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2019-06-05 第198回国会 参議院 本会議 23号 公式Web版

  1. 令和元年六月五日(水曜日)    午前十時一分開議     ━━━━━━━━━━━━━ ○議事日程 第二十三号   令和元年六月五日    午前十時開議  第一 平成二十九年度一般会計予備費使用総調   書及び各省各庁所管使用調書(その1)(第   百九十六回国会内閣提出、第百九十八回国会   衆議院送付)  第二 平成二十九年度一般会計予備費使用総調   書及び各省各庁所管使用調書(その2)(第   百九十六回国会内閣提出、第百九十八回国会   衆議院送付)  第三 国会議員歳費旅費及び手当等に関す   る法律の一部を改正する法律案藤巻健史君   発議)  第四 国会議員歳費旅費及び手当等に関す   る法律の一部を改正する法律案岡田直樹君   外四名発議)  第五 国会議員歳費旅費及び手当等に関す   る法律等の一部を改正する法律案難波奨二   君発議)  第六 国有林野の管理経営に関する法律等の一   部を改正する法律案内閣提出、衆議院送付   )  第七 建設業法及び公共工事の入札及び契約の   適正化の促進に関する法律の一部を改正する   法律案内閣提出、衆議院送付)     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  一、児童虐待防止対策の強化を図るための児童   福祉法等の一部を改正する法律案(趣旨説明   )  一、日程第一より第七まで  一、原子力エネルギー・資源に関する調査の   報告      ─────・─────
  2. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) これより会議を開きます。  この際、日程に追加して、  児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 御異議ないと認めます。厚生労働大臣根本匠君。    〔国務大臣根本匠君登壇、拍手〕
  4. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) ただいま議題となりました児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。  児童相談所における児童虐待相談への対応件数は、一貫して増加が続いており、平成二十九年度には十三万件を超えています。時に痛ましい事件により、かけがえのない子供の命が失われる状況が生じており、児童相談所の体制強化、関係機関間の連携強化等の対策が喫緊の課題となっております。  こうした状況を深刻に受け止め、児童虐待防止対策の強化を図るため、この法律案を提出いたしました。  以下、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明いたします。  第一に、児童の権利擁護であります。  体罰禁止を法定化するとともに、政府は、この法律の施行後二年を目途として、民法に定める懲戒権の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとしています。また、児童相談所の業務として、児童の安全確保を明文化するほか、児童福祉審議会において児童に意見を聴く場合においては、その児童の状況や環境等に配慮することとしています。  第二に、児童相談所の体制強化であります。  児童相談所がちゅうちょなく一時保護などの介入的対応を行うことができるよう、介入的対応を行う職員と保護者支援を行う職員を分けること等としています。また、児童相談所において常時弁護士の指導の下で法律関連業務を行うための体制整備、医師及び保健師の配置、児童福祉司の任用要件の見直し等による職員の資質の向上を図るとともに、児童相談所の業務に係る第三者評価を努力義務として規定することとしています。  第三に、児童相談所の設置促進であります。  児童相談所の管轄区域に関し、人口その他の社会的条件について定める参酌基準を法定化するとともに、政府は、この法律の施行後五年間を目途として、中核市及び特別区が児童相談所を設置できるよう、設置に係る支援その他の必要な措置を講ずることとしています。  第四に、関係機関間の連携強化であります。  学校、教育委員会、児童福祉施設等の職員について守秘義務を規定するとともに、ドメスティック・バイオレンス対策との連携強化を図るため、児童相談所と配偶者暴力相談支援センターについて、相互に連携協力に努めるべき機関として法律上明確化することとしています。  最後に、この法律案の施行期日は、一部の規定を除き、平成三十二年四月一日としています。  政府といたしましては、以上を内容とする法律案を提出いたしましたが、衆議院において、元号表記を改めるとともに、次の六つの事項を主な内容とする修正が行われております。  第一に、児童虐待を行った保護者について指導を行う場合は、児童虐待の再発を防止するため、医学的又は心理学的知見に基づく指導を行うよう努めるものとすること。  第二に、児童の意見を尊重するための措置として政府が検討を加えるべき事項の例示に、児童の意見を聴く機会の確保及び児童の権利を擁護する仕組みの構築を追加すること。  第三に、児童福祉司の数の基準に関する政令は、各児童相談所の管轄区域内の人口、児童虐待相談に応じた件数等の条件を総合的に勘案して定めるものとすること。  第四に、要保護児童対策地域協議会から情報提供等の求めがあった関係機関等は、これに応ずるよう努めなければならないものとすること。  第五に、児童相談所長は、児童虐待を受けた児童が転居する場合に、転居の前後における支援が切れ目なく行われるよう、転居先の児童相談所長に速やかに情報提供を行うとともに、情報提供を受けた児童相談所長は要保護児童対策地域協議会が速やかに情報交換を行うことができるための措置等を講ずるものとすること。  第六に、児童相談所の職員の処遇改善、一時保護所の量的拡充及び質的向上に係る方策等に対する国の支援の在り方、通報の対象となるドメスティック・バイオレンスの形態及び保護命令に係るドメスティック・バイオレンスの被害者の範囲の拡大についての検討規定等を追加すること。  以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)     ─────────────
  5. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。石橋通宏君。    〔石橋通宏君登壇、拍手〕
  6. 石橋通宏

    ○石橋通宏君 立憲民主党・民友会・希望の会の石橋通宏です。  私は、ただいま議題となりました法律案に対し、会派を代表して質問いたします。  法案の質疑に入る前に、一言申し上げるとともに、安倍総理に質問いたします。  私たちは、四月十二日、参議院規則にのっとり、予算委員会の開催を要求いたしました。規則では開催しなければならないとされているにもかかわらず、二か月近くたった今なお開催されておりません。これは、与党による明確な規則違反であり、審議拒否であり、国民に対する背信行為です。  この二か月の間、国内外で国民生活に重大な影響を及ぼし得る多くの重要課題が発生しています。安倍総理始め行政府にその現状認識や対処方針をただし、正しい方向に導いていくことこそ、私たち良識の府参議院の責務であるはずです。与党の皆さんには猛省を促すとともに、一刻も早く予算委員会を開催することを重ねて強く要求いたします。  その上で、安倍総理、よもや安倍総理自身が予算委員会をやらないようにと与党に指示しているなんてことはないと思いますが、総理・総裁として、一日も早く予算委員会を開催するよう指示するつもりはないのか、総理の姿勢をただします。  我が国の経済情勢は、景気動向指数が悪化に転じ、月例経済報告の景気判断も引き下げられるなど、明らかに景気後退の兆候を示しています。米中貿易戦争が激しさを増し、メキシコに対しても追加関税が課されるなど、我が国の産業や雇用にも大きな影響が懸念される中、総理として現状をどのように認識されているのか。そして、それでもなお十月の消費税引上げを予定どおり実施するつもりなのか、方針をお聞かせください。  また、先日、国賓として来日したトランプ米国大統領が、安倍総理による過剰なまでの手厚い接待のさなかにも、貿易交渉で大きな進展があった、特に農業と牛肉だ、大部分は選挙後を待つが、大きな数字を見込んでいるとツイートし、また、首脳会談後の共同記者会見では、TPPなんか関係ないと発言しています。額面どおりに受け止めれば、農業、畜産業でTPP以上に米国に譲歩したとしか考えられませんし、その都合の悪い話を選挙が終わるまで隠しておくようにお願いしたとしか聞こえません。  よもや、我が国の第一次産業を売り渡すような約束をしたんじゃないでしょうね。そうであれば、国民に対する重大な裏切りです。安倍総理、違うのであれば、米側に厳重に抗議したのか否かも含め、トランプ大統領の発言の真意と約束の中身をこの場で明確に説明してください。  もう一点、丸山穂高衆議院議員の発言と、その出処進退について伺います。  丸山議員は、去る五月十一日、国後島を訪問中、酒に酔い、戦争でこの島を取り返すのは賛成ですか、反対ですかなどと発言し、所属していた日本維新の会を除名されました。その後の報道では、酔っ払った挙げ句に破廉恥な言動を繰り返し、女性が接客する店を求めて外出しようとするなど、国会議員の品位をおとしめた行動を繰り返していたことも明らかになっています。  安倍総理は、このような丸山議員の発言や言動についてどのように評価しておられるのか、これらの言動が議員辞職に値するかどうかの認識も含めて御答弁願います。  それでは、以下、法案の質問に入ります。  昨年三月、東京都目黒区で、父親からの度重なる児童虐待の結果、船戸結愛さんが僅か五歳で尊い命を奪われました。私たちは即座に検討に着手して、野党合同で児童相談所緊急強化法案を通常国会に提出し、児童福祉司の増員や関係機関の連携強化などの対策を求めました。しかし、与党は審議すらしようとしませんでした。そして、今年一月、千葉県野田市で、同じく父親からの虐待で栗原心愛さんが命を奪われました。  昨年の段階で何らかの法改正が実現していれば心愛さんの事件を防ぐことができたかもしれないと思うと、痛恨の極みであります。政治の不作為が救えるはずの命を救わなかったのだとすれば、これほどまでに立法府の責任を重く感じることはありません。  私たちは、もう二度と悲惨な児童虐待死を発生させてはなりませんし、児童虐待の撲滅を実現していかなければなりません。その強い決意と覚悟を持ってこの法案の審議と対策の強化に臨むことを、同僚議員の皆さんにも心から呼びかけたいと思います。  その上で、第一の質問を安倍総理にいたします。  総理は、我が国で今、児童虐待が増加の一途をたどっている原因は何だとお考えでしょうか。児童虐待増加の背景には、必ず社会的、経済的な要因などを含め、理由があるはずです。その原因の調査研究の努力を政府は行っているのでしょうか。原因の特定と、それに対する政策なくして児童虐待をなくすことはできないと考えますが、その必要性、重要性に対する見解も併せてお答えください。  第二に、児童虐待を犯してしまった加害者への支援・回復プログラムの抜本的強化の必要性について質問いたします。  野田市の事件では、児童相談所や教育委員会の対応、特に、一時保護を解除した判断の妥当性が強く問われています。虐待が再発する危険性があったにもかかわらず子供を戻してしまった問題は、深刻に受け止めなければなりません。  今こそ、児童虐待をしている加害者が、その行為の非を自ら認知し、二度と虐待行為を行わない状態にまで改善、回復していることを確認した上でなければ子供を戻さないという政治的決断と、そのための支援を行う制度的な対応が必要なのではないでしょうか。そもそも、最初から児童虐待をするつもりで親になる人間などいないはずです。しかし、潜在的な要因も含め、何らかの理由で児童虐待をしてしまい、やめなきゃいけないと悩みながらも続けてしまう保護者も多数存在しているはずです。そのような加害者を救うことにこそ、もっと政策資源を投入すべきではないのでしょうか。  しかし、当初の政府案には、この加害者に対する支援・回復プログラムの強化が含まれておりませんでした。なぜそれが不必要だと考えたのか、安倍総理に説明を求めます。  その上で、衆議院の修正で、児童虐待を行った保護者について、児童虐待の再発を防止するため、医学的又は心理学的知見に基づく指導を行う努力義務が加えられました。  努力義務にとどめられたことは残念ですが、一歩前進だと考えます。では、具体的にどのような指導が行われることになるのか、これによって、例えば一時保護解除の要件も変えることになるのか、根本厚生労働大臣に確認いたします。  続いて第三に、児童福祉司の増員と専門性の強化及び処遇の改善について質問いたします。  児童相談所の体制強化については、まず何より児童福祉司の増員が必要なのは当然ですが、中途半端では駄目だと思います。昨年十二月の新プランで、政府は児童福祉司を二〇二二年度に五千人体制として、児童福祉司一人当たりの標準的な業務量を相談件数トータルで四十ケース相当になるように見直すとしています。  一方、私ども野党が衆議院に提出した法案では、相談件数を一人当たり四十件以下と明記して、できるだけ少ない対応件数で丁寧な対応ができ、かつ児童福祉司の負担軽減にもつながる体制とすべきことを訴えています。  政府は、それでは柔軟な運用ができなくなるなどと答弁していますが、虐待を受けている子供たちの命に関わる問題に柔軟な運用など要りません。安倍総理、相談件数を一人当たり四十件以下にすることを明記して、その達成に十分な増員を実現すべきではないでしょうか。見解をお示しください。  もちろん、ただ児童福祉司の人数を増やすだけでは十分ではありません。個々の児童福祉司の専門性、資質の向上が大変重要です。この資質の向上という課題について法案にどのような強化策が盛り込まれているのか、根本厚生労働大臣に確認いたします。  また、衆議院の修正で、児童相談所職員の待遇改善が検討規定に盛り込まれました。子供の命を守る児相職員の仕事は責任が重く、本当に大変な仕事であり、その上に今回、専門性や資質の向上を求めるのであれば、それに見合う処遇の抜本的な改善は必須であり、急務だと考えます。地方自治体の職員だとしても、児相職員の待遇改善のためには何らかの制度的な対処と財政上の措置を国として実施すべきだと考えますが、根本厚生労働大臣の見解を伺います。  第四に、体罰禁止について質問します。  政府はこれまで、民法八百二十二条に規定されている懲戒権の中に体罰が含まれるとの立場に立ち、国会答弁でもそれを維持してきました。現行の児童虐待防止法も、親権を行う者は、児童のしつけに際して、監護、教育に必要な範囲を超えて児童を懲戒してはならないと規定し、それが、しつけのための体罰が社会的にも容認され、結果、児童虐待がなくならない一つの大きな要因になってきました。  であれば、今回、なぜこの民法八百二十二条の懲戒権そのものの削除にまで踏み込む改正をしないのか、安倍総理の説明を求めます。  その上で、政府案では、親権者による体罰を禁止する規定を児童虐待防止法に盛り込み、民法の懲戒権の在り方については施行後二年を目途に検討を行うとしています。この改正がどのような法的な効果を生むのか、これで親権の行使における体罰は一切禁止されることになるのか、安倍総理に明確な説明を求めます。  第五に、児童の権利の保護、特に意見表明権の保障について質問いたします。  野田市の事案では、亡くなった心愛さんが助けを求めた声は周囲の大人たちに黙殺されてしまいました。二度とこのようなことを起こさないためにも、子供の意見表明権を具体的に保障する仕組みが必要不可欠だと考えます。  国連の子どもの権利条約では、十八歳未満の子供も大人と同じ権利の主体と位置付け、暴力や搾取から守られる権利とともに、自由に意見を表明する権利も保障することとしています。  衆議院の修正では、児童の意見を聴く機会の確保や、児童の権利を擁護する仕組みの構築が検討規定として明記されましたが、この点について具体的にどのような制度を検討していくのか、安倍総理の見解と早急な制度構築に向けた決意を伺います。  第六に、児童虐待対策と配偶者へのドメスティック・バイオレンス対策との連携の必要性について質問いたします。  野田市の事件では、父親の逮捕後、母親も傷害幇助の罪で逮捕されました。一方で、母親に対して長年にわたる家庭内暴力があり、精神的従属、コントロール状態に置かれていた疑いが指摘されています。  児童虐待と配偶者に対するDVには密接な関連性があることは明らかであり、配偶者の適切な保護や支援なくして児童虐待の撲滅はできないと言っても過言ではありません。  衆議院の修正で、通報の対象となるDVの形態及び保護命令に係るDV被害者の範囲の拡大について検討し、必要な措置を講じることとなりましたが、本来は、今回の改正に併せてDV法も改正して具体的な措置を講じるべきだったのではないでしょうか。  なぜ政府は、今回、DV法に具体的な措置を盛り込む改正を行わないのか、法案ではDV対策と児童虐待との連携についてどのような策を講じようとしているのか、根本厚生労働大臣に答弁を求めます。  最後に、医療との連携強化の必要性について質問いたします。  児童虐待問題に関わっているある専門医は、目黒区の結愛さんの事案では、二度にわたって一時保護された際に、その都度、協同面接と系統的全身診察が行われていたにもかかわらず、両者の情報共有がされなかったために、虐待のアセスメントが不十分なままに終わってしまった問題を指摘しておられます。野田市の心愛さんの事案でも、医師が性的虐待の疑いがあると診断していたにもかかわらず、その直後に柏の児童相談所が一時保護を解除していたことが明らかになっています。  これらの事案を踏まえれば、医療との連携強化は必要不可欠であり、特に、協同面接と系統的全身診察とを連携させて一つのアセスメントとして制度的に確立させることなど、具体的な制度構築が必要だと考えますが、本法案においていかなる措置が講じられているのか、根本厚生労働大臣の答弁を求めます。  以上、法案の内容について質問いたしました。  私たち立憲民主党は、児童虐待死の根絶と児童虐待そのものの撲滅に向けて、子供の権利が守られ、全ての子供たちが大切に育まれて、健やかに成長できる環境を社会全体でつくり、確保していくために、これからも全力を尽くしていく覚悟であることをお約束申し上げ、私の代表質問とさせていただきます。  ありがとうございました。(拍手)    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
  7. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 石橋通宏議員にお答えをいたします。  予算委員会の開催についてお尋ねがありました。  予算委員会を始め、国会の運営については、国会において決定されるものと認識しております。参議院の委員会の開会日時については委員長が定めることとされており、私は指示を出す立場にはありません。  政府としては、国会より出席を求められれば誠実に対応してまいりたいと考えています。  我が国の経済情勢と消費税率引上げについてお尋ねがありました。  足下の我が国の経済は、中国経済の減速などから輸出の伸びが鈍化し、製造業を中心とした生産活動に弱さが続いていますが、雇用・所得環境の改善や高い水準にある企業収益など、内需を支えるファンダメンタルズはしっかりしています。  今後も、引き続き、経済最優先で、通商問題の動向が世界経済に与える影響に一層注意するとともに、中国経済の先行きなど海外経済の不確実性には十分留意しつつ、経済運営に万全を期してまいります。  なお、消費税率の引上げについては、全世代型社会保障の構築に向け、少子化対策や社会保障に対する安定財源を確保するためにどうしても必要なものです。これまでも申し上げているとおり、リーマン・ショック級の出来事が起こらない限り、今年十月に一〇%に引き上げる予定です。  日米貿易交渉についてお尋ねがありました。  トランプ大統領のツイートや発言の一つ一つについて、その真意を解釈する立場にはありませんが、御指摘のツイートは、早期合意への期待感を表明したものと認識しています。また、共同記者会見での発言については、米国がTPPから離脱しているという事実関係を述べたものであると理解しています。そのため、これらが抗議すべき内容のものとは考えていません。  日米間の交渉については、来週、実務者協議が行われることとなっており、まさに具体的な交渉はこれからです。そのため、御指摘のような約束をした事実も全くありません。  むしろ、日米間で既に約束しているのは昨年九月の日米共同声明です。今後の日米交渉があくまで私とトランプ大統領が合意したこの共同声明に沿って行われることについては、交渉を担当する茂木大臣とライトハイザー通商代表との間でも直接確認しています。  そして、この共同声明では、農林水産品について、過去の経済連携協定で約束した内容が最大限であるとの大前提を明確に日米で合意をしております。もう一度よくこの合意を確認していただきたいと、このように思います。この点が最大のポイントであり、当然、この合意の上に、今後、農林水産業に携わる皆様の不安なお気持ちにしっかりと寄り添いながら米国と交渉を行ってまいります。  先般の国後島における丸山穂高議員の言動についてお尋ねがありました。  御指摘の丸山穂高議員による国後島での言動は、外交交渉によって北方領土問題の解決を目指すとの政府の方針とは全く異なるものです。相互理解の増進を図るという四島交流事業の趣旨に反し、元島民の方々のお気持ちを深く傷つける遺憾極まりないものであったと考えます。  丸山議員が議員辞職すべきかについては、国会議員である以上、自らの発言については自らが責任を持つべきものであり、政府としてお答えすることは差し控えます。  児童虐待増加の原因とその分析についてお尋ねがありました。  児童虐待相談対応件数の増加要因については引き続き分析が必要であると考えていますが、国民や関係機関の児童虐待への意識が高まったことや、警察などの関係機関との連携が強化されたことなども影響しているものではないかと考えています。  児童虐待の原因の調査研究は重要と考えており、そうした研究活動に対する支援も行ってきたところですが、児童虐待を行った保護者や家庭の状況の分析も含め、児童虐待の防止のために更なる調査研究の充実に努めてまいります。  保護者支援プログラムについてお尋ねがありました。  保護者支援プログラムについては、その活用の推進が必要であると考えており、三月の関係閣僚会議においてもその実施に当たっての支援の拡充等を決定しました。  一方、保護者に対する支援は、個々の状況に応じて他の支援も組み合わせながら効果的に行うことが適当であることから、政府案においては法律上の義務付けとまではしなかったところです。  今後、修正案で示された方針にのっとり、保護者がプログラムによる支援をより受けやすくするための仕組みを検討してまいります。  児童相談所の児童福祉司一人当たりの相談件数の法定化についてお尋ねがありました。  児童福祉司の一人当たりの相談件数については、時期による相談件数の増減幅が大きいことなどから、一律に法定化した件数以下しか担当できないとすることは、機動的な対応が困難になるものと考えております。  こうした観点から、新プランでは、児童福祉司一人当たり業務量が平均で四十ケース相当となるよう、三千名の児童福祉司を今年度一気に千名増員し、二〇二二年度には五千名体制とすることとしております。これに着実に取り組んでまいります。  今後、現場の実態を十分踏まえながらこうした体制整備を進め、一人当たりのケース数が過重にならないよう対応してまいります。  体罰の禁止と懲戒権についてお尋ねがありました。  体罰は、たとえしつけを目的とするものであっても許されないものです。  改正案においては、体罰を加えることが、民法上の懲戒権の範囲を超え、許されないものであることを法律上明確化しております。これにより、親権の行使における体罰は一切禁止されることになります。  また、御指摘の懲戒権については、家族の在り方に関わり、国民の間でも様々な議論があると承知しています。このため、その規定の在り方については、国会における議論等も踏まえながら十分に議論を尽くす必要があり、そのような過程を経ることなく直ちに懲戒権の規定を削除するのは適当ではないと考えています。  何よりも子供の命を守ることを最優先に、あらゆる手段を尽くし、児童虐待の根絶に向けて総力を挙げてまいります。  子供の意見表明権を保障する仕組みについてお尋ねがありました。  現在、一時保護等の子供の家庭復帰など、その支援方針を決める際には、児童相談所は、子供の意向を尊重し、子供の最善の利益の確保に努めることとされています。  また、本法案の修正案においては、施行後二年を目途として、児童の意見表明権を保障する仕組みの構築について検討を加え、必要な措置を講ずることとされているものと承知しています。  今後、海外を含む先行事例の研究を行うなど、有識者による検討の場を設け、具体的な仕組みの在り方について検討してまいります。  残余の質問につきましては、関係大臣から答弁いたします。(拍手)    〔国務大臣根本匠君登壇、拍手〕
  8. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 石橋通宏議員にお答えをいたします。  加害者への指導についてお尋ねがありました。  御指摘の保護者への医学的、心理学的知見に基づく指導としては、例えば、保護者や家族の抱える課題に応じて子育てのスキルを高める方法や、保護者自身の心理的な課題に向き合い、解決するための方法を学ぶプログラムが挙げられます。  一時保護の解除の判断は、プログラムの受講のみによって判断されるものではなく、保護者支援の状況や地域の支援体制などについて客観的に把握した上で、個々のケースに応じて適切に判断されるものであります。  児童福祉司の資質の向上についてお尋ねがありました。  本法案におきましては、児童福祉司の資質の向上を図るため、児童福祉司及びその指導を行うスーパーバイザーの任用要件の見直しを盛り込んでいます。  児童相談所職員の処遇改善についてお尋ねがありました。  本年三月の関係閣僚会議決定において、児童福祉司等の職員について手当などによる処遇改善を図ることとしたところです。  また、衆議院での修正で追加された改正法案附則第七条においても、政府は速やかに児童相談所職員の処遇の改善に資するための方策を検討することとされています。  今後、地方団体等の意見も踏まえつつ、来年度予算に向け、具体化を図ってまいります。  DV防止法の改正及びDV対策と児童虐待対応の連携についてお尋ねがありました。  通報対象となるDVの形態等については、これまでのDV防止法の議員立法における議論の積み重ねを踏まえて定められたものと認識していますが、今後、衆議院の修正により設けられた規定に基づき検討が行われると考えています。  また、本法案には、配偶者暴力相談支援センター等の職員について児童虐待の早期発見に努めること、児童相談所は配偶者暴力相談支援センターと連携協力するよう努めること等の規定を盛り込んでおり、今後、DV対策と児童虐待対応との連携強化を図ってまいります。  医療との連携強化についてお尋ねがありました。  心に深い傷を負った子供の支援には、話を聞くことが子供にとって出来事の再体験となる二次被害とならないよう十分配慮するとともに、適切な治療を提供することが重要です。このため、児童相談所、警察及び検察が連携して、代表一名による協同面接を実施しています。また、協同面接が必要なケースも含め、医学的知見を踏まえた対応が必要なケースについて適切な対応ができるよう、児童相談所に医師を必置することとしています。  今後、先進的な事例を含めて、どのような取組ができるか、研究してまいります。(拍手)     ─────────────
  9. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 伊藤孝恵君。    〔伊藤孝恵君登壇、拍手〕
  10. 伊藤孝恵

    ○伊藤孝恵君 国民民主党・新緑風会の伊藤孝恵です。  私は、会派を代表し、ただいま議題となりました法律案について質問させていただきます。  児童虐待を許さない、そう誰かが叫ぶたびに、私は一瞬痛みを感じます。自分だって、子育てをする中で、怒ったりいら立ったり、電車の中で大声で泣く我が子の口を押さえたこともあるからです。児童虐待は人ごとではありません。だからこそ、こんな不完全な私と共に生きる娘たちが、また彼女たちのみならず、この国に生まれた全ての子供たちが愛され、抱き締められて育ってほしいと切に願い、以下、質問させていただきます。  昨年三月、東京都目黒区で、パパ、ママ、もうおねがい、ゆるしてと、覚えたての平仮名で両親に許しを請いながら五歳の短い生涯を閉じた女の子のふびんを思い、多くの官僚や議員が、立法府にいる自分たちに何ができるかを考え、奔走したことがここに至る原動力だったと思います。  我々国民民主党も、一家が転居前に暮らしていた香川県に行き、現地の関係者から話を聞かせていただきました。そこで預かった声を児童福祉法等の改正案としてまとめ、昨年六月、野党共同で提出いたしました。残念ながら、それは審議されることもなく、今年一月には、またしても千葉県野田市で十歳の女の子が虐待により命を絶たれました。いつまでこんな悲劇を繰り返すのか、我々の案をせめて見ていただきたい、大きな焦りと無念を感じてきました。  まず、児童福祉司の増員について安倍総理に伺います。  児童相談所において児童虐待を含めた諸問題に直接的に関わっておられるのが児童福祉司の方々です。香川県で話を伺った際も、とにかくこの児童福祉司が足りないのだと悲痛な声をお寄せいただきました。我々は、まずここに手当てすべきだと考え、野党案にその増員規定を盛り込みました。その後、政府も、児童福祉司の増員に言及した対策プランを決定しました。にもかかわらず、今年三月に提出された政府案には、児童福祉司の増員について触れられてもおりませんでした。なぜですか。  今般、衆議院において、与野党の先生方の御努力の下、本法案が全会一致をもって調えられたことは大変意義深いことです。しかし、なぜこの児童福祉司の増員について明記することは許されなかったのか、理由をお聞かせください。児童福祉司の数を法制化して増やしていくことにどこからどんな異論があったのか、教えてください。  本法案の中に、総合的に勘案して定めると書き込むだけでは、勘案した結果、人数は一・一倍が妥当でしたなどと結論付ける余地を残してしまいます。これでいいのでしょうか。  政府のプランによる対策のみで、どのように現場の声に応え、児童相談所の体制強化を図っていくのか、本当に実効性のあるものになっているのか、プランの具体的な内容と総理の見解をお聞かせください。  次に、中核市及び特別区における児童相談所の設置について伺います。  千葉県野田市を管轄している柏児童相談所は県のものです。柏市は中核市ですが、事件が起きた当時も現時点においても、市の児童相談所は所在しておりません。この柏市のみならず、中核市における児童相談所の設置は一向に進んでおりません。もちろん、それぞれの市が抱える事情はあることは承知しておりますが、それでも、どんな事情があるにせよ、児童虐待防止に取り組まないという選択肢はないはずです。  衆議院厚生労働委員会に参考人として出席した、中核市である明石市の泉市長は、基礎自治体である中核市だからこそ必要、大切なのは腹をくくること、人がいないのであれば育てることだなどと答弁されています。  総理に伺います。  中核市や特別区の児童相談所の必置義務化については、既にその必要性が長年にわたって指摘されているにもかかわらず、本法案にも結局盛り込まれませんでした。なぜですか。自治体からの反対の声があるから、時期尚早だからと説明されましたが、誰からのどんな反対の声ですか。では、一体いつになったら時期尚早ではなくなりますか、お答えください。  児童相談所をつくるお金はないと市長がおっしゃるのであれば、国は何ができるのか考えませんか。児童相談所の設置など必要ないと区長がおっしゃるのであれば、つくる動機付けに奔走しませんか。  政府案には、中核市や特別区が児童相談所を設置できるよう支援を行うとの検討規定が盛り込まれました。どんな支援でしょうか。これまで設置が進まなかった中核市及び特別区に対し、これまでの支援とどこが違っているのか、本法案によってどのくらい設置が促進されると見込んでいるのか、総理の御所見を伺います。  総理は、何よりも子供の命を守ることを最優先に、あらゆる手段を尽くすと度々おっしゃいます。であれば、あらゆる事情をのみ込んで、設置を義務化すべきではありませんか。また、五年間という支援期間は余りに長過ぎます。一時保護所の拡充と併せて再考いただけませんか、御答弁ください。  次に、児童が転居した場合の引継ぎについて伺います。  我々は、転居時の引継ぎ強化の重要性を訴えております。今回、修正協議において、その趣旨を御理解いただき、法文に明記していただいたことについては感謝いたします。しかし、野党案では、転居前に当該児童に指導等の措置がとられていた場合、転居後一か月間は措置を解除してはならないとしていた部分、一か月という明確な期限を定め、引継ぎを徹底するところまでは受け入れていただけませんでした。  そこで、総理に伺います。  これまでの事件を教訓に、期間を明確に定めて措置を継続することは不可欠だと考えますが、これを書かない理由について見解を伺います。特に、東京都目黒区、千葉県野田市の事案において、転居時の引継ぎ強化なしに彼女たちの悲鳴を聞きに行けたのか、本法案をもってすれば救えたのか、二人の女の子からの命懸けの問題提起です。御答弁ください。  体罰の禁止についても伺います。  我が国が批准している児童の権利条約にも規定されている内容が盛り込まれたことは、大きな一歩です。今後、この体罰とは何を指すかについて厚生労働省からガイドラインが示されるとのことですが、誰が、いつ、どのように検討するのか、根本厚労大臣、お答えください。  他方、懲戒権の検討について、本法案では、施行後二年を目途に検討することとしております。先日、法制審議会に今月中にも諮問する旨を発表されたと承知しており、大変迅速に動いていただいたのだと思いますが、そうであれば、果たして二年という検討期間は必要なのか。  衆議院厚生労働委員会の附帯決議では、民法の懲戒権の在り方については早急に検討を加えるとされております。  法務大臣に伺います。  懲戒権の規定の在り方について、具体的に、誰が、いつ、どのように検討するのか、既に決まっている内容も含めて、具体的にお答えください。あわせて、本法案の検討規定で定められた二年という期間について、附帯決議にある、早急に検討との時間的整合性についても見解を伺います。  報道に、体罰禁止規定、懲戒権の検討などの文字が躍るたび、友人たちから、お箸の持ち方が違うと手をたたいてしまった私は罰せられることになるのか、宿題をやらなかったからおやつはあげないと言ったら、これも懲戒に当たるのか、そんな素朴な疑問が私の下に寄せられます。  体罰や懲戒の線引きや定義の議論をする過程については、どうか努めてオープンに、慎重に、また、子育て世代の多くの実感や現実を取り入れていただきたく存じます。両大臣の答弁を求めます。  児童虐待をしてしまった保護者に対する再発防止のための支援プログラムについて伺います。  子供の安全をまず何よりも守る、虐待する親と引き離す。それが必要なのは間違いありません。しかし、それだけで子供たちは幸せになれるのか。どんなに虐待されても、子供は目を閉じ、まぶたの母、まぶたの父を求めるといいます。  子供の安全を確保した上で、親には変わるチャンス、宿題を課す。それを乗り越えてきたなら、親子の再統合を試みる。親が親になっていくチャンスを確保しつつ親権制限をしていく仕組みというのが、今の日本にはありません。  本法案には、保護者支援プログラムが野党案の一部を取り入れる形で盛り込まれましたが、努力義務にとどまっております。このようなプログラムを意欲的に受けたいと申し出る保護者は少ないと思われる中、支援が必要な方には確実に受けてもらう必要があるからこそ、野党案では義務化としました。  保護者への指導実施に当たり、本法案でどのような実効性を担保できるというのか、総理の見解を伺います。  最後に、内密出産について伺います。  児童虐待によって亡くなった子供たちは、平成十五年から二十七年度までに六百三十六例、六百七十八人おります。そのうち、ゼロ歳児の割合は四六・二%、中でも、ゼロ歳ゼロか月ゼロ日ゼロ時間、つまり産声を塞がれて命を奪われた赤ちゃんが一八・三%と、虐待死の中で一番多いのです。  我々はもう、家族観や宗教観を超えて議論を始めなければなりません。総理、匿名で出産し、子供は後に出自を知ることができる内密出産について、御所見をお聞かせください。  幾ら子育て支援センターを充実しても、その支援が届かない、窓口に母子手帳を取りに来ることすらできない母親がこの国にはいるのです。たくさんの課題があろうかと思います。議論すら必要ないと言い捨てる議員も数多くおります。しかし、今も生きているはずの命がそこにあります。御答弁をお願いします。  我々国民民主党は、これからも児童虐待防止に圧倒的当事者意識を持って取り組むことをお約束し、私の質問を終わります。(拍手)    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
  11. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 伊藤孝恵議員にお答えいたします。  児童福祉司の増員の法的根拠及び新プランでの対応についてお尋ねがありました。  児童福祉司の増員については、今後の虐待相談対応件数の増加やケースの複雑化に応じて、機動的な対応が必要です。  こうした観点から、児童福祉司の配置数については、従来から政令において定めることとしており、政府案においては児童福祉司の具体的な数値を盛り込まなかったところです。また、修正案においても、与野党協議の結果、配置数は盛り込まれず、人口や相談件数、市町村における事務の実施状況を総合的に勘案して定めることとされているものと承知しています。  お尋ねの昨年十二月に策定された新プランについては、現在約三千人の児童福祉司を二〇二二年度には約五千人体制とすることなどを内容としており、今後、このプランや修正案で示された勘案事項に基づいて、着実に児童相談所の体制強化を図ってまいります。  中核市特別区児童相談所の設置義務化及び一時保護所の拡充についてお尋ねがありました。  中核市特別区による児童相談所の設置は、身近な地域で子育て支援から虐待対応までの切れ目ない一貫した対応につながるものであると考えています。一方、人口規模や当該自治体の有する人材などの状況も様々であり、一律に義務化することは適切ではないなどの意見が地方団体等から寄せられています。  こうしたことを踏まえ、政府案においては一律の義務化とはしていません。また、修正案においても、与野党協議の結果、必置義務は盛り込まれなかったものと承知しています。国としては、今後、施設整備や人材確保、育成など、児童相談所の設置に向けた支援を抜本的に拡充してまいります。  設置の見込みについては、既に、児童相談所を設置する方向や、設置する方向で検討中の自治体が数多くあり、こうした取組を通じて児童相談所の設置を推進してまいります。  五年間の支援期間については、施設整備や人材育成、確保などには一定期間が必要であり、五年間の集中支援期間を設定しております。  さらに、三月の関係閣僚会議で決定した抜本的強化において、一時保護所が安心、安全な場となるよう、個別的な対応ができる職員体制の強化や環境整備を促進することとしています。具体的な支援内容については、一時保護所等の現場の実情を踏まえた上で、今後検討してまいります。  転居後の措置解除の制限期間の法的根拠についてお尋ねがありました。  修正案においては、転居前後における措置解除の制限期間を法定化することは盛り込まれていないものと承知していますが、政府としては、仮にこれを具体的に法律で定めた場合は、現場の画一的な対応を招く可能性もあるのではないかと考えています。  転居などに際して子供の安全を確保していくためには、目黒区野田市の事案も踏まえて、関係機関による支援や保護は切れ目なく継続されることが重要であり、修正案の規定やこれまでの転居前後の引継ぎルールなどにのっとって、適切に対応してまいります。  保護者支援プログラムについてお尋ねがありました。  政府としては、修正案に規定された児童虐待を行った保護者に対する医学的又は心理学的知見に基づく指導について、保護者支援プログラムの活用推進を定めた三月の関係閣僚会議決定に基づき、専門人材の養成や活用方法の周知など、その実効性を確保するための仕組みを構築してまいります。  いわゆる内密出産についてお尋ねがありました。  内密出産制度については、例えばドイツにおいて、予期せぬ妊娠をした妊婦が、妊娠相談所での相談後もなお実名を伏せて出産することを希望する場合に医療機関において実名を伏せて出産できることとし、養子縁組につなぐ制度があると承知しています。  こうした諸外国の制度について厚生労働省において調査研究を実施しているところですが、一般論として、子供の出自を知る権利をどう考えるか、出産後に実親が養育しない子供が増加するのではないかなど、我が国においては多岐にわたる課題があると考えています。  政府としては、予期せぬ妊娠に対応していくため、教育や相談体制の整備などを進めてまいります。  残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)    〔国務大臣根本匠君登壇、拍手〕
  12. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 伊藤孝恵議員にお答えいたします。  体罰禁止に関するガイドラインの検討スケジュール及び議論の場についてお尋ねがありました。  体罰の禁止に関するガイドラインについては、公開の場で有識者の方からの御意見をお伺いしながら、具体的な内容を検討していきます。  また、ガイドラインの作成やその周知には一定の期間を要することから、施行日である二〇二〇年四月一日に円滑に施行できるよう、法案成立後速やかに検討の準備を開始することとしています。(拍手)    〔国務大臣山下貴司君登壇、拍手〕
  13. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 伊藤孝恵議員にお答え申し上げます。  まず、懲戒権の規定の見直しに向けた検討方法等についてお尋ねがありました。  懲戒権の規定に関しては、本月二十日に法制審議会の総会を臨時に開催し、その見直しに向けて新たに諮問をすることとしました。そのため、今後は法制審議会において見直しに向けた調査審議が進められることになり、具体的な議論の進め方等についてもそこでの議論に委ねたいと考えています。  また、本法律案においては、法律の施行後二年を目途として懲戒権の規定の在り方について検討を加える旨の条項が定められており、衆議院厚生労働委員会においても、それを前提として早急に検討を加える旨の附帯決議がされたものと理解しております。法務省としては、これらの趣旨を踏まえ、できる限り早期に結論を得ることができるよう鋭意検討を進めてまいります。  次に、懲戒権の規定の見直しに関する議論の進め方についてお尋ねがありました。  御指摘のとおり、懲戒権の規定の見直しに当たっては、親権の行使として許される行為とそうでない行為との線引き等についても議論を深める必要があると考えております。  懲戒権の規定の見直しについては国民の間にも様々な意見があるものと承知しており、その検討過程においても、議論の状況等を国民一般に公開し、広く国民の意見を聴取しながら、充実した議論が行われるよう努めてまいります。(拍手)     ─────────────
  14. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 山本香苗君。    〔山本香苗君登壇、拍手〕
  15. 山本香苗

    ○山本香苗君 私は、自民・公明を代表し、ただいま議題となりました児童福祉法等改正案につきまして、安倍総理に質問いたします。  子供たちが巻き込まれる自動車事故や殺傷事件が相次いでいます。改めまして、心からお悔やみを申し上げますとともに、お見舞いを申し上げます。政府におかれましては、なぜこうした事件、事故が起きたのか、その背景を解明するとともに、子供の命を守る対策の一層の強化に取り組んでいただきたい。まず冒頭、強く要望いたします。  痛ましい児童虐待事件も後を絶ちません。子供たちの命を守るのは私たち全員の責任です。この責任を果たすため、先般、衆議院で与野党が修正協議を重ねた結果、全ての会派が合意し、修正案が取りまとめられました。参議院においては、より充実した審議を通じて責任を果たしてまいりたいと考えておりますが、総理は与野党で修正合意された本改正案をどう評価しておられるのか、また、本改正案によって児童虐待をどう根絶していくお考えか、総理の御決意を伺います。  お父さんに暴力を受けています、先生、どうにかできませんかという必死の訴えがあったにもかかわらず、千葉県野田市の事件では、子供の最後のとりでである児童相談所も、学校、教育委員会も、市町村等関係者も、リスクを見極めることができず、使える仕組みもチャンスもいっぱいあったにもかかわらず、幼い命を救うことができませんでした。昨年の目黒区の事件も全く同じです。無念でなりません。  昨年十二月、児童虐待防止対策体制総合強化プランが策定され、児童相談所の人員体制の強化に加え、新たに市区町村における体制強化が盛り込まれました。人員体制の強化は不可欠です。しかし、それ以上に今求められているのは、職員の専門性の確保とその維持体制の確立ではないでしょうか。  児童相談所の職員が虐待の兆候やリスクを見極めて適切に介入するには、知識だけではなく、五年から十年の経験が必要です。しかし、二〇一八年四月時点で十年以上の勤務経験がある児童福祉司は全体の一六%にとどまり、三年未満が約四割を占めています。    〔議長退席、副議長着席〕  厚生労働省では、二〇一七年に児童相談所や市町村職員を対象にした研修の基準を策定しましたが、全国の一般的な職員の異動サイクルは三年から五年程度です。虐待を見抜く力やリスクを的確に判断できる力が身に付く前に異動しています。このままでは、幾ら研修を強化しても、組織としての専門性はいつまでたっても育ちません。  本改正案と同時に決定された政府の抜本的強化策には、専門性確保のため、一定の経験年数を積んだ職員が確保できるような人事ローテーションへの配慮等が行われるよう要請するとありますが、これでは今までと同じです。幾ら法改正を重ねても、制度改正しても、同じ過ちを防ぐことはできません。  そこで、総理にたってのお願いです。  総理のリーダーシップで、知事会、市長会に働きかけて協議の場をつくり、地方公務員である福祉専門職の人事や人材育成の在り方を議論し、実効ある取組としていただけないでしょうか。総理の明快かつ力強い答弁を求めます。  次に、情報共有の在り方について伺います。  支援を行っている家庭が他の自治体に転居する際、転居先の自治体を管轄する児童相談所にケースを移管するとともに、当該家庭の転居先やこれまでの対応状況など、必要な情報提供をすることとなっています。  しかし、児童相談所間の情報共有はいまだに電話、ファクスがメーンです。児童相談所と市町村間は、基本、紙ベースです。ケース移管の書類が転居先に届くまで時間が掛かります。その間の情報共有は主に電話となりますが、複数の自治体の間で情報共有しなければならない場合、電話では限界があります。かつ、電話では正確かつ詳細な情報が伝わりにくく、リスクの認識をうまく共有することができません。  こうした課題を解消するため、今年度、同一都道府県内の児童相談所と市町村の間の情報共有システムを構築するに当たって国が半額補助する費用が計上されましたが、全都道府県で確実に導入されるのでしょうか。全都道府県で、かつ同一都道府県内のみならず都道府県をまたいでも情報共有できるよう、更なる対策を早期に講じていただきたい。総理の具体的な答弁を求めます。  次に、虐待の未然防止について伺います。  虐待は子供の心と体に深い傷を残します。この傷を癒やすのは並大抵のことではありません。だからこそ、虐待を未然に防ぐことが何よりも重要です。  これまで、生後四か月までに全ての家庭を訪問するこんにちは赤ちゃん事業や、妊娠期から切れ目なく支援する子育て世代包括支援センター事業など、虐待を未然に防ぐ支援策を充実させてきました。他方、無業、貧困、障害や病気、DV等、様々な困難を抱えている家庭では、そのひずみが一番弱い立場の子供に向かう可能性がありますが、こうした家庭に対する支援は十分ではありません。近年、こども宅食や訪問型の子どもの学習・生活支援など、困難を抱えている家庭を世帯丸ごと支援する取組が民間で行われていますが、多くの場合、行政とつながっておりません。  こうした民間の活動に対し、行政の側から積極的に連携を呼びかけ、困難を抱えている家庭に寄り添う支援策を一層充実させていくことこそが虐待を未然に防ぐ最も重要かつ必要な手だてと考えますが、総理の御所見を伺います。  最後に、児童養護施設等退所児童の自立支援について伺います。  今年二月、東京都渋谷区の児童養護施設若草寮の施設長が施設で育った若者に殺害されるという事件が発生しました。虐待等、様々な理由で親と暮らせず、児童養護施設等で生活する子供たちは、通常、十八歳になると施設を出ます。施設を出た途端、家も仕事も自力で何とかしなくてはなりません。失敗は許されないというプレッシャーを常に抱え、悩みがあっても身近に相談できる相手がいません。今回の事件を起こした若者も、施設を出た後、一旦就職しましたが、約一か月半で退職。その後、別の仕事に就いたけれども長続きせず、ネットカフェなどを転々とし、逮捕時の所持金は数百円だったと報じられています。今回の事件で彼がしたことは決して許されることではありません。しかし、なぜ彼がこうした事件を起こしてしまったのか、私たちは深く考えなくてはならないのではないでしょうか。  こうした若者たちに寄り添い、自立に向けて伴走する仕組みが少しずつ整備されてきましたが、今回の事件で、まだまだ十分ではないという現実が改めて突き付けられました。施設退所後の若者たちがどういう状況にあるのか、何に困っているのか、どういう支援を求めているのか。当事者である若者の意見を聞きながら、その実態を把握し、支援の拡充に取り組むべきと考えますが、総理は今回の事件をどう受け止め、自立支援体制の整備に今後どう取り組んでいくお考えか、若者たちが希望を持てるような答弁をお願いいたします。  以上の質問につきまして、安倍総理の明快かつ心のこもった答弁を求めて、私の質問を終わります。(拍手)    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
  16. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 山本香苗議員にお答えをいたします。  子供の命を守る対策の強化についてお尋ねがありました。  昨今、子供が犠牲となる交通事故が相次いで発生しているほか、先月二十八日には川崎市で幼い子供たちが被害に遭う大変痛ましい事件も発生しました。お亡くなりになられた方々の御冥福と、被害に遭われた方々の一日も早い御回復を心からお祈り申し上げます。  次世代を担う子供たちのかけがえのない命を何としても守らなければなりません。相次ぐ交通事故を受けて先月二十一日に開催した関係閣僚会議においては、未就学児を中心に子供が日常的に集団で移動する経路の安全確保、高齢者の安全運転を支える対策の更なる推進等について私から指示をいたしました。また、川崎市での殺傷事件を受けて先月二十九日に開催した関係閣僚会議においては、徹底した捜査による全容解明と関係省庁での情報の共有、通学路の安全確保の徹底、不審者情報の共有と迅速な対応の徹底について私から指示をいたしました。  今後、このような方針に基づき、政府一体となって早急に子供の命を守る取組を進めてまいります。  与野党による児童福祉法等改正案の修正の受け止めと今後の児童虐待への取組についてお尋ねがありました。  修正案は、痛ましい虐待事案を繰り返さないという目指すべき目標に向かって、与野党によって大変精力的かつ前向きな御議論をいただいた成果と考えています。  国会で御審議いただいた議論を踏まえ、何よりも子供の命を守ることを最優先に、あらゆる手段を尽くし、児童虐待の根絶に向けて総力を挙げてまいります。  福祉専門職の在り方に関する地方との協議についてお尋ねがありました。  地方公務員である児童福祉司等の専門人材の確保、専門性向上を図るため、地方公共団体において、必要な経験を積むための人事ローテーションへの配慮等をいただくことは重要と考えています。  今後、児童虐待防止対策の推進のための検討を進めるに当たり、児童相談所の設置基準など様々な相談を進めていく中の一つのテーマとして、地方団体とも十分に協議してまいります。  児童虐待に関する情報共有システムの構築についてお尋ねがありました。  転居ケースなどにおいて自治体間の引継ぎを効率的に行うため、情報システムを活用することは有効と考えています。  本年三月の関係閣僚会議において、全都道府県においてシステム整備の構築を進めること、その際、国において、情報共有の標準的な仕様を示すとともに、システム構築に必要な費用を支援すること、加えて、全国の都道府県間の情報共有システム構築に向けた検討を進めることを決定しているところであり、より効率的に情報共有できるシステムの構築に努めてまいります。  民間活動と連携した困難を抱える家庭への支援についてお尋ねがありました。  児童虐待の発生予防の観点から、民間活動とも連携しながら困難を抱える家庭を適切な支援につなげていくことは重要であると認識しています。  このため、政府としては、地域の民間団体と連携した一人親家庭や生活困窮世帯等に対する相談支援や学習支援など、各地方公共団体の行う取組を推進しているところであり、今後もこうした取組の充実に努めてまいります。  児童養護施設退所者の自立支援についてお尋ねがありました。  事件で亡くなられた施設長には、心より御冥福をお祈り申し上げます。  児童養護施設を退所された方々が円滑に社会生活を送ることができるよう、継続的に支援することが大変重要です。  政府としては、御党の意見も踏まえながら、施設に残ることを希望する方への支援事業や、退所される方に生活費等を貸与し、五年間の就業継続により返済を免除する事業を実施するほか、大学進学支援のため、学習塾費用の補助を今年度増額しました。さらに、都道府県において策定中の社会的養育推進計画にこうした事業の活用を盛り込むようお願いしているほか、本年三月の児童虐待防止に関する関係閣僚会議においても、支援の拡充を図ることを決定しました。  政府としては、施設を退所された方々を始め、関係者の意見も聞きながら、全ての子供たちが夢を持って成長していける社会の実現に向けて、今後とも全力を尽くしてまいります。(拍手)     ─────────────
  17. 郡司彰

    ○副議長(郡司彰君) 清水貴之君。    〔清水貴之君登壇、拍手〕
  18. 清水貴之

    ○清水貴之君 日本維新の会・希望の党の清水貴之です。  私は、会派を代表して、ただいま議題となりました児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律案について質問をいたします。  昨年三月に目黒区で起きた虐待による死亡事案においては、亡くなった女児が両親に宛てた手紙が、良い子になるから許してほしいという痛ましいものであったこともあり、日本社会の中に親による子供の虐待という問題をクローズアップさせました。  この事件をきっかけに国及び地方自治体において虐待への対策が検討されているさなかの今年一月に、野田市において虐待による死亡事案が起きました。  両事案とも、虐待の発覚を恐れた親が転居したと思われること、転居前後の児童相談所間の連携の在り方が問われることとなりました。  日本維新の会は、児童虐待を防止する観点から、児童福祉司等の設置基準の法定化や、児童養護施設及び里親への一時保護委託も含めた一時保護の受皿の整備、一時保護所内でのいじめ、虐待の防止など、保護を受ける子供の立場に立った修正を要求し、修正案として反映されたことについて一定の評価をしていますが、反映されなかった課題も残っていることを指摘した上で、質問に入ります。  本改正案は、「児童の親権を行う者は、児童のしつけに際して、体罰を加えることその他民法第八百二十条の規定による監護及び教育に必要な範囲を超える行為により当該児童を懲戒してはならず、当該児童の親権の適切な行使に配慮しなければならない。」こととすることとしています。親権のある親による虐待を想定した法律案になっているわけです。しかし、実際の児童虐待は懲戒権を持っていない内縁の夫や親権者以外の同居人によって行われることも想定すべきと考えます。仮に、あの家庭では虐待しているのではないかということを近隣世帯の住民が疑いを持ったとしても、一般の家族と同じように暮らしていれば、その関係が内縁か、それとも法的なものかどうか、親権を持ち懲戒権を持つ親かどうかということは判別することはなかなかできません。  そこで、総理に質問します。児童虐待の発生を防止するために、児童虐待罪の創設や厳罰化を進める必要があるのではないでしょうか。  先ほど述べましたように、目黒区と野田市の両事案においては、転居前に対応していた児童相談所から転居地の児童相談所に適切に引き継がれなかった問題があります。担当していた児童相談所がどんなにその子供の情報を把握しても、転居で別の児童相談所の担当になった瞬間に、その子供に関しての情報を一から把握することになっていては、また重要な情報が引き継がれなければ、情報を把握することに時間が掛かってしまいます。そして、その子供への適切な対応を行うことを決めるにも時間が掛かってしまいます。その間にもまた虐待が起きてしまったことが今回の両事案です。  この最初に対応した児童相談所が把握した情報を、素早く適切に次に対応する児童相談所に引き継がなければなりません。そのためには、個別に情報を引き継ぐよりも、児童相談所が把握した情報を統一した様式で集約し全国的にデータベース化して、児童相談所相互に情報の共有を進めることが必要であり、適切であると考えます。  総理に伺います。児童相談所間の情報共有をどのように進めていくのでしょうか。具体的手法についてお答え願います。  次に、児童相談所と警察の関係について伺います。  児童相談所の業務として児童の安全確保が明文化されますが、それを実行する上では、地域との連携強化や警察との協力関係の強化が必要です。しかし、福祉分野においては、警察との連携を避ける傾向があり、また連携を行っても、児童相談所から警察に情報提供される対象が限られ、情報共有を行うか行わないかの切り分けが現場の属人的な判断に依存してしまうことで、漏れ落ちた案件が凄惨な事件にまで発展してしまうリスクを排除できません。  児童相談所には強い権限がありますが、その上に警察の協力を加えることで、虐待する親の圧力に屈することなく強力に児童の生命を守ることができるようになります。児童相談所と警察が児童虐待の情報を全件共有することができれば、子供が虐待に遭っている事案が漏れ落ちることはありません。既に、大阪府、神戸市を始めとする幾つかの自治体では、児童相談所と警察の連携や児童虐待の全件共有を含む組織的連携が効果的に進んでいます。  総理に伺います。児童相談所と警察が今後どのような方法で連携関係を築いていくのでしょうか。また、児童相談所と警察の児童虐待の全件共有についてどのようにお考えでしょうか。  地域ぐるみ、社会ぐるみで子供を虐待から守る仕組みは更に推し進める必要があります。その中心に児童相談所がある以上は、児童相談所に業務が集中することは否めません。児童虐待を防止する観点からは、これまで以上にきめ細やかな対応が求められる反面、業務が集中し過ぎて本来求められる対応まで行えないおそれもあると考えられます。そこで、地域ぐるみ、社会ぐるみという視点からも、児童相談所の業務の一部について市町村や民間団体等への委託の推進が検討できると思います。  総理に伺います。児童相談所の業務の一部について、市町村や民間団体等への委託を行い、児童相談所に業務が集中している状況を改善する方式についてはどのようにお考えでしょうか。  地域ぐるみ、社会ぐるみで子供を虐待から守る仕組みを更に推し進める視点から、もう一点お伺いをします。  千葉県野田市の児童虐待死亡事案においては、児童虐待だけではなく、父親から母親へのドメスティック・バイオレンスがあったことが明らかになっています。転居前の沖縄県糸満市から千葉県野田市にDVがある事実を引き継いでいましたが、野田市においてはその情報を児童相談所や警察などで構成される要保護児童対策地域協議会に伝えられなかったことが報道されています。  児童虐待が疑われると同時にDVが行われているケースは、父親による児童虐待に対して母親による保護が期待できず、児童にとっては極めて深刻な状況になってしまいます。このような状況こそ行政が把握し、児童の命を守るため、最善の努力をする必要があります。  要保護児童対策地域協議会は、児童相談所などの行政機関、学校、幼稚園、保育所などの関係機関、医師会、弁護士会などの関係団体などにより構成されています。その関係機関の一つである配偶者暴力相談支援センターは全国で二百八十七か所ありますが、同協議会に関わっているケースは九・二%しかありません。  総理に伺います。配偶者暴力相談支援センターが構成員になっている要保護児童対策地域協議会が九・二%にすぎない現状をどのように考えていますか。  児童虐待と配偶者暴力は、対策する機関が垣根を越えてお互いに協力することによって、より効果のある人命の保護と虐待の防止を実現するものと考えます。政府として、両機関を統合的に運用できる合同協議会の設置等について検討されているのでしょうか、御回答願います。  子供には無限の可能性と明るい未来があります。児童虐待で子供の未来を奪うことはできません。社会全体で子供を守る仕組みをつくること、社会全体で子育て世代を支援していくことが豊かな未来につながると考えます。そのために、私たち日本維新の会は、子供を守る仕組みをつくることと子育て世帯に対する手厚い支援を行っていくことを主張いたしまして、私からの質問といたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手)    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
  19. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 清水貴之議員にお答えいたします。  児童虐待罪の創設や厳罰化についてお尋ねがありました。  児童虐待罪を創設することや厳罰化することについては、対象となる行為の外延を明確に規定できるのかなどの観点から、慎重な検討が必要であると考えています。  なお、親権者以外の者については、民法上の懲戒権を持たないため、従来より体罰を加えることは許されておらず、本法案の規定と併せて、親権の有無にかかわらず、いかなる体罰も禁止されることとなります。  児童相談所間の情報共有についてお尋ねがありました。  転居ケースなどにおいて自治体間の引継ぎを効率的に行うため、情報システムを活用することは有効と考えています。  本年三月の関係閣僚会議において、まずは、全都道府県においてシステム整備の構築を進めること、国において、情報共有の標準的な仕様を示すとともに、システム構築に必要な費用を支援すること、加えて、全国の都道府県間の情報共有システム構築に向けた検討を進めることを決定しているところであり、より効率的に情報共有できるシステムの構築に努めてまいります。  警察と児童相談所の連携及び全件共有についてお尋ねがありました。  子供の安全確認を確実に行うとともに、安全確保や必要な支援を的確に行っていくためには、警察と児童相談所との情報共有は重要です。全件情報共有している自治体も含めて、地域の実情を踏まえた連携体制が構築されているところであり、引き続き、先行する自治体での取組も十分踏まえながら検討してまいります。  児童相談所の業務の外部委託についてお尋ねがありました。  児童相談所が市町村や民間団体等とも適切に連携を図りながら業務を行うことは重要と考えています。  このため、児童福祉法の規定により、虐待の予防や早期発見、身近な場所での継続的な支援に関する一部の業務は市町村が担うこととされております。また、外部への委託により業務が適切かつ効果的に実施されることが期待できる里親養育支援業務や保護者支援プログラム業務については、民間団体等への委託を推進してまいります。  配偶者暴力相談支援センターの要保護児童対策地域協議会への参加等についてお尋ねがありました。  DVが行われている状況下では、子供に対する虐待の制止が困難となる場合があり、児童虐待対応機関と配偶者暴力相談支援センター等が連携して対応することが重要です。  しかしながら、同センターの要保護児童対策地域協議会への参加率は九・二%にとどまっており、両機関の連携強化は急務と考えています。  このため、本法案にはDV対策と児童虐待対応の連携強化のための規定を盛り込んでおり、その具体策の一つとして、地域協議会にDV対応を行う機関の参加を促すよう働きかけてまいります。(拍手)     ─────────────
  20. 郡司彰

    ○副議長(郡司彰君) 倉林明子君。    〔倉林明子君登壇、拍手〕
  21. 倉林明子

    倉林明子君 日本共産党倉林明子です。  私は、日本共産党を代表し、児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律案について質問します。  児童福祉法は、一六年改正で初めて第一条に「児童の権利に関する条約の精神にのつとり、」と規定され、子供が権利の主体者としてうたわれました。子どもの権利条約批准から二十年、この精神をいかに具現化していくかが問われています。  子供を守り育てるのは社会の責任です。しかし、今、子育てをする家族の現状は、貧困、格差が広がり、孤立する親子が少なくありません。親の責任が様々に追及される中で、支援を求めることもできず、余裕なく追い詰められているのではないでしょうか。  様々な対策が取られる中で、虐待の相談通報が増え続ける背景に何があるのか。子供への虐待を、個別の家族の問題としてのみ捉えるのではなく、それを支える社会の問題として捉え直し、親、家庭に重い責任を負わせていないか、改めて検証する必要があります。総理の認識をお聞かせください。  子供は、権利主体として、その尊厳、身体の不可侵性が尊重されなければならず、子供に対する暴力である体罰は許されません。  法案が、しつけを口実とした体罰は虐待であり、許されないことを明らかにしたことは重要です。しかし、なぜ親権を行う者による体罰に限定しているのですか。  しつけ、指導の名を借りた体罰は、父母以外の親族、父母の内縁者からも行われています。家庭内のみならず、子供たちのあらゆる生活の場で起こり得るものです。誰からのものであっても禁止されるべきではありませんか。あわせて、民法八百二十二条の懲戒権の削除に踏み込むべきです。  児童相談所の体制強化について質問します。  児童虐待の相談対応件数はこの十年で三・三倍に増えたのに対し、児童福祉司の配置数は一・四倍にとどまっています。  厚労省は、児童福祉司一人当たりの担当の目安として四十ケースを示しています。しかし、現場からは、百ケース以上を担当し、虐待通報への初期対応に追われ、保護者と対立するなど困難な対応の増加で疲弊しているとの声が上がっています。  四十ケース以上担当する児童福祉司の数と比率はどうなっていますか。政府は、新たな児童虐待防止対策体制総合強化プランで児童福祉司の増員を前倒しして実施するとしました。これによりどの程度改善するのですか、お答えください。  児童福祉司の勤務年数は三年未満が四四%を占めています。日本自治体労働組合総連合が二〇一二年に公表した調査では、一五%が無資格のまま児童福祉司に任用されているといいます。専門性の確保に向け、国の責任で計画的な人材育成が求められます。  同時に、相談支援に関する効果的な取組の構築と継承が求められています。そのためにも、児相職員の日々の支援によって子供たちが守られたケース、これにも光を当て、支援の手法の検証、蓄積をすることが必要ではありませんか。    〔副議長退席、議長着席〕  次に、児童相談所の一時保護について質問します。  児童相談所による一時保護は年々増加し、都市部を中心に一時保護所が不足し必要な措置がとれない、定数超過、在所日数の長期化、学習権の保障、混合処遇等、様々な問題が指摘され、この間強く改善が求められてきました。  入所する子供たちは、家庭環境に深刻な問題があり、自身も深い心の傷を負っていることや、発達障害などの子供も増えるなど、一人一人に応じた個別の支援が必要になっています。また、一時保護は、子供たちのアセスメントを行って、次の支援につなげていく重要な役割を担っています。  現在、一時保護所には、養護施設の設備、職員基準が準用されているものの、対応の困難性、一人一人に向き合ったケアの充実の必要性を踏まえれば、更なる基準の引上げが求められています。一時保護所の役割を踏まえ、個室化など独自の手厚い施設基準、心理職などの専門職の配置を含め、個別対応が可能な職員配置基準が必要ではありませんか。  子供への虐待を防ぐために、身近な場所で子供と家族を支える基礎自治体の役割が重要です。市町村が子ども家庭相談の窓口として位置付けられて十数年。二〇一六年の児童福祉法改正では、市町村を子ども家庭支援の要とし、指導、支援の窓口として役割を明確化しましたが、市町村の体制はいまだ確立したとは言えません。  市町村の虐待対応窓口の担当職員で、児童福祉司と同様の資格を持つ職員の比率はどうなっているでしょうか。  有資格者の比率は、人口規模が少なくなるとともに低くなっており、十万人未満の市でも三割は無資格者です。また、非正規職員が多く、専任職員が少ない。加えて、異動周期が短く、専門性が定着しないとの指摘があります。  基礎自治体である市町村には、子供、家族を受け止め、支える役割が期待されています。国は、市町村における相談支援についても、専門性を蓄積するために、複数の正規職員の配置や心理職等も含め、専門職を確保できるよう財政支援を拡充すべきです。答弁を求めます。  子供の安全、安心、命を守るためにも、更なる公務員の削減は見直すべきです。新プランに基づく増員について、職員削減率を用いた交付金算定を見直すとしていますが、市町村の子ども家庭相談、虐待相談を担当する職員についても、交付金削減の対象から外すべきです。子育て支援に努力する自治体が不利になるような仕組みの見直しを強く求めるものです。答弁を求めます。  千葉県野田市で少女が虐待死させられた事件で、母親が逮捕されたことにDV被害者は衝撃を受けています。DVという過酷な暴力の支配下にある家庭で、母親なのだから子供を守るべきだなどということが通用するはずがありません。少女の母親は、加害者として逮捕されるべき存在ではなく、保護、支援されるべき存在です。一方的に非難されることがあってはなりません。  虐待の陰にはDVがあり、DVと子供への虐待を一つながりのものとして捉えた対策が必要です。関係機関が、DVによる支配とコントロールの構造、被害者、子供への影響を含め正しく理解するために、子供に関わる全ての機関で専門的研修、教育を義務付けるべきではありませんか、お答えください。  現在のDV支援については、民間支援組織を含む関係団体から多くの問題が指摘されており、法改正を含め早急な見直しが必要です。答弁を求めます。  DV被害者を始め、多岐にわたる困難を抱える女性の相談、危機介入、生活再建等に関わる総合的な支援に当たる婦人相談員の処遇は極めて重要です。市町村への配置を義務化するとともに、その専門性にふさわしい処遇改善が行えるよう財政措置を講じるべきです。  子供を守るためには、母親、女性が守られなければならず、その支援の在り方を抜本的に見直すことが必要です。  現在の婦人相談員を始めとする婦人保護事業は売春防止法を根拠としており、女性の人権も尊厳も認めていません。DVを始め、貧困、居場所を失い孤立した女性、性的搾取など、様々な困難を抱えた女性が、人権と自己決定が尊重され、必要とされる支援が切れ目なく受けられるよう、抜本的な見直しをすべきです。  以上、答弁を求め、私の質問といたします。(拍手)    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
  22. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 倉林明子議員にお答えをいたします。  虐待の相談通報増加の背景とその検証についてお尋ねがありました。  虐待の相談対応件数の増加の背景には様々な要因が影響するため、一概には言えませんが、虐待に対する意識が高まったこと、警察を始めとした関係機関の通告の増加なども影響しているのではないかと考えています。また、子育てにおける負担感の増大や孤立化といった課題もあり、地域における子育て相談や支援の強化を図るなど、社会全体で子育てを支えられるよう全力で取り組んでまいります。  体罰についてお尋ねがありました。  体罰は、たとえしつけを目的とするものであっても許されないものであります。そもそも、親権者以外の者については、民法上の懲戒権を持たないため、従来より体罰を加えることは許されていません。さらに、本法案により、たとえ懲戒権を有する場合であっても、体罰の禁止が法定化されることとなります。  いずれにしても、体罰はどのような理由であっても許されないということを法律の上でも国民の意識の上でも徹底し、虐待の根絶につなげてまいります。  残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)    〔国務大臣根本匠君登壇、拍手〕
  23. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 倉林明子議員にお答えいたします。  児童福祉司の担当ケース数と増員についてお尋ねがありました。  児童相談所における個々の児童福祉司の担当ケース数については把握しておりませんが、新プランにおいては、児童虐待相談及びそれ以外の相談を併せて児童福祉司一人当たり五十ケース相当だった配置標準を四十ケース相当となるよう見直すこととしています。  相談支援の手法の検証及び蓄積についてお尋ねがありました。  各児童相談所での効果的な取組を共有し、職員の専門性向上を図ることは重要です。このため、研修センターにおいて参加者同士の実践報告や事例検討を行っており、今年度からは全国七つのブロックでの研修も行っています。こうした研修でそれぞれの経験に基づくアセスメント等の議論を行い、効果的な取組の共有を通じて、児童相談所職員の専門性向上に努めてまいります。  一時保護所の体制強化についてお尋ねがありました。  現行、一時保護所の設置、運営については、児童養護施設に係る基準を準用していますが、本年三月の関係閣僚会議決定では、一時保護所における職員体制の強化や環境整備を促進することとしました。また、衆議院での修正で追加された改正法案附則第七条においても、一時保護施設と職員の量的拡充と質的向上に係る方策を検討し、必要な措置を講ずることとされており、この趣旨も踏まえ、具体的な内容については、現場の実情を踏まえた上で今後検討してまいります。  児童福祉司と同様の資格を有する市町村職員の状況についてお尋ねがありました。  市町村で虐待対応を行っている職員について、児童福祉司と同様の資格を有する者は約二割となっています。  市町村における正規職員や専門職の確保のための財政支援についてお尋ねがありました。  市町村の相談支援体制を強化するため、子ども家庭総合支援拠点への職員配置について、心理担当の職員を含め、人件費等の国庫補助を行っています。今年度より、常勤職員を人口十万人当たり一名配置できるよう地方交付税措置を講じるとともに、弁護士や医師の嘱託費用等に対する補助制度を創設しました。  こうした取組を通じて、市町村における人材確保が進むよう、必要な支援に努めてまいります。  婦人相談員の市町村への配置義務化と処遇改善についてお尋ねがありました。  全ての市町村に対し婦人相談員の配置を義務付けることは、地方分権の観点から慎重な検討が必要ですが、身近な相談先を確保するため、市に対し配置を要請してまいります。処遇改善については、これまでも国庫補助基準額の引上げを行ってきており、その効果を検証しながら今後必要な対応を検討してまいります。  婦人保護事業の抜本的な見直しについてお尋ねがありました。  DVや人身取引、ストーカーの被害を受けた方々など、様々な困難を抱える女性に対しては、売春防止法やDV防止法に基づき支援を行っています。現在、有識者による検討会において婦人保護事業の在り方に関する議論を行っており、夏頃をめどに基本的な考え方を取りまとめます。検討会での議論を踏まえ、必要な見直しについて検討してまいります。(拍手)    〔国務大臣石田真敏君登壇、拍手〕
  24. 石田真敏

    ○国務大臣(石田真敏君) 倉林議員にお答えいたします。  まず、地方公務員の削減の見直しについてお尋ねがありました。  地方公共団体の定員管理については、地域の実情を踏まえつつ、各団体において自主的に御判断いただくものと認識をいたしております。これまでも、地方公共団体におきましては、総職員数を抑制する中においても、例えば、児童相談所等の職員を始め防災対策に携わる職員や土木・建築技師等の職員は増加するなど、それぞれの行政需要の変化に対応し、必要な人員配置を行っていると承知をいたしております。  引き続き、各地方公共団体において、効率的で質の高い行政需要の実現に向け、適正な定員管理の推進に取り組むことが重要と考えています。  次に、児童虐待防止対策の強化に関する地方交付税算定の見直しについてお尋ねがありました。  児童虐待防止対策体制総合強化プランに基づき、児童虐待防止対策の強化を図るため、児童福祉司や児童心理司等の地方交付税措置を今年度から拡充いたします。また、職員数削減率を用いて行政改革の取組を反映する地方交付税の算定につきまして、プランに基づき児童相談所や市町村の体制強化を行う必要があること等を踏まえ、来年度算定以降、見直しを行う予定でございます。  今後、地方団体の意見も踏まえ、算定方法について検討してまいります。(拍手)    〔国務大臣片山さつき君登壇、拍手〕
  25. 片山さつき

    ○国務大臣(片山さつき君) 倉林議員から、子供に関わる機関におけるDVに関する知見の専門的研修、教育の義務付けについてお尋ねがありました。  DVは、家庭内で行われることから、外部からの発見、介入が困難である中で、児童虐待につながるなど、被害が深刻化しやすいとともに、被害者自身も、配偶者からの報復への恐怖や家庭の事情など、様々な理由から保護を求めることをためらう傾向があるといった特性があると認識しております。  子供に関わる機関におけるDVに関する知見の専門的研修、教育の義務付けについてはお答えする立場にはありませんが、文部科学省の学校・教育委員会等向けの虐待対応の手引、厚生労働省の地方自治体職員向けの子ども虐待対応の手引では、子供への影響を含むDVに関する知見が記載されており、学校や児童相談所等ではこれらの手引を踏まえた対応が取られていると承知をしております。  内閣府でも、配偶者暴力相談支援センター、民間シェルター、児童相談所等の相談員への研修、DVの特性の理解と被害者への適切な対応のための相談の手引の作成、毎年十一月十二日から二十五日の女性に対する暴力をなくす運動などを通じて、子供への影響を含むDVに関する知見や対応の普及啓発を行うこととしております。  いずれにせよ、子供への影響を含めて、DVに関する知見を踏まえた適切な対応が取られるよう、関係府省庁により一層緊密に連携してまいりたいと考えております。  次に、法改正を含めたDV被害者支援の見直しについてお尋ねがありました。  政府としては、これまでに、男女共同参画会議の下の女性に対する暴力に関する専門調査会において、民間支援団体を代表する委員などからDVを始めとする女性に対する暴力に係る施策についていただいた御意見を女性活躍加速のための重点方針などに反映させるなど、DV被害者支援の充実に努めてきております。  また、本年、私の下に新設したDV等の被害者のための民間シェルター等に対する支援の在り方に関する検討会でも、民間支援団体の実務家などから御意見をいただき、私ども自身も現場を視察した上で、先般五月三十一日に、支援拡充の方向性を新たなパッケージとして取りまとめました。今後、女性活躍加速のための重点方針二〇一九に盛り込むとともに、様々な理由により生きづらさを抱える女性への支援に漏れがないよう、政府一体となって包括的な支援に取り組んでまいります。  なお、委員御指摘の配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律は、超党派の議員により真摯に議論を積み重ねて、全会一致により制定、改正されてきたものでございまして、この改正の要否を検討するに当たっては、当時の御議論や経緯等も十分に踏まえる必要があると考えております。  いずれにいたしましても、内閣府としては、引き続き、民間支援団体等の御意見を十分に伺いながら、DV被害者支援の一層の充実に努めてまいります。(拍手)
  26. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) これにて質疑は終了いたしました。      ─────・─────
  27. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 日程第一 平成二十九年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)  日程第二 平成二十九年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)   (いずれも第百九十六回国会内閣提出、第百九十八回国会衆議院送付)  以上両件を一括して議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。決算委員長石井みどり君。     ─────────────    〔審査報告書は本号末尾に掲載〕     ─────────────    〔石井みどり君登壇、拍手〕
  28. 石井みどり

    ○石井みどり君 ただいま議題となりました平成二十九年度予備費二件につきまして、決算委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  平成二十九年度予備費二件は、憲法及び財政法の規定に基づき、国会の事後承諾を求めるため提出されたものであります。  これらの主な費目について申し上げますと、衆議院議員総選挙及び最高裁判所裁判官国民審査に必要な経費、大雪に伴う道路事業に必要な経費、訟務費の不足を補うために必要な経費などであります。  委員会におきましては、これら二件を一括して議題とし、まず財務大臣から説明を聴取した後、質疑は決算外二件と一括して行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して仁比理事より予備費二件に反対する旨の意見が述べられました。  討論を終わり、採決の結果、平成二十九年度予備費二件はいずれも多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  29. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。  まず、日程第一の予備費使用総調書について採決をいたします。  本件を承諾することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕
  30. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕
  31. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百二十四     賛成             二百八     反対              十六    よって、本件は承諾することに決しました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕     ─────────────
  32. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 次に、日程第二の予備費使用総調書について採決をいたします。  本件を承諾することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕
  33. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕
  34. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百二十六     賛成            二百十二     反対              十四    よって、本件は承諾することに決しました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕      ─────・─────
  35. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 日程第三 国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案(藤巻健史君発議)  日程第四 国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案(岡田直樹君外四名発議)  日程第五 国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律等の一部を改正する法律案(難波奨二君発議)  以上三案を一括して議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。議院運営委員長末松信介君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕     ─────────────    〔末松信介君登壇、拍手〕
  36. 末松信介

    ○末松信介君 ただいま議題となりました三法律案につきまして、委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  まず、藤巻健史君発議の国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案(参第三号)は、国会議員の歳費及び期末手当について、当分の間、二割削減しようとするものであります。  次に、岡田直樹君外四名発議の国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案(参第二六号)は、参議院に係る経費の節減の必要性を踏まえ、令和四年七月三十一日までの間において、参議院議員の歳費の一部に相当する額の返納による国庫への寄附について公職選挙法の寄附禁止の規定を適用しないこととすること等により、参議院議員が、支給を受けた歳費の一部に相当する額を国庫に返納することができるようにするものであります。  最後に、難波奨二君発議の国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律等の一部を改正する法律案(参第二九号)は、各議院の議長、副議長及び議員の歳費月額、内閣総理大臣の俸給月額並びに最高裁判所長官の報酬月額を減額しようとするものであります。  委員会におきましては、三法律案を一括して議題とし、発議者等に対し質疑を行いましたが、その内容は会議録によって御承知願います。  質疑を終局し、討論に入りましたところ、立憲民主党・民友会・希望の会の斎藤嘉隆理事より参第二九号に賛成、参第二六号及び参第三号に反対、公明党の宮崎勝委員より参第二六号に賛成、日本維新の会・希望の党の東徹理事より参第二六号に反対、日本共産党の井上哲士委員より三法律案に反対の旨の意見がそれぞれ述べられました。  討論を終局し、順次採決の結果、参第三号及び参第二九号はそれぞれ賛成少数により否決すべきものとし、参第二六号は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  37. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 討論の通告がございます。順次発言を許します。小西洋之君。    〔小西洋之君登壇、拍手〕
  38. 小西洋之

    ○小西洋之君 立憲民主党・民友会・希望の会の小西洋之でございます。  会派を代表して、自民、公明、無所属クラブ提出の歳費自主返納法案に断固反対の立場から討論をいたします。  まず冒頭、この間の与党による予算委員会開催拒否について断固抗議をいたします。  本院規則に基づき四月十二日に開会要求を予算委員長に提出してから二か月がたとうとしています。この間、消費増税の是非、日米貿易交渉の密約疑惑等々、立法府として追及すべき安倍内閣の政治課題は積み重なる一方であります。与党は、このまま憲法五十八条二項に基づく本院規則違反を犯し続けるつもりなのでしょうか。今だけ、自分だけ、選挙だけ、国民生活も民主主義も後は野となれ山となれという安倍ファーストの私利私欲政治が極まる暴挙を断じて許すわけにはまいりません。  参議院選挙の前には何が何でも予算委員会は絶対に開催したくない。実は、この政府・与党のかたくなな横暴は、二〇一三年の参議院選挙前にも、当時の民主党の石井一委員長が本院規則を正しく遵守し開催した予算委員会に何と安倍総理や閣僚らが出席拒否をするという、前代未聞の憲法六十三条違反によっても強行されているのであります。  また、二〇一七年には、憲法五十三条に基づく臨時国会召集要求を三か月以上も無視し、本院の国政調査権の発動を欺く森友決裁文書の改ざんを埋もれさせたまま、国民を欺く改ざん総選挙を強行しているのであります。  安倍内閣の政権運営とは、こうした憲法違反、規則違反等々の連続犯罪の歴史であり、そして、この度の歳費返納法案も、予算委員会は開催しないが議院運営委員会は数の力、職権で押し通すという、今だけ、自分だけ、選挙だけの恥ずべき安倍政治の汚点と言うべきものなのであります。  さて、本法案に反対する理由の根幹は……(発言する者多し)
  39. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 静粛に願います。
  40. 小西洋之

    ○小西洋之君(続) 本法案が、昨年に強行された自民党による自民党のための党利党略、六増法の尻拭い法案であるからであります。  参議院の定数増に伴う費用の増加を歳費の自主返納で相殺する……(発言する者多し)
  41. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 静粛に願います。
  42. 小西洋之

    ○小西洋之君(続) このようなばかげた、絵に描いたようなポピュリズム極み法案を良識の府の本会議場で議案とすること自体が、議会政治の自殺行為であり、我が国の民主主義を堕落させるものではないでしょうか。  憲法前文には、国政は、国民の厳粛なる信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受すると明記されています。国民に福利をもたらすことを使命とする国会議員の数を増やすことは、それが真に必要性があるものであれば本来国民にとって喜ばしいことのはずなのに、なぜその費用の埋め合わせのために歳費を自主返納する必要があるのでしょうか。  こうした七月の参院選を前にした卑しい大衆迎合こそ、昨年の六増法が、国民に胸を張って説明ができない、党利党略の産物であったことを身も蓋もなく明らかにしているのではないでしょうか。  思うに、憲法前文にうたう、人民の人民による人民のための政治に立つとき、私たち国会議員には、自らの目先の損得を犠牲にしてでも、国民のため、我が国の民主主義のために守り抜かなければならない、越えてはならない一線があるはずであります。自主返納なる偽善にもならない行為で国民の歓心を得ようとすることは、国民の厳粛な信託を愚弄する行為であり、議会政治への国民の信頼そのものを毀損すると言わざるを得ないのであります。  反対する理由の第二は、本法案の内容が、提出会派が立法事実とする六増法の附帯決議と全く整合しないことであります。  本法案は三年間の時限立法であり、その目標とする自主返納額は総額で約六・八億円にしかなりません。すなわち、六増なのに、三増分の三年間分にしか対応していないのであります。六増分の六年間分は、会館工事費用も含め約三十一億円になります。この場合の議員一人当たりの自主返納額は、月額七・七万円ではなく、その倍の十五・四万円となります。  すなわち、本法案を附帯決議が対象とする六増の経費増に対する自主返納と主張するのであれば、それは国民への詐欺行為となるのではないでしょうか。議員定数増に対応する自主返納を行いますという主張そのものが選挙の公正を害する行為にもなりかねないことを厳しく指摘しなければなりません。  また、本法案においては、返納額について、月額七・七万円を目安とするとされるだけで、歳費の全額に近い返納も厳密な法解釈上は可能となっています。これは、確信犯による一種の返納競争を招きかねないばかりか、国会議員がその職責を遺憾なく遂行するための身分保障であり、国民の参政権の保障を趣旨とする憲法四十九条を潜脱する問題を生じかねません。  さらに、本案の発議者は、誰が幾らの金額を返納したかは確認できず、公開もしない運用とする旨を答弁する一方で、返納額が六・八億円に足りない場合はどうするのかとの問いに対しては、返納額の見込みを確定的に言うことはできず、足りない部分は附則で規定する経費節減の取組で賄う旨を臆面もなく答弁しており、これでは自主返納の呼称そのものが詐欺的呼称と言わざるを得ません。  そもそも、六増法の附帯決議には、その第一に選挙制度改革の検討が規定され、経費節減の検討はその次であります。六増法の強行から一年、選挙制度改革の与野党議論を一度も行わず、何の経費節減も実行しない与党においては、最初から本法案提出の資格そのものを欠いていると言わざるを得ないのであります。  思うに、国会議員の地位や身分に関わる事項、すなわち我が国の民主主義の在り方に関わる選挙制度や歳費の問題は、全政党全会派による幅広い慎重な議論の下に検討されるべきであります。  しかし、この間の与党のありようは、明確な憲法違反であり二院制そのものを毀損する参議院だけの歳費削減法の提出及び撤回を行った挙げ句に、幹事長級会談を一方的に打ち切った上で本法案の提出に及んでいるのであります。  我が会派は、こうした六増法強行による国民の政治不信の高まりなどの現下の政治状況等を踏まえ、行政改革の理念に鑑み、国会全体の経費節減に資するため、憲法四十九条の趣旨を適正に踏まえ、各議院の議長、副議長及び議員の歳費月額を、衆参の差なく、恒久的に減額する法案を提出いたしました。三増ではなく六増に対処し、恒久的に確実な実効性を確保する歳費額そのものの減額措置であり、本法案とは本質を全く異にするものであります。皆様からの賛同をお願い申し上げます。  最後に、この間の与党の党利党略による国民の政治不信の高まりに対処する、参議院改革のあるべきについて提言をさせていただきます。  経費節減については、歳費自主返納などを行わなくとも可能であると解されます。  本法案が職権採決された三日の議院運営委員会を始め、本院の全ての委員会の会議録は、国立印刷局に印刷発注され、全ての衆参議員に配付されています。その印刷費用は年間二億円以上に上ります。しかし、その配付は、本院のイントラネットに会議録の確定稿が掲載されてより三日以上も後であります。また、本日のこの本会議録は、今日から約二か月後に印刷物が配付されております。その他、請願文書表、委員会報告書等々、これら時機などを逸した印刷物の費用総額は、優に本法案の六・八億円を超えます。  なお、衆議院は、質問主意書の質問と答弁書の印刷発注のみをやめる規則改正を先週行っておりますが、その運用は二年後の通常国会からとされています。  私は、良識の府の名に懸けて、衆議院を凌駕する節減策が十分に可能であると考えるのであります。  さらに、選挙制度については、投票価値の平等に係る累次の最高裁判決の基本法理を踏まえたときに、今、本院が取り組むべきは、人口急減、超高齢化、格差の進行などの地域社会が直面する構造問題の中で、都道府県選出議員の存在意義などを明らかにし、二院制の下で本院が立法府としてどのような機能、役割を担うのか、そのために必要な国会改革とは何であるかという根本命題について、各会派の英知を結集し、改革協にて徹底議論を行い、あるべき国会改革と選挙制度改革をセットで打ち出すことであります。  以上、本法案の速やかなる撤回と、本法案による国民の更なる政治不信の高まりを払拭するためにも、真の抜本改革を全会派の熟議の下に策定していくことを敬愛する先輩、同僚の議会人の皆様に心よりお願い申し上げ、反対討論とさせていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手)
  43. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 佐藤啓君。    〔佐藤啓君登壇、拍手〕
  44. 佐藤啓

    ○佐藤啓君 自由民主党の佐藤啓です。  自民・公明を代表して、ただいま議題となりました自民、公明、無所属クラブ提出の国会議員歳費法改正案(参第二六号)に賛成の立場から討論いたします。  平成三十年の公選法改正の際、附帯決議として、参議院の議員定数の増加に伴い、参議院全体の経費が増大することのないよう、その節減について必要かつ十分な検討を行う旨、国民の皆様に御負担を願わないという参議院としての決意と覚悟を示しました。  自民・公明としては、この附帯決議の趣旨を重く受け止め、公選法が可決、成立した直後から、参議院の諸経費の節減に関する検討プロジェクトチームを立ち上げ、精力的に議論を重ねてきました。この中で、ペーパーレス化を含めて、幅広く事務経費等の削減についても検討を行ってきました。  一方、次の選挙が迫る中、確実かつ簡潔、明瞭な手段を講ずる必要があったことから、参議院議員の歳費を臨時的、特例的に減額する方向でまとめた上、自民、公明、無所属クラブ共同で法案を提出しました。  この法案提出に当たっても、また法案提出後も、理解を広げ、円滑に審議を進めていくために、参議院幹事長級の会議を四度にわたり開催するなど、全ての会派と丁寧に協議を重ね、広く理解を得るべく努めてきました。  このような過程において、歳費の自主返納方式という考え方は取り得ないのかとの指摘があったことから、円滑に審議ができ、幅広い合意形成に資するとの考えから、先に提出した歳費減額案を撤回し、自主返納方式を内容とする歳費法改正案に切り替えて新たに提出いたしました。  このように、本法案は、公選法の附帯決議の重さをしっかりと受け止めた上で、国庫への負担を実質的に軽減し、参議院に係る経費の節減を図ろうとするものです。  議院運営委員会では、維新・希望提出の参第三号法案、さらに、立憲から参第二九号法案の提出がありました。自民、公明、無所属クラブ提出の法案も含め三つの法案が付託され、全ての会派がテーブルに着いた形で充実した審議をすることができました。これも、丁寧なプロセスを通じて理解を広げる努力を重ねてきたことの成果の一つであったと考えます。全ての会派から熱心な御議論をいただいたことに御礼申し上げます。  自主返納方式を可能にするには、公職の候補者等の寄附等を禁止する公選法の適用除外をしなければなりませんが、本法案では、この適用除外を三年間に区切ることで、臨時的、例外的な措置としております。このことにより、公選法の寄附禁止規定の原則を変えることなく、自主返納することを可能としています。  また、自主返納とすることで経費節減に対する確実性が薄まるとの指摘がありますが、確実性を高めるために、法律上に月七万七千円の自主返納額の目安を設けています。さらに、参議院全体の経費の更なる節減のための検討条項を法文上明確に規定しており、これにより、今後更に検討が加えられ、必要な措置が講じられることになると考えております。その結果、自主返納、そして更なる経費の節減措置が講ぜられることで、全体として定数増に伴う経費の増大分については十分カバーできると考えています。  何とぞ、自民、公明、無所属クラブ提出の法案に対する皆様の御賛同を賜るよう強くお願い申し上げ、私の賛成討論といたします。(拍手)
  45. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 東徹君。    〔東徹君登壇、拍手〕
  46. 東徹

    ○東徹君 日本維新の会・希望の党の東徹でございます。  私は、会派を代表して、日本維新の会・希望の党提出の歳費法改正案について賛成、自由民主党・国民の声、公明党、無所属クラブから提出の法案については反対の立場から討論いたします。  最初に、昨年の参議院議員定数六増について申し上げます。  我が国は、これからますます少子高齢化が進み、本格的な人口減少社会を迎えており、財政も厳しいことを理由に、与党は、この秋に消費税を増税して、更に国民の負担を増やそうとしております。  そのような中で、都道府県でも市町村でも、議員定数の削減に向けた努力が行われています。衆議院でも議員定数削減が行われています。  ところが、昨年、自民党と公明党は、参議院議員定数六増法案を強硬に採決し、成立させました。日本維新の会は、徹底して反対いたしました。こんな暴挙が行われることに対して、憤りどころか、参議院は終わったとも思いました。  ただでさえ、参議院は衆議院のカーボンコピーとやゆされ、参議院の不要論も言われる中で、こんな暴挙が行われるぐらいなら、早く一院制にした方がましだと、そう思いました。  繰り返しになりますが、与党はこの秋に消費税を一〇%に増税して、国民の負担を増やそうとしています。それにもかかわらず、議員定数を増やすという与党の考えは、根本的に間違いです。中でも、全国比例の定数を増やすことは、合区であふれる自民党議員の救済策でしかなく、議員の身分を守るという保身政治そのものの、あり、議員の身分、議員定数そのものが既得権と考えていることがよく分かりました。  次に、自公案について申し上げます。  この案は、月七万七千円を参議院議員だけで自主返納することとしています。七万七千円とした理由は、定数を増やしたことによって増える経費をその分だけ削減しようという、全くせこい考えによるものです。そこには、国民の税金で参議院を運営させていただいているという意識もなければ、国民の負担を今よりも抑えるために今より経費を削減しようという発想も全くありません。  自民党は、何らかの対処がこの国会でできなければ、定数増に伴う経費の増大に対して手を打つことができずに国会が終わってしまうことを憂慮したと言いますが、自分たちで勝手に定数を増やしておいて、参議院選挙目前に自分たちが国民から批判されることを恐れただけの選挙対策でしかありません。  しかも、自公案では、返納された総額のみ公表するということで、実際に参議院議員全員から毎月七万七千円がきちんと返納されているか、確認することができません。毎月七万七千円を参議院議員全員が返納して初めて、増えた三人分の経費を賄うことができるのであり、誰かが返納しなければ、定数増に伴う経費の増加分を国民の負担にしないという当初の目的すら達成することはできません。  しかも、自民党は、自主返納されず、増えた経費分に返納額が足りなかった場合に、参議院全体の経費節減によってその分を賄っていくと答弁しています。参議院の経費節減は、国民の税金で運営している以上、議員定数が増えようが減ろうが常に行わなければならないことであって、国民から批判されるのを避けるためにやることではありません。  また、返納期間は三年間に限定されていますが、その三年後には更に三人も議員定数が増えるのですから、全く訳が分かりません。とにかく議員定数を増やしたことへの国民の反発をそらしたいだけで、その魂胆が見え見えです。  この法案審議で、自民党と公明党の考えというものがよく分かりました。それは、議員の身分や議員定数が既得権であるという考えはもちろんのこと、参議院の予算さえも既得権であると考えていることがよくよく分かりました。  参議院では、議員定数を六人も増やしたのですから、衆議院よりも先に、しかも大胆に経費節減をやるべきなのに、衆議院ではペーパーレス化が決まったにもかかわらず、参議院ではその議論さえこれからです。こんな情けない話はありません。  参議院の与党である自民党、公明党、あなたたちは議員定数を増やしておいて、一体何をやっているんですか。  日本維新の会は、昨年の夏に、歳費二割削減を含めて、その他の経費の節減をすれば三十六億円もの経費を削減する案を既に提出させていただいております。  また、東日本大震災を受けて、一旦は国会議員全員一致で歳費を二割削減しましたが、たった三年で、自分たちだけは歳費削減をやめ、国民には総額七・五兆円もの復興特別所得税を令和十九年まで続けようとしています。しかも、消費税は、あれから五%から八%に引き上がり、そしてこの秋には一〇%に引き上げようとしています。  これに対して、日本維新の会は、平成二十六年四月に歳費削減が終わってからも、独自に、身を切る改革の一環として歳費の二割削減を今も続けています。そして、衆参の国会議員の歳費から削減した額を、一旦は党に集めた上、党から宮城県石巻市や福岡県朝倉市、岡山県倉敷など被災地に寄附しています。今後寄附を予定している額を含めると、総額一億円を超える見込みです。  我が党以外の各党各会派は、被災地の復興を目的に始めた議員歳費の削減をやめ、我が党は、歳費削減を言うだけでなく、継続して実行しています。本当に被災地の復興を望み、徹底した行政改革を行おうとするなら、まず自らの歳費削減を行い、覚悟を示すことこそが国会議員の本来求められている姿です。  我々の法案は、衆参共に歳費を二割削減する内容となっています。これは、東日本大震災の発生を受けて平成二十六年四月まで行っていた歳費の二割削減を引き続くものであり、徹底した行政改革を行うための身を切る改革の一環です。この法案は、自公案のように単に定数増による経費の増加分だけを減らそうというせこいものではありません。この法案は、我々は平成二十八年九月二十六日に初めて提出しました。その後三年間で、今回を除いても過去に四回提出してきましたが、毎回無視されてきました。  国民に税金による負担だけを押し付け、自分たちは自主返納という甘いやり方でお茶を濁そうとする、ごまかす自民党・公明党案には強く反対し、そして、是非とも参議院議員の皆様には我が会派の法案に御賛同いただきます旨を申し上げ、討論とさせていただきます。  ありがとうございました。(拍手)
  47. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 舟山康江君。    〔舟山康江君登壇、拍手〕
  48. 舟山康江

    ○舟山康江君 国民民主党・新緑風会の舟山康江です。  私は、会派を代表し、ただいま議題となりました日本維新の会・希望の党提出の国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案に反対、自由民主党・国民の声、公明党、無所属クラブ提出の国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案、以下自主返納法案に賛成、立憲民主党・民友会・希望の会提出の国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律等の一部を改正する法律案に反対する立場から討論を行います。  討論に入ります前に一言。  先ほど、この討論が始まる前、少なくない数の自民党議員が本会議場を一気に退席いたしました。何をされていたのかよく分かりません。ただ、一部の議員は口をもぐもぐ動かしながら本会議場に戻ってまいりました。そもそも、今回の法律案、与党が党利党略で六つの議員の定数を増やした、このことから始まっております。そのことを重く受け止め、しっかりとこの討論も聞いていただきたい。退席をし、そしてなぜか口を動かしながら帰ってくる、このことに対して厳重にまず抗議をしたいと思っております。  さて、平成二十四年十二月、身を切る改革に対して当時の安倍自民党総裁が賛成をされたことから、解散・総選挙が行われました。身を切る改革。ですから、私たち国民民主党・新緑風会は、そもそも、昨年七月の公選法改正、すなわち、合区によりあぶれた県の候補を救うためにつくられた特別枠を設けるために定数を六人増やすという、ゲリマンダーをほうふつさせるような御都合主義で党利党略の定数六増法には反対をいたしました。そのため、今国会においても、平成三十一年二月八日に定数六減法案を提出させていただいております。  また、自民党と公明党から、定数六増法の附帯決議にある「定数の増加に伴い、参議院全体の経費が増大することのないよう、」という条文を根拠に、平成三十一年二月八日に参議院議員の歳費削減法案が提出されました。これは、参議院議員のみ一律強制的に歳費を毎月七万七千円削減するというものであり、衆議院と参議院で議員の歳費が異なると同時に、あろうことか、三権の長である議長の報酬までもが衆参で異なるという、前例のない非常識な状況を良識の府参議院自らが法律でつくり出すというものでした。つまりは、参議院の役割や意義を自ら軽視し、おとしめるような案であり、さらには憲法にも抵触する懸念も数多く指摘されていたものであります。  これに対して、私たち国民民主党・新緑風会は、さきに述べたとおり、同日、二月八日に定数六減法案を提出するとともに、参議院の経費を削減する目的から、四月十八日に選挙期間を三日間短縮する法案も提出いたしました。このように、私たちは、ただ反対するのではなく、最良の方法を模索し、議論を求めてまいりました。  しかし、我が会派の努力もむなしく、自民党と公明党は数の力で押し切り、四月二十二日に、議院運営委員会で趣旨説明を行うことを決定しました。  このような議員の身分に関わることに対して、与野党が対立する中で決定されることには問題があり、何とか与野党の合意形成ができないのか、そのことを議論の場である議院運営委員会理事会において我が会派の櫻井理事から何度も何度も粘り強く提案をさせていただきました。途中経過に関しては、強硬に議院運営委員会での審議を押し切ろうとするなど、その運営には断固抗議の思いもありますが、最終的には、自民党と公明党の皆さんが歩み寄りの姿勢を見せ、当初の案を取り下げられたことに対しては感謝を申し上げたいと思います。  しかしながら、改めて誤解のないように申し上げたいと思いますが、私たちは定数を元に戻すのが最良だと考えておりますし、その思いは今も全く変わっておりません。今からでも遅くありません。多くの地方議会が定数削減の努力を行っている中、参議院だけが例外ではないはずです。何ら合理的理由のない中でのこの定数増を元に戻す決断を行うべきだと思います。  その上で、今回の自主返納法案に苦渋に満ちながらも賛成する理由を以下述べさせていただきます。  上述のとおり、今回の歳費削減をめぐる議運のこれまでの運び方、とりわけ四月十九日の議運理事会は、元々の歳費削減法案を何としても付託したいとの思いから、極めて乱暴なものであったことは大変遺憾でした。そのような中、野党不在のまま決定していた四月二十二日の議運理事会において、委員長の御努力もあり、委員会開会が見送られ、各党の幹事長会談等も経て、合意に向けての努力をしてきたというのがこれまでの一連の経緯であります。  問題点を挙げれば切りがありませんが、元々の自、公、無所属クラブ提出の歳費削減法案は、衆参の歳費が違うこと、衆参議長の歳費が違うこと、憲法に抵触するおそれがあるということから、どう考えてもあり得ない、そういったことから、これが趣旨説明の一歩手前で取り下げられたのは、良識ある参議院の一員として私も安堵しているところであります。  自主返納法案は、こうした一連の経緯の中で与野党がぎりぎり歩み寄ることのできる唯一の手段であることが、私たちが苦渋の思いながらも同法案に賛成する理由であります。  私たち国民民主党・新緑風会は、そもそも六増が間違っており、私たちが提出した二案、定数六減と選挙期間短縮による経費節減が最良だという思いは変わりません。加えて、本来はどの会派も異論のないはずのペーパーレス化等による経費節減こそ急ぐべきであると考えております。しかし、それを主張するだけでは結局また平行線、一致点が見付けられないという中で、すんでのところで自らの法案の審議を見送った自公にも一定の敬意を表しつつ、この度の自主返納案には一定の理解を示したいと思っております。  一方で、立憲民主党・民友会・希望の会が提出した今回の法律案は、衆参の全議員及び三権の長の一律六%削減というもので、一見正論にも見えますが、こうしたこれまでの与野党の歩み寄りに理解を示していただけず、五月三十日になって提出されるという極めて唐突なものであり、賛成できないものであったことは指摘をさせていただきたいと思います。  また、日本維新の会から提出された歳費二割削減法案に関しては、東日本大震災からの流れをくむものであり、一定の理解を示したいと思います。しかし、今回の改定はあくまで六増法案の附帯決議に対する措置であり、この歳費の削減に関しては衆参共通の課題として議論されるべきものと考えております。  最後に、定数増を決めた昨年七月の公職選挙法改正の附帯決議の「一、今後の参議院選挙制度改革については、憲法の趣旨にのっとり、参議院の役割及び在り方を踏まえ引き続き検討を行うこと。 二、参議院議員の定数の増加に伴い、参議院全体の経費が増大することのないよう、その節減について必要かつ十分な検討を行う」という共通認識に立ち返るべきだと考えております。  その上で、改めて問題提起をさせていただきます。  二院制の意味を考えれば、人口に対する一票の較差、すなわち投票価値の平等だけを論じることに強い違和感を覚えます。世界で二院制を採用している国の制度を見てみると、アメリカに代表されるように、下院は人口割り、上院は地域代表制になっています。参議院の独自性を考えれば、一票の較差の視点からのみ定数を考えることに問題があると私は感じております。  私は、山形県選出の議員ですが、このまま人口だけを勘案して定数を定めるのであれば、地方の声はどんどんと小さくなってしまいます。定数削減、参議院選挙期間の短縮、そして参議院の経費節減に与野党各会派が真剣に向き合うだけではなく、附帯決議にもあるとおり、参議院の役割、在り方も含めて、立法府として早急に真剣に議論していただくこと、これは全ての会派にお願いを申し上げ、私の討論とさせていただきます。(拍手)
  49. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 井上哲士君。    〔井上哲士君登壇、拍手〕
  50. 井上哲士

    ○井上哲士君 日本共産党を代表して、まず、自民、公明、無所属クラブ提出の法案について反対の討論を行います。  本法案のそもそもの出発点は、昨年、自公などの賛成で強行された参議院選挙制度の改悪であります。  参議院選挙制度については、議長の呼びかけによる各派代表者懇談会で参議院改革協議会を設置し、選挙制度専門委員会で、有識者も招き、十七回にわたる議論が行われてきました。  ところが、自民党は、この協議の中で各党会派間で大きく意見が異なる憲法改定を前提とする案を示すのみで、合意形成に関する最大会派としての責任を全く果たそうとしませんでした。さらに、自民党は、専門委員会報告作成後、それまで一切提示のなかった案を突然改革協議会に提示しました。野党は、引き続く会派間協議を求めましたが、自民党はこれに背を向けて法案を提出し、倫理選挙特別委員会の職権開催を繰り返した上、野党の反対の中、審議を打ち切り、委員会討論も封じるなどして強行的採決を行ったのであります。  参議院選挙制度をめぐって何が求められているのか。  二〇一四年の最高裁判決は、都道府県単位で各選挙区定数を設定する現行の選挙制度の仕組み自体の見直しを内容とする立法措置により、違憲状態にある一票の較差の是正を求めました。抜本的改革こそ求められてきたのであります。  しかし、強行された法案は、合区も残し、基本的制度を維持したままで、比例代表選挙に特定枠を盛り込んだものであり、求められる抜本改革には全く値しません。特定枠の導入は、合区で立候補できない自民党の議員・候補者を救済するための党利党略にほかなりません。  大体、現行の非拘束名簿は、二〇〇〇年に自民党が提案して強引に導入したものです。当時、自民党の提案者は、国民の多元的な意思を政治に反映するために現行の拘束名簿式を非拘束名簿式に改め、候補者の顔の見える、国民が当選者を決定する選挙とすることを決断したと述べました。  ところが、今回の、政党が当選者を決める特定枠の導入の理由についても、全国的基盤を有しない有識者の方も当選しやすくなる、多様な民意を国政に反映させるとしています。同じ多様な民意の反映を理由にして拘束名簿を廃止しておきながら、今度は逆に特定枠を導入する。まさに、支離滅裂、御都合主義極まれりと言わなければなりません。  自民党は、特定枠について、国政上有為と言い得る人材の当選の機会を高めるとも言いました。しかし、実際の自民党の特定枠の擁立状況を見れば、合区対象県で選挙区候補にならない県からの擁立となっており、我々が指摘したとおり、救済のためであることは明白であります。  このように、やり方も内容も党利党略、新聞各紙も、当時、参議院の私物化に等しい、党の事情を優先、露骨なお手盛り、裏口入学と厳しく批判しました。強行直後の世論調査ではいずれも国民の厳しい声が示され、毎日では、改正公選法を評価しない六七%、評価する一八%という結果でした。  いまだに全く解消されていないこうした国民の強い批判をかわすために、定数増による経費分として、参議院議員の歳費を月七万七千円、三年間削減するというのが当初の案でありました。これにより、衆参の議員の歳費が異なり、三権の長である衆参議長の歳費にも差ができることになります。それに対し、国民の代表である国会議員は平等の地位を有するにもかかわらず、衆参で歳費が異なるのは憲法違反だなどの批判が広がる中で撤回を余儀なくされ、自主返納とする案を提出し直したものであります。  しかし、出発点が党利党略の参議院選挙制度改悪だという問題は何ら解消をされておりません。五月二十四日付けの毎日は、社説で、昨年の公選法改正は自民党の自己都合と言うほかないとした上で、「いざ選挙が近づくと批判が怖くなり、歳費返納で何とかごまかそうとしているわけだ。」と書きました。  本法案は、党利党略の特定枠のための定数増に対する批判をかわすために歳費を扱うものであり、徹頭徹尾、党利党略と言わざるを得ません。到底許されるものではありません。  歳費の問題を議論するには、国会議員とは何か、歳費とは何かという根本問題から、衆議院を含め、各党会派の参加の下で丁寧に行う必要があります。国会議員は国民の代表であり、その選び方はいかに国民の民意を正確に反映するかが問われなければなりません。  憲法四十四条は、国会議員の資格を、財産や収入等で差別してはならないと明記しております。憲法四十九条は、「両議院の議員は、法律の定めるところにより、国庫から相当額の歳費を受ける。」と定めています。これは、労働者など、資力のない国民が国民の代表として活動することを保障したものであります。  また、国会法三十五条は、「議員は、一般職の国家公務員の最高の給与額より少なくない歳費を受ける。」としています。その趣旨について、委員会審議では事務総長から、最高機関の構成員としての権威と機能を十分に発揮するためとの議論があったと答弁があり、憲法学者も、明治憲法下の議員の地位、待遇が官吏に及ばなかったことを改め、その地位、待遇を最高機関にふさわしいものとするためとして定められたと述べております。  こうした憲法や国会法の規定を踏まえ、歳費については、議員が国民の代表として活動するにふさわしい額とは何かという視点で、手当などを含めた議員の処遇全体を視野に入れて議論をすべきであります。  維新の会提出法案、立憲民主党提出法案は、いずれも、こうした歳費に関する根本的議論を衆議院も含め各党会派参加で丁寧に行うことのないままに提出されたものであり、賛成できません。  また、維新案は、一般公務員の最高額より低い歳費とし、国会法三十五条の規定にかかわらずとしておりますけれども、その根拠は十分に示されておりません。  国会の経費や議員の処遇について言うならば、特権的な役員手当の廃止や文書通信交通滞在費の見直しが必要であり、何よりも、総額は年間約三百二十億円の政党助成金の廃止にこそ踏み出すべきであり、これらを含めた十分な議論が必要であります。  以上述べて、三法案に対する反対討論といたします。(拍手)
  51. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) これにて討論は終局いたしました。     ─────────────
  52. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。  まず、藤巻健史君発議に係る国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案の採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕
  53. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕
  54. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百二十五     賛成              十五     反対             二百十    よって、本案は否決されました。     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕     ─────────────
  55. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 次に、岡田直樹君外四名発議に係る国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案の採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕
  56. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕
  57. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百二十四     賛成            百六十六     反対             五十八    よって、本案は可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕     ─────────────
  58. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 次に、難波奨二君発議に係る国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律等の一部を改正する法律案の採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕
  59. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕
  60. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百二十一     賛成             四十二     反対            百七十九    よって、本案は否決されました。     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕      ─────・─────
  61. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 日程第六 国有林野の管理経営に関する法律等の一部を改正する法律案内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長堂故茂君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕     ─────────────    〔堂故茂君登壇、拍手〕
  62. 堂故茂

    ○堂故茂君 ただいま議題となりました法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案は、国有林野の一定区域において、事業者が安定的に樹木を採取できる権利を創設するとともに、木材の安定供給のための金融上の措置等を講じようとするものであります。  委員会におきましては、参考人から意見を聴取するとともに、樹木採取権の設定期間、再造林確保のための方策、国有林野の公益的機能の維持増進等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して紙理事より反対、国民民主党・新緑風会を代表して徳永委員より賛成する旨の意見がそれぞれ述べられました。  討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本法律案に対して附帯決議を行いました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  63. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 本案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。川田龍平君。    〔川田龍平君登壇、拍手〕
  64. 川田龍平

    ○川田龍平君 立憲民主党・民友会・希望の会の川田龍平です。  私は、会派を代表し、国有林野の管理経営に関する法律等の一部を改正する法律案に反対の立場から討論いたします。  国有林野事業は、平成十年の抜本的改革により、林産物の供給に重点を置いたものから公益的機能重視の管理経営へと大きく転換しました。平成二十四年には国有林野事業が一般会計化され、従来の企業的運営から、国有林野の有する公益的機能の発揮のための事業、公益重視という考え方がより顕著になりました。  国有林では、戦後造林された人工林が伐期を迎えています。森林の公益的機能を発揮させながら林業振興を図るということであれば、その方向性について何ら異を唱えるものではありません。木材の自給率が低下し、林業事業体も減少して山元が活気を失う中で、やっと伐期を迎えた国有林を活用して何とか山元を元気にしたいという思いは我が党も同じであります。  しかしながら、本法律案の提出の経緯や内容には問題が多く、本法律案には反対せざるを得ません。  以下、反対の理由を申し述べます。  第一の理由は、この法律案が未来投資会議の提案から始まったものであり、この提出経緯に非常に問題があることです。  林政審議会の施策部会においても法律案の検討がなされましたが、その場において、施策部会長であった土屋俊幸東京農工大学教授は、かなりトップダウンで政策の枠組みが決まってしまったというのが現実にあると発言されています。御案内のとおり、この法律案は、未来投資会議の竹中平蔵氏が主張してきた国有林の民間開放が発端となっています。このことについて土屋教授は、森林や林業や山村の専門の方でない方がかなりこういう突っ込んだ戦略を出してきて、それを受けて我々が、若しくは林野庁、農林水産省が新たな政策を検討しなくてはならないという状況というのは、やはり転倒していると発言されています。  そもそも、この法律案には、国有林野は国民の共通財産であるという視点が欠けています。平成十年の国有林野事業の抜本的改革で、国有林野の管理経営の方針は、林産物の供給に重点を置いたものから公益的機能の重視へと大きく転換しました。公益的機能の維持増進が主で、林産物の供給は従という位置付けです。  国有林野は国民共通の財産です。国民共通の財産を、林業経営者の育成という名の下に、一部の企業のためだけに、もうけ最優先で使うことは許されません。公益的機能の維持を最大限に発揮させながら、産出される木材をどのように使っていくのがいいか、国民全体での議論が必要です。林野庁が考え方、方針を取りまとめ、パブリックコメントなどにより丁寧に国民からの御意見に耳を傾けて法律案を作成していくというプロセスを経ずに本法律案が国会に提出されたことは非常に残念です。  第二の理由は、樹木採取権の存続期間が最大五十年という長期にわたることです。  林野庁は十年を基本として運用するとしていますが、そうであれば、なぜ五十年という長い期間を上限としなければならないのでしょうか。五十年先の経済社会環境の予測は困難であり、そのような超長期間のリスクを取ることは中小規模の林業事業体には不可能です。五十年もの長期間で樹木採取権が設定されれば、手を挙げることができる大企業に独占され、中小の事業体が締め出されるという結果になりかねません。これまで地域の森林を守り、山村を支えてきた中小の事業体は、大変不安に思っています。  また、大企業といえども、五十年もの長期にわたる将来まで正確に見通せるはずがありません。権利設定料、樹木料の算定の基礎となる額は樹木採取権設定の際に決まりますが、五十年先を見越して適正な額を設定することが果たしてできるのでしょうか。五十年の間に木が倒れる、枯れる、生育不良等により、最初の想定どおりに木が育たず、十分に木材が得られないことも起こり得ます。また、大企業自身も、倒産や事業不採算によって伐採や再造林が行えない事態も生じ得ます。そういった不確実性がある中で、五十年というのはやはり長過ぎます。  林業事業体の方からも、十年ならばメリットが大きいという声は聞きますが、五十年を希望する林業事業体の声など聞いたことがありません。なぜ五十年を上限とするのか、委員会の審議においても納得できる答弁は得られませんでした。上限が十年で十分なものを五十年とすることの裏には、特定の企業のみに五十年間の樹木採取権を設定しよう、今後、国有林を民間開放するための第一ステップとしたいという思惑があるのではないか、こうした疑念を拭い去ることができません。  第三の理由は、樹木採取権がみなし物権であり、売買や権利移転が可能であることです。  樹木採取権の権利が移転された場合に、権利を引き継いだ事業体が同様の施業を行うことができるのか、権利の行使に何らかの歯止めがないと心配です。法律案では、権利移転の際には農林水産大臣の許可が必要とされています。仮にこの法律案が成立してしまうのであれば、林野庁には、権利移転に当たって、事業の実施能力、公益的機能の維持、地域産業振興への寄与等についても同様であるか見極め、その後も調査等を行い、施業が適切に行われていない場合には権利を取り消すなど、厳格な運用を求めたいと思います。  最後に、国有林は、木材を供給する機能があると同時に、国土保全、国民にきれいな水や空気を提供すること、生物多様性の保全、そして災害防止という多面的な機能を有しており、これを十分に発揮させることが非常に重要です。  国有林は、全国一律ではなく、生えている木の種類も違えば、斜度、気候条件、地盤等も様々です。切りやすい森林で木材を伐採し、搬出することももちろん必要です。しかしながら、そこに人手を取られて、路網がない森林や急斜面の森林等、条件の悪い森林について、これは広葉樹林化、針広混交林化するということだと思いますが、こういう森林の整備が行われず、放置されてしまうようでは困ります。  条件の悪い森林も、災害が起こらないように整備していく必要があります。木を切るところと広葉樹林化、針広混交林化するところをゾーニングし、それぞれの森林に合った施業を行うこと、こうした施業を実施するため十分な人手を確保するようにすることを政府に強く求めます。  現行の国有林の伐採のルールについても、改善すべき点があります。  現行のルールでは、五ヘクタール以下であれば皆伐も可能とされていますが、五ヘクタールといえばかなりの広さです。皆伐により山がはげ山になるような事態になることや、災害が起こりやすい状態になることは、何としても防がなければなりません。委員会の質疑においては、林業をしっかりと学び、山のことを知り尽くした高篠和憲参考人から、皆伐といっても山頂付近は切らない、伐区を分散させるなど、自然への影響が少ない施業を行っているとの指摘がありました。  森林の公益的機能を維持、発揮させるために、全国一律にルールを適用させるのではなく、地形、傾斜、気候条件等も考慮して、森林の特性に応じた施業が行われるよう、林野庁としてしっかりと計画を作り、指導を行っていく必要があります。  本法律案は、未来投資会議の発案の下、不必要に長い樹木採取権の上限を設定するもので、公益的機能の維持、地元の中小林業事業体の活動等を脅かす危険性のある法律案です。このような法律案には反対せざるを得ないことを申し上げ、私の反対討論といたします。(拍手)
  65. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 紙智子君。    〔紙智子君登壇、拍手〕
  66. 紙智子

    ○紙智子君 日本共産党の紙智子です。  会派を代表して、国有林野の管理経営に関する法律等の一部を改正する法律案に反対する討論を行います。  冒頭、日米貿易交渉について述べます。  政府は、昨年九月の日米共同声明以来、日米貿易交渉において、TPP以上の関税引下げに応じないことを基本方針にしています。  それなのに、五月の日米首脳会談に際して、トランプ大統領は、アメリカはTPPに拘束されないと述べました。四月の日米首脳会談でも、日本は米国の農産物に巨額の関税を課している、その関税を撤廃したいと求めました。日米共同声明に反する発言なのに、安倍総理はなぜ反論しないのでしょうか。  それだけではありません。トランプ氏は五月二十七日にツイッターで、日本との貿易交渉ですばらしい進展があった、農業と牛肉で特に大きい、日本の七月の選挙後に大きな数字を期待していると発信し、共同記者会見では、恐らく八月に両国にとってすばらしいことが発表されると答えました。密約があったのではないかと疑われても仕方がありません。  アメリカの求める農産物の大幅な譲歩を選挙が終わるまでは口をつぐみ、終わったらアメリカの要求を丸のみする、こんな亡国の農政は許せません。  予算委員会は二か月以上開かれていません。国民への説明責任を果たすためにも、予算委員会の開会を強く求めるものです。  以下、本法案に反対する理由を述べます。  理由の第一は、本改正案が、またしても規制改革推進会議に基づく官邸主導の現場を無視した改革案であるからです。  農林水産省の諮問機関である林政審議会会長の土屋俊幸東京農工大学教授は、衆議院の参考人質疑で、今回の改正案が未来投資会議の提案で始まったことに言及し、トップダウンで行われた、長い複雑な成立経緯と多様な公益的機能を併せ持つ国有林の重要な経営判断は少数の非専門家に委ねるべきではないと不快感を示しました。参議院の参考人質疑で、泉英二愛媛大学名誉教授は、竹中平蔵氏が求めたコンセッション、PFI法の特例法だと指摘しました。  国有林をもうけの対象として開放するために、国有林の現場と役割を無視する強権的な手法を認めることはできません。  第二の理由は、昨年成立した森林経営管理法を補完するものであり、一部の大規模な林業経営者の利益のために、国民の共有財産を売り渡すものだからです。  改正案は、経営規模を拡大する林業経営者に、五十年にも及ぶ樹木採取権と樹木採取区を新たに与え、排他的、独占的に経営することを認めています。  国民の共有財産である国有林を、一部の林業経営者の利潤追求の道具にしてはなりません。地域に根差した森林所有者、中小林業経営者よりも、安価な木材を求める大手木材メーカーや大規模なバイオマス発電会社の利益を優先することになりかねません。  また、林野庁は、樹木採取権を、長期的に安定的な権利とするために物権とみなすと言っていますけれども、泉参考人は、物権とするというのは、巨額の資金を借りるために必要で、外資の参入も見込まれると指摘をし、また、鮫島正浩信州大学特任教授も同様の認識を示されました。国民の財産を外資に売り渡してはなりません。  第三の理由は、国有林が持っている役割、使命が果たせなくなるからです。  国有林には、第一に公益的機能を発揮する、第二に林産物を持続的、計画的に供給する、第三に地域振興、住民の福祉の向上に寄与するという使命があります。  まず、公益的機能です。森林には、国土の保全、水源の涵養、地球温暖化抑制、生物多様性の保全など多面的な機能があります。  本法案で、広大な国有林の樹木採取権を取得した林業経営者に伐採後の植栽を義務付けていません。再造林がなされなければ、どうなるでしょうか。山が荒廃するのは明らかです。林野庁は、林業経営者に対して樹木の採取と植栽を一体に行うよう申し入れると言います。伐採して利益を上げるのであれば、山が荒廃しないよう植栽を義務付けするのは当たり前です。  与党推薦の参考人は、課題として、国有林の公益的な機能を担保することが前提だ、これを重視して慎重に対応していくことが大事だと述べました。泉参考人も高篠和憲参考人も、造林の担い手がいない、集まらない、皆伐して再造林するときにいつも出てくる問題だと口々に言われました。担い手の確保対策こそ不可欠です。  数ヘクタールの再造林でも、苗木が鹿に食べられて樹木が育たない山があるという指摘があるのに、数百ヘクタールにも及ぶ国有林を伐採すれば、国有林が持っている公益的機能が損なわれ、荒廃しかねません。  山づくりという点でも問題があります。林野庁は、国有林において、八十年から百年という長伐期施業等を進め、森林の公益的機能を維持増進すると言ってきました。五十年という短伐期再造林方式は、林野庁が言ってきた山づくりにも反するものです。  同時に、地域振興にも反するものだからです。  国有林野の立木販売事業者の九割が地元事業者、中小事業者で、伐採面積は平均二十ヘクタール程度です。ここに、地域外から数百ヘクタール規模で伐採する事業者が参入してくればどうなるでしょうか。民有林と国有林を一体的に経営する事業者は、当面十社程度を想定しているといいます。大規模な林業経営者が大ロットで取引量を増やせば、中小の地元の事業者が市場取引で不利になり、経営困難に陥ることが想定されます。これでは、地域の振興に役立てるという国有林の役割が果たせなくなるのは明らかです。  林業関係者は、改正案で冷やし玉が投げられると言っています。冷やし玉というのは、国有林からの供給量の急増で木材価格が暴落するという意味です。冷やし玉は、既に、輸入材の関税を削減し撤廃するTPP11、日EU・EPAの発効によって投げられています。日本の林業経営者は、関税削減による輸入の急増、国有林野からの供給過剰によって、木材価格の低下に苦しむことになるのではないでしょうか。地域振興に反することはやめるべきです。  歴代政権の外材依存政策の下で木材価格の低迷が続き、林業労働者が減少するなど、危機に瀕しています。それに拍車を掛けるのが、森林の多面的な機能を著しく軽視し、利潤拡大を優先する安倍政権の林業の成長産業化路線です。  森林の公益的機能を持続的に発揮させることは、森林・林業者だけでなく国民共通の願いであり、国際的な合意でもあります。森林資源が増大している今こそ、外材を国産材に置き換える実効性ある対策や、規模拡大を目指す林業経営者だけでなく、現状を維持しながら自分に合った経営をしている自伐型林業経営者を支援すべきです。  今必要なのは、安倍政権の林業成長産業化路線から持続可能な森林・林業への転換です。そのことを強く求めて、反対討論といたします。(拍手)
  67. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) これにて討論は終局いたしました。     ─────────────
  68. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕
  69. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕
  70. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百二十五     賛成            百八十二     反対             四十三    よって、本案は可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕      ─────・─────
  71. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 日程第七 建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。国土交通委員長羽田雄一郎君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕     ─────────────    〔羽田雄一郎君登壇、拍手〕
  72. 羽田雄一郎

    ○羽田雄一郎君 ただいま議題となりました法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案は、建設業を取り巻く社会経済情勢の変化等に鑑み、建設業者の経営の向上及び建設工事の適正な施工の確保を図るため、建設業の許可基準のうち経営能力に関する基準の緩和、著しく短い期間を工期とする請負契約の締結の禁止、建設資材製造業者等に対する勧告及び命令等の制度の導入、公共工事の入札及び契約の適正化に係る指針の記載事項への工期の確保に関する事項の追加等の措置を講じようとするものであります。  委員会におきましては、新国立競技場整備事業について工事の進捗状況及び現場における労働環境の改善に向けた取組等を視察するとともに、適正な工期設定等に向けた取組、建設業就業者の賃金上昇のための方策、建設業に係る事業承継の要件等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  73. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕
  74. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕
  75. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百二十五     賛成           二百二十五     反対               〇    よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕      ─────・─────
  76. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) この際、資源エネルギーに関する調査会長から、原子力等エネルギー・資源に関する調査の報告を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  77. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 御異議ないと認めます。資源エネルギーに関する調査会長鶴保庸介君。     ─────────────    〔調査報告書は本号末尾に掲載〕     ─────────────    〔鶴保庸介君登壇、拍手〕
  78. 鶴保庸介

    ○鶴保庸介君 資源エネルギーに関する調査会の調査報告につきまして、その概要を御報告申し上げます。  本調査会は、この三年間を通じ、「新たな時代に向けた我が国の資源エネルギー像」をテーマとして調査を行ってまいりました。  この間、八回にわたり、計二十七人の参考人から、資源エネルギーに関する国際情勢、我が国の課題、安定確保、また、再生可能エネルギー、気候変動と資源エネルギーといった各般にわたる事項について意見を聴取し質疑を行うとともに、メガワット級の大規模蓄発電システム、水素の大量貯蔵・輸送技術の実証実験プラント、そして、メタンハイドレートの調査研究等に関して現地視察を行いました。  これらを踏まえ、政府から説明を聴取し質疑を行うとともに、委員間における意見の交換を経て調査報告書を取りまとめ、去る五月三十一日、議長に提出いたしたところでございます。  また、理事会協議案件となっておりました政府のパリ協定長期成長戦略懇談会における議論の経緯につきましては、同日、政府より説明を聴取しております。  本報告書の主な内容について御説明いたします。  本年行った「我が国資源エネルギーの展望」についての調査活動を中心として記すとともに、政府及び関係者に要請を行うものとして、技術革新の実現に向けて強化すべき研究開発に関する提言を盛り込んでおります。  この提言におきましては、経済発展と温室効果ガス排出量削減の両立、エネルギー分野におけるIoTやAI等新技術の更なる活用、地域における再生可能エネルギー導入、水力発電の更なる活用、海洋資源エネルギー開発を主な項目として掲げております。  以上、御報告申し上げます。(拍手)
  79. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 本日はこれにて散会いたします。    午後一時六分散会