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2019-06-19 第198回国会 参議院 本会議 27号 公式Web版

  1. 令和元年六月十九日(水曜日)    午前十時十六分開議     ━━━━━━━━━━━━━ ○議事日程 第二十七号   令和元年六月十九日    午前十時開議  第一 私的独占禁止及び公正取引の確保に関   する法律の一部を改正する法律案内閣提出   、衆議院送付)  第二 法科大学院教育司法試験等との連携   等に関する法律等の一部を改正する法律案(   内閣提出、衆議院送付)  第三 視覚障害者等の読書環境の整備の推進に   関する法律案(文教科学委員長提出)  第四 児童虐待防止対策の強化を図るための児   童福祉法等の一部を改正する法律案内閣提   出、衆議院送付)     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  議事日程のとおり      ─────・─────
  2. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) これより会議を開きます。  日程第一 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。経済産業委員長浜野喜史君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕     ─────────────    〔浜野喜史君登壇、拍手〕
  3. 浜野喜史

    浜野喜史君 ただいま議題となりました法律案につきまして、経済産業委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案は、公正取引委員会の機能を強化し、不当な取引制限等の一層の抑止を図るため、新たに事業者が公正取引委員会との合意により事件の解明に資する資料の提出等をした場合に課徴金の額を減額することができる制度を設けるとともに、課徴金の算定方法について算定基礎額の追加、算定期間の延長等を行うほか、検査妨害等の罪に対する罰金の上限額の引上げ等の措置を講じようとするものであります。  委員会におきましては、参考人から意見を聴取するとともに、課徴金制度の見直しの意義及びその効果、新たな課徴金減免制度における事業者の調査協力度合いに係る明確な評価方法等の必要性、いわゆる弁護士・依頼者間秘匿特権の対象範囲及びその運用の在り方等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終了し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本法律案に対し附帯決議を行いました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  4. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕
  5. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕
  6. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百二十一     賛成           二百二十一     反対               〇    よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕      ─────・─────
  7. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 日程第二 法科大学院教育司法試験等との連携等に関する法律等の一部を改正する法律案内閣提出、衆議院送付)  日程第三 視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律案(文教科学委員長提出)  以上両案を一括して議題といたします。  まず、委員長の報告及び趣旨説明を求めます。文教科学委員長上野通子君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕     ─────────────    〔上野通子君登壇、拍手〕
  8. 上野通子

    上野通子君 ただいま議題となりました両法律案のうち、まず、法科大学院教育司法試験等との連携等に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、文教科学委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案は、法曹養成プロセスの中核である法科大学院における教育の充実を図り、高度な専門的能力及び優れた資質を有する法曹となる人材の確保を推進するため、法科大学院法学部等との連携に関する制度の創設、法科大学院在学中に所定の要件を満たした者に対する司法試験受験資格の付与等の措置を講じようとするものであります。  委員会におきましては、参考人から意見を聴取するとともに、法科大学院法学部等との連携の在り方、法改正に係る検討の経緯、司法試験予備試験の在り方を見直す必要性等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。  質疑を終局し、討論に入りましたところ、国民民主党新緑風会の山本委員、日本維新の会希望の党の松沢委員、日本共産党の山添委員より、それぞれ反対の意見が述べられました。  討論を終わり、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律案につきまして、文教科学委員会代表して、提案の趣旨及び主な内容を御説明申し上げます。  本法律案は、障害の有無にかかわらず全ての国民がひとしく読書を通じて文字・活字文化の恵沢を享受することができる社会の実現に寄与するため、視覚障害者等の読書環境の整備を総合的かつ計画的に推進しようとするものであり、その主な内容は次のとおりであります。  第一に、視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する基本理念を定めるとともに、国及び地方公共団体の責務を明らかにしております。  第二に、文部科学大臣及び厚生労働大臣は、施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、基本計画を定めなければならないとしております。  第三に、基本的施策として、国及び地方公共団体は、視覚障害者等による図書館の利用に係る体制の整備、インターネットを利用したサービスの提供体制の強化等の必要な施策を講ずるものとしております。  第四に、国は、当事者である視覚障害者等も含めた関係者による協議の場を設けること等としております。  以上が本法律案の趣旨及び主な内容であります。  なお、本法律案文教科学委員会において全会一致をもって委員会提出の法律案とすることに決定したものであります。  何とぞ速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。(拍手)     ─────────────
  9. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) これより採決をいたします。  まず、法科大学院教育司法試験等との連携等に関する法律等の一部を改正する法律案の採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕
  10. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕
  11. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百二十一     賛成            百三十四     反対             八十七    よって、本案は可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕     ─────────────
  12. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 次に、視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律案の採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕
  13. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕
  14. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数          二百十九     賛成            二百十九     反対               〇    よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕      ─────・─────
  15. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 日程第四 児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律案内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。厚生労働委員長石田昌宏君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕     ─────────────    〔石田昌宏君登壇、拍手〕
  16. 石田昌宏

    石田昌宏君 ただいま議題となりました法律案につきまして、厚生労働委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案は、児童虐待防止対策の強化を図るため、親権者等による体罰禁止児童相談所への医師保健師等の専門職の配置、児童相談所の管轄区域に係る参酌基準の創設、児童虐待を受けた児童保護等のために協力すべき関係機関の明確化等の措置を講じようとするものであります。  なお、衆議院において、児童虐待を受けた児童が移転した場合の児童相談所長による情報の提供、児童虐待を行った保護者に対する医学的又は心理学的知見に基づく指導等に係る規定の新設等の修正が行われております。  委員会におきましては、参考人から意見を聴取するとともに、児童相談所及び市町村の体制強化、児童相談所の設置促進、関係機関間の連携方策、児童虐待防止のための保護者への支援等について、安倍内閣総理大臣にも出席を求め質疑を行いましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  17. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 本案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。宮沢由佳君。    〔宮沢由佳君登壇、拍手〕
  18. 宮沢由佳

    ○宮沢由佳君 立憲民主党・民友会・希望の会の宮沢由佳です。  私は、会派代表し、ただいま議題となりました児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律案について、賛成の立場から討論を行います。  冒頭、昨夜、山形県沖で発生した強い地震に関して、けがを負われた方々、被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。  私たち立憲民主党は、昨夜直ちに地震対策情報連絡室を党本部に立ち上げ、関係県連、関係議員情報収集と必要な災害対応を取るよう要請しました。被災状況の確認や今後の対策、対応について、政府、関係自治体及び関係機関と連携協力してまいります。  それでは、討論に入りますが、その前に、今、国会で異常な事態が起こっていることについて一言申し上げなければなりません。  老後、夫婦三十年で二千万円不足するとした金融庁の報告書や米国との貿易交渉などなど、国民にとって大変重要な問題を審議するべく……(発言する者多し)
  19. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) お静かに願います。
  20. 宮沢由佳

    ○宮沢由佳君(続) 私たちは、参議院規則にのっとって、四月十二日からずっと予算委員会開催を求めています。しかし、本日までの六十八日間、与党の皆さんの審議拒否が続いています。良識の府参議院予算委員会で正々堂々と国の重要問題を議論しましょう。会期末も迫っています。予算委員会開催を強く要求します。  さて、本法律案の討論に入る前に、もう一言申し上げたいことがございます。  それは、昨年三月に目黒区で起きた、五歳の女の子が虐待で亡くなる大変痛ましい事件がございました。私たち、どうにかして幼い命を救えなかったのか、深い悲しみと憤りを感じました。  私たち立憲民主党はすぐに行動に移しました。そして、昨年、児童相談所、警察など関係機関の連携強化や児童福祉司の増員を盛り込んだ児童相談所緊急強化法案を国会に提出しました。このとき国会で審議いただけていれば、尊い幼い命が失われた千葉県野田市の事件や、児童相談所と関係機関の連携が行われなかった札幌の事件について防ぐことができたかもしれません。悔やまれます。  本法律案によって、二度とこれまでのような虐待が繰り返されず、子供たちが笑顔で夢を語れる社会を、国会議員各位、そして国民の皆様と実現していきたいと思います。  それでは、本法律案に対する賛成の理由を申し上げます。  賛成の理由の第一は、本法律案に関して、衆議院において、私たちの主張を踏まえた修正がなされたことです。  その一つは、児童虐待を受けた児童が移転した場合の児童相談所長による情報の提供等が明記されたことです。転居前後において必要な支援が切れ目なく行われることにより、関係機関間の連携を担保し、要保護児童の動向を細かく行政機関等が把握できます。  また、その二つ目は、都道府県知事又は児童相談所長は、児童虐待を行った保護者に対する医学的又は心理学的知見に基づく指導を行う努力義務規定を盛り込んだことです。児童虐待の行為は絶対に許せませんが、児童虐待を行った親権者にも、虐待を行う原因を分析し、虐待行為をやめ、立ち直る機会を得る必要があると思います。笑顔を取り戻し、家族が団らんできる、お互いの個性を尊重し合う家庭を築く権利があると思います。専門家らによる指導等が行われることによって虐待の再発を防ぐには、本来は私たちが主張したように義務化すべきと思いますが、義務化したものと同様の運用が行われることを期待しています。  賛成の理由の第二は、親権者児童福祉施設の長等は、児童のしつけ等に際して体罰を加えてはならないこととした点です。  これまで体罰の禁止は学校教育法第十一条に規定されているだけでした。そもそも、日本が批准している児童の権利に関する条約第十九条には、「締約国は、児童が父母、法定保護者又は児童を監護する他の者による監護を受けている間において、あらゆる形態の身体的若しくは精神的な暴力、傷害若しくは虐待、放置若しくは怠慢な取扱い、不当な取扱い又は搾取(性的虐待を含む。)からその児童を保護するためすべての適当な立法上、行政上、社会上及び教育上の措置をとる。」とされています。そのため、国連子どもの権利委員会も、日本に体罰禁止規定の創設を勧告していました。今回、親権者等による体罰禁止が明文化されたことは、かなりの前進だと思います。  賛成の理由の第三は、配偶者暴力相談支援センター等の関係機関間の連携協力が盛り込まれた点です。  これまで配偶者暴力と児童虐待を分けて考えるような対応がなされてきた場合もあったと思います。もちろん、これまでも連携を図り努力されてきた関係機関もあると存じます。  内閣府の平成二十九年度調査、男女間における暴力に関する調査報告書によると、配偶者から被害を受けたことがある家庭の二一・四%は子供への被害も見られる結果となっています。  本法律案によって、婦人相談所及び配偶者暴力相談支援センターの職員は児童虐待の早期発見を努めること、児童相談所は配偶者暴力被害者保護のために配偶者暴力相談支援センターと連携協力する努力義務が規定されたことは、配偶者暴力と児童虐待を早期に発見する手段が増えたことと高く評価します。  私たち議員が、大人が、様々な手を尽くしても、全ての虐待をなくすにはまだまだ足りないところがございます。  「子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について」第十四次報告によると、平成二十八年四月から平成二十九年三月までの一年間で、心中以外の虐待死が四十九名でした。一週間に一人、幼い子供の命が虐待によって失われている現実があります。  私は、本法律案は一歩前進として評価していますが、現場の声を聞きながら、命を守るために不断の努力を続けなければなりません。  以下、私が今後も努力を続けなければならないと思われる点を申し上げます。  まずは、子供の立場から、三点申し上げたいと思います。  一つ目は、子供がアクセスしやすい相談体制の整備を図ることです。二つ目は、チャイルド・デス・レビューの導入、そして三つ目は、第三者を含む体罰の全面禁止です。体罰の影響は、当人だけでなく、周りにいる子供たちにとっても大変な衝撃になります。  次に、親の立場から、虐待を未然に防ぐために孤立をさせないことが大切だと思います。  そのために、家庭全体を支援の対象とし、対象者に寄り添う体制づくりや、社会参加を促す施策が大切です。また、気軽に相談できる、地域で声を掛け合うことなどを通じて、孤立している親や子育てに悩んでいる親が助けてくださいと言える、言うことが権利であると認識している社会、環境づくりが必要であると思います。  二〇一二年度の民間研究所の試算によると、子供虐待によって生じる社会的な経費や損失は、虐待に対応する児童相談所などの経費や虐待の影響が長期的にもたらす生産性の低下なども含めて、年間約一兆六千億円との数字もございます。虐待は、長期的な視野で対策を立てる必要があります。  本法律案によって、関係機関間の連携が図られることになります。しかし、子供たちが虐待を受けているサインを発しているのを大人が見逃すことがないよう、もっと幅広く児童虐待防止のためのネットワークを構築すべきです。フードバンクや子育て支援センター歯科医師社会福祉士精神保健福祉士などにも協力を求め、連携し、地域で虐待を防ぐ体制をつくる必要があります。  虐待のない社会を実現するために、共に努力を続けることをお願い申し上げ、私からの賛成討論といたします。  ありがとうございました。(拍手)
  21. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 木戸口英司君。    〔木戸口英司君登壇、拍手〕
  22. 木戸口英司

    ○木戸口英司君 国民民主党新緑風会の木戸口英司です。  私は、会派を代表して、ただいま議題となりました児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律案について、賛成の立場から討論を行います。  昨晩、山形県沖で強い地震が発生し、新潟県では震度六強となりました。被害に遭われた皆様にお見舞いを申し上げます。  余震も懸念されます。政府には、各自治体と連携し、情報収集と提供に努め、的確な対応を求めます。  通常国会は終盤を迎えていますが、審議すべき課題は尽きません。  国家戦略特区法については、審査をめぐる関係者の癒着が疑われる中、審査の過程をも隠蔽していた事実が発覚しました。  老後資金は年金だけでは足りず、二千万円が必要とした金融庁の審議会の報告書において、年金百年安心プランが大きく揺らいでいます。しかし、安倍政権は、選挙に不利で不都合な真実と捉えたからでしょう、報告書を必死になって、ないものとしようとしています。  安倍総理がイランで首脳会談を行っている間に、何者かにホルムズ海峡で日本の商社が運航するタンカーが攻撃されました。  沖縄県民が反対の民意を示し、軟弱地盤の問題が発覚した今でも、政府は辺野古の埋立てを強硬に続けています。  イージス・アショアの配備候補地選定に係る報告書も大問題です。  経済情勢の悪化と消費税引上げ、対北朝鮮での方針転換、閣僚の度重なる失言、米国との貿易交渉など、ほかにも課題は山積みです。  野党は予算委員会の開催を何度も繰り返し求めてきましたが、与党は審議拒否を続け、説明責任を放棄してきました。争点を隠蔽すれば選挙に勝てる、選挙に勝てばまた好き勝手にやればいいと言わんばかりの態度です。国民の皆様には、おごれる安倍政権に対し、来る参議院選で厳しい審判を下していただきたいと思います。  またしても幼い命が犠牲になりました。本法案が参議院で審議入りした今月五日、札幌市で二歳の池田詩梨ちゃんが衰弱死するという痛ましい事件が起こり、母親と交際相手が傷害容疑で逮捕されました。  昨年三月、東京都目黒区において、五歳の女の子が虐待により亡くなるという事件が発生しました。この事件を受けて、昨年、我々野党は、児童虐待防止対策を強化する法案を衆議院に提出しました。しかし、今年の一月には、千葉県野田市で小学四年生の女の子が虐待により亡くなるという新たな事件が起こってしまいました。悲劇を繰り返さないとの思いで、今国会に改めて野党五会派共同で、更に内容を充実させた法案を衆議院に提出しました。  そして、衆議院において野党案の内容が多く盛り込まれる形で本法案の修正がなされ、参議院においても、委員会において全会一致をもって可決すべきものとされました。児童虐待という待ったなしの問題の解決に向けて、与野党一丸となって取り組むことの決意が表れたものと考えます。  しかし、野党案に盛り込んでいた内容の中にも、残念ながら修正協議において合意に至らなかった部分もありました。そこで、本法案の足らざる部分について指摘したいと思います。  まずは、児童福祉司の増員について、野党案のように、明確な数値を法律に明記することができなかったことです。  本会議における国民民主党の伊藤孝恵議員の質問に対し、安倍総理は、児童福祉司の増員については機動的な対応が必要である旨答弁しています。しかし、機動的な対応では曖昧が過ぎます。  我々国民民主党は、各児童相談所に政府のプランよりプラス一名の児童福祉司を増員することを政策として掲げています。政府には、プランに基づいて着実に増員が図られるよう強く求めます。  また、体罰の禁止について、我が国が批准して今年で二十五年となる児童の権利条約には、あらゆる形態の身体的若しくは精神的な暴力から子供を保護するための立法等を締約国に求めており、これまでも我が国において体罰禁止の法定化が検討されてきました。本法案に明確に盛り込まれたことは一定の評価ができます。  しかし、そもそも本法案で禁止される体罰とは何か、今後、厚生労働省においてガイドラインが示されることになります。子供の権利を擁護するという観点から、適切な体罰の規定の在り方について、今後の検討を注視したいと考えます。  また、民法の懲戒権についても、野党案では早急に検討を加えることとしており、本法案では施行後二年を目途に検討するとしています。明日、法制審議会に諮問されることが決まっておりますが、精力的な議論を望みたいと思います。  さらに、中核市及び特別区における児童相談所の設置についても、野党案では必置としておりましたが、本法案は検討規定に盛り込まれているにすぎません。設置を義務化すべきではなかったでしょうか。  児童相談所の設置に際して必要となる人員、予算を国が十分に確保するなど、中核市特別区に大きな負担を強いることのないよう、スピーディーに対応していく必要があると考えます。  次に、児童虐待をしてしまった保護者に対する再発防止のための支援プログラムについてです。  修正案によって、保護者支援プログラムが医学的又は心理学的知見に基づく指導という形で盛り込まれました。一歩前進と評価したいと思いますが、努力義務とされた点は不十分と言わざるを得ません。  深刻なケースについては支援プログラムを必ず受けていただく環境を整備することは必須であると考え、我々の案では、保護者の意に反して児童の施設入所等の措置がとられている場合は支援プログラムの実施を義務付けておりました。保護者支援が各自治体において確実に行われるよう、先進的な取組を行っている民間団体の協力も得ながら、政府として切れ目なく強力に支援していくべきです。  そして、DV対策についてです。  衆議院における修正により、通報の対象となるDVの形態等の範囲の拡大、DV加害者地域社会における更生のための指導などの項目が検討規定として追加され、当初の政府案と比べれば前進した内容となっております。  しかし、野党案では、配偶者暴力被害者を発見した際の通報の義務化など、より具体的な内容を盛り込んでいました。DV対策をより実効性あるものとし、同時に児童虐待防止につなげていくためにも、もう何歩も踏み込んだ内容の法案とすべきであったと考えます。  今後の運用や検討において、政府には一層魂のこもった政策を求めたいと考えます。  例えば、政府が行った三つの緊急調査についてです。  六月七日までに国に対して報告することとなっていた児童相談所において在宅指導している虐待ケースの緊急安全確認の再フォローアップ結果や、虐待が疑われるケースに係る学校・教育委員会等における緊急点検の再フォローアップ結果は、既に報告が上がってきているにもかかわらず、分析中であることを理由に、まだ結果が公表できないということが委員会で明らかとなりました。乳幼児健診未受診者等緊急把握調査の再フォローアップに至っては、六十一人の児童の安否の結果になぜこれほど時間が掛かるのでしょうか。子供の命が懸かったまさに緊急の調査であるにもかかわらず、法案審査中に公表されない理由は何なのでしょうか。  また、これらの緊急調査は、表面化していない虐待事案を洗い出す目的で行われたと推測されますが、札幌市の事件で亡くなった池田詩梨ちゃんは、このいずれの調査においても調査対象とされていなかったのです。こうした事態を防ぐためには、全国規模のデータベースを作成して、どのような児童が虐待のリスクが高いのかを分析できるようにすべきではないでしょうか。  さらに、根本的な解決を目指すためにも、児童虐待の予防とアフターケアの重要性についても指摘しておきたいと思います。  一時保護された後のケアについては、措置延長や里親委託等の取組があります。委員会に出席した参考人が述べていたように、児童福祉法にアフターケアは国の責務であると明記すべきではないでしょうか。また、予防のためにも、身近な市町村で寄り添い型の支援を行うことが必要ではないでしょうか。  どうか政府には、悲劇を繰り返さないという社会的要請に的確に応えるべく、野党提案の法案の趣旨も酌み取り、対策の着実な実施を要望いたします。  我々の思いは一つです。子供たち一人一人の命を守っていくためにも、本法案はあくまで第一歩とし、今後、政策内容を不断に見直し、更に取組を強化していくよう政府には強く求めます。  我々国民民主党は、基本政策としてチルドレンファーストを掲げています。今後も、子供の命を守り、子供がより安心し、希望を持って暮らすことのできる社会を実現していく、そのことをお約束申し上げ、私の賛成討論といたします。(拍手)
  23. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 東徹君。    〔東徹君登壇、拍手〕
  24. 東徹

    ○東徹君 日本維新の会・希望の党の東徹でございます。  私は、会派を代表して、児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律案について、賛成の立場から討論いたします。  まず、昨晩発生しました新潟県、山形県を中心とする最大震度六強の地震によって被災された方々にお見舞いを申し上げます。  政府におかれましては、自治体と協力し、被災状況の把握と復旧に向けた取組を進めていただきたいと思います。  それでは、討論に入らせていただきます。  これまで児童虐待をなくすため様々な対策が行われてきましたが、残念ながら、児童虐待によって命を奪われてしまう子供たちが後を絶えません。日々目にする事件報道の中で、子供の命が奪われることほど悲しく、つらくなるものはありません。ましてや、虐待によって子供の命が絶たれることは、その子にとって地獄のような日々であっただろうと想像すると、耐えられません。このような悲しい事件がこれ以上起こらないためにも、親や家族だけでなく、社会全体で児童虐待死亡ゼロに向けて取り組んでいかなければなりません。  是非、安倍総理には、介護離職ゼロだけでなく児童虐待死亡ゼロを宣言していただき、全力でその目標に向かって努力していただきたいと思います。  もちろん、国が全ての虐待に対応できるわけではなく、国でしかできないことは何か、国と都道府県、市町村との役割分担を見直していくことが大切です。  今回の法案はそのための第一歩になるものではありますが、残された課題も多くあります。  まず、児童相談所が抱える案件が多過ぎます。これでは一つ一つの案件に丁寧に対応することはできません。  児童相談所と市町村の役割分担を明確化し、児童相談所は子供の命の危険があるような重大な事案に集中させるべきです。継続的な見守りが必要な軽微な事案につきましては、市町村にお願いするべきです。市町村への移送は既に制度化されていますが、市町村の体制の整備を促し、現状、十分に活用されていない移送の制度を効果的なものにしなければなりません。  そして、それと同時に、児童相談所の数を増やしていくべきです。  例えば、大阪市では、松井市長が、増え続ける児童虐待相談に対応するため、市内三か所目の児童相談所を再来年開設することに加え、さらに、四か所目を設置する方針を明らかにしました。  しかしながら、児童相談所を新設しようとしても、地方交付税では費用の二分の一しか措置されず、国の支援は不十分です。これでは児童相談所を増やそうという自治体の動きにはつながりません。一時保護所の設置についても同様の状況であり、国は地方自治体への積極的な支援を実施するべきです。  児童相談所を増やす際には、そのための人員を確保することが必要です。児童福祉司の約四割が勤務三年未満であり、数少ないベテラン児童福祉司の経験と知識は貴重です。ベテランがモチベーション高く働き、若手の育成にも力を入れてもらえるような仕組みが必要です。  そして、ベテランの不足を補うためにも、既に三重県で取り組んでいるAIの活用を全国展開していくべきです。三重県では、県内の児童相談所で蓄積した過去六千件の情報をAIに学ばせ、一時保護の必要性や将来的な再発率などをAIが判断できるようにしようとしています。AIの精度が上がれば、人間の見落としや判断ミスを減らし、業務を的確に行っていく上で大きなサポートとなることが期待されます。  また、東京都目黒区や千葉県野田市で生じた虐待事案を反省し、親の転居前と転居後の児童相談所間の連携を強化することは当然です。しかし、そもそも虐待が疑われる親が転居した場合に、転居の事実をどのように迅速に把握するのかといった問題はいまだ残っています。今年の緊急安全確認におきましても、十五人の子供たちが所在不明です。親の携帯電話による位置情報の活用など、子供の命を救うために何ができるのか、真剣に検討されなければなりません。  さらには、今年二月に行われた緊急安全確認とそのフォローアップによっても、いまだ安全確認されていない児童が四百三十八人もいます。いつまでに安全を確認するのか、委員会で質問しても、厚生労働省の答弁ははっきりしません。子供の命を守るためにも、一刻も早い対応が必要です。  これらのほかにも、児童相談所と警察の情報共有の在り方など、たくさん残された課題があります。  国においては、引き続き様々な課題について検討し、早急に必要な対策を講じていただくことを求め、賛成の討論といたします。  ありがとうございました。(拍手)
  25. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 倉林明子君。    〔倉林明子君登壇、拍手〕
  26. 倉林明子

    倉林明子君 日本共産党倉林明子です。  日本共産党代表し、児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律案について、賛成の討論を行います。  本法案が親権者による体罰禁止を明文化したことは重要です。  子どもの権利委員会は、体罰を、どんなに軽いものであっても、有形力が用いられ、かつ、何らかの苦痛又は不快感、屈辱感を引き起こすことを意図した罰と規定し、子供をけなし、辱め、侮辱し、身代わりに仕立て上げ、脅迫し、怖がらせ、又は笑い物にすることを意図した罰が含まれるとしており、その水準での実施が求められます。  厚労省が今後示すガイドラインでは、あらゆる場面での体罰、その他品位を傷つける行為を禁止することを明示するとともに、懲戒権の早期廃止を求めるものです。  同時に、法改正の議論が進む中で、しつけとの区別に悩み、子育ての新たなプレッシャーとなっているのも事実です。家族のみの問題にせず、子育てを社会が支えることが重要であり、たたかない、どならない子育てができるよう、情報提供や手厚いサポート体制の整備が必要です。  厚生労働委員会では、参考人から、児童虐待の通報件数が増加を続ける中で、児相に負荷が掛かり、正常な業務ができなくなっているとの指摘がありました。重く受け止める必要があります。  この間、児童福祉司の定数は徐々に増やされてきたものの、一人当たり百数十ケースを抱え、日々新たな相談や初期対応、政府から要請される緊急対策に追われています。過酷な日々に疲弊しているとの現場の訴えに緊急の対応が求められます。  児相職員が、一人一人の子供、家族と十分な関わりを持ち、本来の相談支援ができる体制を保障することが急務になっています。個々の職員が適切なケース数を維持できるよう、国の責任で、必要な人員の確保と計画的な人材育成を図ること、専門性にふさわしい処遇改善を早急に行うべきです。また、多様な通報に対する安全確認の在り方も含め、現場、関係者の意見を踏まえた検討を求めるものです。  一時保護所について、この間、定数超過、在所日数の長期化、学習権の保障、混合処遇等、厚労省の検討会や国会審議などにおいて重ねて問題が指摘されてきました。厚労大臣も検討を約束してきましたが、養護施設の基準を準用する施設、職員配置の基準等の見直しは手付かずのままに置かれています。  様々な背景を持ち、心身に傷を負った子供たちに、一人一人に向き合った適切なケアができる施設、環境面の整備、人員体制の確保は喫緊の課題です。児童心理司看護師栄養士も含めた専門職の配置、個室の確保等、一時保護の特性に見合った基準を早急に検討し、各地の施設が改善できる財政的保障を行うことを求めます。  市区町村の状況について、参考人質疑では、非常勤の家庭相談員さんが夜討ち朝駆けで献身的に活動しているが、子供の命を守る仕事、人の一生に関わる仕事でありながら、月額十数万円の報酬、研修の機会もほとんどないと、深刻な実態が改めて示されました。  市町村には、子供、家族を受け止め、支える役割が期待されています。しかし、児童福祉司と同等の資格を持つ者の比率は少なく、非正規職員が多く占めています。他の相談業務との兼務も多いなど、体制整備は依然多くの課題が残されています。  専門職を確保し、安定して働き続けられるよう処遇を抜本的に引き上げるために、財政支援を拡充すべきです。  地方自治体は、政府の方針により、長年、公務員の削減を求められてきました。その中で、子供や家庭、女性に関わる相談員、保育士など、専門職の非正規化が進んでいます。自治体が子供の安全、安心、命を守る仕事に責任を果たすために、公務員の削減の押し付けはやめるべきです。  職員削減率を用いた交付金算定により、子育て支援に努力する自治体が不利になるような仕組みの見直しを強く求めるものです。  社会的養護を巣立った人たちへの支援の強化が必要です。  施設を退所した方たちの多くは、その日から自ら働き、収入を得なければ、日々の生活を維持できません。  厚生労働委員会では、アフターケアを担う事業所の代表から、若い彼ら、彼女たちは、失敗することも立ち止まることもできない緊張状態の中で暮らしていかなければならないと指摘し、今困っている、今苦しいという事情を抱えた当事者の人たちの問題解決の支援が一番求められていると訴えがありました。これらの声に応えるべきです。  児童福祉法に、社会的養護等を巣立った人たちのアフターケアが国、地方自治体の責務であると明記すること、高い専門性が求められる現場にふさわしい人員配置に見直し、適切な予算化を求めるものです。  子供たちを守るためには、女性が守られなければなりません。法案は、子供への虐待を防ぐために、配暴センターとの連携強化、婦人相談所や婦人相談員への早期発見の努力義務を課すなどの改正を行いました。しかし、DV被害者の相談支援を最先端で担う婦人相談員は、市町村に必置義務はなく、配置している市区町村は二割にすぎず、自治体間の格差も生じています。  DV被害者を始め、性暴力被害、経済的困窮、障害を抱えた女性など、様々な困難を抱える女性に対し、相談者の人権を尊重し、相談、問題解決に関わる総合的な支援に当たる婦人相談員の役割は極めて重要であり、各自治体への配置を義務化すべきです。専門性が問われる業務であり、雇い止めをさせず、雇用の継続性を保障するとともに、専門職にふさわしい処遇改善が行えるよう財政措置を講ずるべきです。  DV法の抜本的見直しの検討に早急に着手するとともに、DV対策について民間支援組織を含む関係団体から多くの運用上の問題が指摘されており、早急な見直しが必要です。その際、民間支援団体を重要な担い手として位置付け、財政支援を抜本的に強化する必要があります。  売春防止法を根拠とする婦人保護事業は早急に見直しが必要です。DVを始め、貧困、居場所を失い孤立した女性、性的な搾取など、様々な困難を抱えた女性が、人権と自己決定が尊重され、必要とされる支援が切れ目なく受けられるよう、抜本的な見直しを求めるものです。  最後に、小さな子供を育てる家族から、子供が泣いただけで虐待を疑われるのではという声を聞くようになりました。不安になったとき、相談したときに、疑われたり否定されたと感じれば、声を上げることはできません。  参考人質疑の中で、支援を求めにくい状況について、監視社会になっていくような在り方がこの数年間かなり提案され過ぎているとの指摘がありました。その視点から、これまでの対策を検証する必要があるのではないでしょうか。  子供への虐待を個別の家族の問題としてのみ捉えるのではなく、子供への虐待の背景にある、子育て世代の雇用不安、貧困、格差が広がり、安心して子育てできず、孤立化を招く社会の在り方を変えなければなりません。  日本共産党は、正規雇用が当たり前で八時間働けば普通に暮らせる社会、将来の心配も、お金の心配もなく子育てできる社会、誰もが尊厳を持って生きられる社会を実現するために全力で奮闘する決意を申し上げて、討論といたします。(拍手)
  27. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) これにて討論は終局いたしました。     ─────────────
  28. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕
  29. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕
  30. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数          二百十八     賛成            二百十八     反対               〇    よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕     ─────────────
  31. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 本日はこれにて散会いたします。    午前十一時七分散会