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2018-11-15 第197回国会 参議院 法務委員会 2号 公式Web版

  1. 平成三十年十一月十五日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  十一月十四日     辞任         補欠選任      宮島 喜文君     中西  哲君  十一月十五日     辞任         補欠選任      中西  哲君     佐藤  啓君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         横山 信一君     理 事                 福岡 資麿君                 元榮太一郎君                 伊藤 孝江君                 有田 芳生君     委 員                 岡田 直樹君                 佐藤  啓君                 徳茂 雅之君                 中西  哲君                 長谷川 岳君                 柳本 卓治君                 山谷えり子君                 小川 敏夫君                 櫻井  充君                 仁比 聡平君                 石井 苗子君                 糸数 慶子君                 山口 和之君    国務大臣        法務大臣     山下 貴司君    副大臣        法務副大臣    平口  洋君    大臣政務官        法務大臣政務官  門山 宏哲君    最高裁判所長官代理者        最高裁判所事務        総局総務局長   村田 斉志君        最高裁判所事務        総局人事局長   堀田 眞哉君        最高裁判所事務        総局民事局長   平田  豊君    事務局側        常任委員会専門        員        青木勢津子君    政府参考人        内閣府大臣官房        審議官      黒田 岳士君        警察庁長官官房        審議官      小田部耕治君        警察庁長官官房        審議官      小島 裕史君        総務省総合通信        基盤局電気通信        事業部長     秋本 芳徳君        法務大臣官房政        策立案総括審議        官        金子  修君        法務大臣官房審        議官       山内 由光君        法務大臣官房司        法法制部長    小出 邦夫君        法務省民事局長  小野瀬 厚君        法務省刑事局長  辻  裕教君        法務省矯正局長  名執 雅子君        法務省保護局長  畝本 直美君        法務省人権擁護        局長       高嶋 智光君        法務省入国管理        局長       和田 雅樹君        財務省理財局次        長        富山 一成君        文部科学大臣官        房審議官     森  晃憲君        厚生労働大臣官        房年金管理審議        官        高橋 俊之君        厚生労働大臣官        房審議官     田畑 一雄君        厚生労働大臣官        房審議官     渡辺由美子君        農林水産大臣官        房輸出促進審議        官        渡邊 厚夫君        経済産業省商務        情報政策局商務        ・サービス政策        統括調整官    江崎 禎英君        国土交通大臣官        房審議官     福田 守雄君        国土交通省航空        局次長      岩崎 俊一君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○法務及び司法行政等に関する調査  (再犯防止対策に関する件)  (法務省及び裁判所における障害者雇用に係る  不適切計上に関する件)  (新たな外国人材の受入れに関する件)  (外国人留学生資格外活動に関する件)  (女性に対する暴力をなくす運動に関する件)     ─────────────
  2. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) ただいまから法務委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日、宮島喜文君が委員を辞任され、その補欠として中西哲君が選任されました。     ─────────────
  3. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房審議官黒田岳士君外二十一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 おはようございます。自由民主党の元榮太一郎でございます。山下大臣、平口副大臣、門山大臣政務官並びに政府参考人の皆様、どうぞよろしくお願い申し上げます。  さて、先日の委員会において山下大臣は、法務大臣就任に当たり、法務行政を国民の皆様に身近なものとして感じていただくとともに、安全、安心の実現が自分たちの生活に深く関係する重要な問題であると認識し、御協力していただけるよう、積極的で分かりやすい広報に努めることなどを通じて、国民の皆様の胸に落ちる法務行政を実現するため精いっぱい努めてまいりますと述べられました。  私は、この法務委員会で一貫して司法の強化という観点から質問をしてまいりました。百一代目の法務大臣に就任され、国民の皆様に胸に落ちる法務行政を実現するという、まさに国民とともに歩もうとされている山下大臣に、新しい時代の法務大臣として法務行政、司法外交をリードしていく責任と意気込みについて伺いたいと思います。
  7. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 元榮委員におかれましては、国民に身近なリーガルサービス、この実現のために活躍されてまいりました。まさに新しい時代の法曹の旗手でございます。その元榮先生から本当に光栄な御質問をいただきました。  この度、百一代目の法務大臣を拝命いたしまして、新たな気持ちで新しい時代の法務大臣として精いっぱい職務に精励し、しっかり責任を果たしていきたいという思いで所信表明をさせていただいたところでございますが、この新しい時代の転換点にあるからこそ、先人が築き上げられ、国民に信頼されてきた法務行政をしっかり受け継ぎつつ、時代の変化に合わせて変革すべきは変革することが重要であると考えております。  例えば、近時、約百二十年ぶりの債権法の全面改正、約百四十年ぶりの成年年齢の引下げ、百十年ぶりに性犯罪の実情等を考慮したこの罰則の整備等を内容とする刑法改正など、国民の社会経済生活に重要な影響を与え、そして近時の社会の発展に伴って変化した情勢を踏まえた国民の安全、安心に直結するような重要な法改正が相次いでいるところでございます。  ただ、そういったところに応じて法律を変えてきているんですが、法務行政は残念ながら国民の皆様から少し距離を感じられているような印象がございます。  こういった国民に重要な法改正はもとより、まず法務行政の取組を国民の皆様に広く理解していただく、そして安全、安心を守ることが自らに関係する問題であると認識していただいた上で御協力いただけるよう、国民目線で分かりやすい説明を心掛け、国民の胸に落ちる法務行政を実現することが法務大臣としての重要な任務であると思いますので、また、新しい時代のIT技術であるとかそういったものも使いながらそういったことを実現してまいりたいというふうに考えております。  その上で、司法外交への取組姿勢についてお尋ねでございます。  骨太の方針二〇一八で、司法外交は我が国の重要施策として明確に位置付けられたところでございます。この国際的に評価されている法制度整備支援、そして国際仲裁の活性化、国内外における訟務機能の充実など、法の支配の普遍的価値を浸透させ、国内外の経済成長を支える司法インフラを形作る、そして国際社会における我が国のプレゼンスを高める意味でも、こういった司法外交を引き続き力強く推進していく必要がございます。そして、国際社会で日本のリーダーシップを発揮していくためには、この法の支配をしっかりと実現した我が国が、国際法務の国際分野に幅広く対応できる法曹人材を養成し、そしてその専門性を有効に活用していくということも重要な課題であると認識しております。  そういったことをしっかり努めながらやってまいりたいんですが、来年には平成の御代から新しい時代を迎えることになります。そしてさらに、その翌年には東京オリンピック・パラリンピック競技大会、そして京都において刑事司法分野における国連最大の会議である国連犯罪防止刑事司法会議、いわゆるコングレスが開催されます。この京都におけるコングレスは、司法外交にとってまさに日本の成果をお示しする、日本にとっても晴れ舞台であるというふうに考えておりますので、その成功に向けた準備を着実に進めるとともに、日本型司法制度の国際的な競争力を高めるための取組なども総合的、戦略的に推進してまいりたいと考えております。
  8. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 力強い御決意、誠にありがとうございます。大いに御期待申し上げたいと思います。  さて、再犯防止対策について伺っていきたいんですが、山下大臣は再犯防止推進法の制定にも御尽力なさったと伺っております。大臣は、本年は再犯防止推進計画元年と述べられておりましたが、まさに同じ思いであります。この立ち直りを支える保護司、更生保護施設、協力雇用主などの民間の方々の活動に対する支援を充実強化してまいりますと、また大臣も述べられております。  その再犯防止には、やはり仕事を有していることが効果的と思われますが、非行や犯罪をした人が社会で働くことは、本人の職業能力や前歴などの関係から難しい状況が続いています。刑務所からの出所者を雇用する協力雇用主は、本年四月一日現在で二万七百四社と、二年前の一万六千三百三十社から四千社以上増加はしていますが、実際に出所者を雇っているのは八百八十七社にとどまっており、二〇二〇年までに約千五百社にすると、このような目標達成は残念ながら厳しい状況になっていると思われます。  このため、法務省は、協力雇用主の現状や不安、要望を確認するため、本年の九月に初めて協力雇用主に対するアンケートを実施したと聞いていますが、このアンケート結果について、法務大臣の御見解や、今後の協力雇用主に対する方針を伺いたいと思います。
  9. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) お答えいたします。  委員御指摘のとおり、協力雇用主に登録しておられる事業者の数は二万社を超えるわけでございますが、実際に雇用されている協力雇用主の数は九百弱にとどまっているということで、この数を引き上げることが非常に重要な課題となっております。  今その行っている施策について若干御説明させていただきますと、法務省では、例えば、刑務所出所者等を雇用する協力雇用主に対して年間最大七十二万円を支給する刑務所出所者等就労奨励金支給制度を導入し、これを活用するとともに、保護観察所において、協力雇用主に興味がある、関心がある方、これを来ていただいて研修を行って雇用に伴う不安を軽減するなど、協力雇用主による雇用の拡大を図ってまいったところでございます。  また、御指摘のように、御紹介いただいたように、昨年十二月に閣議決定された再犯防止推進計画、これにつきましても、この課題を踏まえた上で、就労の確保に関する二十三の具体的施策が盛り込まれて、これを確実に取り組んでいきたいと考えております。  その上で、先ほど御紹介ありました、この協力雇用主に対するアンケート調査を本年度実施させていただいておりますが、現在集計、分析中ではありますが、雇用後の保護観察所のフォローアップを望む声、これがやはり多く見られるところでございます。こうしたニーズを分析した上で、協力雇用主のニーズを踏まえた支援策の充実に取り組み、協力雇用主による雇用の一層の拡大を図ってまいりたいと考えております。  また、本年は協力雇用主の二方に対して初めて藍綬褒章が授与されたというところでございまして、協力雇用主の社会的貢献に対する社会の評価が非常に高まってきたということでもございます。この再犯防止推進計画元年である本年については、そうした再犯防止における協力雇用主の皆様の意義について積極的に広報を行い、広く国民に理解や協力を求めてまいりたいということで広報を行っているところでございます。  加えて、刑務所出所者の就労の確保というのはやはり経済界全体の理解と協力が必要でございます。そこで、法務省としては、例えば、いわゆる経団連、日本経済団体連合会を始めとする主要な経済団体に対しても積極的に協力要請を行いつつありますし、また、それぞれの各地元の保護観察所においても地域の商工会議所等に対して積極的に広報を行って、多くの企業などから協力雇用主や再犯防止の重要性について理解が得られるよう取り組んで、その協力雇用主になっていただく方、是非増やしてまいりたいなというふうに考えております。
  10. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 昨今、人材不足が深刻化ということが本当叫ばれております。国内人材の活用の選択肢の一つということで、今の時流といいますか、社会状況にも非常にマッチ、フィットしていると思いますので、是非とも取組をお願いしたいと思います。  そして、協力雇用主による雇用を拡大するためには、やはり再犯防止についての理解を更に広めることも有効だと思いますが、私の地元、千葉県の千葉刑務所では、受刑者の社会復帰に向けた取組を知ってほしいということで、団体による見学会を実施しているとのことです。刑務所の見学会については、法務省のホームページやSNSを活用したり、また実際に活躍している元受刑者を取り上げて顔の見える形の活躍を見せるとか、PR大使というものを活用してもいいかと思います。  いずれにしても、積極的に広報すべきだと考えておりますが、私と同じ千葉県を地元とする門山政務官の御見解を伺いたいと思います。
  11. 門山宏哲

    ○大臣政務官(門山宏哲君) 再犯の防止等の推進に関する法律及び再犯防止推進計画において掲げられているとおり、再犯の防止等についての国民の関心と理解を深めるためには広報啓発活動の推進が重要であると認識しております。  刑事施設においては、広報啓発活動の一環として施設参観を積極的に実施するとしており、その件数及び参観者数は近年増加しております。参観希望者を募集して実施する参観は、各地で開催される矯正展の一部として実施する例が多いところ、ホームページやSNSなどを通じて事前に周知しており、定員を超える参観希望者が集まる状況も見られております。私も今月の十一日の日曜日に千葉刑務所において開催された千葉矯正展を訪問いたしましたが、大変盛況であり、施設見学会には定員を超える参観希望者が集まるなど、刑事施設の取組に対する関心の高さを実感いたしました。  今後とも、委員の御指摘のとおり、ホームページ等により周知するなどして施設参観の積極的な実施を努めるなどすることにより、再犯の防止等についての国民の関心と理解を深めるための広報啓発活動を推進してまいります。
  12. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 門山政務官、ありがとうございます。  この出所後の再犯を防ぐためには、やはり出所者がスムーズに社会に復帰することが必要でありまして、そのために重要視されるのが社会内処遇です。この社会内処遇に関して、民間の方々の活動に資する支援の充実強化に関して面白いといいますか、興味深い部分を見付けたんですが、平成三十一年度の概算要求におきましてクラウドファンディングを活用した民間資金の調達の検討という、まあ法務省としては珍しい記述を拝見しまして、どういった取組を考えていらっしゃるのか、伺いたいと思います。
  13. 畝本直美

    ○政府参考人(畝本直美君) 再犯防止施策を効果的に推進するためには、犯罪をした者等に対し民間協力者等と緊密に連携しながら息の長い支援を行うことが必要であります。  現在、更生保護女性会などの更生保護ボランティアの方々におかれては、子供食堂を運営しながらそこで学習支援を行うなど、地域に根差しながら広く犯罪予防や再犯防止に資する活動を展開しておられますが、このような活動を安定的に持続していくための体制等の確保が課題となっております。  そこで、昨年十二月に閣議決定された再犯防止推進計画において再犯防止活動への民間資金の活用の検討が盛り込まれたことを踏まえまして、更生保護ボランティアの方々が更生保護ボランティアや再犯防止の取組に関する国民の皆様からの御理解をいただきながら自らの活動を安定的に持続していくために必要な資金を調達する方策といたしまして、不特定多数の人々がインターネット経由で寄附などを行うクラウドファンディングの手法の活用を検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。
  14. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 ありがとうございます。  やはり、多くの方々の気持ちに訴えて、少しずつでも結構ですが資金をいただくと、こういうような活動というのは、やはりこれから求められる軍資金といいますか資金の確保方法だと思いますので、是非とも更に推し進めていただけたらと思います。  次に、災害への対応における法テラスの役割について伺っていきますが、近年、我が国では地震、豪雨等の災害が頻発しておりまして、特に本年は西日本豪雨、九月の台風二十一号などの災害、そして震度七を記録した北海道胆振東部地震などにおいて甚大な被害が多発しております。お亡くなりになられた方々の御冥福を心よりお祈り申し上げ、被災された方に心よりお見舞いを申し上げます。  そのような中、法テラスは、このような災害によって生じた各種法的問題について、法テラスサポートダイヤルにおいて情報提供等をしておりますほか、西日本豪雨については、総合法律支援法に基づく政令指定によって、被災者を対象とした無料法律相談が資力を問わず可能になったというふうに承知しております。  私としては、やはりもう身近な司法を実現するために、このような本当緊急事態のときこそこの法テラスの一層の周知をお願いしたいと思いますが、西日本豪雨からの復旧復興に取り組んでいらっしゃる広島県が地元である平口法務副大臣の御見解を伺いたいと思います。
  15. 平口洋

    ○副大臣(平口洋君) お答えいたします。  委員御指摘のとおり、法務省が所管する日本司法支援センター、いわゆる通称法テラスでは、平成三十年七月豪雨、いわゆる西日本豪雨や北海道胆振東部地震等の被災者の方々に対しまして、法テラスサポートダイヤルにおきまして、災害によって生じた様々な法的問題の解決に役立つ法制度や相談窓口等についての情報提供を行っているところでございます。  また、西日本豪雨につきましては、本年七月十四日に同豪雨を総合法律支援法上の非常災害に指定する政令が公布、施行されまして、法テラスにおいて被災者の方々に対しまして資力の有無にかかわらず無料法律相談援助を提供しており、既に相当数の実績があるところでございます。本年十一月七日には、援助のための経費約二億円を含む平成三十年度一般会計補正予算(第1号)が成立しているところでございます。  法務省といたしましても、法テラスが提供する支援につきまして、一人でも多くの被災者の方々に御利用いただけますよう、引き続き、法テラスとともに関係府省庁や被災地域の地方公共団体、弁護士会等とも連携しつつ、インターネット等も活用し、一層の周知に努めていく所存でございます。
  16. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 ありがとうございます。  この法テラスには、経済的に余裕がない方が相談できないということがないように、先ほどの無料法律相談、そして弁護士等の費用立替えから成る民事法律扶助制度があります。国民の社会生活におけるセーフティーネットの機能を果たしており、その役割は重要だと思っておりますが、この利用促進に当たっては現場を担う弁護士を十分に確保することが必要だと思っておりまして、そのためには適正な報酬金などが払われることが必要と考えております。  例えば、法テラスで弁護士が無料相談を行った場合の報酬金は基本的に一回当たり三十分で五千円ということなんですが、それ以上掛かっても五千円ということです。私も弁護士の経験上、法律相談、三十分で帰っていただくのはなかなかしんどいですね、門山政務官もお分かりだと思いますが。なので、やっぱり一時間ぐらい掛かってしまいますし、しかも、災害時の対応ですと、やっぱりそういうカウンセリングというような側面もあるとなおさら時間を丁寧に掛ける、それでも五千円ということになります。そして、出張相談ということになりますと、まあ出張費用が幾ばくか出るんですが、やはり往復の時間も考えますと非常に弁護士の負担が大きいということを現場の弁護士からも聞いておりまして、そういった声も踏まえまして、報酬金等の支払について財政的な措置も含めた検討を是非お願いしたいと思うんですが、平口法務副大臣に御見解を伺います。
  17. 平口洋

    ○副大臣(平口洋君) お答えいたします。  委員御指摘のとおり、法テラスが行います民事法律扶助は、経済的な理由等によりまして法的サービスを利用することが困難な方々へのセーフティーネットとして重要な役割を果たしているものと認識しております。法テラスでは、その担い手となる契約弁護士、司法書士等の確保に取り組んできたところでございます。  民事法律扶助に係る受任弁護士等への報酬等につきましては、その増額が国民負担の増大や利用者の償還金負担の増大につながることへの十分な配慮が必要でありまして、引き続き、民事法律扶助事業の公共性について弁護士、司法書士の方々の理解を求めつつ、適正な報酬等の在り方について検討していく必要があると考えております。  いずれにせよ、法務省といたしましては、法テラスの民事法律扶助事業が適切に執行されるよう、必要な予算の確保に努めてまいりたいと考えております。
  18. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 ありがとうございます。  当然、限られた財政状況の中であります。そういった意味で、私は、弁護士費用保険の更なる普及というものも非常に有効だと思っておりまして、交通事故の弁護士費用特約のところではこれで相当な形で利用されていると聞いておりますので、そういった形の検討も有効だと思っておりますので、お話しさせていただきました。  次に、国際仲裁について伺ってまいります。  私、今年六月十四日の委員会においても国際仲裁の活性化について質問させていただきました。五月に訪問しましたシンガポールでは、やはり国を挙げて司法インフラの整備に取り組んでおりまして、マックスウェルチェンバースという紛争解決施設は非常に壮観な建物でありましたし、最先端の技術を注ぎ込まれた大型なプロジェクト予算を使われたものであります。政府の全面的なバックアップというものを感じたわけですが、我が国におきましても、この交通至便な東京都の一等地に施設を整備することも大事かなと思っておりますし、また、現状、経済界、特に海外展開する中小企業の方々にとってこの国際仲裁というのが十分に認知されておらず、また、仲裁人などの人材育成にも時間を要しております。  こういった中で、やはり経済界に対しては、また、契約締結と実際の紛争の発生にタイムラグがあることがありますから、今から契約書の仲裁条項に仲裁地を日本とする、こういった具体的、積極的な売り込みも必要だと思っております。  法務省としても、我が国をアジアの中核的な紛争解決とするため一層加速的に取り組んでいくべきだと思いますが、法務大臣の御見解を伺います。
  19. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 委員におかれましては、日頃から国際仲裁活性化について御理解賜って、本当に感謝しております。  まさに国際仲裁、これは、こういった国際的な経済活動の中で紛争解決の物すごく強力な手段、有意義な手段としてやっており、その国際仲裁のフォーラムをこの自国にしっかり持つということが非常にその国の経済的な国際的な競争力につながるということで、御指摘のシンガポールのみならず、例えば中国であるとか韓国であるとか、ほかのアジアの国々もその国際仲裁の拠点づくりというのを進めているところでございます。  そういった中で、この日本も、今、第三の経済大国ではございますが、法の支配を貫徹する日本としても、この国際仲裁を活性化することは極めて重要でございます。そういった意味におきまして、内閣官房において設置されました国際仲裁の活性化に向けた関係府省連絡会議を設けまして、これで検討を行っているところでございます。そして、その会議が今年の四月に公表した中間取りまとめにおいては、国際仲裁の活性化に向けた基盤整備の取組として、まず語学力を備えた専門的な人材の育成、そして企業に対する周知、広報、そして施設の整備等の指摘がされたところでございます。  国際仲裁の活性化は、これはもう本当に国際競争も行われている中で急務でありまして、法務省としては、さきに述べた中間取りまとめにおいて指摘された事項も踏まえ、国際仲裁の活性化のためのまず基盤の整備の取組を推進していこうというふうに考えております。特に、ユーザーである企業、経済団体への働きかけは重要であるというふうに認識しておりますので、引き続き関係省庁や関係機関と連携して、国際仲裁の意義や有用性について広報、意識啓発を行ってまいるとともに、中間取りまとめにおいて指摘された事項についてしっかりと取り組んでいきたいというふうに考えております。
  20. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 大臣、ありがとうございます。  先ほどの私の五月のシンガポールでも司法副長官がおっしゃっていた言葉が印象的なんですが、世界銀行のビジネス環境ランキング、法の執行の部分でシンガポールは世界トップクラスなわけですが、その強み、その要因として、訴訟、仲裁、調停のワンストップリーガルという、これが我々の強みだとおっしゃっております。そういった意味でも、日本も学び取り、是非とも実現していただきたいと思っております。  次に、インターネットを利用した人権侵犯事件への対応について伺っていきますが、今のスマートフォン時代においては、このインターネットの人権侵害は非常に増加傾向にあります。法務省の人権擁護機関である法務局では人権相談を行っており、インターネット上の人権侵害について法務局からプロバイダーなどに対して削除要請を行っていることは承知しております。  このほか、プロバイダーに対して発信者情報開示請求というものを行った後に、発信者に対する損害賠償請求という、こういうようなことを行う救済方法もありますが、そのためには、アクセスログという、これはサーバーへの通信記録で、ユーザーがいつ、どこから、どのページにやってきて、どう動いて、どのページから去っていった、こういったようなことが分かる通信記録、このアクセスログが必要不可欠とされているんですが、このログには法律上の保存義務がなく、そして業者によって保存期間に差があるのが実情であります。大手の場合は、三か月程度アクセスログを保存していることが多いとされているんですが、六か月を過ぎると追跡可能性が低くなる傾向があります。  プロバイダー責任制限法では、発信者情報開示請求をすると、権利侵害の情報の発信者の氏名、メールアドレス、住所などの情報を開示することができます。これには電話番号というものは入っていないということもあります。  そこで伺いたいんですが、プロバイダーなどのアクセスログの平均保存期間を教えていただきたいのと、あとはアクセスログの保存を義務付けていない理由、さらにはプロバイダー責任制限法による開示対象に電話番号が入っていない理由について、総務省からの説明を伺います。
  21. 秋本芳徳

    ○政府参考人(秋本芳徳君) お答え申し上げます。  委員から三点お尋ねをいただきました。  まず、アクセスログの保存期間につきましては、電気通信事業における個人情報保護に関するガイドラインにおきまして、契約や利用状況に関する利用者からの問合せへの対応など業務の遂行に必要とする場合、一般に六か月程度の保存は認められると記載されております。これを踏まえまして、おおむね六か月を目安として業務上必要な範囲で保存されているものと認識しております。  次に、プロバイダー等に対しましてアクセスログの保存を義務付けていない理由につきましては、アクセスログは通信の利用者の個人情報であるとともに通信の秘密に属する情報でもありますことから、電気通信事業における個人情報保護のガイドラインにおきまして、課金、料金請求、苦情対応など、業務の遂行上必要な場合にはログを保存できるとしつつ、保存目的に必要な範囲を超えてはならず、その利用目的を達成したときは速やかに当該個人情報を消去しなければならないと定めております。  第三に、プロバイダー責任制限法による開示対象に電話番号が入っていない理由につきましては、開示の対象となる発信者情報は被害の回復に必要な最小限度の情報とするべきという観点から、開示請求者が被害回復を行うためには一般的に発信者の氏名及び住所を把握すれば足りると考えられるため、電話番号は開示の対象とされていないというものでございます。
  22. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 ありがとうございます。  このアクセスログというものが六か月を目安としてということなんですが、これは現場の弁護士からも聞く声なんですが、やはりインターネットで名誉毀損、プライバシー権侵害された方が、権利救済のために損害賠償請求等を考えた際、発信者情報開示をすると、もうアクセスログが残っていませんという形で回答が来てしまって泣き寝入りをせざるを得ないということになっています。  要は、民法で定められている消滅時効より短い権利救済の期間になってしまっているのが事実ということであって、私としては、まず各業者のアクセスログの保存期間というのをしっかりと把握するというところから始めるべきだと思いますし、またアクセスログの保存期間をなるべく長くすることも検討してもいいのではないかなと思います。  確かに、個人情報やそして通信の秘密、これは非常に大事な権利利益だと思いますが、一方で、やはり被害を受けた方々の人格権というものも大事なものでありまして、最近はサーバーの維持費用なんかも低減していますから、例えば一年、二年という保存期間を義務付けたとしても、さほど事業上の影響も少ないと思います。  そういった意味では、例えばオーストラリア、これも知人の弁護士の話ですが、二年ぐらいの保存義務を課しているという話も聞いておりますので、このやはり法の支配を貫徹するためには、まさに今再検討すべき時期にあるのではないのかと思いますが、いかがでしょうか。
  23. 秋本芳徳

    ○政府参考人(秋本芳徳君) お答え申し上げます。  先ほどの答弁で御紹介をさせていただきました電気通信事業における個人情報保護に関するガイドラインにおきましては、業務の遂行に必要とする場合、一般に六か月程度の保存は認められ、より長期の保存をする業務上の必要性がある場合には一年程度保存することも許容されるとされております。この点につきましては、実は三年前、平成二十七年の六月にこのガイドラインを改正した際に追加したものでございます。  総務省としては、まず、各プロバイダーにおきまして、このガイドラインを踏まえた適切なログの取扱いの確保を図ってまいりたいと考えております。また、プロバイダーが業務上の必要を超えて全ての利用者のアクセスログを一律に長期間保存することにつきましては、ログが通信の秘密及び個人情報に関わる情報でありますことから、利用者の理解を得ることが必要であり、被害者救済を図る必要性とのバランスをいかに確保するかという課題であると認識しております。  委員御指摘のサーバーの機能進化を始めとする技術の進化のほか、利用者の意識や利用の実情、業務上の対応の必要性などを踏まえ、今後ともアクセスログの適切な取扱いの確保を図ってまいりたいと考えております。
  24. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 ありがとうございます。是非ともこの点も含めて御検討いただきたいなと思っております。  次に、一つ質問を飛ばさせていただきまして、裁判のIT化についた取組について伺ってまいりますが、大臣が挨拶でおっしゃったとおり、来年には元号が替わり、新しい時代を迎えることになります。そういった中で、本年六月に閣議決定された未来投資戦略二〇一八では、関係者の出頭を要しない口頭弁論期日等を実現することとし、平成三十四年度頃からの新たな制度の開始を目指し、法務省は、来年度中の法制審議会への諮問を視野に入れて速やかに検討、準備を行うなどとされております。  私は、弁護士がこの期日出頭で多大な時間を使っている。東京の弁護士が東京地裁に行ければいいんですけど、ほかの支部だったりほかの地方の裁判所へ行くと膨大な時間取られます。ですので、この関係者の出頭を要しない口頭弁論期日等の実現というものはまさに弁護士の生産性革命であって、弁護士が一件当たりの案件稼働時間が削減されるということは、これはやはり弁護士費用が低減されることが期待されますので、依頼者、利用者にとって一番のハードルは経済的なハードル、弁護士費用が高いということですから、要は多くの方が、あっ、この金額だったら弁護士に依頼できるということで、弁護士の利用が、司法の利用が促進され、二割司法とずっと言われ続けているこの問題の解消の起爆剤の一つになり得るのではないかというふうに非常に注目をしているわけですが、この利用者である国民にとって高い利便性につながると、この点について法務大臣の御見解を伺いたいと思います。
  25. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) まさに、ITを使ったもう法曹の代表選手でありますが、元榮委員からの御指摘でございます、本当に重く受け止めさせていただきたいと思っておりますが。  この裁判手続のIT化につきましては、内閣官房に設置された裁判手続等のIT化検討会、こういったものがございまして、この取りまとめの内容も踏まえ、これは最高裁の所管ではございますが、最高裁においても様々な取組をやっているというふうに承知はしているところでございます。他方で、やはり民事裁判手続のIT化を進めるに当たっては、そういったとにかく利用者である国民にとって真に使い勝手の良いものであるか否かという国民目線に立つことが極めて重要であろうというふうに考えております。  そういった観点から、この今年の六月に閣議決定された未来投資戦略二〇一八では、民事裁判手続の全面IT化を目指すということになっておりますが、裁判手続のIT化によってこれがかえって利用者の利便性が害されることのないようしなければならないということから、例えば弁護士等が代理人として選任されてない訴訟における、いわゆる本人訴訟への、その場合の本人へのサポート策をどのように考えるかなど、きめ細やかな検討が必要であるというふうに考えております。  現在、法務省におきましては、来年度中の法制審議会への諮問を視野に入れて、有識者による検討会に参加するなど精力的な検討を進めているところでございますが、引き続き、委員の御指導もいただきながら、利用者目線に立って迅速かつ効率的な民事裁判を実現できる、することについてしっかりと検討を進めてまいりたいと考えております。
  26. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 ありがとうございます。  国民目線という思い、全く同感でございます。そういった意味では、今、これからつくられるシステムに関しては、例えばシステムのそういう遷移図とか設計段階でパブリックコメントに出したりして、UI、UXと言われますが、その利便性だったりユーザー体験について幅広く衆知を集めて本当に使い勝手のいいシステムにしていただきたいなと思っておりますので、その点をお願いして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  27. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 公明党の伊藤孝江です。  今日は、大臣の所信の中にも障害者雇用数の不適切計上の点につきしっかりと取り組んでいくということがありました。その点についてお伺いをしたいと思っております。  この不適切計上につきましては、第三者検証委員会から検証結果の報告がなされ、それを受けて政府の方で再発防止への基本方針を既にまとめられております。この不適切計上は、障害者雇用促進法の精神から大きく逸脱した許し難いことであるという点に変わりはないと思っております。その中でも、法務省が各省庁の中で不適切計上が多くあったということについては非常に残念に思っております。  まず、事実確認ですけれども、平成二十九年六月一日時点の法務省における障害者雇用数について、平成二十九年当時の報告した人数、また本年の再点検の結果、実際に雇用されていた障害者職員の人数、不適切計上であった職員の人数についてお答えください。
  28. 金子修

    ○政府参考人(金子修君) お答え申し上げます。  平成二十九年六月一日時点の法務省における障害者職員の人数については、平成二十九年当時に報告し、公表された内容では八百二人とされておりました。しかし、今回、厚生労働省から要請を受けて再点検を実施したところ、上記人数のうち障害者雇用率制度の対象となる障害者の人数は二百六十・五人であったことが判明したところでございます。  実人数で申し上げますと、再点検の結果、百八十二人となったところで、平成二十九年度に不適切な計上がされていた職員数は実人員で五百十四人でございました。  以上です。
  29. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 実際に雇用していた職員数が百八十二名、不適切計上がなされていたのが五百十四人と。本当にそれだけの数の違いということなんですけれども、その百八十二人のうち、採用後に障害者として計上された人、また採用時から障害者である人の数について、それぞれ御説明ください。
  30. 金子修

    ○政府参考人(金子修君) 百八十二人のうち、採用時から障害者であることが確認されていた者の数が十三名。次が、採用年と同じ年に障害者として計上されることとなっていた者、これは恐らく、言わば採用時から障害者であったと推察される者なんですが、この方が二名。それから、採用年より後の年に障害者として計上されることとなった者が五十名でございました。その余、百十七名につきましては、従前から障害者として計上されていた者ですが、現存する資料では障害者として計上されることとなった具体的な時期が不明でございまして、採用時からであったかどうかお答えできないところでございます。
  31. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 採用された時期に障害者であったかどうか明確でない方を除けば、いつから障害者として扱っていたかというのが分かる人が六十五名、六十五名のうち五十名が採用後に障害を持つようになったと。結局、障害者として採用した人というのは、今はっきりしているのは百八十二名のうち十三名しかいないというのが実情ということです。  障害者として雇用した人というのは本当に実際にごく少数しかいないのではないかという現状の中で、これまでの採用手続において、障害者法定雇用率の達成を目指す、あるいは障害者雇用確保という観点でなされていた取組について御説明ください。
  32. 金子修

    政府参考人(金子修君) 障害者雇用促進法等によりまして法定雇用率が定められており、その達成が求められているということは各担当者において認識されていたものと思いますけれども、これもいろいろ調査しましたが、法務省内の各組織において、具体的に採用に当たってどのような活動が、その点も考慮したどのような具体的な活動が行われたかということについては把握できておりません。
  33. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 活動していたかどうか把握できていないということは、もうしていないと思わざるを得ないですけれども、まず、この障害者の雇用につきましては毎年人数の報告も取っており、また、厚労省の方で平成十七年にガイドラインを出しているということもあります。  そもそものその人数の報告の前提となる障害者雇用率制度の対象障害者の範囲やまた確認方法など、法務省内で十分に周知されていたんでしょうか。されていなかったのであれば、その理由についてお答えください。
  34. 金子修

    ○政府参考人(金子修君) 厚生労働省が作成しましたプライバシーに配慮した障害者の把握・確認ガイドラインには、障害者雇用率制度に関し、対象障害者の範囲やその確認方法、つまり、例えば身体障害者について、身体障害者手帳をもって確認すべきことというようなこととか、それから把握、確認した情報の処理、それからその保管方法等について記載されているものと承知しております。  法務省においては、厚生労働省から毎年送付される、報告するための報告要領に係る文書にガイドラインの概要版のURLが記載されていたため、官房人事課の担当者において当該URLに係るウエブサイト上からこのガイドラインの概要版を入手し、これを省内に配付して周知を図っていたところでございます。ただ、このガイドラインの概要版には対象障害者の範囲に関する記載が省略されていたため、官房人事課の担当者がその内容を認識しておらず、省内の周知も十分できていなかったものというふうに思います。
  35. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 結局、じゃ、現場の方では、障害者雇用の対象となる障害者かどうか、どのような基準で判断すべきと考えていたということなんでしょうか。また、どのような根拠で障害者かどうかを判断していたのかということについて御説明ください。
  36. 金子修

    ○政府参考人(金子修君) 法務省におきましては、対象障害者たる身体障害者であるか否かを身体障害者手帳をもって確認していた例もある一方で、先ほど申し上げたとおり、ガイドラインの認識が欠けていたために、各担当者がガイドラインでは許容されていない都道府県指定医等以外の医師が作成した診断書、健康診断結果などの医療記録、本人の自己申告などに基づき、各職員の疾病が身体障害者障害程度等級表の記載の障害に該当するか等を自ら判断していた例も多く認められたところでございます。
  37. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 そのガイドラインの周知がなかなか不十分だったというお話もありましたけれども、仮にガイドラインの周知がなされていなかったとしても、障害者かどうかということを判断して報告するに当たって、今おっしゃられた本人の自己申告のみで認めるであるとか、また健康診断の結果で障害者と判断すると、担当者自らがそのような判断で障害者と結論付けることというのは、もうこれは一般常識に照らしてもあり得ないというふうに思っております。また、国に報告しなければならない数だということを考えると、なおさら個人の勝手な判断でそのような報告をする、認定をするというのはできないはずだと思います。それにもかかわらず、なぜこのようなずさんな対応がなされたのかということについて御説明ください。
  38. 金子修

    ○政府参考人(金子修君) ただいま委員御指摘のとおり、障害の有無、程度については、本来医学的知識に基づかなければ適切に判断できないはずであり、仮にガイドラインの認識が欠けていたとしても、障害者手帳によることなく、本人の自己申告や健康診断結果等を根拠に医学的知見のない担当職員が障害の有無、程度を自ら判断していたという運用については疑問を抱くべきであったというふうに思います。にもかかわらず、法務省においては、安易に前例を踏襲し、不適切な実務慣行を継続していたものであるところ、その背景としましては、検証委員会からも指摘がされておるところでございますが、障害者雇用促進法の理念に対する意識の低さがあったものというふうに捉えております。
  39. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 この不適切計上というのはいつ頃からなされていたんでしょうか。
  40. 金子修

    ○政府参考人(金子修君) 以前から障害者雇用率制度の対象とならない職員を障害者として計上していたということが認められたわけですけれども、そのような不適切な計上が開始された具体的な時期につきましては、過去の担当者等からも聞き取りをしましたけれども、具体的な時期が判明しません。
  41. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 判明しないというのは、判明できないほど、はっきりしないほど以前からということでよろしいですか。
  42. 金子修

    ○政府参考人(金子修君) 遅くとも、厚生労働省から先ほど申し上げたガイドラインが発出されている平成十七年十一月以降は同様の運用が行われていたというふうに推察されるところでございます。
  43. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 この不適切計上されていた雇用人数のまず多さですね、五百十四名と。実際に働いているのが百八十二名で、五百十四名が虚偽であったと。また、対象障害者の計上の仕方についても余りにもずさんだと。厚労省からの指示や説明がきちんと届いていなかったというのはもう何の言い訳にもならないことは明らかですし、そもそも障害者雇用促進法の理念に対する意識が薄過ぎるというふうに言わざるを得ない。  この検証結果の受け止めについて、大臣の御所見をお願いいたします。
  44. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) まさに、法務省を含め国の行政機関においては、民間事業者に率先して障害者雇用に取り組むべき、積極的に取り組むべきことは当然の責務であるというふうに認識しております。加えて、法務省は法の支配の実現を使命として、そして障害を理由とする偏見、差別の解消に向けた人権啓発に取り組んでいる省庁でございます。にもかかわらず、この法務省において、先ほど担当の金子審議官からるる御説明申し上げたように、制度の対象とならない多くの職員を障害者として計上していたということは、まさにあってはならないことでございます。深くおわび申し上げるところでございます。  そこで、先般、事務次官等の幹部に対し、私から直接今般の事態について厳しく注意をさせていただきました。そして、再発防止等に全力で取り組むよう指示を行ったところであります。  今後は、政府の基本方針に基づいて、再発防止、これはもう当然でございますが、法定雇用率の速やかな達成と、障害のある方も生き生きと働くことができる環境づくりに向け、法務省一体として取り組んでまいりたいというふうに考えております。
  45. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 再発防止というお言葉がありましたけれども、これから具体的にどのような取組を行うのか、検証委員会の検証結果をどう踏まえているのかも併せてお答えください。
  46. 金子修

    ○政府参考人(金子修君) お答えいたします。  政府の基本方針におきましては、検証委員会の検証結果を踏まえた上で各府省が講ずるべき再発防止策が定められているところであり、法務省もそれらの再発防止策を着実に実施していくこととしております。  具体的には、幾つか挙げますと、厚生労働省が作成する予定の手引に従いまして、通報対象となる障害者の名簿を作成し、障害者手帳の写しなどの関係書類を適切に保存する。法務省のみならず、地方支分部局等でも再発防止策が継続的に実効あるものとして実施されるよう、本年九月四日に設置した法務省障害者雇用推進プロジェクトチームによる取組状況のフォローアップを実施する。実地確認やヒアリングによる内部点検の実施や、チェックシートも活用した複数の職員によるチェック等の体制を強化する。省内における各部局の担当者向け研修会を実施するといったことを通じて再発防止に努めていくこととしております。
  47. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 再発防止とともに、これから法定雇用率を達成していかないといけないと。そこに向けての法務省としての採用計画についてお答えください。
  48. 金子修

    ○政府参考人(金子修君) 法務省の障害者採用計画におきましては、平成三十一年一月から十二月末までの一年間で障害のある方々を六百三十一・五人採用することとしております。具体的には、平成三十一年の一月から三月末までに三百八十三人、同年の四月から十二月末までに二百四十八・五人をそれぞれ採用する予定でございます。
  49. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 今、現実に採用されている障害者の方が百八十二名と、来年の十二月までに六百三十一・五人を採用するというふうにおっしゃられましたけれども、従来どおりの募集やまた採用活動をしても、そもそも、まず人数という点でもこれまで以上の多くの方に応募をしていただけるのかどうかと。これまでとは異なる採用活動をどんなふうにしていくのかについてお教えいただけますでしょうか。
  50. 金子修

    ○政府参考人(金子修君) 採用予定者数、決して少ないとは言えないわけですが、法務省としては、働きやすい環境整備や支援体制を充実させるなどすることで、障害のある方々が活躍できる環境づくりを進めるとともに、ハローワークや障害者就労支援機関の支援を得つつ積極的に採用活動に取り組むことにより、多くの障害のある方々に法務省で働いていただき、その結果、法定雇用率が速やかに達成されるよう鋭意努力してまいりたいと考えております。
  51. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 障害者の方をこれから雇用するに当たって、単なる数合わせになるのでは真の意味での障害者の雇用促進にもつながりません。今後の障害者の雇用が数合わせにならないように、どのように障害者の就労環境を整えていくのかについて御説明いただけますでしょうか。
  52. 金子修

    ○政府参考人(金子修君) 単なる数合わせが適切でないことはただいま委員御指摘のとおりでございまして、政府の基本方針におきましても、単に雇用率の達成にとどまらず、障害のある方々が意欲と能力を発揮し活躍できる場の拡大に取り組んでいくことを目指すこととされております。  法務省としましては、障害のある方々が担当するのに適当な業務を抽出するとともに、働きやすい環境の整備や支援体制を充実させることなどにより、障害のある方々が活躍できる職場づくりを進めることとしております。  具体的には、施設設備の整備、それから相談窓口の設置などの体制の整備、テレワークの活用など勤務する時間や場所についての柔軟な対応を可能にするほか、職員の理解を深めるための研修の実施等に努めていく予定でございます。また、障害のある個々の職員を雇用した後も、周囲の職員が支援機関等から当該職員の障害特性に応じたアドバイスを受けた上で業務のサポートを行うことなども考えております。  こうした取組を進めることによって、障害のある方々が活躍できる職場づくりを進めてまいりたいと考えております。
  53. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 少し飛ばして、ちょっと大臣にお伺いをいたします。  障害の有無にかかわらず誰もが安心して働ける社会を構築することが重要で、今後は基本方針の実行が求められます。私たちも、法務省のその進捗を確認する場を持っていきたいというふうに考えておりますけれども、真の共生社会の実現に向けた取組を前進させる意義、また必要性について、大臣の御所見をお願いいたします。
  54. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) これまで人に寄り添う弁護士として御活躍されてこられた伊藤委員のお言葉は大変重いものがあると思います。  先ほど来御指摘いただいた点に関して、これはもう省内一丸となって取り組んでいく必要があると考えておりますので、省内各組織に取組を周知徹底するということで、現在、各組織の幹部を構成員とする障害者雇用推進プロジェクトチームを設置しておりまして、省内各組織に迅速かつ的確に周知することなどによって省内一丸となって所要の取組を着実に進めるよう努めてまいりたいと考えております。  そして、さらに、大きな御指摘として、これはもう、障害の有無にかかわらず安心して働ける社会を構築することは、障害のある方々を含め誰もが共生する社会を実現するために大変重要であるというふうに認識しております。  我々法務省は、法の支配の実現を使命としており、障害を理由とする偏見、差別の解消に向けた人権啓発に取り組んでいる省庁でございます。こうした認識を改めて省内にもしっかりと共有させた上で、先ほど御紹介申し上げたような基本方針に基づく取組を着実に実施してまいりたいと改めて決意しております。
  55. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 大臣の本当に強いリーダーシップを是非よろしくお願いいたします。  次に、裁判所の障害者雇用についてお伺いをいたします。  同じく平成二十九年六月一日時点の裁判所における障害者の雇用数について、当初の報告人数、本年の再点検の結果、実際に雇用されていた障害者職員の人数、不適切計上であった職員の人数についてお教えください。
  56. 堀田眞哉

    ○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) まずは、このような事態を生じさせましたことは、裁判所への信頼を揺るがすものであって遺憾なことと考えておりまして、深くおわび申し上げます。  御質問の点でございますけれども、当初通報しておりました障害者数は六百四十一・〇人でありましたところ、本年の再点検の結果、二百四十二・〇人となりまして、当初の通報数との差は三百九十九・〇人になってございます。
  57. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 行政機関が最初に注目されたところもありましたけれども、この司法機関においても、実際の働いていた人数が二百四十二人、不適切だったというふうに挙げられているのが三百九十九人と大変ひどい結果になっております。  最高裁から各裁判所に対して障害者雇用についてどのような指導や説明をしていたのか、また、不適切計上の具体的態様などについてお教えいただけますでしょうか。
  58. 堀田眞哉

    ○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) お答え申し上げます。  現在、裁判所におきまして、司法行政事務の適正な遂行の確保に関する有識者委員によりまして、下級裁判所に対する当時の指導状況や説明状況、不適切な算入の具体的態様を含めまして、今回の事態が生じた原因等について検証が行われているところでございまして、誠に申し訳ございませんが、現時点ではお答えを差し控えさせていただきたいと存じます。
  59. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 その検証結果はいつ出されるんでしょうか。
  60. 村田斉志

    ○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) お答えを申し上げます。  この裁判所においての障害者雇用に関する事案に関しまして、人事局長からも今答弁を申し上げたところでございますけれども、現在、有識者委員にお願いをして検証をしていただいているところでございます。ですので、まさに今作業していただいている最中ですので、検証結果を公表する時期について現時点で明らかにするのはなかなか難しいというところは御理解をいただきたいと思います。  しかしながら、有識者委員の方々からは、できるだけ早急に検証結果を公表したいというその御意向は伺っておるところでございまして、我々事務当局といたしましても、早急に検証結果を公表することができるよう力を尽くしていきたいというふうに考えております。
  61. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 検証の結果がまだだということがあったとしても、雇用率達成の時期が遅くなるということを正当化するものでは決してないというふうに思っております。  早期達成に向けてどう取り組んでいくのかについてお答えいただけますでしょうか。
  62. 堀田眞哉

    最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) お答え申し上げます。  裁判所におきましても、御指摘のとおり、できる限り早期に法定雇用率を達成することは重要であると考えておりまして、平成三十一年度中には法定雇用率を達成できるよう、障害者の雇用を進めてまいりたいと考えているところでございます。  そのための具体的な取組につきましては現在鋭意検討を進めているところでございまして、各府省において、障害者を対象とした新たな常勤採用の枠組みの導入、障害者が活躍しやすい職場づくり、それを支える障害者雇用に関する理解の促進のための取組などが進められていると承知しておりまして、そうした取組も参考にしながら鋭意検討を進めているところでございます。
  63. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 私の方で事前に何度お聞きしても、今のような抽象的なお話はされても具体的なものは何もないと。いろんな取組について、また対応について御説明を求めても、検証中なので何も言えませんというのがずっと続いている中で、今日はあえてここで質問をさせていただきました。  先ほど大臣からもありましたけれども、本当に法務省と併せてというか、もう本当に、それ以上にと言っていいかどうか分かりませんけれども、裁判所が法の支配というところにおいて持つ役割というのをもっともっと考えていただきたい。人権保障の最後のとりでというのはまさに裁判所ですし、裁判所が出す判決、これが信用されなくなってしまうと。裁判所も法律を守らないんだ、法律の理念について深く考えていないんだというような、そんなような信用をなくすようなことというのはもう絶対にあってはならないことと考えておりますので、裁判所におかれては、本当に心のある対応、これから迅速な対応をしていただきたいというふうによろしくお願いいたします。  では次に、再犯防止についてお伺いをいたします。  大臣は所信表明において、更生保護施設の活動に対する支援を充実強化すると述べられました。以前、私は、都内にある更生保護施設である善隣厚生会、また女性専用施設の両全会にお伺いをしました。その中でお聞きしたことを踏まえて御質問させていただきます。  まず、更生保護施設における特性に応じた処遇の重要性と今後の拡充です。  現在は、指定された更生保護施設において、高齢、障害者を受け入れるために、また薬物依存からの回復に向けた重点的な処遇を実施するため、それぞれ専門家に業務委託を行っており、配置すれば人件費の補助もなされます。しかし、配置に制限があり、例えば薬物依存者に対する重点的処遇が認められているのは全国で二十五施設、二十五人分だけになっております。  女性専用の更生保護施設である両全会、ここでは入所者のほとんどが薬物の問題を抱えており、伺った際にも十五名に近い入所者が薬物処遇を行う必要があるとのことでした。ただ、日中は仕事に出ており、薬物依存からの回復に向けたグループでのカリキュラム、個別対応を実施しようとすると、とても専門家が一人では足りないということです。  また、この両全会では、薬物に次いで多いのは窃盗の罪を犯した女性であるところ、貧困が原因というのではなく、精神的に不安定な状態や病を抱えていて、いわゆる依存症と同じだと思うとおっしゃられておりましたが、そのような入所者が多いとのことであります。これに対しては制度として重点処遇の対象になっておらず、これからの課題だとおっしゃっておりました。  この入所者の社会復帰、再犯防止にとって、特性に応じた処遇について重要であるのは言うまでもなく、今後は更に拡充を図る方向で進めていくと考えますが、いかがでしょうか。
  64. 畝本直美

    ○政府参考人(畝本直美君) 更生保護施設では、入所者の再犯や再非行を防止して社会復帰を促進するために、宿泊場所や食事の提供とともに、就職指導あるいは社会適応のために必要な生活指導を行っているところであります。  このほか、入所者の問題性に応じまして、例えば社会性が不十分な者に日常生活上必要なスキルを身に付けさせるための生活技能訓練、いわゆるSST、あるいは飲酒や薬物等で犯罪や非行に及んだ者にその害を自覚させる酒害、薬害教育などが行われておりますが、それぞれの特性に応じた処遇、これは委員御指摘のとおり、入所者の改善、更生のために極めて重要な取組であると認識しております。  国におきましては、先ほどお話があったように、法務大臣が指定した全国七十一の施設に福祉等の専門資格を有するスタッフを配置するための経費を措置いたしまして、高齢者や障害のある者を受け入れて、その特性に配慮しながら施設退所後をも見据えて医療機関や福祉施設への円滑な移行のための調整などを行っております。  また、法務大臣が指定した全国二十五の施設に心理等の専門資格を有するスタッフを配置する経費を措置いたしまして、認知行動療法に基づくプログラムを行うなど、薬物依存からの回復に向けた重点的な処遇を行っているところであります。  平成二十九年十二月に閣議決定された再犯防止推進計画におきましても、更生保護施設で特性に応じた処遇を行っていくことが推進すべき施策の一つとして掲げられております。今後、特定の問題を抱える者にどんな処遇をしていったら有効なのかということを見極めながら、更生保護施設における的確な処遇の充実を図っていきたいと考えております。
  65. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 次に、更生保護施設退所者の支援の必要性についてお伺いをいたします。  施設を退所した後も支援を継続する必要があるけれども今は制度化されていないということで、自ら退所者を支援する団体を立ち上げて活動しているというお話も訪問の際に伺いました。  ほとんどの者が更生保護施設を六か月未満の短い期間で退所しますけれども、再犯防止の観点からは、実際に再犯を犯してしまうことが多い出所後二年ないし三年の期間は退所者に寄り添う必要があるという御意見でした。  仮出所の期間を終えればその方に関わることが法的に難しくなるという側面もあるかとは思いますけれども、六か月というのはまだまだ社会復帰途上の期間です。また、寄り添ってくれ、相談できる存在がなくなってしまうということは大きな課題だと考えます。  更生保護施設退所者の支援の必要性について、どのようにお考えでしょうか。
  66. 畝本直美

    ○政府参考人(畝本直美君) 更生保護施設入所者を施設を退所した後も社会の中で孤立させないこと、これは再犯、再非行の防止のためには極めて重要であるというふうに認識しております。  更生保護施設では、これまでも施設職員が退所者と手紙のやり取り、あるいは面接相談をするなどの支援を行うことで社会とのつながりを支えてきたところでございます。  国におきましては、平成二十九年度からフォローアップ事業、すなわち退所者に対する生活指導や相談支援、薬物依存からの回復に向けたプログラム処遇の実施などの支援を開始したところでございます。引き続き、この更生保護施設からの退所者を社会内で孤立させないための取組に努めていく所存でございます。
  67. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 最後に、大臣にお伺いしたいと思います。  この訪問の際に職員の方がどのように寄り添っておられるのかということをお聞きしました。その方々の声ですけれども、入所者には、家庭的に不幸な環境で育ったり、必要なときに家族や周囲の方からの愛情が与えられず、過酷な状況で生きてきた人が多い、誰も頼れず、学校や社会になじめず、生活習慣を含めて基本的なことが身に付いていない人も多い。社会復帰を円滑に果たすためにも、まずは人間性を取り戻してあげたい。朝起きる、仕事に行く、嫌なことがあっても我慢をすることなど、人としての基本を身に付けさせてあげたい。そのために一人一人に丁寧に寄り添うことが大切で、仕事の愚痴を聞いたり、励ましたり、なだめたり、厳しく言ったり、褒めたりと、何とかして仕事に行き続けることができるように毎日毎日話をして、真剣に対応している。仕事を頑張ってありがとうと言ってもらって、人生で初めて人からお礼を言われたと喜ぶ人もいる。これまで仕事をした経験がない人も多く、仕事を続けてお給料をもらうことで自信が付いていく。この日々の積み重ねの中に社会復帰があるということを教えていただきました。  再犯防止という観点だけではなく、人間性を回復するための施設という思いで入所者に関わり続けておられる施設職員の皆様の業務を最大に支援をしていく必要があるというふうに考えます。更生保護施設に対する期待と、また同施設への支援に対する決意について、大臣、よろしくお願いいたします。
  68. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 私も議員になる前、地元で古松園という更生保護施設がございます、この古松園を支援する弁護士の会というものに参加しておったことがございまして、伊藤委員の本当に御質問は大変有り難く思っているところでございます。  先ほど職員の方々の声を届けてくださいましたけれども、確かに更生保護施設には、帰るべき場所がない刑務所出所者を受け入れて、そこで施設の職員の皆様が昼夜を分かたず社会復帰に向けたきめ細かい指導を行うなど、再犯防止の要として極めて重要な役割を果たしていただいているわけでございます。  そうしたことから、昨年十二月に閣議決定した再犯防止推進計画におきましても、更生保護施設における受入れ、処遇機能の充実が具体的施策の一つとして盛り込まれているということでございます。この再犯防止推進計画、これはもう閣議決定でございますから、やはり政府全体で取り組んでいく非常に重いものでございます。ですので、この再犯防止推進計画元年に当たる今年においては、極めて重要な一年であるということで、推進計画に掲げられた取組、先ほど保護局長などからも御紹介させていただきましたが、こうしたことを着実に進めることで、刑務所出所者等の再犯防止の重要な一翼を担う更生保護施設への支援につなげてまいりたいというふうに考えております。
  69. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 私たちもしっかり後押しをさせていただきたいというふうに考えますので、どうかよろしくお願いいたします。  以上で質問を終わります。
  70. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 立憲民主党の小川敏夫です。  まず、昨日、入管法改正に関連しまして、新たな在留資格による受入れ・人材不足の見込み数というものが法務省から公表されました。  それで、その点に関してお尋ねいたしますけれども、例えばこの見込み数、一号というふうに聞いておりますけれども、具体的にどのような技能を有している、特定技能の要件ですね、どのような技能を有している方を対象とするのかということについてはもう定まったんでしょうか。
  71. 和田雅樹

    ○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。  技能の水準につきましては法文で書かれておるとおりでございますが、その具体的な水準につきましては、現在、各業所管庁において検討を進めているところでございます。
  72. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 例えば、先般の参議院予算委員会では、例えば宿泊業、この宿泊業ではどういう技能を持っている人を対象とするのか、具体的なことを教えていただきたいということについて、まだ検討中ということで答弁がありませんでした、中身についての。これは、今時点でも、例えば宿泊業についてどういう技能を持っている人が対象なのかということの具体的な中身についてはまだ決まっていないということなんでしょうか。
  73. 和田雅樹

    ○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。  内部で様々議論は進めておるところでございますが、最終的にこの技能というところまではまだ決まっていないということで御承知いただければと思います。
  74. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 いや、それで、これ大臣にお尋ねしたいんですけれども、どういう人を受け入れるのかという、その言わば基準といいますか、これが具体的に決まっていないのに、なぜ見込み人数が算定できるんですか。
  75. 和田雅樹

    ○政府参考人(和田雅樹君) 最終的なこういう技能の方を入れるという、その例えば水準を測る試験のようなもの、こういったようなものについての考えが最終的に決まっておるわけではございませんけれども、おおむね宿泊業の世界において、まず一つ考え方といたしまして、人手不足がどのぐらいあるかというところ、そして、その人手不足に対応してどのぐらいの人を受け入れるべきかという需要の問題がございまして、その数に当たる人を入れていくと。その人々についてどのような技能水準を測っていくかということについては最終的に詰めをしているという、そのような考え方でございます。
  76. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 だけど、法律は一定の技能を有している人を対象としているわけで、その一定の技能を有している人の技能の中身が決まっていないのに入ってくる人の見込み人数が出るということ自体が私はおかしいと思うんですよ。だって、どういう技能を求めているかの水準が決まっていないのに、言わば、試験でいえば、合格点数が決まっていないのに合格者の人数が予測できるようなものでね、という素朴な疑問を感じたんですよ。  ですから、これは技術的なことじゃないから、大臣、そこのところは御説明いただけませんか。
  77. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 先ほど、技能という、一定の技能、専門性を有する者ということでこの新たな人材受入れ制度を今検討しているところなんですが、先ほどおっしゃった宿泊業にしても、要するにベッドメーキング、これも実は技能が要るんですね。実は、刑務所などでこれ受刑者に学んでいただいていて、相当なスキルが要るところであるんですが、宿泊業においては、このベッドメーキングのみならず、例えば接客業であるとか、もう今、インバウンドが相当来ています。その語学がしゃべれるということにおいては非常に大きな戦力になる、あるいはフロント、そういった様々な技能というものがニーズとしてある、そういった様々な技能を、ニーズとしてある中で、人手不足ということが深刻化しておるという実態がございます。  そこで、今、各業所管庁におきまして、どのようなニーズがあるのかということを今精査、検討していただいているところでございます。  そういった中で、最終的にどのような技能、分野が必要なのかということは、この法律ができて初めて基本方針、分野別運用方針に法的根拠が与えられるわけでございますから、この法律が成立になった後にそういった基本方針、分野別方針を、決まった段階でなるということではございますが、現段階におきまして、昨日お示しした受入れの見込み数というのは、業所管省庁において、そういった特定技能一号による外国人材の受入れを希望する十四業種ごとに向こう五年間の数を推計した、あと初年度の受入れ見込みでございますね、これはあくまで業所管省庁において積算した現時点における見込み数ということになります。  これは、今申し上げた様々なニーズ、宿泊業を例に取りましたけれども、それらについて総合的に考慮して例えばこういったニーズを出したものだということになると思いますが、これはあくまで現時点におけるものでございまして、今後、本法案が成立した際には、政府において協議の上、受け入れる分野を決定し、そこでどういった技能が要るのかということも含めた分野別運用方針を決定し、そこで受入れ見込み数を明記するというふうにしているわけでございます。
  78. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 質問時間は限られているんでね、長々と解説いただかなくて結構なんです。  私が聞いているのは素朴な質問でね、だから大臣が、いや、技能はこれから決めるけれども、予測される人数はこのくらいだからそのうちのこの程度だろうということでこの人数を算定したと、算出したというのなら、それはそれでいいですよ。ただ、私が聞いている質問はね、ですから、どういう人を入れるのかというその基準が決まっていないのになぜ見込み人数が出るのかなと。基準を緩くすればたくさん人がいるわけで、基準を厳しくすれば、これは採用する人数は少なくなるというのが当然考えられるわけです。そういう要素が決まっていない、不確定なのに数字が出るということが私は不自然なんでね。だから、そういう観点でお尋ねしたわけです。  じゃ、これはそういうその求める技能、技術、専門性ということはこれから検討することにして、現時点のニーズがこんだけあるからそのニーズを基に算出した数字、ただそれだけであると、こういう理解でよろしいんですか。
  79. 和田雅樹

    ○政府参考人(和田雅樹君) 具体的な算定の根拠につきましては、それぞれの業所管庁において責任を持って判断されているところでございます。  基本的には先生おっしゃるようなニーズに基づいた計算というところから始まっているところもございますが、いずれにしましても、ここでの求められる技術といいますのは一定の専門性ということで、一定のでございますので極めて限られた人のみが候補者になるような技術とは違ってくるというところがございますので、そういう意味では、その需要をされているニーズの部分と、そこを満たす人の部分が合致してくるというようなことになる部分があろうかと思います。
  80. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 まあ同じ議論を何回も繰り返してもしようがないけど、例えば宿泊業でベッドメーキングができる人がその技術者に当たるんだということであればかなり人数が多いと思うんですよ。ほとんどの人が当たっちゃうし、単純労働との区別が付かないくらいの人数が該当すると思うんですけどね。だけど、大臣がさっきおっしゃられたように、様々な求める技術、専門性として求める、そういう人が一定の能力者だと、技術者だというのであれば限られてくるわけですよ。  その大きな変動要因があるのに、その変動要因が決まっていない。これから各省庁で検討すると言っているのにこの数字が出てくること自体がおかしいということで質問をさせていただいたわけであります。私としてはその点について明確な回答をいただかなかったというふうに理解しますし、本来そういうことをしっかり固めて、どれだけの専門性というものが求められてどれだけの需要、ニーズがあるのか、あるいは言葉を換えれば立法事実があるのかということをしっかり固めてから法案を出してくるのが私は筋じゃないかということを述べさせていただきます。  また、これに関連してもう一つ。昨日、安倍総理大臣が本会議でこの見込み数、この数字を基に、これは限度であってこれ以上は入国させないというような趣旨の発言をされました。  それで、その発言ですが、しかし、一応確認しますけれども、入管法の法律にはこの限度の人数ということは書いてありませんね。
  81. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) ええ、そのとおり、法律には書いておりません。
  82. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 そうすると、安倍総理が今この人数が限度だと言っても、法律ができた後、新たな決断だということで変えることは、これは政府の判断で法律上自由にできるということですね。
  83. 和田雅樹

    ○政府参考人(和田雅樹君) 受入れ見込み数の関係、上限の関係でございます。  総理が言われたことでございますけれども、受入れ見込み数を分野別の運用方針の中で書き込みますが、これはその受入れ業種において様々なことを検討した上で出している数字でございまして、大きな経済情勢の変化が生じない限り、この数字を超える受入れは行わないということで、その意味で、受入れ数の上限になるという運用面での上限ということをおっしゃられたということでございます。
  84. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 ですから、くどいようですけれども、ですから、法律ができた後、経済情勢が変わったからということで総理が新たな判断をすれば、この限度は拘束力がない、変えられるものですねという法律論をお伺いしたわけでありますから、そのとおりですという答弁をいただきたかったんですけどね。
  85. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 先ほど、総理が判断すればということでございますが、これ、受入れの分野別運用方針というのは、これは法務大臣、そして業所管省庁、そしてまた関係閣僚を、厚生労働大臣であるとかあるいは国家公安委員長であるとか、そういったものの、関係閣僚で定めるということでございます。  そして、その受入れ見込み数については、先ほど局長から御説明したとおり、大きな経済情勢の変化が生じない限り、この数字を超えた受入れは行われないということでございます。
  86. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 だから、経済情勢が変わったからと、情勢が変わったからと総理が判断すれば変更できるわけですね。  それは、実際の実務は各省庁でしょうけれども、各省庁をまさに掌握しているのが総理大臣ですから、ですから、総理ではなくて政府と言ってもいいですよ。ですから、政府が新たな判断をすればそこで変えられる、これが法律上の規定ですねと言っているわけです。
  87. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) その前提として、受入れ業種における大きな経済情勢の変化が生じた場合、これにおいては、やはりそれに対応するということが迫られる場合がございます。そういった場合には、例外的にということはありますけれども、基本的にはこの数字を超えた受入れは行われないということでございます。
  88. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 私は、法律上のことを聞いているんです。意見を聞いているんじゃないし、政治的な方針を聞いているんじゃないんです。法律としてはできるんですねと聞いているんです。
  89. 和田雅樹

    ○政府参考人(和田雅樹君) 法的には先生のおっしゃるとおり可能かと思います。
  90. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 この法案はまだ参議院に来ているわけじゃないので、改めて参議院にもし来たら詳細に質問させていただきます。  今日は一般質疑ですので、また別の項目に移ります。  さて、先般、大臣から法務大臣挨拶ということで御意見を伺いました。  それで、私、一番おやっと思ったのが、大臣の所信表明の中に法務省の所管外のことが書いてある。例えば、我が国の領土、領海、領空の警戒警備等について、次の取組を行いたいと考えていると。  ここで言うこの我が国の領土、領海、領空の警戒警備、これは法務省設置法のどこにこれが、その法務省の職務として書かれているんですか。
  91. 山下貴司

    国務大臣山下貴司君) お答え申し上げます。  これは、国民生命財産保護するための領土領海領空警戒警備において、主要な任務としている省庁は、これはあるわけでございます。例えば、海上保安庁警察防衛省自衛隊等でございますけれども、それ以外の府省においても、それぞれの所掌の事務の範囲内で連携、協力しながら政府全体で取り組んでいっているところでございます。  例えば、入国管理局では、我が国に入国し、在留する外国人の審査あるいは入管法違反者の退去強制などを所掌しているわけでございますが、その中で、テロ対策、北朝鮮制裁、あるいは尖閣問題等について情報共有を図りながら上陸審査や違反調査など所要の対応を行っております。  例えば、テロリストの疑いのある者を入国させない水際対策、これは我が国の領土領海領空警備に当たるものというふうに解されます。また、例えば尖閣諸島の対応につきましては、周辺を警備する海上保安庁巡視船入国警備官が交代で乗り込む。これはなかなか厳しい仕事でございます。十日間、出航したら戻ってこない。そうした厳しい中で入国警備官が交代で乗り込んで所要の情報収集を当たっているなどしております。  こういったこの入国管理局の所掌する出入国管理、これに含まれているというところでございますし、また、公安調査庁では、破防法あるいは団体規制法に基づく破壊団体の規制に関する調査を所掌しておりますが、このような団体に影響を与える内外の諸動向に関する調査の一環として北朝鮮尖閣諸島関連動向について調査しているところでございます。  こういった我々の所掌につきまして、総理が私を任命したこの改造内閣発足時に、我が国の領土領海領空の警戒警備について、関係大臣と緊密に連携し、緊張感を持って情報収集を行うとともに、事態に応じて我が国の法令に基づき適切に対処することという指示を特に出したところでございます。
  92. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 大臣の答弁が長いんで、どこをいろいろ議論したらいいかと、こうなってしまうんですけれどもね。  一般に、この領土、領海、領空を警備する、警戒する、まあ守るというのは、まさに我が国の領土、領海、領空の主権が侵害されるということだと思うわけですね。ただ、出入国の管理というのは、まさに出入国の入国者を許可するかどうかというまさにその管理の問題であって、例えば不正に入国しようとした者がいるとしても、それは不正に入国しようとした者がいるというだけの話であって、我が国の主権の、不法入国者が一人いたからといって、それで我が国の領土が侵されたとは誰も言わない。領土が侵害されるという問題と不法入国者が、取り締まるということとは全然別個なものなんですよと私は思いますがね。  少なくとも、この領土、領海、領空の警戒警備というのは、まさに我が国の主権が侵害される、そうした侵略行為、侵害行為、これをまさに警戒する、それを防ぐための警備だと思うわけでありますし、また、警戒警備というのはまさに具体的な行動ですよ。警戒をする行動、警備する行動ですよ。だから、何かさっき大臣がおっしゃられた安倍総理の指示は、そういうことを行う省庁と緊密に連携をしてというような趣旨で、何も法務省、法務大臣が領土、領海、領空の警戒警備を行えという趣旨じゃなかったようにも思うんですがね。  どうでしょう。この我が国の領土、領海、領空の警戒警備というものが法務省設置法に言う出入国の管理をするという所掌事務に含まれるとは私は思わないんですがね。やはり、これは不適切な記載であるというふうに思いませんか。
  93. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 法務省設置法におきましては、例えば三条において、任務において、法務省は、基本的法制の維持及び整備、法秩序の維持、そして国民の権利擁護などということ、そしてまた、出入国の公正な管理を図ることということが任務になっております。  こういった法秩序の維持であるとか国民の権利擁護であるとか、そういったことから出てくる権限として、先ほど申し上げた出入国管理であるとか、あるいは公安調査庁の職責というものが出てくるわけでございます。それを踏まえて総理から指示をいただいたものというふうに考えております。
  94. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 それは法秩序の維持ということであって、我が国の主権が及んでいる中でのこの社会の秩序を維持するために法秩序を維持するということであってね。しかし、領土、領海、領空の警戒警備というのは我が国の主権が侵害される事態のことを言うんで、全く筋が違うことだと思うんですがね。  例えば、国外の脅威への対応は、さっき大臣、私が聞いていないのに先に答えていましたけど、北朝鮮の核、ミサイルの動向、こうしたものについて関連情報の収集、分析を行うと。これも法務省あるいは公安調査庁の職務の範囲内なんですか。これは公安調査庁の職務のことを念頭に置いているとは思うんですがね。公安調査庁というのは破壊活動防止法とそれから団体規制法、これに関して情報を収集する、調査するということだけなんでね。外国の、北朝鮮というその国の核、ミサイル、これの動向を調査するというものは公安調査庁のその設置法の中の職務には含まれていないと思うんですが、改めて具体的にお尋ねしますけれども、ここにいう北朝鮮の核、ミサイル関連の動向、これの情報収集、分析は公安調査庁の設置法のどこに書いてあるんですか。
  95. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) まず、法的根拠につきまして、公安調査庁設置法につきましては、例えば、「破壊的団体の規制に関する調査に関すること。」などが設置法に「次に掲げる事務をつかさどる。」ということで書かれているところでございます。  そして、北朝鮮関連についてお話がございましたが、公安調査庁としては、暴力的破壊活動を行った疑いのある団体を前身とする朝鮮総連に対して調査を行っているところでございます。朝鮮総連は北朝鮮の強い影響下にあり、その活動について随時指示、指導を受けていることから、朝鮮総連に対する調査の一環として、北朝鮮に関する情報を収集しているということでございます。
  96. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 あのね、所掌事務は破壊活動防止ですから、我が国の国内でそうした破壊活動防止法に規定するようなそういう活動を防ぐためのそうした情報の収集なんですよ。北朝鮮の核、ミサイル云々は、我が国の国内における破壊活動とは違う、全く違うものでしょう。  こうして、安倍総理の指示だといいますけれども、結局、私は、行政の仕組みというものは法律で全て決まっているわけで、それの所掌事務というものも決まっている、それが一つのこの行政の仕組み、民主的な行政の在り方だと思うんでね、権力者、ここでいえば、まあ、日本でいえば総理大臣ですけどね、総理大臣が勝手に行政の所掌事務を変えることなんかできないし、行政の設置法にない、所掌事務でないことを命じることも本来できない。  だけど、ここまで言うと極端かもしれないけど、国家総動員法みたいに、総動員体制みたいに、何だ、これは我が国の領土、領海、領空が侵害されるおそれがあるんだから、じゃ、本来そういう所掌事務がない役所全てがこの領土、領海、領空の警戒警備に当たれと、こんなことが言えるんだったらおかしいでしょう、やはり。それはやはり、そういうことを対応する役所、防衛省とか警察庁とか、あるいは海上保安庁とか、そういう職務をやるそうした組織があるわけだから、そこにやらせればいいんで、そうした職務をやることになっていない役所まで、そういうことを法律に基づかずに政府あるいは大臣、総理大臣や担当大臣の判断だけでできるというのは、これは行政の仕組みというものを根本からひっくり返す、あるいは民主的な行政組織の在り方というものを否定することだということを指摘して、大臣の答弁長いから、ほかの質問もしたいんで、答弁はいただかないで指摘するに止めますけれども、私は所信表明のこの記載は非常に不適切で、大臣が思っている以上に深刻な誤りだというふうに思っておりますということを指摘します。  ほかに、この大臣の所信表明で、人権問題について様々な人権問題に取り組むということが、具体的な例を例示されて挙げられておりますけれども、私、気が付きまして、今一番話題になっておりますLGBTが例示の中に入ってない。例示の中に入ってないのは、大臣がこのLGBT問題を軽視しているのか、あるいはそもそも人権問題と考えていないのか、そこら辺のところの認識をお伺いしたいんですが。
  97. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) いずれの人権問題に対しても法務省としてしっかり取り組んでいかなければならないというふうに考えております。  御指摘のあったLGBTに対する偏見や差別の解消も重要な人権問題であることは言うまでもございません。これは性的指向や性自認の多様な在り方を自然に受け入れる社会、これを実現するためには、国民の間に性的指向や性自認に関する広く正しい理解を増進していくことが不可欠であると認識しております。  私は、個人的にも、アメリカで四年いたときにこのLGBTに属すると言われている方に大変お世話になって、その価値観、非常に人として敬意を持って接したところであり、そうした人権問題、差別を呼ぶことに対してこれはしっかり取り組んでいかなければならないということは、個人的にも政治家として思っているところでございます。  そして、法務省においては、これまでにもLGBTと呼ばれる方々に対する偏見や差別解消のため、様々な啓発冊子の作成や配布、啓発ビデオの作成、配信、シンポジウムの開催等、積極的に取り組んできたところでございますが、今後も、いわゆるLGBTと呼ばれる方々に対する偏見や差別の解消に私自身もしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
  98. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 大臣の答弁、少し長過ぎません。別に試験の面接やっているわけじゃないんで、大臣の言いたいことを全部言わなくても、私の質問に端的に答えていただければいいんで。ですから、LGBTについても除外されていないでしっかり取り組むということで、一言でよかったんですけれども。  で、同じように、この民事法制の取組の中でも、夫婦別姓というものが全く記載されていない。これは法制審議会から答申が、導入するように答申が出てからもう十数年以上放置されているんですけど、これについて何の記載もないんですけれども、この点については大臣はどのような取組を考えていらっしゃるんでしょうか。
  99. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 選択的夫婦別氏制度の導入の問題は、我が国の家族の在り方に深く関わる事柄であり、国民の大方の理解を得て行うべきと考えておりますが、平成二十九年の世論調査の結果を見ても、国民の意見が大きく分かれている状況にございます。  今後も引き続き、国民各層の意見を幅広く聞くとともに、国会における議論の動向を注視しながら、慎重に対応を検討してまいりたいと考えております。
  100. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 二十九年の世論調査、国民の意見が大きく分かれていると言うけれども、これは前にも法務委員会でいろいろ指摘したことがあります。大臣が政務官のときおられて、議論の場におられたかと思いますけれどもね。  世論調査の結果は、これから結婚しようということが考えられる若い世代は圧倒的に導入賛成なんです。失礼ながら、これから結婚とか、これから職に就くという可能性は余りないと思われるかなりの御高齢者の方が反対が非常に多いという、差引き半々近くになっちゃっているわけですけれども、やはり、これから実際に結婚しよう、あるいは社会で活躍しようという女性たちが多い世代の声をより多く反映するべきではないかというふうに思っていることを指摘して、答弁は要りません。  もう時間が残り少なくなってきてしまったので、森友の関係で少し確認したいことがあったので、ちょっとそこについて質問させていただきます。  財務省と国交省にお尋ねいたします。八億円余りの値引きの中で、この国有地の校舎敷地部分には三百八十二本のくいが打たれて、九・九メートルですか、ということで、その三百八十二本分のくいの深さ、九・九メートルまでがごみがあるということで、深く積算されているという事実がございます。  その、私はくいの本数をどうもそんなにないということでこれまでも指摘してきたわけなんでありますけれども、今回、今年の六月ですか、財務省から交渉記録、応接記録が公表されました。あるいはその前、それよりも前に法律相談文書なんかも公表されていますけれども、その文書の中に、財務省は、三月の時点でくい工事は完了しており、くいの本数は数十本だと、こういう記載があるので、そういうふうに財務省は認識していたと思われるんですが、くいが三百八十二本はない、数十本しかないんだというふうに認識していたんじゃないですかと、財務省に取りあえずお尋ねします。
  101. 富山一成

    ○政府参考人(富山一成君) お答えをいたします。  まず、当時の状況を近畿財務局の方にも確認をしましたところ、三月十四日の現地確認の際に、柱状改良工事により地表面からくいの先端が突出しており、特にくいが埋設されている形跡が分かりやすく確認できる箇所があったため、その写真を撮影したと。また、現在建物が建っている辺りでも、写真を撮影した場所以外については形跡はあったものの、恐らく表面が土砂で覆われているなどで、これらの写真のようにはっきりと分かるものではなかったと記憶しているということでございました。  その上で、委員御指摘の法律相談文書でございますが、まず、その財務局で作成をしております法律相談文書は、見積り等の積算のために作成した文書ではございませんで、委員も御承知のとおり、法律的な事柄を法曹部門に相談するために作成している文書でございます。したがいまして、くいの数を正確に把握して記載をされたというものではございません。  その上で御説明申し上げますと、近畿財務局における御指摘の法律相談文書は、三月二十四日時点で作成したものでございまして、建設工事の進捗状況を詳細に把握しておらず、三月十四日の現地確認において多数の箇所数が目視で確認された柱状改良工事後の状況につきまして工事状況の概要として記載したものでございます。こうした建設箇所の柱状改良工事後の箇所数を具体的に把握して、特定して記載したものではないというふうに承知をしているところでございます。
  102. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 その新たに公表された応接記録で、今該当があった三月十四日、この日の応接記録の末尾に財務局職員が現地に赴いて撮った写真が九枚とじられております。その写真は今日特に持ってきておりませんけれども、その写真の中には校舎の敷地部分を広範に写した写真も入っております。  その校舎の敷地部分、これは、三百八十二本のくいがぎっしりと打たれているというその部分なんですけれども、写真には全くくいが存在していない状況で写真が写っているという状況がございます。これについて、今財務省の方から答弁いただいた中でちょっと矛盾している話がありましたよ。というのは、なぜくいが出ていないかというと、すなわち埋まっているから見えなかったんだというようなお話を、見えないんだと、写真に写っていないんだというような趣旨の御答弁がありました。  一方で、何か答弁の最後の方で、職員が現地に赴いて実際にくいを確認したというようなこともちょっと今おっしゃられましたよね。だけど、写真には埋まっているから写ってないけれども、現地に赴いた職員はくいが多数あるのを現認できたというのはちょっと矛盾すると思うんですけれどもね。  少なくとも、写真から見る限り、くいは全く見えないし、くいがあるような状況も写ってないんですけどね。これはどうなんでしょうか。
  103. 富山一成

    ○政府参考人(富山一成君) お答えをいたします。  近畿財務局の当時の職員は、大阪航空局から委任を受けて、いわゆる契約に係る事務を担っていたということでございます。実際にごみが出たという三月十一日の連絡を受けて、三月十四日に現地確認をしたということでございまして、そういった意味で、先ほども若干触れましたが、近畿財務局の職員は、十四日に一番確認したかったことは、写真も撮っておるわけですけど、全体的なごみの状況がどういうことなのかというところに焦点を、関心を持って当時写真を撮ったということでございまして、委員御指摘のくいというところは、最終的には航空局さんの方に依頼をした見積りの、いわゆる撤去費用の関係で積算上関係が出てくるわけでございますけれども、そういった意味で、写真を十一枚ほど撮ったうちの二枚に委員御指摘のくいが写っている写真があるんですが、必ずしも全体を網羅的に写すためにくいを撮影したというものではないというところも御理解をいただければというふうに思います。
  104. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 いや、あのね、二枚には十本に満たない数のくいが写っていますよ、はっきり地表から出た明らかにくいが。  私が指摘しているのは、それ以外に校舎の敷地部分を広範に写した写真があって、その校舎の敷地部分を広範に写した写真にはくいが全く写っていないと、これはおかしいですねというふうに指摘しているわけです。  先ほどは、何か、くいは打ってあるんだけど埋まっていたというようなお話をちょっと伺ったんですけれども、じゃ、写真にくいが写っていないのは、それは、くいが打ってあって、ただ先端が地表に出ていない、埋まっている状態だと、こういうことなんですか。ちょっと端的に答えていただけませんか。
  105. 富山一成

    ○政府参考人(富山一成君) お答えをいたします。  その点につきましては、当時の状況を近畿財務局に確認をしましたと先ほど申し上げました。  委員御指摘の部分に該当する部分を改めて申し上げますと、現在建物が建っている辺りにつきましても、写真を撮影した場所以外については、形跡はあったものの、恐らく表面が土砂で覆われているなどで、これらのいわゆるそのくいが明確に見えている写真のようにはっきりと分かるものではなかったと記憶しているということでございます。
  106. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 形跡があったと言うけど、どこにもその形跡は写真に写っていないんですけどね。  例えば、国交省も同じ日に現地に行って写真を撮っている。国交省が撮った写真にも全くくいは写っていない。国交省はこの点についてはどう考えているのでしょうか。
  107. 岩崎俊一

    ○政府参考人(岩崎俊一君) お答えいたします。  国土交通省も三月十四日に現地を確認をいたしましたけれども、その際は、職員は、ごみの状況、くいから出ましたごみの状況につきまして主に確認をしたところでございます。  くいの本数等につきましては、その後、大阪航空局におきまして、校舎の設計の概略図によりくいの本数などを確認しており、また、昨年の通常国会の際に、事後的に、工事の設計、監督を行っておりました設計会社に対して、設計どおりに三百八十二本のくいが打たれていることを確認している、そういうところでございます。
  108. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 設計図のとおり三百八十二本のくいがあると積算したというのはもう何回も聞いていますよ。だけど、三百八十二本のくいが、くいが打たれたという部分に、三月十四日の写真にくいがないんですよ、写っていないんですよ、全然。写真からくいが存在しないものをなぜカウントしたのか、それについて全く答えていませんですよね。  それから、じゃ、もう時間が来ちゃったので最後の質問にしますけど、財務省の方から公表された応接資料があります。その中に、この国有地が軟弱地盤なのかどうかという議論がありました。それで、これは軟弱地盤だという申出を、森友学園側から申出があったので、そのボーリング試料を基に財務局の方が別の業者に、別の専門業者にその試料を持って相談したところ、特別軟弱地盤とは言えないという、そういう回答を受けたというようなやり取りが応接記録に記載されていました。  すなわち、軟弱地盤じゃないと客観的な第三者が言っているところなんですよね、この土地は。そうすると、軟弱地盤でもないところに三百八十二本ものくいが打たれるということは非常に不自然だと私は思っておるんですが、こうした応接記録の中で財務局が依頼した第三者的な専門業者が軟弱地盤じゃないと言っていることと三百八十二本のくいがあるということは私は事実関係として矛盾していると思うんですが、この点については財務局はどのようにお考えですか。それ聞いて、私の質問を終わります。
  109. 富山一成

    ○政府参考人(富山一成君) お答えをいたします。  近畿財務局は、先ほど申し上げましたように、契約の委任を受けて、その契約に関わる実務的な作業を行っていたということでございます。  その上で、軟弱地盤の件につきましては、委員もう御承知のとおりですが、いわゆる鑑定評価といったようなところについて近畿財務局としては取組を行ったということでございまして、そういった、いわゆる構造的なといいますか、技術的な面で、その軟弱地盤との関係とくいの本数といったようなことについてはなかなか、この近畿財務局は国有財産の処分を行う担当でございますので、そういったところについての知見はそもそも余り持ち合わせていないというふうに認識をしております。
  110. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 一点だけ。  知見を持ち合わせていないから、客観的な第三者の専門家にその判断をお願いしたわけでしょう。その客観的な第三者が軟弱地盤じゃないという意見を言ってきたという上で、私は質問を聞いているんですよ。  いずれにしろ、もう時間が来てしまいましたのでね。ただ、この森友学園の事件は、検察が不起訴にしたから終わりということではなくて、やはりこれからも解明しなくてはいけない問題でありますので、更にこれからもしっかりと質問、追及をさせていただくということを述べて、私の質問を終わります。
  111. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時五十五分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  112. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) ただいまから法務委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、中西哲君が委員を辞任され、その補欠として佐藤啓君が選任されました。     ─────────────
  113. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 休憩前に引き続き、法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  114. 櫻井充

    ○櫻井充君 国民民主党・新緑風会の櫻井充です。  大臣の所信に対する質疑ですので、所信に対して質問させていただきたいと、そう思います。  ちょっと順番を変えまして、まず一つ、在留外国人による医療保険の適正利用という項目がございました。実際、具体的に、在留外国人の医療保険制度、医療保険の不適切な利用がどういう事例があるのか、まずその点について御説明いただけますでしょうか。
  115. 渡辺由美子

    ○政府参考人(渡辺由美子君) お答えいたします。  私ども厚労省として、統計的なデータとして把握しているわけではございませんが、例えば私どもが医療機関に幾つかヒアリングをした中では、例えば国民健康保険におきまして、実際の在留資格と違う活動をしているという方が、いわゆる在留資格と違う活動をしている方が医療保険として国保を利用しているというような事例があるというふうに伺っております。
  116. 櫻井充

    ○櫻井充君 済みませんが、それは何例ぐらいあるんでしょうか。
  117. 渡辺由美子

    ○政府参考人(渡辺由美子君) これはあくまでも医療機関へのヒアリングということですので、総数として全体を把握しているわけではございません。
  118. 櫻井充

    ○櫻井充君 済みませんけれど、これ大臣の所信の中に書かれているんですよ。一例なのか百例なのか千例なのか一万件なのかによって全然違いますよ、これは。  僅か一件だったとすると、これについて適正利用させましょうという話にはならないわけであって、それから、済みませんけど、私は、どのぐらいなのかということを、これは火曜日にも通告してあります。火曜日にちゃんと通告したら答えてくださるんでしょうねと言ったら、答えますと、そう答えられています。何件ありますか。
  119. 渡辺由美子

    ○政府参考人(渡辺由美子君) お答えいたします。  私どもの方で経年的なデータとしては取っておりませんけれども、外国人の国民健康保険の利用につきまして様々な報道があったこともございまして、昨年三月に、特別の調査といたしまして全市町村の一年分の国民健康保険のレセプトを対象として調査を行っております。  その際には、先ほど申しましたような在留資格が、実際のその在留資格、これで申しますと、例えば経営・管理ということであるにもかかわらず給与所得の申告がある事例というようなことが二件あったということが調査としては把握できております。ただ、これはあくまでも昨年三月の全市町村の一年分の調査の結果ということでございます。
  120. 櫻井充

    ○櫻井充君 済みません。これ、僅か二件ですか。僅か二件の問題についてここまで大臣所信の中で書かれるということについて私は違和感感じますが、大臣、いかがですか。
  121. 山下貴司

    国務大臣山下貴司君) 今、厚労省から説明があったところは二件ということでございますが、これに関しましては、やはり、昨年十二月、医療目的医療を受けることが真の在留目的であるにもかかわらず、在留目的を偽って在留している疑いのある外国人について、それが非常に多いのではないかというふうな御懸念もありましたので、十二月に、国民健康保険の窓口を有する市町村から地方入国管理局通知する制度を試行的に運用することを内容とする通知厚生労働省から地方自治体に対して発出され、一月から運用されていると承知しております。これまで複数の市町村から地方入国管理局に対して通知がなされているというところでございます。
  122. 櫻井充

    ○櫻井充君 私はそういうことを申し上げておりません。要するに、どのぐらいの件数があるのかということをちゃんと把握すべきだと思っているんです。なぜかというと、もう一つは、どこの国から入国された方がそういう不適切な適用をされているのかということを私はちゃんと調査すべきだと思いますよ。  今回、入管法に伴って発表された数字は、どのぐらいの外国人を受け入れるのかということでした。大事な点はもう一つあると思うんです。どの国から受け入れるのかということです。どの国から受け入れた場合には犯罪が少なくて不正が少ないのかと。そういう国からは積極的に受け入れるべきだと思いますが、そうではなくて、犯罪を犯している人たち、それから今のような社会保険の不適切な利用を行っている人たち、こういう人たち、こういう国から外国人を受け入れるべきでは私はないと思っているんですよ。これは当たり前のことだと思っているんです。  そういう意味合いでは、きちんとした調査がなされてから、どういう国から受け入れるのかとか決めてくることであって、こういうこと一つ一つが議論されていないというか詰められてもいなくて、しかも、報道にありました、イメージでこうです、一応調べてみたら二件しかありませんと。こんなことで、果たして本当にきちんとした形で運営できるんでしょうか。  まず、これ委員長にお願いがございます。  不適切な、ここに書いてあるんですから、きちんとした形で調べていただいた上で、この委員会に、改めて申し上げますが、医療保険の不適切な利用された件数について、きちんと調査していただいて、数字を出していただきたいと思います。
  123. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議いたします。
  124. 櫻井充

    ○櫻井充君 今のようなことを踏まえて言うと、では、一体どこの国から、その何万人という数字は、これは総理の方から示されました。では、どこの国から受け入れようと我が国はしているんでしょうか。
  125. 和田雅樹

    ○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。  新たな受入れ制度に限らず、我が国の外国人の受入れにおきましては、国籍を理由にその受入れの許否を決定するということは考えておりません。
  126. 櫻井充

    ○櫻井充君 本当にそれでいいんですか。国籍を考えずに受け入れると。  繰り返しになりますけれど、例えば社会保険料、年金の保険料に関して言うと、ある国の方々、特定の国の方々は保険料の滞納が多かったという数字は、これは十年ぐらい前の数字にはあるんですよ。そうすると、そういうことをやっている国の方々も積極的に受け入れるのかというと、私はそうならないと思います。治安上も考えてみれば、犯罪を多数犯している国の方々とそうでない国の方々がもしいらっしゃるとすればですよ、いらっしゃるとすれば、その点についてはきちんと考えていくべきではないかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
  127. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) これは、新たな受入れ制度を今これから御審議をいただこうというふうに考えておるんですが、ただ、この新たな受入れ制度に限らず、我が国の外国人の受入れにおいては、国籍を理由にその受入れの許否を決定するということは基本的に行っていないというわけでございます。  ただ、他方で、今想定しておるのは、特定技能の在留資格を持って上陸しようとする外国人について、例えば自国民の被退去強制者を引き取らないような国があるという場合には、要するに退去強制の実効性を確保できないものですから、そういった国からの受入れは行わないということは検討しているところでございます。  ただ、受入れ段階で国籍要件を課すということは法律上はしていないということでございます。
  128. 櫻井充

    ○櫻井充君 それはそのとおりだと思うんですよ。受入れ要件、そこの中に書くべきことではないとは思っています。法律上書くべきことではないにしても、実質上、何かが起こらないようにするために、これは大臣、ちょっといいですか、いいですか。聞いていただいていいでしょうか。  要するに、国民の皆さんからすると不安は何かというと、治安なり、これが悪くなるんじゃないかという声が圧倒的なわけですよ。外国人の方々の犯罪も少しずつ増えているんでしょうか、ちょっと私、そこ今日は調べてきていませんが。そういう意味合いでいうと、繰り返しになりますが、どういう国の方々の犯罪が増えているのかとか、そういう調査をきちんと行ってくるということは私は大事なことだと思いますけど、その点についてはいかがですか。
  129. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 確かに、不法残留ということで検挙された者について、それが一定の犯罪を犯しているということで、どういう罪名が多いのかということを調査するということはしておりますけれども、他方で、どの国がどうだというふうな、要するに国によってこういう犯罪を犯しやすいという傾向を認めるまでは全く至っておりませんし、そういったことで受入れをするということも考えていないというところでございます。
  130. 櫻井充

    ○櫻井充君 分かりました。  数字出していただいた上で改めて検討したいと、そう思いますが、それでは、委員長にお願いがございます。  どういう犯罪が多くて、それから、どの国の方々がそういう犯罪を起こしているのか、具体的な数字をこの委員会に提出していただきたいと、そう思います。
  131. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議いたします。
  132. 櫻井充

    ○櫻井充君 それでは、あともう一つ、大臣の所信の中でちょっと気になった点がありまして、これは、午前中、小川委員も指摘していたことですが、我が国の領土、領海、領空の警戒警備等について、次の取組を行いたいと考えていますというふうにありますが、法務省設置法の根拠になる条文は何条でしょうか。
  133. 和田雅樹

    ○政府参考人(和田雅樹君) 入国管理局の所管についてお答えいたします。  入国管理局は、法務省設置法第四条の三十二号以下にその任務が書いてございますが、三十二号で、日本人の出国、帰国並びに外国人の入国及び出国の管理に関することを行うこととなっております。  先ほど、午前中の質疑の中でも大臣から御答弁ございましたが、例えば水際対策などはこの出入国管理ということで読めるということでございます。
  134. 櫻井充

    ○櫻井充君 そうでしょうか。  防衛省の設置法のところには、きちんと明確に防衛省設置法の所掌事務のところに関して、第四条第一項に、防衛及び警備に関することというふうに書かれています。  警備に関することといってこうやって明確に書かれてきていて、一般的に申し上げれば、こういうことについて所掌事務にそうであったとすれば明確に書くべきだと思っていますが、こういう読み方をするのであれば、何でも読めることになるんじゃないですか。
  135. 和田雅樹

    ○政府参考人(和田雅樹君) ただいま、防衛省の設置法との関係は他省との関係でございますので私の方では分かりませんが、警備というものの概念は様々でございまして、私どもといたしましては、例えば水際対策でございますとか尖閣諸島における不法上陸をめぐる情報収集でございますとか、こういったようなことも領土、領海、領空の警備に当たるものと解しているものでございます。
  136. 櫻井充

    ○櫻井充君 済みませんが、それでは、警備とは一体言葉の定義上何ですか。
  137. 和田雅樹

    ○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。  領土、領空、領海について不法な上陸等が起きないように守ることというふうに、私としては、法務省のちなみにこの点についての明確な見解というものは今持ち合わせございませんが、私としてはそのように解しているものでございます。
  138. 櫻井充

    ○櫻井充君 済みませんが、あなたは個人でこの場に立たれていますか。
  139. 和田雅樹

    ○政府参考人(和田雅樹君) 言葉が足りず申し訳ございませんでした。  入国管理局の入国管理という点での解釈といたしましては、ただいまのように、この警備が含まれるものと解しているものでございます。
  140. 櫻井充

    ○櫻井充君 私としてはというのは本当に大きな間違いであって、法務省を代表してそこに立たれているわけです。ここはきちんとしていただきたいと、そう思います。  その上で、御自身が、警備にはいろいろな解釈だったかいろいろな考え方だったか忘れましたが、言葉の定義だったかな、そういう発言をされているんです。ですから、具体的に警備とは何ですかとお伺いしているんです。
  141. 和田雅樹

    ○政府参考人(和田雅樹君) 申し訳ございませんでした。  ここで言う警備というものが何を解するのかということにつきましては、現在手元に明確な解釈がございませんので、お答えを差し控えさせていただければと思います。申し訳ございません。
  142. 櫻井充

    ○櫻井充君 済みません、大臣、大臣の所信でですよ、大臣の所信で書いておきながら、明確な定義がないって、これ大丈夫ですか。大臣。
  143. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) お答えします。  入国管理というのが法務省に所掌認められることはもう論をまたないところでございますが、出入国管理及び難民認定法、例えば、第八章補則の六十一条三の二におきまして入国警備官というものが定義されております。そしてその中に、入国警備官は次に掲げる事務を行うということで、例えば、入国、上陸及び在留に関する違反事件を調査することであるとか、その方もろもろ書かれております。  こういった、入国警備官というのはもちろん入国管理において警備を行う担当でございますので、そういった事柄に関しまして法務省に所掌があるということは、この条項からも裏付けられるということでございます。
  144. 櫻井充

    ○櫻井充君 済みませんが、その所掌事務はどこで行いますか、場所は。
  145. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 入国警備官の所掌事務というのは、これは我が国の法令が及ぶところというところにございます。
  146. 櫻井充

    ○櫻井充君 いや、そうではなくて、そこは出入国管理の場所で行われるものであって、あくまで地上で行われるものではないんですか。
  147. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 午前中も御紹介いたしましたけれども、例えば、尖閣諸島の対応に関しまして、周辺を警備する海上保安庁の巡視船に入国警備官が交代で乗り込んでいると、そして、そうした入国警備官としての業務を行っているところでございます。こうしたことも私が所信で申し上げた警備に含まれるということで申し上げた次第でございます。
  148. 櫻井充

    ○櫻井充君 私は別に警備するなと言っているわけでも何でもないんです。これは役所役所ごとにちゃんとした所掌事務があって、そこをきちんと、まあ守ってやりましょうというか、そこはきちんと適切にやりましょうという話だと思っているので、違和感を感じているんですよ。  やはりその警備といえば、先ほど御紹介したように、防衛省の設置法のところの第四条の所掌事務の一番最初のところに警備という言葉が出てまいります。なおかつ、警備というのは、これは辞書によればですが、不時の事態に備え、注意して守ることと。だから、不時の事態に備えて注意して守ることについては、それはそれで、その警備官でしたか、その方がいらっしゃって、そこをやること自体については違和感はございません。だけど、それが果たして本当に領海とか領空とかいう言葉を使っていいのかどうかということです。  出入国管理について、それはきちんとしてやっていただかなければいけないし、これは警備の中の一つだともちろん思っています。ですが、領海とか領空ということになってくると、今初めて知りましたが、海上保安庁の船に乗って行かれているということであれば、それはあり得るのかもしれませんが、じゃ、領空は一体どうなるのかと。領空を侵犯されるかどうかとか、こういうことについては、やはり自衛隊がそのきちんとした形の警備を行っているのであって、法務省が具体的にやるのかというと、そこまでは言い過ぎではないのかと、私はそう思っているんですよ。  ですから、ここの書きぶりが果たして適切なのかどうかということでございますが、いかがですか。
  149. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) これは、入国という言葉の定義に係るものでございますが、入国というのは我が国、本邦に入ることでございまして、これは我が国の領土、領空、そして領海に入る、この段階を入国というふうに言うわけでございます。  これは、この出入国管理及び難民認定法のものでも、解説にもありますが、外国人が我が国の領域に立ち入ることについて、我が国の領海又は領空に入る入国というふうに考えておりますし、また、領土内に足を踏み入れるものは例えば上陸というふうに、二つの概念に分けており、そうしたことを規定しているものが出入国管理及び難民認定法ということで解説がされております。
  150. 櫻井充

    ○櫻井充君 まあ見解の相違だと、最終的にはそう思いますが、ここまで書けるかどうかというのは、別にここについて、次に、我が国における警戒警備等についてと書けばそれで済んでいた話を、わざわざここに領空、領海、領土というふうに書き込むことについてどうなのかということだったと、まあ私はそう思います。  それから、外国人の受入れのことについてまたちょっとお伺いさせていただきたいと思いますが、私が一番心配していることはというか、被災地のことでちょっと話をさせていただきたいと思いますが、南三陸町という町は、震災の直前は一万七千人ぐらいの方が住んでおられました。震災があって、翌年は一万二千人まで減りました。千人弱の方が亡くなられました。本当に不幸な出来事だったと思っていますが、四千人の方はほかのところに移られていっているわけですよ。  そうすると、地方の人手不足というのは本当に深刻でして、定数を幾つというふうに定めていますが、果たして本当にこの人数で地方の人手不足というのは解消できるんでしょうか。
  151. 和田雅樹

    政府参考人和田雅樹君) お答えいたします。  全国各地で人手不足が深刻化している中、とりわけ、御指摘のように、地方における人手不足の対応というのは政府として取り組むべき喫緊の課題であると考えているところでございます。  確かに、御指摘のように、地方の人手不足に対してどうなるかという問題はございますが、地方の人手不足の深刻な状況を考えますと、今回の新たな外国人材の受入れ制度において、地方に一定の数の外国人材が流入することが見込まれるところでございます。もっとも、今回の制度では、外国人材が自由に受入れ機関雇用契約締結し、転職も日本人と同様に認めるという制度でございますので、その外国人の方を地方に強制的にとどまらせておくということは困難でございます、不可能でございます。  そこで、制度施行後の運用状況を、どの程度地方に入られるのかというようなことを、運用状況を踏まえつつ、必要であれば受入れ環境の整備などを行いまして、外国人材が地方で稼働するインセンティブを何らか設けられないかを検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
  152. 櫻井充

    ○櫻井充君 結局は都市部に集まるんですよ、人は。  例えば、これは外国人労働者ではありませんが、例えば、我々医療業界に身を置く者からしてみると、医者の偏在というのはもう大分、最近ははっきりしてまいりました。仙台市内は相当医者の数が増えてきていて、とある病院などは医師定数二十五のところに七十五人の医者がおります。もうそのぐらいまで増えてまいりました。しかし一方で、ほかの地域はどうかというと、登米市などは公立病院が維持できないんじゃないだろうかと、そこまで深刻な問題になってきている。  つまり、今回のような全国一律の制度でやってくると、東京や、それから我々宮城県でいうと仙台市には集まってくるかもしれないけれど、本当の意味で人手が足りないような地方に行くのかというと、私は残念ながらこの制度ではなかなか行かないんじゃないだろうかというふうに思っているんです。  これは通告していませんので、大臣、御検討いただきたいことがありますが、もう既に法務省の方といろいろ話をしているんですが、私は、全国一律の今回のこの制度のほかに、ほかにですよ、地方自治体がこういう職種において人数がこのぐらい人手が足りないんだと、例えば、先ほど申し上げた南三陸町なら南三陸町で人手が足りませんと、漁業で、漁業というか、漁業だと全国一律なので、その地域に特異的なやつで、こういうものについては足りないんですと、そういうような制度もこの上に加味してくれないかと、そういうことができれば、地方側から声が上がり、本当に地方で必要な人材を、地方に外国人労働者を受け入れてもらえるようになるんじゃないかと思っているんですが、ちょっと御検討いただけないでしょうか。
  153. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) まず、今回の制度立案に当たっては、地方単位の受入れという考え方は取っていないということは申し上げているとおりでございますけど、やはり、御指摘の点については、私は岡山で、この今般の豪雨災害で被災した地方の者でございます。御指摘の点については、制度の運用状況も見極めながら、更に議論を重ねていくべきものと考えております。  人手不足がより深刻化している地域において外国人を受け入れやすくする方策については、これはやはり政府全体で検討していきたいというふうに考えております。
  154. 櫻井充

    ○櫻井充君 私は外国人労働者の受入れは賛成です。ただし、お願いは、やはり地方の人手不足の方がはるかに深刻です。ですから、地方にきちんとした形で外国人労働者が来ていただけるような、そういう制度設計にしていただきたいと。だけど、今のまんまだと、私は残念ながらそうならないんじゃないだろうかと、そう思っているので、この点については御検討いただきたいと思います。  それから最後に、前国会からの懸案事項になっていた財産法と相続法における配偶者とそれから事実婚の差について質問させていただきたいと思います。  これ、ずうっと法務省の役人の方と議論を進めてまいりました。どういう問題点があるのかというと、財産法の場合には事実婚の方でも半分財産の分与が可能になりますけれど、相続法になってしまうと、基本的に言うと一円も受け取ることができないと。  例えばですが、あしたもう別れましょうねと言っていて、二億の財産があって、今日お金をもらっておけば一億受け取れたかもしれないけれど、しかし、その方が例えば不幸にも交通事故に遭われてしまったら、その次の日から今度は相続法になってしまうので、一円も受け取ることができなくなってしまうようなそごが出てきているので、ここの整理が必要だと考えていたんですが、この点についていかがでしょう。
  155. 小野瀬厚

    ○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。  委員御指摘のとおり、事実婚のパートナーにつきましては、財産分与の規定につきましては類推適用されると解されておりますけれども、相続に関する規定については類推適用が認められないと解されております。これは、財産分与と違いまして、相続の場合には被相続人の債務も含めた財産が包括的に承継されるということで、債権者といった第三者の利害というものも考慮しなければいけないというようなことなどが理由であるというふうに考えられます。  こういった事実婚のパートナーに相続の規定の適用を認めるというような法改正ということになりますと、これは法律婚の夫婦と事実婚のパートナーとの現在の最も大きな違いの一つをなくすということになるわけでございますが、婚姻制度を設けている意義そのものの議論にも関わるものでございます。  したがいまして、この問題は婚姻制度の本質に関する大きな問題を含むものでございますため、慎重な検討を要するものと考えておりますが、家族の在り方が多様化している現在の情勢に照らしまして、国民意識の動向等を踏まえつつ、必要な検討をしてまいりたいと考えております。
  156. 櫻井充

    ○櫻井充君 どうもありがとうございました。前向きな御答弁いただいて、感謝申し上げます。  入管法、これから議論になるかと思いますが、できる限り各省庁できちんとした数字をお示しいただきたいと、そうでないと十分な議論ができないんだということを最後に申し上げまして、質問を終わります。  ありがとうございました。
  157. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。  外国人労働者問題についてお尋ねをいたします。  政府は、九〇年代以来、なし崩しに外国人労働者を単純労働力の受入れとして、深刻な人権侵害を引き起こしてきました。ブラジル、ペルー系など多くの日系人が二〇〇八年から派遣切りで雇用調整弁にされ、母国に追い返されました。九〇年代の研修生に始まって多くの技能実習生が出稼ぎ労働、人材ビジネスの対象とされ、そこにブローカーが暗躍して若者を食い物にしているということを私は繰り返しこの委員会でただしてきたわけです。  その技能実習生とともに近年急増しているのが留学生です。ちょっと質問の順番変えますが、お配りした資料の一枚目、二枚目は、外国人留学生数の推移、そして都道府県別の留学生数の政府提出資料ですけれども、御覧いただくとおり、留学生三十万人計画、これが策定されたのが二〇〇八年ですけれども、この留学生の数は今の統計になった二〇一一年に十六万三千六百九十七人から二〇一七年の二十六万七千四十二人まで、六年間で十万三千人以上急増するという、うなぎ登りです。水色の折れ線グラフが日本語教育機関に受け入れられている留学生ですけれども、二万五千六百二十二人から七万八千六百五十八人ということで、五万三千人規模の急増なんですね。  三枚目の資料は、厚生労働省の外国人労働者数の推移ですけれども、皆さん御存じのとおり、百二十八万人のうち、二〇・二%を占める技能実習生と並んで、二三・二%の資格外活動、このほとんどが外国人留学生だと私は思います。  そこで、大臣、こうした留学生の資格外活動についてどのような御認識をお持ちでしょうか。
  158. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) これまでも留学生については資格外活動や日本語教育機関の問題等が指摘されており、また、骨太の方針二〇一八についても、日本語教育機関の充実あるいは留学生の適正な在留のための環境整備が盛り込まれてきているものでございます。ただ、やはりこの問題は累次の機会で検討されてきたものであることは委員御指摘のとおりでございます。  法務省においては、例えば資格外活動違反を防止するために、教育機関における入学者選考及び在籍管理の徹底を図るなどの対策を行っているほか、問題である日本語教育機関については調査を行い、指導するなどの対策を取っております。  その上で、現在、留学生を含む外国人一般の受入れ環境整備を行うため、外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策を検討するに当たり、日本語教育機関の質の向上を含む各種取組の拡充が議論されております。  これの総合的対応策については、年内の取りまとめに向けて具体的な検討を進めているところでございます。
  159. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 結局、現場が現行制度の矛盾に四苦八苦対応してきたということをおっしゃっているだけなんですよ。問われているのは政治の責任です。年内に環境整備あるいは議論するなんて言うけれども、年内って、もう十一月の半ばですよ。  この留学生が学費や生活費のためにアルバイトを認められるのは、これ当然のことです。ですけれども、留学生にも技能実習生同様の実態があるのではないのか。近年、その多くが出稼ぎ化し、日本語学校、専門学校が人材ビジネス化しているという実態があるのではないのかというこの問題について今日ただしていきたいと思うんですけれども。  西日本新聞社が、昨年、「新移民時代」という、出版をされました。私、現場を丹念に取材された本当に優れたルポだというふうに思うんですけれども、この中に、福岡県のJR吉塚駅という博多駅からすぐ隣の駅の、夕方、留学生が二百人余り集合してきて、業者が用意したバスに八台、これで運ばれていくと。これ、行き先はコンビニ弁当の製造を請け負う工場なんです。おかず、漬物、そして御飯を盛り付けるベルトコンベヤーが流れるわけですが、そのラインに並ぶ四十人というのは全員ネパール人、約八百名の従業員のうち六割が外国人労働者で、ネパール語のバイト規則もあると、そうしたレポートなんですけれども、農水省、こうした実態を認識しておられますか。
  160. 渡邊厚夫

    ○政府参考人(渡邊厚夫君) お答え申し上げます。  今委員御指摘の当該事例につきましては認識しておりません。
  161. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 現実に認識していないと平気で答弁というか、ちょっと悔しそうにお答えですけれども、何しろコンビニの弁当を製造する工場ですから。熊本の大地震のときには、突貫作業でこのネパール人のみんなが頑張ったんだということも、ここにルポがあるわけですけれども。それを今度の十四業種でいいますと、飲食料品製造業だとか外食業かもしれないという話がありましたけれども、昨日、その受入れの上限なんていうような数字も出されたわけですが、その担当局として認識していないということなんでしょう。
  162. 渡邊厚夫

    ○政府参考人(渡邊厚夫君) お答え申し上げます。  まさに弁当製造業を始めとする食料品製造業につきましては、相当な人手不足という状況は認識しておりますけれども、あくまで今委員御指摘のこの福岡の事例につきましては承知をしておりませんでしたということでございます。
  163. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 人手不足はよく分かっているわけですよ。それはそうなんです。けれども、実態を認識していないと。精査する、これが上限だと言ってやっと出した数字、それ何を一体根拠に積算したのか、これは全く根拠ないんじゃないんですか。  そうした下で、経済産業省に、次の資料ですが、コンビニエンスストアの店舗数の推移の数字をいただきました。二〇〇八年の四万四千三百九十一店舗から一六年は五万七千八百十八店舗、つまり一万三千店舗以上増えるという右肩上がりで、これ競争も過熱しているというのは皆さん御存じのとおりですよね。  その下で、コンビニ店員に留学生アルバイトが激増していると。これ、東京だけではなく福岡だとか地方でも同じ状況なんですが、これがどれだけの留学生によって支えられているのか。コンビニ店員の中に占める留学生の数だとか、その賃金、労働条件だとか、その実態は把握しておられますか。
  164. 江崎禎英

    ○政府参考人(江崎禎英君) お答えいたします。  日本フランチャイズチェーン協会、これコンビニエンスストアの業界団体でございますが、これによりますと、本年八月末現在でございますが、約五万五千人の外国人が大手コンビニエンスストア四社の店舗、これは全体の九二%を占めることでございますけれども、就労しておりまして、その大半が留学生と認識しております。  ちなみに、大手コンビニエンスストア四社における従業員全体に占める外国人労働者の比率は約七%でございます。  以上です。
  165. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 昨日の夜までその数字がなかったんですけれども、一生懸命徹夜で数字を整えられたようですが。今お話しのように、外国人労働者が五万五千人ほど働いていて、その大半が留学生だという御答弁なんですね。  この留学生たちがどんな教育機関で勉強するということになっていて、その資格外活動の実態というのが、賃金だとか、あるいはいわゆるシフトですね、これが留学生は二十八時間までしか週仕事しちゃならぬということになっているわけですけれども、あるいは、そのダブルワーク、トリプルワークということで夜中に仕事をするということになると、日本語学校、朝九時ぐらいから始まるんですよ。これ行っても全然勉強にならないと。  そういう実態、経産省は把握していますか。
  166. 江崎禎英

    ○政府参考人(江崎禎英君) お答えをいたします。  コンビニエンスストアにおきましては、最低賃金法や労働基準法などの関連法令にのっとりまして、アルバイトに限らず、あらゆる労働者の賃金、労働時間を管理しております。システム化もしつつ管理しております。会社によりましては、その時間がオーバーした場合についてはアラートが鳴る、本社及び本部に連絡が行っておると、そういう仕組みもございます。また、雇用対策法に基づきまして、外国人労働者の受入れ及び離職の状況については厚生労働大臣に届け出ているものと承知しております。
  167. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 何をそんな机の上の話をしているのかと。実際、御存じのように、コンビニの現場の店舗、これはフランチャイズのシステムの中でオーナーは大変な思いしているわけでしょう。人手不足、皆さんよく御存じでしょう。だから、そのオーナーが身を削って死ぬような思いしていると。そういう状況なんだから、最賃以上なんてそんな出せるわけないじゃないですか。だから、今、日本人学生がコンビニの、日本人学生のバイト先としてコンビニというのは、これほとんどなくなってきている。そういうブラックな現場になってしまっているというのが構造的な問題なんですよ。  ところが、今回の法案、政府の法案では、今の十四業種に含まれる含まれないにかかわらず、あとは政府の判断だけで受け入れ得るということになるわけです。  もう一問聞きますけれども、このルポの中で、その八台のバスというのは大手運送会社の仕分作業の拠点にも行くわけです。ここの貨物量というのは夜間が特に多くて、日付を越えた勤務時間帯は外国人労働者が八割を占めると、ネパール人が最も多くて、全員が留学生、リーダーは日本人パートにも指示を出すということが報告をされているんですが、国土交通省、こうした実態は御存じですか。
  168. 福田守雄

    ○政府参考人(福田守雄君) 外国人留学生につきましては、出入国管理及び難民認定法に基づき、一定の範囲内で就業が認められる制度となっていることと承知しております。こうした制度の下で、トラック運送事業者の中には、荷物の仕分作業等におきまして外国人留学生が就業しているところもあると承知しております。
  169. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 いや、それは就業していることがあるのは、それは承知しているでしょう。そんな当たり前のことを聞いているんじゃないんですよ。  私はそこでバイトしちゃいかぬと言っているんじゃないんですよ。それは、制度上、バイトをすることあるでしょう。だけれども、低賃金で過酷な現場。冷蔵庫だとか白物家電なんかを、重さ何十キロもあるのを一人でもう何回も運ばなきゃいけないという本当に大変な現場だということなんだけれども、そこをネパール人を始めとした外国人留学生が支えているということについての認識が、つまり、今の御答弁、ないということなんですよね。  それは、こうした人手不足の現場、留学生のアルバイト、これ、このまま支えさせるということで当然だと、国交省、そういう認識ですか。
  170. 福田守雄

    ○政府参考人(福田守雄君) 委員の御指摘のように、業界におきまして人手不足の状況があるというふうに認識しておりまして、そういう中で、先ほど御答弁申し上げましたように、制度の下で荷物の仕分作業等について就業していただいている実態があるというふうに承知しております。
  171. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 結局、この今申し上げた現場は、人手不足だけれども十四業種には入らないんですよ。だけれども、このままでいいはずがないでしょう。そこをどうするのかというその根本的な解決というのは、皆さん、政府・与党、全然示しておられない。問題意識もないんじゃないのかと。  そうした下で、資料のちょっと一個飛ばして六枚目なんですが、警察庁に出していただきました平成二十五年から平成二十九年入管法違反検挙件数と人員の資料なんですが、これ、検挙件数はこの五年間で合計一万九千九百十九件に上ります。うち二一・三%に当たる四千二百三十六件が留学生関連。そして、検挙人員では一万六千八百七十一件、二〇・一%の三千三百八十八人が留学生なんですね。この五年、ほぼ二割、相当の数で推移をしているわけです。  私は、これと併せて警察庁に、日本語学校などの受入れ機関、それからその留学生の出入国に関与した者の違反件数というのはどうなっているかということをお尋ねしたんですが、下の備考のところにあるように、そうした統計はないのだというのが現時点のお答えなんですね。  そこで、国会図書館に調べていただきました。そうすると、報道された重大悪質事案だけでも、学校が、つまり日本語教育機関が外国人留学生の不法な資格外活動を助長し、逮捕、送検されたという事例だけで、二〇一一年以降九件あるんですよ。  その手口、一つちょっと紹介をしますと、二〇一七年に大問題になった栃木県の日本語学校、東日本国際アカデミーという事件があります。これ、ベトナム人留学生を不法就労させたということで入管法の不法就労助長罪に問われた事件ですけれども、これ、その日本語学校の理事長が人材派遣会社をやっているわけですね。自分の日本語学校に留学してきた留学生のパスポートを没収し、借り上げたアパートに住まわせて、部下に派遣先への送迎役を担わせて、派遣先、大体倉庫業というところが主要な不法就労の現場になったみたいですけれども、そこの給料、これの四割を高額の家賃や光熱費名目で天引きして、で、留学生にあとを、余りを戻すという事件なんですね。  これ警察庁にお尋ねしますが、こういう手口によって留学生を不法就労に巻き込み、夢も壊してしまうという事案あるいはその動向、これをどう見ておられるでしょうか。
  172. 小島裕史

    ○政府参考人(小島裕史君) お答えいたします。  ただいま委員が御指摘ございました、平成二十七年九月から同年十月までの間に、日本語学校の理事長を務める傍ら労働者派遣会社を経営している者が、同校の留学生を雇用して倉庫へ作業員として派遣をし、不法就労活動をさせたことから、不法就労助長に係る入管法違反で検挙したというようなものでございます。
  173. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 いや、つまり、そういう事件がこの統計の数千件の中にあるんでしょう。どうですか。
  174. 小島裕史

    ○政府参考人(小島裕史君) この中にございます。
  175. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 と言いながら、結局その悪質性をどう見て、どうやって正していくのか。そこの認識さえ今語れないというのが政府の実態なんですよ。  法務省に提出いただいた一つ前の資料、五枚目の資料にですね、御覧いただきたいと思うんですが、申し上げてきた日本語教育機関が、これがどんな設置形態で行われているのかということです。  これ、学校教育法に基づく専修学校とかそれから各種学校というのは一部で、その他が七〇・三%なんですね。下の表、御覧いただくとおり、そのうち株式会社立というのが、専修、各種も合わせて、まあ一、三ありますから、その他のところは三百六十五、合わせて三百六十九校が株式会社、つまり営利目的です。  このうち、先ほどの栃木の件もそうですが、多くのところが職業紹介だとか人材派遣業の許可を受けているのではないか、それが大方なのではないか。厚労省、そうした実態、つまり直近の許可件数というのは、これどうなっていますか。
  176. 田畑一雄

    ○政府参考人(田畑一雄君) 御指摘の株式会社である日本語教育機関が労働者派遣事業を行う場合は労働者派遣法に基づく許可、職業紹介事業を行う場合には職業安定法に基づく許可をそれぞれ取得しなければならないこととなっておりますが、お尋ねの許可を取得している日本語教育機関の数につきましては、許可を取得した事業者が日本語教育機関であるかどうかを網羅的に把握しておらず、厚労省としては承知しておりません。
  177. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 これだけ事件が起こっているのにそういう統計はないんだというわけです。  文科省にお尋ねをしますと、この次の資料、外国人留学生の適切な受入れ及び在籍管理等についての通知というのがありますが、これはいわゆる学校に対してちゃんと在籍管理をやってねということをお願いをしているものであって、それ以外の学校に対しては通知さえ出していないと、そういうことですね。
  178. 森晃憲

    ○政府参考人(森晃憲君) 留学生の在籍管理の徹底を求める通知については、学校教育法で定められている大学や専修学校、各種学校に対しては文部科学省から発出をしておりますけれども、それ以外の日本語教育機関に対しては発出しておりません。
  179. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 日本語学校、専門学校といって来るんでしょう。そうやって看板あるじゃないですか。だけれども、文科省は全く知らないと言っているんですよ。こんな、政府、各省、こんな無責任なやり方ないんじゃないんですか。  法務省は、不法就労防止キャンペーンというのをやっています。次に資料がありますけれども、これは御覧のとおり事業者向けなんですよね。二枚目にあるように、その在留カードの資格外活動許可欄というのをちゃんと確認してくださいね、二十八時間までしか駄目ですよ、風俗営業などの従事は駄目ですよと書いてあることをちゃんと見てくださいねと雇用主に言っているだけであって、私、外国人労働者は一体どうされているのかと思うんです。  留学生には、自分たちはどんなふうに働いていいのか、あるいは働いては駄目なのか周知さえされていません。何をしてはならないとか、あるいは、意に沿わずに申し上げているような低賃金、長時間、そうした労働を強いられて耐えられなくなったと。パワハラやメンタル、パワハラを受けメンタルヘルスを患ったというようなときに、一体外国人というのはその権利、保護、留学生は自らの権利を保護するためにどうすればいいんですか。  直方にあった日本語学校、JAPAN国際教育学院というところは、何しろその学校の校門にバスを着けて、そこから工場に送り込むわけです。学校が人材派遣業者になって自己の支配下に置いて不法就労させるというような留学生ビジネスから留学生を守ってこなかったというのがこれまでの政府なんじゃないんですか。  大臣、いかがです。
  180. 山下貴司

    国務大臣山下貴司君) まず、御質問資格外活動を行う留学生が劣悪な環境での就労を強制されたりした、パワハラを受けたりした場合についての留学生からの相談につきましては、今、各都道府県に所在する地方入国管理局等の留学審査担当部門において受け付けているほか、定住外国人が集住する地域、例えば浜松市やさいたま市、新宿区などがございますが、の地方公共団体などと連携して、生活に関する相談や情報提供を行うワンストップ型の相談センターを開設し、多言語での対応を行っており、入国管理局ホームページ等において多言語での案内をしているところでございます。こういった窓口については、引き続き、この連絡先が記載されたパンフレットを活用し周知してまいりたいと思っております。  また、今、外国人材の受入れ・共生のための総合対応策の検討のための閣僚会議、そしてまた、それを受けて法務省はその対策の検討会をしておりますけれども、既存の相談センターの運用の在り方や地方公共団体が開設している類似の相談窓口の協働や連携について検討をしておるところでございまして、それらを踏まえて総合的対応策に反映させていきたいというふうに考えております。
  181. 仁比聡平

    仁比聡平君 いや、今大臣が述べている項目というのは、これまでも共生だと言ってやられてきたことなんですよ。ところが、その下でこういう現実が起こっているんではないかということなんですね。時間が迫ってきましたけれども、そうした下で自殺未遂あるいは失踪という事態が起こっている。  西日本新聞社が各県警に取材をした中で、各警察署への行方不明の届けというのがあって、二〇一五年に九州七県で少なくとも四百八十人を超す留学生や実習生が学校や職場から行方不明になっていたと、八十人程度が留学生と見られるということを明らかにしています。私はとても大事なことだと思うんですね。ところが、警察庁は、それは把握しておりませんと今言っています。こうした下で、低賃金や劣悪な労働環境、その下で権利侵害、失踪、行方不明に至っている、そうした実態を把握もせずに今回の新たな受入れなどということを推し進めるなんていうのはもってのほかであって、白紙に戻して出直すべきだと思います。  最後の資料を御紹介だけしておきますけれども、法務省が時間掛けて作っていただいたんだと思います。在留資格難民認定申請数の推移です。これ、技能実習と並んで留学生のビザを持っている人が難民申請をする、これ平成二十六年から急増しているでしょう。
  182. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 時間が過ぎておりますので、おまとめください。
  183. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 同じような出稼ぎ労働の実態があるのではないのか、人権侵害があるのではないのか、そのことを示しているんだと。そのことをしっかり認識して、私たち議論していく必要があるということを申し上げて、質問を終わります。
  184. 石井苗子

    ○石井苗子君 日本維新の会の石井苗子です。  今日は、山下貴司法務大臣の所信に対する一般質疑ということですので、幅広く質問させていただきたいと思っております。  まず、二ページを開きますと、六行目に国民の皆様の胸に落ちる法務行政を実現すると書いておりまして、これはミスプリントではないんですよね。私、胸に届くとか胸に響くという日本語は聞いたことあるんですけど、腑に落ちるという言葉しかないんですが、胸に落ちる法務行政というのはこれは誤字ではないということを、ちょっとどういう意味だったのかというのを大臣にお聞きいたします。
  185. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) お答えいたします。  腑に落ちるとはよく申しますけれども、同じ意味で胸に落ちるという言葉がございます。それは、やはりあえて胸と申しましたのは、やっぱり共感するであるとか、やっぱり心が伝わる、そういったことも含めれば、やはり胸に落ちるということがいいのではないかと思った次第でございます。
  186. 石井苗子

    ○石井苗子君 了解しました。  それでは、胸に落ちる法務行政のことを中心に私の腑に落ちない質問をさせていただきますけれども、まず、外国人材の受入れ問題を中心に質問させていただきます。  これは、新たな在留資格を創設するということで、出入国管理法という、入管法の改正案が国会に提出されておりまして、本国会の最大の焦点となっていると報道されております。私は、この法案に対して絶対反対という立場を取っているわけではないんですが、数々腑に落ちないことがございまして、なかなか胸に響きません。国会審議を通じてその疑問点が解消されれば、今喫緊のその人材不足ということについて、対応策として必要な改正になっていくのではないかと思っております。  現時点で十四業種の人数ですね、人材不足の人数がその後から泥縄式に出てくるという、こういう状態にありまして、来年の四月にこれを実行していくというのはなかなか腑に落ちない、時期尚早なのではないか、余りにも準備不足なのではないかという感想を持っているという次第でございます。十四分野と言っておりますが、漁業とか農業とかいう業種であると同時に、介護の分野、医療の中の介護の分野という、これまでいろいろ改正がされてきたけれどもなかなか至らないという、人手不足が解消されない、介護のところでいえば、月額一万五千円を上げてみようが、リーダー級の人たちに八万円級の報酬の改善をしてみても、やはり地方の方では建物があってベッドがあるのに働く人がいないから御高齢の方がお待ちであるという現象を招いております。  政府の説明ではいろいろとあるんですけれども、私は、言葉にいろいろとごまかしがあって、先ほどの仁比議員の質疑に対しても、もう質問することに対しての返事が、御答弁がなかなか腑に落ちないと、言葉にごまかしが多々あるような感じがして全面的に賛成できるということではないんですが、まず、その外国人の受入れに関しまして、日本国の政府としての姿勢をお伺いしたいと思っております。  日本の将来の国の形に関わる改正になってくると思うんですが、大臣は今回の入管法の改正は移民政策を取るものではないという言葉遣いをしていらっしゃいます。しかし、今回の改正をよく見ますと、先ほどの仁比議員のお話にもありましたけれども、過去に多々あった問題をちょっと棚にひとつ上げておいて、新たに一号、二号という改正案を出していきつつ、ここに単純労働者を受け入れるものではないと言いながら、国民の皆様の中には、胸に届いている言葉としては、これ単純労働の移民政策とどこが違うんだろうかとなかなか腑に落ちない、移民政策にかじを取っていくものではないんだろうかと思っていらっしゃるんですね。  で、お聞きいたします、大臣に。この移民政策じゃなくて、移民の定義というのをどのような定義で使っていらっしゃるのかをお答えください。
  187. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) お答えいたします。  移民という言葉も国内外で様々な文脈で用いられておって、明確に法的に定義することは困難でございます。ですから、総理などは、これまで政府は、国民の人口に比して一定程度のスケールの外国人及びその家族を期限を設けることなく受け入れることによって国家を維持していこうとする政策をいわゆる移民政策と言って、そういう政策は取らないというふうに申しておりますし、また、従前、谷垣法務大臣におかれては、移民という言葉、様々な定義があるという前提の上で、定義という、学術的な定義というものがどうもないということを答弁されて、我が国の入国管理制度は、我が国で永住を希望される外国人がおられるけれども、最初から入国と同時に永住を許可するというような制度にはなっていないというふうに御説明しているところでございます。  移民という言葉でございますが、諸外国では永住権と結び付けて捉える、定義するというところがアメリカを始め多いようでございますが、私なりに申し上げさせていただければ、例えば外国人を、期限を設けることなく、そして何らかの資格活動、これを前提とせずに、要件とせずに、そして家族の帯同を認め、一定の規模を受け入れることによって国家を維持していこうという政策の下に行われる、これを意味するものということも言えるのではないかと考えております。  今回の制度改正は、これはもう深刻な人手不足に対応するために現行の専門的、技術的分野における外国人材の受入れ制度を拡充したものでございまして、真に必要な分野に限り、期限を付して、一定の専門性、技能を有し即戦力となる外国人材に限定して、その力、その技能を発揮していただくという資格において受け入れるというものであって、先ほど申し上げた移民ないし移民政策という、いわゆるそういった文言とは異なるということでございます。
  188. 石井苗子

    ○石井苗子君 というような御説明がありますとなかなか腑に落ちなくて、何となく言葉でごまかされちゃっているんじゃないかなというような気がする。ここを洗いざらい出してきて、はっきりしていく必要があるんだと思いますけれども。つまり、人手不足を解消すべく外国の方々の人材を一時的に、その技能を持った者に対してのみ与えていくのが今回の出入国管理法の改正であると、このように受け取っていいのでしょうか。  もう一回お聞きしますけれども、その移民政策ではないと。じゃ、移民政策を取らない理由というのはどこにあるのか、お答えいただきたいと思います。
  189. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 先ほど申し上げたいわゆる移民、あるいは移民政策を取るということは、これは我が国にとっては非常に大きな政策転換であるというふうに認識をしております。  これについては、我が国の将来の形や国民生活全体に関する問題として国民の中に様々な御意見があるというふうに承知しておりまして、そういった中であえて行うということは考えていないということでございます。
  190. 石井苗子

    ○石井苗子君 先ほどから、移民というのは永住権というものが、当初から決まっていることはなかったとしても、その国に住んでみて永住権を得るかどうかを考えていくというのが、これが国際的に移民という言葉の定義でございます。  ということは、日本は、日本国の人口が減少していき、そして労働人口が減少していき、人手不足の問題が浮上してまいりましたので、永住権ということを最初に決めてはいませんが、定住することを延長したり更新したりということを続けていくことにおいて、何年も先に国家を維持するために人々を、外国の方をここにとどまってもらうということで、そうしますと、経済を、日本の経済を支えてもらうために外国の方に来て働いていただく、しかも、人手不足のところだけに働いていただく政策なんだと、このように考えてよろしいでしょうか。
  191. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 今般の在留資格というのは、これはもう深刻な人手不足の状況に対応するために、先ほど来申し上げるように、一定の専門性、技能を有し即戦力となる外国人材を受け入れようというものでございます。
  192. 石井苗子

    ○石井苗子君 であれば、この人口統計から見まして永遠に続く問題ではないかと思われるんですが、何年計画ぐらいでこの外国の方々を受入れ体制を取ることによって、日本の経済や労働人口、人手不足を解消していただこうという計画でいらっしゃるでしょうか。
  193. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 私は法務大臣でございまして、法務大臣としては、入国資格ということを、在留資格ということを審査するということを所管にしております。そして、その新たな在留資格においても、一定の基準は設けるわけではございますが、そうした特段の大きな計画ということをこの現段階で、この新たな受入れの資格において持っているということではございません。
  194. 石井苗子

    ○石井苗子君 きっとそうお答えになるだろうなと思っておりました。  そもそも出入国管理法に問題があったから改正したのではなくて、何とか人手不足を解消しましょうという骨太法案が出たので、それでは外国の方をここにあてがっていこうかなという、そういう政策であるということは余り言わずに進めてきているというような私は感じが否定できない、否めないのでありますけれども、菅官房長官のお言葉がここにありまして、外国人に選ばれる国になる必要があると、このようにおっしゃって、これ新聞のインタビュー記事で書いてありました。  優秀な外国人材に日本に来ていただき、人材不足が解消されるというのは、まさにその選ばれるという、外国の方に選ばれるという必要があるんですが、大臣はどのような国であったら選ばれる国だとお考えでありますか。
  195. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 今、グローバル社会の中で、日本のみならず、各国において様々な分野で人手不足が生じております。そうした中で、やはり外国人を我が国に引き付けて選ばれる国になるためには、やはりまず賃金を含む労働条件や労働法制、あるいは、これはいろんな外国の方に聞いてみますと、安心、安全で暮らせる生活環境、これが非常に働くということにおいて重視されるということも聞いております。あるいは、多文化共生社会の実現ということがしっかりできているのかどうか。我が国には、特定の宗教だというふうにカテゴライズされる国ではないというふうなことも聞いております。そういったことで多文化共生の面でも評価がされるということを外国の高官からも聞いたことがございます。  そうした中で、外国人が働き、暮らし、学びたいと考えてもらえることが重要であるということで、そうした制度や受入れ環境をしっかりと整備するということが必要であるというふうに考えております。
  196. 石井苗子

    ○石井苗子君 しっかりと整備する必要があると考えておりますという大臣の言葉を、今の御答弁の中で、安心、安全、賃金、労働条件、共生社会と四つほど出てまいりましたので、政府参考人の方にお伺いします。  日本で働いた場合の最低賃金と台湾や韓国の場合の水準ですね、賃金の水準、変わらないという報道があります。さして変わりがありませんと。そうすると、外国の方に日本に来ていただいて外国人労働者として働いてもらうということは、特定技能一号と書いてあります、この特定技能一号は外国の方にとって魅力的な労働環境になりますでしょうか、なると思うのでしたらそれを証明していただきたいと思います。
  197. 和田雅樹

    ○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。  ただいま賃金の話がございましたので、賃金の関係について申し上げます。  今回の法案におきましては、特定技能外国人が受入れ機関と締結いたします契約の基準を法務省令で定めることといたしております。この中で、外国人であることを理由として報酬等について差別的取扱いをしてはならないということを含むということを規定しております。また、法務省令では日本人と同等額以上の報酬の支払を規定することを予定しております。  このように、日本人と同等以上の報酬で、日本人と同じような扱いをするということによりまして、外国人の方に選ばれる国となるための賃金水準を守っていきたいということを考えている次第でございます。
  198. 石井苗子

    ○石井苗子君 あくまでも賃金ですね。  しかし、先ほどの仁比議員の御質問を聞いていますと、安全で安心かどうかも、それから共生という意味においては全く共生ではありませんし、有意義に学んでいただく、これはとんでもないというような環境であります。それが表面化しているわけなんですね。  さらに、人手不足のときには日本に来て働いていただいて、人手が余ってきたら在留期間を更新しないというふうによく読むと書いてあります。これ、魅力的な国でしょうか。外国人材を日本人というのは単なる労働力としてしか考えていないじゃないかと外国の方に思われるような印象をつくってしまうのは、胸に響くも届くも、日本の国民の方は余り印象も良くないし、外国の方から見たら魅力的な国に見えないしという日本を法案の改正でつくり出していってしまうというのは残念な感じがしますが、共生社会を目指すということと、これ矛盾していませんでしょうか。  日本の都合のよいときだけ働いてもらうということでは、表面的な共生社会ではないかと言われても、批判されても仕方ないと思うんですが、真の共生社会というのを目指していくというのには、この法案の立て付けだと無理があるのではないかと思いますのと一緒に、来年の四月にもう目指す、改正入管法の施行を目指すって、余りにも私は準備不足だと申し上げました。  これは総理や官房長官からの御指示だという話がありますけれども、なぜそこまで急いで来年の四月を目指すのか、どこに経済的な背景があるのか、腑に落ちる説明をしていただきたいと思います。
  199. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) まず、人手不足のときに来て働いてほしいというその最初の御指摘ですけれども、これ、我々法務省としては在留資格をまず新設するということでございまして、外国人が在留できる資格を認めるということでございます。  実は、この在留資格には、特定技能の前に既に技能というものがございます。この技能というのは、産業上の特殊な分野ということで、それについて熟練した技能を有する者ということで業務に従事する活動をやっているんですが、なぜ特殊な活動分野かというと、要するに日本人の労働環境に影響を与えないというふうなことを考慮して特殊なというふうになったというふうにも聞いております。  今般、特定技能の分野というのは、日本において、特殊でないかもしれないけれども、人手不足は極めて深刻で、生産性向上であるとかあるいは国内人材の活用をやってもなお人手が足りない、その分野においてゲートを開けようと、在留資格ということを認めようという制度であります。そして、在留資格というのは、いかなる資格におきましてもこの資格に見合った活動をしていただくことが前提でございまして、その活動をやめるということになれば、これは在留資格を失う、失った方に関しては残念ながら日本には居続けることができないというのは、これは入国管理全体の仕組みということでございます。  ということで、そういった仕組みを、なぜ四月を目指すのかということにつきましては、現下極めて深刻な人手不足の状況にあるということでございます。そして、今後もその傾向は続くと見込まれております。  例えば、この改正法の施行が半年遅れれば、仮にこの資格がそのときにできておれば、例えば万単位の方々が日本で働けるかもしれない、そして、その方々の労働力、あるいはそこにいていただけることで、その同じ万単位の企業であるとか中小企業であるとか小規模事業者の方が助かるかもしれない。しかし、それが半年遅れれば、それらの方は帰ってしまう、そして、その方々と一緒に働いてもらうことを期待していたそういった中小企業あるいは小規模事業者もそういった方々と働いてもらうことができなくなってしまうということがございます。これは、やはり我が国の経済あるいは我が国にとって深刻な影響を与えると私は考えております。  そういったことから、この問題への対応は待ったなし、喫緊の課題であることから、実施については可能な限り早急に行うことが必要であると考えており、来年の四月を目指して今御提案をさせていただきたいというふうに考えておるところでございます。
  200. 石井苗子

    ○石井苗子君 それでは、お聞きいたしますけれども、何か国民の皆様は、こういうルールが新しくできて、これまであったものはなくなるんだと勘違いしていらっしゃる方もいらっしゃるんですよ。いやいや、そうではなくて、在留資格とか資格というのは前からいろいろあったんですよという説明を私はしておりますと、えっ、じゃ、今度来るときにはどうなるのという、そういう御質問をたくさん受けるわけです。  例えば、来年度で在留期間が終了する技能実習生は何人いて、その人たちですね、その方々は、昨日法務省がお出しになりました初年度受入れ見込みの数に何名、どのくらい入っているのかという、この辺は政府参考人の方にお伺いします。
  201. 和田雅樹

    ○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。  今お尋ねがございました来年度に在留期間が終了する技能実習生の数については統計を持ち合わせておりませんが、三十一年中に技能実習二号を修了すると見込まれる技能実習生の人数は、平成二十九年中に技能実習二号に移行した約八万六千人の方のうちの相当数に及ぶと考えているところでございます。  なお、昨日の受入れ見込み数の、昨日公表いたしました受入れ見込み数の推計につきましては各業所管庁において行っており、それぞれの業の特性を踏まえつつ、技能実習二号修了者の特定技能一号への移行割合でありますとか試験の合格者数の推計を行った上で算出したものと承知しておりますが、来年度に技能実習二号を修了予定の者につきましても、そのうちの一部につきまして初年度の受入れ見込み数に入っているものと承知しているところでございます。
  202. 石井苗子

    ○石井苗子君 聞き漏らしたかもしれませんけど、数はどのくらいだかはお分かりになっていらっしゃらないんですか。
  203. 和田雅樹

    ○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。  それぞれの推計は各事業所管省庁について行っているものでございまして、移行割合の詳細につきましては法務当局ではなかなか説明することは困難でございますが、現在精査中であるというふうに伺っているところでございます。
  204. 石井苗子

    ○石井苗子君 ということでありまして、私が最初に質問をいたしました、安全で安心かもしれませんけれども共生社会になっているのか、あるいは日本という国は外国の方に来て勉強していただいたり働いたりしていただくために魅力的な国であるかどうかということについて、余り自信を持った答えが私は、今日もいらしていらっしゃいますけれども、心がちょっと痛むんでありまして、本当のことをどこまでしゃべれるかなと思うんですが。  時間もございますので最後の質問になると思いますが、政府参考人の方にお伺いします。  一号特定技能外国人支援では、一号特定技能外国人に職業生活上、日常生活上又は社会生活上の支援を行うとされています。日本で働いていただいている外国人の方の労働者にとって職場でのコミュニケーションというのは大変重要だと思うんですけれども、日本語習得に対する支援というのは政令とか省令で定めているのでしょうか。
  205. 和田雅樹

    ○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。  今回提出させていただいております法律案におきましては、特定技能一号外国人に対しまして、これを受け入れる機関が職業生活上、日常生活上又は社会生活上の支援の実施に関する計画を法務省令の定めるところにより作成することが義務付けられております。そして、今御指摘がございました生活のための日本語習得、この支援につきましても、今申し上げました法務省令で定めることを予定しているところでございます。
  206. 石井苗子

    ○石井苗子君 最後の質問になります。  また追って詳しく議論したいと思っておりますが、職業生活上、日常生活上又は社会生活上の支援に関して、日本語のその習得というのは大変重要なことだと思っております。外国の方々の日本語習得に対する支援というのをなぜ法案に盛り込まないのか、その理由を説明していただきます。
  207. 和田雅樹

    ○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。  先ほど申し上げましたとおり、日本語習得に関しまして、そのほか様々具体的な支援の内容につきましては省令で定めることとしております。このような定め方にしておりますのは、法律において本邦に行うことができる活動の概要を定め、その以外の言わば機動性を持って対応すべき事項については省令で定める、この形が入管法の体系でございまして、その入管法の体系に由来するものでございます。  もとより、入管局といたしましても、日本語習得に関する支援が大変重要なものであるということは認識しているところでございます。
  208. 石井苗子

    ○石井苗子君 ありがとうございました。質問を終わります。ありがとうございます。
  209. 糸数慶子

    糸数慶子君 沖縄の風、糸数慶子です。  山下大臣法務大臣就任おめでとうございます。山下大臣の派閥の先輩で政界を引退された谷垣元大臣は、私とは立場の違いがありましたが、委員会質疑では丁寧で、答弁をしていただきました。誠実に、丁寧に答弁をしてくださいました。山下大臣とは、憲法アベノミクス、カジノ、核武装など政策や主張で相入れないものはありますが、法律家であり、建設的で分かりやすい御答弁を期待をしております。  今年の七月六日、東京拘置所で三人、大阪拘置所で二人、広島拘置所で一人、福岡拘置所で一人、計七人が死刑執行されました。そのうち六人が再審請求中でありました。同時に、多数の死刑執行に驚きと失望を禁じることができません。しかも、署名をされた上川前大臣は、死刑執行の前日、山下大臣の地元でもあります西日本でのまさに豪雨が予見され、気象庁の緊急会見が開かれた後、いわゆる赤坂自民亭という宴会のおかみとして参加されていたということは衝撃をもって受け止めました。  日弁連によりますと、昨年末現在、百四十二か国が法律で廃止あるいは十年以上死刑を執行していない事実上の廃止国であり、うち百六か国が全ての犯罪について死刑を廃止をしております。OECD加盟国のうち死刑を存置しているのは日本、韓国、アメリカだけですが、韓国は十年以上死刑執行していない事実上の死刑廃止国であり、アメリカは十九の州が死刑を廃止し、四つの州が死刑執行モラトリアムを宣言しています。死刑を国家として統一して執行しているのは、OECD加盟国の中で日本のみということです。  死刑廃止は国際的な潮流であり、国連の各人権委員会は死刑執行を続ける日本に対し、執行の停止と死刑廃止の検討を行うよう度々勧告をしております。二〇二〇年はオリンピック、パラリンピックや京都コングレスが開催され、日本国際的な注目を集めます。人権後進国という不名誉なレッテルを貼られるのではないかと大変憂慮しております。  改めて国家による重大かつ深刻な人権侵害である死刑執行に対し強く抗議をし、質問に入ります。  まず、難民認定と入管法関連についてお伺いをいたします。  安倍政権は、言葉の誤用が非常に多いと言わざるを得ません。例えば、森友、加計問題でも、丁寧に説明と答弁をされる一方で、納得できる説明はされておりません。また、沖縄県民の心に寄り添いと言いながら、新基地建設においては県民の意思を踏みにじる行為を強行されています。  大臣、人は何に最も怒りを感じると思われるでしょうか。人は差別を受けたときに最も怒りを覚えるのではないでしょうか。  今年は明治百五十年で、政府は記念式典を行いました。沖縄県民は苦難の原点と受け止めています。また、安倍政権が二〇一三年に定めた主権回復の日、四月二十八日ですが、サンフランシスコ講和条約発効の一九五二年、昭和二十七年、当時、沖縄、奄美、小笠原は米国の施政権下のまま、沖縄では屈辱の日、奄美では痛恨の日と呼ばれているのを大臣は御存じでしょうか。明治維新後の富国強兵、帝国主義が、琉球処分、そして沖縄戦につながっているためです。沖縄戦が終わり、サンフランシスコ講和条約によって、日本の独立と引換えに沖縄は米軍支配下に置かれました。  復帰をして今日まで、現在も米軍専用施設の約七〇%が沖縄に集中し、事件事故が後を絶ちません。さらに、沖縄県民が選挙で新基地建設反対の民意を再三示したにもかかわらず、新基地建設が強行されようとしています。沖縄県民の心に寄り添うと言葉だけが誠実で態度が不誠実では信頼を得ることはできないということを申し上げ、在留外国人の処遇と入管の問題について質問いたします。  私は、法務委員会技能実習生や難民認定と入管の問題を度々質問してまいりました。残念ながら、改善されていないばかりか、適正の名の下にますます厳しい状況になるのではないかと危惧しております。環境整備が整わないまま新たな外国人を受け入れるための入管法改正には反対です。  山下大臣は所信表明で、外国人材の受入れとして入管法改正の必要性を強調されました。また、難民問題について、庇護が必要な申請者には早期に安定した在留許可をする等更なる配慮を行いと述べられました。  難民保護というのは受入れ国社会の人権意識を映す鏡、あるいは、刑務所を見ればその国の真の姿を見ることができると言われております。人権制限された人をどう扱っているかで、その国のありようが見えるということだと思います。  全国難民弁護団連絡会議代表の渡邉彰悟弁護士は、難民認定を受けられない多くの難民たちは入管施設に無制限に収容され、心と体がむしばまれ、第二の迫害とも言える苦痛に直面していると訴えておられます。現状を御理解いただけるよう、具体的なケースを御紹介したいと思います。  本日、ここにも御家族の方がお見えでございますが、二〇一四年の四月二十日に来日されました一九八一年一月一日生まれのクルド人のメメットさん、この方の御家族が今日こちらにいらしております。成田で捕まり、牛久入管に十か月収容されていたので、収容されたのは今回で二度目ということです。  二〇一七年十月三十日、一度目の難民申請が認められなかったことで収容されました。メメットさんはトルコのガジアンテップ出身でありますが、トルコではクルド人の差別や迫害があり、クルドの国民民主主義党、HDPの党首ですら、与党エルドアン政権により逮捕されました。  メメットさんは、政治犯の疑いで逮捕され刑務所に入ったことがあります。出所後、二十四歳のときに徴兵されますが、要注意人物とみなされているため銃を持たされることはなく、ひたすらトイレやシャワーの掃除といった軍の中では最も下の地位に付けられたということであります。解放後、結婚したものの、トルコ政府の監視下に置かれ、何度も家まで視察に来て、毎回サインをさせられたということであります。そこで、これ以上はトルコで暮らせないと判断をし、四年前に来日されました。  四年の半分近くを収容所で過ごされています。しかし、メメットさんは首のヘルニアの持病があり、左半身がしびれる状態にあります。病院に連れていってもらえずに血圧の下が百以上の日々が続いたにもかかわらず、監視カメラ付きの部屋に一日中入れられ、適切な処置は受けられませんでした。ついに倒れて高輪病院に運ばれましたが、目撃者によりますと、倒れている状態にもかかわらず、手錠を掛けられていたということなんです。病院では検査を受けたそうですが、病名などは本人には知らされておらず、いまだ病気は治らず、苦しい日々を過ごしていらっしゃると言われております。  御家族は、本日傍聴されていらっしゃる妻のネルギスさん、そして小学校五年生の男のお子さんと小学校一年生と五歳の女のお子さんであります。収容されているため、長女の入学式と次女のヘルニアの手術に立ち会うこともできませんでした。  妻のネルギスさんは三人の子供を抱え、ストレスの余り非常に不安定な状態になっていらっしゃいます。親戚からの手助けもありますが、基本的にはみんな自分のことで手がいっぱいなので、どうしても負担が圧倒的に妻のネルギスさんに掛かってしまいます。  メメットさんに面会するときは二人のお子さんは学校を休まなければならないので、それこそ勉強どころではありません。最寄りの駅から家は遠いということですが、お金がないためバスは一切使わない。面会のために三人のお子さんを連れ川口から入管へ通うのに、電車賃が掛かる上、駅のホームや長時間の歩行は本当に危険であるという、そういう実態に置かれています。  こういうケースはまさに庇護が必要だと思いますが、このような御家族の方々の苦しみや悲しみを山下大臣はどう受け止めておられるのでしょうか。受け止められるでしょうか。
  210. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) まず、委員が御紹介いただきました御家族もおいでであるということでございますが、誠に申し訳ありませんが、法務大臣としては、個別の事案についてはお答えは差し控えさせていただくというふうにお答えせざるを得ません。  その上で、入管法における難民というのが、難民条約上及び難民議定書で規定する難民と同じであって、基本的に、人種、宗教、国籍若しくは特定の社会的集団の構成員であること又は政治的意見を理由として迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有するために、国籍国の外にいる者であって、その国籍国の保護を受けないことが、できない者又は望まない者をいうということになっております。  法務省におきましては、申請者が難民条約上の難民に該当するか否かについて、先ほど申し上げた国籍を有する者が迫害のために国籍国の外にいる場合のほか、無国籍者が迫害のために常居所を有していた国の外にいる場合も難民と定義しているわけでございますが、そういった事情について個別に審査の上、難民と定義すべき者を適正に認定していると承知しております。  ただ、条約上の難民とは認定できない場合であっても、本国情勢などを踏まえ、人道上の配慮が必要と認められる場合には、我が国への在留を認める配慮をしているところでございます。  そういった真に庇護が必要な者への配慮として、本年一月から、我が国に正規に在留する者が難民申請した場合に、真に庇護が必要な者に対しては判明次第就労を認め、これまでより早期に生活の安定を図れるようにしているところでございます。  他方、残念ながら在留資格が認められない者に関しては、それぞれに個別の事情があるとは思います。しかし、原則として在留資格が認められない以上、退去強制ということに我が国の法制上なっているわけでございます。  いずれにせよ、この所信表明でさせていただいた真に庇護を必要とする方への保護については、しっかり図ってまいりたいというふうに考えております。
  211. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 まさに今大臣がお答えをされましたけれども、真に保護や庇護が必要な申請者に安定した在留が認められるように心からお願いをしたいと思います。  次の質問に入ります。  次に、人権政策について伺います。山下大臣の所信表明では、女性活躍については言及がありましたが、人権政策については言及がありませんでした。とりわけ女性の人権について、先ほど質問もございましたけれども、小川委員の方からもございましたが、とりわけ女性の人権について改めてお伺いをしたいと思います。  山下大臣も本日はパープルリボンを付けておられますが、今月十二日から二十五日は女性に対する暴力をなくす運動の期間であります。三人に一人以上がドメスティック・バイオレンス、つまりDVで亡くなっている中、人権を所管する法務大臣には、是非この期間、啓発活動に貢献をしていただきたいと思っております。  女性に対する暴力をなくすためにはどのような取組を行われるのか、法務大臣に伺います。
  212. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) お答えいたします。  女性に対する暴力は、その女性の人権を著しく侵害するものであって、我が国が男女共同参画社会を形成していく上でも、政府一丸となって克服すべき重要な課題であると認識しております。  そしてまた、女性の人権について御指摘がございましたけれども、私自身、議員立法としてストーカー規制法改正法あるいはリベンジポルノ防止法などを議員立法としてさせていただいて、委員の皆様の御指導をいただきながら成立をさせていただいたところでもございます。  そういったことで、今法務省を預かる立場になっておるわけでございますが、今、政府においては、本月十二日から二十五日までの二週間、女性に対する暴力をなくす運動を実施し、社会の意識啓発など、女性に対する暴力の問題に対する取組を一層強化することとしております。  私自身も、こうした認識の下、女性に対する暴力根絶運動のシンボルであるパープルリボンを思いを持って付けさせていただいているところでございます。  まず、法務省における取組につきましては、法務省の人権擁護機関においては、女性の人権問題に関する専用相談電話、これは女性の人権ホットラインというものを設置して、女性をめぐる様々な人権問題に関する相談を受け付けているところでございます。特に、この女性に対する暴力をなくす運動の期間と重なる本月十二日から十八日までの七日間は、相談の受付期間を延長するなど、その体制を強化させていただいているところでございます。また、このホットラインのほか、ホームページにおいてインターネット人権相談、これも実施しておりまして、もちろん女性に対する暴力あるいは人権侵害についても二十四時間メールでも受け付けているところでございます。  また、日本司法支援センター、通称法テラスにおきましては、本年一月から、改正総合法律支援法に基づいて、DVやストーカー等の被害者を対象として被害の防止に関して必要な法律相談を実施しております。  引き続き、法務省におきましてもこれらの取組を着実に実施し、政府一丸となって女性に対する暴力や人権侵害の根絶に向け全力で取り組んでまいりたいと考えております。
  213. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 次に、選択的夫婦別姓制度について伺います。  私は、法務委員となってから全ての法務大臣にこの問題を質問してまいりました。山下大臣にも同様に伺いますので、是非前向きの御答弁をお願いしたいと思います。  一九九六年二月に法制審議会が選択的夫婦別姓制度導入の民法改正案要綱を法務大臣に答申してから二十二年がたちました。しかし、いまだに法改正がされておりません。答申の柱のうち、婚外子相続分、再婚禁止期間、婚姻最低年齢の民法改正は行われましたが、選択的夫婦別姓だけが残された格好です。法制審議会が五年の歳月を掛け様々な検討を行って答申したにもかかわらず、政府は世論を理由に民法改正には消極的であります。  しかし、最近では家族の多様化や通称使用の広がりなどから、夫婦で違う名前を名のることに違和感がなくなり、民法改正に賛成する方も増えています。もはや反対する理由は見付かりません。  今年二月の内閣府の世論調査が公表され、国会質疑でも度々取り上げてきました。上川前大臣は、世代間の意見に大きな違いが見られたことなど、貴重なデータが含まれているものと考えられるとした上で、今後しっかりときめ細やかな分析をして、過去の世論調査の結果とともに比較検討を行うなどした上で、引き続き対応の検討をしていくと答弁をされました。  昨年十二月五日の法務委員会で、御理解をいただけない六十代、七十代のインターネットの使用が少ない世代なので、インターネットだけの周知では理解も議論も深まらないのではないかと申し上げ、小野瀬民事局長は、国民的な議論が深まることが重要と認識しておりまして、周知の在り方につきましても工夫の余地があるか検討してまいりたいと答弁をされていました。残念ながら、誠実に対応されているとは言えません。  ウエブサイトに二月公表の世論調査結果がアップされなかったことについて、山下大臣は十月十九日の会見で、内閣府における公表から約八か月も要したというのは極めて遺憾、今後は国民の皆様への情報発信を速やかにするよう、改めて私から指示したと述べていらっしゃいます。  そこで大臣に伺いますが、国民の理解が深まるよう今後どのような取組を行われるのか、具体的にお示しください。
  214. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) お答えいたします。  まず、法務省では、選択的夫婦別氏制度についての国民の理解の一助としていただくため、法務省のホームページ内に選択的夫婦別氏制度の趣旨、政府内における検討経過、世論調査の結果等を掲載しております。この記事につきましては、先月中旬、更新作業を行いましたが、その際には、法務省のトップページに選択的夫婦別氏制度についてのバナーを掲載させていただいたほか、世論調査の結果を新たにグラフ化したものも掲載するなどの改良を加えさせていただきました。このグラフについては、おおむね五年ごとに行われてきたこれまでの調査結果の推移だけではなく、昨年十二月の調査における調査対象者の男女別、年代別、未婚、既婚の別、子供の有無の別による調査結果も併せて掲載するなどの工夫をさせていただきました。  法務省では、これらの取組によって、選択的夫婦別氏制度を始め家族の在り方をめぐる諸問題に関して国民の理解が深まることを期待しておりますが、今後の更なる情報発信の工夫についても、引き続き検討して実施してまいりたいと考えております。
  215. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 今の御答弁は極めて遺憾でございます。大臣も内閣府における公表から八か月も要したというのは極めて遺憾というふうにおっしゃいますけれども、これはやはり、これまで小川委員からもございましたし、また国民の間でも、とりわけこれから結婚するという若い人たち、そういう若年者の間ではかなりこのことに対して賛成という、そういう結果が出ていることも事実でございます。その世論の動向を見極めるというのであれば、やはり今の答弁では不満でございます。これからの取組に期待をしつつ、改めてまた次も質問させていただきたいと思います。  次に、嫡出推定と親子法制について伺います。  民法七百七十二条の嫡出推定規定の見直しなどを検討するなど、嫡出推定制度を中心とした親子法制の在り方に関する研究会が発足し、十月十八日に第一回研究会が開催されました。  嫡出推定規定のために出生届が提出されず無戸籍となっている子供の問題が二〇〇七年に大きく取り上げられ、規定の見直しを求める声が高まっていましたが、当初、法務省は同規定には合理性があるとして見直しに消極的でしたが、無戸籍者の実態調査や無戸籍の解消に向けた取組を求める声を受け、実態調査が行われたと承知をしております。  法務省は八月十日時点で七百十五人の無戸籍者を把握されていますが、実態は明らかではなく、更なる取組の必要性が求められ、上川前法務大臣が研究会立ち上げの意向を示されていました。研究会では、生殖補助医療で生まれた子供の法的な親子関係を定める議論も行う予定と承知をしています。  私は、何度か法制審議会に諮問していただくよう求めてまいりましたが、研究会で議論することになったその経緯と、研究会の人選がどのように行われたのか、お伺いしたいと思います。
  216. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 御指摘の民法が定める嫡出推定制度については、いわゆる無戸籍者問題の一因となっているとの指摘がなされております。そしてまた、無戸籍者として把握された方を対象として行った調査についても、無戸籍となった理由として嫡出推定制度の存在を挙げた方が全体の八割近くに上ることが判明いたしました。  こうした状況を踏まえて、先月、平成三十年十月に嫡出推定制度を中心とした親子法制の在り方に関する研究会が発足いたしましたことから、これは、法制審議会への諮問の前に嫡出推定制度についての論点の整理等を行うために、法務省の担当官もこれに参加しております、そして検討を進めることにしているものでございます。  研究会の委員の人選につきまして、この研究会自体は民間団体が主催するものでありまして、これは、例えば東京大学の大村敦志教授を座長として、親子法制を専門とする研究者や法律実務家等が委員として参加しているものと承知しております。
  217. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 ありがとうございました。  ほかにも通告をしておりましたが、もう時間がなくなりましたので、通告した質問はまた改めてお伺いをしたいと思います。  これで私の質問を終わります。ありがとうございました。
  218. 山口和之

    ○山口和之君 無所属の山口和之でございます。  今日は山下大臣に初めての質問ですので、どのようなお考えを持って法務行政に臨むのか、是非大臣自身のお言葉でお答えいただければと思います。  まずは、様々な人権問題等への対応についてお伺いいたします。  大臣は所信挨拶で障害等を理由とする差別、虐待を解消するとおっしゃっていましたが、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックが間近に迫った今、このことは喫緊の課題と思います。障害等を理由とする差別、虐待を解消するための取組には様々なものがありますが、特に重要であり早急に行うべきなのは、差別を助長するような法令上の規定について見直しを行うことだと考えます。  例えば、配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないときを裁判上の離婚原因と定めている民法七百七十条一項四号は、精神病は離婚されても仕方がない病気であるとの差別、偏見を助長する不適切な条文として削除すべきではないかとも思いますが、このことについて山下大臣はどのようにお考えでしょうか。
  219. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) ありがとうございます。お答えいたします。  一般に、この民法七百七十条第一項の諸規定は、夫婦としての共同関係を維持することができなくなるということから、他方の配偶者の意思に反してまで婚姻を継続させることは相当でないという事項について、これを裁判上の離婚の訴えを提起することができる要件として列挙したものと承知しております。  また、御指摘の視点については、そういう観点から、立法当時、他方の配偶者の立場に配慮したというものであって、この規定の存在自体が精神病にかかっておられる方に対する差別、偏見を現に助長しているというものとは考えておりません。現に、裁判所は、そういった訴えの提起を受けても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは離婚の請求を棄却するということもしておるのであって、そういった運用面も注視してまいりたいと思います。  ただ、いずれにしても、民法等の規定においては、委員御指摘の社会情勢等の変化も踏まえ必要な見直しをしていく必要があると考えておりまして、そういった先ほどの御指摘の問題意識としてしっかりと受け止めてまいりたいと考えております。
  220. 山口和之

    ○山口和之君 差別、虐待をなくすためには人権啓発や調査救済活動を行うことも重要ですが、差別的な規定の見直しこそ最優先で進めるべきだと思います。民法七百七十条一項四号の規定は、平成八年に法制審議会総会で決定された民法の一部を改正する法律案要綱で削除すべきものとされていることを重く受け止め、法務省として削除に向けた取組を早急に進めていただきたいと思います。  そのほかに、差別を助長するおそれがあるものとして、障害者という法令用語があります。私は、障害のある人の人権擁護の観点から、害悪や災害などの表記に使われる否定的な意味を持つ害という文字をその人を表すときに用いないようにすることが重要と考えております。実際に、心のバリアフリーの観点から、障害者について害を平仮名で表記したり、また、障害のある人などと表記をする地方自治体や企業も増えています。  私は、法令用語から害という文字を使った障害者という言葉をなくすべきと考えておりますが、この点について山下大臣はどのようにお考えでしょうか。
  221. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) お答えいたします。  その障害という表記に公用文として平仮名を用いるべきか否かにつきましては、障害という言葉が何を意味するかをめぐって、当事者でもある障害者の団体の皆様の間でも様々な意見があるというふうに承知しております。この表記につきまして、国民、特に当事者でございます障害のある方々の意向等を踏まえて考えてまいる必要があるのではないかと考えております。  一方で、法務省におきましては、人権擁護機関において、その表記の在り方と関わりなく、障害のある方に対する差別や偏見を解消するため、これまでも啓発活動や人権相談、人権侵犯事件の調査、救済等に努めてきたところでございます。障害の有無等にかかわらず、誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合う心のバリアフリーですね、これを推進して共生社会を実現するために、今後も障害のある方を始めとする人権の擁護に取り組んでまいりたいと考えております。
  222. 山口和之

    ○山口和之君 山下大臣はどうお考えですかということだったので、法務省としてはそう考えるんでしょうけれども、大臣個人としては障害者の害という字を、法律に載っかっていること自体にはどう考えるのか、もう一度お聞きしたいんですが。
  223. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) これ、公用文の表記の問題に関わります。私のスタンスとしては、これはやはり当事者であります、障害のある当事者の方の意向を踏まえて考えてまいりたいということでございます。
  224. 山口和之

    ○山口和之君 言葉や文字の持つ影響力は計り知れないものがあります。法令用語については時代の変化に応じた適宜見直しを行っていくべきと考えておりますので、この問題については今後も取り上げさせていただければと思います。  次に、外国人受入れについてお尋ねします。  昨年四月の技能実習法、入管法改正の審議の際、本委員会で、当時の金田法務大臣に対し、技能実習の新制度に変わったらやがて不正行為はゼロに近づくと考えてよいのかと質問したところ、金田大臣は、主務大臣の権限を定め、直接規制できる枠組みを構築することなどで不適正な監理団体や実習実施者をしっかり排除していき、制度運用の適正化を図っていきたいとはっきりと答えていただきました。私は、この金田大臣の答弁を信頼して、また制度改正の効果に期待して、改正案には賛成いたしました。その後の制度運用の状況を見ると、労働基準法違反は減っておらず、失踪者も大幅に増加しているなど、制度改正の効果が上がっていないようにも思われます。  山下大臣、現時点で制度改正の効果がどうなっているのか、御説明いただけたらと思います。
  225. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) お答えいたします。  技能実習制度につきましては、御指摘のとおり、昨年十一月の技能実習法の施行により、その適正化を図っているところでございます。中身につきまして、御案内のとおり、監理団体を許可制とし、監査時の技能実習生との面談の義務付けや監理費の明確化のほか、技能実習計画の認定制により、技能実習生の賃金や待遇等を適切に確認できる仕組みを構築しております。  また、そういったこの運用を踏まえて、九月末現在で三千七百回の実地検査、これを行っておりますほか、母国語相談として千九百件以上の相談に対応し、四十件を超える実習先変更の支援も行っているということでございます。これも新法の効果でございまして、また、更に言えば、これまでに十か国との間で二国間取決めを締結して、そのうち五か国との間で定期意見交換を実施するなどの一定の実績を上げていると承知しております。  これらの取組を受けて、これまで技能実習制度に対して非常に批判的であったアメリカ国務省の人身取引報告書では、これはもう第一ランクに我が国の評価替えがなされたということでございますし、例えば私が最近お会いしたベトナムの労働担当副大臣からは、技能実習制度を高く評価する、技能実習生は技能、規律を身に付けて、帰国後はベトナム経済に貢献しているという声も得ているところでございます。  そうしたことから、新しい新法の下での権限をしっかりと運用しながら、こういった不正事案について、これを根絶を目指していきたいというふうに考えております。
  226. 山口和之

    ○山口和之君 労働基準法違反は減っておらず、失踪者も大幅に増加しているわけですので、改善しているというふうには読み取れないと思います。  技能実習の不適正な運用の改善をせずにして新たな在留資格を設け外国人労働者を増やすのは、順序が逆ではないかというふうにも思います。このことについて、山下大臣はどのようにお考えでしょうか。
  227. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) まず、技能実習の運用について、新法をしっかりやっていくということは、これは新たな資格を設けるか否かにかかわらず、しっかりと対応していかなければならないというところでございます。  他方で、今回新たなこの在留資格を設けるのは、これは一定の人の、本当に深刻な人手不足の分野において一定の専門性、技能を有し即戦力となる外国人を受け入れるものということで、これはそもそも国際貢献を目的として技能実習計画に沿って技能実習を行うというその技能実習制度とはそもそも制度の趣旨が異なっているということでございます。  ですので、今回の受入れ制度につきまして、これは非常に現下の深刻な人手不足に対応するために限定的な要件の下で認めるということでございますので、是非、この今の人手不足の状況に対応するため、あるいはまだ日本で働きたいというふうな声もある外国人のためにも、来年四月から制度をスタートさせたいというふうに考えておるものでございます。
  228. 山口和之

    ○山口和之君 技能実習の不適正運用というものは、やってはいるんでしょうけれども、焼け石に水なのか、しっかりと広がっているようには感じないところがございます。  山下大臣の所信挨拶にもあったように、新たに創設する在留資格は人手不足の深刻化に対応するための人材確保策ということですが、来年四月から新資格がスタートするのであれば、新資格を取得する人はほとんどが技能実習修了者になると思われますが、そうなると技能実習法第三条の二で、技能実習は、労働力需給の調整の手段として行われてはならないと規定していることとの整合性、技能実習法第六条で、技能実習生は、技能実習に専念することにより、技能等修得等をし、本国への技能等の移転に努めなければならないと規定していることとの整合性が取れないのではないかと思いますが、山下大臣はいかがでしょうか、どう思われますでしょうか。
  229. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) お答えいたします。  まず、今回の受入れ制度は技能実習制度とは趣旨、目的が異なっており、在留資格も全く別のものでございます。  確かに、この新たな受入れで認める特定技能一号の一定の技能を測る際に、例えばその技能実習において実務経験を経たことというのを考慮する部分はございますけれども、これは、そういった特定技能一号が求めるレベルに合致するというところでそういったところを言っているものであって、必ずしも連携、リンクしたものではないということでございます。  そして、この技能実習生は技能移転をということでございますが、技能実習生が技能実習二号を修了後、直ちに帰国するという道もあります。あるいはその技能実習三号の資格で在留するということもできます。そして、今回新たに認められますれば、特定技能一号の資格でも在留できるという選択肢、これを広げるものでございます。それにおいてどうするかについては本人の自由な選択に委ねられているということでございます。  そして、この特定技能については、いずれ、就労目的での在留の後では、その技能実習制度で培った技術に加えて、更に特定技能等で加えたその実務経験も含めて本国に持ち帰って必要な技能移転を行っていただくことになるというふうに考えております。そういったことからすれば、必ずしも技能実習制度の趣旨と矛盾するものではないというふうに考えております。
  230. 山口和之

    ○山口和之君 今回の入管法の改正によって、技能実習制度、実習が終わったら国に帰って技能を移転してという本来の目的からずれていってしまうようにも自分は感じます。それだけでなく、技能実習、特定技能一号、同二号、さらに既存の専門的、技術分野における在留資格など、労働に関する在留資格の制度が複雑多岐にわたることになり、日本で働きたいと考える外国人にとっては非常に分かりづらい制度になるのではないかと思われます。  このことについて、山下大臣はどのようにお考えでしょうか。
  231. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) お答えいたします。  まず、外国人材の受入れについては、様々な在留資格がございます。例えば、技術、人文知識・国際業務など十八種類の在留資格がありまして、それぞれの外国の方において、申請の際に自らの資格がどれに当たるのかということを検討していただいて、申請していただくということでございます。  そして、そういう前提の下で、今回の特定技能の位置付けと申しますのは、繰り返し申し上げますけれども、現行の専門的、技術的分野における外国人の受入れを真に人手不足が深刻な分野に限って、一定の専門性、技能を有する、即戦力となる外国人を受け入れるための在留資格ということになります。  一号と二号の違いにつきましては、一号については相当の技能ということであり、また二号は熟練した技能ということでございます。この熟練した技能という言葉につきましては、ほかの在留資格でも使われているものでございます。  他方で、技能実習制度というのは、先ほど来委員も御指摘のとおり、技能、技術、知識の開発途上国等への移転を図り、その当該国の経済発展を担う人づくりに協力することを目的とするものということで、技能レベルにつきまして、特定技能一号、二号のようなレベルまでは問わないというところでございます。  そうしたように、特定技能と技能実習は、制度の趣旨、目的や在留資格としての位置付けは異なります。確かに分かりにくいというふうなところにつきましては、日本に来ていただく外国人のみならず、外国の送り出し機関や受入れ企業、さらには外国政府当局などにもしっかり御理解をいただけるよう丁寧に説明するとともに、新たな制度の周知徹底に努めてまいりたいというふうに考えております。
  232. 山口和之

    ○山口和之君 技能実習は技能を学んで技術を移転する、特定技能の方は人手不足を補うということですので、基本的に目的が違うということになりますので、これをつなげていくということになると、少し目的が確かに違うのではないかなと思います。来る方によっては、もう技能実習と思って来ていない人がたくさんいらっしゃることはこれは事実なので、例えば法制度は、法の適用を受けるためにも、法の運用を行う人のためにも、できるだけシンプルで分かりやすいものにすべきであって、就労に関する在留資格の制度をもっと簡明なものにできないか、是非、法務省でも検討を続けていただきたいと思います。  労働市場では通常人手不足の場合には、企業などは労働力を確保するために給料を上げたり、労働条件を向上させたりする経営努力を行います。しかし、今回、十四の人手不足が深刻な業種について外国人材を受け入れることができるようにすれば、当該業種において、企業などがそれらの経営努力を行わず労働力を確保できるようになってしまい、現にそれらの業種に従事している方々の給料や労働条件が向上する機会を奪ってしまうことになるのではないかとの懸念があります。  入管法改正案には、中小・小規模事業者を始めとした人手不足の深刻化に対応するためとのことであり、使用者のための法案のようですが、現に業務に従事している労働者が犠牲になるおそれがあることについて、山下大臣の見解を伺いたいと思います。
  233. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) まず、今回の制度というのは企業努力を前提とした受入れであるということでございます。すなわち、今回の受入れは、企業等における設備投資や技術革新等による生産性の向上や、人手不足を踏まえた処遇の改善を始めとする国内人材確保のための取組を行ってもなお当該分野の存続、発展のために外国人の受入れが必要な分野に限って行うということが大前提となっておりまして、今後この法律ができまして定められる基本方針や分野別運用方針などにおいても、そうしたしっかりとした企業努力を行っていただいた上での例えば受入れ規模の算定であるかどうかというのは、やはり我々もしっかり見させていただくということになります。  そして、労働者への影響でございますけれども、大前提として、やっぱりそういった国内人材の確保、これをしっかりやっていただくということでございますから、受入れ段階ではそういった日本人労働者、これをしっかり確保していただく努力はやっていただくのは当然でございますし、その後の状況の変化につきましても、受入れ分野を所管する業所管省庁が人手不足の状況を継続的に把握して、例えば、今後見られる生産性向上や国内人材確保のための取組、これも含めて判断した上で人手不足の状況にあるかどうかを判断するということでございます。そして、必要があれば臨機に受入れ停止の措置をとるということになっております。  そうしたことから、制度上、日本人の雇用に影響を与えないよう十分配慮しているというふうに考えております。
  234. 山口和之

    ○山口和之君 今回の外国人受入れを解禁しようとしている十四業種について、企業などが本当に国内での人材確保のための努力を尽くしたかは疑問が残るところがあります。仮に外国人材の受入れが認められない他の業種では、企業などが給料や労働条件を向上させる努力をしており、外国人材の受入れが認められる十四業種ではその努力を十分にしていないということであれば、今回の改正案には非常に大きな問題があるということになります。  法案審査の際には、外国人材の受入れによって現にその業種で働いている日本人の離職が進むというようなことにならないかなどについてもしっかりと審議を尽くしていくため、いろいろと質問させていただきたいと思います。  次に、再犯防止についてお尋ねします。  昨年末閣議決定された再犯防止推進計画には、保健医療・福祉サービスの利用の促進等のための取組として、高齢者又は障害のある者などへの支援等と薬物依存を有する者への支援等は記載されていますが、窃盗という行為に対して依存を有する者への支援について一切記載がありません。刑法犯の七割以上が窃盗犯であり、かつ窃盗は再犯率が高いことを考えると、そうした者への支援が盛り込まれていない再犯防止推進計画は完全なものとは言えません。  クレプトマニアや窃盗症と診断されるような人、そのような診断まではされない衝動制御の障害が疑われる人については、しっかりと罪を償ってもらうのは当然として、再犯防止のための支援も不可欠であると考えますが、山下大臣の考えはいかがでしょうか。
  235. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) お答えいたします。  再犯防止を図るためには、その背景にある精神障害等にも目を向けつつ支援や指導を行っていくことが委員御指摘のとおり重要であると認識しております。  そこで、昨年十二月に閣議決定した再犯防止推進計画においては、障害のある者等への支援ということで、これは特性に応じた指導等の充実などが施策として盛り込まれているということでございます。したがって、この中には、病的に衝動的に窃盗を繰り返す者に対する支援あるいは指導の充実も含まれているというふうに認識をしているわけでございます。  これも踏まえ、現在、刑事施設においては、窃盗の常習性が高い受刑者などを対象に、一般改善指導として窃盗防止プログラムを実施しているところでございますし、保護観察所におきましても、そういった治療を専門的に行う医療施設と連携した生活指導等を実施しているというところでございます。  引き続き、先ほどの計画に基づいて、対象者の問題性や特性に応じた支援、指導の充実に努めてまいりたいと考えております。
  236. 山口和之

    ○山口和之君 時間となりましたので、また別な機会で質問させていただきたいと思います。  終わります。
  237. 横山信一

    ○委員長(横山信一君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後三時十分散会