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2018-12-06 第197回国会 参議院 農林水産委員会 6号 公式Web版

  1. 平成三十年十二月六日(木曜日)    午前十時一分開会     ─────────────    委員の異動  十二月五日     辞任         補欠選任      礒崎 陽輔君     青山 繁晴君      進藤金日子君     岡田 直樹君  十二月六日     辞任         補欠選任      青山 繁晴君     礒崎 陽輔君      岡田 直樹君     進藤金日子君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         堂故  茂君     理 事                 上月 良祐君                 藤木 眞也君                 田名部匡代君                 紙  智子君     委 員                 青山 繁晴君                 礒崎 陽輔君                 岩井 茂樹君                 進藤金日子君                 高野光二郎君                 野村 哲郎君                 平野 達男君                 山田 俊男君                佐々木さやか君                 里見 隆治君                 小川 勝也君                 鉢呂 吉雄君                 徳永 エリ君                 藤田 幸久君                 儀間 光男君                 森 ゆうこ君    国務大臣        農林水産大臣   吉川 貴盛君    副大臣        農林水産副大臣  高鳥 修一君        国土交通副大臣  大塚 高司君        防衛副大臣    原田 憲治君    大臣政務官        法務大臣政務官  門山 宏哲君        農林水産大臣政        務官       高野光二郎君    事務局側        常任委員会専門        員        大川 昭隆君    政府参考人        農林水産省経営        局長       大澤  誠君        水産庁長官    長谷 成人君    参考人        全国漁業協同組        合連合会代表理        事会長      岸   宏君        公選 宮城海区        漁業調整委員   赤間 廣志君        香川海区漁業調        整委員会会長   濱本 俊策君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○漁業法等の一部を改正する等の法律案(内閣提  出、衆議院送付) ○政府参考人の出席要求に関する件     ─────────────
  2. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日、進藤金日子君及び礒崎陽輔君が委員を辞任され、その補欠として岡田直樹君及び青山繁晴君が選任されました。  また、本日、岡田直樹君が委員を辞任され、その補欠として進藤金日子君が選任されました。     ─────────────
  3. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) 漁業法等の一部を改正する等の法律案を議題といたします。  本日は、参考人として全国漁業協同組合連合会代表理事会長岸宏君、公選 宮城海区漁業調整委員赤間廣志君及び香川海区漁業調整委員会会長濱本俊策君に御出席いただいております。  この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。  本日は、御多忙のところ本委員会に御出席いただき、誠にありがとうございます。  ただいま議題となっております法律案につきまして、それぞれのお立場から忌憚のない御意見を賜りたいと存じますので、よろしくお願いいたします。  本日の議事の進め方について御説明いたします。  まず、岸参考人、赤間参考人、濱本参考人の順序でお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、各委員の質疑にお答え願いたいと存じます。  なお、意見の陳述、質疑及び答弁のいずれも着席のままで結構でございますが、御発言の際は、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、よろしくお願いいたします。  それでは、岸参考人からお願いいたします。岸参考人
  4. 岸宏

    参考人(岸宏君) おはようございます。全漁連の会長の岸でございます。  先生方におかれましては、日頃から我が国の水産業の振興につきまして特段のお力添えをいただいておりますことに、改めてお礼を申し上げる次第であります。また、今日はこのような発言の機会を賜ったわけであります。感謝をいたしております。  私は島根県の小さな漁村の……
  5. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) お座りになっていただいて。
  6. 岸宏

    参考人(岸宏君) いえ、立った方がいいです。  漁師の家に生まれ育ちまして、幼少は戦後間もない漁村の復興期でありました。昭和四十五年から漁協系統運動に参画をいたしまして以来、今日まで半世紀携わってきたわけであります。まさに戦後の疲弊した漁村の復興期から今日まで長年にわたって、それぞれの浜で、その時々の先人が、浜の民主化と再興のために日夜を問わず血のにじむような努力を積み重ねてまいった姿を、私自身この目で見てまいりました。  また、平成二十五年に全漁連の会長に就任したわけでありますが、その当時、TPP問題、さらには燃油高騰対策、東北大震災からの復興、あるいは福島原発の問題、さらには漁業あるいは漁村の再生の問題、まさに私は、この現状は戦後の混乱期にも匹敵する激動の時代であると、浜の将来展望をしっかり自ら挑戦の気概を持って切り開いていこうということで浜の皆さん方にも呼びかけて今日までまいりました。今日はこのような立場からお話をさせていただきたいと思っております。  御案内のとおり、我が国漁業は、昭和五十五年以降、二百海里体制の定着によりまして、海外漁場からの撤退やまたイワシの資源の急激な減少、これによりまして、遠洋・沖合漁業を中心に六百万トン以上の減産となり、生産金額も三兆円から一兆四千億円まで減少するなど、三十年以上にわたって縮小を続けてきたところであります。  しかしながら、近年、魚価の上昇などによりまして、平成二十五年から生産金額は増加に転じております。約二千億円増加するなど明るい兆しも出ているのが現状でございます。一方、安定的に推移してまいりました沿岸漁業の生産量は、資源問題のみならず、漁業者の減少と高齢化の進行、生産力の低下などから、減少傾向にもあります。  一方、このような状況になって、今般、水産政策の改革に当たって、私どもは、この機会をしっかり捉え、現状を点検しながら、漁業者自らの課題として改革に取り組み、漁業再生の良い機会にしたいということを基本に対応してまいったところでございます。  漁業は、土地を基盤とする農業と異なり、所有権のない海を生業の場といたしております。また、台風等の自然災害や海水温の上昇等の環境変化、生態系の変動など、自然条件に大きく左右される産業でもあります。これが特徴であります。  漁業の国民の皆さんに対する使命は、大きく分けて、一つは、たんぱく食料の安定供給、二つは、やはり国境監視機能を始めとする多面的機能の発揮であります。現在、我が国の周辺は三万五千キロございますが、この沿岸には五・六キロごとに六千三百の漁村が存在し、また、百四十メートルに一隻の密度で二十五万三千隻の漁船を有しているわけでございます。これは、漁業、漁村特有の広大な海のネットワークでありまして、他の産業に類を見ない特徴でもあります。  このような漁業、漁村の勢力が我が国水域で操業し、日々の生業、生活を営むことによって、島国日本の安全のための国境監視の役割を始め、環境、生態系保全など、様々な多面的機能の役割を果たしてまいりました。我が国の姿そのものを形作ってきたと言っても過言ではないと思っております。  こうした漁業の特徴や役割の中での私どものこれまでの取組や今後の方向性について、三点ほどお話をいたします。  大きな取組の一つは、平成二十六年からJFグループを挙げて取り組んできた漁業者の所得向上戦略である浜の活力再生プランがあります。これは、漁業者が自らの進むべき道しるべを、それぞれの地域の特性を生かし、水産庁、地元行政とも連携し、地域で相談し、漁業者が自ら策定、実践する浜の再生計画であります。  これまで全国の漁村地域を網羅する六百六十二の地域でプランが策定、実践され、五年目を迎えておりますが、全国七割の地域で当初掲げた所得の向上目標を達成するなど、成果が出てきております。私の実感として、漁業者の意識が変わった、浜が良くなってきた、若い担い手も帰ってきている、漁業経営もだんだん良くなってきた、勝ち組もかなり出てきている、これが率直な感じであります。  今後は、人づくりを最重要課題に、浜プランの成果を更に高めていくため、昨年五月、農林漁業と商工業の連携を通じた地方創生の推進に関する協定書を締結した異業種との連携も推進しながら、担い手の世代交代を促進し、やる気のある漁業者を支えていくことが私ども漁協、JFグループの役割と認識をいたしております。今後、現在の浜プランを更に進化させ、次のステップへと向かうべく取り組んでまいります。  次に、漁場の管理についてであります。  委員の先生方御承知のとおり、沿岸域は、共同漁業権漁業、定置網漁業、養殖漁業、許可漁業等、多種多様な漁業が同時にかつ複層的に営まれております。この状況の中で漁場を円滑かつ高度に利用していくためには、複雑な利害調整が不可欠であります。このため、これまで漁業者が組織する漁協が免許を受け、自ら漁業者同士の話合いをベースにして調整、管理を行ってまいりました。実は、これは大変な苦労を伴うわけでもあります。誰にでもできることではありません。自ら営む者同士が決める、これが漁場の利用調整の基本であり、今後とも、我々漁業者は漁業権制度に基づいて役割を果たしていきたいと考えております。  次に、資源の管理についてであります。  これも先生方御承知のように、沿岸漁業では、限定された海域の中で様々な漁法で実に多種多様な魚種を魚の来遊状況に応じて漁獲をするわけであります。こうした特徴から、地域ごとに様々な管理手法が長い歴史の中で考案され、それを漁業者の共同管理、自主管理という形で実践をしてまいりました。私どもは、今後も共同管理、自主管理を基本としつつ、数量管理等新たな管理手法の導入を含めて資源や漁場の状況を点検、改善し、資源管理を実施していくことが必要であると考えております。  次に、水産政策改革についての対応であります。  私どもは、浜プラン取組、そしてこれまで先人が培ってきた漁場・資源管理の取組を基本として、漁協、漁業者が中心となって与えられた使命を果たしていくことを基本に考えてまいりました。こうした中で、今年の六月、農林水産業活力創造プランにおいて改革の具体的方向性が示されたわけであります。私どもでは、六月以降、数度にわたって全国説明会やあるいは各地での説明会を開催し、示された内容につきまして、各浜から様々な疑問や不安点を含め多くの意見、要望を聞いてまいりました。こうした浜の意見、要望を踏まえながら鋭意対応を進め、水産庁もこれを受け止め、浜の不安の声は相当程度払拭、解消し、また論点も絞られてまいり、最終的な詰めの協議を行ってきたところでもあります。  今般の水産政策の改革につきましては、私はこれまで一貫して、漁業者が本当に理解し、納得できる改革でなければ成果は上がらない、このことを強く主張してまいりました。なぜならばであります、改革を実践するのは漁業者であるからであります。浜の理解を得るために最も重要なことは、漁業者、漁協がこれまで果たしてきた調整機能や多面的機能についての評価や位置付けをしっかりと打ち出すことであり、かつ必要な論点は次の五点であります。  一つは、適切な取組が行われている漁協に免許されている漁業権は引き続き当該漁協に優先して免許されること。二つは、新たな漁業権に当たっては、地元漁業者、漁協等の意見をよく聞き、漁業調整に支障を及ぼさないと認める場合に設定すること。三つ目は、数量管理やIQの沿岸漁業への導入は、来遊する多種多様な資源を漁獲対象としている沿岸漁業の特性を踏まえ、十分な準備が整うまで行わないこと。四つ目は、沖合・沿岸・遠洋漁業の大型化については、国の責任の下で地元沿岸漁業者、漁協との調整を行い、沖合と沿岸との紛争が生じないようにすること。五つ目は、水協法改正に当たっては、漁協と農協が実態上も制度上も大きく異なることを十分に踏まえ、また信漁連等への公認会計士監査の導入等に当たっては、実質的な負担増とならないよう措置することであります。  このような重要課題、論点につきまして、水産庁や内部で議論を行ってまいりました。  その結果、一つは、漁業法第一条の目的において、漁業者の秩序ある生産活動がその使命の実現に不可欠であることに鑑みと記述され、漁業者を主体とした調整機構等、その役割がしっかりと位置付けられ、法案レベルでは漁業者を主体とした管理が継続される方向となったこと。二つ目には、第百七十四条に、漁業及び漁村の国境監視を始めとする多面的機能への配慮が盛り込まれたこと。三つ目には、各重点課題への対応がそれぞれ問題がないように条文に位置付けられ、運用面についても漁業者が安心できるような内容の回答を得ていること。四つ目には、我々漁業者の長年の懸案であった組織的密漁への罰則が新設、強化されたこと。このような対応が示されたわけであります。この経過を踏まえ、十月末に、私どもJFグループとしては受入れの判断を行ったところであります。  しかしながら、あくまで法案は骨格部分でありまして、漁業権や資源管理、またそれ以外も含めて、今後の運用の考え方は政省令に委ねられている部分が多くあります。今後の政省令の検討に当たっても、国におかれましては、漁業者、そして私どもJFグループと十分な協議を行い、改革の実践者である漁業者が理解し実践できるものとしていただきたいと考えております。あわせて、法律の内容や政省令を含む運用の考え方を現場の漁業者レベルまで丁寧に説明をしていただきたいと考えております。  また、今回、国が漁業の成長産業化のため水産政策の改革を打ち出すからには、漁業に明るい将来展望が開けるよう、革新的な、従来の発想にとらわれない政策とそれを裏付ける予算についてしっかりと実現していただきたいと思っております。何とぞ、先生方の御理解と御支援をお願いを申し上げる次第であります。  終わりに、我々JFグループといたしましても、漁業再生への大きな転換期が今であると認識しており、今回の改革が浜の明るい将来を切り開いていくものとなるよう、自らの課題として組織を挙げて取り組んでいく決意を申し上げ、私からの意見とさせていただきます。  ありがとうございました。
  7. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) ありがとうございました。  次に、赤間参考人にお願いいたします。赤間参考人
  8. 赤間廣志

    参考人(赤間廣志君) 私も立ってお話しします。  今日は、参考人として意見を述べる時間をいただき、ありがとうございます。また、東日本大震災、巨大津波による沿岸漁業の復興には、国会議員皆様の理解と協力に、この場をお借りし、心より厚く御礼を申し上げます。  私は、昭和四十三年に宮城県水産高等学校水産増殖科を卒業し、漁業後継者として父親が営んでいましたノリ養殖に従事し、ノリシーズンが終わるとカレイの刺し網漁やアナゴ漁に取り組むなど、なりわいとして一年の生計を立てて、これまで五十年間にわたり漁業に従事してきました。  平成二十三年の東日本大震災では、ワカメ養殖施設が前年のチリ津波に続けて全て流失し、加えて所有する漁船三隻も流失しました。この五十年間、十勝沖地震津波など、大小幾度の津波にも遭遇してきました。三陸の漁業者にとって津波は宿命であり、何度も大変な思いをしてきましたが、自然現象である以上、津波にも畏敬の念を抱き、漁業を営んできました。  今、宮城、福島の沿岸には暖流が接岸し、小型沖合底引き船はカレイ、ヒラメ類の水揚げが振るわず、漁業者は嘆いております。また、岩手、宮城は三陸ワカメの主産地でありますが、宮城では暖流の影響でワカメの種苗が良くなく、今期のワカメ養殖に重大な支障を来している状況であります。  お手元に資料を配付しましたが、十一月二十三日付け地元紙河北新報の社説を引用し、紹介します。  有史以来、何度も津波の被害に遭いながら、それでも三陸の漁民は海の近くに家を構え続けてきた。高台移転、職住分離を基本とする東日本大震災の復興に強く難色を示したのも漁民たちだった。一たび海から離れれば、代々受け継いできた漁業権を失ってしまうというのがその理由だ。磯は地付き、沖は入会というルールが浜には今でも息づいていると記されています。  このように、漁村、すなわち漁業集落では、今でも漁に行く前あるいは漁から戻っての浜会議という非公式ながらもコミュニケーションの場があり、何か対立するような問題があっても、その解決のために相互理解を深める民主的な手法が根付いています。浜の合意の下で選ばれた海区漁業調整委員もおります。このように、古来より漁業の約束事が定められてきました。決してお上から押し付けられた規則ではなかったことは、明治時代に制定された漁業法ですら認めてきたことでございます。  そこで、私の漁業に対する考えは別途申し上げますが、我が国の国民に対する食料供給システムとして漁協、農協は絶対必要であるというのが私の考えです。また、これから述べる内容に漁業者及び漁業従事者という言葉が多々出てきますが、この漁業者及び漁業従事者というのは、遠洋から沿岸まで全ての漁業生産に関わる人々であることをまず申し上げておきます。  ここで、私の五十年にわたる漁業に携わった知見と公選の海区漁業調整委員として、現行漁業法の目的第一条にうたわれている漁業者及び漁業従事者を主体とする漁業調整機構と漁業の民主化を図るについて意見を述べます。  資料に、今回時間がないものですから、私が投稿しました河北新報の中に海区漁業調整委員のことも書かれています。それを読めば分かると思いますが、海区漁業調整委員会とは、知事からの諮問に対し答申する機関であり、禁漁区の設定など資源管理や、漁業者からのアキザケ刺し網漁業や各種漁業の届出に対して許可証発行の可否を審議する機関であります。また、知事が漁場計画を作成する際には、公聴会を開いて漁業者から意見を聴取し、漁場計画をチェックし、知事に対して意見を具申する役割を果たします。また、漁民のための海の議会とも呼ばれています。  東日本大震災後、岩手県知事は漁協とともになりわいの再生を掲げましたが、宮城県知事は創造的復興を掲げて復興特区法による水産特区を提案し、漁業法より特区法を優先し、企業への漁業権認可の先鞭を着けました。これについては宮城海区漁業調整委員会でも議論となり、紛糾したことは皆様御承知のとおりであり、海区漁業調整委員会で抗議のために辞表を提出し、辞任した委員もおりました。  特区法に基づいて認可され、五年経過し、合同会社の財務内容は芳しくなく、他産地流用や解禁日破りなどのフライングもありました。これについても、私の挙げた小論が皆様の手元にあると思います、御参照ください。  それで、合同会社の財務内容は芳しくなく、いろいろフライングもありました。今年の三月に宮城県より提出された水産特区の検証報告は、それらのフライングがあったにもかかわらず明記されておりません。それで、この検証報告を見ますと、不都合な真実、いわゆる先ほども言いましたように、解禁日破りあるいは他産地流用、これを含めて全くこの宮城県が出した検証内容には記載されておりません。これも私の小論文が皆様の手元に、特区についてはあると思いますから、御参照ください。  それで、水産特区は現状では成功とは言えない中で、あしき水産特区の今述べたような事例があるのにもかかわらず、漁協の優先を外し、企業と同列視しているのは理解できないと言わざるを得ません。  水産特区の議論の中で思ったことは、知事の権限の大きさであります。今度の漁業法の改定では、今にも増して知事の権限は大きくなります。公選制を廃して、企業への開放に知事が積極的な場合、海区漁業調整委員会、全て知事任命になることにより、恣意的な選任が行われることが懸念されます。そうなれば、水産特区と同じ混乱が生じるのではないでしょうか。これは、我々、七年前に十分に感じております。  現行法では、海区漁業調整委員会の有権者は、第一条にうたわれている漁業者であり、漁業従事者です。漁業者は漁業経営者のことですが、雇われている漁師や後継者も漁業従事者も有権者に含まれているということです。このように、漁業制度を定めるのに、海と共に生きている者全ての民意を拾うことができるようになっています。つまり、漁業の民主化を図ることを目的とする現行漁業法は、日々行われている漁民間の紛争調整を貴いものとして大事にしてきたと私は理解しています。  新たな漁業法では、公選制がなくなるだけでなく、海区漁業調整委員会の機能が大幅に改廃され、新たに漁業権免許を取得しようとする者の適格性の審査の機能も失われております。さきの六年前の特区においては適格性異議ありと申した、十五名の委員のうち過半数が異議ありでした。しかしながら、大事なものは三分の二条項という壁があって、それによって適格性は認めたということで、残念ながら我々の意思は通りませんでした。  漁村の民主化を阻害するものを排除するとする項目は、今回の法律ではかけらもなくなっています。このように、新たな漁業法の下での海区漁業調整委員会は、恐らく有名無実と化すのではないか。これまで達成してきた現場の民主的利用もかなり劣化します。したがって、漁業の民主化の実現に見た現行漁業法一条を大幅に書き換え、海区漁業調整委員会の公選制をなくすことは強く反対申し上げます。  次に、水産政策の改革に連なる漁業法改定の説明不足について御指摘申し上げたいと思います。  水産庁より六月一日に発表され、水産政策の改革案の説明会が六月二十二日に仙台で開催されました。改革案には非常に関心があり、私も出席し、説明を聞きました。たしか私の質問に対応したのは水産庁の矢花参事官であり、公選制を廃止することは現行漁業法第一条と矛盾するのではないかという私の質問に対し、現行法の第一条は変えないと六月二十二日は明確に申しました。確認のために、矢花参事官と廣野課長に、返事はないということで、私、この確認のためにメールを送りました。もし彼らと違っていれば、当然返信が来ると思っていましたが、来ませんでした。  今日、この改定案には、現行法の第一条はばっさりと削除、改廃されてしまいました。今回の改定は漁業法の一部改正とはいうものの、現行漁業法第一条の削除により多くの条文に影響し、一部改定どころか多くの条文が改変、削除され、全く新たな漁業法の制定であるとも言えます。私も資料を見ましたが、電話帳一冊を上回るほどの厚さです。これは、第一条を変えなければ、たとえ変えたとしても、そんな厚さの理解できないような案ではないと思うんですよね。そこで、なぜ第一条を削除したのか。これは私は非常に憤りと疑問を感じます。  七十年ぶりの新たな漁業法の制定とも言えるのに、地方公聴会も開催されません。たしか農協法の場合は、ここに山田先生もおりますけど、公聴会やりましたね。本来なら、一年ぐらい掛けて多くの漁業者及び漁業従事者に対して説明し、広く意見を求めるべきではないかと思います。ましてや、漁業関係者以外の多くの国民に対しても同じく説明して、多くの国民からも意見を求めるべきであります。食に関わる法律なら、なおさらに国民の理解は必要であると私は思います。水産庁が本気で説明会をするならば、長官通達で都道府県を通じ漁連から漁協へと、そして浦々まで漁業者へと説明が伝わるはずであります。  昨日の朝日新聞の記事を見て、宮城県漁協のある支所の運営委員長が、何ら説明会がいまだ県漁協からアプローチもないということを、ゆうべ、私どもの方に電話いただきました。また、全漁連も経営のトップであり、末端単一漁協への説明努力を漁業者の一人として強く要望するものでありますが、にわか作りの法案を六か月の急ごしらえの普請では、全漁連さんも水産庁さんも説明する時間があるわけではない。今年九月に漁業権免許更新が行われ、今年ですよ、次回の更新までには五年間もあります。そんなに改定したければ、一年掛けてヒアリングやきめ細かな公聴会を開いて法案を作れば、少しはまともな法案になるのではないでしょうか。  七十年前に漁業法の制定と水協法が制定され、全国津々浦々に漁協が設立されました。私の父は、太平洋戦争で近衛師団から南方戦線に転出し、昭和二十一年春に復員しました。父は、漁村の次三男であり、応召前は北洋漁業に従事しており、漁業に対しての強い意欲を持っておりました。漁協ができ、組合に参加した当時の喜びを幾度となく聞かされました。あの当時の喜びと同じような、全国の漁業者に喜びが沸き上がるような漁業法の改定を願っています。  結びに、先人の英知がなし得た理念に満ちた現行漁業法を朗読します。  第一条、「この法律は、漁業生産に関する基本的制度を定め、漁業者及び漁業従事者を主体とする漁業調整機構の運用によつて水面を総合的に利用し、もつて漁業生産力を発展させ、あわせて漁業の民主化を図ることを目的とする。」。  私たち多くの漁業者にとっての第一条は、金科玉条であり、不磨大典どころか七十年間、磨きに磨いてきた法律ではないでしょうか。もっともっと述べたいことはありますが、時間の関係上、これをもって終わります。  御清聴、誠にありがとうございました。
  9. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) ありがとうございました。  次に、濱本参考人にお願いいたします。濱本参考人
  10. 濱本俊策

    ○参考人(濱本俊策君) 香川海区漁業調整委員会の濱本でございます。  本日、この委員会におきまして、漁業者に代わりまして意見を述べさせていただくことにつきまして、厚くお礼を申し上げます。  前のお二人が立ってお話しされたので、一番年の若い私が座るわけにいきませんので、ついでに立たせていただきます。  お手元に本日用の資料をお配りされておるようでございます。一応、字数が六千五百字ということで、通常より一・五倍ぐらいになっていますので、十五分だったら四千五百字ぐらいのようですから、ちょっと飛ばしながらお話しすることになると思いますが、御容赦願います。  私は、水産庁による漁業者への説明会の模様、それから海区漁業調整委員会の公選制の廃止、漁業免許の優先順位の法定制の廃止、この三つにつきまして、香川県の状況も踏まえながら、新法反対の立場でお話をさせていただきます。  まず一番目ですが、水産庁による漁業者への説明会の模様でございます。  水産庁は、六月の二十一日の東京を皮切りに全国六地区、それから全漁連は七月八日から三地区で説明会を開催しております。当初は、やはり水産庁も詰めができていなかったのか、漁業者への説明、これも非常に不十分でした。質問にも答えられない。そういうことで、漁業者の不安が非常に増しております。  それから、漁業者が知らないと今あちこちで言っておりますが、知らないというのは、地元の漁連が主催して説明会を開催していないわけです。開催をしていない。それから、分からないという人は、聞いたけれども、水産庁は読み上げるだけで中身が分からない。だから、知らないというのと中身が分からないというのはこれ違うんですね。圧倒的に知らない人が多いんです。これは、全漁連が早い段階でこの法案賛成というふうに言っていましたので、特に全漁連の理事をやっている漁連の会長のその県は、ほとんど説明会やっていません。特に東日本が多いです。そういうことで、こういう現状で来ております。  私も、県漁連の要請で、養殖組合主催の七月の十八日と県漁連主催の八月二十一日、十月十九日の計三回、香川県での説明会に出席しました。初めの二回は、八十ページぐらいの資料を水産庁が出しまして、そのうちの九ページの、御覧になられたと思いますが、改革の骨子という紙ですね、それの一部を使って三十分ほど読んだだけですね、水産庁の課長級が来ていましたけれども。それを聞いた途端に、何を言ったのか分からぬという声があちこちで会場から出ました。百人近くおりましたけれども。それはそうですよ、読んだだけで、初めて見たら。大体、会議に行かないとその資料が当たらない、それから、行ってもその資料を読むだけで分からない。それは当たり前です。それが説明会なんですよ。私に言わせれば、これは単なる報告会、読み合わせ会ですね。  その後、三回目、十月の十九日、このとき百十五人前後出ていました。これ漁連の六階でやったんですが、さすがに水産庁の資料も充実はしておりました。説明も詳しくはなっておりましたけれども、一部法案が出ておりましたが、これもやはり要回収ですね。皆さん見られたかもしれません、判こが押してあるんです。私はちゃんとのけておりましたけれども、それも一部ですから。  そういう中で、十月の十九日の段階でも法案は出てこなかった。私の手元にも当然なかったです。最終的に、その月の終わりにはこれはこの委員会で承認をされておりますけれども。この場でも、全組合長、それから海区の委員、出ていましたけれども、結局その場で水産改革反対、そういう決議がなされる始末です。何をしに来たのか分からないですね、水産庁も。  結局、それはそれで、九月の二十一日に、香川県漁連は会長名で全漁連会長と水産庁長官宛てに要望書を提出しております。さらに、県漁連の嶋野会長、議会に陳情しまして、十月の十二日に県議会が全会一致で五項目の要望を採択しました。これを直ちに衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、農林水産大臣、水産庁長官、内閣官房長官宛てに提出をしております。この意見書本文は、香川県のホームページ、今でも公開しております、次のページに付けておりますけれども。  それから、最近の話ですが、香川県の坂出市議会も十二月議会の開会日冒頭で意見書を採択しました。それから丸亀市、宇多津町、多度津町も予定しております。これ、全部足すと人口三十万前後あります。そういう中で、漁業者の意見、漁業者が考えておることはやはりおかしいと言う方が、自民党を含めてこの議会で出ておるわけですね。それで意見書が提出されるわけです。  水産庁の長官と全漁連の会長宛てには、全国海区漁業調整委員会連合会、これは全漁調連といいますが、それから全海水、それから香川漁連ほか、ほかの漁連さんがどの程度出ているかはよく知りませんけれども。いずれにしても、法案を見れば、ゼロ回答だろうというふうに思います。  私自身もほかに、全漁調連の会とか、もう四、五回水産庁から聞いていますけれども、結局、十一月六日の閣議決定の後に、二日後ぐらいです、法案そのもの全文、新旧対照表を含めて七センチぐらいありましたね、それを見るまで分からなかったことが結構あります。要は、最後の最後まで隠したということです。  そういうことで、それだけでなくて、都道府県の水産部局に対しても水産庁は今年の六月と九月に法案の骨子を説明しただけです。全文公開して一か月たちますけれども、いまだに都道府県集めて説明会していない。ひょっとしてこの法案が通らないと思っておるなら、それはそれでいいんですけれども、まあ、そうではないでしょう。要は、隠し通したい。  香川県でこれだけ意見書が出ているのは、説明会を何度もやったからです。聞くたびにおかしいという声が増えたからですね。それが意見書になっておるわけです。ほかの府県でやっていなかったらこれおかしさは分かりませんから、そのおかしさが分からないままでこれを通したい。都道府県まで集めていないんです。都道府県はこれからどうなるか。結局、漁業者の不満を受ける受皿になる。水産庁は逃げて、おらぬと。そういう状況が間違いなく来ます。  十月の二十四日開催の自民党の水産部会・水産総合調査会の合同会議で水産庁が配付した資料には、八月末までに説明会を五十五回やった、延べ四千二百人が参加した、したがって法案に対する懸念は相当程度払拭されたものと考えると。これ文書で書いています。見られた方おられると思う。相当程度というと、かなりですよ。そんなばかなことありますか。人数で見てもおかしいでしょう。  それから、一昨日ですか、長官の答弁、全国九百五十五漁協のうち七十七漁協が出ておったということだけです。そのうちの三十五は香川ですから。だから、全国の九百五十五全部分かった途端に、これはもう普通では収まりません、間違いなく。まあ私の責任ではありませんから別に構わぬのですけれども。とにかくそういうことはもう目に見えています。  次のページに意見書を出しております。  この中に、「記」の下です。一番は、特定区画漁業権を継続すること。それから、個別漁業者は勝手に養殖しない、要するにガイドラインを守れと。それから、瀬戸内海では、漁獲努力量、要するに入口規制をやはり継続させよと。それと、四番目は海区の公選制。それと、人的負担を強いるなと。  香川のその意見書には全て、優先順位の廃止と海区委員の公選制の廃止を、この二つをやめてくれと、そういうことが必ず入っています。この二つがやはり一番大きな問題です。私もそういうふうに捉えています。  そういうことで、その二つについて、二枚目、三枚目でお話をします。ちょっと時間がオーバーしそうなので、かいつまんでやらせていただきますけれども。  とにかく、この三枚目の、紙の下の方に書いておりますけれども、水産庁の考えは、現在の委員を、オリンピックが終わった途端に期限来るんですけれども、その次の三月まで延ばすというふうなことを法案に書いていました。これは最後まで言わなかったですけれども、私も見てびっくりしたんですけど。  これ、御承知のように、漁協は大半が三月決算、それから六月総会です。そのときに大体組合長、理事が決まります、三年ごとですけれども。それがあった後で八月に選挙するようにしておるわけですね。そうすると手戻りがないわけです。これを役所のように三月にやったら、六月で組合長替わったら、またこれ替えないかぬことになります。組合長レベルの人が出てこないと地元調整はやはり無理です。そういうことでルールができておるのに、勝手にこういうことをしている。これ何のためにしておるのか、これも説明がないので分かりませんけれども。  要は、海区の公選制やめると、選ばれた委員さんが帰ってから、その委員会で決まったこととかそれから地元のトラブルとかを仕事としてやってくれるわけですね、やっぱり何千人から選ばれていますから。これが知事の選任で選ばれて、どうなりますか。本当に悪い言い方ですけど、お茶を飲んで帰る人が増えますよ。私は公選制ですけれども、公選の六人と、それから漁業者委員の九人の発言から出席回数、ずっとこれ六年間見ていますけれども、やはり格段の差があります。これが、やはり選挙による、選ばれた漁業者の自負です。それがなくなるとなると、それは知事さんをあがめて仕事をする人がおるかもしれませんけど、それはごく一部になると思います。  公選制は、たとえ選挙がなくても、公選制を前提として選ばれた、そういうことが大事なんですね、地元での調整には。だから、これは確実にのけてはいけないと。水産庁の理屈は、単に総務省が言っていることの同じことを言っておるだけです。それを何の弁護もしていない。要は、言われるとおりだという、そういうことでやっておるだけです。  それから、免許の優先順位についてですけど、四ページ目ですね。  今回のこの中で、三つ目のポツです、適切かつ有効、これをいまだに優先順位と同じだと言うとる人がおりますけど、これは全く違います。優先順位は法律の中に入っておるんです。適切かつ有効は、水産庁は単に技術的助言、これは免許の更新ごとに、五年ごとに出るんですけれども、これは単なる紙です、はっきり言って。今回も、去年の六月九日付けで出ました。県によって取扱いが全然違います。違いますけど、ほとんどどこの県もそれは聞いていません。要は、企業免許を一生懸命せいというのが入っていました、そのときに。そうはいきません。漁協の段階、それから県の段階では、やはりそれはできない。それを同じことをやろうとしている。  ということは、出てきたものは結局は何もならない、無駄になります。聞く県はほとんどいないでしょう。真面目に聞く県もあるかもしれませんけど、それによって漁業が発展するとは思えない。そういう手法をいまだにしようとしている。これは大きな間違いです。  結局、今回、最後になりますけれども、衆議院の農林水産委員会では、十一月二十八日の採決で九項目の附帯決議がなされました。この中では、やはり非常に重要な項目ばかり入っております。特に、適切かつ有効の基準の明確化、これを入れられたことは感謝する次第ですけれども、残念ながら、この附帯決議は年月の経過とともにその効力が減衰します。  香川県では、昭和四十七年に海上交通安全法が施行されましたが、そのときにいろんな附帯決議があります。現在残っているのは漁業者と海運関係、それから海上保安部等との説明の場が残っている。これだけでも大事なんですけれども。  とにかく、附帯決議はやはり、もし附帯決議するのであれば、これは法案に入れていただきたい。是非とも、重要な項目はいま一度見直されて、法案の中に、先ほどの海区の公選制も含めて、もう一度考えていただきたい。  要は、全国十五万人の漁業者のうち九四%は零細な沿岸漁業者です。この改革は、この方たちの生活を今よりも豊かにするものでなくてはなりません。この新法はその答えなんでしょうか。このままでは、先人が守り、育んできた七十年来の漁業制度、目先の金、来年度予算ですね、三千億、十七年ぶりに三千億超えたといいますけれども、十七年前は地方分権で漁業免許が知事の自治事務になった年です。水産庁の仕事、減って当たり前です。それで、それを戻すためにいろんなことを予算に入れていますけれども、そういうことをしても、それは何にもなりません。  だから、本委員会におかれましては御決断をよろしくお願いいたしたいということで、私の意見陳述を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  11. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) ありがとうございました。  以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。  これより参考人に対する質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  12. 山田俊男

    ○山田俊男君 自由民主党の山田俊男であります。  本日は、お三方、本当にお忙しいところ、ありがとうございました。また、大変大事なお話をお聞きすることができたと、こんなふうに思っております。  日本の水産業は、私が十分知らないのに、皆さんの方が圧倒的によく御存じなわけでありますから、かつては漁獲高がそれこそ世界一だというふうに言われたこともあります。今はこれをずっと減らしているわけです。漁船もそして減らしているわけでありますから、世界各国、これは日本も含めての浜の埋立てみたいなこともありましたから、それから海洋汚染もありますし、さらにまた、過剰漁獲と言っていいんですかね、そういうことも一時期やっぱり相当あったのではないかと、こんなふうに思うところであります。  一方、我が国からとると、海洋漁業からの締め出しと言っていいんですかね、水産物の輸入自由化もあったわけであります。もちろん世界の漁業資源も減っているということもあるんだというふうに思います。かくのごとく、日本周辺のこの海域におきます、ないしは水域におきます資源の悪化やいろんな課題がずっとこうして出てきた結果じゃないかというふうに思います。  先ほど来も一番心配されていますが、これ、漁業だけじゃなくて農業もそうでありますが、漁業の方がもっと大変なのかなというふうに思いますけど、担い手が圧倒的に高齢化して、そして若い就業者も、漁業関係も比較的出てきているよという話はお聞きしたわけでありますけれども、容易じゃないわけです。  それから、離島、漁村も大変消滅しております。大型漁船も減っております。そして、水産加工の経営体も減少しているということがあるわけですね。まさにこういう動向をどんなふうにちゃんと活性化するか、再生するかというのは、漁業者の関係者の皆さんの最大のそれこそ課題であると、そういう問題意識をお三方からもそれぞれおっしゃっていただいたというふうに思います。  まず、その中で最初にお話しいただきましたJFグループの岸会長にお尋ねしますが、全漁連といいますかね、JFグループは浜の活力再生プランという形で相当精力的な取組をずっとこの間続けてこられたわけで、私は、この取組を高く評価するわけであります。  しかし、こうした状況の中で、御案内のとおり、漁業関係につきましても、一年前と言ったらいいんですかね、一年半前ですかね、突然、規制改革推進会議が、漁協を中心にした取組に対して、新たな資本、技術、人、販売力の強化等を主張して、漁業法や水協法の見直しを言い出してきたということがあるわけであります。  このことは、私がずっと仕事をしてきたのは、全国農協中央会で、農協の組織でありました。議員になりましてから、今日の農林水産委員会の多くのメンバー、この中で一緒に仕事したのは三分の二ぐらいの方々になるんですが、農協法の改正が提起されまして、それこそ大きな大きな政策転換と攻撃を、私から言わせますと様々な攻撃を受けたということがあるわけであります。  見ていまして、私は、この漁業法、水協法に対します規制改革会議等周辺の課題提起というのは、どうも農協改革のときの主張とも大変よく似た論調ではないかと、こんな受け止めをしているわけであります。浜の漁業者の皆さんがそれこそ大変な努力をされて、そして長年にわたって我が国の大事な資源の確保に向けて大変な努力をされてこられたわけで、漁獲から始まって水産加工、それから流通等々についても役割を果たしてこられたんですが、しかし、それを、一本こうして通じた、一気通貫するといいますか、通じたシステムの転換をやっぱり狙ってきているといいますか、主張してきているところがあるというふうに思うわけであります。  まず岸会長さんにお尋ねしたいんですが、大変な努力を続けてこられましたJFグループの皆さんが、これらの主張を一体どんな形で受け止めておられるのか、そして、それを日本の、まあ私から言うと語弊があるかもしれませんが、やはり漁獲高を落として、高齢化してという、漁業者も少なくなってきている、場合によったら、これは皆さんの責任じゃないんだけれど、浜の状態も環境が悪くなってきているということの中で、いかに日本の水産業を守るか、漁業を守るか、漁業者の取組を守っていくかということが物すごく大事になるわけでありますが、この点について岸会長は、規制改革の動きなり、それから浜の再生プランの取組も含めまして、どんなふうに受け止めておられるのか、どんな決意で臨もうとされているのか、まずお聞きしたいと思います。
  13. 岸宏

    ○参考人(岸宏君) 今の山田先生の御質問に対して、今回の水産政策の改革についての私の基本的考え方は、先ほども述べましたように、今、漁業の現状を、このままで本当に将来展望が開けるのか、今よりもっと良い漁業が、漁村が本当に構築できるのかといえば、私は、決して現状では難しい、そういうまず基本認識の中で、今回のこういう水産政策の改革、漁業の成長産業化、あるいは漁業者の所得増というものをしっかり捉えて我々自身がまず自己改革をするというのが今回の基本的なスタンスであります。この点につきまして、私は会長になった当時から、今のままでは良くならない、しっかり固定観念を捨てて、前向きでみんなが自分の進むべき道しるべをつくろうということで浜プランを作ってきたわけです。  こういう中で今回の規制改革会議の問題提起があったわけでありますが、私は規制改革会議からは二回ヒアリングを受けました。私からは、国民の皆さんへの漁業者の役割である水産物の安定供給や国境の監視、それからまた、漁業者、漁協がこれまで果たしてきた多様な役割や具体的な取組、さらには、漁業権制度が漁場利用の秩序維持など沿岸漁業の基盤を担ってきた重要性について御説明もし、お話もしたわけであります。その後、六月に規制改革会議が取りまとめた水産政策の改革につきましては、漁業権制度の果たしている資源管理や漁業をめぐるトラブル回避の役割が認識され、今後とも漁業権制度は維持するということが明記されたわけであります。  したがって、この考え方に基づいて今回の法律改正が行われておるというふうに承知しておるわけでありますが、先ほど山田先生もお話のあったとおり、これからやはり漁業者が良くなるためには、先ほど申し上げたとおり、実践するのは漁業者でありますから。国でもない、県でもない、市でもない、私どもがやはり自らがしっかりそういう認識を共有しながら前向きにこれからの漁業の将来展望を開いていく、それが今の私の考え方であり、お答えであります。
  14. 山田俊男

    ○山田俊男君 岸会長の大変な努力、それから決意ですね、この環境の中ですから、大変な御苦労を受け止めておりながら、しかし大事な漁業者それから漁協の取組をどんなふうにちゃんと守っていくか、発展させていくかということを苦しんでおられるということをお聞きしたわけでありまして、どうぞ、いろんな課題があるというふうに思い、まだまだ出てくるというふうに思いますから、それらに本当に全力を挙げて取り組んでいただきたいと、こんなふうに思うところであります。  ところで、赤間さん、濱本さんからかなり厳しいお話で、かつ現場でお仕事されているわけだから、その立場での率直な御意見をいただいた次第であります。  漁業権について、そして、これはしっかりやっている漁協に優先的に免許を与えるんだよということで、法の方向はそれで出しているというふうに思うんですね。これはどんなふうに評価されますか。赤間参考人にお聞きします。
  15. 赤間廣志

    ○参考人(赤間廣志君) 質問ありがとうございました。  私は、高校を卒業して、それで漁協の青年部活動をずっとやってきまして、直接漁業経営には参画はしていませんが、ただ、やっぱり農業も漁業も、作ったものが自分たちの生活に、安心できるような価格で売れれば私はいいんですよ。やっぱり農協、漁協の販売、これはやっぱり生産者の生活できる価格で販売するというのが一番だと思うんですよね。  私、ちょうど三十年前に、今でこそ六次化ということがありますけど、六次化がないときに、三十年前、実は海藻の加工の会社をつくりました。今年で大体三十年になりますが、なぜそのときつくったかというと、塩蔵昆布を作ったら、自分たちの生産で合わない価格で、もうなぶり殺しみたいな感じの値段でやっちゃうんですよ、共販でね。私はこれでは駄目だと。やっぱり何とかして、もちろん自分で原料を買う場合は、やった場合、その扱った分の、販売手数料としていた分は漁協に当然納めました。だけど、その値段で生産してもなかなか食べていけません。  そこで、やっぱり、その当時、塩釜は揚げかまぼこの産地でありまして、昭和五十五年代、今でもスーパーにありますけど、おでんセットという製品がちょうど出回った頃で、それには必ず昆布を使いました、結んでね。しからば、よし、その昆布を作ろうということで会社を立ち上げて、昆布を作って。なかなか漁業者、経営学を学んだわけでもない、いろいろ大変でした。でも、入札で出すよりは、自分で納得した製品作って売るんですから、多少利幅が狭くとも自分で納得しました。  ですから、私は、やっぱり漁協、農協というのは、一番は、漁業者、農業者の生産したものをとにかく適正な価格で、まあ適正かつ十分ということは申しませんが、それと同じような価格で売れれば、やっぱり農業者も漁業者も安心します。  宮城県の場合、震災後、漁業後継者がおかげさまで全国で第一位の増加を示しています。それで、うちの会社も私の子息が、長男、三男が私と共に漁業と会社経営を一緒にやっています。  そして、もう一人、水産庁の漁業就業者フェアで高校三年生のときにそれに参加して、どうしても漁師になりたいという若い男の子がいまして、それで岩手県の釜石のイカ釣り船に乗りました。その子は三月生まれで、それで、イカ釣り船に乗ったものの、日本海、能登半島から津軽海峡、釧路、根室沖、三陸沖、皆様御承知のとおり、イカはここ三年、四年、ここに、鈴木さんなんかは詳しいと思いますけど、結局は給料も払えないということで、就職した年の十二月に解雇されて、それでも漁師になりたいという希望を持って、明くる二月のカキ祭りに行って、行けば漁民と会うと……
  16. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) 赤間参考人、大変恐縮ですが、おまとめいただきたいと思います。
  17. 赤間廣志

    ○参考人(赤間廣志君) はい、今終わります。  それで、その観点で、私の方に、漁業をしたいということで今働いています。
  18. 山田俊男

    ○山田俊男君 濱本参考人にちょっとだけ質問をさせてもらって。すぐ終わりますから。
  19. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) もう時間が終わっておりますので。
  20. 山田俊男

    ○山田俊男君 一言。  濱本さんに質問できなくて大変申し訳ないと思いまして。オーバーしましたが、ちょっとあります。  濱本さんは県職員をおやりになって、かつ、それから香川区の漁業調整委員もおやりになって、行政の役割と関係団体との連携についてしっかり役割を果たしておられるところへもってきて、知事による選任制はこれはいかぬぞという声をしっかり聞いたわけであります。これをどんなふうに今後対策を取っていくか。しっかり……(発言する者あり)はい、もう終わりますが、どうぞほかの委員の皆さんが後は続けていただいて、どうぞこの大事な話をよろしくお願いしたいと思います。  終わります。
  21. 佐々木さやか

    ○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかでございます。  今日は、三人の参考人の先生方、貴重な機会をいただきまして、誠にありがとうございます。  私の方から、まず岸参考人にお話を伺いたいと思います。  参考人質疑は着席のままに行うことが通例でございますので、諸先輩方は立っていらっしゃったのに、大変恐縮なんですが、私は着席で行わせていただこうと思いますので、是非参考人の先生方も、よろしければお座りのままで、ゆったりとされた状態でお答えいただければと思います。ありがとうございます。  岸参考人にお伺いしますけれども、公明党は、今般の水産政策の改革に当たりまして、水産物の安定供給の確保及び水産業の健全な発展という水産基本法の基本理念の下、水産関係者の理解と安心を得られるようにということで、今回の法改正につきましても、しっかりと丁寧な説明を地域の漁業者の皆様に行うように政府に対して求めてまいりました。そういった中で、我が党としても、漁業者の皆様からも様々な御意見、お声を伺ってまいりまして、政策にお声を反映してきたというふうに思っております。  岸参考人も先ほどお話の中で、改革というのは実際に行うのは現場の漁業者の皆様ですから、その皆様に御理解をいただくということがなくして、私もこの改革は成功しないだろうというふうに思っております。  こういった観点で今回の法改正を見ますと、様々多くの重要な改正点もございます。漁業者の皆様から厳しい御指摘もいただいてまいりました。  ただ、そういった議論を続けていく中で、全体としては、条文上、また運用も含めて、決してその地域の漁業者の皆様の御意見を軽んじたりとかそういったことではなくて、引き続き、地域の海のこと、漁業のことをよく熟知をされている皆様による、そうした皆様を主体とした管理、調整、こういったことが今後も継続をする、こういう方向性が私は全体として位置付けられたのではないかなと、このように理解をしているんですけれども、この点については岸参考人はどのように評価をされていらっしゃるか、伺いたいと思います。
  22. 岸宏

    ○参考人(岸宏君) 先生の質問にお答えしたいと思いますが、いわゆる今回の改正法案に対する私どもの評価といいますか、ということでお答えさせていただきたいと思います。  先ほどお話ししましたように、漁獲量の減少とか、あるいは魚価が安いとか、いろいろ漁業は厳しい状況が続いてきておることも事実であります。こういう中で、漁業所得の向上を図るということで、我々、浜プランもやり、また国の方も漁船のリース事業等新しい事業も打ち出していただいて、漁業者所得が徐々に上向きになる、それからまた意識も変わってきたというまず現状があると思っております。  さらに、こういう前向きの思考を、今回の改革を機会に大きにまた転換して更にステップアップするというのが大事であろうと思っておりまして、それは今だと私は実は思っております。そのことは、この改革と含めて我々が共有しながら展望を開いていくという今つもりであります。  今回の改正の議論に当たりましては、当初からいろいろマスコミ等でも、この改正は外から企業を入れて、我が物顔で入ってくる、そういうような感触の報道もなされたり、そのことが漁業で、浜で漁業者を排除していくというような側面の受け止め方もあったように私は受け止めております。そのことが浜の混乱も一つは生じておるのではないかという思いもありますが。  このような中で、今回の改正の内容におきましては、今までどおり有効、適切にきちっと管理しておる漁業者は今後も同じような状況で漁業に従事できるという基本があるわけでありまして、これから新しい新規の漁業権の設定においても、やはり漁業者あるいは漁協の考え方、そういう利害調整関係者の意見を聞いてやりますということでありますので、我々がそういう紛争が起こらないような調整をするということの規定があるわけでありますので、改正内容そのものも、やはり未来志向の中での私は今回の改正内容であるという受け止め方をいたしております。  ただ、冒頭申し上げたように、具体的なことは政省令の中で書き込んでいくというようなこともたくさんあることも事実でありますので、そういう点も踏まえながら、今後もしっかり漁業者が良くなるような、そういう法律にしながら、それを我々も活用しながら、漁業が、また漁村が良くなるように努力してまいりたいというのが考え方でありますし、また現状の評価であります。
  23. 佐々木さやか

    ○佐々木さやか君 ありがとうございました。  引き続き、運用面等現場の御意見をしっかりと伺っていく必要があるというふうに思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。  次に、赤間参考人と濱本参考人に同じ質問を伺いたいんですけれども、私は比較的若手の議員でございまして、そういうこともありまして、地元は神奈川なんですが、若手の漁業者の皆様のお話をお聞きをしたり、そういったことが多くございます。  人材の確保という点については非常に漁業も大変な課題があるなと思っておりますけれども、先ほど、赤間参考人からは、宮城県の場合には非常にこの点うれしい傾向にあると、こういうお話もございました。漁業に携わる人材の確保という観点からは、私は、やはり漁業者の所得向上というのが非常に大事かなと思っております。岸参考人のお話の中では、この点、成果も出てきているという評価もございましたけれども、今回の法改正を含む水産政策の改革というのは、やはり漁業者の所得向上というものを更に後押しをしていく、そういうものになる必要があると思います。  そこで、この漁業者の所得向上、また若手を中心とした人材の確保という問題について、現場での様々な観点から、何が重要というふうに考えていらっしゃるか、また課題ということについて、改めて赤間参考人と濱本参考人から教えていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
  24. 赤間廣志

    ○参考人(赤間廣志君) じゃ、私も座って話します。  今回の法案で一番心配しているのは、安心して漁業を営めるかというのがやはり一番の現場の漁業者だと思うんですよ。さっき濱本先生も言いましたけど、やはり安心感を、安心を持って漁業を営めるかどうか。それで、やはり、あと販路。実際、宮城県ではこの四年間、おかげさまでJFみやぎはかなりの業績を上げていい線をいっています。  それで、さっきも述べましたけど、この販路開拓というのは漁業者自らは難しいです。六次化にチャレンジしたとすればまた別ですけどね。これはやっぱり、漁協、上部団体の漁連と全国共販をつかさどっている全漁連さん、この力というのが一番大事だと思うんですよ。だから、私からすれば、もっと全漁連さん頑張ってよと、基本的にはですよ。  例えば、ここ最近の関係では、ワカメが物すごく売れています。しかしながら、岩手県が最大の主産地で、それに準ずるのが宮城県ですけど、いかんせん、やっぱり震災で生産者が離れたということでワカメが不足しています。だから、そういう点で、私は、全漁連さんが司令塔となって、全国に、何を作れば売れるのか、何を作れば漁民が豊かになるのか、その司令塔というのがやっぱり全漁連さんだと思うんですよ。  もっと述べたいんですけど、濱本さんの時間がありますので、これにします。
  25. 濱本俊策

    ○参考人(濱本俊策君) 佐々木委員の御質問、座ってお答えさせていただきます。  非常に難しい、一言で言いにくい御質問です。本来だったらこれは現職の人間、高給を取っている現職の人間が日々確実に真剣に考えないかぬ、そういう仕事です、そういう課題ですが。私の経験で申しますと、香川県はハマチ養殖発祥の地ですから、八年ぐらい、現職のときから退職後も販売促進、販路拡大を東南アジアまで行ってやってきましたけれども、これは相当な金と相当な熱意と、それからいろんなノウハウが要りますね、やはり。  輸出一つにしても、水産庁は今回、生産を増やした部分は海外に輸出したらええわと言っていますけど、そう簡単にいくわけがないんです、非常に複雑な。それから、海外で既に産地間競争やっている、鹿児島のブリと長崎のブリが競争したり。そういう中でそんな安易に考えることじゃない。要はハマチ一つでもそれだけ手間が掛かる。  これが、元々魚は副食材ですから、多種多様な魚が必要です。それぞれにそれぞれの売り方、捉え方が必要です。そういうものはやはり現職の人間にしっかりやってもらいたいと。  非常に失礼な答えですけれども、そういうことで私の方は終わらせていただきます。
  26. 佐々木さやか

    ○佐々木さやか君 時間が参りましたので、以上で終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  27. 鉢呂吉雄

    ○鉢呂吉雄君 立憲民主党・民友会、鉢呂吉雄でございます。  今日は、参考人の皆さん、大変ありがとうございます。端的にお聞かせをいただきます。  まず、岸参考人にお聞かせをいただきます。  私も浜を回って漁業者に聞きますと、中身を知らない方が大変多い。二日間回って五人ほどに聞かせていただきました。そういう中で、六月以降、方向が示された中で、先ほど、各浜で意見、要望を聞いて不安の解消に努めてきたと。率直に、岸参考人として、組合員の理解はこの法案について進んでおると、こういうふうに言えますかどうか。
  28. 岸宏

    ○参考人(岸宏君) 先生の質問に対してのお答えでありますが、今回の改正の考え方、またその内容等、私ら自身、全漁連も全国で三ブロックに分けて数度にわたって説明を行いました。また、各県も県漁連が、それぞれ地域によってやり方は違う、また参集範囲も違う部分もあると思いますが、かなり水産庁が出向きながら説明をしてきたというふうなことでありまして、そういうまず一つの漁業者の代表者レベル、その辺の理解はかなり進んでおると。それから、地域によっては、やはり漁業者の点までかなり理解も進んでおるなということもあります。  ただ、総体的に全体でどの程度云々ということになりますと、まず、漁協の組織からすれば、漁協の役員、業種別の代表者の皆さん方、まずそこがしっかり理解していただく、さらにまた、末端のそれぞれの漁業者の方にも御理解いただくような努力をしていくということであろうと思っております。  したがって、今後、やっぱり法案の内容、それから政省令等も含む運用の考え方等々が出てまいりますので、それも含めて、さらに我々系統としても各県の漁連を通じて説明していくわけでありますが、国の方でもしっかりそれは漁業者のレベルまで説明していただくように強く求めていきたい、このように思っております。  総体的に、私は、個々の県によっては違いもあるかと思いますけど、かなりそういう改正の部分についての大枠の理解は進みつつあるというふうに思っております。
  29. 鉢呂吉雄

    ○鉢呂吉雄君 続きまして、同じく岸参考人に、今の最初の陳述等で、漁業権については従来と変わらないかのような御発言があるんですが、もう少し詳しくその点、私ども、法案からいけば、大胆に七十年来に抜本的に変わっちゃうと、こういうふうに見受けられるんですけれども、いかがでしょうか。
  30. 岸宏

    ○参考人(岸宏君) 先生の御指摘につきましては、免許の優先順位が廃止されることから漁業者の不安が出ておるということではないかと思っておりますが、今回の漁業法の改正によって、参入する漁業が地元漁業者を押しのけて浜に混乱をもたらすのではないかという、そういう不安が漁業者の中にあることは私も受け止めております。  六月の「水産政策の改革について」では、漁業権制度の果たしている資源管理や漁業をめぐるトラブルの回避の役割が認識されて、今後とも漁業権制度を維持するということが明記された。これは先ほど申し上げたとおりです。そこには、やはり漁業者間の話合いの重要さ、それから調整を担う漁協の役割が位置付けられたと私は評価しております。  一方で、今度は、都道府県が漁業権を付与する際の優先順位の法定制を廃止するという考え方があるわけでありまして、優先順位がなくなり、どこで免許するかはその知事が勝手に決められるのではないかというような心配もあることも事実でありますが、免許の際の判断基準が全てなくなって知事が勝手に免許できるということは私はないと実は思っております。  法案では、採海藻や刺し網等を行うための共同漁業権、これは今までどおり漁協、漁連に免許されることが法定されることとなっておりますが、加えて、養殖などの既存の漁業者については、適切、有効に活用している漁協には引き続き優先的に免許されることが定められていることからして、多くの漁業者の不安、そういう疑念というものは払拭されておるというふうに私は考えております。
  31. 鉢呂吉雄

    ○鉢呂吉雄君 適切かつ有効、これは指導的な助言を国が示すだけで、権限は県知事に委ねられると。ここに恣意性が出る場合があるのではないか。これについてはどのように、岸参考人に聞きます。
  32. 岸宏

    ○参考人(岸宏君) 要件となっております適切かつ有効に活用している場合の解釈を知事が勝手に、まあ勝手と言っては失礼でありますが、行って、各県がばらばらの状態が出てくるというような心配もあることも事実でありますが、これについては、先ほど先生も御指摘のように、適切かつ有効に利用しておる部分については引き続きの免許を与えるというのが骨子でありますが、具体的な判断の基準等は国が示すこと、また、漁協に免許されている漁業権については、行使規則に基づいて、組合員が適切な管理を行いながら持続的に生産力を高めるよう漁業や養殖業を行っている場合など、漁協本来の取組が適切に行われていれば適切かつ有効に該当することということが明確にされておりますので、私は、知事が恣意的にこれを行うということはあり得ないと思っております。  また、漁業権の活用状況を毎年知事に報告することから、漁協系統としても漁業権を適切に管理運用するように指導していく、こういう考え方であります。これは既存の漁業権に対する更新の場合の考え方ですね。
  33. 鉢呂吉雄

    ○鉢呂吉雄君 それから、先ほど岸参考人が、この間の水産庁等との話合いで、多面的機能の配慮について百三十四条で入れた、あるいは密漁罰則の強化等についても入ったと。最初のところの目的がその主体的な位置付けが変わらなかったというようなことを、ちょっともう少しそこを詳しく、どういうふうに水産庁との話で、そこは皆さんの、漁連さんの意見が反映されたのかどうか。
  34. 岸宏

    ○参考人(岸宏君) 今回の目的の冒頭に、漁業が国民に対して水産物を供給する使命を有しておるということと、かつ、漁業者の秩序ある生産活動がその使命の実現に不可欠であることに鑑みと、この言葉が入ったことによって、漁業者主体にした漁場利用、海区の委員会の運用も含めて、私は、漁業調整の基本がここにあるという理解をいたしております。
  35. 鉢呂吉雄

    ○鉢呂吉雄君 衆議院の農水委員会で長谷長官は、六月から八月末の五十五回の説明で意見を取り入れたものがあるのかという質問に対して、資源管理のセーフティーネットあるいは公認会計士、これは漁協の公認会計士の導入に当たっての配慮規定、この二つだけを述べたわけであります。水産庁自体がこの目的を皆さんの御意見で変えたというふうには言っていないわけでありますけれども、その点は、水産庁の原案というのはどんな形だったんでしょうか。若しくはお聞かせをいただければ。
  36. 岸宏

    ○参考人(岸宏君) 先生の御質問については、私、農林水産委員会に出ておるわけではありませんので、その詳細、存じ上げておりません。  そういうことの中で、今回の目的等々についても、いろんな議論をする中で今回の目的というものが最終的には決定したということでありまして、その点については私ども評価しておるというふうに考えております。
  37. 鉢呂吉雄

    ○鉢呂吉雄君 ありがとうございます。  それでは、赤間参考人にお聞かせをいただきます。  宮城県ということで、七年前の大震災以降、県知事主導で石巻市の桃浦地区の水産特区について赤間参考人はどういう評価をされておるか、お聞かせをいただきます。
  38. 赤間廣志

    ○参考人(赤間廣志君) 赤間です。  失敗と言いたいんですが、成功とは言えないというのが私の気持ちです。それで、この宮城海区委員会に報告がある過去五年の年ごとの黒字、赤字を見る限り、財務的にはかなり厳しいのではないかと。  それで、我々は、ここに宮城県石巻市桃浦地区における復興推進計画の検証、これは宮城県の農林部水産振興課、三月に出したやつです。これに対する私の率直な思いというのは皆さんの資料にある河北新報に書かれていると思うんですけど、要するに、販売力はあるが生産が追い付いていない。現に、与えられた漁場、これは有効かつ適切に使わなければ漁場を取り上げられるんですけど、この五年間を見ると、沖合漁場ががら空きなんですよ。理由は、波浪が激しいと、垂下式でやっているカキがぶつかって落ちるから空けていると。しかし、その沖には県漁協のノリ漁場があるんですよ。ノリ養殖業者は漁場が欲しいんですよ、更なる。ですから、もう生産には限りがあるなと、私は、今のLLCでは。  したがって、私、新聞にも書いたんですけど、養殖部門は県漁協に入って、販売部門、原料が足らなければ、その周辺のカキを県漁協から譲ってもらえば倒産しないでずっと、投じた五億円の税金も無駄にならずしてやっていけるのかなというふうに私は思っています。  ですから、はっきり言って、現状では成功とは言えないと。いわゆる今回のあしき事例ではないかというふうに私は思っています。
  39. 鉢呂吉雄

    ○鉢呂吉雄君 濱本参考人にお聞かせをいただきたいと思います。  濱本参考人は、知事任命制の弊害というものを先ほどもおっしゃいました。「漁業と漁協」という冊子を読まさせていただきましたが、その中で、現状でも、過去の経験で、五年間、瀬戸内海広域漁業調整委員会の委員を務められたということで、その中でも、魚のサワラの例を挙げて、漁獲規制の強化、あるいは企業免許の拡大という形について、任命制になれば更に弊害が広まるのではないかと。  このサワラの例を挙げてどんなことが予想されるか、御教授いただければ有り難いと思いますが。
  40. 濱本俊策

    ○参考人(濱本俊策君) 鉢呂委員の御質問にお答えします。  瀬戸内海の場合は、まず委員構成からお話ししますと、十一人が各県の、府県の代表で出てきておる委員です、これは海区の委員ですけれども。それから、残り三人が大臣認定になっております。その三人のうちの一人が会長になるようにこれはルール化されております、国の方から打診がありますから。だから、その方が、大臣認定の方がリードをしていくわけですね。  今回、サワラのことにつきましては、私も、現職のときから資源管理、かなり力を入れて仕事をしてきました。私がしてきたのはサワラとハマチです。その二つに絞られるような仕事をずっとしていますので、特にサワラについては思い入れがあるんですが。  サワラにつきましては、平成二十四年に資源回復計画が終わっておりますが、その後も今現在のこの瀬戸内海の委員会で規制が続いております。そういう中へその各県の代表者が出ていきますが、瀬戸内海全部から出てきますので、サワラにも濃淡があります。非常に熱心な香川、岡山、兵庫、この辺りはいろんな意見も出ますし、それから愛媛もそうですけれども、その濃淡がある中で調整する。それから、その中で委員会指示を決めますね。それを持って帰って、漁業そのものも違いますから、いろんな不整合が出てきます。だから、一律に国の方でそういう規制を広域のこの委員会でやっていくのは非常に難しいと思います。そういう印象を持っています。
  41. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) 時間ですのでおまとめください。
  42. 鉢呂吉雄

    ○鉢呂吉雄君 終わります。ありがとうございました。
  43. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 国民民主党・新緑風会の徳永エリです。  三名の参考人の皆様、それぞれのお立場で貴重な御意見をありがとうございました。  今回のこの新しい法律が出てくるまで、水産庁とか水政審でどういう議論があったのかって全く分からないんですね。なかったのかもしれないというぐらい全く分からないんです。私たちが分かっているのは、国家戦略特区ワーキンググループ、規制改革推進会議の水産ワーキング・グループ、ここで議論された内容はこれ議事録がありますので分かっています。企業の養殖等の参入、これを進めていくと。漁業の成長産業化ということであります。  今回のこの改革の主体は、漁民ではなくて企業であります。そして、企業の参入障壁となるのが海区漁業調整委員会であり、特に漁業委員、漁民の代表なわけであります。そして、漁業権の優先順位、これ皆さんも御案内のように、これまで入札制度にしたらいいんじゃないかと、そんな話もあったようであります。  ですから、漁業者が主体となっている現行法を、これ一部改正ではなくて、もう全く違う法律にしてしまうということになるわけでありまして、赤間さんのお話にもありましたけれども、改めて、この第一条、現行法の、本当になくなることが残念であります。特に、浜の民主化の象徴が漁業調整委員会の漁業者委員、漁民代表委員の公選制であって、知事による選任制に変わるということは、これはもう民主化の後退であって、浜に混乱と対立をもたらしかねないと私は思っております。  改正案の条文には、都道府県知事は漁業調整委員会の意見を聴かなければならないと幾つか書かれていますけれども、法改正後は海区漁業調整委員会の権限は弱まることになるのではないかと思っております。  これまで、海区漁業調整委員会の権限は、諮問機関として、あるいは建議機関として、決定機関として強い権限を持っていたわけであります。それが、法改正後は、例えば免許の内容等の事前決定、海区漁場計画等、これ第十一条の第三項ですけれども、都道府県知事に対して免許の内容等の事前決定を行うべきとの意見、これがなくなります。それから、漁業の免許、第十四条第一項、適格性を有さない旨の認定、これもなくなります。それから、漁業権の制限又は条件、第三十四条第四項、許可後に、都道府県知事に対して、漁業権に制限又は条件を付けるべき旨の申請、これもなくなります。第三十八条の第三項、優先順位の規定によれば本来免許を受けないことが明らかな者が実質上漁業権の内容たる漁業の経営を支配しているとして、漁業権を取り消すべき旨の申請、これもなくなってしまいます。  特に、私は、漁業の免許の、第十四条の第一項、この一号、二号でありますけれども、まず一号は、海区漁業調整委員会における投票の結果、総委員の三分の二以上によって漁業若しくは労働に関する法令を遵守する精神を著しく欠き、又は漁村の民主化を阻害すると認められた者であること、二号は、海区漁業調整委員会における投票の結果、総委員の三分の二以上によって、どんな名目によるものであっても、前号の規定により適格性を有しない者によって、実質上その申請に係る漁業の経営が支配されるおそれがあると認められる者であること、これがなくなっちゃうんですよね。これ、この三分の二条項がなくなるというのは大変に問題で、本当に権限が弱まると思います。  この点に関して、赤間参考人、そして濱本参考人にお伺いをしたいと思います。
  44. 赤間廣志

    ○参考人(赤間廣志君) 何回も申し上げますが、七年前のあの水産特区問題、宮城県で。知事が強引な知事さんですから、創造的復興という美名をもってやってきたと。そのとき、全漁連さん、全て全国の漁協が大反対をしました。だけど、今回のは特区の大型版というか、全体が特区になるとは思わないんだけど、その可能性もなきにあらずと。  そういう段階で、我々この特区を、ずっと漁業に関わってきて、さっきも言いましたけど、知事の権限の増大、これは私、事実だと思うんですよ。そうすると、岸会長は、まあ同じ漁業人ですけど、若干その点の、特区で直接漁業に関わった者からすると、これはちょっと心配だなと。たまたま皆さんに配った資料に、静岡の海区漁業調整委員、学識委員の田中さんが作った新漁業法の内容と問題点、海区委員会と漁業権に関してと、これを一読すれば、なるほどなと皆さん理解すると思うんですよ。私もこれは同感だと思うんです。  ですから、知事の権限の強化、ましてや今度、海区委員は明治時代に戻って官選、官が選ぶ、これは時代逆行だなと。また、知事が権限を強くする、これもやっぱり時代錯誤じゃないかなと。やっぱりその点を私は一番危惧しているんですよ。  ですから、やっぱりこの点の、漁業者が主役である、いや、これは漁業者のエゴを守るというんじゃないですよ。やっぱり漁業に携わっている、かごに乗る人、担ぐ人、そのまたわらじを作る人、いわゆる役割分担の中で、こういう今現在過酷な海にも漁師さんが行って、ワカメ養殖とか刺し網、みんなやっているんですよ。それで、そういう漁業者がやっているということがやっぱり一番主役だと思うんですよね。  その点で、むしろテンション落としちゃって、漁業者の生産力が減退するんじゃないかと、むしろ私はその方を恐れています。やはり生産者の意欲を立てるような法律だったら、私はもろ手を挙げて賛成します。
  45. 濱本俊策

    ○参考人(濱本俊策君) 徳永委員の御質問にお答えいたしますが、委員の御指摘のとおりで、やはり委員会の力は確実に落ちます。それも実質的な能力、要するに自主性を持った仕事の仕方、これがかなりできなくなります。逆に、やはりこの中の、私の資料の四ページ目の一番下の方に書いておりますように、この委員会が使われる、そういうものになります。  この中に書いておりますように、団体漁業権、今度個別漁業権と団体漁業権が分かれますよね。その団体漁業権の使用の状況をこれ組合が知事に報告しますけれども、それがちゃんと活用されているかどうか、それを委員会に諮問するようになっていますね。その後、諮問のときに指導したいものをとにかく諮問するわけ。諮問というのは答申が要りますから、だから答申がもらえるようなものを聞いてくるわけです、知事は。だから、指導したいものをかけてきますから、それでよろしいということしか言えないわけですね、委員会は。それから、履行しなければ取消し、こういうことがあります。結局、委員会は使われるものになりやすい。そういうものにはやはり漁業者がおると邪魔だと、言葉は悪いですけど、もうありありと、この法文全部見ますと、それがもう見えています。  以上です。
  46. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 ありがとうございます。  岸参考人にお伺いしたいと思います。  海区漁業調整委員会のいわゆる漁民委員をやっていらっしゃったお二人が大変に心配をしておられます。こういった御意見をお聞きになって、どのようにお感じになっておられますでしょうか。
  47. 岸宏

    ○参考人(岸宏君) 私も長い間、島根県の海区の委員も会長も、現在もやっております。極めて活発な議論の中で漁業者が良くなるように、あるいは漁業が良くなるように議論がされておる、しておるわけであります。  その中で、今回、公選制が廃止されて知事の任命制になるということはいろんな心配点が聞こえるわけでありますが、選任の仕方もありますが、実質的に私は漁業調整の機能が発揮される、それがやっぱり海区の委員会の重要性であろうという思いがいたしております。今回の改正によりまして選任の方法は変わるわけでありますが、漁民委員が過半数を占めることが法定されておるわけでありますので、漁業者代表を中心にした、中心に据えた組織であることの性格は私は変わらないと思っております。したがって、漁業調整の役割は引き続きしっかりと私は維持されると理解しております。  今後また政省令の中で具体的にいろいろなことが出るわけでありますが、調整機能が引き続きしっかり維持されるように、私どもとしても国の方へもしっかり話をさせていただきたい、こんなふうに思っております。
  48. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 ありがとうございます。  政省令で決めるというのは役所がやるわけでありまして、政省令で決めることに私は余り期待してはいけないというふうに思っておりますし、それから、先ほどから申し上げましたけれども、そもそもこの法改正は誰のためなのか、何のためなのか、本当に必要があるのか、そういうことを考えると、岸参考人には申し訳ないですけれども、私は、かなり楽観的過ぎるのではないかというふうに思っております。  今の岸参考人の御意見を伺った上で、赤間参考人、濱本参考人、どうお感じになっておられるか、お聞きしたいと思います。
  49. 赤間廣志

    ○参考人(赤間廣志君) 私は全漁連さんとかなり仲が良いものですから、今の徳永さんの質問、ちょっと好まないんだけど、ただ、私は、香川県県民性あるいは島根県県民性、あるいは東北の宮城の県民性、実は海区委員の選挙、二年前、青森西部海区、陸奥湾を半分に割ってそっちは選挙をやりました。そして秋田海区も選挙をやりました。平野先生の方の岩手海区は二回続けて選挙をやっています。それで福島海区は十何年前、山形も十何年前に選挙をやりました。  ただ、驚くことなかれ、我が宮城県は昭和五十五年以来完全無競争、それをもって私は立候補したんですけど。したがって、この無競争区があまたある中で、東北は意外と、戊辰戦争ではないんだけど、かなり戦をしているんですよ。やっぱりそれだけ寒冷地、日本海ならば冬場になれば北西の季節風が吹いて、太平洋は台風が来るたびもう大変な過酷な、あるいは津波、毎年、毎年というよりも五十年に何回と来ているし、そういう過酷な漁場環境というのもあるんですよ。  したがって、やはりそういう意味での、いい意味での海区委員の選挙をやって、それぞれ皆さん、意見を磨かれているのかなと。それに対しては、当然、岩手の達増知事はなりわいの再生を掲げました。だから、やっぱりそういうのもあるのかなと。  ですから、我々は、岩手海区、福島海区、毎年お互いに訪問し合って合同の海区委員会をやっています。それで、初めて今月二十日に水産庁から漁業法改正、恐らくそれでは、二十日ではもう通過しちゃうんだけど、その説明会、福島と宮城の両海区委員に説明会があります。  これでいいですか。
  50. 濱本俊策

    ○参考人(濱本俊策君) 徳永委員の御質問にお答えします。  今日は、くしくも参考人三人とも海区の委員、現職です。その中で、答えが違う、真逆の答えがあるというのは私は解せない。これはもうまさしく海区の委員会に対する仕事の仕方の差だというふうにはっきり申し上げておきます。  今回、何のためにこの法律が公選制廃止するようにしているか。水産庁は過半数と言っています。過半数といえば八人ですね。今漁業者委員九人です。それだったら一人を公選減らしますと言ったら済むんですよ、本来。それでなくて、なくすんです、公選制を。あくまでも知事が選びたい。水産庁の答えは、十五人のうち十四人が漁業者でも構いませんよと言っておるんですよ、片一方では。私ははっきり答え聞きましたから。  要は、公選をなくしたいんです。要するに、漁業者から選ばれたということをなくしたいわけです。要するに、バックに漁業者がいるということをなくしたい。要するに、知事の意のままに、漁業権、企業免許、企業がどの程度入ってくるか知りませんが、企業を入らすために、今の団体漁業権から空きをどんどん見付ける方法、これ取っています、法案上。それに委員会を使うようにしていますから。はっきり言います。法案に書いています。それがはっきりしているのに、こういう楽観的な考え方は私は持てません。  以上です。
  51. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 ありがとうございました。  前回の改正のときも三年ぐらい時間掛けているんだと思うんですよ。やっぱり余りにも拙速ですし、それから、本当に議論の中身が見えない、そして浜の皆さんも全く知らないとか納得できないという声が圧倒的に多いわけですから、本当に今回は成立させずに、もっともっとやっぱり議論をするべきだということを申し上げまして、時間になりましたので終わらせていただきたいと思います。  ありがとうございました。
  52. 紙智子

    ○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。  今日は、三人の参考人の皆さん、本当にありがとうございます。やっぱり、現場の実情に立って責任ある発言をされているということを感じますし、本当に胸に響く、そういう貴重な発言をいただいたなというふうに思っています。  それで、先ほども三人の方、発言の中にもありましたけれども、今回の漁業法の改正というのは、五月に政府が水産政策の改革案ということで唐突に出してきて、現場の漁業関係者に丁寧な説明、納得、理解というのが得られないまま今回の国会に出して、七十年ぶりの大改正というふうに言いながら、実際には、本当に、今までやってきたような地方公聴会ですとか現地調査ですとか、現場に行って声を聞くとかということもやらずに、参考人を含めると極めて短い時間でこの国会でやろうということなんですけれども、そういう中で、私たちの下にもいろんな漁業者の関係の皆さんから意見が出てきていて、拙速に決めるなということでの意見が寄せられています。  それで、本当に聞けば聞くほど、この臨時国会、あと会期末まで僅かという中でやっぱり決めてはいけないというふうに思うんですけれども、こういうやっぱりこの取扱い、法案をめぐる扱い、国会運営の在り方について、まず、漁業調整委員会の濱本参考人と赤間参考人からそれぞれ聞かせていただきたいと思います。
  53. 濱本俊策

    ○参考人(濱本俊策君) 紙委員の御質問にお答えします。  今回、水産庁の進め方、とにかく七十年来の法律改正をたった六か月、六か月足らずかもしれません、それでやってしまう。この現状、ここまで話が来ている。もう後がない状況まで来ているのに、大半の漁業者、十五万人のうちの大半が知らないという。法律の所管は水産庁ですから、勝手にやるんだというのはそれはいいですけれども、現在この法律に基づいて毎日沖に出て生活をしておる漁業者がいるわけです。それに対する事前の説明、これがこうなるという。  水産庁も法文出しましたけれども、新旧対照表を見られたと思いますが、全く対照になっていない、線が入っておるだけで。よくもまあこんなものをホームページにアップしたなと思います。直ちにこれは変えるべきです。誰が見ても分かりません。私も長いこと法律を基にして仕事しましたけど、これはどうしようもない。そういうことを平気でやって、知らぬ顔をしておるんですね。これはまさしくもう本当に漁業者をばかにしている。我々は別に構わぬにしても、やはりこの法律に基づいて生活しておる人のことを本当にどこまで考えているのかと言いたい。  これはやり方としてはもう非常にまずいです。必ず法案が通った後、施行が二年先かどうか知りませんけれども、二年を待たずして、そして完全施行は五年先の免許更新ですけど、あちこちで訴訟問題になります、既にクロマグロがなっていますから。漁業権は、御承知のように、妨害排除請求権、いろいろ法的なあれがあります。だから、これはこのままでいくとあちこちで問題になると、そういうふうに思っています。  以上です。
  54. 赤間廣志

    ○参考人(赤間廣志君) 赤間です。  私、議論は逃げるべきではないなと。実は私、漁協の組合員になった当時、総会があって、組合長から、赤間君、議長になってくれと。組合長、私、いつも意見を言うから、うるさいから議長にしたんですかと。実際そうだったんでしょうけど、私は組合長に言ったんですよ。組合長、私が議長になったら総会での議論いっぱい上げさせますよと。ここには立派な議長さん、委員長さんがおりますけど、私は言いました。とにかく議論をいっぱい出して、その交通整理をするのがトップの役割ではないかと。したがって、むしろ議論煥発して万機公論に決すべし。だから、私は、もっと議論を出させればもっとすばらしい漁業法になるんじゃないかと、いろんな人たちの意見ね。  まして、私、先ほど申し上げましたけど、国民の方たちは一切分からない、ゴーンさんのニュースにかき消されて。ですから、やっぱりもっと国会としても、国民の皆さんに、こういう問題がありますよということで、もっと多くの人たちの意見が出るように、そうすれば、この水産庁の掲げた案よりも、もっと全漁連が仕事しやすいような法案が私は出ると思うんですよ。ですから、やっぱり議論は逃げたら駄目だと思います。
  55. 紙智子

    ○紙智子君 ありがとうございます。  先ほど、最初に漁業法ができたときに、みんなが本当に沸き上がって喜んで、希望を持ったという話があって、そういうものにすべきだということが心に残っていますけれども、やっぱり本来そうあるべきだというふうに思います。  それで、もう一つ、これも先ほど出ていたことでもあるんですけれども、公選制を今回廃止するということになっていて、濱本参考人にお聞きしたいんですけれども、実際に今まで海区調整委員会の仕事をされてきて、私たち、具体的にどういうふうに仕事しているのかってよく分からないんですけれども、どういうふうな、やっぱり調整するって大変なことなんだと思うんですけれども、努力があるのか、そして、そういう中で公選制が果たしている役割というか、それがなくなったらどういう弊害なのかという辺りをちょっと話していただければと思います。まず濱本さん。
  56. 濱本俊策

    ○参考人(濱本俊策君) 紙委員の御質問にお答えします。  この公選制につきましてですが、海区の委員十五人のうち九人が公選制ですね。その方たちは、香川の場合は五つのブロックに分けてそれぞれ出てきますから、やはり漁業者代表ですから、地域の要望を持って委員会に来ます。後ろに漁業者がおりますからね、出てきます。それを、やはり委員会でいろいろ意見は出ますけれども、最終的には、全県一区、やはり委員会としての公平な立場での答えを出してくれるようにしています。それで、それをまたやはり自分の浜へ持って帰って、その答えを出し、それからまた必要な調整をする、それが公選制で選ばれた人の自負です、漁業者のみんなに選ばれた。だから、選んだ人はいろんなことを頼みますけれども、それでできること、できぬことありますが、やはり持って帰ってその調整もする、できることはするし、できないことはやっぱりいかぬと、それが公選制の値打ちなんですね。  これが全て知事になりますと、知事に選ばれた人は、やはり委員会には出てきます。知事が聞いてきたことをそのまま答えて終わりですね。これは普通です、悪いことではないんですが、やはり諮問機関ですから、通常は県から出てきたものに答えるだけの仕事なんです。だけど、それ以上の仕事を今ずっと委員会はしていますから、もうそれができなくなる、それがやはり各浜の活性化にも何もつながらない、要するにいい話が全部出てこなくなります。それから、それが出てきても、地元での調整なり、そういうこともできなくなるおそれが強い、ゼロとは言いません。そういうことなんです。  以上です。
  57. 紙智子

    ○紙智子君 赤間参考人にもお聞きします。  先ほども、塩釜でずっとノリの養殖から始めて、そしてシーフーズあかまを設立をし、ずっと調整委員としてもやってこられているということなんですけれども。  いただいた資料の中で、先ほども発言ありましたけれども、やっぱり漁業者と漁協の関係って大事なんだと、漁協にはしっかりやってもらわなきゃいけないんだという話と、それから、その中でも宮城の水産特区の話が先ほどもあって、あのとき、私も実は、砂防会館で全国の漁業組合長さん集まって、それこそ全漁連の皆さんも、やっぱりこういうやり方は良くないということで決起集会やっていたときに参加していましたから、そういう現場の声を無視した形でやるということに対しては非常におかしいというふうに思いましたけれども、その特区の結果どうなったかという話もありましたけど、私は、これ、国費も投入して支援をしているということもありますから、やっぱりきちんと検証する、国としてもやる必要があるということも考えているんですけれども、こういうことにめぐっても、どんなふうなお考えをお持ちかということをお聞きしたいと思います。
  58. 赤間廣志

    ○参考人(赤間廣志君) 特区施行後に、日本学術会議で、私もコメンテーター、今水産庁長官をやっている長谷さんもコメンテーター、私と二人出て、各大学の研究者の震災復興に関する研究とかいろいろ発表会がありました。それで、学術会議の指針は、当初、民間の資本を活用してやるべき水産特区が膨大な公費が注ぎ込まれている、これは検証しなければならないという日本学術会議の意見も出ているんですよ。  それで、私は、本当にこのままいったら投入した五億もったいないなと、だから潰しては駄目だと。この現状を潰さないためには、やっぱり、この新聞にも書きましたけど、要するに、養殖部門を切り離して、それを県漁協傘下に入って漁場を委託と、行使権を。そして販売は、やっぱり販売だけでは、大卸が入っていますから、そういう点では、原料がなければもうそれから譲ってもらうと。  そして、私、二回フライングを起こしたと言うけど、一つのこの解禁日破りというのは、通常、カキ、むきが始まって新しいカキが出るのは大体九月三十日から十月一日、夏に産卵を終わって、カキの身が回復してむいてもいいというふうになるんだけど、ところが、スーパーとの商談では、我々も経験していますけど、一か月あるいは一か月半前にもう販売計画を立てるんですよ、量販店は。したがって、そういう状況になっても、もう欠品するわけにはいかないと。解禁にはならないけど進もうということでやったと思うんですよ。  それと、もう一つの他産地品流用、たまたま桃浦の隣接している浜から入札物を買ったのを、大卸系のグループ会社がそれを買って桃浦に販売したと。これも、やっぱり過剰な注文を受けちゃって、いわゆる身に余る注文を受け取っちゃって供給できないという問題からして、そういうフライングを起こしたんですよ。  ただ、特区認定されたときには、隣接する漁民との協調性を乱してはならないと、いわゆる復興特区法の要件があるんですけど、それにも掛かっているんですよ。村井知事が一生懸命熱心にそれを引っ張った会社が、いや、法は破っていないと。法を破っていなければ何をしてもいいのかと言えると思うんですよね。  この間も知事記者会見で、漁業法は水産特区を先鞭を着けたということを言ったんですよ。その二、三日後の海区調整委員会で、何だ知事の発言はと、なぜ言うんだと、県議会からも出ました。だから、やっぱりそういう知事がなった場合はかなり私は恣意的に怖いなというのが実感です。
  59. 紙智子

    ○紙智子君 ありがとうございました。  ちょっと時間が。  それで、今の御発言もあるんですけれども、最後に岸参考人にお聞きしたいんですけれども、先ほどもちょっと出ていましたけれども、適切、有効に活用しているということの意味がやっぱりもろ刃のやいばにならないかなという心配があるわけですよね。  つまり、今の話のように、知事がちゃんとしっかりして、漁業者のことをしっかりよく分かって、その立場で采配を振るう人だったらいいのかもしれませんけれども、そうじゃない立場だったりすると、もし、それでもって、知事の判断でこれは適切、有効だというふうに判断したら、企業なんかが入ってそのまま、いや、それはちゃんと機能を果たしているということで独占されてしまうということになりかねないかなという心配もあるんですけど、この辺のところはどんなふうにお考えでしょうか。
  60. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) 岸参考人、簡潔に、恐縮ですが、おまとめください。
  61. 岸宏

    ○参考人(岸宏君) 今回の適切かつ有効の解釈、知事が、先ほども同じ質問を受けたんですが、これは既存漁業に対する一つの免許の在り方でありますから、しっかり適切かつ有効に管理しておる漁業者については引き続きやっぱり漁場が利用できるということであります。ただ、その部分の解釈の問題が知事さんがどう恣意的に解釈をするかということでありますけど、私は、そういうことも含めて適切にやっておればまさに継続するわけでありますから、知事さんたるもの、私はそういう例は余り考えられない。ただ、宮城の場合は、たまたま漁協が管理しておったところを特区によって分断したことによってこういう問題が出たと私は認識しています。だから、今後ああいう例はあり得ない、出てこないというふうに私は考えています。  したがって、有効、適切にきちっとやれば、従来の漁業者がしっかり漁業を継続できるということで私は理解しております。
  62. 紙智子

    ○紙智子君 じゃ、時間ですので終わります。
  63. 儀間光男

    ○儀間光男君 日本維新の会の儀間でございます。  今日は、三名の参考人の先生方、どうもありがとうございました。感謝を申し上げたいと思います。  ただいま、岸参考人、赤間参考人、濱本参考人の御意見を拝聴しましたけれど、現場、つまり現場において漁業政策を担い、漁民のなりわいを豊かにしようというそれぞれの立場でおる方々ですが、特に本法案についてこれだけ意見の相違があり、また、海区漁業調整委員としての立場とJFの立場がこれだけ違って、意見が違ってですね、これだけ激しい意見を聞けたのを、実は驚くと同時に、感謝をしてやみません。  そこで、三名に共通のまず質問をさせていただきますが、今申し上げたように、驚いたところでありますが、まず、JFと都道府県漁協。都道府県漁協には赤間参考人や濱本参考人がおられて、違った意見があって、都道府県の漁協にそれが反映されていくと思うんですが、JFの岸会長としては、それぞれの都道府県でそういう形があると思うんです、JFですね。その取扱いと取りまとめをどうやってやられて本法案に賛成の見解と思われる見解を述べていらっしゃるか、それについて少し教えていただきたいと思います。
  64. 岸宏

    ○参考人(岸宏君) 先生御承知のとおりだと思っておりますが、我々は、組織の形態として単協があり、その下には当然漁業者がおるわけでありますが、漁業者が民主的に自主的に組織した漁協、それで、漁協で加入して組織する県漁連、いわゆる漁連ですね、県、都道府県単位、それから、それを構成員とする全漁連、この形態が一つ。それから、いま一つは県レベルで、私もそうでありますが、漁協と漁連、私は信用漁連も全部一括包括したわけですけど、いわゆる浜を一つにしておる県もございます。これは全国で十一県ございます。  だから、そういう中で、浜の漁業者を、しっかり所得を上げる、漁業者が意欲を持って漁業生産に取り組む、そういうことを仕組んでいくかということでありまして、まず一義的には、やはり我々は県レベルの代表者の皆さん、役員の皆さん方の理解を得る、さらにはその漁連を通じて漁協の皆さん方の理解を得る、また漁協は漁業者の理解を得る、こういう手順が、今回の法改正に限らず、全てが、まず私はそれが基本だと思っております。  あわせて、そのことは、やはり全漁連も浜へ出て、しっかり漁連なり漁協と一緒になって、漁業者の皆さんとも触れ合いながら、やっぱり問題意識、方向性を共有していくということで私は今までやってきております。今回もまさしくしかりであります。ただ、今回、いろいろ議論とか、まだ不安があるということもあります。これはこれからまだまだ浜へも説明を更にしていくわけでありますから。  基本的に、そういう仕組みの中で、我々は現在の、今回の問題に対しての理解をまとめたということであります。
  65. 儀間光男

    ○儀間光男君 恐らく、最後は民主的に賛否を問うて集約していかれると思うんですが。  そこで、赤間参考人、やや同じ質問ですけれど、赤間参考人と濱本参考人についてですが、資源の管理や、あるいは企業形態、あるいはそれぞれの海区での特色、そういうものを皆さんは議論の中で、あるいは調整の中で、あるいは現場を、あるいは指示をする中でいろいろやられると思うんですが、なかんずく今回は公選制に反対であられるし、それがどうってことはないんですが、そういう任務を通じて、それぞれの漁協で意見を言われて、どれぐらい皆さんの意見が集約されていって反映していくのか、この辺の感想をひとつお聞きしたいと思います。
  66. 赤間廣志

    ○参考人(赤間廣志君) 宮城県、岩手県はリアス式海岸で、その海岸の特性に応じて養殖しているものが各々やっぱり特徴あって違うんですよ。岩手県の場合は、どちらかというとワカメが相当強いですから、それにホタテとか。あと、宮城県は、仙台湾ではノリ養殖、あと松島湾あるいは志津川はカキ、あと気仙沼、唐桑、歌津、牡鹿、そこら辺はワカメと、各々浜の特徴があるんですよ。  それで、この漁民の声、浜の声、実は十二年前か、宮城県、岸会長と同じ、島根県と同じように一県一漁協になりました。そのときに加わらない漁協、当初あったんですよ。雄勝漁協、ここはホタテだけでも二十億上げた漁協、あと大和漁協というのはノリ、そこは品質のいいノリで大体十億弱、それと牡鹿半島の突端にある鮎川、そこにある牡鹿漁協、そして私の所属する塩釜市漁協、この四つが一県一漁協に加わらなかったんですよ。  我々の考えは、組織が巨大化した場合、末端の浜の人たちの声がなかなか通りにくいんじゃないかと。例えば、組合が小さければ、海で何かがあれば、組合長、今日こういう出来事があったと、常に組合長とのコミュニケーションが取れるんですよ。私は、合併の一つの問題点というのは、合併しちゃうと、総代会、そうすると、末端の組合員の声は聞こえないんですよ。そこが問題だなと。ただ、決まったものには従います。  それからもう一つ、それで合併しなかった漁協で、雄勝のホタテ、大和のノリ、これでもって圧力がありました。安全シールを与えない、ノリの共販からオフリミットすると。やむを得ずその二つは合併しました。  それで、我が方の漁協は、種苗、宮城県のワカメ養殖の八割の種苗になっているんだけど、共販からワカメを外しますと。私、海区委員会で、特区のとき、理事長に言いました。いや、理事長、種苗をそれだけ提供しているんだから、我々もまた共販に戻してよ、そうすれば県漁協にも手数料入るでしょうと。そういうことで、今、いろいろ仲良くしていますけどね。  そういう、例えば末端の浜の声が通りにくくなるというのは、やはり問題かなと思います。
  67. 濱本俊策

    ○参考人(濱本俊策君) 儀間委員の御質問にお答えします。  ちょっと的外れになるかもしれませんけれども、香川の場合は、今漁業権五百三十、それから許可漁業が八十種類余りが約六千件出ております。それが狭い海面で日々ふくそうして操業しておるわけですけれども。そういうトラブル、問題が大体時期によって、それから海域によって毎年繰り返します、同じような話が。これはもうどこの県でも一緒だろうとは思うんですけれども。そのときには、やはり委員会の方へ話が上がってきます。それ以外に県庁で持て余したような案件も委員会に出てきます。そういうときに、やはりその実力、力を発揮するのは漁業者委員なんですね。委員がおると、やはりその辺りのことは毎年処理して、それを、綱渡りみたいな部分もあるんですが、そういうことで委員会の運営ができております。  そういう意味で、海区の委員というのはやはり公選という、目には見えないんですけれども、これは長いことそれに基づいて選ばれてきた、次は誰がなるというようなそういう話もありますけれども、やはりそれはそれで地域で選ばれなければなりませんから、そういうことの積み重ねが今の調整のやり方、要するに調整機構になっております。それは役所も非常に助かっておる部分があるんです。  そういうことで、やはりこの今の制度、ちょっと話が違うかもしれませんけど、この新しい新法は、今の漁業法の一・五倍ぐらいの条文があります。それはそうです、TAC法を中に入れておるんです。だから、振興法か規制法か全く分からなくなっている、非常に分かりづらい。逆に言えば、今の現行の漁業法は非常に分かりやすいですね、私、改めて見ても。次の漁業法は定着するのに相当時間が掛かるだろうと思います、もしこのまま通った場合。  結局、その間のトラブルを誰が処理するのかと。水産庁も別に窓口も何もつくっていないし、都道府県については国がやっているので全く知りませんから、先ほど説明したとおり。このままでは到底これは立ち行かない、トラブルだけが起きる、そういう心配をしております。  以上です。
  68. 儀間光男

    ○儀間光男君 時間もないので、最後になりますが、三名の参考人に同じ質問ですので、お答えいただきたいと思います。  今、漁業全体の九四%は浜だというような現状にあります。本法案を見てみますというと、沖合の船舶の大きさ、これを規制外すんですね。私も心配ですが、それが沿岸に及ぼす、浜に及ぼす、どういう影響が心配されるのか、あるいは心配ないのか、ちゃんと調整していけるのかどうか、その辺、順序よく聞かせてください。
  69. 岸宏

    ○参考人(岸宏君) 沖合遠洋漁船の大型化について、沿岸漁業に影響があるじゃないかという御質問だと思っておりますが、この沖合遠洋漁船の大型化につきましては、しっかり国の責任の下で地元漁業者と漁協と調整を行っていくということがまず基本だろうと思っております。それからまた、IQのみならず、操業期間、それから区域、体長制限、そういう措置をやっぱり講ずることによって、資源管理や沿岸漁業者との紛争が生じないことが、そういうことが確認される場合に限り認めるということを我々は求めております。  私は、境港でも魚市場やっております。鳥取県内でありますが、うちが六割のシェアを持つ、島根県でも六つの市場をやっています。常にこの大型船と沿岸との、沖合との漁場のトラブルは随所にあります。  ただ、そこはやはり大型船といえども同じ業者ですから、しっかり意見交換しながら、我々は、私は自らが漁業調整、その中に入ってお互いの理解を得るような形での漁場の調整、それから荷揚げの調整、そういうことをやっておるわけでありまして、大型の皆さん方も、これによってもうどんどん大型化していくよということは、それは経済性からしても余り考えられないことでありまして、役所の方がしっかり調整の機能を発揮すれば、いいお互いの関係で漁場利用ができる、私はそう思っております。決して、そういう中において、沿岸漁業者が一方的に犠牲を得るということはあってはならないと思っております。  それともう一つ、先生の先ほどの御質問の中でそういう意見……
  70. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) 岸参考人、簡潔によろしくお願いします。
  71. 岸宏

    参考人(岸宏君) 一点だけ。  同じ意見集約していくわけですけど、さっきの香川漁連の問題も、香川からも私どもに要望がありました。それから、それを基に水産庁も私どもも調整しまして、その要望をお返しして、香川漁連では評価したという御理解をいただいたと。  あわせて、嶋野会長さん、漁連の会長でもあるし、海水養魚協会の前会長であります、私どもの理事でもあります。私ども理事会で、全漁連の対応について謝意を表するというお言葉をいただいておりまして、その中のいろいろな問題は私も存じ上げませんけど、香川県の中での代表者レベルの皆さんの御理解をいただいたと私は理解をしております。付言しておきます。
  72. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) 赤間参考人、時間が来ておりますので、簡潔によろしくお願いします。
  73. 赤間廣志

    参考人(赤間廣志君) 私は、大型化ははっきり言って反対。というのは、大間、津軽海峡のマグロ漁船、全部一本釣り。それと、今ここにも来ていますけど、千葉県の小型漁船。やっぱりはっきり言って私は、まずその小型漁船の漁業が成り立つものをむしろ優先するべきだと思う、どうしても。  ですから、大型化といっても、この前の衆議院でも、佐野先生とか資源に詳しい方が言いましたけど、これ科学的にやっぱり難しいんですよ。資源云々よりもむしろ気象、海況によって左右されるんですよ、漁獲。  ですから、そういう面で、私は、沿岸の小型漁業、大間、竜飛、あと千葉県、あとイカ釣り船だとか、そういう小型漁船が良くなるのがやっぱり先決だと。したがって、私は、大型化は全く否定はしませんけど、まず優遇する順番が逆でないですかと思います。
  74. 濱本俊策

    参考人(濱本俊策君) 儀間委員の御質問にお答えしますが、瀬戸内海の場合は、香川の場合、二十トン以下の船で操業しておりますから、現実に、外で、沖合で操業する漁船のトン数がどうなろうと今の漁業者には影響ございませんが、私の感想では、全ての船について出口規制ができるわけがないと、入口規制と出口規制は当然同時に必要だという考えです。  それから、先ほど、岸委員が関係のないお話されましたけれども、香川漁連の話、これ別に、私の方が答えるべきことなので、答えておきます。  漁連とも話をしました、漁連の嶋野会長とも。結局、一応了解したのは、この法案の六条に、国及び都道府県は、漁場の使用に関する紛争の防止及び解決を図るために必要な措置を講ずる責務を有すると、これが入っておるからまあ大丈夫だというふうに言われたようですが、実際には書いておるだけで何の対応もしていない、先ほど言いましたけれども。別に窓口も何もないし、都道府県は知らない。これ、実際に法案通った後、トラブルが起きるのにどないするんやという話を私はしていますから。そういうことで、お答えしておきます。
  75. 儀間光男

    ○儀間光男君 ありがとうございました。
  76. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 参考人の皆様、本日は誠にありがとうございます。  希望の会(自由・社民)、自由党の森ゆうこと申します。どうぞよろしくお願いいたします。  先ほど来お話がありますように、大変複雑な漁場の様々な利害調整を中心的に、それぞれの参考人が実際に現場で行われてきたと。そしてまた、岸会長におかれましては、全国の水産漁業者の、全漁連の代表として御努力をくださっていますことに、まずもって敬意を表する次第でございます。  今回の七十年ぶりの大改正ということで、やっぱり一番問題になっているのは漁業権、これが優先順位が法定化されていたものがなくなるというところが一番の問題であるというふうに思います。  この立法事実について水産庁長官に質問したんですけれども、どうも判然としないんですね。漁場の利用の程度が低くなっている漁場があるとか、それから、優先順位が法定化されているために漁業権の更新が行われなかった人たちがいて、そして、それは平成二十五年のときには七件なんですけれども、潜在的にもそういう人たちがたくさんいるのであると。つまり、だから安心して、見通しを持って、漁業権を持って漁業が行えるように、法定化されている優先順位を外すのであると、まずそういう説明なんですけれども、それもちょっといろいろ具体的な数字を調べますと、これだけの大改正をやるというその立法事実としては乏しいのかなというふうに思うので。  岸参考人に伺いたいんですけれども、一番全国の様子を御存じだと思いますので、果たして、現行の漁業権優先順位、これがあることによって漁場の利用の程度が低くなっているところがそんなにたくさんあるのか、そして同時に、そのことによって不利益を得ていて、具体的にもうここの優先順位というのを法定化を外してもらいたいと、そういう改正をしてほしいという潜在的な要求というのが本当にあったのかどうか、その点についてお答えいただきたいと思います。
  77. 岸宏

    参考人(岸宏君) 委員会での議論については承知いたしておらないわけでありますし、全国的にも漁場の管理、漁業権の付与は県の権限であるわけでありますので、系統はそれがいかに有効に、また効果的に活用されておるかと、そこで漁獲物がしっかり水揚げされて漁業者所得にそれが貢献しておると、そういうお手伝いをするのが私は漁協であると思っておりまして、全国的にそういう空き漁場といいましょうか、活用していない漁場が幾らあるか云々というのについては私が承知していない範囲でありますので、御了解いただきたいと思っております。
  78. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 漁業権付与の優先順位が法定化されているために非常に不利益を被っていて、ここはもうなくしてもらいたいというような話はそんなにたくさんあったんでしょうか。これ、立法事実として、漁業権の付与に優先順位があるからこそほとんどの漁業従事者、規模にかかわらず安心して漁業を行えていたと思うんですけれども、でも、それが非常に不利益を被っていて、安心して操業ができないという、そういう政府の説明だったものですから、実際にそういう話があったんでしょうか。
  79. 岸宏

    参考人(岸宏君) 私に対する質問で、関連だと思っておりますが、私自身が直接そういう事実があったかどうかということも承知しておりません。ただ、役所の方で、委員会の場でありましょうか、先生との議論の中でそういうお話があったということを今承ったということであります。
  80. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 私も、水産庁から資料を出してもらって、後ほどの委員会でも提出するんですけれども、例えば、実際には優先順位は第三位の人が受けているというふうな水産庁の答弁は、これは定置漁業権のみでありまして、やはり特定区画漁業権というのは優先順位一番の方が付与されておりますし、その競願数に関しても四件だけということで、だから、ここまで大胆な、これまで本当に安心して漁業権をもらっていた漁業者が不安に思う、そういう改正をする必要があったのかということを改めて疑問に思っている次第であります。  それで、今回は、有効に活用している、適正に有効に活用している人は引き続き免許がもらえますよと、漁業権が与えられますよという説明で、何にも変わりはありませんと。この法改正によって、地元の漁民が漁業権、特に零細の人たちですけれども、漁業権がなくなるということはないのである、何も変わらないのだということを政府も説明されておりますし、それから漁連の会長である岸参考人もそのように先ほどおっしゃっていますけれども、果たしてそうなんでしょうか。  水産庁長官は、一昨日の委員会で、例えば病気でしばらく操業できなかったというようなことは、常識的に考えてそういうことは考慮してもらって、引き続き漁業権が付与されると言っていますけれども、今回の法改正というのは、先ほど徳永委員からもありましたけれども、非常にドライに、これまでは優先順位で決めていたものを今度は非常にドライに、より漁場の活用、そして水産業の発達、経済的な問題、そういうところにより貢献するものと、そういうことで決めるわけですから、そのウエットな話、まあ病気していたから仕方がないじゃないかなんということを言おうものなら裁判を起こされるんじゃないかなと、漁場、漁業権を欲しいと思っている例えば企業、参入したい企業なんかからですね、そんな恣意的な運用はいかぬという話になるんじゃないかと思うんですけれども。  変わらないという説明がどうしても納得できないんですが、その点について、岸参考人、赤間参考人、濱本参考人、それぞれの御意見を伺いたいと思います。
  81. 岸宏

    参考人(岸宏君) このお答えは私がする立場の質問とは若干私は違う、責任ある立場の長官からお話のあったことの今関連でありまして、私のお答えする範囲ではないというふうに思っております。  ただ、そういうことを含めて、お答えのあったことについては政省令等々でしっかりそういうことになるような方途が講じられるのではないかなという私は感想であります。  以上です。
  82. 赤間廣志

    参考人(赤間廣志君) これ、かなりあれなんですけど、実は、昨日、長崎の上五島で私の友達が、東京の築地の大卸にいて、脱サラで漁業、たまたま、ふるさとに戻って漁業に今いそしんでいるんですけど、彼はやはり市場にいたものですから、経営体をちょっと法人化しようということで、今父親が漁協の役員やっているということで、同じ家からは二つ漁業権付与できないと、お父さんは役員やっていて漁業ができない状況だったのかな、何か専従職かどうか分からないですけど、それで、上五島の人は自ら会社をつくって、ちゃんと組合の手続上スムーズにその法人が組合員になったという事例があります。  それで、私、今回のこのことで、やはりこの適切かつ有効、これ私も本当に心配でいます、正直言って。ただ、やっぱり漁協が、そういうスムーズに、むしろ適切な受入れシステムさえつくれば、私はそういう問題がなくできるかなと。ただ、漁協が受け身では駄目かなと。そうすると、やっぱりいろんな問題が発生した場合にどのようにやるか。現状の海区委員会だったら調整機構がありますよね。ただ、新たな漁業法が制定になった場合は、その海区委員会が、いわゆる漁業調整機構が働かなくなる可能性が十分にあると思います。  いいですか。
  83. 濱本俊策

    参考人(濱本俊策君) 森委員の御質問にお答えしますが、まず、変わらないと水産庁が言っても、これは受け手側は漁業者ですから、漁業者がああやっぱり変わっていないなと言えば本当に変わっていないんでしょう。作った側が言うことは、別にそれはどうでも言えますから。私はそういうふうに思います。  それと、先ほど優先順位が下位で実際に更新のたびに困る企業の話をされました。それについて私も気になって、香川県での説明会に、水産庁に尋ねました。実際、水産庁に幾つの件数があって、どれだけの生産量に影響が出ているのかと聞きましたところ、いや、実態は調べていませんということでしたから、調べていません。要は、幾つかの企業が泣き付いてきたんだろうと思いますけれども、こういうことを基にして法律を変えてしまっておる。まあこれだけではないと思いますけど。  それから、共同漁業権はいじらないと言っていましたけど、いじれないんです、要は。これをいじると間違いなく訴訟になります。これが全ての漁業者の大本です。一種、二種、三種、共同漁業権、これに基づいてやはり操業していますから、その上に区画漁業権があるんですから、今、区画の話でもうこれだけもめているんですから、共同漁業権をいじる話を出したら当然通りませんし、これやると、必ず訴訟があちこちで起きます。  だから、五年先が次の更新時なんです、共同漁業権、これ十年ごとですから。だから、その五年先というと、この法律が完全施行になります、区画も含めてですね。だから、この五年以内に必ずこの話は出ます。共同漁業権者が同意しない限り、新たな区画は設定できませんから、企業が幾ら言っても。だから、これは必ず問題になります。それがそうならないように、我々もずっとこれ注視していかないかぬのです。  以上です。
  84. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 農水副大臣が、私、新潟県選出ですけれども、高鳥農水副大臣新潟県上越地区の選出で、地元の声を聞いたかという質問に対して、いや、地元は賛成の方向だというお話だったんですが、でも私のところには、地元の漁協から、これは絶対反対と、拙速な審議、改正反対と、少なくとも公聴会、地方公聴会をやってほしいと。そういう様々な要望が、地元だけではなく、全国から寄せられているところでございます。  やはり、この法案の、何というか、提出過程というのが極めて不透明でして、国家戦略特区のワーキンググループで、漁業権の民間開放ということで、さらには、真珠に関わる漁業権の民間への規制緩和について等々、この間相当程度やられているんですが、議事録も全部開示はされておりません。よほど我々に知られたくないことがあるのか、今だけ、金だけ、自分だけという人たちのためにやってきているのではないかというふうに改めて思わざるを得ません。  ということで、もう少し質問させていただきたいんですけれども、時間が来ますので意見だけにさせていただきたいんですが、資源管理について、トン数制限、水産ワーキング・グループの議事録を見ますと、全漁連さんの方も、やはりアウトプットコントロールだけでは駄目だと。トン数制限、隻数制限というものをやらないと到底コントロールできないというふうなことも昨年の九月二十五日のワーキンググループでは言われておりますし、この資源管理についても、今回の法改正、極めて問題であると申し上げたいと思います。  本日は貴重な御意見、誠にありがとうございました。
  85. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人の皆様に一言御礼を申し上げます。  本日は、長時間にわたり御出席いただき、貴重な御意見を賜ることができました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。誠にありがとうございました。(拍手)  午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。    午後零時四十分休憩      ─────・─────    午後一時三十三分開会
  86. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、青山繁晴君が委員を辞任され、その補欠として礒崎陽輔君が選任されました。     ─────────────
  87. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  漁業法等の一部を改正する等の法律案の審査のため、本日の委員会に農林水産省経営局長大澤誠君及び水産庁長官長谷成人君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  88. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  89. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) 休憩前に引き続き、漁業法等の一部を改正する等の法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  90. 鉢呂吉雄

    ○鉢呂吉雄君 立憲民主党・民友会の鉢呂吉雄です。  漁業法の改正案について吉川大臣に御質問しますので、率直なところの御答弁をお願いいたしたいと思います。  午前中も参考人の質疑ございました。私は、全漁連の岸参考人に対して、浜の組合員、漁業者まで理解が進んでいるかという質問をしたことに対して、県漁連あるいは単協の幹部のところまでは言いましたけれども、漁業者、浜の直接漁業をしている方についての理解が進んでいるというお答えはありませんでした。  私も、この法案が出るということで、立憲民主党のタウンミーティング、衆議院の亀井亜紀子部会長を先頭に、ここにいます小川勝也さんも含めて、北海道漁連、九名の衆参議員で調査をし、また、ある単協、私自身も個人的に二日間、五人の漁業者でありましたけれども、今、大臣御案内のとおり、積丹半島等は、シャコ、あるいはイカ、それからヒラメ等の、そのほかにも多種な魚が入っていましたけれども、漁業者を訪ねました。  海区漁業調整委員も一人おりましたけれども、押しなべてこの漁業法の改正案について、知らない方もおりましたし、なかなかこの中身の問題をよく分かって理解をしておるというふうにも言っている方も少なく、また、中にはやっぱり、漁業権の問題、海区調整委員会の構成の問題等で不満とか不信の考えを言われる方も多かったわけであります。  率直に言って、大臣として、現状の、私も委員会聞いていますから様々な説明があったということは聞いていますけれども、浜の漁業者の理解というものは本当に進んでいるかどうか、お答えを頂戴いたしたいと思います。
  91. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 水産改革につきましては、現場で漁業を営む漁業者の理解を得ながら進めていくことが私は必要不可欠であると認識をいたしております。それで、このために、農林水産省と団体が協力をいたしまして、改革の内容ですとかあるいは改正法案の考え方につきましては、漁業者団体の開催する会議など様々な機会を通じて漁協や漁業者等との意見交換も行ってまいりました。本年六月から十月末までの間に全国各地で九十九回の説明会等を実施してきたところでもございますが、こうした説明会を通じまして、漁業者の全国団体から改正法案について理解をいただいたと承知もいたしております。  説明にはもちろん十分過ぎるという言葉は当てはまるものではございませんので、一人でも多くの漁業者の方々に御理解をいただき、少しでも不安を解消できるように、今後も引き続き丁寧な説明に努力をしてまいりたいと存じます。また、様々な御意見に対しましては、私は真摯に耳を傾けてまいりたいと存じます。
  92. 鉢呂吉雄

    ○鉢呂吉雄君 法案ができてからその中身の説明をすると。その法案を策定以前に、漁業権が優先的に順位を今までしているものをこれを取り除くとか、あるいは公選制から任命制に変える、これは大きな改正ですから、法案策定の前から十分浜の声を聞くということがやっぱり大切ではないのかと、こういうふうに思います。  私も、先ほど午前中の参考人で、この施行が二年後、あるいはこの免許、漁業権についても十年という形であればまだ五年後、あるいは調整委員会の委員選任もまだ五年後というような話も出ておりましたから、なぜここまで急ぐのか。  ほかの委員の皆さんからも出ておりますけれども、臨時国会で出してきて、そしてこの終盤国会で、まだ参議院でも、まだ私は、今日は中央公聴会ありましたけれども、地方の公聴会ですとか現地調査等を行うべきだし、我々自身もあの膨大な法案では必ずしもこの法案の習得はきちんとなされていない、閣議決定してからすぐには法案が出てこなかった面もあって、この半月余りか何かで通すというのはやっぱり相当無理があるのではないかと、こう思うわけであります。  その中で、大臣、法案の制定過程で、私はずっと議事録読みますと、長谷長官が衆議院の農水委員会の御答弁で、六月から八月末の五十五回の説明で、その意見を取り入れて法律過程に生かしたというような話で、二つしか言っておりません、資源管理のセーフティーネット、それから公認会計士の導入に当たっての配慮規定という形でですね。先ほども言いましたように、法案を作るその前段でやっぱりきちっとやるべきではないかと。  そういう中で、私の持ち時間二十分ですから、端的にお話をさせていただきます。  資料を提示させていただきました。大臣も見ていただきたいんですけれども、資料の一、上欄です。これは今年の一月二十二日の参議院の本会議で、安倍総理が施政方針演説で、僕らも聞いていてびっくりしたんですけれども、ここまで細かく総理大臣が言うのかなというぐらいで、赤線を引いてありますけれども、養殖業へ新規参入が容易となること、海面の利用制度の改革、速やかに実行と。そして、十月の所信表明、臨時国会冒頭ですけれども、十月二十四日、ここでは、一月と同様に、より具体的に、赤線引いています、漁業権の新たな付与についての現行制度を廃止、それから新規参入、規模拡大と。  大臣、大臣就任あるいはその後でもいいんですけれども、安倍総理からこの漁業法について何か指示なり御相談があったでしょうか。率直にお答え願いたいと思います。
  93. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 総理からは、私が農林水産大臣に着任する際に、水産政策の改革についてしっかり取り組むようにという、そういう御指示をいただいたところでございます。
  94. 鉢呂吉雄

    ○鉢呂吉雄君 それは、大臣が就任してからでありますから、まさに臨時国会前後だと思いますけれども、この国会に提案をし、成立を図る、速やかにということはそういうことでしょうか。
  95. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) ただいまも申し上げましたように、大臣就任する際に総理から、水産政策の改革につきましてしっかり取り組むようにという、そういった御指示をいただいているところでございます。
  96. 鉢呂吉雄

    ○鉢呂吉雄君 各委員が指摘しておりますように、この前段は、規制改革会議の専門部会といいますか、ワーキングチームが冒頭から、規制改革の一環で岩盤を取っ払うという形で新規参入あるいは規模拡大、そういったものを打ち出しておるわけでございます。  これは、大臣、非常に議論が足りない中で、私は、与党のこの法案提出前の議論が三回ぐらい行われた中身も、これは未定稿でありますけれども見させていただきました。もうほぼ、相当数の方が、拙速ではないかと、もっと慎重に、この臨時国会でやる必要もないのではないかと、こういうふうに述べておるわけですし、私どもの浜で伺った感触としても、浜の漁業者に自らに関わる、漁業権に関わることですから、これ重大なことであります。やっぱりもう少し慎重な議論があってしかるべきではないかと、こういうふうに思いますけれども、再度大臣に御答弁願いたいと思います。
  97. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 私は、水産改革につきましては、かつて世界一を誇りました我が国の漁業生産量、今はピーク時の半分以下に減少をしてきていると承知をいたしております。さらにまた、漁業者の減少ですとか高齢化も進んできております。そのような中にありまして、国民の皆さんに水産物を安定供給するという使命を果たしていくためには、水産政策の改革は待ったなしの状況にあるのではないかと考えているところでございます。  そういったことから、本年六月に取りまとめた水産政策の改革の内容をなるべく早く法制化する必要があると考えまして、この臨時国会に関連法案を提出をさせていただいたところでもございます。  今後も、現場の漁業者の皆さんとの信頼関係を大切にしていかなければなりませんのはもちろんのこと、制度運用についても丁寧に御意見を伺いながら、現場の皆さんに寄り添った改革というものも進めていく必要があるのではないかなと、こう思っております。
  98. 鉢呂吉雄

    ○鉢呂吉雄君 待ったなしとはいいながら、二百海里設定以降、トン数は漸減したことは認めます。しかし、それは待ったなしでこの臨時国会で早急に仕上げるというようなものではなくて、これは長い歴史的な経過もありますから、それをちゃんと論議して、踏まえて、どうあるべきかという形にしていくべきだと。  今、国民民主党で衆議院やっています篠原孝さん、これは水産庁の企画課長のときに、私も自社さ政権の橋本政権のときに一緒になって、あのとき、戦前の国際連盟、日本が脱退しました。それ以来初めて、日韓漁業協定、旧の日韓漁業協定を、失効条項があって、それに基づいて失効させたというときの担当課長です。彼から私は様々、今回もお話を聞きました。話は少し横にそれますけれども、当時、彼が企画課長になってもう一つやったことはTAC法、出口の規制をいかにやるか。  当時、沿岸審議会、今の水産審議会で、今の猪口参議院議員、今日は来ていませんけれども、猪口さんが学識経験者で、まだ大学の関係者だったかも分かりませんが、この方の正論が流れを変えたと。日本は世界一の水産国で、だから率先して資源保護のための姿勢を世界に示すことが必要だと。その見本を示せば中国も韓国もそれに従わざるを得なくなると。  当時は、日韓漁業協定の中には、北海道の太平洋岸に韓国や中国の大型トロール船、これはスケソウダラの、これが大挙して来ることは想定していない漁業協定だったんですね。船も大型化して、そういう形で大変な事態で、先ほど言った条約に基づく失効条項をきちんと使ってやり抜いた篠原さんです。TAC法も、この流れをちゃんと見据えてやった方です。彼は、例えば六次化とか、あるいは地産地消というようなことを農水行政の中で具現化した方でもあります。  彼が私にも言うんですけれども、今回の規制改革推進会議に基づく漁業の関係は、専門家の意見も聞かないで、門外漢の者が勝手に強引な球を投げてきて、水産庁が慌ててそれに従って立法化をしていると。まさにこういうふうに彼は言っているんです。官僚は中立でなければならないんだけれども、最近は、政治的な官僚、政僚、政治の官僚、これは、官邸の官僚が政治家気取りで、政治家を後ろ盾にして様々なことをやってきておる、こういうやり方は長く続かないと、こう私にも言っています。  漁業法は、もっと長い日本の歴史、江戸時代からの長い、地先は、そこに住んでいる漁業者が持続可能性のある漁業をやりながらやっていく、沿岸漁民主義というものの大原則をやっぱり崩してはならないと。何か適切に有効利用というような抽象的な条文を加えて漁業権を大規模な漁業者に得ることができるようなことをやれば、結局は過剰乱獲になって浜を荒らしてしまう、こういうふうに言っておるわけであります。  やっぱりそれだけのものがこの漁業権にはあるわけですから、大臣も様々御苦労されておりますけれども、様々な日本の歴史的な形も聞いて、誤りのない形を私はすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
  99. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 様々な意見を聞いて誤りのなきように、それはもう私も同感でございます。  今回の法案提出に至るまでの検討作業につきましては、水産政策の実施に責任を有する農林水産省といたしまして主体的に検討を進めて法案提出に至ったものと承知をいたしておりまして、この度のこの改革でありますけれども、平成二十九年、昨年の四月に策定した新たな水産基本計画が出発となっております。この水産基本計画は、一年間にわたって水産政策審議会で議論をされてまいりました。その中で、数量管理等による資源管理の充実ですとか漁業の成長産業化等を強力に進めるために必要な施策について、関連法案の見直しを含めて引き続き検討を行うと定められてまいりました。  そういったことを含めて改革を進めてきたということでありますので、御理解をいただけますれば大変有り難いなと存じます。
  100. 鉢呂吉雄

    ○鉢呂吉雄君 今もお話があった漁業の成長産業化、ここはどうしてもこの成長産業というものに違和感を、これは農業、林業もそうですが、感じてなりません。  大臣も答えています。成長産業というのは何か。いや、大丈夫ですから、そんな答えにくいことの答弁はさせませんので、こっちで全部答えますので。生産者の所得の増大と輸出を増やすということを言っておるわけです。そして同時に、持続可能性のある農山漁村の集落維持だとか国境措置も含めて多面的な機能についても、条文でも附則、附則とは言いません、百三十何条かに設置したからと。  私は、確かに、浜に行ったら、一日出漁したら二千円もらえるといったかな。これは今、別にこの国境措置でいろいろやって出していますけれども、話は筋が違う。私は、漁業生産活動そのものが必然的に国境措置あるいは多面的機能というものに連動しなければ、いやいや、それはそっちで大規模な漁業者がやってもらって、あとは二千円交付するから、これは私は本筋ではない。それは私の経験です。  今から十七年前の平成十三年に、僕も衆議院の農林水産委員長をさせていただいて、福井県で全国漁港大会があって、行って挨拶をさせていただきました。そのときに、お昼休み、当時の栗田福井県知事が私にいみじくも言っていました。今は、鉢呂さん、福井県の浜辺は漁業が活発で、養殖も非常に活発で、漁業者が出入りしていると。これが二十年前ぐらい、当時ですけれども、二十年前ぐらいのあの地村さん夫婦が、あのときにこれだけ浜が、漁業活動が活発であれば、あの拉致は起きなかったと私にいみじくも言って、非常に残念な形になりました。  私は、今、北海道からずっと回っても、先ほど言ったように、浜では集落数は数で数えればあるけれども、漁業をやっている方が本当に少ない。空き家も本当に、私なんかも毎度積丹半島回ってがんがんがなっていたんですけれども、冬行ったら足跡付いていなくて、ここは空き家だったんだなと、冬になって雪降って初めて分かるような形で、やっぱりそれは漁業の生産活動が本当に活発じゃなかったら、多面的な機能と言葉で言っても、これは単に付け焼き刃で長続きしないと、こういうふうに私は思うんですけれども、この連関はどうですか。  大臣は何か、多面的機能というのは別途やるから、水産庁の役人さんもそう言います。その辺について答えていただきたい。私は、漁業生産活動あって初めて多面的な機能が生きてくると、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
  101. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 多面的機能を発揮する漁業というのは私は大変必要だと、こう思っておりまして、漁村地域の維持発展とか国境監視も含めて、この多面的機能の発揮に私は貢献をしてきたと承知をいたしております。  さらに、今後も漁業の生産力を発展させる産業政策と、その一方で、漁村の活性化等に十分配慮するような地域政策、このバランスをしっかりと取ることが必要ではないかなと、このように思っております。
  102. 鉢呂吉雄

    ○鉢呂吉雄君 もう時間が来ましたので終わりますけれども、大臣は大きな権限持っていますから、大臣がもっと慎重にやるべしと、堂故委員長がこの臨時国会では採決しないんだと、こういうふうに言えば、私は、通常会でちゃんとやればもっといいものができると。  小川勝也参議院議員にバトンタッチをさせていただきます。
  103. 小川勝也

    ○小川勝也君 同僚の鉢呂委員からバトンを受け取りました参議院議員小川勝也でございます。  いいバトンが来ました。ここまでいい議論になりましたので、何とかこのいい議論を来年の通常国会にも持ち越して、もっといい形にして漁業法を成立させたいと、そんな思いでいっぱいであります。  長谷長官には信頼を申し上げているという話を前回の質問のときにも申し上げました。しかし、信頼する長官以下水産庁の皆さんがどれだけ御苦労をされたのかというのは想像に難くないわけであります。後で森ゆうこ議員も質問されるかもしれませんけれども、例えば会議体の方にヒアリングを受ける水産庁の課長、企画課長がどういうふうに答弁をしているのかというふうに考えると、我々の思いそのものであります。すなわち、先ほど参考人からおっしゃっていただいた現漁業法の第一条の思いを胸に秘めた水産庁の役人、そしてこの改正に反対する野党議員、そして答弁に立った企画課長、みんな同じ思いでありました。  しかし、いつの間にか攻守所を変えて、水産庁を含む農林水産省側がいわゆる改革推進会議あるいはワーキンググループに魂を乗っ取られたのか、あるいは売ったのか、売ったふりをしているのか、分かりませんけれども、我々に真逆の議論を吹っかけてきているわけであります。  どういうふうに読んでも、この法律は現漁業法のその崇高な思いを捨て去り、企業が参入しやすくする法律にほかなりません。これは、法律をどこから読んでもどう読んでも全く変わらない哲学であります。この法律、法改正、特に安倍総理は養殖漁業というふうにもう名指しをしています。企業が参入しやすいように、あるいは企業を参入させるための法改正であることを、長官、お認めいただいてよろしいでしょうか。
  104. 長谷成人

    政府参考人(長谷成人君) これまでも御説明してきましたとおり、養殖業ということでいえば、内外のマーケットの状況等から見て伸び代が大きい分野だということで御説明してきたところでございます。そういう中で、現在の漁場の利用状況をもう一回この時点でよく検討する、しっかり頑張ってやっていただいている方の免許は継続するということでありますけれども、その他の漁場について、様々な検討を加えて、外部の企業を押し込むということではなくて、その漁場をもう一度しっかりと利用していく、必要であれば地元の内外問わず企業との連携も図っていこうという考え方でございます。
  105. 小川勝也

    ○小川勝也君 そうとしか答弁できないのはよく分かっています。  それで、企業を参入させるためにあれもこれもというふうにいろいろと押し込んできているはずであります。しかし、水産庁も、浜の現場あるいは流れからして、ここまでは譲ったとしても、ここはどうしても譲ることはできないということで押し戻した点などはありますか。
  106. 長谷成人

    政府参考人(長谷成人君) 今回の水産政策の改革は、水産政策の実施に責任を有する農林水産省がこれまでの政策の実施を通じて漁業者等からいただいた様々な意見を踏まえて主体的に検討したものでございます。  そもそも、企業参入につきましても、昨年四月の水産基本計画の中で、必要とされる技術、ノウハウ、資本、人材を有する企業との連携を図っていくことは重要としつつ、企業と浜との連携、参入を円滑にするための取組を行うとともに、必要な施策について引き続き検討する旨を定めていたところでございます。  また、あくまで農林水産省が主体的に検討してきたことは再三申し上げてまいりましたけれども、その結果として、委員御指摘の論点のうち、例えば入札制度は盛り込まれておりません。従来の優先順位規定を廃止する代わりに、適切かつ有効に活用している、頑張っておられる漁業権者へ優先して免許することとしたところでございます。
  107. 小川勝也

    ○小川勝也君 確認をしておきます。  企業が参入するときに、いわゆる漁業協同組合やその近い場所で漁業を営む漁業者等との話合いのルール作り、これを水産庁が進めているということでよろしいでしょうか。
  108. 長谷成人

    政府参考人(長谷成人君) これも、今回の法律案の中でも、海区漁場計画について、海面の総合的な利用を推進するとともに、漁業調整その他公益に支障を及ぼさないように設定しなければならない、漁業権を設定しなければならないと。また、その作成に際しては、知事が漁業者や漁協等の意見のほか、地元の漁業者が主体となる海区漁業調整委員会の意見を聞くこととされております。こうしたことから、企業の参入の際には、地元の漁業者とのあつれきが生じないよう、都道府県による十分な調整が行われるものと考えております。  また、農林水産省としても、これ、全漁連による漁村地域と参入希望企業等とのマッチング活動を促進する取組を支援しているところでありまして、今後とも、企業の参入が地域との協調の下で行われるように努めていきたいというふうに思っているところでございます。
  109. 小川勝也

    ○小川勝也君 後で質問をいたしますけれども、トラブルが予想される、混乱が予想されるということは参考人からもるるお話があったところであります。適切かつ有効というキーワードは、衆議院の委員会、当委員会等で再三議題に上る、今改正案の中で一番重要なところであります。  短いお答えで結構でございますが、衆議院の中での答え、あるいは附帯決議の中にも盛り込まれています、全国の都道府県がいわゆる混乱しないように水産庁として適切なガイドラインを作るか、このことについてお答えをいただきたいと思います。
  110. 長谷成人

    政府参考人(長谷成人君) 当然、混乱が生じないように、紛争など起こらないように、しっかりとしたガイドラインを示していきたいと思っております。
  111. 小川勝也

    ○小川勝也君 山田先生から今日午前中にお話がございました、農協改革と非常に似ているわけであります。これ、農協改革の主眼は何か。まさに企業が参入しやすいようにということであります。そして、そのお題目は、農業者の平均年齢が六十ウン歳だから、どんどん担い手がいなくなるからというお話であります。農業と漁業は若干違うわけでありますけれども、例えば農業で見ますと、そこに担い手がいなくなるのは、中山間地、条件不利地域からであります。  漁業も同じでありましょう。最も養殖漁業に適した静穏域、海水温、あるいは広大なエリア、こういうところは人がいなくなるということはないわけであります。ですから、人が、いわゆる既存の漁業者が漁業や水産業やあるいは養殖漁業をやりたい場所と企業が参入したい場所はおのずから重なってくるわけであります。ですから、何だ、法改正しても思ったとおりにならないじゃないかというふうに必ずなるわけであります。冒頭申し上げましたように、この法改正の主体が企業参入を目的とする立て付けになっているからであります。  ですから、一番心配になる点は、既存の漁業者がその海水面を適切かつ有効に使っていれば参入させないんだという流れがどんどんどんどん変化していって、恣意的に、力を持つ国、総理大臣、あるいは改革会議、農林水産省、農林水産大臣、知事が結託すれば、浜の思いはおいておいて、何でもできる世の中になることを懸念しています。  ですから、あそこに入りたいんだけれども、あと何人か残っているんだよ、あれを排除してくれないかといったときに、都道府県知事に排除させるようなことがあっちゃいけない、これは私は思っているのであります。長谷長官に聞くと、そんなことは絶対にありませんというふうに言ってくれると思いますけれども、いかがですか。
  112. 長谷成人

    政府参考人(長谷成人君) 常識的に考えて、一生懸命頑張っている漁業者、普通、その浜の常識的に頑張っている漁業者を押しのけてというようなことになるはずがないというふうに思っております。  漁場の利用について報告をするわけですね。報告をしてもらうわけですね。ただ、現在でも盛んに行われている地域であっても後継者が減ってきて、利用状況というのは変わってきているわけです。そういう地域もございます。そういうところでもう一度その漁場を十分に利用する検討をしていただく、その契機にこの改革がなればいいというふうに思っております。
  113. 小川勝也

    ○小川勝也君 浜には一軒しかないわけじゃありませんので、そんな外から参入しなければならないほどのすばらしい漁場が空くということは、これはあり得ないんです。  ですから、いわゆるさっき農地の例を出させていただきました。使いにくい、生産性が上がらない中山間地域は、どんどんどんどん耕作放棄地が増えてまいります。しかし、平場で大区画の圃場が、本当に、全く正方形で整備されていて、なおかつ出荷に適しているインターチェンジの近くなんというところは、絶対に空かないんですよ。  ですから、いわゆる大資本や企業や養殖漁業が望むようなところは空かないんですよ。だから我々はこの立て付けはおかしいなと思っているんです。ですから、先ほどの長官の答弁は、私が不勉強なのか、長官の考え方が甘いのか、あるいはこの後秘策を持っているのか、どれか分かりませんけれども、次の質問をさせていただきたいと思います。  先ほど岸会長もお見えいただきました。漁師さんが好きなのはお魚とか魚を捕ることだと思いますけれども、お金、嫌いな人はいません。  今回、水産庁は三千億円を超える概算要求をしています。ふだんより突出しています。誰が見ても、この規制改革推進会議のワーキンググループからの厳しい法案を作成させられる代わりに、その金を持って全国の漁業者を説得する、その金に使えというふうに読めなくはないし、そうとしか読めないんです。これは、長官、いかがですか。
  114. 長谷成人

    政府参考人(長谷成人君) 平成三十一年度の水産関係予算の概算要求でございますけれども、資源調査・評価の充実による資源管理の高度化など、水産資源の回復に向けた新たな資源管理システムの構築、高性能漁船の導入や、浜の構造改革による競争力の強化など、適切な資源管理の下で漁業の成長産業化を図るための水産業の構造改革、水産政策の改革と一体で水産資源を守るための外国漁船対策など、本年六月に決定した水産政策の改革の推進に必要な予算として要求しているところでございます。
  115. 小川勝也

    ○小川勝也君 岸会長は、自民党の部会に行って法改正の中身について問われると、まずは概算要求の三千億円ありがとうございますと、そこから始まっているんですよ。ですから、いわゆる先ほどの参考人とのやり取りで分かったと思います。全漁連は、三千億円の予算が付いたからかどうか分かりませんけれども、まあ了承している。全国の漁協も何とか分かっている。けれども、漁民や漁師さんたちはまだ知らされていないし、知っている方々の中には反対が多いということも分かっているわけであります。  ですから、参考人から教えていただいたように、拙速にこの法律案が成立すると、後でとんでもないことになります。漁師さんに水産庁が信頼されなくなるということは、めちゃくちゃ怖い世の中になります。私たちは、今まで先人がしっかり守ってきた、いわゆる調整をする、その上にはちゃんと水産庁が見守ってくれているという、浜の秩序を守る、その先頭を走ってきた水産庁に信頼が失われるということを、私はすごい懸念をしているところであります。  先ほど鉢呂さんから、浜をどう守っていくのかというお話がございました。国境離島というのがあります。それから、尖閣の例や、あるいは竹島の例も衆参の議論にあります。これは先ほども参考人に答弁をいただきました。日本が世界に冠たる水産漁業大国で、五・五キロメートル置きに漁村集落があると。これは私たちの国の宝物であります。そして、毎日毎日海を監視していただいているので、いわゆる海保なのか自衛隊なのか警察なのか分かりませんけれども、しっかりとその役割を果たしていただいているということを今回法案にも書かれています。  ですから、私は、もし後継者がいなくて人口を維持できない集落があれば、その重要度に応じて、例えば国境離島、離島、あるいはそれ以外の間が空いてしまった漁村、こういうところはランキングをしてしっかりと直接支払をしてもいいと思っている。それは実はノルウェーなどではやっているわけであります。それは、漁船漁業で収益性を高める代わりにたくさんの税金を取って、そして漁村集落を守るために付けている。  しかし、この法案の立て付けでいきますと、いわゆる収益は企業に丸取りされて、いわゆる浜がどんどんどんどん寂れていくということであります。ですから、私は、どちらかというと、しっかりとその重要性に鑑みて、直接支払を浜に導入するということもいわゆる漁船漁業の振興と併せて考える時期に来ているのではないかというふうに思っています。当然このことは農林水産省だけでできる話ではありません。内閣全体として、国全体として、国土交通省や総務省とも連携をして、いわゆる水産庁を所管する農林水産大臣から私は閣内で提起をしていただきたいと思います。  人口がどんどんどんどん減少しても、あそこの場所だけは人がいてもらいたいという場所は必ずあるはずであります。吉川農林水産大臣から御答弁をいただきたいと思います。
  116. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 我が国の水産業は、国民に対して水産物を安定供給するとともに、今御指摘もいただいておりましたように、国境監視も含めた多面的機能の発揮に貢献するなど、極めてこの部分にとりましては重要と私ども認識もいたしております。  この多面的機能は、人々が漁村に住んで漁業が健全に営まれてこそ発揮されるものでありますことから、今回の法案におきましても、今、小川委員からも御指摘をいただきましたように、このことへの配慮規定というものを置いたところでもございます。  農林水産省におきましては、この多面的機能が将来にわたって発揮されますように、平成二十五年度から漁業者等が行う多面的機能の発揮に資する地域の活動を支援する水産多面的機能発揮対策等を実施をいたしてきております。  引き続き、離島を始め漁村地域の維持発展に努めてまいる所存でありまするけれども、御意見は拝聴をさせていただきたいと思います。
  117. 小川勝也

    ○小川勝也君 もう既に企業形態が漁業に深く参入していることは常識となっています。企業が参入することに真っ向から反対しているわけではありません。その趣旨は、漁業によって得られた益は、なるべくというか、ほとんどというか、全てやっぱり浜にあるべきだと考えます。いわゆる捕った魚でもうけたお金が東京やほかの場所に行くことは羽織漁師復活と同じであります。そのことと漁村集落維持の重要性を訴えて、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  118. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 国民民主党の藤田幸久でございます。  漁業法を見ておりまして、二つ大きな流れを感じます。一つは、安倍政権の特徴でございますけれども、農協改革あるいは卸売市場改革、要するに、既存の組織を弱体化させ、特定企業の新規参入を促進する、あるいは一部企業の活動を行いやすくする、そんな法改正を続けてきたというふうに思っております。  今回の改正案は、漁業権の優先順位を廃止するということによって企業が漁協に代わって漁業権を得られる、いわゆる漁獲割当て、IQを企業に集約させると。これは、漁協の弱体化を狙う、こういう流れの一環と考えてよろしいんでしょうか。
  119. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) お答えを申し上げたいと思いますが、漁協は、漁業者の協同組織として組合のために漁獲物の販売の事業も実施をいたしておりますとともに、漁業権の管理等の公的な役割も担っておると承知をいたしております。さらには、漁業生産力の発展にも寄与をいたしております。こういった認識に基づきまして、今回の法案におきましても、漁協が管理する漁業権を団体漁業権といたしまして明確に位置付けたところでございます。漁協による漁業権の管理の重要性は変わっておりません。  また、漁獲割当てにつきましても、大臣が管理をいたします沖合漁業など準備が整ったものから導入していくことといたしておりますけれども、今回も、沿岸漁業におきまして漁協を中心とした資源管理の取組の重要性は変わりませんので、本法案は御指摘のような狙いを持つものではないと承知をいたしております。
  120. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 平成二十七年の農協法改正では、この参議院の委員会において、農協が自主的な改革に全力で取り組むことを基本とする、それから、准組合員の利用の在り方の検討に当たっては、正組合員数と准組合員数との比較等をもって規制の理由としないといった附帯決議がございますが、この准組合員の利用ルールの在り方については、この附帯決議の方向で検討が行われていると考えてよろしいんでしょうか。
  121. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 農協の准組合員につきましては、現在、改正農協法に基づきまして事業利用の調査を行っているところでございます。その調査を五年間、平成二十一年の三月までといたしているところでございまして、それを行った上で、事業利用の状況や改革の実施状況を踏まえて規制の在り方を検討し、議論を得ることといたしているところでもございますが、農協改革は自己改革が基本であると存じます。准組合員の事業利用の規制の在り方の検討に当たりましても、関係者の意向を十分踏まえるべきであるとの附帯決議の趣旨を踏まえて、今適切に対処をしてまいりたいと存じます。  今、平成二十一年までと申し上げましたが、失礼しました、二〇二一年の三月まででございます。
  122. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 では、漁業権の優先順位の廃止について幾つか聞いてまいります。  まず、改正案では、既存の漁業権者が漁場を適切かつ有効に活用している場合はその者に免許するとされていますが、何をもって適切かつ有効とみなすのかは法律に書き込まれておりません。ということは、農水省あるいは都道府県知事の恣意的な運用が行われる可能性もあって、漁業者が漁業権を得られないような事態も発生し得るのではないかと思われますが、いかがでしょうか。
  123. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 適切かつ有効に活用している場合とは、漁場の環境に適合するように資源管理や養殖生産を行い、将来にわたって持続的に漁業生産力を高めるように漁場を活用している状況と考えております。  具体的には、漁場利用や資源管理に関わるルールを遵守した作業が行われている場合はもちろんでありますけれども、適切かつ有効に該当する、また、仮に漁場の一部が利用されていない場合でありましても、漁場の潮通しを良くする目的ですとか、輪番で漁場を使用するために利用していないですとか、資源管理のために漁業活動を制限している等、合理的な理由があるものにつきましては、適切かつ有効な利用をしている状況に当たると考えております。  実際には、地域の漁業に精通する都道府県が個々に実態に即して判断をすることになろうかと存じまするけれども、都道府県によってこの判断の基準が異なることがないように、都道府県の実務担当者から更に意見を伺った上で、国が技術的な助言を定め、その考え方を示すことによって委員御懸念の事態が生じないようにしていく考えであります。先ほどから議論も出ておりますように、ガイドラインもしっかり定めていくということにいたしているところでもございます。
  124. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 その適切かつ有効に活用という基準が要するにはっきりしないのは明らかなわけですけれども、そうすると、若い漁業者、担い手が、つまり漁業に就こうとする意欲というものを失う、あるいはためらってしまうということが懸念されますが、いかがでしょうか。
  125. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 適切かつ有効の考え方につきましては先ほどお答えをしたとおりでありますけれども、御指摘のとおり、漁業を今後も続けられるという安心感が得られることが若い担い手の確保につながっていくものと考えております。  こうした点を踏まえまして、この適切かつ有効の考え方につきましては、都道府県によって判断の基準が、先ほど申し上げましたけれども、大きく異なることがないように、都道府県の実務担当者からも更に意見を聞かなければならないと思っております。その上で、技術的な国が助言を定めて考え方を示すことによって、懸念のような事態が生じないようにしていかなければならないと存じます。
  126. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 要は、努力目標と、いろいろ意見を聞いてまいりますと言っているだけで、要するに、基準ははっきりしないというので答えになっていない気がいたしますが、先に行きます。  第六十三条、海区漁場計画の要件の二項に、都道府県知事は、海区漁場計画の作成に当たっては、海区に係る海面全体を最大限に活用するため、漁業権が存在しない海面をその漁場の区域とする新たな漁業権を設定するよう努めるものとするとありますが、この新たな漁業権とは何でしょうか。また、その目的や必要性についてお答えをいただきたいと思います。
  127. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 水産業を取り巻く状況の変化に対応いたしまして、漁業生産力の発展を図る観点から、水産資源の持続的な利用を確保するとともに、水面の総合的な利用を図ることは必要と考えております。漁業者の減少ですとか高齢化が進む中にありまして、地域によっては漁場の利用程度が低くなっているところもございます。今後とも、このような活用を図って、地域の維持、活性化につなげていくことが課題となっております。  このために、六十三条の第二項におきましては、使われなくなっている水面や、従来の養殖技術では活用できなかった水面が新たに漁場として活用される可能性がある場合には、都道府県知事が新たな漁業権を設定するように努めることと規定をいたしたものでございます。
  128. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 何でもまた知事の方に回っておりますが。  企業が漁業権を取得できることということは、外国資本である企業が参入してくることが想定されるわけです。あるいはそれが目的かもしれません。これは、国土あるいは国境が外国人によって支配される懸念があると。この委員会には北海道の方がたくさんいらっしゃいますけれども、そういったことで問題はないんでしょうか。
  129. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 外国資本の入った我が国の法人が漁業を営むこと自体は、今、現行法におきましても認められていると承知をいたしております。今回の改正によりまして取扱いが変わるものではございませんが、外国資本が入るか否かにかかわらず、漁業権者が漁場を適切かつ有効に活用していない場合には、都道府県知事がこの漁業権の取消しを含めて是正措置を講ずることになると存じます。
  130. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 今日は前半は淡々とやっていきます。  洋上投棄について質問いたします。  洋上投棄をどのように防ぐつもりかということでございますけれども、まず、洋上投棄に関しては、長谷水産庁長官が、採捕したものは報告させると衆議院で答弁しておられますが、この採捕とは具体的に何を指しておられるのでしょうか。
  131. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 複数の魚種を採捕する漁業におきましては、魚種ごとに細かくIQを設定すると、割当てが少ない魚種の漁獲が上限に達することで漁業そのものができなくなるという、そういった懸念もございます。この場合、操業を継続するために洋上投棄を行う漁業者が出てくることが懸念をされるところでございます。  このような漁業種類にIQを運用するに当たりましては、例えば海外では、様々な魚種があるカレイなどにつきましては、個々の種類ごとに管理するのではなくて、カレイ類としてまとめて管理を行うなどの事例がございます。  IQの導入に当たりましては、このような取組も参考にいたしながら、現場で合理的な管理が行われるように、関係する漁業者とも協議をしつつ、様々な工夫を行いながら丁寧に進めていかなければと存じます。  その上で、採捕につきましては、現行TAC法上でも、網に入った等の後に生きたまま放流した個体については採捕数量の報告義務対象に含めないこととする一方で、洋上で漁獲された個体が死亡していた場合には、その後どう処置したかにかかわらず、その数量は採捕したものとして報告義務の対象となることといたしているところでございます。
  132. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 いろいろおっしゃいましたけれども、この採捕について、省令等においてやっぱりはっきりすべきだろうと思いますが、いかがでしょうか。
  133. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 本法案の実施に当たりましても、御指摘を踏まえまして、現場での円滑な管理に資しますように、何らかの形で明確化を図ってまいらなければと思っております。
  134. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 資源管理について質問いたします。  資源管理の手法は、一つは、漁船の隻数や馬力数の制限等によって漁獲圧力を入口で制限するインプットコントロール、投入量規制。二つ目が、産卵期を禁漁にしたり、網目の大きさを規制することで漁獲の効率性を制限し、産卵魚や小型魚を保護するテクニカルコントロール、技術的規制。慣れない言葉を言っております。漁獲可能量、TACの設定などにより漁獲量を制限して漁獲圧力を出口で規制するアウトプットコントロール、産出量規制があると聞いておりますけれども、水産資源というのは、漁獲による影響だけではなくて環境変化等の影響もあると。  したがって、再生産関係の把握が難しい魚種もあることから、再生産関係に依拠する最大持続生産量、MSY理論を前提としたTAC管理には限界があるのではないかという意見がありますが、どうお考えでしょうか。
  135. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 議員の御指摘のとおり、このMSYの理論でありますけれども、再生産関係、すなわち親の量と新たに資源に関わる子供の量の関係が把握できるとの前提で、資源から持続的に漁獲できる最大量を策定するものでありますが、しかしながら、実際には、海洋環境等の変化によりまして再生産関係が変動をしまして、把握が困難であることも事実でございます。  今後、我が国におきましては、MSYの達成を目指す資源管理を導入するに当たりましては、十分にデータ集積された魚種につきましては、コンピューターによる高度な試算技術を活用することによりまして、現存の海洋環境の下でMSYの算定を目指すとともに、このような算定が困難な魚種につきましては、欧米で用いられている方法も参考にしながら、適切な代替値を適用しながら、我が国の水産資源の実情に即した資源管理を実施していく考えでございます。
  136. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 いわゆるIQが効果的であったにしても、IQを実際に実行するにはいろんな問題があると聞いております。農水省の人員削減が随分進んでいます。これは後で質問いたします。予算も限られています。特に、監視する人、あるいは予算の確保が難しい中で、違反者をしっかり取り締まることは難しいんじゃないでしょうか。  それから、IQを守らせるためには、先ほどお話出ました洋上投棄の禁止とか流通段階でのトレーサビリティーの確保も必要となるわけですが、こうした対応について、実際にIQを実施していくいろんな問題点があると思いますが、いかがでしょうか。
  137. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) IQの導入に当たりましては、船舶ごとの漁獲量を迅速かつ的確に把握する体制が整えられていること等が必要と考えております。操業の隻数が比較的少なくて水揚げ後も限定されている大臣許可漁業から先行して導入していくことといたしているところでございます。  その際には、ICTの活用も図りながら、限られた人員や予算を有効に活用して、管理の実効性を確保した上で対象を拡大していくこととなりまするけれども、低コストで迅速かつ的確に漁獲量や操業状況を把握する体制を整備いたしますとともに、準備が整った漁業種類、漁業区域等の管理区分から、関係者の意見を聞きながらここは丁寧に進めてまいらなければと存じております。  また、IQの実効性を確保する観点から、洋上投棄などが行われないように、先ほど申し上げたような様々な管理上の工夫やルールの整備を行いますとともに、今後、流通段階における取組も含めまして総合的な対策を講じてまいりたいと存じます。
  138. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 関係者の意見を聞きながら丁寧にと、全部そう言っていて、要するに、関係者の意見を聞かないままここに来てしまったという前提なのでそういう答弁が続いていると思っておりますけれども。  それで、IQ移転について、この関係で次に質問いたします。  IQの移転については、改正案では、漁獲割当て割合を船舶等とともに譲渡する場合等には、農水大臣又は都道府県知事の許可を受けたときに限り移転することができるとされております。  例えば、ノルウェーにおいては、小規模漁業者がそのIQをほかの人に移譲したり、それによって得た資金で都市に移住することが多く起こっているというふうに聞いておりますけれども、この改正案では、IQの移転が認められて売買されることもあり得る、あるいは、そのIQを手放した漁業者が漁村を離れてしまう、これが漁村の衰退につながるといった懸念が言われておりますけれども、農水大臣又は知事の許可を受けたときに限り移転できると。  どういう場合に許可を、じゃ、拒否をすることができるのかについてお答えをいただきたいと思います。
  139. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 委員の御懸念は、沿岸漁業者のIQが船舶とともに大規模な沖合漁業者に買い取られることによって沿岸漁業や漁村が衰退することと認識をさせていただきました。  この点、本法案におきましては、IQ設定の前提といたしまして、漁業種類ごとに設定されている管理区分ごとに漁獲可能量が配分されることとなっておりまして、異なる管理区分の間でのIQの移転はできないこととなっております。このため、例えば沖合漁業者が管理区分の異なる沿岸漁業者のIQを船舶とともに買い取って沖合漁業者の大型漁船に移転する申請があった場合には、これは許可しないことといたしております。  一方で、例えば経営拡大を目指す若い沿岸漁業者が同じ管理区分において引退する沿岸漁業者からIQを船舶とともに譲り受けるような場合には、認可は可能となっているところでございます。
  140. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 何か非常に恣意的な気がしますが、それは全体でそうなので、また、今日は淡々とその先へ行きますけれども。  養殖を営む権利である区画漁業権というのが、多くの場合、漁協に免許され、漁協の管理下で組合員が行使をしているということのようですが、現在は、漁協免許の漁業権の行使権を漁協から与えられていた養殖業者が、法律改正後に都道府県に個別に漁業免許の申請を行った場合、それまで漁協が行っていた漁業配分や調整を今度は県が行うようになると。ということは、県は、漁協が行ってきたようなきめ細かな調整を本当に行うことが可能なのか、浜が大混乱するのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
  141. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 本法案におきまして、養殖の漁業権の免許を受けている漁協が漁場を適切かつ有効に利用している場合におきましては、海区漁場計画上も団体漁業権として区画漁業権が設定をされ、その漁協に優先的に免許が行われる仕組みになっております。  このため、仮に個別の漁業者が免許申請をしたといたしましても、漁協に免許が行われることとなるために、御指摘のような状況は生じないと考えているところでございます。
  142. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 生じないような状況、何か非常に楽観論と、それから、何といいますか、肝腎のところは逃げて、そしていろんな人と相談をしている、そして権限は知事というようなことがずっと一貫して流れているというのが明らかになってきたわけですが。  ところで、資料をお配りしております。一枚目、御覧いただきたいと思います。  私、最近こういう資料を拝見してびっくりしたんですけれども、要するに、ここ例えば五年間の政府全体の定員の合理化数が全省庁平均で六・一八%、これは上の方の囲みの下の方ですけれども、農林水産省においては、その六・一八を大きく上回る一〇・二四%の合理化が求められているんです。しかも、下の方を見ますと、随分定員状況が農水省が著しく減ってきていると。  農林水産省設置法一部改正に係る附帯決議には、現場に伝え、現場からくみ上げ、現場とともに解決する機能を充実強化するため、必要な定員を確保し、専門性を要する職務に従事する職員の処遇改善及び職場環境の整備等に特段の努力を払うことということが盛り込まれています。  何で農水省だけ過度な定員の合理化があって、新規採用を含めた定員の確保ができないのか。しかも、最近は自然災害が多いわけで、防災・減災対策、それから今話題になっております在日外国人が増えるわけで、検疫の役割、農水省では植物防疫所、動物検疫所等もあるわけですし、それから、今日いろいろ話になっております漁業取締り案件が多発しているわけですから、漁業調整事務所の定員確保なども非常に重要だろうと考えますが、まず、なぜこういうふうになっているか、なぜそもそも今までこれだけ農水省だけが人が減ってきて、それから、これから合理化に関して他省庁を上回る数字が求められているのかについてお答えをいただきたいと思います。あるいは大臣の感想でも結構ですよ。ここに農水省出身の議員の方もいらっしゃるけれども、なぜこうなっちゃったのか。
  143. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 率直に申し上げて、農水省の定員の削減率というのは私は大きいと、こう思っております。  平成二十七年度から三十一年度までの定員合理化の計画期間におきましても定員削減を図ってまいりましたし、農林水産業の更なる成長産業化を図っていくためにも増員を多少なりとも行ってきたとも、こう思っております。さらに、新たな行政ニーズに対応するためにも、地方農政局等の地方支分部局を含めて必要な定員の確保及び新規採用者の増加にも努めてきたところと思いまするけれども、今後とも、時々の政策課題に的確に対応いたさなければなりませんので、業務の状況を考慮しながら必要な定員の確保等に努めてまいらなければと思っております。
  144. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 大臣、傍観者のような話をしないでください。大臣は農水省のトップですよ。  それで、特に、私も素人ですけれども、今回の漁業法、いろいろ話を聞いておりまして、随分仕事が増える。それで具体的な専門家が必要である。そもそも今まで減ったこと自身がこれ大変ゆゆしいことであって、自然災害も増えている、観光も増えている、漁業法に来る前の段階でまずこれだけ減らしてしまった歴代の農水大臣、いろんな方いらっしゃいますけども、そもそも今まで何でこれだけ減らしてしまったのか、その原因は何でしょうか。まずそれをお答えいただきたい。その上で、今度漁業法という、非常に仕事が増え、そして外国人の方々も増え、観光客も増え、災害も増えている中で、もっと増やさなければいけないという対応をしなければいけない。  二つに分けて質問したいと思いますが、なぜここまで減らされてきたのか、あるいは減らすことを防げなかったのか、それについてまずお答えいただきたいと思います。
  145. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 今お答えをいたしたつもりでございまするけれども、現在までも、削減率といいますか、削減は進んでまいりましたけれども、それに対応していくためにも、農政局等地方支分部局も含めまして、必要な定員の確保ですとか新規採用者の増加に努めてきたところでもございます。こうした中にありましても、これからも農林水産省といたしましては新規採用も適切に行ってまいりたいと存じますし、しっかりとこの定員に関しましても対応していく必要があろうかと、こう思っております。
  146. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 新規採用もとおっしゃったということは、この実質合理化目標数をこれ変えなきゃいけないんじゃないですか。
  147. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 平成三十二年度以降の当省の定員合理化目標数につきましては今後検討されると承知をいたしておりますけれども、いずれにいたしましても、当省としては、新たに発生する行政ニーズに的確に対応しなければなりませんので、将来の業務運営に支障が生じないようにするために必要な定員の確保を今後とも努めてまいる所存でございます。
  148. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 単純に考えて、この五年間、自然災害が増えています。その部分で農水省の職員、増やしているんですか、減っているんですか。
  149. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 減ってきているのではないかと、こう思っております。
  150. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 また、この五年間で在日外国人が増えていますけれども、検疫の関係の方々は減っているんでしょうか、増えているんでしょうか。
  151. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 数字は今明らかではありませんけれども、それは増えてきていると存じます。
  152. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 そうすると、今度漁業法が仮に通るとすると、様々な取締り案件も多発すると思うわけですし、その必要性が今、先ほど来答弁いただいているように、あるわけですが、ということは、こういう漁業法の制定に関してもっと人員を増やすべきだろうと思いますが、その辺の見通しと対策は取っているんでしょうか。
  153. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 今御指摘をいただきました漁業の取締りに関しましても、新規の増員数を年々増やしておりますので、今後とも必要に応じて増やしていかなければと、そういう思いであります。
  154. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 まだ傍観者的な発言でございますけれども、やっぱり農水省のトップでありますから、傍観者的な発言ではなくて、農水大臣として、これだけ増やしていかなければ仕事ができないということをはっきりおっしゃっていただかなければ、こんな漁業法なりも、別のところからのお話かもしれませんけれども、出しているわけですから、その辺の対策も含めてしっかりとした決意を示していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  155. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 今の新規増員数も含めまして、しっかり対応してまいりたいと思います。
  156. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 では、次に移ってまいりたいと思います。  私は、冒頭で申し上げましたとおり、今度の漁業法、何か違ったところからいろんな形で圧力が来てここまで来ているんだろうなということが一つと、もう一つ、これは先ほど鉢呂議員が引用されました篠原孝さんに学んで、なるほどなと思ったことがあります。それは都道府県知事の権限でございます。いわゆる共同漁業権というのは、これは知事の権限がある。  戦後日本というのは、いわゆる東京湾とか大阪湾とか伊勢湾、これを埋立てをして大型コンビナートを建設をし、輸出企業が日本を支えてきたと。ただし、共同漁業権ということについて知事が権限を持っていたので実は漁業を守ってきたという面があると。もし知事にその共同漁業権がなければ、この東京湾、伊勢湾あるいは大阪湾だけではなくて、もっと実はそういう工業地帯になって漁業が守れなかったと、そういう実は知事の権限があるということを学びまして、今日かなり細かい質問をしてきましたけれども、いろんなことが知事、知事、知事というふうになるわけで、その知事の権限というものをしっかり、いい面では守り、そしてさらに共同漁業権を守る一方で、漁場の皆さんがしっかり漁場を守ってきたということが今までの流れだったと思います。それを大きく変えようとしているのが今度の漁業法だろうと思っています。  したがいまして、いい部分はしっかり守っていかなければ大変になってしまうということがいろいろ今回の委員会の質疑でも明らかになってきているわけですから、その重要性があるわけですが、実はもう一つ、都道府県知事の権限というのが埋立ての権限でございます。  そこで、ちょっと沖縄の問題について、たまたま今、漁業法と、それから昨日、おとつい、土砂の搬入ということがございまして、沖縄のいわゆる新基地建設に関する動きがありますけれども、共通しているのは知事の権限なんです。その知事の権限ということについて、ある意味では、沖縄県知事から埋立ての実質的な権限を奪ってしまって、新しい基地建設を強行しようとしているのが今の流れではないかというふうに思っております。  そこで、まず国土交通副大臣にお伺いしたいと思いますけれども、沖縄県知事から国土交通大臣宛てに提出された執行停止決定取消し要求についてでありますけれども、要するに、沖縄防衛局は固有の資格において埋立承認取消処分の名宛て人とされたものであるということになっているわけですけれども、国土交通省は、沖縄防衛局は固有の資格ではないとしているわけですが、その法的根拠を示していただきたいと思います。
  157. 大塚高司

    副大臣(大塚高司君) お答えをいたします。  行政不服審査法第二条におきまして、審査請求をすることができる者については、行政庁の処分に不服がある者と規定をしております。沖縄防衛局のような国の機関ではあっても、こういう処分を受けた者と言える場合には一般私人と同様の立場で処分を受けたものであって、固有の資格、すなわち、一般私人が立ち得ないような立場で撤回を受けたものではないと認められることから、審査請求ができると解釈をいたしております。  この点、辺野古の埋立てにつきましても、承認取消しの違法性が判断された平成二十八年の最高裁判決におきまして、承認取消しが行政不服審査法第二条の処分であることを踏まえた判断を行っております。  今回の承認の撤回も、埋立てをなし得る法的地位を失われる点で承認取消しと何ら変わらないことなどから、沖縄防衛局は行政不服法第二条の処分を受けたものと言えます。したがって、沖縄防衛局は一般私人と同様に、今回の承認の撤回について審査請求ができると判断をいたしました。
  158. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 いや、ですから、固有の資格ではないという法的根拠、つまり、立ち得ない、何らかの、なり得るということを言っているんですが、その法的根拠については答えていないんですね。要するに、行政不服審査法というのは、組織が大塚さんに成り済まして実は裁判を起こしている話ですけれども、そうではなくて、その固有の資格というものの法的根拠は何かということを聞いているんです。
  159. 大塚高司

    副大臣(大塚高司君) お答えをいたします。  国の機関でもあっても、行政不服法第二条の処分を受けたと言える場合には一般私人と同様に審査請求を受けることができると解釈がされ、こういう処分とは、直接国民の権利義務を形成し、又はその範囲を確定するものを意味をしております。この点、辺野古の埋立てにつきましても、承認取消しの違法性が判断された平成二十八年の最高裁判決におきまして、承認取消しが行政不服法第二条の処分であることを踏まえた判断を行っているところでございます。  今回の承認の撤回も、沖縄防衛局が埋立てをなし得る地位を失わせることは承認取消しと同じでありまして、さらに、行政不服法第二条の処分、すなわち直接国民の権利義務を形成し、又はその範囲を確定するものと言えます。このようなことから、沖縄防衛局は行政不服法第二条の処分を受けた者に当たり、行政不服審査法第七条二項の固有の資格、すなわち一般私人が立ち得ないような立場により撤回を受けたものではないと認められ、審査請求をすることができると判断をいたしたわけでございます。
  160. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 七条二項というのは、つまり、大塚さんは埋立てできないわけですよ。埋立てをするというのはやっぱり特別の要件を満たしている沖縄防衛局が埋立てをするわけですから、つまり全く私人じゃない人だから埋立てができるわけで、その埋立てをする組織が私人に成り済ましたということの根拠を聞いているわけですね。  ということは、私は、今回、漁業法と埋立ての比較をしているわけですが、ある意味では、この漁業法は法律的に、その中身は別にして、知事の権限を奪おうという面があるけれども、今回はかなり荒療治で行政の知事の権限を奪おうとしている。しかも、非常に、行政法の学者からいっても、行政不服審査法七条二項からしても、おかしなことを使いながら、つまり知事の権限を奪うということは大変なことなんですよ。今回、総務省あるいは農水省の出身の方もいらっしゃいますけど、昨日もブッシュ大統領のお葬式がありましたが、知事から大統領になっている方がたくさんいるアメリカとは違っても、やっぱり知事というのは非常に重要なわけで、その権限を、この漁業法で権限を奪うならまだしも、こういう形で知事の権限を奪うということは、これは私は、民主主義の非常に根幹に関わることだろうというふうに思っているわけです。  そもそも国土交通大臣は審査庁たり得ないのではないかと思いますが、いかがですか。
  161. 大塚高司

    副大臣(大塚高司君) お答えをいたします。  沖縄県が国土交通大臣に送付をいたしました執行停止決定取消し請求におきましては、沖縄防衛局が審査請求をすべき行政庁は沖縄県知事であって国土交通大臣ではないと主張しておられることは承知をしておるところでございます。  しかしながら、玉城知事におかれましても、執行停止に関する意見書において埋立承認撤回の処分をした処分庁としての対応をなされているものと承知をしており、本件処分につきましては国土交通大臣が審査庁となるべきものと考えております。
  162. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 資料二枚目、御覧いただきたいと思います。  おとついでしょうか、防衛省は、琉球セメントといういわゆる民間会社の安和桟橋を使用して船に土砂を積む作業を行ったわけですね。この安和桟橋の使用について、防衛省と民間会社である琉球セメントの間の契約、あるいはどんな取決めがあるのか、その経緯を説明いただきたい。
  163. 原田憲治

    副大臣原田憲治君) お答えをいたします。  沖縄防衛局と琉球セメントの間においては直接の契約行為はございません。沖縄防衛局と契約を締結している埋立工事の元請業者が、土砂運搬会社を通じ琉球セメントから岩ズリを調達しておるものと承知をいたしておりまして、安和桟橋については、失礼しました、以上でございます。
  164. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 その埋立業者というのはどこですか。
  165. 原田憲治

    副大臣原田憲治君) 埋立業者はJVでありまして、元請業者がシュワブ埋立工事をしております。それから、建設の共同企業体といたしましては、大林組、東洋建設、屋部土建ということになっております。
  166. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 資料二枚目を御覧いただきたいと思いますが、この安和桟橋の使用に当たっては、作業開始前に琉球セメントより沖縄県国土交通省所管公用財産管理規則、資料の下の方ですけれども、に基づいて、この第十一条の工事に着手するとき、工事を完了し、又は廃止したときに知事に速やかな工事届を提出しなければいけないとありますが、この十一条の二つの項目について提出されていないこと、それから完了届が提出されていないことについて、防衛省はどのように考えておりますか。
  167. 原田憲治

    副大臣原田憲治君) 琉球セメントが沖縄県から受けました指摘の具体的な内容や県とのやり取り等について、沖縄防衛局が当該業者に対して事実関係の確認をいたしました結果、沖縄県から当該業者に対し、沖縄県国土交通省所管公共用財産管理規則第十一条に基づく工事届が出ていなかったことを理由に安和桟橋の使用停止という行政処分がなされました。これに対して、当該業者は沖縄県に、四日火曜日に同条に基づく工事の着手届及び完了届を提出をいたしたと報告を受けておりまして、これを受けて沖縄防衛局は、当該業者より昨日から埋立て用土砂の搬出を再開したとの報告を受けたということでございます。  このように、四日に当該業者が工事の着手届及び完了届を沖縄県に提出したことによりまして、当該行政指導の根拠とされた指摘は解消されたことから、昨日、当該業者においては作業を再開することとしたものと認識をしております。  防衛省としては、引き続き、関係法令に従い、辺野古移設に向けた工事を進めていく所存でございます。
  168. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 防衛省は、だけど、さっき直接いわゆる琉球セメントと関係ないと言いながら、琉球セメントが提出したということによって防衛省が仕事を再開しているということは、防衛省が直接言わば元請を通さずに琉球セメントとやり取りをしているということ、その証明なんじゃないですか。
  169. 原田憲治

    副大臣原田憲治君) 今御指摘の点は、今回こういう事案になりましたことから行ったことでありまして、今後とも法令に従った工事を進めていきたいと、このように思っております。(発言する者あり)
  170. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  171. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) 速記を起こしてください。
  172. 原田憲治

    副大臣原田憲治君) 今回、このような事案になりましたので、琉球セメントから事情を聞いて、防衛省として指示をしたということでございます。
  173. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 したがって、防衛省は指示をしているわけですよね、琉球セメントに対して。  それで、つまり違法行為ですよね。つまり、沖縄県との関係において、それをしていた琉球セメントに対して指示をしたということは、その琉球セメントが沖縄県との間で違反があったということについては、それは放っておくわけですか、防衛省として、それはたださないんですか。
  174. 原田憲治

    副大臣原田憲治君) 済みません、指示を受けたと先ほど申し上げましたけれども、報告を受けたということでございます。
  175. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  176. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) 速記を起こしてください。
  177. 原田憲治

    副大臣原田憲治君) 訂正をして、報告を受けたということでございます。
  178. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 ちょっと同じような関係で、沖縄県の赤土等流出防止条例に違反するということも明らかになったと。この防止条例に違反したということに関して言えば、この県の条例、規則に違反して工事を強行したわけですが、この責任の所在は防衛省にあるんですか、琉球セメントにあるんですか、どちらにあるんですか。
  179. 原田憲治

    副大臣原田憲治君) これまで確認したところでは、岩ズリの仮置きについて、沖縄県と琉球セメントの間で沖縄県赤土等流出防止条例第六条に基づく事業行為届出書の提出が必要となるかどうか、相互の見解を確認をしている段階だと聞いておりまして、防衛省としてはその状況を見守りたいと考えております。  なお、昨日より再開をした作業については、採石場から直接土砂を桟橋に搬入して積込み作業を行っているものと聞いております。
  180. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 見守りといっても、工事の主体は沖縄防衛局でしょう。すると、沖縄防衛局で、具体的に間に元請が入ったにしたって、琉球セメントというところの桟橋を使ってやっているわけですね。ということは、そこが県との関係において違反等があっても、それは看過して防衛局はその工事を進めるということですか。  ということは、結果的に、知事の権限も無視をして、あるいは知事の権限に対して、法令に対して違反をした業者を使いながら防衛省が進めているということは、まさに知事の権限そのものを否定しているということになるわけですよ。国と民間業者が知事の権限を否定しているということですから、これは大変なことですよ、日本の民主主義にとって。
  181. 原田憲治

    副大臣原田憲治君) 今現在、この琉球セメントの方が違反を犯しているのかどうかというのは分かりません。
  182. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 あのセメント会社はただ届けていたと言っただけで、県の方はそれに対して立入りをすると言っているわけですよ。その間に何で進めなきゃいけないんですか、防衛省は。ひどい話ですよ、それ。
  183. 原田憲治

    副大臣原田憲治君) 先ほど申し上げましたように、当該業者の工事の着手届及び完了届を沖縄県に提出したことによりまして、当該行政指導の根拠とされた指摘は解消されたということでありまして、昨日、当該業者においては作業を再開することとしたものと認識をいたしております。
  184. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 二か月間、だから違法の工事をしていたということ、昨日、野党合同ヒアリングで認めたわけですよね。認めたわけですね。それ、確認してください。  辰巳さん、それ駄目だよ、そんな後ろの方で。認めたということは認めなきゃ駄目だよ、それ。(発言する者あり)
  185. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  186. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) 速記を起こしてください。
  187. 原田憲治

    副大臣原田憲治君) 沖縄県から業者に対して、先ほど申し上げましたように、行政指導はなされましたけれども、工事の着手届及び完了届を提出したことによって再開を認められたということの解釈でございます。
  188. 藤田幸久

    ○藤田幸久君 答えていません。  漁業法も、今回もそうですけど、知事の権限というのは非常に大きなもので、それを政治的な意図あるいは様々な手段でもって奪うということは、これ漁業法も、私も、一番重要な共同漁業権を守ってきた知事、そして漁村を守ってきたわけですね。これを奪うということは大変な大きなことであるし、同じこと以上に、ある意味では非常に手段を選ばない形で知事の権限を奪おうとしている。こういうやり方を変えていかなければ大変なことになってしまう。それは自民党の皆さんもお分かりだろうと思いますけれども、それは非常に重要なことですから、その点を政府として本当にしっかり対応していただきたい。  そのことを申し上げまして、質問を終わります。
  189. 紙智子

    紙智子君 日本共産党紙智子でございます。  先日は、漁業法一条の目的から主体とか民主化が削除されることについて議論しました。今日、参考人の皆さんの意見の中でも、これは変わらないんだ、なくならないんだと聞いていたのに、蓋を開けたらなくなっていて、びっくりしたという話がありました。  民主化というのは、沿岸漁業において漁業による利益を地域に広く行き渡らせる側面が強いと。生産力の発展は許可漁業という側面が強かったんじゃないかと思います。これらを通じて、漁業、水産業が発展してきたのだと思います。改正案は、民主化がなくなり、生産力だけを重視することになれば、そのしわ寄せが沿岸漁業に来るんじゃないかと懸念をするわけです。そのことは、漁業調整委員会の選挙を廃止することにも現れているんじゃないでしょうか。  まず確認したいのは、なぜ漁業調整委員会の選挙が行われているかということです。二〇一六年に選挙がありました。立候補者が五百二十七名で、当選者は五百十六名ということです。十一の海区で選挙がありました。これ、なぜ選挙になったんでしょうか。
  190. 長谷成人

    政府参考人(長谷成人君) 現行法におきまして、海区漁業調整委員会の委員につきましては、地域の漁業者又は漁業従事者から選挙によって基本的に九人を選任することとされております。  前回、平成二十八年の選挙では、立候補者数が定数を上回った八海区におきまして選挙が実施されたものでございます。
  191. 紙智子

    ○紙智子君 聞いていることの趣旨は違うんですよね。定数が上回ったから選挙になった、そうでしょうけれども、選んでいるところもある、任命のところもあると。だけど、選挙になったというのは理由があるわけですけれども、それは何ですか。
  192. 長谷成人

    ○政府参考人(長谷成人君) 委員に、九人の定員に対してそれを超える立候補があったということだと思います。
  193. 紙智子

    ○紙智子君 浜を代表してやっぱり意見を反映させなきゃいけないというふうに思っているからなんじゃないんですか。そういうことも把握しないで、何で公選制を廃止するんでしょうか。立法事実に関わることなので、ちゃんとそこを改めてもう一回言ってください。
  194. 長谷成人

    ○政府参考人(長谷成人君) 漁業調整委員会という制度があって、その委員の選挙が行われ、委員として働きたいという方が立候補されるということだと思います。
  195. 紙智子

    ○紙智子君 そうですよ。ちゃんと伝えたいと、言わなきゃいけないということで立候補するんだと思うんですよ。  それで、漁場の調整がうまく機能していない県があるわけです。そのときに、漁業者の代表が選挙に立候補して当選しているわけですね。公選制が廃止されたらどうなるかと。被選挙権が奪われるということになるわけです。任命制になったらどうなるのかということですけれども、例えば定数十五名の海区で調整委員になれる要件を持った方が十六名立候補したとします。選挙になったら、これ一人はみ出すということです。知事は、任命に当たって、農水省令で定める事項に著しい偏りが生じない、年齢や性別の偏りが生じないように配慮するという規定をしています。  これらの点を見ても、十六名が、全員が問題がない、みんなちゃんと条件かなっている、それでも一人は調整委員になれないと。そのときの選定基準、判断基準というのは何なのか、説明してください。
  196. 長谷成人

    ○政府参考人(長谷成人君) 委員からも御指摘いただきましたように、委員の選定に当たりましては、都道府県知事は、操業区域、漁業種類等のバランスを考慮した上で選任案を作成することとなりますけれども、その際、推薦、応募の結果を尊重しなければならないこととしております。  定数を超えた場合は、各都道府県の実情に合わせて、被推薦者、応募者及び推薦者等の意見を聞くこと、漁業者による意見募集を行うこと、選定委員会を設けて審査すること、前任の委員の意見を聞くことなどを実施した上で、議会の同意を得て選任することとなります。  なお、選任の基準等につきましては、地域の実情に即した適切な選任に資するように、都道府県に対して技術的助言等を行ってまいりたいと考えております。
  197. 紙智子

    ○紙智子君 適切なことと言われても、ちょっと具体的によく分からないんですよね。  それで、選挙になったら、候補者が水産政策を掲げて議論が広がるわけですよ。その後にそれは財産となって残ると思うんですね。当選が決まったと、もし当落で決まった場合には、その透明性が図れると思うんですね。だから、落選をしてしまったという人の場合は、一名落選だったんだけれども、みんなの選挙の結果としてそうなったということについては、残念だけど受け入れなきゃいけないというように思うわけですよ。  しかしながら、改正案は選出方法を不透明にするものと言わざるを得ないと思うんですね。行政の下請機関になりかねない、そういう懸念が拭えないというように思います。  それから次に、先日の続きになりますけれども、漁業権の優先順位を廃止することについてお聞きします。  優先順位を廃止した上で、漁場を適切かつ有効に活用しているという、今まではちょっと聞き慣れない言葉が出てきます。優先順位というのは、特定区画漁業権で言えば、第一位は地元漁協、第二位は地元漁民世帯七割以上を含む法人、第三位は地元漁民の七人以上で構成される法人、第四位は既存の漁業者等、第五位がその他の者というようになっているわけです。  それで、議員の選挙を考えると、例えば、拘束名簿式の選挙制度に例えれば、これ、名簿登載一位、二位という順番になるわけですけれども、この優先順位がなくなったらどうなるかというと、第一位から第五位の団体などが全部スタートラインに立つということになります。つまり、競争原理がそこで入ってくると。適切、有効という基準で選別するということになるんじゃありませんか。
  198. 長谷成人

    ○政府参考人(長谷成人君) 現に漁場を適切かつ有効に利用している漁業者や漁協については、将来に向けて安心して漁業に取り組んでいただけるように、漁業権の存続期間が満了し、漁場の位置及び区域並びに漁業の種類がおおむね等しいと認められる漁業権について、微妙に定置でも漁場がちょっとずれるようなことがあるためにこういう書き方をしておりますけれども、新たな免許を行う際にはこれらの者に優先して免許するということでございます。
  199. 紙智子

    ○紙智子君 漁業権の優先順位というのは、これまでの歴史の積み重ねの中で慣行に基づく仕組みですよね。それを、だから、廃止する、なくすと。一方で、適切、有効ということが基準になるんじゃないんですか。
  200. 長谷成人

    ○政府参考人(長谷成人君) これまでも御説明してきましたように、漁業権を受けた場合、法律が施行された後、漁業権者にはどういうふうに使っているかという報告をしていただいた上で、それを踏まえまして、なるほどちゃんと頑張って使っていただいているということであれば問題ないわけですし、仮に理由が、もう少しちゃんと使っていただくということが必要な場合には、指導なり勧告というものがあった上で、それに対応していただければ、切替えの時点で同じ漁協にまた免許されるということでございます。
  201. 紙智子

    ○紙智子君 だから、今まであった優先順位じゃなくなると。なくなった下で、今度は適切、有効ということが一つの基準になって、じゃ、そういうふうに認められるようにといって競争が始まるんじゃないんですか。適切、有効という基準で、これ、競争とか選別が生まれるんじゃないかと思うんですよね。  それで、その適切、有効というのがよく分からない、何なのかなと思うわけです。将来にわたって持続的に漁業生産力を高めるように活用することというふうに説明されているわけです。すごく抽象的な表現なわけですけれども、漁業生産力のこの生産力、要素は何なのか、説明をしていただきたいんですね。これ、水揚げ金額が要素に入るのかどうか、いかがですか。
  202. 長谷成人

    ○政府参考人(長谷成人君) 現行漁業法第一条の漁業生産力、同じ言葉が入っておりますけれども、個々の経営ではなくて、一定の水面全体における漁業の生産力を意味しております。その要素としても、個々の経営ではなく、その水面全体における水産物の生産量のほか、関係する漁業者全体としての生産性も含む概念でございます。
  203. 紙智子

    ○紙智子君 水揚げ量は入らないんですか、そこには。
  204. 長谷成人

    ○政府参考人(長谷成人君) 漁業生産力を発展させるということにつきまして御説明いたしますけど、これは個々の経営ではなく、一定の水面全体において持続的に漁業生産力を高めることを意味しているということで御説明いたしました。  また、今回の改正案においては、現行法の目的に規定しております水面の総合的な利用を図ることに加えて、水産資源の持続的な利用を確保することによって漁業生産力を発展させることを目的としております。この目的を達成するための具体的な措置については、漁獲可能量の設定等による漁獲規制を通じて将来の資源量を増大させること、新設の沿岸漁場管理制度による水産動植物の生育環境の保全を通じて稚魚の生育等を促すこと、漁業調整委員会の指示等を通じて重層的に利用されている水面における秩序ある漁業生産を確保することなどが該当すると思っております。  したがいまして、例えば持続性を無視して乱獲や過密養殖を行った場合には、一時的には当該漁業による生産量が増大するかもしれませんけれども、将来的に生産量は低下することとなるために、このような場合は漁業生産力の発展には当たらないと。短期的な漁獲金額で測られるような考え方ではございません。
  205. 紙智子

    ○紙智子君 短期的な金額では測れるものじゃないという話が今あったわけですよね。それで、そうすると、水揚げ額が基準にするとかということは外れるということですか。
  206. 長谷成人

    ○政府参考人(長谷成人君) 適切かつ有効ということは、ですから、免許を受けた漁業種類について、周りの環境を害するだとか乱獲をするだとかいう行為がなくて、ごく普通の、その地域の常識的な操業をしていれば、これ、適切かつ有効ということでございます。
  207. 紙智子

    紙智子君 何か本当に抽象的で分からない。  沿岸漁業は、天候によって、環境変動によって、資源量という面でも生産活動を安定的に続けることが困難になるときがあります。それで、魚価が下がるとなりわいを継続することも難しくなります。だから、多くの沿岸漁業者は自主的に資源管理をやるわけです。優先順位がなくなって、適切、有効ということでそれが基準になると、資金力のある者、ブリだとかマグロだとか、こういう小割り式養殖業者が有利になるんじゃありませんか。
  208. 長谷成人

    政府参考人(長谷成人君) 資金力のある者が入るということ、御懸念ですよね。  今回の法案におきまして、漁業権については、漁場を適切かつ有効に活用している漁業者や漁協に優先して免許する仕組みとするとともに、新たな漁場においては、地域の水産業の発展に最も寄与する者に免許するという考え方でございます。  この場合の地域の水産業の発展に最も寄与するとの判断については、資本力があるからといったことではなくて、例えば漁業生産が増えて地域の漁業者の所得向上につながる、地元の雇用創出や就業者の増加につながるなど、地域の実情に応じて総合的に行われるものでございますが、既存のものについては、先ほど来申し上げておりますように、その地域の常識的な真面目な操業をされておれば、それをもって適切かつ有効ということでありまして、切替えの後もその方に、その漁協に免許されるという考え方でございます。
  209. 紙智子

    紙智子君 適切、有効という基準で企業が漁業権を手に入れた場合どうなるかというと、もちろん無条件にと言うつもりありませんけれども、資金力を生かした経営展開を広げると、これは長期的に漁業権を独占することができるんじゃないのかという疑問がずっと消えないんですけれども、いかがですか。
  210. 長谷成人

    政府参考人(長谷成人君) 資本力、技術力がある企業が、今回定められておりますような地域との協調を図って理解を得て入った後に適切かつ有効に操業を続けられるということになれば、地域経済にもこれ資する話で、それを否定するものではないというふうに考えております。
  211. 紙智子

    紙智子君 適切、有効というのがどうもよく分からない基準なんですね。選別が行われると、これ、沿岸漁業者のなりわいを維持するのが困難になりかねないということがあるので、明確な基準を文書で提出するように求めたいと思います。  委員長、お願いいたします。
  212. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) 後刻理事会で協議いたします。
  213. 紙智子

    紙智子君 それで、先日、漁業権の優先順位の廃止を求める要請はないという答弁がありました。要請がないのに廃止すると。それで、適切、有効という基準をつくっているわけですね。判断するのは知事だと。  しかし、知事が国の意向に反して判断できるわけではないと思うんですよ。漁業権を設定する際に必要な海区漁業計画には、新たに農林水産大臣の助言と指示が明文化されました。我が国の生産力の発展を図るために、国に従うように求めるわけですよね。政府が漁業の成長産業化ということを掲げて企業による養殖産業の新規参入を掲げている下で、それが適切、有効という基準になれば、これは知事の自主性は発揮できなくなるというふうに思うんです。漁業法を改正するのは、生産量の長期的な減少しているためだと言っています。  それで、ちょっとお配りした資料があります。この線グラフですけれども、これ見ていただきたいんですけれども、一九八六年と二〇一六年の生産量を見ると、沖合漁業は六百七十九万トンから百九十三万トン、遠洋漁業は二百三十三万トンから三十三万トン、沿岸漁業は二百二十一万トンから九十九万トンに減少しています。  これ、減少している理由は何でしょうか。説明してください。
  214. 長谷成人

    政府参考人(長谷成人君) それぞれいろいろな要因がありますけれども、沖合漁業の減少要因は、マイワシの漁獲量の減少が大きいということでございます。遠洋漁業につきましては、二百海里時代になりまして、世界中に進出していた遠洋漁業が追い出されたといいましょうか、まあ追い出されたということであります。  沿岸漁業につきましては、様々なこれも要因があると思います。沿岸域の開発が進んでいるですとか、漁業者が減ってきているだとか、消費の形態が変わってきているだとかありますけれども、これまでも御説明しているように、資源管理を上手にやっていれば食い止められた減少というものもこの中に含まれているというふうに思っております。
  215. 紙智子

    紙智子君 改めてこのグラフ見ると、沖合、遠洋はかなり急速にがくっと減っているんですけど、沿岸漁業については、減ってはきているけれども、比率的に見ると、沖合でいうと七一%減っている、遠洋は八六%で、沿岸はそんなに大きくがくっと減っているわけじゃないんですよね。  指定漁業の許可隻数も減少傾向にあります。漁業権の優先順位が廃止されたら、これ、資本力や技術力のある沖合遠洋漁業者にとっては、今度は沿岸に参入しやすくなるんじゃありませんか。
  216. 長谷成人

    政府参考人(長谷成人君) 先ほども申し上げましたけれども、今回の法案で、既存のものについては、適切かつ有効に活用している漁業者、漁協に優先免許と、それで、新たな漁場についても、地域の水産業の発展に最も寄与する者ということでございます。この場合、地域の水産業の発展に最も寄与するという判断については、資本力があるからということではありませんので、漁業生産が増えて地域の漁業者の所得向上につながる、地元の雇用創出や就業者の増加につながるなど、地域の実情に応じて総合的に行われるものでございます。  現実問題として、沖合漁業者がどんどん参入してくるという状況、気配はないわけなんですけれども、仮に、でも、そういう方が、先ほども言いましたけれども、地域とよく調整した上で新たに沿岸漁業に参入されるということは決して否定されるべきものではないというふうに思っております。
  217. 紙智子

    紙智子君 水産庁は、改革で、養殖については国際競争力につながる新技術の導入や投資が円滑に行われるようにすると。成長産業化の柱に養殖業の規模拡大、新規参入を掲げています。それを可能にするキーワードが、適切、有効だというふうに自ら語っていると思うんですね。  それで、この路線、企業が参入しやすくするために漁業権の優先順位廃止を求める流れというのは、財界から出てきたと思うんですよ。  経済同友会は、二〇一三年三月に、漁業権は既得権益になっているんだといって法制度などを整理するように求めていました。経団連が中心になっている日本経済調査協議会、いわゆる日経調ですけど、ここは二〇〇七年に、水産業への参入のオープン化として、養殖業や定置漁業への参入障壁の撤廃を求める緊急提言というのを出しましたが、東日本大震災、原発事故に乗じて、その後は、「東日本大震災を新たな水産業の創造と新生に」という提言を出して水産特区に道を開いたわけです。そして、二〇一七年の九月には第二次水産改革委員会をつくって、そこでは、漁業のみならず養殖業や定置網漁業への参入障壁の撤廃を迫ったわけです。二〇〇七年の提言を踏まえて、新たな漁業、水産業に関する制度システムの具体化を示すように求めています。  一方、政府の規制改革推進会議の中でも、地元の漁業者と新規参入者が競合した場合に地元の漁業者に優先されることになりかねないので、優先順位の見直しが必要だという意見が出されているわけです。  改正案で漁業権の優先順位を廃止する底流には財界の要望があると、こう言われても仕方がないんじゃありませんか。これは、済みません、大臣にお願いします。
  218. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 今回の法案におきまして、漁業権につきましては、漁場を適切かつ有効に活用している漁業者や漁協に優先して免許する仕組みにするとともに、新たな漁場などにおいては、地域の水産業の発展に最も寄与する者に免許をするといたしております。  この場合に、地域の水産業の発展に最も寄与するの判断につきましては、先ほどからも水産庁長官も答弁をいたしておりますけれども、資本力があるからといったことではございませんで、例えば、漁業生産が増えて、地域の漁業者の所得向上につながる地元の雇用創出ですとか就業者の増加につながるなど、地域の実情に応じて総合的に行われるものと判断をいたしております。  私もいろいろな方々と、就任をさせていただきましてからお会いをいたしますけれども、例えば加工をされている方で、自分のおじいさんが船を持っていたので将来船を持って漁業をやりたいという、そういった方もおられました。その方は資本力があるからということではございませんので、そういったことを含めてしっかりと総合的に行われていくものと存じます。
  219. 紙智子

    紙智子君 今大臣、私の質問聞いてくれていましたか。ずっと一連の流れがあるんでしょうということを言っているわけですよ。  それで、今回のことが、現場からはやっぱり漁業権の順位なくしてほしいなんという要望は上がっていないと言っていたわけですから。一方で、上がっている要望は何かといったら、財界の方から今言ったようなことが上がっているわけだから、こういうふうに言われてもしようがないんじゃないんですかと聞いたんです。  それに対してどう思われますか。
  220. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 私は、そのようにはならないと、こう思っております。  今回の水産政策の改革におきましては、しっかりと地元の雇用創出ですとか就業者の増加につながるような、地域の実情に応じて対応をしてまいりたいと存じます。(発言する者あり)
  221. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  222. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) 速記を起こしてください。
  223. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) そのような要望があったとは、今私も確認をさせていただきましたけれども、そういう要望に応じて今回このようにしたということではございません。
  224. 紙智子

    紙智子君 七十年ぶりの改定と言っているんじゃないですか。そのことによって一番困るのは現場ですよ。  先ほども参考人の皆さんから話があって、本当にそういう意味では慎重にやってほしいんだと。最初に漁業法が作られたときには、喜びの、希望の湧く、そういう声が沸き上がったという話があったじゃないですか。そういう漁業法を今全く変えようとしているんですよ。もっと真剣に聞いていただきたいし、議論がかみ合うようにしていただきたいと思います。  漁業権の優先順位を廃止して適切、有効という基準を作ったら、これ、規制緩和論者はこの基準の緩和、廃止を求めてくるのははっきりしているんですよ。歴史的になった地先に、この権利に風穴を空けるような規制緩和はやめるべきだということを申し上げておきたいと思います。  本当はこの後、IQ問題とか資源問題やりたかったんですけれども、時間になりましたので、やっぱり通告どおりの時間に来てしまいましたので、もう大改悪で、やれなかったこともいっぱいあります。漁場計画とか資源評価とか資源管理、漁協などテーマはいっぱい残っているので、引き続き審議するように求めたいと思います。  以上で終わります。
  225. 儀間光男

    ○儀間光男君 日本維新の会の儀間でございます。  質問をさせていただきますが、通告二題しておりますが、一題目は養殖業関係です。  ここで確認の意味で長官に少し確認をしたいんですが、私、実は、この養殖業、ここは大手資本が入りやすい部分なんですね、入りやすい。沖合漁業の船の大型化、これ沿岸に心配を及ぼしますけれど、中身、形態、いろいろあるから一概に言えない部分はあるんですが、海面養殖にしろ、内水面養殖業にしろ、これ企業が参入しやすいんですよ、資本が、個人じゃなしに。参入しやすいと私、見るんです。  ところが、そんな心配ないとおっしゃったような、答弁として聞いたんですが、そんなに心配していないか、確認をさせてください。
  226. 長谷成人

    政府参考人(長谷成人君) また適切かつ有効の話になりますけれども、先ほども御説明しましたように、報告を受けて指導、勧告がなければ次も免許と、指導、勧告に対応すれば次も免許ということですけれども、もう少し詳しく御説明すると、どういうときに指導、勧告するかということも法律案の中に書かれておりまして、漁場を適切に利用しないことにより、他の漁業者が営む漁業の生産活動に支障を及ぼし、又は海洋環境の悪化を引き起こしているとき、周りに迷惑を掛けているとき及び合理的な理由がないにもかかわらず漁場の一部を利用していないとき、こういう場合に指導、勧告が始まります。  そういうことからすると、普通の地域の常識的に真面目にやっておられる方がこの指導、勧告ということにはならないので、適切かつ有効ということになっていくということになっておりますので、ここの部分で、そういうふうに真面目にやっておられる方が押しのけられるように漁場を奪われるというようなことにはなりませんというふうに申し上げております。
  227. 儀間光男

    ○儀間光男君 長官、あなたはおっしゃるけど、僕はそうじゃないと見ているんですね。  小さいのが大きいものに食われて、どうしようもないからそれを放棄する、小さい方がね。大きいのが吸収していく。世の中ありがちですよ。なかんずく、私、沖縄を見ると、もう既に始まっているんですよ。小さいエビ業者、養殖業者なんかは、本土資本の大きい手がもう触手を伸ばしている。どうしようか、政府からの支援、援助はないのかと問い合わせたら、施設にはもうないんだと、施設を大きくするとかなんとかで、投資する救い手はもうないんだということで悩んでおって、これなんぞは完全に大手が入っていくんですよ。非常にいい条件のところです、北部で。  だから、あなたが心配していないと、いろいろ規制あるから心配していないと言うけど、それに合うように吸収する準備するんですよ。これが悪いとは言いません、悪いとは言いませんよ。大手が入ったからそれは悪いんだとは言わぬけれど、これをなりわいにしている漁業者、養殖業者、沿岸も含めて、こういう人々を何とか救済せぬと、あるいは何とかなりわいとして自分でやっていけるようなことをしないというと、今長官がおっしゃるようなことではやりたい放題にされますよ。それを警告しておこうと思って──またにたっと笑ったけど、大丈夫かい。そういうことを言って本題に戻ります。  おととい四日の日も、ここだけは項目を言って、数字を言って、あとは時間なくて逃したのがこの養殖業者ですが、今、ピーク時から三十一万トン減って百三十四万トンになっているというような状況でありますね。ところが、いろんな資料をこうして調べてみると、漁業先進国の世界の状況はそうじゃないんですよね。いろんな養殖の業種があるんですが、これみんな上向きなんです。海洋国日本だけ、四面が海に囲まれた日本だけ、魚類を始め貝類、海藻類、真珠に至るまで減少の一途をたどっていくのか。  四日も言いましたが、養殖に関する日本の消費量は四〇%海外に依存をしているような状況等を思うと、この養殖業、今までは自然が生み育んだ魚類を行って捕ってきて、捕る漁業からつくる漁業へと言ってもうかなり時間が過ぎておるんですが、そういう状況、方向のある中で、日本だけ減っていくという、この現状を憂えてならないんですが、ちょっといい話をしてくれませんか。
  228. 長谷成人

    政府参考人(長谷成人君) 養殖生産量の動向についてのお尋ねだと理解いたしまして御説明いたしますけれども、我が国における養殖生産量は、昭和六十三年まで増加した後、魚類養殖についてはほぼほぼ横ばいに推移しておるんですけれども、海藻類や貝類の養殖が減少しております。その結果、全体として漸減傾向にございます。  一方、全世界における養殖生産量については、海藻類や内水面における魚類が、これ中国ですとか東南アジアですとか、そういう、日本内水面、特に内水面については日本内水面の状況とは違うような国々でかなり大幅に増加したことによって、全体として非常に養殖業の生産が伸びているということでございます。  そうした中で、我が国養殖業におきましては、今後、国内外の需要を見据えて、限られた養殖適地の有効かつ効率的な活用、生産性向上、コスト削減に向けた技術的課題等の解決が迫られておりますので、この改革を契機としてそういうことに取り組んでいきたいというふうに考えております。
  229. 儀間光男

    ○儀間光男君 是非期待したいと思いますが、ここで、個別にちょっと真珠を見てみましょう、真珠。  真珠は、志摩と沖縄県石垣、川平にあります。志摩の真珠は白で、まあシルバー、白なんですが、川平のはゴールドと黒真珠なんですね、それを生産している。今、真珠は日本は有名なんですが、なりわいとして採貝しているのは志摩と川平だけである。ところが、志摩の状況はまだしっかり取っていませんけれども、川平の状況においてつぶさにやってきたんですけど。  今回の法改正に相まって、いわゆる現状は、川平は石垣漁業区の中にあって、入漁料、漁業権へ、漁場へ入っていく入漁料を払って採貝をしている現状にあると。漁業権を付与されていないわけですよ。漁業組合ともいろいろ交渉して、全く漁業組合が使っていない海域、そこからは海産物、水産物、全然揚げていない海域であるだけに、漁業権に参加させて、普通の組合員みたいにして真珠採貝をさせてくれということがなかなかかなわぬで、今非常に競争力の面で苦心を、腐心をしている状況にあるんです。  今度の改正法からそういう面をどう改革されていくか、ちょっと示唆をしていただきたいと思います。
  230. 長谷成人

    政府参考人(長谷成人君) 先生から御紹介いただいたように、沖縄県では、本州の方でやっているアコヤ真珠ではなくて、白蝶貝、黒蝶貝などによる南洋真珠の養殖業が営まれております。  真珠養殖業は、現行の漁業法ですと、これ、組合管理、特定区画漁業権になりませんで、経営者免許ということになるものですから、ちょっとその現地の詳細、私、今把握しておりませんけれども、漁業権の行使料というようなことじゃなくて、漁場を使っているというようなことで協力金のやり取りというようなものがあるのかなというふうに思いますけれども。  今回の改正では、組合管理漁業権が優先になる漁業が法律で今限定されていたわけですけれども、そうではなくて、組合管理が適したものについては団体漁業権ということで、経営計画、免許することも可能ということになりますので、その地域の実情に対応した工夫をしていけばいいのではないかなというふうに思っております。    〔委員長退席、理事上月良祐君着席〕
  231. 儀間光男

    ○儀間光男君 今、協力金の形でいろいろやり取りされているようですが、個別で免許も取りたいと言っているけど、なかなか地域の合意が得られないと。これ、既存の、今の漁業組合が悪いとかいいとかじゃなしに、そういうのが現実なんですね、そういうのが現実なんですよ。  したがって、この人、今困っているのは、どうも県内、八重山海域では将来余りやっていける自信がないということで、いろいろ近隣諸国、フィリピン辺りへ行ったりして、フィリピンは黒蝶貝、いいのが捕れて、稚貝は大体フィリピンから入っているんですが、フィリピンを中心にいろいろ近隣諸国を走り回っている。ところが、オーストラリアから誘致が来たんですよ。思う存分海域も与えるからオーストラリアへ移ってくれぬかと、そういうふうになるんですよ。  せっかく日本の、しかも物的生産の非常に少ない沖縄県域でこういう事業が、しかも品質のいいものがやっていけるのに、ちょっとした配慮が足りない、法の配慮が足りない、国の配慮が足りない、漁業組合との間の調整が足りない。そういうことで、県外や国外へ目を向けていくということは、地域の経済や雇用や、そういうものに大きな影響を与えるんですよ。  そういうことで、これから精査していただいて、どう対応してくださるか、ちょっと話を聞かせてください。
  232. 長谷成人

    政府参考人(長谷成人君) 八重山漁協ということですから、上原会長さんのところの組合だと思います。先生さっきおっしゃられたように、漁場が比較的空いているところの話ということでございました。  まさに今回は、そういうことで漁場の利用状況をもう一回点検して、その漁場の中でいかに漁業生産力を発展させるかと、漁場を有効利用していくかということでありまして、その中でどういう形で、できることなら、海外へ流出するのではなくて、その地域の雇用なりに資するような形で真珠養殖業ができるようにという計画を立てていくということになればいいなというふうに思います。そのときに、経営者免許の形で入るという形もあるでしょうし、組合との関係で団体漁業権の中でやっていくという道もありますし、そういうことをまさに地元の方たちとよくお話ししていただき、協調した形でやっていく、そのきっかけになればいいなというふうにお聞かせいただきました。
  233. 儀間光男

    ○儀間光男君 地域に任せてはなかなかこういうのは決着付かないんですよね。かといって、じゃ、問題解決する能力がないかというと、そうではなしに、既成の既得権というのがあってなかなかそこから離れることはできない。法律ができても時間が掛かる。ましてや、これ五年スパンの話ですから、いろんな制限があって、その間になりわいがならぬから、フィリピンへ移ろうかな、あるいはオーストラリアへ行っちゃおうかなというようなのを今盛んにやっていて、危機感を抱いているんですが。    〔理事上月良祐君退席、委員長着席〕  しかも、あの川平湾って、皆さん美しい海知っていると思うんですね。で、西表の大原港というのがあるんですよ。これも非常に美しい湾で、自然の良港と言われるぐらいいい環境にあるんですが。なかんずくこの川平湾が陸からの堆積土が入ってきて浅くなって、しかも赤土が、赤水が入ったりして非常に条件が、環境が悪くなりつつある、海流関係もね。ということで、それを何とかしゅんせつしたいといって自分たちでやりたいんだけど、そういう方法の環境になっていないと。個人が公共の海をしゅんせつするとは何事かというふうなもの等があったりして、そこもなかなかうまくいかないと、こういうんですね。  これも実は何かのファクターがあってできていないんですよ、いろんなファクターがあって。そこをさばくのは皆さんしかいないんですよ。皆さんが中に入って障害となっているファクターを取ってやる。そういうことをやっていかぬと、地域のこういう企業は育っていかないんですね。  だから、それを心配しているので、是非ともそういうことをやって、せっかく軌道に乗った真珠業が、日本でも、中でも沖縄が物的生産に誇れるのはそんな多くはないですが、これは誇れるものの一つなんですよね。そういうことで、ひとつ調整して、これがうまくいくように配慮していただきたいなと、こういうことを要求しておきます。  それから、時間もそんなにないので急ぎますけれど、今度の漁業法改正をきっかけに、遠洋漁業、これでなりわいをしていた多くの人方が、今答弁にもあるように、二百海里がしかれて全部排除されたということで遠洋漁業がずっと廃れてきて、最近では中西部太平洋における巻き網業もおかしくなってきたというような状況にあるんですよ。  これ、二〇〇七年にVDSというのが太平洋沿岸国に張られたんですね。これはどういうことかというと、この太平洋の島嶼国が集まってPNAをつくって、いわゆるその八か国のEEZの中で日本の船が魚を捕っているわけですが、今この八か国の中で日本の船は少ないんですけど、これが船の現地化、船の現地船化、例えば、パプアニューギニアなら、その八か国のうちの一つ、そこの海域でやるんだったら日本の船をそこの八か国の船の船籍にしなさいよというようなことですね。  それから、VDがありますね、VD。これは、漁場の漁船が滞在できる日数で換算して権利を行使するとか、あるいは、さっき言ったVDSは、船を現地化することによっていろいろ許可あるいは優遇をしようというようなことがあるんですが、日本はそれ非常に遅れているんですよ。フィリピン台湾アメリカや、最近では中国まであの地域へ行っていろんなことをやっているんですね。日本は追い出されっ放し。この前も申し上げたんですが、沖縄の漁船はパラオへ二十隻ぐらい行っているんですが、それも含めて再来年から排除されるんですね。  そういうことを見ていると、残せる方法はあるのに、政府が放ってあるのか興味がないのかどうか分からないんですが、非常にそれは後れを取っているというようなのが現状です。その辺、どう思いますか。
  234. 長谷成人

    政府参考人(長谷成人君) 御紹介いただきましたように、太平洋島嶼国は我が国遠洋漁業の中で残された数少ないまとまった操業水域ということであります。この太平洋島嶼国は、操業隻日数方式、いわゆるVDSによって入漁料の設定を行っておりまして、我が国は入漁先国との二国間協議により必要なVDを確保しておるんですけれども、台湾、中国、米国といったところとの競合で入漁料が高騰しておりまして、厳しい状況ということであります。海外協力などを加えることによって少しでも有利な条件で操業できるようにということで努めているところでございます。  投資につきましては、例えば、沖縄の漁業者の皆さんともそういう話はするわけでありますけれども、何分、沖合漁業、遠洋漁業は資本があるというような話も出ておりましたけれども、本当に中小の小規模な経営体という方がほとんどでありまして、海外でリスクを負って合弁会社つくるだとか現地法人つくるだとかというところまでの決断に今までのところなっていない例がほとんどだということでございます。
  235. 儀間光男

    ○儀間光男君 我が国はODAの国で、この八か国は全部我が国のODAでいろんなことをやっているんですよ。魚市場、港もODAでいろいろやっているけど、向こうに参入するのは拒否されているんですよ。  いいですか、向こうの規定があるから、VDの優先順位ですよ。一番はPNA、この島嶼八か国の自国船に許可を与える。二番目は、PNAの現地化船をする。三番目に、米国のFFA協定の入漁船が三番目に優先される。日本、二国間入漁船、二国間協議ですから、これは四番目なんですよ。だからここに他の国々と競争しておれないんですね。台湾フィリピン、最近中国までこの一、二、三までやってくるんですよ。  日本はそれに背を向けているのか、無関心なのか分かりませんが、そういう遅れることによって遠洋漁業が、必ずしもそれだけが理由じゃないんですが、遠洋漁業が衰退していく。その国に揚げてその国の商品にしないというと一切認めないということですから、遠くから行ってなかなか引き合わない。したがって、離れざるを得ないと。しかし、方法はあったんだと、方法はあったということなんですが、その辺、いかがなさろうとしているか。どう思いますか。
  236. 長谷成人

    政府参考人(長谷成人君) その順位を上げるという意味でですか。現地化というようなことですよね。  そういう議論を、先ほどと同じになってしまいますけれども、そういう条件の中で現地化も考えませんかという議論はしているところでございますが、なかなか具体化はしづらい状況ではあります。何とか今のところは入漁できておりますので、現状ではそういう議論にとどまっているところでございます。
  237. 儀間光男

    ○儀間光男君 長官、あの国々へ行ってみてください。もう御承知だと思うんですが、日本のODAでやったインフラ整備たくさんあるんですよ、たくさんある。ところが、それを使うのは他の国々なんですよ。日本の漁船が使おうったってノーだという意味なんですよ。  これは、その間政府の対応が悪かったと言われても仕方がない。ODAの成功を見ていないんですよ。あの辺の漁港に日本の船が漁獲したマグロ類を揚げてやろうとしても、他の国々、一位、二位、三位取っている国々があっちは駄目だ、あるいは、水産加工会社が、いや、日本は駄目だと言って終わりなんですよ。水産整備は全部日本がやっているのに、その先が日本が使えないというようなことはあってはならないことだと思います。  したがって、時間もないんですが、大臣、少し方針でも聞かせていただけませんか。今のやり取り聞いての感想でもいいです。お願いします。
  238. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 長官が今答えておりましたように、現地化というのがなかなか難しい部分というものもございまするけれども、さらに、儀間委員の御指摘もございますので、こちらからも更に働きかけをしながら、どういう形ができていくのか、しっかりとそういった面でも対応してまいりたいと存じます。
  239. 儀間光男

    ○儀間光男君 ありがとうございました。  押しなべてそういう感じがありますから、一つの政策を完全に完遂するまでは、やはりその先に関連するものがあって、そこまでやっていかないというとなかなか打ち込んだ政策が生きたということになりませんので、今回のことも踏まえて是非とも、入れるような方法あるわけですから、やっていただきたいと思います。  時間ですので終わります。ありがとうございました。
  240. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 漁業法について質問をさせていただきます前に、法務大臣政務官、一昨日は大変失礼しました、ちょっと時間がなくなって。  技能実習生及び外国人労働者について確認をさせていただきたいと思いますけれども、この間、私たちが書き写した個票、技能実習生、失踪した技能実習生約三千人、その国外退去処分の手続のときに調査をした個票、これは我々が書き写していろいろ調査することによって、法務省の報告、現在の技能実習生の実態とは懸け離れた数字が出てまいりました。さらには、立憲民主さんの長妻衆議院議員が明らかにした法務省の報告によれば、この三年間で非常に多くの技能実習生が亡くなり、自殺あるいは殺人ということで、極めて、まあみんながみんなと言っているわけじゃないんですが、極めて深刻な外国人労働者、技能実習生を含む外国人労働者の実態が明らかになってきております。  本来であれば、この実態を正確に我々に御報告をいただき、そして、その上で現状の課題の解決のための方策というものを具体的に示して、その上で入管法の改正案が審議される。この農水にとっても、それから、今はこれ漁業法ですけれども、既に外国人労働者の今後の見通しという資料を出されているわけですけれども、この農水分野においては特に技能実習生から移行してくる、新しい法律によって移行してくる人たちがほとんどであるというようなこともありますので、ここはやはりしっかりと明らかにしておかなければならないと思っておりますけれども。  法務大臣政務官が新法以降の新しい機構が管理をしていると、今年になって。でも、旧法の体制で働かれている人なのかもしれませんけれども、政務官の下につくられたPTで実態を調査されていると思うんですけれども、現時点において、数字的な部分も含めて分かったことを御報告ください。
  241. 門山宏哲

    ○大臣政務官(門山宏哲君) 今までPT四回開かれているわけでございますけれど、最初の二回は顔合わせをやって、その後、論点整理、どういう論点をやっていくかということを一部やり、そして第三回目においては、実際、これは千葉県内でございますけれど、受入れ企業の視察をしてきたという流れ、そして昨日さらに四回目を開いて、今この聴取票に基づくものについての調査と、それをいつまでを目標にやるかということについて決定をしたという流れをしているわけでございます。  様々な問題がこの中あるわけでございますけど、我々としましては、技能実習制度のこの問題については、議員の御指摘、あるいはここの委員会やいろんなところで受けている委員会の指摘を非常に重く受け止めて、それについてしっかりとした実態把握とそれに対する運用上の対応策、これはこの聴取票の在り方も含めてしっかりとやっていきたい、そのように考えている次第です。
  242. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 いや、ちょっと勘弁してほしいですね。何も分からないという答弁ですか。それ、答弁の時間の無駄ですよ。何も分からないってことでしょう、実態については。  じゃ、新しい制度に移行した、新法に基づいてしっかりやっているから大丈夫だと法務大臣が答弁していたじゃないですか。大丈夫なんですか。少なくとも大丈夫だと、新しい機構でやっている部分についてはしっかりやっていると、今の時点で明言できるんですか。
  243. 門山宏哲

    ○大臣政務官(門山宏哲君) 委員が御指摘しているいろんな事態については、これは旧制度下の問題であるとはいえ、これは本当に技能実習制度の根幹に関わる問題であるというふうに考えておるわけでございます。  この点に関しましては、今回の取りまとめ結果において、聴取票の調査の対象となっている技能実習生はいずれも二十九年十一月に新制度が移行される以前の技能実習の旧制度下における失踪者に関するものでございます。  今回の平成二十九年度の聴取票の取りまとめ結果に現れているような旧技能実習制度の下における問題点等も踏まえ、現在、新たな技能実習制度の下、外国人技能実習機構を設け、機構による技能実習生からの相談受付体制や転籍支援体制の整備や監理団体を許可制にして、監理団体に対して、受入れ機関に対する適正な監査や技能実習生との面談も義務付けたほか、人権侵害規定や罰則も整備し、技能実習制度の適正化及び失踪防止に努めているところでございます。  特に技能実習生に関する報酬の点については、旧制度の下で浮かび上がった問題点や様々な御指摘を踏まえ、新法において、技能実習は労働力の需給の調整の手段として行われてはならないものを明記したほか、日本人と同等報酬要件も定めたほか、その他適正な運用が担保されるよう、監理団体の許可制や技能実習計画の認定制、外国人技能実習機構による実地調査など種々の方策を取ることをしたところでありまして、適切な運用による状況の改善を今期待しているところでございます。  このような……
  244. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) 簡潔に答弁願います。
  245. 門山宏哲

    ○大臣政務官(門山宏哲君) そのような新制度の下において、不適切な事案に対しては新しい技能実習制度の下での方策を実効的に実施し、これを通じて、違法、不当な行為等が判明すれば、技能実習計画の取消しも含め適正に届けていきたいと思っています。  とはいえ、とはいいましても……(発言する者あり)
  246. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  247. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) 速記を起こしてください。
  248. 門山宏哲

    ○大臣政務官(門山宏哲君) 運用上の改善点については、これはもう積極的に改善を行っていくということは考えておりまして、プロジェクトチームにおいては、様々な今論点を整理して、新しい技能実習制度の下で改善が見られるかどうかも、これはまだデータは出ていないんですけれども、見据えつつ、実際の運用も踏まえながら、運用上の改善策について我々としてはしっかりと検討していきたい、そのように考えております。
  249. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 全く質問に答えていないという、こういうのの繰り返しなんですよ。余りにもひどくないですか。もう毎日、国会のお葬式やっているような感じですよ。何の意味もない、何の意味もない、政府の答弁に何の意味もないですよ。  じゃ、漁業法についてお聞きしますけれども、先ほど大臣は紙議員の質問に対して、別に財界に言われたからやったんじゃないと、この漁業権の問題ですね、特にとおっしゃいましたけれども、じゃ、何のために、どういう立法事実があったんですか。端的に答えてください。
  250. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 今回の水産改革に関しましては、何度も申し上げておりまするけれども、我が国の漁業における高齢化が進んできているですとか、さらに、国民の皆さんに対してしっかりと生産された魚類を提供していくため等々も含めて必要だと思いましたので、この水産改革を進めているということであります。
  251. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 いや、もう本当にかみ合わなくてがっかりするんですけど。漁業権の付与の優先順位を外す、法律に明文化していたものを削除する、その立法事実について聞いているんですよ。何で端的に答えていただけないんですか。  じゃ、水産庁長官でいいですよ。この免許、もう全く今までと違う方法に変える、その立法事実は何ですか。
  252. 長谷成人

    ○政府参考人(長谷成人君) 何度も御説明しておりますように、優先順位規定がございますと、五年なら五年の切替えのときに、今まで頑張ってこられた方が必ずしも次免許されることがないということでございます。平成二十五年の免許時に、既存の漁業権者以外の者に免許された事例が定置漁業権に関して七件あったということでございます。
  253. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 おとといと全然議論が深まらないんですが。  資料をお配りしました。三ページを見てください。  先ほど来繰り返していらっしゃる、この間の委員会でも繰り返された、要するに、新しい免許のこれは基準というふうに思いますけれども、適切かつ有効に利用されるということが前提になる。今までは優先順位を法定化していたが、それを外し、適切かつ有効に利用されている場合、これはまた更新のときに再び付与される。立法事実として長官が言われたことを水産庁に文書で提出してもらいました。漁場の利用の程度が低くなっている漁場について、本当にあるのかということで出していただきました。  減少しているというふうに出ていますが、これ注釈付きでありまして、別にこの漁場が全て利用されていない、適切かつ有効に利用されていないというわけではないということで、漁船の漁業が営まれるようになるケースなど、だから、明確じゃないんですよ。おっしゃった、説明された、高齢化等により漁場の利用が適切かつ有効に行われていない、それを解決するために優先順位をなくすのである、その説明にほとんどなっていないと思いますよ。  もう一つが、漁業権切替え時に既存漁業権者以外の者に、優先順位ということで、既存の漁業権者以外の者に免許された事例が一体どれだけあるのか。今、先ほど長官が言われた四―一ですね。これ、平成二十五年切替え時、七件です。平成二十年の切替え時には四件でした。四―三を御覧ください。これ、答弁のときに定置漁業権の話と特定区画漁業権の話をごちゃ混ぜにしてお答えになっているんですが、特定区画漁業権の場合には、切替え時に既存漁業権者以外の者に免許された事例というのはありません。長官が説明されているのは定置漁業権であります。  だから、特定区画漁業権でそのようなまず不具合というか、不都合といいますか、優先順位というのの法定化を外さないと不利益を被ったという事実、ないんじゃないんですか。
  254. 長谷成人

    ○政府参考人(長谷成人君) 特定区画漁業権で件数が少ないのは、第一順位の漁協に免許されている者が多いからということでございますけれども、現に二位以下の順位で免許を受けた者も存在しておりますので、定置漁業と同様の事例が起こり得るわけでありますし、過去にもそういうものがあったということでございます。
  255. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 いや、それは立法事実の説明になりませんよ。  全体のその漁業権の数に対してほとんどないじゃないですか、ゼロじゃないですか。優先順位があったのでこれまでの人たちが続けられなくなりました、さもそれが頻繁に起きてこの法律が漁業の健全な発展を妨げているかのような説明をされたけど、立法事実としてないじゃないですか。それはお認めになった方がいいんじゃないですか。
  256. 長谷成人

    ○政府参考人(長谷成人君) 件数はお示ししたとおりということでございますけれども、潜在的なリスク含め、定置漁業権で約八割が優先順位三位ということも含めまして申し上げているということでございます。
  257. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 先ほどの午前中の参考人質疑でも全漁連の会長さんにお聞きしましたよ、そのような事実があるのかと。活発に利用されていない、そういう漁場がそんなにたくさんこの日本にあるんですかと。漁場の利用の程度が低くなっている漁場があって困っている、もっともっと利用すべきだと、そういう話になっているんですかと言ったら、分からないと言っていました。そんな話は聞いていないと。  もう一つには、漁業権の切替え時に、この優先順位によって、これまでやってきた人がその免許の更新を認められなかったということで困っているという話があるのかと聞きましたら、それも聞いたことがありませんと全漁連の代表が言っていますよ。全然、こんなに漁業者を不安に陥れる漁業権の優先順位法定の廃止という、そんな大改革をやる立法事実、どこにもないじゃないですか。あるんですか。大臣、どうですか。あるんですか。
  258. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) 水産庁長官。
  259. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 大臣ですよ、大臣。
  260. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) まず水産庁長官。
  261. 長谷成人

    ○政府参考人(長谷成人君) 利用度の低下の話でございます。  面積の低下、養殖漁場の面積がこう変わったという資料も出させていただきました。確かに、養殖がなくなればその後を漁船漁業が使うということもありますから、物事はそんな簡単な話ではありませんけれども、全体として漁業就業者が減ってきて漁場の利用度が低下してきている傾向が各地で見られているということでありますし、先ほど儀間委員の方からも八重山の話ではありましたけれども、そういう話は日常業務をしていればいろいろと聞こえてくることでございます。
  262. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 今、自民党の議員からも声がありましたけど、漁業権の優先順位と全く関係ない話じゃないですか。  なぜこんな理由で、優先順位があるからこそ、なりわいとしてやってきた人たちは、優先順位を持っているから切替えのときにその先も漁業権を得てなりわいを営めると。逆に不安定になるんじゃないんですか、先の見通しが持てなくなるんじゃないんですか、なりわいとしてやってきた小さいところは。違うんですか。
  263. 長谷成人

    ○政府参考人(長谷成人君) 度々御説明しておりますけれども、適切かつ有効ということであります。指導、勧告がなければ適切かつ有効ということであります。どういう場合に指導、勧告がされるかということも法律に書いてあります。漁場を適切に利用しないことにより、他の漁業者が営む漁業の生産活動に支障を及ぼし、又は海洋環境の悪化を引き起こしているとき、それから、理由がないにもかかわらず漁場を利用していないとき、一部を利用していないときということでございます。
  264. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 いや、それ分からないですよ、何言っているか。  優先順位が法定化されているというこの事実。この事実、こんなにクリアな漁業権付与の。これで争い起きないわけですよね。  そうしたら、私、先日の長官の答弁で一番違和感を感じたのが、病気になったりしたら、やっぱりそれはしばらく病気だから仕方ないよね、また頑張ってねと、浜のこれまでの常識で、当然そういう人たちを排除するわけじゃない、また治ったら一生懸命やってねと、そんなウエットな話じゃなくなるんでしょう、今度は。違うんですか。適切かつ有効に客観的に利用されていると証明できなければ、それは、そこに参入して替わって大々的にやりたいというところが訴えて、もし裁判になったら、適切かつ有効に利用されていないということになるじゃないですか。病気だとか関係ないですよ。そういうドライな世界に入る、市場原理万能主義に入る、そういうことなんでしょう。  どうなんですか。そんな曖昧な説明で現場の人たち納得しますか。
  265. 長谷成人

    ○政府参考人(長谷成人君) 先ほど申しましたように、有効かつ適切でないという指導が始まるところのトリガーといいましょうか、始まりが、合理的な理由がないにもかかわらず漁場の一部を利用していないときということが条文に書かれております。それに対しまして、衆議院ではありましたけれども、委員の中から、病気の場合とかでどうなるんだと言っているという浜の声をお聞きしたものですから、病気で使わないのは、当然、病気によって使わないことがあったとしても、それは適切かつ有効に該当いたしますということを申し上げております。
  266. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 そうやって答弁していただいても、実際裁判になったら、この答弁があるから大丈夫ですとならないんですよ。ならないんですよ、法律でせっかく法定化していたやつ外すんだから。そこまで言うんだったら、もっと合理的な判断の具体的な中身を法律に書くべきですよ。だけど、それは難しいということを水産庁自体がずっと言っていたんですよね。  この間、徳永先生が読んだ国家戦略特区ワーキンググループのやり取りを分かりやすく二ページ以降に記しましたけれども、ひどいですよ、これ。もう時間ないので、私、読みませんが。  それで、資料一―一。この間の、要するに、立法事実もよく分かりませんし、説明も説得力がない。そして、どこで議論して決まってきたのかが分かりません。  もう一回これ作り直していただきました。一―一、そして一―二。国家戦略特区ワーキンググループでこれだけの、参考という形に書いてありますが、議論がされ、とにかく民間に開放すべきだと、法律で順位を決めているのはけしからぬという、そういう民間研究員あるいはこのワーキンググループの委員に必死に、私たちと同じ論点に立って、考え方に立って水産庁が説明をしている。  しかし、これなかなか議事録が公開してもらえませんで、さっきようやく先ほどのお昼休みの理事会で、与党側の働きかけにより、ようやく私のところにこの国家戦略特区ワーキンググループにおける水産関係の議論の状況、その生々しいやり取りが載っている部分ですね、ようやく手元に届いて今読んでいる最中なんですよ、やっと。  当然公開されて、最初から手元に届くべき資料なんですが、一つまだ来ていないのがあります。平成二十九年一月十八日、これは水産庁の都合によって私のところに持ってこない、公開されていないということなんですけど、何でですか。
  267. 長谷成人

    ○政府参考人(長谷成人君) 確認いたしましたけれども、当時は検討段階の資料について議論をするということで非公開を要望したということで聞いております。
  268. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 いや、だから、検討中のガイドラインに関する内容を含む議論があるため非公開の希望があった。でも、もう終わった話じゃないですか。なぜ、公開し、ここ国会ですよ。どんな議論があったのか極めて不透明なので、だから聞いているんですよ。  肝腎の水政審でほとんど議論がないんですよ。法定化されている、それこそ法定化されている水政審で議論がない。法律によって決められた水産基本計画で、これ改定したばっかりですよ、そこに書いてあることと似ても似つかぬことが法案として出てきている。どこで議論したんですか。全部議事録出してください。
  269. 長谷成人

    ○政府参考人(長谷成人君) 平成二十九年一月段階ではそういうことでお願いをしたということだと思いますけれども、現時点においては公開しても差し支えないものと考えております。(発言する者あり)  この漁協による金銭徴収についての指針の方向性についての議論であったと思います。これにつきましての検討中の話ということで当時は非公開をお願いしたということでありますけれども、その後確認されたことがございませんでしたけれども、現在公開していただいて構わないというふうに思っております。(発言する者あり)
  270. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) 速記を止めてください。    〔午後四時二十三分速記中止〕    〔午後四時三十五分速記開始〕
  271. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) 速記を起こしてください。  暫時休憩いたします。    午後四時三十五分休憩      ─────・─────    午後五時四分開会
  272. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、漁業法等の一部を改正する等の法律案を議題とします。  森ゆうこ君要求の資料について、吉川大臣より発言を求めます。
  273. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 委員長から御指名がありましたので、私からお答えを申し上げたいと存じますが、内閣府と水産庁の連携が悪くて、大変申し訳ありませんでした。今後、しっかりと対応をいたしたいと存じます。
  274. 堂故茂

    ○委員長(堂故茂君) 暫時休憩いたします。    午後五時四分休憩    〔休憩後開会に至らなかった〕