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2018-12-11 第197回国会 参議院 農林水産委員会 閉1号 公式Web版

  1. 平成三十年十二月十一日(火曜日)    午後一時三分開会     ─────────────    委員の異動  十二月十日     辞任         補欠選任     佐々木さやか君     竹内 真二君  十二月十一日     辞任         補欠選任      山田 俊男君     小野田紀美君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         堂故  茂君     理 事                 上月 良祐君                 藤木 眞也君                 田名部匡代君                 紙  智子君     委 員                 礒崎 陽輔君                 岩井 茂樹君                 小野田紀美君                 進藤金日子君                 高野光二郎君                 野村 哲郎君                 平野 達男君                 里見 隆治君                 竹内 真二君                 小川 勝也君                 鉢呂 吉雄君                 徳永 エリ君                 藤田 幸久君                 儀間 光男君                 森 ゆうこ君    国務大臣        農林水産大臣   吉川 貴盛君    副大臣        農林水産副大臣  高鳥 修一君    大臣政務官        農林水産大臣政        務官       高野光二郎君    事務局側        常任委員会専門        員        大川 昭隆君    政府参考人        農林水産大臣官        房長       水田 正和君        農林水産大臣官        房総括審議官   光吉  一君        農林水産大臣官        房総括審議官   横山  紳君        農林水産省消費        ・安全局長    池田 一樹君        農林水産省食料        産業局長     新井ゆたか君        農林水産省生産        局長       枝元 真徹君        農林水産省生産        局畜産部長    富田 育稔君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○農林水産に関する調査  (畜産物等の価格安定等に関する件)  (畜産物価格等に関する決議の件)     ─────────────
  2. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日、佐々木さやか君が委員を辞任され、その補欠として竹内真二君が選任されました。  また、本日、山田俊男君が委員を辞任され、その補欠として小野田紀美君が選任されました。     ─────────────
  3. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  農林水産に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、農林水産大臣官房長水田正和君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) 農林水産に関する調査を議題とし、畜産物等の価格安定等に関する件について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 藤木眞也

    ○藤木眞也君 自由民主党の藤木眞也でございます。  今回は、畜産物の価格等に関する質疑ということでやらせていただきたいと思いますが、この週末を使って、党の畜産・酪農対策委員会北海道南九州と、現地視察を行ってまいりました。先週の月曜日にも、栃木と群馬県とですね、衆議院の先生方が視察をなされております。  大体同じような意見が多かったなというふうに感じておりますが、私の地元であります熊本の農家の方が、最後に一言、何か国に対してお願いされることはないですかというお話を私がさせていただいたときに、その方がやはり、規模拡大をされる農家の方は結構なんですけれども、やはり中規模、小規模の農家の方々をしっかりと支えてくださいというお話がありました。それは、地方、また農村の景観に関わるところの地域コミュニティーが、やはり農家の数がないとなかなか共同の作業というのがままならないということがありますよというその農家の方のお話を聞いたときに、なるほどなというふうに思いましたし、小規模家族経営の農家の方々の頭数というのがやはりこの日本の畜産の下支えになっている、生産基盤の最も大事なところなんだろうなということを、その方のお話を聞きながら、私も改めて痛感をさせられたところでございます。  そういった意味から今日は質問をさせていただきたいと思いますが、冒頭、昨今、岐阜県におきまして豚コレラが発生をしております。昨日四例目が出たということであります。三例目では県の機関で発生をしたということで、非常に何か対応が後手に回っているんじゃないかなというような心配をいたします。しっかり国としてここは止めていただかないと、隣接の愛知県が、相当な豚の飼養頭数を抱えた県が控えております。農家の皆さん、本当に恐々とした気持ちでいらっしゃるんだろうと思います。  そこで、やはり発生の対応状況であったり感染ルートを調べるに当たって、今農水省としてどのような確認ができているかということをお聞かせいただければと思います。
  7. 高鳥修一

    ○副大臣(高鳥修一君) 藤木委員にお答えをいたします。  九月に岐阜県の養豚場におきまして我が国で二十六年ぶりに豚コレラの発生が認められて以降、昨日までに四例の発生が確認をされておりまして、その都度、迅速な殺処分や埋却等の防疫措置を講じてきたところでございます。  これらの発生事例につきましては、国、県、研究者等から成る拡大疫学調査チームが発生直後から現地に入って調査を行うなど、発生原因の究明に当たっているところでありまして、調査の結果得られた知見に応じて必要な防疫措置の追加等を行っているところでございます。  例えば、二例目の発生では、家畜伝染病予防法に基づきまして生産者が遵守すべきとされている飼養衛生管理基準を遵守していないと見られる事例が確認されましたことから、直ちに調査概要を公表するとともに、都道府県等を通じてその遵守の再徹底を図っているところでございます。  感染ルートにつきましては、拡大疫学調査チームが現在調査中でございまして、結果については可能な限り早く取りまとめることといたしたいと考えております。
  8. 藤木眞也

    ○藤木眞也君 万全の体制でこれ以上の拡大がないように、是非農水省も岐阜県に協力をいただいて、また指導もいただいて、お取組をいただきたいというふうに思います。  また、ちょうどお隣の韓国では口蹄疫がまた再度発生をしておりますし、これからのシーズン、鳥インフルエンザも発生がしやすいシーズンに入ってまいりました。私も畜産農家の一人として、やはり口蹄疫というのは相当怖いという気持ちがございます。もう少し国を挙げて、この今後の防疫体制というのを根本的に見直していただいて、できれば飛行場であったり港であったりの廊下のところで、足踏みマットだけではなくて、衛生な空気で殺菌をするとか、いろいろな取組ができるんじゃないかと思います。一度病気が入ったときの国の予算の使い方を考えれば、予防のところでもう少ししっかり私はお金を使っていただきたいなということもありますので、今後、役所の方で御検討いただければというふうに思います。  また、最近、和牛の受精卵の、中国の検疫のところで、もう本当水際のところで止められたという事件が発生をしております。これも、やはりこの日本の和牛という、本当にこれ、これを守っていかなかったら、畜産農家の方の、特に肥育農家の方の生命線とも言える大事なところが安易に海外に出ていくというところを食い止めないと、私は本当にこれ日本の畜産の崩壊につながるんじゃないかなというぐらい大きな問題だと思います。  現に、オーストラリア産の和牛に相当海外では日本の牛肉も押される傾向が出ている中で、やはり海外考えてみますと、うわさではもう十数年前から和牛が生産されている、海外でされているんだというお話がありました。ただ、私が知る限りでは一つの系統だけに偏っているようであります。やはり、血液の近親化が最近進んできたことによって、別の系統を入れたいんだという海外の戦略があるんじゃないかなというふうにも思います。  精液であったり受精卵であったりをもっと厳しく取り締まっていく必要があるんじゃないかなというふうに思いますし、これに関しては、水際検疫の取組であったり、和牛精液、受精卵の流通管理の面での国の考え方をお聞かせいただければというふうに思います。
  9. 池田一樹

    ○政府参考人(池田一樹君) お答えいたします。  牛の受精卵を含みます動物由来製品、これを輸出しようとする者は、我が国から家畜の伝染病を外に拡散をしないように、家畜伝染病予防法に基づきまして、動物検疫所の輸出検査を受けて、輸出検査証明書の交付を受けなければならないというふうにされているところでございまして、こういったことについては、これまでもホームページ等での制度の説明、あるいは船舶会社、航空会社、税関等への周知によりまして制度を周知を図ってきたところでございます。  あわせまして、今般の受精卵の件に関しましては、受精卵の輸送は外見でも容易に判断できる特徴的な容器が用いられるということでございまして、農林水産省といたしましては、改めて船舶会社、航空会社、税関などの関係者に、精液や受精卵が動物検疫の対象であること、あるいは輸送容器の外観の特徴を周知いたしまして、同様の貨物を輸出しようとする者がいた場合には動物検疫所に連絡するよう要請を行っているところでございます。
  10. 枝元真徹

    ○政府参考人(枝元真徹君) 国内の流通の関係でございます。和牛は我が国の重要な資源でございますので、生産者団体等は和牛の遺伝資源の輸出に大きな懸念を有しておりまして、受精卵を含みます和牛の遺伝資源輸出の自粛に取り組んでございます。  農林省としては、今回の事件を受けまして、全国の家畜人工授精所等に対しまして、和牛遺伝資源の保護に関する理解醸成、また精液等の適正な流通管理の徹底について改めて周知を行いました。  また、今年度、全国の家畜衛生授精所を対象といたしまして、和牛の精液等の所有状況、管理方法等の実態につきまして調査を実施しているところでございます。この調査も踏まえまして、より一層の遺伝資源保護、また適正な流通管理の徹底に取り組んでまいりたいと存じます。
  11. 藤木眞也

    ○藤木眞也君 本当にこれは日本にとって重大な私は問題だと思っております。現行の中でなかなか取り締まることができない部分もあろうかと思います。できれば、この辺は新しく法律を作ってでも私は守っていただく必要があるんじゃないかなと思いますので、農水省において今後御検討いただければなというふうに思います。  次の質問に入らせていただきたいと思いますが、TPP11が今月の三十日に発効をいたします。来年早々には日EUのEPAも始まるんじゃないかなと言われる中で、TPP等の関連大綱の中で、現行の肉用子牛生産者補給金がこれまで二階建てとして制度としてあったやつを今回一まとめにするという中で、やはり今回の価格決定に当たっては、ここは大きな畜産農家にとっての目玉になる部分じゃないかなと思います。  昨今、本当に子牛が高騰をしております。やはり繁殖農家の方にとっては相当な経営の安定につながっているとは思いますが、やはり現場に行きますと、自由化になることによって先行きが見えないという不安感も同時に相当大きくまだ現場にはあるなというのを感じます。  今回の補給金の単価については格段の私は御努力をいただく必要があるんだろうと思いますし、子牛生産者の皆さん方にとっては、これが一番大事な私はセーフティーネットにつながっていく部分ではないのかなというふうに理解をしております。  ここの補給金単価について、農水省としての現行での心意気といいますか、気持ちを、保証基準価格を決めていただくに当たっての農水省の心意気といいますか、現行のやる気をお聞かせいただければというふうに思います。
  12. 枝元真徹

    ○政府参考人(枝元真徹君) 肉用子牛の生産者補給金制度でございますけれども、総合的なTPP等関連政策大綱に基づきまして、御指摘ございましたとおり、TPP11協定の本年十二月三十日の発効に合わせまして、その保証基準価格を現在の経営の実情に即したものに見直すということとしております。  このため、農林省の中に肉用子牛の生産、流通の専門家で構成されます検討会を設置いたしまして議論を重ねた結果、十一月の二十日に、現行の輸入自由化前の七年間、昭和五十八年から平成二年でございますが、の農家販売価格に代えて過去七年間の生産費を基礎とし、二点目として、小規模な肉用子牛経営の実態を踏まえながら、酪肉近で示している近代化を促進する方向に沿ったものとする等の取りまとめが行われたところでございます。  ちょっと意気込みとまではいきませんが、これらの点を踏まえまして、今後、食料・農業・農村政策審議会畜産部会の意見をお聞きしながら、新たな保証基準価格を適切に決定してまいりたいと存じます。
  13. 藤木眞也

    ○藤木眞也君 先ほども言いましたけれども、農家の皆さん方にとって、これが本当に頼みの綱といいますか、セーフティーネットになってくる部分だと思います。  特に、少頭数を抱えられた小規模農家の皆さん、この方々がしっかり不安を抱えずに経営が続けていただけるというところが、私は最も今回のこの価格で決まってくるんじゃないかなというふうに思います。その十頭以下ぐらいの小さな経営の方々、この生産基盤をしっかりと役所の方で守っていただけるだけの単価を出していただくことをよろしくお願いしたいと思います。  続けて、集送乳調整金について質問をさせていただければと思います。  本当に、今年から始まったこの集送乳調整金でありますけれども、この一年間でやはり現場から聞こえてくるのは、トラックの燃料が相当高騰をし出したということと、トラックのドライバーさんがなかなか確保できないんだという輸送業者さんの話を聞く機会が増えてまいっております。  そういった意味からいくと、指定団体が条件不利地域の農家まであまねく集乳ができるような適正な水準に私はこの集送乳調整金持っていくべきではないかなというふうに思ってございます。ここに関しての農水省のお考えをお聞かせいただければと思います。
  14. 枝元真徹

    ○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。  集送乳調整金は、あまねく集送乳を行うことを確保するために交付するものでございまして、畜産経営安定法におきまして、指定事業者が集送乳に通常要する経費の額から効率的に集送乳が行われる場合の経費の額を控除して得た額を基礎とするというふうにされてございます。  単価の算定に当たりましては、当該規定に基づきまして、御指摘ございましたような輸送経費など集送に要するコストの変動に対応できるように、直近の物価動向も踏まえて、食料・農業・農村政策審議会の意見を聞いて適切に決定してまいりたいと存じます。
  15. 藤木眞也

    ○藤木眞也君 是非、ここは本当に指定団体の皆さん方の努力の部分もあろうかと思います。しっかり御対応いただければというふうにお願いをいたします。  続けて、先ほどから何回も言いますけれども、中規模、小規模の経営の農家の方々、この国でいけば、やはりほぼそういう方々で生産基盤が成り立っているんだというふうに思います。飼養頭数でいけば規模拡大を進められた大規模農家の方々の方が頭数としては多いのかもしれませんけれども、戸数として、また一定程度の基盤としてはしっかりこの皆さん方が担われているんだというふうに思います。特に、酪農においてもほぼほぼ家族経営が主だという中で、現状を守っていく施策というのが私は必要ではないかなと思います。  今、攻めの農業という中で、規模拡大の方にとっては非常に使い勝手のいい施策というのはあるわけですが、現状を維持したいと言われる農家の方が六三%とか六四%とかいらっしゃる中で、この現状維持をやりたいと言われる農家の方に対しての支援の方向性というのが農水省の方で考えられているのかということをお聞かせいただければと思います。
  16. 高野光二郎

    ○大臣政務官(高野光二郎君) 御質問ありがとうございます。  北海道を除く都府県酪農では、飼養規模が五十頭未満の酪農家が、お話のとおり四分の三を占めております。家族経営が生産基盤の大半を担っていますことから、北海道に比べ土地の制約が大きいこと等から、一戸当たりの飼養頭数が減少傾向になっているのが現状であります。一方、中央酪農会議が二十九年度に実施した調査では、都府県において経営拡大の意向を有する経営は二四%、規模を維持又は縮小して経営を継続したいと考えている経営は七一%という結果が出ております。  このようなことから、都府県の酪農生産基盤を維持するためには、意欲のある家族経営が経営継続できるように支援していくことが、お話にありましたとおり、重要だと考えております。  そのために、畜産クラスター事業のうち、規模拡大要件のない機械導入への支援や、性判別精液の利用や、育成牛が不足傾向にある地域において地域内で育成して流通させる取組等への支援や、酪農ヘルパーや公共牧場等を活用した作業の外部化への支援を講じているところでございます。  畜産クラスター事業や楽酪事業では、募集から申請までの時間が余り長くなく、短いんですね。また、施設整備や機械導入までの時間も長期にわたっているという声を藤木先生始め国会議員の先生からもお伺いをしております。都府県酪農における家族経営が維持発展できるよう、改善に向けて努力をしてまいりたいと考えております。
  17. 藤木眞也

    ○藤木眞也君 ありがとうございます。  酪農の経営をされている方にとっては、楽酪事業であったり楽酪GO事業といった、働き方改革にどちらかというと関連した形の中でも施策が打ち出されておりますけれども、これは是非、ほかの蓄種、肉用牛であったり繁殖であったり養豚であったりという、ほかの蓄種の農家の方も同じ考えをお持ちの農家の方がいらっしゃいます。できればほかの蓄種の方にも同じような施策を打っていただけるような検討を農水省の方で考えていただけないかということをお願いをしたいと思いますが、いかがでしょうか。
  18. 枝元真徹

    ○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。  例えば、肉用牛経営のうちの繁殖農家でございますけど、平均の飼養規模が十四・六頭、飼養規模が十頭未満の家族経営が経営全体の約六割という状況でございます。また、肉用牛経営には土地に制約のある中山間地域における経営が多いということがございまして、都府県酪農と同様に規模拡大がなかなか難しい場合も多いことから、家族経営が経営を継続できるということが重要であろうと考えてございます。  このため、経営規模の大小を問わず、クラスター事業のうち規模拡大要件のない機械導入への支援ですとか、遺伝的な多様性に配慮した繁殖雌牛導入への支援、繁殖雌牛の放牧への支援、キャトルステーションやコントラクターなどを活用した作業の外部化への支援などの施策を講じているところでございます。  今後とも、現場の様々な意見をお聞きしながら、肉用牛経営における家族経営が維持発展できるように全力を挙げてまいりたいと存じます。
  19. 藤木眞也

    ○藤木眞也君 是非、この規模拡大ではない、現状維持をと今考えていらっしゃる農家の方にとっても力強い御支援を国、政府の方にはお願いをしたいというふうに思います。  続きまして、今年各地を回って一番要望が大きかったのが、ふん尿処理の対策という意見が非常に多かったなというのを感じております。これは平成何年だったですかね、十六年とか十五年とかぐらいだったと思いますけれども、家畜排せつ物処理法が施行されるに当たって、二分の一の補助付きリースという形で畜産環境整備を行ってくださいという事業がありました。これが、早い人はもう二十年を過ぎております。一番最後にやられた方はまだ十二、三年ぐらいなのかなと思いますけれども、そういう形の中で、やはりふん尿の対象の施設ということで、やはりさびが出て老朽化が非常に進んでいるというのが現場の実態でございます。  是非こういったところの支援策を検討していただければということと、若干、あの当時の畜環リースには、建設に当たっての基準、単価が設定をされたことによって、若干、材料を、本当だったらこっちがいいんだけどこっちじゃないと予算内には収まらないねというような形の中で御苦労された農家の方々がいらっしゃいます。そういった意味で是非ふん尿処理施設の支援が私は必要ではないかなというふうに思ってございますが、政府として今後の支援策の考え方があればお聞かせいただければというふうに思います。
  20. 枝元真徹

    ○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。  御指摘ございました家畜排せつ物法、平成十六年に本格施行されまして、その当時整備された堆肥舎等の経年劣化が進んでいるということは承知をしてございます。畜産の発展のためには引き続き家畜の排せつ物を適正に処理することは重要でございますので、共同利用の家畜排せつ物処理施設の整備につきましては強い農業づくり交付金、また、畜産クラスター計画に位置付けられた経営体の家畜排せつ物処理施設の整備については畜産クラスター事業により支援を行っているところでございます。また、更新を含みます個々の畜産農家が希望する家畜排せつ物処理施設、機械の整備の場合にはリース方式により支援をしているところでございます。  このうち、畜産クラスター事業につきましては、畜産農家の方々の使い勝手が良くなるように、規模拡大要件を緩和した中山間地域優先枠の設定ですとか、規模拡大でなく生産量の増加と生産効率を改善する場合でも整備を可能とするなどの要件の改善を行ってきたところでございまして、引き続き現場の御意見を聞きながら支援対策の改善を図ってまいりたいと存じます。
  21. 藤木眞也

    ○藤木眞也君 今局長が、クラスター事業でもやれるんだ、経営体育成支援事業でもやれるんだというようなお話がございました。  クラスター事業の、私はこれ次の質問でやりたかったんですけれども、関連して言わせていただくならば、畜産クラスターの地域が大きければいろいろな取組が取り組みやすいというところがあるんですけれども、畜産地帯、畜産の農家が少ない地域でクラスターの協議会をつくられた小さい協議会の方々は、どうしてもそういうところまで取り組めるような仕組みにこのクラスターという制度はなっていないなというふうに私は感じます。できれば、二十年ほど前に一度つくっていただけた二分の一の補助付きリース辺りを再度検討いただければなというふうに思います。三分の一の補助では、なかなかこれ、生産性が上がるところとは違うところに農家の方も投資をされなければいけないという問題でありますので、是非前向きに御検討いただければなと思います。  そしてまた、今関連でクラスターのお話をしましたが、やはり、昨年、相当仕組みの改定、役所の方でやっていただいたというのは私も感じております。ただ、やはり今まだ、現場を回ってみますと、まだまだクラスターの使い勝手が悪いんだと言われる農家の方が相当やはりいらっしゃいます。  もう一度、是非、現場の方々と会話をしていただきながら、どこがどう悪いんだというところを再度御検討いただいて、クラスター事業、本当にやはり評判のいい事業なんですが、いざ自分でやろうと思ったときに、ああ、自分ところの協議会ではできなかったと言われる方々の気持ちを酌み上げていただけるような制度の改定辺りをもう一度御検討いただければなということをお願いをいたしまして、私の質問、終わらせていただきたいと思います。  ありがとうございました。
  22. 里見隆治

    ○里見隆治君 公明党の里見隆治でございます。質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。  本日は、畜産物の価格安定等に関する件ということで、畜産という点では若干広く質問をさせていただきたいと思います。  まず、藤木先生からも触れていただきましたけれども、岐阜県で発生しております豚コレラについて最初にお伺いをいたしたいと思います。  私も、十一月二十七日の本委員会でも質問させていただきました。その後、さらに、十二月五日に、岐阜県内で三例目の豚コレラの発生が、県の防疫の中核施設である畜産研究所で発生をいたしました。早速当日、吉川大臣御対応いただきまして、農水省の豚コレラ防疫対策本部を開催いただき、極めて重要で影響が大きいという御認識をお示しいただいて、早急な対応を御指示いただいたというふうに承知をしております。また、昨日十二月十日には、岐阜県関市で四例目の発生が確認されたとのことでございます。野生イノシシも、十二月八日時点で既に七十頭の感染イノシシが発見されていると伺っております。  イノシシはちょうど繁殖期を迎えておりまして、一日に、イノシシに県境はございませんので、県を越えて十数キロも移動するということでありまして、極めて危険な状況にあると考えます。こうなりますと、終息どころか、その感染力は想定以上に強力でますます拡大を続けてしまっていくのではないかと、そうしたおそれもございます。  現在の状況は、ちょっとこれは数字は分かりませんけれども、何十頭、場合によっては百頭という単位で感染イノシシがそれこそふんをまき散らして野山を駆け巡るような、そんな状態であるかと思います。イノシシの防御策だけではなくて、ネズミなどの小動物、また鳥、ハエなどの昆虫、こうしたもので菌が運ばれてくるということも想定されます。こうした点でどのような対策を講じておられるのか、お伺いしたいと思います。  さらに、イノシシの感染調査も範囲を広げて行っていただく必要があろうかと思います。発生があってから範囲を広げるのではなく、初めから広範囲で調査をいただくべきと考えます。隣県の、岐阜県のみならず、愛知県、また三重県、こうした隣接県においても、各県にお任せをするのではなく、財政支援を含めて国として対応することが必要だというふうに考えますけれども、農水省としてのお考えをお聞かせください。
  23. 池田一樹

    ○政府参考人(池田一樹君) お答えいたします。  豚コレラウイルスの侵入防止のためには、各農場で飼養衛生管理基準を遵守するということが大変重要だと考えております。  この基準には、野生動物による病原体の侵入を防止するため、給餌設備、飼料の保管場所にネズミですとか野鳥などの野生動物の排せつ物などが混入しないようにすることや、死亡した家畜が野生動物に荒らされないように保管することなどが規定をされているところでございます。  岐阜県では、これらの基準が遵守されるよう、農場を訪れて飼養衛生管理基準に基づく改善措置を行うとともに、野生動物の侵入防止を強化するために、養豚農場では電気柵やワイヤーメッシュの設置が行われているというところでございます。  もう一つ、浸潤調査に関してのお尋ねがございました。  野生イノシシにおける豚コレラの浸潤状況を調査する目的での捕獲する際の衛生資材費や消毒薬につきましては、家畜伝染病予防法に基づく家畜伝染病予防費負担金により措置が可能と考えております。また、調査への直接的な支援ではございませんが、農作物被害防止の観点から、鳥獣被害防止総合対策交付金によりイノシシの捕獲経費を支援することは可能であると考えています。  今後とも、岐阜県だけではなくて、愛知県など隣接県の意見をよく伺いまして、でき得る限りの対応をしてまいりたいと考えております。
  24. 里見隆治

    ○里見隆治君 今御答弁いただいたとおり、隣接県との間の協力、例えば情報共有化ですとか、この隣接県含めて広域的な対応ということでは国も責任が十分あろうかと思います。財政的な支援を含めて発生地並みの支援体制を組んで、県に指示や督励をするだけではなくて、国にしかできない高度な原因分析や的確な防疫指導、こうした点を是非お進めいただきたいと思います。  今後の取組について、大臣にお伺いしたいと思います。
  25. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) この豚コレラの発生に伴う原因分析についてでありますけれども、これ、一例目のこの発生後ですね、堆肥処理等の専門家ですとか岐阜県とも連携をして拡大疫学調査チームも発足をさせていただきました。あらゆる可能性を排除せずに、今も調査を続けているところでもございます。  これまでも、この農研機構動物衛生研究部門におきまして行ったウイルスの遺伝子解析及び感染試験から分かった臨床所見を都道府県には周知をして指導を行ってまいりました。引き続き岐阜県とも連携をしていかなければなりませんし、昨日、岐阜県知事からも、直接私のところにお電話をいただきました。  岐阜県としましても、今回の四例目が出たことによりまして極めて緊張感を持ってという感じでございましたし、さらに、幅広く知見を持ち合わせている方々にお集まりをいただいて岐阜県での対策会議も開いていきたいという、そういうお話も頂戴をいたしましたので、私どもも、その折には、しっかりとこちらの方からも派遣をさせていただきながら、どうすれば根絶ができるかということを、岐阜県と更に連携をしながら、徹底した指導はもちろんでありまするけれども、今申し上げましたように、連携をしながら、がっちりとこの感染拡大を防ぐために危機感を持って対応してまいりたいと存じております。  さらに、農家への指導も徹底をしていかなければなりません。この点につきましても、岐阜県との連携は欠かせないものと思っております。
  26. 里見隆治

    ○里見隆治君 ありがとうございます。  高鳥副大臣、もう既に現地に調査、また督励にお越しをいただいておりますけれども、場合によっては農水省からしっかり出向いて現地と連携を取る、また、岐阜県とのお話はありましたけれども、今隣県も大変深刻に受け止めておりますので、そうした隣県への配慮もよろしくお願いをいたします。  それでは、畜産経営安定関係について質問をさせていただきます。  昨年、畜産経営安定法の改正がありまして、本年度から新たな加工原料乳生産者補助金制度がスタートをしております。これに関して、去る十二月六日に米国政府が公聴会を開催をして、関係団体からの意見を聴取したというふうに報じられております。この中で、全米生乳生産者連盟は、多くのアメリカ乳製品が日本の関税や他の貿易障壁にブロックされたままである、交渉は更なる市場開放を優先にするべきだと、そうした意見を示したということでございます。  政府はこうした海外での動向を把握されておられるでしょうか。また、来年度から始まる米国との貿易交渉において、日米共同声明で確認された譲許の上限を踏まえ、しっかり交渉すべきと考えますけれども、この点、大臣の御決意を伺いたいと思います。
  27. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 日米物品貿易協定交渉に関しまして、御指摘の生乳の生産者団体を含めて、米国の農業団体から様々な意見が出されていることにつきましては、私も承知をいたしております。  委員御指摘のとおり、日米共同声明におきましては、農林水産品については過去の経済連携協定で約束した内容が最大限との日本側の立場が明記をされております。日米首脳間でこの点について確認したことは非常に重たいものと認識をいたしておりますので、この米国の動向につきましては引き続き注視はしてまいりまするけれども、農林水産省としては、この共同声明を踏まえ、酪農、乳製品を含めて、我が国農林水産業の再生産が将来にわたって確保されるように最大限の努力をしていく考えでございます。
  28. 里見隆治

    ○里見隆治君 この日米共同声明、非常に重いものだと思います。是非この線を守っての対応をお願いいたします。  次に、日EU・EPAについて、EUにも目を向けますと、これはもうさんざんこの委員会でもまた本会議でも議論されてまいりましたけれども、ソフト系チーズについての一括の低関税枠が設定をされ、段階的に無税になるということで合意をされております。このために、輸入チーズにより国産チーズ価格が低下をし、これで国内の酪農家や乳業メーカーが大きな影響を受けることが懸念をされており、この点るる議論があったところでございます。  チーズについては、昨年度の補正予算で、体質強化対策として国産チーズの競争力強化対策、総額で百五十億円が講じられております。しかし同時に、酪農家の経営安定を図るためには、チーズを始めとする乳製品の再生産を確保するのに必要な加工原料乳生産者補助金単価を設定する必要があると考えます。  加えて、酪農経営の安定の観点から、こうした補給金や集送乳調整金の単価については、生産コストやその経費のコストの変動の実態を踏まえた算定を行う必要があると考えますけれども、そうした価格設定の考え方について、農水省から御説明をお願いいたします。
  29. 枝元真徹

    ○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。  加工原料乳生産者補給金、また集送乳調整金の単価につきましては、まず補給金の単価につきましては、加工原料乳生産地域の再生産が可能となるように生産コストの変動や物価動向等を踏まえ、また集送乳調整金の単価につきましては、畜産経営安定法におきまして、指定事業者が集送乳に通常要する経費の額から効率的に集送乳が行われる場合の経費額を控除して得た額を基礎として、集送乳に要するコストの変動に対応できるように、直近の物価動向を踏まえ、いずれも食料・農業・農村政策審議会の意見を聞いて決定することとしてございます。本年度もこれらのルールにのっとりまして、適切な算定をしてまいりたいと存じます。
  30. 里見隆治

    ○里見隆治君 この畜産、酪農経営の安定経営を支援するという点で、地域ごとの課題にも配慮する必要があると考えます。  酪農の場合、なかなか話題にしにくいんですけれども、ともすると北海道と都府県酪農みたいな構図になりがちで、特に本委員会、北海道の先生方多くいらっしゃるのでなかなか話題にしにくいわけですけれども、これ、公平にそれぞれの地域においてのコストがしっかりとのめるような、そうした補助、助成というものを農水省もしっかり設計をいただく必要があろうかと思います。  私の地元の愛知県の農業経営者とお話をさせていただきましたところ、この都府県酪農については、その生産コストについて、これはほかの地域とももちろん共通するわけですけれども、初妊牛の価格の上昇が影響しているとか、あるいは、そもそも消費地に近い地域ほど、地代また飼料コスト、またさらに、特にこの数年は人件費の上昇、そもそも人が雇えないと。そうしたところから、生産コストが増加をして乳用牛の更新停滞というようなこともあって、都府県酪農の経営に大変な悪影響が及んでいるという点を心配しておられました。  こうした背景を踏まえて、都府県酪農の生産基盤強化、この点どのように図っていかれるお考えか、大臣にお伺いしたいと思います。
  31. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 都府県酪農につきましては、我が国の生乳生産の約半分を占めておりまして、消費者に新鮮な飲用乳を提供する役割を有していることから、またその生産基盤の強化は重要な私も課題であると存じております。一方、都府県酪農におきましては、北海道に比べて土地の制約が大きいこと等から、育成牛を飼養するための粗飼料の確保ですとか規模拡大が大変難しいという課題がございます。  このために、初妊牛を安定的に確保できますように、例えば性判別精液の利用の推進ですとか、さらには育成牛の地域内の流通ですとか、広域預託への支援ですとか、さらに哺育・育成センター等を利用した作業の外部化への支援等の施策を講じてまいりました。これに加えまして、省力化機器の導入による労働時間の削減ですとか、そしてまた離農農場の貸付けによる新規就農者の負担軽減等の施策も総合的に実施をしてまいりました。都府県酪農の生産基盤強化を、このような形で更に図ってまいりたいと存じております。  かつては、北海道と都府県で南北戦争などという言葉もございましたけれども、今はもうそういった言葉もなく、北海道は加工原料乳、そして都府県は今は、先ほど申し上げましたように、飲用乳が大半であるということで、極めてそういった意味ではそれぞれの役割を果たしていただいておりますので、それぞれの生産がより向上するために私たちはこの努力をしていかなければならないと思っております。
  32. 里見隆治

    ○里見隆治君 北海道御出身の大臣から大変力強いエールをいただいて、心強く思っております。どうぞよろしくお願いいたします。  もう時間もなくなりましたので、最後もう一問、肉用子牛の生産者補給金制度について、もう一問だけ質問させていただきたいと思います。  政府の総合的なTPP等関連政策大綱において、TPP又は日EU・EPAの発効に合わせて保証基準価格を現在の経営の実情に即したものに見直すというふうに大綱で示されております。肉用牛の繁殖経営は規模拡大が徐々に進みつつありますけれども、平成三十年で一戸当たり約十五頭でございまして、肥育経営と比べて小規模農家が大変多い状況にございます。また、生産コストは飼養規模によって大きな格差がございます。  こうした中で、この政策大綱にございました実情に即したものに見直すというその見直しを具体的にどう進めていただけるのか。特に、小規模農家が多い繁殖経営の生産基盤弱体化を防ぐために、こうした小規模農家にも十分な支援を行う必要があると考えますけれども、農水省の今後の対応方針についてお伺いをいたします。
  33. 枝元真徹

    ○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。  今、肉用子牛の生産者補給金制度でございますが、総合的なTPP等関連政策大綱に基づきまして、TPP11協定の本年十二月三十日の発効に合わせまして、その保証基準価格を現在の経営の実情に即したものに見直すこととなります。  このため、農林水産省内に肉用子牛の生産、流通の専門家で構成される検討会を設置いたしまして議論を重ねた結果、十一月の二十日に、保証基準価格の算定に当たりましては、現行の輸入自由化前七年間の農家販売価格に代えて過去七年間の生産費を基礎とする、小規模な肉用子牛経営の実態を踏まえつつ、酪肉近で示されている近代化を促進する方向に沿ったものとすることが適当である等の取りまとめが行われまして、この旨、十二月の三日に食料・農業・農村政策審議会畜産部会にも報告したところでございます。  今後、同審議会の意見を踏まえまして、子牛の再生産を確保する観点から新たな保証基準価格等を適切に決定してまいりたいと存じます。
  34. 里見隆治

    ○里見隆治君 どうぞよろしくお願いいたします。  以上で質問を終わります。
  35. 小川勝也

    ○小川勝也君 立憲民主党・民友会の小川勝也です。  畜産物価格等に関して質問をさせていただきます。  毎年一回はこのチャンスがあるわけで、毎年、その時々に関連するトピック、ニュースと関連して畜産あるいは酪農について質問ができる、この日は本当に大事な日だと思っております。かつては三月にやっておりました。これが十二月に移って数回目だろうというふうに思います。  それから、我々悪名高き北海道にとりましては、この加工原料乳の補給金単価というのが最大の関心事でありました。二十九年度は十・五六円、いわゆる何円何銭の世界で毎年毎年攻防が繰り広げられてきたところであります。  三十年から、この生産者補給金と集送乳調整金というふうに新しい制度になりました。まず、通告していないんですけれども、局長か部長にお答えをいただければ有り難いんですが、新しい制度、集送乳調整金をめぐる、あるいは集送乳において何かトラブルの報告はありますか、それともつつがなく今日を迎えていますか。お願いをしたいと思います。
  36. 枝元真徹

    ○政府参考人(枝元真徹君) この新しい、四月に報告いたしましたけれども、御報告するような大きなトラブルは起きてございません。
  37. 小川勝也

    ○小川勝也君 広くあまねく集乳をしていただくということがこの法律改正のときにも肝だった。ですので、トラブルが起こらないように祈らせていただきたいと思います。  まず、毎年同じ話をさせていただきますけれども、酪農の規模が大きくなり過ぎているという話であります。  平成二十年と三十年の比較が、ここにデータがございます。平成二十年、北海道の飼養戸数は八千九十戸、これが平成三十年になると六千百四十戸、十年で約二千戸減っているわけであります。ですので、毎年二百戸ずつ減少するというのが北海道酪農の現状であります。一戸当たりの飼養頭数が同二十年百一頭から百二十八頭と、こういうふうになるわけであります。  大きいことはいいことだということで、例えばニュージーランドやオーストラリア、カナダの酪農と比べれば、我々の国の酪農は府県含めて小規模なのかもしれません。そして、もっともっと安く牛乳を搾ろうと思えば、もっともっと大型のいわゆる牧場がいいのかもしれません。  しかし、先ほど藤木委員からも御指摘がございましたように、農業も酪農業も人がなせる業でありますので、牛と人と機械だけあれば成り立つということではありません。そこにはコミュニティーが必要ですし、やはり寄り添って助け合うということが大事であります。  私も、北海道に生まれ育って、地域にも酪農家がおりました。昔話を聞くと、最初は四頭からスタートしたんだよ、四頭、六頭、十頭、十二頭と、それが今は百二十八頭になっていくわけであります。ですので、酪農家の戸数もそれだけ減ったということでありましょう。  後に議題とさせていただきますけれども、畜産クラスター事業、これは使い勝手がいいということ、あるいは順番待ち、これは改良しながらも長く大事な制度として北海道にもその恩恵をいただきたいと思っております。  しかし、規模拡大が続けばどういうことが起きるかというと、規模拡大したところだけ効率的な経営ができるということであります。すなわち、先に走っているランナーが効率的になれば、後ろのランナーは、おのずから黙っていても非効率の網が掛かってしまいます。これが、投資か離農かの二者択一を迫られているというのが現状でありましょう。  私はこの言葉をよく使うのでありますが、酪農に限らず、畑作も水田も、北海道だけではないと思います、全てトーナメントでやってきている。すなわち、隣の家との経営合理化を競って、勝ったところが次のこまに進む。ですから、最初、北海道だって、広大な農業をみんながしていたわけではありません。なぜならば、機械化以前から農業はあったからであります。ですから、自分のうちで馬で耕せる範囲を自分たちの経営にしていたということでありますけれども、そのときから数えて、次の家に勝って、その次の次の隣の家に勝って、どんどんどんどん、どんどんどんどん農地面積が増えていき、そしてその地域集落の戸数が減っていくという繰り返しをしてきたわけであります。  すなわち、酪農においては、畜産クラスター事業を始め、農林水産省の皆さんが強い酪農を政策的に実行していただければいただくほど必然的に弱い農家が生まれてしまうという宿命が存在しているわけであります。  ですから、一番大事なことは、フロントランナーを大きくしていただくことは構いません、しかし、投資に対して積極的ではない人、今の経営面積で引き続きやっていきたいんだという人を大事にしていただきたい。これを藤木委員は、小規模の経営者を大事にしろという発言をされました。意味は同じだろうというふうに思いますけれども、こういった経営者を守るという視点で、まずは農林水産大臣の決意と覚悟をお伺いしたいと思います。
  38. 吉川貴盛

    国務大臣吉川貴盛君) 全国で、乳用牛の飼養規模が五十頭未満の層が酪農家全体の六割を占めていると承知をいたしております。こういった面におきましても、家族経営が生産基盤の大宗を担っていると私は承知をいたしております。また、中央酪農会議が二十九年度に実施した調査によりますと、経営拡大の意向を有する経営は二六%、規模を維持又は縮小して経営を継続したいと考えている経営も七〇%であるとの結果が出ております。  このような状況を踏まえて、この意欲のある家族経営が、経営が継続できるように支援していくことは最も重要なことでありますし、経営規模の大小にかかわらず、例えば省力化機器の導入ですとか作業の外部化への支援ですとか等を施策を講じているところでもございます。  今後も、様々な形を通じて、現場の意見も踏まえながら、改善もしながら、そして総合的に地域の基幹産業である酪農の生産基盤が維持強化されるように、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。
  39. 小川勝也

    ○小川勝也君 このままでいくと、どんどんどんどん規模拡大といわゆる過剰投資が続いていくんだろうというふうに思います。  先日、この委員会に資料を提出させていただきました日農新聞の記事は、百七十頭から二百七十頭に規模拡大をするときに、いわゆる自己負担の投資額が二億円だという世界であります。ですから、息子が投資するのにはらはら見守るお父さんという図式もあるやに伺っているところであります。  例えばヨーロッパなどでは、もう標準的な酪農経営というモデルをつくって、その枠の中で経営をする者に対して大変厚い施策が、いわゆる多面的支払を含めてなされている国があるというふうにも聞いています。  私は、今、今年の酪畜の審議は、御案内のとおり、TPP11、TAG、日欧EPA、あるいは子牛価格の高騰、あるいは和牛人気、いろんな側面がありますけれども、そういった新しい標準的酪農経営、まあ家族経営の適正肥育頭数は四十から六十だとも聞いています。その辺、何か、これからこういうふうにやっていきたいんだというような考え方はあるでしょうか。どなたでも結構です。
  40. 枝元真徹

    政府参考人(枝元真徹君) 農林水産省では、平成二十七年度の酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針、いわゆる酪肉近でございますが、を策定いたしまして、今後の酪農における望ましい経営モデルというものを設けてございます。  具体的には、酪農経営に必要な土地条件ですとか経営規模、投資の見込みなどを考慮いたしまして六つの類型を設定してございます。その中で、例えば、北海道におきます当時の、二十七年度当時の平均規模である六十六頭規模の家族経営の酪農家が、放牧によりまして労働負担やコストの低減を図り、所得を確保できる姿も一つのモデルとして設定してございます。  こういう幾つかのモデルを設定してございますので、様々な方々にそういうモデルも御紹介しながら考えていただくということも大事だろうと思います。
  41. 小川勝也

    ○小川勝也君 大臣からも披瀝がありましたけれども、過剰投資、これ以上は投資したくないけれども酪農を続けたいと、この人たちを離農させないことが一番大事だろうというふうに思いますので、標準経営モデル、安心して酪農を営むことができる、そういった社会をつくっていただければというふうに思います。  大臣にお願いをしたいと思います。いろいろと農林水産省の皆さんとも日常的にお話をさせていただく中で、農林水産省もやはり限られた予算の中でぎりぎりやっているということであって、今求めているのは、なるべく担当の方に圃場や農場に行っていただいて現場を見ていただく、感じていただく、そして経営者と話をしていただく機会をつくっていただきたいということであります。いわゆる机の上で、いわゆる経営規模が大きくなるとか経営効率が良くなるということだけではありません。農家の方々の不満やあるいは不安、心配事は多種多様にわたっているはずであります。  それは、一つは投資の問題。それで、後でお話をさせていただきますけれども、酪農家が、自分の肥育しているホルスタインのお母さんに本当にF1を付けていいのだろうか、今でも悩んでおられる人もいます。性判別精液を推奨されるけれども、本当にいいのか。あるいは、本当はホルスタインのお母さんは自分の子供、ホルスタインの子供を産みたいのに、自分が金が欲しいばっかりに和牛を付けていいのか、悩んでおられる方もたくさんいるわけであります。  ですから、政務三役の方々は当然いろいろな現地に行っておられると思いますけれども、今、役所の方々がなかなか声を聞きにくい状況になっているんだというふうに思います。役所の方々が、御担当の方々が現場でいろんな声を聞くと政策にもより濃く反映をされるんじゃないかと期待をするわけでありますけれども、大臣から一言だけお願いをしたいと思います。
  42. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 小川委員御指摘のとおりだと私は思います。この酪農、畜産の政策を考える上で、現場に出向いて生産者の声をよく聞くということは極めて重要であると考えております。  今年度も、酪農、畜産政策を検討するために本省職員自らが現場に入って生産者ですとか関係者との意見交換も通じてきました。生産現場の課題を明確化するための取組も行ってきたところでありまするけれども、このような取組を通じまして現場の課題というものを明らかにすることによって、より現場に根差した酪農、畜産政策を打ち出すことができると考えておりますので、しっかりと現場とコミュニケーションを取るように職員を更に督励してまいりたいと存じます。
  43. 小川勝也

    ○小川勝也君 よろしくお願いします。現場の声を聞かないで政策をつくるということは、これはもうあり得ないというふうに思うわけであります。  それで、クラスター事業について御質問をさせていただきたいと思います。  これは、藤木委員からもお話がございましたし、北海道のユーザーからも、自分のところにはまだ回ってきていないので引き続き頼むというようなストレートな声も当然来ているわけであります。  しかしながら、こういったトップランナーをより強くする政策には、光と影の影の部分が必ずあるわけであります。黙って投資を控えていた人たちがいわゆるアップ・ツー・デートに追い付いていけなくなって、非効率的な経営にいわゆる甘んじる結果になって離農圧力が掛かってくるということがあります。  こういった側面に注視しながら、クラスター事業の中間総括と、こういった部分を改良するために今後どういった工夫をしていくとお考えなのか、お伺いをしたいと思います。
  44. 富田育稔

    ○政府参考人(富田育稔君) お答えいたします。  畜産クラスター事業につきましては、総合的なTPP等関連政策大綱に基づきまして、平成二十七年度補正予算から実施してございます。現在、全国で八百八十一のクラスター協議会が設立され、畜産、酪農の収益力強化に向けた取組が進められているところでございます。  平成三十年の三月末までに本事業を活用して施設整備あるいは機械導入を実施した経営体を対象としまして経営状況を調査しましたところ、酪農経営におきましては、経産牛が二万頭以上増加するなど、着実に飼養頭数が増加しております。また、省力化機械の導入により飼養管理の効率化に取り組んだ経営におきましては、受胎率が一・六%向上し、事故率が〇・六%低下するなどの効果が見られるところでございます。  引き続き、着実な実施を図るとともに、事業の適切な執行に努めて、産地の収益力の強化に資してまいりたいと考えてございます。
  45. 小川勝也

    ○小川勝也君 今私が申し上げたことに留意して、施策をブラッシュアップしていただければと思います。  どんどんどんどん規模拡大をしていく中で、規模拡大と同時に経営リスクも大きくなってまいります。北海道では、地震、停電を経験をいたしました。ブラックアウトでいわゆる停電になって、搾れなくて困った酪農家もおります。大規模なところはそれぞれ発電機が準備されているということも一部ありますけれども、機械がなくても少頭数であれば手で搾るという裏技が残されているわけでありますけれども、大規模の場合はその手法は使えません。それから、大規模になったら様々なリスクがあります。後にお話ししますけれども、例えば機械が故障したらどうするんだという話であります。  その前にお伺いをいたしますけれども、畜産にしろ、いわゆる和牛肥育にしろ、酪農にしろ、先ほど藤木委員からも質問が出ておりましたけれども、多頭数になればなるほど、いわゆるふん尿処理に対しても、それだけのいわゆるキャパシティーが必要になります。投資額も非常に大きくなるはずでありますけれども、私の調べたところによりますと、全国にも相当大規模なそういう経営体が存在するにもかかわらず、過不足なくふん尿処理施設が充実しているという話は一件も聞いたことありません。  ですので、規模拡大だ、やれ行けそれ行けとは言っているけれども、負の側面であるふん尿処理の方は追い付いていないんじゃないですか。この辺の御答弁をお願いします。
  46. 枝元真徹

    ○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。  御指摘いただきましたとおり、酪農にせよ、乳用牛にせよ、その発展のためには家畜排せつ物を適正に処理するということは非常に重要でございます。このため、共同利用で処理施設を整備する場合は強い農業づくり交付金、また、クラスター計画に位置付けられた経営体の処理施設の整備についてはクラスター事業で支援を行ってございます。  それで、このクラスター事業につきましては、畜産農家の方々の使い勝手が良くなるように、規模拡大要件を緩和した中山間地域優先枠の設定ですとか、あと、規模拡大じゃなくても、生産量の増加など生産効率を改善する場合でも整備を可能とする、そのような要件の改善も行ってきたところでございますので、こういう仕組みも使ってふん尿処理施設の整備、そういうものも進めている、また進めていくということでございます。
  47. 小川勝也

    ○小川勝也君 それはただ、御社が用意しているメニューがあるという話じゃないですか。ですから、金の掛かるところには投資したいんですよ。金を掛けても一円も入ってこないところには投資したくないんですよ。ですから、いわゆる牛舎を造る、牛を入れる、そういうところに優先するに決まっているじゃないですか。だから、都道府県含めて全国から、近隣からあの施設が臭うから大変だという話が出るんじゃないですか。  ですから、クラスター事業にメニューがあるからいいですよという話にはならないわけであります。ですから、しっかりと、多頭数にするならば、それに見合ったいわゆるふん尿処理のシステムも投資します、充実させますということじゃないと政策は成り立たないんじゃないかと思います。これは、北海道もそうですけれども、全国が後手後手に回っていることは認めていただかなければなりません。  ですから、これ以上は申し上げませんけれども、予算をメニュー化するから、補助金をメニュー化するからオーケーですという話じゃありませんので、しっかりとここは対処していただきたい。なぜならば、近所から嫌われたら酪農も畜産もつらいからであります。何とかきれいな農業、きれいな酪農そして畜産、これをみんなでやろうと思って法律を作ったわけでありますので、ここはしっかりお願いをしたいと思います。  次に、機械の話をします。  酪農の機械は日進月歩ですので、私たちも非常に勉強不足が日常化しています。ミルカー、ミルキングマシン、バルククーラー、ミルキングパーラー、搾乳ロボット、それぞれ頭で浮かべる像はいろいろでありましょう。  しかし、今御紹介をいただいた畜産クラスター事業の中でもあるいは楽酪事業でも、たくさんの国からたくさんの機械が入ってきています。ですので、自分のところは畜産クラスター事業でメニューを作って補助金を出したからいいんだという話になっては困ると思います。  実は、どういうことを申し上げたかといいますと、輸入して、いわゆる代理店を通じて設置をしていただくまではいいんですけれども、その後のメンテナンスは各社しっかりやってくれているのか、故障したときにそれぞれちゃんと来てくれて直してくれているのか、どのメーカーが良くてどのメーカーが悪いのか、農林水産省は何々国の何々社の何々はいいなというふうに把握しているのか。この辺は、私は非常に遅れているというか、あるいは責任感を感じていないかどちらかだと思います。  この辺、ちょっと雑駁な質問ですけれども、農林水産省の答弁はいかがでしょうか。
  48. 富田育稔

    ○政府参考人(富田育稔君) お答えいたします。  搾乳ロボットを始めとする最近の酪農関係の機械につきましては、昨年七月に、国内で販売実績のございます四社の代理店に対しまして、販売した機械の保守点検等について万全を期すよう文書を出したところでございます。また、文書の発出と併せまして、当該四社との間でフォローアップのための定期的な意見交換を始めたところでございます。  これを通じまして、保守点検技術者の研修施設の増設、保守点検技術者の増員及び技能の向上、インターネット回線を活用するなどして遠隔操作によるリアルタイムの故障対応等々について協力を要請しているところでございます。  今後とも、機械の普及に当たり農家が十分なサービスを受けられるよう、メンテナンス体制に係るフォローアップに努めてまいりたいと考えてございます。
  49. 小川勝也

    ○小川勝也君 御答弁ありがとうございます。  いわゆるクラスター事業でいわゆる充実したシステムを導入する、これはいわゆる正面です。それの、今部長から御答弁をいただいたのは、後方支援で、メンテナンスとか保守とか、あるいは非常時に来てくれるとか、要員のいわゆる充実までお話をいただきました。  御案内のとおり、点検する人員のいわゆるレベルを上げるとか習熟度を上げるというふうに口で言うのは簡単でありますけれども、今は、皆さん御案内のとおり、究極の人手不足ですから、究極の人手不足ですから、今、まさに酪農関係の大型機械のメンテナンスをする人を、じゃ、誰か募集してやりましょうといってもなかなか集まらないですよ。  ここは、先ほど申し上げた、いわゆる多頭数のいい牛舎ができていい経営になったら、いわゆる家畜ふん尿の処理施設はどうなっているのか点検する、あるいはその機械のメンテナンスはどうなっているのかしっかり責任を感じていただく、こういった側面も農林水産省には期待をしたいというふうに思います。  時間がなくなってきましたけれども、次の質問させていただきたいと思います。  乳用種から出生した黒毛和種子牛の頭数、平成二十五年次二万五百頭、平成二十九年次三万五千頭。当然、今繁殖牛が足りない、黒毛が好調、そして黒毛和牛は育てれば売れる、子牛が高い、こういったことでどんどんどんどん、いわゆるホルスタインのお母さんから黒毛が生まれる、F1が生まれるというケースが非常に多くなってきています。  それで、いわゆる、よく考えたら、黒毛の子供が欲しいと思ったときに、黒毛和牛のいわゆる繁殖母牛も子供を産めるけれども、ホルスタインも今いわゆる受精卵を入れれば産めるということになったときに、いわゆる資本主義社会として経営効率で考えたら、お母さんの導入価格はホルスタインの方が安いんです。ですから、ホルスタインを並べていわゆる子牛を取った方が効率だというふうに考える人は必ず出るわけであります。  ですから、私たちはそのことも、借り腹と言うんだそうですけど、借り腹も性判別精液の利用、使用も、否定はいたしません。しかし、本当に、今だけ金だけ自分だけで、神様に逆らっていろんなことをやって、金もうけだけ考えていいのかというふうに私と同じように悩んでいる生産者も多いわけであります。神様がいるかいないかは別にして、こういうことを本当に営利目的でどこまでもどこまでも追求していいのかどうか、私はちょっとつらい思いを持っているところであります。  大臣に答弁の準備があるのか、生産局長なのか部長なのか分かりませんけれども、日頃思っていることがあればお聞かせいただきたいと思います。
  50. 富田育稔

    ○政府参考人(富田育稔君) お答えいたします。  肉用子牛をつくる方法といたしましては、自然に分娩させる方法のほか、性判別精液あるいは受精卵移植等を利用した借り腹という方法がございます。そういった形で子牛を生産するわけでございますが、どういった方法で取り組むのかというのは、基本的には経営の判断によろうかと思います。  ただ、現在問題になっておりますのは、子牛が少ないがために大変価格が高騰しているということでございまして、いわゆる子牛の需給が逼迫しているという状況でございます。私どもは、これをなかなかコントロールすることは大変難しいわけでございますが、畜産クラスターを利用したキャトルステーションあるいはキャトル・ブリーディング・ステーション、優良な繁殖雌牛に対する奨励金の交付、増頭のための簡易牛舎の整備等々、多様な施策を展開して現在の問題について対応してまいりたいと考えてございます。
  51. 小川勝也

    ○小川勝也君 今、その副産物価格が酪農家にとっても大変な収入源になっているのは事実であります。  そして、みんながみんな大きな投資をして大きな経営を求めたいわけではありません。本当に今の頭数で家族で持続可能な経営を続けたいという酪農家を大事にしていただきたい、そのことをお願いをしたいというふうに思います。  答弁をいただく時間がなくなりましたので、二つのことについて私の思いを述べさせていただいて、やめたいと思います。  一つは、今日、日農新聞に、アメリカ合衆国が、乳製品の更なる関税撤廃やら、日本に関してたくさんのマーケットとしての欲求、欲望をあらわにしているというニュースがありました。  私に言わせれば、TPP11というのは何だったのか。アメリカが入っていなければ意味がないと言ったのは誰だったのか。アメリカが入っているから日本のビジネスも非常に優位に進められるけれども、アメリカ以外の国に対して日本にとってどれだけメリットがあったのか。逆に、アメリカがいない中に日本のマーケットを狙うニュージーランド、オーストラリア、カナダにとってはすばらしい話になりました。  ここで話が終わるわけはない。再三我々が恐れていた日米間の二国間交渉、何がどう話し合われているのか全く分からない。そして、それにかてて加えて、日欧EPAであります。このことは、同じ北海道の徳永委員が私の後に質問をさせていただきます。  それからもう一点、今一番心配なのは乳製品、特にチーズであります。バター、脱脂粉乳、ホエーはそれぞれクオリティーがいわゆる求められない産品でありますので、いわゆる価格だけで競争すると大変厳しいことになります。  そして、チーズも、御案内のとおりいろんな種類があって、もう勉強が追い付きません。ナチュラル、プロセスから始まって、いろんな勉強もさせていただきましたけれども、なかなか分かりません。しかし、言えることは、私たちが子供の頃はいわゆる固いプロセスチーズしか口にしていなかったということであります。  しかし、四十数年たって、いわゆるカマンベールチーズもカビのチーズも食べられるようになったし、北海道でもたくさんの新しいチーズが作られるようになりました。こういったチーズにも応援をしていただければ、フランスやスイスに負けない、そういうチーズが作れます。これはお願いをします。  それから、そういったチーズがやっぱり押されて北海道の酪農がダメージを受けないように、これもお願いをさせていただきたいと思います。  このことも併せて、同じ北海道の徳永委員が質問いたします。  どうもありがとうございました。
  52. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 国民民主党・新緑風会の徳永エリでございます。  衆議院の農林水産委員会でもこの委員会でも御質問がございましたけれども、私も豚コレラに関連してお伺いしたいと思うんですが、実は岐阜の自治体議員からちょっと情報がありました。この豚コレラが発生した農場のこの豚のふん尿、これが共同堆肥場に置かれていたということであります。これ、発生が確認される前に堆肥としてもし畑にまかれていたとしたら、これは大変なことだと思います。  野生のイノシシからも豚コレラの陽性事例が確認されたということでありますから、野生のイノシシがこの豚コレラに感染をして走り回って、媒介となって広げていく、こんなことがあってはならないと思いますが、この懸念に対してはどのように対応していただけるんでしょうか。
  53. 池田一樹

    ○政府参考人(池田一樹君) お答えいたします。  堆肥について、まず御質問がございました。一般的に、家畜の排せつ物でございますけれども、一定期間発酵処理をされた後に堆肥として使用をされるということでございまして、この発酵処理の過程で温度が上昇いたしますので、豚コレラのような病原体は不活化をされます。  また、家畜伝染病予防法に基づく飼養衛生管理基準でも、豚コレラなどの特定症状が確認された場合は農場からの排せつ物の出荷や移動は行わないとされておりますし、万一発生した場合、農場の排せつ物は家畜伝染病予防法に基づき焼却、埋却又は消毒するということになっております。  いずれにいたしましても、発生原因につきましては拡大疫学調査チームが現在調査中であり、可能な限り早く取りまとめていきたいというふうに考えてございます。
  54. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 発酵の段階で病原体が死滅するということですね。大丈夫だということでよろしいんでしょうか。万が一、その確認する前の堆肥が、発酵したものが畑にまかれていても、病原体は死滅しているから大丈夫だということでよろしいでしょうか。
  55. 池田一樹

    ○政府参考人(池田一樹君) お答えをいたします。  発酵処理につきましては、適切に発酵をするということで、一定期間、一定温度で発酵処理をした場合に病原体が不活化するということでございます。  ですから、不適切な処理あるいはそれ以外の方法でもウイルスが拡散する恐れがございますが、そういったことも含めまして、どんな形でこの病原体が広まっているのか一例目から四例目まで発生直後に現場に疫学チームが入りまして調査をしておりまして、その都度もう分かった時点で、例えば二例目でありましたら、飼養衛生管理基準に一部不備があったというようなことを公表させていただいて改めて指導をしているところでございますので、今後とも同じように努めてまいるとともに、先ほども申し上げましたけれども、発生原因について可能な限り早く取りまとめていきたいというふうに思っております。
  56. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 懸念は払拭できないということでございますので、しっかりそこは調査をしていただいて確認をしていただいて、万が一病原体が死滅していない堆肥がまかれたとしていたら、これは大変なことになりますので、しっかりと御対応をお願いしたいと思います。  それから、封じ込めるということも大事ですし、広げていかないということも大事だと思います。  私、いつも北海道の千歳空港に帰ると、乾燥マットが敷いてあるんですね。農林水産省に前確認したら、その乾燥マットでもって十分消毒ができるんだという話だったんですが、消毒液の中を歩いたりですとか、それから石灰の中を歩いたりすると何となく安心感があるんですけれども、あのドライマットって本当に大丈夫なのかということが大変心配です。  それから、台湾とか韓国とか、鳥インフルエンザの問題もあります。それから中国、アフリカ豚コレラ、これもすごく心配されますので、とにかく水際で防ぐということが大事だと思いますので、まずは徹底した注意喚起をしていただきたいと思います。  本当に、口蹄疫のポスターが一枚貼ってあるだけで、鳥インフルエンザのこともこの豚コレラのことも全く周知するすべがないというのが今私が空港で見ている状況でありますので、ここをしっかり対応していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  57. 池田一樹

    ○政府参考人(池田一樹君) お答えいたします。  委員御指摘のように、日本の周りでは、アフリカ豚コレラであるとか口蹄疫であるとか、多くの重要な家畜伝染病が発生をしてございます。  農林水産省といたしましては、こういったものにつきまして水際対策の徹底が重要であるということから、家畜防疫員の増員といった体制を整えるとともに、多言語のウエブサイトの充実、あるいは、アフリカ豚コレラにつきましては、中国から日本に来る便の中で機内アナウンスをして、肉製品は持ち込んではいけませんというようなことをする、こういったできる限りのことを今やっておりまして、その中で侵入防止を今後ともしっかり図っていきたいと考えております。
  58. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 家禽やそれから家畜にこういったウイルスが感染して病気にかかれば、本当に経営への影響が大変に大きくて、経営が続けられないというような農家も出てくる可能性もありますので、この防疫体制の強化、更にしっかりやっていただきたいということをお願い申し上げたいと思います。  その防疫の体制づくりということなんですけれども、水際対策の強化として、この防疫体制に関しては、農林水産省の新規定員が認められておりますけれども、国際航空便、クルーズ船の増加など、邦人、外国人旅行客の急増への対応に必要な定員、人員配置が不十分だというふうに現場から聞いております。そのためにも、農林水産省、他省庁に比べて削減比率が非常に高い、この職員の定員削減は大変に大きな問題だというふうに考えております。  農林水産省の職員の高齢化も大変に深刻だということで、今、平均年齢五十代じゃないですか、恐らく、新しく入ってきた方々とのコミュニケーションとか、知識や技術を継承していくというのも大変に困難だというふうに聞いております。  それから、つくばの研究施設など独立行政法人の施設整備費補助金、これが毎年削減されておりまして、老朽化した施設の更新ができない、研究に必要な最新鋭の研究機材が購入できずに、古い機材を使用して出したデータへの信憑性が問題とされて論文も出せないなどという事態も発生しています。  これ、前齋藤大臣のときには、私も視察に行って、このつくばの研究施設、余りにも老朽化が激しいのでもう驚いたんですけれども、是非見に行って確認をしていただきたいということをお願いさせていただいたら、必ず行きますというふうにおっしゃっていただきました。本当に行かれたのかどうか分かりませんけれども、是非、吉川大臣も行っていただいて、御自分の目で確認していただいて、この施設整備費の削減、これを歯止めを掛けていただく、あるいは増額をしていただく、職員のこの削減も何とか止めていただきたいということをお願いしたいと思います。国際競争力の強化の観点からも、予算の増額など早急な対応が必要だと思っております。  また、農業も林業も水産業も政策が大きく変わりまして、規制も大きく緩和されたり撤廃されたりしています。政策の展開の窓口である農政局、支局などの地方出先機関の存続も危ぶまれ、結果として農林水産行政の着実な推進に大きな影響を及ぼしかねません。  これまでも田名部委員とかそれから藤田委員からも話がありましたけれども、私からも、大臣、農林水産省のトップとして、組織を守ること、それから、食料安全保障上も農林水産省の職員の定数をしっかり維持していくことは大事なことだと思いますので御尽力を願いたいと思いますが、改めて大臣の御答弁をお願い申し上げたいと思います。
  59. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) まず、徳永委員から御指摘をいただきましたつくばの研究施設、時間の許す限り私も訪ねてみたいと、こう思っております。  その上で、定員のことについてお尋ねがございましたので御答弁を申し上げたいと思いますけれども、委員御指摘のとおり、農林水産省における平成二十七年度から三十一年度までの定員合理化につきましては他府省より高い合理化率となっているのは、これはもう紛れもない事実でございます。  他方で、農林水産省といたしましては、農林水産業の成長産業化に向けた改革を進めるとともに、家畜防疫や動植物検疫、自然災害の増加を踏まえた防災・減災や災害復旧等、農林水産業を取り巻く諸課題の解決を図るために、毎年度所要の増員を行うなど必要な定員の確保にも努めてきているところではありまするけれども、今後とも、時折のこの政策課題に的確に対応しなければなりませんので、将来の業務運営に支障が生じないように必要な定員の確保に努めてまいりたいと存じます。
  60. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 定員の推移をまとめてもらったんですけれども、この十年間で五千人減っているんですね。平成十七年の資料から見ますと一万人近く減っているということでございますので、今大臣から御答弁がありますけれども、しっかりとこの定員の削減、歯止めを掛けていただけるようにお願いを申し上げたいと思います。  さて、それでは、日EU・EPA、それからTAG等について御質問させていただきたいと思いますけれども、今朝の衆議院の農林水産委員会で、我が党の山岡達丸委員から質問がありました。前回の委員会で私も質問させていただきましたけれども、米国はTPPに参加しないという判断はどのようにするかということでありまして、これも今日この山岡委員から質問がありました。  内閣府の長尾政務官からの御答弁でありますけれども、TPP11協定第六条につきましては、TPP12協定が効力を生じる見込みがない場合とございますが、これまでの答弁のとおり、米国の通商政策の状況を踏まえて判断することとしております、また、多くの方々が御懸念されているのはTPPワイド枠の扱いだと承知いたしております、そのため、米国の通商政策の結果、TPPの外で同じような関税割当て枠が発生し、現在の割当て枠が超えるようなことになるとの懸念が現実的なものになる可能性が高いと判断される場合にはTPP11協定第六条の要請を行うことになると考えておりますと、こういう答弁がありました。また、米国はTPPに戻らない、戻る可能性は大変に難しいというような御答弁もありました。  この御答弁でちょっと心配なのは、まずは、TPP、アメリカが戻るか戻らないかという部分に関しては、これまでもUSTRのライトハイザー通商代表は、米国がFTAを未締結のTPP参加五か国の中で日本がGDPの九五%を占めることから、日米のFTA、つまりTAG交渉が締結すればTPPは不要というふうに述べておられます。ですから、米国はTPP11、CPTPPに戻る可能性は大変に低いと思いますし、何度も申し上げておりますけれども、TAGは実質FTAでありますから、本当に米国が戻る可能性は低いということを改めて申し上げたいと思います。  それから、このTPPワイド枠の問題でありますけれども、恐らく、TAGでアメリカが、例えばチーズの七万トン、このチーズの部分を具体的に要求をしてきたと。この米国が要求してきた部分と、それからこのTPPのワイド枠の七万トン、これを合わせて七万トンを超えるようなことがあればTPPの参加十か国と再協議をするということなんだと思います。  内閣府に電話をさせていただいて確認をさせていただいたんですけれども、TPPとそれからTAGを合わせて最大で七万トンだという理解でいいんですかと言ったら、最大で七万トンだという理解でいいですというふうに言われたんですけれども、これは、ほかの国と交渉するわけですから、幾ら日本が言ったって七万トンが最大ですということにはならないと思うんですね。これ内閣府の説明ではありますけれども、これ、どのように担保できるんでしょうか、お答えください。
  61. 横山紳

    ○政府参考人(横山紳君) 今、TPP11協定第六条に関する御質問をいただきました。  米国との交渉はこれからということで、なかなかお答えすることは難しい部分がございますけれども、今ほど委員から御説明がありましたとおり、内閣官房からそのような答弁がなされているところでありまして、それに補足して我が方からその内閣官房の答弁に説明をするようなことは少し差し控えさせていただきたいというふうに思います。
  62. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 だって、衆議院の農林水産委員会でもう答弁しているんですから、何で説明できないんですか。
  63. 横山紳

    ○政府参考人(横山紳君) 重ねて恐縮でございますけれども、TPP11協定第六条、これにつきましては、まさにTPP12の発効の見込みがない場合に発動する、要請をするといったふうな規定でございます。  したがいまして、TPP12協定の発効の見込みがある場合、ない場合ですとか、あるいは米国の通商政策の動向、さらにはTPP11協定六条がそもそも設置された趣旨、これ、いずれにつきましてもTPP対策本部、内閣官房の方で主な担当として担当されてきたところでございます。したがいまして、我々からその内閣官房の答弁について何か御説明を改めてするというようなことは差し控えさせていただきたいと、このように考えております。
  64. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 米国の通商政策の結果、TPPの外で同じような関税割当てが発生し、現在の割当て枠は超えるようなことになるとの懸念が現実的なものになる可能性が高いと判断される場合には、TPP11協定第六条の要請を行うことになると考えていますということで、これ戻る戻らないは関係ないんですよね。確認させてください。
  65. 横山紳

    ○政府参考人(横山紳君) 大変恐縮でございますが、今ほどの答弁、内閣官房からそのような答弁がなされていることは承知しておりますので、まさに内閣官房にお尋ねいただきたいというふうに思います。
  66. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 まあこれ以上聞いても恐らく答弁いただけないんでしょうから、また機会があったら伺いたいと思いますけれども。  小川委員からもお話がありましたけれども、今日の日農新聞の記事になっておりました、米国の乳業団体、TPP超開放要求ということでありまして、TAG交渉入りに向けて、米通商代表部の意見募集に対して、全米牛乳生産者連盟、それから米国酪農輸出評議会、乳製品メーカーなどでつくる国際乳製品協会、こういったところが要請をしたということでありまして、TPP11それから日EU・EPA、両協定のそれぞれの関税区分の細目、タリフライン以上の成果を目指す姿勢を示し、より大きな関税割当て、輸入枠や関税削減期間の短縮を実現することができると、今後の交渉に期待を寄せたということが記事になっておりました。これ、相当厳しい要求をTAGでこういった団体がしてくるんだと思います。  そういう中で、早くこのTPP11の参加十か国と一緒にこの再協議をして、米国分、これ、それぞれの国に色が付いているわけではありませんから米国分がどのくらいになるか分かりませんけれども、協議をしておかないと、これTAGの要求が具体的になってくると、それは競争が激化するわけでありますから、ほかのTPPの参加十か国が再協議にすんなり応じるかどうかということを考えると大変に困難になってくると思うんですよ。  吉川大臣に伺いたいと思いますが、農林水産大臣の立場から、今こそTPPの参加国とこのアメリカ分を差し引く協議をしなければ、これ今後大変なことになると思いませんか。
  67. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) TPPに関連をして、対アメリカとの物品交渉というのは、間もなくというのか、来年一月から交渉が始まるというふうには聞いておりまするけれども、その交渉結果を私たちはしっかりと見守っていかなければなりませんし、その日米間で約束をされた、共同声明に盛られた首脳間同士の約束というのは私たちはしっかりと守るべきである、守らなければならない、そういうスタンスでこれからも臨んでいかなければならないと、農林水産省としてはそう思っておりますので、私もそういう気持ちで臨んでいきたいと、このように考えます。
  68. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 農林水産大臣の御発言とは思えません。  見守っているんじゃなくて、やっぱり厳しくしっかりと、日本の農林水産物を守るように、農林水産大臣としてやっぱり政府に対してしっかりとそこは意見をしていただかなければいけないというふうに思っております。是非ともお願いを申し上げたいと思います。
  69. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 農林水産大臣としては、交渉は内閣府が行っております。ですから、農林水産省としては、その交渉をしっかりと共同声明に盛られた方向性に向くように、これからも、見守るではなくて、しっかりとそういう方向に行くように我々も努力をしていきたいと思います。
  70. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 是非とも、TAGはFTAなんですから、二国間になれば、アメリカに強く要求されれば、今まで我が国はのんできたわけですよね。しかも、TPPが最大譲歩と言っていますけれども、TPPであればいいという話じゃなくて、かつては日豪EPAを超えない、TPPは駄目だという話だったわけで、今度TPPが承認されれば、そのTPPを超えなければいいと、決してそういうことではないので、しっかりとそこは農林水産大臣の立場で、TPPが最大でもこれは大きな問題だし、それからTAGで更に要求をされて譲歩するようなことになれば、本当に日本の農家の皆さんは農業を続けていけないということにもなりかねませんので、そこは、農林水産大臣はほかとは立場が違うんだということをしっかり自覚をしていただいて、交渉しているのは内閣府かもしれませんけれども、農林水産大臣として厳しく意見をしていただきたいと。  それから、このセーフガードの発動基準数量に関しても、それから低関税輸入枠、TPPのワイド枠に関しても、やはり今こそTPP参加国と再協議をし、アメリカ分をこれは差し引くべきではないかということも、大臣の立場として私はしっかり言っていただくべきだと思いますけれども、その点はいかがでしょうか。
  71. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) もちろん大臣としては頑張りますけれども、この交渉は政府一体となって取り組むこととなります。  農林水産省といたしましては、将来にわたって我が国の農林水産業の再生産が確保されるように、最大限の私は努力をしていかなければならないと存じています。
  72. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 是非ともお願いを申し上げたいと思います。  特に、これからチーズの話もしますけれども、北海道は加工原料乳の九割を生産しています。このチーズの問題は非常に深刻です。ですから、北海道から久々に誕生した農林水産大臣の立場からも、しっかり生産者が再生産可能になる状況を守っていけるように頑張っていただきたいということをお願いを申し上げたいと思います。  皆さんのお手元に資料を配らせていただきました。チーズの種類ごとの輸入実績ということであります。  これは、外交防衛委員会で我が党の大野委員から質問がありました。フレッシュチーズのところの、クリームチーズの乳脂肪四五%以上等、それからクリームチーズの乳脂肪四五%未満、ここの輸入額が書かれています。そして、その他のチーズのところで、それ以外、ハード系熟成チーズとソフト系熟成チーズと書かれています。これも輸入額が書かれています。  この区分別の輸入額について教えていただきたいということで資料を出していただきたいということをずっとお願いしてきたんですけれども、これがまだ出ていないんですね。これは、どうして区分別の輸入額あるいは輸入量、これを出すことができないんでしょうか。改めてお伺いいたします。
  73. 枝元真徹

    ○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。  この輸入額でございますけど、財務省の貿易統計におきましては、ハード系の熟成チーズとソフト系の熟成チーズについてはその他チーズの区分の中に入ってございます。また、クリームチーズについても、乳脂肪四五%以上のクリームチーズと四五%未満のクリームチーズについてはフレッシュチーズの区分の中に含まれてございまして、更なる金額の区分というのはございませんので、区分別の輸入額についての把握というのはできないということでございます。
  74. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 どうしてできないんですか。  区分別が分からなければ、どのくらいこれから輸入量が増えていって、そして金額的にも量的にもどういう影響があるかということの判断ができないんじゃないかと思うんですけれども、なぜできないんでしょうか。
  75. 枝元真徹

    政府参考人(枝元真徹君) できない理由は、財務省貿易統計において区分がされていないからということでございます。  もちろん、これらをハード系、あとソフト系、また乳脂肪分四五%で分けたということについては、それぞれのものが日本の国内においてどういうものと競合するのかというようなことを含めて、我々、交渉といいますか、してございますので、そういう意味からすると、その影響の度合いに応じて、例えばクリームチーズですと四五%で分けていると、そういうことでございます。
  76. 徳永エリ

    徳永エリ君 区分ができないということなのに、どうして措置が分かれているんでしょうか。  クリームチーズ乳脂肪四五%以上等は、現行二九・八%の関税を総枠数量内で段階的に十六年目に撤廃をすると、そして、乳脂肪四五%未満は、現行二九・八%の関税を段階的に十六年目に撤廃をすると。この措置が分かれているということは、やはり何らかのデータを基にこういった措置を分けたということになるんじゃないでしょうか、普通に考えれば。いかがですか。
  77. 枝元真徹

    政府参考人(枝元真徹君) 済みません、もう一回御説明いたします。  この額については、財務省貿易統計にございませんので分けることはできません。  ただ、まず、熟成チーズの中のハード系とソフト系の関係で申し上げますと、ハード系の熟成チーズは、主として原料用、加工用などに用いられます。そういうことから、十六年目の関税撤廃ということにしてございます。ただ、ソフト系の熟成チーズは、国内での生産、消費が増加傾向にございますので今後も需要の伸びが期待されるということから、関税撤廃ではなくて、より厳しい国境措置である関税割当てというふうにしてございます。  あと、クリームチーズにつきましては、乳脂肪含有率によって合意結果が異なってございますけれども、乳脂肪含有率の四五%未満、これについては国産のバターとかクリームとの競合度合いが低いので十六年目の関税撤廃ということにしてございます。乳脂肪率四五%以上は、国産のバターとかクリームとの競合度合いが高いということで、関税撤廃ではなく、より厳しい国境措置である関税割当てとしたところでございます。  その際、国内で生産される生乳の需給への影響という観点でいいますと、額というのは為替ですとか国際市場の状況で数値が大きく変動いたしますので、インパクトということでいいますと輸入の量ということになろうかというふうに思います。
  78. 徳永エリ

    徳永エリ君 枠内とはいいながらも、しかし、輸入量はかなり増えるわけでして、影響は否めないんだと思うんです。その他のチーズのそれ以外のハード系の熟成チーズとソフト系の熟成チーズ、ここが非常に伸びる可能性が大きいんだと思うんですね。  例えば、ハード系の熟成チーズですと、コンテとかミモレットとか、それからパルミジャーノとか、こういうのは、関税が、枠内といいながらも、撤廃されれば恐らく輸入量は今よりも増えるわけですし、それから、ソフト系の熟成チーズもですけれども、白カビ、青カビ、これもブリーとかゴルゴンゾーラとか、大変人気のあるチーズでありますから、ここも相当伸びるんじゃないかというふうに思うんですね。  枠内とはいいながら、最終的には三・一万トンということでありますので、ここの影響について、どのような影響があるのかということも具体的にしっかりと判断して対応していくためにも、やはりこの輸入実績、あと輸入額、この辺がしっかりと示される必要があると思いますけれども、改めていかがでしょうか。
  79. 枝元真徹

    ○政府参考人(枝元真徹君) もう一回、申し訳ございません。  輸入の額の方は貿易統計の区分がないので出せませんけれども、この前、外防委の方の大野先生からも同様の御議論がございまして、提出要求があったクリームチーズ、また熟成チーズのハード系、ソフト系、それぞれの輸入量ですね、輸入量とその内訳につきましては、日本の貿易統計及びEUの貿易統計を突合、精査することで、一定の時間をいただければ提出することはできるということで、日EUのEPAの発効までに提出するということで御回答申し上げているところでございます。今作業をしているところでございます。
  80. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 ということは、二月一日にも発効かと言われていますけれども、それまでに出していただけるということでよろしいんでしょうか。
  81. 枝元真徹

    ○政府参考人(枝元真徹君) あくまでも量の推計でございますけれども、それはそれまでに出すということでお約束をしてございます。
  82. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 しっかり出していただきたいと思います。  それから、日EUの農林水産物の貿易についてお伺いをしたいと思います。  EUからの農林水産物輸入額は一兆一千三十五億円、輸出額の四百二十三億円を大幅に上回る輸入超過状態にある。資料をお配りいたしました。やっとこの資料、日の目を見たんですけれども。  それで、EUの方は、例えば豚肉でありますけれども、五百六十億円から一千三百五十億円、輸出が増えるというふうに言っています。それから、チーズに関しては三百三十億円から八百七十億円、これも輸出が増えるというふうに試算しているわけであります。  我が国は今、EU向けの輸出額はEUからの輸入額の二十六分の一という状態の中で、どのようにしてこの貿易不均衡を是正していくのかということでありますけれども、EUとの間でどの品目を攻めていって、それがどのくらい輸出が増えると見込んでいるのか今全く分からないんですが、御説明をいただきたいと思います。
  83. 新井ゆたか

    ○政府参考人(新井ゆたか君) お答え申し上げます。  日EU・EPAによりましてEUへ輸出される日本の農林水産物・食品の関税は、輸出重点品目であります水産物、緑茶、牛肉などを含めて、ほとんどの品目で即時撤廃をされます。現在、EUへの輸出金額は四百五十二億円でございまして、今年の一月から十月期におきましても五・六%の伸びを示しているということでございます。  今お話をいたしました水産物、緑茶、牛肉につきましては、日EU発効に向けまして、現地へのPR、あるいはバイヤーの招聘等のいろいろな活動をするということを既に予定をしているところでございます。  これに加えまして、今後、牛乳や卵を原料とした菓子なども含めまして、EUへの戦略的な輸出拡大に努めてまいりたいというふうに考えております。
  84. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 努力するということでありますけれども、EUの方からは具体的にこれがこれだけ増えるんだということを試算して発表しているわけですよね。我が国もこれから努力をするということであっても、金額が全然違いますから。これ、攻める、輸出をどんどん増やしていくんだと、この不均衡のままでは絶対にいけないと思うんですよね。  特に、ここでこれからこれだけ伸びが期待できると、具体的なその目標、今提示できるものがあるんでしょうか。
  85. 新井ゆたか

    ○政府参考人(新井ゆたか君) お答え申し上げます。  今特にどれといった目標をなかなか提示することは困難だというふうに考えておりますけれども、今後、それぞれの品目ごとに更なる販路の拡大に努めまして、全体としての輸出量の拡大を目指してまいりたいというふうに思っております。
  86. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 ちょっと残念な感じがいたします。  それから、EUが輸入を認めていない日本産の豚肉やそれから鶏肉など畜産四品目、この解禁に向けて努力をしているというお話が大臣からもございました。どのような取組、努力をしておられるのか、また見通し、それから目標としている時期についてお伺いをしたいと思います。
  87. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 私がお答えをしたことですからまずは私が答えまして、数字的なことだとかそういうようなことはまた事務方からお答えさせていただきたいと、こう思っております。  今、徳永委員が御指摘のとおり、EUに関しましては、牛肉はもう既に輸出ができるようになっております。豚肉、鶏肉、さらに鶏卵、乳製品がまだ輸出が可能ではございません。  そのことにつきましては、私も大臣に就任する前から、党の立場ということもございましたけれども、EUに対しましては是非一日も早く、日EU・EPAが発効をするという形の中で一日も早く解禁をしてほしいという、そういう要請も行ってまいりました。今、第三国リストに載せていただく、そういった努力をいたしておりまするけれども、この第三国リストに載せていただくためにも、しっかりとまたこの話合いを継続して進めていかなければなりません。いつこの第三国リストに載せていただけるかということはまだはっきりしておりませんので、更に詰めの話をこれからしていきたいと、こう思っております。  乳製品も含めて、例えば鶏卵なんかは、生卵なんかはもうもちろん無理です。でも、卵を使った例えば日本のおいしいカステラとか、そういったことも全て輸出ができないという状況になっておりますので、そういったことも含めて一日も早く第三国リストに掲載をしていただいて、輸出ができるようにこれから取組をさせていただくということだろうと思います。  数字的なことがあれば事務方からお答えさせます。
  88. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 具体的に何をすれば解禁されるのかということを伺いたかったんです。一生懸命お願いすれば解禁してもらえるというものではありませんから、何をクリアしなければいけないのか。例えばアニマルウエルフェアの問題ですとか、いろんなことがあるんだと思うんですよ。そこを大臣にお伺いしたかったんです。
  89. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 第三国リストに載せていただくためには、日本のこの輸入をしようとする食品が安全であるという証明ももちろん必要なんですね。それは厚生労働省との連携の中でやっていかなければなりません。そういったことが、ほぼ安全であるということが確認をされてきております。その上で、この第三国リストに一日も早く載せていただくための今努力をしているということでありますから、更に努力をいたします。
  90. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 もう全然分かりません。その安全の確認、具体的にどのようにするかということも分かりませんし、私たちが伺いたいのは具体的なことなんですね。ちょっと時間がないので、また質問させていただきたいと思いますが。  今日、最後にお伺いしたいのは、日EU・EPA、我が国の関税収入の減少についてお伺いしたいと思います。  今、EUからの農産品の関税収入は六百五十億円あるんですね。それが日EU・EPAが発効されますと初年度で二百九十億円、最終年度では六百億円の関税収入の減少になります。それから、関税とは別に徴収される乳製品のマークアップ等は初年度で十三億円、そして最終年度では十四億円の減収というふうになります。  この関税収入は農林水産分野の様々な対策予算に今まで使われてきたんだと思います。この関税収入が減ることによって、TPP11もありますので、合わせると相当大きな関税収入が減ることになると思います。  この対策予算を関税収入が大きく削減される中でどのように確保していくのか、この点についてお伺いをしたいと思います。
  91. 水田正和

    ○政府参考人(水田正和君) お答えいたします。  TPP、それから日EU対策について取りまとめをいたしました総合的なTPP等関連政策大綱におきまして、農林水産分野の対策の財源につきましては、TPPが発効いたしまして関税削減プロセスが実施されていく中で将来的に麦のマークアップや牛肉の関税が減少することにも鑑み、既存の農林水産予算に支障を来さないよう政府全体で責任を持って毎年の予算編成過程で確保するものとするというふうにされているところでございまして、これに即しまして、TPP等関連対策を講ずるに当たりまして必要な財源が確保されるよう政府全体でしっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えております。
  92. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 それは私も、総合的なTPP等関連対策大綱の今後の対応というところで読ませていただいておりますので、存じ上げておりますけれども、全くこれ、安心できないんですよね。言うだけなら誰でもできるんです。  吉川大臣、いかがでしょうか。この関税収入が大きく削減される中で、しっかりとこの農林水産業の対策予算、これからも農家の皆さんが営農をしっかり継続していけるためには大事な予算になってくると思います、財源になってくると思います。これをどのようにしてこれからも守っていくのか、確保していくのか。時間になりましたので、大臣の覚悟をお伺いいたしまして、結びたいと思います。
  93. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 既存の農林水産予算に支障を来さないように、政府全体で責任を持って毎年の予算編成過程で確保をしていかなければならないと存じております。
  94. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 今日は、頑張ります、努力しますというお話をたくさんいただきましたけれども、ああ、安心できたというお話は全くいただけませんでした。  こういう状況でありますから、本当にTPP11が十二月の三十日に発効、そして日EU・EPAが二月の一日にも発効と言われておりますけれども、こういう中で、現場の皆さんが本当に将来に不安を抱いておられて、今回のその畜産物価格の決定に関しても、コストも上がっている、将来不安もある、そういう中で少しでも安心ができるような、そういった決定をしていただきたいということを強く申し上げまして、質問とさせていただきたいと思います。  ありがとうございました。
  95. 紙智子

    ○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。  今日は座ったままでの質問ということで、御配慮をいただきましたことに感謝を申し上げます。  それと、昨日、吉川農水大臣に対して、日本共産党国会議員団として酪農、畜産の対策について十項目申入れをさせていただき、その際に時間を取って対応していただいたことに感謝を申し上げたいと思います。  その上でなんですけれども、今日の委員会での議論を踏まえて、これ政策審議会で価格が決まっていくわけなんですけれども、今年のこの畜産価格について言えば、TPP11の発効ですね、そして日欧EPAと。それから、肉用子牛生産者補給金の新たな保証基準価格、加工原料乳生産者補給金の暫定措置が廃止されているわけですけれども、そのことと加えて、台風被害やあるいは豪雨災害や地震、とりわけ北海道はブラックアウトという全域停電ということの被害もあったわけでありまして、様々なそういった環境の変化ですとか困難な状況の中での価格決定ということになりますので、畜産関係者や国民の願いに本当に応えていくということが非常に重要だというように思います。  それで、まずこの肉用子牛生産者補給金制度についてなんですけれども、現行制度では、九一年の牛肉輸入自由化前七年間の販売価格などに基づいて保証基準価格を算定しています。  それで、TPPの国内対策の一環として、米国を除く十一か国による新協定が発効するのが十二月三十日と、この新制度に移行するということなんですけれども、今までとどう違うのかということを端的にお答えいただきたいと思います。
  96. 枝元真徹

    ○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。  関連政策大綱におきまして、TPP又は日EU・EPAの協定発効に合わせて保証基準価格を現在の経営の実情に即したものに見直すというふうに書いてございますけど、具体的に申し上げますと、十二月三十日のTPP11の発効の日に合わせまして新たな保証基準価格を設定するわけでございますが、その際に、現在、肉用子牛の生産者補給金制度、いわゆる十分の十の一階事業と言われている部分と肉用牛繁殖経営支援事業、補填率四分の三の二階事業と言われている部分を統合いたしまして肉用子牛生産者補給金制度に一本化する、すなわち補填率を全て十分の十にするというための保証基準価格を決めまして、それが期中改定という形で十二月三十日から適用されると、そういうことをやろうとしているところでございます。
  97. 紙智子

    ○紙智子君 三日に開かれた政策審議会の畜産部会で、どの規模層の生産費を取り上げるかが重要という意見ですとか、繁殖経営は構造的に中小規模が多いなど、小規模経営の生産費を考慮した保証基準価格の設定を求める声が相次いだというふうに聞いています。  新たな保証基準価格は生産者が再生産を確保できるようにすべきだというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
  98. 枝元真徹

    ○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。  保証基準価格につきましては、肉用子牛生産安定等特別措置法に基づく制度でございますけれども、肉用子牛の生産条件や需給事情等を考慮し、肉用子牛の再生産を確保することを旨として定めるというふうになってございますので、当然、再生産を確保するということが一つの目的でございます。  その見直しに当たっては、農林水産省内に専門家で設置されました検討会でいろいろ議論をいたしまして、先ほど先生から御指摘もあった、現行の輸入自由化前の七年間の農家販売価格に代えて過去七年間の生産費を基礎とすることが適当である、また、小規模な肉用子牛経営の実情を踏まえつつ、酪肉近で示している近代化を促進する方向に沿ったものとすることが適当である等の取りまとめが行われ、三日の審議会にも報告をいたしました。  今後、審議会畜産部会の意見も踏まえながら、子牛の再生産を確保する観点から、新たな保証基準価格を適切に設定してまいりたいと存じます。
  99. 紙智子

    ○紙智子君 新たな保証基準価格の算定に当たって、生産の合理化促進への配慮を求めているわけですけれども、酪肉近で示している方向で行うというふうに言っているわけです。  それで、規模拡大が要件になっているわけですけれども、この現状の十五頭前後を酪肉近でいう三十頭まで増やせばどうなるのかなというふうに思うんですね。それで、労働時間がそれによって負担がどうなるかとか、設備投資も増えていくと。つまり、労働強化になるんではないのかと思うわけです。  規模拡大しないと再生産が保障されない仕組みになれば、これ生産者のむしろ生産意欲というのは逆にそがれるということになるんじゃないかと思いますけれども、これは大臣、いかがでしょうか。
  100. 枝元真徹

    ○政府参考人(枝元真徹君) 先にもう一回御説明いたします。  法律上でも、酪肉近、合理化の方向にしていくということにはなっておりまして、それを酪肉近の目標である、今目標三十頭でございますけど、そこにするかどうかというのは、まさに審議会等の意見を聞いてこれからいろいろな御議論をいただき、適切に決めていくということでございます。  それで、今回、審議会もそうですし検討会もそうでございますけど、その法律上の合理化を進めていくということに併せまして小規模な経営にも配慮をしつつということを、検討会、また審議会でもそういう御意見が出ているということでございますので、そういうことを踏まえてこれから適切に決定してまいるということでございます。
  101. 紙智子

    ○紙智子君 三十頭まで増やす方向出ているんだけれども、機械的にそれでやるということではないということでよろしいんでしょうか。
  102. 枝元真徹

    ○政府参考人(枝元真徹君) おっしゃるとおりでございます。
  103. 紙智子

    ○紙智子君 JA全中も、この保証基準価格について、生産コストなどを踏まえて、やっぱり安心して経営発展に取り組める水準にするように要望されていると思うんですね。特に、中小規模の生産者が再生産できるというところが鍵なんだというふうに思うんですね。先ほど藤木議員からもそういう意味では小規模なんかも重視するという話もされていたと思うので、是非そのことを踏まえていただきたいと思います。  次に、加工原料乳生産者補給金の単価と集送乳調整金についてもお聞きしたいと思います。  条件不利地も含めて、収入経費に当たる集送乳調整金は、輸送料が高騰しているということで、全国の集送乳のコストの実態を踏まえて旧指定生産者団体が果たしている機能に見合うようにするべきじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
  104. 枝元真徹

    ○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。  集送乳調整金でございますけど、畜産経営安定法におきまして、指定事業者が集送乳に通常要する経費の額から効率的に集送乳が行われる場合の経費額を控除して得た額を基礎として定めるというふうにされてございます。  単価の算定に当たりましては、当該規定に基づきまして、指定事業者があまねく集送乳を行えるように、輸送経費や燃油価格等、集送乳に要するコストの直近の動向も踏まえて、食料・農業・農村政策審議会の意見を聞いて適切に決定してまいりたいと存じます。
  105. 紙智子

    ○紙智子君 輸送も含めてしっかり算定していくということだと思います。  それで、やっぱり加工原料乳の生産者補給金の暫定措置法が今年四月から廃止をされたわけです。北海道では、生乳の九割以上がホクレンを通じて乳業メーカーに販売されています。それから、生乳の八割がバターやチーズなどの加工品向けで来ているわけですけれども、補給金が酪農経営に重要な役割を果たしてきたというふうに思うんですね。  酪農家の所得を増やすと言って廃止したわけで、その後どうなっているのかということはちゃんとつかむ必要があるんだと思うんですよ。所得を増やすというふうに言っているわけですから、この補給金が生産者にとって再生産可能な水準になるというのが一番重要だと思うんですけれども、その辺はどうでしょう。
  106. 枝元真徹

    ○政府参考人(枝元真徹君) 四月にいろいろと御指導いただきまして法律が施行されまして、今年度から補給金と集送乳調整金という二つになりました。  また、補給金につきましても集送乳調整金につきましても、その法律の規定に基づいて、それこそ審議会の意見を聞いて適切に決定してまいりたいというふうに考えてございます。
  107. 紙智子

    ○紙智子君 畜酪クラスター事業などについてなんですけれども、規模拡大を前提とするけれども、農家からも使い勝手が悪いと。規模拡大だけでなく、小規模な家族経営を維持するための対策を打ってほしいという要望が出されてきました。規模拡大を前提とするということではなくて、実情を踏まえた支援とすべきではないかというふうに、これ、前から言っていますけれども、思います。  北海道別海町の三十代の御夫婦で、春に畜産クラスター事業を活用して、牛舎や設備を新設して規模拡大をしたと。きっかけは老朽化で、要するにおじいちゃんの時代から五十年近く使った牛舎が限界を迎えたと。深刻な人手不足で、夫婦二人で管理できるようにフリーストール牛舎を建てたと、そして搾乳ロボットを導入したと。投資額は相当これ膨大になったわけです。軌道に乗るまで不安は尽きないという中で、離農するか、それとも負債を抱えて投資するかということでの選択を迫られて、非常に悩むという農家が多いわけで、それに加えて今回ブラックアウトということで、それを引き金になって離農を決断するという人も出ているわけです。  家族経営でやっていけるように支援することが大事だというふうに思うんですけれども、これについては、ちょっと大臣、答えていただきたいと思います。
  108. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 畜産クラスター事業におきましては、この施設整備に関しましては、地域の平均飼養規模以上の経営体であれば、規模拡大せずとも、搾乳牛一頭当たりの年間の生乳出荷量を増加するなどの生産効率が向上する場合はこの支援対象となっております。機械導入に関しましても、飼養規模の大小にかかわらずに、規模の拡大を伴わなくとも、収益性の向上ですとか生産コストの削減につながる場合には支援対象となっているところでもございます。  中小規模であっても、このように意欲を持って取り組む家族経営に対しましては畜産クラスター事業の支援対象となることについて、これからもしっかりと周知をしてまいりたいと存じます。
  109. 紙智子

    ○紙智子君 地元のJA道東あさひにも行ったんですけれども、生乳生産を支えているのは中小規模の酪農家だと。生産意欲を高めて酪農を続けられるように、乳価の安定や恒常的で柔軟な支援対策が必要だというふうにおっしゃっておりました。是非、その方向で強めていただきたいと。  それからもう一つ、餌の状態についてもお聞きします。  北海道では今年の六月、七月、低温、長雨の影響で牧草の育ちが本当に悪かったということで、その牧草が餌となるのがこれからなんですよね、今までのところはあったんだけれども。質量共に非常に不安で、牧草の生育不良で乳量が下がるということも懸念されているわけなんですけれども、これ自給飼料型の酪農経営に対する支援を更に拡充すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
  110. 枝元真徹

    ○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。  先生御指摘いただきましたとおり、北海道では六月から七月にかけての長雨、またこれに伴う日照不足、さらに台風二十一号の襲来、これらによりまして自給飼料の生産全般について影響が生じております。具体的には、一番草の刈り遅れと二番草の生育不良、また飼料用トウモロコシの生育不良や倒伏、こういう被害が出ておりまして、収穫量の減少や品質の低下は避けられないんではないかというふうに考えてございます。  このため、酪農家の皆様からも生乳生産量の減少に対する懸念の声も聞かれておりますので、災害対策の中で、粗飼料確保緊急対策事業によりまして、サイレージの品質確保のための発酵促進資材ですとか、残念ながら不足する粗飼料の部分については購入に要する経費、これを助成しているところでございます。  なお、今般の被害によりまして、新たに収穫される三十一年産の牧草が給与可能となるのは三十一年の秋になります、それまでの間の粗飼料不足というのも懸念されるところでありまして、ここについては、今年刈った牧草の飼料の分析結果ですとか、今回の支援対策への申請の状況だとか、そういうのを踏まえてまた検討していきたいと、そういうふうに考えてございます。
  111. 紙智子

    ○紙智子君 是非心配のないように対策してほしいと思います。  それから、私も日欧EPAについて次にお聞きしたいと思います。  日本と欧州連合の経済連携協定、日欧EPAが可決をされました。私たちは外交防衛委員会との連合審査を求めていましたが、与党からは明確な回答がない状況の中で外交防衛委員会が可決をされたということで、大変残念に思っております。  酪農にとってこれからが大変な時代に入るというふうに思うんですね。今年は夏の冷夏、地震もありましたけれども、冬にかけてはTPP11が年内発効だと、来年になると日欧EPAが発効すると、これダブルパンチになると思うんですね。生産基盤の弱体化が言われている中で、やっぱり将来不安、懸念を払拭することが大事だと思うんです。  そこで、先日、参議院の外交防衛委員会で、我が党の井上哲士議員が影響試算についてお聞きしました。欧州委員会が公表した資料によると、協定発効後、加工食品の対日輸出は五一%で約一千三百億円拡大するんだと、特に強みのある乳製品は二一五%、約九百四十八億円増大すると。ところが、日本政府は最大で二百三億円生産減少があるというふうに言っていますから、これ差があるわけですね。四倍以上の開きがあるわけです。  それで、政府の答弁は、欧州委員会の試算というのはGTAPモデルだけれども、日本は品目ごとの積み上げ方針だと、国内対策の効果も入れて試算しているから、前提、根拠が違うという説明をされていると。この説明はTPP11のときと同じなんですよね。つまり、影響試算がカナダやニュージーランドと懸け離れているんじゃないかというふうに私も指摘しましたけれども、安倍総理は前提や試算の根拠が明らかでないためにコメントしないというふうに言ったわけですよ。  農林水産大臣にお聞きするんですけれども、将来不安を解消するためには、こんなことを繰り返し言っていても全然解消しないと思うんですね。欧州と同様の影響試算をやっぱり出すべきじゃありませんか。
  112. 光吉一

    政府参考人(光吉一君) 欧州委員会経済効果分析につきましては、先生から今お話ございましたけれども、本年の六月に報告書が公表されまして、GDPの押し上げ効果などを盛り込まれていると承知しております。その中では、関税の削減等によります経済全体への影響、あるいは貿易額などについて分析が行われていますが、一方、それぞれの品目の用途あるいは種類ごとの合意内容によります影響の違いといったものが明らかでなかったり、あるいは我が国が現に行っております国内対策の効果というものも考慮されていないという点など、農林水産省の試算とは異なる考えのものと承知をしております。  もとより、こういった試算につきましては、前提条件や分析方法によりまして様々な、当然でございますけれども、結果が出るところでございまして、貿易を行う国や地域がそれぞれの考え方や分析手法に基づき行うものであるというふうに認識しております。  農業者の皆様が不安を持たれず取り組んでいただくということがもちろん重要でございます。国内対策をしっかり講じていくとともに、農業者の方々に御理解を深めていただけるよう、今後とも、我が国の試算の考え方や内容も含めて、丁寧な説明に心掛けてまいりたいと思います。
  113. 紙智子

    紙智子君 だから、そんなことを繰り返していたら、全然不安はなくならないということですよ。そらせているでしょう、結局、回答を。そういう、やり方が違う、試算が違うから違っていても問題にしないという話なんだけれども、やっぱり日欧EPAは承認決定を急いだために審議が生煮えなんですよね。今からでも遅くはないので、是非、この前提、根拠が違うというふうに言ってそらさないで、酪農家に分かる情報を出していただきたいというふうに思います。  これ、今後始まる事実上の日米のFTA交渉でも言えることで、日本政府はFTAの定義はないというふうに言いながら、安倍総理は日本が結んできたFTAとは違うと勝手な解釈をしています。一方、アメリカはFTAだと、アメリカは言っているわけですよね。だって、ずっとアメリカはFTAを日本に求めてきているわけですから、そういうふうに思うわけですよ。昨年十月の日米経済対話の際に、アメリカがFTAを求めたい、求めていたと、そしてそれは外務省も認めていたわけですよ。そうすると、日本がFTAじゃないと幾ら言ってもアメリカはFTAが実現したと思っていると。  そういうごまかしで、これ交渉をスタートさせていいんですか。大臣、どうですか。
  114. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 日米共同声明におきまして、この農林水産品につきましては、過去の経済連携協定で約束した内容が最大限との日本の立場が明記されております。日米首脳間でこの点について文書で確認したということは非常に重たいものと私は認識をいたしております。  農林水産品につきまして、このTPPが最大限であるとの我が国の立場はもう明確でありまして、農林水産省としては、共同声明を大前提に、将来にわたって我が国の農林水産業の再生産が確保されるように最大限の努力をしていく考えでございます。
  115. 紙智子

    ○紙智子君 曖昧にしたまま交渉はやっぱりやるのは本当に良くないと思うし、本当に一番大きな影響を受ける畜産、酪農というふうに思います。  TPPにしても日欧EPAにしても、通商交渉は政府の一存で決めると、そして国会には審議は余りなくて採決だけ決めると、こんなやり方はもう是非やめていただきたいということを強く求めて、質問を終わります。
  116. 儀間光男

    ○儀間光男君 日本維新の会の儀間でございます。  昨日、議会が閉会になりまして、今年最後の、しかも閉会中の最初の委員会で最後の質問になります。そういうことで、少し沖縄に、地元に集中して少し質問させていただきたいと思います。  まずは沖縄の畜産の状況ですが、牛、豚がおって、ブロイラーがおって鶏卵がおって、それからそれに次ぐ、牛、豚に次ぐのがヤギがおるんですよ。沖縄でヒージャーと、こう言いますが、ヒージャー。このヤギが沖縄は特産ということで、また食文化にもヤギが占める割合がかなり大きいんです。  平成二十八年の沖縄の農業統計、農産物の統計を見ているというと、農産物全体でようやく一千億超えたんですね。二十一年ぶりに超えています。一千飛んで二十五億円と、二十一年ぶりに超えていて、その中に畜産が示す割合が四百四十億円で、実に四二・九%。ですから、沖縄といえばサトウキビであるとかパイナップルであるとか薬草類であるとかいろんなイメージあるんですけれども、一千億程度でそのうちの四二・数%は畜産が占めている。これを見るというと、パイは小さいんですが、沖縄県の中でやはり畜産の伸び率は近年すごいものがある、激しいものがあるというふうに捉えることができます。  牛も豚もそうでありますが、それにかてて加えて、さっき言ったヤギを、いわゆる畜産の大型の産業動物としてヤギを指定していって、そのヤギの国内外への販売を促進してヤギ農家の基盤を確立してやるということが非常に重要だと思いますけれど、そこで、吉川大臣、高鳥副大臣、高野大臣政務官、それぞれに一言ずつ、ヤギを食した経験ありますか。
  117. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 記憶ではヤギを食したことはございませんが、チーズはございます。
  118. 高鳥修一

    ○副大臣(高鳥修一君) 私、学生時代に沖縄の空手をやっておりまして、一か月沖縄にいたことがございます。そのとき食した経験はございます。
  119. 高野光二郎

    ○大臣政務官(高野光二郎君) 済みません、肉もミルクも固形物も食べたことありません。済みません。
  120. 儀間光男

    ○儀間光男君 こういう人が国内にいっぱいおるからヤギの可能性がいっぱい出てくるんですね。  そういうことで、ヤギといえば刺身もありますし、それからヤギ汁があるんですね。それから、血を混ぜたイリチャーというんですが、チャンポンみたいなのがあって、大体三つが主なヤギの料理のメニューになるんですが、これ近年、非常に生産もマーケットも良くなってきておって、二〇一七年の統計、あるいは二〇一二年から追ってみますというと、二〇一二年で八千三百八十頭余り、一三年で七千頭、一四年で八千頭余り、一五年で九千頭余り、それから、一六年九千頭余りで、今一七年で約一万六千二百頭ということで、年々高まってきているんですね。  ヤギは、ほぼ食肉として消費されるのは沖縄県が圧倒的に多い。鹿児島県奄美一帯でありますから、ほとんどもう奄美と沖縄でヤギの食習慣があって消費されているというところなんですが、最近、このヤギの輸入量がうんと増えたんですよ、ヤギの輸入がですね。  今までのヤギの輸入といえば沖縄がほぼ一〇〇%だったんですが、一九九五年から数字を追ってみますというと、ヤギの輸入が県外で、一九九五年で百七十二トン、沖縄県だけで百五十四トンということで八九%沖縄が占めていたんですが、二〇一六年を見ますというと、四百四トンが、県外で輸入されていて、百七トンが沖縄ということで、占める割合が二六ポイント、減ってきたんですね、輸入量が減ってきた。  それを更に見てみますというと、東京港に百四十八トン、尼崎西宮芦屋港に百三十七トンということで、これが四百四トンとなるというんですけれど、県外での消費は直接食卓にのって食するんではなしに、大体肉の加工用品に行っている。ですから、直接刺身や汁や、あるいはチーイリチャーなんというのは奄美、沖縄で一〇〇%を占めているんですが、この状況を見ると、国内輸入がこれだけあることから、恐らく、単価の件、数量、ロットの件、いろいろあると思うんですが、これ一つ取ってみても、ヤギの将来性というのはかなり可能性があると、力の入れよう一つじゃないかというような思いをしてならないんですが、ちょっと促進方についての方策をお示しいただければ有り難いと、こう思います。
  121. 高野光二郎

    ○大臣政務官(高野光二郎君) 儀間先生の御地元であります沖縄県では、もとぶピージャーや多良間ピンダ、これ方言ですね、多良間でヤギのことをピンダと言うらしいですが、自治体を挙げてブランド化を図っておりまして、推進を図っていただいていると御承知させていただいております。  先ほど儀間先生から詳しくお話がありましたが、ヤギは、平成二十九年現在で約五千戸の農家で約二万六千頭が飼養されておりまして、そのうち沖縄が四割を占めておると、圧倒的でございます。  そして、先ほど御質問にございました、ヤギの生産振興のため、農林水産省では、強い農業づくり交付金による飼養施設等の整備や家畜改良センターによる育種改良素材の提供を行い、さらに畜産技術協会によるヤギの乳量などを推計するソフトの提供など、ヤギの飼養頭数の増加、能力向上につながる支援を関係団体とともに推進しているところでありまして、より活用を促してまいりたいと思います。  現状におきましてはヤギの輸出には至っておりませんが、近年、オーストラリアがイスラム市場に向けたヤギ肉の輸出を拡大していることもありまして、儀間先生からも御指摘をいただきました、関係団体や沖縄県ともより連携を強化しながら、ヤギの生産振興を更に推進してまいりたいと考えております。
  122. 儀間光男

    ○儀間光男君 ありがとうございました。  御答弁にありましたように、ハラルフードとして、豚は全く使いませんが、向こうは羊を食していて、よく似ていて、ヤギならいけると、そういうハラルフードにも市場が展開できるというような可能性が出ているんですね。  だからこれは、今御答弁で促進したいという話がありましたけれど、恐らく県からもいろんなメニューで促進方あるいは支援方がいろいろ来ると思いますけれど、その節は是非ともこのヤギを大事にして、今政務官おっしゃったように、多良間ピンダと言ったけど、多良間ではピンダと言いますね、本部ではピージャー、全体ではヒージャー、覚えていって、是非ブランド化したいと思いますから覚えていただきたいと、こう思います。  そのブランド化に向けて今沖縄県でいろいろ施策を展開してやっておりますが、その中で見てみるというと、飼養頭数、ここも近年伸びてきているんですよ。沖縄が圧倒的に多かったのが、今は、沖縄の示す割合は全体の三六%、北海道が六%、鹿児島で五%、長野四%、熊本三%、この飼養頭数も全国に広がりを見せてきております。  ただ、全国の沖縄県以外の都道府県でのヤギの消費はどういう形になっているか、それはまだよく分かりませんけれど、飼養頭数がかなり伸びてきているということからも見ても、国内的にもかなり有望なものであるということが二重三重に裏付けられるんですね。沖縄の県内でのヤギ肉の枝肉の消費量は五十トンとほぼ横ばいですが、全国に伸ばす可能性が出てきたと。  今、これも政務官おっしゃっていましたけど、今の輸入先は一〇〇%オーストラリアから入っておりますから、これに対する品質や、あるいは値段や、あるいは、日EU・EPAがありますから、向こうはまだ豚肉は行きませんけれど、このヤギ辺りの、沖縄のブランドとしてGI商品に、物品に、物産に入れていくというようなこと等も併せて考えていただきたいんですが、どうなんでしょう、その可能性としてはあるんでしょうかね。どなたでもいいですから。
  123. 新井ゆたか

    ○政府参考人(新井ゆたか君) GI登録の可能性についてお話をさせていただきたいと思います。  GIの登録に当たりましては、申請産品が地域に密着し品質を確立した特性を有していることとおおむね二十五年以上の歴史があるということ、それから申請産品の名称から産地や特性が特定できること、それから生産者団体が産品の生産行程をきちんと管理していることということが要件になっております。  沖縄県の今お話がありましたヤギにつきましては、普通名称ということですので、ヤギということでは登録は難しいかというふうに思いますけれども、高い品質を有する産品を保護するGI制度の言う趣旨にかなうものでございますので、登録の可能性は十分あるというふうに考えております。
  124. 儀間光男

    ○儀間光男君 是非教えてほしいんですが、ヤギとして難しいというんだったら、何としてやるんでしょうね。
  125. 新井ゆたか

    ○政府参考人(新井ゆたか君) 例えばでございますけれども、琉球ヤギでありますとか何とかヤギという、その地域の名称と一緒に登録していただければ可能性は十分あるということでございます。
  126. 儀間光男

    ○儀間光男君 意味が分かりました。  だから、さっき言ったようにヒージャーですよ、琉球ヒージャーですね。  それで、是非心に留めておいて、恐らく、県、今準備して皆さんのところへ行くはずですから、今日は、県が皆さんの玄関に入りやすいように掃き掃除のつもりで聞いていますから、是非ともお願いをしたいと、こう思います。  続いて、アグー行ってみましょう、アグー。  アグーもこの頃、相当ブランド化されてきておりまして、このアグーという豚は全国で沖縄単独個体です。ですから、アグーという豚は鹿児島以北にいません。奄美にいる可能性はありますね。ということで、原種ですから、これもブランド化して、今はEU、無理なようですけれど、豚肉は、何とかこれもブランド化して持っていかなきゃならないというふうに思うんです。生産が非常にいいんですよ。牛も豚もヤギも飼養頭数がぐっと上がってきたんですね。この豚は、これは在来種ですから、ブランド名もすごく作りやすいというようなことで十分に対応していけますから、どうぞひとつ、政府においても、これもできたらGIを目指すんですが、GIにはまだまだ届かないで、大臣の話を聞いたら努力をしているそうですが、どういう努力がされていて、可能性がどう生み出すかはよく分かりませんけれど、是非ともこれができますようにお願いをしたいと、こう思います。  これ、歴史的にも面白いのがありまして、ちょっと紹介しますけれど、薩摩藩に小松帯刀という若手の家老がおったんですね。これが廃藩置県直前に、徳川最後の将軍である慶喜将軍が江戸の薩摩藩へ訪問のときに黒豚を料理として出して、慶喜さん、これ食べて実に美味であると、おいしいと、この豚をずうっと食べさせてくれということでわがままな要求があって、京都屋敷も、薩摩藩、自分の屋敷の置いてあったのも全部慶喜さんに持っていかれて、更にそれを要求されて応えた小松帯刀さんの手紙が大久保利通に送った手紙があるんです。  江戸のかの人、実にわがままであると、薩摩藩貯蔵の黒豚を全部平らげて、なおかつよこせ、よこせと言っている、産地の琉球を手配中であるから、届けるまで待つように、かの人に伝えてくれ。手紙が出てきたんですよ。鹿児島の黒豚、鹿児島におったかなと、おらなかったんですね。そういう意味で、非常に希少価値のある沖縄の、特徴あるというかな、原種ですから、これ沖縄が原種を持つというのは、日本が原種を持つことですからね。  そういうことで、是非ともそのアグーについても、国内、県内あるいは県外、まあGIができるようになるとGIにも是非とも登録させていただきますよ。それができるような基盤整備あるいは環境整備を是非政府でやっていただきたいと思いますけれど、大臣、何かいい話してくれませんか。
  127. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 是非私ども農林水産省に儀間委員、地元からも御相談をしていただきたいと思います。御要望にお応えできるように、しっかり御相談にも乗っていきたいと思います。
  128. 儀間光男

    ○儀間光男君 近々のうちに入ると思いますから、そんなのよく分からぬと蹴飛ばすんじゃなしに入れていただいて、それが沖縄の畜産振興、さっき言ったように、ようやく一千億超えた程度、そんな程度なんですよ。それでなりわいを立てようというんですから、やはり皆さんのお手伝い要りますので、お願い申し上げて、少し時間余しますが、終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  129. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 私も、まず最初に、本日の農業新聞の一面に掲載された日米FTAの問題について質問をさせていただきたいと思います。  先ほどいろいろ質問がありましたけれども、国際乳製品協会、IDFAは、国家貿易の仕組み、農畜産業振興機構で生乳等を、乳製品の輸入についてここで扱うということ等について、非常に複雑であって、このやり方をやめるべきであるということまで要望しているというふうに報じられております。  先ほど来、大臣は、しっかりやっていくという意気込みは示されましたけれども、でも、この間見ておりますと、いわゆる米国からの年次改革要望書に沿って、ほぼこの国会で規制緩和、市場開放、我が国の富を海外に持っていかせる、もう全ての仕組みがほぼ整ったのではないかと思われる様々な法案がろくな審議もないまま強行に推し進められましたので、本日報じられましたIDFAの要望についても、これは相当米国は交渉の中で厳しく要求してくるのではないかというふうに思われます。  大臣、もう少ししっかりとした答弁をいただきたい。複雑だと言われようが何と言われようが、この仕組みを変えるつもりは農水省としてはないのだというような明確な御答弁をいただきたいと思いますが、いかがですか。
  130. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 私どもといたしましては、この日米交渉に当たりましては、もう何度も申し上げておりまするけれども、交渉は政府一体となって取り組むこととなりますけれども、農林水産省といたしましては、将来にわたって我が国の農林水産省も再生産が確保されるように最大限の努力をしていかなければならないと存じております。
  131. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 私は、特にEU、対EUの貿易に関して非常に大きな懸念を持っております。先ほども質問出ましたが、豚肉の例を取ってみますと、先般の委員会でも御指摘申し上げましたけれども、EUの食品安全基準、食品安全管理、この食品安全政策というのは世界一厳しいというふうに言われておりまして、米国等からは、これは形を変えた保護主義であるというような批判も出ている。でも、当然のことだと思うんですよ。  今、先ほど、どのレベルにあるのか、豚肉についてですね、という話がありましたけれども、何と何をあと具体的にクリアすれば日本からの輸出が可能になるんですか。EUです。
  132. 池田一樹

    ○政府参考人(池田一樹君) お答えいたします。  EUに輸出をいたしますためには、まずEU向けに畜産物を輸出できる国のリストに日本が掲載されることが必要であります。その後、HACCPなどEUの求める衛生管理基準に対応した施設が登録されると、このことにより当該施設からの輸出が可能となるということになります。  この一連のステップですが、まず、EUが求めるいろいろな質問票に回答をいたします。これは、法令だとか組織だとか動物の病気の発生状況等々に回答する。これは終わっております。さらに、残留物質のモニタリング計画の承認あるいはEUによる現地調査の実施と、こういったことを経て今これが終わっておりまして、EU加盟国間での協議、これを今待っている段階にございます。
  133. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 この間も指摘しましたが、ステータス評価、現地調査、あれは非常に厳しいんですよ。だから、簡単にこの日欧EPAで、EUからの輸入も増えるけれども、攻める農業、もうかる農業って、何かEU諸国に対して日本の農産品、物すごく劇的に増えるというような幻想を、もちろん希望はいいんですよ、希望は、夢を与えていただくのは。非常に厳しいということを是非認識をしていただきたい、そしてそれに対する対応を是非お願いをしたいと思います。  それで、この間も少し申し上げたんですけれども、農業所得における直接支払の割合、あるいは農業所得における補助金、政府からの補助金の割合と言ってもいいでしょうか、先般大臣からは、日本の場合は、農業所得における直接支払の額は四五、対するEUは六〇という御答弁があったところでございます。  今回のEUの主要国の中でありますフランスに関して言いますと、特に今回皆さんが心配されている酪農ですよね、酪農関係でいいますと、日本が、これは鈴木宣弘先生の記事でございますけれども、酪農に関して言いますと、日本は三一・三、品目別の農業所得に占める補助金比率の日仏比較、日本は三一・三に対してフランスは、かつての九二・三よりは若干低くなりましたけれども、七六・四なんですね、七六・四。  私も、この間もエピソードを申し上げましたけれども、かつてドイツ、フランス、イギリス、オランダ、四か国、全国農業会議所の主催、構造改善事業の予算を使って行ったヨーロッパ農業事情調査団という、女性だけで行ったんですけど、そこでお邪魔をしたところでは、やはり一〇〇%、国によって違いますから、一〇〇%以上補助金であると。多面的機能支払、様々なものを含めて、だからこそやっていけるということを農家の方たちから直接伺ったところでございます。  この間いろいろ政策は変わりましたけれども、少なくとも農業をしっかり保護していく、そうしなければ農業は維持できない、それから食料自給率一〇〇%以上を達成できない、基本的に私は、EU諸国はそういう政策を取ってきているというふうに思います。  今回、TPP11の発効、そして日欧EPAの発効、さらには今年起きた様々な災害、また今後も起きるであろう災害、特に北海道の場合は酪農家の皆さんはブラックアウトによって大変な被害を受けた。だから、今までと違う姿勢で、違う政策で、もっと、大丈夫だよと、安心して酪農を続けてください、農業を続けてください、そういう強いメッセージ、あるいは大きな、ある意味では市場を開放するわけですから、国境措置なくして随分低くなってくるわけですから、そういう意味ではもっともっと、これまでの中途半端な所得補償、直接支払、補助金ではなくて、大丈夫ですよということで、その政策転換について今こそしっかりと検討をし、そういう方向性を出さないと、ただでさえ、いろんな環境の変化があって営農を続ける、酪農を続ける、そういうのが厳しい状況の中で、ますます食料自給率、あるいは地域を守っていく、そういうところに影響が出てくるわけですから、是非、この際大きな政策転換、今度こそ、規制改革推進会議とか国家戦略特区ワーキンググループとかで話し合って決めないで、農水省でしっかり議論をして、こういう状況の中で本当に安心して農業を続けられる、そういう政策を是非来年の通常国会までに農水省の中で検討していただきたいというふうに思うんですけれども、大臣、いかがですか。
  134. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 安心して農業、林業、水産業を営むための様々な施策、政策というのは常に必要であろうかと考えておりますので、農林水産省といたしましても、多くの皆さんから御意見をいただいて、しっかりとした政策を打ち立てていきたいと思います。
  135. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 いや、済みませんけれども、それ、今の質問をしなくても、それ今当たり前の、農水省として、別に質問しなくても当たり前の話を今大臣おっしゃっただけであって、何の意味もないというか、大変失礼なんですけれども、そうじゃないでしょう。だって、TPP11、日米FTAですよ、ごまかそうが、日米FTAで厳しい要求が出されている。恐らくこれに完全に打ち勝つということはなかなか難しいでしょう。  そして、日EU・EPA、相次ぐ大災害、もう不安で、皆さん不安でしようがないんですよ。しかも、農協改革と言いながら、現場の人たちからは農協解体と言われるような法律を通し、主要農作物種子法も廃止され、もう農業をやめろと言わんばかりの政策のオンパレードで本当に不安に思っている。  そうじゃないと。ここまで自由化するわけですから、日本の農業を守る、これ以上食料自給率を低くさせない、いや、もっと食料自給率一〇〇%にまで高めていくんだ、そういうように皆さんが、農業者が安心できる、それならと安心できる政策、今までの補助金の在り方も含めてもう一回見直して、しっかりと直接農業者に届く、そういう、直接支払、割合を高くするとか、補助金の農業所得における比率を高めるでありますとか、今回のこの大波と言ったらいいのかしら、荒波に、皆さんから耐えてもらえる、しっかりとこれからも生産をやっていっていただける、そういう政策に大転換するということを是非御検討いただきたいと思うんですけれども、もう少し実のある答弁をお願いできませんか。
  136. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 私たちは、通商交渉、様々なことはもちろんあります。さらに、今御指摘もいただきましたように、震災関係あるいは災害等々で大変御苦労をお掛けをしている、御苦労なさっている部分というものもあります。  ですが、様々な政策、施策を展開をしながら、しっかりと農業におきましても再生産が可能なような、そういった施策というものをまた新年度からもしっかり打ち出していきたいと考えます。
  137. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 それで、日EU間の農林水産物の貿易について、先ほど徳永エリ先生が資料を配られました。  この資料では、日本からの輸出、一とすると、EUから入ってくる、EUからの輸入額は二十六になっておりますけど、この間の私の質問に対する答弁では、昨年は一対二十九。つまり、EUから日本に輸入されるものは約三十倍あるという御答弁があったと思うんですけれども、急にやっぱり増えているわけですけど、その要因というのはどういったものと分析されていますか。(発言する者あり)
  138. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  139. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) 速記を起こしてください。
  140. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 大変申し訳ございません、時間を要しております。  二十九対一ということはもう前にもお答えをしたとおりでございますので、なぜそうなってきたかということを後ほどまたお答えさせていただきたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。
  141. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 済みません。徳永エリ先生の資料は二〇一六年なんですよ。で、二〇一七年の数字なんですよね、一対二十九というのは。この僅かな期間にこんなに伸びている。日欧EPA発効するんでしょう。なぜこれだけ急激に増えたのか、それどういう理由なのか、本当に日本の農業に影響ないのかどうか。細かく私通告はしておりませんでしたけれども、これ、今日、畜産物価格の話ですよ、すぐ答えられないなんておかしくないですか。答えられない方がおかしいですよ。それで本当に影響試算しているとよく言えますね。  とにかくきちんと調べていただいて御回答をいただきたいと思いますし、今のやり取り見ていただいても──ああ、できているんですか、できているんですね。分析はできているんですね。こんなに急に増えたその分析ができていないと、日EU・EPA発効した途端にもうもっと一気に向こうからの、先生方心配していらっしゃったように、対日輸出が一挙に増えて、もう非常に、特に酪農の影響大きいと、私はそう思います。  そのことを申し上げまして、それで、もうとにかく、これ農林水産委員会で審議しても、法定化されたこの間の漁業法ですけれども、水政審で議論がないし、議題にも入っていないと、漁業法の改正が。だから、全然関係ない国家戦略特区や規制改革会議で議論をして、そしてその議事録を出す出さないであれだけもめて、今日、御参考までに私の先週の木曜日のもめたところを、未定稿ですけれども、資料として提出をさせていただきました。私も、まあ委員長は違うとおっしゃるんですけど、私は自分自身の質問権を侵害された、これ議事録にはそうとしか書いていないでしょう。  ということで、このようなことがないように、そして議事録はしっかり出していただく、影響がないという無責任な試算ではなく、今のような質問にもすぐ答えられるようにしっかりと検討していただくようにお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。
  142. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。  田名部君から発言を求められておりますので、これを許します。田名部匡代君。
  143. 田名部匡代

    ○田名部匡代君 私は、自由民主党・国民の声、公明党、立憲民主党・民友会、国民民主党・新緑風会、日本共産党、日本維新の会及び希望の会(自由・社民)の各派共同提案による畜産物価格等に関する決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     畜産物価格等に関する決議(案)   我が国畜産・酪農経営は、飼養戸数が減少する一方、一戸当たり飼養頭羽数は増加を続けているものの、担い手の高齢化、後継者不足は深刻さを増しており、特に経営継続の危機にさらされている中小・家族経営を強力に支援する必要があるとともに、より多くの若手が就農を目指す魅力ある労働環境づくりが課題となっている。また、環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)、経済上の連携に関する日本国と欧州連合との間の協定(日EU経済連携協定)の発効が目前に迫る中、将来への懸念と不安を抱く生産者も多い。   よって政府は、こうした情勢を踏まえ、平成三十一年度の畜産物価格及び関連対策の決定に当たり、次の事項の実現に万全を期すべきである。  一 地域農業・地域社会を支える家族経営や法人経営といった多様な畜産・酪農の生産基盤の維持・拡大を図るため、組織的な生産体制の整備、畜産物の付加価値の向上、良質かつ低廉な飼料等の供給等の取組を通じて、魅力ある持続可能な経営が実現できるよう、十分な所得を確保し得る実効性のある施策を実施すること。  二 日米物品貿易協定に関しては、適宜適切に国民に情報を開示すること。    また、CPTPP、日EU経済連携協定による我が国農林水産業への定量的影響評価については、他の参加国における試算例や各県の試算例も参考として、より精緻なものとなるよう、見直しに努めること。  三 各般の経営安定・安定供給のための備えを通じて、関税削減等に対する生産者の懸念と不安を払拭し、確実な経営安定を図るとともに、国産チーズ等の競争力強化等の体質強化対策を着実に実施することを通じて、収益力・生産基盤を強化し、我が国の高品質な畜産物の新市場開拓を推し進め、畜産・酪農の競争力の強化を図ること。その際、実施した対策の効果を検証し、適宜必要な見直しを行うこと。また、これらの施策等により、食料自給率の向上を図ること。  四 加工原料乳生産者補給金・集送乳調整金の単価及び総交付対象数量については、中小・家族経営が中心の酪農家の意欲が喚起されるよう、再生産の確保を図ることを旨として適切に決定すること。    また、改正畜安法の下、酪農経営の安定と需給状況に応じた乳製品の安定供給の確保が図られるよう、需給変動等に備え、万全な需給安定対策の在り方についての酪農業界全体での検討を、国は十分に支援すること。  五 肉用子牛生産者補給金制度における保証基準価格の算定方式については、中小・家族経営を中心とする現在の経営の実情に即したものとし、繁殖農家の経営努力が報われ、営農意欲が喚起されるよう、再生産の確保を図ることを旨として適切に見直すこと。  六 酪農家や肉用牛農家の労働負担軽減・省力化に資するロボット・AI・IoT等の先端技術の導入等を強力に支援するとともに、酪農ヘルパーの人材確保・育成、利用拡大に対して支援を行うこと。  七 畜産・酪農の収益力・生産基盤・競争力を強化するため、畜産農家を始めとする関係者が連携する畜産クラスター等について、中小・家族経営にも配慮しつつ、地域の実情に合わせた地域が一体となって行う、外部支援組織の活用、優良な乳用後継牛の確保、和牛主体の肉用子牛の生産拡大、畜産環境対策等の多様な展開を強力に支援すること。加えて、肉用牛・乳用牛・豚の改良等を推進する取組や、肉用牛の繁殖肥育一貫経営や地域内一貫生産を推進する取組を支援すること。さらに、生産基盤の脆弱化が特に懸念される中小・家族酪農経営については、需要に応じた生乳生産が確保されるよう地域性を踏まえた生産基盤の強化措置等を講ずること。  八 国産飼料の一層の増産と着実な利用の拡大を図り、飼料自給率を向上させるため、草地改良や飼料作物の優良品種利用の取組、ICT等の活用による飼料生産組織等の作業の効率化、放牧、国産濃厚飼料、未利用資源を利用する取組、有機畜産物生産の普及の取組を支援すること。さらに、良好な飼料生産基盤を実現させるため、大型機械体系に対応した草地整備、泥炭地帯における草地の排水不良の改善等を推進するとともに、酪農経営における環境負荷軽減の取組を支援すること。    また、配合飼料価格安定制度については、畜産・酪農経営の安定に資するよう、同制度に係る補填財源の確保及び長期借入金の計画的な返済を促すことにより、制度の安定的な運営を図ること。  九 国産畜産物の輸出に当たっては、オールジャパンでの戦略的で一貫性のあるプロモーションの企画・実行等による海外需要の創出等に取り組むとともに、輸出拡大に対応できるように国産畜産物の供給力の強化を進めること。また、日本版畜産GAPについては、その取組や認証拡大を加速度的に進展させるため、普及・推進体制の強化の取組等を支援すること。特に、原発事故に伴って導入された諸外国における日本産農林水産物・食品の輸入規制等の緩和・撤廃を図るため、政府間交渉に必要な情報・科学データの収集・分析等を十分に行い、輸出先国への働きかけ・交渉を強力に推進すること。  十 原発事故に伴う放射性物質に汚染された稲わら、牧草及び牛ふん堆肥等の処理を強力に推進するとともに、永年生牧草地の除染対策、原発事故に係る風評被害対策に徹底して取り組むこと。  十一 畜産振興、畜産物の安定供給と輸出促進を図るため、高病原性鳥インフルエンザや口蹄疫、豚コレラ等の家畜の伝染性疾病等の発生予防・まん延防止対策を徹底し、農場の飼養衛生管理指導、診断体制の強化、野生動物の監視等の取組を支援すること。また、地域の家畜衛生を支える産業動物獣医師の育成・確保を図るとともに、家畜の伝染性疾病等に係る風評被害防止等の観点から、国民に対して正確な情報を迅速に伝えること。  十二 多発する自然災害による畜産・酪農の被害への対応に万全を期すこと。特に、北海道胆振東部地震による停電の影響により被害を受けた乳牛に対する乳房炎の治療・予防管理や非常用電源の確保等について強力に支援すること。また、乳業メーカーに対して、自家発電施設の導入など、停電等の非常時への対応を強化するよう指導すること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞよろしくお願いいたします。
  144. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) ただいまの田名部君提出の決議案の採決を行います。  本決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  145. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) 全会一致と認めます。よって、本決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、吉川農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。吉川農林水産大臣。
  146. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) ただいまの御決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。
  147. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) 本日はこれにて散会いたします。    午後四時十一分散会