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2018-11-22 第197回国会 参議院 法務委員会 4号 公式Web版

  1. 平成三十年十一月二十二日(木曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員の異動  十一月二十一日     辞任         補欠選任      藤木 眞也君     丸山 和也君  十一月二十二日     辞任         補欠選任      片山さつき君     藤木 眞也君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         横山 信一君     理 事                 福岡 資麿君                 元榮太一郎君                 伊藤 孝江君                 有田 芳生君     委 員                 岡田 直樹君                 徳茂 雅之君                 長谷川 岳君                 藤木 眞也君                 丸山 和也君                 柳本 卓治君                 山谷えり子君                 小川 敏夫君                 櫻井  充君                 仁比 聡平君                 石井 苗子君                 糸数 慶子君                 山口 和之君    国務大臣        法務大臣     山下 貴司君    副大臣        法務副大臣    平口  洋君    大臣政務官        法務大臣政務官  門山 宏哲君        厚生労働大臣政        務官       新谷 正義君    最高裁判所長官代理者        最高裁判所事務        総局総務局長   村田 斉志君        最高裁判所事務        総局人事局長   堀田 眞哉君        最高裁判所事務        総局経理局長   笠井 之彦君        最高裁判所事務        総局刑事局長   安東  章君        最高裁判所事務        総局家庭局長   手嶋あさみ君    事務局側        常任委員会専門        員        青木勢津子君    政府参考人        人事院事務総局        給与次長    佐々木雅之君        内閣府子ども・        子育て本部審議        官        三浦健太郎君        総務大臣官房審        議官       稲岡 伸哉君        法務大臣官房政        策立案総括審議        官        金子  修君        法務大臣官房司        法法制部長    小出 邦夫君        法務省民事局長  小野瀬 厚君        法務省刑事局長  辻  裕教君        法務省入国管理        局長       和田 雅樹君        厚生労働省子ど        も家庭児童虐        待防止等総合対        策室長      藤原 朋子君        国土交通大臣官        房建設流通政策        審議官      北村 知久君        国土交通大臣官        房技術審議官   宮武 宜史君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する  法律案内閣提出、衆議院送付) ○検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する  法律案内閣提出、衆議院送付)     ─────────────
  2. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) ただいまから法務委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日、藤木眞也君が委員を辞任され、その補欠として丸山和也君が選任されました。     ─────────────
  3. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、法務大臣官房司法法制部長小出邦夫君外十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。  両案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 立憲民主党の小川敏夫です。  今日、この委員会の質疑に臨む前にお昼まで、例の失踪者ですか、今、入管法の関係で衆議院でいろいろ議論しておるようですけれども、その技能実習生の失踪者の個票ですか、調査票ですか、これを、何か謄写が駄目だということで野党議員が手分けして書き写しているんですけれども、私もその中の一人として、その個票というものを書き写してきました。  私は書き写してみまして、あれ、なぜこの資料が、閲覧はいいんだけど謄写は駄目なのか、別に謄写させてくれれば大変な労力が掛からなくて済むんですけれども、これ質問通告していないんですけれども、多分お答えできるんじゃないかと思ってお尋ねするんですが、あれはやはり、閲覧開示だけじゃなくて謄写させていただけませんか。どうでしょう。
  7. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) まず第一に、資料の取扱いにつきましては理事会の御決定ということで、理事会の御決定に従っておるということでございます。  また、これは一般的な公開が不適当だということに関しましては、あの中身というのは今マスキングがしております。第三者が見ればもしかしたら特定はできない部分ではあるんですけれども、様々な、例えば業種であるとか給料であるとか、どれぐらいの間に失踪したとか、当事者が見れば、ああ、これはうちだということが分かる、分かりかねないような情報も含めておるところでございます。  そうした中で、私ども、あの資料の中において違法、不正なものが入っているのであれば、これはしっかりと厳正に調査するようにということを入管局長に私自身指示をしているところでございまして、そうした調査であるとか、あるいは将来的に自分の聴取した内容が公表されるということは、やはり聴取される側においてもそうした調査に非協力的になり得るということも懸念いたしまして、全般的な公開についてはなさらないようにお願いしているところでございます。
  8. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 その個票の現物、現物といっても提供いただいたコピーなんですけれども、あれは、失踪者が自分で自筆で書いたんじゃなくて法務省の職員が聴き取った内容を書いたから、筆跡は法務省の職員ですよね。ですから、そうした意味で、その調査票が誰が書いたかということは特定できないのではないかと。  それから、私も書き写しまして個票を見ましたけれども、個人情報、そうした関係者の特定に関わるようなところは全て黒くマスキングしてありまして、業者名はもちろん、その場所も書いてないと。ただあるのは、どういう職務に従事したかと、業務に従事していたかという業種が書いてある程度、あとは給料が書いてある程度で、どうもあの個票を見ても、誰がそもそも、いわゆる失踪者ですね、誰が当事者であるかということは分からないし、またその雇用していた先も分かりようがないと思うんですね。そうした情報でなぜ駄目なのか。また、物理的にその筆跡から分かるものじゃないという事実がある上においてそういう情報が出ることが困るということだけれども、その情報は出るんですよね、私ども開示いただいているので、書き写しているわけですから。書き写した形として、それは既に情報としては外部に出る状況になっておるわけであります。  ですから、大臣が言われたような御懸念はないだろうし、あるいは、情報が出るということは、我々開示していただいてそれを謄写して、謄写した上でそれをまとめて公表するわけですから、その範囲では法務省も承知の上で開示していらっしゃるんでしょうから。  そう考えてみると、やはりこれを、謄写は駄目だ、閲覧はいいけど謄写は駄目だという合理的理由が全然ないように思うんですが、と私は思うんですが、重ねてお尋ねしますが、どうでしょう。
  9. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) まず、開示方法につきましては、これは一に衆議院の法務委員会の理事会で決定されるものでございまして、それに従うというところで、私どもそれに従うというところでございます。  また、特定の問題につきましては、やはり、中身については、例えば様々な情報、ここでつまびらかにするのは差し控えますが、当事者であれば、あっ、これはうちのことを言っているかもしれないなというふうな、判明しかねない情報も含まれているというふうに考えております。  そういったことで、今、広く公開するということは差し控えていただきたいというふうなお願いを申し上げているところでございます。
  10. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 まず、資料の公開は、公表するかどうか、謄写させるかどうか、これは国会の理事会の求めに応じるかどうかという問題ではなくて、法務省が独自に判断すればよろしいわけで、そして我々は、この国会の質疑のために、あるいは国政調査権、広い意味で、こうした国会での質問権の行使のために一委員として資料の公開なり提供を求めることができるわけで、それで、一般的には行政は、一国会議員の求めに応じても、そうした必要な資料の提供はこれまでもしているわけですよ。  ですから、衆議院の理事会がどうのこうのじゃなくて、法務省が独自に国会の質疑に供するために、我々、委員の求めに応じて、閲覧だけでなくて謄写、もう本来なら法務省が謄写したものをそのままいただきたいぐらいの気持ちでおるんですけれどもね。少なくとも、どう考えても、業種が書いてある、あと書いてある中身といったらせいぜい給料が月額幾らか。しかし、どこを見ても大体何万円という範囲で、特別突出したものもありませんしね。  だから、そうした情報が出れば特定されて困ると言うけど、情報そのものは与えていただいているんですよ、くどいようですけれども。ですから、私どもは、いただいた情報を謄写して、それを基に何らかの形でまとめてこれは公表することもあるわけですから、情報はいただいているわけです。ただ、その情報のいただき方が、謄写が駄目だということの合理性なんですよね。  情報そのものはもう既にいただいておるわけですから、大臣が言われたように、情報が出ることによって当事者本人にはそれが自分ではないかと分かる可能性があると言うけれども、これは謄写をするかしないかということとは全く別の問題。閲覧をさせて我々がそれを記録する以上、情報はもう既に出ることはあらかじめ含んだ上で閲覧が認められているということだと思うんですが。  どうでしょう、その衆議院の法務委員会の理事会の云々かんぬんじゃなくて、我々が、一国会議員が、あるいは法務委員が議論に資するためにそうした情報を開示していただきたいと。開示していただいていることは開示していただいているんだけれども、膨大な資料を閲覧だけで謄写させてくれないということの合理性はないように思うので、改めて私は謄写させていただけるようにここで求めますので、重ねて、この委員会の決定、理事会の決定というふうに預けることなくして、法務省独自の判断で、既に公表してあるその資料について、閲覧だけで謄写はさせないということではなくて、謄写させていただくように改めて検討してその御回答をいただきたいということを述べさせていただきます。また、まあ法案来てからでいいや、理事会の方は。  じゃ、そういうことで、次の質問に行きます。  まず、この裁判官や検察官の俸給等、報酬、俸給ですけれども、人事院勧告に従ったということでありますけれども、また、この報酬、俸給の月額、金額という問題とは別に、定年、いつまで働くかという定年制についても議論があるところで、出されておるわけであります。  ですので、ただ、検察官は一般公務員と違って六十三歳ですか、検事総長は六十五歳、裁判所は六十五歳、簡裁判事や最高裁は七十歳ということで、もう一般の公務員とは違って定年が随分長いわけでありますけれども。ただ、六十五歳の定年ということが議論されていきますと、検察官は六十三歳ということで議論する必要があるのではないかと思うんですが、そうしたこの裁判官や検察官の定年の在り方についてどのような議論をしているのか、それぞれお答えいただけますでしょうか。
  11. 辻裕教

    ○政府参考人(辻裕教君) 検察官についてお答えさせていただきます。  国家公務員の定年に関しましては、御指摘のとおり、平成三十年八月に人事院からの意見の申出がございまして、国家公務員の定年を段階的に六十五歳に引き上げるべきとの方針が示されたところでございます。  一方、また、これも御指摘のとおり、検察官につきましては、検察庁法によりまして、他の一般職の国家公務員とは異なる定年年齢が定められているところでございますので、検察官の定年の引上げにつきましては、人事院から示された意見の趣旨を踏まえ、また、異なる定年が定められているという検察官の職務と責任の特殊性をも考慮しつつ、現在どのようにするかを検討させていただいているところでございます。
  12. 堀田眞哉

    ○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) 裁判官についてお答え申し上げます。  裁判官の定年につきましては、委員御指摘のとおり、最高裁判所と簡易裁判所の裁判官が七十歳、高等裁判所、地方裁判所、家庭裁判所の裁判官が六十五歳となっているところでございます。  現在、政府において国家公務員全体の定年年齢の在り方について検討されているものと承知しているところでございますが、最高裁といたしましては、裁判官の定年年齢を引き上げるか否かについては国家公務員全体の定年年齢の在り方等も踏まえる必要があると考えておりまして、裁判官の職務の性質や求められる資質、能力等を前提としつつ、慎重に検討すべきものと考えております。
  13. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 では、よろしく検討の方をお願いいたします。  それでは、私が今ここで関心を持っていることについてお尋ねしたいんですけれども、今、マンション六百万棟というような話もありますが、大変多数のマンションがあるわけでありますけれども、そこで、管理組合というものが存在して管理しておるわけであります。  まず最初に、この管理組合の持つ権限、それから権限の範囲、そこについて包括的に御説明いただけませんでしょうか。
  14. 小野瀬厚

    ○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。  管理組合でございますけれども、建物、敷地、あるいは附属施設の管理を行うことを目的とするものでございますが、この権限につきましては、管理自体のみならず、これに付随する、あるいは附帯する事項もこれに含まれるというふうに一般的には解されております。
  15. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 ですから、マンションは専有部分と共有部分があって、専有部分はそれぞれ占有者が自分の責任で管理するんでしょうけれども、共有部分はこれは全体が共有するものであって、全員で管理するということになると思うわけでありまして、それで、その共有部分について、これは管理組合、つまり占有者全員が組合に加入し、管理費ですか、これを拠出しなければならない。  これは当然、同じ一つの棟の中の共有部分を、ある者は嫌だから払わないということでは管理が成り立ちませんから、そうした意味で、占有者が管理組合に加入する義務があって、しかも管理費を払う義務がある、そういう中で管理組合というものの権限が定められていると、こういうことでよろしいでしょうか。
  16. 小野瀬厚

    ○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。  管理組合の目的につきましては、先ほど申し上げたとおりでございます。  こういった事項につきましては、やはり区分所有者は団体的な意思で活動するというところがございますので、先ほど申し上げました事項といいますものも、結局その区分所有者の団体的意思決定に服すべきものとされるものを広く含むと、そういった観点から、こういった権限に入るかどうかというものが判断されるべきものと考えております。
  17. 小川敏夫

    小川敏夫君 つまり、団体的な意思決定に服するもの、ただこれは、管理費は任意ではなくて強制的に、いわゆる強制的にというか支払う義務があるわけでありまして、払わなければこれは強制的に徴収されるという性質のものであります。  ですから、あくまでも、任意の集まりではなくて法律上設置された組合という位置付けであると思うんですが。そしてまた、その決定事項は組合員を拘束する、それから費用は強制的に徴収するという意味からも、この管理組合が行う権限というものはやはり法定されていると思うんですね。何でもかんでもできるという、多数決で何でもかんでもできるということではなくて法定されておると思うんですが、これはどういう範囲で法定されているんでしょうか。
  18. 小野瀬厚

    政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。  区分所有法におきましては、例えば、建物の共有部分についての損害保険契約締結共有部分の管理に関する事項とみなされるとありますし、また、建物又はその敷地若しくは附属施設の管理又は使用に関する区分所有者相互間の事項に当たる場合は規約で定めることができるといったような規定もございます。  こういった規定に鑑みますと、一般論から申しますと、やはり、建物あるいはその敷地等の管理又は使用とはおよそ無関係なものである場合には、管理組合のその権限の中には入ってこないと、このように一般論としては言えるのではないかなと思います。
  19. 小川敏夫

    小川敏夫君 管理組合自体がそうした建物の共有部分の管理を行うということが目的であることから当然のことだとは思うんですけれども、ですから、建物の管理、使用に関する規定に関わらないことについては管理組合権限がない、ですから、これを多数決で決めて全員の負担でそれを行うということはできないということになるわけであると思います。  それで、もう少し、今局長は損害保険のことをおっしゃられましたけれども、例えば共有部分自体が損傷するというような場合に、それを保険で補填するという意味の保険契約は、私、何の異論もないんですけれども、建物の管理、使用とは関係がない保険契約、もっと具体的に言いますと、例えば居住者が生活に関わる行為の全般において第三者に損害を与えた場合の賠償責任、いわゆる個人賠償責任保険ですね、建物の共有部分に損傷を与えたとか建物に関連して生じたとか、そういうことではなくて、居住者が生活上、建物の外でもそうしたことを行ってしまう可能性がある賠償責任補償するような保険契約、これはできないと。局長のお言葉を借りれば、およそ建物の管理、使用に関わらない事務に関してはできないということだという結論になると思うんですが、そこのところはいかがでしょうか。
  20. 小野瀬厚

    政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。  先ほど、建物等の管理又は使用とはおよそ無関係なものというものは権限外ではないかというふうに申し上げたわけでございますが、こういった事項に当たるかどうかということにつきましては、建物の構造、取引の通念、その他社会通念に従って、建物等の管理又は使用並びにそれに付随する事項として区分所有者が全員で共同して行う必要性、相当性があるかといったような観点から判断されるべきものと考えられます。具体的には、例えば居住用のマンションの場合で申し上げますと、その建物を生活の場として使用するために必要であるか否かといったような観点から判断されるべきものと考えられます。  御指摘の、日常生活全般について生ずる賠償責任を対象とする損害賠償保険契約につきましても、やはりその保険契約の内容等に応じて判断されるべきものと考えられます。例えば、その契約において建物の使用に付随した行為から生じた責任、こういったものも担保する部分が入ってくるということになりますと、一般論としては、そういうものは、建物等の管理又は使用とはおよそ無関係なものであるとは言えない部分があるというようにも考えられます。  そのように、権限内と考えられるようなものと権限外の考えられるものが例えば一つの損害保険契約の中で混在しているというような場合についてそれをどう考えるのかという点につきましては、これはいろんな考え方があろうかと思っております。
  21. 小川敏夫

    小川敏夫君 いろんな考え方があると言われても困るんですけれどもね。  例えば、個人賠償責任保険ですと、建物とは全く無関係で、例えば買物中、ショッピング中、商品を過っておっことしてしまって賠償責任が生じると、個人賠償責任ですね。あるいは、自転車で散歩していた、あるいはランニングしていたときに通行人に衝突してしまってけがさせてしまったとかというような、そうした賠償責任補償されるわけであります。  こうしたことは明らかに、社会生活上から見ても物理的に見ても、建物の管理、使用に関しないと思うわけでありますから、当然それは管理組合権限の中にはない、つまり管理組合権限外であると、したがって権限がない行為であるから無効であると、こういうふうに思うんですが、いかがでしょうか。
  22. 小野瀬厚

    政府参考人(小野瀬厚君) 先ほど一般論としての判断の基準のようなものを申し上げましたけれども、例えば、今御指摘のように、建物の外における保険事故のみを填補するような損害保険契約締結ということになりますと、これは一般論として言えば、管理組合権限を越えると判断されることもあり得ると考えられます。  ただ、先ほど申し上げましたとおり、建物の使用に関する部分とそうでない部分が混在しているものにつきましては、様々な考え方はあり得るかと思います。
  23. 小川敏夫

    小川敏夫君 その混在しているというところが、例えば、これは見解が分かれると思うんですけれども、いわゆる共有部分の損傷に対する補償ではなくて、居住者が居住者の故意過失によって共有部分を損傷させてしまったという場合に、居住者は当然、管理組合に対して共有部分を損傷させたその賠償責任を負うわけであります。  しかし、居住者がそういう賠償責任を負う場合にそれを担保するという場合には、一見、建物の共有部分に関しているかのように思える節もあるんですが、ただ、考えてみると、共有部分というのは全体のもの、だから、共有部分が損傷すれば、全員の利益のためにそれは修復する義務があるから、居住者全員のための事務として行うことができるわけでありますけれども、その居住者の一人が損害賠償責任を負うということについてそれを、その賠償責任担保する契約だというと、これは居住者全員のための利益じゃなくて不法行為を起こした一居住者のため、すなわち、一部の居住者のための契約ではないかと、こういうふうに考えられますので、だから、建物が損傷したからそのこと自体のそれを修復するという管理組合独自の契約ならばいいけれども、建物を損傷させた一居住者の損害賠償責任をカバーするというのは、私は管理組合権限の外にあるんではないかと思うんですが、そこの点はいかがでしょうか。
  24. 小野瀬厚

    政府参考人(小野瀬厚君) 先ほども申し上げましたとおり、管理組合権限の中に入るかどうかという点につきましては、例えば住居用のマンションの場合、その建物を生活の場として使用するため必要であるか否かという観点、これは様々な社会通念に従って判断されるべきものだと思います。  したがいまして、そういったような、生活に当たって安心して生活できるというようなためにこの損害保険契約担保されるというようなことが必要かどうかといいますものも、そういった社会通念等に従って判断されるべきものかと思います。
  25. 小川敏夫

    小川敏夫君 終わります。
  26. 櫻井充

    ○櫻井充君 国民民主党新緑風会の櫻井充です。  改めて大臣にお伺いいたしますが、入管法というのは、これは労働者不足を補うために改正するということでよろしいんですよね。
  27. 山下貴司

    国務大臣山下貴司君) お答えいたします。  これは、昨今の深刻な人手不足の状況にも鑑み、我が国において生産性向上や国内人材確保の手だてを尽くしてもなお深刻な人材不足である産業上の分野、これに限って、一定の技能、専門性を有する即戦力のある外国人を受け入れようとするものでございます。
  28. 櫻井充

    ○櫻井充君 そうすると、その根幹にある問題点の大きなところはやはり少子化だと思うんですが、それは、その点、いろんな要素があるとは思いますが、その中の一つは少子化だということでよろしいでしょうか。
  29. 山下貴司

    国務大臣山下貴司君) 御指摘のとおり、様々な要素はございますけれども、やはり少子化というところも原因の一つであろうと思っております。
  30. 櫻井充

    ○櫻井充君 そこで、今日は厚生労働省に、政務官にお越しいただいていますが、皆さん、妊婦加算というのを御存じでしょうか。妊婦さんが外来を受診されると、我々一般人が受診するよりも、妊婦加算で妊婦さんが受診すると高くなるんですよ。出産してくださるお母さんたちが、リスクも取っているわけですよ、少子化に貢献してくださっているにもかかわらず、外来に行ったときに、妊婦加算といって、深夜の場合ですと六百五十円も高いんですよ。  こんな制度、おかしくないですか。妊婦さんに対して優しい政策を取っていくのであれば、当然自己負担を軽減するのが当たり前なのに、自己負担を増すようなことをやったら更に、それは僅かな額かもしれないけれども、気持ちの問題からいえば、妊婦さんに対して決して優しい政策じゃないと思いますが、この点についていかがでしょう。
  31. 新谷正義

    大臣政務官新谷正義君) 妊婦の方の外来診療につきましては、通常より丁寧な診療を行っていただく必要があることから、平成三十年度診療報酬改定におきまして妊婦加算を新設したところでございます。委員御指摘のとおりでございます。  この加算は、妊婦の方の診療に積極的な医療機関を増やしていくこと、そして妊婦に対して丁寧な診療が求められることを改めて明確化するための点数でございます。妊婦の方が医療機関を受診した際により一層安心して医療を受けられる体制につながるものであると、このように考えております。このため、その分増加する患者負担に関しましては御負担をいただくことを御理解いただきたいと、そのように考えておるところでございます。  ただ、引き続き、こうした趣旨を御理解いただけるように妊婦加算の周知に努めていくとともに、周産期医療の充実と妊婦の方への支援について関係者の御意見をよく聞きながら推進をしてまいりたいと、そのように考えております。
  32. 櫻井充

    ○櫻井充君 済みませんけど、それって医療機関の立場に立って加算しているだけの話ですよ。妊婦さんにとってみて、負担が増えるということ自体おかしな話じゃないですか。違いますか。
  33. 新谷正義

    大臣政務官新谷正義君) 先ほども申し上げましたけれども、御負担をいただくということもございますが、やはり妊婦の方がより一層安心して医療を受けられる体制につながるものと、そのように考えておりまして、その分の負担に関しては御理解いただきたいと、そのように考えておるところでございます。
  34. 櫻井充

    ○櫻井充君 これ、多くの人が御理解できないんですよ、はっきり申し上げておきますが。これ、妊娠、出産するのにほかにもお金掛かるんですよ。私が、子供幼稚園行っていたときに、幼稚園のお母さん方と話をしてみると、二人目までは旦那さんに相談しないで出産しましょうと、三人目以降は旦那さんと相談しないとなかなか出産できないと。そうであれば、掛かる費用を軽減するのは当たり前なんですよ。  これを仮に、病院側の立場も分かります。ですから、加算するのは、またそれはそれとして一つの考え方ではありますが、一方で、そうであれば、妊婦さんの自己負担を増やすこと自体がおかしいんですよ。こういった分についてちゃんと公費で負担するとか、そういうことを考えていくべきじゃないのかなと、そう思いますが、いかがですか。
  35. 新谷正義

    大臣政務官新谷正義君) この加算に関しましては、趣旨を御理解いただくようしっかり努めてまいりたいと考えておりますし、また、妊婦の方の財政的支援、これに関しましては、まず、出産に対する経済的負担を軽減するために出産育児一時金の支給などの制度を設けてあるところでございます。  引き続き、周産期医療の充実と妊婦の方への支援に関して、関係者の方の御意見をよく聞きながら進めてまいりたいと、そのように考えております。
  36. 櫻井充

    ○櫻井充君 今日、政務官に来ていただいたのは、役人呼んだら今みたいな答弁になるからわざわざ政務官呼んでいるんですよ。今の答弁なんて官僚の答弁と全く一緒じゃないですか。官僚が書いてある原稿を読んで、それでこれで御理解いただきたいと。自分たちだけの主張することじゃないと思いますよ、これは。  私は、いいですか、医療機関の立場も分かりますよ。うちの娘がこの間、出産しましたが、逆流性食道炎だったと思いますよ。だけど、消化器内科に行ったときに、それは産婦人科に行ってくれ、そこで相談してくれと言われているんですよ。  だから、確かに、各診療科でなかなか受け難いことはよく分かっているんです。だけど、そうだからといって、妊婦さんに負担を増やすのはおかしいんですよ。これ、来週の予算委員会でもまたやらせていただきますけれど、これ多分、全国の人が知ったら相当お怒りになると思いますよ。だって、コンタクトレンズ作りに行くために眼科に行って受診したときだって、何にも関係ないのに妊婦加算があるんですからね、言っておきますけど。こんな制度をつくっちゃ駄目だと、私はそう思いますね。  あとの質問に関しては厚生労働省関係ございませんので、政務官には、お忙しいでしょうから、御退席いただいて結構でございます。
  37. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 新谷政務官は退室していただいて結構です。
  38. 櫻井充

    ○櫻井充君 今回の法案についてちょっと質問していきたいと思うんですが、国税庁が行っている平均給与所得というのがございます。この国税庁が行っている平均給与所得と今回調べている平均給与所得というのは一緒になっているんでしょうか。
  39. 佐々木雅之

    政府参考人(佐々木雅之君) お答え申し上げます。  給与につきましては、一般的に、職種のほか、役職段階、勤務地域学歴年齢等が異なることによりまして水準が異なるものというふうに認識しております。  このため、人事院勧告におきましては、公務員給与と民間給与の比較を行う際には、単純平均で比較するのではなく、今申し上げましたような給与決定要素を同じくする同種同等の者同士を比較するというラスパイレス方式によりまして精確に比較を行っております。  人事院職種別民間給与実態調査は、この同種同等の者を対比するということに用いるために、条件に適合いたします部長課長、係長等の役職段階に該当する方の給与を調査しております。一方、国税庁の民間給与実態統計調査による平均給与につきましては、様々な職種や勤務形態の者が含まれる全体の平均値でございまして、人事院職種別民間給与実態調査とは調査対象、集計方法等が異なっておりまして、両調査の結果が一致するものではございません。
  40. 櫻井充

    ○櫻井充君 長々と御答弁いただきましたが、結局は一致していないんです。  民間の給与統計調査、財務省から出されているものですが、幾らなのかというと、三十六万七千百円なんですよ。これは公務員人事管理に関して調査してみると幾らかというと、民間給与が四十一万一千五百九十五円になっていると。これだけ差があるんですよ。私は、違和感感じているのは、ここに官民較差があるんだと、民間給与との較差があるんだと言っていますが、財務省の調査とこれだけ違ってきているんです。そうすると、財務省の調査も民間給与統計調査ということになっていて、これを見てきたときには、官民較差で申し上げれば、相当公務員の方が高くなっているんですよ。ですから、ベースにしているところが全然違ってきていて、違うのは当たり前ですよ。  じゃ、なぜそういう比較をするんですか。そして、この比較をもってして官民較差があると言うのは私は不適切だと思いますが、その点についていかがでしょう。
  41. 佐々木雅之

    政府参考人(佐々木雅之君) お答え申し上げます。  人事院におけますこの官民の比較の前提となります給与の調査でございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、その給与の主な決定条件でございます役職段階、職種、勤務地域学歴年齢等、これをそろえた上で比較をする必要があるというふうに考えております。その今申し上げました要素の比較ができる調査ということで人事院の調査を行っているということでございまして、先ほどの国税庁の調査とはそういった点で違いがあるということでございます。
  42. 櫻井充

    ○櫻井充君 いや、そんなの分かっていますよ、分かって聞いているんですよ。そういうことを私は聞いていませんからね、言っておきますけど。  だから、これで官民較差だと、民間給与との較差がありますよという言い方をすること自体が不自然じゃないですかと言っているんです。多くの方々の調査を行っているんですよ、財務省は。実は従業員一人のところから、企業から全部やっているわけですよ。そうすると、ここの表題に、大体財務省の表題に民間給与統計調査と書いてある。だから、その民間給与統計調査の値と違っているということ自体、結局、ある特殊な人たちを選んで、その上で較差を測っているんですよ。ですから、これは民間の方々全体ではなくてある特殊な方々を選んでやっておいて、その上で官民較差があるというふうな表示になっているということじゃないんですか。
  43. 佐々木雅之

    政府参考人(佐々木雅之君) お答え申し上げます。  人事院の調査そのものにつきましては、繰り返しになりますけれども、国税庁の調査等とは職種等におきまして違いがあるということで、その意味では、調査の上では、人事院の調査というのはその職種等の定義に合致するものについての結果であるということでございます。
  44. 櫻井充

    ○櫻井充君 要するに、私が言いたいのは、民間給与だと、これが民間給与の平均ですと言われたときに相当違和感感じているわけですよ。国民の皆さんから見て、月額四十一万というのが本当に一般的なのかというと、そうじゃないんですよ。だから、民間、ここの数字を持ってきてみて、官民較差があって官の方が低いから、だから給与を上げますということ自体について言うとおかしな話になりませんかと。だから、これはあくまで民間の一部の企業の人たち、一部の企業のサラリーマンの皆さんの給与を取ってきて、そこで比較しているということでしょう。違いますか。
  45. 佐々木雅之

    政府参考人(佐々木雅之君) お答え申し上げます。  繰り返しになりますけれども、その比較を行う……(発言する者あり)失礼いたしました。比較を行う上で、私どもで申し上げれば、公務の方につきましては、行政職俸給表(一)適用職員、これの給与を決定するために相手を選んでいるということでございまして、その意味で、民間の事業所におきます事務技術関係の職種給与を見ているということでございます。
  46. 櫻井充

    ○櫻井充君 ですから、これを、民間の人たちと較差があるからという言い方をすると私はおかしいと思うんです。ただし、ここはちゃんと理解していますから。今の官僚の、特にキャリアの方々がほかの民間企業に行ったらどのぐらいの給料になるのかというと、今の給料よりも恐らく、生涯賃金でいうと民間に行った方が恐らく高いんだと思っています。ですから、その点は理解はしています。  ですから、そういう学歴の人たちと合わせなきゃいけないんだとか、職業と合わせなきゃいけないんだということについては理解してきているけれど、一方で、官民較差です、民間給与はこうなんですというふうに書かれてしまうと若干の違和感を感じるということをまず申し上げておきたいと。どうせこの後は水掛け論になるのでここで止めておきたいと、そう思います。  それから、前回の委員会で、地方外国人労働者が増えるようにするために具体的なインセンティブを考えたいと、そういう御答弁いただきましたが、具体的にどこまで検討されているんでしょうか。
  47. 和田雅樹

    政府参考人和田雅樹君) お答えいたします。  全国各地で人手不足が深刻化する中、とりわけ地方における人手不足、これは政府として取り組むべき喫緊の課題であると認識しているところでございます。  そこで、前回、新しい受入れに関しまして、報酬が高いと思われる大都市圏外国人が集中し、地方の人手不足が解消されないのではないかという御指摘を受けました。ただ、今回の制度では、外国人材が自由に受入れ機関と雇用契約締結し、転職も日本人とひとしく認められるということから、それらの外国人地方に強制的にとどめ置くということには難しい面があるということを申し上げたところでございます。  ただ、人手不足が深刻な状況の中で、まずは必要な外国人を適切に確保していくことが重要であると考えているところでございますが、御指摘の地方へのインセンティブに関しましては、業種ごとに制度の実施状況を踏まえて検討していくべき課題と考えているところで、今現在具体的な提案というものは持ち合わせていないということでございます。
  48. 櫻井充

    ○櫻井充君 今現在具体的なことがなくて、これで外国人労働者を受け入れて、本当に地方に外国人の方々が来ていただけるようになるんですか。これ、いつまで決めていただけるんですか。
  49. 和田雅樹

    政府参考人和田雅樹君) 御指摘のとおり、地方の問題は難しい問題だとは思っておりますけれども、業種ごとの制度の実施状況を踏まえまして、何らかの措置をとることができるか否かについて鋭意検討してまいりたいと考えているところでございます。
  50. 櫻井充

    ○櫻井充君 済みません、答えになっていないんですよ。いつまでやってもらえるんですかと聞いているんです。
  51. 和田雅樹

    政府参考人和田雅樹君) 新しい受入れ制度が実施されますならば、これがされた場合にどのような契約でどのように人が入っていくかという状態を見た上で、その上で実施状況を踏まえまして検討すべき課題であるというように考えているところでございます。
  52. 櫻井充

    ○櫻井充君 そうすると、一遍に入ってこられるようになって、それから様子を見てみないと分からないということだから、地方に来るのは相当先になるという理解になるのかと思いますね。  それからもう一つ、全国一律の制度にしようとされていますが、例えば東京でいうと、今コンビニで働いている方々の中でいうと、多くは外国人労働者ですよね。ですが、田舎に行ってコンビニに行っていただければ分かりますが、外国人の方が働いているところなんかないですよ。要するに、都会と田舎では人手不足の質が違うんですよ。職種が違うんですよ。全国一律でやられてしまったらこういう問題が起こるんですよ。だから私は申し上げているんです。だから、そういう意味で、田舎の人手不足は解消されないんじゃないですかと。  私は、今法務省に内々提案させていただいているのは、例えば地方自治体ごとに、こういう職種でどのぐらい足りないから、だからその人たちを地方で受け入れられるようにできないかどうかとか、そういう制度設計ができないかどうかということを、より具体的にですよ、ただ批判しているだけではなくて、こういうことにしていただいたら地方に来るんじゃないですかという提案をさせていただいているんですよ。  この点について是非御検討いただきたいと、今日は答弁できないでしょうから、検討していただきたいと思います。
  53. 和田雅樹

    政府参考人和田雅樹君) ただいまの御指摘を受けまして、検討させていただきたいと思います。
  54. 櫻井充

    ○櫻井充君 ありがとうございます。  前回も申し上げましたが、被災地は本当に人手がいないんです。そして、その結果どういうことが起こっているかというと、グループ化補助金などの補助金で建物は建っているんですよ。建物は建っているけど稼働できていないんです。稼働できていないから、人手不足で。そうすると、仕事やめようかと思うと、これ、補助金を受け取っていると、補助金返還しないとやめられないんですよ。例えば、六億なら六億補助金をもらって、それで工場を建てましたと。三十年償却なので、例えば五年間なら五年間稼働するとすると、六分の一部分はいいんですけど、残りの五億を返還しないといけないんです。返還しないとやめられないんですよ。これから先どういうふうにしていこうと、これ被災地の本当に大きな課題でして、こういうことが実は田舎で起こっていることなんですよ。そこら辺のところをきちんと状況を把握していただきたいと、そう思います。  それから最後に、大臣の所信の中で非常に面白いテーマだと思ったのは、所有者不明の土地問題です。これについて述べられていますが、具体的にはどうやって解決していこうと思っていらっしゃるのか。  それからもう一つ、この間、地方から税収不足だという話がありました。そうだとすると、この所有者が分からないことによって固定資産税というのは幾ら減額されてきているのか、若しくは、この所有者がはっきりした場合には固定資産税というのはどのぐらい増えるのか、その点について御答弁いただきたいと、そう思います。
  55. 小野瀬厚

    政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。  まず、この所有者不明土地問題の解消に向けました法務省の取組でございますけれども、この所有者不明土地問題の要因の一つとして、相続登記がされないまま放置されているということが指摘されておりますことから、法務省におきましては、この相続登記の促進に取り組んでいるところでございます。これにつきましては、平成二十九年の五月から法定相続情報証明制度の運用を開始しまして、この利用促進を図ることによって相続登記を促す取組を実施しております。  また、今月の十五日に施行されました所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法におきましては、長期間相続登記が未了の土地について登記官が相続人を探索し、相続登記を促す制度を設けております。  またさらに、昨年十月に立ち上げられました登記制度土地所有権の在り方等に関する研究会におきましては、相続登記義務化の是非や土地所有権の放棄の可否等の登記制度土地所有権の在り方等について検討を進めているところでございまして、本年度中の法制審議会への諮問を目指しております。  法務省としましては、民事基本法及び民事法行政を所管する立場から、引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
  56. 稲岡伸哉

    ○政府参考人(稲岡伸哉君) お答え申し上げます。  固定資産税は登記簿上の所有者に課されるものでございますが、登記簿上の所有者が死亡している場合は現実の所有者を市町村が調査をして課税すると、こういうこととなります。こうした調査を行ってもなお所有者が不明である場合、市町村は課税ができないということになりますが、お尋ねの所有者不明土地による固定資産税の減収額につきましては把握が困難でありまして、承知していないところでございます。
  57. 櫻井充

    ○櫻井充君 時間が来たので終わりますが、これ、問題はやはり大きくて、これきちんと解決してくると、地方も大分違ってくると思います、土地の有効活用も含めて。是非早くに問題解決していただきたいと、そのことをお願い申し上げまして、質問を終わります。  ありがとうございました。
  58. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。  まず、裁判所の警備問題についてお尋ねをしますが、もう一問別にありますので、最高裁、是非簡潔に御答弁を願いたいと思います。  お配りした資料一枚目にありますように、二〇一七年に仙台地裁で、法廷に刃物が持ち込まれて傷害事件が起こるという事態がありました。その後、大阪あるいは神戸などでの刃物が法廷に持ち込まれる、あるいは高知の検察審査会事務局や東京地裁などで職員あるいは裁判官が暴行を受けると、こういう事件も相次いでいるわけですね。  そうした中で、裁判所はゲートによる所持品検査などを各地導入しておられますけれども、例えば、高松高裁、地裁のところではこれまだでございまして、そうすると、大阪では防げたはずの事件が高松では防げなかったなどということになりかねない。それでは済まされないですし、何より、一般の職員が無防備なままでそうした者に対応を強いられるということになれば、職員の心身の安全、そしてひいては裁判所の公平が脅かされるという事態になりかねないと思うんですね。一方で、過剰警備ではないかという声も聞こえてきます。  そうした中で、裁判の公開あるいは公平という原則を考えたときに、当事者を始めとした地域や国民の理解をしっかり得ながら進めるということも大事だと思うんですが、最高裁としてはどのように認識して、どのようにこういう事態を防止していきますか。
  59. 村田斉志

    ○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) お答え申し上げます。  入庁時のゲート式による所持品検査につきましては今委員から御指摘のあったとおりでございますけれども、それ以外にも法廷警備という形での警備にも努めておるところでございまして、これは事案に応じて裁判体が適切な判断をしているものと承知をしております。一般的には、具体的な警備の方策を検討する際には、裁判の公平ということについても意識をしながら検討されるものと考えられます。  なお、御指摘の中で、警備を行うことが裁判の公開の関係からも問題があり得るかという点ですけれども、傍聴席にいる方に危害が加えられるようなことになりますと、これは裁判の公開という理念を脅かすということにもなりかねませんので、裁判の公開を確保するためにも法廷の安全確保が必要であると考えております。  また、法曹三者あるいは関係者との合意形成といった点についての御指摘ございましたけれども、裁判所での安全を確保するというのは、これは裁判所の責任で行うべきものでございますので、事案に応じて裁判体が判断するということになりますので、法曹三者等と合意をしなければ実施ができないというものではないと考えておりますけれども、裁判所がこの責任を果たすためには、関係者の御意見をちゃんと踏まえて、その上で実施するか否かを検討しているということになろうかと思います。  それからまた、最初に御指摘のあった入庁時の一般的な所持品検査については、弁護士会あるいは検察庁に対しても事前に丁寧な説明を行った上で実施に至っているものというふうに承知をしております。
  60. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 勉強で伺いますと、お話のあったゲートの所持品検査というのは、これ全国で今はまだ十三庁にとどまっているんですね。法廷警備という形で一般の職員がハンド検査機で入廷者に対して検査をすると。その中で、そうした来庁者から職員がいろんな言葉をぶつけられたり、あるいは時には触られたり怖い思いをするというようなこともあるのではないかなと思うんですね。  そうした事態をなくしていくために、人というのは本当に必要なんですけれども、元々守衛さんがいらっしゃいました、ところが定数削減の中でどんどん減らされていって外注委託に置き換えられてきたわけですけれども、実はこの間、その外注警備員さんもなくなったり減らされたりしているんですね。横浜や高知では廃止がされました。京都や島根などでは減少したり、それから総合案内というのがなくなったり、あるいは空き時間ができてしまったりというような形になっているんです。  これ、結局、裁判所の予算、特にこの分野でいえば庁費ですね、これが限られている中で、この今起こっている、近年起こっている事態に対して、例えばゲートであれば一機百万円ぐらいはするみたいなお話のようなんですけど、そうした予算を確保するために外注警備の予算をやりくりするとか削るとかいうことが起こっているのではないかと思うんです。裁判所でこうした刃物が持ち込まれるなんという事態は近年起こっている新たな事態なわけですから、これに対応するには当然必要な予算を別に確保するべきだし、財政当局もちゃんとそれに応えるべきだと思うんですが、まず、最高裁、いかがですか。
  61. 笠井之彦

    ○最高裁判所長官代理者(笠井之彦君) お答え申し上げます。  裁判所を安全、安心な形で利用していただくということ、そのために庁舎内の安全を確保すること、これは裁判所の重要な責務の一つであるというふうに考えているところでございます。  先ほど委員から御指摘がありました金属探知機を用いた所持品検査、それにつきまして、入庁時に行うというものもございますし、それ以外に、各庁の実情に応じて法廷入廷時の所持品検査、こういったものにつきましても、外注警備員によるスポット的な対応を行うなどして体制を整えているところでございます。  今後でございますけれども、このような予算を確保していくということ、これ自体は非常に重要なことであるというふうに考えておりますので、裁判所としても、引き続き必要な予算の確保に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
  62. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 当然、必要な予算を確保しないと大変なんですよ。体制を整えているというふうにおっしゃるけれども、痩せ我慢すべきじゃないんですよね、ここで。  例えば、高知の検察審査会事務局は、マニュアルでは求められている警報ブザーとか、それから管理者に対して連絡を取るトランシーバー、こういうのもなかったんですよ。それでどうやって危機管理ができますかと。それが裁判所の今の物的な予算が絞られてしまう中での現実なのであって、我々は、この充実のためにちゃんと力を尽くさなきゃいけないと思います。  そうした中で、法廷警備員の問題についてお尋ねしますが、実際、ちょっとある方から、制服が渡されただけで学ぶ機会がないという声を聞きました。現場の職員の責任感に寄りかかって、その職員が万が一のけがをするとか裁判の公平が害されるというようなことがあってはならないわけで、今、現状、当事者確保や護身についてのスキルが研修として教育されていないとか、体系的な研修を行うのではなくて、実際は先輩からの助言、申し送りということにとどまっているというところが現場あるとしたら、私はそういうふうに伺いましたけど、それはやっぱり打開するべきだと思うんですが、最高裁はどのように取り組んでおられる、あるいは取り組んでいかれますか。
  63. 堀田眞哉

    ○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) お答え申し上げます。  法廷警備員の警備業務に関する研修につきましては、各裁判所の実情に応じて行われているところでございます。  例えば、東京地裁におきましては、法廷警備員の採用時に約半年間にわたって警備技術の教育を行っておりますほか、所持品検査の基本的動作等をまとめたDVDを整備しておりまして、このDVDについては、研修等での利用を希望する他の裁判所にも送付をして、警備に関する知識、技能の共有を図っているところでございます。  また、警備に関するマニュアルを整備したり、あるいは県警の職員を講師に招いて警備に関する講義を実施している裁判所もございまして、こうした取組により、法廷警備員に必要な知識、技能の習得が図られているものと認識しております。  今後とも、昨今の裁判所における加害行為の状況を踏まえつつ、各裁判所の実情に応じて、法廷警備員が必要な法廷警備に関する知識、技能の習得を図れるように取り組んでまいりたいと考えております。
  64. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 習得を図っていくためには、現場の声を不断にその危機管理に反映させていくということがとても大事だと思うんですよね。  現実に東京で半年間の研修をやっておられるということだったらば、全国の庁から法廷警備員に来てもらって、そこで研修したらいいんじゃないですか。いかがですか。
  65. 堀田眞哉

    最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) お答え申し上げます。  法廷警備員をほかの裁判所の研修に参加させるという場合には、当該法廷警備員の所属する裁判所における警備業務の状況等を踏まえる必要があるところでございまして、例えば、御指摘のように、東京地裁の研修の機会に他の裁判所の法廷警備員参加させるということを制度化するというようなことが相当かどうかというようなことにつきましては、今申し上げたような点を踏まえて慎重に検討する必要があろうかと考えているところでございます。
  66. 仁比聡平

    仁比聡平君 制度化するかどうかとかって、また裁判所らしい固いお話をされるけれども、実際、そういう各庁の実情をしっかり踏まえながら、是非東京での研修なら研修にきちんと参加してもらって、自信と誇りを持ってその職務に臨めるように、これは強く要望をしておきたいと思います。  ちょっと、残る時間で外国人労働者問題についてお尋ねをしたいと思いますが、お配りしている二枚目以降の資料を是非御覧いただきたいと思います。  オリンピック・パラリンピック対応だということで、特定活動という在留資格で、建設造船に二〇一五年から多くの外国人労働者が受け入れられています。この実態を国交省が把握をしながら公表していないではないかという記事なわけですけれども、この二つの分野が熟練技能として特定技能二の対象になるというのは、政府が今おっしゃっていることなんですね。  その仕組みを、次にお配りしていますけれども、建設のその真ん中、国土交通省というところあるように、国土交通省が特定監理団体と適正監理計画を認定して受け入れるという仕組みになっている。これは、入管法改定案で業所管省庁が計画を立て受入れを具体化していくんだ、そこに責任持つんだとおっしゃっているのともうほぼ類似しているわけですが、この実態把握の資料を求めていましたところ、昨夜提出をいただきました。  このポンチ絵で一番下にありますが、巡回指導をまずやっていますが、平成二十九年度の一年間で、建設企業五百十八社に対する巡回指導において、賃金支払の状況に関しては、約四割に当たる二百四社に改善指導が行われた。適正監理計画を下回る雇用条件での賃金支払、つまり契約より下回るということですよ。過大な控除、住居費等、これ家賃なんかが天引きされる。手当の未払、それから割増賃金の算定ミス等による一部不払。これ、重大じゃありませんか。  この中身について、三十二ページというページがある表をお配りしましたが、御覧のとおり、この賃金問題というのが百三十七件、時間外、休日、深夜割増賃金の支払問題がこれ百四十件。ほかにも、強制貯金をさせているとか最賃違反だとかというのも、こういうのも、今国交省が認定して行われている受入れの中で現に起こっているわけですよね。  これは当然、労働関係法令にも違反するし、人権侵害にも当たるのではないかというふうな事態も含まれているのではないかと思うんですが、これ、認定者として国交省の御認識はどんなことですか。
  67. 北村知久

    政府参考人(北村知久君) お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、外国人建設就労者受入事業では、受入れ企業による適正な賃金支払や就労を担保するため、国土交通省の委託を受けた法人が、受入れ企業の巡回指導や就労者からの相談対応を実施しているところでございます。この中には、委員御指摘のとおり、賃金支払の課題というものが四割ございますし、また労働関係法違反を疑われる事案もございますが、一方で、賃金の関係であれば、例えば割増賃金計算の間違いをしたというような軽微なものも含まれるなど、その内容は様々でございます。  いずれにいたしましても、基本的には委託先による指導により適切に改善されているということでございまして、全体としては事業の適正な執行がなされているものと認識しております。
  68. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 今日、今朝ですね、慌てたように官房長官と国土交通大臣が記者会見もされているわけですけれども。軽微なものも含まれるって、だったら全部明らかにしなさいよ、こんな墨塗りせずに。  今御答弁の中にもありましたが、この委託を受けている事業体は母国語相談を行っています。その聞き取りがうかがわれるものを続けてお配りしていますけれども、百十一ページというところを御覧いただいて、十二番ですけど、特定活動の在留資格の方、監理団体の言葉は信じられない、ベトナムでは給料十八万円と言われたのに契約書は何万何千円、墨塗りされていますけど、昇給、賞与もないなら日本に来なかった、再入国のために何ドル支払ったという声。  あるいは、次のページ、十六番のところ、割増賃金が支払われていない、毎日の生活が奴隷労働みたいで苦しい、悪口を言われたり殴られたりする、何億ドンが台なしになるので我慢している、このままだと私は死ぬかもしれないとか。  その次のページ、二十三番は御本人から、職長や同僚から暴力を振るわれる、泣きながらの電話の訴えですよ、誰からも助けてもらえない。こういう実態が実際相談の中でつかまれているわけでしょう。  次のページの三十六番のところは、家族の用事があるので途中帰国したい。社長の理解は得たが、監理団体は勝手に帰国させないと言った。  あるいは、もう一つだけ御紹介すると、最後、ずっとめくっていただいて、百十九ページですけれども、三年間の技能実習後帰国せず、七十四番ですね、二年契約を結んだ。ビザ申請は企業と監理団体がした。つまり、特定活動として二年延長するのに、企業と監理団体がそのビザ申請をしているわけですよ。そのときに、送り出し機関に幾らドル支払うよう言われた。技能実習で来日前に幾らドル支払って、家の赤帳というんでしょうか、これ預かられたままになっているのにと。  これが、国交省が認定して行っている、そうした外国人労働者から寄せられている声ですよ。  大臣、ちょっと通告していませんけど、業所管省庁が責任持ってやるんだなんて言うけれども、実際に二〇一五年以来三年間近くやっている現場というのはこれじゃないですか。入管法改定案なんか、もうこれ白紙に戻してやり直す、出直すべきだし、我々がやらなきゃいけないのは、こうした人手不足現場の実態を、こうした実態からしっかり学びながら、どうやったらこれ解決できるのか。私は、賃金単価の抜本的引上げが必要だと思います、建設においては。そうした議論をやるというのが国会の仕事じゃありませんか、大臣。
  69. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 御指摘のとおり、これ、賃金云々の関係については、やはり国内人材の確保に関する取組、これをもうしっかりやっていただく、これは大前提でございます。  その上で、今、特定活動、建設就労者に関する御指摘等がございました。この中、要するに、不正行為、違法行為あれば、関係省庁ともしっかり情報を共有した上で、これは違法行為があれば、それはもう取り組んでいかなければならないのは当然でございます。  ただ、そうした上で、しっかりと制度をつくった上で、やはりこの深刻な人手不足、人材不足の状況の中において、やはり今回入管法改正について御提出させていただいております法案につきましては、是非御理解を賜って御審議いただきたいというふうに考えているところでございます。  もとより、違法行為等があれば、それに対しては、所管するところがしっかりと取り組んでいくということは当然でございます。
  70. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 技能実習生の失踪問題での個票のお話が先ほど小川議員からありましたけれども、実態を隠してごり押しをしていくなんというようなことは、これはもう絶対にやってはならない、もう今ここで立ち止まるべきだということを強く申し上げて、今日は質問を終わります。
  71. 石井苗子

    ○石井苗子君 日本維新の会の石井苗子です。  日本維新の会は身を切る改革というのを掲げておりまして、給与に関しまして引上げ反対の態度を取っております。維新スピリッツに従いまして、公務員の給与引上げに関しては反対という立場で、今日は、本法案でありますところの裁判官報酬法、検察官俸給法の改正案を中心に質問させていただきます。  本題に入る前にお聞きしたいことがございまして、これ政府参考人の方にお聞きしたいと思うんですが、今回の法案ですけれども、報酬や俸給の別表というの、ここにありまして、私たち拝見させていただいているわけでございます。  これを見ますと、例えば検察官の、これ検事になるわけですが、初任給の十八号というところを見ますと、月額二十四万六千円となっております。これ以降それなりに昇給するんだなと思って見ますけれども、これを見ると、かなり薄給なのに激務をこなしていらっしゃるのかなと。その二十号というのは、私も最初は随分、二十号に至っては一か月二十三万三千四百円ぐらいかと。これ、引上げ反対というのはちょっと待ってよと思っていろんな方にお聞きしていたら、私が勉強不足だということが後でよく分かりまして、これ違うんですよね。法科大学院を卒業して試験を受けて、十八号の方が、この二十四万六千円ではなく、ここにかなりの実際は初任給の調整手当等が付いているということなので、政府参考人の方に、この十八号は初任給幾らになるのでしょうか。クイズ番組みたいですけれども、教えていただけますでしょうか。
  72. 金子修

    ○政府参考人(金子修君) 初任給調整手当ですが、検事十八号は七万五千百円でございます。
  73. 石井苗子

    ○石井苗子君 そうしますと、プラスしてそのほかのも足しますと、大分高くなるわけです。私が調べますと、初任給で六百万円以上になりますので、初任給です、となりますと、かなりの待遇になっているというふうに判断できます。  検察の方は、検察官の給与というのは、見ますと、この別表のようなふうなんじゃないかなと思ってしまいますが、なぜ実際の年収額を分かりやすいように知らせないのかというのが私の質問でございます。わざわざ余計なことは書かない方がいいと、知らさない方がいいと思っていらっしゃるのか。この質問に関しましては大臣でも政府参考人の方でもよろしいんですが、なぜ実際の年収額を分かりやすいように知らせてはいただけないんでしょうか。
  74. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  今回改定をお願いしております裁判官及び検察官の報酬あるいは俸給に関しましては、委員御指摘のとおり、裁判官の職責の特殊性あるいは検察官の準司法官的性格に鑑みまして、独立した給与体系が定められているところでございます。  それで、先ほど、初任給調整手当とそれぞれの法律に基づきます俸給月額を足した形での年収額というのに関しましても、今回の国会に提出いたしました法案の資料の中の給与月額表という形で、初任給調整手当を合わせたものの各号俸ごとの年収額につきまして、合計額ということで資料をお付けしているところでございますので、そちらの方を御参照いただければと思います。
  75. 石井苗子

    ○石井苗子君 そうなんです。後ろの方を見ていきますと、ああ、ここに書いてあるんだというふうに、小さい数字が並んでいるんですね。  私の質問は、なぜ分かりやすく教えてはくださらないのですかという質問をしているんです。初任給調整手当などにつきまして、私が見ても、ああ、こっちに書いてあるのかというふうに分かりにくいわけです。そうすると、こういったことを一般の国民の皆様には知らせるべく、手段をこれまで何をしていらっしゃいましたでしょうか。政府参考人の方にお願いします。
  76. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  この初任給調整手当につきましても、基本的には今回改定をお願いする人事院勧告に基づいた俸給月額の改定とは無関係な部分でございまして、この俸給月額の改定につきましては、今回いろんなところでしっかり説明させていただいているところでございます。
  77. 石井苗子

    ○石井苗子君 一般の国民の皆様には分かりやすくどのようにこれまで御説明をしていらっしゃいましたかと質問したんですが、お答えがないようなので、大臣にお伺いいたします。  初任給が六百万円以上となるという実際の年収額を、これもっとホームページなどで分かりやすく公表した方が私はいいのではないかと思っております。なぜかと申しますと、レクを受けたときに、激務なので、薄給なので、なかなか検事に、検察官になってくれる若者がこの頃少ないんですと、こうおっしゃっていたんですね。で、こういう表を見せるのかなと私は思ったわけです。  櫻井議員の先ほどの御質疑にもございました。民間で生涯の総額を測れば、それはむしろ民間の方が高くなるかなと思われるかもしれませんが、私は、六百万以上になるんだということをホームページなどで公表して、検察官を志望する学生が増えることを目指した方がよいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
  78. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 国民にやはり司法を報酬面も含めて分かりやすくするということでございまして、貴重な問題提起をいただいたものと考えております。  もとより、裁判官、検察官の仕事について、俸給も含めて国民に御理解をいただくということは大切だろうと思っておりますが、どのようなそうしたお伝えの仕方があるのかについて、過去の経緯、これは必要があればまた担当部長に答弁をさせますが、それも踏まえて、今後どういった情報のお知らせの仕方があるのかということも考えていきたいと思います。
  79. 石井苗子

    ○石井苗子君 人生が長くなりましたから、若者は、最初の初任給でこれだけもらえるのか、よし、頑張って選ばれた人間になろうという、こういったいい側面のポジティブなPRをホームページでやっていただきたいと。  もう一つお伺いします。  これ、大臣、随分問題になっております障害者の雇用率のことでございますが、平成二十九年の公表が二・四四%で、実際に〇・七九%だったということになりますと、この発表を見ますと、一・六五%の差というのは誤差の範囲に入らない、統計学的に言いますと、かなりの計算の水増しだということを言わざるを得ない数字なんですね。人権擁護を所管する法務省でございます。その法務省が障害者の雇用の機会を奪っていたと。  しかし、それにもかかわらず、もう一つあるんですね。民間ですと違約金というのがあるんですが、これが、罰則がないじゃないかと。これも分かっていたとなりますと、二重のちょっと国民感情が湧いてくるのではないかと思いますが、罰則もないことが分かっているので水増しをしたのではないかという疑念も国民の皆様の中から出ていますが、ここはいかがお答えになるでしょうか。
  80. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) お尋ねの障害者雇用の問題につきまして、まさに法務省は法の支配の実現を使命として、そしてさらに、障害を理由とする偏見、差別の解消に向けた人権啓発にも取り組んでいる役所であります。その法務省において、制度の対象とならない多くの職員を障害者として計上していたことは、まさにあってはならないことであり、深くおわび申し上げる次第でございます。  この原因としては、検証委員会報告書にも記載がありましたとおり、やはり計上方法についての正しい理解の欠如であるとか、あるいは対象障害者についてずさんな計上をしていた、確認方法もずさんであったということ、そして、障害者雇用促進法の理念に対する意識の低さというものは、これはやはり法務省も例外ではなかったということで本当に心から反省しておりますし、その旨につきまして、過日、次官、官房長を呼び出しまして厳しく指示をしたところでございます。  そして、今後は、政府の基本方針に基づいて、再発防止、これはもう当然でございます。法定雇用率を法務省においても速やかに達成する、そして、障害のある方が生き生きと働くことができる法務省における環境づくり、これにつきましても省内一丸となって取り組んでまいりたいというふうに考えております。
  81. 石井苗子

    ○石井苗子君 再発防止策を取って障害者の働きやすい職場にしていく決意でございますというのは何回かお聞きいたしましたが、やっぱり日本維新の会といたしましては、これは国民感情として、深く反省し再発防止をいたしますと言いながら人事院勧告どおりに給与を上げていくというのは、国民感情からして理解を得られないと思うんですが、この辺は大臣はどのように整理していらっしゃいますでしょうか。
  82. 山下貴司

    国務大臣山下貴司君) 障害者雇用についての御指摘は本当に重く受け止めたいと思っております。付け加えて申しますれば、これは法務省としても、独自の取組として法務省障害者雇用推進プロジェクトチームというものも発足させて、しっかりと取り組むことを実行していきたいというふうに考えております。  他方、誠に恐縮でございますが、検察官給与改定につきましては、これはやはり検察官の職務と責任の特殊性、これを反映させつつ、他方で、人事院勧告の重要性を尊重し、国家公務員全体の給与体系の中でのバランスの維持に配慮したというものでございまして、給与水準の改定方法として合理的であろうというふうに考えさせていただいているところでございますので、何とぞ御理解を賜りますようお願い申し上げます。
  83. 石井苗子

    ○石井苗子君 先ほども私申し上げましたが、裁判官検察官の初任給というのは六百万円となっております。この額は、ほかの行政職に当たっていらっしゃいます公務員の方や一般企業新卒の初任給よりもかなり高い額になっています。重要な職責を担っているのでそれに相当した給与になっているという御説明ではございますが、一般の行政職公務員の方々も民間企業会社の方々も、裁判官検察官以上に重要な職責を担っていらっしゃる人はたくさんいます。  その辺はどのように御説明して国民の理解を得ると思っていらっしゃいますでしょうか、大臣にお聞きいたします。
  84. 山下貴司

    国務大臣山下貴司君) まず、検察官につきましては、これは国家公務員法上は一般職国家公務員とされておりますが、その俸給については一般職給与法とは別に検察官俸給法が制定されておりまして、この俸給月額につきましては裁判官に準じて定められているところでございます。  この検察官の俸給が裁判官に準ずる理由につきましては、これは検察官が、司法権の発動を促す、その適正かつ円滑な運営を図る上で極めて重大な職責を有する、まあ独立性という部分もございます、準司法官的な性格を有する者であるということでございます。そしてまた、原則として裁判官と同一の試験及び養成方法を経て任用されると、裁判官に準ずる性格を有しているということによるものでございまして、そうしたことから、他の一般職国家公務員と異なり、裁判官の報酬に準じた給与水準ということになっておるところでございまして、このような取扱いにつきまして何とぞ御理解を賜った上で、これからも検察におきましてもしっかりとした俸給について御理解を賜れるようにやっていきたいと、やっていくものと期待しているところでございます。
  85. 石井苗子

    ○石井苗子君 大変な職責のある仕事であるということは存じておりますし、友人の検察官をやっている方に質問しましたら、大変な激務でございまして、もう本当につらい仕事をしていらっしゃるというようにお見受けいたしました。ですから、若者に対しては、初任給もこのくらい保障されているんだよというような形で、応援の形でホームページなどで広報のやり方を考えていただきたいと思います。  先ほどからありました裁判官、検察官でございますが、裁判官の報酬につきまして、憲法七十九条六項、八十条二項でございます。全て定期に相当額の報酬を受ける、この報酬は、在任中、これを減額ですね、下げるということです、減額することは基本的にできないとされてあります。そう書かれてあります。  裁判官は報酬面で身分が保障されているというわけでございますが、にもかかわらず、人事院勧告で、厳密にそれに従って報酬を改定して上げていくという、ここの理由はどこにありますでしょうか。政府参考人の方にお聞きいたします。
  86. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  まず、裁判官につきましては、先ほど大臣からも答弁ございましたけれども、司法権の行使に直接携わる者でございまして、具体的な事件に対する法の適用を通じまして個人の権利利益を保護することを職務とする者でございます。  憲法上、自らの良心に従い独立して職権を行い、憲法と法律にのみ拘束されると規定をしておりまして、これは、裁判官の職務内容に鑑み、裁判の公正とそれに対する信頼を確保するものと理解されているわけでございます。  それで、今、人事院勧告に従って裁判官の給料を上げると、それは裁判官の憲法上の減額規定との関係でどうかということでございますけれども、この裁判官、在任中減額することができないというものにつきましては、これは特殊な職責を担う裁判官の身分を保障した規定というふうに承知しておりますけれども、これは、裁判所あるいは司法権の独立に対する干渉とならないような形での人事院勧告に従う裁判官の増額あるいは減額、減額ですね、これを禁止する趣旨ではございません。  したがいまして、このような身分保障に関する報酬の規定ございますけれども、人事院勧告におきまして公務員、一般の政府職員が減額されるときには、それに合わせて裁判官もこれまで減額するという扱いになっているわけでございまして、人事院勧告に基づきまして、今回、若年層を中心に俸給月額を上げさせていただくわけでございますが、これは、そういった意味で、この減額することができないという憲法の規定と矛盾するものではないというふうに考えているところでございます。
  87. 石井苗子

    ○石井苗子君 憲法の規定と矛盾するものではないということでございますが、要するに、公務員一般とのバランスを考えて、人事院勧告に従うことが上げていくのに合理的であるということをおっしゃっているんだと思うんですが。  時間がなくなりましたので、ちょっと気になったことを最高裁の方に御質問させていただきます。  先月、東京高裁の裁判官が、ツイッター上の発信において、そのツイッターでの発信に関して分限裁判にかけられました。SNSなど、ツイッターなどを使って個人的意見を述べることは基本的に表現の自由だとは思いますが、どのような場合に懲戒の対象となるのでしょうか。
  88. 堀田眞哉

    ○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) お答え申し上げます。  裁判官につきましても、SNSにおける表現の自由が保障されているということは当然であることは、ただいま委員から御指摘のあったとおりでございますが、裁判官は、職務を遂行するに際してはもとより、職務を離れた私人としての生活におきましてもその職責と相入れないような行為をしてはならず、また、裁判所や裁判官に対する国民の信頼を傷つけることのないように慎重に行動すべき義務を負っていると解されるところでございます。  一般論として申し上げますと、裁判官がこのような義務に違反するような言動をした際には、裁判所法四十九条に言う品位を辱める行状に当たるものとして懲戒の対象となることがあり得るというふうに考えております。
  89. 石井苗子

    ○石井苗子君 選ばれし人でありまして、給与も保障されているのでありますから、そういう人の道徳というものの、どうしていくかということも少し考えていただきたいと思っております。  質問を終わります。ありがとうございました。
  90. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 沖縄の風、糸数慶子です。  質問に入ります前に、法務委員会の開催を度々職権で行われてきた横山委員長に一言お願いを申し上げます。  いわゆる給与法案は与野党が賛否で対決するような法案ではなく、日程的にも余裕があったにもかかわらず、野党議員の意見に耳を貸すことなく職権で理事懇や委員会を開催されました。就任早々から誠実とは言えない委員長の対応については大変憂慮しております。  今後の委員会運営におきましても、野党にもやはり意見を聞いて、その意見を尊重して運営をしていただきたい。誠実に対応されるようにお願いを申し上げます。  本日は、裁判官の報酬等の改正案、検察官の俸給等の改正案についての審議でありますが、賛成の立場を表明した上で質問に入ります。  まず、女性の雇用拡大及び男女賃金格差是正と移民政策について伺います。  安倍総理は、所信表明演説で、少子高齢化という我が国最大のピンチもまたチャンスに変えることができるはずです、この五年間、生産年齢人口が四百五十万人減る中でも、女性活躍の旗を高く掲げることで、女性の就業者は逆に二百万人増やすことができましたと自画自賛されました。確かに女性の雇用者数は増えておりますが、非正規雇用が増えても、少子高齢化のピンチをチャンスに変えることなど到底できません。  二〇一七年の男性の平均賃金は三十三万五千五百円で、女性では二十四万六千百円で、男性を一〇〇とした男女間賃金格差は、過去最小とはいっても七三・四で、一時間当たりで比較をいたしますと、正規雇用の男性と短時間労働の女性では二倍の格差があります。  二〇一二年四月、OECDのグリア事務総長が来日された際に、日本は国内の経済格差にもっと危機感を持つべきと指摘されました。社会の階層化と収入格差の拡大に取り組む必要があるというふうに指摘をされております。その上で、グリア事務総長は、急速な高齢化による問題を緩和するためには、日本は男女間の収入格差を是正する必要がある、既に日本の労働人口はOECD中最も高齢である、女性を社会に参画させなければ日本は急速に衰退していくであろう、埋め合わせのための唯一の方策は積極的な移民政策だと強調されております。  今回の入管法改正は、労働力不足を外国人材の受入れで解消しようとしていますが、一方で、移民政策ではないと強調されています。外国人受入れの環境整備も整わず、移民の受入れには消極的、社会の階層化と収入格差も男女の賃金格差も解消されず、まさにグリア事務総長の日本は急速に衰退していくであろうという指摘は現実のものとなっていると言わざるを得ません。  この指摘を山下大臣はどう受け止め、衰退をどう解決されようとしていらっしゃるのでしょうか、お答えください。
  91. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) お答えいたします。  委員お尋ねのOECDのグリア事務総長の御指摘、これは内閣府の男女共同参画室のホームページにも出ておるところではございますが、まずもって女性の社会参画の推進を実現しなければ日本は急速に衰退していくだろうという女性活躍推進の視点からの貴重な御指摘であるというふうに認識しております。もとより、この女性活躍につきましては安倍内閣でも積極的に推進をしてきたところでございまして、そういった成果もしっかりやらなければならないと思っております。  男女の賃金格差等の解消による男女格差の是正については法務省としても非常に重要と考えておりまして、これも政府全体で取り組む必要があると考えておりますし、また、例えば女性に対する人権侵害につきましても、前にお話ししたとおり、積極的に取り組んでいるところでございます。そういったことで、法務省としても、政府の一員として積極的に男女格差の是正に取り組み、貢献してまいりたいというふうに考えております。  そして、お尋ねの新たな外国人材の受入れに関しましては、これはまず国内人材の確保、これをしっかりやっていただくということが大前提でございまして、その中には当然ながら女性活躍の推進といったことも、これも含んでいるというところでございます。  そうしたことも含めてしっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えております。
  92. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 今大臣からるる答弁がございましたが、入管法改正については、懸念が払拭されないまま、今、国会で拙速に成立させるのではなく、やはり環境整備が整ってからでも遅くはないということを改めて申し上げたいと思います。  昨年九月、安倍総理は、国難突破解散という大義で総選挙を行いました。会見で、急速に少子高齢化が進むこの国がこれからも本当に成長していけるのか、この漠然とした不安にしっかりと答えを出してまいりますと述べられました。  しかし、安倍総理に答えを出すのは不可能だと確信しています。なぜなら、漠然とした不安と捉えていること自体、危機感が足りないのではないかと言わざるを得ません。  二〇〇五年の合計特殊出生率が過去最低の一・二六であったことが公表された当時、安倍総理は政権の中枢にいらっしゃいました。多様な家族の否定にも奔走されていました。女性が子供を産まない、産めなかったのは、結婚や出産適齢期である層が経済的に不安定だったことや子供に対する負担感が増大していたことが要因であったにもかかわらず、当時、家族のきずなの再生に奔走されていたのが安倍総理を中心とした方々であったということをここで改めて申し上げておきたいと思います。  次に、家庭裁判所の充実について最高裁にお伺いをいたします。  昨年十二月七日の給与法改正と今年四月十日の定員法改正の法案質疑で、家庭裁判所の充実について伺いました。  訴訟事件件数の中で家事事件のみが増加傾向にあり、その事件内容も複雑化し、当事者やその子供の中には精神的課題を抱えた人も増えており、紛争の自律的解決としての調停合意に向けて困難な状況もあることから、専門性を持つスタッフの果たす役割が大きいと期待されている、家事事件の増加に伴い、調査官、医務室技官を増員する必要があるのではないかというふうに伺いました。  十二月七日の答弁では、家庭裁判所全体としての事件動向を見ると、少年事件はこの十年間だけでも約三分の一程度に減少し、家事事件の事件動向を考慮しても、現時点で家庭裁判所調査官や医師等について、現有人員の有効活用によって全体としては適正迅速な処理を図ることが可能であるというふうに答弁されました。  そこで、四月十日、家事事件は金銭と感情の絡む事件、紛争であり、紛争のポイントを見極めた上で丁寧な事案の進行を行う必要がある、当事者の納得を得た解決でなければ、事件終了後、履行が確保されない、迅速、合理的な事件処理が紛争解決として必ずしも妥当しないのではないかと質問したところ、家庭裁判所におきましては事案に応じてその適正な審理に努めていると答弁をされました。  そこで、改めて伺います。  二〇一七年度でも家事事件は増加し、事件内容、当事者も多様化、複雑化しております。その背景には、高齢社会の中で能力、判断が低下した高齢者の増加による成年後見事件の増加、この成年後見事件だけでなく、既に開始した事件について、後見監督処分、後見人の報酬請求事件なども含みます。遺産分割事件、相続放棄申立てなど被相続人の高齢化に伴う相続事件の多様化、複雑化を伴う増加、また、離婚、婚姻費用分担事件、未成年の子に関わる養育費、面会交流事件、家族関係の多様化により夫婦関係事件では高葛藤事案が含まれ、さらに、子供の利益を踏まえた紛争解決の必要性があるなど、家庭裁判所の役割は増大しています。  そのため、家庭裁判所としても様々な努力を行っていると伺っていますが、例えば、各家庭裁判所で親ガイダンスの取組など始まっています。しかしながら、家庭裁判所の人的、物的充実は十分とは言えません。  そこでお伺いいたしますが、最高裁に人的な充実についてお伺いします。  家事事件について専門性を有する調査官を始め、スタッフを充実させる必要があると思いますが、最高裁の御見解を伺います。
  93. 村田斉志

    ○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) お答え申し上げます。  家事事件につきましては、今委員御指摘のとおり、近年、事件数は増加傾向にございます。そこで、裁判所といたしましては、家事事件への対応を充実強化するという観点から、事件処理にたけた判事のみならず、裁判所書記官も相当数増員するといった人的体制の整備を図ってきたところでございます。  また、事件の内容が複雑困難化しているという御指摘もございました。そのとおりかというふうに思います。適正迅速な解決を図っていくためには、委員の御指摘にもございましたが、心理学、社会学、教育学、社会福祉学等の行動科学の専門的知見及び技法を有する家庭裁判所調査官がその役割を果たすということが重要だというふうに考えております。  ただ、もっとも、これも委員の御指摘の中にもございましたけれども、家庭裁判所全体での事件動向ということで見ますと、家事事件の増加の一番大きな要因は成年後見関係事件が累積的に増加しているというところによるものであります。この成年後見関係事件に関しましては、家庭裁判所調査官の関与というのはその場面が限定的だというところがございます。また、少年事件の事件数につきましても、平成二十一年には二十一万二千七百五十一件であったものが平成二十九年には七万四千十九件と約十万件減少しているというところがございます。  このような事件動向を踏まえますと、確かに委員御指摘のように、子をめぐる紛争のようなもので著しく解決が困難な事件が増加しているというところもございますけれども、全体の事件動向を踏まえますと、現時点では、家裁調査官については、現有人員の有効活用をすることによって全体としては適正迅速な対応が可能であると考えております。  裁判所といたしましては、委員御指摘のように、家庭裁判所に対する期待というのが高まっているということは我々も認識をしているところでございますので、事件動向等を注視しつつ、今後とも必要な体制の整備には努めてまいりたいというふうに考えております。
  94. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 次に、物的充実についてお伺いいたします。  例えば、東京家裁では、新たに調停室への転用を図り、調停室を増やしていると伺っていますが、調停室に空き室がなく、次回調停期日の調整に苦労したり、事件増に対して午後二回の調停期日を設定してはいるものの、短時間で調停が終了する見込みがない場合は午後二回の調停期日を有効に活用することが難しい。さらに、家事調停では裁判官との評議の充実が必要となりますが、裁判官がほかの事件の評議が入っている場合には評議の順番待ちといった状況になると伺っています。  人的だけでなく物的充実についても更なる取組が必要と思いますが、今後どのように行われるのか、最高裁に伺います。
  95. 笠井之彦

    ○最高裁判所長官代理者(笠井之彦君) お答え申し上げます。  家事事件の適正迅速な処理は裁判所の重要な責務であるというふうに考えております。そのために必要な、例えば調停室等の物的体制の整備についても、庁舎の規模や部屋の配置、事件数の動向等を踏まえましてこれに努めてきたところでございます。  委員御指摘の東京家裁でございますけれども、平成二十五年から二十六年にかけて調停室を六十六室から八十六室に増室するなどしているところでございますけれども、今後とも、家事事件の適正迅速な処理が可能となりますよう、必要な物的体制の整備に努めてまいりたいと考えているところでございます。
  96. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 私はこれまでも最高裁にエールを送ってきたつもりですが、来年、創設から七十年を迎える家庭裁判所にエールを込めて幾つか質問したいと思います。  最近、このような本を読ませていただきました。これは「家庭裁判所物語」という本ですが、この本を書いたのは、司法担当記者をされた経歴を持つ、現在NHKの解説委員をされている清永聡さんです。この本は、戦後の混乱が続く中、一九四九年に新しい憲法の理念に基づいて生まれた家庭裁判所の成り立ちと足跡の貴重な資料と証言を基に書かれたものであります。  まず、最高裁に伺いますが、家裁の創設に多大な貢献をされた家庭裁判所の父と呼ばれた方のお名前と、その方が家裁の普及のために作られた標語をお示しください。
  97. 手嶋あさみ

    最高裁判所長官代理者(手嶋あさみ君) お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、家庭裁判所昭和二十四年一月一日に創設をされまして、平成三十一年一月一日、来年の一月一日に創設七十周年を迎えるところでございます。  今御指摘をいただきました本につきましては私も拝読をさせていただいているところでありまして、お名前につきましては宇田川潤四郎先生と、裁判官というふうに認識をしております。それから、設立当初の標語につきましては、「家庭に光を、少年に愛を」というふうに認識をしております。
  98. 糸数慶子

    糸数慶子君 なぜこのような標語が必要だったのかということですね。  戦争で親もそれから家もなくした子供たちが浮浪児として社会から冷たく扱われていた現実がありました。一九四八年九月に閣議決定された浮浪児根絶緊急対策要綱には、浮浪児に物をやるな、浮浪児から物を買うなの運動を強く展開して、浮浪児生活の温床を断つことなどと書かれ、戦災孤児がまるで野良犬か厄介者、あるいは犯罪者のように扱われていたという背景があったことが記されています。  戦争で傷つけられた弱い人々を救う役割を担おうと家裁創設に奔走したのが宇田川潤四郎、日米開戦前にニューヨークの家庭裁判所を視察した内藤頼博、女性初の裁判官となった三淵嘉子ら、第一世代と言われる方々であります。  しかし、創設までには多くの困難があったと言われております。戦前、少年審判所を運営していた検察裁判所の運営することを厳しく抵抗したことや、独立した裁判所の庁舎造りのため、莫大な資金調達人材の確保で創設当時の関係者の苦労は並々ならなかったことが分かります。  創設七十年を迎えるに当たり、新しい憲法の理念に基づいて生まれた家庭裁判所の創設に多大な貢献をした第一世代へどのような思いをされているのでしょうか、お伺いいたします。
  99. 手嶋あさみ

    最高裁判所長官代理者(手嶋あさみ君) お答え申し上げます。  家庭裁判所は、家庭親族間の問題が円満に解決され、非行に及んだ少年が再び非行に及ぶことがないよう、事案に応じた適切、妥当な措置を講じ、将来を展望した解決を図るという理念に基づいて創設された裁判所であり、こうした理念が、「家庭に光を、少年に愛を」という家庭裁判所創設当時の標語に込められているものと承知しております。  私もあの本を拝読させていただきまして、戦後のあの非常に厳しい中で、この理念を掲げて奔走、奮闘されたことに非常に感銘を受けたところでございます。  以上でございます。
  100. 糸数慶子

    糸数慶子君 この本で興味深かったのは、今から五十年以上前の少年法改正論議です。  少年事件が相次ぐ中で、少年法の対象年齢の引下げを求める意見が昭和二十年代から上がっていたということです。一九五一年には法務省少年法改正草案を作成し、保守政治家から、少年を甘やかすな、厳罰化をという意見が強まり、批判の矛先が少年法と家裁に向けられたということです。少年法成立過程を知らない人たちは、少年法はGHQの押し付けなどと声を上げ、保守政治家と歩調を合わせて改正に動き出したとも書かれております。まさに最近の少年法改正議論とも重なります。  その際にも、改正の根拠とされた少年事件の多発化、凶悪化の誤りを最高裁はデータを使って否定し、法務省統計の取り方が最高裁とでは違うことを示した上で、法務省年齢引下げ論に反論したことが紹介されています。  結果、引下げは行われませんでした。まさに当時の最高裁が人権のとりでとしての役割を果たされたものだと思います。同時に、データ改ざん立法事実がゆがめられるというのは今に始まったことではなかったということを申し上げ、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。     ─────────────
  101. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、片山さつき君が委員を辞任され、その補欠として藤木眞也君が選任されました。     ─────────────
  102. 山口和之

    ○山口和之君 無所属の山口和之でございます。  本日は、裁判官と検察官に関する法律の審議ということですので、刑事事件に関して質問させていただきます。  まず初めに、刑事裁判についてお伺いいたします。  平成二十九年版犯罪白書によれば、平成二十八年の裁判確定人員の総数は三十二万四百八十八人、そのうち有罪人員は三十二万百六人となっており、有罪率は九九・八八%以上となっておりますが、この数字は何を意味しているのでしょうか。また、検察庁としては有罪率を一〇〇%目指そうとしているのでしょうか、お答え願います。
  103. 辻裕教

    ○政府参考人(辻裕教君) お尋ねの有罪率についてでございますけれども、これは裁判所における個々の事案における判断の集積であるというふうに承知してございますので、私ども法務省の立場としてその評価についてお答えするのは困難であることを御理解賜ればと思います。  一般論として申し上げますと、検察官は、結果として無罪となりましたとしましても、無実の方を誤って訴追するということになると多大な御負担をお掛けするというようなことなどを踏まえまして、的確な証拠に基づいて有罪判決が得られる高度の見込みがある場合に限って起訴するという運用が実務上定着しているものと承知してございます。
  104. 山口和之

    ○山口和之君 であればですが、そもそもですが、刑事裁判は何のため行うものなのでしょうか。
  105. 辻裕教

    ○政府参考人(辻裕教君) 刑事訴訟法第一条でございますけれども、そこには、「この法律は、刑事事件につき、公共の福祉の維持と個人の基本的人権の保障とを全うしつつ、事案の真相を明らかにし、刑罰法令を適正且つ迅速に適用実現することを目的とする。」と規定されてございます。  お尋ねの刑事裁判の目的は、これと同じことになろうかというふうに考えております。
  106. 山口和之

    ○山口和之君 山下大臣は検事出身ということでちょっとお伺いしたいんですけれども、山下大臣は検事時代に無罪事件を担当したことがございますでしょうか。
  107. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) まず、答弁に先立ちまして、一点、先ほどの小川委員の御質問に対する私の答弁について訂正させていただきます。  小川委員から聴取票の開示方法について御質問があった際に、私は、衆議院の法務委員会の理事会でお決めになることである旨の、趣旨の答弁をさせていただいたんですが、本日より参議院の予算委員会理事会においても衆議院と同様に聴取票の開示をしておりまして、小川委員がおっしゃったのはこの参議院予算委のことではないかというふうに思っておりますが、その開示方法につきましては、それぞれの院の、参議院の理事会でお決めになるということでございまして、殊更衆議院というところに力点を置いたわけではございませんので、その旨訂正させていただきます。誠に申し訳ございませんでした。  また、検事時代に個別にどのような事件を担当していたかどうかということにつきましては、これ、事件関係者のプライバシーの問題であるとか捜査機関の具体的活動に関わる内容でございまして、事柄でございまして、お答えを差し控えさせていただくことを御理解賜ればと思います。
  108. 山口和之

    ○山口和之君 続けて山下大臣にお伺いしたいんですけれども、検事にとって無罪事件はどのような意味を持つのでしょうか。昇進の評価などに影響したりすることはあるのでしょうか。
  109. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) これはもう一般論でございますけれども、担当した事件が無罪になるということが、それ自体が直ちに当該検察官の評価等に対して影響を及ぼすものではないというふうに承知しております。検察官の評価等は、一般的に、捜査、公判における勤務実績のほか、執務に関連して見られた職員の能力や適性など、これらを総合的に考慮して行われているものというふうに承知しております。
  110. 山口和之

    ○山口和之君 私が伝え聞いたところによれば、無罪事件というのは検事にとっては非常に不名誉なことであって、上司などから非常に厳しく追及されることもあるようで、無罪の可能性がある事件は起訴しないということもお聞きします。  平成二十八年の起訴率は三三・四%と低い一方、有罪率が九九・八八%以上と極めて高くなっております。私が聞いたこの話はあながち間違いとは言えないと思います。しかし、確実に有罪となる事件しか起訴していないとなれば、起訴していれば裁判所が有罪と判断した可能性のある事件について処罰の漏れが生じていたり、真実の発見がおろそかになっているおそれがあります。  山下大臣、現在の検察庁の起訴の在り方に問題はないのでしょうか。
  111. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 検察における起訴に関する一般的な運用については、先ほど刑事局長からお答えしたとおりでございます。そしてまた、検察当局においては、法と証拠に基づいて、厳正公平、不偏不党を旨として、適切に事件処理を行っているものというふうに承知しております。
  112. 山口和之

    ○山口和之君 起訴独占主義と起訴便宜主義によって検察官には極めて大きい起訴の権限が与えられておりますが、その権限が本当に真実発見と刑罰法令の適正かつ迅速な適用実現という刑事訴訟の目的のために最適な形で運用されているのか、見直しが必要なのではないかとも思います。  次に、事実婚や同性婚の関係にある方の刑事訴訟法上の権利についてお伺いいたします。  刑事訴訟法が三十条二項で配偶者に独立して弁護人選任権を認めている趣旨、八十二条二項で配偶者に勾留理由開示請求権を認めている趣旨、八十七条一項で配偶者に勾留取消し請求権を認めている趣旨、八十八条一項で配偶者に保釈請求権を認めている趣旨、二百三十一条二項で配偶者に被害者死亡後の告訴権を認めている趣旨、四百三十九条一項四号で配偶者に有罪の言渡しを受けた者の死亡後の再審請求権を認めている趣旨をそれぞれお教え願います。
  113. 辻裕教

    政府参考人(辻裕教君) ただいま御指摘いただきました刑事訴訟法上の弁護人選任権等々の権限権利配偶者に認められている趣旨についてでございますけれども、まず被告人の側から申し上げますと、被告人など本人の利益の保護をより十全なものとするなどのためである、あるいは被害者の方から申し上げますと、被害者など本人が死亡したなどの場合に本人の利益の保護を図るためであるなどと言われてございまして、その場合、法律上の婚姻関係にある配偶者が本人の利益を図るべき地位にあることから、それらの権限権利を認めたものというふうに考えられるところでございます。
  114. 山口和之

    山口和之君 被疑者被告人事実婚や同性婚の関係にある方から弁護人選任届があった場合、検察庁ではどのように取り扱っているのでしょうか。
  115. 辻裕教

    政府参考人(辻裕教君) ただいま御指摘ございました弁護人選任権、配偶者にも認められてございますけれども、一般にこれは法律上の婚姻関係にある配偶者を指すものと解されているものと承知しているところでございまして、刑事訴訟法上、その配偶者を含めまして弁護人を選任することができることとされているのは、被告人被疑者あるいはそれらの法定代理人保佐人配偶者、直系の親族及び兄弟姉妹に限られているところでございまして、仮にでございますが、これら以外の者によって弁護人の選任届があったとしても有効なものとはならないものと承知しております。
  116. 山口和之

    山口和之君 では、被害者事実婚の関係にある方から被害者死亡後に告訴があった場合、検察庁ではどのように取り扱っているのでしょうか。
  117. 辻裕教

    政府参考人(辻裕教君) 刑事訴訟法上、被害者死亡したときにも、その配偶者、直系の親族又は兄弟姉妹から告訴をすることができるとされておりますけれども、その場合に告訴をすることができる者はその配偶者等々に限られているということでございますので、仮にこれら以外の者によって告訴がなされた場合には、告訴そのものとしては有効なものとはならないものと承知してございます。
  118. 山口和之

    山口和之君 次に、最高裁判所にお伺いいたしますが、被疑者被告人事実婚や同性婚の関係のある方から、勾留理由開示請求勾留取消し請求保釈請求、有罪の言渡しを受けた者の死亡後の再審請求があった場合、裁判所ではどのように取り扱っているのでしょうか。
  119. 安東章

    最高裁判所長官代理者(安東章君) お答え申し上げます。  委員御指摘の各場合に請求を適法と扱うかどうか、これは各裁判体の判断事項ではございますが、今回取り急ぎ一部の庁から聴取した範囲では、そのような請求を適法と扱った例には接しておりません。  なお、お尋ねの各場合のうち、勾留理由開示請求、これにつきましては、刑訴法八十二条二項におきまして利害関係人も請求権者とされておりますので、利害関係人からの請求として適法と認めた例はあるものと、そのように聞いております。
  120. 山口和之

    ○山口和之君 刑事訴訟法が配偶者に訴訟法上種々の権利を認めている趣旨及び現代社会における家族の多様性に鑑みれば、配偶者には事実婚や同性婚の関係にある方を含めるべきではないかと考えますが、山下大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
  121. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 事実婚等の関係にある者に権利を認めてはいかがかという御提案でございますが、刑事訴訟手続におきましては、手続が円滑、迅速かつ安定的に行われることが強く要請されます。そうしたことから、個々の訴訟上の権利について誰が権利を行使をできるのかという範囲が明確であることが必要でございます。  御提案のように、事実婚の関係にある者について刑事訴訟法上の権利を認めることとすると、法律婚と異なって、事実婚の場合には様々な事実認定の上で認定するものですから、これはもう権利者の範囲を一義的に確定することができないということと、例えば戸籍等によって本人との関係を客観的、形式的な形で把握できず、その実態について具体的、実質的に調査しなければ判断ができないというふうなことがございます。そうしたことから、手続の円滑かつ迅速な、そして安定的なこの運用ということが困難になるのではないかというふうに考えておりますので、御提案につきましては慎重な検討が必要であるというふうに考えております。
  122. 山口和之

    ○山口和之君 例えば、事実婚夫婦の一方が起訴され、無罪を主張したが有罪の言渡しを受け、その後死亡したような場合、直系の親族も兄弟姉妹もいないとすれば、事実婚夫婦の他方の再審請求を認める必要性は高く、そうあるべきだと思います。  刑事訴訟法上の配偶者を民法上の配偶者と同じく解する必然性はありませんので、運用の変更でこのような事例に対応できる余地はあるはずだと思います。仮に現行法の解釈、運用では対応不可能ということであれば、刑事訴訟法に、この法律において、配偶者、夫及び妻には、婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含むとすると定める国民年金法第五条七項のような規定を新設することも検討すべきではないかと思います。山下大臣にはこれらのことを前向きに検討していただきたいと思います。  以上で終わります。
  123. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。  これより両案について討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  124. 石井苗子

    ○石井苗子君 日本維新の会の石井苗子です。  裁判官の報酬等、検察官の俸給等引上げ法案に対して、日本維新の会は反対の立場から討論いたします。  本法案は、人事院勧告のとおりに給与を引き上げる法案です。従来から、人事院勧告は給与水準の高い大企業の正規雇用者をベースに査定したものであることが問題になっていますが、現在も公務員の給料は民間と比較すると高く設定されています。来年度は消費税の引上げを控え、国民の負担は増す一方であります。このような状況の中で、公務員には引き続き高い給料が設定され、引上げが行われているとなれば、国民の感情はマイナスに働いていると思います。しかも、障害者雇用率の計算については法務省が間違ったデータを提出していたというミスもありますと、国民の理解は到底得られないのではないかと考えます。  もとより、人事院勧告は公務員の労働基本権制約の代償措置であるわけですが、だからといって、憲法で報酬が保障されている裁判官の給与を人事院勧告どおりに引き上げなければならないという合理的な根拠が見えません。元々給与水準の高い裁判官や検察官の給与に関しましては、人事院勧告に従わない判断があってもしかるべきだと考えます。  事実、公務員の給与改定に当たりまして、財政難を理由に人事院勧告の適用が見送られた実例があります。昭和五十七年、一九八二年は、不景気の影響から税収が大幅に落ち込み、未曽有の危機的な財政事情下において、国民的課題である行財政改革を担う公務員が率先してこれに協力する姿勢を示すという意味で、人事院勧告の実施が見送られた歴史があります。  このような実例もあったことから、日本維新の会は、国民の代弁者として、現在の日本の国民の皆様が置かれた状況を考えますと、本法案は国民意識からかなり懸け離れた法案ではないかと判断し、反対の意を表明いたします。  以上でございます。
  125. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  まず、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案について採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  126. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案について採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  127. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  128. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時七分散会