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2019-01-29 第198回国会 参議院 本会議 2号 公式Web版

  1. 平成三十一年一月二十九日(火曜日)    午後一時一分開議     ━━━━━━━━━━━━━ ○議事日程 第二号   平成三十一年一月二十九日    午後一時開議  第一 国務大臣の報告に関する件(平成二十九   年度決算の概要について)     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  議事日程のとおり      ─────・─────
  2. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) これより会議を開きます。  日程第一 国務大臣の報告に関する件(平成二十九年度決算の概要について)  財務大臣から発言を求められております。発言を許します。財務大臣麻生太郎君。    〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
  3. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 平成二十九年度一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書を会計検査院の検査報告とともに国会に提出し、また、平成二十九年度の国の債権の現在額並びに物品の増減及び現在額につきましても国会に報告をいたしておりますので、その概要を御説明させていただきます。  まず、平成二十九年度の一般会計の決算につきましては、歳入は百三兆六千四百四十億円余、歳出は九十八兆一千百五十六億円余であり、差引き五兆五千二百八十四億円余の剰余を生じております。  この剰余金は、財政法第四十一条の規定により、既に平成三十年度の一般会計の歳入に繰り入れております。  なお、平成二十九年度における財政法第六条の純剰余金は九千九十四億円余となります。  次に、平成二十九年度の特別会計の決算でありますが、同年度における特別会計の数は十三であり、これらの決算の内容につきましては、特別会計歳入歳出決算のとおりであります。  次に、平成二十九年度における国税収納金整理資金の受入れ及び支払につきましては、同資金への収納済額は七十五兆九千八百四十七億円余であり、支払命令済額及び歳入組入額は七十四兆六千二百三十四億円余でありまして、差引き一兆三千六百十二億円余が平成二十九年度末の資金残額となります。  次に、平成二十九年度の政府関係機関の決算でありますが、その内容につきましては、それぞれの決算書のとおりであります。  次に、国の債権の現在額につきましては、平成二十九年度末における国の債権の総額は二百二十八兆五千七百八十二億円余であります。  次に、物品の増減及び現在額につきましては、平成二十九年度中における純増加額は二千八百九十八億円余であり、この結果、平成二十九年度末における物品の総額は十二兆九千八百六十三億円余となります。  以上が、平成二十九年度の一般会計歳入歳出決算等の概要であります。  なお、平成二十九年度の予算の執行につきましては、予算の効果的な使用や経理の適正な処理を努めてきたところでありますが、なお会計検査院から三百七十四件の不当事項等について指摘を受けましたことは誠に遺憾であります。  今後とも、予算の執行に当たっては一層配慮をいたし、その適正な処理に努めてまいる所存であります。  何とぞ御審議のほどよろしくお願いを申し上げます。(拍手)     ─────────────
  4. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) ただいまの報告に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。馬場成志君。    〔馬場成志君登壇、拍手〕
  5. 馬場成志

    ○馬場成志君 自由民主党の馬場成志です。  私は、自由民主党・国民の声を代表して、ただいま議題となりました平成二十九年度決算について質問いたします。  一昨年二月に設置された参議院改革協議会では、参議院の組織及び運営の改革について精力的に検討を重ねてきました。昨年六月には、参議院でこれまで取り組んできた決算審査の充実とともに、行政の監視、監督を活動のもう一つの柱と位置付け、行政監視機能の強化に議院全体として取り組んでいく旨、議長に報告しております。  これを受け、参議院では、これまで築き上げてきた決算の参議院という側面に加え、本会議を起点とした新たな行政監視の年間サイクルをつくり上げ、行政監視委員会の活動を一層強化充実させてまいります。更に一層多角的に政府の活動をチェックしていきたいと存じます。  先週公表された毎月勤労統計の不適切な調査問題に関する報告書では、まさかという事実が明らかになっております。  統計の正確性への余りにも軽い認識、適正な手続を無視した意識の低さ、抽出調査を統計学的に処理しなかった統計処理能力の欠如など、基幹統計を扱う機関とは思えないずさんさが長きにわたり続いていたことに愕然としております。特別監察委員会の有識者による聞き取りを再度実施すると伺っておりますが、更なる全容解明のためにも、中立性を確保し、しっかりと行っていただきたいと存じます。  今回の問題を契機に行われた政府の五十六の基幹統計に関する一斉調査の結果、二十三統計でミスが見付かりました。政府全体で統計調査に対する意識が低いという根本的、構造的な問題があるのではないかと危惧しております。  過去一年間ではありますが、政務の端くれとして厚生労働省に籍を置いた私自身も、責任や憤りなどいろいろな思いが込み上げてきておるところであります。  再集計値を基に正しい給付金に改めることや追加給付金の迅速な支払を行うことはもちろんでありますが、組織として統計調査に関与していなかったというガバナンスの問題との指摘も含めて、真摯に受け止めた上、二度とこのような不適切極まりない事案が発生しないよう、解体的出直しをする覚悟で抜本的な見直しを早急に講ずることが必要でありますが、根本厚労大臣のお考えを伺います。  さて、平成二十九年度決算を見ると、一般会計歳出歳入共に僅かに増となりました。歳入では、税収及び税外収入共に予算額を上回っております。公債依存度も、一般会計で三四%台と厳しい状況ではありますが、前年度と比べて約五ポイント改善されております。  この決算から、経済再生なくして財政健全化なしということが正しいことを確信したところでありますが、安倍総理におかれては、引き続き経済成長と財政を持続可能にする基盤をどのように固めていくおつもりなのか、お伺いしたいと存じます。  会計検査院による平成二十九年度決算検査報告では、税金の使い方などに問題があると指摘されたのは三百七十四件、千百五十六億円となっております。指摘を受けた省庁には、財政状況の厳しさを受け止め、問題の改善、そして今後の適正な事業の立案、執行への反映を強く求めます。  そこで、平成二十九年度決算と決算検査報告を受けて、平成三十一年度予算にどのように反映させたのか、麻生財務大臣にこの点をお伺いします。  今回の決算検査報告では、特定検査対象として社会保障の動向と国の財政健全化に与える影響について検査を行っております。その中で、平成十六年の年金制度改革により導入されたマクロ経済スライドが平成二十七年度を除き発動されず、仮に毎年発動させていれば、国の負担は平成二十八年度までに三兆三千億円抑えられていた可能性があるとの試算をしております。  一方、社会保障制度の持続可能性を考えるに当たっては、多くの高齢者が高い就業意欲を持っていることなども踏まえるべきではないでしょうか。六十五歳以上の方々の労働力人口割合は増加傾向にありますが、内閣府の調査では、現在仕事をしている高齢者の約四割の皆様が、働けるうちはいつまでも働きたいと回答しています。七十歳くらいから八十歳くらいまで働きたいとの回答を合計すれば、約八割の高齢者が高齢期にも高い就業意欲を持っていることになります。  今回の会計検査院の試算を踏まえつつ、どのような方向性で社会保障制度の持続可能性を高め、全世代型社会保障の実現を図っていくおつもりなのか、総理にお伺いします。  私の地元熊本県は、平成二十八年四月、極めて短期間に前震、本震、いずれも震度七という我が国観測史上最大規模の地震に襲われました。そして、役所や病院、幹線道路など、災害時にこそ機能すべき施設も大変な被害を受けました。農業の生産現場も、田植に必要なため池や水田が深刻な被害を受け、米の作付けを断念した農家もありました。都市であろうが農山漁村であろうが、国民の皆様の尊い命と生活の場、生産の場を守るために、国土強靱化対策を強力に推進していかなければなりません。  しかし、今回の決算検査報告では、災害に対する安全性、強靱性に関する指摘が幾つもあります。決壊したため池の土手や擁壁の復旧工事の設計が不適切だった事例、また、耐震補強のための橋梁工事の設計が不適切であった事例等、指摘がございます。これらの指摘を受け止め、二度と起きぬよう入念にチェックされなければなりません。政府には、国土強靱化関係の予算の確保はもちろんのこと、事業の質を確保しながら執行していく体制をしっかりと整備していくことを求めたいと思います。  今回の災害等における安全性確保に関する会計検査院からの指摘を受けて、災害対応及び国土強靱化を所掌する山本担当大臣は、どのように国土強靱化施策を進められるべきとお考えでしょうか。お聞かせいただきたいと存じます。  さて、会計検査において国費の無駄遣いや不適切な経理を指摘し改善することが重要なのは当然でありますが、単に節約、効率化だけではなく、政策目的の達成と政策効果の発揮という観点でも目を光らせるべきです。  昨年九月の台風二十四号では、四国の吉野川で、以前なら浸水していたレベルの水位を記録しましたが、地域でダムや堤防が整備されたことにより被害の発生を回避できました。熊本地震では高速道路が寸断されましたが、地域高規格道路などが開通し、リダンダンシーが確保されていれば、救援活動や復旧復興はより円滑だったはずであります。  我が国を線でつなぐ高速交通網、そして面で地域の安全を守る防災事業などは、事業が完成して初めて効果が生まれます。事業完成が遅れれば、予算はつぎ込まれても、供用まで事業効果は生み出されません。  高速交通や治山治水等の社会資本整備については、事業完成が遅れたり、供用開始予定が延びたりすることがないよう、しっかりと予算を確保することこそが効果的、効率的な事業執行であると考えますが、この点についての総理のお考えをお伺いして、私の質問とさせていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手)    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
  6. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 馬場成志議員にお答えいたします。  経済成長と財政の持続可能性についてお尋ねがありました。  安倍内閣では、経済再生なくして財政健全化なしとの基本方針の下、財政健全化に大きな道筋を付けてまいりました。この結果、政権交代前と比較して、国、地方を合わせた税収は二十八兆円増加し、来年度予算における国の税収は過去最高、六十二兆円を超えるとともに、新規国債発行額は約十二兆円減少し、安倍内閣発足以来七年連続で減少しているところです。  骨太方針二〇一八に盛り込まれた新経済・財政再生計画では、二〇一九年度から二〇二一年度を基盤強化期間と位置付け、経済成長と財政を持続可能にするための基盤固めを行うこととしています。  引き続き、生産性の向上や人材投資など、あらゆる政策を総動員していくことで、経済再生を図るとともに、歳出と歳入それぞれの面からの改革を続け、二〇二五年度のプライマリーバランス黒字化、同時に債務残高対GDP比の安定的な引下げを目指してまいります。  社会保障制度の持続可能性と全世代型社会保障制度についてお尋ねがありました。  人生百年時代の到来を見据えながら、元気で意欲あふれる高齢者の皆さんが、年齢にかかわらず、学び、働くことができる環境を整えることが必要です。既に未来投資会議においてこうした観点から生涯現役時代の雇用制度改革に向けた検討を開始しており、この夏までに計画を策定し、実行に移す考えです。  その上で、生涯現役社会を前提に、予防、健康へのインセンティブ措置の強化や、年金の受給開始のタイミングを自ら選択できる範囲を広げるなど、医療、年金も含めた社会保障全般にわたる改革を行う考えです。  また、マクロ経済スライドの発動に係る会計検査院の指摘については、既に平成二十八年の年金改正法において、マクロ経済スライドの調整期間の長期化を防ぎ、将来世代の基礎年金の給付水準を確保するため、マクロ経済スライドの未調整分を持ち越し、できる限り早期に調整する仕組みとしました。  こうしたシステム全般にわたる改革を進める中で、給付と負担のバランスについてもしっかりと検討し、子供から若者、子育て世代、現役世代、高齢者まで、全ての世代が安心できる社会保障制度へと改革を進めてまいります。  社会資本整備の効果的、効率的な事業執行についてお尋ねがありました。  社会資本の整備は、未来への投資により次の世代に引き渡すしっかりとした資産を形成するものであり、これまでも地方を含め我が国の経済成長を支えてきたものと認識しております。  また、昨年は、集中豪雨、地震、激しい暴風、異常な猛暑など異次元の災害が相次ぎ、災害から国民の生命と財産を守るための社会資本の整備が極めて重要であることを改めて痛感しました。  こうした中で、中長期的な見通しの下、必要な予算を確保した上で、社会資本整備を計画的に推進し、その効果を早期に発現させることが重要であると考えております。  残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)    〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
  7. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 馬場議員から、平成二十九年度決算と決算検査報告の平成三十一年度予算への反映について、一問お尋ねがあっております。  平成二十九年度決算検査報告において、会計検査院から三百七十四件、一千百五十六億円の指摘を受けたことは誠に遺憾であります。  検査報告を受け、まず、昨年十一月十三日の閣僚懇において、私から各大臣に対して予算の厳正かつ効率的な執行と経理の適正な処理に努めるよう要請を行ったところであります。  平成三十一年度の予算案では、例えば日本年金機構による住民情報の照会について、指摘事項を踏まえ、対象者を限定することにより経費を削減するなど、各事業について検査報告の内容を適切に反映させたところであります。また、平成二十九年度決算を踏まえ、多額の不用を生じている事業について事業内容の見直しや事業の実績を踏まえた積算単価の見直しなどの対応を行ったところであります。  今後とも、決算や検査報告を予算編成や予算執行に適切に反映させるよう努めてまいります。(拍手)    〔国務大臣根本匠君登壇、拍手〕
  8. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 毎月勤労統計調査をめぐる不適切な取扱いについてお尋ねがありました。  政策立案や学術研究、経営判断の礎として常に正確性が求められる毎月勤労統計において、予算の概算の変更も含め、このような事案を起こしたことについては誠に遺憾であり、起こしてはならないことであります。  こうした事案の背景にある厚生労働省としての統計の正確性というものに対する余りにも軽い認識や、組織としてのガバナンスが欠如しているとの御指摘を真摯に受け止めなければならないと考えております。また、特別監察委員会からは、言語道断との厳しい指摘も受けています。全くもって返す言葉もありません。  今回の問題を統計部門だけの問題として捉えるのではなく、厚生労働省全体として、統計に対する姿勢を根本から正し、再発防止の徹底に努め、厚生労働行政に対する国民の皆様の信頼の回復に努めてまいります。  同時に、雇用保険等の追加給付につきましては、できる限り速やかに、簡便な手続でお支払いできるよう、万全を期して必要な対策を講じてまいります。(拍手)    〔国務大臣山本順三君登壇、拍手〕
  9. 山本順三

    ○国務大臣(山本順三君) 馬場成志議員より、今後の国土強靱化施策について御質問いただきました。  防災・減災、国土強靱化は国民の生命や財産を守る施策であり、何よりも安全の確保が重要でございます。  今回、会計検査院から、地方公共団体による災害復旧や耐震補強工事が所要の安全度を確保していない状態になっていたと指摘を受けました。これは、防災・減災、国土強靱化のための事業としては特に重大な問題であり、指摘を受けた省庁において厳粛に受け止め、適切に対処されるべきと考えております。  決算検査報告によれば、災害復旧事業における設計についての理解や、委託した設計業務の成果品の誤りに対する検査が十分でなかったこと等が原因とされております。改めて、地方公共団体等における国土強靱化を担う人材の育成、組織体制の強化、技術の活用、導入等の重要性を痛感するところでございます。  近年、災害が激甚化する中、防災・減災、国土強靱化を推進する必要があり、重要インフラの緊急点検の結果等を踏まえ、防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策を集中的に実施することにいたしております。  このような施策を通じて、真に強くしなやかな国土づくりを実現するためには、ハード、ソフト対策を一体的、計画的に実施するために必要な予算を確保するとともに、人材の育成や技術の活用等を通じて、国民の生命、財産を守るという効果が高く発揮できるよう、施策や事業の質を高めていくことが重要であると考えております。(拍手)     ─────────────
  10. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 森本真治君。    〔森本真治君登壇、拍手〕
  11. 森本真治

    森本真治君 国民民主党新緑風会森本真治です。  ただいま議題となりました平成二十九年度決算について、会派を代表して質問いたします。  まずは、決算審査にも影響を及ぼす統計の不正問題についてお伺いします。  この度発覚した毎月勤労統計の不正調査問題は、国の信頼を根底から揺るがす問題です。さらに、五十六ある政府の基幹統計について、昨日も新たな不正が判明し、現在、二十三統計、計三十四件に上っています。国際社会での信用を失墜しかねない不祥事であり、この国を支える屋台骨を揺るがす異常事態です。  しかしながら、総務省は、基幹統計の不適切処理について、国民生活に影響する重大な事案はないとの認識を示し、自民党の幹部も、毎月勤労統計の不正調査について、今回はさほど大きな問題はないと述べられ、政府・与党の統計に対する軽視、認識の甘さ、危機感のなさを改めて示すものであります。二〇一〇年のギリシャ危機は統計問題から発生したことを政府・与党幹部は御存じないのでしょうか。  こうした不適切な統計に基づいて政府はこれまで各種の政策や事業を実施し、また、国会においても適切でない数値や証拠に基づき審査を行わざるを得ない状況であったということになれば、これは、今議題となっております二十九年度決算の審査や来年度予算等の審査にも重大な影響を与えます。昨年明らかとなった公文書改ざんの問題を含め、国を誤った方向へ導く危険性をはらんだ大変大きな問題であると言わざるを得ません。  統計全般に異常な事態が蔓延していることについて総理はどう認識しているのか、また、政府統計への信頼が揺らいでいる中で、全容が明らかにならなければ、決算審査、予算審査に入ることは困難と考えますが、総理の御所見をお伺いします。  毎月勤労統計の不正問題については、厚生労働省がなぜこのようなことをしたのか、その動機についてはいまだ明らかになったとは言えません。アベノミクスの数字をより良く見せるためにこのような偽装を行ったのではないかという疑念も拭い切れません。なぜこのような行為に及んだのか、その動機について、厚生労働大臣、お伺いします。  厚生労働省の特別監察委員会の調査についてお伺いします。  先週開催された閉会中審査において、特別監察委員会が行った関係者への聞き取りの中で身内の厚労省職員が行ったケースがあり、また、報告書原案も厚労省職員が作成したことが判明し、中立性に疑問があるとの指摘が相次ぎました。それを受け、厚生労働大臣は再調査を行うとの方針を示しています。  さらに、これまでの説明で特別監察委員会の委員が聴取したとしてきた厚生労働省幹部らへの調査においても、身内である厚生労働省幹部が同席し質問もしていたと報道がなされ、昨日、官房長がそのことを認めました。政府の隠蔽体質がここでも示されることになり、厚生労働大臣の責任は極めて重たいものがあります。なぜそのことを閉会中審査で明らかにしなかったのか。これ以上、国会を軽視し、国民を欺くことは断じて許すわけにはいきません。  厚生労働大臣に、国民に隠すことなく事実を説明していただくことを求めます。そして、厚生労働大臣自らの責任についてどう考えるのかと併せて御答弁ください。  平成二十九年度、二〇一七年度は、アベノミクスの失敗が、数字の上でも、安倍政権の政策転換という意味でも、もはや隠し切れなくなった年でした。前年の二〇一六年からその兆候はありました。  二〇一六年六月、参院選を前に、安倍総理は、アベノミクスは順調に結果を出していて日本経済は好調だが、世界経済のリスクには備えなければならないと言って、消費税率引上げの再延期を表明しました。参院選後、補正予算で大規模な経済対策を打ったにもかかわらず、二〇一六年度の成長率は、名目〇・七%、実質〇・九%にすぎませんでした。これは世界経済のリスクのせいなのですか。単にアベノミクスがうまくいっていないだけに思えますが、総理の見解を求めます。また、あのときの消費税率引上げ再延期の判断は妥当だったとお考えか、併せてお伺いします。  現在、世界経済にあのとき以上のリスクはないとお考えでしょうか。むしろ、対中貿易摩擦、米国、欧州、中国の景気減速、日銀の異次元緩和の手詰まりと、リスクだらけではありませんか。総理のお考えを伺います。  そして、本年十月の消費税率引上げの再々延期はないということでよろしいのでしょうか、お伺いします。  そもそも、政策判断の材料である基幹統計に大きな誤りがあったのですから、消費税率引上げ判断は統計問題が解決するまで保留するつもりはありませんか、併せてお伺いします。  災害対策についてお伺いします。  昨年は、私の地元広島県を始め、各地で大規模な自然災害が発生しました。大規模災害の発生が相次ぐ状況の中で、防災対策を何より国政の最優先課題として取り組んでいく必要があります。  西日本豪雨では幾つかの課題が浮き彫りになりました。多くのダムが満水になり、放水操作による増水や堤防の決壊が起こるなど、施設整備のみによる水害対策の限界が指摘されています。また、洪水ハザードマップを作成していた地域においても、備えが十分生かされず、甚大な被害が発生しました。  今回、気象庁は、大雨特別警報の可能性に言及する異例の記者会見を行い、十一府県もの広域に特別警報を出しました。これに前後して、各自治体は住民に対して避難勧告や避難指示を出したわけですが、残念ながらこうした情報が十分に伝わらなかった、若しくは、伝わっても危機感を持って避難行動を取るまでに至らなかったケースもありました。  西日本豪雨で見られたこうした課題について、政府はどのように認識し、どう対応しているのか、また、これまで行ってきた防災・減災に係る取組は十分だったと言えるのか、総理に伺います。  次に、土砂災害について。  特に広島県では被害が大きく、多くの方々が亡くなられました。広島県は平成二十六年にも大規模な土砂災害に見舞われました。その後、土砂災害警戒区域の指定や警戒避難体制の構築が徐々に進む中で再び大きな被害が出てしまいました。  土砂災害に関しては、平成二十八年五月に本院決算委員会において措置要求決議を行っております。決議の中で、土砂災害警戒区域で砂防関係施設が未整備の地域が多数あること、施設の定期点検の実施割合が低いことなどが指摘されております。  決議の翌年一月、政府は土砂災害対策の計画的な実施や点検の適切な実施を求める文書を都道府県に発するなどの措置を講じたと国会に報告しましたが、この措置は十分だったのでしょうか。改めて、土砂災害対策に係る政府の対応状況を国土交通大臣に伺います。  次に、防災に関しては、国会に提出された会計検査院の平成二十九年度決算検査報告の中にも様々な指摘があります。その中で、各府省庁の災害関連情報システムや災害関連情報の集約、共有のために内閣府が整備した総合防災情報システムが十分活用されていない状況が指摘されています。  報告書によれば、各省庁、自治体、公共機関が持つ災害関連情報の総合システムへの集約や総合システムから各関係機関への情報共有が自動で行われず、多くが手入力を必要としているため、システムを用いた情報の集約、共有が非常に低調となっているとのことであります。実際、熊本地震においても、システムによる災害関連情報の共有はごく一部に限られていたことも記載されています。  災害時の情報の収集、共有の重要性は論をまたないところですが、今般の豪雨災害において、検査院に指摘されたシステムは効果的に活用されたのか、そして、指摘に対し現在政府はどのように対応しているのか、防災担当大臣に伺います。  ヒバクシャ国際署名と核兵器禁止条約の締結について伺います。  日本原水爆被害者団体協議会が提唱するヒバクシャ国際署名は、二〇一六年四月に始まり、核兵器の廃絶、核兵器を禁止し廃絶する条約を結ぶことを全ての国に求め、世界に呼びかけを行ったもので、昨年九月末時点で八百三十万人分の署名が集まっています。こうした署名活動など、核兵器のない世界の実現に向けた取組を中心となって進めてきたのが被爆者の方々ですが、そうした被爆者も平均年齢八十歳を超え、長年求め続けてきた核兵器廃絶を早期に実現させたいと切望しております。  ヒバクシャ国際署名を始めとした被爆者の方々のこれまでの取組への評価と、国際署名に多くの方々が賛同し、署名していただいている現状について、総理の認識を伺います。  被団協がヒバクシャ国際署名を呼びかけた二〇一六年四月の時点で国連で採択されていなかった核兵器禁止条約は、二〇一七年七月に採択されました。しかし、日本政府は条約交渉に初めから不参加でした。昨年一月の参議院予算委員会で、安倍総理は私の質問に対し、核廃絶のゴールは同じだがアプローチが違う、核兵器禁止条約は核抑止力自体を否定しており、北朝鮮の核の脅威がある中で、抑止力を維持することにより国民の命を守り抜く責任があると述べ、条約は支持できないとの考えを示しました。  一方で、安倍総理は、二〇一六年五月のオバマ米国大統領の広島訪問に際し、次のように演説しました。核兵器のない世界を必ず実現する、その道のりが、いかに長く、いかに困難なものであろうとも、絶え間なく、努力を積み重ねていくことが、今を生きる私たちの責任であります。安倍総理、この演説は、日本の総理大臣として、核兵器を禁止し、さらに核兵器廃絶に向けて努力する決意を宣言したものではないのでしょうか。  世界で唯一の戦争被爆国であるからこそ、日本が核兵器廃絶の先頭に立ち、核兵器禁止条約に署名、批准し、それによって世界で主導的な役割を果たしていくことが必要であるのではないかと私は考えますが、総理の認識を伺います。  被爆者援護施策についてお伺いします。  現在、原爆症の認定を求めてノーモア・ヒバクシャ訴訟が行われています。これまで、大阪、広島、名古屋、東京の各高等裁判所で連続して原告勝訴の判決が言い渡されています。とりわけ昨年三月の東京高等裁判所では、国が原爆放射線以外の原因によると主張する疾病であっても、原爆放射線によってその疾病が促進されると認められる場合には、特段の事情がない限り、放射線起因性を肯定することが相当であるとした画期的な判決が言い渡され、国が定めた原爆症認定基準の不当さ、運用の不適切さを強く批判しています。  高齢かつ重い病気の原告をこれ以上裁判で苦しませることは人道上許されない行為です。速やかな裁判の解決のために、国は、一連の高裁判決を真摯に受け止め、一刻も早く原爆症認定制度を改め、被爆者の立場に立った制度へ抜本的な改善を行うべきと私は考えます。  一方で、被団協の皆さんや弁護団からは、早期の抜本改正が難しいのであれば、当面の措置として裁判で認められた疾病については積極認定の申請可能な疾病に加えるなど、運用の見直しを行っていくことも提案されています。総理大臣には、この提案を受け入れていただくことを強く求めます。御所見をお伺いします。  以上、るる質問いたしました。第二次安倍政権は六年を超え、まれに見る長期政権となりました。自らの誤りを認めることなく、うそにうそを重ねていては、いつまでたっても経済の好転も国民生活の向上も望めません。強い者が間違っているなら私たちは勇気を持って正していく、大きな者が見逃しているなら私たちは信念を持って訴えていく、そのことをお誓い申し上げて、質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手)    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
  12. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 森本真治議員にお答えをいたします。  政府統計についてお尋ねがありました。  毎月勤労統計について不適切な調査が行われ、セーフティーネットへの信頼を損なう事態を招いたことについて、国民の皆様におわび申し上げます。  高い専門性と信頼性を有すべき統計分野において長年にわたって誤った処理が続けられ、それを見抜けなかった責任については重く受け止めています。  また、今般、その他の基幹統計についても緊急に点検を行いましたが、手続の誤り等の問題があったことは遺憾であり、速やかに是正の措置を講ずることとしています。  引き続き、統計の信頼回復に向け、統計委員会に新たな専門部会の設置を要請し、基幹統計に加えて一般統計についても徹底した検証を行い、再発防止に全力を尽くしてまいります。  こうした中、平成二十九年度決算については、国会で御審議いただいた内容を早期に行政運営に反映していくため、また、平成三十年度第二次補正予算及び平成三十一年度予算については、防災・減災、国土強靱化や全世代型社会保障への転換といった現下の重要課題に的確に対応していくため、何とぞ速やかに御審議いただくことをお願いいたします。  二〇一六年の経済状況及び当時の消費税率引上げ再延期の判断についてお尋ねがありました。  二〇一六年当時の我が国経済は、景気が回復基調にあったものの、年度当初には、アジア新興国や資源国の経済の減速など、世界経済が様々なリスクに直面し、内需が腰折れしかねない状況となっていました。  そのような中、同年六月には、こうしたリスクに対する国際的な共通認識の下、経済再生、デフレ脱却に万全を期すべきであったことから、経済対策の策定とともに消費税率引上げの延期を判断しました。  年度後半には、各種政策の効果もあり、内需の腰折れを回避し、景気の回復基調が維持されました。当時の消費税率引上げ延期の判断は妥当なものであったと考えています。  世界経済のリスク及び消費税率引上げについてお尋ねがありました。  二〇一六年度の当初は、アジア新興国や資源国の経済の減速など、世界経済が様々なリスクに直面し、内需が腰折れしかねない状況となっていました。  他方、現在は、通商問題の動向、中国経済の先行き等によるリスクに留意する必要がありますが、世界経済は米国を中心に緩やかな回復を続けており、我が国経済も内需を中心とした緩やかな回復が続いています。  お尋ねの本年十月の消費税率引上げについては、全世代型社会保障の構築に向け、少子化対策や社会保障に対する安定財源を確保するために必要なものです。これまでも、法律で定められたとおり、十月に現行の八%から一〇%に引き上げる予定であると繰り返し申し上げており、この方針に変更はありません。  なお、連合の調査においては、五年連続で今世紀に入って最高水準の賃上げが継続しており、現時点において所得環境は着実に改善しているとの判断には変更はございません。  西日本豪雨を踏まえた防災・減災対策についてお尋ねがありました。  西日本豪雨では、住民の方々が災害リスクを十分認識できていたか、行政が発信した避難に関する情報や防災気象情報が受け手である住民に正しく理解されていたかなど、様々な課題があったと認識しています。  このため、中央防災会議の下に設置した有識者等から成るワーキンググループにおいて検討がなされ、住民は、自らの命は自らが守るとの意識を持ち、地域の災害リスクや取るべき避難行動等を把握すること、行政は、住民が適切な避難行動を取ることができるよう、避難に関する情報等を分かりやすく提供することとの提言が昨年十二月に出されました。  政府としては、本提言を踏まえ、国民の生命と財産を守るため、ソフトとハードを適切に組み合わせた対策を総動員して、防災・減災対策の強化を図ってまいります。  政府としては、これまでも様々な防災・減災対策を行ってまいりましたが、これからも、発生した災害から学べるものは全て学び、以後の対応に生かしてまいります。  被爆者の方々のこれまでの取組への評価等についてお尋ねがありました。  被爆者の方々は、核兵器のない世界の実現に向け、長年にわたって被爆の悲惨な実相や核兵器の非人道性を世界に伝える活動に取り組まれてきており、その大変な御尽力に対し、改めて心より敬意を表します。  ヒバクシャ国際署名については、政府としても、核廃絶というゴールは共有していますが、このヒバクシャ国際署名が締結することを求める核兵器禁止条約については、安全保障の現実を踏まえることなく作成されており、日本政府のアプローチとは異なるものと認識します。  核兵器禁止条約についてお尋ねがありました。  我が国は、唯一の戦争被爆国として、核兵器のない世界の実現に向けた国際社会の取組をリードしていく使命を有しています。これは私の揺るぎない信念であり、我が国の確固たる方針であります。オバマ大統領が広島を訪問した際に私が行った演説も、このような決意を表明したものです。  核兵器禁止条約については、この条約が目指す核廃絶というゴールは我が国も共有しています。真に核兵器のない世界を実現するためには、核兵器国が実際に核兵器を削減していくことが必要です。しかし、核兵器禁止条約は、安全保障の現実を踏まえることなく作成されており、核兵器国は一か国として参加していません。  我が国を取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増しており、政府には、我が国に対する核の脅威がある中で、抑止力を維持することにより国民の生命、財産を守り抜いていく責任があります。  現在、核軍縮をめぐっては、核兵器国と非核兵器国の間、さらには非核兵器国同士の間でも立場の違いが顕在化しています。我が国は、唯一の戦争被爆国として、これらの国々の間の橋渡しを行い、双方の協力を通じて核兵器のない世界に向けて一歩一歩近づいていくという現実的なアプローチを取っていくことが必要だと考えます。  原爆症認定制度についてお尋ねがありました。  原爆症に関する訴訟については、それぞれの判決内容を十分に検討し、平成二十五年に見直した原爆症認定に関する審査の方針の積極的認定疾病の対象でない場合であっても、判決内容がその方針に反していない限り受け入れるという姿勢で臨んでおります。  被爆者の方々が高齢化している現状を踏まえ、今後とも、この審査の方針を適切に運用するとともに、原爆症の認定に関する審査の迅速化、医療、福祉にわたる総合的な対策などを講じてまいります。  残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)    〔国務大臣根本匠君登壇、拍手〕
  13. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 森本真治議員にお答えいたします。  毎月勤労統計調査をめぐる不適切な取扱いについてお尋ねがありました。  政策立案や学術研究、経営判断等の礎として常に正確性が求められる政府統計について、今般の事態を引き起こしたことは極めて遺憾であり、国民の皆様に御迷惑をお掛けしたことを深くおわび申し上げます。  今般の事案については、事実関係等の究明を行っていただいている特別監察委員会の報告の中で、平成十六年調査以降、東京都の五百人以上規模の事業所について、全数調査とすべきところが抽出調査で行われ、かつ適切な復元処理がなされていないという不適切な取扱いが継続しておりました。  こうした中で、平成二十七年以降、毎月勤労統計の改善に向けて、統計委員会等の専門家の検討を経て、平成三十年調査からサンプリングの見直しが行われ、毎年サンプルを部分的に入れ替えることになりました。  当時の担当者によれば、この際、復元処理を行うようシステム改修したのは、こうしたサンプリングの見直しがうまく機能するようにしたためなどと説明しているといった事実が報告されています。  したがって、アベノミクスの数字をより良く見せるための偽装との御指摘は当たらないものと考えております。  特別監察委員会が実施したヒアリングについてお尋ねがありました。  特別監察委員会が一月二十二日までに実施したヒアリングの対象者のうち、一部については、厚生労働審議官や大臣官房長が同席し質問していたとの報告を受けています。  先日の閉会中審査においては、官房長からは、この点についての質問がなかったということで答弁しなかったものと聞いております。  特別監察委員会では、ヒアリングから得られた供述内容や関係資料の精査などを通じて第三者の視点から集中的に検証し、事実関係と関係職員の動機、目的、認識など、さらに責任の所在を明らかにしていただきました。  その上で、現在、特別監察委員会では、先日の国会における御議論等も踏まえ、事案に関連した職員等に特別監察委員会の委員のみが質問する形式での更なるヒアリングの実施など、更なる調査を行っていただいているところであります。  厚生労働省としては、今回の問題を統計部門だけのものとして捉えるのではなく、省全体として統計に対する姿勢を根本から正し、再発防止の徹底に努め、厚生労働行政に対する国民の皆様の信頼の回復に努めてまいります。それが私の責任であると考えております。(拍手)    〔国務大臣石井啓一君登壇、拍手〕
  14. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 森本真治議員にお答えをいたします。  土砂災害対策に係る政府の対応状況についてお尋ねがありました。  国土交通省といたしましては、平成二十七年九月に都道府県に対しまして、土砂災害対策事業の事業採択後の速やかな工事の着手など、計画的な土砂災害対策の推進について適切に実施するよう通知をし、工事未着手箇所についてはフォローアップ調査を行うなど、改善を図っているところであります。  また、砂防関係施設の点検につきましては計画的に実施するよう併せて通知を行っておりまして、今年度末には全都道府県において全ての施設の点検を終了する予定であります。  引き続き、都道府県に対し適切に助言するとともに、重要インフラの緊急点検に基づく三か年の緊急対策を含めまして、昨年の七月豪雨を踏まえた更なる土砂災害対策の推進に努めてまいります。(拍手)    〔国務大臣山本順三君登壇、拍手〕
  15. 山本順三

    ○国務大臣(山本順三君) 森本議員より、総合防災情報システムの活用状況及び会計検査院による指摘への対応状況について御質問いただきました。  内閣府では、政府内で災害に関連する情報を効率的に共有すること等を目的として、総合防災情報システムの運用を行ってきたところでございます。  今般の豪雨災害においても、本システムにおいて人的被害の状況や断水の状況を共有する等の対応を行ってきたところでございますが、会計検査院の報告にもあるとおり、現在のシステムでは、情報の多くを手動で登録する必要があり、その作業に時間を要することから、災害時の情報登録が限定的となっていることは課題であると認識をいたしております。  政府内の情報共有を効率化する観点から、総合防災情報システムの役割は極めて重要であると考えており、昨年度からシステムの更新に着手をしているところでございます。  本年四月からの稼働を予定している新たなシステムにおいては、今回の会計検査院による指摘や現行システムの課題を踏まえ、災害対応により資するシステムとなるよう改善することといたしております。(拍手)
  16. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 理事が協議中でございますので、少々お待ち願います。     ─────────────
  17. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 風間直樹君。    〔風間直樹君登壇、拍手〕
  18. 風間直樹

    ○風間直樹君 立憲民主党・民友会・希望の会の風間直樹です。  私は、ただいま議題となりました平成二十九年度決算について、会派を代表して、安倍総理及び関係大臣に質問します。  まず、毎月勤労統計の不正調査、統計法違反問題について伺います。  厚生労働省は、各自治体を通じて行う毎月勤労統計の調査において、五百人以上の事業所については全て調べるルールに反し、二〇〇四年以降、東京都の約千四百事業所のうち三分の一のみを勝手に抽出して調べていました。これにより、実態より低く出た平均給与が雇用保険や労災保険の給付額に反映され、二千十五万人もの方々への支給額が低くなりました。追加支給が必要になります。そして、予算案の閣議決定もやり直すことに。これは政府による前代未聞の違法行為です。  さらに、二〇一八年の給与水準の高い伸びは、データを修正しただけではなく、数値の算出方法を変更し、従業員三十人から四百九十九人の事業所の調査対象の半数が入れ替わった結果と判明。これでは、給与の伸びを大きく見せるため意図的に行ったと思われても仕方ありません。  政府は、発覚以降、第三者による特別監察委員会を設け、今月二十二日、結果を発表。厚生労働省は二十人の職員の懲戒処分を決定し、幕引きを図りました。しかし、特別監察委員会が否定した組織的隠蔽は本当になかったのでしょうか。疑念は深まっています。  不正調査が実施される前年、二〇〇三年には、不正な調査手法を認めるマニュアルが作成されました。そして、不正調査を続行する中、厚生労働省は、総務省への提出文書時や統計に関する公の会議の場でも、繰り返し、全数調査を行っていると述べています。また、全数調査から抽出調査に変更後も、課長級職員を含む職員や元職員は、不正と知りながら違法行為を引き継いできたことが特別監察委員会の調査で明らかになっています。これは組織的隠蔽であり、故意の統計法違反にほかなりません。  また、去る二十四日の衆議院厚生労働委員会の審議では、厚生労働省の職員が特別監察委員会報告書の原案を書いていたことが明らかとなりました。さらに、厚労省官房長が幹部聴取に同席、質問し、厚労省職員も課長補佐以下への聴取を行ったことも判明。もはや、特別監察委員会による調査の独立性は完全に崩れています。  さらに、総務省の点検作業では、国の公的統計のうち、五十六ある基幹統計の約半数、二十二統計で不適切な事例があり、うち二十一統計では統計法違反の疑いが排除できません。  公文書改ざんに続き、国家政策の礎である統計において長年違法行為が繰り返されてきたこと、これは、政府はありのままの事実、数値を明らかにするはずと考えてきた国民の信頼を根底から覆す行為です。  さて、この毎月勤労統計はアベノミクスが成功している根拠ともされてきました。実際に、総理は毎月勤労統計を根拠としてアベノミクスの成果を答えています。例えば、平成二十六年三月十四日、野田国義参議院議員の質問に対し、また、平成二十九年十一月二十九日、大塚耕平参議院議員の質問に対して。  今回の不正を受け、厚生労働省は改めて二〇一二年以降の再集計値を発表しました。その結果、名目賃金は全ての月で修正され、二〇一八年一月から十一月の伸び率は全て縮み、最大〇・七ポイントの下方修正。このように、アベノミクスの成果と総理が自賛した数値の根拠は崩れています。  総理、総理は、御自身が根拠とした数値は間違いであり、アベノミクス成功の根拠とは言えないとお認めになりますか。率直な見解を求めます。  あわせて、総理の責任についてお尋ねします。  憲法七十三条がうたう、法律を誠実に執行する責務を負っている安倍内閣が、国家公務員法九十六条による全体の奉仕者として公共の利益の実現を責務とする官僚を統制できていないのは明白です。安倍一強と言われる強い内閣が内閣人事局を通じて国家公務員の人事を強く統制しているにもかかわらず、重大な公務員不祥事が続発しています。憲法七十三条が内閣に求める責務をあなたは総理として果たしていると考えますか。お尋ねします。  また、職員は懲戒処分に処せられたものの、厚生労働省を指揮統督する根本厚労大臣の責任に総理は全く言及されていません。根本大臣は、十二月二十日に事態を把握するも、翌二十一日の来年度予算案の閣議決定にも閣僚としてはばかることなく署名。結果、閣議決定のやり直しという異例の事態に至り、国民生活に多大な影響が及ぶ騒ぎとなっています。この責任は極めて重大です。根本厚労大臣の罷免と総理の辞任を求めます。  さて、今回の勤労統計問題に関し、会計検査院、人事院、総務省行政評価局は、行政の内部統制機関として厚生労働始め各省庁に対する調査及び実地調査などの役割を十分果たしてきたのでしょうか。これら機関が機能していれば、重大な法令遵守義務違反となる公務員の信用失墜行為が続発するはずがありません。  内部統制機関の持つ行政の法令遵守を監視する権限には次のものがあります。会計検査院法二十五条、検査院が持つ実地調査権。国家公務員法十七条、人事院の行政機関に対する強力な調査権。総務省設置法第六条、総務省の各行政機関の長に対する資料の提出、説明を求める権限、また各行政機関の業務に対する実地調査権。  今回の統計法違反行為に関し、問題が発覚する前に、厚生労働省始め各省庁への内部調査、実地調査をどのように行ってきたのか。また、今述べた法令を踏まえて、今後どのように対応する考えか。国会法の規定により本日答弁できない会計検査院長を除き、総務大臣、人事院総裁の答弁を求めます。  同僚議員の皆様、これら機関が機能不全に陥っている構造的問題を国会で議論することを喫緊の課題として提起いたします。  次に、国会の運営について一言申し上げます。  さきの臨時国会での入国管理法改正案、水道法改正案、そして漁業法改正案での強引な採決。私たちは、安倍内閣の下、国権の最高機関としての国会が大きく変質しつつあると考えています。  なぜ国会は日本国憲法で国権の最高機関と規定されているのでしょうか。理由は二つ。第一に、国会議員が国民の直接選挙で選ばれ、民意を国政に直接反映すべき存在であること。第二に、国会に指名された内閣総理大臣が内閣を組織し、国民は内閣に行政権の行使を委託し、そして国会が国民の代表として行政権の行使を監視する責務を負っていること。  我が国議会制民主主義の歴史において、先人たちは国会の行政監視機能が健全に発揮されることに配慮し、その結果、十分な審議時間の確保や与野党合意の下での会議運営といった先例が重ねられてきました。しかし、与党によるさきの臨時国会の運営は非常に乱暴なものでした。  国会による行政監視機能、法案審査機能の行使は、今十分に果たされているとは言えません。安倍内閣の下、国権の最高機関となったのは、政府・自民党の人事権と霞が関の人事権を持つ総理官邸なのではないでしょうか。一方、私たち国会は国民に対し、与党支持者、野党支持者の区別なく、民意を十分国政に反映し、安倍内閣による行政権の行使を監視していると自信を持って言えるでしょうか。  安倍総理、行政権はあくまでも主権者たる国民が内閣に行使を委託しているものです。その認識はおありでしょうか。答弁を求めます。  平成二十九年度決算検査報告について質問します。  会計検査院は、検査報告を作成し、決算とともに内閣に送付します。本報告の掲記件数は三百七十四件、指摘金額は千百五十六億円となっており、前年度と比較しますと、件数は四十九件減少していますが、金額は二百八十二億増加しています。  省庁別で見ますと、掲記件数が最も多いのは厚生労働省の九十五件であり、以下、総務省五十一件、農水省四十二件、文科省、国交省がそれぞれ三十二件となっています。また、指摘金額では、防衛省の、重要物品であるのに物品増減及び現在額報告書には計上されていなかった航空機、艦船等に搭載する物品について、明確な計上基準を制定し、その内容を周知するなどして、物品増減及び現在額報告書への計上を適切に行うよう改善させたものの六百十六億円が最大となっています。  国民の血税が不適切に使用されることなく、国の資産も適切に管理されるよう、政府として指摘項目の再発防止に全力を挙げるべきですが、総理の見解を求めます。  国の会計を検査する会計検査院については、会計検査院法第一条で、「会計検査院は、内閣に対し独立の地位を有する。」とされています。一方、私は、検査院OBが検査対象である各省庁所管の法人や団体へ再就職する事例が、過去十年、毎年十名前後あることに触れ、そこに検査院OBの指定ポストがあり、所管省庁による再就職のあっせんがあるのではないかと繰り返しただしてきました。また、平成十八年度から二十七年度までの十年分の会計検査院報告書によると、報告書で検査院が問題を指摘した法人、団体に再就職する等の会計検査院OBも十三名おり、検査対象に再就職することの是非が問われています。  政府及び会計検査院は、検査院OB指定ポストの存在や省庁によるあっせんという疑いを否定しています。一昨年一月の代表質問での私の問いに対し、総理は、会計検査院の職員の再就職についても国家公務員法の規定にのっとって行われていると答弁されましたが、そもそも、検査院OBが検査対象である各省庁の所管する法人や団体に再就職していれば、各省庁に対する検査院の検査に遠慮や配慮が働きかねないと国民から疑われても仕方ないのではないでしょうか。総理の認識を伺います。  最後に、総理に伺います。  日米安保条約上、アメリカ軍は日本全国どこにでも望む場所に基地を置ける権利があるとされていますが、これは事実でしょうか。安保条約六条には、アメリカ合衆国は、その陸軍、空軍及び海軍が日本国において基地を使用することを許されるとあり、米国と安保条約を結ぶ他国のように基地を置ける場所を限定列挙はしていません。仮に北方領土四島のいずれかの返還が実現した場合、米軍が望めばそこに基地が置かれる可能性はあるのでしょうか。また、米軍が日本国内のいずれかに基地を置くことを希望した場合、日本政府が同意しないことも可能なのでしょうか。  以上をお尋ねして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手)    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
  19. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 風間直樹議員にお答えをいたします。  毎月勤労統計の再集計値についてお尋ねがありました。  毎月勤労統計について不適切な調査が行われ、雇用保険、労災保険といったセーフティーネットへの信頼を損なう事態を招いたことについて、国民の皆様におわび申し上げます。  高い専門性と信頼性を有すべき統計分野において長年にわたって誤った処理が続けられ、それを見抜けなかった責任については重く受け止めています。  他方、私自身、これまで毎月勤労統計を引用して答弁したことはありますが、今回の再集計により下方修正となった平成三十年の各月の伸び率の数値のみをお示ししてアベノミクスの成果であると強調したことはありません。  いずれにしても、連合の調査においては、五年連続で今世紀に入って最高水準の賃上げが継続しており、現時点において所得環境は着実に改善しているとの判断に変更はありません。  国家公務員の不祥事についてお尋ねがありました。  今般の毎月勤労統計調査を始めとする行政をめぐる様々な問題については、行政全体に対する国民の皆様の信頼を損なうものであり、行政府の長としてその責任を痛感しております。再発防止策の徹底など、国民の信頼を回復するための努力を積み重ね、内閣総理大臣としての職責を引き続き果たしていく決意であります。  今般の毎月勤労統計の事案に対する責任についてお尋ねがありました。  今回のような事案が二度と生じないよう徹底して検証を行い、信頼を取り戻すことが何より重要であり、不足分の速やかな支払や再発防止に全力を尽くすことで政治の責任をしっかりと果たしてまいります。  根本大臣にも、不足した給付の速やかな支払や今回の事案の徹底した検証、再発防止に引き続き全力で取り組んでいただきたいと考えています。  行政権の行使についてお尋ねがありました。  憲法第六十六条第三項は、「内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負ふ。」と規定し、内閣法第一条第二項も、内閣は、行政権の行使について、全国民を代表する議員から成る国会に対して連帯して責任を負うと規定しているところであり、内閣は、これらの規定を踏まえて行政権を適切に行使しているものと考えています。  平成二十九年度決算報告における指摘項目の再発防止についてお尋ねがありました。  平成二十九年度決算検査報告において、会計検査院から三百七十四件、千百五十六億円の指摘を受けたことは誠に遺憾です。昨年十一月の検査報告を受け、私からも各大臣に対し検査報告事項について確実に改善するよう指示を行い、平成三十一年度予算編成等においても適切に反映をしたところです。  国の資産である重要物件の不適切な管理等、指摘を受けた事項については、その内容に応じて一つ一つ着実に改善策を講じ、予算や会計事務などにしっかりと反映させてまいります。  会計検査院OBの再就職についてお尋ねがありました。  会計検査院は、会計検査院法に定められているとおり、内閣に対し独立した地位を有する機関として、厳正かつ公正な会計検査を実施することが求められており、会計検査院の職員の再就職については、こうした趣旨を踏まえるとともに、国家公務員法の規定にのっとって行われていると承知しています。  また、会計検査院の職員が会計検査の対象である各省庁の所管法人や団体に再就職している場合においても、会計検査院としては、当該法人や団体に対し厳正な会計検査を実施していると承知しています。  日米安保条約と日ロ平和条約交渉についてお尋ねがありました。  米軍は、日米安保条約及び関連取決めに基づき、日本国内の施設・区域の使用を許されていますが、どこに施設・区域を置くかについては、あくまでも日本政府が同意しなければなりません。  日ロ間の平和条約交渉に関しては、我が国の交渉方針や考え方について交渉以外の場で言うことは交渉に悪影響を与えることとなるため、お答えすることは差し控えます。  残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)    〔国務大臣石田真敏君登壇、拍手〕
  20. 石田真敏

    ○国務大臣(石田真敏君) 風間議員にお答えいたします。  総務省設置法第六条の権限に基づく調査についてお尋ねがありました。  当省の行政評価局では、総務省設置法第六条の権限に基づき、各行政機関の業務の実施状況についてその時々のテーマを定めて調査を行ってきたところであります。一方、特に専門的知見が必要な統計に関しましては、統計委員会において継続的に審議いただいております。  今回の毎月勤労統計の事案につきましては、統計委員会の指摘を端緒としたものであります。今後とも、統計の信頼回復に向け、統計委員会に新たな専門部会の設置を要請し、基幹統計に加えて一般統計についても徹底した検証を行い、再発防止に全力を尽くしてまいります。(拍手)    〔政府特別補佐人一宮なほみ君登壇、拍手〕
  21. 一宮なほみ

    政府特別補佐人(一宮なほみ君) 毎月勤労統計調査に関する件について、国家公務員法に基づく人事院の調査に係るお尋ねがありました。  国家公務員法第十七条は、人事行政に関する事項に関する人事院の調査権を規定したものでございます。本件は厚生労働省で行われている統計調査に関するものと承知しておりますが、こうした各府省庁の個別の業務につきましては、それぞれの府省庁において法令に基づいて個別具体的な執行がなされるものと承知しております。  本件につきましては、今後、統計調査に係る事実関係を十分に承知し得る立場にある厚生労働省において適切に対応されるものと考えます。(拍手)     ─────────────
  22. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 新妻秀規君。    〔新妻秀規君登壇、拍手〕
  23. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 公明党の新妻秀規です。  ただいま議題となりました平成二十九年度決算について、公明党を代表して質問いたします。  本日、決算重視の参議院として決算の審議入りが合意形成されましたこと、関係各位の御努力に感謝と敬意を表します。  まず、厚生労働省が毎月勤労統計を不適切な方法で処理していた問題について、厚生労働大臣に伺います。  厚労省は、統計法を無視した行政措置を放置し、雇用保険などで多くの国民に損失を与えました。言語道断であり、猛省を促したい。  この問題については、先週二十二日に特別監察委員会の調査報告書が厚生労働大臣に提出をされ、二十四日には衆参の厚生労働委員会で閉会中審査が行われましたが、報告書の客観性に疑義が呈せられ、調査が不十分、不徹底であると厳しく指摘されています。厚労大臣には国会からの指摘に真摯に対応していただきたい。  大臣は既に追加調査の意向を示されたところですが、東京都など自治体への調査や影響の及ぶ範囲の全容解明を含め、国民の疑問に答える徹底した追加調査を行い、原因究明に基づき再発防止策を確立すべきです。どのように取り組んでいくのか。  また、政府は二〇〇四年に遡って過少給付になった人に対し追加給付を行うとの方針ですが、速やかに救済措置を講じ、体制を整えることが必要です。テレビ、ラジオ、インターネットなどあらゆる政府広報を活用し、漏れがないように救済すべきと考えますが、どのように取り組んでいくのか。  さらに、事務次官を始め厚労省職員の処分や大臣始め政務三役の給与自主返納などについては既に公表されましたが、政治家の監督責任の在り方についてどのように捉えているのか。  以上、厚生労働大臣の答弁を求めます。  本件は、国の基幹統計の信頼性を損なう極めて深刻な事態です。厚生労働省のみならず、政府全体の責任としても猛省すべきと考えます。  今回の毎月勤労統計を含め、五十六件の政府の基幹統計についても、取扱いが適切に行われているのか、実施状況などが点検されましたが、そのうち約四割に問題があるとの結果であり、さらに統計法に違反する間違いもまだあるのではないかとの指摘もあります。ずさんと言わざるを得ません。  政府を挙げて統計の信頼回復に努めていくべきですが、どのように取り組んでいくのか。今後、基幹統計以外の二百三十三件の一般統計についても問題がないか検証する方針とのことですが、迅速かつ徹底した調査が不可欠です。総理の答弁を求めます。  平成二十九年度決算について伺います。  本決算においては、一般会計について、歳入決算額は前年度比〇・五兆円増で百三・六兆円でした。税収は二年ぶりで増加となり、建設公債及び特例公債は二年ぶりの減少となりました。歳出決算額は対前年度で〇・五兆円増加して九十八・一兆円となりました。一般会計のプライマリーバランスは九・九兆円の赤字で、前年度に比べ五・六兆円の改善。公債依存度は三四・二%であり、前年度に比べ四・八%改善しました。  会計検査院からの決算検査報告においては、指摘金額は一千百五十六億円、指摘を受けた件数は三百七十四件であり、過去十年で件数では最少、指摘金額は前年度に次いで二番目に少ない結果となりました。しかし、個々の指摘については重たく受け止めねばならず、来年度の予算編成において改善に向けた措置が必要と考えます。  平成二十九年度決算及び財政健全化への取組についての評価、そして来年度予算編成における総理の決意を伺います。  政府においては、二〇二五年度プライマリーバランスの黒字化と債務残高対GDP比の安定的な引下げを目指すことを堅持するとした上で、中間指標として、二〇二一年にプライマリーバランスの対GDP比については、二〇一七年からの実質的な半減値、つまり一・五%程度とするとしております。一方、債務残高は長期的に増加をしており、平成二十九年度は実績見込みベースで、国と地方合わせて一千七十六兆円、対GDP比一九六%、今年度末の見込みは、当初予算ベースでそれぞれ一千百七兆円、一九八%であり、引き続き悪化が見込まれています。  プライマリーバランス黒字化始め、財政健全化にどのように取り組んでいくのか、財務大臣に伺います。  本年十月、消費税が八%から一〇%に引上げとなります。その際、逆進性と痛税感の緩和のため軽減税率が実施されることが決まっており、その軽減税率の円滑な実施に向け万全の備えが必要と考えます。  政府が昨年秋に行った調査によれば、約九割の事業者が準備又は準備の検討を進めていて、取組に一定の前進が見られます。一方、事業者からは、レジ補助金の対象拡大や、軽減税率制度や支援措置について専門的な相談、アドバイスを受けることができる窓口等の設置などが要望されています。  我が党からも、昨年秋の提言の中で、軽減税率の円滑な実施に向けては、全ての事業者が必要な準備を完了できるよう、複数税率対応レジの設置や受発注システムの改修を支援する軽減税率対策補助金の一層の活用促進などを求めているところです。  以上、軽減税率の円滑な導入について、財務大臣の答弁を求めます。  次に、災害対策について伺います。  昨年は、大阪北部地震、西日本豪雨、台風二十一号、北海道胆振東部地震など災害が相次ぎ、多くの人命が失われ、重要インフラの機能に支障を来すなど、国民経済や生活に多大な影響が発生をしました。  災害対策につき、平成二十九年度の決算検査報告において、国民の安全性の確保に関する指摘として六件挙げられています。ここでは、そのうちの一件、治山事業について取り上げます。  林野庁は、山地災害から国民の生命、財産を守るために治山事業を行っていますが、会計検査院が検査したところ、以下三点の改善すべき事項が明らかになりました。  まず一つ目、林野庁が国有林について行う直轄治山事業において、原則五年ごとに行う流域別調査が十年以上行われずに実施計画が策定され、工事が行われた例があること。二つ目、都道府県が民有林について行う補助治山事業において、実施計画の作成に当たり、現地の荒廃状況等と合わせて危険地区調査の結果を活用して工事を行うべきであること。三つ目、市町村の地域防災計画におけるソフト対策との連携を図り、治山施設の工事を行うべきであること。  指摘された点は人命に関わるものであり、速やかに改善を図っていただきたいと思いますが、農林水産大臣の答弁を求めます。  昨年相次いだ災害に対応し、政府は、昨年の秋、全国で重要インフラの緊急点検を実施。昨年十二月十四日には、防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策を策定し、二〇一八年度から二〇二〇年度までの三年間で事業規模七兆円の防災・減災対策を集中的に実施することを決定しました。先ほど例として治山事業について示しましたが、会計検査院の指摘も踏まえ、国民の安心、安全の確保のため、三か年緊急対策の着実かつ効果的な実施を強く求めたく思いますが、最後に災害対策推進に向けた総理の決意を伺います。  結びに、この決算審議を通じ、政府におかれましては、まず何よりも行政への信頼回復に努めていただきたい。その上で、災害対策を始め諸課題への対応を加速するとともに、経済再生と財政健全化の両立の実現を着実に進めていくことを強く求め、私の質疑を終わります。(拍手)    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
  24. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 新妻秀規議員にお答えいたします。  政府統計の信頼回復に向けた取組についてお尋ねがありました。  毎月勤労統計について不適切な調査が行われ、セーフティーネットへの信頼を損なう事態を招いたことについて、国民の皆様におわび申し上げます。  高い専門性と信頼性を有すべき統計分野において長年にわたって誤った処理が続けられ、それを見抜けなかった責任については重く受け止めています。  また、今般、その他の基幹統計についても緊急に点検を行いましたが、手続の誤り等の問題があったことは遺憾であり、速やかに是正の措置を講ずることとしています。  引き続き、統計の信頼回復に向け、統計委員会に新たな専門部会の設置を要請し、基幹統計に加えて一般統計についても徹底した検証を行い、再発防止に全力を尽くしてまいります。  平成二十九年度決算報告及び財政健全化への取組の評価についてお尋ねがありました。  平成二十九年度決算検査報告において、会計検査院から三百七十四件、一千百五十六億円の指摘を受けたことは誠に遺憾です。  これらの指摘については、昨年十一月、私から各大臣に対して確実に改善するよう指示を行っており、指摘の内容に応じて着実に改善策を講じ、平成三十一年度予算にも適切に反映したところです。  こうした取組も含め、安倍内閣では、経済再生なくして財政健全化なしとの基本方針の下、財政健全化に大きな道筋を付けてまいりました。この結果、政権交代前と比較して、国、地方合わせた税収は二十八兆円増加し、来年度予算における国の税収は過去最高、六十二兆円を超えるとともに、新規国債発行額は約十二兆円減少し、安倍内閣発足以来七年連続で減少しているところです。  今後とも、経済再生と財政健全化の両立を図り、二〇二五年度のプライマリーバランスの黒字化、同時に、債務残高GDP比、安定的な引下げを目指してまいります。  災害対策の推進についてお尋ねがありました。  集中豪雨、地震、激しい暴風、異常な猛暑など、昨年は異次元の災害が相次ぎました。災害への対応は、もはやこれまでの経験や備えだけでは通用せず、命に関わる事態を想定外と片付けるわけにはいきません。  このため、昨年末に、事業規模がおおむね七兆円程度の防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策を取りまとめ、必要となる経費を平成三十年度補正予算案及び平成三十一年度予算案にも計上しているところです。ハードからソフトまであらゆる手を尽くして、三年間集中で着実かつ迅速に対策を実施し、災害に強い国づくり、国土強靱化を進めてまいります。  残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)    〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
  25. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 新妻議員からは、財政健全化、軽減税率制度について、計二問お尋ねがあっております。  まず、健全化についてのお尋ねでありましたが、議員御指摘のとおり、日本の財政につきましては、プライマリーバランスの赤字というのが続いておって、公的債務残高がGDPの約二倍程度に累積するなど、大変厳しい状況にありますのは御存じのとおりです。  こうした中、現政権では、経済再生と財政健全化に取り組み、過去最高水準の名目GDPを背景に、国、地方を合わせて税収を七年間で約二十八兆円増加、歳出改革の取組を継続し、新規国債発行額を七年連続で縮減してきております。  引き続き、新経済・財政再生計画に沿って経済再生を図り、歳出と歳入両面の改革を続け、まずは二〇二五年度のプライマリーバランスの黒字化を実現し、債務残高GDP比の安定的な引下げを目指してまいりたいと考えております。  次に、軽減税率制度の円滑な実施に向けた取組についてのお尋ねがあっております。  政府といたしましては、軽減税率の円滑な実施に向けて、事業者の理解を促すため、これまでに計四万回の事業者向け説明会を開催、延べ百三十三万人程度の事業者が参加されるなど、周知、広報に取り組んでおります。  また、事業者の準備を促すため、軽減税率対応レジの導入等を支援する補助金について補助率の引上げや補助対象の拡充を行うなど、様々な取組を進めておるところです。  今後も、小規模零細事業者も含め、現場での対応が更に進みますよう、関係省庁や商工会、商工会議所など関係民間団体とも緊密に連携して、周知、広報に努め、軽減税率制度の円滑な実施につなげていきたいものと考えております。(拍手)    〔国務大臣根本匠君登壇、拍手〕
  26. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 新妻秀規議員にお答えをいたします。  毎月勤労統計をめぐる不適切な取扱いについてお尋ねがありました。  改めて、今般の毎月勤労統計調査の事案については、国民の皆様に御迷惑をお掛けしましたことを深くおわび申し上げます。  今般の事案の究明については、第三者による委員会である特別監察委員会を立ち上げ、一月二十二日に当該事案に係る報告をいただいたところであり、引き続き事案の究明を行っていただきたいと考えております。また、先日の国会における御議論も踏まえ、事案に関連した職員等に特別監察委員会の委員のみが質問する形式での更なるヒアリング、また、関係自治体へのヒアリングの実施など、更なる調査を行っていただいているところであります。  どのような影響があるかの全容解明に当たっては、厚生労働省が中心となって、関係省庁の協力を得ながら、しっかりと対処してまいります。  厚生労働省としましては、統計に対する信頼、厚生労働省という組織に対する信頼を回復していくため、今後の委員会の議論を十分踏まえ、私が先頭に立ち、組織を挙げて再発防止に取り組んでまいります。  雇用保険等の追加給付については、専用ダイヤルを設置し、国民の皆様からのお問合せに丁寧に対応しております。今後、できる限り速やかに、簡便な手続でお支払いできるよう、国民の皆様への周知や相談体制の整備を含め、万全を期して必要な対策を講じてまいります。  政治家の監督責任については、私と副大臣、政務官は、今回の事案を重く受け止め、政治家のけじめとして給与等の全額を返納することとしておりますが、自主返納を行うことのみならず、統計の信頼性確保、速やかな追加給付及び再発防止など、今後の対策をしっかりと取り組むことにより責任を果たしてまいります。(拍手)    〔国務大臣吉川貴盛君登壇、拍手〕
  27. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 新妻議員の御質問にお答えいたします。  治山事業についてのお尋ねがありました。  本件については、会計検査院により、治山事業がより効果的なものとなるよう調査結果の有効な活用等に関する指摘がなされたところです。  農林水産省といたしましては、治山事業については、流域別調査等の活用のほか、豪雨や地震等が発生した後の緊急調査などにより、適時に現地を把握した上で実施計画を策定し、適切な事業実行に努めてきているところです。  この度の会計検査院の指摘を踏まえ、リモートセンシング等を活用し、荒廃地等の現況確認をより効率的に行うとともに、山地災害危険地区等の情報の市町村への提供を徹底するなどにより、効果的な治山対策を進めていく考えです。(拍手)     ─────────────
  28. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 室井邦彦君。    〔室井邦彦君登壇、拍手〕
  29. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 日本維新の会・希望の党の室井邦彦です。  私は、会派を代表して、平成二十九年度決算に関して質問をいたします。  厚生労働省の毎月勤労統計問題につきましては、勤労統計の修正に必要なデータが廃棄、紛失していることが判明して、過去データの修正が困難となっている状況の中、こうした不適切な調査がどのような経緯で始まったのか、政府は、お手盛り調査と言われないように、関係データや資料の情報を国会に提出するとともに、しっかりとした説明責任を果たし、国際社会からの信用を損なわず、国民の信頼を取り戻すためにも、単に担当者の処分という形で幕を引くということにならないよう強く指摘しておきたいと思います。  まず、社会保障関係費に関して伺います。  政府は、平成九年度を財政構造改革元年と位置付け、それ以降、財政健全化のために目標や取組方針などを示してきました。しかし、現実には、平成二十八年度の国、地方のプライマリーバランスは十六兆円もの赤字であり、プライマリーバランスの黒字化の目標年次は後ろ倒しをされてきました。そして、平成二十九年度の社会保障関係費の決算額は、三十二・五兆円と、一般会計の三分の一、一般歳出の六割弱を占めております。  公的年金の給付水準を確保するマクロ経済スライドという仕組みがあるにもかかわらず、平成十六年の導入以来、実際の発動は、一月十八日の厚労省が発表した今回の発動と合わせてやっと二回目となります。会計検査院は、マクロ経済スライドが毎年適切に適用されていれば、国の負担は平成二十八年度までに三・三兆円抑えられたという試算を報告をしております。将来世代に給付されるべき財源が現在給付として使われており、不適切な制度運用と言わざるを得ません。  現行の年金制度の下では、マクロ経済スライドによる給付水準の調整の適切な実施が重要と考えますが、会計検査院の指摘を踏まえ、今後、マクロ経済スライドを含む年金制度改革、さらには、真に持続可能な社会保障制度に再構築し、財政健全化をどのように達成していくのでしょうか。総理にお聞きいたします。  防災の観点から、避難所、避難場所等での公衆無線LANの整備等に対して費用の一部を補助する公衆無線LAN環境整備支援事業において、会計検査院から調査を行ったところ、災害時に公衆無線LANを開放する際の運用体制が整備されていなかった事例や、公衆無線LANが開放される時間帯が平日の日中等に限定されているために、実際に災害が発生して開放できない事例など、運用面での不備が明らかとなりました。  このほかにも、災害時に使う移動電源車を浸水想定区域に駐車している事例や国有林の危険地区の一部において実態調査が実施されていない事例も明らかとなっております。  巨費を投じ、防災・減災のためのハードを整えていたとしても、ソフト面としてこのような運用上の不備があれば、インフラは脆弱になると言わざるを得ません。災害復旧だけでなく、被害を最小限に食い止めるため、事前防災という観点に立った努力が必要ではないでしょうか。  会計検査院の指摘を踏まえ、防災・減災に向けた効果的な運用について、総理のお考えをお聞きいたします。  災害リスク低減のため、地方にとって自由度が高い交付金制度が活用されてきた経緯がありますが、今回の大規模災害を踏まえ、国と地方自治体の連携が必要な防災・減災対策など優先的に取り組むべき事業については、交付金による支援より、国の個別補助による計画的、集中的な支援への切替えが効率的と思いますが、どのようにお考えでしょうか。総理、お聞きをいたします。  我が国は、日本の国益に貢献すべく、ODAを戦略的に展開していると理解をしております。南米のペルーでは、約六十七億円の有償資金協力によって整備された下水道施設において、汚水が逆流したり漏出したりする不具合が相次ぎ、平成二十八年八月以降、二年以上にわたり稼働を停止し、利用料を徴収できない事態になっていることが分かりました。  この件について、ペルー政府が、施工に関わった我が国のコンサルタント会社に対し法的手続を進めるという事態となっております。両国の外交関係への影響が懸念されます。JICAは、当該コンサルタント会社が施工管理の役割を果たさなかったとして五か月間の指名停止処分といたしましたが、JICA自身も本事案の状況を継続的には把握しておらず、ペルー政府から指摘されるまで実態を把握できていませんでした。  参議院は、平成十七年に、国会法第百五条の規定に基づき、ODAに関する会計検査を行い、その結果を報告するよう会計検査院に要請しましたが、その報告を受けた平成十八年以降も、毎年のようにODAに関して会計検査院から効果が十分に発現されていない旨の指摘がなされてきました。このような状態では、途上国の自立的発展に弊害となると言わざるを得ません。  政府開発援助、ODAについて、毎年会計検査院から問題の指摘を受けているという実態を外務大臣はどのようにお考えか、お聞きをいたします。  高校生等奨学給付金制度は、都道府県が行う高等学校等に係る奨学のための給付金事業に対して国がその経費の一部を補助し経済的負担の軽減を図ることで、教育の機会均等を目的とした制度であります。  ところが、会計検査院が検査を行ったところ、十二府県について、平成二十六年度から二十九年度までの四年間支給された給付金において、高校等が保護者に代わって奨学給付金を受け取る代理受領制度が制度化されておらず、保護者等が奨学給付金を教育以外に支出している実態が明らかとなりました。  教育の無償化を進めるに当たって、このような問題が二度と起きないよう、奨学給付金が確実に教育費に活用される仕組みの構築が必要と思われますが、文部科学大臣、御見解をお聞きをいたします。  会計検査院の検査報告では、北海道の航空自衛隊千歳基地と東京の横田基地周辺に保有する約四万八千平方メートルの国有地において、近隣の住民等により駐車場や家庭菜園などとして無許可で使用されていた実態が明らかとなりました。  防衛省はこうした実態をなぜ把握できなかったのか、その理由をお聞きをいたします。また、この検査報告を受けて、国有地管理をどのように徹底させるのか、防衛大臣にお聞きをいたします。  最後に一言申し上げます。  国会における決算の審査は、予算の執行状況を検証し、次の予算の編成に反映していくものと考えます。平成二十九年度決算審議に当たり、我が国の債務残高は対GDP比二三九%と歴史的にも国際的にも例のないレベルに達し、将来世代に対して膨大なツケを残し続けている状況を深く認識しつつ、新たな時代を迎える中で開催される二〇二〇年東京オリンピック、パラリンピック東京大会や二〇二五年の大阪万博が国民一人一人に夢と感動を与える祭典とするためにも、今年の十月の消費増税を前に、議員は身を切り、行政は無駄を省く覚悟が必要であるということを改めて強く訴え、質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手)    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
  30. 安倍晋三

    内閣総理大臣(安倍晋三君) 室井邦彦議員にお答えをいたします。  年金制度改革、持続可能な社会保障制度の再構築や財政健全化についてお尋ねがありました。  平成二十八年の年金改正法においては、マクロ経済スライドの調整期間の長期化を防ぎ、将来世代の基礎年金の給付水準を確保するため、マクロ経済スライドの未調整分を持ち越し、できる限り早期に調整する仕組みとしました。  こうした中、平成三十一年度の年金額は、昨年の物価上昇等の結果、昨年度から〇・一%のプラス改定となりました。未調整分のマクロ経済スライドによる調整をしてもなおプラスの改定となったため、今回の改定は、現在の受給者、将来世代の双方にとってプラスとなるものであると考えます。  また、少子高齢化が急速に進む中、全ての世代が安心できる社会保障制度を構築するため、改革を進めることとしました。既に未来投資会議において生涯現役時代の雇用制度改革に向けた検討を開始しており、その上で、医療、年金も含めた社会保障全般にわたる改革を進めていく考えです。  こうしたシステム全般にわたる改革を進める中で、給付と負担のバランスについてもしっかりと検討してまいります。  また、安倍内閣では、経済再生なくして財政健全化なしとの基本方針の下、財政健全化に大きな道筋を付けてまいりました。この結果、政権交代前と比較して、国、地方を合わせた税収は二十八兆円増加し、来年度予算における国の税収は過去最高、六十二兆円を超えるとともに、新規国債発行額は約十二兆円減少し、安倍内閣発足以来七年連続で減少しているところです。  今後とも、経済再生と財政健全化の両立を図り、二〇二五年度のプライマリーバランス黒字化、同時に債務残高対GDP比の安定的な引下げを目指してまいります。  防災・減災対策の効果的な運用及び自治体への支援の在り方についてお尋ねがありました。  まず、会計検査院から指摘された防災・減災対策における運用面での不備については、これを重く受け止め、各府省において改善を図ってまいります。  その上で、昨年末に、事業規模がおおむね七兆円程度の防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策を取りまとめ、ハード対策のみならず、土砂災害ハザードマップの作成などのソフト対策についても、必要となる経費を平成三十年度補正予算案及び平成三十年度予算案に計上しているところです。  今後とも、ソフトとハードを適切に組み合わせた対策を総動員して、防災・減災対策にしっかりと取り組んでまいります。  また、御指摘のとおり、社会資本整備総合交付金及び防災・安全交付金については、地方公共団体にとって自由度が高い一方、特定の事業に対して確実かつ集中的に予算を充てるには限界があることから、平成三十一年度予算案においては、事業ごとに確実かつ集中的に予算を充てることができる個別補助制度を創設、拡充することとしております。  今後、このような個別補助制度と交付金制度とが地方公共団体によって更に適切に活用されるよう、政府としても対応を強化してまいります。  残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)    〔国務大臣河野太郎君登壇、拍手〕
  31. 河野太郎

    ○国務大臣(河野太郎君) ODAに関する会計検査院の指摘についてお尋ねがありました。  これまで、会計検査院から受けた指摘については真摯に受け止め、事業実施機関や相手国に対して早急に改善を働きかけるとともに、再発防止に努めてまいりました。  なお、平成二十九年決算検査報告で会計検査院から御指摘を受けた案件は、草の根・人間の安全保障無償資金協力が二件、無償資金協力が一件、有償資金協力が一件、計四件です。  特に、草の根・人間の安全保障無償資金協力は現地の人々に直接裨益する支援ですが、中には案件所在地がへき地であるなどの理由で案件監理が難しいものがあるのも事実です。指摘を受けた平成二十五年度及び平成二十六年度は合計千九百七十五件実施しており、各国及び現地の人々から感謝されている案件も多々ございます。  ODAに対する国民の理解を得るためにも、改めるべきところはしっかり改め、しっかり効果が発現できるよう、我が国の開発協力を適切に実施していく考えです。(拍手)    〔国務大臣柴山昌彦君登壇、拍手〕
  32. 柴山昌彦

    ○国務大臣(柴山昌彦君) 室井議員より、高校生等奨学給付金制度の代理受領についてお尋ねがありました。  文部科学省としては、高校生等奨学給付金を授業料以外の教育費に確実に充当するため、学校の代理受領を推進することは有効な取組と認識をしております。  このため、これまでも事業の実施主体である都道府県に対し会議等の場を通じて代理受領の導入を依頼してきましたが、昨年の会計検査院の指摘を踏まえ、改めて文書で明示し、速やかな制度化を促したところです。  今後も、都道府県における代理受領の導入状況をフォローアップしていくなど、更なる改善を図ってまいります。(拍手)    〔国務大臣岩屋毅君登壇、拍手〕
  33. 岩屋毅

    ○国務大臣(岩屋毅君) 室井議員にお答えいたします。  基地周辺の国有地管理の在り方についてお尋ねがありました。  防衛省においては、騒音障害防止等のために、防衛施設周辺の土地を取得し行政財産として管理しておりますが、平成二十九年度決算検査報告におきまして、千歳基地及び横田基地周辺の一部の土地が近隣の住民等によりまして駐車場あるいは家庭菜園等に無断で使用されている旨、指摘を受けたところであります。これは、それまで防衛省として無断使用の状況を定期的に把握する仕組みを設けておらず、実態把握が十分にできていなかったことが一因であると考えております。  そこで、この指摘を受けまして、防衛省として、地方防衛局等を通じ定期的に無断使用の状況等を確認し、その解消に努める等の取組によりまして国有地の管理を徹底いたしました。さらに、土地の有効利用の観点から、希望する住民に対しましては、行政財産の用途又は目的を妨げない範囲で有償による使用許可を与える方策を目下検討中でございます。  なお、基地周辺の国有地管理につきましては、会計検査院から、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項との報告がされているところであります。(拍手)
  34. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 少々お待ちください。     ─────────────
  35. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) 吉良よし子君。    〔吉良よし子君登壇、拍手〕
  36. 吉良よし子

    ○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。  私は、日本共産党を代表し、二〇一七年度決算に関連して、総理大臣に質問します。  今、本決算の前提を揺るがす大問題が起きています。毎月勤労統計の不正、偽装。政府の政策立案の土台となるこの基幹統計が長年にわたって誤った調査方法で行われていた上、そのことが隠され続けていた。とんでもない話です。統計法第一条は、「公的統計が国民にとって合理的な意思決定を行うための基盤となる重要な情報である」と明記しています。  総理、長年、国民を欺いた上に、その生活に多大な影響を与えたことの重大性をどう認識していますか、伺います。この問題の全容解明を強く求めます。  何よりこの問題で許せないのは、雇用保険や労災保険などの手当が過少に給付されていた。その被害者の数が延べ二千万人にも上るという事実です。これは、職を失い、労働災害に苦しむ人たちに国が追い打ちを掛けたことになります。さらに、仕事で愛する家族の命を奪われる地獄の苦しみを味わったという過労死遺族の皆さんに対する遺族年金まで過少給付されています。余りにひどい仕打ちではありませんか。その責任をどう考えるのか、総理、はっきりとお答えください。  過少給付の被害に遭った全ての人を一人残らず政府の責任で救済すると約束できますか、お答えください。  さらに、今回の統計偽装が、誤った景気判断、政策判断に使われたことは重大です。  昨年七月の月例経済報告は、賃金は緩やかに上昇していると判断を上向きに改めました。しかし、その判断は偽装された賃金統計を基にしたものです。偽装を正確に補正した場合、二〇一八年一年間の実質賃金はほとんど伸びておらず、マイナスになる可能性も指摘されています。総理は今世紀最高水準の賃上げなどと喧伝し、消費税増税を進めようとしていますが、その根拠が崩れた今、消費税一〇%への増税はやめるべきではありませんか。総理の決断を求めます。  問題は毎月勤労統計の不正にとどまりません。  それこそ、二〇一七年度は、安倍政権の下で、改ざん、隠蔽、虚偽答弁が繰り返されました。その根底には、森友、加計疑惑など、うそとごまかしを重ね、真相を隠し続けようとする総理、あなたの姿勢が、今国会に至るまで続いている不正や民主主義の形骸化という重大な事態をつくり、国民の政治不信を一層深刻にしていると思いませんか。答弁を求めます。  二〇一七年度予算は、国民生活に大きな負担を押し付けるものでした。  まずは子供たち。待機児童が深刻になる中で、二〇一七年、政府は、その対策の目玉として、株式会社を一気に保育事業に参入させる企業主導型保育に多額の予算を付けました。  ところが、自治体が関与できない仕組みの下で定員充足率は六割にとどまり、保育士の急な退職や突然の営業停止など、各地で混乱と矛盾が噴出しています。総理、このように保育の公的責任を放棄する政策はやめ、認可保育所の増設など、国と自治体の保育の責任を明確にすべきではありませんか。  公的責任の放棄はこれにとどまりません。  総理は、二〇一七年の総選挙で突然言い出した幼児教育無償化を今年実行するとおっしゃいます。しかし、昨年末発表された幼児教育無償化の制度の具体化に向けた方針によると、公立保育園の無償化の財源は一〇〇%自治体負担です。今でさえ、保護者や保育士の反対を押し切って、各自治体で公立保育園の廃止、民営化が進んでいますが、それを更に加速させるとの認識はありますか。総理の見解を求めます。  また、二〇一七年度、政府は給付奨学金制度を創設しました。しかし、その規模は一学年で僅か二万人。多くの学生は、貸与型、ローン型の奨学金制度を利用し、卒業生はその返済に追われています。  日本学生支援機構の調査では、奨学金貸与者本人の自己破産件数が、二〇一六年度、一七年度、共に二千件を超えています。国の制度である奨学金で破産に追い込まれる。なぜか。高過ぎる学費、就職難、低賃金、国の政策の破綻の結果だと思いませんか。  滞納していても、奨学金利用者は返還しようと努力をしています。むしろ、奨学金を返還できないくらい経済的に追い込まれていても、それを考慮しない回収強化により、ブラック企業でも辞めるに辞められず、過労死した若者もいます。こうした無慈悲な回収強化はやめるべきではありませんか。何より、経済的事情から返還が困難になった人々を自己破産する前に救済すべきです。総理、いかがでしょう。お答えください。  来年度、政府は、非課税世帯の学生には学費を全額免除する、給付奨学金を拡充するとしています。しかし、高等教育無償化を目指すなら、高過ぎる学費の値下げにこそ踏み出すべきです。我が党は、運営費交付金を千六百億円、私学助成を九千億円、それぞれ増額することで、全ての大学の学費を半額にする政策を出しています。これこそ実現すべきではないでしょうか。答弁を求めます。  総理は、こうした無償化の財源に消費税を充てると言いますが、そもそも、子供たちの未来の懸かった教育政策と消費税増税を引換えにするなどもってのほかです。消費税が導入されて三十年。その税収増は、社会保障の充実には回らずに、大企業、富裕層の減税や景気悪化による法人税や所得税の減収分の穴埋めに消えてしまいました。消費税増税ではなく、この間増やし続けた軍事費を減らし、もうかっている大企業や富裕層に応分の負担を求める税制改革こそ進めるべきです。  二〇一七年度、私が忘れることができないのが、伊藤詩織さんの性暴力事件が発覚したことです。この事件がきっかけとなり、日本でもセクハラや性暴力をなくそうというミー・トゥー運動が広がりました。さらに、昨年の財務省セクハラ事件も契機となり、多くの人々が今、セクハラを始めとする暴力、ハラスメントをなくそうと立ち上がっていることは希望です。  こうした声を受け、私たち日本共産党も、昨年十二月十七日、厚労省に、職場におけるハラスメントをなくすための実効ある法整備を求める申入れを行いました。  ハラスメントは、働く人の尊厳、人格を深く傷つける行為です。被害者は心身を壊し、休職、退職にまで追い込まれています。総理、ハラスメントが一人の人間の人生を狂わせる深刻な問題だという認識をお持ちでしょうか。  昨年は、ILO総会でも、労働の世界における暴力、ハラスメントの除去に関する条約が議題になりました。ところが、日本政府はこのとき態度を保留したという。こうした人権問題に消極的な日本政府の姿勢こそ、国内でのハラスメントを助長していると思いませんか。今年採択されるであろうこの条約には、必ず日本も批准するべきです。総理の答弁を求めます。  何より重要なのは、セクハラやパワハラを明確に禁止する国内法の整備です。日本が国際的にもハラスメント規制の後進国となっている事態を打開するために、あらゆるハラスメントを禁止する禁止規定の法整備を求めます。  最後に、施政方針演説の中で、総理は、世界から信頼される日本をとおっしゃいました。しかし、国の信用に関わるデータは改ざんされ、隠蔽され、人権感覚は世界からはるか立ち遅れたまま。そんな総理の下では、到底世界から信頼されることはありません。  今年、このような安倍政権を終わらせるため、日本共産党は市民と野党の皆さんと力を合わせて頑張り抜く決意を申し上げ、質問を終わります。(拍手)    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
  37. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 吉良議員の質問にお答えをする前に、室井議員の御質問の中で、防災・減災、国土強靱化のために必要となる予算について平成三十年度予算案と発言いたしましたが、正しくは平成三十一年度予算案でございましたので、訂正させていただきます。  それでは、吉良議員にお答えをいたします。  毎月勤労統計の事案に対する認識についてお尋ねがありました。  毎月勤労統計について不適切な調査が行われ、雇用保険、労災保険といったセーフティーネットへの信頼を損なう事態を招いたことについて、国民の皆様におわび申し上げます。  高い専門性と信頼性を有する統計分野において長年にわたって誤った処理が続けられ、それを見抜けなかった責任については重く受け止めております。  今回のような事態が二度と生じないよう徹底して検証を行い、信頼を取り戻すことが何より重要であり、再発防止に全力を尽くすことで政治の責任をしっかりと果たしてまいります。  雇用保険、労災保険などの給付の不足分については、できる限り速やかに、簡便な手続でお支払いできるよう、万全を期して必要な対策を講じていきます。  消費税率引上げについてお尋ねがありました。  消費税率一〇%への引上げは、全世代型社会保障の構築に向け、少子化対策や社会保障に対する安定財源を確保するために必要なものです。これまでも、法律で定められたとおり、十月に現行の八%から一〇%に引き上げる予定であると繰り返し申し上げており、この方針に変更はありません。  なお、連合の調査では、五年連続で今世紀に入って最高水準の賃上げが継続しており、現時点において所得環境は着実に改善しているとの判断に変更はありません。  私の政治姿勢についてお尋ねがありました。  国民の皆様から指摘があれば、内閣、与党、野党にかかわらず、しっかりと説明を尽くすことが政治家としての責任であると考えます。様々な御批判を真摯に受け止めながら、今後とも総理大臣としての説明責任を果たしていく考えであります。  幼児教育についてお尋ねがありました。  企業主導型保育事業は、従業員の多様な働き方に応じた保育を提供する企業等を支援するとともに、待機児童解消に貢献する重要な事業です。現在、保育の質の確保や自治体との連携などの課題について有識者から成る検討委員会において検討を行っており、その結果を踏まえ、必要な対策を行っております。  待機児童の解消は待ったなしの課題であり、保育の実施責任がある市町村が、公立、私立の役割分担も含め、地域の実情に応じて保育の受皿整備を進めることが重要です。国としては、市町村を積極的に支援し、やれることは全てやるということで取り組んでまいります。  なお、幼児教育無償化の自治体負担が公立保育園の廃止、民営化を進めるとの御指摘ですが、幼児教育無償化の財源については、消費税率引上げに伴い国と地方へ配分される増収分を活用することとしており、国の責任において必要な地方財源をしっかり確保します。  負担割合については、昨年、国から地方団体に提案し、その内容について御了解をいただいたものですが、引き続き、地方自治体の皆様の御意見をしっかりと伺いながら、本年十月からの実施に向け準備を進めてまいります。  奨学金の返還と高等教育無償化についてお尋ねがありました。  どんなに貧しい家庭に育っても、意欲があれば大学等に行くことができるようにし、学生、生徒が安心して学ぶことができる環境を整備することが必要です。  このため、安倍政権では、返還を必要としない給付型奨学金制度の創設や無利子奨学金の充実を進めるとともに、大学等を卒業後、経済的理由から奨学金の返還が困難となった方には、返還の期間を猶予したり、将来の収入に応じて返還できる制度を導入したりするなど、きめ細やかな救済措置を講じ、高等教育への進学の支援の充実を図ってきました。  さらに、真に支援が必要な低所得者世帯の学生に対し、確実に授業料等が減免されるよう大学等を通じた支援を行うとともに、学生生活の費用をカバーするために十分な給付型奨学金を支給するため、今国会に関連法案を提出することとしています。  このような取組を通じて、家庭の経済事情にかかわらず、子供たちの誰もが自らの意欲と努力によって明るい未来をつかみ取ることができる社会をつくってまいります。  社会保障の財源とその負担の在り方についてお尋ねがありました。  国民が広く受益する社会保障の費用をあらゆる世代が広く公平に分かち合うという観点から、消費税率の引上げに伴う増収分は、その全額が社会保障に充てられております。  本年十月に予定している消費税率一〇%への引上げについても、全世代型社会保障の構築に向け、少子化対策や社会保障に対する安定財源を確保するために必要なものであり、引上げに際しては、その使い道を見直し、二兆円規模を教育無償化などに振り向け、子育て世代に還元いたします。  なお、防衛関係費については、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増していることを踏まえ、国民の生命、財産、我が国の領土、領海、領空を守るため、必要となる予算を計画的に編成してきております。  また、企業が収益力を高め、より積極的に賃上げや設備投資に取り組むよう促す観点から、成長志向の法人税改革に取り組んでまいりましたが、その中でも、租税特別措置の縮減、廃止等による課税ベース拡大により、財源をしっかり確保しております。さらに、所得税の最高税率の引上げ等を講じてきたところです。  今後の税制の在り方については、これまでの改正の効果を見極めるとともに、経済社会の情勢の変化等も踏まえつつ検討する必要があるものと考えています。  ハラスメント対策についてお尋ねがありました。  職場におけるハラスメントは、働く方の尊厳や人格を傷つけ、職場環境を悪化させるものであり、あってはならないことと考えています。  御指摘の仕事の世界における暴力とハラスメントに関する条約については、日本政府としても積極的に議論に参加していきたいと考えています。仮にILO総会で条約が採択された場合、その批准については、採択された条約の内容等を踏まえて検討してまいります。  なお、あらゆるハラスメントを禁止する禁止規定を設けることは、違法となる行為の要件の明確化等の課題があり、慎重な検討が必要と考えます。  政府としては、全ての事業者にパワーハラスメント防止の取組を義務付けることや、セクシュアルハラスメントの相談を理由とした不利益取扱いを禁止するなどの法整備を通じて、ハラスメントのない職場を目指してまいります。(拍手)
  38. 伊達忠一

    ○議長(伊達忠一君) これにて質疑は終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時二十九分散会