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2019-01-24 第197回国会 参議院 法務委員会 閉1号 公式Web版

  1. 平成三十一年一月二十四日(木曜日)    午後一時一分開会     ─────────────    委員の異動  一月二十三日     辞任         補欠選任      片山さつき君     佐藤  啓君      糸数 慶子君     伊波 洋一君  一月二十四日     辞任         補欠選任      佐藤  啓君     朝日健太郎君     ─────────────   出席者は左のとおり。     理 事                 福岡 資麿君                 元榮太一郎君                 伊藤 孝江君                 有田 芳生君     委 員                 朝日健太郎君                 岡田 直樹君                 佐藤  啓君                 徳茂 雅之君                 長谷川 岳君                 丸山 和也君                 柳本 卓治君                 山谷えり子君                 櫻井  充君                 小川 敏夫君                 石井 苗子君                 山口 和之君                 仁比 聡平君                 伊波 洋一君    国務大臣        法務大臣     山下 貴司君    副大臣        法務副大臣    平口  洋君    大臣政務官        法務大臣政務官  門山 宏哲君    事務局側        常任委員会専門        員        青木勢津子君    政府参考人        警察庁長官官房        審議官      田中 勝也君        警察庁長官官房        審議官      下田 隆文君        総務大臣官房審        議官       稲岡 伸哉君        法務大臣官房政        策立案総括審議        官        西山 卓爾君        法務大臣官房司        法法制部長    小出 邦夫君        法務省民事局長  小野瀬 厚君        法務省刑事局長  小山 太士君        法務省矯正局長  名執 雅子君        法務省人権擁護        局長       高嶋 智光君        法務省入国管理        局長       佐々木聖子君        財務大臣官房審        議官       住澤  整君        文部科学大臣官        房審議官     森  晃憲君        文化庁審議官   内藤 敏也君        厚生労働大臣官        房政策立案総括        審議官      土田 浩史君        厚生労働大臣官        房審議官     田中 誠二君        厚生労働大臣官        房審議官     松本 貴久君        厚生労働大臣官        房審議官     田畑 一雄君        厚生労働大臣官        房審議官     渡辺由美子君        厚生労働大臣官        房審議官     山田 雅彦君        農林水産大臣官        房輸出促進審議        官        渡邊 厚夫君        農林水産大臣官        房審議官     山北 幸泰君        経済産業大臣官        房審議官     大内  聡君        国土交通省航空        局航空ネットワ        ーク部長     久保田雅晴君        観光庁審議官   金井 昭彦君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○法務及び司法行政等に関する調査  (新たな外国人材の受入れに関する件)  (多文化共生に向けた取組に関する件)  (国際仲裁の活性化に関する件)  (技能実習制度に関する件)  (検察官の保管する証拠の開示の在り方に関す  る件)     ─────────────    〔理事福岡資麿君委員長席に着く〕
  2. 福岡資麿

    ○理事(福岡資麿君) ただいまから法務委員会を開会いたします。  横山委員長が都合により出席できませんので、委員長の委託を受けました私が委員長の職務を行います。  委員の異動について御報告いたします。  昨日、片山さつき君及び糸数慶子君が委員を辞任され、その補欠として佐藤啓君及び伊波洋一君が選任されました。     ─────────────
  3. 福岡資麿

    ○理事(福岡資麿君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、警察庁長官官房審議官田中勝也君外二十三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 福岡資麿

    ○理事(福岡資麿君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 福岡資麿

    ○理事(福岡資麿君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 自由民主党、元榮太一郎でございます。山下大臣、平口副大臣、門山政務官、そして政府参考人の皆様、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。  まず、新たな外国人材の受入れ体制についてお尋ねしていきます。  さきの第百九十七回国会で入管法改正法が成立しました。同改正法は、特定技能という新たな在留資格を創設して外国人材を受け入れることが主な内容ですが、新たな外国人材の受入れを円滑に行うためには政府の積極的な取組が必要となってきます。そのため、昨年の十二月二十五日に、外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議で外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策を策定しました。  この総合的対応策の主な内容と、その中でも特に重視している点について、内閣官房長官とともに関係閣僚会議の議長を務めておられる山下法務大臣に伺います。
  7. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) まず冒頭、法務委員会の皆様には、本年もどうぞよろしく御指導お願い申し上げます。  そして、元榮委員の御質問にお答えいたしますと、この総合的対応策、これは、外国人材を適正に受け入れ共生社会の実現を図ることにより、日本人と外国人が安心して安全に暮らせる社会の実現に寄与するという目的を達成するため、外国人材の受入れ・共生に関して目指すべき方向性を示すものでございます。そして、この総合的対応策には合計百二十六の施策が盛り込まれておりますが、いずれも重要な施策であり、我が国における多文化共生社会の実現に向け、一体として推進していく必要があるものと認識しております。  その上で、具体的な施策の内容を幾つか御紹介させていただきますと、まず、例えば全国約百か所の一元的な相談窓口の整備等を含む暮らしやすい地域社会づくり、あるいは、医療通訳の配置、病院内の多言語化支援などを含む生活サービス環境の改善など、あるいは就職支援プログラムの認定、介護人材確保の支援などを含む留学生等の就職等の支援、あるいは日本語能力判定テストの実施、海外における日本語教育基盤強化等を含む外国人材の適正、円滑な受入れの促進に向けた取組などが挙げられております。  いずれもこの百二十六の施策、重要なものでございまして、外国人を我が国の社会を構成する一員として受け入れていくという視点に立って、外国人が日本人と同様に公共サービスを享受し、安心して生活することができる環境を整備していくこととしております。
  8. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 ありがとうございます。  政府が重点を置いている施策の一つとして、今おっしゃいました地方公共団体による一元的相談窓口の設置を財政的に支援するということですが、我が国に在留する外国人の多くにとっては、日本語という言語の壁は非常に高いです。何か困ったことがあった場合に母国語で相談できるのは大変重要なことであると思いますが、この一元的相談窓口における日本語以外の言語による対応は、具体的にどのように行うのでしょうか。
  9. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 外国人が理解できる言語で行政手続や生活に必要な情報をワンストップで受け取ることができる相談窓口を整備することは、外国人の利便性の向上、安心できる生活の実現に大きく寄与できるものと考えます。  そこで、法務省が財政的支援をする相談窓口についてはできるだけ多くの言語による対応を目指すこととしており、通訳や翻訳機器の活用も含めた多言語対応を考えております。
  10. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 この一元的相談窓口においてはなるべく多くの外国人が母国語で相談できることが望ましいわけですが、幾つの言語に対応することが予定されているのでしょうか。そしてまた、それらの言語を母国語とする在留外国人の割合は全体のうちどのくらいなのでしょうか。この言語数とカバー率についてお答えください。
  11. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 日本語のほかに、英語、中国語、韓国・朝鮮語、スペイン語、ポルトガル語、インドネシア語、ベトナム語、タイ語、タガログ語、ネパール語の十か国語で対応することを目指しております。これらの言語は、我が国における在留外国人が多い上位九か国・地域と、スペイン語圏出身の在留外国人が多いという事情に対応したものでございまして、これら十か国語で在留外国人の約九〇%に対応できると考えています。  また、母国語に加えて英語を理解できる外国人も多くいらっしゃると考えられますことから、更に多くの在留外国人への対応が可能と考えています。
  12. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 日本語を含めて十一言語に対応ということでして、約九〇%の在留外国人に対応できるということですが、しかしながら、残りの約一〇%の外国人は、困ったことがあっても母国語で相談することができないということになって、これらの方々に対しては問題は解消されないということになります。  これらの一元的相談窓口で対応していない言語を母国語とする在留外国人に対しては、どのような対応策を取るつもりなのでしょうか。
  13. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) まずは翻訳機器などにより対応することが可能であると考えられますけれども、通訳が必要と判断されれば、適切な通訳を確保し対応することが考えられます。  今後も在留外国人が増加する傾向にあると予想されますところ、地域の国籍別外国人の在留状況や地方公共団体からの要望などを踏まえ、適切な多言語対応の在り方を検証、検討をしてまいります。
  14. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 先ほども言ったとおり、日本語という言語の壁は非常に大きいものですから、在留外国人が我が国で生活する上での安心につながるべく、少しでも多くの在留外国人が安心して我が国で生活できるように更なる努力をお願いしたいというふうに思います。  続きまして、国際仲裁について伺いたいと思います。  私は、昨年六月と十一月のこの法務委員会におきまして、我が国における国際仲裁の活性化のために政府の多面的なバックアップの必要性を指摘させていただいています。その国際仲裁と並んで国際取引における紛争解決手段として、国際調停の利用が進んでいます。国際調停と国際仲裁が共に重要な司法インフラとして整備され、相まって活性化されることになれば、我が国企業の海外進出を後押しするとともに日本に対する海外からの投資の呼び水にもなるということですが、昨年十一月には、公益社団法人日本仲裁人協会によって、日本初の国際調停専門施設を備えた京都国際調停センターが開設されました。  このように、国際仲裁のみならず、国際調停を含めた紛争解決の基盤整備が官民挙げて積極的に取り組まれておりますが、施設整備等も重要ですが、法整備も重要です。昨年九月の外国法事務弁護士による国際仲裁代理等に関する検討会において、国際仲裁事件の範囲の拡大及び国際調停代理の規定の整備等を関係機関に要望する旨の報告書が取りまとめられました。  法務省は、外弁制度の見直しを速やかに進めるための法改正に向けて必要な準備を進めているということでありますが、この外弁法改正案の検討状況について御説明を伺いたいと思います。
  15. 小出邦夫

    ○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。  委員御指摘の外弁法の見直しにつきましては、国際仲裁の活性化に向けた関係府省連絡会議における昨年四月の中間取りまとめにおきまして、外国法事務弁護士等に関する国際仲裁代理等の範囲拡大に向けた検討についての御指摘がされたことなどを踏まえまして、法務省におきまして、昨年八月、日本弁護士連合会と共同して外国法事務弁護士による国際仲裁代理等に関する検討会を開催いたしまして、国際仲裁に精通する弁護士や外国法事務弁護士、国際仲裁機関の関係者等に御議論いただいたところでございます。  その結果取りまとめられた報告書では、外国法事務弁護士等が手続を代理することができる国際仲裁事件の範囲の拡大、また、企業間の取引紛争等に関する国際調停事件の手続についての外国法事務弁護士等の代理を認めるといったことを内容とする外弁法の規定の整備を早期に図るよう要望するとされたところでございます。  法務省といたしましては、この報告書の内容を踏まえまして、外弁法の改正に向けて鋭意検討を進めているところでございまして、現時点で法案提出時期等について申し上げることはできないものの、速やかな法改正に向けて着実に準備を進めてまいりたいと考えております。
  16. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 昨年開設したその京都の国際調停センターなどからは、この外弁法の改正が実現されないと、外国法事務弁護士等による国際調停事件の代理については弁護士法第七十二条違反、いわゆる非弁行為に当たって、外国法事務弁護士等が日本で国際調停代理をすることができない、このような危惧が発生します。これによって、国際紛争の当事者が我が国を解決地として選ばず、国際調停の利用が全く伸びないおそれがあるなど、重大な影響が生じるというような指摘もあります。  近い将来東京での開設も検討されている本格的な国際紛争解決センターに事件を呼び込むためにも、これらについての改正を一日でも早く行うことが望ましいというふうに思いますが、法務大臣の御見解を伺いたいと思います。
  17. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) お答え申し上げます。  もう先生御指摘のとおり、外国企業にとって我が国における国際仲裁及び国際調停が利用しやすいものとなり、我が国の国際仲裁などが活性化されるには、外国法に精通する外国法事務弁護士などがこれらの手続の代理人として活動しやすい環境を整備することが重要であります。国際仲裁機関及び国際調停機関からも、このような要望、意見が出されているというところは十分承知しております。  法務省としては、ちょっと先ほど司法法制部長が答弁したとおり、現時点で法案提出時期について申し上げることはできないものの、法案の重要性は私も十分認識しており、速やかな法改正に向けて着実に準備を進めてまいりたいと考えております。
  18. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 是非ともよろしくお願いしたいと思います。  次に、所有者不明土地等対策の推進について伺いますが、政府においては、関係府省の大臣で構成される所有者不明土地等対策の推進のための関係閣僚会議を開催し、これらの問題の対策を総合的に推進していると承知しております。  昨年の六月一日、今後の対策の推進に関する基本方針と工程表が示されましたが、そこでは、変則型登記を正常な登記に改めるために必要な法制度については今年の常会に提出するということとされています。  まず、この変則型登記とはどのような登記なのか、そしてまた、変則型登記が発生する理由や件数、そして提出を検討している法案の概要について御説明を伺いたいと思います。
  19. 小野瀬厚

    ○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。  現在、法務省では、委員御指摘の基本方針及び工程表に基づきまして、この変則型登記の解消を図るために必要となる法律案の通常国会への提出を目指して検討を行っているところでございます。  この変則型登記でございますが、不動産登記簿の表題部所有者欄の氏名及び住所が正常に記録されていない登記でございます。これは、明治時代から昭和二十五年まで課税台帳として用いられておりました旧土地台帳におきます所有者の変則的な氏名、住所の記載がそのまま不動産登記簿に引き継がれたということによりまして生じたものでございます。全国の土地のうち五十万筆を抽出調査した結果では、そのうち約一%が変則型登記でございました。  このような変則型登記は、氏名又は名称及び住所をもって所有者を特定することとしております不動産登記法が予定していないものでございまして、所有者不明土地の中でも所有者の発見が特に困難であるために円滑な公共事業の実施や不動産の円滑な取引等の支障となっておりまして、その解消を望む強い要望が寄せられております。  法務省では、その解消方策について検討を進めているところでございますが、変則型登記がされた土地につきまして登記官が所有者を探索して正常な登記に改めるための措置や、探索の結果所有者を特定することができなかった土地について裁判所が選任する管理者により適切に管理することができる措置などを内容といたします変則型登記の解消に向けた法律上の措置に関する担当者骨子案を作成して、今月十一日から三十一日までの間、パブリックコメントを実施しているところでございます。  今後は、このパブリックコメントに寄せられた御意見等も踏まえつつ、早期に必要な法律案を提出することができるよう準備を進めてまいりたいと考えております。
  20. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 この所有者不明土地の問題は、相続とも密接な関連があります。  今年度の税制改正によって、新たに相続登記の登録免許税の免税措置が設けられたとのことです。この相続登記の登録免許税が免除されることとなったのはどのような場合なのでしょうか。
  21. 小野瀬厚

    ○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。  委員御指摘のとおり、平成三十年度税制改正要望におきまして、相続登記の促進のための登録免許税の特例を新設することを要望いたしまして、二つの観点から、平成三十三年三月三十一日までの期間、土地の相続登記に対する登録免許税の免税措置が講じられております。  具体的には、まず一つ目は、既に相続登記が放置されているおそれのある土地への対応、こういう対応の観点から、例えば二次相続が発生しております土地について、その一次相続についての相続登記の登録免許税を免除するというものでございます、免税するというものでございます。  もう一つでございますが、今後相続登記が放置されるおそれのある土地への対応という観点から、市街化区域外の土地で法務大臣が指定する土地のうち不動産の価額が十万円以下の土地について相続登記の登録免許税を免税するというものでございます。
  22. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 相続登記の登録免許税の免除は、これは相続登記を促進する、そういうような上では非常に有益だとは思います。しかしながら、まだ現在の相続手続には被相続人の戸籍謄本と除籍謄本、それに相続人全員の戸籍謄本又は抄本が必要でありまして、これがやはり大変な負担になっていると思います。  こちらについては、一昨年の五月から運用が開始された法定相続情報証明制度、これを利用することによりまして、手続のたびに戸除籍謄本の束を提出する必要はなくなりまして、一端の負担軽減が図られていると思います。しかし、この制度を利用する場合でも、やはり一回はこれらの戸籍謄抄本を相続人において集める必要がありまして、これが結構な作業になります。特に、長期間相続登記がされなかったために相続人が多数に及んでいるような場合には、もう大変な手間と費用になります。  このような負担の重さが私としては相続登記が進まない原因の一つであって、最大の要因とも言っていいかもしれませんが、ひいては所有者不明土地問題の要因になっていると考えますが、このような相続登記手続の負担について更なる軽減を図るための方策が必要だと考えますが、御見解を伺います。
  23. 小野瀬厚

    ○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。  所有者不明土地問題の主要な要因として、相続登記がされないまま放置されているということが指摘されておりまして、法務省では相続登記の促進に取り組んでおります。  この相続登記が放置される要因といたしましては、相続登記の必要性や重要性についての認識が乏しいことのほか、今委員が御指摘されました戸籍謄本等の収集などの手続を行うことの煩雑さ、あるいは登記手続には各種のコストを要することなど、相続人の負担が原因であるとの指摘もされているところでございます。  そのため、法務省におきましては、相続人の負担軽減の観点から、委員の御指摘のように、これまでも法定相続情報証明制度を新設するなどしてきましたほか、昨年十一月十五日から実施しております所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法に基づく長期相続登記未了土地の解消の制度におきまして、相続人は、登記官による相続人の探索の結果を利用することによって戸籍謄本等の提出を省略することを認めるなどの施策を講じてきたところでございます。  そのほか、戸籍謄本等の収集に係る負担を軽減する観点から、通常国会への提出を目指しております戸籍法改正法案におきましては、現在は本籍地の市町村長にのみに対して認められております戸籍証明書の交付請求を本籍地以外の市町村長に対しても行うことを可能とする措置を講ずることについて検討を行っているところでございます。  さらに、登記制度や土地所有権の在り方等の中長期的課題に関しましては、二〇二〇年に民事基本法制の見直しを行う予定としておりますが、登記の義務化に関する議論と併せて、登記手続の簡略化等による相続登記手続の負担を軽減する各種の方策について幅広く検討を行っているところでございます。  法務省としましては、委員の問題意識も踏まえまして、相続登記の促進に向けた具体的な施策について引き続きしっかりと検討してまいりたいと考えております。
  24. 元榮太一郎

    ○元榮太一郎君 ありがとうございます。  相続登記の手続の限りない円滑化の推進を要望して、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  25. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 公明党の伊藤孝江です。本年もよろしくお願いいたします。  今日は、改正入管法に関連をいたしまして、外国人材の受入れ、多文化共生という点についてお伺いをしたいと思います。  まず、自治体の取組に対する支援に関連してお伺いをいたします。  先日の報道で、法務省の方から、外国人との共生策を進めるために、出入国在留管理庁にこの四月から、仮称ということですが、在留担当支援官を配置するというようなことがありました。この在留担当支援官という新たに設置をされる役割につきまして、目的、概要、また業務内容等についてお教えいただけますでしょうか。
  26. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 実は私ども、お尋ねのような在留担当支援官との名称は用いておりませんのですけれども、平成三十一年政府予算案におきまして、外国人の受入れ環境整備を目的として、全国八つの地方出入国在留管理局及び三つの支局に受入れ環境調整担当の統括審査官十一人、東京局及び名古屋局におきましては更に入国審査官各一人の合計十三人の定員を措置をしております。  これらの受入れ環境調整担当の統括審査官及び入国審査官は、外国人の受入れ環境整備に係る地方公共団体を始めとした関係機関からの意見聴取、また在留外国人等に対する相談窓口に関する地方公共団体への情報提供などを行い、自治体との懸け橋として外国人との共生社会の実現に向けた諸施策を推進することを予定をしております。
  27. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 その業務として地方公共団体、自治体の取組を把握する、あるいは相談があれば何かアドバイスをするなどの対応をするというようなことは、当然これまでにもなされているものであるかと思います。  例えば、自治体から、日本語教室がその自治体では足りないのでつくりたいという相談が来たときに、今回のこの統括支援をされる担当官がいるということで一体どのような対応をするということが想定をされているのか、新たにこの担当官を配置することによって、具体的に自治体に対する従前の支援と何がどう異なってどのような効果を得られるというふうに考えておられるのか、御説明ください。
  28. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 御指摘のように、これまでも、出入国管理行政を適切に実施する観点から、私ども、全国の地方入国管理局におきまして地方公共団体との連携に努めてまいりましたけれども、今後は、ただいま申し上げました受入れ環境調整担当の統括審査官及び入国審査官を地方局に配置をいたしまして、先ほど申し上げましたような地方公共団体等からの意見聴取や地方公共団体への情報提供などを専門的に専従して行うこととしております。  先ほど委員例に挙げられました自治体の御相談につきましては、入国管理局が直接執行としてできることには限りがありますとしますと、それを担当する官庁へのつなぎの役割を積極的に果たしていくことになると思います。  また、それ以外にも、地方公共団体の職員等に対しまして相談業務に関する研修を実施をしたり、これまでも、各地方公共団体におきまして、外国人用の相談窓口を持っていらっしゃるところの相談の中で、私ども、入国手続、在留手続に関する御相談が大変多いということも伺っておりますので、そうした相談業務に応ずる私どもの職員を地方公共団体に派遣をするというような取組も行っていきたいと思います。  このようなことによりまして、外国人との共生社会の実現に向けた諸施策を更に推進をしてまいりたいと思います。
  29. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 これまでにも当然されていた業務を更に充実をさせるということかと思いますけれども、最初に御説明いただいた規模でいうと、全国で十三人が各地に配属をされると。一体、まず、この十三人の方たちが本当にどれだけのこれまでと違う活動、仕事をされるのかというのは、これからもしっかり注視をしていきたいというふうに思います。  この外国人との共生策をめぐりましては、既に二〇〇六年には「生活者としての外国人」に関する総合的対応策が打ち出されていて、内閣官房がまとめ役として取組が進められているもので、今初めて始めましたというものではありません。  今回、新たな対応策を検討した前提として、これまでの取組や課題をどのように踏まえたものとなっているのか、各自治体の多文化共生に関する従前の取組についてどのように把握をして、現状をどう認識をしてどのように評価をされているのかということについて御説明いただけますでしょうか。
  30. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) この度、法務省におきまして総合的対応策を取りまとめるに当たりましては、外国人の生活の場となる地方公共団体との連携、支援が何よりも重要であると認識をしました上で必要な検討を重ねてまいりました。  具体的に、外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策検討会という会議を六回開催し、その中で、地方公共団体の皆様の多文化共生に関する先駆的な取組につきまして御示唆をいただきました、ヒアリングを行いました。  例えば、そのヒアリングにおきまして御披露いただきました取組としましては、地方公共団体が複数言語で作成した生活、就労に関するガイドブックの作成、日本語教室の開設などが挙げられますが、このような外国人の受入れ整備に取り組む地方自治体を実効的に支援する観点から、総合的対応策におきまして、国が地方公共団体に対し地方創生推進交付金などの財政的支援を行うことも明記をしております。  法務省といたしまして、そのような先駆的な地方自治体の取組の御知見それから御経験を全国と共有するなど、総合調整機能を果たすべく、外国人との共生社会の実現に必要な施策を着実に進めてまいります。
  31. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 今回新たにまとめられました総合的対応策の中で、先ほどこの柱の一つとして、例えば多文化共生総合相談ワンストップセンターというのを設けるというお話もありました。このワンストップ相談窓口、新たに設けるというものですが、全国に百か所で、主に都道府県と政令市に設置をされるというふうにお聞きをしております。  ただ、地元でお聞きをすると、これでは当然、地方部に在住をしている外国人からは行くことも難しい、また存在を知らせることも困難で、なかなか人間関係がない中で、電話相談で充実した対応をすることも難しいということで、やはり地元の自治体で相談対応をするというのが一番望ましいはずだと。そのほかの生活相談、日本語教育を始め、国際交流協会やボランティアの方、また諸団体等と協力をしながら既に自治体において多くの活動をされておられますけれども、生活者という観点からすると、外国人が住んでいるその居住地でできる限りの対応をいただく必要性が高いというふうにも考えます。  この多文化共生に関する自治体の役割の重要性についてどのようにお考えなのか、御説明ください。
  32. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 地方自治体、市町村におかれまして、住民に最も身近な総合的な行政主体として、これまでも外国人に対して情報提供や相談対応を始めとする様々な住民サービスを提供し、地域における多文化共生を推進する重要な役割を担われてきたものと認識をしてございます。  委員御指摘のように、外国人の一番身近な市町村において生活相談ができることが望ましいというのはおっしゃられるとおりだと思いますが、外国人が居住する全ての市町村に対して相談窓口設置のための財政的支援を行うことは困難でありますことから、今般、まず第一回目といたしまして、市町村を包括する都道府県等を中心として約百か所の地方公共団体を支援することとしたものでございます。  今後でございますけれども、地方部に在住する外国人の皆様が疑問や悩みをお抱きになりました場合にも必要な情報提供や相談に迅速に応じることができるよう、地方公共団体の皆様の意見、御要望なども踏まえながら、この一元的相談窓口の設置、拡充の支援に取り組んでまいります。
  33. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 ありがとうございます。  これまで予算とか人手の不足で、またあわせて、想定していた以上のスピードで外国人が増加しているというような自治体、そういう背景もあって、具体的な進展が図られていない、また図ることができない地域も多いと思います。実際に各自治体では、その専門の担当者がいないところ、他部署と兼任をしている職員の方も多く、職員自体が手薄だという現状だと思います。  実際に関わられておられる方からは、行政の中に多文化共生の観点をしっかり持った人若しくは部署をつくってスタッフを教育していくことが必要だ、自治体の中に多文化共生サポーター制度やコーディネーター制度を導入すべきであるという御意見もお伺いをしました。  この自治体において多文化共生に関する人材育成などの対応をすることの必要性について御説明いただけますでしょうか。
  34. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 地方公共団体におけます多文化共生の取組の更なる促進を図るとともに、外国人が安心して我が国での生活や就労ができるよう、国として地域における多文化共生に取り組む人材の育成を含めた適切な支援を行うことが必要であると認識をしてございます。  今回の総合的対応策では、具体的な施策といたしまして、地方公共団体へのアドバイザー制度の創設、地方公共団体が情報共有等を行うための会議の開催、各都道府県において共生社会の実現に向けた会議を設置することを促進することなどが盛り込まれておりますところ、私ども、総合調整機能を発揮をいたしまして、関係省庁と連携協力しながら、これらの取組を通じて適切な支援を行ってまいります。
  35. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 今御説明をいただいた、国としての取組もしていくということではありますけれども、やはり、これまでも当然国からはお願いをしていたところですので、自治体任せであれば変わらないのではないかと。制度化する、あるいは国が強力に指導するなど、積極的にリーダーシップを発揮しなければ自治体の意識が変わらないんじゃないかというのは私自身も思うところです。  この生活者としての外国人という側面を守っていくことにつきましていただいた意見の一つです。国が対応を考えてくれるのは有り難い。けれども、国として自治体がまず何をすればいいのかを具体的に示してほしい。市として専門的に対応できる部署はなく、多くの部や課をまたいでの支援が必要なため、きちんとした対応窓口が必要である。でも、市としては、そこまでしたくてもできない状況の中で国の後押しが必要だと切に感じると。専門部署の確保、人材育成ができる施策をお願いしたいという御意見です。  各自治体でも、議員の方々も努力をしながらたくさん要望、また提案をしても、予算がない、人がいない、これで、今国から言われているのはこれですということで終わるというような現実もお聞きをします。  しっかりと国として、自治体が多文化共生に関わる人材育成を図り、専門部署の確保を含めて実効的な取組を行うことができるようにどのように関与をしていくのかと。先ほど大まかに、こういう制度をつくりますというような話はありましたけれども、実際にこれまでとは違う強力な後押しをするのかという点についてお伺いをいたします。
  36. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 御指摘のように、国として、財政的支援をするのみならず、きっちりとその中身、ソフト面につきましても支援をしていくことが必要だと思っております。  例えば、地方公共団体におきまして、総務省において推進をしております地域における多文化共生推進プランを策定し、地域における多文化共生の推進を計画的かつ総合的に実施をされているところが多いと承知をしています。また、今回の総合的対応策におきましても、先ほど申し上げました多文化共生アドバイザー制度の創設や地方公共団体等が情報共有を行うための多文化共生地域会議を都道府県単位で開催をするようなことにつきまして支援をしてまいりたいと思います。  このように、地域における多文化共生施策の推進をしていくために、先ほど委員おっしゃりましたように、国として私どものプランをお示しをするとともに、国がどのような役割を果たすべきかという御要望も十分にいただきながら、考えつつ進んでいきたいと思います。
  37. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 大臣に、自治体への支援の在り方についてお伺いをいたします。  既に地方に外国人が多く生活をしておられて、本当に各自治体でも必要に迫られて取組をたくさんされておられます。相談体制につきましても、本当に一人一人の外国人に寄り添うという思いで関わられている職員の方もたくさんいらっしゃいます。ただ、予算や人手の不足が大きく、それを補うための支援を望んでおられると思います。にもかかわらず、生活者としての外国人に対する支援として、先ほど挙げました多文化共生総合相談ワンストップセンター、これは都道府県と政令指定都市に設置を主にすると。  文化庁が新たに行う地域日本語教育の総合的な体制づくり推進事業、これも新規事業と聞いておりますが、都道府県、政令指定都市が日本語教育の具体的な計画策定を通じ今後の対応方針を明確化することを目的とする支援、また都道府県、政令指定都市において体制づくりのための取組を財政的に支援するというものです。都道府県や政令指定都市に地域日本語教育の司令塔機能を置くということでありますけれども、今の状況の中でこんなことをしていてまどろっこしくないのかというのが正直な思いです。  地元の議員の方からも、今の日本語教育をもっと充実させることの方が先決ではないかと。現場は外国人の急増に対応したくても、ボランティア頼みで人的にも予算的にも増やしたくても増やせない。言語の種類も増えていて、人材も少なく、地方が計画策定を都道府県がすると言っている間にもうあふれてしまうと。地方にも予算措置を含めて人材派遣をしてもらえるのか等々の御意見もいただきました。  今の計画では、地方部の自治体としては、相談業務も日本語教育もこれまでと同じようにやっていくというしか当面できないことになってしまいます。これまで熱心に取り組んできた自治体の事業、知識や経験、ノウハウなどを生かすもの、自治体が現に望んでいる支援を実現できる仕組みをつくっていくべきものではないでしょうか。今の総合的対応策がそのようなものになっているのかと、現場の自治体の努力と工夫、悩みをきちんと理解しているのかというのを懸念しております。  かかる視点に立って自治体の取組に対する支援策をつくるべきではないかと考えますけれども、大臣の御所見をお願いいたします。
  38. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) まさに委員御指摘のとおり、これまで御苦労されてきた地方自治体に対して、そしてこれから広がるであろう地方自治体に対してしっかり手を差し伸べなければならない、これはもう全く同感でございます。  これまで、外国人が多く住む地方公共団体を中心として、地域に住む外国人が日本社会に溶け込み、安心して安全に暮らすことができるよう、大変な苦労をされながらきめ細やかな支援や様々な取組を各地域で行っていただいておりました。私もいろいろお話も聞きましたし、例えば浜松とか、これは定住者ということで日系ブラジル人の方が多いんですが、その御苦労、二十年以上にわたる御苦労もいろいろ聞いたところでございます。  そうしたこれまでの蓄積されたノウハウであるとか、そうしたことをやはり我々しっかりと横展開もしていく必要があるんだろうと。そういった意味におきまして、私と官房長官が共同議長を務める関係閣僚会議というところで、また、今回の外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策、これを了承していただいたわけでございます。政府を挙げて一丸となってやっていく、そしてその中には、外国人との多文化共生社会の実現に必要な合計百二十六の施策が盛り込まれ、地方公共団体への財政支援を含む関連予算として二百十一億円、加えて、地方創生推進交付金など財政的措置に関しても充実したものとなっております。  また、これまで御尽力いただいた地方自治体からは、例えば集住都市、外国人がたくさん集まる集住都市の会議に、例えば今度入管局長に行っていただいたりしながらしっかりと声を聞く。また、「国民の声」を聴く会議であるとか、地方において開催しておる出入国管理行政懇談会などの機会において様々な御意見をしっかりと聞かせていただき、この法務省の総合調整機能も駆使しながら、政府一丸となって地方公共団体の意見、要望に丁寧に耳を傾けながら、外国人の受入れ環境の整備にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
  39. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 しっかりとお願いいたします。  続いて、受入れ機関の多文化共生に対しての責任等についてお伺いをいたします。  地元の方でお話をお聞きをしたときに、いろいろ、役所であったり、またボランティア団体の方たちがイベントなどの地域活動に一緒に参加してほしいということを外国人の方に呼びかけても、外国人同士が情報交換することを懸念して、雇主、また受入れ機関が参加を禁止や自粛するように指示をしているというようなお話も伺いました。  受入れ機関に対しても、労働条件の遵守だけではなく、種々の情報提供はもちろん、外国人が地域で生活する環境をつくり、守らなければならないことをしっかりと自覚をさせて取組への協力がなされるようにしていくべきというふうに考えております。  この生活者としての外国人の環境を整備するために受入れ機関が担っている責任について御説明ください。
  40. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 総合的対応策におきまして、生活者としての外国人に対する支援として、特定技能外国人や技能実習生を受け入れる企業に対し、住宅の確保や金融機関の口座開設サポートなどの環境整備について責任を負うべきことが盛り込まれています。  委員御指摘のように、外国人の受入れ環境の整備におきまして、この外国人の一番身近なところにいるその受入れ機関、企業は重要な役割を担っております。そうした企業の認識を高めるためにも、総合的対応策のこれらの施策に関しまして、積極的に情報発信を行ってまいりたいと思っています。
  41. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 例えば、外国人労働者に関しての調査をするに当たって、労働環境等を調査するに当たりまして、技能実習機構や入管、また労基署の方が受入れ機関において生活者としての外国人の環境整備に取り組み対応しているのかどうかということは、調査対象、また指導対象になるんでしょうか。
  42. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 生活者としての外国人に対する支援に関しまして、暮らしやすい地域社会づくり、円滑なコミュニケーションの実現、適正な労働環境等の確保等、様々な施策を掲げておりますけれども、これらの施策に関する調査につきましては、入管法令や労働関係法令等の各所管法令に基づいて実施されることとなると認識をしています。その場合に、各法令に定める事項が適切に履行されていることについて疑義が持たれるような事実が確認される場合には、受入れ機関や関係機関に対して調査あるいは指導をすることもあると考えています。  そのこととは別に、調査に赴いた折や受入れ機関関係者の方が手続のために来庁されたような場合に、総合的対応策にも盛り込まれた内容などについて周知あるいは協力依頼を積極的に行うことも重要と考えています。
  43. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 じゃ、純粋に、労働時間であるとかそういうような労働条件そのものではない生活環境に対してのいろんな取組についても、調査対象、また指導対象になるということでよろしいんですね。
  44. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 法令に基づいた指導対象という場合もあるかもしれませんが、主には、啓発、周知、協力依頼、指導、一般的協力依頼ということになるかと思います。
  45. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 協力依頼、まあ法的な義務ではないからということになるんでしょうか。
  46. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 例えば、今回の特定技能の外国人の受入れに関しまして、受入れ機関の義務、果たしていただくべき要件が省令の中に書き込まれております。その中で、例えば、先ほど申しましたような、住宅をきっちりと確保していただく、あるいは口座開設に協力をする、これは支援体制がきちんと取られているかというメニューの中にございますけれども、これらにつきましては、省令に基づいた義務ということで位置付けられています。
  47. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 済みません、ちょっと曖昧な部分もあり、また改めてと思いますけれども、大臣に最後お伺いをいたします。  この多文化共生に対しての総合的対応に関して、特に生活環境等に関する部分については、法的な義務なのかどうかという理屈の部分もあるかと思うんですけれども、しっかりとこれは受入れ機関がやらないといけないものなんだということを、対応しないといけないということを大臣の方からもしっかりと訴えていただきたいと思うんですが。
  48. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) お答えいたします。  委員御指摘のとおり、外国人の受入れ環境の整備において、受入れ企業は重要な役割と責務を担っております。そうした認識を持っていただくことは極めて重要であります。  先ほど局長からも答弁させていただきましたとおり、特定技能外国人に関しては、例えば生活環境の整備ということであれば、受入れ機関である企業が、職業生活上、日常生活上又は社会生活上の支援を実施することが義務付けられているというところがございます。また、技能実習生に対しては、技能実習法の規定により、実習実施者や監理団体が技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護について責任を自覚し取り組むべきことが規定されております。  そうしたことをまたしっかりと着実に実行していただくということ、これを法務省としても取り組んでまいりたいと思います。今後ともしっかりとやってまいります。ありがとうございます。
  49. 伊藤孝江

    ○伊藤孝江君 以上で終わります。ありがとうございました。
  50. 有田芳生

    ○有田芳生君 立憲民主党・民友会の有田芳生です。  昨年、臨時国会が終わった後、大臣始め政務三役の方が私の部屋に御挨拶に来ていただきまして、そのとき私は、本来この法律、問題については対決法案になるような中身ではないんだと、与野党を超えていいものをつくっていかなけりゃいけない。ところが、私たちが去年の臨時国会でもるる指摘をしましたように、何しろ法案の中身が具体性のないすかすかなものであるという、そういう主張をせざるを得ませんでした。  その後、政府の方針が出ました。これが日本の今後の社会の質、あるいは日本でこれから働く外国人労働者の人権をいかに守るものになっているのかということを、これからも与野党を超えて真剣に議論をしていかなければいけないというふうに思います。  昨年に続いて、昨日衆議院の法務委員会で質疑があったことについて、昨日の夜のテレビニュース、あるいは今朝の新聞各紙でも大きく報道されました。  中でも、産経新聞、日本経済新聞、東京新聞、毎日新聞などなども含めて、朝日新聞が一番大きく総合二面で、ほぼ一面を通じて問題点あるいは今後の課題について指摘をしております。「新在留資格なお不鮮明」、「改正入管法閉会中審査」、「政府方針具体性欠く」という厳しい見出しが躍っておりますけれども、大臣、これは読まれましたでしょうか。
  51. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) そういう報道があったということは承知しております。
  52. 有田芳生

    ○有田芳生君 その報道があったのは今お手元に届いたんでしょうけれども、そういう厳しい評価に対して、大臣の所感はいかがでしょうか。
  53. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) まず、これに関しては、ちょっと若干厳しいなというふうな思いは正直言ってございます。  と申しますのは、在留資格に関しまして、政府方針につきましては百二十六の総合的対応策、これも定めております。そしてまた、この入管法の内容、これ、法律事項で定める部分、これ在留資格、そして活動でございますが、その詳細については省令に委ねている部分がございまして、その政省令案につきましては今パブリックコメントに付しておる、昨年中にそうしたパブリックコメントに付すことをさせていただいている。そしてまた、法律で定めることが必要とされている基本方針や分野別運用方針も年内に策定させていただいたということで、まずはこういったお示ししたものの趣旨、これをしっかりと我々が説明していくことなんだろうというふうに考えております。  そうした中で、やはりこの報道の中には企業の皆様の御不安というところも指摘されておりました。そうした指摘については真摯に受け止めて、これから各県においても説明会を行う、あるいは、入管職員を含め政府の職員での説明をしっかりさせていただくということに全力を尽くさせていただきたいと思います。
  54. 有田芳生

    ○有田芳生君 一般的な説明としてはよく分かるんですが、しかし、例えば朝日新聞のこの記事の中には、経産省が関係団体、会社ですか、約六百人の人たちを集めて説明をしたところ、そこに参加した人たちの中では、やはり具体性がないというような不満があるということが企業の人たちの具体的な声として報道されているんですよね。  ですから、今後、各都道府県で説明をするというのは方向性としてはいいかも分からないけれども、でも、四月から施行されるんでしょう、間に合うんですか。
  55. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) まず、四月一日からの施行でございますが、こういった国会の御議論も通じて、あるいは二月から、来月からもうそういった説明会を加速していこうというふうに考えております。  また、この中身につきまして、具体的にこういうところはもっと情報をもらえないかというふうな御相談があれば、そういったことについても、しっかりと各業界団体を通じるなり、あるいは説明会を通じてしっかり御説明をしていきたいというふうに考えております。
  56. 有田芳生

    ○有田芳生君 例えば、十四分野で技能試験あるいは日本語試験を行うわけですよね。それを四月から施行していくときに、例えば、大臣、十四分野で技能試験、例えば宿泊分野でいつやるのか、日本語試験いつやるのか、そういうことは把握されておられますか。
  57. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 今、各分野において、業所管省庁において準備を加速しているというところでございます。また、幾つかの分野におきましては、四月一日施行になった早々にそういった試験をやらせていただきたいというところもあるようでございます。そういったところもしっかりと情報を発信していきたいというふうに考えております。  例えば、本年四月から技能試験を開始することを予定している分野として、介護分野、宿泊分野、外食業分野ということが挙げられております。今のところ申し上げられるのはこの程度でございますけれども、更に情報がお伝えできる状況になりましたら、迅速にお伝えしたいというふうに考えております。
  58. 有田芳生

    ○有田芳生君 大臣でなくてもいいんですけれども、例えば宿泊分野、技能試験というのはどういう内容をやるんですか。
  59. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) これから十四分野がそれぞれ試験をつくってまいりますけれども、基本方針の中にも定められておりますように、その十四分野の横串の試験方針というものをまず法務省が作成をしております。これにつきましては、試験問題の作成、実施方法、実施場所、実施回数などが定められるものでございまして、分野所管省庁はこの試験方針に従い、有識者等に相談をし、又は助言を求めるなどして試験実施要領を定めることにしています。  いずれにしましても、こうしたプロセス、それから決まりましたものにつきましては、公表をして皆様のお目に留まるようにいたします。
  60. 有田芳生

    ○有田芳生君 つまり、いずれにいたしましてもとおっしゃいましたけれども、いずれにおいても、各分野の、いつ試験を行うのかということはまだ決まっていないということですよね。
  61. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 特に、先ほど大臣申し上げました介護分野、宿泊分野、外食業分野につきましては、四月に試験ができるように準備が進められると承知しています。
  62. 有田芳生

    ○有田芳生君 技能試験と日本語試験というのは同日に行うんですか。
  63. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 日本語試験につきましては、主に二種類のものが想定をされておりまして、今既に全世界八十か国ぐらいで実施をされております試験と今回新たにつくられる日本語試験と二種類を使いますということを分野別運用方針の中で各分野が特定をしております。  実際に外国で行う技能試験とそれから日本語試験をどのように行うかということにつきましては、今相談中だと思います。
  64. 有田芳生

    ○有田芳生君 先ほど元榮委員の質問を伺っておりまして、答弁の中で医療通訳のお答えをなさっておりました。この医療通訳も、非常にこれからは外国人を受け入れる上で大事なことだというふうに思うんです。そういう答弁なさったので、質問通告はしていないんですけれども、例えば中国語、あるいは韓国語、あるいはフィリピン語などならば、そういう医療通訳なさる方はいらっしゃるでしょう。だけど、私がずっとこだわっているベトナム語の医療通訳というのは、できる方はいらっしゃるんですか。分かればで構いません。
  65. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 今はよく分かりません。
  66. 有田芳生

    ○有田芳生君 これはね、大変なんですよ。技能実習生もベトナム人がずっと増えてきていますよね。今だって、この時間にだって、長野県でレタス取ったりニンジン取ったりしてベトナム人たちは働いている。京都でも農業をやっている方々がいらっしゃる。だけど、医療通訳というのは本当に充実しなければいけないんだけれども、ベトナム語というのは御承知のように六音声で、中国語よりもずっと難しい。  大臣にも伺いたいんですが、もし分かればでいいんですけれども、例えば今、国家試験である通訳案内士の試験というのは毎年やっています。これ、中国語、韓国語などの試験なんですけれども、国家試験である通訳案内士の対象として、ベトナム語ありますか。
  67. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 済みません、ちょっと通告がございませんでしたので。私としては、それがあるというふうには承知はしておりません。  ただ、院内通訳につきましては、人である通訳を介するということもあるんですが、例えばアプリで、今相当言語を訳するそういったアプリもあります。ですから、例えば、どこが痛いであるとか、そういったことを多言語で訳する、例えばスマホのアプリなどもあるわけでございます。そうしたアプリ、あるいはそういったことを使うノウハウ、そういったことも共有させていただいて、そういった医療についても提供していくような体制を整えたい。もちろん、通訳という人的な人材育成ということも図っていきたいと思っております。
  68. 有田芳生

    ○有田芳生君 通訳案内士の国家試験にベトナム語ないんですよ。非常に難しい言語ですから、それを医療通訳と称してアプリで行いますというのは、気持ちは分かるけれども、それではいかにも貧弱だろうというふうに思います。アプリ対応の医療通訳というのは、それじゃ駄目だというふうに思います。  それで、今朝の新聞見ていて、大臣も読まれましたでしょう、入管局長も読まれましたでしょう。私は、やはりもう一つ今日の報道を見てどうなのかなと思ったのは、やはりこれから外国人労働者が日本に入ってきて、より高い賃金を求めてこれまで技能実習生たちが年間七千人を超えて失踪したように、大都市に集中する傾向というのはこのままではなかなか食い止めることが難しいというふうに思うんです。それを昨日入管局長は自粛を求めると、端的にそういう表現されておりましたけれども、そういうこと、それで本当に対応になるんでしょうか、大都市集中を食い止めるには。
  69. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) この外国人材、今回の特定技能で入られた方々につきましては、仕組みとしまして、転職を認めるという制度で組み立てているものでございます。それに伴いまして、地方に入られた方が大都市に転職として移動してしまうのではないかという御懸念が寄せられているところでございます。これにつきましては、さきの法案審議の中でも、この点に配慮をするようにということが修正、追加をされたものでございまして、基本方針の中でもこれに配慮をするということをうたっております。  具体的にどのような施策を取っていくかというところが大事でございますけれども、まずは、入国されたこの特定技能の方々がどういう動きをしているのか、本当にどの分野のどういう方々がどういうように大都市に移動しているのかというようなことを、まずは入国管理局として正確に把握が可能ですので、この把握をしたものを業所管庁、それから公表をして皆様にもお伝えすることになると思います。  その上で、基本方針にも盛り込みました業ごとの協議会におきまして、その業の特性としてどのようなものがあるのか、果たしてその業の中でどのような移動が起こってどのような問題が起きているのか、地方の人手不足、今回の特定技能の外国人材で解消しようとしていた地域の人手不足が解消されるような状況にあるのかというような状況の把握、そして原因の究明などを業として協議会の中でやっていただき、その中で、先ほど申しました自粛などを業として、協議会として要請をすることもメニューに入ってくるということを答弁いたしました。
  70. 有田芳生

    ○有田芳生君 時間が短いので、なるべく端的にお願いをいたします。  私は、去年の臨時国会でも何度か口にしましたけれども、技能実習制度の総括なしに新しい仕組みはないと言いました。ですから、今の問題にしても、これから対応するというのではなくて、何で技能実習生が一年間に七千人も失踪するのかといえば、これは経済の論理なんですよ、これまでも、これからも。やはり、少しでも日本で働くときに給料がいい方が助かるということで、そういう論理が貫徹しているわけですよね。  もう時間がなくなってきたので、入管局長に伺いますけれども、昨日報道発表されました平成三十年における外国人入国者数及び日本人出国者数等についての速報値で、去年技能実習生は日本に何人入っていますか。
  71. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 平成三十年における在留資格「技能実習」に係る新規入国者数の速報値は十五万百六十一人です。
  72. 有田芳生

    ○有田芳生君 前年に比べて一八%増えているんですよね。だから、これからも技能実習生は増えていく、だけどその技能実習生の待遇というのはいかにもひど過ぎる状況があるというのが去年の臨時国会で明らかになったことです。失踪だけではありません、不審死、それから過労死と思われるような内容。  そして、ここで政務官に伺いたいんですけれども、そういった失踪データの問題についてプロジェクトチームをつくられて、その責任者でいらっしゃいますよね。一体このチームでは何をなさるんでしょうか、なさっているんでしょうか。
  73. 門山宏哲

    ○大臣政務官(門山宏哲君) ありがとうございます。  私は、大臣の命を受けて議長という立場を務めさせていただいているものでございます。  これまでのプロジェクトチームにおける主な検討事項でございますけれど、まずは聴取票の記載事項、これの見直しや聴取の在り方、あるいは、平成二十九年及び三十年の聴取票に係る失踪事案についての再調査、そして、さらには技能実習生の死亡事案についての調査を主にやっております。このほか、実習実施機関や外国人技能実習機構等の視察も実施したところでございます。  具体的な検討状況でございますが、まず、聴取票の記載事項の見直しや聴取の在り方についてでございますけど、厚生労働省の御意見もいただきながら具体的な検討を進めているところでございます。私からは、聴取項目を現在よりも詳細かつ客観的なものにし、賃金支払や労働時間の状況、違法、不当な行為の有無についての具体的な事実を聴取できるようにするように指示をしております。  また、聴取票に係る失踪事案についての調査については、明らかに違法、不当な行為が認められないものを除く全ての実習実施機関を対象とするという方針の下に必要な調査を進めているところでございます。特に私からは、本省入国管理局、地方入国管理局及び外国人技能実習機構が連携し、可能な限り客観的な資料に基づき事実を解明するよう指示しております。  また、技能実習生の死亡事案についてでございますが、各事例の保存記録の精査や必要に応じた補充捜査により、死亡の状況や技能実習制度との関連性、因果関係の有無等について調査を進めております。私からは、実習外の死亡であっても、必要に応じ過重労働の有無等も調査するように指示を出しております。  このほか、新法の施行状況についても、必要に応じて入国管理局や機構から報告を受けるなどしながら検討を加えているところでございます。  これらの調査検討については、三十一年三月末までに結果を取りまとめて公表する予定でございます。その際には、今後の聴取票による聴取の在り方も含め、制度の運用の改善に資する具体的な提言を行うこととしたいということを考えております。
  74. 福岡資麿

    ○理事(福岡資麿君) 答弁は簡潔かつ明瞭にお願いします。
  75. 有田芳生

    ○有田芳生君 ありがとうございます。  じゃ、政務官に伺います。  この八年間で百七十四人の技能実習生がお亡くなりになっておりますけれども、そのうちの二十五人が溺死という法務省の文書にあります。この二十五人の溺死というのは一体何なんですか。確かに、震災のときに流されてお亡くなりになった方もいらっしゃる、あるいはカキを取っていて水に落ちて亡くなった方もいらっしゃいますけれども、この法務省の文書からは、その二十五人、溺死、溺死、溺死、まあ中には一人自殺というのがありますけれども、一体何で溺死されるんですか、技能実習生が。
  76. 門山宏哲

    ○大臣政務官(門山宏哲君) 現在、実習外の死亡事例についても、過重労働の有無を含む実習との関連性、因果関係の有無を個別に精査しているところであります。また、個別の事案の詳細については、プライバシーに関わることもあるため、お答えを差し控えさせていただきます。  もっとも、御指摘の死亡事例の一覧に記載されている溺死事案には、海水浴等、レジャー等の際の死亡の例も少なからず含まれている一方で、実習中の転落事故等も含まれているものと調査により承知しております。  いずれにいたしましても、調査の結果については、三十一年三月末までに、関係者の名誉やプライバシー等にも配慮しつつ、可能な限りで明らかにさせていただきたい、そのように考えております。
  77. 有田芳生

    ○有田芳生君 もう時間ですので、残念ながら導入部分で質問をやめざるを得ませんけれども、二十五人の溺死者、海水浴で亡くなった方もいらっしゃるけれども、それが多くいらっしゃるかのような表現というのは事実ではないというふうに思います。まだ法務省だってはっきりしていないんですから。だから、そこのところをしっかりと調査をしていただいて、技能実習生の労働関係との問題などについて、やはり人権を守るような立場でちゃんとした結果を示していただきたいというふうに思います。  小川委員にバトンタッチします。
  78. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 立憲民主党の小川敏夫です。  政務官の方で、これまでの在り方をよく調査して取り組むということですけれども、これまでの質疑の中でも、捕捉した失踪者からいろいろ事情聴取した、その中で、約束された賃金が払われないとか最低賃金以下の賃金だとか、労働時間が違法だとかというような事情を述べた失踪者が非常に多かった、にもかかわらず、それについて事実がどうだったのかの調査は何もしていないというようなこれまでの答弁の経過がありました。  私は、これから外国人労働者が多く受け入れる、入ってくる中で、やはりそうしたこれまでの技能実習における問題点というものをしっかり解明して、労働者が有意義に働く、そして我が国の産業にも貢献していただくという、両者がウイン・ウインのそうした関係をつくらなくてはいけないと思うわけであります。  そうした意味で、この技能実習から浮かび上がった問題というものに焦点を当ててお尋ねさせていただきたいと思いますが、ちょっと待ってください、厚労省いないですね。ああ、いるの、分かりました。  まず、失踪した技能実習生が、そうした約束した賃金が払われない、あるいは最低賃金などを申し立てた、それについて具体的に法務省の方では調査していないということをこれまでいただいていたわけですけれども、技能実習生のそうした雇用状況について、厚労省は何らかの調査はしておったんでしょうか。
  79. 山田雅彦

    ○政府参考人(山田雅彦君) お答えします。  今の御質問については、技能実習機構においてはそういった調査はしておりますが、厚生労働省としてそういった調査はしておりません。
  80. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 では、技能実習機構、これは法務省と厚労省の共管ですけれども、技能実習機構ではどういう調査をしておったんでしょうか。(発言する者あり)
  81. 福岡資麿

    ○理事(福岡資麿君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  82. 福岡資麿

    ○理事(福岡資麿君) 速記を起こしてください。
  83. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) まず、技能実習の失踪に関してでございますね。  機構からの提供いただいた数字ということで、失踪率に関して、例えば三十年、あっ、失礼、これは二十九年の数字でございますね、これに関しましては、例えばその入国者数、対象者数の中で失踪者数の割合を算出したところ、前年度末の在留者数に当年度新規入国者数を足し、それが三十五万六千人おりまして、その中で七千八十九人が失踪しているということで、二・〇%ということでございます。その中で、若干これよりも高い割合ということで、ベトナム、中国、カンボジア、ミャンマー等があるというところでございます。まあ、ということでございます。
  84. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 ちょっと私の質問の答えになっていないと思うんですが、要するに、そうした賃金とか約束が違うとか、違法な賃金、労働を失踪者が訴えたということについて調査していないということを指摘したわけでありまして、これについて法務省は、そうした問題に目をつぶって、より良い賃金を求めて職を移ったと、こういう表現で言わば問題をはぐらかしておったわけでありますが、こうしたことについてしっかりと反省してその実態を調べるように、先ほどの政務官の答弁ですとそういう方向で検討するということでありますので、それは必ずやっていただきたいということで、次の質問に移ります。  その失踪者なんですけれども、私ども、法務省から開示されたその調査票を手分けしてコピー、写して見ましたけれども、ベトナムと中国が圧倒的に多いんですね。それで、それを数字的に確認しましたところ、ベトナム、中国、元々実習生の数が多いから総数は多いんだけれども、総数だけでなくて、実は実習生の中のうちの失踪者の割合についても非常に高い。例えば、ベトナムほど多くなくても、古くから技能実習生を出しているフィリピンは、失踪者の割合は〇・三%でしかないと。しかし、ベトナムはその十倍の三%、これは平成二十九年のいただいた資料ですが、という数字がある。  この労働者の国籍によってこうした失踪者の数が大きな違いがあるというのは、これはただ単に労働者の国民性だけではなくて、やはりその国の送り出しの仕組みがうまく機能しているのか、あるいは、そうではなくて、受入れの我が国の監理団体でベトナム等を扱っているところの事務が不適切なのかと。  これは様々な状況が考えられるわけでありますけれども、まず、大臣は、こうしてフィリピンは技能実習、毎年失踪者の割合はそれほど多くないのにベトナムの場合には大体その十倍もあるというこの傾向について、どうしてそうなっているのか、まず、非常に抽象的ですけれども、総論的に大臣の所感をお聞かせいただけませんでしょうか。
  85. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) まず冒頭、先ほどの小川先生の二十九年の数字について機構からの数字と申し上げましたが、これは法務省入管局自身が把握している数字でございますので、その点、訂正させていただきます。申し訳ございませんでした。  御指摘の、国によって異なるのではないかということでございます。  技能実習生の失踪の原因として、送り出し国において高額な手数料が徴収されておって、それを借金として背負ったまま来日するため、その返済の必要から失踪し、高い賃金が得られる就労先を求めて失踪するということは、これは確かに考えられるところでございます。  フィリピン等について、例えば国内法においてそうした手数料を取るということがかなり制限されているという部分、そういうこともあるのかなというふうには思いますが、国別によってそういったことが変わるのかということについて、これは今後も精査が必要であろうと思っております。  ただ、いずれにせよ、不当に高額な手数料等を徴収する悪質な送り出し機関、これが一因となっているという認識はございますので、これを排除するために送り出し国政府との間で二国間取決めの作成を進めており、今月の十五日現在で十一か国との間で二国間取決めを作成し、順次意見交換等を実施しているところでございます。  今後もこうした取組を進めることによって、そういったこの失踪の背景となっていると考えられる悪質なブローカーの排除に取り組んでまいりたい、そして、失踪の原因を一つ一つ排除していきたいというふうに考えております。
  86. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 十一か国と取決めしていると言うけど、みんな同じような取決めをしている中でこうした差が出てきているわけですよ。  例えば、失踪者の調査票ですね、大体ほとんどが百万円ぐらいの手数料を払って技能実習生として日本に来ている。その払った百万円は誰に払っているのか。その送り出し国の送り出し機関に払っているのか、そうじゃなくて、いわゆるブローカー的な、送り出し機関ではなくて、そこに口利きするだけの人間がもらっているのかどうか、そうしたことについての聴き取りをしているのか、それから、その聴き取りに基づいて具体的な調査はしていたのか、お答えください。
  87. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) お答えいたします。  そうした送り出し機関による手数料につきまして、まず、一律に手数料は取ってはならないということではないということでございます。ただ、この技能実習に関して、徴収する手数料その他の費用について、算出基準を明確に定めて公表するとともに十分理解させることという条項が入っておりまして、実は二国間取決めの中でも、その相手国の送り出し機関についてこういうことをしっかりと、要するに、算出基準を明確に定めて公表し説明することという条項を設けております。  そうした中で、今、全数調査ではないんですが、抽出した調査によれば、その手数料の内容としては、例えば派遣手数料や旅券取得等の渡航手続費用、健康診断費用、あるいは送り出し機関の手数料であるとか講習費用であるとか、あるいは教育費であるとか、そういった名目で徴収をされたというところが浮かび上がっているところでございます。
  88. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 今の大臣のその手数料の明細聞いても百万には到底行かないと思うんですが、ただ、私の質問は、その百万を、送り出し機関が取っているのかブローカーが取っているのか、そこを調べましたかと聞いているわけです。
  89. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 今私の手元にある数字というのが、これ新たな技能実習法の施行後で、二国間取決めに基づく部分もございまして、これによると、サンプル調査ではありますので今後精査は必要だという前提の上で、おおむね三十万円から四十万円前後の手数料であったというところでございます。  ですから、これが二国間取決めの効果なのか、あるいはもっと調査を尽くすべきなのかということは、今後もしっかりと政務官率いるチームの中でも検討を重ねていきたいというふうに考えておりますが、手元にある数字はこういうところでございます。
  90. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 だから、正規の手数料が三十万だとすると、百万円を取っているのは送り出し機関ではない者が取っている可能性が高いわけですよね。ただ、そこは要するに調査していないということだと思いますが。  そうすると、こうした、約束が違うとかいろんな問題がある、賃金とか労働時間についてですね、送り出し側に問題がある可能性もありますけれども、一方で、受け入れている監理団体もたくさん数がある。その中で、たくさん受け入れてどんどんやればそれだけもうかるという考えで非常に甘い受入れをしていると、それがたまたまベトナムを扱っている機関なんじゃないかという可能性だってあるわけです。これは可能性ですよ。つまり、具体的に調査していないんだから分からないわけで。  ただ、そういう可能性で、そういう視点から見ますと、例えば失踪者を捕捉した、あるいは捕捉しなくても失踪者について報告があるわけです。その失踪者について、我が国のどの監理団体から扱った失踪者なのかということについては調査してありますか。
  91. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) まず、聴取票の調査というのが、技能実習生の失踪に関する直接的な状況を把握するためにということで、その実習環境に係る、例えば実習実施者であるとか、あるいはその借金に関わる海外の送り出し機関とか、就労後の就労環境などについて調査を行っておりました。この今使用している聴取票の書式の作成段階では、実習実施者に比べて失踪そのものには監理団体の関与は低いと思われたということから、監理団体の項目を設けて聴取を行うまではしておりませんでした。  ただ、二十九年十一月に施行された新たな技能実習制度におきましては、監理団体においては監理事業の報告を行うことになっておって、年度ごとに行方不明者数と行方不明率も報告をすることになっております。そうしたことで、機構及び入国管理局は、監理団体ごとの失踪率を把握する仕組みとしておりました。その上で、問題があった場合には必要な調査を行い、違法、不当な行為が判明した場合は、監理団体許可の取消しなどの対応を行うということにしておりました。  ただ、御指摘もございましたその聴取票の記載事項の見直しについて、これについては技能実習プロジェクトチームで今厚生労働省と調整しながら聴取票の新様式の策定を進めているところでございまして、委員御指摘の点も踏まえて、技能実習生の失踪の実態が的確に把握、分析できるように検討を進めてまいりたいと考えております。
  92. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 いや、監理団体ごとの失踪者がどこの監理団体か調査しているかのような答弁でしたけれども、もし調査してあるのならその調査結果をいただきたい。調査していないという話だから質問したわけであります。  というのは、同じことを先ほど言いましたけれども、こうした国によって突出して失踪者が多い国がある、その原因は何なのか。送り出し国だけの問題ではなくて我が国の監理団体の扱いの問題だという可能性もあるわけですから、その実態をしっかり把握して、送り出し国側に問題があるのならその点について強く改善を求める。それから、監理団体側についても、ルーズな、数だけ増やせばというルーズな傾向があればそこはしっかりやらなくてはいけないので、その前提としてしっかりした調査が必要だからということでお尋ねしたわけであります。  ですから、監理団体ごとに失踪者について調査があるならその調査結果を下さい。もしないのなら、しっかりとした調査をしてください。  時間が来ましたので。昨年の失踪者の数をいただきました。驚くべき数字は、最近、技能実習生として我が国が受け入れる数が増えてきた国がありますが、例えば、ネパールやスリランカ、ミャンマーといった国が、ここ数年少ない数字だったのがかなりの技能実習生が増えています。ただ、驚いたところに、そういうところについて、ネパールは三六%が失踪している、スリランカは一九・六%が失踪している、ミャンマーは七%が失踪している。非常に率が高いんですよ。今まで多かったベトナムでも三%、優等生と思われるフィリピンは〇・三%です。  これはどういうことなのか。送り出し側に問題があるよりも、私のこれは想像ですけれども、可能性として言うならば、監理団体が少しでも多くの人数をかき集めたい。もうベトナムは評判が悪くて限界になってきたからといって、新しくそうした無理に開拓をして無理な受入れをしているんじゃないかというような私は心配を持っております。  昨年十二月に参議院がODAの派遣をして、我が党の議員も一人ネパールに参加しました。そこで、その議員は、現地のネパールの人との、我が国と友好関係がある関係者とお話しした際に、日本から帰ってきた技能実習生が日本の悪口を言って困ると、大変に親日国であるのに、技能実習生の帰国者が日本に対しての悪口を言っているというようなことを言われたということを言っておりました。  技能実習生、せっかく受け入れた、恐らく多くは若者でしょうけれども、そういった人たちが、我が国で大変に、その責任がどこにあるか分からない、送り出し国にもあるかもしれないし受け入れる側にもあるかもしれないし、両方にもあるかもしれない。しかし、いずれにしろ、そうした青年たちが国に帰って日本のことを悪く言う。それだけ日本の評価をおとしめているというのは、これは大きな問題、まさに国際的な信用に関わるし、広い意味でも日本の国益を損じていることになる。  私は、そうした意味で、この技能実習生、これから、一方、特定技能者として外国人労働者を多く受け入れる場合に当たって、決して同じような過ちを繰り返してはならないし、約束が違う、最低賃金以下だ、労働時間が違法だとか、そうしたことの問題が起きてはならないようにするためには、まず的確な調査、そしてやるべき調査を、国内においても送り出し国の状況についてもしっかりと調査して、それを取り組んでこそ私は、外国人のその労働者のためにも我が国の産業のためにもなるんだという観点から、まず基本的な調査をしっかりやっていただきたい。  いやしくも、賃金が最低賃金以下、約束が違うと言って失踪した人を、より良い賃金を求めて職を変わったみたいな言い方で問題に目をつぶるようなやり方は反省していただいて、しっかり取り組んでいきたいというふうに思いますが、それについて大臣の決意をいただいて、私の質問を終わります。
  93. 福岡資麿

    ○理事(福岡資麿君) 時間ですので、お答えは簡潔にお願いします。
  94. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 委員御指摘のとおり、せっかく我が国に来てくれて技能を身に付けて帰ろうという方が、そういった不適切な扱いを受けて、そして日本に悪感情を持って帰るのであれば、これは本当に制度の趣旨にもとることになります。  その原因について、送り出し機関あるいは監理団体、いずれにおいてもあり得ることと思いますので、調査についてしっかりさせていただいて、対応をプロジェクトチーム始め法務省を挙げて検討していきたいと考えております。
  95. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 終わります。
  96. 櫻井充

    ○櫻井充君 国民民主党・新緑風会の櫻井充です。  まず冒頭、閉会中審査を求めておりましたが、閉会中審査を決めていただいた、今日はインフルエンザでお休みのようですが横山委員長、それから与野党の理事の先生方に改めて感謝申し上げたいと、そう思います。  余り人事のことというのは我々が口を挟むことではないかと思うんですが、これまでずっとこの入管法について和田さんが局長として辣腕を振るわれてきました。政省令もやっと決まって、パブコメを求めている最中に局長がいなくなってしまいました。  何でこんな人事を行うんでしょうか。
  97. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 個別の人事におきましては、事柄の性質上、その理由等を明らかにすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、いずれにしても、適材適所の観点から今回の人事、一連の人事を行わせていただいております。  新たな入国管理局におきましても、これまで官房審議官として入国管理政策を担当してくださっていた佐々木新局長を始め、その能力、経験等に鑑み適任者を配置しており、前体制と同様に、引き続き、新たな外国人材の受入れ等の課題を始め入管行政に適切に対応してまいりたいと考えております。
  98. 櫻井充

    ○櫻井充君 そういう答弁いただけることはよく分かっていました。  だけど、大臣、これ去年の臨時国会の中でいうと一番大きい法案なんですよ。この一番大きい法案、こういうときですら、一月に検察かどこかの人事があって、それに合わせて今回人事が行われたこともよく分かっているんです。だけど、大事な法案なわけですよ、閉会中審査しなきゃいけないぐらい。そして、四月に施行された後もこれ相当な形で見ていかなきゃいけないものについて、もちろん今度の局長が駄目だということを申し上げているんじゃないんです。やはり、ある種、法案というのは継続しているんだとすれば、それに続いてきちんとした形で私はその人が責任持って見ていくような体制をつくった方がいいんじゃないかと思っているわけですよ。  例えば、東日本大震災のときに東北財務局長に一年留任していただいたんですが、それはやっぱり現場の人たちを知っている人に残っていただかないと何ともならないので、唯一この人事だけは財務省にお願いして彼には一年間いてもらうようにしましたが、私は、そういうような観点から、機械的にその人事するということはいかがなものなのかなと、そう思うんですが、一般論を離れて、大臣、どう思われます。
  99. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 一般論を離れて個別の人事について申し上げることは、これはもう差し控えさせていただきたいと考えておりますけれども、政策の継続性等に関しましては、例えば、これ今回におきましてもいずれの段階におきましても図らせていただいているというふうに考えております。
  100. 櫻井充

    ○櫻井充君 まあしようがないです。これしか答えられないのはよく分かっているんです。分かっていますが考えてはいただきたいと、そのことについてだけはお願いしておきたいと、そう思います。  官僚というのは組織ですから、組織としてやるんだからこういうことで全く問題ないんですという話になるんでしょうが、これ、官僚の人たちの例えば業績評価する際に、どこまでやったから、どこまでのところを見て評価するのかということになってくると、やっぱり一つのプロジェクトについてきちんとやり終わったところまでやって評価するべきだと、私はそう思っていて、官僚の人事評価ができないのは、こうやってころころころころ機械的に変えるところにも問題があると思うので、御検討いただきたいと、そう思います。  それから、亡くなった方が、随分去年議論になりました。実習生、八年間で百七十四人の方が亡くなっています。これについて法務省としてどういう総括がなされたのか、まず御説明いただきたいと思います。
  101. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 平成二十二年から平成二十九年までの各年において、技能実習一号として新規入国された技能実習生の総数が六十四万人おられます。そして、その中に志半ばで亡くなられた方がおられるということは、技能実習制度を所管する大臣としても極めて残念というふうに考えております。  この技能実習制度につきましては、制度の適正化や技能実習生の保護を目的として平成二十八年十一月に新しい技能実習法が成立し、そして二十九年十一月から施行されたわけでございます。そして、これに基づいて、これまで新たな技能実習法に基づいて適正化を図ってきたところでございます。  また、法務省としては、現在、技能実習制度の運用に関するプロジェクトチームにおいて、現在、その過去の死亡事例についての技能実習との関連性の有無も含めて調査を行っております。そして、死亡事例への対応の在り方などについても検討を行っております。また、その総括につきましては、三月末まで、若干いろんな個別の事情もございますので、調査検討の時間をいただいて、三月末までに結果を取りまとめて公表するということを予定しております。  こういった技能実習中の死亡といった不幸な事例が可能な限り防止されるよう、プロジェクトチームを率いる弁護士でもある門山政務官の調査検討も踏まえて、技能実習制度の適切な運用や関係機関との適切な連携に努めていく必要があると痛切に感じているところでございます。
  102. 櫻井充

    ○櫻井充君 大臣、ちょっと手続上おかしくないですか。  今回、政省令出されていますよね。政省令出されているということは、過去の事例に対してどこに問題があったと、どこに原因があったのかということを分析した上で、それを防止するために政省令を出してくるというのが当たり前のやり方ですよね。  今回、政省令出しているけれど、分析は三月末にならないと分からないという、まずこの行政手続そのものがおかしいと思いませんか。
  103. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 今回新しく出させていただきました政省令、あるいは改正させていただいた政省令は、これは技能実習生に係るものではなくて、これは新たな外国人材受入れに関する政省令ということで、特定技能に係る部分を政省令として定めさせていただきました。  他方で、やはり技能実習法に係る部分におきましても、その運用、これはしっかりやらなければなりませんが、その問題点等、これは過去の事例にまで遡ってする必要があろうということで、技能実習法に関してはプロジェクトチームをつくらせていただいております。ただ、個別の調査ということでお時間が掛かるということで、三月末までお時間をいただいているというところでございます。
  104. 櫻井充

    ○櫻井充君 大臣、その答弁、相当ひどいですよ。そうであったとしたら、新しい技能実習制度をつくった段階でこの総括をしていないとおかしな話になりますよ。  いいですか。技能実習生、新しい制度は二十八年にできていますね。であったとすれば、その二十八年のところで総括して、亡くなった人はどういう原因で亡くなっているんだからそれを防ぐためにどういう技能実習制度にするんですかという、そうしたら、今の答弁であればそういうことですよ。つまり、技能実習生だから、新しい入管法だからという今答弁されましたね。新しい入管法だから、だから今回の政省令はこのままでいいんですと、総括は後からでいいと。だったら、技能実習生の新しい制度をつくる際になぜそこの総括がなされていないんですか。全くおかしいですよ、今の答弁。
  105. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 今、櫻井先生の質問は省令等の制定とこの調査についての先後関係をお尋ねになりましたので、そのように申し上げたわけでございます。そして、加えてこの政省令につきましても、これは今パブリックコメントにかけているところで、正式に公布、施行するのは三月を目途にしているところでございます。  そしてまた、今プロジェクトチームで検討させていただいておりますのは、今般の入管法改正、これは新たな人材受入れに関する部分を含んでおりますけれども、新たに出入国在留管理をしっかりするということの中で、これは、改めて問題と、この国会でも問題となりました技能実習に関してこれはしっかりと検討する必要があるということを私が判断いたしまして、このプロジェクトチームの設置を指示したわけでございます。そして、そのために調査をしっかりするようにということを私が法務大臣として改めて指示をさせていただいたというところでございます。
  106. 櫻井充

    ○櫻井充君 大臣、ちゃんと整理してくださいよ。  今、僕は別に揚げ足取ろうと思ってやっているわけでも何でもないんですよ。去年から申し上げているとおり、これまでやってきたことの問題点をちゃんと総括して、制度の問題なのか、例えば受入れ機関の問題なのか、先ほど小川委員からあったように送り出し機関の問題なのかとか、それをちゃんと総括しないと次のステップに行けないでしょうと言っているだけの話ですよ。建設的にやっていきましょうということですよ。だから、制度上の問題なのか運用上の問題なのかの区別をしましょうと言っているだけです。  そうであったとすると、こうやって亡くなっている方がいらっしゃるというのは重大事案ですよ。この重大事案の総括をしないと入管法で新しい人たちに対してもきちんとできないんじゃないですかと、私はそう思っているんです。  だけど、今のお話ですと、入管法は入管法の政省令なんですと、だから、これは三月に出して、その後の対策でも構わないというようなお話をされた。(発言する者あり)いや、そういう答弁になっています。後で議事録見てください。だけど、そうであれば、二十八年の技能実習生の制度を変えるときにきちんと議論して、そこについての総括をした上で新しい技能実習制度をつくらなかったらいけなかったんじゃないかということを私は申し上げているんです。ただ、済みません、もう時間がないので、これは後で一応考えていただきたいと、そう思います。  地方の今度は人手不足についてですが、昨日の、今朝の新聞かな、それを見ていても、具体的に示されていないと、昨日の委員会もどうやらそうだったらしいんですが。具体的にどうやって地方の人手不足を解消するのか明示していただきたいと、そう思います。
  107. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) まず、地方の、ちょっと新聞の報道ぶりが厳し過ぎるなというのは、多分答弁の一部分を切り取って見出しにしているなというふうな印象は正直言ってございます。  ただ、それはさておき、どのような大都市圏集中の回避策を行うかにつきましては、まず、我々が考えているのは、もし大都市とあるいは地方との間に外国人材の受入れ体制に本当に開きがあるのであれば、例えば地方において外国人の受入れの受皿の準備が全くできていないということであれば、そこはなかなか難しいんだろうというふうに考えております。  だとすれば、まず、外国人材が来ても受け入れられるようなそういった地方、まずは、例えば都道府県あるいはその政令指定市あるいは集住都市、ここに百か所ワンストップセンターを置くということ、そういったことで地方と大都市の外国人受入れの部分をできるだけ平準化していくということが必要なのではないかということで、まずその対策を取っております。  他方で、実際になぜ都市に行くのか。給料が高いからといって必ず大都市に集まるかというと、これは日本人労働者でも同じでありますけれども、給料が高いからといって、もちろん東京に集まっている日本人の方もおられますが、暮らしやすいふるさとで住まわれている方もおられるわけです。同じように、外国人の方にとっても、例えば慣れ親しんだ地域で技能実習をやっているのであれば、その方が仮に特定技能ということを選ぶのであれば、そこで引き続き慣れ親しんだ人間関係の中で続けたいということもあるかもしれない。  ただ、どういった理由でこの外国人労働力の移動が起きているのかということは、これからしっかりと調べなければならないというふうに考えております。ですので、そういったことをしっかりと把握した上で新たな対策を立てていくということであります。その中でどういったものが可能なのかということをしっかりと各省庁と検討していきたいというふうに考えております。
  108. 櫻井充

    ○櫻井充君 そうすると、まず地方が受皿をつくっていなければ駄目なのはもうそれは当たり前の話ですから。もしでき上がっていることを前提に、じゃ、どうするんですかというお話ですと、今一回やっぱりやってみて、どこに問題点があるのかを把握した上で対策をつくるというお話ですよね。つまり、現時点ではまず一回やってみましょうと、やってみた上でどこにどういうことがあって、もし人材的にばらつきが起こってくるようであれば、どこに原因があるのかを把握して、その上で対策を取るという答弁でよろしいですよね。
  109. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) まず、まずやってみてというのはちょっと言い足りなかった部分があろうかと思いますが、やはり外国人材の方からいろいろお話を聞くと、どこに相談していいか分からないというふうなお話が結構ございます。  そういった中で、やはり相談窓口というのをまず設ける、そこでワンストップというふうにすることによって、様々な情報についてそこに行けば情報が入手できるようにすべきではないかということ、そういった支援も含めて、暮らしやすい地域社会づくりであるとかサービス環境の改善であるとかコミュニケーションの実現であるとか、そういったことを、考えられるものに、挙げられるもので実現可能性があるものについて百二十六もの施策を挙げさせていただいているところでございます。これを着実に実施することで相当程度改善されるのではないかというふうに考えておりますが、なおその中で更に新たな問題が出てくるようなことも踏まえてしっかりと検討していきたいというふうに考えておるところです。
  110. 櫻井充

    ○櫻井充君 例えば、僕らは旅行に行くとすると、聞いたことのある町だったらまあこういう町だろうなというのは想像できるわけですよ。でも、全然知らない町に行こうとするときにはいろんな情報を取ってから行くわけであって、そういう意味合いで東京というのは多分誰でも知っている町だと思うんですよね。それ以外のところであったとすると、知らない人たちっていっぱいいると思うんです。  ですから、今お話をお伺いしながら、いかにその町のコマーシャルをしてくるか、海外に行ってむしろそういうことを地方自治体が努力をしていかないといけないのかなと思いながら聞いていましたし、これは国の政策だけでは十分いかないことはよく分かっているので、とにかく地方にも努力をしていただいて、なるべく地方の人手不足を解消できるようにしていきたいと、我々もそう思います。  その上で、一点、大臣、もう一つは、これずっと問題視しているんですが、留学生なんかを受け入れる際に、仙台の入国管理局の認定率というんですか、あれがめちゃくちゃ低いんですよ。必ず平均値以下なんですよ。平均を上回ったことないんですよ。これ、全国一律になっているという話を、大臣、大丈夫でしょうか、ちょっと聞いていただいていいですか、全国一律になっているはずなんです、これは。法務大臣の多分権限を委譲しているのか委任しているのか分からないけど、全国一律になるはずなんですよ。  だけど、これは法務局だけではなくて、例えば歯科なら歯科で、その歯科医院が適切かどうかということを判断する方々がいらっしゃるわけです。この人たちが県ごとに配置されるんですけど、この人たちが転勤していくと、あっ、あの県でまた歯医者何軒潰されるんだろうかねと。これ、全国一律で同じようにやるんだといったって、その技官によって全然違いますからね。  ということは、仙台で仙台の入管があれだけずっと低いということは、仙台の入管に問題があるはずなんですよ。つまり、あるところは多分厳し過ぎるんだと思うんです。そこをちゃんと変えていただかないと、今度はもう一つ、東北に人が来ないことになるんですよ。  ですから、ここをちゃんとしていただくか、そうでなければ、留学生でも見てみると割と認定率というんですか、あれが高いところがあるので、だったら東北で人が足りないといっても、例えば東京なら東京の入管、東京で手続をやらしていただくようにでもしないと相当不公平が出ると思うんですけど、この点について改善していただけるんでしょうか。
  111. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) この点につきましては、委員から昨年も質問がなされ、当時の和田局長がお答えになったと思いますが、やはり我々としては、地方入国管理局による審査につきまして、これは審査に必要な書類の提出を求めて法令等に定める要件に適合するか否かは審査しているところで、その審査に対しては、判断に係る基準や取扱いが全国で一律となるよう努めていると。ただ、個々の申請について見た場合に、外国人個人の経歴や活動内容が千差万別で、その個々の審査の積み重ねの結果として在留資格認定証明書の交付率や在留資格変更許可申請等の許可率に差が生じることもあり得るということは御理解賜りたいと思っております。  ただ、他方で、各地方入国管理局における取扱いにばらつきや差が生じているとの御指摘を累次いただくこともあって、委員からも再度御指摘を頂戴したわけでございます。  これまでにも、都度都度、取扱いが一律になるように各地方入国管理局に対して指導を行ってきたところでございます。委員からも先般御指摘いただいた後にもこういう指導を行っているところでございますが、また今般、改めて入国管理局として、各地方入国管理局における取扱いの均衡性確保のため、引き続き適切に指導を行ってまいる、その取扱いについて差異がないように改めて私からもしっかりと指導をしてまいりたいと思います。
  112. 櫻井充

    ○櫻井充君 よろしくお願いします。  僕は、ばらつくのはおかしいと言っていないんですよ。ばらつくのは当たり前ですから。だけど、毎回下ですからね。毎回平均以下ですからね。東北に来る人たちだけが何かおかしい人たちと言ったら、不適切な人たちが来ているかのような感じになるんですけど、決してそうではないんですよ。  ですから、どうしたって、まあ書類の提出なんかも厳格にやっている点もあり過ぎるのかもしれないし、分かりません。ほかが手を抜いているとは申し上げませんけれど、どう見ても仙台の数字が低過ぎるので、繰り返しになりますが、そうすると東北に人が来なくなる原因の一つになる可能性があるので、それだけは是正していただきたいと改めてお願いしておきたいと、そう思います。  それから、農業と漁業に人材派遣を認めることにしましたが、これの要件は一体どのようになるんでしょうか。
  113. 山北幸泰

    ○政府参考人(山北幸泰君) お答えをいたします。  農業と漁業につきましては、季節による作業の繁閑ですとか、あるいは作物や魚種によって作業のピーク時期が異なると、そういったこともございまして、繁忙期の労働力の確保ですとか、あるいは複数の地域間での労働力の融通、そういったことをできるような仕組みにしてほしいというような現場からの要望があったところでございます。このため、今回のこの技能制度におきましては、こうしたニーズに対応可能な派遣形態を認めさせていただきました。  その要件でございますが、農業の分野別方針におきましては、農業現場の実情を把握していることですとか、あるいは農業技能協議会に参加いただいて協力いただく、そういったことの要件に加えまして、具体的な要件につきましては法務省令で定めるというふうになっておりまして、その中では、農業の関連事業者ですとかあるいは地方の関与、そういったことを現在規定させていただいているところでございます。
  114. 櫻井充

    ○櫻井充君 できれば本当に地方の実態を分かっている人たちや、それからできれば農協とか、何か農協は銀行の預金があるので、そこのところでどうだこうだっていろいろ何か条件が整わないようなことも書かれていますが、是非地元の実態を分かっているところにしていただきたいんですよ。  それともう一つ、竹中平蔵さんという方がいらっしゃいますが、あの人が会長を務めているような会社が参入することだけはやめさせてくださいよね。毎回規制緩和するたびに、水道法でも名前が出てくるんですよ、あの人。ろくでもない人ですからね。ですから、こういうところがまた利益を出すようなことだけはしないでいただきたいと、そのことだけは強く申し上げておきたいと、そう思います。  それから、医療保険の適用について、この点についてはどのような議論になるんでしょうか。
  115. 渡辺由美子

    ○政府参考人(渡辺由美子君) お答えいたします。  まず、医療保険の適用につきましては、昨年この委員会の方でも先生の方から御指摘のありました実態調査の結果を昨年末にまとめております。その実態調査の中では、これは国保の人数でございますけれども、被保険者全体に占める外国人の割合は三・四%、年齢構成で見ましても二十代、三十代の方が過半数ということで、かなり若い方という状況でございます。  また、医療費の状況につきましては、全体の医療費に占める外国人の方の割合は〇・九九%、それから八十万円を超える高額な診療につきましても〇・九二%ということで、こういった実態調査の結果から見ますと、外国人の方が増えることによって直ちに医療保険財政に影響を与えるということは考えておりません。  しかしながら、一方で、私ども次期通常国会にこの健康保険法の改正を行おうと思っております。その中では、現在被扶養者につきましては国内の居住要件というものが掛かっておりませんが、原則として国内居住要件を導入するということを行いたいと思っております。  この基本的な考え方としましては、先ほど申しましたように、医療費が増えるからということではなくて、そもそも日本の健康保険というのは、日本に居住を有する人が日本の国内の保険医療機関を受診する、そういう場合に保険給付を行うということを原則としているわけでございますが、これまでも社会環境の変化によりまして、例えば海外駐在の増加などに伴いまして昭和五十六年には法改正を行いまして、特例的に海外療養費、海外の医療機関で受けた場合にも療養費の支払をするといった、こういう制度も設けてきております。  今般の改正は、こういった更なるグローバル化の進展によって言ってみれば原則と例外が逆転するようなケースが出てくるのではないかということで、改めて、冒頭申しました、基本的には国内で医療機関、国内に住む方が国内の医療機関を受診するということが健康保険の基本原則であるということを徹底するという観点から、健康保険における被扶養者につきまして、要件について原則として国内居住要件を入れるということを次期通常国会に出すべく現在準備を進めているところでございます。
  116. 櫻井充

    ○櫻井充君 結局、昭和五十六年以前のところの、まず原則は変わっていないと。昭和五十六年に社会の変化に応じて変えたので、今回も社会の変化に応じて変えていくと。ですから、考え方の基本は変わっていないということなんだと思いますので、そこはちゃんと明確にしていただかないと、何となくいろんな形でどんどんどんどん変わっていくようになっていくというのは決していいことではないので、考え方の筋だけは通していただきたいと、そう思います。  済みません、時間来たんですけど、ちょっとこれだけどうしても聞かせてほしいのがあるんですが、受入れ業種ごとに協議会をつくることになっているんです。協議会つくるのはいいんですけど、ここで一体何の議論して、本当に機能するんですか。  それから、働いている人の代表者がそこに入らないんですよね。ですから、働いている人の代表者も入れた方が私はいいんじゃないかと思うんですけど、この点について御答弁をお願いしたいと思います。簡潔にお願いします。
  117. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 今回の受入れ制度におきまして、基本方針において今御指摘の分野別の協議会を設置するなど必要な措置を講ずることとされています。地方における人手不足への対応に関してこの協議会は重要な役割を果たすものと考えており、例えば、協議会において、地域ごとの人手不足状況を把握し、原因を探り、必要な措置を講ずることなどを考えております。  そのほか協議会が果たすべき役割としまして、例えば、協議会に参加することになる特定技能所属機関は、受入れ状況の全体的な把握、問題発生時の対応、法令遵守の啓発、特定技能所属機関の倒産等における転職の支援等々、必要な協力を行うこととなっております。  それから、メンバーでございますけれども、現在、各分野を所管する省庁において協議会の設置に向けた具体的な検討を進めていることと承知をしておりますけれども、御指摘の労働者側の代表を構成員に加えることについて、協議会の意義、役割、設置後の運用状況を踏まえながら、省庁及び協議会において御判断いただくべき事項と考えています。
  118. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。  まず、厚生労働省に我が国で働く外国人労働者の動向について御認識をお尋ねをいたしたいと思うんですが、百二十八万人とこれまで言われてきた数字というのは、これはもう言うまでもなく二〇一七年十月末の数字でございますが、この百二十八万のうち、例えば技能実習生は二十五万八千人とされましたけれども、その僅か二か月後、二〇一七年の末には、法務省によりますと二十七万四千人と二万人近く急増しているわけですね。それ以降も地域で働く外国人労働者は在留資格のいかんにかかわらずうなぎ登りになっているというのが国民の実感だと思うんですが、厚生労働省としてはその動向をどう見込んでおられますか。
  119. 田畑一雄

    ○政府参考人(田畑一雄君) 我が国で働く外国人労働者数について、外国人雇用状況届が義務化されて以降の状況を見ますと、平成二十年の約四十八万六千人から平成二十九年の約百二十七万九千人まで増加傾向で推移してきております。  将来的な外国人労働者数の見通しについて明確にお答えすることは困難ではございますが、委員御指摘の技能実習生の動きでございますとかこれまでの傾向、また、新たな在留資格が設けられ五年間で最大三十四万人程度の受入れが見込まれることなどを踏まえますと、外国人労働者数の増加傾向が続くことが想定されます。  なお、昨年末に取りまとめられた外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策においても、今後、在留外国人の増加が見込まれるとの記載がなされたところでございます。
  120. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 法務省、昨年末の技能実習生数、それから資格外活動を認められている留学生の数、これはいずれも伸びていますよね。
  121. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 平成三十年十二月末現在の数、集計中でございますので、直近で平成三十年六月末現在における在留資格「技能実習」に係る在留外国人は二十八万五千七百七十六人で、増加をしてあります。  それから、平成三十年六月末現在における在留資格「留学」に係る在留外国人は三十二万四千二百四十五人で、そのうち資格外活動許可を受けた者の数字は二十九万二百十七となっています。
  122. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 いずれも大きくうなぎ登りの状況がこれからもしていくわけですよね。さきの入管法改定は、外国人を人手不足対策の労働者として正面から受け入れるという大きな転換でした。ところが、技能実習生がその土台にされた。建前は技能移転、国際貢献と言いながら、低賃金、劣悪な労働条件でも従順に働く単純労働力とされて、人権侵害、低賃金構造が大問題になってきて、その実態にさきの臨時国会で国民的な批判が高まりました。八割の国民の皆さんが強硬に反対をしていたのに、改めてこの委員会室であの日暴力的な、乱暴な強行採決をしてまで押し通したのが政府・与党です。昨日、今日の議論を聞いておりましても、この強権で四月以降これすぐに実施するというこのやり方がもう完全に破綻しているということは明らかじゃないですか。  驚くべきことに、政府はそのさなかの十一月、十二月に、技能実習二号の職種をそれまでの七十七から八十職種百四十四作業に拡大をしております。お手元の資料の一枚目ですけれども、あれだけひどい人権侵害が明らかになりながら言わばひっそり職種を増やしたんですが、私は驚くべきことだと思うんですね。  農水省にもおいでいただきましたが、この一枚目の資料の真ん中の欄、農産物漬物製造業が十一月十二日に、それから十六日に医療・福祉施設給食製造という職種が追加をされました。この後の方は、入院患者さんとか介護施設の入所者の方々の給食を作る、そういう製造に関わる技能実習ということなんですが、つまり、この業界がそれだけ人手不足が逼迫しているということだと思うんですよね。  この新たな実習職種から二号の修了をすれば、特定技能一への移行がそれぞれこれはあるんですね。
  123. 渡邊厚夫

    ○政府参考人(渡邊厚夫君) お答え申し上げます。  委員御指摘の医療・福祉施設給食製造及び農産物漬物製造業、いずれも、さきの分野別方針において記載されているとおり、特定技能一号への移行が可能というふうになっております、技能実習二号修了者におきましてはということでございます。
  124. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 分野はそれぞれ何になるんですか。
  125. 渡邊厚夫

    ○政府参考人(渡邊厚夫君) 医療・福祉施設給食製造が外食業、それから漬物製造業が飲食料品製造業でございます。
  126. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 国交省にもおいでいただきましたが、この一覧表の最後の項目に、グランドハンドリング、空港グランドハンドリングの作業名として客室清掃というのが追加をされました。これは、年末ぎりぎり、十二月二十八日のことですけれども、これは特定技能一の分野別で言う航空業への移行があり得ますね。
  127. 久保田雅晴

    ○政府参考人(久保田雅晴君) お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、グランドハンドリング職種におけます航空機の客室清掃作業につきましては、昨年十二月二十八日に、技能実習二号への移行対象職種としての認定を受けておるところでございます。  客室清掃作業につきましても、二号技能実習を修了した方につきましては、空港ハンドリング業務に必要な技能水準及び日本語能力水準を満たしているものとして、航空分野におけます特定技能一号としての受入れ対象となります。
  128. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 先ほど議論になっておりました宿泊という分野について引き続き伺いますが、昨年の法案審議の時点では、現在、二千人程度の実習生からの移行を見込みますというふうに政府は説明をしておりました。ところが、分野別方針を見ますと、全員試験のように書いてあって報道もされている。これ、法案審議のときの説明はうそだったのかというと、これ何だかいろいろ議論をやっているみたいなんですよね。  つまり、宿泊に移行できる技能実習職種を今検討していると、これ追加していくということなんじゃないんですか。
  129. 金井昭彦

    ○政府参考人(金井昭彦君) お答えいたします。  これまで、技能実習制度における二号移行対象職種に宿泊業を追加すべく、宿泊業四団体で協議会を設置して実習の内容や試験制度についての検討を重ねてきておりまして、昨年九月には宿泊業技能試験センターを設立しまして、現在、厚生労働省が開催します専門家会議において了承が得られるように、現在、検討作業が進められているものと承知しております。
  130. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 つまり、政府は、技能実習制度を特定技能一の土台としていよいよ拡大しようとしているわけですよ。  総合的対応策の中でも、留学生の就職支援あるいは外国人労働者の受入れ企業の手続負担を緩和するといった、つまり積極的な受入れを拡大しようという施策が様々盛り込まれているわけですよね。留学生バイトの二十八時間規制を緩和するということも、慎重にといいながら検討をしておられるわけです。これ、政府は、どれだけの外国人労働者やその受入れ事業所が拡大することを見込んで、法務省がその司令塔、人権、共生社会づくりの司令塔になると言っているのか。  これ、特定技能一の五年で三十四万五千人にとどまらないわけですよね、外国人労働者の増えていく数、規模は。その下で、私は、総合的対応策というのは極めて不十分だ、安倍内閣は極めて無責任だと思います。  多文化共生相談ワンストップセンター、総合相談ワンストップセンターですが、これ整備目標百か所なんですが、これ百か所といったって、県庁所在地だったり政令市だったり、あるいはこれまで自動車産業を始めとした集住地域ですね。ここにあっても、例えば熊本の県南部のハウスでトマトをちぎる、そうした形でやっている、これからは特定技能ということになるんだと思うんですけれども、相談をしに行きようがないでしょう。  これ、次の年度以降、平成で言えば三十二年度以降の整備目標というのはちゃんと持っているんですか。拡大する目標があるんですか。
  131. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 平成三十二年度以降、地方公共団体が設置、運営する一元的相談窓口への財政支援を行うための交付金につきましては、その必要性を踏まえ、今後検討してまいりたいと思っています。  その場合、交付金の対象とする地方公共団体につきましては、適時見直しを図っていく予定でございますけれども、今御指摘のありましたことも踏まえ、相談窓口の設置、運営状況や相談需要を踏まえ、地方公共団体への支援を検討してまいります。
  132. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 実際聞くと、たまりかねてサテライトをつくろうと検討している自治体もあるようですけれども、そこにも一つの一千万円という補助、交付金ということにとどまるんだというわけですね。これ、全然現場のニーズに合わない。  ハローワークはどうかと。先ほど櫻井議員からの質問もあっていましたけれども、この体制というのは地域間格差すごい大きいですよ。求職や雇用問題についての外国人労働者の相談を通訳できる人員というのは、これ、言語も例えば英語、ポルトガル語、スペイン語ぐらいに限られていますが、全国百二十八か所です。東北でいうと宮城、福島のハローワークにいるだけで、岩手、秋田などはそもそもいないんですよ。私、九州では福岡市と別府市だけですというふうに申し上げてきましたけれども、そこでも英語、中国語、それから韓国語の通訳さんがいるだけ。先ほど有田議員が指摘されたベトナム語に関しては、全国でハローワークで通訳がいるのは神戸と姫路の二か所だけですよ。ミャンマー語だとかネパール語なんかは一個もない。  これ、厚生労働省は、これを強化する、増員する、配置を増やすという方針は持っているんですか。
  133. 田畑一雄

    ○政府参考人(田畑一雄君) ハローワークにおきましては、従来より、外国人求職者ができる限り円滑に再就職できるよう、主に高度専門人材を対象とする外国人雇用サービスセンター、それから今委員御指摘のございました相談窓口に通訳員を配置している外国人サービスコーナー、全国百二十八か所に設けるとともに、全国全てのハローワークで利用できる電話通訳サービスを設けるなど、支援体制の整備に努めているところでございます。また、来年度におきましては、外国人雇用サービスセンターの増設を予算案に盛り込んでいるほか、人員体制等の面におきましても、都道府県労働局において外国人雇用対策に関する業務を担う外国人雇用対策担当官四十七名の配置、ハローワークにおける外国人労働者専門官七十七名の増員等々、できる限りの充実に努めているところでございます。  引き続き、こうした体制強化を図りつつ、地域において丁寧な就職指導、支援を行うとともに、事業主に対するきめ細かな雇用管理指導等を行ってまいりたいと考えております。
  134. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 今、厚労省が答弁されるように、つまり配置を増やすという方針はないんですよ。で、人員増ですね。ハローワークや労基の体制強化については私も皆さんのお手元に資料もお配りをしましたけれども、外国人労働者の権利保障やあるいは就労の安定、そのための事業所に対する訪問指導などのハローワークの体制というのは今でもとても大変なんだと。  平時だって大変ですけど、昨日、衆議院の委員会で我が党の議員が三重のシャープ亀山工場からの大量の日系人雇い止めの問題について質問させていただきましたけれども、リーマン・ショックのあの雇い止めのときも、それから今回のシャープの問題のような事態が起こったとき、これ、労働局、ハローワークというのは、これもう本当に大変でしょう。しかも、こんな事態がなぜ起こるのかというと、日常的な雇用管理の指導によって就労の安定は図られていないということが現実だということじゃないですか。その下で、これまで体制が強化をされているところにプラス七十七人などというような体制の強化は必要ですけれども、それでは到底対応できないと私は思うんですよ。  大臣にお伺いをしますけれども、外国人労働者の積極的な受入れ拡大をするんだというのは安倍内閣が強引に押し通そうとしていることなんです。そのツケあるいは矛盾を、職安や労基の現場だったりあるいは共生政策についての自治体だったり、そこに押し付けてしまうなんというのは、これ絶対に許されないでしょう。抜本的な人員増や予算の抜本的な増額、これやると、来年つくって、さらに翌年度は拡大していくと、そういう方針を持つのは当たり前じゃないですか。
  135. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) まず、外国人材の受入れあるいは共生のための対応をしっかりしなければならないというところにおきましては、全く認識を共有するところでございます。それがゆえに、この外国人材の受入れ・共生に関して関係閣僚会議というのを設けて省庁横断でやろうということ、そしてそれは官房長官とともに私が議長をやらせていただいております。  そして、その会議にこの総合的対応策をかけ、百二十六の施策、これを、これ要するに個々別々にやるというのではなくて、政府を挙げてできることをしっかり連携取ってやりましょうということであって、決して地方自治体に丸投げをするというところではございません。それにおいては予算が必要だということも十分理解しておりまして、今般、二百十一億円の対応策、これに加えて、地方創生交付金等も含めればもっと手厚くなるんだろうと思いますが、これをしっかりとやっていくということでございます。
  136. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 今大臣がおっしゃった二百十一億円というものの大方は、これまでも行ってきた施策の言わば焼き直しです。新規に行おうとするものというのはほんのごく僅かです。そういうことで、そういう今の政権のありようそのものが私は無責任だと言わなければならないと思うんです。  体制の強化は必要だとお認めになったんですが、そもそも労働法制の穴が広げられてしまえば、雇用は一層不安定になり、低賃金、低処遇が固定化させられるということになりますよね。  入管にお尋ねしますけれども、これ改めてなんですが、特定技能雇用契約、これは二週間とか一か月とか、そういう短期に基づく在留資格も認めるんですね。
  137. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 一号特定技能外国人に付与する在留期間につきましては、法務省令において一年、六月又は四月とすることとしておりまして、雇用契約期間に応じてこれらのいずれかの在留期間を付与することになります。今御指摘の二か月又は三か月の場合には、最短の在留期間である四月を付与することになります。  雇用期間が短いということのみをもって在留期間の更新が許可されないということはありませんが、短い雇用期間の積み重ねが続いているような場合に、労働環境等が諸規則に沿ったものとなっているかどうか慎重に調査するということはあると思います。
  138. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 入管が在留資格の審査において労働関係法令に従っているかどうかを審査するという趣旨の御答弁をされているんですけれども、実際、このシャープ亀山の件でもお分かりのとおり、こうした短期の雇用契約というのが、これが雇い止めという重大な事態の根っこになっているわけじゃないですか。  これ、そうした雇い止めというのは突然行われるんですね、とりわけ大企業の側の都合で。労働者は、三年あるいはこの特定技能一の上限五年、安定して働きたいという就労意思を持っている。それから、使用者の側もその技能を生かしてもらうために安定して働いてもらいたいと思っている。だったらば、その安定した就労を基礎付ける雇用契約、例えば三年とか五年とか、在留資格の更新は、それは一年ごとにやるんでしょうけれども、これは基本的にそういう意思が合致している以上更新すると、私はそれが当然だと思うんですよ。  それは、農業のように季節的な要素があるという部分について短い雇用契約というのを入管庁では想定しているのかもしれないけれども、そうでない分野については安定した雇用契約をしっかりと在留資格とともに認めるというふうにすべきじゃないですか。これ、大臣、どう思います。
  139. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 御指摘のところではあるんですが、労働法制の問題については、所管についてまた厚労省にもお尋ねいただきたいんですが、少なくとも、外国人だから例えば短期の契約が許されるというのであれば、それは差別的取扱いにも当たり得るということで、そういうところは受入れ機関としてやっぱり厳正に審査させていただく。審査の結果、受入れ機関として実質的にふさわしくないということであれば、これはこの受入れ機関としては認めないということになると思います。
  140. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 いや、受入れ機関として認めないというふうに一般的におっしゃるけれども、そうした水際といいますか、入国のときの審査あるいは在留資格の継続審査において、そんな状況において本当に外国人労働者の雇用の安定が図られるのかと。  厚労省、不安定雇用が広がって、低賃金、低処遇が固定化するということになったら、地域産業分野ごとに形成される労働市場、ひいてはその当該産業自体が劣化する、それは日本人労働者も含めて低賃金構造が固定化されると、そういうことになりませんか。
  141. 田畑一雄

    ○政府参考人(田畑一雄君) 外国人の場合ですと、求職活動に必要な情報を十分に有していないことから、離職した場合の再就職が容易でない場合もございます。また、再就職が困難な場合には不法就労に移行することも懸念されます。  また、不法就労に移行した外国人労働者の労働条件が低いまま放置されれば、若者や女性、高齢者等の就業機会が狭められるなど、労働市場の需給調整機能が阻害されることともなります。  こういったことから、厚生労働省告示として定めております外国人労働者の雇用管理の改善等に対して事業主が適切に対処するための指針におきましては、外国人労働者の就労、生活の安定を確保するとともに、不法就労を防止し、労働市場の健全性を保持する観点から、外国人労働者の安易な解雇等を行わないようにすることや、やむを得ず解雇等を行う場合には、在留資格に応じた再就職が可能となるよう必要な援助を行うように努めることを事業主に対して求めているところでございます。
  142. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 だから、私は労政審での徹底した審議が必要だと言ってきたんですよ。  転職の支援って受入れ企業に今度の法律で課しているというけれども、それは単にハローワークに同行するぐらいの話であって、転職が実現することを義務の内容にはしていないんですよ。これ、全部ハローワークだったり、あるいは自己責任だったりということで、こういう入管の裁量的判断に私は白紙委任するというのはとんでもないことだと、悪質な人材ビジネスに国家がお墨付きを与えるということになりかねないと思うんですよ。  そうした下で、もう一つ重要な、日本人が従事する場合の報酬の額と同等以上というこの省令案についても伺いますが、これ、どのような資料によって審査をするんですか。
  143. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) まず、この日本人との同等報酬基準ですが、受入れ機関に賃金規定がある場合には賃金規定に基づいて判断することになります。賃金規定がない場合、特定技能外国人と同等の業務に従事する日本人労働者がいれば、当該日本人労働者の報酬額を証明する資料に基づいて報酬の同等性を判断します。  同等の業務に従事する日本人労働者はいないものの、特定技能外国人が従事する業務と近い業務等を担う、業務に従事する日本人労働者がいる場合には、当該日本人労働者の役職や責任の程度について特定技能外国人との差が合理的に説明され、年齢及び経験年数を比較しても報酬額が妥当かどうか検討して判断することになります。  賃金規定がなくて、比較対象の日本人労働者もいない場合には、受入れ機関に対して、雇用契約書のほか報酬額が日本人と同等以上であることを説明する書面の提出を求めることとしています。さらに、この審査におきまして、雇用契約書上の報酬額と当局で保有します近隣同業他社において同等の業務に従事する同等程度の経験を有する特定技能外国人の報酬額を比較するなどする予定です。
  144. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 今おっしゃられるような要素というのは、結局その地域とその分野の低賃金構造というのを固定化していくということになるでしょう。最低賃金に違反してはならないということにはなると思います、当然。けれども、その最低賃金自体が全国で一律ではない、地域別の最賃になっていて、例えば東京と鹿児島なんて二百数十円も差があるんですよ。その構造を打開するということがどれだけ大変なことか。  これ、最後、岐阜の縫製業の実習生問題について、これは長年大問題になってきました。最賃違反や、休日の割増し賃金さえ払わない。宿泊料、高いというもの、天引きする。こうした問題について政府取り組んでこられたんですが、厚生労働省、どんな認識か。経産省、問題を解決したのか。お答えください。
  145. 福岡資麿

    ○理事(福岡資麿君) 時間が来ていますので、簡潔にお願いします。
  146. 田中誠二

    ○政府参考人(田中誠二君) 岐阜労働局において、技能実習生を雇用する実施者に対して重点的に監督指導しております。ここでは、特に縫製業の関係で、最低賃金に満たない支払とか割増し賃金の不払が多く認められておりまして、是正指導を行っているとともに、また、関係機関にも呼びかけて、情報の共有のための会議等を設置しながら、緊密な連携の下に労働条件の確保を図っているところでございます。
  147. 大内聡

    ○政府参考人(大内聡君) お答え申し上げます。  昨年六月の決定を踏まえまして、繊維産業界では法令遵守の徹底あるいは取引適正化の一層の推進などに取り組んでいるところでございます。  また、経産省といたしましても、様々な機会を通じまして徹底の要請を行っておりまして、技能実習の適正な実施が行われるよう努めてまいっております。
  148. 仁比聡平

    ○仁比聡平君 つまり、フォローアップ中であって、問題は解決していないわけですよ。  人手不足分野の深刻な事態の打開というのは、これは容易ではないのであって、そこに付け込んでブローカーが暗躍し、失踪実習生を生み出してきたわけです。これを九割はうまくいっているなどと言って強権で押し通していく、そんなやり方でこの四月に特定技能一の開始をする、実施をする、これ絶対にやめるべきだと。  安倍政権に人権や共生社会をつくっていくという資格があるのかと、そこが問われているということを強く申し上げて、質問を終わります。     ─────────────
  149. 福岡資麿

    ○理事(福岡資麿君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、佐藤啓君が委員を辞任され、その補欠として朝日健太郎君が選任されました。     ─────────────
  150. 石井苗子

    ○石井苗子君 日本維新の会・希望の党の石井苗子です。  本日は、維新に新たに入党されました山口和之議員と共に二人で質問をさせていただきます。  昨年、日本維新の会は臨時国会中に修正案を提出させていただき、賛成することで本法案が成立したものと、このように認識しております。四月からの施行に関しまして、その修正内容が形になって実行されていくかどうかを確かめるべく質問をさせていただきます。  山下大臣を中心に質問させていただきますが、修正案の提出の際に、我が党は三本の柱を出しまして、一つは見直しを三年から二年に短縮してほしい、二番目は外国人人材が大都市圏に過度に集中しないような措置をとってほしい、三番目にマイナンバーカード等を利用した管理体制の構築を修正案に入れました。  附則の十八条一には、外国人の在留管理、雇用管理、社会保険制度管理について、特定の個人を識別することができる番号等の利用の在り方について検討し、結果に基づいて措置を講ずると明記されています。委員会でマイナンバーカードについて私も再三質問をしておりますので、修正箇所の個人識別番号等の利用の在り方にマイナンバーカードの利用の検討が含まれている、これは明らかだと認識しておりますので、ここは修正案提出者の意思を尊重していただきたいと思います。  マイナンバーカードの利用について、今後はどこまで検討していくおつもりか、大臣にお答えいただきます。
  151. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) まず、その修正につきまして、本当に大変重要な修正であり、また、この修正に基づいて今回の改正、実効性あるものに更にするようにしっかりと取り組んでまいります。    〔理事福岡資麿君退席、理事伊藤孝江君着席〕  そして、マイナンバーカードを始め、個人識別番号の利用の在り方についてお尋ねがございました。  このマイナンバーカードの利用に関する認識につきましては、昨年十二月に成立した入管法等改正法の附則、御指摘の十八条において所要の措置を講ずるということとされており、マイナンバーカードの活用に関する検討等も含まれているというふうに認識しております。  他方、当局においては、中長期在留者の管理のために在留カードを用いております。この在留カードが在留許可時等に即時交付され、券面には在留資格等について最新の情報や就労制限の有無等が記載されるほか、常時携帯義務がある、事業主が在留カードを見ただけで当該外国人が就労可能な在留資格を有しているか否かを容易に判断できるなど、不法就労対策にも有効であるというふうに考えております。  こうした在留カードの有効性も踏まえつつ、これとはマイナンバーカードは性質が異なっている部分もございますので、その活用を図ることができないか、制度面や運用面での幅広い検討が必要となると考えておりますが、関係省庁によるタスクフォースでの議論等も踏まえて検討を進めてまいりたいと考えております。
  152. 石井苗子

    ○石井苗子君 ありがとうございます。  今までの議員の御質疑の中にもございましたように、これまでと同じことをやっていると何も問題が解決できないという点もございます。これはしっかり前を向いていろいろな具体的な解決案を考えていく必要があると思っておりまして、ここで、去年ですけれども、十二月四日、十二月六日の議事録を参考にして質問させていただきます。  十二月四日の法務委員会、政府参考人の和田雅樹氏が、想定している個人識別可能な番号とは、既に一般に利用されている例えばマイナンバーカードなども含めました様々な番号の活用ということでございますと答弁されています。続く十二月六日の議事録、法務委員会で政府参考人の向井治紀氏が、マイナンバーの利用そのものは難しいかもしれません、これはマイナンバーカードじゃなくてマイナンバーです、けれども、ICチップに公的個人認証という手段がございます、マイナンバーカードのICの利用は検討の余地が十分にあると答弁されています。    〔理事伊藤孝江君退席、理事福岡資麿君着席〕  マイナンバーという番号ではなくて、カードにICチップを入れてあるという形でマイナンバーカードを利用する、そして外国人の労働者の管理をきめ細かに行っていくということは具体的にどのぐらい検討されているか、お答えいただきます。大臣にお願いします。
  153. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 今、マイナンバーカードの利用について御指摘がございました。特にICチップの利用でございますね。  御指摘のマイナンバーカードも、これに在留カード情報というのを読み込んで言わば在留カードとの一体化ができるかというふうな御指摘、御意見と受け止めましたが、これ、例えば在留カードの券面情報をマイナンバーカードのICチップに記録することが考えられますが、これは、他方で、在留カードというのは先ほど申し上げたように常時携帯義務がございます。これがICチップに読み込んだ情報において常時携帯義務を満たしたと言えるかどうかということも、これも考えなければならないであろうということと、あと、在留カード情報の確認方法の問題、これ、リーダーがあれば読めるわけですが、マイナンバーカードで券面上在留カードに係る情報が明らかと言えるかどうかという問題もございます。  そうした制度面、運用面での幅広い検討が必要であるというふうにも考えておりますが、他方で、法務省においては、御指摘もございました、そして入管法等改正法の附則十八条第一項の規定も踏まえて、御指摘のICチップの利用も含め、マイナンバーカードと在留カードとの関係等について検討を行ってまいりたいと考えております。
  154. 石井苗子

    ○石井苗子君 何か新しいことをやると突破口が見えるということもございますので、ちょっとその関連性を受けて、ナンバーではなくて、これはいろいろ問題あると思います、日本での普及率がどうかとか銀行の問題もあると思うんですけれども、ICチップでそのカードの関連性を持っていくということで強化できるのではないかと私自身は思っておるんですが。  そこで、ちょっとお配りしました資料を見ていただきたいんですけれども、外国人労働者の管理につきまして、昨年十二月六日の法務委員会で、在留カードは、さっき御説明がありましたように、携帯の義務、それから就労制限や資格外活動許可の記載があります。正規に外国人材を雇用している雇用主は、これ大臣がおっしゃったことなんですが、雇用状況報告書の提出が義務付けているので出さなきゃならない、これは議事録に書いてあるんです。山下大臣の答弁が議事録にありますが、その報告書に在留カード番号を記載する記載欄がないので在留者の雇用把握が困難だと答弁されています。  この点につきましては、二十八ページ、総合的対応策百十六番、平成三十一年度中にやると、四月から三月の二〇一九年度中に措置を講ずることを目指すと書いてありますが、私はこれ厚生労働省の方に答えてくださいとお願いしたんですけれども、答えたくないとおっしゃるんですよ、はっきり申し上げますけれども。  これは、法務大臣、頑張ってください。見てください、これ、余白なんてたくさんあるんです。たったこれだけのことですよ。ここに、振り仮名と片仮名と外国の方の御氏名、ローマ字というこの上に記載欄を書けばいいだけのことです。在留カード番号を記載する記載欄がないので在留者の雇用把握が困難だというような答弁ではなくて、これ、日本の国民として、こういうことをお役所仕事ということでは、あしき慣例だということになってはいけない。ここは是非大臣に頑張っていただいて、ここに一つ余白に入れていただきたい。どうでしょうか。
  155. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 貴重な御指摘、ありがとうございます。  確かに、この雇用状況届出書には、番号でマッチングするということが極めてその同一の確認に適当であろうと、こういうふうにも考えております。例えば、ローマ字表記は慣れていない方だとやっぱりつづりを間違うこともある、そうなるとマッチングがなかなか難しいという部分もございます。  そうした御指摘も踏まえて、ただ、この書式の設定につきましては法務省のみでできるわけではございませんが、ただ、総合的対応策にもしっかりと明記されたところでございますので、総合的対応策の実現に向けてしっかり法務省としても頑張ってまいりたいと思っております。
  156. 石井苗子

    ○石井苗子君 不法滞在者をあえて雇用する事業者や専門ブローカーが存在している中で、不法滞在者を雇用している雇用主が雇用状況報告書の義務を守るわけないんです、ですよね。ですから、その点について同じ日の法務委員会で安倍総理が、不法就労者のあっせんブローカーや雇用主を、これらをなくすために、取締りを始め複合的な対策を取ることが重要であると認識をしておりますと発言されています。議事録残っています。  複合的な対策、これ、私が今言いましたように複合的ですけど、ほかに何か取締りでお考えが進んだでしょうか。
  157. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) まず、委員御指摘のとおり、カードの番号の記載のみで全て解決するというふうには考えておりませんで、これはやはり不法就労事案取締りのための対策を様々打っていかなければならないのであろうと考えております。  まず、不法滞在者を雇用する事業者やブローカー、これを取り締まるためには、先ほど申し上げております雇用主が厚労省に対して届け出る外国人雇用状況届出に在留カード番号を追加し、その情報の共有によって法務省が保有する情報との突合を確実に行い、外国人就労状況を正確に把握することということが必要であろうと。また、このほかにも、関連機関との連携による不法就労等事案の取締りでございますとか、あるいは不法就労等外国人及び悪質なブローカー、雇用主等に関する関係機関との緊密な情報交換ですね、不法就労防止等のための広報啓発、指導等の積極的な実施などの対策を重層的、複合的に行うことが重要であろうというふうに考えております。  そうしたことから、政府として、こういった対策、これは関係閣僚会議としても考えておりますし、政府を挙げて、より一層関係機関と連携してこれらの対策を講じて、不法就労、不法滞在対策を強力に進めてまいりたいと思っております。
  158. 石井苗子

    ○石井苗子君 去年と同じことを言っていると、進歩がないじゃないかとつつかれる。何でもいいですから具体的にやっていって、複合的な対策を組むと言いながら去年と同じことを言っているじゃないか、進歩がないじゃないかと言われないようにするためには、あと二か月で新たな外国人労働者の方々の受入れが始まるわけですから、過去はともかくとして、新たに個人の識別番号の利用について結論が出るのはいつ頃なんだというような質問が来ないように、維新といたしましては、マイナンバーでなくて、マイナンバーカードを外国人人材受入れ管理に利用するという提案をしたわけですから、これ連携性を持って新しい具体的な何か複合的なことでやったというようなことをやってみる、前に進歩しているんだということを示して、カードにどのような機能を持たせて不法就労労働者等を管理するかについてやっていると、これ大変重要なことだと思っております。  維新が提案しました三年見直しのところを二年に短縮して行うということについて質問いたしますが、これは附則の十八条の二に入りました。二年の見直し条項の対象は何と定められているのか、確認のために御発言をいただきたいと思います。  もう一つ、昨年の法案制作段階で検討が足りなかったという点が現時点でありますでしょうか。これは、国民の世論というものが、有権者の皆様もそう思っていると思うんですが、十四分野が急に出てきたということもありますし、そこの人材不足による見込みの数というのが後から出てきたというような印象がございますので、現段階で検討が足りなかったものは、あるとしたら検討不足だった点はどこだというようなお答えをいただけると有り難いです。
  159. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) まず、附則十八条の二項、これは特定技能の在留資格の制度の在り方について、施行後二年、関係者等の意見を踏まえて検討を加えるというふうな規定されております。この検討事項である特定技能の在留資格の制度の在り方には、地方公共団体の関与の在り方、特定技能一号又は特定技能の、技能を有するかどうかの判定の方法の在り方、技能実習の在留資格に係る制度との関係を含む旨が明記されたところでございます。こういった検討条項でも例示されております。  そういったことを含めて二年後の見直し等についての検討を進めているわけでございますが、まず現段階におきましては、国会における様々な御議論など、あるいはこの附則の修正等も踏まえて、これ、例えば基本方針、分野別運用方針、あるいは、今パブコメにかけております政省令案に落とし込んでいるところでございます。また、さらには総合的対応策ということにも落とし込んで、昨年中にその内容を公表しているところでございます。  今後、それらが施行後、我々としては考えられる部分についてしっかり手を打ったという認識ではおりますが、なお様々な御指摘について真摯に受け止めて、その検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
  160. 石井苗子

    ○石井苗子君 これは、検討が足りなかった点はここだからここまでやったと。目指しておりますとか検討を続けておりますとか関連機関においていろいろ連携を深めとかという、そういう通り一遍な答えではなくて、一つ一つここまでやったんだというようなことを言えば、ほかの方々の議員の質問にも先ほど答えたように、ここまでやったと、これは検討不足だと思ったからやったんだというような、大臣、頑張っていただいて、そのように返答ができるようにしていただきたいと思うんですが。  ここは法務委員会なんで、次の質問はちょっと重箱の隅をようじでつつくような、言葉遣いの微妙な質問をさせていただきますが、基本方針四の(四)のイ、人手不足状況の変化への対応というところでございます。  今後五年間の受入れ見込み数なんですが、こう書いてあります。大きな経済情勢の変化が生じない限り、特定技能一号の在留資格をもって在留する外国人の受入れを上限としと書いてありますね。この上限というこの書き方が少し問題があるのではないかと。文章の解釈の問題なんですけれども、受入れ方針については、法務大臣、外務大臣、厚生労働大臣及び国家公安委員会が必要に応じて方針を見直しと書いてあります。分野別に、この十四分野ですね、在留資格認定証明書を交付する、これをストップすることができたり、特定分野を削除する措置を講ずる検討もでき、手続も行うことができるとなっています。  そうすると、上限というものがありまして、もうこれ以上受け入れなくていい、この分野は削除していいという、これは分かりますよ。しかし、ここにあります経済の情勢の変化という問題です、文言ですが、もし景気が良くなる方向で大きな経済情勢の変化があったら受入れ人数をどうするのかは書かれてありません。  つまり、経済情勢で見直すということであれば上限設定の意味がない。いつでもフレキシブルに自由に上限というのを変化、見込み数イコール上限だったら、上限を変えていくこともできますよというふうに読めてしまいます。これじゃ目安にならないと思うんですね。  例えば、言葉を選ばないで申し上げますと、日本は移民国家になっていくのではないと、このように総理がおっしゃっています、移民政策ではないと。そうなりますと、上限は歯止めとして大きな意味を持つのではないかと。経済の情勢のいかんによっては上限の上の受入れを検討できるのであれば、上限を設定している意味がないと私は思うのですが、ここはっきりしてほしいんですけれども、大きな経済情勢の変化というのは景気が良くなった場合も入るのでしょうか。その場合は上限を引き上げるのでしょうか。大臣、どうでしょう。
  161. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 大きな経済情勢の変化とあえて明記しておりますのは、もちろん景気というのはいろんな波がございますけれども、単なる景気が良くなったというだけで大きな経済情勢の変化とは言えないんだろうと思っております。  ですから、そういうことをもって分野別運用方針を変えて受入れを、本来五年間、受入れ上限とするというふうな数字を変えるということは考えておりません。
  162. 石井苗子

    ○石井苗子君 今考えておりませんということで、三年の見直しを二年にしていただいたわけなんですが、この受入れ見込み数も見直すというところ、大変丁寧にやっていただきたい。閣僚会議でやるんでしたね、何人か外務省も入っているわけです。  私は、個人的に、上限は上限で、それほどむやみに上げたり下げたり、あっ、下げるのは、ここでストップというのはいいですが、上へ上へと動かすべきではないと私は思っております。  次の質問は、失踪防止対策についてお尋ねします。  新たな在留資格を設けるに当たって、技能実習生での失敗、これを繰り返さないためにどのような失踪防止対策を取るのかと。先ほどから出ておりますけれども、同じことを一生懸命強化してやってまいりますというような御意見だけなのか、前と同じなのか、どこが違うのか、もう一回お尋ねいたします。
  163. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) まず、新たな在留資格につきましては、これは自らの意思により転職を行う、当然、在留資格の変更を、手続を取っていただく必要がありますが、これは可能であるということでございます。  失踪防止の理由として、そうした給料が、適正な報酬が支払われていないということもございます。そうした中で、適正な報酬が支払われることを担保するために日本人と同等以上の報酬を支払うことを求めている。それのみならず、特定技能外国人に支払われる報酬を特定技能外国人が指定する金融機関の口座に振り込みをするということを求めるということで、しっかりと支払われているなということを担保していきたいと思っておりますし、届出事項を拡充することにより、同等報酬が確保されていることを継続的に確認することとしております。  また、失踪には様々な理由があろうかと思いますが、支援が足りないということであれば、これは一号特定技能外国人については、受入れ機関又はその委託を受けた登録支援機関によって職業生活上、日常生活上又は社会生活上の支援を行うこととしておりまして、これが円滑かつ安定した在留を期待することができると考えております。  また、受入れ機関に対して支援の実施状況に関する届出を求めることにより支援状況を的確に把握する、そして、受入れ機関に対する指導、助言のほか、必要に応じ立入検査や改善命令といった措置も講じることとしております。  そして、中には、やはり経済的な動機で更に高いところということで、在留資格を、適正な在留資格の変更手続を取らずに行くという場面もあります。本来の特定技能の仕事ではない仕事に就くこともあり得るんだろうと考えておりますが、そうしたことに関しては、例えば外国人雇用状況届出事項に在留カード番号を追加するといった先生の御指摘の手当てを取ることによりますれば、届出情報と当省の保有する情報との突合をより的確に行うことができるようになります。そうしたことになれば、失踪後、身分を偽って稼働するといった者の把握もより効果的に行うことができるのではないかということで、これも失踪防止対策として効果が期待できるというふうに考えております。  こういった方策によって、外国人材が円滑かつ安定的な在留を確保していくということで失踪の防止に努めてまいりたいと考えております。
  164. 石井苗子

    ○石井苗子君 ありがとうございます。  一枚より二枚の方がいいんですよ。このカードではできなかったけどこっちのカードで判明したということもできますので、是非具体的に、しっかりやりますとか強化していきますだけじゃなくて、具体的にやっていただきたい。  それで、百五十七億円という、総合的対応関連予算の不法滞在者対策百五十七億円、これ大きな金額なんですけれども、一番最後のページにあります、別紙というところにございまして、百五十七億円なんですね。これは予算委員会で出てくると思うんですが、是非是非、総合的対応策ですね、百十八番、外国人労働者の雇用形態、賃金などを把握するための統計と書いてあります。この統計、今、厚労でも問題になっておりますけれども、統計、こういったものでしっかりと、法務省がですよ、この機会に、新しくこの外国人受入れを四月からやっていくのに、統計にも専門家を置いて、たくさん外注はしているみたいですけれども、是非つつかれないようにしていただきたいと思って。  時間がございませんので最後の質問、今日は財務省の方においでいただいておりますので、総合的対応策九十八、外国人労働者の扶養親族が日本の国外に居住している場合、扶養控除の所得要件の判定、これについてお伺いします。この判定、どのようにやっていらっしゃいますか。
  165. 住澤整

    ○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。  所得税の扶養控除につきましては、扶養される親族の方に三十八万円、給与収入の場合ですと百三万円に相当いたしますが、こういった所得要件が課されてございます。この判定につきましては、日本国内で生じたいわゆる国内源泉所得を用いております。
  166. 石井苗子

    ○石井苗子君 今のお答えに基づきまして、次の質問に参ります。  そうしますと、外国の方の労働者、外国人労働者の扶養家族が日本国外でたくさん働いている場合でも扶養控除の対象になっているというのは、これ問題じゃないでしょうか。つまり、控除対象扶養親族に国内居住要件を設ける、このことも検討されるべきじゃないかと思っているんですね。  社会保険に国内居住要件が設けられていて税に設けられていないのはなぜかというような質問になるわけなんですが、その抜け道を通って、本当はたくさん稼いでいるのに税金は安くなるというような方法を取るとか、日本の扶養に関する控除の恩恵をどこまで広げていくかということにも関連ありますので、最後の質問です、これにお答えください。
  167. 住澤整

    ○政府参考人(住澤整君) 重要な御指摘かと思います。  国外に居住している扶養親族につきましては、四年前の税制改正におきまして一定の適正化措置をとっておりまして、その効果は出てきているところではございますけれども、依然として、御指摘のように所得要件の判定において国内源泉所得によっているために、国外で一定以上の所得を稼得している親族の方でも控除の対象になっているという課題がございます。そのため、今回の総合的対応策におきましては、所得の少ない親族の扶養による担税力の低下を調整するというこの控除の趣旨あるいは執行可能性といったところにも留意しつつ、国外居住親族に係る扶養控除等の適用の更なる適正化について検討を行うとされております。  御指摘のような国内居住要件ということに関しましては、所得税の扶養控除の場合、納税者の方が所得の少ない親族を扶養せざるを得ない場合に、所得税を負担するだけの経済的な能力が一定程度低下するということに対する配慮という性格がございまして、主な諸外国の扶養控除に相当する制度を見ましても、必ずしも国内居住要件というのを設けていないというのも実情でございます。  そういったところも踏まえながら、この総合的対応策に沿って、今後、諸外国とのバランスでありますとか扶養控除の趣旨も踏まえながらきっちりと検討してまいりたいと存じます。
  168. 石井苗子

    ○石井苗子君 緻密にやってください。  質問を終わります。
  169. 山口和之

    ○山口和之君 引き続きまして、日本維新の会・希望の党の山口和之です。今まで無所属でしたが、新しい会派となって最初の質問です。よろしくお願いいたします。  本日は、まず、検察官手持ちの証拠の全面開示についてお伺いしたいと思います。  現在、厚生労働省の不適切統計が大きな問題となっております。また、昨年は財務省の公文書改ざんが大きな問題となりました。このように、残念ながら行政当局が過ちを犯してしまうケースは不可避的に発生します。  ところが、日本では、行政の無謬性という神話の下、行政当局は過ちを犯さないということを前提として制度が設計され、過ちを発見し、改めるための対策を用意してきませんでした。このことが行政当局による不正を横行させてしまっている最大の要因ではないかと思っております。  行政当局は過ちを犯してならないし過ちを犯さないとする行政無謬性という考えについて、山下大臣はどのようにお考えなのか、お教え願います。
  170. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 御指摘の行政の無謬性という言葉につきましては、様々な論者によって様々な文脈で用いられておりますが、委員御指摘のように、行政が過ちを改めようとしないというような文脈でも用いられているものと承知しております。  私自身としては、行政は国民の皆様の信頼の上に成り立っていると、で、職員は法令に従って誠実に職務を遂行しなければならないと考えております。したがって、誤りを生じさせた場合には、これを速やかに改め適切に対応すべきということは当然であるというふうに考えております。
  171. 山口和之

    ○山口和之君 法務省、検察庁が犯してきた過ちには、全員が無罪となり国家賠償も認められた福島県の松川事件や、無期懲役の確定判決が再審無罪となった布川事件などのような証拠隠しによる冤罪事件が挙げられます。  証拠隠しによる冤罪事件について、当該事件を担当した検察官が処分を受けたことはあるのでしょうか。また、検察官の証拠隠しによる冤罪事件を防ぐための効果的な制度は存在するのでしょうか。お答え願います。
  172. 小山太士

    ○政府参考人(小山太士君) お答えを申し上げます。  まず、お尋ねの検察官の証拠隠しによる冤罪事件が何を意味するかというのは非常に難しいところがございますけれども、証拠に関連する事件で処分があったというものといたしまして、事件の証拠であるフロッピーディスク内に記録されたデータを改変するなどした事実により検察官を懲戒処分に付した事案があるところでございます。  それから、この実効的な制度はないのかというお尋ねでございます。これは、やはり証拠に関係する制度についてちょっと御紹介いたしますと、平成十六年の刑事訴訟法の改正におきまして、公判前整理手続におきまして、まず検察官請求証拠の証明力を判断するために必要な一定の類型の証拠を開示する類型証拠開示という制度、それから、被告人側の主張が明示されましてから主張に関連する証拠を開示するという、これは主張関連証拠開示と申しますけれども、こういうような証拠開示の制度が導入されております。これらにより、被告人の防御の準備のために必要かつ十分な証拠が開示されることとなっております。  また、証拠開示制度におきましては、被告人側において検察官が法律上開示すべき証拠を開示していないと考える場合には、中立な立場にある裁判所に開示命令を求めることが可能でありまして、その場合、裁判所が客観的に見て開示の要件を満たすと判断するときには検察官に開示を命ずることとなっております。そして、裁判所が開示命令を求める請求について適正に判断することができるように、検察官に対して、開示を求める証拠の提示や、検察官が保管する証拠であって裁判所の指定する範囲に属するものの標目を記載した一覧表の提示を命ずることができる仕組みも設けられております。  また、さらに、平成二十八年の刑訴法の改正がございまして、証拠の一覧表の交付手続という制度も導入されております。こちらは、被告人側が証拠開示請求するための手掛かりとして、検察官の手持ち証拠の標目等を記載した一覧表の交付を受けることが可能となったところでございます。この一覧表は、被告人側において検察官が開示した証拠が十分なものかどうかや裁判所に開示命令を求めるかどうかを検討する資料ともなり得ると考えられるところでございます。  このように、証拠に関係しまして、証拠開示の制度が検察官の恣意的な判断による証拠の不開示という事態が生じないものとなっていると考えているところでございます。
  173. 山口和之

    ○山口和之君 冤罪事件を防ぐための実効的な制度としては、検察庁が断固として認めない検察官手持ちの証拠の全面開示しかないように思うんですが、そもそも検察庁は検察官手持ちの証拠の全面開示を拒んでいるように思われます。よく証拠あさりによって虚偽弁解が作出されるおそれがあるということを理由に挙げておりますが、そのことは、証拠隠しによって冤罪を作出することができてしまうという制度的欠陥を放置してよい根拠になり得るのか疑問があるところでございます。  証拠あさりによって国家国民が被る不利益と証拠隠しによって国家国民が被る不利益について、山下大臣はどちらが深刻な問題とお考えでしょうか。
  174. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 委員お尋ねの証拠あさりや証拠隠しの意味するところは必ずしも明らかではないんですが、検察官手持ち証拠の開示の在り方については、これは、罪証隠滅、事件関係者のプライバシー侵害や審理の遅延といった証拠開示に伴う弊害の防止にもやはり十分配慮する必要があろうと思っております。もとより、被告人側の訴訟準備や争点整理等が十分なされるよう、そういったところで開示の必要性と弊害の双方を勘案して検討すべきものであり、そのいずれかを重視して決すべきものではないというふうに考えております。
  175. 山口和之

    ○山口和之君 確かに、全ての事件で検察官手持ちの証拠の全面開示を認めるとなれば、関係者の名誉、プライバシーの侵害、罪証隠滅、証人威迫等の弊害が生じたり、国民一般から捜査への協力を得ることが困難になるおそれがあるということは否定できません。しかし、検察側の主張と被告人、弁護人側の主張が真っ向から食い違っているときなど、真実の発見のために必要性が高い場合に限って検察官手持ちの証拠の全面開示を認めても、さきに述べたような弊害等はほとんど生じないはずですし、生じたとしてもやむを得ないと言えると思います。  検察官に手持ちの証拠の開示、不開示の決定権を認めている現在の運用は、検察官が証拠の評価、提出等に関して過ちを犯さないということを前提にしており、極めて危険です。検察がこれまで繰り返し犯してきた証拠隠しという過ちを早期に発見し改めるためには、すなわち、検察官の証拠隠しによる冤罪をなくしていくためには、一定の条件下での検察官の証拠の全面開示を認めるしかないと思いますが、山下大臣はどのようにお考えでしょうか。
  176. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 御指摘のようないわゆる検察官手持ち証拠の全面開示制度につきましては、証拠開示制度の導入当時にも議論されました。その中で、被告人側の主張が明らかでない段階で全ての証拠を開示すると争点及び証拠の整理が十分されなくなるのではないか、罪証隠滅や事件関係者のプライバシーが侵害されるのではないかという弊害が指摘され、採用されなかったところでございます。  そこで、公判前整理手続において、まず、検察官請求証拠の証明力を判断するために必要な一定の類型の証拠を開示し、これは類型証拠開示でございますし、また、被告側の主張が明示されてから主張に関連する証拠を開示する主張関連証拠開示という現行制度が導入されました。これにより、被告人の防御の準備のために必要かつ十分な証拠が開示されることになったと私は考えております。  その後、法制審議会や新時代の刑事司法制度特別部会においても証拠開示の在り方について改めて議論がなされました。で、現行制度の運用状況に鑑みても現行制度の枠組みを改める必要はないとされたところでございます。  したがって、お尋ねのような全面開示の仕組みについては、私としては、その現行制度、弊害があるということも考えますと、現行制度の枠組みを改める必要がないというふうに考えており、その採用は慎重な検討が必要であるというふうに考えております。  ただ、二十八年の刑事訴訟法の一部改正により、証拠開示制度の拡充として証拠の一覧表の交付手続の導入等の法整備がなされたところであるということでございます。
  177. 山口和之

    ○山口和之君 現在審査中の松橋事件においても、証拠隠しがあったと言われております。この事件が再審無罪となれば、検察の信頼が地に落ちるのは何度目になるのでしょうか。行政当局は過ちを犯すし、検察官は証拠隠しをしてしまう、この事実をスタートラインとしなければ進歩はないと思います。この事実を受け入れ、証拠隠しをしにくく、かつ発見しやすい制度をつくっていくことが不可欠と思います。山下大臣には、検察官手持ちの証拠の全面開示を一日も早く実現させ、証拠隠しによる冤罪がゼロに近づけていただきたいと思います。  次に、被告人の出廷の際の手錠、腰縄姿に関して、無罪推定及び被告人の人格権についてお尋ねします。  先日、カルロス・ゴーン氏が勾留理由開示を行った際、手錠、腰縄姿での出廷だったことに対して、日本の司法は前近代的で遅れているとの批判がなされています。そもそも、刑事訴訟法二百八十七条一項は公判廷における被告人の身体拘束を禁止しているため、手錠、腰縄での出廷は違法とも思えるのですが、そうではないのでしょうか。同項が公判廷においては被告人の身柄を拘束してはならないと定めている趣旨はどこにあるのでしょうか。
  178. 小山太士

    ○政府参考人(小山太士君) お答えを申し上げます。  お尋ねの刑事訴訟法二百八十七条一項の規定につきましては、一般に、公判廷における被告人の自由な防御活動を保障するとともに、手続の公正を確保しようとする趣旨であると解されております。
  179. 山口和之

    ○山口和之君 刑事訴訟法二百八十七条一項の趣旨を被告人の自由な防御活動の保障と手続の公正の確保のみに求め、裁判官が入廷して開廷を宣言してから閉廷を宣言するまでが公判廷であり、その間だけ身体拘束をしなければよいという解釈は極めて人権保障の視点を欠いたものであり、憲法の理念にも反すると言わざるを得ません。公判廷における被告人の身体拘束を禁止する刑事訴訟法二百八十七条一項は、無罪推定の原則及び被告人の人格権保護をもその趣旨としていると解釈すべきだと思います。  時間となりましたので、これで終わらさせていただきたいと思います。
  180. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 沖縄の風の伊波洋一です。  今回の新たな外国人材の受入れについては、昨年二月、安倍総理が検討を指示、六月に骨太の方針としての方向付け、十一月二日に閣議決定という異例の早さで進められました。日本社会の将来を大きく変える法改正であるにもかかわらず、国会において十分な議論がされないまま採決に至りました。審議時間の短さのみならず、審議における政府の姿勢にも課題がありました。国会答弁において検討中とされていた制度の詳細が法案成立直後に次々と報道で明らかになった点は非常に問題です。材料を持っていたにもかかわらず、それを国会審議において見せないでその場をやり過ごそうとした法務省の姿勢は、国会軽視との批判も免れません。年末にやっと明らかになった政省令案や外国人受入れ・共生のための総合的対策についても、日本で暮らす外国の方が果たしてこれで安心して暮らすことができるようになるものなのか、また、日常生活において外国の方と接する市民や自治体にとって受入れ体制として十全なものなのか、疑問が残ります。  本日は、これまでの技能実習制度、四月からの新制度や外国人の人権保障の観点に立った制度設計の重要性などについて質問をしていきたいと思います。  技能実習制度の検証について伺います。  入管法改正の議論において大きな争点となったこれまでの技能実習制度の問題、これを検証するためのプロジェクトチームが昨年十一月十六日に設置されたと承知しています。このPTの検討会の開催状況と議事録の公開状況をお知らせください。
  181. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 御報告いたします。  これまでに合計十回の検討会が開催されておりまして、第一回から第五回までの議事要旨を既に法務省のホームページに掲載をしております。なお、第六回以降の議事要旨につきましても、準備でき次第掲載をいたします。
  182. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 十回開催されたうち半分しか公開されておらず、しかもそれが要旨にとどまるということは、検討過程の透明性の観点から問題であると考えます。  十二月六日の参議院法務委員会で糸数議員がPTの検証過程の公開状況を質問したところ、当時の入管局長は速やかにホームページで公開をする予定と答弁されました。速やかにと言っているわけですから、大臣、今後は速やかに公開されるということでよろしいでしょうか。
  183. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) お答えいたします。  可能な限り速やかに議事録を掲載するという方針の下で掲載しておりますし、今後も、準備でき次第なるべく早く議事録を公表してまいりたいと考えております。
  184. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 私も検討会議の議事要旨を目を通しましたが、第二回では、受入れ側における低賃金、長時間労働等の労働関係法令違反への対応、失踪技能実習生に係る聴取票等の項目が示されたと。出席者からは、労働関係法令違反に限らず人権侵害的な事例を広く視野に入れるべきなどの意見が述べられ、問題となるものについては適宜検討していくとしています。  同プロジェクトチームについては、山下法務大臣は昨年十一月二十日の記者会見で、技能実習生への賃金の不払や最低賃金以下での労働など、労働関係法令違反や失踪技能実習生の問題などが制度発足以来指摘されていましたと述べているように、平成五年、一九九三年の制度発足以来問題となってきたことを検討することになります。  大臣は、平成二十八年十一月に成立し、平成二十九年十一月から施行されている外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律で適正化を図ってきたと述べていますが、在日米国大使館のウエブサイトに掲げられている二〇一八年人身取引報告書の日本に関する部分では、外国に拠点のある募集機関による過剰な金銭徴収の阻止を目指した同法、技能実習制度改革法の規定を政府は十分執行できていないと指摘をしています。  法務省として、平成二十九年十一月施行の新技能実習制度による技能実習生の保護の有効性についてはどのように評価しているでしょうか。
  185. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 新しい技能実習法の中には、制度を適正に管理をするための規定、そして今御指摘の技能実習生の保護に関する規定等が含まれてございます。特に、保護につきましては、新しく創設をされました技能実習機構におきまして実際に技能実習生の方から多言語で相談などを受けるとともに、一時的に宿泊場所がなくなったような技能実習生につきましてその宿泊場所の提供などをするという保護の実績を上げているところでございます。
  186. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 これまで、技能実習制度は国連人権機関や米国国務省などから人権侵害や人身売買であるとして厳しく批判されてきました。技能実習という名目で、実際には労働者として導入している外国人労働者の権利の保護が不十分なままになっているからにほかなりません。本日の委員会でも、新規に増えている国々で三六%や一九%も失踪しているという現状が報告されました。  新たな外国人労働者の導入制度の実施と併せて、第三者委員会を設置して新制度への移行や現行の技能実習制度の廃止も含めて検討すべきではないか、大臣の見解を求めます。
  187. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) まず、この技能実習制度の検証につきましては、今、弁護士でもあります門山政務官率いるプロジェクトチームにおいて今しっかりと検証をしていただいているところでございます。  そしてまた、技能実習法の成立につきまして、先ほど伊波委員からも御指摘のあったアメリカ国務省の人身取引報告書では、昨年六月、こういった取組を受けて、第一ランク、つまり基準を満たしている国というふうに評価替えをアメリカ国務省はしております。  そういったことも踏まえて、我々、この技能実習法について、これ二十九年十一月から施行ということになりましたので、この運用をしっかりとやらせていただきたいというふうに考えております。
  188. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 私が先ほど引用したのは、現在掲げられている、今御指摘の六月の文書ですので、やはりそこはしっかり受け止めていきたいと思います。  最後に、この技能実習生について、労働者であること、したがって労働関係法令が適用されているということを確認をして、この件に関する質問を終わりたいと思いますが、答弁をお願いしたいと思います。
  189. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 委員御指摘のとおりでございます。
  190. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 附帯決議について伺います。  参議院法務委員会では、改正入管法に対する附帯決議が付されました。附帯決議の九項目めには、外国人が不当な差別を受けることなく我が国社会で共生と書かれています。  非常に大切な文言だと思いますが、差別を防止するために国はどのような具体的な取組を行っていくのでしょうか。
  191. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 外国人に対する偏見や差別を解消するには、互いの文化の多様性や言語や生活習慣等の違いを理解し、尊重することが重要と認識をしております。  このような観点から、かねてより、法務省といたしましては、啓発ビデオや啓発冊子等を用いた様々な啓発活動に取り組んでいるところです。また、従来から、多言語に対応した外国語人権相談ダイヤル及び外国人のための人権相談所等の窓口により、外国人の方からの人権相談に対応しているところでございます。  こうした取組を継続していくとともに、関係閣僚会議において了承された外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策におきましては、国民及び外国人の双方の意見に耳を傾け、それらの意見を共生施策の企画立案に適切に反映させる、外国人を含む全ての人が互いの人権を大切にし支え合う共生社会の実現を図る、外国人が悩みを抱いた場合に適切な情報や相談場所に迅速に到達することができるよう、地方公共団体における相談窓口の設置、拡充への財政支援などの外国人との共生の必要性や意義についての国民の幅広い理解を得るための施策を実施していくこととしています。  こうした取組を通じまして、外国人が不当な差別を受けることなく我が国において安全、安心に暮らしていけるよう取り組んでまいります。
  192. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 国連の人種差別撤廃委員会からは、日本における差別禁止についての包括的な法の不在を繰り返し指摘されています。今回の入管法改正を受けて、外国人支援団体からもそのような声が聞こえてきます。  外国人との共生を進めるに当たっては差別の禁止に関する法律の策定は不可欠だと言えますが、大臣、いかがでしょうか。
  193. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 委員の御指摘は、包括的な人種差別禁止法案の制定を求めるものではないかと今理解いたしましたが、もとより、外国人に対する不当な差別があってはならないものと認識しております。  他方で、我が国では既に、雇用や教育、医療、交通、そして国民生活に密接な関わり合いを持ち、公共性の高い分野について、各分野において個別の関係法令により広く差別待遇の禁止が規定されております。これにより、不当な差別の防止が図られているというふうに考えております。  その上で、法務省の人権擁護機関では、人権相談等を通じて、外国人であることを理由とした差別的取扱い等の人権侵害の疑いのある事案を認知した場合、これは、これらの個別の関係法令等に照らし、人権侵犯事件として調査を行って、事案に応じた適切な措置を講じているところでございます。  そうした個別的なきめ細かな人権救済、これをしっかりと推進してまいりたいと、それによって差別のない社会、共生社会の実現を目指してまいりたいと考えております。
  194. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 国連等からも具体的に何度も繰り返し指摘されているのは、やはり包括的な差別禁止法というのがあると日本の人権意識というのが、国としての人権意識がしっかりやはりそれを示すことができますので、引き続き沖縄の風としてはこれからも求めてまいりたいと思います。  総合的対応策について伺います。  附帯決議の九項目めに書かれているワンストップ型の相談窓口について伺います。  これは、外国人の受入れ・共生のための総合的対応策にも書いてあることは承知しています。非常に大切なものだと思います。しかし、総合的対応策によるワンストップ型の相談窓口が設置されるのは約百の市町村のみです。日本には千七百以上の市町村があり、千六百の自治体には相談窓口がありません。外国人の方が相談窓口にアクセスしやすくするためには増やすべきではないでしょうか。
  195. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 今回、約百の市町村に対する支援を行うこととしておりますけれども、都道府県や指定都市のほか、外国人が多数居住する市町村においては外国人からの相談需要が多く見込まれることから、これらの地方公共団体を対象として一元的相談窓口の整備を支援することとしたものです。  今後でございますけれども、地域における外国人の在留状況や地方公共団体の皆様からの御意見、御要望、外国人の相談需要の多寡等も踏まえまして、一元的相談窓口の設置、拡充の取組を支援し、外国人の適切な相談環境が確保されるように取り組んでまいります。
  196. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 沖縄の場合、労働局に外国人相談窓口が設けられていないことが報道されております。自治体にワンストップ型の相談窓口に当たるようなものがないとも伺っています。  今後、具体的にどういった計画でワンストップ型の窓口、相談窓口を設置される予定でしょうか。特に沖縄県について、外国人相談窓口などの整備についてどのような計画を進めていく考えでしょうか。
  197. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 今後の具体的計画といいますか、段取りでございますけれども、交付金の交付要綱などを作成をしてお示しし、都道府県等から申請をしていただくことになります。  既に、法務省におきましては全国の都道府県の皆様に対する説明会を開催をしてございまして、沖縄県からも御参加をいただいているところでございます。もとより、手順等につきまして御疑問等ございましたら、お問合せをいただけましたら丁寧に御説明を申し上げます。
  198. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 先ほど来の質問の中でもこの件について交付金措置があるということでございますけども、法務省としてどのように沖縄県なりあるいは自治体なりを支援していく考えでしょうか。
  199. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) ひとしく交付を申請をしていただきましたところに要綱に沿った審査と申しますか、検証をしました上で交付金をお渡しをすることになります。その後につきましても、お金を渡しただけではなくて、内容につきまして必要な相談をするべく、入国管理の職員を派遣をしたり、その窓口にいらっしゃる皆さんのための研修などの措置をとっていきたいと思っております。
  200. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 実際、運用されることになれば、それぞれのところでいろんな問題が起こってくるわけですから、是非しっかりと責任を果たしていただきたいと思います。  総合的対応策に関連して、もう一つの質問です。  基本的な考え方では、法務省の司令塔的機能の下という中から、法務省の総合調整機能の下に変わっています。司令塔から総合調整とはトーンダウンした印象ですけれども、役割に変化があるということでしょうか。
  201. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) お答えいたします。  総合的対応策を検討しておりました初期の段階では、この司令塔的機能という私どもよく話し言葉で使っておりました言葉を使っておりましたけれども、成文をする段階になりまして、七月二十四日の閣議決定によりまして私ども法務省にこの受入れ環境整備の総合調整機能というものが付与されたことから、そこで使われた総合調整という言葉を最終的な文書の文言にしたものでございますが、表現の変更の前後で法務省が果たすべき役割に違いはございません。
  202. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 それでは、法務省が司令塔的機能を引き続き果たすということは、共生政策の実行もまた法務省の責任において行うということでよろしいのでしょうか。
  203. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) この総合的対応策に盛り込まれました個々の施策につきましては、それぞれの担当省庁において責任を持って実施されるべきものでございます。法務省におきましても、一元的窓口の設置に係る地方公共団体への支援制度の創設など、所掌する施策をしっかりと推進をしてまいります。  それに重ねまして、法務省は外国人の受入れ環境の整備に関する総合調整機能を果たすべき立場にございますので、その責任をしっかりと果たし、この対応策に盛り込まれた施策の適切な推進を図ってまいります。
  204. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 総合的対応策には百二十六もの施策が書かれていますが、それらがきちんと実施されているかの確認は誰がどのように行うのでしょうか。
  205. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 総合的対応策においては、国民及び外国人の声を聞くなどしつつ、定期的に総合的対応策のフォローアップを行うというふうにされております。こうしたフォローアップは極めて大事であると考えておりまして、法務省において外国人の受入れ環境整備に関する総合調整機能を果たして、フォローアップを適切に行ってまいると。そして、その際には、例えば外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議などの枠組みの中で関係省庁とも共有して、政府一体となった取組に生かしてまいりたいと考えております。
  206. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 四月施行となればこれは待ったなしの取組ということになると思いますけれども、これは、法務省としては、具体的なスケジュール感とか、そういったことも含めてきちんと今準備をしているということでいいのでしょうか。どうですか。
  207. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) 新たな外国人材の受入れを含む入管法の施行については四月一日でございますし、また、その四月一日から出入国在留管理庁が設置されるところでございます。そうしたところで、四月一日から円滑に業務あるいは施策が推進できるようにしっかりと準備をしてまいりたいと思います。
  208. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 権限の委任について伺います。  改正後、入管法六十九条二、権限の委任に関して質問します。  入管法に定められている法務大臣の権限のうち、何が入管庁長官に委任され、何が地方入管局長に委任されるのか、入管法改正案では明らかにされていませんでした。法令で定めるとしか書いていません。そこで、関係法令の整備に関する政令案の概要を見たところ、必要に応じ、法務大臣を出入国在留管理庁長官に改める等の所要の規定の整備を行うとしか書かれていません。これでは全く具体的な説明にはなっていません。国民や来ていただく外国の皆さんに説明が付きません。  入管法が行う決定は、外国の方がこの国で生きることができるのかを決める重要な決定です。それを誰が決めているのか、何か不服がある場合は誰に申し立てるべきなのか、その不服の申立てを受けて、再度審査を行うのは誰なのか、これがはっきりしないままでは、外国人の権利を守ろうという観点に立った制度設計をしていないのではないかと思ってしまいます。  昨年十二月四日の参議院法務委員会での糸数議員の質問で、難民認定申請を例にこの点を指摘しました。それに対して大臣は、「出入国在留管理庁長官及び地方出入国在留管理局長への権限委任の可否について検討しているところ」とおっしゃっていましたが、検討の結果は出たのでしょうか。
  209. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 御指摘の入管法上の権限のうち、出入国在留管理庁の設置後も法務大臣の権限とされている具体的な案件を見ますと、類型的判断が可能な事案が多数であるものもございます。このような権限については、法務大臣が自ら権限行使することを可能とした上で、出入国在留管理庁長官や地方出入国在留管理局長に権限を委任することが適当でありまして、現在、その方向で政省令の準備を進めているところでございます。
  210. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 それで、検討はいつ頃には終了し、どのように報告されるのでしょうか。
  211. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 検討の結果、政省令において規定をすることとなりますが、三月中、できるだけ早くに公布できるよう作業を進めてまいります。
  212. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 次に、入管行政における適正手続について伺います。  外国人の出入国、難民の認定又は帰化に関する処分及び行政指導は、行政手続法から適用除外とされています。今後、より多くの外国人を日本に受け入れようとしていく中、在留資格の変更や取消し、時には収容所からの仮放免申請といった外国人の出入国に関わる行政処分の数も増えていくでしょう。  外国人にとって魅力的な環境を整えるという意味でも、こういった手続の適正性をいかに確保するかという視点が必要かと思います。適用除外であるとはいえ、外国人の出入国や難民に関する手続においても行政手続法の目的において定められるところの公正の確保と透明性の向上を図っていくということでよろしいでしょうか。
  213. 山下貴司

    ○国務大臣(山下貴司君) まず、適用除外につきましては、これは、外国人の出入国や難民の認定に関する処分は、基本的に国家の裁量による、国家の主権に関わる事項であるということで国家裁量が認められているというところでございます。  こうした分野について、一般国民に対する通常の処分等を対象とする行政手続法を適用するということは、この行政手続法の意図するところではないため適用除外とはしているものと承知しておりますが、外国人の利益を保護するために、入管行政の様々な手続において、やはり公正の確保と透明性の向上は、これまでも図っておりますし、今後も引き続きしっかりやっていきたいというふうに考えております。
  214. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 今回、新たな法令は、要するに、日本の国の一つの産業や様々なところのニーズに合わせて外国人を迎え入れて、そしてそこにやはり協力をいただくという、そういう意味での取組であろうかなとも思います。それにおいて、従前の制度の悪かったところをきちんと直していかなきゃいけない。  やはり、そういう意味では、今、外国人、先ほど来の質問の中でも、本当に百万を超える多くの方々が国内で働いていると。それで、永住できないわけですから出入国は常にあるということを考えますと、ここら辺におけるやはり公正の確保と透明性の向上を具体的にどのように図っていくかということはとても重要だと思います。また、今後図っていく予定があるのかですね。  外国人の出入国に関する行政処分のうち、上陸手続、在留資格の取得、更新、変更、取消し、仮放免申請、難民認定申請、退去強制の手続等において、適正手続の保障がやはり必要だと思います。現在、情報公開によって難民認定事務取扱要領などが開示される程度で、しかも難民認定基準や仮放免の基準も明確でないなど、透明性としては程遠い状況です。せめて手続についてはガイドラインなどを公表して説明責任を果たすべきではないか、お答えください。
  215. 福岡資麿

    ○理事(福岡資麿君) 時間を過ぎていますので、簡潔にお願いします。
  216. 佐々木聖子

    ○政府参考人(佐々木聖子君) 現在でも、今委員御指摘の手続に関しまして、在留資格更新、変更のためのガイドライン、それから永住許可のガイドライン、それから難民につきましては、難民審査参与員制度の導入、あるいは判断のポイントを明確にした難民認定、不認定等の事例を公表しているところでございます。また、退去強制手続につきましても、法務大臣が特別に在留を許可する在留特別許可に係るガイドラインとして策定し、公表しております。  極力、行政手続法を踏まえた手続の在り方につきまして、各種内部通達などで規定をしているところでございます。
  217. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 どうもありがとうございました。  外国人にも分かりやすく、広く知られるようにしていただきたいと思います。  ありがとうございました。
  218. 福岡資麿

    ○理事(福岡資麿君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後四時三十三分散会