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2019-06-14 第198回国会 参議院 本会議 26号 公式Web版

  1. 令和元年六月十四日(金曜日)    午前十時一分開議     ━━━━━━━━━━━━━ ○議事日程 第二十六号   令和元年六月十四日    午前十時開議  第一 平成二十九年度一般会計歳入歳出決算、   平成二十九年度特別会計歳入歳出決算平成   二十九年度国税収納金整理資金受払計算書、   平成二十九年度政府関係機関決算書  第二 平成二十九年度国有財産増減及び現在額   総計算書  第三 平成二十九年度国有財産無償貸付状況総   計算書     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  一、議員島田三郎君逝去につき哀悼の件  以下 議事日程のとおり      ─────・─────
  2. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) これより会議を開きます。  議員島田三郎君は、去る五月八日逝去されました。誠に痛惜の極みであり、哀悼の念に堪えません。  同君に対しましては、議長は、既に弔詞をささげました。  ここにその弔詞を朗読いたします。    〔総員起立〕  参議院は わが国 民主政治発展のため力を尽くされました 議員正六位旭日小綬章島田三郎君の長逝に対し つつしんで哀悼の意を表し うやうやしく弔詞をささげます     ─────────────
  3. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 秋野公造君から発言を求められております。この際、発言を許します。秋野公造君。    〔秋野公造君登壇〕
  4. 秋野公造

    秋野公造君 本院議員島田三郎先生は、去る五月八日、慢性閉塞性肺疾患のため、東京都内の病院にて逝去されました。享年六十二歳。早過ぎる御最期であり、誠に哀悼痛惜の念に堪えません。  私が最後に島田先生のお姿を拝見したのは、四月二十五日の総務委員会でした。私にとって、それが先生とのお別れの日となるとは、いまだに信じられない思いであります。  私は、ここに、同僚議員各位のお許しを得て、議員一同を代表し、正六位旭日小綬章故島田三郎先生の御霊に対し、謹んで哀悼の言葉をささげるものであります。  島田三郎先生は、昭和三十一年七月、島根県安来市にて、島根県議会議員であった島田芳雄氏の三男としてお生まれになりました。御地元においては、安来市立第一中学校島根県立松江北高等学校に在学され、中学、高校を通じて野球に打ち込まれていたと伺っております。  その後、島田先生は、青山学院大学経済学部に進学をされ、在学中の昭和五十五年四月から約十五年間にわたり故竹下登内閣総理大臣の秘書をお務めになられました。  島田先生は、消費税の導入に向けて竹下元総理が街頭で国民に訴える姿について、最終的には理解してくれると信じて行動していたと振り返り、このような竹下登先生を政治の師と仰がれていたと伺っております。  島田先生は、平成七年四月に島根県議会議員に当選され、以後五期連続十八年にわたり県政において御活躍されました。  その間、島根県議会議会運営委員会委員長、島根県議会副議長の要職を歴任されました。  こうした島根県議会における長年の御経験を踏まえ、島田先生は、平成二十五年の参議院通常選挙において島根県選挙区での当選を果たされ、国政に活躍の場を移されることとなったのであります。  先生は、本院において、総務委員会行政監視委員会消費者問題に関する特別委員会等に所属をされました。特に総務委員会には任期中一貫して在籍され、理事としても御活躍されました。  この間、総務委員会では、地域人口の減少、地方創生などの課題が山積しておりました。委員会においては、島根県が、積極的な子育て支援の取組により、出生率沖縄県に次いで全国二位の水準となったという県の施策の実績も踏まえつつ、中山間地域や離島も含む地域における医療教育公共交通の確保策などについて、丁寧に論点を整理しながら政府から答弁を引き出してこられました。  島田先生は、島根県議会での御経験とともに、御地元における建設関係の会社経営や社会福祉の仕事を通じて得られた幅広い知見も生かしながら、地方からの目線というものをしっかりと把握し、政策を具現化していかなければならないとの信念の下、委員会等を通じて、国と地方の橋渡しの役割を果たしてこられたのであります。  また、島田先生は、政府においては、平成二十八年八月に第三次安倍内閣における総務大臣政務官内閣府大臣政務官に就任されました。  先生は、政務官として主に行政監視等を御担当され、全国各地を精力的に視察し、地方の行政評価事務所におけるテレワーク有効に使った働き方改革や、女性職員の目線を積極的に取り入れたオフィス改革などの推進に御尽力されるとともに、防災・減災を通じた安心、安全な社会づくりの重要性を訴えてこられました。  さらに、党におかれましても、自由民主党広報本部報道局次長、政務調査会水産部会副部会長、参議院自由民主党政策審議会副会長として御活躍されました。  このように、島田先生は、国会政府及び党において、地方創生地域活性化、働き方改革などの諸課題に取り組んでこられました。  しかし、先生御自身は、汗は自分でかきましょう、手柄は人にあげましょう、そしてその場で忘れましょうという竹下登元総理の哲学に反することを嫌い、島根県議会五期十八年、そして本院議員として六年間の政治活動の実績を誇らしげに語ることは決してありませんでした。  このような先生の政治姿勢は、私には派手なパフォーマンスはできません、しかし、やるべきことをこつこつと粘り強く、島根の発展のために、ひたむきに頑張りますとの御自身のお言葉に集約されているとおりであります。  総務委員会においても、時には与野党が厳しく対立する場面がありましたが、島田先生は与党理事として、円滑な委員会運営のために粘り強く調整に当たられました。また、島田先生が理事会にいらっしゃると、場の雰囲気が自然と柔らかくなったことが思い起こされます。  島田先生は、過疎や人口減少に直面する全国の地域社会の実情を最も理解する政治家のお一人であるだけでなく、人徳、包容力を兼ね備えた政治家として、今後も長きにわたって、地方創生の加速など我が国の最重要課題に先頭に立って取り組んでいただくことが期待されておりました。  そのような島田先生でありましたが、県議会時代に体調を崩された時期もあり、昨年頃からは、その後遺症で体調が相当厳しい状況にあると拝察いたしました。  私としては、できれば治療に専念し静養していただきたいと思うこともありましたが、大丈夫ですかと何度かお声掛けさせていただいたときの、大丈夫と答える島田先生の目にはいつも気迫がありました。島田先生は、闘病の身であっても、常に総務委員会に御出席されたのです。  私は、昨年十一月二十二日の総務委員会において、先生が石田総務大臣の所信に対する質疑に立たれたことを思い起こします。  先生は、まず、大臣に対して、大変御多忙な毎日を過ごされると思っておりますが、何とぞ御健康のほどは御留意をしていただきたいと思いますと述べた上で、地域活性化、地方議員のなり手不足、消防団員の確保等の課題への対応について、きめ細かく真摯に要請されていました。  その姿は、御自身の体調が厳しい中で、大臣健康を気遣いながら、地方創生を一歩でも前に進めたいという先生の決意と覚悟が込められていたと思えてなりません。  さらに、昨年十二月七日から八日未明に至る深夜国会にも体調が思わしくない中で出席され、先生御自身が消費者問題に関する特別委員会の理事として審議に御尽力された食品表示法改正案の成立をこの議場で見届けられたことも思い起こされます。  このように使命感が強い島田先生は、本年四月末の平成最後となる総務委員会に至るまで、そのときは息遣いが荒くなったお体に酸素吸入器を付けながらも、国会議員としての務めを全うされたのであります。  島田先生は、御家庭においては三人のお子様がいらっしゃり、お子様と遊ぶのが何よりの安らぎという子煩悩なお父様でいらっしゃったと伺っております。  総務委員会においても、若者の過労死問題についての質問の際には、お嬢様が就職されたことを紹介しつつ、我が子のことのように強い怒りを持って再発防止を訴えられ、理不尽なことを許さない厳しい姿勢も示されておられました。  そのような島田先生は、今も奥様の和子様、御家族の皆様を優しいまなざしで見守っておられるに違いありません。  やるべきことをこつこつと粘り強くとの姿勢を貫き、病を押して最後まで務めを果たされた島田先生の誠実でひたむきなお姿を、私たちは決して忘れることはないでしょう。  ここに、謹んで在りし日の島田三郎先生のお人柄と御功績をしのび、本院を代表して御霊の安らかならんことをお祈り申し上げ、哀悼の言葉といたします。      ─────・─────
  5. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 日程第一 平成二十九年度一般会計歳入歳出決算平成二十九年度特別会計歳入歳出決算平成二十九年度国税収納金整理資金受払計算書、平成二十九年度政府関係機関決算書  日程第二 平成二十九年度国有財産増減及び現在額総計算書  日程第三 平成二十九年度国有財産無償貸付状況総計算書  以上三件を一括して議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。決算委員長石井みどり君。     ─────────────    〔審査報告書は本号末尾に掲載〕     ─────────────    〔石井みどり君登壇、拍手〕
  6. 石井みどり

    石井みどり君 ただいま議題となりました平成二十九年度決算外二件につきまして、決算委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  平成二十九年度決算外二件は、本年一月二十九日の本会議において、財務大臣から概要の報告を聴取いたしておりますので、その内容につきましては、これを省略させていただきます。  委員会におきましては、国会が議決した予算及び関係法律が適正かつ効率的に執行されたかどうかを精査するとともに、政府施策の全般について国民的視野から実績評価を行い、その結果を将来の予算編成及びその執行に反映させるとの観点に立って審査を行ってまいりました。  まず、内閣総理大臣を始め全閣僚出席の下での全般質疑を行った後、全六回に及ぶ省庁別の審査など、合計九回の審査を行い、政府債務の状況と財政規律の在り方、統計に係る不適切事案の再発防止策、高齢運転者による交通事故防止に向けた方策、和牛遺伝資源及び植物新品種の海外への流出防止策など、行財政全般について熱心な論議が交わされましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。  六月十日、質疑を終局し、委員長より、平成二十九年度決算について本会議で議決すべき議決案を提出いたしました。  以下、その内容を申し上げます。     一、本件決算は、これを是認する。     二、内閣に対し、次のとおり警告する。       内閣は、適切な措置を講じ、その結果を本院に報告すべきである。  1 政府内の情報共有目的とした内閣府の総合防災情報システムに関し、災害情報の多くを手動で登録する必要があるため、災害時の情報の登録や共有が限定的となっていたこと、また、農林水産省の国営造成土地改良施設防災情報ネットワークにおいて、データ転送装置等の管理の不備により、収集した情報が総合防災情報システムに転送されない状況が長期間放置されていたことは、遺憾である。    政府は、各府省庁災害関連情報システムの管理を徹底し、有効に機能するよう適切に運用するとともに、総合防災情報システムとの情報連携の自動化等により、関係者間の円滑な情報共有体制を構築すべきである。  2 西日本を中心に記録的な大雨をもたらした平成三十年七月豪雨において、河川の増水・氾濫や土砂災害が想定されていたにもかかわらず、重要な防災情報に係る国・地方公共団体間の伝達や住民への逐時の発信が極めて不十分であり、住民の適切な避難行動につながらなかったことなどにより、二百名を超す人命が失われるなど甚大な被害が発生したことは、極めて遺憾である。    政府は、平成三十年七月豪雨における情報伝達・発信・避難行動等の対応について徹底した検証を行った上で、得られた知見を全国に展開し、地方公共団体等と連携して災害時の適切な避難を促す取組を強化すべきである。  3 厚生労働省の毎月勤労統計調査において、判明しているだけで平成十六年以降、定められた調査手法と異なる形で調査が行われ、統計処理として復元すべきところを復元していないなどの統計制度の根幹を揺るがしかねず、改ざんとの指摘も免れ得ない不適切な取扱いが明らかとなった。政策立案の根拠となる統計の信頼性が著しく損なわれたこと、また、雇用保険等で給付の支払不足が発生し、追加的な行政費用や国民生活への直接の悪影響をもたらしたことは、極めて遺憾である。    政府は、なぜこのような事案が起こったのか、その動機や原因の究明に努めるとともに、雇用保険等が簡便な手続で速やかに追加給付されるよう必要な対策を講じ、全府省庁における統計に対する検証と再発防止を徹底した上で、統計行政を立て直し、統計に対する信頼回復に努めるべきである。  4 東京福祉大学外国人留学生が多数所在不明となり同大学を除籍されていることを契機として、外国人の在留管理を行う法務省や、留学生の在籍状況を把握する立場にある文部科学省等の関係省庁間の情報共有が不十分な事態が明らかとなったこと、また、近年、所在不明となっている外国人留学生不法就労で摘発される事例が多数発生していることは、遺憾である。    政府は、同様の事態が他の大学等で生じていないか早急に点検し、再発防止策を講じるとともに、在留資格としての留学不法就労の手段となっていないか実態を調査し、結果に応じて実態を是正すべく関係省庁間の情報共有体制を一層強化し、外国人留学生の出入国・在留管理を徹底すべきである。  5 障害者雇用の促進に率先して取り組むべき国や地方公共団体の多くの公的機関において、障害者雇用率制度の対象となる障害者数が長年にわたり不適切に計上され、法定雇用率を達成していなかったことは、ゆゆしき事態であり、極めて遺憾である。    政府は、障害者雇用の促進に対する基本認識の欠如と法の理念に対する意識の低さがあったことを重く受け止め、公的機関における障害者の雇用状況についての的確な把握と法定雇用率の達成に全力で取り組むとともに、障害者の民間企業から公的機関への転職の実態を調査した上で、民間企業との競合を防ぐために必要な措置を講じるべきである。  6 平成二十四年の笹子トンネル事故等を踏まえ、道路構造物に対する五年に一度の近接目視による全数監視を定めるなど措置を講じたにもかかわらず、今般、高速道路会社三社が行う点検等に関し、目視点検が困難な箇所がある百十トンネル全てにおいて、点検要領に則した確認を行っていないこと、点検結果を踏まえた補修等が長期間実施されず、一部は維持管理計画にも反映されていないことなど、高速道路安全を脅かす事態が明らかとなったことは、極めて遺憾である。    政府は、一連の事態の原因を徹底して調査し、各高速道路会社による道路構造物の維持管理が適切に行われるよう指導を徹底するとともに、地方公共団体を含む全ての道路管理者と緊密に連携し、道路の安全確保に万全を期すべきである。  7 防衛装備庁は、防衛装備品等に係る予定価格の算定の妥当性を検証するシステムを整備して試験運用しているが、予定価格の基準となる計算価格又は製造原価のデータの一方しか入力できない仕様となっており分析できないこと、また、原価調査の実績が低調で入力対象のデータを取得する機会が十分確保されていないことなどにより、システムが機能していなかったことは、遺憾である。    政府は、準備不足により不適切な事態を招いたことを深刻に受け止め、データ分析が可能なシステムの仕様や効率的・効果的なデータの取得などについて徹底して検討すべきである。  以上が議決案の内容であります。  また、議決案と併せて、委員長より十七項目から成る内閣に対する措置要求決議案を提出いたしました。  討論の後、採決の結果、平成二十九年度決算は多数をもって是認すべきものと、内閣に対する警告案は全会一致をもって委員長提出案のとおり警告すべきものと議決されました。また、措置要求決議案は全会一致をもって本委員会決議とすることに決定いたしました。  次に、平成二十九年度国有財産増減及び現在額総計算書は多数をもって是認すべきものと決定し、次いで、平成二十九年度国有財産無償貸付状況総計算書は多数をもって是認すべきものと決定いたしました。  なお、同日、国会法第百五条の規定に基づき、会計検査院に対し、五項目の検査要請を行うことを決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  7. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 三件に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。相原久美子君。    〔相原久美子君登壇、拍手〕
  8. 相原久美子

    ○相原久美子君 立憲民主党・民友会・希望の会の相原久美子です。  私は、会派を代表し、二〇一七年度決算外二件の是認に反対、内閣に対する警告案に賛成の立場で討論を行います。  本題に入ります前に、一言申し上げます。  参議院では、国会で成立した予算について、その執行状況を把握、評価し、次期予算編成に適切に反映させることを重視してきました。それが決算の参議院と言われるゆえんであります。今年も、決算審査の内容を来年度の予算の概算要求へ反映させるべく、与野党を超えた努力によりこの通常国会中に審議を終えることができたことに対し、関係各位に敬意を表したいと思います。  一方、この決算審査の結果に対する政府の姿勢には疑問が残ります。参議院では、毎年度、決算を議決するに当たり、政府が行った不当、不適正な事象や非効率な予算執行等に対し、遺憾の意を込めて警告決議を行っております。こうした決議に対し、政府は適切に措置をとり、予算や行政の執行に確実につなげているのでしょうか。  例えば、昨年の警告決議では、森友問題に係る公文書改ざん等について政府に痛切な反省を求め、また、防衛省のイラク日報問題に関して組織としての対応の不適切さを厳しく糾弾しました。この決議に対し、政府は、いずれも文書管理が適切に行われるよう努めると説明しましたが、蓋を開けてみれば、多くの省庁が重要文書を即日廃棄したり、首相面談の記録を官邸が作成していないなど、行政文書の管理に関する改正ガイドラインを恣意的に運用している実態が明らかとなりました。  また、多くの国民を不安にした、年金だけでは老後の生活が行き詰まるとした金融庁の審議会ワーキング・グループ報告書。夫六十五歳、妻六十歳の無職夫婦が三十年生きるには、二千万円足りないとしました。しかも、ここには介護費用やそれに伴う家のリフォーム費用は含まれていません。決算委員会でこの問題が指摘され、メディアを通じ報道されたことで国民から大きな怒りの声が上がると、麻生大臣は何と、金融庁設置法に基づいて自身が諮問した報告書の受取を拒否するなど、前代未聞の行動です。安倍総理は、委員会で問われ、誤解だと答弁しましたが、誤解ならば、なぜ受取を拒否したのでしょうか、あるものをなかったことにしたのでしょうか。その上、自民党の二階幹事長は、参議院選挙を控えて候補者に迷惑を掛けないようにしないといけないとの発言。とんでもない。迷惑、不安は国民の方が受けているのです。  このほか、イージス・アショア、特区ワーキンググループ委員の問題、米国との貿易交渉内容等、国民の不安や業界の疑問に応えるべきにもかかわらず、規則に基づいて要求している予算委員会開催を拒否している与党の姿勢は、国民に対し誠実さを欠いていると強く抗議いたします。  それでは、以下、二〇一七年度決算外二件に反対する理由を申し述べます。  反対理由の第一は、安倍内閣において、東京一極集中及びこれに伴う地方の人口減少、人手不足といった問題に対し、有効な施策を講ずることができていないということであります。  安倍総理は、GDPの増加やデフレ脱却、有効求人倍率の上昇などをアベノミクスの成果として強調されていますが、全国津々浦々までその恩恵が行き渡っているのでしょうか。  第二次安倍内閣は、地方創生を掲げ、各種政策を打ってきましたが、地方から東京圏への人口流入が止まることはなく、二〇一八年の転入超過は十三・五万人と、近年むしろ増加しています。我が国は、多くの大学、大企業が都心に集中し、特に若者が東京に集まり、また、優良な人材を求めて企業も更に都心に集中するという悪循環に陥ったままです。地方の実情を見ますと、人口減少に伴って活力が失われ、多くは衰退の一途をたどっています。  人手不足に関しては、新たな外国人材受入れのための在留資格を創設する法改正が行われました。しかし、外国人材受入れに関しては、これまでも様々な問題が指摘されています。直近では、多数の外国人留学生が所在不明となり、不法就労の温床となっている問題が発覚しました。大学での在籍管理の不備のみならず、法務省による出入国在留管理全体に対する課題が浮き彫りになりました。技能実習制度についても、賃金不払や長時間労働など、労働法規に違反するような劣悪な労働環境が指摘され、いまだに改善に至っていない状況です。  反対理由の第二は、政府債務が増加し続ける中で、不適切又は非効率な支出が続いている点であります。  二〇一七年度決算において、税収が対前年度三・三兆円改善し、その分、国債の新規発行が抑えられていると政府は胸を張っています。しかし、いわゆる国の借金のうち将来世代の税金によって返済することとなる普通国債の残高は、二〇一七年度末に八百五十三兆円に上り、前年度から実に二十三兆円増加しています。  一方、二〇一七年度決算検査報告では、前年度より約二百八十億円多い一千百五十六億円の指摘が会計検査院よりなされました。指摘の内容を見ますと、農水省の防災ネット事業における不適切管理や、総合防災情報システムの不十分な運用、高速道路における不適切な点検など、国民の安全に関わる指摘も多くなされております。  国民から税金としてお預かりした資金を真に必要な事業に適切かつ有効に使っていくということは、予算執行の基本です。我が国の財政状況に鑑み、限られた貴重な財源を適所に的確に投入するという基本的な姿勢が安倍内閣にあるのか、甚だ疑問であります。  反対理由の第三は、安倍内閣において閣僚や役人の不祥事が後を絶たないことであります。  昨年の森友、加計問題、イラク日報問題に続き、今年も国民に疑念を抱かせるような問題や行政への信頼を失墜させるような事実が相次いで発生しています。  多くの方々の雇用保険等の支給額にも影響した厚生労働省の統計不正問題では、その後行われた調査において、組織的な隠蔽があったと判断せざるを得ない状況が明らかとなりました。アベノミクス偽装との疑念もいまだに拭えていません。  障害者雇用問題では、障害者雇用が不足する民間企業に対し納付金を課しておきながら、国の機関自らはずさんな確認により障害者数を水増ししていたことが発覚しました。  いずれの問題にしても、担当大臣は相応の責任を取っていません。昨年の森友問題に端を発した公文書改ざんという言語道断の大事件を受けても、いまだ麻生財務大臣が辞任していないことと同様であります。  さらに、塚田国土交通副大臣のそんたく発言、櫻田オリパラ担当大臣の復興を軽視するような発言を始めとした度重なる失言など、全て安倍一強体制の緩みを露呈するものであります。  これらが二〇一七年度決算外二件の是認に反対する主な理由でありますが、さきに述べた災害関連情報システムの不適切運用、高速道路の不適切点検、統計不正問題、障害者雇用問題、外国人留学生の不十分な在留管理を含む七項目の警告決議案については賛成いたします。冒頭申し上げたように、これらの警告決議が政府によって重く受け止められ、確実に今後の予算編成、予算執行に反映されることを強く望むものであります。  最後に、三権分立とは、権力が単一の機関に集中することなく、国民の権利、自由の確保を保障するためのシステムであると記されています。まさに、立法府は、与野党問わず、その役割を果たしていくべきと申し上げ、討論を終わります。(拍手)
  9. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 伊藤孝恵君。    〔伊藤孝恵君登壇、拍手〕
  10. 伊藤孝恵

    ○伊藤孝恵君 国民民主党新緑風会の伊藤孝恵です。  私は、会派代表し、平成二十九年度決算の是認に反対、平成二十九年度国有財産増減及び現在額総計算書の是認に反対、国有財産無償貸付状況総計算書の是認に反対、内閣に対する警告に賛成の立場から討論を行います。  長年、決算委員会での熟議に心血を注いでこられた又市征治先生が入院される前、毛筆で伊藤孝恵様と書かれた封書を事務所に届けてくださいました。そこには、平成十五年一月に、当時、参議院改革協議会座長でいらした青木幹雄先生が参議院議長に宛てた決算の早期審査のための具体策について結論を得た旨の報告書を始め、我が国において決算審査結果を予算審議に反映させる仕組みが確立していないがために財政統制が不十分であることを憂い、先人たちがそれを何とかして変えようとしてきた軌跡やその意義、また、国会法第百五条による会計検査院への検査要請を活発化させ、その結果をもって決算委員会の審議を充実させることへの執念がしたためられた資料が入っており、ここを見てくれとばかりにピンク色の蛍光ペンで何か所にもラインが引かれておりました。  この度、決算委員会による警告決議、措置要求決議が全会一致をもって調えられるに至ったのは、調査室や委員部の皆様を始め、石井みどり委員長、各党の理事、委員の皆様、何より決算重視の参議院の矜持を体現される西田昌司与党筆頭理事の御尽力があってのことと、心より御礼申し上げます。決議の中には、与党にとって大変厳しい内容のものも含まれておりましたが、俺かて政府に言いたいことあるんやとばかりに西田筆頭理事が御奮闘いただいたのだろうと想像するところであります。  だからこそ、ただ一件、のみ込んでいただけなかった米軍普天間飛行場の名護市辺野古沿岸域への移設に係る事業の実施状況についての会計検査院への検査要請については、与野党に政策の違いはあったとしても、度重なる契約変更によって総工費が大きく膨張していることは紛れもない事実であり、又市先生が病床から託されたこの魂の要請のみが与党の反対によって合意に至らなかったことは無念でなりません。  さて、本題に入ります前に、国家戦略特区ワーキンググループの座長代理漁業法規制緩和を求める申請団体に指南し、協力会社がコンサルタント料を得ていたのではないかとされる問題にも触れておかなければなりません。  幾ら座長代理が反論しても、特区ビジネスコンサルティングの登記簿や座長代理代表を務める政治団体の収支報告書が疑惑の存在を物語っています。幾ら平成二十七年十月のヒアリングの事実をなかったことにしても、平成二十八年九月七日の議事要旨がそれを許しません。ヒアリングは非公式だったと言い切れば収束できると思っているなら、非公式の場で、民間委員からの提案一つで、水産庁長官が調査を命じる通達を出し、漁業法を改正したことになってしまい、事態はより深刻になります。  安倍総理が透明でフェアな議論が行われていると再三述べるワーキンググループは、もはや利益相反によだれを垂らすブラックボックス集団と言っても過言ではありません。  我々国民民主党は、国家戦略特区の見直し法案を今国会中に再度提出するとともに、座長代理のような民間委員が、公務員であれば収賄罪に問われるような行為をしても罰することができない現在の法律の水漏れを塞ぐため、民間人国会に係る審議の過程で知り得た情報又はその地位を自らの利益のために使用することを禁じる法律を提出する予定です。  それでは、以下、平成二十九年度決算に反対する理由を申し述べます。  反対の第一の理由は、長期債務の残高が増加していることに対し、有効な対策を取れていない点です。  平成二十九年度末の国債及び借入金残高は一千八十七兆円となり、前年度末から十六兆円増加し、五年連続で一千兆円を上回っております。特に、将来の税収で返済しなければならない普通国債残高の増加は著しく、平成二十九年度末には八百五十三兆円と、この十年間で三百十一兆円増加し、税収のおよそ十五年分に相当する規模となりました。  まさに、今の世代が受益したツケを将来世代に先送りしている状況です。もうこれ以上、財政健全化について責任ある者が見て見ぬふりをすることは許されません。  反対の第二の理由は、歳出項目の硬直化により、弾力的な政策運営ができていない点です。  平成二十九年度決算において、社会保障関係費三十二・五兆円と国債費二十二・五兆円だけで歳出決算額に占める割合が五六・一%に上るなど、歳出項目の硬直化が続いています。  今後も社会保障関係費と国債費の増加が見込まれる中、現在は低金利により利払い費が低く抑えられておりますが、金利上昇局面ではこの利払い費が急増することも懸念されます。  社会保障改革が財政に与えた影響を分析し、それを今後に生かしていくことこそが、決算的観点から何よりも重要です。しかし、見直すべきところを見直していないため、長期的視点に立った弾力的な政策運営ができておらず、子供を産み育てやすい環境整備のための予算が不十分であったり、就職氷河期世代への雇用機会の確保、中高年を含めた引きこもり対策が不十分であったり、また小さな命をつなぐための児童虐待防止対策など、喫緊の課題への対応が十分ではありません。  よって、このような二十九年度決算を是認することは到底できません。  反対の第三の理由は、安倍内閣による経済政策の破綻は明らかであるにもかかわらず、それを取り繕い続けている点です。  安倍総理はしきりにアベノミクスの成果を喧伝されますが、問題は、成果とされているものが実感を伴っていないことです。  毎月勤労統計における一連の改ざんや偽装では、消費者心理や経済を分析する上で重要な指標となる実質賃金がかさ上げされており、実態は大きく低下していたことが明らかになりました。事実、世論調査などでは、多くの国民が景気回復を実感できていないと回答しております。アベノミクス効果は全国津々浦々に行き渡ってなどおりません。  このような中、政府は本年十月に消費税率の引上げを行おうとしています。逆進性が高く、低所得者ほど負担が大きくなる消費税率の引上げを今行うことは本当に現実的なのでしょうか。  国民の将来への不安を取り除くどころか増幅させた政府による平成二十九年度決算を是認する理由は見当たりません。  以上が、平成二十九年度決算に反対する理由です。  次に、内閣に対する警告に賛成する理由を述べます。  毎月勤労統計における改ざん事案、公的機関における障害者の法定雇用率未達成や防衛装備品に係るコストデータベースシステムの不適切整備など、極めて重大かつ深刻な事案を生じさせた政府に対して、猛省を求め、遺憾の意を表明するとともに、抜本的な改善や措置の実施を強く求める今回の七項目の警告には賛成をいたします。  また、官民ファンドの在り方や高齢運転者による交通事故防止の取組、男性育休の取得推進、児童虐待防止のための児童相談所等の業務改善など、決算委員会における我が会派の質疑に基づくものも含む十七項目の措置要求決議についても賛成いたします。  あわせて、公的統計の整備に関する業務の実施状況や政府情報システムの整備、運用、利用の状況など、会計検査院に対する検査要請五項目についても賛成いたします。  老後二千万円不足問題では、自民党は金融庁に抗議し報告書の撤回を求めたと聞いております。麻生金融担当大臣は、御自身の諮問機関である審議会からの報告にもかかわらず、受け取らないと言い、森山国対委員長は、報告書はなくなった、二階幹事長は、参議院選を控えており、候補者に迷惑を掛けないようにとおっしゃったそうです。年金の真実を選挙前に公表することは迷惑なのですね。だから、財政検証も出てこないのですね。  決算重視である我々参議院は、行政を監視し、衆議院の間違いを正し、国民からの負託に応える使命があります。  報告書をなかったことにしても、大臣が受け取らなくても、公的年金だけでは老後が不安定であるという事実は消えません。当委員会の締めくくり総括質疑では、我が党の大塚耕平参議院会長の指摘により、年金給付開始年齢を政府が六十五歳から七十歳に意図的に先延ばしするかのような詐欺的誘導をしている実態も明らかになりました。  かくなる上は、年金百年安心は、国民が安心という意味ではなく、制度が百年安心という意味でしたと正直に訂正し、国民の皆様にはまず謝罪、その上で、私たちが生きる社会は大きく変わったので社会の仕組みも変えていかなければならない、年金の議論をちゃんと始めます、国会全体で取り組みます、そう言って、参議院規則第三十八条二項に基づく予算委員会を開催し、大いに議論したらいいではありませんか。  私たちは、自らの責務にのっとり、ただすべきことをただすべきです。この当たり前から逃げてはいけません。国民民主党はこれからも新しい答えを提案していく努力を惜しまないことを表明し、私の討論を終わります。(拍手)
  11. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 石井苗子君。    〔石井苗子君登壇、拍手〕
  12. 石井苗子

    ○石井苗子君 日本維新の会・希望の党の石井苗子です。  会派を代表して、平成二十九年度決算その外二件の是認に反対、平成二十九年度国有財産増減及び現在額総計算書の是認に反対、平成二十九年度国有財産無償貸付状況総計算書の是認に反対の立場から討論いたします。  なお、内閣に対する警告決議案には賛成します。  討論に入る前に、一言申し上げます。  金融庁の年金報告書を政府が受取拒否をし、議論を避けている態度は決して許されるものではありません。報告書の内容を国民につまびらかにして議論するべきだと考えております。このことを訴えまして、私の決算反対討論に入ります。  平成二十九年度決算は、一般会計の歳出規模で九十八兆一千百五十六億円に上り、公債依存度は三四・二%と、依然として高い水準で推移しております。政府は、プライマリーバランスの二〇二〇年度黒字化目標を既に先送りしておりますが、より一層の無駄の削減を行うとともに、効果的な予算配分を行うことで、少子高齢化社会に対応できる持続可能な財政運営を目指さなければならないと考えます。  平成二十九年度の予算審議を振り返れば、森友問題の議論に終始しており、肝腎の国政の在り方を決める予算内容審議が不十分なまま予算が成立することになりました。その結果、会計検査院より三百七十四件、金額にして一千百五十六億九千八百八十万円の指摘が上がってきたことについて、国会は真摯に反省すべき点があるのではないでしょうか。  以下、予算執行の問題点四点を挙げ、平成二十九年度決算の反対理由といたします。  第一は、商工組合中央金庫の不正融資です。  政府系金融機関である商工中金が危機対応貸付けの融資要件を満たしていない事業者に対して書類を改ざんしてまで融資を行っていたという事実は、コンプライアンスの欠如は言うまでもありませんし、それ以前に政府系金融機関としての緊張感に欠けていたと言わざるを得ません。  有識者会議は、商工中金の完全民営化を二〇二二年までに最終的な結論を出すとしていますが、一刻も早く準備作業に着手し、完全民営化によって金融機関としての緊張感を取り戻し、不正融資などで信用を失墜すれば経営が危うくなるという自覚を持ってもらう必要があると考えます。  第二に、官民ファンドをめぐる問題です。  民間に担うことが難しいリスクマネーを政府が供給することで、民間主導の経済成長を実現させることができるファンドとして政府から出資された金額が、平成三十年九月末までに七千九百二十六億円と巨額になっています。会計検査院が検査したところ、平成二十四年度から二十八年度までの四年間の官民ファンドの大半が各年度に損失を計上していたと分かりました。  官民ファンド運営法人が行う支援に損失が生じていたということは、国民も強い関心を持っています。投資にはリスクが伴うものではありますが、投資判断の適切性を国民が知ることができるよう情報開示を推し進める必要があります。また、実際に民間投資を活発化する効果があるのかどうか、データに基づいて検証する必要もあると考えます。  第三は、奨学金給付制度をめぐる問題です。  この制度は、国が都道府県に補助金を交付し、都道府県から保護者などに対して、授業料以外の教育費、例えば教材費に充てるために給付金が支給されるというものです。保護者に代わって高校などが代理で給付金を受け取ることができる代理受領制度というものがありますが、平成二十六年から二十九年度までの会計検査院の検査によれば、十二府県が制度化しなかったために、保護者が奨学金給付金を教育費に充てていないという実態が明らかになりました。  日本維新の会は教育の無償化を訴えておりますが、このような国の制度のモラルハザードが二度と起きないように、奨学金給付金が、奨学給付金が確実に活用される仕組みの構築を強く求めます。  第四に、復興予算の執行率の低さを挙げます。  平成二十九年度復興関連予算の執行率は六六・一%と極めて低い水準にとどまっています。復興庁は、公共事業は、地元との協議が難航し年度内に事業の執行ができなかったことが原因であり、翌年への繰越しが二二・二%あるので、これを次年度以降の執行見込みとして計算すれば執行率は八八・三%になると説明していますが、本当に必要のある事業に予算を付けていたのか、執行見込みは適正に判断していたのかについては納得のいく説明がされませんでした。  被災地で住民の生活に必要なインフラ整備が進んでいない状況や、風評被害などで復興の遅れている業種が多い現状を見ますと、必要な事業を住民の目線で見極めていないと言わざるを得ません。復興政策の在り方を根本的に見直す必要があると考えております。  日本維新の会は、大阪を中心とした自治体で、抜本的な政治改革、行政改革に成功してまいりました。しかし、国に目を移せば、地方議員の年金制度復活の動きがあったり、参議院の定数が増やされたりなど、政治改革、行政改革を放棄しているように思えます。規制緩和や行政システム改革は遅々として進まず、国民の税金負担だけ増やしている現状は、我が党の行政改革精神から見れば真逆の方向に進んでいると言えるものです。  その上、税金の無駄遣いや不適正執行が常態化している現状は、決して許すわけにはいきません。会計検査院により厳正な検査が行われるよう検査体制を見直すこと、また、各省庁において指摘事項の改善に向けた取組を強化することをここに強く求めます。  今後も、決算重視の参議院として課題改善に向けて真摯に議論を行い、納税者、消費者、生活者の視点に立った政治を実現し、規制緩和による既得権益の打破を推し進めていくことを国民の皆様にお約束して、反対討論といたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手)
  13. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 仁比聡平君。    〔仁比聡平君登壇、拍手〕
  14. 仁比聡平

    仁比聡平君 日本共産党仁比聡平です。  私は、会派代表して、二〇一七年度決算に反対、内閣に対する警告に賛成、国有財産増減及び現在額総計算書に反対、国有財産無償貸付状況総計算書に賛成の立場から討論を行います。  反対の理由の第一は、政府が、国民犠牲のアベノミクスによって貧困と格差を大きく広げ、暮らしと景気に大打撃を与えてきたからです。  二〇一七年の施政方針演説で、総理は、全国津々浦々で確実に経済の好循環が生まれていると都合の良い数字ばかり並べて胸を張りましたが、国民にそんな実感は全くありませんでした。それどころか、リストラや過労死子育て教育介護の負担、病気などで、かつて中間層と言われた人々を含めて、誰もが貧困に陥ってしまう社会の立て直しこそ政治に問われていました。  二〇一四年の消費税八%増税を契機に、増税前に比べ実質家計消費は年二十五万円も落ち込み、実質賃金は年十万円も低下しています。経済の六割を占める個人消費が冷え込み、米中貿易摩擦の下、輸出頼みの日本経済にとりわけ暗雲が垂れ込めています。景気動向指数は二か月連続で悪化を示しました。総理は、今国会でも、景気回復の温かい風が全国津々浦々に吹き始めていると繰り返してこられましたが、もう繕いようはありません。景気悪化の中で、無謀な自滅行為と言うべき消費税の十月一〇%増税の中止を強く求めます。  日本共産党は、家計を応援し、貧困と格差を是正する、明日に希望の持てる政治への大転換に全力を尽くします。  八時間働けば普通に暮らせる社会へ、抜本賃上げと労働時間の短縮を進めるべきです。政府は、二〇一七年予算でも、企業による攻めの投資を後押しするとして大企業優遇税制を強める一方で、改悪労働者派遣法による非正規化とともに、行き過ぎた雇用維持型を転換すると言って労働者をリストラする大企業人材ビジネスを助成金で応援し、多様な正社員化の名の下に、低賃金、労働条件で解雇しやすい限定正社員への転換を促進しました。裁量労働制、残業代ゼロの働き方改革など、雇用破壊はもうやめるべきです。  総理がこの六年で増えたと自慢した就業者三百八十四万人の七割は、年金では生活できず働かざるを得ない高齢者、二割は、高い学費でバイト漬け、奨学金は将来の返済が不安で借りられないという学生たちでした。最低賃金を直ちに千円に引き上げ、千五百円を目指すべきです。最低賃金引上げとセットで社会保険料の事業主負担の減免を中心に、中小企業支援を大幅に拡充すべきです。  二〇一七年度、政府が始めた給付制奨学金は対象が余りにも限られています。全ての学生を対象に、大学、短大、専門学校学費を速やかに半額にし、無償化を進めるべきです。月三万円の給付制奨学金を七十万人に拡大し、奨学金の利息は全てなくして、お金の心配なく学び子育てできる社会をつくろうではありませんか。  安倍政権は、社会保障費の自然増分を三年間で一・五兆円抑え込むとして、二〇一七年度、千四百億円を抑制し、後期高齢者医療保険料の大幅引上げ、七十歳以上の高額療養費患者負担増など、更なる医療介護の負担増と給付減を推し進めました。  年金暮らしのお年寄りから、安倍さんや麻生さんも、一月でいいから月五万円か六万円で暮らしてみたらどうかと訴えられましたが、そのとおりではありませんか。減り続ける年金、天引きされる高い介護保険料、必要な介護サービスの取上げ、高過ぎて払えない国保料、全く足りない認可保育所。本来暮らしを支えるはずの社会保障が、逆に生活を苦しめています。政府の責任は重大です。  公費一兆円の投入で、国保料の半減、介護保険料の減免、子供医療費は国の制度で無料へ進み、保育介護障害者福祉で働く皆さんの賃金は直ちに五万円引き上げるべきです。  金融審議会市場ワーキング・グループの、年金暮らしの夫婦の赤字は月五万五千円、人生百年時代、退職後三十年間で二千万円不足するという報告書に、百年安心どころか、年金を当てにせず貯金せよ、投資せよとは国家的詐欺だと噴き上がる国民の怒りに色をなして反論した総理の姿は異様でした。  麻生大臣は、報告書の受取を拒否すると言います。政府政策スタンスと異なると言いますが、ワーキング・グループで厚労省年金課長が、公的年金の給付はマクロ経済スライドにより水準の調整が見込まれ、私的年金の重要性が増すと述べているとおり、年金が減っていくことも、その年金では暮らせないことも、政府政府の資料に基づいて示したものではありませんか。  都合の悪いことは力ずくでなかったことにしようとするのはいかにも安倍内閣らしいやり方ですが、自民党の参議院選挙公約には、報告書と同じように、人生百年時代の到来を踏まえ、つみたてNISAを更に普及する、私的年金の活用促進を進めますと書いてあり、隠しようはありません。  国民年金の平均年金額は月五万一千円、厚生年金でも女性の平均額は月十万二千円で、年金受給者の七割は年二百万円未満にすぎません。退職金も使い果たし、貯蓄のない世帯は、高齢世帯でも三割を超えています。年金生活の水準を保障する責任を放棄し、投資して増やせと自己責任を強いるのは、棄民政治にほかなりません。虎の子の貯金もリスクにさらせと露骨に迫るアベノミクスの正体見たりと言うべきです。  物価の上昇より年金額の引上げを抑えるマクロ経済スライドの発動などで、安倍政権の七年間で物価は五・三%上昇したのに年金はマイナス〇・八%、実質六・一%も減らされました。その目減りは、現役時代に低賃金だった労働者ほど大きくなります。マクロ経済スライドを廃止し、減らない年金を実現すべきです。全ての低年金者に、まずは月五千円、年間六万円の底上げを行うべきです。  日本共産党は、消費税に頼らず、大企業優遇税制を正し中小企業並みの基準法人税の負担を求めれば四兆円、証券優遇税制を正すなど富裕層に応分の所得税を払ってもらえば三・一兆円、米軍への思いやり予算などを正して〇・四兆円、合わせて七・五兆円の財源を生み出す政治への転換を提案します。  総理は、経済自体が相当ダメージを受ける、成長どころかマイナス成長になるなどと言いますが、その安倍政権の下で一体何が起きているでしょうか。  大企業は史上最高の利益を上げ続けましたが、日本経済全体に還流することなく、大企業の内部留保は百二十二兆円増えて四百四十二兆円にも膨れ上がりました。年金積立金や日銀マネーでつくられた株高で富裕層に巨額の金融資産が集中し、アメリカの経済誌フォーブスが発表した日本の長者番付上位四十人の資産は、安倍政権の七年間で七・七兆円から十八・六兆円へと二・四倍に増えています。この異常な格差を正し、九九%の人たちの幸せに寄り添う政治に変えてこそ、暮らしの希望と好循環の経済をつくれます。  反対理由の第二は、世界で異常な米国追随政治です。  安倍総理は、トランプ大統領と会うたびに日米同盟の強化ばかりを強調し、新ガイドライン憲法違反の安保法制に基づく地球規模での日米一体の戦争する国づくりを推進し、沖縄でも本土でも民意を踏みにじって米軍基地を増強してきました。二〇一七年度の軍事費決算額五兆二千七百四十二億円は、最高額を五年連続更新する大軍拡です。  辺野古新基地建設は直ちに中止し、普天間基地の閉鎖、撤去を米国に強く求めるべきです。  防衛省による余りにもずさんな適地調査が明らかになったイージス・アショアや欠陥機F35の購入など、米国兵器爆買いはやめるべきです。  反対理由の第三は、リニア新幹線の三兆円財政投融資や、総事業費一兆六千億円もの東京外環道など、不要不急の大型公共事業を優先するとともに、東京電力が負担すべき福島第一原発事故の費用を国民に押し付け、原発再稼働と核燃料サイクルにしがみついてきたことです。  二〇一七年、森友学園問題をめぐって公文書改ざんされ、財務省理財局長国土交通省航空局長が会計検査院独立性を脅かす協議を行っていたことまで発覚いたしました。政治の私物化の真相解明に蓋をし、共謀罪を強行したのが安倍政権です。  迫る参議院選挙で、市民と野党の本気の共闘を実らせ、強権、そんたくの安倍政治を終わらせ……
  15. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 仁比君、時間が超過しております。簡単に願います。
  16. 仁比聡平

    ○仁比聡平君(続) 暮らしに希望の新しい政治を切り開くために、全力を尽くす決意を申し上げ、討論といたします。(拍手)
  17. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) これにて討論は終局いたしました。     ─────────────
  18. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 日程第一の平成二十九年度決算の委員長報告は、本件決算を是認すること及び内閣に対し警告することから成っております。  これより採決をいたします。  まず、本件決算を委員長報告のとおり是認することについて採決をいたします。  本件決算を委員長報告のとおり是認することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕
  19. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕
  20. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百二十一     賛成            百三十九     反対             八十二    よって、本件決算は委員長報告のとおり是認することに決しました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕     ─────────────
  21. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 次に、委員長報告のとおり内閣に対し警告することについて採決をいたします。  委員長報告のとおり内閣に対し警告することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕
  22. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕
  23. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百二十一     賛成           二百二十一     反対               〇    よって、全会一致をもって委員長報告のとおり内閣に対し警告することに決しました。     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕     ─────────────
  24. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 次に、日程第二の国有財産増減及び現在額総計算書について採決をいたします。  本件を委員長報告のとおり是認することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕
  25. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕
  26. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百二十一     賛成            百三十八     反対             八十三    よって、本件は委員長報告のとおり是認することに決しました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕     ─────────────
  27. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 次に、日程第三の国有財産無償貸付状況総計算書について採決をいたします。  本件を委員長報告のとおり是認することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕
  28. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕
  29. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百二十一     賛成            百五十二     反対             六十九    よって、本件は委員長報告のとおり是認することに決しました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕     ─────────────
  30. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 先ほど議決されました内閣に対する警告に関し、内閣総理大臣から発言を求められました。内閣総理大臣安倍晋三君。    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
  31. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) ただいまの御決議に対しまして所信を申し述べます。  政府としては、従来から国の諸施策の推進に当たって、適正かつ効率的に執行するよう最善の努力を行っているところでありますが、今般七項目にわたる御指摘を受けましたことは、誠に遺憾であります。  これらの御決議の内容は、いずれも政府として重く受け止めるべきものと考えており、御決議の趣旨を十分に踏まえ、今後このような御指摘を受けることのないよう改善、指導してまいります。(拍手)
  32. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 本日はこれにて散会いたします。    午前十一時十一分散会