクロ経済スライドという用語で国民を煙に巻いていますが、平易に表現すれば、要するに、年金の資金繰りが厳しくなったときには政府国民年金受給額を引き下げることができる制度です。つまり、年金引下げ制度。だからこそ、制度が百年安心なのは当たり前。一方、それは国民の老後の安心ではないことを正直に認めるところから本当に意味のある国会の議論が成り立つのです。  それをつい正直に認めてしまった金融審議会報告書を受け取らないという暴挙。報告書を受け取るように金融担当大臣指導することが総理が本来取るべき行動です。正直な報告書を認めない、受け取らないという不正直な対応を看過したことは、それだけで問責に値します。  老後貯蓄二千万円問題に絡む金融庁の姿勢にも付言しておきます。金融担当大臣問責決議の討論において大門実紀史議員が指摘したとおり、この報告書が、家族のため、自らの老後のために貯蓄をしようとする国民に対し、金融資産への投資誘導を行おうとする意図が内在していることは私も感じていました。書いてあることは正直であっても、その目的に純粋さが欠けていたからこそ、このような騒動になったものと考えます。  後日、金融庁に、審議会委員の中に金融機関顧問等の地位にある者がいたか否かを改めて確認します。そういう委員が含まれていれば、利益誘導等の意図があったと疑われても仕方のない内容であることを指摘しておきます。  さらに、この老後貯蓄二千万円騒動の真っただ中、財務省財政制度審議会が取りまとめた建議において、原案に、将来の年金給付水準の低下が見込まれる、自助努力を促すことが重要と記されていた部分を最終案で削除したことが明らかになりました。霞が関のそんたく、隠蔽、改ざん捏造体質にはあきれるばかりです。  年金財政検証に関する不正直さも指摘しておきます。  年金財政検証の結果は既に出ていると推察します。結果は正直に公表する、事実を国民並びに国権の最高機関である国会に公開、報告し、事実を共有する、そこから民主主義は始まるのです。総理や政権の意向をそんたくさせ、霞が関が事実を隠蔽、改ざん捏造する状況を放置するようでは、とても民主主義国家の首班の座を委ねるわけにはいきません。  年金財政検証に関して、一つ指摘しておきます。  所得代替率五〇%はいずれ維持できなくなるでしょう。今回の検証でも、前提の置き方によっては既に五〇%維持は困難だと思います。どのような不正直な捏造や操作を行って五〇%維持を糊塗するのか。そのことを多くの国会議員専門家が凝視していることを忘れないでください。  少子高齢化の進展の中で公的年金制度の運営が容易でないことは、党派を問わず認識を共有しているはずです。事実を明らかにし、正直な年金改革のための議論を一刻も早く超党派で開始することを提案しておきます。  第二に、偏らない政治の観点からも、総理の政権運営は問責に値します。  特定の人、特定の組織の利益のために政治を行ったり、特定の意見だけが正しいという傲慢な姿勢で政治を行うことでは、より多くの国民の皆さんの納得を得ることはできません。ましてや、事実を隠蔽、改ざん捏造して利益誘導するようでは、不正直な上に、偏った政治を行うことになり、民主主義危機と言わざるを得ません。  国家戦略特区をめぐる不祥事が典型例です。規制緩和によって利益を得る利害関係者を検討過程に関与させ、さらに、政府の検討ワーキンググループの責任者が当該事業者から報酬をもらい、しかも、その事実を隠蔽、改ざん捏造する事態にはあきれるばかりです。  これを腐敗と言わずして何と言うのでしょうか。腐臭が漂っています。総理自身はあずかり知らない話だというのであれば、そういうやからを一掃することが民主主義国家日本の総理のあるべき姿です。  人事権を振りかざして偏った政治を行い続けていることが、官僚を劣化させています。偏った政治を行う政権の走狗となって、隠蔽、改ざん捏造に加担するそんたく官僚には、官僚としての矜持はどこに行ったのかと諫言しておきます。  今からでも遅くはありません。心ある官僚諸氏には、今回の案件のみならず、森友事件、加計学園を含む国家戦略特区等に絡む不公正な事実や対応を良心に従って速やかに明らかにすることを勧めておきます。  第三は、現実的な政治です。  イージス・アショア配備計画をめぐり防衛省調査報告書の重大な誤りが発覚した問題は、計画のずさんさを露呈しました。グーグルアースの縦横の縮尺の違いに気付かなかったというお粗末さには驚きます。初歩的ミスの背景には、初めに結論ありきの検討のため、形だけの調査でやり過ごそうとした実態がかいま見えます。  イージス・アショアの調達コストは、当初の一基八百億円から千三百四十億円に膨張し、二基で二千六百八十億円。さらに、維持運用費を加えると総額四千六百六十四億円。これに、日米共同開発の迎撃ミサイル一発四十億円、一基二十四発搭載で九百六十億円、二基で千九百二十億円、総額五千五百八十四億円。そこに更に施設建設費や土地整備費などが加算されます。  より低コストで機動力のある海上自衛隊のイージス艦を増強した方が合理的かつ現実的ではないでしょうか。何かをそんたくし、事実を隠蔽、改ざん捏造してまで非現実的な選択に固執するようでは、その責任者である総理を問責せざるを得ません。  非現実的対応は経済政策の面でも見られます。  異常な金融緩和を柱としたアベノミクス。二年で日銀のマネタリーベースを二倍にし、物価上昇率を二%にすれば全てが好転するとして、合理的根拠のない政策を日銀総裁と共に強行して六年。既にマネタリーベースは四倍を超え、日銀が大量の国債やETFを保有する異常な事態に至っています。  そこまでやっても、安倍政権下の経済の現実は、自ら行った、前回、二〇一四年の年金財政検証の標準シナリオである物価上昇率一・二%、実質賃金上昇率一・三%に遠く及ばず、物価上昇率は〇・九%、実質賃金上昇率はマイナス〇・六%にとどまっています。  非現実的な政策を行ったてん末としてのこの現実。今や現実的な出口戦略は見出せず、後世、総理と日銀総裁が糾弾される事態とならないことを祈るばかりです。  総理は、第一次政権発足以前から戦後レジームの脱却をうたい、二〇一三年の通常国会施政方針演説戦後レジームを原点に遡って大胆に見直すと発言しました。戦後レジームの意味するところは、日本の降伏後、GHQ占領下で構築された体制のことを意味するのが一般的です。総理はその文脈で改憲に固執しているようですが、戦後レジーム脱却を目指すならば、もっと別のことに執着していただきたいと思います。  第一に、対等な日米関係に程遠い日米地位協定の見直し。昨年末に公表した国民民主党地位協定改定案と軌を一にして、今年一月、駐留米軍にも国内法を適用する姿勢を示したことは一歩前進です。しかし、依然として実態は変わりません。  第二に、北方四島の返還。三月六日の予算委員会で、総理が北方四島を固有の領土と表現しなくなったことには驚愕しました。  第三に、三月十日の財政金融委員会で指摘したとおり、GHQの命令皇籍離脱となった旧宮家問題への対応です。  歴代最長任期をうかがう長期政権になったにもかかわらず、戦後レジームを脱却するどころか固定化し、不正直で偏った非現実的な政策を続ける総理には、問責をもっていさめるしかありません。  総理の姿勢は、政権や霞が関に憂慮すべき体質を生み出しています。  戦前戦後代表する社会学者、丸山眞男氏は、戦前の政府、軍関係者には、上級者の考えを過度にそんたくする傾向が浸透し、上級者が言ったことだからいい、上級者の命令だから仕方ないという論理、個人責任を棚上げする心理が形成され、そのことが戦争を招いた一因になったと分析しています。しかも、当事者にはその自覚症状がなく、責任意識が希薄であったと指摘し、丸山氏はこれを無責任の体系と呼びました。  戦後代表する評論家山本七平氏も、空気の論理という概念日本社会の体質を憂慮しました。異論を唱えることをちゅうちょし、空気に流されてそんたくすることを意味します。  総理の政権運営姿勢が無責任の体系や空気の論理をほうふつとさせる状況を強めていることを指摘し、私の賛成討論とさせていただきます。(拍手)
  11. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 山下芳生君。    〔山下芳生君登壇、拍手〕
  12. 山下芳生

    山下芳生君 私は、日本共産党代表して、安倍総理問責決議案に賛成の立場から討論します。  賛成理由の第一は、安倍総理には、主権者である国民の声に真摯に耳を傾ける姿勢が一切なく、ただただ数の力で、国民の切実な願いを踏みにじり、悪政を強行するばかりだからであります。  その典型は沖縄です。安倍総理の任期中に、沖縄県民は、翁長雄志知事が誕生した知事選挙、オール沖縄勢力が圧勝した国政選挙玉城デニー知事が誕生した知事選挙、そして辺野古埋立て反対が七割を超えた県民投票など、繰り返し繰り返し辺野古新基地建設ノーの圧倒的民意を示し続けてきました。ところが、総理は、口では沖縄県民の心に寄り添うと言いながら、ジュゴンとサンゴのちゅら海に土砂を投入し続けています。  総理の行いは、沖縄に対する強権であるとともに、この国の民主主義地方自治を土砂で埋め立てるものにほかなりません。  過労死の悲劇を繰り返さない、過労死遺族に直接そう誓った安倍総理がその翌年に強行したのは、過労死水準の時間外労働を合法化し、残業代ゼロ制度を導入することでありました。  労働時間規制を撤廃する残業代ゼロ制度は、間違いなく過労死を増大させ、地獄の苦しみを味わう遺族を増大させる、これだけはやめてほしいと炎天下で座り込み、遺影を抱いて傍聴する過労死家族の会の目の前でこの悪法を強行したことは、万死に値すると言わなければなりません。  こうして国民の声に耳を傾けない安倍総理が、森友事件や加計疑惑など、自らと妻の友人や知人の声には敏感で、その結果、行政の在り方、税金の使い方がゆがめられ、あろうことか、公文書改ざんされるという歴史犯罪行為が行われたにもかかわらず、自ら進んで真相を解明し国民に説明することに背を向け続ける態度には、同じ政治家として怒りとともに恥ずかしさすら感じるものであります。  こうした総理の姿勢が問責に値するのは余りにも当然と言わなければなりません。  賛成理由の第二は、安倍総理が、憲法を最も尊重し擁護しなければならない立場にありながら、それに反し、立憲主義破壊し続けているからであります。  秘密保護法、安保法制、共謀罪法、安倍政権が強行したこれらの法律は、憲法によって保障されるべき人権民主主義平和主義と根本的に矛盾し、それらを破壊するものであります。だからこそ、歴代の自民党政権ですらその一線を越えることはできませんでした。中曽根総理も小泉総理も、憲法九条の下では集団的自衛権の行使はできないと国会で繰り返し答弁してきたのです。  ところが、安倍総理は、一片の閣議決定で歴代政権の憲法解釈を覆し、現行憲法下での集団的自衛権の行使を容認し、続いて、憲法学者がそろって違憲と断定した安保法制、戦争法を数の力で強行いたしました。歴史に深く刻まれるべき暴挙中の暴挙と言わなければなりません。  さらに、違憲安保法制を強行した安倍総理は、最新鋭ステルス戦闘機F35を新たに百五機購入し、「いずも」型護衛艦を改修してF35が搭載できるよう空母化するなど、海外戦争する国づくりの具体化を図っています。こうした動きについて、来日したトランプ米大統領は、様々な地域紛争、また離れた地域紛争にも対応してくれることになると述べ、海外における紛争への参戦にあからさまな期待を表明したのであります。  そして、総理は今、憲法九条の明文改憲に突き進もうと躍起になっています。最も憲法を守らなければならない総理自身が改憲の旗振り役を演じる、これほどの立憲主義じゅうりんはありません。  保守を自認する政治学者の中島岳志氏は、保守の立場の立憲主義は、基本的に国民権力を縛っていて、この国民の中には死者が含まれていると考えると述べています。憲法九条には、日本が起こした戦争によって犠牲となった内外の死者の無念、残された者の平和への願いが刻まれています。憲法九条を改変し、死者の縛りを解いて、海外での無制限の武力行使に道を開こうとする安倍総理は、もはや保守とは言えないと断ぜざるを得ません。  賛成理由の第三は、安倍総理が、国民の多くが感じている暮らしの不安、将来不安、老後の不安を解決する展望を一切示さないばかりか、深刻な問題を直視することすらせず、国民から明日への希望を奪い、不安を増大させているからであります。  どの世論調査でも、十月からの消費税一〇%への増税に反対する国民が多数となっています。当然です。安倍政権下で行われた五年前の増税によってもたらされた家計消費の落ち込みは、いまだ回復しておりません。さらに、世界経済の悪化も加わって、政府自身が景気悪化の可能性を否定できなくなりました。  私は、三月、安倍総理に、今、消費税を一〇%に増税することは、坂道を下り始めた人の背中を後ろから蹴飛ばすようなもので、国民の暮らしも経済も谷底に転がり落ちることになる、警告をいたしました。その後、萩生田自民党幹事長代行は、消費税増税に関わって、崖に向かってみんなを連れていくわけにはいかないと発言しました。谷底も崖も同じではありませんか。  暮らしと経済に大打撃を与える十月からの消費税一〇%への増税は、今からでも中止すべきであります。にもかかわらず、安倍総理が、経団連など財界の要望のままに消費税増税を前提にした骨太方針を閣議決定したことは重大であります。  老後の暮らしは、年金だけでは月五万五千円不足する、三十年で二千万円貯蓄が必要と正直に認めた金融庁の報告書に、多くの国民が不安を強めています。  今政治がやるべきは、報告書を受け取らない、なかったことにすることではありません。どうすれば安心できる年金制度をつくることができるのか、真剣に考え、国民に提示することであります。  我が党は、その立場から、年金給付を減らし続ける仕組み、マクロ経済スライドを廃止し、減らない年金をつくることを提案しております。そのために、一つ、高額所得者の保険料を見直し一兆円規模で年金財政収入を増やす、二つ、巨額の年金積立金を年金給付に活用する、三つ、賃上げと正社員化を進めて保険収入加入者を増やすという改革を提案しております。  ところが、安倍総理は、党首討論で、我が党の志位委員長がマクロ経済スライドを廃止し減らない年金をつくる具体的提案をしたにもかかわらず、ばかげた案だなどと批判するだけで、安心できる年金制度をどうつくるかについて一切語ることはできませんでした。  それどころか、総理はその後、出演した民放テレビ番組で、マクロ経済スライド廃止の提案に言及し、やめてしまってそれを保障するには七兆円の財源が必要ですと発言をしたのであります。重大発言です。年金給付を自動的に削減するマクロ経済スライドが完全実施されたなら、年金給付は七兆円も削減されると安倍総理自身が明らかにしたのであります。  国民の不安を直視せず、不安を解決する具体的提案をただ批判するだけで、自らは何ら解決の展望を示さない、結果として不安をより増大させている総理に、国民の将来を託すことは断じてできません。  以上、国民の声を聞かず、立憲主義破壊し、国民の明日への希望を奪う安倍総理の責任は極めて重大であり、国民代表する本院が問責決議を可決することは当然であります。  この間、野党四党一会派の党首は、市民連合との間で共通政策合意しました。そこには、安保法制や共謀罪など立憲主義に反する諸法律を廃止する、憲法九条改定に反対する、辺野古新基地建設を中止し普天間基地の撤去を進める、再稼働を認めず原発ゼロを目指す、そして、十月に予定されている消費税率引上げを中止し税制の公平化を図るなど、十三項目の政策が明記されております。ここにこそ希望があると言わなければなりません。  日本共産党は、来る参議院選挙において、市民野党の共闘で安倍政治を終わらせるとともに、国民の願いの実現とぶつかる、財界中心、アメリカ言いなりという政治の二つのゆがみを正すために全力を尽くす決意を表明し、賛成討論といたします。(拍手)
  13. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) これにて討論は終局いたしました。     ─────────────
  14. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) これより採決をいたします。  相原久美子君外七十名より、表決は記名投票をもって行いたいとの要求が提出されております。  現在の出席議員の五分の一以上に達しているものと認めます。  よって、表決は記名投票をもって行います。本決議案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、投票を願います。  議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。    〔議場閉鎖〕    〔参事氏名を点呼〕    〔投票執行〕
  15. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。    〔投票箱閉鎖〕
  16. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。    〔議場開鎖〕    〔参事投票を計算〕
  17. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数        二百三十五票     白色票           七十二票     青色票          百六十三票    よって、本決議案は否決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕     ─────────────
  18. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 本日はこれにて散会いたします。    午後二時十七分散会